魔法少女リリカルなのはSUPER ~心優しき超戦士~ (バタモン)
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第1話 目覚め

 初めての事で至らぬ点などたくさんあると思いますが最後までお付き合いいただけると幸いです。




―――惑星バンパ

 

ブロリー「俺、もうすぐ死ぬんだな・・・」

 

 そんなことを思いながらブロリーは1人呟いていた。

 惑星バンパという人間がほとんど住んでいない星にある洞窟でブロリーはベッドに横たわっていた。

 

ブロリー「あの時のチライとレモも・・・こんな感じだったのかな」

 

 チライとレモ。二人は初めて地球に行って戦った後、惑星バンパで彼と共に生活していた。彼にとって父パラガス以外で唯一の家族と言っても過言ではない。そんな二人も数年前にブロリーよりも先に息を引き取った。

 

ブロリー「あの世に行けば二人に会えるかな・・・久しぶりに会いたいな・・・」

 

 ブロリーは目を閉じて今までの事を思い出していた。初めてチライとレモに出会ったこと、フリーザ軍と共に地球に行きそこで悟空とベジータと戦ったこと、地球での戦いの後チライとレモと共に惑星バンパで静かに暮らしたこと、ときどき様子を見に来ていた孫悟空と修業や手合わせをしたこと、そして、数十年前にドラゴンボールと共に姿を消してしまったという彼の事を。

 ちなみに、悟空の事は彼が神龍と共に旅立ったあと惑星バンパに来たベジータと界王神から話を聞いている。

 

ブロリー(カカロット・・・もしもあの世にいるのなら・・・また戦いたいな)

 

 彼もやはりサイヤ人だからか気づけばそんなことを考えていた。悟空やベジータと会うまではパラガスのために強くなっていたが、二人と戦ってからはチライやレモを守るためでもあったが、戦うことと強くなることの楽しさを知ったのだ。

 

 

 そして、彼はそのまま息を引き取った。

 

 

 

 

―――海鳴市

 そこはビルのような建物がある都会のような雰囲気と、海や山のような自然がある少し田舎のような雰囲気が共存しているような地方都市だ。

 

???「ふぅ、たまにはこうして朝の散歩をするのは悪くないな」

 

 そんな海鳴の歩道を歩いている一人の男性がいた。彼の名前は高町 士郎、ここ海鳴市にある喫茶店【翠屋】のマスターである。

 今彼がこうして早朝に散歩をしているのは彼の日頃の習慣という訳ではなく、ただなんとなくその日は散歩をしたい気分だったからだ。

 士郎は落ち着いた気分でまわりの様子を見ていると、

 

士郎「!?・・・・・・なっ、なんだあれは!?」

 

 とても驚いた様子でそう口にしていた。

 士郎が目にしたのは、雲よりも高く突き抜ける光の柱だった。音はとくになかったがそれはこの世界にとっては異常な光景だった。

 

士郎(・・・行ってみるか)

 

 士郎はそう思いかけ足で光の柱の元へ向かっていった。すぐ近くで発生したためものの数分で到着した。

 士郎が興味深そうに光を眺めていると、少しづつ光が晴れていった。そして、光の柱が全て消えるとそこには、

 

士郎「え・・・・・・・・・」

 

横になって倒れている少年がいた。

 何がどうなっているのかわからず、士郎はしばらく少年の事を眺めていたが不意に我に返ると少年の方へ駆け寄った。

 

士郎「き、君!大丈夫かい!」

 

??「う、うぅん・・・」

 

士郎「よ、よかった。とりあえず息はあるみたいだ。この様子だと眠っているのか・・・?」

 

 あんな不可思議な現象が起こっていたのでもしかしたらという考えが過ぎったが、どうやら眠っているだけのようだった。

 一体この子は何者なのかは士郎にはさっぱりわからなかったが、それでもわかる事があった。

 

士郎(普通の子・・・ではないよな)

 

 士郎は改めて少年の姿を見てそう思っていた。

 その少年は紫色のズボンを履いており、何か動物の皮のようなものを腰に巻いており、上半身は何も着ておらず素肌がそのまま晒されていた。そして、顔や身体の所々に傷跡があった。

 普通ならここで警察に連絡して引き取ってもらって親を探してもらった方がいいのだろう。しかし、あんな不可思議な現象によって現れたこの少年の場合それはまずい。そもそも警察に説明しても信じてもらえない可能性が高い。

 だからといってこのまま放置するというのは無しだ。

 

士郎「しょうがない・・・か」

 

