キミとの出会いは偶然か必然か (空丘ルミィ)
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プロローグ:邂逅と出会い

過去にあった人はこれから会う人なのか?

過去にした約束とは?

過去の記憶のピースは埋まるのか?


初めまして、空丘ルミィと申します。小説の投稿は初めてなので多少は誤字脱字等があるかと思いますが暖かな目で呼んでくれると嬉しいです。

なお、二次創作なのでキャラの年齢設定とかは原作と違ったりもします





 

 

俺は小さいころに祖父母を亡くし、両親の仕事に連れまわされ、日本国内を転々と動かされた。ある時は会ったばかりの同い年の子と友達になってその一か月後に突然の別れだったり、ある時は親の仕事場まで同行し親の仕事内容を見せてもらったりされた。そんなある日、「空葉相汰(そらばそうた)くんの両親と思われる人物が交通事故で亡くなりました」・・・このショックはとても大きく、当時10歳だった相汰の心に過去にあった友達との楽しかった遊びなど、楽しかったことだけでなく様々な記憶のピースが外れるまでに至る深い傷となって心を閉ざすことまでになってしまっていた・・・

そして数年が経ち・・・相汰は動き出す、止まっていた時間を取り戻すために。これは過去の記憶と闘いながら成長していく物語である。

 

 

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相汰「飛行機に乗って2時間か・・・聞いてた通り長いな、東京までは」

 

俺は空葉相汰(そらばそうた)。ごく普通に普通の中学を卒業した俺は父さんの古くからの友人の紹介で5月の頭から東京にある羽丘学園へと転入することになった。羽丘学園は元は女子高だったのだが、少子化に伴い共学になったため入学できるようになったという。だがY〇hooで調べてみたところ、その年の男子の入学者数はなんと「1人」つまり俺だけである。親が残してくれたお金で家を買うことは可能だったが、東京は誰もが知っている大都会、そんな大都会で家なんて買っても残りのお金がすぐに底をつくだろう・・・なんてことを考えていると東京の空港に飛行機が着陸した。すぐに飛行機に乗った際に持っていたポーチをもって飛行機を出、ロビーで向こうで預けたキャリーバッグを受け取る。そして近くのベンチに座り、ポーチから一冊の日記帳を取り出す。これは両親が俺に買ってくれた日記帳だ。今はまだ真っ白だが、これからの出来事を残す大切なものだ。ページをペラペラと捲る。すると最後のページにこう綴られていた。

「相汰へ これを読んでいるということは相汰は親元を離れ一人で旅立っているころだろう。父さんの古くからの友人への連絡先と、空港からのその友人の従妹の住所をと道のりを書いておいた。父さんたちがいなくて多少は生活に困るかもしれないが相汰ならきっと大丈夫だ、自分を信じていればいいことがある。相汰は一人じゃない、いつでも父さんたちは側にいる 父より」

と書かれていた

 

相汰「父さん・・・不器用なんだよ、いつまでたっても・・・」

 

空港を出てタクシーを呼び、従妹が住んでいるであろう家の近場まで乗せてもらった・・・

 

相汰「・・・まずいな」

 

(迷った。)そう、俺は知らない土地で歩くときは地図をよく見るのだが、俺の両親は漢字は書けても絵は画伯と言っていいほど出来が悪い。俺も多少は書けるが、子供の時ほどの絵心はないと言っていい。

 

相汰「・・・(どうする。近くに交番はなさそうだし、歩いてる人に聞いても知らない可能性がある、かといってじっとしているのもな・・・)」

 

そんな時

 

?「あの、どうしたんですか?」

 

相汰「誰だ?どこだ?」

 

?「後ろですよ」

 

後ろを振り向くと、茶髪のショートヘア、赤い淵のハーフフレームの眼鏡を掛け、レンズ越しに見える灰色の瞳をした女性がいた。

 

?「どうしたんですか?こんなところで。もしかして、道に迷っちゃってます?」

 

恥ずかしいところを見られていたみたいだ。年相応の男子がこんなでかい歩道で日記帳を見て唸りながら歩いていたのだから

 

相汰「・・・見られていたのか、この状況を。そうだ、道に迷ってるんだよ。親父が書いた地図がうまくなくて同じところを3周ぐらいしてたんだからな・・・」

 

?「ええっ!?3周もですか!?なんかとてつもない苦労してたんですね・・・で、どうしたんですか?」

 

相汰「ああ、今度近くの高校に転入生として入学するんだけど、そこに入学するにあたって今後お世話になる人の家を探していたんだ。しかし、文字は読めても絵が全く分からないのはじいちゃん譲りだったのかもな・・・」

 

?「ちょっと見せてもらってもいいですか?」

 

相汰「ああ」

 

そう言って日記帳を手渡す。パラパラとページをめくり住所が書かれているページを見て、反応が変わった。

 

?「ああ、ここジブンの家の住所ですね。なるほど・・・叔父さんから連絡があったのはあなただったんですね!今日の飛行機で来るって言っていたんですけどまさか道に迷ってなんて・・・」

 

相汰「恥ずかしくなるからこれ以上はやめてくれ」

 

?「ああ、すみません…とりあえず、タクシー呼びましょうか。」

 

相汰「ああ、すまない。」

 

(1時間半後・・・)

 

?「着きました!ここがジブンの住んでる家です!」

 

見た感じは普通の一軒家だ、どこにでもある家の外見、瓦の屋根、2階建て(その他もろもろ省略)

 

相汰「結構普通だな」

 

?「何事も普通がいいんですよ。あまりやりすぎると体に毒なので。あ、どうぞ上がってください。」

 

相汰「ん。じゃお邪魔します、っと」

 

?「どうぞ、ジブンは一人暮らしなのであまり整理整頓とかできてないかもですけど・・・」

 

相汰「いや、大丈夫だ。そういえば、荷物とかはどこに置いた方が良い?」

 

?「ああ、それな階段を上がって左手に部屋があるのでそこに荷物を置いちゃってください。今日はあなたの部屋の掃除も兼ねて大掃除をしようと思っていたので。といっても掃除するスペースは2階のジブンの部屋とあなたの部屋、それとリビングと・・・」

 

相汰「わかった、まだわからないことだらけだからそこは手取り足取り教えてくれると助かる」

 

?「了解です!それじゃあ日が暮れる前にやっちゃいましょう!」

 

少年少女掃除中・・・・・・・・・・・

 

相汰と?「「終わったー(終わりましたー)!」」

 

相汰「やっと終わったな・・・まさか機材とかも物置にあったなんて思ってなかった。それにベッドとか布団もあったなんてな」

 

?「元々ここは空き家になる予定だったらしいのですが叔父が不動産屋だったらしく、家を売る際に布団とかベッドはそのままにしておいてほしいって言ってたのでそのままだったらしいです。でも洗濯とかは時々やっていたそうなので古物ですが見た目は新品ですね。」

 

相汰「だな。後は俺がいた家から家具とかが届くのを待つだけなんだが・・・電話で聞いてみたところ大体3日くらいでこっちに着くそうだ。」

 

?「あ、そうでした。名前をまだ聞いてなかったですね。聞かせてもらえないでしょうか?」

 

相汰「俺は相汰・・・空葉相汰(そらばそうた)だ。」

 

?「ジブンは麻弥、大和麻弥(やまとまや)です!左から読んでも右から読んでもやまとまやです!これからよろしくお願いしますね、空葉くん!」

 

相汰「ああ、これからよろしくな。・・・大和」

 

麻弥「はい!こちらこそよろしくです!」

 

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これが二人の出会いだった。だがこの二人は知らない・・・空葉相汰の記憶のピースが欠けていたところに二人しか知らないある約束があったことを・・・




どうも、読んでくれてありがとうございます。空丘ルミィです。

初めての小説、いかがだったでしょうか?これから不定期になるかもしれませんが続きを思いつき次第バンバン投稿していく予定です。

それでは次の投稿でお会いしましょう


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1話:新しい学園生活

どうも、空丘ルミィです。プロローグはどうだったでしょうか?

この回では前話に出会ったメインヒロインである大和麻弥と一緒の高校に通うお話となっております。どのような展開になるのかというドキドキを胸にぜひ楽しんで読んでいただければ幸いです。


5月8日

 

 

 

 

相汰「ふわぁぁぁぁ…」

 

と大きな欠伸をし今の状況を確認する。

 

相汰「あ、そうだったな。昨日から大和の家で世話にあるんだったな。で、確か今日が登校日だったか、何時限目か・・・2時限目からみたいだな。」

 

あの後、大和が夜食とかを作ってくれて夜ご飯を一緒に食べ、先に食べ終わった俺が風呂に入り、散々歩き回ったせいか部屋に敷かれてる布団に突っ伏してそのまま寝た。

 

相汰「そういや忘れてたな、親父の書いた地図を俺が改良するのを」

 

・・・・・・・・・・・

 

相汰「ふう、終わったな。さて、そろそろいい時間になりそうだし準備するか。といっても制服は学校で着替えるし鞄も教科書も学校で支給されるし行くときは私服でいいか。手ぶらじゃまずいから日記帳だけでも持っていこう」

 

(ガチャ)と部屋のドアを開ける。

 

麻弥「あ、やっと起きましたか。朝ご飯を作ってあるので早めに食べちゃってくださいね!」

 

相汰「ん、サンキュー。」

 

軽めに朝の食事を済ませ、大和に今日の俺の予定等を教える

 

麻弥「なるほどー、わかりました。ところで、どこの学校に通うんですか?ジブンでよければ道案内しますよ、昨日のようなことがあったら困りますし・・・」

 

相汰「いや、大丈夫だ。さっき起きた時に親父の地図を俺が見やすくするために書き換えたんだ。」

 

麻弥「あー、なるほど。確かにアレはジブンもギリギリ解読できる範囲だったので・・・」

 

相汰「それはそうと大丈夫か?登校時間が間に合わなかったりしないよな?」

 

麻弥「あ、そろそろギリギリ遅刻にならない範囲の時間ですね・・・それじゃあジブンはそろそろ行きますね!また後で会いましょう!」

 

相汰「ああ、またな。」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

相汰side

 

 

 

 

相汰「さて、俺の方もいい時間になりそうだしそろそろ行くとするか。『羽丘学園』に」

 

 

 

 

 

俺は日記帳を開き、羽丘学園に行くまでのルートを確認しつつその日の予定も再チェックする。羽丘学園に着いたら裏門に向かい、そこで待っている学園の関係者が学園長室まで案内してくれることになっている。そこで学園の制服、教科書、鞄、生徒手帳などを受け取って担任の先生に俺が転入するクラスへ案内される流れになっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

麻弥side

 

 

 

 

 

麻弥「フヘヘ・・・」

 

?「麻弥ー?どうかしたの?いつもの笑い声なんか出して」

 

麻弥「ああ、すみませんリサさん。ちょっと思い出してたんですよ昨日のことを」

 

リサ「あー、昨日引っ越してきたっていう彼のこと?名前は・・・空葉相汰(そらばそうた)君って言ってたね。」

 

麻弥「はい、今日からジブンの家の近くの高校に転入するらしいのでどこに転入するのかなーって思ったら顔がニヤけちゃって・・・フヘヘ」

 

リサ「そっか、ここだけじゃなくて花咲川とか天咲川(あまさくがわ)とか色々あるからねー。どこも共学になってるしどこでも行けるからここじゃないところに入っても恨まないでよー?」

 

麻弥「恨みませんよー!リサさんって本当に冗談が多いんですから・・・それに、何か予感がするんですよね。何というか・・・」

 

リサ「そう遠くない未来で会える、とか?こういう時の麻弥って感がよく当たるから怖いよねー♪」

 

麻弥「本当にそれですよね・・・」

 

リサ「そういえば麻弥、その空葉君に年齢とか聞いた?」

 

麻弥「そういえば聞いてませんでしたね」

 

昨日見た感じジブンと同じ年齢に見えるんですけど、どこか年上に見えるので同じ学校だとしても同じ学年にはなれそうもないような気がするのでちょっと残念に思えるんですけど嬉しいような気がするんですよね。本当にそう遠くない未来に会える、そんな気がしてならないですから

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

空葉side

 

ヘックション!

 

相汰「・・・今の時期は寒くないはずなのになんだこれ。誰か俺のこと噂してたりするのか?」

 

学園長「どうかしましたか空葉くん?まだ説明の途中ですが」

 

相汰「いえ、大丈夫です。続けてください」

 

学園長「そうですか、突然くしゃみなんてするので体長でも崩されたのではないかと心配しましたがそうではないようなので安心しました。それでは…(ゴホン)空葉くんには、我が校の2ーAに編入してもらいます。羽丘唯一の男子生徒なので多少は浮くかとは思いますが気楽に過ごしてください。困ったらクラスメイトの誰かか、近くを通りかかった先生に相談するかで解決をしてください。以上の点ですが、わからない点などありませんか?」

 

相汰「いえ、特には。」

 

学園長「そうですか、ではこの学園の制服を着用次第担任の教師と一緒に2ーAに向かってください。楽しい学園生活になることを願っていますよ」

 

相汰「はい、色々ありがとうございました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

担当教師「ここがあなたがこれから一年間勉強するクラスです。」

 

相汰「ここが・・・」

 

担当教師「では入りましょうか、私が呼んだら来てください」

 

相汰「わかりました」

担当教師「突然ですが、このクラスに転入生がやってきました。この学園唯一の男子生徒ですが、同じ学園の仲間として仲良くしてください。では、入ってきてください」

 

そう担当教師が言った瞬間、教室のドアが開いた。そして・・・

 

麻弥「あれ・・・・・・?」

 

相汰「あ」

 

少しの間の後・・・

 

麻弥、相汰「「どうしているんだ(ですか)!?」」

 

リサ「(麻弥、彼がその麻弥の家に世話になってるって人?)」

 

麻弥「(はい、まさかこの学園に転入してくるなんて思ってませんでした・・・)」

 

担当教師「なんだ、お前たち知り合いだったのか。深くは聞かないが・・・ちょうどいい、大和の席の隣が開いてるからそこに座るように。私は次の授業のプリントを取ってくるからそれまで自習しているように」

 

相汰「はい。」

 

スタスタと歩いて空いてる席に座る

 

担当教師「では、これから一年このクラスで楽しく学園生活を過ごしていきましょう。今井さん、号令を」

 

リサ「はい。起立、気を付け、礼!」

相汰「ふー・・・とりあえず午前の授業は終わったか。さてと、どこで昼飯食うかな…」

 

席を立った瞬間、二人のクラスメイトに制服の両袖を掴まれた。

 

リサ・麻弥「ね(あの)、ちょっといい(ですか)?」

 

相汰「はい?えっと、今井さん・・・だったか。それと大和だな、どうかしたか?」

 

麻弥「どうかしたか?じゃないですよ!どうして隠してたんですか?この学園に転入してくるってことを」

 

相汰「んー…まあ、あれだ、サプライズ感ってやつか?隠した方が面白そうだったからつい隠した」

 

麻弥「そういうのはいいですからー!せっかく同じ家に住んでるんだから隠さなくてもいいじゃないですかー…」

 

相汰「悪かったって、だからポカポカ叩かないでくれ痛いから・・・それで、今井さん、だったな。どうかしたんですか?」

 

リサ「あはは、リサでいいよ。それよりキミが麻弥の言ってた子かぁ・・・」

 

相汰「?何ですかこっちをじっと見て・・・他のクラスメイトの視線も痛いのに・・・」

 

リサ「あはは、ごめんね♪やっぱり女子高だったのがいきなり共学になってその年に男子生徒が来るのが珍しかったからつい見ちゃって。」

 

相汰「はぁ…ここじゃ昼飯食うのもあれなので屋上行かないか?外で食べる昼飯もいいものだろうし」

 

麻弥「いいですね!早く行きましょう!」

相汰「ふう…ごちそうさま。」

 

リサ「ごちそうさまー♪」

 

麻弥「ごちそうさまでした!しかし、空葉くんって結構食べますね、やっぱり男の子だからでしょうか?」

 

相汰「んー、俺は元から結構食べてたからな。でも大和とリサさんも結構食べてなかったか?」

 

リサ「まあアタシはバンドのメンバーだし、少しは体力つけておかないとライブの時体力が持たないからねー…」

 

麻弥「ジブンもアイドルバンドのメンバーですし、練習も結構ハードなので体力使いますから・・・」

 

相汰「え、二人ともバンドのメンバーだったのか?俺はテレビは見ないけど音楽はよく聞いたりするからな・・・何のバンドなんだ?」

 

リサ「アタシはRoseliaだよ」

 

麻弥「ジブンはPastel*Palettesですね。」

 

相汰「Pastel*PalettesとRoselia・・・ってああ!そのバンドか!オレのスマホにも・・・あ、あった。『BLACK SHOUT』と『しゅわりん☆どり〜みん』・・・この二曲は飛行機の中で何回も聞いたな。『BLACK SHOUT』はサビからのテンポが好きだし、『しゅわりん☆どり〜みん』はアイドルらしさが出てて好きなんだよな。でも意外だったな、二人がバンドメンバーだったなんて」

