模倣妖怪の世界管理 (春告精の田んぼ)
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数億年前 プロローグ

 初めまして。ついに自分の暇潰し作品が世に出ることになりました。暖かい目で見守って下さい。

 ゆっくりしていってね!


 

 

「ん? ……どこだここ……」

 

 

 

 俺はふと意識の浮上を感じて目を開けた。

 

 上半身だけ起こすと、周りは鬱蒼と生い茂った森の中だということに気がついた。

 

 常識的に考えたら変なんだろうけど、こんなところにいるにも関わらず全然違和感がない。

 

「おっかしーな……俺何やってたんだろ……なんにも思い出せない……」

 

 本当になにも覚えてないんだよな……まさか記憶喪失? 

 

 そう思い至った俺は自分について考えることにした。

 

「ひとまず俺の名前を言ってみよう。俺は…………俺は………………誰?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────異世界翔(いせかいかける)────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 ……え? 何? なんか頭に浮かんだけど何この名前。痛々しいんだけど……。ちょっと待って、これ俺の名前? 

 

 ……いや大丈夫。名前を付けたのは俺じゃない……俺は厨二病なんかじゃないんだ。

 

 俺は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────模倣妖怪────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もうダメだ……おしまいだ……俺の頭はどうにかしてるんだ……。こんなの考え付くなんて厨二病しかないじゃんか……」

 

 異世界翔、種族模倣妖怪。なんだろこのしっくり感…………。

 

 ……もう嫌だ……。

 

 

 

 

 

 

 ……よし、とりあえず寝床作った方がいいよな……。なんかさっきから異常に感覚が研ぎ澄まされてて川の場所とかどこにどんな動物がいるとかがわかる……。いい感じの洞穴も見つかった。

 

 よし、さっさと行ってしまうか! 

 

 これは決して現実逃避なんかじゃない。そうだ俺はなにもおかしくないんだ! 

 

 

 ……俺一人で何を思ってるんだろう……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は自分で考えた事に自己嫌悪しながら、とぼとぼ歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらくして着いたところは、すぐ近くに綺麗な川の流れる小さな洞穴だった。

 

 とりあえず気に入った俺は、水を汲んでくることにした。生きるためにも洞穴の汚れを取るにも必要だ。

 

 

 

 

 

 

「……で、何で汲もうかな……」

 

 何も考えてなかった俺は少し悩んだ。

 

 そういえば俺って模倣妖怪っていうらしいけど、なにを模倣するんだろ……。物にイメージを模倣させることが出来たらいいんだけど……。

 

 

 

 

 

 

 

「……ん? なんだこれ?」

 

 ふと目の前を見るとそこにはバケツの形をしたものがあった。

 

「うわっ……欲しいと思ったものがいきなり……」

 

 触ってみると砂で出来ていたようですぐ崩れてしまったが、ここでひとつ思いついた。

 

 

 

 

 

 

 

 その思いつきの通りにやってみると、今度は木が倒れて残った切り株の上に木桶があった。

 

「……なるほど……イメージを模倣させることは出来ると……」

 

 今回俺は模倣させるものの対象のイメージもしっかりしてみた。すると木の真ん中あたりが木桶に変わった訳だ。分かりやすくていい。

 

 

 とりあえずそれで水を汲んだ。

 

 

 

 

 ついでに俺の姿を水面で見て見たら、蒼っぽい黒の髪が生えている普通の男の子が映った。

 

 服は意外と現代的なシャツとズボンに長い羽織もの。和洋が混じったみたいな奴だった。

 

「……うん、なにも思い出さないな。ならいいや」

 

 

 

 

 

 

 

 そのまま水を持って帰り、洞穴を軽く掃除した後色々実験をしてみた。

 

 その結果、イメージを現実に模倣させることが出来る他、見たものの性質を自分に当てはめることも出来るとわかった。

 

 例えば、洞穴の壁の石を自分の腕に模倣させて固くするなどだ。

 

 ただ、模倣する度に自分の中から何かが抜け落ちる感覚がした。大きいものであったり、変わる部分が大きいとより消費が早い。自分にする時はほとんど消費を感じなかったけど、恐らくこの能力を使うためのエネルギーのようなものだろう。

 

 妖怪の力なので妖力と名付けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なんか腹減ったな……」

 

 

 

 そこで俺は周りの動物を感知し、適当に捕獲した。変な小動物だった。

 

 ちなみに俺の身体能力は妖怪になってるせいか物凄くいい。逃げられるようなヘマはしなかった。

 

 

 

 

 

「さて、捕まえたはいいけど、どう調理しよう……こんなのの調理法なんか知らないぞ……」

 

 どうしよう……これも模倣できるか……。

 

 そう思ってイメージをぶつけてみると、その動物が少しずつ形を変えていった。

 

 

 

「……おー、出来たには出来たけどグロいな……血塗れじゃん……」

 

 出来上がった小動物の刺身を見て俺は食欲が少し失せたのを感じた。

 

 

 

 それでも俺は枝を集めてきて洞穴の外で火がついているイメージを模倣して火をつけた。

 

 イメージを貼り付けるっていうイメージがいるから手間がかかるけど、逆に言えばイメージさえ出来たらなんでも出来るな……。

 

 

 

 パチパチと音を出して燃える動物の肉を見ながら、俺は他にどんなことができるか調べてみた。

 

 例えば、体内で能力を使う度に減るエネルギーだ。これは意識すればすぐに動かせることに気がついた。することが無い俺は、ゆっくりとエネルギーを移動させたり、身体中に引き伸ばしたりしてみた。

 

「なんだこれ……気持ちい〜……」

 

 この時エネルギーのある部分は少し暖かく、移動させることでマッサージを受けているような感覚だと気が付き、肉が焼けたのに気が付かず、少し焦がしてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして焼けた肉を食べ、落ち着いたところで他にも色々試した。

 

「そういえば、エネルギーが操作できるならそれを体外に出してエネルギー弾に出来ないかな……」

 

 なんとなく脳内にあったイメージからそういうことも出来ると思いついた。

 

「そう……霊弾とか魔力弾とか気弾とかみたいに……」

 

 すると、体内のエネルギーはするりと手の平から出てきて球形になった。

 

「おー、意外とあっさり。そしたら空を飛んだりも……ってこの知識はどこから来てるんだよ」

 

 結局俺は記憶喪失と言っても、意味記憶は覚えてるっぽいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 色々試し終えて疲れた俺は横になった。

 

 いきなりこんな状況だったが、案外楽に生きられるかもしれない。

 

 

 そう思い至った俺はゴツゴツした岩だらけの洞穴にも関わらすぐっすりれることが出来そうだと思った。

 

 

 

 

 




 次回作……なるべく早く上げたいところですが、遅くなった時のために先に謝っておきます。

 申し訳ありません。

 これからも自分の作品をよろしくお願いします。


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第一話 初めての出会い

 一度投稿すると制作意欲が思った以上に向上してびっくりしてる春告精の田んぼです。

 サッと脳内にネタが降りてきたので上げちゃいます。


 ゆっくりしていってね!


 模倣妖怪、異世界翔であるらしい俺が生まれてからおよそ一世紀が経った。

 

 え? 早い?

 しょうがないでしょ何にも無かったんだから。

 

 強いて言うなら妖怪らしき化け物には会ったが、どいつもこいつも知能が無いただの獣だった。

 

 その間俺はずっとエネルギー操作を鍛え続けた。まあやることなんて何も無いし。

 

 結果、一度に数千もの弾幕を張れるようになった。細かい弾だけならサッと一万ぐらい出る。しかも連続でそれが出来る訳だ。毎秒数万発。どこのPhantasmだよ……。

 

 

 

 

 

 今日、俺は食料を狩るために拠点を出た。この間狩った熊擬きの肉が無くなったのだ。

 

「熊の気配は……あっちだな…………ん?」

 

 デカい熊擬きを見つけた俺は、近くで襲われそうになっている小さな気配に気が付いた。

 

 急いでそこに向かうと、赤と青の奇抜な服の女の子が熊の前で腰を抜かしているのが見つかった。

 

「……い……いや…………」

 

 

 女の子は動けないらしい。このままでは食われて終わりだろう。

 

 しょうがないな……。

 

「っせぇいっ!!」

 

 大き目の弾を顔面に叩き込んだ。案外強い攻撃力があったらしく吹っ飛んだ。

 

「そこの子! 掴まってろよ!」

 

 俺は吹っ飛んだ熊に目もくれず女の子を抱えて空に飛んだ。

 

 

 

 十メートルぐらいに達したところでようやく俺は落ち着き、腕の中の子を見た。

 

「えっと、大丈夫か?」

 

「う、うん……」

 

 ……見れば見るほど不思議な格好だな……。

 

 

「私、八意××って言うの……さっきはありがとう」

 

「なるほど、八意××か。よろしくな」

 

「あれ? 発音できるの?」

 

「ん? ああ、言われてみると不思議な発音だな。まあ多分俺の能力のおかげだろうな」

 

 

 そういえば、俺の能力は認識が変わったことで内容も少々思っていたものと違っていた事に気がついた。イメージの模倣だと思ったが、模倣だけでは性質の反映は出来ない。貼り付けるというものが必要だ。模倣と貼り付け、つまり俺の能力はコピーアンドペーストということだ。

 

 その結論に至った瞬間、今までの能力への認識を改めてみた。コピペってことはデータ操作みたいな感じじゃないかと考えた。そしてその仮説は的中。脳内に能力表が浮かび上がった。内容はこうだ。

 

 

 

──────────

 

コピーアンドペーストする程度の能力

 

妖力を操る程度の能力

 

気力を操る程度の能力

 

あらゆる薬を作る程度の能力

 

──────────

 

 

 

 ここに載るのは能力のみで、裏で幾つもコピーされてる。この子の話す言語もコピーされたんだろう。

 

 気力は変に強い熊を見た時に操れるようになった。身体強化する変異種みたいな奴だったのかもしれない。恐らくさっきの熊もだと思う。

 

 あらゆる薬を作る程度の能力ってのはこの子の能力かな?

 

 

 

「お兄さんの能力……分かった。一応周りの人には永琳って呼ばれてるの」

 

「永琳か。そっちの方が呼びやすそうだしそっちで呼ぶ事にするよ。よろしくな」

 

「よ……よろしく……あの、お兄さんは?」

 

「ああ、俺の紹介忘れてたよ。百年近く人と話してないからな……俺は翔、異世界翔っていうんだ」

 

「かける……さん?」

 

「ああよろしくな、永琳。……でも何でこんな所にいるんだ? 危ないぞ?」

 

 

 自己紹介が終わったところで気になったことを聞いてみた。ここから数キロ離れた所に人がたくさんいる所は見つけていたが、もし退治されるなんてことになると面倒なので不干渉を決め込んでいた。この子は恐らくそこから来たんだろう。

 

 

「……私、生まれつきあらゆる薬を作る程度の能力っていうのを持ってるから薬屋をしてるの。けど材料が切れちゃって……」

 

「なるほど……」

 

 

 そういうことか。でも危機管理が成ってないな。こんな森の奥深くに来たらあんな獣どころじゃない化け物に襲われてもおかしくなかった。

 

 

「翔さんはどうしてここに?」

 

「俺はこの辺に住んでるんだ。妖怪だからな」

 

「えっ!? 妖怪!!?」

 

 まあびっくりするよな。多分俺みたいなのはいないんだろうし。

 

「ああ、つい百年ぐらい前に生まれたばっかの妖怪だよ」

 

「……翔さんは私を食べるの?」

 

「いや? 多分俺は心を食べるタイプの妖怪だから大丈夫だ。さっきの驚きを見た時少し腹が膨れたし」

 

 

 そう、俺は人喰いじゃないらしい。

 俺の断片的な記憶によれば、心を食べるタイプと体を食べるタイプがいるらしい。心の方は人を傷付けることがないから、元人(自分の性格的にそう思ってる)としては人喰いじゃなくて助かった。

 

 

 

 

「……さて、あっちに見える光が永琳の家がある方かな?」

 

「えっと、うん」

 

「じゃあ送っていこう。もうすぐ日が沈むから危ない」

 

「あ、ありがと」

 

 そして俺はそっちに飛んで行った。

 

 

「わぁ! 速い速い!」

 

 さっきまで落ち着いてたけど、こういう所を見ると子供っぽいなぁ。

 

 

 

 

 

 

「到ー着!」

 

「楽しかったー! ありがとう!」

 

 空を飛んでいる内に永琳とは仲良くなった。

 まあさすが子供と言ったところだ。

 

 

 

 

 街のようなところは既に近未来的な文化を持っているらしい。遠目にもビルとかが良く見えていた。

 

 街の入口に立っている門番っぽい人の所へ向かった。

 

 

「すみません、この子森で迷ってたので連れてきたんだけど」

 

「そうか、それはありがとう」

 

 よし、これで大丈夫だろう。

 

「じゃあ俺は帰るから」

 

「え? 翔さん来ないの?」

 

「帰るとはどういうことだ?」

 

 永琳と門番に聞かれてしまった。

 

 

「えっと……俺妖怪だし中に入るのはまずいでしょ?」

 

「妖怪だと!?」

 

「あ、ああ、俺は敵対する気は無いんだけど信じられないだろうしな。人外は大人しく外で暮らすべきだ」

 

「あ……いや、その理屈は分かるが……本当に妖怪? 全然そうは見えないんだが……」

 

「そうか?」

 

 俺ってそんなに妖怪っぽくないのかな? やっぱり俺って突然変異的な存在なのか?

