遊戯王VRAINS NEO (Yelrose)
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第一話:賞金稼ぎの仕事

出来のいい内容ではないかと思いますが、よろしくお願いします。


デュエルモンスターズ。相手のライフを0にするという勝利条件の下、複雑な戦術で相手を倒すカードゲーム。一見すると、トランプやチェスと同じ類のものに見える。だが、この空間に於ける"決闘(デュエル)"とは、その枠に収まらない重要な意味を持っていた。

 

トレードルール。オープンワールド型の仮想空間であるLINK VRAINSでは、デュエルの勝者が敗者に対して任意の権利を得られるというルールがあった。要はデュエルに勝てば、敗者を従えることができるというものだ。

 

そうとあっては、人々は黙っちゃいない。人は常に誰かを支配下に置きたいのだ。かくしてLINK VRAINSでは、デュエルモンスターズが重要な役割を占めるようになった。

 

 

 

 

 

「神禽王アレクトールで"直接攻撃(ダイレクトアタック)"!"嵐の鉤爪(ストーム・オブ・クロウ)"!」

「うわぁぁぁっ!!!」

 

実体化する"幻影(ビジョン)"が、男の体を撃ち抜く。戦闘機のようなモンスターを従えていた少女は、落下して行く男を見下ろす。この少女もまた、デュエリストの一人だった。

 

「財前さん、こっちの任務は片したけど」

『流石だ、ご苦労。今日はそこまででいい、報酬は後日に渡す』

「了解」

 

だが、少女は個人的な目的で戦っているのではない。少女にとって、"決闘(デュエル)"とは仕事の一部だった。

 

"賞金稼ぎ(バウンティハンター)"───LINK VRAINSには、特定の個人や団体の依頼によって、報酬を受け取りながら活動する者達がいた。別に懸賞金を掛けられた者がいるわけではないが、報酬を得られる依頼だから擬似的な"賞金稼ぎ(バウンティハンター)"ということになる。

 

少女はとりわけ貧しい家庭で育ったわけでもないが、デュエルしながら金も手に入る。なかなかにコストパフォーマンスのいい職で、少女にとっては絶好の稼ぎ場であった。

 

「疲れた...」

 

少女は大きく欠伸をする。戦いの後だから無理もないのだが、先程まで空中でデュエルをしていた少女。体を休めるような場所はない。ログアウトすればいいはずなのだが、そうもいかないようだ。少女はボードを操って、LINK VRAINSの広場へと向かった。

 

 

 

 

 

LINK VRAINSは、中心部にターミナルがあり、その上空に仮想空間の中枢となるサーバーが存在する。そこから網状に広がる仮想空間の都市は、常に多くの人で賑わっていた。

 

少女はその中心のターミナルに降り立つと、周囲を見回す。すると、近くにいた一人の少年が少女の元に駆け寄ってきた。

 

「おーい!奏空〜!」

「お、悠じゃん。先に来てないのかと思ったよ」

「いや、俺も今来たばっかりだよ」

 

少年は少女を奏空と呼び、少女は少年を悠と呼ぶ。奏空と悠は現実世界の知り合いで、仮想空間であるLINK VRAINSでも、デュエリストとして交流を持っていた。

 

悠は奏空の姿を眺めると、何かに気づいたように口を開く。

 

「デュエルしてきたのか?」

「よく気が付くね?」

「いや、なんか疲れてそうだったからさ」

 

奏空は疲れている様子を見せたつもりは無かったが、どうやら見抜かれてしまったらしい。奏空は苦笑しながら、事情を説明する。

 

「いや、なんか急用の依頼が入ってさ」

「依頼?まだ"賞金稼ぎ(バウンティハンター)"なんかやってんのかよ...危険だって言ってるのに」

「説教はやめてよ...んで、なんでも依頼主様は情報を求めてるらしくてさ」

 

情報、という単語に悠は少し訝しげな顔をする。ネットワーク世界での情報が持つ意味は、現実世界のそれよりも遥かに大きい。なんせ、個人情報からアバターのデザインに至るまで全てが"情報(データ)"によって構成されているのだから。

 

「情報ってなんだよ?」

「ハノイの騎士のことだよ」

 

ハノイの騎士とは、かつてLINK VRAINSを攻撃したハッカー集団のことだ。それ自体は数多のデュエリストによって撃退されたのだが、未だ一部では活動が続いていた。

 

「今はそこまで攻撃的な連中でもないから私はほっといてもいいと思うんだけど...」

「でもハノイの騎士ってことは、なんか動きがあったんだろ?」

「もちろん、だけど今回はサイバース関連じゃないらしくてね」

 

サイバース族。デュエルモンスターズ25番目の種族であり、LINK VRAINS混乱の一因。だが、今回は別件だと奏空は話す。

 

「連中が追っているものは"P"だよ」

「P?なんだそれ、なんかのコードネームか?」

「うん、そういうこと。まぁ大体予想は付くけどね...」

「ペンデュラム召喚か」

 

ペンデュラム召喚。リンク召喚が主流であるこのLINK VRAINSではあまり見られない召喚法で、数々のデュエルに打ち勝った伝説のデュエリストであるPlaymakerが唯一使用していない召喚法でもある。そもそも、サイバース族のペンデュラムモンスター自体が存在しないのだが。

 

とは言え、デュエルモンスターズにある程度精通してれば知らないはずはなく、特に悠も驚いた様子は無かった。

 

