ドラえもんとオリ主の奇妙な冒険 (クリスチーネ小林)
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1話 冒険への誘い

自分が今年のGW開けに交通事故で入院中にパッと思いついたので特に深く考えずに書きました。不定期更新ですがお願いします!


俺の名は、御奈己晴明(みなみはるあき)高校一年の男子で16歳だ。身長は176㎝中肉中背で顔もまあ、平均的な普通の人間だ。

 

これから俺が語るのは高校での修学旅行で東京スカイツリーに行った際、信じられないかもしれないが、俺と中学の頃からの腐れ縁が、異世界に転移させられた話だ···

 

 

気がつくと白い空間に俺はたたずんでいた。すると、不意に後ろから何時もの聞き慣れた声で俺に話し掛けてくる。

 

「やあやあ!晴明くん~♫君も一緒みたいだねぇ♪」

 

こんな訳のわからん状況だと言うのに妙にワクテカして話しかけてきたコイツは高校の同じクラスメイトにして俺をプチオタクな道に引きずりこんだ張本人、東雲アズサ(しののめあずさ)だ。

 

彼女は言いたかないが、容姿端麗、頭脳明晰、運動も得意で俺より後から競技を始めても直ぐ様上達し追い抜き、おまけに学校内外問わず老若男女全てに好かれ、ついでに家も超がつくほどの金持ちという、何処の2次元世界設定だっ!?と、言いたくなるチートな人間だ···なんか、虚しくなってきやがった···

 

「おいおい♪どうしたんだい?そんなに落ち込んでもっとポジティブにいこうじゃないか!」

 

何でコイツはこんなに浮かれているんだ···?

 

「これはきっとアレだ!!神様、女神様の手違いで、異世界転移、もしくば転生というヤツに違いない!いや~っ楽しくなってきたねぇ~♪」

 

お前がオススメだと教えてきたアレ···ネット小説のお約束というヤツか···?

 

そうそう、いい忘れていたがコイツは先ほどの紹介に加えて、ディープでハイレベルなオタクなのだ。漫画、アニメ、ゲーム、小説まで網羅しているオタクエリートでもある。本人いわく、

 

「この世にこんなにも魅力的で素晴らしい娯楽創作作品が星の数程溢れているんだよ!楽しまなくては人生の損失じゃないか!」

 

まあ、気持ちは分からんでもない···でも、そんなに大量の作品を観賞し、作品の設定やら、スタッフのこぼれ話しやらネットの意見交換とかいつ、勉強と睡眠は取っているんだ?と質問したら、ヤツは

 

「教科書と参考書をパラパラ見てれば問題ナシ!睡眠は3~4時間集中して深く眠ればヨシ!」

 

と、こう答えやがった···天才め···

 

そんなこと思い出していたら、妙に光が集まって人の形をとり、やがて綺麗···と言うより、可愛い容姿をした女の子が現れた。

 

「⋅⋅⋅初めまして、私はこの世界の管理者の女神リンネと申します。いきなりこのような場所にお二人をお連れした無礼を何卒お許し下さい」

 

 

···マジで女神様きたよ···!?軽く混乱している俺を尻目に東雲アズサは何とも軽妙にして可憐に女神に話しかける。

 

「いやいや、女神様お気になさらず♪因みに私達は死んだのですか?それとも単なる転移ですか?はたまた···」

 

アズサは自分が思い付く限りの推測を矢継ぎ早に問いかける。この見た目が可愛らしい外見年齢12~13歳の女神様はアズサの勢いにあたふたしてしまい軽く涙目になっている。見るに耐えかねて俺はアズサの肩を掴み、静止させた。

 

「アズサ!ちょいと落ち着け、これじゃ何も話しが進まないだろう?」

 

俺の言葉にようやくアズサは興奮を静めてようやく何時もの余裕のある表情になる。

 

「いやっはは~!!ソーリ、ソーリ!私としたことがつい、我を忘れ珍しく興奮してしまったよ!何しろ現実に私達が本当になれる小説やアニメ、漫画のような事になるとは夢にも思わなくってねぇ...」

 

 

何とか落ち着いたアズサをおいて俺は改めて女神様に質問する。

 

「···でっ、女神···リンネ様でしたっけ?説明をお願いしますよ?」

 

「はっ、はい!それはですね、その、我々神とは名乗ってはいますが正確には高次元の超パワーをもった生命体なんです。余りに次元の違う存在なので便宜上神と名のらせて頂いてます。中には元人間で上位の高次元生命体へと存在昇華された方も数多く存在されるんですよ!私もその内の一人ですけどね!そんな高次元生命体のお仕事は様々な世界を管理、調整して整えて維持していく事なんですが、突然キュゥべえと名乗る別世界の宇宙からやって来た存在に管理システムが乗っ取られてしまい、世界が危険な状態になっております」

 

 

···思っていた以上にヤバくないか?若干、尻込みしている俺と違い、アズサは目をキラキラ輝かせながら「きたコレ~!!きっとこの後女神様から超絶チート能力を授けられて、俺達TUEEE展開になるんだよっ、晴明くん!」とっ、テンプレと呼ばれる展開に期待をふくらませている。

 

「あっ、はい!仰るとうり、お二人にはまず基本的に身体能力、生命力の底上げに、精神耐性を授けさせていただきます。更に一人一つだけそちらのご希望の能力を付与できます!」

 

おおっ~!!いいんじゃあないか!?と俺はワクワクしてきた。そんな俺の首に腕をまわして体を預けてきた東雲アズサはこう、耳元で囁く。

 

「なあ~♪晴明くん!丁度君が現在、わりかしハマっている漫画作品、ジョジョのスタンド能力を二人で身に付けないかい?アニメも放送中なことだしぃ···まあ、嫌なら別にムリにとは···」

 

 

因みに先ほど俺をプチオタクに引きずりこんだのはコイツだと説明したな?アズサは俺達が生まれる前に流行った少年漫画を大量に所持しており、俺はそれにまんまとハマった口だ。

 

キン肉マン、北斗の拳、男塾、聖闘士星矢、今もなお続いているジョジョシリーズにドラゴンボール···等々数え上げればキリがない!今現在ジョジョの

アニメが放映中な為、俺がジョジョのスタンド能力に少しだけ憧れ、絶賛熱を上げているのをアズサは憎らしい位熟知しているのだ。

 

正直、もっと他の能力をと、考えなくはないが、まあ、コイツの考えや、直感、判断力に間違えがないのは中学から今に至るまで正しいと俺は自分の経験から結論づけた。

 

「ああ、それでいいぜ!二人一緒にスタンド使いになるとするか!」

 

俺はアズサにそう答えるとアイツはほんの少しだけ陰っていた顔を一気に明るくさせ、満面の笑みで

 

「そ、そうかっ、そうか、そうか!君ならそう言ってくれると信じていたよ♫」と嬉しさを隠しきれずにいた。

 

···そういえばなんで、俺と彼女が貴方に呼ばれたんですか?と女神リンネ様に訪ねる。

 

「あっ、すみません!まだ説明してなかったですね。それは単純にお二人が才能や素質に恵まれていて、適性が高かったのでお呼びさせて頂いたんですよ!」

 

 

才能、素質···それは彼女なら分かるけけど俺は正直いまいちだと思うんだけどな···更に女神様は話しを続けてくれた。

 

「それでですね、キュゥべえ達侵略者がある条件を突きつけてきたんです。私の管理する世界の中から適性のある人間を選び、ゲームをしようと持ちかけられたんです···」

 

 

ゲーム···何だろう酷くイラついてくる。掌の上で人間を弄ぶつもりなのかソイツは···?

 

「選んだ人間に異能力をつけ、こちらの宇宙に存在している数多の世界の人間達も呼び込んで複数でパーティーを組み、管理している世界や、自分達が創った世界で従えているボスを倒しきったらそちらの勝利としよう。もし君たちが負けたらこちらの宇宙は我らのモノにすると···」

 

 

···なんだか漫画、アニメ、ゲーム、ラノベのコテコテな展開だなぁ···まあ、大概少年漫画とはこうあるものなんだけどね⋅⋅⋅普段の自分はやれやれ系の人間だが、実はこういう展開には熱くなってしまう性分なんだよっ!隣にいるアズサは何故か静かに思案顔になっていた。

 

「失礼なことをお聞きする。貴方がた女神様···高次元生命体の力ではその、キュゥべえと名乗る侵略者に対抗できないのですか?」

 

さっきまで浮かれていたというのに流石というか、鋭い目線で疑問を女神様にぶつける。

 

「····はい、実は私は女神···高次元生命体となってからまだ100年なもので恥ずかしながらこのようなアクシデントには完全にはまだ対処しきれないんです···他の世界の先輩管理者様達もお忙しく救援をお願いするにも時間が懸かりすぎてしまいキュゥべえの条件を飲むしか無かったんです···スミマセン···自分が管理を任されている世界だというのに····グスッ」

 

みるみる内に顔を涙でグシャグシャにしていく···そんな外見年齢12、3歳の少女の姿をした女神様を東雲アズサはそっと優しく抱きしめこう言った。

 

「すまないっ···女神リンネ···配慮が些か足りなかったようだ···」

 

アズサは女神様の涙を拭い、女性ながらハンサムと言っても間違っていない顔つきで女神様に向かい格好よく宣言する。

 

「安心してください。私、いや、私達で必ずや貴方様の悲しみを拭いましょう。必ずやキュゥべえとやらの企みを打ち砕いて御覧にいれましょう!!だから···もう泣かないで···」

 

 

オイオイ、まただよっ!こうやって女性ながら貴公子のような振る舞いで学校内の下級生及び、同学年の女子達をことごとくメロメロにして何人も落としたことか····ヤレヤレとため息をつきたくなる···

 

「それで、話しの続きだが、その、この宇宙に存在している数多の世界の人間というのは?」

 

アズサが俺と同じ疑問を女神様に訪ねてくれた。

 

 

「····はっ!はっ、はい!それはですねお二人が生きている世界の所謂マンガ、アニメ、ゲーム、ラノベと呼ばれる作品···実はこの宇宙に現実として存在しているんです。その様々な世界の人達にお願いを叶える条件付きで共に戦って頂く····」

 

言い終わる前にアズサが今まで見たことのない喜び顔で俺に勢いよく至近距離で顔を近づけ語る····!!

 

「聞いたかい晴明くん!凄いじゃないか!!焦がれ憧れて夢中になってのめりこんでいる2次元の世界!それが現実に存在していて、しかも自分達の仲間になってくれるなんて!!素敵じゃないかっ!最高じゃないかっ!あっはははははは!!!!♪♫♥」

 

興奮がマックスになり、なお高まり続けるテンションを抑えきれずアズサは有頂天になっていた·····実は俺もだ!!

身体がウズウズし、熱を帯びるのを俺も抑えきれずにいた·····!!

 

 

 

 

 




取り敢えず思いついた分だけは早めに更新します。


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2話 御奈巳晴明と東雲アズサはドラえもんと出逢う

取り敢えず頭の中で思いついた部分だけはなるべく早目に上げてきます。



こんにちは、僕ドラえもんです。今僕はドラミと共にタイムマシンで22世紀に帰ってる最中なんだ。のび太君がめでたく小学校を卒業する際をメドに元の時代に帰ることを決めたんだ····

 

もう、のび太君は僕が居なくても立派にやっていける···そう、確信して僕はのび太君に別れを口にした。最初は大慌てで僕を引き止めようとしたけれどのび太君自身も本当はわかってくれていたんだ···

 

 

のび太君、ママ、パパ、しずかちゃん、スネ夫、ジャイアン、その他大勢の人達にお別れのパーティーをしてもらい、最後は涙を流しながらみんなとお別れしたんだ···

 

「長い間お疲れ様、お兄ちゃん」僕を迎えに来てくれたドラミが優しく労いの言葉をかけてくれる。

 

うん、ありがとうドラミ。こうして僕はドラミと共に未来の世界へと帰る為タイムマシンで時空間の流れを進んでいく。

 

「お兄ちゃん、やっぱりまだ少しだけ向こうに居ても···」ドラミが僕を気づかってくれる。でも、決めたんだ!もう、のび太君は立派に一人でやっていけると···僕はもう必要ない。いつまでも居続ける訳にはいかないと。

 

 

静かに時空間の流れを眺めていると脳裏にこれまでのみんなとの思い出が次々と思い浮かび、気がつくと少し涙でて目が滲んでゆく···死にそうな目に何度もあった、困難なことも沢山あった。でも、全部全て終わってみれば何故か楽しかったと胸を張って言える!

本当にありがとう、みんな。さよなら···

 

 

ピー!ピー!突然、タイムマシンから緊急警報が鳴り響く!?

 

「警告、警告!時空間に原因不明の大型の次元乱流発生!!繰り返す、···」

 

次元乱流!?それも大型!?大変だ!僕はドラミに通信で急いで何処かの安全な時代に避難するように伝える。すると、僕のタイムマシンの周辺から奇妙なプラズマが発生し、途端にマシンのコントロールがきかなくなる!!

 

「う、うわああ~!!こ、このままだと何処かもわからない所に跳ばされてしまう~!?」

 

僕は必死でポケットからこの事態を切り抜けるための道具を出そうとするが、何故かヤカンやら傘やら長靴やら全く関係ないものばかりが出てくる!!何で僕は慌てると何時もこうなるの!?

 

あたふたしている間にも事態はドンドン進行していく! ドカーン!!

ついにタイムマシンから煙が吹き出し壊れてしまった!?凄い勢いに引っ張っられて僕の意識はそこで途絶えてしまった···ドラミどうかお前だけでも···のび太くん···みんな········

 

 

     ☆☆☆

 

 

 

俺の名は御奈巳晴明(みなみはるあき)、修学旅行で東京タワーにいったら中学からの腐れ縁の東雲アズサ(しののめあずさ)と一緒に白い空間にとばされてた。

 

周りを見渡すと突如光を伴って女神と名乗る少女から侵略者キュゥべえに管理システムを乗っ取られ、力を貸して欲しいと懇願された。

 

なんでも俺達二人には素質というか、才能と適性が高いので召喚したと言う。そして今、アズサの提案でジョジョのスタンド能力を付与してもらうべく期待に胸を膨らませている最中だ!

 

 

「それではお二人にスタンドという能力を付与させて頂きますね!」

女神リンネ様がニッコリとした顔で手のひらから光を生み出す。その光がまず東雲アズサの体にスウッと入っていった···!!

 

どっ、どうだ?アズサ!?スタンド能力は発現できるのか?っと俺は恐る恐るアズサに訪ねた。するとアズサはフッフッフッ、ハッハッハッと、どこぞの悪役みたいな笑い声を発する···!?

 

「晴明くん···凄いぞ!コレがスタンド使いの感覚かっ!見てくれ私のスタンドを!」

 

···いや、俺はまだスタンド能力もらってないからスタンドは見えな···

 

 

 ドドド!!  ゴゴゴ!!

 

 

な、なんかっ見えてる~!?なんでだ?どうしてだ?

 

「晴明さん、同じ世界の貴方には見える仕様になってます。」女神リンネがシレッと答えた···なんだよそれ···まあ、いい。俺は気を取り直しアズサのスタンドを見た。

 

アズサのスタンドは肩、腕、胸、股、膝から足の爪先まで黒い装甲を身に付けており顔は何だか特撮ヒーローを彷彿とさせる感じでたくましい屈強な戦士といった風格だ。

 

「あ、因みにしっかりと見るとスタンドのステータスが分かりますよ」と女神様が言った。ふむ、どれどれ···

 

 

破壊力ーA      Aー超スゴい

スピードーB     Bースゴい

射程距離ーC     Cー普通

持続力ーB      Dーニガて

精密動作性ーB   Eー超ニガて

成長性ーA

 

 

見た目どうり近距離パワー形でうらやましぃぃぃ!!うあーチキショースタンドは多種多様だがやはりパワー型ってのは俺の心に響く···!!

 

「ふふん!晴明くん!どうだい?私のスタンドは!」アズサのヤツ自慢気に胸を反らして調子にのりやがって~!!よーし、俺もカッチョいいスタンドを身に付けてやるぜっ!

 

俺は女神様にお願いした。アズサに負けない位のカッチョええスタンドを発現させてやるぜ!

 

「はい!それでは晴明さんにも能力を付与させて頂きますね」

 

先ほどと同じように手のひらから光を生み出す···ビリッ、バリッ!

 

ん、何だか?変なプラズマみたいなのが俺···いや辺り周辺から発生している!?さらに激しく揺れている、地震か?そんな事を考えていると能力付与の光の玉は俺の身体に吸い込まそうな瞬間···!?

 

俺の頭上から激しい炸裂音と共に穴が開き、丸くて青い何かが落ちてきて俺にぶつかってきた!!

 

ズッギャァァァン!!!ドゴンッ!?

 

 

「はっ晴明くん!」珍しくアズサが焦った声で俺に呼びかける。う~ん···!?イテテ···何なんだ?何が落ちて来たんだ?頭を押さえながら青く丸い物体に目をやるとそこには···なんと!青いタヌキのような珍妙なヤツが目を回しながらフラフラしていた!!

 

赤いキツネ、緑のタヌキ···イヤ、青いタヌキだぁ~!?何なんだよコイツは?ソイツに向かって思わず大声を上げて言ったらソイツは

 

「誰がタヌキだって~!僕はタヌキなんかじゃない!僕は猫だぁ~!!22世紀で作られた猫型ロボットのドラえもんだぁ~!!」

 

プンプンしながら激しく俺に抗議してくるコイツは自分を22世紀からやって来たロボットだとぬかしやがった!?しかも猫型だぁ~!?耳が無いじゃん!丸いじゃん!

ズングリむっくりしてるじゃん!

 

「うぬぬ~!!もう許せない!これでもくらえ~!マジックハンドパンチ~!!」

 

ヤツは腹に付いてるポケットから手?を入れ、まさぐると昔の古い玩具のやけにデカイマジックハンドが飛び出しグーパンチになり、俺にフック気味のストレートパンチを放った!ボコッ!

ぐへっ!俺はまともに喰らい地べたに転がった···何なんだよコイツは···!?

 

そんな俺を見かねてアズサは冷静にヤツに向かい合い

 

「待て!落ち着いてくれ私達も今コチラに呼ばれて少し舞い上がってしまっていて軽く混乱しているのだよ。彼の非礼は私が代わって詫びよう。だから先ずはどうしてここに来たのか説明してくれないか?」とヤツの興奮を押さえ見事に話し合いの形に持ち込んだ。

 

「う~ん···わかったよ。僕もつい、ムキになってしまってスミマセン···」

やけにシュンとなりアズサにその無駄にデカイ頭を下げる····

 

 

···オイ、謝る相手が違うだろうが!

憤る俺を無視してアイツはアズサにことの説明をする。

 

「ふむ、なるほど君は自分の主人の先祖の面倒を見るためタイムマシンではるばる22世紀から20世紀の世界へ···ほうほう···ありとあらゆる大冒険をしたり···そうか実に興味深い···その四次元ポケットから色々と···」

 

何やら話しが盛り上がっている様子だ···その時俺ははっ!として女神リンネ様にこう尋ねた。

 

「リンネ様もしかして先ほど言っていたこの宇宙にある数多の世界···俺らの世界で言うところの漫画、アニメ、ゲーム、ラノベのキャラ何ですか?」っと尋ねたら彼女はアワアワしながら狼狽えていた。

 

「あ、あの方はもしや、宇宙創世の···そ、そんな、どうして?私ごときでは···先輩には連絡がつかないしどうしよう!!」

 

···訳が分からない!?やけにヤツを見て青ざめている。頼むから知っていたら教えてくれよ!俺は焦り思わず彼女の肩を両手でガッチリ掴む。

 

「え、えとそれはあの方については禁則事項なんですぅ~!!」涙目になりながら彼女は叫んだ。

 

あの方···!?一体ヤツはどんな存在なんだ?するとヤツはリンネ様の叫び声を聞きコチラに近づき⋅⋅⋅

 

「コラ~!こんな小さい女の子をイジメるとは何事だぁ~!懲らしめてやる!」

 

ヤツは再びポケットに手?(ゴムまりみたいで手というにはムリがある)を突っ込み何やらちっこい人形を取り出した。

 

「ころばし屋!」ソイツは黒いハットをかぶりサングラスをかけ、さらに小さな銃を持っている。「さあ、ころばし屋アイツをヤレ!」何やら物騒な事言いやがる。そんなちっこい人形で···人形がニヤリとした瞬間···バン!俺はおもいっきり転び顔面から地面にダイブした···ぐふぅ···!?

 

「まったくなんてヤツだ!これに懲りたら女の子をイジメるのは···」まだしゃべっているヤツの言葉をさえぎり俺は「違うわ~!!俺はただ、お前の事を知ってるかもと思ってつい、興奮し過ぎただけだ!断じてイジメなんかするかっ!そもそもお前は何なんだ!?」

 

「だから、僕は22世紀で作られた猫型子守り用ロボット···ドラえもんだ!」

     

    バーン!! 

 

···威風堂々とヤツはそういった···何で子守り用ロボットがこんな道具を持ってんだ?おかしいだろ!再び憤る俺に、アズサは俺の肩を掴み、

 

「まあまあ、晴明くん取り敢えず皆で自己紹介しあい、訳を聞こうじゃないか!情報をしっかりと把握するのは重要だろ?」

 

しぶしぶながらその言葉に従うことにした···

 

「それじゃ落ち着いて話しをするためにお茶にでもしようか!」

 

ヤツはそう言うとまたもポケットに手を突っ込み、なんと丸いテーブルを取り出した!あの小さいポケットのどこに入っていたというのだ!?そんな俺を気にもせず、座布団にキレイな柄のテーブルかけを出した。「グルメテーブルかけ!」

 

 

「さあ、皆さん座って···え~とっ、どら焼きとお茶四人分」

 

ヤツ···ドラえもん···は丸いテーブルの上に取り出したテーブルかけを広げ、信じられないが人数分のお茶とおやつがテーブルの上から出てきた!?なんだ?何なんだよこれ?

 

「うふふ···これはグルメテーブルかけ。これに食べたいものを注文すると食べ物が出てくるんだ!」

 

さっきとうって代わって和やかな雰囲気を出して穏やかに俺に道具の説明をしてくれた···

 

 

 




ちなみにオリ主の世界には「ドラえもん」という作品は存在していないという設定です。


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3話 スタンド能力はドラえもん!?

俺は今、目の前にいる自称ネコ型子守り用ロボット、ドラえもんと名乗るヤツと東雲アズサ、女神リンネ様と丸いテーブルを囲みどら焼きを頬張り、熱いお茶を啜りつつ自己紹介その他の情報をまとめていた。

 

 

「まずは、改めて私は東雲アズサ(しののめあずさ)高校一年の16歳身長164㎝体重は乙女の秘密だ!スリーサイズはバン・キュ・ボンとだけ言っておこう。好きな食べ物は美味な物、甘い物全般、趣味は漫画、アニメ、ラノベ、ゲーム等のオタク趣味だ!改めてよろしくドラえもんくん!」

 

アズサの子気味のよい自己紹介が終わり次に俺の番となった。

 

「俺は御奈巳晴明(みなみはるあき)隣のアズサと同じ高校の一年で現在16歳···あ~っ、身長176㎝体重は確か66か、67キロだったと思う。好きな食べ物はカレー、ラーメン···あと肉だな!趣味はアズサと同じくオタクだが、作品数が余りに多いので気に入った作品は別にしてその他の作品は基本情報だけ知って···まあ、浅く広くと言った感じだ!あと少しだが空手をかじってる。それと言っておくが、女の子をイジメる趣味はないからな、ドラえもん!!」

 

俺は勘違いされてるのがイヤなので念押ししてドラえもんに言ってやった。次は流れ的に女神様の番だ。

 

「わたくしは女神リンネと申します。女神と言ってもそれは便宜上の表現で、実際は高次元生命体と申し上げるのが適切ですね。因みに元人間で、魔法少女をやっていた過去の業績が認められて晴れて人間から、高次元生命体へと存在昇華しました。今現在まだ100年目の新人です。至らぬ所もありますがどうか皆さんよろしくお願いいたします」

 

元魔法少女って凄い過去だな···しかも100年でもまだ新人って···高次元の存在とは凄まじい···そんな自己紹介を聞いてもアズサはお約束どうりワクワクしている様子だか、ドラえもんのヤツは特に驚きもせず、のほほんとしている。

 

「それじゃ最後は僕だね!改めて僕、ドラえもんです。22世紀で作られたネコ型の子守り用ロボットなんだ、よろしくね!」

 

俺は先ほどの事があるのでつい、ふてぶてしくドラえもんのヤツに、

 

「なんでその子守り用ロボット様がこんな、なれる小説のテンプレの真っ最中に俺の邪魔してきたんだよっ?」

と少しイヤミな感じを含めて聞いた。

 

「うん···実はね···」ドラえもんは自分に何が起きて此処に来たのか語り始めた···

 

 

      ☆☆☆

 

 

···成る程、お前···ドラえもん···は22世紀の未来から御先祖様の子守り···いや、教育っつーか、矯正するためにわざわざ20世紀の世界にね···そのポケットは四次元ポケットでなんでも入り、秘密道具が大量に納めてあると···更には、あちらコチラと様々な大冒険をして何度も世界を救い、そしてその御先祖様の一人立ちのメドが立ったのでめでたく元の時代に帰る、と、そこで時空乱流と呼ばれる災害にあって気がつくとこの白い空間に乱入したと·······

 

 

 

てっ、どこの超大作の漫画かラノベだよ!?俺は思わず大きな声で突っ込みをいれた···

 

「そんな事言われても本当の事話してるだけなんだけどな···」

 

口を妙な形にして至ってマイペースにどら焼きの御代わりをテーブルかけから出してむぐむぐと幸せそうに食べる。コイツ···いや、ドラえもんはどうやら、どら焼きが好物みたいだ。

 

 

「いや~さすがの私もビックリだよ!今日だけで自分の人生観が塗り替えられたね♪」東雲アズサは興奮と感心の二段重ねでワクテカしている。それは俺もだよ⋅⋅⋅⋅

 

一方の女神リンネ様は何やら落ち着かない様子になり、ワタワタして、何やらブツブツ独り言を言っている···!?

