(新)やはりこの素晴らしい仲間たちには祝福を!! (write RIDER)
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プロローグ 彼が異世界に行く前の少し悲しい話

どうも皆さん。新しくなって帰って来ました。賛否両論あると思いますが、少し暖かい目で見てください。お願いします

今回は少し短くなっております。


「今日は楽しかったねぇ!八幡」

 

 

俺はさっきの卒業式パーティーよりも今の方が楽しいぞ、なんたって戸塚と二人きりで帰ってんだからな!

 

 

「まぁ、戸塚が楽しかったんだったら良かったんじゃねぇの」

 

 

「うん!」

 

 

今日俺達は卒業式のパーティーがあった。そして今戸塚と二人で帰ってる最中だ

 

 

「ねぇ八幡、二人の気持ちは本物だよ。だから次は返事をちゃんとしてあげてね?後、勘違いだとか一瞬の気の迷いだとか言っちゃダメだからね?」

 

 

怒ってる戸塚も可愛いな

 

 

「あぁ、善処するつもりだ」

 

 

そう、俺は今日の卒業式の後、屋上で奉仕部の二人から告白を受けた

 

 

だが、俺は二人の告白を保留にして貰った。我ながら最低な事をしたと思う。だが、俺は三人で一緒のあの時間が好きだった。壊したくなかったのだ。奉仕部の二人は少し涙を流していたが大学でもっとアピールをして振り向かせて見せると言われた。だから俺のキャンパスライフはまともには送れないであろう。

 

 

「もー八幡はいっつもそうなんだから」

 

 

戸塚とは三年生になっても同じクラスだった、クラス内でよく話すし、遊びにも行く、俺が中学時代持てなかった友達という関係なのかもしれない

 

 

「そうかもしれないな」

 

 

二人での帰り道、交差点の信号が青になった

 

 

戸塚が先に行き渡ろうとすると、ふと右側の方を見ると猛スピードでトラックが走ってきていた。俺は嫌な予感がしたが戸塚はまだ気づいていないらしい。

 

 

「戸塚!速く戻って来い!」

 

 

「どうしたの?八幡」

 

 

違う!戸塚!止まるんじゃない!戸塚とは反対に更に加速するトラック。ようやく戸塚はトラックが走って来ていることに気がついた

 

 

「え?」

 

 

戸塚は恐怖心からか足が全く動かないらしい

 

 

「戸塚ぁ!危ない!」

 

 

ドガァァァァ!!

 

 

くっそこれはもう無理だな、入学式の日みたいに普通のスピードじゃないし、相手トラックだし

 

 

ごめんな小町お兄ちゃんあのアホ父より先に逝くかもしれない。小町をまた家で一人にしてしまうかもしれない、悲しい思いもさせてしまうかもしれない…でも今まで妹でいてくれてありがとう

 

 

そして、ごめん奉仕部の二人、告白をちゃんと答えてあげられなくて…でも俺にあの居場所をくれてそして俺が追い求めていた本物を教えてくれて…

 

 

ゴシャァァァ!

 

 

くっそ、道路に打ち付けられたのに痛覚が機能していない!多分さっきの車との接触で持っていかれたか

 

 

「ガハッ!…雪ノ …下…由比…ヶ浜…ありが、とう、本当にありが、と…う…」

 

 

「ネェハチマンオキテ!ダメダヨ!」

 

 

そして俺の体の感覚が完全に無くなったような気がした

 




次回の比企谷八幡は!

「どこだここ?」  「これってディ○○ドライバー!」
「あなたは何者ですか!?」  「通りすがりの仮面ライダーだ」

次回第一話 異世界と神様からの贈り物


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第一話 異世界と神様からの贈り物

どうもこんにちは
今回は前回話した通りです。
どうぞよろしくお願いします


…何処だここ?

 

 

俺は気がつくと暗い空間の中ポツンと椅子に座っていた。

 

 

「目が覚めましたか?比企谷八幡さん」

 

 

声のする方向を見ると銀髪の見たことの無いような綺麗な女性が座っていた

 

 

「ようこそ比企谷八幡さん。あなたは不幸なことに死んでしまいました」

 

 

やっぱり死んじゃったか…あれ、何で涙が

 

 

「比企谷八幡さん、ここなら泣いてもいいんですよ」

 

 

小町の事、戸塚の事、雪ノ下、由比ヶ浜、一色達の事を振り返り俺は久しぶりに大量の涙を流した

 

 

「…すみません変なところを見せてしまって」

 

 

涙を流した後冷静になったのだが醜態を晒したのが凄く恥ずかしい

 

 

「いえ、あなたが頑張っているところを天界からずっと見ていました」

 

 

え?なにそれ恥ずかしい、まってずっと?

 

 

「ずっとってさすがに風呂とかは見てないですよね?」

 

 

「あ、当たり前じゃないですかっ!」

 

 

と言ってるのたが目があちらこちらに動いており嘘だってことがわかる

 

 

「そ、そんなことより私は死んだ人達を担当しています幸運の女神エリスです。比企谷さんは残念な事に死んでしまいました」

 

 

そうだ俺は戸塚を庇いトラックに引かれ…戸塚!

 

 

「戸塚は大丈夫ですか!」

 

 

「はい、比企谷さんが庇ったおかげで膝を擦りむいた以外に怪我はありません」

 

 

よかった、戸塚のこと守れたんだな

 

 

「ところで比企谷さん、あなたには三つの選択肢があります。一つ目は記憶を無くして生まれ変わること、二つ目は天国に行くこと、三つ目は特典を手に入れて異世界へ転移すること、ちなみにオススメは異世界へ行くことです」

 

 

「天国で」

 

 

「え?!天国なんておじいちゃんおばあちゃんと日向ぼっこするだけでゲームも食べ物もないんですよ!なのでMAX缶コーヒーも一生飲めなくなりますよ!」

 

 

「異世界で」

 

 

いや、MAX缶コーヒーが飲めなくなるのは大問題だ、それなら異世界に行こうそうしよう

 

 

「MAX缶コーヒーの為に異世界へ行く人なんていませんでしたよ。わかりました異世界ですね、ではこちらから特典を一つ選んでください」

 

 

と言われ分厚い本を渡された、開いてみると伝説の武器や禁じられた魔法、ハートをキャッチしてキュアキュアになるためのステッキなど多種多様に書かれていた

 

 

んー、取り敢えず伝説の武器は却下かなぁ取られたら危ないし、で魔法は魔力がなかったら取っても意味ないし、キュアキュアは俺男だし…ん?仮面ライダーのベルトだとクウガからジオウまであるな……そうだ!

 

 

「エリス様一ついいですか?」

 

 

「どうされましたか?」

 

 

「このディケイドのベルトの能力何ですけどクウガからジオウまで使えるように出来ないですかね?」

 

 

「そうですねぇ天界に確認を取ってきますので、少し待っててくれませんか?」

 

 

そういいエリス様は隣の机の上にある受話器から天界に確認を取っていた

 

 

「えっとですねぇ、許可が降りたんですけどもそれにプラス能力を増やしてもいいぞいと言われまして、なんかあります?」

 

 

能力を付け足してもいい?何でだ?てかぞいって誰と電話してんだ?

 

 

「能力ですか、異世界ですので仮面ライダーの姿で敵を倒したら経験値が大幅に上がるとか、大量の敵に対してサブも含めてライダーを出せるとか、それぐらいしか考えれませんね」

 

 

「だそうです、ゼウス様」

 

 

え!?ゼウス様なの電話相手

 

 

「え?あ、はいわかりました。比企谷さんどちらも大丈夫だそうです」

 

 

「あの、質問いいですか?何でゼウス様は許してくれるのでしょうか?」

 

 

だって、創造神だよ?一番偉いと思うよ?

 

 

「あ、それはですね?私の隣で一緒に見てた一人だからですよ」

 

 

え、まって何人かで観賞してたの?恥ずかしいという感情を越えるレベルなんだけど

 

 

「え、えっと、大丈夫ですか?」

 

 

エリス様が空気を読んでくれたみたいだ

 

 

「あ、はい」

 

 

「では、比企谷八幡さん、あなたの旅立ちに祝福を!願わくば魔王討伐の勇者となることを祈っています」

 

 

そして俺は光に包まれ旅立ったのだ

 

 

俺が目を開くと中世ヨーロッパ風の街並みに、獣人や、エルフ、ドワーフなどの他の種族など、本当に異世界に来たんだという実感が沸いてくる

 

 

「さて、取り敢えずゲームの基本中の基本のギルドに行くか」

 

 

歩いて数分後、一際大きい建物が見えてきた。あれが冒険者ギルドだろう。てか門も凄く大きいな、取り敢えず入るか

 

 

「え?あ、いらっしゃいませ。お仕事案内なら奥のカウンターへ、お食事でしたら空いてるお好きな席へどうぞー」

 

 

ウェイトレスのお姉さんが俺の目を見て驚いてたがそれもそうか、でもプロ意識があるのか、普通に接客をしてくれた。八幡的にポイントが高いな

 

 

取り敢えず冒険者に登録するため奥のカウンターに行くか

 

 

「すみません、冒険者になりたいのですが…」

 

 

「あ、はい。それでは登録手数料が掛かりますが大丈夫ですか?」

 

 

登録手数料?そんなのあるか?どっかにねぇかな、あ、ポケットにあるな

 

 

「えっと、これで足りますかね?」

 

 

そういってお金をカウンターに出した

 

 

「はい、丁度千エリスです。冒険者についての説明は大丈夫ですか?」

 

 

んー説明は大丈夫だな、なんか頭の中に基本的な物は入ってるし

 

「いえ、大丈夫です。」

 

 

「わかりました。では書類に体重、年齢、身長、身体的特徴等の記録をお願いします」

 

 

まぁ、体重は60位で、年齢は18、身長は180位と、身体的特徴は、目が腐ってるのとアホ毛と…なんか書いてて悲しくなってきた

 

 

「はい、結構です。比企谷八幡さんですね、次はこちらのカードに触れてください。そうすると、比企谷様のステータスが分かりますので、その数値により職業を選んでください、選んだ職業によって専用スキルがあるので、それも踏まえてお願いします」

 

 

俺がカードに手を触れると青色に光にカードに文字が浮かび上がった

 

 

「はい、ありがとうございます比企谷八幡さん。ええと…ん?は?えぇ?」

 

 

目の前にいる職員さんが何度も目を擦りカードを見直している、なんでだろう…あれかな低すぎたとかかな

 

 

「あ、あなたは何者ですか!?筋力、生命力、器用度、敏捷性、知力が普通より高いどころか高すぎます!幸運は普通より低いですがこれだと全ての上級職になることもできますよ!」

 

 

職員さんが大声を出すので食事を取っていた冒険者の皆さんがこっちを見ている。職員さんがも気づいたのか声を下げてくれた

 

 

「いや、ただの通りすがりの仮面ライダーだ」

 

 

「は?」

 

 

「いや、何でもないです…」

 

 

言ってみたかっただけなんだが、滅茶苦茶低い声だったんだが

 

 

「えっと、カードを見せてくれませんか?確認したいですし」

 

 

何々、あーそういうことか仮面ライダーの能力があるからそれに適するための力が体に付いたってことか、八幡納得

 

 

「まぁ色々ありまして」

 

 

「え?あ、はあ」

 

 

なんか訝しげな目で見てくるがこれはしょうがないな(泣)

 

 

「えっと職業は上級職と、仮面ライダー?というものがありますがどうしますか?」

 

 

まぁこれは仮面ライダーだな

 

 

「仮面ライダーでお願いします」

 

 

「あの、すみません。仮面ライダーとはなんなのでしょうか?」

 

 

そうか、この世界の人が知らないのは当たり前だよな

 

 

「えっと仮面ライダーっていうのは簡単に言いますと悪と戦う正義の味方みたいな感じです」

 

 

「なるほど、英雄や、勇者みたいなものですか!凄いじゃないですか!」

 

 

んー英雄や勇者とはまた違うような気がするがいいか

 

 

すると受け付けさんの他にスタッフ達が集まり

 

 

「それでは、ようこそ比企谷八幡さんスタッフ一同今後の活躍を期待しています!」

 

 

そうこれは比企谷八幡の新しい出会いと冒険の物語である

…なんつって




今回もありがとうございました
次回初めての変身とジャージと女神


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第二話 初めての変身とジャージと女神

どうも皆さん、今回も読んでくれるとありがたいです
誤字脱字があったり、間違ってる所があったら教えてくださるとありがたいです、ではどうぞ


ついさっき冒険者登録を終わらせて今は席についている。これからの目標を考えなければいけないな

 

 

まず寝床の確保だろ?で、後は日常品に食費の確保か、それにはまず依頼を受けて金を稼がなくては…小町お兄ちゃん働きたくないって言ってたのにさっそく働くことになっちゃったよ

 

 

取り敢えず受け付けに戻り依頼を受けることにした

 

 

「すみません、初心者にオススメの依頼とかありますか?」

 

 

由比ヶ浜よりも凶悪そうな山を持っている職員さんに聞いてみた…これバレたらヤバイどころの騒ぎじゃないな、やめとこ

 

 

「えーと、多くの初心者冒険者はジャイアントトードという蛙を討伐する依頼を受けます。ジャイアントトード一匹で1万エリス買い取りで5千エリスとなっております。比企谷さんもこの依頼を受けてはどうでしょうか?」

 

 

大きいな蛙?でも初心者向けってことは1m位なのか?

 

 

「あ、じゃあそれでお願いします」

 

 

「はい分かりました。では頑張ってください」

 

 

さて、俺は依頼を受け街を出て草原を歩いていたんだが

 

 

「何してんだ?ありゃ?」

 

 

そう今3~4m位の蛙に追われている緑色のジャージを着た少年とそれを傍観し笑い転げている水色髪の美女が見えるという頭が痛くなるような場面に出くわしている

 

 

取り敢えず水色髪の美女の後ろにもう一匹いるのだが本人は気づいてないらしい

 

 

あ、食われた

 

 

「おい!アクア何してんだぁ!」

 

 

どうやら今食われている女性はアクアというらしい。はぁ助けた方がいいな

 

 

「おい、そこのお前助けはいるか?」

 

 

そう、確認は大事なのものだ、横取りの可能性もあるからな、難癖つけられたらたまったもんじゃない

 

 

「すまない!こっちは俺がやるから食われてる奴を助けてくれ!」

 

 

さて、許可も取ったし変身しますか

 

 

「変身!」

 

 

「え?!変身だって!」

 

 

なんか男の方が言ってるがまぁいい

 

 

『仮面ライド ディケイド』

 

 

さて、始めますか、まぁ取り敢えず終わらせるか

 

 

『アタックライド スラッシュ』

 

 

よし、これで蛙は倒れたな

 

 

「いやぁ、助かっ…ディケイド!!ディケイドじゃねぇか!やっぱりお前も転生者か?」

 

 

「まぁ、そうだな」カズマサァァァァァン!!

 

 

「特典がディケイドなのかぁいいなぁー」

 

 

「それよりもそこで泣いてるやつはほっといていいのか?」

 

 

「ん?あぁいいんだよ、それよりも俺の名前は佐藤カズマ!気軽にカズマって読んでくれ、でそっちで泣いてるのがアクアだ」

 

 

「そうか俺の名前は比企谷八幡だよろしく佐藤」

 

 

「カズマでいいぞ」

 

 

「あぁ、分かった佐藤」

 

 

「カズマ」

 

 

「佐「カズマ」」

 

 

「…お前頑固だな」

 

 

「いや、八幡には言われたくないんだが」

 

 

「あの~カズマさん、私の事忘れてないわよね?」

 

 

「お前普通に泣いてたじゃねぇーか!」

 

 

「泣いてなんか無いわよ!」

 

 

いや泣いてたぞ?まぁ変身とくか

 

 

「あなた!アンデッドだったのね!」

 

 

は?え?アンデッド?俺がか…

 

 

「おいアクア!転生者だって言ってただろうが!恩人に対して何言ってんだ!この駄女神!」

 

 

「私は駄女神じゃ無いわよぉぉぉ!!」ウワァァァン!!

 

 

何か漫才をし始めたんだが…

 

 

「えっと、俺帰るわ」

 

 

「ま、待ってくれ!ほらアクアもう帰るぞ!」

 

 

「嫌よ!女神がたかが蛙にこんな目に遭わされるなんて許すもんですか!絶対に許さない!」

 

 

「あ、おい待てアクア!」

 

 

「神の力思い知れ!ゴッドブローッ!!

 

 

ぶよんっ

 

 

「…よく見ると蛙って可愛いと思うの」

 

 

バクッ

 

 

「食われてんじゃねぇかぁぁ!!」

 

 

カズマが食われたアクアを持っている剣で何回も切り蛙を倒した

 

 

「アクア…八幡帰ろうか…」

 

 

ギルドまでの帰り道なんともいえない雰囲気が俺達を包んでいた

 

 

アクアが風呂から帰って来ると俺達は夕食を食べようと席に着いた

 

 

「えっと八幡、突然なんだが俺らのパーティーに入ってくれないか?」

 

 

やっぱりか、薄々は気づいていた

 

 

「嫌なんだが…」

 

 

「何でよ!このアークプリーストの私がいるのよ!」

 

 

…あんなもの見せられたら…ねぇ?

 

 

「アクア!黙ってろ!お願いだよ八幡、この駄女神がいるから嫌かもしれないけどお願いだ!この通り!」

 

 

カズマが机に頭を擦り付けるレベルでお願いをしてきた…はぁ、断りずれぇなぁ

 

 

「…あぁ分かったよ、パーティー入ってやる」

 

 

「本当か!ありがとう!」

 

 

「それじゃまず、色々と確認とか質問とかするか、仲間になるならお互いの情報が欲しいし」

 

 

「そうだな、じゃあ八幡から質問いいぞ」

 

 

「じゃあ聞くがお前の特典は何だ?」

 

 

俺がそう言うとカズマが気まずそうな顔になった

 

 

「こいつです」

 

 

はぁ?アクアか?

 

 

「お前女が欲しいとか言ったのか?」

 

 

「いや、違う違うえっと、少し長くなるんだが……」

 

 

こいつバカなのか?イライラして特典にしたとか

 

 

「まぁなんだ、ご臨終様」

 

 

「ちょっと!それどういう事よ!」

 

 

さっきまで静かだったアクアが怒鳴ってくる

 

 

「まぁいい、他に俺からは質問は無い、次はカズマいいぞ」

 

 

「お!なぁ聞いていいか!それ仮面ライダーディケイドだよなぁ!」

 

 

カズマが目をキラキラさせて聞いてくる、まぁ仮面ライダーは男子のヒーローみたいなもんだからな、その気持ちは分かるぜ

 

 

「あぁそれで間違いないぞ」

 

 

「でも、疑問に思ったんだが何で白じゃないんだ?」

 

 

…ん?白だと?

 

 

「なぁ、カズマディケイドの次の仮面ライダーは何だ?」

 

 

もしかすると

 

 

「Wだろ?CMでやってたぞ?」

 

 

「じゃあWの次は?」

 

 

「いや、分かるわけないだろ?」

 

 

「なぁカズマ、俺達は違う時間軸から来ていると思う」

 

 

「なんだと?!」

 

 

「お前が知ってる仮面ライダーはクウガからWまでの11人の仮面ライダーで、俺が知っている仮面ライダーはクウガからジオウまでの20人だ、だから9年違うんだ」

 

 

「そんなに仮面ライダーが増えたのか!いやぁ見たかったなぁ」

 

 

「ちなみにこのディケイドのベルトはその20人になれるぞ?」

 

 

「まじか!めっちゃ見てえ!」

 

 

「まぁ、というわけだがもう質問は大丈夫か?アクアも」

 

 

「えぇ私はいいわ」

 

 

「そうかじゃあ今日は解散するか」

 

 

「そうだな!また明日な!行くぞアクア」

 

 

「分かってるわよ!」

 

 

小町、お兄ちゃん新しい仲間に出会えたぞ…今度はちゃんと本物を守れるように頑張るからな!

 

 




私はめぐみん!次の話には私が出ます!それにしても八幡の変身はカッコいいですね!ではまた
次回 私はロリではない!


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第三話 私はロリっ子ではない!

どうも皆さんこんにちは
顔文字が一つ入っています、気分で入れました後悔はしてません。
ではどうぞ


翌日、俺達がギルドに集まるとアクアが突然机を叩き話しかけてきた

 

 

「カズマ!八幡!私達はパーティーメンバーが必要だと思うの、だから仲間を募集をしましょう!」

 

 

確かに仲間はもう少しいたほうがいいとは思うが

 

 

「どうやって集めるんだ?こんな朝っぱらから探しても見つからないんじゃないか?」

 

 

「何言ってるのよ八幡!アークプリーストのこの私がいるんだから、お願いです連れてってくださいって言われるわよ!」

 

 

確かに上級職だが中身がなぁ…

 

 

「書いたわよ!これを貼ればいっぱい冒険者が来るわ!」

 

 

アクアが上機嫌で貼りに行った

 

 

「なぁカズマ、あいつ何て書いたんだ?」

 

 

「いや、俺見てないぞ」

 

 

本当に大丈夫なのか?あいつに任せて

 

 

「貼って来たわよ!どんな人が来るか楽しみね!」

 

 

ーー二時間後ーー

 

 

「何で来ないのよぉぉぉ!」

 

 

「カズマちょっと紙見てきてくれ」

 

 

カズマは席を立ち紙を見て戻って来た

 

 

「簡単に言うと上級職のみって書いてあって、あとは宗教じみてた」

 

 

やっぱりかぁ

 

 

「アクア、書き直してこい」

 

 

上級職になれる人は少ないのに上級職のみにするなんてやっぱりバカだろ

 

 

「嫌よ!何で私が妥協しなくちゃいけないわけ!」

 

 

こいつに何を言ってもダメな気がしてきた

 

 

「八幡、俺書き直して来るわ」

 

 

そういってカズマが席を立ち上がろうとした時だった

 

 

「上級職の冒険者募集を見て来たのですが、ここで良いのでしょうか?」

 

 

真っ赤な瞳に黒い髪、黒いマントにローブ、ブーツに杖を持つトンガリ帽子を被った、いかにも魔女ですよといっているような装備のロリっ子が話しかけてきた

 

 

その少女が突然バサッとマントを翻し

 

 

「我が名はめぐみん!アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操りし者!」

 

 

「冷やかしなら帰れ」

 

 

カズマがめぐみんに対し残念な者を見る目で突っ込む

 

 

「違うわいっ!」

 

 

めぐみんってどんな名前だよ

 

 

「その赤い瞳、あなたもしかして紅魔族?」

 

 

アクアが何か知ってるようだ

 

 

「いかにも!我は紅魔族随一の魔法の使い手、めぐみん!我が必殺の爆裂魔…ギュルルルッ…何か食べ物はありませんか?三日も食べてなくって…」

 

 

何か可哀想に思えてきたな

 

 

「はぁ、ほれ好きなもの頼んでいいぞ」

 

 

めぐみんを見てると小町を思い出す

 

 

「いいんですか!えっと、すみませんお名前は?」

 

 

「あぁ、俺は比企谷八幡だ、でそこの緑がカズマで、青がアクアだ」

 

 

「お前色で俺の紹介すんな、まぁまず座れよめぐみん」

 

 

そしてめぐみんが座った所でカズマが

 

 

「なぁめぐみんその眼帯はどうしたんだ?怪我したんだったらこいつに治させるけど?」

 

 

まぁ俺も気になってはいたが

 

 

「フッ…これは我が膨大なる魔力を封じ込めるアイテムであり、もし外れでもすれば、この世界に大いなる災厄がもたらせるであろう…」

 

 

この年でそんな過酷なものを背負ってるのか…

 

 

「…まぁ嘘ですが、ただのファッションでっ!痛い痛い!引っ張らないでください!」

 

 

カズマが一瞬にしてめぐみんの眼帯を掴みおもいっきり引っ張った…俺の心配を返せ

 

 

「ええと、二人に説明するけど紅魔族は、生まれつき高い知力と強い魔力を持っているの。大抵は魔法使いのエキスパートになる素質を秘めてるわ。名前と自己紹介以外は凄い良いの」イッタイメガァ!

 

 

魔法使いの一族ってことか、中二病にかかってて冷やかしかと思ったんだが

 

 

「それって変な名前ってことですよね!私からいえば八幡以外街の人達の方が変な名前をしてるとおもうのです!」

 

 

それって俺の名前変ってことじゃん…まぁ自覚はしているが

 

 

おいそこのバカ二人笑うな( #^ω^)

 

 

「なぁめぐみん、ちなみに両親の名前は?」

 

 

カズマが両親の名前を聞いてみた

 

 

「母はゆいゆい!父はひょいさぶろー!」

 

 

やっぱりか、母はあだ名っぽいし、父に関しては名前か?

 

 

「……取り敢えずめぐみんの種族は良い魔法使いが多いってことだよな、二人とも仲間にするか?」

 

 

カズマが俺とアクアに確認してきた

 

 

「おい!私の両親の名前について言いたいことがあるなら聞こうじゃないか」

 

 

「いいと思うわよ?ギルドカードは偽造できないし、彼女は上級職のアークウィザードよ?期待できると思うけど?それに爆裂魔法は取るのが難しい最上級の爆裂系魔法よ?どうするの八幡は?」

 

 

「ん?俺も別にいいと思うが?」

 

 

「じゃあ満場一致でいいな?改めてよろしくめぐみん」

 

 

「はい!よろしくお願いします」

 

 

さてパーティーに入ったことだし食べるか

 

 

「私はこれとこれとこれ、あとこれも頼みます!」

 

 

こいつ凄い頼むな

 

 

「カズマが入った祝いに奢ってくれるらしいぞ?」

 

 

「おい八幡!」

 

 

「本当ですか!じゃあこれも」

 

 

「おい!ロリっ子!人様のお金だからっていっぱい頼むな!」

 

 

「私は断じてロリっ子ではない!」

 

 

「いや、ロリっ子だろうが!」

 

 

ギャーギャーワーワー

 

 

このパーティーも騒がしくなったな、だがどことなく気分がいいのは何でだろうな




次回!
めぐみんの実力と二度目の変身
ではまた


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第四話 めぐみんの実力と二度目の変身

どうも皆さん今回はめぐみんが正式にパーティーに入る前です。それではどうぞ


俺達は満腹になっためぐみんを連れてあの蛙にリベンジをしに来た。

 

 

そして少し歩くと平原の遠く離れた場所に三匹の蛙が見えた、また逆方向からは一匹蛙が気づき迫って来ていた

 

 

「なぁめぐみん、遠くの方は任せた。近くの方は俺とアクアでリベンジをするから八幡はそこで見ててくれ」

 

 

まぁ前回やられっぱなしだったからな

 

 

「おいアクア!一応元なんだから実力を見せろ!」

 

 

「元って何よ!ちゃんと現在進行形で女神よ!」

 

 

「…女神?」

 

 

「を自称しているただの痛いやつだ、たまにこういった痛い事を言うやつだが、そっとしといてあげて欲しい」

 

 

カズマの言葉によって同情する目を送るめぐみん。それによって、涙目のアクアがやけくそ気味に近い方の蛙へ駆け出した

 

 

「何よ!打撃が効き辛い蛙だけど今度こそ女神の力を見せてやるわ!今のところ活躍はしてないけど、今日こそは!」

 

 

『ゴッドブロー!』ポヨヨン…カエルッテヨクミタラカワイイトオモウノ……バクッ

 

 

あいつ何してんだ?

 

 

「アクアァァァ!!やっぱり食われてんじゃねぇーかぁぁぁぁ!」

 

 

カズマがアクアを蛙から助けようとしている側でめぐみんの周囲の空気がピリピリとし始めた

 

 

魔法の威力が強大だというのが、肌で感じられるぐらいだ

 

 

「見ててください。これが、人類が行える中で最も威力のある攻撃魔法!」

 

 

『エクスプロージョン!!』

 

 

ドゴォォォォン!!

 

 

……え?めぐみんが出した爆裂魔法が三匹の蛙を中心に大きすぎるクレーターを作ってチリ一つ残ってないんだが、一応これって討伐されたことになるのか?

 

 

俺達がめぐみんの魔法に驚愕しているその時、めぐみんの近くから一匹の蛙が爆音のせいか地中から這い出てきた

 

 

「めぐみん!一旦離れてから、攻撃…を…?」

 

 

カズマがめぐみんに指示している最中に言葉が止まったので俺もめぐみんの方を見てみると、めぐみんが倒れていた…ん?まさか!

