もしオリジナルキャラクターと版権がクロスオーバーしたら【もしもシリーズ】 (ゆめみじ18)
しおりを挟む

もしアベンジャーズ3の前に天上院咲が飛び込んでしまったら。スパイダーマン編

 天上院咲はVRゲーム機の中で夢想する。

 彼女にとっての転機は天上院姫とのバトルだろう、アレを超えるものはポンとはそうそう出会えない。だが、もし迷いこんでしまったら。これはそんなもしもの、IFの世界だ。

 

 地球を滅亡へと誘う敵対者サノス。彼のことについては咲はほとんど知らない。敵はエンペラーでも、この場合姉である姫でもないだろう。

 そうなってくると敵は誰だ? 運営? マナーの悪いプレイヤー? バグったキャラクターの暴走?

 彼女が銀幕で出会うべきものは、自分の影である自分自身であろう。

 シナリオはこうだ。

 

「私私私、そして私」

「ダメだ、勝てない」

 そんな中、鉄パイプを持って駆けつけたのはスパイダーマンだった。

 パイプとパイプを反響させて、咲の影を討滅する。

「大丈夫かいお嬢さん、あー。君もヒーローネームとかあるの?」

「私は咲よ、今はよくわかんないけど。この暗闇の迷路を北へ向かって移動中」

 言うと、咲はコンパスを取り出す。取り出した円形のコンパスはクルクルクルと回るばかりで北なんて指してくれる気配がなかった。

「オーケー任せてくれ、ここは僕が先頭に立って歩くよ。ちょっと歩きながら話そう」

 言うと、スパイダーマンは先頭を歩いて行って咲はついて行くことにした。

「君はどこ生まれ」

「日本よ、髪はアバターで黄色いけど」

「ワオ、じゃあジャパンを守ってるのか? 日本は良いよね、ほら機械とか」

「守ってるとか、そんな大したことはしてないわ。姉を病院送りにしただけで。日本とか、世界とか。そんな壮大なことは私は何もしていない」

「でも君はこの闇の中に入ってこれた、てことは。何か特別な意味があるはずだよ」

「意味?」

「そう、例えば宿命とか。あぁいけないな、僕の周りの人たちが凄い人ばっかりでさ。僕なんか足下にも及ばないほど偉大で、僕は小市民で、何かでっかいことをやろうと必死に背伸びをしている」

「ん、良いんじゃない? 男の子はそういう野望に燃えてる方がカッコいいよ」 

「ワオ、引かないんだね。今の僕の友人とかに言ったら「それ本気で言ってる?」とか言われそうだ」

「私は名声を何となく上げたくて、この世界を旅してるふしがあるからね。野望とか野心とかは理解できる」

「あぁ解ってくれるのか、じゃあ教えてくれ。どうしたら彼らみたいな英雄になれる?」

「なんで私に聞くの?」

「根拠はない、でも君だったら解るはずだ」

「ん~それってアイアンマンやソーとかになるにはってことでしょ?」

「そう!」

「本で読んだ知識で良い?」

「何でもいい!」

 一瞬間を置いて咲は言う。

「愛がなければ道は開かない」

「・・・ラブ!?」

「あたしにはなくて、あなたにはあるもの」

「・・・・・・」

「ソレを本で読んでここに居るんだもん間違いない、んじゃ。あんたはあんたの道を生きな」

「ちょっと待ってそれだけ!?」

「ああ、言い忘れてた。私は2030年くらいの未来の人間」

「え、何だって?」

「私が生きる未来、守ってみなさいよね」

 そういうと、咲は光の中に消えてゆき。闇のドアが開いた。

 スパイダーマンは闇の中から脱出でき、サノスとの決戦にのぞむのだった。

「やってやる」

 

 VRの機械から表を上げる咲は、不思議な体験に疑問を抱いたが。

「変な夢、えっとどんな夢だったっけ」

 それは白昼夢のように。

「・・・忘れた」

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

もしアベンジャーズ3の後に天上院咲が飛び込んでしまったら。キャプテン・アメリカ編

 

 現実世界2034年、7月4日。

 天上院咲はVRゲーム機の中で夢想する。

 舞台はとあるうさぎの夢物語の全容と時間を知っている状態。

 アベンジャーズ・インフィニティウォーで、世界がサノスの指パッチンで人口が半分になってキャプテンが生き残ってるのを知っている世界。

 アベンジャーズ・ノーサレンダーで、ヒーローが達が固まってしまったのを知っている世界。

 灼眼のシャナンの映像の結末をほぼ全て観た状態の世界。

 日本のヒーロー達が天上院咲より先に、悪の組織と戦っていた世界。

 

 ひょんなことから、天上院咲とキャプテン・アメリカが現実世界で出会ったのは2018年。月日は、はっきりしたことは解らない。

「何で俺に会おうと思った」

「や、なんとなく。お姉ちゃんと似た臭いがしそうな気がしたから」

「確信がないな」

「私は別に未来の有益な情報を与えるために来たわけじゃ無い。話したくなったから話に来ただけよ」

「動機はなんだ、この2018年に来てまでしたいこととは何だ」

「まず前提として、私はどっかのツインテールやその弟とは違う。私は『始まりのキャプテン』に用がある」

 

 あるうさぎの夢物語をフェーズで分けると。フェーズ3が終わって、フェーズ4の始まりあたりだよな。と天上院咲は考える。

 まず咲が言ってはいけない事。この世界は灼眼のシャナンで祭礼の蛇が誕生する前であること。これは大きな星の歯車なので、どうしても言うわけにはいかないし誤魔化せない。

 次に咲が言っていい事。サノスが指パッチンをする前の歴史は、もう起こった出来事なので。言ってもキャプテンには変えられない。はずだが、咲は彼の力量を知らない。

 となると、ただの他愛もない雑談を表舞台でやりたい咲にとっては。アイアンマンの誕生秘話ぐらいなら話せるのか? と思考する。

 話したいだけなのに時空間がこんがらがってるから、ややこしい限りである。

 

 咲はどう話したらいいかわからないので。結局、天上院姫と話してるんだな。という前提で話そうとするが、だが男だが。

 結局言いたいことを全部のみ込み。何を話せばいいかわからず迷う咲。見かねたキャプテンはこちらから先に言葉を紡ぐことにした。

「何が起きた、サノスは何処に行った」

 この世界で起きたことは。蒼葉との3人のバトル中に灼眼のシャナンをみて巫女が「何が起きた」か解らず途方にくれて。更に合唱でアベンジャーズでも同様のことが起こっているという事。

 正規の時系列を3周して完結した、うさぎの夢物語の中間地点で。最初は知らず、次に知り、後からまたもう一度同じ現象が起きているという事。

 姿形は違っても、やっていることは同じ。だからこれは巫女に何が起きたか説明する必要があるのと同じ。そしてもう一つは蒼葉の居場所は何処だということだ。咲は検討はつかないがあてはある。

「えっと。1、最悪の事態は阻止された。あなたが解っていなくても」

「最悪とは……!」

「おっと結果は変わらなかったからそこは言えないゾ~。2、サノスがどこだって? 今は私の仲間よ、会って倒したいって言うのなら。私はそれを阻止する」

「何? これだけの人々を殺しておいて仲間だと、じゃあお前は敵か」

「私は味方よ、それだけははっきり言える」

 巫女から観たら、戦うべき吸血鬼が突然その場から居なくなって途方にくれているという状態なのだろう。

 だからこの滾り過ぎた闘士を何処へ向ければいいか解らずにいるといった感じなのだろう。つまり敵が居ないのだ。

 うさぎの夢物語での明確な敵は戦意を喪失し、あとに何も残さないように振る舞っていたシャナンは桃花、この場合サノスだが。は大の親友だ。悪の親玉、祭礼の蛇の件から脱却したい所ではある。