 

「ああ、やっぱり間違いなく創世主様が···先輩に連絡つかないし···どうしよう···」

 

しょうがない、しばらくそっとしておこう···俺はドラえもんにこれからどうするのか聞いた。

 

「うん、それなんだけど、どうやら肝心のタイムマシンが何処かに流されてどうするか考えている最中なんだ···」

 

そうか···まあ薄情だが俺達には何もしてやれない···何しろ只の普通の高校生だからな···って!いやいや、ちょっと待て!ドラえもんの事ですっかり忘れてしまっていたが今や俺はスタンド使いになったんだった!まだ自分のスタンドを発現させてもいない。正直この空気というか、流れで自分の事をするのは些か気が引けるが仕方がない。今は自分の能力の検証をしないとな。何しろ俺らの世界がヤバいみたいだからな····

 

 

俺はすっかりドラえもんと和んでいるアズサに声をかけ自分のスタンドを発現させようとした。

 

「いや~すまない晴明くん、すっかり君のスタンド能力の検証を忘れていたよ」···まあ、あんな青いタヌキが出てきたら誰でもそうなるわな。

 

俺はアズサのスタンドを出した時の様子を思い出して意識を集中させた···コーホー···因みにさっきの自己紹介でも言ったが、俺はかつて空手を学んだことがあり今でも基礎の形稽古は欠かさずやっている。その空手の息吹(いぶき)で腹から息を吐き···そして···はあー!!(出ろー俺のスタンド!)··············· あれ?出ない······!?

 

 

 

な、な、何で出ないんだ!?イヤ、何だこの妙な波長は····!?

 

焦り、混乱している俺を見てアズサは妙に静かに自分の推測と直観から導き出した考えを俺に告げた····

 

「晴明くん····私はスタンド使いになったから何となく理解したのだが···その···波長?と言うのか?君と彼···ドラえもんくんと繋がっていないかい····?」

 

 

·····俺は今だにテーブルでどら焼きを頬張り、お茶をすすっているヤツ···ドラえもんをみた····しっかりと見た····するとアズサのスタンドのときと同じステータスが浮かんで見えた·······

 

破壊力ーC    スピードーD  射程距離ーA   持続力ーA   精密動作性ーC  成長性ー?

 

 

 

·······なんじゃコリャ~!!??

な、な、何で、どうして、何故、なぜ、ナゼホワイ!?

 

お、俺のスタンドが···こ、こんな青タヌキ~!?混乱し、困惑している俺にアズサはつとめて冷静に分析、推測、直観から導きだした仮説を俺に語ってくれた····

 

「···晴明くん···今から述べるのはあくまでも仮説なので、それを頭において聞いて欲しい。いいかい?君は女神リンネ様から私同様に光の玉を身体に吸収しようとしていた···ソコに例の彼、ドラえもんくんが落ちてきて君と接触···その際まだ完全に能力付与される直前にだ···つまり君と光の玉···天文学的タイミングでぶつかった際、君の精神と能力が彼と混線してしまったのではないかと推測する。あくまで仮説だが···」

 

····東雲アズサ···彼女は頭が良く、勘も鋭い···中学の頃から間近で目の当たりにしてきたので恐らく彼女の仮説は当たっていると思う····

 

俺は半狂乱になりながら女神リンネ様に詰めより涙声で迫った····

 

「リンネ様~!!お願い~もう一回やり直して~!!俺のスタンドがこんな訳のわからん青タヌキなんてイヤ~!!もっとカッコいいのがいいんですぅ~!!」

 

半泣きし、鼻水出しながら至近距離に迫ってくる俺に流石の女神様も恐怖を感じたのか、涙目になり、顔を青ざめた···

 

「は、晴明さん落ち着いて下さい!え、えと、その~私はまだ100年しか女神をやっていないのでこんなケースは初めてなんです。それに能力付与は基本的に一度付けたら暫くの間は解除出来ないです···」

 

なっ、何だって~!!そんなバカな~!?···ふと、隣を見るとドラえもんが歯ぎしりしながら凶悪な顔で俺を睨んでいた····あ、ヤベこのパターンは···

 

「またタヌキって言ったな~!!それにまた女の子を泣かせて、もう許さないぞ~!!」またも完全に怒らせてしまった···

 

「スーパー手袋~!!」例のポケットから手袋を取り出しはめた。ゴムまりみたいな手に手袋はめて意味あるのか?っと、どうでもいい疑問を感じながらヤツが迫ってきた!

 

だが、俺も何度もやられっぱなしで黙ってる男じゃないぜ!空手の力見せてやる····なんて、考えてはいたが俺はアッサリとヤツの突進に何も出来なかった···ドラえもん···ヤツの体は自分と比較して小柄なのでまず両手を掴んで押し戻そうとした···だが、凄まじい力に俺は簡単に逆に押し戻された···!?何だよ!?このパワーはっ!?もしかしてこれも秘密道具とやらの力か!?

 

しっかり目を凝らしてドラえもんのステータスを見るとさっきは破壊力ーCだったハズだが今は破壊力ーAになってる!?

 

驚愕していると両手を掴んだまま身体を引っ張られ上に投げ跳ばされそのまま···

 

「ドラァッ!ドララァッ!!ドラドラドラドラ、ドララララァァァッ!!!」

 

 

何故かクレイジー・ダイヤモンドみたいなかけ声で俺に猛ラッシュした····あんな短い手で頭のほうがデカイのに何故当たる!?っとどうでもいいことを考えながらヤツの猛ラッシュを喰らった····

 

 

ぐほっ!ぶへっ!ぎゃはっ!···俺の意識は遥か彼方へと飛んで行くのであった····でも本当になに?そのかけ声·····

 

 

 

 

 

 

 

 



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4話 キュゥべえ来訪

俺はドラえもんのラッシュにボコボコにされた···

 

「う~ん···イテテ···アレからどうなったんだ?」俺は目を見開くと三人が俺の顔を凝視していた。

 

「なるほど···コレは凄い!青アザだった顔が完璧にキレイに治っている···!!」

アズサが驚きの声で俺の顔を何度も見ている。

 

「コレぐらいならこの『なんでもキズバン』で簡単に治っちゃうんだ!ほら、この頬っぺたのキズも···」

ベリベリ···イテテ、キズバンとやらを外すのがイテーよ!

 

 

「いやーそれにしてもドラえもんくんの秘密道具は素晴らしい!他には何があるのかな?」

 

完全にクリスマスの日にオモチャ屋でトランペットを見る少年のような眼差しでドラえもんに注目している···

 

「それよりお前···他に言う事あるだろ?」キズは確かに治してもらったがそれとコレとは別!しっかり謝れ!

 

「なに言ってるのさ!君が僕をタヌキ、タヌキと何度も気にしているのを言って、しかも女の子を泣かせたりして完全に自業自得でしょ!」

 

ドラえもんは悪びれもせず、しれっと言い放った。オノレ~···このあお···いや、また同じ結果になるだけなので俺はぐっと堪えた···

 

「あの、気に掛けて下さるのは嬉しいのですが別に晴明さんはわたしをイジメようとしてた訳ではありません。ただ、わたしが少し勢いが凄かったのに驚いてしまっただけですので···」

 

さすが、女神様!!リンネ様の言う通りだ!さあ、正式に謝れ!今なら水に流してやるからよ!

 

「じ~~」すると、ドラえもんのヤツ白い目で、実にイヤな目で俺を見やがる!何だよその目は!謝れば水に流すと言ってやってるだけだろがっ!

 

「まあ、まあ、二人共少し落ち着こうじゃないか!二人はこれから暫くの間一蓮托生の関係なのだから···」

 

見かねたアズサが俺とドラえもんの間に入り仲介する。

 

「···アズサちゃんから話しは聞いたよ、何でも特殊能力のスタンドとかいう能力をもらったって···だけどソコに僕が時空間の裂け目から落ちて来て君に接触···!それが恐らく原因で僕が君のスタンドになってしまったって···冗談じゃない!こんな失礼なヤツのスタンドとか言う能力にされたなんて!僕は断固拒否する!絶対一緒に冒険なんかしてやらないからね!!」

 

 

···ドラえもんは顔を真っ赤にして俺を拒絶する···バカヤロー!そりゃこっちのセリフだっつーの!誰が好き好んでこんな慇懃無礼でマイペースな青タヌキ野郎と一緒に世界を救う旅なんざできるか!こっちからお断りだ!ケッ!

 

 

「二人ともいがみ合っても何も解決しないぞ!何しろドラえもんくん···君は晴明くんのスタンドになったとゆう事は晴明くんが万が一死んでしまったら君もこの世から消滅してしまうのだから···逆もしかり!ドラえもんくんが多大なダメージを喰らったら晴明くん君の命の保証はできかねないねぇ···」

 

 

····そうだった!スタンドは本体が死ねばスタンド自体消滅する。逆にスタンドがダメージを負えば本体にフィードバックされてダメージを負う·····んっ!?待てよ?さっきドラえもんのヤツが俺をボコッた際ヤツは何のダメージを受けた様子はなかったぞ!?

 

 

「それはおそらく、晴明くんの···スタンドになったドラえもんくんは所謂、遠隔自動操縦型のスタンドになったのだと推測する。吉良吉影のスタンド、キラークイーンのシアーハートアタックと同じタイプだと思う···」

 

な、なに~よりによって吉良吉影のと同じ···イメージ最悪で厄介極まりねえじゃね~か!!

 

「君ってヤツは随分と失礼だな!」ドラえもんはまたもプンスカ怒っている。

 

「あの~スミマセン、わたしから提案したいことがあるのですが···」

 

女神リンネ様が何か思い付いたらしい。その提案とは?

 

 

「ドラえもんさん···こんな事態になったのに何も出来ず申し訳ありません。ですが、晴明さんと共に世界救済の戦いに参加し、救って下さった暁には必ずわたしの権限において貴方様を元の状態に戻し、元の世界へお帰しする事をお約束致します。どうか何卒お考え下さいまし」

 

 

別に女神様の責任ではないのに必死でこいつに頭を下げて···やれやれ、変にムキになって頭にきてた自分が恥ずかしく感じてしまうな。我ながら小さい···どうするんだよドラえもん···女神様が自分に落ち度は全く無いのにこうやって頭を下げてるんだぜ····?

 

 

「····わかったよリンネ様、だから頭を上げてよ。ついついムキになってゴメンね。僕の方こそお願いするよ、な~に僕に任せなさい!なんたって今まで色んな世界を巡り、大冒険してきた経験があるんだ!!恐竜ハンター、惑星の悪質な地上げ屋、犬の王国のクーデター、深海の支配者、魔法世界の魔王、機械兵士の侵略者、異次元世界の妖魔、妖怪達、そして未来からやって来た精霊王····!!僕はそんな困難を仲間と共に秘密道具に知恵と勇気で立ち向かい勝利してきたんだ!だから安心してね!」

 

 

「ド、ドラえもんさん···」リンネ様は、いたく感激している様子だ···つーかよぉ····何だよその、恐竜ハンターやら、精霊王やら···さすがに話し盛りすぎだろ···大体子守りロボットが何でそんな決死の冒険をせにゃならんのだ?俺はドラえもんの話しがどうにものみ込めず半信半疑だ。

 

 

一方のアズサは何やら思案している。

「女神リンネ様···そういえば肝心の報酬やら死んでしまった場合どうなるのかを聞いていなかったよ」

     

 

···あっ~!確かにまだ何も聞いていなかったな···スタンド能力とドラえもんというイレギュラーですっかり忘れてたわ···命を掛けなくちゃならないだろうからな。そこら辺はハッキリさせとかねえとな!

 

 

「あっ、すみませんすっかり忘れていました···お二人····いえ、三人様がキュゥべえの提案したゲームに勝利し、管理システムを奪還して下さった暁には願いを3つ叶えます。そしてもし、命を落とされた場合はわたしの力と権限の全力をもって再生し、元の世界に戻し、願いを一つだけ叶えます···いかがでしょうか?」

 

思いの外好条件を出してくれた!随分と太っ腹だなあ···

 

「報酬の件を切り出しておいてなんだがそんなに願いを叶えて下さるのですか?」アズサは珍しく驚いており、少し声を震わせている。

 

 

「無理矢理召喚し、わたしが不甲斐ないばかりに危険な目に遭わすのですからコレぐらい当然です!」可愛い顔で鼻息を荒くしてリンネ様は断言してくれた。なんだか嬉しい···

 

 

「それじゃ少し休憩しようか。どら焼きでも食べて♪」ドラえもんがウキウキとしてまたグルメ···?テーブルかけだったか?で、どら焼きを出し頬張る···お前これで何個食べてんだよ···アズサとリンネ様も一緒にテーブルを囲み和やかムードを出す···べっ、別に寂しくなんか、ないんだからねっ!

 

 

テーブルを囲んでいる三人を少し距離をおいている自分にドラえもんが、

 

「晴明···くんだったっけ?しょうがないから君もおいでよ」と誘う···

 

しょうがないからって何だよ···ったく、正直な所ヤツに対してまだ信用できない部分もあるし、納得していない部分もある、ギクシャクもしているが···ま、しゃあない。水に流してやるよ。精々俺のスタンドとしてコキ使ってやるさ···

 

俺は···まあ、渋々とアズサの隣りに座り、茶をすすって気を静めた。····すると、突然後方より何かが話しかけてきた!?

 

 

「随分とのんびりしているじゃないか、リンネ?」

な、なんだ!?こいつ気配を感じなかったぞ?目の前に突然、奇妙な生き物が現れしゃべった!?

 

「···キュゥべえ···!」リンネ様がどこか怯えた感じでその奇妙な生物の名を口にした····こいつが別世界からやって来て管理システムを乗っ取った侵略者なのか!?

 

 

アズサとドラえもんも、なんとも言えない緊張した面持ちでキュゥべえから視線を外さないでいた····

 

「此処には結界を張っていたハズ···どうして···?」察するに結界でこの場所にはキュゥべえが侵入しないようにしていたらしい。

 

 

「あれくらいのバリアシステム位、簡単に分析して解除するのは訳ないさ」

淡々と無表情で少年のような少女のような声で女神様の備えを嘲笑うかの様に破ってここに来たのか····!?

 

 

「ふむ、君がキュゥべえとやらか···なかなか可愛いんじゃないか?···」アズサが挑発なのか、実直な感想なのか判断のつかないことを呟いた。

 

 

「君と、隣にいる人間が今回呼ばれたゲストなんだね?」キュゥべえが淡々と聞く

 

「ああ、そうだよ初めまして私の名前は東雲アズサ、隣が御奈巳晴明、以後よろしくとだけいっておくよ····」アズサは余計なことは言わずに名前だけ述べて警戒感を顕にする···

 

 

「東雲アズサに御奈巳晴明か···覚えおくよ。で、その隣の···なんだい?青いタヌキのようなダルマは?」

 

···俺はこんな緊張状態だというのに思わず吹き出しそうになるが、辛うじて堪えっ···プッ~クックッ~···ん?

 

 

 

  ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

  ドドドドドドドド!!!

 

 

 

「···今、なんと言った···なんて言ったー!!この白まんじゅうー!!」

 

···俺の時以上にドラえもんはキレた····!アレ?なんか体からオーラみたいなの出てるぞ·····?

 

 

「許さないぞぉー!!誰がコロ助だとぉー!誰がウメエ棒のパッケージイラストのアイツだとぉー!!」

 

 

 

······いや!いや、イヤイヤ!!キュゥべえ、そんな事言ってないよ~!?

 

ドラえもんはポケットをまさぐり、奇妙なオモチャのような銃を取り出した。そんなオモチャみたいので大丈夫なのか?

 

「ジャンボガン!」なんともレトロな感じが拭いきれない銃を躊躇いもなくドラえもんはキュゥべえに向けて放った·····

 

 

  

  チュドォォォォン!!!

 

 

 

俺は今凄く現実から目を背けたい気分だ···キュゥべえが存在していた部分が真っ黒焦げになり跡形もなく、ただ煙が揺らめいているだけだった···!?

 

 

俺は冷や汗が背中に絶えず流れるのを感じた···隣のアズサも何時も余裕のある表情は消し去りただ、目の前の黒くなった部分の地面を目を見開いて見つめていた······って、オイ!ドラえもん!!お前は子守り用ロボットってゆーてただろっ!何でこんな破壊力、殺傷力が桁外れな、物騒なモン所持してるんだよ!!防犯用とか言われてもオーバーキル過ぎるぞー!!

 

 

頭の中でドラえもんに対するツッコミをしていると背後から何かが近寄ってきた!?

 

 

「やれやれ、ヒドイな~これじゃあ回収不可じゃないか」ソイツは···キュゥべえはまるで何事もなくシレッと現れた!!何でだ!?ついさっき目の前で消し炭になったハズ····!?

 

混乱している俺達をなんとも思わずキュゥべえは淡々と話しをしてきた···!?

 

「僕は個体が複数あって意識を共有しているのさ。だからやられてもすぐに新しい僕がやって来れる。だけど残骸がなくなるのは流石にヒドイね」

 

 

な、なんつー生き物なんだ···

 

 

これが俺達が戦う相手なのか?俺はこんなヤツをどうやって倒せばいいんだ?歯を食い縛った····

 

 

 

 

 



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5話 アビス・ノクターン(深淵なる夜想曲)

こんにちは僕、ドラえもんです。22世紀に帰る最中時空乱流に巻き込まれて気づけば見知らぬ場所に落ちて御奈巳晴明という人物のスタンドになっちゃったんだ····これから僕はどうなるの~!?

 

 

同じ学校のクラスメイトの東雲アズサちゃんに詳しく話しを聞くと、何でもキュゥべえとかいう別世界の侵略者に世界の治安と管理を担っている女神様の管理システムを乗っ取られちゃったんだって!それは大変!でもこの晴明とかいうヤツは事あるごとに僕をタヌキ、タヌキと連呼してくる!失礼な、僕はタヌキなんかじゃない!ネコ型ロボットだって何べん言わせれば気がすむんだ!

 

 

いくら自分の能力が事故で僕になってしまったからと言ってヒドイじゃないか!絶対こんなヤツとは一緒にいけないね。····えっ?何だって!?スタンドになった僕はこいつに何かあったら僕まで消滅するだって?冗談じゃない、こうなったら秘密道具で無理矢理にでも···

 

女神リンネ様から頭を下げられて僕は自分がみっともなく取り乱したのを恥じた····可愛い女の子の頼みを断ったらロボットが廃るッてね!よーし任せなさい!伊達にのび太くん達と何度も大冒険をしてたワケじゃない!

 

 

突然、事件の首謀者であるキュゥべえとかいうヤツが現れた!何だ?見たこともない生物だぞ!?人の言葉を喋って科学システムにも精通している。こんなヤツを見るのは初めてだ!

 

 

····誰が青タヌキだってー、誰がダルマだってー、誰がコロ助だってー、誰がウメエ棒のパッケージイラストのアイツだってー!!こんな屈辱に流石の僕でも我慢の限界だ!!おのれ~目にもの見せてやる!ジャンボガン!!ふふふ···やってやる、やってやるぞ~、侮辱という行為に対してはアレするのも許されるんだぜ~!!

 

 

ヤッてしまった···でも案外なんて事ないね····と、思っていたらなんと!キュゥべえのヤツは生きていた。何でも集団にして個体という特殊な生き物らしい···僕は心のどこかでホッとしてしまう···でも、それとこれとは別だ!!

 

 

      ☆☆☆

 

 

俺、御奈巳晴明は正直言って弱腰になっている···こんなヤツ、どうすりゃ勝てるんだ?そんな俺とは裏腹にアズサは···

 

「···キュゥべえ···キミは規格外の生物のようだね···せっかくだから尋ねるが、何故キミはこの宇宙を狙っているか教えてはくれないかね?」

 

 

アズサは努めて冷静にキュゥべえから情報を聞き出そうとする。弱腰になっている俺と違って、本当にアイツはスゲエよ····

 

「ああ、別に構わないよ。特にこちらに不利益になることは無いからね」

 

キュゥべえが自分達の目的を語り始めた。

 

 

「···僕の目的···それは僕の宇宙の寿命を延ばすこと、それだけさ、それだけなんだ···君はエントロピーという言葉を知っているかい?」

 

アズサはすんなりと答える。

 

「熱力学における方向性のある現象の度合いを数値化したもの、より正確に言うならば熱力学における不可逆性の度合いを数値化したものつまり方向性のある現象を········」

 

 

····うん…なんとなくしか分かんねーわっ···俺ってやっぱバカだわ····

 

「うん、そのとうりだね。さっきも言った僕の元いた宇宙の延命····そのためにこちら側にまで来たんだ」 

 

 

······俺、置いてきぼり喰らってる·····

 

 

「そこの君にも解りやすく説明するとエントロピーというのはね例えると焚き火で得られる熱エネルギーは木を育てる労力と釣り合わない···エネルギーは姿を変換するごとにロスが生じる····

つまり、宇宙全体のエネルギーは目減りする一方なんだ。だから僕たちは宇宙の寿命を延ばすため、熱力学の法則にとらわれないエネルギーを望んでいる」

 

 

「へっ、へえ~···な、なるほど····え~····つまりそっちの宇宙の延命のためのエネルギーがそっちだと余りに無駄が多いから、より効率的で法則···規格外のエネルギーを得られる手段をこっちの···つまり俺達の宇宙から見つけ出せた···だからこっち側の宇宙が欲しいと···」

 

···だ、大丈夫だよね?概ね間違ってないよね?俺だけ的外れじゃないよね?

 

 

「うん、まあ、もっと簡潔に言うとそうなるね」

 

····はぁ~!!よ、よかった~!!

 

「うん!流石は我が親友晴明くんだね!」

 

アズサがやけに嬉しそうに誉めてくれる···

 

 

「キュゥべえ···支配する権利を得るためわざわざゲームで決めるという事はお前自身は完全に管理システムを乗っ取れていない···そうだな!」

 

 

ドラえもんが勇ましくいい放つ···た、確かにそうだ!俺らとゲームをして決めるなんて回りくどい事せず最初に管理システムを牛耳った時点で作戦は終わっていたハズだもんな!

 

 

「····君の言うとうりさ、残念だけどさすがはこちら側の高次元生命体の管理システムだ····完全掌握には至れなかったよ。なるべく年若く、まだ未熟なタイプの支配している世界を選んだんだけどね····少し当てがハズれてしまったよ···」

 

 

「それでリンネ様の管理システムを狙ったと···なかなかに虫酸が走るじゃないか·····!」

 

何時も飄々としているアズサが珍しく苛ついている····ちなみに俺もだっ····!

そしてコイツも····

 

「そんな身勝手な事、許せる訳ないだろ~!!絶対に阻止してみせる!22世紀のロボットの意地を見せてやる!」

 

 

···へへっ、なんだよお前···格好いんじゃないか!熱いじゃねえか···燃えてくるぜっ!