 

 

「私の知る妖怪ってのは本能的に暴れる奴だったからな。理性的なのもいるんだな。と言うか悪事する気がないなら入っても問題ないぞ。お前は人にしか見えない」

 

「へぇー……じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな」

 

「うん! 美味しい食事処知ってるの!」

 

「……俺金持ってないぞ?」

 

「命の恩人に払わせるわけがないでしょ?」

 

「むしろ俺より小さい女の子に奢ってもらう方が嫌なんだが……」

 

「文無しが何言ってるの?」

 

「反論できねぇ……」

 

 

 

 

 

 

 

 結局奢ってもらってしまった。もちろん今まで食べたこともないぐらい美味しかったが。と言うかまた食べたいあのオムライス擬き。

 

 

「……なあ、ここに住んで働くことも出来るかな?」

 

「翔さんが? 妖怪なのに?」

 

「んー……金はあって損しないし、何よりここ住みやすそうだし」

 

「なら私のところで働いてよ! やっぱり一人じゃ大変なの」

 

 

 永琳が期待の目を向けて来た。家に帰っても一人らしい永琳にとっては寂しい気持ちの方が大きいんだろう。

 

「……そうだな。そうさせてもらうよ。あらゆる薬を作る程度の能力もコピー済みだし」

 

「やった!」

 

 

 

 

 

 

 そういう訳で俺は永琳の家に来ていた。

 

 

「ここが私の家でお店なの。薬屋『八意』ね」

 

「へぇ、中々デカいな」

 

 お店というよりもお座敷と言った方がいいだろう。そんな豪邸が建っていた。

 

「薬屋って儲かるんだけど使い道が無くて……」

 

「なるほどね」

 

 

 

 

 家の中を案内された後、俺達は製薬室に入った。

 

「私はさっき取ってきた材料で薬を作ってるね」

 

「じゃあ俺も早速何か作ってみようかな?」

 

「あ、なら胃薬が切れかけてたからそれ作って。最初は簡単なのからした方がいいと思うし」

 

「わかった」

 

 

 

 

 三十分後には百錠分ぐらいできてしまった……。あらゆる薬を作る程度の能力の効率半端ないな……。




 この主人公はロリコンではありません。ちょうどいい就職先と住処を見つけたぐらいにしか思ってません。

 でも、出会ってすぐの美少女と同居し始める……。書いててこいつ大丈夫か心配にはなってきた。




 次回作もよろしくお願いします!


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月への遷都計画

 怖い……怖すぎる。この指の進み方はおかしい! 一体自分に何が起きてるんだ!?


 てな訳で三話目投下します。

 ゆっくりしていってね!



 永琳の家に住み込みで働き始めて数百年近く経った。妖怪の時間感覚って不思議だな……。永琳も女の子って感じからお姉さんって感じまで成長した。そんな永琳も、やっぱり寿命が無いしすぐだと思ったらしい。

 

 

 この数百年で俺達の薬屋は異常に人気が出ていた。

 

 薬屋なのに人気ってのも変な話だが、実際薬と言えば『八意』って感じだ。

 本来は豪族の人専用だったのだが、俺が一般人用の窓口をした事で広まったらしい。

 

 そして、いろんな人に会ったせいで異常な程に大量の能力を手に入れてしまった。そこでパソコンみたいに消去できないのかと思ってやってみたところ、能力の消去はできるとわかった。まあゴミ箱っていうファイルに貼り付けた感じだ。

 

 消去しなかったのは霊力、気力、魔力、法力の操作能力と、限界を引き出す程度の能力だ。

 限界を引き出す程度の能力ってのは、お客さんの中の一人が持っていた能力で、自分の持つ能力の限界を引き出せる。まあ引き出せるところなんかあんまりないし、コピーアンドペーストに追加項目としてファイル整理ができるようになったぐらいだが。ちなみにこれで消去もできるようになった。

 

 俺の能力に関する進歩はその程度だ。

 

 

 

 そんなある日、豪族から使者が来た。

 なんでも永琳と同じぐらいの製薬の腕を持つ俺に会ってみたいらしい。俺達は何を燃料にしてるのか全くわからない車に乗ってその人のところへ向かっていた。

 

 

「俺にねぇ……そんなにすごいもんでもないと思うんだが……」

 

「そうでも無いわ。他と比べると格段に効果も速さも価格も良いもの。私達も二人分のお金で十分だから安くて済むし」

 

「まあな。でもそれが薄利多売に繋がるんだよな」

 

「儲けたい人は値段を上げようとしたくなるものね。あ、もう着いたわ」

 

「……でか……」

 

 その人の住んでいる屋敷は明らかにでかかった。いろんなところに装飾が施されている。

 

 

「……俺場違いじゃね? 一応妖怪だよ?」

 

「あなたねぇ……」

 

 なんか呆れられてしまった。

 

 

 

 

「あら、いらっしゃい。永琳」

 

 そんな話をしていたら、奥から綺麗な女性が歩いてきた。

 

「お邪魔させて頂いております。月夜見様」

 

 ツクヨミ様? 月夜見だよな。男神だと思ってたけど女性だったのか。

 

「久しぶりね。それでそちらの方が?」

 

「えーと、異世界翔だ。よろしく」

 

「あなたが永琳の弟子ですね」

 

「いいえ、弟子では無いです。同僚ですよ」

 

 永琳が否定した。

 どこで弟子になったんだ俺は……。

 

「あら、そうなのね。私は月夜見よ。よろしくね」

 

「ああ」

 

「ところで翔さん、あなた永琳と同等のレベルで薬が作れるらしいけれど、どうやっているの? 永琳は能力もあってわかるのだけれど、あなたの方が不思議なのよ」

 

 永琳レベルの製薬者がそうゴロゴロいられても困るだろうし、そういうことかところは把握しておかなくてはならないのだろう。物腰は柔らかいが目がちょっと鋭い。

 

「んー、何かしたのっていうよりは勝手にどうにかなったというか……俺は視界に入った生物の能力を模倣してしまう模倣妖怪でね。気付いたら永琳並の知識が脳内にあったって感じ」

 

「……妖怪だったの!?」

 

「ああ。まあ見ての通り害を出すつもりは無いから安心してくれ」

 

「……それは永琳と仲がいい時点で疑ってはいないけど……でもその能力反則よ……」

 

「俺もそう思う……」

 

 良く考えれば相手の能力はこっちも使えるわけだし、戦闘になって勝てる要素ないもんな。

 

 

 

「まあいいわ。せっかく来てくれたのだし歓迎するわね」

 

「月夜見様……月に遷都する計画ででお忙しいのでは……」

 

「丁度一区切り付いたのよ……ってあなたは分からないわね」

 

「あー、聞いたことはあるよ。穢れがどうのこうのっていう奴でしょ?」

 

 人に穢れが溜まって寿命が生まれるっていうあれね。俺は妖怪だから気にしたことも無いけど。

 

「近隣の妖怪が原因だって言われてるのだけど……そうでも無いみたいね。翔さんからはそんな感じしないわ」

 

「いや、わからないぞ? ベースは妖怪だが会った生物の数でいえば人間が一番だからな。人間寄りになっててもおかしくない」

 

「そういう考え方もあるのね……それで翔さんはどうするの? 本来妖怪は連れていかないけどあなたなら大丈夫だと思うわよ」

 

「いや、俺は残るよ」

 

「……やっぱり……」

 

 永琳はため息を付いた。

 

「あのね、ここいら一帯はプランク爆弾で更地にする予定よ。あなた生きてられないわよ。知ってるでしょう?」

 

 プランク爆弾とは最近できた核兵器よりも更に威力が強い爆弾のことだ。その爆弾でこの周辺を全て吹き飛ばし、高度な技術を未来に残さないようにする計画があるらしい。

 俺程度の結界は全く意味をなさないだろう。

 

 でも、前もって知っていれば何も問題ない。対応ぐらいやろうと思えば簡単にできる。

 

「この間体内エネルギー量を瞬間的に莫大に増量させる薬を作ったんだ。それがあれば間違いなく助かるレベルの結界を張ることもできる」

 

「翔……いつの間に……」

 

「準備がいいのね……」

 

「いやぁ、それ程でもあるかなー」

 

「「褒めてはない」」

 

 あらー……。

 

 

 

 

 

 

 

 そしてあっという間に出発の日は来た。

 




 穢れっていう物について、調べても原因出てこなくて分かんなかったので妖怪が原因ってことにしました。いいよね……?


 次回、億年前の舞台は最終回です。

 こんなに話の展開早くて大丈夫なのかな……。


 今後とも自分の作品をよろしくお願いします!


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翔の仕事

 今回の章は最終回。翔の謎が明らかに!

 それじゃあ今回も、ゆっくりしていってね!


「これが月行きのロケットか。でかいな」

 

「ええ、この国屈指の技術者達の結晶ね。この街全員とその荷物を一度に運ぶんだもの、そう簡単に出来るものじゃないわ」

 

 俺は今日、月行きロケットの見学に来ていた。乗れないから見せてって月夜見に言ったら快く許してくれたのだ。月夜見様マジ優しい。

 

 

 

「でも翔、本当に来ないの?」

 

「なんだ? 来て欲しいのか?」

 

「いや、そうじゃなくて……これからまた数千年以上は確実に人現れないわよ?」

 

「うーん、まあそれもありかなって。結局俺妖怪だしそういう所はすぐだからな」

 

「そう……寂しくなるわね」

 

「大丈夫だ。月に行ける能力があったら俺が遊びに行くから。この能力的に無理ってことは無さそうだし」

 

「そう。少し気が楽になったわ」

 

「ならよかったよ」

 

 

 

 

 

 そして計画当日、永琳や月夜見達はロケットに乗り込んで飛んでいってしまった。大量のプランク爆弾という置土産と共に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、あのエネルギー増強薬は成功っぽいな。ちゃんと無傷だ……ってここどこだ?」

 

 

 防御が終わり、荒れ果てたクレーターでもあるかと思っていたが、視界に入るのは上下前後左右どこがどこか分からない真っ白な空間ばかりだった。周りは果てしなく続いているようにも、案外狭そうにも見える。

 

 

 

「んぁ……夢か。寝よ」

 

「いやいやいや! 待ってくださいよ!」

 

「んだようるせ……ほぇ?」

 

 眠くてまた目を瞑った俺は、起こすように揺さぶってきた人を見て変な声を上げてしまった。

 

 

 その人は美人だった。と言うよりそれ以外の言葉が男には思いつかなかった。妖怪になってそういう欲が異常に無くなってた俺でも緊張でおかしくなりそうだ。そんな人が目と鼻の先でいる。ちょっと意味がわからない。

 

「よかったー。起きてくれたんですね!」

 

「え、えっと。とりあえず離れて……」

 

「えっ? あ!!」

 

 その人は自分がしていたことに気がついて顔を赤らめてさっと離れた。そこでその人に真っ白の翼が生えていたのに気が付いた。

 

「あ、あの……誰?」

 

「し、死者を導く天使の天使アズリエルと言います。最近死を司るアズライール様の下に付いた者です」

 

 ……アズリエルとアズラーイールって同じじゃね? 同じ仕事してる別人だったのか……? 

 

「じゃあここは?」

 

「ここは死後の世界です」

 

「だよね……死を司る天使の下にいる天使が死者以外の者に会ったりしませんよね……」

 

「いえ、あなたはまだ死んでいません」

 

「……へ?」

 

「用事があってお呼びしたのです」

 

「用事……? あ、もしかして俺の能力が問題とか!?」

 

「それもありますけど……ひとまずこちらを」

 

 そう言いながらアズリエルは光の玉を俺の頭に押し込んだ。その瞬間、頭の中で何かが弾けるような感覚を覚えた。

 

 

 それが終わった後、俺は全てを理解した。

 

「……そういうことか、アズリエル」

 

「はい! 思い出されましたか?」

 

「ああ、全部思い出した」

 

 

 つまり今までの妖生は俺の為人を調べる期間みたいなものだ。

 

 

 

 俺が妖怪として生まれる前、つまり前世で死んだ後この死後の世界に来ていた。俺の妙に偏った知識は前世の記憶なんだろう。こりゃー前世の記憶によるチートは変なアイデアぐらいのものか……。

 目の前のアズリエルはその時の俺の担当だ。

 

 俺は天国地獄のどこへ行くべきかを調べられた。しかし、俺の魂には生前の記憶が見て取れなかったらしい。そういうのはとても珍しいことではあったが、今まで無かった訳でもない。そしてそういう人が善人の場合、類に漏れず天界の仕事をすることになるのだとか。そういう人は大抵強い素質を持っているらしい。かく言う目の前のアズリエルも最近それで選ばれたのだとか。

 

 で、その人の潜在能力を覚醒させた状態であまり歴史に問題が出ないように大昔に記憶を消して送られ、善人か悪人かを見極められる。

 俺が呼ばれたということは見極めが終わったんだろう。

 

「それで、俺は善人になれてるのか?」

 

「はい、勿論です」

 

「じゃあ天界の仕事を渡されるのか?」

 

「……それなんですが……」

 

「ん?」

 

 なんだか歯切れ悪いな……。

 

 俺は不思議に思いながら続きを促した。

 

「……翔さんの仕事は工作員です」

 

「工作員かー」

 

「翔さんの想像しているものとはレベルが違います……翔さんの仕事は基本的に異世界へ渡ってその世界の改変をするものです」

 

「……え? スケールデカ過ぎない?」

 

「……能力が強いので難易度の高い仕事が回されることとなったのです。せっかく一緒に働ける人が増えたと思ったのに……

 

「え? なんだって?」

 

「なんでもないですー」

 

 なんでこいつはムスッとしてるんだ……。

 

 

 

「そこで、今回はお試しです。世界の改変というのは、つまり世界の消滅の危機のような所へ送られて、その消滅を防ぐというものです。しかし初めからそんなこと出来るわけがないので、正史が世界の消滅である世界の過去へ送ります。失敗しても正史通りなので問題はありません。天界も改変出来たらラッキーぐらいにしか考えていませんので」

 

 それお試しって言えんのか……? 

