まだ9歳の頃だっただろう。夏の日の夜、親に連れられて山奥に来たことがある。満天の星空に心を奪われずっと眺めていたような記憶だ。その中に一つだけ忘れられない誰かとの会話があった
【ねぇ君、星の鼓動ってわかる?】
【ほしのこどう?】
【うん、とってもキラキラドキドキしてて…私それがずっと心に残ってるの。君は感じる?星の鼓動】
【ん…よくわからない…けどおねぇちゃんはそれを感じてるの?】
【うん、ずっと子供の頃からそれを追いかけて少し迷ったりすることもあったけど私は星の鼓動をまた感じられた。その時の仲間とはずっと一緒にいるの。君はずっと一緒にいたい友達いる?】
【わからない…】
【まだわからなくても、きっといつかまた星の鼓動を感じられる。私と一緒だから大丈夫だよ】
するとどこからか彼女を呼ぶ声が聞こえてきた
【ごめんね、私もう帰らなきゃ…そうだ!これあげる!】
渡されたのは小さな星のストラップ。夜の中でも光り輝いていた
【これがあれば君と私は繋がってる。そうだね、君は今いくつ?】
【9歳…】
【それじゃあ今から10年後、君が19歳になった8月8日 またここに来てね。私待ってるから君もお母さんとかお父さんからこの場所を聞いてね。それじゃあまたね!】
親の元に帰ったあと、すぐのそこの場所を聞いた。場所は長野県。またここに帰ってくる。その時には彼女のようにキラキラした存在になれてるとは思えないのがここ最近の俺の生活ぶりだ
「おい、葵斗(あおと)。もう朝だぞ。起きろ」
何故かこっちの方が兄なのにこう強い当たり方をされなきゃならないんだって言っても双子だからそこら辺はもう気にしなくなった。
「今日は入学式でしょ、ここで遅れるとか論外だからね」
黒髪ショートのン我が妹、湯島(ゆしま)朱音(あかね)。趣味は兎にも角にもゲーム、ゲーム、ゲーム。そして毎日のドラムとちょびっと筋トレ。あとはやきうのおねーちゃん。テレビじゃ野球が基本の我が家である
っと自分の紹介を忘れていた。湯島葵斗、ピッカピカの1年生なのだ。高校だけど。髪は圧倒的黒髪。学校は朱音と同じ高校に通うことになった。趣味はまぁ大体朱音と同じ、違うところといえばドラムじゃなくてギターってところだ。それと、俺は今「ほしのこどう」ってものを必死に感じようとしてる。あの時もらった星のストラップを頼りにしてな。ちなみにギターは「星ならこのランダムスターってのが1番いいんじゃない?」という母親の一声でこれになった。奇形すぎて目立つわこんなん
「遅刻する言うても6時やんけアホか。今日くらい朝のランニングせんでもええやろ」
朱音は毎日朝6時からランニングを30分くらいやるんだが高校に入っても変わらないらしい
「そのエセ関西弁やめーや。ほらいいから走る」
もう既に走り終わった後の着替えまで用意されている。男兄弟いる女は絶対男物の下着慣れてると思うんですけど
「ふぃー今日も走った走った」
「言うて夕方も走るんやろ?」
「当たり前やんか」
そっちもエセ関西弁やめーや
「新しい制服ってやっぱり緊張するもんよな葵斗」
「まぁそれなりにはな。汚したくないのはある」
今は地下鉄の中、最寄り駅から1本で行けるっていうのもこの高校に決めた大きな要因の一つではあるな。
「さてさて、高校になった事だし、なんかバンドとかでもやるかね?私とやる?」
ちなみに朱音はまだ1度もバンドを組んだことがないのだ!俺も人のこと言えないけどさ。なんせこの兄妹、とんでもなく自分勝手であり(二人とも自覚済み)馬が合う人間は100人に10人くらいだ。学力だけは上位なのだが残念だ、完全におまいう状態というのは気にするな!
