五等分の花嫁 皆の内緒話。 (扇 漱真)
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五等分の花嫁 五月

風太郎と五月の内緒の話。


「は?五月以外全員いない?」

「はい....すみません....私以外今日は仕事で」

 

申し訳なさそうに五月が謝る。

 

「いや、お前のせいじゃないさ。しょうがない。今日は帰るか」

 

と言って、ドアに手をかけると、

 

「あ、あの....」

 

五月に止められた。

 

「ん?なんだ、五月」

「あの、数学で分からない所があるので、出来れば教えて頂ければ......」

 

その言葉に風太郎は感動を覚えた。

 

「おぉ、おおおお....」

 

その場で泣き崩れた風太郎を見て、五月はドン引いた。

 

「え....き....」

 

キモい、と言いかけて口を止めた。そして、風太郎は勢いよく立ち上がると、五月の肩を掴んだ。五月は怖くてビクリと身体を弾ませた。

 

「しよう!勉強!」

「........はい」

 

何故だか自分で頼んだのに渋々になってしまった。

 

・・・・・・・

 

「よし、大体テスト範囲はここまでだろ。お疲れ五月」

「っふぅ、ありがとうございました。上杉さん」

 

数学のテスト範囲で五月がなるべく解きやすい場所を分かりやすく解説し、授業は終わり。時刻を見ると7時を回っていた。

 

「二時間も経ってたのか。大丈夫か?目とか疲れてないか?」

「え?あ、はい。大丈夫です」

「?」

 

なんとなくだが、素っ気ない感じ。いや、いつもこんな感じだが、今日は素で素っ気ない感じだった。でも、五月の目は何かを『期待』しているような。そんな感じ。

 

「あの、『上杉君』」

 

と、服の裾を摘んできた五月。いつもの声色とはあきらかに違う声、そんな五月にドキッとしながらも風太郎は答えた。

 

「な、なんだ?五月........っ!?」

 

トン、と五月が身体を風太郎に預けてきた。更には風太郎の手がいつの間にか五月と恋人繋ぎになっている。

風太郎はあまりにも唐突な出来事に固まってしまった。

 

「まだ、少し時間.....ありますか?」

「え?」

 

・・・・・・・

 

「んぅ....んっ....んふ....」

 

あれから二十分ぐらいだろうか、互いの口内を舐め回すキスをしている。最近の五月は他四人の目を盗んで、こんな風に甘えてくる時がある。こうして、五月から仕掛けてきた時は、キスの最中は頭や背中を優しく撫でると五月は喜ぶ。

 

「ん....んん....ップは!、はぁ.....はぁ.....」

 

肩で息をしながら、潤んだ瞳でこちらを見つめてくる。

「もう終わりですか?」の目だ。風太郎はイケナイと分かっているが、その五月の心に答えようとする。

 

「五月ッ.....!」

「あ.....んっ」

 

そのまま五月を押し倒して、腰へ腕を回す。

五月も風太郎の首へ腕を回す。風太郎自身もご無沙汰だったため、止まることが出来ない。

 

「っ!?....や....風太郎くっ.....そこっ.....ぅん!」

 

空いている手はゆっくりと五月の服の中に。ブラジャーの上から胸を撫でる。

 

「(あ、これ、いいかも....下着の上から撫でられるの好き....)」

 

五月は自分の足を風太郎の足に絡ませ、離さない。むしろ、強く自分の方へ引く。

 

「っは、五月、息もたないからっ.....」

「だめです、まだ足りないんですから.....はぁんむっ」

 

頬張るキス。

五月の口から容赦なく入り込んでくる舌。キスの最中なのに五月の嬉しそうな声が聞こえる。

 

「んふふ.....ふうたろうくぅ〜ん.....」

 

お互い酒にでも酔っているような感覚。目が垂れてきた。五月の腕も少し力が抜けている。これを機に風太郎は少し体を起こす。

 

「悪い、五月。俺も限界だ」

「えぇ〜、風太郎さん意外と根性なしですね」

 

余裕ぶって、笑いながら、五月は風太郎の頬を指で突く。風太郎は少し眉間にシワを寄せると、そのまま膝で五月の秘裂をノックする。

 

「ひぅ!」

「キスだけでこんなになってるやつに言われたくないな。それに今回はお前からだろ?五月」

 

