何気ない平和な日々を過ごしている鳴流神龍姫は幼馴染達共に勉学などに励んでいたのであった。
見た目はどこにでもいそうな、高校生だが龍姫達はただのにんげんではなく、妖怪との血を引く半妖であり女神という存在なのであった。
そんなことはさて置き、龍姫はいつものように、一番の理解者にして幼馴染みでもある獅子神星龍と二人一組で仕事を終えて帰還しようとした矢先だった、すぐそばで異変を感じ取った龍姫と星龍はすぐさまクロックアップを試みようとしたのだが、間に合わず、
「きゃぁぁっぁぁ‼」
「ちょっと‼」
次元震に飲み込まれてしまったのだった。
もちろん、フラクシナスでも観測していたようで、
「鳴流神龍姫、獅子神星龍二名が次元震に飲み込まれたもよう!」
「龍姫‼」
「無事でいるわよ‼ なんせ、わたしの義姉なのだから」
チームメンバーは二人がそんなことではくじけないことを知っているので二人が帰還するのを待つことになったのである。
「いざとなったら、デンライナーで行けばいいのよ‼」
「あ、忘れてた」
タイムスリップしてしまった場合に備えてデンライナーのオーナーからパスをもらっていた士道はすっかり自分が特異点である事を忘れていたあった。
「痛てて、大丈夫?」
「うん、龍姫ちゃんも無事みたいだけど、神姫化解除してるんだけど?」
『マスター、申し訳ありません、気を失ってる間に誰かに見られるわけにはいかなかったものでして、再度、神姫化は可能です』
「よかった、けど、ここってもしかして」
「もしかしてじゃないよ‼」
次元震に飲み込まれてしまった龍姫&星龍はどうやら人気のない山中(さんちゅう)で目を覚ましたようで、インテリジェンスデバイスが自動的に神姫化を解除してくれたことと気配遮断を行ってくれたおかげで大騒ぎにはならなかったのだが、そこはなんと見覚えがある場所だったのである。
「海鳴の町だけど、なんか違和感が...」
「もしかして、ボク達、過去の海鳴の町にタイムスリップしてるんじゃ」
『そのとおりなんですが、ここはマスター達の世界の過去ではないんです』
「なるほど、つまり、ここは過去でも」
「ボク達が存在しないパラレルワールドの過去の世界」
流石は秘密結社「ラタトスク」に所属しているエージェントにして「流星の絆(ビヴロスト)」の大将と副将で幾多の命がけの戦場を渡り歩いて来たと言っても過言でもない二人は飛ばされた場所の違和感にすぐに気が付いたのであった。
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