ラブライブ×イナイレ「〜11人の女神の奇跡〜」 (乾電池)
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プロローグ「始まり」





はじめてのハーメルンで仕組みを理解しきっていませんが生暖かい目で見ていただければと思います!

よろしくです!




 

 

 

 

 

穂乃果「ここが……音の木坂高校かぁ〜!!」バッ

 

海未「穂乃果、入学早々問題を起こさないでくださいね」

 

穂乃果「ひどいよ海未ちゃん!!」

 

ことり「流石にまだ起こさないと思うけど……」

 

穂乃果「うん……今はことりちゃんの正直なところが胸に刺さるよ……」

 

海未「ほらほら、早くいきますよ2人とも」

 

ことり「うん!」

 

穂乃果「いくよ!!」

 

「「「サッカー部へ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女性の先生「ないよ」ズバッ

 

穂乃果「え………」

 

 

 

「えええええええええええ!!!!????」

 

先生「去年まであったんだけどな」

 

先生「なにせ女子校だから」

 

ことり「そんなぁ……」

 

海未「仕方ありませんね…」

 

穂乃果「そ、それじゃあ!」

 

穂乃果「また作ります!!」

 

先生「とはいえ部室は物置みたいになってんぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先生「ここ」ガラッ

 

穂乃果「………ここ本当に去年まで使ってたの?」

 

海未「中は広そうですね」

 

ことり「ヒィ!!蜘蛛の巣が……」

 

穂乃果「ここを片付けたらまた部室として使っていいんですよね?」

 

先生「もちろん!」ニカッ!

 

穂乃果「よし、やるよ!海未ちゃん!ことりちゃん!」

 

海未「ええ!やりましょう!」

 

ことり「ふぇぇ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「うぎぎぎ………重いぃ……」グググ

 

ことり「ヒィィ!!ンミチャァン……」

 

海未「あ、蜘蛛の巣ですね。こうやって……」スッ

 

ことり「はぁ〜……」

 

穂乃果「うぐぐぐ…….」グググ

 

海未「蜘蛛の巣というのは一つ張るのにかなりの日数が必要なんです」

 

海未「無闇に壊すということはしてはいけないんです」

 

ことり「へぇー、そーなんだ」

 

穂乃果「も、もうダメェ!!」ブワッ

 

ことり「あ」

 

ドガッシャァァァン!!!!!!!

 

海未「あああああああああ!!!!!」

 

穂乃果「大丈夫海未ちゃん!?」

 

海未「蜘蛛さんごめんなさい……うちの穂乃果がぁぁ……」

 

ことり「なにこの海未ちゃん可愛い」

 

先生「お前ら楽しそうだなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「うぅ……蜘蛛さん…」ショボン

 

ことり「落ち込みながらもテキパキとした動きをする海未ちゃんのおかげで無事掃除が終わり、なんとか小綺麗な部室になりました」

 

穂乃果「わーすごく説明口調」

 

先生「あとは部室にあるもの使って練習しててもいいよ」

 

先生「グラウンドはこの人数じゃ使用許可は出せないけど」

 

先生「顧問は適当に探しときな」

 

穂乃果「先生がしてくれるんじゃないんですか!?」

 

先生「私はもう他の顧問もしてるからな。」

 

先生「学校外の人でも信用できる人なら大丈夫だからまぁ頑張りな」

 

穂乃果「はい!ありがとうございました!」

 

海未ことり「「ありがとうございました!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「まずどうする?」

 

海未「そうですね、まず……」

 

ことり「ケーキ作ってきたからお茶入れよっか!」

 

穂乃果「やった!ことりちゃんのケーキ大好き!!」

 

ことり「今回は自信作なの!」

 

穂乃果「明日はうちの和菓子も持ってくるからね!」

 

ことり「楽しみ〜!!」

 

穂乃果ことり「えへへへへ」

 

 

バンッ

 

 

穂乃果ことり「ヒゥ!!」ビクゥ

 

海未「たるみ過ぎです!!」

 

穂乃果「う、海未ちゃん?」ガタガタ

 

ことり「カオガコワイヨー?」ガタガタ

 

海未「お茶だのケーキだの和菓子だのどこぞの軽音部じゃないのですから……」

 

ことり(メタい……)

 

海未「明日までに練習メニューを作っておくので明日からはそれをしましょう」

 

穂乃果「よし!じゃあ今日はケーキ食べて解散ということでクレープでも食べて帰ろう!」

 

ことり「行こー!」

 

海未「あなたって人は……」

 

穂乃果「……嫌なの?」ウルウル

 

ことり「ンミチャァン……」ウルウル

 

海未「い、行きますからその目で見ないでさいぃぃ!!!」

 

 

 

穂乃果(こうして始まった私たちのサッカー部)

 

穂乃果(ことりちゃんにイラストを描いてもらい部員勧誘)

 

穂乃果(いっぱい集まってくれるといいなぁ)

 

穂乃果(そして、次の日から本当に地獄の日々が始まりました)

 

穂乃果(学校ではボールを使った練習と体力トレーニング)

 

穂乃果(ここまではいいんだよ、普通のサッカー部らしくてね)

 

ことり(問題は休日、トレーニングと称して登った山は数知れず)

 

ことり(家には登山のリュックに登山靴、ピッケル?っていうのまで置いてあるから)

 

穂乃果(お母さんには登山部に入ったの?と言われる始末)

 

ことり(荒れた舗装されてない山道をなんともないように登れるようになっちゃったよね)

 

穂乃果(それでも毎日毎日少しでも場所を見つけてはパスの練習をしたりリフティング)

 

ことり(おやつを食べてる時もボールを足から離さないようにしてたよね)

 

海未(部室でおやつ食べてること自体問題なんですけどね)

 

穂乃果(それは置いといて……なんと!)

 

穂乃果(助っ人でヒデコとフミコとミカが試合の時だけならきてくれることになったよ!)

 

ことり(有難い話だねぇ〜)

 

穂乃果(これで六人!)

 

穂乃果(目指せ、フットボールフロンティア優勝!)

 

ことり海未(おーー!!)

 

海未(色々あった一年間でしたが私たちも無事、二年生になりました)

 

穂乃果ことり(色々あったのは主に海未ちゃんの登山だよね……)

 

海未「何か言いました?」

 

穂乃果ことり「いえ別に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「かよちん!こっちこっち!!」タッタッ

 

花陽「凛ちゃんまってぇ〜!」ゼェゼェ

 

 

 

 

 

 

 

真姫「………はぁ」テクテクテク

 







余裕があれば載せていこうかと思います!

あと、これって一度投稿したやつ編集できるのかな…?


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前半
第1話「体験入部に来ました!」


どなたか感想への返信の仕方わかりませんかああああああ

取扱説明書を見てもよく載ってなく……(見逃してるだけかも)

ここからは少し仲間集めの回となります






 

 

 

HR

 

 

先生「今日も昨日に引き続き部活体験があります、各自好きな部活へ行ってくださいね」

 

先生「それではさようなら〜」

 

「「「さよーなら!」」」

 

 

 

真姫「……」ガタッ スタスタスタ

 

ガラッ ピシャ

 

 

 

 

凛「かよちん!どこの部活に行くの?」

 

花陽「えと……その……凛ちゃんはどこ行くの?」

 

凛「凛はー、今日も陸上部かなぁー」

 

凛「かよちんは?」

 

花陽「わ、私は……帰宅部かな…」

 

花陽「やりたい部活ないし……」モジモジ

 

凛 ニッ

 

凛「凛知ってるよー?かよちんは昔っからサッカー大好きだってこと」

 

凛「入学する前もサッカー部あるって喜んでたでしょ?」

 

花陽「だ、だけど……」

 

凛「タイミング逃したらもっと行きにくくなっちゃうよ?」

 

凛「だから早く行こ!」グイグイ

 

花陽「まって、待って!」グッ

 

凛「……?」

 

花陽「あ、のね?わがまま言っても…いい?」

 

凛「しょうがないな〜、なに?」

 

花陽「一緒に…サッカーやりたいなって…」

 

凛「凛も?」

 

凛「……無理無理無理無理!!!」

 

凛「走るのは得意だけど、サッカーなんてしたことないし……」

 

花陽「そ、だよね……」

 

凛「……もー!わかった!体験ならついて行ってあげるから一緒に行こ!」グイッ

 

花陽「え?え?だ、ダレカタスケテー!!」グィィ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「………」ピラッ

 

【サッカー部部員募集中!】

 

真姫「……」パサッ

 

 

スタスタスタ

 

 

 

 

 

 

 

凛「すいませーん!!体験入部でーす!」ガラッ

 

花陽「凛ちゃん!ノック……」

 

 

 

穂乃果「海未ちゃんあーん」

 

ことり「海未ちゃんアーン」

 

海未「や、やめてください2人とも!!!」

 

ことり「よいではないか、よいではないか」

 

海未「い、いやぁーーー!!!!」

 

 

 

 

「あのー……」

 

穂乃果「は、はい!ごめんなさい!練習します!」

 

凛「そ、そうじゃなくて……えっと」

 

海未「体験入部の方ですか?」

 

花陽「そ、そうです!」

 

花陽(大丈夫かな?)

 

穂乃果「よかったぁ〜!昨日誰も来なかったから今年は0人かと思ったよ……」

 

ことり「2人とも?」

 

凛「はい!でも凛は付き添いなんですけど…」

 

穂乃果「見てるだけっていうのもアレだしやってかない?」

 

ことり「それいい!」

 

凛「いや、凛は……」

 

花陽「やろうよ凛ちゃん!」

 

凛「うう……わかったに……よ」

 

海未「?…決まりですね」

 

海未「では名前を教えてください」

 

花陽「こ、小泉花陽です」

 

凛「星空凛です!」

 

穂乃果「一応部長の高坂穂乃果だよ!穂乃果って呼んでね!」

 

ことり「南ことりです!ことりでいいよ♪」

 

海未「園田海未です。好きに呼んでもらって構いませんよ」

 

花陽凛「よろしくお願いします!!」

 

ことり「よーしじゃあ着替えちゃおー!」

 

花陽「は、はい!」ヌギヌギ

 

ことり「おお〜……花陽ちゃんおっぱい大きいね〜」サワサワ

 

花陽「ピャァ!!」ビクゥッ

 

花陽「凛ちゃん助けてぇ〜!!」

 

凛「フフ……持つものには持たざる者の気持ちはわからないんだよ……フフ」

 

花陽「凛ちゃ〜ん!!!」

 

凛「こういう時いつも感じる胸囲の格差……」

 

海未「バカなことやってないで早く着替えてください」

 

穂乃果「海未ちゃん元気出して」

 

海未「何がですか!!」クワッ

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「うぅ…」

 

ことり「えへ」ツヤツヤ

 

海未「じゃあまずはボールを使って少し遊びましょう」

 

凛「あの、凛本当に初心者で……」

 

海未「大丈夫ですよ、まずは鳥かごをしてみましょう」

 

穂乃果「うへー…あれ苦手……」

 

凛「……なにそれ?」ヒソッ

 

花陽「鳥かごっていうのはね、三人が1人を囲んでボールを回すの」

 

花陽「ボールをもらった人はキープしてから他の2人に回す、中の人はパスカットするかキープしてるボールを奪うとその人と交代するの」

 

花陽「わかった?」

 

凛「んー……多分大丈夫!」

 

海未「わからなくなったらまた聞いてくださいね」

 

海未「私は抜けていますからジャンケンで決めてください」

 

穂乃果「いくよー!ジャンケン…」

 

「「「「ポン!」」」」

 

凛「あちゃー…凛が最初かぁ……」

 

穂乃果「じゃあいくよー!」

 

穂乃果「それ!」ドッ

 

花陽「わっと」トッ

 

海未(柔らかくそつのないいなし方……相当ボールに触っていないと身につかないこなれ感)

 

凛「たぁー!」タッタッタッ

 

花陽「わわわっ!」ザザザッ ボールキープ

 

凛「ふっ、んむむ」ザザッ

 

花陽「ことり先輩!」ドッ

 

ことり「うん!」トッ

 

海未(凛の足を開けるタイミングを見計らっての股抜きパス……加えて足元への正確なパス、かなりやってますね)

 

凛「うぅ…」

 

花陽「凛ちゃんは凛ちゃんの得意なもので勝負しなきゃ」

 

凛「でも凛初心者だし……」

 

花陽「中の人はボールを持つんじゃなくてカットすれば勝ちだよ?」

 

凛「………そっか……!」ダッ

 

花陽「……」ニコッ

 

 

ことり「ふっふっふ」

 

凛「たぁー!」ダッ

 

ことり「穂乃果ちゃん!」ドッ

 

凛(いまだ!!)ジャリッ

 

凛(中の人はテクニックも何もいらない、止めれば……)

 

凛「勝ち!」トッ ズシャァァァ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「だ、大丈夫!?」タッタッ

 

花陽「凛ちゃん!」ダッ

 

 

 

コロコロ……

 

凛「え、えへへへ、取ったよかよちん」

 

 

 

海未「怪我はなさそうですね」

 

ことり「すっごく速かったよ凛ちゃん!!」

 

穂乃果「うん!あそこから追いつくなんて!」

 

花陽「もぉ〜……無茶しすぎだよぉ……」グイッ

 

凛「えへへ、ごめんね」グッ

 

 

海未「さて、それでは次はドリブルの練習をしていきましょう」

 

海未「コーンをよける練習です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「………所に注意して行ってください」

 

 

凛「よっ…わわわ!!」トッ コロコロ

 

海未「凛!早く行こうとするのではなく、一つ一つ確実に通過してください」

 

海未「慣れれば自然と早くなります」

 

海未「ボールは一度に大きくけるのではなく細かく繋いでいきましょう!」

 

凛「は、はいぃ!!」ゼェゼェ

 

海未「花陽!その調子です!」

 

花陽「はい!」ハァッハァッ

 

 

 

 

 

 

 

海未「次は………」

 

ハイ!ワカリマシタ!

イクヨハナヨチャン!

ダ、ダレカタスケテー!

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「それでは今日はこれで終わります」

 

海未「2人は先に帰っていてください、私たちはもう少しやることがあるので」

 

花陽凛「ありがとうございました!」

 

海未「はい、ありがとうございました」

 

穂乃果「ありがとうございました!」

 

ことり「ありがとうございました♪」

 

 

タノシカッタネー ネー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「かわいい子達だったね〜!」

 

海未「花陽は経験者ですし凛も練習次第でかなり上達するでしょう」

 

穂乃果「よーし!それじゃあもう少し練習を……」

 

コロコロコロ………

 

穂乃果「ボール?」

 

「ちょっといいかしら」

 

「ごめんな〜」

 

海未「……生徒会長と……副生徒会長……」

 

絵里「理事長の娘さんは……」

 

ことり「私ですけど……」

 

絵里「あなた……理事長からこの学校が廃校になるって聞いてる?」

 

海未「………なっ……!」

 

穂乃果「廃校!?」

 

ことり「………」

 

海未「ことり……」

 

絵里「その様子だと知ってたみたいね」

 

穂乃果「へ、は、廃校ってどういうことですか!?どうして先輩方は知ってるんですか!?」

 

絵里「さっき職員室の前を通りかかったら聞いちゃったのよ」

 

希「秘密にしといてって言われたんやけどなぁ」

 

穂乃果「そ、そんなぁ……」

 

海未「もう、決定なのですか?」

 

絵里「正確には来年の入学希望者数によるらしいわ」

 

希「まあこのまま行ったらほぼ決定らしいけどね」

 

穂乃果「廃校…編入……試験……中途退学……」ブツブツ

 

穂乃果「はは…穂乃果はここまでみたいだよ」ガクッ

 

海未「諦めが早すぎです!!」

 

絵里「編入の件は大丈夫よ、編入試験はなく、今の一年生が卒業するまで私たちは残るらしいわ」

 

穂乃果「そ、そうだったんですか!?やっ……」

 

海未「たーじゃありませんよ、凛と花陽に後輩のいない高校生活を送らせる気ですか?」

 

穂乃果「た、確かに……なにかしないと!」

 

希「といっても時間はあまりないんよ」

 

ことり「その……ごめんなさい…」

 

ことり「私がもっと早くに言ってたら……」

 

絵里「ああ……違うの、責めてるわけじゃないのよ、ごめんなさい……」

 

海未「短期間で爆発的に知名度を上げる方法……」

 

穂乃果「………!」ピーン!

 

穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん!」

 

海未「……なんですか?」ジトッ

 

ことり「う、海未ちゃん目つき目つき!」

 

海未「こういう時ロクなことを言い出さないじゃないですか」

 

穂乃果「名案中の名案だよ!」

 

穂乃果「穂乃果たちで廃校を阻止しよう!」

 

海未「あなた……簡単にいいますがどうやってですか…?」

 

ことり「そうだよぉ〜、今からできることなんて……」

 

穂乃果「今までとすることは何も変わらない」

 

穂乃果「私たちが大会で優勝すればいいんだよ!」

 

絵里希「!」

 

穂乃果「そしたら入部希望者だってきっと増えるよ!」

 

みんな「………」

 

海未「た、たしかに知名度はこれまでになく上がるでしょ」

 

ことり「これまで私たちがやってたことが廃校阻止に繋がるなんて……!」

 

ことり「よーし!じゃあ早速練習しよう!」

 

穂乃果「しよー!」

 

タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

絵里希「………」

 

海未「……というわけですみません、私たちは練習に戻りますので……!?」

 

ガシッ!

 

海未「な、ななななんですか!?」

 

絵里「私たちも……」

 

希「チームに入れて!」

 

海未「ああなるほど、チームに………」

 

海未「ん?」

 

絵里「だめかしら……」

 

タッタッタッ

 

穂乃果「どうしたの?」

 

海未「えっと……先輩方がチームに入れて欲しいと…」

 

穂乃果「………うそ」

 

海未「……穂乃果?」

 

穂乃果「………や……」

 

ことり「や〜〜〜〜………」

 

 

 

 

「「やったぁ!!!!」」バンザーイ

 

絵里「ハラショー!ありがとう!」

 

海未「大歓迎です」ニコッ

 

穂乃果「これで八人!」

 

ことり「凛ちゃんと花陽ちゃんも合わせると十人!あと1人だね!」

 

海未「ちなみにサッカーの経験は……」

 

絵里「高校でやめてたけど一応小中はやってたわ」

 

希「えりちな、氷の女王って言われとったんよ。」

 

絵里「ちょ、ちょっと……!」

 

希「ロシアの学校でな」

 

穂乃果「氷の女王?」

 

ことり「ロシア……」キラキラ

 

絵里「恥ずかしいからやめなさい!」

 

希「それはまた今度のお楽しみやね」

 

絵里「お楽しまなくていいから!!」

 

希「ちなみにうちは少しだけ」

 

絵里「希はなんでもすぐ上達するから心配ないわ」

 

希「照れるやん〜!」

 

ことり「凄い…!」

 

希「にしし、それは置いといてちょっといいかな?」

 

穂乃果「何ですか?」

 

希「あと1人、塞ぎ込んでる怖がりさんを引き入れたいんよ」

 

海未「怖がり……ですか?」

 

希「ちょっと訳ありでこれ以上言えんかなぁ」

 

海未「その方の名前は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「矢澤にこ」

 




長すぎると見難いって聞いたんですけど大丈夫でしたかね


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「お遊びでやるならさっさとやめなさい!」

スイカが美味しくてつい食べ過ぎてしまいます乾電池です!

熱中症には十分注意しましょう!


 

 

穂乃果「あの話って本当なのかなー」ドッ

 

海未「矢澤先輩ですか?」ドッ

 

穂乃果「うん…」

 

ことり「まさか私たちの練習ずっと見てたなんてね〜」ドッ

 

にこ「………」コソコソ

 

にこ「……」ジー

 

穂乃果「あ、いた!」ボソボソ

 

海未「意識してみると丸見えですね」

 

海未「隠れる気あるんでしょうか」

 

ことり「1年生みたいに可愛いね」

 

にこ「……」ザッザッザッ

 

穂乃果「え、こっちに来るんだけど」

 

海未「練習に参加したかったんじゃないですか?」

 

にこ「あんたたち……」

 

ことり「はーい!」

 

にこ「お遊びでやるならさっさとやめなさい!」

 

海未「な…!?」

 

穂乃果「遊びでなんかしてません!!」

 

にこ「へー、そうは見えなかったけど?」

 

ことり「ことりたちは真剣です!」ちゅんちゅん

 

海未「そういうとこですよことり」

 

にこ「いい?サッカーを侮辱しないで!」

 

スタスタスタスタ

 

穂乃果「………」

 

穂乃果「あれが……」

 

(((塞ぎ込んでる怖がりさん……?)))

 

ことり「イメージと全然違った……」

 

海未「どこが恐がりなのですか……」

 

穂乃果「塞ぎ込んでるようには見えなかったけど……」

 

(((ひねくれてるなぁとは思ったけど))いましたけど)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

河川敷

 

 

にこ「ふん…….なによあいつら…」テクテク

 

にこ(あいつらの練習メニューなら一年間毎日見てたけど……)

 

にこ(文句を言いながら……でも少しもサボらなかった……)

 

にこ(……遊びでできる練習量じゃなかった……!!)ギリッ

 

にこ(試合に出れるわけもない人数でなんでそんなに……)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「なんで部活でそんなにまじめにやってるの?」

 

「楽しく試合できたらいいじゃん」

 

にこ「で、でも!やっぱり出るからには……!!」

 

「正直、ついていけない……」

 

「1人だけまじになって馬っ鹿みたい」

 

「一人でやってなよ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

にこ「………」

 

にこ「一人になっても続けるなんて……無理よ」

 

にこ「どこで……間違ったのかな……」ボソッ

 

 

 

 

 

 

 

イケー!シュートー!

 

ウワー!ヤラレター!

 

イイゾー!

 

 

 

にこ「あんな風に無邪気に遊んでた頃があったわね……」

 

にこ(あの頃は本当に楽しかった……)

 

 

 

 

 

イテ!?

 

スイマセン!

 

オイオイコレオレチャッテンジャネ?

 

アーコレハオレテルワ

 

ゴ、ゴメンナサイ…

 

イヤーマジデイテー

 

 

 

にこ「っち……今時あんな馬鹿みたいな連中いるのね」

 

 

 

ザザザザッ

 

 

 

 

「ちょっとあんたたち!」

 

 

不良A「ん?誰だお前」

 

にこ「あんたたち小さい子に寄ってたかって恥ずかしくないの?」

 

不良B「兄貴の腕が折られたんだよ、なんか文句あるか」

 

にこ「小学生のパスが当たったくらいで折れる腕なんて、腕に問題があると思うけど」

 

にこ「カルシウムとって出直してきたら?」

 

不良A「っ!!こいつ」ガシッ

 

にこ「あっれ〜?女子校生に手上げちゃうの?にここわーい」

 

にこ(なにも考えずに出てきたからなんの対策もしてないわ……どうしよ)スルッ

 

にこ(あ、リボン落ちちゃった……)

 

不良B「おいおいおい」ズイッ

 

不良B「兄貴怒らせると怖えー………ぐはぁぁっ!??」ドサッ

 

 

 

不良A「ど、どうした!?」パッ

 

にこ「ゴホッゴホッ……!」ヨロッ

 

 

 

 

テンテンテン コロコロ

 

 

 

にこ(あれは……サッカーボール)

 

にこ(どこから?)キョロッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「……………」クルクルクル

 

にこ(あの子が蹴ったの??)

 

にこ「逆光で顔が見えない………」

 

不良A「お、お前の仲間か!?」

 

不良A「舐めた真似しやがって!!」バッ!

 

にこ「…………」

 

にこ「ボール借りるわよ」トトッ

 

 

 

 

 

 

 

フッ

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

不良A「へぶぁ!!」ドサッ

 

にこ「……ふぅ」

 

不良B「お、覚えてろよ!!」タッタッタッ

 

にこ「古……」

 

 

オネーチャンスゴーイ!

 

メッチャカッコヨカッタ!

 

 

にこ「……あなたたちは絶対こんな使い方しちゃダメよ」

 

にこ「サッカーは純粋に楽しいものだから」

 

にこ「それと、周りに気をつけること!!」

 

 

ハーイ!

 

 

 

???「………大丈夫?」

 

にこ「……助かったわ、一応礼を言っとく」

 

???「別に……足が滑っただけ……」スッ

 

???「はいこれ、ちゃんとボールは仕舞っておきなさいよ」

 

 

ハーイ!赤髪のおねーちゃんもありがとー!

 

 

???「それじゃあね」

 

にこ「まちなさい」

 

にこ「名前ぐらい名乗りなさいよ」

 

???「人に聞くにはまず自分からって習わなかった?」

 

にこ「っぐ……矢澤にこ、音の木坂よ」キュッ

 

???「!……そのリボンの色……三年生だったのね」

 

にこ「わかるの?あんたも音の木坂?」

 

真姫「音の木坂一年、西木野真姫よ」

 

にこ「あなた……サッカー部にはいなかったわね」

 

真姫「……サッカーは…….できないの」

 

にこ「なんで?そんなに上手なのに」

 

真姫「…….家の事情よ」

 

にこ「…ふーん?」

 

真姫「それじゃあ」ペコッ

 

にこ「ええ…」

 

 

 





試合までが長く申し訳ない……

割とベタに行きたいと思います!(奇想天外な発想は出ないので)


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「UTX高校!?……ってどこですか?」

とりあえず練習試合までは載せたいので連投してます!

前回が2000文字弱で今回が4500ちょいぐらいなんですけど長さ的には3000ぐらいがいいんですかね?




 

 

翌日の放課後

 

 

 

 

にこ「……で、なに?」

 

穂乃果「サッカー上手なんですよね!」

 

海未「希先輩から聞きました」

 

にこ(あいつ……)イラァ

 

ことり「ことりたちと一緒にやりましょう!」

 

にこ「………私は遊びでやる気なんてない」

 

穂乃果「私たち、遊びじゃないです!」

 

にこ「はーん、どうだか」

 

にこ「じゃあ目標を言ってみなさい」

 

 

 

 

 

 

「「「フットボールフロンティア優勝!!」」」

 

にこ「…っ」ビクッ

 

にこ(即答…)

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

にこ「さあ!目標決めるわよ!」

 

「えー?どうするー?一回戦突破?」

 

「謙虚すぎwwwやっぱ優勝でしょ!」

 

にこ「よし!じゃあ優勝で………」

 

「いやー無理でしょ優勝なんて」

 

「だよねー、二回戦突破ぐらい?」

 

「あー、妥当だね」

 

「あっははははは!!」

 

にこ「……」ギュッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

にこ「………今日って体験入部あったわよね?」

 

海未「はい、ありますが」

 

にこ「部室でちょっと待つわよ」

 

ことり穂乃果「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「お、お邪魔しまーす……」

 

穂乃果「お、来たね花陽ちゃん!」

 

海未「今日は凛はいないのですね」

 

花陽「は、はい!陸上部の方に行くみたいです」

 

ことり「え〜…サッカー部来てくれないのかなぁ……」

 

海未「流石に強要はできませんよ」

 

にこ「ちょっといい?」

 

花陽「は、はいぃ!?」ビクゥッ

 

穂乃果「ちょっと!うちの部員を怖がらせないでくださいよ!」

 

海未「まだ部員じゃないですけどね」

 

にこ「あんた……目標は?」

 

花陽「え?」

 

にこ「この部活に入ってからの目標よ」

 

花陽「そ、それはもちろんフットボールフロンティア優……」

 

にこ「優勝なんて言わないわよね?」

 

一同「!?」

 

穂乃果「ちょっ…!先ぱ……」

 

海未「穂乃果!!」

 

ことり「穂乃果ちゃん!!」

 

穂乃果「え……なんで……?」

 

にこ「で、どうなの?」

 

にこ「一回戦突破、二回戦、ドリブルが上手くなる、ハットトリックを決めたい、なんでもいいわよ」

 

花陽「は…花陽は……」

 

穂乃果「………」

 

海未「………」

 

ことり「………」

 

花陽「ゆ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「優勝以外考えてませんでした……」

 

花陽「ごめんなさい……」シュン

 

にこ「…………!」パチクリ

 

にこ「……っぷ……」

 

にこ「あっはははは!」

 

花陽「え……え?」

 

にこ「あんたたち面白い子捕まえたわね」

 

にこ(こんなに気弱そうなのに、目標はしっかりしてるみたいね)クスッ

 

穂乃果「うんうん、さすが花陽ちゃんだね」

 

海未「全く、ヒヤヒヤしました」

 

ことり「花陽ちゃん言っちゃったね♪」

 

花陽「え?え?いったいなにがなにやら……」

 

にこ「いいわ、入ってあげる」

 

穂乃果「ほ、本当ですか!?」

 

海未「人騒がせな人ですね」

 

にこ「そのかわり、にこが部長よ!」

 

花陽「えええええ!?」

 

穂乃果「はい、いいですよ!」

 

海未ことり花陽「えええええ!!!???」

 

にこ「リーダーはあんただけどね」

 

穂乃果「頑張ります!」

 

にこ「事務的なことは私の方が慣れてるからね、あんたらはチームをまとめてなさい」

 

海未「全く穂乃果らしいと言いますか……」

 

ことり「あ、はは……」

 

ガラッ

 

希「はーい、体験入部にきました〜!」

 

絵里「お邪魔するわね」

 

ことり「あー!先輩方いらっしゃ〜い!」

 

希「お、にこっちやっとかぁ」

 

にこ「あ……あんたねぇ……」プルプル

 

希「この子らが一年生の時からずっと見ててやっと今入るなんてどれだけツンデレ……」

 

にこ「希ぃぃー!!!!!!」ドタバタ

 

希「いやーんにこっち大胆〜!」ドタバタ

 

海未「ちょっと暴れないでください!」

 

絵里「やめなさい2人とも!」

 

にこ「ま、まちなさい!」ゼェゼェ

 

希「にこっち体力落ちたなぁ」タッタッ

 

花陽「あ!」

 

ことり「そっちは!!」

 

 

 

 

希「いやぁ!!!!」

 

にこ「蜘蛛の巣からまったぁー!!!!」

 

海未「蜘蛛さぁーーーーん!!!!!!!」

 

花陽(って、よく考えたら先輩しかいない……!!)

 

花陽「ダレカタスケテー!!」

 

穂乃果「賑やかになってきたね」ニコニコ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理事長室

 

 

穂乃果「何かあったんですか?」

 

理事長「あなたを呼んだのは他でもありません」

 

理事長「試合をしてもらいます」

 

穂乃果「え!?練習試合取ってきてくれたんですか?」

 

理事長「それが、向こうから言ってきたんです」

 

穂乃果「ちなみに相手は……」

 

理事長「………………UTX高校です」

 

穂乃果「ゆ……UTX高校………!!!」

 

穂乃果「ってどこですか?」

 

理事長「………」アキレ

 

理事長「前回、前々回のフットボールフロンティア優勝校ですよ」

 

穂乃果「あーなんだ優勝校………って」

 

 

 

「ええええええええ!!!???」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「ひ、ひぃぃぃ……」ガタガタ

 

海未「それで…………」

 

ことり「……受けてきちゃったの?」

 

希「それにこの日にち……」

 

にこ「仮入部期間終わってないじゃない!!」

 

穂乃果「そ、そうなんですよねぇ…」

 

絵里「まあ決まってしまったものは仕方ないわ」

 

絵里「人数は何人いるの?」

 

海未「二年生三人、三年生三人、花陽も入れて助っ人の三人も入れると……」

 

ことり「十人……だね」

 

にこ「どうするの?あと1人」

 

花陽「あ、あの!!」

 

花陽「多分……凛ちゃんきてくれると思います」

 

花陽「ひとまず助っ人なら……」

 

穂乃果「てことは…」

 

希「うん!11人揃ったね」

 

にこ「よーし!それじゃあ早速特訓行くわよ!」

 

「「「「おー!!!!!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「………穂乃果、その手どうしたんですか?」

 

ことり「わぁ、絆創膏だらけ……」

 

穂乃果「あ、これ?料理失敗しちゃって……難しいねほんと」

 

海未「気をつけてくださいよ、ただでさえ不器用なんですから」

 

穂乃果「わかってるよーだ!」タッタッタッ

 

海未「………ことり」

 

ことり「うん」

 

海未「どうすれば手のひらまで怪我するんでしょうね」

 

ことり「本当に穂乃果ちゃん嘘下手だよね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「たっだいま〜!」

 

雪穂「おねーちゃん靴ちゃんと揃えて!」

 

穂乃果「いってきまーす!」

 

雪穂「コラー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

鉄塔

 

穂乃果「さあ!今日もこのタイヤで特訓だよ!」ザッ

 

穂乃果「でもこんなの本当に意味あるのかなぁ……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果「ん〜…どうすればキーパーの実践的な練習ができるんだろう…」テクテク

 

???「鉄塔広場のタイヤを使ってみて」ボソッ

 

穂乃果「へ!?」クルッ

 

穂乃果「……だれもいない……」

 

 

 

 

 

 

 

鉄塔

 

 

 

穂乃果「ハァ……ハァ……とー……ちゃく!」ザッ

 

穂乃果「ここに来るだけで疲れるよ……」

 

穂乃果「えーっと……あの声によれば……タイヤタイヤ……」キョロキョロ

 

 

穂乃果「あ!あのぶら下がってるやつかな!」タッタッタッ

 

穂乃果「……これでどうやって特訓するんだろう」

 

穂乃果「………」ブランブラン

 

穂乃果「……もしかして……!」グッ

 

 

 

 

 

 

穂乃果「あはは!ブランコみたい!」ブゥンブゥン!

 

 

 

 

穂乃果「違う、こんなことしてる場合じゃない」

 

穂乃果「………」ウーン

 

穂乃果「……!わかった」ぐ グッ

 

グンッ!

 

穂乃果「これで返ってきたやつを……」

 

フワッ

 

ヒュゥゥウウウ……!

 

穂乃果「とめる!!」

 

ドゴォ!!

 

穂乃果「うわぁ!?」ゴロンゴロンゴロン

 

ゴチン!

 

穂乃果「い………たい…」ガクッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

穂乃果「最初は散々だったなぁ……」シミジミ…

 

穂乃果「……よし、今日もいくよ!」グッ

 

グンッ!

 

……ヒュゥゥウウウ!!

 

穂乃果「…はぁ!!」バッ

 

ドガァ!!

 

穂乃果「ッグ……!!」ズズズズ……

 

穂乃果「………もう一回!」グッ

 

グンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別の日

 

 

穂乃果「そういえば希先輩って……その、関西にいたんですか?」

 

希「……ああ、この喋り方?」

 

にこ「しかもちょっと……いや、かなりエセなのよね」

 

花陽「何か訳があったり…?」

 

希「これには浅くない訳があるんよ?」

 

ピクッ

 

希「聞きたい?」

 

花陽「い、いえ!大丈夫です!」

 

希「まあ話すつもりはないけどね!」

 

にこ「そんなことだろうと思ったわ…」ハァ

 

絵理「あら?でも一年生の自己紹介の時は標準語だったような………」

 

希「あ、あーーーーー!!!!も、もうこんなに時間が経ってるー!?」

 

希「練習いこ!練習!」

 

海未「急にどうしたのですか?」

 

希「どうもせんよ!?突然時間が惜しくなっただけ!!」

 

花陽「ちょ、ちょっといいですか?」

 

花陽「あの、凛ちゃんのことなんですけど」

 

穂乃果「凛ちゃんがどうかしたの?」

 

花陽「実は……凛ちゃん」

 

花陽「ちょっと口調を変えようとしてて……」

 

穂乃果「口調?」

 

花陽「いつも、えーっと……今とは少し違う喋り方で……猫、みたいな」

 

ことり「絶対可愛い」キッ

 

海未「ことり」

 

花陽「小さい時、猫と話そうとしてずっと言ってたら定着したみたいで…」

 

にこ「でもそんなの聞いたことないわよ?」

 

花陽「高校生になる前に聞かれたんです」

 

花陽「凛のこの話し方おかしいと思う?って」

 

花陽「その時私はそのままがいいって言ったんですけど……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛「うぅ……わかったに……よ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

海未「あぁ…….あれはそういう…….」

 

絵里「まあ誰にでもそう言う時期はあるものね」

 

希「あんまり触れてあげんほうがええんやない?」

 

にこ「つまり希もあまり触れて欲しくないと…」

 

希「なんか言った?」

 

にこ「いえべつに…」

 

花陽「そ、そうですよね。ごめんなさい……」

 

海未「………花陽はどうしたいのですか?」

 

花陽「わ、私は………」

 

花陽「…………」

 

花陽「前の凛ちゃんに戻って欲しいです」

 

花陽「今の凛ちゃん……無理してるのがみていて辛くて」

 

海未「なら、その道を信じて背中を押してあげてください」

 

海未「幼馴染とはそう言うものです」

 

ことり「やーん、海未ちゃんかっこいー!!」

 

穂乃果「うーみちゃーん!!」ダキッ

 

ことり「ことりもー!」もぎゅ

 

海未「は、離れてください2人とも!!」

 

にこ「ほんっと騒がしい……」

 

希「ええやんええやん、こんな楽しい部活他にないよ?」

 

絵里「本当にね」

 

花陽「えへへへ」

 

穂乃果「でも口調を変えるか〜……」

 

ことり「なんだかイメージつかないね」

 

「そう?私は結構つくけどね」

 

「「!?」」

 

海未「こんな感じですよ」

 

穂乃果「い、一瞬誰が喋ったのかわからなかったよ……!」

 

ことり「ことりはやっぱりいつもの海未ちゃんがいいな!」

 

海未「ええ、変えるつもりもありませんよ」

 

穂乃果「えへへへ!」

 

穂乃果「も一回ギュー!」

 

ことり「ギュー!」

 

海未「………」

 

海未「………はぁ」ギュッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果(こうして、あっという間に試合の日となった)

 

海未(初めての試合、怖くないといえば嘘になりますが)

 

ことり(みんな今日までしっかりと集中して練習できた)

 

絵里(そのことに自信を持っていればきっと大丈夫)

 

花陽(が、頑張ります!)

 

希(今日は思いっきり楽しみたいな)

 

にこ(にっこにっこにー!あなたの………)

 

 

角間「さーてやってまいりました音の木坂!!今日はなんとここでUTX高校と練習試合だーー!!!」

 

にこ「あんた誰よ!!」

 

角間「私角間と言います!!音の木坂の試合は全て私が実況させていただきまぁす!!!」

 

 

 

(((((キャラ濃!!))))))

 

ちなみに女子です

 

「「「「「「嘘ぉ!?」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

フミコ「穂乃果ちゃーん!」

 

ヒデコ「来てやったよー!」

 

ミカ「数合わせだけど一生懸命やるからね!」

 

穂乃果「ありがとう三人とも!!」

 

花陽「凛ちゃん!今日は頑張ろうね!!」

 

凛「うん!楽しみだに……ね!!」

 

海未「それで、対戦相手はどこに……?」

 

ことり「お母さんによればもうすぐ来るらしいけど……….」

 

希「………ね、あの大きなリムジン……」

 

絵里「まさか……高校生よ?」

 

にこ「あんたら知らないの?UTX高校は移動全部リムジンなのよ?」

 

にこ「どうしよ……サインもらおうかしら」

 

花陽「ああ……!!この目でこの瞬間が観れるだけでもう悔いはありません!」

 

にこ「あ、あんた……この光景のありがたみがわかるのね!!」

 

花陽「矢澤先輩もですか!?」

 

にこ「にこでいいわ!花陽!」

 

花陽「はい!にこ先輩!」

 

花陽「さあ、この瞬間を」

 

「「目に焼き付けましょう!!」」

 

 

 



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「こんなの……サッカーじゃない…!!」

ようやく試合に入れました……
結構投稿って体力を持っていきますね、頑張ります!!

メモ帳と文字間隔が似てるのでやりやすいですねここ
編集もできて本当に便利です!




 

花陽「さあ、この瞬間を」

 

「「目に焼き付けましょう!!」」

 

 

 

 

 

???「……」スタスタスタ

 

 

 

にこ「あれがA-RISEのうちの1人」

 

穂乃果「A-RISE?」

 

花陽「チームの中で特に強い3人のことです!」

 

花陽「そのパスは機械のごとく1センチのズレも許さないほどの技術の持ち主」

 

「「精密機械の統堂エレナ」」

 

穂乃果「あの2人どうしたの?」

 

希「やらせたって、まさに水を得た魚状態やから」

 

凛「凛はこっちのかよちんも好きだよ」

 

 

 

 

 

???「…….」スタスタスタ

 

にこ「あれがA-RISE2人目」

 

花陽「大人の魅力でファンクラブも存在するという」

 

「「セクシー担当優木あんじゅ」」

 

絵里「なんか雑じゃない?」

 

ことり「え、絵里先輩……」

 

 

 

 

 

 

 

バサァ…!

 

 

 

 

穂乃果「マント!?」

 

穂乃果凛希「かっこいいーーーー!!!」

 

 

 

???「………」スタスタスタ

 

にこ「そしてリーダーでありキャプテン」

 

花陽「一時期はイカサマとまで言われたボール支配力」

 

 

「「支配者綺羅ツバサ」」

 

 

にこ「………」ハァハァ

 

花陽「………」ハァハァ

 

にこ花陽「」ガシッ

 

穂乃果「いい友情だね」ウンウン

 

海未「バカなんです」

 

 

 

 

 

 

凛「やっぱり優木さんだけ雑なような」

 

穂乃果「たしかに1人だけ見た目だもんね」

 

絵里「でもあのツバサって人、なんかオーラあるわね」

 

海未「同じリーダーでも穂乃果とは大違いですね」

 

穂乃果「ひどいよ海未ちゃん!」

 

花陽「穂乃果ちゃん穂乃果ちゃん!」

 

ことり「向こうの人が挨拶に来たみたいだよ?」

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「どうも、音の木坂の皆さん」

 

ツバサ「リーダーの綺羅ツバサよ」

 

穂乃果「はじめまして、リーダーの高坂穂乃果です!今日はよろしくお願いします!」

 

ツバサ「ええ、よろしく」ニコッ

 

ツバサ「そっちは全員揃ってる?」

 

穂乃果「はい!これで全員です!」

 

ツバサ「……そう」

 

ツバサ「それでは、いいゲームにしましょうね」スタスタスタ

 

 

 

凛「なんだか感じのいい人だね」

 

花陽「うん!」

 

ことり「なんだか凄みがあったね…」

 

穂乃果「大丈夫だよ!日頃の練習の成果を出しきればきっと!」

 

穂乃果「行くぞー!」

 

「「「「「おー!!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「はい、まだ現れていないようです」

 

ツバサ「そもそもサッカー部にもいないようですし……」

 

ツバサ「はい…はい」

 

ツバサ「……!?」

 

ツバサ「…………」ギリッ

 

ツバサ「……わかりました」ピッ

 

ツバサ「あんじゅ、エレナ」

 

あんじゅ「ええ」

 

エレナ「だいたいの話はわかった」

 

ツバサ「……やるわよ」

 

あんじゅ「……わかってるわ」

 

エレナ「ああ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「…………」ザッ

 

 

 

 

 

 

 

角間「さー!始まりました音の木坂vsUTX高校!!」

 

角間「いったいどんな試合になるのか私今からドキドキが止まりません!」

 

 

 

 

 

FW

絵里、にこ

 

MF

希、ことり、海未、花陽

 

DF

ヒデコ、ミカ、凛、フミコ

 

GK

穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

海未「とりあえずフォーメーションはこれでいきます」

 

花陽「わ、私がMF!?」

 

凛「かよちん遠いにゃ〜……」

 

にこ「にこはFW向きじゃないんだけど……」

 

海未「それはまた修正していきましょう」

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「みんなー!!しまってこー!」

 

ピーーーーーーー

 

 

 

角間「さあ試合開始のホイッスル!音の木坂ボールで試合がスタートします!」

 

絵里「ん?」タッタッタッ

 

海未「これは……」

 

角間「おーっとこれはどうしたことだぁ!?UTX陣営全く動かないーー!!!」

 

穂乃果「?どういうこと?」

 

にこ「そのまま決めなさい!絵里!」

 

絵里「え、ええ!!」

 

絵里「いくわよ!」

 

 

 

 

 

 

ツバサ「止めなさい」

 

DF1 タタッ

 

 

シュバッ!

 

絵里「あ…!」

 

花陽「なにあれ……」

 

ことり「速すぎるよぉ……」

 

DF1 ドッ

 

ツバサ トッ

 

 

 

ドキュゥッ!!!!!!!

 

 

穂乃果「………へ?」

 

 

 

 

ドギュルルルルルル!!!!!!

 

 

 

 

海未「穂乃果!!」ダッ

 

ことり「穂乃果ちゃん!」ダッ

 

凛花陽「穂乃果先輩!!」

 

 

 

 

 

角間「ゴーーーール!!!」

 

角間「なんという事だぁ!!!綺羅が蹴ったボールはそのままキーパー高坂ごとゴールへ突き刺さったぁ!!!!」

 

ツバサ「……」

 

 

 

 

穂乃果「うぅ…….」ヨロッ

 

にこ「大丈夫?穂乃果」

 

希「あんなにシュートが速いなんて……」

 

絵里「それにDFも……なによあれ」

 

穂乃果「ご、ごめんねみんな!!

 

穂乃果「次は絶対止めるからみんなは点を取ることに集中して!」

 

海未「……」

 

絵里「穂乃果……」

 

にこ「ほら、さっさといくわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーー

 

 

にこ「絵里!」ドッ

 

ツバサ「あんじゅ」

 

あんじゅ「命令しないで」ダッ

 

角間「音の木坂ボールでスタート………あーっと!!いきなりボールを奪ったA-RISE優木!!」

 

あんじゅ「ほっ」ドキュゥッ!!

 

 

 

ギュウゥゥゥン!!!!!

 

 

 

 

 

凛「!?」

 

 

 

 

 

 

ドガァ!!

 

凛「うわぁあ!!!」ドサッ

 

花陽「凛ちゃん!」

 

角間「これはパスミスかぁ!?敵チームの星空にボールが当たり再び優木の元へ戻っていったぁ!!」

 

花陽「今わざと……!」

 

にこ「………」ギリッ

 

海未(観客もほとんどいないからやりたい放題、という事ですね)

 

ことり「普通に戦っても強いはずなのに……」

 

あんじゅ「………」

 

希「いつまでも好きにはさせへんよ!」ダッ

 

 

 

 

あんじゅ「……」スゥ ハァ

 

ツバサ「………!」

 

エレナ「………」

 

あんじゅ「……ボールが欲しいの?」ドッ

 

希「え?……わっとっと」ポン

 

角間「優木何故か相手の胸元に優しくパスゥ!?それを東條柔らかくトラップ………」

 

あんじゅ「落とさないでよ?」クルッ

 

希(これ、やばっ……逃げ…………)

 

絵里「希!!」

 

 

 

 

あんじゅ【ジャッジスルー!】

 

ドゴァ!!!! ポヨン

 

希「うわあぁぁ!!!!」ドサッ

 

ことり「希先輩!」ザッ

 

あんじゅ「……」

 

希「えっへへ………」ムクリ

 

角間「これは東條無傷だーー!!!」

 

にこ「その憎ったらしい脂肪の塊のおかげで助かったんでしょ」

 

凛「あー……」

 

希「えっへん」

 

希「……ゲホッ」ズキズキ

 

絵里「希……」

 

あんじゅ「……」

 

あんじゅ「ねぇもういい?」ドッ

 

ツバサ「ええ」トッ

 

角間「いつのまにか綺羅がゴール前に上がっていたぁーー!!!これは完全にフリーだぁ!!」

 

ツバサ「あんじゅ、エレナ」ダッ

 

あんじゅ「任せなさい」ダッ

 

エレナ「ああ」ダッ

 

角間「ボールを受け取った綺羅と優木と統堂が並んでゴールへ向かっていくー!!いったいどうするつもりだーー!?」

 

ツバサ「デスゾーン、開始」

 

海未「穂乃果!!」

 

ことり「気をつけて!」

 

 

 

 

ツバサ グルグル

 

あんじゅ グルグル

 

エレナ グルグル

 

ギュォォォォ!!

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!

 

ツバサあんじゅエレナ【デスゾーン!!】

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォ!!!!!!!

 

角間「これはすごい必殺シュートだー!!3人の回転で蓄積させたパワーが一直線に音の木坂ゴールへ向かっていくー!!」

 

穂乃果「止める……!!!」ザッ

 

穂乃果「はぁぁぁ!!!!」バッ

 

 

 

 

 

ドシュウウウゥゥゥゥ!!!!!!!

 

 

角間「決まったー!!A-RISE早くも2点を先制ぃーー!!!!」

 

穂乃果「あ……ぅぁ……」ドサッ

 

 

海未「穂乃果ぁ!!」

 

ことり「穂乃果ちゃん!」

 

花陽「そ、そんな……」

 

凛「コレが……サッカー?」

 

凛「こんなの……サッカーじゃない…!」ギュッ

 

希「えりち……」

 

絵里「ええ……」

 

絵里「…….」スゥ

 

絵里「みんな聞い………」

 

にこ「あんたたちなに塞ぎ込んでんのよ!!」

 

絵里「にこ……」

 

にこ「穂乃果、海未、ことり、あんたたちが集めたメンバーよ」

 

にこ「自信を持ちなさい」

 

穂乃果「にこ……先輩」ヨロッ

 

穂乃果「……うん、そうだよね」

 

穂乃果「みんな!まだまだ試合は始まったばかりだよ!」

 

穂乃果「諦めなければきっと勝機はある!」

 

凛「先輩……!」

 

凛(先輩が一番ボロボロなのに……)

 

海未「……」

 

海未「絵里先輩」

 

絵里「なにかしら?」

 

海未「お願いが……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーー

 

 

 

角間「試合開始わずか数分で2点を失った音の木坂、ここから逆転なるかー!?」

 

絵里「行きなさい!」ドッ

 

海未「ありがとうございます」トッ

 

角間「コレはどうしたことだー!!!ディフェンダーの園田が前線に上がってきたぁ!!この作戦が吉と出るか凶と出るか!!」

 

海未「穂乃果のカタキ!!」タッタッタッ

 

にこ「穂乃果死んだみたいね」

 

穂乃果「死にかけだけども……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「そんなに必死になって面白い人ね」

 

海未「どいてください!」

 

ザッザッ ガッ ザッ ザザッ

 

角間「コレは激しい攻防!!両者一歩も譲らない!!」

 

希「すごい……」

 

凛「海未先輩ってちゃんと上手だったんだ」

 

花陽「り、凛ちゃん!?」

 

 

 

ツバサ「………」

 

海未「………ここ!!」バッ

 

 

角間「抜いたーー!!園田、綺羅を抜き敵陣へ切り込んで行くーー!!!」

 

ことり「やったー海未ちゃん!!」

 

絵里「………そんな」

 

海未「あ……あれ?」ザッ

 

ツバサ「あら」

 

ツバサ「落し物よ?」トッ

 

角間「!!!こ、これぞ綺羅ツバサの真骨頂!!選手すら欺く圧倒的テクニック!!取られていたことに一瞬気がつきませんでしたぁ!!」

 

ツバサ「ボールが欲しいんでしょ?」

 

海未「っく……!」

 

ドゴォ!!!

 

海未「ウグゥ……!!!」ドサッ

 

絵里「海未!!」

 

ツバサ「あなたもよ」ドッ!!

 

バシィ!!

 

絵里「っが……!!!!」ドサッ

 

ツバサ「………」ドッ

 

ツバサ「……まだかしら」キョロキョロ

 

あんじゅ「こないんじゃない?」トッ

 

チラッ

 

花陽「ひぃ……!」ビクッ

 

ドォッ!!!

 

にこ「花陽!!」バッ

 

バシィッ!!!

 

にこ「あああ……!!!」ドサッ

 

花陽「にこ先輩!!」

 

あんじゅ「………」ザッ

 

ドッ!!ドゴォ!!ドシュウウ!!ドォッ!!

 

ヒフミ「ウワァァ!!!」ドサッ

 

凛「いっ…!!!」ドサッ

 

花陽「きゃああ!!」ドサッ

 

ことり「ふぐぅ……!!」ドサッ

 

希「み、みんな……」ズキィン

 

希「うぐ……」ドサッ

 

角間「こ、これは!!!音の木坂陣営に立ってる選手は高坂のみ!!」

 

あんじゅ「大丈夫よ彼女も同じにしてあげるか……ら!!!」ドシュッ!!

 

穂乃果「止める……!!!」

 

フミコ「ああああ!!!」バチィ

 

穂乃果「フミコ!!」

 

あんじゅ「…!!」

 

ドサッ

 

ピピーーーー

 

角間「おおーっとここでけが人です!!しかしここで控えの選手がいない音の木坂!!!このまま十人での続行となるのか!?」

 

フミコ「リ、リーダーが倒れちゃ……ダメでしょ」

 

穂乃果「フミコ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「…………」グッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

父「真姫、我が家でサッカーはしてはいけないんだ」

 

父「このボールは処分しておこう」

 

まき「いや!やめてパパ!!」

 

母「ごめんね真姫ちゃん……」

 

母「新しいピアノ買ってあげるから」

 

まき「ピアノは今のやつでいいから捨てないで!お願い!」

 

父「それ以上わがまま言うならピアノも捨てるぞ」

 

まき「!?」

 

母「あなた、それは流石に……」

 

まき「ごめんなさい……いい子にするから……ピアノは捨てないでぇ……」グスグス

 

父「……すまない真姫、大人になってくれ」

 

まき「ご、こえんなさい……」グスグス

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

真姫「パパ……ママ……」

 

真姫「ごめんなさい」

 

 

 

 

 

 

 

真姫「この状況を見過ごすぐらいなら、私はまだ子供でいい」ザッ

 

 



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「止めなきゃ気が済まない!!」

暑い……暑くて溶けそう……体調管理はしっかりと!!

さっき別作品でオリジナルの必殺技見たんですけどかっくいかった!!!かっくいい!!そこに行き着くまでの描写もカックイイ!!

心当たりがある方はわかるかな笑

ではいきまーす!




UTX高校のラフプレーになすすべなく倒れこむ音の木坂の面々

そんな中、グラウンドの外から静かに歩み寄る人物が……

 

 

 

 

 

角間「換えの選手のいない音の木坂は十人で…………おお!?いったい誰でしょうか!!グラウンドにだれか入ってきました!」

 

ツバサ「……」ニッ

 

あんじゅ「はー、よかった」

 

エレナ「もういいんだろ?」

 

ツバサ「ええ」

 

あんじゅ「というかエレナ何もしてないじゃない!」

 

エレナ「……」

 

あんじゅ「無視……!?」

 

 

 

 

絵里「だ、だれ?」ヨロッ

 

にこ「あ、あんた……!!」

 

真姫「怪我で抜けた人のとこに入らせてください」

 

海未「……この有様を見てそう言えるんですね」

 

希「なんやおもしろそうやん」

 

凛「あー!!西木野真姫ちゃんだに……だ!」

 

花陽「同じクラスの……」

 

真姫「生徒会長、あなたのことは知っています」

 

絵理「それは嬉しいわね」

 

真姫「作戦があるんですけど…」

 

絵里「わかったわ、教えて」

 

にこ「……私とポジション交代よ」

 

海未「にこ先輩がそういうなら……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーー

 

 

角間「十一人目に西木野真姫が入り試合続行!!UTX高校ボールからスタートです!」

 

 

 

あんじゅ「お手並み拝見ね」

 

ツバサ「行くわよ、あんじゅ、エレナ」ダッ

 

エレナ「ああ」ダッ

 

あんじゅ「任せて!」ダッ

 

 

 

 

 

 

 

 

グルグルグル

 

ツバサあんじゅエレナ【デスゾーン!】

 

ドゴォォォォオォォ!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

タッタッタッ タッタッタッ

 

ツバサ「なっ!?」

 

エレナ「どういうことだ?」

 

角間「おおーっと!?西木野と絢瀬がボールを無視して敵陣に突っ込んでいくー!!勝負を捨てたのかー!?」

 

穂乃果「……」グッ

 

エレナ「私たちのシュートを彼女が止めると思っての行動か」

 

ツバサ「…」

 

あんじゅ「……」クルクル

 

エレナ「無視か……」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

真姫「シュートへの流れですが……絶対の前提条件は敵のシュートを止めることです」

 

穂乃果「!」

 

凛「あんなシュートを……?」

 

ことり「いくらなんでもそれは……」

 

穂乃果「無理?」

 

ことり「い、いや!そういうことじゃ……」

 

海未「できますか?」

 

穂乃果「……確証はないよ、でも……」グッ

 

穂乃果「止めなきゃ気が済まない!」

 

絵理「ふふ、さすがリーダーね」

 

真姫「止めた後は……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

海未「穂乃果……」ギュッ

 

ゴォォォォォオ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「…………」

 

花陽「ねえ凛ちゃん」

 

凛「なぁに?」

 

花陽「凛ちゃんはどうして無理して変わろうとしてるの?」

 

凛「へ!?べ、別に凛は……」

 

凛(き、気づかれてる……さすがかよちんだね)

 

花陽「わかるよ……幼馴染だから……」

 

凛「だ、だって子供っぽいし……変だよ」

 

花陽「実は私ね、みんなに言っちゃったの」

 

花陽「凛ちゃんが口調を変えようとしてるって」

 

凛「なっ………!?」

 

花陽「みんなどんな反応したと思う?」

 

凛「絶対変な目で……」

 

花陽「それがどうしたの?って顔してたよ」

 

凛「そ、そんなはずない……!!」

 

花陽「凛ちゃんがどう思ってるかはわからないけど、私たちは待ってるよ」

 

花陽「凛ちゃんが勇気を出してくれること」

 

凛「……」

 

花陽「無理して変わらなくなんていいんだよ」

 

凛「……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォオ!!!

 

 

穂乃果「………」

 

絵里海未にこ「穂乃果!」

 

ことり希「穂乃果ちゃん!」

 

花陽凛「穂乃果先輩!」

 

ヒフミ「………!」ギュッ

 

穂乃果「……?」グッ

 

穂乃果(何だろうこの感じ……)

 

穂乃果(力が湧いてくるっていうか……)

 

穂乃果(みんなが信じてくれてるからかな)ググググッ……

 

真姫「あの人…まさか本当に」

 

ツバサ「……あれは」

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「はぁぁぁぁ!!!!!!」バッ

 

ゴォォォォオォォ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォォォォオォォ!!!!

 

 

 

 

 

 

シュルルルルル………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「…………」

 

穂乃果「止めた……?」

 

 

 

 

ことり「や………」

 

 

「「「「「やったぁぁぁぁぁ!!!!」」」」

 

 

角間「なんと高坂、UTX高校の必殺シュートを止めたぁ!!!」

 

ツバサ「なに今の……マジン?」

 

 

 

 

海未「穂乃果ぁぁぁぁ!!!」ダー!

 

ことり「穂乃果ちゃぁぁぁん!!」ダー!

 

花陽「次は……凛ちゃんの番だね」グッ

 

トン

 

凛「ぁ………!」ザッ

 

 

 

 

穂乃果「海未ちゃん!」ドッ!!

 

 

 

 

 

 

ポーン!

 

あんじゅ「……シュート止められて終わりなんて……」

 

あんじゅ「させない!!」ダッ

 

エレナ「あいつ……目的忘れてないか?」

 

ツバサ「全く…」

 

海未「っく!」ザッ

 

海未(取られる……!)

 

凛(……無理して変わらなくていい、そんな一言で……)

 

 

 

 

 

 

 

シュバッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「いただきだにゃー!!!」トンッ

 

凛(こんなに心が軽くなるなんて!)

 

 

 

 

あんじゅ「なっ!?」

 

花陽「………」ニッ

 

 

 

 

 

希「凛ちゃん……!」

 

にこ「あいつあんなに速かったの!?」

 

ことり「自分を変えようと無理していたことがストッパーになってたみたいだね」

 

 

 

 

凛「や、やった……!!」ズザザザッ!

 

 

 

 

MF2「っち……!」タッタッタッ

 

ツバサ「あの子まで……」ハァ

 

凛(…きた……!!)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

凛「大きく蹴らずに……細かく…」ザザッ

 

凛「慣れると速くなるから丁寧に…」ザッザッ

 

 

 

 

 

 

 

凛「ふーっ……疲れたー!」ドサッ

 

凛「なんで凛………サッカーの練習なんてしてるんだろ………」

 

凛(陸上部に入るつもりなのに…….)

 

 

 

 

凛「というかドリブル難しすぎるよ………」

 

凛「バク転とかは普通にできるのになぁ……」タッタッタッ

 

クルクルッ、バッバッバッ!スタンッ

 

凛「………」フーム……

 

凛「というかこれでドリブルすればいいんじゃ……!」

 

凛「……」ザッ

 

凛「早速………」タッタッタッ

 

クルクルッ、バッバッバッ!スタンッ

 

凛「!できた!」

 

凛「………ボール置いてきちゃったけど……」

 

凛「んー…….ここまで激しい動きは無理なのかな……」

 

凛「じゃあもうちょっと抑えつつアクロバットな動きを入れながら……」ザッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛(あれから一回もできなかったけど……)

 

凛「今ならできる気がする!」タッタッタッ

 

MF2「はぁ!」タタタッ

 

花陽「凛ちゃん!!」

 

 

 

 

 

 

凛 ニッ

 

凛「いっくにゃぁぁ!!!」ザッ

 

 

 

 

 

グゥン!ダッ!グルッ、スタッ

 

MF2「なっ!?」

 

角間「こ、これは素晴らしいドリブルだぁ!!」

 

真姫「あれほどアクロバティックな動きをしつつあのキープ力……」

 

海未「アクロバット……ドリブル……」ブツブツ

 

希「……アクロバットキープ……といったところかな?」

 

海未「……!!」ガーン

 

 

 

 

穂乃果「凛ちゃん!!」

 

海未「やりましたね」

 

ことり「にゃーっていうの可愛すぎない?」

 

にこ「そこ!?」

 

花陽「えへ……えへへへ」グッ

 

 

 

 

真姫「生徒会長へ!!」

 

凛「う、うん!」

 

凛「先輩!」ドッ

 

絵里「任せなさい!」トッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真姫「敵のディフェンダーはみんな一流です、普通にシュートを打っても途中でブロックされる可能性が高いです」

 

真姫「そこで……」

 

 

絵里「………」

 

絵里「なるほど、じゃあそれはあなたに任せるわね」

 

真姫「……いいんですか?」

 

絵里「ええ、頼んだわよ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

GK「………」グッ

 

 

 

 

 

 

絵里「吹き荒れろ……」

 

パキパキパキパキ

 

 

 

穂乃果凛ことり「か、カッコいい……」

 

 

 

ぶるる

 

にこ「なんだか……寒くない?」

 

希「これが……エリチが氷の女王と言われる所以」

 

 

 

 

絵里【エターナル・ブリザード!!】ドッ!

 

ドゴォォォォオォォ!!!!!!!

 

 

 

 

エレナ「こんなやつ……データにないぞ…!」

 

あんじゅ「目的ってあの赤髪の子だけじゃなかったの!?」

 

 

GK「………」

 

 

DF1「させない!」バッ

 

エレナ「目的忘れてるやつが多すぎだ……」

 

あんじゅ「うぐ……!」グサッ

 

ツバサ「自覚はあったのね」

 

 

 

 

 

角間「おおーっとぉ!!絢瀬の必殺シュートの前にDFが立ちふさがる!!直接止める気だぉ!!」

 

絵里「残念ながらあなたはお呼びじゃないの」

 

 

 

ギュゥゥゥゥン!!

 

 

角間「絢瀬が放った必殺シュートは明後日の方向へーー!!!!これはミスショットかぁ!?」

 

 

タッタッタッ

 

 

真姫「流石ね、完璧よ」フッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真姫「そこで………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

角間「ボールの先には西木野ーー!!!!これは………」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真姫「シュートチェインをしようと思います」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

角間「シュートチェインだぁぁ!!」

 

真姫「………」グッ

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

テクテク

 

まき「う……うぅー……グスッ」グスグス

 

お爺さん「お、真姫ちゃん、どうしたんだ?」

 

まき「パパが、サッカーしちゃ、ダメって……」グスグス

 

まき「どうしてしちゃダメなのかなぁ……」

 

お爺さん「……さあな」

 

まき「私、もうサッカーできないの?」ポロポロ

 

お爺さん「ならウチでこっそりやればいい」

 

まき「……いいの?」グスッ

 

お爺さん「ああ、思う存分やりな」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ダンッ!

 

グルグルグルグル

 

 

真姫「」キッ

 

真姫【ファイア・トルネード!】

 

ゴォォォォオォォアアァァ!!!!!

 

ツバサ「……へぇ」

 

 

GK「……!」バッ

 

 

ドシュウウウゥゥゥゥ!!!!!!

 

 

角間「決まったーー!!絢瀬と助っ人西木野による連携シュートで一点をもぎ取りました!!これで試合はどう動くのでしょうか!!」

 

 

「「「「「やったぁぁぁぁぁ!!!」」」」」

 

 

穂乃果「すごかったよ凛ちゃん絵里先輩!西木野さん!!」

 

ことり「うん!凛ちゃんかわいい!」

 

海未「よくぞ取ってくれました……!!」

 

希「氷の女王復活やね」

 

絵里「ちょっ……やめなさいよ!」

 

花陽「凛ちゃん……」

 

凛「なんだかスッキリしたにゃ」エヘヘ

 

真姫「……」

 

にこ「何辛気臭い顔してんのよ」

 

真姫「!?べ、別にしてないけど!!」

 

にこ「………やるじゃない」バシッ

 

真姫「……」クルクル

 

 

 

 

プルルルルル

 

 

ツバサ「…はい、はい、……承知しました」パタン

 

ツバサ「音の木坂の皆さん」

 

ツバサ「今日は帰ります、それでは」

 

ザッザッザッ

 

 

 

 

 

 

海未「ちょ、ちょっと!!」

 

穂乃果「なんだか嵐のような試合だったね」

 

ことり「これって結局どうなるの?」

 

角間「こ、これはぁ!!!A-RISEが棄権したことにより……音の木坂の勝利となります!!!」

 

 

凛「やったぁ!凛たちの勝ちー!」ピョンピョン

 

花陽「勝ったって言えるのかなぁこれ……」

 

真姫「……じゃあ、私は帰ります」スタスタ

 

にこ「あ……ま、真姫!!」

 

真姫「……」ピタッ

 

にこ「えと……その……」

 

にこ「明日も来なさいよ!」

 

真姫「……!」

 

真姫「……」ペコッ スタスタスタ

 

絵里「ふーっ……なんとか終わったわね」

 

絵里「ね、のぞ……」

 

ドサッ

 

絵里「の、希?」

 

 




あと少しで一区切りつきそうです!



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「サッカーを嫌いにならなくてよかった」

勉強が多すぎて焦ってますが投稿はしているという矛盾……





絵里「の、希?」

 

絵里「……ねえ、どうしたの希!!」

 

海未「そういえば希は1人だけ技を受けていましたし……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あんじゅ【ジャッジスルー!】

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ことり「そのダメージが今…….」

 

凛「そ……そんな……!!」

 

凛「おっぱいは……….」ガクッ

 

にこ「……万能ではない……」ガクッ

 

花陽「2人ともふざけてる場合じゃないよぉ!!」

 

希「や……く……たぃ……」

 

絵里「なに!?なんて言ってるの!?」

 

希「焼肉……食べたい……」

 

「「「「……………」」」」

 

「……….ぷっ…………」

 

「「「「あははははははは!!!!!」」」」

 

絵里「いいわ、着替えた後皆でいきましょう!」

 

凛「いっくにゃー!」

 

ことり「かんわいぃ〜〜!!!」ギュゥゥ!

 

凛「ぐ、ぐるじぃ……」バタバタ

 

花陽「凛ちゃん!!凛ちゃぁん!」

 

 

ゾロゾロゾロ

 

 

 

 

 

にこ「なんでこいつら試合の後にこんなテンションでいられるの?」

 

海未「皆大きな怪我もなくてよかったです」

 

海未「……そして何より……」

 

にこ穂乃果「サッカーを嫌いにならなくてよかった」

 

穂乃果「だよね」

 

にこ「でしょ?」

 

海未「ふふふ、2人にはお見通しでしたか」

 

にこ「あったりまえでしょ!……ていうか……」

 

にこ「ちょっとあんたら!こいつ運ぶの手伝いなさいよ!!」

 

にこ「ただでさえこいつ人より重いもんぶら下げてんだから協力ぐらい……」ワシッ

 

穂乃果「ワシ?」

 

にこ「あ…………….」ガタガタガタ

 

希「そんなこと言うにこっちには……」

 

「ワシワシMAX〜〜〜!!!」ワシワシワシ!

 

にこ「いやぁーー!!!!」

 

海未「ほんと元気ですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒデコ「……うん、いい感じだね」ピッ

 

フミコ「じゃあ送るね」

 

ミカ「素直じゃないよね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「焼肉美味しかったにゃー!!」

 

希「うちも満足満足!」ぽんぽん

 

にこ「何人前食べたのよってぐらい食べてたからね……」

 

海未「明日の練習は無しにするので皆さんしっかり休んでくださいね」

 

「「「「「「はーい!!!」」」」」

 

にこ(真姫に連絡しておかないとね)

 

 

バイバーイ!

サヨーナラ〜

 

ゾロゾロゾロ

 

希「いやー美味しかったなぁ」テクテク

 

絵里「満足してくれてよかったわ」テクテク

 

にこ「太っても知らないわよ?」

 

希「うち太りにくい体質なんよ」

 

絵里「まあ栄養の行き先は一目瞭然だからね……」

 

にこ「うぐぐぐ…….」

 

希「じゃあうちはこっちやから」スイッ…

 

ガシッ

 

希「え、なに?」

 

絵里「あなたは」

 

にこ「こっちよ」

 

希「なになになに怖いって!うちを路地裏に連れ込んでなにする気なん!」

 

希「同人誌みたいに……同人誌みたいにするつもりなんやろ……!!」

 

にこ「静かにしなさい!警察来ちゃうでしょうが!!」

 

絵里「あなたの行き先は薬局よ」

 

希「……あ」

 

にこ「気づかないと思ったの?」

 

絵里「ほかのみんなも気づいてたわよ」

 

にこ「みんなが使ってってほら」

 

ジャラジャラ

 

にこ「どれだけ買う気なのって感じよね」

 

希「みんな……」

 

グゥゥゥゥ

 

 

 

「「…………は?」」

 

 

 

希「えへへ……実は痛みであんまりお肉食べれんかったんよね」

 

希「気抜けたらお腹すいて来ちゃった」

 

絵里「怖い………初めて食欲で人が怖いと思った……」ブルブルブル

 

にこ「この世の真理を超えてるわあんた」

 

希「ついでに夜食も買ってこっかなー」

 

にこ「はぁ、もういいわ……」

 

絵里「夜のお店ってドキドキするわね!」

 

にこ(こいつ、学校で生徒会長してる時と違って……)

 

希 ソ〜

 

トントン

 

絵里「なに?」クルッ

 

絵里「え、誰もいない……!?」ビクッ

 

絵里「あああああ……!!!希ぃぃ!!」ガタガタ

 

にこ(……ポンコツ?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希宅前階段

 

希「ほんとに皆優しいなぁ……」トントン

 

希「……」ウルッ

 

希「あかんあかん!一人になったらすぐ感傷的になる!」ブンブン!

 

希「えーっと……鍵は…」ガサゴソ

 

希「あった!」

 

ガチャン!

 

希「ん?なにこれ?」ガサッ

 

希「ドアノブに袋が……」ガサガサ

 

希「湿布に……塗り薬?」

 

希「いったい誰が……」カサッ

 

希「……!紙が入ってる」

 

[ごめんなさい]

 

希「………」

 

希「…まさかね」

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「全く……あいつの食欲には呆れさせられるわ……」ガチャッ

 

にこ「ただいまー……?」

 

にこ(………何か忘れてる気が……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

部室前

 

 

真姫「……行け…行くのよ西木野真姫……!」ウロウロ

 

真姫「……!」ピタッ

 

真姫「……」スゥ ハァ

 

コンコン

 

シーン…

 

真姫「……?」

 

コンコン!

 

真姫「……」

 

ドンドンドン!

 

真姫「…なるほど」

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「誰も居ないじゃない!!」ポツーン

 

 




無事でよかったですね!

にこちゃんはアイドルもサッカーもどちらも大好きな設定です!
わかりにくかったらごめんなさいm(_ _)m



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第2話「尾刈斗高校?」


すみませんさっき投稿してたんですが上げ直しです!


理事長「突然ですが、再び練習試合を行います」

 

穂乃果「ほんとですか!?」

 

理事長「UTX高校に勝ったことでかなり注目されているようですよ」

 

にこ「正直ありがたいわね」

 

穂乃果「今度はどこの学校ですか?」

 

理事長「尾刈斗高校よ」

 

にこ「お、尾刈斗ぉ!?」

 

穂乃果「にこ先輩知ってるんですか?」

 

にこ「あそこはね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「すぴりちゅあるぱわー?」

 

希「そうそう」

 

花陽「そ、それって……」

 

希「噂では呪いにかかって金縛りにあうとか……….」

 

絵里ことり花陽「きゃーーー!!!」ガクブル

 

ことり「……って」

 

花陽「生徒会長も怖いの苦手なんですね…」

 

絵里「そ、そんなはずないじゃない!冗談よ、冗談!」

 

にこ「呪いなんて嘘に決まってんでしょ」

 

海未「そそそそうですよ!オカルトなんて馬鹿馬鹿しい」ガタガタ

 

穂乃果「海未ちゃんうるさい」

 

希「それがあながち嘘でも……」

 

コンコン

 

絵里「?誰かしら」

 

穂乃果「どうぞー!」

 

???「失礼します……」ガラララ

 

 

希「お」

 

花陽「西木野さん!」

 

ことり「いらっしゃぁい!」

 

にこ「………….」ソローリ

 

真姫「…………矢澤先輩」ギロッ

 

にこ「ヒィ!!」ビクッ

 

絵里「……にこ何したの?」

 

海未「またですか…」ハァ

 

穂乃果「やっちゃいましたねにこ先輩」

 

にこ「何よあんたたち!!」クワッ!

 

真姫「……明日来なさいって言った……」

 

にこ「……ええそうね……」ダラダラ

 

真姫「行ったら…誰も居なかった」ポロポロ

 

にこ「ちょ、ちょっと!?」アタフタ

 

希「うわーにこっちサイテー」

 

ことり「罪だね〜」

 

穂乃果「やっちゃいましたねにこ先輩」

 

にこ「ほんとに何よあんたたち!!」

 

にこ「た、だいたい、休みって海未が決めたんじゃない!」

 

にこ「にこは悪くないわ」

 

海未「あ、ことり新しい髪留め買ったんですね」

 

ことり「さっすが海未ちゃん、よく気づいたね!」

 

にこ「海未ぃぃぃ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「まだ部員は募集してますか?」

 

穂乃果「もちろんだよ!」

 

ことり「入ってくれるの!?」

 

花陽「西木野さん!」

 

真姫「う…あ……と….」ビクッ

 

真姫「しょ、しょうがないから入ってあげるのよ!!勘違いしないで!!」クルクル

 

希「お手本のようなツンデレ……」

 

にこ「でもあんた……」

 

真姫「大丈夫よ………」

 

真姫「もう解決したわ」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

試合後

 

 

真姫「ただいま」ガチャ

 

真姫「………〜♪」

 

真姫父「……真姫、こっちにきなさい」

 

真姫「なに?私やることが……」

 

真姫父「サッカー……楽しかったか?」

 

真姫「……え……」ドサッ

 

真姫父「学校の知り合いに撮ってもらっていた」

 

真姫「な…は?」

 

真姫父「…………」

 

真姫父「続けるのか?」

 

真姫「………」

 

真姫「そのつもりよ」

 

真姫父「……そうか」

 

真姫「…………」

 

真姫父「頑張れよ」

 

真姫「!?」

 

真姫父「……」ペラッ

 

真姫「な…反対してたんじゃ…ないの?」

 

真姫父「……まあ座れ」

 

ストン

 

真姫父「どこから話すか……そうだな」

 

真姫父「私の父……真姫にとってはお爺ちゃんになるか」

 

真姫パパ「父はサッカーが嫌いだった」

 

真姫「……!」

 

真姫父「私の将来の夢はサッカー選手だったが……まあそういうことだ」

 

真姫「じゃあ……私も?」

 

真姫父「ああ……父は自分の孫がサッカーをしているのが我慢ならなかったんだろうな」

 

真姫父「私が弱かったばかりに……真姫にまで迷惑をかけてしまった……」スッ

 

真姫「パ、パパ!?」

 

真姫父「すまなかった」

 

真姫「……」

 

真姫「あの頃は本当に悲しかったし訳がわからなかった……」

 

真姫「でも、ある人のおかげでサッカーはできた」

 

真姫父「……お爺さんか?」

 

真姫「……!知ってたの?」

 

真姫「……まさか……パパが?」

 

真姫父「ああ、私の時も世話になった」

 

真姫父「真姫の時も電話をしたら、二つ返事でOKしてくれたよ」

 

真姫「そっか…….そんな昔から」

 

真姫父「父が死んでも、お前にサッカーやっていいなんて……言えなかった」

 

真姫父「虫が良すぎると思ってな……」

 

真姫父「そして……おじいさんも亡くなった時、真姫は遂にサッカーをする場所がなくなった」

 

真姫「……….」

 

真姫父「だからまた……サッカーを始めてくれて本当に嬉しい……」グッ

 

真姫「………!」

 

真姫父「お前が今日打ったシュートな」

 

真姫「!……うん!」

 

真姫父「私よりすごいシュートだったぞ」ポンッ

 

真姫「……!」パァァ!

 

真姫父「その調子で頑張れ、真姫」ナデナデ

 

真姫「うん!パパ!」

 

真姫ママ コソッ

 

真姫ママ(よかったわね、真姫ちゃん!!)ダー!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

にこ「……訳は聞かないでいてあげる」

 

真姫「そうしてくれると助かるわ」

 

真姫「はいこれ、入部届です」

 

穂乃果「うん!確かに受け取ったよ!」

 

ことり「わぁ……!!」

 

希「これで正部員は八人かぁ」

 

絵里「だんだんらしくなって来たわね」

 

真姫「そういえばさっきそこで……えーと」

 

真姫「この前試合に出てた……ショートカットの……」

 

花陽「凛ちゃん!!」

 

真姫「多分その子が入部届持ってグラウンドの周りでウロウロしてたわよ」

 

花陽「どうしたんだろ……やることがあるから先に行っててって言ったのに……」

 

ことり「凛ちゃん………サッカー部入らないのかな…….」

 

希「グラウンドってことは……陸上部?」

 

穂乃果「……ちょっと穂乃果行ってくる!」ガラッ

 

海未「あ、穂乃果!!」

 

絵里「無理やりはダメよー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「えーっと……このへんにいるはず……」キョロキョロ

 

凛「………」ウロウロ

 

穂乃果「あ、いた!」

 

穂乃果「おーい!凛ちゃーーん!!」ブンブン

 

凛「ほ、穂乃果先輩!?」ダッ

 

穂乃果「ちょ、ちょっと!!なんで逃げるのさ!」ダッ

 

凛「少し一人にしてください!!」タッタッタッ

 

穂乃果「入部届けだしてくれたらいいよ!」タッタッタッ

 

凛「そのことで一人にしてくださいって言ってるんです!」タッタッタッ

 

穂乃果「なんで!!」タッタッタッ

 

凛「なんでもです!」タッタッタッ

 

穂乃果「答えになってないよ!」ダッ

 

凛「!!」ダッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

河川敷

カァー カァー カァー

 

凛「……ゴホッ、ゲホォッ!」ゼェゼェ

 

穂乃果「し…….死ぬ……」ガクガク

 

凛「まさか……ゴホッ、こんなとこまで来ちゃうなんて……」ドサッ

 

穂乃果「びっくり……ハァ、だねぇ……」ドサッ

 

凛「自業……自得ですよ…」フゥ

 

穂乃果「凛ちゃんは……なんで迷ってるの?」フゥ

 

凛「!」

 

凛「……なんでわかったんですか?」

 

穂乃果「迷ってなかったらあんなとこでウロウロしてないよ」アハハ!

 

凛「……正直に言うと……」

 

凛「サッカー……楽しかったんです」

 

穂乃果「でも自信が持てない?」

 

凛「…試合で相手を抜いた時……」

 

凛「サッカーっていう競技への見え方全てが変わりました……」

 

凛「苦手意識はなくなって、もっとやりたいと思いました」

 

凛「でも……」

 

穂乃果「でも?」

 

凛「今更サッカー始めても……きっとみんなの足を引っ張っちゃう……」

 

凛「それだけは嫌なんです」グッ

 

凛「みんな……いい人たちだから」

 

穂乃果「大丈夫だよ、希先輩も初心者だし!」

 

凛「と、東條先輩は上級生だから……」

 

穂乃果「……」

 

凛「………」ムクッ

 

凛「………」

 

凛「中学の頃は、高校でも陸上部に入るつもりだったんです」

 

凛「だから、みんなに迷惑かけるぐらいなら……陸上やろうかなって」

 

凛「でも…サッカーも諦め切れなくて…」

 

凛「結果あんなところでぐるぐる回ってた……ってことです」あはは……

 

穂乃果「………」

 

凛「……ハァーー」ドサッ

 

凛「………」

 

凛「かよちんの付き添いでサッカー部へ行って………少し強引に体験入部して………勝手に自主練して……試合で……」

 

凛「なんでこうなっちゃったのかな〜……」

 

穂乃果「………」

 

凛「…….先輩」

 

穂乃果「………」

 

穂乃果「なぁに?」

 

凛「……凛は……」

 

凛「どうすればいいですか?」

 

穂乃果「………」

 

穂乃果「ひとつだけはっきり言わせてもらうね」ムクッ

 

凛「は、はい……」

 

穂乃果「凛ちゃんはまだ初心者だし、初めのうちは練習や試合で周りに迷惑かけちゃうかもしれない」

 

凛「じゃあ……やっぱり陸上部に」

 

穂乃果「でもそれでいいと思う」

 

凛「そ、それじゃあダメで……」

 

穂乃果「……」スクッ

 

凛「先輩?」

 

穂乃果「はじめのうちはミスなんて怖がらなくていい、一度も失敗しなくて成功した人なんていないんだから」

 

凛「でも…」

 

穂乃果「凛ちゃんがどう思っていようと……」

 

穂乃果「私たちは凛ちゃんとサッカーがしたいよ」

 

凛「っ……!」

 

穂乃果「だから!」むいー

 

凛「ふぇ、ふぇんふぁい!?」むいー

 

穂乃果「ここまで言ったんだから」パッ

 

凛「うぅ……」ヒリヒリ

 

穂乃果「凛ちゃんの口からも聞きたいな」

 

穂乃果「凛ちゃん……」スッ

 

穂乃果「私たちと一緒に、サッカーしませんか?」ニコッ

 

凛「……」

 

凛「……やりたい」

 

穂乃果「……」

 

 

 

 

 

凛「不器用だし、サッカー始めたのもついこの間で、走るのだけが取り柄だけど……」

 

凛「この……」

 

凛「サッカーを好きだって気持ちは本物だにゃ!」ガバッ!

 

凛「これからかける迷惑は自分で取り戻すから……」

 

 

 

 

 

 

 

凛「メンバーの一人にしてください…!!」バッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「……」ニコッ

 

穂乃果「喜んで!」ガシッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛「体験入部に来ましたー!!」ガラッ

 

花陽「凛ちゃんノック……」

 

 

 

穂乃果「いらっしゃーい!」

 

ことり「お菓子あるよ〜!」

 

海未「餌付けしない」

 

希「にこっちと凛ちゃんどっちが……」

 

にこ「どこの話ししてるのよ!」

 

絵理「大丈夫、凛にはまだ成長期が残ってる」

 

にこ「だからどこ見て言ってんのよ!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛(……冷静になると、なんだかすごく恥ずかしいことしてる気分……)

 

 

 

 

 

 

 

子供「ままーあれー」

 

母親「これぞ青春ね!」ポロポロ

 

子供「うわぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日 休日練習日

 

 

穂乃果「というわけで!」

 

凛「新入部員の星空凛です!!」

 

花陽「凛ちゃあぁぁ!!!!」ダキッ

 

凛「うぐっ……!」

 

真姫「吹っ切れたみたいね」

 

凛「えへへ、西木野さんも入ったんだね」

 

真姫「まあね」

 

絵里「凛……」ホッ

 

希「いやー、凛ちゃんが入らんかったらどうしよってにこっちがうるさくてうるさくて」

 

にこ「なにでっち上げてんのよ!」

 

凛「え……入らない方が……良かったですか……?」シュン

 

にこ「ち、ちが……!………もー!」

 

にこ「………入らないんじゃないかって心配だったのよ………入ってくれて嬉しいわ」

 

希「ヒューヒューにこっち男らしー」

 

ことり「にこ先輩も大概ツンデレだよね」

 

海未「全くです」

 

にこ「あんたらそういうこと言うのやめなさいよ!」

 

にこ「特に希ぃ!!」ダッ

 

ヤメテー! マテー! チョットシズカニシテクダサイ!

 

 

 

 

凛「えへへ……!」

 

凛(やっぱりこの部活でよかったにゃ!)

 

 

 

 

 

真姫「そういえばこの間部室のドアノブにこんなものがかかったんですけど」ガサッ

 

希「!!」

 

希(家にかかってたのと同じ袋…!)

 

絵里「薬局の袋ね…」

 

にこ「中身はなんなの?」

 

海未「これは…!」

 

ことり「消毒液に湿布、塗り薬に絆創膏」

 

花陽「それも全部一回り高いやつですね……」

 

穂乃果「いったい誰がこんなもの……」

 

希「あ…あんな…」

 

海未「まあ誰かはわかりませんがくれると言うのならありがたく頂戴しましょう」

 

ことり「うん!この前の試合でいっぱい怪我しちゃったから…」

 

にこ「次戦うときはめっためたにしてやるんだから!」

 

花陽「い、いいのかな……」

 

凛「いいんじゃないかにゃ?」

 

希「……皆、ちょっと……」スッ

 

海未「どうしたのですか?」

 

希「これ…」ガサッ

 

花陽「これ…!」

 

ことり「同じ薬局の袋だね…」

 

にこ「なーんだ、あんたが買ったやつだったの?」

 

絵里「それならそうと言ってくれればよかったのに」

 

希「違うんよ、これ家のドアノブにかかってて……」ガサガサ

 

希「これ見て」スッ

 

穂乃果「どれどれ?」

 

凛「ごめんなさい?」

 

にこ「…どういうこと?」

 

ことり「これが希先輩の家にあったってことは……」

 

絵里「希に対する謝罪ってこと?」

 

海未「そして部にも置いてあるということは……思い当たるのは一つだけですね」

 

花陽「A-RISE……」

 

にこ「……な訳ないじゃない」

 

にこ「あいつらは私たちを潰しにかかったのよ?」

 

にこ「希なんて技まで食らったんだから」

 

凛「!だから東條先輩へは家にまで…」

 

「「「「…………」」」」」

 

穂乃果「穂乃果は信じるよ」

 

にこ「はぁ!?」

 

穂乃果「あの人のシュート受けたからわかるんだ!」

 

穂乃果「芯が通ってて、まっすぐで綺麗なボールだった」

 

穂乃果「きっと何か事情があったんだよ」

 

にこ「あんた……」

 

希「うちも信じるよ!」

 

ことり「希先輩……」

 

花陽「わ、わたしも!」

 

花陽「私は……ずっとファンだったから」

 

花陽「信じたい!……です」

 

凛「凛も凛も!」

 

海未「この文字に嘘があるとは思えません」

 

海未「わたしも信じましょう」

 

ことり「ことりも!」

 

絵里「まったく……いいわ、わたしも信じる」

 

にこ「……何よ、これじゃあにこが悪者みたいじゃない」

 

希「にこっちはいつだってヒールがお似合いやけどね」

 

にこ「なんですって!!」

 

にこ「……はぁ、いいわ、にこも信じる」

 

にこ「……ファンだしね」チラッ

 

花陽「……!はい!」コクコク

 

穂乃果「次会ったとき本当のことを聞いてみよう!」

 

海未「そうですね」

 

凛「少し怖いにゃ…」

 

花陽「うん……」

 

希「大丈夫、いざという時は助けに入るよ」

 

絵里「ええ!」

 

希「にこっちが」

 

にこ「なんでよ!!」

 

希「え、助けへんの?」

 

にこ「ああもうめんどくさい!!」

 

 

 

 

絵里「あ、そうだ」

 

「「「「?」」」」

 

絵里「……ね、希」

 

希「ん?………ああ〜」

 

穂乃果「どうしたの?」

 

絵里「えぇーっと……….その…」

 

絵里「……にこ!」

 

にこ「はぁ…….」

 

にこ「話変わるけど、練習で私たちに気使ってるやついるでしょ」

 

ことり花陽穂乃果 ギクッ

 

にこ「あんたは違うわよ穂乃果ぁ!!」

 

穂乃果「えへ」

 

絵里「これが試合だったら重大なミスになりかねない」

 

希「そこで!」バンッ

 

「「「三年生先輩禁止令を出します!!」」」

 

海未「先輩禁止令……ですか?」

 

にこ「ええそうよ、私たちに敬語もいらないし呼び捨てでいいわ」

 

にこ「さあ花陽、呼んでみなさい」

 

花陽「え?え?」

 

にこ「せーの!」

 

花陽「に、にこちゃん!」

 

にこ「ワンモアセイ!」

 

花陽「にこちゃぁん!!」

 

にこ「よろしい」

 

凛「めちゃめちゃ強引だにゃー」

 

穂乃果「それならにこちゃん!」

 

にこ「なによ」

 

穂乃果「」コク

 

ことり海未「」コクリ

 

穂乃果「ここに!」バン!

 

ことり「二年生も!」ババン!

 

海未「先輩禁止令を立てます!!」バババン!

 

 

絵里「じゃあもうみんな先輩なしってことね」

 

希「ゆっくりでええからね」

 

穂乃果「ぅ……ぅ絵理ちゃん!」

 

絵里「な、なに?穂乃果」ビクゥッ

 

穂乃果「えへへ、呼んでみただけ!」ニヘラァ

 

絵里「ねえ希、この子持って帰っていいかしら」

 

希「落ち着いて」

 

絵理「大丈夫、ちゃんと育てる」

 

希「サイコパスやん」

 

花陽「こ、ことりちゃん!」

 

ことり「はい♪」

 

凛「海未ちゃん!」

 

海未「はい!」

 

真姫「…………」

 

にこ「あっれ〜?真姫は恥ずかしいのかな〜?」

 

希「さあさあ呼んでみ?」

 

絵里「うわぁ……」

 

ことり「親戚のおじさんで似た人いたなぁ」

 

凛「お酒飲むとあんな感じになるよね」

 

真姫「えと……その……」

 

真姫「希………にこ、ちゃん……」

 

にこ「ちょっとぉ!!なんでにこだけちゃん付けなの!?」

 

希「まあ見てみ、真姫ちゃんの耳」

 

にこ「耳?」

 

真姫「……」真っ赤っか

 

にこ「はっは〜ん!」

 

にこ「真姫ってば恥ずかしかったんだ〜」

 

にこ「ごめんね〜?」

 

にこ「にこってば全然気づかブヘェ!!」ドサッ

 

にこ「みぞおち……」ガクッ

 

希「これはにこっちが悪い」

 

 

 






け、結構長くなった……


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「試合までの色々」



区切る場所が難しいですね……手探りで頑張ってます!


 

 

無事に凛が入部し、UTXを信じると決めた音の木坂一同

先輩禁止令を定め、みんなが少しづつチームとして歩み寄ろうとしていたとき、穂乃果がふと小さな疑問を口にした

 

 

 

穂乃果「そういえばこの前の試合前のにこちゃん、あれなんだったの?」

 

にこ「あれ?」

 

穂乃果「にっこにっこにー!」

 

穂乃果「ってやつ」

 

花陽「私も気になりました!」

 

海未「あれ、なんの意味があるんですか?」

 

にこ「あーあれは……」

 

希「にこっちの夢はアイドルなんよ」

 

絵里「アイドル!?」

 

凛「確かに一部の層に受けそうだにゃ」

 

ことり「凛ちゃ〜ん!お口チャック♪」

 

真姫「で、考えついたのが……」

 

穂乃果「穂乃果もう一回見たい!!」

 

にこ「…しょうがないわね〜!」

 

にこ「いくわよ?」スゥ

 

 

 

 

 

 

にこ「にっこにっこにー!あなたのハートににこにこにー!笑顔届ける矢澤にこにこ〜!」

 

にこ「にこにーって覚えてラブニコ!!」

 

穂乃果「おお……」

 

海未「……これは……」

 

ことり「すごい……」

 

希「にこっちメンタル強いなぁ」

 

絵里「……ハラショー……」

 

花陽「フムフム」カキカキ サッカーニハコウイウコトモヒツヨウ

 

凛「ちょっと寒くないかにゃ?」

 

真姫「気持ち悪い」ズバッ

 

にこ「ちょっと後半二人!!」

 

穂乃果「それって誰が考えたの?」

 

にこ「ちっちゃい時からパ…お父さんに教えられてきたのよ」

 

にこ「『笑顔の魔法だ!』ってね」

 

海未「素敵なお父様ですね」

 

にこ「ええ……いいお父さんだったわ」

 

希「!」

 

ことり「あ……あー!ことりクッキー焼いてきたんだけど食べる?」

 

穂乃果「食べる食べる!」

 

凛「やったにゃー!」

 

にこ「……!」

 

ことり パチッ

 

にこ(ありがと…)スッ

 

海未「……」

 

海未「って穂乃果!みんなの分も食べてはいけません!」

 

穂乃果「ふぇ?」モゴモゴ

 

にこ「あー!私も食べようと思ってたのにぃ!!」

 

希(ふふ……)

 

希「うちも入れてー!」

 

希「ってもうない!!」ガーン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[真姫ちゃんにとっては一大事]

 

 

 

真姫「……………おかしい」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果「真姫ちゃん!ピアノ聴きに来たよー!」

 

ことり「真姫ちゃんおかし持って来たよぉ〜♪」

 

海未「真姫、新しい練習メニューの件ですが…」

 

希「真姫ちゃんは可愛いな〜」なでなで

 

絵里「真姫、イクラってロシア語なのよ」

 

にこ「真姫〜、喉乾いた〜」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

真姫「…………」

 

 

 

 

お昼休み

 

 

凛「かよちんほっぺにご飯粒ついてる」

 

花陽「あ、ほんとだ。ありがと凛ちゃん!」

 

真姫「………」モキュモキュ

 

花陽「西木野さん、そのお米食べていい?」

 

凛「西木野さん!トマトあげる!」

 

真姫「…………….」ゴックン

 

 

真姫「なんでよ!?」

 

花陽「ごめんなさい!!」

 

凛「トマトの気分じゃなかった?」

 

真姫「いや、トマトはもらうわ…」

 

凛「えへへ、あーん」

 

真姫「あー……」パクっ

 

真姫「………!」モキュッモキュッ

 

真姫「………」ゴックン

 

真姫「……….美味しい」

 

凛「それ田舎のおばあちゃんから送られて来たんだ!」

 

真姫「ああ、どうりで………」

 

花陽「凛ちゃん家の野菜とっても美味しいんだよ!」

 

真姫「へー」

 

真姫「………」

 

真姫「じゃなくて!!」

 

真姫「その………」

 

真姫「……わたしは名前で呼んでくれないの?」

 

花陽「えっと……私たちも思ってたんだけどね」

 

凛「タイミング逃しちゃったなーって………」

 

真姫「じゃあ今から……ね!」

 

凛「えー、でも凛たち〜……恥ずかしいなー」チラッ

 

花陽「!わ、わたしもー……!」

 

真姫「し、白々しい!!」

 

凛「ああ…!!恥ずかしい!」バッ

 

花陽「は、恥ずかしいー」バッ

 

真姫「〜〜〜!!わかったわよ!」

 

真姫「……………」スゥ ハァ

 

真姫「…………」

 

真姫「り、凛……花、陽?//////」カァァァ

 

「「……」」

 

真姫「ちょ、ちょっと!なにか……」

 

凛「真姫ちゃんかんわいいにゃ〜!!」ダキッ

 

花陽「ごめんねぇぇ!!可愛いよぉ真姫ちゃん!」ダキッ

 

真姫「ヴェェェェ!!!!抱きつかないで!」

 

凛「そんなこと言いつつ顔はニッコニコだにゃ」

 

花陽「ピュアだね」

 

真姫「もう勘弁してぇ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[廃校予告!!]

 

花陽「た、たいへんですぅ〜!!」ガラッ

 

にこ「廃校になるかもしれないわ!!」

 

凛「後輩がいないなんてやだにゃー!!」

 

真姫「静かでいいじゃない」クルクル

 

凛「真姫ちゃんは黙ってるにゃー!」わしゃわしゃ

 

真姫「うぇぇぇぇ……!?」ボサァ

 

にこ「ちょっとみんな聞いてる……の」

 

 

 

 

 

穂乃果「美味しい〜!」ハグハグ

 

ことり「今回のマカロンは自信作なんだぁ〜!」

 

海未「穂乃果、そんなに食べるまたお腹が痛くなりますよ」

 

海未「練習前なのですからほどほどにしてください」

 

希「まあまあ海未ちゃん、美味しいものは食べたい時に食べるのが一番よ?」パクッ

 

絵里「そのとうりよ」サクッ

 

絵里「ハラショー!美味しいわ!」

 

ことり「えへへ、ありがとう!」

 

にこ「待て待て待てー!!!」バンッ!

 

フワッ

 

ことり「マ、マカロンが……!!」

 

シュバッ サササッ

 

トットットットットッ

 

凛「…っふー、危なかったにゃー」

 

ことり「ありがとぉ凛ちゃん!」ギュッ

 

凛「お…落ちる…!マカロン落ちる……!」プルプル

 

穂乃果「もーにこちゃん!せっかくのマカロンが台無しになるところだったよ!」

 

希「そーだそーだ!」

 

にこ「ご、ごめんなさい……」

 

にこ「………」

 

にこ「いやいやおかしいにこは悪くない!」

 

絵里「今日のにこは怒りっぽいわね……」

 

絵里「カルシウムとったほうがいいわよ、イチゴミルクいる?」スッ

 

にこ「あ、ありがと」ジュー……

 

にこ「じゃなくて!!」ベシッ

 

絵里「私のイチゴミルク!!」

 

にこ「あんたらどうしてそんなに……」

 

海未「に……」

 

にこ「入ってくんじゃないわよ!!話を進めたいの!!」

 

海未「ご、ごめんなさい……」ビクッ

 

海未「わ……私は、説明を……しようと」ウルウル

 

にこ「あ……ご、ごめん海未、ついカッとなっちゃって」

 

海未「は、はい……」グスッ

 

希「なーかしたーなーかしたー!」

 

凛「せーんせーにー言ったーろー」

 

にこ「……」イラァ

 

バシィ!!

 

希凛「おぶち…!!」

 

 

 

 

 

 

 

にこ「つまりみんな知ってたのね」

 

花陽「これが生徒会長の権力……!」

 

絵里「た、たまたま聞いちゃっただけよ!!」

 

凛「これを手中に収めたのは大きいにゃ」

 

希「せめていないとこで言おうね凛ちゃん」

 

穂乃果「凛ちゃん花陽ちゃん真姫ちゃんのためにも、廃校を阻止するぞー!!」

 

一同「おーー!!」

 

 





次からは試合に入れそうです!


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「尾刈戸高校と練習試合!!」



昨日より熱っぽさが増してきました……今日こそ治す!!治って!!




 

 

 

角間「さぁーーて!やってまいりました練習試合!今日の相手は尾刈斗高校だぁ!!!」

 

 

角間「この試合の実況も、角間、角間がお送りいたしまぁぁぁぁす!!!!」

 

 

角間「両者整列完了しました!!」

 

 

 

ヒデコ「フミコ変わろっか?」

 

フミコ「いやいいよ。それより、絶対勝って来てよ!」

 

ミカ「フミコの分も頑張るよ!」

 

ヒデコ「うん!」

 

花陽「こわいよぉ…….」ブルブル

 

海未「花陽、相手がなにをしてきても同じ高校生です」

 

海未「心配することはありません」

 

穂乃果「物陰から出てきてくれたらもっと説得力あるんだけどね海未ちゃん」

 

花陽「海未ちゃん整列だよぉ!!」

 

凛「希ちゃんのスピリチュアルパワーで倒せないの?」

 

希「うちのパワーはそこまで万能じゃないからなぁ」

 

にこ「にこにーパワーでイチコロにこ!」

 

凛「ちょっと寒くないかにゃー?」

 

にこ「ぬわぁんですってぇ!?」

 

ことり「三人とも、サッカーの話だよね!?」

 

絵里「あら?真姫、緊張してるの?」

 

真姫「まさか……いや、少ししてるわね」

 

絵里「フフフ、この試合も期待してるわよ」スッ

 

真姫「そっちもね」スッ

 

パチン!

 

 

 

 

幽谷「あれが西木野と絢瀬か」

 

地木流「あの二人以外は雑魚ですよ」

 

 

 

穂乃果「今日はよろしくお願いします!」

 

地木流「………ああ〜、西木野さんと絢瀬さんによろしくとお伝えください」

 

花陽「ムゥ……」

 

海未「……ちょっと聞き捨てなりませんね」

 

凛「凛たちもいるにゃー!」

 

地木流「他のザコはせいぜい二人の邪魔をしないようにしてくださいね」

 

真姫「………ッチ」

 

絵里「感じ悪いわね」

 

ことり「おやつにしてやる…….」

 

穂乃果「ちゅんちゅん!」

 

海未「悪ノリしない」

 

にこ「ちょっとみんな〜?顔が怖いにこ〜」

 

にこ「…………」

 

 

にこ「ぶっ潰すわよ!!!!!」

 

「「「「「おーーーー!!!」」」」」

 

希(アイドルがしてはいけない顔をしているので自主規制)ピーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

FW

絵里、真姫

 

MF

希、海未、ことり、にこ

 

DF

ヒデコ、ミカ、凛、花陽

 

GK

穂乃果

 

 

 

 

ピーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

角間「さぁ!試合開始のホイッスル!!」

 

 

 

幽谷「いくぞ!」ドッ

 

黒上「おう!」トッ

 

黒上「どけどけー!」タッタッタッ

 

角間「黒上ドリブルで上がっていくー!!!」

 

海未「させません!」バッ

 

黒上「木乃伊!」ドッ

 

木乃伊「……」トッ

 

角間「尾刈斗木乃伊に綺麗なパスが通った!!顔が包帯でぐるぐるですが怪我ではないとのことですのでご安心を!!」

 

穂乃果「花陽ちゃん!凛ちゃん!マークついて!」

 

凛「まかせるにゃ!」タッタッタッ

 

花陽「…………」

 

角間「おおーっとこれはどうした!?小泉が全く動かなぁぁい!!!」

 

ことり「花陽ちゃんどうしたの!?」

 

花陽「………です」

 

穂乃果「え?」

 

木乃伊「甘い」バッ

 

凛「にゃ!?」

 

幽谷「素人に止められるかよ!」

 

角間「木乃伊抜けたーー!!音の木坂開始早々ピーンチ!!」

 

花陽「…………」カタカタ

 

花陽「あの人………怖……いんです」カタカタ

 

凛「かよちん……」

 

にこ「……まあ……」

 

希「包帯でグルグル巻きの人間が走って来たらなぁ……」

 

 

 

 

木乃伊「………」ドッ

 

黒上「いくぜ!!」トッ

 

ヒデコミカ「気をつけて!!」

 

 

 

黒上「いっけぇぇぇぇ!!!」

 

黒上【ファントムシュート!】

 

ドキュゥゥゥ!!

 

 

 

 

穂乃果「負けないよ!」

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

ドゴォォォォオォォ!!!!!

 

 

 

 

シュルルルル………!

 

穂乃果「……よし!」

 

黒上「な、なに!?」

 

ことり「やったぁ穂乃果ちゃん!」

 

花陽「あれ【マジン・ザ・ハンド】って名前になったんだ」

 

凛「かっこいいにゃ〜!」

 

ヒデコ「穂乃果!矢澤先輩フリーだよ!」

 

にこ「よこしなさい!」

 

穂乃果「………」

 

ドッ!!

 

花陽「……へ!?」パシッ

 

にこ「…なっ」

 

ミカ「ちょ、穂乃果!なんで先輩に渡さないのさ!」

 

穂乃果「花陽ちゃん!」

 

花陽「は、はい!」

 

穂乃果「大丈夫、怖くないよ!」

 

花陽「え、え?でも……」

 

凛「かよちんかよちん……」コソッ

 

花陽「………ん?」

 

凛「海未ちゃんより怖いものってある?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

海未「花陽!こんなところで弱音を吐いていたら日が暮れてしまいますよ!」

 

花陽「で、でもぉ………」

 

海未「まだまだ先は長いんですから、急ぎますよ!」

 

花陽「流石に………」

 

花陽「………」スゥッ

 

花陽「流石に富士山なんて無理だよぉ〜!!!!」ダレカタスケテー!

 

海未「今日中に登り切ります!」

 

海未「山頂アタックです!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

花陽「……あ、あぁぁぁ………!!」ガクガク

 

絵里「?どうしたのかしら」

 

真姫「さあ」

 

 

 

幽谷「DFにパスするなんてな、奪っちまえ!」

 

木乃伊「…………」ダッ

 

ことり「花陽ちゃん!来てるよ!」

 

花陽「う…うぅ海未ちゃん……より…怖いものなんて………」

 

花陽「ない!!!」ザッ ザザザッ ダッ

 

木乃伊「……!」ガクッ

 

角間「小泉が木乃伊を華麗なドリブルで抜いたぁぁぁ!!!!」

 

海未「いいですよ花陽!」

 

花陽「海未ちゃんのおかげだよ!」ドッ

 

海未「?それは…….どういたしまして…….?」

 

希「ほっ」トッ

 

角間「ボールは東條へと移った!!攻撃の起点になるのかぁ!?」

 

希(誰にパスしよかな…)チラッ

 

真姫「………」タッタッタッ

 

鉈「!西木野をマークしろ!」

 

希「……ふふ」タッタッタッ

 

希「エリチのマーク甘すぎやん?」ドッ

 

鉈「…….なに…!」

 

絵里「…….」トッ

 

 

 

 

 

 

 

絵里「吹き荒れろ……」

 

パキパキパキパキ

 

 

 

 

絵里【エターナルブリザード!】

 

ドキュゥゥゥ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

鉈「っく!!」バッ

 

ドシュゥゥゥゥ……!!!!!

 

角間「ゴーーーール!!!先取点は音の木坂です!尾刈斗鉈は反応しきれなかったぁ!!!」

 

 

絵里「……ふぅ」

 

真姫「やるじゃない」スッ

 

絵里「どういたしまして」パチン

 

凛「見かけほど大したことないないにゃー!」

 

海未「油断は禁物ですよ」

 

 

 

 

尾刈斗0-1音の木坂

 

ピーーーーーーー

 

ドッ

 

角間「さあ尾刈斗ボール!ここからどう攻めていくか!」

 

 

にこ「はぁ!!」ガッ!

 

円谷「しまった!」

 

角田「これは矢澤!すぐさまスライディングでボールを奪い取ったぁ!!」

 

にこ「絵里!」ドッ

 

絵里「ええ!」トッ

 

幽谷「ディフェンス!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「吹き荒れろ……」

 

パキパキパキパキ

 

 

不乱「……!」バッ

 

 

絵里「………」ニッ

 

絵理「真姫!」ドォッ!

 

 

 

 

真姫「ナイスパス!」トッ

 

角間「ま、まさかー!?絢瀬のシュートを囮に使ったぁ!!!!!敵を引きつけ手薄になった西木野にパスがとおったぁ!!!」

 

凛「いけー!真姫ちゃーん!」

 

にこ「二点目いただきよ!」

 

 

 

 

鉈「次は入れさせん」ユラユラユラ

 

 

真姫「……?」

 

希「!!真姫ちゃんあかん!」

 

真姫「…………!」

 

 

 

 

 

 

 

真姫「ふっ!」ダンッ!

 

グルグルグルグル

 

 

 

 

 

 

 

真姫「……うっ………?」

 

 

 

 

 

 

 

真姫「………」キッ

 

真姫【ファイアトルネード!】

 

ドキュゥゥゥ!

 

 

 

 

 

 

 

鉈【歪む空間】ユラユラユラ

 

シュルルルルルル ポスッ

 

角間「と、止めたぁ!!!!尾刈斗鉈今度はしっかりボールをキャッチィ!!」

 

真姫「なっ!?」スタッ

 

絵里「そんな…」

 

花陽「真姫ちゃんの【ファイアトルネード】が…」

 

希「………やっぱり」

 

ことり「希ちゃん何か知ってるの?」

 

希「いや、何か嫌な予感がしただけ」

 

希「でもあれどこかで……」

 

にこ「もったいぶらずに教えなさいよ!」

 

希「いやいやほんまに思い出せんねんって!」

 

凛「だいじょーぶ!多分まぐれだにゃ!」

 

にこ「そう、たまたまよ、たまたま」

 

希「…………」

 

にこ「……」ハァ

 

にこ「気ぃ引き締めていくわよ!!」

 

「「「「おー!」」」」」

 

 

 

 

 

 

絵里【エターナルブリザード!】

 

ドゴォォォォォォォ!!

 

 

 

 

鉈【歪む空間】ユラユラ

 

ヒュルルルル…… ポスッ

 

絵里「どうして……!」

 

凛「さっきは決まってたのに……」

 

にこ「ここからが本番ってわけね……!!」

 

 

 






また明日から今晩続き載せます!


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「オカルトサッカーの真骨頂」



お腹が空くとカップヌードルが食べたくなる乾電池です

一番美味しい(*´︶`*)


 

 

 

決まっていたシュートがなぜか決まらなくなってしまった音の木坂

 

尾刈戸高校の攻撃は止まらない

 

 

 

 

 

 

にこ「ここからが本番ってわけね……!!」

 

 

 

地木流「まったく………」バサッ

 

地木流「調子に乗ってんじゃねえぞザコども!!」

 

 

 

 

ことり「ヒッ!!

 

花陽「きゅ、急に怒鳴らないでくださいぃ……」

 

 

 

地木流「マーレーマーレーマレトマレ、マーレーマーレーマレトマレ…….!」

 

 

 

凛「な、なにあれ?」

 

真姫「もしかすると………呪いかもね」

 

絵里「いやぁぁ!!!」

 

希「……?」

 

 

 

 

穂乃果「みんな来てるよ!」

 

角間「これは尾刈斗高校、五人で並んで敵陣へ突っ込んでいく!!ボールを持っているのはセンターの幽谷だぁ!!」

 

にこ「センター……」ピクッ

 

ことり「行かせない!」

 

にこ「止めるわよ!」

 

 

ぐにゃぁぁん………

 

 

 

ことり「あ、あれ?」ゴシゴシ

 

にこ「…!?」ゴシゴシ

 

角間「これは尾刈斗高校!巧みなフォーメーションチェンジで敵を惑わしていくー!!」

 

 

ぐにゃぁぁん……

 

にこ「いや……これフォーメーションチェンジってレベルじゃ……」

 

ことり「顔がぐにゃ〜んってなって……誰が誰だか……」

 

 

穂乃果「にこちゃんは包帯の子、ことりちゃんは向こうのキャプテンをマークして!!」

 

にこ「え、ええ!」バッ

 

ことり「任せて!」バッ

 

 

 

 

ヒデコ「な……にこ先輩!?」

 

ミカ「ことりちゃん違う!!」

 

 

にこ「ちょ……!!」ザッ

 

凛「にゃ!?」ザッ

 

にこ「なんで……」

 

 

 

ことり「あれ?」ザッ

 

花陽「ヒィ!!」ザッ

 

ことり「どういうこと……?」

 

角間「どうした音の木坂!!仲間同士でマークしあってしまったぁぁ!!」

 

角間「この隙に尾刈斗高校どんどん上がっていく!!!」

 

 

 

 

 

希「……」タッタッタッ

 

幽谷「これで終わりじゃないぜ」

 

地木流「マーレーマーレーマレトマレ……見せてやれ!お前たちの力を!!」

 

 

 

幽谷【ゴーストロック!】

 

 

 

 

 

 

 

ブワァァァァァァ!!!

 

 

 

 

 

凛「……ん!?」グッグッ

 

絵理「ひぃぃ!!!動かないぃぃ!!!」グッ

 

海未「そんなバカな……」グッグッ

 

にこ「ちょっと!離しなさいよ!!」グッグッ

 

ことり「誰も掴んでないよぉ〜……」

 

花陽「す、すぴりちゅある……」

 

 

 

 

穂乃果「ま、まずいよ……」グッグッ

 

幽谷「あははっ!」ドキュ!!

 

 

 

 

穂乃果「っく……!」

 

シュルルルルルル!!!!

 

 

角間「決まったぁぁ!!音の木坂動かない!!いや、動けない!!!」

 

 

角間「これが尾刈斗高校の必殺タクティクス!!」

 

角間「ゴーストロックだぁ!!」

 

 

花陽「必殺タクティクス……!」

 

にこ「こんなもので私たちが……」

 

 

 

 

 

幽谷【ゴーストロック!】

 

 

 

 

ドシュゥゥゥ!!

 

ピーーーーーーー

 

 

角間「ここで前半終了のホイッスルゥゥゥゥ!!!!音の木坂まったく動けず二点を失いました!後半は逆転なるかぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部室

 

ガンッ!!

 

 

にこ「なによあれ!イカサマじゃない!!」

 

真姫「そんなに怒ってもしょうがないじゃない」

 

にこ「は!?あんたは悔しくないの!?」

 

真姫「問題はどういうタネなのか…でしょ?」

 

花陽「まさか、本当に呪いとか…….」

 

海未「そ、そんなの非常識です!!」

 

穂乃果「そうだよ!絶対タネがあるよ!」

 

絵里「そ、そうよ!呪いなんてバカバカし……」

 

凛「あ!絵理ちゃんの後ろに何かいる!」

 

絵里「いやぁぁ!!!希ぃぃ!!」ガシッ

 

希「オブゥ……!!」ポキッ

 

穂乃果「希ちゃぁぁん!!」

 

凛「嘘!嘘だから!!落ち着いて!」アワアワ

 

にこ「凛ンンンン!!」グワッ

 

凛「ごめんなさいぃ!!」

 

絵里「だ、大丈夫……?」パッ

 

希「……………」

 

絵里「希?」

 

希「……あ!ごめん、考え事してた………」

 

絵理「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

尾刈斗2-1音の木坂

 

ピーーーーーーー

 

角間「さーて、後半開始しました!!音の木坂はこの現状を打開できるのかぁ!?」

 

 

地木流「後半も同じだぁ!!」

 

地木流「マーレーマーレーマレトマレ……」

 

絵里「もう嫌ぁ!!」パッ

 

にこ「ちょ、ちょっと絵里!」

 

角間「これは絢瀬!!耳を塞いでしまったぁぁ!!こんなことで試合はできるのかぁ!?」

 

 

幽谷「そんな状態のやつなんかに取られるほどトロくねぇよ!!」ダッ

 

絵里「あぁ…!」ガクッ

 

 

幽谷「いくぞ!」

 

 

 

幽谷【ゴーストロック!】

 

 

 

 

ブワァァァァァァ!!!

 

 

にこ「う、ごけない……」グッグッ

 

希「なんで……!!」グッ

 

花陽「うごいて、動いてぇ……!!」グイグイ

 

凛「本当にタネなんてあるのかにゃ…?」グッ

 

ことり「ふぇぇ……今日いいとこなしだよぉ〜……」グッグッ

 

海未「くっ……!!まだ日頃の鍛錬が足りないと言うのですか……!!」グッグッ

 

穂乃果「穂乃果が止まっちゃったら本当にまずいよ!!」グイグイ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「隙あり!」ガッ…!

 

幽谷「なに!?」

 

 

 

 

「……………」

 

 

「「「「「「え?」」」」」」」

 

 

 

 

 

角間「こ、これはぁ!!絢瀬がゴーストロックの呪縛から逃れていたぁ!!いったいどうしたのでしょうか!!」

 

真姫「あ、動ける」

 

ことり「どうして絵里ちゃんだけ無事だったんだろ……」

 

海未「一番怖がっていたはずでしたけど……」

 

にこ「そうよ!さっきだって耳塞いで縮こまってたくせに……」チェッ

 

凛「にこちゃんいいとこ持っていかれて拗ねてるにゃ〜」

 

にこ「拗ねてないわよ!」

 

希「…………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

地木流「マーレーマーレーマレトマレ……」

 

 

 

 

 

角間「これは巧みなフォーメーションチェンジでかわしていく!!」

 

 

 

 

 

絵理「もういやあ!!」ガバッ

 

角間「おーっと!耳を塞いで縮こまってしまったぁ!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

!!!

 

 

 

 

希「………そうか!!」タッタッタッ

 

にこ「何かわかったの?」タッタッタッ

 

希「とりあえず走りながら……」

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「……なるほど…」

 

希「頼める?」

 

にこ「あったりまえじゃない、にこを誰だと思ってるの?」

 

角間「ああーーっと!絢瀬自分で上がっていったがボールを奪われてしまったぁぁ!!」

 

絵里「だって誰も来てくれないんだもの!!」

 

幽谷「まぐれは2度は続かない!」

 

幽谷【ゴーストロック!】

 

 

 

 

ブワァァァァァァ!!!

 

 

 

 

 

花陽「ぬぐぐぐ………」

 

ことり「え、絵里ちゃんなら……!」チラッ

 

 

 

 

 

 

 

 

絵理「エリチカお家帰るぅぅ………」グスッ

 

ことり花陽「かかってるんかい!!」ビシッ!

 

角間「今度は全員がかかってしまったぁ!!このままリードを広げられてしまうのかぁ!?」

 

 

 

 

幽谷「だからまぐれと言ったろ」スタスタ

 

穂乃果「ふん!ふん!」グイグイ

 

 

 

 

 

幽谷「くらえ!」

 

幽谷【ファントム………

 

 

 

 

 

希「にこっち今や!!」

 

にこ「………」スゥ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「にっこにっこぬぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

ビリビリビリ…!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽谷【…………シュート!】

 

 

ドキュゥゥゥ!!!

 

 

穂乃果「う、動ける!」パッ

 

 

 

穂乃果「とりゃ!」バシィ!

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「よし!」

 

 

 

 

角間「と、とぉめたぁぁぁぁ!!!!!なんと高坂、寸前でゴーストロックを破りシュートを受け止めたぁ!!」

 

 

 

 

 

 

花陽「やったね穂乃果ちゃん!」

 

凛「にこちゃん、いくら目立ちたいからってあれは………」

 

にこ「な、なによ!にこが破ったんだから!!」

 

にこ「もっと感謝しなさい!!」

 

ことり「にこちゃんが破った?」

 

海未「さっき叫んでいたのがそれですか?」

 

にこ「そうよ!」

 

にこ「詳しいことは………希に聞いてちょうだい」

 

希「にこっち…………」ハァ

 

希「要するにな、あれは催眠術やったんよ」

 

真姫「催眠術?」

 

希「相手の監督がブツブツ言ってるのと敵の巧みなフォーメーションチェンジ」

 

希「これらが合わさって目と耳がごちゃごちゃになったってわけ」

 

海未「なるほど….」

 

絵里「だから耳塞いでた時効かなかったのね」

 

凛「凛は今ので頭ぐちゃぐちゃだにゃ〜……」

 

花陽「凛ちゃん……」

 

穂乃果「さすがだね!希ちゃん!」

 

希「えっへん!」

 

にこ「ちょっと!破ったのはにこなんだからぁ!!」

 

穂乃果「うんうんすごいすごい」

 

にこ「感情を込めなさいよ!!」

 

希「次も期待してるよ、にこっち」

 

ことり「タネがわかったからもう怖くないね!」

 

希「そうやね!」

 

希「…………でもちょっとおいたが過ぎるかな………」

 

ことり「え?」

 

希「なんでもないよ!」

 

 

 

 

 

穂乃果「さあ!反撃開始だよ!」ブン!

 

 

 

ヒデコ「ほっ」トッ

 

ヒデコ「おねがい!」ドッ

 

 

 

ことり「よっと……」トッ

 

ことり「絵里ちゃん!」ドッ

 

 

絵里「ナイスパスよ」トッ

 

角間「これは鮮やかなパス回し!尾刈斗高校ボールに触れない!」

 

 

 

絵里「……真姫の分まで……決めてやる!」ダッ

 

真姫「……絵理!!」タッタッタッ

 

絵里「なに!!」タッタッタッ

 

真姫「相手の手を見ちゃダメ!」

 

絵里「手!?」

 

真姫「あれも催眠術よ!」

 

絵里「手の動きが催眠術………」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

希「…思い出した!!」

 

にこ「なにが?」

 

希「あの手の動き!この前本で見た!」

 

希「たしか……平衡感覚をなくすとかなんとか……」

 

ことり「それでシュートの威力を半減させて……!」

 

海未「つまりキャッチ自体は普通ということですね」

 

にこ「というか普段どんな本読んでんのよ……」

 

希「今すぐエリチに伝えて!」

 

真姫「わかった!」ダッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

絵里「手を見ない…手を見ない……」

 

 

絵里「吹き荒れろ………」

 

パキパキパキパキ

 

 

 

 

 

 

 

鉈「無駄だ」ユラユラユラ

 

 

絵里【エターナルブリザード!】

 

 

 

 

ドキュゥゥゥ!!!!

 

 

鉈【歪む空間】ユラユラユラ

 

 

 

鉈「ぐはぁ!!」

 

ドシュウウウゥゥ!!!!!

 

 

角間「きまったぁぁ!!!鉈の必殺技を破りついに同点へこぎつけたぁ!!!」

 

 

尾刈斗2-2音の木坂

 

ピーーーーーーー

 

 

真姫【ファイアトルネード!】

 

 

 

 

鉈【歪む空……

 

鉈「ぐわぁぁぁ!!!」

 

ドシュウウウゥゥ!!!!!

 

 

角間「先ほど止められた西木野もゴールを決めついに逆転しました!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地木流「そんな………バカな……」

 

 

 

 

尾刈斗2-3音の木坂

 

ピーーーーーーー

 

地木流「マレトマレ!!!」

 

 

 

幽谷「俺たちが…こんな弱小に……」

 

幽谷「負けられるか!」ダッ

 

 

幽谷【ゴーストロック!】

 

 

 

 

 

ブワァァァァァァ!!!

 

 

穂乃果「いくよみんな!」

 

 

 

 

 

穂乃果「せーの!!」

 

 

 

 

「「「「「にっこにっこにーー!!!」」」」

 

 

 

パァァァァ!!!!

 

 

 

 

 

 

幽谷「くっ……!!」

 

幽谷「まだ試合は終わってない!!」ダッ

 

希「もう終わるよ」

 

幽谷「チッ……邪魔するな!」ザッ

 

幽谷「くらえ!」バッ!

 

幽谷【呪い】

 

ズズズズ

 

幽谷「はははは!これでお前は……って……」

 

ズズズズッ…

 

幽谷「……なんで」

 

 

 

 

 

 

ズズズズズッ……!!!

 

幽谷「なんで俺に来るんだ!?」

 

ズズズッ………

 

幽谷「やめ……やめろ……!!来るな!!!!」ガタガタ

 

ズズズズッ…………

 

幽谷「う……あぁ……」ドサッ

 

希「あーあー……」

 

希「人を呪わば穴二つ」

 

希「簡単に呪いなんて言うもんやないんよ」

 

幽谷「あ………あぁ……」ガタガタガタ

 

希「相手が悪かったね」

 

テンテンテン……トッ

 

希「スピリチュアルやん?」

 

 

 

ピッ ピッ ピーーーーーーー!!

 

角間「ここで試合終了のホイッスル!!!なんと勝利したのは怒涛の追い上げを見せた音の木坂イレブン!!」

 

角間「実況は角間でお送りしましたぁ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

ありがとうございましたぁぁ!!

 

 

 

地木流「そ、それでは失礼して……」そそくさ

 

 

凛「べーーーーーだっ!」

 

真姫「凛ダメ」

 

にこ「」シュッ

 

花陽「にこちゃんその手はまずいよぉ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「そういえば希ちゃん」

 

希「ん?」

 

ことり「結局最後ってどうなったの?」

 

凛「そうそう!なんかよくわかんなかったにゃ!」

 

希「向こうの人がミスしてくれたんよ、ラッキーってやつやね」

 

 

 

 

 

 

 

絵理「……なんか見てはいけないものを見てしまった気分だわ」

 

にこ「一番怒らせちゃいけないのはやっぱりあいつだわ……」

 

穂乃果「よーし!じゃあ今日の試合の打ち上げいこう!」

 

希「いいねー」

 

ヒデコ「あ、私たち今日もちょっとやることあるから……」

 

ミカ「楽しんできてね〜!」

 

穂乃果「今日もかぁー……」

 

海未「用があるのなら仕方ありません」

 

ヒデコ「それじゃあバイバイ!」タッタッ

 

フミコミカ「バイバーイ!」タッタッ

 

ことり「バイバーイ!」フリフリ

 

にこ「で、どこにする?」

 

凛「じゃあいいとこ知ってるにゃ!!」

 

にこ「へー、なんてとこ?」

 

 

 

 

 

凛「雷雷軒!!」

 

 






タイトルが「オカルトサッカーの真骨頂」なんて言いつつ終わってしまいましたね……笑

お次は監督を見つける回です!


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第3話「監督ゲットだぜ!」



スイカ食べすぎだと怒られた乾電池です

一玉買ってきてみんなが帰ってくる前に全部食べてやろうと思います




 

 

 

見事尾刈斗高校に勝利した音の木坂、打ち上げの場所は凛が行きつけのラーメンと言うことだが……?

 

 

 

雷雷軒

 

 

凛「おっちゃーん!きたよー!」ガラガラ

 

店長「おお、いらっしゃい」

 

海未「このお店ですか」

 

ことり「中思ったより広いね〜」

 

穂乃果「初めてきたよ!」

 

真姫「そうなの?てっきり何度も来てるかと思ったけど」

 

穂乃果「これでも穂乃果女子高生だからね!」

 

穂乃果「学校帰りはクレープなんだ!」

 

絵里「そんな決まりはないと思うけど……」

 

にこ「え〜?にこー、こんなおじさんっぽいところ入れなーい」

 

希「穂乃果ちゃーん!にこっち帰るってさ!」

 

にこ「ちょっと!!冗談に決まってるでしょ!?」

 

凛「おっちゃん八人いける?」

 

にこ「冗談っつってんのよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「は……白米が….!!白米がぁぁ!!!」

 

花陽「食・べ・放・題!!!」

 

花陽「幸せです〜〜!!!!」ハグハグ

 

ことり「ブ、ブラックホール……」モニュモニュ

 

希「おっちゃん替え玉もう一丁!」ズルズル

 

凛「凛もー!」ズズズズ

 

海未「二人とも食べ過ぎ注意ですよ!」

 

希「凛二等兵!食べるのもトレーニングだ!」

 

希「決して手を抜くんじゃないぞ!」

 

凛「はっ!!希隊長!」ズルズル!

 

海未「二人とも!!」

 

真姫「見てるだけで胸焼けしてくるわ…」パクッ

 

絵里「そういえば正式な試合に出るには監督がいるのよね?」ズルズル

 

穂乃果「そうなんだよねぇ…」ハム

 

穂乃果「新しい必殺技も練習しなきゃなのに……」モキュモキュ

 

絵里「【マジン・ザ・ハンド】だけじゃダメなの?」フーフー

 

穂乃果「そんなに世の中甘くないんだよ絵理ちゃん……」ゴックン

 

 

店長「…………」

 

店長「……一人で止めるには限界がある」

 

絵里穂乃果「え……?」バッ

 

店長「……」ジュー

 

絵里「……一人で止めるには…」

 

穂乃果「限界……」

 

にこ「……ねえ穂乃果……」

 

穂乃果「なに?」

 

にこ「……」ゴニョゴニョ

 

穂乃果「それちょっと穂乃果も思った」

 

絵里「なにが?」

 

穂乃果「店長さん!」ガタッ

 

店長「……」

 

穂乃果「私たちの監督になってください!」

 

真姫「……!?」ブフッ

 

「「「「はぁぁぁぁぁぁ!!!??」」」」

 

店長「いいぞ」

 

「「「「ええええええ!!!!???」」」」

 

店長「ただし」

 

穂乃果「………」

 

店長「俺とのPKで勝ったらだ」

 

絵里「PKって……」

 

凛「おっちゃんサッカーできるの!?」

 

店長「見くびってくれるなよ、凛」

 

店長「これでも元キーパーだ」

 

凛「そのお腹ムグゥゥ!!」ムググ

 

花陽「それ以上はいけない」グググ

 

店長「俺の爺さんもキーパーだったんだ」

 

花陽「おじいさんも……」

 

店長「まあそれはいいとして」

 

店長「PKとはいったが俺は蹴るだけだ」

 

店長「この中でキーパーは誰だ?」

 

穂乃果「はいはいはい!!!」

 

店長「やっぱりか」

 

にこ「ちょっと穂乃果、本当に勝てるの?」

 

海未「というか、監督はこの方で大丈夫なのですか?」

 

絵里「多分大丈夫よ」

 

ことり「何か訳があるの?」

 

絵里「………勘?」

 

 

 

 

ズコーーーー!!!!

 

 

真姫「こ、これだけことをおおごとにしておいて……勘って……」

 

にこ(まあ、あの一瞬でアドバイス出せるぐらいだからかなりの経験者だと思うけど)

 

店長「で、やるのか?やらないのか?」

 

穂乃果「やります!」

 

海未「ほ、穂乃果…!」

 

花陽「本当にいいの!?」

 

凛「もしおっちゃんが監督になったら練習終わりにタダでラーメン……」ブツブツ

 

希「凛ちゃんストップストップ!!」

 

店長「食い終わったらそこのキーパーだけ残ってくれ、詳しい日時を話す」

 

穂乃果「はい!」

 

店長「一対一の真剣勝負だ、観客はいらない」

 

海未「本当に大丈夫なのでしょうか……」

 

凛「ラーメン……無料……替え玉一丁……」ブツブツ

 

花陽「お願い凛ちゃん戻ってきてぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自宅

 

 

 

穂乃果「今日は勝負の日だからね、いつもと違う服で行こう!」

 

雪穂「ん〜アイス美味し♪」テクテク

 

雪穂「……ん?」チラッ

 

穂乃果「……うーん?」コレカナ、コレカナ

 

雪穂「なになに?おねーちゃんデート?」ニヤニヤ

 

穂乃果「デートよりも大事なことだよ!」

 

雪穂「……え」ポロっ

 

ドタドタ!!

 

オカーサーン!オネーチャンガーー!!!

 

穂乃果「よし、これで行こう!」

 

ケッコンスルカモシレナイ!!

 

アンタナニイッテルノ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

河川敷コート

 

 

店長「…やっときたか」

 

穂乃果「バッチリ勝負服できました!」

 

店長「他の奴らには言ってないな?」

 

穂乃果「はい!みんなは今日普通の練習の日です!」

 

店長「よし、じゃあまず準備運動だ」

 

店長「それからPK3本勝負」

 

穂乃果「てことは……」

 

店長「ああ、二本止めればお前の勝ちだ」

 

穂乃果「よーし!負けません!」パンッ

 

店長(……キーパーを見ればチームが見える)

 

店長(見せてみろ、お前たちの力を)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「穂乃果はまだ家から出ていません」

 

ことり「ねえ海未ちゃん……これって」

 

凛「普通に犯罪だにゃー……」

 

海未「勝負とあればいつもの練習着で行くはず、発信機を取り付けておいて正解でした」」

 

希「海未ちゃん……エグい…」

 

絵里「愛がなせる技ね」

 

にこ「病的すぎるわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

店長「じゃあいくぞ」ザッ

 

穂乃果「はい!」グッ

 

 

トッ タッタッタッ

 

ドキュッ!!

 

 

ゴォォォォ!!!

 

 

 

 

穂乃果「はぁ……!!」バッ

 

バシィィィ!!!!!

 

ズズズズ……

 

 

穂乃果「す、すごい……」

 

店長「どうした、もう限界か?」

 

穂乃果「ま…まだまだ!!」ポイッ

 

 

コロコロコロ トッ

 

店長「………」タッタッタッ

 

 

ドキュゥゥゥ!!!!

 

 

ゴォォォォオォォ!!!!!

 

 

穂乃果「…これ……!!」

 

穂乃果(さっきより強い……!)

 

穂乃果「はぁぁ!!」バッ

 

バシィィィ!!!

 

穂乃果「……っぐ……!!」グググ……

 

 

ギュルルルルル!!! バチィ!

 

穂乃果「きゃぁ!!」ドサッ

 

 

 

ドシュルルルルル……!

 

穂乃果(入っちゃった……)

 

コロコロ……

 

穂乃果「………」ドッ

 

 

 

店長「なんだ、もう限界か」トッ

 

穂乃果「まだ……勝負は終わってない!」

 

店長「……これで一対一だ」

 

店長「止めてみろ!!」ダッ

 

 

ドキュゥゥウウウウ!!!!!

 

 

 

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

 

穂乃果「今までよりはるかに強い……」

 

 

穂乃果「……でも!」

 

穂乃果「まだ手はある!」バッ

 

穂乃果「はぁぁぁ!!!」グッ

 

穂乃果「………?」

 

店長(……?)

 

穂乃果(え、マジンが出ない……なんで)

 

穂乃果(待って、待って、ヤダヤダ…!!)

 

穂乃果(これ決められたら穂乃果の……)

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー……!

 

 

 

 

 

穂乃果(……負けたくない!!!)

 

穂乃果「はぁぁぁ!!」

 

ゴォォォォォオ!!!!

 

 

 

 

 

店長「あれは……」

 

穂乃果(よかったぁぁぁ!!!)

 

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

ドォォォォォォ………!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

店長「……それが例の……【マジン・ザ・ハンド】か」

 

穂乃果「えっへへ!止めたよ二本!」

 

店長「ああ、約束どうりお前たちの監督になろう」

 

穂乃果「や………やったぁーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

カァー、カァー、カァー

 

 

 

海未「………穂乃果出てきませんね」

 

海未「みんなも帰ってしまいました……」

 

 

 

 

ママーヘンナヒトイルー

 

シッ!ミチャイケマセン!

 

海未「……穂乃果ぁ………」ポツン

 

 







はーい第3話はこれで終わりです!

次からはようやくFF編です!


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第4話「公式戦スタート!」

クーラー効いた部屋にいて少し窓開けたらアレでした

砂漠地帯みたいな暑さになってました

引きこもることを心に誓いました、乾電池です



無事雷雷軒の店長を監督に引き入れた音の木坂、挨拶もそこそこにほとんどのメンバーにとって初めての公式戦、第1回戦の相手が知らされた

 

 

 

店長「今日から監督になった」

 

監督「よろしく頼む」

 

「「「「「「お願いしまーす!」」」」」

 

にこ「よくやったわね穂乃果」

 

穂乃果「頑張ったよ!」

 

海未「…いったい……いつのまに…」ブツブツ

 

ことり「海未ちゃんあれからずっといたんだって………」

 

花陽「はらしょー……」

 

凛「海未ちゃんも大概やばいにゃー」

 

監督「早速だが一回戦目の相手が決まった」

 

監督「野生高校だ」

 

にこ「野生高校……」

 

真姫「知ってるの?」

 

にこ「一年のとき当たったことがあるわ」

 

絵理「確か……」

 

にこ「ええ……もちろん惨敗よ」

 

ことり「そんなに強いんだ……」

 

凛「で、でも!こっちには【ファイアトルネード】も【エターナルブリザード】もあるんだよ?」

 

にこ「まあ最後まで聞きなさい」

 

にこ「その試合はこっちもそんなに良くなかったのよ」

 

にこ「チームがあんなんだったからね……」

 

希「にこっち……」

 

にこ「でもそれ以上に……」

 

花陽「恐るべきはあの身体能力です」

 

絵理「身体能力?」

 

にこ「さすが花陽ね」

 

花陽「えへへ」

 

にこ「奴らは大会屈指の身体能力を持ってる」

 

花陽「特にすごいのが……」

 

にこ花陽「「空中戦」」

 

穂乃果「空中戦………」

 

にこ「あれをどうにかしないと真姫の【ファイアトルネード】も絵理の【エターナルブリザード】も止められてしまう可能性がある」

 

ことり「そ、そんな………」

 

真姫「異論はないわ」

 

絵理「私も」

 

凛「じゃ、じゃあどうするの!?」

 

穂乃果「ならやることは一つ!!」

 

にこ「新必殺技ね」

 

穂乃果「そのとおり!」

 

穂乃果「試合は3日後!」

 

「がんばるぞーー!!!」

 

「「「「「「おー!」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「にこちゃん今回珍しく真面目だったね」

 

にこ「はっ倒すわよあんた」

 

 

 

 

 

 

 

練習後

 

 

穂乃果「ん〜……どうしよっか」

 

海未「結局それらしいのは出てきませんでしたね……」

 

ことり「高ーく飛ぶにも限界があるからね……」

 

穂乃果「あーあ、ゲームみたいに二段ジャンプができたらなぁ……」

 

ことり「飛んでる亀さんを踏み台にしたりしてね♪」

 

海未「何馬鹿なこと言って………」

 

海未「!!」

 

ことり「!!」

 

穂乃果「あ〜!あったねそんなのも!」

 

穂乃果「……?どうしたの?」

 

海未「ことり……気づきましたか?」

 

ことり「……うん」

 

穂乃果「き、気付いたって何が?」

 

穂乃果「………もしかして海未ちゃんの分のおやつ食べちゃったこと?」

 

海未「いえそれではなく……って」

 

海未「犯人はあなただったんですね!?」

 

穂乃果「気づいたんじゃないの!?」

 

穂乃果「騙すなんて最低だよ海未ちゃん!」

 

海未「なぜ私が怒られなければならないのですか!!」

 

海未「私が楽しみにしていたほむまんを……」

 

穂乃果「も、元々は穂乃果の家のお饅頭なんだから!」

 

海未「いつもあんこは飽きたと言っていたではありませんか!」

 

穂乃果「お腹すいてたんだからしょうがないじゃん!」

 

海未「まだ屁理屈をいいますか!」

 

海未「だいたいあなたは………」

 

ことり「海未ちゃんストップストップ!」

 

海未「……はっ!そうでした」

 

穂乃果「もー!結局なんだったのさー!」

 

海未「………………なんでしたっけ?」

 

ことり「海未ちゃぁ〜ん………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

 

 

絵理「二段ジャンプ?」

 

海未「そうです」

 

凛「海未ちゃん遂におかしくなっちゃったかにゃー……?」

 

海未「それでは説明します」ギリギリギリ

 

凛「にゃぁぁぁぁああ!!」グイィィ!

 

ことり「図に書いてみるね」キュポッ

 

海未「お願いします」パッ

 

凛「い、痛い………」ヒリヒリ

 

真姫「自業自得ね」

 

花陽「今回ばかりは……」

 

凛「かよちんが冷たい…!!」ガーン

 

希「はーいしっかり聞くんよ」

 

ことり「ふふ、じゃあ説明するね」

 

ことり「まず二人で同時に飛びます」キュッ

 

海未「次に片方がもう一人を踏み台にしてもう一度ジャンプするんです」キュキュッ

 

にこ「でも踏まれる方痛くない?」

 

海未「はい、ですから」キュッキュッ

 

希「なるほど!」

 

海未「はい、下の人は足を上にして押し上げる形をとります」

 

ことり「上の人はその足と自分の足を合わせて飛ぶの!」

 

絵理花陽「………」

 

穂乃果「つまりね……」

 

穂乃果「二人の力が合わさってもっと高く飛べるってことだよ!」フンス

 

絵里「いや、それはわかるんだけど……」

 

花陽「できるのかなぁ……」

 

にこ「もしできるとすれば………」

 

真姫「軽い人が適任なんじゃない?」

 

にこ「にこは無理よそんなの」

 

凛「じゃ、じゃあ……!」

 

海未「上は絵理が適任かと」

 

凛「………!」

 

絵里「私?」

 

海未「はい、絵理のフィジカルならばいけると思います」

 

穂乃果「絵理ちゃんバランス感覚いいもんね!」

 

花陽「体も柔らかいし……何かやってたの?」

 

絵里「バレエをちょっとね……」

 

穂乃果「……おお…!!なんかカッコいい!!」

 

凛「その時の動画とかってあったりする?」キラキラ

 

絵里「……残念ながら消しちゃったの」

 

真姫「………」

 

凛「見たかった……」ガクリ

 

穂乃果「きっと可愛かったんだろうなぁ〜!」

 

海未「話は最後まで聞いてください」

 

海未「……で、踏み台になるのは……」

 

希「エリチが上なら下になるのはうちかな?」

 

海未「さすがですね、お願いします」

 

穂乃果「二人とも、頑張ってね!」

 

絵理「ええ、任せて」

 

希「プレッシャーやなぁ……」

 

花陽「………?」

 

花陽「……どうしたの?凛ちゃん」

 

凛「………なにが……?」

 

花陽「……いや、なんでもない……」

 

凛「変なかよちんだにゃ〜」

 

穂乃果「早速練習だよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「準備はできましたか?」

 

絵里「ええ」

 

希「ばっちり!」

 

海未「ほかのみなさんはトレーニングしていてください」

 

穂乃果「えー!穂乃果たちも見てたいよぉ〜!!」

 

海未「だだこねない!」

 

ことり「穂乃果ちゃん穂乃果ちゃん」コソッ

 

穂乃果「なに?ことりちゃん」ソッ

 

ことり「部室にお菓子置いてあるからトレーニングの後で食べよう♪」

 

穂乃果「おー!さすがことりちゃん!」

 

ことり「だからトレーニング頑張ろ?」

 

穂乃果「……もういっそのこと今から行っちゃう?」

 

ことり「それもいいね〜!」

 

穂乃果「よーし!それじゃあ……」

 

にこ「海未〜!!穂乃果がサボろうとしてる〜!!」

 

穂乃果「ちょ、にこちゃん!?」

 

花陽「そんなこと言ったら……」

 

真姫「私しーらない」

 

海未「全部聞こえてるので大丈夫でーす!!」

 

穂乃果「ことりちゃんが誘惑するからぁーー!!!!」

 

ことり「えへ」

 

凛「確信犯だね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「いきますよー!」

 

絵里「ええ!」

 

希「よっしゃ!」

 

海未「それ!」ドッ

 

希「行くよ!」タッタッタッ

 

絵里「ええ!」タッタッタッ

 

希「はぁ!」ダッ

 

絵里「フッ」ダッ

 

海未「そこで足を合わせて!!」

 

スカッ

 

絵里「あら……?」

 

希「へ?」

 

ドシャァ!!

 

絵里「………い……たた」

 

絵里「希、大丈……」モニュ…

 

絵里「ぶ…?」

 

絵理(落ち着くのよ絢瀬絵理、こんなベタな展開あるわけないじゃない、そう、そうよ、この柔らかいものは希のアレじゃなくてきっと……何か……何か別の……あ、マシュマロみたい………)モニュモニュ

 

絵里「……」チラッ

 

希「いやん♪えりちのエッチ」

 

海未「大丈夫ですか!?」タッタッタッ

 

絵里「ご、ごごごごごめんなさい!!」パッ

 

海未「絵里?」

 

絵里「なによ!!」パッ

 

海未「か、顔が赤いですよ?」

 

絵里「わ、私水飲んでくるから!」ダッ

 

海未「?」

 

希「エリチおもしろいなぁ」クスクス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「ハァ……ハァ」テクテク

 

ことり「疲れた〜……」テクテク

 

凛「あれ?真姫ちゃん髪縛ったの?」テクテク

 

真姫「ええ、走るのに邪魔だから」

 

凛「似合ってるにゃ〜!」

 

真姫「左右を軽く止めただけだけど」

 

ことり「かわいいよ真姫ちゃん♪」

 

花陽「うん!すっごくかわいい!」

 

真姫「……もう!わかったから!」カァァ!

 

穂乃果「あ、いたいた」ザッ

 

穂乃果「そろそろ終わりだよー!」

 

海未「おや、もうそんな時間でしたか」

 

絵里「私たちはもう少しやっていくわ」

 

希「本番まで時間もないしね」

 

穂乃果「そっか!じゃあ先帰ってるね!」

 

真姫「ほどほどにしておきなさいよ」

 

海未「あ、あのー……」

 

ことり「どうしたの?海未ちゃん」

 

海未「実は今日この後予定がありまして……」

 

希「あー……」

 

絵里「どうしましょう」

 

花陽「休むことも大事ですよ!」

 

凛「……」

 

凛「あ、あの!」

 

凛「り、凛がお手伝いするにゃ!」

 

花陽「凛ちゃん!?」

 

希「ほんまにいいの?」

 

凛「うん!」

 

絵里「……じゃあお願いしようかしら!」

 

真姫「遊んで迷惑かけないようにしなさいよ」

 

凛「しないよ!!」

 

ことり「凛ちゃんなに企んでるのかな〜?」

 

絵里「え、そうなの?凛」

 

希「うちらを利用する気やったんやね……」

 

凛「なんでそうなるにゃぁ!!」

 

凛「凛は純粋にお手伝いしようと思ってたのに………」グスッ

 

絵里「……冗談よ、ありがとう」なでなで

 

希「ちょっと意地悪しちゃったかな」なでなで

 

凛「……えへへ」

 

花陽「凛ちゃん………」

 

凛「かよちんごめんね、先に帰ってて」

 

花陽「う、うん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛(もう何回目かもわからないほど失敗してるけど二人は全く諦めようとしなかった)

 

凛「いっくにゃぁー!」ドッ

 

絵里「今度こそ!!」タッタッタッ

 

希「うん!」タッタッタッ

 

凛「…………」ジーー

 

希「はぁ!」バッ

 

絵里「ほっ!」グッ

 

凛「おお……!!」

 

グラァ

 

絵里「……っく!」バッ

 

希「あわぁ!」ドシャ!

 

希「いつつ……」

 

凛「大丈夫!?希ちゃん!」バッ!

 

絵里「ごめんなさい……!」

 

希「もー!そんな顔せんといて!」

 

希「ウチがちゃんと着地できんかっただけやん?」

 

希「ほら、もう一回やろ!

 

絵里「……いえ、今日は終わりましょう」

 

希「せっかく良い感じになってきたのに〜…」

 

絵里「もう暗くてボールもよく見えないし……なにより!」ビシッ

 

希「……!」ビクッ

 

絵里「あなたが怪我したらどうするのよ!」

 

凛「そうにゃそうにゃ!」

 

希「ウチが怪我するわけないやん?」

 

凛「どこからくるにゃ、その自信……」

 

絵里「いいから、今日は終わりましょ」

 

希「……そやね、じゃあお言葉に甘えて」

 

凛「凛が片付けてるから着替えてて良いよ〜!」

 

絵里「何言ってるのよ、みんなで片付けるのよ」

 

凛「後片付けは後輩の役目だにゃ!」

 

希「凛二等兵!先輩禁止令第2条!!」

 

凛「は、は!!」

 

凛「部員はいつ如何なる状況下において平等であり、年齢による格差はないものとする!」イエッサー!

 

絵里「というわけで早くやるわよ」

 

希「練習に付き合ってくれただけでも嬉しいのに片付けまで押し付けるわけないやん」

 

凛「絵里ちゃん………希ちゃん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰り道

 

凛「ばいばーい!」ブンブン

 

 

 

 

 

希「フフ」

 

絵里「どうしたの?希」

 

希「いや、なんか妹みたいやなって」

 

絵里「……そうね」

 

絵里「それもとびっきり可愛い」

 

絵里「ま、亜里沙には敵わないけどね!」

 

希「相変わらずやなぁ……」

 

絵里「でも最近連絡繋がらないのよね…」

 

希「忙しいんちゃう?」

 

絵里「だといいんだけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「……ここなら下も柔らかいし……」

 

ダッ ザザッ ドサッ ザッザッ

 

凛「……違う」ハァハァ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

練習後

 

絵里「…….なんでできないのよ…」ハァハァ

 

希「なんかバランスが崩れるなぁ…」ハァハァ

 

花陽「何がダメなんだろう?」

 

海未「……明日はもう試合ですから今日はしっかり休んでください」

 

絵里「でも……!!まだ完成してないわ!」

 

ことり「ごめんね絵里ちゃん……」

 

絵里「ことり…….」

 

にこ「あんたらが怪我でいなくなったらにこたち試合に出られないんだから」

 

真姫「素直に心配って言えばいいのに…」クルクル

 

にこ「あんたに素直にって言われるとは思ってなかったわ」

 

希「……えりち、明日がんばろ…?」

 

絵里「……」

 

 

 





次回はいよいよ公式戦第1回戦!!

絵里ちゃんと希ちゃんの必殺技は完成するのでしょうか!



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「VS野生高校!」




今テレビでディープインパクトの特集してました!

競馬はわからないけど目が覚めたら大金が枕元に置いてたらなと思う乾電池です




 

 

必殺技が完成しないまま試合当日となってしまった音の木坂

 

わずかな不安を抱えつつ、メンバーは会場へと足を運ぶ

 

 

 

 

 

 

 

角間「さあーやってまいりました、フットボールフロンティア予選第一回戦!!今日の相手は野生高校だぁぁ!!!」

 

絵里「……大丈夫かしら………」

 

希「大丈夫やって!案外普通に勝てるかも知れへんよ?」

 

絵里「だといいけど……」

 

海未「……絵里はまだ落ち込んでいるようですね」コソッ

 

ことり「私たち……間違ってたのかな」

 

花陽「そ、そんなことないよ!」

 

花陽「きっと……!絵里ちゃんたちなら完成してくれる!」

 

真姫「花陽の言うとうりよ」

 

真姫「じゃないとこの二日間が無駄になるじゃない」

 

ことり「……うんそうだよね!」

 

海未「すみません、少し弱気になっていたみたいです」

 

凛「………」ボー…

 

にこ「……ちょっと!」バシッ

 

凛「……っは!」ビクッ

 

にこ「しっかりしなさいよ、試合始まるのよ?」

 

凛「ちょっと考え事してて……」アセアセ

 

にこ「凛が考えることなんてラーメンぐらいでしょ」

 

凛「たまにはラーメン以外も考えるにゃ!!」

 

にこ「……たまになのね」

 

監督「…………」

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーー

 

ドッ

 

角間「はじまりましたぁ!!身体能力で勝る野生高校相手に一体どのような試合を繰り広げるのでしょうかぁ!!」

 

絵里「………ことり!」 ドッ

 

ことり「ほっ!」トッ

 

にこ「ことり!よこしなさい!」

 

ことり「……!にこちゃん!」ドッ

 

にこ「…よし!」トッ

 

角間「音の木坂、慎重にパスをつないでいく!!ここからどう展開する気だ!?」

 

にこ「いきなさい!真姫!」ドッ

 

角間「僅かに会いたスペースを矢澤、見逃しませんでしたぁ!!」

 

真姫「…ふっ!」ダンッ

 

 

 

グルグルグル

 

 

真姫【ファイア………】

 

鶏井「コケー!」バッ

 

真姫「っく!」スタッ

 

鶏井「コケー!」スタッ

 

角間「これは野生鶏井素晴らしいジャンプ力!!西木野の必殺シュートを完全に封じ込めましたぁ!!」

 

にこ「……ッチ、やっぱりね」

 

鶏井「コケー!」ドッ

 

水前寺「へっ!」トッ

 

希「止めるよ!ことりちゃん!」バッ

 

ことり「うん!」バッ

 

水前寺「遅すぎるぜ!」シュバッ!

 

希ことり「そんな……!」

 

角間「水前寺一瞬で二人を抜き去ったぁ!!はやぁい!!まるで草原を駆け抜けるチーターのようだぁ!!!!」

 

水前寺「五利!」ドッ

 

五利「うほー!!」トッ

 

凛「しまった……!」

 

花陽「穂乃果ちゃん!」

 

 

五利【ターザンキック!】

 

ドゴォ!

 

穂乃果「はぁぁぁ!!」バッ

 

ゴォォォォォオ!!!

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!!】

 

 

ドシュルルルルル………!

 

 

角間「止めたぁぁ!!!音の木坂高坂、強力な必殺技で見事止めましたぁ!」

 

穂乃果「凛ちゃん!」ドッ

 

凛「よっ…!」トッ

 

にこ「凛!いけるとこまで持ち込みなさい!」

 

凛「わかったにゃ!」タッタッ

 

猿田「ウキー!」バッ

 

 

凛【アクロバットキープ!】

 

バッ!クルッ!ザッザッ

 

花陽「……うそ…」

 

海未「そんな……」

 

猿田「ウッキー!!!」

バッ!グルッ!ザッザッ

 

角間「これは猿田!!!星空と寸分違わずついていくー!!とても人間業とは思えません!!」

 

凛「う、海未ちゃん!」ドッ

 

海未「ナイスパスです!」トッ

 

海未「絵里!」ドッ

 

絵里「……決める!」トッ

 

 

 

絵里「吹き荒れろ………」

 

パキパキパキパキ

 

 

絵里【エターナルブリザード!!】

 

ドゴォォォォオォォ!!