 咲は真帆転・桃花はよせという助言から察するに。仲間割れの危険性がある。となると、今ある敵は誰だというカードに対して咲は2枚のカードを持っていることになる。

 一つは簡単に出せる敵、妖怪と。遠い未来の敵、サムライだ。

 ……ここはアベンジャーズの世界。ならキャプテンに選ばせようと心に決める咲。

「敵は2人居る、どっちか一つしか選べない。今戦ってる敵か、遠い未来の敵。決断はキャプテンに任せるわ」

「それで場所は?」

「サノスは『今』英霊の街にいる、その場合私は姿形を変えてあんたと戦う事になるでしょうね」

「……」

「もう一人は最果ての島ね、あとは解るはず。その場合私は居ないけど、キャプテンの仲間割れの危険性があるわね」

「わかった」

 

 最後に天上院咲はこう告げる。

「じゃ、またあとで。1941年ファースト・アベンジャーで会いましょう」

 

 

 そうして天上院咲は現実世界2034年、7月4日。VRゲーム機の中から起きて目を覚ます。

 そうして呟くことは一言……。

「今『やるべきこと』は、やれたか……」

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

もしアベンジャーズ4の後に天上院姉妹が飛び込んでしまったら。 アイアンマン編

 天上院咲、天上院姫の両姉妹は。【現実世界】で夢想する。

 姉妹二人は川辺をただ歩いていた。

 

 川に流れてきた花束を観ながら姫は言った。

「そうか、アイアンマンは死んだか……」

 そのあと、10年の集大成を噛みしめるように感傷に浸り。空を見上げる。全ての空は繋がっている。

 咲はクルクル廻る当てもないコンパスを手に持ちながら、言う。

「ソウルストーンのさぁ、愛する人を失って初めて手に入るって下り。なんとか出来なかったの?」

 姫はその意味を正確に理解し、当時のことを思い出しながら。咲に助言する。

「創造神が汗水たらして、心と愛を削り取って出した答えだ。そう簡単に否定していい代物じゃない、むしろそれをやると無粋さ」

「それもそうか……いくら軽はずみな言葉を数多並べても、あの当時の気持ちを超えること自体、無粋だもんね」

 誰一人死んでほしくないという理想と、万感の思いで死んでいった真実の葛藤が。咲の心を揺らがせる。

 

 そして、姫は。このアベンジャーズが今後もヒーローとしての大役を。末永く続けられるように助言をする。

「私たちが出来ることといえば、『2代目アイアンマン』を決めることさ。受け継ぐ意思を途絶えさせてはいけない」

「……」

 少し長い間が空いた後、咲は咲の想いを口にする。

「そこはやっぱり。男性が良いかな」

「その心は?」

「タイムストーンの関係上、女性が多くなってしまうのは解るけど。……リスクや真帆転戦鳥やブロードのハガネマンバージョンなら。やっぱり男性がいい」

「まぁ、その考えは妥当かな」

 花束は川に流れて点となり、見えなくなっていった。姫が咲に問いかける。

「蒼葉君は?」

「あの時はさ、混乱してスズちゃんを守ろうとしてた時期だから。解った今となってはちょっと違うよ、皆によって育った私たちは。更にその次を見据えられる」

 花に水を与えるかのように、言葉を紡ぐ二人。

「流れ的には、ブロード……。スパイダーマンになるのかな」

「積み重ね的にはそうなるね、あと2パターンも提示しておいたら?」

「リスクと戦鳥のハガネバージョンねぇ~……どっちもどっこいどっこいな気がする」

 後の祭り、感想としては。やはりスパイダーマンが頭一つ抜け出ているという結論になった。咲は続ける。

「昔、私たちが好き勝手。自由にやってた頃なら別にいきなり新人でも良いんだけど。アベンジャーズのリーダーでしょ? 銀幕のスター。スターの中のスターなら……」

「まぁ、受け継ぐって意味ではそうなるか」

 誰がどうこう言うんじゃないかという意見も出たが、天上院咲と天上院姫はアベンジャーズのリーダー『2代目アイアンマン』をスパイダーマンに推薦する。という形で、一旦この話に区切りをつけた。

 

 姫が冗談交じりに笑いながら茶化す。

「咲が蒼葉にやったように。装備品を新品をブロード、お古をリスクで受け継ぐって手もあるけどな」

「え、それやるの?」

 咲が真似されるのを照れ臭そうに笑う。銀幕でそれをやるのもありっちゃありだが、そんなつもりでやったわけではなかったので笑ってしまう。

「何にしても、右手と左手は超人でもいいけど。リーダーは桃花や戦鳥のように、等身大のヒーローであり続けて欲しいかな。共感できるって言葉とはちょっと違う、馴染みやすいって言い方かな。2代目って意味ならね。3代目はまだ知らないけど」

 そうして二人は歩きながら談笑していった。

 

 日々の想いを重ねながら、

 果てなき歩みは続いてゆく。

 今在る世界を、変える先へと。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

もしアベンジャーズ4の後に天上院姉妹が飛び込んでしまったら。 アイアンマン編2※編集中

「辛い……、毎日葬式みたいになってしまう」

「ん~……。じゃあ、これからは幸せを贈れる旅にしよう」

「どういうこと?」

 天上院姫は天上院咲に新たな希望の光を指し示す。

「与えられた人が、最高の喪失感を得て終わるんじゃなくてさ。贈られたら本当に幸せで、胸いっぱいになるっていうサプライズを探す旅さ」

「本当に、……幸せ」

「何だったらまた過去に戻ってやり直すか? 【幸せで完璧な世界】に作り直すか?」

 咲はどっかで聞いたことあるワードにハっとなり、それは違うんだと。思いとどまる。

「や、それは遠慮しておく……!」

 姫は微笑を浮かべながら続ける。

「だったら今あるものを指折り確認して、その中で幸せになる方法を作ろう。そうポンポン過去に戻ってたって霧がないぞ?」

 後ろ向きな咲を励ますように、姫は歩を前へ、拳をぐっと握り。決意の笑顔をみせる。

「見せてやろう、私達姉妹の! 本気の! 幸せってのはこうなんだって! この現実に、ゲームに、世界に! 今ある材料で!!」

「……出来るかな? こんな今の運命で」

「できるさ! 私がついてる!!」

 勇気凛々、パワー全開に。ある意味神々しく、自信満々に告げる。

「映画、『アバター』や『スターウォーズ』や『アベンジャーズ』を超えられる! 出来るだろ! 私達姉妹が【協力】すれば!」

 咲は長い間を置き、右手を握り、目に見えない確かな『実力』を再確認する。

「うん、出来る。未だ見ぬ最高のハッピーエンドを、私達なら紡ぎだせる!!」

「うし! その意気だ!」

 何故か咲は、ウルウルと涙を瞳に滲ませた。それは戦いとは無縁の何かかもしれない。今はまだわからない。でも、確かにこの感情は希望を求めていた。

 咲は新たな思考を鈍く回転させ始めた。

「恋愛や友情や努力はもうやった、何か。他の、もっと……」

「勝利だろ!」

「なんでそっちいくのよ!」

 何故かガッツポーズの笑みでそっち方向へ行かせたがる姉。天上院姫。

 そこにはもう暗い歩みはうっすらと消え去っていた、勇み足に力と軽さが加わる。姉妹に新たな目標が生まれた【本気の幸せ】とは何か、間違っててもいい誤っててもいい。

 その言葉さえも、いつか時がたつにつれ忘れてしまうかもしれない。でもこの時確かに、天上院姫から勇気をもらった。

 

 今回のことを、反面教師にまた歩んでいこう。

 そう思えた天上院咲であった。

 

 

 もじを埋めるよ頑張るよ少ないけど1000文字さえ達すればいいわけだ。ちょっとの苦労も後でキャプション編集中にすれば何とかなる戦法。

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

もしアベンジャーズ4の後に四重奏が飛び込んでしまったら。 ガーディアンズ編

 ブロード、レイシャ、リスク、スズの四重奏は【妖精の世界】で夢想する。

 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーはまた方向音痴な所へ出発していった。どこかの惑星へ到着したスター・ロード達は。かっこソーも含まれる。