 

 

「やれやれ、そんなに目くじらを立てる必要はないと思うんだけどなぁ…」

 

 

やかましい!立てるに決まってるだろがっ!

 

 

「支配するといっても此方側の宇宙の損害なんて微々たるモノなんだ。君たちだって生命と文明の維持の為に様々なモノを犠牲して成り立っているだろう?だったらほんの少し位僕らの宇宙の為に犠牲になって良いと思わないかい?」

 

「そんなメチャクチャな理屈が通ると思っているのかー!!×3」

 

 

俺とアズサ、そしてドラえもんがハモって一斉にキュゥべえに突っ込んだ!

なんと言うか…此方の理屈とか全く通用しない人間の感情を全く理解していないのかこいつは?

 

 

「やれやれ、人間というのは本当に非合理的だね。理解し難いよ⋅⋅⋅仕方ない、当初の予定どうり僕たちと君たちとのゲームを始めようか⋅⋅⋅⋅」

 

そう言うとキュゥべえは背中から宝石のようなものを吐き出した!?

本当に何なんだよコイツは⋅⋅⋅⋅⋅

 

「これは異世界転移するためのゲートジュエルさ。これを使って世界を渡り僕たちが用意したボス、全て倒したら君たちの勝利だ、晴明、アズサ、君たち二人が死んだら僕たちの勝利だ」

 

 

⋅⋅⋅⋅コイツに名前を呼ばれると何故か無性に腹が立つな⋅⋅⋅⋅⋅

 

「ふむ、いくつか質問なのだが、ボスとは明確に分かるのかい?そして幾つ世界を巡り、何体のボスを倒せばいいのかしっかりと明瞭にしてもらいたいね⋅⋅⋅⋅」

 

流石はアズサだ!俺は怒りと嫌悪感で頭が一杯なのにアズサは努めて冷静に思考している!頼もしいヤツだぜ!

 

 

「⋅⋅⋅やれやれ、しょうがないな答えてあげるよ⋅⋅⋅一つの世界につき、ボスは

1~2体ぐらいかな?巡る世界は8~から12ぐらいかな⋅⋅⋅⋅」

 

⋅⋅⋅⋅何だよっ、その妙に曖昧な感じの答えは⋅⋅⋅⋅場合によっちゃあ、幾らでもテメーらの都合のいいように出来るような曖昧な答えをしやがって!!

 

 

「⋅⋅⋅なるほど、なるほど⋅⋅⋅⋅キミは我々をコケにしているんだね⋅⋅⋅」

 

あっ、アズサのヤツ、静かにキレていやがる!?

 

 

「⋅⋅⋅⋅キミはまともに答えるつもりが無いらしいので一つ私から提案しよう⋅⋅⋅キュゥべえ、キミは自分達だけ勝利した時の旨味はあるじゃないか⋅⋅⋅⋅それに対して我々が勝利しても此方にはメリットが無い⋅⋅⋅⋅そこで我々が勝利した暁にはキュゥべえ⋅⋅⋅キミたちは我々とリンネ様に忠誠を誓い、キミたちが持つ力と知識全てを寄越してもらおうか⋅⋅⋅⋅まさか、自分達だけ一方的に条件を押し付けてそれでまかり通るとは思って無いだろうね⋅⋅⋅⋅」

 

 

ドドドド・・・ ゴゴゴゴ・・・

 

 

俺の目にはアズサが身体からオーラを迸らせ、スタンドを発現している!!

凄まじいプレッシャーを感じさせる⋅⋅⋅⋅

 

アズサのスタンドが右手をキュゥべえに向ける。すると⋅⋅⋅⋅

 

 

  ベコォ、ズギャン!!!

 

 

キュゥべえの体が突然へこみ、地面に張り付いた!?

 

 

「あっ、アズサ!今のは一体⋅⋅⋅何をしたんだ!?」俺はキュゥべえが酷い目に合った喜びよりもアズサが何をしたのかの方に興味がいった。恐らくアズサのスタンドの能力なんだろうが⋅⋅⋅⋅⋅!

 

 

「ああっ、驚かせてしまった様だね⋅⋅⋅⋅私としたことが、つい、感情のままにヤってしまったよ⋅⋅⋅すまない。お察しの通り私のスタンドの能力だよ。感覚的に理解出来たので使ってみた。能力は重力を操れると、いった具合だ」

 

 

「じゅっ、重力を操れるだと?それって超強力でカッコいいじゃないか!!」

俺は心の底から羨ましくなってしまう。

 

 

「そっ、そうかい!?カッコいいかい⋅⋅⋅⋅イヤ~照れるねぇ~♥」珍しくアズサは有頂天になっている。

 

「あっ、そうそう私のスタンド、名前も実は既に決めてあるんだよ!その名も⋅⋅⋅アビス・ノクターン

(深淵なる夜想曲)!!どっ、どうかな?晴明くん⋅⋅⋅?」

 

「名前もかっちょえ~!!」俺は息を吐いて言った。アズサはさっきまでの静かな怒りは何処かへと消え、ドヤ!と、言った表情をしている。

 

 

「ヤレヤレ、また回収が難しい状態じゃないか⋅⋅⋅酷いことをするねぇ⋅⋅⋅⋅」

 

ワクワク・テカテカした空気はソイツ⋅⋅⋅⋅⋅新たにやって来たキュゥべえにより掻き消されてしまった。やはりコイツの倒し方を見つけないと勝ち目が無いと俺は思う。

 

 

「やあ⋅⋅⋅⋅すぐに来ると思っていたよ。それで、さっきの条件は飲むんだろうね?」

 

「まあ、君たちが納得できるのなら僕たちも約束しよう⋅⋅⋅⋅まあ、かなり厳しいと思うけど」

 

 

アズサとキュゥべえは互いに目線を合わせ見えない火花を散らした。

 

 

「それじゃ、僕たちは遠くから観察させてもらうよ。それじゃ」

 

 

新しく来たキュゥべえはぺちゃんこになったもう一体の自分を何の感情も見受けられない瞳で一瞥すると早々に何処へと駆け出して消えていった⋅⋅⋅⋅

 

 

「あんなに不気味な生物を僕は初めて見るよ⋅⋅⋅今までの冒険した経験からみても余りに異質だ⋅⋅⋅!」

 

ドラえもんのヤツはシリアスな面でぼやいた。何のかんの言いながら俺はコイツの事を頼もしく感じている。まっ、本の少しだけだけどなっ!

 

 

「あっ、あの~皆さん⋅⋅⋅⋅⋅⋅」すっかり空気な感じの女神リンネ様が困り顔で俺たち三人に話しかける。

 

「いや、その、リンネ様、勝手に話しを進め、挙げ句にヤツをやってしまって申し訳ない⋅⋅⋅⋅⋅⋅」

 

アズサは膝をついてリンネ様に謝罪した。俺も同じようにする。

 

「あっい、いいえ、別に怒ってなんかいませんよ!寧ろキュゥべえ相手にオロオロしていた自分が恥ずかしくなる位で、その、アズサさんとても⋅⋅⋅⋅格好良かったです!」

 

 

⋅⋅⋅⋅⋅女神リンネ様は頬を赤く染めてアズサにお礼を言う⋅⋅⋅⋅ああ⋅⋅⋅⋅こりゃ、アズサに惚れる⋅⋅⋅⋅⋅⋅と迄は行かないがそれに近い状態になったなと俺は思った。恐るべしアズサのカリスマ!!こうやって周りを見ると俺って本当に居る意味はあるのか?とっ、自分の存在意義を疑ってしまう。まっ、自分は自分の出来る事をするだけだがな⋅⋅⋅⋅

 

 

 

 

 

 




アズサのスタンドのラッシュ時のかけ声募集中です。何かいいのがあったら教えて下さい。


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6話 ガチャで仲間を呼び出そう!

本作品のドラえもんは大山のぶ代さんバージョンです。因みに晴明の世界には何故かドラえもんと魔法少女まどか☆マギカという作品は存在していない設定にしております。ええ、お察しのとうりご都合主義です。


事の原因であるキュゥべえと接触した俺たちは気持ちを一つにして自分たちの宇宙を守る為の冒険の始まりの準備をする。

 

 

「突然キュゥべえがやって来て色々とありましたが、コレより皆さんの旅の仲間となる人たちを決めましょう」

 

女神リンネ様はアズサの励ましによりすっかり元気を取り戻したみたいだ。

しかし、仲間か⋅⋅⋅⋅どうせなら少年ジャンプの熱血漢溢れる男⋅⋅⋅いや、『漢』が仲間になってほしいな!

 

熱い友情、共に励まし合い努力し、力を合わせて勝利する⋅⋅⋅⋅そんな奴らがいてほしい!!

 

「リンネ様、仲間って?」ドラえもんがリンネ様に訪ねる。

 

「あ、はい!それはですね、御奈巳晴明さんと東雲アズサさんの世界に存在するマンガ、アニメ、ゲームの世界⋅⋅⋅⋅実はこの宇宙に実在しておりまして、その方達に最大3名の人間をお二人の仲間になってもらいキュゥべえのゲームに勝利して頂こうかと考えております」

 

「へ~そうなんだ!それはちょっと僕も興味深いなぁ⋅⋅⋅⋅」

 

ドラえもんも好奇心を刺激されたみたいだ。つーか、お前はどうみてもアニメか、マンガの世界の住人みたいなんだが、違う次元から来たわけだから⋅⋅⋅⋅?う~んソコんとこどうなんだろう?ま、今は俺のスタンドだし、別にいいか⋅⋅⋅⋅⋅

 

「それで、リンネ様!仲間ってどうやって選ぶんだ?」俺は興奮を隠しきれず尋ねる。

 

「はい!それはお二人の世界で流行っているあの⋅⋅⋅『ガチャ』で決めて貰います!」

 

「がっ、ガチャ~!?×2」

俺とアズサはハモって叫んだ!

 

「ねえ、ガチャってな~に?もしかしてお菓子屋さんの所に置いてあるアレ?」

 

へっ?ドラえもん、お前ガチャ知んねーの?

 

「ドラえもんくん、ガチャというのはこのスマホでダウンロードしたゲームで⋅⋅⋅⋅⋅」アズサがいち早くドラえもんに説明する。しかし、アレだけ凄い道具を所持してるっつーのにガチャは知らんとはずいぶんとチグハグだな⋅⋅⋅⋅

 

「ふ~ん⋅⋅⋅君たちの世界のゲームってそういった事情なんだねぇ⋅⋅⋅」

 

「ああ、お蔭で結構な浪費を重ねて生活を破綻させてしまう輩も数多い⋅⋅⋅だが、しかし!お目当てのキャラやアイテムを引き寄せた時のドーパーミンの放出量は半端ないのだよ!!ドラえもんくん!」

 

⋅⋅⋅⋅アズサ、お前は何を語っているんだよ⋅⋅⋅⋅そりゃ、お前はほぼ一発でSRやSSRを引き当てるその、所謂持っているヤツだけどよ⋅⋅⋅⋅因みに俺は万年Nや、毒にも薬にもならん雑魚キャラやガラクタを引き当ててばっかだよっ!何か悲しくなってきた⋅⋅⋅⋅⋅

 

「あの~そろそろ、よろしいでしょうか?」リンネ様が恐る恐る聞いてきた。

いかん、いかん、いつまでもダラダラしてる場合じゃないもんな!

 

「いやはや申し訳ないリンネ様!つい熱が籠ってしまったよ!ではその仲間を引き当てるガチャをお願いする!」

 

「はい!ではこちらの道具で引いて下さい!」

 

⋅⋅⋅⋅その道具とは文字通りスーパーやゲームショップに置いてあるガチャの機械そのものだった⋅⋅⋅ただし、やたらとデカイ!!

 

「こちらの道具でそれぞれ3回引いて頂きます。きっと素敵な方々がお二人の旅の手助けをしてくださる事でしょう」

 

うーむ⋅⋅⋅⋅3回⋅⋅⋅3人の仲間⋅⋅⋅⋅俺は頭の中で色んな作品のキャラを思い浮かべた。やはり戦闘力の高い熱血漢だよな⋅⋅⋅⋅星の聖なる闘士、一子相伝の暗殺拳の使い手、ドキ!漢だらけの塾生、スーパーヒーローの筋肉超人、モンキーな戦闘民族、伊達にあの世を見てきた霊界探偵、不殺の伝説の剣士、落ちこぼれのど根性忍者、スタイリッシュでオサレな死神剣士⋅⋅⋅⋅いや、いっその事ジョースターの一族でもいいな!う~ん夢が広がるぜっ!

 

「それで誰から引くの?」ドラえもんが俺たちに聞く。うん、いや、まあ、ここはレディファーストってヤツだな!

 

「うふふ、晴明くん君のその心使いが好きだよ?」いや、まあ、単純に精神集中したいという理由もあるのだがそれは黙っていよう⋅⋅⋅⋅

 

「ふははは!それじゃ私から引かせてもらうよ!ハァー!!」

 

「はい!頑張って下さいアズサさん♥」

 

アズサは威風堂々と気勢を上げてガチャを引く⋅⋅⋅⋅いやこの場合回すか!?

 

   ガチャ、ゴチャ!!

 

巨大なカプセルが落ちてきて中が割れる⋅⋅⋅⋅!?

 

   プシュウウウ!!!

 

 

盛大にスモークが全体を撒き散らし煙の中から人影が見えた⋅⋅⋅⋅⋅

 

「我が里の平和と繁栄の願いの為、此度呼ばれてきた⋅⋅⋅⋅⋅儂の名は千手扉間という。よろしく頼む」

 

 

 

⋅⋅⋅⋅⋅いきなりアズサのヤツSSRを引き当てやがったぁぁぁ~!!!???

に、二代目火影だとぉぉぉ~!!??

あっ、アズサ恐ろしい娘⋅⋅⋅⋅⋅!!

つーかうらやましいー!!

 

 

「イヤー、初めまして、私の名前は東雲アズサだ。私の事はアズサ、もしくばマスターとでも呼んで欲しい。よろしく頼むよ♥」

 

「うむ、ではその⋅⋅⋅ますたー?で、よいのか?」

 

「うん、うん♥いいねそれで良いともさ!」

 

アズサのヤツ、スッゲー浮かれている。無理もない趣味のマンガのキャラが、しかも強力なヤツが出て来たんだからな⋅⋅⋅⋅くそー俺も負けられねえ!強く、熱くスゲエヤツらを呼んでやるぜ!

 

「さあ、次は晴明くんだよ!頑張りたまえ♪」アズサのヤツめ、上から目線で⋅⋅⋅⋅よーし一丁やったるぜ!

 

俺は空手の呼吸方で意識を集中し⋅⋅⋅⋅ガチャ回した!うおおおぉぉぉー!!!

 

 

   ガチャ、ゴチャ!!

 

   プシュウウウ!!!

 

巨大なカプセルが落ちてきて中が割れ、スモークが流れる⋅⋅⋅⋅ゴクッ⋅⋅⋅⋅⋅さあ、出てこい俺の仲間!!

 

 

煙が薄まり人影が見えた⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

「どうもー初めまして♪私の名前は鹿目まどか。魔法少女始めました!よろしくね♫」

 

 

⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅何でだー!!?何でこんな華奢な女の子なんだよっ!?魔法少女!?お前みたいなの見たことも聞いた事もねえよっ!

 

「晴明くん、そんなに落ち込まないの!一緒に冒険する仲間なんだから⋅⋅⋅⋅⋅」

 

ドラえもんがその場にへたりこんだ俺の肩に手を(手というかゴムまり?)置いて俺をなだめた⋅⋅⋅⋅⋅

 

「えっ?えっ!?あなたは、いえ、貴方様は!?」

 

リンネ様が目の前のこのピンク色のフリフリのいかにも正当な魔法少女を見て驚いている⋅⋅⋅⋅?そういやリンネ様は自己紹介の時に元魔法少女とか言ってたっけか?なんか知り合いなのかな?

 

その魔法少女と名乗った少女はフワリと軽やかに跳び跳ねてリンネ様の前に立ち、何やら耳打ちしている。何をを話しているんだ?こっちでは何も聞こえない⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

 

「⋅⋅⋅⋅⋅ウェヒヒヒ!みんなには内緒だよ!リンネちゃん♥」

 

何やらリンネ様は納得してウンウンと激しく頭を振っている?どんな関係なんだ?イヤ、それよりもこんな弱そうな女の子が俺の仲間かぁ~⋅⋅⋅⋅⋅やっぱ俺って持ってねえなぁ⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

「いよぉーし!続けてゆくぞー!」

 

アズサのヤツは意気揚々と2回目のガチャを回し始めた⋅⋅⋅⋅⋅うう、どうせ俺なんて⋅⋅⋅⋅⋅

 

ガチャ、ゴチャ!!プシュウウウ!!

 

 

スモークが広がり何やら巨大な影が見える⋅⋅⋅⋅ん、人間の形じゃないぞ!?

 

  

 ゴギャアアアァァァー!!!

 

 

凄まじい雄叫びを発しながら異形のモンスターが現れた!?

 

なっ、こ、こいつは!デスピサロ!?

確か俺の拙いオタ知識だとドラクエⅣのラスボスじゃねえかー!?

何でお前はトンデモないもん呼びだすんだっ?しかも最終形態状態だと?

目は血走っており、狂気が宿っているのが分かる。やべえよっ!!

 

 

「いや~ソーリソーリ!我ながら凄いのを引き出してしまったねぇ~♪」

 

⋅⋅⋅⋅⋅⋅何でお前はそんなに冷静なんだよ?何でそんなに面白がってんだよっ!

 

そんな俺らを尻目に扉間さんは臨戦体勢をとりマスターであるアズサの前に立ちいち早く護衛にまわっている。さすが頭と身体のキレが鋭い⋅⋅⋅⋅!!

 

⋅⋅⋅⋅⋅⋅それに比べて我がスタンドにして仲間のドラえもんはやたらと慌てふためいてポケットから

「アレでもないコレでもない!」とっ、何故かアチラコチラにガラクタを取り出してばらまいていた⋅⋅⋅⋅⋅⋅仮にも俺のスタンドなんだからビシっと決めろよ!

 

 

そんな様子を見ているとデスピサロは更に猛気を伴った激しい二度目の雄叫びをあげ、血走った目でアズサを睨み、腹の顔の口から炎を吹き出しやがった!?アズサァー!!

 

「水遁水陣壁!」扉間さんは素早く無駄なく術を発動した!得意の水遁忍術での防御術だ!自分とアズサ、リンネ様の周りを大量の水流が高速で回転しデスピサロのヤツの吐き出した炎を余裕で防いでいる!流石だ⋅⋅⋅⋅

 

それに比べて⋅⋅⋅⋅⋅ドラえもんのヤツは⋅⋅⋅⋅いや、俺も人の事は言えない。ピンチの前にろくに動けずに叫ぶだけだからな⋅⋅⋅⋅とっ、いけねえ扉間さんがアズサ達を守ってくれている間に⋅⋅⋅⋅おい、ドラえもん!!

 

「私に任せて!えーい!」それまでリンネ様の近くにいた⋅⋅⋅⋅えと、かなめまどか⋅⋅⋅⋅だったか?が、何処からか取り出したのかは分からないが木製の弓をつがえている。そして光の矢をなんと、まとめて3本撃ち放った!!

 

 

3本の矢は滑らかに素早く、正確にデスピサロの顔面のデカイ3つの目玉にしっかりと命中した!!すっ、スゲエ!?

 

 

  グギャアァァァ!!??

 

 

さすがのラスボスモンスターのデスピサロもたまらずに両手で顔を覆ってたたらを踏んでいる。

 

「みんな迷惑を掛けてしまったね⋅⋅⋅⋅すまない、最後は私がやろう。しっかりと躾をしてあげないとね⋅⋅⋅⋅」

 

妙に静かに、されど迫力のある声でアズサは身体からオーラを発し、自らのスタンド「アビス・ノクターン(深淵なる夜想曲)」を現した。 

 

  

  「グラビティ・バーン」

 

 

アビス・ノクターンが右腕をデスピサロの前につき出すと凄まじい衝撃音がデスピサロを包み込みヤツの巨体が地面にへたりこみ始めた!

 

重力を操るスタンド⋅⋅⋅⋅キュゥべえの時とは比べものにならない重力がデスピサロの身体に降り注いでいる。

 

ベキッ!バキッ!メコッ!ボコッ!

 

 

ギョオオオォォォ!!!???

 

 

デスピサロのいる地面がへこみ、ヤツ自身の巨体もアチコチへこみ始めている⋅⋅⋅⋅⋅!一体どれだけの重力の圧力が掛かっているんだ?みるみる内にヤツの太い腕と脚がひん曲がりつつある。

 

とうとう、デスピサロはデカイ目ん玉を白くし、両端に裂けている口の端からは泡を吹いて気絶した。改めてなんて強力なスタンドなんだ⋅⋅⋅⋅⋅!?

 

「ふうっ⋅⋅⋅コレにて躾完了だ♪しばらくお寝んねの時間だよ⋅⋅⋅⋅」

 

「アズサ!お疲れ。凄いなお前ってヤツは⋅⋅⋅⋅⋅」俺は白々しくもアズサに労いの言葉を掛ける。

 

「いやはや、晴明くん!どうだった、見てたかい!私のスタンドの活躍を!!」

 

さっきまでの静かな迫力は消し飛び、いつものアッケラカンとしたアズサの声に俺は何とも複雑な想いを抱いていた⋅⋅⋅⋅結局俺なんか居なくても別に⋅⋅⋅⋅⋅

 

「さっきは私の事を心配して叫んでくれたね?ありがとう!晴明くんが見てくれてると思うと私は幾らでも頑張れるよっ!」

 

⋅⋅⋅⋅⋅⋅そうか、少なくとも俺はお前に必要とされているんだな⋅⋅⋅⋅まっ、取り敢えず今はそれで良しとしようか。

 

 

「あっ扉間さんもアズサとリンネ様を守って頂いてありがとうございました」

 

「ふっ、礼には及ばん⋅⋅⋅言うなれば儂の主⋅⋅⋅⋅『ますたー』を守るのは当然だからな⋅⋅⋅⋅」

 

くあー!渋いぜ!二代目火影様!

