もし乳神がイッセーに早くから注目してたら (グレン×グレン)
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おっぱいドラゴンへの目覚め!!
それは、夢を見ている時だった。
俺、兵藤一誠。通称イッセーは、声を聴いた。
―聞こえますか。聞こえますか、兵藤一誠。
ん? どちら様?
なんか変な夢だな。おっぱいを揉めるかと思ったタイミングで、なんか声が聞こえてきたぞ?
なんだ一体と思いながら首を傾げていると、声が続いてきた。
―私は、異世界
……………
うん。
なんじゃそりゃぁあああああああああ!!!
乳神!? なにそれ? 聞いた事ねえよ!!
どこの神様だよ、ギリシャ? 北欧? それともいわゆる八百万の神々!?
いや、異世界って言ったよなオイ! どういう事だよ!!
―詳しい説明をしている暇はありません。いいですか、兵藤一誠。貴方には力が必要です。
何でですか!? ……いや、確かに俺はハーレムを作りたい。だけどモテない!!
喧嘩に強ければモテるという事ですか!? そういう事ですか!?
―いえ、貴方にはこれからいくつもの試練が襲い掛かってきます。それを生き残る為には、貴方に宿る力に目覚めるしかないのです
え? なにそれ!? どういう事!?
試練ってなんだよ! 俺はモテたいだけで、世界の頂点に立ちたいとか神になりたいとか思ってないんだけど!?
いや、大抵ハーレム作ってる作品の主人公は激戦を潜り抜けたりしている事が多い。つまり、俺もそういう事をしなければモテる事は出来ないという事か?
でもそういう戦いって、冷静に考えると勝率低い戦いだよな? 結構死人が出てる事も多いよな。
……あの、乳神の使いさん? どれぐらいの難易度なんですか?
―アメリカ合衆国程度なら単騎で滅ぼしかねない存在と戦う事も十分あり得ますね。
なんじゃそりゃぁああああああああ!!!
ふざけんな! 死ぬよ、絶対死ぬよ!! 間違いなく死ぬよ!!
どんだけインフレだよ! ジャン〇漫画かよ!! インフレ激しすぎだろ!! 神様とか敵に回すのかよ!!
―はい。あなたは神々に匹敵する力を得なければなりません。その程度できなければ、あの悪神達からあなたの大切なものを守る事はできないでしょう。
え、なんかヤバげなんだけど!? え、え、どういう事!?
―今、貴方の世界は悪神達によって悪意がばらまかれております。このままでは大いなる悪意のままに邪悪が世界を蹂躙する事が十分にあり得るのです。
なにそれ!? 俺、世界を救う勇者の使命とか背負って生まれてきたの!?
勘弁してくれよ。そんな重い運命を乗り越える力は欠片もないぜ?
俺は心底ビビってるけど、だけど乳神の使いさんは特に文句を言ってきたりはしなかった。
―心配はありません。貴方なら、きっと、私達が……再び……接触を……する……まで……
あ、あれ? 声は? これが遠くなっていくよ!?
まさかこれで終わりですか!! いや、ちょっと待てくれよマジで。
結局どうすればいいのか全く聞こえてこなかったんですけど!? どうすればいいんですか!!
オイコラァアアアアア! ちょっと待ってくれぇえええええええええ!!!!!
目が覚めた。
変な夢だったな。
乳神とかなんか素敵な響きだったけど、結局意味が分からない夢だった。
でも夢でよかったよ。あの人……?……の言ってる事が本当だったら、まず間違いなく俺ってすっごい大変な事に巻き込まれてたもん。
うん、夢でよかったよかった―
『残念だが、あれは夢ではない。その証拠に俺と対話をして目覚めさせるだけの力を手にしてしまったんだからな』
―ん?
なんか変な声が聞こえてくるぞ? なんツーか、ダンディな声が聞こえてくるぞ?
『ダンディか。誉め言葉ではあるが、そんな事よりまずは自分の左腕を見ろ』
左腕を見ろ?