風太郎が膝を離すと糸を引いた愛液が染みになっていた。そこから五月の顔色を伺うと、恥ずかしそうに真っ赤に染まっている。

 

「.....あんまり、見ないでくださいね.....」

「お前、それ毎回言うよな」

「しょ、しょうがないじゃないですか!見られたくないんですよ、ほんとは.....」

「?、なんで?」

「だって、汚いし」

「お前だって俺の舐めた事あるだろ?」

「〜〜〜っ!と、とにかく恥ずかしいんです!」

 

ポカポカと駄々をこねる子供のように風太郎の胸を叩いてくる。可愛い。そして風太郎は少し考えると、

 

「.........分かった。今日は見ないでやろう」

「へ?.....わっ!」

 

五月はいきなりうつ伏せに体勢を変えられた。

 

「ちょ、ちょっと風太郎君、これは.....」

「ん?見ないでやるんだよ。今日は」

 

風太郎は言うと、五月の太もも辺りを撫でてきた。

反対の手はそのまま胸を触っている。

 

「んっ.....あ.....」

 

ゆっくりと太ももの手が五月の下着に触れる。

 

「あっ.....っん.....」

 

下着の上から、割れ目を確かめるように指を上下させる。風太郎は割れ目を見つけると、少し指を曲げて、下着の上から押し込む。

 

「っあう!」

「(ここか....?)」

「んっ....っ.....ぁ.....」

 

押し込んだ指で少しだけ擦る。五月は声を抑えている。

更に指を強くすると、五月は顔を下に埋めた。

 

「うんっ!.....や.....風太郎君、まってぇ.....あっ.....」

「あ?ここか?」

 

それらしきところに指を沈める。

 

「あっ!.....っ♡.....」

 

五月の顔色を伺うと、どうやらそこらしい。

 

「っ.....脱がすぞ?」

「..........うん」

 

下着に手をかけてそのままスルスルと脱がしていく。下着は愛液ですぶ濡れになっている。手に触れて分かるほどに濡れている。五月もご無沙汰だったのは同じなようだ。

 

「一人でしないのか?お前」

「しませんよ.....そんな、恥ずかしい.....」

 

顔を赤くして背ける。そんな五月にも風太郎は昂ってしまう。風太郎は五月を抱き寄せ、指を絡ませ手を握ると、自分のイチモツを当てがった。

 

「あ.....」

「いくぞ」

「っ..........」

 

ズブズブと、ゆっくり入ってくる。奥へ行く度次第と握る手の力が強くなる。風太郎の方が押し込んではいるのだが、五月の方も腰を風太郎の方へ動かしている。

 

「あ.....んっ.....おっき.....」

「(膣、熱.....)」

 

お互いの熱のある息を感じながら、風太郎はゆっくり進めていく。

 

「んっ.....」

「奥、着いたな」

「っはい、すみません、今は辛いのでもう少しこのままで.....」

「あぁ.....」

 

こんな風にしてるとき、風太郎はいつも思い出してしまう。

それは、他の生徒と楽しそうに話している五月の姿だった。

風太郎も自分で呆れていた。別に恋人までの関係でもないのに、五月を感じている時に限ってこんな考えが出る自分に。あの笑顔も、あの優しさも、あの真面目な顔も、あの食べている時の幸せそうな顔も、あの心配も、本当なら自分だけのものでは無いはずなのに。

 

「(お前は.....)」

 

こんな考えをしてはいけないなんて分かっている。

何故なら、二人は家庭教師と生徒。そして、同級生。

同じクラスで頑張る生徒だ。

 

「(それなのに俺は.....)」

「また、余計な事考えてますね?」

「はへ?」

 

強いとも言えない微妙な力で風太郎の頬をつねってきた。五月はなんだか、頬を膨らませている。

 

「何を考えいたんですか、私の目の前で」

 

風太郎は目を細めると、五月をまた少し抱き寄せて耳元で小さく呟いた。

 

「お前を俺のものにしたいと思った」

 

それを聞いた五月は、顔が爆発するかのように赤くなった。

 

「な、何を.....」

「そうだな、ホントに意味がわからん。だが、今この瞬間が、終わらなければいいと思ってる」

「風太郎君.....」

 

五月は仰向けに直ると、風太郎の頬に手を添えた。

 

