クロネコ・ラグナロク (Lv.零の素人)
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第一話

ほとんどリアフレに読ませる為に書きました。反響もらえると嬉しいな、なんて。


◆◇◆◇

 

白の王国と黒の王国の永きに渡る戦いは、時の光の王、【アイリス】と当時の黒の王子によって終結した。

 

二人は先代黒の王が仕掛けた最終決戦にて、アイリスは黒の王国の外から、王子は王国の内から、それぞれ戦争を停めるため働きかけ、最後に暴走した本能となった黒の王をアイリスの【始祖のルーン】の七つの力と王子の善の心の闇によって打ち倒し、だが、消し去るに至らなかったため、その巨大なる身を七つに裂き、それぞれに一文字ずつルーンの文字と意味を与え、黒の王国の始祖のルーンとして封印したのだ。

 

戦いにより傷つき天に浮かぶ力を失った白の王国は黒の王国の隣に降り、自ら地上に無事に降ろすために協力してくれた黒の王子とその一派を我々の友であると白の王国の民は認め、両国は恒久的な平和を誓ったのだった。

 

 

◇◆◇◆

 

 

さて、ここまでが神話のお話

 

これより語るは因縁の物語

 

そして、いずれ世界を救う物語

 

あるいは、ifの物語

 

黒の王子が、実は転生した異世界の人間だったとしたら?

 

世界にどのような影響を及ぼすのだろうな?

 

◇◆◇◆

 

ニート志望の俺にしては珍しくわざわざ遠回りして普段使わない方のロー○ンにいる。まあ、そうはいっても、それも最近はまっている【白猫プロジェクト】というスマホのゲームに課金をするためプリペイドカードを買いにロー○ンに来ているだけなのだが。あ、そうそう、俺の名前は【黒江 夏希】という。………女みたいな名前だと思ったか?ほっとけ。ちなみに、現役高校三年生だ。

 

「って、さっきから俺は一人でなに言ってたんだよ。」

 

「ママー、あの人さっきから一人でぶつぶついってるよー?」

 

小学生くらいの女の子がこちらを指して言う。

 

「こら!見ちゃいけません!」

 

その子の母親だろう女性が女の子の目を両手で覆い隠して言う。

 

えー、そんな危ない人みたいに言うなよ。

 

………プリペイドカード売り場はっと、お、あったあった。こっちのロ○ソンは初めて来たけど俺が普段行く方の所より種類があるな。もっとも、俺が買うのは、グー○ルプレイカードなんだが。

 

 

唐突に轟音が聞こえる

 

 

ドンッ!

 

 

 

とっさに店の中にある棚の裏に身を隠す。

 

 

どうやら実入りの少ないロー○ンに来るようなおバカな強盗がいたらしい。

幸いにも先ほどの親子はすでに店から出ており俺以外に客は居ない。

 

俺も隠れてるし

 

三十代くらいのガッチリした体型の男性強盗がどこで入手したか、拳銃を構え店員を恫喝している。

 

「へへっ、なあ?金出せや。オラ!」

 

あちゃー、ついてないなあの店員さん。

 

「撃つなら撃て!俺は悪には屈しない!」

 

「ぶっ!」

 

いや、なに言っちゃってんですか。

 

ふう、危ない危ない。思わず吹き出してしまったが、どうやら気づかれずに済んだようだ。

 

というか、このままだとマジで血を見ることになりそうだな。

 

なに?俺が珍しく遠回りしたらこの様だよ。呪われてんのかね。

 

あれか?バタフライなんちゃらってやつか?て言うかそれだとしたら俺が間違いなく原因だな。

 

うん。自分のミスは自分であがなおう。コレ、常識。

………目の前で人死にがあったってのは寝覚めが悪いしな。

 

そうと決まれば話は早い。手元にあるものを確認しよう。

 

なになに、天然水の入ってるペットボトル(500ミリリットル)と、ジャ○プに?あ、スマホ忘れた。じゃなくて、腕時計か?それに、ファ○通?これは、あれか?無理ゲーですか?

 

 

 

とりあえず、ペットボトルをあいつのいる方向と逆に転がして気を逸らし、ジャ○プとファ○通、懐に仕込んで突っ込んだら行けないか?いや、行ける。(反語法)

 

 

よし。行けっ!いろ○す!

 

あ、ミスった。

 

「へぶっ!」

 

 

俺の手元から盛大に飛んでいったい○はすは唯一硬いところであるキャップの部分であいつの脳天にキツい一撃をお見舞いして地上に転がったのだった。

 

………あいつの足元に。

 

 

「誰だおい!ゴミをポイ捨てしたのは!!お兄さんが許さないぞ!」

 

いや、そこ?店員さん。もっとあるだろ?

 

 

「………。」

 

 

ドンッ!

 

 

怖っ!あいつ無言でこっち撃ってきたんだけど!?

 

「おーい?隠れてんのはわかってんだぜ?早く出てこいや。今なら一発で済ませてやんぜ?」

 

注意が店員さんから俺に向いたのはいいが、これは、俺が死ねるな。

 

 

 

別にどうでもいいけど。

 

 

 

でもまあ、どうせなら一矢報いないとな?

