どうやら僕はグラシャラボラスの次期当主らしい (緋屶)
しおりを挟む
第1章 転生しました
1話
君は『ハイスクールD×D』を知ってるだろうか?
悪魔や堕天使、天使などが登場する神話を題材とした「学園ラブコメバトルファンタジー作品」だ。(wikipedia参照)
作品を知ってる人は多いだろう。
小説は既に30冊を越えて販売されて、シリーズ累計400万部を突破している。アニメ化もされており、しかも4期も続いているのだから。
その中のキャラクターの一人、『ゼファードル・グラシャラボラス』のことを知ってるだろうか?もしくは覚えているだろうか?
ベジータ程ではないが、緑色の髪を逆立たせ、顔や上半身に魔術的なタトゥーを入れたヤンキー風の男で、己の実力を過信し、魔力の才に恵まれなかったサイラオーグ・バアルを見下していたが、若手の王が集められたパーティーでシーグヴィラ・アガレスにセクハラ発言やサイラオーグに無能発言をして、サイラオーグ・バアルの一撃で昏倒させられた。その後、レーティングゲームでリベンジをしようとして、一騎打ちに挑み成す術なく惨敗。その際に心に恐怖を植え付けられ再起不能になった心の弱い「凶児」のことだ。
所謂、サイラオーグ・バアルの強さを示すためのモブ。
覚えていた?素晴らしい!!
モブのこともしっかり覚えているなんて素晴らしい読者だ!!
忘れていた?まぁ、当たり前だよ。
覚えていない人は普通だよ。
出てこない奴をわざわざ覚える必要なんて無いもんな!!
では、その『ゼファードル・グラシャラボラス』に兄がいることを覚えているだろうか?
原作では名前が出てくることなく、事故死としたと言われていたが本当は旧魔王派に暗殺されたと言われているだけの存在のことを覚えているだろうか?
因みに僕はほとんど覚えてなかった。
原作でちょっとしか話されていないそんな存在を完璧に覚えて入れるはずがない。
マジで『ゼファードル・グラシャラボラス』すらあまり話に出てきていないのにその兄の存在を記憶できるはずがない。
いや、出来る人には出来るのかもしれない。
だが!!
記憶力はゴミなので無理!!
……え?何故そんなことを言っているか、わからない?
いきなりなんでそんな話をするのか?
そんなの簡単だよ。
僕がそのキャラに憑依したんだよ。
では自己紹介をしよう。
僕の名前はグムリンダ・グラシャラボラス。
現在の四大魔王の一人であるファルビウム・アスモデウスを輩出した名門である元72柱25位のグラシャラボラス家の次期当主と生まれた。
僕は、暗殺される未来の確定したモブに憑依した一般人だ。
……自意識が芽生えたとしても、原作知識が有ったとしても詰んでいる僕は絶望してることは悪くないはずだ!!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第2話
こんにちは、僕はグムリンダ・グラシャラボラス。
絶望から立ち直り、殺されないように努力している5歳児です。
突然だけど魔力について説明しようと思います。
魔力とは悪魔が生まれ持った特性や異能のこと。使用するのにはイメージ力、つまり想像力と創造力が必要となり、センスに左右される。
中には生まれつき魔力に乏しい体質の悪魔がいる。下級悪魔が主だが、例外的に上級悪魔でもその体質で生まれてくることがある。原作に出てくるサイラオーグ・バアルがその体質で、バアル家の落ちこぼれと言われるようになる原因。
また、家系に由来する遺伝性の魔力特性も存在し、有名所がバアル家の『滅びの力』やフェニックス家の『不死』、ベリアル家の『無価値』などがある。
何故いきなり魔力について説明したかというと、僕の魔力特性があったからだ。
その名も『魔力吸収』。
名前の通り、魔力を吸収し自らのものにする能力。魔力は勿論、魔力を変質して作った炎や水、氷も吸収することはでき、理論上相手が魔力を使ってくる限り、永遠に戦い続けることが出来る。
しかし、吸収上限が存在する上に物質を吸収することはできない。そのため、飽和攻撃や肉弾戦になるとこの魔力特性は役に立ちづらい。
因みに兄であるファルビウム・アスモデウスは『絶対的な防御』の魔力特性で、魔力だけではなく物質攻撃にも適応される。その上、その攻撃をカウンターの魔力に転換することもでき、数か多ければ多いほど、威力が強ければ強いほど、カウンターの魔力に転換される魔力の威力が上がり、それを一気に返すという攻撃方法がある。その上、兄にダメージを与えることのできるのは、サーゼクス・ルシファー、アジュカ・ベルゼブブ、セラフォルー・レヴィアタン、グレイフィア・ルキフグス、リゼヴィム・ルシファーと言った超越者かそれに近しいものしかいない。
分かっていただけただろうか?