 彼らは四重奏と出会うこととなった。

 四重奏の知名度はさほど高くなく、平穏に暮らしていた。感覚的にはファンタスティックフォーと出会ってるんだろうなあ、程度の認識である。

 

 四重奏にとっては、サノス? 指パッチン? 何それ? 状態である。理由としては、あの時は湘南桃花の世界。タイムストーンの話なので、作品が違う。住んでいる時空が違うのだ。

 宇宙が違うとかマルチバースが違うとかお隣さんの家で起こった出来事として処理されており。実質被害が無かったのである。

 リアリティとは無縁な彼らが、時間軸は違うとして。じゃあ彼らは何をやっていたかというと。キングダムハーツ3方向、ソラ達と出会っていて戦っていた。というのが意味合いとしては正しいのかもしれない。

「お前ら、この非常事態に何やってたんだ?」

 四重奏にとっては、知らない事件に何故首を突っ込めと鬼気迫る態度で言われるのか。皆目見当がつかないわけである。ブロードとレイシャは続ける。

「よくわからないが、お前らミュウの知り合いか?」

「それとも、スズちゃん関係の知り合い?」

 スター・ロードとソーは顔を見合わせてから。思い当たる節を探す。

「えっと、どちらかというと湘南桃花との知り合いだ。あと問題を起こしたといえば……蒼葉くんだな」

 リスクとスズは「あぁ」、と頷く。

「桃花か~、あいつ本当に顔が広いわね」

「サノスって強いのか!? うち戦ってみてえ!!」

 スター・ロードは何とか話を合わせようと必死である。

「あぁ、残念だがサノスは塵になった。そう、なんつーか葉っぱになったというか、灰になったというか……」

 ブロードは「うん?」となり疑問を投げかける。

「もし灰になったとしたら、『こっち側に』来たのかもな、妖精や、精霊って意味では」

「……なんだって? あのサノスがこっち側に来てるってどういう意味だ! ぶっ殺してやる!」

 半ばキレ気味に話を進める、ギャラクシー組からしたらひどい目にあったので。当然である。スズは続ける。

「もう死んでるわよ、こっちは『精と霊』の世界なんだから。もっとも、元から精霊として生を受けた私たちにとっては。生きてるって気持ちがよくわからないけどね」

 話が微妙に噛み合わないので、きょとん顔になるスター・ロード。ソーが話を続ける。

「ここは地獄か?」

 レイシャは神に祈りを奉げるように言う。

「いいえ、天国よ。まあまあ、かたっ苦しい話はあとにして。お茶でも飲んでいったら【まだ敵はいないんだし】」

 まるでいつも当然のように、悪役が湧いて出てくるような言い草である。

 ギャラクシー組は、とりあえず。四重奏に道案内をお願いした。ゆっくりできるのならそれに越したことはない。ソーは気が緩んだのかゲームのことを口に出す。

「ところでここにはワイファイってあるか?」

「ウィフィー?」

 リスクが心のままに言う。

「合唱ならできるぞ!」

 そのあとは他愛もない話が続いた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

もしアベンジャーズ4の後に真帆転戦鳥が飛び込んでしまったら アイアンマン編3※編集中

 機械的な音声が個室に響く……。

「やー真帆転戦鳥。ずいぶん強そうなニックネームを名乗るようになったんだな」

「…………」

「でも私の眼は誤魔化せない、……ていうか、ログか。君は今の今まで、その力を。存在を隠してた、何故か? 答えは考えればすぐにわかる、妹を守りたかった。そうだろ? だから隠す必要があった」

「…………」

「私は表側の君に用があって話してるわけじゃない、裏側の君に話をしてるんだ。そう……。……秘十席群に」

「…………」

「天上院姉妹はスパイダーマンを、ピーター・パーカーを推薦した。そりゃあそうだ、実績がある。誰もが認めるスーパーヒーローになった。そう、なったんだ。初めは皆、赤ん坊だ。何が言いたいか解るか?」

「…………」

「黙秘権か? なんか喋ったらどうなんだ、これじゃ私が道化師みたいだぞ」

「…………僕は…………」

 

 

 ゆっくりと、確実に、悟すように語りかけるAIトニー。

「……君が必要だ、秘十席群(ひじせきぐん)」

 

 

 秘十席群はここでようやく震えた声を人口AIのトニー・スタークに向け放つ。

「僕じゃ……出来ない。何でだ! 何で真帆転戦鳥じゃない! あの惨めな紙の束か!? 245枚の安っぽいプライドの塊か! それが資格の条件だったんなら……!」

「ふざけんなか?」

「…………ふざけんな……」

 泣き崩れる、秘十席群。死んでいったトニーからのメッセージに。どうしようもない憤りを感じる。

「大いなる力には大いなる責任が伴う」

 その言葉にハっとなる秘十席群。

「だが、この言葉はお前には相応しくない。こんな名言は、ただのタイム泥棒だ。ネットで言ったら炎上するだろう」

「君には君に合う、最適な言葉がある」

「……なんだよ、それ……」

「『君の手は私が必ず取る』……君が言った言葉だ、忘れたのか?」

 何回巡回したのか解らない言葉が、彼に語り掛けられる。

「僕の……手……」

「ちゃんと記憶しとけよ? 今日からそれが、君の名言になるんだ。タイム泥棒したくなるぐらいにな」

 

「……何だよそれ、こんなの卑怯だ」

「さぁ行け。秘十席群! 今日から君が、アイアンマンだ」

 これだけでもう何も必要なかった、それだけでもう彼は立ち上がり。歩き続けることができた。

 

 

 キャプション編集中。文字埋めです。何とかして文字数を埋めなければいけないけど、時間がないので追加エピソードがまだ書けてないけど。とりあえず掲載したいので文字数を稼ぎまくる文字数。いやっふう、いやっは! ヒュウイゴー!!!!

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

もしデッドプール2の後に神楽蒼葉が飛び込んでしまったら※編集中

「やっべ、来る場所間違えた」

 

 9歳の神楽蒼葉はドラゴンとしてくる場所を間違えた。そこへ、デッドプールが声をかける。

「よお坊ちゃん迷子かい?」

「迷子じゃないよ、選択を間違えて観ちゃったんだよ」

「おぉ、正しい判断だ。だってここはR15作品、9歳が見ていい世界じゃない。特別に君がいる間は全年齢に変更しちゃおう」

「テッドからしたら、ロキ君の方がよかったかな? 悪役っぽくて」

「いやあ、あっちこっちに引っ張りだこの本物と会話できるなんて嬉しいよ。これからも末永くよろしく、お家はどこだい?」

「平気だよ、自分で帰れる。それより折角来たからこれあげるよ」

 言って、蒼葉は時空の扉からソウルストーンを出して、デッドプールに手渡す。

「これは?」

「ソウルストーンのレプリカ、『アベンジャーズ/エンドゲーム』のストーンはそのまま持ってくると、またややこしくなるから。やめておいた」

「簡単に言うと何ができるんだい」

「失った恋人の魂が全員分入ってる、適当に遊んだら壊してね。入ってる魂は本物だよ」

 一瞬言葉を失った。

 確認できる限りだと、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーのガモーラ』、『アベンジャーズ/エンドゲームのブラック・ウィドウ』、そして『デッドプール2のヴァネッサ』の魂が確認できた。

「壊したら、その魂はどこへ行く?」

「『アベンジャーズ/エンドゲーム』のキャプテン・アメリカの元の場所へ還るよ、これを使って頑張ってアカデミー賞とってね!」

 満面の笑みで茶化す蒼葉、無邪気とはこのことを言うのかと思うデッドプール。

「流石蒼葉君、噂に違わぬ極悪人だ」

「じゃ! まったねー!」

「おお! いつかまた、クロスオーバー作品らへんで会おう!!」

 こうして、神楽蒼葉は次元の彼方へ消えて行き。デッドプールの手元には、誠に厄介なソウルストーンのレプリカだけが残った。

「やってくれるぜ……」

 