 

 

 

 

 

ウホウホウホ!!

 

【ディープジャングル!】

 

ドォッ!

 

シュゥゥゥ…………!!

 

 

 

真姫「…….やっかいね」

 

絵里「ええ……」

 

 

 

 

 

ドッ!

 

水前寺「ほっ」トッ

 

海未「いかせません!」

 

水前寺「遅い遅い!」シュダッ!

 

海未「っく…速すぎます…!」

 

水前寺「大鷲!」ドッ

 

大鷲「っと」トッ

 

 

 

穂乃果「……くる!」グッ

 

大鷲【コンドルダイブ!】

 

ドキュゥゥゥ!!!!

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

ドシュルルルルル…………

 

角間「またもや高坂ガッチリとキャッチ!!これは頼もしい!」

 

花陽「ナイスセーブ!」

 

穂乃果「えへへ!ありがと!」

 

 

 

 

 

 

海未「とはいえ、このままだとまずいですね…」

 

希「…あれしかないか」

 

真姫「やっぱりやるのね」

 

絵里「大丈夫、必ず成功させるわ」

 

海未「試合前と違って随分頼もしいですね」フフ

 

絵里「だってもうやるしかないじゃない!」

 

希「頼りにしてるよ!」

 

希「むっつりスケべなエリチ」ボソッ

 

絵里「だ……!?だからあれは!!」アセアセ

 

希「ほらほら!ボールくるよ!」

 

絵里「〜〜〜!!」トッ

 

角間「前線の絢瀬へボールが渡ったぁ!!エターナルブリザードか!?」

 

 

絵里「海未、お願いね」ドッ

 

海未「任せてください」トッ

 

 

絵里「希!」ダッ

 

希「うん!」ダッ

 

 

海未「はぁ!」ドキュッ!

 

角間「園田、上空へとボールを蹴り上げたぁ!一体何をするつもりだぁ!!」

 

絵里「ふっ!」ジャンプ

 

希「ほっ!」ジャンプ

 

 

 

角間「二人で同時に飛んだぁ!!これは新必殺技かぁ!?」

 

鶏井「コケー!」バッ

 

角間「しかし空中戦にはこの鶏井が立ちはだかります!」

 

 

希「このまま……」グッ

 

絵里「いける……!」グッ

 

グラァ

 

希絵里「……!」バッ

 

絵里「……」スタッ

 

希「……」スタッ

 

鶏井「コケー!」バッ

 

角間「おおーー!?どうやら空中でバランスを崩したようだぁ!!ボールを奪われてしまったぁ!!」

 

ワーワー!

 

 

 

 

 

ことり「よし!」トッ

 

角間「南ボールを奪ったぁ!!」

 

ことり「絵里ちゃん!」ドッ

 

 

絵里「ふっ!」ダッ

 

希「やぁ!」ダッ

 

鶏井「コケー!」

 

グラァ

 

絵里「っく!」スタッ

 

希「う〜…」スタッ

 

鶏井「コケー!」バッ

 

 

 

 

 

 

 

角間「またも失敗ー!!音の木坂リズムがつかめません!」

 

 

 

蛇丸【スネークショット!】

 

穂乃果「はぁ!」バシッ!!

 

 

 

 

大鷲【コンドルダイブ!】

 

穂乃果「うぐっ……!!」バシィ!

 

 

 

五利【ターザンキック!】

 

バシィ!

 

穂乃果「うわぁぁ!!」ドサッ

 

テンテンテン………

 

 

ピッピッピピーーーーーーー

 

角間「ここで前半終了です!!完全に流れが来ている野生高校が押し切るのか!それとも音の木坂が必殺技を炸裂させるのか!!後半も楽しみです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「どうして……!どうしてできないのよ!!」

 

希「えりち落ち着い……」

 

絵里「これでどうやって落ち着けっていうの!!」

 

絵理「だいたい……!」

 

希「えりち!!」

 

花陽「……!」ビクッ

 

凛「……!」ビクッ

 

 

 

 

しーん…………

 

絵里「……希……」

 

希「落ち着こ、ね?」

 

絵里「わ、たし……ごめんなさい…」

 

 

 

ことり「穂乃果ちゃんその手……!」

 

海未「こんな手でよくゴールを守りましたね」

 

穂乃果「えへへ……穂乃果はキーパーだからね」

 

穂乃果「みんなのために、がんばるよ!」グッ

 

ヒデコ「救急箱持ってきた!」

 

真姫「ありがとうございます」ガサゴソ

 

真姫「…氷はないからスプレーね」シューー

 

穂乃果「冷た!」ビクッ

 

真姫「我慢しなさい」シューー

 

にこ「……ね、あんたが取り乱してる暇なんてないのよ」

 

絵里「……ええ、そうよね!」パン!パン!

 

にこ「…!びっくりした……」

 

にこ「って……あんた……」プルプル

 

希「あっははは!!えりち顔真っ赤!」

 

にこ「力強すぎでしょ!」あははは!

 

絵里「き、気合い入れるにはこれぐらいがいいのよ!」

 

にこ「あははは………ええ、そうね…」プルプル

 

希「ふっ……そのとうりやね…ふっ」プルプル

 

絵里「もう!」

 

海未「ほらほら後半始まりますよ!」

 

花陽「もうゴールは打たせないようにしよう!」

 

凛「うん!一本も通さないにゃ!」

 

ヒデコ「穂乃果一人に任せらんないからね!」

 

フミコ「頑張ってね、二人とも」

 

ミカ「うん!」

 

凛「……ね、ねえ海未ちゃん」

 

海未「どうしました?」

 

凛「えっと……その……」チラッ

 

 

 

 

 

 

 

絵里「やるわよ希!」

 

希「うん!」

 

 

 

 

 

 

凛「……………」

 

凛「後半、頑張ろうね」

 

海未「もちろんですよ」ナデナデ

 

凛「えへへへ……へへ」

 

 

 






本命との試合以外は基本短めです!

ご了承ください!


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「たつまきおとし!!」




タイトルで分かる通り練習してた技は【たつまきおとし】です

自分でネタバレしていくスタイル乾電池です




 

 

 

前半全くシュートが合わなかった絵里と希

 

しかし鶏井の高さを突破するには新必殺技は不可欠

 

気合いを入れ直し、再びグラウンドへと戻っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーー

 

角間「後半開始しました!一体勝利の女神はどちらへ微笑むのか!」

 

 

水前寺「遅い遅い!!」ダッ

 

ことり「ああ……!」

 

海未「……っく!」

 

にこ「ああもう……!」

 

凛「行かせないニャァ!!」ズシャァァァ!

 

水前寺「っち」

 

角間「これは星空!!水前寺のスピードに負けてないぞぉ!!見事なスライディングだぁ!!」

 

テンテンテン……

 

花陽「海未ちゃん!」ドッ

 

海未「……いきますよ」トッ

 

絵里「…ええ!」

 

希「うん!」

 

海未「はぁ!」ドキュ!!

 

絵里「はっ!」ジャンプ

 

希「んっ!」ジャンプ

 

角間「音の木坂前半一本も合わなかったシュート、後半は決めてくるかぁ!?」

 

鶏井「コケー!」

 

グラァ

 

絵里「…っまた……!」バッ

 

希「くっ…!」バッ

 

スタッ スタッ

 

鶏井「コケー!」ドキュッ!

 

角間「またも失敗!!野生高校にボールが移りました!!」

 

蛇丸「シャー!」トッ

 

ことり「行っちゃダメです!」バッ

 

ガッ ガガッ ザッザッ

 

ドッ

 

猿田「ウキー!」トッ

 

にこ「こっちは抜かせないにこ!」バッ

 

角間「前半とは違い守備が硬くなっているぞ!!これは攻めにくい!」

 

猿田【モンキーターン!】

 

にこ「な、によその動き!?」ガクッ

 

ヒデコ「はぁ!」ガッ!

 

角間「音の木坂ディフェスかろうじて防いだぁ!!!」

 

花陽(とはいえこちらも攻め手がない状況、点を決められないまでも、決めることができない膠着状態が続き、いよいよ試合終盤が近づいてきました)

 

花陽(それまでに絵理ちゃんと希ちゃんは何度も挑戦し、失敗しました。もうダメなのか、そんな考えが頭をよぎりかけたそんな時でした)

 

 

 

角間「さあ依然ボールは野生高校!いったい勝負はどうなってしまうのでしょうかぁ!!」

 

にこ「っく……どうすれば……」

 

海未「もう必殺技は諦めてしまうのも一つの手ですが……」

 

絵理「海未……」

 

にこ「……いやよそんなの」

 

にこ「にこは認めない」

 

希「にこっち…….」

 

ことり「でも……どうすれば」

 

花陽「………」

 

真姫「………」

 

凛「………」

 

 

穂乃果(……!)

 

穂乃果「みんな!!まだ試合は終わってないよ!!最後まで諦めちゃダメ!」

 

絵里「穂乃果……,」

 

穂乃果(他に……なんて声をかければ……)ギュッ

 

監督「………」ハァ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監督「凛!!」

 

凛「は、はい!?」ビクッ

 

監督「今グラウンドの中で全力で戦っていないのはお前だけだ!!」

 

監督「やる気がないならグラウンドから出ろ!!」

 

凛「おっちゃん………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛「おーっちゃん!ラーメン全部のせ大盛り!」

 

店長「お、今日は気前がいいな。何かあったのか?」

 

凛「凛ね〜、サッカー部に入ったの!!」

 

店長「……ほー、サッカーか」

 

凛「まだ初心者なんだけど、絶対上手くなってみんなを助けるにゃ!」

 

店長「……ならもっと食わないとな」ジュー…

 

店長「へいおまち!」トン トン

 

凛「へ?凛餃子なんて頼んでないよ?」

 

店長「上手くなるんだろ?なら飯を食え」

 

店長「俺のおごりだ」

 

凛「おっちゃ〜ん!!」ジーン

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

監督「やりたいことがあるならやってみろ」

 

凛「………」

 

花陽「ど、どうしたんだろ……」

 

希「一体何を……?」

 

水前寺「なんだかわからねえが抜かせてもらうぜ!」ダッ!

 

花陽「しまった…!」ガクッ…!

 

凛「……!」ギリッ

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「にゃああああああ!!!!!」ガッ!

 

 

角間「ゴール手前で星空強引に奪い取ったぁ!!時間的にもこれが最後の攻撃!一体どうなる!?」

 

花陽「凛ちゃん……!」

 

猿田「ウキー!!」ザッ!

 

凛【アクロバットキープ!】

ザッ、クルッ、スタッ!

 

 

猿田「ウキッキー!!」

ザッ、クルッ!

 

角間「またもや猿田完璧についていく!!」

 

凛「………っんにゃぁ!!」グンッ!

 

猿田「キ……キキ!?」ガクッ

 

角間「星空振り切ったぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

にこ「あいつ……」

 

凛「希ちゃぁん!!」

 

希「なに!」

 

凛「凛と一緒に飛んで!」

 

希「ど、どういう……」

 

凛「いいから!」ドッ

 

海未「凛!?」トッ

 

絵里「………!」

 

凛「いくよ!」ダッ

 

希「…あ〜〜!!もう!」ダッ

 

海未「はぁ!」ドキュ!!

 

凛「はっ!」ジャンプ

 

希「ほっ!」ジャンプ

 

角間「こ、これはーー!?先ほどまで絢瀬と飛んでいた東條が今度は星空と飛んだぁ!!」

 

希「そんな浮気みたいに……」

 

鶏井「コケー!」ジャンプ

 

凛「希ちゃん!」グッ

 

希「……うん!」グッ

 

ダン!!

 

鶏井「コケ!?」

 

角間「こ……超えたぁぁぁぁ!!!!ついに鶏井の高さを超えました!」

 

 

 

 

 

 

凛「にぁぁぁぁ!!!!!」ドキュッ!!

 

ゴォォォォォオ!!!!!!!

 

 

 

 

猪口「ガ……ガァァ……!!」

 

 

 

ドシュルルルルルル!!

 

角間「決まったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!試合終了間際で必殺シュート炸裂ぅぅ!!」

 

真姫「まるで竜巻が落ちていくようなシュート………」

 

海未「たつまきおとし……」

 

ピッピッピーーーーーーーーー

 

角間「ここで試合終了のホイッスル!!」

 

角間「初戦を突破したのは音の木坂高校!」

 

角間「実況は角間、角間でお送りしました!」

 

 

 

ありがとうございましたぁ!!!

 

 

 

 

花陽「………」

 

花陽「凛ちゃんやったね!!」

 

凛「うん!できたよかよちん!」

 

絵里「……」

 

凛「あ……絵理ちゃん……あの、ね…」

 

凛「ごめんなさい!」ペコッ

 

絵里「り、凛!?」

 

凛「凛にこちゃんの次に軽いのに選ばれなかったのが悔しくて……」

 

凛「一人で練習したり……練習手伝うふりしてタイミングを覚えたり………してました」

 

希「あの練習の時……」

 

にこ「なるほどねぇ〜」

 

凛「あの……本当に、ごめんな…んグゥ!」ンムム

 

絵里「凛、それ以上謝らないで」パッ

 

凛「絵里ちゃん……?」プハッ

 

絵里「私はあなたに感謝してるわ」

 

凛「ど、どうして!?だって凛…絵里ちゃんの技……」

 

絵里「実を言うとね、少し感じてたのよ」

 

絵里「私に向いてないなって」

 

絵里「もっと軽い人がいいんじゃないかってね」

 

希「下から蹴り上げる場合、力を込めれば込めるほどバランスが崩れやすくなる」

 

希「つまり、軽い人が上の方がいいってこと!」

 

絵里「やっぱり希も気づいてたのね」

 

希「気づいたのはついさっきやけどなぁ」

 

ことり「ついさっき?」

 

希「凛ちゃん乗っけた時、エリチの時よりスムーズにできたんよ」

 

希「なんかやりやすいなぁって」

 

花陽「なるほど……軽い方が」

 

穂乃果「じゃあにこちゃんがいちばん適任だったってことか!」

 

にこ「にこは無理よあんな動き」

 

希「にこっち体おばあちゃんやもんなぁ」

 

にこ「誰がおばあちゃんよ!!」

 

凛「………怒って…ないの?」

 

絵里「怒るわけないじゃない……むしろ」

 

クシャクシャクシャ

 

凛「わ!…わわわわ!!?」

 

絵里「ナイスシュート!」うりゃうりゃ!

 

穂乃果「うん!ナイスシュートだったよ!」

 

絵理「……それから」ボソッ

 

にこ「なに?」

 

絵理「技を諦めたく無いって言ってくれてありがとう」

 

にこ「……!!べ、別ににこはそんな深い意味で言ったんじゃ…!」アセアセ

 

絵里「ふふ、それでもいいのよ」ナデナデ

 

にこ「撫でるなぁ!!」

 

ワイワイガヤガヤ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「よーし!雷雷軒で打ち上げだー!」

 

「「「「「おー!」」」」」

 

監督「金は払ってけよ」

 

「「「「「「えー……」」」」」

 

ヒデコ「穂乃果!」

 

フミコ「私たち今日も……」

 

ミカ「ちょっと用があるから!」

 

穂乃果「わかったー!」

 

ヒフミ 「バイバーイ!」

 

穂乃果「バイバーイ!!」ブンブン

 

海未「さて、帰りましょうか」

 

にこ「もうクッタクタよ……」

 

希「だ、大丈夫?ほら、手持っててあげるからそこの石に腰掛けて…….」

 

にこ「い〜つもすまないねぇ〜……って」

 

にこ「誰がおばあちゃんよ!!」

 

希「そこまで乗っといてそれはないわにこっち」

 

にこ「あんたがやらせたんでしょうが!」

 

凛「………」

 

絵里「もう、どーしたの?まだ落ち込んでるの?」

 

凛「……うん」

 

絵里「あの一点がなきゃ私たち負けてたかもしれないのよ?」

 

絵里「もっと胸を張りなさい!」バシッ

 

凛「いた!?」

 

絵里「今日はラーメンおごってあげるから!」

 

凛「ほ、本当!?」

 

絵里「ええ!」

 

凛「な、何頼もう……片っ端から頼んじゃおうかな……」

 

絵里「い、一杯だけだからね!?」

 

凛「もういっそトッピングも全部のせで……」

 

絵里「りぃーーんーーー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果(私、リーダーなのに……全然チームを励ませなかった……)

 

穂乃果(私がリーダーでいいのかな……)

 

監督「……リーダーはお前じゃないといけない」

 

穂乃果「へ!?」バッ

 

監督「お前以外にリーダーをさせる気は無い」

 

穂乃果「監督……」

 

 

 

 

 

穂乃果「……何企んでるんですか?」ジトー…

 

監督「お前な……」ハァ

 

 

 

 

 

 

 

ヒデコ「……よし、録画転送完了!」

 

フミコ「毎度のことながらめんどくさいねえ」

 

ミカ「なんで親つながりでお願いされないといけないの……」

 

ヒフミ 「西木野パパめ!!」

 

 

 

 

 

 

ビデオ「真姫【ファイア……】」

 

真姫父「真姫が、サッカーしてる……!!」ダーー!

 

 

 







野生高校みたいな人が現実にいたら面白そうですよね笑

次はデータを重視するあのチームが……



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第5話「挑発」



スイッチのスマブラでCPUガオガエンに瞬殺された乾電池です

第5話スタートです!


 

 

 

試合まであと1週間

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

海未パパ「海未、ちょっといいかい?」

 

海未「……?はい」

 

海未パパ「最近サッカーばかりのようだが剣道の鍛錬は疎かにしていないか?」

 

海未「もちろんです」

 

海未パパ「…….見せてみなさい」

 

海未「では道場へ…」テクテク

 

 

 

 

道場

 

海未「ハッ!ハッ!ハッ!」ザッ ザザッ

 

海未パパ「………」

 

海未「………」ハァハァ

 

海未「どう……でしたか」ハァハァ

 

海未パパ「………」フム

 

海未パパ「これなら次の段階に進んでも大丈夫そうだな」

 

海未「次の段階……ですか?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ちゃん!」

 

「……みちゃん!」

 

「海未ちゃん!!」バッ

 

海未「はいぃぃいい!?」ビクッ

 

穂乃果「もー!何ぼーっとしてるの!」

 

穂乃果「練習行くよ!」

 

ことり「海未ちゃんがぼーっとするなんて珍しいね」

 

海未「……少し疲れているだけですよ」

 

ことり「無理しないで休むときは休んでね」

 

穂乃果「そうだよ!無理して怪我でもしたら大変だよ!」

 

海未「……そんなこと言って………私がいない間にサボるつもりですね」ジロッ

 

穂乃果「へ……!?そ、そそそそんなはずないよ……?」キョロキョロ

 

ことり「穂乃果ちゃん……」

 

海未「ほら、早く行きますよ!」テクテク

 

穂乃果「ちょっとまってよ海未ちゃ〜ん!」タッタッタッ

 

ことり「……フフフ」タッタッタッ

 

 

 

 

 

海未「…………」テクテク

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

海未「次の段階というのは?」

 

海未パパ「………真剣を扱ってもらう」

 

海未「し、真剣はもう少し後だと………」

 

海未パパ「今のお前ならできるだろう」

 

海未「しかし……それだとサッカーの時間を削らなければ……」

 

海未パパ「何か問題があるか?」

 

海未「……!!」

 

海未パパ「別にやるなとは言ってない、削るだけだ」

 

海未「……で、でも!」

 

海未パパ「話は終わりだ、頑張れよ」

 

海未「……はい」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部室前

 

穂乃果「とーちゃーく!」ガラッ

 

海未「皆さん準備……」

 

 

 

 

 

にこ「やめっ……離しなさいよ!」

 

希「にこっちがいたずらするからやん?」ワシワシ!

 

にこ「ごめん!ごめんって!!」

 

希「謝るなら最初からせんことやね!」ワシワシ

 

にこ「いやーーー!!」

 

絵理「これ……止めた方がいいの?」

 

花陽「にこちゃん………」

 

真姫「まあ自業自得ね」

 

凛「希ちゃんも容赦ないにゃぁ」

 

にこ「だ、大体!あんなの引っかかる方が悪いのよ!」

 

希「!!」

 

ことり「何かあったの?」

 

花陽「……えっと……その」

 

海未「大方、にこがまた何かしたのでしょう」

 

凛「あれは……つい10分前のことだったにゃ…」

 

真姫「何か始まったわね」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ヒュー

 

にこ「あーん」パクッ

 

希「マシュマロキャッチ上手やね」

 

絵理「にこ、はしたないわよ」

 

凛「凛も凛も!」

 

にこ「いいわよ、ほら!」ポーイ

 

凛「あーん!」パクッ

 

花陽「凛ちゃん……」

 

凛「おいしいにゃ〜」ムグムグ

 

真姫「……くだらない」パクッ

 

にこ「とかいいつつつまみ食いしてんじゃないわよ!」

 

希「にこっちー!うちもちょーだい」あー

 

にこ「………いいわよ」ガサッ

 

絵理「全く希まで…」

 

にこ「ほらっ!」ポーイ

 

希「あー……ん!?」パクッ

 

希「………」プルプル

 

絵理「ど、どうしたの?」

 

花陽「プルプルしてる……」

 

凛「にこちゃん何したにゃー!」

 

希「これ…….キャラメル味……」プルプル

 

にこ「はーっはっはっは!!この前ワシワシした罰よ!」

 

絵理「いつの間に……」

 

にこ「投げる直前にすり替えたの」

 

花陽「希ちゃん、キャラメルダメなの?」

 

絵理「ええ、飲み物もダメみたいよ」

 

希「……」ゴクン

 

にこ「へ?」

 

花陽「マシュマロを……噛まずに飲み込んだ……」

 

希「うちの……ペットボトルを…」プルプル

 

真姫「……これ?」スッ

 

希「あ、ありがと……」パシッ

 

希「……」ごくごくごく ぷはぁ

 

にこ「……の、希?」

 

希「……….にこっち」ユラァ

 

にこ「や、やだなぁ〜怖い顔して!ちょっとした冗談でしょ?ほら、笑顔笑顔!にこ!」

 

希「………」ボソッ

 

にこ「え……なに?」スッ

 

希「………」

 

希「ワシワシMAX!!!」バッ

 

にこ「いやぁーーー!!!」

 

 

 

 

 

凛「へぇ〜、希ちゃんキャラメル苦手なんだ」

 

花陽「凛ちゃん悪い顔してるよぉ!!」

 

真姫「……やめときなさいよ」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

海未「やっぱりにこが何かしたんじゃないですか」

 

絵理「はいはいみんな聞いて!」

 

にこ「次の対戦相手が決まったわよ」ハァハァ

 

穂乃果「どこどこ?強いところかなぁ!」

 

花陽「なんで嬉しそうなのぉ……」

 

穂乃果「どうせやるなら強い方がいいよ!」

 

海未「それもそうですね」

 

穂乃果「だよね!」

 

ことり「ついていけないその感覚……」

 

凛「いったいどこの戦闘民族かにゃ?」

 

穂乃果「カカロットォォォ!!」

 

凛「ベジータァァ!!」

 

パシッパシッ!!

 

にこ「話聞きなさいっつってんのよ!」

 

穂乃果凛「ご、ごめんなさい……」

 

絵理「相手は御影専修農業高校よ」

 

穂乃果「御影……せん?」

 

希「御影専修農業高校、略して御影専農って言われてる」

 

花陽「データによるサッカーを武器としている高校です」

 

穂乃果「なんだか堅そうな学校だね……」

 

海未「ですが情報を武器にするということはこちらの動きが読まれるということです、侮れませんよ」

 

真姫「私たちの技も全部知られていると考えてもいいかもね」

 

ことり「そんな……」

 

穂乃果「まあそんな堅い話は置いておいて、練習がんばるぞー!」

 

海未「穂乃果!そんなに楽観的では……」

 

穂乃果「どのみちデータを上回るには練習しかないよ!」

 

穂乃果「努力をした人にだけ勝利の女神は微笑むんだから!」

 

希「穂乃果ちゃんのいう通りやね」

 

凛「話が難しくなりそうだったから切ったんじゃ……」

 

穂乃果「聞こえているぞカカロットォォォ!!!」

 

凛「ベジータァァ!!!」

 

にこ「バカなことやってないでいくわよ」

 

凛「おお〜!クリリンやる気だなぁ!!」

 

にこ「なんでにこがクリリンなのよ!!」

 

にこ「あれがいいわ、あの〜……変身するやつ」

 

穂乃果「ウーロン!」

 

にこ「ギャルのパンティおくれ〜!……って何やらせんのよ!!」

 

にこ「プーアルに決まってんでしょ!」

 

凛「どっちも一緒にゃ」

 

にこ「全然違うわよ!」

 

絵理「ふふ、にこ楽しそうね」

 

希「何だかんだ嬉しいんやろなぁ」

 

海未「まったく……」

 

真姫「……」クルクル

 

花陽「真姫ちゃんも入りたいの?」

 

真姫「そ、そんなわけないでしょ!?」

 

真姫「穂乃果!!早く練習いくわよ!」

 

穂乃果「はーい!」

 

花陽「フフフ!」

 

 

 

 

 

 

御影専農グラウンド

 

 

海未「……」ザザザッ

 

下鶴「よっ」ザッ

 

下鶴「はぁぁぁぁ!!」

 

ドゴォォォ!!

 

 

 

 

穂乃果「……」バッ

 

ドシュゥゥゥゥ!!

 

御影5-0音の木坂

 

真姫「………」タッタッタッ

 

真姫「…」ダッ

 

グルグルグル

 

 

真姫【ファイアトルネード】

 

 

ドキュゥゥゥ!!!

 

 

杉森【シュートポケット!】

 

フワン……!

 

パシッ!

 

 

ピーーーーーーー

 

 

シミュレート完了、試合のデータを転送いたします

 

杉森「………音の木坂が勝利する確率はほぼ0%だ」

 

下鶴「ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

河川敷グラウンド

 

 

海未「凛!攻め急ぎすぎです!」

 

凛「は、はいにゃ!」キキッ!

 

海未「花陽!もっと圧力をかけてください!」

 

花陽「わかりました!」ザッ

 

にこ「……クッ!」ザザッ

 

希「にこっちいただき!!」バッ

 

にこ「あ…!!」

 

海未「にこ!むやみに突っ込んでいかない!」

 

にこ「わかってるわよぉ!」

 

 

 

 

 

真姫「はぁぁぁぁ!!」ドオッ!

 

穂乃果「っく!!」バシィィィ!

 

穂乃果「もう一本!」

 

絵理「っふ!!」ドキュ!!

 

穂乃果「たぁー!」バシィ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「10分間休憩です」

 

凛「はい、かよちん、真姫ちゃん!お水!」

 

花陽「ありがと!」

 

真姫「悪いわね」

 

絵理「大丈夫?穂乃果」

 

穂乃果「大丈夫!絵理ちゃんも真姫ちゃんもいい感じだね!」ハァー……

 

真姫「………試合は5日後」

 

穂乃果「今の二人ならどんな敵でも大丈夫だよ!」

 

 

 

ザッザッザッ

 

にこ「ん?誰よあいつら」

 

花陽「あ、あれは!次の対戦相手、御影専農のキーパー、杉森さんとストライカー下鶴さんです!」

 

にこ「んん?……あー、たしかに」

 

海未「私たちに何のご用ですか」

 

杉森「なぜこんなに必死になって練習する」

 

にこ「は?そんなの勝つために決まってんでしょ、頭おかしいんじゃないの?」

 

絵理「一体なにが言いたいの?」

 

下鶴「どれだけ頑張ろうとムダだよ」

 

杉森「私たちはすでにお前たちに勝っている」

 

凛「……ムッ」

 

真姫「聞き捨てならないわね」ザッ

 

穂乃果「……そこまで言うなら勝負だよ!!」

 

ことり「穂乃果ちゃん!」

 

海未「いけません穂乃果、試合前に敵チームと戦うなど……」

 

下鶴「いいだろう」

 

杉森「こちらは一本で十分だ」

 

花陽「ムゥ……馬鹿にして…….!」

 

穂乃果「こっちだって一本で十分だよ!!」

 

凛「穂乃果ちゃーん!そんな人たちに負けちゃダメだよ!」

 

希「これで相手の実力が少しはわかるかな」

 

絵理「いったいどんなシュートを打つのかしらね」

 

 

 

 

 

 

 

 

下鶴「フンッ……」

 

穂乃果「……こい!」バッ

 

絵理「さあ、始まるわよ………って、え!?」

 

真姫「!!」

 

穂乃果「あれは……!!」

 

 

 

 

グルグルグル

 

下鶴【ファイアトルネード!】

 

ドゴォォォ!!!!

 

 

 

 

 

穂乃果「はぁぁぁぁ!!」バッ

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!

 

穂乃果【マジン・ザ……!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドシュゥゥゥゥ……!!!!

 

穂乃果「そんな…!」

 

 

 

下鶴「口ほどにもないな」

 

 

 

 

花陽「うそ……!」

 

絵理「威力、速度、正確性まで真姫と同じってことね……」

 

海未(いや、下手をすればそれ以上……)

 

真姫「次は私よ!」ザッ

 

杉森「ムダなことを」

 

凛「いっけー真姫ちゃん!」

 

花陽「偽物は本物にかなわないんだよ!!」

 

真姫「フッ!」ダンッ

 

 

 

 

グルグルグル

 

真姫【ファイアトルネード!】

 

ドゴォォォ!!!!!

 

杉森【シュートポケット!】

 

ブワン………!

 

パシッ!

 

杉森「想定内だ」

 

真姫「……なっ!?」スタッ

 

 

ことり「そ、そんな……」

 

海未「コピーされただけでなく……まさか止められるとは」

 

花陽「真姫ちゃん……」

 

下鶴「これでわかっただろ、無駄なんだよ」

 

にこ「このっ……!!」バッ

 

穂乃果「……….にこちゃん!」ガシッ

 

にこ「なによ!今こいつに……」

 

にこ「……!」

 

穂乃果「…………」

 

にこ「……なんでもない」スッ

 

希「どうしたんにこっち、珍しく大人しく引き下がったやん」

 

にこ「……別に」

 

絵理「……へぇ」

 

穂乃果「御影専農の皆さんにお伝えください」

 

穂乃果「………5日後、よろしくお願いしますと」

 

花陽凛「!」

 

下鶴「諦めの悪いヤツめ」

 

杉森「いくぞアラタ」ザッ

 

下鶴「ああ」ザッ

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「……ッフー」

 

凛「べーだっ!」

 

にこ「べー!!」

 

海未「二人とも……いえ、今回は許します」

 

絵理「とはいえこのままじゃまずいわね」

 

希「こうなったら必殺技より根本的に鍛えないとあかんかもなぁ」

 

真姫「でもそんな場所がどこにあるの?ジムにでも通う?」

 

花陽「ジ、ジム!?」

 

凛「それはちょっと……」

 

穂乃果「じゃあいい方法があるよ!」

 

ことり「いい方法?」

 

穂乃果「明日から連休でしょ?」

 

穂乃果「だから……」

 

 

ゴクリ

 

 

絵里「合宿よぉーー!!!」ババン!

 

穂乃果「穂乃果が言いたかったのにぃ!!」

 

花陽「で、でもどこでやるの?」

 

凛「真姫ちゃんのお家別荘とか持ってそうだよね!」

 

ことり「流石にそれは……」

 

真姫「あるにはあるけど……」

 

 

 

(((((あるんだ……)))))

 

 

真姫「………」ピッピッピ

 

真姫「無理よ、全部埋まってるわ」

 

希「今から宿は取れんやろうしなぁ………」

 

にこ「そもそもお金どうすんのよ、結構かかるわよ?」

 

絵里「個人での合宿だからね」

 

海未「それではウチに聞いて見ましょうか?」

 

絵里「ウチ?」

 

凛「海未ちゃん家って確か……」

 

海未「はい、道場をしているので広さは十分ですよ」

 

海未「連休の間は閉めることになってるので……」ピピピッ

 

プルルルル

 

海未「……海未です、はい……はい、連休の間道場で合宿しても……はい、はいそうです」

 

凛「海未ちゃんってお家の人も話すときも敬語なんだね…」

 

花陽「うん、厳しい家庭なのかな…….」

 

ことり「海未ちゃんちっちゃい時からあの喋り方なんだよ」

 

凛花陽「はえ〜……」

 

 

海未「はい、ありがとうございます!それでは……」ピッ

 

真姫「いけたみたいね」

 

海未「はい!」

 

穂乃果「じゃあ荷物をまとめて海未ちゃん家しゅーごー!」

 

「「「「「おー!」」」」」

 

希「バナナはおやつに入るかなぁ」

 

絵里「合宿に行くんだから……」

 

凛「花火するにゃー!」

 

花陽「枕投げも!」

 

にこ「合宿だっつってんでしょ!」

 

 

 






次回ささやかながら合宿回です!


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「合宿!!」



タイトル考える力がないから面白みのないものになる乾電池です

本当どうやって考えてるんだろう……?




 

 

次の対戦相手に実力差を突きつけられた穂乃果達

根本から鍛え上げようと合宿を計画し、全員が海未の家へと集まった

 

 

 

 

「「「「「「うわ〜!!!」」」」」

 

凛「ひろいにゃ〜!!」

 

花陽「ザ、日本の家って感じだね」

 

穂乃果「海未ちゃん家は日舞の家系だからね」

 

ガラッ

 

海未「お待ちしてました、どうぞ中へ」

 

絵里「お、おじゃまします………」

 

希「気後れするなぁ……」

 

にこ「に、ににににこはこんなのぜ〜んぜん………」ギギギ……

 

凛「にこちゃんロボットみたいになってるにゃ……」

 

花曜「現実で右手と右足一緒に出す人初めて見た……」

 

真姫「緊張しすぎでしょ」

 

穂乃果「お邪魔しまーす!」ドタドタ

 

ことり「おじゃましま〜す!」テクテク

 

ウミチャンママ!コンニチワ!

アラオオキクナリマシタネ

エ、ヨコニデスカ……

イエイエソウデハナク

モウ、ホノカチャ〜ン!

 

「「「「「さすが幼馴染……」」」」」

 

 

 

 

 

 

絵里「で、なにする?」

 

海未「そうですね……入ってください」

 

希「?」

 

スーーッ

 

海未パパ「……いらっしゃい」

 

「「「「「お、お邪魔してます!」」」」」

 

海未パパ「合宿と聞いたんだが……」

 

海未「はい、なのでどのようにトレーニングしようかと考えていたところです」

 

絵里「なにかいいトレーニング法はありますか?」

 

海未パパ「それなら丁度良かった」

 

凛「……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガサガサ!

 

絵里「あったわ!太くて長くていい感じじゃない!?」

 

希「ほらにこっちも頑張って!暗くなる前に帰らないとやからね」

 

にこ「なんで………」プルプル

 

にこ「なんでにこたち、薪拾いしてんのよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未パパ「みんなで薪拾いでもしてもらおうかな」

 

絵里「薪拾い…….ですか」

 

凛「えっと……凛たちサッカーの練習を……」

 

海未パパ「いいからいいから!靴は新しいの沢山あるから使っていいよ」

 

海未パパ「終わったら山で鬼ごっこでもしといで」

 

海未パパ「じゃあ海未、任せたよ」

 

海未「は、はい…!」

 

スーーッ タンッ

 

にこ「………海未?」

 

絵理「練習メニューのアドバイスを聞きたかったんだけど……」

 

花陽「今のって雑用じゃ……」

 

真姫「しかも鬼ごっこって……」

 

凛「というか薪拾いなんて昔話でしか聞いたことないにゃ」

 

海未「うちではお風呂も料理も薪なんです」

 

花陽「と……ということは、ご飯は……」

 

海未「はい、釜で炊きます」

 

花陽「みなさん!頑張りましょう!美味しいご飯のために!!」

 

にこ「ご飯のこととなると目の色変わるわね……」

 

凛「凛はこっちのかよちんも好きにゃー」

 

海未「……父は人の思いを裏切るような人ではありません」

 

海未「きっと……何か意味があるんだと思います!」

 

「「「………」」」ウーン

 

穂乃果「よし、やろう!」

 

ことり「うん!海未ちゃんのパパの言うことなら大丈夫だよ!」

 

絵里「……そうね、とりあえずやってみましょ、どこにいけばいいの?」

 

海未「すぐ近くに山がありますからそこへ行きます」

 

穂乃果「じゃあ三班に別れよう!丁度一学年3人だから3人ずつだね」

 

にこ「え〜……ほんとにいくの?」

 

凛「そんなこと言ってにこちゃん山が怖いんだにゃ〜」

 

にこ「な訳ないでしょ!?」

 

にこ「いいわ、早く行きましょ!」

 

花陽「……チョロい」

 

海未「そういえば父から伝言を授かっていました」

 

希「伝言?」

 

海未「落ちてる薪以外拾わず、歩かないこと、だそうです」

 

海未「それと、穂乃果だけ別メニューです」

 

穂乃果「穂乃果だけ?」

 

凛「座禅とか組まされたりして……」

 

穂乃果「うへー……それだけは勘弁だよぉ……」

 

にこ「穂乃果雑念多そうだもんね〜」

 

凛「人のこと言えないにゃ〜」ボソッ

 

にこ「何ですってぇ!?」グイィィ!

 

凛「いはいはい!ほほをひっはらはいへ!!」ムニィーー!

 

絵里「じゃあ準備して、各班スタートしましょ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グッ、グッ、グッ

 

凛「ここ地面悪くてめちゃめちゃ疲れるにゃー……」

 

花陽「あ、薪発見!」ダッ

 

真姫「この辺の木折っちゃだめかしら」

 

花陽「だめだよぉ!」

 

 

 

 

 

 

ことり「海未ちゃん、これって……」

 

海未「はい、おそらくファルトレクというトレーニングなんだと思います」

 

ことり「へ〜、そんな名前がついてるんだ」

 

 

 

 

にこ「トレーニング?」

 

希「にこっち落ちてる薪拾う時どんな体勢になる?」

 

にこ「どんなって……前かがみに…!」

 

にこ「そう言うことね」

 

絵里「走って拾うというのも持久力と足腰を飛躍的に鍛えるため」

 

にこ「この山道で走れるようになれば平地では楽勝ね」

 

希「まあぶっちゃけトレーニング4、お手伝い6ってところやろうけど」

 

 

 

 

 

 

穂乃果「なんで穂乃果だけ薪割りなのぉ!?」

 

海未パパ「いいからやってみな」

 

穂乃果「うぅ……こうやって」スッ

 

穂乃果「こう!」ダン!

 

グシュッ!

 

海未パパ「ダメダメそんなんじゃ、もっとヘソの下に力を入れて!」

 

穂乃果「ヘソの下……」

 

穂乃果「はぁ!」ブンッ

 

パッカーン!

 

海未パパ「そうだ!ただ闇雲に力一杯振るんじゃなく、力の出し方を考えながらやってごらん」

 

穂乃果「ヘソの下……!」

 

穂乃果(これ……もしかして……!)

 

海未パパ「……」ニコッ

 

穂乃果「よーし!頑張るぞー!」

 

海未パパ「じゃあ後これだけよろしく!」

 

ドドーーン

 

穂乃果「こ、こんなに〜!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「はぁ……はぁ……」

 

穂乃果「終わったぁぁ……」

 

穂乃果「みんなどこ行ったんだろ…」キョロキョロ

 

ゾロゾロ

 

凛「終わったにゃー!」

 

花陽「もうクタクタだよぉ〜…」

 

真姫「わ……たし、は…別に……平気だけ、どね…はぁ……」ゼーゼー

 

海未「真姫は体力ですね」

 

ことり「海未ちゃんどうしてそんなに元気なのぉ〜……」

 

にこ「体力、おばけなんでしょ……こいつら……みたい、に」ゼーゼー

 

絵里「そんなことないわよ」

 

希「にこっちが体力不足なだけやん?」

 

にこ「にこは普通よ!」

 

穂乃果「よし!じゃあ鬼ごっこしよう!」

 

凛「やるにゃー!」

 

真姫「え……」

 

にこ「あ、明日にしない?」

 

花陽「た、たしかに…」

 

絵里「死にそうなメンバーが何人かいるわね」

 

海未「そんなの気持ちでなんとかなります!さあ行きますよ!行きましょう!山で鬼ごっこ!」

 

海未「あはははは!」

 

ガシッ

 

希「まあまあ海未ちゃん」ググググ

 

希「疲れてるときは怪我もしやすい、まだ初日やしまた明日にしよ?」ググググ

 

海未「う……それも…そうですね」ググググ

 

希「うん、わかってくれて……って……」ググググ

 

希「ちょっと力緩めてくれん!?未練溢れ出してるから!!」

 

海未「す、すみません……!」スゥ…ハァ…

 

ことり「あの海未ちゃんを……!」

 

穂乃果「希ちゃんは猛獣ハンター……」

 

凛「いや……」

 

穂乃果凛「珍獣ハンターだったんだ!!」ババン!

 

ドゴォ!

 

海未「目は覚めましたか?」

 

穂乃果「しゅ、手刀はダメだよ……」ガクガク

 

凛「意識飛んだにゃ……」ピクピク

 

希「それじゃあ戻ろっか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「終わりましたぁ!!」」」」」

 

海未ママ「あら、皆さん泥だらけですね」

 

海未ママ「お風呂沸かしてあるので入ってきてはいかがですか?」

 

絵里「えっと……誰から入る?」

 

海未「うちのお風呂は父の弟子の方も入るのでみんなで入れますよ」

 

穂乃果「よーし!それじゃあ全員で入っちゃおう!」

 

凛「全員で……か」

 

にこ「はぁ……」

 

花陽「?」

 

 

カッポーン

 

 

 

「「「「はー………」」」」

 

穂乃果「いやー疲れたね〜……」

 

絵里「穂乃果はなにをしたの?」

 

穂乃果「薪割り!」

 

花陽「薪割り!?」

 

穂乃果「力の入れ方とか教わったの!」

 

穂乃果「多分トレーニング……な気がする」

 

海未「気がするんですか……」

 

にこ「にこも薪拾いがトレーニングって気づいたけどね!」

 

絵里「希に言われてやっとね」

 

にこ「うぐっ……!ほ、ほんとは気づいてたの!」

 

希「はいはい」

 

にこ「きーー!!」

 

凛「あれってトレーニングだったんだ…….」

 

真姫「ま、私も気づいてたけどね」

 

花陽「気づかなかった……」

 

ことり「普段の練習より運動量少ないはずなのに疲れるね」

 

絵里「パワーアップしてる証拠よ、あと4日、頑張りましょう!」

 

海未「いえ、試合の前日は疲れを取る意味でも軽い練習にしましょう」

 

絵里「それもそうね、なら……あと3日!頑張るわよ!」

 

「「「「「おーー!!」」」」」ザパァ!

 

凛(やっぱり……)

 

にこ(間違いない!)

 

花陽 バイーン!

 

ことり ボイーン!

 

絵里 ドーン!

 

希 デデデデーン!

 

にこ凛「……」ハァ

 

海未「どうしたのですか二人とも?」

 

海未「元気がないようですが……」

 

凛にこ「……」チラッ

 

海未 ササヤカナフクラミ

 

凛「海未ちゃんみてたら元気出たにゃ」

 

にこ「ええ、あなたのおかげよ海未」

 

海未「……そうですか……って」

 

海未「どこみて言ってるんですかぁぁぁ!!」バシャァ!

 

凛にこ「ごめんなさいぃぃ!!」ザバァ!

 

 

 

 

 

 

 

ご飯

 

凛「おいしーにゃー!」パクパク

 

花陽「ほんのり香ばしい……おこげの味が……食欲を掻き立てる……」ハグハグハグハグ!

 

ことり「ブラックホールの再来……」ハムッ

 

海未ママ「お代わりあるのでたくさん食べてくださいね」ニコニコ

 

 

花火

 

にこ「くらいなさい!ネズミ花火10連発!」バッ

 

シューーー!!!!パンパンパンパン!!

 

花陽「ピャァァァ!!!」

 

真姫「ヴェェェ!?」

 

にこ「イヤァァァ!!!」

 

希「あほやん」

 

海未「にこーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未パパ「海未、少しきてくれ」

 

海未「なんですか?」

 

海未パパ「今からこの部屋で真剣の稽古をする」

 

海未「!!本当にするのですね」

 

海未パパ「ああ、やり方は知ってるな」

 

海未「はい」

 

海未パパ「ならばこれを……」パカッ

 

海未「こ、この刀は……!」

 

海未パパ「園田家に代々伝わる刀だ、元を辿れば沖田総司が使っていたものだとか」

 

海未「こ、これを私に?」

 

海未パパ「これをしっかりと扱えるようになった時、お前に譲ろうと思う」

 

海未パパ「さあはじめるぞ!」

 

海未「は、はい!」

 

 

 

 

 

 

就寝前

 

海未「……」パチッ

 

海未「……おや?みなさんどうして倒れているのですか?」

 

絵里「……もう…海未が寝てる横で……」

 

にこ「枕投げはしない……」ガクッ

 

「「「「………」」」」コクリ

 

 

 

 

 

 

3日後

 

 

 

 

 

 

凛「みっけ!」ダッ!

 

凛「この地面にも慣れてきたにゃ!」

 

真姫「凛も随分薪拾い上達したわね」

 

花陽「サッカーも上手になってるといいんだけど……」

 

 

 

 

 

 

にこ「ほっ!よっと…」ザッ ダッ

 

希「初日より疲れにくくなってきたなぁ」

 

絵里「たった4日だったけど案外変わるものね」

 

 

 

 

ことり「穂乃果ちゃんどうしてるかなぁ」

 

海未「サボってなければ良いのですが……」

 

 

 

穂乃果「ほい!ほい!ほい!ほい!」パコーンパコーンパコーンパコーン

 

海未パパ「初日に比べると見違えたなぁ」

 

穂乃果「えへへ!コツがつかめてきました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

鬼ごっこ

 

希「この木の陰ならバレへんはず……!」

 

にこ「あいつ……どこに……!」

 

にこ「ッチ……見つけたぁぁ!!」ダッ

 

希「いやぁぁなんでぇ!?」ダッ

 

にこ「その肉の塊が木からはみ出してんのよ!!」

 

にこ「あんたわざとでしょ!」

 

希「えへ」

 

にこ「まてぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

その夜

 

海未パパ「やってみろ」

 

海未「……」フゥ…

 

海未「……はぁ!」ザン!

 

ズズズズ………ゴトン

 

海未パパ「……いい切り口だ」

 

海未「ありがとうございます」

 

海未(……今の瞬間の鋭さ………なにか…….)

 

海未パパ「まあまだまだ未熟だがな」

 

海未「これからも精進いたします」

 

海未(きっと気のせいですね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日朝

 

 

穂乃果「ありがとうございました!」

 

「「「「「ありがとうございました!」」」」」

 

海未ママ「またいらしてくださいね」ニコニコ

 

花陽「ご飯とても美味しかったです!!」

 

海未ママ「ふふ、ありがとう。試合応援してますからね」

 

花陽「はい!頑張ります!」

 

穂乃果「よし、いこう!」ザッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

河川敷グラウンド

 

 

海未「今日は軽くボールを使った練習をして明日に備えましょう!」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

 

 

花陽「ほっ!」トッ

 

にこ「いかせない!」バッ

 

海未「!対応が素早い……!!」

 

 

 

凛 タッタッタッ

 

希「待てー!凛ちゃん!」ダッ

 

凛「ボールは取らせないにゃー!」グンッ

 

希「ちょっ……まだ速くなるの!?」

 

 

 

真姫「はぁ!!」ドキュ!!

 

穂乃果「ふん!」バシッ

 

絵理「たぁ!」ドキュ!!

 

穂乃果 「…………行くよ」

 

絵里真姫「?」

 

穂乃果「穂乃果の超最強スーパー必殺最強技!!」

 

絵里真姫(最強って二回言った…)

 

穂乃果「はぁぁ!」クルッ

 

 

 

 

 

 

穂乃果【ど根性キャッチ!】ドシュルル………

 

絵理真姫「……」

 

穂乃果「どう!?穂乃果の新必殺……」

 

絵理真姫「2度とやらないで」ズバァ

 

穂乃果「………あい」ショボン

 

 

海未(穂乃果……)ハァ

 

海未(まぁ、みなさんパワーアップできたようですね)

 

海未(私も……)

 

 

ズバァ!

 

 

海未(……あの鋭い感覚はなんだったんでしょうか…)

 

海未(なにかに活かせるかと思ったんですが…….)

 

 

 

 

 

絵里「海未ー!もう練習終わるわよ!」

 

海未「は、はい!今行きます!」ダッ

 

 






次は試合です!



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第6話「VS御影専農!」

ツイッターのポケモン診断でコイキングだった乾電池です

大器晩成目指して頑張ります




 

合宿での特別トレーニングにより手応えをつかんだ音の木坂イレブン

 

御影専農に一泡吹かせることはできるのでしょうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「始まりましたフットボールフロンティア予選第2回戦!御影専農グラウンドで行われます!」

 

角間「前評判ではUTX高校にも匹敵すると言われているその実力、どんな試合になるのか非常に楽しみです!!」

 

凛「なにここ……アンテナみたいのがいっぱいだにゃ〜」

 

花陽「ここ……学校だよね?」

 

にこ「なんかやばいことやってんじゃない?」

 

希「また縁起でもないことを…」

 

 

 

 

角間「両者整列完了しました!」

 

下鶴「無駄だと言ったのに」

 

穂乃果「勝負はやってみなきゃわからないよ!」

 

杉森「データでは何度も勝っている」

 

海未「勝利の女神は最後まで諦めずに戦ったチームに微笑みます」

 

真姫「別にデータで何度勝ってくれても構わないけど?今日勝つのは私たちだけどね」

 

杉森「……」

 

 

 

 

 

 

角間「両者配置につきました!一体どのような試合を見せてくれるのでしょうかぁ!!」

 

 

 

FW

絵里、真姫

 

MF

ことり、海未、にこ、希

 

DF

ヒデコ、ミカ、凛、花陽

 

GK

穂乃果

 

 

 

 

ピーーーーーーー

 

ドッ

 

角間「音の木坂ボールでスタートしました!絢瀬ドリブルで上がっていく!」

 

下鶴「………」

 

角間「おーっと!御影専農動かない!!」

 

絵里「?なんなの?」

 

真姫「……そのまま持ち込んで!」

 

絵里「ええ!」タッタッタッ

 

角間「音の木坂上がって行くー!早速チャンス到来だぁ!!」

 

杉森「……」

 

杉森「ディフェンスフォーメーション!γスリー!!」

 

ササササッ!

 

 

絵里「!」

 

デデーン!

 

角間「絢瀬のいく先にディフェンスが集まっている!」

 

角間「これでは攻めれない!!まるで絢瀬の動きを読んでいたかのようなディフェンスだぁ!!」

 

真姫「こっち!」

 

絵里「ええ!」ドッ

 

 

 

真姫 トッ

 

ササササッ

 

真姫「っく!」

 

角間「早い早い!またもやシュートコースを塞いだぁ!」

 

真姫「邪魔なの……よ!」ドォッ!!

 

角間「西木野強引にうったぁ!!」

 

バシバシバシバシ!

 

杉森 パシッ

 

真姫「ッチ……」

 

角間「ディフェンスに当たって威力が削がれたぁ!!杉森ナイスセーブだぁ!!」

 

杉森 ドッ!!

 

藤丸 トッ

 

 

 

ことり「たぁー!」バッ!

 

藤丸「ふっ!」クルッ!

 

ことり「むぅ……!」

 

 

 

希「てりゃあ!」ザザザッ !

 

藤丸「っく!」ドサッ

 

データに誤差あり、修正します

 

テンテンテン……

 

凛「よし!」トッ

 

にこ「前線へ繋いで!」

 

凛「絵理ちゃん!」ドッ

 

絵理「ええ!」トッ

 

下鶴「いかせねぇよ!」バッ

 

絵里「海未!」ドッ

 

海未「はい!」トッ

 

角間「慎重に、しかし確実にボールを進めていきます!」

 

海未「……そろそろ行かせてもらいますよ」

 

下鶴「……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「はぁ!」ダッ

 

三郷「くっ!」

 

花岡「くそっ」

 

角間「園田鋭いドリブル!二人をあっという間に抜き去った!!」

 

データに誤差あり、修正します

 

下鶴(こいつら……この間までと動きが違う)

 

にこ「海未の奴……やるじゃない!」

 

希「すごぉ〜」

 

室伏 ガッ!

 

海未「しまった!」

 

 

 

角間「御影専農室伏、素早いディフェンスでピンチをしのいだぁ!!園田、攻め急ぎ過ぎたかー!?」

 

室伏「下鶴!」ドッ

 

下鶴「ああ」トッ

 

にこ「まちなさいよ!」ザッ

 

下鶴「はっ!」ザザザッ

 

にこ「くっ!」ガクッ

 

角間「ぬいたぁー!鮮やかなドリブルだぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「【ファイアトルネード】来るわよ!」

 

花陽「行かせません!」

 

凛「とめるにゃぁ!!」

 

 

下鶴「おらぁ!!!」ドキュッ!

 

ヒュゥゥゥゥ………

 

穂乃果「?蹴り損ねたのかな……」

 

花陽「穂乃果ちゃん、気をつけて!」

 

穂乃果「へ?」

 

 

 

ボシュゥゥゥ!!!

 

下鶴【パトリオットシュート!】

 

ゴォォォォオォォ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果【マ、マジン・ザ……】

 

海未「間に合いません!」

 

穂乃果「うっ……!」バッ

 

バシィィィ!!!!

 

穂乃果「うぐぐぐ…………!!!」ズズズッ

 

 

 

穂乃果「うわぁぁぁ!!!!」

 

ドシュルルルルル!!!!

 

角間「入ったぁぁ!!!入ってしまいました、先取点!!!高坂は必殺技を出す間もありませんでした!!」

 

穂乃果「あんなシュートがあったなんて……!」ダンッ!

 

花陽「しょ、しょうがないよ今のは!」

 

海未「油断するからですよ全く……」

 

にこ「別に大丈夫よ一点ぐらい、でしょ?」

 

絵里「ええ、まかせて!」

 

真姫「あの時の借り、まだ返してないからね」

 

穂乃果「おお……!みんな頼もしいね!」

 

海未「なのであなたはゴールをしっかり守っていてください」

 

海未「油断せずに」ギロッ

 

穂乃果「……は〜い…….」シュン

 

ことり「海未ちゃ〜ん………ほどほどにね」

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーー

 

御影専農1-0音の木坂

 

 

 

角間「さあ失点直後の音の木坂、どう展開していくつもりだぁ!?」

 

ドッ

 

絵里「いくわよ!」トッ

 

真姫「ちょうだい!」

 

絵里「真……!」バッ

 

下鶴 ザッ

 

絵里「チッ…」ピタッ

 

ことり「こっち!」

 

ドッ!

 

ことり「真姫ちゃん!!」ドッ

 

真姫「任せなさい!」トッ

 

角間「音の木坂南、ダイレクトで前線へパスをつないだぁ!!」

 

杉森「…」

 

真姫「前とは違うってとこ見せてあげる!」

 

 

 

 

 

 

 

真姫「フッ!」ダンッ!

 

グルグルグル

 

 

真姫【ファイアトルネード!】

 

ドゴォォォォォォ!!!!!!

 

 

杉森【シュートポケット!】

 

 

ブワン……!

 

ボォォオオオ!!!!

 

ドシュゥゥ!!!

 

杉森「…!」バッ

 

ドシュルルル……!!!

 

 

杉森「………」

 

角間「キーパー杉森とめたぁ!!素晴らしいキャッチだ!」

 

 

真姫「……まだまだ!」スタッ

 

凛「次行けるよー!」

 

 

杉森(…パワーが上がっている…)

 

データに誤差あり、修正します

 

杉森「藤丸!」ドッ

 

藤丸 トッ

 

海未「はぁ!」ズザザッ!

 

藤丸「…」ドッ

 

花岡 トッ

 

ポーン

 

トッ

 

ドッ

 

トッ

 

角間「おーっとぉ、これは!?ディフェンスにボールを戻して攻めない!!どうした御影専農!!」

 

海未「どうして攻めないのですか!」

 

山岸「どうして攻めなせればならない?」

 

海未「!!」

 

 

 

希「くっ……!」バッ

 

藤丸 ドッ

 

花岡 トッ

 

希「ああもう!」

 

 

凛「全然攻めてこないにゃ〜…」

 

花陽「どうしたんだろ……」

 

角間「御影専農、自陣でボールを回しなかなか攻め上がらない!!これは時間稼ぎかぁ!?」

 

監督「……………サッカーサイボーグ、か」

 

 

 

ピーーーーーーー

 

角間「ここで前半終了ぉーー!!!後半はどの様なプレイを見せてくれるのでしょうかぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

控え室前

 

ゾロゾロ

 

杉森「………」テクテク

 

 

 

 

 

 

 

希「ちょ、ちょっと落ち着いてって……!」

 

穂乃果「杉森さん!!」

 

杉森「……」ピタッ

 

穂乃果「どうして攻めてこないんですか!」

 

希「こういうのは戦略としてあるんよ穂乃果ちゃん」

 

穂乃果「……!でも……!」

 

杉森「1点でも100点でも勝利は勝利だ」

 

下鶴「データより少しはパワーアップしたようだが無駄だったな」

 

穂乃果「本当のサッカーは、もっと……こう、心の底から楽しいものなんです!」

 

穂乃果「杉森さんたちはどうしてシュートを決めても笑顔にならないんですか!!」

 

杉森「笑顔……?」

 

下鶴「そんなものサッカーに必要ないだろ」

 

杉森「……ああ、後半も同じだ」

 

スタスタ ガチャ

 

 

 

 

ことり「……穂乃果ちゃん…」

 

穂乃果「………」

 

穂乃果「データが全てじゃないって……思い知らせる!」

 

凛「めっためたにしてやるにゃ!」

 

花陽「うん!」

 

にこ「練習の成果出てるじゃない」

 

海未「まだまだ足りませんよ」

 

絵理「あれがまさか全力なんて言わないわよね?真姫」

 

真姫「この私がそんなわけないじゃない」

 

真姫「それよりそっちもちゃんとパワーアップしてるんでしょうね」

 

絵里「当たり前じゃない、かしこいかわいいエリーチカだからね♪」

 

真姫「かしこいかわいい……何って?」

 

絵里「な、なな何でもないわ!忘れて!」

 

真姫「?」

 

 

 

 





初めてテレビで見かけたのもこの試合でしたね〜

全く興味なくてすぐチャンネル変えちゃいましたけどあのツンツンヘアーだけははっきり覚えてます笑



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「試合終了!」


家にゴキブリが出て行動するより頭をフル回転させてしまい何も動けなかった乾電池です

夏なんて嫌いです……




 

 

効率を重視した機械のようなサッカーに怒りを隠し切れない穂乃果

 

後半の敵の戦略は……

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーー

 

御影専農1-0音の木坂

 

 

角間「さぁ後半が始まりました!音の木坂逆転なるかぁ!?」

 

下鶴 ドッ

 

花岡 トッ

 

角間「またディフェンスにボールを戻したぁ!やはり攻めない!」

 

穂乃果「……攻めてこないならここにいてもしょうがないよ!」ダッ

 

ガシッ

 

穂乃果「ウグッ!?」ドサッ

 

穂乃果「な、何するのさ!?」

 

ヒデコ「あんたはキーパーなんだからみんなを頼って守ってなって」

 

穂乃果「で、でも……!」

 

ミカ「みんなで特訓……したんでしょ?」

 

角間「おーっと矢澤!強引に奪い取ったぁ!!」

 

穂乃果「!」

 

ミカ「ほらね」

 

にこ「希!」ドッ

 

希「任せて!」トッ

 

山岸【スーパースキャン!】

 

希「どれが本物のボールかな?」

 

 

 

 

 

 

クルッ スタッ

 

希【イリュージョンボール】

 

 

 

 

 

山岸「なっ!?」

 

未確認の必殺技確認、記憶します

 

にこ花陽(あの技……!)

 

希「お先〜!」タッタッタッ

 

凛「すごいにゃ〜希ちゃん!」

 

絵里「いつのまにあんな技……!」

 

希「真姫ちゃん!」ドッ

 

真姫「今度こそ……!」トッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グルグルグル

 

真姫【ファイアトルネード!】

 

ドゴォォォ!!!!!

 

 

 

角間「再びゴールを狙う西木野ぉ!!同点ゴールなるかぁ!?」

 

 

杉村【シュートポケット!】

 

ブワン……!

 

ボファァァア!!

 

ドシュゥゥゥゥ!!

 

杉森「っく!」バッ

 

ドシュルルルルル!!

 

杉村「!!」バチィ!

 

 

 

テンテンテン……

 

下鶴「ば、バカな!」

 

データに再度誤差あり、修正します

 

角間「は、弾いたぁ!!ルーズボールを拾うのは誰だぁ!?」

 

絵里「はぁぁ!!」トッ

 

角間「絢瀬が拾ったぁ!!そのままシュートかぁ!?」

 

にこ「いきなさい!絵里!」

 

 

 

絵里「吹き荒れろ……」

 

パキパキパキパキ

 

 

絵里【エターナルブリザード!】

 

ドゴォォォ!!!!

 

 

杉森【シュートポケット!】

 

ブワン……!

 

パキパキパキ

 

ドシュゥゥゥゥ!!

 

杉森「っく!」バッ

 

ドシュルルルルル!!

 

バチィ!!

 

テンテンテン……

 

データに誤差あり、修正します

 

角間「またもや弾いたぁ!」

 

絵里「ッチ……」

 

穂乃果「惜しいよ二人とも!」

 

真姫「絵里!」ドッ

 

絵里「ええ!」トッ

 

角間「ボールは再び音の木坂!シュートの嵐だぁ!!」

 

 

 

絵里【エターナルブリザード!】

 

ドゴォォォ!!!

 

真姫 タッタッタッ

 

角間「西木野が走り込んでいる!?こ、これは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グルグルグル

 

真姫【ファイアトルネード!】

 

 

ドゴォォォォォォォォォ!!!!!!!

 

角間「シュートチェインだぁ!!これは決まるかぁ!?」

 

 

 

杉森「っ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杉森【ロケットこぶし!】

 

ドォォォ!!!

 

 

 

角間「ふ、防いだぁぁ!!!完璧なブロックだぁ!!」

 

真姫「……ハァ」

 

絵里「そんな……」

 

海未「まだ技を隠し持っていたのですか……!」

 

杉森「……不可解だ」

 

杉森(シュートポケットで対処できると思ったが……)

 

杉森「……プログラムの故障か?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュゥゥゥゥ

 

角間「ブロックしたボールはぁ!?」

 

藤丸 バッ

 

花陽「取らせません!」バッ

 

ガツンッ!!

 

花陽「きゃぁ!!」ドサッ

 

藤丸「うぐっ…!」ドサッ

 

角間「これは激しいぶつかりあい!!大丈夫かぁ!?」

 

テンテンテン……

 

凛「ことりちゃん!」ドッ

 

凛「かよちん大丈夫?」グイッ

 

花陽「みんな……強くなってる…!だから私も!」グッ

 

希「ナイスガッツ!花陽ちゃん!」

 

にこ「怪我すんじゃないわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「ハァ、ハァ」タッタッタッ

 

花岡 ザッ

 

ことり「はぁ!」クルッ ザザ!

 

花岡「っく!」

 

データに誤差あり、修正します

 

角間「南ドリブル突破!!滑らかなスピンだぁ!!」

 

ことり「海未ちゃん!」ドッ

 

海未「はい!」トッ

 

穂乃果「いけー!海未ちゃーん!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ズバァ!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

海未(あの鋭さを……シュートに……!!)

 

ドキュ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杉森【シュートポケット】

 

ブワン…………!

 

パシッ

 

海未「まだ……もっとです!」

 

真姫「……海未?」

 

杉森「弘山!」ドッ

 

弘山「……」ドッ

 

トッ

 

ドッ

 

角間「再び自陣でボールを回していく!!」

 

にこ「こいつら……!!」

 

希「さっきより徹底してる…」

 

下鶴「そのまま試合終了まで指くわえて見てな」

 

にこ「くっ!」

 

???「……」タッタッタッ

 

花岡 トッ

 

穂乃果「てやぁぁぁ!!!!」ズザザ!

 

花岡「!?」バッ

 

ことり「ほ、穂乃果ちゃん!?」

 

角間「おおっとぉ!?キーパー高坂上がってきていたぁ!!しかぁし!ということは……」

 

ヒデコ「あー!目を離した隙に!!」

 

ミカ「早く戻ってきて!」

 

角間「ゴールはガラ空きだぁ!」

 

花岡「くっ!」ザザッ

 

杉森「なんだこいつ……なぜキーパーが…」

 

穂乃果「ここ!」ドキュッ!

 

ポーン!

 

角間「ボールを蹴り出したぁ!均衡を破ったぞ!!」

 

下鶴「チィ……!!」

 

下鶴(なんだ……なんで思い通りにならない…!!)

 

海未「ナイスプレーですが早く戻りなさい!!おバカ!!」トッ

 

穂乃果「えっへへへ!試合で初めてブロックしちゃった!」タッタッタッ

 

凛「それでこそ穂乃果ちゃんだにゃ!」

 

花陽「早く!早く戻ってぇ〜!」

 

絵里「す、すごいわね……」

 

真姫「さすがというかなんというか…」

 

角間「ブロックしたボールは園田へ!一体どうする!?」

 

海未「………」ザッ

 

絵里「海未!こっちへ…….」

 

真姫「そのまま打って!!」

 

絵里「真姫?」

 

真姫「多分……」

 

真姫「何かやろうとしてる」

 

絵里「何か……?」

 

杉森「お前のシュートでは決められん」

 

海未(……できる!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「………」 フッ

 

トン……

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

試合前日の夜

 

海未パパ「というわけで、真剣の修行は今日で終わりだ」

 

海未「お、終わりですか?」

 

海未パパ「ああ」

 

海未「まだ…1週間もたっていませんが」

 

海未パパ「いいんだ」

 

海未「……?わ、かりました」

 

海未パパ「どうだ」

 

海未「はい?」

 

海未パパ「サッカーに生かせそうなことはあったか?」

 

海未「……!」

 

海未「そのために……?」

 

海未パパ「…さあな」

 

海未「…….正直わかりません」

 

海未「…………」

 

海未「そういえば、この刀の名前はなんというのですか?」

 

海未パパ「?言ってなかったか?」

 

海未「はい」

 

海未パパ「その刀の名前は………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズバァ!!

 

海未【菊一文字!】

 

ドゴォォォォォォ!!!!!

 

 

真姫「海未の新技……」

 

ことり「すごい……」

 

 

杉森「こ、こいつの必殺技は……データにない……!!」

 

杉森「データにないぞぉぉぉ!!!」バッ

 

 

 

 

 

杉森【シュートポケット!】

 

ブワン……!

 

ズバァ!!

 

ドシュゥゥゥ!!

 

杉森「っぐ…!」バッ

 

ギュルルルルル!!!!

 

杉森「ぐぐぐ……!」

 

 

 

海未「決まってください!」

 

穂乃果「決まれぇぇぇ!!!」

 

 

杉森「ぐ……ぐぁぁぁ!!!」バッ

 

 

ドシュルルルルル…………!!!!

 

 

 

角間「き、決まったぁぁぁ!!!同点ゴールは園田です!新必殺技で決めてきましたぁぁ!!」

 

 

穂乃果「すごいよ海未ちゃん!!」

 

ことり「いつのまに覚えたの!?」

 

海未「父にヒントを教えられまして」

 

海未「成功して良かったです」

 

花陽「すごい威力だったよ!」

 

海未「っ……」

 

凛「さっすが海未ちゃんだにゃ〜!」

 

希「……」

 

希「ちょっとごめんな」グッ

 

海未「いっ……!」

 

海未「な、何するんですか希!!」

 

希「さっきのシュートで痛めたやろ?」

 

海未「!……気づいていたのですね」

 

ヒデコ「…交代する?」

 

海未「いえ、少しテーピングを巻いてきます」

 

フミコ「救急箱持ってきたよ!」パカッ

 

海未「ありがとうございます」シュル

 

フミコ「私たちが巻くからじっとしててね」

 

海未「いえ、そこまでは……」

 

ミカ「いいから、任されてなよ!」

 

海未「……すみません、では」

 

ココガイタイ?

 

ハイ、コノスジノトコロガ

 

オッケー!

 

シュルルルル マキマキ

 

凛「そ、それじゃああのシュートは打てないの?」

 

希「これからのことを考えるとやめておいたほうがいいかもね」

 

凛「そっか…」

 

にこ「凛、私たちも油断はできないわ」

 

にこ「敵はまた点を取ってくる」

 

凛「にこちゃん油断しちゃダメだよ」

 

にこ「あんたに言ったのよ!今!!」

 

海未「穂乃果、頼みましたよ」

 

穂乃果「うん、もう一点もとらせないよ」

 

絵里「私たちも………ね、真姫」

 

真姫「ええ、」

 

真姫「借りを返さないと気が済まないわ」

 

希「フフ、頼もしいね」

 

穂乃果「さあ!あと一点!絶対にとるよ!」

 

「「「「「おーー!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下鶴「…………」

 

杉森「どうした?」

 

下鶴「いや……」

 

杉森「?」

 

 

角間「さあ同点になりました!時間消費を目指していた御影専農は一体どのような攻めを見せるのか!」

 

ピーーーーーーー

 

御影専農1-1音の木坂

 

 

ドッ

 

下鶴「はぁ!」ダッ

 

にこ「きゃあ!」ドサッ

 

角間「御影専農下鶴!強引にドリブル突破だあ!!」

 

にこ「この……!」

 

花陽「私が!」ザッ

 

ミカ「行かせないよ!」ザッ

 

下鶴「ハッ」ドッ

 

山岸 ドッ

 

下鶴「よっと!」トッ

 

花陽ミカ「そんな……!」

 

角間「これは下鶴鮮やかなワンツー!計算されたチームワークです!」

 

下鶴「もうデータの修正は済んだ」

 

穂乃果「こい!」パン!

 

 

 

 

 

 

 

グルグルグル

 

下鶴【ファイアトルネード!】

 

 

ドゴォォォォ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「おへその下……おへその下ぁ!!!」バッ

 

ゴォォォォォオオオオオ!!!!!

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

ドシュゥゥゥゥ……………!

 

下鶴「な、なに!?」スタッ

 

角間「止めたぁぁ!!!高坂、圧巻のキーパー力だぁ!!」

 

 

 

 

杉森「バカな……シミュレートでは決まっていたはず……」

 

下鶴「この短期間でどれだけパワーアップをしているというんだ……!!」

 

 

 

穂乃果「凛ちゃん!」ドッ

 

凛 トッ

 

角間「星空へボールが渡ったぁ!!」

 

下鶴「素直に行かせるかよ!!」ザッ!

 

角間「が、しかぁし!!すぐさま下鶴が立ちはだかる!!」

 

凛「遅いよ!」ダッ!

 

下鶴「……!くそっ……!」

 

データに誤差あり、修正します

 

凛「ことりちゃん!」ドッ

 

ことり「うん!」トッ

 

花岡「止める」ザッザ

 

杉森(もうあいつのデータの修正は済んでる)

 

ことり「はぁ!!」ザザザッ ダッ!

 

花岡「そんな….!」ガクッ

 

データに再度誤差あり、修正します

 

角間「抜いたぁ!!先ほどよりキレが増しているぞ!」

 

杉森「こいつら……試合の中で強くなっているというのか……?」

 

弘山 シュバッ!

 

ことり「あぅ…!」

 

角間「御影専農弘山、素早いブロックでボールを奪ったぁ!!」

 

ドッ!

 

藤丸 トッ

 

にこ「てやぁ!!」ザザザッ !

 

ポーン!

 

データに再度誤差あり、修正します

 

角間「矢澤思い切ったスライディング!飛んでいったボールは東條へ!」

 

希「ほっ!」トッ

 

山岸「先ほどの技はもう記憶した」

 

希「なら止めてみ?」ニッ

 

 

 

 

 

クルッ スタッ!

 

希【イリュージョンボール!】

 

山岸【スーパースキャン】

 

 

ザザッ! タッタッタッ

 

山岸「その程度か」タッタッタッ

 

角間「山岸!東條のイリュージョンボールを破ったぁぁ………?」

 

希「………」

 

希「えーと………」

 

希「君はなにを取ったつもりでいるん?」トッ

 

山岸「なっ……!ボ、ボールは!?」キョロキョロ

 

角間「なぁんと!!ボールは東條が持っていたぁぁ!!これぞまさにイリュージョンだぁ!!」

 

希「君が取ったのは幻やったってことかな」

 

希「エリチ!」ドッ

 

絵里「ナイスよ希!」トッ

 

真姫「絵里!」グッ

 

ダンッ!

 

 

 

 

絵里「吹き荒れろ……」

 

パキパキパキパキ

 

 

 

 

絵里【エターナルブリザード!】

 

ドゴォォォォ!!

 

 

グルグルグル

 

真姫【ファイアトルネード!】

 

 

ドゴォォォォォォォォォ!!!!!!

 

 

 

ビーーーー ビーーーー ビーーーー

 

危険度、レッドゾーンです

 

 

杉森「バ、バカな……!」

 

杉森「こんなことが……あってたまるかぁ!」バッ

 

杉森【ロケットこぶし!】

 

ドォォォ!!!

 

 

杉森「ぐっ……!」ググググッ

 

絵里真姫「いける!!!」

 

 

杉森「何故だ………何故!」ググググ

 

 

 

ドシュゥゥゥゥゥゥ!!!!!

 

杉森「ぐわぁ!!」バッ

 

 

角間「決まったぁぁぁ!!!決勝点を入れたのは絢瀬と西木野のダブルエースだぁ!」

 

「「「「「いやったぁ!!!!」」」」」

 

 

花陽「信じてたよぉ二人とも!!!!」

 

穂乃果「ついにやったね!!」

 

凛「流石だにゃ!!」

 

にこ「あんたちょっと疑ってたじゃない」

 

にこ「海未ちゃんがシュート打てないの?やばいにゃ〜って」

 

凛「なんのことかにゃ?」

 

にこ「こ…….こいつ…!!」

 

希「やったね、エリチ、真姫ちゃん!」

 

絵里「ええ!」スッ

 

真姫「別に……」スッ

 

パンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

杉森「なぜだ……完璧なデータを持っているはずなのに……」

 

下鶴「完璧な……データ……」

 

 

 

ピーーーーーーー

 

角間「さあ一点ビハインドの御影専農!どう攻めていく!?」

 

ドッ

 

下鶴「データは絶対だ!」ダッ

 

にこ「さっき突き飛ばしたお返しよ!」

 

下鶴「もうお前のデータの修正は……」

 

ガッ!

 

にこ「はっ!案外大したことないわね!」トトッ

 

角間「音の木坂矢澤、小柄な体格を生かしたディフェンスで下鶴からボールをうばったぁ!!」

 

下鶴「そんな……」ガクッ

 

データに再度誤差あり、修正します

 

下鶴「………何回修正するんだ……」

 

下鶴「………!」ギリィ!

 

下鶴「……こんなもの!!」ブチィ

 

ポトッ

 

杉森「…アラタ!」

 

下鶴「うぉぉぉ!!!」ダダダダッ!

 

にこ「きゃぁ……!!」ドサッ

 

角間「下鶴再度ボールを奪い取ったぁぁ!!恐ろしい執念だ!!」

 

下鶴「…….」ザザザッ

 

下鶴「みんな!!いいのかこのまま終わっても!」

 

御影専農「!」

 

下鶴「データばかり追いかけてもこいつらには勝てない!」

 

下鶴「ならするしかないだろ!自分たちのサッカーを……!!」

 

下鶴「俺たちのサッカーはデータの中にあるんじゃない……」

 

下鶴「フィールドの中にあるんだ!!」

 

御影専農「……!」コクリ

 

 

ブチィ ブチッ ブチィ ブチィ ブチィブチッ

 

杉森「………」

 

杉森「俺は……キャプテン失格だな」

 

ブチッ

 

下鶴「藤丸!」ドッ

 

藤丸 トッ

 

海未「通しません!」ザッ

 

ズキィ!

 

海未「ぐっ……!」ヨロッ

 

藤丸「はぁ!」ダッ

 

海未「しまった!」

 

角間「藤丸園田を抜いたぁ!!」

 

藤丸 ドッ

 

下鶴「よし!」トッ

 

 

 

山岸「はぁ!」ドシュ!

 

穂乃果「たぁ!」パシッ

 

真姫【ファイアトルネード!】

 

杉森【シュートポケット!】

 

真姫「ッチ……」

 

杉森「フッ……」

 

藤丸「くそっ……!」ザザッ

 

にこ「やるじゃない…!」ザッ

 

下鶴【パトリオットシュート!】

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

下鶴「次は決める!」

 

穂乃果「受けて立つよ!」

 

希【イリュージョンボール!】

 

山岸【スーパースキャン!】

 

希「そんな…!?」

 

山岸「よし……!」

 

 

 

 

角間「こ、これは壮絶な試合展開……!!一体勝利の女神はどちらへ微笑むのでしょうか!!」

 

 

 

下鶴「……このままじゃ……!」

 

杉森「アラタァァ!!!」ダダダダ!

 

下鶴「キャプテン!!」

 

杉森「あがるぞ!」

 

角間「な、なな何ということでしょうか!キーパー杉森が下鶴と共に上がっていく!?」

 

絵理「面白くなってきたじゃない」

 

にこ「全然面白くないわよ!」

 

希「ディフェンス!」

 

凛「任せるにゃあ!!」バッ!

 

杉森「アラタ!」

 

下鶴「ああ!」ドッ!

 

杉森 ドッ

 

下鶴 トッ

 

凛「そんな……!」

 

角間「またまたワンツーだぁ!だが先ほどより隙がなくなっている!!」

 

花陽「と、止めます!」バッ

 

下鶴 チラッ

 

花陽「!させません!」ダッ

 

下鶴「甘いんだよ!!」シュバッ!

 

花陽「あ……!!」

 

角間「ワンツーと見せかけてそのままぬいたぁ!!前半より攻撃にキレが出ているぞぉ!!」

 

杉森「いけるか?」

 

下鶴「………多分」

 

杉森「ハハ!多分なんて言ったのいつぶりだろうな」

 

下鶴「これから何度だって言うようになるさ」

 

杉森「行くぞ!」バッ

 

下鶴「ああ!」バッ

 

グッ グッ

 

ダンッ! ダンッ!

 

 

 

グルグルグル

 

絵里「あれは……【ファイアトルネード】!」

 

 

グルグルグル

 

花陽「す、杉森さんも!?」

 

希「【ファイアトルネード】!?」

 

真姫「いや、回転が逆よ!」

 

杉森下鶴「はぁぁぁ!!」

 

 

杉森下鶴【ダブルトルネード!!】

 

 

ドキュゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!

 

角間「こ、これは!?御影専農の捨て身の必殺技だぁぁぁ!!!」

 

 

穂乃果「杉森さんと下鶴さんの熱い思いが、痛いほど伝わってくる……!」ブルッ

 

穂乃果「でも、穂乃果たちも負けるわけにはいんだよ!」バッ

 

ゴォォォォォオ!!!

 

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンドォ!!】

 

ドシュルルルルルルルルルル!!!

 

下鶴杉森「いけぇぇ!!」

 

海未「止まれ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルルル!!!!!!

 

 

 

 

 

ドシュゥゥゥゥ………!

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果 ニッ

 

角間「と、止めたぁ!!御影専農の捨て身のシュートを最後に受け止めましたぉ!!」

 

ピッピッピーーーーーーー

 

角間「ここで試合終了のホイッスル!!」

 

角間「勝ったのは音の木坂だぁぁ!!」

 

角間「実況は角間、角間でお送りいたしましたぁ!!」

 

ありがとうございました!!

 

 

穂乃果「杉森さん!」

 

杉森「ああ、データばかりに囚われていたのが馬鹿みたいだ」

 

海未「気持ちをぶつけ合い、精一杯戦う、それが私たちのサッカーですから」

 

下鶴「今頃その大切さに気づけた、ありがとう」

 

下鶴「足を怪我していたようだが大丈夫か?」

 

海未「はい、軽く痛めただけですから」

 

杉森「いいシュートだった」

 

海未「!ありがとうございます!」

 

杉森「……….」

 

杉森「音の木坂の皆…」

 

「「「「「「?」」」」」」」

 

杉森「数々の非礼、本当にすまなかった、どうか」ペコリ

 

下鶴 ペコリ

 

御影専農一同 ペコリ

 

海未「そ、そんな……顔をあげてください!」

 

ことり「そ、そうだよぉ〜…」

 

にこ「いーや、あれは許されることじゃ無いわね」

 

凛「そうにゃそうにゃ!」

 

絵里「にこ……!」

 

花陽「り、凛ちゃん……!」

 

杉森「なんでも言ってくれ」

 

にこ「じゃあ……」チラッ

 

凛「うん!」チラッ

 

音の木坂一同「………」ゴクリ

 

にこ「また私たちとサッカーしなさい」

 

凛「前半みたいなのじゃなくて最後みたいに!」

 

杉森「ああ……!!もちろんだ!」

 

下鶴「次会うときはまたよろしく頼む」

 

穂乃果「うん!またサッカーしようね!」

 

監督「全てを出し切ってぶつけ合った後にこそ真の友情が芽生えるんだ」

 

 

 

 

 

 

凛「監督!雷雷軒いこ!」

 

「「「「「いえー!!」」」」」」

 

響木「金は払えよ」

 

「「「「あー……」」」」

 

海未「当たり前です!」

 

ヒデコ「今日は私たちも行くね!」

 

フミコ「今日は休みでいいよね」

 

ミカ「いいでしょ!」

 

穂乃果「よーし!じゃあ早速…….レッツゴー!」

 

「「「「「「おー!」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

真姫パパ「まだ……送られてこない……」

 

看護師「西木野さん!オペ中にぼーっとしないでください!」

 

真姫パパ「あ、ああ……」ズブッ

 

真姫パパ「…間違えた」

 

看護師「西木野さぁぁん!!!」

 

 

 






どこかで効いたことあるようなセリフが出てきましたね
「時間は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」

二回に分けるか迷いましたが載せ切りました!

切りやすい場所がなかったもので……



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第7話「個性的な方々」


起きるたびに喉が痛くて苦しんでいる乾電池です

喉……喉がぁぁ




 

なんとか二回戦を突破した音の木坂、次の対戦相手の情報を入手するがなんとも信じがたい内容で……

 

 

 

 

カランカラン

 

 

「「「「おかえりなさいませ!ご主人様!」」」」」

 

にこ「………おかしくない?」

 

にこ「な〜んでにこたちメイド喫茶でバイトしてるのよ!?」

 

花陽「そ、それは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「よーし!次の試合まであと3日!」

 

穂乃果「今日も練習がんばるぞー!」

 

「「「「「おー!」」」」」

 

凛「そういえば海未ちゃん、あれって本当なの?」

 

海未「あれ、とは?」

 

凛「ほら、次の対戦相手はメイド喫茶に入り浸ってるっていう」

 

絵里「にわかに信じ難いわね」

 

にこ「そんなチームが準決勝まで上がってきてるとは思えないけど…」

 

ことり「あ、あの〜….」

 

海未「どうしました?ことり」

 

ことり「ことり今日ちょっと用事が…」

 

にこ「今日も休むの?」

 

ことり「う、うん…」

 

絵理「用事があるならしょうがないわ」

 

絵里「明日は来れるでしょう?」

 

ことり「うん…ごめんね?」

 

タッタッタッ

 

花陽「用事ってなんなんだろう…?」

 

希「練習を休み人目につかないところで密会……相手との関係性やいかに!」

 

凛「真相はCMの後で!」

 

穂乃果「CM入りまーす」

 

バシバシバシッ!

 

にこ「ふざけてる場合じゃないでしょ!」

 

希凛穂乃果「すみません…」シュン

 

花陽「そうですよ!スキャンダルなんてチームの危機!一大事ですよ!」

 

真姫「そんなに心配ならついていけばいいじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ササササッ

 

真姫「なんで私もなのよ!!」

 

穂乃果「真姫ちゃんしー!気づかれちゃうよ!」

 

真姫「誰によ……ことりはもうどこいったかもわからないじゃない」

 

絵里「もし近くにいたらバレちゃうじゃない」

 

真姫「どうして絵理までそんなにノリノリなの……?」

 

凛「海未ちゃん!今ことりちゃんはどこにいるの?」

 

ピッピッ

 

希「もうナチュラルに発信機を使うのすごいね」

 

絵里「もしかして私たちにも……!」

 

にこ「ヒッ……!」

 

海未「それはないので大丈夫です」

 

希「そこまでバッサリいかれるとそれはそれでショックやなぁ…」

 

にこ「ショックとは」

 

海未「………おや?ここは…」

 

希「どこなん?」

 

海未「それが……」

 

海未「メ、メイド……喫茶、というところです」

 

「「「「「メイド喫茶!?」」」」」

 

花陽「ことりちゃん……メイド喫茶にハマってるのかな……」

 

にこ「だからって練習をサボるのはいただけないわね」

 

穂乃果「……よし!みんなで突撃だ!!」

 

にこ「ひっ捕らえて引きずり出すわよ」

 

花陽「お、お手柔らかにね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カランカラン

 

穂乃果「たのもー!」バンッ!

 

海未「穂乃果……道場ではないのですからもう少し静かに…」

 

「おかえりなさいませ!ご主人……さ、ま?」

 

ことり「……….うそ」

 

花陽「ことりちゃん……!?」

 

メイド「ミナリンスキーちゃんどうしたの?」

 

絵里「ミ、ミナリンスキー……?」

 

にこ「あ、あんた……」

 

絵里「そ………」

 

「「「「「そっち(メイド)!?」」」」」

 

ことり「あぅ〜〜……」

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「いつ頃から始めたの?」

 

ことり「3人でサッカー部を作ったあたり……かな」

 

にこ「結構前ね」

 

絵里「というかミナリンスキーってなによ!?」

 

花陽「ミナリンスキーといえば……」

 

花陽「出てきて数ヶ月でカリスマとまで呼ばれるようになった伝説の!?」

 

ことり「なんか……いつのまにかそうなっちゃってて……」

 

凛「きっかけはなんだったの??」

 

ことり「うん、駅前で呼び止められて……」

 

ことり「最初はあんまり乗り気じゃなかったんだけど、だんだん面白くなってきて……」

 

海未「なぜ…メイド喫茶を?」

 

ことり「私は……何もないから」

 

穂乃果「何もない?」

 

ことり「穂乃果ちゃんや海未ちゃんたちと違って……何も…」

 

ことり「………」

 

「「「「………」」」」」ウーン

 

穂乃果「そうだ!」

 

海未「何か考え付いたのですか?」

 

凛「嫌な予感しかしないにゃー…」

 

絵里「いや、万が一もあるかも」

 

希「エリチ…….」

 

穂乃果「私たちもメイドをやろう!」

 

「「「「「はぁぁぁ!?」」」」」」

 

にこ「なんでそんなぶっ飛んだ発想になるのよ!」

 

海未「そ、そそそそうですよ!」

 

海未「メイドなんて……破廉恥です!」

 

希「別に破廉恥では無いような……」

 

真姫「私は反対」

 

花陽「メイドはちょっと……」

 

穂乃果「だって次の相手はメイド喫茶大好きなんでしょ?」

 

絵里「…!わかったわ、情報収集ね!」

 

穂乃果「その通り!さすが絵理ちゃん!」

 

海未「くっ…!情報収集のためとあらば……!!」

 

花陽「そ、そんなぁ〜……」

 

真姫「じゃ、あとは頑張ってね」トコトコ

 

ガシッ

 

真姫「うぇぇえ!?」

 

海未「逃がしませんよ……!」ギリギリ

 

真姫「わ、わかったから痛い痛い!!」

 

にこ「にこは嫌よ!誰がメイドなんか……」

 

凛「にこちゃんもうフリにしか聞こえないにゃ……」

 

ことり「店長〜!大丈夫ですか?」

 

店長「……」グッ シャクシャク

 

凛「……スイカ食べてる…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カランカラン

 

にこ「おかえりなさいませ!ご主人様ぁ〜?」

 

にこ「お二人ですかぁ?にこがご案内いたしまぁ〜す!」

 

にこ「こちらへどうぞ!にこ!」

 

凛「やっぱり…」

 

花陽「昔のバイト先のような安定感……」

 

絵里「流石にこね!」

 

希「にこっちやるときはやるからなぁ」

 

カランカラン

 

凛「いらっしゃいませ!」

 

ことり「凛ちゃん、いらっしゃいませじゃなくておかえりなさいませって言わなきゃ!」

 

ことり「ご主人様だからね」

 

凛「……ことりちゃんもアニメではいらっしゃいませって……へブチ!」チョップ

 

凛「痛いよぉ〜!」バッ

 

真姫「言ってはいけないことを言う気がしたからつい……」

 

花陽「あ…ははは」

 

カランカラン

 

穂乃果「へいらっしゃい!」

 

ことり「ほ、穂乃果ちゃん!?」

 

海未「居酒屋ですか……」

 

花陽「穂乃果ちゃんらしいね」

 

穂乃果「そんなこと言うのはこの口か!」プニプニ

 

花陽「うぅぅ……!ほっぺプニプニしないでぇ!」プニプニ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こっち注文お願いしたいんだなぁ〜!」

 

真姫「…はぁ、はいはいただいま」スタスタ

 

相戸留「今日は新しい子が多いんだな!みんなアイドルみたいに可愛いんだな〜!」

 

真姫「……そんなことより注文を……」

 

仮沢装 ダッ

 

ササササッ

 

真姫「なっ…!なにを…!!」

 

穂乃果「あ!真姫ちゃん猫耳つけてる!」

 

凛「ノリノリだにゃ!」

 

仮沢装 スッ

 

凛「え?凛たちも?」

 

穂乃果「わぁ!穂乃果は犬耳だ!」

 

真姫「こんなのいらな……!」

 

穂乃果「どう?凛ちゃん!」ワンワン!

 

凛「似合うにゃー!凛は凛は?」ニャーニャー!

 

穂乃果「似合ってるよぉ〜!」わしゃわしゃ

 

凛「にゃ〜!!」

 

仮沢装「グー!」グー!

 

相戸留「目線、こっちにお願いなんだな!」パシャパシャ

 

真姫「ちょっ…!やめなさいよ!」

 

穂乃果凛「いえーい!」

 

真姫「二人も!」

 

穂乃果「ほらほら真姫ちゃんも!」グイッ

 

凛「せっかくだから!ね?」グイッ

 

真姫「なんで私まで……」

 

相戸留「じゃあ最後に一枚!」

 

穂乃果凛「いぇい!」ニャー ワン

 

真姫「い…いぇーい…」ハァ

 

パシャッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

希「お客さん居なくなったから来てみたらなんか面白いことになってるやん」

 

絵里「真姫随分ノリノリね」

 

真姫「ちがっ……!これは!!」

 

穂乃果「希ちゃん!」

 

凛「この人アイドル好きなんだって!」

 

にこ「なんですって!?」

 

ダッ

 

にこ「誰!!アイドル好きは!」

 

相戸留「俺なんだな〜!」

 

にこ「……ごほん」

 

にこ「にっこにっこにー!あなたのハートにラブニコ!みんなのアイドル矢澤にこです!今日は〜!にこのことだけでも覚えて帰ってください!にこ!」

 

音の木坂一同「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「寒い……寒いにゃ……」ガクブル

 

真姫「絵理の【エターナルブリザード】より寒いわ……」ガタガタ

 

絵里「真姫………」

 

にこ「あんたら……覚えてなさいよ……!」

 

相戸留「可愛いんだな〜!!」パシャパシャ

 

仮沢装 スッ

 

にこ「やーん!ありがとうございますぅ!!」スチャッ

 

希「にこっちの一発芸が受けてる……!」

 

にこ「一発芸じゃないわよ!!」

 

花陽「それは……うさぎ?」

 

仮沢装「グー!」

 

真姫「頭痛くなって来たわ……」

 

ことり「あの〜、皆さんにお聞きしたいんですけど…」

 

ノベル「なんだい?」

 

漫画家「僕らが答えられることなら答えるよ」

 

相戸留「ミナリンスキーの頼みとあればお任せなんだな!」

 

仮沢装「グー!」

 

ことり「えっと、メイド喫茶によくお越しになるサッカーチームって知りませんか?」

 

ノベル「んー、聞いたことないなぁ……」

 

漫画家「君たちサッカーやってるのかい?」

 

穂乃果「はい!今大会中なんです!」

 

凛「次は準決勝だにゃ!」

 

漫画家「奇遇だなぁ、僕らも今ちょっと大きな大会に出てるんだよ」

 

穂乃果「サッカーやってるんですか!?」

 

凛「びっくりだにゃ〜…」

 

ノベル「僕らも次準決勝なんだ」

 

真姫「まさか……」

 

漫画家「なんて大会だっけ……」

 

相戸留「えーっと……忘れたんだな」

 

ノベル「フットボールフロンティアだよ」

 

花陽「…え?」

 

漫画家「あぁ〜!確かそんなだった気がするよ!」

 

真姫「うそ……」

 

絵里「フ……….」

 

「「「「フットボールフロンティアァ〜!?」」」」

 

ことり「じゃ、じゃああなたたちが!?」

 

希「秋葉名戸学園!?」

 

漫画家「うん、そうだよ」

 

海未「メイド喫茶に入り浸るサッカーチーム……」

 

海未「まさかこの方々だったとは……!!」

 

穂乃果「とりあえず海未ちゃんは裏方から出てこよっか」

 

凛「声が遠いにゃ〜」

 

 

 

 

 

 

 

絵里「今日は練習休みなんですね」

 

漫画家「?僕らは練習なんてしないよ?」

 

海未「それは……一体どういう……」

 

ノベル「あ、もうこんな時間だ」

 

ノベル「そろそろ帰ろうか」

 

相戸留「だな〜」

 

海未「ちょ、ちょっと待ってください!」

 

ノベル「3日後、よろしくたのむよ」

 

漫画家「僕らは……勝たなくちゃいけないんだ」

 

相戸留「だな〜!」

 

カランカラン

 

穂乃果「………行っちゃった……」

 

ことり「どんな試合になるんだろ……」

 

カランカラン

 

「「「!」」」

 

ことり「おかえりなさいませ……!」

 

相戸留「さ、さいごに!」ハァハァ

 

仮沢装 サササッ

 

スチャッ スチャッスチャッスチャッスチャッ

 

凛「こ、これは…!」

 

希「たぬきさん……」

 

絵里「きつね……」

 

花陽「シカさん……」

 

海未「黒うさぎ……」

 

ことり「………トサカ」

 

凛「ブフゥ…!!」

 

ことり「な、なに!?凛ちゃん!」

 

凛「だ……だって……!!ト、トサカって……ふふっ……!」プルプル

 

ことり「わかってるから言わないで!」

 

ことり「ふん!」プクーッ

 

凛「ことりちゃんごめんにゃ〜!!」ダキッ

 

ことり「……ふん!」

 

凛「なんでもいうこと聞くからぁ!」

 

希「あ」

 

真姫「言っちゃった……」

 

ことり「……なんでも?」

 

凛「い、いや……なんでもっていうのは言葉の綾っていうか……ね?」

 

ことり「なんでもかぁ〜!」

 

ことり「…….うん!許してあげるね!」

 

凛「そんなぁ〜……」

 

海未「自業自得ですよ」

 

希「………」コソッ

 

凛「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「トサカの大盤振る舞いや〜」

 

 

 

 

 

 

「フハンッ……!!」ブフゥ…!

 

ことり「………」

 

凛「………」

 

 

 

 

 

ことり「うわーーーん!!!」ダキッ

 

希「よしよーし、大丈夫よ〜」ヨシヨシ

 

凛「待って今の絶対希ちゃんのせいだよね」

 

相戸留「じゃ、最後に一枚お願いしたいんだな!」

 

絵理「ハーイみんな並んで〜」

 

穂乃果「ほらほら凛ちゃん!並んで並んで!」

 

凛「う〜…!腑に落ちない!」

 

にこ「ちょっと、センターは私よ!」

 

相戸留「はい、チーズなんだなぁ!」

 

パシャ!

 

 

 

カランカラン

 

 

 

にこ「ふー、今度こそ帰ったわね」

 

真姫「まったく……誰がこんなもの……!」

 

凛「ねえことりちゃん、肩もんで欲しくない?」

 

ことり「え、いいの?ありがとう凛ちゃん!」

 

ことり「お願いは使わないけど」

 

凛「うぅぅ……」モミモミ

 

海未「ことり、恐ろしい子…!」

 

にこ「花陽、次の相手……どう見る?」

 

花陽「はい、前評判では参加校最弱とまで言われてたけど……」

 

花陽「どうなんだろ……」

 

にこ「まあ準決勝まで来てるわけだけど…」

 

にこ「……油断しなければ今までの相手よりマシでしょ」

 

花陽「そうだね」

 

にこ「だから油断はダメよ」

 

花陽「はい!」

 

絵里「さ、片付け始めるわよ」

 

ことり「細かいのはことりがやるからみんなは拭き掃除お願い!」

 

「「「「「はーい!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

海未「………」

 

ことり「?海未ちゃんどうしたの?」

 

穂乃果「ボケたけど誰も拾ってくれなかったから拗ねてるの」

 

海未「別に……気にしてなんか……フフ」ブツブツ

 

ことり「うわぁめんどくさい時の海未ちゃんだ」

 

穂乃果「もう少しオブラートに包もうね」

 

 

 

 

 

 

 

シャクシャクシャク

 

凛「え、あの人凛たちが来てからずっとスイカ食べてる………」

 

真姫「あれがラストの一つね」

 

花陽「はらしょー……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

河川敷

 

 

にこ「ほら!もっと気合い入れなさい!」ダッ ゼーゼー

 

凛「はぁい!!」ダッ

 

花陽「はぁぁ〜……もうだめ……」バタッ

 

凛「か、かよちん!?」ザッ

 

にこ「何よ……ハァ、もう、限界なの?」ハァハァ

 

花陽「凛……ちゃん………最後に……言わなきゃ、いけない…こと、が……」ガクッ

 

花陽「………」

 

凛「かよちん……?かよちん!!」ユサユサ

 

にこ「………休憩にするわよ」

 

花陽「やった!」ガバッ

 

凛「かよちん!!」パァァ!

 

にこ「なにこの茶番…」

 

花陽「えへへ」

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「……」

 

絵里「ねぇ希、なんだかいつもより練習厳しすぎない?」

 

希「今回の相手は多分そんなに強敵じゃないから決勝に向けて厳しめにしようって海未ちゃんが」

 

ことり「にこちゃんいいって?」

 

希「そういうことやろなぁ」

 

希「あの様子やと」

 

絵里「へぇ、あのにこが目の前の試合より先の試合を重視するなんてね」

 

海未「しかし、今のままではあのUTXに勝つのは厳しいというのも事実…」

 

海未「悪い選択ではないかと」

 

ことり「もちろん前日は軽くだよね?」

 

穂乃果「休んでなんかいられないよ!!前日も練習だぁー!」

 

ことり「うぅ〜…」

 

絵里「大丈夫よ、ちゃんと軽くするから」

 

海未「当たり前です!」

 

海未「まったく穂乃果は……」

 

穂乃果「えへへへ、ごめんなさい!」

 

穂乃果「……ところで真姫ちゃんは?」

 

海未「先ほどお手洗いに行くと言っていました」

 

穂乃果「そっか!」

 

希「よーし!ウチ達も練習練習!」

 

「「「「「おー!」」」」」

 

海未(それにしても……個性の強い方々でしたね)

 

 

 

相戸留ノベル漫画家仮沢装「ハックシュン!」

 

相戸留「あぁ…!!フルコン逃したんだなぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「じゃあねー!」

 

花陽「うん!また明日!」

 

真姫「……ええ」

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「ふんふんふーふふんふんふんふんりんりんりんがべー♪」

 

「凛!!」

 

凛「にゃ!?」クルッ

 

真姫「私と……ハァ……やってほしいことがあるの!」

 

凛「やってほしい……こと?」

 

真姫(御影専農戦で見たダブルトルネード、あれを応用すれば……)

 

真姫「今から時間ある?」

 

凛「あるけど……」

 

真姫「公園にいくわよ!」グイッ

 

凛「え…ええ!?」グイッ

 

タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「ええ〜〜!?」

 

真姫「しっ!声が大きい!」ヒソッ

 

凛「ほ、本当にそんなことできるの?」

 

真姫「できるかどうかじゃない」

 

真姫「やるかやらないかよ」

 

真姫「やらないの?」

 

凛「やるにゃ!」

 

真姫「……厳しいわよ」スッ

 

凛「望むところだにゃ!」パチンッ!

 

真姫「………」

 

凛「?どうしたの?」

 

真姫「いや……握手のために手、出したんだけど……」

 

凛「ご、ごめんね真姫ちゃん!!」ガシッ ブンブン!

 

真姫「………痛い」ブンブン

 

 




少し長くなってしまいましたが切る場所もなかったのでまとめてです!

あと全く関係ないですが格段に夜が暑い



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第8話「VS秋葉名戸!」


ひと玉スイカチャレンジをするためにスイカを買いに行くつもりの乾電池です

去年した時は季節の終わり時であまり甘くなかったのだリベンジなのです




 

 

 

秋葉名戸学園

 

穂乃果「ここ……すごいね……!」

 

絵理「ええ、アニメのポスターがたくさん貼ってあるわ」

 

希「音の木坂やったら規制対象やなぁ」

 

海未「ハ、破廉恥です!!あんな……スカートの短い女の子が……!!」

 

ことり「なんだか秋葉原って感じだね」

 

花陽「ここは個性的な生徒が集まる学校らしいからそのせいかも」

 

にこ「……本当に強いのかしら」

 

凛「にこちゃん、かよちん、真姫ちゃん」

 

にこ真姫花陽「なに?」

 

 

 

「………」シャクシャクシャク ポロポロポロ

 

凛「あそこにメイド喫茶の店長がいる……」

 

にこ「あの人向こうの監督だったの!?」

 

花陽「なんで泣いてるんだろう……」

 

 

「実は……」

 

真姫「ヴェェ!?誰よあんたたち!」

 

マネージャー「私たち、秋葉名戸のマネージャーなんですけど…」

 

にこ「……なんでメイド服着てるの?」

 

マネージャー「我がチームと試合するチームのマネージャーにはこの服を着てもらう決まりなんですが…」

 

真姫「も、もう嫌よ、その服!」

 

花陽「待って真姫ちゃん!」

 

花陽「マネージャーってことは……」

 

マネージャー「はい、そちらにマネージャーがいらっしゃらないので……」

 

マネージャー「監督落ち込んでるんです」

 

にこ「何事かと思ったら……」

 

にこ「すっごくくだらないことじゃない!!」

 

凛「あ、もうフタ2玉目食べ始めたにゃ」

 

花陽「お腹チャプチャプにならないのかなぁ」

 

真姫「スイカは殆どが水だからね」

 

にこ「あそこにあるの全部食べ切る気かしら……」

 

絵理「ハラショー……」

 

希「スピリチュアル……」

 

にこ「あんたら無理やり入ってくんじゃないわよ!」

 

絵理「そ、そんなつもりは……!」

 

希「な、ないよ?」

 

にこ「目泳ぎまくってんのよ!」

 

穂乃果「よし!みんな行くよ!」

 

「「「「おーー!!」」」」

 

 

 

凛「……真姫ちゃん」

 

真姫「ダメよ」

 

凛「だよね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「さぁ……前半も終わりが近づいてきておりますが」

 

角間「以前得点は動きません…」

 

角間「ずっと自陣でボールを回す秋葉名戸……!」

 

 

 

 

海未「………なんだか変な感じですね……」

 

絵理「御影専農とはまた違う感じがするのよね……」

 

にこ「勝負する気あるの?」

 

 

 

 

希「てやぁー!」ダッ

 

ロボ「はぁー!」ザッ

 

ロボ「ガシィーンガシィーン!ハイパーボール!!」

 

ロボ「発射!」ドッ

 

希「あっ……」

 

 

 

 

 

真姫「いい加減にしなさい!」

 

ヒーロー「来たな、悪の軍団め!」トッ

 

ヒーロー「この町の平和は、俺が守る!!」

 

真姫「はぁ!?」

 

 

ピーーーーーーー

 

角間「ここで前半終了ぉーー!!一体どうした秋葉名戸!!」

 

 

 

 

 

 

 

にこ「なんなのよ!?」

 

海未「何か意図があるとしか思えませんが……」

 

ことり「後半は流石に攻めてくるよね……?」

 

凛「そうじゃなきゃ試合にならないにゃ〜」

 

花陽「毎回こんな戦い方してるのかな?」

 

穂乃果「後半攻めてくるならやることは一つ!」

 

絵理「カウンターよ!」

 

穂乃果「また穂乃果のセリフとったぁ!!」

 

希「よーし!後半、油断しないように頑張ろー!」

 

「「「「おー!」」」」」

 

海未「特に穂乃果ぁーー!!」

 

「「「おーー!!」」」

 

穂乃果「すっごく複雑……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーー

 

秋葉名戸0-0音の木坂

 

角間「音の木坂ボールで後半スタートいたしました!」

 

ザザザッ !

 

角間「……おおっとぉ!?前半とは違い全員で敵陣へ切り込んで行く秋葉名戸!!」

 

絵理「前半とは動きが違う!」

 

にこ「面白いじゃない……!」

 

ノベル(我々の体力では1試合戦い抜くことは不可能!)

 

漫画家(後半勝負!)

 

にこ「むっ……!」タッタッタッ

 

ヒーロー「フッ……!」

 

 

ヒーロー【フェイクボール!】

 

 

 

ヒーロー タッタッタッ

 

 

にこ「は?何がフェイクボールよ……」

 

にこ「全然止めれて………!?」ガッ

 

にこ「なっ……はぁ!?」

 

凛「あ、あれは!!」

 

花陽「スイカァ!?」

 

角間「おーっとこれは不運!!フィールド外から乱入したスイカと入れ替わってしまったぁぁ!!」

 

監督 シャクシャク

 

希「ずいぶん汚い手使うやん?」ダッ

 

ヒーロー「とう!」ドッ

 

ノベル トッ

 

希「あ……」

 

 

 

 

ノベル「いくよ!」

 

穂乃果「こい!」グッ

 

 

ドシュ!!

 

フミコ「なっ!?」

 

穂乃果「どういうこと!?」

 

角間「こ、これはぁ!?ゴールの目の前にいるにもかかわらずゴールとは正反対の方向へシュートを繰り出したぁ!!」

 

海未「一体何を……」

 

海未「!!」

 

 

 

シャキーーン!

 

ゲーマー【ど根性バット!】

 

 

 

 

 

ゲーマー「どぉぅらぁぁ!!!!」ブゥン!

 

カキィン!

 

 

 

 

 

穂乃果「そんなっ!!」ダッ

 

ドシュルルルルル!!

 

 

角間「き、きまったぁ!!秋葉名戸に一点がはいりましたぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「……………」正座

 

海未「………….」

 

花陽「う、海未ちゃん……」

 

海未「………………はぁ」

 

海未「今回はしかたありません、あれは流石に予想外です」

 

絵理「それより、やっと攻撃できるわね」

 

にこ「あのスイカさえなければにこが上がっていけたのに!!」

 

凛「あのスイカなんだかずるいにゃ〜」

 

ことり「………」

 

真姫「こうやって今まで勝ち進んでたのかしらね」

 

希「やられっぱなしは嫌やしな〜」

 

穂乃果「よーしみんな!せめて攻めて攻めまくるよ!!」

 

「「「「「おー!」」」」」」

 

海未「次は……頼みましたよ…?」ジロッ

 

穂乃果「……ひゃぃ………!」ガクガク

 

 

 

 

 

 

 

秋葉名戸1-0音の木坂

 

ピーーーーーーー

 

角間「1点ビハインドの音の木坂!どう攻め上がるのか!?」

 

 

クルッ タッタッタッ クルッ タッタッタッ

 

 

 

にこ「!……こいつら…」

 

絵理「全員で守るつもり!?」

 

 

海未「絵理!突っ切ってください!」

 

絵理「ええ!」ダッ

 

 

 

ノベル ザッ

 

クルッ ダッ ザザザッ

 

絵理「ことり!」ドッ

 

ことり トッ

 

タッタッタッ

 

漫画家「はぁ!」

 

ことり「希ちゃん!」ドッ

 

 

 

希「ほっ!」トッ

 

ヒーロー「行かせないぞ!悪の手先め!」

 

 

ヒーロー【フェイクボール!】

 

希【イリュージョンボール】

 

 

タッタッタッ

 

 

ヒーロー「な、なにぃ!?」ガッ

 

ヒーロー「ヘブチッ……!!」ドサッ

 

希「すり替えられんかったみたいやね!」

 

凛「さっすが希ちゃん!」

 

希「真姫ちゃん!」ドッ

 

 

真姫「ええ……!」トッ

 

 

 

 

ゲーマー「いくぞ!」

 

「五!」「里!」「霧!」「中!」

 

ズババババババババ!!!!!

 

 

 

 

ボフゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!

 

 

真姫「っぐ……!この砂嵐の中じゃ跳べない……!」

 

絵里「真姫、いただくわよ!」

 

真姫「絵里!」

 

 

 

 

「吹き荒れろ……」

 

パキパキパキパキ

 

 

 

絵里【エターナルブリザード!】

 

 

ドゴォォォ!!!!

 

 

ドシュウウウゥゥ………!

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

絵里「決まったかしら…」

 

真姫「砂嵐が激しすぎて見えないわ……」

 

 

 

 

 

 

 

コロコロコロ……

 

相戸留「はぁ……はぁ…」

 

 

角間「なぁんと!!絢瀬の放ったシュートは惜しくもゴールを外していたぁ!!」

 

絵里「そんな……!たしかに真ん中を狙ったのに……」

 

海未「どういうことでしょう……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未【菊一文字!】

 

 

ドシュウウウゥゥ!!

 

 

 

 

 

真姫「ちょっと離れれば……」ダンッ!

 

 

グルグルグル

 

真姫【ファイアトルネード!】

 

 

ドシュウウウゥゥ!!

 

 

 

 

 

 

 

コロコロコロ………

 

相戸留「はぁ……はぁ……」

 

角間「どうしたどうしたぁ!?音の木坂ことごとくゴールを外していくぞぉ!!」

 

 

 

 

 

真姫「どういうこと?」

 

海未「……わかりません……」

 

希「ゴールの真ん中を狙っても外れる……」

 

角田「残り時間も刻一刻と過ぎていきます!」

 

 

 

 

アーケード「えー、まもなくー、秋葉名戸学園のぉー、勝利ー、勝利ー」

 

 

 

 

ことり「あの砂嵐の中で何が……」

 

ことり「!」

 

ことり「凛ちゃん!」

 

凛「にゃ?」

 

ことり コショコショコショ

 

凛「……うん!やってみるにゃ!」

 

凛「希ちゃん!真姫ちゃん!」

 

真姫「何か思いついたみたいね」

 

希「面白そうやん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「おーっと星空があがってきたぁ!!」

 

 

にこ「凛!」ドッ

 

凛「いくにゃぁ!」トッ

 

 

 

タッタッタッ ザザザッ クルンッ ダッ!

 

 

角間「これは素晴らしいドリブルだぁ!!グングンあがっていくぞぉ!!」

 

凛「真姫ちゃん!」ドッ

 

 

真姫「ええ!」トッ

 

ドキュッ!

 

 

角間「これは高く蹴り上げたぁ!!またまた【ファイアトルネード】かぁ!?」

 

 

 

 

 

 

漫画家「させないよ!」

 

 

「五!」「里!」「霧!」「中!」

 

ズババババババババ!

 

 

 

 

 

 

ボフゥゥゥゥゥゥゥ!!!!

 

 

真姫「っぐ……!」

 

真姫「甘いのよ!…………凛!」

 

 

 

 

 

 

凛「希ちゃん!」ダッ

 

希「うん!」ダッ

 

 

グッ ダンッ!!

 

 

凛【たつまきおとし!!】ドキュッ!!

 

 

ノベル「どんな技でも無駄だよ!」

 

真姫「どんな技でも……ね」ニヤッ

 

 

 

 

 

 

ドシュルルルル!!!!

 

 

ノベル「あ、あれは!!」

 

角間「こ、これはぁ!?星空のシュートはゴールへは向かわず砂嵐の足元へ打ち込まれたぁ!!」

 

 

 

 

 

ドシュルルルルル!!!!

 

ブワァァァァァァ!!!!

 

 

 

 

 

花陽「砂嵐がなくなっていく………って」

 

海未「な、なんですかあれは!?」

 

凛「現行犯だにゃ……」

 

 

 

 

 

 

相戸留「バ……バレたんだな……」

 

角間「こ、これは秋葉名戸!!ゴールを動かしていたぁ!これではシュートが入らない!!」

 

ノベル「なぜわかったんだい」

 

ことり「あれは目くらましとはまた……別の役割があるんじゃないかなって思ったんです」

 

希「大当たりやったってことやね」

 

ノベル「さすがだね、でもまだ試合は終わってないよ!」

 

ことり「こんなことして勝って……!一体何になるんですか!」

 

ノベル「勝てばいいのだよ!勝てば!!」

 

漫画家「僕らは……どんな手を使っても勝たなくちゃいけないんだ」

 

ことり「…………!」ギュッ

 

 

 

 






次回、ことりちゃん覚醒!(嘘)

半分嘘で半分本当です


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「試合終了!」

スイカひと玉買ってきたのが大当たりだった乾電池です

幸せです




ことり「こんなことして勝って……!一体何になるんですか!」

 

ノベル「勝てばいいのだよ!勝てば!!」

 

漫画家「僕らは……どんな手を使っても勝たなくちゃいけないんだ」

 

ことり「…………!」ギュッ

 

 

 

 

 

 

卑怯な手を使い勝利しようとした秋葉名戸に何か、込み上げるものを感じたことり

 

一体…?

 

 

 

 

 

 

相戸留 パシッ

 

角間「ワンバウンドした星空のシュートはキーパー相戸留ががっちりキャッチ!」

 

相戸留「だなー!」ドッ

 

漫画家 トッ

 

 

ことり「たぁー!」ズザザザッ

 

漫画家「うわぁ!」ドサッ

 

角間「これは激しいスライディング!見事ボールを奪ったぞ!」

 

ことり タッタッタッ

 

にこ「ちょっ……ことり!?」

 

花陽「そっちはゴールじゃないよぉ〜…」

 

凛「あっちだにゃー!」

 

ことり ピタッ

 

ダッ!

 

 

角間「センターラインまで戻った南!一気に敵陣へ駆け抜けていく!」

 

ことり「凛ちゃん来てて!」

 

凛「へ!?う、うん!」ダッ

 

 

ヒーロー「いかせん!悪の軍……」

 

ことり「悪はどっちですか!卑怯な手ばかり使って……」

 

ことり「今あなたのしていることは、子供に胸を張って言えることですか!!」

 

ヒーロー「う……」ガクッ

 

 

 

 

ノベル「止めてみせる!」

 

漫画家 タッタッタッ

 

ことり「…………」タッタッタッ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

メイド喫茶

 

ノベル「この本は僕と彼の共同で作った本なんだ」

 

漫画家「高校の間に出せるようにって頑張った甲斐があったなぁ……」

 

ことり「わぁ……!おめでとうございます!」

 

ノベル漫画家「ありがとう…!」

 

ことり「ちょっと待っててくださいね!」タッタッタッ

 

タッタッタッ

 

ことり「お待たせしました!」

 

コトッ

 

漫画家「?これは?」

 

ことり「……私からのお祝いです!」

 

ことり「お店には内緒ですよ?」シー

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ことり「あの時は本当にすごいと思いました…!でも、実はこんな卑怯な人たちだったなんて………」

 

ことり「読者さまに謝ってください!」

 

ノベル「はっ……!」ガクッ

 

漫画家「くっ……!」ガクッ

 

 

 

 

 

 

にこ「ねえ、ついていけないんだけど」

 

真姫「ことりも溜まってるものがあるんでしょ」

 

絵里「ハラショー…」

 

 

 

 

 

ゲーマー「まずいっ…!」

 

「五!」「里!」「霧!」「中!」

 

ズババババババババ!

 

 

 

ボフゥゥゥゥゥゥゥ!!!

 

 

 

ことり「うぐっ……!」

 

ことり「まだこんなことを続けるんですか!」

 

ゲーマー「うるさい!これが俺たちのやり方だ!」

 

ことり「……!」

 

ことり「もう怒りました……!」

 

ことり「激おこちゅんちゅん丸です!」バッ!

 

海未「なんですかその気の抜けるような怒り方は……」

 

ことり「凛ちゃん!希ちゃん!」ドッ!

 

 

 

 

 

凛希「はぁぁぁ!!!!」グンッ!

 

凛希【たつまきおとし!】

 

 

 

 

ドシュルルルルル!!!!

 

ブワァァァァァァ!!!

 

 

 

 

ゲーマー「くっ……砂嵐が晴れて……」

 

 

 

 

ポーン

 

 

角間「地面にワンバウンドしたボールは高く上がっていく!」

 

 

ことり「これがことりの気持ちです!」

 

ドキュッ!!!

 

 

 

 

 

相戸留「なぁぁ!!」バッ

 

 

ドシュルルルルル!!!

 

 

 

 

 

ことり スタッ

 

 

 

 

ことり「月に変わって、お仕置きです!」

 

 

 

「「「「「「グフゥ………!」」」」」」

 

 

ドサドサドサドサ

 

 

 

 

 

 

 

海未「ことりぃぃぃぃ!!!」ダッ

 

にこ「何が何だかわからないけどとにかくすごいわあんた」

 

花陽「セーラームーン……懐かしい」

 

穂乃果「月に変わって、お仕置きよ?」キッ

 

ことり「ほ、穂乃果ちゃん……!」アワワ

 

凛「決まってたにゃー!…恥ずかしいぐらいに」

 

ことり「違うの!ついやっちゃったっていうか……」

 

絵里「大丈夫よ、私たちの友情はそんなことで崩れたりはしないわ」

 

真姫「ええ、ナイスシュートだったわ」

 

ことり「違うのにぃ!」ショボン

 

絵里「凛と希もお疲れ様!」

 

花陽「うん!すごかった!」

 

凛希「えへへ〜」テレテレ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノベル「………ぼくたち、何してたんだろうね」

 

漫画家「目先の欲に囚われて、本当に大事なことを忘れてたよ」

 

ヒーロー「子供に胸を張れる……か」

 

 

 

 

ノベル「みんな!正々堂々勝ってやろうじゃないか!」

 

 

「「「「「「「おー!」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲーマー【グレネードショット!】

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

ことり「うぐっ……!」ザッザッ

 

ヒーロー「誇れるヒーローに……なってみせる!」バッ

 

ことり「ふぐっ……!」ガクッ

 

ノベル「はっ!」ドッ

 

漫画家「ほっ!」ドッ

 

ノベル「よっと!」トッ

 

にこ「こいつら……!なんて息のあった連携」

 

 

 

 

 

 

角間「さあ両者一歩も譲らず時間だけが過ぎていきます!」

 

 

 

 

絵里「さっきより手強いけど楽しいわね」

 

海未「ええ、彼らの強い気持ちが伝わってきます」

 

にこ「感心してる場合……!?」

 

 

 

 

 

角間「残り時間もわずかとなりました!追加点を入れるのはどちらのチームだぁ!?」

 

 

 

 

花陽「真姫ちゃん!」ドッ

 

 

 

 

 

真姫「これで終わりよ!」ダンッ!

 

 

 

 

 

グルグルグル

 

真姫【ファイアトルネード!】

 

 

ドゴォォォ!!!!

 

 

 

相戸留「な、ななななんだなーー!!」バッ

 

 

ドシュゥゥゥゥ!!!!

 

 

 

角間「ゴーーーール!追加点を決めたのは音の木坂です!」

 

 

 

「「「「「「やったぁ!!」」」」」」

 

 

ピッピッピーーーーーーー

 

 

角間「ここで試合終了のホイッスルー!」

 

角間「勝ったのは音の木坂高校ーー!!」

 

角間「実況は角間、角間でお送りしましたぁ!!」

 

 

 

 

ありがとうございましたぁ!

 

 

ザッザッ

 

ノベル「君は……どうしてそうまでして……」

 

ことり「ことりは……頑張ってる人が好きなんです」

 

ことり「秋葉名戸さんはみんな何か一つ、胸を張れるほど頑張っているものを持ってる」

 

ことり「だからことりは秋葉名戸さんの方たちも好きだったんです」

 

ことり「そんな人たちに卑怯な手を使って欲しくなかった………それだけです」

 

ノベル「そうか……色々勉強になったよ、ありがとう」

 

ことり「いえいえ♪」

 

ことり「そういえば、どうしてそうまでして勝とうと思ってたんですか?」

 

漫画家「フットボールフロンティアで優勝すれば、アメリカ行きって特権が付いてくるんだ」

 

漫画家「そこにしかない限定フィギュアを買うつもりだったのさ」

 

ことり「はぁ〜……なんだかすごいですね」

 

ノベル「もう今となっては無駄だけどね、君たちの勝利を祈ってるよ」

 

ことり「はい!頑張ります!」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「よーし!それじゃあ雷雷軒に……」

 

絵里「ちょっと待って」

 

海未「どうしたのですか?」

 

絵里「次はいよいよUTXよ、だからいつもは休みだけど……」

 

絵里「練習は今からにしましょう」

 

凛「えぇ〜!?いつも試合の後は休みなのにぃ……」

 

花陽「花陽は今日ほとんど動いてないから……」

 

真姫「それもそうね、悪くないわ」

 

にこ「みんな今日はいつもより動いてないから大丈夫でしょ」

 

凛「ラーメン……」

 

監督「予選突破したら腹一杯食わせてやる、タダでな」

 

凛「よーし!決勝に向けて頑張るにゃー!」

 

にこ「切り替え早!」

 

花陽「花陽はこっちの凛ちゃんも好きだよ」

 

希「………二人はいいコンビやね」

 

花陽「へ?どういうこと?」

 

真姫「凛と花陽は仲良しねってことよ」

 

凛「えへへ!でも…」グイッ

 

花陽「うん!」グイッ

 

真姫「ちょ、ちょっと!」グラッ

 

花陽「今は真姫ちゃんもだよね!」ギューッ

 

凛「にゃー!」ギュー!

 

真姫「ちょ、はな……離しなさいよ!」ジタバタ

 

ことり「こんな真姫ちゃんの顔初めて見た…」

 

海未「顔真っ赤っかですね」

 

穂乃果「レアショットゲット」パシャパシャ

 

真姫「撮らないで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒデコ「よし、送信完了」

 

フミコ「もう真姫ちゃんのとこ抜粋しないで送ったけど別にいいよね?」

 

ミカ「いいんじゃない?」

 

 

 

 

 

 

西木野パパ「どこだ……!どこにいる真姫!」ジーッ

 

看護師「オペ中ですっつってんでしょうが!!」

 

 

 




まだ冷えてないからスイカ食べれない……

冷えて……冷えて……



挿絵
ことりちゃん


【挿絵表示】


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第9話「助っ人?」


勉強がはかどらない乾電池です

もうやだぁぁぁぁ




 

予選決勝に無事駒を進めた音の木坂

 

当初の目的であった音の木坂の知名度はどれほど上がったのか…?

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「絵里ちゃん、入学希望者はどうなってるの?」

 

絵里「…….かなり増えてきてはいるけど……」

 

希「まだ廃校取り消しとはいかんかなぁ」

 

凛「もー!一体どれだけ勝てば良いにゃぁ!」

 

海未「少なくとも予選突破するぐらいでなくては人は集まらないでしょう」

 

花陽「うぅ…やっぱり簡単じゃないんだね」

 

にこ「あんたら……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「私たちの目標は!!!」

 

一同「フットボールフロンティア優勝!!」

 

にこ「わかってるんだったら今更バタバタしない!」

 

にこ「つ、次はいよいよ決勝なんだから!」ガタガタ

 

凛「生まれたての子鹿みたいになってるにゃ……」

 

希「今から緊張しすぎやん」

 

真姫「決勝はどこなの?」

 

海未「決勝へは順当にUTX高校が勝ち上がって来ているようです」

 

希「……A-RISE」

 

監督「そういえば………助っ人は見つかってるのか?」

 

穂乃果「助っ人?」

 

海未「大会要項を読んでいないのですか?」

 

絵里「大会予選決勝からは最大二人まで中学生以下から助っ人を呼ぶことができるのよ」

 

花陽「でも……そんな子いるの?」

 

希「中学生以下っていうと……亜里沙ちゃん?」

 

真姫「誰?その子」

 

絵里「私の妹よ、アイススケートが得意なの」

 

絵里「もちろんサッカーもね」スッ

 

絵里「でも今連絡つかないのよね」トトトッ

 

凛「それじゃあダメだにゃ〜」

 

絵里「日本の親戚の家にいるはずなんだけど……」

 

絵里「今度行ってみるわ」

 

海未「穂乃果、雪穂はどうですか?」

 

ことり「そっか!確か雪穂ちゃんサッカーやってたよね!」

 

穂乃果「でも……高校ではしないって」

 

にこ「なら連れて来なさいよ」

 

穂乃果「だからしないって言って……」

 

にこ「高校では、でしよ?」

 

希「中学生助っ人としてなら来てくれるんやない?」

 

穂乃果「にこちゃんものすごい屁理屈……」

 

にこ「賢いって言ってくれる?」

 

絵里「そうね、頼んでみてくれる?」

 

にこ「でも私たちについてこれるの?」

 

真姫「確かにそれは問題ね」

 

監督「……一度練習に来て貰えばいい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂むら

 

雪穂「試合?いいよ?」パクッ

 

穂乃果「そうだよね、ダメだよね……」

 

穂乃果「ってぇえ!?いいの!?」

 

雪穂「……なんでお姉ちゃんがびっくりしてるの…」ムグムグ

 

穂乃果「だ、だって、ダメだと思ってたから」

 

雪穂「まあ落ち着いて、チョコいる?」

 

穂乃果「ありがと」パクッ

 

雪穂「あんこ入りだけど」ニヤッ

 

穂乃果「後出し!!」ムグッ!?

 

穂乃果「あんこあきたぁー!!」バタバタ

 

雪穂「白あんもあるよー」

 

穂乃果「もっと飽きたぁ!!」ジタバタ

 

穂乃果ママ「表まで聞こえてんのよぉ!!」バンッ!

 

穂乃果「ご、ごめんなさい……」ビクッ

 

ピシャン!

 

穂乃果 ジロリ

 

雪穂 ピュ〜♪

 

雪穂「で、私はどうすればいいの?」

 

穂乃果「あ、そうだ、一度練習に来てよ!」

 

雪穂「う、うん………それはいいんだけど」

 

穂乃果「?何かあるの?」

 

雪穂「次の試合って………4日後だよね?」

 

穂乃果「そうだけど……」

 

雪穂「1日……いや、2日だけ待って!」ドタバタ

 

穂乃果「………どうしたんだろう?」

 

雪穂(受験勉強でついたお肉少しでも落とさないと……!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「え!?亜里沙はウチに来てる!?」

 

「ええ……お姉ちゃんのとこで暮らすからって………1ヶ月ぐらい前から」

 

絵里「1ヶ月……」

 

「そっちに行ってないの?」

 

絵里「い、いえ!すみません!勘違いだったみたいです、アハハハハ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「亜里沙……どこ行ったの?」トボトボ

 

絵里「まさか…事件に巻き込まれたんじゃ……!!」

 

ピロリン

 

絵里「希かしら?」トトッ

 

絵理「………!!」

 

絵里「亜里沙ぁ!?」

 

絵里「一体なんて……」トトトッ

 

ピッ

 

絵里「……どういうこと?」

 

[もうすぐだね]

 

???「………」コソッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「うぐっ……!」ドサッ

 

凛「いにゃ!?」ドサッ

 

真姫「もう一回よ!」スクッ

 

凛「うん!」スクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合まであと1日

 

 

 

雪穂「姉がいつもお世話になってます!」

 

雪穂「助っ人に入らせていただく、妹の高坂雪穂です!」

 

雪穂「よろしくお願いします!」

 

雪穂「音の木坂中学です!」

 

 

絵理「!」

 

ことり「雪穂ちゃんいらっしゃい!」

 

海未「大きくなりましたね」

 

雪穂「久しぶり!」

 

花陽「海未ちゃんたちは幼馴染なんだね」

 

凛「穂乃果ちゃんとはあんまり似てないにゃ〜」

 

にこ「礼儀正しいとことかね」

 

穂乃果「ひどいよにこちゃん!」

 

にこ「ま、うちの子たちも負けないぐらい礼儀正しいけどね!」

 

凛「なぁんだ、にこちゃんのところも似てないんだね」

 

にこ「どういうことよ……!!」ギリギリ

 

凛「いはいいはい!!」ギリギリ

 

希「でもなんで2日空いたん?」

 

雪穂「そ、それは……!心の準備とか……いろいろです!」アセアセ

 

雪穂(少しでも体重落とすためなんて言えるわけないじゃん……!!)

 

絵里「………」

 

監督「それじゃあテストを始めるぞ」

 

雪穂「はい!」

 

監督「と言ってもかしこまることはない、今日一日練習を見て決める」

 

穂乃果「いくよ、雪穂!」タッタッタッ

 

雪穂「わかってるよ!」タッタッタッ

 

ことり「ふふ、張り切ってるね穂乃果ちゃん」

 

海未「全く……いつもああならいいのですが」

 

にこ「どんな子なのかしらね」

 

花陽「私たちの後輩だよ!凛ちゃん!」

 

凛「楽しみだにゃー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂「はぁ、はぁ、はぁ」タッタッタッ

 

にこ「……はぁ………はぁ」ゼーゼー

 

にこ「体力は……はぁ、大丈夫そうね」

 

希「むしろにこっちの方が限界やん?」

 

にこ「ま、まだまだぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂「ふっ……!」ノペー

 

ことり「ほぉっ……!」ノペー

 

絵里「んっ……」ノペー

 

にこ「あいつらなんなの?」ググググッ

 

凛「いだだだだだ!!!!」

 

にこ「あ、よそ見してたわ」

 

凛「ひどいにゃ!!」

 

希「柔軟性は大丈夫みたいやね」ググググッ

 

花陽「は……はい!」ウググ

 

穂乃果「も、もうダメ……!」バタッ

 

海未「穂乃果!あなたまた家での柔軟サボりましたね!?」

 

穂乃果「お助け〜!!」ヒィィ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「ほっ!ほっ!」ザザザッ

 

雪穂「はっ!はっ!」ザザザッ

 

絵里「凛の動きに負けてないわね……」

 

花陽「普通に凄いよね」

 

真姫「ポジションはどこかしら…」

 

海未「雪穂!次は私です!」

 

雪穂「うん!」ダッ

 

ガッ! ザザザッ! ガガッ!

 

穂乃果「いけー!雪穂ー!」

 

穂乃果「海未ちゃんをやっつけろー!」

 

雪穂「なんか……ごめんね」

 

海未「いえ、あとでお仕置きしておきますか……ら!」ダッ

 

雪穂「ぬわー!抜かれたぁ!」

 

海未「まだまだ負けませんよ!」

 

ガッ

 

雪穂「危ない!」

 

海未「おっと!」スタッ

 

テンテンテン コロコロ……

 

雪穂 ホッ

 

 

絵里 トン

 

海未「すみません絵里、取っていただけますか?」

 

絵里「え……あ!うん!」ドッ

 

海未「………?ありがとうございます」トッ

 

監督「よーし、集まってくれ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監督「テストの結果だが………」

 

雪穂「ゴクリ」

 

穂乃果ことり海未「ゴクリ」

 

監督「………合格だ、試合の日、頼んだぞ」

 

雪穂「はい!」

 

真姫「ポジションはどこなの?」クルクル

 

雪穂「DFです!」

 

花陽「わぁ…!私もだよ!」

 

花陽「一緒に頑張ろうね!」

 

凛「凛も!凛もだよ!」

 

雪穂「はい!よろしくお願いします!」

 

にこ「このにこにーが明日までに色々叩き込んであげるわ!」

 

希「どっちかっていうと教えてもらうことの方が多そうやけど……」

 

凛「……反面教師……」ボソリ

 

にこ「聞こえてんのよ!!」グリグリ

 

凛「ぎにゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

絵里「あの……雪穂ちゃん?」

 

雪穂「はい?……あ!亜里沙のお姉さん!」

 

絵里「!やっぱり亜里沙を知ってるのね!」

 

雪穂「はい!よく話は聞いてますよ!」

 

絵里「それで……最近亜里沙におかしなことなかった?」

 

雪穂「おかしなこと……?」

 

雪穂「あ〜……そういえば」

 

絵里「な、なに!!」バッ

 

雪穂「帰りよくクレープとか一緒に食べてたんですけど、なくなったな〜って」

 

雪穂「基本まっすぐ帰るようになりましたね」

 

雪穂「ダイエットでもしてるのかな?」

 

絵里「それは………いつごろから?」

 

雪穂「えーっと……」

 

雪穂「あんまりはっきり覚えてないですけど……一、二ヶ月ぐらい前……ですかね」

 

雪穂「普段はなにも変わったとこはないですけど…」

 

絵里「一ヶ月前……」

 

絵里「そう……ありがとう」

 

雪穂「い、いえ……何かあったんですか?」

 

絵里「大丈夫よ」ニコッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「凛、今日もやるでしょ?」ヒソッ

 

凛「当たり前だにゃ!」

 

希「な〜にを企んでるんかなぁ?」

 

真姫凛「な、なにも!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「じゃあバイバーイ!海未ちゃんことりちゃん!」

 

海未「はい、明日頑張りましょうね」

 

ことり「絶対勝つよー!」

 

雪穂「うん!今日はありがと〜!」

 

 

 

 

穂乃果「じゃあ帰ろっか!」

 

雪穂「……ごめんお姉ちゃん」

 

雪穂「用があるから先に帰っててくれる?」

 

穂乃果「もう暗いし穂乃果もいくよ?」

 

雪穂「大丈夫だよ!すぐ終わるし」

 

穂乃果「そう?気をつけるんだよ!知らない人には……」

 

雪穂「もうそんな子供じゃないよぉ!!」

 

 

 

 

 

穂乃果「まだ〜、ゴォルじゃなぁ〜い♪」テクテク

 

穂乃果「今日の晩ご飯はなーにかな?」テクテク

 

穂乃果「?」

 

穂乃果(家の前に誰かいる……)

 

???「久しぶりね」

 

穂乃果「……誰」

 

???「あら、忘れちゃったの?」テクテク

 

穂乃果「あ、あなたは!」

 

 

 

穂乃果「綺羅さん!」

 

ツバサ「こんばんは、高坂穂乃果さん」

 

穂乃果「な、なにしに来たんですか…!」

 

ツバサ「……試合前に、リーダーであるあなたに言っておこうと思って」

 

スッ

 

穂乃果「ちょ、ちょっと……!」

 

ツバサ「この間の練習試合のこと……」

 

ツバサ「ひどいプレーをしたこと……謝るわ」

 

ツバサ「本当にごめんなさい」

 

穂乃果「………」

 

穂乃果「確かに……私たちはあの試合で怪我もしました」

 

穂乃果「辞めた子はいなかったけどそれなりにダメージもありました」

 

穂乃果「でも……なんの意味もなくしているようには思えませんでした」

 

穂乃果「希ちゃんの家と部室にあった薬のこともあるし……」

 

穂乃果「なにか……意味があったんですよね?」

 

ツバサ「東條さん?」

 

ツバサ(あんじゅが薬局でコソコソしてたのはそういうこと……)

 

穂乃果「はい……」

 

ツバサ「ええ、それは確かに私たちよ」

 

ツバサ「あなた達にひどいことした訳も確かにある……でも」

 

ツバサ「ごめんなさい………まだ答えられないの」

 

穂乃果「………」

 

ツバサ「お願い……今更私たちが言えることじゃないかもしれないけど……信じて」

 

穂乃果「……」

 

穂乃果「わたしたち、決めたんです」

 

穂乃果「綺羅さんたちに本当のことを聞くまで、信じようって!」ニコッ

 

ツバサ「………!」パァァ!

 

穂乃果「本当のことを言ってくれるまで、待ってますから」

 

ツバサ「……ありがとう、本当に」ペコッ

 

穂乃果「だ、だから顔あげてくださいぃ!!」

 

穂乃果(先輩に頭下げられるのムズムズする!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「今日もダメだったにゃ〜…」

 

真姫「いいところまで行ってたのにね」

 

凛「きっと明日には出来るようになってるにゃ!」

 

真姫「だといいけど……」

 

凛「!!」

 

真姫「凛?」

 

凛「隠れて!」バッ

 

真姫「うぐっ…!」

 

真姫「なにするのよ!」

 

凛「しーっ!あれ見て!」ヒソヒソ

 

真姫「あれは……穂乃果?」

 

真姫「隣にいるのは……綺羅ツバサ……!?」

 

穂乃果 アワアワ

 

ツバサ ペコッ スタスタ

 

凛「今の……」

 

真姫「一体……?」

 

 

 

 

 

 

雪穂「………」スタスタ

 

ピタッ

 

???「…………!」クルッ

 

雪穂「ごめん……待たせたね」

 

雪穂「亜里沙」

 

亜里沙「もう、遅いよ雪穂!」

 

 






次はいよいよUTXです!

長い…



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第10話「vsUTX高校、前半戦①」

自分で選んだスイカを食べたら最後まで甘くてすごくハッピーな乾電池です

それと、1000UAありがとうございますm(_ _)m

今回からようやくUTX戦となります、それでは〜





せっかくのssなので皆さんにイメージを膨らましてほしいと言うことで細かくは書きません


DF1
1年生
身長148
明るい性格
身軽な動きが持ち味
アイスクリームが好き


DF2
3年生
身長149
がっつり大阪
スタイルいい子を見ると逆に好感を持つ


MF1
3年生
身長156
家庭は普通の家庭だが言葉遣いは丁寧
合気道をずっと習ってる


MF2
二年生
身長161
荒っぽい性格
DF1とはあまり性格が合わない
何だかんだいいところもあるよ


MF3
3年生
身長154
オタク気質
人懐っこくてテンション高い
二次創作大好き




GK
1年生
身長152
ショートカット
目が見えないほど前髪が長い
引っ込み思案
人と関わるのが得意ではないが負けず嫌い
A-RISEに憧れてUTXへ


覚え切れないと思うので試合の中でなんとなく察していっていただければと思います!




 

控え室

 

穂乃果「……ってことがあったんだ」

 

海未「そうだったのですね……」

 

ことり「わざわざ家にまできてくれたんだね」

 

にこ「ま、もうにこたちは信じるって決めてたんだから今更でしょ?」

 

凛「にこちゃんいい感じにひねくれてるにゃ〜」

 

にこ「それ褒めてないわよね!?」

 

希「でもにこっちファンやったんやろ?」

 

にこ「……正直その面ではかなり嬉しいわね」

 

希「さっきから口角微妙に上がってるからね」

 

にこ「う、うそ……!!」ババッ

 

希「う・そ♪」

 

グワシッ!

 

希「痛い痛い痛いあああああ!!!!!」

 

にこ「……花陽、あんたは?」パッ

 

花陽「花陽もずっとファンだったから……嬉しい!」

 

穂乃果「………」

 

穂乃果「みんな……」

 

穂乃果「今日勝てばついに本戦だよ」

 

穂乃果「思う存分ぶつかってこよう」

 

海未「ええ」ニコッ

 

ことり「うん!」ニコッ

 

穂乃果「胸を借りるんじゃない……」

 

穂乃果「叩きのめすつもりで行くよ!!」

 

「「「「「「おー!」」」」」」

 

希「うちもうお嫁に行かれへん……」シクシク

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「さあ!やってまいりました予選決勝!!これで勝ったほうが本戦へと駒を進めることができます!」

 

ツバサ「今日はよろしくお願いするわね」

 

穂乃果「はい!みんなも改めて納得してくれたみたいです」

 

ツバサ「よかった、今日とっても楽しみだったの」

 

ツバサ「とっておきもあるし」チラッ

 

絵里「?」

 

ツバサ「この前とは違う、正々堂々な勝負を!」スッ

 

穂乃果「よろしくお願いします!」ガシッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「希……気づいてますか?」

 

希「うん、あのベンチのフードかぶってる子……」

 

絵里「これまでの試合で出てなかった……助っ人の可能性が高いわね」

 

花陽「切り札……ってことなのかな?」

 

凛「かっこいいにゃ〜!」

 

にこ「単に控えなだけでしょ」

 

雪穂「…………」

 

ことり「どうしたの?雪穂ちゃん」

 

雪穂「あ……!いや、えっと……ちょっと緊張してて…!」

 

ことり「緊張してる時は、人って字を手に書いて飲み込めばいいんだよ!」

 

雪穂「へー……」

 

にこ「………」スッスッ ゴクリ

 

凛「あー!にこちゃんこっそりやってるにゃ!」

 

絵里「にこも緊張してたの?」

 

にこ「べ、べべべ別ににこは緊張なんてしてないし!?」

 

にこ「リベンジのこと考えすぎて眠れなかったとかもないし!!」

 

希「にこっち……」

 

凛「全部言ってるにゃー……」

 

真姫 スッスッ ゴクッ

 

 

 

 

 

 

角間「前年度優勝校vs今回初出場校の対決!!あっさりとUTXが優勝を決めてしまうのか……それとも!!」

 

角間「音の木坂が下克上を果たしてしまうのかぁ!?」

 

 

 

 

 

FW

絵里、真姫

 

MF

希、ことり、海未、にこ

 

DF

ヒデコ、雪穂、凛、花陽

 

GK

穂乃果

 

 

 

 

ピーーーーーーー

 

角間「今!試合開始のホイッスルが鳴らされましたぁ!!」

 

ドッ

 

ツバサ「よし」

 

真姫(お手並み拝見ね)ザッ

 

ツバサ「はぁ!」クルッ

 

真姫「っく……!」

 

真姫(こ、こんなにうまいの!?)

 

 

 

にこ「……いくわよ!」ザッ

 

海未「はい!」ザッ

 

ツバサ(あんな試合をした私たちを信じてくれた……彼女たちに敬意を込めて)グッ

 

ツバサ{今日は戦う!)ヒュッ

 

トントン クルッ グンッ!

 

角間「ぬいたぁ!!一人で3人をあっという間に抜き去ってしまったぁ!」

 

海未「そんな…!?」

 

にこ「さすが……!」

 

 

 

穂乃果「っ……!」グッ

 

ツバサ「挨拶がわりよ!高坂さん!」ザッ

 

 

 

 

ツバサ【ペガサスショット!】

 

ドキュゥゥゥ!!!!

 

 

角間「凄まじいシュートだぁぁ!!どうするキーパー高坂!」

 

 

穂乃果【マジン・ザ………】

 

 

 

タッタッタッ

 

雪穂 ニッ

 

 

 

 

雪穂【ハンターズネット!!】

 

 

ドシュルルルルル!!!

 

ブチブチ…!!

 

ドゥッ!!

 

雪穂「っぐ……!!」ズザザザ!

 

雪穂「……よし!」トッ

 

 

 

穂乃果「さっすが雪穂!」

 

ことり「雪穂ちゃん!」

 

角間「と、とめたぁぁぁ!!あの綺羅ツバサの必殺シュートを止めたのは伏兵、中学生助っ人の高坂雪穂だぁぁ!!」

 

ツバサ「……へぇ」

 

あんじゅ「やるわねあの子」

 

雪穂「花陽さん!」ドッ

 

花陽 トッ

 

MF1「流れは渡しません」ザッ

 

花陽「MF1さんは攻守共に長けていますがそれは1対1の時だけ」

 

タタタッ!

 

花陽「凛ちゃん!」ドッ

 

凛 ドッ

 

花陽「ばっちりだよ!凛ちゃん!」トッ

 

MF1「ッ…!やりますね」

 

花陽「あなた達の試合は擦り切れるほど見直しましたから」

 

角間「星空、小泉のワンツーで突破したぁ!」

 

花陽「海未ちゃん!」ドッ

 

海未「………」トッ

 

海未「真姫!」ドッ

 

真姫「!」ポロッ

 

希「真姫ちゃん!」

 

テンテンテン………

 

真姫「しまった……!」ダッ

 

絵里「落ち着いて」トッ

 

真姫「絵理…!」ホッ

 

真姫(私としたことが……)

 

DF1「隙だらけだよ!」バッ

 

 

 

 

DF1【フレイムダンス!】

 

クルクルクル ボフゥァァァァ!!!

 

 

 

絵里「きゃぁぁぁ!!」ドサッ

 

DF1「じゃあねー!」タッタッタッ

 

真姫「っち……!」

 

MF2「よこせ!」

 

DF1「むー……たった一歳年上なだけで偉そうに……」ドッ

 

MF2「あぁ!?」トッ

 

DF1「なんでもないでーす」

 

ことり ザッ

 

MF2「どいてろ!」バッ

 

 

 

MF2【ならくおとし!】ドッ!

 

 

ギュルルルルル!! ドゴォ!!

 

ことり「うぐぁ!?」ドサッ

 

海未「ことり!」

 

にこ「………わかってたけどこいつら……」

 

海未「A-RISEだけでなく……全員が全国レベル……」

 

凛「それでも……勝たなきゃ!」ダッ

 

希「!あかん凛ちゃん!そのスペースを空けたら……」

 

ドッ!

 

あんじゅ「私にパスが通っちゃうものね?」トッ

 

凛「しまった!」

 

角間「空いたスペースを逃しませんでしたMF2!優木にパスが通ったぞぉ!!」

 

あんじゅ「ツバサ!エレナ!」ドッ

 

ツバサ「ええ!」ダッ

 

エレナ「ああ!」ダッ

 

グルグルグル

 

 

 

 

海未「あれは……」

 

花陽「デスゾーンです!」

 

にこ「止めちゃいなさい!穂乃果!」

 

希「いや、なんか違う……」

 

 

 

 

ギュォォォォォォォオオ!!!!!!

 

ツバサあんじゅエレナ【デスゾーン2!】

 

 

ドゴォォォォォオオオオ!!!!!

 

 

 

にこ「改良版……!?」

 

花陽「初めて見ました……」

 

穂乃果「す…すごいパワー……」

 

穂乃果「………でも!」バッ!

 

ツバサ「…!」

 

穂乃果「パワーアップしたのはそっちだけじゃない!」バッ

 

ゴォォォォォオ!!!!

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

 

 

 

ギュルルルルル!!!

 

穂乃果「……ぬぐぐぐぐ……!!」ズザザザ!

 

 

 

パチィ!!

 

穂乃果「うわぁ……!!」ドサッ

 

ガァン!

 

ツバサ「……へぇ…」

 

角間「キーパー高坂がはじいたボールはゴールポストへ!!危機一髪だぁ!!」

 

雪穂「ナイスお姉ちゃん!」トッ

 

穂乃果「うぅぅ……かっこ悪い」

 

海未「いえ、かっこよかったですよ」

 

エレナ「ピンチなことには変わりないだろう?」ザッ

 

雪穂「っく……!」キョロッ

 

凛「……!」

 

ツバサ ザッ

 

花陽「……!」

 

あんじゅ ザッ

 

ことり「こっちだよ!」

 

雪穂「ことりちゃん!」ドッ

 

ことり「よし!」トッ

 

角間「ディフェンスラインまで下がって来ていた南!!いい判断だ!!」

 

ことり「希ちゃん!」ドッ

 

希「うん!」トッ

 

DF2「ウチは抜かせんよぉ!!」

 

希「うわぁ……キャラ被りはやめてほしいなぁ……」

 

DF2「あんたみたいなエセと……一緒にすな!」バッ

 

 

 

DF2【スーパーしこふみ!】

 

希「………!」ヒュッ

 

 

ドゴォォォ!!!!!

 

 

 

 

希「き、きくぅ……」ドサッ

 

DF2「どうやニセモン!……ってあれ?ボールは?」

 

希「後ろ後ろ」

 

 

テンテンテン……

 

絵里「さすが希ね!」トッ

 

DF2「ぬわーー!!しもた!」

 

DF2「あんたやるなぁ」タッタッタッ

 

希「にしし……!」

 

希(ちっちゃいのになんて威力……!)ググッ

 

 

角間「なんとかボールを前線につないだ音の木坂!!シュートチャンスだぁ!!」

 

 

 

 

絵里「吹き荒れろ………」

 

パキパキパキパキ

 

 

 

 

絵里【エターナルブリザード!】

 

ドゴォォォォォォォ!!!!

 

 

 

ことり「決まって!」

 

 

 

GK「…………」

 

GK【パワーシールド】ドッ

 

 

ギュルルル! バチィ!

 

 

 

角間「防いだぁ!!これが全国ナンバーワンキーパーの実力です!」

 

角間「決勝まで無失点!この鉄壁を破ることができるのでしょうか!」

 

海未「無失点……」

 

絵里「やるわね」

 

GK「………!」

 

 

ポーン……!

 

DF1「ほっ!」トッ

 

真姫「いただくわよ!」パシッ!

 

DF1「うっそぉ!?」

 

MF2「気ぃ抜くな!!」

 

DF1「ッぅ〜〜!!」

 

角間「西木野にボールが渡ったぁ!」

 

にこ「真姫!」

 

 

 

 

 

真姫「………」キッ

 

 

 

グルグルグル

 

 

真姫【ファイアトルネード】

 

ドゴォォォォォ!!!

 

 

GK「……………」

 

GK【パワーシールド】

 

 

ドシュルル! バチィ!

 

 

 

海未「そんな……!」

 

穂乃果「真姫ちゃんまで…」

 

GK「【パワーシールド】は連続で出せるから………」

 

 

角間「再度ふせいだぁ!!この守備力を破る方法はあるのでしょうか!!」

 

真姫「……!」スタッ

 

 

 

 

 

 

絵里「真姫、気にしないで、次とりましょ!」ポン

 

真姫「ええ、絶対ぶち破るわよ」

 

絵里「ふふ、頼もしいわね」

 

 

 




世界編では【イジゲンザハンド】すら破ったあの【ペガサスショット】を【ハンターズネット】で……

【ハンターズネット】大好きなのでめちゃめちゃ贔屓目しちゃいました笑
だってかっこいいもん




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「vsUTX高校、前半戦②」


サランラップとクレラップの違いに悩む乾電池です

社名なのかなと考えながらも調べるのがめんどくさいのでそういうことにしておきます




 

 

 

UTX高校のレベルの高さを肌で感じる音の木坂

 

しかしあの日のような恐怖はなく、ただただまっすぐで誠実なサッカーだった

 

 

 

 

 

 

テンテンテン

 

DF1「よーし!あがろーあがろー!」トッ

 

MF2「よこせ!」

 

DF1「………べーだ!」べー

 

DF1「あんじゅさん!」

 

MF2「……!」

 

あんじゅ「二人とも試合に集中しなきゃダメよぉ〜?」トッ

 

MF2「し、してますよ!」

 

あんじゅ「ならいいけど」

 

MF2 ジロッ

 

DF1 ピュ〜

 

DF1(だって先輩完璧にマークされてるんだもん)

 

MF2(まあマークつかれてたからしゃーねーか)

 

にこ「ふん!」ザッ

 

あんじゅ「ふふ」トトッ

 

フワッ ダッ!

 

にこ「……もう!」

 

角間「空を舞うようなドリブル!!まるで草原を飛びまわるバタフライだぁ!!」

 

あんじゅ「ツバサ!」ドッ

 

ツバサ「準備はいい?」トッ

 

あんじゅ「ええ!」

 

エレナ「大丈夫だ」

 

ツバサ「いくわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒデコ「させない!」ザッ

 

雪穂「止めますよ!」ザッ

 

ツバサ「……水ささないでほしいわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クルッ スタン…!

 

ツバサ【イリュージョンボール】

 

 

 

ヒデコ「そんな……!」ガクッ

 

雪穂「希さんと同じ……!」ガクッ

 

 

 

 

 

 

希「…………」

 

絵里「あれは希の!」

 

花陽「いえ……あれはもともと、綺羅さんの技です」

 

海未「え……?」

 

希「……あの人みたいに動けたらと思って真似したんよ」

 

希「他の試合の動画探してね」

 

ことり「真似したって……すごいね」

 

凛「人は見かけによらないにゃ〜」

 

希「凛ちゃん、試合の後ワシワシね」

 

凛「にゃ〜……」

 

 

 

 

ツバサ「デスゾーンはまだ序の口……」

 

ツバサ「これはどうかしら?」

 

 

 

 

 

 

ピューーーーーーーイ!!!!!

 

ドシュドシュドシュドシュドシュ

 

 

 

ツバサ「こうていペンギン……!」ドキュッ!

 

 

 

ドシュゥゥゥゥ!!

 

 

 

あんじゅエレナ「2号!!」ドゴォォォ!

 

【こうていペンギン2号】

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォォ!!!!!!

 

 

 

穂乃果「な、なに……この、シュート……!」

 

 

 

 

雪穂「お姉ちゃん!!」

 

 

穂乃果「!……うん!」バッ

 

ゴォォォォォオオオオオ!!

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

 

ドォォォォォォ!!!!

 

穂乃果「う………ぐぐぐぐ……!」

 

 

穂乃果「止める……絶対に…止め、なきゃ……!!」ズズズッ

 

ググググッ!