「どうせカバー曲しかやる気ないやろ」
「そうとも限らないよ。自分たちで曲を作るってのもさ、バンドの面白いところだとは思うわけよ私は」
「でもゲームとか野球見る時間減るぞ」
「あ、それはやだな」
そういうとこがバンドに向かないしなにより人と合わないんだよな
長々とした校長の話とか生徒会長だとかの話をほとんど聞き流し、目を開けてはいたが全く内容は覚えていない
この高校は中学校からのエスカレーターは無く、大学へのエスカレーターもない。公立みたいな高校ではある。その教室の中でも光り輝くのはやはりン我が妹、朱音。どこでも朱音はこれだから俺が勝手に彼氏に間違えられたりする。こんなやつと恋人とか死ぬわ
数分後には初のHR、時間は短いけれど自己紹介をしましょうということで男子から自己紹介が始まった
「出席番号16番、本郷(ほんごう)優(すぐる)です。これからよろしくお願いします」
「出席番号17番、湯島葵斗。そこの朱音の双子の兄です。そこら辺間違えないようにお願いします」
「出席番号27番…駿河(するが)凛花(りんか)です…1年間よろしくお願いします…」
「出席番号37番!湯島朱音!言ってた通り葵斗の妹です。これからよろしく~」
「ねぇねぇ駿河さん。なんか趣味とかないの?」
「えっと…」
なんでか朱音がちょいちょいと駿河に話しかけている。やめたげてよぉ!もしかしたら中の人みたいに陰キャかもしれないでしょ!割と話しかけられたら嬉しいけどなんて返したらいいか分からないんですよね。で事実しか言わないから興味持たれねぇんだよバカか自分(隙あらば自分語り)
「私さ、あなたにいいモノを感じたの!ちょっとカラオケ行きましょう!」
「えっと….」
「ちょい待ちちょい待ち。さすがに駿河が困惑するだろ」
「えぇ?葵斗分からないの?駿河さんの声ってすごくいいじゃない!ほら、バンドって言ってたでしょ?ボーカルにいいと思ったのよ」
「なになに?バンド?」
横から本郷が顔を出した
「そうそう!私ね、高校生になったからバンドやりたいのよ!本郷君もどう?」
「あはは…考えとくよ。でも今日のカラオケには付き合おうかな」
多少不安ではあったけど楽しい高校生活にはなりそうだ。
交差点の広告にはとあるガールズバンドのライブの日にちが書かれている。もう大ガールズバンド時代は終わりを告げて数年が経っている
元々別の物語をやってますがずっとやりたかったものなのでやり始めることにしました。めっちゃ自分で自分の首を絞めてますが夏休みは頑張ろうと思います
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第二話
「いやぁ歌った歌った!」
もうほとんどお前しか歌ってなかっただろうが
「カラオケ自体久しぶりだったから楽しかったよ朱音ちゃん」
「うんうん、やっぱり歌うの上手だよ凛花。うちのボーカルは違うわ!」
「まだ入るって決まったわけじゃないけどね…」
「私は信じてるから大丈夫よ。優も良かったよ」
「カラオケとか全然行ったことないから緊張したよ…でも楽しかったよ」
「葵斗は…いつも通りとしか言い様がないわ」
「ほんとに湯島くんは歌が上手いよね」
「だけど駿河の方が良かったよ。こんなに上手いとは思わなかった」
駿河は恐ろしいほどまでに歌がうまかった。2回くらい99点とか出てたし95点より低いことなかったし
「凛花でいいよ湯島くん…それなら私も葵斗くんって呼んだ方がいいよね?」
「じゃあよろしくな凛花」
「こちらこそよろしくね葵斗くん」
こんなやりとりをしていると1歩離れたところから優がじーっと眺めていた
「どうした優。なにを考えてるのかわからない顔をしてるけど」
「あ、いやなんか羨ましいなぁって。僕、中学校の時全然友達いなくて…女子なんかもっぱらで…高校でこんなに変わっちゃっていいのかなって」
「なに、そんなこと考えてたの優。大丈夫よ。幸せになれるときに幸せになりなさい!」
「うん、もう大丈夫だよ優くん」
「うぅ…ありがとう朱音さん、凛花さん、葵斗…」
カラオケ店の出口で大粒の涙を流し始めてさすがに俺と朱音は若干引き始めてはいたがあんまり凛花にはわからなかったらしい
「大丈夫!?とりあえずハンカチ使って!」
「ありがとう凛花さん….」
「なぁ朱音、お前に必要なのはこういう凛花みたいな可愛さと母性なんじゃないか?」
「私があんなこと出来る女だと思う?そしたらあんたの目は節穴よ葵斗」
「わかって言ってんだ。お前のことを見なかった日はねぇよ今の今までな」
とりあえず優が泣き止むまで待ってから帰ることにした
「私、JRだけどみんなは?」
「僕は地下鉄だよ」
「うちらも地下鉄。じゃあここらでさよならだね。また明日ね凛花」
「また明日だね。高校生活とっても楽しくなりそう!今日はありがとう!」
地下鉄のホームに降りた後、優が突然、凛花さんは僕のお母さんになってくれるかもしれない人なんだとか言い出したからいよいよやべぇと思い始めた。大丈夫か?ほんとに優と凛花絡ませ続けていいのか?