 

 

「フッフッフッ、我が爆裂魔法はその絶大な威力ゆえに消費魔力も絶大。簡単に言いますと魔力が底を尽きたので身動きが取れません。…近くから蛙が沸くのは予想外です…あの、助けてください…このままじゃ食われてし」バクッ

 

 

やっぱりかぁ、てかアクアに引き続きめぐみんも蛙に食べられたんだが

 

 

「…なぁカズマ、お前アクアを助けとけ、俺はめぐみんを助けるから」

 

 

「…あぁ、なぁ八幡、俺何か悲しくなってきたんだが」

 

 

カズマ、気持ちはわかるが倒さないとな、取り敢えず倒すか

 

 

「変身」

 

 

「へ…ん…!で…か!!」

 

 

ごめんめぐみん、蛙に食べられてて何言ってるかわからん

 

 

『仮面ライド ディケイド』

 

 

「さて、始めるか」

 

 

『アタックライド ブラスト』

 

 

まぁ雑魚敵だからか一瞬で終った

 

 

銃弾は蛙の腹を貫通し、めぐみんが口から解放され落ちてきた

 

 

「はぁ、大丈夫かめぐみん」

 

 

「え、え、えぇぇ!何ですかその格好は凄くカッコいいです!どうして教えてくれなかったんですか!名前は何ですか!触ってもいいですか!それは自分も覚えられるんですか!あとあと…!」

 

 

あーこの格好は中二病に刺さるな、てかうるさい

 

 

「えっとめぐみん、その話は後で聞いてやるからちょっと静かにしててくれないか?」

 

 

「え?あ、そうですよね!アクアの事を早く助けないと」

 

 

めぐみんと話をしていると

 

 

「ハーチマーン!こっちは終わったぞー!」

 

 

ズタズタにされた蛙と粘液まみれで号泣しているアクア、やり遂げた感を出しているカズマという、初心者クエストでこれはこのパーティーだけだと思う

 

 

「何で!何で私は食べられるのー!!ヒッグ…どうしてよぉ!!」

 

 

こいつアホなのか?自分で打撃が効き辛いって言ってたのに殴りに行くか?普通

 

 

「あーもう、うるさいぞ!クエスト達成したし早くギルドに戻るぞ!」

 

 

「うぅ…私もうダメだわ、蛙に汚されてしまったのよ!もう動きたくない!カズマ!おぶってって!」

 

 

「何で俺なんだよ!八幡でもいいじゃねぇか!」

 

 

「八幡にもうこれ以上迷惑かけたくないでしょ!早くしなさい!」

 

 

「あのー私も魔力を使い果たしてしまったのでおぶって貰えませんか?」

 

 

「じゃあ、俺がめぐみんをおぶってってやるから戻るぞ」

 

 

こうして俺達はカズマがアクアを背負い、俺はめぐみんを背負って冒険者ギルドへ帰還することになった




「何でもするので!」 「私もパーティーに入れて貰えないだろうか!」 「なぁ八幡、あいつやばくね?」

次回、「新しい仲間と変態なクルセイダー」


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第五話 新しい仲間と変態なクルセイダー

どうも皆さん、今回は長くなってしまいました
それでもよろしければどうぞ


さて、俺達はクエストを終えギルドへ帰還している途中なのだがカズマがめぐみんに対し爆裂魔法禁止と言っている最中だ。因みにアクアは街へ入る前におぶって貰ってる所を見られたくないからとカズマの後ろを歩いている

 

 

「それは無理な話です、私は爆裂魔法しか使うことが出来ませんから」

 

 

…はい?ということは一日一回しかあの技を使うことが出来ないし、使った後は一人背負うことになり戦力が減るってことか?……それって諸刃の剣じゃね?諸刃の部分が致命的過ぎるが

 

 

「でも爆裂魔法以外使えないってどういうこと?爆裂魔法を習得できる程のスキルポイントがあれば、中級や上級の魔法を習得できるでしょ?」

 

 

アクアがめぐみんに対して疑問を投げかける、そういえばカード貰ったけど最初に目を通しただけだったな、レベルアップしてればいいけど

 

 

俺がスキルカードとポイントの事を考えてる側で、アクアがカズマにスキルポイントの説明をしていたが、アクアの説明の中に少し引っ掛かることがあった

 

 

「なぁアクア」

 

 

「どうしたの八幡、今このバカに説明してる最中なんだけど?」

 

 

カズマが今の発言でぶちギレているがそれはほっとくとして

 

 

「お前宴会芸スキル全部習得したって言ってるが何するためだ?」

 

 

アクアは聞いてほしくないことだったのか、目線を逸らして説明を続けた…流石にイラっとしたが小学生のころ無視され続けた時よりはましだな

 

 

すると俺の背中で話を聞いていためぐみんが語り始めた

 

 

「私は爆裂魔法だけを愛するアークウィザード、爆発系統ではなく爆裂魔法だけを愛するのです!」

 

 

ということはめぐみんをパーティーに入れると一発だけ爆裂魔法が撃てて後は、誰かが背負って行動をするってことか

 

 

「素晴らしいじゃない!その非効率ながらもロマンを追い求める姿に感動したわ!簡単に出来ることじゃないわよ!」

 

 

やばい、めぐみんの熱い爆裂魔法に対する想いにアクアが称賛し始めた

 

 

「そっか、絶対茨の道だろうけど頑張れよ!お、街が見えてきたなー、それじゃあギルドに着いたら今回のクエスト報酬を山分けにしよう!まぁ、また機会があれば何処かで会うこともあるだろう」

 

 

さては、こいつめぐみんをパーティーメンバーに入れないつもりだな?ちょっとめぐみんもぞもぞしないでくれ、落ちたら危ないから

 

 

「フッ…我が望みは、爆裂魔法を放つこと!報酬などおまけに過ぎない、なんなら食事とお風呂と、その他雑費を貰えるのであれば報酬などいらぬ、そう!今ならアークウィザードの我が力が食費とその他ちょっとだけの費用で使える!さあ!これは長期契約を交わすしかないんではないだろうか!」

 

 

まぁそれはエコだな、できれば爆裂魔法の消費魔力もエコであれば結ぶんだろうがな

 

 

「いやいや、その強大な力は俺達みたいな弱小パーティーには勿体無い、そうめぐみんの力は俺達には宝の持ち腐れ状態みたいなものだ、俺達は普通の魔法使いで充分だ。ほら、俺なんて最弱職の冒険者だぜ」

 

 

「いやいやいや!最弱だろうが駆け出しだろうが関係ありません!私だって上級職ですけどレベルは六ですよ?きっとレベルが上がれば爆裂魔法を撃っても倒れなくなるかもしれませんよ!?」

 

 

確かにあの技を撃てて自分の足で移動もできれば強いだろうが…

 

 

「いやもうハッキリ言うが一日一発の魔法使いとか、使い勝手が悪すぎるし、ダンジョンとか潜ったらあんなの使われたら俺達はダンジョンの下敷きになるんだぞ!どうせあれだろ他のパーティーで断られまくった感じだろ!報酬はしっかりやるから!」

 

 

味方の攻撃でダンジョンが崩れて死ぬのは嫌だな

 

 

「お願いです見捨てないでください!もう入れるパーティーはここぐらいしかないのです!ダンジョン探索の時は荷物持ちをします!お願いです、捨てないで!」

 

 

カズマとめぐみんの会話を静かに聞いてたがだんだんめぐみんが涙声になり始めた。大声で言い争っているということと、ここが街の中の住宅街ということもあって掃除をしているおばさんや買い物帰りの主婦など様々な視線を受けている

 

 

「やだ…あの男達あの小さい子を捨てようとしているわ」

 

 

「隣には粘液まみれで泣いている女の子もいるわよ」

 

 

「あんなに小さい子を弄んで捨てるなんて最低ね、あの子達二人とも全身ヌルヌルよ?どんなプレイをしたのかしらあの変態達」

 

 

「自警団に報告したほうがいいのかしら」

 

 

「あの小さい子を背負ってる男、目が腐ってるわ、多分薬を決めたからよ」

 

 

おいおい…誹謗中傷もいいところだな、言い争ってるのはこの二人なのに何で俺の悪口になるんだよ。後、目が腐ってるのは昔からだからな?

 

 

カズマは周囲の人達からの鋭い視線と言葉に顔を青くし、アクアは顔を伏せてプルプルと笑いを抑えていた、めぐみんの顔を見ると、口元をニヤッとさせていた。こいつ…

 

 

「どんなプレイにも耐えてみせます!先程の蛙を使ったヌルヌルプレイだって「よーし分かった!めぐみん!これからよろしくな!」

 

 

カズマはこれ以上誤解を生まないためにめぐみんをパーティーメンバーにすることを決めたようだ

 

 

…俺めぐみん背負ってただけなのに罵られたんだが?やっぱり目がいけないのか?そうなのか?…そうだ!アクアの浄化魔法で腐りを取ってはもらえないだろうか

 

 

「なぁアクア、後で俺に浄化魔法をかけてくれないか?」

 

 

「急にどうしたのよ八幡、何処も汚れていないし取り憑かれてもないでしょ?」

 

 

「八幡!私は八幡の目独特だと思います!それにカズマと違って優しい人だって分かってますから」

 

 

「おい!それはどういうことだ?めぐみん」

 

 

カズマが切れてるがそれよりも…

 

 

めぐみん今傷ついてるから優しい言葉を掛けないでくれ、コロッと好きになって告白して振られちゃうから、って俺振られるのかよ……でも、まぁなんだ、そのありがとな

 

 

俺達はこうしてパーティにめぐみんが加わり冷たい目で見られながら冒険者ギルドへ帰るのであった

 

 

ー冒険者ギルドー

 

 

「はい、確かに。ジャイアントトードを三日以内に五匹討伐のクエスト完了を確認しました。ですが八幡さん」

 

 

ん?俺何かしたっけ?

 

 

「八幡さんは他にジャイアントトードのクエストを受けていますよね?期限は明日までですが大丈夫ですか?」

 

 

…そうだった、来た初日に受けてたの忘れてたわ

 

 

「あー、すまんがカズマ、俺明日単独行動でもいいか?」

 

 

「ん?いいぞ。今回俺達のクエストを受けたことになっちゃったしな」

 

 

「そうね、今日はクエストでお金が入ったし明日は休みとしましょうよ」

 

 

アクアの提案により俺達は明日は単独行動することとなった

 

 

「あのすみません、邪魔じゃなければ私も明日付いていってもいいでしょうか?」

 

 

別に問題はないが、また食べられそうなんだよなぁ、まぁその時は守ればいいか

 

 

「いいぞ?別に問題は無いからな」

 

 

するとめぐみんは目を輝かせながらアクアと一緒に大浴場に向かって行った

 

 

さすがにヌルヌルのままじゃ誤解を受けそうだからな…もう遅いが

 

 

俺達はカードとめぐみんから渡されたカードを受付嬢に渡した。すると受付嬢はそのカードを受け取り妙な箱を操作し始めた

 

 

受付嬢がカードを返してきてそのカードを見るとそこには仮面ライダーレベル四と書かれていた

 

 

カズマにカードを見せてもらいレベルを見ると三と書かれていた。カズマの方が一匹多く倒しているのにレベルがこっちの方が上なのは、この固有スキルが働いたからか

 

 

俺のカードの固有スキル欄と書かれた場所には

 

 

・仮面ライダーディケイド

効果:二十人の仮面ライダーの力を使用することができる。

  持ち主の身体能力を底上げする。

   

・正義の味方

効果:仮面ライダーの姿で敵を倒すと貰える経験値が二倍になる。

 

 

・最後の切り札

効果:全ての仮面ライダー(サブ、劇場番を含める)を召喚することが出来る。

【デメリット】

時間は一時間で、再度使用するには一ヶ月かかる。

 

 

・攻撃魔法所得不可

効果:職業が仮面ライダーの場合初級・中級・上級の攻撃魔法を覚えられない。しかし生活魔法はスキルポイントを使うことで取得できる

 

 

なるほど、この正義の味方っていうスキルが作動したのか、しかし攻撃魔法が使えないのは残念だな、こう魔法で一掃したかった、まぁ仮面ライダーの中に魔法使いがいるからいいか

 

 

「なぁ八幡、俺レベル三になったんだが余り実感が無いんだが」

 

 

「そりゃあそうだろ、三しか上がって無いんだぞ?これが十とかだったら変わったって感じがするかもしれないが」

 

 

「そうだな、これからだもんな、まぁ気長に頑張っていくとするか。取り敢えず俺らも風呂入るか?」

 

 

俺がカズマの意見に賛成し席を立とうとしたところで

 

 

「すまない、ちょっといいだろうか?」

 

 

急に声を掛けられそちらに振り向くと、美人な金髪女騎士が声を掛けてきた

 

 

「え?えっと何でしょうか?」

 

 

カズマの顔を見てみると顔が赤くなっていた、まぁ分かるっちゃあ分かるんだが、何か裏があるんじゃないかと警戒をする。するとその女騎士が

 

 

「うむ、この募集はあなた達のパーティーのだろう?もう募集はしていないのだろうか?」

 

 

そういって女騎士はアクアの書いた募集の紙を見せてきた

 

 

「あー、一応パーティーメンバーは募集していますよ?でもあんまりオススメはできませんけど?」

 

 

「是非!是非私をパーティーメンバーに入れてはくれないだろうか!」

 

 

やんわりと断ろうとしたカズマの手を女騎士は掴んだ

 

 

入りたい理由を聞いたがどうやら今日食われた二人のようになりたいらしい…アウトだ、裏があるっていったが斜め上過ぎるだろ!?なんだよ私もあんな風にってもしやドMなんじゃないか?

 

 

カズマはこの女騎士がドMだと分かったのかパーティー入りを全力で断っている。が女騎士はお構い無しに望む所だと返している。あと、そろそろカズマの手がヤバイことになっている。凄く痛そうだ

 

 

「あーすまんが今日は色々あって疲れてるんだ。また今度でもいいか?」

 

 

「む?そうなのか、それはすまないことをした。ではまた今度その話をしよう」

 

 

女騎士はそう言いカズマの手を離して立ち去って行った

 

 

「なぁ八幡、どう思う?」

 

 

「どう思うって言うが、パーティーリーダーはお前だからな?決めるのはお前だ、後めぐみんやアクアにも聞かないとな」

 

 

「それもそうだな、じゃあ風呂入って寝るとするか」

 

 

あの女騎士がパーティーに入ったらもっと胃に穴が空きそうだなと思った




変態女騎士と突如現れた謎の盗賊その正体は?!

次回 ジャイアントトード狩りとエ…クリスとパンツ泥棒


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第六話 ジャイアントトード狩りとエ…クリスとパンツ泥棒

どうも皆さん、今回も少し長くなっております
ではどうぞ!( っ・ω・)っ


ー翌朝ー

 

 

「お待たせしました八幡、待ちましたか?」

 

 

「ん?いや別に丁度今来たところだが」

 

 

俺とめぐみんはジャイアントトードを狩るため冒険者ギルド前に集まっていた

 

 

「ところで前回、また今度なと言われた八幡の変身について聞きたいのですが歩きながらでもいいので、聞いてもよろしいでしょうか?」

 

 

あぁそういえばあの時色々聞いてきたが話してる時間が無かったから今度って言ってたな

 

 

「いいぞ」

 

 

「まず聞きたいのですが仮面ライダー?とは何なのですか?」

 

 

「そうだな、俺とカズマの住んでた国の正義の味方って感じだな、この国でいうところの英雄みたいなものだと思ってくれ」

 

 

「成る程!ということは八幡はこの国では英雄ってことですね!凄いじゃないですか!」

 

 

あー…まぁそういうことになるのか?

 

 

「そうかもな、でもこの力はある人から貰った物なんだ」

 

 

俺は嘘は言っていないぞ

 

 

「そうなのですか、仮面ライダーには名前はあるのですか?」

 

 

「あるぞ、めぐみんが見た仮面ライダーはディケイドって名前だ」

 

 

「ディケイドですか、カッコいい名前ですね」

 

 

「仮面ライダーの名前はカッコいい名前が多いぞ?」

 

 

「そうなのですか?例えばどんな名前なんですか?」

 

 

「そうだな、ブレイドとかオーズとかエグゼイドとかは、かなりカッコいいって思ったな」(※個人によって意見は変わります)

 

 

「カッコいいですねぇ、他の仮面ライダーも見てみたくなって来ました」

 

 

「それなら多分これから先見れるぞ?」

 

 

「え!?どうしてですか?」

 

 

「ディケイドの能力なんだが他のライダーに変身することが出来るんだよ」

 

 

「そうなのですか!これから先色んなライダーを見れるのは、わくわくが止まりませんね!」

 

 

「あと、一応カズマも知ってるから暇なとき聞いてみるといいぞ」

 

 

「そうですね、暇なときに聞いてみたいと思います」

 

 

俺達が話しをしているうちに街を出て草原に着いた

 

 

取り敢えずレベル十まで上げたいなキリがいいし、それにジャイアントトードを多く狩ればお金が多く貰えるしな

 

 

「さてめぐみん」

 

 

「はい!何でしょうか!」

 

 

「2000から2018どの番号がいい?」

 

 

「えっと何の番号でしょうか?」

 

 

「番号によって仮面ライダーが変わるって思っとけばいい」

 

 

他の仮面ライダーの性能とか武器とか試したいしな

 

 

「えっとそれじゃあキリがいい2000で」

 

 

クウガか、まぁ色んなフォームを試したいし武器も使いたいから丁度いいな

 

 

「2000はクウガだな」

 

 

「それが名前ですか」

 

 

「そうだ、じゃあ始めるとするか」

 

 

俺の目の前には五匹のジャイアントトードが見える

 

 

「変身!」

 

 

『仮面ライド ディケイド』

 

 

『仮面ライド クウガ』

 

 

「めぐみん、説明をしながら戦ってくから食べられんなよ?」

 

 

「だ、大丈夫です!その時は八幡に助けてもらいます」

 

 

いやそれ俺任せじゃん、まあいい取り敢えず一匹殴るか

 

 

「めぐみん、言っておくが仮面ライダーの格好でこのように殴ると」

 

 

そう言いながらジャイアントトードを殴ると巨体がぶっ飛んだ

 

 

「一般人だと爆発四散するから」

 

 

「えぇぇぇ!?」

 

 

「パンチとキックがt単位なんだよ」

 

 

「そんなに凄いんですか!」

 

 

めぐみんはヒーローショーに来た幼稚園生みたいに目を輝かせていた。取り敢えず一匹倒したから次行くか

 

 

「でだ、フォームチェンジがあるってさっき言ったよな?それをやるぞ」

 

 

「了解です!早く見せてください!」

 

 

食い付きが凄いな

 

 

『フォームライド クウガ タイタン』

 

 

「どうだ?赤から色が変わっただろ?」

 

 

「はい、紫色になりました!」 

 

 

さて、残りの四匹も倒すとするか

 

 

「因みに剣をもつとそのフォームにあった武器に変わるぞ」

 

 

「成る程!時と場合によって変わるんですね」

 

 

察しがいいな

 

 

「他にもクウガにはペガサスフォームやドラゴンフォームなどがある。後、最終形態もあるが今回はそれらは使わないから」

 

 

「そうですか…見てみたい気持ちもありますが仕方ないですね」

 

 

「じゃあ後の四匹倒すぞ」

 

 

そういって俺は剣を振り四匹の腹を切り裂いた

 

 

「凄い切れ味ですね」

 

 

「切れないよりはマシだろ?」

 

 

俺達は四匹を倒した後もレベルが十になるまでジャイアントトードを狩り続けた

 

 

「うし、めぐみんそろそろカズマ達のところに戻るとするか。時間もだいぶたったと思うし」

 

 

「分かりました。でも凄いですね、ジャイアントトードを合計で十二匹倒しましたよ」

 

 

結構お金が入ってくるな、そろそろ制服じゃなくてこっちの世界の服も買った方がいいか

 

 

「多分ですがお昼はもう過ぎてると思います」

 

 

そうかめぐみんには悪いことをしたな、昼飯は奢ってやるか

 

 

「めぐみん、昼飯を奢るわ」

 

 

「え!いやいいですよ。来たくて来たわけですし」

 

 

「でも、戦ってないからお金が貰えないだろ?だから別にいいぞ」

 

 

「そ、そういうことならありがとうございます。奢って貰います」

 

 

「じゃあ帰るとするか」

 

 

「はい!」

 

 

俺達は討伐クエストの報酬を貰いにギルドへと戻った

 

 

ー冒険者ギルドー

 

 

俺達がギルドへ戻ると机の上に乗っているアクアの周りに人だかりが出来ていた

 

 

「アクア様!お願いします!もう一度だけ『花鳥風月』を見せてください!」

 

 

「バカ野郎!アクアさんはお金より食べ物の方がいいですよね!奢りますからもう一度『花鳥風月』を!」

 

 

…見世物のパンダか何かか?

 

 

「あなた達分かってないわね?芸って物は請われたからって何度もやるものじゃないの!私は芸人じゃないからお金を取らないの!…?…あ!ちょっとカズマも八幡もやっと帰ってきたのね!ってカズマ?その人どうしたのよ?」

 

 

俺は横を見るとどや顔のカズマと変態ドM騎士、後もう一人は…エリス様?いや別人か?

 

 

「うむ、クリスはカズマにパンツを取られた挙げ句、有り金を毟られて落ち込んでるだけだ」

 

 

…は?こいつ、ついにやらかしたのか?雪ノ下がいればもう警察を呼ばれてるな

 

 

「お、おい待てダクネス!間違っては無いが本当に待ってくれ!八幡お前なら分かってくれるよな?」

 

 

「…あぁ分かってるぞ?あれだろ?思春期男子に起こる奴だろ?それかお前がそういう趣味を持った人間かだろ?」

 

 

「おいやめろ八幡!もう俺のライフはとっくの等に0だ!」

 

 

「カズマ、軽蔑しますあり得ません。」

 

 

「めぐみんまで!」

 

 

するとクリスが突然立ち上がり

 

 

「公の場でいきなりパンツを取られたからっていつまでもくよくよしてちゃダメだよね!あたし、悪いけど臨時で稼ぎのいいクエストを受けてくるね!下着を人質にされてお金を取られちゃったしね!」

 

 

「お!おい!止めてくれ!アクアとめぐみん以外の女性冒険者達の目まで冷たくなってるから、本当に待って!」

 

 

クリスが周りに聞こえる声で言ったため周りの女性冒険者やギルド職員などが冷たい目でカズマのことを見ていた

 

 

「このくらいの逆襲はさせてね?よし!適当に遊んどいてねダクネス!じゃあバイバイ」

 

 

そういってクリスは掲示板の方へ行ってしまった

 

 

「えっと、ダクネスは行かないのか?」

 

 

しれっと俺達のテーブルに座ったままのダクネスにカズマが尋ねていた

 

 

「…うむ、私は前衛職だからどこでも有り余っているのだ。でも、盗賊は地味だから成り手が多くない職業だ。特にダンジョンだと盗賊が活躍するからクリスは需要がいくらでもある」

 

 

職業によって優遇される時もあるってことか

 

 

クリスはパーティーを見つけたのかこちらに手を振りギルドを出ていった

 

 

「なぁ?もうすぐ夕方なのにクリス達はこれからクエストに向かうのか?」

 

 

「多分だがクリス達はダンジョン探索のクエストを受けたんだと思う。あれはできることなら朝一で突入するのが望ましいからな。」

 

 

成る程ダンジョンにいく際は早朝がいいのか

 

 

「そういえばカズマ?スキルはちゃんと教えて貰ったの?」

 

 

ん?スキルを教えて貰えるのか

 

 

「あぁ!アクア見てろよ!めぐみんそこに立ってくれ」

 

 

これはちょっとドキドキするな

 

 

「いくぜ!『スティール』!」

 

 

カズマが叫び右手をめぐみんに突き出すと、その手にはしっかり白い布が握られていた…あいつまたやったな

 

 

「……何ですか?レベルが上がってステータスが上がったら、冒険者から変態にジョブチェンジしたんですか?…スースーするのでパンツを返してくれませんか?」

 

 

「あれ?おかしいな?ランダムで何かを奪い取るってスキルのはずなんだがなぁ?」

 

 

だからって二回連続でパンツを盗むやつがいるか?…いたわ

 

 

カズマは慌てて持っていためぐみんにパンツを返した。するとめぐみんは俺の隣に座った…何で?

 

 

「あの、八幡。カズマを仮面ライダーに変身して殴ってくれませんか?」

 

 

…怖ぇぇよ!爆発四散するって言ったじゃん?殺せってか?できるわけないだろ!

 

 

すると今度はダクネスがテーブルを、バン!と叩き立ち上がってカズマに近づいてった

 

 

「やはり!私の目には狂いは無かった!こんなロリっ子の下着を公衆の面前で剥ぎ取るなんて!是非とも!是非とも私をこのパーティーに入れて欲しい!」

 

 

「いらない」

 

 

「んんっ!くぅ!」

 

 

カズマ…お前条件反射で今答えただろ。後、隣で我はロリっ子って何回も言わないで。…はぁ

 

 

「ねぇカズマ、八幡この人は誰なの?昨日言ってた私とめぐみんがお風呂に入ってた時に面接に来た人?」

 

 

「ちょっと!この方クルセイダーじゃないですか!断る理由は無いと思いますが?」

 

 

これどうするかなぁ、一応カズマの出方次第だがこいつのことだから逆効果になるんだろうなぁ

 

 

「実はなダクネス、めぐみん、俺とアクアと八幡はこう見えて、ガチで魔王を倒したいと思っている」

 

 

あっ…これダメなやつだ

 

 

「丁度いい機会だから皆聞いてくれ。俺達はどうあっても魔王を倒したいんだ。そう!俺達はそのために冒険者になったんだ!と言うわけで俺達の冒険は過酷な物になると思う。特にダクネス、女騎士のお前が魔王に捕まったら大変なことになるだろう」

 

 

「あぁ!望む所だ!」

 

 

やっぱりな

 

 

「へっ?…んんっ!めぐみんも聞いてくれ、相手は魔王だ。この世界で最強の存在に挑もうとしてるんだ、だから無理に…」

 

 

カズマが説明している最中にめぐみんが立ち上がり

 

 

「我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法使いにして爆裂魔法を操りし者!最強と名乗っている魔王を我が最強魔法で消し飛ばして見せよう!」

 

 

…やっぱりなぁ、カズマは選択を間違えたな

 

 

「ね、ねぇカズマに八幡…私カズマの話を聞いてたら腰が引けてきたんですけど。何かこうもっと楽に攻略する事って出来ないの?」

 

 

…女神なんだから、一番やる気出さなきゃ行けないだろ

 

 

と言うわけでダクネスが新しく入ってきたんだが、この先このパーティーで何かが起きると考えると気が滅入ってくるな




次回の新やはりこの素晴らしい仲間たちには祝福をは、
一つ キャベツが空を飛ぶ
二つ 予算ガタガタガタキリバ
三つ スキルポイントの割り振り
次回 第七話「数には数で対応しましょう」


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第七話 数には数で対応しましょう

「緊急クエスト!緊急クエスト!街の中にいる全ての冒険者各員は至急冒険者ギルドに集合してください!繰り返します。街の中にいる全ての冒険者各員は至急ギルドに集合してください!」

 

 

急にどうしたんだ?全員ってことは相当危険ってことか?

 

 

「なぁ?緊急クエストってなんだ?モンスターが大量に街に襲撃してきたのか?」

 

 

カズマが不安気に質問をしているが、ダクネスとめぐみんは嬉しそうな顔をしていた

 

 

「ん?多分キャベツの収穫だろう、もうそろそろ収穫の時期だろうしな」

 

 

…はい?キャベツ?もしかしてキャベツって名前の魔物のことか?

 

 

「は?キャベツ?キャベツってモンスターの名前か何かか?

 

 

カズマも俺と同じことを考えていた。すると何故かめぐみんとダクネスが可哀想な人を見るかのような目で見つめていた。…ドンマイ

 

 

「キャベツとは、緑色の丸いやつです。食べられる物です」

 

 

「噛むとシャキシャキする歯ごたえの、美味しい食べ物だ」

 

 

「そんな事知っとるわ!じゃあ何か?緊急クエストだの騒いで、冒険者に農家の手伝いをさせようってか?このギルドは」

 

 

もしかしてキャベツもモンスターに入るのか?

 

 

「あー…知らないでしょうけど、この世界のキャベツは空をと…」

 

 

アクアが申し訳なさそうにカズマに説明しようとするが、それを遮る様に、ギルド職員が建物内にいる冒険者に向かって大声で説明を始めた

 

 

「皆さん、突然のお呼びだし申し訳ありません!もうすでに気づいてる方もいるかもしれませんがキャベツです!今年もキャベツの収穫時期がやって参りました!なんと!今年のキャベツは出来が良く、一玉で一万エリスです!すでに街中の住民は家に避難して頂いております。では皆さん!出来るだけ多くのキャベツを捕まえ、ここに納めてください!ですが、キャベツに逆襲されて怪我をしないようにしてください!」

 

 

そう言って出された物は縦横十メートル位の複数の檻だった。そんなに大量にやってくるのか?じゃあ、あのライダーで戦おうかな

 

 

「なお、人数が人数、額が額なので報酬の支払いは、後日となります!」

 

 

キャベツ一玉で一万エリスだから十体でも倒せば十万エリスになるってことか、確かに莫大なお金が必要となってくるな

 

 

考えてる時、冒険者ギルドの外で歓声が起こった

 

 

俺達パーティーが冒険者ギルドを出ると空には軽快に飛ぶキャベツの大群がいた…なにこれ?多すぎね?

 

 

余りにも多いキャベツ達に呆然としているとアクアが説明しだした

 

 

「この世界でのキャベツは飛ぶわ。収穫の時期になると簡単に食われてたまるかとばかりに、街や草原を疾走して、大陸を渡り海を越えて誰もいない秘境の奥でひっそりと息を引き取ると言われてるわ」

 

 

何でそんなにキャベツの物語が壮大なのかは、置いといて空を飛ぶのは聞いてなかった

 

 

「なぁ、俺もう馬小屋に帰って寝てきてもいいか?」

 

 

カズマが現実逃避をしているが

 

 

「カズマ、大量に捕まえれば馬小屋生活に終止符をうてるけど、それでも帰るのか?」

 

 

「…八幡!俺頑張る!あんなくっさい所にいてたまるかってんだ!」

 

 

気合いを入れてるカズマの隣を冒険者達が早々と駆け抜けていく。そりゃあ臨時ボーナスだと思えばこれからしばらく金を稼がなくていいからな

 

 

「よし!皆行くぞ!」

 

 

カズマの声のもと俺達も草原へ向かった

 

 

ー草原ー

 

 

遠くから見ても凄かったが近くからみるともっと凄いな。何か語彙力が幼稚園児並みだがそれぐらい凄いってことだ

 

 

「お、おいめぐみんどうしたんだ?」

 

 

カズマがめぐみんの異常に気づいたようで心配していた

 

 

「見てください!八幡、カズマ!あんなに敵がいます!これは撃つしか無いでしょう!ダメと言われてもやりますけどね!さぁさぁ爆裂魔法の餌食となって沢山の経験値を渡してください!」

 

 

…アカンこれはダメなやつだ。

 

 

「お!おい皆逃げろ!めぐみんの爆裂魔法が当たるぞ!」

 

 

カズマが慌てて先陣にいる冒険者達に注意をしていた

 

 

「おい!皆下がるぞ!あんなの食らったら人生が終わっちまう!」

 

 

それを聞いた、先陣をきっていたリーダーらしき人物が周りの冒険者に下がれと言っていた

 

 

「フッフッフッ!我が爆裂魔法をとくと見よ!『エクスプロージョン』!!!」

 

 

ドガァァァァン!