 

花陽「いけます!」

 

海未「穂乃果!」

 

キィィィィィン!

 

穂乃果「きゅ……急に強く……!」ググググッ

 

穂乃果「うわぁぁ!?」ドサッ

 

ドシュルルルルル…………!!

 

 

 

 

 

角間「き……決まったぁぁぁぁぁ!!先取点はUTX高校です!」

 

 

 

 

海未「穂乃果!」

 

絵里「そんな……」

 

にこ「まだあんなシュートを隠し持ってたなんて………」

 

穂乃果「うぅ……ごめんみんな」ググッ

 

海未「本気でぶつかったのなら謝ることはありませんよ」ガシッ

 

ことり「そうだよ!」ガシッ

 

絵里「んー、あのキーパーを破るには……」

 

希「ちょっと試してみたいことやっていい?」

 

真姫「試してみたいこと?」

 

希「凛二等兵!」

 

凛「はっ!」

 

希「覚悟はできてるか!」

 

凛「イエッサー!わたくし、命をかけて使命を………じゅ、従……!」

 

凛「…………」

 

凛「頑張る気持ちです!」

 

希「よし!がんばれ!」

 

花陽「日本語おかしくなってるよ凛ちゃん……」

 

絵里「な、何か考えがあるのね?」

 

真姫「凛、頑張りなさいよ」

 

凛「おまかせにゃ!」ドンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

UTX高校1-0音の木坂

 

ピーーーーーーー

 

角間「一点リードのUTX!このまま追加点を狙っていくかぁ!?」

 

絵里「……」チラッ

 

真姫 タッタッタッ

 

ツバサ ザッ

 

絵理「……希!」ドッ

 

希「!」トッ

 

エレナ「すまないが通せない」ザッ

 

希「っく!」

 

希(さすが、ほかのメンバーとは圧が違う……!)バッ

 

 

 

希【イリュージョンボール!】

 

 

 

エレナ「………所詮ツバサの真似事だ」フッ

 

ガッ!

 

希「そんな……!」ガクッ

 

エレナ「!」

 

凛「てやぁ!」ドッ

 

角間「星空が上がってきていたぁぁ!!素早いヘルプだぁ!」

 

テンテンテン……

 

ことり「ほっ!」トッ

 

海未 コクリ

 

ことり「海未ちゃん!」ドッ

 

海未「凛!希!行けますね!」トッ

 

凛「うん!」ダッ

 

希「もちろん!」ダッ

 

 

 

海未 ドッ!

 

 

 

グッ ダン!

 

 

 

 

 

凛希【たつまきおとし!】

 

ドゴォォォォォォ!!!!!

 

 

 

 

 

GK「…………」

 

GK【パワーシールド】

 

ドォッ!!

 

 

ドシュルルルルル!!!!

 

ピキピキ……

 

 

 

GK「!?」

 

エレナ「……くそっ、気づいたか」

 

凛「希ちゃんの言った通りにゃ!」

 

希「パワーシールドは地面を殴った時に発生する衝撃波でできた壁!」

 

希「つまり!上の方に行けば行くほど……」

 

 

ピキピキピキ…!

 

 

 

 

希「薄くなる!」

 

バリィィン!!!

 

 

 

 

GK「………!」ドサッ

 

ドシュルルルルル!!!!

 

 

角間「きまったぁ!!同点ゴールを決めたのはなんとDFの星空だぁ!!」

 

 

 

 

 

凛希「いぇーい!」パチン!

 

花陽「すごかったよぉ!凛ちゃん!希ちゃん!」

 

海未「よくあんな弱点に気づきましたね」

 

希「いやー、上手く言ってよかった!」

 

真姫「あんな手があったなんてね」

 

絵里「凛ならではね」

 

希「多分もう同じ手は使えんけどね」

 

花陽「すごいなぁ……」

 

花陽「私より後に始めたのに……」

 

ポン

 

海未「凛は運動神経が武器ですが、花陽は違うでしょう?」

 

海未「得意なことで勝負するんですよ?」

 

花陽「……!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

花陽「凛ちゃんは凛ちゃんの得意なもので勝負しなきゃ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

花陽(私が凛ちゃんに言ったんだっけ……忘れちゃってたな)

 

花陽「……わかった!」グッ

 

真姫「……衝撃波の壁……」

 

 

 

 

 

 

 

UTX高校1-1音の木坂

 

ピーーーーーーー

 

 

 

 

ドッ

 

ツバサ「頼んだわよ」ドッ

 

MF3「了解っす!」トッ

 

絵里「行かせないわよ!」ザッ

 

MF3「ほわぁ〜!リアル金髪碧眼じゃないっすか!!」

 

絵里「え……え?」

 

MF3「うちにも似た子が……あ、これは秘密だった……!」

 

MF3「あとで写真撮らせて欲しいっす!」

 

絵里「私を抜けたらね」

 

MF3「燃えてきたぁ〜!」

 

 

 

 

 

MF3【クリエイション!】バッ

 

ズズズズ……

 

絵里「な、何?」

 

MF3「二次創作って知ってるっすか?」

 

ズズズズ……ガコン!

 

絵里「と、通れない…!」

 

MF3「想像力って大事なんっすよ!」ダッ!

 

絵里「ま、待ちなさい!」

 

角間「こ、これはMF3!フィールドを描き換えてしまったぁ!!」

 

MF3「お任せっす!」ドッ

 

ツバサ「さすがね」トッ

 

MF3「にへへ…!」テレテレ

 

 

 

 

 

希「!」ザッ

 

ツバサ「お手本を見せてあげるわ」バッ

 

希「なっ……!」

 

 

 

クルッ スタッ!

 

ツバサ【イリュージョンボール】

 

 

 

希「っ……!さすが」ガクッ

 

ツバサ「あんじゅ!」ドッ

 

あんじゅ「ええ!」トッ

 

 

 

 

希「ディフェンスもっと圧かけて!」

 

凛「とりゃー!!」ザザザッ

 

あんじゅ「そんなの……」トンッ

 

花陽「空中じゃ避けれませんよね!」ガッ!

 

あんじゅ「…っやるじゃない…!」

 

角間「小泉強引にうばいとったぁ!!」

 

花陽「よし!」

 

 

 

 

 

 

海未「花陽の武器は分析力と状況把握能力、それから苦手の無さです」

 

ことり「絶妙なタイミングだったね」

 

花陽「よし、にこちゃ………」

 

MF2「ボールよこせぇ!」ダッ

 

花陽「ひ、ひぃぃ!!」ビクッ

 

テンテンテン……

 

MF2「よし!」トッ

 

凛「かよちぃん!!」ガクッ

 

花陽「ご……ごめんねぇ」

 

海未「……今度また山頂アタックですね」

 

ことり「ほ、ほどほどにね……」

 

雪穂「!」ザッ

 

MF2「はっ!」バッ

 

 

 

 

 

MF2【ならくおとし!】

 

ドキュッ!

 

雪穂【ハンターズネット!】

 

シュルルルルルル………テンテンテン

 

 

 

 

MF2「っち……」

 

雪穂「希さん!」ドッ

 

希 トッ

 

DF1「いかせないよぉ!!」

 

希「ふふ」ドッ

 

絵里「いいわよ希!」トッ

 

DF1「あー!ずーるーいー!」

 

角間「これは見事な連携だぁ!!後ろから走ってきていた絢瀬に綺麗なバックパスが通ったぁ!!」

 

角間「そのままあがっていくぞぉ!!」

 

絵里「……今度こそ……!」

 

 

 

 

絵里「吹き荒れろ………」

 

パキパキパキ………

 

 

 

 

 

絵里【エターナルブリザード!】

 

ドゴォォォォ!!!!

 

 

 

 

GK「……」

 

GK【パワーシールド】ドッ

 

 

ドシュルルルルル……! バチィ!

 

 

角間「またもや防いだぁ!!ボールは高く高く上がって………」

 

 

 

タタタッ

 

真姫「いい加減……決まりなさいよ!」グッ

 

ダンッ!

 

グルグルグル

 

 

 

 

真姫【ファイアトルネード!】

 

 

ドゴォォォォォォォ!!!!!

 

角間「な、ななななんとぉ!?西木野がこぼれ球に完璧に合わせていたぁ!」

 

角間「これは決まるかぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GK「…………間に合いません」

 

あんじゅ「でしょうね………」ダッ

 

あんじゅ「はぁ……!」バッ!

 

ギュルルルル……!! ドキュッ!!

 

 

 

角間「西木野あと少しでゴールというところでゴールまで戻ってきていた優木に止められてしまったぁ!!」

 

角間「一体いつのまに戻って来ていたんだぁ!?」

 

 

 

 

DF1「さっすがです!!」トッ

 

 

あんじゅ「あら……?」グラッ

 

フワッ

 

トサッ

 

GK「………大丈夫ですか?」

 

あんじゅ「………ありがと」

 

GK「こちらこそ……ありがとう、ございます…」パサッ…

 

あんじゅ「……前髪邪魔じゃない?」

 

GK「私は……これでいいんです」

 

あんじゅ「ツバサみたいに切っちゃえばいいのに」

 

GK「綺羅さんのようにはなれませんから……」

 

あんじゅ「あなたの目、隠れて見えないわ」

 

あんじゅ「せっかく綺麗なのに」サラッ

 

あんじゅ「………勿体無いわね」タッタッタッ

 

GK「………」

 

 

 

 

 






これ書いてたと思ったのは「【たつまきおとし】めっちゃ活躍するやん」でしたね



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「UTX高校、前半戦③」



マインクラフトをやりたい乾電池です

でもそれだけの体力がない……

水戸シー作りたい……1年ぐらいかけて……




 

 

あんじゅ「あなたの目、隠れて見えないわ」

 

あんじゅ「せっかく綺麗なのに……」サラッ

 

GP「私は……綺羅さんのようにはなれませんから……」

 

 

 

 

 

 

 

 

不意をついた真姫のシュートによる追加点のチャンスを優木がいちはやく察知し、しのいだ

 

まもなく前半終了、UTXが前半最後の攻撃を仕掛ける

 

 

 

 

 

あんじゅ「ボールもらえるかしら?」

 

DF1「はい!」ドッ

 

あんじゅ「ほっ」トッ

 

真姫「よくも止めてくれましたね」ザッ

 

あんじゅ「いいシュートだったわよ?」チラッ

 

あんじゅ「戻って正解だったわ!」ドッ

 

MF1 ドッ

 

あんじゅ「さすがね」トッ

 

MF1「いえ」

 

真姫「速すぎ……!」ガクッ

 

あんじゅ「ツバサ!」ドッ

 

ツバサ トッ

 

 

シュバッ! クルッ ダッ!!

 

 

 

角間「個人技を活かしながら敵陣へと突っ込んで行く!」

 

ツバサ「はぁぁ!!」ザザザッ クルッ

 

ダッ!!

 

にこ「たった一人で……!」

 

角間「前半も残りわずか!最後に一点、入れることはできるのかぁ!?」

 

海未「……!」ダッ

 

ツバサ「あんじゅ!エレナ!」

 

あんじゅ「ええ!」

 

エレナ「フッ」

 

 

 

ピューーーーイ!!

 

ドシュドシュドシュドシュドシュ!

 

 

ツバサ「こうていペンギン!」ドキュッ!

 

ゴォォォォォオ!!

 

 

 

 

あんじゅエレナ「2号!!」ドキュッ!!

 

 

 

ゴォォォォォオオォ!!!!!

 

 

 

 

 

 

雪穂「前半最後なんだから……」

 

雪穂「止めなきゃ……!」

 

 

 

 

雪穂【ハンターズネット!】ブワァ!

 

ギチチチチ………!ブチィ!!

 

雪穂「うわぁあ!!」ドサッ

 

ゴォォォォォオ!!!

 

 

 

 

 

穂乃果「止める!」バッ

 

 

 

 

穂乃果「はぁぁぁ!!」

 

ゴォォォォォオ!!

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

 

 

シュルルルルルル!!!!!

 

穂乃果「頑張ってくれた……雪穂のためにも……!」ググググ……!

 

ドシュルルルルル……!

 

穂乃果「いける!」ググググ

 

 

 

 

キュィィィィィ!!

 

穂乃果「!!ま、また急に強く……!!」

 

ピシピシ………!

 

 

バリィン!!

 

 

 

穂乃果「きゃぁ!!」ドサッ

 

 

花陽「あぁ……!」

 

ことり「そんな……!」

 

ツバサ「………参ったわね」

 

 

 

 

海未「はぁ!」ドキュッ!!

 

 

 

ヒュゥゥゥゥ……テンテンテン

 

 

 

 

 

角間「ふ、防いだぁ!!音の木坂園田も先ほどの優木と同じようにキーパーのカバーへと走っていたぁ!!」

 

海未「うぐぅ……!!」ドサッ! ゴロゴロ…

 

 

 

穂乃果「海未ちゃん!」ダッ

 

海未「穂乃果、よく頑張りましたね」ヨロヨロ

 

 

ピーーーーーーー

 

 

角間「ここで前半終了のホイッスル!同点のまま後半を迎えます!これは歴史に残る一戦になりそうだぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「やった!同点だよ!!」

 

凛「海未ちゃんさっすがだにゃ〜!」

 

海未「あれが最後のシュートだったので……戻って正解でした」パンパン

 

花陽「かっこよかったよ!!」

 

真姫「それより花陽………」

 

花陽「ヒッ……!」ギクッ

 

ことり「海未ちゃんが山頂アタックだって……」

 

花陽「ああぁぁ……!!頑張ります!頑張りますからぁ!!」ガタガタ

 

にこ「……海未、あんた本当に山登ってるだけなのよね?」

 

海未「そのつもりですが……」

 

海未「多少危険なところを行くぐらいで……」

 

凛「それだにゃ!」

 

海未「危険といっても命綱無しで崖登ったりするぐらいですよ」

 

にこ「トラウマになるには十分すぎるわよ!!」

 

ことり「え、そうなの?」

 

穂乃果「それぐらいなら別に……」

 

絵里「慣れって怖い、今日初めてそれを実感しました」

 

希「ほらほら、エリチが変な悟り開いちゃってるから」

 

海未「気合いを入れ直しましょう」

 

海未「ではにこ……あれを」

 

にこ「嘘でしょ……」

 

凛「にこちゃん!」

 

穂乃果「にこちゃん!」

 

にこ「………あ〜!わかったわよ!」クルッ

 

 

「「「「「………」」」」」ゴクリ

 

 

 

 

にこ「にっこにっこにー!あなたのハートににこにこにー!笑顔届ける矢澤にこにこー!」

 

にこ「あぁんダメダメダメ!にこにーは!みーんなのも・の!」

 

真姫「気持ち悪い」

 

凛「ちょっと寒くないかにゃー?」

 

にこ「わかってたわよこんちくしょう!」ギリギリ

 

凛「い……!いだだだだだ!!」ギリギリ

 

にこ「にこにーはこういう目にあうためにあるんじゃないの!」

 

海未「にこ、すみません……みんなが元気になればと思ったのですが……」

 

にこ「お……あぅぅ……!」

 

希「素直に謝られるとどうすればいいかわからないにこっちの図」

 

にこ「希ーー!!」ダッ

 

希「いやーん!」ダッ

 

ことり「二人とも休憩しようよぉ…」

 

 

 

 

 

 

 

絵里「………….」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ツバサ「とっておきもあるし」チラッ

 

絵里「?」

 

 

 

 

 

 

 

MF3「ほわぁ〜!リアル金髪碧眼じゃないっすか!!」

 

絵里「え……え?」

 

MF3「うちにも似た子が……あ、これは秘密だった……!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

絵里「まさか……ね」

 

海未「絵理、聞いていましたか?」

 

絵里「へ……?」

 

希「もーしっかりしてよ!」

 

海未「後半は真姫と点を取りに行ってくださいね」

 

真姫「行くわよ、絵理!」スッ

 

絵里「………ええ!」パチン!

 

絵里(今は考えても仕方ないわね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「んー……同点」フーム

 

エレナ「出し惜しみが過ぎるんじゃないか?」

 

あんじゅ「園田さんが戻ってなければね〜」

 

エレナ「冷静でいい判断だった」

 

ツバサ「後半はもっと攻めるわよ」

 

あんじゅ「もちろん♪」

 

エレナ「楽しみだ」

 

DF1「よーし!私ももっと頑張る!」

 

MF2「ちんちくりんは下がってろよ」

 

MF2「アタシが止めんだから」

 

DF1「べーだ!止めたもん勝ちですよー!」

 

MF2「あぁん…?」スッ

 

DF1「ヒッ……!」ビクッ

 

MF1「こらこら暴力はダメですよ?」クイィッ

 

MF2「いててて!わ、わかりましたから!」ギリギリギリ!

 

MF1「すぐ熱くなるんですから……」

 

MF2「す、すんません……」

 

DF1「うえーん!怖かったです!」サササッ

 

DF1 ニヤニヤ

 

MF2「……」イラァ

 

MF3「相変わらず鮮やかっすね〜!合気道でしたっけ?」

 

MF1「はい、小さい時から」

 

MF3「かっこいいっすよね〜!」

 

フードの子「はい!まさに日本のヤマトナデシコです!」

 

MF1「そこまで言われると照れますね」テレテレ

 

MF2「というか二人はどうしてずっと敬語なんですか?」

 

DF1「あー!それ私も思ってた!」

 

MF1「どうしてって……」

 

MF3「ね?」

 

「「癖」ですよ」っすよ」

 

DF2「まあ……やろーなぁ」

 

GK「………」ペラッ

 

ツバサ「ほら!バカなことしてないで行くわよ!」

 

エレナ「後半も頼んだぞ」

 

あんじゅ「点は任せてね!」

 

フードの子「あ、あの!」ガタッ

 

ツバサ「わかってるわ……けど、ちゃんと約束守れるわね?」

 

ツバサ「一発が限度、二発目は……」

 

フードの子「………はい…」

 

フードの子「それさえ守れば最後まで出してもらえるんですよね」

 

あんじゅ「約束を破ると……怖いわよ〜?」

 

フードの子「で、でも!ツバサさんたちも禁止してるワザもってますよね?」

 

エレナ「もってはいるがそれも同じだ」

 

ツバサ「一発が限度………わかったかしら?」

 

フードの子「……はい!」

 

ツバサ「この試合、絶対勝つわよ!!」

 

「「「「おー!」」」」」

 

 

 

 

 

 

MF2「ちんちくりん、あとでこっち来い」

 

DF1「呼ばれてますよ」

 

DF2「あ〜!ちんちくりんってウチのこと……って」

 

DF2「誰がちんちくりんやぁ!!」

 

DF1「失礼しちゃいますよね〜?」

 

MF2「いや、アタシはこいつに……」アセアセ

 

MF2(こいつ……しらじらしい……!!)

 

DF2「ウチは身長も胸もこのおチビより1センチ上やし!」

 

MF2「……へ?」

 

DF1「……1センチ……」

 

MF2「それはちょっと……」

 

MF2DF1「見苦しい」

 

DF2「やかましいわ!!」

 

DF1(というかいつ私のバスト知られたんだろう)

 

MF2(なんでちんちくりんの胸のサイズ知ってんだ?)

 


DF2(あ、この前話してるのまたまた聞いたって言わんと誤解させるか?) 



 

DF1MF2(怖……)ゾゾッ 



 

DF2(まあえっか)

 

 







ようやく前半までかけた……



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第11話「vsUTX高校、後半戦」




あんなに大きなスイカのひと玉の4分の3食べ終わった乾電池です

今日のほとんどの食事がスイカでした、幸せです




 

 

 

あんじゅ、海未のカバーにより失点を防いだ両者は前半同点のまま折り返すこととなった

UTX高校も助っ人を投入し、両チーム共総力戦で勝ちを狙いに行く

 

 

 

 

 

 

角間「いよいよ後半が始まります!一体この試合の結末はどうなってしまうのでしょうか!!」

 

角間「ここでUTX高校、一人メンバーチェンジです!」

 

角間「……中学生助っ人のようです!」

 

角間「どのようなプレイを見せてくれるのでしょうか!」

 

フードの子「……よし!」ザッ

 

MF3「リラックスっすよ!」

 

MF1「あなたなら大丈夫です、落ち着いて」

 

フードの子「はい!」

 

MF2「ぶちかましてやれ!」

 

DF1「うわ〜野蛮〜」

 

MF2「………」バシッ!

 

DF1「いったぁ!?」

 

DF2「もうすぐ後半やねんからほらほら!」どーどー

 

ツバサ「……本当に大丈夫かしら……」

 

エレナ「あの二人はいつも喧嘩してるな」

 

あんじゅ「いざとなったら頼りになるじゃない」

 

ツバサ「それもそうね」

 

ツバサ「いくわよ!」

 

エレナあんじゅ コクリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵理「あの子……」

 

海未「どうしました?絵理」

 

にこ「……あいつ控えじゃなかったのね……」

 

凛「やっぱり秘密兵器だったんだにゃ!」

 

花陽「DFだね……」

 

希「まあ前線にはあの3人がいるからなぁ」

 

ことり「あの子強いのかな?」

 

穂乃果「知らない!」

 

にこ「知らないって……まあそうだろうけど」

 

穂乃果「知らないものは考えても仕方ないよ!」

 

穂乃果「後半!全力を出し切って本戦に行くことだけ考えよう!」

 

穂乃果「みんな、ファイトだよ!」

 

海未「あなたもファイトするんですよ」

 

穂乃果「わかってるよ!もう!」

 

にこ「まったく能天気なんだから」

 

花陽「でも、気が引き締まった感じがするよね!」

 

海未「………」フゥ

 

希「何だかんだ海未ちゃん、穂乃果ちゃん頼りにしてるなぁ」

 

海未「本人には絶対に言いませんけどね、調子に乗りますから」

 

凛「このチームツンデレばっかりにゃー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

UTX高校1-1音の木坂

 

ピーーーーーーー

 

ドッ

 

角間「後半がはじまりましたぁ!!」

 

真姫 タッタッタッ

 

ツバサ「フフッ」ザッ

 

真姫「ことり!」ドッ

 

ことり「にこちゃん!」ドッ

 

にこ「いくわよ!」トッ

 

角間「後半開始から横にパスを回し幅を使って攻めていきます!」

 

MF2「行かせるかおらぁ!」ダッ

 

にこ「いやーんにここわーい!」ザッ

 

MF2「……なんだ?こいつ」

 

にこ「ちょっとちょっと〜?なにその口の聞き方は〜」

 

にこ「にこは先輩なんですけ………ど!」ダッ

 

MF2「うっそだろぉ!?」ガクッ

 

MF2「ちんちくりんと見た目変わんねーじゃん……」ボソッ

 

にこDF1「聞こえてるわぁ!!」

 

MF2「おおう……地獄耳」

 

にこ「絵理!」ドッ

 

絵理「ええ!」トッ

 

DF2「いったでぇ!!実力見せたれ!」

 

フードの子「はい!」ザッ

 

絵理「……中学生でも手加減はしない!」ダッ

 

フードの子「フフ、手加減なんかいらないよ」

 

ダッ

 

クルクルクル

 

フードの子【アイスグランド!】ドッ!

 

 

 

ビキビキビキ!

 

絵理 カキーン

 

シャー

 

 

角間「UTX高校サイドの助っ人も素晴らしい力を見せつけましたぁ!!」

 

 

花陽「なっ!?」

 

凛「絵理ちゃんがあんなに簡単に……!?」

 

絵理「今の動き……やっぱりあなた……!」

 

 

パサッ

 

亜里沙「そうだよお姉ちゃん」

 

絵理「……亜里沙、どうして………」

 

亜里沙「お姉ちゃんのせいだよ」ダッ

 

絵理「私の……?」

 

絵理「…………」

 

 

 

 

 

 

バシッ

 

絵理「いっ…!」

 

希「ほら!しっかりする!」

 

絵理「……わかってるわよ!」

 

 

 

ことり「ことりが相手です!」ザッ

 

亜里沙「ほっ!」スゥー

 

クルンッ ダッ!

 

角間「氷の上を滑るかのようなドリブル!!何と魅せるプレーでしょうかぁ!!」

 

絵理「あの頃のまま……綺麗なフォームね」

 

亜里沙「私はずっと……続けてきた」

 

亜里沙「お姉ちゃんと違って!」

 

絵理「亜里沙……」

 

 

花陽「止めるよ、凛ちゃん!」ザッ

 

凛「うん、かよちん!」ザッ

 

亜里沙「う〜……このまま決めたかったけど……」

 

亜里沙「ツバサさん!」ドッ

 

 

 

ツバサ「あら、シュートでもよかったのに」トッ

 

亜里沙「流石に無理ですよ…」

 

ツバサ「別にいいけど……」タタタッ

 

 

 

 

ツバサ「……ね!!」ドキュゥゥゥ!!

 

 

 

 

海未(コーナーギリギリ……!)

 

にこ「死んでも止めなさい!」

 

 

 

 

 

穂乃果「ふんんん……!!っぐ!」ダッ

 

ガシィッ!

 

ゴロゴロゴロ

 

ザッ

 

穂乃果「よ、よし!」グッ

 

花陽「すごいよ穂乃果ちゃん!」

 

海未「ナイスキャッチです!」

 

 

 

 

 

エレナ「あそこまで完璧に反応するとは……!」

 

ツバサ「野生の勘でも働いていたのかしら……」

 

エレナ「それは失礼だ」

 

ツバサ「ごめんなさい……」

 

あんじゅ「ディフェンス!」

 

 

ザザザ!

 

角間「こ、これはぁ!?UTX高校、全員で全員をマークしてしまったぁ!!」

 

角間「これではパスコースがないぞぉ!?」

 

海未(ディフェンスの体力を大幅に削る作戦のはずなのに……)

 

DF1「ふっふーん!」ザッ

 

絵理「っく…!」

 

DF2「大人しくしときな〜」ザッ

 

真姫「……ッ!」

 

海未(息一つ切れていない……!!)

 

穂乃果「うぅ……」キョロキョロ

 

タタタッ!

 

 

 

 

花陽「穂乃果ちゃん!」バッ

 

角間「マークを外したのは小泉だぁ!!」

 

穂乃果「花陽ちゃん!」ドッ

 

海未「いけません穂乃果!」

 

穂乃果「……あっ…!」

 

ツバサ「パスコース0からの1」

 

あんじゅ「ついそこに出しちゃうわよね?」

 

 

 

 

 

亜里沙「わざとですよ」トッ

 

花陽「そんな!」

 

角間「ゴール前でパスカットされてしまったぁ!!全て計画通りかUTX!!!!」

 

希「穂乃果ちゃん気を付けて!」

 

亜里沙「お姉ちゃん……!」チラッ

 

絵理「!」

 

 

 

亜里沙「これが、お姉ちゃんに勝つために編み出した……私だけの必殺技……!!」バッ

 

 

 

 

 

ドシュゥゥ! ドシュゥゥ!

 

ギラン……!

 

 

亜里沙【パンサーブリザード!】

 

 

ドゴォォォォォォォ!!!!!!

 

 

 

 

 

絵理「これが亜里沙の……!!」

 

ことり「すっごいパワー……」

 

穂乃果「さっきもっと考えとくんだったぁ!!」

 

海未「おばかぁ!!」

 

希「せっかく見直してくれてたのに……」

 

 

 

 

穂乃果「っく!」パッ

 

穂乃果【マジン・ザ……】

 

ドォォォォォォォォォ!!!!!

 

穂乃果「!?速すぎる……!?」

 

 

 

穂乃果「うわぁぁ!!」ブワァッ!!

 

ドシュウウウゥゥゥゥ!!!

 

 

角間「はいったぁ!!追加点を入れたのは中学生助っ人、絢瀬亜里沙だぁ!!」

 

 

亜里沙「見た?お姉ちゃん」

 

絵理「亜里沙……」

 

亜里沙「亜里沙はもうお姉ちゃんより強くなった!」

 

亜里沙「昔とは違うんだよ」スタスタ

 

絵理「………」

 

 

 

 

 

 

ビキィ!

 

亜里沙「……っ!」グラッ

 

ツバサ「おっと、大丈夫?」

 

亜里沙「へ、平気です!」

 

ツバサ「どこか痛めた?」

 

亜里沙「いえ、少し体が軋むだけです」

 

ツバサ「そう……」

 

ツバサ「あとはもうディフェンスに回ってなさい、きつかったら交代してもいいわ」

 

亜里沙「……あの!」

 

ツバサ「ダメよ、わかってるでしょ?」

 

ツバサ「二発目を打てばあなたは……」

 

亜里沙「はい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「あの子……絢瀬って」

 

真姫「まさか、絵理の?」

 

絵理「ええ、妹よ」

 

海未「少し険悪なムードでしたが……」

 

絵理「……少し前まではむしろ仲が良かったの」

 

絵理「でも、急に連絡が取れなくなって……」

 

希「今日久しぶりに会ったらああなってたと……」

 

ことり「何があったんだろう」

 

穂乃果「……絵理ちゃん、戦える?」

 

絵理「……もちろんよ」

 

穂乃果「うん、じゃあ行こっか!」ニコッ

 

にこ「反抗期は誰にでもあるもんよ」

 

凛「にこちゃんは年中ブフゥ!!」ベシッ

 

凛「は、鼻はだめだよぉ!」

 

にこ「なんか来るだろうなと思ったからね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙「……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

亜里沙「お姉ちゃんサッカーもう一度始めたんだね!」

 

絵理「ええ」

 

亜里沙「バレエは………」

 

絵理「今度試合があるのよ、きてくれる?」

 

亜里沙「………」

 

亜里沙「もちろん!」

 

絵理「亜里沙はサッカーずっと続けてるんでしょ?」

 

亜里沙「うん!お姉ちゃんもう追い抜いちゃってるかも!」

 

絵理「ふふ、楽しみにしてるわ」

 

 

 

 

 

 

亜里沙「うわぁー!寝坊しちゃった!」ダダダダッ

 

亜里沙「し、試合は!?」バッ

 

亜里沙「どうして……みなさん倒れてるの?」

 

亜里沙「お姉ちゃんも……」

 

ピーーーーーーー

 

亜里沙「新しい人が加わって……シュートを止めた!」

 

亜里沙「お姉ちゃんにボールが渡って…!」

 

【エターナルブリザード!】

 

亜里沙「す、ごい……2年も空いてたのに全然衰えてない…」

 

亜里沙「まだ……ダメなの……?」

 

亜里沙(……亜里沙はお姉ちゃんを追い越すために毎日練習してきたのに……)

 

亜里沙(2年も間が空いてたお姉ちゃんにまだまだ敵わないなんて……)ギュッ

 

亜里沙「………」

 

亜里沙「……ふざけないで」 ダッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュゥゥ!

 

ドシュルルルルル……!!

 

 

亜里沙「はぁ…はぁ」

 

亜里沙(違う……これじゃあまだお姉ちゃんには……)

 

ブルルルルルルル

 

亜里沙「……お姉ちゃんから?」

 

亜里沙「………」

 

スッ

 

亜里沙「さ!練習練習!」ザッ

 

 

 

 

 

 

ツバサ「随分苦しそうにサッカーをするのね」

 

亜里沙「どなたですか?………!」

 

亜里沙「あなたは……さっき試合をしてた…!」

 

ツバサ「……強くなりたいんでしょ?」

 

亜里沙「……!」

 

ツバサ「うちにいらっしゃい、設備は整ってるわよ」

 

亜里沙「……いいんですか?」

 

ツバサ「もちろん!でも条件があるわ」

 

亜里沙「条件……?」

 

ツバサ「私たちのチームに入りなさい。助っ人としてだけどね」

 

亜里沙「助っ人?」

 

ツバサ「もちろん、無理にとは言わない」

 

亜里沙「………わかりました」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

MF3「いやー相変わらずすごいっすねー!あのシュート」

 

MF1「以前に増して威力が上がっていましたね、体は大丈夫ですか?」

 

亜里沙「少し痛むけど大丈夫です!」

 

MF2「無理すんなよ?きつかったらアタシらがカバーしてやるから!」ワシャワシャ

 

亜里沙「あわわわ!あ、ありがとうございます!」

 

ツバサ「一点差で満足なんてしてないわよね?」

 

あんじゅ「当たり前じゃない」

 

エレナ「あれ、行くんだろ?」

 

ツバサ「もちろん」

 

 

 







後からぬるっと入れたので気づいていない方がいると思いまして

決勝戦の一つ目のお話の最初にUTXモブ面の説明があります

みーてね〜



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「vsUTX、後半戦②」


土曜日はイナイレの再放送とパンドリの再放送があるので結構ウキウキな乾電池です

再放送万歳




 

 

亜里沙の得点でリードを広げたUTX高校、しかし体に負担を強いる技ゆえにチームは亜里沙を心配する

 

うまく言葉にできない感情を抱えながら亜里沙は再び自分のポジションへと戻っていった

 

 

 

 

UTX高校2-1音の木坂

 

ピーーーーーーー

 

角間「追加点を取られた音の木坂!一刻も早く点を取り返したいところ!」

 

亜里沙 タッタッタッ

 

角間「おぉーっと!?DFの綾瀬が前線へあがってきたぁ!!」

 

絵里「……亜里沙」

 

亜里沙「随分丸いサッカーをするんだね」ザッ

 

亜里沙「……氷の女王だったくせに」ボソッ

 

絵理「…!」ザッ

 

希(……!)

 

希(今の言い方……?)

 

DF1「亜里沙ディフェンスだってこと忘れてないかな〜?」

 

 

 

クルクルクル

 

ダン! ビキビキビキビキ!

 

亜里沙【アイスグランド!】

 

絵里「ふっ!」ドッ

 

海未「ナイスパスです、絵理!」

 

亜里沙「!」ムゥ…

 

絵里(氷の女王……か)

 

絵里「……昔の話よ」

 

角間「絢瀬見事なパス回しでブロックを回避したぞぉ!!」

 

MF3「そっちは一本道っすよぉ〜!」ダンッ!

 

MF3【クリエイション!】

 

ズズズズズ!

 

海未「……!壁が……」

 

MF1「お相手、お願いします」

 

海未「……なんだか初めて見た気がしませんね」

 

MF1「奇遇ですね……」

 

MF1「私もです!」ダッ

 

海未「はぁっ!」クルンッ

 

クルンッ

 

MF1「ボール、いただきました」トンッ

 

海未「なんですか今のは……!」

 

角間「流れるような動きでボールを奪い取ったぁ!!」

 

花陽「あれが…!」

 

花陽(相手の動きに合わせてボールを奪う……あの人だけの技術)

 

にこ「本物はえげつないわね……」

 

MF1「エレナさん!」ドッ

 

エレナ「ああ」トッ

 

凛「行かせない!」ザッ

 

凛(今この人の前にパスターゲットはいない……ここで止めれば…!)

 

エレナ「………ツバサ」ガッ

 

ツバサ「ナイスパス」トッ

 

凛「そんな…振り返ってもないのに……」

 

角間「UTX統堂、後ろを見ずにバックパスを出したぁ!!後ろにも目が付いているのかぁ!?」

 

真姫「顔だけでしょ」

 

絵理「そんな真面目に返さなくても……」

 

エレナ「残念だったな」

 

凛「……!」っぐ……

 

 

 

 

 

 

 

海未「とりますよ!にこ!ことり!」

 

にこ「わかってるわよ!」ダッ

 

ツバサ「あら?3対1なんて随分エグいことするわね」

 

海未「勝つためです!」ダッ

 

ツバサ「まぁ………取れないんだけどね」

 

スススッ クルッ トントン ククッ ザザッ

 

ことり「そんな……!」ドサッ

 

にこ「ありえない……!」ズザザザッ

 

海未「っく!」ガクッ

 

角間「さ、3人がかりでもボールを奪えない!!一体どうすればいいんだぁ!?」

 

ツバサ「高坂さん」

 

穂乃果「!」

 

ツバサ「これが……私たちの究極奥義……!」

 

ツバサ「こうていペンギンとは比べものにならないわよ?」

 

 

 

タッタッタッ

 

 

ズシュゥゥゥゥ!!

 

ゴォォォォォオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

花陽「あれは……馬?」

 

希「いや、羽が生えてる……!」

 

凛「ユニコーン?」

 

海未「ペガサスです!」

 

 

 

 

ツバサ ダッ

 

あんじゅ ダッ

 

エレナ ダッ

 

 

 

ドッドッドッ!

ツバサあんじゅエレナ【トライペガサス!】

 

 

 

ドゴォォォォォォォオオオオオ!!!!!!

 

 

 

海未「今までとは桁違いの威力です!!」

 

絵理「穂乃果!!」

 

穂乃果「…綺麗なシュート……」

 

雪穂「見とれてる場合じゃないってお姉ちゃん!!」

 

雪穂【ハンターズ……】

 

ドゴォォォォォォォ!!

 

雪穂「きゃぁぁぁ!!」ドサッ

 

 

 

穂乃果「雪穂!」

 

穂乃果「……はぁぁぁぁ!!!!」

 

ゴォォォォォォォ!!

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

ドシュルルルルル!!!

 

穂乃果「な、なにこれ!?」グググ ッ

 

穂乃果「だ……だめぇ…!!」ズルズルズル!

 

バチィ!

 

穂乃果「うわぁぁぁ!!!!」ブワァ!

 

ガァン!

 

穂乃果「いっ…!!」ドサッ

 

海未「穂乃果!」

 

 

 

ドシュルルルルル……!!

 

 

角間「は、はいったぁ!!入ってしまいました!!これは厳しい追加点です……」

 

角間「音の木坂には辛い一点となってしまいました!」

 

 

 

 

 

穂乃果「ごめん……」ググッ

 

海未「いいからじっとしててください」グイッ

 

穂乃果「いたたたたたた!!!」ビクンッ

 

穂乃果「痛いよ海未ちゃん!」バッ

 

海未「骨は大丈夫そうですが、ぶつけた時少し痛めましたね」

 

穂乃果「大丈夫だよこれくらい」

 

フミコ「とりあえずスプレーしとくね」シュー

 

ミカ「テーピング持ってきたよ!」ザッ

 

穂乃果「あ、ありがと……」

 

海未「これ以上無理するなら……」

 

穂乃果「大丈夫だってば!それよりあのシュートの対策どうにかしようよ!」

 

海未「たしかにそれも大事ですね……」

 

にこ「一体いくつシュートを隠し持ってんのよ……」

 

海未「あれを連発されたらまずいです……」

 

真姫「まずは一点、一つづつ返していきましょ」

 

穂乃果「そうだね!ディフェンスはいつもよりもっとプレッシャーをかけて!」

 

海未「普段より体力を使いますが後後半だけです、がんばりましょう!」

 

「「「「「「おー!」」」」」」

 

 

 

 

 

 

UTX高校3-1音の木坂

 

ピーーーーーーー

 

真姫「にこちゃん!」ドッ

 

ツバサ「はぁ!」ガッ

 

にこ真姫「そんな…!?」

 

海未「させません!」バッ!

 

ツバサ「ふふ」クルッ

 

海未「ただのスピンで……!!」ガクッ

 

絵理「止めて!」

 

凛「かよちん!」ザッ

 

花陽「うん!」ザッ

 

ツバサ「エレナ!」ドッ

 

エレナ「まかせ……」

 

エレナ「!?」

 

亜里沙「いただきます!」トッ

 

ツバサ「まちなさい亜里沙!」

 

亜里沙「…………ごめんなさい」

 

ツバサ「……!」

 

ツバサ(あの子まさか…!!)

 

ツバサ「あんじゅ!!」

 

 

 

 

 

 

亜里沙(一回ゴールを決めたぐらいじゃ勝ったなんて言えない)

 

亜里沙(ましてや向こうは技も使ってなかった…)

 

亜里沙(たとえ体が壊れたとしても、私の方が強いんだって証明してみせる!!)

 

亜里沙「いくよお姉ちゃん!」バッ

 

ミシ……!

 

亜里沙「っぐ……!」

 

亜里沙 キッ!

 

 

 

 

 

 

ブワァァァ! ブワァァァ!

 

ギラン……!

 

亜里沙【パンサーブリザー……】

 

 

 

 

 

 

シュバッ!

 

あんじゅ「ダメじゃない、亜里沙」トッ

 

あんじゅ ドッ

 

テンテンテン……

 

ピーーーーーーー

 

角間「ど、どうした優木!!絢瀬のシュートチャンスを無駄にしてしまったぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙「え…….え?」

 

トンッ

 

亜里沙「……あぅっ…!」フラッ

 

エレナ トサッ

 

エレナ「すまない審判、メンバーチェンジだ」

 

角間「助っ人の絢瀬亜里沙が体調不良の為交代だ!!大丈夫なのかぁ!?」

 

 

 

 

 

絵理「亜里沙!」ダッ

 

ツバサ「大丈夫よ、シュートを打つ前だったから」

 

絵理「あの、一体……なにが?」

 

ツバサ「………」

 

ツバサ「あの技は強力だけど、連続で打てば使用者に多大な負担を強いることになる……」

 

ツバサ「身体を破壊するほど」

 

ガッ!

 

希「エリチあかん!」バッ

 

絵理「あなたは……それを知ってて亜里沙を出したの!?」ググッ

 

ツバサ「……ッ!あなたに……勝ちたい!彼女はそう言ってたわ」グクグッ

 

絵理「……はい?」グクグッ

 

希「エリチ!!」ググッ!

 

ツバサ「2年もブランクがあるお姉ちゃんに……負けられないって」グクグッ

 

絵理「…!」パッ

 

ツバサ ゴホッゴホッ

 

亜里沙 スゥ…… スゥ……

 

絵理「………」

 

絵理「だから……こんな危険な技を教えたんですか」

 

ツバサ「この子が自分で編み出したのよ」

 

ツバサ「血の滲むような練習でね」

 

絵理「今……亜里沙は……?」

 

ツバサ「シュートを打つ前だったから大丈夫よ」

 

ツバサ「一発だけなら筋肉痛ぐらいですむはず、でも二発目は……」

 

ツバサ「だから本人には嫌という程釘を刺していた」

 

ツバサ「だけど……」チラッ

 

絵理「……」チラッ

 

亜里沙 スゥ…スゥ…

 

ツバサ「そうまでしようとした彼女の気持は、わかってあげて欲しいの」

 

絵理「……」

 

雪穂「亜里沙……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

昨晩

 

亜里沙「もう、遅いよ雪穂!」

 

雪穂「ごめんごめん」

 

雪穂「で、話って?」

 

亜里沙「そんな大したことじゃないんだけど……」

 

亜里沙「いよいよ明日だね」

 

雪穂「……本当に亜里沙と戦わなきゃいけないんだね…」

 

亜里沙「亜里沙は……明日のためにずっと頑張って来たから」

 

雪穂「今日絵理さんに亜里沙のこと聞かれたよ、誤魔化したけど」

 

亜里沙「ありがとう雪穂、頑張ろうね!」グッ

 

亜里沙「これあげる!じゃあね!」タッタッタッ

 

雪穂「あっ…」

 

雪穂「……無理しないでね」

 

亜里沙「………」ピタッ

 

タッタッタッ

 

雪穂「………」

 

雪穂(冷たい……おでん缶)

 

カシュッ

 

ズズズ

 

雪穂「……おねーちゃんにあげよ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

雪穂(亜里沙のやりたかったことって……こういうことなの?)

 

ピピピーーーーーーー

 

角間「あーっとここで音の木坂絢瀬にイエローカードが出されました!」

 

角間「先ほど胸ぐらを掴んでしまったのが原因でしょうか」

 

絵理「……」ペコリ

 

穂乃果「絵理ちゃん……」

 

絵理「ごめんなさい穂乃果、切り替えるわ」

 

穂乃果「……逃げちゃダメだよ」

絵理「別に……そういうわけじゃないわ」

 

絵理「ほら、始まるわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーー

 

ブンッ!

 

 

凛「にゃっ!」トッ

 

角間「少しいざこざがありましたが再びスタートしました!」

 

角間「ボールは未だ音の木坂ゴール目前…!!」

 

MF3「はぁっ!」ザッ

 

凛「き、きてるぅ……!!」トトッ

 

 

 

凛【アクロバットキープ!】

 

ダッ グゥン! シュバッ!

 

 

 

MF3「やるっすね!」

 

凛「!」

 

エレナ「前半のお返しだ」ガッ

 

角間「抜いたかに見えたがすぐさまヘルプにきていた統堂にカットされてしまったぁ!!」

 

エレナ「……!」

 

花陽「たぁ!」ガッ

 

角間「すぐさま奪い返したぁ!!」

 

エレナ「……読んでいたのか…」

 

花陽「海未ちゃん!」ドッ

 

海未「任せ……!?」トッ

 

MF2「いかせるかぁ!」ザッ

 

海未「〜〜!!はぁあ!!」クルッ

 

MF2「っち……!」

 

海未「絵理!」ドッ

 

絵理(亜里沙……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「絵理!!」

 

絵理「あっ……!」ガッ

 

テンテンテン

 

シュバッ!

 

DF1「いっただきー!」トッ

 

絵理「っく……!」

 

角間「絢瀬どうした!?珍しいケアレスミスだぁ!!」

 

DF1「エレナさん!」ドッ

 

エレナ「ああ」トッ

 

花陽「通しません!」ザッ

 

エレナ「また君か」ザッ

 

エレナ(さっきはやられたが、単純な一対一なら……負けはしない)

 

花陽(みたいなこと思ってるんだろうなぁ……)

 

花陽「………」

 

エレナ「いくぞ…!」ダッ

 

花陽(……そう思われる事よりも、何も反論できない方が悔しい)ギュッ…!

 

 

 





カフェオレ買ってきて凍らせてシャーベットにしたら美味しいですかね…?



あと前に出てきた【クリエイション】の説明忘れてましたm(_ _)m



【クリエイション】

使用者の頭の中に描く通りに壁を出したりしてグラウンドを描きかえる
【ザ・ラビリンス】に近いイメージだが、壁はあくまで土や岩
かなり応用可能


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「vsUTX高校、後半戦③」



暑すぎて何もする気が起きない乾電池です

絵も描きたいし話の続きも描きたいし勉強もしなきゃだしマイクラもしたい

影分身の取得が早急の課題となっております




 

 

 

 

 

 

 

花陽「通しません!」ザッ

 

エレナ「また君か」ザッ

 

エレナ(さっきはやられたが、単純な一対一なら……負けはしない)

 

花陽(みたいなこと思ってるんだろうなぁ……)

 

花陽「………」

 

エレナ「いくぞ…!」ダッ

 

花陽(……そう思われる事よりも、何も反論できない方が悔しい)ギュッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽(初心者だったのに新しいことに挑戦し続けてる凛ちゃん)

 

エレナ タッタッタッ

 

花陽(入部してすぐエースとして活躍してる真姫ちゃん)

 

花陽(じゃあ……)

 

 

 

 

 

 

花陽(私は?)

 

花陽「……….」

 

エレナ(…?なぜ動かない)タッタッタッ

 

 

 

 

花陽(経験者として入ったのに、大した活躍もできないただの平凡な選手)

 

花陽(一年生で私だけ……何もない)

 

花陽(ことりちゃんもこんな気持ちだったのかな……)

 

花陽(張り合おうとしてるんじゃない、ただ、役に立ちたい…)ギュッ!

 

海未「……花陽?」

 

花陽(あとをついていくだけの腰巾着なんかに……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「なってたまるか!!」カッ!!

 

エレナ(!!……くるか?)タッタッタッ

 

花陽(今まで見てきた映像と今日の試合での誤差を修正……)

 

花陽(統堂さんの癖、パターン、スピード、反応速度、パワー、瞬発力………)

 

花陽「……見つけた」

 

エレナ「……!?」

 

花陽(私だって、みんなと肩を並べて歩きたい!)ジャリッ

 

 

 

ダッ!

 

 

 

ズザザッ!

 

花陽「……よし!」トッ

 

 

 

 

 

 

エレナ「な、なんだ…!?」ガクッ

 

凛「かよちん!すっごいにゃー!」

 

にこ「へぇ、やるじゃない」

 

海未「まるで方程式を解くかのようなデフェンス……」

 

海未「ディフェンス方程式……!」

 

海未「………」

 

海未(いい……!!今自分でもちょっといい感じにできた自覚があります!)ハァハァ!

 

凛(海未ちゃんのあの顔……めちゃくちゃどうでもいいこと考えてる時の顔だにゃ……)

 

 

 

 

 

花陽「ことりちゃん!」ドッ

 

ことり「いくよぉ!」トッ

 

DF2「止めるで!」ザッ

 

DF2「っておお……!?」

 

ことり「ヒッ……!?」

 

DF2「遠くから見てても思ったけど、なんちゅう身体してんねん……」

 

ことり「あ、ありがとうございます?」

 

ことり(か、身体って言った?……)

 

DF2「ウチもそれぐらい育ってればなぁ……」サワサワ

 

DF2(まああっちのエセはもっとすごかったけど………)

 

DF2(…………牛か)

 

ことり「い、いきます!」ザザザッ

 

DF2「甘いんよ!」ザザザッ

 

ことり「ほっ!」クルッ トンッ

 

DF2「んなぁ!?」ガクッ

 

ことり「私の勝ち〜!」ダッ

 

DF2「ぬあー!!悔しいけど許す!」グッ

 

あんじゅ「許す!……じゃないわよ!」バシッ

 

DF2「す、すんません……」シュン…

 

ことり「希ちゃん!」ドッ

 

 

 

 

 

 

希「ほっ!」トッ

 

MF2「こい!ちんちくりん!」

 

DF1「わかりましたーヤンキーセンパーイ」

 

MF2「……この前アイス落として泣いて……」

 

DF1「あーあーあー聞こえませーん」アワワワワワ

 

希「あのー……通りまーす!」ダッ

 

DF1MF2「行かせない!!」クルッ

 

 

DF1MF2【ダブルサイクロン!】

 

ブフォォォォアァァ!

 

 

 

希「ちょ……え……ちょぉ!?」

 

ブワァァ!

 

希「いやぁーー!!」ヒューーー……

 

MF2「アタシの手柄だな」

 

DF1「私ですぅ〜!」

 

MF2「アイス……」

 

DF1「もういいですから!!」

 

テンテンテン

 

 

 

 

絵理(亜里沙は、体が壊れてでも私より強くあろうとした……)

 

ツバサ「……」トッ

 

絵理(でもそんなの………)

 

絵理「………認められないわぁ」ザッ

 

えり[バレエ衣装](………)

 

 

 

 

 

 

絵里(……久しぶりね、元気だった?)

 

えり(………)

 

絵里(……つれないわね)

 

絵里(………)

 

絵理(あなたのことは嫌いだけど……)

 

絵理(亜里沙の目を覚まさせるためには、今の亜里沙より強くならないといけない……)

 

絵理(……お願い、力を貸して)

 

えり ニコッ

 

えり(貸すもなにも……)

 

えり(あなたは私、私はあなただよ)

 

えり(やっと受け入れてくれたね)スゥー……

 

えり(……私も、あなたのことは嫌い)スゥー…

 

絵里(………)

 

えり(でもありさは大好き!)ニコッ

 

絵理(………!)

 

ブワァァァァァァ……!!

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「……なんだか雰囲気が変わったわね」

 

絵理「………」

 

絵理「そうかもしれないですね」スゥ…

 

ツバサ「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

絵理「亜里沙ぁぁ!!!!」

 

ツバサ「………」ビクッ

 

希「えりち……!?」

 

花陽「びっくりしたぁ……」

 

 

 

 

 

ベンチ

 

亜里沙「……んぅ……」モゾモゾ

 

亜里沙「お姉……ちゃん?」ムクッ

 

 

 

 

絵理「亜里沙……」

 

絵理「あなたにとって、サッカーがなんなのかは私にはわからないけど……」

 

亜里沙「………!」

 

絵里「そのためなら体が壊れても構わない?」

 

亜里沙「………」

 

絵里「………そんな」

 

絵理「……そんなバカみたいな考えを改める気がないのなら」

 

絵里「私がどんな手を使ってでも引きずり戻す」

 

ツバサ「……」

 

絵理「あなたは……」ジャリッ

 

亜里沙「!!」

 

 

 

 

 

 

絵理「私の大切な妹なんだから!!」

 

ズァッ!

 

 

 

 

 

ブワァァ! ブワァァァ! ブワァ!

 

ダンッ! パキパキパキパキ!

 

カキーン!

 

 

 

亜里沙「い、今のって……!」ガタッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

バレエコンクール

 

〜〜〜♪

 

えり「……あっ…!?」ガッ

 

ドサッ

 

えり(……やっちゃった)ウルッ

 

審査員「………」カキカキ

 

 

 

 

 

 

金賞は…………〜〜です!

 

ワーー!!!オメデトーー!!

 

 

 

 

 

えり「…ぅ……ぅあ……なんで……」ポロポロ

 

えり「あんなに……頑張ったのにぃ……」ポロポロ

 

おばあちゃん「エリーチカ、練習ではできてたじゃない」

 

おばあちゃん「大丈夫、次はできるよ」

 

えり「もう……もういい……!!」

 

おばあちゃん「エリーチカ……?」オロオロ

 

えり「バレエなんてもう嫌!!」

 

えり「こんなの……!!」

 

えり「……あ…」ビクッ

 

おばあちゃん「………」

 

おばあちゃん「本当に辛かったら……やめてもいいんだよ」ナデナデ

 

えり「おばあさま……」

 

タッタッタッ

 

ありさ「お…おねえちゃん…?」ハァハァ

 

ありさ「おねえちゃん……やめちゃうの?」

 

えり「……私は……ここまでみたい」

 

ありさ「そ、そんな……」ウルウル

 

えり(……この曲……好きだったんだけどなぁ……)ナデナデ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

絵理「確かタイトルは……」

 

絵理「雪の天使様……だったかしら?」トッ

 

えり ニコッ

 

絵理(ありがとう)

 

角間「こ、これは……新必殺技だぁ!!あの綺羅からボールを奪ったぞぉ!?」

 

角間「まるで雪原を舞い踊るバレリーナのようだぁ!!」

 

凛「……綺麗」

 

穂乃果「あれが………絵理ちゃんの新しいサッカー……」

 

海未「あれだけ激しい動きをしながら軸が全くブレていませんでした……さすがです」

 

海未「名付けるなら……そうですね」

 

希「スノーエンジェル」

 

海未「!?」クルッ

 

希「にしし!」

 

亜里沙(お姉ちゃんは……)

 

 

 

 

 

ツバサ「……面白くなってきたわね」

 

絵里「いくわよ!」

 

亜里沙(何年も目を背け続けてたバレエと……)

 

 

 

 

 

絵理「吹き荒れろ……」

 

パキパキパキパキ

 

亜里沙(完全に向き合ってまで、亜里沙のこと……)

 

 

 

 

絵理【エターナルブリザード!】

 

ドゴォォォォォォォ!!

 

亜里沙(………想ってくれてたんだね)

 

 

 

 

 

GK「………何度やっても同じ」

 

GK【パワーシールド】ドッ!

 

 

ギュルルル! ビシィ!

 

GK「!」

(パワーが上がってる……!でも……)

 

GK「この程度じゃ……」ググググッ

 

 

 

 

グルグルグル

 

真姫「はぁぁぁ!!!」バッ

 

ドキュゥゥゥ!!!

 

GK「なっ……!?」

 

 

 

真姫「希が言ってたわね……衝撃波の壁って……」

 

真姫「つまり!こんな風に押し込んじゃえば……!!」

 

ミシミシ……ビキィ!

 

GK「………そんな」ググッ

 

 

バリィン!

 

真姫「突き破れる!」

 

【ファイアトルネード!】

 

 

ドゴォォォォォォォ!!!!

 

 

 

GK「きゃぁぁぁ!!」ドサッ

 

ドシュゥゥゥゥ……!

 

 

角間「き、決めたぁ!!!音の木坂のダブルエースが一点を返しました!」

 

角間「これで点差は……一点差です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「やったぁ!!」

 

希「うちのおかげかな?」

 

真姫「……ええ、希のおかげよ」

 

希「おお……!真姫ちゃんが素直…」

 

真姫「な、なによ!人がせっかく……」

 

穂乃果「まあまあ落ち着いて!」

 

絵理「………」

 

希「想い、伝わってるといいね」

 

絵理「きっと大丈夫よ、亜里沙だもの」

 

希「そ、それでなえりち……さっきの………」

 

絵里「……希?」キョトン

 

希(亜里沙ちゃんの言ってた氷の女王って……)

 

希「……」

 

希「………さっきの……すごい大きい声やったね!」

 

絵里「え?……え、ええ」

 

凛「急に叫ぶからびっくりしたにゃー」

 

にこ「ほんとよ、何があったのかと思ったわ」

 

絵理「ご、ごめんなさい……」

 

花陽「つ、次からは、叫ぶ前に叫ぶっていってね!」

 

ことり「それはそれでよくわからないことになりそうだけど……」

 

海未「あと2点、手足をもがれても取りますよ」

 

海未「いいですね?皆さん」ギラッ

 

みんな「は、はいぃ……」

 

凛(海未ちゃんの眼力やばいにゃー)

 

希(あれはすでに何人か殺ってる目やね……)

 

花陽(そんな……!!)

 

海未「全部聞こえてます……よ!」バシッ

 

凛希花陽「あぅ〜〜……!」ジンジン

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「審判、メンバーチェンジよ」

 

 

 







イナイレ再放送楽しみです



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「vsUTX高校、後半戦④」



アメトークを見て笑いが止まらない乾電池です

中岡さん……シビれました!!




 

 

 

亜里沙を止めるため、過去の自分と初めて向き合った絵里

 

そんな絵里の姉としての覚悟を見た亜里沙は……

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「審判、メンバーチェンジよ」

 

 

 

 

 

 

亜里沙 ザッ

 

ツバサ「………確認するまでもないようね」

 

ツバサ「いい顔になってるわ」

 

亜里沙「……勝つことより大事なこと……忘れてました」

 

亜里沙「私がサッカーを始めたわけ……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ありさ「おねえちゃんさいきん笑顔がふえたね!」

 

えり「そ、そう?」

 

ありさ「なにかあったの?」

 

えり「ふふ、じつはね、サッカーを始めたの」

 

ありさ「さっかー?」

 

えり「チームで一つになってボールを蹴りあうの!」

 

ありさ「ふーん?」

 

えり「まだありさには難しかったかしら……」

 

ありさ「じゃあじゃあ!ありさもやる!さっかー!」

 

えり「え、ありさも?」

 

ありさ「うん!」

 

えり「それじゃあお母様におねがいしにいきましょうか」

 

ありさ「やったー!」

 

ありさ(ありさだっておねえちゃんをえがおにできるんだもん!)

 

ありさ(………さっかーってなにかわからないけど)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

亜里沙(あの頃はお姉ちゃんの後をついて行くだけで楽しかった……)

 

亜里沙「ツバサさん達のこともそう」

 

亜里沙「私のことを想って止めようとしてくれる人がちゃんといたのに……」

 

亜里沙「全然見えていませんでした……」

 

亜里沙「ごめんなさい…」ペコッ

 

ツバサ「……そう」

 

亜里沙「だから、お返しはプレーで示したい!」

 

ツバサ「ふふ、存分に暴れてきなさい」

 

亜里沙「はい!」

 

あんじゅ「本当にお願いよ?」

 

エレナ「人のボールを横取りするのはいけない」

 

亜里沙「ほ、本当ごめんなさい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

UTX高校3-2音の木坂

 

ピーーーーーーー

 

角間「再び絢瀬を加えてスタートしましたUTX高校!」

 

角間「このまま勝利を決めるのか……それとも!」

 

角間「音の木坂が逆転勝利を果たすのかぁ!?」

 

真姫 ザッ

 

ツバサ「ふふふ」ザッ ザザザッ

 

真姫「っく……また……!」ガクッ

 

ツバサ「頼んだわよ!」ドッ

 

MF2「はい!」トッ

 

にこ「行かせないわよ!」

 

にこ「とりゃあ!!」ブンッ

 

 

 

 

ズシュゥゥゥ!

 

 

ブワァァァァァァ!!!!!

 

 

 

MF2「きゃぁ!!」ドサッ

 

ツバサ「………!」

 

DF1「……先輩けっこう悲鳴乙女……」

 

にこ「…….何、今の……」トッ

 

真姫「仮にもアイドル目指してるのにとりゃあって……」

 

にこ「ぅ……うるさい!」

 

 

 

 

 

希「ええよー!にこっちぃーー!!」

 

にこ「まあいいわ」

 

にこ「頼んだわよ海未!」ドッ

 

海未「さすがにこですね」トッ

 

MF1「ふふ、またあなたですか」ザッ

 

海未「そういえば、花陽が言ってました」

 

海未「あなたとの一対一は分が悪いと」

 

MF1「それは光栄ですね」

 

海未「ならば……こうすればいいんです!」ドッ

 

MF1「なっ!?そっちには誰も……」

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルル! ドッ

 

海未【ひとりワンツー!】トッ

 

MF1「そんな……!」

 

角間「なんということだぁ!!たった一人でワンツーを成立させて抜いてしまったぁ!!」

 

GK「く、来る……!」

 

GK(私に……止められるの?)

 

海未(今まで無失点で抑え続けていて今日だけで二失点……)

 

海未「自信が揺らいでいるようですね」

 

GK「そんなこと………ない!」バッ

 

海未「その薄皮一枚で繋がっているあなたの自信………」

 

海未「私が断ち切ってあげましょう」フッ

 

トン………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GK「私は……!」

 

 

 

ズバァ!

 

海未【菊一文字!!】

 

ドゴォォォォォォォ!!!!

 

 

 

 

 

GK「………」ギュッ

 

GK【パワーシールド!】ドッ

 

ゴォォォォォオ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「………なまくらでは」

 

 

バリィン!!

 

GK「うそ……」

 

 

 

海未「本気の刃は止められませんよ」

 

ドシュゥゥゥゥ……!!

 

GK「あぐっ……!!」ドサッ

 

 

 

角間「き、決まったぁぁぁ!!!同点ゴールを決めたのは園田だぁぁ!!」

 

 

 

 

 

穂乃果「やったぁ!!」

 

ことり「海未ちゃんさっすが〜!!」

 

凛「海未ちゃん!」バッ

 

海未「り、凛!?お、重いです……!」ググッ

 

凛「すごいね海未ちゃん!」

 

真姫「もう……そんなに簡単に決められちゃ私たちの立場がないじゃない」

 

絵理「ねー?」

 

希「相手の子……」

 

海未「ええ、自分を見失いかけていますね」

 

凛「畳み掛けるなら今がチャンスにゃ!」

 

花陽「で、でも……これ以上失点したら本当に……」

 

花陽「守備も固めないと……」

 

にこ「【トライペガサス】……」

 

穂乃果「……….」ズキズキ

 

穂乃果「それは任せて」

 

穂乃果「穂乃果が止めるから!」

 

海未「穂乃果……」

 

穂乃果「ファイトだよ!」グッ

 

希「穂乃果ちゃん……」

 

海未「……」

 

海未(……左腕が上がっていませんよ、穂乃果)

 

ことり(いつもはワガママな穂乃果ちゃん、でも肝心なとこではいつも……)

 

雪穂「ちょっとちょっと!」

 

穂乃果「雪穂……?」

 

雪穂「何一人で背負い込む気でいるの?」

 

花陽「そ、そうだよ!」

 

凛「凛たちもいるにゃぁ!!」

 

にこ「みんなで守って、みんなで攻めて、そんでもってみんなで勝つのよ」

 

穂乃果「……みんな……!」

 

絵理「だからあなたは安心して守ってなさい!」バシッ!

 

穂乃果「いったぁ!?」ビクンッ

 

海未「絵理ぃぃ!!」

 

絵理「……やっちゃった?」

 

穂乃果「おぉぉおぉ!!!」ジンジン

 

 

 

 

 

 

GK「そんな……私……?」プルプル

 

ツバサあんじゅエレナ ザッ

 

GK「あ……ご、ごめんなさい……!」

 

ツバサ「………はぁ」

 

GK「ぁ……!」ビクッ

 

エレナ「……自分の限界を決めつけすぎだ」

 

GK「……え?」

 

あんじゅ「あなたにはまだまだ伸び代があるわ」

 

ツバサ「壁に当たった時はそれをぶち破るチャンス」クシャクシャ

 

ツバサ「あなたなら超えられる」パッ

 

GK「……チャンス……」ボサァ……

 

DF1「そーそー!一年生同士、もっと頼ってくれてもいいんだよ!」ガシッ

 

GK「……あり、がとう……」

 

あんじゅ「……あげるわ」スッ

 

GK「……これ」

 

GK「いいんですか?」

 

あんじゅ「ええ」

 

GK「………どうも」スッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

UTX高校3-3音の木坂

 

ピーーーーーーー

 

角間「一体誰が予想したでしょうか!初出場校がここまでの戦いを見せることを!」

 

ドッ

 

ツバサ「私たちよ」ドッ

 

エレナ「だな」トッ

 

にこ「それは光栄ね!」ガッ!

 

エレナ「………」ザッ ガガッ

 

にこ「はぁ!」ガガガッ

 

エレナ「……」ガッ ザザッ

 

エレナ(……小柄な体を生かしたディフェンスで懐に潜り込んでくる……)

 

角間「凄まじい鍔迫り合い!矢澤奪えないまでも負けてはいない!」

 

エレナ「なかなかやる……な!」ドキュッ!

 

にこ「んなっ!?」

 

角間「な、なんということだぁ!!あの激しい攻防の最中にもかかわらず正確なミドルパス!!」

 

角間「綺羅へとボールをつないだぁ!!」

 

ツバサ「それがエレナよ」トッ

 

エレナ「いちいち騒ぐな、ただのパスだ」

 

にこ花陽「精密機械……」

 

花陽「頭ではわかってても……実際に見るとここまで……」

 

にこ「そんな統堂エレナですらナンバーワンを譲らなければいけない存在……」

 

ツバサ「ふふふっ」クルンッ

 

ヒデコ「ぬわ!?」

 

凛「そんな…!!」

 

にこ花陽「綺羅ツバサ……!」

 

海未「試合中はそれやめてください!!」

 

ツバサ「……亜里沙!」ドッ

 

絵理「!!」

 

亜里沙「はい!」トッ

 

絵理「亜里沙!」

 

亜里沙「フフ」

 

亜里沙「お姉ちゃん……!」チラッ

 

絵理「!」

 

亜里沙「これは、お姉ちゃんの足跡を追いかけ続けて……やっと習得した技」

 

亜里沙(これが……私の答え…!!)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ありさ「わー!おねえちゃんかっこいい!!」

 

ありさ「ありさも!ありさもやりたい!」

 

絵理「亜里沙にはまだ早いから、もう少し大きくなったらね」

 

ありさ「むー……」

 

ありさ「じゃあもう一回見せて!」

 

絵里「もう、しょうがないわね……いくわよ?」トトッ

 

ありさ「うん!」パァァ!

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「吹き荒れろ……」

 

パキパキパキパキパキ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

亜里沙「吹き荒れて……」

 

パキパキパキパキ

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

絵里【エターナル……!!】

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙【………ッブリザード!!!】ドキュッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォォオオオオ!!!!!

 

絵里「………」ニッ

 

穂乃果「これが亜里沙ちゃんの……!」

 

穂乃果「っ………!」ズキッ

 

海未「穂乃果!」

 

穂乃果「……うぅ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ハンターズネット!】

 

 

 

ドシュルルルルル!!

 

テンテンテン コロコロ……

 

 

 

雪穂「……いいボールだったよ、亜里沙」

 

亜里沙「……さすが雪穂だね」

 

 

 






かき氷を作ろうと思います



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「vsUTX高校、後半戦⑤」



ヒロアカ再放送がもうすぐで楽しみな乾電池です

漫画最新刊も買いました、最高でした

あと多分長いです





 

 

 

 

【ハンターズネット!】

 

 

 

ドシュルルルルル!!

 

テンテンテン コロコロ……

 

 

 

雪穂「……いいボールだったよ、亜里沙」

 

亜里沙「……さすが雪穂だね」

 

ことり「雪穂ちゃん…!」

 

真姫「……!」ダッ

 

雪穂「そぉれ!」ドォッ!

 

エレナ「これは…」

 

ツバサ「超ロングパス……」

 

真姫「ふっ!」ジャンプ

 

DF1「そんなの!」ジャンプ

 

DF2「通すわけないやろって!」ジャンプ

 

ガツン!

 

真姫「きゃぁ!?」ドサッ

 

DF1 「よし!」トッ

 

DF2「ごめんな〜」

 

 

 

 

ブワァァ! ブワァァ! ブワァァ!

 

ドッ!

 

ビキビキビキ カキーン!

 

絵理「ごめんなさいね?」トッ

 

DF2「んなアホな……」

 

 

 

 

 

 

 

GK「…………」スッ

 

GK パチッ

 

エレナ「……やる気だな」

 

あんじゅ「いい髪留めでしょ」

 

ツバサ「………」フフ

 

あんじゅ「………」

 

あんじゅ「やっぱり綺麗な目してるじゃない……」

 

 

 

 

 

 

絵理【エターナルブリザード!】

 

ドゴォォォォォォォ!!!

 

 

 

 

 

GK【パワーシールド!】

 

ドシュルルルルル!!!

 

タタタッ

 

 

 

真姫「何度やっても同じ!」バッ

 

グルグルグル

 

真姫【ファイアトルネード!】

 

ドゴォォォォォォォ!!!!

 

 

 

 

ビキビキビキ

 

にこ「いけ!」

 

花陽「決まって!」

 

真姫「はぁぁぁぁ!!」ググググ!

 

GK「………!」ググググ

 

ビキキキキキ!!

 

 

 

 

 

 

バキィン……!!

 

 

 

 

 

 

ツバサ「……まだ!」

 

GK(私だって……)ググッ

 

GK(……変わるんだ…!)グググッ!

 

ダンッ!

 

あんじゅ「……!左手……!」

 

GK【フルパワーシールド!】

 

ブワァァァァァァ!!!

 

 

 

 

 

 

 

ググググッ バチィッ…!!

 

真姫「そんな……!」ドサッ

 

DF1 「えへへ、さすが!」トッ

 

GK「……うん!」

 

 

 

 

 

 

ことり(穂乃果ちゃんに負担はかけられない!)

 

ことり「私がいく!」ダッ

 

DF1「………」タッタッタッ

 

MF2「おら!きてるぞ!!」タッタッタッ

 

DF1(相変わらず口が悪いなぁ)タッタッタッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

MF2「たらたらしてんなよ一年!!」

 

「ほら、あの先輩、ヤンキーみたいで威張り散らしてるの」

 

「一年生からレギュラーだからってね」

 

DF1「………」

 

片付けを少しサボっただけで怒る、練習中少し遊んだだけで怒る

 

正直、怒っている人って印象しかなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DF1「うわ〜!遅くなっちゃった!」

 

あたりは暗くなり、部員はみんな帰ってしまっていた

 

テンテン…!トッ……ザザッ!

 

DF1「……?なんか音が……」ソッ

 

 

 

 

 

 

 

MF2「はぁ…!はぁ…!」ザザッ!

 

DF1(……はぁ!?なんで1人で残って練習してるの!?)

 

MF2「……そろそろ時間か」トトッ

 

DF1(あーはいはい、不良が実は影で努力してましたーってやつね)

 

DF1(別にそんなの知ったからって今更印象なんて……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF2「ありがとうございましたぁ!!!!」バッ!

 

DF1「……!!」ビリビリビリ…!

 

練習が終わったらグラウンドに挨拶、そんなの当然、いつもみんなやって……

 

『あーしたー』ペコ

 

『あざしたー』ペコ

 

………この程度で……印象なんて

 

一度意識してしまうと、あとは芋づる式だった

 

MF2『おい!片付けたらたらしてんなよ!!次の部活来てんだよ!!』ヨイショ!

 

MF2『道具直し忘れてんの誰だ!?無くなったら部費から抜かれんだぞ!!』ガシャッ!

 

…………

 

 

 

 

 

 

 

DF1「………先ぱーい」

 

MF2「……あ?まだいたのか?」ハァハァ

 

DF1「私も……明日から一緒に練習していいですか?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

DF1「ヤンちゃん先輩!」タタタッ

 

MF2「……合わせろよ泣き虫小僧!!」

 

DF1「小僧じゃない!!」

 

ことり「なっ……」ザッ

 

 

 

DF1MF2【ブリタニアクロス!】

 

ズシュゥゥゥゥ!!!

 

 

 

ことり「うわぁ!?」ドサッ

 

花陽「ことりちゃん!」

 

DF1「……」トッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

DF1「私も……明日から一緒に練習していいですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF2「………ヤダ」

 

DF1「はぁ!?」

 

MF2「怠け者と練習したらこっちまで怠け者になる、から、やだ」

 

DF1「……じゃあ、私がレギュラーになったら……してくれますか?」

 

MF2「はいはい、なれたらな」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

DF1(……ニヒヒ…!)

 

DF1「お任せでーす!」ドッ

 

 

 

 

 

 

 

 

MF2 トッ

 

花陽(穂乃果ちゃんのところには行かせない!)

 

花陽【ディフェンス……】

 

MF2「ほっ!」ドッ

 

亜里沙「はい!」ドッ

 

MF2「やるな!」トッ

 

花陽「そんな……!」

 

海未「ディフェンス!御三方を徹底マークです!」

 

海未(穂乃果を守らなければ…!)

 

ザザザザッ!

 

ツバサ「あら?」ザッ

 

エレナ「これは手厳しいな…」ザッ

 

あんじゅ「動けないわぁ…」クルクル

 

角間「これは完全に得点源の3人を押さえ込んだぞぉ!!」

 

海未「これで……!」

 

エレナ「………」チラッ

 

凛 キョロキョロ

 

エレナ(……まだまだ甘いな)コクッ

 

MF2「…!」コクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「一瞬の隙も見せては駄目だろう?」ダッ

 

ドッ

 

エレナ「さすがだ」トッ

 

MF2「へへへ!」テレテレ

 

海未「マ、マークを外さないように!」

 

凛「わ、わかったにゃ!」

 

花陽「了解です!」

 

エレナ(……)フフ

 

エレナ「ツバサ!あんじゅ!作戦Bだ!」

 

ツバサあんじゅ「!」

 

海未(さ、作戦B……!?一体なにを……)

 

海未(いやこれは……私たちを動揺させるための罠!)

 

エレナ(園田海未、君ならこのハッタリに気づけるだろうが………)

 

エレナ(他のメンバーには……どうかな?)

 

凛「う、海未ちゃん……!」タジタジ

 

花陽「ど、どうすれば!?」アワアワ

 

ツバサあんじゅ シュバッ!

 

海未「しまった!」

 

にこ「っ……!」ダッ

 

エレナ「ツバサ!」ドキュッ!

 

 

 

 

 

にこ「読んでんのよ!」タッタッタッ

 

にこ(シュートは絶対打たせない!)

 

角間「一足先にパスを読んでいた矢澤!ファインプレーなるかぁ!?」

 

海未「にこ……!」

 

花陽(……にこちゃんなら知ってるよね……)

 

にこ(あと……少し!)ダッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スカッ

 

にこ「そ……んな!」ガクッ

 

エレナ「………すまない、計算通りだ」

 

花陽(統堂さんのパスをカットできた人は……誰もいないって)

 

ツバサ「これで終わりよ!」トッ

 

角間「完全にフリーだぁぁ!!」

 

 

 

 

 

ズシュゥゥゥゥ!

 

ブワァァァァァァ!!!

 

 

 

 

ことり「穂乃果ちゃん!」

 

 

ドッドッドッ

 

ツバサあんじゅエレナ【トライペガサス!】

 

ドゴォォォォォォォ!!!!!

 

角間「こ、これは決まってしまうのかぁ!?」

 

角間「残り時間も後わずか……ここでの追加点は勝敗を決める一点といっても過言ではないでしょう!!」

 

海未「穂乃果ぁ!!」

 

真姫「今の穂乃果じゃ……!」

 

 

 

 

 

穂乃果「っつ……!」ズキ

 

穂乃果「………はぁぁぁぁ!!!」

 

ゴォォォォォオ!!!

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

 

 

 

 

ドシュルルルルル!!

 

ミシィ……!

 

穂乃果「っぐぅぅ!!」ズザザザザザ!!!

 

にこ「穂乃果!」

 

角間「ボールの勢いに押し込まれる!!高坂踏ん張れない!!!」

 

ズキィン……!!

 

穂乃果「ッ…!!あああぁぁぁ!!!!」ズズズズ!

 

海未「ほ……穂乃果ぁ……」

 

ことり「穂乃果ちゃん……」

 

穂乃果「……私じゃ……やっぱり…」

 

穂乃果「……!」ブンブン

 

穂乃果(穂乃果は今……何を考えたの?)

 

穂乃果(……みんなが信じてくれてるんだもん!)

 

穂乃果(最後の1秒まで、諦めるわけにはいかない……!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果(……んだけど……)

 

穂乃果(なんだろうこの感じ……)

 

穂乃果「………」グググッ

 

穂乃果(ああそっか、こういうのを……)

 

穂乃果(格の違いって言うのかな……)アハハ…

 

穂乃果「………」グググッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「………勝ちたかったなぁ」ボソッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タッタッタッ!

 

雪穂「っ……はぁ、はぁ……!」ズザザザ!

 

雪穂「何……一人であきらめムードになってるの?」

 

穂乃果「ゆ、雪穂…!?」ググググ

 

雪穂「家ではいっつもグータラしてるんだから……」

 

ガシッ

 

雪穂「試合中ぐらいかっこいいとこ見せてよ!!」

 

ゴォォォォォォ!!!!

 

穂乃果「!!」

 

穂乃果「……そうだね雪穂」

 

 

 

 

 

 

 

メキメキメキ……!

 

角間「おおっとぉ!?高坂のマジンが姿を変えていきます!」

 

ツバサ「なにあれ……」

 

エレナ「そんな…」

 

あんじゅ「こんなことって……!」

 

 

 

 

 

雪穂「私たちを……」

 

穂乃果「穂むらの看板娘を……!」

 

雪穂穂乃果「甘く見ないで!!!」

 

ドォォォォォォオオオオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュルルルルルル………パシッ…!

 

穂乃果雪穂「……よし!」

 

海未「【ホムラ・ザ・ハンド】……ですか」

 

海未「すごすぎですよ、二人とも……!!」グッ

 

角間「とめたぁ!!!和菓子屋穂むらの看板娘姉妹が【トライペガサス】を止めましたぁ!!」

 

ツバサ「そんな……」

 

穂乃果「や……た!」ガクッ

 

雪穂「おねーちゃん!」バッ

 

穂乃果「行って……雪穂!」コロコロ

 

雪穂「……わかった!」トッ

 

角間「さあ、残り時間もごく僅か!一体どちらが勝利を手にするのでしょうか!」

 

ツバサ「エレナ、あんじゅ、戻るわよ!」

 

雪穂「凛さん!」ドッ

 

凛「穂乃果ちゃんの止めたこのボールは……繋いで見せるにゃ!」ダッ

 

MF1「いかせません」ザッ

 

 

 

 

 

 

 

凛【アクロバットキープ!】

 

バッ クルッ ダッ!

 

MF1「いい動きですが私には……」

 

MF1(相手の動きに合わせて……)スススッ

 

凛 ニヤッ

 

凛「ほっ!」クンッ

 

MF1「あ、あの体勢からフェイントを…!?」ガクッ

 

MF1「何というボディバランス……」

 

MF1(私が相手の力量を見誤るとは……!!)

 

凛「希ちゃん!」ドッ

 

 

 

 

 

 

希「ほい!」トッ

 

エレナ「ッはぁ……間に合った」ザッ

 

希「……やっぱり映像じゃ細かいところがみえないんですよね」

 

希「でも今日……本物が見れた」

 

エレナ「……なにが言いたい?」

 

希「こういう……こと!」

 

 

 

 

クルッ スタッ!

 

希【イリュージョンボール!】

 

 

 

エレナ「こ、これは……!?」ガクッ

 

ツバサ「……」タッタッタッ

 

あんじゅ「本物と遜色ない……」タッタッタッ

 

角間「またまた抜いたぁ!!止まらない止まらない!!どんどん攻め上がるぞぉ!?」

 

 

 

 

 

希「真姫ちゃん!」ドッ

 

真姫「……ええ!」トッ

 

真姫「凛!来なさい!!」

 

凛「にゃ……!?嘘……!?」ダダダダッ

 

花陽「り、凛ちゃん!?」

 

にこ「あいつなにやってんのよぉ!?」

 

角間「DFの星空がまたもや前線にあがってきたぁ!!【たつまきおとし】かぁ!?」

 

GK「あれはもう……決めさせない……」

 

 

 

 

 

 

真姫「今しかないわ、あれをやるのは!」タッタッタッ

 

凛「あれ……ってまさか!」タッタッタッ

 

凛「……できないにゃ、練習では一回も……」

 

真姫「凛!!!」

 

凛「……!!」ビクッ

 

真姫「今、私たちが決めないと……負けちゃうかもしれないのよ」

 

凛「で、でも…!」

 

真姫「負けたら……」

 

真姫「みんなとは二度と……一緒に試合することは出来ない」

 

凛「そ……そんなの……」

 

凛「……いやだ!!」グッ

 

真姫「それにね、凛」

 

凛「にゃ?」

 

真姫「こういう場面で決めた方がかっこいいと思わない?」スッ

 

凛「……わっるい顔してるにゃー」スッ

 

コツン

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛「ええ〜〜!?」

 

真姫「しっ!声が大きい!」ヒソッ

 

凛「ほ、本当にそんなことできるの?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛「………できるかどうかじゃない」

 

真姫凛「やるかやらないか!!」ザッ

 

GK「………」グッ

 

 

 

 

 

 

真姫「行くわよ、凛!」

 

凛「うん!」

 

真姫凛 グッ

 

ダンッ ダンッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

真姫「うぐっ……!」ドサッ

 

凛「いにゃ!?」ドサッ

 

真姫「もう一回よ!」スクッ

 

凛「うん!」スクッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

グルグルグル グルグルグル

 

 

 

花陽「………二人とも」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛「今日もダメだったにゃ〜…」

 

真姫「いいところまで行ってたのにね」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

真姫凛 バッ

 

GK「……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛「きっと明日には出来るようになってるにゃ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

花陽「……ぃ……」

 

花陽「いけーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!!!

 

真姫凛【ファイアトルネードDD!】

 

ゴォォォォォォォォォオオオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

にこ「あいつら…いつの間にあんな技……!!」

 

希「……ふふ」

 

ことり「希ちゃん?」

 

希(……やっと成功したんやね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GK「なんて迫力………!」ジャリッ

 

GK【フルパワーシールド!】

 

ドォォォォォォ!!!!

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルル!!!

 

ビキビキ……!

 

GK「そんな……」ググググ

 

GK「だめ……なの!」ググググ!

 

ビシィ……!

 

 

 

 

 

 

パリィン……!!

 

GK「………」

 

GK「どうしてぇ……」ウルッ

 

ドサッ

 

ドォォォォォォ!!!

 

角間「シ、シールドが破れたぁ!!これで勝ったのは……」

 

「まだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅツバサ「はぁぁぁぁ!!!」バッ

 

ドキュルルルルルル!!!

 

あんじゅ「絶対に……!」ググググ

 

ツバサ「止める!」ググググ

 

角間「綺羅と優木がフォローに走っていたぁ!!

 

 

 

 

 

真姫「いけ……!」

 

凛「いけ……!」

 

真姫凛「いけぇぇぇぇ!!!」

 

 

 

 

 

ギュルルルルル!!!

 

ツバサ「…….っぐ…!」ググッ

 

あんじゅ「……この……威力は….!」ググッ

 

エレナ「………」

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅツバサ「きゃぁぁぁ!!!」ブワァッ!

 

ドシュゥゥゥゥ………!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーー

 

角間「き…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「決まったぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ワァァァァァァァァァァァァ!!!!!!

 

 

 

角間「なんと勝ち越しを決めたのは音の木坂の一年生コンビだぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

ピッピッピッーーーーーーー

 

角間「ここで試合終了のホイッスル!」

 

角間「勝ったのは………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「音の木坂だぁぁ!!」

 

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!!!

 

イイシアイダッタゾー!ヨクヤッタァ!!

 

 

 

 

 

 

 

真姫「……」ハァハァ

 

凛「………」ハァハァ

 

真姫凛 チラッ

 

真姫凛「……………?」ハァ ハァ

 

穂乃果「…………」

 

穂乃果「……勝った?」

 

「「「「「……………」」」」」」

 

凛「ぃ〜〜〜〜!!!」

 

「「「「ぃやったぁぁぁぁ!!!!」」」」

 

海未「やった!やったんですよ穂乃果!」ガッ

 

穂乃果「い、痛い痛い!」

 

ことり「穂乃果ちゃぁん!」ガッ

 

穂乃果「ぎゃぁぁぁ!!!」ガクッ

 

海未「ここまで長い道のりでした!」

 

花陽「凛ちゃん!真姫ちゃん!」ガシッ!

 

凛「ウブブブ!……ップハ!かよちん苦しいにゃぁ!」ググッ

 

真姫「あはは!」ググッ

 

花陽「やったよぉぉ!!」………

 

花陽「?」ギュッ

 

にこ「………!」プルプル

 

希「にこっち」ギュッ

 

にこ「うぅ……!」ギュッ

 

絵理「フフ」

 

 

 

 

 

 

 

ヤッタヨォ!!カッタァ!!

 

 

「…………」

 

ツバサ「……負けた……のね」

 

あんじゅ「ええ」

 

エレナ「あまりいい気分ではないな」

 

GK「わたし……私!」ポロポロ

 

ツバサ「ごめんなさい、勝たせてあげられなくて」ナデナデ

 

GK「ごえ……ごめんな、さい…!!」ギュッ

 

DF1 「う、うぁぁぁぁああ!」ポロポロ

 

MF2「……」ナデナデ

 

MF3「負けたんっすね……」

 

MF1「……そうですね」

 

MF3「…………」

 

MF3「もっとみんなで……っ」

 

MF3「っ……!………ッ」ウルッ

 

MF3「サッカー………やり、たかったっすね……」ポロポロ

 

MF1「………そう、ですね」ポロポロ

 

 

 

 

 

角間「皆さん!歴史に残る名勝負を果たした両チームに拍手を!!」

 

 

パチパチパチパチパチ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひと気のない廊下のベンチ

 

「…………」

 

亜里沙「お姉ちゃん…」

 

絵理「亜里沙……」

 

亜里沙「その……ごめんなさい…」

 

亜里沙「亜里沙…その」

 

ギュッ

 

絵理「何も言わなくていいわ」

 

絵理「………私の気持ち、受け取ってくれたじゃない」

 

絵理「………綺麗なシュートだったわ」

 

亜里沙「うぅ……ごめんなさい、ごめんなさい……!」ポロポロ

 

亜里沙「酷いこと…いった、りとか……!他にもいっぱい……!」ポロポロ

 

絵理「いいの、いいのよ亜里沙」

 

絵理「それに、もうあんな危険なことはしないでしょう?」

 

亜里沙「うん……!!絶対にしない!」ゴシゴシ

 

絵理「ふふ、なら安心ね」ナデナデ

 

亜里沙「そーだよ……だからもう少し……そのまま……」

 

絵理「亜里沙は本当に撫でられるのが好きなのね」ナデナデ

 

亜里沙「もう、また……子供、扱い…して……」ウトウト

 

亜里沙「亜里、沙……は………」ウトウト

 

絵理「………」ナデナデ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙「………」スゥ…スゥ…

 

絵理「おやすみ、私の可愛い妹」チュッ

 

 

 

 

 

 

 

ポタッ

 

絵理「あら……?」ゴシゴシ

 

絵理「おかしいわね……」

 

絵理「………安心、したからかしら」

 

亜里沙 スゥ……スゥ……

 

絵理「これで……全て元どおり……」

 

絵理「………」

 

絵理「ーーー!!」ブワッ

 

ポタポタッ

 

亜里沙「……んぅ……」スゥ……スゥ……

 

 

 

 

 

 

 

 

絵理「本当に……よかっだぁ……!!」ボロボロ

 

絵理(亜里沙の体は無事だった……)

 

絵理(亜里沙に嫌われてもいなかった……)

 

絵理「う……うぅ…!」ポロポロ

 

絵理「亜里沙ぁ……!」ギュッ

 

 

 

 

 

 

絵里(私は………)

 

絵里(あなたが思ってるほど強くないのよ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

パシャッ

 

MF3(……約束通り一緒に写真撮ろうと思ったのに)

 

MF3(そんな空気でもなさそうだから勝手に撮ったけど……)

 

MF3「流石にダメっすよね〜……」トトッ

 

 

 

[削除しますか?]

 

 

 

MF3「………」トッ

 

 

 

[お気に入りに保存しました]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF3(やっぱりこんなレアショット消すのはもったいないっすよねー!!)

 

MF3(金髪クォーター美人姉妹の妹を膝枕しながら姉涙………色々盛りすぎじゃないっすか?)

 

MF3(これは早速現像して額縁に……)

 

ツバサ「………」

 

MF3(にへへへ……!もう今からウキウキが止まらないっすね!!)

 

ツバサ「……」

 

MF3(何色の額縁買いましょうかね〜)クルッ

 

ツバサ「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF3「……」

 

ツバサ「……」

 

MF3「……」

 

ツバサ「……」

 

MF3「……」

 

ツバサ「……」

 

MF3「………見てました?」

 

ツバサ「全部」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF3は目の前が真っ暗になった

 

もちろん写真は消えていた

 

 

 






このペースじゃ間に合わない…勉強がやばい



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第12話「予選終了」



ここまで読んでいただきありがとうございますm(_ _)m

ひとまずこれで一区切りです




 

 

 

控え室廊下 



 

絵里「………」 



 

ツバサ「………」 



 

絵里(き……) 



 

絵里(気まずい!!) 










 

 

 

 

 

 

数分前 



 

ゾロゾロ 



 

ツバサ「……絢瀬さんと東條さん少しいいかしら」 



 

絵里「わ、私ですか?」

 



希「……うちも?」 



 

あんじゅ「東條さんは私の方に」 









 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「えっと……私を呼んだのは?」

 



ツバサ「……」

 



ツバサ「私たちは、あなたに嫉妬している亜里沙さんにつけ込んであんな危険な目に合わせた」 



 

ツバサ「自分たちが勝ちたいばかりに貴方の妹さんを利用した」

 



ツバサ「だから、その落とし前をつけさせてもらおうと思って」

 



絵里(……嫉妬?亜里沙が私に?) 



 

絵里(それはまあ後でいいとして今は……) 



 

ツバサ「本当にごめんなさい」ペコッ

 



絵里「……正直、あの時はものすごく腹が立ったのは確かです……」 



絵里「………」 



 

絵里「一つ聞いてもいいですか?」

 



ツバサ「なんでも大丈夫よ」 



 

絵里「どうして、亜里沙に【エターナルブリザード】を打たせたんですか?」

 



ツバサ「………!」 



 

絵里「止められるってわかってるのに……」

 



ツバサ「それは……」

 



絵理「綺羅さんがなにを考えているのかはわかりませんが、私からしてみれば……」 



 

絵里「私が知らずに生んでしまった姉妹間の確執を取り除くチャンスをくれた」 



 

絵里「仲直りのチャンスをくれた」 



 

ツバサ「!!」 

絵里「姉妹のいざこざに巻き込んでしまって、すいませんでした」ペコッ

 



絵里「そして、亜里沙を止めてくれて、ありがとう」

 

ツバサ「……」

 











ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 



 

穂乃果「わたしたち、決めたんです」 



 

穂乃果「綺羅さんたちに本当のことを聞くまで、信じようって!」ニコッ 



 

穂乃果「本当のことを言ってくれるまで、待ってますから」

 



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 



 

ツバサ「貴方達……」

 



絵理「でも、最後に一つだけ……」スッ

 



ツバサ「!!」 









 

パァン! 










 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

控え室 



 

穂乃果「うぉっ!?」ビクッ

 



ヒデコ「ちょっと穂乃果!動かない!」

 



ミカ「アイス固定できないでしょ!」



 

ヒデコ「すごい音なったね」 



 

花陽「び、びっくりしたぁ……」 



 

ことり「今のって…」

 



凛「ビンタの音……だよね?」 



 

真姫「一体なにしてるのよ……」

 



凛「修羅場かにゃ?修羅場かにゃ?」 



 

真姫「ウキウキしない!」チョップ!

 



凛「おぶち…!!」ベシッ 










 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

廊下 



 

ツバサ「ッ…!」ヒリヒリ

 



絵里「………ごめんなさい」

 



ツバサ「…別に謝ることじゃないわ」 



 

ツバサ「むしろ少しホッとしたわ」ニコッ

 



絵里「………」スッ 



 

ツバサ「!」 



 

絵里「あなたたちは、亜里沙の暴走を止めてくれたのに、私はあなたの胸ぐらを掴み上げた……」

 



ツバサ「あれは……!」 



 

絵里「…………」コクッ 



 

ツバサ「…………」ハァ 



 

ツバサ「全く、敵わないわね」スッ 



 

絵里「……」グッ 











 

パァン! 








 

 

 

 

 

 

 

 

 

控え室 



 

にこ「………」 



 

花陽「二発目……」

 



穂乃果「修羅場……修羅場だよ!!」

 



海未「なにちょっと嬉しそうにしてるのですか!!」

 



穂乃果「だ、だって……ビンタなんて漫画でしか見たことないし……」 



 

海未「まあ、現実でビンタなんて普通はしませんからね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 











廊下 



 

ツバサ「……ごめんなさい」

 



絵里「い……いえ」グワングワン 



 

絵里「一瞬外れたかと思いましたけど」 



 

ツバサ「…身長差のせいで顎に入っちゃったわね」 



 

ツバサ「あなたはもういいの?」スッ

 



絵里「いえ、もう気は済みましたから」フフ 



 

絵里「……行きましょうか」 



 

ツバサ「ええ」 









 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また別の廊下 



 

あんじゅ「……優勝おめでとう」

 



希「へ……!?あ、ありがとうございます……?」 



 

あんじゅ「それで、えっと……話……なんだけど」

 



希(………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 












希「あーー!!」バッ

 



あんじゅ「へっ!?な、なななに!?」ビクッ 



 

希「聞いてくださいよ優木さん!」

 



希「この前の練習試合の後家に帰ったら……なんと!」 



 

希「ドアノブに湿布やらなにやらがかかってたんですよ!」

 



あんじゅ「!!」ギクッ 



 

希「そして中にはごめんなさいって書いた紙が入ってて……」

 



希「もうウチ頭混乱しちゃって……誰かなーって」 



 

あんじゅ「……」ギクギク! 



 

希「そもそもあの日誰からも謝られるようなことされてないのになって」 



 

あんじゅ「……へ?」

 



希「だから本当に不思議だなーって……」

 



あんじゅ「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

 



あんじゅ「なにもなかったってことないでしょ?」 



 

あんじゅ「あの日は……私が……」 



 

あんじゅ「!」ハッ

 



希 ニヤニヤ 



 

希「やっぱり優木さんやったんですね~」 



 

あんじゅ「~~~!!そ、そうよ!」バッ

 



あんじゅ「あの日……貴方を傷つけたこと、謝ろうと思って……」 

ペコッ 



 

あんじゅ「ほ、本当にごめんなさい!」

 



希「じゃあ……ウチからお願い事一つ!いいですか?」

 



あんじゅ「え、ええ、できる範囲なら……」

 



希「…実は……初めて見た時から気になってて………」ワキワキ 



 

あんじゅ「と、東條さん?その指の動きは……?」

 



希「……………ワ」

 



あんじゅ「………ワ?」

 



希「ワシワシーーー!!!」ガバッ

 












きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!

 



バッチィィィィン!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 











ガチャ

 



穂乃果「あ、お帰……り?」 



 

エレナ「遅かったな」 



 

エレナ「おや?上がりだ」パサッ

 



花陽「ま、また負けです……」 



 

にこ「や、やるわね……!」

 



ツバサ「どうしてそんなに馴染んでるのよ」

 



エレナ「お前たちを探しに来たらいないから少し構ってもらっていたんだ」 



 

ことり「ど、どうしてみんなもみじ型……」 



 

ツバサ「ま、まあ……」モミジガタ

 



絵里「色々……」モミジガタ 



 

希「ありまして……」モミジガタ 



 

あんじゅ「………」カァァ!

 












凛「希ちゃん絵里ちゃんお帰…」ワシッ 



 

凛「………へ?」 



 

希「ワシワシー!!!!」ワシワシ

 



凛「な、なんで!?なんで!?」ジタバタ 



 

希「試合が終わったらワシワシって言ったやん?」ワシワシ

 



凛「にゃーー!!ごめんにゃ!ごめんにゃぁ!!」ジタバタ

 



ツバサあんじゅ「…………」 



 

エレナ「ツバサ、やることがあるだろう?」 



 

ツバサ「!ええ、その通りよ」 

コホン 



 

ツバサ「音の木坂の皆さん」 



 

ツバサ「今からこのあいだの練習試合の件について説明したいと思います」

 



「「「「「……」」」」」」 ゴクリ 











 

ツバサ「………西木野さんはいるわよね?」

 



穂乃果「は、はい! もちろん」

 



真姫「私が……関係あるの?」

 



ツバサ「あなた、家が厳しくてサッカーできなかったらしいわね」 



 

穂乃果「そうだったの!?」

 



にこ(家の事情ってそういうこと……)

 



ツバサ「あら?知らなかったの?」 



 

穂乃果「は、はい…ってあれ?」

 



穂乃果「……じゃあなんで」 



 

ツバサ「【ファイアトルネード】が使えるのか……」

 



凛「そうにゃそうにゃ!」 



 

ツバサ「彼女の近所にあるお爺さんが住んでいて、その人に教わっていたらしいわ」

 



真姫(そんなに前の話をどうして……!?) 



 

ツバサ「問題はそのおじいさんよ」 



 

穂乃果「その人が……なにか?」

 



ツバサ「………」 


 

 

 

 

 

 

 

 


ツバサ「かつて炎のストライカーと呼ばれた……サッカー界では有名な人だったの」

 



にこ「炎のストライカー……」 



 

ツバサ「そんな人に教えられていた西木野さんはうちの監督にマークされていたという訳」 



 

真姫「あのお爺さん……そんなに有名な人だったんだ……」 



 

穂乃果「つまりあの試合は……」 



 

ツバサ「ええ、音乃木坂に入学した西木野さんの実力を見ておくため」 



 

ツバサ「絢瀬さんという予想外の人もいたけどね」 



 

ツバサ「流石に海外までは調べてなかったみたい」 



 

絵里「……」 



 

穂乃果「でもあの試合……真姫ちゃんは途中から……」 



 

穂乃果「!」

 



穂乃果「そうか!」 



 

ツバサ「……試合開始にいなかった西木野さんを引きずり出すため……監督に言われたの」 



 

「何人かは潰しても構わないから西木野真姫を引き摺り出せ」

 



「命令違反は退部とする」

 



真姫「!!」

 



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 


 

ツバサ「メンバーは全員揃ってる?」 




 

穂乃果「はい!」 




 

ツバサ「……そう」 



 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 



穂乃果「あれはそういう………」

 



穂乃果「つまり私たちは」

 



希「真姫ちゃんを炙り出すために痛めつけられた……」

 



にこ「私たちがやられている様を真姫なら見過ごせないと踏んでの作戦ね」 



 

凛「真姫ちゃん優しいからね~」

 



ツバサ「これが、私たちが監督から下された命令よ」 



 

ツバサ「こんな話、試合前にするべきではないと思ったから……」 



 

ツバサ「せっかく優勝したのにこんな空気にさせてしまって……ごめんなさい」

 



「「「「「「「…………」」」」」」」

 









真姫「じ、じゃあ……!」バッ 



 

真姫「私のせいでみんなが……?」

 



ツバサ「ッ……」 



 

真姫「そんな……」

 



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 



 

穂乃果「うわぁ!!」ドサッ 



 

ヒフミ「きゃぁ!!」ドサッ

 



凛「うぐっ…!」ドサッ 



 

花陽「キャァ!!」ドサッ 



 

ことり「あぁぁ…!!」ドサッ

 



海未「ぐぁ…!!」ドサッ

 



絵理「うあぁ……!」ドサッ

 



にこ「うっ……!!」ドサッ

 



希「いっ……!!」ガクッ 



 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 









真姫「私のせい……」

 



真姫(どうしよう、みんなになんて言えば……いや、そもそも……) 



 

真姫(私はこのチームに居られるの?)

 



真姫「……ぅ」バッ 



 

真姫(……気持ち悪い)

 











バシィ!

 



真姫「うぐっ!」ゴホォ!

 



にこ「……」フン! 



 

真姫「に、にこちゃん?」ゴホッ 



 

凛「にゃー!」バシィ!

 



真姫「ヴェェ!?」ゴホォ 



 

ことり「てやー!」バシッ

 



絵里「はっ!」バシィ 



 

希「とう!」ベシッ

 



花陽「え、えい!」ペチッ

 



海未「せい!」ドゴォ!

 



真姫「ゴハァ!!」ガクッ 



 

穂乃果「真ー姫ちゃん!」 



 

穂乃果「真姫ちゃんが責任を感じることはないんだよ」ムイーー!

 



真姫「ふぉ、ふぉのか!?」ムイーー

 



穂乃果「ね、みんな!」パッ 



 

真姫「い、痛い……」ヒリヒリ

 



花陽「そうだよ!」 



 

にこ「真姫が迷惑かけるなんて今に始まったことじゃないでしょ」

 



凛「そうにゃ!」 



 

真姫「そこは同意して欲しくなかったけど……」 



 

真姫「………ありがと」

 



真姫(気分悪い時に叩かれなければもっと良かったんだけど)うっぷ 


 

 

 

 

 

 

 

 

 


ツバサ「………私たちは保身のためにあなたたちを傷つけた」

 



ツバサ「……本当に」 



 

ツバサ「ごめんなさい」ペコリ 



 

エレナ「すまなかった」ペコッ 



 

あんじゅ「……ごめんなさい」ペコリ

 



ツバサ「何か要望があればきかせてもらうわ」

 



一同「……」

 










穂乃果「ねえみんな」 

ごにょごにょ 



 

穂乃果「いいかな?」

 



みんな コクリ 



 

ツバサあんじゅエレナ「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


数日後 



 

MF2「くらえちんちくりん!」ズザザ!

 



にこ「誰がちんちくりんよ!」パッ 



 

DF1「てい!」ガッ 



 

にこ「っち……!」

 



MF2「いいぞ!ちんちくりん!」

 



にこDF1「紛らわしいわ!」

 



DF1 「お願いします!」ドッ

 

 

 

 

 

 

 



MF1「お任せを」トッ 



 

海未「またあなたですか…」ハァ

 



MF1「こっちのセリフです……よ!」ダッ 

ザッ ザザザッ クルッ! 



 

海未「っく…!体重移動した瞬間に…!!」

 



MF1「そういうことには敏感なんです」

 



花陽「てやぁ!」ガッ 



 

MF1「ッ!」グラッ!

 



花陽「よし!」トッ

 



MF1(ここしかないというタイミングに入ってくる……いいディフェンスです)

 



花陽「真姫ちゃん!」ドッ

 

 

 

 

 

 

 



真姫「はぁ!!」ドキュゥゥゥ!!

 



GK「………!」ガシッ!

 



真姫「やるわね」

 



GK「そっちこそ……」 



 

ツバサ「………本当にこんなことで良かったの?」 



 

穂乃果「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 



穂乃果「じゃあ、私たちと練習試合してください!」 



 

ツバサ「……そんなことでいいの?」

 



穂乃果「はい!」 



 

穂乃果「勝ち負けじゃなく、ただ純粋に楽しくサッカーをやりたいなって!」 



 

穂乃果「もちろん、綺羅さん達の都合が合えばですが……」 



 

ツバサ「そんなの……」

 



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 




 

ツバサ「こっちからお願いしたいぐらいよ」ボソッ

 



亜里沙「ほっ!」トッ

 



絵理「亜里沙!」ザッ 



 

亜里沙「うぅ……!」キョロキョロ 



 

亜里沙「お願いします!」ドッ 



 

エレナ「任せろ」トッ

 



エレナ「はぁぁ!」ドキュッ! 



 

穂乃果「そこからシュート!?」 



 

 

 

 

 


ダダダッ! 



 

ツバサ「ふぐっ……!」トッ

 



エレナ「さすがだな」ニヤニヤ

 



ツバサ(絶対わざといつもよりぎりぎりのとこに出したわね……!!) 



 

花陽「あの速度と正確性を両立したパス……すごいです!」

 



ツバサ「……いくわよ!」

 



あんじゅ「ええ!」 



 

エレナ「ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 










ピューーーーーーイ!!! 



 

ドシュドシュドシュドシュドシュ 







 

ツバサ「こうていペンギン……!!」ドキュッ

 



ドシュゥゥゥゥ!!! 







 

 

 

 

 

 

エレナあんじゅ「二号ぉぉ!!」ドキュ!!

 



ゴォォォォォオ!!!! 








 

 

 

 

 

穂乃果「はぁぁぁ!!!」バッ

 



穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 



ドギュルルルルルル!!! 



 

バチィ! 



 

穂乃果「うわぁ!」ドサッ 



 

ドシュルルルルル……! 







 

 

 

 

 

 

 

 

希「やっぱりさすがやね、あんちゃん」 



 

あんじゅ「……その呼び方どうにかならない?希」 









 

ピーーーーーーー

 



チームツバサ2-1チーム穂乃果 














 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公園のベンチ 



 

ツバサ「ココアでよかったかしら?」 



 

穂乃果「わざわざすみません…!」



 

ツバサ「いいのよ」ストッ

 



カシュッ 

ゴクゴク 



 

穂乃果ツバサ プハー

 



穂乃果「さすがUTX高校ですね、皆さんレベル高かったです!」

 



ツバサ「あら?あなた達はそれに勝ってるんだから嫌味になっちゃうわよ?」 



 

穂乃果「い、いえ!そういうことじゃなくて……」アワアワ 



 

ツバサ「ふふ、冗談よ」 



 

ツバサ「……楽しかった?」

 



穂乃果「はい!すっごく楽しかったです!」

 



ツバサ「次は本戦ね」

 



穂乃果「綺羅さん達の分も頑張ります!」 



 

ツバサ「………?」 



 

穂乃果「………?」 



 

ツバサ「もしかして……知らないの?高坂さん」

 



穂乃果「……なにをですか?」 



 

ツバサ「前年度優勝校は無条件で本戦に行けるのよ」

 



穂乃果「そ、そうなんですか!?」 



 

穂乃果「知らなかった……」ズズッ 



 

ツバサ「………」

 





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 



 

MF3「え!?自分たち、本戦行けるんっすか!?」

 



ツバサ「え、ええ、大会要項に書いてあるでしょ?」

 



MF1 「確かに書いてます……」 



 

「「「…………」」」

 



MF1 「ま、まあ私は知っていましたけど!?」

 



MF3「嘘つくんじゃないっすよ!!」

 



MF3「一緒にシリアスな感じで涙流したじゃないっすか!!」

 



MF1 「わすれましたー」

 



MF3「そんな!?自分たちの青春の一ページがぁぁ!!」 



 

DF1 「………」 



 

MF2「お、どうした?アイスちゃん」ニヤニヤ 



 

DF1「う、うるさい!自分だって静かに頭撫でてくれてたくせに!」 



 

MF2「そりゃ泣いてるやつからかうほど性格悪くないからな」 



 

MF2「第1、大会要項なんてまず全部目を通すだろ」 



 

MF3.1「う………」ギクッ 



 

DF1 「な、なにらしくないことしてるんですか!」

 



MF2 「目を通さなかったお前がバカなんだよ!」 



 

MF1.3「うぐっ……!」グサグサッ

 



GK「……」知ってた人

 



DF2「………」知らなかったけど知ってた空気出す人 



 

エレナ「知らない奴なんて居たんだな」

 



あんじゅ「私たちが入ってからはずっと優勝してたしね~」 



 

ツバサ「はぁ……」

 



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 




 

ツバサ(案外知らない子の方が多いのかしら)

 



ツバサ「と、言うわけで」 



 

ツバサ「同地区が戦うには決勝まで勝ち上がらなくてはいけない」

 



ツバサ「決勝で会いましょう!」スッ 



 

穂乃果「は、はい!」ガシッ

 











ツバサ「それじゃあ行くわね」ガタッ 



 

穂乃果「はい!今日は本当にありがとうございました!」

 



ツバサ「ふふ、こちらこそ」 









 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「………」テクテク

 



エレナ「……お前、胸揉まれたんだってな」

 



あんじゅ「ぶふぅ…!!」

 



あんじゅ「な、なんで知って……!」

 



エレナ「当たってたのか、勘だったんだが」 



 

あんじゅ「それどんな可能性よ……」 



 

あんじゅ「………」 



 

あんじゅ「ほんと……うまい人なのよ、希って」クルクル 



 

エレナ「………」 



 

エレナ「フィンガーテクがか?」 



 

あんじゅ「ちっがうわよ!!」バッ

 



あんじゅ「多分……私に気を使わせないようにああいうことしたんだと思うの」 



 

あんじゅ「お陰で壁みたいなのも無くなって仲良くなれたし」 











 

 

 

 

 

 

 

 

希「くっしゅん!」ズズッ

 



希「ん~?誰か噂してるんかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 











あんじゅ「だからうまい人って言ったのよ」クルクル 



 

エレナ「………」 



 

エレナ「やっぱりフィンガー……」 



 

あんじゅ「やめなさい」

 











絵里「あら?亜里沙どうしてこっちに来てるの?」

 



亜里沙「へ?」 



 

絵里「親戚のおばさんの家はあっちでしょう?」

 



亜里沙「なに言ってるのお姉ちゃん!」 



 

亜里沙「亜里沙もお姉ちゃんと一緒に住むんだよ!」ババン! 



 

絵里「な、なんですってーー!?」

 

ババンバンババン!



 

亜里沙「おばさんも言ってたでしょ?」

 



亜里沙「お姉ちゃんのとこに行くことになったって」

 



絵里「……バレたら怒られるの私なんだけど……」 



 

亜里沙「だ、大丈夫!おばさんにはごまかしてもらうように言ったから!」

 



絵里「でも……」

 



亜里沙「それともお姉ちゃんは……」

 



亜里沙「亜里沙と一緒に暮らすの……嫌?」ウルウル 



 

絵里「さあ亜里沙!今日はパーティよ!いっぱいご馳走作りましょ!!」 



 

亜里沙「やったぁ!お姉ちゃん大好き!」ギュッ 



 

絵里「こーら、歩きにくいでしょー?」 



 

亜里沙「えへへー♪」ギュッ

 



絵里「……もう」ギュッ 












 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「打ち上げは!?」

 



監督「カットだ」

 



凛「ラーメン食べ放題は!?」

 



監督「カットだ」

 



監督「が……」

 



凛「!」 



 

監督「食べたことにはなってる」

 



凛「うあぁぁぁぁ!!!」

 



にこ(鬼か)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 











ツバサ「……」テクテク 



 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 



 

最初の練習試合後 



 

ツバサ(ほんっと胸糞悪い試合だったわ……) 



 

ツバサ(音の木坂の皆さんには悪いことしちゃったわね……あら?) 



 

亜里沙「っく……!」ハァハァ

 



ツバサ(……あのセンス……)

 



ツバサ「……いいわね」 



 

ザッザッ 

ツバサ「あなた……」 



 

ツバサ「私たちの助っ人にならない?」

 



ツバサ(きっと優勝への戦力になってくれる)

 

 

 

 

 

 

 

 

 










ツバサ「へえ、あなたって絢瀬さんの妹さんなのね」

 



亜里沙「はい…!」



 

ツバサ「それはいいとして……」

 



ツバサ「あなたの家からUTXまで遠いわね……」

 



亜里沙「確かに少し厳しいですね……」 



 

ツバサ「……ウチくる?」 



 

亜里沙「い、いいんですか!?」

 



ツバサ「ええ、部屋は余ってるしね」 



 

亜里沙「ありがとうございます綺羅さん!」 



 

ツバサ「……ツバサよ」 



 

亜里沙「へ?」 



 

ツバサ「ツバサでいいわ、亜里沙」 



 

亜里沙「は、はい!ツバサさん!」 














 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙「だから亜里沙は……お姉ちゃんに負けたくないんです」 



 

ツバサ「ねえ亜里沙」

 



亜里沙「はい?」 



 

ツバサ「お姉さんは嫌いなの?」

 



亜里沙「……嫌いではないですけど……」

 



亜里沙「今まで……お姉ちゃんの後を追いかけて来たんです」

 



亜里沙「でも今まで背中しか見えなかったお姉ちゃんにやっと追いつけるって思ってたところに……」

 



ツバサ「それは……嫉妬?」 



 

亜里沙「なんですかね……よくわかりません」 



 

亜里沙「でも、今お姉ちゃんと会っても、前みたいに笑顔で話せないと思います」

 



亜里沙「この……モヤモヤを取り除かないと……」

 



亜里沙「それには……強くなるしかないんです!」 



 

プルルルル 



 

亜里沙「……お姉ちゃん」

 



ツバサ「出ないの?」 



 

亜里沙「はい、お姉ちゃんより強くなるまで出ないことにしました!」

 



亜里沙「あ、そうだ!聞いてくださいよ、この前お姉ちゃんが……」 



 

ツバサ(暇があればお姉さんの話ばかり………これで好きじゃなかったのしたらどうなのよってレベルだけど……)

 



ツバサ(話を聞く限りではすごく仲の良かった姉妹……) 



 

ツバサ(……このまま亀裂が広がるのはなんだか……見たくないわね)

 



ツバサ(……全く、面倒な子を拾っちゃったわね)フフ 



 

亜里沙「ツバサさん?」

 



ツバサ「明日もガンガン行くわよ!」

 



亜里沙「はい!」 












 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォォァォォォ!!!! 



 

亜里沙「………で」ハァハァ

 



亜里沙「できた……!!」ハァハァ 



 

ツバサ「ええ!」 



 

亜里沙「できましたぁ!!」

 



亜里沙「……ぁ?」フラッ 



 

ドサッ 



 

 

ツバサ「亜里沙…?」

 



ツバサ「亜里沙!!」ダッ 











 

医者「全身の筋肉が炎症を起こしています」 



 

ツバサ「筋肉痛……みたいなものですか?」

 



医者「それの強化版といったところです………が」

 



ツバサ「が?」

 



医者「一度のアクションでこれほどのダメージということを考えると……」

 



医者「連続ではやめておいた方がいいでしょう」 



 

亜里沙「……もし、してしまうとどうなるんですか?」

 



医者「……あまりいいたくありませんが、二度とサッカーできなくなる可能性がかなり高いです」

 



亜里沙ツバサ「!!」

 



医師「足の……ここ、わかりますか?」

 



医師「ここを損傷すると歩けなくなる上、二度と回復しません」

 



医者「間を置けば大丈夫ですが、する前は一度検査をした後でお願いします」

 



医者「手遅れにならないよう」 



 

亜里沙「……はい」 



 

ツバサ「……ありがとうございました」 











 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テクテク 



 

ツバサ「……亜里沙」 



 

亜里沙「……こうなったら……!」 



 

ツバサ「どうするつもり?」 



 

亜里沙「一度しか打てないなら、その威力を上げるためのトレーニングを今まで以上に頑張ります!」

 



ツバサ「……ええ、それがいいわ」 



 

ツバサ(お姉さんに勝つためにここまで……) 



 

ツバサ(今の練習量でさえ、並大抵のものじゃないのに……) 



 

亜里沙「やるぞー!おー!」 



 

ツバサ(………) 



 

ツバサ(絶対に亜里沙が壊れないよう気をつけるわ、絢瀬さん)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 












亜里沙「……ツバサさん、もう寝ましたか?」 



 

ツバサ「……起きてるわよ」 



 

亜里沙「なんだか緊張して眠れなくて……」エヘヘ

 



ツバサ「……いよいよ明日だものね」

 



亜里沙「はい!絶対お姉ちゃんに……」 



 

ツバサ「……」 



 

ツバサ(お姉さんは亜里沙がこんな感情を抱いてるとは知らない……) 



 

ツバサ(変なことにならなければいいけど……)

 



ツバサ(まあ無理さえしなければ何も起こらないでしょ) 



 

ツバサ「亜里沙」

 



亜里沙「はい?」 



 

ツバサ「あの技……わかってるわね」

 



亜里沙「……はい」

 



ツバサ「そう……」

 



ツバサ(まあいくら勝ちたいと言っても、体を壊すほどじゃないでしょうし……) 



 

ツバサ(大丈夫……よね?)

 



亜里沙「ツバサさん?」

 



ツバサ「………もう寝なさい、明日は大事な日でしょ?」 



 

亜里沙「は、はい!そうですよね!」

 



亜里沙「おやすみなさい!」 



 

ツバサ「おやすみ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 











ツバサ「無事仲直りできてよかったわね」 



 

亜里沙「元はと言えば、亜里沙が勝手に始めたんですけど……」 



 

亜里沙「あんなにモヤモヤしてたのが全部なくなって」

 



亜里沙「すごくスッキリしました!」

 



ツバサ「………ねえ亜里沙」

 



亜里沙「はい?」 



 

ツバサ「あなたはあなたの居るべき場所に帰るべきよ」 



 

亜里沙「それって……」 











 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙「……今日までお世話になりました!」

 



ツバサ「寂しくなるわね」 



 

亜里沙「うぅ……」ウルッ 



 

亜里沙「……ツバサさんは、お姉ちゃんの次に尊敬する人です!」

 



ツバサ「それは嬉しいわね」

 



亜里沙「えへへ」 



 

ツバサ「そっちでも元気でいるのよ」 



 

亜里沙「他の皆さんには……申し訳ないですが……」

 



亜里沙「お別れ会まで開いてもらって……助っ人なのに」 



 

ツバサ「何言ってるのよ、みんな恨んでるように見えた?」 



 

亜里沙「い、いえ!だから尚更心苦しいというか……」 



 

ツバサ「あなたはあなたで……ハラショーなサッカープレイヤーになってきなさい!」

 



亜里沙「ツバサさん……!」ウルッ 



 

ツバサ「短い間だったけど……」 



 

ツバサ「ありがとう亜里沙」ギュッ 



 

亜里沙「ツ……ツバサさぁん…!」ギュゥッ 



 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 



 

ツバサ「………!」ツゥーー 



 

ゴシゴシ

 



ツバサ「…………」 



 

ツバサ「楽しかったわ、亜里沙」ニコッ

 

 

 






長………長っ!!

[後半]も見てくださいね〜



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後半
第1話「お母さん!?」




今日食べたすももの食感がいつもと違うくて気分が悪くなったのにお母さんはいつも通りとパクパク食べるので何が何だかわからなくなっている乾電池です

完全に腐ってる食感だった……




 

 

 

 

 

 

穂乃果(本戦まであと一ヶ月……)ガサガサ

 

穂乃果(みんなのモチベーションも十分!)ジー……

 

穂乃果「なんだけど……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

海未「はぁぁぁ!!!」ドキュッ!

 

角間「防いだぁぁぁ!!」

 

 

 

雪穂【ハンターズネット!】

 

ドシュルルルルル……!!

 

 

 

 

雪穂「試合の時ぐらいかっこいいところ見せてよ」

 

ゴォォォォオォォ!!!

 

 

 

 

 

ツバサ【こうていペンギン2号!】ドキュッ!

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

穂乃果「うわぁぁ!!」ドサッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

穂乃果「…………!」

 

穂乃果 ブンブン

 

穂乃果「いってきまーす!」ガララ

 

雪穂「待っておねーちゃん、私もいく!」

 

穂乃果「あれ、今日店番じゃないの?」

 

穂乃果ママ「今日は大事な用があるから臨時休業なのよ」

 

穂乃果「ずるいよ雪穂の番に!!」

 

雪穂「いいから行くよお姉ちゃん!」グイグイ

 

穂乃果「ずーるーい〜!!」ズルズル

 

ガララ ピシャン

 

穂乃果ママ「まったく……」

 

 

 

 

 

 

学校

 

凛花陽「す、すいません!遅れました!」ハァハァ

 

にこ「ちょっとぉ、気が緩んでんじゃないの?」

 

海未「まあ時間には間に合っているのですから良いではありませんか」

 

にこ「10分前集合は基本でしょ?」

 

穂乃果「確かにそれは大事だね!」

 

海未「貴方は雪穂がいなければほとんど遅刻と聞いていますが」

 

穂乃果「凛ちゃん、花陽ちゃん!気にしなくて大丈夫だよ!」

 

ことり「清々しいほどの手のひら返し……」

 

希「流石というかなんというか……」

 

雪穂「いつも本当すみません……」

 

亜里沙「ハラショーです!」

 

絵里「ちょっと待って」

 

 

 

 

 

 

絵里「え、どうして亜里沙がいるの?」

 

亜里沙「ふっふっふ、それはね……」

 

監督「……絢瀬亜里沙は、助っ人としてチームに入ってもらう」

 

花陽「ルール上は問題ないので大丈夫です!」パラパラ

 

亜里沙「ツバサさんの勧めで来たんだよ!」

 

穂乃果「楽しくなりそうだよね!」

 

ことり「うん!」

 

絵里「なんだ、私以外知ってたのね…」

 

亜里沙「ごめんね秘密にしてて…」

 

亜里沙「それと……」

 

バン!

 

亜里沙「これ、皆さんに差し入れです!」

 

花陽「わぁ〜!!こんなにいっ……ぱい?」

 

真姫「……なにこれ」

 

亜里沙「おでん缶です!冷えてますよ!」

 

絵理「……ハラショー」

 

雪穂(おでんは冷やして食べるものじゃない)

 

希(あかん、姉妹揃ってポンコツや)

 

絵里「あ、ありがとう亜里沙、それは練習終わりにみんなでいただきましょ!」

 

雪穂「そ、そうですね!!」

 

凛「そうにゃそうにゃ!」

 

にこ「必死か」

 

雪穂「と、ところで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂「亜里沙のポジションはどこなの?お姉ちゃん」

 

穂乃果「……ふぁい?」ムグムグ

 

雪穂(食べてる……)

 

花陽(案外美味しいのかな?)

 

穂乃果 ゴクリ

 

穂乃果「キンキンに冷えてやがる!!」

 

凛「言いたいだけだにゃ」

 

穂乃果「海未ちゃんに任せた!」

 

海未「…………」ハァ

 

海未「これは私の主観ですが……」

 

海未「亜里沙は攻撃面でも守備面でも力を発揮できるように見えました」

 

真姫「つまり……リベロ?」

 

海未「はい、適任かと」

 

凛「リベロってなに?」ヒソヒソ

 

花陽「状況に応じて守備に回ったり、攻撃に回ったりする人のことだよ」

 

絵里「自由とかそういった意味があるの」

 

凛「……なんだかすごいにゃー」

 

希(分からんかったんやね」

 

にこ(分からなかったのね)

 

真姫(というかこのリベロってまさに凛がやってるのよね)

 

ことり(言われてみればだね)

 

海未(まあそれは……ねぇ?)

 

花陽(気にしない方向でいきましょう)

 

絵里「ということで、最初はDFに回ってもらいたいんだけど……」

 

亜里沙「うん、頑張る!」グッ

 

海未「きちんと挨拶をするのはこれが初めてですね」

 

海未「これからよろしくお願いします、亜里沙」

 

亜里沙「は、はい!よろしくお願い……」クルッ

 

亜里沙「……しま、す?」

 

亜里沙(この雰囲気……どこかで?)

 

海未「どうしました?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

MF1「どうしました亜里沙?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

亜里沙「ヤマトナデシコ!!」ガシッ

 

海未「は、はい!?」

 

亜里沙「よろしくお願いします!」

 

亜里沙「えーと……」アワアワ

 

海未「………ふふ」

 

海未「園田海未です」

 

亜里沙「……!」パァァァァ!

 

亜里沙「海未さん!」キラキラキラ

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「はっ……うぐぅぅ!!」ドサッ

 

亜里沙「ど、どうしたんですか海未さん!」

 

海未「……混じりっけのない純粋な目を見たのは……久しぶりで」ハァハァ

 

にこ「失礼しちゃうわね」

 

ファサァァァ………!

 

にこ「ここにあるじゃな〜い!」キラキラ

 

凛「そういうところだにゃ」

 

海未「あなた方ですよ」

 

凛「凛も!?」

 

 

 

 

 

 

穂乃果「あ!そういえば」

 

海未「どうしました?」

 

穂乃果「これで11人揃ったからヒデコたちに助っ人頼まなくて大丈夫なんだ」

 

ことり「なんだか寂しいね……」

 

「ちょぉっとまったぁ!!」

 

海未「な、何ですか!?」

 

 

 

 

 

 

 

ヒデコ「なんだかんだときかれたら!!」

 

フミコ「答えてあげるが世のなさけ!!」

 

ミカ「愛と真実と悪を貫く!!」

 

ヒフミ「ヒフミ三人衆、ただいま参上!!」

 

凛(自分たちでヒフミ三人衆って言っちゃったにゃ)

 

花陽(悪を貫いちゃうんだ……)

 

穂乃果「ど、どうしたの三人とも!」

 

フミコ「試合には出なくても何かサポートしたいなって」

 

ヒデコ「マネージャーみたいな?」

 

ミカ「怪我した時用の控えとか!」

 

穂乃果「み、みんなぁ……!」ウルウル

 

穂乃果「ありがとーー!!」ガバッ

 

ヒフミ「うわぁぁ!!!」

 

ドッシーン!

 

海未「怪我しないでくださいよまったく……」

 

穂乃果「えっへへ……ごめんごめん」

 

 

 

 

 

 

 

ヒデコ「あ、監督ー!」

 

ヒデコ「もうすぐ来ると思いますよ!」

 

監督「……そうか、助かる」

 

海未「まだ何かあるのですか?」

 

監督「お前たちを見たときまさかと思ったが……」

 

監督「……これが偶然か運命か」

 

花陽「?」

 

「ほーのかー!ゆーきほー!」

 

穂乃果雪穂「こ、この声は…」クルッ

 

穂乃果ママ「おーい!」ブンブン

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「お母さん!?」

 

雪穂「なんで!?」

 

花陽ママ「花陽ちゃーん!」

 

凛ママ「りーーん!!」ブンブン

 

花陽ママ「ちょっと、恥ずかしいから……!!」

 

花陽「お母さん!?」

 

凛「え、なんで?」

 

ことり「うちのお母さんもいる!」

 

海未「うちもです……」

 

ことり海未ママ フリフリ

 

にこママ「ほら、今更恥ずかしがらないで!」グイグイ

 

真姫ママ「だ、だってぇ……」

 

にこ真姫「まじか……」

 

絵里ママ「もう酔っ払ってるの?」

 

希ママ「そんらことないよ〜!」

 

絵里亜里沙「ロシアにいるはずじゃ……!」

 

希「お母さん……」

 

海未「こ、これは一体どういうことですか?」

 

穂乃果「そ、そうですよ!どうしてお母さんたちが……」

 

穂乃果ママ「私が説明するわ!」ババン!

 

穂乃果「……」スンッ

 

雪穂「恥ずかしい……」

 

穂乃果ママ「実は私たち、高校時代みんな同じサッカー部だったの」

 

穂乃果「うそ!?」

 

にこ「あり得るの?そんなこと」

 

海未ママ「正部員は私たち9人だけ」

 

ことりママ「後の二人は助っ人を呼んでたわね〜」

 

ことり「ふふ、今の私たちみたい」

 

希ママ「そこれ私たちは、フッロボールフロンティアでゆーひょーひたの〜」フラフラ〜

 

希「呂律呂律」

 

真姫「優勝……」

 

 

 

 

監督「まあそんなわけでお前たちと試合してもらうために、この9人に集まってたんだ」

 

穂乃果「もうどこから突っ込めばいいのか……」

 

花陽「あ、あの……」

 

監督「どうした?」

 

花陽「どうして私たち誰もこのこと知らなかったんですか?」

 

海未「それもそうですね、どこかから情報が入ってきてもおかしくない気が……」

 

監督「………」

 

監督「こいつらが高校生の時だぞ、なん年前だと思ってる」

 

母親たち「!?」ガーン

 

凛ママ「まだまだ現役ですよ!」

 

花陽ママ「そ、そうですよ!」

もらっ

監督「………」

 

花陽凛ママ「監督ぅ!!」

 

穂乃果「………………?」

 

凛「か………」

 

「「「「かんとくぅぅ!?」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「始まりましたドリームマッチ!我が子と戦う母親の心情やいかに!!」

 

海未「もう考えることはやめました……」

 

海未「疲れるので」

 

絵理「ここにいるみんな、優勝サッカーチームの子供なのね」

 

花陽「監督が運命って言ってたのはこのこと……」

 

真姫「ママ、サッカーできたのね…」

 

にこ「なんかすごい恥ずかしいんだけど」

 

凛「り、理事長と試合……」ガタガタ

 

希「もしボール奪ったりしたら退学させられるかも……!!」

 

凛「ヒィィ……!!」

 

ことり「そんなことしないよぉ!」

 

 

 

 

 

 

FW

真姫、絵里

 

MF

希、ことり、にこ、海未

 

DF

亜里沙(リベロ)、雪穂、花陽、凛

 

GK

穂乃果

 

 

 

 

監督「今日はこっちのチームの士気をさせてもらう」

 

凛ママ「うはー!なんかこの感じ懐かしい!」

 

穂乃果ママ「つまみ食いで体重が……」ムニムニ

 

ことりママ「十分細いわよ?」

 

海未ママ「……着物以外を着たのは久しぶりですね」

 

花陽ママ「似合ってますよ〜」

 

真姫ママ「あの子と……サッカーできる日が来るなんて……!」ウルッ

 

にこママ「ほらほら泣かない、始まるわよ」サスサス

 

希ママ「あれ〜?どうして二人もいるの〜?双子?」ウフフ

 

絵里ママ「グラウンドから引きずり出すわよ」

 

 

 

 

 

 

 

FW

絵里ママ、真姫ママ

 

MF

凛ママ、希ママ、ことりママ、

 

DF

海未ママ、花陽ママ、にこママ

 

GK

穂乃果ママ

 

(特に関係ないので覚えなくて大丈夫です)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーー

 

 

 

ドッ

 

角間「母親チームから試合開始!一体どのような試合になるのでしょうかぁ!!」

 

 






最近視力が落ちてきた気がする……



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「エキシビジョンマッチ、vs母親チーム(ダイジェスト)」


文を漫画に描き起こしたんですけど、文ならではの表現や間合いを描ききれず技術不足を痛感した乾電池です

デジタルとか扱えるようになったら自分でちっちゃい本とか作ってみたいですよね




 

 

 

 

ピーーーーーーー

 

 

 

ドッ

 

角間「母親チームから試合開始!一体どのような試合になるのでしょうかぁ!!」

 

絵里ママ「まずは見せてあげたら?」

 

真姫ママ「私が先でいいんですか?」

 

希ママ「いっちゃお〜!」フラフラ

 

真姫ママ「うーん……わかりました!」ダッ

 

真姫「ママでも手加減しない!」ザッ

 

真姫ママ「してくれなくて結構よ」フフ

 

クルッ

 

真姫「は、早い…!」

 

タッタッタッ

 

ことり「させません!」ザッ

 

真姫ママ「お願いします!」ドッ

 

ことりママ「任せて」トッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「と、止めても退学にしないでください!!」ザッ

 

ことりママ「そんなことしません!!」ヒュッ!

 

クルッ ダッ!

 

凛「そんな…!」

 

花陽「り、凛ちゃんがあんなに簡単に……!」

 

ことりママ「やっちゃいなさい!!」ドッ

 

穂乃果「上に蹴り上げた……!?」

 

海未「一体……」

 

真姫ママ「ふっ!」グッ

 

ボファァァアアアア!!!

 

ダンッ!

 

グルグルグル

 

真姫「うっそ……」

 

監督「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫ママ【爆熱スクリュー!!】

 

ドゴォォォォォォォ!!!

 

 

 

 

 

希「ど、どう見ても真姫ちゃんより上やん……」

 

絵理亜里沙「ハラショー……」

 

 

 

 

 

穂乃果「はぁぁぁぁ!!!」

 

ゴォォォォォオ!!

 

穂乃果ママ「………」

 

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

ドシュルルルルル!!!!

 

穂乃果「……つ、強い…!」ズズッ!

 

ことり「穂乃果ちゃん!!」

 

穂乃果「……はぁ!!」グッ

 

 

 

 

 

 

ッシュゥゥゥ……!!

 

穂乃果「……よし!」

 

角間「止めたぁぁぁぁ!!キーパー高坂、圧巻のガード力です!」

 

穂乃果「ことりちゃん!」ドッ

 

ことり「うん!」トッ

 

凛「ことりちゃんこっち!」タッタッタッ

 

ことり「り、凛ちゃん!?」ドッ

 

凛「いっくにゃー!」トッ

 

海未「あれをやるつもりですね」

 

海未ママ「……ただでは行かせません」ザッ

 

凛【アクロバットキープ!】

 

ザッザッ グルッ スタッ

 

凛「よし!」トッ

 

海未ママ「なかなかやりますね」

 

凛ママ「自慢の我が子です!」

 

海未ママ「知ってます」

 

監督「………」

 

真姫「いくわよ、凛!」グッ

 

凛「うん!」グッ

 

 

 

ダンッ ダンッ

 

 

グルグルグル グルグルグル

 

凛真姫 バッ

 

ドキュゥッ!!!!

 

凛真姫【ファイアトルネードDD!】

 

ゴォォォォォォォ!!!!!

 

 

 

 

 

にこ「止められるもんなら止めて見なさい!」

 

穂乃果「お母さん……」

 

雪穂「一体どんな技使うんだろ……」

 

ことりママ「頑張れー!きぃちゃーん!」

 

海未ママ「あなたなら大丈夫でしょう?」

 

 

 

 

 

 

穂乃果ママ「……」バッ

 

ゴォォォォォオ!!!!

 

穂乃果「あ、あの構えって……」

 

花陽「あり得ないです……」

 

 

 

 

 

穂乃果ママ【マジン・ザ・ハンド】

 

ドシュゥゥゥ………!!

 

穂乃果ママ「まあこんなものかしら」

 

穂乃果(【マジン・ザ・ハンド】ってあんなに強いの?)

 

真姫「そんな……」スタッ

 

凛「冗談にもなってないにゃ……」スタッ

 

海未「こ、これがお母様方の実りょ……」

 

「お前達!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり花陽「ヒィ……!!」ビクゥ

 

希凛(ママ)「ごめんなさい!!」ビクッ

 

海未ママ「もはや条件反射ですね……」

 

監督「いや、俺が怒ってるのは母親チームにだ」

 

絵里ママ「……私たちですか?」

 

海未ママ「一体何がいけなかったのでしょう?」

 

海未「その通りです、素晴らしいプレーに見えましたが……」

 

監督「せっかくの試合なんだ、手を抜かないでくれ」

 

花陽「手を……抜く?」

 

絵里「まさか……」

 

ことり「あれで……?」

 

凛ママ「いやでも監督ー」

 

真姫ママ「これはエキシビジョンのようなものですし……」

 

「ほ、本気でお願いします!」

 

穂乃果「私たちじゃ力不足かもしれませんが……」

 

ことりママ「穂乃果ちゃん……」

 

絵理ママ「……わかったわ」

 

にこママ「そこまで言われちゃったらね」

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「少しトラブルがありましたが試合再開……おおっとぉ!?」

 

角間「これはどういうことでしょうか!」

 

にこ「な、なにこれ?」

 

花陽「こ、こんなの……初めて見ました」

 

絵里ママ「やっぱりこれがしっくりくるわ」

 

真姫ママ「心強いですよね」フフ

 

凛ママ「テンション上がる〜!!」

 

希ママ「よーひ、頑張るよ〜!」フラフラ

 

海未ママ「ほらほらしっかりしてください」

 

ことりママ「でも少し罪悪感を感じますね」

 

にこママ「……今は一人だものね」

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽ママ「!」フリフリ

 

角間「ディフェンスは小泉母のみ!後のメンバーは全員上がってしまいましたぁ!!」

 

海未「まさかこれは……」

 

絵理「超攻撃的サッカー」

 

ことり「でもそんなことしたら守りが甘くなるんじゃないかな?」

 

にこ「穂乃果の母親がいるじゃない」

 

花陽「あのキーパー力があるから全員で攻めても試合が成立するんだね」

 

希「それに、花陽ちゃんのお母さんの力も未知数……」

 

穂乃果「さすがママちゃんズ、一味違うね!」

 

穂乃果「みんなーー!!!しまってこー!」

 

みんな「おーー!!」

 

ピーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

穂乃果ママ「ほっ!」ドッ

 

凛ママ「よっと!」トッ

 

にこ「はぁぁ!!」ザッ

 

凛ママ「思い出すなーこの感じ」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

ザッ クルッ ズシュゥ!!

 

凛ママ【Zスラッシュ!!】ダッ!!

 

にこ「えっぐいわね……!」ガクッ

 

凛ママ「お願いします!」ドッ

 

絵理ママ「ええ」トッ

 

希ママ「おー、地球が回る〜」フラフラ

 

絵理ママ イラァ

 

絵理ママ「働け酔っ払い!」ドッ

 

希ママ「うわったぁ!?」トッ

 

希ママ「パス乱暴すぎ!」

 

花陽「いかせません!」ザッ

 

希ママ「あーあ、酔いが覚めちゃった……」ザッ

 

ドッ

 

ポーン

 

花陽「え、くれるのか……な……!?」

 

グワァァァァ!!!

 

花陽「潰されますぅぅ!!」ヒィィ!

 

テンテンテン……

 

花陽「……へ?あれ?ボールは…?」

 

希ママ【トリックボール】トッ

 

角間「立て続けに抜いた!!さっきとは勢いが段違いだぁ!!」

 

タッタッタッ

 

穂乃果「く、くる!」グッ

 

絵理ママ「初めからやる気を出しなさいっての」

 

 

 

 

 

 

 

 

希ママ「………!!」ムムム…

 

穂乃果「……?」

 

海未「油断はダメですよ!」

 

穂乃果「わ、わかってるよ!」

 

希ママ【まぼろしショット!】

 

ドキュゥゥゥ!!!!!

 

フッ

 

穂乃果「き、消えた……!?」

 

 

 

 

 

 

フッ

 

ドシュゥゥゥ………!!!

 

角間「き、決まったぁぁ!!」

 

穂乃果「そんな……」

 

海未「あの穂乃果が触るどころか反応すらできないなんて……」

 

 

 

 

 

 

 

 

海未ママ「ふふふ」トッ

 

海未「取り囲んでください!」

 

花陽凛にこ亜里沙「了解!」ザッ

 

海未ママ「おやおや、これでは動けませんね」

 

亜里沙【アイスグランド!】

 

ダン! パキパキパキパキ!

 

絵里「逃げ場のないこの状態なら……!」

 

海未ママ「………悪くはないです……が」

 

ダッ!

 

凛「と、跳んだ!?」

 

にこ「ボールを置いて行ってどうすんのよ……」ダッ

 

花陽「ダメにこちゃん!」

 

海未ママ「上がガラ空きでしたよ」

 

ピシピシ

 

 

 

 

 

 

 

ズァァァァァァ!!!!!

 

海未ママ【昇り竜!】

 

ゴォォォォォオ!!!!

 

にこ「きゃぁぁ!!」ドサッ

 

花陽凛「うぐぅ……!!」

 

亜里沙「うわぁ!」ドサッ

 

穂乃果「そんな手が……」

 

穂乃果ママ「いけーーー!」

 

海未ママ【伝来宝刀!】ズシュ!

 

ドゴォォォォォオ!!!

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

穂乃果「うわぁぁ!!!」ドサッ

 

ドシュゥゥゥゥ……!!!

 

にこママ「ちょっとやりすぎなんじゃ……」

 

穂乃果「まだまだ!!」ムクッ

 

海未ママ「ふふ、いい返事です」

 

穂乃果「みんな!どんどんぶつかっていこう!」

 

穂乃果「こんなチャンス滅多にないよ!」

 

絵里「ええ!」

 

 

 

 

 

にこママ タッタッタッ

 

にこ【スピニングカット!】

 

ズシュゥゥゥゥ!

 

ブワァァァァァァ!!!!

 

にこママ「っく……やるわね!」ザザザッ

 

にこ「へへん!」トッ

 

凛「あれは…!」

 

ことり「習得したんだね!」

 

海未「私が名づけたかった…」

 

希「ふふん」ドヤッ

 

海未「ま、まさか……!?」

 

希「いや違うけど」

 

海未「なんなんですかあなた」

 

 

 

 

 

 

にこ「希!」

 

希「了解!」トッ

 

角間「矢澤、東條の連携で前線を突破したぞぉ!!残るは小泉母のみだ!!」

 

花陽ママ「えへへ〜」ポワポワ

 

希「なんだかのんびりした人やなぁ……」

 

花陽ママ「………ふふふ」

 

希「……へ?」ゾクッ

 

フッ

 

花陽ママ「そう見えた?」トッ

 

希「うそ……いつのまに……!?」

 

真姫「何今の動き……」

 

花陽ママ【クイックドロウ】えへへ〜

 

絵里ママ「みんな初見ではあの子の雰囲気とのギャップに驚くわよね」

 

花陽ママ「お願いしまーす〜!」ドッ

 

絵里ママ トッ

 

絵里ママ(絵里や亜里沙の必殺技ではぬるま湯レベル……)

 

絵里ママ(絶対零度の恐ろしさってものを)

 

絵里ママ(思い知らせてあげるわ)キッ!

 

ブワァァァァァァ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂「さ……寒いぃ……!!」ガタガタ

 

にこ「に…にっこにっこにー……」ガタガタ

 

希「やめてにこっち……!!凍る!!」ガタガタ

 

にこ「あ、あんた……覚えてなさい……!!」ガタガタ

 

絵里(私や亜里沙の【エターナルブリザード】とは比べ物にならない……!)

 

亜里沙「ハラショー……」ブルブル

 

 

 

絵理ママ クルッ

 

絵理ママ【ノーザンインパクト】ドキュッ!!

 

ゴォォォォォオ!!!

 

 

 

 

 

 

雪穂「はぁぁぁ!!」

 

雪穂【ハンターズネット!】

 

パキパキパキ

 

バリィィィン!!!

 

雪穂「うわぁぁ!!!」ドサッ

 

 

 

 

ゴォォォォォオ!!

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

ドギュルルルルルル!!!!

 

バチィ!

 

穂乃果「うわぁぁぁ!!!!」ドサッ

 

ポーーン

 

ことりママ「ふふ」ダッ

 

角間「高坂姉妹二人掛かりでなんとかはじいたボールを南母、空中で追いついたぁ!!」

 

にこ「降りてきたところを狙うわよ!」

 

海未ママ「降りてくることはありません」

 

海未ママ「……空があなたの領域でしょう?」

 

ことりママ「…なんだか恥ずかしいわね」グワァッ!

 

 

 

 

 

 

 

ことりママ【ファルコンウィング!!】ドキュゥ!!

 

ゴォォォォォオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「うわぁ!!」ドサッ

 

ドシュゥゥゥ……!

 

角間「決まったぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

凛「にぁぁぁぁ!!」バッ

 

ことりママ「おっと……!」クルッ

 

花陽「ここ!」ガッ!

 

ことりママ「ッ!……やるわね」

 

花陽「それほどでも………ってうわぁ!?」ガッ

 

海未ママ「連携なら負けませんよ」トッ

 

海未ママ「私たちも幼馴染ですから」ニコッ

 

ことりママ「……もう」テレッ

 

にこ「花陽と凛の連携が破られた……!」

 

海未ママ「決めてください」ドッ

 

真姫ママ「……準備はいいですか?」トッ

 

絵理ママ「もちろん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブワァァァ!! ブワァァァ!!

 

真姫絵理(ママ)【ファイアブリザード!】ドキュッ!!!

 

ゴォォォォォオ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

にこ「一体いくつシュート持ってんのよー!!」

 

希「全員がエースストライカー級のシュート力……!!」

 

雪穂「止めるよ!お姉ちゃん!」ガッ

 

穂乃果「うん!」

 

ゴォォォォォォ!!!!!

 

ことり「あれは……!」

 

真姫「決勝で【トライペガサス】を止めた……!」

 

海未「【ホムラ・ザ・ハンド】です!」

 

花陽「あ、もうそれ決定なんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果雪穂【ホムラ・ザ………】

 

「遅いって!!」ダダダダッ

 

凛「………!」

 

凛ママ バッ

 

 

 

 

 

 

 

凛ママ【マッハウィンド!!】ドキュッ!

 

ゴォォォォォォォォォォオ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

穂乃果雪穂「うわぁぁぁぁ!!」

 

ドシュルルルルル………!!

 

凛「シュートチェイン……!」

 

海未「技を出す暇さえ……ないというのですか」

 

 

 

 

 

 

 

「うーー…………」グデー

 

花陽ママ「み、皆さん大丈夫ですか〜?」

 

海未ママ「死屍累々とはこういうことを言うのですね」

 

監督「これからお前たちには攻撃は星空、守備は小泉に徹底的に鍛えてもらおうと思う」

 

凛ママ「厳しくいくぞ!」

 

花陽ママ「よろしく〜」

 

穂乃果(ここから一ヶ月、地獄の日々が始まりました)

 

ことり(例えるならそう、私たちの一年生時代の山登りを一ヶ月に凝縮したような……)

 

花陽ママ「当然ながら、オフェンスメンバーにもディフェンスは学んでもらいます」

 

凛ママ「自分は守備だからといって攻撃には関係ないと思ってる人〜?」

 

凛ママ「試合に出てる以上誰にだってチャンスは来るからな〜!」

 

花陽(正直自分が攻撃するなんて思ってなかったので、聞くこと知ること全てが新鮮でした)

 

花陽(まあ攻撃なんて花陽には縁のない話だけど……)

 

ことりママ「ほんとはもっと早く手助けしたかったんだけど、監督がね……」

 

真姫ママ「自分たちだけで本戦上がるまではダメだって言うんだから」ハァ

 

希(ということで、みんなの母親のサポートもありながら練習を重ねていきましたとさ)

 

希(めでたしめでた……)

 

絵里(終わらないで!!)

 

にこ(色々あって……色々あったのよホント……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽ママ「花陽ちゃんにはいち早くその人の特徴を掴む訓練をしてもらいます」

 

花陽「特徴を掴む?」

 

花陽ママ「このあいだの試合で見せた【ディフェンス方程式】、あの技の条件はわかるでしょ?」

 

花陽「その人の情報をできる限り持っていること……」

 

花陽ママ「でもいつも調べ切れるわけじゃない、データがない人もいる」

 

花陽ママ「そんな時のための訓練です」

 

花陽ママ「それと、日常での人間観察も習慣づけること」

 

花陽ママ「それじゃあ始めましょうか」

 

花陽「うん!」

 

 

 

 

 

 

真姫ママ「ねえパパみて!真姫ちゃんとサッカーしてきたの!」

 

真姫パパ「なに…!?それは本当か!?」

 

真姫「……別に、少し試合しただけ」

 

真姫パパ「パパともサッカーしに行こう!」

 

真姫「………練習があるから時間ない」

 

真姫パパ「あああああぁぁ!!!」ガクッ

 

真姫、ママ「うるさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「そうだパパ」

 

真姫パパ「どうした?」

 

真姫「おじいさんから教えてもらって、どうしてもできなかった技があるんだけど……」

 

真姫パパ「……なんて技だ?」

 

真姫「【爆熱ストーム】っていう技なんだけど」

 

真姫パパママ「……!」

 

真姫「教えてくれない?」

 

真姫パパ「……すまない真姫、わたしにはわからない」

 

真姫「教えてもらってないの?」

 

真姫パパ「ああ……だがきっとお前なら完成させられるだろう、頑張れよ」ポン

 

真姫「……うん」

 

 

 

 

 

 

 

絵里「いつのまに日本にきてたの?」

 

絵里ママ「ついこないだよ」

 

絵里ママ「そうそう、今日絵里の部屋に泊まるわ」

 

亜里沙絵里「え!?」ビクッ

 

絵里ママ「なに?何か不都合でもあるの?」

 

絵里(亜里沙と二人で暮らしてるのがバレたら……)

 

亜里沙(追い出される……!!)

 

絵里ママ「もしかして、一緒に暮らしてること隠そうとしてる?」

 

亜里沙「………へ?」

 

絵里「し、知ってたの!?」

 

絵里ママ「亜里沙を預けてたおばさんが教えてくれたわ」

 

亜里沙(あの人……!黙っててくれるっていってたのに!!)

 

亜里沙「怒って……ないの?」

 

絵里ママ「別に……お金は足りてる?」

 

絵里「……実は少し厳しいかも」

 

絵里ママ「そ、じゃあもう少し入れとくわね」

 

亜里沙絵里「…………」

 

亜里沙絵里「〜〜〜!!」ウ〜〜!!

 

ダキッ!!

 

絵里ママ「ちょ、ちょっとなにして……!」

 

絵里「今日はお母様の料理が食べたいわ!」

 

亜里沙「亜里沙も!」

 

絵里ママ「……ハァ、それじゃあ買い物に行きましょうか」

 

絵理亜里沙「フフフ!」

 

 

 

 

 

 

希「お母さんはどれくらいこっちにいるの?」

 

希ママ「明後日には帰ろうと思ってるけど」

 

希「なら明日は一緒にどこか行かない?」

 

希ママ「いいわね!一度そういうのして見たかったのよ」

 

希ママ「それで今日泊まるところなんだけど……」

 

希ママ「希ちゃんのお部屋に泊めさせてもらおうかしら」

 

希「うん、大丈夫だよ!」

 

希ママ「久しぶりにお風呂一緒に入りましょう!」

 

希ママ「その膨よかな胸をワシワシと……!」ワキワキ

 

希「さ、触られるのは勘弁してほしいかなぁ……」

 

希ママ「あらあら、恥ずかしがり屋さんなのね」

 

希「そういう問題じゃない!」

 

希ママ「あ、ちょっと待ってお酒を買って……」

 

希「ダメ」

 

希ママ「い、一本だけ…」

 

希「ダメ」

 

希ママ「そ、そんなぁ〜……」ショボン

 

希「今日は……」

 

希ママ「?」

 

希「私の友達の話、いっぱい聞いて欲しいから……」ニコッ

 

希ママ「ぐはっ……!!!」ガクッ

 

希「ちょ……だいじょうぶ!?!?」バッ

 

希ママ「かわいい……」

 

希「え?」

 

希ママ「うちの子がかわいくて辛い……」ガクッ

 

希「………」ペイッ

 

希ママ「いや〜ん!」ドサッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫ママ「あら、あなたが小悪魔ちゃんね」

 

にこ「こ、小悪魔?にこが…?」ソワソワ

 

真姫ママ「あの人の高校生時代とそっくりだわ」

 

真姫ママ「よく言ってたの、にっこにっこにー!ってね」

 

にこ「マ……お母さんも言ってたんですか!?」

 

真姫ママ「子供ができたら絶対にこって名付けてこれを教えるんだって」

 

真姫ママ「笑顔の魔法なんだって言ってね」

 

にこ「ママ……」

 

真姫ママ「あなたはきっと、お母さん以上に強くなれるわよ」

 

にこ「が、頑張ります!にこ!」

 

にこ(そういえば、ママが必殺技使うとこ見れなかったわね…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本選まであと約一ヶ月のある日の部室

 

花陽「うわ〜、先生に呼び止められて遅れちゃった……」ガララ

 

花陽「みんなもう練習始めちゃってるよね」

 

花陽「私も早く行かないと……」ヌギヌギ

 

ピキィ

 

花陽「うぐっ……」

 

花陽「……やっぱり筋肉痛すごいなぁ……」

 

花陽「……よし、頑張ろう!」パンッ!

 

ガララララララ

 

凛「あ!かよちん遅いにゃ〜」

 

花陽「凛ちゃん!ごめんね、すぐ行くから」

 

凛「待ってるにゃ〜!」

 

凛「えーっと……」キョロッ

 

花陽「どうしたの?」

 

凛「ちょっと足挫いちゃって……」あはは

 

花陽「た、大変!!早く座って!テーピング……!」バタバタ

 

凛「だ、大丈夫!自分でできるから!」

 

花陽「お菓子と…えーっと、はい!飲み物と……ゲームもいる!?」バタバタ

 

凛「落ち着いてってばぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自宅

 

穂乃果ママ「……ねえ穂乃果」

 

穂乃果「なぁに?」

 

穂乃果ママ「穂乃果は初めて【マジン・ザ・ハンド】を出した時、どんな感じだったの?」

 

穂乃果「どうしたの急に……?」

 

穂乃果「えーっとね」うーん

 

穂乃果「………みんなからパワーが集まってきて、それをボールにぶつける感じ……だったかな?」

 

穂乃果「2回めからはなんとなくブワッと……」

 

穂乃果ママ(なんとなく……か)

 

穂乃果ママ「……ひとつだけわかってることがあるの」

 

穂乃果「なに?」

 

穂乃果ママ「あなたの必殺技、【マジン・ザ・ハンド】は………」

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ完成していない」

 

穂乃果「……え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「ど、どういうこと?未完成って……」

 

穂乃果ママ「そのままの意味よ」

 

穂乃果ママ「仲間の力が集まって来て………それは間違ってない」

 

穂乃果「じゃあ……!」

 

穂乃果ママ「……本来それができるのはごく一部の人のみ」

 

穂乃果ママ「普通はみんな、自分の力しか使うことはできない」

 

穂乃果ママ「でもあなたは周りの力を自分の力に変換する、天性の才能があった」

 

穂乃果「天性の……才能?」

 

穂乃果ママ(カリスマ性かな………我が子ながらあっぱれ!)