***
『今から帰り!入学式だったけど早速友達出来たよ!』
そんな風にツイートするといつも見かける人から爆速で返信がくる。瞬く間にいいねが100から2.300、さらに4桁まで跳ね上がっていく。みんなには言っていないけど私は今全く別の名前を使って仕事をしている。
「今日も9時から配信か…」
私は今、バーチャルYouTuberとして活動してる。声がいいからって友人に勧められて応募したら通るとは思ってもいなかった。週に数回の配信、歌うことを専門にしているのでそこまで苦でもないかと思ったけど何故かトークの方面にも駆り出され始めてきていて今日もそういう感じのということだ。苦手だったりするんだよね…憂鬱になりながら帰宅して、支度しないと…
「あら、おかえり凛花」
「ただいまお母さん…ってなんか今日すこし量多くない?」
「よくわかったわね。今日は友希那ちゃんが来るのよあなたに会いにね」
「え!?友希那おねーちゃんが!?」
「えぇ、最近会ってないから私からお願いしたら3日くらいはうちに泊まるって」
そんな…いっぱい話したいことあるのに…でもお仕事は絶対やらなきゃだし…
「別に今日だけじゃないから大丈夫よ。明日でもできるんじゃないの?友希那ちゃんには私から言っておくし」
うん、その通りだと思う。とにかく今日に集中しないと
***
「いらっしゃい友希那ちゃん。ご飯用意してあるからね」
久しぶりに従妹のいる家を訪れることにしたのは数日前になってから。私も今じゃRoseliaのボーカルとして忙しいけれど昔の私を慕ってくれた凛花のことでちょっと相談があると言われ行かないというわけにはいかなかった
「それで肝心の凛花は?」
「ごめんなさい。ちょっと今外せなくて。10時まで待ってくれるかしら」
「なにかしてるの?」
「えぇバーチャルYouTuberって知ってるかしら」
バーチャルYouTuber?全くわからないわ。今流行っているVRがバーチャルなんとか…英語は分からないけど日本語訳だと仮想現実なはず。となると凛花は仮想YouTuber?余計にわけが分からなくなってきたわ。
「つまり凛花は画面の中の存在になってしまったの?」
「一種の正解かもしれないけど友希那ちゃんの頭の中は全然違うことになってるわね…」
1から説明されてようやくわかった。つまりは顔は別なものを使いそこに実際の顔の動きを連動させているということらしい。尚美さんによると最近疲れた表情をみせているそう。高校に入学したし新しいこともさせてみたいとのこと
「わかったわ。私からはあまり強くは言えないけれど話してみるわ」
***
「友希那おねーちゃん、久しぶりだね」
私と同じ色の髪、今でもおねーちゃんをモデルにした髪型にしてるくらい私は尊敬してる
「えぇ凛花。今日高校の入学式だったけど、どうだったかしら」
「うん!もう友達が出来たの。朱音ちゃんと葵斗くんと優くん。カラオケに行ってね。いっぱい歌ったの」
「楽しそうね。その人達はどういう人なの?」
「えっとね、朱音ちゃんと葵斗くんは双子でね。とっても仲がいいの。優くんは、優しいの漢字で書くんだけど文字通りとっても優しいの」
「なにか高校で始める予定はないの?部活とか」
「うーん…あ、そうだ。おねーちゃんってバンドやってるからバンドやりたいなぁって。それに朱音ちゃんと葵斗くんの話を聞いてるとバンドやりたいって話してるからそっちに参加しようかなって」
あの2人とならとっても楽しそうだしなにより私を変えてくれる気がする
「バンド…厳しいことの方が多いけれど覚悟はある?」
「う、うん…やってみる…違う…やってみせる!」
「ふふっ分かったわ。凛花、明日その2人を連れてきてくれないかしら」
ある程度話の軸は出来てるのでバンバカやっていきましょう!
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第三話
「あ、そういえば今日練習あるんだっけ…?」
急いでLINEを見てみるととある女性からとんでもないほど通知が来てて…今も増え続けている!?やばいやばい相当怒ってるよ!