「そう、なんで追っ掛けてんのかは不明だけどね...私が依頼主様から抜き取った情報は...あと、幻影っていう単語?」

「そいつは"幻影(ビジョン)"のことだろ?」

「さぁ...どうもそれだと引っかかるけど、今はいいや」

 

奏空は考えるのをやめた、と言わんばかりに手を振る。

 

「仕事上がりで疲れてるしね」

「それじゃあ...あれ?」

「なによ」

 

悠は奏空の顔を...ではなく、その先の空間を見ていた。奏空もその視線を追って後ろを振り向く。

 

その視線の先には、路地から周囲を覗いている白い服の人間───ハノイの騎士がいた。そのハノイの騎士は、こちらを視線にはっきりと収めており、薄笑いを浮かべていた。

 

「妙だな、ターミナルのど真ん中に用事があるような連中じゃないだろ...しかも笑ってるし、気色悪いな」

「強いて用事があるとすれば、向こうがこっちを狙ってきた可能性...かな。うん、ログアウトしよう」

 

奏空も悠も危険を感じたようだ。二人は手早く操作を行い、ログアウトを試みる。

 

[ERROR CODE 403]

 

「アクセス拒否...ログアウト防止プログラムか」

「でも狙われてんのお前だろ?俺が狙われる理由ないし...俺はログアウトするぜ」

 

[ERROR CODE 403]

 

「悠はサイバース使いじゃん、別に今回の件でなくとも狙われる対象でしょ」

「げぇ...やめてくれよ」

 

悠はあからさまに嫌な顔をする。ハノイの騎士に何か嫌な思い出でもあるのだろうか?何れにせよ、この状況を脱するための方法は一つだ。奏空はハノイの騎士の方へ真っ直ぐ歩いて行く。

 

「おいおい...デュエルか?」

「当然」

 

そして路地に立っていたハノイの騎士の目の前に立ち、毅然と言い放つ。

 

「何の用?ハノイの騎士さん」

「...御託は要らないという顔をしているな、貴様がSkyriderか」

 

Skyrider、それは奏空のアバター名だ。奏空はやはりか、という顔をする。彼女も"賞金稼ぎ(バウンティハンター)"である以上はハノイの騎士との戦いは想定していた。

 

「そうだけど、それが何か?」

「貴様、最近我々を嗅ぎ回っているようだが」

「仕事を投げ出したら小遣いが稼げなくなるからね」

「ふざけた女だ...いいか、忠告だ。我々にはRevolver様がいる。アカウントを消されたくなければ金輪際───「あのさぁ」

 

手を出すな、と言おうとしたのだろうか?そう奏空に忠告しようとするハノイの騎士を遮って、彼女は口を開く。

 

「わざわざ忠告しに来て、Revolverの威光を借りて抑えつけようってわけ?それとも、あんたの実力は大したことないって事実をわざわざ伝えに来たの?」

「なっ...な、なんだと貴様!」

 

奏空は挑発的な笑みを浮かべながら、ハノイの騎士に発破を掛ける。ハノイの騎士は見事なまでに少女の挑発に乗り、額に青筋を浮かべる。それを見ていた悠は、恐る恐ると言った感じでハノイの騎士に話し掛ける。

 

「あ、あのー...俺は帰りたいんですけど...」

「黙れ!貴様の始末は後だ!」

「え"...始末!?!?」

 

完全にキレているハノイの騎士にあっさりと殺害予告をされ、悠は愕然とする。ハノイの騎士は自分のDボードに乗り、上空へと浮かび上がる。

 

「デュエルだ、Skyrider!貴様に身の程を教えてやる!」

「これだから導火線の短い爆弾は困るね...だけど、挑むなら相手になるよ!」

 

一人で口を開けている悠を放り、二人はDボードに乗って上空へ浮かび上がる。そしてデュエルディスクを掲げ、高らかに宣言する。

 

 

 

 

 

「「スピード...デュエル!!!」」




スピードデュエルは、モンスターゾーンと魔法・罠ゾーンが三ヶ所ずつしかないレギュレーションです。ちなみにPゾーンは独立して存在している設定。なのでスピードデュエルでP召喚もできます。


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第二話:スピードデュエル

唯月奏空、アバター名Skyrider。LINK VRAINSのある賞金稼ぎは、ハノイの騎士に目をつけられてしまう。少女は自身の平穏を守るため、ハノイの騎士とのスピードデュエルを開始する。


「「スピード...デュエル!!!」」

 

 

Skyrider:《LP4000》

Hanoi:《LP4000》

 

 

「私から行かせてもらう!私のターン!」

「(データによれば、ハノイの騎士の戦術はアドバンス召喚主体の戦術...さて、どう来る?)」

 

スピードデュエルはマスターデュエルとは違い、モンスターゾーンと魔法・罠ゾーンが3つずつしか存在しない。また最初の手札は4枚、メインフェイズ2が存在しないなど大きく異なる。従って、どのような戦術を取るかも大きく異なるのだ。

 

また、マスターデュエルと大きく異なりスキルという特殊なシステムが存在する。スキルはデュエル中1度しか使えない反面、強力な効果を持つものが多い。

 

ハノイの騎士は手札を一瞥し、そして宣言する。

 

「...この手札なら貴様に勝ち目はない!私は手札からハック・ワームを2体、特殊召喚!」

 

☆1【ハック・ワーム】

闇属性/機械族/効果

Attack Position:400

 

☆1【ハック・ワーム】

闇属性/機械族/効果

Attack Position:400

 