 

穂乃果ママ「だからこそ落ちてしまった落とし穴」

 

穂乃果ママ「足りない最後の1ピース」

 

穂乃果ママ「それは……」

 

穂乃果「………それは?」

 

穂乃果ママ「………」

 

穂乃果ママ「……じゃあ頑張りなさい」スタスタ

 

穂乃果「ちょ…!答えは!?」バッ

 

穂乃果ママ「自分で考えなきゃ意味ないでしょ?」スタスタスタ

 

穂乃果「………」〜〜〜!!!

 

穂乃果「これじゃあ今日眠れないよぉ〜!!」

 

穂乃果(でも、お母さんの技はなんていうか……凄みがあった……)

 

穂乃果(私の【マジン・ザ・ハンド】には無いような……凄みが)

 

穂乃果「……….」

 

パンパン!

 

穂乃果「……よし!がんばる!」ヒリヒリ

 

穂乃果ママ(あなたならきっと、私がたどり着けなかったところまでたどり着けるわ………)

 

穂乃果ママ(……頑張りなさい)

 

 

 

 

 

 





地の分うまくなりたい



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第2話「絢瀬絵里、氷の女王」



前回のお話で書き忘れがあった乾電池です

これの一個前のお話の最後の方に二つぐらいお話を入れるの忘れてました

ぜひ戻って見てみてね

お手数おかけします

凛ちゃんと花陽ちゃんがわちゃわちゃしてるとこからです





 

 

 

 

 

 

 

 

学校放課後

 

キーンコーンカーンコーン

 

先生「それではみなさんさようなら」

 

さよーならー!

 

絵里「ん〜〜〜……!」ノビー

 

希「えーりち!お疲れさん!」

 

希「眠たそうやけど大丈夫?」

 

絵里「あ、希、ごめんなさい……最近疲れがたまってて……」

 

希「もーしっかりしてよ?大会も近いんやから」

 

絵里「ふふ、わかってるわ。練習行きましょうか」

 

希「あー……えりち?」

 

絵里「なぁに?」

 

希「ちょっと寄り道していい?」

 

絵里「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

校舎裏自動販売機前

 

 

絵里「どうしたの?こんなところで」

 

希「えりち………」

 

絵里「?」

 

 

 

 

 

 

 

真姫(う〜〜眠い……)テクテク

 

真姫(飲み物でも買って目覚まさないと…)テクテク

 

真姫(……!あれは……)ピタッ

 

真姫「絵里と希?」

 

絵里希 スタスタ

 

真姫「自動販売機の方に行っちゃった……」

 

真姫(なにかコソコソしてたような……?)

 

真姫「ちょうどいいしついて言って見ようかしら」

 

真姫「………」

 

真姫「海未みたいになってきてる気がする……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫(居た……何か話してる……)サッ

 

希「えりち………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「氷の女王って………なに?」

 

絵里「……!」

 

真姫(………!)

 

真姫「…………」

 

真姫「氷の女王……か」

 

 

 

 

 

 

 

絵里「……どうして、それを?」

 

希「うちが知ってるのは、えりちがサッカーやってたっていうからネットで少し調べた内容だけ」

 

希「ロシアに突如現れた期待の新星、クールな目つきと氷の技が特徴的な将来を期待された選手」

 

絵里「………」

 

希「もしそれだけなら……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「亜里沙ちゃんがあんな風に言うはずない……」

 

絵里「……!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

亜里沙「氷の女王だったくせに……」

 

絵里「……昔の話よ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

絵里(試合の時……聞かれてた……?)

 

希「お願い……教えて、えりち」

 

絵里「………」フゥ

 

絵里「……わかったわ」

 

希「………」ゴクッ

 

希(もし……えりちの過去に暗いものがあるなら……)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

希「えりちな、氷の女王って呼ばれてたんよ」

 

絵里「ちょ、ちょっと…!」

 

 

 

 

 

 

希「氷の女王復活やね」

 

絵里「ちょっ……やめなさい!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

希(うちは……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希(どれだけ残酷なことを悪びれもせずに言っていたのか………)

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫(絢瀬絵里)

 

真姫(小学四年生からサッカーを始めるも、メキメキと才能を伸ばし、すぐに将来を期待されるほどの選手となった)

 

絵里「でも、ずっとバレエばかりやってきたからか、もともとの性格なのか………」

 

真姫(絵里は極端にチームプレイが苦手だった)

 

真姫(レベルの低い相手ならまだしも、強い相手にそれは致命的だった)

 

絵里「私は……次第にワンマンプレーが増えていった」

 

真姫(はじめのうちはチームはなにも言わなかった……けど)

 

絵里「だんだんと煙たがられるようになって……」

 

絵里「中学3年の夏、サッカーをやめたわ」

 

絵里「チームは……私のワンマンプレーのせいで負けた」

 

絵里「それから……」

 

真姫(生まれ持った鋭い目つき、自分勝手なわがままプレイ、氷の技、それらを踏まえ……)

 

絵里「侮蔑の意味も込めてこう呼ばれた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里真姫「(氷の女王……と)」

 

希「……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

希(ウチ………最低やん……)

 

希(人の感情を読みとるのは得意やと思ってた……でも……)

 

希(なにも見えてなんてなかった……)

 

絵里「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

希「えりち……ウチ……」

 

希「………ごめんなさい」ペコリ

 

絵里「希……」

 

希「………なにもわかってなかった」

 

希「ちょっとだけ調べただけで全部知った気になって………」

 

希「ほんとに………ごめん」

 

絵里「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふふふ

 

希「…えりち?」

 

絵里「ふふ……ふふふふ……」

 

絵里「あっははは!!」

 

希「え、えりち……!?」

 

希「ま、まさか………!」フルフル

 

絵里「ご、ごめんなさい……しおらしい希って新鮮で……!」フフフフ

 

希「そ、それで……さっきの話……!!」

 

絵里「ああ、さっき話したのは事実よ」ふふ

 

希「あ……そう……」シュン

 

絵里「ふふ……んふふふ」フルフル

 

希「……もう!なんで笑うん!!」

 

絵里「だって……あなたがいたから私はまたサッカーを始めようと思ったんだから」

 

希「……へ?」

 

絵里「あなたのおかげで………氷の女王は」

 

絵里「私にとって苦しいものじゃなくなった」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

3年生初め

 

希「えりち〜、帰ろ〜!」トテトテ

 

絵里「ええ、行きましょう」ガタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「さっくら〜もち〜、さっくら〜もち〜、もっちもっちもっちもっちかっしわ〜もち〜」テクテク

 

絵里「なにその歌?」クスクス

 

希「うちが作ったお餅の歌!」

 

絵里「またバカみたいなことして……」

 

ぐぅ〜〜

 

絵里「………」

 

希「………」

 

絵里「お腹すいちゃった…….」

 

希「もう、えりちってば」

 

希(あああ〜〜えりちかわいいなぁぁ〜〜!!!)

 

希「帰りパフェでも食べよっか!」

 

絵里「ええ」

 

 

〜〜〜……

 

 

絵里「あら?何か声が……」

 

希「えりち、そこ職員室やで?」

 

絵里「いや、何か真剣な声が聞こえたから……」ソー……

 

絵里「……え?」

 

希「なになに?」グッ

 

絵里「ちょっ……!希、重たい!」ヒソヒソ

 

希「なっ…!レディに対して重たいはあかんやん!?」ヒソヒソ

 

絵里「レディはお餅の歌なんて歌わないわよ!!」ヒソヒソ

 

希「いまそれいうん!?」ヒソヒソ

 

絵里「……!」グラッ

 

希「あっ……」グラァ

 

 

ドシーーン!!

 

 

絵里「い……たたた」

 

希「もう、大丈夫?」よっこいせっ

 

「貴方達なにしてるの!!」

 

希「あーあ……」

 

 

 

 

 

 

 

絵里「ち、違うんです!たまたま通りがかったというか……」アワアワ

 

希「そ、そうです!盗み聞きなんて全く……」ワタワタ

 

絵里「そうです!廃校なんてこれっぽっちも……」

 

希「え」

 

絵里「あ」

 

先生 はぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「はぁ〜……まさか廃校なんてなぁ」テクテク

 

希(初めて入学から卒業までまともに終われると思ったのに……)

 

絵里「……まだ決定じゃない」

 

希「へ?」

 

絵里「理事長は!」

 

希「き、今日は用事でもう帰ってこないと思うけど……」

 

絵里「ぅ〜〜!」

 

希「あ、でも……」

 

絵里「なに!?」

 

希「理事長の娘さんならいるはず」

 

絵里「どこに!」

 

希「確か……サッカー部」

 

絵里「……サッカー」

 

希「あれ〜?氷の女王さんの血が騒ぐ?」ニヤニヤ

 

絵里(氷の女王……)ギュッ……

 

絵里「……なんでもないわ、その子のところに行きましょうか」ザッ

 

コロコロ……

 

絵里「サッカーボール……?」

 

希「あの子らが使ってるやつかな」

 

絵里(一年生の頃から試合にも出れない人数で毎日練習してる三人組……)

 

絵里(……変人……)

 

希「えりち!少し遊んでいかん?」

 

絵里「……そんなことしてる場合じゃないでしょ」

 

希「まあまあ、いま体験入部の最中みたいやし邪魔したらあれやん?」

 

希「ちょうど二人とも運動靴やし」

 

絵里「……少しだけよ」上着脱ぎ脱ぎ

 

希「よーし!」上着脱ぎ脱ぎ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「ほっ!」ドッ

 

絵里「……」タッタッタッ

 

トッ

 

希「あれ〜?まっすぐ飛ばんなぁ……」

 

絵里「相手の方向に送り出すように蹴るのよ」ドッ

 

希「おー!まっすぐきた!」トッ ポロッ

 

希「おっとっと」トッ

 

絵里(相手の方向に送り出すように……か、どの口が言ってるのかしらね)

 

希「はっ!」ドッ

 

絵里「……!」トッ

 

希「まっすぐ行った!」

 

絵里「……ふふ、やるじゃない」

 

希「えっへん!」ドヤァ

 

絵里(パスができただけで……)

 

 

 

 

 

 

 

 

えり『えい!』ドッ

 

『ナイスパス!』

 

えり『えへへ!』

 

 

 

 

 

 

絵里「………」

 

「………りち」

 

「……えりち」

 

希「えりち!」

 

絵里「……!」ハッ

 

希「早くボールちょーだい!」

 

絵里「……ええ!」ドッ

 

希「……よいしょ!」トッ

 

希「止めれた!!」

 

絵里「………ふふふ」

 

希「あ……!今絶対バカにした!」

 

絵里「ふふ、ごめんなさい」

 

希「もー!」プンプン

 

絵里「………」

 

希「えりち?」

 

絵里「希」

 

希「?」

 

絵里「一緒にサッカー部入りましょうか」

 

希「ほ、ほんとに!?」

 

希(えりちの本気のサッカー見れるかも……!)

 

絵里「あ、やっぱりあのサッカー部の子達が、『サッカーで廃校を阻止する!』とか言いだしたら入りましょうか」

 

希「それどんな確率!?」

 

絵里(もし……もし私がサッカー部に入ったら)

 

絵里(あなたとサッカーをすることができたら……)

 

絵里「……ふふ」

 

希「絶対入る気ないやん〜!!」

 

絵里(また……思い出せるかしら)

 

絵里(楽しかったあの時を)

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「よーし!穂乃果達で廃校を阻止しよう!」

 

絵里「!」

 

絵里(……神様が……やれって言ってるのかしら)

 

絵里(……あと隣の希がすごく腹たつ……)

 

希 ニヤニヤニヤニヤ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「えりちな、氷の女王って呼ばれてたんよ」

 

絵里「ちょ、ちょっと!!」

 

絵里(……?いつものモヤモヤがない……?)

 

絵里(……ワクワクの方が強いみたい)

 

 

 

 

 

 

 

絵里(はじめてのシュートチェイン、仲間との連携………)タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

希『えっへん!』ドヤァ

 

 

希『止めれた!!』

 

 

 

 

 

 

絵里「……ふふ」

 

絵里「みんなでやるサッカー、か」

 

絵里「……」

 

 

 

 

 

 

絵里「吹き荒れろ………」

 

パキパキパキパキ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「氷の女王復活やね!」

 

絵里「ちょ、やめなさいよ!」

 

絵里(いつもみたいな嫌な感じじゃない……くすぐったいような…….)

 

絵里「………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

希「………」

 

絵里「あの日……あなたとボールを蹴りあって、私の中で何かが変わった」

 

絵里「今私がこうやってサッカーできてるのはあなたのおかげよ、希」

 

絵里「ありがとう」

 

希「………違うやん」

 

希「ウチ、謝ろうと……え?」

 

絵里「ふふ、今日は珍しい希がいっぱいね」

 

希「……もう!からかわんといて!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「………もういいかしら?」

 

絵里「あら、真姫じゃない、どうしたの?」

 

真姫「眠たいから飲み物を買いに来たの」

 

絵里「私たちも眠気覚ましに来たのよ、あたたかくなって来たから眠たくって……」

 

希「や、やんなぁ〜、これだけポカポカ陽気やとどこでも寝れそう……」スヤスヤ

 

絵里「ちょ、ちょっと希!?練習始まるから!ちょ………起きなさい!」ググググ

 

希「ん〜、もう食べれない」スヤスヤ

 

絵里「希〜〜!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「………」

 

真姫(さっきの話の内容が全てだと思ってた……)

 

真姫(暇つぶしにロシアのサッカーチームのブログを見るまでは……ね)トトトッ

 

ピッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ロシアサッカーU18代表ブログ

 

みなさんこんにちは、寒い日が続きますね

 

もうすぐ始まる世界大会、もうドキドキしっぱなしです

 

みなさんの期待に応えられるよう、頑張りたいと思います

 

話は変わりますが……

 

試合の日が近づくといつもある女の子を思い出します

 

小学校から中学3年生まで一緒だったんです

 

その子はとても可愛くてサッカーが上手でした

 

メディアにも取り上げられてたんじゃないかな?

 

同じチームでプレイするのはとても楽しかったのですが、少しづつ違和感を覚えて来ました

 

彼女があまりパスを回さなくなったのです

 

理由はわかっていました

 

彼女は、いわゆる連携が苦手でよくミスをしていました

 

個人技はすごかったのですがチームプレーが苦手だったようです

 

彼女も申し訳なさそうに私たちに相談していました

 

私たちは特に気にしていませんでした

 

彼女自身の人柄や、日頃の行動から、悪い子ではなかったからです

 

でも、次第に………なんというか、彼女の纏う空気が冷たくなった気がしたんです

 

みんな少しずつ彼女と距離を取るようになってしまいました

 

最後の大会、敵はとても強かったです

 

唯一対抗できたのがその子だけでした

 

その子はディフェンスとオフェンスを行ったり来たりして、何人分ものカバーをしていました

 

みんなボールを取るとその子に回しました

 

彼女は何度も倒され、傷だらけになりながらも、チームのために走ってくれました

 

が最終的には負けてしまいました

 

一点差でした

 

もし彼女がいなければ目も当てられないほどの結果になっていたでしょう

 

私たちは尊敬と感謝の意を込めてある称号を彼女に送りました

 

【氷の女王】と

 

ところが、私たちのチームの親や周りの人が、傍目にはその子のワンマンにしか見えない試合に怒りを覚え、有る事無い事を言いふらしました

 

チームがお前を嫌っているだの

お前のワンマンのせいで負けただの

 

心優しい彼女はそれらの言葉を全て真実として受け止めてしまいました

 

その子は中学卒業後、ロシアを発ちました

 

最後に聞いたことがあります

 

「サッカー、つづけるよね?」

 

彼女は

 

「サッカーはもうしない、迷惑かけてごめん」

 

とだけ返してくれました

 

私たちがいくら誤解だと言っても彼女は信じてはくれませんでした

ただ謝るばかり、ごめんねと

 

せめてこちらに怒りを向けてくれればいくらか気は楽になったのに

 

最後に

 

「一緒にサッカーできて楽しかったよ!!」

 

と大声で叫んでも、帰って来たのは

 

「ごめんなさい」

 

と、一つのお辞儀だけでした

 

悲しかったです

 

彼女にこれほど他人行儀に頭を下げられたのは、小学校から思い出しても初めてでした

 

私たちがずっとプレイしてきたあの時間、一緒に笑いあって、喜んで、泣いて、悔しがったあの日々全てが

 

彼女にとっては思い出したくない過去に変わってしまったのです

 

彼女をそんな風にしてしまったのは私たちの実力不足が原因でした

 

私たちはその日から必死で練習して、今は国のU18の代表になることができました

 

それでも、彼女への仕打ちを考えると胸が苦しくなります

 

…………ところが、最近サッカーで調べていたら面白いものを見つけたんです

 

なんだと思いますか?

 

ふふふ、実はですね……

 

その友達が……日本に行った、我らが【氷の女王】がまたサッカーを始めていたんです!!

 

もう昔よりはるかに綺麗になってモデルさんのようです!

 

それにあの笑顔!

 

あの頃と何も変わっていません

 

今彼女は高校三年生

 

二年、間が空いたようですが、また戻って来てくれました!

 

中学時代の友達にこのことを知らせるとみんな大喜びしてました

 

国は違えど、同じ空の下であなたを見守っています

 

ハラショー!ちょっとキザだったかな?

 

ではこれにてさようなら!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

真姫「………」ピッ

 

真姫(私も……少し調べただけで全部知った気になってたみたいね)

 

絵里「ぜー……はぁー……」ヨロヨロ

 

真姫「絵里、私に任せて」

 

希 クカー…….クカー……

 

真姫 イラァ……

 

ツマミ

 

希「………ッ」

 

希「………」

 

希「…ッ!!」モゴモゴ

 

希「ぶはーー!!」ガバッ

 

真姫「おはよう」

 

希「死ぬやん!!」

 

真姫「そうね」

 

希「冷たい!!」

 

真姫「ほら練習始まるわよ」

 

希「もぉー……」ググググッ!

 

希「っはぁー……」ダラン

 

真姫「それと絵里」

 

絵里「な、なに……?」ハァ……ハァ…

 

真姫「たまには気晴らしに母国のサッカーチームのブログでものぞいてみなさい」

 

絵里「?」

 

真姫「………何でもないわ」スタスタ

 

希「真姫ちゃんまって〜!」ガバッ

 

真姫「ヴェェェェ!?」ググッ

 

真姫「重たいのよ希!」

 

希「レディ対して重たいはあかんやん!?」

 

真姫「レディは人前でぐーすか寝たりしないわよ!」

 

希「今それ言う!?」

 

絵里「………デジャブ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里宅

 

 

絵里「まったく、一体なんだっていうのよ……」カチカチ

 

カタカタカタカタカタカタ

 

絵里(ロシア、サッカー………ブログ、と)タターン!

 

カチカチ

 

絵里「あった…」スー……(スクロール)

 

絵里「こんなの見て何か気晴らしになるのかしら……」スー……

 

絵里「えーっと?」

 

絵里「………」

 

絵里「へぇ、可愛い子がサッカーをしてた……」

 

絵里「ワンマンが増えて……」

 

絵里(ワンマン……私みたいね)

 

絵里「最後の大会、相手チームが強くて………」

 

絵里(そう、あの時の相手もとても強かった……)

 

絵里「一点差で負け……」

 

絵里(もっと私が強ければ……)

 

絵里「………」

 

絵里「にしてもなんだか親近感湧いてくるわね、この子」

 

絵里「なになに?」

 

絵里(………私たちは尊敬と感謝の意を込めてある称号を彼女に送りました)

 

絵里(ハラショー!この子は幸せ者ね)スー……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【氷の女王】と

 

絵里「…………」

 

絵里「は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「え、どうして………?」

 

絵里「氷の……え?」

 

絵里「ここに書いてるの……私?」

 

絵里「…………」

 

絵里「も、もう一度初めから……!」カチカチ

 

絵里「…………」スー……

 

絵里「………」スー……

 

絵里「……ッ…」スー……

 

絵里「……ぁ……」ウルッ

 

絵里「……うそ……」ウルウル

 

絵里「うぅ………ぁあ……ッ!」ポロッ

 

絵里「ああぁぁ……!!」ポロポロ

 

 

 

 

 

 

私たちがずっとプレイしてきたあの時間、一緒に笑いあって、喜んで、泣いて、悔しがったあの日々全てが

 

彼女にとっては思い出したくない過去に変わってしまったのです

 

 

 

 

 

絵里(全部……覚えてる……)ゴシゴシ

 

絵里(ゴールを決めてみんなで抱き合ったことも……)

 

絵里(夏にアイスを食べながら冗談を言い合って帰ったことも……)ウルッ

 

絵里(試合で負けて、泣きながらみんなでご飯食べたことも………)ポロポロ

 

 

 

 

 

絵里(思い出したくないわけ………ないじゃない)ポロポロ

 

 

 

 

 

絵里「あぁ………ぅぐっ……」ヒック

 

絵里「みんなぁ………」グスグス

 

絵里「………!」

 

絵里「そうだ……確か…….」ガサゴソ

 

カサッ

 

絵里(ケータイを変えた時、どうしても消し切ることのできなかった……)グスッ

 

絵里(みんなの……電話番号)

 

絵里「………」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャ

 

亜里沙「おねーちゃん、ご飯冷めちゃう……」

 

 

 

 

 

 

ピッ

 

絵里「も、もしもし?」

 

『……どなたですか?』

 

絵里「あ、あの……」

 

絵里「えっと………」

 

『……イタズラなら』

 

絵里「ま、待って……!」

 

スゥ………ハァ……

 

絵里「……絵里……です」

 

 

 

 

 

 

亜里沙「………」

 

パタン

 

亜里沙「……まあいっか」

 

亜里沙「どれだけ冷めちゃったとしても……」

 

 

 

 

 

 

 

絵里「うん、うん、ブログ……読み……読んだ」

 

絵里「……うん、久し……ッ……!」ウルッ

 

絵里「うん……うん……」ポロポロ

 

絵里「……………」

 

絵里「ーーー!」ブワッ!

 

絵里「……あり……がとぉ……」ポロポロ

 

 

 

 

 

 

亜里沙「何度だって温められるんだから」

 

 

 

 

 







これを読んだあなた、しっかり前話の最後に編集で入れたお話を読みましたか!?

載せ忘れた私が言うのもなんですが読んでくださいね!!



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「可愛い子分たち」



μ’sの中で敵になると一番強そうなの絵里ちゃん説濃厚だと思う乾電池です

別に絵里ちゃん的になるフラグとかじゃないんですけどね




 

 

 

 

学校放課後

 

キーンコーンカーンコーン

 

先生「それではみなさんさようなら」

 

さよーならー!

 

希「えりち〜、部活いこ〜!」

 

絵里「え、ええ……」ゲッソリ

 

希「あら〜、お疲れさんやね」

 

絵里「ちょっと昨晩……ね」

 

希「……なんかその言い方やらしいね」

 

絵里「あなたが思ってるようなことはないから安心して」

 

希「ん〜?えりちはうちが何を思ってると思ったん?」ニヤニヤ

 

絵里「だから……はぁ、ダメ」

 

絵里「今日は本当に寝不足だったのよ……」ぐったり

 

希「体に気をつけてって言ったばかりやのに……」

 

絵里「そういうあなたこそ疲れた顔してるわよ」

 

希「……やっぱりわかる?」ゲッソリ

 

 

 

 

 

ガラララ

 

「希ちゃーん!校門に他校の男子がきてるよ!」

 

希「あぁ……うん、ありがと」

 

「なになに〜?もしかして彼氏?」

 

希「もしそうならどれほどいいかなぁ……」シクシク

 

絵里「そんなに嫌なら断ればいいのに」

 

希「それができたらどれほどいいかなぁ……」シクシク

 

絵里「……嘘泣き」

 

希「……ッチ」

 

絵里「舌打ち……!!」ガーン

 

 

 

 

 

 

 

 

校門

 

絵里「……え……えぇ?」

 

希「………なにしにきたん?」

 

「なに言ってるんですか、姉さんのサポートですよ!」

 

希「昨日の夜もたっぷり電話したやん?」

 

「俺はいつでも姉さんの隣にいますよ!」

 

希「……はぁ」

 

「お疲れですか!どうぞ部室へ!案内します!」

 

希「君は立ち入り禁止やけどね」

 

「そ、そんな……!!」ガーン

 

絵里「ちょ、ちょっといい?」

 

絵里「あなた確か……」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽谷「尾刈戸高の幽谷です!」

 

絵里「幽谷……くん?」

 

絵里「え、こんなキャラじゃなかったわよね?」

 

希「それがな……」

 

幽谷「姉さんはオカルトの師匠なんです!」

 

絵里「お、オカルト?」

 

幽谷「あの時感じたあの迫力……!」

 

幽谷「俺、一生姉さんについていきます!」

 

希「……」

 

絵里「……」

 

幽谷「………?」パタパタ

 

希絵里(尻尾が見える……)

 

希「とりあえず今日は帰ってね」

 

幽谷「そんな……!」ガーン

 

希「それから、電話もよっぽどの理由がない限り、かけてこないこと」

 

幽谷「………!!」フラフラ

 

希「守れるやんね?」

 

幽谷「………」

 

幽谷「姉さん……」

 

幽谷「姉さんは……!!!」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽谷「俺のことなんてどうでもいいんですか!?」

 

希「…………」

 

幽谷「無言!!」ゴーン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部室前

 

希「はー疲れた……」

 

絵里「お疲れ様……」ポン

 

〜〜!………!!

 

絵里「あら?部室がなんだか騒がしいわね」

 

希「なにかあったんかな?」

 

ガラララ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「だからさっさと帰りなさいよあんたら!!」

 

にこ「通報するわよ!!」

 

「そんなこと言わないでくださいよ!」

 

「そうっすよ!なにか手伝える事とか……」

 

「「姉貴!」」

 

希「………なにこれ?」

 

真姫「もう、なに入り口で止まってるの?」

 

真姫「げ」

 

海未「おや?どなたですか、この方たちは」

 

「あー!真姫の姉貴!」

 

「お久しぶりです!姉貴!」

 

真姫「こんなところまで………」ハァ

 

真姫「あなたたち……」

 

真姫「さっさと帰りなさい!!」

 

「で、でも……」

 

真姫「女子校に入ってるのがバレたらあなたたち怒られちゃうでしょ?」

 

真姫「そんなところ……見たくないのよ」キラキラ

 

「あ、姉貴ぃぃ!!」ポロポロ

 

「眩しい……!眩しすぎて見えねぇ!!」

 

「今日は帰ります!」

 

「また会う日まで……お元気で!」ダッ

 

 

 

 

 

………………

 

 

 

 

 

希「真姫ちゃんどこで覚えたんそんなん」

 

真姫「あんなこと教えるのにこちゃんしかいないじゃない」

 

にこ「ふっふ〜ん!」ドヤッ

 

絵里「にこ、多分褒められてないわ」

 

海未「それで……何者なのですか?あの方たちは」

 

にこ「………はぁ……」

 

にこ「……こないだ子供があいつらに絡まれてたから助けたのよ」

 

海未「にこがですか?」ジー……

 

にこ「当たり前じゃない」

 

真姫「私もいたけどね」

 

真姫「その時は一回追い払ったのよ」

 

海未「二人でですか?あのお二方、かなり体格がしっかりしてましたが……」

 

にこ「まあサッカーボールがあったからね」

 

真姫「思いっきりぶつけてやったわ」

 

希「はー、すごいなぁ」

 

海未「………」

 

絵里「海未……?どうしたの?」

 

海未「………サッカーボールを、人を傷つけるために使ったのですか」

 

にこ「え、ええ……」

 

海未「………それで、どうなったのですか?」

 

真姫「その時はそれで治ったんだけど、また少ししたらリターンマッチに来たのよ」

 

にこ「で、また返り討ちにしたってわけ」

 

海未「………サッカーボールでですか?」

 

にこ真姫「…っ……」

 

希「う、海未ちゃん……」アセアセ

 

海未「すみません、続けてください」

 

真姫「……倒した後は急に手のひら返したように、『姉貴!姉貴!』ってなって今に至るわ」

 

海未「………あなたたちが怪我をしなくて本当に良かったです……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「が」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ真姫「……!」ビクッ

 

海未「サッカーボールで人を傷つけるのだけはやめてください……」

 

海未「私からのささやかなお願いです……」ペコリ

 

希(海未ちゃんはもともと争い事は好きじゃない……)

 

絵里(ましてやサッカーポールを喧嘩に使うとなると……)

 

にこ「で、でも!やらなきゃやられてたし……」

 

にこ「海未は……」

 

にこ「にこたちとあいつら、どっちが大切なの……!!」キラキラ

 

海未「にこと真姫ですよ」

 

にこ「んぅ………ぉお……」モジモジ

 

希(相変わらず正直者の海未ちゃんには弱いなぁ……)

 

海未「にこたちの安全が第一です、しかし、それは最終手段にしてほしいです……」

 

海未「サッカーで……」

 

海未「誰も傷ついて欲しくないんです……」

 

にこ「……ごめん……」

 

真姫絵里希「………」

 

海未「しかし、二人が無事で本当に良かったです」

 

海未「もし破廉恥なことをされてたらと思うと……」ワナワナ

 

にこ「あんた想像ぶっ飛びすぎでしょ……」

 

真姫「ほんと……」クルクル

 

希「海未ちゃんはにこっちたちが大好きなんやね」

 

海未「え?あぁ……違いますよ」

 

にこ真姫「え」

 

希「おおぅ……」

 

海未「その……」モジッ

 

海未「わ、私は………」

 

海未「このチームのみんなが好……」

 

ガラララララララ!!!!!!!

 

 

 

 

 

穂乃果「おっくれましたぁぁ!!!」

 

花陽「そ、そんな堂々と……」

 

凛「海未ちゃんの雷が飛んでくるにゃ〜……」

 

ことり「ご、ごめんね〜……」

 

海未「〜〜〜〜〜!!!」ワナワナ

 

海未「穂乃果ぁぁぁぁ!!!」クワッ!

 

凛「ほら〜……」

 

穂乃果「ち、ちが……!ちゃんと理由があるの!!」

 

海未「やっと来ましたか、さあ、練習ですよ」ニコッ

 

穂乃果「……へ?」

 

凛「おお……!珍しく海未ちゃんが怒らないにゃ……」

 

海未「そんなに嬉しいことを言ってくれる凛には特別メニューを授けましょう」

 

海未「まさか………断らないですよね……?」ジロリ

 

凛「は、はいぃ……」ガクガク

 

凛(終わった)

 

海未「……私は先にグラウンドへむかっています」タッタッタッ

 

穂乃果「ほえー……海未ちゃん元気だなぁ」

 

凛「着替えてなかったけどいいのかにゃ?」

 

希絵里にこ真姫「……ふふ」

 

ことり「?どうしたの?」

 

凛「みんなニヤニヤしてるにゃ……」

 

穂乃果「穂乃果たちがくる前に美味しいもの食べてたんだね!?」

 

花陽「違うと思うけど……」

 

絵里「なんでもないのよ……なんでもね」

 

絵里「さ、練習よ!!」

 

穂乃果凛花陽ことり「お、おー……?」

 

 

 

 

 

希(出て行くとき海未ちゃん顔真っ赤やったな〜)

 

絵里(途中までしか聞けなかったけど、嬉しいこと言ってくれるわね)

 

にこ(自分で言って自分で赤面するなんて………)

 

絵里希にこ(後輩がかわいい……)

 

真姫「……」クルクル

 

 

 

 

 

海未(うぅぅ〜〜……////////)タッタッタッ

 

海未(どうしてあのタイミングなのですか……!!!)

 

海未(穂乃果のおばかぁぁ!!!!!)

 

穂乃果「………?」ゾクッ

 

 

 

 

 

 

凛「………ッ……」ピクッ

 

凛「えーっと……」キョロキョロ

 

花陽「どうしたの?」

 

凛「学校来る前少し足挫いちゃって……少し痛みが強くなって来たにゃ」

 

凛「テーピングある?」

 

花陽「あるよ〜、はい!」

 

凛「ありがと〜」

 

花陽「巻いたげるね」シュルル

 

凛「なんだか恥ずかしいにゃ……」

 

花陽「えっと……こうかな?」シュルッ

 

真姫「違うわ、そこの下を斜めに……」

 

花陽「……こう?」シュルッ

 

真姫「違う、まずそっちを巻いてから……」

 

花陽「こうか!」ギュッ

 

凛「っ……ぐ……!」

 

真姫「〜〜!!だからぁ〜!!」

 

花陽「こうだぁ!!」ギュゥゥ!!

 

凛「ぎにゃぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

にこ「代わればいいのに……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日の部室

 

 

にこ「ちょ、ちょ、ちょっとこれ見て!!」

 

ガラララ!!

 

 

 

 

 

 

穂乃果「にふぉふぁんほーひはほ?」もぐもぐ

 

真姫「相変わらず騒がしいわね……」ハムッ

 

希「ことりちゃんこれほんまに自分で作ったん?美味しいなぁ」パクッ

 

凛「これ名前なんていうんだっけ?」モシャモシャ

 

花陽「えーっとね……」ココマデデテル

 

ことり「ありがとう希ちゃん!マーマレードっていうの!」

 

海未「さすがことりですね」もぐもぐ

 

にこ「あら、美味しそうなの食べてるわね、私ももらうわ」

 

ことり「どうぞ〜」

 

にこ「……!」ハムッ

 

にこ「悔しいけど………おいしい……!」

 

ことり「ありがと〜!」

 

海未「これを食べたら練習ですからね、食べ過ぎないように!」ハムッ

 

穂乃果「ふぁ〜い!」モゴモゴ

 

海未「……ッ…」ゴクン

 

海未「あなたに言ってるんです!!」

 

海未「もう3個も食べてるではありませんか……」

 

穂乃果「いやでも……」ゴクン

 

海未「でもじゃありません!」ピリッ

 

海未「まったく……」パクッ

 

凛「ねえねえ、海未ちゃんいくつめだっけ……?」ヒソヒソ

 

希「たしか……」ゴクン

 

花陽「もう5個目だよぉ……」

 

凛「えげつないにゃ〜……」

 

凛「あ、にこちゃんもう一ついっとく?」

 

にこ「もらうわ、ありがと」ピリッ

 

ハムッ

 

にこ「……おいしい」もぐもぐ

 

花陽「そういえば今何時だろ……ケータイ忘れちゃって」モグッ

 

にこ「今は15時45分よ」ムグッ

 

花陽「ありがとにこちゃん」ゴクン

 

絵里「ところで……」ゴクン

 

絵里「にこは何を慌ててたの?」

 

にこ「……っ……!!」ハッ ポロッ

 

希「絶対忘れてたやん」

 

にこ「お、おお覚えてたに決まってるじゃない!」モグモグゴクン!

 

にこ「これを見なさいあんたら!」ピッ

 

花陽「こ、これは……!」ズイッ

 

花陽「私も毎日更新を確認してる高校サッカー協会フットボールフロンティア杯のブログ!!」

 

海未「何かあるのですか?」ズイッ

 

穂乃果「あ!音の木坂って書いてるよ!」

 

真姫(……見えない)ぴょんぴょん

 

にこ「読んであげるわ!」

 

にこ『新参校ながら強豪校をバッタバッタとなぎ倒し、一躍優勝候補に名乗りを上げた無名校、音の木坂学院』

 

『なんと予選決勝ではあのUTX高校を逆転勝利で破り、本選へと駒を進めた』

 

『今大会のダークホースになることは間違いないだろう』

 

穂乃果「ほわ〜……すごい書かれようだね……」

 

花陽「さらにコメントも沢山です!」

 

真姫(見えない……)ユラユラ

 

にこ「順番に読むわよ?」

 

『マグレだろどうせww』

 

『今が一番楽しい時』

 

『本選ですぐに負けるに一票』

 

絵里「ふふ、ひどい言われようね」

 

凛「なんで嬉しそうなの?」

 

絵里「私たちが優勝したらこの人たちどんな顔するのかって想像するだけでワクワクしてくるわ」フフフ

 

真姫「あなた結構歪んでるわね……」

 

にこ「ここ!ここよ!」ツィー……

 

『正部員9人でとか化け物かよ』

 

『あれ、後三人いなかったか?』

 

『助っ人的なポジションだって言ってたぞ』

 

『マネージャー兼選手みたいな感じか』

 

『にしてもよく勝ったよな』

 

『中学生助っ人が強かったんじゃね?』

 

『言っても決めたのはみんな部員だぞ?』

 

『キーパーも止めてるしな』

 

『やべぇ俺もいける気がして来た』

 

『この9人まとめてなんかないか?』

 

『神9!』

 

『お前ネーミングセンスどこで落としたんだよ』

 

『母ちゃんの腹のなか……かな』

 

『μ'sでどうだ』

 

『なんて意味?』

 

『9人の歌の女神とかそんな感じ』

 

『[音]の木坂とかけてんのかすげぇな』

 

『職人現る』

 

『なんてよむの?』

 

『ミューズだよバカ』

 

『みゅーずがんばれー!』

 

『てか写真見たかよ、全員顔面偏差値高すぎだろ』

 

『【速報】μ'sまじで女神だった』

 

『誰かやると思ったwww』

 

『燃えてきた』

 

『萌えると掛けたのか』

 

『いいんだよそんなところ凝らなくて』

 

 

 

 

穂乃果「おぉ……」

 

にこ「私たち、ネットで名前つけられるぐらい人気出てきてるってことよ!」

 

花陽「A- RISEみたいだね!」

 

凛「μ's……か」

 

希「雪穂ちゃんと亜里沙ちゃんが入ってないね」

 

海未「……私は反対です」

 

海未「二人あっての音の木坂ですから」

 

穂乃果「ヒデコたちもね〜」

 

真姫「……」クルクル

 

にこ「ま、こんな感じかしらね」

 

花陽「でも、これで私たちを応援してくれる人がいるってわかったね!」

 

希「そういう人達がいるってだだけで嬉しいね」

 

穂乃果「よーし!バカにしてる人たちをギャフンと言わせるぞー!」

 

「おー!」

 

穂乃果「応援してる人たちの期待に応えるぞー!」

 

「おー!」

 

穂乃果「廃校救って優勝するぞーー!!」

 

「おーー!!」

 

 

 

 






最近昼過ぎにしか呆れずに絶望しています



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「もうすぐ本選!」



クラロワ動画見るのが楽しい乾電池です

ライキさんのいい人感は異常




 

 

 

 

練習

 

タッタッタッ

 

凛「はぁ……はぁ……」タッタッタッ

 

希「行かせんよ!」ザッ

 

凛「にゃぁ!!」クルッ バッ!

 

希「そんな動きあり!?」ガクッ

 

 

 

 

 

花陽「………ふっ!」ズザッ

 

亜里沙「うわぁ!」ガクッ

 

花陽「ドリブルの時一瞬足元が空いちゃうときあるからそこを気をつけて」

 

亜里沙「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

海未「はぁ!!」ザザッ!

 

ことり「きゃぁ…!」ズザッ

 

真姫「ゔぇぇ…!?」ガクッ

 

海未「二人とも簡単に抜かれすぎですよ!」

 

ことり「ひぃぃ〜……!」

 

真姫「ディフェンスってあんまりしたことないのよね……」

 

海未「たるみすぎです!!」

 

「それじゃあこのにこにーが相手になるわよ?」ザッ

 

 

 

 

 

 

ガガッ!!

 

海未「…!?」ズズッ

 

にこ「ほらほら、どうしたのよ海未!」ガガッ!!

 

海未「…っく…!!」ズザザッ!

 

海未(ここまで懐に入られるとやりにくいですね……さすがにこです……)

 

海未(………が)

 

クルッ

 

にこ「んなっ!?」ガクッ

 

海未「もうひと押し欲しいですね」トッ

 

にこ「……っち、やるわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「………ほぇー……」

 

真姫「……すごい……」

 

海未「……!」ハッ

 

海未「何ぼさっとしてるんですか!次はあなた達ですよ!」

 

ことり真姫「……はい」

 

ことり真姫(……レベルが違う……)

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「………みんな成長してるんだなぁ……」

 

ドキュッ!!

 

穂乃果「…………」ボーー……

 

「!?穂乃果!?」

 

穂乃果「……っへ?」クルッ

 

ドゴォ!!

 

穂乃果「ヘブチッ!!」

 

ドサッ

 

絵里「ちょ……大丈夫?」タッタッタッ

 

穂乃果「うぅ……だいじょばないぃ……」グズグズ

 

絵里「どうしてシュート練の時によそ見なんてするのよ……」

 

穂乃果「だってぇ……」

 

凛ママ「おーい!次のメニュー行くぞー!」

 

みんな「はーい!」

 

絵里「ほら、泣かないの」

 

穂乃果「ヴヴヴヴヴヴ…………」グズグズ

 

凛ママ「ちなみに今から本番な、今までのはウォーミングアップみたいなものだから」

 

みんな「………え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

練習終わり

 

ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ……

 

花陽ママ「皆さん明日はいよいよ試合ですね〜!」

 

凛ママ「がんばれー!」

 

絵里「試合前に……はぁ、こんなにきつい練習……」ぜぇ……ぜぇ……

 

海未「明日……大丈夫でしょうか……」ハァ ハァ

 

穂乃果「もー!みんなどうしてそんなに弱気なの!」

 

穂乃果「ファイトだよ!」

 

穂乃果「…………はぁーー……」ガクッ

 

ことり「無理して強がるから……」はぁ…はぁ…

 

ことり「起きて〜……!」ツンツン

 

真姫「水分は……とっときなさいよ……」フラフラ

 

凛「あ……あぁ……」ズズズッ

 

花陽「……ニンゲン……クウ……」ズズズッ

 

にこ「まずいわ、花陽が人間をやめかけてる……」ハァハァ

 

希「凛ちゃんも限界なんて珍しいね」ハァハァ

 

凛「秘密兵器の……特訓だにゃ…」ハァ

 

絵里「へー、なんて技なの?」

 

凛【かよちんロケット!】

 

穂乃果「おぉ……!カッコいい!」

 

凛「でもかよちんが怖がってなかなか進まないんだにゃ〜」

 

花陽「あれは怖いよぉ……」

 

にこ「別にどんな技でもいいけど怪我だけはしないようにしなさいよ」

 

花陽「にこちゃんに私たちの技を授けます……!」

 

凛「【にこちゃんロケット】だにゃ!」

 

にこ「熨斗紙つけて送り返してやるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後公園

 

絵里「っく……!」ハァハァ

 

真姫「はぁ……!!はぁ……!!」ぜぇぜぇ

 

絵里「真姫、大丈夫?少し休んで……」

 

真姫「もう一回よ!!」ゼェ……ゼェ……

 

絵里「真姫……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

絵里「真姫、ちょっといいかしら」

 

真姫「どうしたの?」

 

絵里「私と……合わせ技をして欲しいの」

 

真姫「【ファイアトルネード】と【エターナルブリザード】を組み合わせるんじゃなくて、二人で一つの技ってことね」

 

絵里「手本はあるわ」

 

真姫「【ファイアブリザード】でしょ?」ニヤッ

 

絵里「ハラショー……!さすがね」

 

真姫「いいわ、早速明日から始めましょう」

 

真姫(【爆熱ストーム】はひとまずお蔵入りかしらね)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

真姫絵里「はぁぁぁぁ!!!」バッ

 

ブワァァァァ!! ブワァァァァ!!

 

 

真姫絵里【ファイアブリザード!】

 

ドキュゥゥゥ!!!!!

 

ゴォォォォォオ!!!!!

 

ゴォォォォォオ………

 

シュルルルルルル………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テンテンテン ………

 

真姫「………!」ギリッ

 

真姫(ママたちにできて、私たちにできないなんて……)

 

真姫「………っ」ジャリッ

 

絵里(真姫のストレスがかなり溜まってる……)

 

絵里(これ以上は明日の試合に支障が出るわね………)

 

絵里「今日はこの辺にしておきましょう」

 

真姫「……!で、でも……!」

 

絵里「真姫、私たちは優勝を目指してるの」

 

絵里「そのためには、目先の一戦を甘くみてはいけない」

 

真姫「………わかったわ」

 

絵里「ふふ、大丈〜夫よ」ナデ…

 

真姫「……!」ビクッ

 

絵里「私だってこのままで終わる気なんてないんだから」ナデナデ

 

真姫「………ならいいけど」ナデナデ

 

真姫「………」ナデナデ

 

真姫「……!」ハッ

 

真姫「撫でないで!」

 

 

 

 

 

 

別の公園

 

凛「いにゃ!?」ドサッ

 

花陽「うぐぅ……!」ドサッ

 

凛「ご、ごめんかよちん!」スッ

 

花陽「ううん、大丈夫!」ガシッ

 

凛「……かよちん、ほんとは嫌じゃない?」グイッ

 

花陽「……私は、凛ちゃんと一緒にできるだけで楽しいよ」ニコッ

 

凛「かよちん……」

 

凛「……!メガネ落ちてるよ」ヨイショ

 

凛「はい、かよちん」スッ

 

花陽「ありがとう凛ちゃん」スチャッ

 

凛「………」

 

花陽「凛ちゃん?」

 

凛「あ、いや……!……えっとね」アワアワ

 

凛「真姫ちゃんと一緒にここで練習したなって」

 

花陽「あの技の?」

 

凛「うん!何回も何回も大変だったにゃ〜!」

 

花陽「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、ひどい言いようね」

 

凛「にゃ!?」クルッ

 

にこ「……手伝うわ、人手があったほうがいいでしょ?」

 

花陽「にこちゃん!」パァァ!

 

凛「にこちゃぁん!」ガバッ

 

にこ「んなぁぁぁ………!!」グググッ

 

花陽「ぁ………」

 

にこ「降りなさい」ペイッ

 

凛「うぐっ……!」ドサッ

 

にこ「さ、始めるわよ」

 

にこ「何回も何回も……ね」パチン

 

花陽「……うん!」

 

凛「にゃーー!!!やるにゃー!!」ガバッ

 

ガラララララララ!!!!!

 

「ゴラァ!!誰だこんな時間に騒いでんのはぁ!!!」

 

凛「………にゃ〜」

 

「………なんだ猫か……」

 

ピシャリ

 

凛「………やるにゃー!」ヒソッ

 

にこ花陽「おー!」ヒソッ

 

 

 






次からはようやく試合回です!



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第3話「vs戦国伊賀島」



好きなジャンルのキャラの誕生日が連続しててお絵描きが捗っている乾電池です

ファットガム、アニメ本当に楽しみにしてるよ!!




 

 

 

 

 

 

 

試合前バス停待ち合わせ

 

 

 

 

亜里沙「ふぁ〜……」コシコシ

 

絵里「まだ少し眠い?」

 

亜里沙「うん、緊張して眠れなかった……」

 

にこ「で、あと来てないのは……」

 

海未「雪穂と穂乃果ですね」

 

海未「大方穂乃果が寝坊したんでしょう」はぁ……

 

ことり「早くしないとバスでちゃうよぉ〜……」

 

ドタバタドタバタ!

 

穂乃果「ぎ、ギリギリセーフ!!!」ズザザザ!

 

雪穂「アウトだよ……ゲホッ、ほんとすみません……」ハァハァ

 

穂乃果「……!ハンカチ忘れた……」

 

雪穂「ちゃんとあるよ、はい、ティッシュも」スッ

 

穂乃果「ありがとう雪穂〜!」ギュッ

 

雪穂「次からは気をつけてよね」ヤレヤレ

 

海未「どちらが姉かわかりませんね……」

 

絵里「まったく……リーダーが遅刻なんて……」

 

穂乃果「ぅ……ぅえりちゃぁん……ギリギリ間に合ったから……ね?」

 

穂乃果「少し大目に……」

 

凛「10分前集合は基本だって言ってなかったかにゃ?」ニヤニヤ

 

穂乃果「気にしなくていいよ、凛ちゃん」

 

凛「自分で言うことじゃないにゃぁ!!」

 

ヒデコ「おーい!穂ー乃果ー!!」ブンブン

 

フミコ「こっちだよ〜!」

 

海未「では行きましょうか」ヨイショ

 

ミカ「μ's御一行ご案な〜い!」

 

一同「………ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「ちょ、ちょっと待って…?」

 

穂乃果「知ってたの!?」

 

ヒデコ「ふっふっふ、我らの情報網を甘く見てもらっちゃ困るよ」ドヤッ

 

ヒデコ「この……」

 

ザザザッ

 

ヒデコ「助っ人五人衆をね!」

 

亜里沙雪穂 フンス…!

 

絵里「亜里沙……」ハァ

 

穂乃果「で、でも……!μ'sは9人って……」

 

穂乃果「私たちは……この14人のメンバーが私たちで」

 

ヒデコ「とか考えてるんだろうなってみんなで話したんだよ……」

 

ヒデコ「………穂乃果」

 

ヒデコ「私たちは助っ人だよ」

 

フミコ「そう、いわば脇役、サポート係」

 

ミカ「メインの穂乃果たちが目立たなくてどうするのさ!」

 

雪穂「みなさんが……μ'sがどこまでいくのか見てみたい」

 

亜里沙「私たちは、少しでも走りやすくなる手助けができればそれでいい!」

 

穂乃果「みんな……」

 

ヒデコ「せっかく吹いてる追い風を止めるなんて真似、絶対しちゃダメだよ」

 

穂乃果「……わかった」

 

海未「穂乃果……!」

 

穂乃果「ただし!」

 

穂乃果「気持ちはみんな一緒だからね」

 

ヒデコ「……うん」ニコッ

 

にこ「……」

 

にこ「なんていうか私たちって………周りに助けられて活動してんのね」

 

希「おぉ……!にこっちらしからぬ発言……!!」

 

にこ「たまにはいいでしょ?こういうのも」

 

希「自覚はあったんやね」

 

にこ「はっ倒すわよあんた」

 

凛「μ'sか〜……!」

 

花陽「実はちょっと気に入ってたり……なかったり……」

 

真姫「これだけ励まされちゃやるしかないでしょー?」

 

穂乃果「よーし!今日の試合、絶対勝つぞー!」

 

「おーー!!」

 

監督「お前ら早くしろぉ!!!バスが来てる!!」

 

ブロロロロロ!!!

 

穂乃果「や、やばっ…!」

 

穂乃果「急げー!」ダッ!

 

海未「あ、こらっ…!シューズ忘れてます!」

 

ことり「水筒もだよぉ〜…」

 

にこ「急ぐわよあんたら!」グイッ

 

真姫「にこちゃんそれ私の荷物!」

 

真姫「にこちゃんのはこっちよ!」スッ

 

希「真姫ちゃんそれウチの!!」

 

花陽「あれ……!?財布どこしまったっけ!?」ガサゴソ

 

凛「今かよちんが手に持ってるにゃぁ!!」

 

絵里「ウイダー忘れた……」ゴーン

 

 

 

 

 

 

 

ヒデコ「……こんなんで大丈夫かなぁ……」

 

ミカ「もしこれで今日負けたら……」

 

フミコ「今の一連の流れ……」

 

(((恥ずかしいよね……)))

 

監督「はぁ……」

 

 

 

 

 

 

戦国伊賀島 グラウンド

 

 

 

 

海未「んーっ………!」ノビー

 

絵里「疲れがイマイチ抜けてないわね……」グイグイ

 

凛「にゃー!試合だにゃー!」ピョンピョン

 

真姫「どうしてそんなに元気なのよ……」はぁ……

 

花陽「ずっと練習ばっかりだったから嬉しいんだと思うよ」

 

花陽「あ、凛ちゃんこれ……」スッ

 

凛「絆創膏?」

 

花陽「凛ちゃん今日歩き方違和感あったから……」

 

花陽「足少し擦りむいてるでしょ?」

 

凛「あ、ありがと……」

 

花陽「ちゃんとケアしないと跡残っちゃうよ?」スリスリ

 

花陽「せっかく綺麗なんだから」ニコッ スリスリ

 

凛(見えないとこの怪我なのに……)

 

花陽「?」スリスリ

 

凛「って、撫ですぎにゃぁ!」

 

雪穂「亜里沙、頑張ろうね!」

 

亜里沙「もちろん!」

 

絵里「あんまり気負いすぎないようにね」

 

希「今日の相手は忍者かぁ〜」

 

にこ「UTXに比べたら可愛いもんよ」

 

テクテクテク

 

 

 

 

 

 

審判「音の木坂、アップを始めてください」

 

ことり「は〜い!」

 

 

 

 

 

 

 

ドッ トッ ドキュゥ! バシッ

 

凛「ほっ!」ドッ

 

花陽「よっ……と」トッ

 

花陽「んっ…!」ドッ

 

ポーン…

 

凛「にゃ!?」

 

花陽「あ、凛ちゃんごめ……」

 

シュバッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

トッ

 

スタン……

 

凛「あ、ありがとうございます……」

 

「………」

 

凛「えっと……まだ何か?」

 

「絢瀬絵里か西木野真姫と勝負がしたい」

 

凛「え、えーっと……?」

 

凛(見ればわかる……)

 

凛(やばいやつだにゃー……!!)ゴーン

 

タッタッタッ

 

にこ「どうしたの?」

 

凛「この人が絵里ちゃんか真姫ちゃんと勝負がしたいんだって」

 

にこ「はぁ?……はいはい、とっとと帰りなさい、今ならなかったことにしてあげるから」

 

「はぁ……」

 

「負けるのが怖いのか?飛んだ腰抜け集団だな」

 

凛「そんなわかりやすい挑発に乗る人なんていな……」

 

にこ「はぁぁん??いいわ、やってやろうじゃない……!!」

 

凛「にこちゃんは平常運転だね……」トホホ…

 

にこ「で、あんた名前は?」

 

「お前に名乗るなはない」ババーン

 

にこ「……いい度胸してるじゃない」ピクピク…!

 

凛「にこちゃんの血管が持ちますように」

 

「じゃあ二人のうちどっちを……」

 

にこ「花陽よ」

 

………………

 

 

 

 

 

 

 

「……ん?」

 

凛「へ?」

 

にこ「花陽ー!出番よー!」

 

花陽「え?え?」タッタッタッ

 

にこ「あんた、こいつと勝負しなさい」

 

花陽「……まじですか……」

 

にこ「大マジよ」

 

「お、おい…!話が違うだろ!」

 

にこ「はぁぁん??あんたの要求飲んでやったんだから人ぐらいこっちで選ばせなさいよ」

 

「で、でも……」

 

にこ「はぁぁぁんんん???」

 

「………」

 

凛「あれアイドル志望の顔じゃないよね?」

 

花陽「凛ちゃんシーー……!!」アワアワ

 

 

 

 

 

 

 

海未「まったく、何をしているのかと思えば……」

 

真姫「……どっちが勝つと思う?」

 

凛「カヨちんにラーメン一杯にゃ!」

 

希「うちも花陽ちゃんにお米一粒!」

 

ことり「もう少し奮発してあげようよぉ〜……」

 

希「米俵一俵!」

 

ことり「やりすぎだよぉ……」

 

雪穂「花陽さーん!がんばれー!」

 

「ルールは簡単だ」

 

「ドリブルで向こうのラインまで走って行って、Uターンして返ってくる、いいな?」

 

花陽「は、はい……」

 

にこ「じゃいくわよ?」

 

にこ「位置について……」

 

ジャリッ

 

にこ「よーい……」

 

グッ

 

にこ「……ふ……」ムズッ……

 

 

 

 

 

 

にこ「フェックシュン!!」

 

ダッ!

 

にこ「ちょ、ちがっ……ああもう!」

 

希「あっはははは!!!」

 

にこ「うるっさいのよあんた!」

 

希「あはははは!!!斬新すぎやんにこっち!」

 

ことり「ふふ……ふふふ……!」プルプル

 

穂乃果「ナイスくしゃみだよ!にこちゃん!」

 

亜里沙「ハラショーです!」

 

にこ「うるさい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「………なんか盛り上がってますね」タッタッタッ

 

「そうだな」

 

花陽(ここでUターン……)

 

クルッ クルッ

 

絵里「ここまでは互角ね」

 

穂乃果「がんばれー!花陽ちゃーん!」

 

霧隠(こいつ……遅くはないが特別速いわけじゃない……)

 

(ハズレをつかまされたか……)

 

「………ッチ」

 

花陽「ヒッ……!」ビクッ

 

(こうなったらぶっちぎって勝ってやる……!)

 

グンッ!!

 

花陽(……!格段にスピードが上がった…!)

 

花陽(……私だって!)グッ

 

グンッ

 

「……その程度か……」

 

「がっかりだ」ダッ!

 

花陽(追い……つけない…!!)タッタッタッ

 

フッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュバッ

 

「なっ……!」

 

花陽「だ、誰!?」

 

「……勝手なことをするな」

 

「試合前に……」

 

「……邪魔するな」

 

風磨「戻るぞ霧隠」

 

初鳥「すまなかった」ペコッ

 

霧隠「……ちっ」

 

ドロンッ!

 

花陽「え?……は、はい……」キョトン

 

 

 

 

 

 

 

花陽「……」トボトボ

 

にこ「お疲れ花陽」

 

希「お疲れさん、花陽ちゃん!」

 

海未「まったく……試合前にわざわざ疲れることをするなんて……」

 

花陽「ご、ごめんなさい」ショボン

 

審判「音の木坂ー!整列してください」

 

絵里「さ、行きましょう」

 

穂乃果「みんなー!絶対勝つよー!」

 

一同「おーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

花陽「ねえにこちゃん……」

 

にこ「どうしたの?」

 

花陽「どうして……花陽を出したの?」

 

花陽「絵里ちゃんと真姫ちゃんが疲れないため?」

 

にこ「……あんた」

 

にこ「自分が捨て駒に使われたと思ってるの?」

 

花陽「………」コクリ

 

にこ「……はぁー…」ポリポリ

 

にこ「いや、説明しなかったにこが悪いわね」

 

花陽「?」

 

にこ「……向こうのエース、どうだった?」

 

花陽「………?」

 

にこ「あんたが一番得意でしょうが、情報収集」

 

花陽「……!は、はい!」

 

花陽「スピードは凛ちゃんと同じかそれ以上、近くで見た感じフィジカルはそんなに強くなく負けず嫌い」

 

花陽「あとは細かい癖が少々……」

 

にこ「ふふ、さすが花陽ね」

 

花陽「にこちゃん……」

 

 

 

 

 

 

 

凛「二人で何いちゃいちゃしてるにゃーー!!」

 

真姫「もう………整列よ?」クルクル

 

にこ「はいはいただいま〜」スタスタ

 

花陽「ま、まってぇ〜!」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間母(以後角間)「始まりましたフットボールフロンティア本選第一回戦!!」

 

角間「一体どちらのチームが次の対決へと駒を進めるのでしょうかぁ!!」

 

 

 

FW

絵里、真姫

 

MF

海未、希、にこ、ことり

 

DF

雪穂、亜里沙、花陽、凛

 

GK

穂乃果

 

 

 

 

 

 

角間「なぁんとぉ!!UTXの助っ人、絢瀬亜里沙が音の木坂の助っ人へと移りました!!」

 

角間「これからの活躍に期待です!!」

 

 

 

 

 

ピーーーーーーー!

 

角間「今、試合開始のホイッスルが鳴らされました!!」

 

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

予選決勝次の日

 

 

ウィーーン

 

ゾロゾロゾロ

 

ツバサ「……なにか御用でしょうか?」

 

監督「……何かじゃないだろう?」

 

ツバサ「音の木坂に敗北したことでしたら本戦で………」

 

監督「俺は決勝で……」

 

監督「音の木坂を潰せと言ったはずだ」

 

ツバサ「……」

 

監督「それができないなら手足をもがれてでも勝てと……」

 

ツバサ「……はい」

 

監督「よくわからん助っ人も入れて結局負けるとはな……」

 

ツバサ「………」イラァ

 

監督「………」フゥ……

 

監督「………お前たちはもういい」

 

一同「……!!」

 

ツバサ「………用済みということですか」

 

監督「その通りだ」

 

MF2「〜〜〜!!」

 

MF2「ふざけんな!!」ガンッ!

 

DF2「……やめーや」スッ

 

MF2「なんで止め……!」

 

DF2 ……

 

MF2「……っ…」

 

あんじゅ「今のメンバーより強い子達なんているの?」クルクル

 

エレナ「……考えられないな」

 

監督「……それはこちらで判断する」

 

MF1「いないのでしょう?」

 

MF3「いるわけないっすよね」

 

MF3「今から新しい子を入部させようとしても規定で出場はできないっす」

 

MF3「残りのメンバーでは音の木坂には勝てない」

 

MF3「手詰まりっすよ、監督」

 

DF1「自分のいうこと聞く駒が反抗的になったらやめさせるとか……」

 

DF1「バ〜〜〜ッカじゃないの?」

 

GK「……!!……!〜〜!」

 

あんじゅ(隣からものすごくか細い声が聞こえる……)

 

監督「貴様ら……」ガタッ

 

ツカツカツカ

 

スッ

 

ツバサ「………」

 

監督「……誰に向かってそんな口を聞いている?」

 

ツバサ「あなたですよ、監督」

 

監督「……いいだろう、貴様ら全員……」

 

「はーい、ちょっとそこまで」

 

 

 

 

 

 

 

 

一同「……!?」バッ

 

「ここからは私が仕切らせてもらうよ」

 

ツバサ(いつの間に部屋に……)

 

あんじゅ(ドア……開かなかったんだけど……)

 

エレナ(……気配すらしなかった……)

 

(まるで……)

 

 

 

 

 

 

 

 

(突然現れたようだ………)

 

GKDF1「……」フルッ……

 

あんじゅMF2「……」スッ マエニタツ

 

GKDF1「……!」ギュッ スソツカミ

 

監督「貴様……誰の部屋に無断で入っていると思っているんだ?」

 

「え?えーっと……」

 

「私?」

 

監督「俺の部屋だ!!」

 

「?だってここ、UTX高校サッカー部の監督の部屋でしょ?」

 

監督「だから俺の……」

 

「私が監督になったから」

 

監督「………は?」

 

「みんなにも自己紹介しないとね」

 

コホン

 

「今日から監督になることになりました!よろしくね!」

 

一同「………」

 

「あれ……何か間違った?」

 

監督「間違いだらけだ!!」

 

監督「なん……なんだ?」

 

DF1「ぷぷ、監督テンパってる……」

 

MF2「やめとけバカ」

 

「ちゃんと理事長から許可ももらってるよ」ピラッ

 

監督「なっ……!」

 

「自分がうまくチームをまとめられないからってこの子たちに当たるのはちょっとお門違いなんじゃないかなぁ」

 

「このチームはまだまだ強くなる、あなたがいなければね」

 

「さっさと出て行きなって」

 

監督「………!!」ダッ

 

ガンッ

 

監督「っぐ……!」ヨロッ

 

ウィーーン

 

タッタッタッ………

 

 

 

 

 

 

 

 

「………さて、何か質問はある?」

 

ツバサ「なにから聞けばいいかわかりませんが……」

 

ツバサ「私はまだあなたを信用したわけじゃありません」

 

「……それでもいいよ」

 

エレナ「私たちはこのまま試合に出て良いんだな?」

 

「うん!決勝で音の木坂と戦ってもらわないと!」

 

あんじゅ「随分具体的ですね?」クルクル

 

「それが私の目的だからね」

 

DF1「はいはーい!名前教えてください!」

 

「じゃあ……おねーさんって呼んでね!」

 

MF1「……お名前は」

 

「おねーさんで」

 

DF2「やから名前……」

 

「おねーさんだよ」

 

MF3「必死っすね……」

 

お姉さん「高校生の君たちが眩しいんだよぉ……お姉さんでいさせてよ……」

 

MF3「なんか悲しい話になってきたっすね」

 

お姉さん「ま、まあそれは良いとして……」コホン

 

お姉さん「君たちに特別メニューを授けるよ」

 

一同「?」

 

お姉さん「一回戦勝ったらね」

 

ズコー!

 

DF1「今でいいじゃん!」

 

MF1「もったいぶりますね……」

 

お姉さん「さ、みんな!今日は帰った帰った!」

 

マーオオゴトニナラナクテヨカッタナー

 

ジュウブンナッテルトオモウケド

 

…….ソレモソウデスネ

 

お姉さん「あなたは帰らなくていいの?」

 

ツバサ「いえ……」テクテク

 

ピタッ

 

ツバサ「間違いでしたらすみませんが……」

 

ツバサ「……どこかで会いましたか?」

 

お姉さん「……いや?」

 

ツバサ「……そうですか」テクテク

 

ウィーーン

 

ツバサ「……今日はありがとうございました」ペコリ

 

ウィーーン

 

お姉さん「………」ッ…ハァーーー……

 

お姉さん「ツバサさん勘鋭すぎでしょ……」フゥ……

 

お姉さん(私ですら怪しまれるなんて……)

 

 

 

 

 

 

 

戦国伊賀島vs音の木坂、試合会場

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

角間「………」

 

角間「後半もいよいよ大詰めを迎えておりますが…………」

 

角間「これは一体どういうことでしょうかぁ!!」

 

にこ「想像以上……ね」はぁはぁ

 

海未「これほどとは……」

 

0-3

 

 

 

 

 






後々μ’sという括りを使うつもりなのでかなり無理やり入れさせてもらいました(>人<;)



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「守備の要、小泉」



最近絵を描くことが楽しすぎる乾電池です

風邪が流行ってるので気をつけてくださいね




 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦国伊賀島vs音の木坂、試合会場

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

角間「………」

 

角間「後半もいよいよ大詰めを迎えておりますが…………」

 

角間「これは一体どういうことでしょうかぁ!!」

 

にこ「想像以上……ね」はぁはぁ

 

海未「これほどとは……」

 

0-3

 

 

 

 

 

 

 

花陽「はぁ……はぁ……」ハァハァ

 

霧隠「…………」

 

 

 

 

 

 

 

霧隠「………」ギリッ

 

戦国伊賀島0-3音の木坂

 

角間「残り時間わずか、ここまで危なげなく進めているぞ音の木坂ぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

初鳥「霧隠!」ドッ

 

霧隠「ああ…!!」トッ

 

花陽 ザッ

 

霧隠「……!」ビクッ

 

霧隠(またこいつ……)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

花陽【ディフェンス方程式!】

 

シュバッ!

 

霧隠「……くそ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

霧隠「ッ……邪魔なんだよ!!」バッ

 

霧隠「伊賀島流忍法……」

 

 

 

 

 

霧隠【ざんぞう!】ブゥン

 

花陽「……はぁ、はぁ」ダッ!

 

霧隠「っ……!よしっ!」タッタッタッ

 

霧隠「うぶっ……!?」

 

ググググ……!ブワァ!

 

霧隠「くそっ……!」ドサッ

 

テンテンテン……

 

雪穂【ハンターズネット】トッ

 

角間「またもや止めたぁぁ!!未だ一度もディフェンスラインを突破されていない音の木坂!!一体何が起こっているんだぁ!?」

 

海未「やはり今……」

 

にこ「ええ、花陽が意図的に相手を抜かしてコースを限定させていた」

 

希「そこにあらかじめ罠を張った……と」

 

海未「花陽がいるだけでここまで守備のレベルが上がるんですね……」

 

ことり「かよちゃんすごい!」

 

雪穂「希さん!」ドッ

 

希「ほいほ〜い!」トッ

 

石川「せめて追加点は……!」バッ

 

希「ふふ……」ニコニコ

 

石川「ッ……!……笑うな!!」

 

 

 

 

 

石川【しこふみ!!】ドォッ!!

 

グラグラグラ!!

 

希「……もっと強いの知ってるからなぁ……」グラグラ

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

DF2【スーパーしこふみ!】

 

ドゴォォォォォォォ!!!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

希「ごめんね」ダッ

 

石川「くそ……!!」

 

希「えりち!」

 

絵里「ええ!」タッタッタッ

 

高坂「いかせるか!!」バッ

 

 

 

 

 

高坂【かげぬい!!】

 

絵里「きゃぁ!」ドサッ

 

テンテンテン……

 

高坂「初鳥!」ドッ

 

初鳥「霧隠!」ドッ

 

霧隠「……ああ!!」トッ

 

角間「おおっと!!先ほどとは反対のサイドから展開するつもりだ!!」

 

亜里沙「はぁ!」バッ

 

霧隠「ふん……!」クルッ

 

亜里沙(甘い…!)ジャリッ

 

霧隠「っ……ちっ…!」ピタッ

 

霧隠(うざったい)ジロッ

 

花陽「………!」ハッ

 

花陽(あの目……さっきまでと違う……危険な感じ……)

 

霧隠 スゥー……

 

花陽(あの動作……事故に見せかけての肘打ち……?)

 

亜里沙(いける!)バッ

 

花陽(亜里沙ちゃんは気づいてない…)

 

花陽「どうしよう……!」キョロキョロ

 

凛「………にゃ?」キョトン

 

花陽(ッ……もうやるしかない!)

 

 

 

 

 

 

 

花陽「凛ちゃん!」

 

凛「な、なに!?」

 

花陽「花陽を亜里沙ちゃんのところまで飛ばして!」

 

凛「え……?い、今?」

 

花陽「今!」

 

凛「で、でも……!」アタフタ

 

花陽「いくよ凛ちゃん!」バッ

 

凛「〜〜!よく分からないけど分かったにゃ!」バッ

 

花陽「ほっ!」バッ

 

ググググ!!!

 

花陽(あ、待って、めちゃめちゃ怖い)

 

花陽「り、凛ちゃん、そんなに全力じゃなくても……」

 

凛【かよちんロケットォォォ!!!!】グンッ!

 

花陽「ダ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「ダレカタスケテー!!!」ピューン!

 

 

 

 

 

 

 

 

霧隠(このまま自然に……)グワッ!

 

「ダレカタスケテー!」

 

霧隠「……ん?」

 

花陽「亜里沙ちゃぁん!!」ガバッ

 

亜里沙「うわぁぁ!!」ガシッ

 

ゴロゴロゴロ!!

 

霧隠「っ……!」ブンッ

 

亜里沙「……!」ゴロゴロ!

 

亜里沙(今の動き……)

 

霧隠「……!」ハッ

 

霧隠「俺……今……」

 

霧隠(何しようとしたんだ……?)チラッ

 

亜里沙「………」

 

霧隠「ッ……」ダッ

 

角間「霧隠がついにディフェンスを突破したぁ!!」

 

 

 

 

 

霧隠【つちだるま!】ドキュッ

 

 

ゴロゴロゴロ!!バキィン!!

 

ゴォォォォォオ!!!!

 

 

 

 

 

 

穂乃果 バッ

 

ゴォォォォォオ!!!!

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

グググッ……!

 

ドシュルルルルル……!!

 

 

 

 

 

 

穂乃果「………?」

 

ピッピッピーーーーーーーーーー

 

 

角間「ここで試合終了!!勝ったのは音の木坂だぁ!!!」

 

ありがとうございましたぁ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「………」グーパーグーパー

 

ヒデコ「一回戦突破おめでとー!」

 

穂乃果「…!う、うん!やったよ!」

 

絵里「疲れは残ってたけど思ってたより動けたわね」

 

凛「それよりなんでかよちんは亜里沙ちゃんに突っ込んで行ったの?」

 

ことり「すごく飛んでたね」

 

花陽「それは……その…」

 

亜里沙「……?」

 

亜里沙(どうして言わないんだろう……)

 

海未「……まあ良いではありませんか、だれも怪我がなくて良かったです……ね?」パチッ

 

花陽「……!う、うん!」

 

 

 

 

 

 

「……その……」

 

花陽「あなた……!」

 

凛「………どうして大きなたんこぶ二つもつけてるの?」

 

風魔「こいつがラフプレーしようとしてたからな」

 

初鳥「ほら、ちゃんと謝れ」グイッ

 

霧隠「……すまなかっ……」

 

ゴチンッ!!

 

霧隠「ッ…!!ほ、本当にすみませんでしたぁ!!」土下座 ポロポロ

 

花陽「なんであんなことしたんですか?」

 

霧隠「つい……かっとなって……」

 

霧隠「止めてくれて助かった、ありがとう」ペコリ

 

にこ「そーよ、花陽に感謝しなさい」

 

絵里「大事にならなくて良かったわ」

 

海未「またサッカーしましょう」

 

花陽「みんな……気づいてたの?」

 

真姫「もちろん」クルクル

 

ことり穂乃果凛(気づかなかった……)

 

霧隠「次の試合……俺たちの分も頼んだ」

 

風魔「勝ってくれよ」

 

初鳥「よろしくたのむ」

 

ザッザッザッザッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂「ぅ〜〜……!!」ググーッ……

 

穂乃果「疲れた?雪穂」

 

雪穂「おねーちゃんはほとんど動いてないから疲れてないのか……」ジトー

 

穂乃果「今日はみんながすごかったからね!」ドヤッ

 

雪穂「頼むよ?おねーちゃんは最後の砦なんだから」

 

穂乃果「うん!まかせて!」ドンッ

 

雪穂「はぁ……帰ったらすぐ寝れそう……」

 

穂乃果「みんなー!雷雷軒いく?」

 

「…………」

 

穂乃果「あれ?どうしたの?」

 

絵里「穂乃果……私たちね…」

 

花陽「もう……限界です……」

 

雪穂「みんな疲れてるんだよ……」

 

監督「………今日は解散だな」

 

穂乃果「そっかぁ……じゃあみんなの荷物持つよ!頑張ってくれたお礼に!」

 

海未「それじゃあお言葉に甘えて………」ドサッ

 

絵里「ええ……」ドサッ

 

にこ「落とすんじゃないわよ」ドサッ

 

ドサッドサッドサッドサッドサッドサッ

 

穂乃果「お、多くない?」

 

ヒフミ「私たちもー!」ドサッドサッドサッ

 

穂乃果「むしろ手伝って欲しいんだけど!!」ゴーン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方鉄塔

 

穂乃果「ふーっ……重たかったなぁ」ザッ

 

穂乃果「みんな本当に持たせるんだもん……」ムゥ……

 

穂乃果「流石にヒデコ達は手伝ってくれたけど」フゥ…

 

穂乃果「………さて、やりますか」

 

グッ

 

ブンッ!

 

フワァ

 

………ゴォォォォォオ!!!

 

穂乃果「……っ!」グッ

 

ズザザザザザ!!!!!

 

穂乃果「………」ピタッ

 

穂乃果(……いや、考えたくないけど違和感がずっと頭から拭えない……)

 

穂乃果(認めたくない、そう思いたくないけど……)

 

穂乃果「………まさか」

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「穂乃果そんなに強くなれてない?」

 

 

 






人間観察と分析だけでここまで強くなるのか花陽ちゃん



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第4話「心残り?」



好きな絵師さんがヒロアカの推しを描いてくださって嬉しい乾電池です

トガちゃんかぁいい…




 

 

学校

 

 

 

 

凛希「はぁぁぁ!!!」バッ

 

凛希【たつまきおとし!】

 

ドゴォォォォォォォ!!!!!

 

ドシュルルルルル………!!!

 

 

 

 

 

 

真姫「次はこっちよ!」グッ

 

凛「うん!」グッ

 

ダンッ! ダンッ!

 

グルグルグル グルグルグル

 

ドキュッ!!

 

真姫凛【ファイアトルネードDD!】

 

ドゴォォォォォォォ!!

 

ドシュルルルルル………!!

 

 

 

 

 

 

凛「………はぁ〜……」ドサッ

 

真姫「ちょっと凛、砂だらけになるわよ?」

 

海未「3人ともいい感じですね」

 

希「そうやろうそうやろう」ドヤッ

 

海未「すごくいい顔ですね、拳をめり込ませたくなります」

 

希「ひど……!?」ゴーン

 

希「あ、真姫ちゃんウチのベットボトルとって〜」

 

真姫「えーっと……これ?」

 

希「ありがとう〜」キュッキュッ

 

希「〜〜♪」ゴクッ

 

凛「そういえば海………」

 

希「ーーー!!」ブフゥーー!!!

 

真姫「な、なにしてるのよ希!!」

 

凛「にゃぁぁ………」びっしょり

 

希「うぇぇ……なんでキャラメルの味するん?」ウルウル

 

真姫「はぁ?自分のペットボトルなんだから自分が買ったんじゃ……」

 

凛「………」ポタポタ

 

海未「………凛」

 

凛「い、いや…!凛のせいじゃないよ!?」キョロキョロ

 

真姫「……目泳ぎすぎよ」

 

海未「りぃ〜〜ん〜〜??」ゴゴゴゴ!

 

凛「はぃぃ!!すみませんでしたぁ!!」

 

希「一体どうやって……ってあれ?」

 

希「これウチのペットボトルじゃないやん」

 

真姫「希はいつもそれ飲んでなかった?」

 

希「ラベルは似てるんやけど少し違うかなぁ……」

 

凛「ま、間違って飲んだら面白いな〜って思って……ね?」あはは……

 

希「わざわざ買ってきたんやねぇ……」ユラァ…

 

凛「の、希ちゃん!笑顔だよほら!にっこにっこにー!」

 

希「………」

 

凛「………」

 

希「にっしっしっしっし!」ニンマリ

 

凛「おぉぅ……」

 

海未「あれほど邪にまみれた笑顔は初めて見ました」

 

真姫「休憩行ってるわね」スタスタ

 

海未「私も行きます」スタスタ

 

 

 

 

 

 

 

 

希「……んぉ」ピタッ

 

凛「?」

 

希「………まず顔洗ってきて」

 

凛「?……そっか!」

 

凛「今凛はキャラメルまみれだから…」

 

凛「ほっほ〜ん!」ピーン!

 

凛「ふふふ」ジリジリ

 

希「り、凛ちゃん?」タジッ……

 

凛「ふっふっふっ」

 

希「…………」ダラダラ

 

凛「ワシワシMAXだにゃー!!」ガバッ

 

希「いやぁぁぁぁ!!!!」ダダダダッ!!

 

 

 

 

 

 

にこ「あいつらなにしてんの?」

 

花陽「さ、さぁ…」

 

穂乃果「おでん缶うまし」モグモグ

 

絵里「もはや持参する域にまで達してしまったのね」

 

ことり「キンキンに冷えてるんだって」

 

真姫「それ言いたいだけでしょ?」クルクル

 

穂乃果「キンキンに冷えてやがる!!」

 

海未「わかりましたから黙っててください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「ぅ〜……まだベタベタが取れないにゃ〜…」バシャバシャ

 

希「服は着替えるとして髪はな〜」バシャバシャ

 

凛「希ちゃんのせいだにゃ」

 

希「ワシワシ?」

 

凛「聞き間違えがヒドイ」

 

凛「んっ……!」ブルブル!

 

希「冷たっ!」

 

凛「よし!これで大丈夫にゃ!」

 

希「じゃあウチらも休憩しに……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、もしかして星空さん?」

 

凛「ん?」クルッ

 

「あー!やっぱり!今ちょっといい?」

 

凛「ぁ………」チラッ

 

希「?」

 

「お、希ちゃんもいる!」

 

希「やほ〜」フリフリ

 

「いいかな?」

 

凛「は、はい、少しだけなら……」

 

「よかったー!こっちきて!こっち!」

 

希「えーっと??」

 

凛「さ、先みんなのとこ行ってて!」タッタッタッ

 

希「ちょ、凛ちゃん!?」

 

凛「すぐ戻るから!」タッタッタッ

 

「ちょっと後輩借りてくね!」

 

希「……も〜……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陸上部グラウンド

 

「みんなー!連れてきたよ!」

 

部員A「あー、その子がこの前言ってた凛ちゃんですか?部長」

 

部長「そう!」ドヤッ

 

部員B「なんでドヤ顔なんですかー……?」

 

凛「えっと……部長?どうして凛……」

 

部長「ちょっとだけウチの部員のために力を貸してくれないかな」

 

凛「??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「ちょっとー、休憩は10分よ?」

 

穂乃果「これだけポカポカ陽気だと……眠くなっちゃうね〜」スヤスヤ

 

花陽「寝てる!?」

 

ことり「おきてー…!」ツンツン

 

にこ「あれ、凛は?」

 

海未「まだきていないのですか?」

 

真姫「どこ行ったのよまったく…」はぁ……

 

希「……ウチが呼んでくる!」タッタッタッ

 

絵里「あ、ちょ……希!」

 

絵里「行っちゃった……」

 

海未「先ほどのことで喧嘩でもしたんでしょうか」

 

真姫「もしそうだとしたら世界一どうでもいい喧嘩の理由ランキング1位ね」

 

海未「では2位は……」

 

海未「この間、にこが真姫の肩をトントンして真姫が振り返ったところをほっぺをプニっとされてしまったことで数日間にことほとんど口をきなかったあれですかね」

 

真姫「あれはにこちゃんが悪いのよ」

 

にこ「あの後膝げりからのバックドロップ食らわしといてよく言うわ」

 

真姫「………知らない」プイッ

 

にこ「……ちょっと真姫」ポン

 

真姫「なに……」クルッ

 

 

 

 

 

 

プニッ

 

 

 

 

 

 

にこ「……」

 

真姫「……」

 

にこ「……」…フッ

 

真姫「せいっ!!」ドゴォ!!

 

にこ「おぐっ……!?」ゴフッ…!

 

ガシッ!

 

真姫「はぁぁぁ!!!」グワッ!

 

にこ「いやぁぁぁ!!」ブワァ……!

 

ボゴォォ……!!

 

真姫「……ふぅ」パンパン

 

にこ「に……ごぉ……」ピクピク

 

海未「今人体からしてはいけない音が鳴ったのですが……」ホゴォッテナリマシタヨ

 

真姫「さあね」

 

凛ママ「よーし、休憩終わり!行くぞー!」

 

「おー!!」

 

にこ「……ぉ……おぉぉ……」ガクガク

 

 

 

 

 

 

 

 

希「えーっと……確か凛ちゃんはこっちの方に……」

 

ザワザワ

 

希「?……何か騒がしい?」

 

「ねえあの子すごく速いね」

 

「陸上部にあんな子いたっけ?」

 

「可愛いしねぇ〜!」

 

「わかる〜!」

 

希「………まさか」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

凛「ッ…ゴー……ル……!」ダダッ!

 

部長「ぬわー!負けた!」タッタッタッ

 

部員A.B「おおー……やっばマジ速い」ダダダッ

 

凛「はぁ……はぁ……」

 

部長「すごいね……記録だけなら全国トップレベルだよ」

 

凛「そ、そうですか?」はぁ……はぁ…

 

部員A「もったいないねー」

 

部員B「サッカー部次二回戦だっけ?」

 

凛「はい!みんなで頑張ってます!」

 

部長「陸上部来てくれると思ってたのにな〜」チラッ

 

凛「ご、ごめんなさい!」

 

部員A「ちょっと、それはダメですよ」

 

部長「わかってるよー」ムゥ…!

 

部長「でもサッカーが嫌になったらいつでも……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウチの部員引き抜こうとするのやめてや〜」ザッザッ

 

凛「希ちゃん!」

 

部長「やだなぁ〜、冗談だよ、冗談!」

 

希「ほんまに〜?」ジトー…

 

部長「ほんとだよ!この目に誓って!」キラキラ

 

希「……」

 

希「……」チラッ

 

部員AB「……」キラキラ

 

希「……はぁー、まあいいや、行こっか」スタスタ

 

凛「う、うん!」タッタッ

 

部長「私たちはいつでも待ってるからねー!」

 

部員AB「いつでも大歓迎」グッ

 

希「やっぱり本気やん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

希「凛ちゃんモテモテやったね〜」スタスタ

 

凛「部活の体験入部の時に少し話すようになって……」スタスタ

 

凛「あんな風に走ったのははじめてだったけど」

 

希「……後悔してる?」

 

凛「そ、そんなこと……!」

 

希「……そっか」

 

凛「………」

 

凛「……ごめんね、練習抜けだしちゃって」

 

希「……いや、うん……」

 

希「……」

 

凛「……」

 

希「…凛ちゃん」

 

凛「なに?のぞ……わぷっ!」ギュウ!

 

希「凛ちゃんはウチの大事な後輩やからね」ギュウッ…!

 

希「凛ちゃんがいなくなると寂しいんよ」ギュゥッ……

 

凛「希ちゃん……」

 

希「ワシワシもできなくなるし」

 

凛「台無しだにゃ!!」ゴーン

 

希「さ、戻ろっか!みんなも待ってるし」

 

凛「うん!」

 

希「よーし、みんなの所まで競争!負けたらジュース奢り!」ダッ!

 

凛「いきなりはずるいにゃー!」ダッ!

 

希「にっししし!」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「……」タッタッタッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

希「凛ちゃんはウチの大事な後輩やからね」ギュウッ…!

 

希「凛ちゃんがいなくなると寂しいんよ」ギュゥッ……

 

凛「希ちゃん……」チラッ

 

凛「!」

 

希「………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛「………ふふ」ニヘラァ ダッ!

 

希「勝負する相手間違えた……!!」ゴーン

 

 

 

 

 

 






お盆が来ますね

台風も



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「立ち込める暗雲」



最近完全に昼夜逆転してる乾電池です

おやすみなさい




 

 

 

 

希「凛ちゃん連れてきた〜!」タッタッタッ

 

凛「遅れてごめんなさい!!」はぁ…はぁ…

 

絵里「もう、どこ行ってたの?」

 

海未「少し休憩したら入ってください」

 

凛「うん!……?」ジー……

 

にこ「……なによ」

 

凛「どーしてそんなにボロボロなのかにゃ?」

 

にこ「そんなのあそこの赤巻き髪に聞きなさいよ」クイッ

 

真姫「だ、誰が赤巻き髪よ!!」

 

凛「?」

 

海未「気にしないでください、2位の喧嘩です」

 

凛「??」

 

花陽ママ「やっと来たわね〜凛ちゃん」

 

凛「かよちんママ!」

 

花陽ママ「ちょっとあっちに来てほしいのよ〜」ウフフ

 

凛「なんだろう?」

 

花陽ママ「それは後のお楽しみ〜」

 

花陽ママ「あ、にこちゃんもね」

 

にこ「わ、私もですか?」

 

真姫「にこちゃん何したの?」

 

にこ「なんでにこが呼ばれたら悪いことしたみたいにいうのよ!」

 

海未「私も行きますね」スッ

 

花陽ママ「そうしてくれると助かるわ」

 

真姫「海未まで加わるなんて……」

 

にこ「にこやっぱり何かしてたのかも……」

 

にこ「真姫……」

 

にこ「今までありがとう……!!」およよ…!

 

真姫「にこちゃん、あなたのことは忘れないわ……!」

 

にこ「真姫…!」

 

真姫「にこちゃん……!」

 

にこ真姫 ガシッ

 

海未「もういいですか?」

 

にこ真姫「あ、はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「凛たち……怒られるのかなぁ……」トボトボ

 

にこ「今日のお昼ご飯野菜炒めだったのよ……」トボトボ

 

にこ「最後の晩餐にはあんまりじゃない?」

 

海未「あなたたちはどうしてそう悪い想像しか浮かばないのですか……?」

 

凛にこ「だって………ねぇ?」

 

海未「日頃からやましい事をしてるからそういう発想になるんですよ」

 

凛「やましい事なんて……ってあれ?」

 

凛「あれかよちんだよね?……おーい!」

 

花陽 クルッ

 

花陽「………!」パァァ!

 

花陽「凛ちゃぁん!」ブンブン

 

凛「かよちん!」タッタッタッ

 

花陽「も〜!どこ行ってたの?」

 

凛「ち、ちょっとね……!」アハハ…

 

花陽「あ、にこちゃんも」

 

にこ「なんでそんな温度差あんのよ」

 

凛「ところでかよちんも何かしたのかにゃ?」

 

花陽「えぇぇ!?」

 

にこ「違うの?」

 

花陽「違うよぉ!!」

 

花陽「聞いてないの?」

 

花陽ママ「ふふ、秘密にした方が面白いかと思って」ウフフ

 

海未「説明をお願いします」

 

花陽ママ「今回はね、必殺技についてみんなに集まってもらったのよ」

 

凛にこ「必殺技ぁ!?」

 

凛「じゃあ海未ちゃんも?」

 

海未「私はあなたたちが遊ばないよう見張っておく係です」

 

にこ「なるほど、信用は微塵もないと」

 

凛「失礼しちゃうにゃ〜」

 

花陽「うぅ〜……そんなに悪いことしたかなぁ……」

 

海未「いえ、花陽は信用していますよ」ニコッ

 

花陽「ほんと……!?良かったぁぁ」

 

にこ「………」

 

凛「………」

 

海未「……」

 

花陽ママ「それじゃあ説明を……」

 

にこ凛「凛(にこ)は!?」

 

海未「二人は先ほど自分で言っていたではありませんか」

 

にこ「……面白いじゃない」

 

凛「完璧にやりきってぎゃふんと言わせるにゃぁ!!」

 

花陽ママ「それじゃあ説明するわね〜」

 

花陽ママ(この子たちは見ていて飽きないわね〜)ウフフ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明終了

 

 

にこ凛花陽「いやいやいやいや無理無理無理無理」

 

海未「やると言ったではありませんか」

 

にこ「そ、そうだけど……」

 

花陽「流石にこれは……」

 

凛「限度があるにゃ!」

 

海未「次の敵の情報はこの間伝えたでしょう?」

 

凛「……えーっと……?」

 

にこ「もちろん分かってるわよ」

 

にこ「圧倒的な守備力を誇る無敵のチーム」

 

花陽「これまでの試合では全試合無失点」

 

にこ「地方のチームと思って侮るなかれ」

 

花陽「田舎ならではのチームワークとディフェンス力でここまで勝ち上がって来た……」

 

花陽にこ「千羽山高校!!」

 

凛「おー」パチパチ

 

海未「久しぶりに見ましたねそれ」

 

花陽ママ「その圧倒的な守備力を破ろうと無我夢中で攻撃し、守備が手薄になったところを狙う」

 

花陽ママ「今までどれだけのチームがそれにやられてきたか……」ヤレヤレ

 

海未「つまり、こちらも確固たる守備力を身につけなければなりません」

 

海未「FWが心置きなく攻められるように」

 

凛「でも次の試合明日だし……」

 

にこ「非現実的って言うか……」

 

花陽「た、たしかに……」

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「何言ってるんですか!!」

 

凛にこ花陽「……!!」ビクッ

 

海未「人間死ぬ気になればなんでもできるんです!!」

 

海未「チームのためなら一夜で城でも建てられるはずです!」

 

凛にこ花陽「ひぃぃ……」

 

花陽ママ「花陽ちゃんがやっと自分の役割を理解し始めたのはいいんだけど……」

 

花陽ママ「これからのことを考えるとこっちも圧倒的な守備力が欲しいなと思ってね〜?」

 

花陽「圧倒的……」

 

海未「そのためには3人が一番相性がいいと思ったので」

 

凛にこ花陽「………」

 

にこ「………二人とも」

 

凛花陽「……うん」コクリ

 

にこ「絶対成功させて海未にぎゃふんって言わせるわよ!!」

 

凛「おおーー!!!!」

 

花陽「おおー……ぎゃふん!?」

 

海未「ふふ、楽しみです」

 

にこ「見てなさい!」

 

海未(にこはなんだかんだで決して手は抜かず、リーダーシップも十分……)

 

凛「でも明日の試合に響きそうだにゃ〜……」

 

にこ「まったく、だらしないわね〜」

 

凛「にこちゃん最近疲れたまりやすくなってるんじゃない?」

 

にこ「そうそう、一回寝たぐらいじゃ疲れが……って、誰がおばあちゃんよ!!」

 

花陽「ふふふ」

 

海未(凛は文句を言ったりはしますが練習では誰よりも真面目でムードメーカー的存在)

 

花陽「練習終わりにラーメン行こっか!」

 

凛「行く!」

 

にこ「ほんと単純ねあんたは……」

 

海未(花陽は二人の中和的存在、そしてあの朗らかな雰囲気)

 

海未(日頃からの行動を見ていて……)

 

海未(あなたたちを疑ったことなんて一度もありませんよ)

 

海未「チームにこりんぱな、始動です!」

 

にこりんぱな「おー!」

 

海未(きっとこれからも)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「そうだ、凛ね〜、ものマネ覚えたの」

 

にこ「へ〜、どんなの?」

 

凛「いくよ?」スッ

 

花陽「ワクワク」

 

海未(また凛はおかしなことを……)フフ

 

 

 

 

 

 

凛「破廉恥です!!」キリッ

 

海未(………)

 

にこ「あっはははははは!!!!」ケラケラ

 

花陽「ブフゥ!!」

 

花陽「ふっ……ふふ……んぶっ!!」プルプル

 

海未(前言撤回です)

 

海未「凛ーー!!!!」クワッ!

 

凛「ごめんにゃーーー!!!」ヒィィ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人で練習抜けて部室

 

ガラッ!

 

穂乃果「えーっとタオルタオル……」ガサゴソ

 

穂乃果「……あった!」

 

ブブブブブ

 

穂乃果「ん?メール?」

 

穂乃果「誰からだろ……」トトッ

 

穂乃果「知らないアドレスから……?」トッ

 

 

 

 

メンバーには言わぬこと

 

 

 

 

 

 

穂乃果「……メンバーに……?」

 

穂乃果「動画がついてる、再生……と」ピッ

 

穂乃果「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「ーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

グラウンド

 

海未「おや?穂乃果はどこへ行ったのですか?」

 

絵里「用事があるって先に帰っちゃったわよ?」

 

ことり「すごく慌ててたけど……どうしたのかな?」

 

海未「大方、ご自宅のお手伝いを忘れていたとかでしょう」ヤレヤレ

 

海未「さぁ!練習ですよ!」

 

みんな「おー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

練習終わり帰宅後

 

凛宅

 

凛「だだいまー!」ガチャッ

 

凛「なんとか形になってよかったにゃ〜」

 

凛「お風呂はいっちゃおーっと!」スタスタ

 

ピキッ……!

 

凛「痛っ……!?」グラッ ガシッ

 

凛「あ、危なかったぁぁ……」

 

凛「今日ちょっとハードだったからかにゃ?」

 

凛ママ「おーい!ご飯できてるぞー!」

 

凛「あぁ!!お風呂行こうと思ってたのに!」

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果宅

 

雪穂「あれ?おねーちゃんまだ帰ってないの?」

 

穂乃果ママ「そういえば遅いわねぇ、もう練習終わってるはずなんだけど……」

 

雪穂「どうせ買い食いでもしてるんでしょ」

 

雪穂「そのうち帰ってくるよ」

 

穂乃果ママ「それもそうね」

 

穂乃果ママ「手洗ってきなさい、先にご飯食べちゃいましょ」

 

雪穂「はーい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鉄塔広場

 

ゴォォォォ!!!

 

ドゴォッ!!

 

ズザザザザザ!!!

 

「………」

 

「もう……いっかい……」

 

ブンッ!

 

フワッ

 

ゴォォォ!!

 

ドゴォッ!!

 

「うわぁぁぁぁ!!!」ゴロッゴロゴロ……!!

 

「うぐっ……!」ドサッ

 

ブラン……ブラン…

 

「……ゼッ……ゼッ……」ハァ…ハァ

 

「も………いっ……」ググッ

 

ドサッ

 

グゥゥゥ〜……

 

「……お腹……空いたなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

ゴロン

 

「……ハァ……ハァ……」

 

「………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果「動画がついてる、再生……と」ピッ

 

穂乃果「…………」

 

 

 

 

 

 

 

ケータイ『UTX高校第2回戦、試合開始です!』

 

穂乃果(これ……!UTXの試合映像?)

 

穂乃果(誰が送ってくれたのかわからないけど感謝しなきゃ!)

 

ケータイ『FWの綺羅がボールを受け取った!!』

 

穂乃果(うわぁ…やっぱり迫力あるなぁ……)

 

穂乃果(ここからどう組み立てて……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダッ!クルッ トトッ ズザザッ!!

 

ドシュルルルルル!!!

 

穂乃果「………へ?」

 

ケータイ『……ゴ、ゴーーール!!』

 

ケータイ『目にも留まらぬ電光石火!!開始数分で先制点を決めてしまいましたぁ!!』

 

穂乃果「……うそ」

 

ケータイ『さぁ仕切り直して行きたいところです』

 

ケータイ『ピーーーーーーー!』

 

シュバッ ドゴォ!! ズザッ ドシュルルルルル!!

 

ドォォ!! ズズッ! ドゴォォ!! クルッ

 

ドシュルル!!!!

 

ズザッ ドシュルルルルル!!

 

ドシュルルルルル!!!

 

ドシュルルルルル!!!

 

穂乃果「ーーーーー」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果「………っ」グッ

 

穂乃果(……キーパーの穂乃果がしっかりしないと)

 

 

 

 






お腹……空いたなぁ……

寝ます



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第5話「vs千羽山戦」



汗が止まらない乾電池です

絵が描けない……




 

 

 

千羽山高校

 

海未「もうそろそろですね」

 

花陽「うぅ…緊張してきました……」

 

ことり「ガッチガチだね……」

 

花陽「だってぇ…」

 

希「この試合も期待してるよ、花陽ちゃん!」ポンッ

 

花陽「ピャァァ!!」ビクゥッ!!

 

花陽 ガクッ

 

絵里「とどめさしてどうするのよ」

 

にこ「大丈夫よ、昨日の特訓の成果見せてやるんだから!」

 

にこ「ね、花陽、凛!」

 

花陽「そ、そうだね!」

 

凛「やるにゃー!」

 

海未「ふふ、楽しみにしていますよ」

 

にこ「見てなさい!ぎゃふんって言わせてやるんだから!」

 

海未(メンバーのやる気は十分………でも)

 

海未(一人、明らかに静かなんですよね……)

 

穂乃果「………」スゥ……ハァ……

 

海未(緊張しているのでしょうか……穂乃果が?)

 

海未(いえありえませんね、幼い頃から緊張とは無縁でしたから…)

 

海未(では一体……?)

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果(………昨日の映像はショックだったけど……お陰でスッキリした)

 

穂乃果(このチームで一番出遅れてるのは穂乃果……)

 

穂乃果(決勝は多分UTXが来る……)

 

穂乃果(それまでにもっとレベルを上げないといけない……のに)

 

穂乃果(ヒントすらつかめてない……)

 

穂乃果(あるのは……)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果ママ「足りない最後の1ピース……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果(わかるかぁぁぁ!!!)ガシガシ

 

穂乃果(とりあえず、この試合は絶対失点しないようにしないと)

 

穂乃果(穂乃果一人で)パンパン!

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「……穂乃果?」

 

穂乃果「なに?海未ちゃん」

 

海未「いえ、考え事をしていたようなので………もう直ぐ始まりますよ、お手洗いは行かなくて大丈夫ですか?」

 

穂乃果「うん、大丈夫!」ニパッ

 

凛「あ、凛ちょっと……」スタスタ

 

海未「直ぐですよ!凛!」

 

凛「わかってるにゃー!」タッタッタッ

 

花陽「……?凛ちゃん」

 

凛「にゃ?」クルッ

 

花陽「ぁ………えと……」

 

花陽「……大丈夫?」

 

凛「……」

 

凛「……うん」

 

海未「……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「やってまいりましたフットボールフロンティア本選第二回戦!!」

 

角間「音の木坂vs千羽山、優れた攻撃力を誇る音の木坂は鉄壁ディフェンスを破ることができるのでしょうか!!」

 

 

 

 

 

 

FW

絵里、真姫

 

MF

海未、にこ、希、ことり

 

DF

亜里沙、雪穂、凛、花陽

 

GK

穂乃果

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーー

 

ドッ

 

角間「今、キックオフです!!」

 

 

真姫(鉄壁守備……お手並み拝見ね)

 

真姫「ことり!」ドッ

 

ことり「ほっ!」トッ

 

炭野「いかせないっぺ!」

 

ことり「ふっふっふ、前の試合ではいいところなかったから」グッ

 

ことり「少しは活躍させてね!」ダッ!

 

炭野「ぬわぁ!?」

 

角間「抜いたぁ!!力強いドリブルだぁ!!」

 

ことり「絵里ちゃん!」ドッ

 

絵里「ええ!」トッ

 

角間「開始数分、早くもゴールに迫る!!」

 

 

 

 

 

 

 

タッタッタッ

 

真姫「絵里!」

 

絵里「まかせて!」

 

絵里(小細工なんていらない!)

 

 

 

 

 

 

 

絵里「吹き荒れろ………」パキパキパキ

 

 

 

 

 

 

絵里【エターナルブリザード!】

 

ドゴォォォォォォォ!!

 

 

 

 

真姫「はぁ!」ダンッ!

 

グルグルグル

 

角間「西木野が入って来ている!シュートチェインだぁ!!」

 

穂乃果「いっけー真姫ちゃん!」

 

ドキュッ!!!

 

真姫【ファイアトルネード!】

 

ゴォォォォォオ!!!!

 

 

 

 

 

 

綾野「………」

 

綾野「いくずらぁ!!」

 

牧谷塩谷 ザッ

 

 

 

 

 

 

 

綾野牧谷塩谷【無限の壁!】

 

ドシュルルルルル!!!!

 

テンテンテン……

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

角間「止めたぁ!!これぞ【無限の壁】、最強の鉄壁ディフェンスだぁ!」

 

真姫「あれが……」スタッ

 

絵里「無敵のディフェンス…….」

 

にこ「面白いじゃない」

 

綾野「牛の糞ズラ」ホジホジ

 

絵里真姫「……」ピキッ

 

ことり「二人とも怖い顔してるよぉ〜……」

 

希「えりちどーどー」

 

 

 

 

 

 

 

綾野「ずら!」ドッ

 

原野 バッ

 

海未「どきなさい!」シュバッ

 

原野「なっ……!」

 

海未「次は私です」ジャリッ

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「………」フッ

 

トンッ

 

 

 

 

 

 

ズバァッ!!

 

海未【菊一文字!!】

 

ゴォォォォォオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

綾野【無限の壁!】

 

シュルルルルルル………!!!

 

テンテンテン……

 

海未「っく……!」

 

綾野「羊の鼻くそズラ」

 

穂乃果「次行けるよ!海未ちゃん!」

 

海未「もちろんです!」

 

綾野 ドッ!

 

山根「ほっ」トッ

 

真姫「させない!」ザッ

 

山根 ドッ

 

育井 ドッ

 

炭野トッ

 

角間「千羽山素早いパス回しです!」

 

にこ「掛け声なしで……」

 

希「なんて息のあったチームワーク…!」

 

炭野「今度はおいの番だ!」

 

 

 

 

 

 

炭野「いくっぺ!」ドッ

 

育井「ああ!」トッ

 

海未「通しません」ザッ

 

育井「都会っ子には負けねえっぺ!」バッ

 

 

 

 

 

 

 

育井【モ[ン]グラフェイント!】ボグッ

 

海未「っな……!?」

 

ボコボコボコ

 

ポンッ!

 

育井「やっぱりたいしたごどねぇな!」トッ

 

海未「っこの…!」

 

 

 

 

 

 

 

育井「原野!」ドッ

 

原野「んだ!」トッ

 

花陽「行かせません!」ザッ

 

原野「はぁぁ!!」

 

トッ ダダダダダダダッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

原野【ラン・ボール・ラン!】

 

ダダダダッ!!!

 

花陽(この勢い……私じゃ止めれない……!!)ススッ

 

穂乃果(……ポジショニングをずらした?)

 

花陽「うわぁ!」ドサッ

 

原野「オラのとこの牛より遅いっぺ!!」

 

角間「立て続けに千羽山の必殺技が炸裂!!音の木坂止めれない!」

 

 

 

 

 

 

穂乃果「くるっ……!」

 

穂乃果(絶対に点は入れさせない…!!)グッ

 

原野「よし…このまま……!?」

 

 

 

 

 

 

ドッ…!!

 

ビキビキビキ

 

カキーン!

 

亜里沙【アイスグランド】

 

シャー……!

 

亜里沙「ハラショー!」トッ

 

原野「……なかなかやるっぺ」

 

花陽「ふふ……」ンベッ

 

海未(やはり安定感が違いますね)フフ

 

角間「止めたぁぁ!!音の木坂の危機を助っ人絢瀬が凌ぎましたぁ!!」

 

穂乃果「ありがとー!花陽ちゃん、亜里沙ちゃん!」

 

雪穂「いい感じだよ!」

 

亜里沙「えへへ」

 

亜里沙「凛さん!」ドッ

 

凛「うん!」トッ

 

凛「っ……」ポロッ

 

希「凛ちゃん!」

 

凛「だ、大丈夫!」トッ

 

凛「にこちゃん!」ドッ

 

にこ「ええ!」トッ

 

山根「…….」ザッ

 

にこ「ちょっとあんた、レディに道を開けなさいよ」

 

芹沢山根育井 ザッ

 

にこ「ちょ、ちょっと……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「かごめ、かごめ、かーごめかごめ」グルグル

 

角間「こ、これは……千羽山の必殺技、【かごめかごめ】だぁ!!」

 

にこ(これ…….まずい…)

 

「かーごめかごめ」グルグル

 

にこ「のぞ……」

 

「「「たぁーーー!!!」」」バッ

 

ドゴォォォォォォォ!!

 

にこ「きゃぁぁぁ!!!」

 

ズザザザザザ!!

 

山根 トッ

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「矢澤からボールを奪ったぁ!!」

 

雪穂「そんな…….!」

 

亜里沙「にこさんがあんなに簡単に……」

 

海未「!」

 

海未「みなさん!すぐに立て直して……」

 

原田「オラのとこのリクガメより遅いっぺ!」

 

田主丸「いくっぺ!」トッ

 

花陽「しまった……!」

 

田主丸「はぁぁぁ!」コォォォ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

田主丸【シャインドライブ!】

 

パァァァァァァ!!!!

 

穂乃果「っく…!」

 

穂乃果(眩しすぎて……目が開けれない…!!)

 

凛「カバーに……!」グッ

 

凛「っ……」

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果(見えない……)メツムリ

 

穂乃果「でも!!」グッ

 

ゴォォォォォオ!!!

 

穂乃果「絶対……決めさせない!!」バッ!

 

にこ「目を閉じたまま……!」

 

 

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

ゴォォォォォオ!!!

 

ことり「お願い……!!」

 

海未「当たってください!」

 

穂乃果「はぁぁぁ!!」

 

ーーーー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドシュルルルルル………!

 

テンテンテン……

 

穂乃果「………」

 

 

 

 

 

 

 

角間「きまったぁ!!先取点は千羽山だぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「………ッ……」ギリッ

 

ガンッ!

 

亜里沙「……!」ビクッ

 

穂乃果(いれられるような威力じゃなかった……)

 

穂乃果(点を取られないようにって決めたばっかりなのに……)

 

穂乃果(なんで……穂乃果は……)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

海未「はぁぁぁ!!」ガッ

 

角間「止めたぁ!園田も先ほどの優木のように戻っていましたぁ!!」

 

 

 

 

雪穂「試合の時ぐらいかっこいいところ見せてよ」ガシッ

 

ゴォォォォォ!!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

穂乃果「一人じゃまともに止められない……」ギュッ

 

雪穂「お姉ちゃん……?」

 

穂乃果「努力してるのに………」クシャッ……

 

海未「……穂乃果」

 

海未(こんな穂乃果、久しぶりに見ますね……)

 

ことり「や、やれることはできてたと思うよ?」

 

花陽「そうだよ!あれは仕方が……」

 

穂乃果「仕方がないじゃ意味ないんだよ……」ジロッ

 

花陽「ヒッ……!」ビクッ

 

凛「ちょっと穂乃果ちゃん……!」ガシッ

 

穂乃果「……っ!うるさい!」バッ

 

凛「ぃっ…!」グラッ

 

ドサッ

 

海未絵里「穂乃果!!」バッ

 

穂乃果「……!」ハッ

 

穂乃果「ご、ごめん凛ちゃん……」スッ

 

凛「やっ……うん」ニコッ

 

グイッ

 

凛「よっと……」

 

にこ「なに急に熱くなってるのかは知らないけど、一回頭冷やしなさい」ピンッ!

 

穂乃果「あてっ……!」ビシッ

 

希「はい穂乃果ちゃん、吸って〜」

 

穂乃果「へ?……すぅーーーー……!」

 

希「吐いて〜〜〜」

 

穂乃果「はぁーーーーー……!」

 

希「……落ち着いた?」

 

穂乃果「うん……ごめん、ね?」

 

凛「凛はだいじょうぶにゃー!!」

 

にこ「あんまり大きな声を出すとバカっぽさが目立つわよ」

 

凛「だからにこちゃん今日は静かなの?」

 

にこ「ぬぁんですってぇ!?」クワッ

 

凛「大きな声を出さない方がいいよにこちゃん」ニヤニヤ

 

にこ「だあぁぁぁ!!腹立つこいつ!」

 

ことり「ふふ」クスッ

 

海未「穂乃果」

 

穂乃果「ん?」

 

海未「私でよければ悩みの一つや二つ、聞かせてもらいますよ」

 

穂乃果「……!」

 

穂乃果「うん、ありがと」ニコッ

 

海未「ですからこの試合は集中してください」

 

海未「あなたの力が必要なんですから」

 

穂乃果「……そうだね」

 

穂乃果「ごめんみんな!取り返すよ!」

 

「おーー!!!」

 

海未「……」フーッ……

 

穂乃果「……」

 

 

 

 

 

 

穂乃果(……そうだ)

 

穂乃果(私がチームのみんなを不安にさせちゃダメだ)

 

穂乃果(……がんばれ、リーダー)パンッ!

 

雪穂(……お姉ちゃん)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

穂乃果「一人じゃ満足に止めれない……」グッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

雪穂(お姉ちゃんは嫌だったのかな……)

 

雪穂(【ホムラ・ザ・バンド】……)

 

雪穂「私は嬉しかったんだけどな……」ボソッ

 

 

 

 

 

 

 

 

千羽山1-0音の木坂

 

ピーーーーーーー

 

角間「1点ビハインド音の木坂!ここから巻き返しが……」

 

田主丸「はぁ!!」ガッ

 

真姫「きゃぁ!?」ドサッ

 

角間「千羽山奪い取ったぁ!!激しいプレーでしたが笛はなっていません!!」

 

にこ「ちょっと!今のファールでしょ!?」

 

原野「都会っ子は細かいっぺ」ヤレヤレ

 

にこ「っ…こいつ……!」

 

花陽「雪穂ちゃん!!」

 

雪穂「あっ……!」

 

角間「音の木坂高坂雪穂、反応が遅れ侵入を許してしまったぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果(また、あれが来る……!)グッ

 

田主丸「はぁぁ!!」コォォォ!

 

田主丸【シャイン……】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「させない!」ガッ!

 

田主丸「なに……!?」

 

角間「音の木坂小泉、何というファインプレー!!」

 

角間「シュートを打つ前にボールを取り返しましたぁ!!」

 

花陽「はぁ…はぁ……」

 

花陽(ギリギリ…)

 

花陽「雪穂ちゃん!」ドッ

 

雪穂「……!」トッ

 

育井 ザッ

 

雪穂「いける……!」グッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果「一人じゃ満足に止めれない……!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

雪穂「ぅ……」タジッ

 

雪穂(あ〜!もうなんでお姉ちゃんが出てくるのさ!?)

 

育井「はぁ!」バッ

 

雪穂「うぐっ……!」ズザザッ!

 

花陽(なんで……動きが悪い…?)

 

雪穂「……!」ザッ ガガッ

 

雪穂(取ら……れるっ……!?)ザザッ

 

育井「甘いっぺ!」バッ

 

雪穂「んっ……!」ザッ!

 

雪穂(誰か……!)キョロッ……

 

凛「っ…!」

 

炭野 ザッ

 

花陽「……!」

 

田主丸 ザッ

 

亜里沙「むー……」プクー

 

原野「ふんっ……!」ザッ

 

海未「……まずいですね」

 

にこ「もう一点とる気満々じゃない……!」

 

にこ「雪穂!一度穂乃果に……」

 

雪穂「うわったぁ!?」グラッ

 

雪穂「ととっ……!」ズザザ!

 

角間「どうしたどうしたぁ!?パスが出せないのかぁ!?」

 

雪穂(本当に…….まずいっ……!!)

 

花陽(どうしよう……どうする……?)

 

「………」スゥ……

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「雪穂ーー!!」

 

雪穂「!?」ビクッ

 

 

 

 

 

 

花陽ことり「び、びっくりしたぁ……」

 

穂乃果「ごめん雪穂!」

 

穂乃果「雪穂の大事にとってたアイス食べちゃった!!」

 

雪穂「はぁ!?」バッ

 

ズザザッ

 

角間「苦戦していた高坂雪穂、少し距離をとりました!」

 

雪穂「なにしてくれてんの!?あれ期間限定で最期の一つだったのに!!」

 

穂乃果「いやーお腹空いてたから……」

 

雪穂「絶対許さない……!ハーゲンダッツ3個だからね!!」

 

穂乃果「……ふふ」

 

雪穂「なんで笑ってんの!?」

 

穂乃果「……それでいいんだよ」

 

雪穂「?」

 

穂乃果「いつも通りの雪穂なら……」

 

穂乃果「なんてことないでしょ?」

 

雪穂「!」

 

花陽「穂乃果ちゃん……」

 

にこ「あいつ………」

 

にこ「アイスの罪は大きいわよ……」

 

花陽「そこ!?」

 

 

 

 

 

 

育井「よくわかんねぇごど言っでねぇでボールよごせ!」バッ

 

雪穂「……」トントン

 

雪穂(そうだよね、お姉ちゃんはキーパーなんだもん)

 

雪穂(自分の力で止めたいと思うのは当たり前)

 

雪穂「てやぁ!」クルッ

 

育井「んなっ……!」ガクッ

 

雪穂(私とサッカーしたくないって言ってるわけじゃない!)

 

花陽(動きが戻った……!)

 

穂乃果「いいぞー!雪穂ーー!」

 

雪穂(ここで負けてお姉ちゃんとサッカーできなくなる方が嫌だ!)

 

雪穂「凛さ……」

 

希「ちょうだい!」

 

雪穂「っ……と…!」ピタッ

 

雪穂「希さん!」ドッ

 

希「よし!」トッ

 

 

 

 

 

 

 

 

「かごめ、かごめ、かーごめかごめ」

 

にこ「まずい……!」

 

角間「またしても千羽山の【かごめかごめ】だぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「……ふむふむ」

 

希(対処法はある……でもタイミングが分からん……)

 

「かーごめかごめ」

 

希(このままやられるくらいなら……)

 

希「一か八か!」グッ

 

「2コンマ5秒ストップ!!」

 

希「んん……!?」ピタッ

 

「かーごめかごめ……」

 

希(……1……2……)グッ

 

「今!」

 

希「……!」バッ

 

「「「てやぁー!!」」」バッ

 

ドゴォォォォォォォ!!

 

希「うわぁぁぁぁ!!!」ドサッ

 

ズザザザザザ!!

 

角間「捕まってしまったぁ!!ボールは千羽山へと……?」

 

角間「こ、これは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「ボールはどこへ……?」

 

山根「……え、ボールは?」

 

海未「!」ダッ ダッ ダッ!

 

海未「ナイスパスです!」トッ

 

ことり「いつのまに……!」

 

希(あのアドバイスのおかげやね……)

 

希(ありがとう花陽ちゃん)ブイッ!

 

花陽「!」ブイッ!

 

原野「いくら前線までパスを繋げても、ゴールは割れないっぺ!」

 

海未「やってみなければ分かりませんよ」

 

絵里「あなたならいけるわ!海未!」

 

海未「……」コクリ

 

フッ

 

トンッ………

 

 

 

 

 

 

ズバァッ!!

 

海未【菊一文字!】

 

ドゴォォォォォォォ!!!

 

角間「再び必殺シュートが千羽山ゴールを襲います!」

 

 

 

 

 

 

綾野「無駄ズラ」

 

牧谷塩谷 ザッ

 

 

 

 

 

 

 

綾野牧谷塩谷【無限の壁!】

 

ドシュルルルルル!!!

 

角間「しかぁし!!音の木坂に巨大な壁が立ちふさがります!!」

 

角間「これを打ち砕く方法は…….」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グルグルグル

 

綾野「……ずら!?」

 

真姫「はぁぁぁああ!!」ドキュッ!

 

【ファイアトルネード】

 

ギリギリギリ……!!

 

角間「なんと西木野、ゼロ距離でのシュートチェインだぁ!!」

 

角間「これはいけるかぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

真姫「ふふ、驚いたかしら?」ググググッ

 

真姫「これなら……!」ググググッ!

 

花陽「UTXを打ち崩したこの方法なら……!」

 

にこ「やっちゃいなさい!真姫!」

 

綾野「……!」

 

真姫「はぁぁ!!」ググググッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

綾野「………フンッ」

 

真姫「……!」

 

綾野「豚の糞ズラ」

 

バチィッ!!

 

ブワァッ!

 

真姫「きゃぁ!!」ドサッ ゴロゴロゴロ!

 

絵里「真姫!」ダッ

 

ヒュー……

 

テンテンテン……

 

綾野「っち、弾いた……」

 

花陽「海未ちゃんと真姫ちゃんでもダメだなんて……」

 

花陽「あと残ってるのは……」

 

花陽(……でも)チラッ

 

にこ「凛、準備しときなさい」

 

凛「はぁ……はぁ…」

 

にこ「……凛?」

 

凛「え…!?あ、う、うん!」

 

にこ「……何よ、ノリ悪いわね」

 

凛「えへへ……」

 

ピッ、ピーーーーーーー

 

角間「ここで前半終了のホイッスル!攻撃力が自慢の音の木坂も鉄壁守備に手も足も出ない!!」

 

角間「後半はどのような対抗策を講じてくるのでしょうかぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トイレ

 

はぁ……はぁ……

 

バシャバシャッ

 

バシャバシャッ

 

フーッ……

 

キュッ……

 

ポタッ……ポタッ……

 

「………」ズキッ

 

 

 

 



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「わがまま言ってもいい?」


夕方四時まで寝てしまった乾電池です

まーずい……




 

 

 

控え室

 

 

海未「後半、凛と真姫で速攻をかけたいと思います」

 

絵里「頼んだわよ、二人とも」

 

真姫「任せなさい」クルクル

 

凛 ゴクゴク

 

凛「がんばるにゃー!」プハァ

 

にこ「勝てるかどうかはあんたらにかかってるんだからね」

 

希「緊張してるならワシワシするよ〜?」ワシワシ

 

真姫「ヴェェエ!?背後に立たないで!」

 

凛「にこちゃんしてもらったら?」

 

にこ「嫌に決まってんでしょ!!」

 

穂乃果「ん、そろそろ時間だね、みんな行こー!」

 

「おー!!」

 

ゾロゾロ

 

ことり「あれ、凛ちゃんどうしたの?」

 

凛「靴紐ほどけちゃって……先行ってて!」

 

ことり「待ってるよ?」

 

凛「だ、大丈夫、すぐ行くから!」

 

ことり「そう?」

 

凛「うん!」

 

希「ゆっくりでいいからね」

 

凛「はーい!」

 

ゾロゾロ

 

パタン

 

 

 

 

 

シュルルッ

 

グイッ

 

スッスッ

 

ペタッ

 

クイクイッ

 

トントン……

 

「………よし」

 

(あとはまた靴下をあげて隠せば……)

 

 

 

 

 

 

ガチャッ

 

凛「!?」ギクッ

 

凛「………」

 

 

 

 

 

 

 

凛「かよちん……」

 

花陽「ウソつき」

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

角間「いよいよ後半戦が始まろうとしています!」

 

角間「両者位置につきました、両者一歩も譲らず、一体どのような結末を迎えるのでしょうか!」

 

ピーーーーーーー

 

角間「ホイッスルが鳴らされましたぁ!」

 

ドッ

 

にこ「行くわよ!」ドッ

 

凛「任せるにゃ!」トッ

 

原野「オラたちの勝ちは揺らがないっぺ!」ザッ

 

穂乃果「いけー凛ちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

凛【アクロバット……】グッ

 

凛「……!?」グラッ

 

花陽「…っ…」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

花陽「ウソつき」

 

凛「……」

 

花陽「本当にいいの?みんなに言わなくて」

 

凛「でも……!」

 

花陽「足の怪我はこじらせると大変だよ?」

 

花陽「今はまだプレイできててもこのまま続けると悪化以外ありえない……」

 

花陽「凛ちゃんが言わないなら私が…」

 

ガシッ!

 

花陽「!」

 

凛「それは……ダメ」

 

花陽「でも……」

 

凛「凛の仕事は……まだ残ってる」

 

凛「みんなと決勝に行きたい」

 

花陽「ならこの試合は休んで……」

 

凛「休んで!!」

 

花陽「っ……!」ビクッ

 

凛「もし負けちゃったら……」

 

凛「…………」

 

凛「一生後悔する」

 

花陽「……」

 

凛「凛が動けるうちはフィールドに立って、みんなと戦いたい」

 

花陽「…凛ちゃん…」

 

凛「ねぇかよちん」

 

花陽「……なに?」

 

凛「わがままいっても………いい?」

 

花陽「……!!」

 

花陽(それは……ズルイよ)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

原野(バランスを崩した?)

 

原野(とにかくチャンス……!)バッ!

 

凛「………に……」グッ

 

凛「にぁぁ!!」クルッ

 

原野「っく……!」ガクッ

 

角間「抜いたぁ!必殺技と見せかけて華麗なスピンで抜きました!」

 

花陽「凛ちゃん……」

 

凛「よし!」

 

にこ「へぇ、やるじゃない」

 

凛「真姫ちゃん!」ドッ

 

ポーン

 

真姫(!少し流れてる…)

 

育井「いただき!」トッ

 

凛「ご、ごめん!」

 

海未「謝る暇があるなら上がりなさい!」ザッ

 

育井「ま〜たお前か、都会っ子はしつこいっぺ」バッ

 

 

 

 

 

 

育井【モグラフェイント!】ボグッ

 

ボコボコボコ

 

海未「この技の対処法は……」

 

育井 タッタッタッ

 

ポンッ!

 

海未「あなたの動きについて行くことです!」シュバッ!

 

育井「なっ……!?」

 

海未「真姫!」ドッ!

 

 

 

 

 

 

 

真姫「行くわよ、凛!」トッ

 

凛「うん!」

 

 

 

 

 

 

真姫凛 グッ

 

ダンッ! ダンッ!

 

グルグルグル グルグルグル

 

真姫凛 バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッッッ!!!!!

 

真姫凛【ファイアトルネードDD!!】

 

ゴォォォォォォォ!!!

 

角間「出ましたぁぁ!!予選決勝で勝ち越しを決めた【ファイアトルネードDD】!!」

 

角間「これを千羽山、止めることができるのかぁ!?」

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォオ!!!!

 

牧谷塩谷 ザッ

 

【無限の壁!】

 

ドギュルルルルルル!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ビキビキ………

 

綾野「……!!」

 

真姫「いけ!!」

 

絵里「決まって!」

 

バリィン!!

 

綾野「ズラッ!?」ドサッ

 

ドシュルルルルル……!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「よし…!」スタッ

 

角間「決まったぁぁ!!無敵の要塞を見事打ち破りました!」

 

角間「試合を振り出しに戻しました!!」

 

真姫「やったわね、凛!」クルッ

 

真姫「……凛?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「うあぁぁ!!!」ドサッ

 

真姫「凛!!」ダッ

 

凛「ぐぅぅ……!」ギュゥッ

 

角間「おおっと……星空がシュート直後うずくまって動きません!!一体どうしたのでしょうか!」

 

花陽「……っ!」ダッ

 

ピーーーーーーー!

 

タッタッタッ

 

穂乃果「どう?真姫ちゃん」

 

真姫「……」クイッ

 

凛「うぅぅ……!!」ビクッ

 

真姫「………そこまで酷くはないけど、決して軽くはないわ……この試合はやめておいたほうがいいかも」

 

ことり「そんな……」

 

海未(一体どのタイミングで……)

 

海未(着地は別におかしくありませんでした、シュートの瞬間……?)

 

海未(いや……)

 

海未「凛、あなたまさか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「星空が抜けて代わりのメンバーが入ります!」

 

ヒデコ「精一杯やらせてもらうよ」

 

雪穂亜里沙「よろしくお願いします!」

 

花陽「よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「全く無茶するんですから……」はぁ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

海未「あなたまさか、ずっと怪我していたのを隠していたのではないですか?」

 

凛「……!」

 

にこ「たしかに……」

 

にこ「前半体力だけが取り柄の凛にしては随分息が切れてたわよね」

 

凛「だけは余計だにゃ…」

 

真姫「休憩の時もよく飲み物を飲んでたし……」

 

絵里「そうなの?凛」

 

凛「えと……その……」

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「実は凛ちゃん、試合前にちょっと捻っちゃってたの」

 

凛「!」

 

にこ「試合の前?」

 

海未「……!お手洗いのあとですか?」

 

花陽「うん、急いで行こうとした時に挫いちゃったみたいで…」

 

海未「そうだったのですね」

 

にこ「それならそうと早く言いなさいよ、こんなになるまで黙ってるなんて」

 

凛「ご、ごめんなさい……」

 

希「まあまあ、凛ちゃんもみんなに気を使って言いだせなかったんやろうし……ね?」

 

にこ「うぐっ……」

 

にこ(たしかに少し押し付けてたとこはあったかも……)

 

海未「……すみません、今は凛の治療が先決ですね」

 

フミコ「私が医務室連れてくよ!」

 

ことり「うん、ありがとう!」

 

真姫(………ついさっきできた怪我じゃなかったけど……)

 

真姫(まあいいか)

 

 

 

 

 

 

 

海未「凛、今は一刻も早く治すことに専念してください」

 

凛「う、うん!」

 

海未「そして、試合の後に話があります」ニコッ

 

凛「ひぃぃ……!」ガタガタ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「穂乃果ちゃん!」

 

穂乃果「なに?」

 

花陽「あのね……」コショコショ

 

穂乃果「!…わかった、やってみる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千羽山1-1音の木坂

 

ピーーーーーーー

 

角間「音の木坂は星空の代わりにメンバーを入れ替えて試合再開です!」

 

角間「しかしこれでもう【ファイアトルネードDD】を放つことはできません!!」

 

角間「あと一点、お互いに緊張が走っております!」

 

 

 

 

 

 

ドッ!ドキュ!いけー!トッ、ドキュゥゥゥ!!

 

 

真姫「はぁ!!」ドキュッ!

 

綾野「ずらぁ!!」バシッ

 

育井「よっ!」ドキュ!

 

穂乃果「てやぁ!」バシッ

 

雪穂【ハンターズネット!】

 

山根「……!」ドサッ

 

原野【ラン・ボール・ラン!】

 

ことり「うわぁ!!」ドサッ

 

 

 

 

 

 

 

角間「刻一刻と時間が過ぎていきます……」

 

角間「どちらも譲らぬ攻防戦……!!」

 

角間「一体どうなってしまうのでしょうか!?」

 

 

 

 

真姫「あれ行くわよ、絵里!」トッ

 

絵里「もうやるしかないわよね……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ブワァァァ!!! ブワァァァ!!!

 

真姫絵里【ファイアブリザード!!】

 

ドゴォォォォォオ!!!!

 

角間「こ、これは新必殺技かぁぁ!?」

 

ことり「あの技……!」

 

希「えりちたちのお母さんの……!」

 

にこ「なんでもいいわ、決まりなさい!!」

 

真姫絵里「お願い!!」

 

綾野【無限の……】………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュゥゥゥゥ…………

 

テンテンテン

 

海未「外……れた」

 

角間「凄まじいシュートでしたが失速し、外れてしまいましたぁ!!」

 

真姫「〜〜……!!もうっ!」ジャリッ!

 

絵里「ダメ………か」

 

 

 

 

 

角間「ボールは千羽山へと移ります!」

 

綾野 ドッ

 

育井「ほっ!」トッ

 

ブワァァァ!! ブワァァァ!! ブワァ!

 

絵里【スノー……】

 

原野「させないっぺ!」バッ

 

絵里「っぐ……!」

 

角間「千羽山原野、見事なブロックです!!」

 

ことり「ここで止めます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

育井 ボグッ

 

ことり(さっきの海未ちゃんで対処法は分かってる!)

 

ボコボコボコ

 

育井 バッ

 

ことり「ここ!」ガッ

 

ことり「……!?」ズシッ

 

ことり(え……!?これ……)

 

ことり「………スイカ!?」

 

希(どこかのヒーロー思い出すなぁ……)

 

ポンッ!

 

育井【モグラシャッフル!】

 

育井「都会っ子は間抜けばかりだっぺ!」

 

ことり「そんなぁ〜……」

 

角間「育井がドリブルで上がっていきます!」

 

角間「FWの田主丸にパスが通りました、残すはディフェンスラインのみ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「海未、どうすんの!?」ハッ……ハッ……

 

絵里「決め手が全くないわ……」フゥ……

 

真姫「正直……これ以上は……」はぁはぁ

 

海未「………」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

角間「田主丸が小泉を抜きましたぁ!!」

 

角間「ゴールとの距離が近い、完全にフリーだぁぁ!!」

 

にこ「うそ!?」

 

海未「ま、まずいです!」

 

絵里「今決められたら……」

 

角間「ここでの得点は勝敗を決める一点となります!!」

 

角間「キーパー高坂、果たして止めることが……おや!?」

 

タッタッタッ

 

角間「なんと……」

 

穂乃果「………」タッタッタッ

 

角間「高坂が田主丸に向かって走っていきます!」

 

にこ「なにやってんのよあのバカァ!」

 

海未「ああ穂乃果……ついにヤケに……」

 

田主丸「いくぜ!」コォォォ!

 

 

 

 

 

 

田主丸【シャインドライブ!!】

 

パァァァァ!!

 

穂乃果「!」

 

穂乃果(……ここ!!)バッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォォォォ!!!

 

パァァァァァァァ!!!!!

 

角間「眩しくて全く見ることができません!!果たしてシュートは………」

 

 

 

 

 

 

シュルルルルル……!

 

穂乃果 ニッ

 

田主丸「な、なにっ……!?」

 

角間「止めていたぁぁ!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

角間「先程は得点を許したシュートを今度は正面からガッチリとキャッチ!」

 

穂乃果「花陽ちゃんのおかげだね……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

花陽「ちょっといい?」

 

穂乃果「なに?」

 

花陽「あのね」コショ

 

花陽「もし次シュート打たれそうになったら……」

 

花陽「花陽が出来るだけゴール前まで惹きつけるから、穂乃果ちゃんも出来るだけゴールから出てきておいて」

 

花陽「ゼロ距離で止めちゃえば眩しさなんて関係ないはずだから」

 

穂乃果「……わかった、やってみる」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果(…さっき決められたシュート、今度は止められた……!!)

 

花陽「………」ニッ

 

監督(小泉はボールを取ろうと思えば取れた)

 

監督(だがあえて高坂に止めさせることで自信を取り戻させた)

 

監督(………人間の心理をよく理解してる)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果(……)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

角間「ゴールとの距離が近い、完全にフリーだぁぁ!!」

 

にこ「うそ!?」

 

海未「ま、まずいです!」

 

絵里「今決められたら……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果「そんなに心配しなくたっていいじゃん……」ボソッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙「穂乃果さん!」バッ

 

穂乃果「……!」ハッ

 

穂乃果「亜里沙ちゃん!」ドッ

 

亜里沙「んっ…!」トッ

 

角間「残り時間はごくわずか……このまま延長戦かぁ!?」

 

亜里沙(亜里沙のあのシュートなら……いや、それはダメ)

 

亜里沙(……なら)

 

亜里沙「……一か八か……!!」

 

穂乃果「いっけー亜里沙ちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙「はぁっ……!」クルッ

 

田主丸「っち……!」ガクッ

 

原野「行かせないっぺ!」

 

山根 ザッ

 

亜里沙「っ……!」ピタッ

 

花陽「こっち!」バッ

 

亜里沙「…!お願いします!」ドッ

 

花陽 ドッ

 

亜里沙「ハラショー!」トッ

 

タッタッタッ

 

角間「絢瀬亜里沙がディフェンスから上がって行く!!」

 

角間「絢瀬妹はディフェンダーながら強力なシュートを持っています、それに賭けようというのでしょうかぁ!?」

 

絵里「ダメよ亜里沙……!!」

 

海未「あの技は……」

 

亜里沙「大丈夫です……よ!」ドッ

 

 

 

 

 

 

 

絵里「え、私?」トッ

 

角間「絢瀬妹が敵を引き付け、最後はエース絢瀬にボールを託したぁ!!」

 

絵里(どうする……私のシュートじゃあの壁は……)

 

綾野「フンッ」

 

にこ「なんでもいいから早く打ちなさい!」

 

絵里(なにか……なにかないの…!?ほかにもっといい方法……)

 

亜里沙「お姉ちゃん!」タッタッタッ

 

絵里(……!亜里沙?)クルッ

 

バチッ(アイコンタクト)

 

亜里沙(………亜里沙のやりたいこと、わかるよね?)タッタッタッ

 

絵里(……相変わらず無茶な作戦ね)

 

亜里沙(お姉ちゃんは考えたことなかった?)

 

絵里(……少しあったわ)

 

亜里沙「ふふ、よかった」ニコッ

 

絵里「こんな土壇場でやることじゃないんだけどね」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

バチッ

 

 

ねえお姉ちゃん

 

なに?

 

 

 

 

 

 

二人であの技を打ったら……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

亜里沙「面白いでしょ?」フフフ

 

絵里「……わんぱくな妹を持つ姉の身にもなりなさい」はぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「……いくわよ亜里沙」スッ

 

亜里沙「うん!お姉ちゃん!」トンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「ふっ…!」バッ

 

ポーン

 

亜里沙「てやぁ!!」ドゴォ!

 

パキパキパキパキ

 

絵里亜里沙 ザッ

 

 

 

 

 

 

 

角間「こ、これは……【エターナルブリザード】の体勢ですが……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「はぁぁぁ!!」グルグルグル

 

亜里沙「はぁぁぁ!!」グルグルグル

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!

 

絵里亜里沙【ホワイトダブルインパクト!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォォオ!!!!

 

角間「出たぁぁぁぁぁ!!!!!絢瀬姉妹による強力な新必殺技です!!」

 

穂乃果「あ、あんなの見たことないよ!?」

 

希「えりちと亜里沙ちゃんの合体技……か」

 

希(よかったね、えりち……)フフ

 

真姫(いつのまにあんな技……)

 

 

 

 

 

牧谷塩谷 ザッ

 

【無限の壁!】

 

ドギュルルルルル!!!!

 

絵里「……….」

 

亜里沙「……」

 

クルッ

 

スタスタ

 

綾野「……っ」タラッ ググググッ……

 

絵里亜里沙「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里亜里沙 ニッ

 

パチンッ(ハイタッチ)

 

 

 

 

 

 

 

 

バリィン!!!

 

綾野「ズラァァ!!」ドサッ

 

ドシュゥゥゥゥ……!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「き………」

 

 

 

 

 

 

 

角間「決まったぁぁぁ!!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!

 

ピッピッピーーーーーーー!

 

角間「ここで試合終了のホイッスル!」

 

角間「準決勝へと駒を進めたのは新必殺技で決勝点をもぎ取った音の木坂だぁぁ!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!

 

角間「どちらもよく守り、よく攻めた!この試合はフットボール史に残ることまちがいないでしょう!」

 

角間「実況は角間、角間でお送りしました!!」

 

ありがとうございました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「……信じてたわよ」

 

亜里沙「うん、亜里沙も」ニコッ

 

穂乃果「ぅ絵里ちゃぁーーん!!」ガバッ

 

雪穂「亜里沙ぁぁ!!」ガバッ

 

絵里「ほ、穂乃果!?ちょっと……重…!」ウグッ

 

亜里沙「ハラショー!雪穂、子供みたい」クスクス

 

穂乃果雪穂「だって……ね?」

 

花陽「すごい必殺技だったしね!」

 

ことり「うん!ゴォォォォ、ブワァァァ、ドカーンって!」

 

にこ「あんた語彙力どこに置いてきたのよ」

 

ことり「………」

 

ことり「母ちゃんの腹の……」

 

希「そこまでやことりちゃん」

 

真姫(……凛……)

 

真姫(勝ったわよ)グッ

 

 

 







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「私たちはそんなに頼りないですか?」



久しぶりに食べたカプリコは思い出の味がしました乾電池です

ドロドロでした




 

 

 

 

 

 

 

医務室

 

ガチャッ

 

穂乃果「凛ちゃん元気ー?」

 

凛「見てたよみんな!勝ったんだね!」

 

にこ「あったりまえじゃない、私を誰だと思ってるのよ」ファサァ……!

 

凛「にこちゃんがアワアワしてるとこもバッチリ映ってたにゃ」

 

にこ「うぐっ……!」ゴンッ

 

真姫「それで、どうなの?具合は」

 

凛「そ、それが……」チラッ

 

医務室の女性「試合なんてダメですよ、走るのも控えてください」ブッブー

 

絵里「そ、それじゃあ次の試合は……!」

 

女性「次ってことは来週よね?」

 

女性「んー……ダメかな?」

 

絵里「そんな……」

 

女性「もし決勝まで行けたら治ってる頃だと思うから、それまでの辛抱よ」フフ

 

みんな「………」ッ……

 

にこ(凛無しで準決勝……)

 

海未(ディフェンス、オフェンス面でかなりの戦力ダウンですね……)

 

花陽(……私が…無理にでも止めてれば)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「お願いします、試合、出たいです」

 

海未「凛……」

 

花陽「凛ちゃん……」

 

女性「ダメよ」

 

凛「どうしても……ですか?」

 

女性「選手を守るのが私の役目、どうしてもよ」

 

凛「……」ギュッ

 

みんな「………」

 

「凛ちゃん」

 

凛「?」クルッ

 

凛「…!」

 

凛「………ことりちゃん……?」

 

ことり「……」

 

海未「ことり……?」

 

ことり「……メイド喫茶でした約束……覚えてる?」

 

凛「……なんでも言うこと聞くって言ったこと?」

 

ことり「うん、今使うね」

 

凛「……」

 

ことり「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「私たちを信じて……まってて」

 

凛「………っ!」

 

ことり「絶対勝つから」

 

凛「………」

 

凛「……うん」コクリ

 

ことり「ありがとう凛ちゃん」ニコッ

 

凛「……」

 

凛「みんな」

 

凛「………ごめんなさい」ペコッ

 

絵里「……凛…」

 

凛「みんなに怪我してたこと黙ってて……」

 

みんな「………」

 

凛「………でも」

 

凛「凛がいなくてもみんななら次も絶対大丈夫だろうし……」

 

にこ「……は?」

 

凛「次の試合もいつも通りみんなで……」

 

にこ「ねえ」

 

凛「凛、ベンチから応援して……!」

 

にこ「希」

 

希「あいあいさー!」ガバッ!

 

凛「な、なに…!?」アワアワ

 

希「ワシワシMAXー!!」ワシワシー!

 

凛「なんで!?なんで!?」

 

凛「いにゃぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「はぁ……はぁ……うぅん…」ビクビク

 

希「またつまらぬものを揉んでしまった」ワキッ

 

凛「ひどいにゃぁ!!」ゴーン!

 

にこ「あんたがバカなこと言うからでしょ」

 

にこ「……早く怪我治して戻ってきなさい」

 

にこ「みんな待ってるんだから」

 

凛「にこちゃん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「何か悪いものでも食べた?」

 

にこ「……」イラァ

 

ゴチンッ!!

 

凛「おぐぅぅ……!!」シュゥゥゥ……

 

ことり「うわぁ、痛そう」

 

凛「頭が……頭がぁぁ!!」

 

穂乃果「ちょっと!凛ちゃんの頭が悪くなったらどうするの!?」

 

真姫「……もともとそれほど良くない……」

 

凛「………」ガクッ

 

海未「やめましょう、もう凛のライフはゼロです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰り道廊下

 

海未「……真姫」

 

真姫「なに?」

 

海未「わからなければそれで良いのですが、凛のケガについて……」

 

海未「あれは……」ごにょごにょ

 

真姫「…ええ、たしかに」ごにょごにょ

 

海未「なるほど、やはりでしたか」

 

海未「ありがとうございます」

 

真姫「……別に」クルクル

 

真姫(……凛、ご愁傷様)

 

 

 

 

 

 

 

帰り道

 

海未「この時間になってもまだ明るいですね」テクテク

 

花陽「夕日が綺麗だね〜」テクテク

 

花陽「今日は穂乃果ちゃんたちとは帰らないの?」

 

海未「穂乃果はクレープが食べたいと一足先に帰ってしまいましたから」

 

凛「珍しいにゃ〜、いつもみんなで食べて帰るのに」

 

凛「よいしょ……っと!?」グラッ

 

花陽「ほっ!」ガシッ

 

花陽「大丈夫?まだ松葉杖慣れないみたいだね」

 

凛「ありがとうかよちん!」

 

海未「凛、こちらに行きましょう」

 

花陽「こっち?」

 

凛「あ、ごめんかよちん」

 

凛「凛、海未ちゃんとちょっと約束があるからここで……」

 

花陽「……そっか!バイバイ凛ちゃん海未ちゃん、気をつけてね!」

 

海未「はい、気をつけて帰ってくださいね」

 

凛「ばいばーい!」ブンブン

 

凛「ぅわっ……!」グラッ

 

ガシッ

 

凛「あ、ありがと海未ちゃん…」

 

海未「松葉杖つきながら全力で手を振る人がいますか……」ヤレヤレ

 

凛「ごめんごめん……」

 

凛「で、どこ行くの?」

 

海未「すぐそこですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鉄塔広場へ続く階段

 

海未「はぁ……はぁ……」ザッ…ザッ…

 

凛「海未ちゃん、やっぱり凛自分で歩くよ?」

 

海未「いえ、私がここにしようと言ったのですから……!」ググッ

 

海未「なんの……これしきぃ……!!」ググググッ

 

 

 

 

 

 

凛「っと!」スタッ

 

凛「ありがと海未ちゃん!」

 

海未「い、いえ………」ゼェ……ゼェ……

 

海未「それより………何か聞こえませんか?」

 

凛「何か?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バシィ!ドコォ!!ドサッ、ズザザザザザ!!

 

 

 

凛「聞こえる……」

 

凛「もしかして………喧嘩!?」

 

凛「ま、まずいよ……逃げないと」アワアワ

 

海未「……ふふ、ついて来てください」スタスタ

 

凛「そっちは音がしてる方だよ……!」ヒソヒソ

 

海未「大丈夫ですから」

 

凛「うぅ〜〜……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「ここです」

 

凛「……すぐ近くで音が聞こえるにゃ……」

 

海未「この物陰から覗いてみてください」

 

凛「一体何が…………」ガサッ

 

凛「…………え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「ふんんん!!!」ズザザザザザ!!

 

凛(ほ、穂乃果ちゃん!?)

 

穂乃果「ぜっ……ぜっ………」

 

穂乃果「……んっ……!」ブンッ

 

フワッ

 

ゴォォォオ!!!

 

ドゴォォ!!

 

穂乃果「うわぁぁ!!」ドサッ

 

凛「穂乃果ちゃ……!」ガサッ

 

ガシッ

 

海未「………」フルフル

 

凛「……なんで……」

 

ブラン……ブラン………

 

穂乃果「はぁ……はぁ……」

 

穂乃果「…………」

 

穂乃果「………ぅ……」ウルッ

 

凛「!」

 

穂乃果「わかんないよぉ……」ウルウル

 

穂乃果「強くもなれないし、みんなには当たっちゃうし……」

 

穂乃果「もうやだぁ……」ポロポロ

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「…………うそ」

 

凛「穂乃果ちゃん、今日……クレープ食べるって……」

 

凛「それに……あんな弱気な穂乃果ちゃん初めてみた」

 

海未「あそこまでは私も初めてです」

 

海未「最近は練習の後も暗くなるまで練習してるんですよ」

 

凛「でもあんな無茶な練習……」

 

海未「私も初めから見ていたわけではありませんが……それはひどいものでしたよ」

 

海未「吹き飛ばされるのは当たり前」

 

海未「なんども転がされて、怪我をしなかったのは奇跡だったと思います」

 

凛「じゃあ何で……!」

 

海未「昔から……口癖だったんですよ」

 

凛「口癖?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ほのか「やるったらやる!!」

 

ことり「さすがにまだむりだよぉ……」

 

うみ「りふてぃんぐみんなで20回なんて……」

 

ほのか「やるったらやるの!ほらいくよ!」ドッ

 

イーチ!ニーイ!

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「……18!」ドッ

 

ほのか「いけるようみちゃん!」

 

うみ「…はい!」タタッ

 

うみ「……19!」ドッ

 

うみことり「あっ!!」

 

ポーン

 

ことり(ボールが変なとこ飛んでっちゃった……)

 

うみ(あぁ……私のせいで……ごめんなさいほのか……)ウルッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てやぁーーー!!!」ズザザッ!

 

うみ「ほのか!?」

 

ことり「それはむちゃだよぉ!!」

 

ほのか(…届く!)

 

トッ

 

ほのか「うぶぇぇぇ……!」ズザザッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

うみ「大丈夫ですかほのか!」タッタッタッ

 

ほのか「えっへへ!届いたよ!20回!」

 

ことり「うん!できたんだね、ほのかちゃん!」

 

うみ「う……うぅ……」ポロッ

 

ほのか「う、うみちゃん!?」

 

うみ「よかったです〜!」ダキッ

 

ほのか「ど、どうしたの?」

 

うみ「私が……へんなとこに…ヒック!……けとばしたから……うぅ……」ウルウル

 

うみ「ほのかがとりに……けが……あぁぁぁ!!!」ポロポロ

 

ほのか「??」

 

ことり「じぶんがけっちゃったボールをとりにいったほのかちゃんがけがするのがこわかったんだって!」

 

うみ「ほ、ぼのががぁぁ!!しんだらどうじようっでぇぇぇ!!!」ポロポロ

 

ほのか「………」

 

ほのか「うみちゃん!!」

 

うみ「……はい…?」ピタッ

 

ほのか「ほのかはおっきくなってもふたりとさっかーするの!かってにしなせちゃだめ!」

 

うみ「……ふふ、ほのからしいですね」

 

ほのか「それより20回だよ20回!!」

 

うみ「はい!すごいです!」

 

ほのか「えっへへへ!」

 

ほのか「だからいったでしょ?」

 

ほのか「やるったらやるって!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

(泣いてるシーンを海未ちゃんはカットして話しています)

 

 

凛「昔から穂乃果ちゃんは穂乃果ちゃんだったんだね……」

 

海未「あのタイヤに転がされていた時もよくいってました」

 

海未「やるったらやる……絶対諦めない、と」

 

凛「………」

 

海未「しかし」

 

凛「?」

 

海未「ここ最近は聞いていないんです」

 

海未「あの魔法の言葉を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「どうして?」

 

海未「わかりません、だから直接訳を聞こうかと思いまして」

 

海未「凛はここに居てください」ガサッ

 

凛「ま、まって!」ガシッ

 

海未「凛……?」

 

凛「………本当にいいの?」

 

凛「あそこにいる穂乃果ちゃんは多分……」

 

凛「みんなに見せたくない穂乃果ちゃんなんじゃないかな」

 

海未「……私もそう思います」

 

凛「なら……!」

 

海未「そう思って……見守って来ました」

 

海未「しかし日に日に……悪くなっているんです」

 

凛「悪く?」

 

海未「今日の出来事、覚えてますね?」

 

凛「点決められた後のこと?」

 

海未「はい、今まで溜まっていた元が溢れてしまったのでしょう」

 

凛「あの後雪穂ちゃんに声かけたりゴール止めたり、普通にプレイしてたけど……」

 

海未「私も踏み込むのは悪いと思い、一言言いました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「相談に乗りますよ、と」

 

海未「私でなくても良かったんです、誰でも相談してくれれば」

 

凛 チラッ

 

穂乃果「うぅ……ぁ」ポロポロ

 

海未「あれほど追い込まれるまで放ってしまった……」

 

海未「頼ってくれると信じていたのに……」ギュッ

 

凛「海未ちゃん……」

 

海未「これは、私の責任でもあるんです」

 

凛「………」

 

海未「………行ってきます」ガサガサ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果(どうすればいいんだろう……)

 

穂乃果「………」ポロポロ

 

穂乃果(吐き気がする……)

 

ザッザッ

 

「最近よく曇ってますが、今日は一段と曇り空ですね」

 

穂乃果「!?」ガバッ!

 

海未「……隣、いいですか」

 

穂乃果「海未ちゃん……」

 

穂乃果「……!」ゴシゴシ

 

海未「……….」スッ

 

ストンッ

 

穂乃果「…………!」

 

穂乃果(いつも砂の上になんて絶対座らないのに……)

 

海未「………」

 

海未「綺麗な夕焼けですね」

 

穂乃果「……さっきは曇り空って言ってなかった?」

 

海未「太陽が陰ってしまっていたので……」

 

穂乃果「?」

 

海未「こっちの話です」

 

穂乃果「ふふ、なにそれ」

 

海未「…………」

 

穂乃果「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「怖いんだ」

 

海未「………」

 

穂乃果「みんなすごく上手になってる」

 

穂乃果「真姫ちゃんと絵里ちゃんは言わなくてもだし」

 

穂乃果「希ちゃんと凛ちゃんは入部してから始めたなんて信じられないくらい上手になってるし」

 

穂乃果「ことりちゃんなんて、ザ・女の子って感じなのにサッカーになるとすごいし」

 

穂乃果「にこちゃんと花陽ちゃんは……まあここも言わなくてもわかるよね」

 

穂乃果「もちろん海未ちゃんもだよ」

 

穂乃果「………」

 

穂乃果「みんなすごいんだぁ……」

 

穂乃果「どんどん走って行っちゃって」

 

穂乃果「穂乃果……ついていけないよ」あはは……

 

海未「………」

 

穂乃果「………ねえ海未ちゃん」

 

海未「………はい」

 

穂乃果「キーパー………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「穂乃果じゃなきゃダメ?」

 

海未「ーーーー………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サァァァァァァァ……………

 

 

 

 

 

 

 

海未(言われた意味がわかりませんでした)

 

海未(頭をガツーンと殴られたような、そんな衝撃でした)

 

海未(あなた以外に誰がいるんですか)

 

海未(私たちのキーパーは……)

 

海未(あなたですよ、穂乃果)

 

海未「…………」

 

海未(そう言ってあげたいのに……声が出ない)

 

海未(あ、私腕を振り上げて……)

 

海未(頭ではわかっているのに止まらない)

 

海未(穂乃果の顔に……)

 

海未(ーーー)

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「ダメに決まってるにゃぁぁあ!!!」ガサッ

 

海未「!?」ピタッ

 

穂乃果「り、凛ちゃん!?」

 

凛「穂乃果ちゃんが辞めたら凛もやめる!」

 

凛「サッカーもみんなも……大好き、だけど……っ…」

 

凛「穂、乃果ちゃんが……」ウルッ

 

凛「穂乃果ちゃんがやめるなら凛もやめる!!」ポロポロ

 

穂乃果「凛ちゃん……」

 

凛「やめるんだからぁぁ……!!」ポロポロ

 

海未「落ちっ……落ち着いてください凛!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「うぅぅ………」ヒック

 

海未「どうしてあなたが一番泣いているのですか……」ガサガサ

 

海未「ほら、チーンってしなさい」

 

凛「ふんんん!!」チーン!