 

リサ「うーん、アタシは幼馴染の友希那のことが放っておけなくて入ったって感じなんだよね、ベースはやったことあるんだけどブランクに近いって感じだし」

 

麻弥「ジブンはアイドルになる前はスタジオミュージシャンとして活動していたんですが、ある日ドラムのメンバーが足りないって言われて一度参加したんですが、メガネを取った際にパスパレに誘われたんです。」

 

相汰「なるほどな、二人ともそんな経緯があったのか。ん?友希那って・・・同じ学年の湊友希那さんか?」

 

リサ「そうそう!よく知ってるね空葉君。」

 

相汰「相汰でいいですよリサさん。」

 

リサ「そっか。相汰君、友希那のこと知ってるんだ。」

 

相汰「まあ、気になったことは後でも調べる性格してるからな。パスパレのことも、他のガールズバンドのことも調べつくしてるし。」

 

麻弥「なら、空葉くんも楽器とかを演奏してたりするんですか?」

 

相汰「・・・昔はやってたさ。もう今は楽器に振れるどころか見ることすら好きじゃないんだ。でも・・・昔の記憶のピースがいくつか抜けていて思い出せないんだ。だけど、きっとあるはずだ。俺が楽器を嫌いになった理由、なぜ俺が記憶のピースをなくすことになったのか…少しずつでもいい、取り戻したいんだ。過去に失ったものを」

 

麻弥「なるほど…深い事情があるんですね・・・その記憶を取り戻すの、ジブンにも手伝わせてください!」

 

リサ「あ、それならアタシも♪」

 

相汰「なんでだ?昨日今日会ったばかりだぞ?それなのに手伝ってくれるのか?」

 

麻弥「元はと言えばジブンが地雷を踏んじゃったので・・・せめてもの罪滅ぼしってやつですね。」

 

相汰「・・・断るっていっても手伝うって顔してるな、二人とも。でも無茶はするなよ」

 

麻弥「わかってますよ!」

 

キーンコーンカーンコーン・・・

 

相汰「やばいな、チャイムなったぞ」

 

リサ「今から走れば大丈夫だって!」

 

麻弥「さあ、行きましょう空葉くん!」

 

そう言って大和は俺の手を握って一緒に走り出した。・・・なんだ、この胸の高鳴りは?そして頭が痛んで過去の記憶のピースが少し埋まったような感覚がした・・・

 

放課後、大和とリサさんと俺は連絡先を交換した。大和と俺は最初は交換しなくてもいいんじゃないか?って言ったけど仕事の都合とかで帰りが遅れるといけないと気を使わせてしまったみたいでちょっとほっぺたを膨らませてしまった

(この記憶・・・小さい頃の俺は誰かに手を引かれて走っている?一体誰なんだ?)

 

?[ねえ、こっちに来て一緒に遊ぼうよ!一人で遊ぶなんてつまらないでしょ?]

 

小さい頃の相汰[キミは・・・誰?]

 

?[わたし?わたしの名前はねー…〇〇〇だよ!キミの名前は?]

 

小さい頃の相汰[ぼくは・・・そうた。そらばそうた。]

 

?[よろしくね、そうたくん!]

この後、授業に遅刻した俺たちは担当の教師に少しばかり説教を食らったのは言うまでもない




どうだったでしょうか?
今回は転入初日という設定もありキャラ同士の会話を多めに入れました。
今更ですが麻弥ちゃんは主の各バンド別推しキャラの中でも2位、総合でも3位の激推しキャラです。1位と2位?ご想像にお任せします。

次回はあのバンドのメンバーと相汰がご対面の予定です。乞うご期待を。


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2話:バンドメンバーとの顔合わせ

どうも、空丘ルミィです。

連日投稿は結構体力持っていかれます。(そして暑いです)
今日はバンドリでまた新しいイベントが来ましたね。いつも通りに走ってそこそこの順位を確保します。久しぶりに30連ぶん回したので結構スターが持っていかれました><

・・・ごほん、では本編へどうぞ


時は少し経ち、6月12日

 

 

 

 

 

相汰「ん・・・もう朝なのか。学校に行くとやっぱり時間の感覚がどうもつかめないから困る」

 

コンコン

 

相汰「ん、もうそんな時間なのか・・・今日だったのをすっかり忘れてた」

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

時は少し遡って6月10日の放課後になってからだった。いつものように学校が終わってから普通通りに家に帰ろうとしたら大和が声をかけてきた

 

麻弥「あの、空葉くん。この間は楽器に興味はないって言ってましたよね?せっかくですし、ジブンが所属するアイドルバンドの仕事を見ていきませんか?」

 

相汰「どういうことだ?俺が楽器に興味がなくなったのとアイドルバンドの仕事を見ることに何の関係がある?」

 

麻弥「いえ、アイドルバンドの仕事っていってもレッスンとか写真撮影とかなんですけどジブンが仕事で帰りが遅くなることもあるのでその仕事の一部を知っておくのもいいと思いましたので・・・それに、そうすることで空葉くんの記憶のピースが埋まると思うんです。」

 

相汰「・・・嫌って言っても無駄だろ、そういう顔してるからな」

 

麻弥「はい、すみません・・・といっても言い出しっぺはジブンではないですけど。同じメンバーの一人が『その男の子、今度の練習時間に連れてきて!絶対だよ!』って言いだしたんです。その人は言い出したら最後、強引に付き合わされるので・・・」

 

相汰「・・・麻弥も大変だな、色々と」

 

麻弥「ということで、明後日の休日は朝から予定を開けたままでお願いします!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ということがあった。それで今に至る

 

相汰「電車に乗って移動するのか?タクシーとかバスとかの方が良いんじゃないのか?」

 

麻弥「いえ、タクシーは信号とかにあたって時間をロスすることが多々ありますし、バスはそれも含めアイドルということもあってサインとかねだられたりすることもありますし・・・電車の方が駅から近くて時間もそうかかりませんし」

 

相汰「本当に大変なんだな」

 

麻弥「いえ、多分仕事場に着いたら空葉くんも大変な目に合うと思いますよ?・・・色々な意味で」

 

相汰「?」

 

 

麻弥「ほら、着きましたよ空葉くん。ここがジブンが所属する事務所です」

 

相汰「へえ、ここがか。」

 

麻弥「立ってないで入りますよ?事務所の人には話は通してあるので一応これを持っておいてください。」

 

そういって大和は[臨時事務員]と書かれた紙が入ったパスケースを出した

 

相汰「なんだこれ?」

 

麻弥「これがないと事務所の色んな所に入れないんですよ。会議室、休憩室、仕事場、食堂とかですね。」

 

相汰「なるほどな、事務所なんて入った記憶がないし軽い説明だけでもしてくれると助かる」

 

麻弥「では、ジブンたちがよくいる一室に案内しますね。」

麻弥「着きましたよ、ジブンが呼ぶので呼んだら来てくださいね」

 

相汰「ん、わかった。隣の休憩室にいるぞ。」

 

麻弥「わかりました!」

麻弥「すみませんー!」

 

?「麻弥ちゃん、大丈夫よ。ギリギリ1分前だから」

 

?「あはは、そんなに息を切らせてどうしたのー?汗はかいてないみたいだからいっか!(チラッ)」

 

?「うぅー…私は学校が今日はないからって朝までバイトで汗だくだくだったからー・・・麻弥ちゃんはいいなぁ、学校の部活で汗かかないし・・・」

 

?「私も部活をいくつか掛け持ちしているのでそのこともあって汗は全くかいていません!これもブシドーです!」

 

?「まったく、これから仕事の内容を教えなきゃいけないのに・・・本当に大丈夫かしら」

 

?「だ、大丈夫だよー!」

相汰「あれから結構(10分)時間経ったが・・・」

 

コンコン、コココン

 

相汰「ん、麻弥が呼んでるな、行くか」

ガチャ・・・

相汰「どうm・・・」

 

?「えーい!」

 

相汰「え!?ちょっと誰だ!?く、苦し・・・」

 

(え、ちょっとこれはどういう状況なんだ!?俺はただ大和に呼ばれて休憩室から出てそれから部屋のドアを開けて・・・と、とにかく誰なんだ!!?)

 

麻弥「ちょっと日菜(ひな)さん!いきなり初対面の人に抱き着くのはまずいですって!」

 

日菜「えー?ブーブー」

 

麻弥「えー?じゃないですって!その抱き着いてる人の顔を見てください!」

 

日菜「え?あちゃー・・・少しやりすぎちゃったかな?」

 

相汰「・・・はっ!」

 

日菜「あ、戻った」

 

?「はいはい、日菜ちゃんのいつものコミュニケーションも終わったことだし自己紹介しましょうか。まずは私からね、私は白鷺千聖(しらさぎちさと)よ。花咲川学園の2年生でPastel*Palettesではベースを担当してるわ。」

 

相汰「白鷺千聖・・あれ?確か去年あたりに見たドラマの女優の・・・?」

 

千聖「あら、私を知っているのかしら?」

 

相汰「白鷺さんを知らない人なんてそういませんよ。何しろ有名な子役で、小さいころから色んな舞台に出てるんですから」

 

千聖「ふふ、昔のことを知ってもらえてよかったわ。それと私のことは『千聖』で構わないわ。だって私たちは同い年だもの」

 

相汰「でもいきなり呼び捨てっていうのもあれだからな・・・『千聖さん』で呼ぶことにします。ああ、俺の名前は空葉相汰(そらばそうた)です」

 

千聖「ふふ、それじゃあよろしくね空葉くん。」

 

日菜「じゃあ次はあたし!あたしは氷川日菜(ひかわひな)だよ!パスパレではギター担当!」

 

相汰「氷川さん、ですか。それで、さっきのあれは何だったんですか・・・?」

 

日菜「あれ?あはは、あれはあたしなりのスキンシップってやつだよ!それと、あたしのことも名前で呼んでくれて大丈夫だよ『そーくん!』」

 

相汰「そ、そーくん!?」

 

日菜「あれ?何か変だった?・・・あはは!顔赤くなってるー♪」

 

千聖「もう日菜ちゃん!ごめんなさい空葉くん、日菜ちゃんって会った人に変わった渾名をつけることが多くて…」

 

相汰「まあ、あだ名をつけたくなるのはよくわかりますから・・・俺も去年まで向こうにいたときは近所のおばちゃんに『そーくん』とか呼ばれてたんで。何はともあれこれからよろしくお願いします日菜さん。学校でも世話になるかもしれませんし」

 

?「それでは次は私です!私は若宮(わかみや)イヴ、パスパレのキーボード担当です!よろしくお願いしますソウタさん!私のことは『イヴ』とお呼びください!」

 

相汰「?若宮イヴ・・・?もしかしてイヴは日本人と外国人のハーフだったりするのか?」

 

イヴ「はい!私はフィンランド人と日本人のハーフです!ソウタさん!ハグハグハグー!」

 

相汰「え、ちょっとイヴ!?」

 

千聖「もうイヴちゃん!あった人にいきなりハグはしちゃだめって言ったでしょ?」

 

イヴ「うー・・・チサトさんはいつも厳しいです・・・でもこれを乗り越えないとブシドーには程遠いです!」

 

千聖「ほら、早くハグを解いてあげなさい。日菜ちゃんの時みたいになってるわよ」

 

イヴ「はっ、そうでした!すみませんソウタさん!」

 

相汰「う・・・今日は色んな事があるな・・・出会っていきなり抱き疲れたり自己紹介も兼ねてハグされたり…」

 

麻弥「あはは、この二人はいつも通りですからね・・・ご愛嬌だと思ってください」

 

相汰「こんなご愛嬌があってたまるか!」

 

?「じゃあ最後は私!まん丸お山に彩るよ、みゃる山彩でーす♪えへっ。」

 

相汰「・・・」

 

彩「あ、あれ?も、もしかして私セリフ噛んじゃった…?」

 

相汰「・・・(コクリ)」

 

彩「うわーん!またやっちゃったよー!あ、改めて・・・丸山彩(まるやまあや)です・・・」

 

千聖「もう・・・彩ちゃんったら大事なところで噛むのは直ってないのね」

 

日菜「あはは、彩ちゃんって面白ーい!」

 

イヴ「アヤさん、『千里の道も一歩から』、です!」

 

彩「ううー…みんなフォローになってないよー…」

 

相汰「大丈夫です彩さん、誰にだって間違えることがないわけじゃないですから。」

 

彩「うー…相汰くんありがとう…あ、私はボーカル担当だよ♪」

 

(こうしてパスパレの声を直で聞くことができるなんてな・・・世の中何が起こるかわからないな。)

 

日菜「ねー。今嬉しいって思ったでしょ♪」

 

相汰「え、どうしてわかったんですか!?」

 

麻弥「日菜さんは相手の表情でどんなことを言ってるのかわかっちゃうんです。日菜さんの前ではポーカーフェイスを心掛けた方が良いですよ空葉くん。」

 

相汰「そうか、常に日常からポーカーフェイスを心掛けた方が良いかもな・・・同じクラスにあの人もいるわけだし」

 

麻弥「おっと、本命を忘れるところでした。今日はジブン達、パスパレの仕事の内容を見てもらうために呼んだんでした!」

 

相汰「そうだったな。俺は仕事の内容を見てるから俺のことは気にしないで仕事に集中してくれて大丈夫だ」

 

千聖「わかったわ。私たちの仕事を見て卒倒しないように気を付けてね?」

相汰「へえ、こんな感じなのかパスパレの仕事は・・・っ!?」

 

突然と頭に激痛が走った。

(この感じ・・・この前きた痛みより強・・・く・・・なんだ・・・この記・・・憶・・・)バタッ

 

千聖「麻弥ちゃん、どうかした?」

 

麻弥「いえ、さっきそこで何やら音が・・・空葉くん!?まさかこの前みたいに・・・」

 

彩「この前?」

 

麻弥「はい、空葉くんは昔の記憶をところどころなくしているんです。それもジグソーパズルみたいに・・・そして記憶のピースが当てはまる時は前のように頭に痛みが走り前の記憶が戻るんだそうです・・・がここまで痛んでいるとなると相当な痛みがあるんでしょうね・・・」

 

千聖「麻弥ちゃん、私たちのことはいいから今は空葉くんの側にいてあげたらどうかしら?目が覚めた時、信頼できる人間が側にいた方が彼も安心すると思うの」

 

麻弥「千聖さん・・・すみません、後のことはお願いします!」

これはどれくらい前の記憶だろうか?前に見た記憶の俺よりは少し大きくなっているようだ・・・

 

相汰「おとーさん、おかーさん、どこに行くの?」

 

父「あそこだよ、父さんたちはあそこで働いているんだ。事務所っていうんだよ」

 

相汰「じむしょ?」

 

母「ええ、たくさんの大人たちといろんなお仕事をするの。・・・あら。」

 

?の母「あら、空葉さんご夫婦じゃないですか?あなたたちもこの事務所でお仕事をしていたなんて」

 

相汰「あ…」

 

?「あれ?この前の・・・」

 

?の母「あら〇〇〇、この子とお知り合い?」

 

?「うん、この前ブランコに乗っていた男の子だよ。名前はそうたくんだって。」

 

?の母「相汰くんっていうのね。〇〇〇と仲良くなってくれて嬉しいわ」

 

?「ねーそうたくん、あっちで遊ぼう?」

 

父「そうだな、父さんたちは少し忙しいからあっちの公園で遊んでおいで」

 

相汰「・・・(コクリ)」

 

母「行ってらっしゃい、相汰。」

 

相汰「・・・行ってきます。じゃあ、行こう?」

どれくらい眠っていただろう?30分?45分?自分でもわからないくらいに頭が痛んでいたから覚えてなかった。ただ覚えていなくても感覚はあった。とても柔らかく、誰かに包まれているような温もり・・・そして目を覚ます。

 

相汰「・・・大和?」

 

麻弥「やっと起きましたね、かれこれ2時間も眠っていたんですよ空葉くん。」

 

相汰「そうか、俺は2時間も寝ていたのか・・・で、この状況は何だ?」

 

麻弥「・・・ジブンの膝枕です。事務所のベンチは木製なんですがさすがにベンチにそのまま寝かせるのは体に悪いと思ったので」

 

相汰「ッ!?」

ガバッ

麻弥「大丈夫ですか?まだ横になっていた方が・・・」

 

相汰「いや、大丈夫だ。だんだんと思い出してきたぞ・・・あの時親父に連れてこられてた仕事場はここだったんだな。それに、この間出てきた小さい女の子と一緒に近くの公園で遊んでた」

 

麻弥「なるほど・・・前に思い出した記憶の続き、というわけですか。なんかすみません、ジブンが言い出したことなのに毎回頭痛にさせてしまって・・・」

 

相汰「気にするな、今に始まったことじゃない。それに記憶も少しずつ戻ってきてるんだ、何も悪いことじゃない。」

 

麻弥「そうですか?こんなジブンでも空葉くんの力になれたのなら嬉しいです・・・フヘヘ」

 

相汰「女を泣かせたり落ち込ませるのは俺の趣味じゃないからな。」

日菜「麻弥ちゃーん!そーくんの具合はー?あ、起きてるね!よかったー!」

 

