最終子育て究極機関 カルデア (陰炎)
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立香と子育てとカルデア
第1話 プロローグ


こんにちは。
重い感じのばっか書くのもあれなんで完全に明るい感じのを書きたいと思いました。

正直内容がカオスなので深いこと考えずに読んだ方がいいです。

それでは、本編始まります。


 

 

俺は丸藤立香(まるふじりつか)。なんかよくわからない組織「カルデア」に、穴埋めとして入れられた補欠要因だ。

 

人理を直すとかなんかするらしいよ!

だが、現在は絶望的な状況で、レイシフトと呼ばれることをしたらなんと俺と片目の子「マシュ・キリエライト」と所長「オルガマリー」しかいないのだ!!!

 

「先輩、とりあえず召喚しましょう」

「そうよ!!とりあえず人手がいるわ!」

2人ともなんか召喚とかよくわからないこと言ってるけどやってみるしかないらしい!!!

 

「ええい、ままよ!!」

マシュが持っていた盾から出てきた魔法陣がグルグルし始めた。

 

色々なカード上のアイテムが10枚出現する。

内5枚が「セントグラフ」と呼ばれる英霊のカードらしい。

残りは全て「概念礼装」と呼ばれる装備品みたいなものらしい。

 

 

「サーヴァント、アーチャー。召喚に応じ参上した」

赤い弓兵の英霊、エミヤ!

 

「■■■■■■■■■■ーーー!!!」

屈強で剛腕な英霊、ヘラクレス!

 

「ブーティカだよ。よろしく。気軽にブーティカさんでいいよ?」

いかにも母性本能がくすぐられる英霊(当社比)、ブーティカ!

 

「我こそはタマモナインの一角!野生の狐タマモキャット!よろしくな、ご主人」

明らかに属性過多で「タマモナイン」って何かも頭に入ってこなくなりそうな英霊、タマモキャット!

 

 

_____ってセントグラフに書いてある!!

 

 

「すごい...!こんなにいっぱいサーヴァントが!」

マシュは結構新鮮味があるような反応をしていたし、

 

「あなた...意外とやるじゃない」

と所長はなんかよくわからんけど関心していた。

 

だが、1つ問題があった。

 

「...あれ?あと1枚、間違いなくセントグラフなのにサーヴァント出てこないんだけど」

「なによそれは、見せなさい」

オルガマリー所長にそのセントグラフを(強引に)取られてしまったのだが...

 

「...なによこれ!!こんなの見た事ないわ!!!」

オルガマリー所長さえもなぜか豪速球で投げ出したその「セントグラフ」は、なんかピエロみたいなのが鏡写しに写っており、トランプのジョーカーを思い浮べた。

 

投げ出した勢いでサーヴァントが飛び出てくる。

 

「...ばぶぅ!?」

勢いよく出てきたサーヴァントは...子供?いや...赤ちゃん!?

「え、まって!?赤ちゃん!!?」

と、咄嗟に飛び出た子を抱える。が、

「重っっ!!!?」

明らかに赤ちゃんの重量ではない。俺ぐらいあるぞこれ。

 

「赤ちゃん...ですか?」

「ほんとに何よこれは!!?」

マシュも所長も困惑する。

 

セントグラフを確認すると...

 

「えっと...アルターエゴ、パッションリップ...」

セントグラフのイラストでは胸が大きく、大きな爪に座っているけなげそうな少女のイラストだ。なのだが...

 

「明らかに出てくる姿違うくない???」

見た目は間違いなく2歳ぐらいだ。

「謎ですね」

とマシュと話していた時に...

 

「BB~~~~~チャンネル~~~~!」

 

「!!?」

急に立派な視覚妨害が始まった。

 

「皆さんこんにちは!皆の小悪魔系後輩のBBです♡

今回は、なんとこの人に私のかわいいかわいいリップちゃんを育てて貰おうと思いまーす!!!」

 

...いま、なんて?

 

「だーかーら、今日はセンパイに私の子供であるリップちゃんを育てていただくんですよー!!」

 

なんで聞こえてるんだよ!!!!!