 

 

「ナイス爆裂!」バタッ

 

 

めぐみんが放った爆裂魔法は、キャベツ達のど真ん中に着弾しその場所から起きた衝撃波で沢山のキャベツ達が落ちてきた

 

 

「めぐみん、手はいるか?」

 

 

「八幡ありがとうございます。あそこの岩影におろしてくれませんか?」

 

 

めぐみんに言われた通りにその場所にめぐみんをおろした

 

 

「うわぉぁぁ!!」

 

 

今度は何だ?

 

 

「誰か!助けてあげて!あの冒険者キャベツにボコボコにされてるわ!」

 

 

「うひょぉぉぉ!!」

 

 

ダクネスが突然奇声をあげ襲われてる冒険者の所に駆け出して行った。大体予想がつくんだが

 

 

「な、何故助けてくれるんだ!クルセイダーの貴方でもこの数は厳しいだろ!」

 

 

「早く逃げろ!ンッ!…私が一体も通させはしない!ハァハァ…ンッ!」

 

 

「見て!あの女性はクルセイダーの鏡よ!」

 

 

「おい!男の俺達が怖じ気づいてどうする!行くぞ!」

 

 

ウオォォォォ!!

 

 

…カオスだなぁ、多分ダクネス嬉々として飛び込んでっただけだぞ?全体の士気は上がったが流石に疲れているのかダメージをおう人達が増えてきた。そろそろ俺も始めるとするか

 

 

「おい君!あの大群に一人で行くのは無謀過ぎるぞ!」

 

 

「そうだぞ八幡!私の後ろに来るんだ!」

 

 

ダクネスは俺を説得しようとしているのかもしれないが、顔がアウトだったので全く響かねぇ

 

 

はぁ…「変身」

 

 

『カメンライド ディケイド』

 

 

「何だその格好は?!」

 

 

さて、ダクネスの質問は後にして、せっせとスティールでキャベツを取ってるカズマに知らせるか

 

 

「カズマ!」

 

 

「どうした?」

 

 

「新しい仮面ライダーの一人に変身するんだが」

 

 

「マジで!見たい見たい!早く見せてくれ!いや見せてください!」

 

 

『カメンライド オーズ』タカ!トラ!バッタ!タトバタトバタトバ!

 

 

「うぉー!すげぇ!でどうするんだ?」

 

 

さて、数には数をだな

 

 

『フォームライド ガタキリバ』クワガタ!カマキリ!バッタ!ガ-タガタガタキリッバガタキリバ!

 

 

そして

 

 

『アタックライド ブレンチシェイド』

 

 

すると、大量のガタキリバの分身が現れた…これ結構キツいな

 

 

「「えぇぇぇぇ!!」」

 

 

「人が分身したぞ!」

 

 

「あの鎧カッコいいな、いくらで買えるんだろ」

 

 

「八幡!凄いです!イッパイいます!」

 

 

「八幡!それがオーズの能力なのか!?」

 

 

「あー…カズマ後で詳しく説明してやる」

 

 

「分かった!」

 

 

素直か!まぁいい戦うか

 

 

「ハァァァ!!セイ!」

 

 

二十人近いガタキリバがドンドンキャベツを真っ二つにしていく。これ結構爽快だな

 

 

さて結構斬っていったが空にも飛んでるな

 

 

『ファイナルアタックライド オ・オ・オ・オーズ』

 

 

「セイヤァァァ!!」

 

 

よし、これで空にいたキャベツ達は倒したぞ、後は回収して檻の中に入れないとな

 

 

そう思いながら何往復も二十人近いガタキリバが回収をしていたため、緊急クエストは予定より早く終わった

 

 

「今戻ったぞ」

 

 

変身を解除し自分のパーティーに戻ってきたが途中周りの冒険者から尊敬の眼差しで見られていたため、何かムズムズした

 

 

「なぁ八幡、ガタキリバ強くない?」

 

 

ごもっともな感想だな

 

 

「まぁな、でもオーズのフルコンボは大体こんな感じで強いぞ?」(※個人差があります)

 

 

「やっぱり仮面ライダーは強いな、はぁ…見たかったな」

 

 

「八幡!凄すぎます!これで大群が襲って来ても安心ですね!」

 

 

「あ…いい忘れてたがフルコンボで長時間戦うと体力をごっそりと持ってかれるからそこはデメリットかな」

 

 

それでも強いとカズマとめぐみんはオーズのことを褒め称えていた

 

 

ー冒険者ギルドー

 

 

「納得いかねぇ!何でただのキャベツ炒めがこんなに旨いんだ?」

 

 

カズマはキャベツ炒めの味に納得がいかないと頭を抱えながら食べていた

 

 

「しかし、凄いわダクネス!あなた、流石クルセイダーね!あの鉄壁の守りを見たら流石のキャベツ達も攻撃を躊躇ってたわよ!」

 

 

「いや、私はただの硬い女だ。不器用で剣を振ってもロクに当たらず、誰かの壁になるしか取り柄がないのだ。それよりめぐみんの方が凄まじかった。爆裂魔法で半分位が倒されたと思うぞ?」

 

 

「フッ我が爆裂魔法の前において何者も抗うことを叶わず。そういえばカズマは何をしてたんですか?」

 

 

「ん?カズマは確か私に猛攻撃をしていたキャベツを後ろからせっせと回収していたぞ?」

 

 

「なんか、泥棒見たいですね」

 

 

「止めてくれめぐみん、俺だって頑張ったんだから」

 

 

「じゃあ、あれね。私の名において、あなたに【華麗なるキャベツ泥棒】の称号を授けてあげるわ!」

 

 

「やかましい!そんな不名誉な称号は要らん!」

 

 

「不名誉って何よ!このヒキニート!」

 

 

「黙れこの駄女神!」ギャーギャーワーワー!

 

 

「…では!名はダクネス。職業はクルセイダーだ。一応両手剣を使っているが当たらない。だが壁になるのは大得意だ。よろしく頼む」

 

 

仲間がまた増えたな。なんかアクアが微笑んでる

 

 

「ふふん♪ウチのパーティーも結構豪華な顔ぶれになったわね!五人中三人が上級職で一人が仮面ライダー、カズマあなた凄いついてるわよ!感謝なさい」

 

 

その上級職に問題があるんだよなぁ…一人は金使いが荒いポンコツで一人は中二病の一発屋、そして攻撃の当たらないドMか…完全にネタパーティーじゃねぇか

 

 

ダクネスは何かを思い出したのか頬が赤くなってきた

 

 

「ハァハァ…先程のキャベツ達にボコボコに蹂躙されたのは堪らなかった!本格的な前衛は私だけだから遠慮なく囮や肉盾代わりに使ってくれ!そして、見捨てられるのか!…ンッ!想像したら武者震いがっ…」

 

 

キャラが全体的に濃すぎるな。胃に穴が空くかもしれない…

 

 

そういえば

 

 

「なぁカズマ?レベルどうなった?」

 

 

「俺か?俺は六になった。八幡は?」

 

 

「二十三だ」

 

 

「えっ?上がりすぎじゃない?」

 

 

「カードの固有スキルの欄を見てくれ、理由が分かるから」

 

 

「…凄いな、でも攻撃魔法が覚えられないのは残念だったな」

 

 

「まぁでも、生活魔法は覚えられるから別にいいんだけどな」

 

 

さて、スキルポイントを割り振るか。取り敢えず今は八九あるから、生活魔法に割り振ろうかな

 

 

まず、料理・調合・成功率upに十ポイントずつ入れて千里眼に三十入れてと、これでいいな。生活魔法は料理・調合・成功率upがレベル三になって、千里眼は取得できたな。よし、マッカンを作るために頑張ろう

 

 

スキルポイントを割り振っているとカズマが

 

 

「よし!解散しよう!夜にまた集合な、それまで自由行動ってことで、行くぞアクア!買い物の時間だ!」

 

 

「なら、私も防具が壊れたので一旦戻ろう」

 

 

「私もちょっと明日なに買うか見てきます」

 

 

こうして俺は一人残されたのであった。さて、どうしようかな?




戦闘の描写を練習しないといけないなと思いました
次回予告
自由行動をする八幡、お金を貯めるためクエストを受ける。クエストから帰ってきた後、今度はパーティーでクエストを受ける。そして、そこで待っていたのは!
次回「自由行動とクエストとリッチー」


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第八話 自由行動とクエストとリッチー

どうも皆さんこんにちは、最近発言の前に名前の頭文字を入れたら分かりやすいかなと思っている感じです。後、このすばの原作が壊れかかってます。ではどうぞ



さて、一人になったんだが取り敢えず、今日キャベツの収穫した報酬が貰える訳では無いので、クエストでも受けるか

 

 

「えーと何々、新作の薬の実験体、子供の遊び相手、一撃熊の討伐、買い物の手伝いか」

 

 

新作の薬は論外として、子供には多分目で怖がられるからボツ、討伐クエストは時間がかかるからボツとなるとこの手伝いかな

 

 

「すみません。この依頼を受けたいんですが。後ジャイアントトードの討伐クエストが完了しました」

 

 

「あ!八幡さんですか。クエストお疲れ様です、報酬はジャイアントトードが十五匹なので二十一万エリスです。それと、このクエストなんですが依頼開始時間が後少しなので急いでくださいね」

 

 

よし、報酬も貰ってクエストも受けたし、目的地に行くか

 

 

ー屋敷の前ー

 

 

この屋敷凄い大きいな。取り敢えず今誰かいるか確認しないと

 

 

「すみません、ギルドから依頼を受けた者なのですが、誰かいらっしゃいますか?」

 

 

すると、玄関のドアが開かれ婆さんが出てきた

 

 

「おや?今回は来てくれたのかね。すまないねぇ買い物の手伝いなんてさせて」

 

 

「いえ、時間が余っててやることも無かったので」

 

 

「そうかいそうかい、じゃあ早速市場に行くとするかね」

 

 

ということで婆さんと一緒に市場に向かうことになった

 

 

ー市場ー

 

 

「ところでお婆さん今日は何を買うんだ?」

 

 

「んー?今日の夕食と明日の朝昼晩を買おうと思ってねぇ、荷物が多くって大変なのよ」

 

 

「了解です。その荷物を持てばいいんですね」

 

 

さて、まずは肉屋に着いたんだが店主が凄いゴツい人だった

 

 

「らっしゃい!お婆ちゃんいつものあるよぉ!お?兄ちゃん買い物の手伝いか?偉いな!ほらこれサービスだ!」

 

 

そう言って渡されたのは一kgの大きい肉の塊だった

 

 

「え、いいんですか?こんなに貰っちゃって」

 

 

「気にするな!そこのお婆ちゃんにはいつも贔屓にしてもらってるからな!また来いよ!おまけしてやるから」

 

 

この婆さん凄い人なのか?

 

 

「えっと、次行きましょうか」

 

 

「そうねぇ」

 

 

次に着いたのは八百屋だった。八百屋の店主はふくよかなおばさんだ

 

 

「あら、お婆さん来てくれたの!いつものよね?ん?そこのお兄さんはお手伝いなの?偉いわねぇ~、…そうだ!はいこれお野菜、いっぱい食べてね!」

 

 

今度はおばさんから色んな種類の野菜を貰った。これ全部食べれるかな…

 

 

「あんたまだ持てるかい?」

 

 

「はい、まだ大丈夫ですよ」

 

 

「若いっていいわねぇ~」

 

 

そんなことを話しながら歩いていくと今度は香辛料を扱ってる店に来た。店にはハチマキを巻いている若い男性がいた

 

 

「いらっしゃいお婆ちゃん、いつものセットでいいでよね?あれ?今日は手伝いの子もいるの?立派だねぇ、あ!はいこれ、塩と胡椒。お婆ちゃんが買うもの以外の肉があるってことはそれお兄さんのでしょ、お肉と一緒にどうぞ。また来てね!」

 

 

今度は香辛料を貰った。ここら辺の人達皆こんな感じなのか?

 

 

「さて、買い物も終わったし帰るとするよ」

 

 

「分かりました。あ、そのお婆さんの荷物も持ちましょうか?」

 

 

「いいのかい?ありがたいねぇ、あんたまだ若いのにしっかりしてるよ」

 

 

婆さんの色々な話を聞いてると屋敷に帰ってきた

 

 

「この荷物、後は一人でも大丈夫なんですか?」

 

 

この荷物を運ぶのは老人には少しキツいだろう

 

 

「大丈夫だよ、もうすぐで息子が帰って来るからねぇ、今日はありがとうねぇ…そうだ、これ少ないけどお小遣い。」

 

 

今日は沢山貰うな、ありがたいけど

 

 

「えっと、いいんですか?」

 

 

「いいのよ、話し相手にもなってくれたし」

 

 

「えっと、じゃあ貰います。ありがとうございました」

 

 

さて日もくれそうだし、冒険者ギルドに戻るとするか。そういえば、お小遣いいくらだ?

 

 

封筒を開けてみると十万エリスが入っていた…これで少し…やっぱりお金持ちだったか。今日貰った食材はカズマ達にも食べて貰うか。

 

 

そんなことを考えながらギルドに戻るのだった

 

 

ー冒険者ギルドー

 

 

「あ!八幡見ろこの服装!ファンタジーっぽくなったろ!」

 

 

ギルドに戻るとカズマが今日買ってきたであろう衣服を見せつけてきた。そういえば俺も制服だけだったな。今度買いに行くか

 

 

「良かったな、ジャージからレベルアップだ」

 

 

「おう!ところでその荷物は何だ?」

 

 

「これか?さっきまでクエストに行ってたんだが、ただで貰った」

 

 

「ちょ!どういうことよ!何でこんなに食べ物が貰えるわけ!もしかして脅したの?」

 

 

アクアが酷いことを言ってくる

 

 

「八幡はそんなことしません!カズマじゃないんですから」

 

 

「それはどういう事だめぐみん!?」

 

 

カズマとめぐみんが取っ組み合いになったがいつものことなので無視をする

 

 

「それよりも聞いて!私レベルが全然無いの!なんでか分かる?!アークプリーストなのに敵を一体も倒してないし、誰も回復をしていないの!だからこのクエストを受けたわ!パーティーメンバーなんだから着いてきて!」

 

 

What?アクアの受けた依頼表を奪い内容を確認した

 

 

「ゾンビメーカーの討伐?これでアクアのレベルが上がるのか?」

 

 

「そうよ!私の浄化魔法でアンデッドを倒すの!そうすれば経験値が入ってレベルが上がるわ!」

 

 

アクアが言うには浄化魔法はアンデッドにとって致死毒のようなものらしい

 

 

「取り敢えず皆このクエストを受けるってことでいいのか?」

 

 

「俺飯食いたかったんだけど」

 

 

カズマが腹が減ったと言い出した…そうだこの貰ったので料理を作ればいいんじゃないか?

 

 

「なぁどうせだし、この貰った食材で料理でも作るから墓地の近くまでは移動しないか?」

 

 

「うむ、この依頼を受けるなら夜食を何処かで食べないといけないからな、よろしく頼む…アワヨクバスイミンヤクヲツカッテ…ンッ」

 

 

後半の発言は聞かなかったことにしよう

 

 

「じゃあこの依頼を受けて墓地の近くまで移動するか」

 

 

そうして俺達パーティーは墓地に向かうのであった

 

 

ー墓地近くー

 

 

「さて、肉、野菜、香辛料この三つがあれば何ができると思う?めぐみんどうぞ」

 

 

「えっとですねぇ……ハッ!そのバーベキューコンロはもしかして!」

 

 

「…そうだ。焼き肉パーティーだ!」

 

 

「八幡様サイコー!」

 

 

「八幡…やりますね!」

 

 

「…スイミンヤク…ハッ!モシカシテマヒドク!」

 

 

「八幡ありがとな!」

 

 

一人平常運転なやつがいるが他の皆は楽しみにしているようだ

 

 

「さて焼くとするか」

 

 

俺が肉や野菜を焼き、他のメンバーがそれを食べる。時々カズマとアクアが肉の取り合いで喧嘩になったり、ダクネスが少ししょんぼりしながら食べ、めぐみんは肉を取られまいと頬張る様に食べている。…こんなに大人数でワイワイ食べるなんて昔の俺だったら考えられんな

 

 

「あの八幡?どうしたんですか?」

 

 

めぐみんが俺が考え込んでるのを見て心配して来てくれた

 

 

「ん?あぁ故郷のことを思い出してな、色々あったが今こうやって楽しんでる自分がいるのに驚いてたんだ。心配するな」

 

 

「そうだったのですか、八幡の故郷の話を聞きたいとは思っていたのですが、また今度にします」

 

 

っと、これで最後か

 

 

「なぁ、もう食材が無くなったから終わりでいいか?」

 

 

「おう!サンキュー八幡、美味しかったぜ!」

 

 

「うむ、美味しかったが…なぜなにもしないんだ…」

 

 

「八幡酒は無いのぉ?」

 

 

「八幡、ありがとうございました。凄く美味しかったです」

 

 

「おう、で?もう暗くなったがクエストを始めるのか?」

 

 

約二名の戯言はほっといてクエストを始めるかどうかをカズマに聞いた

 

 

「そうだな、てかアクアがレベルを上げたいってここに来たんだから酒とか要求するな!後で飲めこのバカ」

 

 

「バカって何よ!なにも出来ない癖に威張っちゃってこれだからクズニートは」

 

 

「うるせぇ!金使いが荒い上にいつも借金してる癖に女神だと?!じゃああれか?借金の女神様ですかぁぁ?」

 

 

「プッチーン!もう怒ったわ!覚悟しなさい!今謝れば半殺しで許してあげるわ」

 

 

「ほぉ?やれるもんならやってみろ!クエスト受けずに帰るか?これ以上お荷物になるんだったらこっちだって考えがあるからな!」

 

 

はぁ…行くって言ってるのになにやってんだこのバカ二人は

 

 

「はい、終了。もうそれはクエストを終わらせてからやって」

 

 

「「ふん!」」

 

 

不安しかないんだが

 

 

ー墓地内ー

 

 

若干薄気味悪いが墓地だから仕方のないことだろう

 

 

「私の勘がいってるわ!この先に強いアンデッドがいるはず!」

 

 

そういいながらアクアが走って奥の方まで走っていってしまった

 

 

俺達もアクアを追いかけるとアクアが向かったところから悲鳴が聞こえた…まさか

 

 

俺達がアクアの所に到着するとアクアがフードを被った女性を取り押さえていた…え?

 

 

「えっとアクアその人誰だ?」

 

 

カズマがアクアに質問するが喧嘩中だからか無視をしている

 

 

「皆!こいつはリッチーよ!早く倒さないと!」

 

 

「や!止めてください!急に何なんですか!あ!ちょ、魔方陣を破壊しないで!」

 

 

…なんだこれ、フードの女性はアクアが魔方陣を壊そうとするので必死に止めているがアクアが全く止まらず、今もなお壊し続けている状況だ

 

 

「はぁカズマ一旦アクアを止めろ、それでも止められないんだったらダクネスも協力しろ」

 

 

取り敢えずカズマとダクネスによってアクアが止められた

 

 

「あ、ありがとうございます!と、ところでなんでここに?」

 

 

「クエストを受けていて場所がここの墓地だったんですよ」

 

 

「そうなんですか、助けていただきすみません」

 

 

アクアがリッチーと言っていたがこんなに礼儀正しいものなのか?

 

 

「ところでリッチーなんですよね?なんでこんなところにいるんですか?」

 

 

「えっとですね、私はリッチーなのでアンデッドの王としてさ迷う魂達の声が聞こえるんです。そしてこの共同墓地にはお金が無いなどの理由で多くの方が供養されずにさ迷っている状況です。なので、私がここに定期的に訪れて成仏をしたがっている魂を成仏しています」

 

 

「そういうことか、大変なんだな。でもそういうのは街にいるプリーストに任せればいいんじゃないのか?」

 

 

「…えっと、とても言いにくいんですけど、街にいるプリーストさん達はお金を払わないとお金が無い人を後回しにするといいますか」

 

 

「つまり街のプリースト達はこんな共同墓地に埋葬された人達より金を優先してるってことだな」

 

 

図星だったらしく困った顔で答えた。なるほど、だから代わりに成仏させてるってことか…凄いいい人なんだが

 

 

俺とフードの女性が会話をしているとカズマが割り込んできた

 

 

「すみません、内のパーティーメンバーが…あ!自分はカズマって言います。で、こいつが八幡後ろの三人はアクア、めぐみん、ダクネスです。お姉さんのお名前はなんでしょうか?」

 

 

するとフードの女性は慌てて被っていたフードを脱ぎ

 

 

「えっと、私はウィズって言います。一応リッチーです」

 

 

と少し笑顔で答えた




次回予告
特に何も思い浮かばなかった!
次回「めぐみんとの廃墟」


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第九話 めぐみんとの廃墟

どうも、お待たせしました。やっぱり前回よりも長くなってしまいました。


ウィズと自己紹介した女性は二十代の色気のあるお姉さんだった。よく見ると体型もあそこにいる変態クルセイダーより良いかもしれない…カズマ、その顔は止めろマジで嫌われるぞ

 

 

「えっと、ウィズさんですね?」

 

 

「ウィズと呼んでください」

 

 

え?いやまてまて年上美人を名前で呼ぶのはちょっと抵抗が…雪ノ下さんの時もさん付けだったし

 

 

「えっと名前で呼ぶのはなれてなくてですね、それはちょっと」

 

 

「呼んでください」

 

 

するとカズマが

 

 

「じゃあ俺が名前で呼ぶ…「結構です」…よ」

 

 

カズマ…さすがに下卑た目のままでそんなこと言ったら拒否されるのは当たり前だろ

 

 

「プークスクス!カズマさん一瞬で振られてんの~!」

 

 

今のやり取りが面白かったのかアクアが爆笑していた。他にもめぐみんとダクネスは俯いて肩を震わせていた

 

 

「べっつにぃー!振られてませんけどぉ!ただ呼び捨てを断られただけですしー!」

 

 

カズマは強がってはいたが涙目になっていた

 

 

「えっと、今回のクエストがゾンビメーカーの討伐なんですよ、だからウィズさ「ウィズ」…ウ…ウィズ、ゾンビを起こさないで成仏させることは出来ませんか?」

 

 

「そのですね?私が呼び起こしている訳では無いんですよ。私が来ると勝手に死体の中にある魔力が反応して、目覚めてしまうんです。あの、私は埋葬された方々が成仏されればここに来る必要が無くなるんですけど…」

 

 

浄化魔法を使えるやつか…ん?アクアが使えたような

 

 

「アクア。お前の活躍できる所じゃね?」

 

 

「…!そうね!でも納得いかないわ!リッチーの真似事みたいで!」

 

 

…この駄目神が

 

 

「元はプリーストが働いてないのが悪いんだろ?これちゃんとやったら酒奢ってやるから」

 

 

「ほ!本当!なら任せなさい!このアークプリーストである私がちょちょいのちょいで片付けてあげるわ!」

 

 

アクアは浄化魔法を片っ端からかけていった。扱いやすいな

 

 

「見てくださいカズマ、八幡はあのアクアを手なずけています。少しは見習ったらどうなんですか?」

 

 

「無理だ、あれは八幡だから出来るんだ。俺がやったら速攻で殴られる自信がある。敵に回したくないな」

 

 

あのってなんだ、まぁ長年、小町の我が儘を聞いていたからな

 

 

取り敢えずウィズさんには帰って貰った。下手すればアクアの浄化魔法で成仏しそうだったからだ

 

 

そして、アクアが浄化魔法をかけ終わり、話し合いで今後アクアに定期的に墓地を浄化しにくるということを決めた

 

 

アクアがお金にならないからとか、時間を無駄にしたくないなどと大騒ぎしていたが、俺がカズマが終わったら飯を奢ってやるって言ってたといい渋々了解をさせた

 

 

そしてギルドに帰る途中だった時

 

 

「しっかしリッチーが街に住んでるって、街の警備はしっかりしてんのか?」

 

 

カズマがウィズさんが働いてる店のチラシを見てため息をついていた。確かに、リッチーが普通に生活してるのはどうなんだ?しかも、マジックアイテムを売ってる店の店主らしい

 

 

「はぁ…この世界に来てから俺の思ってる異世界のイメージが崩れてんだが、ていうか俺の思ってた異世界と違う…」

 

 

まぁ確かにキャベツが空を飛ぶのは俺も予想外だった。でも実は、この異世界も割といい世界だなって少しは思ってる自分がいるんだよなぁ

 

 

「じゃあなんだ?毎日毎日モンスターが大量に襲ってくるとかか?」

 

 

「それはやだ」

 

 

……即答かよ

 

 

こんな話をしていると、全然喋って無かったダクネスが何かを思い出したように話しかけて来た

 

 

「そういえば、ゾンビメーカーの討伐依頼はどうなるのだ?」

 

 

「「「「……あ!」」」」

 

 

ー冒険者ギルドー

 

 

結局俺達はギルドに戻り受付嬢のルナさんにいなかったと報告をした。いなかったとしても討伐できていないため依頼は失敗という扱いになった。アクアが駄々をこねたが引き下がらないと酒を奢らないと言うと、やけ酒よ!とテーブルに向かっていった

 

 

「八幡さんのパーティーは大変ですね」

 

 

ルナさんが同情するような目で見てきた

 

 

「まぁそうですね。カズマは変態でずる賢いし、アクアはいつもあんな感じですし、めぐみんはいつもは普通なんですけど戦うとなると一発屋ですし、ダクネスは剣が全く当たらず、さらにドMなんでこのパーティーは変人の集まりかなんかだと思ってます」

 

 

「そうですか、でもそんなパーティーに入ってる八幡さんも相当凄いですけどね」

 

 

それはどういう意味なんだ?ルナさんと話していると席を取ったアクアが早く来いと言ってくる。そしてカズマは何で睨んでくるんだ?