 

「えーと、かなめまどか⋅⋅⋅⋅ちゃんだったか?お前⋅⋅⋅イヤ、失礼、君もありがとな、凄い弓矢の技量だな。3本まとめてしっかりと命中させるんだからな!」

 

「ウェヒヒヒ♥そんなに誉められたら照れちゃうよ。それに弓矢は私の魔法での自動追尾だから自慢出来ないんだ」

 

「イヤイヤ、それを含めて君の力だろ?頼もしい限りだ。で、その最初君を見たとき目当ての人間が来なくて君のこと見くびってたんだ⋅⋅⋅⋅本当!ゴメン!嫌でなければどうか俺と一緒に旅に付き合って欲しい!お願いします!」

 

俺はしっかりと頭を下げて出来る限りの誠心誠意を込めて懇願する。

 

「もう頭を上げて晴明さん、私も改めてヨロシクね♥」

 

「ああ!ありがとう!」自分の理想とは違うがコレも一つの友情だと俺は思った。

 

「⋅⋅⋅⋅⋅⋅ふむっ、所で、晴明⋅⋅⋅だったか?」

 

「あっ、自己紹介まだでしたね。俺の名前は御奈巳晴明、晴明と呼んで下さい!」

 

「ああ、承知した。でっ、晴明よ⋅⋅⋅⋅⋅あの青い珍妙な生き物⋅⋅⋅⋅いや、カラクリか?奴は一体何をしておるのだ?」

 

 

俺と扉間さんは同じ方向に目を向けるといまだにポケットからガラクタをせっせっと出しているドラえもんの姿があった⋅⋅⋅⋅⋅お前なぁ⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

 

 

 



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7話 ドラえもんの道具はチート

今だにあたふためいて、ガラクタを出しているドラえもんに俺は声を掛ける。

 

「おい!ドラえもん落ち着け!もうあの三人が終わらせたぞ」

 

「へっ?えっ!?あ~⋅⋅⋅⋅⋅僕ってやつは慌てると何時もこうなんだ⋅⋅⋅⋅ううっ~ゴメンなさい⋅⋅⋅⋅」

 

涙を流してドラえもんはその場のへたりこんだ。

 

慌てると何時もこうなのか⋅⋅⋅⋅まあ、今回は俺は何も出来なかった。ただ彼女達の戦いをアホみたいに眺めていただけだしな⋅⋅⋅ドラえもんのヤツを責める資格は俺にはない。

 

「まあ、その、アレだ。今回を教訓にして次こそはビシっと決めてくれよ!俺やキュゥべえをボコッたみたいによ。なっ!」

 

「はっ、晴明くん⋅⋅⋅⋅君ってヤツは⋅⋅⋅僕は君を誤解してたみたいだ。うん!ありがとう。もう大丈夫、次こそはしっかりとするよ!」

 

 

俺とドラえもん。スタンド使いにそのスタンドとなってしまったこの不思議な道具をもつネコ型ロボット⋅⋅⋅最初は俺がアレコレ嫌な事言ってしまいギクシャクしていたが、今は少しだけ⋅⋅⋅そう、少しずつ本当の仲間になりつつあった。

 

 

「話しは終わったか?」千手扉間さんがタイミングを計って声を掛けてくれる。

 

「あっはい!まあ、もう大丈夫みたいです」

 

「さっきは何も出来ず、すみません⋅⋅⋅」

 

「気にするな。誰もが最初から完璧に成し遂げる奴等おらん。これを反省し、次に生かす事こそ肝要よ」

 

いや~、やっぱ人生経験豊富な大人だわ。頼もしいなぁ⋅⋅⋅⋅

 

「はい!どうもありがとうございます。あっ、自己紹介がまだでしたね、僕は22世紀の未来からやって来たネコ型ロボットのドラえもんです!ヨロシクお願いします」

 

「ふむっ、所々儂の知りうる知識では理解し難い部分もあるが、まあ、良かろう。儂の名は千手扉間、いわゆる忍びだ。ドラえもんとやら今後は頼むぞ」

 

さすが合理的で無駄のない性格をしているな扉間さんは。俺みたいに余計な事言わないし⋅⋅⋅⋅

 

「おーい晴明くん、ドラえもんくん、二代目様、少しいいかい?」

 

アズサが俺たちに声をかけた。

 

「あそこで気絶しているデスピサロを何とかして仲間に加えたいのだがどうにか出来ないかな?ドラえもんくん、君のそのポケットに入っている不思議な道具で⋅⋅⋅」

 

「いや、お前あんな目に合ったのにまだ仲間にする気かよ!?」俺は驚きを隠せずアズサに言った。

 

「ますたーよ、あれだけ狂暴な妖魔を手懐けるのは流石にちと、無理があるぞ?」

 

俺も扉間さんに賛成だ。仲間になるはずとしてガチャ回して呼んだのにいきなり襲って来るからな。あれだけ理性がぶっ飛んでる状態では身が持たねえよ。

 

そんな無理無理という空気が高まる中ドラえもんはニコニコ笑いながら言った。

 

「うふふ。大丈夫だよアズサちゃん。僕に任せて!えーと⋅⋅⋅狂暴な猛獣を手懐ける道具はアレが⋅⋅⋅うん、あった!コレだ。桃太郎印のきびだんご~!!」

 

イヤイヤ!ドラえもん?それがどんな道具かは分からんがアレはモンスターでラスボスなんだぞ?猛獣と一緒にするのは無理がありすぎるぞ。

 

「うふふ、まあ、見ててよ。それっ!」

 

ドラえもんは取り出したその⋅⋅⋅きびだんご?を気絶しているデスピサロの口に放り込んだ。

 

「そしてお次はタイムふろしき~!」

 

今度は時計の柄がついた妙な風呂敷をポケットから取り出した。そんなんで何をするんだ?俺たちの疑問を他所にドラえもんは風呂敷をデスピサロに被せた。

 

「3、2、1、ゼロォ~!」3秒間だけ風呂敷をデスピサロに被せて外すとな、なんと!デスピサロの身体の傷が治り、意識を取り戻しやがった!?

ちょっ、おまっ、どっドラえもん!!お前何してくれてんだよ!?

 

 

俺と扉間さんは緊張した面持ちでデスピサロを睨む。ドラえもん!何なんだよコレは!?一方のアズサとまどかはやけに落ち着いて傍観している⋅⋅⋅⋅!?

 

傷が治り意識を取り戻したデスピサロは立ち上がり、その巨体から俺たち全員を見下ろす⋅⋅⋅⋅

 

んっ?何か様子がおかしい⋅⋅⋅イヤ、変わっている?さっき雄叫びを上げて血走った狂気にまみれた目は穏やかな感じになっているみたいに見える。

 

  ぐぅ~ん、ぎゅう~ん♪

 

何だか、まるで人懐こい子犬のような甘えた声をデスピサロは出している⋅⋅⋅⋅!?

どうなってんだよコレッ!?

 

「桃太郎印のきびだんごを食べさせたからだよ。このきびだんごを食べた動物はどんなに獰猛でもたちまち大人しくなって、素直に此方の言うことを聞いてくれるようになるんだ♪」

 

⋅⋅⋅⋅目の前ので現実を見ているのにいまだに信じられない⋅⋅⋅!!あれだけ狂暴性を見せたデスピサロはドラえもんに甘えた声を出し膝まづいている。

 

「んじゃ、あの風呂敷は?」

 

「うん、あれはタイムふろしきといってあのふろしきで包んだり被せたりすると全てのモノの時間を戻したり、進めたりできるんだ!」

 

ああ~成る程それでさっきまで白目で泡を吐いて気絶していたデスピサロの時間を元気な状態に巻き戻したってえ訳だ⋅⋅⋅⋅⋅成る程、成る程⋅⋅⋅⋅⋅って、お前の道具ウルトラチート過ぎるだろぉぉぉ~~!!!!

 

 

一人激しくツッコミを入れている俺を他所にドラえもんはデスピサロに近づく。

 

「ほら、こんなに近づいても大丈夫!こんな事もできるよ。デスちゃん、お手!」

 

お前、デスちゃんってもう少しマシな名称ないのか?

 

「ぎゃう♥」デスちゃんこと、デスピサロはドラえもんにお手をした。

 

   ドゴォ!バキィ!   

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「⋅⋅⋅⋅⋅どっ、ドラえも~ん!?×5」

 

デスピサロこと、デスちゃんは素直にお手をしたが、デカくて力加減が上手くいかず、お手を指示したドラえもんの体を押し潰す結果になった!

 

俺、晴明、アズサ、まどか、扉間さん、リンネ様は一斉に声を出してハモった⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

「う~ん⋅⋅⋅ハラホロヒレハレ~⋅⋅⋅⋅!?」

 

ドラえもんの頭は⋅⋅⋅その、指の形がくっきりと残り、ひしゃげている⋅⋅⋅⋅お、お前大丈夫なのか?つーか意外と柔らかい⋅⋅⋅⋅?

 

ドラえもんは先ほどのタイムふろしきとやらを被って無事、元の状態を取り戻した。ふー!ヒヤヒヤさせやがって。

 

「おいおい、本当に大丈夫なのかい?ドラえもんくん!」

 

「ドラちゃんの頭がへこんじゃったから私達びっくりしちゃったよぉ⋅⋅⋅⋅」

 

「ドラえもんさん本当に大丈夫何ですか?」

 

「お主、他の外傷は無いようだな⋅⋅⋅しかし、摩訶不思議な道具を用いりよるのう。まるで六道仙人の残した道具を彷彿とさせる」

 

みんなそれぞれドラえもんを心配している。デスちゃんも申し訳ない表情を浮かべうだなれているみたいだ。

 

「ぎゃうぅぅ⋅⋅⋅⋅⋅」悲しそうな声を上げるデスちゃんを「ドラえもんは大丈夫だよ!気にしないで!」とっ思いやる。

 

 

「ふむ、大丈夫みたいだね。なにはともあれ、ドラえもんくんありがとう!見事私の望みを叶えてくれて⋅⋅⋅」

 

アズサがドラえもんに礼を言い、デスちゃんを見上げる。

 

「本当にドラえもんさんの道具は凄いです。私よりもよっぽど⋅⋅⋅⋅」

 

「リンネ様、落ち込む必要はない。私に素敵なスタンド能力を貴方は授けてくれたではないですか⋅⋅⋅⋅」

 

リンネ様の横髪を撫でてニッコリ、凛々しくリンネ様を慰める⋅⋅⋅リンネ様は顔を真っ赤にしてモジモジした。

 

あーも~お前は本当にタラシだなぁ⋅⋅⋅

 

「しかし、デスちゃんとは些か物騒な名前だね。そこで提案だが、名前をデス山ピサ太郎と言うのはどうだろうか!」

 

 

⋅⋅⋅アズサ⋅⋅⋅お前、ネーミングセンス⋅⋅⋅⋅「ぶはっ!」んっ?( -_・)?

 

扉間さんが背を向けて肩を震わせている⋅⋅⋅⋅!?恐らく信じ難いがツボに入ったらしい⋅⋅⋅⋅

 

よし、ここは俺の脳細胞をフルに回転していい名前をつけてやるとするか。

 

「⋅⋅⋅やれやれ、しょうがねえなぁ、じゃあ俺から提案するぜ。

『魔王』だからマオ太ってのはどうだ?」

 

「却下!×2」ドラえもんとアズサが直ぐ様息ぴったりと取り下げやがった!

何でだよっ!結構悪くない発想だろが!

 

俺とドラえもん、アズサは互いに視線をぶつけ牽制し、絶対に譲らない意思を顕著にした。

 

「デスちゃん!」「デス山ピサ太郎!」「マオ太!」 「却下!!×2」

 

だから何で、お前ら二人揃って俺を集中攻撃するんだよっ!!息合いすぎだろっ!お前は俺のスタンドなのに俺を否定しないでくれ!

 

ギャーギャーと次第に喧騒が高まるなか静観していたまどかが、手を上げて意見してきた。

 

「あ、あの⋅⋅⋅あの子デスピサロって言うんですよね⋅⋅⋅⋅だからその⋅⋅⋅⋅ピーちゃんって言うのはその⋅⋅⋅ダメでしょうか⋅⋅⋅⋅?」

 

「採用!!×2」アズサとドラえもんはまたも息ぴったりとまどかの提案した名前に賛成した⋅⋅⋅⋅お、お前ら俺の時は否定したのに流石にひどくないか⋅⋅⋅⋅?

 

「ピーちゃん⋅⋅⋅⋅単純なれども可愛く、魔王という恐ろしい存在が一転して愛らしい存在へと昇華される⋅⋅⋅素晴らしい⋅⋅⋅!」

 

「ピーちゃん⋅⋅⋅!名前の一文字だけを取り出しつつ、その子のイメージを殺さずに生かす⋅⋅⋅マッタリとしてしつこくなく、それでいて、コクがあるね⋅⋅⋅⋅!」

 

 

 

⋅⋅⋅⋅⋅何でっ、お前らそんなに称賛を惜しみなく送ってんの!?俺の時と対応が違い過ぎるだろがあぁぁぁ~⋅⋅⋅⋅⋅⋅!!

 

俺はとことんヘコんで悔し涙が溢れた。どーせ俺なんて⋅⋅⋅⋅⋅

 

「はっ、晴明よそんなに⋅⋅⋅ぷっ!⋅⋅⋅悄気る(しょげる)でない。発想自体は悪く⋅⋅⋅ぐぽっ!⋅⋅⋅」

 

⋅⋅⋅⋅⋅って、扉間さん!あんた慰めるか、ツボって笑うかどっちかにしておくれよ!!

 

「はははっーまあまあ、晴明くんめでたくデスピサロこと、ピーちゃんが仲間になって愛称も決まったんだ♪気持ちを切り替えてガチャを回そうじゃないかっ!」

 

どの口が言うんだか⋅⋅⋅まっしょうがない。落ち込むのは後にしてまずはガチャで新しい仲間に来てもらわねえとな!

 

バシッ、バシッ!俺は両頬を叩いて気持ちを切り替えてガチャに挑んだ。

よーし行くぜ!五人が見守る中ガチャを回す⋅⋅⋅⋅

 

 

ガチャ!ゴチャ!プシュウウウ!!

 

 

デカいカプセルが落ちて来て真ん中から割れるとスモークが辺り一面を白くする⋅⋅⋅⋅

 

人影が見えてきた。んっ?なんだ?耳らしき形が頭の上にある⋅⋅⋅?

 

「ンフフッ⋅⋅⋅始めましてぇ私はエムロイに使えし亜神⋅⋅⋅ロゥリィ・マーキュリーよぉヨロシクしてねぇ♫」

 

ゴスロリのまたも女の子が出てきた⋅⋅⋅⋅

何で俺は女の子ばっかり引き当てちまうんだ⋅⋅⋅?熱く頼もしい男、イヤ、漢が何故出てこんのだ⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

「おおっ!晴明くん凄いじゃないか!彼女を引き当てるとはやるねぇ⋅⋅⋅♥」

 

へっ?なに彼女、凄いのか?あっ、もしかして彼女は「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」通称「俺妹」で出てくる黒ネコだったっけ?ゴスロリだし⋅⋅⋅⋅

 

「いや⋅⋅⋅晴明くん違うぞ⋅⋅⋅⋅」

 

「じゃあアレか?お前のスマホに入っているグラブルのルナール⋅⋅⋅いやまてよ、ユエルだな!あっ、でもスタイルが違い過ぎるかあっちはグラマー体型だけどあっちは色々小さい⋅⋅⋅⋅」

 

ズガンッ!!⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅今俺の身体のすぐ横に彼女が持っていた巨大な斧が突き刺さっている⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅かっ、体から冷や汗が止まらねえ~⋅⋅⋅⋅!

  ヒィ~ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!

 

「あらぁ~ゴメンなさいねぇ~今何か不愉快な内容が聞こえたからぁ、つい、手が滑っちゃったわぁ~♪」

 

 

⋅⋅⋅⋅⋅俺は自分の口の至らなさに心底反省した⋅⋅⋅⋅⋅⋅こ、これから気をつけよう⋅⋅⋅⋅

 

 

 

 

 



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8話 逸見エリカVSロゥリィ・マーキュリー

俺は自分の口の軽さと、うかつさに猛省している。

 

うっかりと口を滑らせて彼女の怒りを買ってしまい、斧を身体から僅か数㎝の所まで叩きつけられていた。こっ、怖えぇ⋅⋅⋅⋅⋅  

   ((( ;゚Д゚)))

 

アズサの説明でどの作品のキャラか、俺もようやく理解した。

彼女は「GATE(ゲート)自衛隊斯く戦えり」からのキャラでロゥリィ・マーキュリーと言う。

 

最初に名乗ったらしいのだが俺はまたも女の子キャラを引いたショックによりまともに聞いていなかったのだ。それにしても似たような感じのキャラが多くてライトオタの俺にはちと、厳しい⋅⋅⋅⋅

 

「貴方が私のマスターである晴明なのねぇ。次は気をつけなさぁい」

 

独特の喋り方をする彼女は俺より年下に見えるが、アズサの説明によるとお歳は961歳で、絶大な戦闘力を誇るそうだ。まあ、あんなバカでっかい斧を軽々と片手で振るうんだから頼もしいやら、恐ろしいやらだ。

 

 

「はっはい!すいませんでしたぁ!」

俺は気合いを込めて謝った。

 

「うふふ⋅⋅⋅⋅いい子ねぇ、素直が一番だわぁ⋅⋅⋅⋅」

 

何とも妖しい魅力が漂うお姉さんだ⋅⋅⋅!

 

「にっ、してもぉ、此方に呼ばれた時に大体の事情を女神リンネの使いから教えてもらったけど、なかなかに凄いメンバーよねぇ⋅⋅⋅この巨大な魔物を従えるなんて、ソコのドラえもんちゃん⋅⋅⋅だっけ?貴方すごいのねぇ♪それに結構かわいいじゃなぁい♥」

 

かっ、かわいい?えっと⋅⋅⋅ドラえもんが?俺は自分の耳を疑ってしまった。

 

「えっ?僕がかわいい!?イヤ~そんなぁ照れるなぁ~ウヘウヘ、デヘデヘ~♥」

 

「貴方のぉその真ん丸なぁ、身体におヒゲもとぉっても素敵よぉ♥」

 

「うふふ、ありがとう♥ロゥリィちゃんの頭のネコ耳リボンもかわいいよ♥」

 

かわいい、素敵と言われてドラえもんのヤツは何ともしまりのないだらしない顔を見せていた⋅⋅⋅お前、今は俺のスタンドなんだから、もちっとどうにかならんのか⋅⋅⋅⋅

 

「まあ、何にせよ心強い仲間だね。良かったねぇ晴明くん!」

 

「ははっ、まあ、そうだな⋅⋅⋅」

正直な所、何とも複雑な気分だけどな⋅⋅⋅

 

 

「ふむ、ではとうとう私が回すのはこれで最後!気合いを入れて回そう!晴明くん、皆!しっかり見守っておくれよ!」

 

アズサがガチャを回すのは最後なので俺や皆しっかりと注目する。ごくっ。

 

 

アズサがハンドルを回した⋅⋅⋅⋅⋅

 

   ガチャ!ゴチャ!

    

   プシュウウウ!!

 

巨大なカプセルが落ちて来て中が割れる!!スモークが辺り一面に漂い人影が見えてきた。

 

 

「⋅⋅⋅⋅願いの為に此処に来たわ⋅⋅⋅⋅名門黒森峰女学園の戦車道副隊長⋅⋅⋅⋅

逸見エリカよ⋅⋅⋅⋅まあ、よろしく⋅⋅⋅⋅」

 

アズサは俺でも知っているキャラを引き当てた!彼女は「ガールズ&パンツァー」の最強と名高い黒森峰のキャラだ。

 

⋅⋅⋅しかし、彼女はとてもプライドが高くて、自分にも他人にも厳しく男嫌いのはず⋅⋅⋅⋅上手くやっていける自信がないぞ。大丈夫か俺⋅⋅⋅⋅⋅

 

「いやぁ、素晴らしい!君のような人材が来てくれるとは歓迎するよ!私の名前は東雲アズサ、そっちに居るのは我が親友、御奈巳晴明くんだ!仲良くしておくれよ♪」

 

アズサが俺を紹介してくれたので俺もヨロシクと挨拶をした⋅⋅⋅⋅がっ、やはりと言うか、俺の予想どうり⋅⋅⋅⋅⋅

 

「⋅⋅⋅⋅フン!別に男に何の期待はしてないわ⋅⋅⋅それは貴方にもよ!私のマスターだか、リーダーだか知らないけど、私に命令出来るのは西住隊長只一人だけよ!!調子にのらない事ね!!」

 

 

⋅⋅⋅やはりコイツはやたらめったら気位が高い⋅⋅⋅ことごとく俺の予想どうりで今から胃が痛くなってきた⋅⋅⋅⋅この手のタイプは俺、苦手なんだよなぁ⋅⋅⋅⋅ズキズキ

 

 

「フフフ⋅⋅⋅いいねえ、実に良い!それぐらいの気構えが無いとコチラも張り合いというモノが無いからねぇ⋅⋅⋅言葉による説得は不粋!これからの私の行動と背中を見て私が君のマスターに相応しいか、否かしっかり判断したまえ!!

そして、私が相応しく無いと判断したら切り捨てたまえ!!」 

 

 

上から目線だが、威風堂々と男の俺から見てもカッコよくアズサは決めた。

それに比べると本当に俺ってヘタレだわ⋅⋅⋅⋅

 

「フン!いいわよ⋅⋅⋅精々自分の言葉に後悔しない事ね!」

 

はぁ~これから先が思いやられるなぁ⋅⋅⋅

 

「まあまあ、えっとエリカちゃんだっけ?そんなにツンツンしないでこれでも食べてリラックスしなよ。とっても美味しいんだから♪」

 

ドラえもんのヤツ空気を読まずに、イヤ、読むつもりもなく逸見エリカにポケットからどら焼きを取り出して渡そうとした⋅⋅⋅⋅!?お前ポケットにもどら焼きを忍ばせていたの?

 

     バシィッ!  

 

逸見エリカはドラえもんが差し出したどら焼きを持った手をはね除けた!!

皆目を見開き、緊張が走った⋅⋅⋅!!

 

「いい加減にして!!私は仲良しごっこをするためにわざわざ来たわけじゃないわ!此方の世界に覚悟を決めてやって来たのよ!そんなのは他所でやってちょうだい!」

 

⋅⋅⋅⋅さすがにヘタレな俺でもこれにはムカッときたぜ!俺は逸見エリカに文句を叩きつけようとした⋅⋅⋅がっ、いち早くその出番をロゥリィ・マーキュリーにとられた!!

 

   

   ドゴォンッ!!!

 

 

ロゥリィさんが巨大な斧⋅⋅⋅いや斧槍、ハルバードを逸見エリカの身体スレスレの所に叩きつけた!

 

エリカは何故か少しもたじろぐ事もなく目の前のロゥリィさんを睨みつけている。オイオイマジか?目の前にあんな物騒なもん叩きつけられたのに⋅⋅⋅いくら日頃から戦車道で激しく鍛えてるとはいえ、あの胆力はなんかおかしいぞ?

 

「あなた、何様のつもりぃ?せっかくドラちゃんが大好物のどら焼きをあげて緊張をほぐそうとしてあげたのにぃ⋅⋅⋅不愉快だわぁ⋅⋅⋅あなた消えちゃいなさぁい」

 

そう言ったロゥリィさんの唇はみるみる内に鮮やかな紅色から妖しい紫へと変化する。この変化は完全に相手を殲滅する言わばバトルモードだ!

 

えっ、エリカ!土下座でもしてとにかく謝れ!いくら戦車道での実力があってもそれは戦車有ってのこと。生身ではどうあがいても太刀打ちできないぞ!!

 

「ハンッ!見くびらないでよね!私は黒森峰の、西住流の戦車道を学んだ選手よ!西住隊長の背中を追い続けた私の力はこれよ!」

 

エリカの身体からオーラがほとばしった!?えっ、えっ?ま、まさかコレって!?スタンド能力⋅⋅⋅⋅⋅!!

 

「はあー!!出てきなさい私のスタンド、シュバルツバルド・パンツァー(黒き森の戦車隊)!!」

 

そう叫んだエリカから無数のミニチュアサイズの戦車が現れた!

 

なっ、なっ何で、エリカがスタンド能力をー!?俺はオドオドしている女神リンネ様に一瞬で近づき説明を求めた!

 

「リンネ様、何で逸見エリカがスタンド能力を!?」

 

「え、えと、それはですね、いくら優秀な存在とはいえ生身では厳しく危険と判断して晴明さんとアズサさんを参考にスタンド能力を付与させて頂いたんです。スタンド能力ならある程度の精神力でどうにかなりそうだったので⋅⋅⋅⋅⋅

もしかしていけなかったですか⋅⋅⋅?」

 

い、いいえ⋅⋅⋅⋅⋅只、単純に同じスタンド使いとして個人的に惨めな気持ちになっただけです⋅⋅⋅⋅サーセン⋅⋅⋅⋅

 

俺は下手にでしゃばるのはまずいかと判断して成り行きを見守る事にした。他の人達もどうやら同じらしい。だが俺のスタンドにして相棒のドラえもんのヤツはと言うと⋅⋅⋅⋅⋅

 

「あわわ!?僕のどら焼き⋅⋅⋅ふー!ふー!セーフ♥汚れてないから食べられるぞ!」

 

⋅⋅⋅⋅オイ!、頼むから、これ以上恥ずかしい姿を去らさないでくれ⋅⋅⋅⋅うぅ⋅⋅⋅(T_T)

 

「ふぅ~ん⋅⋅⋅あなたぁ面白い能力を持っているのねぇ⋅⋅⋅お子様のオモチャ遊びみたいでとても愉快だわぁ⋅⋅⋅⋅」

 

「フン!言ってなさい!見た目で侮ると火傷程度じゃすまないわ!いくわよ!撃てば必中、守りは堅く、進む姿は乱れ無し!鉄の掟、鋼の心⋅⋅⋅⋅それが黒森峰西住流戦車道!特と味わいなさい!」

 

逸見エリカのスタンドははっきり言って、虹村形兆兄貴のスタンド、バッド・カンパニーと同じタイプだと判断する。

 

「晴明くん、君も同じ事を考えているね」

 

アズサが隣に立ち、俺の考えを言い当てる。ああ、ただし、エリカのは戦車オンリーだけどな。群体型のスタンドなので数を数えるとパッと見る限りは12台の戦車隊で構成されている。さすがに戦車のタイプまでは細かくて俺には判別しづらい。

 

俺とアズサはしっかりとエリカのスタンドを見る。するとステータスが見えてきた。

 

破壊力ーB    スピードーC

射程距離ーC  持続力ーC

精密動作性ーC 成長性ーB

 

⋅⋅⋅こう言っちゃアレだがステータスはさほど高いという訳ではない。だがステータスだけでスタンドというのは優劣を決められるモノじゃ無い。

 

「ウフフ、アハハいくわよぉ!」

 

ロゥリィさんはハルバードを大きく振りかぶってエリカに襲いかかる。対してエリカは全12車両の内の半分を前方のロゥリィさんに砲弾を射出した。

 

 

ドガンッ!ドガンッ!ドガンッ!