 士郎はそう呟いて少年を起こさないようにゆっくり抱きかかえて背負った。

 しばらく考えた末に士郎が下した決断、それは少年を自宅へ連れて帰るという事だった。あんなことがあったため警察沙汰にするのはまずく、このまま放置もできないとなると、士郎が取れる選択肢はこれしかなかったのである。

 

士郎(それにしても・・・)

 

 こうして彼を背中越しではあるが触れてみるとわかる事がある。それはかつてボディーガードとして働き、日々鍛え戦っていた士郎だからこそ理解できる事だった。

 

士郎(この子、筋肉の付き方からしてよく鍛えられているな。身体には所々傷跡があるし武道の経験でもあるのだろうか・・・)

 

 そんなことを考えつつも士郎は少年を背負いながら我が家へ向けて歩き始める。早朝とはいえもしかしたらさっきの光の柱を見た他の誰かがこちらに向かってくるかもしれないし、下手したら通報されている可能性がある。

 そう考えると自然と早足になっていた。その時少年のポケットの中のものが一瞬オレンジ色に輝いたことに士郎は気づかなかった。

 

 

 

 

 大きめの敷地内に二階建ての家と道場があり普通の家よりもかなり豪華な佇まいをしている。そんな自宅に士郎は少年を連れて帰ってきた。連れてきたはいいものの家族にはどう説明したものか、なんて考えながら士郎は玄関の戸を開ける。

 

??「あなた、おかえりなさい」

 

 彼を出迎えてくれたのは長めで明るめの茶髪で若々しく可愛らしい外見が特徴的な女性だった。彼女は士郎の妻の高町 桃子、喫茶店【翠屋】のパティシエである。

 桃子は笑顔で士郎を出迎えてくれたが、彼の背中に抱えられた存在に気づきすぐに首をかしげた。

 

桃子「あら?あなた、その子は?」

 

士郎「あー・・・ちょっと色々あって、とりあえず中に入ってもいいかい?詳しいことはこの子を部屋で寝かせてから話したい」

 

桃子「わかったわ、それじゃあ二階の空き部屋に布団を敷いてくるわ」

 

 二人はそのまま少年を起こさないように二階へ上がっていった。

 

 

 

 

 

 

 

―――謎の空間

 

ブロリー(ここは、いったい・・・)

 

 ブロリーはあたりを見回していた。そこは何もなくただ真っ暗な世界が広がっていた。なんとなく浮遊感のようなものを感じていたのと、どこか現実味がなかったのでここは夢の中のようなものなのか。彼はそう考えていると。

 

??「――――――――――――リ――――――――――――」

 

ブロリー(???)

 

 誰かの声が聞こえたような気がした。しかし、どこを見回しても誰もいないし気も感じないので、気のせいかと思っていると、

 

??「―――ロ―――――む―――ゴン―――――」

 

また声が聞こえた。というよりテレパシーのように頭の中に直接話しかけられているような感じだった。

 

ブロリー(なんて言ってるんだ?)

 

??「こ――世――――ボール―――――――集―――くれ!!」

 

ブロリー(この感じ、まさか・・・!?)

 

 ブロリーがそう思った瞬間、突然目の前が明るくなった。光がどんどん強くなっていき、ブロリーは思わず目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ブロリー「うぅ・・・あぁ・・・」

 

 次にブロリーが目を覚ますと知らない天井があった。

 

ブロリー「ここは、どこだ・・・!?」

 

 あたりを見回そうと体を起こすと、ブロリーは驚いた様子で固まっていた。

 

ブロリー「俺の身体が、縮んでいる!?・・・・いや、そもそも俺は確か死んだはず」

 

 いったいどうして、そんなことを考えていると、

 

ブロリー「・・・誰か来る?」

 

 誰かの気がこの部屋に近づいてくる。今までに感じたことのない気ではあったが、邪悪な気は感じられなかったので、ブロリーはそのまま待つことにした。

 

士郎「お、目が覚めたのかい、調子はどうかな?」

 

 わかっていたが初めて見る人だった。

 

ブロリー「・・・誰だ?」

 

士郎「ああ、そうだね。僕は高町 士郎、君の名前は?」

 

ブロリー「ブロリーだ」

 

 二人はお互い自己紹介をすると、士郎はブロリーに近づいた。

 

士郎「ブロリー君、早速起きたばかりで悪いんだけど・・・」

 

 ぐうぅぅぅぅ・・・・・・

 突然そんな音が部屋に響いた。その音の出処はブロリーの腹からだった。

 