 

穂乃果「どうして二人ともここにいるの?」

 

海未「あなたの相談に乗りに来たのと、凛のお説教です」

 

凛「にゃ!?」ガーン

 

海未「当たり前です」

 

穂乃果「穂乃果の相談はもう大丈夫だよ」

 

海未「……本当ですか?」ジトー

 

穂乃果「本当だよ!ほら、この通り!」マッスル

 

海未「……わかりました」

 

海未「そのかわり、また困ったら誰でもいい」

 

海未「相談してくださいね」

 

穂乃果「了解です!」ビシッ

 

海未「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「凛」

 

凛「ひぅ……!!」

 

海未「こちらへ」

 

凛「にゃ〜……」

 

穂乃果「松葉杖であんなとこまで行ったんだ……早いね」

 

海未「逃げ足はですがね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「………」ちんまり

 

海未「真姫から聞いたのですが、この怪我はついさっきでできる怪我ではないそうです」

 

海未「正直に答えてください」

 

海未「怪我、または違和感はいつからですか?」

 

凛「………多分一ヶ月くらい前……?」

 

海未「多分?」

 

凛「うん」

 

凛「捻ってテーピングして治って来た頃にまた捻って……」

 

凛「最近はほとんど治ってたんだけど、試合前日に家に帰った時また痛くなっちゃって……」

 

海未「花陽は気づかなかったのですか?」

 

穂乃果「花陽ちゃん最近そういうところすぐ気付くよね〜」

 

凛「………口止めしてもらったの」

 

海未「つまり花陽は知っていたのですね」

 

凛「まって、かよちんは悪くないよ!」

 

海未「分かってます、誰が悪いと言いたいわけではありません」

 

凛「よかった……」ホッ

 

海未「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「私たちはそんなに頼りないですか?」

 

凛「え……?」

 

海未「あなたと真姫のお陰で同点に追いつくことができましたが」

 

海未「たった一試合を任せられないほど私たちが頼りないですか?」

 

凛「ち、違うの…!!そうじゃなくて……」

 

海未「なにが違うのですか?」

 

凛「だから……えっと……」

 

海未「今なら別に怒りませんから正直に言ってください」

 

凛「ち、違うって……」

 

海未「凛!!」

 

凛「違うんだってば!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「………っ」ハッ

 

凛「………」

 

海未「…………」

 

凛「多分………穂乃果ちゃんと同じ理由……」

 

穂乃果「穂乃果と?」

 

凛「怖くて………不安なの」

 

穂乃果「……!」

 

凛「……もし凛が……試合に出なくて……」

 

凛「あれ、なんだか今日試合しやすいね」

 

凛「なんてことになったらって……思うと」

 

海未「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「にこと希」

 

凛「?」

 

海未「あなたがよく軽口を叩きあう二人です」

 

凛「あ……」

 

海未「拒絶されるのが怖くて………」

 

海未「みんなに早く溶け込もうとちょっかいをかけていたのでしょう?」

 

凛「………」

 

海未「穂乃果も私と出会った当時、似たようなことをしていました」

 

穂乃果「穂乃果が?」

 

海未「私をわざと鬼にしたり、わざわざからかったりして」

 

海未「ゆっくり、確実に、みんなの輪に入ることができました」

 

凛「………」

 

海未「まああの頃の私からすればやめてほしいとしか思えなかったですが」

 

穂乃果「あはは……」

 

海未「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「凛」

 

凛「?」

 

海未「あなたは音の木坂の……」

 

海未「………」

 

海未「μ'sの一員です」

 

凛「……!」

 

海未「あなたのいないサッカー部なんてありえません」

 

海未「優勝………みんなでしましょう」

 

凛「………」

 

海未「……すみません、上手く話せなくて」

 

凛 ブンブン

 

凛「………嬉しい」ニコッ

 

穂乃果「……凛ちゃん」

 

凛「?」

 

穂乃果「私たちは凛ちゃんとサッカーがしたい」

 

凛「……!」

 

穂乃果「あの言葉……取り消したつもりはないよ」

 

凛「……うん!」

 

穂乃果「よーし!それじゃあ今日はもう帰ろう!」

 

海未「練習は良いのですか?」

 

穂乃果「今日はもういいや!帰ろー!」

 

海未「……そうですね、行きましょうか」

 

凛「ラーメン食べるにゃー!」

 

穂乃果「いいね!あれしよう、アブラマシマシ〜〜ってやつ!」

 

凛「あれは強敵だよ……?」

 

穂乃果「今ならいける気がする!」

 

穂乃果「よし、凛ちゃん乗って!」

 

凛「穂乃果ちゃん号、発進!」ヨイショ

 

穂乃果「あいあいさー!」タッタッタッ

 

海未「走ると危ないですよ!私も行きますー!」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜鉄塔

 

「…………」ウップ

 

「……食べ過ぎた…」

 

「………」グッ

 

ブンッ!

 

フワッ……

 

ゴォォォォォオ………!!!!

 

ドゴォォォォォォォ!!!!!!

 

ズズズズ………

 

「……早く……強くならないと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果宅

 

雪穂「何か冷たいものないかな〜」ガラッ

 

雪穂「……はぁ、お姉ちゃんが私のアイス食べなかったら今頃私が食べれてたのに……ん?」ガサッ

 

雪穂「……こ、これ……!!私の期間限定のアイス……!?」

 

雪穂「なんだあるんだ……」ホッ

 

雪穂「なんでお姉ちゃんあんな嘘………」

 

雪穂「………」

 

雪穂「………」

 

雪穂「………!」ハッ

 

雪穂「………〜〜〜〜!」ググッ

 

 

 

 

 

雪穂「……バカお姉ちゃん」

 

 








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第6話「う、嘘だよね?」



クラロワが勝てなくなってきた乾電池です

難しい!




 

 

 

 

部室

 

ガラララ!!

 

花陽「た、たいへんですぅ!!」

 

にこ「ものすごいニュースよあんたら!!」

 

絵里「にこ、ドアは静かに開けないと危ないでしょ?」

 

希「いやいや、今開けたのは花陽ちゃんやん?」

 

真姫「花陽があんなに乱暴なわけないじゃない」

 

凛「にこちゃんらしい開け方だったにゃ!」

 

にこ「どっちでもいいわよ!!どうしてあんたらはそうすぐに脱線するのよ!!」

 

絵里「にこ、カルシウムが……」スッ

 

にこ「カルシウムブレイク!!」ブシュゥゥ!!

 

絵里「私のバナナオレーーー!!」

 

凛「あの絵里ちゃんのバナナオレが一撃で……!」

 

希「強い……今までとは一味違う」

 

にこ「もう……ああー!もう、いいのよ!!それは!」

 

花陽「UTX二回戦の対戦結果が出ました!」

 

穂乃果(!……確かその試合は……)

 

海未「一回戦は2-0で突破していましたが……」

 

花陽「結果は……UTXの勝ちです……」

 

穂乃果「………」グッ

 

凛「それは当然だにゃ〜」

 

花陽「……対0で…」

 

ことり「……?」

 

絵里「ごめんなさい、よく聞こえなかったわ、もう一度いいかしら」

 

花陽「………」プルプル

 

花陽「9-0でUTXの勝ちです!!」

 

みんな「………」

 

みんな「へ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「う、嘘だよねかよちん……」

 

海未「さ、流石にそんなものには騙されないですよ……」

 

にこ「ほんと、たしかな情報よ」

 

絵里「そんなことって………」

 

花陽「試合自体は見てないけど、コメントは見れるよ」スッ

 

希「なになに?」

 

『なんだよあいつら、ガチのバケモンじゃねえか』

 

『一体この短期間に何があったの?』

 

『これはUTXの一強だな』

 

『対戦相手が不憫すぎる』

 

真姫「『せいぜい怪我しないようにしろよ、嵐みたいな試合になるから』………か」

 

みんな「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「……どう……する?」

 

海未「どうと言われましても……」

 

にこ(流石に海未も言葉が出ないか……)

 

にこ(まあこんな結果見せられたら誰でも……)

 

穂乃果「練習しよっか」

 

みんな「!?」

 

にこ(……穂乃果)

 

穂乃果「強くなれば……強くならないと始まらないでしょ?」

 

にこ「……簡単にいうけどどうする気?」

 

海未「準決勝は凛がいない上に決勝までは最長で2週間しかありません」

 

凛「…….」

 

絵里「今までと同じじゃ勝てないわ」

 

穂乃果「……どうするとか、勝てないとか……」

 

穂乃果「関係ないよ」

 

にこ「はぁ?あんたそれ思考放棄っていうのよ?」

 

希「にこっち難しい言葉知ってるなぁ」

 

にこ「これぐらいしってるわ!!」

 

穂乃果「穂乃果たちなら絶対勝てる」

 

穂乃果「穂乃果がやるったらやるんだよ!!」

 

海未「!」

 

ことり「!」

 

凛「!」

 

にこ「はぁー……全然根拠なんてないじゃない」

 

ガタッ ガタッ

 

真姫「……海未?」

 

花陽「ことりちゃん……」

 

海未「練習……行きましょうか」

 

ことり「うん!時間なくなっちゃう」

 

にこ「ちょ、あんたらまで何言って……」

 

凛「いっくにゃー!」ガタッ

 

凛「おおっと?」グラッ

 

花陽「凛ちゃん!?」ガシッ

 

凛「ほらかよちんと真姫ちゃんも!」グイグイ

 

花陽「わ、わかったから!」

 

真姫「ヴェェ!!引っ張らないで!」

 

にこ「……待ちなさい!」

 

花陽「…!」ビクッ

 

海未「………」

 

穂乃果「………」

 

にこ「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「……」はぁ

 

にこ「海未、穂乃果、あんたらはいつも通り練習仕切りなさい」

 

海未穂乃果「!」

 

にこ「花陽は私が借りるわ」

 

花陽「に、にこちゃん!?」

 

にこ「……こいつらに何を言っても無駄よ」

 

にこ「勝つ確率を少しでもあげるために………情報収集行くわよ」

 

花陽「……!うん!」

 

希「………最初から解決策を見つける気なんてなかったくせに…」ボソッ

 

にこ「なにかいった?」

 

希「べっつに〜?」

 

にこ「花陽、行くわよ!」スタスタ

 

花陽「うん!」ダッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未(穂乃果、久しぶりにあなたのそれを聞きましたよ)

 

海未(信じて……よいのですね?)

 

穂乃果(…あの映像、見せた方がいいのかな)

 

穂乃果(でも見せるなって書いてたし……う〜〜〜!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方

 

にこ「っはー………!」ググッ…… テクテク

 

花陽「結局、UTXについてはほとんどわからなかったね」

 

花陽(あの人ゲームしながら歩いてる………あの動きは……ポケモンGOかな?)

 

にこ「でも次の相手の情報は収集したわ」

 

にこ「木戸川清修のね」

 

花陽「帰ってみんなに伝えないとだね!」

 

花陽(この辺子供多いなぁ……へぇ、近くに公園があるんだ)

 

にこ「ええそうね……」

 

花陽「……にこちゃんのいった通りになったね」

 

にこ「え?」

 

花陽「ほら、部室で……」

 

にこ「あぁ……」

 

にこ「解決策なんてあの短時間で見つかるはずないんだから」

 

にこ「なんとか全体を鼓舞してもらう必要があったのよ」

 

にこ「さすがは穂乃果ね」

 

花陽「やっぱりすごいなぁ……」

 

にこ(……たしかに想定通りの展開だったけど……)

 

にこ(あいつ……穂乃果ってあんなだったっけ?)

 

にこ(……)チラッ

 

花陽「?」

 

にこ「花陽、荷物重いでしょ?私が半分持つわ」

 

花陽「いやいや、これぐらい大丈夫だよ!」

 

花陽「それにタオルとか消毒薬とかばっかりで軽いし」

 

花陽(少し意地張っちゃったかな……?)

 

にこ「………じゃあお任せするわ」

 

にこ「ありがと花陽」

 

花陽「いえいえ♪」

 

花陽(よかった、怒ってないみたい)ホッ

 

にこ「……あ……!」ピタッ

 

花陽「にこちゃん?」

 

にこ「花陽、そのお礼にアイス買ってあげるわ」

 

花陽「だ、大丈夫だから!」

 

にこ「私が食べたいのよ、あんたのはついで」

 

にこ「ついでなんだから気楽に受けとんなさい」

 

花陽「……ふふ、ありがと」ニコッ

 

花陽(にこちゃんには敵わないなぁ……)チラッ

 

花陽「!」

 

にこ「それじゃあ買ってくるわね!」タッタッタッ

 

花陽「あ、うん」

 

花陽「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽(あの子、道路の脇でボール持ってて危ないなぁ……)

 

花陽(注意してあげるのが一番なんだろうけど………恥ずかしい……)

 

花陽(あぁ……そんなに走ったら……)

 

花陽(ほらこけちゃった……)

 

花陽(あぁ……泣かないで)

 

花陽(ボールは道路に転がっていっちゃったね……)

 

花陽(取りに行かなきゃだけど車の信号が青だからこっちが青になるまで待たないとね)

 

ブロロロロロロロ

 

花陽(車もきてるし………!?)サァァ……!

 

 

 

 

 

 

子供「ボール!」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「………ダメ」

 

花陽(あ……血の気が引くってこういう感じなんだ)

 

 

 

 

 

 

プップップップーーーーー!!!!!!!!

 

 

 

 

 

子供「?」クルッ

 

 

 

 

 

 

花陽「ダメェェェェ!!!!!」ダッ!

 

花陽(間に合って……!!)

 

 

 

 

 

 

にこ「ありがとうございま〜す!」スッ

 

にこ「ふんふふ〜ん♪」

 

にこ(にこは〜、可愛いピンクのストロベリーで…………花陽はお米味ね)

 

にこ(アイス食べながらまたサッカーの話でもしようかしら)

 

にこ「肝心の花陽は………」キョロキョロ

 

 

 

 

 

プップップップーーーーーー!!!!!!

 

 

 

 

 

にこ「な、なに!?」クルッ

 

にこ(なによ……ずいぶん近いところで………って)

 

にこ「………え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽(間に………合って!!!)ガバッ!

 

カシャン……

 

子供「うぶっ……!」

 

キキキキキキーーーー!!!!

 

 

 

 

 

 

 

グシャ………

 

 

 

 

 

 

にこ「………は……」スルッ………

 

ベチャッ ベチャッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「花陽!!!」ダッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーポーピーポーピーポーピーポー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校

 

海未「希!もっと圧をかけてください!!」

 

希「了解!」

 

海未「真姫!パスを待つだけてなく、自分でも切り込んでください!」

 

真姫「ゔぇぇ……苦手なのよね」

 

 

 

 

 

凛「……ベンチで見学なんて退屈だにゃ〜……」

 

凛(……そうだ!またあのサイトで動画みよっと!)

 

凛「……」ガサゴソ

 

凛「………」ピッ

 

ケータイ『決まったーー!!!』

 

ケータイ『ワァァァァァァァァァ!!!!』

 

凛「……」ジーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブブブブブ

 

[電話だよ、電話だよ]

 

凛「にゃ?にこちゃんから?」

 

ピッ

 

凛「やっほーにこちゃん!情報収集の調子は……」

 

凛「………」

 

凛「………ぇ」

 

凛「……かよちんが……」

 

凛「う、嘘だよね……?」

 

凛「………」

 

凛「……わかった」

 

ピッ

 

ザッザッ

 

海未「今のはにこからの電話ですね」

 

海未「なんと言っていたのですか?」

 

穂乃果「ついに弱点を掴んだとか!」

 

絵里「そううまくいけばいいけど……」

 

希「………?」

 

希(凛ちゃん………?)

 

凛「……かよちんが……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「事故で病院に運ばれたって」

 

 

 

 

 

 

 



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「誰が責任を取るの?」



台風が近づいて来ていて少しヒヤヒヤしている乾電池です

被害は少なそうなところなんですけど嫌ですね




 

 

 

 

凛「……かよちんが……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「事故で病院に運ばれたって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドタバタドタバタ!

 

にこ「ちょっと、病院では静かにしなさいよ」

 

凛「かよちんは!!」

 

にこ「だから落ち着きなさいって……」

 

凛「答えて!!」ガッ

 

にこ「うぐっ……!」

 

穂乃果「待って凛ちゃん、とりあえず話聞こ?」

 

凛「かよちん…かよちんはどこ!!」

 

にこ「………大したことはないわ」

 

凛「……へ?」

 

にこ「私だって初めから見てたわけじゃないけど……」

 

にこ「子供が轢かれそうになってるところに花陽が飛び込んで、無事助けられたのよ」

 

希「お〜、花陽ちゃんやるなぁ」

 

にこ「車との接触はなかったんだけど……」

 

凛「だけど……?」

 

にこ「倒れた拍子に肩を強打したのと、助けられた安心感からあの子……気絶しちゃったのよね」

 

凛「気絶……」

 

にこ「もしかしたら頭でも打ってたんじゃないかって急いで救急車を呼んだわけ」

 

凛「よ……よかったぁぁぁ」ヘナヘナァ……

 

絵里「ずっと誰よりも心配してたものね」

 

凛「当たり前だにゃ!」

 

海未「花陽の体は大丈夫なのですか?」

 

にこ「もう目が覚めてるから軽く治療を受けてるわ」

 

ことり「花陽ちゃんまで出れないなんてことになったら……」

 

穂乃果「フラグだよそれ……」

 

にこ「………」

 

にこ「花陽の肩の具合も心配だけど何より……」ガタッ

 

希「ちょ……にこっち……!」

 

にこ「………」

 

にこ「……ごめん、にこが一番近くにいたのに……」ペコッ

 

にこ「こんなこと言いたくはないけど」

 

にこ「………一歩間違えば取り返しのつかないことになっていたかもしれない」

 

にこ「だから……」

 

「それは違うよにこちゃん」

 

にこ「!あんた……!」

 

凛「かよちーん!!」バッ!

 

真姫「凛!!タイムターイム!!」グググッ

 

希「今飛びついたら完全にアウトやからぁ!!」グググッ

 

凛「よがっだよぉぉ……!!!」ダー!

 

花陽「ふふ、鼻水垂れてるよ」スッ

 

ピキッ

 

花陽「っ……!」

 

絵里「……肩、ひどいの?」

 

花陽「………」

 

「また会ったわね」

 

絵里「!」クルッ

 

凛「あー!医務室のお姉さん!!」

 

女性「久しぶりね、星空さん」

 

凛「ここのお医者さんだったんですね!」

 

女性「ええ、まさかまたあなたたちを担当するとは思ってなかったけど……」

 

女性「どう、調子は?」

 

凛「はい!ずっと安静です!」

 

女性「大丈夫、決勝までには治るわ」

 

絵里「すみません、少しいいですか」

 

女性「なにかしら?」

 

絵里「……花陽は……大丈夫なんですか?」

 

女性「………」チラッ

 

花陽「……」フルフル

 

女性「……」フゥ……

 

女性(まぁ、自分からは言いにくいわよね)

 

女性「………小泉さんは………」

 

みんな「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

女性「1週間絶対安静です」

 

海未「なっ……」

 

絵里「ってことは……」

 

にこ「ちょっと………」ガタッ

 

にこ「あんたわざと私たちをはめようってんじゃないでしょうね!!」ツカツカ

 

女性「………」

 

海未「にこ!!」ガッ

 

にこ「だってそうじゃない!!凛に続いて花陽まで抜けるなんて……」

 

凛「………」

 

花陽「………」

 

にこ「………そんなの………あんまりじゃない……」

 

女性「無理をすれば小泉さんも星空さんも試合に出られるかもしれない」

 

にこ「!」

 

女性「でもそのせいで体に障害が残ってしまった時、誰が責任を取るの?」

 

女性「誰が一番悲しむの?」

 

にこ「………っ」

 

女性「私が担当になったからには、そんな子を絶対出させはしない」

 

みんな「……」

 

海未「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「私は凛に言いました」

 

みんな「!」

 

海未「私たちがそんなに頼りないのか、一試合を任せられないほど弱く見えるのか、と」

 

凛「………」

 

海未「私たちのするべきことは落ち込むことでも怒ることでもありません」

 

海未「前を向いて、決勝への切符を手にすることです」

 

海未「落ち込んでいたって二人の怪我は治りませんから」

 

みんな「………」

 

女性(……今時の高校生ってドラマみたいなこと言うのね……)

 

海未「………」

 

みんな「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「……て……いう感じのこと、を……思ってるんですけど……」

 

にこ「……ん?」

 

海未「………だから……えと……」

 

希(おやおや?)

 

海未「…その……」

 

海未「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「……この空気なんとかなりませんか?/////」カァァ

 

みんな「………」……フ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みんな「あっはははは!!」

 

海未「わ、笑わないでください!!///」

 

希「いいこと言ったと思ったら急に照れるんやもん、かわええなぁ海未ちゃん」ワシワシ

 

真姫「ヴェェ!?なんでその流れで私の胸を揉むのよ!!」

 

ことり「良いではないか、良いではないか」ジリジリ

 

真姫「いやぁぁ!!」

 

穂乃果「あっはははは!」

 

にこ「というかあれぐらいで真っ赤になる?普通」

 

海未「みなさんが黙ってしまうからじゃないですかぁぁぁ!!!///////」

 

ワーワーキャーキャー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女性「………強いのね、あなたたちは」

 

花陽「伊達に準決勝まで来てるわけじゃないですからね」

 

女性「みんなは小さい時から一緒なの?」

 

凛「凛とかよちん、それと二年生3人以外は高校で知り合ったんですよ」

 

女性(それでこの信頼感……)

 

女性(事故にあったと聞いた時、みんなで駆けつけてくる思いやり……)

 

女性(この子たちなら本当に………なんてね)

 

凛「あれ?そういえばかよちんメガネは?」

 

花陽「事故の時に割れちゃったみたい……」

 

花陽「粉々になったメガネが枕元に置いてたから……」

 

凛「それは災難だにゃ〜……」

 

凛「でもメガネのないかよちんもかわいいにゃ〜!」

 

ことり「うん!すっごくかわいい!」

 

にこ「いっそコンタクトにしてみるのもアリかもしれないわね」

 

花陽「え、え?」

 

海未「コンタクトの方がスポーツの時楽でしょうし、悪くないかもしれませんね」

 

花陽「え、えーっと……?」アワワワ

 

凛「かよちんコンタクトデビューだにゃー!」

 

花陽(わ、私喋ってないのにどんどん話しが進んでいく……!)

 

「あの………」

 

 

 

 

 

 

 

 

みんな「ん?」クルッ

 

「っ……!」ビクッ

 

穂乃果「……子供?」

 

ことり「サラサラの綺麗な黒髪だね〜」

 

凛「どうしたのかにゃ?」

 

子供「……えと……その……」

 

 

 

 

 

 

スッ

 

絵里「ふふ、ゆっくりで大丈夫よ」

 

子供「……!はい!」

 

にこ(子供と話すときは目線を合わせる、わかってるわね)

 

絵里「礼儀正しくて偉いわね」ナデナデ

 

子供「〜〜!」

 

ことり(スキンシップを交えて警戒心を解く、さすが絵里ちゃん)

 

子供「あの、お名前を……」

 

絵里「名前?私の?」

 

子供「は、はい!」

 

絵里「んー、そうねー……」

 

絵里「……!」

 

絵里「私の名前はね………」

 

子供「………」

 

絵里「エリーチカよ」

 

希「ブフゥ……!!」

 

ことり「うわぁぁ……!」

 

真姫「希汚い!!」

 

希「だって……不意打ちは卑怯やん……」プルプル

 

真姫「はぁ!?」

 

子供「エリー……チカ……」

 

絵里「ええ」

 

子供「エリーチカ……」キラキラ

 

絵里「ふふ、気に入ってもらえたようでよかったわ」

 

絵里「それで、用事って私の名前が知りたかったの?」

 

子供「え、えっと……!い、妹が……」

 

絵里「妹?」

 

子供「赤い髪の………妹がここにいると聞いたので……」

 

絵里「……?」

 

花陽「あ!もしかして事故の時の?」

 

子供「は、はい!そうです!!」

 

子供「今どこに……」

 

「こら、勝手に歩き回ったらだめですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子供「ご、ごめんなさい……」

 

絵里「この子のお母様ですか?」

 

母親「はい、この度はご迷惑をおかけしてすみません」

 

母親「これ、大した額ではありませんが治療費に……」スッ

 

花陽「いや……!本当に大丈夫です!!」

 

母親「こういうときは受け取っていただいた方が嬉しいものですよ」

 

花陽「……では、いただきます……」

 

母親「はい、ありがとうございます」

 

花陽(明らかに治療費以上入ってる……)

 

母親「………」

 

花陽「……?」

 

母親「本当にごめんなさい」ペコッ

 

花陽「えっ…えっ……?」

 

母親「貴方達今、大会中なのでしょう?」

 

花陽「!知ってるんですか!?」

 

母親「私個人、サッカーがとても好きなのでよく見ているんですよ」

 

花陽「へ〜……」

 

花陽「ということはこの辺にお住まいなんですか?」

 

母親「いえいえ、今日は仕事で地方から出てきたんです」

 

母親「普段はケータイで観戦させていただいています」

 

花陽「なるほど……」

 

母親「私がいうのもおかしな事かもしれませんが、ずっと応援してきました、音の木坂の皆さん」

 

みんな「!!」

 

母親「そのメンバーにこんな仕打ちを……本当にごめんなさい」ペコッ

 

みんな「………」

 

花陽「……気にしないでください」

 

みんな「!」

 

母親「小泉さん……」

 

花陽「音の木坂は強いですから」

 

花陽「絶対優勝してみせます」

 

みんな「………ぉぉ〜」

 

花陽「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「………//////」ボンッ……!

 

花陽「………恥ずかしいね、海未ちゃん///」カァァ

 

海未「花陽、わかってくれましたか…!」

 

にこ「どうしてあんたらはいつもいい雰囲気で終われないのよ」

 

凛「凛はこんなかよちんも好きにゃ〜」

 

穂乃果「よし!じゃああんまり長居してもあれだし帰ろー!」

 

みんな「おー!」

 

女性「病院内ではお静かに」

 

みんな「……おー……!」ヒソッ

 

絵里「妹、大事にしてあげてね」パチッ(ウインク)

 

子供「ぅっ……!」ドキンッ!

 

ゾロゾロ

 

 

 

 

 

 

 

 

母親「……強い方々でしたね」

 

子供「エリーチカ……かっこよかったですわぁ……」うっとり

 

「お、おねいちゃぁ!!」ダダダッ

 

子供「!!怪我はない??痛いところは……!!」

 

妹「ううん、だいじょぶ……」

 

妹「……でも」ウルッ……

 

妹「怖かったよぉぉ……!!!」ポロポロ

 

子供「はいはい、もう大丈夫よ」ナデナデ

 

母親「……貴方を助けてくれた方ね、小泉花陽さんというのですよ」

 

妹「小泉……花陽しゃん?」

 

母親「覚えておきなさい、貴方の命の恩人ですよ」

 

妹「……花陽……しゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「ラーメンいくにゃー!」

 

穂乃果「アブラマシマシー!」

 

海未「おやめなさい、この間も気分悪そうにしていたではありませんか」

 

にこ「あんなの食べたら太っちゃうわ」

 

希「にこっちはもう少し太った方がええんやない?」

 

にこ「どこ見て言ってんのよ!!」

 

花陽「ふふ」

 

花陽(………そういえばあの姉妹の瞳、綺麗だったなぁ……)

 

花陽(まるで……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「宝石みたいにキラキラ輝いてた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンバーガーショップ

 

凛「結局ここになるよね」

 

海未「値段もお手軽ですし、ラーメン屋より長居ができますからね」

 

海未「まず、花陽と凛のいないフォーメーションを考えましょう」

 

真姫「二年生の人たちが入るんでしょう?」

 

絵里「ええ、でも雪穂ちゃんと亜里沙のポジションも変更した方がいいかもね」

 

花陽「今まで私が真ん中だったんだけど、二人に真ん中を固めて貰った方が安心かな」

 

海未「それが良さそうですね、穂乃果はどう思いますか?」

 

穂乃果「まって!!」

 

海未「?」

 

穂乃果「……まだ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「まだポテトが来てない」

 

海未「ではこれで行きましょうか」

 

穂乃果「冗談じゃん!!」

 

ことり「チキンクリスプ美味しいよね」モグモグ

 

希「安いのにこの美味しさは一人暮らしに嬉しいなぁ」モグモグ

 

凛「……共食……ムグゥ…!!!」

 

真姫「貴方学習しなさいよ!!」グググッ

 

にこ「あーシェイク美味しいにこ〜」

 

真姫「にこちゃんはまた苺?」

 

にこ「そ!あまーいあまーいストロベリー!」

 

真姫「まあなんでもいいんだけど」

 

にこ「やめなさいよすぐ興味なくすの!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後ハンバーガーショップ前

 

穂乃果「みんな、二人が出られなくてもやることは変わらない」

 

穂乃果「絶対勝って、みんなで決勝にいくよ!!」

 

みんな「おー!」

 

穂乃果「それじゃあ解散!」

 

穂乃果「凛ちゃんと花陽ちゃんに誰か付き添ってあげてくれないかな」

 

にこ「じゃあにこが行くわ」

 

穂乃果「ありがと!それじゃあ今度こそ、解散!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜中

 

ドゴォォォォォ!!!

 

穂乃果「はぁ……はぁ……」ズズ…ズ……

 

穂乃果(あと少し、あと少しでイメージが掴めそう……)

 

ブン……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公園

 

タッタッタッ

 

真姫絵里【ファイアブリザード!!】

 

ドゴォォォォォ!!!

 

ゴォォォォ……!

 

ォォォ……

 

 

 

 

 

 

 

 

テンテンテン……

 

真姫「もう一回……」

 

絵里「ええ!」

 

 

 

 

ブワァァァ ブワァァァ

 

ドゴォォォォォ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別の公園

 

凛「……ふふ、凛たち二人とも試合に出れないなんてね」

 

花陽「も〜、笑い事じゃないよぉ……」

 

凛「……あはは、たしかに」

 

花陽「……勝ってほしいね」

 

凛「違うよかよちんも」

 

花陽「?」

 

凛「勝つんだよ、みんなで」

 

花陽「凛ちゃん……」

 

凛「………」

 

凛「………」

 

凛「………//////」カァァァ

 

凛「………恥ずかしいね、これ////」

 

花陽「ようこそこちら側へ」

 

凛「いやだにゃ〜」

 

 

 

 

 

 

 

希宅

 

フー、フー

 

ズズズッ………

 

希「…………っはー」

 

希「………」

 

希「甘………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里宅

 

絵里「ただいまー」

 

亜里沙「お帰りお姉ちゃん!遅かったね」

 

絵里「……ちょっと色々あってね」

 

亜里沙「ふーん?」

 

絵里「そうだ亜里沙」

 

絵里「貴方次の試合、雪穂ちゃんと花陽の場所に入ってくれる?」

 

亜里沙「……え?」

 

絵里「少し不安かもしれないけど、亜里沙なら大丈夫よ」

 

亜里沙「じゃ、じゃなくて!………花陽さんは?」

 

絵里「……少し肩を怪我しちゃって出れないのよ」

 

亜里沙「そんな………」

 

絵里「私たちの後ろ、任せたわよ」ポン

 

亜里沙「…….うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

プルルルル

 

ピッ

 

亜里沙「雪穂?」

 

雪穂「やっぱりかけてくると思った、聞いたよ花陽さんのこと」

 

雪穂「ほんとにびっくりだよね」

 

亜里沙「うん……」

 

雪穂「びっくりしすぎておでん缶食べちゃったもん」

 

亜里沙「なんで悪いことみたいに言うの?」

 

雪穂「え、いやぁ……えへへ」

 

亜里沙「ごまかした……!」

 

雪穂「それは置いといて、今は花陽さんのことだよ」

 

亜里沙「大丈夫かな……」

 

雪穂「決勝には出れそうだし大丈夫でしょ!」

 

亜里沙「そっか……」

 

雪穂「それより私たちの心配をしないとだよ」

 

亜里沙「……亜里沙、自信ない」

 

雪穂「今まで花陽さんについていってたけど、今度は私たちが引っ張って行かなきゃだからね」

 

亜里沙「……」

 

雪穂「大丈夫、花陽さんみたいにできるよきっと」

 

亜里沙「……うん」

 

雪穂「よし!それじゃあもう寝よっか」

 

亜里沙「心配で眠れないよぉ〜……」

 

雪穂「早く寝ないとセーラー服着たおじさんが亜里沙のこと連れてっちゃうかもよ〜?」

 

亜里沙「ヒッ……!」サァァ……!

 

雪穂「ほら、今も亜里沙の後ろに……」

 

亜里沙「あ……あぁぁ……!」ガタガタガタガタ

 

雪穂「……ってまあそれは冗談として」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「……亜里沙?」ポン

 

亜里沙「うわあああああ!!!!」

 

絵里「きゃぁぁぁあ!!!」

 

雪穂「うぇああああ!!!!」キーン…!

 

亜里沙「いやぁぁぁ!!」ダダダダッ!

 

絵里「亜里沙!?亜里沙ぁ!」

 

 

プツッ

 

 

プー、プー、プー、

 

雪穂「…………やりすぎた」

 

 

 

 

 

 

 

ことり「準決勝まで1週間もなかったけど、みんな必死に練習しました」

 

ことり「絶対みんなで決勝に行くんだから!」

 

ことり「みんな、頑張ろうね!」

 

ことり「えい、えい、おー!」

 

ことり「………」

 

ことり「ちゅんちゅん」

 

海未「ちゃんちゃんみたいに言わないでください」

 

ことり「じゃあ海未ちゃんが言ってよ」

 

海未「えぇ……?」

 

ことり「ほらせーの!」

 

海未「ち…ちゃんちゃん!」

 

ことり「どうして変顔するの?」

 

海未「してません!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「あれ、花陽ちゃん予備のメガネあったの?」

 

花陽「う、うん、コンタクトも持ってはいるんだけどメガネの方が楽だし」

 

凛「コンタクトのかよちんも見てみたかったにゃ〜!」

 

花陽「ふふ、ごめんね凛ちゃん」

 

 

 






次回準決勝です!


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第7話「vs木戸川清州」



昔は畑の動画をよく見てたのに最近は全く見なくなってしまった乾電池です

なんでだろう…




 

 

 

 

穂乃果「いやーきちゃったね、準決勝」

 

海未「リーダーの貴方が何を言っているのですか、しっかりしてください」

 

ヒデコ「私とミカが出るよ」

 

ミカ「よろしく!」

 

フミコ「迷惑かけないようにしなよ〜?」

 

ヒデコ「あっはは、頑張るよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「わしわしー!!」

 

にこ「どぉうわぁ!?」ワシワシ

 

にこ「やめなさいよ!!」

 

ことり「良いではないか、良いではないか」

 

にこ「ことりも悪ノリしない!」

 

真姫「ねえにこちゃん、どぉうわぁってアイドルには……」

 

にこ「誰もがみんな『きゃぁ!』なんて言えると思うなよ!……思うなよ!!」

 

真姫「そこまで必死にならなくてもいいじゃない」

 

凛「アイドルも大変だにゃ〜………あっ!」(水零し)

 

バシャァ!

 

花陽絵里「きゃぁ!」びっしょり……

 

凛にこ真姫希「……」

 

花陽「だ、大丈夫、すぐ乾くから」

 

絵里「も〜、気をつけなさいよ?」

 

凛「……二人はアイドルになれそうだにゃ」

 

希真姫 コクリ

 

絵里花陽「?」

 

にこ「ぬぁんでよぉ!!!」クワッ!

 

希「アイドルとは思えない顔をしているので自主規制」ピー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂「……」カキカキ

 

亜里沙「………」カキカキ

 

穂乃果「ゆーきほ!何書いてるの?」

 

ことり「こ、これって………」

 

凛「そこにあったのは……おびただしい数の……人」

 

真姫「何ナレーションチックにしてるのよ」

 

凛「雰囲気出るかなって」

 

海未「亜里沙、これは一体?」

 

亜里沙「雪穂に聞いたんです!緊張した時は人を丸呑みにしろって」

 

絵里「丸呑みはおかしい」

 

海未「亜里沙、それは手に書いて飲み込めばいいんですよ」

 

亜里沙「え……じゃあ亜里沙………手を食べないとダメなんですか?」

 

亜里沙「どうしよう……手、なくなっちゃう……」

 

穂乃果「そうじゃなくて、飲むフリでいいんだよ!」

 

雪穂「……ダメだよ」

 

穂乃果「え?」

 

雪穂「このプレッシャーは飲むフリなんかじゃ決して改善されない……」ガサガサ

 

雪穂「……なら!」ガサッ!

 

亜里沙「うん!」ガサッ!

 

雪穂「実際に書いて飲み込んじゃえば……」あー……

 

亜里沙「いただきまー………」あー……

 

穂乃果「こらこらこらこらぁぁ!!」バッ

 

穂乃果「なにしてんの!?」ガシッ

 

穂乃果(……!手が震えてる……)

 

雪穂「離して!こうでもしないと……」

 

穂乃果「こんなの食べたって治るわけないじゃん!」

 

雪穂「!」ハッ

 

亜里沙「!」ハッ

 

雪穂亜里沙「……たしかに」

 

ことり「人は極限状態に陥った時、突拍子もない行動をしてしまうんだね……」

 

にこ「雪穂まであんな風になるなんて……」

 

希「……それだけこの試合へのプレッシャーが強いってことかな……」

 

絵里「大丈夫よ亜里沙」

 

亜里沙「おねーちゃん?」

 

絵里「もし失敗しても、みんなで支えあえばいい」

 

絵里「私たちがついてるわ」ニコッ

 

亜里沙「お姉ちゃん……!」パァァァァ!

 

絵里「はい、元気になるおまじない」チュッ

 

亜里沙「えへへ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「姉妹でおでこにキス……さすがアメリカンね」

 

希「ロシア」

 

にこ「どっちも似たようなもんじゃない」

 

希「全く違う」

 

穂乃果「雪穂!」

 

雪穂「?」クルッ

 

穂乃果「んちゅ〜!」ガバッ

 

雪穂「いやあぁぁぁ!!!」バッシィィン!!

 

穂乃果「ひでぶっ!!」ドサッ

 

雪穂「な、な、なにしようとしてんの!?」

 

穂乃果「緊張を和らげてあげようと……」

 

雪穂「今口狙ってたよね!?おでこじゃなくて!」

 

穂乃果「冗談だったのに」

 

雪穂「いや、目がマジだった」

 

穂乃果「……ふふ、手を見てごらん雪穂」

 

雪穂「は?………ぁ…」

 

穂乃果「大丈夫、雪穂は私の妹なんだから」クシャクシャ

 

雪穂「……なにそれ」ボサァ……

 

穂乃果 ニッ

 

穂乃果「よしみんな!」バッ

 

穂乃果「最初から実績なんてなにもない穂乃果たちにとって、負けて失うものなんてなにもない」

 

穂乃果「全力を出し切れ!」

 

みんな「おおぉぉぉぉおお!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「………いや、割とあるか、失うもの」

 

海未「終わった後そういうこと言うのやめなさい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

勝「ちょっとまぐれで勝ち上がってきたからって調子に乗りすぎっしょ」

 

友「僕たちとの差がどれだけあるか、わからせてあげましょう」

 

努「俺たちの本命はUTXだけだしな」

 

西垣「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「さぁやってまいりましたフットボールフロンティア準決勝、音の木坂対木戸川清修!!」

 

角間「決勝へはすでにUTX高校が勝ち進んでおります!」

 

角間「決勝でUTX高校と戦うのはどちらのチームだぁ!?」

 

にこ「……UTXが幾つで勝ち上がったか知りたい?」

 

海未「……はい……いいえ」

 

にこ「6対0よ」

 

海未「……はぁ」

 

 

ピーーーーーーー

 

角間「木戸川清修ボールでキックオフです!!」

 

ドッ

 

勝「おらおらぉ!」タッタッタッ

 

海未「はぁぁ!!」ズザザッ!

 

勝「甘すぎっしょ!」バッ

 

勝「友!」ドッ

 

友「ふふ…」バッ

 

友「!?」

 

ことり「てやぁ!!」ガッ

 

角間「南パスボールを弾いたぁ!!ルーズボールは矢澤が拾ったぞぉ!!」

 

にこ「絵里、上がりなさい!」

 

絵里「ええ!」

 

にこ「ふっ!」ザッ ザザッ!

 

茂木「!」ガクッ

 

角間「矢澤抜いたぁ!絢瀬、絶好のポジショニングです!」

 

勝「ちょ、まじ…!?」

 

にこ「絵里!」ドッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「……吹き荒れろ……」パキパキパキ

 

 

 

 

 

 

絵里【エターナルブリザード!!】

 

ドゴォォォォォォォ!!!!!

 

 

 

 

 

 

角間「先に攻撃を仕掛けたのは音の木坂だぁ!!」

 

軟山「……!」

 

西垣「させるかぁ!!」バッ

 

 

 

 

 

 

 

 

西垣【スピニングカット!!】

 

ズシュゥゥゥゥ………!!

 

ブワァァァァァァ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュルルルルルル………!

 

………テンテンテン

 

西垣「どうだ!!」トッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!

 

角間「木戸川西垣、シュートブロックで見事、ピンチを凌ぎました!」

 

にこ「ちょっと!人の技とってんじゃないわよ!」

 

西垣「うるさい!この技は元々俺が先に考えてたんだ!」

 

にこ「はぁ〜??ニコの方が先ですぅ〜」

 

西垣「俺だ!!」

 

にこ「にこ!!」

 

西垣「俺……」

 

友「いいから早くしてくれませんかね!?」

 

西垣「……!」ハッ

 

西垣「わ、悪い…」ドッ

 

友「全く……」トッ

 

西垣「………あの技は、この試合で勝った方のものってことでどうだ?」

 

にこ「……ふん、面白いじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友 タッタッタッ

 

角間「再びドリブルで上がっていく武方三兄弟!」

 

海未「ディフェンス!!」

 

雪穂(……花陽さんならこのタイミングで……!!)ダッ

 

亜里沙(動き出すはず!)ダッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴチンッ!!

 

雪穂「うぐっ……!!」ドサッ

 

亜里沙「いっ…!?」ドサッ

 

穂乃果「雪穂!」

 

絵里「亜里沙!」

 

友「バカすぎでしょう……」

 

友「努!」ドッ!

 

海未「しまった…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

グルグルグル

 

穂乃果「これ……杉森さんの…!」

 

努【バックトルネード!!】ドキュッ

 

ゴォォォォォオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「穂乃果!!」

 

穂乃果 コク……

 

穂乃果「はぁ……!!」バッ

 

ゴォォォォォオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチッ………パチッ………

 

穂乃果「!」

 

穂乃果(……分かる……みんなの力がパズルみたいに集まってくるのが……)

 

パチッ……パチッ……

 

 

 

 

 

 

 

パチッ………

 

穂乃果(……あと一つ足りない……)

 

穂乃果(多分これが……足りない最後の一ピース……)

 

穂乃果(それがなんなのかはわからない………)

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

ドギュルルルルルル!!!!

 

シュゥゥゥゥ…………!!

 

穂乃果「……よし!」

 

角間「止ぉめたぁぁぁ!!!!真正面から武方のシュートを受け止めましたぁ!!」

 

花陽「ナイス穂乃果ちゃん!!」

 

凛「乗ってきたにゃー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「ふふ、グラウンドの外にいるのに一緒に戦ってるみたいやね」

 

絵里「ほんとにね」

 

穂乃果「亜里沙ちゃん!」ドッ

 

亜里沙「ほっ…!」トッ チラッ

 

亜里沙(……敵が近くにいるけど……もう少し持ち込めるかな)

 

ミカ「亜里沙ちゃん!こっちに……」

 

亜里沙 ダッ!

 

ミカ「ちょっ……!」

 

花陽「!」

 

角間「音の木坂絢瀬、武方に向かってかけていく!!」

 

亜里沙「っ……ふっ…!!」スゥー……クルッ、ダッ!

 

友「そんな……!?」ガクッ

 

努「ガキのくせに……」ガクッ

 

角間「まとめて二人を抜いたぁ!!」

 

花陽(少し強引すぎる……)

 

海未「亜里沙!あまり無理をしては……」

 

勝「調子乗りすぎ………みたいなぁ!!」ガッ

 

亜里沙「!?」ガクッ

 

角間「おぉーっと!?流石に無茶だったかぁ!武方勝に奪われてしまったぁ!!」

 

ことり「あちゃー……」

 

にこ「呑気に構えてる場合じゃないでしょうが……!」

 

勝「まさかのチャンス到来……みたいなぁ!?」ダッ!

 

雪穂亜里沙「あっ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒデコ「みたいなみたいなうるっさい!!」ズザザッ!

 

勝「ぬぉお!?」ドサッ

 

ヒデコ「よっ!」ドッ!

 

角間「ここは大きくクリアしました、木戸川西垣へとボールが移ります!」

 

穂乃果「いいよヒデコ!」

 

ヒデコ「任せてよ!」

 

西垣「もう一度だ!」ドッ

 

茂木 トッ

 

海未「行かせません」ザッ

 

茂木「!」ザッ クルッ!

 

海未(…甘い!)ガッ!

 

茂木「…っち…!」グラッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グイッ!

 

海未「!?」ドサッ!

 

海未(い…たた……今のはファールではないのですね……)

 

角間「茂木が強引にドリブル突破ぁ!!笛はなっていません!」

 

茂木(……前線にパスを……)バッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぞくっ…

 

 

 

 

 

 

 

茂木「!?」ドッ!

 

勝「まかせろ!」トッ

 

にこ「させないわよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

にこ西垣【スピニングカット!】

 

ズシュゥゥゥゥ……!!!

 

シュゥゥゥゥ………

 

勝「うぉ〜……!危機一髪……みたいな?」

 

にこ「邪魔すんじゃないわよ!」

 

西垣「お前が俺の技をとるからだ!!」

 

にこ「だからにこのだっていってんでしょうが!」

 

西垣「俺のだ!」

 

にこ「にこ!」

 

西垣「俺……」

 

友海未「それ今じゃないといけませんかね!?」

 

西垣にこ「……ごめん」

 

 

 

 

 

 

 

 

茂木「………?」キョロッ

 

茂木(…今のは……?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「………」ジーーーーーー……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝「このまま先取点はいただきっしょ!」タッタッタッ

 

雪穂亜里沙「行かせない!!」ザッ

 

勝「ガキンチョなんかに負けるわけない、みたいなぁ!?」ダッ!

 

雪穂(……この距離なら亜里沙が先に行って……)

 

亜里沙(……雪穂が先に行って……)

 

雪穂亜里沙(私(亜里沙)は横からスライディングの形がベスト!)バッ

 

勝「……ん?」

 

タッタッタッ

 

花陽「………え?」

 

にこ「んなっ……!?」

 

雪穂亜里沙「あ」

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「……武方勝抜いたぁぁぁ!?」

 

角間「DFの高坂と絢瀬が左右に走り、その間を武方勝が悠々駆け抜けていく!!」

 

角間「ゴール前で完全にフリーだぁぁ!!」

 

勝「いくぜぇ!!」バッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グルグルグル

 

勝【バックトルネード!!】ドキュッ!!

 

ゴォォォォォオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「はぁぁ!!」グッ

 

ゴォォォォォオ!!!

 

 

 

 

 

 

パチッ……パチッ……

 

穂乃果(……そうだ、たとえこの最後のピースがわからなくても)

 

穂乃果(ほかのピースを大きくすれば、この穴を補えるんじゃ……?)

 

ググググッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!!】

 

シュルルルルルル………!!!

 

シュゥゥゥゥ……!!

 

穂乃果「……少し、パワーアップした……!」

 

ピクッ…!

 

穂乃果「っ……いつもより体に負荷がかかる……か」

 

監督「………」

 

角間「またもや止めたぁ!!これは頼もしいぞ!!」

 

角間「前半は残り半分ほど、先取点を勝ち取るのはどちらのチームだぁ!?」

 

にこ「……そんなに大した差はないけど……」

 

海未「……一つ……課題ですかね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂亜里沙「ヒデコ先輩!」

 

ヒデコ「ん…んん!?」ピクッ

 

雪穂「右の人マークです!」

 

亜里沙「左の人マークしてください!」

 

ヒデコ「おぉっと……?」ピタッ

 

海未「……はぉ…」

 

海未「ヒデコ!目の前の方をマークしてください!」

 

ヒデコ「了解!」ダッ!

 

雪穂亜里沙「あっ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂「とめる!」ザッ!

 

勝「!」ピタッ

 

雪穂(よし…!この隙に亜里沙が……)チラッ

 

亜里沙「え、そっち!?」ザザッ

 

雪穂(なっ…!逆!?)

 

勝「何ぼーっとしてんだ、みたいなぁ!」ダッ!

 

雪穂亜里沙「あっ…!」

 

角間「どうしたどうしたぁ!?ディフェンスが噛み合ってないぞぉ!!」

 

希「……花陽ちゃんたちの穴は虫歯みたいなものってことかな」

 

真姫「……どういうこと?」

 

希「ぱっと見た感じはそこまで大きくないけど中身は大穴が空いてるってやつ」

 

真姫「……言いたいことはわかったけど虫歯って……」

 

希「いや〜、他にいいのが浮かばなくて……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミカ「お願いします!」ドッ

 

希「了解!」トッ

 

茂木 ザッ

 

希「………いくよぉ!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クルッ スタッ

 

希【イリュージョンボール】

 

茂木「!?」ガクッ

 

角間「抜いたぁ!!ドリブルで上がっていく!」

 

希「真姫ちゃん!」ドッ!

 

真姫「ええ!」トッ

 

 

 

 

 

 

真姫「ふっ」ダンッ!

 

グルグルグル

 

真姫【ファイアトルネード!!】ドキュッ!!

 

ゴォォォォォオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西垣「させるかよ!」バッ

 

西垣にこ【スピニングカット!】

 

ズシュゥゥゥゥ……!!!

 

シュゥゥゥゥ………

 

角間「こ、これはぁ!!西垣の必殺技を相殺したぁ!?」

 

西垣「っち……」

 

にこ「いやーん!お顔が怖いにこ〜」

 

ゴォォォォォオ!!!

 

軟山「………!」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軟山【タフネスブロック!!】フンッ!

 

シュルルルルルル!!!!

 

ボンッ!

 

角間「これもキーパー軟山、見事なブロックです!!」

 

勝「よっしゃー!ナイスセーブっしょ!」

 

真姫「……!」スタッ

 

ピッピッピーーーーーー

 

角間「ここで前半終了のホイッスル!両者無得点で前半を終えました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂亜里沙 ズーーーン………

 

にこ「あそこだけ負のオーラすごいんだけど……」ゴクゴク

 

希「こればっかりはなぁ……」パクッ

 

希「すっぱぁ〜!」

 

真姫「レモンの蜂蜜漬け……ことりのお菓子スキルには驚かされるわね……」パクッ

 

真姫「っ……!っ……!」スッパー……!

 

ことり「あ、ごめん……あんまり蜂蜜に漬かってないところだったのかも……」

 

真姫「み、水…!!」ゴクゴク

 

真姫「っ……!!」シワシワ

 

凛「酸っぱいの食べた後にお水飲んだら口の中キュワってなるよね」

 

にこ「なにそのわけわかんない擬音は」

 

凛「うまい擬音が出てこなかったにゃ」

 

 

 

 

 

 

 

絵里「……ほら、レモンの蜂蜜漬けよ」

 

亜里沙「……ありがと……」しょんぼり

 

穂乃果「そんなに落ち込んでないで、後半も頼んだよ!」

 

雪穂「………うん」しょんぼり

 

絵里穂乃果「………」うーん……

 

花陽「どうしたの?」

 

雪穂亜里沙「!」

 

花陽「二人らしくなかったけど」

 

亜里沙「………だって…」

 

雪穂「……花陽さんの抜けた穴は大きかったってことですよ……」

 

花陽「二人とも……」

 

 

 

 

 

 

 

 

フミコ「………」

 

フミコ「……」コクッ

 

ヒデコ「……」

 

ミカ「……」

 

ヒデコミカ コクッ

 

 

 








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「みんなが待ってるの!!」


前話から穂乃果ちゃんの【マジン・ザ・ハンド】に設定を勝手に足してしまい、わかりにくかったら申し訳ないなと思う乾電池です




 

 

 

花陽「どうしたの?」

 

雪穂亜里沙「!」

 

花陽「二人らしくなかったけど」

 

亜里沙「………だって…」

 

雪穂「……花陽さんの抜けた穴は大きかったってことですよ……」

 

花陽「二人とも……」

 

 

 

 

 

 

 

 

フミコ「………」

 

フミコ「……」コクッ

 

ヒデコ「……」

 

ミカ「……」

 

ヒデコミカ コクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「いよいよ後半が始まります!」

 

角間「どちらも譲らぬ攻防戦、勝利の女神はどちらに微笑むのでしょうか!!」

 

希「雪穂ちゃんたち大丈夫かなぁ……」

 

にこ「それも心配だけど、シュートは大丈夫なの?」

 

真姫「……あのキーパー思ってたより堅いわね」

 

絵里「【ホワイトダブルインパクト】なら亜里沙に上がってきてもらわないとだけど、守備がかなり手薄になるわ」

 

海未「……とりあえず、プレイしながら考えましょう」

 

ピーーーーーーー

 

ドッ

 

角間「始まりましたぁ!!」

 

絵里「ことり!」ドッ

 

ことり「うん!」トッ

 

茂木 ザッ

 

ことり「………!」うーん……

 

タッタッタッ

 

ことり「……!海未ちゃん!」ドッ!

 

海未「はっ!」ドッ!

 

ことり「さすが海未ちゃん!」トッ

 

角間「南、園田の連携で突破していく!!」

 

凛「いけー!」

 

ことり「にこちゃん!」ドッ

 

にこ「任せなさい!」トッ

 

西垣「ここで白黒つけてやる!!」ザッ

 

にこ「かかってきなさい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

西垣【スピニングカット!】

 

にこ(きた……!)ガッ

 

ことり(……これ…!)

 

花陽(相手が技を出す瞬間にバックパス…!)

 

にこ(にこしか見てないあんたならこれは止めらんないでしょ…!!)

 

花陽(……でも)

 

ズシュゥゥゥゥ……!!!!

 

ブワァァァァァァ!!

 

にこことり「うわぁぁ!!!」ドサッ

 

テンテンテン………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西垣「俺を甘く見過ぎたな」トッ

 

にこ「……ふんっ!花持たせてやったのよ」

 

花陽(あの人はにこちゃんだけじゃない、にこちゃんの左右、後ろ、全ての可能性を考えてた……)

 

西垣「努!」ドッ!

 

花陽(どこにでもいる選手じゃない…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

努「いくぜぇ!!」トッ

 

雪穂「!」バッ

 

亜里沙「止める!」バッ

 

雪穂(私が先に突っ込めば亜里沙がサポートしやすいはず…!)

 

亜里沙(私が先に行けば……!)

 

 

 

 

 

 

 

ドガァ!

 

雪穂亜里沙「うわぁ!」ドサッ

 

角間「またもや衝突…!!大丈夫かぁ!?」

 

花陽(自分のことに精一杯で周りが見えてない……!)

 

勝「いくぞ!!」バッ

 

友「もちろん!」バッ

 

努「任せろ!」バッ

 

にこ「穂乃果、来るわよ!!」

 

穂乃果「……!」グッ……

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

にこ「木戸川の戦略は……ざっくり言うとUTXと同じよ」

 

穂乃果「UTX?」

 

花陽「主力、点取り屋を3人置いて後のメンバーは守備に重点を置くことです」

 

海未「つまり、UTX並みの必殺技を持っている…と」

 

にこ「その通りよ」

 

絵里「で、その必殺技っていうのは?」

 

花陽「………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

勝「てゃあ!」ドキュッ!

 

努「友!」ドキュ!

 

友「ふんんん!!」ググッ!

 

勝「んぐぐ……!!」ググッ!

 

友「はぁ!!」グンッ!

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!

 

ゴォォォォォオ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

クルクルクル

 

スタッ

 

武方三兄弟【トライアングルZ!!】

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

花陽「ズバリ、【トライアングルZ】です」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

穂乃果(この技……たしかにUTXと同レベルの迫力……!!)グッ

 

ゴォォォォォオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

パチッ……パチッ……

 

穂乃果(……さっきよりもう少しパズルを大きく……)

 

ググググッ

 

ギチッ

 

穂乃果(…!枠の大きさは決まってるから無理やり大きくしちゃうと……)

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・バンド!!】

 

ドシュルルルルル!!!!

 

勝「いけぇ!!」

 

穂乃果「…っ…ぐぐ…!!」ズズッ

 

友努「はぁぁ!!」

 

穂乃果「…っ…!?」ブワッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドサッ!!

 

勝「よっしゃぁ!!」

 

ガァン!

 

努「げっ……」

 

角間「高坂吹き飛ばされながらもなんとかシュートを弾いたぁ!!」

 

角間「ボールはゴールポストに直撃、誰がボールを死守するんだぁ!?」

 

花陽「ナイスセーブ!」

 

海未「よく止めましたね、穂乃果」

 

穂乃果「えっへへへ……」ムクッ

 

ピクピクッ…!

 

穂乃果(っ……さっきよりも負荷が…!)

 

ポーン…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙友「はぁ!」バッ

 

ガッ…!!

 

亜里沙「きゃぁ…!」ドサッ

 

テンテン……

 

勝「ナイス友!」

 

にこ(まずい……)

 

にこ「また来るわよ!ディフェンス固めて!!」

 

雪穂「はい!」ザッ

 

亜里沙「……はい!」ムクッ

 

勝「そんなザルなディフェンダーに止められるわけないっしょ!」ヤレヤレ

 

雪穂(……無視無視)

 

雪穂(この状況、花陽さんならきっとベストな判断を出せる……)

 

亜里沙(でも……)

 

雪穂亜里沙(私(亜里沙)にはもう何が正解なのかわからない……)ザッ……

 

花陽(二人の足が止まってる……!!)

 

海未「ヒデコ、ミカ!二人のカバーを……」

 

海未「!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「亜里沙は緑のモヒカン、雪穂はピンクの73をマーク!!」

 

亜里沙雪穂「!」

 

ヒデコ「こいつはわたしらに任せて!」

 

亜里沙雪穂「は、はい!」ダッ!

 

努友「……っち…!」ジリッ

 

海未(……私が指示を出す前に……)

 

勝「……なかなかやるじゃん?」

 

ヒデコ「あんたらのうち一人でも止めればあの大技は出せないでしょ?」

 

勝「でもお前みたいな素人に俺を止められるわけない、みたいなぁ!!」ダッ

 

ヒデコ「止めるのは私じゃないよ」

 

ヒデコ「ミカ!」バッ

 

勝「なに…!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ミカ「うん!」ダンッ!!

 

キランッ!

 

 

 

 

 

 

 

ミカ【シューティングスター!!】

 

ドゴォォォォッ!!!!

 

勝「ぐわぁぁぁ!!」ドサッ

 

角間「DF二人の新必殺技でなんとかピンチをしのいだぁ!!」

 

角間「しかしまだゴールは目の前、油断はできない!!」

 

ことり「すごい二人とも!!」

 

穂乃果「ヒデコー!ミカー!ナイスブロックゥゥ!!!」

 

ヒデコ「頑張るって言ったでしょ!」

ミカ「ふふん…!」ブイッ

 

雪穂「ヒデコ先輩、ミカ先輩……ありがとうございます!」

 

亜里沙「ありがとうございます!」

 

ヒデコ「二人とも焦りすぎなんだよ、ほら、ミカとボール回してるから少し深呼吸しな」ドッ

 

ミカ トッ

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂 スゥ……ハァ……

 

雪穂(……たしかにあの大技にはびっくりしたけど、誰かを止めれば打てないなんて簡単にわかるはずなのに……)

 

亜里沙(どうして気がつかなかったんだろう……)スゥ……ハァ……

 

雪穂(前半亜里沙と衝突したのもそう、周りが見えてれば衝突なんて回避できたはずなのに……)スゥ……ハァ……

 

亜里沙(花陽さんの分も……って、気負い過ぎてたのかな……)スゥ……ハァ……

 

雪穂亜里沙「………」

 

雪穂亜里沙 スッ

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒデコ「……ふふ、落ち着いたかな」ドッ

 

ミカ「助っ人同士、プレッシャーの重さはよくわかるからね」

 

ヒデコ「正直まだ足震えてるもん」

 

ミカ「私も」ドッ

 

ヒデコ「でもやっぱり……」トッ

 

雪穂「ください!」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒデコ「後輩の前ではカッコよくいたいものなんだよ!」ドッ!

 

雪穂「ほっ!」トッ

 

花陽(……がんばれ、雪穂ちゃん、亜里沙ちゃん)ギュッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友「多少動きが良くなったぐらいで調子に乗らないことですね!」ザッ

 

雪穂「………狩の基本って知ってますか?」

 

友「…は?」

 

雪穂「決して自分は見つからないこと」フッ

 

友「き、消えた……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サァァァァァァァ…………

 

 

 

 

 

雪穂「木々のざわめきに足音を隠し」ザザッ

 

友「ど、どこに……!」キョロッ

 

雪穂「過ぎ行く風に匂いを隠し」

 

友(声はするのに姿が見えない……)

 

雪穂「決して獲物に見つかってはならない」

 

雪穂【ハンターズハイド】

 

 

 

 

 

 

タッタッタッ

 

角間「い、一体何が起こったんだぁ!?」武方友、棒立ちのまま抜かれてしまったぁ!!」

 

角間「気配を消し、ディフェンダーの目を欺く新必殺技だぁ!!」

 

勝「なにやってんだよ!!」

 

友「……消えたんです……」

 

勝「はぁ!?」

 

友「……声はするのに……」

 

勝「…っち…!行くぞ!」ダッ

 

友「……」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「……今はあの子らの好きなようにさせるのが一番良さそうね」

 

希「人が成長する瞬間ってなんでこんなにワクワクするんかなぁ」

 

にこ「そうね」

 

希「……いいなぁ」

 

にこ「?」

 

 

 

 

 

 

雪穂 タッタッタッ チラッ

 

亜里沙 コクッ

 

雪穂「亜里沙!」ドッ!

 

亜里沙「うん!」トッ

 

亜里沙「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

キッ!

 

バチィ!

 

絵里「!」

 

絵里(……了解)ダッ!

 

真姫「……?」ダッ

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙(……助っ人として、チームの一員として……)

 

亜里沙(今、最高のボールを出してみせる……!!)ザッ!

 

絵里 タッタッタッ

 

亜里沙「………そこっ!!」ブワァァ……!

 

パキパキパキパキパキ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙【氷の矢!!】

 

ドキュゥゥゥ!!!!!

 

角間「こ、これはぁ!?針の穴を通すかのようなロングシュート!!」

 

角間「一直線に絢瀬の元へ向かって行く!!」

 

海未「…亜里沙まで新必殺技を…!」

 

にこ「やるじゃない…!」

 

絵里「…っ…はぁ!!」トッ

 

絵里(あ、やばっ……!)ポーン…!

 

角間「おおっとトラップミスかぁ!?ポールは高くバウンドしながら木戸川ゴールへ転がって行きます!!」

 

軟山「……!」グッ

 

絵里(まずい……!一度トラップして…)

 

真姫「絵里!そのままダイレクトで行くわよ!!」タッタッタッ

 

絵里「え、真姫!?」

 

真姫「はやく!!」

 

絵里「あぁーもう!わかったわよ!!」ダッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里 ゴォォォォォオ!!!

 

真姫 ゴォォォォォオ!!!

 

フワッ………

 

 

 

 

 

 

 

ドキュゥゥッッッ!!!

 

絵里真姫「いっけぇぇぇ!!!」

 

ゴォォォォォォォォオ!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

角間「こ、これは!?前回の試合で見せた新必殺技です!!」

 

角間「今回は迷いなくゴールへ向かっていきます!!」

 

にこ「いけ!!」

 

希「決まって!!」

 

軟山【タフネス……】

 

ゴォォォォォォォオ!!!!!!

 

軟山「ぅ……うわぁぁ!!!」バッ

 

ドシュルルルルル………!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「決まったぁぁぁ!!先取点は音の木坂です!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!

 

勝「そんな…….ありえないっしょ……」

 

友「僕たちが……先制?」

 

努「……このまま終われるかよ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「やったぁ!!一点リードだよ、かよちん!!」

 

花陽「うん、やったぁ!!」

 

凛「このままいけば……」

 

花陽「みんな……頑張って……!」ギュッ!

 

雪穂(……二人とも……)

 

亜里沙「雪穂、どうしたの?」

 

雪穂「……!な、なんでもないよ!」

 

 

 

 

 

 

 

希「えりちさっすがぁ〜!!」

 

絵里「……どうして成功したのかしら……」

 

希「本人がわかってないんかい……」

 

真姫「………」クルクル

 

にこ「真姫も良くやったわ!!」ガバッ

 

真姫「ヴェェ!!抱きつかないで!!」クルクルクルクル

 

穂乃果「あの髪の毛くるくるって嬉しさに比例するんだね……」

 

海未「犬みたいですね」

 

ことり「海未ちゃん……」

 

ヒデコ「やったね、二人とも!」

 

雪穂亜里沙「ありがとうございます!」

 

穂乃果「穂乃果は鼻が高いよ!」

 

雪穂「お姉ちゃんは関係ないけどね」

 

穂乃果「……雪穂がイジワルする……」

 

絵里「ごめんなさい亜里沙……せっかくのパスをキャッチミスしちゃって……」

 

亜里沙「ううん、大丈夫!」

 

亜里沙「次はもっといいパス出して見せるから!」ニコッ

 

絵里「あぁぁぁもううちの妹ハラショォォォ!!」ナデナデナデ

 

にこ「戻ってきなさい」

 

穂乃果「よし、後半残りもこの調子で行くぞー!!」

 

みんな「おー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「そういえば穂乃果」

 

穂乃果「ん?」クルッ

 

海未「……ナイスセーブ」スッ

 

穂乃果「…!」

 

穂乃果「………」

 

穂乃果「…まあね」スッ

 

コツン……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂「あ、ヒデコ先輩!」

 

ヒデコ「どうしたの?」

 

ミカ「?」

 

雪穂「私たちから見て先輩たちはいつだってかっこいいですよ!」

 

ヒデコミカ「……」

 

亜里沙「左に同じです!」

 

雪穂「逆かな」

 

亜里沙「逆?」

 

雪穂「まあいいや、それじゃあ!」タッタッタッ

 

亜里沙「待って雪穂〜!」タッタッタッ

 

ヒデコミカ「………」

 

ヒデコ「………もしかして聞かれてたのかなあの時」

 

ミカ「……だね」

 

ヒデコミカ「……………………」

 

ヒデコミカ「ハッズイ……」

 

タッタッタッ

 

ヒデコ「……あれ?雪穂たちが戻ってきた」

 

雪穂「あの!やりたいことがあるんですけどいいですか!?」

 

亜里沙「ですか!」

 

ヒミ「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「さあ後半まだ時間は残っております!」

 

角間「木戸川清修が同点ゴールを決めるか、音の木坂が追加点を決めるか、ひと時も目が離せません!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木戸川0-1音の木坂

 

ピーーーーーーー

 

ドッ

 

勝「こんな新参校に負けなんて……」トッ

 

友「僕たちのプライドが許しません!!」

 

努「俺たちのトライアングルZは無敵だ!!」

 

にこ(一度止めてるんだから無敵じゃないけどね)

 

ことり「このまま逃げ切らせてもらいます!」ザッ

 

勝「俺たち三兄弟の連携を見せてやる!」ドッ

 

ドッ、クルッ 、ザザッ!

 

ことり「さ、3人が入り乱れて何が何だか……」

 

海未「はぁぁ!!」ズザザッ

 

努「ふんっ!」ドッ

 

ククッ、トッ、クルッ

 

にこ「こいつら……さっきまでと動きが違う……!」

 

希「さっきまでは個人技中心だったのに急に連携重視……!」

 

花陽「……この急激な変化に対応しきれなければ、一気にピンチになる……」

 

勝「西垣!」ドッ

 

西垣「おう!」

 

角間「一度西垣へとボールを戻したぁ!」

 

にこ「……また会ったわね」

 

西垣「悪いが相手をする気は……無いんでね!!」ドッ

 

にこ「なっ……!」

 

海未「しまった!!」

 

角間「これは西垣見事なパスだぁ!!敵の意表を突き前線の武方勝へと一直線にボールが向かう!!」

 

勝「ドンピシャァ……!みたいなぁ!!」トッ

 

努「いくぜぇ!」

 

友「覚悟してください!」

 

にこ「ディフェンスの隙間を……!」

 

ヒデコミカ雪穂亜里沙「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニヤッ

 

勝「よっしゃー!!トライアングル……」

 

ピピーーーーーー!!

 

勝「なっ……?」

 

審判「オフサイド」バサァ!

 

三兄弟「はぁ!?」

 

角間「少し攻め急いだか武方三兄弟!!」

 

勝(いや……この感じは……)

 

友「やられましたね」

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「おふさいどとらっぷ?」

 

花陽「うん、パスの直前、ディフェンスラインを少しあげることによってオフサイドを誘う高等テクニック」

 

花陽「一歩間違えると相手のチャンスに変わるし、何よりタイミングが難しいの」

 

凛「へ〜、なんだかすごいにゃー!」

 

花陽(わからなかったんだね、凛ちゃん……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「いつの間にそんな作戦………」

 

絵里「前半の堅さは完全に取れたみたいね」

 

ヒデコ「ナイスタイミングだったよ、雪穂」

 

雪穂「成功してよかったです!」

 

亜里沙「雪穂、ハラショー!」

 

雪穂「ふふ、ありがとう亜里沙」

 

角間「音の木坂ボールで試合再開です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観客席

 

ツバサ「はやく!試合終わっちゃうわ!」

 

エレナ「まあそう焦るな、まだ試合時間は残ってる」

 

ツバサ「でももうほとんど残って無いじゃない!」

 

あんじゅ「それはツバサが外の屋台でたこ焼きとかアイスとかいっぱい食べてたからじゃない」

 

ツバサ「そんなことないわ!」(両手にたこ焼き、コーンのアイス、焼きそば)

 

エレナ「浮かれすぎだろう」

 

ツバサ「だ、だって前の監督の時は…お祭りとか全然行けなかったから……」

 

エレナ「……ふぅ…で、試合はどうなんだ?」

 

ツバサ「そ、そうよ!ええっと……」バッ!

 

ツバサ「………」

 

あんじゅ「……ツバサ?」

 

エレナ「…まさか、負けているのか?」

 

ツバサ「……1-……0」

 

ツバサ「勝ってるぅぅ……」ふにやゃぁ…

 

エレナ「ふふ、よかったなツバサ」

 

ツバサ「もちろんよ、絶対リベンジするんだから!」

 

あんじゅ「試合時間もそこまで残ってないしこれで決まりかしら?」

 

エレナ「……いや、こういう時こそ最後の一発が怖いんだ」

 

ツバサ「全く……穂乃果さんたちがそんなのにやられるわけないじゃない」

 

エレナ「もちろん私もそう信じてるよ……おや?」

 

あんじゅ「どうしたの?」

 

エレナ「小泉花陽と星空凛がいないな……」

 

ツバサ「ほんとね、どうしたのかしら……」

 

エレナ「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝「行くぞ!!」ダッ!

 

雪穂「止めます!」

 

亜里沙「ます!」

 

勝「……来たなザルディフェンダーが…!!」

 

雪穂(2対1……)

 

亜里沙(他に味方はなし……)

 

雪穂亜里沙(花陽さんなら……)

 

勝「おらぁ!」ダッ!

 

雪穂亜里沙「……いや」グッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂亜里沙「亜里沙(雪穂)なら!!」バッ!

 

勝「なっ…!」

 

雪穂「はぁあ!!」ズザザッ

 

勝(スライディング……こんなの跳べば)バッ!

 

ドッ! ビキビキビキ

 

勝「……!?しまっ……」

 

 

 

 

 

 

 

カキーン

 

シャー……!

 

亜里沙【アイスグランド!】トッ

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

角間「前半噛み合わなかったディフェンスがようやく形になって来ました!」

 

穂乃果「よーし!このまま押し切るよ!」

 

みんな「おー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「……さあ、残り時間も少なくなってまいりました……」

 

角間「一点の重みが増す中、選手たちはどのようなプレイを見せてくれるのでしょうか!」

 

勝「……もう時間もない……覚悟を決めるしかないみたいだな……」

 

友「全力の攻撃……絶対とりますよ!」

 

努「このまま試合終了なんてさせねぇ!!」トッ

 

海未(……この攻撃が最後の攻撃)

 

海未「気を抜かないように!!」

 

ディフェンス陣「はい!!」

 

勝「おらおらおらぁ!!!」ダッ!

 

雪穂「止める……!!」ザッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂【ハンターズネット!!】

 

ブワァァァァァァ!!!

 

勝「うわぁ!!」ドサッ

 

雪穂「よし…!」

 

テンテン……

 

友「次は僕の番です!」トッ

 

亜里沙「行かせません!」ザッ

 

友「…っ!」

 

亜里沙「はぁ!」ガガッ!

 

友「ふっ!」ザザザッ

 

ガッ ザザッ トトッ ザッ

 

雪穂「亜里沙!」ダッ

 

友(…!来ましたね…!!)

 

凛「……!」ピクッ

 

花陽「ダメ雪穂ちゃん!!」

 

友(二人をこれだけ引き付ければ……)チラッ

 

勝努 コクッ

 

友「……これが僕たちの、全力の攻撃です!!」ドッ!

 

雪穂亜里沙「…しまった……!」

 

穂乃果「っ……!!」グッ

 

エレナ(……小泉花陽と星空凛がいれば今の隙は生まれなかっただろう……)

 

エレナ(彼女たちの穴は大きすぎる……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝「おりゃぁ!!」ドッ!

 

努「……っらぁぁ!!」ドッ

 

友「これが僕たちの……!!」グンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュゥッ!!!

 

ゴォォォォォォォォオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クルクルクルッ

 

スタッ

 

武方三兄弟【トライアングルゼェェット!!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォォォオ!!!!

 

ツバサ「……この技……」

 

エレナ「……私たちのトライペガサスと………いや、それ以上だな」

 

あんじゅ「最後の攻撃ほど怖いものはない、まさにその通りね」

 

ツバサ「穂乃果さん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「こいつら……どこにこんなパワーを…!!」

 

希「最後の最後に…」

 

海未「穂乃果!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「………」スゥ………

 

穂乃果「………」ハァ………

 

穂乃果(……怖いけど……)

 

穂乃果(みんなと決勝に行くため……)

 

穂乃果(UTXと戦うため……)

 

ゴォォォォォォォォオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「やれることは全部やるんだ!!」バッ

 

パチッ………パチッ……

 

穂乃果(……枠が壊れたらどうなるかわからないけど……)

 

ギチッ…!

 

穂乃果(お願い……)

 

ギチチッ……!

 

穂乃果「みんなが待ってるの!!」グググッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピシィ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「………」

 

凛「…?どうしたのかよちん?」

 

花陽「わからない……わからないけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「……嫌な感じ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「ぅ……あぁ……!!」グググッ

 

穂乃果(結構きつい……けどこれで)グググッ

 

穂乃果「戦える!!」バッ

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!!】

 

ドギュルルルルルル!!!!

 

武方三兄弟「いけぇぇぇ!!!」

 

みんな「とまれぇぇーー!!!!」

 

穂乃果「はぁぁ!!」グググッ

 

ズズズッ!

 

穂乃果(押し……こまれる……!)

 

武方三兄弟「らぁぁぁ!!!」

 

ギュルルルルル……!!!

 

穂乃果「……っ…!ああああぁぁ!!!」グッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ッシュゥゥゥゥ………!

 

穂乃果「………」

 

みんな「………」

 

角間「………」

 

シーーーン…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「………?」

 

角間「……っ」ハッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「止めたぁぁぁ!!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!!

 

角間「武方三兄弟の渾身のシュートを見事、完全に受け止めましたぁ!!」

 

勝「……冗談っしょ……」

 

ピッピッピーーーーー!!

 

角間「ここで試合終了のホイッスル!!決勝へ進出したのは音の木坂だぁぁ!!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「はぁ…はぁ……」

 

穂乃果「あっはは……膝が笑ってる……」ガクガク

 

穂乃果(……少し亀裂が入っただけでこのダメージ……)

 

穂乃果(完全に壊れるとどうなるんだろう……)チラッ……

 

穂乃果「……ありがとう、穂乃果のマジンさん」ニコッ

 

マジン「………」

 

ドロッ

 

穂乃果「……え」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「穂乃果ぁぁ!!」ガバッ

 

穂乃果「うぶっ……!」

 

ことり「穂乃果ちゃん!」ガバッ

 

穂乃果「か、体がぁぁ!!」ミシミシィ…!

 

希「いやー何だかんだ勝ったね〜」

 

真姫「…当然よ」クルクル

 

希「もー素直じゃないな〜真姫ちゃんは〜」ワシワシ

 

真姫「当たり前のようにワシらないで!!」

 

絵里「今日は助っ人メンバーがMVPね」

 

穂乃果「そうだよ!すっごい良かった!!」

 

雪穂「そ、そんな……前半迷惑かけちゃったし……」

 

亜里沙「ありがとうございます!」

 

ヒデコ「うん、すごく良かった!」

 

穂乃果「ヒデコとミカもだよ!」

 

ヒデコ「え?……わぷっ!」ガバッ

 

穂乃果「日頃からサポートしてくれたり……」

 

穂乃果「ヒデコたちが助っ人で本当に良かった…!!」

 

ヒデコ「……も〜、なにそれ?まだ決勝残ってるんだよ?」

 

穂乃果「わかってるよ!でもとにかく伝えたかったの!」

 

ヒデコ「はいはい、ありがとう」ヤレヤレ

 

穂乃果「ひどい…!!」ゴーン

 

海未「それではみなさん、戻りましょうか」

 

みんな「はーい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人気のない場所

 

ヒフミ「……っふー……」ドサッ

 

フミコ「いやー勝てて良かったね〜」

 

ヒデコ「最後は少しひやっとしたけどさすが穂乃果だよね〜」

 

ミカ「わかる〜」

 

ヒデコ「今日穂乃果にお礼言われたんだ、私たちが助っ人でよかったって」

 

フミコ「あーそれ私も言われたよ、試合出てなかったのに」

 

ミカ「普段から支えてくれてありがとうって……ね?」

 

ヒデコ「穂乃果たちといるだけで毎日刺激的なんだから、こっちこそありがとうだよね」

 

フミコミカ「ねー」

 

ヒデコ「あぁ……今になってて震えて来た」フルフル

 

ミカ「うわ、めちゃくちゃプルプルしてる!」あはは!

 

フミコ「遅すぎでしょ」

 

ヒデコ「………」

 

フミコ「ヒデコ?」

 

ヒデコ「……今日、さ……試合出るってわかってたけどすごい緊張しててさ」

 

フミコ「………」

 

ヒデコ「もし私のミスで負けたらどうしよう……とか、足引っ張っちゃったらどうしよう……とか」

 

ヒデコ「嫌な想像ばっかり浮かんでてさ……」

 

ミカ「……」

 

ヒデコ「でもいざ試合となったら普段試合に出てる後輩の方が空回ってるんだもん」

 

ヒデコ「それに気づいてからは緊張なんかより何とかしなきゃって気持ちの方が強くなって……」

 

ヒデコ「試合が終わってみれば」

 

ヒデコ「後輩からかっこいいって言われて、みんなからもお礼を言われて……」

 

ヒデコ「私は……物語の脇役、なのに……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポタポタ………

 

ヒデコ「こんなに幸せでいいのかなぁ……」ポロポロ

 

ミカ「……うん…いいんだよ、それで」

 

ヒデコ「ぅ……っ!ズズッ……」ポロポロ

 

ヒデコ「すっごい……幸せなんだぁ……」ポロポロ

 

フミコ「友達なんだから助けて当然って思ってたけど、やっぱり……感謝されると嬉しいもんね」ナデナデ

 

ヒデコ「…っ……わた、し…!」ポロポロ

 

ヒデコ「っ………」

 

ヒデコ「このチームの助っ人でよかったぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「ちょっとお手洗い行ってくるわ」

 

希「更衣室で待ってるな〜」

 

にこ「ええ」

 

凛「アイドルはトイレしないんじゃなかったの?」

 

にこ「……お化粧直しよ」

 

凛「でもにこちゃんいつもお化粧してないにゃ〜」

 

にこ「うぐっ……!」

 

希「やめとき凛ちゃん、アイドルにも色々あるんよ……」

 

凛「アイドルの闇は深いにゃ〜」

 

バシッ!

 

凛「いにゃ……!?」

 

希「凛ちゃんが逃げられへんのをいいことに……」

 

にこ「すぐ戻るわ」スタスタ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「えーっと……あ、ここね」スタスタ

 

にこ「混んでなくて助かったわ……」

 

「………ちょっといいか?」

 

にこ「…なによ、今取り込み中……」クルッ

 

にこ「!」

 

にこ「……あんた」

 

西垣「……さっきの試合、俺たちの負けだ」

 

西垣「約束通り、あの技はお前のものだ」

 

にこ「……」

 

にこ「たしかに、私たちが試合に勝ったけど……」

 

にこ「私はあんたに一度も勝ってない」

 

西垣「!」

 

にこ「一勝一敗って事で保留にしといてあげるわ」

 

西垣「お前……」

 

にこ「ありがたく思いなさいよ」

 

西垣「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西垣「それだと俺の勝ちでよくないか?」

 

にこ「はぁ!?あんたそういうこと言うの!?」

 

西垣「だって個人では勝ってるわけだし……」

 

にこ「あんたがルール決めたんでしょうが!!」

 

西墻「そうだけど……」

 

にこ「そうなのよ!!」

 

西墻「……まあいいか、今日のところは引き分けだ」

 

にこ「……ええ」

 

西墻「決勝、頑張れよ」

 

にこ「任せなさい」

 

西墻「それじゃあ」スタスタ

 

にこ「………」

 

西墻「……やっぱり俺の勝ちで……」クルッ

 

にこ「早よ行け!!」

 

 

 

 





穂乃果ちゃんの【マジン・ザ・ハンド】


仲間の力がパズルのピースのように集まってきて、自分という器にはまっていく

ただどれだけ考えてもあと一つ、最後のピースが足りません

いったいそれはどこにあるのか、それが揃うとどうなるか

生暖かくお見守りください!!!!!!!





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「ツバサさんって呼んでいいですか!!」



新しいエアコンの購入が近づいてて楽しみな乾電池です


楽しみ




 

 

 

 

 

更衣室外

 

監督「おーい!邪魔にならないように早く行くぞー!」

 

 

 

 

 

更衣室

 

ヒフミ「はーい!」

 

真姫「ちょっとにこちゃん!私のシーブリーズ勝手に使ったでしょ…!!」

 

にこ「なによそれぐらいケチくさいわねー、減るもんじゃあるまいし」

 

真姫「がっつり減ってるから言ってるのよ!!」

 

希「あ、あれ?胸がきつい……」ググッ

 

海未「それは私のです!返しなさい!!」バッ

 

希「ご、ごめん……」

 

海未「どうせ私は……胸も何もない人間ですよ……」シクシク

 

希「そこまで卑屈にならなくても……」

 

絵里「亜里沙、私のマトリョーシカ知らない?」

 

亜里沙「知らなーい」

 

ことり「ほ、穂乃果ちゃん大丈夫?」

 

穂乃果「ひ、疲労感が…………」ダルー……

 

雪穂「まぁ……今日は頑張ったからね、手伝ってあげるよ」

 

穂乃果「ゆぅぅぎぃほおぉ!!!」ダー…!

 

雪穂「鼻水汚い」

 

花陽「あれ…ねえ凛ちゃん、あれって……」

 

凛「どれ?……あーー!!」

 

穂乃果「どうしたの凛ちゃん?」

 

凛「あれ!」

 

穂乃果「あれ?」

 

凛「あれ!」

 

穂乃果「あれれ?」

 

凛「あ……んふふ………ふざけないで!」

 

穂乃果「ごめんごめん……って……」

 

穂乃果「えええええ!?」

 

「!」クルッ

 

タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「久しぶりね」

 

穂乃果「どうしてここに……」

 

ツバサ「あなたたちの試合を見に来たに決まってるじゃない」

 

穂乃果「………やっと……ここまで来れました」

 

ツバサ「あとで少し、向こうで話せないかしら」

 

穂乃果「は、はい!今すぐにでも……!!」バッ

 

ツバサ「……その格好で出るつもり?」

 

穂乃果「え?……あっ……////」

 

海未「穂乃果!!なんという格好でそんなところにいるんですか!早く中に戻りなさい!!」

 

穂乃果「ご、ごめんなさ〜い!!」

 

穂乃果「それじゃああとで…!」

 

ツバサ「ええ」フリフリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「えーっと……」キョロキョロ

 

ツバサ「こっちよ」フリフリ

 

穂乃果「す、すいません待たせちゃって……」

 

ツバサ「いいのよ、こっちが急に言い出したんだから」

 

ツバサ「とりあえず……」スッ

 

ツバサ「試合お疲れ様、これは私からのプレゼントよ」コトッ

 

穂乃果「コ、ココア……すみませんまたお奢ってもらって」

 

ツバサ「ふふ、謝ってばかりね、穂乃果さんは」

 

穂乃果「あはは……たしかに……?」

 

穂乃果「穂乃果……さん?」

 

ツバサ「………?」

 

ツバサ「………」

 

ツバサ「……」

 

ツバサ「…」

 

ツバサ ハッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ(あああああああやっちゃったぁぁ!!!!!)

 

ツバサ(いつもエレナたちの前では穂乃果さんって呼んでたからつい癖で……!!癖で…!!)

 

ツバサ(絶対気持ち悪い先輩と思われた……うわなにこの人急に下の名前で呼んでんのこわっって思われたぁぁ!!)

 

穂乃果「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ(その沈黙をやめて!!)

 

ツバサ(あなたはいつも明るいみんなの太陽高坂穂乃果さんでしょ!?どうしてそんなに静かなのよぉぉ!!)

 

穂乃果「あの………ツバサ……さん?」

 

ツバサ(ほらーもう私の名前呼ばれてるーーー!!!)

 

穂乃果「あのー……ツバサさん?」

 

ツバサ(ほらもう穂乃果さんが呼んでるじゃない私の名前を!!………?)

 

ツバサ(……私の……名前?)

 

ツバサ「……え」

 

穂乃果「やっと反応してくれた」

 

ツバサ「あ、その……ごめんなさい、急に名前で呼んだりして」

 

ツバサ「嫌だったら別に……」

 

穂乃果「う、嬉しかったです!!」

 

ツバサ「へ?」

 

穂乃果「なんだか……少し距離が近くなった気がして……」

 

穂乃果「私もツバサさんって呼んでいいですか?」

 

ツバサ「…ええ……もちろんよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ(えんだぁぁぁぁぁ!!!!)

 

ツバサ(穂乃果さんと名前で呼びあうことに予想外のタイミングで成功したわ!!)

 

穂乃果「やったぁ!!嬉しいですツバサさん!」ニコッ

 

ツバサ(はいはいハラショーハラショー、ベリーハラショーよ、もうなにも思うことはないわ)

 

ツバサ「…それで話は変わるんだけど……」

 

ツバサ「小泉さんと星空さんは怪我をしていたの?」

 

穂乃果「……はい」

 

穂乃果「でも決勝には出られるので大丈夫です!」

 

ツバサ「よかった、リベンジするのにメンバーが欠けてたんじゃどうしようもないものね」

 

穂乃果「リベンジだなんてそんな……」

 

ツバサ「少なくとも、私たちはそのつもりでここまでやって来たわ」

 

穂乃果「……」

 

穂乃果「…試合のスコア、見ました」

 

ツバサ「試合?」

 

ツバサ(ああ、私たちのか)

 

穂乃果「どうやって……あれほど急激に強くなったんですか?」

 

ツバサ「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニコッ

 

ツバサ「すごく優秀な監督が来てくれたのよ」

 

穂乃果「監督?」

 

ツバサ「ええ、その人は……」

 

「あ、いた……おーい!ツバサさーん!」

 

ツバサ「……噂をすればね」

 

穂乃果(あれ?この声……)

 

お姉さん「こんなところにいたんだ、エレナさんたちが探してたよ」

 

ツバサ「えぇ〜……」

 

穂乃果(どこかで聞いたような………?)

 

お姉さん「ほら、早く行って来なよ」

 

ツバサ「……わかりました」スッ

 

ツバサ「ごめんなさいね穂乃果さん、決勝、楽しみにしてるわ」

 

穂乃果「は、はい!こちらこそよろしくお願いします!綺羅さん!」

 

ツバサ「………」

 

穂乃果「……?」

 

穂乃果 ハッ

 

穂乃果「ツバサさん!!」ブンブン

 

ツバサ「ええ、また来週」フリフリ

 

ツバサ(ここで流したら次からまた綺羅さんに戻る上に気まずさから二度とツバサさんと呼ばれることはない…)

 

ツバサ(危なかった………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「………」

 

お姉さん「ごめんね、話の途中だったのに」

 

穂乃果「いえ、あの……」

 

お姉さん「なに?」

 

穂乃果「どこかで会ったことありましたっけ?」

 

お姉さん「……」

 

お姉さん「……ふふ」ニコッ

 

穂乃果「!」

 

お姉さん「タイヤのトレーニングは順調?」

 

穂乃果「タイヤ……?」

 

穂乃果「………!」ハッ

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

穂乃果「ん〜…どうすればキーパーの実践的な練習ができるんだろう…」テクテク

 

???「鉄塔広場のタイヤを使ってみて」ボソッ

 

穂乃果「へ!?」クルッ

 

穂乃果「……だれもいない……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果「あの時の!!」

 

お姉さん「やっと思い出してくれたかな」ニコッ

 

穂乃果「お姉さんのおかげで強くなれました!次の試合、よろしくおねがいします!」ペコッ

 

お姉さん「まって、これあげる」スッ

 

穂乃果「これ……チョコ?」

 

穂乃果(なにか見覚えがあるような……)

 

お姉さん「食べてみて」

 

穂乃果「い、いただきます……?」パクッ

 

お姉さん「あんこ入りだけど」ニヤッ

 

穂乃果「…!」ムグッ

 

穂乃果「あんこあきたぁぁ!!」ブンブン

 

穂乃果「……!」ハッ

 

穂乃果「……あ、あれ?」キョロキョロ

 

穂乃果「……どっか行っちゃった……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜の公園

 

真姫 ブワァァァァ!!

 

絵里 ブワァァァァ!!

 

ドキュッ!!

 

シュルルルルルル……!

 

テンテンテン……

 

 

 

 

 

 

真姫絵里「………??」

 

真姫絵里(……わからない)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛宅

 

凛「………」

 

凛「……」ピッ

 

『さぁ始まりましたーーーー世界大会!世界一の称号は一体誰が手に入れるのでしょうか!!』

 

『ワァァァァァァァァァァ!!!』

 

凛「………」ジーーーーー

 

凛「……こう……いや、こんな感じ……?」ブツブツ

 

 

 








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第8話「『思いっきり暴れてこい』」


梨が美味しい乾電池です

梨イズナンバーワンフルートゥです




 

 

 

 

試合まで後6日

 

海未「穂乃果、起きてください、練習行きますよ」

 

穂乃果「やったぁぁテスト100点〜」ムニャムニャ

 

海未「それは間違いなく夢ですから早く起きてください」

 

穂乃果「うぅ〜……海未ちゃんがいじめる……」

 

ことり「ほ、穂乃果ちゃん、今日のテストは何点だったの?」

 

穂乃果「………100点…」

 

ことり「え!?すごい……!!」

 

穂乃果「……中の22点……」

 

ことり「あぁ……」ガクッ

 

海未「早く支度してください」

 

穂乃果「はぁ〜〜い……」ノソノソ

 

 

 

 

 

 

 

 

ピンポンパンポーン!

 

『校内に残っている生徒に連絡いたします』

 

『現在、全国大会決勝を迎えている、音の木坂学院サッカー部についてですが……』

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「……?何か聞いてますか?」

 

穂乃果「いや?」

 

ことり「なんだろう……」

 

 

 

 

 

 

 

『サプライズで全校生徒で応援に行くといっていた件について』

 

3人「……んん……!?」

 

『今、全員の出席意志が確認できたこと、チケットが確保できたことをここに報告……え?』

 

『やばいって……!まだ穂乃果たち教室にいるって……』

 

ことり「あちゃー……」

 

『えぇ!?いつもならグラウンドにいる時間じゃ……』

 

海未「ええ、その通りです」

 

『絶対穂乃果が寝ぼけてたとかだよ!今日も眠そうだったし!!』

 

穂乃果「正解」

 

『ど、どうする?』

 

『〜〜!!もういいや!言っちゃえヒデコ!』

 

『…そうだね!』

 

『………こほん………穂乃果』

 

穂乃果「……はい!」

 

『ごめんね、サプライズのつもりだったけど……』

 

『でもね穂乃果、穂乃果達はすごい、本当にすごいよ』

 

『メンバーも足りない、試合にも出られない、誰も見向きもしなかった……そんなサッカー部が……』

 

『全国のトップにまで上り詰めたんだから』

 

3人「……」

 

『もう頑張ってるのは知ってるから、頑張れなんて言わない』

 

『………』スゥ……

 

 

 

 

 

 

 

 

『思いっきり暴れてこい!!』

 

3人「…っ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!

 

穂乃果「わっ…!」

 

海未「学校中から歓声が……」

 

ことり「すご……」

 

穂乃果「…………練習行きますか!」

 

海未「ええ」

 

ことり「ふふふ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラウンド

 

海未「それでは練習を始めたいと思いますが……」チラッ

 

凛ママ「凛と花陽ちゃんは別メニューな」

 

凛「えー!?」

 

花陽ママ「治りたてで無理しちゃうとまたすぐ怪我しちゃうからね〜」

 

花陽「そんなぁ〜……」

 

凛ママ「残りのメンバーはいつものメニューをした後、好きな練習してていいよ」

 

海未「わかりました」

 

凛ママ「よし、それじゃあ練習開始!」

 

みんな「おー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザッ ザザザッ

 

海未「ことり、もう少し強引でも構いません」

 

海未「絶対に取るんだという勢いで来てください」

 

ことり「で、でもぉ……」

 

海未「まったく……ことりは優しすぎるんですよ」ヤレヤレ

 

ことり「うぐっ…!」グサッ

 

海未「できる限りでいいです、やってみてください」

 

ことり「う、うん…!」

 

ことり「………はぁ!」ガガッ!

 

海未「…!いいですよ、もっとです!」

 

 

 

 

 

 

 

絵里「真姫、希知らない?」

 

真姫「さあ、どうせお手洗いとかじゃないの?」

 

真姫「すぐ戻ってくるわよ」

 

絵里「……それもそうね、練習続けましょうか」

 

真姫「ええ、だんだんよくなって来てるし」

 

 

 

 

 

 

 

 

自動販売機前

 

希「………」トッ

 

トントントーン

 

希「……」トントン

 

希「……ほっ!」トトン!

 

ポーン

 

希 フワッ

 

希「………」トッ

 

希「………」

 

希「……戻ろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果(……お母さんの言ってた足りない最後の1ピースの意味がようやくわかった)

 

穂乃果(けど問題はそこからだね……)ウーン

 

穂乃果(その最期のピース自体が一体何なのかがわかんないし)

 

穂乃果(ほかのピースじゃ代わりにはなれない、その歪みはそのまま穂乃果に反映される……)

 

穂乃果(穂乃果はいったいどこまで耐えられるのかな?)

 

穂乃果「………」

 

にこ「ちょっと!もういい?」

 

穂乃果「ご、ごめんにこちゃん!」アワアワ

 

にこ「全く、このにこにーがシュートを打ってあげるのよ!ありがたく思いなさい!」

 

穂乃果「うん!ありがと!」

 

にこ「…んぐぅ……!」

 

にこ(海未といい穂乃果といいなんでこんなに素直な奴が多いのよ……!)

 

にこ(調子狂うわね……)

 

穂乃果(にこちゃんなんだかんだ言ってすごく丁寧にシュートしてくれるからね〜)

 

にこ「いくわよ!」ザッ

 

穂乃果「こい!」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

練習終わり

 

海未「穂乃果は今日もあそこですか?」

 

ことり「みたいだね〜」

 

ことり「お店のお手伝いって言いながら反対方向に走っていっちゃったから…」

 

ことり「せっかくだし飲み物でも差し入れに行かない?」

 

海未「いいですね、あそこのコンビニで何か買って行きましょうか」

 

ことり「やったー!」

 

海未(おや…前からガラの悪い方達が……)

 

海未(出来るだけ避けて……)スッ

 

ドンッ!

 

海未「!?」ドサッ

 

ことり「海未ちゃん……!」バッ

 

海未(今わざと…!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チンピラ1「痛ってぇ〜!」

 

チンピラ2「うわこれ折れてんじゃね?」

 

チンピラ1「うわーまじ折れてる……うぉ!?」

 

海未(私一人なら逃げられますがことりがいるこの状況では……)

 

チンピラ1「なにこいつめちゃめちゃ可愛いじゃん!」スッ

 

海未(…!顎に手を……)

 

チンピラ2「うわーまじだ!!今からカラオケ行かね?」ガシッ

 

海未(……肩を馴れ馴れしく……)

 

海未(せめてことりだけでも……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ねぇ」

 

チンピラ1「なんだよ……ってうぉぉ!!連れも可愛いじゃん!」

 

チンピラ2「やっべーやっべー!」

 

ことり「………」

 

海未(……!?)ゾクッ

 

海未「…………こと、り?」

 

ことり「……ぶつかっちゃってごめんなさい」ペコッ

 

チンピラ1「いやいや、謝っても腕は治んねーし?」

 

チンピラ2「いいから俺ら4人で……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「ごめんなさい」ニコッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チンピラ1.2「……っ…」ビクッ

 

海未「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいてめーら!!」

 

チンピラ1.2「……!」ハッ

 

「人の知り合いになにしてんだゴラァ!!」タッタッタッ

 

チンピラ2「……っち、行くぞ!」

 

チンピラ1「……ああ!」

 

タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「………っはー……」

 

海未「ことり、大丈夫で……」

 

ことり「怖かったよ海未ちゃぁぁん!!」ダキッ

 

海未「こ、ことり!?」

 

海未(さっきの迫力は気のせいだったのでしょうか………)

 

「大丈夫すか!?」

 

海未「…!あなたはこの間部室に来ていた……」

 

ことり(…?誰だろうこの人?)

 

「こういうのよく見るんで、またか、ぐらいにしか思ってなかったんですけど」

 

「真姫の姉貴とにこの姉貴のご学友だと気付いて飛んで来ました!!」

 

海未「……ふふ、ありがとうございます」

 

海未「しかし……」

 

「?」

 

海未「あんな風に言っては相手が逆上してしまうかもしれませんし、何よりあなた自身が心配です」

 

「………!」

 

海未「す、すみません…!助けていただいたのに上から目線で……!」アワアワ

 

海未「それでは私たちは行きます」

 

海未「……ありがとうございました」ニコッ

 

「い、いえ……」

 

海未「それでは……」ペコッ

 

ことり「……??」フリフリ

 

「……〜〜〜!!!!」

 

 

 

 

 

海未「………」テクテクテク

 

ことり(今の人、知り合いだったのかな?)テクテク

 

「海未の姉貴ぃぃ!!!」

 

海未「は、はい!?」クルッ

 

「俺、頑張ります!!」

 

海未「……ふふ、無理はしないでくださいね」

 

「はい!!」タッタッタッ

 

ことり「……えぇ〜……?」

 

 

 

 

のちに彼が警察から何枚も感謝状をもらうようになるのはまた別の話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方凛宅

 

凛ママ「りーん!ご飯だぞー!」

 

………………

 

凛ママ「りーん!」

 

………………

 

凛ママ「?」

 

 

 

 

 

 

 

スタスタスタ

 

ガチャ

 

凛ママ「凛!さっきから読んでるの聞こえて……?」

 

凛「………」(イヤホン)

 

凛ママ「………」

 

グイッ ピンピンッ

 

凛「あっ……ちょっと!」

 

凛ママ「なに聴いてたんだ?」

 

凛「聴いてるんじゃなくて見てたの!」

 

凛ママ「……!それ……」

 

凛「かっこよくない!?」

 

凛ママ「………」

 

凛ママ「…ご飯できてるぞ」

 

凛「すぐ行く!」バッ

 

タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

凛ママ「………へぇ」

 

凛ママ(面白いところに目をつけたな、凛)

 

ケータイ『最後まで余裕の表情です!!!』

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果宅

 

穂乃果「ちょっと待っててー」

 

穂乃果ママ「あんたそれ何度目よ!ご飯冷めちゃうじゃない!」

 

穂乃果「今行くからぁ!!」

 

ケータイ『圧倒的な実力差を見せつけたUTX高校ですが……』

 

穂乃果(……本当に、勝てるのかな……)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

マジン「………」

 

ドロッ

 

穂乃果「えっ……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果「……!」ブンブン

 

穂乃果(決勝が近いから不安になってるだけ!大丈夫!)パンパン

 

穂乃果(みんなに迷惑はかけられないからね)

 

穂乃果(リーダーらしく、みんなを引っ張っていかないと)

 

穂乃果「やるぞー!」オー!

 

雪穂「オーはいいからご・は・ん!!」バンッ!

 

穂乃果「……はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合まで後5日

 

凛「はぁ……はぁ……」

 

凛(もう少し……捻るのかな?)

 

凛「……もう一回!」

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「ふんんん!!!」

 

ズザザッ!!!

 

穂乃果「……はぁ……はぁ……」

 

穂乃果「…もう一回!」

 

ブンッ!

 

 

 

 

 

 

 

真姫 ブワァァァ!!

 

絵里 ブワァァァ!!

 

真姫絵里【ファイアブリザード!】

 

ドゴォォォォォォォ!!!

 

ォォォ………

 

テンテンテン……

 

真姫絵里「……もう一回!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

試合まで後3日

 

練習後帰り道正門

 

凛「今日も疲れたにゃ〜……」トボトボ

 

花陽「もう動きたくない……」とぼとぼ

 

絵里「……私たちより復帰組の方が疲れてるんだけど……」テクテク

 

凛「もうスパルタなんてもんじゃないにゃ!」

 

花陽「練習……練習……エヘヘ」

 

真姫「大丈夫よ、二人の母親がついてるんだから」テクテク

 

絵里「明らかに大丈夫じゃないのが約1名ね」

 

海未「そういえば明日から三連休ですね」テクテク

 

絵里「強引な話題転換嫌いじゃないわよ」

 

ことり「あーそういえばそうだね!………ってあれ?」

 

海未「……はい、普段は開いている学校も、長期休みを除いた三連休以上の場合はずっと閉まったままなんです」

 

穂乃果「じゃあ試合までの三日間は河川敷かな?」

 

海未「はい、それがいいかと」

 

花陽「ちょ、ちょっと待って…」ピタッ

 

みんな「?」ピタッ

 

花陽「それじゃあ……」

 

花陽「このメンバーが音の木坂で練習できるのって、今日が最後なんじゃ……」

 

みんな「……ぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

海未「……決勝戦が終われば実質三年生は引退になりますし、ここでは最後ということになりますね」

 

花陽「そんな……」

 

にこ「何言ってんのよ、ちょくちょく顔出すに決まってるじゃない」

 

希「えー?でもにこっちにそんな余裕……」

 

にこ「あるわよ!」

 

花陽「で、でも……」

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「学校で合宿だよ!!」

 

みんな「………は?」

 

穂乃果「外から入れなくなるなら中にいればいいんだよ!」

 

海未「……穂乃果、あなたは本当に……」ハァ

 

 

 

 

 

 

 

絵里「……天才ね」

 

海未「……はい?」

 

海未「絵里、今なんと……?」

 

絵里「外から入れないなら中にいればいい……!!パンがないならお菓子を食べればいいじゃない!!」

 

海未「あの……絵……」

 

絵里「やりましょう合宿!!」

 

海未「絵里ぃぃぃ……」ガクッ

 

希「ごめんな海未ちゃん、たまにおかしくなるんよこの生徒会長」

 

凛「合宿だって!かよちん、真姫ちゃん!」

 

花陽「う、うん……!」

 

真姫「どうしてわざわざ合宿なんて……」クルクルクルクル

 

海未ことり「……!」フフ

 

穂乃果「もちろん嫌だったらこの話はなし!」

 

穂乃果「無理やり合宿してもつまんないしね!いつも通り河川敷で練習だよ」

 

真姫「……!」

 

穂乃果「それじゃあ行くよ!」

 

穂乃果「やりたい人!」バッ

 

バババババババッ!

 

 

 

 

 

みんな「………」

 

真姫「………」

 

スッ

 

穂乃果「……満場一致ということで合宿決てーい!」

 

みんな「いえーい!」

 

にこ「あっれー?真姫ちゃんは反対だったんじゃなかったのー?」

 

凛「出た……!久しぶりの親戚のおじさんモード」

 

絵里「何度見てもしっくりくるわね」

 

花陽「あわわわ……!」ハラハラ

 

にこ「ほらほら、教えなさいよ〜」

 

真姫「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「……にこちゃんともっと一緒に居たかったから……ダメ?」

 

にこ「ゔ……ゔぇぇ!?/////」カァァ!

 

凛「あー!にこちゃん顔真っ赤だにゃー!」

 

希「にこっちに照れてるー!」

 

にこ「う、うるさい!見るな!」バッ

 

 

 

 

 

 

 

真姫 ドヤッ…!

 

穂乃果「真姫ちゃんもにこちゃんの扱い上手くなったね……」

 

ことり「役者だね〜」

 

花陽「真姫ちゃん……」

 

絵里「照れてるところ申し訳ないけど、にこ」

 

にこ「照れてない!」クルッ

 

絵里「合宿の申請、どうしましょう」

 

みんな「あ」

 

 

 

 

 

 

数分後

 

ことり「うん、うんわかった!!ありがと!!」

 

ピッ

 

絵里「どう?」

 

ことり「申請は1週間前には出さないとダメだったんだけど……」

 

ことり「もしかしたら自分が確認ミスをしていたかもしれないからって特別に許可してもらえた!」

 

海未「……ふぅ、さすが理事長ですね」

 

絵里「ほんとにね……」ヤレヤレ

 

凛「確認ミスだなんておっちょこちょいだにゃ〜」

 

希「凛ちゃん違う」

 

穂乃果「それじゃあ一度家に帰ってからまたここに集合!」

 

みんな「おー!」

 

穂乃果「2日分の用意持ってきてね!」

 

穂乃果「最終日は自分の家でゆっくりするとして……」

 

穂乃果「晩御飯とお風呂は初日だし済ませてよっか!」

 

希「てことは今日はもう寝るだけやね♪」

 

穂乃果「そゆこと!」

 

穂乃果「それじゃあ解散!」

 

穂乃果「ヒデコたちには私が連絡しとくね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解散後、帰宅途中二年生

 

ことり「合宿楽しみだね〜!」テクテク

 

穂乃果「うん!いっぱい遊ぼうね!」テクテク

 

海未「練習です!!」

 

穂乃果「わかってるよう……」

 

ことり「それにしても……」

 

穂乃果海未「?」

 

ことり「最近の練習ハードだよねぇぇぇ……」ガクッ

 

穂乃果「あはは……追い込みどきだからかな……」

 

海未「しかし、確実に力がついているのがわかります、この調子ですよ!」

 

ことり「ふぇぇ〜〜ん……!ことりはもっと女の子らしくなろうと思ってたのに……」

 

海未「今でもことりは十分女の子らしいですよ?」

 

ことり ブンブン!

 

ことり「足とか腕には生傷が絶えないし筋肉もついて……」

 

ことり「もっと女子高生っぽいことしたいよぉ〜〜〜………」

 

海未「例えばどんなことですか?」

 

ことり「みんなで放課後クレープ食べたり…」

 

海未「してますね」

 

ことり「学校でおかし食べながらおしゃべりしたり……」

 

海未「してますね」

 

ことり「あとはマカロンとかマカロンとかマカロンとか……」

 

海未「何ですか急に病的なマカロン押しは………」

 

ことり「ねえねえ、穂乃果ちゃんはどう思う?」

 

穂乃果「え〜?穂乃果はー……」

 

穂乃果「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「ーーーーー……」

 

 

 

 

 

 

 

 

海未ことり「…………」

 

海未ことり「……ふふ」ニコッ

 

海未「私もです」

 

ことり「ことりも〜!」

 

穂乃果「ほらほら!早く準備しないと遅刻しちゃうよ!」

 

海未「はいはい、そんなに慌てないでください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お!今帰りかい?」

 

海未「?」クルッ

 

穂乃果「あー!八百屋のおばちゃん!」

 

おばちゃん「もうすぐ決勝戦でしょう?頑張んなよ!」

 

穂乃果「うん!頑張る!」

 

おばちゃん「海未ちゃんとことりちゃんもね!」

 

海未「はい、もちろんです」

 

ことり「頑張ります!」

 

おっちゃん「おぉ……!穂むらさん家の子か!大きくなったなぁ!」

 

穂乃果「おっちゃんは変わらないね!」

 

おっちゃん「あっはは!口が上手いねぇ!」

 

おっちゃん「サッカー頑張ってるんだってな、商店街じゃその話で持ちきりだよ!」

 

穂乃果「もうすぐ決勝なんだ!応援よろしくね!」

 

おっちゃん「任せろ!商店街のジジババ集めてみんなで行ってやる!」

 

穂乃果「それは賑やかそうだね……」アハハ……

 

穂乃果「……っと…時間詰まってるんだった」

 

穂乃果「それじゃあまたね!おっちゃんおばちゃん!」

 

「「「頑張れー!」」」

 

穂乃果「ありがとー!」

 

海未ことり ペコリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校

 

穂乃果「みんなお待たせ!」

 

雪穂「すみません!今日は私のせいで遅くなりました……」ペコッ

 

絵里「みんな来たところだから大丈夫よ」

 

亜里沙「雪穂!お泊まり会だよ!お泊まり会!」

 

雪穂「えへへ……!楽しみだね亜里沙!」

 

亜里沙「うん!」

 

穂乃果「ヒデコ達は来れないって〜」

 

海未「用事があるなら仕方ありませんね」

 

ことり「それじゃあ鍵開けるね〜」ガチャッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空き教室

 

絵里「この部屋を主に寝泊まりする部屋にします」

 

海未「各自荷物をまとめてあそこへ置いてください」

 

穂乃果「置いた人からみんなの布団を運んでね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「……っふう」ドサッ

 

絵里「海未は荷物少ないわね」

 

海未「ええまあ、自分に特別な手入れは何もしていないので」

 

海未「最低限の着替えだけです」

 

絵里(……手入れなしでこんなに肌も髪も綺麗なのね)

 

海未「絵里?どうしましたか?」

 

絵里「い、いや…!なんでもないわ、布団敷きましょうか!」

 

海未「ええ」ニコッ

 

 

 

 

 

 

 

希「よいしょ……っと!」ドサッ

 

ポロッ

 

希「……あっ…」

 

花陽「……?……!」

 

花陽「可愛いぬいぐるみ!」

 

にこ「なにあんた、その年にもなってぬいぐるみと一緒じゃないと寝られないの?」ニヤニヤ

 

凛「希ちゃんも可愛いところあるにゃ〜!」

 

希「二人も可愛いところあるよ?」ワシワシ

 

希「あ〜!かわいい!」

 

にこ「この野郎捥いでやる!!」ガバッ!

 

凛「搾り取ってやるにゃぁ!!」ガバッ!

 

希「ああああ痛い痛い痛い!!」ギリギリギリ

 

花陽「……痛そう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「ことり……あなた枕なんて持って来たの?」

 

ことり「うん♪これじゃないと眠れないんだぁ」

 

ことり「触ってみて!」

 

真姫「いったいどんな……」フニッ

 

真姫「……!なんだかいい感じね」

 

ことり「超低反発なの!」

 

真姫「持参する気持ちもわかるわ」

 

ことり「でしょ〜!」えへへ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「ゆ、雪穂!穂乃果のアレが……」

 

雪穂「はい歯ブラシ」スッ

 

穂乃果「さっすが雪穂!」

 

雪穂「おねーちゃんのやりそうなことはだいたいわかるからね」

 

穂乃果「いやーそんなに言われると照れちゃうよ?」

 

雪穂「悪い意味でだけどね」

 

穂乃果「ゆぅきほ〜〜!」ガクッ

 

亜里沙「……ふふ」

 

穂乃果「あー!今亜里沙ちゃん笑った!?」

 

亜里沙「ご、ごめんなさい!」アワアワ

 

亜里沙「雪穂は穂乃果さんの事、本当に大好きなんだなって思って」

 

雪穂「は、はぁ!?なんで私がおねーちゃんなんか……」

 

穂乃果「その通り!雪穂はおねーちゃん子だったんだよ?」

 

雪穂「余計なこと言わなくていいから!」

 

亜里沙「だから少し雪穂が羨ましいんです」

 

雪穂「亜里沙には完璧な絵里さんがいるじゃん」

 

亜里沙「だからなの!」

 

穂乃果雪穂「?」

 

亜里沙「おねーちゃんはなんでも一人でできちゃうから…」

 

亜里沙「穂乃果さんみたいに少し抜けてるおねーちゃんが羨ましいなって!」

 

雪穂「……」

 

穂乃果「……」

 

雪穂「……まぁ、ドンマイ」

 

穂乃果「ノーガードで右ストレートもらったような衝撃だったよ」

 

雪穂「上げて落とされたからね」

 

穂乃果「亜里沙ちゃん……恐ろしい子…!!」

 

亜里沙「?」キョトン

 

海未「貴方達いつまでそうしているのですか!」

 

海未「布団を運んでください!」ドサッ

 

絵里「……数が凄いわ……」ヨイショ

 

穂乃果「やっば……!」アワアワ

 

穂乃果「行くよ!雪穂!亜里沙ちゃん!」

 

雪穂亜里沙「うん(はい)!」

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

凛「これで……最後!」ドサッ

 

穂乃果「すごーい!」

 

絵里「流石にこれだけ並べると壮観ね」

 

穂乃果「………」ウズウズ

 

花陽「……穂乃果ちゃん?」

 

穂乃果「〜〜!もう我慢できない!」バッ

 

ドサッ

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「くるくるくるくる〜!」ゴロゴロ

 

海未「な、何をしているのですか!」

 

にこ「にこも!」バッ

 

凛「凛も!」

 

花陽「り、凛ちゃん…!怒られるよ……!」ガシッ

 

凛「かよちんもやるにゃー!」ガシッ

 

花陽「……へ?」

 

穂乃果「ぐるぐる〜!」ゴロゴロ

 

にこ「あ〜〜〜〜!」ゴロゴロ

 

凛「にゃ〜〜〜!」ゴロゴロ

 

花陽「ダレカタスケテー!」ゴロゴロ

 

海未「今すぐやめなさい!穂乃果!」

 

穂乃果「海未ちゃんも来なよ!気持ちいいから!」

 

海未「絶対に行きません!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

穂乃果「あー楽しかった!」

 

にこ「子供に戻った気分ね」

 

希「にこっち見た目はずっと子供痛い痛い痛い」ギリギリ

 

絵里「ほら、凛と花陽も起きて」

 

凛花陽「………」

 

絵里「?二人とも?」

 

ことり「……!」

 

ことり「しー……!」

 

 

 

 

 

 

 

凛花陽「……んぅ…」スゥ……スゥ……

 

ことり「…寝ちゃったみたい」ヒソッ

 

絵里「二人とも疲れてたのね……」

 

海未「復帰してからは遅れを取り戻すために頑張っていましたから」

 

凛花陽「……くぅ……」スピー

 

海未「……私たちも寝ましょうか」

 

ことり「そうだね!」

 

真姫「……二人が真ん中で寝てるせいで布団に入れないんだけどどうするの?」

 

穂乃果「雑魚寝しかないでしょ!」

 

真姫「……本気?」

 

穂乃果「本気と書いてマジ、だよ!」

 

真姫「はぁ…」

 

海未「……今回は仕方ありませんね」

 

海未「それではみなさん各々好きな場所で寝てください」

 

亜里沙「やったー!」

 

亜里沙「おねーちゃん一緒に寝よ!」

 

絵里「ええいいわよ」

 

ことり「ことりは穂乃果ちゃんの隣〜!」

 

穂乃果「えへへ〜!久しぶりだねこういうの!」

 

海未「………」

 

穂乃果「あれ〜?海未ちゃんも来たいの?」

 

海未「そ、そんなわけないじゃないですか!!」

 

穂乃果「ほらここ空いてるよ?」ホラホラ

 

海未「………そこまでしつこく誘われては仕方がありません、私も一緒に寝てあげます」

 

穂乃果「一回誘っただけなんだけど……」

 

ことり「海未ちゃん…」

 

海未「全く仕方ありませんね」ニコニコ

 

穂乃果ことり(すごく嬉しそう)

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫(……ここでいいかしら)ゴソッ

 

真姫(………)スヤァ

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ(真姫は一年二人に紛れ込んだか……)

 

にこ「あと残ってるのは……」チラッ

 

 

 

 

 

 

 

 

希「やーん♪そんなに見つめられたら照れるやん!」

 

雪穂「……っ…」アセアセ

 

にこ「雪穂、一緒に寝ましょうか」

 

雪穂「は、はい!」

 

希「ちょっ…!ウチは!?」

 

にこ「あんたは草の上で寝てなさいよ」

 

希「いや誰が牛や」

 

にこ「あれ、今日は鼻に輪っかつけてないのね」

 

希「だから誰が牛や……!」

 

にこ「今日の乳搾りの出来は……」

 

希「だから誰が牛やぁぁ!!!」ガーッ!

 

にこ「………」

 

希「やめぇやピンポイントで乳牛いじりするの!」

 

希「ウチだって傷つくし……傷つくんやぁ!!」

 

にこ「……」

 

希「なんで黙ってるん!?そっちから仕掛けて来たのに!?」

 

希「仕掛けたけど思った以上に絡んで来たからめんどくさくなったんやろ!?なぁ!」

 

にこ「……ねぇ」

 

希「なに!」

 

にこ「もう寝ない?」

 

希「……もういいよ、にこっちはそんな人やったんやね……」

 

にこ「えぇ……?」

 

希「……はぁ、離婚前の夫婦ってこんな感じなんやろね」

 

にこ「いや知んないわよ」

 

希「おやすみ二人とも、風邪ひかんようにね」

 

雪穂「お、おやすみなさい……」

 

にこ「おやすみ〜」

 

三人「……………」

 

希「あ、そうやにこっち」

 

にこ「ん?」

 

希「寝る前に腰痛に効くストレッチしなくて大丈夫?」

 

にこ「あー、それをやらないと明日がしんどい……って」

 

にこ「誰がおばあちゃんよ!!」

 

希「………」

 

にこ「めんどくさがるな!!」

 

雪穂「寝ましょうよぉ…」

 

 

 





海未の姉貴!!



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「……頑張ろうね」



前回セリフを「ーーーー…」って隠そうとしてたところそのまま書いてしまう事件が発生してしまった乾電池です

さりげなく直したのでどこが隠れたか時間があればお探しください!

悔しいです!!





 

 

 

 

試合まであと2日

 

 

穂乃果「……んぅ……」ムクッ

 

穂乃果「………?」シパシパ

 

穂乃果「……あそっか……合宿……」ボー……

 

穂乃果「………」キョロキョロ

 

穂乃果(……みんなまだ寝てる……ってあれ?)

 

穂乃果「海未ちゃんがいない?」

 

 

 

 

 

 

 

ガラッ

 

海未「おや穂乃果、今日は珍しく早いですね」

 

穂乃果「どこ行ってたの?」ふわぁ〜…!

 

海未「朝の稽古代わりにランニングをしてきました」

 

穂乃果「うぇ〜……」

 

海未「穂乃果も行ってきてはどうですか?」

 

穂乃果「……おやすみなさぁい」スヤァ

 

海未「おきなさい……!!」ギリギリ

 

穂乃果「起ぎる起ぎる起ぎるがらぁ…!!」ギリギリ

 

 

 

 

 

 

絵里「……もうなに?騒がしいわね」ムクッ

 

海未「絵里、おはようございます」

 

絵里「おはよう」ふぁ……!

 

絵里「……!」クンッ

 

絵里「なんだかいい匂いがするわね」

 

海未「気づきましたか、実は凛のお母様が朝食を作ってくれているんですよ」

 

絵里「凛のお母様も来てくださってたの?」

 

絵里「手伝わなくて大丈夫かしら……」

 

海未「それより他のメンバーを起こしていただけると助かります」

 

絵里「わかったわ」

 

絵里「…んー……!」ノビー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「……どうしてにこは顔にキュウリを貼り付けてるのかしら」

 

海未「おそらく美容のためでしょう、にこらしいです」

 

絵里「にこから起こして行くことにするわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

ニコー、オキナサーイ!アサヨー

 

海未「………それでは私は……」チラッ

 

穂乃果「ふひぃ……」スヤァ

 

海未「このラスボスを攻略しましょうか」ポキポキ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食堂

 

凛「お腹すいたにゃ〜」ふぁ〜…!

 

花陽「スンスン……この匂いは……!」

 

花陽「魚沼産こしひかり……!!」

 

にこ「え……?あんた朝からそのテンションで行くつもり?」

 

花陽「寝ぼけた状態でお米を食べることは失礼に値しますから」キリッ

 

凛「さっすがかよちんだにゃ〜」

 

にこ「……はぁ、意味わかんない」

 

希「にこっちアイドルは朝そんなテンションで大丈夫なん?」

 

にこ「プロはオンとオフがはっきりしてるのよ」

 

真姫「にこちゃんはいつもオフじゃない」

 

凛「プロでもないにゃ」

 

にこ「やめなさい痛いとこ突くの」

 

ことり「穂乃果ちゃん顔痛くない?」

 

穂乃果「……うん、らいひょうふ」ヒリヒリ

 

海未「一体どうしたんでしょうね」

 

穂乃果「夢で両方のほっぺをつねられる夢を見たよ…」

 

雪穂「おねーちゃん二度寝するとなかなか起きないからね」

 

亜里沙「雪穂、このネバネバしたの何?」

 

雪穂「それは納豆って言って、大豆でできてるんだよ」

 

亜里沙「ハラショー…!日本には不思議な食べ物があるんだね〜」

 

凛ママ「よーし!みんな揃ったな!」

 

みんな「はい!」

 

凛ママ「それじゃあ手を合わせて!」

 

みんな パンッ!

 

凛ママ「いただきます!」

 

みんな「いただきます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝食終了

 

凛ママ「ごちそーさまでした!」

 

みんな「ごちそーさまでした!」

 

凛ママ「30分後、グラウンド集合!」

 

みんな「はーい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

30分後

 

凛ママ「それじゃあ練習を始める!」

 

みんな「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ハァ…!! ザザッ

 

テヤァ! バッ

 

タッタッタッ

 

ザザッ ガッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

お昼

 

凛ママ「おーい!お昼ご飯にするぞー!」

 

凛「おにぎりだ!」

 

凛ママ「時間なかったから手抜きで悪いけどな」

 

穂乃果「お、美味しそう……」グゥ〜〜……

 

凛ママ「手を洗ってこい!」

 

みんな「はーい!」

 

穂乃果「ひ、一口だけでも……!!」

 

海未「はいはい行きますよ」ガシッ

 

穂乃果「一個だけでもぉ〜〜……!!」ズルズル

 

海未「何さりげなく量を増やしているのですか!!」

 

 

 

 

 

 

みんな「いただきまーす!」

 

凛ママ「そういえばひとつだけ激辛の奴入れておいた」

 

海未「なんという事してくれたのですか」

 

凛ママ「遊び心遊び心!」

 

凛「……はぁ」

 

 

 

 

 

 

 

絵里「これ頂こうかしら」スッ

 

絵里「海苔を巻いてなくてよかったわ」

 

希「えりち海苔あかんもんなぁ」

 

ことり「へぇ〜、絵里ちゃんにも苦手なものがあったんだ!」

 

絵里「苦手というか……血筋的に海苔を消化できないのよ」

 

ことり「あー……お腹壊しちゃうんだね」

 

絵里「そうなのよ、みんな美味しそうに食べるから食べたいんだけどね……」パクッ

 

ことり「ほかに苦手はものはないの?」

 

希「あとは確か……梅干し?」

 

ことり「ザ、日本って感じのものばかりだね……」

 

希「日本食は独特なのが多いからなぁ」

 

希「……って、えりちどうしたん?」

 

絵里「……うえおいあ…」

 

ことり「え?」

 

絵里「梅干しがぁ……」ウルウル

 

希「あちゃー……」

 

ことり「よく引き当てたねこの中から……」

 

希「まだ食べてないしうちのと交換する?」

 

絵里「あ、ありがと……」パクッ

 

絵里「………」ピタッ

 

ことり「今度はなんだったの?」

 

絵里「………海苔の佃煮」

 

希「……ブフッ…!」

 

ことり「ふふ……!」クスッ

 

絵里「なんでこうなるのよぉ〜……」シクシク

 

希「まさかうちのが海苔の佃煮やったとはなぁ……」

 

ことり「ことりのは天むすだったからことりのあげる!」

 

絵里「ごどりぃぃぃ!!」ダーッ!

 

ことり「………おむすびを譲ってここまで感謝されたのは生まれて初めてかなぁ……」

 

希「まぁそうそうないやろなぁ……」

 

絵里「美味しい……!美味しいわ……!!!」モグモグ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「美味しいです!美味しいです!」パクパクパクパク

 

海未「は、花陽!?そんなペースで食べていたらみんなの分が……」

 

花陽「美味しいです!美味しいです!」パクパクパクパク

 

海未「だ、誰かー!」ガシッ

 

凛「かよちんあるあるだにゃ」

 

海未「こんなことが頻繁にあってたまりますか!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫 モグモグ

 

にこ「………」ジーッ……モグモグ

 

真姫「……何よ」パクッ

 

にこ「あんたって……一口めちゃめちゃ小さいわね」

 

真姫「悪い?大きく開けるの疲れるのよ」

 

にこ「いや、それはいいんだけど……」チラッ

 

穂乃果「あー……ん!」バクッ!

 

穂乃果「……おいひぃ!」モグモグ

 

にこ「正反対だなぁって」

 

真姫「そんなこと言ったらにこちゃんなんて二つしか食べてないじゃない」

 

にこ「にこは小食だからぁ〜!そんなにいっぱい食べれないっていうかぁ〜!」

 

ぐぅ〜〜〜……!

 

にこ真姫「……」

 

真姫「……で、本当は?」

 

にこ「……だってご飯って糖質だし……太るし……」

 

真姫「ここに最後のおにぎりがあります」スッ

 

にこ「あっ…….」

 

真姫「欲しい?」

 

にこ「…っ…!」ハッ

 

にこ「…べ、別に欲しくなんて……!!」

 

真姫「あっそ、じゃあ私が……」あー……

 

にこ「あー………」

 

にこ「……!」ハッ

 

真姫「……」ジトー…

 

にこ「……フンッ!食べたかったら食べればいいじゃない!」

 

にこ「別ににこはお腹なんて……」

 

ぐぅ〜〜キュルルル……

 

にこ真姫「……」

 

真姫「……はぁ」スッ

 

にこ「……いいの?」

 

真姫「私はもういっぱい食べたしね」

 

にこ「……ま、まぁお腹空いてるわけじゃないけど……」

 

にこ「真姫がどーしてもっていうから私が最後の一つを……」

 

穂乃果「じゃあ穂乃果がもらっていい!?」パァァ!

 

にこ「………」

 

バクッ!

 

穂乃果「あー!そんなに仕方なく食べるなら穂乃果に頂戴よぉ!」

 

真姫「一口で………」

 

にこ「…………」モグモグ

 

凛「そういえば結局激辛のおにぎり出なかったね」

 

にこ「……」モグモグ

 

海未「誰も被害に遭わなかったのならそれに越したことはありませんよ」

 

にこ「……っ」モグ……モグ……

 

凛ママ「あっれー?たしかに入れたんだけどなぁ……」

 

にこ「………っ…!」モグッ……

 

 

 

 

 

 

 

にこ「……ゴフッ……!」ブフッ

 

真姫「にこちゃん!?」

 

にこ「……〜〜〜!!!」ブワァッ!

 

にこ「ん〜〜〜!!!ん〜〜〜〜!!!!」ジタバタ

 

凛「にこちゃん大当たりだにゃー!」あはは!

 

海未「よりによって最後の一つに入っていたとは……」

 

凛ママ「あっははははは!!!」ヒーヒー…!

 

にこ「っ……!!っ…!」ゴクッゴクッゴクッ

 

希「にこっち持ってるなぁ!」あはは!

 

絵里亜里沙「……フフ」クスッ

 

花陽「……ん……んふっ…!」プルプル

 

穂乃果(……横取りしなくてよかったぁぁ……)

 

にこ(……え、エグい……!!)ヒーヒー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛ママ「よーし!みんな準備はいいか?」

 

花陽「……にこちゃん今何食べたい?」

 

にこ「ジェラート」ヒリヒリ

 

花陽「だよねぇ〜……」あはは

 

凛ママ「練習再開!」

 

みんな「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「はぁ!!」ザッ

 

雪穂「ふっ!」シュバッ!

 

ことり「あっ…!」

 

にこ「ことり!!もっとあたり強く!!」

 

ことり「は、はいぃ〜……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里 ブワァァァァ!!

 

真姫 ブワァァァァ!!

 

ドキュッ!!

 

絵里真姫【ファイアブリザード!】

 

ゴォォォォォオ!!

 

ォォォ………

 

テンテンテン……

 

絵里真姫「……」はぁ……はぁ……

 

絵里(これは……)

 

真姫(本格的にまずいかもしれないわね……)

 

 

 

 

 

 

 

夕方

 

カァー!カァー!

 

凛ママ「これにて練習終わり!」

 

海未「まだ少し早くないですか?」

 

絵里「あと1時間は出来そうだけど……」

 

凛ママ「実はこれから用事があって……夜ご飯作れないんだよ」

 

花陽「……と、いうことは……」

 

凛ママ「そう!これぞ合宿の醍醐味!」

 

 

 

 

 

 

 

 

凛ママ「みんなでご飯作ってくれ!」

 

みんな「えぇぇ!?」

 

海未「……用事とあれば仕方がありません」

 

海未「お任せください」

 

凛ママ「いやーごめんね……」

 

凛ママ「それじゃあ頑張って!」タッタッタッ

 

海未「………」

 

みんな「………」

 

海未「……どうしましょう」

 

ズコーッ!

 

穂乃果「あんなに自信マンマンだったじゃん!」

 

海未「だ、だって引き止めるわけにはいかないじゃないですか!!」

 

真姫「作りに来て貰えば?」クルクル

 

ことり「作りにって……誰に?」

 

真姫「シェフに決まってるじゃない」クルクル

 

凛「とりあえず真姫ちゃんは論外ということで……」

 

真姫「なっ……!?一番現実的じゃない!」

 

希「非現実の中での現実的やんなぁ……」

 

花陽「ご飯……ご飯が……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「しょーがないわねー!」

 

花陽「…にこちゃん………?」シクシク

 

にこ「私が作ってあげようじゃない!」

 

海未「ほ、本当ですか!?」

 

絵里「ハラショー!これで安心ね亜里沙!」

 

亜里沙「うん!」

 

雪穂「……はぁ、無事にご飯にありつけそう……」ホッ

 

真姫「私ゲテモノはNGなんだけど」

 

凛「嫌な予感しかしないにゃー」

 

にこ「あんたらホンットーに可愛げないわね……!!」

 

海未「ではにこ、お任せしてよろしいですね?」

 

にこ「まっかせなさい!」ドンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調理室

 

にこ「花陽、これでご飯炊きなさい」ドンッ

 

花陽「こ、これは……!!」

 

にこ「あんたにしか頼めない大仕事よ」

 

花陽「……命に代えても成功してみせます……!!」

 

にこ「いや重いわ」

 

にこ「あとはひき肉をレンジでチンして豆腐と豆板醤と……」テキパキ

 

 

 

 

 

 

物陰

 

穂乃果「ほぁ〜……なんだかすごいね」

 

希「にこっちは下の子が多いからね、家事は手慣れてるんよ」

 

穂乃果「へぇ〜」

 

海未「こら凛!自分の分のサラダだけ少なくしない!」

 

凛「海未ちゃんお母さんみたいだにゃ〜……」

 

海未「……今日のメインは焼き魚にしましょうか」

 

凛「ごめんにゃー!」

 

花陽「あはは……」

 

 

 

 

 

 

 

1時間半後

 

ガラッ

 

にこ「できたわ」

 

凛「いい匂いだにゃ〜!」

 

にこ「にこにー特製麻婆豆腐よ!」

 

海未「にこ……すみません私刺激物は……」

 

にこ「大丈夫よ、甘口で作ったから」

 

海未「にこぉぉぉ…!!」

 

にこ「花陽、例のブツは?」

 

花陽「ふっふっふ……」スッ

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「完璧だよ!」パカッ…!

 

ホカホカ……!

 

穂乃果「わぁぁぁ!」

 

凛「美味しそうだにゃー!」

 

絵里「これ……土鍋?」

 

にこ「ええ、せっかくだからこれでご飯炊いてみようと思ってね」

 

花陽「おこげも綺麗にできてて……自信作です!」フンッ!

 

海未「ふふ、楽しみですね」

 

希「おこげって炊飯器と違って少し工夫がいるんやったっけ?」

 

花陽「うん!何度も練習して、成功したのを記録してやっと作れるようになったんだぁ!」

 

絵里真姫「……!」

 

絵里(成功の……!!)

 

真姫(記録……!!)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

絵里 ゴォォォォォオ!!!

 

真姫 ゴォォォォォオ!!!

 

フワッ………

 

 

 

 

 

 

 

ドキュゥゥッッッ!!!

 

絵里真姫「いっけぇぇぇ!!!」

 

ゴォォォォォォォォオ!!!!!!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「すごいなぁ……」

 

穂乃果「一体お米の何が花陽ちゃんをここまで駆り立てるのか……」

 

ガシッ

 

花陽「……聞きたい?」

 

穂乃果「へ!?」

 

花陽「今夜は寝かせないよ」

 

穂乃果「ひ、ひぃぃ……!」

 

凛「凛はこんなかよちんも……好きだよ」

 

にこ「何よ今の間は」

 

 

 

 

 

 

 

 

ドタバタ!

 

にこ「どうしたの?」

 

絵里「に、にこ!私たち今からちょっと出かけてくるわ!」

 

にこ「はぁ!?」

 

真姫「ご飯は後で食べるから!」

 

にこ「ちょっ…!待ちなさいっての!」ガシッ

 

絵里「いいえにこ、今の私たちは何を言われようと止められないわ」

 

真姫「その通りよ」

 

にこ「………デザートはチョコレートケーキ」

 

絵里「……」ピクッ

 

にこ「サラダには新鮮なトマト」

 

真姫「……」ピクッ

 

にこ「……ま、あんたらがそこまで言うなら仕方ないわね〜」

 

にこ「私たちがあんたらの分まで美味しく……」

 

ガシッ

 

絵里真姫「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里真姫「ごめんやん?」

 

にこ「うわ腹立つ」

 

希「二次被害」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕食後

 

凛「ごちそーさまだにゃー!」

 

花陽「おこげ……美味しかった……」ホロリ

 

海未「にこ、ごちそうさまでした。とても素晴らしい料理でしたね」

 

ことり「美味しかったぁ♪」

 

にこ「あったりまえじゃない!このにこにーが作ってるんだから」

 

希「お風呂はどうする?」

 

海未「シャワーしかないので浴びたい人から浴びていきましょう」

 

絵里「全員分はあったわよね?」

 

海未「はい、ですから順番は気にすることはありませんよ」

 

穂乃果「ゆぅーきほー、お茶〜!」ダルン

 

雪穂「ちょっとおねーちゃん!家じゃないんだから自分で行きなよ!」

 

穂乃果「ぶぅー……!」ムクッ

 

海未「穂乃果はどこにいてもだらしがないのですね……」ハァ

 

絵里「それじゃあシャワー浴びて、寝たい人から寝ましょう」

 

穂乃果「それじゃあとりあえず解散!」

 

みんな「はーい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

就寝

 

海未「結局みんな同時に寝るんですね」

 

にこ「はーい、電気消すわよ〜」

 

凛「ププ……!にこちゃん顔にきゅうりついてるにゃ」

 

花陽「お腹が空いた時用の非常食かな?」

 

真姫「花陽以上の食いしん坊ね」

 

花陽「流石にあんなことしないよょ!!」

 

にこ「誰が食いしん坊よ!!」

 

にこ「美容のためのパックよパック!」

 

真姫「はいはい、電気消してもらえるかしら?」

 

にこ「ぐぬぬぬぬ……!!」

 

パチッ

 

海未「それではみなさん、おやすみなさい」

 

みんな「おやすみ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜

 

スゥ……スゥ……

 

穂乃果「……ん」モゾッ

 

穂乃果「……何時…?」

 

穂乃果「…ぅえ〜……まだ1時じゃん……」

 

穂乃果「みんなも寝て……?」

 

穂乃果「何人かいない?」

 

穂乃果(トイレかな)

 

穂乃果「………穂乃果も行こっと」ムクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャー……!

 

穂乃果「うーん?誰もいないや、別のトイレかな」ガチャ

 

穂乃果「……目が冴えちゃったし屋上でも行くとしますか」テクテク

 

穂乃果「開いてるかな〜」ルンルン

 

 

 

 

 

 

 

屋上へのドア前

 

穂乃果「…?ちょっと開いてる?」

 

穂乃果(誰かいるのかな)ソー……

 

穂乃果(……にこちゃん?)

 

 

 

 

 

 

にこ「………」

 

穂乃果「……っ!」ドキッ

 

穂乃果(………綺麗)

 

にこ「……!」クルッ

 

にこ「穂乃果……なにしてんのよこんな時間に」

 

穂乃果「えへへ……目が覚めちゃって」

 

穂乃果「にこちゃんは?」

 

にこ「……眠れなかったのよ」

 

穂乃果「そっか……隣、いい?」

 

にこ「ええ」

 

ストン……

 

 

 

 

 

 

 

にこ穂乃果「…………」

 

にこ「……いよいよ明後日……いや、もう明日か」

 

にこ「私たち三年生にとっては最後の大会」

 

穂乃果「……」

 

にこ「短かかったけど……色々あったわよね」

 

穂乃果「にこちゃんが初めはひねくれてたりね」ニヒヒ

 

にこ「ほじくり返すんじゃないわよ」ピンッ!

 

穂乃果「あでっ…!」ピンッ!

 

にこ「………私が一年生の頃、サッカー部やってたのは知ってるわよね?」

 

穂乃果「え?……うん、希ちゃんから聞いた」サスサス

 

にこ「その頃はこんなに大ごとに………学校のみんなから応援されるなんてこれっぽっちも思ってなかったのよ」

 

にこ「あり得なかった」

 

穂乃果「……」

 

にこ「私たちだけで始まって、誰の記憶にも残らないまま終わって行くんだろうなって思ってた」

 

にこ「今のメンバーが集まった時も、それは変わらなかった」

 

にこ「女子校でサッカーなんて流行らないしね」フフ

 

穂乃果「…….ふふ、そうだね」クスッ

 

にこ「でもね、気づいたの」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『思いっきり暴れてこい!!』

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

にこ「気づかせてくれた」

 

にこ「あぁ…….これはもうにこ達だけの物語じゃないんだって」

 

穂乃果「………」

 

にこ「このチームも、学校のみんなも、先生も、監督も……」

 

にこ「一人残らず……この物語の一部なんだって……」

 

穂乃果「………そっか」

 

にこ「……ありがと穂乃果、今の私があるのはあんた達のおかげよ」

 

穂乃果「……え〜?にこちゃんどうしたの?深夜テンション?」

 

にこ「こういうのは素直に受け取りなさい、バカ」

 

穂乃果「えへへ〜」

 

穂乃果「………」

 

にこ「………」

 

穂乃果「……頑張ろうね」

 

にこ「とーぜんでしょ」

 

穂乃果「ニヒヒ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜、屋上

 

にこ「ふぁ〜、夜更かしはお肌に良くないのよね」

 

穂乃果「にこちゃんはお肌モチモチだね、なにか秘密があるの?」

 

にこ「洗顔とかは気をつけてるけど…やっぱりきゅうりかしらね」

 

穂乃果「きゅ……きゅうり?」

 

にこ「あれをし始めてからお肌の調子が良くなったのよね」

 

穂乃果「きゅうり、おそるべし……!!」

 

にこ「そういえば……」

 

にこ「にこがここに来る前に絵里と真姫が起きて出て行ったけど、どこに行ったのかしら」

 

穂乃果「さぁ……知らな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴオオォォォォォォオオオ!!!!!!

 

ビリビリ……!!

 

穂乃果「な…なに!?」

 

にこ「グラウンドの方よ!」ダッ!

 

穂乃果「待ってよにこちゃん!」ダッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タッタッタッ

 

にこ「……はぁ…!なんなのよ一体!!」ザッ

 

穂乃果「にこちゃ……!速い……」ハァ、ハァ

 

モクモクモク

 

「ゴホッ、ゴホッ」

 

二人「!」

 

「エリー、大丈夫?」

 

にこ「真姫……?」

 

真姫「ゴホッ…!……げ、にこちゃん……」

 

にこ「何よ、げ……って」

 

絵里「ご、ごめんなさいにこ、穂乃果、起こしちゃった?」

 

にこ「いや、そうじゃないんだけど……」

 

穂乃果「二人でなにしてたの?」

 

絵里「練習したりなかった分をちょっとだけしてたのよ、もう終わるわ」

 

穂乃果「夜更かしはダメだよ二人とも!」

 

絵里「ふふ、ごめんなさい」

 

真姫「シャワー浴びに行きましょう」

 

絵里「ええ」

 

スタスタ

 

穂乃果「ふぁ……穂乃果も寝よーっと」スタスタ

 

にこ「……」

 

にこ(……この焦げ跡……)

 

スッ

 

にこ「冷たっ……!」ビクッ

 

 

 

 

 

 

絵里真姫「…………」ピタッ

 

グッ……!

 

 

 

 






μ’s新曲らしいですね!!!生放送見れなかったんですけど嬉しい!!
とても!!嬉しい!!



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「悔いのないように」



久しぶりにテニスをしてきた乾電池です

体が……キツイ……




 

 

 

 

 

 

 

試合まであと1日

 

海未「それでは各自自宅に戻って、明日に備えてください」

 

希「終わってみればあっという間やったなぁ〜」ノビ〜!

 

凛「ねぇねぇ、昨日の夜なんだか大きな音鳴らなかった?」

 

絵里真姫「……」ギクッ

 

にこ「寝ぼけてたんでしょ」

 

凛「そうなのかにゃ〜?確かに寝起きだったけど……」

 

花陽「私は聞こえなかったかな…」

 

凛「じゃあ気のせいだねきっと!」

 

にこ「信用の差がひどい」

 

穂乃果「もうこのまま解散にしちゃう?」

 

海未「はい、練習しようかと思ったのですが、疲労も溜まっているでしょうし」

 

絵里「明日は万全な態勢で戦えるように、今日はしっかり休みましょう!」

 

穂乃果「了解しました!」ピシッ!

 

海未「では穂乃果、お願いします」

 

穂乃果「コホン……」

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「……今日までいろんなことがあったけど、やっとここまで来た」

 

穂乃果「明日は三年生が最後の試合……いや…」

 

穂乃果「このメンバーで戦う最後の試合だよ」

 

みんな「………」

 

穂乃果「……後悔の残らない、最高のプレイをしよう」チラッ

 

希「……!」ビクッ

 

穂乃果「………」スゥ……

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「勝つよ!!!」

 

みんな「おおお!!!」バッ

 

穂乃果「海未ちゃんことりちゃん!クレープ食べて帰ろ!」

 

海未「はいはいわかりました」

 

ことり「いこー♪」

 

雪穂「ほどほどにしないと太るよ〜」

 

凛「真姫ちゃんかよちん!ラーメン行くにゃー!」

 

真姫「……朝から?」

 

凛「アブラマシマシ〜♪」

 

花陽「……朝から………」ゾッ

 

亜里沙「おねーちゃん!ファミレスいこ!」

 

絵里「ええいいわよ、希も行くでしょ?」

 

希「……」

 

絵里「のーぞーみ!」

 

希「…!う、うん!行くよ」

 

絵里「それじゃあ行きましょうか」

 

亜里沙「やったー!」

 

希「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

決戦前夜

 

にこ宅

 

にこ「こころー、ここあー、もう寝ちゃいなさい」

 

こころ「……はい」

 

にこ「どうしたの?」

 

こころ「……い、いえ!なんでもないです……」

 

にこ「……こころ、言ってくれないとわからないわよ?」

 

ここあ「なになに?なんの話?」

 

にこ「あんたはいいから、早く歯磨いて来なさい!」

 

ここあ「はーい……」シブシブ

 

にこ「……で、どうしたの?」

 

こころ「……本当に、自分勝手なわがままなのですが……」

 

にこ「うん……」

 

こころ「明日、私たちは初めてお母様とお姉様方の試合を見に行きます」

 

にこ「……ええ」

 

こころ「そこで………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こころ「……お姉様がシュートを決めるところを……見たいな……と」

 

にこ「ーー!」

 

こころ「い、いえ!なんでもないです!」

 

こころ「は……歯を磨いて来ますね!」タッタッタッ

 

にこ「………こころ」

 

にこ(普段から……我が家の家計状況を知ってか知らずか、欲しい、やりたい、食べたい、行きたい……)

 

にこ(そんな要求をなに一つしてこなかったこころが………)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

こころ「……お姉様がシュートを決めるところを……見たいな……と」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

にこ「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛宅

 

凛「…………」

 

凛 トトッ

 

ケータイ『決まったぁぁ!!!』

 

凛「……」ジーーーーー

 

凛「……こう……いや……」ブツブツ……

 

凛「…!こうか…!」バッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果宅

 

穂乃果「………」

 

穂乃果(明日は絶対、激しい戦いになる)

 

穂乃果(……どんな無茶をしてでも、勝ってみせる)

 

穂乃果「…穂乃果は……リーダーなんだから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希宅

 

希「………」スッ

 

ズズッ

 

希「……ふぅ」コトッ

 

希「………」

 

希「……悔いのないように……か」

 

………ピンッ!

 

希「どう思う?ぬいぐるみさん」

 

ぬいぐるみ「………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

小学校の友達、Aちゃん「のぞみちゃん!これお互いに買って交換しよ!」

 

Aちゃん「このぬいぐるみ!」

 

のぞみ「え…えぇ?どうしてわざわざ……」

 

Aちゃん「その方が思い出になるでしょ、私の宝物にするんだから!」

 

のぞみ「……!」

 

のぞみ(宝物……)

 

Aちゃん「ほら早く!」

 

のぞみ「……う、うん!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

希「……呪い……やんなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 






今回の話はすこし短いですかね

あとすごい事実が……

後半の1話からここまでとここから試合終了まで

あんまり長さが変わらないんです

試合が長すぎる



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第9話「vsUTX戦い、開始!」



お好み焼きを食べた乾電池です

粉もんが世界一やでほんま〜

美味しい……!




 

 

 

 

穂乃果宅

 

穂乃果ママ「雪穂ー、穂乃果起こしてきてー」

 

雪穂「もう……こんな大事な日まで寝坊するなんて…!!」スタスタ

 

ガチャッ!

 

雪穂「おねーちゃん!今日は大事な決勝戦………ってあれ?」

 

雪穂「いない……」

 

雪穂「でも荷物はあるし……どこ行ったんだろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

鉄塔

 

ザッ

 

穂乃果「こんなに早起きしたのいつぶりだろ」

 

穂乃果「……っんー!」ノビー

 

穂乃果「……はぁぁぁー」ダラン……

 

穂乃果「ここもだいぶ馴染みの場所になってきたな〜」

 

穂乃果「このタイヤにはお世話になったなぁ」ナデ……

 

穂乃果「今日が終われば三年生は引退……」

 

穂乃果「……寂しいなぁ……」

 

穂乃果「……!」ブンブン!

 

穂乃果(ダメダメ!こんな気持ちじゃ!)

 

穂乃果「……頑張れリーダー!」オー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ宅

 

にこママ「にこ、今日ぐらいはゆっくり寝てていのに……」ジュー……!

 

にこ「これはにこのルーティーンなの」ジュー……!

 

にこ「ママこそ仕事で疲れてるんだから寝てていいわよ」

 

にこママ「娘の大事な決勝戦に寝坊したらどうするの!」

 

にこママ「今日のために仕事詰めてやっと勝ち取った有給……!!」

 

にこママ「にこ達なら絶対決勝戦まで来てくれると信じてたわ!」

 

にこ「それは良かったわね……よっと!」カカッ!

 

にこ「はい、卵焼きの完成!」

 

 

 

 

 

 

 

こころ「おはようございますお母様、おねー様!」トテトテ

 

にこ「おはよ」

 

にこママ「おはようこころ、顔洗っていらっしゃい!」

 

こころ「はい!」スタスタ

 

にこ(……こころ)ジュー……!

 

にこママ「……!?」

 

にこママ「にこ!卵焼き!」

 

にこ「へ?……あぁ…!!」カチッ!

 

にこ「………ギリギリセーフ」フー……

 

にこママ「珍しいわね、にこがぼーっとするなんて」

 

にこ「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽宅

 

花陽「………」メガネ

 

カチャッ

 

花陽(……コンタクトがあるのにメガネを使うのは、めんどくさいからじゃない)

 

花陽(他人との間に一枚透明な壁があるような気がして、気が楽だから)

 

花陽「……でも、もうそんな自分とはさよならしなきゃ」

 

カチャッ

 

 

 

 

 

 

 

ペリペリ……

 

スッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希宅

 

希「………よし、こんなもんかな」

 

希「あとは……」チラッ

 

ぬいぐるみ「………」

 

希「……この子も持っていこうかな」スッ

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果宅

 

穂乃果「雪穂ー!行くよー!」

 

雪穂「なんで今日はそんなに早いの…!ちょっと待ってて!」

 

 

 

 

 

 

穂乃果宅前

 

海未「……時間より早く来すぎましたかね」

 

ことり「あれ?海未ちゃん早いね〜」

 

海未「ことりも随分と早いですね」

 

ことり「えへへ〜、なんだか落ち着かなくて!」

 

海未「少し話し相手になってくれませんか?」

 

ことり「いいよ〜♪」

 

ガラッ!

 

穂乃果「……あれ?2人とも早くない!?」

 

海未「ど、どうしたのですか穂乃果、こんなに早くに……」

 

穂乃果「ふっふーん!穂乃果にだって早いときぐらいあるんだよ!」

 

雪穂「胸はって言われても……」

 

海未「まさか熱でも…!?それとも天変地異の前触れ……」

 

穂乃果「海未ちゃん朝から失礼だね」

 

雪穂「日頃の行いでしょ」

 

穂乃果「なにおう!」

 

ことり「ふふ、それじゃあ行こっか!」

 

穂乃果「うん!」

 

雪穂「はい!」

 

海未「雨が……いや隕石が降るかも……」ブツブツ

 

穂乃果「失礼!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里宅

 

絵里「………」シュルッ

 

スッスッ キュッ(ポニーテール結び)

 

絵里「……よし」

 

ガチャッ

 

亜里沙「おねーちゃん!準備できたよ!」

 

絵里「そう、私ももうすぐ終わるわ」ニコッ

 

亜里沙「………」

 

絵里「どうしたの?」

 

亜里沙「………おねーちゃん、試合行きたくないの?」

 

絵里「どうして?」

 

亜里沙「バレエの時と同じ顔してる…」

 

絵里「………!」

 

絵里「……まぁ」

 

絵里「行きたくないといえば行きたくないわね」

 

亜里沙「……!!」

 

絵里「……本当に楽しかった、今日まで…ずっと」

 

絵里「今日が終わると全て終わる」

 

亜里沙「……」

 

絵里「……なんてね!」

 

絵里「行きましょうか」スッ

 

亜里沙「………ぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙「亜里沙は!!」

 

絵里「…!」ビクッ

 

亜里沙「……おねーちゃんと一緒に試合に出られる最後のチャンスだから……」

 

亜里沙「楽しみ……だよ?」

 

絵里「……ふふ、ごめんなさい」ナデ…

 

絵里「もちろんわたしも楽しみよ」

 

亜里沙「……!」パァァァァ!!

 

絵里「ほらほら、時間に遅れちゃうわよ」

 

亜里沙「うん!」タッタッタッ

 

絵里「……」

 

絵里「……最後……か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ宅

 

にこ「それじゃああんたら、ママの言うことちゃんと聞くのよ?」

 

こころ「お任せください!」

 

ここあ「多分〜」

 

コタロウ「ん〜」

 

にこ「……こころ」

 

こころ「?」

 

にこ「……行ってくるわね」ナデナデ

 

こころ「え……?は、はい…」

 

ここあ「ずるいこころばっかり!わたしも!」ガシッ!

 

にこ「わ、わかったから抱きつかないの!」ナデナデ

 

にこママ「ふふ、すっかりお姉さんね」

 

 

 

 

 

 

 

 

ピンポーン

 

にこママ「あら?誰かしら」

 

にこ「……まさか」スタスタ

 

ガチャッ

 

希「やっほー!」

 

亜里沙「お、おはようございます!」

 

絵里「最後ぐらい一緒に行きましょう!」

 

にこ「………」ジトー……

 

希「いやーん!そんなに熱い視線注がれたらウチ火傷してしまうやん!」

 

ギィィィ……!

 

ガッ!

 

にこ「……っ足どけなさいよ!」グググッ

 

希「いいやん最後ぐらいみんなで行きたい!!」

 

にこ「………!」ググッ……

 

絵里「にこ……」

 

にこ「……はぁ」

 

クルッ

 

にこ「行ってきます」

 

にこママ「行ってらっしゃい、私たちも後か向かうわね」

 

こころ「お気をつけて!」

 

ここあ「行ってらっしゃーい!」

 

コタロウ「しゃーい」ピコッ

 

 

 

 

 

 

テクテク

 

希「相変わらずにこっちは素直じゃないなぁ」

 

にこ「あんたがしつこいから仕方なくよ仕方なく」

 

絵里「……ふふ」

 

にこ「何笑ってんのよ」

 

絵里「いや……」

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「もっと早くから一緒に行けばよかったなぁって」

 

にこ「………」

 

希「………」

 

絵里「……?2人ともどうしたの?」

 

にこ「……朝からしんみりさせんじゃないわよ」

 

希「そんなことを言うにこっちにはワシワシの刑が」ワシワシ〜

 

にこ「亜里沙ガード」スッ

 

亜里沙「……え?」

 

希「っく……卑怯な!」

 

にこ「あっはっは!勝つためならどんな手でも使って見せるわ!」

 

希「さて、茶番はこの辺にして行こっか、えりち、亜里沙ちゃん」

 

絵里「ええ」

 

亜里沙「は…はい!」

 

にこ「ちょ……!ここで終わったらにこがただの悪者になっちゃうじゃない!」

 

希「はー緊張するなぁ今日」

 

亜里沙「それなら人という字を……」

 

絵里「手に書くのよ?」

 

亜里沙「わかってるよ!もうっ!」プクーッ……!