なんだよ。なんか変なアイテムでも持っちゃったとかそういう事とか……。
そして左腕を見る。
俺は、立ち上がると扉を開けて下に降りる。
うん、だって、だって―
「父さん母さん!! 寝てる俺に変ないたずらするのやめてくれよ!! なんだよこの無駄にこった籠手は!!」
なんか無駄にかっこいい籠手が俺の左腕についているんだけどぉ!?
「ん? 何を言ってるんだイッセー。そんなことしてないぞ?」
「イッセーこそ変ないたずらやめて頂戴。……あら、確かにファンタジー映画とかで出てきそうな籠手ねぇ」
あれ? なんか違うっぽい?
ま、そうか。二人ともそんな悪質なことするようなろくでなしじゃないし。
ってことは不法侵入とかされたのか?
いやいや。こんな悪戯のために勝手に人様の家の入るとかあるわけないって。
でも、こんな籠手に心当たりなんてないんだけどなぁ。
だって高そうだし。こんな籠手買うぐらいなら、エロ本とかエロゲーとかに金を使うっての。
『……とりあえず話を聞け。あの乳神とやらについては俺も分からんが、知識を共有しなければこっちが困る』
「レシーバー迄ついてるのか、すごくこってるな、コレ」
父さんがそう感心するけど、そういう問題でもない。
つってもなぁ。
第一お前さん、いったい誰だよ。
『ああ、俺はドライグ。……昔神と魔王に喧嘩を売って、堕天使迄敵に回して集中砲火を喰らって封印されたドラゴンだよ』
「「「ドラゴンだってぇえええええええええ!?」」」
そのあと、ドライグはそんな偉そうな存在のくせに、やけに丁寧に説明してくれた。
なんでもこの世界には聖書の教えの天使や堕天使や悪魔がいて、他にもいろんな世界の神話とかはたいてい存在しているらしい。
で、ドライグは聖書の教えの戦争に喧嘩のついでに割って入って封印されたらしい。
で、封印されたドライグは
「俺、そんなことする気ないんだけど? 迷惑だって」
『そりゃ珍しい。大抵の使い手は対抗意識をむき出しにしてぶつかり合いをするのが定番なんだがな』
俺の文句にドライグがそう不思議そうに言うけど、そこは父さんがムッとして言い返す。
「俺たちのイッセーは喧嘩好きじゃないぞ? 確かに覗きを連発して人に迷惑はかけるが、むやみやたらに人に暴力を振るうような奴じゃ断じてないからな」
『……ほぉ、俺に強気でそんなことを言えるとはな。なかなか根性のある家族を持ってるじゃないか、相棒』
そ、そうか? 親ってこういうもんじゃないのか?
『そうでもないさ。圧倒的な力を前にして、無力な人間が面と向かって反論するのはなかなかできることじゃない。力はないが根性は座っているし、その理由も息子のためだ。いい父親を持ってるぞ、相棒』
……そっか。確かに、父さんも母さんも大好きだし、俺も鼻が高いのかな?
「それと、ドライグ……さん? イッセーの夢に出てきた乳神とかいうの……なんなの?」
と、母さんが話を戻して聞いてくる。
あ、確かにそうだ。
異世界とかえヴぃーえとぅるでとか言ってたけど、あれなんだよ?
「異世界っての迄実在するのか、ドライグ?」
『いや、神々がすんでいる世界や天国冥界の類は実在しているが、そんな名前を聞いたこともなければ、あのオーラの質も今まであった神とは違う』
ってことは―
『信じられないだろうが、奴は本当に異世界の存在だろうな』
ま、マジかぁ……。
唖然とする俺たちだけど、ドライグはむしろ苦苦しい声を出してくる。
『呆れてる場合か。そんな奴が世界の危機を、力に目覚めてないがゆえにそう簡単にはこの世界の神々ですら気づけない状態の相棒にわざわざ告げたんだ。本当に世界の危機が起きる可能性は十分考えられる』
あ、それもそうか。
それって確かにまずいよな。世界の危機とか俺のハーレムの夢が台無しになるじゃねえか!!
『そういう問題か』
問題だよ!!
でも正直な話、すっげえ怖いんだけど。
俺は喧嘩だって碌にしたことないんだぞ? それが、神様と戦うことになるんだぞ?
