どうやら僕はグラシャラボラスの次期当主らしい (緋屶)
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第1章 転生しました
1話


8/14 修正しました


君は『ハイスクールD×D』を知ってるだろうか?

 

悪魔や堕天使、天使などが登場する神話を題材とした「学園ラブコメバトルファンタジー作品」だ。(wikipedia参照)

 

作品を知ってる人は多いだろう。

小説は既に30冊を越えて販売されて、シリーズ累計400万部を突破している。アニメ化もされており、しかも4期も続いているのだから。

 

 

その中のキャラクターの一人、『ゼファードル・グラシャラボラス』のことを知ってるだろうか?もしくは覚えているだろうか?

 

ベジータ程ではないが、緑色の髪を逆立たせ、顔や上半身に魔術的なタトゥーを入れたヤンキー風の男で、己の実力を過信し、魔力の才に恵まれなかったサイラオーグ・バアルを見下していたが、若手の王が集められたパーティーでシーグヴィラ・アガレスにセクハラ発言やサイラオーグに無能発言をして、サイラオーグ・バアルの一撃で昏倒させられた。その後、レーティングゲームでリベンジをしようとして、一騎打ちに挑み成す術なく惨敗。その際に心に恐怖を植え付けられ再起不能になった心の弱い「凶児」のことだ。

所謂、サイラオーグ・バアルの強さを示すためのモブ。

 

覚えていた?素晴らしい!!

モブのこともしっかり覚えているなんて素晴らしい読者だ!!

 

忘れていた?まぁ、当たり前だよ。

覚えていない人は普通だよ。

出てこない奴をわざわざ覚える必要なんて無いもんな!!

 

 

では、その『ゼファードル・グラシャラボラス』に兄がいることを覚えているだろうか?

原作では名前が出てくることなく、事故死としたと言われていたが本当は旧魔王派に暗殺されたと言われているだけの存在のことを覚えているだろうか?

 

因みに僕はほとんど覚えてなかった。

原作でちょっとしか話されていないそんな存在を完璧に覚えて入れるはずがない。

マジで『ゼファードル・グラシャラボラス』すらあまり話に出てきていないのにその兄の存在を記憶できるはずがない。

いや、出来る人には出来るのかもしれない。

 

だが!!

記憶力はゴミなので無理!!

 

……え?何故そんなことを言っているか、わからない?

いきなりなんでそんな話をするのか?

 

そんなの簡単だよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕がそのキャラに憑依したんだよ。

 

 

では自己紹介をしよう。

 

僕の名前はグムリンダ・グラシャラボラス。

現在の四大魔王の一人であるファルビウム・アスモデウスを輩出した名門である元72柱25位のグラシャラボラス家の次期当主と生まれた。

僕は、暗殺される未来の確定したモブに憑依した一般人だ。

 

……自意識が芽生えたとしても、原作知識が有ったとしても詰んでいる僕は絶望してることは悪くないはずだ!!



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第2話

こんにちは、僕はグムリンダ・グラシャラボラス。

絶望から立ち直り、殺されないように努力している5歳児です。

 

突然だけど魔力について説明しようと思います。

魔力とは悪魔が生まれ持った特性や異能のこと。使用するのにはイメージ力、つまり想像力と創造力が必要となり、センスに左右される。

中には生まれつき魔力に乏しい体質の悪魔がいる。下級悪魔が主だが、例外的に上級悪魔でもその体質で生まれてくることがある。原作に出てくるサイラオーグ・バアルがその体質で、バアル家の落ちこぼれと言われるようになる原因。

また、家系に由来する遺伝性の魔力特性も存在し、有名所がバアル家の『滅びの力』やフェニックス家の『不死』、ベリアル家の『無価値』などがある。

 

何故いきなり魔力について説明したかというと、僕の魔力特性があったからだ。

その名も『魔力吸収』。

名前の通り、魔力を吸収し自らのものにする能力。魔力は勿論、魔力を変質して作った炎や水、氷も吸収することはでき、理論上相手が魔力を使ってくる限り、永遠に戦い続けることが出来る。

しかし、吸収上限が存在する上に物質を吸収することはできない。そのため、飽和攻撃や肉弾戦になるとこの魔力特性は役に立ちづらい。

 

因みに兄であるファルビウム・アスモデウスは『絶対的な防御』の魔力特性で、魔力だけではなく物質攻撃にも適応される。その上、その攻撃をカウンターの魔力に転換することもでき、数か多ければ多いほど、威力が強ければ強いほど、カウンターの魔力に転換される魔力の威力が上がり、それを一気に返すという攻撃方法がある。その上、兄にダメージを与えることのできるのは、サーゼクス・ルシファー、アジュカ・ベルゼブブ、セラフォルー・レヴィアタン、グレイフィア・ルキフグス、リゼヴィム・ルシファーと言った超越者かそれに近しいものしかいない。

 

分かっていただけただろうか?