「このカードは相手フィールドにモンスターが存在しない時、手札から特殊召喚できる!」

「なるほど、それがリリース要員ってわけか」

 

最初の宣言で少し面食らってしまったSkyriderだが、いきなり2体のモンスターを並べてきたハノイの騎士には感心する。しかし、ここまでがアドバンス召喚の布石であることは読めていた。

 

「私はハック・ワーム2体をリリースし、アドバンス召喚!現れよ、クラッキング・ドラゴン!」

 

☆8【クラッキング・ドラゴン】

闇属性/機械族/効果

Attack Position:3000

 

「さらにカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

Hanoi:《LP4000》

手札:0枚

モンスター:

【クラッキング・ドラゴン】

魔法・罠:

【伏せカード】

 

 

「...私のターン、ドロー!手札から、召喚僧サモンプリーストを召喚!」

 

☆4【召喚僧サモンプリースト】

闇属性/魔法使い族/効果

Attack Position:800

 

「このカードが召喚に成功した時、このカードを守備表示にする」

 

【召喚僧サモンプリースト】

Position:Attack→Defense

 

「ふん、だがここでクラッキング・ドラゴンの効果!相手フィールドにモンスターが召喚・特殊召喚された時、そのモンスターの攻撃力をレベル×200ダウンさせ、ダウンした数値だけダメージを与える!」

 

Skyrider:《LP4000→3200》

 

「くっ...だが、ここで召喚僧サモンプリーストの効果!手札の魔法カードを墓地に送り、デッキからレベル4のモンスターを特殊召喚する」

 

☆4【オネスト】

光属性/天使族/効果

Attack Position:1100

 

「再びクラッキング・ドラゴンの効果!」

 

【オネスト】

ATK:1100→300

 

Skyrider:《LP3200→2400》

 

「ちまちま痛めつけてくれるね...だが、レベル4の召喚僧サモンプリーストとオネストでオーバーレイ!」

「エクシーズだと!?」

 

オーバーレイ。Skyriderがそう宣言すると、Xの形をしたオブジェクトがSkyriderの背後に出現する。2体のモンスターが粒子となり、そのオブジェクトに吸い込まれていく。

 

「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」

 

エクシーズ召喚は馴染みのある召喚法ではあるが、スピードデュエルにおいてはエクストラデッキに依存するデュエリストは比較的珍しいため、ハノイの騎士は驚いた顔をする。

 

「暴風の轟が竜の咆哮となり、敵の企みを看破する!現れよ、ランク4!"竜巻竜(トルネードラゴン)"!」

 

★4【竜巻竜】

風属性/幻竜族/エクシーズ/効果

Overlay Unit:2

Attack Position:2100

 

「エクシーズ召喚...ふっ、だがその攻撃力ではクラッキング・ドラゴンには及ばない!」

「知ってるさ。私は竜巻竜の効果発動!オーバーレイユニットを一つ使い、相手フィールドの魔法・罠カードを1枚破壊する!」

 

ハノイの騎士の伏せカードは1枚。竜巻竜の起こす風がそれを捉える。

 

【竜巻竜】

Overlay Unit:2→1

 

「くっ...貴様の狙いはそれか!」

「その通り。これで安心して攻撃ができるね...装備魔法【エクシーズ・ユニット】を竜巻竜に装備!さらにフィールド魔法【エクシーズ・テリトリー】発動!」

 

ハノイの騎士はSkyriderを睨む。だがそんなことは意にも介さず、Skyriderはデュエルを進める。

 

「エクシーズ・ユニットの効果により、竜巻竜の攻撃力はそのランク×200アップする。さらにエクシーズ・テリトリーの効果により、ダメージ計算時のみ竜巻竜の攻撃力はランク×200アップする!」

 

【竜巻竜】

ATK:2100→2900

 

「占めて攻撃力3700...」

「おっと、これで終わりじゃないよ。私は魔法カード【鬼神の連撃】を発動!竜巻竜のオーバーレイユニットを全て取り除き、2回攻撃を可能とする!」

「くっ...貴様...」

 

【竜巻竜】

Overlay Unit:1→0

 

Skyriderの手札はゼロ。だが、この2回の直接攻撃が通れば彼女の勝利だ。

 

「バトル!竜巻竜でクラッキング・ドラゴンを攻撃!トルネード・ブラスト!この瞬間、エクシーズ・テリトリーの効果!」

 

【竜巻竜】

ATK:2900→3700

↓Attack

【クラッキング・ドラゴン】

ATK:3000

 

Hanoi:《LP4000→3300》

 

「ぐはっ...!き、きさま...」

「さぁ、次の攻撃で終わりだ!私は竜巻竜でダイレクト───」

 

竜巻竜が攻撃し、決着が付くと思われたその瞬間。ハノイの騎士は突然口角を挙げる。そして、Skyriderへの反撃に打って出た。

 

「そうは行くか!墓地の永続罠【光の護封霊剣】を除外して効果発動!このターン竜巻竜は直接攻撃できない!」

 

今まさに攻撃を放とうとしていた竜巻竜が光に包まれ、その力を失う。

 

「そんなカードを...」

「策に溺れたようだな、Skyrider!」

「くっ...これでターンエンド」

 

 

Skyrider:《LP2400》

手札:0枚

モンスター:

【竜巻竜】

魔法・罠:

【エクシーズ・ユニット】【エクシーズ・テリトリー】

 

 