相汰「ああ、悪いな心配かけて。・・・なあ、一つ頼みがあるんだが」

 

パスパレメンバー全員「「「「「何(ー)((でしょうか))(かしら)(かな)?」」」」」

 

相汰「・・・俺をこの仕事場で雇ってくれないか?親父や母さんが働いていたし、みんなの力になりたいんだ。」

 

麻弥「どうしましょうか千聖さん?確かにサポーターの人が増えてくれるのは嬉しいですが空葉さんはごく普通の学生ですし」

 

千聖「ちょっと電話してみるわ」

 

千聖電話中・・・

 

千聖「大丈夫みたいよ。『ちょうど人手が不足していたところだし、増えてくれるのはこちらとしても助かる』って言っていたみたいだから」

 

彩「本当!?」

 

千聖「ええ、ウソをつくメリットなんてないわ。」

 

相汰「なら、改めてこれからよろしくな。」

 

こうして俺はパスパレの事務所で雇ってもらうことになった。パスパレの今日の仕事は終わっており、俺たちはそのまま現地解散という形になった。その後メンバーとの別れ際、連絡先を交換することになった。提案したのはまさかの大和だった

そしてその帰り道・・・

 

麻弥「まさか空葉くんが事務所で雇ってくれって言いだすなんて思ってませんでしたよ・・・」

 

相汰「ま、結構ダメ元で言ってみたけどな・・・」

 

麻弥「でも嬉しいですよ、学校でしか会えないのは寂しく思うので・・・」

 

相汰「ま、そうだな。ただでさえ学校で話す時間もないってのに」

 

麻弥「そうですね。あ、空葉くん、ちょっといいですか?」

 

相汰「ん、どうしたやまt・・・」

 

すると、一瞬だが頬に柔らかい感触がした

 

相汰「ッ!?」

 

麻弥「フヘヘ・・・サプライズ返しというやつですよ空葉さん。ジブンと仲良くしてくれるお礼も兼ねてますけど」

 

相汰「・・・いきなりされるなんて思ってなかったぞ。今はできないけどいずれお返しするからな?」

 

麻弥「フヘヘ・・・では帰りましょうか。」

 

相汰「ああ。」

この後俺はまた一つ記憶を取り戻したが声があまり聴き取れなく、頭に痛みが走るほどではなかった。




いかがだったでしょうか?今回は麻弥と事務所に向かいそこで記憶を取り戻し事務所で雇ってもらうというエピソードでした。
イヴちゃんの出番が少なかった?気にしたら負けぞ!
日菜ちゃんに抱き着かれてうらやましかった?ジブンも抱き疲れたい!
彩の調子?原作通りだ(キリッ)
千聖さんが優しかった?こういうのもいいでしょ♪
麻弥ちゃんが積極的だった?いいんじゃないかな?
なんか日数を重ねるごとに字数増えてきてない?想像力の塊は強いのだ(キリッ

では、日に日に長くなっていくこの小説を読んでいただきありがとうございました。次回?未・定!


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3話:やっぱりあれは避けて通れない

どうも、空丘ルミィです。

人間って考えるときは考えるって言いますよね(適当)主は寝てるとき以外何か考え事をしています(真顔)だから主はここ最近寝不足です(´Д`)今日もお出かけから帰ってきて3時間くらい寝ました(zzz)そしてまたもや連日投稿です(眠気なんてそっちのけェ!)

では本編へどぞ


どうしてこうなった。どうしてこうなった。(大事なことなので2ry

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

7月15日

 

あれから1ヶ月、俺もパスパレの仕事内容のサポートにだんだんと慣れてきた時だった。その日の仕事が終わり、パスパレも俺も仕事が終わってクタクタになっていた。そんな時、一人の声が疲れ切った空気を一変させた。

 

相汰「・・・なあみんな、そろそろ期末テストだけど勉強は大丈夫か?」

 

彩・麻弥「あっ」

 

日菜「?」

 

千聖「そういえばそんな時期ね」

 

イヴ「テスト・・・ブシドーにたどり着くのに必要不可欠な期間ですね!」

 

相汰「もしかして・・・みんな仕事が忙しかったからテスト勉強できてなかったか?」

 

(グサッ)

 

彩「あぅー…忘れようとしていたのに・・・」

 

麻弥「あはは・・・」

 

日菜「あたしは大丈夫だよ?あたしって一回教科書読んだだけで覚えちゃうし」

 

千聖「二人とも・・・赤点なんて取ったら仕事も危うくなるから絶対に回避しないとダメよ?」

 

イヴ「私は大丈夫です!仕事の合間にノートを何度も読み直してますから!でもわからないところがあるので・・・」

 

千聖「ほら、一つ下のイヴちゃんでもちゃんと勉強してるのよ?私も仕事の合間に問題集を解いたりして答え合わせまでやってるから私は何も問題はないと思うけど」

 

相汰「俺も千聖さんと似たような感じで空いた時間に問題集をやってたりイヤホンで英語のリスニングテストの対応とかきっちりやってますし・・・問題はあの二人ですかね、これ」

 

千聖「ええ、これはアイドルとしても学生としても死活問題だわ…みんな、明日は仕事は休みよね。明日事務所以外のどこかに集まって勉強会にしましょうか。」

 

相汰「なら、大和の家に集合なんてどうですか?ちょうど真ん中位に位置してますし」

 

千聖「ええ、そこで構わないわ。明日はみっちり勉強するわよ、みんな」

 

彩・麻弥「はい・・・」

7月16日

 

そんなわけで、パスパレのメンバーで集まって勉強会・・・のはずなのだが。

 

相汰「確かに大和の家のリビングは結構広い。俺も住まわせてもらっている立場上重々承知のはずだが・・・どうしてこうなった?」

 

そう、今日は昨日千聖さんが提案したパスパレのメンバーで勉強会を開いて期末テストを乗り切ろう、ということだったのだが

 

相汰「なんで人数が増えてるんだ?それも4人も」

 

そう、あの後みんなして家に帰ったまではいいのだが俺たちの知らないところで人数が増えていたのだ。誘ったのは千聖さんだという。どうも、同じクラスの友達もテスト勉強がはかどっておらず、その友達の友達も同じ状況で、さらにその幼馴染も(ry)で、その状況をどこで知ったのか日菜さんがお姉さんを勉強会の講師役として誘ったらしい・・・

 

【軽く勉強会に参加(連行)されてるキャラの自己紹介します。千聖さんの友達というのは松原花音(まつばらかのん)さん。花咲川高校の2年生で「ハロー、ハッピーワールド!」というバンドのドラム担当で、千聖さんとは中等部からの仲だという。性格は少し臆病で方向音痴という・・・(だがそれがいい)その松原さんの友達というのは上原(うえはら)ひまり。松原さんとは以前スイーツを食べ歩きした際に意気投合して仲良くなったという。俺と同じ羽丘学園の1年生で「Afterglow」というバンドのベース兼リーダーらしい(リーダーには全然見えなかったというのは俺の心の中での想像である)。甘いものに目がなく、食べては体重が増えるという特異(?)体質である。その上原の幼馴染は羽沢(はざわ)つぐみ。上原と同じ羽丘学園の1年生で「Afterglow」のキーボード担当で、仕事がない時によく行くようになった「羽沢珈琲店」の看板娘。人一倍頑張り屋でその辺んにいるごく普通の女子高校生。そして上原の友達というのが牛込(うしごめ)りみ。花咲川学園の1年生で「Poppin'Party」のベース担当。引っ込み思案だが「羽沢珈琲店」の近くにある「やまぶきベーカリー」の常連。チョココロネに目がなく、食べるときは餌を食べるウサギのような食べ方になる(俺視点)そして、日菜さんのお姉さんというのが氷川紗夜(ひかわさよ)さん。花咲川学園の2年生で風紀委員。かつ「Roselia」のギター担当。生真面目で天才の日菜さんとは正反対の努力家。日菜さん曰く、「最高に自慢のお姉ちゃん」とのこと。】

 

千聖「ごめんなさいね、花音にこのことを伝えたらまさかこんなことになるなんて…人脈の広さが逆に怖くなったわ」

 

相汰「本当ですよ・・・でもこの人数ですし紗夜さんが来てくれて助かりました。学園は違っても同じ高校生として嬉しく思います。しかし・・・このメンバーって結構珍しいですね。」

 

千聖「ええ、本当にね。空葉くんの人脈も広がるしある意味この勉強会はいい親睦会になりそうね」

 

紗夜「こらそこ、手が止まっていますよ。教える立場ならちゃんと教えなさい。」

 

相汰「(これ、本当にいい親睦会になりそうですか?千聖さん)」

 

千聖「(ええ、多分・・・ね)」

相汰「ふう…もうすぐ昼だし一息ついて昼ご飯でも食べないか?まだ時間はあることだし」

 

つぐみ「うん、そうだね。あ、私コーヒーとかお菓子をもってきてるよ!」

 

麻弥「ジブンも部屋に置いてある野菜スティック持ってきますね」

 

ひまり「わたしもクッキー焼いてきたから一緒に食べようよ!」

 

日菜「あたしもハンバーガーとかポテトとかを買ってきたよー!」

 

花音「私も紅茶とかクッキーを持ってきたので・・・一息つきましょう」

 

(これ昼御飯だよな?)

少年少女食事中・・・

 

麻弥「こんなに大人数になるなんて思ってませんでしたね空葉くん。最初はパスパレのメンバーと空葉くんだけの予定だったんですが」

 

相汰「まあ、たまにはこんな大所帯もいいだろ。教える側になるのも悪くはないし」

 

麻弥「そんなものでしょうか?ジブンも機材でわからないところを聞かれたりするんですがクセみたいなもので饒舌になってしまうんですよね・・・フヘヘ」

 

相汰「中学を卒業する前は誰かに勉強を教えたりはしてたな。得意科目でわからないところがあったら教えてる感じで。以前は点数がいい教科と悪い教科で差が激しかったが今はそうでもないし」

 

麻弥「教える側も大変ですよね…そこがいいんですけど」

 

相汰「おっと、もうすぐ休憩終了か。もう一息頑張るか」

 

麻弥「はい!お願いします空葉先生!」

 

相汰「先生って・・・まあいいか」

 

少年少女勉強中・・・

彩「終わったー!」

 

相汰・紗夜「お疲れ様(でした)」

 

相汰「結構捗ったんじゃないか?最初はミスも多かったけど途中からだんだんミスが減ってきてたしこれなら今度の期末試験、いい線いくんじゃないか?」

 

ひまり「うん!これなら学年50位も夢じゃないって!」

 

つぐみ「それは飛躍しすぎなんじゃないかなひまりちゃん・・・でもいい勉強になったから私も少しなら順位上がりそう」

 

花音「苦手科目の克服もできたし私も少しは頑張れたかな…?」

 

相汰「何はともあれお疲れ様。今日はこれで解散しようか。」

 

みんな「「「「「「「「「「「お疲れ様(でした)!」」」」」」」」」」」

 

相汰「ふう・・・」

 

麻弥「お疲れ様です空葉くん。」

 

そう言って大和は俺の額にスポーツドリンクをあてた

 

相汰「ん、サンキュ。大和も長時間の勉強会お疲れ様」

(ソファで隣同士になるように腰掛ける)

相汰「しかし、本当にこういうのもいいな。みんなで集まって勉強会ってのも」

 

麻弥「空葉くんは大人数での勉強会ってあまりやらなかったんですか?」

 

相汰「ああ、俺は勉強会っていってもクラスメイトと二人でしかやってなかったし、互いの苦手科目と得意科目が一つも被ってなかったからいい勉強会だったなあれは」

 

麻弥「そうですか・・・なんだか羨ましいです。」

 

相汰「俺が?」

 

麻弥「いえ、二人ともです。長所と短所があるっていいですよね…ジブンは勉強会がない限り一人でしか勉強しなかったので塾とかにも通ってませんでしたし」

 

相汰「そうか、ならよかったな。こういう勉強会があって・・・またみんなの時間があったら是非ともやりたいものだ」

 

麻弥「はい!ところで、記憶は戻りましたか?頭を抱えた様子とかがなかったので」

 

相汰「少しだけど思い出したな。頭に痛みがなかったのはそれほど抜けた記憶が長いわけでもなかったみたいだし。親父や母さんによく怒られてたっけな・・・勉強の休憩時間に家から抜け出してよく公園まで遊びに行ってたし」

 

麻弥「あはは・・・勉強してたころの記憶だったんですね。ジブンも勉強が嫌いだったのでよく抜け出してましたからわかります。」

 

相汰「それからだったか、その子と話すようにもなって俺が人見知りしなくなってきたのは。その翌年に親の仕事でそこを離れるときになったその子の泣き顔が今にも浮かぶな・・・それで『わたしもいっしょについていく!』って叫んでいたのが耳によく残ってるよ。俺も泣きながらその子の名前を呼んでたな・・・まだそのへんの記憶は抜けてるみたいだからこれからまた何かのきっかけで思い出すだろ」

 

麻弥「そうですね、ふとしたことでジブンもよく思い出したりするので案外似た者同士なのかもしれませんねジブンたちは」

 

相汰「そうだな・・・っと、話し込みすぎたか。先に風呂を済ませていいぞ、俺は少し部屋で日記に書き留めておくから」

 

麻弥「わかりました。上がったら呼ぶので早いうちに済ませてしまってくださいね」

---------------------------------------------------------------

相汰side

 

・・・少しずつだけどあの時の子の特徴とどんな遊びを思い出してきたな。茶髪のショートカットで灰色のような瞳、ものすごく積極的で俺のことを一番に心配してくれて泥だらけになったときは笑いあってホースの水をかけあったり水風船で遊んだっけ。名前はまだ思い出せないけど・・・そのうち思い出すだろ。

 

麻弥「空葉くん、お風呂からあがったので早めに済ませちゃってください!」

 

相汰「ん、わかった。今行く」

 

---------------------------------------------------------------

麻弥side

 

うーん…ジブンも空葉くんが話してくれた記憶の内容に引っかかるんですよね…ジブンもよく小さい頃はジブンと同じくらいの男の子と遊んだりしましたし。・・・この前空葉くんにしたことですけどなんか恥ずかしいですね。ジブンからやったこととはいえ顔が熱いです・・・それに心のどこかが切なく感じるような・・・なんでしょうこの感じ。お風呂上りにパスパレのメンバーに聞いてみた方が良いんでしょうか・・・一応風呂上がりにパスパレのメンバーだけのグループメッセージで聞いてみましょうか

GroupChat「Pastel*Palettes」

 

麻弥「ということがありまして…」

 

千聖「それは・・・あれね。」

 

イヴ「はい!あれしかありません!」

 

彩「え?あれ?あれってなに?」

 

日菜「そっかー・・・麻弥ちゃんもそういうお年頃かー…るんって来た!」

 

麻弥「ええー!?もったいぶらないで教えてくださいよー!」

 

日菜「麻弥ちゃん、もしかして気づいてないの?」

 

麻弥「何ですか?」

 

日菜「麻弥ちゃん、そーくんのこと、好きなんじゃない?」

 

麻弥・彩「えーーーーーーっ!?」

 

麻弥「ち、ちちちちょっと待ってください!まさかそんな・・・冗談ですよね日菜さん?」

 

日菜「ううん、あたしは本気だよ?結成してあまり経たないけど、麻弥ちゃんって結構表情に出やすいから」

 

麻弥「うう・・・強ち間違ってないので否定ができません…でもいいんでしょうか?」

 

千聖「何が?」

 

麻弥「ジブンはアイドルですし、恋愛なんてしたことがないですし、アイドルって恋愛云々があるじゃないですか」

 

千聖「別に、アイドルだから特別恋愛ができないわけじゃないわ。そういうのは立場を考えるんじゃなくて想いをどのように伝えるかが大事なの。私も子役を演じていた時はそういう場面にいくつか直面していたから。もっと自分に正直になった方が良いわよ麻弥ちゃん。」

 

麻弥「そういうものでしょうか・・・?」

 

千聖「それに、空葉くんが思い出した記憶とおそらく、彩ちゃんと麻弥ちゃん以外が考えてることは一緒よ」

 

彩「え?それってどういう意味?」

 

麻弥「もったいぶらないでくださいよー!」

相汰「大和、風呂あがったぞー。」

 

・・・何やってるんだ?部屋から出てこないし返事もない。もしかしてもう寝てるのか?明日も休日だしたまには早く寝るのもいいかもな・・・仕方ない、今日は俺が洗濯しておくか。

・・・それにしてもあの時よく遊んでた子、妙に大和に似てたな・・・いやまさかそんなはずないよな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後のテストの結果はというと、なんと勉強会メンバー全員が学年30位以内という想像をはるかに越えた結果となった(勉強会のちからってすげー!