あ、皆さんこんにちは、本郷優です。今路面電車に乗って急いで移動しております!入学式のあとカラオケに行って全くLINEを見てなかったのが運の尽き。我が師匠に早く来いと言われまくってます。急がないと…
「すみません!遅れまし「遅い!!!」はい!」
「ちょっとチュチュ。声が大きすぎ。さっき私が詳しく聞いたけど今日は入学式でその日に出来た友達とカラオケしてて遅れたって」
「What!?スグルに友達ですって?初日に出来るわけないじゃない!」
「師匠…さすがに傷つきますよその言葉…」
「まぁまぁちょうどいい頃ですから休憩にしましょうチュチュ様。皆さん、飲み物をご用意しました。ほら優さんも」
「あ、すみません。遅れたのに」
「これからまたキツくなりますから今のうちに回復しておかないとですよ」
僕は今、RAISE A SUILEN 通称RAS のDJのチュチュさんに弟子入りしています。その一環としてアシスタントも務めています。いつかは師匠と同じように世界を変える音楽を…とまでは行けないかもしれないけど誰かのために音楽を作りたいと思っています。
「もう単独ライブは今週末よ。続きよ続きを早く始めるわよ!Are you ready?ちゃんとスグルも覚えてるわね?さぁやるわよ!」
いつ聞いてもこの人達の音楽は魂に響いてくる。僕はこの音楽に惹かれてプロデューサーのチュチュに猛アタックをし続けた。大人気のRASということで最初は邪魔だと言われ相手にもされなかった。それでもめげずにお願いし続けたおかげか、ある日突然都内にある高層マンションに直々に呼び出された。
『あんた、名前は』
『えっと…本郷 優です』
『OKスグル。今からオーディションをやるわ』
『お、オーディションですか?何も用意してませんよ』
『別に準備するものもないわ。さぁ弾きなさい。私たちのinstrumentをね』
『弾けなかったら?』
『問答無用。貴方とはこれっきり。さぁやりなさい、私に弟子入りしたいというのならこれくらい当然でしょう?』
この時は正直もう半ば諦めてたけどこんな所で最大のチャンスが来るとは思っていなかった。覚悟を決めて透明なガラスの中に入っていった。外からはRASのメンバーが全員見ていて緊張するなんて言葉じゃ表せなかったけどギターを持ってR・I・O・Tが流れた時にはもう緊張なんてなかった。
『や、やるわね…本当に全部弾ききるなんて…私のテクニックも全て分かってるっていうの?』
『全部最初聞いただけで分かりましたよ。さぁどうでしょうか。弾いてみせましたが』
『うぐぐ…』
『もういいでしょチュチュ。私は歓迎するよ。まさか本当に出来るとは思ってなかったよ。名前はわかるよね?』
「よいしょっと…」
「ありがとうございます。やっぱり男の人って力が違いますね」
オーディションに受かって晴れて弟子入りかつRASのアシスタントとして動き始めたけれどやることよ多くが力仕事。それでも一生懸命にやれば信頼を得られたということは身をもって感じている。今もこうしてギターの六花さんから話しかけてもらってるとかもうこれ以上ないでしょう
「僕はこれが仕事ですから。寿司職人だって最初の頃は全然握らせてもらえないらしいですし。僕は今そういう段階なんですよ。認めてもらえるまでは」
「なんか職人の修行みたいだね。いつかは私たちの音楽を作ってくれるのかな?」
「やってみたいですけど、師匠が認めてくれるかどうか…なんかダメ出しされまくって終わりそうですけど」
「そんなことないと思うよ。あんな風でもとっても信頼してるんだよ。これは内緒なんだけど全然返事がなくて事故にあったんじゃないかとかすごい心配してたんだよ。そういうのをみるとやっぱり信頼してるんだなって」
「まさかそんなことが…」
「いいコンビだと思うよ私は。師匠と弟子、両方が両方を信頼してるって実は難しいと思うんだ」
まだ僕は実際に曲作りに携わったことはない。いつもライトの光らせ方とかメンバー紹介の映像作り。それを毎回完璧に仕上げる。そうしているとだんだんと最近は曲作りについて教えてくれることも多くなってきた。いつかは師匠を見返すような音楽を作りたいと頭の片隅に思っている
「おい優。友達って言ってただろ」
「はい、出来ましたよますきさん」
「その…どんなやつなんだ?もしかしてお前の金を巻き上げるようなやつじゃないよな」
「別にますきさんみたいに厳つい感じじゃ…あ、冗談!冗談ですから!」
「わかってるよ。後で失敗したケーキ全部食えよ」
「僕が甘いものそんなに食べられないの知ってますよね?まぁ今のは僕の失言ですから…それで友達がどんなやつかですか?そうですね…湯島朱音さんと葵斗さん。2人は双子でとっても仲がいいんですよ。黒髪でどっちも美形で。カラオケに誘ってくれたのが朱音さんで1番に話しかけてくれたのが葵斗さんでした。2人ともバンドが組みたいみたいでもう1人の友達、凛花さんをボーカルにしようって」
「その2人は?」
「実は知らないんですよね。何ができるのかって。僕はどこでも出来るのでいいですが」
「何気にそれ毒吐いてるからな」
「そ、そうですか?まぁ置いときましょう。それで凛花さんですね。銀髪でとっても歌が上手いんです。後優しくて…みんな大事な友達です」
「そうか…じゃあそいつらライブ終わったらここに連れてこいよ」
「え!?どうしてですか?」
「だってそいつらとバンドやるんだろ?私たちもお前にふさわしいか見定めてやる」
「逆に僕がふさわしいかどうか不安になるくらいですよ…」
「まぁどっちにしろ連れてこいよ。じゃないとチュチュがガミガミ言ってくるかもしれないからな」
「確かに聞いただけですけど花園さんの前例がありますからね」
「そういうことだ。まぁ今はライブに集中だな。あっち側とは大丈夫か?」
「はい、全て万全です。あとは現地でテストするだけです」
「やっぱり頼りになるな優は。これからも頼むぜ」
「はい、おまかせください」
こうやってRASのメンバーと対等に話している時点で確実に僕は信頼されている。絶対に裏切らないようにしないと!