やりたくねえええええええええ!!! 勘弁してくれよ、マジで。
俺は超憂鬱だけど、ドライグは呆れ声を出してきた。
『何言ってんだ。俺の力を引き出せば、それだけで生半可な神なんて返り討ちにできる。それだけで生きていけるほど世の中甘くないが、うまく立ち回れば金も女も手に入るぞ』
………なんだと?
「ドライグ。今、金と女もっていったか? 女も?」
『ん、ああ。大抵の歴代は異性には困らない生活を送っていたな』
マジか。
マジなのか。
マジなのですか!!
「ドライグさま!! おれに、貴方様の力の使い方を教えてください!!」
俺の覚悟は決まった。決まったにきまっているともさ!!
だって、ハーレムだぜ? ハーレムですよ!?
ハーレムできるかもしれないんですよ!?
だったらやるしかないだろう。
乳神の言っていたことが本当かどうかはわからない。
だけど、この力をのばさない理由はなくなった。
ハーレム王に、俺はなる!!
「父さん母さん! おれを生んでくれてありがとう!! 俺がハーレム王になれる可能性を作ってくれてありがとう!!」
俺は泣きながら父さんと母さんに頭を下げる。
ああ、たまに俺をイケメンにも天才にもスポーツ万能にも生んでくれなかったことに文句を想ったこともあるさ。
もっとハーレムを作れそうな才能がほしかった。もっと女の子が寄ってくる素質がほしかった。
だけど、2人が産んだ俺は、その素質をしっかりと作ってくれていたんだ!! そこに嘘はなかったんだ!!
ありがとう、俺の両親。
『……即物的すぎないか、相棒』
「すまないドライグさん。イッセーは祖父に似てスケベ極まりないんだ。たぶん俺、隠し子がいるんじゃないかと思う」
「すごく遺伝してるのよねぇ……」
なんかドライグと父さん母さんが言ってるけど、俺はこの事を完璧にスルーすると今決めたぜ!!
ああ、乳神の思惑は関係ない。二天龍の因縁も知った事か。
そんなもの乗り越えて、ハーレム王に、俺は、なる!!
そこから俺の毎日は大きく変わった。
俺の持つドライグの力、赤龍帝の籠手は十秒ごとに俺の力を倍加していく。
元の力が低ければ意味も薄いけど、元の力が強ければ強いほどめちゃくちゃ強くなれるんだ。
なら、俺は鍛えるほかない。鍛えるしかない。
俺の才能じゃあ今から鍛えても全国大会とか世界大会とかに参加できるとは思えない。
だけど、地方予選で記録を出せるだけでも充分だ。それだけあれば世界のトップを手にするだけの存在には簡単になれる。
だから鍛えた。鍛えれば鍛えるほど他の人より何十倍も強くなれると分かっているなら、当然のことだ。
もちろんそれだけだと悪友の松田や元浜と疎遠になるかもだけど、そんな事はない。
二人には素直に事情を説明した。そして勘付いた桐生も巻き込んだ。
そして、俺達は一つになった。
「おら走れイッセー!! どんなスポーツでも基礎体力は必要なんだよ!!!」
「イッセー! ジム見つけてきたぞ!! 今日からここに通うんだ!!」
「……あんたら即物的ねぇ。ま、面白そうだからこんな本買ってきたわよ。参考にしなさい」
俺がハーレムを作る事ができればおこぼれに預れるかもしれない。もちろんそんな事は実際にはしないけど。
そんな欲望にまみれた松田と元浜は俺と一緒にトレーニングをして、その勢いで俺を更に鍛えるべくジムを探したりコーチをしたりしている。
桐生は桐生で面白がって手伝ってくれてる。実際俺達の熱血ぶりが面白いらしい。
ふん! 勝手に面白がってろ!! 俺達はお前をハーレムに入れたりなんてしない!!
それはともかく、俺達はモテて見せる!!
特に俺はモテる!! 赤龍帝の力でモテてやるぜ!!
いやっほぉおおおおおおおおおう!! レッツおっぱい!! ハーレム王に、俺はなる!!
『……いや、乳神の使いとやらが言った世界の危機について完全に忘れてるだろ、お前』
ドライグの呆れ声なんて聞こえない!! 聞こえないもん!!
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