 

 

ステータスでの射程距離はCだが、射撃を含めるとB以上の距離は余裕で有るように思える。ロゥリィさんは砲弾をハルバードを回転させて難なく防ぐ。

 

 

「晴明くん、私はエリカくんの残り半分の戦車の動きが決め手になると考えているが、どう思う?」

 

「ああ、俺も同意見だ。半分の車両で前方のロゥリィさんを砲弾で牽制して足止めにして残り半分の車両でいろんな角度から死角を突く⋅⋅⋅⋅多分そうする。俺も同じスタンドならそうしているからな」

 

「ふむ、そうだね。だが、ロゥリィ様は百戦錬磨で凄まじい腕力、体力のみならず、軽やかでしなやかな動きも出来る⋅⋅⋅今のように前面からの火力集中砲火の攻撃にわざと受けて相手の動きを見計らっていると私は推測する」

 

俺とアズサは二人の戦闘の展開を予想して各々の考えを述べる。

 

そして⋅⋅⋅俺の予想どうりエリカは半分の車両を各々2両に分け、三方の死角から砲撃した!だが⋅⋅⋅⋅!ロゥリィさんは前面からの集中砲火の僅かな隙をついてハルバードを地面に突き刺し身体を引き上げてエリカの死角からの砲撃を難なく回避した。砲弾がむなしく空を切り、エリカは歯ぎしりをした。

 

「アハハ!おバカァさぁん♥最初に自分の手駒を全て見せて、半分は姿を隠して行動してるからぁ、すぐに死角を突く事は簡単に予想できるわぁ」

 

ロゥリィさんの言葉にエリカは悔しい顔を見せる。

 

「ほうらぁ、イっちゃいなさぁい♥」

 

ロゥリィさんはハルバードの平べったい腹の部分で横から叩きつけようとする。さすがに殺すつもりはないのはわかるがそれでもロゥリィさんの腕力に加えて巨大で硬いハルバードをマトモに喰らったらマジヤバいぞ!?

 

無情にもロゥリィさんの攻撃が当たる瞬間⋅⋅⋅!

 

   ガキイィィィン!!!

 

デカい奇妙な衝撃音が鳴り響いた⋅⋅⋅!

しっかりと二人を見るとエリカの身体から半透明の戦車がエリカの身体を包み、ロゥリィさんの攻撃を防いでいる!?

 

「晴明くん、アレは恐らく劇中でエリカくんが搭乗していた戦車Ⅳ号戦車ティーガーⅡだ!高い装甲に火力を備えてはいるが足回りは弱く機動力には些か問題がある。恐らくそれらを考慮してミニチュアサイズの戦車隊には加えず接近された時の対応策として隠していたんだろう⋅⋅⋅!」

 

アズサは興奮しつつ、どこか自慢気に説明してくれた。

 

俺はアズサの家で一緒にガルパンを観賞してたのを思い出す。たしか、西住みほに戦車の足周り⋅⋅⋅キャタピラーだったか?を壊されて足止めされて悔しがってたもんなぁ⋅⋅⋅自分の乗っている戦車の長所、短所を把握してミニチュアサイズの戦車隊には加えずに接近戦の時に備えていたんだな。

 

 

「不用意に近づいた自分を呪いなさい!」

 

エリカがほんの一瞬動きを止めたロゥリィさんに発現させたⅣ号戦車ティーガーⅡの砲身を至近距離から向けた!

 

    ドバンッ!! 

 

至近距離から放たれた砲弾はロゥリィさんに直撃⋅⋅⋅⋅はしなかった⋅⋅⋅⋅!?ロゥリィさんは砲弾を目にも止まらぬ速さで真っ二つに割いた!

 

なっ、なんて速さと身体のキレなんだっ⋅⋅⋅俺はアニメ作品は数が多い為、よほど気に入った作品は最低基本情報しか仕入れない。うろ覚えのキャラの性格や能力は把握は出来ていなかった。今、目の前にいるロゥリィ・マーキュリーが自分の仲間だという事に心底奮えた。

 

 

「ザアァ~ネェン♥あなたぁ、私を舐めすぎよぉ♪悪い事は言わないからぁピーピー泣いて私とドラちゃんに土下座なさぁい」

 

「くっ!まさかあれだけの至近距離からの砲撃をっ⋅⋅⋅⋅⋅でもっ、まだ終わってないわよっ!!」

 

エリカは心底悔し顔を見せるが精神は折れず、全ての戦車隊を移動させロゥリィさんを取り囲んだ。

 

「西住流に逃げは無し!たとえあんたがどんなに強くても私は屈したりなんかしないわっ!!これが最後の集中砲撃よっ!!」

 

「いいわぁ⋅⋅⋅⋅貴方のその折れない信念⋅⋅⋅とても素敵だわぁ⋅⋅⋅⋅でもそんな貴方を叩いてベキベキにへし折ってあげるわねぇ♥」

 

互いに一歩も引かずぶつかり合うその瞬間⋅⋅⋅⋅

 

   「水遁滝壺の術!」

 

   

   ドバシャァァァ!!!

 

 

上空から大量の水が流れだし二人を一気に水浸しにした!?

 

「そこまでにしておけ⋅⋅⋅⋅熱くなりすぎるのは若い証拠よ⋅⋅⋅ある程度好きな様にやらせて静観していたが、ちと熱くなりすぎだ。少し頭を冷やせ⋅⋅⋅」

 

扉間さんがやれやれと言った感じで二人を見つめる。流石、扉間さん!グッドタイミングだ⋅⋅⋅⋅!

 

 

 

 



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9話 争いは、同じレベルの者同士でしか起こらない!

扉間さんの水遁の術でエリカとロゥリィさんのいさかいは取り敢えず終わった。

 

「やぁねぇ、真剣勝負に本物の水を差すなんてぇ⋅⋅⋅無粋だわぁ」

 

「ううっ、グショグショだわ⋅⋅⋅」

 

「我らは叶えたい願いは各々だが、この二人の世界の理を守る為、共に戦う為此方側に呼ばれたのだ。その力、無駄に費やし身内同士で悪戯に費やすのは得策ではない。暫し頭を冷やすんだな」

 

扉間さんが年長者らしくクールに決めてくれた。すげえぜ!

 

 

「いや、二代目様、お礼を言わせて頂きます。本来ならマスターにしてリーダーの私が収めるべきなのだが私自身魅入ってしまい楽しんでしまっていた⋅⋅⋅⋅マスターにあるまじき失態。何卒お許し頂きたい⋅⋅⋅⋅」

 

「ふっ、気に病む必要はない⋅⋅⋅だが、あれ以上続けていたら万が一取り返しのつかない事態になると思いでしゃばったまでよ。それに⋅⋅⋅本当に命の危機と判断したなら、ますたーであるそなたが能力を使い矛を収めたであろう⋅⋅⋅違うか?」

 

「ふふ、全部お見通しでありましたか⋅⋅仰るとうりです。私自身としては反りの合わない者同士が無理やり不満に蓋をして共に行動させるよりも、一層の事早い段階で互いに感情剥き出してぶつかり合えば多少は上手くゆくと判断したのです。ですが、私自身が二人の戦いに楽しんでしまいました。自分の未熟さに恥じるばかりです⋅⋅⋅」

 

「⋅⋅⋅そのようにかしこまる必要はない。そなたはその齢でかなり達観している節がある⋅⋅⋅晴明の前で見せる様に儂にも少し気を崩しても構わん。儂も少し身構え過ぎてしまう所があるのでな⋅⋅⋅まあ、お互い様と言うものだ」

 

 

⋅⋅⋅扉間さんとアズサの会話を聞いていた俺は心底へこんだ⋅⋅⋅何しろスタンド使いと言っても俺自身はろくに何も出来ず、ただ二人の戦いを傍観していただけで、しかもアズサとの戦いの展開を考察するのを無駄に楽しんでいただけなんだ⋅⋅⋅⋅二人の様に先の事を考えてあえて静観していたなんて考えが及ばなかったんだ⋅⋅⋅⋅本当、俺って必要無いよな⋅⋅⋅⋅⋅

 

俺が1人勝手に落ち込んでいるとドラえもんはグショグショの二人にいち早く駆け寄った。

 

 

「二人共大丈夫?」

 

「ウフフゥ、心配してくれて嬉しいわぁ。ドラちゃぁん♥」

 

「⋅⋅⋅大丈夫な訳ないでしょ、ご覧のとうりグッショリよ⋅⋅⋅」

 

エリカのヤツ何だかばつが悪いらしくドラえもんから顔を背けている。

 

「そのままだと風邪をひいて大変な事になっちゃう。よーし僕に任せて!え~とっ、確かこの辺に⋅⋅⋅⋅うん、あった!瞬間クリーニング・ドライヤー~!!」

 

ポケットからパッと見、オモチャの銃の様にもみえる道具を取り出した。

 

「それ~!」 ボワ ボワ~

 

「あらぁ!?」 

「なっこれって!?」

 

さっきまでグッショリのビチョビチョだったのが一瞬で綺麗に乾いた!!

すっ、すげーやっぱ、ドラえもんの道具はウルトラチートだわ⋅⋅⋅⋅

 

「凄いわぁ~一瞬で完全に乾いてる⋅⋅⋅⋅本当ドラちゃんって素敵だわぁ~ありがとう♥」

 

「いえいえ、それほどでもぉ~♥ウヘヘヘェ~」

 

すごくだらしなく、締まりのない顔で照れていやがる⋅⋅⋅⋅⋅何だか、二人の髪までツヤツヤサラサラしてるのは俺の気のせいか?

 

「⋅⋅⋅⋅⋅えっと⋅⋅⋅⋅あの⋅⋅⋅⋅ドラえもん⋅⋅⋅だっけ?その⋅⋅⋅⋅さっきはゴメンなさい⋅⋅⋅⋅悪かったわ⋅⋅⋅個人的に色々焦ってて⋅⋅⋅」

 

「ウフフ♪大丈夫だよエリカちゃん。僕は全然気にしてないから、後でみんなでおやつを食べて親睦を深めよう」

 

「⋅⋅⋅⋅ドラえもん⋅⋅⋅⋅」

 

ドラえもんの穏やかで優しい何て言うか見守ってくれる温かな雰囲気がエリカのトゲトゲしかった気持ちを和らげてるみたいだ。

 

「晴明くん、ドラえもんくんは本当に不思議な存在だねぇ⋅⋅⋅取り出す道具は勿論不思議だがそれ以上に彼自身がみんなを包み込み和ませ、優しい気持ちにしてくれる⋅⋅⋅⋅」

 

「ああ、そうだな⋅⋅⋅⋅アイツが何の因果で俺のスタンドになったかはわかんねーけど本当、頼もしく思えるよ⋅⋅⋅⋅⋅」

俺はイマイチだけどな⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

「ウフフ♥ドラちゃんって優しいのねぇ。益々気に入っちゃったわぁ♥それと逸見エリカ⋅⋅⋅ドラちゃんに免じて今回はこの辺にしといてあげるわぁ⋅⋅⋅しっかり、ドラちゃんに感謝なさぁい」

 

「それは此方のセリフよ!今回は文字どうり水入りになったけどいずれキッチリと白黒つけてやるわ!西住流戦車道の心得に逃げは無いんだから!わかったこのゴスロリ女!!」

 

「この服装はエムロイに使える正式な神官服よぉ。ゴスロリとは違うわぁ。そういうあなたって案外この手の服が似合いそうねぇ~♥」

 

「ばっ、馬鹿言わないで!誰がそんな服⋅⋅⋅⋅」

 

エリカは顔を真っ赤にして否定しているが、確か公式設定なのかは忘れたが幼少期にあんな感じの服装を着ていた気がする。

 

 

パンッ!パンッ!アズサが手を叩き皆をハッとさせる。

 

「さて、二人共、今回の事は一旦私に預けてもらいたい。我々は一丸となってキュゥべえの野望を打ち砕かなくてはならないからね。その為に私と晴明くんが皆さんを呼ばせてもらった。皆は、大事な仲間だ!今すぐチームに成れとは言わない。だが、これから何が起こるかわからない戦いに赴く以上、互いに手を取り合い共に道を歩もう!!以上だ!」

 

 

⋅⋅⋅⋅かぁ~っ、アズサのヤツカッコよすぎるぜ!アズサの言葉を聞いた二人は⋅⋅⋅⋅

 

「ふんっ⋅⋅⋅⋅別に私はあんたに負けたとは思っていないから⋅⋅⋅だけどドラえもんとアズサの顔をこれ以上潰すのは私は嫌だから⋅⋅⋅取り敢えず今回は保留にしといてあげる⋅⋅⋅」

 

「私も保留にしといてあげるわぁドラちゃんとアズサの為にね⋅⋅⋅♥」

 

うん!アズサとドラえもんお陰でひとまず落ち着いたかな?

 

 

「さて、晴明くん。いよいよラストのガチャを回して、最後の仲間を呼び出そう!バッチリ決めておくれよ!」

 

ああ、色々アクシデントありまくりだったがこれがラストチャンスだ!絶対に男の中の漢を呼び出してやるぜ!

 

 

皆が見守り、一斉に注目する⋅⋅⋅⋅

 

最後のガチャ回しだからな!決めるぜ!

 

俺は手を合わせてしっかりと精神集中した。深く深呼吸もした。強く強くイメージもした。空手で培った肉体と精神を一つにして無私無心になり天地万物森羅万象と一体となり⋅⋅⋅

 

 

「んっもう!ジレったいなぁ⋅⋅⋅さっさと回せばいいんでしょう?僕が代わりに回してあげるよ」

 

ガチャガチャ!!

 

 

⋅⋅⋅⋅⋅へっ?えっ?  (゜_゜)

(*´・д・)?

 

 

 

え"え"え"ぇぇぇぇーーー!!??

 

 

ガチャ!ゴチャ!プシュウウウ!!

 

 

「おいぃぃぃ~!?ドラえもぉ~ん!!おまっ、何してくれてんじゃいぃぃぃ」

 

 

お、俺の最後のガチャが~⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅あ"あ"あ"ぁぁぁ~~~~!!!

 

 

無情にも最後のガチャはドラえもんが回しカプセルが落ちて割れる。スモークが辺り一面を覆いつくし人影が見えてくる⋅⋅⋅⋅⋅

 

「ふい~っ⋅⋅⋅⋅着いたみてえだな。あっ、と俺の名前はエドワード・エルリック⋅⋅⋅⋅通称は、そう⋅⋅⋅『鋼の錬金術師』だ!!気楽にエドって呼んでくれよ!よろしくな!」

 

 

なにぃぃぃ~!!??エドワード・エルリック⋅⋅⋅⋅『鋼の錬金術師』だとぉぉぉ!!??

 

ドラえもんのヤツ超SSRを引き当てやがった⋅⋅⋅⋅くっ、悔しい!(T^T)

 

 

「ドラえもぉぉ~ん⋅⋅⋅やってくれたなぁ⋅⋅⋅やってくれたのぉ⋅⋅⋅」

俺は悔しさと嫉妬が抑えきれずドラえもんににじり寄った。

 

「え、え~と、あはっ、アハ⋅⋅⋅⋅僕ウッカリやっちゃいましたかぁ⋅⋅⋅⋅⋅?」

 

ああ⋅⋅⋅⋅やっちまったよぉ、お前はよぉ⋅⋅⋅

こなくそー!俺はドラえもんの両端の口を掴み全力で引っ張った。

 

「もがががが~~!!!」

 

ドラえもんの口は柔く意外と伸びた。

本当にロボットなのか?

 

「これが俺の怒りと悲しみだ!このポンコツ青タヌキ~!!」

 

   バチイィィン!!

 

勢い任せに引っ張っり、手を放すと口は真ん中でぶつかり合いドラえもんのヤツは顔を押さえている。

 

「むぎぎっっ⋅⋅⋅⋅やったな⋅⋅⋅言ってはならない事を言ったなぁ~!!」

 

お互い至近距離で睨み合い次々と互いを罵り合った⋅⋅⋅⋅

 

「このヘタレのイジられキャラの無能がぁぁ~!!アズサちゃんと比べて影が薄いトウヘンボク!!」

 

「だああ~!!おまっ、それ、言っちゃならん事を言いやがったな!それがお前の本音か!このポケットがなけりゃ多分なんもできねぇポンコツ青ダヌキがっ!何が猫型だ、耳もないくせに!」

 

「ムキッ~!!!言ったな!?言ったな!!??ヤロウぶっ殺してやる!!」

 

どんどんヒートアップしていく⋅⋅⋅!!

 

「な、なあ、オイ!なんで争ってんのかわかんねえけどよ?後ろのヤツらが困ってるみたいだしよ、争うのは止さねえか?」

 

来たばかりでいきなりケンカを始めた俺たちにエドは仲裁してくる。⋅⋅⋅⋅頭に血が登ってるから無駄だぞ。別に息を合わすつもりはなかったのだが二人一緒にピッタリとエドに向かって叫ぶ。

 

 

「うるさい!黙ってろ、この豆つぶ!×2」

 

 

  ゴゴゴゴゴ・・・・・

 

 

「ゴラァー!!誰かウルトラミニマムドチビの豆つぶだあぁぁぁー!!!??」

 

エドのヤツにも禁句を言ってしまいとうとう三つ巴の醜い戦争になってしまた!

 

パンッ!エドは十八番の手合わせ錬成で地面を錬成して握り拳を作り、繰り出してきた!

 

「これでも喰らいやがれー!!」

 

ドギャァァン!!「うわぁぁ!?」

 

俺はコイツ⋅⋅⋅「鋼の錬金術師」にはまって読んでいたので何をしてくるのか一瞬速く予測して難を逃れた。一方ドラえもんのヤツはまともに喰らいゴロゴロ転がってしまう。

 

「むぎゅう!?ムムム、よくもやったなー!!どっちもヤッてやるぞ!」

 

ドラえもんはポケットから小さな拳銃らしきモノを取り出した。

 

「ショックガン二丁!!と、ころばし屋!」

 

ゴムまりみたいな手にショックガンと呼ばれる道具を握りマジで撃ってきやがった!?

 

 

バシュ!バシュ!バシュ!バシュ!

 

 

俺は何とか身を翻して回避したが地面からは煙が昇っているのをみると殺傷力はジャンボガンよりは遥かに低い。だが、マトモに当たりゃ痛いのは確実!くそーマジギレしやがって!

 

エドの方は再び手合わせ錬成で地面から壁を作り難なく防いでいた。

チキショーいいよな手合わせ錬成わっ!

 

余所見をしているところばし屋が足元にいたので俺は咄嗟にジャンプをして危うく難を逃れる。気をつけないとな!

 

「そんな壁壊してやるー!空気砲!ドカーン!!」

 

ポケットから何やら筒のようなモノを取り出し腕に装着する。そしたらナニカの塊が撃ち出され⋅⋅⋅⋅

 

ドバーン!! エドの作成した土壁はあっさりと壊された!

 

「なっ、なんじゃそりゃー!?」

 

エドは見たこともない道具で壁が壊されたのでさすがに驚いていた。

 

だああ、もう!ドラえもんのヤツ一発かまして大人しくしてやる!

 

俺は飛び道具相手で距離が離れていては不利なので何とか近づくために、足元をウロチョロしていたころばし屋をサッと掴みドラえもんに投げ捨てた!

 

エドのヤツも同じ事を考えていたので図らずとも俺がころばし屋を投げたと同時にドラえもんに向かってダッシュした。

 

投げたころばし屋はドラえもんに向かっていったがドラえもんはギリギリにキャッチする。その隙を逃すまいと俺とエドは突進していった。

 

エドは凄まじい跳躍力でドラえもんの上をとり、俺は合わせたつもりはなかったが空手の下段回し蹴りでドラえもんの下半身を狙う。エドはそのままの勢いで頭に飛び蹴りをかますつもりだ。

 

「オラァ喰らいやがれー!!」

「これが空手の蹴りだー!!」

 

バシィ!ガシィ!⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

どっ、ドラえもんのヤツはいつの間にかその、例のパワー手袋を装着してエドと俺の蹴りを完全に防いでいた⋅⋅⋅⋅⋅

 

あ、⋅⋅⋅⋅⋅⋅これ死んだわ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

俺とエドの蹴りをはね除けてドラえもんは気合いを込める⋅⋅⋅⋅たたらを踏んだ俺とエドは咄嗟に身構えた⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

「ドラァッ!ドララッ!ドララッ!ドラララララァァァ!!」

 

体からオーラを発してクレイジーダイヤモンドのようなかけ声でスタンドラッシュをかましてきた⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅!!

 

タイミング的に逃れられないのでダメ元で俺は空手の受けの構えをとる。一方のエドは⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅体からオーラを出したぁぁ~!!?なッなんで!?

 

 

「ウオオォォー!!出やがれー!!

『フルメタル・アルフォンス』

(鋼の兄弟)!!」

 

 

⋅⋅⋅⋅えっ、エドのヤツがスタンド能力を~!?俺は驚きつつも目を凝らしてエドのスタンドのステータスを見た。

 

破壊力ーA    スピードーC

 

射程距離ーD   持続力ーB

 

精密動作性ーC  成長性ーD

 

 

き、近距離パワー型⋅⋅⋅⋅⋅⋅つーか何で、弟の姿形なんだよっ!どんだけ弟好きなんだよっ!弟が隣に居なくて寂しいのかお前は⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

 

 

 



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10話 みんな一緒で留守がいい!

エドのヤツまでもがスタンド能力を発現した。⋅⋅⋅⋅⋅体術と錬金術。加えてスタンド能力まで⋅⋅⋅リンネ様そりゃねえよ⋅⋅⋅⋅

 

 

そんな俺の嘆きを余所にドラえもんのヤツもエドのスタンドを見てエドに意識を集中した。

 

スタンドバトルという面から見れば俺とドラえもんとエドとの三つ巴ではなく俺のスタンド能力となったドラえもんとエドのスタンドとのタイマンっつー事になるよね?何かややこしい⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

エドは自分のスタンド「フルメタル・アルフォンス(鋼の兄弟)」をドラえもんに向けてスタンドラッシュをかましてきた。

 

「オラァー!!オラオラオラオラオラオラァー!!」

 

「ドラァー!!ドラドラドラドラドラドラァー!!」

 

 

ドラえもんも目の前のエドに集中してラッシュのド突き当いが始まった!!

 

うん⋅⋅⋅⋅俺無視されてるよ⋅⋅⋅眼中に入ってないよね⋅⋅⋅まあ生身では耐えられそうにないからこれで良かったんだよね⋅⋅⋅⋅⋅?

 

とはいえ目の前の激しいラッシュ合戦に俺はまばたきするのを忘れて見入った。身長と腕の長さによるリーチはエドのスタンドが有利。ドラえもんはリーチという点では不利だが、腕が短い分だけラッシュの回転速度が速く手数なら軍配が上がる。

 

「オラァー!!」 

 

「ドララァー!!」

 

ドンッ!ガンッ!ボンッ!バンッ!

 

互いの拳をぶつけ合い拮抗を保つがやはりドラえもんの拳⋅⋅⋅⋅(手袋装着してるけど実際はゴムまりみたいに丸い)はリーチのあるフルメタル・アルフォンスの体には届かず徐々にエドが優勢になってくる。

 

そして遂にエドのスタンドの拳がドラえもんの側頭部を捉えた!

どっ、ドラえもん!!

 

バシュッ!サッ!

 

間一髪ドラえもんはギリギリ躰した⋅⋅⋅な、あの身体の動きは!?

ドラえもんは左右に身体を振って横八文字の動きをしている⋅⋅⋅⋅!

 

横八文字の∞無限の軌道⋅⋅⋅⋅あれってもしかしてデンプシーロール!?

何で、ドラえもんはボクシングの伝説的な技を使えるんだ!?

 

激しく身体を左右に振る事により回避の動き+反動による拳の破壊力の上乗せ。その技により、今度はエドが不利になりつつあった。

 

ウィービングによる動きに攻撃はかわされ、懐に入られる。すると今度は逆にリーチのあるエドのスタンドは攻撃動作がしづらくなり、接近戦でドラえもんは力を発揮しやすくなる。

 

「くっ、コイツ懐に!?」

 

横八文字⋅⋅⋅∞無限の軌道から生まれる左右の連打がエドに襲いかかる!