電車の中だとやっぱり捗りますね。特に新幹線。長い間時間があればいいのになぁ…次回も前半は優編の予定です
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第四話
「OK!完璧よ!スグルはどうだったかしら」
通しでの練習が終わり、RASの皆はやりきったという表情をみせている。本当にミスがなくてバカみたいにやばいバンドだと思う。これがプロだと思わせる圧巻のパフォーマンスだ。だが1名だけ少しだけ顔が歪んでいたが今話すのは止めておこう
「はい。特になんの問題もありませんね。なにか音響とか光量で改善点とかは?」
「私たちからなんもないよ。気持ちよく弾かせてもらったよ」
「それじゃあFinish!今日の練習はこれで終わりよ。明日はとにかく体を壊さないようにしなさい」
「今日は声に張りがありませんでしたね。もっとも僕にしかわからなかったかもしれませんけど」
メンバーが帰るのと同時に下に降り、1人に声をかける
「よくわかったね。さすがはうちの有能アシスタントだ」
和奏レイ、レイヤと呼ばれているRASのボーカルでありベーシスト。常に冷静であり、師匠のように顔に出すような性格ではないが言いたいことはすぐに発する強い人だと思う。僕にはそんな勇気にはまだないんですが…
「少し不安でね。なんだか私らしくもないね。少し付き合ってくれる?」
「RASとしては今までで1番大きな会場だからね。普段と変わらないように見えてても皆少し緊張してる。優もそうじゃない?」
「僕は前に出ないのであんまりそういうのは…いつも通りのことをするだけです」
「優は前に出ることに興味はない?」
「僕の1番の目的は曲作りなので…それに歌が下手じゃないですか」
「あはは、確かにそうだったね。全部弾けることができるけど歌うことはもってのほかでそっちに関してはチュチュに止められたよね」
お恥ずかしい限りですが僕はそこまで歌が上手いってわけではないんです。今日のカラオケじゃ80点台は取れますがRASじゃお話にならないレベルです…師匠は歌も上手いのが…僕はまだまだのようです
「曲は何かを表現するためにあるんだ。なにか伝えたい思いがないと作れない。チュチュにはそれがしっかりある。だけど今の優にはそれがない。最初から思ってたけど優は曲作りを学んでどうするつもり?その後のことを皆知らないんだ。作曲者として売れたいのか。それともこのままずっとRASの専属アシスタントとして生きていくのか。何をとっても応援するつもりだけど…ますきから聞いたけどバンドやるんでしょ?いい機会だからやってみたら?新しい世界を知るのも曲作りのためには必要なことだと思うし…って話しすぎたね。チュチュが腹をすかせて待ってるはずだからね。話して少し落ち着いたよ。新しい世界と言ったけどやっぱりRASには優が必要みたいだね。まぁゆっくり考えて。なんとかする力はあるから。青春は楽しむものだ。好きなことをするといいよ。それじゃあまた明日」
僕はなにがしたいんだろう…曲作りを学んでどうするんだろう…誰かに認められたい?自分の思いを表したい?全く考えていなかった…なにがしたいんだろう……
「ちょっとスグル!早くしなさい!」
後ろを見ると猫耳のカチューシャを外している師匠、チュチュがいる。師匠と僕は互いに一人暮らしをしていて、師匠の母親から頼まれて夜ご飯は一緒に食べるようにしている。常に僕が作ることになっている。ぼーっとしてたせいか作り終わった後に持っていくのを忘れていた
「さっきから気が入ってないように思えるわ。私たちが遂に全世界を席巻するLiveの直前だというのに」
「…師匠、僕ちょっとお休みを貰おうかと思ってるんです」
「…WHAT?なんですって?」
「今回のライブはしっかりこなします。ですがその後、少し休憩したいなと」
「Really!?本気で言ってるの?スグル」
「はい、ちょっと考えるところがあって…すぐに戻るかもしれませんしかなり遅くなるかもしれません」
「じゃあ私のdinnerはどうするつもり?」
「それもお休みさせてもらえませんか?友人のところに泊まらせてもらうのも許可してもらいました」
「私を餓死させるつもり?」
「そこはパレオさんにお願いしてるので大丈夫なはずです。元々パレオさんの仕事の手伝いからこうなりましたし、戻っただけだと思います」
考えた結果、一時的にRASから離れることにした。師匠はとても驚いているようだった。ちなみに泊まらせてくれたのは湯島家。なんでも家が広いそうで部屋が空いてるのでOKだそうだ
「……わかったわ。但し絶対RASに戻ることを約束しなさい。期限は次のライブまで、いいわね」
「はい。ありがとうございます。それじゃあ食べましょうか」
結局僕は一旦RASから離れることにした。決して嫌いになったとかそういう訳じゃない。レイヤさんに言われたように新しい世界を知りたい。彼らとバンドをすればなにか良いものを得られると思ったから…
「ほんとうにお休みされるんですね。優さん」
「すみません、お願いしてしまって。パレオさん」
「いえいえ、ご飯については全然構いませんよ。でも心配してるのは自分を含めたメンバーたちです。この2年間、あなたは中学生でしたが私たちはあなたの力に大きく頼っていました。その結果として、少し忘れてしまっているところもあります。もしかしたらあなたに助けを求めることもあるかもしれませんのでその時はよろしくお願いします」
その言葉と同時に深々と頭を下げられてしまった。別にそんなに仰々しくしなくても…
「とにかく、今週末のライブはよろしくお願いしますね。悔いが残らないように全力で頑張りましょう。それでは私はこれで。また明日、会いましょう。優さん」
***
「ねぇねぇ凛花から連絡来てさ。明日ギター持ってきて欲しいってさ」
「ん?凛花のやつ、やる気になったのか?」
「そこはよくわかんないけど、ま、とりあえず行くだけ行かないと…あ、お母さんなに?」
仕事から帰ってきた母さんが少し深刻そうに朱音に話している。なんだ?何が起きたんだ?