 

「心配はいりませんよ。翔さんなら出来ます。というか盛大にやらかして下さって構いません」

 

「どういうこと?」

 

「上の方がどうせ無理だなんて言うんです! 翔さん自身の素質もとても強いですし、私だって物凄く頑張って覚醒させたんですから!」

 

 俺はアズリエルの最高傑作だとでもいうように怒っていた。何だこの可愛い天使は。

 

「まあいいや。んで、アズリエル。俺はどうすれば?」

 

「あ……こ、こほん……ではこちらにゲートを開きますから……後……アズリエルって言い難いですか?」

 

「あ、バレた? あんまり名前と雰囲気が合ってない気がして……」

 

 前世での影響か変則的なラスボス感パないんだよな……。覚えてないのに変な感じ。

 

「大丈夫です。役職名みたいなものですから、好きに呼んでください」

 

「好きに…………じゃあリエルとかどうかな? シンプルだけど女の子っぽさが出て可愛いと思う」

 

「かっ!? かわっ!? ……で、では行ってらっしゃい!!」

 

「えっ!? ちょっと待って!? うわあっ!?」

 

 しまった……今のはセクハラだったか……。

 

 俺はリエルの真っ赤になった顔を見て謝ろうと思ったが、その前に目の前が真っ白になり、だんだんと意識が遠のくのを感じた。そこで俺の記憶は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「可愛い……可愛いなんて……あんな急に……恥ずかしい……でも私はチョロインじゃないはず……そう、翔さんがかっこいいのが悪いんです! ……こうなったら逆に翔さんをたじろがせるぐらいに可愛いくなってやります!」

 




アズラーイール(リエルの上司)「面白いことになってるわね〜」ニヤニヤ

 ※リエルは正チョロインです。(爆)



 ※プランク爆弾って核兵器の10^21倍のエネルギー持ってるらしいことから、俺的には幻のアトランティス大陸が月人の住んでたところっていうのが裏設定です。本編には関係ないのでここでそれだけ言っておきます。

 では。


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新世紀エヴァンゲリオン 神話になってしまった、少年

 新章突入。なんか矛盾点とか出そうで怖いけどなんとか誤魔化します←

 それでは、ゆっくりしていってね!


 起きたところで見えたものは真っ白な部屋だった。

 

「おおう……。いきなりだな。どんな世界だここは?」

 

 そして自分に記憶があることに気が付いた。

 

「ん? どれどれ……」

 

 俺は記憶を探ってみた。するとまず一番に女性が巨大ロボットに乗り込んで取り込まれる様子が浮かんだ。ちなみにその女性は母親らしい。

 

「こいつは……中々ヘヴィーだ……」

 

 

 記憶を更に探ってみて、気がついたことがあった。

 

「人類補完計画……子供の前で話すなよ……」

 

 子供は理解できないとでも思ったのか、すぐ近くで重要そうな話をしていた。

 

「人間の自殺志願って奴か? たくアホらしい…………ん?」

 

 そこで膝の上に封筒があるのに気が付いた。

 

「差出人、リエル。なんだかんだこの呼び方気に入ってくれたんだ。嬉しいな。えーと、何々……?」

 

 

 

─────

 

翔さんへ

 

 いきなり送ってすみません。謝ります。でも全く反省はしてません。私頑張ります!

 ちなみにその世界には助っ人がいます。私からのささやかなプレゼントです。

 

追伸 何故私がこうなったかは考えてください。宿題です。

   幸運を。

リエル 

 

─────

 

 

 

 何これぇー……。

 

 

 

 

 

 ガラッ

 

「あっ!」

 

 開いたスライドドアに、しばらくボケーっとなっていた俺は驚いて見ると、看護服を着た女性がいた。声が出ていたのは俺の目が覚めたことに少し驚いたのだろう。

 

 

「あの、俺はどれぐらい寝てたんだ?」

 

「えっ? ええと……丸一日程です」

 

「じゃあ弟は?」

 

 そう、俺は双子の兄だった。俺は碇翔で弟は碇シンジ、母親似の可愛らしい顔の子だったはずだ。

 

 

「あ……えー……」

 

 どうも話しづらいことがあるようだった。

 

「なんとなく分かったよ。母さんがああなってショックでおかしくなっちゃったか?」

 

「…………そうです。一種の記憶喪失のような状態です」

 

「まあそうだろうなぁ……俺もこんなだし。性格変わったでしょ? 悪夢の見すぎで達観しちゃったんだと思う」

 

「そ、そうですか……」

 

 俺は記憶にある碇カケルとの性格の差に苦笑しながら言った。とりあえず悪夢を見過ぎたってことにした。

 

 

 

「ま、シンジのことも俺がなんとかしますよ。って父さんに連絡頼む。俺らを戦闘に使うなんて百年、いや、千年早いとも言っておいてほしい」

 

「は、はあ……」

 

「じゃあ俺はシンジのところに行って来る」

 

 呆けたようになっている看護婦を放っておいて、今の自分に近い気配の方へ向かった。

 

 

 

 

 

「ここか……」

 

 俺は碇シンジと書かれた名札のところに立ち、ノックをして入っていった。

 シンジはこっちを向いた。

 

「?」

 

 シンジの顔は明らかに誰だこいつという表情だった。

 

「よう、シンジ、調子はどうだ?」

 

「……えっと……だれですか?」

 

「ん? いや、俺はシンジの兄の翔だけど……」

 

 シンジは目を見開き、いかにも驚いたという顔をした。

 

「……翔……? 前はいなかったのに……まさか早くもイレギュラー!?」

 

 この瞬間、俺は悟った。

 

「リエルが言ってた助っ人ってのはお前の事だったのか……」

 

「えっ……」

 

「幻系は苦手なんだが……幻結界」

 

 俺は結界の外にだけ普通に弟を心配する幼い兄が映るようにした結界を張った。

 

 

「なっ……なんだこれ!? 一体……」

 

「とりあえず分かっていることや俺に起きていることも全て教えるよ。記憶転写」

 

 コピーアンドペーストの応用で俺の事情がわかるように記憶を見せた。

 

「大丈夫か? ちょっと負担が大きかったか?」

 

「う……ううん……だ、大丈夫。でも少し頭がこんがらがってる」

 

 ……さて、これでどう転ぶか……。多分いい方に転ぶとは思うけど……。

 

 

 

 ところでシンジを見た時から急に体が軽くなったよな……。

 

 そう思った俺は自分の能力を確認してみた。……前々から思ってたけどコピーアンドペーストじゃなくてデータ操作の方が近い気もするけど……まあいいか。限界を引き出す程度の能力のおかげだな。

 

 

 結果、俺の能力の内にS2機関というのが増えていた。詳細を見るとエネルギーの永久機関らしい。

 

 やっぱり……。ってエネルギー操作系に神力が追加されてる……早々と神化したな……。まあリエル見た瞬間からそうなってた可能性はあるか。あ、エネルギー操作系がファイルにまとまってるな。エネルギー操作てまんまじゃん。もう他のエネルギーは存在しないってことか……。

 

 

 ん? 月を認識すると強くなる程度の能力と陰に光を齎す程度の能力? ……月夜見の能力か……? 最近確認してなかったからな……。前者はそのままだが、後者は汎用性高そうだ。

 

 

 

 

「あ、あの、……翔さん?」

 

 どうやらシンジに貼り付けた記憶による情報酔いが落ち着いたらしい。

 

「あ、翔でいいよ。敬語も無しな。俺神に送られてきた妖怪だって言っても今は碇翔だから」

 

「わ、分かったよ。後状況もなんとなく理解出来た」

 

「よし。俺も転生したからには協力するよ。ただ詳しい情報は知らないからその辺は任せる」

 

「あ、ありがとう……じゃあこれからどうしよう?」

 

「とりあえずシンジはどういう存在なんだ? 永久機関持ってる時点で特別なのはわかるけどそれ以外は分かってないんだよ……」

 

「僕は逆行してきたんだよ。この世界がサードインパクトで滅んだ時代から」

 

「……サードインパクトがよくわかってないんだけど……まあ要するに正史の未来がわかるってことか」

 

「うん」

 

 

 

 正史では滅びてるのを変えるんだ、予定を知っていた方がいいだろう。

 

「今後どうなるんだ?」

 

「僕はこれから親戚の家に預けられ、そこで14歳までずっと暮らすんだ。でもあそこにいると疎まれてあんまり自由もないし、僕は今から14歳までずっとどこかで隠れておくつもりだったよ」

 

「そうか……。なら富士山の麓の樹海に行こう。あの辺なら気楽に、かつ修行もできる」

 

「いいね! そうするよ!」

 

「よし、じゃあ速攻で逃げよう」

 

 

 

 

 

 

 こうして碇兄弟は消息を絶ち、十年後まで行方不明者となるのだった。




 ※碇カケル=異世界翔の記憶覚醒前
 ※碇翔=異世界翔の記憶覚醒後



 最初が何故エヴァンゲリオンなのか……。




 ズバリ、くじ引きで決めましたw


 とは言っても早い段階でS2機関を持たせるのは決めてたから丁度良かったです。

 そう言えば小説中にナレーションみたいに説明入れるの苦手なので、原作知ってる人向けになっちゃってます。なので分からない部分があれば質問は受け付けます。原作についてでも、独自解釈についてでもなるべく答えます。↓↓↓ここにお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=221302&uid=285332

 主人公、どんどんチート化が進みます。出来るだけ面白く作るので、是非生暖かい目で見守って下さい。


──────────

 ここにとか言いながらURL貼り忘れてました……ごめんなさい……。


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妖怪、襲来

 そろそろ、書き溜めが減って失速が始まっている今日この頃。

 シレッと投稿が週一となり、月一となっていく様子がありありと想像出来てちょっと焦ってます。

 とりあえず今日も、ゆっくりしていってね!



「碇、大丈夫なのか?」

 

 

 NERVの司令室では、総司令こと碇ゲンドウと副司令、冬月コウゾウがいた。

 

「何の話だ?」

 

「何を言っているんだ。お前の息子、翔君とシンジ君の話じゃないか」

 

「問題な」

「あるだろう…… 諜報員隊長と副隊長に丸投げしているそうじゃないか」

 

 冬月はいつもならゲンドウに任せるところだが、今回に限っては口を出さずにはいられなかった。しかも食い気味で突っ込んでいる。

 

「……なるべく急ぐようには……」

 

「もう遅いぞ? 襲来予定日は明日だ」

 

 冬月はため息をついた。

 

「彼らの報告はどうだったんだね?」

 

「尻尾は掴んでいると言っていた」

 

「なぜそれで捕まえられんのだ……」

 

「富士の樹海にいるらしい。中にいるのがわかっているが、入ればNERVの者のみ計器が狂うなどして、気が付けば樹海の外に出てしまっているらしい」

 

「何が起こっておるのだ……」

 

 その時、執務机に備え付けられた電話が鳴った。

 

「……なんだ? …………そうか、分かった」

 

 電話を取ったゲンドウは言葉少なに返事をした。

 

「どうした」

 

「カケルとシンジが見つかった」

 

「……そうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

「第三新東京市、中々でかい街だよな」

 

「でしょ? 僕はもう少し自然が多い方が好きだけど……」

 

「ああ、それは間違いない、特に妖怪の俺にとってはな。……お、あっちを感知してみ?」

 

 俺はシンジにある方向を指さした。

 

「……第4の使徒……いや、第3の使徒か。僕や翔よりは全然小さい気もするけどいるね」

 

 シンジはさほど驚きもせず言った。この小さいとはエネルギー量のことだ。

 

 ちなみにシンジは俺が鍛えた。

 アダムから使徒以上の力をもらっている。しかし力任せだったりして使いこなせてなかった。

 そこで鍛え直したおかげでシンジは霊力も使えるようになった。気力はシンジが苦手だったのでゼロか百かの身体強化のみ、魔力は俺達がS2機関で大量にあるために扱いきれず、暴走させてしまって使えないといった状況ではあるが。妖力や法力は言わずもがなだ。

 サキエルと言い直したのはどうもシンジの逆行前とは少し違う世界らしいからだ。調べたらシンジの世界の第3の使徒は捕獲されていたが、こちらにはそんな使徒存在しなかったらしい。ところどころ違うことがあって変な感じだと言っていた。

 

 

「んで、確かミサトさんって人が迎えに来るんだったよな」

 

「うん、もう時間も大分過ぎてるんだけど……サイレン鳴ってるし」

 

「みんな逃げてるしな。……と、見つけた。あっちだ」

 

 俺は戦闘機みたいに空中にいない人のエネルギーを感知し、走り出そうとしたその時、突風と地響きが来た。

 

 

 

「うわ……。早速お出ましか」

 

「どうするんだ? 応戦するか?」

 

「いや、時間帯からするとまだ戦自から指揮権が移ってない。僕達はNERVの戦力になってるはずだから勝手にはできない。それにまた化け物が現れたって言われても嫌だよ」

 

「それもそうか。じゃあ行こっか」

 

 シンジの指示に従ってミサトさんらしき人の所へ向かった。

 

 

 

 

 

「使徒を肉眼で確認、と……全くいきなりね……」

 

 青のアルピーヌルノーA310に乗って、愚痴のように言いながらも口角を上げている葛城ミサトは入り組んだ使徒迎撃専用要塞都市を爆走していた。

 

「ついに……ついに来たのね……」

 

 

 その時ルノーの前に二つの影が立ち塞がった。

 

「うわっ!」

 

 ルノーはキィィィィィ!! という大きなスキール音を立ててドリフトしながら止まった。

 

「あ、危ないわね! 何なのよ」

 

「す、すみません! 葛城さん……。中々来なかったものですから……」

 

「えっ?」

 

 ミサトは自分で文句を言っておきながら驚いた。それは目の前に飛んできたものが瓦礫だと思ったからだ。それ程までのスピードで着地できる人間、それ以前に上から降ってくる人間なんて想像もしていなかった。

 

「えっと、君達、シンジ君と翔君よね……? どうやって飛んできたの……?」

 

「あ、……フ、フリーランニングですよ! 最近の僕達のマイブームなんです! それより迎えに来てくれたんでしょう? 早く行きましょうよ!」

 

「……そうね。乗って! 飛ばすわよ!」

 

 何か誤魔化された感が否めなかったが、ミサトはこんな時にそんなことを気にする場合じゃないと気付き言った。

 

 

 

 

 

 

 ミサトは見晴らしの良いところで車を止め、双眼鏡で使徒の方を見た。

 

「ちょっと、まさか、N2地雷を使うわけぇ~!? 伏せて!!!」

 

「えっ? あの核兵器並のあれ!?」

 

「そうよ! 早く」

 

「仕方ない。シンジ」

 

「分かった!」

 