「私のターン、ドロー!ここでスキル発動!【Force Down】!このターン、手札のモンスターのレベルは4つ下がり、フィールドのモンスターの攻撃力は半分になる!」

 

さも当然かの如く話しているが、レベル8までの上級モンスターをリリースなしで召喚できる。強力なスキルに、Skyriderは目を剥く。

 

「...中々チートなスキルだね」

「いくらでも言うがいい。私はレベル4となったデスペラード・リボルバー・ドラゴンを召喚!」

 

☆8【デスペラード・リボルバー・ドラゴン】

闇属性/機械族/効果

Attack Position:2800→1400

 

「バトルだ!この瞬間、デスペラードの効果!コイントスを3回行い、出た数まで相手フィールドのモンスターを破壊する!」

「運任せとはいえ、まぁ期待値はほぼ9割...」

「行くぞ...」

 

ハノイの騎士の前に現れたコインが回転し、やがて止まる。示されたのは───

 

「表、表、裏!では竜巻竜には消えてもらおう!」

「くっ...エクシーズ・ユニットは装備モンスターが破壊されたことで破壊される」

「デスペラード・リボルバー・ドラゴンで直接攻撃(ダイレクトアタック)!喰らえ!」

 

【デスペラード・リボルバー・ドラゴン】

↓Direct Attack

 

Skyrider:《LP2400→1000》

 

「これでターンエンド。この瞬間、デスペラード・リボルバー・ドラゴンの攻撃力は元に戻る。もう貴様に勝ち目はないようだな...」

 

【デスペラード・リボルバー・ドラゴン】

ATK:1400→2800

 

 

Hanoi:《LP3300》

手札:0枚

モンスター:

【デスペラード・リボルバー・ドラゴン】

魔法・罠:

無し

 

 

「...それはどうかな」

「ほう?」

「私がこんなところで負ける訳にはいかない...私のターン、ドロー!」

 

Skyriderはそう言って勢いよくカードをドローする。そして、引いたカードは───

 

「このターンで決着を付ける!墓地の魔法カード【錬装融合(メタルフォーゼ・フュージョン)】の効果!このカードをデッキに戻して、1枚ドロー!」

「何、そんなカードいつの間に!?」

「最初の私のターン、サモンプリーストの効果で送っていたのさ!」

 

ドヤ顔で説明するSkyriderと、愕然とするハノイの騎士。

 

「...だが、たった2枚の手札で...」

「何が出来る、そう思ってる?私は手札から急き兎馬を特殊召喚!このカードはカードが存在しない縦列に手札から特殊召喚できる!」

 

☆5【急き兎馬】

風属性/獣族/効果

Attack Position:2000

 

「続けてオーバーレイ・ブースターを特殊召喚!このカードは攻撃力2000以上のモンスターが存在する時、手札から特殊召喚できる!」

 

☆5【オーバーレイ・ブースター】

光属性/戦士族/効果

Attack Position:2000

 

「またエクシーズ召喚か...!」

「当然!私はレベル5のモンスター2体でオーバーレイ!」

「くっ...」

 

やっていることは同じ。だが、時によっては同じことを繰り返すことが勝利への近道だったりもする。2体のモンスターが重ね合い、新たな力を呼び覚ます。

 

「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!終局を飾る新たな守護者、"終焉の守護者アドレウス"!」

 

★5【終焉の守護者アドレウス】

闇属性/悪魔族/エクシーズ/効果

Overlay Unit:2

Attack Position:2600

 

「新たなエクシーズモンスター...だが、その攻撃力では...」

「果たしてどうかな?アドレウスの効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールドの表側表示カードを1枚破壊する!私が破壊するのは当然、デスペラード・リボルバー・ドラゴン!」

 

【終焉の守護者アドレウス】

Overlay Unit:2→1

 

これでハノイの騎士のフィールドはガラ空きだ、Skyriderは勝利を確信する。

 

「...だが、そいつの攻撃力は所詮2600!私のライフはまだ残る...!」

「それはどうかな?忘れてるようだね、私にだってスキルはある!」

「...何!?」

「スキル発動!【Magic Recycle】!デュエル中に一度、墓地の魔法カードを手札に戻す!私が選択するのは、エクシーズ・ユニット!」

「エクシーズ・ユニットの効果でアドレウスの攻撃力はランク×200アップする...まさか!」

「そのまさかだ!装備魔法【エクシーズ・ユニット】を、アドレウスを対象に発動!」

 

【終焉の守護者アドレウス】

ATK:2600→3600

 

「バトル!アドレウスで直接攻撃(ダイレクトアタック)!これで終わりだ!」

 

【終焉の守護者アドレウス】

↓Direct Attack

 

「私のライフは3300...そんな、馬鹿なぁぁぁぁぁ!!!」

 

Hanoi:《LP3300→0》

 

ハノイの騎士はそう叫びながら消えていった。

 

 

「ハノイの騎士も、ルールを守って楽しくデュエルだぞ!」




デュエル自体は三ターンで終わっているという...まぁ最初なので短めで。マスターデュエルの時は長く書くのでご容赦を。※間違いがあったので修正しました。


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第三話:未知との遭遇

よろしくお願いします。


ハノイの騎士を倒した翌日。Den Cityのある高校に、唯月奏空の姿があった。

 

「ふわぁ...ねむ...」

「おい、ちゃんと話聞けよ」

 

授業中だと言うにも関わらず堂々と寝ようとしている彼女を、隣の男の子───檜山悠がどつく。

 