僕の魔力特性は完全に兄、ファルビウム・アスモデウスの下位互換なのだ。

僕の魔力では飽和攻撃や物質攻撃といった攻略法が存在するが、兄の魔力にはそれがない。いや、無いこともないがそれを行えるのは究極の一であって、僕のように数を揃えれば何とか出来るわけではない。

 

では、どうすればいいか。

それは簡単、修行だよね。足りないものは努力で補う。基本だね。

悪魔の中で修行する者は少ないらしいが、居ないわけではないし、目立たないよね。むしろ、原作では修行するキャラの方が多いし、気にしなくて大丈夫だろう。

 

 

 

 

……それはそうと、最近気になることがある。

兄であるファルビウム・アスモデウスが何故か僕のことを気にかけている。

兄なのだから当然かと思うかもしれないが、「夏休みの宿題は初日にすべて終わらせて、残りは全部休みタイプ」の怠け者にして、冥界最強の戦術・戦略家として有名なあの兄が、僕のことを気にかけているのだ。

僕が何かやらかしたのだろうか?

いや、まだ何もやらかした覚えはない。

せいぜい死なないために知識をかき集め、現在の冥界や経済、旧魔王派などの情勢を精査していただけだ。

 

僕は兄に気にかけられている理由が分からずモヤモヤしているが、とりあえず修行を開始してみよう。

 

 

 

……何からするばいいんだろ?

やっぱり基礎体力作りからかな。

 

 



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第3話

どうも、グムリンダ・グラシャラボラスです。

兄、ファルビウム・アスモデウスに気にかけられた理由がわかって少しすっきりしている6歳児です。

 

理由は簡単。

僕のせいでした。

簡単に言うと僕が色々調べていて、その中に触れない方がいい『闇』ってものがあり、それを深く調べて抹殺されるのでは?と考えたらしい。

……それが嘘ではないことはわかるけど絶対それだけではないよね?冥界最強の戦術・戦略家がそんな甘いだけの考えではない、ということもあるけど、それ以上に怠けるために監視していたように感じる。いや、僕を監視することが怠けることなのでなく、僕を利用して魔王としての仕事を楽しようとしている気がする。これはあくまでも勘だから確かなことは言えないけどね。

 

 

閑話休題(それはともかく)

 

僕は修行の選択を間違えたのではないかと思っている。

基礎体力は必要なのはわかっている。

それ(基礎体力)は所謂土台。

土台はしっかりしたものの方がいいが、土台の上に何もないのでは意味がない。

その上、悪魔は主に魔力を自分の得意なものに変質させ戦闘を行う。そのため、主に中距離~遠距離での戦闘になり、僕の魔力特性(魔力吸収)が役立つ。近接戦闘が仕掛けられたときでも僕の魔力を警戒して援護が行いづらくなる可能性は高い。

動きながらでもスムーズに魔力を操れれば、より戦いやすくなる。それに眷属と連携するのには魔力操作が出来るようになっていた方がいいだろう。近接戦での連携はかなりシビアだと何かの漫画で言っていたし、生き延びることを第一に考えるのなら安全圏からの攻撃が一番のはず。勿論、接近されたら何もできない、ではダメだから、相手から離れるための近接戦闘の技術。それ(近接戦闘の技術)を身につける必要はある。

しかし、僕はあくまでも《王》。トップなのだ。前に出て戦うよりも、後ろで指揮を取る方が正しいだろう。

だから僕は魔力操作の修行を開始しようと思う。

 

まぁ、具体的に何をすればいいかわからないから、とりあえず魔力を限界まで使って回復してを繰り返そうと思う。

限界まで使うことによって魔力量が増えることを期待。あと、少ない量でも効率よく使う練習にもなる。

 

あと、《王》として戦術・戦略を学ばないといけないんだけど……それって何気に今まで通りでいいのでは?と思っている。

死なないために知識をかき集めた。その中にそれらしいものもあった。それ以上に兄、ファルビウム・アスモデウスが家にいる際に話したことがある。そこで「情報を集め、それ(情報)を基に対策を考える。起こりうる可能性、全て。中でも最悪の可能性についてはより深く」的なことを言っていた。

つまり、今までやってきたことと同じなのだ。

それなら、修行を変えるだけで十分だと判断する。

 

今までは自分のことしか考えていなかったが、これからは他のことにも目を向けようと思う。

10歳になると悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を授かる。

それまでに候補をある程度見つけておく必要があるからだ。

まだ早いように思うかもしれないが、どういった存在が欲しいか、そういったことを考えながら周りを見ると見え方が変わってくると思うので意識しておくのだ。

 

はぁ、人の上に立つのは嫌だなぁ。

 



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第4話

待っていた人がいるかはわかりませんが再開します
因みに亀よりも遅い更新になるのでご了承下さい


久しぶり、グムリンダ・グラシャラボラスです。

弟のゼファードルがやんちゃ過ぎて迷惑している10歳です。

 