「あら?美和音、そんなところで止まってないで早く中に案内してちょうだい!久しぶりに朱音と葵斗の顔が見たいわ!」
母さんが後ろからめちゃくちゃに押され、待っていたその金髪の主が姿を現した…
「ずいぶん大きくなったわね!朱音!葵斗!」
「「こころ様!!??」」
話はできてるのに書こうとしないアホなんで正直つらい…1週間に1本とか上げてみたいな…
ちなみに美和音(みおね)と読みます。旧姓は佐々木の設定です
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第五話
「そんなに驚くことかしら?私は2人が私の身長よりずっと大きくなったことにとっても驚いてるわ!」
「それよりどうして今日こちらに?」
私の家は代々弦巻家に仕える湯島家と佐々木家で結婚したため、私と葵斗は大人になれば親に続き弦巻家の従者としての運命がある
「どうしてもなにも、2人の高校入学祝いよ!さぁ、行きましょう!」
こころ様は私と葵斗の手を取って家の外に連れていくと、外には乗ってきたであろう黒色のリムジンが止まっていた。運転手や同乗している黒服の人も皆顔見知りで、小さい時には大いに可愛がってもらっていた
「入学祝いといってもなにをされるんですか?こころ様」
「決まってるじゃない!パーティーよ!もちろんハロハピの皆もいるわよ!」
ハロー、ハッピーワールド!。こころ様が高校一年生の時に結成されたバンド。大人になって活動がとても少なくなっているけれど解散したというわけではなく、単に予定が会わないだけでやることが出来ていない。瀬田様は女優として活躍されているし、北沢様は自宅のお店で忙しく、奥沢様、松原様はご結婚されて専業主婦として家業を頑張っているとお聞きしています。全員がきっちり集まるのも数ヶ月に1回ほどしか無くなってしまっているようです
「皆!今日は集まってくれてありがとう!葵斗と朱音の入学記念よ!楽しみましょう!」
今日は私と葵斗のためのパーティーで大々的にやるところよりかは小さい部屋だが親とハロハピの皆様と食べるには十分な広さがある部屋です。そしてなにより私たちが驚いたのが……
「どうして白鷺様もこちらに?」
白鷺千聖様、子役の頃から活躍され、高校生の頃にはPastel*Palettesとしても活動され、現在も続けていらっしゃいます
「薫に誘われたのよ。久しぶりに空いてるなら来ないかってね。あなた達の顔も久しぶりに見たかったからね。なにより私の来た目的は葵斗君なんだけどね」
「またですか?何度でも断りますよ。申し訳ないですけれど」
そう、白鷺様は葵斗がお気に入りというか、なんとしても芸能界入りさせたいと思っているそうです
「あなたはそこらにいるような大根とは大違いだわ。私が保証してあげる。それに私のいるところなら顔が利くわ」
「別に自分は役者として有名になる気はないんですけれど…自分は弦巻の従者として…」
「葵斗、あなたのやりたいことをやりなさい。私はあなた達よりやりたいことをなんでもやってきたわ。今度は私がさせてあげる番よ。千聖の言うように俳優になってもいいわ」
「しかしこころ様…」
「二人とも楽器をやっているのにそれを活かさないのも勿体ないわ。美和音から聞いたわ。朱音はドラム、葵斗はギター。私たちみたいにバンドを組めばいいのよ!」
「そんな簡単な風に言われましても…一緒にやってくれる人がいるかどうかすら…」
そう、私は今日の朝、簡単に言っただけのバンドという言葉。しかし、今日初めて出会った凛花はもうやる気があるようで…
「大丈夫よ!やりたいという気持ちがあれば自然と人は集まってくれるわ。神様は見ていてくれるもの」
神様は見ているとこころ様はおっしゃった。私は無神教信者ってわけじゃないけど、あんまり信頼してるってことでもない。だけどこころ様がおっしゃられたのなら信じる以外の道はない。葵斗と凛花。これが私の始まりのバンド、名前なんてないけどいつかは……
「白鷺様、あんまり酔いすぎるとよくありませんよ。ほら、そろそろ自重しては…」
「別に大丈夫よ…私明日は休みだし…なにより帰ったって誰もいないもの…人がいるここの方がいいわ。葵斗君だっているし…」
「葵斗、これが大人気女優の本当の姿なんだ。しっかり見ておくと君の将来の役に立つかもしれないね」
「ちょっと薫!変なこと言ってないでしょうね!」