 

 

「よし、八幡も来たし飲むか」

 

 

ルナさんと話してる時、あんなことを言ったが俺はこのパーティーを結構気に入ってる…と思う

 

 

ー翌日 冒険者ギルドー

 

 

「なぁなぁ知ってるか?さっき聞いたんだが魔王軍の幹部の一人が、この街の近くの古い城を乗っ取ったんだって」

 

 

俺がギルドに来ると口に泡を付けたカズマがこっちにやって来た

 

 

「そうか、じゃあ余り近づかない方がいいな」

 

 

カズマと話ながらアクア達がいるテーブルに向かう

 

 

アクアとダクネス、めぐみんがテーブルに置いてある野菜スティックをポリポリ食べながらカズマのことを見ていた

 

 

「どうした?俺の顔に何か付いてるか?」

 

 

泡が口回りに付いてるな

 

 

「カズマ…口に泡、付いてるわよ」

 

 

カズマの顔が真っ赤になっていっ た。相当恥ずかしかったのだろう

 

 

「なぁ八幡…お前気付いてたのに何で言ってくれないんだ?」

 

 

「新しいファッションかと…」

 

 

「な訳あるか!」

 

 

騙せなかったか

 

 

取り敢えず俺達は三人が座っているテーブル席に座った

 

 

カズマが置かれてる野菜スティックに手を伸ばすと野菜スティックがカズマの手から逃れるように避けた

 

 

何してんだ?俺も野菜スティックに手を伸ばすと普通に取れた。カズマが若干苛ついている

 

 

「どうやったの?八幡。普通はテーブルを叩いて驚いて動かなくなったやつを取るのよ?」

 

 

アクアはそう言いながらテーブルを叩き野菜スティックを口に運んでいった

 

 

「八幡はいつもどうりなので別に驚かないです。カズマは少しは身の回りを気にした方が言いと思います」

 

 

今度はめぐみんがテーブルを叩き野菜スティックを口に運んだ。後、いつもどうりってなんだよ

 

 

「カズマ、私でもそういうことはしっかりしてるそ?」

 

 

若干自虐を挟んだダクネスがコップのフチを指で弾いて野菜スティックを口に運んだ

 

 

「俺だっていつも気にしてるからな?今日のはたまたまだからな?」

 

 

そう言いながらカズマがテーブルを叩き野菜スティックを手にしようと…ヒョイッ

 

 

「せいやあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「止めてぇぇ!私の野菜スティックを投げようとしないでぇ!た、食べ物を粗末にするのはよくないわ!」

 

 

カズマが野菜スティックを投げようとするがアクアに止められ、野菜スティックはカズマから逃げるようにこっちに跳ねてきた

 

 

「何で八幡に野菜がなついてんだよ!てか何で野菜が逃げんだよ!ちゃんと仕留めろよ」

 

 

「何言ってるの。お魚もお肉も野菜も新鮮な方がいいでしょ!」

 

 

アクアが中々放さないので、カズマは野菜スティックを食べることを諦めたようだ

 

 

「まぁいいや、それより聞きたいことがあんだけど。レベルが上がったら次は何のスキルを覚えようかなと思っててな?バランスがおかしいんだよここのパーティーは。俺が穴を埋める感じでいきたいんだが。ていうかお前らのスキルってどんなのがあるんだ?」

 

 

確かにバランスが悪いのは難点だからどうにかしないとな

 

 

「私は物理耐性と魔法耐性、各種状態異常耐性で占めている。後はデコイだな」

 

 

もうお前攻撃する気が無いだろ

 

 

「もうお前はいいや」ンンッ!ジブンカラキイトイテ

 

 

「私はもちろん爆裂系のスキルです。爆裂系魔法威力上昇や、高速詠唱など、最高の爆裂魔法を放つためのスキル振りです。これまでも、これからも」

 

 

めぐみんにはこれから先レベルを上げて爆裂魔法で倒れないようになって欲しい

 

 

「えっと、私は…」

 

 

「お前はいいや」

 

 

「何でよ!」

 

 

まぁどうせ演芸だろうな

 

 

「八幡は?」

 

 

「俺か?俺は料理、調合、成功率up、千里眼だな。欲しいのはこれだがポイントが凄く必要になる」

 

 

そういって四人にスキルを見せた

 

 

「えっと何々?」

 

 

スキル 弱点探知  必要ポイント 150

   

内容:相手の苦手な属性や大ダメージ(急所)を与える場所を確認することが出来る

 

 

「これと仮面ライダーを合わせれば強いかなって思ったんだが」

 

 

「八幡、これ以上強くなるつもりか?てか、八幡がいなかったら俺、ここのパーティーから移籍しようって考えてたな」

 

 

今のカズマの言動にアクアがキレたが放っておこう

 

 

ー数日後 冒険者ギルドー

 

 

例のキャベツ狩りから何日間かたった。ちなみに報酬が払われたが俺は五百万ちょい貰った

 

 

俺とカズマは報酬を貰いギルド内でテーブル席に座っている。そこにダクネスがやってきた

 

 

「カズマ、八幡見てくれ。報酬が良かったから鎧を強化してみたのだがどうだ?」

 

 

「成金のボンボンみたいだな」

 

 

「カズマはどんなときも容赦が無いな。私だって素直に誉めて欲しいときもあるのだが」

 

 

珍しくダクネスが凹んでいる

 

 

「あのな?今はお前よりも危ないやつがいるんだよ。そいつをどうにかしてくれ」

 

 

「たまらない、たまらない!魔力の溢れたマナタイト製の杖のこの色艶。…ハァハァ…早く!早く撃たないと!」

 

 

ここで爆裂魔法を撃つのは止めて欲しい。めぐみんが新調した杖を抱きしめ高速で頬をスリスリしている。てか朝からずっとスリスリしている

 

 

因みにキャベツ狩りで得た報酬は、均等に分けるのではなく自分で捕まえた分を報酬にしようという話になった。これを決めたのはアクアだ

 

 

そして今その言い出しっぺが換金に並んでいる所だが

 

 

「…なんですってぇぇぇ!?ちょっとあんたどういう事よ!」

 

 

ギルドに響き渡るアクアの叫び声…はぁ、また巻き込まれそうだ

 

 

ギルドの受付カウンターでアクアがルナさんの胸ぐらを掴み叫んでいる

 

 

「どうして五万ぽっちなのよぉ!十や二十じゃないはずよ!」

 

 

「そのですね?申し上げ難いのですが…アクアさんの捕まえてきたのは、ほとんどがレタスでして…」

 

 

「なんでレタスが混じってるのよぉぉ!」

 

 

「私に言われましてもぉ!」

 

 

アクアがこれ以上は無駄だと思ったのかにこやかにこちらに近づいてきた

 

 

「カーズマさん!今回のクエストの報酬はおいくら万円?」

 

 

「百万ちょい」

 

 

「「「百万!?」」」

 

 

カズマも相当稼いだな

 

 

「カズマさん!前から思ってたんだけど…何かいいと思うの!」

 

 

「何かってなんだよ!てか絶対に貸さないからな!」

 

 

「カズマさぁぁぁん!!!この鬼!鬼畜!変態泥棒!」

 

 

「お前ギルドで何てこと言ってくれてんだ!」

 

 

アクアの発言により女性からカズマへの視線が痛いものになった

 

 

「は!八幡!お願い!私今回の報酬が相当な額になるって踏んでこの数日で有り金全部使っちゃったんですけどぉ?それにここの酒場に十万エリスのつけがあるの!お願い!」

 

 

「はぁ…今回だけだからな?ほら十二万エリスあげるから、次からは金の使い方気を付けろよ?」

 

 

「はちまぁぁん!ありあとぉぉぉ!…この二万は?」

 

 

「アクア、多分ですが八幡は全額返したら食べるご飯の額が払えなくなるから多めに渡したんだと思います」

 

 

「ほ、本当に?…グスッ…八幡ありがとう、あそこにいる鬼畜男と雲泥の差だわ…」

 

 

「誰が鬼畜だ!もともと金使いの荒いお前が原因だろ!それにこれは使い道があるんだ!」

 

 

「…そりゃあカズマが夜な夜なゴソゴソしてるの知ってるから早くプライベートな空間が欲しいのはわかるけど…」

 

 

…カズマ、御臨終様です

 

 

「まぁ元気出してください。カズマですし問題ないじゃないですか」

 

 

「カズマなんなら私を使ってくれてもいいんだぞ?そして物のように扱われて…ハァハァ」

 

 

おいそこ、固まってるカズマにこれ以上追い討ちをかけるんじゃない

 

 

ー数時間後ー

 

 

「さて、固まってたカズマも戻ってきたことだし早速クエストを受けましょう!それも大金が貰えるやつ!」

 

 

「いいえ!沢山の雑魚モンスターがいるやつです!そしてこの杖の威力を…」

 

 

「いや!ここは強敵を狙うべきだ!一撃が重く気持ちいいやつだ!」

 

 

三人ともバラバラの意見を言ってくる

 

 

「まぁ取り敢えず掲示板の依頼を見てから決めようぜ?」

 

 

カズマの意見で俺達は掲示板へ向かっていった

 

 

「依頼がほとんど貼ってなくないか?てか、残ってる依頼がどれも難易度が高すぎるんだが?」

 

 

カズマがそんなことを言ってるとルナさんがやって来た

 

 

「申し訳ありません。最近魔王の幹部らしき者が近くの小城を占拠したようでして、弱いモンスターが現れなくなってしまったようです」

 

 

申し訳なさそうにルナさんの言葉に、一文無しのアクアが悲鳴を上げた

 

 

「なんでよぉぉぉ!!」

 

 

「じゃあ今日は解散で後は自由行動でいいか?」

 

 

カズマが今日は何も出来ないからということで自由行動にしたようと提案をした

 

 

「そうね私はバイトを探してくるわ!」

 

 

アクアが金稼ぎのためにと席を立ち上がりギルドの扉を勢いよく開け走っていった

 

 

「あの八幡、今日は時間を少しくれませんか?」

 

 

めぐみんが上目遣いで頼んできたので、まぁ断れないな

 

 

「いいぞ?取り敢えず移動するか」

 

 

俺とめぐみんは席を立ちギルドをあとにした

 

 

ー山道ー

 

 

「つまり国の首都から腕利きの冒険者や騎士団がここにくるまでは、まともな依頼も無いってことか」

 

 

「はい、そういうことになります。なので八幡には私の日課に付き合って貰います!」

 

 

急にめぐみんのテンションが上がったので爆裂魔法関係のことだろう

 

 

「で?爆裂魔法のことか?」

 

 

「そうです!一日一回爆裂魔法を放つことが大切なのです!」

 

 

「で、俺は撃った後にめぐみんを運ぶってことか?」

 

 

「その通りです!八幡は私の事を理解してますね!」

 

 

まぁ昔、一時期黒歴史になるようなことをしてたからな

 

 

「さぁ着きました!あれです!」

 

 

めぐみんが指を指したのは廃城だった

 

 

「昨日からあれに向かって撃っているのです!昨日はカズマと来ましたが、私の…その…おんぶした時にですね?触り方が…」

 

 

あいつマジでバカな変態だろ

 

 

「はぁ…そういうことか、わかった。付き合ってやるからさっさと撃て」

 

 

「はい!」

 

 

めぐみんはウキウキと廃城に爆裂魔法を撃ち込んだ。誰かの悲鳴が聞こえたが気のせいだろう

 

 

俺は今日からめぐみんの爆裂魔法の採点に付き合わされることになった




次回の話題…

めぐみんの爆裂魔法の採点に付き合わされる八幡。そんな八幡に指名の依頼が!

次回 「八幡。初の指名依頼」


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第十話 八幡。初の指名依頼

皆さんお久しぶりです。学校の用事や家庭の用事などで遅れてしまいました。てか、おくれ過ぎました


俺とめぐみんの新しい日課が始まった。

 

 

お金が無いアクアは毎日アルバイトをしている。ダクネスは、しばらく実家に帰るらしい。カズマはギルドの酒場で毎日酒を飲んで他の冒険者と情報を交換している…が正直ためにならない

 

 

そしてめぐみんは毎日あそこにある廃城に爆裂魔法を放ち続けている

 

 

俺はめぐみんが倒れた後、めぐみんをおぶって街に戻る役目だ

 

 

それは、真夏日をも思わせる暑さの午後

 

 

それは、緩やかな風が吹く食後の昼下がり

 

 

それは、少し肌寒い早朝

 

 

どんな日でもめぐみんはその廃城に爆裂魔法を放った

 

 

そして俺は毎日見ているからなのか爆裂魔法の出来が分かるまでになっていた

 

 

「『エクスプロージョン』!!!」

 

 

「おぉ、今日の爆裂魔法はいい出来だな。衝撃波がズドンと全身に響きそれでいて、肌を少し撫でるかのように空気の振動が遅れてくる。何故かあの城は無事だが、ナイス爆裂」

 

 

「ナイス爆裂!フッ八幡も爆裂道が段々分かってきましたね!どうです?本当に爆裂魔法を覚える気はありませんか?!」

 

 

「それは無理だな。攻撃魔法を覚えることが出来ないし」

 

 

「そうでしたね。仮面ライダーは強いですけど魔法を使えないのは残念ですね」

 

 

「ん?使えるやついるぞ?」

 

 

「…えっ?」

 

 

「…まぁいつか使うかもな」

 

 

「今見せてくれないんですか?」

 

 

「…正直めんどい」

 

 

「えぇー…」

 

 

「てか、毎日おぶってやってんだから感謝しろよな?」

 

 

「まぁ、美少女を背負ってるって思ったら役得じゃないですか?」

 

 

「あのなぁ、自分の事を美女とか美少女って言ってるやつはだいたいヤバイやつだぞ?例えばアクア」

 

 

「それじゃあ、私もヤバイやつじゃないですか!」

 

 

そんなことを話ながら俺達はアクセルに戻って行くのであった

 

 

ー冒険者ギルドー

 

 

俺達がギルドに入ると受付嬢のルナさんが気づいてこっちにやって来た

 

 

「八幡さん、おはようございます。すぐで悪いのですが、あちらでお話しましょうか」

 

 

俺はめぐみんをおろしルナさんに手を引っ張られてった。めぐみんはこちらを見ていたが拗ねたようにテーブル席に向かって行った

 

 

「えっと、それでどういったご用件でしょうか?」

 

 

「そのですね、八幡さんに指名依頼が来たんですよ」

 

 

「はい?えっと、どちら様からですか?」

 

 

「前回八幡さんが受けたお手伝いの依頼覚えてます?」

 

 

「…あぁ、あのデカイ家のおばあちゃんですか?」

 

 

「そうです。その方から依頼がありまして、採取の依頼なんですよ」

 

 

「別に依頼は受けますけど、何を取ってくればいいんですか?」

 

 

「とある花なんですけど、場所が山の上にあって途中に出てくるモンスターも結構強いんです、そこで八幡さんに指名が入りました。その人も八幡さんだったら行けると思って依頼をしたそうです」

 

 

何か期待され過ぎてないか?てか、あのばあちゃん何で知ってるんだ?

 

 

「えっと、期間とか報酬とかは?」

 

 

「期間は一週間前後、報酬は百万エリスです。まぁ一ヶ月以上かかる道のりなので報酬は妥当な方だと思います」

 

 

百万か、まぁ道のりは大丈夫だな

 

 

「えっと、その花の名前と、こう…絵というか特徴とかも教えてくれませんかね?」

 

 

「そう言うと思ってました!なのでここに資料を用意しています!」

 

 

「…ありがとうございます。じゃあさっそく依頼を受けるので他のメンバーに話してきます」

 

 

「はい!わかりました。では頑張ってくださいね」

 

 

さてさてカズマ達は今何処にいるんだ?…いたな。

 

 

「あーカズマ達、俺指名で依頼が入ったから一週間位いないんだがいいか?後でダクネスにも言っといてくれ」

 

 

「ん?八幡どっかいくのか?まぁ八幡がいない間は依頼を受ける気は無いから大丈夫だぞ」

 

 

「八幡、その依頼報酬いくらなの?」

 

 

「八幡!私の爆裂魔法を毎日見てくれたじゃありませんか!八幡がいない間私はどうすればいいんですか!」チョットムシシナイデヨ!

 

 

「それは、カズ…ダクネスかアクアにやって貰ったらどうだ」

 

 

「おい?何で俺は除外されたんだ?」

 

 

「それは自分で考えろ。でだ、俺はもう出発しようと思ってるから最後に何かあるか?」

 

 

「…八幡」

 

 

「…どうしたアクア」

 

 

「わ、私この酒場にちょっとツケがあるのよ…」

 

 

「…だから?」

 

 

「お、お金を貸してもらえないかなぁ~て…」

 

 

「それは返ってくるのか?」

 

 

「そ、その今度の報酬でお金が入ったら真っ先に渡すわ!」

 

 

「はぁ、わかったわかった、で?いくらだ」

 

 

「五万エリス…です」

 

 

「は?確かアルバイトをしてただろ?」

 

 

「えっと…そのですね?お給料よりお酒の方が高くてですね?シュワシュワにしようと思ってたんですけど仕事終わりだから一杯だけ高いのって頼んでたんです…そしたら…ウウッ」

 

 

こいつ何も学んでねぇな。前回抑えるって言ってただろ

 

 

「五万な?もう今度からカズマから貰ってくれ」

 

 

「八幡?!」

 

 

「じゃあそろそろ行ってくるから」 

 

 

「おう、頑張ってこいよ」

 

 

「カズマ、金が入ったからって酒を飲み続けてたらアクアみたいになるぞ?」

 

 

「…俺、酒少し控えるよ」

 

 

「じゃあ行ってくる」

 

 

バイバーイ!オミヤゲヨロシクネ!ハヤクカエッテキテクダサイヨ!

 

 

アクアの野郎金貸したのにお土産買ってこいって…あいつ本当に反省してんのか?まぁ、これからはカズマに金を払って貰うことになったからいいか

 

 

ー街から少し離れた草原ー

 

 

さてここまでくればいいかな。向かう山は一応見えるが大分遠いな、まぁ取り敢えず

 

 

「変身」

 

 

『KAMEN RIDE ディケイド』

 

 

さてバイクどうやって出すんだ?カードにあるのか?

 

 

取り敢えず探してみる

 

 

「あった!マシンディケイダー」

 

 

『RIDER BIKE マシンディケイダー』

 

 

すると目の前にマシンディケイダーが現れた

 

 

「おぉこの目で実物を見れるとは」

 

 

じゃあ股がってと

 

 

「…おぉ!結構乗り心地いいな」

 

 

さて、取り敢えず向かうか

 

 

あ~…風が気持ちいいな。モンスターもちらほらと見えるが襲って来ないしこのペースだったら一日ぐらいで着くな。まぁもう少ししたら休憩するか

 

 

ーちょっと高い丘の上ー

 

 

「…何というか、あいつらがいないとこんなにも静かなのか。あっちの世界ではこれが普通だったのにな。少し辛いって思うなんて。こんな気持ちになったのは、修学旅行のあの件の時以来だ。こんなこと小町に言ったらどちら様ですかって言われそうだな……それは傷つくな」

 

 

そういえば、ルナさんから貰った資料見てねぇや

 

 

「何々?イズの花?イズってゼロワンに出てたな。効果、薬にするとスキル 情報処理 が覚えられるだと?こういうの調べれば仮面ライダーと関連づけられるスキルとかも覚えられるのかな。まぁそれは時間があったらにして、色は白に水色の線か、まぁわかりやすいな」

 

 

俺は本を閉じまた山に向かった

 

 

ー山の入り口ー

 

 

「やっと着いたな。今日はもう暗いから寝床作って寝るか」

 

 

簡易のテントを張り1日目が終了した




次回 イズの花を探せ!

次はもう少し早く出したいと思っています


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第十一話 イズの花を探せ!

どうも、今回も少ないですね。多分ですがこれから先ギャグなどが多くなるかも知れません。では、どうぞ(*´∀`)つ


さて今俺は何処にいるでしょうか

 

 

…正解は崖の下でした

 

 

まぁ何でかというと、朝起きてイズの花の生える場所を調べたら、崖の周辺によく生えてるって書いてあったからだ。

 

 

「それじゃあ花を探すとするか」

 

 

「変身」『KAMEN RIDE ディケイド』

 

 

空を飛べるライダーといったらこいつかな?

 

 

『KAMEN RIDE ゴースト』レッツゴー!カクゴ!ゴ・ゴ・ゴ!ゴースト!

 

 

そして

 

 

『FORM RIDE 闘魂フーディーニ』

 

 

よし、これで飛べるな。何?他にもあっただろ?…テレビ見て使って見たかったんだよ。てか…どうやって飛ぶんだ?

 

 

そう思っていると急に動き始めた

 

 

「うぉぉぉぉぉ…お?」

 

 

使ってる感想を言うが、めちゃくちゃ楽しい!大きいけど意外と空気抵抗が無いんだな…じゃなくてとっとと花を見つけるか

 

 

ー六時間後ー

 

 

「…無い」

 

 

そう無いのだ。岩の隙間や、端の方、崖の周辺の林など細かく探した

 

 

「この場所は多分外れだったんだな。…そう思いたい」

 

 

今日の成果は何かのつぼみと崖から飛び出ている枝くらいだった

 

 

今日はもうここまでにして他の崖がある所に移動して寝ることにした

 

 

ー翌朝ー

 

 

さて私は何処にいるでしょうか?

 

 

……正解は昨日探した崖の反対側でした

 

 

昨日は探しても見つけられなかったが今回は何か行けそうな気がする!

 

 

ー八時間後ー

 

 

「…無い」

 

 

昨日と同じように隅から隅まで見たんだが花すら見ない

 

 

日ももうすぐで落ちるし、支度をするか

 

 

本当に依頼の期間内に達成出来るのか不安になってきた

 

 

ーテント内ー

 

 

「それにしても、全く見つからないのはどうなんだ?」

 

 

今日見つけたのはまた何かの植物のつぼみと崖から枝が飛び出しているぐらいだった

 

 

俺は何か見落としがあるかもしれないと、ルナさんがくれた資料をもう一度見直した

 

 

「…マジかぁ。あのつぼみかよ」

 

 

ルナさんがくれた資料には、イズの花は朝六時から七時の間に咲くらしい。因みに俺が起きて捜索をし始めたのは、十時くらいからだ

 

 

「はぁ…だからいくら探しても見つからなかったのか」

 

 

まぁどうすればいいのかも分かったし明日には依頼が完了するだろう

 

 

ー翌朝ー

 

 

さて、今は六時位だろう。なんで時計が無いのに時間が分かるかって?それは、はっきり言うと慣れたとしか言えないんだよなぁ

 

 

「花咲いてるかな?」

 

 

テントから出て崖の方を見ると崖にびっしりとイズの花が咲き誇っていた…んだが、枝が花を守るように動いている

 

 

まぁ飛ばなくても取れる位置に花が咲いているので大丈夫だろう

 

 

「んー…なるべく戦闘は避けたいんだよなぁ」

 

 

俺はカードを取り出し、何を使おうかと作戦を練った

 

 

「よし、これでいこう」

 

 

「変身」 『KAMEN RIDE ディケイド』

 

 

そして

 

 

『KAMEN RIDE カブト』

 

 

お気づきの方もいるだろうが一応考えた作戦を話そう。…俺は誰に向かって話すんだって?メタいから言わんぞ?

 

 

さて、作戦はこうだ。まずカブトになりクロックアップを使う。そしてあの枝が気づく前に花を回収する。万が一見つかったとしてもスピードで追い付けないだろうから多分大丈夫。ということだ

 

 

『ATTACK RIDE クロックアップ』

 

 

すると周りの木々が先程まで風で揺れていたが急にゆっくりになった。あの枝も物凄くゆっくりに動いている

 

 

「これなら取れるな」

 

 

俺は素早く根本からイズの花を何本か回収した

 

 

「そして時は動き出す」

 

 

この動き始める感じが好きなんだよなぁ

 

 

さてと花も回収できたし帰るとする…か?

 

 

俺が見上げるとそこには大きな蟻がいた

 

 

…きっも

 

 

いや待て待てまだ気づいてないかもしれない。ここで焦ればこいつと戦わなければならない。ここは慎重に…

 

 

パキッ

 

 

…やったぜ。

 

 

キシャァァァ!!え?蟻ってそんな鳴き声なの?じゃなくてどうしよう

 

 

急に蟻がこっちに走ってきたので取り敢えず逃げた

 

 

「あぁぁぁぁ!!」キシャャャァ!!

 

 

えっと…えっと、あ!

 

 

これしかない!

 

 

『FINAL ATTACK RIDE カ・カ・カ・カブト』

 

 

カブトのライダーキックはカウンターに近い。なら、あの蟻を倒せなくてもノックバック位は

 

 

「せいやぁ!」

 

 

ライダーキックが蟻の頭部にヒットし蟻はイズの花が咲いている場所に飛んでいった

 

 

次の瞬間

 

 

蟻が崖から出ていた枝に絡まれ一瞬で絞め潰された

 

 

えぇ?グロ過ぎるんだが…しかも大きいからキモさ倍以上何だが。それよりも、あの枝怖すぎだろ。肉食植物か何かか?

 

 

「まぁ、もういいや。花は回収できたからな。じゃあ撤収」

 

 

俺は荷物をまとめてマシンディケイダーに乗りカズマ達がいる街へ帰っていった

 

 





八幡が帰るとカズマ達にいない間の話をされた。そして、八幡は知る

次回「え?何?魔王幹部?」


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第十二話 え?何?魔王幹部?

どうも皆さんお待たせしました。いやぁ最近寒くなってきたので体調管理に気を付けてください


あぁ、風が気持ちいい~

 

 

俺は今、依頼内容のイズの花を回収し始まりの街アクセルに帰っている最中だ

 

 

「にしてもあの蟻、ジャイアントトードと同じぐらい大きかったな」

 

 

初めて蟻の顔をドアップで見たが滅茶苦茶気持ち悪かった

 

 

「さて…気持ちの良い風をもっと浴びていたいとこだが前方で何かが起きてんな」

 

 

目線の先にはいかにも貴族が乗ってそうな馬車が止まっていて護衛の人達が何かと戦っているようだった

 

 

んー…助けた方がいいんだろうか。いやでも、急に目の腐った男が現れたら俺までもが攻撃の対象になりそうだな

 

 

「千里眼」

 

 

この前手に入れたスキルがやっと役に立ったな

 

 

ん?んー?透明な何かが揺らめいてるのがわかった。で馬車の中は?

 

 

馬車の中を見ると魔法使いらしき女性が一人、めぐみんと同じ年齢位の金髪の少女、それと護衛の女騎士が身を寄せあっていた

 

 

んー…やっぱ助けた方がいいか?しかし、これで助けた後に何か面倒なことになったら嫌だし…

 

 

俺がそう考えている内に馬車の護衛の団長らしき人が吹っ飛ばされていった

 

 

ヤバイな指揮をとっていた人がいなくなって騎士達が混乱し始めてる

 

 

俺は再度馬車にいる金髪の少女を見た。その少女はうっすらと涙を浮かべていた

 

 

そういえば小町も昔公園で泣いてたっけな……はぁ懐かしい

 

 

「変身」 『KAMEN RIDE クウガ』『FORM RIDE ペガサス』

 

 

俺はバイクのスピードを上げ馬車へ向かった

 

 

「だ!誰だお前は!」

 

 

騎士達が突然現れた俺に剣を向けてきた

 

 

「あーっと、説明は後でする」

 

 

さて、敵は?

 

 

なるほどシルエットから見るに巨大なカメレオンか

 

 

見えないようにするスキルでも持っているのだろう

 

 

「あぁ?助けに来たのか?」

 

 

さっき吹っ飛ばされていった団長らしき人物が隣に現れた

 

 

「そんなところだ。敵はカメレオンらしい」

 

 

「なるほど、敵はカラーレスカメレオンか。おいてめぇら!敵はカラーレスカメレオンだ!陣形を組め!もたもたするな!」

 

 

日本語にすると透明カメレオンか…そのまんまだな

 

 

さっきまで混乱していた騎士達はすぐに馬車を囲い守るように陣形を組んでいった

 

 

「お前はカメレオンの位置が分かるのか?ならば頼みだ倒してはくれないか?私達が守っているのはとても大切な人なんだ」

 

 

「はぁ、最初からそのつもりでここに来たんですよ」

 

 

「ありがとう!では、任せたぞ少年!」

 

 

さて早く帰りたいしこんなところで道草を食ってる場合じゃ無いからとっとと終わらせるか

 

 

『FINAL ATTACK RIDE ク・ク・ク・クウガ』

 

 

全感覚を集中させ敵をが襲ってくるのを待つ

 

 

…今だ

 

 

撃った必殺技は俺を食べようとしていたカメレオンの口の中から胴体、尻尾へ貫通していった

 

 

カメレオンは胴体を貫かれ絶命したからか、さっきまで透明だった体が緑色に変わっていった

 

 

「素晴らしいぞ少年!そいつは危険度が高く専用の装備がないと倒せない敵だったんだ!」

 

 

「そうなんですか。ではこれで」

 

 

感覚を鋭くしたためちょっと酔ってるが、俺はそう言ってバイクに乗ろうとすると

 

 

「ちょぉ~~っと待て少年。俺らの護衛しているお嬢さんがお礼をしたいらしいんだ」

 

 

「あー大丈夫だと、伝えといて下さい」

 

 

「すまんがそれはできん。絶対命令だからな」

 

 

はぁ、まぁそうなるだろうとは思ったけど

 

 

「分かりました。行きますから腕を離してください」

 

 

俺は馬車の方に連れてかれた。あ、変身は一応解くか

 

 

「アイリス様お連れしました!」

 

 

「ありがとう。下がってもいいわ」

 

 

そう言って出てきたのは先程千里眼で確認した金髪の少女だった

 

 

「えっとお名前は何て言うのですか?」

 

 

「あー…比企谷だ」

 

 

「おい貴様!お嬢様に何て口の聞き方だ!」

 

 

ぶっきらぼうに返事をすると、奥から専属の護衛であろう女騎士が怒りながら出てきた

 

 

「こら、クレア!この方は私達を助けてくれたんですよ!」

 

 

「しかしお嬢様…おい!お前この方をどなただと思ってる!」

 

 

「えっ?…貴族の娘?」

 

 

「ま、まさかお前知らないのか!?」

 

 

クレアと呼ばれた女騎士が俺の言葉に物凄く驚いていた。え?何かまずいことでも言ったか?

 

 

「この方はアイ…んっん!名前は控えるが皇族の娘だぞ!」

 

 

いやさっき、団長がアイリスって呼んでたぞ?

 

 

「もうクレアったらやめて!怒るわよ!」

 

 

「え、嫌でも「ダメ!」…はい」

 

 

茶番が始まったんだが、俺帰ってもいいかな…

 

 

「すまんが、依頼から帰る途中なんだ、出来るだけ手短に頼みたい」

 

 

「お前!」

 

 

クレアさんが剣を抜こうとしたが後ろの魔女さんに止められていた

 

 

「ごめんなさい、うちのクレアが。根はいい子なんだけど私のことになると凄い攻撃的になるの」

 

 

「慣れてるから問題ない。で、もう帰ってもいいのか?」

 

 

「え?あ!その…す、救ってくれてありがとうございました!」

 

 

「あぁまぁ何だ。お前を見ていると妹を思い出しちまってな、体が勝手に動いただけだから大丈夫だ」

 

 

「え、それじゃあ比企谷さんの妹さんはもう…」

 

 

「いや俺の世界一可愛い妹は死んでないぞ?ただ次元が歪みでもしない限り一生会えないぐらいだから」

 

 

「そうなんですか…一生…そ、それじゃあ!私が妹になります!」

  

 

what's?really?

 

 

「は?いやいや?」

 

 

「お嬢様!?」

 

 

「私が妹になります!」

 

 

「え?何で?今日初めて会ったよね?」

 

 

「えぇそうです。でも、前から優しいお兄ちゃんが欲しかったですし、何かこう運命的な出会い!みたいな?」

 

 

このお嬢様は何を言ってんだ?

 

 

「いや待て待てそれは許されないだろ」

 

 

「そうですよ!そんな目の腐った男よりもいい人はいるじゃないですか!」

 

 

俺に続きクレアさんも反論をする。てか、悪口言うのやめてくれませんかね?

 

 

「嫌です!絶対お兄ちゃんにします!お願いです!いいっていうまで絶対に離れません!」

 

 

俺はアイリスにしがみつかれた

 

 

「お嬢様!早く戻りますよ!ほら、離れて下さい!」

 

 

クレアさんが剥がそうとするがいっこうに剥がれないのでこっちを見てどうにかしろと睨んできた

 

 

「分かった!分かったから離れろ、でも俺はパーティーメンバーがいるし活動拠点だってあるんだ、いつ会えるかなんて分かんないんだぞ?それでもいいのか?」

 

 

「おい!貴様まで何を言っている!そんなのダメに決まっているだろうが!」

 

 

「それでもいいです!お兄ちゃんがいいんです!」

 

 

「じゃあ、えっとよろしく?」

 

 

「はい!お兄ちゃん!よろしくお願いします!」オジョウサマ!!

 

 

「えっと、俺もう行かないと行けないから」

 

 

「あっ…そうですよね……」

 

 

「はぁ一生会えない訳じゃないんだ、また会えるだろ」ナデナデ

 

 

「…うん!絶対に会おうね!」

 

 

さて、アイリスを馬車の方に向かわせてと

 

 

「バイバイお兄ちゃん!」

 

 

…やべぇクレアさんの目が血走ってる

 

 

「少年!助けてくれてありがとな!」

 

 

団長がお礼を言いアイリスを乗せた馬車が出発した

 

 

そろそろ俺も帰るとするかアクセルへ

 

 

ーーアクセルの街の門前ーー

 

 

何か久しぶりに戻った感じがするな。といってもまだ一週間たっていないんだけどな

 

 

「君今何に乗ってきたのかね?」

 

 

あ、門番に見られてた

 

 

「あー簡単には言うと自分の固有スキルですね」

 

 

「え?あ、あぁそうなのか、すまんな止めてしまって」

 

 

「あ、はい。お疲れ様です」

 

 

次からは少し離れたところでバイク降りよう

 

 

ーー冒険者ギルドーー

 

 

さてとまずは依頼報告からか。俺は奥のカウンターへ向かった。

 

 

「あ!八幡さん!お帰りなさい!」

 

 

ルナさんが俺に気づいてこっちに走ってきた

 

 

「八幡さん依頼はしっかり達成出来ましたか?あと、モンスターを倒しましたか?」

 

 

「イズの花はしっかり回収しました。モンスターは蟻とカメレオンを倒しましたね」

 

 

「…え?あの蟻ってどんな感じでしたか?」

 

 

どんな感じといわれてもなぁ

 

 

「でかかったです」

 

 

「あ、はい」

 

 

あれ?何か反応が薄い?