「やだよ...あ、ほら、ブルエンも寝てる」

 

奏空はそう言って、教室の端にいる女の子を指差す。彼女はブルーエンジェルというアバター名でLINK VRAINSでアイドル活動をしていて、とても人気がある。最も、賞金稼ぎにそんなことは関係ないのだが。

 

「葵か...いや、だからってお前が寝ていいことにはならねぇよ?」

「うるさいなぁ...私は疲れてるの、精神的に」

「肉体的には疲れてないんだな、ほら起きろ!」

 

なんとか言い逃れようとする奏空だが、悠は容赦してくれない。そうしていると、不意に奏空のスマホにメールが飛んでくる。

 

「...んぁ?メールだ」

「授業中にスマホするなよ...」

 

画面ロックを解除して中身を確認すると、そこにはある文字があった。

 

「SOL...テクノロジー...」

 

半目の少女は朧気にその名前を呟く。だが何度もその言葉を脳内で反復させているうちに、だんだんと奏空の顔付きが変わっていく。

 

「SOL!?」

「うるさいですよ!」

 

ガタッ!と派手な音を立てて立ち上がる奏空。当然先生に叱られ、しぶしぶと言った感じで座る。

 

「やばいやばい、ちょっとこっそり抜け出してLINK VRAINS行かないと...」

「待てよ」

 

そう言ってそそくさと教室から出ようとする彼女を、悠は制止する。悠の手には、デュエルモンスターズのデッキが握られていた。

 

「...それ、私の?」

「お前、手を抜いてダミーデッキで戦おうとする癖があるからな、強敵と出会った時のためにちゃんと自分のデッキ持っとけよ」

「...ハノイの騎士との戦い、見てた?」

「当たり前だ」

 

呆れ顔の悠からデッキを受け取ると、奏空はジェスチャーでお礼を言い、こっそりと教室を抜け出して行った。それとほぼ同時に、同じ教室にいたブルーエンジェルこと財前葵と、伝説のデュエリストPlaymakerこと藤木遊作も教室から抜け出したのだが、それはまた別の話。

 

 

 

 

 

───ここはLINK VRAINS...その中枢たる管理室。この仮想空間はSOLテクノロジー社という会社によって管理されていて、この管理室も同様にSOLの管理下にある。

 

奏空はアバターに換装すると、すぐにこの場所へとやってきた。実は、ハノイの騎士の調査を依頼していたのもSOLテクノロジー社だったりする。

 

「指定された場所はここか...」

「来たか、Skyrider」

 

奏空が管理室に入ると、そこには既に一人の男性がいた。

 

「お、財前さん」

「今日君に来てもらった理由は...分かっているな?」

「なんか動きがあったの?ハノイの騎士に」

 

奏空はSOLの依頼によりハノイの騎士を調査していたのだが、これまで特に目立った動きはなかった。ハノイの騎士が一体何を追っているのか?そこが問題の要であったが、どうも目の前の財前という男はそれを知っている節がある。

 

「知っていることは教えてもらうよ」

「ああ、私も隠すつもりは無い。ハノイの騎士が探していたもの、それはAIだ」

 

AI、その単語が出てきたことに、奏空は怪訝な顔をする。

 

「...イグニス関係では無さそうだけど?」

「そうだ、今度のAIはイグニスではない」

 

イグニス...かつて存在した意思を持ったAI。ハノイの騎士が人工知能を脅威とみなす原因となった存在。だがそれではないと、財前は話す。

 

「イグニスでも無いのにハノイが?」

「連中は脅威と見なせば執拗に追い掛ける。今回のAIもまた、意思を持っている」

 

意思を持っている、その言葉に奏空は身構えざるを得ない。意思を持つAIの危険性は、もはやLINK VRAINSにいる人々全てが共有している純然たる事実であった。

 

「なるほどね、それで?」

「そのAIがLINK VRAINSの管理システムに侵入した」

「へぇ...え?」

 

軽く聞いていたら、突然の爆弾発言が財前の口から放たれる。あまりにも平然としすぎて、そこから放たれた言葉の重要性を飲み込むのに時間がかかってしまう。

 

「ヤバいじゃん!」

「そのために君を呼んだのだ。幸い、警戒システムを作動させて逆にそのAIを閉じ込めることに成功した。君には今からそこに向かって、そのAIを確保してもらう」

「...他の賞金稼ぎ(バウンティハンター)は?」

「出払っている。ハノイの騎士を迎撃するためにな」

 

未知のAIの確保なんてのは一番危険な任務の筈だが、どうやら貧乏くじを引いたのは自分らしい。奏空はそう思い、深々とため息を吐く。

 

「それって連中も狙ってるってことじゃん...まぁいいや、行動するなら早い方がいい」

「助かるよ、そのAIはサーバールームに閉じ込められている」

「そこに行けってことだね」

「君の突入と同時に警戒システムを解除する」

「了解」

 

短く返事をすると、奏空はデュエルディスクを起動する。悠から受け取った、奏空の本来のデッキをセットする。

 

「では、君を管理システムの内部に転送する。準備はいいな?」

「大丈夫だよ」

「よし...では、頼むぞ!」

 

財前がパソコンのEnterキーを押すと、奏空のアバターは管理室から消える。そしてこれが、AIとの長い付き合いの始まりになるのだった。

 

 

 

 

 