いかがだったでしょうか?今回はテスト前という設定で主人公と紗夜さんと千聖さんの3人が勉強を教える側になって勉強会を開くというものでした。
彩ちゃんをいじってるところが段々と書いてて面白くなってきました。得意科目は音楽と国語です。苦手科目は社会です(ニッコリ
千聖さんを勉強を教える側に設定したのも悪くなかったと満足しております。苦手科目はなし、特に得意な科目は理科です(眼鏡をかけた千聖さんを想像してみよう・・・いいんじゃないかな?(イケボ
イヴちゃんは英語はできるけど国語が苦手という設定にしてみました。(ハーフって大変なんだなぁ…
麻弥ちゃんは音楽と数学が得意で理科が苦手という設定です。(勉強会では一番苦労していました
(なお、音楽はテストには含まれていません)
日菜ちゃんは体育と国語が得意科目です。苦手科目?日菜ちゃんにできないことはない(キリッ
ひまりちゃんは家庭科を最も得意とし数学が苦手という設定(カロリー計算・・・ボソッ
つぐみちゃんは家庭科と国語が得意、社会が苦手という設定(イヴちゃんとのバイト、頑張って!
花音ちゃんは家庭科と国語、理科が得意です。苦手なのは英語という設定(花音ちゃんのあのボイスで察してあげてください
紗夜さんは数学と社会が特に得意という設定です(結構厳しい…

キャラごとに得手不得手な科目を設定するのも難易度高めです><

では次回をお楽しみに!


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4話:Summer vacation(前編)

どうも、空丘ルミィです。8月ももう終わりを迎えるころでしょう。

8月と言えば夏休み、夏休みと言えば夏祭り、夏祭りと言えば花火ですね。私にとっての8月?うーん…小説を書く時間でしょうか?(感覚麻痺
そして連日投稿・・・やっぱり楽しいものは楽しいですね(感覚麻痺

では夏休み回をどうぞ


7月25日

 

期末テストも無事に終わり、赤点回避もできたパスパレメンバーと俺。

 

そんな中、事務所にいるディレクターやプロデューサーが俺に大きな話を持ち掛けてきた。

 

「パスパレの次の仕事で無人島ロケするんだが君も一緒にどうかね?」

相汰「ということがあってだな」

 

千聖「あら、すごいじゃない。ディレクターさんたちは結構厳しいけれど空葉くんのこと、とても気に入ったのね」

 

相汰「それなら素直に嬉しいですね。昔は親に褒めてもらったときとか撫でられたりされたら喜んでたので」

 

日菜「そっかー、そんな時期もあったんだね♪るんってきた!それで、どうするのそーくん?」

 

相汰「せっかくなんで参加しますよ。こんな機会滅多にないんで」

 

イヴ「本当ですか!よかったですねマヤさん!」

 

麻弥「はい!でも本当にいいんですか?この時期の無人島って言ったら暑さが尋常じゃないくらいに暑いですし、ロケとなると大変ですよ?」

 

相汰「言っただろ?滅多にない機会だし。それにこれを機にパスパレのことをもっと知ることができるからな。」

 

麻弥「なるほどー…そういう捉え方もあるんですね、勉強になります」

 

相汰「ところで、日程とかはどうなってるんだ?ロケっていうくらいだから二日くらいかかるものだと思ってるけど」

 

彩「うん、大体その見解で合ってるよ。確か日程は7月28日から29日までだったよね?」

 

千聖「ええ、合ってるわ彩ちゃん。また間違えると思ってたけれど」

 

彩「そう何回も同じ間違いしないよー!」

 

相汰「了解。何か持っていくものってあるか?でも無人島ロケっていうくらいだから何も持って行かないってこともありえそうだしな・・・」

 

日菜「えっとー・・・『何も持っていくものはない』って書いてあるみたいだよ?そーくんはこの話を断る可能性もあったから多分資料が行き届いてないだけじゃない?」

 

相汰「ま、何はともあれ楽しみだ。当日までゆっくり過ごすことにするよ。当日になって倒れると困るし外出は少し控えておくか」

 

麻弥「そうですね、それに無人島ロケの日まで仕事は休みみたいなのでジブンもゆっくり当日を待つことにします」

 

彩「でも日焼け止めは買っておかないと…この日差しが続くし日焼けしちゃうと困るから」

 

千聖「そうね、準備くらいはしておきましょうか。それじゃあみんな、また当日に会いましょうか」

7月28日、無人島ロケ当日

 

相汰「どの無人島まで行くんだろうな?」

 

麻弥「多分そこまで遠くないところだと思いますよ。」

 

日菜「んー!楽しみー!」

 

イヴ「はい!無人島なんて初めて行くのでとても楽しみです!ブシドーにまた一歩大きく近づけますね!」

 

千聖「ふふ、イヴちゃんはいつも通りね。彩ちゃんだけど…」

 

彩「(ロケといっても間違えないようにしないと…)」

 

日菜「いつも通りみたいだねー」

 

相汰「と、そろそろ着くみたいだな。着陸態勢に入るからシートベルトとかちゃんとしないと」

ディレクター「という流れです、わかりましたか?」

 

相汰「はい、大丈夫です。」

 

彩「『何も持っていくものはない』って書いてあった時から察しはついてたけどまさか…」

 

麻弥「まさかサバイバル生活になるとは思ってもなかったです。ジブンはテレビでしか見たことなかったので」

 

相汰「それ、ここにいる全員に当てはまると思うが?」

 

千聖「私もさすがに無人島まではきたことはないわね・・・でも無人島サバイバルって具体的に何をやるのかしら?」

 

イヴ「無人島を舞台にサバイバルといったらあれでしょうか?野草とか木の実とかを私たちで調理して食べるとかではないでしょうか?」

 

麻弥「無人島サバイバルの知識でしたらジブンありますよ。無人島ロケと聞いたらサバイバルが真っ先に思いついたのでサバイバル関連の本を買って読破しましたから」

 

相汰「だからか、夜中にトイレに行きたくなったから行こうとしたときに部屋の電気がついていて何か読んでるかと思ってたけどそんなの読んでたのか」

 

麻弥「知識はいくらあっても困らないので」

 

日菜「おもしろそー!じゃあ麻弥ちゃんがリーダーだね!そーくんがサブリーダーで決定!」

 

麻弥「日菜さん!?いきなりリーダーなんて言われても困りますよー!知識はあっても行動に移すのは全く違うんですから!」

 

相汰「俺もそんなサブリーダーなんて向いてないですって。」

 

彩「わ、私からもお願いしたいな・・・だってこの間の勉強会でも私たちの勉強を見てくれたし・・・」

 

千聖「私からもお願いするわ」

 

相汰「千聖さんまで・・・さすがに分が悪いみたいだしやるしかなさそうだな」

 

麻弥「そうみたいですね・・・」

 

日菜「(作戦成功だね。イヴちゃん、彩ちゃん、千聖ちゃん!)」

 

彩「(うん、二人を応援するって決めた以上は頑張らないと)」

 

イヴ「(マヤさん、頑張ってください!ブシドーです!)」

 

千聖「(頑張ってね、麻弥ちゃん)」

 

麻弥「(日菜さんたちからの視線が痛すぎます・・・何か企んでませんか?)」

 

相汰「(これ、絶対日菜さんの提案で決めたやつじゃないのか・・・?)」

(無人島の中心に建てられた小屋に到着後)

 

相汰「なんかうまく丸め込まれたな・・・」

 

麻弥「日菜さんは一度言い出したら簡単には引きませんからね、日菜さんには本当に頭が上がらないです・・・」

 

相汰「本当にな・・・それにしてもこの状況も日菜さんが言い出したことだし仕方ないって割り切るしかない」

 

そう、今は俺と大和の二人で無人島を歩き回っている。というのも日菜さんが「二人なら大丈夫!」って何の根拠もない発言をして勢いに飲まれてしまい小屋から出て食料になりそうなものを探しているというわけだ。ちなみにほかのメンバーはというと、彩さんと千聖さんは小屋の中で待機、イヴと日菜さんは俺たちとは別行動で火をおこすためのものなど日常で必要なものを探している。

 

相汰「これとか食べれそうじゃないか?」

 

麻弥「それは・・・大丈夫なものですね。採っていきましょうか」

 

(2時間後)

 

相汰「ふう、こんなものだろ。」

 

麻弥「そうですね、このくらいあれば十分じゃないでしょうか?日時計は・・・いい時間ですね、大体4時くらいって言ったところでしょうか」

 

(もうそんな時間なのか。なんか名残惜しいな・・・大和との冒険のような時間もおしまいか)

 

麻弥「そんな顔しないでください。ジブンは結構楽しかったですから」

 

相汰「そんな表情してたか?なんか悪い」

 

麻弥「いえ、大丈夫です。ジブンもなんか名残惜しいですから・・・でも楽しかったですよ空葉くん。・・・フヘヘ」

 

そう言って大和は俺の手を握ってきた。集めたものは大きい葉っぱを袋代わりにして腰にぶら下げているので両手はフリー状態なのだ。

 

相汰「大和・・・いきなりどうしたんだ?俺の手を握って」

 

麻弥「す、すみません!なんか空葉くんと一緒にいると安心感というものがあってつい無意識に・・・嫌だったでしょうか・・・?」

 

相汰「・・・別に嫌いなわけじゃない。急に手を握ってくるからびっくりしただけだ。それに・・・なんだか懐かしく感じるんだ。以前話したと思うがこういう状況が子供の時にもあったからな・・・」

 

そう言って俺は握ってる手の力を少しだけ強くする。

 

麻弥「フヘヘ…なんかいいですね、こういうの。プライベートじゃ手を握ることなんて全然なかったので・・・」

 

相汰「・・・そうだな、小屋に戻るまでこうしていたい」

 

(なんだ?大和と手をつないでいると心の底が安らいで切ない・・・俺は大和と昔手を繋いだことがあったか?この気持ち・・・なんなんだ?この心情は。悲しみ?それとも嬉しい?)

(小屋に到着)

 

相汰・麻弥「ただいま(です!)」

 

日菜「おっつかれさまー♪」

 

千聖「お疲れさま、二人とも」

 

イヴ「お疲れ様です!」

 

彩「お疲れさま、二人とも!どうだった?」

 

相汰「ああ、自然の空気はおいしかったし食べれそうなものもたくさんあったぞ。」

 

麻弥「フヘヘ…自然の空気というのも悪くはないですね。戻ってからも森林浴とかしたくなっちゃいます」

 

千聖「ところで、いつまでそんなことをしているのかしら?」

 

千聖さんに言われて今の状況を確認する。そうだ、大和と手をつないだまま帰っていたんだ・・・

 

相汰「わ、悪い・・・!」

 

麻弥「い、いえこちらこそ…」

 

日菜「(ふーん…?二人とももうそこまで行っちゃったんだ?るんってきちゃった!)」

 

千聖「(もう少し遅くなるかと思ってたけどそんなことはなかったわね)」

 

イヴ「(マヤさん、ナイスファイトです!)」

 

彩「(うぅー…見てるこっちも熱いけど小屋の中も熱かったー…それにそれどころじゃなかったし・・・)」

 

相汰「そ、そっちはどうだった?」

 

日菜「あたしたちのほうは楽だったよー!」

 

イヴ「はい!ヒナさんがとても大活躍でした!」

 

彩「ううー…こっちは大変だったよー…」

 

千聖「ええ…無人島だけあって虫が小屋の中に出てきて、彩ちゃんが外から木の棒をもってきて虫を追い出そうと振り回して…虫は出て行ったけど彩ちゃんがパニックのまま木の棒を振り回していたわ・・・」

 

相汰「それは・・・災難だったな」

 

千聖「ええ…日菜ちゃんたちが戻ってくるまでかれこれ30分くらい振り回してたわね・・・彩ちゃん、慌てるのはわかるけどもう少し落ち着きましょう?」

 

彩「ううー…反省してます…」

 

相汰「(大和、他のメンバーだけど何かあったか?)」

 

麻弥「(いえ。ジブンには心当たりはありませんね・・・どうしたんでしょうか?こういうのを思いつくのは日菜さんくらいなので何か悪だくみを考えてそうです)」

 

相汰「(だな、日菜さんに注意しておこう)」

 

日菜「それよりもお腹すいたー!ご飯ご飯ー!」

 

麻弥「そうですね、ジブンもお腹がすきました」

 

相汰「ならそろそろご飯にするか。」

相汰「ふう…ごちそうさま。おいしかったな、さすが無人島。自然の産物はいい栄養になる」

 

麻弥「ですね。でも明日には家に戻っちゃうんですよね…でも楽しかったです!」

 

相汰「ああ、こういうのなら大歓迎だ。にしても・・・」

 

麻弥「どうかしましたか?」

 

相汰「大和ってこういうときでも機材の話レベルに生き生きしてるなって」

 

麻弥「それは、こんなにも珍しい展開になるのならワクワクしますよ!」

 

相汰「そっか、それはよかったな」

 

麻弥「はい!」

 

相汰「にしても、今日はどっと疲れたな・・・もう寝るか。お休み、大和」

 

麻弥「はい、お疲れ様です空葉くん。そしておやすみなさい。」

(そして早朝。パスパレメンバーと俺は無人島を出ていつも通りの日常に戻る。)

 

麻弥「(スゥスゥ・・・)」

 

相汰「(大和、相当疲れてるな・・・まあ無理もないか、あんなに楽しそうにしてた大和を見るのは初めてメンバーと会ったとき以来だし起こすのも悪いしおんぶして帰るか・・・それに俺も疲れてるし今日は家でゆっくりしよう)」

 

そう考えて俺は大和を俺の背中に乗せて家に帰る・・・

 

麻弥「(フヘヘ・・・空葉くんの背中、温かいですね・・・なんだか懐かしい感じがします・・・やっぱり何か懐かしい感じがしますね・・・いえ、感じなんかじゃないですね、多分ジブンが考えてるのは千聖さんたちも同じのはず・・・まさか本当に空葉くんは・・・)」

 

相汰「(家に着いたはいいが離してくれないな・・・部屋まで連れていくか、靴を脱がすのも一苦労しそうだ)」

 

そうして俺は大和を部屋まで連れていき、布団に寝かせてタオルケットをかけた。そして俺も部屋に戻り昼過ぎまで大爆睡した・・・




いかがだったでしょうか?夏休みと言えば長い休暇。その長い休暇を活かして今回は前編中編後編の3部で構成するつもりです(できなかったらすみません)
やっぱり夏休みっていいですよね(語彙力皆無)主もあの頃に戻りたいです(もう叶わない夢)そして今回はバンドリのイベント、「パスパレ探検隊~無人島を征くアイドル~」をベースにした回にしてみました。開催れたのは大体1年と11ヶ月前といったところですね・・・その頃は主も始めて半年レベルだったのでヘタッピ(HARDの20すらクリアできないレベル)でした

それではご読了ありがとうございました。(え、前に比べて文字数が減った?中編と後編まで書けばおのずと増えるでしょう)


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4話:Summer vacation(中編)

どうも。連日投稿楽しいです空丘ルミィです(疲レール)

さて、今回は夏休み回の中編です。小説内での日程もちょうど夏休みの真ん中位です(軽いネタバレ)日付ごとに曜日が書いてない?小説なんだから気にしたら負けだ!