 

 

「それじゃあ、討伐したモンスターを見るのでカードを渡してください」

 

 

俺はカードをルナさんに渡すとルナさんが凄い驚いていた

 

 

「あ、あの八幡さん。倒した蟻とカメレオン何ですがどちらも高難易度の依頼で出てくるモンスターなんですよ。それを一人で倒すなんて」

 

 

「蟻は蹴ったらイズの花の所に生えてた枝に絞められて、カメレオンは途中で騎士団に会ったのでその人たちと戦ったんですが」

 

 

「それでも最後に止めを刺したのは八幡さんなので賞金が貰えます」

 

 

「というと、依頼料と合わせるとどれくらいに?」

 

 

「依頼料が百万エリスで討伐料で合わせて六十万エリスなので百六十万エリスですね」

 

 

一回の依頼で相当貰ったな

 

 

「じゃあ報酬貰ってもいいですか?」

 

 

「わかりました。少し時間がかかるのでちょっと待っててください」

 

 

じゃあカズマ達の所に行くかって…、奥の席に皆集まってたんだが、しかも何か落ち込んでる

 

 

「おいカズマ、帰ってきたぞ」

 

 

「…八幡…お帰り」

 

 

「あら八幡じゃない!報酬はいくらだったの!」

 

 

「八幡!カズマに爆裂魔法を撃つなと忠告されました!一緒に説得してくれませんか!」

 

 

「八幡…ンッ!私だけに何も言わないでいなくなるなんて新手の放置プレイか!」

 

 

帰ってきてそうそう思うがカズマ以外平常運行だな

 

 

「カズマどうしたんだ?」

 

 

「聞いてくれ八幡!八幡がいない間に魔王幹部の一人がやって来たんだ!」

 

 

「え?何?魔王幹部?なんで?」

 

 

「最近近くに魔王幹部が住み着いたって噂があっただろ、それで拠点が古城だったんだ。でそこにめぐみんが毎日毎日爆裂魔法を撃っていたからキレてやって来た」

 

 

てことはあの叫び声ってその魔王幹部の声だったのか

 

 

「え?でどうなったんだ?」

 

 

「ダクネスに死の宣告をして帰っていった。でも、アクアが魔法でパパっと呪いを浄化したからまぁよかったが」

 

 

このパーティー何で何かしらと問題が起こるわけ?

 

 

「そうか、まぁドンマイ?」

 

 

「八幡が帰ってきてくれて良かったぁぁ~!」

 

 

俺は帰ってきてそうそう出ていきたいと思ったがな

 

 

八幡 sideout

 

 

アイリスside

 

 

ふふっ今日は優しいお兄ちゃんが出来ました!名前は比企谷さんだそうです…あれ?下の名前を聞いてませんでした!…まぁ比企谷さんは冒険者さんなので王都に来たら会いに行きましょう!

 

 

…私はあの時一目惚れしてしまったようです。またお会いしましょうね、お兄ちゃん♪

 

 

「お嬢様ご機嫌ですね。…もしや!あの男の事ですか!」

 

 

「もぅ、クレアったらあとでお仕置きです!」

 

 

そして八幡達はこの先アイリスと会うのだがこの頃はまだ誰も知らない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

血の繋がった兄妹じゃないので覚悟しててくださいね…フフッ




次回のやはすばは(※略されています)!

カズマです。アクアがお金を欲しいそうなので依頼を受けました。そしたらなんかみたらしみたいな名前のやつが襲ってきたんです…なんやかんやあって俺の評判はまたがた落ちしました

次回「女神って何だっけ?」


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第十三話 女神って何だっけ?

どうも。今回はアクアがメインかな?あと、みたらしは次回になりました…
みたらし「どうしてですか!!!」


「皆ちょっと聞いて!」

 

 

魔王幹部が来てから何日間かたった日にアクアが急に騒ぎだした

 

 

「クエストを請けましょう!出来ればお金が大量に入るやつで!」

 

 

アクアがそう言い出したがダクネス以外のメンバーは不満を言い出した。まぁ俺もその内の一人なんだがな

 

 

「私は別に構わないんだが、皆がなぁ?」

 

 

ダクネスがチラチラと俺達を見てくるが誰もアクアを見ようとしない

 

 

乗り気じゃない俺達を見てアクアがとうとう泣き出した

 

 

「お、お願いょぉぉぉ!!もうバイトばかりは嫌なの!コロッケが売れ残ると店長が怒るのぉ!お願い!頑張るから!私全力で頑張るからぁ!」

 

 

アクアがカズマのズボンに抱きつき鼻水をつけていた…本当に女神なのかこいつ

 

 

「わ、分かったから抱きつくのやめろ!じゃあ見つけてこい!付いていってやるから!だから鼻水をつけるな!」

 

 

その言葉にアクアが嬉々として掲示板へ走っていった

 

 

「あのカズマ、アクアが変なものを持ってこないように見てきてくれませんか?」

 

 

あぁ、あいつのことだからお金が入るからって高難易度のクエストを受けてきそうだ

 

 

「そうだな、じゃあ俺見てくるよ」

 

 

カズマがアクアの所につきアクアがクエストを受けようと張り紙を取ると、カズマと喧嘩をし始めた

 

 

今度はアクアが張り紙をカズマに見せるとカズマが訝しげな表情でアクアに問いただしている

 

 

お?どのクエストを受けるのか決定したようだ、アクアの後ろでカズマがゲスい顔をしているのは置いておこう

 

 

「おーいクエスト受けたぞ!これだ!」

 

 

そういって見せてきたのは湖を浄化する依頼だった

 

 

「何でこれを選んだんですか?」

 

 

「ちょっとめぐみん!私は水の女神よ!こんなのちょちょいのちょいだわ!」

 

 

「ってアクアは言ってるが浄化に半日かかるらしい」

 

 

…それはちょちょいのちょいなのか?

 

 

「それじゃあ行くわよ!お金がいっぱいよ!!」

 

 

何だろう、お金とかが好きなのに縁が全くない女神って…イシュ…やめとくか

 

 

ーー大きな湖ーー

 

 

「ねぇこれ本当にやるの?なんか私今から売られる捕まった希少なモンスターになった気分なんだけど…」

 

 

今アクアはカズマの作戦で頑丈な檻の中に座らされている。そして今湖にアクアの乗っている織を浸した

 

 

さてこれから浄化が始まるので俺達は少し離れた所で待つだけらしい

 

 

「ねぇ私、ダシを取られてる紅茶になったみたい」

 

 

アクアがさっきからうるさい

 

 

あれから二時間経過したがいっこうに魔物は姿を現さない

 

 

「おーいアクア!浄化魔法のほうは順調か?トイレしたいなら一旦檻からだすけどどうする?」

 

 

「順調よ!あと私はアークプリーストであり女神だからトイレなんて行かないわ!」

 

 

別にどうでもいい情報を言い出すあたりまだまだ余裕がありそうだ

 

 

「とりあえず大丈夫そうですね。ちなみに紅魔族もトイレには行きませんよ?」

 

 

めぐみん別に張り合わなくてもいいんだぞ?

 

 

「わ、私もクルセイダーだからトイレは…トイレは!…」

 

 

「ダクネス…別にこの二人には対抗しなくていいんだぞ?今度二人は日帰りじゃ終わらないクエスト請けて確認してやるから」

 

 

「や、やめてください!紅魔族はトイレには行きませんよ?でも謝るのでやめてください!…しかしブルーアリゲーター全然来ませんね。このまま何事もなく終わってくれればいいのですが」

 

 

めぐみんがフラグを建てたとたんに、湖の一部が小波をたてて、ワニが大量に現れた

 

 

「ね、ねぇ!なんか来たんですけど!ねぇ!!いっぱいいるんですけど!」

 

 

めぐみんの方をチラッと見ると顔をおもいっきり反らした

  

 

「なぁめぐみん。お前がフラグをたてたからアクアが大変なことになったんだぞ?」

 

 

「た!タイミングが合わさっただけです!別に私のせいではないと思います!」

 

 

「『ピュリフィケーション』!『ピュリフィケーション』!『ピュリフィケーション』!!」

 

 

アクアが檻のなかで必死に浄化魔法を唱えている

 

 

「ピュリフィ!!ねぇ!ミシミシ言ってる!檻がぁ!檻が変な音を立ててるんですけど!」

 

 

「アクアー!ギブアップだったらそう言えよ!そしたら檻を引っ張ってやるからな!」

 

 

「い、嫌よ!そんなことしたら時間が勿体ないじゃない!それにお金がぁぁ!!」

 

 

自分の命よりも金の方が大事って相当困ってんのか?

 

 

ーー七時間後ーー

 

 

「湖が綺麗になりましたね!成功です!」

 

 

めぐみんがキラキラした目でそんなことを言ってるが、反対に檻の中のアクアを見ると体育座りで何かぶつぶつ言っている

 

 

「おい?アクア?もう終わったから外に出てきてもいいんだぞ?」

 

 

カズマが心配になってアクアに声をかけたが一向に外に出ようとしない

 

 

「ううっ…ぐす…ひっく……」

 

 

アクアは膝を抱えて泣いていた

 

 

「俺達話し合ったんだが今回は何もしていないから、報酬の三十万エリス全部お前にあげるから。さっさと出てこい」

 

 

カズマの言葉にアクアの肩がピクリと動いたが檻から一向に出てこようとしない

 

 

「ツレテッテ…」

 

 

「え?何?」

 

 

「檻の外の世界は怖いから、このまま私を街まで連れてって」

 

 

どうやら今回の依頼で蛙に次ぐトラウマを植えてしまったらしい。今度飯奢ってやろうかな…




皆!私は女神アクアよ!崇めなさ「早くしてくれ」…わかったわよ、次は何かストーカーみたいな、やつるぎだっけ?そんな名前のやつが登場するわ!
次回「やつる「みつるぎです!」…登場と撃退」


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第十四話 やつる「みつるぎです!」…登場と撃退

どうも。長くなりました。ごめんね?


「ドナドナドーナードーナー女神をのーせーてー…」

 

 

「お、おいアクア?もう街中だからその歌は止めてくれ。ボロボロの檻の中に入って膝抱えた女を運んでる時点で、ただでさえ街の住人から注目を集めてるんだからな?というか、もう街についたからいい加減出てこいって」

 

 

「絶対に嫌よ…この中こそが私の聖域よ。外の世界は怖いからしばらくここから出ないわ」

 

 

カズマがさっきから頑張って説得しているがアクアは一向に出てこない。アクアが自分の足で歩かないので、馬に檻を引かせているが歩みは遅い

 

 

まぁこれまでのクエストの中で一番被害が最小限だった気がする

 

 

「今回は一番楽だったな。まぁ約一名トラウマを植え付けられたが」

 

 

カズマも同じことを思っていたらしい

 

 

「めっ!女神様!?女神様じゃないですか!!何をしているんですか、そんな所で!」

 

 

突然に叫び声をあげアクアが入っている檻を掴む男が現れた。そしてそいつはブルーアリゲーターが攻撃しても破壊できなかった檻の鉄格子をぐにゃっと捻り曲げ、中のアクアを取り出そうとしていた

 

 

「…おい?私の仲間に馴れ馴れしく触るな。貴様何者だ?知り合いにしてはアクアはお前のことを知っていないようだが」

 

 

ダクネスが男の前に剣を振りかぶりアクアから引き離した。さっきまでブルーアリゲーターに囲まれてるアクアを羨ましそうに見ていたが、今のダクネスは大切な仲間を守る盾に見える。…誰だ?こいつ

 

 

男はダクネスを一瞥すると、ため息を吐きながら首を振った。その男の態度にダクネスが明らかにイラッとしている

 

 

「おいアクア?お前の知り合いなんだろ?女神様とか言ってたし。お前があの男の対処をしろよ」

 

 

「何?……ああっ!女神!私は女神なのよ!どうしたの?女神のこの私にどうにかして欲しいのね?任せなさい!」

 

 

アクアがカズマの女神発言で急にもとに戻った。そしてもぞもぞと檻から出てきたアクアがその男を見て首を傾げる

 

 

「…あんた誰?」

 

 

…えぇ。あれか?知り合いだと思ってたけど本当は違かったみたいな感じか?

 

 

いや多分アクアが忘れてるだけだろうな

 

 

「何言ってるんですか!女神様!僕です、御剣響夜ですよ!前に貴女に魔剣グラムを頂いた者です!」

 

 

「んー(;>_<;)………………( -_・)??」

 

 

ミツルギが頑張って説明しているがアクアは全然ピンと来ていないらしい

 

 

何か葉山みたいだなこいつ。まぁ金髪では無いけど

 

 

「あっ!いたわねそんな人も!ごめんね?これっぽっちも覚えてなかったわ!まぁ結構な人数を送ったんだし忘れてたってしょうがないわ!」

 

 

忘れてたことを棚にあげたなこいつ。ミツルギは若干顔を引きつらせている

 

 

「えっと…お久しぶりですねアクア様。貴女に選ばれた勇者として、日々頑張っています!職業はソードマスター。レベルは三十七まで上がりました!所でアクア様は何故この世界に?というか、何故檻の中に?」

 

 

ミツルギはアクアに話ながらもチラチラと俺達を見ていた。あれ?俺何かしたっけ?後、選ばれたとか言っているがそんなこと言ったら俺やカズマもそうなんだよなぁ

 

 

カズマがミツルギにアクアが今いる経緯や、今までの出来事を話していった

 

 

「バカな!あり得ない!君はいったい何を考えているんだ!女神様をこの世界に引き込んで、さらに今回の依頼で檻の中にいれて湖に浸けた!?」

 

 

カズマが怒ったミツルギに胸ぐらを捕まれている。それをアクアが止めにいった

 

 

「ちょ、ちょっと!私は結構楽しい毎日を過ごしているし、ここに連れてこられたことは、もう気にしてないんだけどね?それに魔王を倒せば帰れるんだし。今日の依頼だって怖かったけど結果は誰も傷ついていないのよ!しかも報酬は三十万よ!それを全部くれるって!」

 

 

それを聞いたミツルギがアクアを憐れみの眼差しで見ていた

 

 

「…アクア様?こんな男にどう丸め込まれたか知りませんが、今の貴女の扱いは不当ですよ?そんな目に遭ってたったの三十万?貴女は女神様ですよ?それなのにこんな…女神様ちなみに今何処で寝泊まりを?」

 

 

カズマが遭って間もない男に言いたい放題に文句を言われている。何か腹立つな

 

 

「え?えっと馬小屋で寝泊まりしてるけど?」

 

 

「はぁ!?」

 

 

ミツルギがアクアの言葉を聞いて更にカズマの胸ぐらを強引に掴んだ

 

 

そのミツルギの腕をダクネスが横から掴んだ。本当は男の俺が行った方がいいんだろうな…こんなときにチキンハートが…

 

 

「さっきから何なのだ?お前とカズマは初対面のようだが、礼儀知らずにも程があるだろ」

 

 

あのドMのダクネスが珍しく怒っている。その隣を見るとめぐみんまでもが新調した杖をミツルギに向けて爆裂魔法を…!?俺はめぐみんを止めにいった

 

 

ミツルギがカズマの胸ぐらを離すと興味深そうにダクネスとめぐみんを観察する…あれ?俺は?

 

 

「クルセイダーにアークウィザード…それに随分綺麗な人達だな。君ってパーティーメンバーだけは恵まれているんだね。なら尚更だよ。君は、アクア様やこんな優秀そうな人達を馬小屋で寝泊まりさせて恥ずかしいと思わないのかい?さっきの話じゃ就いている職業も、最弱職の冒険者らしいじゃないか」

 

 

うん、完全に俺の事は眼中に無いようだ…こいつオウマジオウでぶん殴ってやろうかな…いや殺人になるからやめとこ

 

 

「なぁなぁ、この世界の冒険者って馬小屋で寝泊まりするのが当たり前じゃないのか?こいつ、めちゃくちゃ怒ってんだが」

 

 

「多分あれよ、彼には特典で魔剣をあげたから、最初から高難易度のクエストをバンバンこなしたりして、今までお金に困らなかったッんじゃない?…まぁ能力を貰った相手なんてほとんどがそんな感じよ」

 

 

「じゃあ、八幡は凄いってことだな!」

 

 

いやいや、何でそうなる?だが異世界で何も苦労せずに生きてきた相手が一から頑張ってきたカズマに文句を言うのは違うんじゃないか

 

 

「君達、今まで苦労したみたいだね。これからは僕と一緒に来るといい。もちろん馬小屋で寝かせないし、高級な装備品も買い揃えてあげよう!それにパーティーの構成的にもバランスが取れていいんじゃないか?ソードマスターの僕に、僕の仲間の戦士と、クルセイダーのあなた。僕の仲間の盗賊と、アークウィザードのその子にアクア様。まるであつらえたみたいにピッタリなパーティー構成じゃないか!そして君!もうこのパーティーの荷物持ち係はしなくていいんだよ?君はこれから自由だ!」

 

 

えぇ、俺のこと荷物持ち係だと思ったのぉ…確かに結構大きいバックを背負ってるが、この中身は非常食だったり、予備の武器なんだよなぁ…あとカズマ入ってなくね?

 

 

カズマは苛ついてるが我慢している

 

 

身勝手なミツルギの提案に女子三人がひそひそ囁き出した

 

 

まぁあの三人にとっては中々の待遇がいい。俺は自由にしてくれらしいが

 

 

カズマの方を見ると諦めたような顔をしている。大方あの三人が提案を受け入れるんじゃないかと思っているんだろう。だがあの三人だ。多分大丈夫だろう。…アクアはまぁ

 

 

「え?ちょっとヤバイんですけど。あのみたらし、私が引くぐらいヤバイんですけど。ていうか馴れ馴れしいし勝手に話を進めるしナルシストだし、キモ怖いんですけど」

 

 

「どうしよう…あの男は生理的に受け付けない。攻めることよりも受けるのが大好きな私でさえ、あいつのことを無性に殴りたくなったんだが」

 

 

「撃っていいですか?八幡を悪く言ったことは万死に値します!あの苦労知らずの透かしたエリート顔に、三発位爆裂魔法を撃ちたいです。無理ではありません!今の私ならきっと!」

 

 

ブフッ!ミツルギが全員から非難されている。カズマも笑いを堪えるのが必死なようだ

 

 

「ねぇ、八幡、カズマもうギルドに戻ろう?私が魔剣をあげといてなんだけど、余り関わらない方がいいと思うの、それに私お腹が減ったのよ」

 

 

「えっとー、俺の仲間は満場一致で、あなたのパーティーには入りたくないようです。俺達は依頼の報告があるのでこれで」

 

 

カズマがミツルギにそう言い立ち去ろうとすると

 

 

「…どいてくれます?」

 

 

ギルドに戻ろうとした俺達の前にミツルギが立ち塞がった

 

 

「悪いが僕に魔剣を授けてくれたアクア様を、こんな境遇の中に放っておけない。君にはこの世界を救えない。魔王を倒すのはこの僕だ。アクア様は僕と一緒に来た方が絶対にいい。…君はこの世界に持ってこられるモノとして、アクア様を選んだということだね?」

 

 

「…そーだよ」

 

 

あーこれはあれだな。漫画でよくあるパターンの

 

 

「なら、この僕と勝負しないか?アクア様を持ってこられる者といて指定したんだろう?僕が勝ったらアクア様を譲ってくれ。君が勝ったら何でも一つ言うことを聞こうじゃないか」

 

 

アクアの了承が無いのにも関わらず勝手に決めやがった。これにはカズマも…

 

 

「よし!乗った!じゃあ行くぞ!」

 

 

カズマが合図もなくミツルギに斬りかかった。相変わらずくずいな

 

 

「えっ!ちょ!待って!」

 

 

ミツルギは慌ててはいるが腰にある魔剣を抜くとカズマの小剣を受け止めようとした

 

 

『スティール』!!

 

 

「「「は?」」」

 

 

俺を含めカズマ以外の全員がすっとんきょうな声をあげて驚いた

 

 

「あらよっと」

 

 

カズマがミツルギから奪った魔剣の平たいところでミツルギの頭を思いっきり殴った…あ、ミツルギが倒れた

 

 

「卑怯者卑怯者卑怯者卑怯者ー!!」

 

 

「あんた最低!最低よ!この卑怯者!正々堂々と勝負しなさいよ!このチキン野郎!」

 

 

ミツルギの仲間の二人からカズマが罵倒を受けている

 

 

「まぁ俺の勝ちってことで、こいつ負けたら何でも言うことを聞くって言ってたよな。なら、この魔剣を持っていくか」

 

 

カズマのその言葉にミツルギの仲間の一人が叫んだ

 

 

「ば、バカ言ってんじゃないわよ!その魔剣はキョウヤにしかつかいこなせないわ!魔剣は持ち主を選ぶのよ!既にその剣はキョウヤを持ち主と決めたのよ?あんたには、魔剣の加護は効果がないわ!」

 

 

「マジで?この戦利品俺には使えないのか…せっかく強力な装備を巻き上げたと思ったんだけど」

 

 

「まぁそうね。残念だけど、魔剣グラムはあのナルシスト専用よ。装備すると人の限界を超えた力が手に入って何でもサクっと斬れる魔剣だけど、カズマが使ったってちょっと切れ味のいい普通の剣よ?」

 

 

「まぁ貰ってくか。じゃあな、そいつが起きたらお前が勝手に持ちかけた勝負なんだから恨みっこ無しだって言っといてくれ…じゃあ俺達はギルドに報告しに行くか」

 

 

カズマが戻ろうと言ったので俺達はギルドに向かおうとした…んだけどミツルギの仲間の少女が、武器を構えた

 

 

「ちょちょちょ!あんた待ちなさいよ!」

 

 

「キョウヤの魔剣を返して貰うわよ!こんな勝ちかた私達は認めない!」

 

 

「まぁ別にいいけど、真の男女平等主義者な俺は、女が相手だろうとドロップキックを食らわせられる公平な男。手加減して貰えると思うなよ?というか女相手なら、この公衆の面前で俺のスティールが炸裂するぞ?」

 

 

うわぁ…少女達も引いているがパーティーメンバーも若干冷たい眼でカズマを見ている。…止めにはいるか

 

 

「いいのかっ!?(ゴスッ)…痛っ!」

 

 

「あー、すまんな二人ともこのバカは後で説教しとくからそこで倒れているミツルギを看病したらどうだ?」

 

 

「あっ!そういえば」

 

 

ミツルギ、仲間にも忘れられてるとは…

 

 

途中色々とあったが無事にギルドに帰ってきた

 

 

報酬は全部アクアにあげるとカズマが言っていたので依頼の完了報告はアクア達に任せて、カズマはミツルギからかっさらった魔剣を売りに行ったので、俺は今席を取っている。すると

 

 

「な!何でよぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

突然アクアが大声で叫びだし職員を掴んでいた

 

 

「だから何度も言ってるでしょ!借りた檻は私が壊したんじゃなくてヤツルギだったか、ミツルギみたいな名前の男が檻をねじ曲げたんだって!それなのに、なんで私が弁償しなきゃならないのよぉ!」

 

 

どうやらアクアは壊れた檻の請求が来ているらしい

 

 

暫く粘っていたが、やがて諦めたのか、報酬を貰ってトボトボと俺達のテーブルにやって来た

 

 

「今回の報酬、壊した檻のお金を引いて、十万エリスだって…あの檻、特別な金属と製法で作られてるから、二十万もするだってさ…」

 

 

あんだけ体を張ったのに報酬が減ったことでアクアが今にも泣きそうだ

 

 

「あのナルシスト、今度あったら絶対にゴットブローを食らわせて、檻の弁償代を払わせてやるわ!!」

 

 

アクアがメニューをギリギリと握りしめながら悔しげに喚いてる

 

 

「ここにいたのか!探したぞ、佐藤和真!!」

 

 

ギルドの入り口の方を見るとミツルギが取り巻きの少女二人を連れてこっちに来た。あれ?カズマのフルネームって言ってたっけ?

 

 

「佐藤和真!君の事はある盗賊の女の子に聞いたらすぐ教えてくれたよ。ぱんつ脱がせ魔だってね。他にも、女の子を粘液まみれにさせて観賞するのが趣味な男だとか、色々な人の噂になっていたよ。鬼畜のカズマだってね」

 

 

「おい待て!誰がそれを広めてたか詳しく!」

 

 

多分盗賊はクリスのことだろう。だがミツルギが言ってることは間違ってはいないんだよなぁ

 

 

「…アクア様。僕はこの男から魔剣を取り返し、必ず魔王を倒すと誓います。ですから…ですからどうかこの僕と、同じパーティーに…ブファ!」

 

 

「「あぁ!キョウヤァ!!」」

 

 

アクアに顔面を無言でぶん殴られ、ミツルギが吹っ飛んでった

 

 

殴られた意味が分からないといった表情のミツルギに、アクアはツカツカと詰め寄り胸ぐらを掴み上げた

 

 

「ちょっとあんた!檻を壊したお金を払いなさいよ!おかげで私が弁償するはめになったじゃない!五十万よ!五十万!あの檻特別な金属と製法で作られてるから物凄い高いんだって!ほらとっとと払いなさいよ!」

 

 

あいつ三十万も金を増やしやがった。そしてミツルギは律儀に財布から五十万エリス払ってるし、あ、こっちに来た

 

 

「あんなやり方でも、僕の負けは負けだ。そして何でも言うことを聞くと言った手前、こんなことを頼むのは虫がいいのも理解している。…だが頼む!魔剣を返してくれ!あれは君が持ってたって役に立たないものだ。…どうだろう?剣が欲しいなら店で一番いい剣を買ってあげてもいい。…お願いだ返してくれないか?」

 

 

まぁ虫のいい話だな。でもカズマを見れば魔剣が無いなんてわかることだぞ?

 

 

「私を勝手に景品にしておいて、負けたらいい剣を買ってあげるから、魔剣を返してだなんて虫が良すぎるわ。それとも私はその店に売ってる一番いい剣と同じ価値ってことよね?この無礼者!仮にも神様を賭けの対象にするなんて何を考えてるの!顔みたくないからさっさとどっかに行ってちょうだい!ほら、しっしっ!」

 

 

メニューを片手にミツルギに手を振ってるアクアの言葉に、ミツルギの顔がどんどん青ざめていく

 

 

「ままま待ってくださいアクア様!別に貴女を安く見たわけでは…」

 

 

慌てているミツルギにめぐみんが近づいてく

 

 

「えっと、どうしたのかな?お嬢ちゃん」

 

 

「まず、カズマが魔剣を持ってないことについて…」

 

 

「んんぅ!?」

 

 

「さ、佐藤和真!ぼ、ぼ、僕の魔剣は?」

 

 

「あぁ、それなら有効活用した」

 

 

「ちくしょぉぉぉ!!」

 

 

ミツルギが泣きながらギルドを飛び出していった

 

 

「一体何だったんだ?あいつは。…ところで先程からアクアが女神だとかどうとか呼ばれていたが、一体何の話なんだ?」

 

 

ミツルギが泣きながらギルドを飛び出していった後、馬車を片していたダクネスが戻ってきて質問してきた

 

 

ん?なんかアクアの表情が真剣になった。自分が女神だって話すのか?

 

 

「今まで黙ってたけど、貴方達に言っておくことがあるわ。…私はアクア。アクシズ教団が崇拝する、水を司る女神なの。そう!私こそがあの!女神アクアなのよ」

 

 

「「…という夢を見たのか」」

 

 

「違うわよ!何で二人ともハモるのよぉ!」

 

 

今までの行いだろ

 

 

その時急に

 

 

[緊急!緊急!全冒険者の皆さんは、直ちに武装し、戦闘態勢で街の正門に集まってください!」

 

 

またキャベツか何かの祭りがあるのか?と思っていたら

 

 

[緊急!緊急!全冒険者の皆さんは、直ちに武装し、戦闘態勢で街の正門に集まってください!……特に冒険者のサトウカズマさんとその一行は、大至急お願いします!]

 

 

俺はカズマと顔を見合わせた

 

 

「「……え?」」

 

 

マジで?




我が名はめぐみん!アークウィザー「めぐみん?…わかる?」…はい。次回予告です!次回は私の爆裂魔法が炸裂します!後、魔王幹部が登場しますが私の敵じゃ無いですね!レッツ爆裂!
次回 魔王幹部ベルディア戦


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第十五話 魔王幹部ベルディア戦

どうも、最近テストや旅行やらで色々と忙しく投稿頻度がウラタロスになりました。出来るだけ早く出せるように頑張ります


俺達は慌てて正門前に駆けつけた

 

 

え?何か首を持ってる騎士がいるんだが、あれがカズマが言ってた魔王幹部とやらか?

 

 

「お、やっぱりか。またあいつだ」

 

 

「あいつが、もしかして魔王幹部か」

 

 

「そうだこの前ここら辺に引っ越してきたデュラハンだ」

 

 

なるほどねぇ、デュラハンって本当にいたんだ…

 

 

そのデュラハンがカズマとめぐみんを見つけると大声をだした

 

 

「何故城に来ないのだ!この人でなしどもがぁぁぁ!!!」

 

 

「ええっと?何故城に来ないのかって、なんで行かなきゃいけないんだ?別にあれから爆裂魔法を撃ち込んでいないのに、どうしてそんなに怒ってんだよ?」

 

 

カズマの言葉に怒ったデュラハンが左手に抱えていたものを地面に叩きつけようとして、それが自分の頭だと気づき慌てている…あいつ何してんだ?