それより、子育てって?

 

「ああ。それってハネク〇ボー?...じゃなくてですね」

 

ネタには乗ってくれるのか。

 

「今回は実験的にリップの霊基を私の要らない感情と女神三人を切り貼りした直後の状態にしています。なので、リップは言葉とかあまりよく分かりませんし、危ないスキルは発動どころか習得さえしていません」

 

...え?それ戦えないんじゃ

 

「ええ。だからポケ〇ンやデ〇モン育てるみたいに立派に子育てしてくださいね♡リップは差し上げますから♡」

と言って視覚妨害は終了した。

 

「えぇ...」

「子育て、ですか...」

「なんでこんなことになるのよ...」

どうやらマシュや所長もこの妨害を見ていたようだ。

 

「...ばぶぅ?」

めっちゃキラキラした眼で見つめてくる...

 

「...でも、かわいいからいいんじゃないですかね!!!ぷおぉ~~~~」

何故か法螺貝を取り出して気を取り直したマシュ。

 

するとどこからともかく通信が。

『あれ?所長、マシュ、立香くん!!今なら帰還できるぞ!!』

「ロマニ」こと「Dr.ロマン」が呼びかけた。

 

これに関してオルガマリー所長は、

「なんでそんな都合よく帰れるのよ!!?...ただ、赤子を連れていくのもアレだし、一時撤退よ!」

サーヴァントを召喚したが危ないと判断し、サーヴァントと共に一時帰還した。

 

 

 

 

 

「子育てかぁ…」

「■■■■■■■■■■■■■ーーーー!!!」(カランカランカランカランカランカランカランカランカランカラン)

 

ヘラクレスにガラガラを持たせて、リップのお守りを任せながら考える。

「キャッキャッ」

割とヘラクレスのお守りはリップからしたらいいらしい。

 

「とりあえず離乳食作りからじゃないかな?私、キッチン借りてくるね」

とブーティカさんはそのままキッチンに行く。

 

「にしても本当に運がないな君は。子育てかね...」

とエミヤは深刻に困っていて、

 

「おぉ~~~かわいいナ、リップ~~」

とか言ってほっぺをむにむにするタマモキャット。

「ばーぶぅー!」

そして満更でもないリップ(2歳児)。

 

何だこの空間。

 

そして急いで部屋に入ってきたマシュは

「先輩!!!いっぱい子供用品持ってきましたよ!!!!」という。

中には幼児用の玩具やベビーカー、その他様々。

 

「なんでこんなに用意がいいんだよ!?」

「なんか、ダ・ヴィンチちゃんが「こんなこともあろうかと~~~!てってれ~~~」とかなんとか言って用意してくれました!!!!」

 

雑ゥ!!?ド〇えもんみたいなノリで用意してる!!?

なんでそんな短時間で用意できんだよ!!!?

「レオナルド・ダ・ヴィンチ」って凄いんだなぁ!!?

 

「とりあえず、私たちは今全力でリップさんを子育てすべきです!!!!」

ともはやマシュは振り切りすぎている。

序盤のチュートリアルの時の冷たい機械みたいな感じの雰囲気どこいった。

 

「_____今、人理を守る子育てが始まる(キリッ)」

とかマシュがキメ顔で言っている。

 

「...まぁとにかくこの子育てない限りは始まらなさそうね。私もできることはしたげるから、頑張りなさい」

所長は諦めている。

 

「えぇ...まぁ、はい。なんかよくわかんないけど、頑張ります...」

俺も観念した。

 

今、人理を守るために1人のマスター(とその他大勢)が子育てを始める______

 

 

 

 

 

 

 

 

冬木 聖杯前

 

 

聖杯の前に黒い騎士王は1人、剣を地面に突き刺し立っていた。

 

 

 

 

(...あれ...これ誰も来ないんじゃ)

 

 

つづく




ここまで見てくださりありがとうございます。

熱中症にはお気をつけてください。


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第2話 「ベビーカー」

お疲れ様です。

疲れた際には何も考えずに読めるものがおすすめですよ。


それではどうぞ。


最終子育て究極機関カルデア、前回の3つの出来事!