では夏休み編の中編をどうぞ


8月6日

 

事件は唐突に起きる。例えば誰かの爆弾発言や一人の行動を誰かが勘違いした時など様々なことから始まる・・・そう、俺もその事件に巻き込まれているのである

相汰「・・・なんでこんな状況になってるんだ」

 

いつも唐突だった。その原因は言わずもがなあの人である

 

日菜「ねーねー二人とも。今度の夏祭り二人だけで行ってきたら?」

 

相汰「ぶっ!?」

 

思わず口の中に入れてたコーヒーを吹き出しそうになっていた

 

相汰「いきなり何言ってるんですか日菜さん!?というか今ここには俺たちしかいないんですけど・・・本当に俺たちだけで行くんですか?」

 

日菜「ううん、あたしはおねーちゃんと一緒に行くし、彩ちゃんは千聖ちゃんと花音ちゃんと一緒に行くし、イヴちゃんはつぐちゃんと一緒に行くし・・・というわけでそーくんは麻弥ちゃんと一緒に行ってきたら?」

 

相汰「ちょっと待ってください、どうして勢いでそんなことになるんですか?というか仕事はどうなるんです?俺に拒否権は?」

 

日菜「んー…気分?仕事は午前中だけだし。拒否権なんてないよ?ほらそーくん、後ろを見てみたら?」

 

そう日菜さんが言って俺は後ろを向くと見慣れた人がいた

 

相汰「・・・いつからいたんだ大和」

 

麻弥「えっと・・・最初から?日菜さんが『二人とも』って言ったところから・・・ですね」

 

相汰「日菜さん、まさかこういう状況を分かってて言ったんですか?」

 

日菜「うん、だって面白そうだったから!るんってきちゃった!」

 

うん、わかってた。わかってたとも・・・大体日菜さんが言い出すとロクなことがないってことは。それよりも大和だが・・・

 

麻弥「(空葉くんと一緒に夏祭りですか・・・でも記憶が戻るかもしれませんしこれはこれでいい機会かもしれませんし・・・フヘヘ。それに・・・)」

 

うん、いつもの大和だったな。

 

Pastel*Palettes:side

 

日菜「ただいまー!」

 

彩「日菜ちゃんおかえり!どうだった?」

 

日菜「うん、バッチリ!あたしに任せてればこんなものだよ?」

 

千聖「そうね、サプライズや悪だくみで日菜ちゃんにかなう人なんていないわ」

 

日菜「千聖ちゃん、それってどういう意味ー?」

 

千聖「さて、どういう意味かしらね?」

 

イヴ「面白そうなので私もヒナさんの提案に乗ります!ブシドー!」

 

彩「そういえば麻弥ちゃんは?」

 

日菜「麻弥ちゃんはそーくんと早く帰ったからこの話をできるなーって。報告も兼ねてるし」

 

彩「そっかー、麻弥ちゃんと相汰くんがんばってね!私たちは陰ながら応援するから!」

相汰&麻弥side

 

相汰「なんかうまく日菜さんに丸めこめられたような気がするな・・・」

 

麻弥「ですね・・・本当に日菜さんは思いつきがすごいです。提案したことのほとんどがうまくいってますし」

 

相汰「それはその通りなんだが・・・今回のことは今回のことだし」

 

麻弥「あ・・・」

 

暫くリビングに沈黙が流れる・・・

 

相汰「それにしても大和」

 

麻弥「はい?どうかしましたか?」

 

相汰「最近、やけに俺に積極的だな。他のメンバーに何か言われたりしたか?例えば弱みを握られたりとか…」

 

麻弥「いえ、弱みを握られたりとかはないですね。他のメンバーとは仕事の話しかしませんし」

 

相汰「そうか?ならよかったが・・・メンバーと仲が悪かったりしたら解散とかなりかねないから安心した。そういえば夏祭りの日っていつだ?」

 

麻弥「えっとー…8月9日ですね。ってもう1週間もないじゃないですか!去年までの浴衣は合わなさそうですし・・・明後日にでも浴衣を買いに行った方が良いかもしれませんね・・・あ、空葉くんはついてきちゃダメですよ?せっかく二人きりで行く夏祭りなんですから」

 

相汰「わかったよ。なら俺も明後日はショッピングモールに服でも買いに行くか。普段着じゃなんか抵抗があるし」

 

麻弥「じゃあ、明後日は自由行動にしましょうか。明後日から5かくらい休みという事務所からの粋な計らいがありますし」

 

相汰「ん、じゃあとりあえずまた明日な。おやすみ」

 

麻弥「おやすみなさいです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8月8日

 

相汰side

 

で、今日は二人とも別行動で大和は浴衣探し、俺はというと夏祭りに来ていく服を探しに来てるわけだが・・・

 

相汰「で、どうしてこうなってるんだ?」

 

今の状況を説明すると、転入初日に仲良くなったリサさんと、そのリサさんが所属しているバンド(Roselia)のメンバーであるドラマー(ドラム担当)、宇田川(うだがわ)あこに捕まってる。当然ながら二人も夏祭りには参加するわけで・・・

 

リサ「いいじゃんいいじゃん!一人よりも二人、二人よりも三人って言うでしょ?」

 

相汰「それはリサさんが勝手に思っていることじゃ?」

 

リサ「あはは、細かいことはいいっこなしだって」

 

あこ「そうだよー!リサ姉の意見にさんせー!あ、あこは宇田川あこっていうんだー!あこのことは『あこ』でいいよ!」

 

相汰「はあ…何を言っても無駄みたいですね・・・」

 

リサ「あはは、なんかごめんね。アタシ達もお祭りに行くから浴衣が欲しくって。」

 

相汰「まあ俺一人じゃ決めきれなかったと思うしそこは普通に感謝しておくよ」

 

あこ「そうと決まったらレッツゴー!ふっふっふー、太陽昇りしこの時こそ明日の宴の生贄が揃うのだ!行くよリサ姉、空さん!」

 

相汰「空さん?・・・ああ、『空葉相汰』だから『空さん』なのか。」

【ここでプチっと自己紹介のコーナー:リサさんの隣にいるのは宇田川(うだがわ)あこ。羽丘学園中等部の3年生で、来年は羽丘学園の高等部に入るという。カッコいい言葉という名の中二病患者である。カッコいい言葉を思いつこうとしても語彙力がないためなかなかかっこよく決まらないという残念な結果になっている(決して全く意味が伝わらないというわけではない)】

リサ「ね、これなんてどう?」

 

そういってリサさんは紺色に灰色のチェックが入ったTシャツを見せてきた

 

相汰「うーん、灰色は悪くないかもだけど紺色はちょっとなあ…夏だし涼しい色ってことで水色とかないか?でも水色と灰色ってミスマッチな気がするしTシャツといえども祭りに着ていくものだしなあ…」

 

あこ「あ、これなんてどうですか?」

 

今度はあこが水色にドラムの絵がプリントされてある七分のTシャツを見せてきた

 

相汰「ドラムの絵がプリントされたTシャツか・・・多少浮くかもしれないけどこれはこれでありかもな。じゃあTシャツはこれで、後はズボンか・・・ズボンは家の方にあるけどさすがに見慣れたものを履くのはな・・・ズボンも新調するか」

 

リサ「水色に合う色っていっても限られるからなあ…でも同じ水色っていっても似合わないだろうし・・・困ったなあ、アタシってその場その場で合わせて買っちゃうしこういうのはちょっと…」

 

あこ「それならさっき、合いそうなのありましたよ!ほら、こっちです!」

 

相汰「え、ちょっ!?あこ!?」

 

そう言われて俺はあこに手を引かれ、リサさんもそれを追いかける形でついてくる。

 

あこ「ほらここ!」

 

相汰「・・・ここって音楽関連のショップだよな?何でここに合う服があるんだ?」

 

あこ「ここってストリートライブするときに着る服も売ってるんだって!ほらあそこに・・・あった!」

 

相汰「本当にあるのか…」

 

あこが持ってきたのは紺色のジーンズパンツ(通称ジーパン)だった。まあジーパンなら紺色でも大丈夫か・・・

 

相汰「ありがとう二人とも。俺の服選びに付き合ってくれて」

 

リサ「別にいいって!それよりも麻弥とのお祭りデート、頑張ってねー♪」

 

・・・ああ、そういうことか。リサさんたちがいたのは偶然じゃなくて日菜さんが遣わせたのか。日菜さんにはあとで厳しく言っておこう(本気で

 

あこ「いいなー。あこたちもお祭り行きたーい!」

 

リサ「アタシたちは昼からバンドの練習だからそれが終わったら行こっか。」

 

相汰「じゃあ、俺はこれで帰ります。明日の夏祭りの途中で倒れたらせっかくのお祭りが無駄になっちゃいますし」

 

リサ「りょーかい。じゃあまた今度ね♪」

 

あこ「あこたちも楽しかったよ!また今度ねー!」

麻弥side

 

麻弥「うーん、浴衣の色と模様ですけど悩んじゃいますね・・・さすがに去年の模様をそのまま使うっていうのは抵抗がありますし、ここは一新して新しい模様と色にしましょうか。えっと浴衣が扱われてるところは・・・」

 

(ここでしょうか?『流星堂』)

 

?「いらっしゃー…って大和さん?」

 

麻弥「あれ、有咲さん?どうしたんですかこんなところで」

 

有咲「こんなところも何もここあたしの家ですけど?」

 

【ここで軽く自己紹介をば・・・今麻弥が話しているのは流星堂に住む花咲川学園の1年生、市ヶ谷有咲(いちがやありさ)である。趣味は盆栽いじりとネットサーフィンという誰がどう見てもインドアが趣味の人。常に猫を被っており、キレると手が付けられないほど(特にポピパのメンバーにはボケ役が2人もいるので有咲の胃がストレスマッハ全開)。】

 

麻弥「あれ、そうだったんですか?」

 

有咲「はい、ところでどうしたんですか?ここまで来るって珍しいですね。」

 

麻弥「ああ、ここって浴衣とか扱ったりしてますか?」

 

有咲「はい、扱ってますけど…あ、夏祭り用の浴衣ですか?白鷺先輩からうかがってますよ。」

 

麻弥「千聖さんからですか?」

 

有咲「はい。布地と希望の柄があれば大丈夫なので・・・今から決めていただけたら多分今日中に終わりますよ」

 

麻弥「本当ですか!?ならお願いします!布地はこれで、柄は・・・」

 

有咲「わかりました。今から始めるので家の方で待っててください。終わったら向かうのでそれまでゆっくりとお茶でも・・・」

 

麻弥「何から何までありがとうございます、有咲さん!ジブン一人じゃ多分どうしようもなかったので助かります…」

 

有咲「助け合うのは当然ですよ。所属するバンドは違っても同じガールズバンド仲間なので」

 

麻弥「でもやってもらうのにジブンが何もしないっていうのはあれなので近くで作業しているところを見ててもいいですか?こういうのも勉強になりそうなので」

 

有咲「まあ構いませんけど・・・刺繍とかいります?」

 

麻弥「刺繍ですか・・・お願いしてもいいですか?」

 

有咲「刺繍なら時間もかかりませんし・・・あ、大和先輩がやってもいいんですよ?」

 

麻弥「ええ!?ジブンですか!?うーん、折角ですしやってみます!」

 

有咲「じゃあ糸と針を貸すので、練習用の布でやってみたらどうですか?ぶっつけ本番だと台無しになっちゃうかもしれないですし」

 

麻弥「何から何まですみません…ありがたくお借りします!」

 

数時間後・・・

 

麻弥「ふう…何とか終わりましたね・・・結構時間をかけてしまいました。」

 

有咲「でもいい仕上がりになりましたよ。あ、着付けって一人でできます?私の家に来れば着付けまでできますし、明日も家に来ます?どうせ祭りが始まるまでネットサーフィンしてると思うので・・・」

 

麻弥「本当にいいんですか?何もそこまでしてもらわなくても・・・」

 

有咲「これは私が手伝いたいだけなので・・・」

 

麻弥「・・・お願いします。去年はリサさんに手伝ってもらってたんですがその日はバンドの練習があるらしいので着付けまで間に合わない可能性があったので本当に助かります!」

 

有咲「困ったときはお互い様です大和先輩。」

 

麻弥「有咲さんが困ったときはジブンが手伝うので是非呼んでください!機材の事ならお任せを!」

[大和家:麻弥と相汰の自室]

麻弥「(フヘヘ、これがジブンだけの新しい浴衣…空葉くん、喜んでくれるでしょうか?なにしろ、ジブンで柄と浴衣の布地を選んだのは初めてですし、男の人と夏祭りに行くのも初めてなのでちょっとドキドキしてます・・・)」

 

相汰「(そういえば、夏祭りなんて全く行かなかったからどんなものかわからないな。できる限り大和のことはエスコートするが・・・まあなるようにはなるだろ。)」

 

麻弥・相汰「(明日が楽しみ[ですね]だな)」




いかがだったでしょうか?夏休みといえば夏祭りは外せませんよね(主感)というわけ(どんなわけ)で今回は夏祭りの準備期間という設定にしました。女の子は浴衣とかヘアピンとか用意するものがたくさんありますからね(主もこの間お祭りに行ってきました)祭りというイベントは見るだけの人も参加する人も食べ歩きする人も楽しめるいいイベントだと思いますね。

では後編でまたお会いしましょう。


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4話:Summer vacation(後編)

どうも、空丘ルミィです。

いよいよ夏祭り回も佳境に迫ってきました。現実の夏休みも佳境に迫ってますね(遠い目)主の夏休みも佳境に迫ってます(涙目)そしていつものように連日投稿です^^

では夏祭り回後半、どうぞ


8月9日

 

 

相汰「(今日は大和と夏祭りに行くことになっている・・・そう、日菜さんの悪だくみが実行される日だ。昨日、久しぶりに服を買ったしやっぱり楽しみだな)」

 

麻弥「あ、おはようございます空葉くん。ところで夏祭りのことですけど、どうしましょうか?」

 

相汰「そういえば行くことは決まってたけど時間とかはまだ決めてなかったな・・・チラシをスマホで撮っておいたから見てから決めるか」

 

麻弥「はい!」

 

少年少女夏祭りの行事確認中・・・

 

麻弥「どうやら夏祭りは午後5時から始まるみたいですね。」

 

相汰「だな、ただあまり早く行き過ぎても困るし・・・午後6時に事務所に向かう駅の前でどうだ?浴衣を着付けするのも時間かかるだろうし。」

 

麻弥「そうしましょうか。ジブンの浴衣を有咲さんに着付けしてもらうので時間がかかるかもしれませんとは言っておきますね」

 

相汰「ん、わかった。それじゃあまた後でな。」

同日の午後5時50分・・・

 

相汰「少し早く着きすぎたか?結構余裕をもって来たつもりなんだが」

 

すみませーーーーん!

 

相汰「ん?」

 

声が聞こえたのでその方向を見てみると…

 

麻弥「すみません!着付けが遅れてしまって…!」

 

声の主は大和だった。薄緑色の布地に綺麗でカラフルな花の柄、緑色の帯、月下美人の花をモチーフとしたヘアピン・・・なんというか・・・

 

相汰「・・・とても似合ってるな。」

 

麻弥「フヘヘ…結構奮発しちゃいました。でもそういう空葉くんだってとても似合ってますよそのTシャツ。」

 

相汰「・・・ありがとな。ほら、そろそろ祭りに行くぞ。」

 

そう言って俺は大和に手を差し出した

 

相汰「ほら、手を繋ぐぞ。途中で逸れたりしたら探すの大変だし、こうした方が一緒に回れるし…な」

 

麻弥「フヘヘ・・・こういう時の空葉くんって本当に頼りになりますね・・・それでは失礼して・・・(ギュッ)」

 

相汰「(やっぱり落ち着かないな・・・前の無人島ロケの時もそうだったけど大和の手、温かいな・・・やっぱり俺、大和のことを昔から知ってるのか?それも子供の時から…)・・・じゃあ行くか。」

 

麻弥「はい!」

Pastel*Palettes(麻弥以外のメンバー)side

 

ナレーション:日菜

 

日菜「えへへー…尾行なんて初めてだから緊張しちゃうなー♪」

 

イヴ「はい!まさにシノビのごとく忍び寄る、です!ニンニン!」

 

彩「うぅー…なんで私もこんな目に・・・」

 

千聖「仕方ないわ。提案者は日菜ちゃんだから日菜ちゃんに従うしかないわ。それで今こんな状況になってるんだもの」

 

今の状況を説明しちゃうねー♪あたしの提案で今麻弥ちゃんと相汰くんを尾行中なんだー♪実はというとあたしたち、麻弥ちゃんとそーくんが分かれて家から出た時からつけてたんだよね。メンバー分けはあたしと彩ちゃんでそーくん、イヴちゃんと千聖ちゃんで麻弥ちゃんを尾行し始めて今に至るってわけなんだー。

 

彩「うぅー…日焼け止めも塗り忘れてきちゃったし思ったよりこの変装きつい・・・」

 

千聖「これくらいガマンしないと後々仕事に響くかもしれないからちゃんと乗り切らなきゃだめよ?」

 

彩「うぅー…千聖ちゃんの目が怖い・・・」

 

日菜「あはは!やっぱり彩ちゃんって面白ーい!」

 

イヴ「アヤさん!ここを乗り越えたら私たちもお祭りを楽しめるので頑張りましょう!」

 

彩「ううー…やっぱり乗らなきゃよかったよー…」

相汰・麻弥side

 

麻弥「見てください空葉くん!水鉄砲がありますよ!こっちには射的もあります!こっちには露店も!」

 

相汰「大和、そんなにはしゃがなくても露店とかは逃げたりしないからな?」

 

麻弥「そうはいっても楽しみだったので・・・フヘヘ。」

 

相汰「わかったわかった。とりあえずおじさん、水鉄砲2丁と焼きそば2パック、フライドポテト大盛2つをお願いしたい」

 

屋台のおじさん「はいよー!まいどありー!特別に全部半額で売っちゃうよー!」

 

相汰「え、いいんですか?こういう時に半額にしたら…」

 

屋台のおじさん「いいってことよ!ほら、持っていった持っていった!」

 

相汰「はあ…ありがとうございます。」

相汰「ほら大和、買って来たぞ。」

 

麻弥「あ、すみません…なんかいろいろ買ってきてもらって」

 

相汰「いいからいいから。ほら、そこのベンチに座って一緒に食べるか」

 

麻弥「はい!」

【神社】

麻弥「ふうー…お腹いっぱいですー…」

 

相汰「はは、いい食べっぷりだったな。大和は食レポにも向いてるんじゃないか?」

 

麻弥「フォローになってないですよ空葉くん・・・」

 

相汰「はは、悪い悪い。・・・どうしたんだ?ずっと足を抑えて」

 

麻弥「すみません…草履の鼻緒が切れてしまってですね・・・」

 

(なんてことだ、これじゃ大和はこの場から動けない。それどころか、俺は大和が履いている草履の鼻緒の替えなんて持ってるわけもなく、持っているのは水鉄砲1丁だけだった【もう一つは大和が所持】)

 

相汰「・・・まずいな、これじゃこの後にある花火を見ることができない。それに大和を置いていったらそれこそこの夏祭りに一緒に来た意味がなくなる・・・仕方ないな」

 

麻弥「あの、空葉くん・・・ジブンのことはいいので花火を見にいって大丈夫ですよ。」

 

相汰「・・・そういうわけにはいかない。ここで分かれて行動したとしても俺にとっては途中で抜け出すことと同意義だ。」

 

麻弥「でも・・・」

 

相汰「でもも桃もヘチマもない!」

 

(ガバッ!)