 俺達は二人がかりで霊力の結界を張った。シンジはA.T.フィールドを使うので結界は得意だった。

 

 

 衝撃波が到達して轟音が聞こえるも、結界のこっち側は無風で快適だった。

 

「ふぃー、なんとかなった……」

 

「街一つ犠牲になったね……まあ無事だったしいいけど」

 

 

「……あれ? 衝撃波は?……」

 

「「あ」」

 

 ついそこにいたミサトを忘れてやってしまった。ミサトは驚愕した顔でこっちを見ていた。

 

「えーと……来なかったんだよ! きっと」

 

「そ、そうですよ! あっちの山の影になったんですよ」

 

「……」

 

「それより急ぎましょう!」

 

「……りょーかい……」

 

 ミサトはまたも誤魔化された感に否めない様子で、歯切れ悪く言った。

 

 

 

 

 

 

『ゲートが閉まります。ご注意ください。発車いたします……』

 

 カートレーンに着いて、運ばれている時、ミサトは俺達をチラチラ見ていた。

 

「……もう、気になるなら言ってくださいよ。どうせ僕達が今までどこにいたとか何を隠してるとかが気になるんでしょ?」

 

 チラチラに耐えられなかったシンジは言った。

 

「あはは、バレた? でも話したくなさそうだし」

 

「うーん、そこは翔次第だからなぁ、翔? どこまで説明していいの?」

 

「今はダメ。父さんに話すのが先」

 

「まあそれもそうか」

 

「んん……」

 

「大丈夫ですよ。少なくともNERVの味方ではありますから。ちょーっと、父さんにはO・HA・NA・Sl☆があるんですけどね~」

 

 後にミサトはこう語った。翔君の目のハイライトがなくなったあの黒い笑は使徒よりも怖かったと……。

 

 

 

「ま、それよりもあのバケモンをどうにかしないといけないし……面倒いなぁ」

 

「はぁ、本当にやるの?」

 

「もちろん」

 

「え? 何をするの?」

 

「応戦」

 

「……あれと戦わされるのは知ってたの?」

 

「調べましたから。まああれに乗るのはシンジで、俺は生身で行きますけど」

 

「え!? 生身でって、危ないわ! 何をどう考えたらあんなのに生身の攻撃が効くのよ」

 

「まあ見ればわかりますよ」

 

「ダメよ! そんなの!」

 

「いいからいいから。大舟に乗ったつもりでいてください」

 

「泥船ですらないわ! 腐った流木よ!」

 

「わあ上手い」

 

「上手くないわよ!」

 

「まあまあ、二人とも落ち着いてください。着きましたよ?」

 

「え? ああ、うん……そうね」

 

 いつの間にかカートレーンは停止していた。

 

 

 

 

 

「おっかしいわねー、確かこの道のはずよねぇ……」

 

『セントラルドグマの閉鎖通路は現在……』

 

 水平型エスカレーターに乗って首を傾げていたミサトは自動ドアが空いた瞬間スカートを押さえた。下から突風が吹くからだ。

 

「これだからスカート、はきづらいのよね、ここ」

 

「通気口とか無いんですか?」

 

「そうなのよ。不便でしょ? ……しっかし、リツコはどこいっちゃったのかしら……ごめんね、まだ慣れてなくて」

 

「さっき通りましたよ、ここ」

 

「シンジ、冷たいな……」

 

「……でも大丈夫、システムは利用するためにあるものね」

 

 そしてミサトが何かしたのか、アナウンスが流れた。

 

『技術局第一課E計画担当の赤木リツコ博士、赤木リツコ博士、至急作戦部第一課葛城ミサト一尉までご連絡ください』

 

 

 

 

「技術員の博士なら整備とか忙しいんじゃないですか?」

 

「ええ、その通りよ。碇翔君」

 

 俺の疑問に答えたのはその場に現れた本人だった。

 

「あ、あら、リツコ……」

 

「何やってたの、葛城一尉、その子の言う通り人手もなければ、時間もないのよ」

 

「ごめん!」

 

「……例の男の子達ね」

 

「そう、マルドゥックの報告書による、サードチルドレンとフォースチルドレン」

 

「よろしくね」

 

「あ、はい」

 

「よろしくお願いします」

 

「これまた父親そっくりなのよ、かわいげのないところとかね」

 

「えぇー……なんかそれは嫌だな」

 

「「……」」

 

 

 

 

 

 

『繰り返す、総員第一種戦闘配置。対地迎撃戦用意』

 

「ですって」

 

「これは一大事ね」

 

 剥き出しのエレベーターみたいなリフトに乗っていた時に流れたアナウンスによってミサトとリツコはおちゃらけたように言った。しかし顔は真剣そのものだった。

 

「で、初号機はどうなの?」

 

「B型装備のまま、現在冷却中」

 

「それほんとに動くの? まだ一度も動いたことないんでしょう?」

 

「起動確率は0.000000001%。O-9システムとは、よく言ったものだわ」

 

「それって、動かない、ってこと?」

 

「あら、失礼ね。ゼロではなくってよ」

 

「数字の上ではね。ま、どの道動きませんでした、ではもう済まされないわ」

 

 どーでもいいけどここの人はもう少し用心すべきだよな……。いきなりそんなこと俺達の前で言うなんて。

 

 

 

 

 

 

 俺達はその後ケージに着いた。真っ暗からいきなり電気が着いた。演出下手くそかよ。真っ暗の中になんで作業員がいるんだよ……。

 

「驚かないのね……。人の作り出した究極の汎用人型決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオン。その初号機。建造は極秘裏で行われた。われわれ人類、最後の切り札よ」

 

「ふぅん……これが、父の仕事ですか」

 

「そうだ。久しぶりだな」

 

 急に頭の上から声が聞こえた。そこには髭を生やした司令がいた。

 

「久しぶりだね」

 

「フン、出撃」

 

「出撃? 零号機は凍結中で「了解」え? ちょ……」

 

 シンジはさも当たり前のように言った。

「……え……えっと……いいのかしら?」

 

「え? 乗れって言ったのあいつでしょ?」

 

「そ、そうだけど……」

 

「じゃあいいじゃないですか?」

 

「えぇ……」

 

 シンジはリツコの持っていたインターフェースヘッドセットを掴んで軽く肩に飛んで着地し、そのまま首の後ろに回り込んでエントリープラグに向かった。その距離は十数m(・・・)ほど、その場にいた人は全員ビシリと固まった。

 

「何やってるんですか? シンジが乗るって言ってるんですから早く行きましょうよ。たかが人が十や百飛んだぐらいで何を驚いているんですか。鍛えたらこの程度誰だってできますよ」

 

(((((いやそれはおかしい!)))))

 

 この場にいた全員の心の声が一致した。

 

 

 ちなみにシンジに皆が気を取られた隙に俺は装甲にだけ強化の術を施した。独学なので気休め程度だが、これでダメージはだいぶ減るはずだ。

 

 

 

 

 

 みんなの心の中でのツッコミは無視され、準備が始まった。

 

『冷却終了』

 

『右腕部を再固定完了』

 

『了解、停止信号プラグ排出終了』

 

『了解、エントリープラグ挿入。脊髄連動システムを解放、接続準備』

 

『プラグ固定終了』

 

『第一次接続開始』

 

『エントリープラグ、注水』

 

「……ゴポッ…………」

 

 シンジが入っていたエントリープラグ内にオレンジ色の水が入っていくが、シンジは迷わず肺の空気を吐き出して水を吸い込んだ。

 

「……リツコ……あれ……」

 

「ええ……驚きもせず吸い込んだわね……説明忘れてたけど」

 

 嘘つけ……いろいろ気にする余裕を無くさせるためだろ……。

 

『主電源接続』

 

『全回路動力伝達、問題なし』

 

「了解」

 

「第2次コンタクトに入ります。A10神経接続異常なし」

 

『L.C.L.電荷率は正常』

 

「思考形態は、日本語を基礎原則としてフィックス。初期コンタクト、全て問題なし」

 

「双方向回線、開きます。シンクロ率58.6%」

 

(あれ? ちょっと高すぎたか……)

 

 シンジは頬を人差し指で掻きながら眉を顰めた。

 

「プラグスーツの補助も無しに? すごいわね」

 

「ハーモニクス、すべて正常値。暴走、ありません」

 

「いけるわ!」

 

「発進準備!」

 

『発進準備!』

 

『第1ロックボルト外せ!』

 

『解除確認』

 

『アンビリカルブリッジ、移動開始!』

 

『第2ロックボルト外せ!』

 

『第1拘束具を除去。同じく、第2拘束具を除去』

 

『1番から15番までの、安全装置を解除』

 

『解除確認。現在、初号機の状況はフリー』

 

『外部電源、充電完了。外部電源接続、異常なし』

 

「了解、EVA初号機、射出口へ!」

 

 やっと起動された初号機は射出口に移動し始めた。

 

「進路クリアー、オールグリーン」

 

「発進準備完了!」

 

 ここリツコはゲンドウに確認を取った。

 

「了解。……構いませんね?」

 

「もちろんだ。使徒を倒さぬ限り我々に未来は無い」

 

「碇。本当にこれで良いんだな?」

 

 ゲンドウはここでニヤリと笑うところだったが、今回は真顔のままだった。

 

「発進!」

 

 シンジは射出のGにも顔を変えず、上まで上がり切った。

 

「良いわね、シンジ君」

 

「はい」

 

「最終安全装置、解除! エヴァンゲリオン初号機、リフトオフ!」

 

 

 

 

 

「シンジ君、今は歩くことだけを……えっ?」

 

 シンジはリツコの言葉を無視して一気に足を進め、一陣の風になった。

 

 俺はそのタイミングで外に出た。中にいたのは妖力で作った実体の無い虚像だ。

 

「翔、あの子は任せる!」

 

「了解だ。ミサトさん、リツコさん! 一般人を発見。俺がついておく。誰か救援によこしてください」

 

 俺はリツコのすぐ横に富士の樹海で見つけた河童に改造してもらった無線機を置いておいたので連絡は問題ない。

 

『翔君? そこにいるの!?』

 

「話は後で、早く!」

 

 

 俺は走ってその子に駆け寄り、気絶している女の子を抱き起こした。

 

「うぅ……ん……ん!? 誰!!?」

 

「あ、目、覚めた? 俺はNERV所属の異世界翔っていうんだ。今あっちで化け物とNERVのロボ兵器が戦ってるから逃げてるところ。それにしても危ないよ? 警報なったら逃げないと。最悪死んじゃうからね?」

 

「は、はひ!!」

 

「フォースチルドレン、その子は預かろう」

 

「あ、すみません。お願いします。この人について言ったら大丈夫だからね」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「さあフォースも」

 

「いいえ、俺はまだやることがあるんで、んじゃ」

 

 後ろからなんか聞こえたけど無視して走り出し、一気にシンジの横へ飛んで行った。後ろで「へ!?」とか言う声が聞こえたけどまあいいや。

 

 

 

「シンジ、待たせた」

 

『大丈夫、なんの問題もないよ』

 

 初号機からはシンジの能天気な声が流れた。確かにそうだな……。

 サキエルはシンジのフィールドに阻まれてそこから動けていない。中和しようとしているが、鉄をマッチの火で溶かそうとしているかの如く何も起きない。やがて体当たりしたりパイルを打ち出したりするも何も起きない。

 

「こ……こんなに弱かったの?」

 

「……さあ……そうなんじゃない?」

 

 俺は聞いてみたけどシンジも拍子抜けしたような感じで言った。

 

「これ俺いらない?」

 

「……いらないかも……いや、せっかくだしあいつのトドメは任せるよ」

 

「あー……うん。分かった」

 

 俺は今自分が出せる最高の火力の妖力弾を作って投げた。S2機関を持つようになってエネルギー総量が大幅に増え、サキエルのコアとそう変わらない大きさまで膨れ上がっている。A.T.フィールドは心の壁だし俺のことを拒絶してないシンジのフィールドを気にする必要は無い。真っ直ぐ通り抜けてコアに吸い込まれた。

 

 コアに当たった時、コアを超高温で焼き切っているかのようにそのまま通り抜けて行った。ブチッと動きが止まった後、シンジはフィールドを筒型にしてサキエルを包み込んだ。そして轟音を出して大爆発を起こした。

 

「うわぁ……こんなに爆発するんだ」

 

 俺は他人事のように言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シンジ君、今は歩くことだけを……えっ?」

 

 ミサトは今目の前で起きたことが信じられなかった。初乗りのシンジがいきなり走り始めたからだった。ミサトはその異常について翔に聞こうと横を向けば、今の今までいた翔がいなくなっていた。

 

「えっ!? 翔君どこ!?」

 

 ミサトはその後モニターを見ると外で飛んでいる翔が見つかった。

 

『翔、あの子は任せる!』

 

『了解だ。ミサトさん、リツコさん! 一般人を発見。俺がついておく。誰か救援によこしてください』

 

 エヴァの内部音声から聞こえるシンジの指示に翔は返事をしてこちらへ報告した。いつの間に置いてあったのか、リツコの隣に小型のトランシーバが置かれていた。

 

「翔君? そこにいるの!?」

 

『話は後で、早く』

 

 それだけ言うと翔は飛んで行った。その方向のカメラを確認すると確かに女の子が倒れていた。

 

「な!? 救助員を向かわせて!」

 

 

 頭が痛くなりそうなのを堪えながら主モニターに目を戻すと更に驚かされた。初号機が前に出した手によって使徒が進めなくなっていた。

 

「A.T.フィールド……」

 

「エヴァも持っていたのは分かってたけど、それを使いこなすシンジ君も異常ね……」

 

 

 

 

 

『シンジ、待たせた』

 

『大丈夫、なんの問題もないよ』

 

 初号機の外部集音器から翔の声が聞こえ、シンジもまた能天気に返した。モニターの中の翔は使徒の方を見て少しずっこけた。少し服もズレている。

 

『こ……こんなに弱かったの?』

 

『……さあ……そうなんじゃない?』

 

「使徒を見て肩透かしを喰らうなんて……」

 

 ミサトは戦慄してしまった。

 

『これ俺いらない?』

 

『……いらないかも……いや、せっかくだしあいつのトドメは任せるよ』

 

『あー……うん。分かった』

 

「一体何をする気なの……? 通常攻撃とは言えN2地雷も効いてなかったのに……」

 

 そう言ったリツコも次の行動を見て絶句した。翔が上に向けた手から巨大な光弾が出てきたからだ。今や本部の全員の動きが止まっていた。

 そして、振り下ろされた光弾は使徒のコア部分を抉りとり、行動を停止した。

 

 

 

「そんな……彼らは一体何者……?」

 

 爆発をフィールドで防ぎながらうへぇという顔をしている二人を見ながらミサトはそう言った。

 




 んー……なんでかちょっとギャグ調になってる気がする……。


 後、何人かは気付いたともいますが、ここのシンジ君は新エヴァの世界線から来ています。
 つまりこのシンジ君はたまにシンジさんになります。いや、翔に鍛えられたので女の子関係で照れてる時以外ほぼずっとシンジさんと言っても過言じゃないです。可愛いシンジ君が見たかった人はごめんなさい。かっこいいシンジさんの虜になって下さい。

 それではまた。今後ともよろしくお願いします!