士郎「もしかしてお腹がすいてるのかい?」

 

ブロリー「・・・うん」

 

士郎「それじゃあ僕達もこれから朝ご飯を食べるんだけど、もしよかったらブロリー君も一緒に食べるかい?」

 

ブロリー「いいのか?」

 

士郎「ああ、こうして出会えたのも何かの縁だしね。歓迎するよブロリー君」

 

ブロリー「ありがとう、士郎」

 

 そう言ってブロリーは布団から出て立ち上がる。

 

士郎「あ、その前にこれを渡しておくよ」

 

士郎はブロリーに服を渡した。

 

ブロリー「これは?」

 

士郎「昔僕の息子が着ていた服だよ。今じゃサイズが小さいからもう着てないけどね。お下がりで申し訳ないんだけど、さすがに裸のままなのはいろいろと問題があるからね」

 

ブロリー「それならわかった」

 

 ブロリーは渡された服を着て、士郎と共にリビングへと向かっていった。

 暖かな日差しがさすこの春、突如この世界に現れた一人のサイヤ人ブロリーは新しい出会いを経験した。

 そして、この世界でもまた、彼に戦いの運命が迫っているという事はこの時のブロリーは気づくことはなかった。

 

 

第1話 目覚め 完




 とりあえず今現在のブロリーの状態を軽く説明
・見た目は9歳くらいでなのはよりも少し身長が大きい
・子供の姿になってしまったため、技は使えるが(悟空に教えてもらった技も含む)死ぬ前よりもかなり弱体化している

 といったところですかね。
 もしお気に召しましたら今後もお付き合いください。


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第2話 異なる世界

 海鳴市に突然出た光から現れたブロリー。
 彼は偶然居合わせた高町 士郎に拾われ、今士郎の家族と共に朝ご飯をごちそうしてもらうことになった。



 トテトテと階段を下りる音が高町家に響く。

 ブロリーはきょろきょろしながら士郎について行って家のリビングに向かっていった。こうして人の家にあがることは経験がなかったため、少し警戒していた。

 

士郎「そんなに警戒しなくても大丈夫だよブロリー君。僕は別に君を悪いようにするつもりはないからね」

 

 そんなブロリーの心境を察したのか、士郎は優しい声で話しかけてきた。

 

ブロリー「すまない、俺の住んでた星には人がいなかったからこうして人の家にいるのがあまり落ち着かなくて・・・」

 

士郎「そうか、こちらこそすまなかった」

 

 士郎はブロリーの発言に気になる部分があったが今は聞かないことにした。この子は自分が思っている以上に過酷な人生を送っているのではないか。なんとなく士郎はそんな予感をしていた。

 考えるのをいったんやめ、士郎はリビングの扉を開ける。そこには栗色の長い髪をした女性と、今のブロリーと同じくらいの年の女の子がいた。

 

士郎「おはよう、なのは」

 

なのは「あ、お父さん、おはよ・・・う?」

 

ブロリー「ん?」

 

なのは「ふぇ!?」

 

 小さいほうの女の子が父の後ろにいる少年を見てとても驚いていた。自分の家に知らない子がいたら誰だって驚くだろう。しかも父も母も驚いた様子はない。

 

なのは「えーっと・・・」

 

桃子「あら、目が覚めたのね」

 

なのは「それじゃあ、その子がさっきお母さんが言ってた・・・」

 

ブロリー「ブロリーだ」

 

 ブロリーは礼儀正しくそういった。人の名前を聞くときはまず自分からっというのをチライとレモから教わっていたので、先に自分から名乗っていた。

 

桃子「あら、ご丁寧にどうも。私は高町 桃子よ」

 

なのは「えっと、高町 なのはです。よろしくねブロリー君」

 

 なのははブロリーに近づいてきて手を差し出してきた。

 

ブロリー「ああ、よろしく」

 

 ブロリーもなのはの手を取って握り返した。といってもいつものようにするとなのはの手が骨折どころでは済まないので、かなり手加減していた。

 

なのは「それで、どうしてブロリー君は家にいるの?」

 

ブロリー「俺が道で倒れているところを士郎が見つけてくれてここに連れてきてくれたんだ」

 

なのは「え・・・倒れてたって、お父さんそういうのは警察に言った方がいいんじゃ」

 

士郎「あー・・・そのことについてなんだけど、先に恭也と美由希を呼んできてくれないか。話すとちょっと長くなる事情があるからみんながいるときに話そうと思ってさ」

 

なのは「わ、わかった」

 