 

麻弥「え!?ちょっと空葉くん!?」

 

思考停止した俺は大和をおんぶして無我夢中であの場所に走った・・・

 

相汰「(はぁ・・・はぁ・・・この時間でも空いてるはずだ・・・!頼む、開いててくれ…!)」

 

そう願っていった場所は・・・

【??????】

 

相汰「はあ、はあ・・・ま、間に合った…か・・・」

 

麻弥「こ、ここって・・・」

 

相汰「ああ、羽丘学園の屋上だ。ここなら花火を見れるだろうと思ってな。」

 

麻弥「・・・どうして、ですか。どうしてジブンなんかのためにここまで・・・?」

 

相汰「・・・それは、俺をここまで変えてくれた大和のためだ。俺は大和に会ってから何度も何度も記憶を取り戻してきた。そして側にはいつも大和がいてくれた。これは俺なりの恩返しなんだ。」

 

麻弥「・・・空葉くん」

 

相汰「おかしな話だろ?俺は以前の記憶を失って親父の知り合いの娘の家に世話になって同じ学園に通って俺と友達になってくれて…同じアイドルバンドのメンバーも紹介してくれた。さらには俺を事務所に雇ってくれて…感謝してもしきれないくらいにな。」

 

麻弥「おかしくなんかないです!!」

 

相汰「っ!!」

 

麻弥「ジブンだって、アイドルになってからも普通の生活を送っていました。そんな時、ジブンの家に世話になるって人がいたんです。それがジブンの生活を変えてくれるキッカケになったんです。空葉くん・・・あなたがいてくれたからこそジブンは変わることができたんです。ジブンだって空葉くんには感謝してもしきれないんです」

 

相汰「・・・そうか、こんな俺でも誰かを変えることなんてできるんだな。俺も変わらないといけないな。・・・過去の記憶を追い求めるのはやめないけど今から起こること全てを心に刻んで向き合う・・・これが俺のこれからの人生だ」

 

麻弥「空葉くん・・・」

 

相汰「『相汰』だ。『麻弥』」

 

麻弥「え?」

 

相汰「『相汰』って呼んでくれ。これからの人生を変えるためにもまずは呼び方から変えたい。」

 

麻弥「・・・わかりました。『相汰くん』!」

 

相汰「さて…そろそろハッキリさせておくか」

 

麻弥「え?何のことですか?」

 

相汰「(麻弥、俺が麻弥と一緒に買い物しただろ?その時、水鉄砲を買ったのを覚えてるよな?)」

 

麻弥「(その水鉄砲がどうかしたんですか?)」

 

相汰「(その水鉄砲、屋台のおじさんが気を利かせて水を水鉄砲いっぱいに入れてくれたらしい。そしてこの水鉄砲は・・・モデルガンみたいに勢いよく水が発射されるっておじさんが教えてくれたんだ。で、俺は今その水鉄砲をバッグに入れてる。それは今麻弥が持ってるよな?あと、もう一丁貸してくれ)」

 

麻弥「(はい、持ってますけど・・・何に使うんですか?)」

 

相汰「(それは・・・)こう使うんだよ!」

 

そういって俺は両手で両脇の隙間から二丁の水鉄砲を出して死角から開いている扉を撃った

 

?「「きゃあ!」」

 

?「ひゃあー!」

 

?「つっめたーい!」

 

麻弥「日菜さん!?彩さんにイヴさん、それに千聖さんまで!?これはどういうことですか!?」

 

相汰「見ての通りだ、俺たちはつけられていたんだよ。」

 

日菜「いつばれたのー!?」

 

相汰「いつって、屋台で買い物してる時だったかな。祭りに参加してる人たちの声であまり聞こえなかったけど彩さんのテンパってる声がちょっと聞こえた。で・・・ちょっと振り向いてみたら見えたってわけだ」

 

イヴ「アヤさん・・・作戦失敗です!覚悟ー!」

 

彩「ひゃあ!イヴちゃん、つめたーい!」

 

千聖「あら、楽しそうね。私も混ぜてもらおうかしら。」

 

日菜「あはは!尾行は失敗しちゃったけどこれはこれでありだね!るんって来たからあたしも混ぜてー!」

 

麻弥「ジブンも混ぜてくださいよー!」

 

相汰「はは、結局いつも通りか。」

 

そうして羽丘学園の屋上で水鉄砲で撃ち合いを始めた。蛇口はないので撃ち尽くした人は他の人から撃たれまくるという当然の結果になった。で、撃ち尽くした順番(下から順番)はというと…

6位:丸山彩(開始30秒)

5位:若宮イヴ(開始35秒)

4位:氷川日菜(開始1分)

3位:白鷺千里(開始1分30秒)

2位:大和麻弥(開始2分)

1位:空葉相汰(開始3分)

となった。

そうして遊びつくした俺たちはすぐさま解散した。水鉄砲で濡れたという理由なのは言うまでもない。後、もちろん麻弥は草履の鼻緒が切れているので俺がおんぶして家に一緒に帰った

【大和麻弥宅】

 

相汰「はあー…結構疲れたな。多分今まで一番疲れたかもな」

 

麻弥「お風呂上がりましたー!」

 

相汰「麻弥、お疲れさま。ほらタオル」

 

麻弥「わっぷ!あ、ありがとうございます・・・あ、あの相汰さん」

 

相汰「ん?」

 

麻弥「今日は本当にありがとうございました・・・ジブンをあそこまで引っ張ってくれて」

 

相汰「言っただろ?『大和を置いていったらそれこそこの夏祭りに一緒に来た意味がなくなる』って。それにこの祭りが俺たちが一緒に行ける最後の夏祭りかもしれなかったんだし」

 

麻弥「それって…どういう意味ですか?」

 

相汰「これから麻弥の仕事が忙しくなって祭りどころじゃなくなるかもしれないってことだ。」

 

麻弥「・・・それもそうですね。そうなるとジブンが相汰くんに会える時間も短くなるってことですか・・・」

 

相汰「・・・ああ。」

 

麻弥「・・・」

 

相汰「・・・」

 

(しばらくの沈黙の後・・・)

 

麻弥「・・・あの相汰さん。」

 

相汰「・・・なんだ?」

 

麻弥「今日は相汰さんのお布団で一緒に寝てもいいでしょうか?多く迷惑をかけてしまったので頼める状況ではないことは承知なんですけど・・・今日は相汰さんと一緒に寝たいんです」

 

相汰「・・・別に構わないぞ」

 

麻弥「・・・えっ、いいんですか?」

 

相汰「嫌だって言っても聞かなさそうだしな・・・」

 

麻弥「あはは、やっぱりバレてますか・・・それに、ジブンも少しだけ変えてみようかと思ったんです。ジブンの見方を。『アイドルとしての大和麻弥』ではなく『世界にたった一人の女性、大和麻弥』として」

 

相汰「なるほどな・・・そういう見解もあるのか。」

 

麻弥「考え方は人それぞれです。テストの結果がみんな違うのが『相違性の違い』というやつですよ。」

 

相汰「・・・なんか頭がこんがらがってくるな。・・・もうそろそろ寝るか?」

 

麻弥「・・・そうですね、そろそろ寝ましょうか。」

 

相汰「・・・(手をそっと差し出す)」

 

麻弥「フヘヘ・・・(ぎゅっと手を握る)」

 

 

 

 

 

 

だけどこの後なかなか寝付けなったのは言うまでもない…




どうだったでしょうか?

夏祭りといえば屋台、屋台といえば焼きそばですよね!(食べさせっこなどがなかったのはすみません><)これにて夏休み編終了です。次からは2学期が始まります。


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5話:大人数集まれば人混みとなる

どうも、連日投稿が床についてきました空丘ルミィです。

そういえば今日はリサ姉のお誕生日ですね(昨日ログインしてラウンジ会話で知ったなんて言えない)そして前回の予告通り今回から2学期編です。

ゆっくり読んでいってね!(ゆっくり麻弥降臨【絵なんてない、いいね?】)


9月1日

 

なんだかんだで夏休みも終わり、二学期に入った。(1話から相当飛んでいますが、ちゃんと1学期のうちにクラスのみんなはもちろん同学年、別学年の人たちとも仲良くなってます。)そして2学期に入った初日は当然ながらやることがある(羽丘学園は進学校)。そう、学期明けのテストである。教科は国語、数学、社会、理科、英語。テスト範囲は夏休みの宿題として出されていた範囲から学園側が選出する。点数は50点満点の総合250点形式。そして学年別で順位10位以内は学園の2階にある掲示板に点数と一緒に名前が貼りだ(晒)される。テストは1日で終わり、テスト時間は1教科30分。テストが終わったら学生は次のテスト期間に向けて勉強を始めたり部活に行ったり帰ったりと様々である・・・(俺は一応演劇部に入ってる。割愛されたけど麻弥に誘われてやってみたらこれが意外と楽しくそのまま入部した。担当は裏方から舞台に出ることなど多種多様、所謂オールラウンダーだ。)ちなみに夏祭りでの出来事はパスパレのメンバーしか知らない

 

で、テストが返ってくるのは2日後の9月3日だ。その日の授業はテストの返却とテストの解答の振り返りだけ。午前中に返って来たのは国語と数学、そして社会。昼休み後に返って来たのは理科と英語。その日の帰りは以前勉強会で一緒に勉強したメンバー(10人)+夏祭り前にショッピングモールで会ったリサとあこ(二人)+夏祭りの際に麻弥が世話になった有咲(一人)+さらに花音の友達の奥沢美咲(おくさわみさき)(一人)+りみのクラスメイトの山吹沙綾(やまぶきさあや)(一人)の計15人でテストの振り返りをすることになった・・・のだが

 

【ここでキャラ紹介をば。山吹沙綾はりみと同じガールズバンドの「Poppin'Party」所属でドラム担当。商店街にある「やまぶきベーカリー」の看板娘で、ここにたまによって昼ご飯を確保している(主にクロワッサンや食パンなどごく普通のものばかり確保)。もう一人は奥沢美咲(おくさわみさき)。花音と同じガールズバンド「ハロー、ハッピーワールド!(通称ハロハピ)」のDJ担当。しかし本当に担当しているのはミッシェル…つまり美咲が入っているピンクのクマの着ぐるみ、それである。ハロハピの一番の苦労人。いつも花音以外の3人に振り回され、「3バカ」と名付けた張本人。花音とはよくお出かけをしている(花音が迷わないように付き添っているのが主な理由[そこ変わってくれ(主の心の声)])】

【追記:(花咲川は彩、花音、美咲、りみ、イヴ、千聖、沙綾、紗夜)(羽丘は俺(相汰)、麻弥、あこ(中三)、つぐみ、ひまり、リサである)】

 

9月3日

 

相汰・紗夜・千聖「で、呼ばれた理由はわかってるよな(わよね)?」

 

該当者「「「「はい・・・」」」」

 

そう、今日はテストが返ってきて点数と間違ったところの復習をしようと提案したのは俺・・・ではなく紗夜である。どうも花咲川メンバーの点数がひどかったらしく、何人かが追試になっているという。追試を食らったのは・・・彩、イヴ、ひまり、あこである。(ちなみに、追試になる条件は平均20点以下・・・つまり総合100点以下が追試ラインである)

 

相汰「まさか本当に予想してた通りになるとはな・・・ちなみに俺の点数は・・・」

 

俺の点数・・・それはまさかの250点満点である。夏休みの宿題の復習は何度も見返してはいたが何が出る、とはわかっておらず、ただ「出るであろう範囲」を見返しただけで出るとは限らなかったはずなのにその範囲が全部出てきたことで覚えていた範囲が頭の中からどんどん浮かび上がっていた・・・

 

相汰「というわけだ。」

 

紗夜「ちなみに私も空葉くんと同じ点数です」

 

千聖「全問正解、とはいかなかったけど私は合計で240点だったわ」

 

麻弥「ジブンも千聖さんと同じです」

 

相汰「で、彩とあこ、ひまりとイヴは何点だったんだ?」

 

彩「80点…」

 

あこ「75点…」

 

ひまり「60点…」

 

イヴ「99点です・・・」

 

相汰・千聖・紗夜・麻弥「・・・ここまでとは思ってなかった(わ/ですね)」

 

相汰「はあ…これは一夜漬けにした方がいいか?彩とイヴに関しては仕事に支障が出るからほぼ確実にやるとして、あことひまりはなぁ…俺からは何も言えない」

 

あこ「やだー!簡単に見捨てないでよ空にい!」

 

ひまり「私もー!まだ食べてないコンビニスイーツあるのに!」

 

相汰「そっちはいつでも食べれるだろ!!!(ポカリ)」

 

ひまり「いったー!」

 

相汰「・・・はあ、仕方ないな。紗夜さんはイヴの相手を、麻弥はひまり、千聖さんは

彩さんの相手をお願いします。俺はあこの面倒を見るので」

 

麻弥・千聖・紗夜「「「わかりました」」」

 

相汰「んじゃ、始めるぞー。」

少年少女勉強中・・・

【5時間後】

彩・あこ・イヴ・ひまり「「「「・・・・・・・・・・・・・(机に突っ伏している)」」」」

 

相汰「さすがにここまで勉強すれば問題ないだろ…ついでにだが次のテスト範囲の勉強までしたし。他のみんなは互いに間違ってたところの復習をして余った時間で次のテスト範囲の勉強もしてたしな。(多分)いい線まで行くだろ」

 

麻弥「お疲れ様です相汰くん!」

 

リサ「あれ?今気が付いたけど空葉君と麻弥って今まで名字で呼びあってたよね?いつの間に名前で呼ぶようになってたの?」

 

相汰「(やばい、他の人の前では隠すつもりだったんだが)」

 

麻弥「(勉強することに集中しすぎてド忘れしてました・・・)」

 

相汰「どうしても言わなきゃダメか?」

 

「「「「「「「「「ダメ(です)」」」」」」」」」」

 

相汰「(視線が痛すぎるんだが・・・どうする麻弥)」

 

麻弥「(ここから逃げるにしてもこの人数です、しかも一足先に日菜さんと紗夜さんに先回りされてるので逃げようにも「まやとそうたはにげだした! しかしまわりこまれてしまった!」のようなテキストウィンドウが出てくるのは確実ですから観念して言うしかありませんね・・・)」

 

相汰「(だな・・・ここは正直に言った方がいい)はあ…わかったよ。俺と麻弥は夏祭りで一緒に行動してたんだ(日菜さんの企みで)。それで花火が終わった後でお互いに名前で呼ぶことにしたんだよ。」

 

リサ「へえー…そんなことがあったんだ。だからあの日アタシとあこにお出かけ用の服を選んでもらったわけねー?」

 

有咲「だからあの日大和先輩は私の家で浴衣の柄と布地をもってきて刺繍までしたんですね・・・」

 

麻弥「あはは・・・利用する形になってしまってすみません…」

 

有咲「いや、謝ることじゃないですって。」

 

相汰「ちなみに最後は俺が麻弥をおぶって家まで帰った。草履の鼻緒が切れててまともに動けなかったんだよ」

 

麻弥「あの時は迷惑を掛けましたね・・・歩きすぎちゃいました」

 

リサ「へえー…?で、二人はしたの?」

 

相汰・麻弥「何を(ですか)?」

 

リサ「それはもちろん・・・」

 

日菜「キス、でしょリサちー。」

 

リサ「せいかーい♪」

 

相汰・麻弥「ぶっ!!」

 

麻弥・相汰「してない(ですよ)!(その時は、だけど)(その時は、ですけど)」

 

リサ「そっかー・・・残念。」

 

相汰「(何を残念がってるんだ・・・)」

 

つぐみ「それで、どうだったんですか?」

 

相汰「とても楽しかったな。お祭りは行ったことなかったし色んな屋台があって結構買ったし。」

 

日菜「その後もとっても楽しかったもんねー♪」

 

相汰「ああ、そうだったな。」

 

沙綾「何かあったんですか?」

 

相汰「いや、日菜さんたちが後をつけてきてたもんで勢いが強い水鉄砲で日菜さんを狙い撃ちにしたんだ。それには日菜さんも驚いてたな、死角からの一撃だったし」

 

リサ「へー?よく見えたね。」

 

麻弥「相汰さん曰く、屋上のドアの窓に反射して見えていたらしいです。」

 

りみ「でもそれだと日菜先輩たちからも見えるんじゃないんですか?」

 

相汰「いや、中途半端に開けていたもんだから向こうからはちゃんと見えなかった、だよな千聖さん?」

 

千聖「ええ、こっちからじゃ全く見えなかったわね・・・」

 