「実は私も、同じ事を考えていました」

「っ!」

「こんな風に風太郎君と繋がったまま、時間が進まなければいいと。ずっと二人の時間がいいと思っています」

「五月.....」

「でも、そんな事は叶いません。だから、どうか.....今だけ、今この瞬間だけでいいので、私を.....ん」

 

五月からのキス。

それ以上は言わない。それ以上は言いたくない。

何故なら、五月の気持ちは姉妹五人全員同じだから、これ以上を求めたら、自分がどうにかなってしまいそうで。

風太郎の名前を呼ぶ度に姉妹の顔もノイズの様に浮かび上がってくる。

 

「あっ.....やっ、ん.....やだ、声でちゃ.....ひぁ.....」

「出せばいいだろ、アイツらいないんだ」

 

こんな情けない声を聞かれたくない。

でも、こんな情けない声は彼だけに聞かせたい。

なんとも言えぬ不思議な感覚。自分を犯している風太郎の必死な顔を見ると、何故だか愛おしく見えてくる。

それくらい自分を求めているのだと。考えてしまう。

 

「風太郎君っ.....キス!.....キスしてください!」

「っ、あぁ」

 

両手を広げ風太郎を迎えると、さっきよりも強く風太郎を繋ぎ止めた。離したくない。離れたくない。今は貴方を感じていたい。

それは、二人とも同じだった。

 

「五月っ、そろそろ持たなっ.....い!」

「は....いっ、私もっ.....ぅあ!き.....ちゃ、あっ、やっ、っ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」

「っ、ん、ぐっ!」

 

脈打ち注がれる、五月への愛は割と長めに注がれた。二人も注がれている間は抱きしめ合って離れなかった。

 

「はぁ.....はぁ.....はぁ.....」

「はぁ.....はぁ.....んっ....あ、ふふっいっぱい.....」

「やめろ、言うな」

「んっ.....」

 

最後に口封じのキス。

 

・・・・・・・

 

「まだ、帰ってきませんね」

「あぁ」

 

事を終えた二人はとりあえず服を着て、待っていた。

さっきの事を思い出すと、また不慮の事故が起きてしまうので、ノートを広げながら。

 

「あの.....風太郎君.....?」

 

覗き込むように五月は風太郎を呼ぶ。

 

「なんだ?五月」

 

顔をこちらに向けずに風太郎は答える。よく見ると顔が赤い。

 

「もう少し、そっちに寄ってもいいですか?」

「っ、お前っ.....あ〜、ダメだ。来い」

「♪」

 

意地を張って我慢する事にバカバカしくなった風太郎は五月を隣に寄せた。

 

「さっきの言葉。嬉しかったです。『お前を俺のものにしたい』って」

「.....それは.....」

「いいんです、ホントでなくても。考えていた事は同じですから」

「 .....」

「だから.....んっ」

 

遮るように風太郎は口封じのキス。

 

「ぁ.....」

 

そして、そのまま五月の胸を掴む。

五月が離れようとしても、離さない。風太郎は腰を掴んで、自分の方へ引く。

 

「風太郎君っ.....」

「すまない。五月。だが、今のはお前が悪い」

「え、いや、もう無理っ.....んぅ!?」

 

その後、帰ってきた四葉に見つかったのは内緒の話。

 

終わり。

 




「五月!上杉さんといつからあんな感じったです!?」
「四葉、いいから、言わないで」(布団に包まる五月 )


変換で「いつき」って打っても「五月」って出ないのは何故.....


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五等分の花嫁 五月2

五月第二弾。
え?他の子はまだかって?
(そそくさ)


「あれ?上杉君。早かったですね」

「あぁ、らいはがお菓子持ってけって、作ってくれてな」

 

出迎えてくれたのは五月。そして、今日は家庭教師の日。らいはが「いつも何も持っていかないのは、めっ」と、言って、お菓子を作ってくれた。

 

「らいはちゃんのお菓子.....」

 

五月は受け取ると目を輝かせる。

 

「すぐにお茶入れますね!」

「あ、おい!まずは勉強しろ!.....ったく」

 

風太郎も中野家へ上がり、居間で荷物を下ろす。

 

「.....」

 

なんともなしにお茶を入れている五月を見る。私服の彼女を見たのは久しぶりだ。前の不慮の事故から、まだそんなに日は経っていないが、ついつい、目に入れてしまう。五月を見るとあの日の五月をフラッシュバックしてしまう。