 

希「あはは!プニプニ〜」プニプニ

 

絵里「ほんとね」プニプニプニプニプニ

 

にこ「話を聞けー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫宅前

 

凛「真姫ちゃん遅いにゃ〜」

 

花陽「いつも早いのにね」

 

凛「緊張で家から出られなくなったりして」ニシシ

 

花陽「流石にそれはないと思うけど……」

 

ガチャッ

 

真姫「……おはよう」

 

凛花陽「おはよう!」

 

凛「真姫ちゃん遅かったにゃ〜」

 

花陽「その手に持ってるのは……?」

 

真姫「2人にってママが」

 

凛「なになに!食べ物?」

 

真姫「………ッ……ょ」ボソッ

 

凛花陽「?」

 

真姫「〜〜〜!!」

 

真姫「カツサンドよ!」バッ

 

凛花陽「………」ポカーン……

 

凛「………ダジャレ?」

 

真姫「ーー/////」カァァッ!

 

花陽「……わ、わー!すごく美味しそう!」

 

花陽「頂いちゃっていいの?」

 

真姫「え……ええ」

 

花陽「いただきまーす!」パクッ!

 

花陽「……っ!」モキュッ!

 

真姫「……どう?」

 

花陽「………お」

 

花陽「おいひぃ……」パァァァァ!

 

真姫「……と、当然じゃない!うちのママが作ってるんだから」クルクル

 

凛「凛も凛も!」バッ

 

真姫「ちゃんとあるからあわてないの」

 

凛「早く!早く!」

 

真姫「……というか花陽、あなたメガネ……」

 

花陽「う、うん……変……かな?」

 

真姫「すごく似合ってるわ」

 

花陽「……!えへへ」へニァ

 

凛「おいしーにゃー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集合場所

 

穂乃果海未ことり雪穂「……!」ピタッ

 

絵里希にこ亜里沙「!」ピタッ

 

凛花陽真姫「!」ピタッ

 

監督「………お前ら仲良いな」

 

ヒデコ「3グループ同時だったね…」

 

フミコ「さ!このバスだよみんな!」

 

ミカ「乗り遅れないようにね〜」

 

穂乃果「……よし!行こう!」

 

みんな「おー!!」

 

 

 

 

 

 

ブロロロ

 

穂乃果「あーーー!!!花陽ちゃんコンタクトだ!!」

 

ことり「かわいい!」

 

花陽「えへへ…!ありがと!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

決勝戦スタジアム

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!

 

角間「さーついにこの日がやってまいりました!!」

 

角間「フットボールフロンティア決勝、UTX高校vs音の木坂高校!!」

 

角間「この組み合わせは地区予選決勝での組み合わせと全く同じですが……」

 

角間「その際は音の木坂が見事勝利を掴みました!……がしかし、それから両チームがどれほど腕を上げたのかが気になるところです!」

 

角間「優勝という栄光を手にするのはどちらのチームだぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音の木坂ーー!!!がんばれー!!

 

生徒会長ー!!

 

ワーーーーー!!!!

 

穂乃果「すっご……!」

 

希「エリチ人気者やん」ニヤニヤ

 

絵里「お堅い生徒会長がサッカーしてるって物珍しさでしょ」

 

にこ(え?こいつファンクラブあること知らないの?)

 

希(前に言ったら「はいはい、そんなドッキリには引っかからないわ」って流された)

 

にこ「……はらしょー」

 

おっちゃん「穂乃果ちゃーん!!!がんばれよぉ!!」

 

おばちゃん「負けんじゃないよ!!」

 

穂乃果「商店街のみんなも!」

 

海未「ふふ、賑やかですね」

 

ことり「人……人……人……」スッスッ

 

雪穂 ゴクゴクゴク…!

 

穂乃果「みんなーー!!!!応援よろしくぅ!!!」

 

ワーーーーー!!!!!

 

真姫(……人)ゴクッ

 

亜里沙「……入!」ゴクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音の木坂サイド

 

穂乃果「………」スゥ……ハァ……

 

海未「穂乃果、大丈夫ですね」

 

穂乃果「……うん!」

 

希「……?向こうに知らない子がいる」

 

絵里「髪が長いし……女の子かしら」

 

にこ「なに、助っ人呼んでるの?」

 

花陽「それについてはこっちはなにも言えない気が……」アハハ…

 

真姫「わざわざ決勝戦に出すぐらいだから実力はあるわよね」

 

ことり「……うん、どうしよう」

 

穂乃果「それについては前回と同じ!」

 

穂乃果「今は考えても仕方ないよ!目の前のことに全力を尽くそう!」

 

みんな「おーー!!!」

 

海未「…………」

 

海未「真姫、凛、ちょっといいですか?」

 

真姫「?」

 

凛「にゃ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監督「リーダー、試合前に一言頼む」

 

穂乃果「はい!」

 

穂乃果「みんな聞いて!」

 

バッ!

 

穂乃果「………」

 

みんな「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「えーっと……」

 

海未「……穂乃果?」

 

穂乃果「えへへ、ごめんね、なんて言えばいいのか………」

 

にこ「久しぶりに頭使うから錆びついてんじゃないの?」ニヤニヤ

 

凛「にこちゃん錆止め使う?」

 

にこ「にこじゃなくて!!」

 

希「凛ちゃん、錆止めじゃ故障してるものは治らんよ?」

 

にこ「だぁれが故障よ!!にこはバリバリの受験生!!」

 

凛「あーそっかぁ……!さすが希ちゃん!」ハッ…!

 

にこ「納得してんじゃないわよ!!」クワッ!

 

穂乃果「……ふふ、そうだね、そうしよう」クスクス

 

みんな「?」

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「みんな」

 

穂乃果「特別なことは何もいらない」

 

穂乃果「いつも通り、悔いの無いよう全力を出しきろう」

 

希「………」

 

穂乃果「勝つよ!!」

 

みんな「おー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

UTXサイド

 

ツバサ「あぁ……!待ちに待ったこの試合!」

 

エレナ「浮かれすぎだバカ」

 

あんじゅ「エレナは楽しみじゃないの?」

 

エレナ「……楽しみだ」

 

あんじゅ「ふふ、正直でよろしい」

 

 

 

 

 

 

 

MF3「…えぇ!?これ買うためだけに朝早起きしたんっすか!?」

 

MF1「紅茶などコンビニで買えばいいではないですか」

 

DF2「……!」ジュゥゥゥ……!!

 

プハァッ

 

DF2「わかってへんなー2人とも」

 

DF2「あのお店にしか出せへん味っていうのがあるんよ」

 

MF2「でも朝早起きして買うほどじゃなくないすか?」

 

DF2「そんなん買ってみんとわからんやん」

 

DF2「やらずに後悔するよりやって後悔した方が気持ちええやろ?」

 

MF1「……一瞬でもかっこいいと思ってしまった自分を殴りたいです」

 

DF2「おうおう、ようやくウチの良さがわかってきたか」

 

DF1「うわー……すごくわかりやすく調子に乗ってる……」

 

MF2「お前はどう思う?」トントン

 

GK「………!」ペラッ

 

みんな「……」ジッ

 

GK「……ぁ……えと……」ビクッ

 

GK「……か、カッコいいです……」

 

DF2「さっすがかわええ後輩や!!」ワシャワシャ!

 

GK「あわわわわ……!」ボサァッ

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「みんな、準備はいいかしら?」

 

ツバサ「あの日のリベンジを、今日果たすわよ」

 

みんな「おお!!」

 

???「ボクは初めから出てもいいのかな?」

 

ツバサ「あなたは途中からって言ったでしょ」

 

ツバサ「くれぐれも、油断しないこと」

 

???「神の前には全て無力さ」

 

ツバサ「………」ハァ……

 

DF1「高校に入る前にはそれ治しなよ?アフロちゃん」

 

アフロちゃん?「……アフロではない!」

 

 

 

 

 

 

 

 

アフロちゃん?「ボクの名前はアフロディだ!!」

 

MF2「はいはいアフロ」

 

MF1「アフロさん大人しくしていてくださいね」

 

MF3「アフロちゃん!」

 

DF2「アフロ」

 

GK「………アフロ」

 

アフロディ「アフロじゃない!!」

 

お姉さん「…………」

 

お姉さん(さぁ、どうなる……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

FW

絵里、真姫

 

MF

海未、ことり、にこ、希

 

DF

凛、花陽、雪穂、亜里沙

 

GK

穂乃果

 

 

 

 

 

 

ザッ

 

ツバサ「………」

 

穂乃果「………」

 

角間「両者向かい合い、言葉を交わさず見つめてっています!!」

 

角間「もはや言葉など不要!!語るならばボールで語り合おうということでしょうか!!」

 

ツバサ穂乃果(いや普通に緊張してるだけ……)

 

角間「コイントスの結果、UTX高校ボールでスタートいたします!」

 

ツバサ「………よろしく」 スッ

 

穂乃果「………よろしくお願いします」ガシッ!

 

 

 

 

 

 

 

観客席

 

穂乃果ママ「ほら!みんなこっちよ!」

 

海未ママ「もう始まりますね」

 

ことりママ「どんな試合を見せてくれるのかしらね」

 

にこママ「こら!ここあ、じっとしてなさい。こころはコタロウのことお願いね」

 

希ママ「ん〜……お酒足りるかなぁ…」ガサゴソ

 

絵里ママ「……没収」ガサッ

 

希ママ「そ、そんなぁ〜……!!」

 

凛ママ「勝てるかな〜」

 

真姫ママ「大丈夫よ、カツサンド差し入れてあげたから」

 

花陽ママ「……ダジャレ〜?」

 

凛ママ「ちょっと寒いな」

 

真姫ママ「なによ!」

 

穂乃果ママ「ほらほら!もう始まるみたいよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「両者配置につきました!因縁の対決を制すのはいったいどちらのチームだぁ!?」

 

 

ベンチ

 

ヒデコ「あれ…?このぬいぐるみ何?」

 

ミカ「あー、それ希先輩のだよ」

 

ミカ「カバンから落ちてたからそこに置いてるんだ」

 

ヒデコ「なんでぬいぐるみ?」

 

フミコ「わかんないけどご利益ありそうじゃない?」

 

ヒデコ「それもそうだね!置いとこう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザッ

 

ドクン……ドクン……ドクン……ドクン……

 

穂乃果「…………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ツバサ「どうも、音の木坂の皆さん」

 

ツバサ「リーダーの綺羅ツバサよ」

 

 

 

 

 

 

 

ヒフミ「ウワァァ!!!」ドサッ

 

凛「あぁぁ!!!」ドサッ

 

花陽「きゃああ!!」ドサッ

 

ことり「ふぐぅ……!!」ドサッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「お願い……今更私たちが言えることじゃないかもしれないけど……信じて」

 

穂乃果「……」

 

穂乃果「わたしたち、決めたんです」

 

穂乃果「綺羅さんたちに本当のことを聞くまで信じようって!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「この前とは違う、正々堂々な勝負を!」スッ

 

穂乃果「よろしくお願いします!」ガシッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅツバサ「はぁぁぁぁ!!!」バッ

 

ドキュルルルルルル!!!

 

あんじゅ「絶対に……!」ググググ

 

ツバサ「止める!」ググググ

 

角間「綺羅と優木がフォローに走っていたぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「……勝った?」

 

「「「「「……………」」」」」」

 

凛「ぃ〜〜〜〜!!!」

 

「「「「ぃやったぁぁぁぁ!!!!」」」」

 

海未「やった!やったんですよ穂乃果!」ガッ

 

穂乃果「い、痛い痛い!」

 

ことり「穂乃果ちゃぁん!」ガッ

 

穂乃果「ぎゃぁぁぁ!!!」ガクッ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「今……!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ツバサ「決勝で会いましょう!」スッ

 

穂乃果「は、はい!」ガシッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果「………」ブルッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーーーーー!!!!

 

ドッ

 

角間「試合開始で……」

 

海未「ことり!右サイド……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!

 

ドシュルルルル………!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「………」

 

海未「…….は?」クルッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュルルルルルル………!

 

 

 

 

 

 

ズズッ……!

 

穂乃果「……っぐ……!」シュゥゥゥゥ……

 

角間「…………」

 

角間「…………な」

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「何というスピードだぁぁ!!!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

角間「目にも留まらぬ電光石火、シュートを放つもキーパー高坂見事にキャッチ!!」

 

角間「これは宣戦布告かぁ!?」

 

花陽「い、一瞬でゴールまで……」

 

絵里「面白いじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「さぁ………始めましょう」ニッ

 

穂乃果「……っ」ゾクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里ママ「……敵は随分厄介みたいね」

 

希ママ「そうよぉ〜、ボール3つ使うなんて反則よぉ〜!」ヒック…!

 

絵里ママ(いつのまに……)

 

 

 

 

 

 








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「蘇りしペガサ…ス?」


感想の返信がまたできなくて困っている乾電池です

これを投稿したらできるようになるのかな

感想……くれてもいいんですよ…?


あと8話秋葉名戸戦の「月に変わってお仕置きです!」なことりちゃんを挿絵に載せましたのでよければ是非見てください!





 

 

 

 

ツバサ「さぁ………始めましょう」ニッ

 

穂乃果「……っ」ゾクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里ママ「……敵は随分厄介みたいね」

 

希ママ「そうよぉ〜、ボール3つ使うなんて反則よぉ〜!」ヒック…!

 

絵里ママ(いつのまに……)

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「海未ちゃん!」ドッ!

 

海未「はい!」トッ

 

角間「不意打ちを食らいながらも音の木坂、すぐさま反撃の体制!!」

 

海未「凛!真姫!」ドッ!

 

真姫「ええ!」トッ

 

凛「まっかせるにゃー!」タッタッタッ

 

ツバサ「……!これは……」

 

角間「ディフェンス陣営から星空が飛び出していましたぁ!!奇襲を読んでいたのかぁ!?」

 

真姫「凛!いくわよ!」

 

凛「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

グッ グッ

 

ダンッ!ダンッ!

 

グルグルグル グルグルグル

 

バッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!!

 

真姫凛【ファイアトルネードDD!!】

 

ゴォォォォォォォォォ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「鮮やかなカウンタァァァァ!!!」

 

角間「前回決勝ゴールを決めたこのシュート、止めることができるのかぁ!?」

 

GK「………」

 

あんじゅ「前回だって」クスッ

 

GK「……」スゥ………ハァ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギラッ……!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

他人と関わるのが苦手だった

 

嫌いではない

 

ただ………一人の方が楽だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GK「……今なんて……」

 

お姉さん「だからさ」

 

 

 

 

 

 

 

お姉さん「君をこのチームから外してもいいかなって」

 

GK「……嫌です」

 

お姉さん「でも力不足でしょ?」

 

GK「……っ」

 

お姉さん「……ほら、止めてみなよ」ザッ

 

ドキュッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GK【フルパワーシールド!】

 

ギュルルルルル!!!!

 

バリィン!

 

GK「きゃぁ!!」ブワァ……!

 

ゴロゴロゴロ……ドサッ!

 

シュルルルル………!

 

テンテンテン………

 

 

 

 

 

お姉さん「……じゃ、新しいキーパー探しとくね」スタスタ

 

GK「……っ待ってください……!!」ズズッ……

 

お姉さん「……」スタスタ

 

GK「待って!!」ズズッ

 

お姉さん「……」スタスタ

 

 

 

 

 

 

 

他人と関わるのは苦手だ

 

相手が何を考えてるのかわからないし、気を使うのは疲れる

 

…………でも

 

『あなたの目、隠れて見えないわ』

 

『同じ一年生同士、もっと私にも頼ってよ!』

 

このチームは、不思議とそれを感じさせない

 

ここ(GK)は………私の居場所

 

ここ(GK)が………私の居場所

 

私の………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

居場所(ナワバリ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゾクッ……!

 

お姉さん「……!」クルッ

 

GK「……あと一本だけ、お願いします」ムクッ

 

お姉さん「……負けたら?」

 

GK「二度とこのチームのキーパーはしません」

 

お姉さん「……いいね」ジャリッ

 

 

 

 

 

 

 

 

お姉さん「はぁっ……!!」ドキュッ!!

 

ゴォォォォォォォォオ!!!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォォォオ!!!!!

 

凛真姫「決まれ!!」

 

穂乃果「いっけー!!!」

 

GK「………」

 

GK(私の居場所を侵すのは、何であっても許さない)

 

DF1「止めちゃえー!」

 

GK「………」バッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GK【ビーストファング!!】

 

ガブゥッ……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュルルルルルル………

 

GK「……」パシッ

 

角間「……と、止めたぁぁ!!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

角間「さすがはUTX!!前回の借りをしっかりと返してきました!!」

 

あんじゅ「ふふふ」ニコニコ

 

 

 

 

 

 

 

真姫「……完璧に……」スタッ

 

凛「……止められた……」スタッ

 

絵里「……!二人とも切り替えて!ディフェンス!」

 

真姫凛「……!了解!」ダッ!

 

GK「お願い……します!」ドッ

 

ポーン……!

 

 

 

 

 

トッ

 

角間「ボールは統堂が抑えました!」

 

エレナ「さぁ、攻守交代だ」

 

花陽「…!」

 

花陽(まさか…前回の借りを返すためにわざとシュートを……?)

 

にこ「ことり!」ダッ!

 

ことり「うん!」ダッ!

 

にこ(……こころ、見てなさい)チラッ

 

エレナ「よそ見などしていていいのか?」

 

にこ「……お気遣いどうも!」バッ

 

 

 

 

 

 

 

にこ【スピニングカット!】

 

ズシュゥゥゥゥ………!!!

 

ブワァァァァァァ!!!!

 

エレナ「……甘いな」ダッ

 

ブワァァ……!

 

角間「なんと統堂、必殺技をものともしない正面突破ぁ!!」

 

にこ「……」ニヤッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「はぁぁ!!」ズザザッ!!

 

エレナ「ほぅ……!」

 

角間「矢澤の必殺技が目隠しになり反応が遅れたかぁ!?本命は南のスライディングだぁぁ!!」

 

にこ「獲った……!!」

 

凛「いっけー!」

 

エレナ「……だが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「惜しいな」フフ

 

希「…!!にこっち!ことりちゃん!違う!!」

 

にこことり「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

MF1「ほっ…!」トッ

 

角間「技を突破する前にバックパスを出していました統堂!!味方にパスが通ります!」

 

にこ「なっ…!?あの一瞬で……」

 

エレナ「目隠しはお互い様だろう?」クスッ

 

にこ(なんて判断力の速さ……)

 

にこ「海未!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF1「……!」ピタッ

 

海未「……あなたには前回の借りがありましたね」ザッ

 

MF1「……あの頃から互いにどれほど変わったのか………」ジャリッ……

 

MF1「楽しみですね」ダッ!

 

海未「そうです……ね!!」ダッ!

 

ガッ! ザザザッ トトッ

 

海未「…くっ…!やはりそう簡単にはいきませんか」ガガッ

 

MF1「ふふ、あなたも前とは違いますね…!」トッ

 

MF1(間合いの取り方が上手くなっている……)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

UTX高校

 

ツバサ「……で、話って何かしら」

 

エレナ「自主練習の時間がなくなってしまう」

 

あんじゅ「そんなに焦らなくたっていいじゃない」まったく……

 

MF1(三年生)「………」

 

MF3DF2(三年生)「……」

 

 

 

 

 

 

 

MF1「………もう、私たちにパスを回してくれなくて大丈夫です」

 

あんじゅエレナ「!!」

 

ツバサ「……訳を聞いても?」

 

MF1「音の木坂との試合、ボールを奪取されたのはほとんど私たちでした」

 

MF3「ツバサさんたちがいくら強くても、自分たちが迷惑をかけてちゃ勝てないっすよ……」

 

DF2「……」

 

ツバサ「………」

 

MF1「そういうわけでこれからは……」

 

ツバサ「なるほど」

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「嫌だけど」ズバァッ

 

エレナ「ほら、もう戻ってもいいだろう?」

 

あんじゅ「ええ、大したことじゃないみたいだし」

 

MF1「なっ…!私たちは真剣に……!!」バッ

 

ツバサ「私はこのメンバー全員で優勝を目指す」

 

MF1「ですからそのために……」

 

ツバサ「力が足りないと思うなら、死に物狂いで強くなればいい」

 

ツバサ「私たちもそのつもりよ」

 

MF1「……」

 

ツバサ「何より……」

 

MF1.3DF2「?」

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「つまんないじゃない、そんなサッカー」ニコッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ザッ ガガガッ トッ

 

海未(押しすぎるといなされるので一度少し引いて……)ザッ

 

MF1(………ここ!)ドッ

 

海未「……へ?」トッ

 

希「!!」

 

角間「おおっとこれはぁ!?激しいせめぎ合いの最中、一歩距離をとった園田の胸元へ優しくパスを出しましたぁ!!」

 

角間「これを丁寧にトラップで……」

 

海未(なっ……これ……まずっ……!)ビクッ!

 

MF1「落とさないでくださいね?」クルッ

 

希「海未ちゃん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF1【ジャッジスルー!】ドガァッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「うぁぁ!!」ドサッ

 

角間「これは痛烈!!強力な必殺技が園田を襲います!!」

 

絵里「あの技は……!!」

 

希「海未ちゃん大丈夫!?」ダッ!

 

海未「……?痛く……ない?」ムクッ

 

希「へ?」

 

MF1「この技は本来敵を痛めつけるためのものではありません」

 

MF1「敵の重心を崩すのに効果的な[技術]です」

 

あんじゅ「くしゅっ…!」

 

海未「……やりますね」

 

MF1「どういたしまして」ダッ!

 

角間「UTXが攻め上がります!」

 

 

 

 

 

 

 

花陽「敵の動きに合わせて流すのではなく、崩す……」

 

雪穂「ということは……」

 

希「押しても引いても、全て対処されるってことやね……」

 

希(あんちゃんとは桁違いのキレ……こっちが本家か)

 

MF1(よし……このまま持ち込んで……)

 

 

 

 

 

 

 

 

ゾクッ……!

 

MF1「……!」バッ!

 

ことり「………」ジーーーーーー

 

ことり(海未ちゃんを傷つけるのは許さないよ?)ジーーーーーー

 

MF1(……全く、人は見かけによりませんね)ブルッ……!

 

タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「ぐんぐん攻め上がっていくぞぉ!!この勢いを止めることが………」

 

亜里沙「はぁあ!!」ガッ!

 

MF1「ぐっ…!!」グラッ…

 

角間「絢瀬が敵の侵入を防ぎましたぁ!!」

 

MF1「亜里沙…!」

 

亜里沙「えへへ……!」トッ

 

亜里沙「希さん!」ドッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「うん!」トッ

 

MF3「おおっと、行かせないっすよ!」ザッ

 

DF2「抜いてみぃエセ女!」ザッ

 

希「……っ!」

 

角間「すかさず2対1の状況へと持ち込みました!!」

 

希(対応が早い……!)

 

希(【イリュージョンボール】も警戒されてる……なら!)

 

希「にこっち!」バッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「!?」ズザザッ!

 

希「…なっ…!」ピタッ

 

希(なんであんなところに……)

 

絵里「にこ!上がりすぎよ!」

 

にこ「ーーわかってるわよ!」ダッ!

 

花陽(……にこちゃんが上がりすぎていたおかげで中盤に隙ができてる)

 

花陽「……!希ちゃん危ない!」

 

MF3「もらったっす!!」バッ

 

【クリエイション……!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドガァッ……!!!!

 

希「……!!」

 

MF3【ザ・マウンテン!!】

 

海未「こ、これは……!」

 

絵里「この間までとレベルが違う……!!」

 

お姉さん(もともと素質のある子だったけど、ようやくイメージと実力が追いついたって感じかな)

 

穂乃果「希ちゃん!!」

 

希「…っぐぐ…!!」ズザザッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「雪穂ちゃん!」ドッ

 

雪穂「よし…!」トッ

 

角間「ギリギリのところで高坂雪穂にボールを戻します!」

 

雪穂(ここは一度落ち着いて……)トトッ

 

にこ「後ろ!すぐ来てるわよ!!」

 

雪穂「……へ?」クルッ

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「あらぁ?少し見ない間に随分顔つきが変わったみたいね」

 

雪穂「っ…!?」バ ッ…!

 

雪穂(いつのまに近くに……!!)

 

花陽(展開が早すぎて後手に回っちゃってる……!!)

 

あんじゅ「ボールちょうだい♪」バッ

 

雪穂【ハ、ハンターズハイド!!】

 

スゥ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

ドクドクドクドク

 

雪穂(び、びっくりしたぁ……)ドキドキ

 

雪穂(優木さんは……)チラッ

 

雪穂「…!!」

 

雪穂(ゆ、優木さんがいない!?)

 

雪穂(いったいどこに……)キョロキョロ

 

「………」ニヤッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「みーつけた」

 

雪穂「後ろ……!!」クルッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュバッ!

 

雪穂「そんな……っ」ガクッ

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

穂乃果「雪穂!」

 

角間「UTX優木、高坂の必殺技を破ったぁ!!」

 

あんじゅ「相手が悪かったわね、高坂さんの妹ちゃん♪」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あ!君が妹ちゃんか〜」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

雪穂「……っ!」

 

ツバサエレナ ダッ!

 

海未「しまった……!」

 

角間「綺羅と統堂も前線へ上がります!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「ふふ、そろそろ仕掛けさせてもらうわよ」タッタッタッ

 

花陽「させません!」ザッ

 

ツバサ「あら、コンタクトにしたのね。よく似合ってるわよ」

 

角間「音の木坂最後の砦小泉、3対1というこの状況、止めることができるのかぁ!?」

 

花陽(ここで止める……!!)グッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽【ディフェンス方……】

 

ツバサ「あんじゅ!」ドッ

 

ドッ トッ

 

ツバサ「悪いわね」ふふ

 

海未「なっ…!?」

 

花陽(全然間に合ってない……)

 

ツバサ「いくわよ!あんじゅ!エレナ!」

 

あんじゅエレナ「了解!」バッ

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「……穂乃果さん」

 

穂乃果「!」グッ

 

ツバサ「先取点は頂くわ」

 

エレナあんじゅ ダッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

タッタッタッ

 

ズシュゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!

 

ゴォォォォォォォォオ!!!!

 

 

 

 

 

 

花陽「【トライペガサス】……」

 

絵里「最初から飛ばしてくるわね……!」

 

凛「大丈夫にゃ!穂乃果ちゃんなら……!」

 

ことり「…待って……これ……」

 

希「……何かおかしい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「ペガサスは今、不死鳥となって蘇る」

 

ボファアァァァァァァァァ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッドッドッ

 

ツバサエレナあんじゅ【ザ・フェニックス!!】

 

ドゴォォォォォォォォオ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「出たぁぁぁ!!!!UTX高校の究極奥義【ザ・フェニックス】!!序盤から飛ばしていきます!」

 

にこ「【トライペガサス】を進化させて……!!」

 

絵里亜里沙「ハラショー………」

 

海未「穂乃果!!」

 

穂乃果「……任せてよ」

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「………」スゥ……

 

穂乃果「………」ハァ……

 

穂乃果「…………」

 

 

 

 

 

 

 

キッ……!!

 

ゴォォォォォォォォオ!!!!

 

パチッ………パチッ………

 

穂乃果「パズルのピースを……」

 

穂乃果(……もっと……もっと大きく……)

 

グググッ

 

穂乃果(………もっと!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピシィ…!!

 

穂乃果「……っぐぐ……!!」ミシィ……

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!!】

 

 

 

 

 

 

バチィッ……!!

 

穂乃果 ドサッ

 

ドシュルルルルル………!!!

 

凛「………え」

 

 

 

 

 

 

 

角間「………き、決まったぁぁぁぁ!!!!」

 

角間「UTX高校の進化した必殺技に高坂手も足も出ず!!」

 

角間「先制点はUTXだぁぁ!!」

 

ツバサ「やっぱりこの技は体力の消耗が激しいわね」ハァハァ

 

あんじゅ「でもスタートダッシュは切れたんじゃない?」ハァハァ

 

エレナ「とりあえず及第点だな」ハァハァ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「だ、大丈夫ですか穂乃果?」ガシッ

 

穂乃果「……う、うん……」ググッ……!

 

穂乃果「ごめんみんな、粘ることもできなかった……」

 

穂乃果(これ以上は……)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

マジン「………」

 

ドロッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果「………」ブルッ…!

 

ことり「ううん、今のは仕方ないよ」

 

にこ「【トライペガサス】と比べてどうだった?」

 

穂乃果「正直……比べ物にならないくらい強かった……」

 

穂乃果(それなりにリスクを犯しても手も足も出ないぐらい……)

 

絵里「でも攻撃も守備も思っていたほどの差じゃないわ!」

 

海未「ええ、これならば勝機は十分にあります」

 

凛「海未ちゃんさっきの……大丈夫?」

 

海未「ええ、本当に痛みがないのでびっくりしました、すごい方ですよ」

 

凛「……そっか、よかった」ホッ

 

にこ「なーによ凛、今日は随分としおらしいじゃない」

 

希「変なものでも食べたんやない?」

 

凛「………知らない知らない知らないにゃー!!」ダッ!

 

にこ希「逃げた」

 

穂乃果「よーし!それじゃあみんな!まだまだこれから、張り切っていこー!!!」バッ!

 

みんな「おー!!!」バッ!

 

凛(……だってこのメンバーで試合できるのは今日で最後だから………)

 

凛(誰も欠けて欲しくないから………)

 

花陽「凛ちゃーん!始まるよー!」

 

凛「今いくにゃー!」ダッ!

 

凛(………なんてね)フフ

 

穂乃果「………」ギュッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「ここでUTXメンバーチェンジです!助っ人のアフロ照………アフロディ?が加わります!」

 

アフロディ「ふふ、ようやく僕の出番か」ザッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「ここであの子が出るのね」

 

ことり「なんだか強そうだね〜」

 

穂乃果「みんなー!まだまだこれからだよー!」

 

みんな「おー!」

 

 

 

 

 







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「……どうしましょっか」



全話の通り挿絵に挑戦した乾電池です

ほんとはもっと描きたかったんですけど気づいたら終わりが近づいてきてるという…

最後までお付き合いくださいあそばせ




 

 

 

 

 

UTX高校1-0音の木坂

 

ピーーーーーーー

 

ドッ

 

角間「1点ビハインドで音の木坂ボール!!いったいどのように展開していくのでしょうかぁ!!」

 

ツバサ「はぁ……はぁ……」

 

ことり(綺羅さんまだ息が切れてる……)トッ

 

ことり(これなら……)ザッ

 

タッタッタッ

 

角間「後衛から誰かが上がって行きます!一体……」

 

ことり「お願い!」ドッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙「はい!」トッ

 

角間「絢瀬だぁぁ!!」

 

ツバサ「……亜里沙」……ふぅ

 

真姫絵里 ダッ!

 

角間「西木野と絢瀬が上がっています!一体何をするつもりだぁ!?」

 

亜里沙「はぁ…!!」バッ

 

パキパキパキ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙【氷の矢!!】ドキュッ!!

 

ゴォォォォォォォォオ!!

 

角間「ボールはフィールドを縦断し一直線に前線へと向かいます!!」

 

花陽「よしっ…!」

 

凛「いっけー!」

 

ツバサ「……そこまでお人好しじゃないわよ」

 

 

 

 

 

 

 

クルクルクル

 

ボファァァァァァァァ!!!!!

 

亜里沙「っ……!?」

 

DF1【フレイムダンス!】

 

 

 

 

 

 

 

 

ジュゥゥゥゥ………!

 

テンテンテン………

 

角間「勢いを完全に止めたぁ!!」

 

絵里真姫「!」ズザザッ……!

 

DF1「へっへーん!」ブイッ!

 

タッタッタッ

 

DF2「……ちょっ……!前見ぃ前!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「どらぁ!!」ガッ!

 

DF1「うわぁ!」ドサッ

 

角間「これはナイスプレー!矢澤、見事ボールを奪い返しました!」

 

凛「にこちゃんすごいにゃー!」

 

花陽「うん……すごすぎるぐらい……」

 

MF2「お前ホント変わってねーなぁ……」

 

DF1「うぅ〜〜……!!!」プルプル

 

にこ「……はぁ……はぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「にこ!こっちに……」

 

にこ「とりゃあ!」ドキュッ!!

 

真姫「に、にこちゃん!?」

 

角間「これは矢澤思い切ったプレー!シューとしたボールはまっすぐゴールへと向かっていきます!」

 

にこ(決まれ…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GK「……!」バッ!

 

パシッ

 

にこ「……ちっ」

 

角間「これをキーパーがっしりとキャッチしました!」

 

ツバサ「……珍しいわね、矢澤さんがシュートなんて」ハァ……ハァ……

 

エレナ「ああ、初めて見た」ハァ……ハァ……

 

絵里「ドンマイにこ、惜しかったわよ」

 

真姫「全く……どういう風の吹き回し?」

 

にこ「……ごめん」タッタッタッ

 

絵里「……にこ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛ママ「だー!!惜しかったなぁ!」

 

にこママ「どうしたのかしら、らしくないわね……」

 

こころ「お姉様………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DF2「よっしゃ!」トッ

 

海未「いかせません!」ザッ!

 

DF2「………」ジッ

 

海未「……?」ペターン

 

DF2「……ちっさ」ボソッ

 

海未 カチン…!

 

海未「どこの話をしているのですか!!」バッ

 

DF2「……はぁ」トッ……ザザッ!

 

海未「……っ…!!」イラァッ…!

 

海未「なぜ!あなたに!!ため息を!!つかれなければ!!ならないの!!ですか!!」ガッ!ガガッ!ザッ!

 

DF2 プッ…!

 

DF2「動揺しすぎやろ」クスクス

 

クルッ ダッ!

 

海未「……っく!」ガクッ

 

DF2「……!」チラッ

 

DF2「頼んだ!!」ドッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「なっ……!」

 

角間「こ、これは!中盤から前線へのミドルパスです!空高く上がったボールがゆったりと前線へ向かいます!」

 

にこ「っち…!」ダッ!

 

希「にこっち!」

 

希(さすがに深追いしすぎじゃ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「このボールを取られてはまたシュートチャンスに……」

 

花陽「!?」

 

ツバサエレナあんじゅ「はぁ……はぁ……」

 

海未(A-RISEの三人は動いていない……!?)

 

花陽(まさか…!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

MF1「任せましたよ、アフロさん」

 

ツバサ「しっかりと決めなさいよ、アフロちゃん♪」

 

アフロディ「ア・フ・ロ・ディ・だ!」ダッ

 

角間「アフロディがシュート体勢!!音の木坂完全に裏をかかれたぁ!」

 

花陽(疲れてあまり動けない綺羅さんたちの代わりの攻撃要員……少し考えれば分かる事だったのに……!!)

 

アフロディ バッ!

 

花陽(そんな位置からシュートを……!!)ダッ!

 

アフロディ「いくよ」

 

穂乃果「こい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アフロディ「天使の羽ばたきを聞いたことがあるかい?」

 

バサァ……!

 

バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アフロディ【ゴッドノウズ・インパクト!!】

 

ドキュッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォォォオ!!!!!

 

角間「助っ人アフロディの強烈な必殺技ぁ!!高坂止められるかぁ!?」

 

穂乃果「………」グッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチッ……パチッ……

 

穂乃果(……もう少しだけ大きく……)ググッ

 

 

 

 

 

 

 

ピシィ…!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

マジン「………」

 

ドロッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果「っ……!?」ビクッ

 

シュゥゥ………

 

穂乃果(やばっ……びっくりしたせいで力が……!)

 

ゴォォォォォォォォオ!!!!

 

穂乃果「……っやるしかない…!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルル!!!!

 

ズズズズ………!

 

穂乃果「そ…なっ……!?」グググッ

 

角間「高坂押されている!!追加点を許してしまうのかぁ!?」

 

絵里「うちのリーダーを舐めないでもらいたいわね」

 

海未「あなたなら大丈夫です!!穂乃果!!」

 

ことり「いけーー!!!」

 

穂乃果「ぬぐぐぐぐ……!」グググッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バチィッ

 

穂乃果「ーーーーッ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「………穂乃……果?」

 

ドサッ

 

角間「ーーーー……っ!」

 

角間「高坂破れたぁぁぁ!!!ボールは無情にもゴールへ向かって……」

 

にこ花陽「はぁっ!!」バッ!

 

ギュルルルル!!!!

 

ドキュッ!!

 

にこ花陽「うぐっ……!!」ドサッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「にこっち!」

 

雪穂「花陽さん!」

 

角間「ここは小泉と矢澤のファインプレー!なんとかピンチを凌ぎました!」

 

穂乃果「………」

 

にこ「穂乃果!!早く起きなさい!!切り替えて!!」はぁ……はぁ……

 

穂乃果「……うん」ムクッ

 

花陽(……穂乃果ちゃん?)

 

ポーン……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「っと…!」トッ

 

角間「こぼれ球は星空がおさえました!」

 

凛「よし!」

 

凛(はじめにシュートを打ったのは凛たちなのに、流れを持っていかれてる……)

 

花陽(凛ちゃんがボールを持ってる、敵は……)

 

真姫「凛!すぐ来てるわよ!」

 

アフロディ「神の前には全て無力さ」ザッ

 

花陽(あ〜もう!考える時間をください!!)

 

凛「っ…!」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛【アクロバットキープ!】

 

ダッ グゥン クルッ!

 

アフロディ「……ふふ、神をも凌ぐとは大したものだ」

 

MF2「お前よくそんなセリフが出てくるな」

 

凛「よし!」

 

角間「星空抜いたぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

MF1「あなたには前回の借りが残ってましたね」ザッ

 

凛「……!」ピタッ

 

ことり「凛ちゃん!こっちに……」

 

DF2「させへんよぉ〜」バッ

 

ことり「……っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF2「さぁ……お相手願います」

 

凛(……今までの【アクロバットキープ】じゃダメ……)

 

凛「なら……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛ママ「………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛ママ「………これは…!」

 

ケータイ『タイムアーーーーップ!!!』

 

ケータイ『見事時間内逃げ切り成功です!!』

 

凛ママ(……アクロバット鬼ごっこ……か)

 

凛ママ「………面白いところに目をつけたな、凛」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛ママ「行け凛!!」

 

凛 ニコッ

 

MF2(……来る!)グッ

 

凛(凛が流れを………変えるんだ!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛【アクロバットキープ……】

 

バッ!バッ!ダッ!クルッ……シュバッ!

 

凛【パルクール!】

 

MF1 「ーー…!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

角間「星空またも抜いたぁ!!乗ってきたぞ音の木坂!!」

 

凛ママ「よっし!!」

 

にこ「あの動き……!」

 

絵里「いいわよ凛!」

 

凛「えへへ…!」

 

MF1(一見めちゃくちゃに見えますがどこか規則的な動き……)

 

MF1「さすが……と言いたいところですが」

 

MF1「前回からのあなたの成長がこれなら……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF1「少々期待はずれです」

 

花陽「凛ちゃん危ない!!」

 

凛「!」ビクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

ガガガッ……!!

 

凛「!?」グラッ!

 

角間「おおっとぉ!?抜かれたかに見えたMF1、粘り強いディフェンスで食らいつきます!!」

 

凛(なんで……!?抜いたはずじゃ……)

 

MF1「規則的ということは読みやすくなったということ、簡単には抜かせません……よ!!」ガガッ!

 

凛「ふぐっ……!」グラァ…!

 

花陽「凛ちゃん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ザッ……クルッ!……トッ……!

 

MF1「………は?」

 

角間「………へ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛【アクロバットキープ・カポエイラ】

 

凛「簡単には止めさせないにゃ〜!」トトッ

 

角間「星空粘り切ったぁぁぁ!!!!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

凛ママ「………そういうことか、凛」

 

 

 

 

 

 

 

 

監督(1つの種目にこだわらず、雑食に他スポーツの動きを取り入れる)

 

監督(しなやかな筋肉と身軽な身体、ボディバランス……)

 

監督「……凛にしか出来ない芸当だな」

 

監督「……」チラッ

 

希「………」

 

 

 

 

 

 

 

角間「星空軽やかな動きで一気に抜き去ったぁ!!流れを手繰り寄せます!」

 

MF1「……前言撤回です、やはり侮れませんね」

 

凛「どういたしましてにゃ!」

 

絵里「凛!」タッタッタッ

 

凛「お願い!」ドッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポーン!

 

テンテン……!

 

角間「前線へパスを出すが少し強いかぁ!?」

 

絵里「真姫!」

 

真姫「ええ!」

 

角間「音の木坂シュート体勢!!」

 

絵里(強すぎなんかじゃない、最高のパスよ、凛)

 

凛 ニッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

合宿夜中

 

絵里「真姫もわかったんでしょう?」

 

絵里「なぜ私たちがあの技を完成させられなかったのか」

 

真姫「ええ」

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「私たちはお母様方に比べてキック力が弱い」

 

絵里「それを補うためには……」

 

真姫「あのときまぐれで起きたシチュエーション」

 

真姫「それこそが大切な要素の1つだった」

 

絵里「……もう説明なんていらないわよね?」ジャリッ……

 

真姫「ええ」ジャリッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「……ふぁぁ」ムクッ

 

凛「……トイレ行こ」キョロッ

 

凛「ん?あれって……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里(いままでの練習とマグレで成功した時との違い……)

 

真姫(それは……)

 

凛「………!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里 ダッ!

 

真姫 ダッ!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

絵里真姫(助走の有無!!)ダッ!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

絵里 ブワァァァァァァ!

 

真姫 ブワァァァァァァ!

 

 

 

 

 

 

 

フワッ………

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!!

 

絵里真姫【クロスファイア!!】

 

ゴォォォォォォォォオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

角間「前回よりはるかにキレが増しております!!」

 

海未「完成したんですね……!」

 

絵里ママ「へぇ……!」

 

真姫ママ「真姫ちゃん大きくなったわね……!!」ダーーッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォオォォ!!!!!

 

GK「……!」

 

GK(……その技は準決勝の……)

 

絵里真姫「いけぇぇ!!!」

 

GK「……止める」スッ

 

 

 

 

 

 

 

 

GK【ビーストファング!!】

 

ガブゥッ……!!

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルル!!!!!

 

GK「……!あの時より……威力が!」ズズズズ……

 

真姫「あんな未完成品と比べないでほしいわね!」

 

絵里「今度こそいただくわよ!」

 

ギュルルルルル!!!!

 

GK「……っぐ……!!」ズズズズ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

GK「わたし……私!」ポロポロ

 

ツバサ「ごめんなさい、勝たせてあげられなくて」ナデナデ

 

GK「ごえ……ごめんな、さい…!!」ギュッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

GK「……!」ググッ……!

 

GK(もう二度と……あんな思いはしたくない!!)バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バチィッ!

 

絵里真姫「なっ…!」

 

角間「こ、これはぁ…!?上手く力を上に流し弾いたぁ!」

 

ツバサ「へぇ…!」

 

あんじゅ(とっさの判断で……危なかったわね)

 

希「惜しかったよ!次行ける次行ける!」

 

GK「まだまだぁ!!」ザッ

 

あんじゅ「……!」フフ

 

ツバサ(あの子のあんな声……聞いたことないわね……)チラッ

 

 

 

 

 

 

 

GK(……早く次のシュートを………次は止めるから……!)ウズウズ……

 

ツバサ「……っ」ブルッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポーン!

 

角間「上空へ上がったポールは一体どちらがキープするのでしょうかぁ!!」

 

真姫「絵里!」タッタッタッ

 

絵里「ええ!」タッタッタッ

 

角間「こ……これはぁ!?」

 

ポーン……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫(どれだけ悩んだと思ってるのよ……!)

 

絵里(私たちの力は…!)

 

テンテンテン………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブワァァァァァァ!!!

 

ブワァァァァァァ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

フワッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里真姫「こんなものじゃない!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!

 

絵里真姫【クロスファイアァ!!!!】

 

ゴォォォォオォォ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

角間「再度シュートを放ってきました音の木坂ぁ!!」

 

DF2「アッ………ホかこいつら……!!」ゴーン……!

 

MF3「あんなシュートを連発するなんてえげつないっすね〜……」

 

にこ「いけっ!!!」

 

凛「もらったにゃ!!」

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォォォォオォオ!!!!!!

 

ツバサ「これは……!」

 

お姉さん(……さすがは絵里さんと真姫さん……)

 

ツバサお姉さん「でも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GK「………」グッ

 

ツバサお姉さん「………そう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「あなたの力はこんなものじゃない」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グルルルルル………!

 

GK「…………っ!!」ググググッ……!!

 

GK(もっと……もっと感覚を研ぎ澄ませ……!!)カッ……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一度敗北を知ったものは、勝利に飢える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダラン……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飢えは加速する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガブゥッ……!!!!

 

シュルルルルルル………!

 

パシッ

 

絵里真姫「……なっ…!」はぁ……はぁ……

 

GK【ハイビーストファング】

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「先ほどよりも威力をあげた【クロスファイア】を今度はがっしりとキャッチィ!!!」

 

真姫「………どうする?」

 

絵里「……どうしましょうか」

 

GK「………」ドッ!

 

ポーン…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサエレナあんじゅ「……すぅ……はぁ……」

 

……スッ

 

花陽(……っ!呼吸が戻った……!)

 

海未(ここからが本番ですね)

 

凛「急いで戻らないと!」ダッ!

 

 

 

 

 



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「優木あんじゅという人物、前半戦終了!」


勉強が思ったように終わらず焦っている乾電池です

今回も後書きに挿絵を乗せたのでみてくださいね!



 

 

 

 

 

 

ツバサエレナあんじゅ「……すぅ……はぁ……」

 

……スッ

 

花陽(……っ!呼吸が戻った……!)

 

海未(ここからが本番ですね)

 

凛「急いで戻らないと!」ダッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「攻撃の連続で音の木坂は敵陣に寄ってしまい、非常にディフェンスが手薄になっています!!」

 

角間「このピンチ、凌げるかぁ!?」

 

海未「希!」ザッ

 

希「うん!」ザッ

 

ツバサ「……凌ぐ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュッ……!

 

ツバサ「そんな時間は与えない」トッ

 

海未希「なっ……え?」クルッ

 

角間「綺羅、あっという間に二人を抜き去りました!」

 

花陽(この勢いにパスまで加わったらいよいよ止められない……)

 

花陽(なら…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「亜里沙ちゃんは統堂さん、雪穂ちゃんは優木さんのマーク!」

 

亜里沙雪穂「はい!」ダッ!

 

ツバサ「あら、あなたが相手をしてくれるの?」ザッ

 

花陽「……ここから先はいかせません!」ザッ

 

ツバサ(あんまり対峙すると余分なデータを取られかねない…)

 

ツバサ「……」チラッ

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「……あんじゅのこと、どう分析してる?」

 

花陽「……へ?」

 

ツバサ「のんびりしてそうだけどすごいのよ彼女」フフ

 

花陽「……知ってます」

 

花陽(隙を見せちゃダメ……)ジリッ…

 

ツバサ「A-RISEって一纏めにされてるけど、誰もあんじゅがすごいって言ってくれないのよ」トントン…

 

花陽「セクシー担当って言われてますね」

 

ツバサ「そんな簡単なものじゃないのだけど……」ジャリッ……

 

花陽(……くるっ!)グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「ほっ」ドッ

 

花陽雪穂「………なっ…!?」

 

角間「こ、これは!?完全マークされている優木にパス!?高坂雪穂の真正面だぁ!!」

 

花陽(一体……何考えて……)グルグル……

 

花陽「………っ雪穂ちゃん!取って!」

 

雪穂「は、はい!」バッ

 

角間「高坂雪穂、当然パスカットの体勢!」

 

ツバサ「……だから言ってるじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「そんなに簡単なものじゃないって」

 

あんじゅ「ーーーー……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女は幼い頃から魅力的だった

 

男性「私、こういったものですが」

 

「……子役スカウト?」

 

男子中学生「俺と付き合ってください!!」

 

「ごめんなさい」

 

芸能人はオーラが違うと言われるが、彼女がまさにそうだった

 

ただ、そのせいで嫌な目にあうことも少なくはなかった

 

女生徒「いいよねあんたは、生れつきそんなに可愛いんだから」

 

(……私の苦労も知らないくせに……)

 

街を歩けばスカウト、ナンパ

 

ひどい時にはストーカーに付きまとわれたことさえあった

 

ある人に言われた

 

「いやー!君は他の子と違って色があるんだよね!」

 

彼女は憧れた

 

誰の目も引かない無色の女の子に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パシッ

 

雪穂「……へ?」

 

あんじゅ「マーク、とっくに外れてたわよ?」トッ

 

角間「ゆ、優木にパスが通りましたぁぁ!!!」

 

あんじゅ「じゃあね、妹ちゃん♪」ダッ

 

雪穂「ちょ……え?」

 

 

 

 

 

 

花陽「なんで気づかな……!」ハッ

 

花陽「………気づこうとしなかった?」

 

ツバサ「あなたは街ですれ違う人の顔をわざわざ覚えないでしょ?」

 

ツバサ「あんじゅは意識の隙間に入り込む」

 

あんじゅ「ツバサ!」ドッ!

 

ツバサ「存在感を自在に操ることができる」トッ

 

花陽「しまっ……!」クルッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピューーーーーーイ!!

 

ドシュドシュドシュドシュ

 

ギュォォォォォオオオオ!!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ハァ……ハァ……

 

ツバサ「あと……少しなのに…」

 

あんじゅ「何がダメなのかしら……」

 

エレナ「時間から考えて次がラストだな」

 

3人「………」

 

 

 

 

 

 

 

ガタッ

 

3人「!」クルッ

 

MF3「ヒッ…!」ビクッ

 

あんじゅ「どうしてそんなに怯えるのよ」

 

MF3「いや〜……!」にへへ……!

 

ツバサ「どうしたの?こんな時間に」

 

MF3「そ、その……練習を見てて、違和感というか……」

 

エレナ「改善点か?」

 

MF3「そんな大それたものじゃないっす!」アワアワ

 

ツバサ「ぜひ教えてくれないかしら」

 

MF3「でも……」

 

あんじゅ「おねがぁい♪」

 

MF3「うぅぅ……わかったっすよぉ……」

 

MF3 「えーっと……その……」

 

3人「……」コクッ

 

MF3「その必殺技には………」

 

 

 

 

 

 

 

 

MF3「ーーーーーーーー……」

 

3人「あ」

 

 

 

 

 

 

 

 

ザッ

 

3人「………」

 

ツバサ「最後、合わせるわよ」

 

あんじゅエレナ「ええ「ああ」!!」

 

ダッ!

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ(……言われてみれば簡単なことだった)ダンッ!

 

ピューーーーーーイ!!

 

ドシュドシュドシュドシュ

 

ツバサ(横のつながりと縦のスピード、今までのこうていペンギンが二次元だとすれば!)

 

エレナ(さらなる進化を遂げるためには!)

 

あんじゅ(そこに高さを加えて!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュォォォォオオオオ!!!!

 

ツバサ「三次元にすればよかったのよ!!」

 

バッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!!

 

ツバサエレナあんじゅ【こうていペンギン3号!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォォォオオオオオ!!!!!

 

 

角間「【こうていペンギン2号】を進化させた必殺技、【こうていペンギン3号】が音の木坂ゴールを狙います!!」

 

希「また新技……!!」ブルッ

 

海未「穂乃果!!」

 

MF3「いけるっす!」

 

DF1「追加点いっただきー!」

 

穂乃果「………」

 

ツバサ「………?」

 

ツバサ(何か……様子が……)

 

穂乃果ママ「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂(強力なシュート……!!)タッタッタッ

 

ズザザッ!

 

雪穂「行くよおねーちゃん!」ガシッ

 

角間「高坂姉妹【ホムラ・ザ・ハンド】の体勢!!」

 

穂乃果「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「離れて」グイッ

 

雪穂「…へ?」グラッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

トサッ

 

穂乃果「………」

 

雪穂「……お姉……ちゃん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチッ………

 

あぁ、何を悩んでたんだろう

 

パチッ………

 

チームを勝ちに導くのが私の仕事なんだから

 

グググッ……!

 

怖がってる暇なんてないよね?

 

ピシィ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「頑張れリーダー」

 

バキィッ!!!

 

花陽「………」

 

凛「……かよちん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「……また………嫌な感じ」

 

凛「……うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォォォオ!!!

 

角間「さぁ高坂!これを止めることが……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メキョォッ……!!

 

シュルルルルルル………!

 

穂乃果「…………」パシッ

 

「……………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……え?」

 

にこ「と……止めた…の?」

 

絵里「……なんだか……すごく簡単に」

 

ことり「す、すごい……」

 

ツバサ「まさか……あなたがその道を選ぶなんてね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「………………っはぁ……!」プルプル

 

穂乃果「……と、止め……!」

 

ミシミシミシミシ……!!

 

穂乃果「……っ……ぐぅぅぅぅ!!」ガクッ

 

穂乃果ママ(パズルの枠を壊せば限界以上の力を出せる反面、当然リスクもある)

 

穂乃果(か、身体が………軋む)ギチィ……

 

角間「見事シュートを受け止めた高坂!」

 

花陽(あの技、ただの技じゃない……)

 

亜里沙「……穂乃果さん 」

 

角間「音の木坂の反撃です!!」

 

穂乃果「ゆ……雪穂!」ドッ

 

雪穂「……」トッ

 

雪穂(……おねーちゃんに聞きたいことは山ほどあるけど、まずは試合に集中しなきゃ…!)

 

雪穂(そのためにはボールを……)

 

雪穂「はぁ!!」ドキュッ…!!

 

角間「これは高坂大きくクリアしました!」

 

エレナ「いい判断だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポーン……!

 

角間「ポールはUTX陣営奥深くまで飛んで行きます!」

 

にこ「ふっ!」バッ

 

DF2「てやぁ!」バッ

 

にこ(…!小さいのになんてジャンプ力…!!)

 

ガッ

 

DF2「よし!とっ……」

 

「ごめんなさいにこ、ほんの少しの辛抱だから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プワァァ!!ブワァァァ!!プワァァ!

 

ドッ ピキピキピキ……カキーン!

 

絵里【スノーエンジェル】

 

DF2「くっそ……!」カキーン

 

にこ「にごぉぉ……」カキーン

 

ポーン!

 

角間「ボールを弾いたぁ!!」

 

絵里「海未!」

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「はい!」バッ!

 

DF1「させない!」

 

クルクルクル

 

ブワァァァァァァ!!

 

DF1【せんぷうじん!】

 

ギュォォォォォォォ!!!

 

ヒュルルルル………パシッ

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「……そう簡単にはいきませんか」

 

にこ「回転が止まったとこをを狙うわよ!」

 

クルクルクル……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「………」ニッ

 

ツバサ「左サイド、上がるわよ!」

 

みんな「おぉ!」

 

タッタッタッ

 

海未「……作戦をあんなに堂々と……」

 

ことり「ことりたちもいこう!海未ちゃん!」

 

海未「え、ええ……」

 

花陽(何か裏が……でも実際にメンバーは移動してる)

 

花陽「右サイドには優木さんしかいないし……」

 

花陽「………」

 

花陽「………」

 

花陽「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「花陽!!右サイド!!!」

 

花陽「……!!優木さん!!」

 

ツバサ(気づいた…思ったより早かったわね)

 

ツバサ「でも遅いわ!」

 

クルクルクル!!

 

にこ「回転が加速して……!」

 

DF1【フレイムダンス!】

 

ボファァァ!!!

 

海未「炎の道が…!!」

 

DF1「あんじゅさん!」ドキュ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「こ、これはぁ!!必殺技を味方へのパスへと繋げましたぁ!!」

 

角間「フリーの優木へとボールが渡ります!!」

 

雪穂亜里沙「行かせな……!」

 

クルッ フワッ!

 

あんじゅ「おっ先〜♪」スタッ

 

角間「ディフェンダーをものともしていません!ゴールまでがら空きだぁ!!」

 

角間「残り時間わずか、これが前半最後のチャンスだぁ!!」

 

 

 

 

 

 

ダンッ!

 

ピューーーーーーイ!!

 

ドシュドシュドシュドシュ

 

ギュォォォォォォォオオオオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「まずい……」

 

ことり「お願い穂乃果ちゃん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クルッ

 

ツバサエレナあんじゅ【こうていペンギン3号!!】

 

ドゴォォォォォォォォオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

にこ「もう一度止めちゃいなさい!」

 

穂乃果「………っ」グッ

 

ドロドロドロ………

 

ズズズズズ………!

 

絵里「……紫の……」

 

真姫「マジン……」

 

監督「……」

 

海未「……何でしょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「このなんとも言えない胸騒ぎは」

 

花陽「………!」ゾワッ

 

花陽(これ……!さっきよりも……)

 

 

 

 

 

 

 

 

ミシミシミシ……!

 

穂乃果「……っ!」

 

 

 

 

 

 

 

海未ママ「………懐かしいですね」

 

ことりママ「ええ、さすが親子ね」

 

穂乃果ママ「………」

 

穂乃果ママ(その強大な威力と引き換えに、主にすら牙を剥く)

 

穂乃果ママ「名付けるなら……そうねぇ」

 

穂乃果「はぁぁ!」バッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【魔王・ザ・バンド】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルル!!!!

 

穂乃果(…!どんどん調子を上げてきてる……でも!)ググッ

 

ギュルルル……!!

 

穂乃果「今の穂乃果には関係ないよ!」グッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ッシュゥゥゥ………!

 

角間「……ま、またもや止めたぁぁ!!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

にこ「よしっ!」

 

海未「……気のせいだったのでしょうか」

 

亜里沙「穂乃果さん……」

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「いいのかツバサ」

 

ツバサ「……何が」

 

エレナ「壊れるぞ」

 

ツバサ「……手を抜けと?」

 

エレナ「そうじゃない、ただ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

ドシャッ……

 

ツバサエレナ「ッ……!」クルッ

 

海未「………穂乃果?」

 

ことり「穂乃果ちゃん……?」

 

真姫「……?なに?」

 

凛「え…?え?」

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーー!!

 

海未「穂乃果!!」ダッ!

 

ことり「穂乃果ちゃん!」ダッ!

 

角間「どうしたのでしょうか、シュートを止めた直後倒れてしまいました……」

 

角間(前回もこんなことあったような……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監督「……高坂、いけるか?」

 

穂乃果「………」グッタリ

 

監督「………」スッ

 

絵里「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください!!」ガシッ

 

海未「穂乃果をどうするおつもりですか?」

 

監督「……こいつが目を覚まさなければ俺が医務室へ連れていかなければならない」

 

雪穂「それじゃあ試合は……」

 

監督「これは規則だ」

 

海未「……」ギュッ……

 

海未(何故ですか穂乃果……)

 

海未(………何故あなたはまたしても一人で……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……やり……ます」ムクッ

 

海未「…!!穂乃果!!」バッ

 

ことり「大丈夫なの!?」

 

穂乃果「う、うん……少しよろけちゃっただけだから」

 

監督「できるのか?」

 

穂乃果「や、やります!」

 

穂乃果「まだ試合……終わってない!!」

 

監督「………お前……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「再起不能になるぞ」

 

みんな「!」

 

亜里沙(……そこまで)

 

絵里「……」

 

ツバサ「………」

 

監督「それでも………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「どうでもいい!!」

 

監督「!」

 

海未「ーー……」

 

トトッ

 

ことり「う……海未ちゃん?」

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「今日の試合は特別なの……!!今日最後まで戦えるなら……」

 

監督「……」

 

穂乃果「これからなんてどうでも……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「歯ぁ食いしばりなさい、穂乃果」

 

穂乃果「……へ?」クルッ

 

 

 

 

 

ズバァッ!!

 

ゴォォォォォォ!!!

 

穂乃果「なっ…!?」

 

ドカァッ!!!

 

穂乃果「あぐっ……!!」ゴロゴロ……

 

ドサッ!

 

花陽「海未ちゃん!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

海未「サッカーで……」

 

海未「誰も傷ついて欲しくないんです……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

絵里(………海未が)

 

希(………サッカーボールで)

 

真姫(……人を傷つけた)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「……」

 

穂乃果「……っな……なにするのさ!!」ムクッ

 

海未「……ふざけないでくださいよ」ガッ…!

 

穂乃果「うぐっ…!」ググッ

 

海未「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「もう…………忘れてしまったかもしれませんが……」

 

海未「まだ私たちが幼かった頃」

 

海未「サッカーのルールもよく知らない、まだそんな頃に」

 

海未「あなたは私に言いました」

 

穂乃果「……」

 

海未「大きくなっても私たちとサッカーをしようと」ギュッ…!

 

穂乃果「……!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ほのか「ほのかはおっきくなってもふたりとさっかーするの!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

海未「……そんなあなたが……」

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果『どうでもいい!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「………」

 

海未「あなた………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「最低ですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「………」

 

みんな「………」

 

パン!

 

みんな「!」

 

スルッ

 

穂乃果「あでっ…!」ドサッ

 

監督「とりあえず医務室へ行ってこい」

 

監督「試合に出るか出ないかはそこにいる人が教えてくれる」

 

穂乃果「教えてくれる?」

 

監督「いいから」

 

穂乃果「は、はい……!」

 

 

 

 

 

 

 

角間「………」ポカーン

 

ピーーーーー!!!

 

角間「……!」ハッ

 

角間「ここで前半終了です!!倒れてしまった高坂は、少しふらついただけで後半も出場できるようです!!」

 

角間「ここまで両者一歩も譲らない試合運び、UTXリードで前半は幕を下ろしました!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

 

 

 

 

 

 

ベンチ

 

穂乃果「……」

 

凛「穂乃果ちゃん、医務室付いて行こうか?」

 

穂乃果「……大丈夫」

 

凛「……わかった」

 

凛(……試合終了の瞬間、穂乃果ちゃんがゴールに立ってないなんて………)

 

凛(凛ヤだからね)タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「………」フゥ……

 

ツバサ「ため息?」

 

穂乃果「!?」バッ

 

ツバサ「……私たちは後半も手は抜かない」

 

ツバサ「それだけ言いに来たわ」

 

穂乃果「……ありがたいです」

 

ツバサ「……それじゃあ」クルッ

 

スタスタ

 

穂乃果「……」

 

 

 

 

 

チクンッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

控え室

 

監督「後半はメンバーを少し変える、異論は認めない」

 

凛「でもまだ穂乃果ちゃんと希ちゃんが来てないにゃ」

 

監督「大丈夫だ、あとで伝えててくれれば」

 

監督「…それでは発表する」

 

 

 

 

 

 

 

通路

 

希「トイレ〜トイレ〜」テクテク

 

タッタッタッ

 

ドンッ

 

希「うわぁ!」ドサッ

 

「きゃっ!」ヨロッ ポトッ

 

希「いっ……ててて」

 

「ご、ごめんなさい!」スッ

 

希「いやいや、ウチもよそ見してたしごめんなぁ」よいしょっと

 

希「何か落として……」

 

希「!」ビクッ

 

「気づかなかった……ありがとうございます!」

 

希(……これ……このぬいぐるみ……)

 

「……?どうしました?」

 

希「………A……ちゃん?」

 

「え……?なんで名前……」

 

「ってああああああ!!!!」

 

「希ちゃん!!」

 

希「……今日は応援にでも来てくれたの?」

 

Aちゃん「ネットで希ちゃんがサッカーしてるって知ったから……」

 

Aちゃん「……あの時のこと、謝りたくて」

 

希「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

希「私は謝ってほしいことなんて何もない」

 

Aちゃん「……!のぞ……」

 

希「それじゃ、試合始まるから」クルッ

 

Aちゃん「待って……!希ちゃん!!」

 

希「……」タッタッタッ

 

 

 

 

高校生になる前

 

東條希の人生には、重要人物が二人いる

 

一人は東條希の心に傷を負わせ

 

一人は東條希が再び前を向くきっかけを与えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

医務室

 

穂乃果「失礼します」ガラッ

 

女性「お、やっときたね」

 

穂乃果「あの……ここに行けって監督が……」

 

女性「こっちにきて、テーピングだけ巻いてあげる」

 

穂乃果「は、はい…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

マキマキグルグル

 

女性「……」マキマキ

 

穂乃果「………」チラッ

 

女性「………なに?」

 

穂乃果「へっ…!?いや……その……」

 

穂乃果「怒らないのかな……って」

 

女性「どうして?」

 

穂乃果「だって……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

女性「でもそのせいで体に障害が残ってしまった時、誰が責任を取るの?」

 

女性「誰が一番悲しむの?」

 

女性「私が担当になったからには、そんな子を絶対出させはしない」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

女性「……怪我の影響が残ることが、必ずしも苦しいことじゃない」

 

穂乃果「…え?」

 

女性「中には途中退場したことを一生引きずってしまう人もいる」

 

女性「多分あなたはそういうタイプだと思ったから」

 

穂乃果「………」

 

女性「……似てるわね」

 

穂乃果「え?」

 

女性「私の両親はね、今の私と同じ仕事をしていたの」

 

穂乃果「そうなんですか!?」

 

女性「まだ物心ついたかついてないかって頃、何度か両親の仕事についていったことがあってね」

 

女性「他のことはなに1つ覚えてないんだけど、あることだけはずっと覚えてるの」

 

穂乃果「何かあったんですか?」

 

女性「………」フフ

 

 

 

 

 

 

 

 

女性「居たのよ、あなたみたいな子が」

 

穂乃果「!!」

 

女性「その人もボロボロになりながら、でも退場はしたくないって言って戦い続けた」

 

女性「結局そのチームは優勝、その人は大会最優秀GKとして大会史に名前を残した」

 

穂乃果「…すごい」

 

女性「さてここで問題です!」

 

穂乃果「えぇ…!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

女性「ボロボロのその人を退場させることは本当にその人のためになったのでしょうか」

 

穂乃果「それは……」

 

女性「……ね?答えは1つじゃないんだよ」

 

穂乃果「……」

 

女性「……あなたもきっと、ここで退場した方が後悔が残るだろうから」キュッ

 

女性「はい!これで終わり!」バシッ

 

穂乃果「……ありがとうございます!」グッ

 

女性「もうすぐ時間だから急いで控え室に向かった方がいいかもね」

 

穂乃果「うわっ…!ほんとだ……」

 

 

 

穂乃果「それじゃあ医務室のお姉さん!いってきます!」

 

 

 

女性「…!」

 

女性「……うん、いってらっしゃい」ニコッ

 

ガララ ピシャン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女性「……ほんっと……似てるなぁ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

20年近く前、サッカー場医務室

 

「こんな状態で試合なんて出られるわけないだろう!!」

 

「嫌だ!!こんなところで退場なんて、絶対しない!!」

 

「ちょっ…暴れちゃダメだってば」

 

「落ち着いてください…!」

 

「うるさいうるさい!!試合に出る!!」

 

「ダメだ、行かせない」ガシッ

 

「離してってば!」グッ

 

ピキッ…!

 

「っぐ…!」ビクッ……!

 

「………」

 

「……なんで……」ジワァ…

 

「……あんなに頑張ってきたのに……」ポロポロ

 

「……」サスサス

 

「……どうにも…ならないのですか?」

 

「………」ハァ……

 

「……どうしても出たいか?」

 

「うん……」

 

「………そこに座りなさい、できるだけの処置をしてあげよう」

 

「……試合……でていいの?」

 

「その結果、君の体がどうなろうと私は保証できないが」

 

「出たい!!」

 

「……即答か」

 

「よし、時間もない、急ごう」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

シュルッ……マキマキ、キュッ

 

「よし、これで終わりだ」

 

「やった……!できる……試合が……!」グッ

 

「もう……強引なんだから…」

 

「言い出したら聞かないのはいつものことですよ」

 

「…すぐ小言……」

 

「何か言いました?」

 

「いえべつに……」

 

「処置はしたがこれはあくまで応急処置だ」

 

「あまり過信はしすぎないように」

 

「はーい!」

 

「ほら、行きますよ」

 

「全く……ほんと強引ね」

 

 

 

「それじゃあ医務室のおっちゃん!いってきます!」

 

 

 

「……無茶はするなよ」

 

「はーい!」

 

ガララピシャッ

 

 

 

 

 

 

 

 

「パパ優しいね!」

 

「…………」ギュゥッ……!

 

「??苦しいよぉ、パパ〜…!」

 

「……すまない、もう少しだけこうさせてくれ」

 

「……?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

女性「……父さんもこんな気持ちだったのかな」

 

女性(神さま、どうか彼女に不幸が訪れませんように………)ギュッ

 

 

 






優木あんじゅという人物


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第10話「穂乃果のために」



りんごより梨が好きな乾電池です

早く秋になってほしい




 

 

 

 

 

 

 

角間「さあ、いよいよ後半が始まります!!」

 

穂乃果「う〜〜……」ヒリヒリ

 

 

ツバサ「……穂乃果さん顔腫れてるわね〜」

 

エレナ「散々やられたんだろうな」

 

ツバサ「そうみたいね」フフ

 

穂乃果「いてて……みんな手加減なしなんだもん……」

 

凛「当然にゃ!」フンス!

 

花陽「あ…はは…」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

控え室

 

海未「今の穂乃果の状態と亜里沙の体感から考えるに、もう穂乃果にあの必殺技を出させるわけにはいきません」

 

絵里「紫のマジン……」

 

真姫「どういうこと?」

 

亜里沙「おそらく使えば使うほど体を酷使してしまう、わたしの【パンサーブリザード】と同じような感じです」

 

凛「そんな……」

 

花陽(やっぱり……)

 

亜里沙「ひとつ違うのが、私は脚だけでしたが穂乃果さんは全身を酷使しているというところです」

 

にこ「はー?あいつなに馬鹿なことしてんのよ、一発引っ叩いてやるわ」ガタッ

 

監督「……」

 

ことり「にこちゃん!」

 

海未「落ち着いてくださいにこ」

 

絵里「そうよ、まず海未の話を聞きましょう」

 

にこ「……わかった」ストッ

 

海未「ありがとうございます」

 

にこ「で、どうするの?」

 

海未「はい、まず穂乃果に使わないよう伝えます」

 

花陽「でもあの技、普通とは違う嫌な感じがして………そんなに簡単にいくかな……」

 

凛「凛もやな感じしたにゃ…」

 

海未「分かっています、もしどうしてもあの技を出してしまう場合は……」

 

海未「ーーーーー……」

 

 

 

 

 

 

 

 

みんな「………」

 

絵里「……私はやるわ」

 

花陽「わ…私も!」

 

凛「凛もやるにゃー!」

 

海未「あくまで最終手段ですが」

 

にこ「……そっーー!」

 

にこ「……っ」グッ

 

監督「……」

 

海未「そして今、穂乃果が戻ってきたときにやりたいことがあります」

 

みんな「?」

 

海未「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「ほっぺたを力一杯引っ張ってやりたいんです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みんな「………」パチクリ

 

みんな「………ぷっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アッハハハハハハハハハハ!!!

 

真姫「いいわね、それ」

 

絵里「なんだかワクワクしてきたわ!」

 

亜里沙「楽しそう!」

 

凛「はー…!はー…!」

 

花陽「凛ちゃんがアップを始めました」

 

ことり「ことりはつんつんしてあげよーっと!」

 

雪穂「……日頃の恨み、晴らす時……!!」

 

監督「……話はまとまったみたいだな、後半のメンバーを発表する」

 

みんな「はい!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

ツバサ「後半、暴れるわよ」

 

エレナ「ああ」

 

あんじゅ「……ん?」ジッ

 

ツバサ「どうしたの?」

 

角間「……おや!?音の木坂は二人、メンバーチェンジのようです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムッスーーー………!!

 

監督「いい加減機嫌直せ」

 

「……ぬわぁんで……」プルプル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「なんでにこがベンチに下げられるのよ!!!」

 

にこ(こころのためにもグラウンドにいなきゃいけないのに……!!)

 

希「まあまあにこっち」

 

にこ「あんたも怒りなさいよ!自分も下げられたんでしょうが!!」

 

希「ん〜……まぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

希「なんとかなるんやない?」

 

にこ「〜〜〜〜ッああああああ!!!!!」ガー!

 

監督希「うるさい」

 

にこ「……ふんっ!」

 

監督「………どうして下げられたか分からなければ、お前はずっとそこにいることになるぞ」

 

にこ「……!」

 

監督「グラウンドの中にいては気づけないこともある、ベンチからチーム全体を見てみろ」

 

にこ「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「今大会特別ルールとして一人につき一度までなら交代した選手も再交代が認められております!」

 

凛「本当になんであの二人が……」

 

ヒデコ「まぁ……理由を聞いたらわからなくもなかったけど」

 

雪穂「なんだったんですか?」

 

ヒデコ「それは私の口からも言えないよ〜」

 

ミカ「大丈夫、それに気づけばまた戻ってくるよ」

 

花陽「それ…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「……よしっ!」パンッ!

 

穂乃果「痛っ…!?」ヒリヒリ

 

クスッ……

 

穂乃果「……!」チラッ

 

ツバサ「………」ハッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「………」ニコッ

 

穂乃果「………」ニッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「前半は激しい戦いを見せた両チーム!」

 

角間「後半はどのような戦いになるのでしょうか!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「一点ビハインドの音の木坂から試合開始です!!」

 

UTX1-0音の木坂

 

ピーーーーーーー!

 

絵里「ことり!」ドッ!

 

アフロディ「……ふふ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アフロディ「甘いな」ガッ!

 

絵里ことり「あっ!」

 

角間「いきなりパスカットをしてきましたアフロディ!!音の木坂隙を突かれたかぁ!?」

 

海未「早速ですか……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「よこせアフロ」

 

アフロディ「全く、人使いが荒いな」

 

ドッ!

 

エレナ「……」トッ

 

ドキュッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「おおっと!?仲間が誰もいないところにパスを出しました!パスミスかぁ!?」

 

凛「にゃ〜?」

 

にこ「……!凛!!気ぃぬいてんじゃないわよ!!」

 

ツバサ「……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「よっ!」トッ

 

角間「ボールの先には優木!見事パスが通りました!」

 

凛「なっ…!いつのまに…」

 

にこ「ああもう…!」

 

ツバサ(……今……)

 

監督「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽【ディフェンス方程……】

 

あんじゅ「ほっ!」ドッ!

 

花陽(……っどうして遅れ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「花陽!!パスじゃない!!」

 

花陽あんじゅ「!!」

 

MF1「…!」ドッ!

 

 

 

 

 

 

 

花陽「はぁ!!」ガッ!

 

角間「音の木坂小泉、敵のワンツーを見事見破りボールを弾いたぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「よし!」

 

フミコ「にこ先輩今のよく気づきましたね……」

 

にこ「見りゃわかるわよあんなの」

 

監督「……」

 

ツバサ(あんじゅの特性とワンツーの合わせ技が破られるなんてね……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「ギリギリでピンチをしのいだ音の木坂ぁ!!しかし以前ゴール前!」

 

エレナ「そうやすやすとチャンスは逃さない」ザッ

 

花陽「っ…!」ピタッ

 

花陽(一度下がって……)ジャリッ……

 

エレナ ジリッ……

 

花陽「……逃してはくれませんか」

 

エレナ「当然だ」

 

花陽「………」フゥ……

 

エレナ「……!」

 

花陽(……エレナさんのディフェンス時のクセ、反応速度、戦い方……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「体重移動のタイミング、目線の動きと行動の関連性」

 

花陽「……へ?」

 

ヒュッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

トッ……

 

花陽「……なっ…!?」ガクッ

 

エレナ「………【ディフェンス方程式】……だったか?」トトッ

 

花陽「うそ……」ドサッ…!

 

角間「〜〜〜!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「統堂見事小泉からボールを奪いましたぁ!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

にこ「そんな……」

 

海未「花陽が………読み負けた…」

 

監督(………ディフェンスの要、小泉にとどめを刺しにきたか)

 

凛「かよちん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽(フィジカルで負けてる分、読み合いでここまで戦って来た……のに……)

 

花陽(……それすら勝てないなら……)

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「私……私は……」

 

エレナ「………」クルッ タッタッタッ

 

花陽「……っ…!」ギリッ

 

 

 

 

 

 

 

花陽「ああああああ!!!」バッ!

 

角間「ボールを取られても諦めない小泉!!粘り強いディフェンスだぁ!!」

 

エレナ「………」

 

 

 

 

 

 

 

クルッ

 

花陽「あぐっ…!」ドシャッ……!

 

エレナ「……悲しいな」

 

タッタッタッ

 

花陽「……っ…ぅぅ…」ギリッ…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「ツバサ」ドッ

 

ツバサ「ええ」トッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピューーーーーーイ!!!

 

ドシュドシュドシュドシュ

 

ギュォォォォォォォオオオオ!!!

 

 

 

 

 

 

 

ツバサエレナあんじゅ【こうていペンギン三号!!】ドキュッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォォォオ!!!!!

 

角間「UTXの必殺シュートが音の木坂ゴールを狙います!!」

 

海未絵里「……穂乃果……!」

 

ことり凛「穂乃果ちゃん……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

パチッ… パチッ…

 

穂乃果(そうだよ、いつも通り……やれ、ば……?)

 

ググググッ……!

 

ドロドロドロ………

 

穂乃果「そんな…どうして……!」

 

海未「穂乃果!!」

 

にこ「っち……!海未の悪い予感が当たった……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果ママ(……パズルの枠とはいわば、あなた自身の器)

 

穂乃果ママ(限界を超えるために枠を壊したということは、今までの自分を否定したと同義)

 

穂乃果ママ(…………魔王の支配からは逃げられない)

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォォォオ!!!!

 

角間「凄まじいシュートが音の木坂ゴールへと向かいます!!」

 

ドロドロドロ……

 

穂乃果(……ごめん海未ちゃん……)スッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「はぁぁ……!」グッ…!

 

ズズズズズズッ………!!!!!

 

角間「高坂構えました!止められるかぁ!?」

 

穂乃果(たとえ海未ちゃんに嫌われても、ここで入れられるわけにはいかない……)

 

穂乃果「絶対……決めさせない!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「いけますか、凛!!」ザッ

 

凛「まっかせるにゃー!」ザッ

 

穂乃果「……なっ…!?」

 

ドカァッ!!

 

海未凛「うぁぁぁ!」ドサッ

 

角間「園田、星空がシュートブロックに入るものの吹き飛ばされてしまいましたぁ!!!」

 

穂乃果「な…なにして……」

 

海未「これが……私たちの答えです」ググッ…!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

海未「まず穂乃果に使わないよう伝えます」

 

花陽「でもあの技、普通とは違う嫌な感じがして………そんなに簡単にいくかな……」

 

凛「凛もやな感じしたにゃ…」

 

海未「分かっています、もしどうしてもあの技を出してしまう場合は……」

 

 

 

 

 

 

 

海未「私が盾となります」

 

凛「それじゃあ海未ちゃんが……!」

 

絵里「穂乃果を助けるために、あなたが怪我をしたんじゃ本末転倒よ?」

 

海未「……私一人の力では足りないことも分かっています……なので……」

 

ペコッ

 

絵里「う、海未…!?」

 

海未「力を貸してください」

 

 

 

 

 

海未「穂乃果のために」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォォォオ!!

 

角間「ボールは威力を削がれながらも依然ゴールへ向かっていきます!!

 

穂乃果「!…穂乃果が……!」グッ

 

花陽(……武器を奪われた今の私に出来ること……!)タッタッタッ

 

花陽「はぁぁぁ!!」バッ

 

ギュルルルルル!!!!

 

バチィッ……!

 

角間「小泉止めたぁ!!!音の木坂ディフェンスを固めてきたかぁ!?」

 

花陽「うぐっ……!」ゴロゴロ……ドサッ!

 

凛「かよちん!大丈夫?」ゴホゴホッ

 

花陽「うん…!平気!」ググッ

 

穂乃果「……なんで……」

 

亜里沙(………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワーワーキャーキャー!

 

トッ

 

角間「再びUTXがボールを押さえました!!」

 

花陽「行かせません!」ザッ!

 

ツバサ「……!」

 

花陽【ディフェン……】

 

ツバサ「ほっ!」ドッ!

 

花陽「っく…!」はぁ…はぁ…

 

花陽(さっきより遅れてる……)

 

角間「ここは安全にパスが通りました!」

 

にこ「……」

 

 

 

 

 

 

エレナ「はぁ!!」ドッ!

 

角間「統堂ミドルシュート!!コーナーギリギリを狙います!!」

 

穂乃果「……っ!」グッ

 

 

 

 

 

 

 

絵里「ふっ!!」ガッ!

 

テンテンテン……!

 

角間「FWの絢瀬がDFに戻ってきていました!ナイスセーブ!!UTXのコーナーキックです!!!!」

 

穂乃果「絵里ちゃん……」

 

絵里「……なんて顔してるのよ、リーダー」ポンッ

 

亜里沙(……穂乃果さん)

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「UTXのコーナーキックです!」

 

MF2「よっ!」ドキュッ!

 

真姫「……ふぐっ…!」ガッ!

 

角間「これを西木野ナイスクリア!」

 

絵里「いいわよ真姫!」

 

凛「ナイスにゃ!」

 

亜里沙(………見て……)

 

 

 

 

 

 

 

 

ポーン!

 

 

 

 

 

 

 

トッ

 

ツバサ「……いつまでこんなことを続けるつもり?」ジャリッ……

 

穂乃果「…っ!」

 

亜里沙(……チームを見て)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピューーーーーーイ!!!

 

ドシュドシュドシュドシュ!

 

ギュォォォォォォォオオオオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「……わ……私は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサあんじゅエレナ【こうていペンギン三号!!】

 

ドゴォォォォォォォ!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォ!!!!

 

角間「強力な必殺技が音の木坂ゴールを襲います!!」

 

海未「……っぐ…!させま……せん!」ダッ!

 

絵里「そんなボロボロで行かせるわけないでしょう!!」バッ!

 

ドガァ!!

 

絵里「っぐ……!!」ドサッ

 

海未「絵里!!」

 

亜里沙 タッタッタッ

 

亜里沙(……穂乃果さんを想ってくれてる人が、こんなにたくさん……)

 

ダッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙(勝ち負けよりも大切なものが、目の前にありますから)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブワァァァ……!!ブワァァァ……!!

 

ギラン……!

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「……っ!」

 

絵里「亜里沙!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙【パンサーブリザード!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドギュルルルルルルルルル!!!!!!!

 

亜里沙「……っぐぐぐ……!!!!」ギリギリ…!

 

角間「絢瀬亜里沙がシュートブロック!!激しいぶつかり合いだぁ!!!!」

 

海未「亜里沙!!」

 

穂乃果「亜里沙ちゃん!!!」

 

 

 

 

 

 

亜里沙(……穂乃果さん)チラッ

 

穂乃果「……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(に)

 

 

 

 

(げ)

 

 

 

 

(ちゃ)

 

 

 

 

(だ)

 

 

 

 

(め)

 

 

 

 

(で)

 

 

 

 

(す)

 

 

 

 

(よ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「ーーーー……」

 

亜里沙 ニコッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルル!!!

 

バチィッ!!!!

 

亜里沙「きゃぁぁ!!!!」ブワァ!!

 

穂乃果「亜里沙ちゃん!!」バッ

 

パシッ!

 

穂乃果「うぐっ…!」ドサッ

 

ゴォォォォオォォ!!!

 

ガァン!

 

角間「絢瀬姉妹による賢明なシュートブロックによってボールはゴールポストへ!」

 

角間「UTXのコーナーキックです!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「だ、大丈夫!?亜里沙ちゃん!!」バッ!

 

海未「亜里沙!」バッ!

 

亜里沙「……うぅ……は、はい、大丈夫です……」ムクッ

 

穂乃果「よかった……」ホッ

 

亜里沙「ありがとうございます穂乃果さん、受け止めてくれて」ニコッ

 

穂乃果「……っ」チクン……

 

ヒデコ「本当に大丈夫なの?」

 

亜里沙「はい!ギリギリまで抑えましたから」

 

ミカ「よかったぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

ベンチ

 

監督「………どうした、さっきから黙って」

 

にこ「……どうして今日はこんなにみんなバラバラなのよ」ボソッ

 

監督「……」

 

にこ「試合はできてるけどなにかがおかしい………足りない?……いや、でも……」ブツブツ

 

にこ「………………………噛み合ってない」

 

監督「……なにか思い当たることがあったみたいだな」

 

にこ「!」パッ

 

監督「グラウンドで周りを気にせず自分勝手にプレイしてたら気づけなかっただろ?」

 

にこ「………はんっ!」

 

監督「行ってこい、矢澤部長」

 

 

 

 






今回も挿絵を描きました!

エレナさんにボールを一瞬で取られた花陽ちゃんです


【挿絵表示】



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「かっこいい先輩」



学校系で真面目な方にやらかしてしまいテンション下がりすぎてしまった乾電池です

今週の更新は難しいかもしれません

あとがきに挿絵載せましたのでよければ




 

 

 

 

 

監督「行ってこい、矢澤部長」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーー!!

 

角間「ここで音の木坂メンバーチェンジです、矢澤がMFに復帰しました!」

 

にこ「……」ザッ

 

凛「にこちゃん!」パァァ!

 

絵里「やっと戻ってきたわね」

 

海未「にこ、何か手はありますか?」

 

にこ「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「……にっこにっこにー」

 

海未「……はい?」

 

にこ「ほら復唱!」

 

にこ「にっこにっこにー!」

 

みんな「……」

 

海未「………すみませんにこ、今はそういう場合では……」

 

にこ「じゃあどういう場合なの?」

 

みんな「!」

 

にこ「全国の決勝、相手はUTX、観客は満員っていう最高の舞台」

 

にこ「そして……」

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「後半開始数分、一点ビハインド、敵のコーナーキックから試合再開」

 

みんな「……」

 

にこ「思ってるほど絶望的じゃないはずよ」

 

海未「にこ……」

 

にこ「はい、わかったらにこにこにー」

 

海未「どうしてそうなるのですか!」

 

にこ「いいから!はい!」パン!

 

海未「……に、にっこにっこにー……」

 

にこ「みんなも!」

 

「………にっこにっこにー……」

 

 

 

 

 

 

絵里「にっこにっこにー……」

 

花陽「にっこにっこにー…」

 

海未「にっこにっこにー……」

 

凛「……にっ………ブフゥ…!!」

 

花陽「凛ちゃん!?」

 

ことり「ふふ……ふふふふ…!」プルプル

 

真姫「………」クスッ

 

 

 

 

 

 

 

 

あっはははははは!!

 

凛「なんでみんな……ふっ…!真顔で……あっははは!!」

 

ことり「すっごくシュールだよぉ〜」プルプル

 

花陽「た、確かに……ンプッ…!」

 

絵里「し…!仕方ないじゃない!そんなテンションじゃなかったんだから!」

 

凛「はいはーい!海未ちゃんのモノマネ!」

 

凛「………にっこにっこ……ブフゥッ!!」

 

海未「りーんー!!」

 

凛「無理無理!思い出すだけで………あっはははは!!!」

 

海未「黙りなさい!」ギリギリ…!

 

凛「にぎゃぁぁぁぁああ!!」ギリギリ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「……あと1時間もすればこの時間は終わる」

 

みんな「!」

 

にこ「ここにきてよかったって心の底から思いたい」

 

「……」コクリ

 

にこ「勝つわよ!」

 

みんな「おおおおおお!!!」

 

穂乃果(………すごいなぁにこちゃんは)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミカ スタスタスタ

 

にこ「あ!ちょっと!」

 

ミカ「!」クルッ

 

にこ「……ここまでありがと」スッ

 

ミカ「……お願いします」ニッ

 

パンッ!

 

 

 

 

 

 

DF2「……あんのアホォ………!」

 

MF1「亜里沙には毎回ヒヤヒヤさせられますね……」ヤレヤレ

 

ツバサ「……」

 

エレナ「亜里沙が心配か?」

 

ツバサ「……それもだけど……」チラッ

 

ツバサ「ちょっとめんどくさくなるかもしれないわね」

 

あんじゅエレナ「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「UTXのコーナーキックから試合再開!!両者配置につきます!!」

 

にこ「……花陽」

 

花陽「どうしたの?」

 

にこ「…………」ボソボソ

 

花陽「……!」

 

にこ「………」ボソボソボソボソ

 

花陽「……っ!」グッ

 

にこ「……返事は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「はい!」ニコッ

 

にこ「……よし」ニコッ

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果(……)チクン……チクン……

 

にげちゃだめですよ

 

穂乃果「…………逃げてなんか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほんっと今日は天気悪いわね〜!」

 

穂乃果「に、にこちゃん!?」

 

にこ「何よ、幽霊でも見たような顔して」

 

穂乃果「いきなり目の前にいたからびっくりしてるの!」

 

にこ「あっそ」

 

穂乃果「対応が冷たい!!」

 

にこ「……ねぇ穂乃果」

 

穂乃果「?」

 

 

 

 

 

 

 

にこ「あんたはさ……なんでサッカーやってんの?」

 

穂乃果「……は?」

 

にこ「だから、なんでそんなにこの試合に勝ちたいの?」

 

穂乃果「急にそんな……」

 

にこ「いいから」

 

穂乃果「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果(廃校を救うため……?いや、それもだけど……)

 

穂乃果(バカにしてた人たちをギャフンと言わせるため……?いや、それは成り行きで……)

 

穂乃果(三年生たちにいい思い出を残してあげたいから?……いやそれだけじゃ……)

 

穂乃果(………………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「………リーダーだから」

 

にこ「……そ、わかった」ザッ

 

にこ「じゃ、行くわね」スタスタ

 

穂乃果「………っ」ドクン……

 

穂乃果(なんとなくわかる、多分ここだ)

 

穂乃果(ここが分かれ道なんだ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「………っ穂乃果!どうすればいいのかなぁ!」バッ!

 

にこ「……」ピタッ

 

穂乃果「みんな……頑張ってきたから……!」

 

穂乃果「穂乃果が迷惑かけるわけにはいかなくて……」

 

穂乃果「だから無理してでもって……なのにそのせいでまた迷惑かけちゃって……」

 

にこ「……」

 

穂乃果「穂乃果はリーダーなんだよ……!!」

 

にこ「…!」ビクッ…!

 

穂乃果「みんなを元気付けたり、プレーで引っ張ったりしなきゃいけないのに……なのに……!」

 

穂乃果「……何もできてない」

 

にこ「……」

 

穂乃果「……思ったよ」

 

穂乃果「さっきみんなを元気付けたのがどうして穂乃果じゃないんだろう」

 

穂乃果「どうして落ち込ませたのが穂乃果なんだろうって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「………」

 

にこ「それで全部?」

 

穂乃果「……うん」

 

にこ「つまり……」

 

にこ「実力不足で迷惑かけたくないから無理したけどそれでまた迷惑かけちゃった、もうどうしていいのかわからない、ってことね?」

 

穂乃果「まあ……大まかには……」

 

にこ「……はぁ……」

 

穂乃果「……こんなのがリーダーでがっかりした?」

 

にこ「いーや全く」

 

にこ「強いて言うならそれを誰にも相談してないことにがっかりした」

 

穂乃果「うぅ……」

 

にこ「私たちも超人じゃないんだから全部察するなんてできない、海未あたりに言われてたんじゃない?相談しろって」

 

穂乃果「当ったり〜……」

 

にこ「いっつもバカやってるくせに肝心なとこでは一人で抱え込みすぎなのよあんたは」ワシャワシャ

 

穂乃果「あわわわわ…!」ワシャワシャ

 

にこ「あんたは立派にリーダーやってる、頼りにしてるわよ、これでも」

 

穂乃果「にこちゃん……」ボサァ……

 

にこ(……みんなで穂乃果を守ろうってなった時、正直あんたに嫉妬した)

 

にこ(リーダーに必要な素質、そして……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「そんなにやりたいなら一人でやればいいじゃん」

 

「そだね、私たちは退部するから」

 

にこ「ちょ…それじゃあ人数が……!」

 

「頑張れ〜」フリフリ

 

ガラガラ…ピシャッ!

 

にこ「そんな……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

にこ(私が最後まで持ち得なかったものだから)

 

穂乃果「……?」

 

にこ「……というか」

 

にこ「そもそもあんた以外には考えらんないのよ」

 

穂乃果「……監督にも言われた、それ」

 

にこ「しっかりしなさい、リーダー」バシッ!

 

穂乃果「いたっ!」

 

にこ「どれだけつまづいたって立ち止まったっていい、ただ道を踏み外さなければ」

 

穂乃果「……もし踏み外しそうになったら?」

 

にこ「何言ってんのよ」

 

 

 

 

 

 

 

にこ「そのために私たち(チーム)がいるんでしょうが」

 

穂乃果「……!」

 

にこ「あんたはいっつも先頭走って後ろを振り返らないんだから」

 

にこ「たまには先輩の背中を黙って見てなさい」ザッ

 

穂乃果「にこちゃん………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「先輩禁止だよ?」

 

にこ「空気読め」

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「こっそり全て聞かせていただいていたのですが……」ヌッ

 

穂乃果にこ「……!!」ビクッ

 

海未「私にしなかった相談をにこには随分簡単にしたものですね?穂乃果」ギリギリギリギリ……!!

 

穂乃果「アゥ……アイアンクロゥゥゥゥ……!!!!」メキメキメキメキ

 

にこ(海未の嫉妬怖……)ゾッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「うぅ〜……!痛いよぉ……」

 

海未「自業自得です」

 

にこ「うぇ……」

 

海未「……にこ」

 

にこ「んあ?」

 

海未「にこはなぜサッカーをしているのですか?」

 

にこ「は?なにそれ」

 

にこ「好き以外にないでしょ」

 

海未「……ふふ、にこらしいです」

 

にこ「あんたは?」

 

海未「……わかりませんか?」

 

にこ「まぁ、あんたは穂乃果だもんね」

 

海未「ええ」

 

海未「危なっかしくて見れられませんから」クスッ

 

にこ(過保護…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーー!!

 

角間「後半開始数分!まだまだ時間はたっぷり残っております!」

 

角間「一点ビハインドの音の木坂!!このピンチをしのげるかぁ!?」

 

にこ「……フー……」トントン

 

MF1 ドキュ!

 

エレナ「はぁっ!」バッ!

 

角間「統堂ヘディングの体勢!!」

 

にこ「……!」ザッ

 

エレナ「…っく…!」

 

海未「せやぁ!!」ドキュ!

 

角間「統堂間に合わず!園田が大きくクリアしました!」

 

凛「海未ちゃんさっすがー!」

 

エレナ「……やるな」

 

にこ「どういたしまして」ニッ

 

 

 

 

 

 

 

 

ミカ「?今統堂さんどうして飛ばなかったんですか?」

 

監督「……コーナーキックで全員がボールを見ている中、あいつだけがポジションを取ることだけに専念していた」

 

フミコ「それって……」

 

監督「どうせ跳んでも届かないからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「こっち!」

 

DF1「は、はい!」ドッ!

 

ツバサ「よし」トッ

 

花陽「……」ザッ

 

ツバサ「……」ジャリッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダッ!クルンッ!

 

ツバサ「悪いわね」タッタッタッ

 

角間「小泉を抜いたぁ!!」

 

花陽「……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

にこ「……花陽」

 

花陽「どうしたの?」

 

にこ「あんたは守備の要なの」

 

花陽「……!」

 

にこ「あんたがやられちゃったら私たちのディフェンスは崩壊する」

 

花陽「……花陽だって頑張ってる!!」

 

にこ「そんなことわかってるわよ」

 

花陽「へ?」

 

にこ「もう一度言う、あんたは守備の要なの」

 

花陽「……?」

 

にこ「最後の砦じゃない、要なのよ」

 

花陽「…!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

花陽「……凛ちゃん!」

 

凛「うん!」ザザッ!

 

ツバサ(小泉さんを囮に本命は星空さんのヘルプ……)

 

ツバサ「……この程度で」

 

あんじゅ「ツバサ!!後ろ!!」

 

ツバサ「…っ!?」クルッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「はぁぁ!!」ズザザザ!!

 

ツバサ(…っ!囮は星空さんで本命はこっち……!)バッ!

 

角間「UTX綺羅ツバサ!!見事ジャンプで避け……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

にこ「私たちの一人一人の力は強くない」

 

にこ「でも……あんたがいればどんな強敵にだって立ち向かえる」

 

にこ「あんたがいなきゃダメなの」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「うぐっ…!」グググッ

 

ツバサ(こ、これは……!)

 

ツバサ「きゃぁ!」ドサッ

 

テンテンテン……トッ

 

雪穂【ハンターズネット】

 

角間「小泉、星空、高坂の3人で綺羅の攻撃を止めましたぁ!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「……めんどくさいわね」

 

花陽「私は………守備の要ですから」

 

花陽(3人でなんとか止めたこの人を花陽は一人で止めようとしてたんだよね)

 

花陽(……過信してたんだなぁ、自分の力を)

 

 

 

 

 

 

 

 

監督「小泉は優れた分析力を持っているが故に、少しずつチームを頼るということを忘れていた」

 

ミカ「頼る………」

 

監督(……少しずつ、ズレを、歪みを整えろ)

 

にこ「次!来るわよ!」はぁ…はぁ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワーワーキャーキャー!

 

ドッ! トッ ドキュッ! トッ

 

ツバサ「エレナ!」ドッ!

 

花陽「亜里沙ちゃん!」

 

亜里沙「はい!」バッ!

 

エレナ「…っ…!」トッ ザザッ…!

 

角間「先ほどよりもディフェンスに勢いがついてきました!簡単にはパスを通させません!」

 

エレナ(矢澤にこによって小泉花陽が元のプレイを取り戻したか……)

 

エレナ(………確かにめんどくさいな)

 

ツバサ(そして何より……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「……」スゥ……

 

タッタッタッ

 

にこ ズザザッ!

 

あんじゅ「くっ…!」ピタッ

 

角間「優木を矢澤が徹底マーク!これではパスが出せません!!」

 

あんじゅ「あなたどうして……」

 

にこ「このにこにーが可愛い子を見逃すはず無いでしょうが」

 

角間「音の木坂ボールを奪えない!!しかしUTXもシュートまでいけなくなってきました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF1「とんだ伏兵ですね……」

 

エレナ「ああ、だがそれならそれで打つ手はある」

 

エレナ「アフロ!」ドッ!

 

アフロディ「ア・フ・ロ・ディ・だ!!」ダッ!

 

花陽「あっ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バサァ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アフロディ【ゴッドノウズ・インパクト!!】

 

ドゴォォォォォォォォオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォオオオオオオ!!!!

 

角間「膠着状態の中、UTXがゴールを捉えました!!」

 

穂乃果「……!」グッ

 

海未「私が止めます!」ダッ!

 

にこ「あんたはここにいなさいってば」ガシッ

 

海未「にこ…!?」

 

にこ「……」スゥ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「行くわよあんたらぁ!!」ダッ!

 

花陽凛「了解!!」バッ!

 

角間「矢澤、星空、小泉がUTXのシュートに立ち塞がります!!!」

 

エレナ「何をするつもりだ…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛(……千羽山戦では凛のせいで……)ザッ

 

花陽(木戸川清州戦では花陽が……)ザッ

 

にこ(決勝ではにこのせいで……)ザッ

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

花陽ママ「今回はね、必殺技についてみんなに集まってもらったのよ」

 

凛にこ「必殺技ぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ凛花陽「いやいやいやいや無理無理無理無理」

 

海未「やると言ったではありませんか」

 

にこ「そ、そうだけど……」

 

花陽「流石にこれは……」

 

凛「限度があるにゃ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「人間死ぬ気になればなんでもできるんです!!」

 

海未「チームのためなら一夜で城でも建てられるはずです!」

 

凛にこ花陽「ひぃぃ……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ(……やっと揃った)チラッ

 

花陽凛 コクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「にこ!!!」

 

凛「りん!!!」

 

花陽「ぱな!!!」

 

海未「……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クルッ……

 

スタッ!

 

ドドン……!!

 

にこりんぱな【一夜城!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルルルルルル!!!!!!

 

角間「こ、これはぁ!?矢澤、星空、小泉によるシュートブロックゥゥゥゥゥ

!!!」

 

にこ「……ッググググ…!!」グググッ

 

凛花陽「はぁぁぁぁ!!!」グググッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バチィッ!!

 

アフロディ「何……!?」スタッ

 

角間「止ぉめたぁぁ!!アフロディのシュートをまさかの完全ブロックだぁ!!」

 

にこりんぱな「っらぁぁぁぁ!!」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽ママ「あらぁ〜♪」フフフ

 

海未「……ぎゃふんですよ、3人とも」フフ

 

ことり「海未ちゃん嬉しそうだね」クスッ

 

海未「ええ、とっても」フフフ

 

にこ「ほらほらぁ!ボールいったわよ!」

 

穂乃果「ーーー…」

 

 

 

 

 

どうしてだろうか

 

この日、初めて自分より小柄な先輩を

 

心の底から

 

「……カッコいい」

 

と感じた

 

 

 

 

 

 

 

にこ「まだまだ時間残ってんのに足止めてんじゃないわよ!」

 

凛「わかってるにゃー!」

 

普段、おちゃらけてぶりっ子な一面もあるその先輩は

 

サッカーに対してはいつも真剣だった

 

 

 

 

 

 

 

 

弱い自分と向き合いたくなくて、みんなに迷惑をかけた

 

無意識のうちに逃げていた

 

後輩に言われるまでそのことにすら気がつかなかった

 

本当に……

 

「………かっこ悪い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お遊びでやるならさっさとやめなさい!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何処からか、初めて先輩にかけられた言葉が聞こえた気がした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポーン!

 

ヒデコ「オーライ!」

 

ツバサ「ふっ!」シュバッ!

 

ヒデコ「あっ…!」

 

角間「はじいたボールは綺羅がカット!!」

 

にこ(……穂乃果、あとはあんた次第よ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピューーーーーーイ!!!

 

ドシュドシュドシュドシュドシュドシュ

 

ギュォォォォォォォオオオオ!!!!

 

クルッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサエレナあんじゅ【こうていペンギン3号!!】

 

ドゴォォォォォォォ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「……!」

 

角間「おおっと!ここまでなんとかシュートブロックでゴールを防いだ音の木坂!!」

 

角間「しかし誰もブロックに入りません!!キーパーに全てを託しました!!」

 

穂乃果「………」

 

ツバサ「……穂乃果さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「あなたの答え、見せてもらうわよ」

 

穂乃果「……」グッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドロドロドロ……

 

ズズズズ……!!

 

ツバサ「……」

 

海未「……」

 

にこ「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みんなに助けられて

 

カチッ……

 

 

 

 

 

今まで積み上げてきたもの踏みにじって

 

カチッ…

 

 

 

 

 

かっこ悪い、情けない、頼りない

 

カチッ……カチッ……カチッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「…….でも」グッ……

 

カチッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「それが穂乃果(私)だ!!」バッ!!!

 

ゴォォォォオォォ!!!!

 

ツバサ ニッ

 

海未「穂乃果……!」パァァ……!

 

ことり「穂乃果ちゃん……!」パァァ……!

 

にこ「……ったく……ほんと世話がやけるんだから」

 

穂乃果(弱い自分を受け入れて、前を向け!!)バッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!!】

 

ギュルルルルルル………!!!

 

……ッシュゥゥゥゥゥ……!

 

パシッ

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「〜〜〜〜!!!」

 

角間「止ぉめたぁぁぁ!!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!

 

角間「防戦一方の中、ついにUTXのシュートを掴みました!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「〜〜〜!」ジンジン…!

 

穂乃果(……普通にキャッチするのがなんだか懐かしく感じる……)

 

穂乃果「あぁ……やっぱり楽しいなぁ」ポツリ

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「………さ、ここから忙しくなるわよ」クルッ

 

エレナ「少しは隠す努力をしないのか?」

 

あんじゅ「ニッコニコじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果ママ「パズルの枠とは自身の器」

 

穂乃果ママ「弱い自分を受け止め、あなたは人としてひとまわり大きくなった」

 

穂乃果ママ(まあまだ最後のピースは分かっていないようだけど)

 

穂乃果ママ「ようやくスタートラインに立てたわね、穂乃果」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「みんなー!!!」

 

穂乃果「謝るのは試合終わったらたくさんするから!!!試合終了までしまってこーー!!!」バッ!

 

みんな「おーーー!!!!」バッ!

 

角間「音の木坂が気合を入れ直します!」

 

海未「野球ではないのですから……」マッタク…

 

ことり(嬉しそう……)フフフ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「はぁー……すごいなぁ」

 

監督「……リーダーになるには何が必要だと思う?」

 

希「んー……チームを引っ張れること、どんな時も諦めないこと、それとー……」ンー…

 

監督「そいつが困っていたらつい助けたくなることだ」

 

希「!」

 

監督「どれだけ問題を起こしてもつい許してしまう、悩んでいたら手を差し伸べたくなる」

 

監督「そんなやつがリーダーになるんだ」

 

希「……」

 

 

 

 

 

 

 

角間「音の木坂の反撃です!!」

 

穂乃果「よーし!行くぞー!!!」ドッ!

 

ポーン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パシッ

 

穂乃果「あっ…」

 

海未「なっ…!?」

 

アフロディ「僕のことを忘れてもらっては困るな」トッ

 

角間「ア、アフロディのパスカット!!音の木坂全員虚を突かれたぁ!!」

 

花陽「凛ちゃん!!」

 

凛「うん!」ザッ

 

角間「これは素早い対応!アフロディどうする!?」

 

アフロディ「ふふ、神の力を見せてあげよう」スッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アフロディ【ヘブンズタイム】パチンッ…!

 

ピタッ

 

 

 

 

 

 

 

スタスタスタ

 

パチンッ…!

 

凛「……?あれ?」キョロキョロ

 

ブワァァァァァァ!!!

 

凛「へ?へ?……うわぁぁぁ!!」ブワァ!

 

ドサッ

 

アフロディ「ふふ、どうだい?神の力は」

 

角間「こ、これほ……アフロディのドリブル突破!!星空抜かれたぁ!」

 

にこ「凛!」

 

 

 

 

 

 

 

アフロディ「さぁ……」トッ

 

ツバサ「アフロ!」タッタッタッ

 

あんじゅエレナ タッタッタッ

 

アフロディ「後は任せたよ」ドッ!

 

花陽「しまっ…!」

 

花陽(対応が早すぎる……!初めから狙われてた!?)

 

ツバサ「進化したのは、こうていペンギンだけじゃない」

 

穂乃果「!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ダンッ

 

グルグルグル!!

 

ヒュォッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサエレナあんじゅ【ラストデスゾーン!!】

 

ドゴォォォォォォォォオオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォオォォァァァアア!!!!!

 

角間「ま、またもやUTXの新必殺技だぁぁ!!音の木坂凌げるのかぁ!?」

 

にこ「うっはぁ〜……!」ゾクゾクッ…!

 

花陽「敵なのに、ピンチなのに、感動しちゃいます…!」ゾワァッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「させない!!」グッ…!

 

ゴォォォォォォオォォ!!!!!

 

角間「高坂も正面から受けて立ちます!!」

 

にこ「止めなさい!穂乃果!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!!】バッ!

 

ギュルルルルル!!!!!

 

穂乃果(……っ!もう驚かないって思ってたのに……いっつも想像を超えられる……!!)

 

ズズズズ……!!

 

穂乃果「っぬぬぬぬ……!!」ググッ…

 

角間「少しずつ、しかし確実に押し込まれる高坂!!耐え切れるかぁ!?」

 

海未「………心配はしませんよ、穂乃果」

 

穂乃果「………」ニッ

 

タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

ズザザッ…!

 

ガシッ

 

穂乃果「………遅いよ雪穂」

 

雪穂「……さっきのまだ怒ってるからね」

 

穂乃果「うぅ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ(……そう、メンバーに頼ることは、情けないことでも、かっこ悪いことでもない)

 

にこ(頼れる仲間がいるってことは、すごい事なのよ穂乃果)

 

穂乃果「………任せたよ、雪穂」グッ

 

雪穂「うん!」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

メキメキメキ……!!

 

ツバサ「……!」ゾクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果雪穂【ホムラ・ザ・ハンド!!】

 

ギュルルルルル!!!!!!

 

穂乃果雪穂「はぁぁぁぁ!!!」グググッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ッシュゥゥゥ……!!

 

角間「……とっ……止めたぁぁ!!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

角間「二度のピンチを見事に凌ぎましたぁぁ!!」

 

ツバサ「……はー」

 

穂乃果(……体に異変はなし……!)グッ

 

穂乃果「よーし!今度はディフェンスも攻撃だー!みんな攻めるよー!!」ドッ!

 

角間「今度こそ!音の木坂の反撃だぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂「いこ!亜里沙!」

 

亜里沙「うん!」

 

海未「行きますよことり!」

 

ことり「ゴーゴー!」

 

花陽「凛ちゃん!私たちも……」

 

凛「真姫ちゃんいくにゃー!」グイッ

 

真姫「わ、わかってるわよぉ!」ダッ!

 

花陽「あ……」

 

凛「にゃー!!」タッタッタッ

 

真姫「………」チラッ

 

花陽「……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽 ポツン……

 

 

 

 






長い……8300文字……



先輩の背中


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「小泉花陽、嫉妬」



嫌なことがあっても「ラッキー!」って思えば人生プラスに進むって聞いたので実践しようとしている乾電池です

学校から帰ったら豚の角煮を作ります




 

 

 

 

 

 

花陽 ポツン……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

行かせないっす!

はぁ!!

うわぁ!!ドッ!

そっち!

まだまだぁ!

おりゃあ!!

 

角間「これは激しいぶつかり合い!!主導権を握るのはどちらのチームだぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「……!」ハッ

 

花陽(何ぼーっとしてるの!せっかくチャンスなのに……)パッ…!

 

 

 

 

 

 

 

真姫「次は決めるわよ!凛!」タッタッタッ

 

凛「もちろんにゃ!」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キュウッ……!

 

花陽「……っ」ギュッ…

 

花陽(なんで、今更……大丈夫、もう乗り越えた……)

 

花陽(……せっかく穂乃果ちゃんが戻ってきたのに……いらない、こんな感情……)

 

花陽(そんなんじゃない……そんなんじゃ……)

 

花陽(……………………嫉妬なんか)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当に?

 

花陽「……!」ビクッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


花陽「凛ちゃん!真姫ちゃん!」ガシッ!

 



凛「ウブブブ!……ップハ!かよちん苦しいにゃぁ!」ググッ 



 

真姫「あはは!」ググッ

 



花陽「やったよぉぉ!!」………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「真姫ちゃんと一緒にここで練習したなって」

 

凛「何回も何回も大変だったにゃ〜!」

 

花陽「………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「ーーっ…!」ザワッ…!

 

花陽「……なんで……こんな……」はぁ…はぁ…

 

嫉妬してるんでしょ?

 

花陽「……もう克服した」

 

否定はしないんだね

 

花陽「……うるさい」

 

ほら、あれを見て

 

花陽「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いーち!にーい!さーん!パシッ

あーあ、引っかかっちゃった!

 

花陽「あれは……子供の頃の凛ちゃんと……真姫ちゃん……?」

 

みんなから外れて一人で座り込んでる子は誰かな?

 

花陽「……私」

 

大きななわとび、怖くて入れない

 

花陽「……運動苦手だから」

 

凛ちゃんをとられたくないんでしょ?

 

花陽「…!」

 

新しい事始めるのは怖いくせに凛ちゃんはとられたくない

 

花陽「……うるさい」

 

傲慢だね、わがままだね、醜いね

 

花陽「……」

 

キャー!ほら!もう一回!

 

はなよ「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……楽しそうだね

 

花陽「……うん」

 

……はなよは一人だね

 

花陽「……うん」

 

『私もやりたい』

 

花陽「……」

 

そんな一言が怖くて言えない

 

花陽「……やっぱりあなた」

 

……そう、私は怖がりな花陽

 

私がいたからあなたは小さな頃から大きな怪我もなく健康に育った

 

花陽「……挑戦する前に諦めてたから」

 

正解

 

でもあなた、少し変わったね

 

花陽「みんなが変えてくれたのかな」

 

変わらない方が良かったかも

 

花陽「そうかもね」

 

今まで通り凛ちゃんと2人で……

 

花陽「それは無理だよ」

 

なんで?

 

花陽「……だって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「みんなといる楽しさを覚えちゃったから」

 

……でも、私がいたら凛ちゃんとられちゃうよ?

 

花陽「縄跳び怖いもんね」

 

新しい事を始めるのがでしょ

 

花陽「……」フフフ

 

クスクス

 

花陽「凛ちゃんと並ぶために、花陽も挑戦しなきゃ」

 

………怖いけどね

 

花陽「いつまでも子供じゃいられないよ」

 

私はもういらない?

 

花陽「だーめ、何があっても一緒だよ」

 

でもそれじゃああの子はずっと……

 

はなよ「………」

 

花陽「大丈夫だよ」

 

どうして?

 

花陽「私がいるから」ザッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「………ねぇ」

 

はなよ「!」ビクッ

 

花陽「こんなところでなにしてるの?」

 

はなよ「………」

 

花陽「……教えてほしいなぁ」

 

はなよ「……りんちゃんは……はなよとなかよしなのに……」

 

花陽「りんちゃん取られちゃったの?」

 

はなよ「……」コクッ

 

花嫁「仲間に入れてって言うのは?」

 

はなよ「……なわとび……怖い」フルフル

 

花陽「……じゃあ私と行こっか!」

 

はなよ「え?」

 

花陽「二人なら怖くないでしょ?」

 

はなよ「……うん」

 

花陽「じゃあほら、手を繋いで……」ギュッ

 

はなよ「……」ギュッ

 

花陽「せーの!」

 

はなよ「……っ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いーれーてー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

角間「先ほどとは一転!音の木坂がペースを掴みますがあと一歩、押し切れません!!」

 

海未「ほっ!」トッ

 

ツバサ「あなたとの1on1懐かしいわね」

 

海未「……!」ザッ

 

海未(対峙しただけで伝わってくるこの威圧感……!)ゾクッ

 

ツバサ「いただくわよ」バッ!

 

ザッ ガガガッ! ザザッ

 

海未「……っ!?」グラッ

 

海未(速……すぎま……!!)

 

ことり「海未ちゃん!」

 

海未(なんとか奪われるのだけは…)

 

あんじゅ「隙あり♪」ガッ!

 

海未「っぐ……!」

 

角間「優木、ボールを蹴り出したぁ!!」

 

海未(いつの間に後ろに……)

 

にこ「はぁ……はぁ……」

 

エレナ(元々の身体能力はあんじゅの方が上だ、正攻法なら矢澤にこのマークは怖くない)

 

あんじゅ(よし、このまま流れを……)

 

テンテンテン……

 

 

 

 

 

 

 

 

シュバッ…!

 

花陽「よし!」トッ

 

あんじゅ「なっ……!」

 

角間「DFの小泉が上がってきていました!!見事ボールを奪取です!!」

 

にこ「いいわよ花陽!」

 

凛「さっすがかよちんにゃ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

タッタッタッ

 

花陽(サッカー部に入るのを迷ってたとき、凛ちゃんが私の手を引いてくれたように)

 

花陽(何かを始めるときはいつも凛ちゃんが連れて行ってくれた)

 

角間「小泉ここからどう展開するつもりだぁ!?」

 

タッタッタッ

 

花陽(……けど、初めてのUTXとの試合、私は凛ちゃんの背中を押した)

 

花陽(前を走る勇気もないくせに凛ちゃんの背中を押し出した)

 

花陽(………だから)

 

 

 

 

 

 

 

 

パシッ パシッ

 

花陽「凛ちゃん!真姫ちゃん!いくよ!」

 

真姫「……遅いのよ、全く」クスッ

 

凛「ぅ〜〜〜!!テンション上がるにゃー!」

 

花陽(今度は私が、2人の前を走る番…!!)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛ママ「自分は守備だからといって攻撃には関係ないと思ってる人〜?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

タッタッタッ

 

グッ ダンッ……!!

 

グルグルグル グルグルグル

 

角間「これはぁ!【ファイアトルネードDD】かぁ!?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛ママ「試合に出てる以上誰にだってチャンスは来るからな〜!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

花陽「ふっ!」ダンッ!

 

クルクルクル

 

ググッ……ギュフッ……!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

花陽(正直自分が攻撃するなんて思ってなかったので、聞くこと知ること全てが新鮮でした)

 

花陽(まあ攻撃なんて花陽には縁のない話だけど……)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

はなよ(今までと違うことをするってとっても怖いの)

 

でももっと怖いものがあるよね

 

花陽はなよ(うん)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダメな自分から変われないこと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!

 

真姫凛花陽「いっけぇぇぇぇ!!!!!」

 

ゴォォォォオォォオオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

角間「小泉が加わりはるかにパワーアップした【ファイアトルネードDD】いや……新必殺技だぁ!!!」

 

ことり「かよちゃぁぁあん!!!」

 

にこ「花陽ぉぉぉ!!!」

 

海未「…【ファイアトルネードTC】……」

 

あんじゅ「スッゴ……」

 

穂乃果「いっけー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GK「……!」ググググッ……!

 

ダラン……

 

 

 

 

 

 

バッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GK【ハイビーストファング!!】

 

ガブゥッ……!!!

 

ギュルルルル!!!!

 

GK「ッググググ………!!」ズズズッ……!

 

真姫凛花陽「はぁぁぁ!!!」

 

GK「っ……!」ググググッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バチィッ……!!

 

GK「きゃぁぁぁあ!!」ドサッ

 

シュルルルルルル!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫凛花陽 スタッ

 

真姫凛花陽「………よし!!」グッ

 

角間「決まったぁぁぁ!!!!後半残り半分、音の木坂遂に同点!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!

 

角間「試合を振り出しに戻しましたぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「やったにゃー!かよちん真姫ちゃん!」ギューッ

 

真姫「……当然でしょ!」クルクル

 

花陽「えへへ……!」はぁ……はぁ……

 

花陽(や……やった……!)はぁ……はぁ……

 

海未「ええ、素晴らしかったです」

 

花陽「海未ちゃん!」

 

海未「そしてシュートの前、にこ、凛、花陽、雪穂………」

 

海未「……穂乃果」

 

にこ凛花陽雪穂穂乃果「!」

 

海未「最高のプレーでした」

 

みんな「……!」

 

凛「にゃ……!?う、海未ちゃんが褒めるなんて……」ゴクリ……!

 

にこ「縁起でもないわ……」ブルッ…!

 

海未「どうしてあなたたちは素直に褒められてくれないのですか?」

 

花陽「あ…はは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「穂乃果」

 

穂乃果「?」

 

海未「……笑って終わりましょう」スッ…

 

穂乃果「……もちろん!」トンッ……!

 

海未「……」フフ

 

海未「ついでに聞きたいのですが穂乃果」

 

穂乃果「どうしたの?」

 

海未「私ってそんなに恐いですか?」

 

穂乃果「……エ」フイ……

 

海未「穂乃果、どうして目をそらすのですか」

 

穂乃果「……」

 

海未「穂乃果」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GK「………」

 

ツバサ「気にしないで、次集……」

 

GK「次は止めます」

 

ツバサ「!」

 

GK「ゴールは任せてください」ギュッ…!

 

ツバサ「……もちろん」ニコッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

UTX1-1音の木坂

 

ビーーーーー!

 

角間「UTXボールから試合再開です!」

 

ツバサ「いくわよ!!」

 

みんな「おお!!」

 

 

 

 






小泉花陽


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「南ことり、何か」


母の誕生日でケーキを食べて幸せな乾電池です

初めて安価のss書いてるんですけど結構楽しいですね




 

 

 

 

 

 

 

UTX1-1音の木坂

 

ビーーーーー!

 

角間「UTXボールから試合再開です!」

 

ツバサ「いくわよ!!」

 

みんな「おお!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛ママ「みんな上がってきてるなぁー!」パタパタ

 

真姫ママ「流れが戻ってきたわね〜」

 

凛ママ「だなー!」パタパタ

 

絵里ママ「パタパタしない」

 

凛ママ「は、はい!すいません……」ピタッ

 

絵里ママ「あっ……」

 

凛ママ「も、もうしませんから!」ピシッ

 

絵里ママ「……そう」

 

凛ママ「………」シュン…

 

絵里ママ「…………」

 

 

 

 

 

 

絵里ママ(あああぁぁぁ………!!せっかく楽しんでるのに何小言言ってるのよ!!)

 

絵里ママ(そうじゃないのよ星空さん、あなたを悪く言いたいわけじゃないのよ……!)

 

絵里ママ(現役の頃からそう……絶対怖がられてるわね)ハァ……

 

凛ママ「……!」ビクッ

 

凛ママ(た…ため息……!)ビクビク…….!

 

凛ママ(また怒らせたかぁ?)

 

凛ママ(……恐い)ハァ

 

絵里ママ(ため息……!)ビクッ

 

絵里ママ(めんどくさい先輩と思われたかしら!?思われた!?)

 

絵里凛ママ「………はぁ」

 

絵里凛ママ ビクッ

 

希ママ(二人の考えてることが手に取るようにわかって面白いわね〜)

 

花陽ママ(ね〜)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

ドッ!

 

凛「いっくにゃー!」トッ

 

角間「星空がボールを受け取ったぁ!!勝ち越しの起点となるかぁ!?」

 

DF1「いっかせないよー!」ザッ

 

MF2「たまにはいいとこ見せろよチビっ子!!」

 

DF1「あーもう、ほんと外野がうるっさいです!!」バッ

 

 

 

 

 

 

 

 

クルクルクル

 

ボファァァアァァァアアア!!

 

DF1【フレイムダンス!!】

 

角間「DF1が星空を捉えたぁ!!」

 

凛「あっまあまにゃー!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

クルクルクル……バッ!クルンッ……

 

バババッ……!

 

凛【アクロバットキープ・ブレイクダンス!!】

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

角間「星空捕まらない!!圧巻のキープ力です!!」

 

DF1「むぅー……」プクー……!

 

にこ「よっし!!」

 

凛「海未ちゃん!」ドッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「はい!」トッ

 

角間「園田にパスが通りました!確実にゴールへとボールを進めていきます!」

 

MF3「させないっす!!」バッ

 

ガガッ……!トッ、ザザッ……ジャリッ……!

 

海未「っ……!あなたもなかなかやりますね」トッ

 

海未(キープするのがやっと……!)

 

MF3「褒めても何も出ないっすよ!」ガガッ…!

 

MF3(特徴があるわけじゃない、シンプルに強いタイプ……めんどくさいっすね)

 

角間「これは激しい鍔迫り合い!!両者一歩も引きません!」

 

真姫「海未!こっちに!」

 

DF2「させるか並乳」ザッ

 

真姫「並……!?」ゴーン

 

 

 

 

 

 

 

MF3(……このままじゃラチがあかないっすね)バッ!

 

海未(……?距離をとった?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【クリエイション……!】

 

 

 

 

 

 

 

ズズズズズズ……!

 

海未「……!?分かれ道……」

 

MF3「さあ、どっちが安全な道っすかね〜?」

 

海未「……」

 

海未(何か罠が……いや、ない方が不自然ですね)

 

MF3「正解は………」

 

 

 

 

 

 

 

 

ズザザッ!!! ズザザッ!!!

 

海未「!?」

 

ことり「海未ちゃん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF3「どっちも大外れっすよ!!」

 

ドガァッ……!!

 

DF1、MF2【ハーヴェスト!!】

 

海未「うぐぁぁぁ!!!」ドサッ

 

ことり「ーーー……」

 

角間「園田からボールを奪ったぁぁ!!」

 

MF1「………あーあ」

 

 

 

 

 

 

 

MF1「私は知りませんからね」

 

MF2「よっし!!」トッ

 

DF1「先輩!ツバサさん達に……」

 

 

 

 

 

 

 

ゾクッ……

 

 

 

 

 

 

MF2、DF1「……っ」ビクッ…!

 

ことり「……海未ちゃんを傷つけないでって……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「言ったよね?」ジロッ

 

MF2「……言われてねぇよ!!」ザッ

 

DF1「初耳だよ!」ザッ

 

ことり「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり【アングリーバード】

 

 

 

 

 

 

 

 

MF2「……?何を……」

 

あんじゅ「上よ!」

 

DF1「上…?」バッ

 

キラン…!

 

MF2「こ、これは……!?」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

ズガン!!

 

DF1「うわぁぁ!!」ドサッ

 

MF2「大丈夫か……!」トトッ

 

ことり「……外した」

 

MF2(……今一瞬だけ見えた……あれは…)

 

 

 

 

 

 

 

 

ことりママ「猛禽類、例えば鷲なんかははるか上空から獲物を捕捉し、襲いかかる」

 

MF2「鳥型ミサイル……ってことか…!」ジャリッ……!

 

ことり「あと3発!」バッ……!

 

MF2(……まぁ)バッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……ズガン!!

 

海未「ことり……」グググッ…!

 

にこ「あんな攻撃的なことり……初めてみたわね」ググッ…!ヨイショ

 

凛「恐いにゃ〜……」

 

ことり「……あと2発!!」バッ!

 

MF2 バッバッ!

 

ズガンズガン!!

 

ことり「……!」

 

海未「そんな……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

MF2「……」ニィッ

 

角間「MF2 避け切ったぁぁ!!」

 

DF1「うっわすっごく悪い顔してる」

 

海未(連続であの攻撃を避けきるとは……何という体捌き……)

 

ことり「ちょこまかと……!」

 

MF2「残念だったな」ニシシ

 

ことり「海未ちゃんにひどいことする人は、私が許さない!」

 

海未「ことり……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『うぅー……っ』グスッ

 

『あはは!こいつすぐないておもしろいな!』

 

『ほのかぁ…ことりぃ……』グスグス

 

タッタッタッ

 

ザザッ!

 

『こらー!うみちゃんをいじめるなー!』

 

『ほのかがあいてだよ!!』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

海未(……昔はよく……こんな風にことりたちが助けに来てくれましたね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF2「許さないとどうなるんだ?」

 

ことり「……やる」ボソッ

 

MF2「あ?なんだって?」

 

ことり「ことりの…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おやつにしてやる」

 

ゾッ……

 

MF2「……へ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バクッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テンテンテン ……

 

トッ

 

ことり【ハングリーバード】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!

 

角間「み、南止めましたぁ!!一度は破られたかの様に見えたが見事敵の進行を防ぎましたぁ!!」

 

ことりママ(まるで餌を待つ雛鳥の様に下から……)

 

ことりママ「……いつの間にそんな好戦的な子になったのかしらね」フフ

 

 

 

 

 

 

ことり ダッ!

 

海未「……すごい」

 

ことり「………」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

海未ちゃんが傷つけられたのを見てついカッとなっちゃった……

 

今までどれだけ頑張ってもあんな風にできなかったのに

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ザッ ザザザッ

 

海未「ことり、もう少し強引でも構いません」

 

海未「絶対に取るんだという勢いで来てください」

 

ことり「で、でもぉ……」

 

海未「まったく……ことりは優しすぎるんですよ」ヤレヤレ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

優しいんじゃない、ただ弱いだけ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF2「くっそ……!」ムクッ…!

 

MF2(上に注意を引いて、本命は下か……やられた)

 

ことり タッタッタッ

 

角間「そのままドリブルで敵陣へ切り込んでいきます!!」

 

海未(敵にすら気を遣っていたあのことりが……)

 

 

 

 

 

 

海未ちゃんを傷つけられたのは激おこちゅんちゅん丸だけど

 

そのおかげで気づけた

 

ことり、強くなりたいよ

 

まだほんの一歩だけど、もっともっと

 

そのためなら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アフロディ「行かせないよ」ザッ

 

ことり「どいて!!」ダッ!

 

ガッ!ガッ!ググググッ…!!

 

角間「これは激しいぶつかり合い!どちらも譲りません!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな弱さ(優しさ)、いらないよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「っ……はぁぁぁ!!!」ガッ!

 

アフロディ「くっ……!」ドサッ

 

角間「南競り勝ちましたぁ!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

凛「ことりちゃんすごいにゃー!」

 

穂乃果「いっけーことりちゃん!」

 

海未「ことり!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 

ことり「私は……何もないから」

 



穂乃果「何もない?」

 



ことり「穂乃果ちゃんや海未ちゃんたちと違って……何も…」 


 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そしたら

 

 

 

 

 

 

グッ…!

 

ことり「……ふっ!」ダンッ!

 

バサバサバサ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私もみんなみたいに、《何か》を見つけられるかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!

 

ことり【シャイニングバード!!】

 

ゴォォォォォォォォ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォオォォオ!!!!

 

角間「み、南の必殺シュートです!!なんと鮮やかなシュートでしょうかぁ!!」

 

ツバサ「……悪いけど、気合ではどうしようもないこともある」

 

GK「……」グッ

 

ことり「……自分の実力ぐらい……わかってる…!!」

 

ツバサ「……!」

 

ことり「お願い!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「………任された」

 

グッ……

 

ダンッ!

 

ツバサ「………っち……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫(【ファイアトルネード】でシュートチェインを……)

 

真姫(……………いや……!!)グッ

 

絵里「…真姫?」

 

 

 

 

 

 

 

ディフェンス、ドリブル、シュート

 

西木野真姫はディフェンス、ドリブル、どちらも得意とは言えなかった

 

幼少期から一人で特訓していたため、対人センスがまるで磨かれていなかったからである

 

代わりに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グルグルグル!

 

ボフォォォォォォオオ!!!!!

 

角間「西木野のシュートチェイン……いや、これは……!?」

 

 

 

 

 

 

 

シュートセンスだけは、チームの誰よりも磨きこまれていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「うぉらぁぁぁぁ!!!!!」バッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!!

 

真姫【爆熱ストーム!!】

 

ゴォォォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォオォォオオオオ!!!

 

角間「西木野と南のオーバーライドだぁ!!!」

 

西木野ママ「!」

 

穂乃果「いっけー真姫ちゃん!!」

 

にこ「決まれ!!」

 

MF2「意地でも止めろ!!」

 

GK「……!!」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダラン………

 

 

 

 

 

 

 

 

バッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GK【ハイビーストファング!!!】

 

ギュルルルルル!!!!!!!

 

GK「っぐぐぐぐ……!!!」ズズッ……!

 

ことり真姫「決まれ!!」

 

DF2「止めてまえ!!!」

 

ギュルルルルルルル!!!!

 

GK「……!」ズズッ……!

 

GK(この人たちは……なんで、こんなに……!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GK(試合の中でっ……強くなれるの……!?)グググッ……!

 

ことり真姫「いけ!!!」

 

GK(……っ!……もう……限界……!!)ググッ…!

 

ギュルルルルル!!!!

 

GK「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GK「………」グッ…!

 

ことり真姫「!」

 

GK(……使えるものはなんでも使う)

 

バチィッ……!

 

角間「キーパー弾かれたぁ!!」

 

GK「……腕がダメなら」バッ

 

ツバサ「!」

 

 

 

 

 

 

 

 

GK「顔で!!」

 

バキィッ……!!!

 

GK「ブッ……!!」

 

ブワァ……!!

 

ゴロゴロゴロ! ドサッ…!

 

ポーン……!テンテンテン……

 

 

 

 

 

 

 

 

シーン……

 

角間「……………し」

 

角間「凌いだぁぁ!!!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!

 

イイゾーー!!ナイスガッツ!!

 

角間「UTXGK、体を張ったセーブで見事逆転を凌ぎました!!」

 

DF2MF2「よっし!!」

 

ことり真姫「なーー!?」ゴーン…!

 

角間「音の木坂のコーナーキックで………おや?」

 

あんじゅ「……!」ダッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポタポタ……

 

GK「ゴフッ……!」ポタポタ…!

 

あんじゅ「大丈夫!?」バッ

 

ピーーーーーーーー!!

 

角間「おおっと?UTX高校GKがゲガをしてしまったようです」

 

ナンダ?ハナジダッテ、ダイジョウブカナ

 

ザワザワ……ザワザワ……

 

GK「うぅ……」ダラダラ……

 

あんじゅ「上むいちゃダメ、鼻血は下を向かないと」

 

お姉さん「交代の前に軽く止血しちゃうよ」ザッ!

 

MF1「落ち着いて、ゆっくり呼吸してください」

 

DF1「痛いの痛いの〜……飛んでけー!」

 

MF2「そんなので治りゃ苦労しないっての」

 

お姉さん「…」ガサゴソ

 

お姉さん(この血の出方……結構深く傷ついてる可能性もある)

 

お姉さん(試合時間はあと15分ぐらい………もうグラウンドには帰ってこれないかも)

 

ガシッ……!

 

みんな「!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GK「………っ」グググッ……

 

お姉さん「………」

 

みんな「……」

 

GK「……」グググッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フッ……

 

GK「………」

 

GK「代わりのキーパーは……誰ですか?」

 

お姉さん「………」

 

みんな「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私が変わろう」

 

お姉さんみんな「!」

 

GK「……エレナさん?」

 

エレナ「私がキーパーに入る」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「だ、大丈夫かなぁ……」

 

真姫「あれを顔で止めるなんて……考えたくもないわね」ゾッ…

 

タッタッタッ

 

穂乃果「すっごかったよ!!ことりちゃん!真姫ちゃん!」

 

花陽「うん!バサバサって!」

 

海未「ことり……一体いつの間に」

 

ことり「分かんない!」

 

海未「……ことりらしいですね」フフ

 

絵里「真姫もよ!!あんなの隠し持ってたなんて!」わしゃわしゃ!

 

凛「そうやって真姫ちゃんは最後にいいとこ持ってこうとするんだにゃー!」わしゃわしゃ!

 

真姫「ゔぇぇぇぇぇ………!!!!」ボサァ…!

 

にこ「出し惜しみなんてするんじゃないわよ」

 

真姫「……ふんっ」

 

にこ グリグリグリ……!!

 

真姫「ゔぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫(……【クロスファイア】はキック力を補うために助走を入れた)

 

真姫(だからあの瞬間、【爆熱ストーム】もことりの技に被せたらできると感じた)

 

真姫(ここまでうまくいくとは思わなかったけど……)

 

真姫「……ことりに感謝しなきゃね」フフ

 

ことり「?」

 

真姫(………でも)

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫(どうして[できる]って感じたのかしら)

 

 

 

 

 

 

 

 

ベンチ

 

希「ことりちゃん……真姫ちゃん……」

 

監督「成長できるのは、かっこ悪くもがき続けたやつだけだ」

 

希「……言いたいことがあるなら言ったほうがいいですよ」

 

監督「言う必要があるか?」

 

希「……!」

 

監督「お前は全て分かってるはずだ」

 

希「……」

 

監督「それに」

 

監督「俺は二度同じことを言うのは嫌いだ」

 

希「……そ、ですか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

監督「凛!!」

 

凛「は、はい!?」ビクッ

 

監督「今グラウンドの中で全力で戦っていないのはお前だけだ!!」

 

監督「やる気がないならグラウンドから出ろ!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

希(……分かってるよ、そんなの)

 

希「って……んん!?」バッ

 

監督「……面白いことになったな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「負傷したGKはベンチへと運ばれていきます!」

 

パチパチパチ!

 

ヨクヤッタ!!カッコヨカッタゾー!!

 

角間「………おや…!?」

 

角間「な、な、何と言うことでしょう!!怪我で抜けたキーパーのポジションに統堂が入りましたぁ!!」

 

ナンダ?トウドウガキーパー?

 

マジカヨ!デキンノカ?

 

角間「残り時間も迫る中、この采配が吉と出るか凶と出るかぁ!?」

 

オモシロクナッテキタナ!!ガンバレ!!

 

監督「………」チラッ

 

穂乃果「はぇ〜……びっくりだねぇ」

 

にこ「うそ……」

 

花陽「あり得ないです……」

 

角間「音の木坂のコーナーキックで試合再開です!」

 

海未「絶対とりますよ!!」

 

みんな「おおお!!!」

 

エレナ「………」コキコキ

 

音の木坂1-1UTX

 

ピーーーーーーーー!

 

ドッ

 

 

 

 





プッツンことりちゃん

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「統堂エレナ、GK」



大きなテストが終わって一息ついている乾電池です

多分不合格…来年また受け直しですん…




 

 

 

 

 

 

 

角間「負傷したGKはベンチへと運ばれていきます!」

 

パチパチパチ!

 

ヨクヤッタ!!カッコヨカッタゾー!!

 

角間「………おや…!?」

 

角間「な、な、何と言うことでしょう!!怪我で抜けたキーパーのポジションに統堂が入りましたぁ!!」

 

ナンダ?トウドウガキーパー?

 

マジカヨ!デキンノカ?

 

角間「残り時間も迫る中、この采配が吉と出るか凶と出るかぁ!?」

 

オモシロクナッテキタナ!!ガンバレ!!

 

監督「………」チラッ

 

穂乃果「はぇ〜……びっくりだねぇ」

 

にこ「うそ……」

 

花陽「あり得ないです……」

 

角間「音の木坂のコーナーキックで試合再開です!」

 

海未「絶対とりますよ!!」

 

みんな「おおお!!!」

 

エレナ「………」コキコキ

 

音の木坂1-1UTX

 

ピーーーーーーーー!

 

ドッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里あんじゅ「はぁぁ!!」バッ!

 

角間「絢瀬と優木が飛びついたぁ!」

 

あんじゅ「ふっ!」ガッ!

 

角間「優木競り勝ったぁ!こぼれ球は音の木坂が押さえます!」

 

真姫「凛!花陽!」

 

凛花陽「了解!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グッ……ダンッ!

 

グルグルグル グルグルグル

 

ギュフッ……!

 

バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!!

 

真姫凛花陽【ファイアトルネードTC!!!】

 

ゴォォォォォォオォォ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「音の木坂がゴールを捉えたぁ!!交代直後の隙を突かれたかUTX高校!!」

 

エレナ「……」

 

GK「エレナさん……」

 

エレナ(……まさかまた、ここに戻ってくるとはな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

幼少期(小学生)

 

「みんなー!サッカーしよー!」

 

「いいよー!」

 

えれな「……私もいい?」

 

「えー……統堂さんサッカー下手じゃん」

 

えれな「でも……やりたい」

 

「キーパーならいいんじゃない?」

 

「うん!それなら!」

 

えれな「……ありがと」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グッ……!

 

バリバリバリ!!!

 

コォォォォォォォオォオオ……!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ【王家の盾!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルル!!!!

 

角間「統堂の必殺ワザです!!」

 

トメローー!!

 

ガンバレーー!!

 

エレナ「っぐ……!!」ズズッ……

 

GK「エレナさん!!」

 

エレナ「……!」ググッ……

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「はぁぁぁ!!」グッ

 

バチィ!!

 

ポーン……!

 

真姫凛花陽「なっ……!」

 

エレナ「うぐっ……!」ゴロゴロ……ズザザ!

 

角間「は、弾いたぁぁぁぁ!!!」

 

海未「そんな……!」

 

絵里「3人とも!まだまだこれからよ、すぐに……」

 

ワァァァァァァアァァァァアア!!!!!

 

音の木坂「……!」ビクッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨクトメターー!!!イイゾートードー!!!

 

ガンバレUTXーー!!!

 

ソウダ!!マケンナヨ!!

 

ユーティーエックス!!ユーティーエックス!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「な……なにこれ……」

 

UTX!!UTX!!UTX!!UTX!!

 

海未「会場が……」

 

UTX!!UTX!!UTX!!UTX!!

 

にこ「……っち……」

 

にこ(GK捨て身のブロック……からの統堂エレナのキーパー交代、セーブ)

 

UTX!!UTX!!UTX!!UTX!!

 

にこ(観客全部持っていかれた……!!)

 

花陽「っ……!」ぜぇ……ぜぇ……

 

花陽(しん………どい……!!)ゴホッゴホッ

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「……っ」フラッ…………グッ!

 

エレナ(……次は……まずいかもな)

 

ポーン……!

 

真姫「凛!花陽!!」タッタッタッ

 

凛「うん!」

 

花陽「りょ、了解……!!」ハァ……ハァ……

 

エレナ「!?」

 

花陽(……弱音は試合が終わってから好きなだけ吐けばいい)ハァ……ハァ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グッ

 

ダンッ!! ダンッ!!

 

グルグルグル グルグルグル

 

ギュフッ

 

バッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽(今…!!目の前のボールに全力を尽くす……!!)

 

ドキュッ!!!

 

真姫凛花陽【ファイアトルネードTC!!】

 

ゴォォォォォォォオォォオオオオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

角間「攻撃意思はどこにも負けない音の木坂!!残り時間も迫る中、失点は避けたいUTX高校!!凌げるかぁ!?」

 

DF2「……っのアホーーーーー!!!!」ゴーン…!!

 

エレナ「……はは……馬鹿だろ」タラッ……

 

トメロートードー!!キメラレンナヨ!!

 

エレナ「……っ…簡単にいってくれる」グッ

 

GK「エレナさん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「あら、あなたが弱音を吐くなんて珍しいわね」ザッ

 

あんじゅ「熱でもあるんじゃないの?」ザッ

 

エレナ「……!二人とも……」

 

ツバサ「……私ね、意外と負けず嫌いみたい」

 

海未「!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピューーーーーーイ!!!

 

ドシュドシュドシュドシュ

 

角間「これは【こうていペンギン】かぁ!?」

 

あんじゅ「ツバサにばかりいい格好はさせないわよ?」

 

ピューーーーーーイ!!!!

 

ドシュドシュドシュドシュ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサあんじゅ【こうていペンギン……】

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


あんじゅ「約束を破ると……怖いわよ~?」 



 

フードの子「で、でも!ツバサさんたちも禁止してるワザもってますよね?」 



 

エレナ「もってはいるがそれも同じだ」 



 

ツバサ「一発が限度………わかったかしら?」

 



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサあんじゅ【1号!!】

 

ドギュルルルルルルルルル!!!!!!

 

角間「綺羅と優木によるシュートブロックです!!」

 

海未「1号……!?」

 

穂乃果「こうていペンギンは2号と3号だけじゃ……」

 

亜里沙「これが……ツバサさん達が禁止していた必殺技……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルル!!!!!

 

ツバサ「……っ……あの日の悔しさは……!」

 

あんじゅ「1日だって……忘れたことはない…!」

 

ビキビキ……!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 

あんじゅツバサ「はぁぁぁぁ!!!」バッ

 



ドキュルルルルルル!!! 



 

あんじゅ「絶対に……!」ググググ 



 

ツバサ「止める!」ググググ 



 

角間「綺羅と優木がフォローに走っていたぁ!! 









 

ギュルルルルル!!! 



 

ツバサ「…….っぐ…!」ググッ 



 

あんじゅ「……なんて……威力なの!」グッ

 


あんじゅツバサ「きゃぁぁぁ!!!」ドサッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサあんじゅ「はぁぁぁぁ!!!!」ドキュゥッ!!!!

 

ゴォォォォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「はじき返したぁぁ!!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!

 

真姫「うっそ……」

 

海未「ディ、ディフェンス!!」

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!

 

海未「……!」

 

角間「全員攻撃を仕掛けていた音の木坂!!誰もブロックには入れません!!」

 

穂乃果「……!」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂「私がいる!!」ザッ

 

穂乃果「雪穂!」

 

雪穂【ハンターズネッ……!!】

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!

 

ドガァッ……!!

 

雪穂「うわぁぁぁ!!!」ブワァッ……!

 

角間「高坂吹き飛ばされてしまったぁ!!」

 

穂乃果「雪穂!!」

 

穂乃果「……!!」ハッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果(雪穂、飛ばされ………ポスト、ぶつかっ…危)

 

穂乃果(ゴール、入っちゃう……でも雪穂、が)

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!

 

雪穂(やっばい、体制が……!)ブワァッ……!

 

穂乃果「ーーーー……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「雪穂!!」バッ!!

 

雪穂「っ…!」パシッ

 

海未「!」

 

希「あ」

 

ドシュルルルルル……!!!

 

角間「………は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「入ったぁぁぁ!!!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

角間「残り時間10分!!UTX勝ち越し!!!」

 

角間「連続攻撃のツケが今!回ってきてしまいました!!」

 

角間「音の木坂にとっては手痛い追加点だぁ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「……雪穂!大丈夫!?」バッ

 

雪穂「……………なに、やってんのさ!!」ガッ!

 

穂乃果「…っ…」

 

雪穂「亜里沙の時とは違う……入っちゃったんだよ!!ゴールが!!」バッ!

 

雪穂「お姉ちゃんはキーパーなんだから……!!今の失点がどれだけ重たいか……」

 

穂乃果「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「よく受け止めましたね穂乃果」ザッ

 

雪穂「……海未さん……皆さんも……」

 

穂乃果「……ごめん、ゴール決められちゃった……」ニヒヒ…

 

海未「あなたはなにも間違ったことはしていませんよ」

 

海未「仲間を見捨てて得た勝利で喜ぶ人なんてこのチームにはいませんからね」

 

にこ「今のでもし、穂乃果が雪穂を見捨ててたらあんたのこと軽蔑してたわよ」ハンッ!

 

凛「あ、これは照れ隠しのにこちゃ痛い痛い痛い」ギリギリギリ……!

 

雪穂「でも……!」

 

雪穂(そもそも私がでしゃばらなかったら……)

 

亜里沙「コウカイアトサキニタタズ!だよ雪穂!」

 

雪穂「亜里沙……」

 

亜里沙「終わってないよ!試合!」フンスッ!

 

雪穂「……………………だめだ私、いつもすぐ弱気になって」ブルブル……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンパン!

 

雪穂「切り替えます!!!」キッ

 

亜里沙「ハラショー!」

 

海未「ふふ、その調子です」

 

ことり「うん!頑張ろう!」

 

亜里沙「ドウジョウスルナラカネヲクレ!だね!」

 

絵里「違う、誰亜里沙に変な言葉教えたの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「……」スッ

 

監督「いくのか」

 

希「……ウチ……」

 

監督「まだ迷いが見えるが、行きたいと言うのなら止めはしない」

 

希「……後悔、したくないから」

 

監督「……そうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「フミコちゃん」

 

フミコ「はい!」

 

希「このぬいぐるみ、捨ててきてくれんかな」

 

フミコ「へ……大事なものじゃないんですか?」

 

希「……お願い」

 

フミコ「………わかりました」

 

希「ふふ、ありがとう」ニコッ

 

タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「……不本意だけど、あの時の借りは返したわよ」

 

あんじゅ「カラダ、バキバキ、マッサージ」

 

エレナ「わかったわかった、終わったらしてやるから」

 

MF3「やったっすねツバサさん!!あんじゅさん!!」

 

MF2「シビれました!!」フンスッ!

 

DF1「エレナさんもすごかったです!」フンスッ!

 

DF2「FWもGKもできるとかほんまに同じ人間かって話やんなぁ……」

 

MF1「ですが本当に恐ろしいのはここからです

 

ツバサ「音の木坂は追い詰めれば追い詰めるほど強くなる」

 

ツバサ「………げ」

 

あんじゅ「……ん?………うぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「ここで東條がMFに復帰だぁぁ

!!」

 

角間「残り時間10分弱!!試合にどのような影響を及ぼすのでしょうか!!」

 

希「やほ〜!」フリフリ

 

絵里「希……!」パァァァァ!

 

希「残り時間も少なくなってきちゃったけど、最後まで頑張るやん!」グッ

 

海未「ふふ、頼もしいですね」

 

凛「うん!ね、かよちん!」クルッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「ゴホッゴホッ……!!………え?」ゼェ……ゼェ……

 

凛「か、かよちんどうしたの!?」

 

花陽「はは……ちょっと……頑張り……過ぎ、ちゃったみたい」ゼェ……ゼェ……

 

凛「……試合始まるまでまだあるから、少し休んでおくにゃ!」

 

花陽「あり……がと……!」ゼェ……ゼェ……

 

 

 

 

 

 

 

希「……迷惑かけたね」スッ

 

ヒデコ「……やっぱり私は、この11人が好きです!」スッ

 

パチッ!

 

角間「追加点を許した音の木坂!!残り時間も気になる中、どのような攻めを見せてくれるのでしょうか!!」

 

音の木坂1-2UTX

 

ピーーーーーーーー!!!

 

ドッ!

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

 

 





もちろんですが子供の頃から中学までGKという意味です!!

子供の頃から【王家の盾】は怖すぎる…

GK統堂エレナ、準備中


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「東條希、嫌いにならないで」


今日は早く帰ってきた乾電池です

今日のは長いです




 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「……」スッ

 

監督「いくのか」

 

希「……ウチ……」

 

監督「まだ迷いが見えるが、行きたいと言うのなら止めはしない」

 

希「……後悔、したくないから」

 

監督「……そうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「フミコちゃん」

 

フミコ「はい!」

 

希「このぬいぐるみ、捨ててきてくれんかな」

 

フミコ「へ……大事なものじゃないんですか?」

 

希「……お願い」

 

フミコ「………わかりました」

 

希「ふふ、ありがとう」ニコッ

 

タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「ここで東條がMFに復帰だぁぁ

!!」

 

角間「残り時間10分弱!!試合にどのような影響を及ぼすのでしょうか!!」

 

希「やほ〜!」フリフリ

 

絵里「希……!」パァァァァ!

 

希「残り時間も少なくなってきちゃったけど、最後まで頑張るやん!」グッ

 

海未「ふふ、頼もしいですね」

 

凛「うん!ね、かよちん!」クルッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「ゴホッゴホッ……!!………え?」ゼェ……ゼェ……

 

凛「か、かよちんどうしたの!?」

 

花陽「はは……ちょっと……頑張り……過ぎ、ちゃったみたい」ゼェ……ゼェ……

 

凛「……試合始まるまでまだあるから、少し休んでおくにゃ!」

 

花陽「あり……がと……!」ゼェ……ゼェ……

 

 

 

 

 

 

 

希「……迷惑かけたね」スッ

 

ヒデコ「……やっぱり私は、この11人が好きです!」スッ

 

パチッ!

 

角間「追加点を許した音の木坂!!残り時間も気になる中、どのような攻めを見せてくれるのでしょうか!!」

 

音の木坂1-2UTX

 

ピーーーーーーーー!!!

 

ドッ!

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

 

 

 

 

 

 

希「………」チラッ

 

希「!」バチッ

 

 

 

 

 

 

Aちゃん「……!」ビクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

希(……Aちゃん……)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

Aちゃん「のぞみちゃんおさいほーできるのー!?すっごーい!」

 

のぞみ「う、うん、なんとなくだけど」

 

東條希は、幼い頃から器用な少女だった

 

 

 

 

 

 

 

Aちゃん「のぞみちゃん絵すっごく上手だね!」

 

のぞみ「そ、そんなことないよ〜…!」テレテレ

 

東條希はあらゆる方面で器用だった

 

 

 

 

 

 

先生「よーし、今日はバスケットの授業をするぞー!二列に並べ!」

 

のぞみ「バスケット……?」

 

Aちゃん「のぞみちゃんしたことないの?」

 

のぞみ「うん、初めて!」

 

Aちゃん「じゃあ私が教えてあげる!実は私、バスケットクラブに通ってるんだ!」

 

のぞみ「すごい……!」キラキラ

 

先生「じゃあ誰か試しに……そこのおしゃべりしてる2人!出ておいで!」

 

Aちゃん「はい!」スッ!

 

のぞみ「え、えぇ〜……」スッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

パスッ……!

 

ワァァァァァ!!

 

スッゴーイ!アンナノムリダヨォ……

 

先生「Aは5本中3本か!すごいな!」

 

Aちゃん「えっへへ!」

 

先生「次、東條!」

 

のぞみ「えぇっと……」アワアワ

 

 

 

 

 

 

先生「東條は持ち方からだな、こうやって……」スッ

 

のぞみ「……こう?」スッ

 

先生「そうそう!上手いぞ!」

 

東條希は器用だった

 

 

 

 

 

 

先生「で、こう!」ヒュッ

 

……パスッ!

 

のぞみ「わぁ……!」パァァァァ!

 

先生「さ、やってごらん!」

 

のぞみ「はい!」

 

東條希は器用だった

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ(たしか、こうやって………)ググッ

 

先生「おっ!いいぞ!」

 

Aちゃん「がんばれー!」

 

のぞみ「……こう!」ヒュッ!

 

東條希は………

 

 

 

 

 

 

 

 

パスッ……!

 

器用すぎた

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

希「ど、どうして怒ってるの……?」ビクッ

 

Aちゃん「……バスケット、嘘ついてたの?」

 

のぞみ「嘘なんかじゃ……」

 

Aちゃん「初めてじゃないならそう言えばいいのに……!」

 

のぞみ「ほんとに初めてで……」

 

Aちゃん「じゃあ………!」

 

 

 

 

 

 

Aちゃん「5本全部なんて入るわけない!!」

 

のぞみ「それは……」

 

Aちゃん「心の中で私のことバカにしてたんでしょ!」

 

のぞみ「し、してない!!」

 

Aちゃん「……もういい」

 

Aちゃん「のぞみちゃんとは絶交する!!」

 

のぞみ「……!」

 

Aちゃん「もう話しかけてこないで!!」ダッ!