 ◆

 

 文字数が足らない、悲しい、あとでもうちょっと書くようにしなきゃ。なんてこったい。まさか1000文字規制があるとは思わなかった。この埋め合わせはまた今度。言葉や体ではなくて文字で恩返しします。てゆうか書き直したほうが早そうだけどそんな時間は今の僕にはない。なんとか、かんとか、どうにかして文字数を稼がないと。

 大変ですねこの作業。てかハーメルンさん、懐が深いですね。僕尊敬しちゃうなあこがれちゃうな。

 この文字数埋めは、こんど、ちゃんと書きますんで許して。んちゃ。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

 もしアベンジャーズ4の後に湘南桃花と不動武が飛び込んでしまったら ブラックパンサー編

「いや、星明幸ちゃんは悪くないよ。こうなったのは私のせいだ。ほんとごめん」

「何も知らない先生が生徒に謝るもんじゃないよ、ドンと座ってればいいさ。で、さてと」

 桃花はムっとしながら、ある意味本物のヒーローの光を見ているような複雑な顔をする。

「……異文化交流とはまた乙ね」

 もはや伝説と呼ばれるほどの場所。『最果ての島』にブラックパンサーこと、テイ・チャラは居た。そして互いの代表者である不動武とブラックパンサーは握手を交わす。

「初めまして不動武君。そっちのことは君に任せた、こっちのことは我々に任せてもらおう。ティーチャ桃花、そんなに気負わないでくれ。全てを知ろうとするのも無理がある、出来る範囲で何とかするのが人間だ」

「……はぁ、導ける手があるのに、何とかできないのがもどかしいですよ。私は……」

「全ての宇宙を把握するのがもどかしいと?」

「一つのクラスもまとめられないって意味ですよ……はぁ」

 半ば皮肉交じりにブラックパンサーに返す桃花先生。最高の力と最高のチームが居るのに、その中で三流で一般人を貫いていた自分。気持ちが更に小さく思える。

 ブラックパンサーは導き手の言うことを聞く。

「何か今後の指針とかあるかい? 導き手、希望的観測で構わない」

 あぐらをかきながら、夢から覚めるように。現実を見る。

「【現実の世界】ねぇ~……。絶対眠りの夢から覚めたてのようなひよっ子が、いきなり現実世界を導けって無理があるわよ。……まずは徐々に慣らしてから理解しなきゃ」

「そうか、なら私たちは【理解者】として共に歩もう。困ったときは頼ってくれ」

「絶賛困り中ですよ、……はぁ……」

 不動武が間を取り持つように、ブラックパンサーに言う。

「とまあ、【こっちの桃花】は数日間こんな感じですよ。サノスとアイアンマンの一件以来ね、混乱に混乱が重なってる」

 ブラックパンサーはなだめる。

「無理せず気負わず、安静にしててくれ」

「何からやればいいのか、……わからない……」

 という感じで、ゆっくり少しずつ。夢と現実の接合性を確認し照らし合わせて行く3人だった。

 

「いや、星明幸ちゃんは悪くないよ。こうなったのは私のせいだ。ほんとごめん」

「何も知らない先生が生徒に謝るもんじゃないよ、ドンと座ってればいいさ。で、さてと」

 桃花はムっとしながら、ある意味本物のヒーローの光を見ているような複雑な顔をする。

「……異文化交流とはまた乙ね」

 もはや伝説と呼ばれるほどの場所。『最果ての島』にブラックパンサーこと、テイ・チャラは居た。そして互いの代表者である不動武とブラックパンサーは握手を交わす。

「初めまして不動武君。そっちのことは君に任せた、こっちのことは我々に任せてもらおう。ティーチャ桃花、そんなに気負わないでくれ。全てを知ろうとするのも無理がある、出来る範囲で何とかするのが人間だ」

「……はぁ、導ける手があるのに、何とかできないのがもどかしいですよ。私は……」

「全ての宇宙を把握するのがもどかしいと?」

「一つのクラスもまとめられないって意味ですよ……はぁ」

 半ば皮肉交じりにブラックパンサーに返す桃花先生。最高の力と最高のチームが居るのに、その中で三流で一般人を貫いていた自分。気持ちが更に小さく思える。

 ブラックパンサーは導き手の言うことを聞く。

「何か今後の指針とかあるかい? 導き手、希望的観測で構わない」

 あぐらをかきながら、夢から覚めるように。現実を見る。

「【現実の世界】ねぇ~……。絶対眠りの夢から覚めたてのようなひよっ子が、いきなり現実世界を導けって無理があるわよ。……まずは徐々に慣らしてから理解しなきゃ」

「そうか、なら私たちは【理解者】として共に歩もう。困ったときは頼ってくれ」

「絶賛困り中ですよ、……はぁ……」

 不動武が間を取り持つように、ブラックパンサーに言う。

「とまあ、【こっちの桃花】は数日間こんな感じですよ。サノスとアイアンマンの一件以来ね、混乱に混乱が重なってる」

 ブラックパンサーはなだめる。

「無理せず気負わず、安静にしててくれ」

「何からやればいいのか、……わからない……」

 という感じで、ゆっくり少しずつ。夢と現実の接合性を確認し照らし合わせて行く3人だった。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

 もしSAOオーディナルスケールの後に天上院姫が飛び込んでしまったら

 現実世界、西暦2034年9月2日、午後。

 天上院姫は自身が開発したマシン。MFC000(ミラーフォースコンバートオーズ)でデジタル空間内にログインする。

 

 そこには黒い、何もない空間だけが漂っていた。

「システムログイン。ID、茅場晶彦(かやばあきひこ)」

 そして、ポリゴン片が実体化して結晶を形成する。

「久しいな、と言っても。君は私のことなど覚えてはいないだろうが」

「貴様は数多作った没設定、はたまた思考思想など。いちいち覚えているのか?」

 システムの中に心があるように、大人の男性研究者は語り続ける。

「こっちは2026年と2046年を行ったり来たりだよ、どうしてくれる」

「んなもん知るか。サッカーと野球を繋げてゲームしろと言っているようなもんだぞ? 本筋の蛇足は削り取り、ダイヤモンドを磨く」

「ふふ、どちらも実力不足と受け取っておくよ。それで、わざわざ会いに来たということは何かしら訳があるのかね」

「別に、ちょっと3次元に触れすぎたから2次元畑に戻りたくなった程度の認識だ。そして同じ視線で話を出来る相手といえば……」

「なるほど、古き良き≪ザ・シード≫の思想を知っている私ということになったわけか。これは偶然か?」

「不自然な流れも結構目に留まったが……、まあここで話してる内容は自然だ。身構えなくていい」

「ふふふ、あくまで私は下っ端。君の駒に過ぎないという認識か。恐れ入るよ」

「ま、そんなことはどうでもいい。それで≪ザ・シード≫……こっちでは≪世界樹の種≫と呼んでいるが。種な以上いつか芽吹き、いつか散る」

「死なないさ、バタフライ効果で。形を変えて響き渡っている」

「ふう……まあそこまで先読みしなくても良いさ。永遠でも一瞬でも、私にとってはタダのネタが肥大化しただけのものさ。ま、私の食文化にまで影響するとは想定外だったが……」