 

「ドララァァ!ドラッー!!」

 

「くっ、舐めんじゃねえぇー!!」

 

スタンドのみならず、本体であるエド自身も攻撃に加わり手数に対抗してきた!

 

「オラァー!!オラオラオラオラオラオラオラオラ、オラァー!!」

 

右側はエドが、左側はスタンドのアルフォンスがラッシュを突き出す!

 

 

ドゴッ!バキッ!メキッ!ガツッ!

 

 

凄まじいラッシュの手数によりドラえもんのせっかくのデンプシーロールのラッシュは無力化される⋅⋅⋅⋅!!

 

だが、ドラえもんは身体を捻る反動を利用してとてつもない大ジャンプをした!?

 

ドバァン!「な、なにぃー!?×2」

 

俺とエドは思わずハモりドラえもんの姿を追った。

 

ドラえもんはデンプシーロールの動きの反動で天高く飛び、華麗な動きで上空からエドめがけて左拳を突きだし突進してきたー!!

 

 

「ハリケーンボルトー!!」

 

 

 

 

⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅チョッと待てぇぇぇ~!!!

何でアズサの家で読ませてもらった某ボクシング漫画の名作の技を使えるんだ、オノレはぁぁぁー!!?? Σ(゚Д゚)

 

そんな俺の心中のツッコミなんぞ知るよしもなくエドに突進!そんなドラえもんの攻撃に対してエドはスタンドのアルフォンスに身体を少し沈み込ませて右のアッパー⋅⋅⋅⋅いや!あれはフックとアッパーの中間のスリークォーターから突き上げるパンチ「スマッシュ」を打ち放った!!

 

「ドラァッ!」 「オラァッ!」  

 

 

   ドギャァァン!!

 

 

凄まじい炸裂音が響き、互いのパンチがせめぎ合う!!

そして⋅⋅⋅⋅何故かドラえもんが拳を突きだしたまま、こっちに向かって来やがったぁぁー!?

 

恐らく上から真っ直ぐ下に直線に降りてきたドラえもんのパンチに対してアッパーだが、やや、横の動きのあるフック気味のスマッシュが奇跡的なタイミングでぶつかり合い、それが原因で勢いを殺さず左拳を起点に全身の動きが変えられこっちに向かって来ているっつー訳だ⋅⋅⋅⋅あ、こりゃ避けれねーわ⋅⋅⋅死んだな⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

 

     ズドムッ!!

 

 

ドラえもんの予想外の突進に走馬灯が見えかけたが、突然ドラえもんとエドの身体が沈んだ!?

 

「むぎゅう⋅⋅⋅!?」

 

「な、なんだ、これはぁ~!?」

 

アズサのスタンドの重力を操る能力で俺は間一髪助かった⋅⋅⋅⋅⋅

サンキュー!アズサ!

 

「君たちそこまでだよ⋅⋅⋅⋅頭を冷やそうか?二代目様、よろしく!」

 

「うむ」

 

 

   ドバシァァァ!!

 

 

さっきのロゥリィさんとエリカの再現をされてしまった⋅⋅⋅⋅⋅⋅

ウヒャァ、チベて~!!完全に頭冷えましたわっ、こりゃ⋅⋅⋅⋅⋅

 

「頭は冷えたかい?三人とも。さっき二人のいさかいを見ていたというのに全く呆れてしまうねぇ⋅⋅⋅⋅」

 

腕を組んで俺たち三人を見下ろし流石のアズサも呆れた顔をして、ため息をはき、やれやれと言った顔と仕草をする。

 

ドラえもんとエドもポカーンとした顔をしていたが、すぐに正気に戻り冷静になった様だ。

 

「⋅⋅⋅⋅⋅あ~っ、その悪かったよ、二人共。つい頭に血がのぼっちまって⋅⋅⋅⋅⋅」

 

「ううん、こっちこそ、エドくん、晴明くんゴメンよぉ⋅⋅⋅⋅⋅」

 

「オレもつい⋅⋅⋅⋅⋅⋅悪かった、スマン!」

 

三人が互い、互いに謝罪して取り敢えず落ち着いた。

 

「晴明くん、本当にゴメンよぉ~つい、じれったくなっちゃってガチャを回しちゃって⋅⋅⋅⋅」

 

「いや、まあ、結局結果オーライ?みたいな感じだし、いいさ。ついムキになっちまって、先に手を出して悪かったよ。エドも気にしてる事を言って悪かったな。」

 

「あ~っ、む~っ⋅⋅⋅⋅それについては、まあ、しゃあねえ、オレも熱くなっちまったし⋅⋅⋅⋅文字どうり水に流すぜ!え~と⋅⋅⋅⋅?」

 

「俺の事は晴明と呼んでくれ、こっちがドラえもんだ。よろしくな!エドワード・エルリック⋅⋅⋅⋅『鋼の錬金術師』!!」

 

「おうっ!よろしく頼むぜ!ハルアキ!ドラえもん!」

 

ぶつかり合いにはなったが結果的に少し解り合えたと俺は思った⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

ドラえもんがさっきの道具で自分とエドと俺を乾かしてくれた。

ふいー助かった。あのままだったら風邪ひいちまうからな。

 

 

「取り敢えず皆、落ち着いたな⋅⋅⋅⋅」

 

「あっ、扉間さん、スンマせん⋅⋅⋅⋅お手数お掛けしました⋅⋅⋅⋅⋅」

 

「致し方あるまい。それが若者の特権よ⋅⋅⋅⋅⋅だがこれだけは覚えておけ。悪戯に感情のまま、うかつに動けば己のみならず、守るべき仲間をも危険に晒す⋅⋅⋅今回は身内のじゃれ合いだったが実戦なら致命的だ。肝に命じておくがいい⋅⋅⋅」

 

「はいっ!ありがとうございました!」

 

俺はしっかりと頭を下げて扉間さんの言葉を噛みしめた。

自分はこの中で一番役立たずだとイタズラに自分を卑下し、下らんこだわりの為につい、手まで出しちまった。

気をつけないとな⋅⋅⋅⋅⋅

 

エドも扉間さんの言葉を聞き、いまいちバツが悪そうにしてる。

 

「フフフ、ハハハ!!多少、色々といざこざは合ったがここに頼もしい仲間達が遂に集結した!実に晴れ晴れとした気持ちだね!

どうだろう、ここは一つ親睦会を開こうと思うのだが、如何かな?」

 

アズサの提案に皆が賛同する。

 

「うん、うん。アズサちゃんナイスアイディア!親睦会スッゴく楽しそう!やろうよ!リンネちゃん、ロゥリィちゃん、エリカちゃん、ピーちゃん♥」

 

鹿目まどかは笑顔で賛同した。

 

「はいっ!私も交ぜて頂いて嬉しいです!」

 

リンネ様もウキウキしている。女神の仕事で他の女神や同性との交流は余りなさそうだもんな。

 

「いいわねぇ、やりましょう親睦会。私楽しくなってきたわぁ♥」

 

ロゥリィさんも楽しそうにしている。

 

「親睦会⋅⋅⋅⋅?随分と余裕ね⋅⋅⋅⋅⋅まっ、悪くはないわね」

 

少々、素直ではないがエリカも親睦会に賛同する。

 

「ぐわぁー!ぎゅわー♥」

 

何を言ってるのかは解らんがデスピサロこと、ピーちゃんのヤツも嬉しそうに足をバタバタしてハシャイでいる。埃が立つからチョッと加減はしてほしいがな⋅⋅⋅⋅⋅

 

「ふふっ、かつての愛弟子達や里の子供たちを、思い出すわい。」

 

扉間さんも一歩引いた視点で皆を眺め、自分が兄、柱間さんと築き上げた里の子供たちを見るような穏やかな顔で俺たちを見つめる。

 

「何だかスゲー賑やかだなぁ⋅⋅⋅⋅向こう側のヤツらを思い出しちまうぜ⋅⋅⋅」

 

エドのヤツは皆を見て元の世界にいる弟とその仲間たちの顔を思い浮かべている様子だ⋅⋅⋅⋅⋅

 

「よーし!決まりだね!では⋅⋅⋅⋅ドラえもんくん。是非ともポケットの中にある秘密道具で親睦会の準備を頼みたい!よろしいかな?」

 

やれやれ、アズサのヤツ⋅⋅⋅⋅⋅親睦会を発案しといてドラえもんの道具頼みなのかよ。ま、予想はしてたがな⋅⋅⋅

 

「うふふっ、よーし!僕に任せなさい!!22世紀の未来からやって来た猫型子守り用ロボット、ドラえもんに不可能はない!⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅多分」

 

 

オイっ!最後の多分で俺は不安になっちまうぞっ!ま、しゃあねえか⋅⋅⋅

 

コイツ⋅⋅⋅ドラえもんは奇妙な偶然の出会いにより俺のスタンドになった⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

正直これからどうなるか何て女神様でもわからない⋅⋅⋅⋅⋅だけどよ、ドラえもんの取り出す不思議な道具とアズサ、そして集った頼もしい仲間達と共にキュゥべえの野望を必ず打ち砕いてやるぜ!

 

 

 

 

 




今回で取り敢えずパッと頭に思い付いた話は以上です。正直このまま続けていけるかは分かりませんが、とにかく気長にやっていこうと思います。気になる点や意見と感想を是非にお願いします。それでは、また!


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キャラ紹介その1

御奈巳晴明(みなみはるあき)

 

本作のオリジナル主人公その1

中学の時からの腐れ縁にして趣味友の東雲アズサの親友。少年マンガの様な熱血バトルを渇望しており、その影響で空手をたしなんでもいた。

 

普段はヤレヤレ系だが上記の熱血バトルや友情・努力・勝利に強くこだわっている。一旦落ち込むととことん卑屈になり、凄く面倒臭いキャラになる。

 

結構状況に流され安い所もあるが、いざとなると肝がすわり、トンでもない行動力を見せる。スタンド能力は女神リンネからもらったがアクシデントにより、別の時空から事故でやって来たドラえもんとぶつかった際、ドラえもんがスタンドになってしまう事になり、運命共同体となる。結構弄られキャラ。

 

仲間

ドラえもん

鹿目まどか

ロゥリィ・マーキュリー

エドワード・エルリック    

 

 

東雲アズサ(しののめあずさ)

 

本作のオリジナル主人公その2

晴明の自称親友にして熱血少年マンガオタクの道に引きづり込んだんだ張本人。

晴明いわく、容姿端麗、頭脳明晰、運動神経・スタイル抜群でオマケに家は超がつくほどの大金持ちのカリスマ性溢れるチートキャラ。

 

重度のオタク趣味で漫画、アニメ、ゲーム、等を網羅するエリートオタクである。学友には恵まれてはいたがオタク趣味の為、精神的には常に孤独を感じていたが中学で晴明に出会い、半ば強引にオタクの道に引き釣り込み、信頼のおける親友の間柄になる。

 

性格は飄々として捉え所がなくやや、上から目線で話すものの、竹を割った様なさっぱりさがある為イヤミに見えない。何事も楽しんで取り組み、女神リンネから世界救済の為に呼ばれてもいち早く順応した。

持ち前の知識、冷静さ、判断力、圧倒的カリスマにより老若男女から好かれている。  

  

スタンド名 アビス・ノクターン

      (深淵なる夜想曲)

 

女神リンネからスタンド能力を希望して身につけた。近距離パワー型で重力を操る非常に強力なスタンドである。

 

破壊力ーA  スピードーB

射程距離ーC  持続力ーB

精密動作性ーB  成長性ーA

 

仲間

千手扉間 デスピサロ

逸見エリカ

 

 

ドラえもん

 

ご存知!説明不要!落書き無用!みんな大好きドラえもん(笑) 

本作主人公その3

 

のび太の小学校卒業をメドに別れを告げ、元の時代へドラミと帰郷している最中に突然の時空乱流に巻き込まれ女神リンネの空間へとたどり着いた。

 

晴明が女神リンネから能力付与されるタイミングで時空の裂け目から落ちてきて晴明にぶつかってしまった事により彼のスタンドになってしまった。

 

ステータスは、さほどではないが多数の秘密道具により様々な状況に対応出来る万能タイプ。自動遠隔操作型のスタンドとなっているため本体から離れて活動し、意志疎通が出来る。

 

晴明自身はスタンド使いだが、ドラえもんがイレギュラーでスタンドになった為、晴明はドラえもんの秘密道具を使って戦うことになる。話しが進むにつれ晴明とのコンビネーションが巧みになり、息ピッタリとなる。

 

破壊力ーC スピードーD

射程距離ーA 持続力ーA

精密動作性ーC 成長性ー?

 

 

女神リンネ

 

修学旅行に来ていた晴明とアズサを自分の世界に転移させた張本人。

 

晴明とアズサの世界を管理、調整し見守っている。女神と名乗っているが厳密には神々ではなく、超高次元生命体と呼ばれる存在。元魔法少女をやっていたが数々の功績が認められ、次元昇華して女神となった。

 

突然キュゥべえと名乗る正体不明の存在に世界を管理するシステムを乗っ取られた為、キュゥべえの提案するゲームに参加する事を余儀なくされた。

 

性格は優しく聡明だが、気弱で押しに弱い所があり、突発的な事が次々と起こって心労が絶えない。女神となってまだ100年目なので、まだ経験不足な所がある。今回はそこを運悪くキュゥべえに漬け込まれてしまった。

 

 

 



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キャラ紹介その2

チーム晴明

 

鹿目まどか 

 

晴明が仲間を呼び出すガチャで召喚した可憐で可愛い魔法少女。武器は木製の花がついた弓矢。矢は魔法により敵を自動追尾して命中させる事が出来る遠距離タイプ。

 

性格は優しく、協調性があり皆の癒し担当。

何故か女神リンネと面識があるみたいだが⋅⋅⋅⋅?

 

 

ロゥリィ・マーキュリー

 

戦いの神エムロイに仕える神官で亞神と呼ばれる存在。

見た目は14から16歳ぐらいだが実は961歳。高い戦闘力を誇る、チームの優秀なアタッカー。

 

独特な喋り方をして妙な色気を漂わせている。ドラえもんの事が気に入り暇を見てはドラえもんとイチャついたりする。武器は巨大な槍斧のハルバードで近距離タイプ。

 

 

エドワード・エルリック

 

鋼の錬金術師と呼ばれている優秀な錬金術師。身長が低い事を、気にしており晴明(正確にはドラえもん)に仲間として召喚早々に豆つぶ呼ばわりされて

怒り狂った。

 

短気ではあるが頭の回転は早く、器用で体術、錬金術、スタンド能力迄も有しており、距離を選ばないオールラウンダーである。

 

スタンド名

フルメタル・アルフォンス

   (鋼の兄弟)

 

破壊力ーA  スピードーC

射程距離ーD   持続力ーB

精密動作性ーC  成長性ーD

 

近距離パワー型のスタンドで普通の人間にも見える。アルそっくりのスタンドで自ら装着も可能であり、高い防御力を有している。また、スタンドと共に格闘戦を仕掛けたり、片方が錬金術で中距離、広範囲で迎撃したりと戦い方の幅が広いのが強み。

 

 

チームアズサ

 

千手扉間

 

元の世界では火の国木の葉の里を治めた、二代目火影だった伝説的忍び。 

 

性格は合理的で無駄がなく、場合によっては人から卑劣と呼ばれる方法を用いても事を成し遂げる。晴明達には一歩引いて全体を見渡す余裕のある大人として頼られている。

 

様々な忍術を修めているが、特に水遁忍術を好んで使い、飛雷神の術での瞬間移動は強力。距離を選ばず攻めと守り、サポートと何でもこなすオールラウンダー。 

 

 

デスピサロ

 

ドラクエⅣのラスボスキャラ

本作ではアズサにガチャで召喚されたが何故か理性がなく、狂気に狂って暴れたが、アズサのスタンドの前にあっさりと躾される。その後ドラえもんの秘密道具で従順で穏やかになり、すっかり皆のマスコット兼ペットとなる。

 

ドラえもんの道具で普段は小さく、ぬいぐるみのようなデフォルメ姿で過ごす。

魔王らしく強力な力と技を持ち、チームアズサの切り札的存在である。

 

 

逸見エリカ

 

戦車道の名門、黒森峰女学園の副隊長を勤めていた才女。

 

性格はプライドが高く男嫌い。自分は元より、他人にも厳しい性格をしており、それが原因でロゥリィやエドとも度々衝突してしまう事がある。

 

戦闘は女神リンネから与えられたスタンド能力で戦い、接近戦もこなせる中距離タイプ。

 

個人的に何やら焦っており、ドラえもんにもツラく当たってしまったが、和解した後ドラえもんには妙に心を開いている。

 

スタンド名

シュバルツバルド・パンツァー

   (黒き森の戦車隊)

 

破壊力ーB スピードーC

射程距離ーC  持続力ーC

精密動作性ーC 成長性ーB

 

戦車オンリーの群体型のスタンド。一機やられてもダメージを受けない。

中距離戦闘を得意とし、前面集中砲撃や、様々な角度からの多角的な攻撃を仕掛けられる。また、自分の世界で乗車していた戦車を自分の身体に発現する事により、高い守りで接近戦でも対応できる。

 

西住流戦車道に沿った戦い方をする為、やや、搦め手に脆い部分があり、トリッキーな戦いをしてくる相手とは相性が悪い。

 

成長するごとに戦車の数、砲撃力、射程距離、機動性、速射性が上がり、重力を無視して壁や人に登らせての強襲も可能になる。

 

 



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11話 親睦会

色々一悶着合ったが、俺たちは親睦会を始める事になった。

 

「グルメテーブルかけ!」

 

ドラえもんがポケットから例の如く秘密道具を取り出し準備をしてくれた。

テーブルかけからは様々なパーティー料理が生み出され豪華絢爛に並んだ!

 

ローストビーフを始めとした肉料理に、海鮮料理、野菜、麺類とか、和洋中の料理が並び、各種スイーツ系も揃っており、皆の目が驚きと食欲に満ち溢れ輝いている。勿論俺もだ!

 

所謂ビュッフェ形式なので各々が好きな料理を好きなだけとり、ゆったりと楽しめるといった形式だ。昔アズサの誕生日に参加した時を少し思い出す。あんときは、初めての豪華な立食でアタフタしたもんだ⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

「さっ、皆好きなだけ食べてね!」

 

ドラえもんの言葉を皮ぎりに皆各々好きな料理を皿に盛り始める。

 

「ギャウウ!ガウウ⋅⋅⋅⋅」

 

突然デスピサロこと、ピーちゃんが困った様な声と表情をして唸った。

 

「あっと、いけない⋅⋅⋅⋅どうやらピーくんは人間ではなく幻獣の類いに位置する。我々と同じ食事は些か合わないみたいだ⋅⋅⋅⋅⋅ドラくん!何とかならないかな⋅⋅⋅⋅?」

 

アズサが直ぐ様ピーちゃんが何で困っているかを察した。

 

「あっそうか、ゴメン!ピーちゃんは人間じゃないから同じ食事が出来ないんだね⋅⋅⋅⋅よーし!僕に任せて!」

 

ドラえもんはポケットをまさぐると、何やら奇妙な光線銃を取り出した⋅⋅⋅?

 

「デフォルメペット化光線銃ー!!これは猛獣や怪物、奇妙な生物を可愛いらしくデフォルメして変化させる道具なんだ!見ててね」

 

取り出した道具をピーちゃんに向けて引き金を引く。すると淡い光がピーちゃんを包み込み⋅⋅⋅⋅⋅⋅ポンッ!

ピーちゃんこと、魔王デスピサロは実に可愛らしい小さなぬいぐるみの様な姿になった!?

 

「わぁ~!可愛い♥」

 

「あらぁ、随分と小さくなったわねぇ」

 

「ふむ、流石ドラくんだ!見事あっさりと解決してくれたね!ありがとう!」

 

「まぁ⋅⋅⋅⋅結構いいんじゃない⋅⋅⋅⋅(ナニあれ可愛いじゃない!もふもふしたいわ⋅⋅⋅⋅♥)」

 

「ほう⋅⋅⋅⋅これは変化の術の類いか⋅⋅⋅やりおるな」

 

「おっ、なかなか可愛いじゃねえか!(俺より小さいしな)」

 

「本当にドラえもんさんは不思議な道具をお持ちですね⋅⋅⋅⋅!」 

 

「きゃう!ギャウ♪」

 

ぬいぐるみの様に愛らしく小さくなったピーちゃんは皆に愛されて喜び、足を踏み踏みしたステップをしてご機嫌な様子だ。

 

「うふふ♥喜んでるね!あとこれも⋅⋅⋅⋅万能ペットフードグルメン~!!」

 

取り出した袋の中身を器に取り出し、ピーちゃんの前に持っていく。

目の前の専用のゴハンにピーちゃんはとっても喜び、口に放り込んでほっぺたをハムスターみたいに膨らましてご満悦な感じだ。⋅⋅⋅⋅しかし、魔王がペット扱いってそれでも良いのだろうか?まあ、ピーちゃん自身は満足そうにしてるからまあ、良いか⋅⋅⋅⋅

 

「さあ、乾杯して僕たちも食べよう!」

 

皆グラスを手にして乾杯した。俺は皿にローストビーフに唐揚げ、豚の味噌漬け焼き等肉料理を盛り合わす。

 

「おいおい、晴明くん!野菜もしっかり取ることまオススメするよ。何事もバランスだからねぇ」

 

アズサはまるでオフクロさん見たくブロッコリーやらキャベツの千切り、大根サラダも盛りつけてくる。分かってるよっ!気恥ずかしいから勘弁してくれ。

 

「おっ!こりゃウメえー!!」

 

「ふむ、この寿司とやら海魚を使った料理はサッパリとして口によく合うわい」

 

「ウフフ⋅⋅⋅⋅これでお酒があれば最高ねぇ」

 

(ハンバーグ!ハンバーグ♫美味しい♥)

 

「このケーキとっても美味しいです♥」

 

「こっちのチーズケーキも素晴らしいです♥」

 

 

 

皆、思い思いに料理に舌鼓みをうち、いい雰囲気だ。ドラえもんのヤツはまたもどら焼きを頬張っている。食べ過ぎると糖尿になるぞ⋅⋅⋅⋅って、アイツはロボットだってこと忘れていたな⋅⋅⋅⋅⋅それに今は俺のスタンドだし⋅⋅⋅⋅まっ、いっか。

 

ふと、そんなドラえもんにロゥリィさんは身体を寄せて密着して甘い囁き声で

 

「ウフフ⋅⋅⋅⋅ドラちゃんったら本当にどら焼きが好きなのねぇ⋅⋅⋅⋅今度私が手作りの特製どら焼きを作ってあげるわぁ⋅⋅⋅♥」

 

「えっ、本当!?わぁー僕とっても楽しみだなぁ!」

 

「ちょっとあんた!ベタベタとドラえもんにくっつき過ぎよ!少し離れなさい!!」

 

逸見エリカが二人に注意を促す。もしかしてお前、嫉妬してるのか?

 

「あらぁ~?もしかして貴方⋅⋅⋅⋅ドラちゃんが私と仲良くしてるのが気に入らないのかしらぁ~?ヤキモチなんて焼いて可愛いじゃない~♥」   

 

「な、な、何言ってんのよっ!?ただっ、私はあんたがくっつき過ぎてドラえもんが迷惑してるんじゃないかと⋅⋅⋅⋅⋅」

 

「別にドラちゃんは迷惑なんか感じていない様子よぉ~⋅⋅⋅貴女って本当、分かりやすいお子ちゃまねぇ~♥」

 

「なんですってー!!」

 

いかんヒートアップしてきたぞ!?俺はつい、でしゃばりそうになるが先にアズサが二人の間に軽やかに入り仲裁する。

 

「はっはっはっー!!二人共、そこまでだよ!せっかく皆がドラくんの提供してくれた料理を楽しみ、親睦を深めているのにそれは無粋だろう?まあ、最もドラくんはまん丸でつい抱きしめたくなるがね!」

 

アズサのヤツもドラえもんにぴったりと寄り添いバグした。

 

そんな様子をみていたまどかも悪ノリして便乗する。

 

「エヘヘ、私も混ぜてねっ!」

 

「そ、それではワタクシも⋅⋅⋅⋅」

 

女神リンネ様迄もがドラえもんにくっつきハグし出した。ドラえもん⋅⋅⋅⋅お前は何処のラノベの主人公なんだ?