 

 

1つ!冬木のレイシフトに失敗し、現地には3人しか居なくなった!

 

2つ!BBが無責任に自分の子供を押し付けた!

 

 

そして3つ!ヘラクレスはリップ(2歳児)お守りに全力を賭けた!!!

 

 

____________________________________________

 

 

 

 

「はーい、ちょっとした離乳食持ってきたよ。」

ブーティカさんがリップ(2歳児)でも食べられる様なスープ状のものを作ってきた。

 

「ほら~、おたべ」

ブーティカさんはスプーンでスープをすくい、リップ(2歳児)の口へ持っていく。

 

「もぐもぐ……キャッキャッ」

どうやら美味しいらしい。よかったよかった。

 

「ブーティカさんは料理得意なんですね」

「まぁね。これぐらいはやらないと。」

「それでも凄いです!私は料理した事ないですから」

マシュはあんまり家事はやったことない様子だった。

 

「まて。ブーティカ、ご主人、マシュ。」

タマキャがリップ(2歳児)になんかやってる事に気づいた。

 

「...リップのやつ、お皿掴んで一気飲みしているゾ?」

 

...え?

 

「んあーーーーーーーー」

なんと自前の爪でスープがぶ飲みしてるではありませんか!!!!!!!

あーー行けませんお客様!お客様ぁぁぁぁ!

 

「やめろ、リップ!!!それはお腹壊すぞ!!?」

エミヤが咄嗟に爪に掴んで剥がそうとするのだが...

「...まて!くそッ!!剥がれん!!!マスター、手伝ってくれ!!!!」

「え、まさかエミヤさん2歳児に...」

「いいから早くしてくれ!!!バーサーカーも手伝ってくれないか!!!」

「■■■■■■■■■■■■■■ーーーーーー!!!」(カランカランカランカランカランカラン)

 

ガラガラを持ったヘラクレスが手伝ってやっとお皿を取り上げれた。

あれ?俺ら要らなくね?

「俺はともかくなんでエミヤさんまでやって爪剥がれないんすか」

「...。」

エミヤが黙り込む。そこにタマキャが割り込み,

 

「エミヤは見た目のムキムキより筋力がないのだナ。実際にアタシより弱いんだゾ?」

 

「やめてくれないか...」

 

エミヤが絶望した顔している中にタマキャは凄い笑っていた。

 

だが、そんな会話している矢先...

 

「......ウルウル( இ﹏இ )」

 

リップ(2歳児)がいかにも「今から泣きます」と言っている様な顔をしていた...

 

「あ、なんか嫌な予感した気がする!」

某魔王みたいな事を言ったが最後。

 

「ああああぁぁぁあぁあぁあぁあああぁぁぁぁびえぇえぇぇえぇぇぇえぇ」

バシュン!!バシュ-ン!!!!!!

「うおぉおぉぉぉお!!?」

泣き出したのはいいんだがなんか飛んでんだけど!!?

「■■■■■■■■■■■■■■ーーーー!!!!」

(カランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカラン)

ヘラクレスがいち早く危険を察知し、ガラガラを鳴らしながら俺を咄嗟に肩にあげてくれた。

てかガラガラ気に入ったのかそれ。

 

「なにこれ!!?危ないよ!!?」

「ブーティカさん!!伏せマシュ!!!」

なんかギャグが聞こえてきた気がする。

ブーティカさんとマシュは咄嗟に対応して伏せたのだが

 

「ぐへ!?」

「うぉッ!?」

なんか飛んでいったものはタマキャとエミヤの顔にに直撃した。

 

「イヌトカネコトカ...」

 

「だから...止まるんじゃねぇぞ…」

 

とかいう断末魔が見えた気がした...