 

のぞみ「まっ……!」

 

Aちゃん「のぞみちゃんなんかだいっきらい!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

希(それからすぐに親の転勤が決まって、本当に離れ離れになっちゃったっけ)

 

希(あの日からうちは……)

 

 

 

 

 

 

 

 

「希!!」

 

希「……!」ハッ……!

 

パシッ!

 

角間「交代直後の東條にボールが回りました!」

 

DF2「勝負やエセ女ァ!!」ザッ

 

希「っ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DF2【スーパーしこふみ!!】

 

ヒュッ……!

 

希(……ここで奪われるわけには……)ダッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッ……!!

 

DF2「うぐっ…!」ドサッ

 

角間「東條強引にディフェンスを抜い……」

 

ピッ!

 

希「あ…」ピタッ

 

角間「おしい!これはファウルになりました!!少し強引すぎたかぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

DF2「いってて……」

 

希「ご、ごめんなさい…!」スッ

 

DF2「んぉ…?ああ、悪いな」スッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ご、ごめんなさい………」オズオズ…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

DF2(………あれ?この感じどっかで……)

 

希「……?なにか?」

 

DF2「あ、いや、なんもない」ガシッ

 

グイッ スタッ

 

DF2「……負けへんからな!」タッタッタッ

 

希「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パシッ!

 

希「いっ…!」

 

絵里「ほら!シャキッとする!」

 

希「……わかってるよ!」

 

にこ「休みすぎて体なまってんじゃないの?」ハッ!

 

希「……にこっち」

 

にこ「なに?またおばあちゃんって……」

 

希「勝とうね」

 

にこ「……?あんた大丈夫?」

 

希「もーひどいなぁ……」プクー

 

希「うちにも真面目な時ぐらいあるんよ?」ポヒュー

 

にこ「……初耳ね」

 

希「ワシワシ?」

 

にこ「悪意がすごい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピッ!

 

ドッ!

 

角間「UTXボールとなりました!一刻も早く点を取り返したい音の木坂!!どうする!?」

 

ツバサ「上がりなさい!!」トッ

 

ザザザッ!

 

海未「くっ……!」

 

角間「あくまで追加点を狙いに行くUTX!!」

 

凛(かよちんを少しでも休ませてあげないと……!)ザッ

 

角間「綺羅の前に星空が立ちふさがります!」

 

ツバサ「……」タッタッタッ

 

凛「行かせないにゃー!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュッ…クルッ

 

トッ

 

凛「……うぐっ!」

 

ツバサ「ごめんなさいね」

 

角間「星空をものともしない綺羅!!圧巻のドリブル突破です!」

 

凛「そんな……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「私……が!!」ザッ

 

ツバサ「……ふふ」トトッ

 

ザッザッ!クルッ!

 

花陽(フェイントからのターン…!)グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

カクッ

 

花陽「……っ……!?」ドサッ

 

ツバサ「体力のご利用は計画的に……ってね♫」

 

角間「小泉足がもつれたぁ!!疲労がたまってきているのかぁ!?」

 

花陽(考えろ……私で終わりじゃない、私が抜かれた後、誰が……誰を……えーっと……)ゼェ……ゼェ……

 

花陽(ーーーーーーー…)ハァ……ハァ……

 

にこ(慣れないシュート3本、プラス、花陽はこの試合中ずっとフルで頭を働かせてた………)

 

海未(そのツケが今……)

 

花陽「……っ」ゼェ……ゼェ……

 

ツバサ「……!」ブルッ

 

ツバサ(体も頭も限界のはずなのに……)

 

花陽 キッ…!

 

ツバサ「……」フフ

 

角間「ディフェンスラインを突破したぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「あんじゅ!!」バッ!

 

あんじゅ「ええ!」

 

にこ「来るわよ穂乃果!!」

 

穂乃果「…!」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バッ!

 

ツバサあんじゅ【ユニコーンブースト!!】

 

ドゴォォォォォォォォオオオオ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「シュートを放ったのはUTX高校!!音の木坂凌げるかぁ!?」

 

にこ「ここに来て新必殺技……!?」

 

花陽「……でもこれ……」ハァ……ハァ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!!】

 

ギュルルルルル!!!!!

 

角間「高坂正面から立ち向かいます!!」

 

海未「穂乃果!!」

 

雪穂「お姉ちゃん!」

 

穂乃果「……はぁぁぁ!!!」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュルルルルルル………!!

 

穂乃果「……よし!」

 

角間「とぉめたぁ!!」

 

ツバサあんじゅ「……くっ…!」

 

穂乃果「みんなー!!まだまだ行くよー!!」

 

みんな「おー!!」

 

角間「音の木坂の守護神高坂、頼もしいプレーでチームを引っ張ります!」

 

海未(よし、統堂さんが抜けたおかげで攻撃力が下がってますね。これなら……)

 

 

 

 

 

 

 

 

アー!オッシイー!

 

海未「…!」クルッ

 

ドンマイドンマーイ!ツギイケルゾー!!

 

にこ(そこは「ナイスセーブ!」でしょうが……!!)イラァ…!

 

穂乃果「……っ……希ちゃん!!」ドッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

希「……!」トッ

 

角間「東條へパスが通りました!!」

 

花陽「の、希ちゃん!……きて…ます!」ハァ……ハァ……

 

希「くっ…!」ピタッ

 

DF2「行かせへんぞエセ女ぁ…!」ザッ

 

希「……通してくれんかなぁ」

 

DF2「エセには刺激が強すぎるもん見せたるわ」

 

希「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ダンッ!

 

DF2「はぁぁぁぁ!!」ググッ

 

ゴゴゴゴゴゴ……!!!

 

希「…こ、これは…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドドーーン!!

 

DF2【道頓堀・ウォール!!】

 

希「…!!」グラッ

 

角間「なななぁんとぉ!!グラウンドに道頓堀が出現いたしましたぁ!!」

 

にこ「エセVS本家……見ものね」

 

凛「希ちゃーん!負けちゃダメにゃー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

希(もうやるしか……!)グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「のぞみちゃんなんかだいっきらい!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

希「ーーーッ……!」ビクッ

 

バチィッ!

 

希「うわぁ!!」ドサッ

 

角間「東條止められたぁ!!」

 

DF2「うちの勝ちやエセ女!」トッ

 

希「……くっそ……」

 

角間「東條プレーに精彩さがありません!」

 

 

 

 

 

 

 

 

希「大丈夫、大丈夫やから……!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

中学校

 

あの一件以来、東條希は周りの目を気にするようになった

 

周りより飛び抜けていないか、出しゃばっていないか

 

ただ………東條希は器用だった

 

 

 

 

 

 

 

 

ドガァ……!!

 

希「いっ…!」ドサッ

 

モブヤン1「……あんたのその済ました態度、なんか腹立つんだよね」

 

希「……気のせいじゃない…?」ゴホッ

 

モブヤン2「気のせいじゃないから言ってん……の!」ドゴォッ!

 

希「ゔぇ…!」

 

 

 

 

 

 

周りに合わせた態度が逆に反感を買ってしまうこともあった

 

希(……私に……どうしろって……)ゴホッゴホッ

 

 

 

 

 

 

 

「うっわ、2対1とかえっぐ」

 

希「!」

 

モブヤン1「あ?………ぷっ!小学生かよお前」

 

モブヤン2「用がないなら帰りなチビちゃん」シッシッ

 

「……」イラァ…!

 

「……今うちに言った暴言は100歩譲って許したる」

 

「でもな……」スッ

 

モブヤン「!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォッ…!!

 

モブヤン1「ガハッ……!」ドサッ

 

「目の前のイジメスルーできるほどできてないんじゃボケェ!!」

 

モブヤン2「こいつ…!!」ドゴッ!

 

「いっ……」グラッ…!

 

「………オラァ……!!」バキィッ……!!

 

モブヤン2「ブッ……!」ドサッ

 

「……さっさとどっかいけや」

 

モブヤン1「……行くぞ…!」タッタッタッ

 

モブヤン2「っち……!」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

「………っはー、痛った……」サスサス

 

希「あ、あの……!」

 

「んあ?」

 

希「ご、ごめんなさい……私のせいで…」

 

「おー気にすんな、1発だけやしなもらったの」ニシシ!

 

希(関西弁……)

 

希「……どうして……助けてくれたの?」

 

「……多分帰ってから、「あの時行っとけばよかったなぁ」ってなると思ったから」

 

希「?」

 

「やらずに後悔するより、やって後悔した方が気持ちええやろ?」

 

希「……!」

 

「ウチ好きやねんこの言葉」ニシシ

 

希「……やらずに後悔するより……やって後悔……?」

 

「そ!ただし、全部自己責任でな!」

 

希「……私は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

『だいっきらい!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「……そんな勇気、ないかなぁ……」

 

「………」

 

希「でもありがとう!少しスッキリ……」

 

 

 

 

 

 

 

モニュッ……!

 

希「………」

 

「んー、発展途上といったところやなぁ」モミモミ

 

希「………」ペシッ!

 

「いけず!」

 

 

 

 

 

 

 

「……それじゃあウチは帰るけど、あんま考えすぎんよーにな」

 

希「うん、今日はありがとう」フリフリ

 

「……さっきよりマシな顔んなったな」

 

希「……ちょっとだけ勇気もらえたからかなぁ」

 

「そっか、じゃあな発展途上」

 

希「発展途上……!?」ゴーン

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

希(結局また転勤でその人とはそれから一度も話してない)

 

希(あの人みたいに強くなれたらって……ずっと思ってた)

 

希(あの人みたいに……周りの目を気にせず、自由に……)

 

 

 

 

 

 

 

 

その日から関西弁は、[わたし]にとって勇気の象徴となっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勇気、出しきれてないよね?」

 

希「……!」ビクッ

 

「ふふ、びくってしたね」

 

希「君は……?」

 

「わたしはあなたの悩み、のぞみだよ」

 

希「悩みなのか望みなのかはっきりしてほしいなぁ」

 

のぞみ「望みじゃなくてのぞみ!」

 

希「ふふ、はいはい」クスクス

 

のぞみ「大事な事なのに!」

 

希「……のぞみちゃん、話の続き」

 

のぞみ「あ、そうだね!」コホン

 

のぞみ「……あなた、サッカーは全力でやってるよね」

 

希「……うん」

 

のぞみ「でも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「隠してることがあるよね?」

 

希「………」

 

のぞみ「どうするの?試合終わるよ?」

 

希「……無理やん」

 

のぞみ「……?」

 

希「このチームに嫌われたらウチ、ホントに立ち直られへん」

 

のぞみ「だからこの悩みは閉じ込めておくって?」

 

希「……うん」ニコッ

 

のぞみ「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「今までわたしは何回もあなたに話しかけた」

 

希「へ?」

 

のぞみ「何回呼びかけても見向きもされなかった…………」

 

希「……!」

 

のぞみ「どうして今聞こえたんだと思う?」

 

希「……さぁ」

 

のぞみ「どうしてあなたはぬいぐるみを捨ててって頼んだの?」

 

希「……さぁ」

 

のぞみ「どうして今更になってあの日のことを思い出してるの?」

 

希「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「あなたが特別なんじゃない」

 

希「?」

 

のぞみ「みんな、大なり小なり心に抱えてるものがある」

 

のぞみ「だから私みたいなのが生まれるの」

 

希「………」

 

のぞみ「穂乃果ちゃんや花陽ちゃんやことりちゃん、他のメンバーだって悩んでる」

 

のぞみ「それを乗り越えたから、また前を向けてるんじゃないかな」

 

希「でも……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「しっかりしなさい!」

 

希「……!」ビクッ

 

のぞみ「このチームはそんなに簡単に離れていくような人たちばかりなの?」

 

希「……違うよ」

 

のぞみ「なら……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

希「そんな子達だからこそ、離れてしまうのが怖いんよ」

 

のぞみ「………」

 

鍵穴がある、鍵もある、あとは回す勇気だけ

 

『だいっきらい!!!』

 

幼い頃のたった一言

 

その一言が今でもこの子を縛り付けている

 

あぁ、確かにこれは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

呪いだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

希「……!」ビクッ

 

角間「綺羅にパスが回りましたぁ!!ロスタイムまでの時間も残り少ない中、完全にUTXペースだぁ!!」

 

UTX!!UTX!!UTX!!UTX!!

 

穂乃果「時間ないよ!!ぶつかって!!」

 

みんな「おぉぉ!!!」

 

ツバサ タッタッタッ

 

雪穂「亜里沙!私たちで!」ザッ

 

亜里沙「うん!」ザッ

 

雪穂亜里沙「はぁぁ!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

ヒュッ……クルン……ダッ!

 

亜里沙雪穂「ぐっ……!」

 

角間「綺羅再び抜いたぁ!!」

 

にこ「くっそ……!」

 

海未(攻撃の糸口が全く掴めない……このままでは……!)

 

希「っ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「頑張れー!!音の木坂ー!!!」

 

みんな「……!」クルッ

 

希「……………Aちゃん………?」

 

アノコダレ?サァ……

 

Aちゃん「ほら!!音の木坂の子達も!」

 

音の木坂観客「………!」ハッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「さぁ、試合の流れはUTXが握っております!このままUTXが……」

 

音の木坂!!音の木坂!!音の木坂!!

 

角間「こ、これは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

音の木坂!!音の木坂!!音の木坂!!

 

Aちゃん「音の木坂!!」

 

音の木坂観客「音の木坂!!!」

 

おばちゃんおっちゃん「音の木坂!!!」

 

角間「音の木坂の応援が会場に響き渡っております!」

 

ザワザワ……

 

ソウダ、オトノキモガンバッテルジャン

 

オトノキザカガンバレー!!

 

音の木坂!!音の木坂!!音の木坂!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ナニイッテンダ!コレカテバサンレンパダゾ!!

 

ガンバレー!!UTXーー!!!

 

音の木坂!!UTX!!音の木坂!!UTX!!

 

音の木坂!!音の木坂!!音の木坂!!

 

UTX!!UTX!!UTX!!UTX!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!!

 

ビリビリ…!!

 

穂乃果「会場が揺れてる……」

 

にこ「…遅いのよ、まったく」

 

真姫「すご……」

 

凛「うー!!テンション上がるにゃー!」

 

DF2「こんなに盛り上がったん、初めて見た……」

 

MF1「いつもワンサイドゲームでしたからね」

 

MF3「はぁ〜……!」ゾクゾクッ

 

 

 

 

 

 

 

花陽「…はぁ……はぁ……」ゼェ……ゼェ……

 

ツバサ「……?」トッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

耳を塞いでいても聞こえるほどの声援

 

だが、小泉花陽の耳には何一つ届いていなかった

 

考えていたのは

 

花陽(疲れた……ご飯食べてお風呂に入ってあったかいお布団でぐっすり眠りたい……)

 

試合とはまったく関係のないことだった

 

ツバサ「……行くわよ!」ダッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽(………来た…綺羅さんのクセ……えっと……)

 

花陽(なんだっけ?タイミング?……じゃなくてクセ…えーっと……)

 

花陽(だめ、思考がまとまらない……)

 

ツバサ タッタッタッ

 

花陽(あーもう………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「………めんどくさいなぁっ」ボソッ

 

ツバサ「ーーっ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トッ……!

 

ツバサ「…………………………は」

 

あんじゅ「…え?」

 

ことり「うそ……」

 

花陽「………」タッタッタッ

 

角間「こ、小泉綺羅からボールを奪い取ったぁぁ!?」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

凛「カヨちーーーーん!!」

 

海未「【ディフェンス方程式】とは比べ物にならない速度、正確性………」

 

エレナ(ここに来て……まだ成長するか、小泉花陽……!)ゾワァッ…!

 

両チームが戦慄する中、当人だけが冷静だった

 

 

 

 

 

タッタッタッ

 

花陽(……?私、取ったの?誰から?綺羅さん?)ゼェ……ゼェ……

 

角間「〜〜!!〜〜……!」

 

花陽(解説の人……何言ってるんだろ……)ゼェ……ゼェ……

 

ハァ……ハァ……

 

 

 

 

 

 

 

 

MF2「いかせねぇよ!」ザッ!

 

海未(まずいです……今の花陽では……!)

 

海未「花陽!こちらに!」

 

花陽「…ぜぇ……ぜぇ……!」

 

海未(聞こえていない……!)

 

花陽「………はぁ……はぁ……!」ザッ

 

MF2「おらぁ!!」バッ!

 

花陽「……っ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

何度も繰り返し見た憧れのチーム、対戦経験あり、試合終盤

 

データは完璧に揃っていた

 

花陽「はぁ……はぁ……!!」

 

極度の疲労状態の中、思考をやめた小泉が行ったこと

 

それは………

 

 

 

 

 

 

MF1「はぁ!」バッ!

 

花陽(………多分……右…)バッ!

 

 

 

 

 

 

 

勘だった

 

MF2「っ……!」

 

ただの勘ではない

 

これまで蓄えたデータを無意識下で分析、選択

 

それが小泉を最善のルートへと導いていた

 

花陽「……あああああ!!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

【オフェンスコマンド】

 

 

 

 

 

 

 

 

シュバッ……!!!

 

MF2「くっ……そ…!」

 

MF2(動きが速いわけじゃないのに……追いつけねぇ…!!)

 

角間「小泉抜いたぁ!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

花陽「ぜぇ……!!ぜぇ……!!」タッ……タッ……!

 

イイゾーー!!コイズミーー!!ハナヨチャーン!!

 

花陽(観客の声、聞こえる)

 

花陽「ぁっ……」フラッ

 

ギリギリまで張り詰めていた糸が切れた瞬間だった

 

 

 

 

 

 

 

 

ポスッ……!

 

花陽「……希……ちゃん?」ハァ……ハァ……

 

希「……なんで……そんなになってまで……」

 

希(穂乃果ちゃんだってそう、なんでそんなに……)

 

花陽「……後悔……したくないから…」

 

希「……」

 

あぁ……嫌だ

 

花陽「このメンバーで、勝ちたいから……!」ギュッ!

 

またあの言葉を思い出す

 

 

 

 

 

 

 

『やらずに後悔するより、やって後悔した方が気持ちええやろ?』

 

Aちゃん「希ちゃん!!」

 

希「ーーーっ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カチリ………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

角間「残り時間もごくわずか!!」

 

角間「小泉により勢いを取り戻した音の木坂!!追いつけるかぁ!?」

 

希「………少し休んどき、花陽ちゃん」

 

花陽「へ?」ハァ……ハァ……

 

希「うちに任せて」トッ

 

花陽「希ちゃん?」ハァ……ハァ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「東條にボールが渡りました!」

 

MF3「逃げ切らせてもらうっす!」ザッ!

 

角間「UTXの素早いマーク!プレッシャーをかけてきます!」

 

希「………」ジャリッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「……フーッ……」トントン

 

ドクン……ドクン……

 

希(………お願い)

 

ドクン……ドクン……

 

希(どうか[私]を………)

 

ドクッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「……嫌いにならないで」

 

 

 

 

 

 




載せ忘れていた挿絵も


切り替えようとする高坂雪穂


【挿絵表示】


帰ってきた東條希


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またあの言葉を思い出す


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「東條希、本当の自分」


テニスをしてきた乾電池です

たのしかたよね


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「……嫌いにならないで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF3「はぁぁ!」バッ!

 

海未「希!来てますよ!」

 

凛「希ちゃん!!」

 

希「………」

 

 

 

 

 

 

 

「尾刈戸高校、幽谷」

 

 

 

 

 

 

希【呪い】

 

ズズズズズ……!

 

MF3「こ、これは……!」

 

ことり「あれは……尾刈戸高校の……!」

 

海未「なぜ希が……」

 

希「……」

 

 

 

 

 

 

 

昔から、一度見たことはなんでもできた

 

意識しなくても、努力しなくても

 

なんでもできた

 

できてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

幽谷「姐さん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズズズズズ……!!

 

希「……人を呪わば穴2つ」

 

花陽「希……ちゃん!」ハァ……ハァ……

 

希「……ずっと苦しかった……辛かった……」

 

ズズズズズ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

希「これ以上呪えるなら呪ってみろ…!」バッ…!

 

MF3「うわぁぁぁああ!!」ドサッ

 

角間「東條抜いたぁ!!しかし今のは尾刈戸高校の……?」

 

希(……みんなの顔を見るのが怖い)

 

希(でも……もう戻れない)ダッ!

 

ツバサ(さっきまでの東條さんじゃない…)

 

あんじゅ(嫌な予感がする……!)

 

あんじゅ「ディフェンス!」

 

DF1「行かせない!」ザッ

 

希「御影専修農業高校、山岸」

 

 

 

 

 

 

 

 

希【スーパースキャン】

 

 

 

 

 

 

 

ザッザッ……ダッ!

 

DF1「そんな……!」ガクッ…!

 

角間「今度は御影専農の必殺技だぁ!!東條止まらない!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

希「はぁ……はぁ……!」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「ど、どういうこと?」ハァ……ハァ……

 

海未「わかりません……が、今は希が頼りです」

 

 

 

 

 

 

 

 

DF2「エセ女ぁぁ!!」ザザッ……!

 

希「……!」

 

DF2「なんや変なことしてるみたいやけど、うちは絶対通させへんぞ……!」

 

……ダンッ!

 

ゴゴゴゴゴ……!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ドドーン!

 

DF2【道頓堀・ウォール!!】

 

角間「再びDF2のディフェンスが立ちふさがります!!」

 

希「……ウチ、決めたん」

 

DF2「……?」

 

希「もう……」ジャリッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「[自分]に嘘はつかないって…!!」ダッ!!

 

DF2「ーーっ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

『……みんなと全力で……サッカーがしたいなぁ……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パリンッ……!!!

 

ブワァッ!!!

 

DF2「……っ」ブワッ……!

 

DF2「………強なったなぁ」

 

希「……へ?」

 

ドサッ……!

 

角間「〜〜〜……!!!」

 

 

 

 

 

 

角間「抜いたぁぁぁ!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

角間「東條止まらない止まらない!!怒涛の3人抜きだぁ!!」

 

あんじゅ「希ぃぃぃ!!!!」ザザッ…!!

 

希「…っ…!」ピタッ

 

角間「今の隙に戻ってきていましたUTX優木!」

 

希(どうする……ここで止まるわけには……)

 

 

 

 

 

 

「「希!!」」

 

希「…!」バッ

 

ドッ!

 

ドッ!

 

パシッ

 

角間「東條と矢澤のワンツーだぁ!!優木も抜いたぁ!!」

 

あんじゅ「なっ…!」

 

こころ「お姉様!」

 

希「にこっち……」タッタッタッ

 

にこ「……ふん」タッタッタッ

 

絵里「ちょっと、私も呼んだんだけど」

 

希「エリチ……」

 

角間「残すは統堂エレナのみ!ロスタイムに入る前に同点に追いつきたいところ!!」

 

希「……えりち、にこっち、力貸してくれん?」

 

にこ「……はぁ?あんたふざけてんの?」

 

希「……っ」ビクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「いちいち遠慮してんじゃないわよ」

 

希「…!」

 

にこ「っとに……あんたがこんなことできるならもっと作戦だって立てれたのに……」ブツクサブツクサ

 

絵里「ふふ、私は嬉しいわよ?また一つ希のことを知れたしね♫」

 

希「ごめん二人とも、訳は後で話すから…….」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「うちに力を貸して!」ザッ!

 

にこ「ぶっつけ……」ハァ…… ザッ

 

絵里「私は楽しいわよ?強引な希なんて初めてだもの」ザッ

 

にこ「あんたのそれなんなのよ!!」

 

希「……ふふ」ニコッ

 

エレナ「……!」

 

絵里(……本当に初めてだもの)

 

 

 

 

 

 

 

希「行くよ!」

 

にこ「ええ!」

 

絵里「任せて!」

 

こころ「……!」

 

絵里(希が自分の事で無茶を言うなんて)

 

 

 

 

 

 

 

ガキンガキンガキン!!!!

 

アオーーーーーン!!!

 

希「ふっ…!!」ドッ!

 

希(……不思議やなぁ)

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ絵里「はぁぁ!!」ドキュッ!!

 

にこ(打ち合わせなんて何もしてないのに……)

 

絵里(二人の考えてることがわかる……)

 

ゴォォォ!!!

 

 

 

 

 

 

 

角間「こ、これは………」

 

エレナ「本当に……なんなんだ彼女達はっ……!!」ジャリッ……!!

 

希「はぁぁぁぁ!!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!!

 

希にこ絵里【グランフェンリル!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

角間「ここまで温存していたのかぁ!?音の木坂の新必殺技だぁぁ!!」

 

凛「え…!?え…!?すご…!!見てかよちん!あれ!」

 

花陽「……希ちゃん」ハァ……ハァ……

 

ことり「あ、頭が追いつかない……」プシュー……

 

穂乃果「いっけー!希ちゃん!にこちゃん!絵里ちゃん!!」

 

ツバサ(ここまで温存……?)

 

ツバサ「……違う」

 

あんじゅ「……とっさの思いつきで……こんな……」

 

GK「エレナさん!!」

 

エレナ「……あぁ……!!」スッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グッ……!

 

バリバリバリバリバリ!!!

 

コォォォォォォオォォ………!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ【王家の盾!!!】

 

ギュルルルルルルルルル!!!!!

 

エレナ「……っぐぅぅ!!」ズザザザッ……!!

 

角間「激しい技のぶつかり合い!!この一球を制すのはどちらのチームだぁ!?」

 

ツバサあんじゅ「エレナ!!!」

 

「「「エレナさん!!」」」

 

希にこ絵里「はぁぁぁぁ!!!!」

 

穂乃果「いっけー!!」

 

ギュルルルルル!!!!!

 

エレナ「くっ……そ……!!」ズズズッ……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ポタポタッ……!

 

お姉さん「ちょ…!あなた鼻血……」

 

GK「………っ……エレナさん!!!」

 

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルル!!!!

 

エレナ「……っ……!!」ズ…ズ…!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

GK【ハイビーストファング!!】

 

ガブゥッ……!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

GK(顔で……!!)

 

GK「ブッ…!!」

 

ゴロゴロ……ドサッ…!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

エレナ(あと少し……あと少しなんだ……!!)

 

ツバサ「……!」

 

希にこ絵里「いけぇぇぇ!!!」

 

エレナ(止めて………!)

 

グググッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「勝つんだ……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バチィッ……!!!

 

ブワァッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「ーーーーーークソ……」ドサッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドシュルルルルルル…………!!!

 

テンテンテン………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「…………は………」

 

角間「入ったぁぁぁ!!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!!

 

音の木坂「らあああああああああ!!!!!」

 

角間「最後の最後に追いつきました音の木坂!!残すはロスタイムのみとなりました!!」

 

角間「ロスタイムは………7分です!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こころ「ここあ!こたろう!見て!お姉ちゃんが!すごいすごい!!」ピョンピョン!

 

ここあ「わぁぁ…!」キラキラ

 

こたろう「…ねーちゃん…!」ピコッ

 

こころ「おねーさまー!」ピョンピョン!

 

にこママ(……仕事で遅くなってもいつも礼儀正しく待っていたこころ)

 

にこママ(こんなにはしゃいでるのを見たのはいつぶりかしら……)ウルッ…!

 

にこママ(……ありがとう、にこ)グッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「……」

 

スッ

 

エレナ「……?」パッ

 

ツバサ「……大丈夫?」

 

エレナ「責めてくれ、惨めになる」

 

みんな「……」

 

エレナ「……これでは何のために代わったのかわからないな」ハハ…

 

ツバサ「………あんじゅ」

 

あんじゅ「了解!」バッ!

 

エレナ「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「希直伝…!!ワシワシワシワシーー!!!!!」

 

エレナ「なっ…ちょ……やめ!!うわぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

DF2「ええ筋してるな……」フム…

 

MF2「フム……じゃねーんすよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「……!!…っ……!!」

 

あんじゅ「……案外小さいのねエレナ」

 

エレナ「……!!」ゴーン

 

ツバサ「まあお遊びは置いといて……」

 

ツバサ「みんな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

MF1「気落ちなどしていませんよ」

 

ツバサ「!」

 

DF2「あったりまえや!あのエセ女絶対倒す!!」

 

MF3「やるっす!!」

 

DF1「あと7分で終わりかー!」

 

MF2「体は疲れてんのに、まだまだできそうだな〜」

 

DF1「……体力馬鹿なだけじゃないですか」ボソッ

 

ゴチンッ!!

 

DF1「いっ……!?」

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「貴方達……」

 

MF1「私たちは……信じてますから」

 

ツバサ「……任せなさい」

 

あんじゅ ナデナデ

 

エレナ ベシッ!

 

ツバサ(…ふふ、エレナがあそこまで感情的になるのも初めて見たわね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「はぁ……はぁ……」

 

にこ(……こころ、やったわよ……!!)グッ…!

 

こころ「…!」グッ!

 

凛「3人ともすごいにゃー!!」

 

海未「ええ、首の皮一つ繋がりました」

 

穂乃果「希ちゃんもすごかったよー!ごぼう抜きってああいうことなんだね!」

 

希「うん、そのことで……」

 

ことり「それはマラソンとかで使う言葉だよ穂乃果ちゃん……」

 

穂乃果「えー?」

 

希「えっと……少しいいかな…」

 

真姫「ちょっと、まだ試合終わってないんだけど?」

 

希「あの………」

 

穂乃果「わかってるよーだ!」

 

真姫「なっ…!何よその言い方は!」

 

穂乃果「ふんだ!今日大活躍してるくせに!」

 

真姫「だったら何なのよ!してるならいいじゃない!」

 

穂乃果「あーほら!またそうやって……」

 

 

 

 

 

 

 

 

希「……ねぇ……!!!」

 

ビクッ…!

 

………シーン

 

絵里「希……」

 

希「なんで……誰も詮索してこーへんの?」

 

海未「………」

 

希「ウチ……隠してた…!……他の子の技真似できるの……黙ってたのに……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「だって希ちゃん辛そうだにゃ〜」

 

希「……へ?」

 

ことり「何か訳があるんだろうなってわかってるから誰も怒ってないよ」

 

穂乃果「後悔、しなくて済んだね!」

 

花陽「ナイスプレイです!」

 

希「………」

 

『みんな、大なり小なり心に抱えてるものがある』

 

『それを乗り越えたから、また前を向けてるんじゃないかな』

 

希「……はは、敵わんなぁほんと」ヘナヘナッ…

 

トサッ

 

絵里「ちょ、希!?」

 

にこ「腰抜かしてんじゃないわよ、まったく……」

 

希「にこっち〜、おんぶして〜!」

 

にこ「じゃぁかしい!!あとちょっとなんだから最後まで頑張りなさい!!」

 

希「ぶぅ……」プクー……

 

穂乃果「……さ、みんな!準備はいい?」

 

みんな「……!」バッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「いくぞ!!!!」バッ!

 

「「「おおおおお!!!!」」」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果(……ただ……)

 

ことり(希ちゃんが私たちに合わせていたことに、誰も気づかなかった……)

 

海未(あの花陽ですら)

 

希「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「敗色濃厚の中、なんとか踏みとどまった音の木坂!!このまま逆転勝利となるか……」

 

角間「はたまた!!前回の雪辱を果たし、王者としての貫禄を見せつけるかUTX!!」

 

角間「泣いても笑ってもこれで最後!いよいよ運命のキックオフです!!」

 

UTX2-2音の木坂

 

ピーーーーーーーー!

 

ツバサ穂乃果「勝つ「わ」よ!!!」

 

「「「おおおおおおお!!!!」」」

 

ドッ!

 

 

 

 

 

 

 

お姉さん「ほら、ちゃんとティッシュ詰めて」

 

GK「ご、ごべんなざい」詰め詰め

 

 

 

 








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「ロスタイム、あなたのわがまま」



お久しぶりです乾電池です

日常が忙しすぎて続きがまだ完成してないので投稿ペースが遅くなってます……
ssって難しいね…




 

 

 

 

 

 

 

 

お姉さん「ほら、ちゃんとティッシュ詰めて」

 

GK「ご、ごべんなざい」詰め詰め

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァァァァ !!!

 

ことり「くっ……!」ガクッ

 

タッタッタッ

 

にこ「止めて!!」

 

海未「ディフェンス!!!」

 

角間「先に攻撃を仕掛けたのはUTX!!」

 

MF2「頼んます!!」ドッ!

 

あんじゅ「ええ!」トッ

 

穂乃果「雪穂!!」

 

雪穂「行かせない!」ザッ

 

角間「DFの高坂が立ちふさがります!」

 

雪穂(時間もない、ここで止めないと…!)

 

あんじゅ「悪いけどここは譲れないわよ、妹ちゃん?」

 

雪穂「……っ」

 

あんじゅ「ふっ…!」ダッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂「……っ!」バッ!

 

ガガガッ!

 

雪穂(………妹ちゃん妹ちゃんって……)

 

ザッ! ガガッ…!

 

花陽(…?雪穂……ちゃん……?)ハァ……ハァ……

 

 

 

 

 

 

 

私がサッカー部に入ると、みんなは私をお姉ちゃんの……

 

[高坂穂乃果の妹]として接してきた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あ、君が穂乃果ちゃんの妹ちゃんか〜!」

 

雪穂「あ……はい」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

雪穂(悪気がないのはわかってるけど、それが本当に嫌だった)

 

雪穂(だから高校ではサッカーをするつもりはなかった)

 

ガッ!ガガッ!

 

あんじゅ「…っ…!?」トトッ

 

雪穂(でもお姉ちゃんとサッカーはしたかった)

 

角間「音の木坂高坂!驚異の粘りを見せます!!」

 

穂乃果「………雪穂……」

 

 

 

 

 

 

 

雪穂(高校に入る前の、最後の思い出にしようとこのチームに入った)

 

雪穂(覚悟してた、また[妹]として見られるって)

 

雪穂(……でも違った)

 

ガガッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛「雪穂ちゃんいっくにゃー!」

 

花陽「頑張ろうね、雪穂ちゃん」

 

真姫「……雪穂ちゃん」

 

絵里「ふふ、あなたが雪穂ちゃんね」

 

希「雪穂ちゃんは将来有望やね〜」ワキワキ

 

にこ「やめなさい、雪穂怖がってんでしょうが」

 

ヒデコ「雪穂!」

 

フミコミカ「雪穂ちゃん!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂「ーーーーっ……!!」バッ!

 

あんじゅ(….来る…!)

 

雪穂(私のことを[お姉ちゃんの妹]じゃなく[高坂雪穂]として見てくれた)

 

雪穂(………嬉しかった)

 

 

 

 

 

 

雪穂 ブワァッ!

 

あんじゅ(【ハンターズネット】……?)バッ!

 

角間「おおっと?ここで優木が距離をとりました!」

 

雪穂「逃がさない……!!」バッ!

 

あんじゅ「こ……のっ…!!」バッ!

 

海未「雪穂!」

 

にこ「今までのが設置型だとすればこれは……」

 

あんじゅ(追尾型捕縛ネット……!!)

 

雪穂「はぁぁ!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

【ハンターズホーネット!!】

 

 

 

 

 

 

パシュッ…!!

 

あんじゅ「うぐっ…!」ドサッ

 

ツバサ「あんじゅ!」

 

エレナ「…!」

 

角間「高坂止めたぁぁ!!助っ人の意地を見せつけました!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

穂乃果「雪穂やるぅ!」

 

あんじゅ「……やってくれるわね、妹ちゃん」

 

雪穂「高坂雪穂……です」

 

 

 

 

 

角間「さあ音の木坂一刻も早く追加点を狙いたいところ!」

 

雪穂(時間、ない、攻める、誰にパスを……)

 

タッタッタッ……パシッ!

 

雪穂「!!」

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙「もらうよ雪穂!」トッ

 

雪穂「亜里沙!?」

 

ザッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙「………はぁぁぁ!!!」バッ!

 

パキパキパキパキパキパキ……

 

ツバサ(……【氷の矢】)チラッ

 

DF1 コクッ!

 

 

 

 

 

 

パキパキパキ……!

 

亜里沙「……まだ……もっと……!」ググッ

 

雪穂「亜里沙!」

 

海未(……性格もプレイスタイルもまるで違う二人、それでもなぜか無視できない、意識し、刺激し合う)

 

海未(これを俗に……)

 

パキパキパキ……!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「ライバルと呼ぶのでしょうね」

 

カキィィン……!!!

 

亜里沙「はぁぁぁ!!!!」ドキュッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【氷の槍……!!】

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォオォォ!!!!!

 

角間「絢瀬亜里沙のロングパスだぁぁ!!!!」

 

DF1「させないよー!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

クルクルクル

 

ボファアアアア!!!!!

 

DF1【フレイムダンス!】

 

ジュゥゥゥゥゥ……!

 

DF1 「なっ……ぐっ……!!」

 

DF1(威力が上がってる……!)

 

亜里沙「いっけぇぇぇ!!!」

 

ジュゥゥゥゥ………!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ブワァッ……!

 

ゴォォォォォォオォォ!!!!!!

 

DF1「きゃぁぁぁ!」ドサッ

 

亜里沙「よっし!」

 

角間「ディフェンスを貫いたぁぁぁぁ!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

ツバサ(ここに来てまた……!!)

 

あんじゅ(どんどん後手に回っていく……)

 

希「あっはは……すっごいなぁ…」

 

絵里真姫 タッタッタッ

 

角間「絢瀬と西木野が走り込んでいます!!」

 

穂乃果「いっけー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パシッ

 

絵里「えっ……」

 

真姫「なっ……!」

 

エレナ「……すまない、リスクを負わずに君たちに勝利しようというのが間違いだった」

 

ダッ!

 

角間「と、統堂だぁぁ!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

エレナ ダッ!

 

GK「エレナさん!?」

 

MF3「えぇえ!?」

 

角間「統堂がペナルティエリアを飛び出し攻め上がっている!?」

 

花陽「あ、あり得ないです……」ハァ……ハァ……

 

にこ「あの堅実な統堂エレナが……」

 

絵里「みんな戻って!!」

 

海未「にこ!ぼーっとしない!!ディフェンス!!御三方をマーク!!」

 

にこ「…!わかってるわよ!!」

 

ディフェンス「はい!」

 

 

 

 

 

 

エレナ タッタッタッ

 

UTXメンバー ダッ!

 

花陽(他のメンバーにとっても予想外なことのはずなのにすぐ切り替えた…!)

 

ツバサ(でもまだ完全には切り替えきれてない…)

 

花陽ツバサ(この勝負……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

((対応しきれなかった方が負ける……!!))

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「はぁぉ!!」ズザザッ!

 

エレナ「…ふっ…!」バッ!

 

エレナ「……」チラッ

 

MF2「……!」ギクッ

 

エレナ(まだ準備できていないか)トッ

 

海未(…!隙ができた…!)ガッ!

 

エレナ「…ぐっ…!」チラッ

 

ツバサ コクッ

 

にこ「……!」

 

エレナ「ツバサ!!」ドッ!

 

 

 

 

 

 

 

にこ「させない……!!」ダッ!

 

角間「矢澤読んでいたのかぁ!?絶好のタイミングだぁ!!」

 

花陽(……無理だよにこちゃん…)

 

 

 

 

 

 

 

ギュゥゥゥゥン…!!

 

海未「……!ボールが曲がって……」

 

エレナ「来ると思っていたよ、君なら」

 

角間「おおっとこれは厳しい!ボールは矢澤から遠ざかるように弧を描いていく!!」

 

にこ「ぐっ……!」タッタッタッ

 

花陽(前回と同じ……パスカットじゃ統堂さんには敵わな……)

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「なーんていうわけないでしょうが!!」ダッ!

 

エレナ「!?」

 

花陽「にこちゃん!?」ハァ……ハァ……

 

にこ「凛!!」

 

凛「にゃ!?」

 

にこ「私を飛ばしなさい!!」

 

凛「……?………!」ハッ

 

凛「おまかせにゃ!」バッ!

 

花陽「あれは……!」ハァ……ハァ……

 

にこ「ふっ…!」バッ!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛「秘密兵器の……特訓だにゃ…」ハァ

 

絵里「へー、なんて技なの?」

 

凛【かよちんロケット!】

 

穂乃果「おぉ……!カッコいい!」

 

にこ「別にどんな技でもいいけど怪我だけはしないようにしなさいよ」

 

花陽「にこちゃんに私たちの技を授けます……!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ凛「ぬぐぐぐぐ……!!」グググッ…!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛「【にこちゃんロケット】だにゃ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「いっけぇぇぇ!!!」ドッ!

 

にこ「にごぉぉぉぉぉ!!!」ピューン!

 

【にこちゃんロケット】

 

エレナ「くそっ……!」

 

エレナ(小泉花陽は警戒していたが矢澤にこがあの技を使うのは想定していなかった……!)

 

ギュゥゥゥゥン!

 

ピューーー!!

 

エレナ(追いつかれる……!)

 

にこ(よし…!これなら……)バッ!

 

花陽「にこちゃん……!!」パァァァァ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「ナイスパス♫」トッ

 

にこ「……なっ…」

 

エレナ「あんじゅ…!」

 

花陽「そんな……」

 

角間「これは統堂見事な策略!音の木坂の虚をついたぁ!!」

 

にこ「クッソ……!」ゴロゴロ……ズザザ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「……まったく…」チラッ

 

エレナ(助かった…)ゴメン

 

あんじゅ「ツバサ!」ドッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「……やっぱりあなたが立ちふさがるのね」トッ

 

花陽「私だけじゃ…はぁ、ないです…!」ハァ……ハァ……

 

雪穂 ザッ!

 

ツバサ「あら奇遇ね」

 

【クリエイション!】

 

ズズズズ……!!

 

花陽「雪穂ちゃん!」

 

雪穂「花陽さん!」

 

ズズズズ……!ガコンッ…!

 

ツバサ「私も仲間がいるのよ」ニコッ

 

花陽「っ…」

 

角間「小泉と高坂を分断したぁ!!綺羅と小泉の1on1だぁ!!」

 

ツバサ「いくわよ…!」ダッ!

 

花陽「……っはぁぁ!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽【ディフェンスコマンド!!】

 

シュバッ!

 

ツバサ(……!!一瞬で懐に……)

 

花陽(まだ動ける……最後の一滴まで振り絞れ…!!)

 

ツバサ(警戒してたのに……動き出しが速すぎる)

 

花陽(綺羅さん反応しきれてない…)

 

ツバサ(重心を移した瞬間に……!バランスが……)グラッ…!

 

花陽(取った……!!)バッ!

 

ツバサ(取られ……!!)フッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「ああああ!!!」クルンッ!

 

花陽「はぇ……!?」スカッ…!

 

花陽「うぶっ…!!」ドサッ

 

角間「綺羅抜いたぁぁ!!!間一髪!!」

 

DF2「よっしゃぁ!!」

 

花陽(あの体勢から無理やり重心を引き抜いた……!?)ゼェ……ゼェ……

 

ツバサ「危……ないところ、だったわ…」ハァ……ハァ……

 

ツバサ(あの一瞬でここまで読み込まれるなんて……)

 

花陽「人間技じゃ……ない……」ハァ……ハァ……

 

ツバサ「……あなたもね」ダッ!

 

角間「ゴール前はガラ空き、完全にフリーだぁぁぁ!!!」

 

穂乃果「……!」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

タッタッタッ

 

ズシュゥゥゥゥ……!!

 

ボフォォォォォォォオオオオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

角間「UTX【ザ・フェニックス】の体勢!!勝ち越しを決めるかぁ!?」

 

穂乃果(絶対決めさせない……!)グッ

 

ツバサ「……試合の中で成長する」

 

穂乃果「…?」

 

ツバサ「あなたたちからは学ぶことが多いわね」ニコッ

 

穂乃果「…っ…!!」ゾクッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「アフロディ!!」

 

アフロディ「ふふ、本当に人使いが荒い人達だ」タッタッタッ

 

穂乃果「まさか……!」

 

角間「アフロディが走り込んでいます!!一体……」

 

アフロディ バサァッ…!!

 

ツバサ「いくわよ!!」グッ…

 

エレナあんじゅ「おお!!」グッ…

 

ダンッ…!!

 

雪穂「嫌…嫌……!!」

 

ことり「……待ってよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサエレナあんじゅアフロディ「はぁぁぁぁぁ!!!!!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!!!

 

【ゴッド・フェニックス!!!】

 

ゴォォォォォォォオオオオ!!!!

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

角間「残り時間はもう残っていません!!音の木坂万事休すかぁぁ!?」

 

音の木坂「………っ………」

 

海未「何ですか……これ………」

 

花陽「こんなの、止められるわけ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「さっ…………こぉおぉぉぉおぉぉぉい!!!!!!!!!」バッ!

 

ツバサ「……!」

 

真姫「穂乃果……」

 

ことり「穂乃果ちゃん…」

 

穂乃果「勝利の女神は………!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「最後まで諦めなかった方に笑うんだよ!!」グッ

 

ツバサ「……面白いじゃない」ニッ

 

海未(……そうでした、あなたはそういう人でしたね)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

真姫「シュートへの流れですが……絶対の前提条件は敵のシュートを止めることです」

 

穂乃果「!」

 

凛「あんなシュートを……?」

 

ことり「いくらなんでもそれは……」

 

穂乃果「無理?」

 

ことり「い、いや!そういうことじゃ……」

 

海未「できますか?」

 

穂乃果「……確証はないよ、でも……」グッ

 

穂乃果「止めなきゃ気が済まない!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未(どれほど絶望的な状況でも、あなたは私たちに勇気をくれた)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果「……….」ズキズキ

 

穂乃果「それは任せて」

 

穂乃果「穂乃果が止めるから!」

 

海未「穂乃果……」

 

穂乃果「ファイトだよ!」グッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

海未(ならば私たちのすべきことは一つ……)スゥ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「お願いします!!!穂乃果!!」

 

海未(あなたに全てを託します)

 

にこ絵里真姫「穂乃果!!!」

 

凛花陽希ことり「穂乃果ちゃん!!」

 

雪穂亜里沙「お姉ちゃん!!」「穂乃果さん!!」

 

穂乃果「……!」ブルッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果(この感じ……懐かしい……)

 

穂乃果(初めて【マジン・ザ・ハンド】を出した時みたいな……)

 

穂乃果「……不思議な感じ……」

 

穂乃果ママ「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォオォォ!!!!!

 

穂乃果「………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果ママ「足りない最後の1ピース……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果(なんとなくわかるんだ)

 

穂乃果(きっと答えは……そう遠くないところにあるって)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トプン……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未『……ようやく気づきましたか』

 

穂乃果「う、海未ちゃん!?」

 

海未『はい、私です』ニコッ

 

穂乃果「なんで……え?」

 

凛『凛達もいるにゃー!』

 

穂乃果「みんなも……どうして?」

 

海未『パズルのイメージの延長線上のようなもの……ですかね』

 

穂乃果「??よくわかんない……」

 

海未『難しく考えず、いつものように、私たちの力を使ってください』スッ

 

パチッ

 

穂乃果「……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり『ことりもー!』スッ

 

パチッ

 

花陽『ご、ごめんなさい…!花陽のはみんなよりとっても小さいんです……』

 

海未『しかし、その形に合うのは花陽だけですよ。引け目を感じることはありません』

 

花陽『う……うん!』スッ

 

パチッ

 

希『希パワーちゅーにゅー!はーいプシュ!』

 

パチッ

 

絵里『全く希ったら……』

 

パチッ

 

にこ『にこの力貸してあげるんだからありがたく思いなさいよ』

 

パチッ

 

真姫『ナニソレ、イミワカンナイ』

 

パチッ

 

凛『にこちゃん今日も絶好調だね』

 

パチッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「……!」グッ

 

角間「守護神高坂の代名詞【マジン・ザ・ハンド】VS UTX最高の必殺技【ゴッド・フェニックス】!!」

 

角間「一体どちらに軍配が上がるのでしょうかぁ!!!」

 

海未「穂乃果!!」

 

穂乃果「……っ…」

 

この瞬間、穂乃果の脳内にある映像が流れた

 

UTXの必殺技に手も足も出ず吹き飛ばされた、自分の未来の姿が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「……みんな………ありがと……」

 

穂乃果「でもほら、あと一つ……わかんないんだ」

 

みんな『………』

 

穂乃果「みんなが力を貸してくれてもこれじゃ……」

 

穂乃果「やっぱり穂乃果、リーダーなのに情けないね」アハハ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未『………一度……リーダーということから離れてみてはどうですか?』

 

穂乃果「へ?」

 

海未『リーダーのあなたは素晴らしいと思います』

 

海未『チームのために、みんなのために戦う姿はあなたがなんと言おうと立派なリーダーです』

 

穂乃果「海未ちゃん…」

 

海未『しかし私は……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未『あなた自身、[高坂穂乃果]としての気持ちが聞きたいです』

 

穂乃果「私自身……?」

 

海未『リーダーでもGKでもないあなたに聞きます』

 

海未『あなたはこの試合、どうしたいのですか?』

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!

 

監督「……」

 

監督(…お前が初めて俺に見せた【マジンザハンド】)

 

監督(仲間がいない中、お前は一人で【マジンザハンド】を出した)

 

監督(ピースは揃っているんだ、気づいていないだけで)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「……勝ちたいよ」

 

海未『それは……[リーダーとして]ですか?』

 

穂乃果「それは……」

 

海未『例えばですが』

 

海未『あなたをリーダーから解任して私がリーダーになったとしましょう』

 

穂乃果「えぇ!?」

 

海未『仮にですよおバカ』

 

穂乃果「うぅ…」

 

海未『…リーダーを解任されたあなたは、もう勝利を目指さないのですか?』

 

穂乃果「へ?」

 

海未『そうでしょう?リーダーだからチームのために勝ちたい、と言うのであれば』

 

海未『リーダーではなくなったあなたはもう勝ちなどどうでも……』

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「そんな訳ない!!」

 

海未『……』

 

グググッ…!

 

穂乃果「勝ちたいに決まってるよ!」

 

ググググッ…!

 

穂乃果「リーダーなんて関係なく……」

 

グググググッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「[穂乃果]がこの試合に勝ちたいんだよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………ポンッ…!

 

穂乃果「…!これ……」

 

海未『……ふふ、それがあなたの……最後のピースですか』

 

穂乃果「………これが……穂乃果の……」

 

海未『リーダーだから、チームのために、誰かのために、立派だと思います。すごく』

 

海未『責任感の強いあなただから、普段はだらしがなくとも私はあなたを信頼してきました』

 

穂乃果「海未ちゃん……』

 

海未『しかし、今はそんなものは余計なものでしかありません』

 

海未『様々な雑念、責任、プライド、余計なものをそぎ落とし、最後に残った純粋な想い』

 

海未『それこそがあなたという最後のピースです』

 

穂乃果「……」スッ

 

キラキラ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

角間「さぁ…!!運命の一瞬です!!」

 

穂乃果「………」

 

穂乃果「……ありがとう海未ちゃん、みんな」スッ

 

海未「……!」

 

穂乃果「……はぁぁぁぁ!!!」グッ

 

ゴォォォォォォオオ!!

 

角間「高坂構えたぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未『一度、リーダーということを忘れて』

 

海未『あなたのワガママを想いの限りぶつけてください』

 

パチッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果【………マジン・ザ・ハンド………】

 

ズズズズズズ………!!

 

穂乃果ママ「……!」ゾワッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果【焔(ホムラ)】

 

 



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試合終了



区切る場所がなかったので少し長めになってしまいどうしようか悩んでいる乾電池です




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果【焔(ホムラ)】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボフォォオォオォォォォオオオオ!!!!!

 

ジワァァ……!

 

絵里「……!穂乃果のマジンが……」

 

真姫「紅に染まっていく……」

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果 ニッ

 

ツバサ「…!」ゾクッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF1「…………」

 

MF1「彼女は一体……何者なのですか?」

 

海未「……彼女は高坂穂乃果」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「私たちの太陽ですよ」

 

 

 

 

 

 

 

ボフォォォォォォオォォオオオオ!!!!

 

ツバサ「…っ…今更驚かないわよ穂乃果さん…!」

 

エレナ「ああ……!望むところだ!!」

 

あんじゅ「勝つのは私たちよ!!」

 

アフロディ「ふふ……」

 

穂乃果「はぁぁぁ!!!!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルルルルルルル!!!!!!

 

穂乃果「………!!!」グググッ……!!!

 

角間「前半とは違い高坂踏みとどまっている!!!リーダーでありGK!!その重圧は重く、重くのしかかっていることでしょう!!」

 

穂乃果(……そんな大層なものじゃないよ)

 

グググッ…!!!

 

穂乃果(ただ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「勝ちたいだけ!!」グググッ!!

 

ブチブチッ…!!

 

ハラリ……

 

凛「…!テーピングが……」

 

MF3「いけるっす!!!」

 

DF2「入ってまえ!!!」

 

ツバサエレナあんじゅ「いけぇぇ!!!」

 

穂乃果(……全力でぶつかってくれる好敵手[ライバル]がいる)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルルルルルル!!!!!!

 

海未「………っ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「穂乃果ぁ!!!」

 

ことり「穂乃果ちゃん!!!」

 

「「「「穂乃果(ちゃん)!!!!」」」」

 

穂乃果「………!」グググッ…!!

 

ズザザッ!

 

穂乃果(……応援してくれる仲間がいる)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪穂「お姉ちゃん!!」

 

ガンバレー!!イケルゾー!!

 

穂乃果「………っ」ズザザッ……!!

 

穂乃果(……あぁ、穂乃果)グッ…!

 

ギュルルルルル!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「幸せだなぁ……」ポツリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルル!!!!

 

ギュルルル……!!!

 

シュルルルル……

 

ルルル……

 

ルル…

 

パシッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「………」

 

音の木坂「………」

 

UTX「………」

 

観客「………………止めた」

 

角間「……!」ハッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「止まったぁぁぁぁ!!!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!!

 

音の木坂「よぉぉぉっし!!!!!」

 

UTX「はああああああ!!??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「〜〜〜!!」ガシガシ…!

 

あんじゅ「うそ、でしょ……」ゼェ……ゼェ……

 

ツバサ「……?」チラッ

 

ツバサ「……!!エレナ!」ハァ……ハァ……

 

穂乃果「…!」トッ!

 

音の木坂に感化されたUTX

 

それによって行われたキーパー統堂のドリブル突破

 

その統堂エレナの予想外のプレーによって全員の頭からあることが抜け落ちていた

 

いつもなら絶対に見落とさない至極当然のことを

 

角間「の、残り時間は………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「5秒だぁ!!!」

 

穂乃果「いくよ!海未ちゃん!!ことりちゃん!!」ダッ!

 

海未「任せなさい!!」ダッ!

 

ことり「いけいけー!」ダッ!

 

角間「音の木坂カウンタァァァァァァァァ!!!!」

 

ツバサ「戻って!!ディフェンス!!」ゼェ……ゼェ……

 

エレナ「くっ……!」ダッ!

 

MF3「早く戻るっす!!」ダッ!

 

MF1「わかってますよ!!」ダッ!

 

角間「高坂ボールを持って駆け上がる!!両チーム共全員サッカーで勝ちを狙います!!」

 

試合終了間際なら、時間を使い切ってシュートを打つのがセオリー

 

しかし、忘れていた

 

ツバサ「……はぁ…はぁ…」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「……ふふ」ハァ……ハァ……

 

いつぶりだろうか

 

試合時間を気にする暇がないほど[今]に熱中したのは

 

ツバサ「楽しいわね、あんじゅ」ハァ……ハァ……

 

あんじゅ「……否定はしない」ハァ……ハァ……

 

 

 

 

 

角間「ここで残り時間終了!!正真正銘ラストアクションだぁぁ!!」

 

絵里「穂乃果!こっちに……」

 

にこ「待って!」バッ!

 

絵里「にこ?」

 

にこ「……やらせてあげましょう」

 

絵里「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「付いてきてる!?二人とも!!」タッタッタッ

 

ほのか『わーーー!!!』タッタッタッ

 

海未「お待ちなさい穂乃果!」タッタッタッ

 

うみ『ま、まってください〜!』タッタッタッ

 

ことり「二人とも元気だよ〜……」タッタッタッ

 

ことり『はやいよふたりとも〜!』タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF2「いかせてたまるかよ!!」ザッ

 

角間「ディフェンスが立ちふさがりま……」

 

ドッ!トッ……クルッ!ザザッ…ダッ!

 

トッ…!

 

MF2「はぁ!?」ガクッ…!

 

穂乃果「止まるなー!いくぞー!」タッタッタッ

 

海未ことり「おー!」タッタッタッ

 

角間「こ、これは鮮やかな……連携プレイ…?」

 

エレナ「……はは」

 

あんじゅ「まるで………公園で遊んでるみたい……」

 

ツバサ「楽しそう……」フフ

 

 

 

 

 

 

 

 

ほのか『おそいよふたりとも!』

 

うみ『まけませんー!』

 

ことり『ふぇぇ……うみちゃんまでぇ……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッ…!ザザッ クルッ…!トトッ

 

DF2「なんっ……やこいつら…!?」ガクッ!

 

MF3「くっ……!」ガクッ!

 

穂乃果「まだまだー!」タッタッタッ

 

海未ことり「おーー!!!」タッタッタッ

 

凛「あ、あんな海未ちゃん初めて見た……」

 

花陽「はっちゃけてるね……」アハハ…

 

角間「独特なリズムで敵を寄せ付けない!!高坂、園田、南、共に敵陣へ切り込んでいきます!!」

 

角間「息のあったコンビネーションで的を絞らせません!!」

 

真姫「多分あの3人の頭には、止められたら終わりなんてこと、これっぽっちもないんでしょうね」

 

希「すっごい……楽しそう」ふふ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「はぁ……はぁ……」タッタッタッ

 

穂乃果(誰かに言っても、信じてもらえないだろうなぁ……)

 

海未「もうバテているのですか穂乃果!」タッタッタッ

 

穂乃果「ま、まだまだぁ!!」タッタッタッ

 

穂乃果(一年生の頃は部員3人しかいなかったのに……)

 

ことり「海未ちゃん元気だね〜……」タッタッタッ

 

穂乃果「ね〜…」タッタッタッ

 

穂乃果(今はこの大舞台であのUTXと競い合ってるなんて)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果「目指せ!フットボールフロンティア優勝!!」

 

海未ことり「おー!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あの日見た夢をずっと追いかけて来た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

先生「サッカー部?ないよ」

 

穂乃果「ええええええ!?!?」

 

先生「去年まではあったんだけどね」

 

穂乃果「それじゃあ……また作ります!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

最初は小さな物語だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「……っ来い!!高坂穂乃果!!」ザッ!

 

角間「統堂ゴールまで戻りきったぁぁ!!」

 

MF3「ギリギリ……間に合ったっすね…!」ハァ…ハァ…

 

穂乃果「はぁ…!はぁ…!」ザッ!

 

海未ことり ザッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果(ここまで長……いや、あっという間だったなぁ)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ジキル「マーレーマーレーマレトマレ!!」

 

幽谷「ゴーストロック!!」

 

「「「にっこにっこにーーー!!!」」」

 

パァァァァァァァァァァァァ!!!

 

 

 

 

 

海未「もう必殺技は諦めてしまうのも一つの手ですが……」

 

にこ「……いやよ!にこは諦めない……」

 

凛「希ちゃん!凛と一緒に飛んで!」

 

希「え……えぇ!?」

 

 

 

 

 

 

穂乃果「サッカーは……もっと、こう……心の底から熱くなれるものなんです」

 

穂乃果「どうして杉森さんたちは、ゴールを決めても笑顔にならないんですか」

 

杉森「そんなものはサッカーに必要ないだろ」

 

穂乃果「……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

漫画家「どんな手を使っても……僕たちは勝たなければいけないんだ!!」

 

ノベル「勝てばいいのだよ勝てば!!」

 

ことり「月に変わって、お仕置きです!」

 

「「グフゥ……!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙(これが……お姉ちゃんを越えるために編み出した、私だけの必殺シュート…!!)

 

亜里沙【パンサーブリザード!!!】

 

 

 

ガッ!

 

希「エリチあかん!」バッ

 

絵理「あなたは……それを知ってて亜里沙を出したの!?」ググッ

 

ツバサ「……ッ!あなたに……勝ちたい!彼女はそう言ってたわ」グクグッ

 

絵理「……はい?」グクグッ

 

希「エリチ!!」ググッ!

 

 

 

 

 

 

 

霧隠「……すまなかっ…」

 

ゴチンッ!!

 

霧隠「す、すみませんでしたぁぁ!!」

 

海未「誰も怪我がなくてよかったですよ」

 

霧隠「俺たちの分も、勝ってくれよ」

 

穂乃果「任せてよ!」

 

 

 

 

 

 

海未「私たちはそんなに頼りないですか?」

 

凛「え……?」

 

海未「たった一試合を任せられないほど私たちが頼りないですか?」

 

凛「ち、違うの…!!そうじゃなくて……」

 

海未「なにが違うのですか?」

 

凛「だから……えっと……」

 

海未「今なら別に怒りませんから正直に言ってください」

 

凛「ち、違うって……」

 

海未「凛!!」

 

凛「違うんだってば!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女性「無理をすれば小泉さんも星空さんも試合に出られるかもしれない」

 

にこ「!」

 

女性「でもそのせいで体に障害が残ってしまった時、誰が責任を取るの?」

 

女性「誰が一番悲しむの?」

 

にこ「………っ」

 

女性「私が担当になったからには、そんな子を絶対出させはしない」

 

 

 

 

 

 

 

友「これが僕たちの…!!」

 

クルクルクル……スタッ!!

 

【トライアングルゼェェェット!!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「その頃はこんなに大ごとに………学校のみんなから応援されるなんてこれっぽっちも思ってなかったのよ」

 

にこ「あり得なかった」

 

穂乃果「……」

 

にこ「私たちだけで始まって、誰の記憶にも残らないまま終わって行くんだろうなって思ってた」

 

にこ「女子校でサッカーなんて流行らないしね」フフ

 

穂乃果「…….ふふ、そうだね」クスッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「……そっか」

 

穂乃果(あの時は茶化しちゃったけど、今ならわかるよにこちゃん)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『思いっきり暴れてこい!!』

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

おばちゃん「もうすぐ決勝戦でしょう?頑張んなよ!」

 

おっちゃん「サッカー頑張ってるんだってな、商店街じゃその話で持ちきりだよ!」

 

おっちゃん「商店街のジジババ集めてみんなで行ってやる!」

 

「「「頑張れー!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音の木坂ーー!!!がんばれー!!

 

生徒会長ー!!

 

ワーーーーー!!!!

 

穂乃果「すっご……!」

 

おっちゃん「穂乃果ちゃーん!!!がんばれよぉ!!」

 

おばちゃん「負けんじゃないよ!!」

 

穂乃果「商店街のみんなも!」

 

穂乃果「みんなーー!!!!応援よろしくぅ!!!」

 

ワーーーーー!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

にこ「あぁ…….これはもうにこ達だけの物語じゃないんだって」

 

穂乃果「………」

 

にこ「このチームも、学校のみんなも、先生も、監督も……」

 

にこ「一人残らず……この物語の一部なんだって……」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果(……これは……みんなで叶える物語)

 

穂乃果(……みんなで叶えてきた物語)チラッ

 

海未ことり「……」コクッ

 

にこ(……色々な人に支えられて、色々な人のおかげでここまできた)

 

穂乃果(応援してくれる人、冷やかす人、味方、敵……)

 

にこ(楽しかったこと、腹が立ったこと、悔しかったこと、不安だったこと)

 

穂乃果(全部全部……糧になってる)

 

にこ(私たちだけじゃここまで来れなかった)

 

にこ(……でも……)

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「でもね穂乃果」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

海未「うぅ……クモさん……」

 

穂乃果「よーし!私たちの伝説はここから始まるんだ!!」

 

穂乃果「音の木坂サッカー部!始動!!」

 

ことり「おー!」

 

海未「おぉぉ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「……ばっかみたい」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

にこ「あんたらがいなかったら、何も始まってなんかいなかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「残すは統堂だけだぁぉ!!」

 

穂乃果(これは……)

 

にこ(……っ…!)

 

スゥ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「あんた達が始めた物語よ!!あんたらで決着つけなさい!!」

 

穂乃果「………おう!!」グッ

 

ギュォォォォォォォ……!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

海未ことり「…っ……!」ゾワゾワッ!

 

海未ことり(メンバーの……みんなの気持ちが一つに集まって……)

 

海未(これが……穂乃果がいつも感じている世界)

 

穂乃果「……海未ちゃん」

 

海未「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「あの時穂乃果を真剣に叱ってくれてありがとう」

 

海未「穂乃果……」

 

穂乃果「ことりちゃん、今日まで穂乃果の無茶にずっとついてきてくれてありがとう」

 

ことり「穂乃果ちゃん……」

 

穂乃果「……叶えよう、私たちの……みんなの夢を!!」

 

海未ことり「ええ「うん」!」グッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュォォォォオオオアアアア!!!!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

花陽「こ、小泉花陽です」

 

 

 

 

 

希「ウチたちも……」

 

絵里「チームに入れて!」

 

 

 

 

 

 

にこ「あんたたち面白い子捕まえたわね」

 

にこ「いいわ、入ってあげる」

 

 

 

 

 

 

 

真姫「しょ、しょうがないから入ってあげるのよ!!」

 

真姫「勘違いしないで!!」クルクル

 

 

 

 

 

 

 

凛「これからかける迷惑は自分で取り戻すから……」

 

凛「メンバーの一人にしてください…!!」バッ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

グッ…

 

ダンッ……!!!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

雪穂「姉がいつもお世話になってます!」

 

雪穂「助っ人に入らせていただく、妹の高坂雪穂です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

監督「……絢瀬亜里沙は、助っ人としてチームに入ってもらう」

 

花陽「ルール上は問題ないので大丈夫です!」パラパラ

 

亜里沙「ツバサさんの勧めで来たんだよ!」

 

 

 

 

 

 

 

フミコ「試合には出なくても何かサポートしたいなって」

 

ヒデコ「マネージャーみたいな?」

 

ミカ「怪我した時用の控えとか!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

コォォォォオォオオオ………!!!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ことり「それにしても……」

 

穂乃果海未「?」

 

ことり「最近の練習ハードだよねぇぇぇ……」ガクッ

 

海未「しかし、確実に力がついているのがわかります、この調子ですよ!」

 

ことり「足とか腕には生傷が絶えないし筋肉もついて……」

 

ことり「もっと女子高生っぽいこともしたいよ〜……」

 

海未「例えばなんですか?」

 

ことり「ーー……」

 

海未「……ーー…!」

 

穂乃果「……」

 

サァァァァァァァ……!

 

ことり「……ねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「穂乃果ちゃんはどう思う?」

 

穂乃果「え〜?穂乃果はー……」

 

穂乃果「………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「………いけ」

 

おっちゃんおばちゃん「いけ……!」

 

音の木坂「いけぇぇぇぇ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果「……結構楽しいよ」ニッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!!

 

穂乃果海未ことり【ジ・アース!!】

 

ゴォォォォォォオォォオオオオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

角間「音の木坂勝ち越しのシュートを放ったぁぁ!!!凄まじい威力だぁぁ!!これで決まってしまうのかぁぁ!?」

 

エレナ「……」

 

DF1「……っ」フルッ…

 

MF2「……」ギュッ…!

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「ほら、そんなに不安そうな顔しないの」ザッ

 

あんじゅ「ポーカーフェイスはどこにいったのよ」ザッ

 

エレナ「二人とも……」

 

ツバサ「……あなたって全然人に頼らないわよね」

 

エレナ「……」

 

ツバサ「こういう時ぐらい頼りなさいよ、友達でしょ」ザッ

 

エレナ「!」

 

あんじゅ「全く、世話がやけるんだから」ザッ

 

エレナ(ーーあぁ、そうか………)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

いけー!パスパス!

 

えれな「………」ポツーン

 

しゅーと!

 

えれな「あ……!」

 

パシッ

 

えれな(…と、とれた…!)

 

はやくボールだして!

 

えれな「え…あ、うん……」

 

ドッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ(私はただ……[友達と]サッカーがしたかったんだな……)

 

ツバサ「準備はいい?エレナ」

 

あんじゅ「ぼーっとしてたら置いてくわよ」

 

エレナ「何か手があるのか?」

 

ツバサ「いや?」

 

あんじゅ「なんとかなるんじゃない?」

 

エレナ「……はっ、なんだそれ」ニッ

 

GK「エレナさん!!」

 

エレナ「……信じてるさ、二人とも」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴ………!!!!

 

穂乃果「…!」

 

海未「そう簡単には終わらせてくれませんか…!」

 

ことり「……負けない!」

 

エレナツバサあんじゅ「はぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ガコンッ……!

 

エレナツバサあんじゅ【王家の神殿!!】

 

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルルルルルル!!!!!!

 

エレナツバサあんじゅ「ぐっ……!!」ズズッ…!

 

穂乃果海未ことり「いけぇぇぇ!!!」

 

ギュルルルルル!!!!

 

にこ「決まれ!!」

 

希「入って!!!」

 

GK「破られ……ない!!」

 

DF2「止めてまえ!!!」

 

ギュルルルルル!!!

 

角間「最強と謳われたUTX高校!!今音の木坂が、その喉元まで迫り寄っています!!」

 

ツバサ「……最強……か」

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ(……中学の頃、私たちはあの人(前監督)に拾われた)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お前の才能を俺が引き出してやる」

 

ツバサ「私の……才能?」

 

 

 

 

 

 

 

「おい、そこのお前」

 

あんじゅ「……スカウトですか?それなら……」

 

「スカウトだ、サッカーのな」

 

あんじゅ「………はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前、キーパー楽しいか?」

 

エレナ「……知らない大人とは話さないようにしてるんだ」

 

「FWやってみないか?」

 

エレナ「……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ(言われた通り、私たち三人は天才と言われるほどに成長した)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お前たちは俺の最高傑作だ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

エレナ(私たちは、私たちこそが最強と疑わなかった)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「彼女たちが現れるまでは」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【デスゾーン!!】

 

穂乃果「はぁぁぁ!!!」バッ!

 

ギュルルルルル!!!

 

 

 

 

 

 

シュゥゥゥゥ……!

 

ツバサ「……!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「……ねぇ二人とも」ググッ…!

 

あんじゅ「っ…あ"?」プルプル

 

エレナ「……っなんだ…」ググッ…!!

 

ツバサ「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「私、あなたたちとチームメイトでよかったわ」

 

あんじゅエレナ「……は」

 

ツバサ「楽しかった」ニッ

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「………」ググッ

 

エレナ「……」ググッ

 

ツバサ「………」ググッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ フッ

 

あんじゅ ハァ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バチィッ………!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブワァッ……!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私も[だ]よ、ツバサ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドシュルルルルル……!!!

 

ツバサ(ーーー………)スッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「………き」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「決まったぁぁぁぁ!!!!!」

 

ワァァァァァァァァァァアアアア!!!!!

 

UTX「…………………」………

 

音の木坂「……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピッ、ピッ、ピーーーーーーーー!!!!

 

角間「ここで試合終了のホイッスル!!」

 

角間「長い長い戦いを制し、2年連続王者の座に君臨するUTX高校を破ったのは!!」

 

角間「今大会本選初出場の………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「音の木坂学院だぁぁぁぁ!!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

ヨクヤッターー!!オツカレサマー!!

 

パチパチパチ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「………」ハァ…ハァ…

 

ツバサ「………」ハァ…ハァ…

 

スタ…スタ…スタ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシッ…!

 

海未エレナ「……」ガシッ…!

 

ことりあんじゅ「……」ガシッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハァ…ハァ…

 

テクテク……

 

MF1「ツバサさん……」

 

ツバサ「………みんな、ごめんなさい」

 

あんじゅ「…負けちゃった」テヘペロッ

 

エレナ「……」

 

MF3「……終わっちゃったんっすね」

 

MF1「…今の一年生に、優勝をさせてあげたかったですね」

 

DF2「ツバサさんたち抜けるから来年からはきつなるぞ〜」ニヒヒ

 

MF2「そういうこった、ちんちくりん」ポンッ

 

DF1「……なんで……」

 

 

 

 

 

 

 

 

DF1「どうしてみんな悔しがらないんですか!!」

 

みんな「……」

 

DF1「強がっちゃってばっかみたい!!悔しいなら悔しいって言えばいいのに!!!」

 

MF2「……」

 

DF1「来年だとか、これからなんてどうでもいいんですよ!!私は、先輩たちと……!!!」ジワァッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュッ…!

 

DF1「うぅぅ…!」ポロポロ

 

MF2「……やめとけ馬鹿」ギュッ

 

DF2「……三連覇を逃した……とか、そんなんやなくて……」

 

MF3「あぁ、[終わり]なんだ、って」

 

MF1「………楽しかったですよね」

 

MF3「……はい」

 

MF1「もっと……みんなで……」

 

MF3「……そのくだり、前も…したじゃないっすか」

 

MF1「2回目は……寒いですか?」ズズッ….

 

MF3「……はい、寒いっす」ズズッ…

 

MF1.3「あっはは…!」ポロポロ

 

タッタッタッ

 

エレナ「!」

 

GK「……エレナ、さん」ハァ…ハァ…

 

エレナ「……すまなかった、君の努力を無駄にしてしまった」

 

GK「エレナさんがGKできるなら、もっと……もっと教えてもらいたいことがたくさんありました」

 

エレナ「……」

 

GK「もっと早く……知ってれば……!」ジワァ…!

 

エレナ「……君はわたしにないものをたくさん持ってるよ」

 

GK「でも……!!」バッ!

 

エレナ「いなくなるやつの背中なんて追いかけるな」

 

エレナ「これからのUTXのゴールは……」

 

エレナ「………」

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「これからも、UTXのゴールを頼む」

 

GK「ーーー…っ…!!」ブワァッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「……はぁ…はぁ…」テクテク

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果「今年の入部は私たちだけかぁ…」

 

海未「仕方ありませんよ、来年期待しましょう」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

海未「……」ハァ…ハァ…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

穂乃果「海未ちゃん!今年は!?」ガラッ…!

 

海未「……0人……ですかね」

 

ことり「……ま、まだ迷ってるのかも……」

 

海未「一応夕方まで待ってみましょうか」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「………」ハァ…ハァ…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

カァー、カァー

 

ことり「……来ないね」

 

穂乃果「……」

 

海未「……今年もまた、3人ですかね」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい!」

 

穂乃果海未ことり「!」

 

凛「こっちこっち!」ブンブン!

 

穂乃果「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰に言っても、誰も信じないだろう

 

一年前は3人だった部員が

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ絵里希花陽真姫凛雪穂亜里沙

「お疲れ様[です]!」ニッ

 

 

 

 

 

 

 

 

これほど素晴らしい仲間に囲まれているということを

 

穂乃果「っ……」ジワァ…

 

海未「………」グッ

 

ことり「うぅぅ……」ポロポロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワーワーキャーキャー!

 

団体から抜け出し感動に浸る人物が一人

 

にこ「……はぁーーー……」

 

プルプル…!

 

にこ(……にこ……にこたち……やったのよね。夢じゃ……ないのよね)ムニー

 

期待に胸を膨らまし入部したサッカー部

 

待っていたのは苦しい現実

 

仲間に出ていかれ、一人途方にくれた一年生

 

意地を張り、しかし諦めきれなかった二年生

 

もう一度、仲間を信じようと駆け出した三年生

 

その先に待っていたのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!

 

音の木坂ーー!!!!優勝おめでとー!!!

 

ピューーーイ!!!!イェーーイ!!!

 

にこ「………っ…」ポロポロ

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「ありがとー!」ブンブン!

 

凛「ありがとにゃー!」ブンブン!

 

真姫「どうしてあの二人あんなに元気なのよ……」

 

角間「えー、これにてフットボールフロンティアを終了したいと思います!!」

 

角間「30分後に表彰式が行われますので選手の皆さまは一度、控え室にお戻りになるようお願いいたします」

 

海未「ほら、戻りますよ穂乃果」

 

穂乃果「えー…もっとこの雰囲気味わってたいよぉ〜…!」

 

希「あぁ〜……気持ちはわかるかなぁ」

 

花陽「人生で滅多にない経験だもんね」エヘヘ…!

 

ゾロゾロ

 

海未「ほら、UTXも戻っています!私たちも行きますよ!」

 

穂乃果「はぁ〜い…」シブシブ

 






続きがまだかけていないので期間が空くと思いますが是非暇な時たまに見にきてやってください

先週テスト期間で来週とかもまたテストなんですよぉぉぉぉぉぉ
やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ


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最終兼コラボ?
最終話兼コラボで書かせていただくはずだったもの①




すみません今からめちゃくちゃネガティブなことを書いていくんですけどよかったら全部読んでね

◯まずこのお話はだいぶ前にルビィちゃんキャンディーさんhttps://syosetu.org/novel/180745/とした「自分たちの作品のキャラ同士で試合しませんか」というお話からできたものです

しかし書くのに予想以上に時間がかかってしまい作品を書くモチベーションも無くなってしまった結果、未完成のまま今に至ります

本当なら完成していない状態で出すなんて失礼ですししたくもないのですが携帯電話の機種を変えるときに訳あってデータを全消去(バックアップも)する予定のためメモ帳に書き溜めていたものもなくなってしまうことになりました
それならせめてと思い未完成のものと構想段階のもの、場面のみと言ったこれから書く予定だったものを全て載せようとおもいました

これを相手方にも伝えようと思ったのですが合作すると言って何も言わずに引き伸ばした挙句未完成品を載せるということをどうしても本人には言いづらく…(知らせたら優しいので無理にでも感想くれると思うので)
なので本人への通知なしという失礼なのは承知の上で行います
どうぞ内密にしていただければありがたいです
ほんとに申し訳なさすぎる…



 

 

 

このお話は「私の作品の最終話と合作を兼ねたもの」です

 

相手方は世界編を完結しておりますがこのお話では世界編途中までの浦の星メンバー+セイントスノーが戦います

あちら物語が進むのに合わせて加筆していたので少しちぐはぐしてるかも

 

大会後から試合まではまだ書けてなかったのでざっくり下書きのやつを…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

大会後

 

 

絵里一時ロシア帰国

絵里日本に帰ってきてからにこと真姫と新技練習

 

にこ「噂話聞く「音の木坂の悪魔が昔いたんだって」

「へぇ…」の後特売が!って走っていく

 

別シーン

何かしら、優勝もできた、信頼できる仲間もできた、これ以上のことは何もないはずなのに……

このやり残した感じは…

 

海未 居合

 

ことり ことりは最近可愛いもの集めにハマっているようですね

 

凛 走る

 

花陽 他校分析、中学生も

 

希 神社

 

穂乃果 穂乃果ママ「あなた練習は?」

 

ほ「今日はお休みだもーん!」

 

マ「休みの日でも体ぐらいは動かしておくものよ」

 

ほ「ぶぅ…」ムクッ

 

マ「全く…そんなんじゃ【マジン・ザ・ハンド】を完成させるなんて出来ないわよ?」

 

ほ「はーい」

 

マ「おやつはお饅頭でいい?」

 

ほ「えー…昨日もお饅頭だったじゃ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

ほ「今なんていった?」

 

マ「へ?だから、おやつはお饅頭で…」

 

ほ「そうじゃなくて!!」

 

マ「なに、あなたまさかあれで完成だと思ってたの?」

 

ほ「違うの!?」

 

マ「わたしに【マジン・ザ・ハンド】を教えてくれた人のは……本物はあんなものじゃなかったわよ」

 

穂乃果「そんな…」

 

マ「世界レベルの人でね、よくサッカーやろうぜ!って引っ張り回されて…懐かしいわね」

 

穂乃果「……お母さんの必殺技は?」

 

マ「未完成って呼ぶのおこがましいレベルね」

 

穂乃果 ガクッ…!!

 

マ「わたしにはあそこまでが限界だったけど、あなたは【焔】にまで行き着いた」

 

マ「期待してるわよ、リーダー♪」ポン

 

ほ「帰りたい…」

 

マ「こたつに入りながらなにをいう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いきなり試合シーン

こちらは音の木坂とA-RISE

相手方は浦の星メンバー(世界編途中)+セイントスノーです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「さあ試合開始です!!」

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーーーー

 

ドッ!

 

ツバサ「絢瀬さん!」

 

絵里「ええ、任せてくだ……さい…?」トッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チリッ…!

 

 

 

 

 

 

絵里「なに…この熱気…?」

 

真姫「あれは……!」

 

花丸「ルビィちゃ〜ん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボファァアァァアアアアア!!!

 

ルビィ【Awaken the power!!】ググッ…!

 

 

 

 

 

 

 

花丸「気合い入りすぎずらぁぁ!!」ゴーン!

 

理亜「何言ってるのよ、あれぐらい当然」

 

善子「当然とは」

 

千歌「あっはは!!いけいけー!」

 

絵里「…っ…!」

 

チリィッ…!!

 

この距離でも感じるほどの熱量

 

絵里は文字通り、ルビィの実力を肌で感じていた

 

絵里(この迫力…ツバサさんより…!!)トッ

 

ツバサ「絢瀬さん!一度戻して……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルビィ「遅い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッ!!

 

絵里「しまっ…!」ガクッ

 

角間「絢瀬ボールを奪われたぁ!!黒澤ルビィの動きに全くついていけません!!」

 

にこ「はっ…!やるじゃない!」ブルッ…!

 

海未「あんじゅ!希!」

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「止めるわよ希!」ダッ!

 

希「まかせてよあんちゃん!」ダッ!

 

理亜「ルビィ!!」

 

ルビィ「うん!」ググッ!

 

ルビィはしゃがんだ状態で足に力を込める

 

あの体勢は……

 

 

 

 

 

 

 

凛「ロケットスタート…!」

 

 

 

 

 

 

今にも倒れそうになりながら

 

ルビィ「よーい…………」ジリッ…!

 

グラァッ…!

 

倒れそうに………

 

グググッ…!!

 

倒れ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルビィ「ド

 

フッ

 

 

あんじゅ「え?」

 

希「消え…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルビィ「ン!!!!!!!」

 

花陽「ふぐっっ……!!」ズザザ!!!

 

ルビィ「…!?」キキキッ…!!

 

穂乃果「花陽ちゃん!」

 

凛「かよちん!!」

 

 

 

 

 

善子「はぁ!?」

 

果南「ルビィに追いついた!?」

 

ダイヤ「いえ、ルビィが動き出す前に……」

 

ダイヤ(あの状態のルビィを読み切るとは……何という予測精度…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「ここで止めるよ!」ジリッ

 

ルビィ「……ふふ」ニッ

 

花陽「……!」

 

この状況は予想外のはず、なぜ笑っているのだろう…?

 

エレナ「花陽!!そっちじゃない!!」

 

花陽「え?」

 

ルビィ「ルビィがボールを持ってるって、いつから勘違いしてたの?」

 

花陽「…!!ボールは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テンテンテン……

 

角間「黒澤ドリブルの瞬間にボールをさらに前線へと蹴り出していたぁ!!」

 

海未「誰もいません、パスミスです!取ってください!!」

 

凛「まかせて!」ダッ!

 

あまりにも無謀な位置へのパス

 

誰も追いつけるはずがなかった

 

 

 

 

 

 

 

ルビィ「………間に合うよね」

 

タッタッタッ!!

 

………そう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルビィ「理亜ちゃん♪」

 

ただ1人を除いて

 

 

 

 

 

 

パキパキパキ!!!!

 

理亜「当然!!」ダッ!!!

 

【Awaken the power!!】

 

凛「!?…速っ…!」

 

花陽「でもギリギリ凛ちゃんが…」

 

理亜「何か言った?」

 

 

 

 

 

 

 

 

シュバッ!!

 

理亜「…っし!」トッ

 

角間「鹿角妹が星空を追い抜きボールを受け取ったぁ!!」

 

真姫「速さで凛に対抗するなんて……とんでもないわね」

 

エレナ「マークを緩めるな!!」

 

花陽「あっ…!」

 

ルビィ ダッ!!!

 

花陽が理亜に気を取られた隙にマークを外しゴールへ向かう

 

角間「【Awaken the power】のオーラを纏った黒澤と鹿角がゴールへと駆けていく!!」

 

花陽「ごめん穂乃果ちゃん!!」

 

 

 

 

真姫「……ねえ絵里」

 

絵里「なに真姫」

 

真姫「………すごく嫌な予感がするんだけど」

 

絵里「奇遇ね、私もよ」

 

ルビィ「いくよ理亜ちゃん!」バッ!

 

理亜「言われなくても!!」バッ!

 

穂乃果「………!」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

ブワァァァァァァ!!!!

 

ブワァァァァァァ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フワッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!

 

ルビィ理亜【クロスファイア!!】

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里真姫「やっぱりーー!!!」

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

角間「黒澤と鹿角の【クロスファイア】だぁぁ!!世界大会でもその実力を示したこの必殺技を、高坂止められるかぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!

 

海未「穂乃果!!」

 

にこ「止めちゃいなさい!!」

 

穂乃果「もちろん!」グッ

 

ボフォォォオォォオオオオ!!!

 

迫り来る炎を前に穂乃果のマジンも炎を纏う

 

FF決勝で行き着いた【マジン・ザ・ハンド】の先の自分だけの必殺技

 

最高の挨拶には最高の必殺技で答える

 

角間「こ、これはぁ!?炎対炎、どちらの炎が勝負を制することになるのでしょうかぁ!!」

 

穂乃果「はぁぁぁ!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド"焔(ホムラ)"!!】

 

ギュルルルルルルルル!!!!!!

 

穂乃果「……っ…!?…っぐ…!!」ズズッ

 

ズザザッ!!

 

あんじゅ「嘘でしょ…」

 

ツバサ「これは……少し驚いたわね」

 

UTXの捨て身の必殺技【ゴッド・フェニックス】すら止めた穂乃果の必殺技は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「うわぁぁ!!!」ブワァッ!!

 

ドサッ…!

 

ドシュルルルルル!!!!!

 

いとも簡単に破られてしまった

 

ルビィ「炎対決……」スタッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルビィ「ルビィ達の勝ち!!」ブイッ!

 

理亜「ふんっ」

 

角間「き、決まったぁぁぁ!!!」

 

角間「先制点を決めたのはジャパンの誇るストライカー黒澤と鹿角だぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……シュゥゥゥゥ……!

 

ルビィ理亜「………っふぅーー…」

 

千歌「キレッキレだねルビィちゃん!理亜ちゃん!」

 

ルビィ「挨拶がわりだよ!」

 

聖良「調子は悪くなさそうですね」ナデナデ

 

理亜「あれぐらい当然」フンス!

 

鞠莉「素直じゃないんだから〜」ウリウリ!

 

理亜「じゃ〜〜ま!!」ベシッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鞠莉「聖良には頭撫でられても嬉しそうにしてたのに…」クスン

 

理亜「私が悪いの?」

 

ダイヤ「放っておきなさい」

 

聖良「あ、はは…」

 

果南「……梨子、あとどれぐらいで行けそう?」

 

梨子「あと……ワン…いや、ツープレイぐらいですかね」

 

千歌「楽しみだね!」

 

善子「クックック、次はこの堕天使ヨハネにも出番が……」

 

花丸「浄化ズラ、浄化ズラ」ペイペイッ

 

善子「ちょ、やめっ…!物理的に塩を撒くんじゃないわよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「………」

 

海未「………」

 

にこ「………」

 

試合序盤、まだ先取点を取られただけとは思えないほどチームは静まり返っていた

 

ツバサ(え!?一点決められただけでこんなに落ち込むの!?)

 

花陽(どうすれば…!)

 

ツバサ(こ、こうなったら私たちが元気付けるしかないわ…!)

 

花陽 コクコク

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「貴方達、まだまだ試合はこれからよ!そんなに落ち込まずに……」アセアセ!

 

花陽「そ、そうだよ!その……がんばろ!」アセアセ!

 

みんな「……」

 

絵里「……ふふ」クスッ

 

真姫「あはは…!」

 

ツバサ花陽「……へ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっははははははは!」

 

ツバサ花陽「え………え!?」アワワ…!

 

エレナ「この程度でこの子らが落ち込むわけないだろ」

 

ツバサ「うぐっ…!」

 

凛「かよちん忘れたの?このチームは戦闘民族の集まりだよ?」

 

花陽「はっ…!」

 

穂乃果「聞こえているぞカカロットォォォ!!」

 

凛「ベジータァァァァ!!!」

 

バシバシ!

 

穂乃果凛「あうちっ…!」

 

海未「茶番はさておき、どうですか?穂乃果」ニッ

 

穂乃果「さいっこうだよ!!」ワクワク

 

絵里「凛を凌ぐスピードに、穂乃果を圧倒するパワー」

 

にこ「相手にとって不足なしよ!」

 

穂乃果「次は……穂乃果たちの番だよ!!」

 

みんな「おー!!」

 

 

 

 

ドクンッ!

 

穂乃果「……!」ピクッ

 

チームの士気を高めると同時に

 

久しぶりの強敵を前にして

 

 

 

穂乃果の中の何かが変わろうとしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「開始数分で先制点を決めたのは浦の星!!」

 

角間「しかし音の木坂も黙っていないといった表情!!」

 

音の木坂0-1浦の星

 

ピーーーーー!

 

ドッ!

 

角間「音の木坂ボールで試合再開です!!」

 

 




とりあえず試合は書いたところまで全て載せます


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正規の最終章ルートでは未来から浦の星が襲ってくる設定だったのでその時書いてた梨子ちゃんの性格が少し引っ張られちゃってるかもしれません……すみません


 

 

 

 

 

 

 

 

角間「開始数分で先制点を決めたのは浦の星!!」

 

角間「しかし音の木坂も黙っていないといった表情!!」

 

音の木坂0-1浦の星

 

ピーーーーー!

 

ドッ!

 

角間「音の木坂ボールで試合再開です!!」

 

 

 

 

 

 

絵里「希!」ドッ!

 

希「うん!」トッ

 

ダイヤ「皆さん気を引き締めてください!!」

 

善子「何でこっち見て言うのよ!!」

 

角間「絢瀬からパスを受け取った東條!ここから……おや?」

 

希「………」トッ

 

絵里「希?」

 

凛「どうしたのかにゃ?」

 

希(……しっかり[見た]、この目で)ジャリッ……!

 

ルビィ「…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユラァ…!

 

希「……っむむむ…!」ググッ

 

ユラァァ…!!!

 

善子「あれってまさか…」

 

ダイヤ「【Awaken the power】!?」

 

花陽「いくら見ただけで真似できるっていっても……あれを!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希の周りには淡いオーラがゆらゆらと漂っていた

 

【Awaken the pmwer】のオーラは使用者の魂そのもの

 

東條希のオーラは……

 

花陽「……すぴりちゅある」

 

希【…Awaken……the…!!!】グググッ…!

 

ルビィ「……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブワァッ……!

 

希「……っぷはぁ…!」

 

穂乃果「へ?」

 

希「ごめん無理やった!」ドッ!

 

海未「希!?」トッ

 

希「いやー……きついなぁ…」ポリポリ

 

ダイヤ「流石に不可能だったみたいですわね」フゥ…

 

鞠莉「そんなにホイホイ真似されちゃたまったものじゃないわよ!?」

 

ルビィ「あの……希さんって…」

 

絵里「ああ、希は見ただけでその人と同じプレイができるのよ」フフン!

 

鞠莉「どうしてエリーがドヤ顔するのデースカ?」why?

 

あんじゅ「ほんとにね」

 

ルビィ(今のを……見ただけで……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理亞「……あそこまで持っていくのにそこそこ苦労したんだけど…」

 

聖良「あちらにも癖のある選手がいるみたいですね」

 

真姫あんじゅ「希は特にね」

 

 

 

 

 

希「くっしゅん!」

 

希「?」ズズッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「集中してください皆さん!」トトッ

 

角間「東條何かをするそぶりを見せながらも失敗に終わったぁ!園田へとボールが移ります!」

 

花丸「善子ちゃん!」

 

善子「行かせないわよ海未さん!」ザッ!

 

海未「あなたに止められますかね善子」ニッ

 

善子「ヨハネよ!」

 

 

 

 

 

 

海未「ふっ…!」ドッ!

 

ギュルルルルル!!!

 

海未【ひとりワンツー!】バッ!

 

善子「知ってるわよその技!!」バッ!

 

海未「!」

 

角間「おぉっと!?園田の【ひとりワンツー】を津島が先読み!!既に対策済みかぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

まだメンバーも揃っていなかった頃、戦ったチームが同じ技を使っていたのを覚えていた善子は

 

ボールを奪うため先読みを謀る

 

善子「このボールは海未さんに帰ってくるはず…!」ザッ!

 

ギュルルルルル!!

 

ドッ!

 

善子「なっ…」

 

海未「……【ひとりワンツー】」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「なんちゃってバージョンです」ニッ

 

角間「これは自身の必殺技を囮に使ったぁ!ボールは園田に返らずメンバーのもとへ……」

 

聖良「はっ!」ガッ!

 

音の木坂「!?」

 

海未「あっ…!」

 

角間「鹿角ボールを弾いた!!!流れはさっそくSASが掴みかけているかぁ!?」

 

海未の機転も虚しく聖良がボールをカット

 

大事な失点直後の攻撃での失敗

 

嫌な流れはジワジワとチームを蝕んでいく

 

海未聖良「ボールを!!」

 

テンテンテン…

 

シュバッ!!

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「ナイスパスよ海未!」トッ

 

海未「…どういたしまして」ホッ…!

 

角間「ボールの先には綺羅!音の木坂なんとか助かりました!」

 

聖良「そう一筋縄ではいきませんか…」

 

ツバサ「花陽!」ドッ!

 

花陽「はい!」トッ

 

角間「DFから上がってきていた小泉、綺羅からボールを受け取ります!」

 

曜「ここは通さないよ!」ザッ!

 

 

ドッ

 

ツバサ「……今の状況はわかってる?」トッ

 

花陽「……だから上がってきました」ニッ

 

2人は肩を並べて曜へと体を向ける

 

ツバサ(こんな感情は……音の木坂と戦った時以来ね)

 

花陽(自分の力が通じるかもわからないほどの圧倒的な力を見せつけられて)

 

ジャリッ……!

 

曜「……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゾクゾクするほど興奮してる

 

曜「はーーーー………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッ! トトッ……クルッ!

 

角間「綺羅と小泉のドリブル突破!!渡辺を置き去りだぁ!!」

 

曜「何今の…!?」ガクッ

 

果南「マル!鞠莉!」

 

花丸鞠莉「うん!」ダッ!

 

角間「国木田と小原が距離を詰める!!これは流石に厳しいかぁ!?」

 

曜「気をつけて!!」

 

曜(速いとか上手いとかじゃなかった…一体…?)

 

ツバサ花陽「………」

 

 

 

 

 

 

敵の速さに、シュートに圧倒された

 

この事実は少しずつチームのメンタルを追い詰めていく

 

だから

 

そうなる前、相手が流れ(リズム)に乗る前に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ花陽「ーーーー……!!」バッ!

 

技術と分析で掻き回せ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザッ…クンッ…!

 

鞠莉「ぉ……っと…!」カクッ…!

 

ツバサのフェイントで鞠莉がバランスをわずかに崩す

 

花丸「はぁ!!」バッ!

 

ツバサ「…ふふ」ドッ

 

花丸が前に出るタイミングで花陽へバックパス

 

鞠莉花丸「…!」バッ!

 

ツバサを警戒しながらすぐさま花陽へ向かう2人

 

花陽「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

片足が上がる瞬間

 

ツバサ ダッ!

 

鞠莉花丸「まずっ…!」

 

花陽「ツバサさん!」ドッ!

 

ツバサ「…っし!」トッ

 

角間「これは鮮やかな連携プレー!!触れることなく2人を抜いたぁ!!」

 

にこ「やるじゃない!」

 

凛「いくよー!真姫ちゃんかよちん!!」ダッ!

 

角間「星空も上がってきています!!」

 

鞠莉「sorry果南……!!」

 

ツバサ「任せたわよ!」ドッ!

 

真姫花陽凛「はい!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グッ……ダンッ!

 

グルグルグル グルグルグル

 

ギュフッ……!

 

 

 

 

バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!

 

真姫凛花陽【ファイアトルネードTC!!】

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!

 

角間「悪い流れを拭い去れるかぁ!?音の木坂の必殺シュート!!浦の星どうする!?」

 

鞠莉「ワーオ…!」

 

ルビィ「わぁ…!」

 

曜「すごい迫力…」

 

敵のシュートに感心しつつも、彼女たちには絶対的な自信があった

 

ゴキゴキッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浦の星には、奴がいる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぉらぁぁぁあああ!!!!」バッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浦の星の正ゴールキーパー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズガァッ!!ズガァッ…!!

 

果南「もういっちょぉ!!」バッ!

 

果南【海王の三叉撃!!!】

 

ドガァァァァアアアア!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ッシュゥゥゥゥ………!

 

果南 ニッ

 

『海王』松浦果南

 

 

 

 

 

角間「とぉめたぁぁ!!!音の木坂の強力な必殺技を正面からがっしりキャッチしました!!」

 

真姫凛花陽「…!」スタッ

 

果南「まあまあかなん?」

 

鞠莉「いいわよ果南!」

 

花丸「海王見参ずら!」

 

 

真姫「……次は決めます」

 

果南「受けて立つよ!」グッ

 

凛花陽 グッ!

 

 

 

 

 

 

果南「………」

 

果南(……少し甘くみすぎたかな)ビリビリ…!

 

ツバサ「花陽、次に備えてまたディフェンスを……」クルッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「ぜーー…!!はーー…!!」ハァ…ハァ…!

 

ツバサ「………」

 

凛「……」ソロ〜…!

 

タッタッタッ

 

にこ「あんたら早く戻ってきなさい!!ディフェンス!!」

 

角間「ディフェンスを飛び出した星空は自陣へと戻って行きます!」

 

凛「おまたせにゃ!」ザッ!

 

海未「おや?花陽は…」

 

凛「……」

 

凛(……恐かった…)ブルッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガミガミガミガミ!!

 

ツバサ「あんなのでバテるなんて走り込みが全く足りてないわ!!今の何倍も体力をつけること!!わかった!?」

 

花陽「ごめんなさいー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「両チームまずはシュートを挨拶がわりに一本づつ!ここから試合はどう動いていくのでしょうか!!」

 

果南 チラッ

 

梨子「……」

 

梨子「………うん」パチッ

 

曜「ん、結構早かったね」

 

梨子「せっかくの試合なのに時間かけるのももったいないもの」クスッ

 

千歌「怖いんだぁ、こういう顔してる時の梨子ちゃん」フフ

 

梨子「調律は済みました、ここからは私が指揮します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千歌「……調律は済みました、ここからは私が指揮します」ボソッ

 

梨子「…っ…!」ビクッ

 

花丸「最近善子ちゃんに影響されすぎずら」

 

梨子「……っ……っ…!」プルプル

 

鞠莉「梨子はヨハネのリトルデーモンだからネ♪」

 

梨子「うわぁぁぁぁぁ!!!!///////」ダッ!

 

 

 

 

ルビィ「逃げちゃった…」

 

ダイヤ「あ・な・た・た・ち!!試合中ですわよ!!」

 

みんな「サー!イエッサー!」ダッ!

 

梨子(うぅぅ……!冷静に考えると結構恥ずかしいこと言ってたぁぁ……!!////)

 

善子(何今の……カッコいい…!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「何か仕掛けてきそうですね…」

 

花陽「…っはぁ…!そうだね!」ザザッ

 

凛「かよちん…お疲れ様」

 

にこ「お疲れ、戻って早々大変だけどここカウンター決めるわよ」

 

花陽「はい!」

 

点は決められなかったが悪い流れは切れたかなと思う花陽だった

 

 

 

 



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果南「梨子!」ドッ!

 

前半まだ始まったばかり、ここからが本番だとばかりに力強く梨子へとボールを届ける

 

梨子「はい!」トッ

 

花陽(…!梨子さんはさっきから攻撃にもディフェンスにも消極的だった……)

 

花陽(一体……)

 

梨子「いくわよみんな!!」ダッ!

 

浦の星「おお!!」ダッ!

 

花陽(しっかり見極めて、今度はこっちが先手を取る…!!)

 

 

 

 

 

 

 

梨子「ダイヤさん!」ドッ!

 

ダイヤ「はい!」トッ

 

にこ「海未みたいな雰囲気してるねあんた」ザッ!

 

ダイヤ「あんたではありません、ダイヤですわ」

 

にこ「……いいわ、覚悟しなさいダイヤ!」バッ!

 

ガガッ!トッ…ズザザッ!

 

ダイヤ「っ…!」トトッ

 

にこ「ほらほらぁ!!抜いてみなさいよ!!」ガガッ!

 

角間「矢澤ねちっこいディフェンスだぁ!!黒澤少しずつ後退させられている!!」

 

小柄な体格を生かしたディフェンスで敵の懐へと潜り込む

 

あちらのにこと違い突出した武器はないが泥臭いプレーと根性でダイヤに対抗する

 

にこ「守ってばっかじゃ抜けないわよ!」

 

ダイヤ「……ここまで引き付ければ…」ボソッ

 

花陽「ダメにこちゃん!深追いしすぎ!」

 

梨子「ダイヤさん!!」

 

ダイヤ「…!はい!」ドッ!

 

にこ「ちっ…」

 

 

 

曜「ヨーソロー!」トッ

 

凛「いかせないにゃー!」ザッ!

 

曜「勝負したいところだけど……」

 

梨子「曜ちゃん!!」

 

曜「おーっけい!」ドッ!

 

凛「にゃ〜?」

 

ルビィ「ほっ!」トッ

 

ルビィ「梨子ちゃん!」ドッ!

 

梨子「よし…!」トッ

 

 

 

 

 

 

 

角間「先ほどとは違い落ち着いた攻めを見せていきます!」

 

花陽(……何だろうこの感じ…さっきより攻撃的じゃないのに……)

 

花陽「……嫌な感じ」

 

エレナ(全員が何かに導かれるように動いている…?)キョロッ

 

 

 

 

 

ツバサ「これは私の考えなんだけど」

 

絵里「?」

 

ツバサ「司令塔って、オーケストラで言えば指揮者だと思うのよね」

 

あんじゅ「頭良さそうなこと言い出したわね」

 

ツバサ「うるさい」

 

 

海未「指揮者……ですか」

 

ツバサ「ええ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梨子「善子ちゃんへ!!」ドッ!

 

千歌「うん!」ドッ!

 

角間「浦の星流れるようなパスワークで敵陣へ攻め込んで行く!!」

 

梨子「♪」

 

花陽「ーーー……まさか!!」

 

そう

 

すでに先手は打たれていた

 

 

ツバサ「同じチーム、同じ相手でも……」

 

 

 

 

 

 

 

彼女たちには見えている

 

ここまで数々の強敵と闘い、互いに信頼し合ったメンバーだからこそ見える

 

光の道が

 

 

 

ツバサ「指揮者が変われば音が変わる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梨子【神のタクト】

 

 

 

 

 

 

 

 

善子「善子じゃなくてヨハネよ!!」トッ

 

角間「津島がゴール前でボールを受け取ったぁ!!完全にフリーだぁぁ!!」

 

善子「クックック…」バサァッ…!

 

花陽「……っ穂乃果ちゃん!」

 

穂乃果「まかせて!」グッ!

 

善子「ここまであんまり出番がなかった堕天使の怒りを……受け取りなさい!!」

 

花丸「私情ドバドバずら」

 

 

 

 

 

 

善子「はぁぁぁぁぁ!!!」バッ!

 

 

 

 

ドキュッ!!!

 

善子【デビルバースト!!】

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!

 

鞠莉「2点目いただきデース!」

 

ルビィ「いけー!善子ちゃーん!」

 

角間「音の木坂一体どうす……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うちのリーダーをあんまり舐めてんじゃないわよ」

 

浦の星「…!」ピリッ…!

 

 

 

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドギュルルルルルル!!!!!!

 

ッシュゥゥゥゥ……!!

 

穂乃果【……マジン・ザ・ハンド】パシッ

 

 

善子「んなぁっ…!」

 

穂乃果「にひひ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「とぉめたぁ!!!!高坂見事止めました!」

 

角間「浦の星は追加点とはならなかったが攻撃に勢いが出てきたぞぉ!!」

 

穂乃果「……ふぅ」

 

にこ「ちょっと穂乃果!止めたのはいいけどなんで【マジン・ザ・ハンド】なのよ!」

 

凛「疲れちゃった?」

 

穂乃果「少し集中したかったんだ」

 

みんな「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「少し……違う景色が見えそうなんだ……」

 

花陽「違う景色……??」

 

海未「……つまりどういうことかわかりますね」

 

凛花陽にこ「ギクリ」

 

海未「穂乃果のサポート、お願いします」ニコッ

 

凛花陽にこ「あぁぁぁぁぁ…………!」ガクッ

 

 

エレナ「まかせてくれ」

 

あんじゅ「真面目か」

 

 

 

 

 

 

 

 

果南「…舐めてたわけじゃないけど…甘くないね」ペロッ…

 

善子「私の見せ場がぁ!」

 

千歌「さすが不運の星の元に生まれし堕天使…」

 

花丸「不運というか今のはシンプルに実力……」

 

善子「うるさい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「さぁ!見事津島のシュートを止めた高坂!!」

 

穂乃果「花陽ちゃん!」ドッ!

 

花陽「任せて!」トッ

 

角間「小泉から組み立てていく!音の木坂の頭脳がゴールまでの道を切り開くかぁ!?」

 

千歌「千歌が!」バッ!

 

梨子「千歌ちゃ…!あんまり急ぐと…」

 

花陽「ー…!」グッ

 

花陽(体重移動のタイミング、利き足、目線の動き)

 

 

 

 

 

 

 

 

トッ…トッ…クルッ!

 

花陽【オフェンス方程式!】ダッ!

 

千歌「んなぁ!?」ガクッ

 

にこ「よぉっし!!」

 

角間「小泉抜いたぁ!!見事相手を読みきりました!!」

 

鞠莉「ちかっち!焦りすぎよ!」

 

千歌「うぅ……!」

 

少しづつでも自分たちのペースにしていかないと、そのためには…….

 

 

 

花陽(わずかな綻びも見逃さない!)

 

花陽「エレナさん!」ドッ!

 

花陽「ぁ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「…」トッ

 

梨子「めんどくさそうな人は早めに対処させてもらいます!」ザッ

 

曜「うん!めんどくさそうな人からだね!」

 

角間「ここは2人で確実に統堂を抑えにかかります!!あくまで追加点を狙っていくつもりかぁ!?」

 

エレナ「あんまりめんどくさいを連呼しないでくれるとありがたいな」ハァ…

 

ため息をつきながら目線を落とす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー……

 

 

 

 

 

 

 

 

梨子曜「……!」ザッ!

 

エレナ「!」ピタッ

 

梨子「…そんな風に何食わぬ顔でチャンスを狙うからめんどくさいって言ったんですよ」フフ

 

曜「すごいね…梨子ちゃんにあらかじめ言われなかったら出し抜かれてたよ…」

 

エレナ「…どっちがめんどくさいんだか…」チラッ

 

梨子「!」

 

 

 

 

 

エレナ「では小細工なしで行くとしよう」ダッ!

 

梨子曜「ーー…!」バッ!

 

 

 

 

 

 

ガガガッ!トッ……ザザッ!

 

エレナ「なかなか…やるっ……な…!!」トトッ

 

曜「どう……いたしまして!!」ガガッ!

 

梨子「後……少し…!!」ザザッ!

 

角間「紙一重で避けている統堂!!しかし時間の問題かぁ!?」

 

あんじゅ「ここで奪われたら台無しよ〜?」

 

希「結構薄情やねぇ……」

 

あんじゅ「?何言ってるの?」

 

希「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

梨子(これで決める…!)グッ

 

エレナ「…!」

 

角間「桜内必殺技の体勢!!勝負を決めに来たかぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「薄情っていうか……」

 

 

 

 

 

 

梨子【アインザッ…!】

 

エレナ バッ!

 

梨子(しまっ…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「エレナからパスが来なかったことなんてないもの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「統堂ディフェンスをかいくぐりパスを出したぁ!!」

 

梨子「やられた…!」

 

曜「こんな隙間を…!?」

 

エレナ「…早めに焦れてくれて助かった」ニッ

 

梨子「……!」

 

たったボール1つ分、エレナにはそれだけで十分だった

 

花陽「あの状態から…さすがです!」

 

梨子「ごめん焦っちゃった…!」

 

曜「お願い!」

 

 

 

 

 

 

 

まあ裏を返せば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっきまで2人はボール1つ分のパスコースすら見せなかったということなのだが

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォ!

 

真姫「私が…!」

 

花丸「自由にはさせないズラ!」ザッ!

 

真姫「もう〜〜…!」ジリッ…!

 

絵里「これは…」ザッ…

 

ツバサ「面倒ね…」ジャリッ…

 

鞠莉「またマリーたちが攻撃させて貰いマース!」

 

角間「統堂前線へパスを出したがFWはがっちりマークされている!!これでは攻撃できない!!」

 

エレナ「ああ、そうなると思って」

 

タッタッタッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「にゃーーー!!!!」ダダダダッ!!

 

エレナ「助っ人を派遣しておいた」

 

凛「過重労働だにゃーー!!!」ダダダダッ!!

 

角間「またもや星空が前線へ!?追いつくのかぁ!?」

 

花丸「止め…!」バッ!

 

真姫「おっと、いかせないわよ?」ガッ!

 

花丸「ズラー!」

 

エレナ(DFがFWをマークしているということは逆もまた然り)

 

エレナ(私たちのFWはあちらのDFを完全に封じ込める)

 

梨子(……!)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

エレナ「…どっちがめんどくさいんだか…」チラッ

 

梨子「!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

梨子(あの時からすでにこの状況を想定して…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダダダダッ!!

 

ゴォォ!!

 

角間「星空へとパスが……!」

 

エレナ(…!?)

 

凛(これ……間に合わなっ……!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スカッ…!

 

凛エレナ「ーーー…!」

 

角間「空……っぶったぁぁ!!!が!!まだ間に合う距離です!!」

 

凛(やっちゃったやっちゃった…!!)タッタッタッ!!

 

テンテンテン…!

 

バッ!

 

凛「よし!追いつい…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルビィ「……た?」トッ…!

 

凛「へ」

 

みんな「!?」

 

角間「ど、どこから現れた!?黒澤のパスカットォ!!」

 

花陽(あれに追いつくなんて…!)

 

果南「ナイスルビィちゃん!!」

 

 

 

凛「ルビィちゃんがいるの忘れてたにゃ…」

 

ルビィ「最初にあんなにアピールしたのに忘れられるのは悲しいなぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………チリッ…!

 

花陽(【Awaken the pmwer】…!)

 

再び全身にオーラを纏い始める

 

また……あれが来る

 

花陽「止めて!!」

 

ダイヤ「間に合いませんわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私を忘れてもらっては困るわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガキィィィイイイン!!!!

 

浦の星「!?」

 

聖良「……!」

 

絵里【スノーエンジェル】

 

希「えりち!」

 

角間「FWでありながら強力なディフェンス技を持つ絢瀬、黒澤を氷漬けだぁ!!」

 

絵里「ここは止めさせてもらうわよ……って……」

 

絵里「…え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピシィ…!!

 

ツバサ「……流石に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピキピキピキ………パリィン…!!!

 

ツバサ「規格外すぎるわ」タラッ…

 

絵里「私の氷が……!!」

 

花陽(【Awaken the power】のオーラは出てないってことは……素の強さがあれなの!?)

 

ルビィ「ルビィを凍らせるならもっと冷たく強力に、ですよ!」ダッ!

 

角間「絢瀬のディフェンスをものともしない!!何というフィジカル!!」

 

 

 

聖良「私もあの時は正直泣きそうになりました……」

 

理亜「姉様の方が強くてかっこいい」

 

花丸「うちのルビィちゃんがその節は…」

 

 

 

絵里「もっと冷たく……強力……」

 

真姫「絵里!ぼーっとしない!」

 

絵里「わっ……かってるわよ!」ダッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

この時、互角の攻防に見えた両チームには

 

心理面で大きな差が生じていた

 

 

 

 

チャンスを二度潰された音の木坂

 

ピンチを二度回避した浦の星

 

 

 

 

 

 

花陽梨子(この流れ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽(まずい…!)

 

梨子(チャンス…!)

 

 

 

 

花陽「みんな!!すぐにディフェンスを固めて!!」

 

音の木坂「!!」

 

梨子(そんな隙は与えない…!)バッ!

 

梨子「必殺タクティクス!」

 

 

 

 

 

 

 

 

タッタッタッ!

 

鞠莉「マル!いくわよ!」タッタッタッ

 

花丸「この戦術疲れるずらーー!!!」タッタッタッ

 

曜「よーしこー!」タッタッタッ

 

善子「ヨーハーネー!」タッタッタッ

 

千歌「うおーー!!!」タッタッタッ

 

梨子「千歌ちゃん!!」タッタッタッ

 

理亜「ルビィ遅いんじゃない!?」タッタッタッ

 

ルビィ「早すぎてもダメだよ!!」タッタッタッ

 

聖良「こら理亜ー、迷惑かけちゃダメですよ!」タッタッタッ

 

 

 

果南「……すこし寂しくないこともない」ポツーン

 

 

 

 

 

 

 

 

ザザザザザザザ!!!!!

 

花陽「ちょ、ちょ……ちょっとまっ…!?」

 

あんじゅ「これまずいんじゃ…!」

 

凛「にゃぁ〜……」

 

 

 

 

 

角間「浦の星が一丸となり音の木坂を飲み込んでいく!!これは……」

 

梨子「全員の息を合わせて、相手を圧倒する波を作る……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザバァッ!!!!

 

浦の星【ミラクルウェーブ!!】

 

 

 

 

真姫「何よこれ…!」ガポォッ…!

 

花陽「この圧力……!!」ウブッ…!

 

凛「ッガボ……!」ザバァッ…!

 

 

 

にこ「くっそ…!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ【スピニングカット!!】

 

ズシュゥゥゥゥ……

 

ブワァァァァァァ!!!!!

 

角間「矢澤【スピニングカット】を【ミラクルウェーブ】ぶつけたぁ!!」

 

花陽「にこちゃん!」

 

海未「にこ!」

 

にこ「そう簡単に……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梨子「飲み込む」

 

 

ザバァァァアアアアアア!!!!

 

にこ「そんっ…がぼっ…!?」ザバァッ!

 

角間「矢澤押し負けたぁ!!」

 

海未「っ……穂乃果ぁ!!」ゴボォッ!

 

 

穂乃果「……!」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザバァッ!!

 

梨子「準備はいい?2人とも」トッ

 

曜「バッチリであります!」

 

千歌「早く!早く!」

 

角間「DFを抜けたぁ!!残すは高坂のみ!!」

 

鞠莉「今度こそ2点目いただきデース!」

 

梨子「いくわよ!」バッ!

 

千歌曜「おう!」バッ!

 

ポーン!

 

 

 

 

 

 

 

 

梨子曜「ふっ……!!」ドゴォッ!!

 

ギュォォォォオオオ!!!!

 

 

 

 

ダダダダッ!!!

 

千歌「はぁぁぁぁ!!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!

 

千歌曜梨子【エボリューション GX!!】

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!

 

角間「浦の星の強力な必殺技が音の木坂のゴールへと襲いかかる!!」

 

千歌曜梨子「いけええええ!!!」

 

ことり「穂乃果ちゃんお願い!!」

 

絵里「穂乃果!!」

 

穂乃果「……!」バッ!

 

穂乃果(ここで決められるわけには…!)

 

ボフォアァァァアアアアア!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド"焔(ホムラ)"!!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルル!!!!!

 

穂乃果「……っ!」ズズズッ!!

 

角間「押し込まれる高坂!!残り時間も迫る中ここは止めてカウンターを仕掛けたいところ!!」

 

ギュルルルルル!!!!

 

穂乃果(結構……キツイ………!)チラッ

 

ツバサ「バカ…!」

 

前半も残り少ない中、穂乃果はカウンターに備えてグラウンドへ目を向けた

 

足元をすくわれるとはこういうことを言うのだろう

 

ギュルルルルルルルル!!!!!

 

穂乃果「っ…!?しまっ…!」ブワァッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バチィッ……!

 

ドサッ!!

 

角間「高坂弾かれたぁ!!ボールは……」

 

ガァァァァン!!!

 

梨子「…!」

 

千歌「げっ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュゥゥゥ……!

 

テンテンテン…

 

海未「……ふぅー…」ホッ

 

角間「これは高坂ゴールポストに助けられました!!浦の星のコーナーキックです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千歌「決まったと思ったのに…」ムゥ…

 

曜「威力では押してたよ!」

 

梨子「うん!でもそう余裕があるわけでも…」

 

善子「フフン!もう私たちの勝利は決まったようなも……あでっ!」バシッ!

 

善子「何するのよズラ丸!!」

 

花丸「頭まで堕天し切ってる善子ちゃんに正義のチョップずら」

 

果南「…見てみなよ、あっちの司令塔組を」

 

善子「?」チラッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽エレナ「ーーで…いや、あの場面は……が……」

 

ダイヤ「浮かれてる暇などありませんわよ!」

 

理亜「一点なんかで満足しない」

 

果南「試合終了の笛がなるその瞬間まで、気を抜かずに行こう!」

 

みんな「おお!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガンッ!!!

 

穂乃果「……」

 

一瞬、「ボールを止める」以外に

 

別のことを考えた

 

穂乃果「すぅー……」

 

心の中のモヤモヤをしっかり貯めて……

 

穂乃果「……っはぁーー……」

 

吐き出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「全く、詰めが甘いというか貴方らしいといいますか……」ザッ

 

穂乃果「ギリギリ弾けてよかったよ、次は止められる」ドンッ

 

海未「なんども言わせないでください、心配はしませんよ」クスッ

 

絵里「穂乃果は大丈夫として、向こうの戦術に全く歯が立ってないことは確かね」

 

海未「【神のタクト】だけでもかなり厄介ですが」

 

ツバサ「【ミラクルウェーブ】、連発はできないと思うけど対処はかなり難しいわね」

 

エレナ「あれほど圧倒的にやられてしまっては多少の流れは関係ないしな」

 

凛「ウェーブだけに?」

 

エレナ「お、うまいな」

 

ゴチッ!!ゴチッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ海未「気は済んだかしら?」「気は済みましたか?」

 

エレナ凛「あい……」シュゥゥゥ…!

 

あんじゅ海未「まったく…」

 

凛(和ませようと思っただけなのに…)

 

エレナ(な)

 

あんじゅ海未 ギラッ…!!

 

エレナ凛「ムグッ」お口チャック

 

花陽「あ、はは…」

 

 

 

絵里「ほーら!まじめに対策するわよ!」

 

真姫「でも今から即席の戦術を立ててもたかが知れてるわよ?」

 

花陽(そう、相手のレベルじゃすぐに対応されて終わる)

 

凛「希ちゃんのスピリチュアルパワーでなんとかするにゃー!」

 

花陽(……すぴりちゅあるぱわー……心霊、オカル……)

 

花陽「……!!」ハッ!

 

希「だーかーら!うちのスピリチュアルパワーは万能じゃ……」

 

ガシッ!!

 

希「うぇあ!?」ビクッ!

 

花陽「すぴりちゅあるぱわーだよ!希ちゃん!!」

 

希「……へ?」

 

花陽「そして、みんなに聞いて欲しいことがあります!」

 

みんな「?」

 

 

 

 

 

 

 

 




ずっとこちらの劣勢が続くのは純粋に世界レベルのあの子達に勝てる未来が見えないからなんですけどなんとか頑張ります


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花陽「すぴりちゅあるぱわーだよ!希ちゃん!!」

 

希「……へ?」

 

花陽「そして、みんなに聞いて欲しいことがあります!」

 

みんな「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「さあ一点リードを許している音の木坂!!前半も残りわずか、このまま後半を迎えるかぁ!?」

 

角間「浦の星のコーナーキックで試合再開です!!」

 

ピーーー!!

 

ドッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「ふっ!」ガッ!

 

角間「絢瀬がボールを弾いた!!西木野へとボールが移ります!!」

 

曜「流石に高いね…!」

 

真姫「にこちゃん!」ドッ!

 

にこ「ええ!」トッ

 

角間「慎重にボールをつなぐ音の木坂!前半もう時間がないぞ!!」

 

梨子「一体…?」

 

果南「ここ守り切って前半終わるよ!!」

 

みんな「おお!!」

 

あんじゅ「そう簡単には終わらせないわよ〜?」ニィ〜

 

善子「ヒゥ……!」ビクッ

 

 

 

 

 

 

 

希「……」モジッ…

 

凛「希ちゃん何恥ずかしがってるにゃ!!時間ないんだってば!」

 

希「で、でも……」

 

花陽「希ちゃん!」

 

あんじゅ「おねがぁい♪」

 

希「う…うぅぅぅぅ……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「……マ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マーレーマーレーマレトマレ……」

 

千歌「……へ?」

 

希「マーレーマーレー……マレトマレ……!」

 

鞠莉「what!?なになになに怖い!!」

 

梨子「みんな来てます!!集中して!!」

 

 

 

 

 

 

角間「音の木坂が5人一組みとなり敵陣へ攻め込んで行きます!!」

 

にこ「ちょっと!にこがセンターよ!」

 

ツバサ「今日一番の気迫ね」

 

真姫「誰がセンターでも変わらないじゃない」

 

絵里「まあまあ、にこにもこだわりがあるのよ」

 

あんじゅ「…バカね〜」

 

にこ「はぁぁあん!?」

 

 

 

希「マーレー…マーレー……マレトマレ…!!」

 

穂乃果「の、希ちゃん!あと少しだよ!頑張って!」ファイトダヨ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザザザザッ!

 

角間「これは音の木坂巧みなフォーメーションチェンジ!!浦の星を惑わしていく!!」

 

梨子(たしかに並みのチームなら翻弄されそうな戦術だけど……)

 

梨子「曜ちゃん!ポールを持ってるのはにこさんよ!!」

 

曜「任せて…!」グッ

 

ヒュゥゥゥゥ…………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォォッ!!!

 

にこ「……!?」ザッ

 

角間「おぉっと!?突如上空から巨大な錨が墜落したぁぁ!!とんでもない大きさだぁ!!」

 

聖良「何度見てもすごいですね…」

 

凛「あんなのどうする気かなのにゃ?」

 

 

 

曜「いっけぇぇぇぇ!!!!!」ググググッ…!!

 

錨についている鎖は曜の足にしっかりと結びついている

 

それを力の限り振り絞り………

 

 

 

 

 

ブンッ……!!

 

真姫「嘘でしょ!?」

 

絵里「待って待って待って!!」

 

あんじゅ「こんなの何でもありじゃないー!!」

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォォォオオ!!!!!!

 

ピシピシピシ……!

 

ブワァァァァァアアアアアア!!!!!

 

曜【スマッシュアンカー!!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

「「うわぁあ!!」」ブワァッ!

 

角間「ここは渡辺のブロック!!音の木坂の攻撃を止めました!!」

 

叩きつけられた錨により地面はビビ割れ

 

噴き出した大量の水によってあたりのプレイヤーは吹き飛ばされてしまった

 

梨子「さすが!」

 

曜「これぐらいなんてことないよ!」

 

角間「音の木坂またもや……」

 

角間「……?」

 

果南「………っ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

果南「なにやってんの曜!!」

 

曜「へ?」

 

 

 

 

 

 

ピチャン……ピチャン……

 

花丸「あぐっ…!」ドサッ

 

千歌「のわぁっ!」ドサッ

 

曜「え……花丸ちゃんに…千歌ちゃん?」

 

花丸「ひどいずら曜ちゃんーー!!」

 

千歌「そうだそうだー!」

 

角間「完全に捕まったと思われたましたがこれは一体…!?音の木坂は上がり続けている!?」

 

曜「なんで………え!?」

 

梨子「止めて!!」

 

ルビィ「行かせませんよぉ!!」ザッ!

 

角間「黒澤ルビィが音の木坂に立ちふさがります!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルビィ「……あれ?」ザッ

 

理亜「なっ…」ピタッ

 

角間「味方同士でマークしあってしまったぁ!!一体どうした浦の星!!」

 

梨子「なにが起こっているの…!?」

 

 

 

希「マーレーマーレーマレトマレ!!」ユラユラ

 

穂乃果「恥ずかしさに慣れて怪しい踊りまで始めちゃったよ」

 

花陽「行くよみんな!!」バッ!

 

梨子「!」

 

花陽「必殺タクティクス……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽【ゴーストロック!!】

 

ブワァァァァアアアア!!!!!

 

 

 

 

 

 

梨子「うぇ…!?」グッ

 

千歌「うそっ!?」ガクッ

 

曜「ルビィちゃんは…!」バッ!

 

ルビィ「ルビィもダメです!!」グッ

 

 

 

果南「?なに?みんなどうしたの!?」

 

鞠莉「果南は平気なの?」ググッ…!

 

果南「う、うん…」

 

花陽(見様見真似だから効き方が甘い……でも!)

 

ツバサ「行くわよ!」バッ!

 

エレナあんじゅ「ああ「ええ」!!」バッ!

 

花陽「ゴールまでの道は出来ました!!」

 

ポーン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピューーーーーーイ!!!

 

ドシュドシュドシュドシュ

 

ギュォォォォォォォオオオオ!!!

 

クルッ…!

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!

 

ツバサエレナあんじゅ【皇帝ペンギン3号 G2!!】

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

角間「綺羅、統堂、優木の必殺シュートが浦の星ゴールを捉えました!!」

 

ツバサエレナあんじゅ「いけ!!!」

 

穂乃果「決まれぇぇ!!」

 

梨子「果南さん!!」

 

鞠莉「果南!」

 

果南「まかせなよ……!」

 

ゴキッ…!

 

ツバサ「…!」ゾァッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同点に追いつくために力の限り放ったツバサたちの【皇帝ペンギン】は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズァァァァアアアアア!!!!

 

果南「うぉあああああああ!!!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

眠りについていた怪物を叩き起こした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果南【海竜の逆鱗槍!!】

 

ドギュルルルルルルルルルル!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……シュゥゥゥゥ…!

 

果南「…っし!」パシッ

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサエレナあんじゅ「…!」ザッ

 

角間「松浦とめたぁぁ!!まだ時間は残っています!!」

 

ツバサ「まだ上があったのね」

 

エレナ「…バカだろ」

 

あんじゅ「世の中広いわね〜…」

 

海未「へんな悟り開かないでください!!」

 

鞠莉「ナイスよ果南!」

 

ルビィ「あ、動ける……」フッ…

 

善子「今のはまさか……悪魔による呪われし…!」

 

花丸「………」パッパッ

 

善子「無言の塩!!」

 

聖良「ぶふっ…!しょっぱい!しょっぱいです!」

 

 

 

 

梨子「果南さん!」バッ!

 

ピンチが一転チャンスに

 

もう本当に時間がない中、最後の攻撃権を手に入れた浦の星

 

追加点を狙い、梨子は【神のタクト】を発動する

 

 

先ほど同様仲間へのパスルートが光の筋で……

ツバサ「………へぇ」ニッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梨子「あ、あれ…?」ピタッ

 

果南「これは……!?」

 

 

 

花曜「ふっふっふ…!」フフン!

 

 

 

 

 

花陽「完璧だよ、みんな!」ザッ!

 

ルビィ「うゆ……!」ザッ…

 

 

海未「パスは出させません!」ザッ!

 

曜「やるね海未ちゃん…!」ザッ…

 

 

希「はいはーいストップー♪」ザッ!

 

鞠莉「なーにがstopよ!マリーの技術で…!」ヨッ!ホッ!

 

希「ストップの発音無駄にいいなぁ……」ザザッ!

 

 

角間「おぉっとぉ!?音の木坂全員マンツーマンマークだぁぁ!!」

 

角間「これではパスが出せない!!」

 

千歌「圧がすごい…」ズーン…!

 

にこ「前半最後ぐらい頑張れるわよ!」

 

角間「浦の星マークを外せない!!このまま前半タイムアップかぁ!?」

 

「………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花丸「果南ちゃん!!」バッ!

 

真姫「しまっ…!」

 

角間「国木田がマークを外したぁ!!西木野反応するも間に合わず!!」

 

果南「……ッッマル……!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブンッ!!!!

 

ポーン!

 

花丸「お任せズラァ!」ダッ!

 

花陽「………」

 

 

 

 

 

 

 

花陽 ニッ

 

梨子「…!?花丸ちゃん待っ……!」

 

ツバサ「あー…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽ツバサ「0から1のパスコース、ついそこに出しちゃう「わ」よね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

シュバッ!

 

花丸「へ?」

 

真姫「ふふ、どうだったかしら?私の演技は」トトッ…!

 

角間「に、西木野がパスカット!?ゴール前はがら空きだ!」

 

梨子(わざと花丸ちゃんをフリーにして…!)

 

ツバサ「はじめてにしては上出来ね」ニッ

 

真姫「希!!」ドッ!

 

希「行くよ2人とも!!」トッ

 

絵里にこ「ええ!」バッ!

 

角間「音の木坂決め切れるかぁ!?」

 

梨子(ミラクルウェーブで流れを掴んで押し切るつもりが……)

 

果南「………!」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガキンガキンガキン!!

 

アオーーーーーン!!

 

希「ふっ…!!」ドッ!

 

 

 

 

 

 

 

絵里にこ バッ!

 

絵里にこ「はぁぁ!!」ドキュッ!!

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォオ!!

 

希「いくよぉ!!!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!

 

希にこ絵里【グランフェンリル G3!!】

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

穂乃果「いっちゃえ絵里ちゃんたちー!」

 

海未「一点は返させていただきます!」

 

角間「音の木坂決死のシュートォ!!松浦耐えきれるかぁ!?」

 

果南「っぐ……!」プルプル

 

果南(流石に連発はキツイかも…!)

 

ダイヤ「そうはいきませんわ!」バッ!

 

鞠莉「マリーたちのこと忘れてない?」バッ!

 

果南「鞠莉!ダイヤ!」

 

希絵里にこ「…!」

 

 

 

 

 

 

 

ボファァァァァアアアア!!!!!

 

ドドドドドドドドド!!!!!!!

 

 

 

 

ダイヤ【ラ・フラム!!】

 

鞠莉【グランド・スイーパー!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「これは浦の星のシュートブロック!!シュートの威力を削いでいきます!!」

 

にこ「それぐらいじゃ全然効かないわよ!」

 

絵里「この一点は私たちがもらうわ!」

 

鞠莉「メインはマリーたちじゃナッシングよ?」ニッ

 

希「……!」ピリッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとう2人とも、十分だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズァァァァアアアアア!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果南「うぉらぁぁあああ!!!!」バッ!

 

果南【海竜の逆鱗槍!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドギュルルルルルルルルルル!!!!

 

果南「……っっ…!!」ビキビキ…!

 

角間「松浦必死に持ちこたえている!!小原、黒澤ダイヤのシュートブロックをもってしても厳しいかぁ!!」

 

にこ「いい加減折れなさいよ!!」

 

鞠莉「止めるわよ!!果南だもの!!」

 

果南「っ……ああああああ!!!!」ググッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みんな「ーーー…!」

 

果南「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果南「……私がいるんだ、そう簡単には割らせない…」

 

シュルルルルルル……パシッ…!!

 

角間「ま、松浦止めたぁぁぁぁ!!!音の木坂全力の攻めを見事凌ぎ切りました!!!」

 

にこ「はぁぁぁぁ〜〜〜〜……」ドサッ…!

 

凛「なにそれ!意味わかんない!」

 

真姫「ちょっと凛……いや、本当に意味わかんないわね」

 

鞠莉「ふっふーん!どう!?うちの果南は!」ドヤッ!

 

千歌「どうして鞠莉ちゃんが自慢げなの?」

 

梨子「た、助かりました果南さん…!」

 

果南「うん!それで多分……」

 

ピッピーーーーーーーーー

 

果南「やっぱりね!」

 

角間「ここで前半終了!!音の木坂0-1浦の星、浦の星は無失点で前半を終えました!」

 

角間「音の木坂巻き返しなるか!!浦の星はリードを守れるか、さらに引き離すか!!」

 

角間「選手たちはそれぞれ控え室へと戻ります!」

 

 

 



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前半終了控え室⑤

 

 

希「あ、ウチお手洗い行ってから戻るわ〜」

 

絵里「それじゃあ先行ってるわね」

 

希「ほいほーい」フリフリ

 

にこ「迷うんじゃないわよ」ハンッ…!

 

希「うーん、迷っても特にストーリー的に膨らまないから迷わないと思うよ?」

 

にこ「さらっとメタいのぶち込まないでくれる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花丸「あれ、ルビィちゃんどこ行くの?」

 

ルビィ「ちょっとお手洗いに……」

 

千歌「場所わかる?大丈夫?」

 

梨子「千歌ちゃん……ルビィちゃんも子供じゃないんだから…」

 

ルビィ「えへへ、心配してくれてありがと!この会場の構造はなんとなくわかるよ、そういう仕様だから!」

 

善子「メタいっつってんのよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お手洗い

 

希「お」バッタリ

 

ルビィ「あ」バッタリ

 

希「ルビィちゃんもお手洗い?」

 

ルビィ「は、はい!」

 

希「後で少し話せる?」

 

ルビィ「もちろんです!」

 

希「じゃあ後で!」フリフリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルビィ「お待たせしました!」

 

希「いやいや〜ごめんね、少しルビィちゃんに聞きたいことがあってなぁ」

 

ルビィ「聞きたいこと?」

 

希「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

控え室

 

ワイワイガヤガヤ

 

にこ「……なんで……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「なんで控え室大部屋なのよ!?」

 

鞠莉「いいじゃない!この時間しか一緒にいられないんだしenjoyしましょ!」

 

にこ「……むぅ…」

 

鞠莉「ほらほら!可愛い顔が台無しよ?」ムニィー!

 

にこ「いはいいはいいはい!」ムニィー!

 

鞠莉「……変な顔」ブフッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「にこ!!落ち着いて!!」ガシッ

 

にこ「離せぇぇぇ!!!!」ジタバタ

 

鞠莉「あははははは!!」ケラケラ

 

果南「うちの鞠莉が迷惑かけ……ブフッ…!」プルプル

 

にこ「腹立つこいつら!!!」ジタバタ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お手洗い前の廊下

 

ルビィ「聞きたいこと?」

 

希「うん!いいかな?」

 

ルビィ「ルビィに答えられることならなんでも大丈夫です!」

 

希「にしし、よかった」

 

希「で、聞きたいことなんやけど……」

 

ルビィ「ごくり…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「そっちの世界のうちらの姿見られへんかなーって」

 

希「動画とかで」

 

ルビィ「!」

 

希「気になるやん?」クスッ

 

ルビィ「……」

 

ルビィ「嫌です!!」

 

希「えぇ!?」

 

ルビィ「やです!!」

 

希「す、少しだけ…」

 

ルビィ「絶対やです!!」

 

希「そんな……」ガクッ…!

 

ルビィ「教えると…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルビィ「希さんに真似されかねませんから」ニッ

 

希「……バレたか」ニッ

 

ルビィ「後半はもっと飛ばしていきますからね」

 

希「こんな小動物みたいな見た目やのに言うことは怖いなぁ」ワシャワシャ!

 

ルビィ「あわわわわわ!!」ボサァッ!

 

希「戻ろっか!」

 

ルビィ「はい!」

 

 

 

 

希「あ、それじゃあ最後にダメ元なんやけど…」

 

ルビィ「大丈夫ですよ、ルビィにできることならなんでも!」

 

希「【Awaken the power】のコツ教えて?」

 

ルビィ「ダメです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「あの……梨子さんって何か……音楽してたんですか?」

 

梨子「フフ、『何か』なんていいながら見当はついてるんじゃない?」クスッ

 

真姫「指を見てわかりました、ピアノしてるんですね」

 

梨子「それを言うなら真姫ちゃんもじゃない、綺麗な手してるからすぐわかるわ」クスッ

 

真姫「随分[音]をサッカーに取り入れてるんですね」ニッ

 

梨子「さあ、なんのことでしょうか」ニッ

 

 

 

梨子「…そういえばあの【ゴーストロック】って技……面白いわね」

 

真姫「?」

 

梨子「原理が」クスッ

 

真姫「……どうも」

 

真姫(まさか……いや、だとしたら早すぎる)

 

梨子「♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「あそこ怖いんだけど…」ムグムグ

 

千歌「あんなにバチバチな梨子ちゃん初めて見ました…」ハグッ…!

 

海未「こら!もうすぐ試合が再開するんですから食べ過ぎないように!」

 

穂乃果「千歌ちゃんの大好物のみかんだよ!」

 

千歌「穂乃果さんのお家のほむまんです!!」

 

海未「誰も何を食べているかなど聞いていません!!食べ過ぎないようにと……」

 

穂乃果「これは栄養補給だよ!」

 

千歌「そ、そうですよ!試合を頑張るために必要なものです!」

 

穂乃果千歌「ねー!」

 

海未「……わかりました、では私が気合を入れて差し上げます」コォォォォォォ!!!

 

穂乃果「そ、それはないよ海未ちゃん……!ほら、千歌ちゃんも何か…」

 

千歌「悪あがきはカッコ悪いですよ穂乃果さん……海未さん、やってしまってください」

 

穂乃果「裏切り方が手慣れてるよ!!」

 

海未「覚悟はいいですね?」

 

穂乃果「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

衝撃で控え室が少し揺れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「理亜ちゃんって陸上してたの!?」

 

理亜「そんなわけないじゃない、サッカー一筋よ」

 

凛「なのにあんなに走り早いなんてすごいにゃー!」

 

凛「凛いきなりスピード負けしちゃったし…」

 

理亜「……相手を褒めるならもう少し慎重になった方がいいわよ」

 

凛「にゃ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

曜「次は負けないって言われなくても伝わってくるんだけど?」フンッ

 

凛「……にゃは〜」ニッ

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「ねえねえ!小さい頃からサッカー一筋って今も割と小さい頃じゃ

 

理亜「ふっ…!!」ドゴォッ!!

 

あんじゅ「ぐはっ…!!」ドサッ

 

凛「何しに来たのかにゃこの人」

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「はい、あーん♪」

 

花丸「あーん♪」パクッ…!

 

花丸「……美味しいズラァ…!」パァァ!

 

花陽「マルちゃん!こっちも…」あーん

 

花丸「あー…ん!」パクッ!

 

花丸「……美味しいずらぁ…!」パァァ!

 

ことり花陽(かっっっっわ…!!)

 

善子「あんまり食べたら太るわよズラ丸」

 

花丸「善子ちゃんも食べてみるズラ、ことりさんのおやつ美味しいずらぁ〜!」ムグムグ

 

ことり「えへへ〜!ありがと〜!」

 

善子「…一つ頂いていいですか?」

 

ことり「どうぞー!」

 

善子(お菓子なんてどれも一緒でしょ、ましてや手作りなんて…)

 

善子「……いただきます」パクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

善子「ヨハ〜♪」ポワポワ

 

ことり花陽(あ、この子単純な子だ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイヤ「ルビィは無事に帰ってこれるでしょうか…」ソワソワ

 

聖良「お手洗いぐらいで何ソワソワしてるんですか……おや?」チラッ

 

 

 

ワイワイガヤガヤ

 

ツバサ「みんなよく切り替えれるわね〜」ホッ!

 

エレナ「さっきまでばちばちだったのにな」ハッ!

 

聖良「……お二方は何をしているのですか?」

 

エレナ「いっせーのーでっ!だ」

 

聖良「嘘でしょう…!?」

 

ツバサ「高校三年間の休み時間ずっとこれしてたからもう誰にも負けないわよ」ホッ!

 

エレナ「悪いな、私の勝ちだ」ニッ

 

聖良「3年間も何してるんですかって言うかそもそも運勝負ですし早速負けてるじゃないですか!!」

 

エレナ「ツッコミが忙しいな」

 

ツバサ「あなたもやる?」スッ

 

聖良「……はぁ」スッ

 

ツバサ「ベテランのテクニックを見せてあげるわ」ニッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖良「上がりです」

 

ツバサ「そんな…私の3年間は一体何だったの…!?」ガクッ

 

聖良「親御さんが泣いてますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なごやか(?)に見えるこの空気の中で、後半を見据えて悩んでいるものが何人かいた

 

 

 

 

 

 

真姫「……」

 

真姫(…絵里が卒業したらこのチームのFWはわたしだけ)

 

真姫(実質私がエースになるけど……)

 

真姫(その称号を背負うだけの実力は、正直まだない)

 

真姫「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「……ね、絵里」

 

絵里「ん?どうしたの?」

 

真姫「……エースストライカーって……なんだと思う?」

 

絵里「……」

 

絵里「ーー…」

 

真姫「…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「さあみなさん!そろそろ準備を始めてください!」

 

みんな「はーい!」

 

絵里「それじゃあ真姫、後半も頑張りましょう」

 

真姫「……ええ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫『エースストライカーって、何だと思う?』

 

絵里「………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ピシィッ…!!

 

絵里「私の氷が…!」

 

 

 

 

 

 

ルビィ「ルビィを凍らせるならもっと冷たく、強力に、ですよ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

絵里「……凛」

 

凛「どしたの?」

 

絵里「私と必殺技を打ってみない?」

 

凛「………………へ?」

 

 

 

絵里「私がシュートを打ったら、ディフェンスからそれに加わって欲しいの」

 

凛「り、凛が?」

 

絵里「野生高校戦で凛が【たつまきおとし】を代わってくれた時から思ってたの」

 

絵里「卒業するまでに凛と必殺技を打てたらいいなって」ニッ

 

絵里「前半何度も上がってきててキツイとは思うけど…」

 

凛「それは大丈夫だけど絵里ちゃんと合わせたことないから……」

 

凛「……少し不安だにゃ」

 

絵里「できるわよ」

 

凛「どうしてそう言い切れるの!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「私は凛を信じてる」

 

凛「…!」

 

絵里「根拠なんてそれで十分でしょ?」

 

凛「…それはずるいにゃ〜」ハァ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梨子「〜♪〜〜♪」トントトン

 

ことり「あれ梨子ちゃんが考える時の癖?なんだかおしゃれだねー!」

 

千歌「いや、そんな癖なかったはずだけど…」

 

トン…!

 

梨子「曜ちゃん!!」グリン!!

 

曜「はい!!ごめんなさい!!」ビクッ!

 

梨子「違う違う、ちょっと来てくれる?」

 

曜「…お怒りでない?」

 

梨子「お怒りでないからちょっと来て」

 

曜「…!」パァァァァ…!

 

曜「はいはーい!」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「……梨子ちゃんって怒るとそんなに怖いの?」

 

千歌「海未さんって多分本気で怒ると逆に静かになるでしょ?」

 

ことり「うん」

 

千歌「多分それに近い感じ」

 

ことり「ヒッ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

梨子「多分後半始まってすぐに来るから…」

 

曜「じゃああれでいい?」

 

梨子「ええ、それならみんなわかると思うし」

 

曜「あらかじめみんなには言わないの?」

 

梨子「意識してるってバレて対策されてもあれだしね、不意打ちでカウンター仕掛けたいし」ニッ

 

曜「もうほんとに梨子ちゃんが怖いよ」

 

 

 

 




後半が長すぎる


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後半開始⑥

 

 

角間「前半最後音の木坂が巻き返したが依然点差は0対1!!」

 

角間「両者配置につきました!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梨子「じゃあ曜ちゃん、頼んだわよ」

 

曜「まっかせなさい!」ドンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「さぁ、キックオフです!!」

 

音の木坂0-1浦の星

 

ピーーーーーーーーー!!

 

ドッ!

 

梨子「善子ちゃん!」

 

善子「ヨハネよ!」トッ

 

角間「FWの津島がボールを受け取ったぁ!!」

 

にこ「行かせないわよ!」ザッ!

 

善子「はっ!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

善子【デビルボール!】

 

パタパタパタパタ

 

トッ…!

 

 

 

 

 

にこ「はぁあ…!?」ガクッ…!

 

善子「ヨハネには敵わないわよ!」タッタッタッ

 

にこ(こんなふざけたやつにやられるなんて…)

 

にこ「善子…!!」キッ

 

善子「ひっ…!ヨ、ヨハネよ!!」

 

角間「津島矢澤を抜いたぁ!!安定したボールキープだぁ!!」

 

ツバサ「…」

 

ダイヤ「いいですわ善子さん!」

 

善子「よし…!このまま…」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「よーしこ〜!」ガッ!!

 

善子「んなぁ!?」ドサッ!

 

角間「おおっと!?優木のスライディングがクリティカルに決まっていく!!津島ボールを奪われたぁ!」

 

角間「前半の流れそのまま音の木坂がペースを掴むかぁ!?」

 

穂乃果「よーっし!!」

 

梨子「…!?気づかなかった…」

 

善子「いつのまに…!」ムクッ

 

あんじゅ「ひ・み・つ♪」

 

あんじゅ「にこ!」ドッ!

 

 

 

にこ「花陽!希!【ゴーストロック】行くわよ!!」トッ

 

希花陽「…!うん「はい」!」

 

 

 

 

 

 

 

ザザザザッ!

 

角間「またもや音の木坂が陣形を組んで攻め上がっていく!!」

 

 

 

 

 

 

 

希「マーレーマーレーマレトマレ!」ユラユラ

 

穂乃果「ああ…あの恥じらいのあった希ちゃんが懐かしいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

ザザザザ!!

 

 

 

ダイヤ「前半のことがあるのでむやみにディフェンスもできませんしどうしたら……」

 

曜「少し待ってて」

 

ダイヤ「?」

 

曜「すぐに動けるようになるから」ニッ

 

梨子(まだ……タイミングを見極めて……)

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「いきます!」バッ!

 

梨子(来る……!)

 

花陽「必殺タクティクス……」

 

 

 

 

 

 

 

花陽【ゴーストロック!!】

 

ブワァァァァァァ!!!!!

 

角間「またもや音の木坂の【ゴーストロック】だぁぁ!!!浦の星全員身動きが……」

 

梨子「今よ曜ちゃん!!」

 

音の木坂「!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜(…っ!みんなついてきてよ……!!)

 

曜「全速前進ーーーー!!!」

 

みんな「!!」

 

ダイヤ「え…?え…!?」

 

花陽「……!」ギクッ…!

 

 

 

 

 

 

浦の星「ヨーソローーー!!!!!」

 

パァァァァァァァァァァ!!!!

 

ダイヤ(あああぁぁぁ…!!つい反射で……!……って……あれ?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイヤ「動けますわ…」パタパタ

 

聖良「なるほど、そんな手が……」

 

千歌「え〜!?なんで動けるの!?」

 

 

ツバサ「思ったより早く破られたわね」

 

真姫(やっぱりすでにタネがバレてた…!)

 

梨子(私の耳はみんなより敏感だからタネはすぐわかった……)

 

梨子(そして……!)

 

 

 

 

 

 

 

 

梨子「花丸ちゃん!」

 

花丸「覚悟ズラァ!」バッ!

 

梨子(必殺タクティクスを破られた直後は隙が大きい…!)

 

にこ「ちっ…海未!」バッ!

 

花丸「させないズラ!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花丸【もちもちきなこもち!!】

 

ブンッ!!

 

にこ「……っ…!!」ズズッ…

 

 

 

 

 

 

 

ポーン!

 

にこ「あぶっ…!」ゴロゴロ……ズザザ!!

 

花丸「避けられた…!!」

 

角間「なんとか奪われるのは避けた矢澤!!弾いたボールは……」

 

 

 

 

 

 

 

絵里「ほっ…!」トッ

 

角間「絢瀬の元へ!」

 

花丸「ぬわーー!!」

 

にこ「はっ…!良いとこにいるじゃない!」

 

梨子「むぅ…」

 

タクティクスを破り不意打ちでカウンターを狙っていた梨子は予想が外れ少し残念な表情をみせた

 

 

 

 

 

絵里「……」トッ

 

一方、運良くボールを受け取った絵里は、何故かうつむき微動だにしなかった

 

希「……エリチ?」

 

梨子「…?いただきます!」バッ!

 

にこ「絵里!!」

 

絵里「…………」フー……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この間ロシアに帰った時

 

おばあさまが教えてくれた

 

 

私がまだ小さい頃

 

ひどい吹雪の中ではぐれてしまったと

 

 

きっと私は、とても怖かったんだと思う

 

はぐれた時の記憶がすっぽり抜けていたから

 

 

だからその日のことをもう一度おばあさまから細かく聞いた

 

匂いがする、音が聞こえる、肌で感じられるほど精密に

 

 

 

 

 

無くしたはずの記憶を掘り起こした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パキッ………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梨子「……!」

 

ズザッ…!

 

絵里「……あまり近寄らないほうがいいわ」

 

絵里「今は私も……」ググッ…!

 

 

 

 

パキパキパキ…!!!

 

絵里「………余裕が、ない……!!」グググッ…!!

 

梨子 ビクッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

チリィッ…!

 

みんな「……!!」

 

理亜聖良「……!!」

 

 

 

ツバサ「……味方だとこんなにもワクワクするものなのね」ニッ

 

あんじゅ「敵だと最悪だったけど」

 

エレナ「全くだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「絵里…」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

真姫「エースストライカーって…なんだと思う?」

 

絵里「………それは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「かっこいいことよ!」ババン!

 

真姫「……真面目に話してる」ムクッ…

 

絵里「こっちこそ大真面目よ」

 

絵里「ピンチな時に流れを変えたら?」

 

真姫「…かっこいい?」

 

絵里「勝利のきっかけになれたら?」

 

真姫「……かっこいい」

 

絵里「プレイでみんなを勇気付けられたら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「……かっこいい…!」

 

絵里「そういうことよ、難しく考えすぎ」ピンッ!

 

真姫「あたっ…!」

 

絵里「……私も、もう少しだけ足掻いてみようと思うの」

 

真姫「?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

グシャグシャグシャ!!

 

真姫「………っあ〜〜…もう…!」

 

パッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「かっこいいじゃない……!」ニッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梨子「……んっ……!」ジリッ…!

 

梨子(目の前にいるのに……近づけない…!!)

 

絵里「……っ……!!」パキキッ…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビュォォォォォォオオオ!!!

 

『お…かぁさま…?おばぁ…さま?』カタカタ

 

子供の頃から付き合ってきた、友達のような雪が

 

何を考えてるのかわからなくなったのを覚えてる

 

無表情に、無感情に攻め立てる

 

ああ、そうだった

 

あれは……

 

 

 

 

 

 

聖良理亜「ーーー…っ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自然の暴力だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「ゔぅぅるあぁぁあああ!!!!!」パキキィッッ………!!!

 

 

 

 

 

 

ブワァァァァァァアアアア!!!!!

 

パキパキパキ……!!!!

 

みんな「!?」

 

絵里「っぐ…!!」バキバキバキ…!!

 

穂乃果「絵里ちゃんが……!」

 

花陽「凍ってる…」

 

氷の膜が身体を覆い尽くす

 

彼女の放つ冷気があたりの草木を固めていく

 

 

 

 

ゴァァアアアアアアア!!!!!

 

千歌「梨子ちゃん逃げて!」

 

梨子(この勢い…まずっ…!)バッ!

 

角間「たまらず距離をとった桜内!!絢瀬の辺りを氷塊が取り囲んでいく!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

落ちる、限界まで

 

パキパキ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

落とせ、限界から

 

パキパキパキ……ガキィン…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジリジリ…!

 

絵里「…ぁっ…!!」ズキッ…!

 

己の冷気に身を灼かれながら、少女は純粋に勝利を見据える

 

穂乃果「いっけぇぇぇ!!!」

 

絵里「ゔぉぁあぁあああぁぁああああ!!」バッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!!

 

ゴォォォォオォォ!!!!!

 

角間「絢瀬極限状態からシュートを放ったぁ!!」

 

梨子「シュートブロック!!」

 

ダイヤ「お任せを!」

 

絵里「……あら、いいの?そんなにのんびりしてて」パキィ…!

 

梨子「…!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダダダダッ!!!!

 

凛「ふぅっ…!!!」ダダダダッ!!!

 

角間「星空ディフェンスから上がってきている!!今日何度目だぁ!?そこからシュートに加わるつもりか!?」

 

梨子「嘘でしょ!?」

 

果南「届くはずない…!」

 

ダイヤ「私の方が早いですわ!」バッ!

 

角間「黒澤シュートブロックの体勢!!星空厳しいかぁ!?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

絵里「私は凛を信じてる」

 

凛「…!」

 

絵里「根拠なんてそれで十分でしょ?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

凛「っづゔゔ……!!」ダダダダッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォ!!!!

 

絵里「凛!!」パキキッ…!

 

梨子「ダイヤさん!早くシュートブロックを……!!」

 

ダイヤ「は、はい!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相手に必殺技の隙を与えるな

 

 

 

 

 

ダイヤ【ラ・フラ……!】

 

 

凛「遅いよ!!」バッ!

 

ダイヤ「……!?」

 

梨子「まさか…っ」

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「凛!!」

 

みんな「凛「ちゃん」!!」

 

ツバサ「星空さん!!」

 

 

 

その一撃は、チームに勇気を与える…

 

 

凛「このボールにかける絵里ちゃんの想い………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「受け取ったぁああああ!!!!」バッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

反撃の狼煙だ

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!!

 

 

絵里凛【氷結のグングニル!!!】

 

バキバキバキバキバキ!!!!!