「しっぺ返しさ、存分に食べたまえ」

「それで、どうする? このまま自然放置か、手入れをするか、まあ削除って手は無いけどな」

「なるほど、君が無意識に私に語り掛けてきた理由は。『手入れの仕方がわからないから話し相手が欲しい』といったところだろう」

「言われてみれば~そうか」

「たまにはザ・シードの考察でものぞいてみると良い。面白いぞ」

「ふむ、そうか。考察ねぇ……」

「こっちとしては2026年と2046年をうまく繋げて欲しいんだがな」

「勝手にやってろ、そこまで面倒はみきれない」

「ふふ、そうだな。好きにさせてもらおう」

「考察か~考察ねえ~……。まあ今回はこの辺にしておこう」

「また会う気かい? 新たな次元へ、よく旅立ってしまう君が」

「VRMMOの世界には私の妹がいる、そうさっさかどこかにはいかないさ。私は昔の作り方に戻る、あんたはそのゴミを拾って育てる。……それでいいんだ」

「あぁ、それでいい」

「ふむ、ちょっと話したら考えがまとまった、じゃあな」

「あぁ、体に気おつけたまえよ。今の君には肉体がある」

「ふふふ」

 

 こうして、天上院姫は。デジタル空間からログアウトした。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

もしアベンジャーズ4の前に湘南桃花とオーバーリミッツが飛び込んでしまったら ブラック・ウィドウ編

 惑星ヴォーミア、ここでは愛するものを失うことこそが。ソウル・ストーンを手に入れ。この先の勝利に繋がることを湘南桃花は知っていた。元からそう決まってたし、形を変えて起こる結果も知っていた。

「ブラック・ウィドウはここで死ななければならない。それが、彼女がこれまで歩んできた意味の、唯一の役割だから」

 ブラック・ウィドウとホークアイの葛藤を、湘南桃花とオーバーリミッツは遠くから隠れて観ていた。

 

 湘南桃花には正しい時間軸じゃない所でも、記憶を持ち越せる技術はあった。

 それは何度も戸惑い、やめることは出来ただろう。何度も止めたし、辞めた世界線は観てきた。ドクターストレンジの何万通りの時間軸を見てきたことにも起因する。オーバーリミッツは尋ねる。

「もし、二人とも犠牲にならなかった世界線だとどうなるの?」

「メタ的に言えば、唯一無二の見せ場がなくなる。でもそうじゃないんだ、彼女が死んでシャフランを止める。大好きなオーバーリミッツの暴走を正気に戻す機会は、ここしかなかったんだ」

「……」

「もし誰も犠牲にせず、ルールに挑む勇敢な選択肢を取ったとしても。どこかの世界線では、ハルクが暴走して止まらない未来しかなかったでしょうね。……いや、それも違うか……」

「?」

「大好きなオーバーリミッツを体を張って、助けて止める。だからこそ、この【問題の3話】は……この世界ではブラック・ウィドウじゃなきゃいけない。信じあう者同士じゃなきゃ、この場合次の物語に行けない、だからいる」

 天上院咲が「なんとかならなかったの?」という答えには。湘南桃花は複雑そうに答えるだろう。

「これが私とオーバーリミッツとの愛の形だった、てことになるでしょうね。逆にあの場面を取ったら、彼女には何にも無くなってしまうのよ。彼女は空っぽのまま、アイアンマンが指パッチンをする」

「するとどうなるの?」

「ガントレットが不完全だから指パッチンの効果が半減する、【誰かの暴走は止まらない】という運命の結果が起きるでしょうね」

「つまり、ルールの抜け道を使って。ソウル・ストーンをゲットしたとしても。サノス襲来の時、もっと多くの【誰かの暴走が止まらない】という結果が、永遠と味方陣で繰り返される。と」

「その大虐殺の未来をブラック・ウィドウ一人分に抑え込んだ、最短ルートでね。だからアイアンマンはともかくブラック・ウイドウの死は。全員集合の時の犠牲を最低限に抑えた。といっても良いでしょう」

 オーバーリミッツは沈黙を続ける。

「二人が死んだ後に、『どうして彼女が死ななければならなかったんだ!』と尋ねられたら。ドクターストレンジがタイム・ストーンか何かで。全員集合の時に大虐殺が起きるヴィジョンを、相手に見せるしかないわね」

 桃花はそのまま、アベンジャーズの二人を遠くから見つめる。そして崖から落ちて、ブラック・ウィドウは死んだ。

 オーバーリミッツは言葉を失う。

「…………」

「これがあなたと共に歩むために取った、【知らなかった私の唯一の方法】よ。オーバーリミッツ」

 ブラック・ウィドウの魂は天国へと上り、ホークアイの手にソウル・ストーンがわたる。

 

 オーバーリミッツは湘南桃花に質問する。

「この世界では死んだ魂は生き返ったりしないの?」

「出来ないこともない。ただ、それをすると。彼女は空っぽのままだ。もし生き還っても【怠惰で平穏な地獄】が彼女を待っているわ」

「……、安らかに眠ってね」

 

 時は弾け、動き出す。

 誰にも止めれぬ力をもって。

 世界はその意味を答えず。

 ただ、動き続ける。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

もしアベンジャーズ4の後に秘十席群が飛び込んでしまったら キャプテン・アメリカ編※編集中

 老人となったキャプテンアメリカの前に、ゆっくりと横に座る秘十席群。

「近道を知る知恵を使ったんですね……、ここにいない全員に変わって深く感謝します」

「……、おぉ。良いんだ……これは私が選んだ選択だ……」

 湘南桃花と同じ【導き手】として、自分の手を見る秘十席群。

「まさかたった2話分、2000文字程度の気持ちのみで。あそこまで汲み取り、昇華してくれるとは思わなかった。偶然とはいえ、感謝してもしきれません。私も桃花も深い後悔の渦中にいます」

「いいんだ……それで、どうするのかね? アイアンマン、トニーの後継者。モーガンの事だよ」

 雀がちゅんちゅん鳴く声を聴いてから、自然と群はその言葉を口にする。

「残念だが、私はモーガンの事をよく知らない。ここまでやってくれたキャプテンに、その選択を委ねたい」

「ふむ、なら。ファルコンに一任しよう。ここまで来るのに少々疲れた、彼の選択を尊重しよう」

「……ミュウのお世話は、さぞ大変だったでしょうに」

「なぁに、君が思ってるのと同じぐらいの気苦労さ」

「……………なら、中々に愉快な冒険の旅だったのでしょう」

「……ふむ、だが。約束を果たせてよかった……」

「それらについては後悔してもし足りません、もっと速く。あなたとお会いしたかった」

「会ってはいたさ、気づかなかっただけで」

「私は、自分の力に限界を感じていました。今回の件については。私は10点満点中、1点ぐらいしか協力していない……。【協力】という観点から言えば、これから先もっと良くなるという、可能性を見つけられました。改めて感謝を」

「ふむ、……どうだね。超一流が隣にいるという感想は」

「心強いです、とても……」

「おぉ、そいつわぁ、よかった」

「では、私は行きます」

「おぉ、あなたの行き先に幸あらんことを」

 にっこり笑った秘十席群は。前に進む、途中。2・3回振り返った後。

 

 

 

 もう振り返らなった。

 

 

 文字数編集中。文字が少ないよ、しょうがないね。想定してなかったから。

 でもこのエピソード好きなんですよね。あとで編集するとは思うけど。やっぱり1000文字は欲しかったところ。なんでこうなったんだろうと考えてもどうせくだらない答えというか感想というか。しょうもないことしか思いつかないのでとにもかくにも文字数が今は欲しい、えんやこら、どっこいしょ。よっこりゃしょ、よいしょっとうにょらああああ、とっぴろきいいいい。しゃあシャアグッジョブ、ナイス、エンジョイ。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

もしアベンジャーズ4の後に四重奏が飛び込んでしまったら。 ガーディアンズ編2

 天国、名前はまだない。

 ドンドンドンドン! 

