夏祭り、また君と。 (白鷺 夜行)
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また、会えたね。

投稿します。
大丈夫。短いけどちゃんと最後まで書いたから。
多分。


『ねぇ夏祭り行こう?』

このセリフを俺に言ったのは、

「いやー楽しいなぁ。」

やっぱり嫌いだった近所に住んでいた幼馴染みだった。

暑い日射しの中墓参りと墓掃除を午前中にすませ、勉強した後待ち合わせ場所に行くともうそこにいた。

・・・相変わらず行動が早い奴だ

「久しぶりだね。」何回見ても鮮やかな着物だ。

「ああ。」

「行くなら早く行くぞ。」

「せっかちだねぇ。門限今日だけはないから。」

「でも早く帰らなきゃだめだぜ。俺が許さん。」

「あっ!りんご飴あるよ!!」

「うわータコ焼きだぁ!!」

こいつは俺といて何が楽しいのか。

こいつは生徒会長で常に成績上位だった。俺みたいな奴は最早羽虫みたいなものだっただろう。

彼女はよくこう言った。

『頑張れないのは目標がないからだよ。』

「はぁ。」

ようやく一人になれた。あいつと出店を回ってるとお金も俺が出さなくちゃいけない。そして俺が荷物持ちだ。

でも・・・。もう嫌いじゃない。

「目標、ねぇ・・・。」

無いわけではない。でも・・・。

「夢は今は夢だよ。でもその夢は自分の将来の大きな可能性の1つだよ。」

「俺の心読むのは楽しいか?」

「最高だよ。」

「最高に楽しいようで何より。」

「お祭り楽しかったか?」

「うん。じゃああそこ行きたいな。」

「時間的にも丁度いいし。」

「俺にとってはかなりトラウマなんだが?」

「私がいるから・・・ね?いいでしょ?」

「分かりやしたよ。」

「夏と言えども少し冷えるねぇ。」

「手、繋ぎたいだけだろ。ホラよ。」

「うん、温かい。」

「お前って相変わらず手、冷てぇなあ。」

「ヒンヤリしてて良いだろう?」

「「www」」

「っと。着いたぞ。」

「うん。着いたね。」

懐かしい。よく祭りが一段落ついたときにはよくこの神社で遊んでいた。

「俺さ、お前の事嫌いだった。」

「毎日俺に絡んできたり、ラノベ見て勝手に批評したりさ。」

「やっぱり迷惑だったんだ。そっか・・・。」

「でもな、俺はお前が絡んでくれて楽しかった。」

「ありがとうな。」

「好きだって言ってはくれないんだね。」

「当たり前だ。・・・言う必要がないからな。」

「相思相愛ですかぁ?」

「ああ。」

「そろそろそろお前の帰る時間だな。」

「うん。」

「来年は会わない事を期待してるよ。」

「私は会いたいよ?」

「愛が重い彼女だなぁ。」

「毎年あの世から会いに来る彼女なんて。」

「まだ成仏はしてあげないよ!」

「そっか。じゃあ、」

「「また来年。」」

振り向くと彼女はもう消えていた。

「ふう、帰るか・・・。」

「ただいまー。」

「オーオカエリー。」

「ん?」

部屋の中から音がする、だと!?

まさか、まさか!!ドアノブに手をかけ、

「泥棒か!!」バァン!

「!?」

「逃がさねぇぞ!泥棒がぁ!!」

 

「違う違う!私だって!!」

「お前かい!!」

 

              もしかしたら

                      続く  かも

 

 

 

 

 




読んで頂きありがとうございました。
失って初めてその大切さに気づく。そんな経験、ありませんか?


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