悪魔の駒(イーヴィル・ピース)について説明しよう。

三大勢力の戦争で大きく人数を減らした上級悪魔たちがチェスの特性を取り入れた少数精鋭の制度で、現在の悪魔で3人しかいない「超越者」で現在の魔王の1人のアジェカ・ベルゼブブ様が開発した物。軍団を持つ代わりに「駒」として少数の下僕悪魔に強大な力を分け与え、悪魔以外の種族に使用した場合は対象が「転生悪魔」と呼ばれるようになる。

それで悪魔の駒(イーヴィル・ピース)は、女王(クイーン)僧侶(ビショップ)戦車(ルーク)騎士(ナイト)兵士(ポーン)の五種類で、それぞれ1、2、2、2、8個でワンセットとなる。

 

兵士(ポーン)の駒は、通常だと特に能力を持たない最弱の駒。王が「敵の陣地」と認めた場所では「王」以外の駒全てに昇格し、能力を使用することのできる「プロモーション」という特性を持ち、欠かすことのできない大切な駒。駒価値は1。

僧侶(ビショップ)の駒は、魔力の底上げという特性を持つ。ウィザードタイプを転生させるのによく用いられる。駒価値は3。

騎士(ナイト)の駒は、速度の上昇という特性を持つ。騎士や剣士のように武器を用いて戦う者を転生させるのによく用いられる。また、「王」の護衛を任されることが多いため、眷属の中で女王の次に多忙なことが多い。駒価値は3。

戦車(ルーク)の駒は、攻撃力・防御力の上昇という特性を持つ。肉体を武器とする格闘家などの転生させるのによく用いられる。また、価値が高く他の駒で転生できなかった者を転生させるのにも使用される。「王」と位置を入れ替える「キャスリング」という特殊能力を持つ。駒価値は5。

女王(クイーン)の駒は、「兵士(ポーン)」、「僧侶(ビショップ)」、「騎士(ナイト)」、「戦車(ルーク)」の全ての駒特性を兼ね備えた最強の駒。しかし、各能力に特化している他の駒とは違い、得手不得手に関係なく能力が上昇するため使いこなすのは難しく、得手の能力以外はあまり使われず無意味と化すことが多い。多くの場合、「王」の最も信頼する腹心から選出されるため、眷属の中で最も多く役目が割り振られる。駒価値は9。

 

これらの駒の他に、本来なら複数の駒を使うであろう資質を宿した転生体を1つの駒で済ませることのできる特異な駒、特異の駒(ミューテーション・ピース)がある。

この駒は誰しもに現れる駒ではなく、稀に出てくる希少価値の高い駒。

 

後、表には流通していないが「(キング)の駒」というものもある。これは、レーティングゲームの闇に繋がるもので存在(王の駒)を知り、調べるとゲームの運営を行う上層部の悪魔たちに殺される、そんな代物だ。原作でも皇帝ディハウザー・ベリアルの従妹であるクレーリア・ベリアルが教会の戦士である八重垣正臣と恋をした、という理由で粛清されていたが、真の理由は「(キング)の駒」の存在を知り、調べてスキャンダルを握ったこと。その後、皇帝ディハウザー・ベリアルが冥界全土にその事実を公表することによって混乱が起き、そしてゲームの運営を行う上層部の悪魔たちはバアル家をスクープゴートとして難を逃れようとするなどクズの片鱗を見してくれた。

 

閑話休題(それはさておき)

 

(キング)の駒」は、単純な強化の特性を持つ。但し、少なくとも10倍から100倍以上の強化で、才能の無い者でもこの駒(王の駒)を使用すると最上級悪魔や魔王級の力を手にすることが出来る。しかし、あまりに強すぎる者や特異な能力を持つ者が使用するとオーバーフローして命の危険が生じる欠陥が存在する。

そのため、使用を禁止されているが、大半の「(キング)の駒」をゲームの運営を行う上層部の悪魔たちに奪われており、レーティングゲームの純血悪魔のトップランカーの一部に与えるなどの不正に使用されている。「(キング)の駒」は唯一製造法を知るアジェカ・ベルゼブブ様が製造を初期ロットのタイミングで辞めているため、これ以上増えることはなく、またアジェカ・ベルゼブブ様が(王の駒)の回収を進めている。上手くはいっていないようだが。

 

因みに僕は知識(原作知識)を披露するつもりは基本的にない。

僕の目標は生きること。そのために体力を付け、魔力操作の修練を続けている。今では並の上級悪魔では簡単に倒されるようなことはないだろう。

それぐらい鍛えた。

 

僕の目標は横に置いておくとしよう。

悪魔の駒(イーヴィル・ピース)の話をしたのは、それ(悪魔の駒)を貰ったからだ。

その中で特異の駒(ミューテーション・ピース)はなかった。当然といえば当然だ。稀に出てくる希少価値の高い駒だ。主要人物どころか原作で名前しか出てないグムリンダ・グラシャラボス(モブ)が有するはずがない。

自分で言っておきながら少し凹む。

 

 

……さて、気分を切り替えて悪魔の駒(イーヴィル・ピース)で眷属(にしたい)候補の元に向かおう。彼らを眷属にすることが生きるために、そしてグラシャボス領をより良いものに繋がると信じて。



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