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人間と妖怪、絡み合い

 絡み合い……ちょっと表現変な気がする……。運命絡み合ったって感じの解釈でお願いします。

 自分のボキャ貧が辛い……。ネーミングセンス皆無なのでこの話の名前変じゃない? っていうのはするーしてくれると嬉しいです。

 それでは今回も、ゆっくりしていってね!


「お疲れ様」

 

「あ、はい。ありがとうございます」

 

 戻ってきた俺達にみんな上辺だけは笑顔で迎えてくれた。しかしほとんどの人が引き攣った顔をしていた。

 

「そんな無理して笑おうとしないでいいですよ。実際化物なのは俺な訳ですし」

 

「ん? 僕は?」

 

「シンジはいろんな人から力貰っただけじゃん。純粋な魑魅魍魎は俺だって」

 

(((((自分で魑魅魍魎って言っちゃうんだ……)))))

 

「えーと、翔君? その魑魅魍魎ってどういうことか聞来たいのだけれど、ちょっと来てくれるかしら?」

 

「んー、まあいいか。じゃあ司令室で父さんに直接言うんで聞きたい人は来てください。シンジはシャワー浴びて来い。説明は俺の方を先にやっとくからさ」

 

「分かった。任せるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 ってことで俺はリツコさんとリツコさんが許可したミサトさんを連れて司令室まで来た。

 

「さて、俺達が何者かって話ですが……まずは日本で一番有名な魑魅魍魎と言えば何か思いつきます?」

 

「……オカルト的な話かね……?」

 

 反応しないゲンドウのかわりに冬月副司令が聞いてきた。

 

「そうっすね」

 

「…………妖怪とか……?」

 

「正解、俺は妖怪です」

 

「面白いこと言うのね。そんなこと信じられるとでも?」

 

 そんなことを言いながらも全然面白くないというようにリツコが言った。

 

「DNA鑑定したらいいじゃないですか。使徒以上に人間離れした数値になると思いますよ。あ、それとも腕でも切り落とせばいいですか? 妖怪の再生力は人間とは比べ物になりませんし」

 

「……ちなみになんの妖怪?」

 

「模倣妖怪です。色々コピーアンドペーストだとこじつければ割となんでも出来ちゃう妖怪です。視界に入った生物のバッドステータス以外の特徴をコピーして自分のものにも出来ます。あ、ほら。さっきの使徒見てA.T.フィールドも張れるようになりましたよ」

 

「……じゃああの光弾は何だね……?」

 

「妖怪なら基本誰でも使える妖力弾って奴です。使徒の永久機関をコピーしてからエネルギー量が大幅に増えたのでラッキーでした」

 

「……君の目的は……?」

 

「サードインパクトの阻止。さすがに不老不死でも星があれだと辛いですからね。あ、食事は人の食べ物と驚いた感情なので人喰いはしないですよ。今までの話でもうお腹いっぱいです」

 

 しばらく沈黙が続いた。

 

 

「…………そう言えば本物の碇翔は?」

 

 そんな時リツコが言った。

 

「え? 俺ですよ?」

 

「……しっかりと碇ユイさんが双子を産んだって記録されてるのだけれど……」

 

「ええ、ちゃんと産まれましたよ? この使徒戦に交じるには一番やりやすいでしょ? 碇家の息子っていうアドバンテージはでかいですからね。わざわざお腹の中の子に魂が出来上がる前に転生したんですよ。ちょっくら遠くの神様に頼まれちゃいまして、本来一人っ子のシンジに双子の兄弟として後付けさせてもらいました」

 

「…………」

 

 やっぱり信じられないよな……。

 

「では、デモンストレーションと行きましょう」

 

「え?」

 

「こちらにありますはミサトさんが持っていた拳銃です」

 

 そう言って俺はミサトさんの内ポケットにあった拳銃、USPを上に掲げて見せた。

 

「え!? いつの間に!?」

 

 ミサトさんは慌ててジャケットの内側を見た後こっちを見てきた。

 

「そしてこいつを」

 

 パァン!

 

「!?」

 

「えっ!?」

 

 有無を言わさずセーフティを解除して俺の頭に当て、引き金を引いた。頭に強い衝撃が来て血飛沫と貫通した弾が飛んで少し離れた所に張っておいたフィールドで抑えられた。

 痛みは皆無。痛覚は邪魔でしかないので一旦解除している。A.T.フィールドって体を弄るのにも使えるし万能だな。まあそれはともかく。

 

「頭を撃ち抜きましたがあら不思議、貫通しようとも何ともないんですよねー」

 

 おどけたように言ってから傷口のみを残して汚れを落とした。実は服の周りに薄いフィールドを張っておいたので一瞬。ホントこれ便利だね。

 

「あ、お返しします。ありがとうございました」

 

「え……ええ?」

 

 持ち手をミサトさんに向けて手渡した。ミサトさんは目の前で起きたことが信じられずにきょとんとしている。

 

「……ちょ、ちょっと待て……それは脳を撃ち抜いてるんじゃないのか……?」

 

 この中で一番冷静、とは言っても十分慌てている副司令が聞いてきた。

 

「はい、さっきまでの俺の脳みそは正に蟹味噌状態っすね」

 

「そ、それでどうやって……」

 

「ま、俺の体の内蔵なんて形だけですから。最低限胃が溶かす力持ってるぐらい。こういえばいいかな……思念からできた妖怪って体に魂が入って生きてる普通の生物と違って、魂が体を構成させてるみたいなところがあるんですよ。あ、もうこれ完全に治していいですね」

 

 俺はこめかみの穴に妖力を集中させて治した。本来は少しずつ治るのがS2機関のおかげで一瞬だった。ホントこれ便利で逆に怖ぇよ……。

 

 そんなこと思ってたらドン引きされたみたいだ。まあ妖怪ってそんなもんだしな。

 

「まあ要するに人型の使徒が仲間に入ったと思ってればいいと思いますよ。アダムとの接触でサードインパクトっていうバッドステータスはないんでコピーのエヴァでもいいけど」

 

「そ……そうか……」

 

「とりあえず今の俺に出来ることをまとめた資料です。今後の作戦に役立ててください」

 

 俺はあらかじめ持っておいた紙に自分のステータスをコピーして渡した。

 

「あ、ありがと……ってこれ!?」

 

 ん? そんなに驚くようなこと書いてたか? まだ数百年しか生きてない小物妖怪だし……。一応確認を……。

 

 

コピーアンドペーストする程度の能力

あらゆる薬を作る程度の能力

限界を引き出す程度の能力

エネルギーを操る程度の能力(霊力、気力、魔力、妖力法力、神力)

陰に光を齎す程度の能力

水を操る程度の能力

結界を操る程度の能力

S2機関

A.T.フィールド

 

 

「? なにか変かな?」

 

 んー、わからん。

 

「……これ……本当にS2機関を……?」

 

「あ、はい。さっきも言いましたけどそうですね。やっぱり信じてなかったんだ。というか単純に理解出来てなかったのかな……?」

 

「……ええ、見誤っていたわ。……他はどこから模倣してきたのかしら?」

 

「あらゆる薬を作る程度の能力は日本神話で八意思兼神とされている人、限界を引き出す程度の能力と霊力、魔力、気力、法力は当時の一般人、妖力は生まれつき、神力はさっきの使徒で、陰に光を齎す程度の能力は月夜見の能力、水を操る程度の能力は樹海で会った河童からだな」

 

「……ちょっと待って……なんでそんな神話の人や神の名前が!?」

 

「八意思兼神は本名八意××、或いは八意永琳と言い俺を雇ってた薬屋の人で、月夜見は永琳のお得意様兼教育を受けていた人です。俺ともある程度仲良かった人達ですよ」

 

「神話の人と仲が良かったなんて……」

 

「まあ今の俺については説明終了です」

 

 みんな疲れた様にため息をついた。

 

 

「じゃあ次は僕ですね」

 

 シンジが俺の横に現れた。

 

「……えっと……今のは……? 翔君が妖怪なのは分かったけどシンジ君は人間でしょ……?」

 

「はい、僕は人間ですよ。とは言っても妖怪に鍛えられたっていうのが付きますけど。今のは邪魔しないように認識阻害結界張ってました。人間でも案外できること多いですよ? 空飛んだり、霊力気力魔力が使えたり。僕は霊力と気力のみですけど」

 

「昔の陰陽師はどうやって妖怪退治してたとでも? 人間だってやればそこらの木っ端妖怪なんかよりも遥かに強くなれますよ。さっきの使徒もシンジなら生身でいけてましたよ?」

 

「うん……あまりにも手応えがなくて拍子抜けしました。気力で身体強化して霊力弾を数発ぶつけたらすぐですね」

 

「そ、そう……」

 

「で、僕の能力は結界を操る程度の能力です。さっきA.T.フィールド見てから翔に補助してもらえばA.T.フィールドも張れるようになりました」

 

「なっ!? ま、待て……A.T.フィールドは使徒特有の……」

 

「神である翔の眷属になってる僕なら出来ました」

 

「……そんなことが……」

 

「とは言っても僕にできるのはそのぐらいですけどね。まあ、どれも父さんが僕達を捨ててくれたお陰です」

 

「う、うむ……」

 




 翔さん、耐久力に定評があるチート妖怪。
 からのシンジさん、生身でも使徒倒せる発言(爆)。

 翔は密かに弟子をEX化させる程度の能力を持っているかもしれない。ただチートが書きたいだけなので必然的にそうなるけど。

 A.T.フィールドって体を構成させてるもの……つまりL.C.Lを固めて原子を作ってるってことでしょ? っていう謎理論で治癒能力、ついでに創造能力を持ってます。


 書くこと無いな……そんな感じで、今後ともよろしくお願いします。


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妖怪、転入

 前書きの言うことが無くなってきました。

 今後は特にない限りこれだけにします。

 ゆっくりしていってね!


「二人でですか?」

 

 今俺達は住居についての話を聞いていた。どうやら二人暮らしになる流れのようだ。

 

「そうだ。彼の個室はこの先の第6ブロックになる。問題は無かろう」

 

「「はい」」

 

「それでいいの?」

 

「いいんです。二人のほうが。どこでも同じですから」

 

「今までもそうでしたしねぇ。生まれ変わる前も約百歳年下の人と薬屋やってましたし。慣れたもんですよ」

 

「むぅ……」

 

 ミサトさんはご不満らしい。しばらくして口を開いた。

 

 

 

 

『なんですって?』

 

「だから、二人は私んとこで引き取ることにしたから。上の許可も取ったし。心配しなくても子供に手ぇ出したりしないわよ」

 

 ……俺子供って言えんのかねぇ……。

 

『当たり前じゃないの! まったく何考えてるの、あなたって人は! いっつも……』

 

「相変わらずジョークの通じない奴……」

 

 

 

 

 ミサトさんのルノーに乗り込んで走っていた。

 

「さぁーて、今夜はパーっとやらなきゃね」

 

「何をですか?」

 

「もちろん、新たなる同居人の歓迎会よ」

 

「お? わかってますねぇ。となると酒がいるな」

 

「……翔君その容姿で言われると違和感が……」

 

「……まあ、こう見えて強いですから。気にしないでください」

 

「確かこないだ50%超のを瓶でラッパ飲みしてケロリとしてたもんね」

 

「あれぐらいしないと酔えないんだよな……結局あれでもほろ酔い程度だったし。味気にしないなら消毒液飲んだ方が良いっすね」

 

「え……えぇー……」

 

「まあ今は酒虫があるから大丈夫。この時代にもいるとは思わなかったけど……。ミサトさんにもあげますよ。聞いたことないですか? 水につけておくと絶品の酒を作ってくれる酒虫っていう虫」

 

「あるけど……え、それって本当にいるの!?」

 

「感謝してくださいよー? わざわざ富士山の樹海の奥から取ってきたんですから」

 

「やりぃっ!」

 

 

 

 

 

 その後、俺達はコンビニのようなところへ行った。

 

「うーん……ビールは欠かせないわよねぇ……あ、あったあった」

 

 そう言ってぽいぽいとカゴへあるものを放り込み出した。

 

「……カップラーメン?」

 

「そうよー?」

 

「……料理……しましょうか?」

 

「えっ? できるの!?」

 

「「……」」

 

 

 

「すまないけど、ちょーっち寄り道するわよ」

 

「どこへですか?」

 

「うふ、い・い・と・こ・ろ!」

 

 

 

 

「おー、いい眺めだ」

 

「時間だわ」

 

 腕時計で時間を確認したミサトさんは目を上げた。そこではサイレンとともにビルが生えていくのが見えた。

 

「これが使徒迎撃専用要塞都市……第3新東京市。私たちの街よ。そして、あなた達が守った街……」

 

 前回する気はなかったとはいえ滅ぼしてしまった都市の様子にシンジは強い目を向けた。

 

 

 

 

「シンジ君の荷物はもう届いてると思うわ。実は私も先日この町に引っ越してきたばっかりでね……さ、入って」

 

「「……ただいま」」

 