 

 

「爆裂魔法を撃ち込んでいないだとぉ!嘘をつくのもいい加減にしろ!そこの頭のおかしい紅魔の娘が、あれからも毎日毎日撃ち込んでくるわぁ!」

 

 

「えっ?!」

 

 

カズマが隣のめぐみんを見ると、ふいっと目を横に剃らした。

 

 

「…お前行ったのか?あれから絶対にもう行くなって言ったのに?」

 

 

「いたたたた、いたっ、痛いです!違います、聞いてくださいカズマ!今までならば何もない荒野に魔法を撃つだけで我慢できていました!で、でも!城への魔法攻撃の魅力を知ってから、大きくて硬いものじゃないと我慢できない体にっ!」

 

 

「もじもじしながら言うなぁ!てかお前魔法撃ったら動けなくなるだろうが!てことは、一緒に行ったやつが……お前かぁぁぁぁ!!」

 

 

「わぁぁぁ!!だってぇ!あのデュラハンのせいでクエスト請けられないから腹いせがしたかったんだもん!!私はあいつのせいで毎日毎日店長に叱られるのよぉぉ!!」

 

 

「えっと、状況が全然理解できてないんだが…おいデュラハン!ちょっと待っててくれるかぁ?」

 

 

「…え?…うんまぁいいよ?」

 

 

「ありがとな!…でだ、カズマ説明を」

 

 

「は!はい!あの~カクカクシカジカでしてぇ」

 

 

「カクカクシカジカじゃ分からん」

 

 

「もう!分かったよ!ちゃんと説明するよ!」

 

 

ーカズマ説明中ー

 

 

「…なるほどな…おいデュラハン!」

 

 

「何だ!」

 

 

「この度は誠に申し訳ありませんでしたぁぁ!!」

 

 

フッ、とくと見よ!このジャンピング土下「ゴッドドロップキッーーク!!」…フグァ!!

 

 

「…おいアクア?お前、脇腹にクリティカルヒットしたんだが?わざとか?わざとなのか?覚悟は出来てんだろうなぁ」プルプル

 

 

「何よ!八幡絶対土下座しようとしたでしょ!アンデットなんかに土下座なんて女神の私が許すもんですか!」

 

 

「あっと、そこの男大丈夫か?」

 

 

敵に心配されるなんて…てかさっきから優しくね?

 

 

「大丈夫だ、問題ない…そしてアクア、これから先お前に何があっても絶対助けてやんないんだがらね!」

 

 

「な、なんでよぉ!嫌よ!私は八幡に養ってもらうのぉ!」

 

 

「おい、アクア!お前のせいで八幡がおかしくなったじゃねぇか!」

 

 

「あの、八幡。本当に大丈夫ですか?」

 

 

「あぁ、めぐみん別になんともない」

 

 

「あの、八幡。涙目ですよ?」

 

 

それは言わないでくれ

 

 

「おぉぉぉい!もう大丈夫かぁ?」

 

 

あ…忘れてた

 

 

「その顔…もしかして忘れられてた?」

 

 

「「「…」」」

 

 

「貴様らぁぁ!茶番劇ばっかやりやがって!…フゥ、そ、そんなことより!お前らは最低なやつらだな!」

 

 

え?何?いきなり最低って言われたんだが

 

 

「…何故キョトンとしている!誰一人あのクルセイダーを気にかけなかったな!これでも俺は真っ当な騎士だった!仲間がピンチになれば全員でその壁を乗り越え、そして助け合った!貴様らはあの騎士の鏡のようなクルセイダーを助けようと動かなかったな!このクズどもがぁぁぁぁぁ…ぁ?」

 

 

後ろから顔を真っ赤にしてダクネスが出てきた。ダクネスの登場にデュラハンが奇声を上げた

 

 

「な、何故生きている?え?ホントに生きてんの?えっ?呪いかかったのちゃんと見たぞ?」

 

 

「え?あのデュラハンまさか、ずっと私達の事を待ってたの?帰った後すぐに呪いが解かれたのに?…プークスクス!ウケるんですけど!一週間も城で?」

 

 

アクアがデュラハンを指差して大笑いしていた。お、おいそれぐらいにしとけバカ

 

 

「お、おいアクア!その辺にしとけって」

 

 

カズマがアクアを止めようとするが

 

 

「カズマ、でもあのデュラハン今日ここに来なかったらずーっと城で待っていたわけよ?これを笑わずには、いられないじゃない!」

 

 

アクアの挑発にデュラハンが怒りで肩を震わせている

 

 

「い、いいのか!俺がその気になればこんな街なんて一瞬で滅ぼすことが出来るんだぞ!」

 

 

「そんなの私がこの街にいる限り絶対にさせないわ!さっきから生意気よ!」

 

 

「フッ、駆け出しの冒険者しかいないくせに、俺に対してダメージを少しでも与えられると思うな!」

 

 

『ターンアンデット!!』

 

 

「ぎにゃぁぁぁ!!!」

 

 

アクアがデュラハンに向かって呪文を唱えると馬のアンデットは消滅し、デュラハンは地面を転げ回った…凄い効いているように見えるんだが

 

 

デュラハンが剣を地面に刺し何とか立ち上がった姿を見てアクアが狼狽えている

 

 

「ね、ねぇヤバイわ!効いてないかもしれない!」

 

 

「なぁ八幡、俺にはだいぶ効いてたように見えたんだが?」

 

 

「安心しろ、俺もだ」

 

 

「なぁアクア、もう一発頼む」

 

 

うわぁ、カズマえげつねぇな

 

 

「えぇ分かったわ!『ターンアンデット!!』

 

 

デュラハンが絶望した声を出してこちら側を見た瞬間に、先程の倍位ある魔方陣から呪文が飛び出しデュラハンが先程と同じようにその場で奇声を上げながら転げ回った

 

 

「ふぐぁぁぁぁぁ!!!目がぁ!目がぁ!」

 

 

そしてアクアがまたしてもデュラハンの姿を見て狼狽えている

 

 

「ど、どうしよう私の浄化魔法が全然効いてないわ!」

 

 

「そんなことはないと思うぞ?俺も八幡もあいつが大声で叫んでるの聞いてるし」

 

 

そうだな、まぁ女神なのにアンデットを浄化出来なかったから狼狽えてんだろ、でもダメージは結構与えられたんじゃないだろうか   

 

 

「…はぁはぁもうよい!街の者共を皆殺しにしてやる!来い!アンデット共!!」

 

 

デュラハンがそう叫ぶと周りに魔方陣が現れ大量のアンデットが出現した

 

 

…おいぃぃ!!アクアが煽ったせいで大量に出てきたじゃん!

 

 

「おい!やべぇぞ!プリーストを早くプリーストを呼んでこい!」

 

 

「くっ!誰か!教会に行って聖水をありったけ貰ってこい!」

 

 

あちこちから冒険者達の叫び声や悲鳴が響く…ホントにうちのパーティーメンバーがすみません

 

 

「そ、そういえば!この街にはミツルギさんがいるわ!」

 

 

「そ!そうよ!ミツルギさんがいるんだから魔王幹部だって一瞬で倒してくれるわ!」

 

 

oh…冒険者達の言葉を聞き俺はカズマを見た

 

 

青い。物凄く顔が…

 

 

「ななな、なぁ八幡。ミツルギってあいつの事だよなぁ、俺剣を売っちまったんだが」

 

 

「…もう起きちまったことは諦めろ、今はどうするか考えるぞ」

 

 

俺達が作戦を話合ってると

 

 

「皆!ここは私に任せろ!」

 

 

ダクネスがアンデット共の前に立ち塞がりデコイを使った

 

 

クルセイダーとしてはいいことなんだろうが、顔が蕩けてるんだよなぁ、あいつアンデット達に蹂躙される妄想でもしてるだろ

 

 

アンデット達がこっちに来た!そしてダクネスを通り過ぎてアクアの方へ

 

 

「きぃゃぁぁぁ!!!な、なんでよ!ダクネスがデコイを使ったじゃない!ちょっと!話聞いてるの!私女神なのに!神様だから日頃の行いもいい筈なのに!!」

 

 

酒場でつけを何回も繰り返して、しかも払おうともしないくせに日頃の行いがいいだと?

 

 

「ず、ずるいっ!私は本当に日頃の行いはいい筈なのに、どうしてアクアの所にばかりアンデットが行くんだ!」

 

 

ずるいって何だ、戦闘中だぞ

 

 

「こ、こらっ!お前ら!そいつじゃない!あのめぐみんとかいう爆裂魔を取り囲め!!…おい!だから違うって!」

 

 

あいつ部下からの人望が全然ねぇ…いや、アクアが女神だからターンアンデット目当てなのか?

 

 

「ぎゃぁぁぁ!!!な、何でよぉ!ターンアンデットが全然効かないわぁ!!」

 

 

一応効いているっぽいが、昇天まではいかないらしい…

 

 

「うわぁぁぁん!!カズマさーん!八幡ー!助けてぇぇ!!」

 

 

魔法が効かないからか焦っているアクアが大群を連れてカズマの方へ走っていった

 

 

「うぉぉぉぃい!!こっちに来んなバカ!八幡の方が強いんだからそっちに走っていけよ!むしろ走ってください!そしたら今日の晩飯奢ってやる!!」

 

 

おい!何で俺に擦り付けようとしてる!

 

 

「嫌よぉぉ!!これ以上八幡に迷惑かけたら本当に養って貰えなくなっちゃうじゃない!!」

 

 

お前はまだその話をしてんのか!てかそっちは!

 

 

「おい!そっちは街だ!逆行け逆!」

 

 

「「のぉぉぉぉ!!」」

 

 

慌てて方向転換し、デュラハンが立ってる草原の方に向かっていった。あぶねぇ、もう少しで被害が増えるところだった

 

 

「めぇぐみぃぃん!!俺達が引き寄せるから爆裂魔法を撃つ準備をしてくれぇ!!」

 

 

「りょ、了解です!私の爆裂魔法はやっぱり役にたつのです!…これで名誉挽回も…」

 

 

めぐみんが何か言ってるが多分詠唱だろう。お?そろそろ良いんじゃないか?

 

 

「今だぁ!めぐみん!早く!」

 

 

「カズマ!最高のシチュエーションです!感謝します!」

 

 

めぐみんの爆裂魔法がカズマ達を追っていたアンデット達の中心に落とされた

 

 

「ぎぃゃぁぁぁあ!?!」

 

 

…ついでにデュラハンも巻き込んで

 

 

「フッ…ナイス爆裂」

 

 

「めぐみん、運ぼうか?」

 

 

「あ、八幡あそこの所にお願いします」

 

 

俺はめぐみんを背負い指定された場所におろした

 

 

めぐみんの爆裂魔法の落下地点を見るとアンデットの骨すら残っておらず、巨大なクレーターが出来ていた

 

 

「めぐみん」

 

 

「何ですか?」

 

 

「ナイス爆裂」

 

 

「…八幡、照れます」

 

 

お?めぐみんが照れてるのか、なら

 

 

「めぐみんはいっつも努力してて偉いな。爆裂魔法はネタ魔法なのに使いこなせてて偉いぞ?これからも俺は応援してるから、頑張れ」

 

 

「…急に八幡を殴りたくなってきました。ネタ魔法で悪かったですね!」

 

 

そんなことを言ってるが耳が真っ赤だぞ

 

 

「おい!!そこのバカ二人!今ダクネスがやられかけてんだから手伝え!」

 

 

カズマにバカって言われたんだが…え?ダクネスが一人でデュラハンと戦ってる。そして周りには倒されたと思われる冒険者達…すまん

 

 

「くっ!なかなかだぞ!このデュラハンわざと装備だけを剥がしに来ている!はぅ!もっとだ!おい!力を入れろ!」

 

 

「えっ?ちょ!なんで!」

 

 

あのドM、デュラハンの攻撃喰らって喜んでるんだが

 

 

「ちょ!おい!変態!お前しっかり戦え!」

 

 

「んんっ!カズマ今は戦場なのにプレイをし始めるとは…ドンと来い!」

 

 

ダメだ、早く何とかしないと

 

 

「さっきから攻撃が当たらないではないか!いい加減にしろ!」

 

 

「うぐぁ!」

 

 

あ!ダクネスが吹っ飛ばされた!やばい追撃が!

 

 

『クリエイトウォーター!』

 

 

カズマがデュラハンに向かってクリエイトウォーターを出したがデュラハンは避けてダクネスだけに当たった

 

 

「はぅ!今度は水を使ってのプレイか!なら次は火か!それとも風か!」

 

 

…ダメだ変態に磨きがかかってやがる、俺が戦闘を変わるか

 

 

「変身」

 

 

『KAMEN RIDE ディケイド』

 

 

「今度こそ、これで終わりだぁ!!」

 

 

ガキィィィン!!

 

 

「おいデュラハン、こっから先は俺が相手だ」




ダクネスだ。いやぁカズマの変態プレイに磨きがかかってきたなぁ!聞いてくれ!デュラハンの攻撃を受けようとしたところ八幡に惜しくも防がれてしまったんだ!酷いと思わないか!え?何?次回予告を早く言えだと?はぁ仕方がない、次回デュラハン死す!え?違うだと?あぁ、こっちか?

次回 第十六話 仮面ライダー変化の術


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第十六話 仮面ライダー変化の術

どうもお久しぶりです。長くなりました。えぇ今までの中で一番長いです


さて、剣で攻撃を防いで、デュラハンのヘイトが俺に向いたわけだが

 

 

「行け!八幡!君に決めた!」

 

 

「やっちゃいなさい八幡!そのアンデットをボッコボコにしちゃって!」

 

 

「八幡!颯爽と現れるその姿カッコいいです!」

 

 

「あぁ!!私の攻撃がぁ!酷いぞ!何故だぁぁ!!!」

 

 

とにかく外野がうるさい

 

 

「すまん、外野がうるさくて」

 

 

「何、問題ない。どうせ全員倒すんだからなぁ!」ガキンッ

 

 

剣で弾いてバックステップでデュラハンから距離をとった

 

 

さて、技を仕掛けるとするか

 

 

「おい!デュラハン!お前のせいでこの剣の先が折れちまったじゃねぇか!」

 

 

「フハハハ!何だ、その程度か!何今すぐ楽にしてやる!」

 

 

俺は銃口をデュラハンに向けた

 

 

『ATTACK RIDE ブラスト』

 

 

ドガガガガッ!!

 

 

「ぬぉぉぉ!?」

 

 

チッ!何発か当たったが大剣で防がれたか

 

 

「お!お前!卑怯だぞ!それ飛び道具ではないか!」

 

 

「いや?剣でもあるぞ?」

 

 

距離をとったデュラハンを牽制しながらバックルからカードを取り出した。さて始めるとするか

 

 

ーー デュラハンside ーー

 

 

何なんだあれは!めちゃくちゃ痛かったんだが!あんな飛び道具は見たことも聞いたことも無いぞ!ど、どうする?考えるか?そしたらちょっと策を練らないといけないから時間稼ぎをしなければ…

 

 

「な、中々やるではないか!貴様の名前を聞いてやろう!」

 

 

これでいいよな?もうちょっと柔らかく聞いた方がよかったか?

 

 

「名乗る時はまず自分から名乗るんだぞ?常識だ」

 

 

くぁぁ!聞いていれば…いや?それが正解なのではないか?

 

 

「すまなかった!俺の名前はベルディア!魔王幹部の一人だ!さて、貴様の名前は何だ!」

 

 

「…仮面ライダーディケイド」

 

 

よしよし良い感じだ!もっと時間を稼がなくては

 

 

「貴様みたいな奴が何故この始まりの街にいる?」

 

 

「そこのバカ達と同じパーティーだからだ」

 

 

「おい八幡!バカって何だ!バカって!」

 

 

「そうよ!私はバカじゃないわ!」

 

 

「そうです!私だってバカじゃありません!」

 

 

「ンンッ!…言葉責めも…イイッ!!」

 

 

「…お前苦労してんだな」

 

 

「止めろ…同情されると余計悲しくなる」

 

 

ま、まだたりない!時間稼ぎを…「お前もしかして、時間稼ぎしてるな?」

 

 

あぁぁぁ!!ばれたぁ!!

 

 

「い、いやぁ?気のせいでは無いですかねぇ!!」

 

 

「お前嘘つくの下手すぎだろ…まぁいい始めるとするか」

 

 

ーー ベルディアsideout ーー

 

 

『KAMEN RIDE ガイム』オレンジアームズ!ハナミチ・オンステージ!

 

 

「エェェ!?空が急に空いただと!?それに、さ…さっきまでの姿はどうした!」

 

 

まぁ初めて見たら驚くか

 

 

「うぉぉ!八幡!俺が知らないってことは!新しい仮面ライダーじゃねぇか!」

 

 

「八幡!その見たことない鎧は何ですか!」

 

 

「やりなさい!八幡!相手はバロンより弱いわよ!」

 

 

「あんな鎧もあるのか。生まれて初めて見たな」

 

 

皆、興味があるみたいだ…アクアだけがバロンとか言ってたが、もしかしてあいつも見てたのか?

 

 

「ま、まぁいい。どっからでもかかってこい!」

 

 

じゃあお言葉に甘えて。俺は無双セイバーと大橙丸を持ち二本の剣でベルディアに斬りかかった

 

 

「フンッ!はぁ!セイッ!」ガキンッ!ガキンッ!ガッ!

 

 

何回か斬りつけているが全部大剣で防がれてしまっている

 

 

「どうした!動きが単純だぞ!もしかして素人か?」

 

 

それがバレるのは色々とまずい!ならこれでどうだ。二つを組み合わせて、無双セイバーナギナタモードっと

 

 

「…何だその武器は?これまでで一度も見たことが無いぞ?」

 

 

「こうやって…使うんだよぉ!」

 

 

「ぬぉ!?」

 

 

チッ!不意をついて攻撃を行ったが少しかすっただけでかわされてしまった

 

 

「なるほど、少々厄介な武器だな」

 

 

『ATTACK RIDE ナギナタ ムソウ スライサー』

 

 

「ぐぅぉぉ!?う、動けないだと!」

 

 

「そいやぁぁ!」

 

 

「ぬ!?はぁぁ!!ぐぶぁぁぁ!!」

 

 

くそ!気合いで攻撃を少しそらされたか

 

 

「避けた…避けたのに…痛かった、それに吹っ飛ばされたぞ…」ピクピク

 

 

「凄いぞ!あのカズマのパーティーの八幡が魔王幹部を吹っ飛ばしたぞ!」

 

 

「おいテメェ!あのって何だ!?」

 

 

カズマの方を見るとカズマが他の冒険者達と乱闘し始めようとしていた

 

 

「よ…余所見とは良い度胸だなぁ!」

 

 

ベルディアが若干震えている声で起き上がってきた

 

 

「始まりの街だと思い油断していたがこれから先は本気でいくぞ!」

 

 

ベルディアの殺気が分かるぐらいに溢れ出てきた。後ろで乱闘騒ぎ気味だったカズマ達冒険者もその殺気に身を震わせている

 

 

「カズマァ!俺が時間を稼いでる内に何か対策を考えとけ!」

 

 

「わ、分かった!見つかるまで頑張ってくれ!」

 

 

さて、俺一人じゃ倒せる確証が無いんだよなぁ。レベルの差もあるし、何より経験の差が…俺に出来るのは色んなライダーを使って時間を稼ぐしか

 

 

「何をちんたらしている!何もしないならこちらから行くぞ!」

 

 

やっべぇ!考えてる時間もくれるわけねぇか!

 

 

『FORM RIDE ガイム カチドキ』カチドキアームズ!イザシュツジン!エイエイオー!

 

 

「今度は何だ!鎧が急にゴツくなっただと!?」

 

 

「それだけじゃない、力だって上がっている」

 

 

振り下ろされた大剣を容易くいなす事が出来た

 

 

「な、何だと?」

 

 

「そりゃぁ!」

 

 

「ぬぉ!」

 

 

両方の旗の先でベルディアの体を突き弾き飛ばした。そして旗を背中に納めた

 

 

「どうした?さっき旗で攻撃されたが剣より痛みは無かったぞ?本当に力が上がったのか?」

 

 

まぁ旗は受け流したり振動波を使ったりの大人数に対して使う道具だからなぁ。さてと、火縄大橙DJ銃に無双セイバーを刺してと、こっちも大剣だ

 

 

「ほう…そっちも大剣を使うのか、まぁ俺のほうが強いから関係無いなぁ!」

 

 

ベルディアがそう言いながら剣を横払いで斬ってきた

 

 

「くっそ!」

 

 

とっさに、大剣でガードをしたが横腹に若干ダメージが入ってしまった

 

 

「いくら姿が変わろうが、こっちには今まで戦ってきた経験があるんだっ…イテェ!ディケイドォ!今喋ってたじゃん!せめて最後まで話させろよ!」

 

 

「おーい!八幡、今ここまできてるからあと少し頑張ってくれ!」

 

 

カズマの方を見ると手の高さがお腹あたりだった…

 

 

「まだ!半分じゃねぇか!」

 

 

まだ時間稼ぎが必要って事か。なら

 

 

『KAMEN RIDE デンオウ』

 

 

「おぉ!電王じゃん!よく見てたなぁ」

 

 

カズマ、それは今どうでもいいからさっさと策を見つけてくれ

 

 

「俺!参上!」

 

 

「かっこいいです!我!参上!」

 

 

「ならば私もよ!女神!参上!」

 

 

「はい?」

 

 

俺とめぐみんとアクアの行動に、ベルディアが困惑してる…今がチャンスか!?

 

 

『FINAL ATTACK RIDE デ・デ・デ・デンオウ』

 

 

「俺の必殺技パート3ィ!」

 

 

そしてデンガッシャー・ソードモードの先のオーラソードを分離させた

 

 

「何ぃ!?」

 

 

いくら経験豊富でもこんな戦い方をしていたやつなんていないだろ

 

 

「おらぁおらぁ!!!」

 

 

左右に剣を振り最後に縦に切り裂こうとしたが

 

 

「負けんぞぉ!」

 

 

左右に振った攻撃は当たったが最後の縦に振った攻撃は受け止められてしまった

 

 

あの大剣が面倒だな…いやもしかしたらあれでワンチャンいけるのでは?

 

 

『ATTACK RIDE ボクニツラレテミル』

 

 

「君も僕に釣られて見る?」

 

 

「さっきからお前は何を言ってんだ!?」

 

 

しょうがねぇだろ、こっちだって好きでやってるわけじゃねぇんだよ

 

 

「仕様だ、ほっといてくれ」

 

 

「俺をおちょくってんのか!」

 

 

『FINAL ATTACK RIDE デ・デ・デ・デンオウ』

 

 

「よっと」

 

 

俺はソリッドをベルディアの体の中心にに投げた。しかし大剣で防がれてしまった…だが俺の狙いどうりだ

 

 

「こ、これも動けなく!」

 

 

「これでもくらえぇ!」

 

 

大剣で防がれたソリッドにライダーキックが決まった。そしてベルディアは、爆発音と共に八メートルほど飛ばされて行った

 

 

ピキィッ!

 

 

「あぁぁぁぁ!!!俺の剣がぁ!!」

 

 

よし、狙い通りにいったな。でも、何tもの力を受ければさすがに壊れると思ったが案外丈夫だな

 

 

「よ、よくも俺の剣をぉ!これは大切なものだったんだぞ!」

 

 

「フハハハッ!!八幡!待たせたなぁ!」

 

 

急にカズマが笑いだした

 

 

「ベルディアァ!お前の弱点は…」

 

 

「じゃ、弱点など無いぞぉ!?」

 

 

ベルディアが焦っている…弱点はちゃんとあるのか

 

 

「水だぁぁぁ!!」

 

 

…なるほど、だからカズマのクリエイトウォーターをあんなに慌てて避けてたのか、ならば

 

 

『KAMEN RIDE ウィザード』ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!

 

 

「クリエイトウォー…うぉー!それも新しい仮面ライダーじゃねぇか!」

 

 

「キャー!ウィザードじゃないの!」

 

 

「え?ということはあれが八幡が前に言っていた魔法が使える仮面ライダーっていうやつですか!」

 

 

「あれは鎧なのか?」

 

 

ダクネス、お前鎧のことしか興味無いのか?

 

 

『ATTACK RIDE フレイムシューティング』

 

 

「熱ぃ!!」

 

 

ウィザーソードガンから発射したフレイムが一発ベルディアが持っていた顔に当たった

 

 

「おい八幡!水だって言ったじゃねぇか!なんて火なんだよ!」

 

 

「いや、射程距離を知りたかったから」

 

 

「え?あぁそうか…すまん」

 

 

え?…あぁ、うん

 

 

『FROM RIDE ウィザード ウォーター』スイースイースイスイー!

 

 

「八幡の色が青色に変わりました!」

 

 

『ATTACK RIDE ウォーターシューティング』

 

 

「あぶぁぁぁぁ!!」

 

 

フレイムに比べて当たった時のベルディアの反応がだいぶ違った

 

 

「『クリエイトウォーター』!『クリエイトウォーター』!『クリエイトウォーター』!」

 

 

「ぬぉぉ!ちょ待っ!あぶぁ!」

 

 

カズマを筆頭に魔法使い達が魔法を唱えている。しかし、ベルディアは当たらないようにかわしきっていた。このままだと魔法使い達の魔力がつきそうだな。まぁ俺の攻撃は全部当たってるが

 

 

「というか一体何の騒ぎなの?魔王幹部となんで水遊びなんてやってるの?珍しくアークプリーストとして働いてる間に、皆してなに遊んでるの?アホなの?」

 

 

さっきウィザードじゃないのって言ってたろ…え?言ってたよね?

 

 

「水だよ水!あいつは水の弱点なんだよ!お前、仮にも水の女神だろ!それとも宴会の女神か?借金の女神か?あぁ?」

 

 

「!!あんたそろそろ罰の一つも当てるわよ!無礼者!私は正真正銘の水の女神よ!…水?水ですって?あんた達の出す貧弱なものじゃなくって、洪水クラスの水だって出せるんだから!謝って!土下座で謝って!」

 

 

「うるせぇ!後で謝ってやるから、はよ出せ!この駄目神!」

 

 

「うわぁぁ!!駄目神って言ったぁ!!こうなったら女神の本気を見せてやるから!」

 

 

ん?茶番劇がやっと終わったのか…えっ?

 

 

「フハハハ!この雑魚どもめ!貴様ら程度の水など、この俺には…えっ?」

 

 

ベルディアも上空で起こっている事に気がついたようだ

 

 

アクアが詠唱を始めると上空に巨大な魔方陣が現れた

 

 

「そ、それはさすがにまずいっ!」

 

 

ベルディアがこの場から全速力で逃げようとしていた。よし、逃げられないように一応縛るか

 

 

『ATTACK RIDE バインド』

 

 

「またかぁ!!動けなくなるのは三回目だぞぉ!」

 

 

「ああっ!私まで!鎖で身動きが!あぁ!そこは!」

 

 

バインドがベルディアとそこら辺に転がっていたダクネスを縛りあげた

 

 

そしてアクアが両手をかかげ、『セイクリッド・クリエイト・ウォーター』!!

 

 

やばい!さっきアクアが言ってた洪水クラスってことは

 

 

『FORM RIDE ウィザード ハリケーン』フーフー、フーフーフーフー!

 

 

「めぐみん!掴まれ!」

 

 

「八幡!ありがとうございます!」

 

 

俺はめぐみんを持ち上げ能力で上に飛んだ

 

 

「あぶ…はちま!ちょ…溺れ…たす!」

 

 

カズマァァァ!

 

 

アクアが出した水はその場の全ての人を流した。そして、膨大な量の水が街の正門に当たり門を壊し、街の中心部へと流れていった

 

 

そして水が引いたその後には、正門が壊れ冒険者達はぐったりと倒れこんでいた

 

 

「ひどい有り様だな…」

 

 

「アクアはもっと回りの被害を考えた方がいいと思います」

 

 

爆裂魔法で地形を破壊しているめぐみんが人のことを言えるのか?なんて質問は置いといておくか

 

 

「何を考えてるんだ貴様…バカなのか?大バカだろ?」

 

 

ベルディアも弱点の大量の水のせいでぐったりとしていた

 

 

「今がチャンスよ!私の凄い活躍であいつが弱ってる!ほら!早く倒しなさい!」

 

 

「ア~ク~ア~?こんの…バカ野郎!てめぇ後で覚えとけよ!公衆の面前でスティールしてやる!」

 

 

「なんでよぉ!私凄いことしたじゃない!どうして私が怒られるのよ!」

 

 

「…アクアと言ったな?貴様は魔王様にとって危険な存在だ!よってここで命に変えても貴様だけは倒す!」

 

 

「カズマァ!あんたが早く倒さないせいで私殺されるのよ!どうにかしなさい!」

 

 

『デッドヒート』!

 

 

ベルディアが呪文を唱えると鎧の隙間から煙が出て、鎧が赤黒くなっていった

 

 

「ちょっとぉ!ガチなんですけど!殺意がビンビンに感じるんですけど!」

 

 

「絶対に殺す殺す殺す殺す」

 

 

やばいやばい!このままだとアクアが殺られる!

 

 

「八幡!た、助けて!お願い!」

 

 

アクアが腰に泣きながらへばりついてきた…

 

 

『FORM RIDE ウィザード ウォータードラゴン』ジャバジャババシャーン!ザブンザブーン!