「大丈夫だよ千聖、大切な仕事仲間だからね」
「ならいいけど…ほら葵斗君、一緒に私のところの事務所に行きましょう?」
「……瀬田様、こんなに白鷺様の酒癖が悪いって聞いてないんですけれど」
「千聖はバンド時代に知り合った人くらいしか心を開いてなくてね。最近会えてないからその気持ちを酒が暴いたというだけだね。儚い…」
「あの…イエスかノーかで答えてほしいのですが?…」
「あぁ、イエスだ。千聖はとんでもなく酒癖が悪いよ。2人で飲んだ時なんて千聖が離れてくれなくて私の家にそのまま付いてきて寝てしまったっていうこともあるね」
「……それなのになんで今日誘ったんですか?」
「まぁいいじゃないか。人はいる方がいい。最初ら千聖は全然乗り気じゃなかったけど君の名前を出した途端に演技じゃないかって疑うくらい豹変してね。よほど気に入られているみたいだね」
「ちょっと!私を放ったらかしってどうなのかしら葵斗君!」
「ここまで強情な千聖なんて珍しいよ。最近なんて滅多に見なくなったし…流石に迷惑だよ千聖、ほらもうお開きみたいだし帰ろう」
「いやよ!今日は絶対に葵斗君と帰るわ!」
「まさかここまでとはね…あ、大丈夫。別に襲われるとかは無いから安心してほしい。人と寝たいだけだから。全く千聖、君が1番嫌いなスキャンダルになるよ」
「薫が私のダミー人形持ってるから大丈夫でしょ!」
「なんだって!?はっ!いつの間にか腕の中に金髪の人形が!?」
こうやって変なことして変に盛り上げていくのがうちの黒服の先輩方のやり方…これ、やんなきゃダメですか?
「それじゃあ千聖をよろしくお願いするよ。またいつか、いやすぐにまた会うかもね。今日は楽しませてもらったよ。ありがとう」
「結局白鷺様の人形持ちっぱなしなんですね…」
「久しぶりの休みだからね。君には申し訳ないけどよろしくね」
翌朝……
「おはようございます、白鷺様」
「あ、おはよう葵斗君…って私、何してるのかしら」
「昨日飲みすぎて記憶ないんですね。白鷺様は自分から離れないのでそのままうちに連れてきました。今日は仕事がないと聞いているので、朝食も用意しました。それでは自分は学校がありますので、失礼致します」
「あ!待って…って行ってしまったわ…一人でいるのもなんだか寂しいわね。少し散歩しようかしら」
文化祭前なんで割と早いと思います次はね?(結局1ヶ月後とか)
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第六話
皆さん、おはようございます。白鷺千聖です。昨日飲みすぎて葵斗君の家で寝てしまって、そのまま朝を迎えました。今日は仕事も無いので電車に乗って久しぶりにいつもの喫茶店に行こうと思い、今はもう商店街に入る直前なんですが…
誰かしら?あの子。今日の朝葵斗君が着ていた制服と同じ校章が付いていて少し女子用にデザインされている制服…どう考えても同じ高校…あの学校は中学校からの上がりはなくて全員が高校から入るところだし…なによりまだ始まって1週間どころか3日も経ってないのよ?なのにもう不登校?有咲ちゃんじゃあるまいし…まさか道に迷ってる…なんてことはないわよね。なにしろここと学校はそこそこあるし……やっぱり不登校以外に考えられないわ。別に不登校が悪いとかそういうことを言いたいわけじゃないけれどどう考えたって早すぎるわ。これは学校で有咲ちゃんみたいな評判がついてしまうわね…って私には関係ないかしら。さて、つぐみちゃんのところに行きましょうか
「あ、あの!すいません!」
「ぇっ!?な、なにかしら?」
びっくりしたぁ…本当に道に迷ってるのかしら?遠目じゃ少しわからなかったけど私より大きいわ。薫くらいあるわね
「あの…羽沢珈琲店ってどっちにありますか?あたし地図読めなくて」
「よかった〜朝なんで皆駅の方向行っちゃうし、誰も見向きもしてくれなくて。こっちを見てるのを気づいた時にいけると思いました」
「あなた結構気配とかそういうのを感じやすいのね。ちょっと聞きたいんだけどその制服」
「あ!変ですよね。というか自己紹介してませんでしたね、神田(かんだ)紡(つむぎ)といいます。高校1年生で…」
「どうしてこんな時間に学校に行ってないのかしら?私は無神経かもしれないけど知りたいわ」
「……ごめんなさい。実はある人とここで待ち合わせしてて、上原さんって言うらしいんですけど…」
「ひまりちゃん?」