「! ……おかえりなさい」

 

 

 そして奥まで歩いていくと……信じられない光景が見えた。

 

「まあ、ちょーっち散らかってるけど、気にしないでね」

 

「えぇ……」

 

「はぁ……」

 

 シンジは前も見てたからか溜め息のみだったが、俺はつい呆然としてしまった。

 

「あ、ごめん、食べ物を冷蔵庫に入れといて」

 

「いえ、片付けもですね」

 

「え? ……でも」

 

「片付けですね?」

 

「アッハイ」

 

 

 

 

 その後俺達は様々な能力を駆使しながら片付けを始めた。霊力による念力のようなことを膨大なエネルギー量のゴリ押しでやったわけだ。

 

「すっごい……散らかってたゴミが一塊に……」

 

「「いいから手伝ってください!」」

 

「は、はい!」

 

 

 

 そして10分で済ませた。

 

「じゃあ時間も遅いからサッと野菜炒めでもしようかな」

 

「じゃあ俺はご飯の準備するよ」

 

「了解」

 

 

 

 

 そして料理も一瞬で済ませた。

 

「はい」

 

「わぁ! 美味しそう!」

 

「では、初勝利と葛城家のこれからを祝って」

 

「「「乾杯!」」」

 

 

「んぐ、んぐ、んぐ、んぐ、んぐ、んぐ、ぷはーっ! かぁーっ! やっぱ人生この時のために生きてるようなもんよねぇ」

 

「いい飲みっぷりですね! ではこちらも」

 

 俺は自力で作った妖術での四次元ポケットっぽいところから一升瓶を取り出した。

 

「お、おお……」

 

「ミサトさんも飲みますよね? 酒虫酒」

 

「え、ええ……でも酒虫ってそんな形なのね……」

 

「ええ、虫っぽくないですよね。俺も永琳から教わった時はびっくりしたし……あ、どうぞどうぞ」

 

「あ、あらどうも……じゃあ頂くわ……んぐ、んぐ……!? ゴクゴクゴクゴクゴク!」

 

(わ……今までにないスピード……)

 

「ぷはぁっ! な、なにこれ! 味が凄く不思議! 複雑だけどとっても美味しいわ!」

 

「でしょ?」

 

「もう、僕にわからないお酒の話しないで他の話しましょうよ!」

 

「あ、すまん」

 

「ごめんごめん」

 

「でもシンジも飲めばいいのに。昔は10歳になる前から飲んでたのもいたぜ?」

 

「今は今でしょ」

 

「仲いいわねぇ。じゃあシンちゃんの野菜炒めも貰うわね」

 

「あ、はい。どうぞ」

 

「あむっ! ん! 美味しい! ……それにしても野菜炒めなのに不思議と元気が出るのはなんでかしら……」

 

「隠し味は霊力と気力です」

 

「むぐっ!? それって確か二人が使ってる力のことよね?」

 

「ええ。霊力は精神や魂に宿る力、そして気力は体を動かすエネルギーなのでその二つを得ると基本的に体力回復になります」

 

「他にも魔力とか法力とかあるけど、それはまた別物ですからね。ちなみに神力や妖力は思念の力です」

 

「へー……そういうのってあたしにもできるのかな?」

 

「ミサトさんの場合は気力が使えそうですね。軍人だからかな?」

 

「多分無意識に使ってると思うよ。ミサトさん最低限体もできてるけどその割にはやっぱり筋肉少ないとか言われません?」

 

「うーん……確かに言われてたかも」

 

「他にもガリガリの武道の達人とかも使ってる人いるよね」

 

「ああ、中国拳法系は特にだな」

 

「へぇ……」

 

 

 あれ? ふと思ったけどこれ楽しい歓迎会だよな……。まあいっか。

 

 

 

 

 その後、俺達はミサトさんの家事能力が壊滅的なのを知っていたので、家事の当番を全て奪い、俺とシンジで交互にするといった。

 

 

「なんでそんなに家事をしたがるのかしら……まあこっちは楽でいっか。シンちゃんお風呂お先にどうぞ。風呂は命の洗濯よ」

 

 

 

「クワワワワワワワッ!」

 

「おー……ペンペンか……僕はシンジ。今日からよろしくー」

 

「クワッ!」

 

 何やってるんだあいつは……。

 

 

 

チトわざとらしくはしゃぎすぎたかしら……?

 

「そうですねぇ」

 

「ありゃ……聞こえちゃった?」

 

「妖怪って野生な部分が鍛えられてるんで耳もいいんですよ。ついでに人の心にも敏感です」

 

「……」

 

 あー……黙っちゃった……。

 

「まあ、俺はシリアス大嫌いなんで。気楽に行きましょ」

 

「はぁ……ホント敵わないわね……」

 

「風呂上がったよ」

 

「おう、俺次入る」

 

 

 

 

 

 

「おはよー」

 

「あ、おはよう翔。何してたの? もしかしてまた寝てないの?」

 

「寝る必要ないし」

 

「えー……」

 

 S2機関は永久機関だ。つまり寝るという休憩は元々妖怪だったこともあって必要無くなったらしい。

 

 まあそれは置いておいて、今俺は周りに霊力気力魔力妖力法力神力の6つの力のコントロールを鍛えるために全てのエネルギーを発生させて衛星のように俺の周りを回していた。普段からよく使う霊力と気力と妖力は慣れたもんだが、その他はまだ微妙だし。

 

「いつ見ても不思議だよね……その光景」

 

「そうか? それよりも今日から学校だったよな」

 

「あ、そうだったね。お弁当が……」

 

「作っといたよ」

 

「流石……」

 

「じゃあシンジは着替えとか朝食とか済ませとけ。どうせミサトさん起きないだろうし……」

 

「あー……わかった」

 

 という訳で俺はミサトさんの部屋の前に行った。

 

「ミサトさーん! 朝ですよー! いい天気の朝ですよー!」

 

 俺は春告精かのように部屋の前で声を出した。

 

「……う……うーん……今起きる……」

 

 そしてしばらくすると部屋から出てきた。

 

「うーん……いつもよりスっと起きれたわね……なんでかな……」

 

「ビールばっかりじゃなくて酒虫酒も飲んだからじゃないですか? あれ強さの割に二日酔いしにくいんです」

 

「どこまですごいお酒なのかよくわかるわね……」

 

「ええ、もう昨日減った分はできちゃいましたし。あ、朝ごはんもできてますよ」

 

「ありがと」

 

 

 

 

「じゃあ」

 

「「いってきまーす!」」

 

「行ってらっしゃーい」

 

 

 

 俺達はその後、普通に飛行して第3新東京市立第壱中学校へ向かった。

 

「ふーん……結構大きいね」

 

「そうだな……」

 

 

 その後、担任等との挨拶を済ませた俺達は教室へと向かった。

 

「では、自己紹介をお願いします」

 

「はい。えー、碇翔と言います。そして双子の弟の」

 

「碇シンジです。よろしくお願いします」

 

「気軽に翔、シンジと呼んで仲良くしてくれると嬉しい」

 

「はい、ありがとう。ではあの席に翔君。そっちにはシンジ君が座ってください」

 

「「はい」」

 

 

《シンジさんや》

 

《……どうしたの? 翔》

 

《そんな変なヤツを見る目をしないでよ……で、トウジがいないけど》

 

《あー……多分……》

 

ガラッ!

 

「あっ! 鈴原また!」

 

「おー、すまんすまんいいんちょ。ちょっと寝すぎたわ」

 

「「「あはははは」」」

 

《ね?》

 

《ならいっか》

 

「お? 見たことない奴がおるな」

 

「転校生だよ。俺が碇翔」

 

「僕は碇シンジ」

 

「そか、ワイは鈴原トウジや。よろしゅうな」

 

「「よろしくー」」

 

 

 

 そして授業中。

 

『碇君達があのロボットのパイロットというのはホント?  Y/N』

 

 俺は即Yをタイプして送信した。

 

「あ、ちょ、かけ……」

 

「ええええええええええええええ!!!?」

 

 おおう……。想像以上。

 

「ちょっとみんな、授業中でしょう! 席に着いてください!」

 

「あー、またそうやってすぐに仕切るー!」

 

「いーじゃん、いーじゃん!」

 

「よくない!」

 

「ねえねえ、どうやって選ばれたの?」

 

「ねえ、テストとかあったの?」

 

「恐くなかった?」

 

「操縦席ってどんなの?」

 

「俺は正確には補欠でな。前回乗ってたのはシンジだ」

 

「え、じゃあシンジ君」

 

「いや、あの、そういうの、秘密で……後、翔は補欠と言うよりも乗る必要が無いというか……」

 

「えー、なんだよそれー!」

 

「ねえねえ、あのロボット、なんて名前なの?」

 

「汎用ヒト型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオン。で、僕が乗ってるのは初号機だよ」

 

「はんよ……えっ?」

 

「必殺技は?」

 

「能力的なのはA.T.フィールドかなぁ……超強力な結界を張れるんだ」

 

「でも凄いわ、学校の誇りよねえ!」

 

 

「で、ありますから……ああ、では今日はこれまで」

 

 ここでチャイムが鳴った。

 

「碇君、どこに住んでるの?」

 

「旧市街のほう?」

 

「起立、礼! ちょっと、みんな、最後ぐらいちゃんと……」

 

「凄いよねー」

 

 

「シンジ、翔……」

 

「えっ? 何かなトウジ」

 

「ちょい面貸してくれんか?」

 

「え? うん、いいけど……」

 

 それから俺たちは誰もいないところへと行った。

 

 

「あの時妹を助けて飛んで行った奴のこと知っとるか?」

 

「えっと……」

 

 おいこっち向くなシンジ……。

 

「なるほど、翔か……」

 

「お、おう……俺が空飛んだことは秘密に……」

 

 まあでもトウジとついてきてるケンスケには話す必要があるな……はぁ……。

 

「すまんかった! ワイが目を離したからあかんかったんや! 戦闘の邪魔して悪かった!」

 

「ストップ」

 

「……へ?」

 

「ヒトってのはごめんって言われるのとありがとうって言われるのとでは気持ちの受け取り方が違うんだぜ」

 

「! ……翔! ほんまおおきに!」

 

「いいってことよ」

 

「翔人じゃないでしょ……」

 

「言うなシンジ……空気崩れるだろ……それに俺は別に漢字の人をイメージしたつもりは無い」

 

 はあ……さて、この空気どうしよっか……。

 

「とりあえず、二人ともどうせ企業秘密じゃ納得しないっしょ? 俺の事」

 

 するとコクンと頷いた。

 

「はぁ……じゃあこれだけ言っとく。エヴァのパイロットになるために必要な要素というわけではないけど、普通の人間がやれるわけないでしょってこと。俺は妖怪だし、シンジは俺に鍛えられた陰陽師だ。おーけー?」

 

「「……え?」」

 

 ん?

 

「あれ? 理解できなかった? 要するに俺は人間ではありませんってことだよ」

 

「翔、今時いきなり自分は妖怪ですなんて言っても馬鹿にされるだけだよ? ちゃんと説明しないと」

 

 なんかシンジに呆れたように言われた。解せぬ……。

 

「なんで俺が呆れられないといけないんだよ……。じゃ、俺は模倣妖怪って種類でな。簡単に言うと視界に入った生物の特徴をコピーする妖怪なんだ。例えば……こんな感じだな」

 

 俺は丁度目の前にいたトウジに化けた。

 

「おわっ!? お前翔か!?」

 

「そうだ。今はとりあえず丁度いいからトウジの体の特徴をコピーしてみた。どうや? そっくりやろ?」

 

「そっくりなんてもんやないわ……」

 

 俺がふざけてトウジみたいに関西弁を使って聞くと苦笑いで返された。

 




 齢大方千年の若すぎるおじいちゃん、中学校に転入。

 見た目はぴったりぐらいだし、精神年齢も持ち前の軽い性格のせいで若く見えてるので特に問題はないけど。
 そして案外人気になる妖怪。想像したら面白いとしかいいようがないです。



 それじゃあ、今後ともよろしくお願いします!


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お馬鹿トリオ、結成


 ゆっくりしていってね!