 

 

「うぉぉ!八幡からドラゴンの尻尾が生えたぁ!」

 

 

「は、八幡!ドラゴンにもなれるんですか!」

 

 

「お願いばぢまぁん!」

 

 

「あの尻尾で叩かれる…凄く…イイッ!」

 

 

「貴様かぁ!邪魔をするなぁぁぁ!!」

 

 

「それは出来ない、これでも俺達の大切なパーティーメンバーだからな」

 

 

「はぢみゃぁん!」

 

 

アクアは涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになっていた

 

 

「アクア、顔拭きますよ?大丈夫です。八幡ならきっと勝ってくれますよ」

 

 

さて、勝つしかないようだな

 

 

「さぁ、ショータイムだ」

 

 

「うがぁぁ!!」

 

 

ベルディアの剣捌きが雑になってきてるな、大方理性がどんどん消えてっているな

 

 

「どうした、攻撃が雑になってきてるぞ」

 

 

「うるさいうるさい!」

 

 

そろそろ決めるか

 

 

『FINAL ATTACK RIDE ウィ・ウィ・ウィ・ウィザード』

 

 

「おらぁ!」

 

 

「ぬぉ!どんどん凍っていく!」

 

 

「これで終わりだ」

 

 

尻尾をおもいっきり振りベルディアに叩きつけた

 

 

「ぬぁぁぁ!!!」

 

 

尻尾を上げ地面を見るとクレーターが作られベルディアがめり込んでいた

 

 

「アクア!」

 

 

「わかったわ!」

 

 

『セイクリッド・ターンアンデッド』!

 

 

「ぎゃぁぁぁ!!」

 

 

ベルディアは、悲鳴を上げ次第に白い光に包まれて消えていった

 

 

さて、疲れたし人足先にギルドに戻ろ

 

 

後ろからダクネスやの悲鳴が聞こえた気がするが気のせいだろう

 

 

ーー翌日ーー

 

 

俺は今ギルドにいる。カズマは来ていないが魔王幹部を討ち取った記念に、昼間っから宴会が行われていた

 

 

「あっ!カズマじゃないの!もう既に皆出来上がってるわよ!」

 

 

やっと、カズマが来たようだ。因みに俺は飲んでないので出来上がってはいない

 

 

「カズマァ!お金貰ってきなさいよ!もう、ギルド内の冒険者の殆どは報奨金貰ったわよ!まぁそのお金は今使っちゃってるんだけどねぇ」

 

 

因みにだが俺は一億エリスだった。貰った時は何を買おうかと思ったが、この世界にはそこまで熱中するものや欲しいものがまだ無いため貯金行きとなった

 

 

「あの…実はですね?カズマさんのパーティーには特別報酬が出ています」

 

 

そうなのか、さっき言われなかったな

 

 

「おいおいMVP!お前らがいなきゃデュラハンなんて倒せなかったんだからな!」

 

 

その声に、騒ぎ出す周りの酔っ払い達

 

 

「えっと、サトウカズマさんのパーティーには、魔王幹部ベルディアの討伐を称え………ここに、金三億エリスを与えます」

 

 

「さっ!?」

 

 

「おいおい!三億ってなんだ、奢れよカズマァ!」

 

 

「うひょぉ!カズマ様奢って奢って!」

 

 

「「「カズマ!カズマ!カズマ!」」」

 

 

「おい!ダクネス、めぐみん、八幡!お前らに一つ言っておくことがある!俺は今後冒険の回数が減ると思う!大金が手に入った以上、のんびりと暮らして生きたいからな!」

 

 

「待てぇ!強敵と戦えなくなるのはとても困るぞぉ!というか魔王討伐の話はどうしたぁ!」

 

 

「そうですよ!私は魔王を倒して最強の魔法使いの称号を得るのです!」

 

 

ん?なんかルナさんの表情がおかしいぞ?

 

 

「え、ええとですね?今回カズマさん一行の…その、アクアさんの召喚した大量の水により、街の入り口近くの家が流され、損壊し、洪水被害が出ておりまして…まぁ魔王幹部を倒した功績もあるので…全額弁償とは言わないから、一部だけでも払ってくれと…」

 

 

はぁ…マジか。さっきまでカズマコールだったギルド内は静になり、こっちにめぐみんが逃げ出してきた

 

 

「八幡…金額が報酬より高かったのですが」

 

 

ということは三億エリス以上か…報酬全部チャラどころかマイナスとは

 

 

「報酬三億…そして弁償が三億四千万…カズマ明日から頑張ろう」

 

 

ダクネスがカズマの肩に手を置いて慰めていた

 

 

「…なぁアクア、お前の報酬はどうした?」

 

 

「そんなの今までのつけ払って、飲み物頼んだら失くなっちゃったわよ」

 

 

「こんの駄目神がぁ!じゃあダクネス!」

 

 

「私は新しい鎧を発注していて、無理だ」

 

 

「じゃあめぐみん!」

 

 

「無理ですよ!欲しかったものがやっと買えるんですから!」

 

 

「そんなもの借金返済したあとでもいいだろぉ!」

 

 

「絶対嫌です!」

 

 

「……あの八幡」

 

 

「はぁ…なんだ?」

 

 

「いつもご迷惑をかけているのですがお金の方を」

 

 

「…」

 

 

「どうかお願いします」

 

 

カズマが土下座しようとしていた

 

 

「ほら、四千万エリスだろ?一億あるから借金は無くなったな」

 

 

「…ほんっと!すみません!一生付いていきます」

 

 

それは困るんだが

 

 

まぁ魔王幹部を倒せたし結果オーライか?

 

 

「八幡ー!また付けになっちゃう!ちょっとお金貸してぇ!」

 

 

「おい駄目神!いい加減にしろぉ!」

 

 

はぁ閉まらないな




どうも八幡です。借金にならなくてよかったと思ってます。アクアはまぁ…カズマが説教しました。さて、次回予告です


次回「将軍かよぉぉ!?」


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第十七話 将軍かよぉぉ!

どうも。最近疲れがたまっている人です。まぁ頑張りたいと思います


ーー翌日ーー 

 

 

「皆集まったか?」

 

 

今日はカズマから提案があるそうで、今俺達はギルドのテーブルに座っている

 

 

「どうしたのよカズマ。昨日の報酬をお金が無くなった私に分けてくれるの?」

 

 

はぁ…確か数百万エリス位あったはずなんだがな

 

 

「それはお前が付けばっかりしてるからだろうが!渡すわけねぇだろ!…じゃなくてだな、俺は昨日馬小屋で考えたんだ」

 

 

「何か考えるようなことでもあったか?」

 

 

「あぁ、これは八幡!お前に関係することだ」

 

 

んー…何かあったっけな?

 

 

「めぐみん何だと思う?」

 

 

「そうですねぇ……はっ!もしかして仮面ライダーを全部まだ見てないって事ですか!」

 

 

「…違う。それは見たいがその事じゃない…はい、ダクネスお前はわかるか?」

 

 

「そうだな…はっ!私はまだしっかりと八幡に罵られてはいないってことか!」

 

 

「んなわけねぇだろ!このドM!」ンハッ!‥イイ!

 

 

「なぁカズマ。俺は全く見に覚えが無いんだが?」

 

 

「そうか…なら答え合わせだ。正解は」

 

 

ここでためる必要あるか?

 

 

「八幡に迷惑ばっかかけてるってことだ!」

 

 

「カズマがか?」

 

 

「カズマがよね?」

 

 

「カズマですね?」

 

 

「カズマなのか?」

 

 

「ちっがぁーう!!」

 

 

「おいアクア!ベルディア戦の時お前が街を壊して借金が出たよな!でも今借金してないのは八幡が報酬で払ってくれたからなんだぞ!それに、いつもお前が飲み過ぎで嘔吐してる時、優しく背中を擦ってくれるのは誰だ!」

 

 

「はっ!」

 

 

「次にめぐみん!お前を毎日文句も言わず背負ってくれていて、ベルディア戦の時アクアが出した水から助けてくれたのは誰だ!」

 

 

「はっ!」

 

 

「そしてダクネス!ベルディア戦で鎖で縛ってくれたのは誰だ!」

 

 

「はっ!」

 

 

絶対に最後のは違うだろ。でも俺もカズマが言ってくれるまで全く疑問に思ってなかったな。俺は何をしてるんだ?

 

 

「そこで俺は考えた!四千万エリス渡してくれた八幡に、ちょっとでもお金を返せるよう今日はクエストを受けます!異論は認めません。もちろん八幡にも何かあったら怖いので来てもらいます」

 

 

そこは今日一日ゆっくりしててくれだろ普通

 

 

「ということで早速依頼を探そうと思う。各自自分が良いと思う依頼を持ってきてくれ!はいスタート!」

 

 

ーー十分後ーー

 

 

取り敢えず報酬が高くて危険度が低いやつを選んできたがあいつらが選ぶ依頼はろくなもんが無い気がする

 

 

「取り敢えず俺からでいいか?俺はこれだ!」

 

 

依頼 シルバーウルフの討伐 報酬五万エリス×討伐数

 

 

「群れの数は多いが余り強く無いらしいから持ってきた」

 

 

「次は私ね!」

 

 

依頼 グリフォンの討伐 報酬五百万エリス

 

 

「これを倒せば結構手に入るわよ!」

 

 

「じゃあ次は私ですね」

 

 

依頼 雪精の討伐 報酬十万エリス×討伐数

 

 

「私の爆裂魔法が火を噴きます!」

 

 

「これが私のだ」

 

 

依頼 アイアンコングの討伐 報酬三百万エリス

 

 

「一撃が重そうだろ!」

 

 

「最後は俺か」

 

 

依頼 レッドバイソンの討伐 報酬十万エリス×討伐数

 

 

「一応無難だと思うものを持ってきたんだが」

 

 

さて、色々な依頼を持ってきたわけだが取り敢えずダクネスのは却下になるだろうな

 

 

「なぁ、この雪精討伐ってなんだ?雪の精霊か?」

 

 

カズマがアクア達に雪精について質問をした

 

 

「雪精はとても弱いモンスターです。雪原に多くいて、剣で斬れば簡単に倒すことができます。まぁ…でも」

 

 

「雪精の討伐?雪精は、特に人に危害を与えるモンスターじゃないわ。その仕事を請けるのなら、今から準備してくるわね」

 

 

アクアが準備をしてくるとギルドを飛び出していった

 

 

「なぁ八幡」

 

 

「どうした?」

 

 

「ダクネスがちょっと嬉しそうな顔をしてるんだが大丈夫なのか?」

 

 

「そう言われてもあいつの考えてることが俺にはわからん」

 

 

「お待たせー!さぁ早速雪精討伐に行くわよ!」

 

 

何故か虫網を持ってきたアクアの一言で俺達は雪原に向かった

 

 

ーー平原地帯ーー

 

 

ギルドを出て平原地帯についたわけだがそこかしこに白くてフワフワした手のひらサイズの丸い塊が浮いていた。接近してみるが攻撃をしてくることはないので、危険はなさそうだ

 

 

「なぁアクア。さっきから気になっていたんだがその格好どうにかならんのか?」

 

 

カズマがアクアに対して呆れていた。まぁ確かにアクアの格好は、小学校のころ雪が降っているのに傘を指さずに半袖短パンで学校に来るバカと同じぐらいの格好だったが、俺は触れなかった

 

 

「はぁ?私はこの瓶で雪精を捕まえてキンキンのネロイドを作ろうと思って持ってきたわけ!どう?頭いいでしょ?」

 

 

まぁ頭がどうこうは置いといて勝手にやることだから好きにさせとくか

 

 

「で?お前鎧はどうした?」

 

 

「修理中だ」

 

 

ダクネスは全身黒色でシャツとスカートのみの寒そうな格好だったが顔は荒い息を吐きながら赤くなっていた

 

 

「まぁいいや。じゃあ雪精討伐を始めようか」

 

 

ーー討伐中ーー

 

 

「めぐみん!ダクネス!そっちに逃げたのを頼む!あぁ!ちょこまか動くな!」

 

 

向こうでカズマ達が雪精と追い駆けっこをしているのを見ながら俺はガンモードで雪精を撃って倒していた

 

 

「ねぇ見てみて八幡!四匹目の雪精捕ったー!凄いでしょー!」

 

 

何だろうアクアがどんどん幼くなっていってるような

 

 

『エクスプロージョン』!!

 

 

めぐみんが放った爆裂魔法のせいでフワフワ浮いていた雪精がこっちに飛んできた

 

 

「痛ぁーい!八幡ー!雪精が顔に当たったぁぁ!ここ撫でてぇ!」

 

 

アクアが泣きながらおでこを撫でてくれとせがんできた…やっぱり幼児退行してませんかね?まぁ取り敢えず撫でとくか

 

 

「えへへぇ、ありがとー八幡」

 

 

こっちはアクアが幼児化し、あっちはめぐみんが倒れ、ダクネスは体に雪が大量に掛かり悶え、カズマが頭を抱えている…何だろう不安になってきた

 

 

そんなことを考えながらアクアの頭を撫でていると突然目の前に何かが現れた

 

 

「やっと出たな!」

 

 

ダクネスがそいつを見て嬉しそうにほくそ笑んでいる。なるほど、だからダクネスは反対しなかったのか

 

 

「………」

 

 

さっきまで爆裂道を語っていためぐみんがうつ伏せのまま無言になった

 

 

「…何故雪精討伐でこんなに報酬が高かったのか、その理由を教えてあげるわ」

 

 

アクアが後ずさりをしながら説明をしだした。急に真面目になったな

 

 

「二人とも日本に住んでいたんだし、昔から天気予報やニュースなどで名前ぐらいわ聞いたことがあると思うわ」

 

 

俺はこいつを見てすぐ名前がわかった。多分カズマもピンときているだろう

 

 

「雪精達の主にして、冬の風物詩とも言われている…」

 

 

あぁこの真っ白な鎧、そして兜、手に持っているのは刀。

 

 

「そう。冬将軍よ」

 

 

「バカ!このアホみたいな世界の連中は、どいつもこいつも皆揃って大バカだ!」

 

 

カズマがそう叫ぶと冬将軍が襲いかかってきた

 

 

冬将軍が殺気を放ちながら、一番近くにいたダクネスに斬りかかった

 

 

「なっ!?」

 

 

ダクネスが攻撃を大剣で受けようとしたがベルディアの攻撃にも耐えてた大剣が、あっさりと叩き折られた

 

 

「あぁ!わ、私の剣がぁぁぁ!」

 

 

「冬将軍。国から高額賞金をかけられている特別指定モンスターの一体よ。精霊は出会った人達の無意識に思い描く思念を受け、その姿へと実体化するわ。火の精霊は火トカゲに。水の精霊は美しい乙女の姿に。でも冬の精霊の場合はちょっと特殊でね?危険なモンスターがわんさかいる冬は、街の人間どころか冒険者ですら出歩かないから、冬の精霊に出会うことが稀だったの。でも…日本から来たチート持ち以外は…」

 

 

雪精が入った瓶を大事そうに抱き抱えながらアクアが教えてくれた

 

 

「つまりこいつは、日本から来たどっかのアホが冬といえば冬将軍って乗りで連想したから生まれたのか?おいおいどんだけ迷惑な話だよ、てかどうすればいいんだよ!?」

 

 

アクアが大事そうに抱えていた雪精を解放しだした

 

 

「カズマ、聞きなさい!冬将軍は寛大よ!きちんと礼を尽くして謝れば、見逃してくれるわ!…そう!DOGEZAよ!DOGEZAをするの!ほら、早くして!武器も捨てて謝って!」」

 

 

なるほど、じゃあ俺のジャンピング土下座が活かされるってことか

 

 

「お、おいなにやってんだ!早くお前も頭を下げろ!」

 

 

は?え?ダクネス頭下げてないの?顔を少し上げるとダクネスが冬将軍を睨み続けていた

 

 

「くっ!私にだって、聖騎士のプライドがある!誰も見てないとはいえ、騎士たる私が、怖いからとモンスターに頭を下げる訳には…!」

 

 

え?プライドがダクネスにあったの?公衆の面前あれなのに?

 

 

「いつもモンスターにホイホイついてくお前が、どうしてこんな時だけいらないプライドを見せるんだよ!?」

 

 

「や!やめろぉぉぉ!!くっ!下げたくもない頭を無理矢理下げさられ、地面に押し付けるなんて……なんてご褒美だ!あぁっ!雪が冷たい!」

 

 

やっぱりプライドなんて一欠片も持ってないだろあれ…

 

 

「ちょっ!カズマ!武器武器!早く手に持ってる武器を捨てて!」

 

 

「え?…あぁぁぁ!!そうだった!これほら!ポイッ!」

 

 

チャキン………は?

 

 

頭を下げていた俺の目の前の雪に赤い何かが飛び散ってきた

 

 

……アァぁぁぁぁアァ!!!

 

 

俺は怒りに任せてベルトにカードを差し込もうとしたがアクアに止められた

 

 

「は!八幡!落ち着いて!ねぇ!落ち着いてって!一旦やり過ごすのよ!いなくなったら私が蘇生魔法をかけるから問題ないわ。だからお願い…落ち着いて?ね?」

 

 

急に熱くなっていた頭が雪のせいかアクアの言葉のせいかわからなかったが少しずつ落ち着いてきた

 

 

そして冬将軍はどこかえ行ったようだ

 

 

「あの‥八幡大丈夫ですよ。だからそんな自分を責めたような顔をしないでください!」

 

 

「あ‥あぁ、そうだなアクアがいるから大丈夫だよな?」

 

 

「そうよ八幡!私に任せなさい!」

 

 

『リザレクション』!

 

 

「さぁ帰ってきなさいカズマ!死ぬにはまだ早いわ!」

 

 

カズマがまだ目を覚まさないことにドンドン自分の不甲斐なさが苛だってきた

 

 

「ちょっとカズマ聞こえてる?あんたの体にリザレクションしといたからもうこっちに帰ってこれるわよ。今、あんたの目の前に女神がいるでしょ?その子にこちらへの門を出してもらいなさい」

 

 

大丈夫だカズマは絶対帰ってくる…お願いだ帰って来てくれ!

 

 

「はぁ?もう死んだらどうしようにも出来ない?」

 

 

俺はその言葉を聞いて崩れ落ちた

 

 

「八幡!」

 

 

「おい!大丈夫か!」

 

 

「ご…ごめん!ごめんカズマ!俺は力を持ってたのに!」

 

 

俺は慢心していたんだ…クソッ!

 

 

「誰よそんなバカなことを言ってる女神は!ちょっとあんた名乗りなさいよ!仮にも日本担当のエリートな私にこんな辺境担当の女神が口を聞いてんのよ!」

 

 

「エリス!?あんたちょっと国教として崇拝されてるからって、調子こいてお金の単位になった上げ底エリス!?ちょっとエリス!聞こえてるんでしょ!どうにかしなさいよ!今八幡が大変なことになってるのよ!早くしなさい!」

 

 

ーーカズマsideーー

 

 

えっ!?八幡に何があった!

 

 

「アクア!八幡がどうなったんだ!」

 

 

「あぁもう!カズマを死なせたのは自分の全責任だって!最近腐りがなくなってきた八幡の目が何もかも無くなった後のような目になってるのよ!早く帰ってきて!」

 

 

八幡!俺のためにそこまで!

 

 

「えぇっ!!それはいけません!認めます!八幡さんのためにも!早く戻ってください!」

 

 

えぇ…手のひらがドリルですやん( ;´・ω・`)

 

 

「早く戻ってください!」

 

 

「え?あっはい!」

 

 

「カズマっ!カズマっ!起きて!早く起きなさい!」

 

 

目を開けるとアクアと目があった

 

 

「あ、やっと起きたわね。ほら早く八幡をどうにかしないと!」

 

 

アクアにそう言われ指を指している方向を見ると八幡が膝をついて大泣きしていた。そしてめぐみんが八幡の背中を擦っていた

 

 

「え、えっと八幡?俺は生き返ったからほら。だから泣き止んでくれねぇか?」

 

 

ーーカズマsideoutーー

 

 

何故かカズマの声がする

 

 

俺は下げていた頭を上げてみると大丈夫かと手を出してくれているカズマと目があった

 

 

「カ、カズマ…許してくれるのか?」

 

 

「何言ってんだよ、俺はお前のことを全然恨んでねぇ。むしろ俺のためにこんなにまでなりやがって、嬉し泣きするじゃねぇか」

 

 

「ほ、ホントに許してくれるのか?」

 

 

「許すも何も、俺達友達だろ?」

 

 

「え?友達だったのか?」

 

 

「え?」

 

 

…あれ?俺なんか不味いこと言った?

 

 

「プークスクス!カズマだけ友達だと思ってたってわけ?」

 

 

「俺もう友達だと思ってたんだけど」

 

 

「そ、そうだったのか…すまん。俺、いままで友達って言えるようなやつが一人しか思い浮かばないぐらいだから」

 

 

もちろん戸塚な?…木材座は友達というかなんというか…

 

 

「じゃあ改めるか、俺と友達になってくれ」

 

 

「え、えっとじゃあ、よろしく頼む」

 

 

「あ、あとアクアに一言」

 

 

「ん?どうしたの?何?女神様って崇める気になった?」

 

 

「チェンジで」

 

 

「はぁぁ!!上等じゃないのクソニート!あの女神にもう一度会いたいなら会わせて上げるわ!」

 

 

「それよりカズマ、大丈夫なのですか?」

 

 

「え?あぁ何ともないが…え?何?どんな死にかたしたの俺?」

 

 

「首ちょんぱです」

 

 

「首ちょっ!?」

 

 

「ねぇもう帰りましょう?カズマも八幡も相当疲れてるだろうし」

 

 

アクアがそう言いながら街の方に歩いていった…ん?あれはもしかして

 

 

ーー冒険者ギルドーー

 

「しっかし小一時間で十七匹か、稼ぎはいいが死んだのが割に合わないな。そうだあの冬将軍って賞金どれ位掛かってるんだ?」

 

 

「賞金は二億エリス位だった気がします」

 

 

二億か、ベルディアが三億で冬将軍は、ベルディアよりも強いと思ったから四~五億位だと思ったんだがな

 

 

「めぐみん…そいつを爆裂」

 

 

「絶対に嫌です。確かに爆裂魔法でダメージを与えることは出来ますが、相手は精霊です。魔法防御力が高すぎて倒しきれません。それに首が吹っ飛ぶのは嫌ですから」

 

 

「ふふん!カズマ。なんか落ち込んでるみたいだけど、私はただ土下座してた訳じゃないわ!」

 

 

そういいながらアクアが懐から瓶に入った雪精を取り出した

 

 

「お!でかしたアクア。よし、そいつを貸せ!討伐してやる」

 

 

「え!ダメよ!この子は持って帰って家の冷蔵庫にするの!夏場でもキンキンに冷えたネロイドが飲めるように…いやよ!この子はいやぁぁぁ!!もう名前まで付けてるのに殺させるもんですかぁ!触らないで!近づかないでぇ!」

 

 

「いや!少しでも八幡に金を返すんだ!」

 

 

「うぅでもぉ(´;ェ;`)」

 

 

「はぁカズマほら」

 

 

俺は懐に入れといた瓶をカズマに投げ渡した

 

 

「え?雪精?どうして八幡が持ってるんだ?」

 

 

「いや、その」

 

 

「八幡はアクアが雪精を逃がしてたので帰る途中に捕まえてたんですよ」

 

 

「そうなの?八幡!」

 

 

「い、いやぁそのなんだ?まぁ、そんなところです。はい」

 

 

「カズマと違って八幡はやっぱり優しいわね」

 

 

「おい!それはどういうことだ!」

 

 

今回はアクアがいたからカズマを蘇生出来たんだ。だからまぁありがとなアクア




よぉ!俺の名はダストだ!次回は俺が出てくるぜ!俺の勇士を見てくれよな!


次回 超有能比企谷八幡


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第十八話 超有能比企谷八幡

いや、ホントにすんません。お久しぶりです。コロナで休みじゃねぇかと思ったら、課題がバカみたいに出たんです。


カズマの首が飛んだ日から数日後。俺達は何日間か休み、心と体を休ませた。そして今日ギルドで集合することになったのだが…

 

 

「おい、もう一度言ってみろ」

 

 

ギルドが静まり返る中カズマが怒りを抑えながら目の前にいる男に問い返していた。なんでうちのパーティーの連中は厄介ごとが次々にやってくるんだか

 

 

「あぁ何度だって言ってやるよ。荷物持ちの仕事だと?上級職が揃ったパーティーにいながら、もう少しマシな仕事に挑戦出来ないのかよ?まぁ大方お前が足を引っ張ってるんだろ?なぁ最弱職さんよぉ?」

 

 

はぁ昼間ッから酔っ払いに絡まれるなんて災難だな。だが他とは違って、うちのパーティーは上級職がダメだからなぁ

 

 

「おいおい、何か言い返せよ最弱職。ったくいい女を三人も引き連れて、ハーレム気取りか?しかも全員上級職ときてやがる。さぞかし毎日、このお姉ちゃん達に良い思いしてんだろぉなぁ?」

 

 

その言葉を受け、ギルド内に爆笑が巻き起こる。しかし、何人かはその言葉に顔をしかめ、注意しようとする奴もいた

 

 

「カズマ、相手にしてはいけません。私なら、別に気にしませんよ」

 

 

「そうだカズマ。その酔っ払いの戯れ言など捨て置けばいい」

 

 

「そうよ。あの男、私達を引き連れてるから妬いていんのよ。私は全く気にしないからほっときなさい」

 

 

「あぁそうだぞカズマ。お前がいるからこのパーティーが成り立ってんだからな」

 

 

「はっ!上級職におんぶに抱っこで楽しやがって。苦労知らずで羨ましいぜ!おい、なんなら俺と代わってくれよ兄ちゃんよぉ」

 

 

「大喜びで代わってやるよぉぉぉぉぉ!!」

 

 

カズマが大声で叫ぶと再びギルド内が静まり返った

 

 

「…え?」

 

 

カズマに絡んでた戦士風の男が間抜けな声を出して固まった

 

 

「聞こえなかったか!?代わってやるよって言ったんだよ!おいお前さっきから黙って聞いてりゃ舐めたことばかり抜かしやがって!あぁそうさ、確かに俺は最弱職だ!それは認める。だがお前そのあと何て言った!」

 

 

「あ、あのカズマ?」

 

 

突然キレたカズマにアクアがオロオロしていた

 

 

「そ、そのあと?その、いい女を三人も引き連れてハーレム気取りかって…」

 

 

カズマが思い切りテーブルに拳を叩きつけた

 

 

「いい女!ハーレム!!ハーレムってか?、おいお前!その顔についてるのは目玉じゃなくてビー玉かなんかか?どこにいい女がいるんだよ!俺の目には滅茶苦茶優しいいい男しか見えねぇよ!俺の濁った目ん玉じゃどこにもいい女なんか見当たらねぇよ!なぁお前いいビー玉つけてんな、俺の濁った目玉と取り替えてくれよ!」

 

 

「「「あ、あれ?」」」

 

 

カズマの言葉に三人が自分を指差しながら小さな声で呟いていた。あと俺のことをいい男っていうの恥ずかしいからやめて欲しいんだが

 

 

「なぁ、教えてくれよ!いい女?どこだよ!どこにいるんだよぉ!てめー俺のこと羨ましいって言ったよなぁ!あぁ?言ったなおいっ!」

 

 

三人の代表なのかアクアがおずおずとカズマに声をかけたがカズマはそれを無視して続けた

 

 

「しかもそのあと何て言った!上級職におんぶに抱っこで楽しやがってだどぉ!?苦労知らずだぁ!?」

 

 

このパーティーの中でカズマが一番苦労してるんじゃないか

 

 

「そ、その…ごめん…俺も酔っ払ってた勢いで言い過ぎた…で、てもあれだ!隣の芝生は青く見えるって言うだろ?お前さんは確かに恵まれている境遇なんだよ!代わってくれるって言ったな?なら、一日。一日だけ代わってくれよ冒険者さんよぉ?お、おいお前らもいいか?」

 

 

カズマに胸ぐらを捕まれたその男は、テーブルの仲間達に確認を取り出した

 

 

「お、俺は別にいいけどよぉ…どうせ今日のクエストはゴブリン狩りだし」

 

 

「あたしも良いよ?でもダスト。あんた、居心地が良いからってもうこっちのパーティーに帰ってこないとか言い出さないでよ?」

 

 

「俺も構わんぞ。ひよっ子一人増えたってどうにかなる。その代わり、良い土産話を期待してるぞ?」

 

 

絡んできた男と同じパーティーの仲間達が口々に言った

 

 

「はぁ?おい。俺は八幡も連れてくからな?一人じゃない二人だ」

 

 

え?俺も行くの?

 

 

「ね、ねぇカズマ。その、勝手に話が進んでるけど私達の意見は通らないの?」

 

 

「そうですよカズマ。別にカズマはどうてもいいですが、八幡だけは返してください!」

 

 

「いいや、通らない。おい、俺の名前はカズマ。そして隣にいるのが八幡だ。今日一日よろしくな」

 

 

「えっと、よろしく」

 

 

絡んできた男の三人の仲間は、若干戸惑い気味の返事をした

 

 

剣と盾を携えた重い装甲鎧を着こんだ男が、俺達を値踏みするように眺め回しながら言ってきた

 

 

「俺はテイラー。片手剣が得物のクルセイダーだ。このパーティーのリーダーみたいなものだ。成り行きとはいえ今日一日は俺達のパーティーメンバーになったんだ。リーダーの言うことはちゃんと聞いてもらうぞ?」

 

 

「勿論だ。というか、普段は俺が指示する立場だったから、そっちに指示してもらうのは楽だし新鮮でいい、よろしく頼む」

 

 

「何?あの上級職ばかりのパーティーで冒険者がリーダーやってたっていうのか?」

 

 

「そーだよ」

 

 

上級職がいるのに冒険者がリーダーをしているのはおかしいのか?