 なのははリビングを出ると家の横にある道場へと向かっていった。

 数分後、再びリビングの扉が開かれるとなのはと見たことのない男女が二人入ってきた。

 

???「あ、本当に知らない子がいる!?」

 

??「父さん、一体どういうことだよ・・・」

 

士郎「あはは・・・これにはいろいろと訳があってね・・・」

 

???「ねえ、きみお名前はなんていうの?」

 

 二人のうちの女性の方がブロリーに近づいてきた。

 

ブロリー「ブロリーだ、お前たちが恭也と美由希か?」

 

恭也「・・・そうだ、俺は高町 恭也だ」

 

美由希「私は高町 美由希、よろしくねブロリー君」

 

ブロリー「よろしく」

 

 恭也は少し警戒気味に、美由希は逆に友好的な様子でブロリーに自己紹介をしていた。

 そこへ桃子が料理をテーブルに運んできた。

 

桃子「それじゃあそろそろ朝ご飯にしましょうか。みんな座って~」

 

 桃子がそう言うと子供たちはそれぞれ自分の席に着く。

 

桃子「ほら、ブロリー君も座って」

 

ブロリー「うん」

 

 ブロリーも桃子に言われて空いている席に座った。

 

 

 

 

 

士郎「――――って言うことがあって」

 

ブロリー「がつがつがつ・・・」

 

美由希「つまり、ブロリー君はその光の中で倒れててそれを偶然見つけたお父さんが家に連れてきたってこと?」

 

ブロリー「もぐもぐ・・・ゴクン」

 

士郎「ああ、信じられないかもしれないが本当なんだ」

 

ブロリー「がつがつがつがつ・・・・」

 

恭也「まあ、父さんが嘘を言うとは思えないし俺は信じるけど・・・」

 

ブロリー「もぐもぐ・・・」

 

桃子「どうブロリー君、おいしい?」

 

ブロリー「・・・うん、すごく美味しい」

 

桃子「うふふ、お口に合ってよかったわぁ」

 

「「「・・・・・・・」」」

 

なのは「にゃはは・・・」

 

 士郎が今朝の事を話している横で、ブロリーの前にある料理がどんどんなくなっていく。彼もサイヤ人なだけあってかなり食欲旺盛であった。

 士郎、恭也、美由希は唖然としていて、なのはは苦笑い、桃子は嬉しそうに笑っていた。

 数分もたたないうちにあっという間に空になっていた。その時のブロリーの物足りなさそうな表情を桃子は見逃さなかった。

 

桃子「ブロリー君、まだおかわりあるけど食べる?」

 

ブロリー「・・・食べる」

 

桃子「それじゃあ、ちょっと待っててね」

 

 しばらくして桃子がおかわりを持ってきてブロリーがまた食べ始める。2杯目、3杯目、4杯目・・・と食べていき、ブロリー以外のみんなが食べ終わっていてもまだ食べていた。

 炊飯器のご飯だけでは足りなくなり、冷凍してあったご飯も使って12杯目、

 

ブロリー「・・・ごちそうさま」

 

 ようやく食べ終わった。

 

恭也(やっと食べ終わった・・・)

 

美由希(なんだか不思議な子だな・・・)

 

なのは「あ~~~~!!!!」

 

 突然なのはが焦った様子で立ち上がった。

 

ブロリー「おわっ!?どうした?」

 

なのは「もうこんな時間!お母さんお弁当ある!?」

 

桃子「あるわよ。ほら、恭也と美由希も早くしないと遅刻しちゃうわよ」

 

恭也「わ、わかった!」

 

美由希「ありがとお母さん!」

 

「「「行ってきまーす!」」」

 

 なのは、恭也、美由希は桃子から弁当を受け取ると急いでどこかへ行ってしまった。

 

ブロリー「士郎、なのはたちはどこへ行ったんだ?」

 

士郎「ああ、学校に行ったんだよ」

 

ブロリー「がっこう・・・ってなんだ??」

 

桃子「学校っていうのは簡単に言うとたくさんの子供たちが集まって勉強をしたりするところよ。もしかしてブロリー君学校に行ったことない?」

 

ブロリー「ない」

 

士郎「そういえばブロリー君」

 

 ここで士郎は先ほどブロリーが言っていたことを思い出した。ブロリーの食欲旺盛っぷりに聞きたいことをすっかり忘れていたが聞いてみることにした。

 

士郎「さっき俺の住んでた星って言ってたけどもしかして君は地球人じゃないのかい?」

 

ブロリー「ああ、俺はサイヤ人だ」

 