 ……書いて分かった。この一言だけじゃ違和感パネェ……。


 

「おはようシンジ君、調子はどう?」

 

「大丈夫です」

 

「それは結構。EVAの出現位置、非常用電源、兵装ビルの配置、回収スポット、全部頭に入っているわね?」

 

「勿論です」

 

「ならいいわ。では昨日の続き、インダクションモード、始めるわよ。目標をセンターに入れて。スイッチオン」

 

 ドドドドドドド……バーン。

 

「次」

 

 ドドドドドドド……バーン。

 

「ふむ、いい感じだな。だがもうちょいちゃんとしないと実戦ではダメだな」

 

「あら、厳しいのね」

 

 俺がシンジの訓練の様子にツッコミを呟くとリツコが言ってきた。

 

「まあ今回の敵がえらく脆くてノロマだったのでね。次回からもこんな弱いのが来るとは限らないでしょ?」

 

「え……ええ……」

 

「後、煙のシュミレーションも反映させるべきですね。バースト射撃の基本すらなってないしその辺の指導も頼みます」

 

「わ、わかったわ……」

 

 

 

 

「ねえ、ミサトさん……もう朝なんですけど……」

 

「ん~、さっきまで当直だったの……今日は夕方までに出頭すればいいの……だから、寝かせて~」

 

 朝、シンジがミサトの肩を揺らして起こそうとするも全く起きる気配はない。シンジは溜め息をついた。

 

「じゃ、僕――」

 

「今日、木曜日だっけ!? 燃えるゴミ、お願いね~」

 

「……フンッ!」

 

 シンジは少しイラついたのを紛らすためか、その場にあったゴミを結界で圧殺した。

 

「シンジ……落ち着け。他人には見せられないような顔になってるぞ……。あ、ミサトさん、とりあえずご飯作って冷蔵庫に入れてるんで起きたらチンして食べてくださいね」

 

「ん、ありがとぉ~。行ってらっしゃい……」

 

「「行ってきます」」

 

 

 

 

 ちなみにこれから行くのは俺とシンジでは場所が違う。シンジは学校だが俺はNERVだ。なんでも妖怪の出来ることを調べるらしい。まあ今の俺エネルギー量とんでもねぇしな。

 

「お疲れ様でーす。リツコさん」

 

「あら、翔君。お疲れ様。じゃあさっそく始めたいのだけれど」

 

「ええ。あそこでするんですか」

 

 俺はいつも実験や訓練の時に使っている部屋を指差した。

 

「そうよ。入ってくれる?」

 

「了解です」

 

 

 

『では翔君。まずはあなたの言うエネルギー弾を順に出してちょうだい』

 

「はい」

 

 俺はとりあえず一番やりやすい妖力弾を出した。

 

 

 

 

 

『ありがとう。なかなかいいデータが取れたわ。もうあがっていいわよ』

 

「はい」

 

 結局今日は霊力妖力魔力気力法力神力の全て、飛行時のエネルギー運用、陰に光を齎す程度の能力について、そして果てはA.T.フィールドやS2機関についてまで調べられた。

 

「ふいー……なかなか時間かかったな」

 

「ごめんなさいね。でもあなたの出来ることが解ってないと作戦の立てようがないの」

 

 全然謝る来もなさそうに言われても困るんだけど……。

 

「ま、分からないわけでもないし。大丈夫ですよ」

 

 

 

 そんな時、いきなりアナウンスが流れた。

 

「? 使徒ですか?」

 

「……そうみたいね……」

 

「なんかいきなりですね……」

 

「……とりあえず翔君。あなたは着替えて待機してくれるかしら」

 

「はい」

 

 

 俺はそれから更衣室へ向かった。ちなみに俺の服は生身での戦闘を想定しているので特別性だ。全身タイツみたいなのは変わらないけどちょこちょこ形が違う。

 

「ふーん。案外動きやすいな」

 

 これはこれでいいか。

 

 

 

 

 しばらくしてシンジが来た。綾波も一緒だ。……ってあいつ何言ったんだ? 綾波がちょっと顔赤いんだが……。

 すると俺の視線に気づいたのか、シンジはこっちを向いて控えめに笑った。

 

 

 

 

「シンジ君、出撃、いいわね?」

 

「はい」

 

 シンジの発信準備が整ったらしい。

 

「よくって? 敵のA.T.フィールドを中和しつつ、パレットの一斉射、練習通り、大丈夫ね?」

 

「はい」

 

「発進!」

 

 それに合わせて俺は外に出た。俺専用射出口も作ってくれた。NERVって案外融通聞くもんだね。

 

 先に外に出ていたシンジはパレットライフルを爆煙に気を付けて撃っている。が─────

 

『ダメだ。やっぱり効いてない』

 

「なら俺がやってみよう」

 

再現「夢想封印」

 

 俺は脳内補完で夢想封印モドキを撃ってみた。

 

パァン!!

 

「なっ!? ソニックウェーブ!?」

 

 知識として奴の触手は音速を越しているとは知っていたが、実際に相対して分かった。生半可な攻撃はすぐに返される。

 

「悪い……この程度ではダメだったらしい」

 

「うん……さすがにソニックウェーブは仕方ないよ。やっぱりこういうのは近接戦闘に限る。ミサトさん!」

 

『……分かったわ。許可します』

 

「よし! ならこいつで!!」

 

 シンジはプログレッシブ・ナイフを装備し、A.T.フィールドを纏わせて太刀のようにした。

 

「うおおおおおおおおお!!」

 

 シンジはそのまま突っ込み、迫る二本の触手をいなしてコアに傷を入れた。そのままバックステップをして触手を避ける。ヒットアンドアウェイだ。

 

「よし、いいぞ。じゃあ俺は向こうから陽動する」

 

 俺は使徒の背中側からA.T.フィールドで切り裂いて傷をつけ始めた。狙い通りもう一本の触手は俺の方へ向いた。

 

 

 そんなときだった。使徒が触手の動きを変えて、鞭ではなく生き物のようにシンジのナイフを掻い潜った。

 

「うわっ!?」

 

「シンジ!?」

 

 初号機はよろめいて後ろへ倒れこんだ。幸い山だったので完全には倒れていない。

 

『シンジ君、大丈夫? シンジ君!? ダメージは?』

 

『問題なし、いけます!』

 

 だがシンジは動かなかった。

 

「ミ、ミサトさん! トウジとケンスケが!」

 

「嘘だろ!?」

 

『シンジ君のクラスメート?』

 

『何故こんな所に?』

 

「あのバカ達は俺が保護する! シンジ! 蹴り飛ばせ!!」

 

「わかった!」

 

 シンジは使徒の胴体を蹴り飛ばして引き離した。

 

「なんで闘わんのや?」

 

「僕らがここにいるから、自由に動けないんだ!」

 

「分かってんならこんなとこ来るなよ!」

 

「「か、翔!?」」

 

「ミサトさん。この子らどうします?」

 

『……あなたがそこで保護していてくれる? シンジ君頑張ってるみたいだし」

 

 言われて見るとシンジは使徒のコアを滅多刺しにしていた。

 

「……了解。後で回収お願いします」

 

 

 しばらくするとシンジは使徒を倒してしまったらしい。脳内で伸びをするのを想像したのか、初号機が伸びをしていた。……ここだけの話シュールだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまんかったっ!!」

 

「「えっ!?」」

 

 次の日、俺たちが学校へ行ったらトウジとケンスケがダッシュで近づいてきて、何事かと思えば見事な土下座をかまされた。

 

「ちょ、ちょっと待ってよ! 恥ずかしいからやめて!?」

 

「俺達が興味本位で邪魔しに行ってしまって本当に悪かった!」

 

「わ、わかったから! ね!? 頭上げて? 僕は気にしてないから! ちょっと翔も笑ってないで何か言ってよ!」

 

「いや、シンジがこんなにワタワタしてるとこは滅多に見ないからな」

 

「ワシらをなぐってくれ!」

 

「ちょっとトウジは黙ってて!」

 

 カオスだ。やっぱり学校はおもしろいな。

 





 なんとかシンジと綾波のラブコメを書こうとしました。








 でも諦めました。


 無理だよぉ〜……。

 ……。今後もうちょっと頑張ってみます……。


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レイ、心通わし


 ストック切れました……。今後完全に不定期投稿になると思います。なるべく早く投稿しますけど許して下さい!


 それでは今回も、ゆっくりしていってね!



 

「B3ブロックの解体、終了」

 

「全データを、科学技術局一課、分析班に提出してください」

 

「これが……使徒……」

 

 今日、俺達は使徒の死体を見学に来ていた。

 

「あー……そういや前回は形状破壊されてなんにもサンプル残らなかったんだっけ」

 

「うん……こう見ると大っきいよね……」

 

「それよりもシンジ、お前綾波とのフラグ立てんの早すぎじゃね?」

 

「? 私?」

 

 そう、この場にはブカブカのヘルメットを被った綾波もいた。気になるのか常にヘルメットを触っている。

 別にいるだけなら変じゃないが、なんと言うか、醸し出してる雰囲気が夫婦のそれだった。

 

「ち、違うよ! ただ妹を誘っただけじゃないか」

 

「……ほぉ?」

 

「むう……なんなのさ」

 

「別に? 初々しいシンジが微笑ましいとか思ってないぞ」

 

「絶対嘘でしょ! ニヤニヤして!」

 

「……碇君、フラグって何?」

 

「綾波はその純粋なままでいて」

 

「?」

 

 

 

「なるほどね…コア以外はほとんど原形をとどめているわ…ほんと理想的なサンプル…ありがたいわ」

 

「で、何か分かったわけ?」

 

 リツコが言いながら機械を操作している。それを聞いたミサトは質問した。リツコは少しキーボードを叩き、出てきた画面を見せた。

 

「何これ?」

 

「解析不能を示すコードナンバー」

 

「つまり、わけわかんない、ってこと?」

 

「そう。使徒は粒子と波、両方の性質を具える光のようなもので構成されているのよ」

 

「で、動力源はあったんでしょ?」

 

「ええ、翔君のおかげでこれだろうなっていう残骸ならね。どうやって動くのかも科学ではわからなかったけど、エネルギーを直接操作出来る存在がいることもわかったし。ただ超能力的なもので、科学で再現できないのは残念だったけどね……」

 

「……再現したいんですか?」

 

「……できるの?」

 

「俺が能力でエネルギー操作を付与すればですけどね」

 

「それは……難しいのかしら?」

 

「そうですねぇ……エネルギー操作能力を貼り付ける程度なら道端の石ころだろうとできるんですけど、ストッパーが大変なんですよ」

 

「ストッパー?」

 

「ちゃんとコントロールしてても地形を変えられるエネルギーですよ? 電力として考え直してみてください」

 

 そんな巨大なエネルギーが暴走したら目も当てられない。

 

「……結局その辺はなんでも同じなのね」

 

「しかも単純なエネルギーの場合、エネルギー過多で起きるのは焼き切れなんかじゃなくて爆発ですから更にタチ悪い。使徒レベルなら確実にNERVがまるごと吹っ飛びますね。しかもこのレベルの爆発の場合、予測不可能な現象がついてくる可能性もあります。時空が歪むとか」

 

「な、なかなかえぐいわね……やっぱりやめておくわ」

 

「それがいいです」

 

「触れるべきでない世界が広がってるわけね」

 

「とかくこの世は謎だらけよね。そういえば、ほら、この使徒独自の固有波形パターン」

 

 もう一度キーボードを操作して見せてくれた。

 

「どれどれ? ……これって……」

 

「そう。構成素材の違いはあっても、信号の配置と座標は、人間の遺伝子と酷似しているわ。99.89%ね」

 

「99.89%……」

 

「改めて私たちの、知恵の、浅はかさってものを思い知らせてくれるわ……あ、そういえば翔君の遺伝子の方がすごかったわよ?」

 

「え? 遺伝子がすごいってどういうこと? リツコ」

 

「翔君には人間の遺伝子100.00%と、使徒の99.89%の他に70%程のものと30%程のものがあったのよ」

 

「えっ……」

 

「あー……多分70%は月人で30%が俺本来の妖怪の遺伝子なんだろうなぁ」

 

「こ、こんなにまんま人間の格好してる翔君の方が人間離れしてたのね……」

 

「そんなもんですよ」

 

 

 

 

 

 

「OK、いいぞ、止めろ!」

 

「これがコアの残骸か? 残りはどうだ?」

 

「それが……劣化が激しく、資料としては問題が多すぎます」

 

「いい。残すことなく全て破棄だ」

 

「はい!」

 

 急に聞こえてきたゲンドウの声に反応したシンジはジーッと一点を見だした。

 

「どしたの?」

 

「あ、いえ、そんな大したことじゃないですけど……父さん、手に火傷してるみたいで……」

 

「火傷?」

 

「綾波を助けたっぽいですけどちょっと信じられなくて」

 

「あー……まあ普段の司令を見てるとそう思うわよねー」

 

「その時の司令は私の絆を深めさせようとしていたんだと思う」

 

「……なるほど……」

 

「……レイ、あなた何かあったの?」

 

『……。俺に任せて口裏合わせてくれ』

 

 俺は二人にテレパシーを送って、黙らせた後で口を開いた。

 

「俺が眷属にしたからでしょうね。俺の眷属になって受ける祝福は状態異常無効ですから」

 

 と、俺は適当な嘘をついた。

 

「……それって……」

 

「能力を使ってすらない簡単な思い込ませ程度は解けちゃいますね。残念ながら」

 

 まあこれで大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

「いけいけいけいけーっ!」

 

「いけヒデコーっ!」

 

「させるかぁーっ!」

 

「ああー!」

 

「惜しい!」

 

「次、決めてくぞーっ!」

 

「おー!」

 

「やだ、スケベーっ」

 

「エッチぃー」

 

「みんな、ええ乳しとんなあ」

 

「なんか、鈴原って、目つきやらしー!」

 

「碇くーん!」

 

「お、センセエ! なに熱心な目で見てんのや」

 

「ん? ああ、綾波だよ」

 

「おおっ? シンジもついに……」

 

「違う違う、ある程度馴染めてきて良かったなーっていう親的な目で見てたんだよ」

 

「へ?」

 

「なんでそれをシンジが気にするんだよ」

 

「ん? だって妹みたいなもんだし」

 

「……え、どういうこと?」

 

「腹違い……は違うか……まあ複雑なんだよ」

 

「親父がクズなんだよ。全くあのヒゲ」

 

「ヒ……ヒゲ……碇達の親司令だろ……」

 

「「うん」」

 

「……俺はお前達が怖いよ……」

 

 

 

 

 

 

「何よ、これー!」

 

 今俺達は葛城邸に綾波とリツコて晩御飯を食べている。ちなみに今日のメインはミサトカレーだ。いつの間にかできてた。

 

「カレーよ」

 

「相変わらず、インスタントな食事ねえ」

 

「お呼ばれされといて、文句を言わない」

 

 参加者はいつもの俺とシンジとミサトとペンペン、そして呼んだレイとリツコだ。

 

「ミサトさんは?」

 

 シンジがカレー鍋を持ってカレーを注ぐ皿を聞いた。

 

「あはっ、私はねー……ヘッヘェ、ジャーン! ここに入れちゃって! どっぶゎ~っと!」

 

「本気……ですか?」

 

 ミサトが指し示したのはカップ麺だ。インスタントの夢のコラボである。絶対食いたくない。

 

「やーねー、いけるのよー」

 

「じゃあ……」

 

「最初っからカレー味のカップ麺じゃね、この味は出ないのよ~。いっただきまーす! スープとお湯を、少な目にしておくのが、コツよー」

 

 そしてパクッと食い付くミサトを見て恐る恐る口に運ぶ。

 

「う……ぐっ……」

 

「これ作ったの、ミサトね!」

 

「はい……」

 

「分かる~?」

 

「味でね! レトルトを原料に、よくここまで……」

 

「ミサトさん……これ何入れたんですか……」

 

「えー? まずはとろみをつけるために片栗粉。それからスパイスに七味唐辛子と胡椒をたっぷり、それから隠し味に有名なリンゴとバナナを磨り潰したのをいっぱい、それから……」