 

「〜〜っ、はぁ.....」

 

風太郎は深くため息を吐くと、五月の方へ歩を進めた。

 

「五月」

「はい?.....え?」

 

そのまま、後から抱きしめた。鼻に触れる甘い香りと、女性の香り、サラサラの髪の毛。ふくよかな体。

まるで、本当の恋人のように抱きしめる。

 

「風太郎君?」

 

五月は抱きしめる風太郎の手に自分の手を重ねて振り返る。

 

「.....」

「あの、えと.....」

 

満更でもない五月はもう少し堪能したかったが、風太郎の腕を引き剥がした。

 

「っあ.....わ、悪い!五月!その、これは.....」

「あ、いえ!違います!嫌という訳ではなくて、その.....嬉しいですけど、まだ皆寝てるので。その.....するのでしたら、キスだけでお願いします」

 

と、言いながら五月は両腕を広げて迎え入れる準備をした。風太郎もそれを見て我慢が出来なくなり、飛びつくように五月に包まれた。

 

「ん.....っは、ぁん.....んにゅ.....」

 

唇を押し付け合うキスから、互いの口の中に舌を入れ始める。抱きしめ合うのは何度目か。だけど、飽きることは無い。むしろ、もっと欲しがる程に愛おしくなる。

 

「ん.....ふふっ」

「?、なんだよ急に」

「いえ、なんだか必死そうで可愛く見えまして」

「っ.....そんなにがっついてるつもりはなかっんだが」

「それにしては、いきなり後ろからギューしてきましたよね?」

「う.....」

「ほーら、必死だ♪」

 

五月らしからぬ言葉が少し飛んできた。それは五月が風太郎に素直になっている証拠。風太郎も、そんな五月をまた抱きしめる。

 

「んむっ」

「そら、今度は正面からだぞ」

「〜♪」

 

五月が嬉しそうに顔を風太郎の胸に擦り付けると、五月のお尻が掴まれる感触。

 

「っあ.....やっ、風太郎君.....んっ」

 

さらには、ついでのように顔を上げてキスを仕掛けてきた。そのまま、押し付けるかのように抱き寄せる。五月も風太郎を掴む腕が次第に強くなってゆく。

何度もしているのに、こんなにする度に足りなくなるのは困りものだ。

 

「〜〜っは.....はぁ.....はぁ.....皆、起きちゃいますから.....続きはまた.....あ.....」

 

息が持たなくなり離れようとすると、五月が自分に当たるもう一本の風太郎に気づいた。

 

「あ.....っ....すまん」

「..........えっち」

「っしょうがないだろ。あんだけしたんだからな」

「むぅ.....」

「......なぁ、ダメか?」

 

五月の頬に手を添えて、切なそうに風太郎は聞いてくる。五月はそんな風太郎を見て、ゾクッ、と自分にスイッチが入ったような感覚に苛まれる。

 

「ずるいですよ......風太郎君」

 

五月は風太郎と手を繋ぐと、上目遣いで風太郎を見た。

 

「そんなの....断れないじゃないですか」

 

・・・・・・・

 

「んっ.....っは.....はんっ.....んん.....んふぅ.....んっ、あっ.....」

 

濃厚なキスを交わしている内に風太郎は五月の秘裂に手を伸ばしていた。

 

「んんっ!.....あっ.....そんなっ.....指、入れるのは早っ.....んっ!」

「声抑えろ、バレるぞ」

「〜〜〜〜っ.....」

 

五月は自分で口を抑える。

 

「っはは、指二本は余裕だな」

「っ!、ん〜ん!!」

 

風太郎が言うと、五月は目つきを鋭くして風太郎を睨む。でも、顔は赤い。五月にとってはかなり恥ずかしいとは風太郎も分かっている。風太郎も微笑すると、指を抜いた。

 

「可愛いな、お前は」

「っ.....今そんなこと言わないでくださいよ」

「思ったことを言っただけだぞ?」

「今言わないで欲しかったんです」

 

じゃあいつ言えばいいんだよ。

危うく口から出そうになったが、言ってしまったら五月の機嫌を損ねてしまうので心の奥に閉まっておく。

 

「足、少し上げるぞ」

「はい」

 

片足を上げて、下着をずらして押し当てる。

 

「いくぞ?」

「っ.....うん」

 