士郎「サイヤ人・・・?」

 

桃子「初めて聞くわねぇ」

 

士郎「ブロリー君、もしよかったら君の事を教えてもらってもいいかな?」

 

ブロリー「いいぞ」

 

 

 それからブロリーは自分の事を簡単に話した。自分は惑星ベジータで生まれたサイヤ人だということ、王であるベジータ王の命令で惑星バンパというとても人が住めないような星に追放されたこと、数年後に父パラガスの復讐のために利用され地球に来て二人のサイヤ人と戦ったこと。

 

士郎「そんなことがあったなんて・・・」

 

桃子「ブロリー君・・・」

 

 二人はブロリーの歩んできた人生を聞いて、士郎は何かを抑えるように拳を握り、桃子は心配した様子でいた。

 

士郎「それじゃあ、ブロリー君これからどこか行く当てって・・・?」

 

ブロリー「ここがバンパじゃないのならない。あとでどこか野宿できそうなところを探そうと思ってる」

 

 ブロリーがそう言うと士郎は桃子にアイコンタクトを送った。桃子はその意味をうまくくみ取ったのか笑顔で頷いていた。

 

士郎「ブロリー君、もし君さえよければ家で暮らさないかい?」

 

ブロリー「・・・いいのか?」

 

桃子「ええ、このままお別れなんて嫌だし。ねぇ、貴方?」

 

士郎「ああ、君さえよければ僕たちは歓迎するよ」

 

ブロリー「・・・それじゃあ、ここで世話になるよ」

 

桃子「ふふ、改めてよろしくねブロリー君」

 

ブロリー「ああ、よろしく。それと、ありがとう士郎、桃子」

 

 こうしてブロリーは高町家にお世話になることになった。士郎も桃子も先ほどのブロリーの話を聞いてどこか思うところもあり、そもそもこんな子供を一人野宿させることは二人にはできなかった。なので二人はブロリーを家で面倒を見ることを後悔はしていなかった。

 しばらくして、士郎と桃子が翠屋に仕事に行く時間になった。

 

士郎「さて、僕たちはこれから仕事に行くけど、ブロリー君はどうする?」

 

ブロリー「それなら、向こうの道場を使ってもいいか?ちょっと修業がしたい」

 

士郎「それなら好きに使ってくれてかまわないよ」

 

 

 

 士郎と桃子が出かけていき、ブロリーは一人高町家に残り道場へ入った。

 

ブロリー「これは、思ってたよりも広いな」

 

 早速道場の中に入ったブロリーの第一印象はそれだった。道場の広さは十分、これなら心置きなく修業が出来そうだと感じた。後は修業に集中しすぎて家を壊さないように気を付ければ大丈夫であろう。

 さあ、まずは生前のいつもの日課であった基礎的な特訓を始めよう、ブロリーはそう思ったところで自分のポケットに何かが入っていることに気がついた。

 

ブロリー「ん?なにかポケットに入ってる?飯とかに夢中で気がつかなかったか・・・」

 

 そう思いながらブロリーはポケットの中の物を取り出した。

 

ブロリー「!?・・・これは、いつも俺が使ってた()()()()()()!?」

 

 それは、カプセル状になっている人口重力装置だった。前に悟空からもらったものである。

 

ブロリー「前にカカロットからもらった・・・なんでこれがここにあるんだ」

 

 そんなことを考えながらブロリーは反対側のポケットに入っている物を取り出す。そこには、

 

ブロリー「!?!?!?なんで・・・これが・・・」

 

 中心部に赤い星が入っているオレンジ色に輝く半透明のボールがあった。

 

ブロリー「ドラゴンボール、確かこれはカカロットと一緒に消えたはず・・・」

 

 今ブロリーが持っているドラゴンボールには赤い星が四つ入っていた。

 なぜこんなところに四星球があるのか、そう考えているとブロリーは先ほどの夢の事を思い出していた。

 

ブロリー「まさか・・・この世界にいるのか。カカロット」

 

 ドラゴンボールを集めればまた悟空に会えるのではないか、自分がなぜここにいるのか、なぜ若返ったり生き返ったりしたのか、その答えはドラゴンボールが握っている。なぜだかそんな気がしていた。

 

ブロリー「あと六つ探してみた方がいいかもしれないな・・・」

 

 そこまで考えてブロリーは一旦思考を止め、修業に集中するのであった。

 

 

第2話 異なる世界 完




 今回出てきた人口重力装置は人造人間たちと戦う前にベジータが使っていた人口重力装置をホイポイカプセルにしたものです。


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