ここはLINK VRAINS───その中枢の中の中枢。全てのデータが管理されている、管理システム。その内部はデータマテリアルで構成されており、管理システムの心臓部となる部分にサーバールームが存在する。

 

そこには現在LINK VRAINSにアクセスしているプレイヤーの情報だけでなく、デュエルモンスターズに関する情報や、SOLテクノロジーが保持する全ての機密情報が保管されている。

 

それ故に強力なセキュリティが存在しており、普段はSOLの職員でなければ立ち入ることは無い───のだが、今日は特別だ。奏空はこのデータマテリアルの海に転送されると、すぐにDボードに乗って体勢を立て直した。

 

「よっと...」

『転送には成功したようだな。サーバールームへの道のりだが、データマテリアルの流れに沿って動けば、自ずと到達するように設計されている』

「へぇ、そりゃまた都合のいいことで」

 

データマテリアルは水のように流れているが、風のように直接触ったりは出来ない。流れに従わずに直接突っ込むことも出来なくはないが、大きな危険を伴う。わざわざ自分から危険を犯す必要はあるまい、奏空はそう思い、データマテリアルの流れに身を任せる。

 

すると、目的地はすぐに見えてきた。

 

「っと...あれかな?」

 

奏空の目の前には、巨大な立方体の構造物と、それを覆うように展開されているバリアがあった。あの中にサーバールームがあるのだろうか、奏空はそんなことを考える。

 

───例えるなら、まさに"一枚岩(モノリス)"。

 

『よし、近付いてきたな。準備が出来たらバリアを解除する』

「OK...じゃあ、いくよ...」

 

奏空はDボードを加速させ、バリアに突っ込んでいく。そして、Dボードがバリアに触れるか否かのところで───

 

『バリアを解除する!』

 

財前のその言葉と共に、構造物を覆っていたバリアが消失する。そして立方体の構造物の形も変化し、奏空の目の前に"入り口(ゲート)"が現れる。

 

奏空はその中に突っ込むと、Dボードを乗り捨てて地面に着地する。そこは広大な空間になっており、中央に大きなコントロールパネルがあるのみ。

 

「よっと...」

 

床に膝をつき、辺りを見回す。

 

『どうだ?いるか?』

「いや...」

 

誰もいない、そう言おうとした矢先。

 

「お姉さん、何してるの?」

「おわっ!?」

 

後ろから突然声をかけられ、驚いて振り向く。そこには、白髪の少年がいた。年齢は中学生くらいだろうか?奏空よりも一回りは小さい。AI、というような見た目ではなさそうだが...

 

『どうだ?いたのか?』

「...いた。君が管理システムに侵入したと噂のAIかな?」

 

財前への返答は短く済ませ、奏空は少年に質問する。出ているのは捕獲命令だが、そんなのいつでもできる。今はそれよりも、この少年AIの目的を掴む方法が大切だった。

 

「そうだよ」

「...なるほどなぁ〜...目的は?

「さぁね」

「私は荒っぽいことしたくないんだ、教えてくれないと困るなぁ...」

 

奏空は一見無害を装っているが、その実警戒心は全く緩んでいなかった。AIということは、この少年の姿だって仮の姿。いつ本性を現してもおかしくはなかった。いきなり脅しを掛けるのもどうかとは思うが、相手は人間じゃないということは忘れないでおかないといけない。

 

「知りたければ...まぁ、分かるよね。そのために、腕に"それ(ディスク)"を付けてるんじゃないの?」

 

少年は、奏空の付けているデュエルディスクを指差す。奏空はやはりか、と呟きながら、立ち上がり少年を見下ろす。少年も負けじと奏空を見上げる。

 

───つまり、解決方法は一つ。デュエルということだ。

 

「なるほど、わかりやすい答えだね...悪くない」

「僕に勝てたら、全ての事情を話すよ」

「へぇ〜、その発言忘れないでね?」

 

奏空は言質を取ったと言わんばかりに、少年に釘を刺す。そして二人はある程度距離を取って、お互いに構える。

 

「私の名はSkyrider。君は?」

「僕...僕はMonolith」

「モノリス...モノリス君ね。OK、それじゃあ行くよ!」

 

 

 

 

 

「「デュエル!!!」」




次はデュエル回。こんな風に非デュエル回とデュエル回を交互に繰り返していきます。


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第四話:輝く翼、光を超えて

真面目にデュエル。
スピードロイドvsクリフォートです


「「デュエル!!!」」

 

 

Skyrider:《LP4000》

Monolith:《LP4000》

 

 

「えーと...先攻は?」

「お姉さんからでいいよ」

「(怪しいなぁ...ともかく、ハノイの騎士からの情報だとこのAIはペンデュラム召喚を使う。なら...)」

 

奏空...もといSkyriderは、自身の手札を確認する。

 

「...私のターン!手札からSRベイゴマックスを特殊召喚!このカードは自分フィールドにモンスターが存在しない場合に特殊召喚できる!」

 

☆3【SRベイゴマックス】

風属性/機械族/効果

Attack Position:1200

 

「このカードが特殊召喚に成功した時、デッキからSR電々大公を手札に加えて...加えたこいつを通常召喚!」

 

☆3【SR電々大公】

風属性/機械族/チューナー/効果

Attack Position:1000

 

「スピードロイド...そしてチューナー...」

「現れよ、神速のサーキット!」

 

Skyriderの真上に、正方形のゲートが現れる。

 

