これはゾンビですか?~いいえ、必死に生きてます~ (きゃないんこ)
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銀髪少女と変態くん+俺
どうもはじめまして、主人公の神崎聖悟と申します。
実は俺、人間界の人間じゃない。何言ってんだって思うかもしれないがこれが事実である以上仕方がないんです!ではどこの世界の人間だということになるので初めに言うことにします。俺は天界人です。付け加えて、『剣勇伝説○AIBA』の『覇王剣』持ってます。
「おーい、聖悟、大丈夫か?」
「あ、わりぃ歩。ちょっと眠くてな。」
今話しかけてきたのは相川歩。ただの人間だ。俺が小さいころ天界から落とされて、住む場所を探している時、快く受け入れてくれたのが歩だった。ということで、俺は今、相川家に住んでいます。
ちなみに今は深夜1時ごろで、俺たちは近くのコンビニへ向かっている。で、今着きました。
「歩、今日は何を‥‥。」
そこまで言って、俺は言葉を止めた。歩がコンビニの方をぼーっと見ていたからだ。
「歩、どうした?」
俺は、歩と同じ方向に、目を向けた。そこで視界に入ったのは、まるで、幻想のように綺麗な一人の少女。その少女は歩に目を向けている。ってか、完全に歩の心はその少女にとらわれてしまったようだ。ずっと見ている。
しばらくして、歩は少女へ向け足を進めた。まさか、あいつあれをやる気かっ!やめろぉ!!それは禁断のぉぉおおお!!!!
「すいません。もののけ姫って信じますか?」
ぁあぁあぁあああ!!!やっちまったぁぁあああ!!!!あいつ、なんで織戸の言葉なんか信じちゃったんだよ!!あぁ!目ぇ逸らされてるし!!っておい、まだ何かやる気なのか!?もういいよ!!ロンダートからのムーンサルトで高得点狙おうとしなくていいからっ!!
ぐきっ
案の定、歩は失敗し、足首から落下。その結果、足首から嫌な音がした。
「はあ‥‥もう見てらんねぇ。」
俺は見てられなかったので、というかなんか恥ずかしくなってきちゃったんで、コンビニへ入り漫画を立ち読みしたり、漫画を立ち読みしたり、漫画を立ち読みしたりしながら暇をつぶしていた。
しばらくして俺はコンビニの外へ出たが、そこに歩はいなく、来た時と同じく、少女が一人ぽつんと座っているだけだった。違うところがあるとすれば少女の周りにメモ用紙が数十枚散らばっていることぐらいだ。
「なあ、さっきの奴どこ行ったか知ってるか?」
俺は少女に聞いてみる。
『家に帰ったはず。』
あんにゃろー、この子と話してて俺のこと忘れていきやがったな?よし、帰ったら半殺しにしようかな?それとも苦痛を何時間も味あわせるか?
そんなことを考えているとシャツの袖がくいっと引っ張られた。
『あなたは何者?あの人の友達?』
‥‥友達、ではないよな。
「あいつは、友達って言葉じゃ表せないよ。ま、しいて言えば『家族』かな?」
『そう。それで、あなたは何者?』
うーん。この少女に話していいのだろうか?でも嘘はいけないし‥‥。歩にも言ってないけど‥‥。よし!思い切って言ってみよー!!
「俺は‥‥天界人だっ!!!」
『天界人?』
あれ?意外と反応が薄い‥‥。
「そ、天界人。天界に住む人間だ。もっとも、小さい頃に親に人間界に落とされたから、天界がどういうところかは知らないけどな。」
『なぜあなたは捨てられたの?』
「おそらく、俺の力は強大すぎたからだ。いや、強大っていう言い方はおかしいな。ま、人から嫌われるような能力だったってことは確かだな。」
『あなたは、私と少し似ているかもしれない』
「そうかね?あ、そういやあいつ、どうだった?」
『バカだった』
「同感です。」
『そして、変態だった。』
「確かに。」
は‥‥歩~ボロクソ言われてっぞ~。
『でも、優しくて面白かった。』
驚き。でも‥‥
「それも同感っす。」
そこまで話して少女はいきなり立ち上がった。
「どうしたんだ?」
『私はあの人の運命を変えてしまった。だから、助けなければならない。』
言ってることがようわからん。
「とにかく、どっか行くのか?」
少女は小さく頷いた。あ、そうだ。名前聞いとかないと。
「じゃあ、名前だけでも教えてくれ。一応俺も教えたしさ。」
『ユークリウッド・ヘルサイズ。冥界人。』
じゃあ、ユーだな。うん、そのほうが呼びやすい。
「じゃあなユー!気をつけるんだぞー!!」
ユーはもう振り向かなかった。
さて、俺もそろそろ帰ろ。そうして俺は帰路についた。
帰りながら俺は気づいた。
はっ!!ユー、冥界人って言ってたよね!?ってことは、ユーもこの世界の人じゃなかったんかぃぃいいいい!!!!
しばらくして、ユーと歩が家に帰ってきた。え?二人が帰ってくるまで何してたかって?イ○ズマイレブンのレベル上げですけどそれが何か。
「おい、お前は家族の腹が血だらけでも大丈夫なのか?」
「死んでなきゃ大丈夫でしょ。」
「一応死んでるんだけどな。」
は‥‥何を言っとるんだこいつは。
「ホントかよ?じゃあ、なんで動けんだよ?お前はゾンビか。」
「まあ、そんなところだ。」
マジかよ。
「あ、そうだ。この子が俺を生き帰らせてくれたんだ。名前は‥‥」
え?あれ?さっき会ったね、アンタ。
「ユー‥‥」
「そうそう、ユーって言うんだって、なんで知ってんだ、聖悟!?」
『私が生き返らせた』
そういえばユー、最後に自分は冥界人って言ってたな。あ~なるほど!ユーはネクロマンサーだったってわけか。
「で、なんでここにいるんだ?」
『彼は命を狙われているかもしれない。私も命を狙われている。だから一緒にいたほうがいいと思った。』
「なるほどね。」
「でも、聖悟は何も出来ないんじゃないか?普通の人間だし。」
「いや、歩。実は俺はこの世界の人間じゃないんだ。」
「え?じゃあ、なんなんだよ、お前。」
「実は‥‥天界人なんだ。」
「なんだ?その、天界人ってのは?ようするに、天界に住んでる人ってことか?」
「うん、まあそういうことだ。」
そこまで話して俺はあることを思い出した。
「あ、歩。コンビニで俺のこと忘れてったろ。だから今、一方的に殴らせてくれねえか?」
「え?いや、俺、殺されたばっかなんだけど?」
「大丈夫。ゾンビだろ★」
拳を強く握りながら歩み寄る。
「なあ、ちょ、待て。落ち着け!星がっ!星が黒いって!!」
「問答無用!!!」
「ぎゃぁああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
『天罰』
静かな夜にゾンビの叫びがこだました。
すいません。そういうの、近所迷惑なんでやめてくれません?
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