 

 

 

「おりゃあ!天っ誅!」

 

「あ?ははっ、ほら、死ねよ。」

 

 

ドンッ!

 

 

甘いな。そこにあんのはいろ○すだぜ!!

ほら!ジャン○が飛んでいくぜ!

 

 

パシッ。

 

 

「へえ?やるじゃん。」

 

普通に片手でとられちった☆

 

キモいだけだな、やめよ。

 

「………。」

 

ドンッ!ドンッ!ドンッ!

 

 

身体を熱くて硬いものが通り抜けるのがはっきりとわかる。そして、血が溢れるだろうことも。

 

頭を走り抜ける走馬灯が見え、見え………見えないな。嘘っぱちじゃんあれ!

 

 

 

 

だんだんと身体が冷たくなっていくのをしっかりと認識できる。俺、死ぬんだな。

 

ああ、もう、意識が………なく、なく、ならないな?

 

 

 

 

「いや、そりゃそうだよ。だってもう君、死んでるもん。」

 

ファッ!?

 

アイエエエエ!ビショウジョ!?ビショウジョナンデ!?

 

目の前に居たのは艶やかな黒髪をショートカットにした中学生くらいのボーイッシュな美少女だった。

 

ああ、トラウマが、俺、死ぬんだな。

 

 

「び、美少女ってボク神さまだし。ていうか、君はもう死んでるんだって!こほんっ!そろそろ説明していいかな?」

 

 

あ、サーセン。

 

「ドウゾドウゾ。」

 

 

「ナゼに片言ってもういいから。それじゃあ説明するね?ボクの名前は【ノエル】。君の世界で言うところの神さまってやつかな。まあ、それはいいんだけど。説明を続けると、もう死んじゃったけど、君にはまだ本当なら数十年は生きてもらうつもりだったんだ。君はあのあと、就職活動のために学校に行ってそのあと重い荷物を背負ってるおばあさんを助けるんだけど、実はそのおばあさんは有名企業の会長さんでそこに内定をもらった君はそこの支援を受けて大学、大学院へと進み、いずれ人類史に変革をもたらし、世界に名を残す研究者になる筈だったんだけど………、本当にごめんね?ボクの部下の幸運を司る女神がへまをしたせいで君が投げたペットボトルが変な方向に行っちゃったんだ。で、君みたいな世界にとっての重要人物だろうと、一回死んじゃったら生き返ることは許されない輪廻の環にハイドーゾっていうのはおなじなんだよね。でも、こっちのミスで人生を台無しにしといて記憶を消して輪廻の環にドーン!じゃボクの気が収まらないから、上に直訴して特別に君の好きな世界へと転生させてあげることにしました!もちろん最近はやりのちーと?ってやつもあげるし、記憶も持ったまま転生できるよ。」

 

さーどーする?と、声を掛けてくるノエルを尻目に俺は困惑していた。

 

ボクっ娘だと!?

 

 

「なにか質問があれば受け付けるけどってそこぉ!?そこは気にしないでよ。ほらほら質問かもんかもん。」

 

んじゃ、真面目に考えますかね。まず転生させてもらう世界は【白猫プロジェクト】で確定。問題はチートなんだけど、ヤバイな。なにもおもいつかない。原作には関わりたいけど…あ、そうだ。ゼロ・クロニクルの黒の王子とアイリスの応援をしてやりたいな。それでいいか。白猫プロジェクトってモブはなにもしなくていいし。

 

 

「んじゃあ、転生する世界は【白猫プロジェクト】で、持っていくチートは黒の王子とアイリスの助け。」

 

「え?それだけでいいの?もっと、ほら!最強の力!とか、無限の魔力!とかあるでしょ?」

 

「えー?そうはいってもなー。俺は黒の王子とアイリスの応援をするだけだし。」

 

「うーん、でも確か、その世界って割りとしょっちゅう世界終わりかけてるような………、やっぱりある程度身を守れる力は必要だよ。」

 

なら、いっそのこと俺が黒の王子になるんだよ!ってか?

 

「あ、できるよー?」

 

「マジですか。お願いします!」

 

アイリス云々はおいといても黒の王子になれるってのは大きい。なにせ物語を最初から味わえるんだから。そう考えると、うん。悪くないな。

 

「ノエル、それで頼むわ。」

 

「りょーかい!」

 

びしっ!と、敬礼するノエル。

 

「よーし!それじゃ、そこに立って。」

 

言われた通りの方向へと向かい静止する。下を見てみると魔方陣と俗に言われるものが描かれている。

 

「目を瞑って三十秒数えてね。数え終わる頃には全部終わってあっちの世界に行ってるから。」

 

言葉にしたがい、目を閉じて三十秒数える。

しばらくすると眩い光が、辺りを照らしているのが閉じた目からでもよくわかった。その光が俺を覆い、そして………

 

三、二、一

 

 

目を開けると、そこには大きな鏡があり写っているのはゼロ・クロニクル版の黒の王子だった。

 

 

◆◇◆◇

 

 

 




いかがでしょうか?

原作やってないとちょっと取っ掛かりにくいかもしれませんね?


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