 

 

「あたしはリーン。見ての通りウィザードよ。魔法は中級魔法まで使えるわ。まぁよろしくね、ゴブリン位楽勝よ。あたしが守ってあげるわ、駆け出し君達」

 

 

魔法使いかぁ、めぐみんは爆裂魔法しか使えないから、他に何があるのか見てみたいな

 

 

「俺はキース。アーチャーだ。狙撃には自信がある。ま、よろしく頼むぜ?」

 

 

「じゃあ改めてよろしく。俺はカズマ。クラスは冒険者だ。えっと。俺も得意なことを言った方がいいか?」

 

 

「俺は八幡だ。よろしく」

 

 

「え?それだけ?」

 

 

リーンに絡まれたが仮面ライダーといっても何それってなりそうだからな

 

 

「…まぁいい。というか、荷物持ちの仕事を探してたんだろ?カズマは俺達の荷物持ちをやってくれ。ゴブリン討伐は三人でどうとでもなるで、八幡は…」

 

 

「ん?あぁ、俺か?俺はカズマのサポートに入るよ」

 

 

「大丈夫なのか?」

 

 

「おい!八幡は俺のパーティーメンバーの中で一番頼りになるんだぞ!」

 

 

「上級職ばかりのパーティーでか?」

 

 

「そうだ!」

 

 

カズマ、恥ずかしいから止めてくれ…

 

 

と、その時。クエストが貼り出している掲示板の方から聞き慣れた声がした

 

 

「ええーゴブリン退治ー?何で街の近くにそんなのが湧いてんのよ。もうちょっとこう、ドカンと稼げる大物にしない?一日とはいえ他所にレンタルされるカズマに、私達が日頃どれだけ有り難いのかを見せつけないと」

 

 

アクアがカズマに絡んだ男に難癖をつけていた

 

 

「い、いや、あんたらが実力が有るのは分かるが、俺の実力が追いつかねぇよ。上級職が三人もいるから楽勝だろうが、今回はまぁ無難な所で頼むよ。…ところであんた、武器も鎧も持っていないけど、まさかその格好で行くつもりなのか?」

 

 

「大丈夫だ硬さには自信があるし、武器を持ってもどうせあたらん」

 

 

「当たらん…?いやその……まぁ、いっか」

 

 

あいつ一人で大丈夫なのか?

 

 

「本来、冬のこの時期は仕事をしないんだがな。ゴブリンの討伐なんて美味しい仕事が転がってきた。というわけで、今日は山道に住み着いたゴブリンの討伐だ。今から出れば深夜には帰れるだろう。それじゃあ、新入り、早速いこうか」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ゴブリン。まぁよくRPGゲームに出てくる雑魚キャラだ。しかしこの世界だとゴブリンは民間人には意外と危険視されているそうだ

 

 

俺達は山へ向かう途中の草原をのんびりと歩いていた

 

 

「しっかし、なんでこんなところに住み着くかなゴブリンは。まぁ、そのおかげでゴブリン討伐なんて滅多に無い、美味しい仕事が出来たわけだけどさ」

 

 

リーンが美味しい仕事と言ったので、ゴブリンって結構弱いのか?

 

 

そんな風に考えてるともう、山の入り口まで歩いて来ていた。いつもは誰かしら問題を起こすから目的地までに時間がかかるんだよな

 

 

テイラーが足を止め、地図を広げる

 

 

「ゴブリンが目撃されたのはこの山道を天辺まで登り、やがてちょっと下った所らしい。山道の脇にゴブリンが住みやすそうな洞窟でもあるのかも知れない。ここからはちょっと気を引き締めて行くぞ!」

 

 

なんだろう、俺は今感動してるのかも知れない。いつもは敵地のど真ん中に突っ込んでいったり、取り敢えず爆裂魔法を撃ったり、早く帰って酒が飲みたいって駄々をこねたりしてて、作戦なんて全然してこなかったからな

 

 

「ん?何か山道をこっちに向かって来てるぞ?敵感知に引っかかった。でも、一体だけだな」

 

 

ん?カズマの感知に引っかかった?一応見ておくか

 

 

『千里眼』

 

 

「えっとだな、なんか真っ黒い猛獣が歩いてきてるな」

 

 

「カズマ…お前敵感知なんてスキル持ってるのか?それで八幡は千里眼だと?…まて一体で黒い猛獣…初心者殺し。おい一回引き返すか?」

 

 

「いや、そこの茂みに隠れても多分見つからないぞ?俺、潜伏スキル持ってるから。このスキル、スキル使用者に触れてるパーティーメンバーにも効果がある。せっかく都合よく茂みがあるし、隠れてみるか?まぁばれても八幡が倒してくれるだろうし」

 

 

カズマの言葉に三人が驚きながらも茂みに隠れた

 

 

これがあいつらだったら迎え撃つとか言って問題を起こしてたんだろうなと思った

 

 

そしてしばらくすると初心者殺しと言われているモンスターがやって来た。一言でいうと真っ黒なサーベルタイガーを大きくしたようなモンスターだった

 

 

さっきまで俺達がいた街道を嗅ぎ回り満足したのか街へと向かう道へ消えていった

 

 

「ぷはっ!ここここ、怖かったよぉ!初心者殺し!初心者殺しだよ!」

 

 

リーンが涙目で言ってくるところを見ると、相当危険なモンスターだったようだ

 

 

「し、心臓が止まったかと思ったぜ!た、助かった…。あれだ、ゴブリンがこんな街に近い山道に引っ越してきたのは、きっとあいつに追われたからだぜ」

 

 

「あ、あぁ…しかし厄介だな。よりによって帰り道の方に向かって行ったぞ。これじゃ街に逃げ帰ることも出来ないな」

 

 

キースもテイラーも恐れているようだ

 

 

「なぁ、さっきの奴ってそんなにヤバイのか?」

 

 

カズマがテイラーに質問した

 

 

「初心者殺し。あいつは、ゴブリンやコボルトといった、駆け出しの冒険者にとって美味しいといわれる、比較的弱いモンスターの側にいて弱い冒険者を狩るんだよ。つまり、ゴブリン達を餌に冒険者を釣るんだ。しかも、ゴブリンが定住しないように群れを定期的に追いやり、狩場を変える。狡猾で危険度の高いモンスターなんだ」

 

 

「何それ怖い」

 

 

もしかしたらアクアよりモンスターの方が賢いんじゃないか?

 

 

「取り敢えずゴブリン討伐を済ませよう。ゴブリンを倒してすぐ隠れればまたさっきみたいに通り過ぎてくれるかもしれない。だからまずは目的地に行こう」

 

 

テイラーの提案で俺達はゴブリン討伐に向かった

 

 

「ねぇカズマに八幡、私二人とも頼りにしてるよ」

 

 

リーンがそういいながらカズマの荷物を取った

 

 

その言葉に慌てたようにテイラーとキースがカズマの背中の荷物を取った

 

 

「「べ、別に、俺達はカズマと八幡のことを頼りにしてるんじゃ無いからね!」」

 

 

そのツンデレは誰に需要があるんだか

 

 

初心者殺しが帰ってくることも無く、俺達はゴブリンが目撃された場所に来た

 

 

「カズマ、どうだ?敵感知には反応あるか?」

 

 

「あぁこの山道を下っていった先の角を曲がると、いっぱいいるな。初心者殺しはまだ来る気配はないぞ」

 

 

感知って便利だな。俺も習得しようか…

 

 

「いっぱいいるってならゴブリンだな。ゴブリンは群れるものさ」

 

 

キースは気軽にそんなことを言ってるが、カズマの表情が若干青くなっている

 

 

「いや、俺達はゴブリンとまだ戦ったことが無いからわからないが、こんなに多いのか?探知できているだけでも数えきれないんだが」

 

 

「ね、ねぇ。そんなにいるの?カズマがこう言ってるんだし、ちょっと何匹いるかこっそり様子を伺って、勝てそうなら…」

 

 

リーンがカズマの言葉に不安になっているようだ

 

 

「大丈夫大丈夫!カズマ達にばかり活躍されてちゃたまんねぇ!おっし、行くぜ!」

 

 

キースがそう叫びながら角へ飛び出した。そして続くようにテイラーも角から飛び出し、二人が叫んだ

 

 

「「ちょ!多っ!?」」

 

 

叫ぶ二人に続き俺達も角を曲がった

 

 

曲がってみると、ゴブリンが数えきれない程群れていた

 

 

ゴブリンを初めて見たけど、ゲームやアニメに出てくる緑色の子鬼だった

 

 

「言ったじゃん!だから言ったじゃん!あたし、こっそり数を数えた方がいいって言ったじゃん!!」

 

 

リーンがテイラー達に泣きながら叫んでいた

 

 

「いや、ゴブリンなんて普通は多くても十匹位だろ!こんなのわかりっこないって!」

 

 

「は、八幡!仮面ライダーでなんかないか?大量に攻撃できる奴、あ、あと初めて見る奴で頼む」

 

 

カズマって欲望に正直だよなぁ 

 

 

『KAMEN RIDE ディケイド』

 

 

「えぇっ!八幡が急に姿が変わった!」

 

 

「なんだその鎧!特注品か!?」

 

 

「初めて見るけどカッコいいっすね」

 

 

上からリーン、テイラー、キースが初めて見るディケイドに驚愕していた

 

 

「じゃあカズマに頼まれたし、まだ見せてない奴使うわ」

 

 

『KAMEN RIDE フォーゼ』

 

 

「宇宙ーーーキターーー!!!」

 

 

「宇宙ってことはその姿宇宙船ってことか!?」

 

 

『ATTACK RIDE レーダー』『ATTACK RIDE ランチャー』『ATTACK RIDE ガトリング』

 

 

「えぇ!八幡の腕と足に武器が出てきただと!?」

 

 

「危ないから下がってろ!」

 

 

『FINAL ATTACK RIDE フォ・フォ・フォ・フォーゼ』

 

 

両足から銃弾とロケット弾が大量にゴブリン達に向かって発射された

 

 

「ギギャ」!「ギギー」!「ギャー」!「ギュッ」!

 

 

あっちこっちからゴブリンの断末魔が聞こえてくる

 

 

「うぉー!八幡すげー!」

 

 

「あはは…ゴブリンに同情しちゃうかも」

 

 

「初心者だと思ってた俺が間違っていたな…」

 

 

「アーチャーなのに出番無くね?」(´ω`)

 

 

弾丸の嵐が鳴りやむとゴブリン達が見るも無惨な光景になっていた

 

 

ウップス、これはやり過ぎたな…

 

 

「ナイスだ八幡!ゴブリンがほとんどやられた!あとは、俺達で残った奴倒そうぜ!」

 

 

カズマが指揮をとりゴブリン達を全部討伐することが出来た

 

 

今回のゴブリン狩りでリーンが風魔法を使っていたが、あれはなかなか面白い技だなと思った。あとリーンより、何故かカズマの初級魔法が大活躍していた

 

 

「よし、ゴブリン討伐が終わったし帰って宴会しようぜ!」

 

 

「「「おおー!」」」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

異常発生していたゴブリンの群れを討伐した帰り道

 

 

「クックッ…あんなにゴブリンがいて俺、死ぬかと思ったのに俺よく生きてんな、それにカズマの魔法の使い方おかしすぎるだろ!何で初級魔法があんなに便利なんだよ!」

 

 

「ほんとだよ!あたし、魔法学院じゃ初級魔法なんて、取るだけ無駄だって教わってたのに!それが、ふふ、ふふふっ、何あれ!」

 

 

「うひゃひゃひゃ、や、やべぇこんな楽なゴブリン狩りは初めてだぜ!あんなにいたゴブリンが一瞬で消えたんだぜ?笑うしかねぇよ」

 

 

いつまでもテンションの下がらない三人に、カズマが

 

 

「おい、戦闘終わったんだから荷物よこせよ。最弱職の冒険者は荷物持ちが基本だろ?」

 

 

「俺も荷物持ちをサポートするか?」

 

 

「ちょ!悪かったって、いや本当にバカにして悪かった。これからは初心者だってバカにしねぇから」

 

 

「ごめんね?二人とも。てか、何で初心者の二人とも活躍してるのさぁ!おかしいでしょ!」

 

 

「おいカズマ、荷物をよこせ!MVPなんだから、お前の荷物も持ってやるよ!」

 

 

カズマの一言に途端に慌て出した三人に、カズマが吹き出した

 

 

何かいいな…これこそアニメやラノベなどにある冒険って感じだ

 

 

「つっ!いてて…」

 

 

テイラーが、腕を押さえて顔をしかめた。どうやら先程の戦闘で矢を受けていたらしい

 

 

「おい、大丈夫か?回復魔法をこの場で取得してもいいんだが、消毒液とかないから、街に帰るまで傷口は塞がない方がいいよな?街に帰ったら、傷を洗って消毒しようぜ?」

 

 

「カズマ…回復魔法まで使えるの!?」

 

 

「回復魔法…ついに俺達のパーティーにも回復魔法を使えるメンバーが!」

 

 

「おい止めろ。カズマにはちゃんと帰る場所があるんだぞ。上級職ばかりのパーティーがな。ったく、なぜ最弱職のカズマが上級職ばかりのパーティーでリーダーなんてやってるのかが、よく分かったよ」

 

 

テイラーがそんなことをいいながらカズマに笑いかけた

 

 

「…なぁテイラー、ここで休憩にしないか?」

 

 

「どうした八幡?もう少しで草原地帯に行けるんだが」

 

 

「なぁ八幡…もしかして」

 

 

バックを漁っている俺にカズマは気づいたようだ

 

 

「まぁそうだな、焦る必要もないしここら辺で休憩を挟もうか」

 

 

テイラーがそう言いながら岩に腰をかけた

 

 

「なぁテイラー、今から応急処置するから腕を見せてくんね?」

 

 

そう、俺は応急箱を持参していたのだ( ・`д・´)キリッ

 

 

「あぁなるほど。だから休憩しようって言ったのか。すまない、頼む」

 

 

応急処置にスキルポイントを振っていて良かった。体が勝手に動いてくれる

 

 

「ほい、これで大丈夫だろう。あ、あとこの服ちょっと貸してくれ」

 

 

「?別にいいが」

 

 

バックから針と糸を取り出してこの穴を裁縫スキルで縫ってと

 

 

「これでよし。穴を塞いどいたぞ」

 

 

「八幡って凄く器用だね…もしかしたら私よりも女子力高いかも…」

 

 

「なぁ八幡ってそんなに器用だったか?」

 

 

「ん?あぁ俺、応急処置と裁縫にスキルポイント使ってるからな」

 

 

「えぇ!?そんなのにスキルポイント使ったの!?」

 

 

リーンが驚いてるがそれほどまずい事なのか?

 

 

「スキルポイントを攻撃魔法に振ればよかったじゃん!」

 

 

あぁ、そういうことか

 

 

「いや、俺スキルポイントを攻撃系の魔法に振ることが出来ないんだわ」

 

 

「えぇ!?何で!?」

 

 

「さっき変身しただろ?あれ使える代わりに攻撃魔法を覚えられないようになってんだよ」

 

 

「へぇ…攻撃魔法を覚えられないけどいいの?」

 

 

「…まぁ好きで選んだからな、後悔はしてない」

 

 

「じゃあ、八幡!代わりに色んな魔法を俺が覚えて見せてやるよ」

 

 

カズマ…いいやつだな

 

 

「おし、休憩も終わりにして帰るとするか」

 

 

テイラーの提案で俺達は草原地帯に足を踏み入れた

 

 

「ん?凄い勢いで何か来てるぞ?」

 

 

「八幡も見えるか?…あれ、もしかして」

 

 

「「「「「初心者殺し!」」」」」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「はぁ…はぁ…あぁっ!何でいるんだよ!」

 

 

「はぁ…はぁ…や、やばいよ!追いつかれちゃうよぉー!」

 

 

「は、はちまぁぁーん!ヘルプ!ヘルプ!俺一番足遅いから、担いでってぇ!」

 

 

今、初心者殺しから逃げている訳だが、なかなか酷いことになっている…仕方ないか

 

 

『KAMEN RIDE ディケイド』

 

 

「俺が引き受ける!カズマ達は街に逃げろ!」

 

 

「は、八幡ーー!かっけぇ!俺もやっぱ戦う!」

 

 

カズマが目をキラキラさせながらこっちに走ってきた

 

 

「フッ!八幡だけにカッコいいことはさせないぜ」

 

 

そう言いながらカズマが右手を初心者殺しに向かって突き出していた。手の中には砂が握られてるようだ…なるほど理解した

 

 

「ウィンドブレス」!

 

 

カズマが出したウィンドブレスが初心者殺しの目に入り動きが止まった

 

 

「今だ!八幡!俺あれが見たい!アギトの必殺!」

 

 

カズマがアギトのポーズをしながら話してくる。若干恥ずかしがってるようだが、何も言わないでおこう

 

 

『KAMEN RIDE アギト』

 

 

カズマの言う通りにしてやろう

 

 

『FINAL ATTACK RIDE ア・ア・ア・アギト』

 

 

目の中に入った砂をどうにか取り出そうとしている初心者殺しにアギトの必殺技が入った。初心者殺しは少し痙攣するとピクリとも動かなくなった

 

 

「しょ、初心者殺しに勝ったぞぉぉぉ!!!」

 

 

「う、嘘でしょ?ホントに?」

 

 

「俺達見てるだけだったっすね」

 

 

「八幡、やっぱ仮面ライダーってカッコいいな!」

 

 

「まぁ、そうだな。取り敢えずもう帰りたい」

 

 

「よーし!帰ったら祝勝会だぁー!」

 

 

カズマの言葉にテイラー達が今日一番の笑顔だった

 

 

ーーー冒険者ギルドーーー

 

 

冒険者ギルドの前に着いた時にはもう日が暮れていた。

なぜこんなに遅れたかというと、途中カズマが小腹がすいたから何かくれと言ってきたので、バックに入れてきた手作りのサンドイッチをあげると、カズマが美味いと叫んだことで、テイラー達がもう一個をかけて争奪戦を始めるということがあった。因みに勝利したのはリーンだった。

あとはカズマがテイラーから他に何かできるのかという質問に対してスティールが出来るといいながら、スティールをするとリーンのパンツを取ったことによりグーで頬を殴られていた。因みにリーンのパンツは白と緑の縞パンだった

 

 

「つ、着いたぁぁ!!今日はなんか大冒険した気分だよぉ!」

 

 

リーンがそう言いながらギルドのドアを開け、俺達が入ると…

 

 

「ぐすっ…ふぐっ…ひうっ…。…ぁっ!ガズマァァ!ハヂマァァン!!」

 

 

カズマがそっとドアを閉めた。なんか泣きじゃくってたなアクアが

 

 

「おいっ!気持ちは心底よーく分かるがドアを閉めないでくれよ!」

 

 

閉められたドアを開けたのは今朝カズマに絡んできた男だった。ダストだったか?

 

 

ダストは背中にめぐみんを背負い、アクアは、何故か白目を向いているダクネスを背負って泣いていた。しかもアクアの頭に歯型が残っていた

 

 

「いや、なにこれ…大体はわかった。だから聞きたくない」

 

 

カズマがいやそうな顔をしてダストの横を通り過ぎてった

 

 

ダストがカズマの腰に抱きつきながら引きずられていった

 

 

あ、奥の受け付けにいって報告し終わったみたいだ。ニコニコしながら戻ってきた。ついでに大泣きしているダストを腰に付けながらだが

 

 

「おい皆!初心者殺しの報酬も手に入ったしのんびり祝勝会でもあげようぜ!新パーティー結成に乾杯しよう!」

 

 

「「「おぉぉぉ!!!」」」

 

 

テイラーとリーンとキースが喜びの声を上げていた

 

 

「待ってくれ!謝るから!今日のこと全部謝るから!土下座するから、俺を元のパーティーに帰してくれぇ!!」

 

 

大泣きするダストの方にカズマが手をおいた

 

 

「これから、新しいパーティーで頑張ってくれ」

 

 

「嫌だぁぁぁぁぁ!!!!」




八幡だ。ルナさんからまた指名依頼が来たと言われたので、それをこなさないといけない。カズマ達はダンジョンに行くらしい。何か起こらなければいいが…

次回 第十九話 ひとっ走り付き合ってくれないか?


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第十九話 ひとっ走り付き合ってくれないか?

申し訳ございません!お久しぶりです!この先もなるべく速く投稿出来るよう、頑張ります!


カズマの首がぶっ飛んでから一週間位がたった

 

 

カズマの本格的な戦闘が許される位にはなったらしく、ダンジョンに行くことにしたようだ。ただし、俺は依頼があるとルナさんに言われ依頼主の所に行くことになった

 

 

「ここか…すみませーん!」

 

 

俺は町外れの農家の家に来ていた

 

 

「あぁ、冒険者さんかね?こんなところにご苦労様なこった」

 

 

家の中から少し筋肉質なお婆さんが出てきた

 

 

「さっそくで悪いんだが、依頼ってのは、この家の畑の裏に林が生い茂っているでしょ?最近魔物が住み着いたらしくてねぇ。畑は荒らされるわ、家畜は食べられるわで困ってんのよ」

 

 

「どんな見た目の魔物なんですか?」

 

 

「見た目は、四足歩行で毛むくじゃらで、あと牙が生えておった…あとは、足が速かったねぇ。荒らして林に戻っていくのが一瞬だったわ」

 

 

んー…狼か?それに、もし狼だったとしてこの世界の狼もでかいのか?

 

 

「わかりました。取り敢えず行ってきます。何匹位いましたか?」

 

 

「私が見たのは五、六体位だったような…」

 

 

それじゃあ早速行くとするか

 

 

ーー裏の林ーー

 

 

中に入ってから十分は歩いたと思うんだが、さっきから生き物の気配を感じ取れない

 

 

ドッスーンッ!!!

 

 

「ん!?」

 

 

結構近い距離で木がなぎ倒れる音がした…一応変身しとくか

 

 

『KAMEN RIDE ディケイド』

 

 

さて、音のした方に行ってみるか

 

 

ドドドドドドッッッ!!!!

 

 

いたなぁ…何か知っている猪じゃない。何で猪の体が岩で出来てんだよ!?それに、周りに蜂と狼もいるしモンスター達のパレードか何かかよ、あ…気づかれた

 

 

ブモォォォォ!!!ワオォォォーン!!!キシーーー!!!

 

 

蜂も鳴くの!?って、やべぇ!大量に来た!

 

 

一瞬で狼が首の近くに噛みついてこようとしたので、ギリギリ剣で弾いた。なんだ、この狼!一瞬で十メートルはある距離を飛んできやがった!

 

 

次に攻撃してきたのは炎を針の先に纏った蜂!?

 

 

「ちょっ!あぶねぇ!」

 

 

一応避けることは出来てるが、数が多い!

 

 

そして、猪が蜂が針を撃ってきている中、お構い無しに突っ込んできやがった!

 

 

これは流石にもろに当たると不味いな

 

 

針を剣で弾きながら間一髪で避けることが出来た

 

 

ズドォォン!!

 

 

後ろを振り返ると木がなぎ倒されるのではなく、吹っ飛んでいった…あれ?俺結構まずくね?

 

 

一旦状況を整理しよう…岩の体をした猪と針に炎を纏った蜂、一瞬で距離を詰めてくる狼が合計十何匹も一斉に攻撃してくる。不幸中の幸いなのか、猪が一匹だけでよかった。…てか、こんなに別種族どうしが連携攻撃をしてくるものなのか!?何で戦い合わないんだよ!取り敢えず一番厄介な狼をどうにかしねぇとな

 

 

『KAMEN RIDE ドライブ』タイプスピード!

 

 

「ひとっ走り付き合えよってか?」

 

 

まずは狼を倒さないとな

 

 

喉にひとっ飛びしてきた狼を、体を回転させ顎を思いっきり殴った。飛んできた狼はそのまま木にぶつかりピクリと体を痙攣させ動かなくなった

 

 

なんだろう、ドライブを使って分かったことは、凄く体が動きやすいってことだ、これだったらすぐに残りの狼達も対処出来るだろう

 

 

「おらぁ!」

 

 

一匹、また一匹と狼を殴り倒していく、途中蜂や猪などの攻撃もあったがそれをギリギリで避けていく

 

 

うし、最後の一匹も倒すことが出来た、今度は蜂か

 

 

『FORM RIDE ドライブ テクニック』

 

 

ドア銃持ってみたけど、これほんとおかしな形してんな

 

 

さて、標的に狙いを定めて撃つ!…よし!しっかり当たった

 

 

何匹か蜂を打ち落とすと、最後の一匹の蜂がキシーーー!!!と針を向けて突っ込んできた…これあれできんじゃね?よし来た!マ○リックス!!

 

 

よし、ギリギリで避けられ「ぐぶぉ!!」

 

 

おお"ぉぉ!!忘れてた…猪の野郎!そりゃあマトリッ○スしてた俺も悪いけど、お前は許さん!

 

 

最後の一匹の強襲してきた蜂を打ち落とし、猪と一対一になった

 

 

『FORM RIDE ドライブ ワイルド』

 

 

さて、俺は睨みあってる猪に猛スピードでタックルをした。それを猪の方は真正面で受けるつもりらしい、さぁデュエルだ

 

 

勝利の行方は!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー依頼主の家ーーー

 

「すみません、終わりましたぁ」

 

 

「あらあら、すまなかったねぇ。ほらこれ、感謝の気持ち。家で取れた野菜とこの前掃除してて見つけた、倉庫にあった本をあげるわ」

 

 

「え?えっと、これ大事なものじゃないんですか?」

 

 

「いいのよ、私達見たいな老夫婦には必要の無い本だからね」

 

 

まぁ貰えるもんは、貰っとくか

 

 

「じゃあ、ありがとうございます」

 

 

「ありがとねぇ!」

 

 

んー、この本凄い気になるな…てか表紙に題名が書いてないのか?まぁ見てみるか

 

 

徒歩で街に帰りながらその本を開いてみた

 

 

……!?バカでも分かる固有スキル(ポイント量up)伝授本

 

 

は!?これ凄いものじゃねぇか…えっと何々?

 

 

この本は見ただけでスキルを覚えられる本だ。転生者の俺が作った自慢の一品なんだぜ!しかも、転生者のみに発動するようにしといたので、ここの世界の住人が見たところで字は書いてあるが読めない本となる。さぁ!選ばれた君!この文章を見てるってことはもう覚えたってことだ!良かったな!

 psこの本は一回だけの使い捨て仕様なので習得したら、三十秒後に爆発します…五、四…三

 

 

やべぇ!怖いし遠くにぶん投げるか

 

 

ドゴォォォン!!!

 

 

あの本作ったやつサイコパスだろ…はぁ、帰るか

 

 

ーーー冒険者ギルドーーー

 

 

「ルナさんいますか?」

 

 

俺はギルドに入り受付カウンターで依頼の達成を報告しに来た

 

 

「あ!八幡さん依頼は、どうでした?」

 

 

「色んなモンスターが仲良く襲ってきたので大丈夫じゃなかったです」

 

 

「え?えっと、つまり別の種族のモンスターが力を合わせていたと?」

 

 

「まぁ、はい」

 

 

「一大事じゃないですか!後で、注意の張り紙を書いておきます!」

 

 

「あ、はい」

 

 

はいしか言えない俺…マジで泣けてくる

 

 

「あ、依頼は達成しました」

 

 

「分かりました!明日報酬をお渡しします!」

 

 

「了解です」

 

 

さて、カズマ達はギルド内にいないから宿に帰るとするか

 

 

バタァァァン!!ハチマァァーーン!

 

 

うわぁ、タイミング悪すぎだろ。アクアが泣きながらこっちに駆け寄ってきた

 

 

「はぢまぁぁん!がずまがねぇ?私のごと、疫病神だっでぇぇ!!」

 

 

取り敢えずアクアの頭を撫でて、アクアを落ち着かせようとし、元凶が来るのを待った

 

 

「あ、八幡。依頼は終わったのか?」

 

 

カズマが俺の膝に抱きついているアクアを無視し俺に話しかけて来た

 

 

「あぁ、依頼は終わったが面倒なことが始まった」

 

 

めぐみんとダクネスが合流するのを待った後、何があったのかテーブル席に付いて話を聞いた

 

 

はぁ、成る程な。アクアの体質でアンデッドが蘇ると

 

 

「カズマ、それでも一応仲間だろ?疫病神は言い過ぎなんじゃなぇか?」

 

 

カズマが少しバツが悪そうな顔をする

 

 

「ま、まぁ俺も言い過ぎた…アクアすまんな」

 

 

「ま、まぁ今日のご飯を奢ってくれるなら許してあげなくも無いわよ?」

 

 

どうやら奢るという言葉でアクアの機嫌が治ったらしい。それでいいのか女神って

 

 

「は、八幡!わ、私も頭を撫でてみて貰ってもいいですか?」

 

 

隣に座っていためぐみんがモジモジしながら頭をすっと出してきた

 

 

「まぁいいが?どうしたんだ?」

 

 

「い、いえ。そのアクアが撫でられてるとき気持ち良そうでしたので、体験してみたいなと…」

 

 

くっ!上目遣いだし、理由が可愛すぎる!だが、相手は小町とほぼ同年代みたいなものだ、落ち着け八幡!

 

 

「おっ?じゃあ俺が撫でてやろうか?」

 

 

カズマが手をワキワキさせながらめぐみんに言った

 

 

「いえ、手つきがイヤらしいのでちょっと…」

 

 

「はぁ!?」

 

 

「プークスクス!カズマあなたやっぱり変態なのよ!この変態クズニート!」

 

 

「上等じゃねぇか!駄女神!てめぇ公衆の面前でスティールしてやろうか!?」

 

 

「ねぇ!皆聞いた!?カズマが!」

 

 

「おいテメェそれは、ズルいだろ!」

 

 

「フッ!勝てばいいのよ、勝てば」

 

 

俺はめぐみんを撫でていた手を止め

 

 

「おい、二人とも迷惑だから席につけ」

 

 

「「はい、すみません」」

 

 

「な、なぁ私は叩かれる方が良いのだが…」

 

 

誰も聞いてなかったよな?てか、何?何でそんな目で俺を見る。俺は叩かんぞ?

 

 

「あー、あれだカズマがいっぱい叩いてくれるってよ」

 

 

「本当か!よしこいカズマ!思いっきり頬を叩いてくれ!」

 

 

「おい!やめろ変態!近づいてくるんじゃねぇ!」

 

 

「言葉責めでムードを作ってるのか!やるなカズマ!」

 

 

「もう!八幡!!どうにかしてくれぇぇ!」




どうも、受付嬢のルナです。最近八幡さんを見ているとドキドキします、これってもしかして…ゴホン! 取り乱しました。

次回 二十話 幽霊少女に安らぎを…めぐみんにも安らぎを


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