紗夜「それで、それのどこが楽しかったんですか?」

 

相汰「ああ、その後はパスパレメンバー+俺で水鉄砲の打ち合いなんてしてましたね。結構楽しかったです」

 

美咲「ああ、なるほど…偶然にも日菜さんたちも買ってたんですねその水鉄砲。」

 

麻弥「おかげで全員びしょ濡れになっちゃいました」

 

花音「ふぇぇぇ…寒くなかったんですか・・・?」

 

麻弥「寒かったですけど、楽しかったので寒いのなんてどこかふっとんじゃいました」

 

相汰「とまあ、これが俺と麻弥が名前で呼び合うようになった経緯だな」

 

ひまり「いいなー…私たちは人ごみに流されて結局つぐの家にお邪魔する形になっちゃったので・・・」

 

りみ「不運だったねひまりちゃん・・・」

 

相汰「ところで、話してるうちに夜になったけど帰らなくて大丈夫なのか?」

 

麻弥と相汰以外「「「「「「あ」」」」」

 

麻弥と相汰以外「「「「「「お邪魔しましたー」」」」」

 

相汰「気をつけて帰れよー」

相汰「ふう…今日も疲れたな」

 

麻弥「まさか追試を受けるのがパスパレメンバーにもいるとは…『真の敵は身内にありと』はまさにこのことですか」

 

相汰「はは、まさにその通りだな。まあさすがにあれだけやれば大丈夫だろ(デジャヴ)」

 

麻弥「あはは・・・ところで相汰さん、最近は頭に痛みが走ったりしてる感じが見受けられないですけど大丈夫ですか?」

 

相汰「それなんだが・・・あれから思い出すことがないわけでもないんだがなぜか頭に痛みが走らなくなってるんだ。なんでだろうな?」

 

麻弥「いやジブンに聞かれてもわかりませんよ…相汰さんのことは相汰さんしかわからないので」

 

相汰「はは、悪い悪い。また明日から事務所で仕事があるんだ、今日は早めに休むぞ。」

 

麻弥「わかりました。無理がたたると倒れちゃいますからね。・・・あ、相汰さん。」

 

相汰「ん?」

 

頬に柔らかい感触がした

 

相汰「・・・麻弥」

 

麻弥「フヘヘ・・・それではまた明日です」

 

相汰「これで二回目だな・・・やられたら倍返しってよく言うから本当に後々2回の倍だから4倍くらいにして返した方がいいか?」

 

麻弥「2回の倍は4回ですよ相汰くん!」

 

相汰「俺にとっては数字を倍にするだけで回数は増やさない主義なんでな」

 

麻弥「それは所謂『自分ルール』というのでは?」

 

相汰「違いないな。でも一つくらいあったほうが面白いだろ?」

 

麻弥「ならジブンもそのうち『ジブンルール』を作っておきましょうか・・・」

 

相汰「はは、期待して待ってるぞ。それじゃあおやすみ、麻弥」

 

麻弥「はい、おやすみなさい相汰さん」

 

zzz・・・・・・・




やっぱり休み明けのテストは地獄ですね(涙目)でもそこがいい(半泣き)でも主は勉強会どころか途中からテスト勉強をすることすらやめたけどな!(キリッ)

小言ですが、今のイベントの期間限定ガチャを初日に33連だけ引いたんです(しか引けなかったです)が無事に浴衣の花音ちゃんを引き当てることができました(ピュア花音ちゃん二人目)あとケーキを2ホール丸々食べたい(願い)

最後になりましたがリサ姉誕生日おめでとう!


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6話:外のお祭りの後は

どうも。まさかの連日投稿ならぬ同日投稿になりました空丘ルミィです。

いやー、暇になると書いちゃうこの癖が治らないのはいいことですね(語彙力皆無)
小説を書くのが癖になってるので小説買おうかなーとも思いつつある日々です(金が飛びそう)
それはさておき本編へどぞー^^


9月15日

 

相汰「9月ももう半ばか・・・俺がここにきてほぼ半年になろうとしてるな。それにしてもほぼ半年でいろんなことがあったな・・・パスパレの事務所で働いたり無人島ロケに行ったり麻弥と一緒に夏祭りに行ったり…それになんだろうな、もうすぐ楽しいことが始まりそうな…」

 

【なお、この間に生徒会長は交代し日菜さんが生徒会長になっていた。あの人が会長になったらなんか不安が・・・】

 

《羽丘学園 体育館》

 

で、なんでこんなところにいるのかって?それはな・・・

 

日菜「あーあーテステス…羽丘学園の生徒のみんなー!至急体育館に集まってねー!」

 

と放送が流れたんだ。行かないわけにはいかないだろ…

 

相汰「日菜さんが呼んだということはまーた何か企んでんな・・・」

 

麻弥「はい…日菜さんですし」

 

リサ「そうだもんねー…日菜だしなんかやりそー…」

 

日菜「単刀直入に言っちゃいまーす!今年の学園祭はー…花咲川学園と合同で文化祭をすることになりましたー!!!」

 

相汰「え…」

 

全員「「「「えええええええええええええ!?」」」」

 

・・・というわけで羽丘学園と花咲川学園の2校で合同文化祭をやることになった。日にちは10月の15日から16日まで。くじの結果、初日は羽丘学園、2日目は花咲川学園で行われることになった。劇もあり、学年別で一つすることになったようだ。で、劇に参加しない人は模擬店や展示会などをすることになっている。ちなみに、ステージで個別にパフォーマンスを披露できる。つまり、全員確実に何かをするということだ。

 

【羽丘学園】

 

相汰「さて、どうするかな…模擬店もいいし展示会もいい。個別でパフォーマンスっていっても俺に特技っていえるものもないし・・・困ったな」

 

麻弥「まだ悩んでるんですか?珍しいですね、相汰さんがここまで悩んでるなんて」

 

相汰「まあな・・・初めての学園祭だし何をするか悩んでるんだよ。」

 

リサ「気持ちはわかるけどあんまり悩んでも体と頭に毒だよー?こういうのは勢いでやっちゃっていいって♪」

 

相汰「それはリサさんだから言えることであって俺にとっては死活問題だぞ?」

 

麻弥「そうですよリサさん。転入して初めての学園祭ですしあまり悩ませちゃったら頭がパンクしかねませんからこういうのは本人の意思に任せましょう」

 

リサ「あはは、冗談だって!相汰くん、頑張ってねー♪」

 

そういってリサさんは教室を出た。今日はひとまず誰がどれをやるか把握するために小さな紙に自分が参加するものを書き込んで、という形になっている。ちなみに元から《劇と展示物、最後に模擬店》と書かれているためこの3つのいずれかをやりたい場合はチェックを入れるだけでいい。

 

相汰「まあ俺は演劇部だし自分が得意なものをやるべきなのか・・・」

 

・・・さんざん悩んだ俺は記入欄に書かれている《劇》にチェックを入れた。そして教室に戻ってくると…

 

麻弥「あ、紙を持って行ってたんですね。ちょっと教室から離れていたので何してるかなーとは思いましたけど。で、どれにしたんですか?」

 

相汰「ああ、劇にチェックを入れてきたよ。特段別にやりたいのが思いつかなかったしな・・・そういう麻弥は?」

 

麻弥「ジブンも劇です。模擬店っていってもあまり凝ったものは作れませんし、展示物っていってもなにをすればいいのかわからないので・・・とりあえず劇にしてみました」

 

相汰「そうか、一緒だな。よろしくな麻弥」

 

麻弥「はい!よろしくお願いします!」

で・・・俺は劇にすることにしたんだが・・・またどうしてこうなった?

 

劇のメンバーは俺(相汰)、麻弥、リサ、湊友希那(みなとゆきな)、瀬田薫(せたかおる)、日菜(その他生徒)だ。偶然にも2年のガールズバンドメンバー全員が集合するという事が起きた。

 

【プチ自己紹介・・・瀬田薫(せたかおる)。花音や美咲と同じ「ハロー、ハッピーワールド!」のメンバーでギター担当。美咲曰く『3バカ』の一人。その容姿から女性にモテる。演劇部に所属しており、これまでにも多数の演劇に出演し賞をもらったことがあるという。だが反面、よくわからない『シェイクスピア』のセリフを連呼したり、高所恐怖症だという。花咲川の千聖さんとは昔馴染みで、『かおちゃん』と言われると顔が引きつったりする。口癖は『儚い・・』(何が儚いんだろうか俺にはさっぱりだ)

湊友希那(みなとゆきな)。紗夜さんとリサさんが所属するガールズバンド、「Roselia」のリーダーでボーカル担当。リサさんとは幼馴染。小さいころから一緒に遊んでおり、よく歌の練習をしていたらしい(リサさん談)。厳しめな性格で、Roseliaでも結構厳しい。常に頂点を目指すという高い志を持っており、プライドも高い。無類の猫好きで、一度猫を見ると頬を赤くして猫の鳴き声をするほど(よくリサさんに写真におさめられてはからかわれてる)。リサさん曰く『ゆきにゃ』(多分だけど猫耳付けたら失神しそうだな)】

 

相汰「まさかここまで揃うなんてな・・・友希那さんまでこっちに来るなんて」

 

友希那「別に、私は猫カフェがいいって言ったのだけど・・・リサがしつこく誘ってくるからしょうがないじゃない」

 

相汰「ああ…なるほど。で、薫さんは何やってるんですか」

 

麻弥「いつものスイッチが入っちゃってるので放っておいて大丈夫ですよ相汰くん」

 

相汰「触らぬ薫に祟りなしってか。で・・・一番気になるのが一人いるんですけど」

 

麻弥「ですね、ジブンも言おうと思ってました」

 

相汰・麻弥「「なんで日菜さんまでいるんですか」」

 

日菜「だってー…模擬店も展示会もあたしにはるんってこなかったもん…だから演劇ならるんってくるのあるかなーって!」

 

相汰・麻弥「「(ああ、やっぱり生徒会長になっても日菜さんは日菜さんだ・・・)」」

 

相汰「それで、配役と劇の内容はどうするんだ?メインキャストが主人公とヒロインなのはもちろんだけど、劇の内容によっては人数も増やさなきゃいけないし、内容に見合うタイトルまで用意しなきゃいけないなら・・・」

 

麻弥「それならジブン、いい劇知ってますよ。」

 

相汰「どんなのだ?」

 

麻弥「はい、これなんですけど・・・」

 

そういって麻弥が出したのは古そうな劇の台本だった。表紙には薄ーく『羽丘学園卒業生一同』と書かれている

 

相汰「これ、もしかしてここの卒業生たちが書いた台本なのか?それに結構埃被ってるしなんか文字も薄くなってるからな・・・こいつは読み取るのは結構時間かかりそうだぞ。それをみんなの分まで印刷するのもな・・・」

 

麻弥「でも、いい出来みたいですよ。」

 

そういってさらに麻弥が取り出したるは一つのビデオテープだった。さっそくテレビに映してみると…

 

相汰「・・・なんだこれ」

 

リサ「うわぁ…これはすごいね友希那」

 

友希那「ええ、ここまで完成度が高いものは見たことがないわ。彼女たち、演劇団でも作ってそうね」

 

麻弥「これは今から3年前の文化祭の映像らしいです。なので知ってるのは3年前にここにいた先生だけなんです。これをジブンたち風にアレンジして完成させてみませんか?」

 

相汰「そうだな、先輩たちが作った劇を演じてみるのも悪くはなさそうだ、乗った!」

 

リサ「じゃあアタシもー♪なんだか楽しそうだし」

 

友希那「私もやるわ。音楽ばかり気にしても毒だから少しは羽を休めるの個いいかもしれないわね」

 

薫「儚い・・・」

 

日菜「るんって来た!」

 

相汰「じゃあ、演目はこれでいいとして後は役の配分と小道具や大道具、それに衣装も必要だな・・・タイトルも考えないと」

 

麻弥「じゃあ今日はこれでお開きにしておきましょうか。タイトルは各自考えることにして、ジブンがこの台本をアレンジしてみます。そうですね・・・多分1日あれば台本は出来上がるかもしれません。それで皆さんに見てもらって良ければ明日から小道具や大道具の準備をすることにしましょう。」

 

「「「「「了解」」」」」

 

・・・先輩たちの劇の改良、か。面白そうだ。麻弥も徹夜で台本を仕上げるって言ってたし俺は・・・少し図書室にでも寄ってみるか。演劇についての本とかあるか?1、2冊は読んでおきたいから少し学校に居残るか

 

・・・あれ?俺って寝てたのか?確か演劇についての本を読んでて・・・2冊は読破したけどそのまま寝ちゃってたみたいだな。時間は・・・小1時間くらい寝てたのか。そろそろ帰るか・・・ってあれ?あそこにいるのって

 

相汰「麻弥?」

 

麻弥「あれ、相汰くんまだいたんですか?」

 

相汰「それは俺のセリフだ。麻弥、どこで何をしていたんだ?確か台本を読み通して台本を仕上げるとか言ってなかったか?」

 

麻弥「すみません…ジブン、実は演劇の台本を作ったことがないんですよ。だから図書室にいって何かいい資料がないかなーって漁ってたんです。一応探してる本はあったので帰ろうとしたんですが、机でぐっすり寝てる相汰くんを見かけたのでジブンは台本を作りながら待ってたんです」

 

相汰「そうだったのか?アイドルだからたくさんのバラエティに出ていろんなことを学んでるから俺はてっきり台本を作ったことがあるのかって思ってたな・・・で、できたのか?」

 

麻弥「一応あと少しで完成です!タイトルはまだ決まってないので明日を楽しみにしててください!」

 

相汰「そうか、楽しみにしてるぞ。ところでそろそろ学校が閉まる時間だが家に帰った方がいいんじゃないのか?」

 

麻弥「そうですね、先生たちに迷惑はかけれないのでそろそろ帰りましょうか」

 

相汰「んじゃ、行くか」

 

 

 

 

 

 

 

【帰り道】

 

麻弥「しかし、意外ですね」

 

相汰「何がだ?」

 

麻弥「相汰さん、最近は料理もうまくなってるじゃないですか?だから模擬店とかをやるのかなって思ってたんです」

 

相汰「やるにしても来年がいいだろうと思ってな。まだまだ経験が足りない」

 

麻弥「その時は相汰さんの料理、楽しみにしてますね!フヘヘ」

 

相汰「そこまで期待されちゃやるしかないな。ほっぺたを落ちさせるほどの料理を作ってやるから楽しみにしとけよ?」

 

麻弥「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【麻弥の自室:時刻・22:00】

 

 

麻弥「できましたー!うわっ、結構時間かかっちゃいましたね・・・明日、皆さんがどんな顔をするのか楽しみです。フヘヘ…」

 

 

 

 

 

タイトル「?????????????」

 

           台本・大和麻弥




いかがだったでしょうか?

やはり学校行事で外せないものと言ったら学園祭だと思うのです(適当)参加する側も来てもらう側にも楽しめる数少ない行事なので主も楽しくなるように頑張って書こうと思います

これからも執筆頑張るぞい!