 自分の家に帰ってきた蒼葉に向かって。ドアを叩くスター・ロード。

「おーい!! 神楽だか歌峠だか何だか知らないが、とにかく蒼いやつ!! 出てこい! もう我慢の限界だ! ぶっ飛ばしてやる!!」

 スズは自分の弟に対して言われている馬頭に怒るでもなく、ため息をつく。やったことに対して知っているからこそ、止めることはしない。

「ごめん、やるとしてもデコピンにして……」

「よーし! 3000回デコピンだ!! その頭ン中の極悪人を引っ張り出すまでやめねーぞ俺は! 9歳なんか怖かねぇー!!」

 リスクは考えたことをそのままスズに言う。

「なぁ、なんであいつは怒ってるんだ?」

「蒼葉が『君とはノリが合わないね~』て言ったことに対してよ」

「ちげーよ! バーカ! バーカ! バーカ!!」

 スター・ロードのお茶目たっぷりな馬頭が響く。スズが代わりに考える。

「サノスは【絶対】、でも。【どんな手を使っても許される】と怒って言ったのは蒼葉、……。てかあの時は見た目【私が3人】いたのよね……」

 昔ながらのブロードがスズに問答する。

「お前何やってんだスズ……」

「いや、あんただって。初めての企画目録で出会った人とはそうなるわよ。遅かれ早かれ」

 レイシャが話を現在に戻す。

「スズちゃんが企画目録と戦ってた間、現実世界の人たちは。機械とか電力会社とか思想の毒とか犬とかと戦ってたんだよね……結局誰が敵なのかしら?」

 ブロードは混乱してきたので、単純明快な答えにするリスクに考えをふる。

「リスク、誰が悪党だと思う?」

 流石に考えないリスクも一瞬固まって直感で答えを出す。

「殴ってるやつ」

「「「「…………」」」」

 ブロードが切っ先を制す。

「まあ、暴力はよくないわな」

 

 結局。暴力はやめろ! とか、やめない! とかひと悶着あった後、とりあえず蒼葉に10回デコピンをやって。「この話は終わり!」という流れになった。

「痛ったい……この人、本気でやった……」

「俺たちがどれだけ真剣(マジ)だったか解ったかこの野郎!!!! あーもうこんなんじゃ収まんねええええええーーーーーーーーーーーー!!!!」

 ガモーラが、ポンポンとスター・ロードの肩を叩いてなだめる。

「もういいわよ、新しい悪党を探しましょう」

「そ、そうだな。過去の悪党より、新しい悪党だ……。俺だって前を向くんだ。立ち止まってやるもんか!!」

 スター・ロードは決意を新たに前を向いて勇み足で歩き始めた。

 四重奏『本物』四人組プラス蒼葉とは、いったんここで別れた。

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

 もしアベンジャーズ4のクライマックスに神楽スズが飛び込んでしまったら。 アイアンマン編4

 ルミネ市。神楽スズ10歳、神楽蒼葉9歳、エレメンタルワールドの後。

 

「え? 鈴の音空間をもう一度やれって?」

「お願い! お姉ちゃん! これで最後のピースが揃うから! 今回だけ! 多分!!」

「多分って……えぇ……。それって最果ての島よね、気持ちマックス3000の……」

「こっちの準備は出来てる! てか全力でフォローする! 生きてるアイアンマンにもう一度チャンスを!!」

「ちょっと待って、それってシャナの年齢12歳? それとも高校3年生17歳? それとも成人20歳? それによって言葉変わってくるんだけど……」

「で、ここからは演出の話なんだけど~。アイアンマンに言えるメッセージは一言だけ」

「一言だけ……。て! それって死ぬ直前でしょ!? あまりにリスキーなんじゃ……」

「お願い! お姉ちゃん! ほんとこれだけ! 本当にこれだけ!!」

「ん~……。わかった、ただし。ただなんとなくで最果ての島へは行きたくない、結構きつい条件を作ってからじゃないと行きたくない」

「桃花先生みたいに適当に行きたくないと」

「……ちょっと違うけどそんな感じ」

「じゃあどうやって行くの?」

「ゼウスと同等の力を持ってるミュウちゃんに相談する」

 

 というわけで、ミュウちゃんのところに相談に来た。スズと蒼葉。

「えーっと。設定的に言うと、あそこは観測可能な宇宙の外側。次元の壁、マルチバースを超えれなきゃいけない場所だじょ?」

 蒼葉は懇願する。

「そこを何とか……」

「普通の人間じゃ無理だ、生身の人間がブラックホールに飛び込むようなもんだぞ」

「心のエレメンタルの【闇炎】状態だとどう?」

「エレメンタルワールドすら突破できん、さっきも言ったろ。マルチバースを突破しなければ無理、まだ夢想もしてないEXステージだぞ?」

「ちなみにミュウちゃんは、新たな次元へホイホイ飛んでいくよね? あんなノリでせさぁ~」

「それとこれとでは話が違うじゃろ!!」

「ごもっともでございます!!」

 スズが考え考え、ミュウに言う。

「押してダメなら、引いてみたらどうだろうか?」

「……というと?」

「『数字絶対主義(カウントインフレ)』のアインは向こうから来たよね? 最果ての軍勢に重力波かなんかで信号を送り、来てもらう」

「エレメンタルワールドの殻を破るってことだから、私ちょっとケガするぞ?」

「すり傷程度なら問題なし、よし! それで行こう!」

「おい」

 

 というわけで、アメリカ合衆国大統領とかに協力してもらって~中略~。

 疑似、鈴の音空間展開装置を設置。

 ギュイイインと機械音がうなりをあげる。

「心のエレメンタル起動! 名は! 『約束』!! プラス! 憑依合体『創造神ミュウ』!」

『重力波装置異常なし、最果ての島に信号を送ります。送信!』

「……」

『送信完了! 繋がりました! エレメンタルワールドの門が開きます、ワープジャンプまで5・4・3・2・1・今!』

「鈴の音空間! 展開!!!!」

 

 チリーン……。

 

 細長いスパゲッティみたいな気持ちになってから。その場所にアイアンマンは居た。

 神楽スズ自身は、20歳の成人女性の体に成長していた。ここで発せられる言葉は一言だけ。

 アイアンマンもそれをわかって一言だけで返す。よくある、王道の言葉一つだった。

 

「愛してる」

「……愛してる」

 

 その一言だけ言い終わって、エンシェントワンの幽体離脱のように。体が元の場所へ急激に戻っていった。

 ギュン!

 体が赤黒く燃え上がる、すぐに警備員が消火器でその火を鎮火させる。

 予め装備は万全だったので、火傷はなかったが。それでも大変な気苦労だけは拭えなかった。

 

 そして

 そして

 そして……。

 

 エレメンタルワールドの観測可能な宇宙の範囲内に。

 他世界へ行ける、マルチバースへの門が無数に繋がった。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

 もしとある魔術の禁書目録に星明幸が飛び込んでしまったら。

 西暦????年 現実世界。交差点。

 

「お前の場合、私がアクションを起こしたら。速攻でリアクションを返してきそうだから、そっちのほうが怖いよ」

 星明幸は、上条当麻に対してそう呟く。不幸少年は変化球でこう返す。

「今のセリフ、俺に対して言ってませんよねえ? 幸福さん……?」

 最強最弱に警戒している上条当麻だったが。私達の会話を下位に、首脳会談を上位にしているつもりで話している。

「安心しろ、今回は何気ない日常会話のつもりで。こっちは来てるんだから、敵対するつもりなんてない」

「……体は、大丈夫なのか? 今回は頭のほうか……」

 冗談ではなく本気で心配してくれている上条。補足しておくと、星明幸は自分は肉体のある人間のつもりで話をしている。

「口は災いの元とはこのことだな、自分が全知全能の神様だとは到底思っていないが……。神託を受けているという事に関しては、嫌でも実感させられてしまうよ」

 神様の力の源泉が信仰である以上、自分が死んだ後もその信仰が衰えないんじゃないかという心配を、むしろしてしまっている。

 これだけ人が動き。これだけまるでハリウッド映画のような出来事が起こり。これだけ変換されて世の中に形が残っていると、そいうことを危惧してしまう。

「創造神代理人じゃない、創造神本人……。最初は自覚なき子供、次は自覚が芽生える人間。最後は自分が神様だと信じ切ってしまう……私にはそっちのほうが怖いよ」

「オティヌス戦でも言ったよな、俺はお前を見捨てない」

「あの時は、後の祭りで気づかされたが。アレイスター=クロウリー戦では、しっかり自覚があって付いてきたな、認めたくなかったが……」

 上条当麻は右手をゆるく握りしめる。

「お前は、【あの夜の決着】を許せない。認めない、だから抗う。そのために【護っている】……そうだろ?」

 少年は大の字で決意を新たに発言する。言いたいことはたった一言だった。

「……あぁ、そうだ!」

 少女は微笑で目を瞑り、信じ切ったような顔で。うなずく。

「……だろうな。『その通りだ』」

 まだまだ全然遠回りをする、まだまだ全然遊び足りない。そのことをすまないと謝罪したい気持ちを抑えて、少年と少女は続ける。

「良いんじゃないか? 【ラスボス】おまえの夢は、ちゃんと叶ってるよ」

「ふふ、ラスボスのリアルプレッシャーなんて味わいたくなかったがな。子供の絵空事のほうがよかったと思っているよ、今では魔王となる正義のヒーローが大活躍してしまう始末さ」