「召喚条件は、風属性モンスター2体!ベイゴマックスと電々大公をリンクマーカーにセット!サーキット・コンバイン!」

「...シンクロ召喚じゃないんだね」

「物事には順序があるんだよ、モノリス君。リンク召喚!現れよリンク2、"HSR-GOM(ハイスピードロイド-ジーオーエム)ガン"!」

 

LINK-2【HSR-GOMガン】

風属性/機械族/リンク/効果

Marker:右下・左下

Attack Position:1000

 

「GOMガンの効果発動!自分メインフェイズに一度、手札から風属性モンスターを召喚できる!私はSRダブルヨーヨーを召喚!」

 

☆4【SRダブルヨーヨー】

風属性/機械族/効果

Attack Position:1400

 

「ダブルヨーヨーの効果!召喚成功時、墓地のレベル3以下のスピードロイドを特殊召喚できる!蘇れ、SR電々大公!」

 

☆3【SR電々大公】

風属性/機械族/チューナー/効果

Attack Position:1000

 

「そしてダブルヨーヨーに電々大公をチューニング!」

 

電々大公は光の輪となり、その中をダブルヨーヨーが突き抜ける。互いのモンスターが共鳴し、新たなモンスターを呼び覚ます。

 

「その美しくも雄々しき翼翻し、光の速さで敵を討て!"クリアウィング・シンクロ・ドラゴン"!」

 

☆7【クリアウィング・シンクロ・ドラゴン】

風属性/ドラゴン族/シンクロ/効果

AttacPosition:2500

 

「クリアウィング...」

「おっと、まだ終わりじゃないよ。GOMガンの更なる効果!EXデッキから風属性シンクロモンスターを除外し、レベルの合計が除外したモンスターと同じになるように、カード名の異なるSRを2体選択する。私はレベル4のHSR快刀乱破(かいとうらっぱ)ズールを除外!」

 

Skyriderはデッキから2体のモンスターを取り出すと、Monolithに見せる。

 

「レベル3、SRタケトンボーグ...レベル1、SR赤目のダイス...」

「そして、このカードを相手はランダムに選択する」

 

Skyriderは2枚のカードをシャッフルし、Monolithに選ばせる。

 

「...まぁ、どっちを選んでも大して変わらないけどね」

「じゃあ、こっち」

「OK、私はSR赤目のダイスを手札に加え、タケトンボーグを墓地に送るよ...そして、墓地の電々大公の効果!このカードを除外して、手札の赤目のダイスを特殊召喚!」

 

☆1【SR赤目のダイス】

風属性/機械族/チューナー/効果

Attack Position:100

 

「そしてクリアウィングに赤目のダイスをチューニング!神聖なる光蓄えし翼煌めかせ、その輝きで敵を討て!"クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン"!」

 

☆8【クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン】

風属性/ドラゴン族/シンクロ/効果

Attack Position:3000

 

「...これがお姉さんのエース?」

「その通り」

 

水晶の翼は、見るものの心を震わせる。Skyriderの名前に相応しい、空を翔けるモンスターだ。

 

「さらにカードを1枚伏せてターンエンド」

「レベル8...なるほどね」

 

 

Skyrider:《LP4000》

手札:2枚

モンスター:

【HSR-GOMガン】【クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン】

魔法・罠:

【伏せカード】

 

 

「ところでさ、さっきお姉さんのデータを調べたんだけど...そのデッキ」

「以前は使ってなかったね。このデッキはリアルの方で使ってたんだ...だからこっちが私本来のデッキだよ」

「なるほどね、じゃあ僕のターン、ドロー!」

 

Monolithは勢いよくカードをドローする。

 

「(しかしこの少年、本当にAIなのかな?どちらかと言えば霊体...精神体のような...)」

「僕は【クリフォート・ツール】と、【クリフォート・アセンブラ】で、ペンデュラムスケールをセッティング!」

「クリフォート...」

 

【クリフォート・ツール】Scale:9

 

【クリフォート・アセンブラ】Scale:1

 

クリフォートというカテゴリなのだろうか?機械的な見た目だが、どこか異質なものを感じる。まるで、エラーを起こしたような...そんな、異質な雰囲気。

 

「これでレベル2から8のモンスターが同時に召喚可能!」

「ペンデュラム召喚...だけど、対策はちゃんと用意してるよ」

「...対策?」

「罠カード【次元障壁】発動!モンスターの種類を一つ宣言して、その種類のモンスターの特殊召喚を封じ、効果も無効にする!私はペンデュラムモンスターを指定するよ」

 

Skyriderはドヤ顔と共にポーズを決めるが、Monolithは平然としていた。

 

「...寧ろ都合がいいね、僕はクリフォート・ツールのペンデュラム効果発動。ライフを800払い、デッキからクリフォートカードを手札に加える」

 

Monolith:《LP4000→3200》

 

「そして手札に加えたフィールド魔法【機殼の要塞(クリフォートレス)】を発動。通常召喚に加えて一度だけ、クリフォートモンスターの召喚権を得るよ」

「...へぇ、中々に...」

「そしてクリフォートモンスターはリリース無しで召喚できる。僕はクリフォート・アーカイブを召喚」

 

☆6【クリフォート・アーカイブ】

地属性/機械族/ペンデュラム/効果

Attack Position:2400

 

「リリース無しで召喚したこいつの攻撃力は1800になる...だけど、その効果は次元障壁により無効」

「なるほど...だけど、それじゃクリスタルウィングには届かないね」

「...クリスタルウィングに攻撃しなければいいだけの話だよ。バトル!クリフォート・アーカイブでHSR-GOMガンを攻撃!」

 