僕の魔力特性は完全に兄、ファルビウム・アスモデウスの下位互換なのだ。
僕の魔力では飽和攻撃や物質攻撃といった攻略法が存在するが、兄の魔力にはそれがない。いや、無いこともないがそれを行えるのは究極の一であって、僕のように数を揃えれば何とか出来るわけではない。
では、どうすればいいか。
それは簡単、修行だよね。足りないものは努力で補う。基本だね。
悪魔の中で修行する者は少ないらしいが、居ないわけではないし、目立たないよね。むしろ、原作では修行するキャラの方が多いし、気にしなくて大丈夫だろう。
……それはそうと、最近気になることがある。
兄であるファルビウム・アスモデウスが何故か僕のことを気にかけている。
兄なのだから当然かと思うかもしれないが、「夏休みの宿題は初日にすべて終わらせて、残りは全部休みタイプ」の怠け者にして、冥界最強の戦術・戦略家として有名なあの兄が、僕のことを気にかけているのだ。
僕が何かやらかしたのだろうか?
いや、まだ何もやらかした覚えはない。
せいぜい死なないために知識をかき集め、現在の冥界や経済、旧魔王派などの情勢を精査していただけだ。
僕は兄に気にかけられている理由が分からずモヤモヤしているが、とりあえず修行を開始してみよう。
……何からするばいいんだろ?
やっぱり基礎体力作りからかな。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第3話
どうも、グムリンダ・グラシャラボラスです。
兄、ファルビウム・アスモデウスに気にかけられた理由がわかって少しすっきりしている6歳児です。
理由は簡単。
僕のせいでした。
簡単に言うと僕が色々調べていて、その中に触れない方がいい『闇』ってものがあり、それを深く調べて抹殺されるのでは?と考えたらしい。
……それが嘘ではないことはわかるけど絶対それだけではないよね?冥界最強の戦術・戦略家がそんな甘いだけの考えではない、ということもあるけど、それ以上に怠けるために監視していたように感じる。いや、僕を監視することが怠けることなのでなく、僕を利用して魔王としての仕事を楽しようとしている気がする。これはあくまでも勘だから確かなことは言えないけどね。
僕は修行の選択を間違えたのではないかと思っている。
基礎体力は必要なのはわかっている。
土台はしっかりしたものの方がいいが、土台の上に何もないのでは意味がない。
その上、悪魔は主に魔力を自分の得意なものに変質させ戦闘を行う。そのため、主に中距離~遠距離での戦闘になり、僕の
動きながらでもスムーズに魔力を操れれば、より戦いやすくなる。それに眷属と連携するのには魔力操作が出来るようになっていた方がいいだろう。近接戦での連携はかなりシビアだと何かの漫画で言っていたし、生き延びることを第一に考えるのなら安全圏からの攻撃が一番のはず。勿論、接近されたら何もできない、ではダメだから、相手から離れるための近接戦闘の技術。
しかし、僕はあくまでも《王》。トップなのだ。前に出て戦うよりも、後ろで指揮を取る方が正しいだろう。
だから僕は魔力操作の修行を開始しようと思う。
まぁ、具体的に何をすればいいかわからないから、とりあえず魔力を限界まで使って回復してを繰り返そうと思う。
限界まで使うことによって魔力量が増えることを期待。あと、少ない量でも効率よく使う練習にもなる。
あと、《王》として戦術・戦略を学ばないといけないんだけど……それって何気に今まで通りでいいのでは?と思っている。
死なないために知識をかき集めた。その中にそれらしいものもあった。それ以上に兄、ファルビウム・アスモデウスが家にいる際に話したことがある。そこで「情報を集め、
つまり、今までやってきたことと同じなのだ。
それなら、修行を変えるだけで十分だと判断する。
今までは自分のことしか考えていなかったが、これからは他のことにも目を向けようと思う。
10歳になると
それまでに候補をある程度見つけておく必要があるからだ。
まだ早いように思うかもしれないが、どういった存在が欲しいか、そういったことを考えながら周りを見ると見え方が変わってくると思うので意識しておくのだ。
はぁ、人の上に立つのは嫌だなぁ。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第4話
因みに亀よりも遅い更新になるのでご了承下さい
久しぶり、グムリンダ・グラシャラボラスです。
弟のゼファードルがやんちゃ過ぎて迷惑している10歳です。
三大勢力の戦争で大きく人数を減らした上級悪魔たちがチェスの特性を取り入れた少数精鋭の制度で、現在の悪魔で3人しかいない「超越者」で現在の魔王の1人のアジェカ・ベルゼブブ様が開発した物。軍団を持つ代わりに「駒」として少数の下僕悪魔に強大な力を分け与え、悪魔以外の種族に使用した場合は対象が「転生悪魔」と呼ばれるようになる。
それで
これらの駒の他に、本来なら複数の駒を使うであろう資質を宿した転生体を1つの駒で済ませることのできる特異な駒、
この駒は誰しもに現れる駒ではなく、稀に出てくる希少価値の高い駒。
後、表には流通していないが「
「
そのため、使用を禁止されているが、大半の「
因みに僕は
僕の目標は生きること。そのために体力を付け、魔力操作の修練を続けている。今では並の上級悪魔では簡単に倒されるようなことはないだろう。
それぐらい鍛えた。
僕の目標は横に置いておくとしよう。
その中で
自分で言っておきながら少し凹む。
……さて、気分を切り替えて
目次 感想へのリンク しおりを挟む