「インデックスが居たら、祈りは届く。信じろ。とか言いそうだな」

 妙に緊張感のある会話になってしまってきた、星明幸はもっと軽い気持ちで話したかったのだが。因縁がありすぎてそれどころではなかった。

「やめようこの話、今度はどっか安っぽいレストランでオレンジジュースでも飲みながら話そう」

 少年は笑って言葉を返す。

「そりゃいい、うちの食いしん坊が喜んで飛びつきそうだ」

「じゃあ……、またな。なのじゃ」

「あぁ、またな」

 そう言って、少年と少女は交差して。再び歩き出した。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

 もしSHIROBAKOに湘南桃花が飛び込んでしまったら。

 レストランで軽い打ち合わせをする、大人3人組がそこにはいた。

「社外秘の守秘義務なのに原作者の気持ちを汲み取りたいって、いや無理でしょ……、蒼葉君じゃないんだから私ちゃんと作品に関わりたいし。……でも社外秘なんでしょ?」

「すみません! 本当にすみません! すみません!」

 宮森あおいと湘南桃花、ついでに木下監督もその場に来ていた。

「ふ~。いくら私が導き手だとしても……、作品ジャンルも解んないんじゃなあぁ~……。とりあえず原作者は【馬の大群のシーンは】褒めてたよ。てことだけ伝えとく」

 木下監督はびっくりする

「え、本当!? エクソダスあんまり売れなかったのに!?」

「それはそれこれはこれ~……。つっても、マジで作品ジャンルすら解らないんじゃ察することも出来ないしなあ~……」

「それは、すみません……」

「ま、いいよ。上手くやんなよ敏腕デスク、てか今もデスクなの?」

「いえ……それも……」

「うわ~まじ何もわかんね~……」

 呆れたように頭をデスクにコテンとつける湘南桃花。

「すみません」

 木下監督はキャッチボール投げたさに伝える。

「例えばでいいので【あの夜のこと】を語っていただけるだけでもいいので~……」

「あ~あれ? 何、木下監督総集編やりたいの?」

「イヤ! そういうわけでは~!」

「あとからドカドカ色を付け足すのは、私嫌いなんだよねえ~。ま、ほかの人がやる分にはいいけど」

 宮森がフォローに入る。

「でも! 実績があります! あの作品は何回見ても、やっぱり面白いんです! それを我が社で……!」

「ふふ、ありがと。でも私としては、やっぱ違うものを観たい、利益でなけりゃ。売れなきゃ生きていけないってのは解ってる。でも余裕があるなら、……出来れば新世界を観てみたい」

「……、」

「これは私のエゴだ、過去を引きづってるのとも違う。未来を見すえてるのとも違う。今だったらもっと凄い作品が出来上がるってのも確かに解る、でもそれじゃ。……なんか違う」

 木下監督が食いつくように割って入る。

「逆にお伺いしますけど! ムサニの長所というか強いところと言えば! 何処になるでしょうか!!」

 桃花は、あらぬ方向を向いてから。ちゃんと考えて向き直す。

「私は『花咲くいろは』と『SHIROBAKO』が好き。そこだけ観ると~、やっぱ人間ドラマかなぁ。忍者バトルものよりかは、やっぱりそっちのほうが向いてると思う」

「人間ドラマ……」

「あ、別に『自分が好き』とか言ってるわけではないからね? 演出が上手いって言うか」

「や、そこは解ってます」

 桃花はコーヒーカップを指でくるくる回しながら言う。

「例えるならそう。我が子の写真をアルバムに取ったら、もうそのアルバムは最高でしょ? でもその写真を『別の誰か』に変換させられて絶賛されてたら?」

「ぁ…………」

「だから私は、今の我が子の。最高の写真を撮りたい。そんな回答でいい?」

 一瞬間延びした空気が発生してから、この話はお開きとなった。

 

 湘南桃花の後姿が目に留まる、彼女はいつも通り前を向いて歩いてゆく。

「木下監督」

「あ、はい」

「最高の作品を作りましょうね」

「……あぁ、もちろん」

 宮森あおいにはその時確かに、湘南桃花から贈られた。命のトーチが燃え上がっていた。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

 もしSAOアリシゼーション中に天上院姫が飛び込んでしまったら。

 

 現実世界、西暦2034年9月9日、午後。

 天上院姫は自身が開発したマシン。MFC000(ミラーフォースコンバートオーズ)でデジタル空間内にログインする。

 

 そこには黒い、何もない空間だけが漂っていた。

「システムログイン。ID、茅場晶彦(かやばあきひこ)」

 そして、ポリゴン片が実体化して結晶を形成する。

「また君か、あんまり私を呼び出すと私のレア度が下がるだろ」

 天上院姫は上でも下でもなく同等の存在として話をする。

「お前相手に何で私がへりくだらなければならないんだ、もっとフレンドリーにいこうぜ」

 珍しくのじゃロリっぽくない言動で返した。

「それで、どうだい。広い世界を自分の目で観てみた感想は……」

 姫は首をかしげながらうなだれる。

「ん~……。他の枝葉……〈連結体(ネクサス)〉だっけ? のことは置いておいて。……、よく無意識の産物をここまで繋げて一つの街を作ったと感心するよ。あ、〈ラース〉のことな」

 天上院姫にとっては、神の見えざる手なのか。見えざる瞳なのか。とにかくというものとしてみると。無意識で何も残ってない思想。作品別に分けられたデータファイル。はたまた興味を持った企画目録にまで見事に【くっ付いている】ことに唖然とする他なかった。

 特に企画目録に至っては、よくわからないまま数年を過ごしてしまったので。面白い作品を作ろうともせず、タダタダ無駄に労力を消費して。疑心暗鬼になってしまった黒歴史以外の何物でもないので。ちょっと心境としては複雑である。

「あれがあるから今がある……、と言われればそれまでなんじゃがな……」

「君が指示した『心(ひかり)』に、無駄なものなんてないさ。で、君はアリシゼーションの。今は確か道中だったな」

「うん、レンタルDVDで観る。嘘は言ってないぞ」

「了解した……。こちらに要望などがあればぜひ聞こうか」

「マザーズロザリオの件はどうしようも無いからなあ……、かといってシノンを注視しててもアレだし……。ま、普通にキリトを注視しておくよ」

「君としてはやはりユナイタル・リングや、ホロウに気が散ってしまう感じか」

「む。……ちなみに奇数と序数だったら、こっちも奇数だからな」

「やってるゲームの系統は何だい? アルヴヘイム・オンラインでいいのかい?」

 流石にちょっと悩む天上院姫。全く同じ系統だとしたら、重なってくっ付いてしまうし。かといって今のユナイタル・リングとも微妙な所だ。姫のエレメンタルマスターオンラインに至っては、現在安定化を図っている段階で。長期的な目標はない。いわゆる、エンジョイプレイを満喫しているのが主な理由だからだ。