 

 

「⋅⋅⋅⋅⋅⋅うぬぬ、何よ!あんた達わっ、私だって負けないわよ~!!」

 

ついにエリカも我慢出来ず、ドラえもんに抱きついて来てもみくちゃになりテンヤワンヤになっている。

 

「⋅⋅⋅⋅⋅⋅何やってんのかねぇ⋅⋅⋅⋅ハルアキ、えーとアイツ、ドラえもんはちょっとした事故でお前のスタンドになったんだっけか?」

 

料理をこんもりと盛った皿を片手に、女子達の様子に半ば呆れながら口をモゴモゴさせながらエドが尋ねてきた。

 

「ああ、何の因果かは知らないがそうなっちまった訳だ。まあ、最初はアイツが俺のスタンドになったのには納得出来なかったが、今は頼もしく感じてる⋅⋅⋅⋅で、エドお前は何でスタンド能力迄持ってんだ?」

 

「ああ、それはな、オレん所に来た女神リンネの使いがよぉ?錬金術無しではこの先の戦いは厳しくなるからって召喚主⋅⋅⋅⋅つまり、ハルアキとアズサに見習ってスタンド能力を授けましょうってスタンド能力について説明した後に付与されたって訳だ」

 

 

⋅⋅⋅⋅もしかしてその、使いってヤツ第一シリーズのエドと原作恭順の第二シリーズのエドと間違えてないか?原作のエドは最終回で弟アルフォンスを取り戻す代価に錬金術そのものを代価して取り戻し、その代わりエドは錬金術が仕様不可になった。対して第一シリーズのエド⋅⋅⋅つまり、今目の前にいるエドは錬金術を失っていない訳で⋅⋅⋅⋅あ~っやっぱり使いの人、間違えちまってるよ!だあー!体術、錬金術に加えてスタンド能力はチートすぎるわっ!

 

ドラえもんは俺のスタンドつー事になったが完全に単独で活動可能で、スゲー道具がある。対して俺は未熟な空手しかない⋅⋅⋅⋅⋅いや、落ち込むな俺!何とかなる、イヤ!してみせる!  

 

そんな様子を見ていた扉間さんが声をかけてくる。

 

「晴明よ⋅⋅⋅己の力不足に悩んで居るなら儂で良ければ忍び体術の手解きをしてやろう⋅⋅⋅⋅どうだ?」

 

と、扉間さん⋅⋅⋅⋅!!俺は感激して二つ返事で頷いた。

 

「扉間さん!ありがとうございます!!是非、お願いします!」

 

「ハッ、しょうがねえなあ。俺も組手に付き合ってやるよ。アルが居なくて少し鈍ってるからな!」

 

「エド⋅⋅⋅⋅!ありがとよっ!」

 

俺は二人の気持ちに心から感謝した。

 

 

「フフン♪晴明くん良かったじゃないか♫君が嬉しいと私迄嬉しくなるよ!」

 

何時の間にか後ろから腕を回してきたアズサは上機嫌で俺にくっついてきた。お前な⋅⋅⋅⋅人前で密着するなよな⋅⋅⋅⋅恥ずかしいだろう。

 

俺の相棒にしてマイスタンドであるドラえもんも、ようやく女子達から解放されて此方によってきた。

 

 

「ふう~⋅⋅⋅⋅嫌われるよりはいいけど流石に目が回る⋅⋅⋅⋅⋅」

 

「はははっ、モテモテだなお前は」

 

目を回してフラフラのドラえもんを見てると流石にどこぞのラノベや、なれる小説の主人公みたいな感じの様にはいかないみたいだ。

 

 

「晴明さん、このケーキ美味しいですよ!良かったらどうぞ♥」

 

まどかちゃんがイチゴのショートケーキを俺に差し出してくれた。

 

「おおっ!美味しいそうだな!ありがたく貰うよ」

 

俺はケーキを一口、口にする。うん!こりゃ旨い!クリームの程よい甘さとスポンジのふっくら加減、そしてイチゴの甘酸っぱさが三位一体になって口に広がる。

 

「でしょう♥本当に美味しくてもう最高だよ!」

 

まどかちゃんは心底楽しくて嬉しい笑顔を浮かべている。

女の子は甘い物が主食と言っても間違いじゃないからな。

 

 

「晴明くん。私にもくれないかい?」

 

珍しくアズサがおねだりをしてきた。俺は一口分に割ったケーキをアズサの口に運んでやる。

 

「ほらよ」 「ありがとう⋅⋅⋅うん!これは美味しいね!」

 

 

「⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅あんた達そう言う仲なの?」

 

エリカがジト目になって俺達に言い放つ。

 

「いやいや、違うぞエリカ、俺達は同じ高校のクラスメイトで中学からの腐れ縁でまあ⋅⋅⋅⋅なんつーか?オタ友ってやつかな?」

 

「フフフ⋅⋅⋅⋅晴明くん。照れなくても良いんだよ?私達は親友の間柄だとはっきり言ってやればよいのだよ!」

 

尚も腕を俺の首元に回して密着しているアズサの答え方にエリカは若干の呆れ顔をした。

 

「奇妙な間柄ね⋅⋅⋅⋅まあ、いいわ。私自身男は信用もしていないし、当てにするつもりもないけどまあ、精々足を引っ張らないように頑張りなさい」

 

 

それだけ言ってエリカはケーキコーナーの方にいった。

もしかしてエリカなりの励ましなのだろうか?

 

「彼女らしい発破のかけ方だねえ⋅⋅⋅⋅どれ、私もケーキコーナーへ行ってくるよ」

 

アズサもケーキコーナーへと向かっていく後ろ姿をボンヤリと見ていると足下でデスピサロのピーちゃんが何やらがなり立ててきた。

 

「ぎゃう、がう!」

 

⋅⋅⋅⋅⋅⋅もしかしてお前もケーキが食べてみたいのか?う~ん⋅⋅⋅⋅モンスターだから別に大丈夫かな?

俺は一口分に分けたケーキをピーちゃんの口に放り込んでやった。すると、

 

「ぎゃう~♥」

 

ピーちゃんはとてもハッピーな声と表情になり上機嫌で足をバタバタした。ピーちゃん⋅⋅⋅⋅魔王はどうやら甘党らしい。

 

ピーちゃんはにこやかな顔をして俺にさっきまで食べていたグルメンをお返しとばかりに掴んで渡してきた。

いや⋅⋅⋅⋅気持ちだけで十分だから⋅⋅⋅⋅

だが、せっかくの気持ちを無下にも出来ないので取り敢えず受け取った。

 

「あははっ、すっかり仲良しさんですね」

 

まどかちゃんは俺とピーちゃんのやり取りをみて微笑んでいる。

 

「あらぁ~?先を越されちゃったわねぇ~♪」

 

ケーキやどら焼きをどっさりと盛り付けた皿を片手にロゥリィさんが呟いた。どうやらピーちゃんを餌付けしようとしてたみたいだ。

 

「ぎゃう!がう!」

 

皿に盛り付けられたケーキをみてピーちゃんは瞳を輝やかせている。因みにもう一匹⋅⋅⋅⋅いや、一人か?こいつも瞳を輝かせている。

 

「わーいどら焼きだぁ!」

 

ドラえもんの奴、だらしなく口を開けて瞳をキラキラしてやがる。お前はさっきまで食べてただろが、少し自重しろ!

 

 

「うふふ♥ドラちゃん用に抹茶味や、生クリーム入り、栗入り、ちょっぴりビターなティストのコーヒー味も持って来たわぁ♪まどかもピーちゃんも晴明も食べましょう♫」

 

「わあー♥ありがとうロゥリィさん!」

「ぎゃうぎゃう♥」

「ああ、頂くよロゥリィさん」

 

「さあっ、ドラちゃ~ん♥あ~んして♥食べさて⋅⋅⋅⋅ア・ゲ・ル♥」

 

「でへへ⋅⋅⋅⋅何だか照れくさいなぁ⋅⋅⋅⋅」

 

ドラえもんは更にだらしなく、締まりのない顔をしてロゥリィさんに切り分けたどら焼きを食べさせてもらっている。はっ~やれやれだ⋅⋅⋅⋅⋅⋅すると⋅⋅⋅⋅

 

「ちょっ、こらっ、待ちなさいよ!ロゥリィ!抜け駆けしてんじゃないわよっ!」

 

⋅⋅⋅⋅案の定エリカも皿に色んな味のどら焼きを山程盛り付けてやって来た。

 

「あらぁ~⋅⋅⋅⋅⋅エリカァ⋅⋅⋅⋅貴女もドラちゃんにあ~んしてあげたかったのねぇ~⋅⋅⋅⋅でも残念!今は私とドラちゃんのラブラブタイムよぉ~♥」

 

お約束どうりロゥリィさんはエリカを挑発めいたからかいで一蹴した。

 

「ぐぬぬっ⋅⋅⋅⋅⋅まだよ⋅⋅⋅⋅まだ終わってないわ!はいっ!ドラえもんこっちも美味しいわよっ!!!」

 

フォークに刺したどら焼きを無理矢理ドラえもんの口に運んだ。幸いドラえもんの口は無駄にデカイので何の問題なくおさまった⋅⋅⋅⋅

 

「うふふ⋅⋅⋅⋅僕幸せ~♥」

 

二人の美人からどら焼きを食べさせてもらい、ドラえもんは溶けるような顔でモグモグしている。

 

 

 

「あははっ、全くドラくんはモテモテだねぇ。よーし⋅⋅⋅では晴明くん。コチラも負けていられないねぇ!口をあ~んとしたまえ!さっきのお返しだよ!」

 

いつの間にか隣にいたアズサが便乗して負けじと俺にケーキを食べさせようとする。

いや、待て!流石に恥ずかしいから勘弁してくれ⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

「あ、あの晴明さん!あ~んして下さい!」

 

隣にいつの間にか着た女神リンネ様迄が何故か俺にケーキを食べさせようとする⋅⋅⋅⋅⋅⋅本当に何でだ?

 

「フフフ⋅⋅⋅⋅晴明くん。せっかく美少女二人から、ましてや一人は女神様直々に食べさせてくれるんだよ!ここで断るのはヘタレ過ぎるねぇ⋅⋅⋅⋅」

 

⋅⋅⋅⋅いや、自分で美少女言うな!つーかヘタレ言うな!扉間さん!エド!どうにかしてくれ!俺は視線を二人に向けるが二人はまどかちゃんが皿に盛り付けて持ってきたケーキやパイらしきスイーツに舌づつみをうっていた⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

「このような甘味物は初めて味わうが脳にガツンとくる美味さよの」

 

「おっ!このアップルパイ旨いな!アルの奴にも食べさせてやりてぇな⋅⋅⋅⋅」

 

こりゃダメだ⋅⋅⋅⋅

 

 

「さあ晴明くん!」 「晴明さん!」

 

俺は観念して美味しくあ~んして頂いた⋅⋅⋅⋅⋅二人は満足感溢れる笑顔で残りのケーキを堪能している。まさか俺がこんな漫画やネット小説の主人公みたいな事をするとはな⋅⋅⋅⋅あ~照れくせえ!ドラえもんの事をとやかく言えないなぁ⋅⋅⋅⋅

 

   

 

 

 

 

 

 

 

一通り料理も食べ終わり、そろそろお開きの雰囲気になってきた。

 

 

「それでは皆さん、改めて今回の旅の目的をさせて頂きます。今回の事の発端は全てワタクシの至らさによるものです⋅⋅⋅⋅⋅情けなくもキュゥべえと名乗る生命体に管理システムを乗っ取られ、彼らの条件を呑まざる得ない事になりました⋅⋅⋅⋅⋅そして厚かましくも皆さんの力をお借りして、各世界に潜んでいるキュゥべえが派遣したボスを全て倒すというのが取り敢えずの目的です。皆様からみれば何とも迷惑なお願いですがどうか何卒宜しくお願い致します⋅⋅⋅⋅」

 

 

リンネ様は平身低頭で皆に頭を下げて懇願した。

こうやって話を聞くと本当に女神リンネ様は運悪くとばっちりを受けただけなんだよな⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

「そんなに頭を下げなくてもいいわぁ⋅⋅⋅⋅そのキュゥべえとかいうのをしっかり八つ裂きにしてあげるからぁ⋅⋅⋅⋅♥」

 

ロゥリィさんは戦いを好んでいるため実に物騒な事を言う⋅⋅⋅てかっ、ヤツラは八つ裂きにしても代わりのキュゥべえが来て霧が無いんだよな⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

「ウェヒヒヒ⋅⋅⋅⋅⋅♥大丈夫だよ!リンネちゃん!皆、スッゴク頼もしいもん!絶対大丈夫だよ!」

 

魔法少女であるまどかちゃんが奇妙な笑い声を出してリンネ様を安心させる。

 

 

「私たちは絶対に負けないわ!何が何でも成し遂げて見せる!黒森峰戦車道の一員の意地と誇りにかけて⋅⋅⋅⋅」

 

エリカも気力がみなぎっている。

 

 

「キュゥべえとやらがどの様な存在かは計り知れぬが、マダラ以上でない限りはそう易々と遅れを取るつもりはない」

 

流石扉間さん!頼もしいぜっ!

 

 

「どんなヤツだろうと俺と⋅⋅⋅⋅俺達との格の違いを見せてやるぜ!なあ、ハルアキ!!」

 

「ああっ!そのとうりだぜ、エド!!」

 

何だか昔からのマブダチみたいな間柄で俺とエドは意気投合する。

 

 

「ぎゃう!がう、がう!」

 

デスピサロこと、ピーちゃんも気合いがこもっている。⋅⋅⋅⋅⋅⋅何言っているのかはわからんが⋅⋅⋅⋅

 

 

「大丈夫だよリンネ様。僕たち全員力を合わせれば何も恐れるモノはない!だから安心して僕らの帰りを待っててね!」

 

「ドラえもんさん⋅⋅⋅⋅⋅⋅」

 

「そうだぜ、リンネ様。アクシデントとはいえ、こんなにすげぇチートな道具を持つドラえもんが俺のスタンドにして頼れる仲間なんだからさ、気楽にしててくれよ、なっ!」

 

「晴明さん⋅⋅⋅⋅」

 

「リンネ様我々にお任せを⋅⋅⋅貴女様の可愛い顔を悲しみに染めたキュゥべえの野望は必ずや阻止して見せましょう⋅⋅⋅⋅⋅!!」

 

「あっ、アズサさん⋅⋅⋅⋅⋅♥」

 

最後はアズサが締めてくれたが天然タラシの為、今一何とも言えない空気になる⋅⋅⋅⋅⋅まあ、いいけど⋅⋅⋅⋅

 

「あっ、それでは忘れない内に晴明さんとアズサさんに生命力の底上げと精神耐性をお付けしますね。どうか⋅⋅⋅⋅皆さんよろしくお願いいたします」 

 

 

リンネ様から生命力底上げと精神耐性を貰った。多分これでちょっとや、そっとで死にはしないだろ。精神耐性はどうなのかはわからんが⋅⋅⋅?

 

 

「よーし、準備はいいかな?皆出発するよ!」

 

「オー!!」

 

ドラえもんはキュゥべえから渡された異世界転移の為のゲートジュエルを掲げる。さあ!いよいよだ!気合い入れてくぜっ!

 

 

ドラえもんがゲートジュエルを作動させると目の前に光の穴が出現した。これがゲートか⋅⋅⋅⋅!

 

「出発進行!」

 

何故か、ドラえもんが先導してゲートへと皆入った。まあ、アイツの言うことが本当なら色々冒険の経験値が高いから大丈夫だろう。光に包まれて異世界へと俺達は旅立った⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

 

「皆さんどうか無事に生還出来ますように⋅⋅⋅⋅⋅⋅」

 

 

 

 



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12話 強襲!ドラクエモンスター軍団1

UA1400突破!見てくれてる皆様に感謝です!今回の話はドラクエの戦闘BGMを聴きながら読むと良いかも?です。


俺、御奈巳晴明と東雲アズサ、そして頼もしい仲間たちとキュゥべえの野望を阻止すべく、ゲートジュエルで異世界転移している最中だ。

 

 

どうやら出口らしきゲートが見えてきた。一瞬眩い光に包まれて気がつくと

辺り一面おどろどろしい雰囲気でやや薄暗い草原に俺達は着いた。

 

 

「ここが異世界なのか?」

 

エドが辺りを警戒しつつ、周りを見渡す。

 

「何だか昔冒険した魔界世界みたいなイヤな感じがするなぁ⋅⋅⋅⋅」

 

「えっ、魔界世界ってそれってかなりヤバくないか?」

俺は少し焦りつつ、ドラえもんに聞き返す。

 

「みんな!遮蔽物がないから円陣をくんで警戒するんだ!」

 

アズサも初めての異世界でいきなり嫌な感じの場所に出たので気を張りつめている様子だ。

 

「ウフフ⋅⋅⋅⋅♥いいわぁ⋅⋅⋅このピリピリした感じ⋅⋅⋅⋅⋅血が滾ってきちゃうわぁ⋅⋅⋅⋅」

 

ロゥリィさんは戦の神に仕える武闘派神官なだけに目を輝かせている。

 

「くっ⋅⋅⋅⋅⋅」 「ぎゃう⋅⋅⋅⋅⋅」 「きっ、緊張しますね⋅⋅⋅⋅」

 

エリカ、ピーちゃん、まどかちゃん達は緊張した面持ちで周りを警戒している。俺も段々と焦りが高まって背中に汗が垂れるのを感じている。くそっ、ここはどんな世界で、何処なんだ此処は⋅⋅⋅⋅

 

「⋅⋅⋅⋅皆、一回深く呼吸をするがいい。儂は感知能力に秀でておる故、いの一番に敵を察知できる。今の所周りに敵はおらん。少し力みを捨て脱力して備えるのだ」

 

やっぱり扉間さんは頼りになる!大人で戦闘経験が豊富で冷静沈着で本当に凄い!!

 

 

 

⋅⋅⋅⋅⋅どれくらい時間がたっだろうか?恐らく本の2、3分程度のはずだろうが精神的には一時間位に感じられ、緊張しまくりだった⋅⋅⋅⋅

 

 

「みっ、皆落ち着いて!これでも飲んでリラックスしよう!」

 

そう言ってドラえもんは自分のポケットをまさぐり俺にある物を渡してきた。

 

オウ!サンキュー!ドラえもん。

ゴクッ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅!?ぶほぉー!!??

俺は盛大に吹き出した⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

「ぐへっ、ごほっ!何なんだよっ、これは!?

 

「あ~⋅⋅⋅⋅⋅⋅ゴメン、ごめん!間違えてネコ型ロボット専用エナジードリンク『マタタビX』を渡しちゃったよっ、てへへ♥」

 

「てへへ♥⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅じゃぁねえ~!!!ロボット専用のモンを渡すなー!!

まずはお前が落ち着け!!そんで

ポケットの中整理しとけやー!!!!」

 

  

  ・・・・・・・・・・

 

 

「ぶほっ」 「くくっ」 「くすっ」 「ぷっ」 「ぎゃっふ!」 「ふふっ」 「うふっ」⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

「あっははははは!!!!???」

 

 

思わずドラえもんに大声でツッコミを入れた瞬間、堰を切ったように全員が盛大に大笑いし出した!!

 

な、何か恥ずかしい⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

「ふっ、くくく⋅⋅⋅⋅⋅イヤ~晴明くん、ドラくん!君たち二人は本当に⋅⋅⋅⋅⋅フフフ、ははは!!!」

 

アズサの奴は腹を抱えて心の底から笑っている。幾らなんでも笑いすぎだろ⋅⋅⋅⋅⋅

 

「何よ!さっきまで警戒を高めて緊張してたのがバカみたいじゃないの!」

 

相変わらずのエリカの物言いだが珍しくエリカも肩をプルプル奮わせて笑いを堪えているみたいだ。

 

「ぶふぉーわ!!」

 

⋅⋅⋅⋅⋅って、結局堪え切れず吹きやがった。

 

 

「いひひひっ、お前ら二人良いコンビじゃねえか!『マンザイ』で金がとれるぞ!」

 

人を指さしながらエドが涙目になりながら笑っていやがる⋅⋅⋅⋅⋅!

誰が漫才コンビだぁー!?ふざけんな!

 

 

「もう、晴明さんとドラちゃんったら⋅⋅⋅⋅⋅!」

 

「ぎゃうぎゃうぎゃう~♪」

 

「ドラちゃんって本当に可愛いわ~♥ハルアキィ~貴方もなかなか面白いわねぇ♪褒めてあげるわぁ♫」

 

褒められても全然嬉しくねえですよっ!

 

 

「はっ晴明よっ、ぶっ!ドラと、ぐふっ!なかなか⋅⋅⋅⋅⋅⋅ぶふー!!」

 

扉間さんも笑うか何か伝えるか、どっちかにして下さいよっ!

 

 

「イヤ~失敗!失敗!ゴメンねえ晴明くん。こっちのスポーツドリンクと間違えて渡しちゃったよ」

 

「そんなイージーなミスすんな!わざとじゃないだろうな?このポンコツロボ!」

 

「むっ!それは聴きずてならないぞ、ちょっと間違えただけじゃないか!このヘタレ男!」

 

「何だとぉ~!!この青タヌキが!」

「何だとぉ~!!この影薄の無能が!」

 

俺とドラえもんは互いの手で押し合いしながら、いがみ合い罵りあった。

 

 

  「ぬぎぎぎぃー!!×2」

 

 

 

「⋅⋅⋅⋅⋅⋅二人共、ジャレ合うのはそこまでにしておけ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅来るぞっ!」

 

 

イヤっ、扉間さん別にジャレ合ってる訳では⋅⋅⋅⋅⋅そう言いかけた瞬間、イヤな感覚が俺の全身を駆け巡った!!

 

     スウッ⋅⋅⋅⋅⋅

 

目の前の空間から見覚えのある奴等がその姿を現した。

 

「ギィー」 「グルル」 「ウィー」 

 

奇っ怪なうねり声を上げて無数の怪物達が出てきやがった!!

こっ、こいつらは⋅⋅⋅⋅⋅

 

「晴明くん!コイツらはドラクエ1、2に出てくるモンスターだ!」

 

「ああ、アズサ思い出したぜ⋅⋅⋅⋅」

 

目の前のモンスターは昔アズサの家でやらせて貰った、俺らが生まれる前に発売され大ヒットしたドラクエ1、2のモンスター共だ!

つまりここはドラクエの世界って訳だな。

 

 

定番のスライム系から虫タイプ、魔術師タイプやらアンデッドタイプと多種多様に出てきやがった⋅⋅⋅⋅⋅

 

「見慣れない魔物ねぇ⋅⋅⋅⋅」

 

「キメラとはまた違った存在みたいだな⋅⋅⋅⋅⋅!」

 

「奴等の力は未知数⋅⋅⋅⋅⋅数も多い、油断するな!」

 

「ふっ、フン!負けるつもりは無いわ!」

 

「ギャウ⋅⋅⋅⋅⋅!?」 「凄い圧力だよ⋅⋅⋅⋅」

 

皆一様に身構え気を張りつめる。

 

 

「ドラえもん、悪いが流石に丸腰じゃヤバい!何か道具を貸してくれ」

 

俺がそう言いながら隣のドラえもんに振り向くと⋅⋅⋅⋅見たことのない驚愕した表情をしていた!?

どうしたんだよ?ドラえもん!

 

 

 

「あっ、あっ、あれは⋅⋅⋅⋅⋅ね、ね、ね⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅ネズミィ~!!!???」

 

トンでもない顔をして飛び跳ねた!

 

ドラえもんの目線の先にはネズミ系のモンスターがこちらを血走った目で威嚇していた。

 

「うんぎゃあーー!!!怖い怖い怖い嫌だぁ~!!ぎゃひぃー!!!」

 

ドラえもんはトンでもない顔をしながら飛んだり跳ねたりして、その場でぐるぐると高速で丸く走り回り⋅⋅⋅⋅そして⋅⋅⋅目を白くし泡を出して⋅⋅⋅⋅気絶した⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

  

   えっ、えっ、え~!?

 

 

「どっ、ドラえも~ん!!?Х6」

 

俺とアズサ、エド、まどかちゃん、ロゥリィさん、エリカが一斉に叫んだ。

 

 

待てまてマテーちょっと待てぃ~!!

おっ、おまっ、ドラえもん!お前はネズミが苦手だったのかー?

22世紀からやって来たネコ型ロボットだろ?ネコ型なのに、ロボットなのにネズミが苦手って、どういう事だぁ~!?

 

 

慌てふためく俺を一定の距離を保ちつつ、様子を伺っていたドラクエモンスター達はドラえもんの狼狽ぶりを見てそれを切っ掛けにして一斉に襲いかかってきた!!