なんか悲しそうな歌も聞こえてきそうだった。

 

そうしてしばらくに不規則に飛んでいき、リップの元に戻っていった。

 

「えっぐ...えっぐ...ふぇ...?」

リップ(2歳児)は落ちつき、泣き止んだ。

 

「...わかりましたか、先輩」

「...ああ。」

マシュも同じこと思ったらしい。

 

...この子、

「「泣かせちゃダメなやつだ!!!!!」」

 

 

 

 

「さて...どうやって機嫌を取ってみようか...」

「どうしましょうか...」

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ーーーーー!!!!!!!!!!」

(カランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカラン)

ヘラクレスにガラガラを両手に持たせて、リップ(2歳児)の機嫌を取らせながらマシュと対策を考える。

 

「キャッキャッ」

前回やったのにやっぱりいいのかそれ。

 

「今のところ機嫌が取れる方法は...」

と、マシュが冷静に考えた。

今のところだと、

 

・ヘラクレスがガラガラでお守り

 

・ブーティカさんの離乳食(スープ)

 

・キャットの肉球

 

_________ぐらいしかない。

「うーん、これじゃあやっぱりレパートリーないよなぁ。」

「...あ、じゃあ先輩!カルデア内を散歩しませんか!」

と、マシュが提案してきた。

「丁度ベビーカーありますし、先輩もあんまりカルデアの中知らないと思うんで、丁度いいかと。」

たしかに。マスター歴(=育児歴)が1日の俺からすれば丁度いいかもしれない。

「よし、そうと決まればベビーカーに乗せて探検だ!!」

 

 

 

 

「さ、リップ。持ち上げるからね~」

「ばぶぅ?」

すっごい健気にこっちを見つめている。可愛い。

だがそんなことを言ってるのもつかの間、

 

「重ッッッッッッ」

 

やっぱり2歳児の重量ではない。

「先輩、ベビーカーに乗せるの頑張れ~!ぷおぉ~~~ぷおぉ~~~~そいやっ!」

「パパマスター頑張って~!」

外野(マシュとブーティカさん)がうるさいが重いながらにもリップ(2歳児)をとりあえず抱きかかえた。

すると...

 

「...まちゅたー...むぎゅ~~~~」

「うん!!?」

 

待っていきなり「まちゅたー」って!!?

しゃべったあああああああああ

 

「待ってリップ!!むぎゅ~~ってされたら動けないよ!!?」

「むぎゅ~~~~~~」

なんか頑なにぎゅって抱きしめてくる。

めっちゃ重いけどくっそ可愛い。

 

「わ~~マスター似合うねぇ?」

めっちゃ皮肉られてる気がする

ブーティカさんやめてくれ本当にそっち系に行ってしまう

 

「と、とりあえずほら、ベビーカーにのろう!」

「ぶぅ~~」

乗せやすい様な体勢を取り、なんとかむぎゅ~から解放され無事、リップ(2歳児)を乗せることができた。

 

...が

 

\バキッゴキッグシャッ!!!/

 

「?!!」

 

\ドガッ!!バキッ!!!!/

凄い様式美みたいに足が折れて最終的にはシートもやられていた。

 

「...ばぶ?」

「「「.........」」」

 

 

 

 

 

...しばらく俺が、「丸藤立香」がリップ(2歳児)を抱えます。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

次回予告

 

 

やめて!!パッションリップの特殊重量(不明)によって

 

ベビーカーが潰れすぎたら

 

丸藤の精神まで(抱える際にむぎゅーってされる度に)萌え尽きちゃう!

 

お願い、死なないでアーチャー!!

 

あんたが居なかったら、リップのベビーカーはどうするの!!?

 

魔力は残ってる!これに耐えれば、カルデアは勝てるんだから!!

 

 

次回!

『エミヤ、死す。』

 

トレーススタンバイ!!!

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

冬木聖杯前

 

 

まだかまだかと黒い聖剣を地面に突き刺し、(まだ)立っていた黒い騎士王はこう思った。

 

 

 

 

 

(............)

 

 

 

(.........お腹空いた)

 

 

 

つづく




読んでいただきありがとうございました。

コメントや評価、本当にありがとうございます。

つづきます。


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第3話 「アーチャー奮闘の巻」

お疲れ様です。

こっちめっちゃ中身書きやすいんですよね。




それでは本編どうぞ。


俺は丸藤立香!!!