五月の同意を聞くと、そのまま五月中へ押し込む。

 

「ゃ、あ、あああぁ.....」

 

中へ侵入してくる風太郎を感じる度に声が出てしまう。

必死に抑えるが、余りにも強い快感に声が漏れてしまう。風太郎がその声に興奮してしまい、少しだけ強く腰を打ちつける。

 

「っあん!.....んっ」

 

ひときは大きい声が出てしまったので、風太郎は慌てて五月の口を抑える。

 

「声がでかい、アイツら起きるんだろ?」

「す、すみません。でも風太郎君がイケナイんですよ。いきなり動くから.....」

「それは謝る」

 

繋がっている部分を見る五月の息がどんどん荒くなっていく。そのまま、壁に背を預けると五月が小刻み腰を動かし始めた。

 

「風太郎君.....しないんですか?」

「っ!」

 

五月の甘い誘いが風太郎に刺さる。まるで毒のように体に染み入ってくる。

少し体を押し付けると、五月は風太郎の首に腕を回してきた。風太郎もしっかりと五月の腰を支える。

 

「動くぞ.....」

「うんっ.....!.....っあ、やっ、っ.....んっ、んっ、んっ!」

 

壁に寄りかかった、五月をノックするように腰を振る。五月の膣がノックの度に締め付けてくる。その快感はそれはもうたまらない。引き抜くと、五月の膣が吸い付いてきて少し秘裂がめくれてしまう程吸い付く。

 

「五月っ.....五月っ.....!」

「あっ、あっ、ふぅ....たろっ.....くん.....っ!」

 

風太郎も力が抜けてきて、壁にもたれかかってしまう。

 

「んっ.....んふぅ.....んむ.....」

 

それを狙ってか、五月はキスを仕掛けてきた。

舌を絡めるキスのせいで二人とも限界に達していた。

 

「五月っ.....そろそろ出るっ.....」

「はいっ、出してっ.....出してっ!受け止めますから!」

 

ゾクゾクと背筋に快感が走り、一層強く腰を打ち付ける。脳が溶けていくような感覚。頭がぼぅっとして何も考えられない。今は五月だけが目に入って、五月だけを感じる。

 

「っ、くっ、あっ、あっ、あっ、ひっ.....っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

「うっ.....ぐっ.....!」

 

五月への愛が注がれる。五月も風太郎をしっかり抱きしめて果てた。互いに息が荒くなり、力なくゆっくりと床に座り込んでしまった。

 

「結局.....最後まで.....」

「悪い.....五月.....」

「いいんです.....んっ」

 

終わりのキスをして二人の不慮の事故がまた一つ増えてしまった。

 

・・・・・・・

 

授業を終えて.....

 

「今日もありがとうございました。上杉君。またよろしくお願いしますね」

 

今日の家庭教師の時間が終わり、風太郎の見送りついでに買い物へ来ていた五月と共に帰り道を歩く。

 

「あぁ、まぁテストまでは時間あるし焦らないで勉強すれば大丈夫だろ」

「.....」

「.....」

 

沈黙が二人を包む。いつまでも体だけの関係を続ける訳にはいかない。前々から、決めていた。どんな答えが帰ってこようと、必ず伝えると。

 

「五月」

「?、はい」

 

少し前を歩いていた五月が振り返る。

 

「いつまでも朝みたいな事故ばかり起こしてちゃ、いけないと思うんだ。だから、五月.....」

「.....」

「五月、俺と.....ん」

 

言おうとした。言おうとしたのだ。だが、言えなかった。帰ってくる答えを知っていた訳ではなかった。なのに、『言わせて貰えなかった』。

五月は風太郎の口を人差し指で塞いだからだ。

 

「その気持ちは、嬉しいです。とっても。でも、風太郎君が言うセリフではありません。元はと言えば私からだったので。ですから言わないでください」

「五月.....」

「風太郎君のその言葉の続きは、私から伝えるから」

 

笑顔と共に風太郎の言葉。続きはどうやら彼女が伝えてくれるらしい。風太郎は口元を緩めると。五月を、抱き寄せてキスをした。

 

「待ってる」

「うん」

 

風太郎は待つことにした。

その掌にある温もりが再び自分と彼女を繋げてくれると信じて。

 

 

終わり.....。




あの五月の謎の人妻感.....感じる.....感じない?


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