 

パン!エドが手合わせ錬成をして地面に含まれている砂鉄から槍を錬成して俺に渡してくれた!

 

「ハルアキ!取り敢えずこれを使え!」

「悪りぃ、助かるぜ!エド!」

 

エドから受け取った槍は柄の部分は普通なのだが、柄の先からはドラゴンの頭骨を思わせる意匠がついていて口の部分から槍の刀身が伸びている。角や牙が派手なデザインになっていて槍の石突部分にもなんか奇妙な角がついている。

 

⋅⋅⋅⋅⋅作って貰っといてナンだがあまりに刺々しいぞっ!もう少しシンプルなのが⋅⋅⋅いや、今はそんな贅沢言ってる場合じゃない!

 

 

モンスター達は凄まじい勢いで迫ってきた!俺は気絶しているドラえもんの前に立ち、槍を構える。早く目を覚ませ!!

 

 

そんな俺の後ろから不意に凄まじい圧力を感じて振り返る。ソコには静かに、しかし身体中から鋭い殺気を放出しているロゥリィさんが居た⋅⋅⋅⋅⋅ゴクッ⋅⋅⋅なんて殺気なんだ⋅⋅⋅⋅⋅

 

「⋅⋅⋅私のかわいい愛しのドラちゃんを怯えさせて気を失わせたのはあなた達かしらぁ~?まとめて八つ裂きにしてあげるわぁ⋅⋅⋅⋅」

 

唇が黒紫色になり完全なるバトルモードとなったロゥリィさんは跳躍して一気にモンスター達の懐に入り⋅⋅⋅その瞬間、目の前のモンスター達は断末魔の声すら上げられずに無数の肉片になった⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

はっきり言ってグロい光景が作り出されて俺はある事に気づく。

 

リンネ様が付与してくれた『精神耐性』それのおかげでこんなスプラッタな状況でも比較的平静を保って居られる。俺はグロいモノは得意という訳ではないが、目の前の現実(リアル)はゲームと違いやはり凄まじい⋅⋅⋅⋅もし、精神耐性がなければ血と臓物の匂いに吐き気とめまいがしてまともに立って居られなかっただろう。

そしてモンスターとは言え命を奪う罪悪感と嫌悪感でまともな精神を保てなかっただろう⋅⋅⋅⋅⋅

 

今さらながらにリンネ様の配慮に感謝しつつ、ロゥリィさんの猛攻に俺は目を離せなかった。

超重量の斧槍ハルバートを軽々と振り回し歓喜の声を上げながら尚も勢いは衰えず縦横無尽にモンスターを蹂躙していく⋅⋅⋅⋅⋅!!

 

こっ、この人が味方で良かった⋅⋅⋅⋅まるで台風や竜巻が通ったかの如くロゥリィさんの周辺はモンスター達の哀れな屍が量産されていった。

 

だが、モンスター達も狂気に支配されてるのか、怯まず数にモノを言わせて俺の方に突進してきた。くっ、負けるか!

 

昔アズサの家で見せてもらったアクション映画の記憶を頼りに槍を構えた俺の後ろからまどかちゃんが駆け出してきた!

 

「まどかちゃん!?」 

 

「晴明さん!私の後ろに!離れないで下さい!」

 

駆け出し、俺の前に立ったまどかちゃんは花が飾ってある木製の弓矢を構え、一斉に無数のピンク色の矢を射ち放った!!

 

   ズシャー!!!

 

まるで流星のように光輝く矢は目の前の直線上のモンスター達を一瞬で殲滅した⋅⋅⋅⋅!!すっ、スゲぇ⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

呆気に囚われた俺は直ぐ様、気を取り戻して集中する。他の皆は!?

 

 

 「オラァー!!」

 

俺の左斜め隣のエドは気合いを込めた手合わせ錬成で地面から得意の土から錬成したトゲで無数のモンスターを軽々と串刺しにしていった。やっぱエドの錬金術スゲェー!!

 

俺の後ろに居る扉間さんは得意の水遁忍術を展開していた。

 

 「水遁・水断波!!」

 

超圧縮した水圧⋅⋅⋅所謂ウォーターカッターで魔物達は首や胴体が真っ二つになりこっちでも大量の屍が出来上がった⋅⋅⋅!扉間さんかっけぇー!!

 

 

俺の右斜め隣りのアズサはスタンド

「アビス・ノクターン(深淵なる夜想曲)」の能力をいかんなく発揮している。

 

 「グラビティ・フィールド」

 

スタンドが両手を広げると大気の圧迫感が周りを襲った。翼のあるモンスター達はなすすべもなく地面に叩きつけられ身動きが取れなくなった。

 

 

ソコを間髪入れずにエリカが攻撃を仕掛けた。

 

 「全面集中!一斉掃射!」

 

自らのスタンド「シュバルツバルド・パンツァー(黒き森の戦車隊)」を全面に展開させ、一斉掃射して次々と魔物達をしとめた。

 

見事なコンビプレイで厄介な空の魔物もあっさりと片付けたアズサはエリカに微笑みかける。エリカは少し照れ臭いのか少し目線を外すも満更でもない様子だ。

 

 

皆の活躍に思わず見とれてしまう。

 

「はぁ~っ、皆強過ぎるだろ⋅⋅⋅⋅⋅突っ立てるだけだな俺⋅⋅⋅⋅⋅」

 

俺はまたも自分の無力感に悩みつつも、この頼もしい仲間達に感心した。

約1名を退いて⋅⋅⋅⋅

 

未だに気を失っている俺のマイスタンドにして相棒の様子を見に行く。

 

 「ドラえもん、お前なあ~」

 

っとため息をついて気が緩んだ瞬間⋅⋅⋅⋅!大量の魔物の骸に密かに潜んでいたキングコブラが俺に襲いかかってきた!

    

    「シャーッ!!」

 

咄嗟に槍を構えるが間に合わないっ!!やられる!?

 

そう思った瞬間、俺の頭上からどっかの龍の玉の戦士みたく体にオーラを纏ったピーちゃんが突進してキングコブラの頭を木っ端微塵にした!!   

 

   「ギャウワー!!」

 

他にも潜んでいた比較的小さい魔物達も襲ってきたが、ピーちゃんの突進の前にあっさりと物云わぬ物体となり沈黙した。ピーちゃん、そんなぬいぐるみの様な状態なのに強い⋅⋅⋅⋅⋅!!

 

空中で静止したピーちゃんは俺の様子を心配してくれているみたいで「ギャウぎゃう?」っとしきりに喚いている。

 

「あっ、ああ、大丈夫だ。ピーちゃんお前のおかげで無傷だよ。ありがとな」

 

ピーちゃんの頭を撫でてお礼を言うとピーちゃんは安心して喜んでいるのか俺の周辺を飛び回った。

 

「ハルアキィ~貴方気をつけなくちゃダメよぉ?」

 

一切の息切れもせず、返り血の一滴も浴びずにまるで散歩から帰ってきたかの如く戦闘⋅⋅⋅イヤ、殲滅を終えたロゥリィさんはやや呆れた顔で俺を見つめた。本当⋅⋅⋅サーセン⋅⋅⋅

 

 

 

「晴明さん!大丈夫ですか!?」

 

「晴明!あんたねぇ⋅⋅⋅気ィ抜くんじゃないわよ。ここは戦場よ!!」

 

「晴明よ⋅⋅⋅⋅残心を心掛けよ⋅⋅⋅そうでなければ生き残れぬぞ」

 

「たくっ、ハルアキお前油断しすぎだぜ?」

 

 

皆、俺に駆け寄ってきて次々と声をかけてくれた。

 

⋅⋅⋅皆の心配と叱咤に正直へこむ。ドラえもんの事をとやかく言えない。

 

そんな俺の肩に腕を巻きつけて密着したアズサは、

 

「まあまあ、みんな晴明くんの心配をして言ってくれるのはわかったからその辺にして、取り敢えずドラくんを起こそうじゃないか」

 

 あっ、アズサ⋅⋅⋅

 

「晴明くん、皆君を心配して言ってくれているんだ」

 

「ああっ、そりゃ分かっているさ⋅⋅⋅只、自分の役立たずっぷりの方にへこんじまうんだ⋅⋅⋅」

 

「晴明くん私は君を信じている。君はどんな困難な事も諦めず努力できる人間だ⋅⋅⋅通っていた空手道場が閉鎖されても腐らずに一人で基礎鍛練に励み、高校受験の時も私が君に合わせランクを下げようとしたら、自分が頑張って成績を上げれば良いと懸命に努力して見事同じ高校に受かったじゃないか」

 

 「⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅」

 

「東雲アズサは御奈巳晴明という人間を尊敬し、信頼できる親友だと心から宣言できる!」

 

 

 

東雲アズサ⋅⋅⋅⋅お前はお袋か姉貴かよっ!まったく⋅⋅⋅⋅この中学からの腐れ縁にしてオタ友は俺を励まし、親友だと声高らかに言い、俺という人間を信じてくれている。ならその信頼に答えなくちゃな。へこんでいる場合じゃねえ!

 

「アズサ⋅⋅⋅⋅こんだけのすげぇメンツで何処まで食い下がれるか正直分からない⋅⋅⋅⋅けどよお前が自慢したくなる様な親友という言葉に恥じない様に頑張るさ⋅⋅⋅⋅ありがとな」

 

 「晴明くん⋅⋅⋅⋅⋅⋅」

 

    じぃ~⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

気がつくと皆に注目の視線が集まっているのに気がついた。

 

「晴明さん、アズサさん⋅⋅⋅⋅!」

 

「やっぱりあんた達そういう関係?」

 

「見てるこっちが照れ臭くなるな⋅⋅⋅⋅」

 

 「ふふっ⋅⋅⋅⋅若さよのぉ⋅⋅⋅⋅」 

 

 「ぎゃう、がう♪」

 

「熱々ねぇ~♥私もドラちゃんと⋅⋅⋅⋅⋅きゃあー!!」

 

 

 

 

なんかスッゴい恥ずかしくなってきたー!!照れ臭いから止めて⋅⋅⋅⋅⋅!! 

 

「それよりドラえもんを起こそうぜ」

 

 

少しゴマかす様に俺はドラえもんの方にかけていった⋅⋅⋅⋅⋅勘弁してくれ。

 

 

 

 

 

 

 



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13話 強襲!ドラクエモンスター軍団2

今回のドラえもんの耳の設定は一番最初の時の設定です。


圧倒的な力で戦闘(殲滅)を終えた俺達は未だに気を失っているドラえもんを起こす所だ。

 

 

「おい!ドラえもん!いい加減起きろ!」

 

駄目だ起きねぇ⋅⋅⋅

 

「では、二代目様ヨロシク!」

「うむ」

 

 

アズサが扉間さんにお願いして水遁忍術で水の塊を顔面に打ち当てた。

 

    バシャッ!

 

「うわぁっ!?ブシュルッ!?⋅⋅⋅⋅んっ?ここは⋅⋅⋅はっ!ね、ネズミがっ!」

 

「大丈夫だよドラえもん。お前の苦手なモンはロゥリィさんがミンチにしたぞ」

 

「そ、そうなの⋅⋅⋅⋅?ホッ⋅⋅⋅⋅」

 

「なあ、ドラえもんお前ネコ型のロボットなのに何でネズミが苦手なんだ?まぁ、言いたくなけりゃ別にいいけど⋅⋅⋅」

 

「う、うん大丈夫。何で苦手か話すよ⋅⋅⋅」

 

そう言ってドラえもんは何故自分がネズミを苦手になったのかを話した。

 

 

話しによると昔、気持ち良く昼寝の最中にネコ耳をネズミに噛られてそれが原因でネズミが苦手になったと⋅⋅⋅⋅しかも元々ボディの色は黄色だったのが鏡で耳の無くなった自分の姿を見て青ざめた為そのまま青いままになったと⋅⋅⋅⋅辛い目にあったんだな⋅⋅⋅⋅ってちょっと待て!?

 

 

ロボットの耳を噛ったネズミってどんだけ強靭な歯と顎をもってんだ!?

22世紀のネズミ怖えよっ!しかも鏡で耳の無い自分の姿を見てショックを受けて青色にって精神的な理由でボディが青色って本当にロボットなの!?

 

 

色々と口に出してツッコミたいが敢えて黙っていよう⋅⋅⋅ドラえもんにとって余りにも辛い過去だもんな。

 

 

「ううっ~⋅⋅⋅⋅⋅⋅ゴメンなさい!僕どうしてもネズミの恐怖に耐えられなくて⋅⋅⋅迷惑かけて⋅⋅⋅⋅ううっ~!!」

 

ドラえもんは地面に頭を擦りつけて皆に謝った。ドラえもん⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

「ドラくん⋅⋅⋅」 「ドラちゃん⋅⋅⋅」

「ドラえもん⋅⋅⋅⋅」 「ぎゃうぅぅ⋅⋅⋅⋅」

「⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅」

 

「かわいそうなドラちゃん⋅⋅⋅!私が抱きしめて慰めてあげるぅ~」

 

ロゥリィさんが案の定、ドラえもんをコレ幸いに抱きしめ密着した。当然エリカが

 

「ちょっ!?ロゥリィ!!あんたねぇ、どさくさ紛れにドラえもんにひっ付くんじゃないわよ!!」

 

お約束な光景になった。俺は片ヒザをついてドラえもんに向き合う。

 

 

「なあ、ドラえもん⋅⋅⋅⋅誰でも苦手や嫌いなモンの一つや二つあるもんだ。何も出来なかった事を悔やんでいるなら俺だって同じだ⋅⋅⋅皆の強さにおんぶ抱っこで何も出来なかった。お互い無力感に悩まされるけどよ、それをバネにして一緒に頑張って前に進もうぜ⋅⋅⋅⋅なんたってお前は俺のスタンドで相棒だろ?ドラえもん⋅⋅⋅⋅」

 

「は、晴明くん⋅⋅⋅⋅⋅!」

 

人間は誰か1人でも自分を信頼してくれるヤツが居てくれるなら頑張れるもんだ。

 

アズサが俺を信じてくれる様に俺もコイツを信じて一緒に前に進むだけだ。

 

 

皆が俺とドラえもんを優しい眼差しで見つめて見守ってくれていた⋅⋅⋅

 

    ザワッ!?

 

突然イヤな感覚に襲われ目を見開いた!何だ!コレは!?また誰かに見られている!?

 

 

「皆っ!気を引き締めろ。又来るぞ!」

 

 

扉間さんの声が響くと同時に周りの空間からさっきと同じ感じで空間から凶気に染まった眼をした魔物が大量に出現した!

 

あっという間に魔物に囲まれた俺は槍を構え⋅⋅⋅⋅⋅ドラえもんに向かって突きだした!

 

ドラえもんもポケットからショックガンを取り出し、俺に向けて放った!

 

 

「なっ?」 「えっ?」

「晴明くんっ!?」

「ドラえもんっ!?」「ぎゃう!?」

 

 

  

  ドスッ!!バスッ!!

 

 

 

⋅⋅⋅⋅⋅俺の槍は見事ドラえもん⋅⋅⋅⋅⋅⋅の後ろに出現したバブルスライムを串刺しにし⋅⋅⋅⋅ドラえもんのショックガンも俺の後ろに出現した魔物に見事に当てた⋅⋅⋅!!

 

俺達の一連の行動に驚いた皆はホッとした表情を一様に浮かべている。

 

⋅⋅⋅⋅驚かせてすまん!

 

 

百戦錬磨である扉間さんとロゥリィさんは俺とドラえもんが何をするのか理解していたらしく軽くクスッと微笑みかけると直ぐ様、魔物の殲滅へと乗り出していった。

 

 

「ふぅわぁ~!おっ驚いたよぉ⋅⋅⋅⋅でもありがとう晴明くん!」

 

「ああっ、そりゃ俺もだ。サンキュードラえもん!お互い先ずはここからだ!」

 

「うんっ!」

 

何も言わずに息が合った動きをした俺達は気力が全身に満ち溢れる感じがした。

 

 

「へっ驚かせやがって⋅⋅⋅息ぴったりじゃねえか!じゃあ俺は行くぜ!」

 

エドは俺達のコンビプレイにニカッと笑い他の仲間と共に魔物の殲滅へと乗り出した。

 

 

「いいコンビになってきたねぇ♫」

「⋅⋅⋅全く、ヒヤヒヤさせるわ⋅⋅⋅」

「ガウ、ぎゃう♪」

 

アズサ、エリカ、ピーちゃん達は俺達を一瞥して直ぐ様、戦闘態勢を取った。

 

 

「晴明さんさっきはびっくりしちゃいましたよ?

取り敢えず身体強化の魔法かけときますね。でも、くれぐれも前に出過ぎないように気をつけて下さい」

 

まどかちゃんが俺の身を案じて身体強化の魔法をかけてくれた。

おおっーすげえー!?身体中に力が溢れる!

 

「おおーっ!ありがとうまどかちゃん!」

 

「⋅⋅⋅魔法も決して万能じゃないですから無理しないで下さいね?」

 

そう俺に念押ししてまどかちゃんは後ろを振り返って弓矢を凛々しく構えた。

 

 

「多重影分身の術!」

 

扉間さんは大量の魔物に対処する為無数の影分身を作り出した。

 

本体?とおぼしき扉間さんが俺の側に寄りゴツいクナイを俺に渡してくれた。

 

「晴明よ⋅⋅⋅先程は見事だったぞ⋅⋅⋅だが、油断は禁物だ。妖魔は大量に出現している。念の為、これも持っておけ」

 

「あ、はいっ!ありがとうございます扉間さん!」

 

俺は受け取ったクナイを懐に偲ばせ槍を再び構える。 

 

 

「フッ⋅⋅⋅では行くぞ手裏剣影分身の術!」

 

無数の扉間さんの放った手裏剣が大量に増え魔物達をアッサリと蹂躙していく⋅⋅⋅⋅!!

 

「よぉ~し、僕だって負けないぞぉ!!熱線銃~!!」

 

⋅⋅⋅⋅物騒な道具を取り出した。だが、今使うに相応しい道具だ!

やったれドラえもん!!

 

「いっけえ~!!」

 

  

  チュドォォォーン!!!

 

 

遠方にいた魔物達が一瞬で蒸発した⋅⋅⋅⋅

やっぱりオーバーキル過ぎるなその道具⋅⋅⋅⋅

 

俺も負けじと槍を振るう!まどかちゃんのおかげで身体が軽い⋅⋅⋅!突き、払い、斬撃と近い距離で現れる魔物を倒し続けた。だが⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

⋅⋅⋅⋅妙だ。どんどん魔物は至近距離で出現してくる。さっき感じた見られている感覚も強くなっている⋅⋅⋅⋅?

 

 

そんな事を考えているとアズサがスタンドを出して周りを警戒しながら近より耳元で囁いた。

 

 

「晴明くんも感じているんだね。この見られている嫌な感じ⋅⋅⋅⋅恐らくこの世界のボスの存在を⋅⋅⋅⋅!ソイツは魔物達を大量に此方に送りこみ少しずつ距離を縮め至近距離⋅⋅⋅それも死角から出現させ様としているみたいだ。今、二代目様に影分身で陽動と同時に探って貰っている。もう少しの辛抱だよ晴明くん⋅⋅⋅!」

 

流石はアズサと扉間さんだ。単に敵の数が多いから対抗して影分身を生み出しただけでなく陽動と索敵をこなすとは⋅⋅⋅⋅目の前の敵の対処に追われているだけの俺とはやっぱり違うな⋅⋅⋅

 

 

「わかったぜアズサ。お互いもう一踏ん張りだな!」

 

「フフッ⋅⋅⋅晴明くん、では私は皆にそれとなく伝えてくるよ」

 

そう言ってアズサさ周辺の警戒を怠る事なく他の仲間達の下へと去っていった。

 

 

扉間さんの事だ、すぐに敵のボスを見つけ出してくれる筈だ。

 

そう希望的思考をしてると目の前に空間の歪みというか、渦が巻き起こるのを間近で確認した俺は咄嗟に槍で突いた。

 

 

  「ふっ!」 ガシッ!!

 

 

槍の穂先がとても強い力で握られている感触を俺は感じ取った。必死で力を込めるがビクともしない!?

 

なに、嘘だろ!なんつうパワーしてんだよ!まどかちゃんに身体強化の魔法をかけて貰っている状態なのに全く押し込めない⋅⋅⋅⋅!

 

空間の穴から槍を握ったデカイ手が出現し、ゆっくりと強烈な圧力を伴って本体が出てきた⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

ソイツは青い肌色に一つの角と目がついており、その眼球が忙しなく動きやがて俺を見つめてニヤリと笑った⋅⋅⋅⋅⋅

 

「こ、こいつは確かサイクロプス⋅⋅⋅!?」

 

ドラクエⅡに出てきた力自慢の魔物でとにかくデカイ⋅⋅⋅⋅⋅!!

 

何とか槍を引っ込めようとしても、やはりビクともせずサイクロプスは槍を構えて突きの姿勢のままの俺を簡単に持ち上げ力任せに投げ飛ばしやがった!?

 

 

「なっ!?うわあぁぁぁ~!!??」

 

 

仲間達と近い距離にいた俺はあっという間に遠くにいる魔物達が密集している場所へと追いやられてしまった!

 

 

「なっ晴明、何やってんのよ!?」

「晴明!!」「晴明さん!」「ぎゃう!?」

「晴明くん!?」「晴明く~ん!!」

 

 

投げられて宙を舞っている俺の姿を見た皆は驚き名前を叫ぶのが聞こえた⋅⋅⋅ 

 

槍を持ったまま投げられた俺は録に受け身も取れずに無様に背中から地面へと落ちた。

 

 「ガハァッ!?」

 

背中をおもいっきり地面に叩きつけられた俺の口の中は鉄錆びの味がひろがる⋅⋅⋅⋅

 

 

やっ、ヤバい⋅⋅⋅内臓が踊っている様な嫌な感覚と激痛に目眩迄してきた⋅⋅⋅しっかりしろ俺⋅⋅⋅踏ん張れ⋅⋅⋅御奈巳晴明!!これ以上皆の足を引っ張っるんじゃねえ!!

 

何とか猛烈に襲ってくる痛みに耐え、意識を繋ぎとめ周りを見渡すと魔法使いタイプの魔物が側に立ち、凶悪な刺のついた鉄球の棍棒を振るってきた!!

 

 

こっこいつは

【じごくのつかい】!?いや、

【あくましんかん】かっ!?

正直見分けがつかないが今はそれどころじゃないっ!!

 

俺は咄嗟に槍を横にして受け止めた!

  

 

  バキイィィィーン!!

 

 

「ごふあぁぁっ!?」

 

魔法使いタイプの鉄球棍棒の攻撃を辛うじて槍の柄で防いだが受け止め切れず胸に強い衝撃を受け吹き飛ばされ二転三転と地面を転がった⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

⋅⋅⋅⋅せっかくエドが錬成してくれた趣味の悪い槍はグシャグシャにヒン曲がって使い物にならなくなり、俺自身も更に口からの吐血が止まらなくなり胸と背中に激しい痛みを抱えマトモに立てなかった⋅⋅⋅⋅⋅

 

「ウゲェェ⋅⋅⋅⋅げほっ、ごほっ⋅⋅⋅⋅⋅」

 

たまらず口の中の血を吐き地面が深紅に染まる⋅⋅⋅⋅⋅我ながら⋅⋅⋅い、良い色しているな⋅⋅⋅⋅自分の吐いた血の色合いを眺め思考が定まらなくなり、意識がボンヤリしてくる⋅⋅⋅⋅

 

「⋅⋅⋅⋅⋅る明く⋅⋅⋅⋅」 「晴あ⋅⋅⋅⋅⋅」

 

多分、皆の誰かが俺の名を呼んでくれているだろうが耳までマトモに機能していない⋅⋅⋅⋅

 

霞む視界には恐らくさっきの魔物が近づき、トドメを刺しに来たらしい⋅⋅⋅⋅

 

 

いきなり最初の世界で俺は終わるのか⋅⋅⋅⋅

 

不意にアズサの言葉が浮かぶ⋅⋅⋅

 

 

「晴明くん私は君を信じている。君はどんな困難な事も諦めず努力できる人間だと⋅⋅⋅」

 

 

彼女は⋅⋅⋅アズサは俺を信じてくれている⋅⋅⋅どんな困難な事も諦めずに努力できる人間だと言ってくれた⋅⋅⋅⋅なら⋅⋅⋅⋅

 

 

最後の最後迄抗ってみせる⋅⋅⋅⋅!!

 

 

 

 

 

 



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