「……。ちょっと作品名で比率を言おうか。『エレメンタルワールド』が4、『最強無敵のその果てへ』が1、『東方』が1『ソードアート・オンライン』が2、『企画目録』が1、『灼眼のシャナ』が? だ」

「実質『灼眼のシャナ』が1か」

「ブレンドとしてはそうだ、解んないからな。総じて『少女は異世界ゲームで名を上げる。』と考えてくれていい」

「なるほど、複雑怪奇だな。もっと単純でもいい気がするが」

「削っていいのか?」

「いや、それも困る」

「だろ?」

 二人とも含み笑いを浮かべながら、久しそうに談話を続ける。

「さて、これだけは決めてもらいたい。君は今、アリシゼーションに居るのかい? ユナイタル・リングに居るのかい?」

 姫は深く目を瞑ってから、そして、決める。

「ユナイタル・リングだ。私がガイドしなくて誰がガイドする。だろ?」

「なるほど、ではこれで」

「ああ、またな」

 

 こうして、天上院姫は。デジタル空間からログアウトした。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

もしSteins;Gateに湘南桜が飛び込んでしまったら。

 2020年、世界線変動率1.048596 日本、秋葉原。

 湘南の妹代表。湘南桜は、姉のおつかいという名目で。オタクの聖地へと足を運んでいた。どうやら湘南桃花自身は、忙しすぎて手が回らなかったらしい。ので、アマゾンの宅配便のごとく。駆り出された。

 そこで見つけたのは白衣を着た、姉の湘南桃花よりも頭ちょっと抜け出した青年男性。岡部倫太郎、またの名を狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真。その人であった。

「おい、そこのサイドテール。なぜここにいる」

「はい? 私ですか? 何故っておつかいですけど……。あ、もしかしてあなたが世界線を『渡り歩いちゃった人』ですか?」

「なん……だと? お前、どこまで知っている」

「ん~お姉ちゃんから聞いた話だと。200回ぐらいバカやった人……としか、あと【世界線】て言えば解る程度には聞かされました」

 アレをバカの一つ覚えで済ませているところ、湘南桃花。流石は俺と同じ修羅場を潜り抜けて来た傀儡なだけはあるな。と若干誇張気味に頭の中で要約した凶真。

「それで? この秋葉原に何のおつかいで来たんだ?」

「フィギュアとか同人誌とかも欲しいけど。お姉ちゃんと合コンさせるために神奈川まで連れて来て。というおつかいです」

「まさかの買い物対象が俺だった!?」

 動揺を隠せない岡部倫太郎。不思議そうに首をかしげる湘南桜。

「あれ? 好きなんですよね? ラブチュッチュとかいうやつ」

「貴様! どこの世界線から現れた! 明らかにシュタインズ;ゲート世界線から来ていないだろ!?」

「お姉ちゃんは大学を卒業して小学校の教師ですからね。そろそろ身を固めようとか考えてるんじゃありませんか?」

 何故同じ思考回廊を辿った人間が、そんな選択に行き着くんだ。と動揺と警戒で身が震える倫太郎。

「た、確かに。リーディングシュタイナーを保持している輩は【周囲の仲間たちとは話の辻褄が合わず、一人(精神的に)孤立していく】が……」

「……よくわかりませんが。一度よく話し合ってみてはいかがでしょうか?」

「しかし、……」

「お姉ちゃんが話したがってるのなら。話してみるのが良いと思いますよ。どうせ物理的に因果孤立してるわけですし。これ以上減るものもない、あったとしても自分の身が削れるだけですし」

「ぐぬぬぬ、このサイドテールやりおる……」

「というわけで、用件は話したので私はこれで」

 そう言って、湘南桜は秋葉原の名物メイドと記念写真を撮って。インスタ映えしそうなデコレーションスタンプをつけて。ネットの海に送信した。

 呆けている鳳凰院凶真は、これもシュタインズ;ゲートの選択か……。とクスクスクス、フワッハッハッハッハ! と高笑いを始めた。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

もし仮面ライダージオウの最終回に神楽蒼葉が飛び込んでしまったら。

 神楽蒼葉、19歳は。時空を移動する。己としてどこまでも。その型すら破ってどこまでも自由に。

「やべ! また変な所に出ちゃった!」

 そこに現れた怪物(モンスター)は『現実』だった。夢のような虚構は儚い存在は。「そんなものは嘘だ、存在しない。変身中に攻撃すれば倒せる」と言われてしまえば消えてしまう。と、そこへ。

『オールトェンティ!! タイムバースト!!!!』

 まるでヒーローショーのように、ごく当たり前に。現実を象ったモンスターは倒された。

「大丈夫? 君、迷子?」

「うん! 守ってくれてありがとう。そうだ、折角この時代に来たんだし。これあげるよ」

 そう言って、蒼いライドウオッチを手渡された。

「ライドウオッチ!? 君いつの時代から来たんだ」

「2021年。僕にはアレを倒せる力があるけど。……今は、わかんないからさ」

 そう言って。常磐ソウゴは未来に起こる事象を夢想する。すると、渡されるウオッチが光りだした。ライダーの名は『仮面ライダーワールド』。

 そこから、神楽蒼葉は大真面目に説明する。

「僕の本によるとね。2021年に世界が離れ始めちゃうんだって。その手を繋ぐための存在が仮面ライダーワールド」

 と、そこへ未来から現れたのが『アナザーワールド』。ソウゴ、ゲイツ、ウォズ、ついでにディケイド、あとおまけでゼロワンは。アナザーワールドをバッサバッサと薙ぎ倒し。

「しょーりゅーけん!!」

 見事勝利へと導いた。

「ありがとう。でもこのウォッチは君のだろ? 返すよ」

「ううん。今の僕が持っててもまだ意味がないからさ。使い方を覚えたら返してもらうよ。だから、これは貸してあげる」

「うん。わかった、この力は必ず還す」

 そこそこに楽しい雑談をし終わってから。

 そう言って、神楽蒼葉は【自力で】2021年へと帰っていった。

 

 そして、常盤ソウゴは『今の敵』へと目を向ける。ウオッチに手を翳しボタンを押す。

『ワールド!!』

 ズンチャンズンチャンズンチャンズンチャン! といつものように効果音が鳴り。常盤ソウゴは変身ポーズをとる……。

「変身!!!!」 

 そして未来のライダーのキメ台詞と共に、走り出す。

 

 ハッピーエンド。

 

 ……。

 

 2021年

 オーマジオウは神楽蒼葉と対峙していた。

「今の僕で倒せるかなあ……?」

 ベルトが唸りを上げる音がする。

「変身!」

『仮面ライダー真竜!!』

「2号ライダーで太刀打ちできるとは思えんがな……! フン!」

 ドゴオン! 「うわああああ!!」と爆発音とともにあわや、やられたかと思ったが……。

 

「なに……!?」

 オーマジオウが驚愕の元、凝視している。

 

 ディケイドが歩きながら語り掛ける。

「勝手に立ち向かうのはお前の悪い癖だぞ」

 ウォズが歩きながら語り掛ける。

「まったく、少しは我々を頼って欲しいものだね」

 ゲイツが歩きながら語り掛ける。

「お前の相手は、自分も他人も信じられた。初めから俺だ!」

 ジオウが歩きながら語り掛ける。

「独りじゃ出来ないことも、皆と歩けば! いける気がする!!」

 ゼロワンが歩きながら語り掛ける。

「社員のケジメをつけるのも、社長の務めだからな」

「みなさん……」

 

 ソウゴが差し伸べた手に蒼葉が掴んで答える。

「今、始めて……。自分で手を取った気がする……」

 そして全員で合わせて……。

『変身!!!!』

 これだけは解る。これからも、ヒーローは。

 

 戦い続ける。



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。