 

「もういいです。聞いた俺が馬鹿でした。全く……俺一応人肉を生で食っても美味いと思えるぐらい難易度低い味覚してるんですけど?」

 

「え……翔君人食べるの!?」

 

「実は処刑法の一つとして捕まえてきた妖怪とかに生きたまま喰わせるってのがありましてね……捕まえられなかった時に俺が起用されたことがあったんですよ。最初は渋ったんですけど恐る恐るやってみると案外美味くて。ちょっと自分が怖くなったの覚えてますね」

 

「……そ……そう……」

 

「まあ心配はいりません。他の木っ端妖怪みたいに嬲って踊り喰いするような趣味は無いですから……おっと、ご飯中に話す話じゃなかったですね」

 

 

 

「……とりあえず……今度呼んでいただけるときは、二人が当番のときにしていただけるかしら?」

 

 そんな時ミサトカレーを食べたペンペンがバタッと倒れた。

 

「あーあ……」

 

「やっぱり引っ越しなさい! がさつな同居人の影響で、一生を台無しにすること無いわよ」

 

「慣れました」

 

「そ~よ~、リツコ~。人間の環境適応能力を侮ってはいけないわ~。大体引っ越すったって……あら……シンちゃん……も一本お願い!」

 

「今日はもうおしまいです」

 

「ケチッ!!」

 

「そんな我儘言ってたら酔いを解毒させますよ?」

 

 俺が注射器を取り出して言うとミサトさんは静かになった。ただの水しか入れてないのに俺があらゆる薬を作る程度の能力持ってるって言った瞬間からこれはすごい脅しになってる。

 

「主導権握られてるわね」

 

「はぁ……ほんとよ。このお酒も翔君特製なのよ〜」

 

「へぇ、ミサトがビールじゃないの珍しいと思ったらそういうことなのね。それにとっても美味しいし。なんて言うお酒なの?」

 

「酒虫酒です」

 

「……あの水につけるとお酒になる虫から名前を取ったのかしら?」

 

「取ったっていうよりそれそのものですよ」

 

「……はぁ……翔君は何を言うにしても私達の常識を壊しに来るわね……」

 

「……常識は用済み……」

 

「へっ!?」

 

 静かにカレー以外を食べていた綾波が口を開いた。あまりにも急すぎて俺達は驚いてしまった。

 その綾波を見ると、顔が真っ赤だった。そして目は少し虚ろ、うっすらと綾波からアルコールの匂いがした。

 

「うわっ!? 綾波酔ってるのか!?」

 

「酔ってない……でも体が変、ポカポカする……碇君……ポカポカする?」

 

「なんでそこで僕に振るの!? 綾波! しっかりして!?」

 

「碇君〜」

 

「わぁ!?」

 

 そのまま綾波はシンジにしなだれかかって抱きついたようになってしまった。

 

「碇君……ポカポカ……」

 

「……こりゃあれだな。抱き上戸だ。酔うと人肌恋しくなるんだろ」

 

「冷静に判断しないで助けてよー……」

 

「酒癖ってのは普段出来ない真相意識の欲求って考えがある。つまり綾波はシンジと抱きついてたいんだろうな。こんな時ぐらい好きにさせてやれよ。男の甲斐性見せるとこだぞ」

 

「だ、だってぇ……」

 

「……あ、そういう事か。思春期だもんねぇ」

 

「わかってるなら助けてよ!」

 

「いや、俺まだ思春期来てないんだよ。多分妖怪の年齢のせいで大人びて見えるんだと思うけど、人間換算したらまだ一歳にも満たないだろうし。幼児にそんな話したら教育上良くないぞ?」

 

「巫山戯てないでよ……」

 

「あっははははは! シンちゃん可愛い〜! こういうノリはやっぱり翔君としか無理よね! …………そう言えばあたし見て顔赤くしてるの見た事ないような……あたしって魅力ない!?」

 

「ミサトさんは……なんと言うか……手のかかるお姉ちゃんって感じなので」

 

「手のかかるお姉ちゃん!? これは喜べばいいのか悲しめばいいのか……」

 

「碇君……すぅ……すぅ……」

 

「わっ!? 綾波寝ないで!?」

 

「あら〜シンちゃんここは男らしく家まで送ってあげなきゃダメよ〜?」

 

「……」

 

シュンッ!

 

「あっ!?」

 

 シンジは瞬間移動で綾波を綾波の家のベッドにポイした後、ミサトの酒が入ったコップを取り上げた。

 

「あっ!」

 

「ミサトさんには水で十分です!」

 

「待ってよシンちゃん! 謝るから許してぇ!」

 

「……無様ね」

 

 

 

 

 翌日、酔い潰れた綾波の心配をしたシンジは俺を引連れて綾波の家に来ていた。

 

「……本当にここなのか……?」

 

「翔ならわかるでしょ? 綾波の気配感じない?」

 

「わかってるよ……聞いただけだ」

 

 確かにシンジの言う通りここには綾波の気配を感じる。けど聞かずにはいられなかった。

 

 取り壊し中のコンクリの打ちっ放しだとは思いもよらなかったからだ。

 

「じゃあ行くよ」

 

「お、おう……」

 

「ごめんください。碇だけど……綾波、入るよ」

 

「え、入るのか?」

 

「インターホン壊れてるし仕方ないだろ?」

 

「でもシャワー浴びてるっぽいぞ?」

 

「……あー……そういえばあったよそういう事……」

 

「……なにそれ、もしかして前回鉢合わせたのか?」

 

「そうだね」

 

「うわぁ……と、上がったみたいだぞ」

 

 俺は綾波の気配が広い部屋に移動したのを感じた。

 

「綾波ー! 碇でーす!」

 

 すると部屋からぺたぺたと歩いてくる音が聞こえた。裸足かな?

 

ガチャ

 

「碇君?」

 

「「わあああ!?」」

 

 何を思ったか服も着ずに出てきた。

 

「綾波! 服! 服着て!?」

 

「どうして?」

 

「女性が男性に簡単に裸を見せるんじゃない!」

 

「? ……分かった」

 

 そのまま綾波は服を着に奥に行った。

 

「あれ絶対分かってないな……」

 

「うん……僕もまさか外にまで裸で出てくるとは思わなかったよ……」

 

「綾波の家はこんなだし、常識は無いし……綾波に情操教育をしたのは誰だよ……って父さんしかいないよな……」

 

「そうだね……はぁ……」

 

「よく考えたらあんな綾波によく照れさせたな……何言ったんだ?」

 

「綾波の怪我を霊力で治して、どうしてそうしたのか聞いてきたから、これから一緒に戦う仲間だろって言ったんだ」

 

「うわプレイボーイかよ。相手綾波じゃなかったら引かれるぞ」

 

「綾波だからこそだよ……綾波って人との絆を大事にするからね。今度委員長にも話しかけてもらうようにお願いしようかな……女の子の常識も教えてくれそうだし」

 

「……過保護なだけがどうしてこんな天然タラシに……それもこれもゲンドウが悪いな。あの凶悪髭面マダオめ」

 

 俺は全てゲンドウが悪いということにした。

 

「服、着た……入って」

 

「あ、うん……」

 

 部屋へ入ると、中はまさにコンクリの打ちっ放しだった。壁や床には赤黒く濁った染みがいくつもついている。調べずとも分かる。血痕だ。

 

「「……綾波、引っ越そう! ……え?」」

 

 どうやらシンジも同じことを思ったらしい。

 

「……何故? ここで別に構わないわ」

 

「……」

 

 俺はどうしようか少し迷ったが、その瞬間シンジの方から電話の音が聞こえた。

 

「……あ、もしもし、ミサトさん。綾波の家行ったことありますか? ……無い? 今度来て見て下さい。僕では家の変更は無理なので、……見てもらえば分かります。何処か別の場所に引っ越させましょう……はい、酷いです。はい、はい。分かりました。お願いします」

 

ピッ

 

「……シンジって思い切ったことすんなぁ……」

 

「まだ綾波は命令じゃないと動いてくれないし……上から言われたら絶対でしょ? お願いって言ってもこの件は綾波にはどうしようも無いし」

 

 確かにそうだ。

 

 

「じゃあ、行こうか、綾波」

 

「……うん」

 

 何故裸を見られて動じない子がシンジに笑顔見せられただけでこんないじらしくもじもじしてるんだか……。

 こりゃ本格的に俺からも委員長にお願いしとこ。

 

 

 

 

 

 

『セントラルドグマは現在開放中です。ルート3へは、第4直通ゲートを利用してください』

 

「今日、これから再起動の実験だよね。今度はうまく行くといいね」

 

「うん……」

 

「……大丈夫?」

 

「……分からない。今では何でもなかったのに、今は少し、実験を思うと背筋が寒くなる……これは病気?」

 

「……それは怖いって事だよ」

 

「……怖い……これが……」

 

 シンジは手の平に気力を一時的に集めて血行を良くし、温かくなった手で綾波の背を摩った。

 

「大丈夫。次は上手くいくよ」

 

「……うん」

 

 ……あれ? これ俺お邪魔じゃね? ……退散しよ。

 

 俺は気配をできるだけゆっくりとフェードアウトさせ、A.T.フィールドで紙を作り、そこに先に行くと書いてシンジのポケットに突っ込んだ。

 そのまま俺はスタスタと先へ行った。

 

 

 

 

 

「あら、翔君一人?」

 

「はい、シンジが綾波とラブコメ始めたんで気配消してさっさと来ました」

 

「……レイが……」

 

「あ、そうそう、綾波の情操教育どうなってんですか? 今日綾波の家行ったら裸で出てきて焦りましたよ」

 

「……あなたわかって言ってない?」

 

「さぁ? まあ俺にとってあの髭は父親でもなんでもないですし。この体の一部の遺伝子って程度で魂は別モンですしね。というわけで父さん狙ってるなら頑張らないと、シンジは母さんをエヴァから引き摺り出すつもりっぽいですよ」

 

「それは不可能……って言いたいけど……貴方達に不可能はなさそうで怖いわね……」

 

「実際そう難しいことでもないですよ。鋼のメンタル持ってシンクロ率400%超えたら母さんを引き摺り出せるってシンジが言ってましたよ」

 

「……前から思っていたけどどこからそういう情報が入るのかしら?」

 

「俺やシンジが認識阻害結界を張って忍び込んだからですよ。ちなみに引き摺り出す方法はエヴァに聞いたそうです」

 

「エヴァに!?」

 

「エヴァの魂と会話してるらしいですよ。時が来たらエヴァの魂にも体をあげてサルベージするらしいです。今名前考え中って言ってましたよ」

 

「そ、そう……」

 

 

 

 

 

 

 しばらくするとシンジと綾波が連れ添ってやってきた。それを見た父さんの顔は面白いぐらいに険しくなってた。

 

「じゃあ、綾波、頑張って」

 

「……うん」

 

 置いてきて正解だったな。更にイチャラブしてるし。

 

「……あ、翔! なんで置いていったのさ!」

 

「空気読んだんだよ。イチャイチャしまくってこっちは気まずいっての」

 

「うっ……ごめん……」

 

 

 

「レイ、聞こえるか?」

 

「はい」

 

 起動前にゲンドウが綾波に声をかけた。しかし全く感情の籠ってない返事が返された。ゲンドウは更に険しい顔になった。

 

「これより、零号機の再起動実験を行う。第一次接続開始」

 

「主電源、コンタクト」

 

「稼動電圧、臨界点を突破」

 

「了解。フォーマットをフェーズ2へ移行」

 

「パイロット、零号機と接続開始」

 

「回線開きます」

 

「パルスおよびハーモニクス正常」

 

「シンクロ、問題なし」

 

「オールナーブリンク、終了」

 

「中枢神経素子に、異常無し」

 

「再計算、誤差修正無し」

 

「チェック2590(ニーゴーキューマル)まで、リストクリア」

 

「絶対境界線まで、後2.5、1.7、1.2、1.0、0.8、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、突破。ボーダーライン、クリアー」

 

「零号機、起動しました」

 

 どうやら起動実験は成功らしい。

 

「了解。引き続き、連動試験に入ります」

 

 その時冬月が電話を取って一言話した後切ってゲンドウに言った。

 

「碇、未確認飛行物体が接近中だ。おそらく第5の使徒だな」

 

「テスト中断、総員第一種警戒態勢」

 

「零号機はこのまま使わないのか」

 

「まだ戦闘には耐えん。初号機は?」

 

「380秒で、準備できます」

 

「出撃だ」

 

「はい」

 

「レイ。再起動は成功した。戻れ」

 

「私も出ます」

 

 そこで何故か綾波がそう言った。

 

 これにはゲンドウも少し黙った。しかしすぐに聞いた。

 

「……何故だ。零号機は起動したばかり、戦闘には耐えられん」

 

「しかし、碇君は乗ってすぐに戦闘しました。私も見ているだけというのは嫌です」

 

 言うねぇ。

 

「……レイ、命令だ。今回は降りろ」

 

「……………………はい」

 

 絶対納得してないな。偉い長い沈黙だったぞ。

 

 

 

 

 

 

「目標は、塔の沢上空を通過」

 

「初号機、発進準備に入ります」

 

「第1ロックボルト外せ」

 

「解除確認」

 

「了解。第2拘束具、外せ」

 

「了解」

 

「目標は芦ノ湖上空へ侵入」

 

「EVA初号機、発進準備よろし!」

 

「発進!」

 

 準備が整ったのを確認したミサトは言った。俺はその瞬間に外に瞬間移動した。色々俺が出動する方法は考えられたが結局こうなった。

 

『目標内部に高エネルギー反応!』

 

『なんですって!?』

 

 外に出た瞬間、耳元のインカムからそんな声が聞こえた。

 

『円周部を加速、収束していきます!』

 

『まさか!』

 

 うん……こりゃヤバいエネルギー量のレーザーが来る前触れだね。

 

『だめ! よけて!』

 





 瞬間移動はそこまで難しいものでもないということにしておきます。原作では霊夢などの主要メンバー一部から大ちゃんまで使ってますので。

 それでは。


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