【クリフォート・アーカイブ】

ATK:2400

↓Attack

【HSR-GOMガン】

ATK:1000

 

Skyrider:《LP4000→2600》

 

「くっ...中々やるね」

「お褒めに預かり光栄だよ」

 

Monolith、という名前の通り性格まで謎めいている。そしてさらに謎めいたモンスター、クリフォート。機殼の精霊、とでも形容すればいいのだろうか?だが、Skyriderは直感していた。

 

まだMonolithはエースを出していない、と。

 

「カードを3枚伏せてターンエンド」

「全伏せ...圧が強いね」

 

 

Monolith:《LP3200》

手札:0枚

モンスター:

【クリフォート・アーカイブ】

魔法・罠

【機殼の要塞】【クリフォート・ツール】【クリフォート・アセンブラ】【伏せカード】【伏せカード】【伏せカード】

 

 

「それじゃあ私のターン、ドロー!...よし、行くよ!私は魔法カード【スピードリバース】発動!墓地のベイゴマックスを特殊召喚する!」

 

☆3【SRベイゴマックス】

風属性/機械族/効果

Attack Position:1200

 

「ベイゴマックスの効果!デッキからダブルヨーヨーを手札に加え、召喚!」

 

☆4【SRダブルヨーヨー】

風属性/機械族/効果

Attack Position:1400

 

「ダブルヨーヨーの効果!墓地のレベル3以下のスピードロイドを特殊召喚するよ、蘇れ、SR赤目のダイス!」

 

☆1【SR赤目のダイス】

風属性/機械族/チューナー/効果

Attack Position:100

 

「...そして、注目!私の新たなエースを、今から呼び出すよ!」

「新たな...エース?」

「その通り!私はベイゴマックス、ダブルヨーヨーに赤目のダイスをチューニング!」

 

3体のモンスターが共鳴し、同調する。

 

「その雄々しき双翼翻し、神速となり飛翔せよ!シンクロ召喚、"HSR(ハイスピードロイド)カイドレイク"!」

 

☆8【HSRカイドレイク】

風属性/機械族/シンクロ/効果

Attack Position:3000

 

「このカードがシンクロ召喚に成功した時、相手フィールドの全ての表側表示カードの効果を無効にする!」

「...クリフォート・アーカイブのレベルは6。その効果は受ける」

「よし、バトル!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンで、クリフォート・アーカイブに攻撃!そしてクリスタルウィングの効果!」

 

【クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン】

ATK:3000

↓Attack

【クリフォート・アーカイブ】

ATK:2400

 

「このカードがフィールドのレベル5以上のモンスターとバトルする時、その攻撃力は相手モンスターの攻撃力分アップする!」

 

【クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン】

ATK:3000→5400

 

「そうはいかない!罠発動!【ガード・ブロック】!自分へのダメージを0にして、カードを1枚ドローする!」

「ダメージ無効...だけど、攻撃は無効になっていない!行け、クリスタルウィング!烈風のクリスタロス・エッジ!」

 

クリスタルウィングの水晶の翼が、異質な機械(クリフォート)を打ち砕く。

 

「続けてHSRカイドレイクで、直接攻撃(ダイレクトアタック)!疾風のブレイドストーム!」

 

【HSRカイドレイク】

↓Direct Attack

 

Monolith:《LP3200→200》

 

「うわぁっ!」

 

Skyriderのモンスターが放った攻撃は、Monolithを直撃する。光が辺りを包み、少年は吹き飛ばされ地面に倒れ伏す。精神へのダメージは相当なはずだ。

 

少年はふらつきながら、なんとか立ち上がる。

 

「くっ...まだだ...!」

「待って!」

 

未だ戦う気力の失せない少年───Monolithを、Skyriderは静止する。Skyriderは、既に躊躇いを覚えていた。

 

「...なに?」

「もうやめよう、モノリス君。私が君の身の安全を守るから...」

降参(サレンダー)してくれって?」

「...うん、君はまだ未熟なAIなんだ」

 

Skyriderは───いや、奏空は、仮にもAIとは言え、少年が目の前で倒れるのを見ていることは出来なかった。見た目に惑わされた訳では無い。恐らく、少年はまだ未熟なAIなのだろう、そう思った。

 

だが、少年の反応は違った。

 

「僕の心配ならいらない。機殼の精霊はこんなところで僕を見捨てたりはしない!」

「...モノリス君...」

「それに、お姉さん達は大きな勘違いをしているよ...なぜなら、僕はAIじゃない」

 

Monolithは、真剣な顔で爆弾を投下する。それは奏空にとって、とても驚くべき事実だった。

 

「え...いや、でもデュエルの前に...」

「その時はそっちの方が話が円滑に進みそうだったからね。どうせ真実を話しても受け入れてくれなさそうだし...」

 

Monolithは、つまり嘘をついていたということになる。それだけでも人間味が出るとはいうものだが、いずれにせよ正体を知らないといけない。奏空は、改めて少年に問い掛ける。

 

「...真実を話して。私は全てを受け入れる。君の正体は...何?」

「僕の正体...」

 

少年は深呼吸し、ゆっくりと告白する。

 

 

 

「僕は、異世界からやって来たんだ」




おい、デュエル終わってねぇぞ...次回も跨ぎます。
ミスは無いようにチェックしましたが、なんかやらかしてたらコメントお願いします。


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