18歳(多分)の時にカルデアに島流しにされ、

 

「待って貴方さりげなくカルデアを島流し先として見てるの!?disってんじゃないわよ!?」

 

カルデアのマスターになった!!

 

 

俺が育児を始めた時間(=マスター歴)は 1日!!!

 

「貴方意地でもそれ引っ張るつもりでしょう!?」

 

_____________________________________

 

少し時間が経ち、リップ(2歳児)はすやすやと疲れて寝たのでしばらくゆっくりしていた。

 

 

 

「あ、2人とも目が覚めた。」

エミヤとタマキャが目を覚ました。いきなり殴られたから気を失っていたとかなんとか

 

「...痛い目にあったぞ...マスター...ぐふっ」

未だにさっきの鉄塊が顔面に当たったのが痛むエミヤ。

 

「まだ頭がクラクラするのだナ...」

さすがに気を失ってすぐだったので、キャットはまだ頭が痛いらしい。

 

 

 

 

「...いやー、これはやられたね。まさかベビーカーが潰れるとはねぇ...」

ブーティカさんも予想外すぎて困惑している。

そりゃあ、脆いとかはあったかもしれないけど明らかに脆いとかじゃ済まされないぐらいにすぐ潰れたから誰だってびっくりする。

 

「何か対策が必要ですね...」

マシュが顎に手を添え考え込む。

 

...だが、1人このタイミングで名乗り出た英霊がいた。

 

「____状況は理解した。ここは私に任せてもらおう!私に策がある!」

そう、赤のアーチャー「エミヤ」だ。

 

「えー?ほんとでござるかぁ?」

「先輩、エミヤさんには「投影魔術」と呼ばれる力がありまして、色々なものを構造さえ把握できていれば、なんでも複製できるのです」

 

...え?なにそれ!?チートじゃん!!!?

 

「なにそれ!!?マスター歴(=育児歴)1日の俺からしたらチート以外何者でもないぞ!!?じゃあ仮〇ラ〇ダーのベルトとか...」

 

「無論、可能だ。」

エミヤが実践で仮〇ラ〇ダーのベルトをその場に出して見せた。

出てきたのはオンドゥルで、トランプ的なやつだ。

 

「すげぇ!トランプ入るやつだ!!これならいける!やっちゃってエミえもん!!早くリップが乗れる様なベビーカーを出してよー!!」

「まぁまて焦るな。...よし、生成する。」

エミヤはぽぽんとベビーカーを生成してみせた。

 

「これなら多分いけるだろう。」

「うぉすっげぇ!ありがとうエミヤ!!」

「なに、これぐらいお安い御用さ。」

エミヤは得意げにしていた。

 

「...さて、先輩!リップさん(2歳児)を乗せましょう!」

マシュはエミヤがこの投影魔術で出したベビーカーの強度が気になるらしい。

 

「まぁまぁマシュ、すぐ乗せるから、待ってね。

ほら、リップ。抱えるからね。あ、やっぱり重い」

「まちゅたー!むぎゅーー!」

リップはいつの間にか起きており、やっぱり抱えるとどうしてもこの2歳児は抱きしめてくる。可愛い。

 

「さてリップ、ベビーカーに乗ろうね」

「ばぶぅ」

前回とは違いすぐ引き離してくれ、ベビーカーに乗せる。

 

「緊張の一瞬...!」

マシュは前回の件で割とマジで緊張しているように見えた。

 

「...ばぶぅ!」

 

「あっ...!」

 

「...先輩!!乗りました!!!!」

 

「マスター、よかったねぇ!」

 

 

 

やった、やったぞ!!

ちゃんとリップがベビーカーに乗れたぞ!!!!

 

「ふっ...(ドヤァ)」

「エミヤのやつ、やっといい所見せれて安心しているのだナ。だが、これは実際私らからすれば楽になる事だから助かったんだワン」

すっごいドヤ顔しているエミヤと、素直に褒めるタマキャがいた。

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■ーーーー!!!!!!」

(ドンドンパフパフー!)