「そうです!そうです!知り合いですか?あたしベースをやってて今まで行ってた教室の先生に人が多すぎるし技能もある程度付いてるから別の教室に行ってほしいって言われて、上原さんに連絡をつけてもらってたんです」
「そうなの。それで待ち合わせはいつなの?」
「もう10時なので時間なんですが…あの方ですか?」
少し奥の方からピンク色の髪をした女性が歩いてやってくる。雰囲気からなにまで完璧にひまりちゃん。変わらないのね全然
「お!いたいたって千聖さん!?」
「久しぶりねひまりちゃん」
「はい!お久しぶりです!今日はお仕事お休みなんですね」
「そうなのよ。だからこうやってここに来たんだけど神田さんが迷ってたみたいだから一緒に来たのよ」
「うぅ…待ち合わせを駅にしておけば良かったです…ってちゃんと自己紹介してなかったね!私は上原ひまり!今度から紡ちゃんの先生です!で、こちらの方は白鷺千聖さん!もちろん知ってるよね?」
「はい!白鷺千聖さん……白鷺千聖さん!?」
「これも1つの楽しみの一つではあるわね。Pastel*Palettesのベース、女優の白鷺千聖です。これからよろしくね」
「よ、よろしくお願いします…さっきあんな風に話しかけてしまって…」
「別にいいわよ。元気のある子は好きよ。それとひまりちゃん?」
「な、なんですか?」
「実は紡ちゃんの高校。もう始まってるのよ?多分羽丘基準で考えてたと思うのだけど。標準的な学校のこともかんがえてね?」
「えぇ!?紡ちゃん、本当にごめんね?」
「今日は身体測定だったのでまだ替えがききますし…」
プルルルルル
「あら?電話ね。葵斗君からだわ」
「葵斗君ってあのこころの黒服さんの子供でしょ?」
「そうよ。ちょっと失礼するわね。 もしもしなにかしら?葵斗君」
『お昼ご飯をどうしようかと思ってまして。白鷺様には作っておりませんし…』
「大丈夫よ。今外にいるから、まだ食べてないんでしょう?だったら私のいる喫茶店に来てちょうだい。羽沢珈琲店ってところよ」
『わかりました。少々お待ちください』
電話の向こう側で朱音ちゃんに調べるように言ってるみたい。やっぱり仲のいい双子ね
『わかりました。今から向かいます。20分くらいかかるかと』
「わかったわ。それじゃあ待ってるわね」
「あの、葵斗君とは?」
紡ちゃんがそう聞いてきた。私とひまりちゃんしか知ってないから知りたいのも当然ね
「来たらちゃんと自己紹介してくれると思うけど私から少し説明するわね。湯島葵斗君ね。双子の妹に朱音ちゃんって子もいるわ。二人とも同じ高校で紡ちゃんと同じはずよ。その制服ならね」
「初めまして。湯島葵斗と申します。A組ですから違うクラスですがよろしくお願いします」
「そんな堅い挨拶を同級生にやったらダメでしょ。私、湯島朱音!葵斗の妹だよ。今後ともよろしく!」
「駿河凛花です。お二人と同じA組です。趣味は歌うことかな?最近寝るの遅くて結構寝不足なのが悩みかな?紡ちゃんの趣味とかは?」
「あたし?あたしは…ベースかな。ただそれだけだよ」
「ベース!?ほんとに!?」
「ま、まぁうん。かれこれ5年は」
「うんうん、やっぱり運命ってこういうことなんだね!つむちん!これから行くところあるんだけど付いてきてくれるかな!?」
「つ、つむちん…でもどこ行くの?」
「CiRCLE?ってとこのライブハウス。凛花から言われて会いたい人がいるってさ。ちなみに私はドラムだよ!葵斗がギター。ちょっと葵斗と凛花とつむちんをこうして並べて……うん!いいよいいよ〜」
「ちょっと朱音ちゃん、気が早いよ……」
「これが高校生ってものね…もう10年近く前なのね…私たちあんなに楽しかったのね」
「はい、蘭と巴とモカとつぐと「ひまりちゃん」で」
「あの時はほんとに楽しかったなぁ。今もこうして喫茶店やってるのも楽しいけどバンドがすごく楽しかったよね」
「うんうん!いいなぁ千聖さんは、パスパレで活動があるから」
「一概に良いとは言えないけどね…」
「そうね、バンドは楽しいけれど苦しいものでもあったわ。それより凛花、どうしてここにいるのかしら?」
「友希那おねーちゃん!?」
「「「おねーちゃん!?!?」」」
ちなみに驚いたのは千聖、ひまり、つぐの3人です。割と早いと思います。自分にしてはね?
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