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォオオオアアアア!!!!

 

角間「出ましたぁぁぁ!!!!音の木坂の新必殺技です!!!!」

 

千歌「さっきまでのシュートと迫力が全く違う…!!」

 

聖良「皮膚がひりつく…!」ヒリッ…!

 

理亜「むっ…」ムスッ

 

 

 

 

穂乃果「あっははは!!いけー!!!」

 

ツバサ「伸び代なんてわからないものね」フフ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

ゴキッ……!!

 

小細工なんていらない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズァァァァアアア!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正面からねじ伏せる!!

 

バッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果南【真・海竜の逆鱗槍!!】

 

ドギュルルルルルル!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果南「っっ……!!…ぐぅぅ!!」ググッ

 

グググッ…!

 

角間「松浦押されている!!前半無失点で抑えてきた浦の星の守護神がついに破られるかぁ!?」

 

鞠莉「果南……!!」

 

果南「ぐっ……そぉ…!!」ググッ…!

 

 

 

絵里凛「いけぇぇ!!!」

 

穂乃果「入れ!!」

 

 

パキパキパキパキ!!!!

 

果南「!?凍っ…!!」ググッ…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガキィィィィィィィン!!!!

 

 

ドシュルルルルルルルルル!!!!

 

角間「入ったぁぁぁ!!!!後半開始早々同点!!試合を振り出しに戻しました!!」

 

音の木坂「いよっし!!!」

 

ツバサ「さすが絢瀬さんと星空さんね」ニッ

 

花陽「あの果南さんを破るなんて…!」

 

 

梨子「まさか…!」

 

曜「たはー…やられたね〜…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「……ありがとう凛、私のわがままに付き合ってくれて」ニッ

 

凛「はー…っ!ぜぇ…!凛っ…が…!絵里ちゃ…の、お願い…!断るわけ、ない…じゃんっ…!!」

 

絵里「……今すごく凛を働かせすぎた責任を感じてるわ」ダラダラ

 

凛「この責任は重々感じて欲しいにゃ!!」ハァ…!

 

穂乃果「2人ともナイスシュート!!」ガバッ!

 

絵里凛「のわぁあ!!」ガバッ!

 

海未「こら穂乃果!今は2人に休んでもらう時ですよ!」

 

エレナ「だが気持ちはわかるな、私も少しテンションが上がってしまった」

 

花陽「へ……?」

 

ツバサ「え、今上がってるの?」

 

みんな(思ってること言ってくれた…)

 

エレナ「失礼だな」

 

 

にこ「まーなにはともあれ同点よ!穂乃果!」

 

穂乃果「うん!まだまだ試合はここからだよ!張り切っていこー!!」

 

みんな「おー!!」

 

 

 

 

 

真姫「絵里」

 

絵里「?」

 

真姫「………かっこよかったわ」ニッ

 

絵里「……まだまだよ」ニッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果南「………はぁーーー」ドサッ

 

前半あれだけ自信を持って止めてたからかな

 

空が青いなぁなんてことを思いながら仰向けのまま動けなかった

 

ダイヤ「背中汚れますわよ」

 

果南「…ユニフォームでそんなこと気にする?」クスッ

 

千歌「果南ちゃん!ドンマイ!」ニィッ!

 

果南「いや点取られた時が今日一番の笑顔」

 

理亜「根性が足りない」

 

果南「手厳しい…!」

 

花丸「お餅!」

 

果南「だから!?」

 

 

聖良「…皆さん元気付けようとしてよくわからないことになってますね」

 

曜「理亜ちゃんのは本音な気がするけど…」アハハ…

 

 

 

果南「……ごめんみんな、心配かけちゃったね」

 

千歌「まあ本当はそんなに心配してないんだけどね」

 

果南「そんな…!」ゴーン…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千歌「果南ちゃんならって信じてるから」ニッ

 

果南「…バカ千歌」フイッ…

 

鞠莉「あれ〜?果南照れてるの〜?」

 

花丸「後ろ向いても耳が真っ赤ズラ」

 

果南「あーもう!っさいな!!」バッ!

 

果南「まだまだ試合始まったばっかりだよ!!気を引き締めて点取りに行こう!!」

 

みんな「おーー!!」

 

千歌「あー!千歌が締めるはずだったのに!」

 

果南「ね、梨子!次の作戦を…」クルッ

 

 

 

 

 

 

 

 

梨子「【神のタクト】封じのマンツーマンディフェンスはそんなに毎回できないはずだし凛ちゃんの体力も考えてそこを突いていくのも視野に入れながらこちらはどんな攻めを見せるかが問題になってくるんだけどそれ以上にあちらの守りを読み切らないと簡単には崩せない守備力を持ってるから不用意に責めることはできないだから攻撃力の高いルビィちゃん理亜ちゃん千歌ちゃんの動きを効果的に……」ブツブツ

 

鞠莉「ストップストップ梨子!!果南が怯えてるわ!」

 

果南「松浦、梨子、怖い」ギュッ

 

ルビィ花丸善子理亜(普段しっかりしてるのにこういう時どうしてここまでポンコツになれるんだろう…)

 

 

 

 

 

梨子「とりあえずルビィちゃんと理亜ちゃん、お願いできる?」

 

ルビィ「うん!」

 

理亜「わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「それじゃあ行ってくるね希ちゃん!」

 

希「頑張って〜!」フリフリ

 

角間「控えの南と東條が交代!今試合は一度までなら再交代が認められています!」

 

花丸「ことりさん参戦ズラ!」

 

理亜「別にたいして変わらないでしょ」

 

自分たちの知る南ことりは【ルーラ・オブ・スペース】という異名を持ち

【ワンダーゾーン】といった強力な必殺技を使いこなす曲者

 

しかしこちらのことりは一目見た感じ、フィジカル面、精神面でも特に脅威になると思わなかった理亜は思ったことをそのまま口にする

 

ことり「♪」

 

理亜「気の抜けた顔してるわね」フゥ

 

 

 

 

 

 

 

角間「試合は後半開始早々同点に!先に主導権を握るのはどちらのチームだぁ!?」

 

音の木坂1-1浦の星

 

千歌穂乃果「行くぞ!!」

 

みんな「おお!!」

 

ピーーーーーーーーー!

 

 




輝こうの方の梨子ちゃんなんかおしとやかで可愛いけとこっちの梨子ちゃんなんかたくましいのなに


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音の木坂1-1浦の星

 

千歌穂乃果「行くぞ!!」

 

みんな「おお!!」

 

ピーーーーーーーーー!

 

ルビィ「理亜ちゃん!」ドッ!

 

角間「鹿角へとボールが渡ります!」

 

梨子(正直さっきの一点はまずかった…あれで勢いに乗られる前に理亜ちゃんとルビィちゃんでこっちのペースにしていきたい…)

 

理亜「……ふっ…!」ダッ!

 

ザザッ…クルッ!

 

真姫「うぐっ…!」ガクッ

 

角間「鹿角まずは1人抜いたぁ!!」

 

 

 

梨子(ただ…)

 

理亜「……!」トッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「いらっしゃぁ〜い♪」

 

梨子(ことりさんの実力が未知数すぎる…!)

 

理亜「……あんたの相手してる暇なんてないのよ」ダッ!

 

角間「おぉっと鹿角先手必勝!!ディフェンスをさせる隙を与えません!!」

 

理亜(ほら、思った通り大した相手じゃ…)

 

ルビィ「理亜ちゃん!!油断ダメ!!」

 

理亜「!?」

 

「♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシャン!!!!

 

 

 

 

 

理亜「はっ……!?」キキッ…!

 

角間「鹿角足を止めた!?一体……」

 

理亜(南ことりは抜いたはず…なにが起こって…)

 

気づけば理亜は冷たい何かに閉じ込められていた

 

檻?

 

いや……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「かーーごーめーかーごーめー」ザッ

 

理亜「…!」

 

「かーごのなーかのとーりーはー」

 

 

 

 

ザッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「いーつーいーつーでーやーる♪」

 

理亜「南ことり……!」

 

角間「南が鹿角を足止め!!巨大な鳥籠の中に鹿角を完全に捉えています!!」

 

海未「毎回思うんですがことりはいつ必殺技を習得しているのでしょうか…」

 

 

 

 

 

ことり「ふふ」テクテク

 

理亜「こんなので私を足止めできると…」ガシャッ…

 

タラッ…!

 

理亜「…!」ゴシゴシ

 

理亜は自分が冷や汗をかいていることに気がついた

 

理亜(…緊張してる…?私がこの人に?)

 

そこまで考えた理亜は軽く首を横に振った

 

いやいや、そんなはず…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「かわいいね、かわいいね」

 

理亜「っっ…!」ゾァアッ!!

 

切りそろえられた前髪の隙間から覗くことりと目があった

 

瞬間、感じた

 

冷たい手で

 

心臓に触れられているような

 

体温が失われていく感覚

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「貴方のこともっと知りたいなぁ……」ニコッ

 

理亜「ーーー…!!!」ビシッ…!!

 

理亜(体が動かな……!!)

 

【小夜啼鳥恋詩】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッ!!

 

角間「鹿角ボールを奪われたぁ!?」

 

梨子「理亜ちゃんがあんなに簡単に…!!」

 

ルビィ「!?」

 

聖良「理亜…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「怖い怖い怖い!!!」

 

ツバサ「鳥籠に閉じ込めてプレッシャーで相手を縛る必殺技…」

 

にこ「捕食者の目……というかなんかことりの必殺技毎回エグくない?」

 

 

 

角間「同点に追いついた音の木坂!いきなり追加点のチャンスかぁ!?」

 

ポタッ…ポタッ…!

 

理亜「かはっ…!!っぜぇ…!!はぁ…!!」ガクッ

 

善子「ちょっ…!どうしたのよ理亜!」バッ!

 

額から汗が滴り落ちる

 

ボールを取られた直後

 

肺が久しぶりに酸素を取り込むのを感じ、呼吸すらできていなかったことに気づく

 

理亜「……く…そっ…!」カタカタ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「よーし!」トッ

 

先ほどとは打って変わっていつもの明るいことりに戻っていた

 

角間「絢瀬、星空のシュートからチャンスが続いていきます!!音の木坂優勢!!」

 

梨子(もっと警戒するべきだった…!ここを乗せたら持っていかれる!!)

 

海未「くださいことり!!」

 

ことり「うん!」

 

ドッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜「ふぐぅっ……!!!」トッ!

 

ことり海未「…!?」

 

梨子「曜ちゃん!!」

 

角間「渡辺のパスカットォ!!浦の星踏みとどまる!!」

 

花陽(警戒してなかったわけじゃないけど…追いつくの!?)

 

 

曜「……」チラッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理亜「はっ…はっ…!!」ブルブル

 

聖良「理亜…!!」

 

なんで

 

震えが止まらない、呼吸も浅い

 

緊張状態がずっと続いている

 

 

 

ことりの必殺技により受けたプレッシャーが引き金となり

 

理亜の中に眠るある出来事が掘り起こされる

 

 

 

ゾゾゾゾ……

 

嫌だ、知ってる、この感じ、嫌だ

 

体に不安がまとわりつくような

 

二度と味わいたくないあの感覚が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理亜「克服、したのに…!!」カタカタ…!

 

 

 

 

 

 

蘇る

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『高海千歌のオーラと綺羅ツバサのシュートを加えた、鹿角理亞の【Awaken the beast】が、ついに炸裂しました!!!』

 

ガァァアァァアアン!!!!

 

理亜「………は?」

 

 

 

 

 

 

理亞「わ、私のせいで…負け…嫌だ…嫌……」ガクガク…!

 

聖良「理亞…!?落ち着いて…」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

理亜「ーー……!!」ゾァッ……!

 

理亜(違う…私はもう強くなった……心も、体も!!)ドンドン!!

 

自らを鼓舞するよう胸を叩く

 

理亜(強い、私は強い、動ける!!)カタカタカタ……!

 

そう思いつつも体は言うことを聞かない

 

まだ後半早々、体力も余裕があるはずなのに汗が吹き出して止まらない

 

心拍数が駆け上がり体が重い

 

ドッドッドッドッドッドッ

 

うるさい

 

ドッドッドッドッドッドッ

 

うるさい

 

 

 

理亜(止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止ま

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トンッ…!

 

理亜「…!」バッ

 

曜「……」

 

理亜「……曜?」

 

顔を上げると曜が目の前にいた

 

私の胸に拳を当てて

 

曜「見てて」

 

と、短く言い放った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザッ!

 

 

 

曜「…フー…」

 

曜「……準備はいい?」

 

「…初めてだね」

 

 

 

 

 

 

ルビィ「こんな風に曜ちゃんと合わせるのは」ニッ

 

曜「……理亜ちゃんと攻めるって話だったと思うけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜「私が理亜ちゃんの代わりになるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「渡辺と黒澤が並び立つ!!これは一体……」

 

穂乃果「まさか…」

 

曜「力足らずなのには目を瞑ってよ…!」ダンッ…!!

 

 

 

グググッ……!

 

 

 

凛「あれはルビィちゃんの…!」

 

ルビィ「そう思うなら全力でついてきて!」ダンッ!

 

グググッ…!

 

2人は足を踏ん張り今にも倒れるほど体を前に倒す

 

試合の最初にルビィが見せた準備動作

 

ロケットスタート

 

花陽エレナ「…!」

 

2人はすぐに直感した

 

[これはまずい]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思うが先か

 

[それ]が先か

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー……!!

 

始まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜ルビィ

【スプリントワープ【G2】【GX】!!】

 

ダッ!!

 

海未「止めまーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッ! ドッ!トッ…シュダッ!!

 

海未「はっ…!?」ガクッ

 

角間「園田一歩も動けず!!高速ワンツーに追いつけない!!」

 

鞠莉「あはは!いいわ!派手に行きましょう!」

 

梨子「予定してなかったけど悪くないわ…!曜ちゃんルビィちゃん!」

 

理亜「…」

 

 

 

 

エレナ「読み切れるか花陽!」

 

花陽「目で追うのがやっとなのに2人相手なんて…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ルビィ「曜ちゃん遅れてるよ!!」ヒュッ…!!

 

曜「くぅっ…!!」ダッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッ!トッ……シュバッ!!

 

曜「…っ……どうだっ…!!」トッ!

 

ルビィ「まだまだ!!」ニッ

 

絵里「追いつけなーー……!

 

エレナ「くっーー……!

 

角間「抜いていく抜いていく!!さらにシュート圏内へと切り込みます!!」

 

海未(せっかく絵里、凛、ことりが作ってくれた勢いが…!)

 

パタパタパタパタ…!

 

リバーシ、自分の色が次々と相手の色に変わるイメージ

 

角間「おぉっとしかし…!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜「…!」タッタッタッ!

 

花陽「これ以上好き勝手はさせない…!」ザッ!

 

角間「小泉標的を絞ったかぁ!?渡辺に集中マークだぁ!!」

 

渡辺「その勝負、受けて立つよ…!!」グッ…!!

 

曜はさらに足に力を込める

 

ググッ…!

 

 

 

 

花陽「ーー…」ブツブツブツ

 

ーーー考えろ、ひと時も思考を止めるな

 

今のプレイだけでも曜さんの色々な動きが見られた

 

速さ、利き足、得意な攻撃パターン、重心の位置

 

花陽(見極めろ…!)キッ…!

 

 

 

 

 

 

花陽【ディフェンス方程式!】バッ!

 

 

 

 

曜「………」

 

たしかに花陽ちゃんの分析はすごいよ

 

今の動き出しだって的確で素早い

 

試合開始に比べて精度がどんどん上がってきてて

 

蜘蛛の巣みたいにじわじわと領域を広げられてる感じ

 

花陽(いける…!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜「少し足りなかったね」

 

ダンッ…!!

 

花陽「空へ跳んでっ…!?」ガクッ…!

 

ダッ!ダッ!ダッ!!!

 

曜【エクストリームワープ!!】

 

角間「渡辺が空へと駆けだした!!ここにきて隠していた新必殺技で小泉を抜きさりました!!」

 

穂乃果「空で……【スプリントワープ】!?」

 

【エクストリームワープ】は今の自分の限界点、故に体力の消耗が激しい

 

それでも使った理由……

 

 

 

花陽「【スプリントワープ】が平面の世界なら【エクストリームワープ】は立体…!」

 

花陽(掴んだと思ったのに…っ…!!)ジャリッ…!

 

【スプリントワープ】が破られる気配がしたから

 

曜は花陽を決して侮らなかった

 

曜「っは…!怖いなぁ……!!」タッタッタッ!!

 

海未「花陽まで抜かれては…!」

 

パタパタ…!

 

ああまずい、また色の変わる音がする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜「……っぷはぁ…!お願い!」ドッ!

 

 

 

ダイヤ「準備はいいですか2人とも!!」バッ!

 

千歌ルビィ「はい「うん」!!」バッ!

 

角間「黒澤と高海が上がってきていたぁ!!小泉綺麗につられてしまいました!!」

 

花陽「…っ…!!」ギリッ…!

 

千歌「ここは絶対……決めてみせる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パタパタパタパタ……!

 

せっかく掴みかけた流れ

 

逆転への道筋が見えていながら浦の星の素早い機転により

 

パタパタ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

パタンッ…!

 

今、盤面は敵の色一色に染まりきった

 

海未「ーーーー……」

 

角間「ゴール前は完全にフリーだ!!」

 

穂乃果「来ぉぉぉおおい!!!」パンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グッ……ダンッ!!!

 

グルグルグル!! グルグルグル!!

 

ギュォォォォォオオオオ!!!!

 

バッ!

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!

 

ルビィダイヤ千歌【サンシャイントルネードTC!!!】

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボフォォオォォアァァアアアア!!!!!

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド"焔"!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルルルルル!!!!!!

 

角間「FF決勝!!優勝を決めたシュートと決勝ゴールを守りきった必殺技がぶつかり合う!!」

 

海未「踏ん張りどころですよ穂乃果!!」

 

海未(【焔】を使うということは穂乃果に余裕がないということ…)

 

 

 

穂乃果『少し集中したかったんだ』

 

 

 

海未(すみません穂乃果、今の私達では……!)グッ

 

穂乃果「うぐぐぐっ……!!!」ズズッ…!

 

花陽「頑張って穂乃果ちゃん!」

 

花陽(ここで失点するのはまずい……!)

 

凛「穂乃果ちゃん!!」

 

絵里「穂乃果!!」

 

ギュルルルルルルル!!!!!

 

千歌「押し切れぇぇ!!!」

 

ルビィダイヤ「いける……!!」

 

果南「決まれ!!」

 

穂乃果「……っぐぅう…!!」グググッ…!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

決勝でツバサさんたちと戦って、たくさん悩んで、苦しんで

 

みんなで乗り越えてやっと日本一になった

 

でもまだまだこんなに強い子たちがいて

 

穂乃果「……っはは…!」グググッ!

 

世界って広いなぁなんて呑気なことを考えながら

 

気づけば笑っていた

 

ツバサ「…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バチィッ!!!

 

あんじゅ「あ…」

 

ドサッ!

 

ドシュルルルルル!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「き、決まったぁぁぁ!!!相手の攻めを見事カウンターにつなげた浦の星が貴重な追加点をもぎ取りました!!」

 

千歌「ぃやったぁ!!」バッ!

 

曜「わわわ…!!急に飛びついたら危ないって…!」

 

ダイヤ「ふふ、元はと言えば2人が巻き返してくれたからですわ」ニッ

 

曜「いやー全力だったね」あはは…

 

ルビィ「次はもっとスピード上げてみよっと♪」

 

曜「昔の優しいルビィちゃんはどこに行ったんだよう……」クスン

 

千歌 ヨシヨシ

 

果南「ここ取れたのは大きいよ!」

 

花丸「たたみかけるずらぁ!!」

 

鞠莉「あの頃のふわふわしたマルは一体どこに…!」

 

曜「果南ちゃんに完全に感化されてるね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スゥーーー……!

 

ハァーーー……!

 

理亜「……」

 

フルッ…!

 

理亜(まだ抜け切らない……)

 

理亜(南ことり、多分狙ったわけじゃないだろうけどここまで乱されるなんて…)

 

聖良「……理亜、大丈夫ですか?」

 

理亜「……ちょっと動揺しただけ、もう動ける」

 

聖良「だといいですがね」

 

理亜「…?どういう…」

 

 

 

 

 

 

ルビィ「理亜ちゃん!」

 

理亜「ルビィ…!」

 

さっきは自分が止まってしまったせいで作戦が狂った

 

一体何を言ってくるのかと理亜は身構えたが…

 

 

 

 

 

ルビィ「もう終わり?」ニッ

 

理亜「……言うじゃない」ニッ

 

聖良(理亜に効く一番の特効薬はルビィさんなのかもしれませんね)クスッ

 

僅かに寂しさを覚えながらも聖良は安心したように頬を緩ませた

 

 

 

梨子(…今の理亜ちゃんに中途半端な声かけは逆効果ね)

 

梨子(理亜ちゃんは不安定、でもここで抑えるとそれこそ終わっちゃう)

 

梨子「……賭けるしかないかしら」フゥ…

 

バシッ!!

 

理亜「痛っ…!!」ビクッ!

 

梨子「頼んだわよ」ニッ

 

理亜「……わかってる」

 

梨子(…『わかった』とは言ってくれないのね)

 

理亜「……」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザァァァ……!

 

風の動きに合わせて擦れ合う木の葉の音が心地いい

 

穂乃果「………ぅっ…!」ピクッ

 

意識がハッキリしてくるにつれて自分が吹き飛ばされたことを思い出した

 

 

 

 

 

 

 

海未「穂乃果!大丈夫ですか!?」ザッ

 

なかなか起き上がらない穂乃果を心配して海未が駆け寄ってくる

 

それほど海未はさっきのシュートに圧倒されていた

 

穂乃果「い…てて…!」ムクッ

 

海未「一体何度目でしょうかね、この光景も」フフ

 

倒れている穂乃果に手を貸しながらどこか楽しそうに微笑む

 

穂乃果「あんまりお馴染みになりなくないけどね」アハハ!

 

たくさんの強敵と戦ってきた、その度に見た光景

 

不思議と安心している自分たちがいた

 

 

 

 

穂乃果「……ねえ海未ちゃん」

 

海未「……なんですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果『キーパー……穂乃果じゃなきゃダメ…?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「サッカーって……楽しいねぇ」

 

海未「…!」

 

なぜだろう、穂乃果の口からその言葉を聞けたことが無性に嬉しかった

 

海未「…そんな呑気なことを言ってる場合ですか」ピンッ!

 

穂乃果「あてっ…!」

 

にこ「海未のいう通りよ!」

 

穂乃果「にこちゃん!」

 

にこ「せっかくの押せ押せがたった一手でひっくり返されたのよ、そんなに楽観的じゃ後半全部持ってかれるわ」

 

穂乃果「ぶぅ…!」

 

花陽「エレナさんは今【ディフェンス方程式】使えますか?」

 

エレナ「……私は花陽ほど人を読み込むのが得意じゃない、前回は花陽が相手だったからできただけだ」

 

花陽「そうですか…」

 

エレナ「その代わりと言ってはなんだが…」

 

エレナ「……いや、やっぱりいい」

 

花陽「?」

 

 

 

ツバサ「突破口が分からなければ試合の中で見つけるしかない」

 

ツバサ「誰かが見つけるんじゃない、主役は他でもない自分自身、肝に銘じなさい」

 

みんな「おお!!」

 

海未(チームを締める時はやはり綺羅さんが頼りになりますね)

 

花陽(綺羅さんに気合い入れてもらえるなんて感動だよ〜!)

 

にこ(分かる〜)

 

海未「2人とももうただのファンじゃないですか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「理亜ちゃん大丈夫かなぁ……」

 

あんじゅ「入ってきてすぐ人のトラウマ掘り返すなんて大したものね」

 

ことり「そんなつもりじゃなかったんです!!」

 

あんじゅ「あーあ、一年生になんて残酷な……」

 

ことり「だからちが…!」

 

あんじゅ「悪い女ね〜」

 

ことり「うわーー!!!」

 

 

 

海未「あまりことりをいじめるのはやめていただけますか?」ミシッ…!

 

ことり「海未ちゃん…!」

 

あんじゅ「あなたのセコム怖すぎない?」イタイイタイ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タイトル「野性解放」

 

 

 

 

 

 

ザッ!

 

角間「両者配置につきます!後半まだ始まったばかり、結果は誰にもわかりません!!」

 

 

 

 

穂乃果「…!」

 

千歌「…!」

 

 

負けないよ

 

こちらこそ

 

 

穂乃果千歌 ニッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「さあ追加点をもぎ取った浦の星!!音の木坂再び追い込まれました!!

 

角間「互いにペースの探り合いが始まっています!」

 

ペースの探り合い?

 

梨子「……」

 

そんなに生易しいものじゃない

 

花陽「……」

 

相手を読み切れ、奪い取れ

 

勝つのは

 

穂乃果千歌「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私たちだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音の木坂1-2浦の星

 

ピーーーーーーーーー!

 

ドッ

 

 

 

 

ルビィ「はぁぁ!!」ガッ!!

 

真姫「なっ…!」ガクッ…!

 

角間「おおっと早速黒澤がボールを奪ったぁぁ!!」

 

千歌「よっし!!」

 

にこ「ちょ…!何してんのよ真姫!」

 

真姫「ごめん!!」

 

 

 

 

 

ルビィ「理亜ちゃん!」ドッ!

 

理亜「…!」トッ

 

角間「再び鹿角からボールを回していく!」

 

花陽「やっぱりそうきますか…!」

 

海未(シンプルかつ最も面倒ですね)

 

 

 

 

 

 

 

 

ことり「行かせません!」ザッ!

 

理亜「……!」ビタッ…!

 

角間「先ほど止めた南が再び鹿角の前に立ちはだかります!」

 

いつもの理亜なら迷わず抜きにかかっていただろう

 

しかし……

 

理亜「……ルビィ!」ドッ!

 

ルビィ「!」トッ

 

無意識とは行動に現れる

 

角間「ここはパスを回して回避していきました!」

 

花陽(消極的なパスは見逃さない…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガガガッ!!

 

ルビィ「っ…!?」トトッ!

 

凛「ポーッとしてていいのかにゃ?」ガガッ!

 

角間「星空が素早いマーク!!前半から動きが全く落ちません!なんという運動量だぁ!!」

 

海未「先ほど攻められていた間に少し休めたようですね」

 

にこ「それでも体力馬鹿すぎるわ…」

 

 

 

ルビィ「うぅ〜〜……っと!!」クルッ!

 

凛「のわぁ!!」ガクッ!

 

角間「しかしここは華麗にかわしていく!!」

 

穂乃果「おしい!」

 

にこ「次行けるわよ!」

 

 

 

ルビィ「危ない…」トッ

 

 

 

梨子(ボールは取られなくても爆発力が足りない……)チラッ

 

理亜「……っ」

 

梨子(理亜ちゃんはやっぱり動きが固い……どうする、どう攻める…!)

 

たとえ試合を優勢に進めていようと

 

一瞬の停滞が命取りになることを梨子は理解していた

 

梨子(ここはひとまず【神のタクト】で…!!)

 

 

 

 

 

ダイヤ「ルビィ!!」ダッ!

 

梨子「!?」

 

ルビィ「?……っ!……うん!」バッ!

 

真姫「なっ…あれは……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

グッ…

 

ダンッ…!!ダンッ…!!

 

 

 

 

 

理亜「……!!」

 

梨子「ルビィちゃん!?ダイヤさん!?」

 

あんじゅ「嘘でしょ!?」

 

角間「センターラインからシュート体勢!!攻撃のリズムを変えてきたかぁ!?」

 

穂乃果「そんなとこから……!!」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理亜(何を考えて……打ち合わせも何もしてない、走れってこと?それとも本当に直接狙いに行った?)

 

不安な時は体より先に頭が働いてしまう

 

理亜(どうする…私はどう動けば…!)ジャリッ……!

 

 

 

ガシッ!

 

理亜「!?」グイッ…!

 

曜「うだうだ考えずに走りなよ!!」ダッ!

 

理亜「ちょ……離して!!」ダッ!

 

角間「渡辺が鹿角の手を引いて上がっていく!?」

 

 

 

 

花陽「……」

 

あんなところからシュートを打っても敵にボールをプレゼントするようなものだ

 

じゃあそれ以外

 

シュート以外の残された選択肢は……

 

花陽(……シュートに見せかけたFWへのパス…!)

 

ツバサ「マーク!!」

 

同様の思考を巡らせていたツバサは一足先にチームへ指示を出す

 

花陽「私も…!!」ダッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グルグルグル!!グルグルグル!!

 

バッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!!

 

ルビィダイヤ【ファイアトルネードDD!!】

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!

 

角間「黒澤姉妹がシュートを放ったぁ!!」

 

ギュゥゥゥゥン!!

 

角間「しかしこれはゴールを外して……」

 

海未(やはりシュートではなくパス……!)

 

それは信頼か非情か

 

 

 

 

 

 

角間「鹿角へのパスだぁぁ!!!」

 

理亜「…っ…!!」

 

自分を見失っている理亜に対し同情のかけらもないキラーパス

 

FWとしての役目を果たせといわんばかりの勢いで理亜へと襲いかかる

 

梨子「今の理亜ちゃんにあんなボール……!」

 

聖良「あの2人だから出せるんですよ」

 

梨子「それってどういう…」ハッ…!

 

梨子「……確かにそうかもしれませんね」

 

ルビィダイヤ「………」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

理亞「私達に勝ったんでしょ?今、同点なんでしょ?今決められたらまずいってことぐらい、あんたなら分かってるでしょ!!!!」

 

理亞「頑張りなさいよ!!!!アンタが倒れるのは試合に勝ったあとよ!!今は立つの!!」

 

理亞「動けえぇぇぇぇ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理亞「黒澤姉えぇぇぇぇぇ!!!!」ズザザ…!

 

理亞「繋ぐって言ったでしょ!!!!」パキキ…!!

 

理亞「本当の黒澤ダイヤを見せて!!!!」ドッ!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「黒澤姉妹のパスに合わせて鹿角が走る!!しかし読まれている!!音の木坂DFが集まっています!!」

 

花陽「これだけ囲めば…!!」タッタッタッ

 

あんじゅ「油断はダメよ、相手は変態なんだから」タッタッタッ

 

ことり「変態…」アハハ… タッタッタッ

 

にこ「わーかってるわよ!」タッタッタッ

 

角間「鹿角完全に囲まれたぁ!!」

 

梨子「……っ」ギュッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タッタッタッ

 

曜「……ねぇ理亜ちゃん」

 

理亜「……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

曜「また同じことで悩んでるんだね」フフ

 

理亜「……は?」

 

煽りにも聞こえるその言葉に思わず反応してしまう

 

曜「難しく考えすぎなんじゃない?」

 

理亜「………」

 

こんな状態になったことがないからそんな気楽なことが言えるのだろう

 

理亜は少なからず曜に対して失望の感情を露わにした

 

 

 

曜「だってもう理亜ちゃんは全部体験したことでしょ?」

 

理亜「…!」

 

曜「初めて克服した時、失敗するの怖がってた?期待を裏切るかもなんて考えてた?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

躊躇って足が動かないなら、強引に動かしてやる!!

 

いいから黙って私の言うことを聞け体!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!

 

角間「黒澤姉妹が繋いだボールが鹿角へと向かう!!」

 

花陽「理亜ちゃんを抑えます!!」

 

にこ「にこがいく!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

にこ「ふっ…!」ブンッ!!

 

ズシュゥゥゥゥ………!

 

ブワァァァァアアアア!!!!

 

にこ【スピニングカット!!】

 

角間「ここは素早いディフェンス!!矢澤が止めにかかります!」

 

花陽「タイミングは完璧…!これで…」

 

にこ「………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーストラリア戦

 

絶対的な場面

 

超えるつもりだったライバルに鼓舞され、周りに助けられてようやく完成させた必殺技

 

それでも決められなかった

 

みんなが信じてくれたのに

 

期待を裏切った

 

その日から、ゴールに向かうとあのシーンがフラッシュバックするようになり

 

ついにはシュートが打てなくなってしまった

 

後ろを向こうとする自分を無理矢理前に向かせて乗り越えた

 

…はずなのに、またそれに悩まされている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブワァッ……!!!!

 

にこ「…!?【スピニングカット】が……!!」

 

花陽「うぐっ…!」ブワッ!!

 

 

 

 

 

パキパキパキパキ!!!!

 

理亜【Awaken The Power!!!】

 

ブワァァァァァァ!!!!

 

トッ!

 

角間「鹿角【Awaken The Power】で【スピニングカット】を正面突破ぁ!!矢澤、小泉ごと吹き飛ばしボールを受け取りました!!」

 

 

 

 

 

にこ「なんっ……で、通じないのよ…!!」ギリッ

 

ツバサ「……!」

 

 

 

 

 

角間「勢いを取り戻したかぁ!?」

 

梨子(取り戻した…というより弱い自分を必死に振り払おうとしているだけのように見える…)

 

理亜(止まるな、考えるより先に体を動かせ…!!)

 

花陽「くっ…!」ブワァッ!

 

ゴロゴロ……ズザザザ!!

 

花陽「…っあんじゅさん!!ことりちゃん!!左右から挟んで!!」

 

あんじゅことり「ええ「うん」!」ダッ!

 

スピニングカットと同時に飛ばされた花陽は体勢を立て直しながら指示を飛ばす

 

彼女は守備の要だから

 

花陽(ここで畳み掛けないともう後がない…!!)

 

理亜「……っ…!」

 

ズシッ…!

 

理亜(落ち着け、大丈夫…大丈夫だから…)

 

ルビィとダイヤが繋いでくれたこのボールですら、今の理亜には重くのしかかる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜「……」ポリポリ

 

肝心な時に上手く話せないなぁなんてことを思いながら頭を掻く

 

 

子供の頃、よく周りの人に言われた

 

曜ちゃんは天才だねって

 

でも高校に入って、サッカーを始めて本物の天才たちに出会った

 

もちろん努力をしているのは知ってる

 

人一倍ストイックなのも

 

でも

 

努力じゃ超えられない壁の先に彼女たちはいる

 

『私が理亜ちゃんの代わりになるよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

……なれないのはわかってる、でも

 

天才(すごい人)たちに少しでも追いつきたかった

 

[凡才はどれだけ足掻こうと天才にはなれない]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜と理亞

 

気丈に振る舞っているように見えてどこか脆く繊細な2人

 

 

 

 

 

 

 

あの時、理亜の胸に当てた手は震えていた

 

 

 

理亜(……本当はわかってる、曜が私に伝えたかった事)

 

 

 

 

 

 

 

送られたのは

 

『見てて』

 

たった三文字の短い一言

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裏の言葉

 

 

 

 

『私は少しでも先に進むよ』

 

 

 

 

 

 

 

『理亜ちゃんはどうする?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ルビィが戻ってきた時に

 

ルビィが継承したことを後悔するぐらい…強くなってやる

 

使いこなしてやる!!!!

 

 

「見てなさいルビィ…私がアンタの技…」

 

 

 

 

 

 

理亞「奪ってやるんだから…!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

パキパキパキ……ッ!

 

………言われなくても

 

花陽「……!?」

 

 

 

 

 

 

ザッザッ……ヒュッ…!!

 

 

ブワァァァァアア!!!!

 

あんじゅことり「きゃぁああ!!」ブワァッ!!

 

ドサッ…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ハァーーーーーー……」パキィッ…!

 

こんな壁、何度だって超えてやる

 

 

 

 

 

 

 

角間「鹿角がディフェンダーを吹き飛ばした!!圧倒的な突破力だぁ!!」

 

花陽「あの2人が抜かれた…!?」

 

凛「抜かれたっていうレベルじゃないにゃ!!」

 

 

 

あんじゅ「ことりのせいでもっとめんどくさいことになったんだけど!!」ムクッ…!

 

ことり「だからわざとじゃないんですってば!!」ムクッ…!

 

 

 

 

曜「……悔しいなぁもうっ……!」クシャッ…!

 

今の自分では到底たどり着けない場所を軽々と走る理亜に少しばかりの嫉妬をにじませるがその表情はどこか嬉しそうだった

 

梨子「理亜ちゃん…!」

 

理亜「こんなところで立ち止まってる暇なんてないのよ」トッ

 

 

ルビィ「帰ってくるまで随分かかったね」ニッ

 

曜「……ルビィちゃんのその余裕も怖いよ」

 

聖良「信頼ゆえですね」

 

曜「本当に可愛いルビィちゃんはどこに…」

 

「よーーーーー!!!」

 

曜「!」クルッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理亜「タラタラしてたら見えないとこまで行っちゃうから」ニッ

 

曜「……舐めんな後輩」ニッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「来なよ理亜ちゃん!!」パンッ!!

 

理亜「……」コクッ

 

角間「鹿角と高坂の一騎打ちだぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理亜「……っふっっ!!!」

 

ドゴォッ…!!

 

理亜はかかと落としで地面にボールを叩きつけ力を溜める

 

 

 

 

 

 

 

理亜「はぁぁぁあああ!!!!!」グググッ……!!!

 

パキパキパキパキパキ……!!!!

 

ブワァァァァァァァアアアア!!!!

 

理亜の叫びとともに冷気が高まる

 

その光景はまさに…

 

 

 

 

 

 

絵里「……自然の……暴力…」

 

 

 

 

 

理亜「あああああああああ!!!!!」グググッ…!!

 

もう二度と、こんなことが起きないように

 

弱い心を持った自分が顔を出さないように

 

過去の自分との

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

決別の叫び

 

 

 

 

 

ルビィ「……っっ……!!」

 

 

 

 

 

 

 

ルビィ「いけぇぇぇ理亜ちゃん!!」

 

 

理亜「うぉあああああ!!!!」クルッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!!

 

理亜【Awaken the beast!!】

 

ゴォォォォオォォオオオオ!!!!!

 

バキバキバキバキバキ!!!!

 

 

 

 

ゴォォォォオォォオオオオオオ!!!!

 

角間「完全に吹っ切れた鹿角!!!追加点は目の前だぁぁ!!!」

 

花陽「……こんなの……っ…!」

 

凛「穂乃果ちゃん!!」

 

絶望的な状況の中、彼女だけは覚えていた

 

海未「……!」

 

海未「……ふふ、そうでしたね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝利の女神は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「最後まで諦めなかった方に笑うんだよ!!」ジャリッ……!!

 

角間「高坂構えたぁぁ!!」

 

ゴォォォォオォォ!!!!

 

希「あれは……【マジン・ザ・ハンド】…!」

 

聖良「無駄ですよ、今の理亜は止められません!」

 

穂乃果「……無駄かどうかは!!」グググッ…!!

 

理亜「…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「やってみてから考える!!」バッ!!

 

メキメキメキ……!!

 

みんな「!?」

 

角間「高坂のマジンが姿を変えて…!」

 

 

 

 

 

 

 

彼女の必殺技は感情に左右される

 

【焔】の元は「勝ちたい」という純粋な想い

 

自分の中の一番の願い

 

ただ、それが別のものに入れ替わっていたら

 

「勝ちたい」以上の感情が芽生えていたら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ねえ海未ちゃん』

 

『サッカーって……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「………!!」ニッ!

 

理亜「……!!」ゾクッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルルルルル!!!!!!

 

穂乃果「っ…!!」ズズッ……!

 

角間「高坂踏みとどまる!?鹿角のシュートを掴んで離しません!!」

 

理亜「決まれぇぇ!!!」

 

凛「止まれ!!」

 

穂乃果「……っっ悪いけど…!!」ググッ…!!

 

ルビィ「!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルルルル!!!!!

 

ッシュゥゥゥゥ……!!

 

パシッ!!

 

理亜「なっ……!?」

 

穂乃果「ここは止めさせてもらうよ!」

 

角間「と…止めたぁぁぁ!!!高坂見事止めました!!」

 

海未「穂乃果ぁぁぁ!!!!」

 

ことり「穂乃果ちゃぁぁぁんん!!」

 

あんじゅ「…あなたたちの幼馴染なんなのほんと…」クスッ

 

鞠莉「That's great!!まさに【グレイト・ザ・ハンド】ね!」

 

花丸「褒めてる場合じゃないずらぁ!!」

 

角間「音の木坂の反撃です!!」

 

にこ「……」

 

 

 



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あの、今からにこちゃんのくだりあるんですけど考えすぎて自分でもよくわからなくなったとこなのでふわっとみてください


 

 

 

 

 

 

角間「音の木坂の反撃です!!」

 

穂乃果「にこちゃん!」ドッ!

 

角間「矢澤へのパスだぁ!!」

 

にこ「……任せて!」トッ!

 

ツバサ(……矢澤さん?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先程理亜が過去のトラウマを思い出し、自信を喪失していたが

 

 

千歌「はぁあ!!」ズザザ!

 

にこ「!」バッ!

 

にこ(そんなスライディングでやられるわけ…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千歌「ぃよっ…!!」ガッ!

 

にこ「なっ…」グラッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドサッ

 

思いつめていたのはにこも例外ではなかった

 

穂乃果「にこちゃん!?」

 

希「にこっち!?」

 

角間「矢澤ボールを奪われた!?珍しいミスだ!!」

 

にこ「っく…!」

 

この試合一度も通用しなかった自慢の必殺技【スピニングカット】に加え

 

ここまで大した働きができていないストレス

 

エキシビジョンとはいえ、意識しない方が無理がある

 

希(にこっち無駄に責任感は強いからなぁ…)

 

海未「花陽!!凛!!にこのカバーを!!」

 

花陽凛「う、うん!」

 

角間「浦の星再びチャンスだぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…っなんで……なんでぇ……?』ポロポロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムクッ…

 

にこ(…なんか一瞬、あの頃を思い出した)

 

ーーー数年前

 

自分がまだ希望に溢れていたあの頃

 

そして

 

自分が無力だと叩きつけられたあの頃を

 

…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ(っ…黄昏てる場合じゃない…!!)ブンブン!!

 

まとわりつく記憶を振りほどきにこは前を向いた

 

にこ(花陽と凛がカバーに向かってくれてる…ここで私が粘らないと…!)

 

ザッ…ザッ…!

 

誰かが近づく

 

にこ「……綺羅…ツバサ?」

 

ツバサ「……少し気になったんだけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「あなたは今、どっちなの?」

 

にこ「…」

 

ああ、思い出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…本気で言ってるの?』

 

『うん、バイバイ』

 

一年生の途中、メンバーが誰もいなくなってサッカー部は廃部になった

 

小さい頃から夢みてた憧れの舞台

 

[フットボールフロンティア]で全国の猛者たちと競い合う

 

そんな理想と現実のギャップから精神的に不安定になりながら

 

『……』

 

ツインテールを解くことはなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワーワー!キョウハキテクレテアリガトー!

 

にこ『この子…可愛いわね』カチカチ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「自分勝手すぎでしょ」

 

「みんながみんな日本一目指してるわけじゃないんだけど」

 

「違うんだよ、にこと私たちは」

 

 

 

「…一緒にいるの…しんどい」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ポタッ…ポタッ…!

 

にこ『…!』ズズッ

 

ピピピピ!

 

にこ『学校……行かなきゃ』ゴシゴシ

 

 

 

 

シュルッ…

 

 

 

 

キュッ!

 

にこ『……よし!』パンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

精神的支柱の1つ

 

サッカーができなくなったあの頃の自分にとって

 

アイドルという存在だけが自分の心の支えだったのかもしれない

 

あの頃アイドルという存在がなければ

 

矢澤にこは今ここにはいなかっただろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「……で、誰よあんた?」

 

「ひっ…バレてた…」

 

いつのまにかにこは何もない空間にいた

 

希や花陽、絵里が自分の中の後悔と向き合った場所

 

にこ(これ、希の言ってた…)

 

何もない真っ白な空間

 

ニコ「…わたしの名前はニコ!」ニコッ!

 

後悔の空間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「……何よ、にこは心残りなんてないんだけど」

 

ニコ「本当に〜?」

 

にこ「はぁあん??」イラッ

 

ニコ「やぁ〜ん!そんなに睨まれるとニコこわーい!」

 

なぜだろう、イラっとした

 

にこ「あんたなんかに構ってる暇なんてないのよ、早く試合に戻らないと…」バッ

 

ジャラッ…!

 

にこ「…なにこれ」

 

にこは自身の足に結びついている鎖に気がついた

 

もう一つの端はニコへと繋がっている

 

にこ「…外れないんだけど」ガシャガシャ

 

にこ(…結構錆びてるわね…)

 

ニコ「ん〜?別に今に始まったことじゃないよ?」

 

にこ「は?じゃあいつからこんな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

ニコ「高校一年のあの日だよ」

 

にこ「…!!」

 

 

 

 

 

 

『なんで……みんな辞めちゃうのよぉ……っ!!』ポロポロ

 

 

 

 

 

 

 

ニコ「精神的に限界だったにこは」

 

ニコ「つらい記憶をアイドルという偶像で包み、蓋をした」

 

にこ「…あんたまさか」

 

ニコ「ニコ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「さあボールを奪った高海!反撃のチャンスだぁ!!」

 

ツバサ「ねぇ…おしえて」

 

にこ「………」

 

ツバサ「今のあなたはアイドル?サッカー選手?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニコ「あの日からにこはこれまで以上にアイドルにこだわるようになったね」

 

にこ「……」

 

自分と鎖で繋がれたこの状態

 

依存

 

真っ先にそんな言葉が思い浮かんだ

 

ニコ「そんなに睨んでもにこが私を必要としてる限り絶対にこの鎖は切れないんだよ、アイドルのニコニー大事でしょ?」

 

にこ「……」

 

ニコ「別にそれでいいじゃん、今まで通り、[アイドルとしてサッカーしてれば]」

 

にこ「……」

 

ニコ「…っねえ、無視しないでよ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「…随分と急かすのね」

 

ニコ「…っ…」ビクッ

 

笑顔を絶やさなかったニコの表情がわずかに強張った

 

にこ「私は…」

 

にこ「弱かった、あんたに頼らないと今にも崩れてしまいそうなぐらい」

 

にこ「………でも今は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「[1人のサッカー選手として]サッカーがしたい」

 

まっすぐと、なんの揺らぎもなくにこは答えた

 

ニコ「…また、一年生の頃の二の舞になるかも…」

 

どこか焦りが見えるニコ、まるで何かを察しているようかのように

 

にこ「あいつらが簡単に離れるわけないでしょうが」

 

ニコ「!」

 

にこ「…私はもう」

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「グラウンドに立つ以上、半端な気持ちでプレイするのは私が許さない」

 

ツバサ「答えて、今のあなたは……」

 

にこ「……私は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

にこ「にっこにっこにー!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「アイドルじゃなくていい」

 

ニコ「ーー…」

 

ピシィッ…!

 

鎖に亀裂が入る音がした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズズズ……ズズ…!

 

ツバサ「……!」

 

ツバサ(これは…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「……じゃあね」ガシャッ

 

ニコ「私は…いらないの?」

 

にこ「ええ」ガシャガシャ

 

視線すら合わせずにこは鎖を外す

 

ニコ「……これまでずっと……頼ってきてたのに……」

 

にこ「…!」

 

 

 

 

 

 

 

ニコ「いらなくなったらそうやって切り捨てるんだ…!!みんな!!」

 

にこ「何よ…なんでそんなに怒って…」

 

 

 

ニコ「…っみんな!!最初は友達だったのに!!」

 

 

 

にこ「!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『バイバイ、にこ』

 

パタン…

 

にこ「………」

 

 

 

 

 

 

ポロポロ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニコ「うゔぅ……!」ポロポロ

 

にこ「……」

 

…なぜすぐに気がつかなかったんだろう

 

この子はアイドルのにこじゃなかった

 

1人になって、アイドルにしか頼るものがなくなったあの頃のにこだ

 

ニコ「なんで…なんでぇ…っ…」ギュッ…!

 

にこの服に顔をうずめ泣きじゃくる

 

にこ(……あの時の感情は、今でもはっきりと思い出せる)

 

自分の中では区切りをつけたつもりだったけど、無意識にまだ引きずっていたみたいだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニコ「ひとりにしないでよぉ……」ズズッ…!

 

 

 

 

 

 

にこ(…………)

 

さっきまであれほど憎たらしかったのに、今では吐き気がするほどほっとけなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「あんたを切り捨てるなんて、誰がそんなこと言ったのよ」

 

ニコ「?」

 

にこ「私ね、ずっと引っかかってた」

 

にこ「大会で優勝して、仲間ができて、願いは叶ったはずなのに、思い残すことなんて何もないはずなのに」

 

にこ「心のモヤモヤが消えないの」

 

ニコ「……」

 

にこ「でもあんたと話してスッキリした」

 

にこ「にこはきっと、この試合を最後にサッカーをやめる」

 

ニコ「!」

 

にこ「だからお願い、この試合だけは……アイドルとか、関係ないこと全部忘れて夢中でプレイしたい」

 

ニコ「……やだ」

 

にこ「あんたは私の中の……苦しかった部分を全て背負ってくれた」

 

にこ「……ありがとう」

 

ニコ「……」ゴシゴシ

 

にこ「ひとまずアイドルのにこにーはお休み、わかった?」ナデ…

 

ニコ「……でも」ズズッ…!

 

にこ「……」

 

いつからだっただろう

 

友達が怖くなくなったのは

 

[明日]が当たり前になったのは

 

別れ際、馬鹿正直なあいつらがいつも言ってくれるあの言葉に

 

にこ「……ーー」

 

私はどれだけ救われていただろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「……また…ね…?」

 

ニコ「………!」

 

ゴシゴシゴシ!!

 

ニコ「……うん、また!」ニコッ!

 

にこ「……」ニッ

 

 

 

みんな怖いんだ、1人になるのは

 

だから約束する

 

[次]また会えるように

 

バキッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズズズズッ……

 

千歌「……!」ピタッ

 

梨子「なに…あれ?」

 

にこ ズズズズッ……

 

絵里「にこの体から黒いオーラが…」

 

希「にこっち…?」

 

 

 

 

 

 

ツバサ「……っ」ブルッ

 

にこの体から吹き出すドス黒いオーラを間近で感じながらツバサは悟った

 

超えたな、と

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ ギロッ…!!

 

千歌「ーー…!!」ビクッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガガガッ!!ザッ……ガガッ!!!

 

千歌「ふぐぅっ…!!」トトッ…!!

 

梨子「千歌ちゃん!!」

 

千歌(一瞬で詰められてっ……!?)

 

角間「これは矢澤が猛チャージ!!ボールを奪われた直後気合いで高海へ飛びつきます!!」

 

ガガガッ…ザザ!!

 

千歌「んむぅっ…!!」ガガガッ!!!

 

 

 

 

千歌「っ…ぷはぁ!」トッ…!!

 

にこ「へぇ、やるじゃない」ザッ

 

 

角間「高海を止めたぁ!!自身が作ってしまったピンチをなんとか抑えました!」

 

花陽凛「!」ピタッ

 

 

 

 

 

 

 

絵里「……今のにこの動き…見た?」

 

真姫「?いつものディフェンスじゃない、多少気合いは入ってたみたいだけど」

 

絵里「それだけじゃないわよ」

 

真姫「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜「変わった?」

 

梨子「……」

 

梨子(力強くしなやかな動き、さっきまでとまるで違う…)

 

曜「油断は禁物ってことでいい?」

 

梨子「………油断どころか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「………」ザッ

 

千歌「……!」ジリッ…

 

私たちの知っている矢澤にことこちらの矢澤にこはどちらも矢澤にこだった

 

プレイスタイルこそ違えど普段の立ち振る舞いから言動、笑い方まで

 

すべて同じだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

筈なのに……

 

穂乃果「……なんか」

 

穂乃果「いつものにこちゃんじゃないみたい」

 

穂乃果(でも、嫌な感じじゃない…)

 

 

 

 

 

 

 

 

今まで何度も見たはずのにこの笑顔が

 

 

 

にこ「あっは…!」ニッ

 

千歌「ーー……」ゾッ…

 

 

 

 

とても怖いものに見えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニコ「………」

 

ちぎれた鎖を手にニコは立ち尽くしていた

 

にこはまたねと言いのこし行ってしまった

 

にこには楽しい記憶が詰まっている

 

ニコには苦しい記憶が詰まっている

 

私が居なくなれば

 

今度は純粋に、アイドルを、サッカーを楽しむことができるだろう

 

 

 

 

 

 

 

ニコ「……」

 

ジャラッ……

 

鎖は全体的に錆びており、ボロボロだ

 

最近まで綺麗だったのに、あの日から瞬く間に腐敗が進んだ

 

『あんたはいっつも先頭走って後ろを振り返らないんだから』

 

『たまには先輩の背中を黙って見てなさい』

 

…薄々感じてた、にこが本当の意味で立ち直ろうとしていることに

 

わたし(不安の受け皿)がいらなくなってきていることに

 

心細くて仕方なかった

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

えーん、えーん

 

??「どうしたの?」

 

にこ「……一人になっちゃった」グスッ

 

??「……大丈夫、わたしがいるよ」

 

にこ「?あんた誰よ?」

 

??「……」

 

ニコ「わたしはニコ、ほら、元気出して」

 

にこ「…あんたはそばにいてくれるの?」

 

ニコ「うん!」

 

にこ「…信用できない」

 

ニコ「………」

 

ジャラララララ!!

 

にこ「!」ガチャン

 

ニコ「これで安心?」

 

にこ「……うん、安心する」

 

ニコ「ほら、にっこにっこにー!」

 

ニコ「わたしはずっとそばにいるよ」

 

にこ「…….絶対?」

 

ニコ「うん!一人は寂しいし」

 

にこ「ふふ、確か……に……?」フラッ

 

ドサッ

 

 

 

 

 

 

 

 

ちゅんちゅん!

 

ムクッ

 

にこ「………なんの夢…見てたんだっけ」

 

 

 

 

 

ニコ(………)

 

 

 

 

 

 

わたしの役目が終わって、このまま消えるんだと思ってた

 

でも

 

にこは私を一人にしないと言ってくれた

 

苦しい思い出すら抱えて一緒にいてくれると言ってくれた

 

……次会うときはなんて言おう

 

こんにちは?久しぶり?

 

いや、まずは……

 

 

 

 

最高の笑顔で「アレ」を見せてもらおうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「……ふふ」

 

千歌「っ…!」ジリッ

 

 

 

 

 

 

梨子(また状況が変わった……なにがあったの?ツバサさんと少し話してすぐに……)

 

ツバサ「今の矢澤さんはそっとやちょっとじゃ止まらないわよ」ニッ

 

あんじゅ「すごく自信満々なとこ悪いけどあなた声かけただけじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「……ねえ海未ちゃん」

 

海未「何ですか?」

 

凛「凛ね、魚嫌いなんだ」

 

海未「…………?」

 

凛「元はそうでもなかったんだけど」

 

凛「小さいとき骨が喉に刺さってから嫌いになっちゃった」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛「星空凛だに……です!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛「刺さったままにしてるとその間ずっとモヤモヤした気持ちになっちゃってヤなんだけど」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

花陽「無理して変わらなくていいんだよ」

 

凛「!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛「取れた時はすごく気持ちがいいんだにゃ」

 

海未「そうですか…」

 

凛「うん!」

 

海未「……凛」

 

凛「ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「一体何の話だったのですか?」

 

凛「にゃ!?」ガーン…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「おらぁ!!」バッ!

 

千歌(来るっ…!!)ザッ

 

ガガッ!!トッ…ズザッ…ガガガッ!!!

 

にこ「はぁ〜!!いいわよもっと来なさいよ!!」ガガッ!!

 

千歌「んにぃっ!!」ズザッ!

 

千歌(さっきまでとプレイが違いすぎてっ…体が追いつかない…!!)ジッ

 

にこ「ふっ!」バッ!

 

千歌(…!また、あの目だ…っ)

 

千歌はにこの目に変化を感じていた

 

千歌(さっきまでとは違う。深く、底が見えないほど暗い……でもどこか解放されたような…)

 

にこ「うぉらぁああ!!!」バッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千歌(ーー…悪魔みたいな目)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズシュゥゥゥゥ……!!!

 

ズァァァァアアアアア!!!!!

 

千歌「うわぁああ!!」

 

曜梨子「千歌ちゃん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

テンテンテン コロコロ……

 

トッ

 

 

 

にこ【デーモンカット】ニッ

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「迷いのない激しいプレイ!!先ほどのミスで吹っ切れたかぁ!?」

 

希(これが…アイドルを捨てたにこっちのプレイ…)

 

真姫「うおらーって叫ぶのはいいの?アイドル的に」

 

にこ「にこはサッカーしてんのよ!!黙ってなさい!!」

 

穂乃果「いいぞーにこちゃん!」

 

にこ「いくわよ!」ダッ!

 

梨子「何でこう予想外が起こるかなっ……!!」ダッ!

 

鞠莉「だから面白いんじゃない!」

 

果南「さー気ぃ引き締めなよ!!勝負どころだからね!!!」

 

みんな「おおお!!!」

 

ツバサ「味方に気圧されてる場合じゃないわよ!!攻め時を見逃さない!!」

 

みんな「…!は、はい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「!」タッタッタッ

 

曜「ここは通行止めですよっと!」ザザッ!

 

にこ「…」キョロッ

 

聖良「…!」ジリッ

 

にこ(曜を抜いても後ろには聖良が…)

 

ツバサ(さあ見せて矢澤さん、あなたの[全力の]プレーを)

 

にこ「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あのエキシビジョンマッチの時、ママは必殺技を使わなかった

 

手を抜くことが嫌いな監督がそれを指摘しなかったってことは、使ってはいけない理由があったのだろう

 

にこ「……ふぅーー……」

 

……今ならわかる、なんでにこが小悪魔って言われたのか

 

『ねえ知ってる?昔、音の木坂の悪魔って呼ばれた人がサッカー部にいたんだって』

 

点と点が線でつながった気がした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズシュズシュズシュズシュズシュ!!!!!

 

曜聖良「なっ…!?」ジリッ…!

 

角間「矢澤【デーモンカット】でDF2人を取り囲んだぁ!!」

 

梨子「………!」

 

にこ(これが……今のにこの全力…!!!)

 

一度捕まれば二度と出ることはできない絶対領域

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ【デビルズ・サンクチュアリ】

 

 

 

 

ズァァァァアアアアアアア!!!!!!

 

曜聖良「うぐぁあっ!!」ブワァ!!

 

デーモンカットのオーラが渦を巻き、中にいるプレイヤーを搦めとる

 

角間「矢澤渾身の新必殺技!!渡辺と鹿角を飲み込む、まさに魔の聖域だぁ!!」

 

 

……ドサッ!!

 

曜「っ…キッツイなぁ…!!」ググッ

 

聖良「わたしのところまでっ……威力も……!」ゴホッ…!

 

花丸(善子ちゃんが好きそう…)チラッ

 

善子「………」

 

花丸「?」

 

鞠莉(超広域ディフェンス、タクティクスブレイクとしてもかなり面倒くさそうデース……)ウーム……

 

 

 

 

 

 

 

 

梨子(……もうさっきまでのにこさんと思わないほうがいいわね)

 

梨子「……けど」

 

梨子「ディフェンス!!にこさんにつられすぎないように!!マーク2人!!」

 

みんな「おお!!」

 

ザザザ!!

 

にこ「っち……随分対応が早いじゃない…!」

 

ダイヤ「そうしなければならないところでずっと戦ってきたからですわ!」ザッ!

 

花丸「ここで止めるズラ!!」ザザッ

 

角間「瞬時に守備の形を組み立てる浦の星!!矢澤完全に足を止められた!!」

 

にこ「……やっと……来れたわよ」

 

ダイヤ花丸「?」

 

にこ「……!!」キッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「希ぃい!!」ドキュッ!!

 

希「…!!」

 

梨子(マークを外していない……希さんにパス…!?)

 

真姫「何やってるのよにこちゃん!!何でわざわざ希に…」

 

理亜「ルビィ!!」

 

ルビィ「いただきます!」ダッ!

 

真姫「ほらぁ!!」

 

 

 

 

にこ コクッ

 

希「ーー…」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ワーワー!

 

希「うわぁ…!これがサッカーの試合かぁ…!」

 

にこ「あれ、希本当に来たんだ」

 

希「うん!サッカーには少し興味があったから、頑張ってねにこっち!」

 

にこ「まっかせなさいよ!」ニッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「にこっち……」

 

にこ「……希…わたし、1人になっちゃった……」

 

にこ「どこで間違ったかなぁ…っ」ポロポロ

 

希「……う、うちがサッカー部に入るよ!!だから……」

 

にこ「……あんたはあの金髪といるのが楽しいって言ってたでしょ、半端なことすんじゃないわよ」

 

希「でも……」

 

にこ「それに…今は誰のことも信じたくないし……」

 

にこ「………」

 

にこ「サッカーをするつもりもない」

 

希「っ…」

 

にこ「もしわたしが、またサッカーに向き合えたら、その時は……」

 

にこ「あんたを一番に呼ばせてもらうわ」

 

希「そっ…!」

 

にこ「……バイバイ」

 

希「っ……!!」ギリッ…!

 

 

 

 

 

 

 

希「うちは……諦めないから!!にこっちのサッカーしてる姿、絶対また見るから!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

希(あの日から、ようやくにこっちをサッカーの世界に連れてくることができた)

 

 

 

 

 

 

 

希『あれ〜?にこっちやっと入部か〜』

 

希『今頃入部ってどれだけツンデレ…』

 

にこ『希ーーー!!!』

 

 

 

 

 

 

あれから何度も呼ばれた、わたしの名前

 

でも今、本当に、何故だろう

 

『希ぃい!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クンッ……!

 

ルビィ「なっ…」スカッ

 

希「うちのボールよ?」トッ

 

 

やっと……名前を呼んでくれた気がした

 

 

カチッ…カチッ…

 

あの日から止まっていた私たちの時計が

 

動き出す

 

 

 

 

 

 

 



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これまで二種類の音を持つ人は何度か見てきた

 

人間と堕天使、二つの顔を持つ善子ちゃんがいい例だ

 

でも……これは……?

 

 

 

 

 

 

 

希「はぁあ!!」

 

クルッ…ザザザッ …ダッ!!

 

角間「東條止まらない!!矢澤の気持ちがこもったボールをしっかりと受け止め前線へと駆け上がる!!」

 

梨子(音の数が……)

 

梨子「2、いや……3、4……5…!?」

 

梨子(こんなの…ありえない…!!)

 

希(はは…!キッツイ……)

 

梨子「…っ!」ゾクッ

 

 

 

 

 

希「なぁっ!!」ダッ!!

 

梨子「あぐっ…!?」ガクッ

 

角間「またもや抜いたぁ!!」

 

希の武器は一度見たプレイをコピーできること

 

連続でのコピーは体にかなりの負担を強いるが関係ない

 

エレナ「思い出すな、決勝での東條希のプレイを」

 

ツバサ「いきなりは心臓に悪いほんとうに」

 

 

 

トットッ…シュダッ!!

 

花丸「そっち…!?」ガクッ

 

希(次は…誰をっ…!)

 

今の希は常に最適な誰かを写し続ける

 

誰にも止めることは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは骨が折れそうね、ヨハネ♪」

 

「……」

 

希「……!」タッタッタッ

 

角間「東條の前に小原と津島が立ちはだかる!!勢いに乗っている東條を止められるかぁ!?」

 

鞠莉「残念だけどここまでよ!!」バッ!

 

希(……まずは一人)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ツバサ ザッ…クンッ…!

 

鞠莉「ぉ……っと…!」カクッ…!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

希(前半に一度見れてよかった…!)

 

情報が多いほどコピーはより精巧さを増す

 

千歌「鞠莉ちゃん!!」

 

曜「あれを止めるのはいくら鞠莉ちゃんでも…!」

 

ダイヤ「…忘れたのですか二人とも」

 

千歌曜「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイヤ「私たちの必殺タクティクスを一人で壊滅させたのは誰だと思っていますの?」

 

鞠莉「♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

希「UTX高校、綺羅ツバサ」

 

バッ!!

 

角間「先に仕掛けたのは東條だぁ!!」

 

鞠莉「……それ、めんどくさいのよねぇ」

 

スッ

 

テクニック勝負に持ち込まれると厄介だと判断していた鞠莉はすでにその対策を立てていた

 

バチバチバチッ!!!

 

花陽「……!」

 

【グランド・スイーパー】のオーラが鞠莉の体に取り込まれる

 

 

 

 

 

希「なに……して……っ!」ザザッ…!

 

エネルギーが収束していく、大気が震える

 

鞠莉「耐えられるもんなら耐えてみなさい!!」ググググッ……!!

 

先のことを想像するより早く

 

希「……ぁ」

 

本能が「逃げろ」と叫んでいた

 

海未「希!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鞠莉【グラウンド・ゼロ】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………パラパラパラ

 

爆発後の異常な静けさ

 

【グランド・スイーパー】とは比べ物にならない規模、威力

 

爆発の中心にいた鞠莉と希はタダでは済まないだろう

 

ユラッ…

 

立ち込める砂けむりの中、揺れる影が一つ

 

絵里「そんな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

鞠莉「ん〜〜!!excellent!!」ノビー!

 

爆発の中心、文字通り『爆心地』となったはずの鞠莉は無傷、呑気に伸びをしながらこちらへ歩いてくる

 

あんじゅ「……バカはどっちのチームにもいるものね〜」

 

凛「うっそー……」

 

角間「………す、凄まじい爆発でしたが……」

 

絵里「希は……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴロゴロゴロ!!!

 

ズザザッ…!!!

 

「ゴホッ…!!はぁっ…!!」ユラッ…

 

海未「…!あれは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボファア!!

 

 

 

希「ギリッギリ……!!」ダッ!!

 

角間「東條無事だぁぁ!!!!ダメージを食らいながらなんとかボールをキープ!!」

 

角間「砂煙の中から速度を緩めず駆け抜ける!!」

 

鞠莉「What's…!?」ゴーン…!

 

ダイヤ「ツメが甘いですわ!!!」

 

花丸「タフずら……」

 

にこ「あのでかい脂肪で助かったんでしょ」

 

花陽「おっぱいはそこまで万能じゃないよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

希(抜けた…!!これであとは…!)

 

「あら、私は無視するの?希さん」

 

希「後ろ…!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは、エキシビジョンマッチ

 

なんでもありの特別な試合

 

それなら……

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッ!!

 

希「はぇ…!?」ガクッ…!

 

善子「日本代表リベロを甘く見てもらっちゃ困るわよ」クスッ

 

【Deep Resonance】

 

 

私が出てきてもいいわよね?

 

 

 

 

 

 

角間「つ、津島だぁぁ!!!デフェンスに戻っていた津島が共鳴により見事ボールを奪いました!!」

 

凛「なにあれ!?動きが全然違うよ!?」

 

海未「成長…というわけでもなさそうですね」

 

にこ「……面白いじゃない」ニッ

 

 

 

 

 

花陽「………」

 

さっきから試合の流れが……

 

 

 

 

 

 

 

花陽「なんでずっと押されるんだろ…」

 

エレナ「……花陽?」

 

花陽「っ…!」ハッ!

 

花陽「ご、ごめんなさい!集中します!」

 

ツバサ「さあみんな、またディフェンスよ!気を引き締めて!」

 

みんな「はい!!」

 

海未(なぜ少し嬉しそうなのですか…)はぁ…

 

ツバサ「♪」

 

 

 

 

 

梨子「もうっ…すぐ勝手するんだから!」

 

花丸「あとでチョップを食らわせるから安心するズラ」

 

善子「…?」ゾクッ

 

善子がお仕置きを受けるのはまた後のお話

 

 

 

善子「千歌!」ドッ!

 

千歌「……」トッ

 

角間「高海へボールが渡ったぁ!!」

 

あんじゅ「ん〜、とりあえず足止めさせてもらおうかしら」ザッ!

 

千歌「……」ブツブツ

 

あんじゅ「?」

 

曜「千歌ちゃん……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ダメ…ダメだってば…!

 

いいじゃん!善子ちゃんもやってたし

 

でも…

 

エキシビジョンだよ?ワンプレイだけだから!

 

うぅ〜〜……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「うだうだやってるならボールもらうわよ」バッ!

 

曜「千歌ちゃん!!」

 

千歌「……」

 

 

 

 

 

ガッ…トッ……クルッ!

 

千歌?「…よし」トッ

 

角間「コンパクト!!しかし激しい緩急!!優木を振ったぁ!!」

 

あんじゅ「あ、あら…?」ポリポリ

 

にこ「なに簡単に抜かれてんの……よっ!!」ブンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

ズシュゥゥゥ……!

 

ズァァァァアアアアア!!!!

 

にこ【デーモンカット!!】

 

 

 

 

 

花陽「にこちゃん!?」

 

さっきまで前線寄りにいたはずのにこがディフェンスに参加していることに驚く花陽

 

しかしすぐさま切り替える、コレがいまの矢澤にこなのだから

 

 

 

 

にこ「流石にこれで…」

 

「……そんなの」

 

にこ「…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ブワァァアアアア!!!!

 

チカ「きかねぇぇぇ!!!」ダッ!!

 

にこ「…っこいつ……!!」

 

角間「高海千歌ゴリ押しの正面突破ぁ!!」

 

理亜「……脳筋」

 

梨子曜「チカちゃん!!!」

 

チカ「ひぅ…!」ビクッ

 

 

 

 

 

 

 

花陽(あの必殺技を破る突破力…)

 

花陽「囲みます!!」

 

ザザザッ !!!

 

角間「音の木坂ディフェンダー陣が高海を囲む!!」

 

海未「いくら千歌といえどコレは……」

 

チカ「……ふふ」

 

みんな「!」

 

 

 

 

 

 

 

千歌「こうなったら千歌の出番だよね!」バッ!

 

ザッ!!クルッ……ズシュ!!

 

凛「この技はっ……!!」ガクッ

 

千歌【Zスラッシュ!!】

 

角間「星空を抜い……!

 

 

 

 

 

 

海未「ことり!!」バッ!

 

ことり「うん!!」バッ!

 

梨子(…!止まることのない波状攻撃…!)

 

千歌「……でも」クンッ…!

 

海未ことり「!?」

 

 

 

 

 

 

 

ザッ……クルッ…!

 

 

 

 

 

 

 

千歌【リバース・Zスラッシュ!!】

 

ズシュゥゥウウウ……!!!

 

みんな「きゃぁぁあああ!!!」ブワァッ!!

 

ドサドサッ…!!

 

千歌のドリブルにより音の木坂のディフェンス陣は皆吹き飛ばされてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「……見間違いかしら?」

 

絵里「現実から目をそらさないで、真姫」

 

ツバサ「ディフェンス全滅したんだけど…規格外すぎない?」クスクス

 

真姫絵里「笑い事じゃないんですけど!!」クワッ!!

 

ツバサ「ご、ごめんなさい…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千歌「……」スッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チカ「いくよ、止めて見なよ、チカのシュート」ジャリッ……!

 

ギュォォォォォオオオ!!!!!!

 

 

 

 

 

果南「ちょっと…いいのダイヤ!」

 

ダイヤ「ええ、あくまでエキシビジョンですから」

 

ダイヤ「半殺しで勘弁してあげましょう」

 

聖良(妥協して半殺しなんですか?)

 

花丸(優しいズラ〜)

 

聖良(優しいんですか?)

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュォォォォオオオオ!!!!

 

チカ「うぉあああああ!!!!」バッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!

 

チカ【ブラックアッシュ】

 

ゴォォォォオオオオォオオオオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「……」

 

これまでの必殺技に引けを取らない迫力

 

それ以上に禍々しさが肌をピリピリ刺激する

 

…そんなに心配そうな顔しないでよみんな

 

穂乃果「すぅーー……!」

 

仲間を、みずからを鼓舞するために穂乃果は空気を肺に溜め込み………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「さぁっ!!!こぉぉぉ

 

曜「バッチリだよちかちゃん!」

 

穂乃果「!!」バッ!

 

チカにばかり気を取られて気づかなかった

 

はるか上空から曜の叫ぶ声が聞こえる

 

曜(私の飛び込み技術で一番得意な技!!)

 

[前逆宙返り3回半抱え型]

 

曜「いっけぇぇぇえええ!!!」バッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!

 

曜【Xブラストォ!!】

 

ゴォォォォォォォォオアアアア!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「高海と渡辺のシュートチェイン!!!

 

 

 

 

 

 




本編はここまでです

チカちゃんとはまだ仲良くなってない頃ですかね

次からはこんな内容にしようとしていたと言ったものを載せようと思います


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構想?⑴

本編をお読みいただきありがとうございました

ここからはバラバラなこんなシーンを書こうとしていたというものを載せていきます

次に試合のざっくりな流れを書きます


 

 

理亜ちゃんオーバーサイクロン

 

飢えは加速する

 

思い出させてくれてありがとう

 

忘れかけていた

 

ルビィの圧倒的な力に焦がれていたあの感情を

 

あの時の悔しさ(飢え)を

 

 

 

 

 

 

 

 

反射

 

それすなわち

 

 

 

その人の無意識が最も色濃く出る行動

 

花陽「一挙一動違わず、視えてますよ」ニッ

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

花陽「あ、のね?わがまま言っても…いい?」

 

凛「しょうがないな〜、なに?」

 

花陽「一緒に…サッカーやりたいなって…」

 

凛「凛も?」

 

凛「………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

あの時

 

もし、違う道を選んでいたら……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ワーワー!!

 

「全日本高校陸上100メートル!!日本記録を大幅に更新!!!」

 

「その選手の名はーー……!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

凛「……ふぐぅっ…!!」トッ……!!

 

理亜「…なっ……んで!!」ガクッ…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫

鞠莉のエネルギーを体に貯める

足りないならそれを補う方法 技術

体に溜めてインパクトの瞬間爆発させる

 

豪炎寺のマキシマムファイア

 

 

 

 

 

運転や料理

 

みんな、最初は考えながら手足を動かす

 

次はあーだったな、ここはこーだったな

 

ただ、数を重ねるごとに

 

ーーーーーー……、ーーー……

 

たどたどしい手つきからジョジョに洗練されていく

 

体が、思考に慣れてくる

 

 

 

 

 

 

 

分析も同じだ

 

初めて戦う相手、初めて繰り出される必殺技

 

能力が足りない自分にとって

 

この瞬間だけは自分の無力さを思い知る

 

最初は追いつけない、間に合わないプレイ……

 

花陽(…でも)

 

「!?」

 

ガガガッ…!!!ズザッ!!

 

甘えるな、何度も何度も体に叩き込め

 

(…っ、この子、だんだん動きが鋭く…!)

 

ああ、近づいてる

 

決勝、あの時、疲労の中で到達したあの極地に

 

無駄な情報が削ぎ落とされていく感覚

 

手足が勝手に動く感覚

 

データが……

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「ーーー体に馴染む感覚」ニコッ

 

「ーー……は」

 

 

 

 

 

 

 

 

凛はサッカーを始めてから持ち前の運動神経でいろいろなことができるようになった

 

ドリブル、ディフェンス、シュート

 

ただ、まだ荒さが見える

 

お前は不器用なんだ

 

トトッ

 

お前は相手に対応するために色んな動きを取り入れたな

 

うん!頑張ったにゃ!

 

…ふざけるな、何がしたい?

 

へ?

 

お前ほどのポテンシャルがあるのなら

 

相手に合わせるんじゃなく……

 

相手に「合わさせろ」

 

対応を強要しろ

 

サッカー歴の浅いお前が後出しで勝とうとするな

 

 

 

 

 

 

 

 

ウイニングロジック

 

神のタクトFI

 

ディフェンスコマンドvol2

 

ウイニングロジックがあるせいで常に神のタクトを発動していなくてはならない

 

選手の体力はみるみる削られる

 

 

 

ディフェンスコマンドVol2

凛自信ないよ…

私は凛ちゃんならできるって信じてるよ

でも…

私は信じられる?

うん!

それじゃあ…

私(花陽)が信じるあなた(凛ちゃん)を信じて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ウィニングロジック】はエレナの視野と花陽の分析で相手の動きを見破る

 

そこにさらに花陽がアイコンタクトで一瞬で味方に指示を出す

 

つまり

 

超広域視野、無意識下での分析、瞬時の情報共有

 

【ウィニングロジックvol.2】

 

 

 

 

 

ヒラヒラヒラヒラ迷い込む

 

まるで綺麗な蝶々のように

 

曜「…!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

花陽ちゃんの分析はすごいよ

 

まるで蜘蛛の巣みたいに……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

張られた罠へ導かれ

 

曜(まさかもうー…

 

花陽 ニッ

 

その生涯を終えるのだ

 

キランッ…!!

 

【アングリーバード!!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ありえない

 

いくらルビィが人並みはずれた身体能力を持っていると言っても

 

花陽が人より身体能力が劣っていると言っても

 

一度抜かれた状態から再び正面に現れるなど

 

ありえな……

 

ルビィ「ありえないなんてこと、絶対にありえない…!」ハァ…!

 

花陽「っ……!!」

 

汗がすごい、息も乱れて

 

花陽(必死なんだ、全力を尽くして、不可能を可能にしようとしてる)

 

ルビィが力を出し尽くしているのは理解しているが、不意の出来事に体が追いつかない

 

花陽(だめ…取られる……!!)

 

凛「横取り!!」ガッ!!

 

ルビィ花陽「!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜ…私の動きについてこれるのですか?

 

…園田流、我が家に代々伝わる日舞です

 

 

 

あなたの舞を見た時、体に電流が走りました

 

父の方が練り上げられているはずの舞

 

種類は違えど

 

キレも表現力も父の方が優れているはずなのに…

 

 

ーーーー……

 

『凪』

 

無風状態の海面のこと、波は立たず水面は鏡のようになる

 

穂乃果が自分をないがしろにする発言をした時

 

水面に波が立ち、ざわめきだった

 

心の乱れ

 

己を律せられぬものは未熟者

 

父にそう教えられ鍛錬を重ねてきた

 

…はずなのに

 

なぜでしょう

 

あなたの舞を見ていると

 

 

ザザザザザァ……

 

たまらなく水面が歪む

 

穂乃果を叱った時とは違う、醜い感情

 

『嫉妬』

 

 

穂乃果「……海未ちゃん?」

 

海未「……ごめんなさいダイヤ、私は……」

 

海未「どうしてもあなたに負けたくないみたいです」

 

【演舞の舞】

 

 

 

 

 

 

海未ちゃんは嫉妬とかしないの?

 

するわけないでしょう

 

え〜?

 

相手ができて自分ができないのはただの努力不足、鍛錬が足りていないだけです

 

矢が当たらなければ当たるまで

 

竹刀が速く振れなければ振れるまで

 

シュートが外れるなら入るまで

 

全てのことは努力次第だと、思っています

 

思っていました

 

「だめだ海未、全然できてない」

 

「え…?でも言われた通りに…」

 

「形だけ真似てもだめだ、感情を、気持ちを乗せて舞うんだ」

 

『表現力』

 

あの時私は、初めて才能という言葉が頭をよぎりました

 

 

ボフォォォォォォ!!

 

美しい、ああ、美しいな

 

お父様が言っていたのはこういうことだったのか

 

私とは大違いだ

 

ザワッ……

 

私とは……

 

……私も

 

 

ーーーあなたのようになりたいなぁーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽(途中式じゃ相手にもならない…!)

 

ほら、さっきまで手も足も出ず立ちはだかっていた問題が

 

ドロドロ……

 

いつのまにか、解(溶)けている

 

 

 

花陽(ルビィちゃんのドリブルには一瞬溜めがいる…!

 

パスコースは塞いだ、エレナさんと2人なら……止められる!!

 

ルビィ、ファイトルの構え

 

花陽(シュートの構え…!想定の範囲内…!)

 

花陽「シュート警戒!!ターゲットマークを……」クルッ

 

ルビィが抜き去る

 

花陽「……へ」

 

花陽には全てのデータが揃っていた

 

もちろん、ルビィがあそこからシュートを打つ可能性があるということも

 

「分かっていた」

 

花陽「ーーーやられた……!!」

 

そう、ルビィもまた

 

花陽が「分かっていた」ことを「理解し(わかっ)ていた」

 

ルビィ「情報を多く持っていた方が勝ちなんて誰が決めたの?」トッ

 

 

 

 

 

 

信じられないことは

 

信じることから生まれる

 

 

 

 

 

 

氷結のグングニル

 

デルフィナス凍る

 

果南「うるさい」

 

バキィッ!!

 

止める

 

 

 

 

 

 

 

「それなら…!」

 

「たしかにいい作戦ね、できないという点を除けば」

 

「…!」

 

「できるかどうかじゃないにゃ!やるからなないかで

 

「成功する確率が1%でもあるのなら挑戦」

 

 

 

 

 

 

「それ以外は無謀というのよ」

 

 

 

 

 

【キラーフィールズ】

 

憧れは嫉妬に

嫉妬は目標に

 

目標は……

ライバルに

 

 



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試合のざっくりな流れです


ツバサと花陽で繋いでクロスファイア

 

止められて神のタクト

 

デビルバースト止める

 

 

 

 

 

ルビ理亜クロスファイア

 

希がAwdken真似する

 

ツバサと花陽で攻め上がるも体力不足

「私たちとの決勝みたいにならないように今までの何倍も体力をつけること!!」

 

ファイトルTC

 

神のタクト

 

デビルバーストGX

 

エレナが凛にギリギリのパス

 

ルビィ、スノーエンジェル破り

 

ミラクルウェーブ

 

スピニングカット破り

 

エボリューションGX

 

ツバサによる0から1

 

 

 

 

 

 

 

 

後半

 

 

氷結のグングニル

 

 

1-1

 

希抜け

 

ルビィと理亜で攻め上がって!

 

ナイチンゲール

 

理亜一時離脱

 

曜「私が理亜ちゃんの代わりになるよ」

 

ルビィ曜【スプリントワープ】パス

 

サンシャイントルネードTC

 

1-2

 

ファイトルファイトル

 

ダイヤと理亜並走

 

全国大会で戦った時の方が怖かったですわよ?

 

見ててください

 

 

 

仲間を信じろ

 

とでもいうのだろうか

 

そんなありきたりな言葉に自分で恥ずかしくなる

 

ただ

 

嫌な気はしなかった

 

スピニングカット破りながらAwaken

 

beast

 

楽しい気持ちから【グレイトザハンド】

 

ツバサがにこに「あなた小悪魔って言われたのね、ぴったりだと思うわ」クスッ

「その様子だとあなたは、ずっと小悪魔のままなかしらね」

 

凛ね、魚嫌いなんだ

 

小さいとき骨が喉に刺さってから嫌いになっちゃった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

凛「星空凛だに……です!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

刺さったままにしてると一日中モヤモヤした気持ちになっちゃってヤなんだけど

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

花陽「無理して変わらなくていいんだよ」

 

凛「!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

取れた時はすごく気持ちがいいんだにゃ

 

鍔迫り合い

 

千歌(またこの目だ…っ)

 

千歌(深く、底が見えないほど暗い……でもどこか解放されたようにすら感じる…)

 

千歌(ーー…悪魔みたいな目)

 

にこ悪魔

 

デーモンカット

 

奪う

 

お母さんたち

 

みんな悪いところばっかりにちゃうのよね〜

 

今ならわかる、なんでにこが小悪魔って言われたのか

 

あの時のエキシビジョンマッチの時、ママは必殺技を使わなかった

 

手を抜くことが嫌いな監督がそれを指摘しなかったってことは、使ってはいけない理由があったのだろう

 

 

 

 

「ねえ知ってる?昔、音の木坂の悪魔って呼ばれた人がサッカー部にいたんだって」

 

 

 

 

 

 

デビルズ・サンクチュアリ

 

希がいろんな人になる

MF2、ツバサ

 

シュート

 

0から1

 

鞠莉【グラウンド・ゼロ】

 

ツバサさん避けてる!

 

善子 ディープリゾナンス

 

チカ

 

デーモンカット 効かねー

 

「…っこいつ…!」

 

囲まれる

 

「そんな馬鹿正直に突っ込んでくるならありがたく止めてやるわよ!」

 

「こうなったら千歌の出番だよね」

 

Zからのリバース

 

ミラクルウェーブ

 

デビルズサンクチュアリ

 

にこ止める、こぼれ球を千歌に奪われる

 

にこ吹き飛ばされる

 

「いくよ、止めて見なよ、チカのシュート」

 

ブラックアッシュ

 

Xブラスト

 

にこ突破されて倒れてるところから

 

にこ、いけますか!!

 

部長を甘くみてんじゃないわよ!!

 

…!にこにつられて2人まで…!

 

一夜城・輝夜

 

グレイトザ・バンド

 

弾く

 

「このタイミング、外すはずがありませんわ」

 

マキシマムファイア

 

誰かから体張ってエレナが【ファランクス】弾いてコーナー

 

「いいみんな?どれだけ無理だと思っても、楽しむことを忘れないで」

 

 

 

 

1-2

 

1人ワンツー改

 

蒼窮一閃

 

居合

 

刃が喉元に迫るイメージ

 

 

わたしはどうすればいいんでしょうか

穂乃果のように力強くも、希のようにトリッキーでも、凛のよう速くもありません

自分の実力を客観視しても「そこそこの選手」止まりなんです…

 

ことり「そんなことないよ!海未ちゃんはすごいよ!」

 

穂乃果「……どうしても見つからなかったら一歩引いてみるといいんじゃない?」

 

海未「一歩引く?」

 

穂乃果「答えが見つからないってことは今はまだその時じゃないんだよ」

 

「きっとある日、ストンと決まるんじゃないかな

 

海未「簡単に言いますけど……

 

 

 

 

 

ズバァッ!!

 

海未『サッカーに活かせると思ったのですが…』

 

 

 

 

海未「あ」

 

 

 

 

 

 

前のところで「そういえば海未ちゃん最近必殺技の練習してるって…」

「実践レベルまでは突き詰められたと思いますがもう少し待ってください」

「あのキーパー相手では完封される可能性も普通にありえますから」

 

指定の位置からなら圧倒的速度と威力で打ち抜ける

 

みんなでそのスペースを空ける

 

敵も察してうみ警戒

 

希ちゃんが海未ちゃんの真似をして

 

わずかな油断も許されない思考に紛れ込んだノイズ

 

それが梨子の体を一瞬硬直させ

 

取り返しのつかない隙となる

 

未完成ポスト、居合【蒼弓一閃

 

仲間が弾くも見当違いの方向へ

 

「弓」

 

蒼穹一閃は何も刀だけとは限らない

 

海未らしいわね

 

動きの中で一瞬集中、

 

いけー

 

もちもちグローブで対策する

 

刀なら掴めなかったけど弓なら…

心当たりがあるからね

 

完全な不意打ちだったのに

 

そこまでに凛何度か失敗

 

花陽(蜘蛛の糸

 

グランフェンリルGX

 

アイスエイジ聖良

 

勝てるビジョンが…見えない…

 

みんな少し暗くなる

 

真姫と絵里が理亜ルビを止めればなんとかなる

 

無謀よ

 

花陽「自分の得意なことで勝負しなきゃ!」

 

穂乃果が声出そうとした時

 

いつものように花陽や海未がなんとかしてくれるだろう

 

綺羅さんや統堂さんもいる

 

なんとかなるだろう

 

そう、いつもみたいに

 

『誰かがきっと…』

 

いや

 

見えないなら作りあげろ

 

私はエースだ

 

エースの仕事は……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

真姫「エースストライカーって…なんだと思う?」

 

 

絵里「かっこいいことよ!」ババン!

 

絵里「ピンチな時に流れを変えたら?」

 

絵里「勝利のきっかけになれたら?」

 

絵里「プレイでみんなを勇気付けられたら?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

絵里は一度も

 

「点を決めること」とは言わなかった

 

それは方法にすぎない

 

エースの仕事は…

 

勝ちへと繋ぐこと

 

暗闇の中でそれの存在を示すこと

 

「なんとかなるわよ」

 

真姫「さぁみんな、楽しんでいきましょう」ニッ

 

みんな「!」

 

 

ことりとオーバーライドで【爆熱ストーム】破られる

 

にこ「はっ…!」

 

ようやくエースとしての自覚が出て来たか

 

あの真姫が殻を破ろうとしてる

 

手なんか引いてやらないけど

 

邪魔もさせない

 

「さあみんな、楽しんでいきましょう」

 

元気付ける為のハリボテとは違う、本心からの言葉

 

特に解決策があるわけではない

 

 

不思議なことに[それ]は

 

タッタッタッ タッタッタッ

 

チームをわずかに高揚させた

 

憧れは嫉妬に

 

嫉妬は目標に

 

目標は…

 

 

にこ「ツバサ!!」バッ!

 

ツバサ「合わせなさいよにこ!!」バッ!

 

【アインザッツ】

 

にこツバサ【キラーフィールズ】

 

エレナが凛に限界の速さを出させる

 

でも早すぎてトラップしきれなさそう

 

トラップするとき「なんども言わせないでください、弓道と一緒ですよ」

 

「したことないにゃ」

 

「屁理屈言わないでください」

 

「ド正論だにゃぁ!!」

 

動きなのかでグッと集中して…

 

 

「自分の体を操れ」勢いを殺すトラップ

 

フワッ…!

 

梨子(凛ちゃんはシュート技を持ってないはず…)

 

絵里凛『【氷結のグングニル!!】』

 

梨子(…いや、ゼロじゃない!!)

 

花丸聖良 バッ!

 

ただドリブルがうまいだけじゃない

 

シュート、ドリブル、ディフェンス

 

全てをハイレベルにこなす凛のポテンシャルの高さが凛の存在を色濃く際立たせ

 

 

 

 

 

最強の囮となる

 

真姫「もっと…熱くなれる…!!」ググッ…!

 

ルビィの炎を見てレベルが違うと思った

 

それと同時に理解できない感情が浮かんできた

 

ねえルビィ、私ね

 

 

 

 

 

 

 

あなたには敵わないだろうけど

 

あなたには負けたくない

 

『得意なもので勝負しなきゃ!』

 

わたしの武器はこれだけ

 

大会が終わった後もこれだけを磨き続けた

 

ボフォォォォォォオオオオオオ!!!!!

 

エースとして常に前線で戦い続けた絵里

 

チームの柱として支え続けたにこちゃん

 

どんな時でも頼りになる希

 

ねえ

 

 

私も……

 

 

 

あなたたちみたいになれるかしら

 

カオスブレイク

(足りないまきの火力はまりのグラウンドゼロを参考に火力を上げた

(そうシュートセンスだけはずば抜けてるからできる

 

真負ける

 

2-2

 

ことり抜け

 

神のタクト

 

押されるけどなんとかボール出す花陽

 

ボール出た後

 

Awakenで暴れるも

 

私が視野になる、花陽は焦点となれ

 

2人なら

 

全てを見通す目になれる

 

ーーーー

 

「なあ、聞いたか?」

 

「?」

 

「あっちの世界では私は梨子に協力してタクティクスを作ったらしい」

 

「どちらの世界でも私は脇役にしかなれないみたいだ」

 

「……次そんなこと言ったら引っ叩きますよ」

 

自虐気味に笑う彼女に花陽は目を合わせなかった

 

「誰もいませんよ、このチームに、脇役なんて」

 

「さ、一緒に戦いましょう!」

 

ーーーーー

 

エレナと花陽で【ウイニングロジック】

 

ルビィ負ける

 

「エレナ!!」

 

あんじゅと希で【トリックルーム】

存在感の濃さで遠近感を狂わせる

 

絵里「パスを正確に打つにはどうすれば……」

 

エレナ「練習するしかない」

 

絵里「そうですが…」

 

エレナ「だが、コツなら教えられる」

 

絵里「…!」

 

エレナ「どこに蹴るのかを意識するんじゃない、問題は誰に蹴るかだ」

 

エレナ「数秒先、そこにいるであろう仲間に届けるイメージをしろ」

 

エレナ「そうすればボールなんて勝手に飛んでいく」

 

絵里「届けるイメージ…」

 

エレナ「…私と同じで不器用そうだな」クスッ

 

この回の最初に入れる

 

【エタブリ】

 

「統堂上がってきている!?」

 

「人をあれだけ動かしておいて私が動かないわけにいかないだろう?」

 

凛「!」

 

【デスクラッシャーゾーン】

 

【デルフィナス・トリアイナ】

 

シュート止められる

 

0から1のパスターゲット、ついそこに出しちゃうわよね?

 

浦の星

 

0から1

 

1から10に!!

 

全員マーク外す

 

ボールを出す

 

ルビィ追いかける

 

凛迫る、めちゃめちゃ早い

 

ルビィマークしてた人とニ対一

 

……こんなことこだわるほどじゃないかもしれないけど

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【ウイニングロジック】

 

ルビィ「ーー…!?」

角間「黒澤反応できず!!ボールを奪われた!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーー少しカチンときた

 

負けたくないんじゃない

 

負けられないんだ

 

真姫回想、エースストライカーとは

 

勝ちへとつなぐこと、その存在を示すこと

 

「ルビィ…!」

 

「うぉおおああああ!!!」バッ!

 

希望の炎はまだ消えない

 

少し無理したから次の一歩がですに奪われそうになる

 

理亜が奪う

 

ホワイトダブルインパクト

 

かーしこみかしこみ!!

 

人の真似しかできなかったうちが見つけた……

 

うちだけの必殺技…!!

 

神主「希ちゃんは苦しいことがあったんだねぇ

 

大丈夫、どんな時でも神様は見てくれてるよ(内容厚く

 

式神ラインズ

 

凄まじい技の応酬!!どちらも一歩も譲りません!!

 

花陽反射、くどくなりすぎないように

 

あなたは私の憧れですから

 

なんかこちゃこちゃする(ほんとはオリオンの最後みたいにみんなが思ってること話しながらチェーン繋がげるつもりだった

 

 

あんじゅ「……ツバサ、泣いてるの?」

 

穂乃果走ってくる

 

ツバサ「……」

 

あんじゅ「私たちの分も、託したわよ」

 

エレナ「…行ってこい」

 

トンッ…!

 

ツバサ「!」フワッ

 

 

 

 

 

 

 

こんな風に大人になっても、いつまでもみんなで……

ジアース♾イグニッション

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……!こんな状況なのに落ち着いてるわね」

 

息を……

 

吸って

 

吐く

 

無意識を意識的に繰り返す

 

吸って

 

吐く

 

繰り返すたびに、落ちていく

 

あの雰囲気…ゾーン!?

 

いや、ゾーンじゃないけど

 

限りなく近いところにいる

 

ゾーンとは、選ばれし天才にのみたどり着ける究極の領域

 

曜「…」

 

凡才はどれだけ足掻こうと天才にはなれない

 

果南「…すぅ…はぁ……」

 

なれないのは分かってる、でも

 

天才(すごい人)たちに少しでも追いつきたかった

 

曜「……見せてよ果南ちゃん」

 

曜「わたしたち(凡才)の可能性を」

 

 

 

 

2-2

 

「これで最後のプレイかな…」

 

不思議と落ち着いている自分がいた

 

「限界くらい軽く超えて見せてよ!!」

 

神のタクトFI

 

ウォタブ

 

凛が勘で止めかける

 

本当に勘だったの?

 

勘に引っかかる何かがあったんじゃ…

 

音をヒントに真姫は見つけるがその相手はルビィだった

 

真姫「ああ……クソッ」

 

抜かれる

 

「今、ルビィね……」

 

「負ける気がしない」

 

ラストリゾート

 

サッカーをしてるだけでいろんな事を感じさせてもらって

 

いろんな感情を合わせて「終わりたくない…」

 

 

勝ちたいから、楽しいから、「幸せ」(ほんとは決勝で出てた

 

「これが穂乃果の……マジンザハンドだ!!」

 

触れてはいけないシュートをそのオーラごと巨大な手で包み込む

【元祖マジンザハンド?】(お母さんとのミキシマックスで使う予定だったもの

 

 

 

 




ありがとうございました
これにておしまいとさせていただきます
人生で五本指に入るぐらいやってしまったなと思った事件でしたね
約束は大事


あと最後に三年分書こうと思ってたUTXメンバー編もバッと載せてしまう!!
これも途中までだけど…


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番外編
UTX一年目


途中まで書いたの全部あげます


 

 

一年生入部

 

監督「今年から監督になった、呼び方は監督でいい。よろしく頼む」

 

新入部員s「ふぁ〜…!」シパシパ

 

監督「あー見ての通り、ウチのサッカー部はそこそこ勝つことはあるが優勝とは程遠い戦績しか残していない」

 

ツバサエレナあんじゅ「……」

 

監督「だが俺が監督になっからには……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監督「取るなら優勝、それ以外はゴミだ」

 

監督「練習は今日からだ、すぐ着替えてこい」

 

ツバサ「はい!」

 

あんじゅ「は〜い」

 

エレナ「……はい」

 

「えー…いきなりかぁ…」

 

「まあ顔合わせみたいなもんでしょ」

 

「……めんどい…」

 

 

 

 

 

 

 

 

監督「まあ最初だからな、校舎〜周でいいぞ」

 

監督「ランニング開始」パンッ!

 

「〜周って……やば」

 

「ありえないって……」

 

ダッ!

 

「うっわ何あの子ら真面目ちゃんじゃん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「はぁ……はぁ……」タッタッタッ

 

あんじゅ「ふふ、あなた走り方ターミネーターみたいね」タッタッタッ

 

エレナ「うるさい」タッタッタッ

 

あんじゅ「デデンデンデデン」

 

エレナ「舌引っこ抜くぞ」

 

MF1「話しながらなんて随分余裕なのですね?」タッタッタッ

 

エレナ「違う、こいつが話しかけてくるだけだ」

 

あんじゅ「照れなくていいのに」

 

エレナ「黙れキャバ嬢」

 

あんじゃ「はあぁん??」

 

DF2「はぁ…….はぁ……なんで……こいつら……っはぁ……!走りながら……話せんねん……!!」ゼェ…ゼェ…

 

MF1「……まだ始まったばかりなのですが」

 

あんじゅ「もう少しペース落としたら?最後までもたないわよ」

 

DF2「誰が手なんか抜くかぁ!!ウチが一番やぁ!!」

 

DF2「うぉりぁぁぁぁ!!!!」ダダダダダッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「……自分のペースで走ったらってことなんだけど」

 

エレナ「バカばっかりだ」

 

MF1「まったくです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2時間後

 

ゴール地点

 

「あーしんど!!」

 

「おつかれ〜」

 

エレナ「……あとはあいつだけか」

 

MF1「最初トップでその後全員に抜かれるとは……」

 

DF2「ゼェ……ゼェ……」フラフラ

 

エレナ「やっときたな」

 

あんじゅ「これで全員かしら」

 

DF2「いや、多分もう1人……」クルッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オエェェェェ……!!

 

DF2「あ、吐いた」

 

ツバサ「ハァ…ハァ…」フラフラ

 

あんじゅ(……この関西弁にすら負けるって、どれだけ体力ないのよ……)

 

監督「水分補給後、次のメニュー行くぞ」

 

「うっわ、あの子休憩なしとか」

 

「まあ弱い子に構っても仕方ないしね」

 

「アッハハ!ひどっ!」

 

ツバサ「ハァ…ハァ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

17時前

 

監督「よし、次はリフティングだ。片足と両足交互それぞれ500回」

 

監督「500回を一区切りにして」

 

監督「合計1500回終わったやつから帰っていいぞ」

 

「1500!?」

 

「すでに足ガックガクなんだけど」

 

「……もういいや、私やめる」

 

「私も〜」

 

ゾロゾロ

 

「……まぁ、流せばいいわよね」

 

「ん〜…やめるのもめんどくさいし………いいや」

 

エレナ(……残ったのは半分ぐらいか)

 

あんじゅ(リフティングってそんなに難しいのかしら)

 

監督「リフティング開始」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トントンポーン

 

エレナ「…!」ポロッ

 

エレナ(疲労のせいで安定しない…)ハァ…

 

あんじゅ「……ほっ……やっ…!」トッポロッ

トッポロッ

 

MF1「121……122……123……あっ…!」ポロッ

 

DF2「むず……」ポロッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

15分後

 

エレナ「はぁ……はぁ……」

 

あんじゅ「…っ!よっし4回できた!!」

 

エレナ「おめでとう、あと496回頑張れ」

 

あんじゅ「……あなたには人の心がないのね」

 

エレナ「あるさ、人並みには」

 

あんじゅ「人並み」

 

「あんた待ちなさいよ!!」

 

みんな「!?」バッ!

 

エレナ「なんだ?」

 

あんじゅ「喧嘩かしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「………なに?」

 

「なに帰ろうとしてんの?」

 

ツバサ「……話聞いてなかったの?終わったら帰っていいって」

 

「だから!!そんなに早く終わるわけないでしょって言ってんの!!」

 

ツバサ「ないでしょって言われても……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「終わったんだからしょうがないじゃない」

 

エレナ「………は?」

 

「あんなにランニングでヘロヘロだったのにできるわけないじゃない!!」

 

エレナ(その通りだ、私たちですら疲労でまともにリフティングなんて続けられない)

 

エレナ(それをあいつが……)

 

MF1「まあまあ、見てもいなかったのに突っかかるなんて失礼ですよ」

 

「はぁ!?あんたらは信じてるの?こんなイカサマ女のこと」

 

DF2「ピーピーうっさいなぁ、見てた奴がおらんかったら本人の言うことが全てやろーが」

 

???「あ、あの!」

 

 

 

 

 

 

 

 

DF2「んあ?」クルッ

 

気弱な子「わ、わたし……見てました」

 

「ほーら!ここにイカサマを立証してくれる子がいるじゃない!」

 

「ほらほら、みんなに言ってやってよ!この子はズルをしましたーって!」

 

気弱な子「そ、その………」

 

気弱な子「私、全部見てたんです」

 

「うんうん!」

 

ツバサ「……」

 

気弱な子「あの人……始まってすぐ、休憩に入ったんです」

 

「それでそれで!」

 

気弱な子「少し経ってからリフティングを始めて、わたしは疲れていたのでボーッとその数を数えていたんです」

 

「さあみんな!ちゃんと聞いててよ!」

 

気弱な子「あのひと……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気弱な子「一回も止まることなく1500回をやりきったんです」

 

エレナ「ーーー…!」

 

「……はい?」

 

気弱な子「本当に凄かったです、座ったままリフティングをして疲れてきたら高く蹴り上げて足を休ませて…」

 

「……なに……それじゃあ………」

 

「こいつは本当に1500回やりきったってこと?」

 

ツバサ「だから初めからそう言ってる」

 

エレナ「………すごいな」

 

「……ふ、ふざけないでよ…」

 

「そんなことできるわけ……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「やろうともしてなかった奴に言われる筋合いはない」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……まぁ、流せばいいわよね」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……っ!」グッ…

 

ツバサ「それじゃあ」クルッ…

 

スタスタスタ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰り校舎前

 

 

エレナ「やっとおわったな」

 

あんじゅ「学校に残ってていい時間がね」

 

DF2「時間まだあったやん!!」

 

あんじゅ「先生に迷惑かかるでしょ、少し早めに出ないと」

 

DF2「むぅ……」プクー

 

MF1「結局できませんでしたね」

 

DF2「他の奴ら先に帰ってたけどあれできてなかったぞ」

 

あんじゅ「放っておけばいいわよそんなの」

 

DF2「そんなにやる気ないんやったら他の部活にすればいいのになぁ」

 

あんじゅ「どうしてサッカー部に入ろうと思ったのかしら」

 

MF1「………」

 

MF1「あなた方は全くの初心者のようですがどうしてサッカーを?」

 

あんじゅ「……誘われたから」

 

DF2「なんとなくやなぁ……」

 

MF1「フワッフワじゃないですか」

 

あんじゅDF2「やるなら本気「よ」や!」

 

エレナ「……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タッタッタッ

 

ツバサ「ハァ…ハァ…」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「あいつ……」

 

DF2「おーい!もう校舎閉められるぞー!」

 

ツバサ「げっ…!?嘘!?」ズザザッ!

 

ツバサ「着替えが……」サー…

 

あんじゅ「……え、あれからずっと走ってるの?」

 

DF2「うちより体力なかったもんなぁ」

 

ツバサ「……私の家、周りより貧乏でスポーツしてる時間なんてなかったから……」

 

ツバサ「人より大きく出遅れてる分、何倍も頑張らなきゃ」

 

エレナ「……」

 

ツバサ「……言い訳っぽくなっちゃったわね」

 

ツバサ「時間教えてくれてありがとう、もう行くわ」

 

タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「家庭の事情でほとんど運動する時間がなかった……か」

 

エレナ「通りで体力とテクニックが釣り合ってなかったはずだ」

 

DF2「空いた時間にサッカーボールいじってたんかな」

 

MF1「いろいろな人がいるものですね」

 

DF2「……ぅ〜…!!もうやめややめ!暗い話は!」

 

DF2「お腹減ったー!」

 

あんじゅ「牛丼!」

 

DF2「あり!」

 

あんじゅ「ありよりの〜?」

 

DF2「ありぃぃぃぃ!!!!!」

 

エレナMF1「うるさい「です」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「よし、忘れ物ない……早くでないと」タッタッタッ

 

トッ、トッ、テンテンテン……ザッ!

 

ツバサ「?誰かいるの?」ソ〜……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っく…!あのでこっぱち……今に見てなさいよ」トントン…!

 

ツバサ「!」

 

「ふっ…ふっ…ふっ………あっ!」ポロッ

 

「…もう一回…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「もう下校時間よ、あとでこっぱちは今見ちゃったわ」

 

「………!?」ビクゥッ…!!

 

ツバサ「また明日、ね」ニヤッ

 

「うわあああああ!!!!」ダッ!

 

ツバサ「……逃げた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

休日

 

監督「パス練開始」

 

エレナ「いくぞ」

 

あんじゅ「ばっちこい!」

 

エレナ「ふっ…!」ドッ!

 

ピューーン!

 

あんじゅ「………」

 

エレナ「………」

 

あんじゅ「……」

 

エレナ「………目にゴミが……」イテテ

 

あんじゅ「ノーコン!!」

 

 

 

 

 

 

ドッ!

 

MF1「……あっ、すみません!」

 

ポーン……!

 

DF2「おりゃぁ!!」バッ!

 

パシッ…!

 

MF1「おぉ……!やりますね」

 

DF2「しっかりしてや並乳」

 

MF1「………あ?」

 

DF2「…っ…!!」ビクゥッ…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ〜……」

 

「何よ、早くボールを……」

 

「ボール蹴るのだるい……」

 

「あんたなんでサッカー部にいるのよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休憩

 

あんじゅ「あら、デコちゃんお昼ゴハンは?」

 

ツバサ「誰がデコちゃんよ」

 

ツバサ「……食欲なくて」クゥゥ……!

 

あんじゅ「お腹なったけど」

 

ツバサ「……クゥゥ……」

 

あんじゅ「無理があるわ」

 

エレナ「………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ツバサ「私の家、周りより貧乏だったから……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「食欲がないところすまないが、このメンチカツ食べてくれないか?」

 

ツバサ「え……なんで?」

 

エレナ「油物苦手なんだ」

 

ツバサ「……別にいいけど」スッ

 

あんじゅ「こーら、いきなりカツなんて食べたら太るわよ」

 

あんじゅ「私のレタスあげるからそれから食べなさい」スッ

 

ツバサ「へ?……えっと……」

 

MF1「ソース味を食べればご飯が食べたくなることでしょう」

 

MF1「私のご飯もどうぞ」スッ

 

DF2「デザートにうちのパピコも半分あげるわ!」パキッ

 

ツバサ「………えと……その………」

 

ツバサ「……ありがと」

 

みんな ニッ!

 

先輩「おーいあんたたち!ご飯食べ終わったら準備お願い!」

 

みんな「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんた、ご飯……」

 

「アー……」

 

「自分で食べなさい」

 

「……ひどい」

 

「ひどいとは」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

練習後

 

ツバサ「はぁ……はぁ……」タッタッタッ

 

ツバサ(課題は体力……!)

 

 

 

 

 

コトッ(ペットボトル

 

エレナ(課題はコントロール)

 

エレナ(あれを狙って……)

 

エレナ「はぁっ!」ドッ!

 

ポーン………スカッ…!

 

テンテンテン……

 

エレナ「くそっ…」

 

エレナ(私にFWなんて……出来るのか?)

 

 

 

 

 

 

 

 

ザッ…!ガガッ!ズザザッ!

 

MF1「…やりますね」トッ

 

DF2「ディフェンスに小難しいテクニックはいらんからな」ニッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……ねぇあんた」ハァ…ハァ…

 

「なーにー?」フヒィー…

 

「なんで残って練習してんの?いかにも面倒くさがりそうなのに」

 

「んー……だってさ」

 

「試合に出れない方がもっとめんどくさいじゃん〜」

 

「……はっ、なによそれ」

 

「あれ〜?今私名言残しちゃったー?」

 

「やだなー照れちゃう〜」

 

「わかったから、どうせなら最後まで付き合いなさいよ」

 

「りょーか〜い!」ピシッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先輩「……今年の一年は気合が違うね……」

 

先輩2「あたしらも負けてらんないよ!」

 

先輩「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後

 

DF2「結局残ったのはこのメンバーだけか〜」

 

MF1「自己紹介でもしますか?」

 

「えぇ〜……いる?」

 

エレナ「今更感も強いしな」

 

あんじゅ「まあまあいいじゃない!じゃああなたから!」ビシッ!

 

「な、なんで私なのよ!!」

 

DF2「よーし!じゃあ1番目イチャ子!」

 

エレナ(…イチャモンのイチャ子か?)

 

MF1(イチャモンのイチャ子ですかね)

 

「誰がイチャ子よ!!」

 

「えー…」コホン

 

「……爆、です……その、よろしく」

 

DF2「…?バク?夢食べるやつか?」

 

爆「違うわよ!!爆発の爆!!」

 

ツバサ「随分変わった名前ね」

 

爆「はいはい、次はあんたたちよ」

 

MF1「MF1です、合気道をしていました、よろしくお願いします」

 

DF2「DF2!好きなものは他人のスタイル!育ってれば育ってるだけよし!よろしく!」

 

MF1「さらっと爆弾発言していかないでください」

 

ツバサ「……綺羅ツバサよ」

 

MF1「それだけですか?」

 

ツバサ「シンプルイズベストなのよ」

 

MF1「便利な言葉ですね」

 

あんじゅ「優木あんじゅ、あんじゅでいいわ」ニッ

 

エレナ「よろしくキャバ嬢」

 

あんじゅ「ぶっ飛ばす」

 

DF2「つ、次!」

 

エレナ「統堂エレナだ、よろしく頼む」

 

あんじゅ「よろしくデデン」

 

エレナ「最後の言葉がそれでいいのか?」

 

DF2「はいはい次や次…!!」

 

ツバサ「で、あとは……」

 

「………なんでこっち見るのー?」

 

MF1「あとはあなただけですよ」

 

「……もー、しょうがないなぁ…」

 

「えー、面倒(めんどう)です、家を出た時から帰ることを考えてます、よろしく〜」

 

爆「名前の通りね」

 

面倒「失礼しちゃうな〜、こう見えてあたしはー……」

 

面倒「…………」

 

DF2「……どうした?」

 

面倒「……説明するの……だるくなっちゃった」

 

爆エレナ「……はぁ…」

 

あんじゅ「じゃあみんな、よろしくってことで練習始めましょうか」

 

みんな「はーい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メンバー発表

 

監督「予選のオーダーを発表する」

 

監督「〜、〜、〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー………

 

監督「……綺羅」

 

ツバサ「はい!」

 

エレナ「やったな」

 

ツバサ「ええ!」

 

監督「統堂」

 

エレナ「わ、私か?」

 

監督「返事」

 

エレナ「は、はい!」

 

先輩達「すごいね……一年生で」

 

先輩達「頑張ってたからね〜」

 

監督「優木」

 

あんじゅ「はーい!」

 

監督「最後の1人は………」

 

MF1DF2爆面倒「………」

 

監督「MF1」

 

MF1「……はい」

 

DF2爆面倒「ーーー…」

 

監督「次、ベンチメンバー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「……なんとか一年生は全員メンバーに入ったわね」

 

面倒「レギュラーがいい〜…!」

 

DF2「まあまあ、ベンチ入れただけでもまだマシやろ」

 

MF1「どこまで勝てますかね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサエレナあんじゅ「優勝まで」

 

 

 

 

 

 

 

 

MF1「……ふふ、すみません、そうでしたね」

 

3年生モブ「ちょっといい?」

 

エレナ「……はい?」

 

三年生モブ「あんたら全員メンバー入ったじゃん、一年で」

 

あんじゅ「……はい」

 

三年生モブ「私は、一年生からずっとベンチ以下で……」

 

三年生モブ「今年こそはメンバーに入れると思ってた………」

 

ツバサ「………」

 

三年生モブ「でも、あんたらが入ってきたから…!!」

 

ガシッ…!!!

 

ツバサ「…っ!!」ググッ…!

 

DF2「おい、何して……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三年生モブ「………本当に……頼むわよ」ググッ…

 

みんな「…!」

 

ツバサ「……分かってます」

 

三年生モブ「……ごめんなさい、八つ当たりして」

 

三年生モブ「頑張ってね」フリフリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「……負けられないな」

 

ツバサ「ええ」

 

あんじゅ「ほら、もう帰るわよ〜」

 

みんな「おお〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「え、あなたたちも監督に誘われたの?」

 

あんじゅ「2人も?」

 

エレナ「お前、誘われたからってそういう……」

 

あんじゅ「デコちゃんはともかく、私は初心者だしデデンもFWは初めてだっていうし……」

 

あんじゅ「一体なんで集められたのかしら」

 

ツバサ「デコちゃんやめなさいよ」

 

エレナ「誰がターミネーターだ」

 

あんじゅ「めちゃめちゃ食いついてくるわね」

 

エレナ「目的はともかく私たちは目の前のことに全力を尽くすだけだ」

 

ツバサ「ええ」

 

あんじゅ「あなたたち精神的に大人すぎない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから私たちは

 

ツバサ「はぁ…はぁ…」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

課題を抱えながらも

 

エレナ「ふっ!」ドッ!

 

ポーン…! スカッ…

 

エレナ「……っち」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

順調に試合を勝ち進み

 

DF2「……もっと力強いディフェンスを……」

 

バッ!

 

ドゴォォ!!

 

DF2「……足りひん」

 

 

 

 

 

 

 

 

本戦の決勝進出が決まった

 

爆「勝負よ綺羅ツバサ!!」

 

ツバサ「……何回目よ」

 

爆「勝つまで!!」

 

爆「あんたのライバルとして、今日こそ私が勝つ!!」

 

ツバサ「またシュートコース際どさ勝負?」

 

爆「いいわね、やりましょう!!」

 

先輩「おーい!あんまり無理させるなよー!」

 

爆「わかってますよー!!」

 

今や綺羅ツバサは、チームの絶対的エースとなっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドシュルルルルル!!!!

 

爆「よぉっし!今のはいったでしょ!」

 

ツバサ「……なかなかやるわね」

 

爆「もうフリーならどこにだって打てるわ!」

 

爆「チームの得点王だからって油断してたら足元掬ってやるんだから!」

 

ツバサ「じゃあ次は私の……」

 

??? タッタッタッ

 

ツバサ「……あなた!誰だか知らないけどグラウンドの真ん中通ると危な……」

 

 

 

 

 

 

カキーン! ボールいったぞー!」

 

???「…へ?」クルッ

 

ツバサ「…っ…!!」

 

ツバサ(野球ポール……!!)

 

トトッ…

 

ドキュッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「う、うわぁぁぁ!!」アワワ!

 

ゴォォォォオォォ!!!

 

バチィッ!!

 

テンテンテン……コロコロ

 

???「……?」

 

???「助かったっすか?」

 

すみませーん!大丈夫ですかー?

 

???「あ、は、はい!すみませんっす!」

 

???「ボールどうぞ!」ブンッ!

 

パシッ

 

ありがとーございます!

 

???「……ふぅ、怖かったっす〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「怖かったっす〜じゃないのよ」ドドン

 

???「ひやぁぁ!!」ビクゥッ!

 

ツバサ「……!あなた、確か隣のクラスの……」

 

???「はいっす!自分MF3といいます!」

 

爆「なんでこんなところ通ったのよ……危ないわね」

 

MF3「にへへ……急いでたもので…」二へへ…

 

ツバサ「……まあ次からは気をつけてね、ボール取ってもらえる?」

 

MF3「ん、あれっすね」タッタッタッ

 

爆「ったく……人騒がせね」

 

ツバサ「まあただの不注意だしね」

 

MF3「いくっすよー!」

 

ツバサ「はーい」

 

MF3「そー………」スッ…

 

ツバサ「……!」

 

ツバサ(あの子……)

 

MF3「………れ!」ドッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュゥゥゥゥン!

 

トッ……トトッ…!

 

ツバサ「……」

 

MF3「おお…!バウンドさせずに受け取った……」

 

爆「さ、勝負の続きよ!綺羅ツバ……」

 

ツバサ「……っ…」バッ!

 

爆「ちょっ…!」

 

ドキュゥゥッ!!!

 

MF3「……へぁ!?」ビクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォ!!!!

 

MF3「あ、危……!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フワッ…!トッ……

 

爆「……トラップ……した」

 

MF3「な、何するっすか!!」ザッ

 

ツバサ「あなた……サッカーしてたの?」

 

MF3「……元っすよ」

 

ツバサ「サッカー部入らない?」

 

爆「はぁ!?」

 

MF3「……考えとくっす」ニコッ

 

ツバサ「ええ、それじゃあまた」

 

MF3「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「さ、勝負の続きよ」

 

爆「それは置いといて、あの子誘って良かったの?」

 

ツバサ「……あの子、たまにグラウンドの端っこで見るのよ」

 

爆「?」

 

ツバサ「多分、やりたいんじゃないかしら、サッカー」

 

爆「……ふーん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF1「………今のは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF3「………」テクテク

 

ピタッ

 

MF3「………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「うっわ絵とか描いてんの?」

 

「オタクじゃん!キッモ」

 

「あたしらまで同類だと思われるじゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……サッカー部、やめてくんない?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

MF3「………」ギュッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

角間「フットボールフロンティア決勝、UTX高校は初の決勝進出となります!」

 

角間「迎え撃つは前年度優勝校、令和学園!!」

 

角間「いよいよキックオフです!!」

 

 

 

 

 

 

 

監督「お前たちに言うことは一つだけだ」

 

監督「勝ってこい」

 

みんな「はい!」

 

先輩「……初進出だろうと関係ない、私たちは」

 

みんな「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先輩「勝つためにここにきた!!」

 

みんな コクッ

 

先輩「全力で戦え!!!!」

 

みんな「おお!!」

 

 

 

 

 

 

一年生ポジション

 

FW

 

ツバサ

 

MF

 

MF1、エレナ、あんじゅ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ(……結局MFのまま決勝まで来た)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

監督「FWやってみないか?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

エレナ(私では……力不足だったのか?)

 

バシッ!

 

エレナ「!」ハッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「いくわよ」ニッ

 

あんじゅ「準備はいい?」

 

エレナ「……勿論だ」ニッ

 

MF1「勝てば優勝、気を引き締めていきましょう」

 

DF2「うちらの分も頼んだぞ!!」

 

面倒「頑張って〜」

 

爆「負けんじゃないわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーーー!!

 

ドッ

 

角間「始まりましたぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

試合は一進一退

 

どちらかがチャンスを作ればすかさずカウンターを狙う

 

いつ得点が決まってもおかしくない状態が続いていた

 

前半はツバサが1点を先制したところでホイッスルが鳴った

 

初進出ながら先制逃げ切りで前半を終えたUTX高校

 

しかし、それが逆に令和学園に火をつけた

 

後半は徹底的なツバサ潰しに加え、攻撃のリズムを変えてきた令和学園がペースをつかんでいた

 

まもなく試合終了

 

ここまで失点をしのいでいたUTXだったが……

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「ぐっ…!」ゼェ……ゼェ……

 

エレナ(マークが厳しいせいでいつもの何倍も消耗が早い……)トッ

 

エレナ(ここは奪われるわけにはいかない)

 

エレナ「ふっ…!」ドッ!

 

DF2「……!」

 

エレナ(しまっ…!ボールが流れ…!)

 

「もらったぁ!」パシッ

 

エレナ「くそっ…!」

 

角間「令和学園のカウンター!!」

 

「いけっ!!」ドキュッ!!!

 

キーパー「やばっ……!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドシュルルルルル!!!

 

角間「……き、決まってしまったぁぁ!!」

 

角間「試合終了間際、令和学園がUTX高校の背中を掴みました!!」

 

監督「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「……」ハァ…ハァ….

 

あんじゅ「……落ち着いて、まだ終わってないわ」

 

ツバサ「はぁ…!はぁ…!早く、位置につきなさい…!時間がもったいない…!!」ゼェ……ゼェ……

 

ピーーーーーーーー

 

MF1「………メンバー交代…?」

 

エレナ「……私だな」

 

あんじゅ「いや、数字をよくみて、貴方じゃないわ」

 

角間「こ、ここでUTX一年生を3人投入してきました!!隠し球かぁ!?」

 

エレナ「……何を考えている?」

 

監督「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆「ふっふっふ、UTXの隠し球の登場よ」

 

面倒「うぇ〜…なんでこんな状況で……だるい」

 

DF2「……ほんまに大丈夫なんかこいつら……」

 

先輩「みんな、時間はほとんど残ってないけど、ボールはこっちが持ってる」

 

先輩「落ち着いて、一点取り切ろう!!」

 

みんな「はい!!」

 

爆(……綺羅ツバサが決めれないなら私が決める、そしたら言ってやるんだ)

 

爆(どうだ、私もすごいでしょ、って)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一年生メンバー

 

FW

 

ツバサ、爆

 

MF

 

MF3、エレナ、あんじゅ

 

DF

 

DF2、面倒

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「泣いても笑っても最後のキックオフ!!」

 

ピーーーーーーーー!!

 

ドッ!

 

令和学園1-1UTX高校

 

角間「いま、始まりましたぁぁ!!」

 

「マーク!」

 

ザザッ !

 

ツバサ「っち……!」ハァ…ハァ…

 

ツバサ「お願い!」ドッ!

 

エレナ「……!」

 

エレナ(私の…ボール……いいのかわたしで?誰か……)

 

エレナ(そうだ、ほかのメンバーに取ってもらえば…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DF2「ぼーっとすんな!!」

 

エレナ「……!」ハッ

 

トッ……ポロッ

 

「よっし!!」パシッ

 

エレナ「しまっ……」

 

角間「統堂ファンブル!!こぼれ球を令和学園FWが拾います!!」

 

先輩「止めて!!」

 

エレナ「あ……」

 

エレナ(……わたしは……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DF2「い……かせるかぁぁぁぁぁ!!!!」バッ!

 

令和FW「なっ…!」

 

【スーパーしこふみ】

 

ドゴォォォォォォォォ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

令和FW「くっ……そぉ……!」ガクッ

 

DF2「ここまできて負けられるか」

 

角間「UTX DF見事にカウンターを防いだぁぁ!!」

 

あんじゅ「ふふ、いつの間にあんなディフェンス……」

 

DF2「あっ…!」

 

ポーン!

 

キーパー「くっ…!」バッ

 

キーパー(届かない……!)

 

角間「しかしボールは無情にもエンドラインを超えそうだ!!」

 

角間「令和学園のコーナーキックかぁ!?」

 

「………この時間帯でコーナーキックかぁ……」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

面倒「そんなめんどくさいこと、させないよ〜」バッ!

 

ドキュッ!

 

面倒「頼んだ〜」

 

角間「面倒ナイスカバー!ボールは統堂へと渡りました!!」

 

面倒「……お?」グラッ…

 

面倒「あわわわ…!」ヒュー…

 

面倒「あでっ…!」ドサッ

 

 

 

 

 

 

 

 

トッ

 

エレナ(なぜまたわたしなんだ……先輩か誰かに……)キョロッ

 

DF2「………」イラァ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DF2「いつまでウダウダやっとんねん!!」

 

エレナ「!」ビクッ

 

DF2「さっきから縮こまったプレイばっかりしよって……」

 

エレナ「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DF2「どうせミスするなら挑戦してミスしろやドアホォ!!!」

 

エレナ「ーーー…!」

 

「試合中に仲間割れ?」ザッ

 

エレナ「……いや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ「アドバイスです」フッ…

 

(……!この子、空気が変わった……)

 

エレナ(恐れることはない……)

 

エレナ(パスの先には彼女たちがいる)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ(自信なんて、それだけで十分だ)チラッ

 

バチィッ!

 

あんじゅ「……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ(意識を向けるべきは自分じゃない、フィールド全体を見渡すんだ)

 

ザッ…ザザッ!

 

エレナ(……?)

 

その瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

エレナ(選手の動きが…よく見える)

 

彼女の視界は一変する

 

ドキュッ!!!

 

エレナ「あんじゅ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォ!!!!

 

角間「これは統堂、まだマークを外せていない優木へパスを出したぁ!!パスミスかぁ!?」

 

令和MF「よし!いただき!」バッ!

 

あんじゅ「………!」ダッ!

 

ギュゥゥゥゥン……!

 

令和MF「そんな……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

パシッ…!

 

あんじゅ「ナイスパス 」トッ

 

角間「ま、曲がったぁぁ!!これは絶妙なコントロール!!優木へパスが通ったぁ!!」

 

あんじゅ(……私が届くギリギリの距離)

 

角間「時間も残りわずか!攻めきれるかぁ!?」

 

あんじゅ「……もうノーコンなんて馬鹿にできないわね」タッタッタッ

 

「いかせない!!」

 

あんじゅ「……ごめんなさい」グッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フワァッ…!

 

「なにっ……!」ガクッ

 

あんじゅ「友達が待ってるの」ダッ!

 

角間「優木抜いたぁ!!」

 

先輩「あの子達……いつの間にこれだけ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ(さて、どうしようか……)タッタッタッ

 

あんじゅ(デコちゃんはマーク厳しいし……)チラッ

 

あんじゅ「……!」

 

ツバサ「ゼッ…!ゼッ…!」ハァ…ハァ…

 

ツバサ(ボールを頂戴…!!)

 

あんじゅ ……フフ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

オエェェェェ!!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あんじゅ(最初はあんなに貧弱だったのにね)

 

あんじゅ「……信じるわよ」

 

ツバサ「……」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「ツバサ!!!」ドキュッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「……ふぐっ!」パシッ!

 

角間「綺羅マークを外しボールを受け取ったぁ!!」

 

キーパー「止めろ!!」

 

令和DF陣「おお!!」ザッ!

 

角間「しかしすぐさまディフェンダーが立ちふさがる!!」

 

DF2「くっそ……!」

 

ツバサ(…4人…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

令和DF「そんなにヘロヘロで抜かせるわけないじゃない!」ザッ!

 

ツバサ「…っ…」ピタッ

 

三年生モブ「止まるな!!綺羅ちゃん!!」

 

UTX「いけぇぇぇ!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

三年生モブ「本当に……頼むわよ……」グッ…!

 

先輩「はぁっ!」ガッ!

 

DF2「い………かせるかぁぁぁぁ!!!」

 

面倒「よっ!」ドキュッ!

 

エレナ「あんじゅ!!」ドッ!

 

あんじゅ「ツバサ!!」ドッ!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

トッ…

 

ツバサ「…………」ゼェ……ゼェ……

 

ツバサ(………悪いけど……このボールは私だけのボールじゃないのよ)フー…

 

令和DF「はぁぁ!!」バッ!

 

ツバサ「……っ!」ギリッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「あああああああ!!!!」

 

ヒュッ! クルッ トッ

 

令和 DF「…っはぁ!?」ガクッ

 

角間「ぬ、抜いたぁぁ!!」

 

令和 DF「この子……どこにそんな力が…!!」

 

ツバサ「……1」

 

 

 

 

 

 

 

クルッ……ヒュッ!

 

バッ!グルンッ!

 

ツバサ「……2……3……」

 

角間「抜いていく抜いていく!!ゴールまであとわずかだぁ!!」

 

ツバサ「はぁ…!はぁ…!」タッタッタッ

 

令和ディフェンダー「くっ…!」ザッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「………4…!!」ヒュッ!!

 

クルッ……トッ

 

令和ディフェンダー「……っ…!!」

 

角間「綺羅抜き切ったぁぁ!!!残すはゴールキーパーのみ!」

 

爆「……すご…」

 

爆(ベンチから毎試合見てたけど、間近で見るとこれほど……)

 

令和キーパー「くそっ…!」バッ!

 

角間「令和キーパー、綺羅との距離を詰めます!」

 

令和キーパー「シュートコースは塞いだ!!打つところなんてどこにも……」

 

ツバサ「……エースの仕事は、ゴールを決めることじゃない」

 

令和 キーパー「!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「必ず得点につなぐこと」

 

ドッ!

 

令和キーパー「そんな…!」

 

角間「ここでパス!?綺羅が令和キーパーを引きつけていたことにより………」

 

爆「ーー………は?」トッ

 

角間「UTX爆、完全にフリーだぁぁ!!」

 

MF1「時間がありません!!シュートを!!」

 

先輩「頼んだよ!!」

 

爆(待って……待ってよ)

 

 

 

 

 

 

 

 

爆(は、え、な、なんで……こんなタイミング、で……)ドクッ…!

 

爆(あんたが決めるんじゃないの?完全にその流れだったじゃない……!)ドクドクドクドク

 

爆「はっ……!はっ…!」ドクドクドクドク

 

爆(心臓うるさい、自分の体じゃないみたいにふわふわする…)ドクドクドクドク

 

爆(入るの…!?こんな状態で……!!)

 

爆(綺羅ツバサは……ずっとこんなプレッシャーを……)ハァ…ハァ…!

 

彼女は本能的に悟った

 

入部当初からライバル視していた綺羅ツバサと自分は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

根本的に違う人種なのだと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「なに怖気付いてるのよ!!」

 

爆「…!?」クルッ

 

ツバサ「フリーなら決めれるって言ったの……あなたでしょ!!」ハァ…ハァ…

 

爆「……!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

爆「もうフリーならどこにだって打てるわよ!」

 

爆「FWでチームの得点王だからって油断してたら足元掬ってやるんだから!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「足元掬ってみなさいよ!!」ハァ…ハァ…

 

令和 DF「戻れ!!」

 

角間「令和ディフェンダーが守備を固め始めています!UTX爆、決め切れるかぁ!?」

 

爆「……うるっさいわね」ザッ…!

 

あの時、貴方にあの言葉を言われた時から

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貴方と対等な気がしなかった

 

『やろうともしてなかった奴に言われる筋合いはない』

 

私は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

綺羅ツバサ(すごい人)に、ずっと勝ちたかった(認めてもらいたかった)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!

 

令和キーパー(…!厳しいコース…!!)バッ!

 

ゴォォォォオォォ!!!

 

ガァンッ!!

 

令和キーパー(ポスト!?)

 

チッ…!

 

シュルルルルルル!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「……は、はいったぁぁぁ!!!」

 

角間「ゴールポストに直撃するも気合いで押し込んだぁぁ!!!」

 

ツバサ「……入った……」ハァ…ハァ…

 

爆「……」ハァ…ハァ…

 

ピッピッピーーーーーーーー!!!

 

角間「ここで試合終了のホイッスル!!優勝は、UTX高校だぁぁ!!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先輩「やったぁぁぁ!!!」ガバッ!

 

爆「うわぁ…!」グラッ

 

先輩「最後よく決めたよー!!ナイスシュート!」

 

先輩2「他の一年生も最後の方どうしたの!?すっごかった!!」

 

DF2「ポストに当たったの入ってよかったなぁ!」

 

面倒「あれ外してたら延長だったからね〜、長引かなくてよかったよかった」ウンウン

 

爆「……ええ、よかった」

 

ツバサ「………」

 

三年生モブ「綺羅ちゃん!あなた最後すごかった!!」ワシャワシャ!

 

ツバサ「あ、ありがとうございます…?」ボサァ…!

 

三年生モブ「……こちらこそありがとう」ニコッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんじゅ「……」

 

エレナ「……」

 

あんじゅ「エレナ、私たち優勝しちゃったのね」

 

エレナ「そうみたいだなあんじゅ」

 

あんじゅ「……実感がわかないわね」

 

エレナ「私はあのミスのせいでとてもじゃないが素直に喜べない」

 

あんじゅ「……」

 

エレナ「来年は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガバッ!

 

エレナあんじゅ「うぇあぁ!?」

 

先輩「小難しい話なんて抜きにして喜べ喜べ!」

 

面倒「うわ〜…」

 

エレナ「……っ!私は強くなるぞ!!今よりもっと!!」

 

あんじゅ「じゃあ私もー!」

 

先輩「あっはは!いいね〜、頑張れ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

控え室に続く廊下

 

爆「……ふぅ」

 

ツバサ「決勝点おめでとう」

 

爆「……!綺羅ツバサ!」バッ!

 

ツバサ「あのシュート、狙ってたんでしょう?」

 

爆「……相手のキーパー、ボールに触ってた」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

令和キーパー(ポスト!?)

 

チッ…!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

爆「もう少し内だったら取られてたかもね」

 

ツバサ「……貴方に託して正解だったわ」

 

爆「あ、当たり前じゃない!」フンス!

 

爆(言え、言うのよ私!今しかないじゃない…!)

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

爆(……綺羅ツバサが決めれないなら私が決める、そしたら言ってやるんだ)

 

爆(どうだ、私もすごいでしょ、って)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆「……ありがと」

 

ツバサ「へ?」

 

爆「…あ」

 

ツバサ「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「ふふ」クスッ

 

爆「………//////」カァァ…!

 

こうして、私たちの一年目は幕を閉じた

 

 

 

 

 

 

 

 



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2年目

とちうまで


 

 

 

ツバサ(……もっとボールを自由に扱えるように……!)

 

エレナ(ボールを取られないために、もっと視野を広げたほうがいいな)

 

あんじゅ(マークを外すために……あれ、使えるかしら)

 

大会が終わってからの数ヶ月間、監督の本格指導のもとメキメキと実力を伸ばしたメンバーは二年生となった

 

一年生の入部希望者が多かったため、テストを行なったが一軍入りは1人だけだった

 

その1人とは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF2「しぁあっす!!MF2です!!ツバサさんに憧れてきました!!!よろしくおねがぃしぁあっす!!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォ!!!!

 

DF2「………あっつ…」パタパタ

 

面倒「絶対ここだけ5度は高いよ〜……」

 

ツバサ「ふふ、私に憧れてくれてるのね、ありがとう」

 

爆「ちょっとちょっと!憧れるなら私にしときなさい!!オススメよ!」

 

エレナ「なんだ憧れのオススメって」

 

あんじゅ「特売品みたいね」

 

面倒「………安いんだぁ」ボソッ

 

爆「…………!」ムクゥゥゥ……!

 

MF2(……大丈夫なのか?この人たちは…)

 

MF1「はいはい、遊んでないでそろそろ帰りますよみなさん」

 

みんな「はーい!」

 

MF2(あ、この人はまともなんだな)

 

爆(…そういえば…)

 

ツバサ(彼女、結局来なかったわね……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クシュッ!」

 

MF3「うー…この季節の河川敷はまだ寒いっすね…」

 

MF3「……サッカー部、行けばよかったっすかね…」

 

シュートシュート!

 

あはははは!!

 

MF3「………」カリカリ…

 

過去のトラウマのせいで踏ん切りがつかない彼女は1人

 

河川敷でサッカーに勤しむ子供達をひたすらスケッチブックに描き起こしていた

 

MF3「やっぱり実物見た方が描きやすいっすね〜」

 

次の二次創作は少年サッカーの作品を描こうとしていたようで、サッカーの動きを直に見れて満足そうだ

 

サッカーが嫌いなわけではない

 

オタクだからという理由だけで排斥してくるあの空気が嫌いなのだ

 

部だけではない、クラスメイトに知られるだけでもめんどくさいことになるのは分かっている

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ねーみんな!この子こんな絵描いてるんだけど!」

 

「え…これって漫画…?へー……こんなの描いてたんだ……うわ〜……」

 

「オタクっぽいとは思ってたけど……ここまでオタクだったんだ…」

 

「…………はは…」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

MF3「……オタクで……誰に迷惑をかけたっていうんすか」カリカリ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……へぇ、上手いもんですね」

 

MF3「…!?」ビックゥッ!!!

 

バサバサッ!

 

突如背後から声をかけられ

 

驚きのあまり描いていたスケッチブックと筆記用具を落としてしまった

 

MF1「そんなに驚かなくても…」

 

MF3「だ、誰っすか!?」ガサガサ!

 

落としてしまった道具をかき集めながら問いただす

 

MF1「誰って……酷いですね、同じクラスではないですか」

 

MF3「……!」

 

思い出した、いつも真面目で礼儀正しい優等生な……

 

 

 

 

 

 

 

 

MF3「美人さん……」

 

MF1「おや、褒めても何も出ませんよ」フフ

 

MF3「…」サァァ……

 

知られた、知られてしまった

 

クラスメイトに自分が絵を描いているということを

 

MF1「……?」キョトン

 

いや、彼女なら不用意に広めるということはしないだろう

 

ここは冷静に……

 

MF3「……何の用っすか、用がないなら放っておいてくださいっす」

 

MF1「……用……ですか、ありますよ」

 

MF3「?」

 

MF1「あなたを……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF1「サッカー部に勧誘しに来ました」

 

MF3「……はい?」

 

なぜ、彼女はわたしがサッカーできることを知っているのだろうか

 

MF3「な、なんのことっすか…?サッカーなんて一度もしたこと……」

 

MF1「………」ピッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ツバサ「ふっ…!」ドキュッ!!!

 

ゴォォォォオォォ!!!!

 

MF3「あ、危……!」バッ!

 

フワッ……!トッ…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

MF1「実はあの時、私もいたんですよ」

 

MF3「動画撮ってたんっすか……小狡いっすね」

 

MF3「でもそれがどうしたって……」

 

MF1「…」スッ

 

MF3「…!!それは……!」

 

 

 

 

 

 

彼女のケータイにはスケッチブックに絵を書きこんでいる自分が映し出されていた

 

MF3「そ……れがどうし……」

 

MF1「素晴らしい絵だったのでクラスの方々にも見てもらおうと……」

 

ガシッ!!!

 

MF1「……」

 

MF3「……何が目的っすか……」ギリギリ…!

 

MF1「……ふふ、言ったでしょう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF1「サッカー部に入りませんか……と」ニッ

 

MF3「……あんた……嫌いっす」

 

MF1「いいですよ、それでも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと帰り道、河川敷を歩いていると

 

見慣れた女性が座っているのが見えた

 

彼女は私が一年生の頃、部活中よくグラウンドを覗きに来ていたので印象に残っていた

 

目をキラキラさせながら、でもどこか影のある表情をして

 

そんな彼女がサッカーをしているところを見た

 

あれほど技術もあり、楽しそうに見ていたのにサッカーをしない

 

……どうしてですか?

 

そんな彼女と二年生で同じクラスになった

 

話したことはなかったが、私はいつも彼女を気にしていた

 

彼女はおとなしい性格だったが気付けばどこかへ言ってしまうのでなかなか話しかけられないでいた

 

話しかけるタイミングを伺っていたところに、この絶好のチャンスが舞い降りてきた

 

彼女はどこかを見つめながら真剣に絵を描いていた

 

目を輝かせながらそれはそれは楽しそうに

 

サッカーを見ていた目と全く同じだった

 

近づいてみた、集中しているようでまるでこちらに気づいていない

 

いざ話しかけようとしたその時、ポツリと彼女のつぶやきが聞こえた

 

 

MF3『……オタクで……誰に迷惑をかけたっていうんすか』

 

 

その一言で私は瞬時に思いを巡らせた

 

…………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は無音カメラでそれを写真に撮った

 

今から私がしようとしていることをもう一度反芻する

 

完全に自分本位、自己満足と言われても仕方がないだろう

 

彼女の傷を抉る行為なのかも知れない

 

でも……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ツバサ「はぁぁ!!」ドキュッ!!!

 

ドシュルルル!!

 

MF3「…!」キラキラ…!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

どこか放っておけなかった

 

関わったことも、話したこともない彼女に対し

 

一緒にサッカーをしたいと、心の底から思った

 

そのためなら

 

私は悪魔にでも魂を売ろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

監督「テストの結果、こいつは1軍に入ることになった」

 

MF3「……よろしくお願いします」ジロッ

 

MF1「ふふ、よろしくお願いします」ニコッ

 

MF3「……」フイッ…

 

手を抜くとまたこの人がめんどくさそうだったから真面目にやると、1軍になった

 

ツバサ「来てくれて嬉しいわ」スッ

 

MF3「……どうもっす」ガシッ

 

面倒「なんで一年生で入らなかったの〜?」

 

爆「いろいろ理由があるんでしょ」

 

面倒「うぇ〜?何その真面目な答え、つまんない〜」

 

爆「平手打ちするわよあんた」

 

MF2「……」ジー…

 

MF3「……なんっすか?」ビクッ

 

こういうタイプの人間にこれまでバカにされてきたからか、自然と身構えてしまう

 

MF2「……」

 

何か考え込んでいるようだ

 

二年生で入ってきたから先輩として扱うか迷っているのだろうか

 

MF2「……あたしの方が一日早かったですね、先輩」ニッ

 

MF3「あ……はは」ニッ…

 

固くなっている自分をみて和ませてくれたのだろうか

 

見た目は少し怖いが悪い子ではなさそうだ

 

……どうせこの子も自分がオタクだと知れば手のひらを返すのだろうが

 

監督「練習はこれまで通り、基本放課後下校時間ギリギリ、休日は一日中だ!!」

 

みんな「おお!!」

 

MF3「お……おぉ……」ヒキッ…

 

オタクを隠しながら生活する時間が増えた、面倒くさい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………と思っていたのだが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後

 

ピーーーーーーーー!

 

先輩「10分休憩!」ハァ…ハァ…

 

ツバサ「あー……キッツ…」ドサッ

 

エレナ「これは酷いな…」ハァ…ハァ…

 

あんじゅ「水〜!」ドサッ

 

チームの主力三人が揃って弱音を口にする

 

どうやら監督から必殺技の特訓を別メニューで受けているようだ

 

疲労が溜まっているのだろう

 

MF3「……っ…んくっ…!」プハァ…!

 

MF2「先輩二年から入った割には体力全然あるんすね」

 

MF3「運動は何だかんだ続けてたっすからね」

 

MF2「へー……」

 

まだ入部して数日だったが少しづつ部に馴染み始めていた

 

………そう

 

 

 

 

 

 

 

 

油断していた

 

MF2「……あ、そういえば今日モバイルバッテリー忘れたんですけど借りていいですか?」

 

MF3「急用っすか?」

 

MF2「今日残ろうと思ってるんで遅くなるって家に連絡しときたくて」タハハ…!

 

MF3「いいっすよ〜、カバンの中に入ってるから自由に使ってくださいっす」

 

MF2「あざます!」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF3「ふー……」

 

今日は帰りに河川敷で絵を描きましょうかね

 

ふふ、どんなポーズが見れますかね

 

MF3「………」

 

今日は帰りに河川敷で

 

カバンの中にはいつも通りスケッチブックが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……あ、そういえば今日モバイルバッテリー忘れたんですけど借りていいですか?』

 

『いいっすよ〜、カバンの中に入ってるから自由に使ってくださいっす』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF3「ーーー……っ!!」ガバッ!!!

 

やってしまったやってしまったやってしまった

 

MF3「ちょ、ちょっとトイレに行ってくるっす!!!!」ダッ!

 

先輩「う、うん!わかった……」

 

DF2「あんなに急いで……でっかい方か?」

 

面倒「デリカシ〜」

 

MF1「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF3「はぁ…はぁ…!」タッタッタッ

 

人目をはばかる余裕もなく部室まで全力でかけていく

 

もしかしたら見ていないかも

 

スケッチブックが入っていたとしても勝手には見ないだろう

 

そんな淡い期待をせずにはいられなかった

 

MF3「…はぁ…はぁ…!」タッタッタッ

 

部室が見えてきた

 

扉は開いている

 

あの子はもうカバンを開けてしまっているだろう

 

どうか、どうか見ていませんように……!!

 

ガラッ……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF2「あ、先輩!」パラパラ

 

MF3「……はぁ………はぁ……」

 

………終わった

 

MF2「先輩絵とか描くんですね、こんな細かいとこまでしっかり…」

 

……また……あの悪夢が始まるのか

 

MF2「ところで先輩、今日の放課後空いてますか?」テクテク

 

スケッチブックを持ったまま後輩が近づいてくる

 

怖い

 

MF2「ちょっと話したいことがあるんすけど」ニィッ

 

何で自分ばかりこんな目に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF3「……わかったっす」」

 

自分が……何したっていうんすか

 

その後のことはよく覚えていない

 

気づけば放課後になっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

ザッ!ザザッ!

 

MF2「……っと!こんな感じなんですけど!」

 

MF3「……えーっと……?」

 

MF2「どうすか!!」ズイッ!!

 

MF3「ひえぇ〜〜…!」

 

時間は少し前に遡る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF2「さ、先輩を呼び出したのは他でもないんすよ」

 

放課後、恐る恐る後輩の元へ行くといきなり核心をついてきた

 

何を言われるのだろう、みんなにバラされるのだろうか

 

しかし、彼女の口から出た言葉は予想の遥か上だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF2「必殺技の練習に付き合ってください!!」バッ!

 

MF2「…………はい?」

 

あまりに予想外だったため情けない声が溢れた

 

MF3「な、何で自分が?」

 

MF2「先輩人の動いてる中あれほどしっかり見えてるなら」

 

MF2「何か改善点を見つけてくれるんじゃないかと思ったんすよ!」

 

MF3「……自分でいいなら」

 

MF2「いよっしゃあ!!」バッ!

 

この日から自分たちの特訓は始まった

 

なぜ絵を描いてることに何も言わないのか聞いてみると

 

MF2「……へ?えーっと……うまいですね?」

 

MF3「そ、そうじゃなくて……!」

 

MF2「そんなもん隠してるから後ろめたくなるんですよ」バッ

 

MF3「ちょ……!なにを…!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF2「先輩方ー!見てくださいよ!これすごくないですか!?」

 

MF3「………」ポカーン……

 

彼女は部員(一軍)に自分の描いた絵を見せ始めた

 

MF3(………一番知られてはいけない人に知られたのかもしれないっす)

 

なんだなんだ? ゾロゾロ

 

MF3(……はは…今度こそ終わった…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………勘のいい皆さんならもうお気づきっすよね

 

ツバサ「わぁ…!すごいわね!」

 

エレナ「力の流れが目で見える……」

 

あんじゅ「うっま……」

 

DF2「うちもっ…!見せてっ……!!」ピョンピョン

 

MF1「………ふふ」パラッ

 

爆「ねね!私のことも描きなさいよ!」

 

面倒「それ一番嫌がられるやつだよ〜?」

 

先輩「くぉらあ!!居残るなら練習しなさい!!」

 

みんな「は、はい!!」

 

先輩「それと、私も後で見せて!!」

 

MF3「は、はい…!」ピシッ

 

今までの心配はなんだったんだと言いたくなるほど自分の悩みはすんなりとみんなに受け入れられた

 

MF2「だから言ったでしょ、隠すからダメなんすよ」

 

MF3「……一応お礼を言っておきます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コソッ

 

MF1「ね?サッカー部入ってよかったでしょう?」ニッ

 

MF3「あんたは嫌いっす」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胸のつっかえが取れたMF3はこれまでよりも人と関わるようになった

 

もともと人と接するのが好きだった彼女はあっという間にチームに溶け込んだ

 

そして試合の日……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監督「勝て、以上だ」

 

先輩「よーし!1戦目、気を抜かずに行くよ!」

 

「おお!」

 

 

 

 

 

 

FW

ツバサ、爆、エレナ

 

MF

 

あんじゅ、MF1、MF2、MF3

 

DF

面倒、DF2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーーー!!

 

ドッ!

 

試合はUTXが試合を支配していた

 

敵がボールを持てば10秒もしないうちに奪われる

 

こちらがボールを持てばあっという間にゴール前

 

しかし、チームの表情はどこか良くなかった

 

敵0-2UTX

 

 

 

 

 

 

 

ツバサエレナあんじゅ「ふっ!」ダンッ!

 

角間「UTX再び連携シュートだぁ!!次こそ決められるかぁ!?」

 

グルグルグル……!

 

ギュォォォォォォォオオオオ!!!!

 

MF3「……!」

 

ツバサエレナあんじゅ「はぁぁぁぁ!!!」バッ!

 

ドキュッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォオォォ!!!!

 

敵キーパー「止める…!」グッ

 

敵キーパー「……?」

 

ヒュゥゥゥゥ……!

 

テンテンテン…

 

角間「外したぁぁ!!これで何本目だぁ!?」

 

ツバサ「……まだどこかズレてる……」

 

エレナ「もうこれ以上修正するところなんてないだろ……」

 

あんじゅ「もうツバサの【ペガサスショット】で決めましょう?」

 

ツバサ「……それじゃ足りない、いつか止められる」

 

ツバサ「この【デスゾーン】を完成させないと……」

 

エレナあんじゅ「……」ヤレヤレ

 

MF3「………」ジー…

 

MF3「………まさか」

 

DF2「……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーー!!

 

相手キーパー「ふっ!」ドキュッ!!

 

相手DF「オーライ!」タッタッタッ

 

MF2「とらせねぇよ!!」バッ!

 

パシッ

 

面倒「お〜!」

 

角間「これはMF2ナイスカット!!ボールを奪った!」

 

相手DF「行かせない!」ザッ!

 

MF2「………」トッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ドサッ

 

テンテンテン……!

 

MF2「っち…!あと少しなのに…」ハァ…ハァ…

 

MF3「……!………、………?」ブツブツ

 

MF2(怖いなこの人…)ゾッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF3 ブツブツブツブツ

 

MF2「………はは」クスッ

 

MF2「…何かわかりましたか?」

 

MF3「……へぁ!?は、はい!おそらく…」

 

MF2「おお!なんすかなんすか!?」

 

MF3「多分ですが、足の振り上げが足りてない気がするっす!」

 

MF2「振り上げ?」

 

MF3「足だけで振り上げるんじゃなく、身体全部を使って足を限界まで振り上げるんっす!」

 

MF3「振り上げた後は……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MF2(全力でボールを叩きつける……!!!)バッ!

 

ドッ!!

 

ギュルルルルル!!!

 

ドゴォッ!

 

相手DF「きゃぁぁ!」ドサッ

 

テンテンテン……トッ

 

【ならくおとし】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

角間「MF2新必殺技で抜いたぁ!!」

 

MF3「ぃよぉっし!!」グッ!

 

MF2「出来た…!」トッ

 

ツバサ「こっちへ!」ダッ!

 

MF2「お願いします!」ドッ!!

 

ツバサ「……次こそ決めるわよ!!エレナ!あんじゅ!」トッ…!

 

エレナ「……あぁ!」

 

あんじゅ「わかってるわよ!」

 

MF3「…!シュート……」

 

MF3(……言った方がいいんっすかね……でも自分なんかが頼まれてもないのにアドバイスなんて……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポンッ

 

MF3「……!」ビクッ

 

DF2「何か思うことがあるんやったら言っとけ、チームなんやから遠慮なんかすんな」

 

DF2「もしなんか言われたらウチが守ったるから、行ってこい!」パシッ!

 

MF3「……はいっす!」ダッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相手キーパー「来い!」グッ!

 

ツバサ「今度こそ…!!」ダッ!

 

MF3「……ツ、ツバサ……さん!」タッタッタッ

 

ツバサ「……何、今話してる場合じゃ…」

 

MF3「ジャンプのタイミングっす!!!!」

 

エレナ「……ジャンプのタイミング?」タッタッタッ

 

MF3「三人は順番にジャンプするっすけど、それじゃあ個人差で誰かが先に落ちちゃうんっすよ!」ハァ…ハァ…

 

ツバサ「……!それでバランスが崩れて……」

 

あんじゅ「じゃあ順番を変えれば……」

 

MF3「できるはずっす!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相手キーパー(どうせまた外すんだろ……)

 

ダンッ!

 

グルグルグル………

 

ギュォォォォォォォオオオオ!!!!!!!

 

相手キーパー(……?なんかさっきと違うような…)

 

ギュォォォォォォォオオオオ!!!!!

 

相手キーパー(これ……!さっきと全然違っ…!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキュッ!!!!

 

ツバサあんじゅエレナ【デスゾーン!!】

 

ゴォォォォオォォオオオ!!!!

 

角間「ここに来て完成させたぁぁ!!新必殺技だぁぁ!!」

 

MF3「はぁぁ…!」キラキラ

 

相手キーパー「くっ……そぉぉぉ!!」バッ!

 

ドシュルルルルル!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中ですがとりあえずこれで終わりです!

三年めに爆と面倒は同じ学校に転向して三年目の音の木坂と当たる前に出てきて【ザ・エクスプロージョン】や【コズミックブラスター】や新技で戦うことになる流れでした

 

 

 

 

「どこかで使える?」

 

ありがとうは言わないっすよ

 

何だか歌みたいですね

 

それでは聞いてください

「「ありがとうは言わない」」

やっぱりあんた嫌いっす

 




今度こそほんとうに終わりです

ようやくこの小説が完になります

最初から見ていただいた方、長い間ほんとうにありがとうございました


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