ヘラクレスも、何処からともなく出していた打楽器で祝福している(ように見える)

 

「やった!!これで楽して移動ができるぞーーー!!!!」

と、言ったが束の間。

 

\バキバキバキバキバキィッ/

「!?」

 

\ドガッバキッグシャアッ/

 

「「「「...」」」」

 

 

「ふぇ?まちゅたー?」

 

「...えっと...リップは悪くないよ、うん。」

 

「...?」

ああ、なんて世界は残酷なんだろう。

エミヤ印のベビーカーが様式美みたいに壊れた。壊れてしまった。

「...あらら...」

ブーティカさんはもはやそれさえも因果と捉えているのかいかにも顔に「仕方ない」という文字が浮かんでいた。

 

「フム、9.8秒。それが貴様のベビーカーが壊れるまでのタイムなのだナ」

そしてタマキャが冷静にベビーカーが潰れるまでの時間を測っていたらしい。...なんか聞いたことあるようなタイムだな、おい。

 

...じゃなくて!

 

 

「...くそッ!なんで!私はこんなに貧乏くじを引かなきゃならないのかね!!?!?」

 

どう足掻いても貧乏くじを引くエミヤからの魂の叫びが聞こえてきた。

 

「エミヤさん...多分あんたのせいじゃないよ...リップが特殊すぎるんだけだから...あまり気を持たないで...」

 

 

 

 

 

またしばらくして、

所長に色々相談してみたのだが

結論としては

 

「...これ、無理じゃないかしら?諦めて貴方が抱きかかえてあげなさい。」

 

...所長はもう諦めムードになっており

 

 

「結局こうなるのか...」

「■■■■■■■■■■■■■■■■■ーーーー!!!!!!!」

(シャリシャリシャリシャリシャリシャリシャリシャリシャリシャリシャリシャリシャリシャリシャリシャリン)

「キャッキャッ」

「ヘラクレスさん...この楽器はどっから出てきてるんでしょうか...」

マシュも困惑しているが、

何故かタンバリンを持っていたヘラクレスがリップ(2歳児)をお守りするのが1番無難だった。

 

さらに...

 

「そーれリップ~お主が好きな肉球だぞ~~~」

(ムニムニムニムニムニ)

「キャッキャッむにむに~」

 

キャットは肉球をリップのほっぺに当ててむにむにしていた。普通に楽しそうだ。

 

だが、今1番(精神的に)厳しいのは...

 

「なぜ私はこんなに運がないのかね...うっ...このっ...」

「あーんたが悪いわけじゃないよ、気にしなさんな」

明らかに落ち込み具合が半端じゃないエミヤと、それを慰めているブーティカさんがいた。

 

「あれはもうしばらく立ち直れないだろうな...」

そう察した直後に、

 

\ウォーンウォーン/

「!?」

「これは…アラート?」

マシュが冷静にアラートだと言っている。

ついでに通信が入ってきた。

通信にはDr.ロマンと、所長が顔を出していた

 

「立香くん!マシュ!カルデア内に侵入者だ!!!」

「魔力反応も存在するわ、間違いなくサーヴァントよ!なぜエネミーサーヴァントがいるのかは分からないけど早く臨戦体勢を取りなさい!」

 

...サーヴァント!?なんで!?

 

「先輩、とりあえず戦う準備をしましょう!」

「う、うん!」

 

初めての戦闘なんだけど、大丈夫なのかこれ...

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「人理継続保証機関 カルデア」と呼ばれる場所の、心臓とも言える場所。

「地球環境モデル カルデアス」の前。

 

そこには、サーヴァントがひとり、立っていた。

黒いマントに青紫の長い髪。髪に結ばれた青いリボン。

そして何より刺々しいにも関わらず美しさも兼ね備えた「美脚」とも呼べる鋼鉄の脚。

 

 

 

 

 

________「さて、リップのやつは何処に居るのかしら。」

 

 

 

つづく




お疲れ様でした。

次回、進展します。


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