では次回をお楽しみに


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7話:自分の悩みはみんなの悩み

どうも、連日(ry)の空丘ルミィです。

前書きに話すネタがなくなりつつあります(ふぇぇぇぇー・・・)ま、主の脳のスペックがしょぼいんだと割り切ってください(何事もほどほどがいいよねー…)

前書きが短い?気にするな!では本編へどうぞう


9月16日

 

麻弥「・・・という感じの内容ですが大丈夫でしょうか?」

 

薫「ああ…とてもいい感じの内容だよ、麻弥。とても儚い・・・」

 

日菜「いいねー!とってもるんって来た!」

 

友希那「ええ、いい感じだと思うわ。」

 

リサ「さすが麻弥!アタシは演劇は初心者だけどこれは完璧って思うよ」

 

相汰「いいんじゃないか?それにしても本当に1日で終わらせるなんてな・・・演劇に対する熱の賜物か」

 

麻弥「ありがとうございます!ただ本当に文字が掠れて見えにくかったので所々はジブンが改良しましたが・・・」

 

相汰「まあ見えにくかったなら改良するしかないだろ。そういえばまだタイトルを聞いてなかったけどタイトルはどんな感じなんだ?」

 

麻弥「タイトルはですね・・・」

 

『彼を思って』

 

相汰「・・・いいな、それ。さすが同じ演劇部員のメンバーだ」

 

薫「いいじゃないか麻弥、新しい演劇部部長にふさわしいタイトルだ・・・!」

 

みんな、麻弥が描いた台本の内容に大賛成だった。3年生が引退した後に新部長に立候補しただけのことはある。実は最後の演劇の内容は麻弥が全部台本から小道具、大道具や衣装を用意し、自分で主役を演じたのだった。なお俺は裏方の大道具担当で麻弥たち演劇部員で舞台に出る人たちのサポートに徹した。

 

相汰「で、台本はできたのなら次は配役か・・・台本の内容的に人数はここにいるメンバーでできなくはないけど今一番の問題だぞ。主人公とヒロインが今一番の壁だ」

 

日菜「それなら今一番いい組み合わせあるじゃん!ねーリサちー!」

 

リサ「だねー♪アタシもいいかなって思ってたんだー」

 

友希那「何?どういうことなのリサ?ここにベストな組み合わせがあるなんて…いったいどういう組み合わせなの?」

 

薫「ああ、そういうことか・・・日菜もリサも悪い子だね・・・ああ、儚い・・・」

 

相汰「・・・・・・?」

 

麻弥「・・・・?どうしたんですか皆さんジブン達を見て・・・」

 

するとみんな、俺と麻弥を見る。それで発せられた第一声は俺たちの声を驚愕の声にさせた。

 

日菜「麻弥ちゃんとそーくんで主人公とヒロインね!」

 

え・・・

 

相汰・麻弥「「ええええええええーーーーーー!?」」

 

日菜「だって、麻弥ちゃんとそーくんって結構仲いいじゃん?この間だって夏祭りで二人で楽しんでたし、無人島ロケの時だって率先して引っ張ってくれたんだし」

 

リサ「それに、アタシと友希那より絆が深そうだしねー。自信を持ってよ麻弥、空葉くん♪」

 

友希那「ええ、とても悔しいけどここは二人に任せた方が良さそうだから私は裏方になろうかしら」

 

薫「何しろ部長の麻弥が今ここにいるメンバーの中で一番信頼している人物だからね、キミは。キミさえよければ麻弥のことを支えてやってくれないか?」

 

相汰「・・・少し考えさせてください。」

 

そういって俺は空き教室を出た

【羽丘学園:空き教室】

日菜「何を悩んでるんだろうねー?」

 

麻弥「やっぱり、初めての文化祭でいきなり主役に抜擢されることへの抵抗なんでしょうか?今までのジブンなら主役を蹴って裏方になってたと思いますし・・・」

 

リサ「やっぱりプレッシャーかー…アタシも多分空葉くんと同じ状況になってたら同じことになってたかも・・・」

 

友希那「あら、リサでもそんなことを言うのね。でも私で同じことになってたと思うわ。きっとみんな同じ気持ちよ」

 

薫「ああ、私でも不安でいっぱいになるだろう。これまでにもたくさんの舞台に立ったがいつも舞台では緊張と楽しみでいっぱいだ。かのシェイクスピアの言葉にこんな言葉がある・・・『迷えば迷うだけたくさんの道がある・・・と』」

 

麻弥「それは薫さんだけの言葉ですよ・・・まあいつもの薫さんですね」

 

【羽丘学園:屋上】

 

相汰「はあ・・・」

 

で、空き教室を出てきたはいいが俺はよく空き時間を使って屋上に来ていたことが多く、今も屋上で黄昏ている。目的なんてなく、ただ普通に空を見るのが結構好きだ。雨の時は帰って勉強に勤しむが

 

相汰「なんで教室を飛び出してきたんだろうな・・・何やってんだ俺」

 

あれから俺はずっと屋上でずっと空を流れている雲を眺めている。もちろん空は快晴でどこまでも青空が広がっている。ちなみにどれくらい時間が経ったのかというと…

 

相汰「さすがに2時間は居すぎたな・・・なんか劇のメンバーに悪いことしたみたいだ」

 

(ガチャ)

 

相汰「ん?誰だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひまり「やっぱりここにいたんですね空葉先輩。」

 

相汰「ん?ひまりか、一人か?」

 

ひまり「薫先輩が心配してましたよー?あれから学校内に戻ってこないって言ってました。もう2時間も帰ってこないって。」

 

相汰「ああ、悪いな。でも転入して初めての学園祭の劇の主役に抜擢されて大丈夫なのかなって思うとな・・・」

 

ひまり「あまり難しく考えると体に毒ですよー?私の座右の銘は『思い立ったが吉日』ですから!」

 

相汰「『想いだったが吉日』・・・ねえ。難しいこと考えるのは性に合わないがこういう時くらい悩ませてくれてもいいだろ・・・ま、今日中に決めておくから気にするなって伝えといてくれ」

 

ひまり「はーい!」

相汰「『想いだったが吉日』・・・ね。ひまりの性格に合ってはいるがどうも俺には・・・」

 

つぐみ「似合わない、ですか?空葉先輩」

 

相汰「うおっ!?・・・なんだつぐみか。いきなり声がしたからびっくりしたぞ」

 

つぐみ「驚かせちゃいましたか?すみません…ひまりちゃんが空葉先輩がここにいるってさっき聞いたので気になってきちゃいました」

 

相汰「いや、こっちこそいきなり大声出して悪かった。ひまりのやつ、劇のメンバーだけじゃなくて幼馴染にまで心配させるつもりか」

 

つぐみ「あはは・・・それがひまりちゃんらしさですからね。あ、どうぞ。」

 

そう言ってつぐみはコーヒーが入ってるペットボトルを渡してきた

 

相汰「これは?」

 

つぐみ「うちのコーヒーです。水筒に暑いものは入れれないので空きのペットボトルに入れて持ってきちゃいました。」

 

相汰「でもな・・・」

 

つぐみ「いいんです。これは私なりの普段から世話になってるお礼なので。それじゃあ私はこれで失礼します!」

 

相汰「ならありがたくいただくよ。ありがとな。」

 

つぐみ「あ、そうだ。」

 

相汰「?」

 

つぐみ「大和先輩、ずっと空き教室にいるので決まったら行ってあげてください。」

 

相汰「あ、ああ・・・」

 

つぐみ「それじゃあ私は行きますね。」

相汰「・・・おいしいな、コーヒー。やっぱりコーヒーを飲むと落ち着くな・・・」

 

・・・みんなに迷惑かけてばかりだな、俺。いつまで悩んでるんだ俺は・・・少し考えるだけって言っておきながらここまで時間をかけさせるなんてな。しかも後輩にも気を使わせて・・・ダメだな、こんなんじゃ。以前の俺はどうした?昔はかっこいいものに憧れ、いつかは自分もああなりたいって胸に夢を抱いていたっけな。それに比べたら今の俺は何だ?目の前にある課題から逃げてるただの逃げ腰全開のその辺にいるニートそのままじゃないか。・・・今を後悔しないためにもやることは決まっているな。

 

相汰「確かつぐみは『麻弥は空き教室で待っている』って言ってたな。迷惑をかけてないだろうな・・・」

【羽丘学園:空き教室】

相汰「・・・今戻った」

 

麻弥「やっと戻ってきましたか、大丈夫ですか?ひまりさんだけじゃなくてつぐみさんまで来たときはもう帰ったんじゃないかって心配しちゃいましたよ!」

 

相汰「・・・悪い、ずっと考え事をしてたんだ。」

 

麻弥「それって、学園祭でやる劇のことですか?」

 

相汰「ああ、ところでほかのメンバーは?」

 

麻弥「あ、はい。他のメンバーは衣装や小道具、大道具を作ったりしています。ジブンはずっとこの空き教室でジブンが演じる役のセリフを読み耽っていました。ジブンはヒロイン役なので薫さんに『今回は小道具系は私たちに任せて麻弥は心配しなくていい』って言われてたので」

 

相汰「そうか、なんか悪いことをしたな。」

 

麻弥「いえ、大丈夫です。それより相汰くんはどこに?」

 

相汰「屋上でずっと悩んでた。それで、昔のことを思い出してたんだ。昔の俺はこんなんだったって思い出しててな・・・」

 

麻弥「それで、答えは決まったんですか?」

 

相汰「ああ、ずいぶん待たせちゃって悪かったな。・・・俺は主人公の役を演じる。」

 

麻弥「!!」

 

相汰「やっぱり折角の学園祭だし楽しまないとな。それに・・・」

 

麻弥「それに、なんですか?」

 

相汰「麻弥と一緒に舞台を演じることができるんだ。普段はパスパレの仕事の手伝いで麻弥の舞台を見ることばっかりだし今度は俺が麻弥を支える番だ」

 

麻弥「いえいえ、普段はジブンばかり支えてもらってるので今度のはジブンが支える番ですよ!」

 

相汰「いや、今度は俺の番だ!」

 

麻弥「いえいえ、今度はジブンが・・・」

 

相汰「・・・ぷっ」

 

麻弥「あははははは!何だかいつものジブンたちですね。」

 

相汰「はは、そうだな。」

 

(キーンコーンカーンコーン・・・)

 

相汰「やばいな、もう下校時間か・・・今日はさんざん悩んだせいで練習も何もできなかったな・・・」

 

麻弥「いえ、あの後みんなして相汰さんの立場になったときの話をしていましたけど、みんな同じ考えだったみたいです。やっぱりみなさん、主役を演じるとなると悩んでたみたいです」

 

相汰「そうか、みんな俺と同じ考えを・・・さすがにバンドメンバーだからか悩みの種は同じか」

 

麻弥「そうですね。」

 

相汰「と、そろそろ帰らないとな。報告は明日にするとしてそろそろ行くか」

 

麻弥「はい、そろそろ帰りましょう。他の班はどれくらい進んだんでしょうか・・・」

 

相汰「それも明日聞くことにしようか。」

 

麻弥「そうしましょうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

【帰り道】

 

相汰「そうだ、これ。」

 

麻弥「どうしたんですか?そのコーヒー。」

 

相汰「つぐみがくれたんだ、俺が屋上にいた時に持ってきてくれたんだよ」

 

麻弥「羽沢さんがですか?」

 

相汰「その前にはひまりも来て俺の心配をしてくれてな。その後につぐみが来てコーヒーをもらった。」

 

麻弥「いただいてもいいんですか?」

 

相汰「俺だけじゃ飲み切れなくてな。カフェインの摂りすぎは体に悪いし」

 

麻弥「あー…確かに750mlは多いですね。それじゃあお言葉に甘えます」

 

相汰「ほら」

 

麻弥「(ゴクゴク・・・)おいしいですねー…ずっと空き教室で水も飲まなかったので・・・」

 

相汰「そんな中やってたのか?」

 

麻弥「はい、一度読み始めるとなかなか休憩に移れなくて・・・他の人はセリフを覚えたり小道具等を作ったりしていたみたいのでジブンはひたすら一人でやってました」

 

相汰「そうか・・・お疲れさまだ」

 

麻弥「いえ、相汰さんもお疲れ様です。3時間もずっと悩んで主人公の役を引き受けてくれて…あっ」

 

相汰「どうした?」

 

麻弥「いえ、このコーヒーを相汰さんはどうやって飲んだのかって…コップも持っていたわけじゃないんですよね?」

 

相汰「それがどうk・・・そういうことか」

 

麻弥「はい、これは・・・・・・・」

 

そう、コップなんて持っていなくてつぐみが持って来たのはペットボトルに入れただけのコーヒー。それを俺は普通に飲んでいた。つまり・・・

 

相汰「間接キス・・・だなこれ」

 

麻弥「・・・はい、そうですね」

 

そういって俺たちは頬を少し赤くする

 

相汰「…帰るか」

 

麻弥「・・・はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういって俺たちはいつも通り、一緒に帰り道について気が付いたら手を繋いでいた。手を繋いだのは俺からではなく麻弥からだった。いつもより顔が赤くなっていた麻弥だが、俺はそれよりもっと顔が赤かった。なにしろ、麻弥から繋いできたのは無人島以来なかった。夏祭りの時は俺から繋いでいたし、無人島の時は状況が状況だったため繋いでいたが、急に繋がれると俺の心臓の鼓動が早くなるのは仕方がない。でも…麻弥の手、とても暖かい。これまでに何度か俺たちは手を繋いだけど、今まで繋いだ時より安心してる。やっぱり俺は・・・




いかがだったでしょうか?

割と平均文字数を超えたり超えなかったりとガバ(?)っています(笑)けどそれがいいっ!俺は!完結するまで!投稿するのを!やめないっ!(完結させないとみてる人が楽しめないからね、しょうがないね)こういう世界に行きたいなあ…(叶わない願い)

ではありがとうございました!


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8話:勇気と決意と努力

どうも、バンドリの次のアップデートに楽しみを隠せない空丘ルミィです。

最近はカバーだけでなくオリジナル楽曲も増えてきて楽しみが増えてるのでさらに熱が入りました(すごく楽しい)でも最近はイベントをサボり気味なので今回は50000位以内といういつもどおりは無理そうです>_<

ではほんへ


9月17日

 

【羽丘学園:空き教室】

 

相汰「・・・昨日はご迷惑をかけてすみませんでした」

 

日菜「いいっていいって!それで、主人公の件はどーかなー?」

 

リサ「それそれ!空葉くんがダメなら代役に声かけなきゃいけないし・・・」

 

友希那「悩みの種は誰にでもあること、だから悩むことは恥じることではないわ。」

 

薫「やはり私たちとしては空葉君にぜひ主人公を演じてもらいたいものだが・・・」

 

相汰「・・・俺にやらせてください。昨日、ここにいるみんなだけじゃなくて他学年の生徒に声をかけてもらってやっとわかったんです。みんながいてこその学園祭だと。誰か一人が欠けては学園祭は成功しない、それに・・・初めての学園祭を失敗させたくない。やっと手に入れた俺の居場所なんだ、絶対に・・・成功させてみせる」

 

麻弥「相汰くん・・・一人の力じゃダメです。ここにいる皆さんだけじゃありません、花咲川学園の生徒たちと、学園祭に参加してくれる皆さんで絶対に成功させましょう!」

 

相汰「ああ。もちろん今日から俺も混ざって本番に向けて練習する。今は目の前にある課題をこなすことを考えよう、じゃあみんな・・・気を引き締めていくぞ!」

 

「「「「「「「おー!(はーい!)」」」」」」

相汰「ところで、小道具や衣装とかはどこまで進んでるんだ?」

 

リサ「いやー、まだ図面を書いてる段階だから何とも言えないかなー…衣装は麻弥と薫に作ってもらうことになってるけどそっちも今迷走中なんだー…」

 

友希那「私は音響担当だけど、やっぱりまだどんな音楽にするか悩んでるわね。」

 

日菜「あたしは背景のスライドショー担当だけどるんってくる絵が浮かばないから昨日はお姉ちゃんとずーっとお話してたよ。お姉ちゃんもやっぱり迷走してるみたい」

 

薫「私は仕草や衣装の研究だが、やはりうまくいかないものだね。」

 

相汰「なるほどな・・・なら今回から俺も参加することだし一度ここにいる舞台に上がるみんなでセリフを読んで劇の大まかな流れを作ってみるのはどうだろうか。他の人から見る視点での意見と感想を聞くのも一つの手だしな」

 

麻弥「そうしましょうか。それに一度読むことで頭のなかにセリフを覚えさせることもできますし大まかな時間も把握できますし。」

 

薫「それはいい案だ。儚い・・・」

 

相汰「というか、去年の学園祭も劇とかあったんだよな?その時はどうしたんだ?」

 

麻弥「去年はその場の流れで何とかなってました」

 

相汰「・・・ごめん、聞いた俺がバカだった」

 

麻弥「あはは・・・昨日は薫さんが主人公の役だったので・・・薫さんは劇とか部隊のことになるとスイッチ入るんですよ」

 

相汰「まあ当の本人があれだしな・・・苦労しただろ麻弥」

 

麻弥「その時は小道具担当だったのでジブンは・・・ですが薫さんの相方がとても困惑していたのは覚えてます」

 

相汰「・・・よかったな、今回の劇の主人公は俺で」

 

麻弥「はい…スイッチが入った薫さんを止めるのは千聖さんくらいです。一応薫さんのスイッチが入ったときに止める言葉を教えておきましょうか皆さん?」

 

「「「「「「お願い(します)」」」」」」

 

麻弥「では教えておきますね。薫さんを止める言葉は・・・『かおちゃん』です。以前千聖さんと共演した時、最後に千聖さんからそう言われて恥ずかしがっていたそうです。千聖さんも千聖さんで薫さんを舞台が終わった後もいじっていました」

 

リサ「あの時の薫、とっても面白かったなー♪」

 

友希那「ええ、あの時の瀬田さんはギャップがあって面白かったわ」

 

日菜「うんっ!あたしもあれからたまーに薫くんをいじってるんだー♪るんってきた!」

 

相汰「それはやめてさしあげろ」

 

日菜「えー?なんでー?」

 

相汰「・・・言っても無駄だなこれ。さて、セリフを一度全部通して練習するか」

 

麻弥「はい!」

【2時間後】

 

相汰「ふう…やっぱり主人公だけあってセリフの量がとても多いな。俺の演じる役のセリフの5割は占めてる気がする」

 

麻弥「いえ、ジブンも相当多いですよ。ジブンで書いておいてなんですが・・・あ、お水どうぞ」

 

相汰「ん、サンキュー。(ゴクゴク)・・・はー、ここまで長く喋ると喉が渇くな」

 

麻弥「ジブンは仕事で喋ることが多いので疲れることはありますが劇となると疲れはあまり残りませんね」

 

相汰「そう言われるとなんか悔しいな」

 

麻弥「相汰くんは男の子ですからね、体力とかはジブンに比べたら相当ありますし・・・この間の体育でシャトルランした際にも相汰くんだけ100回とか行ってたじゃないですか」

 

相汰「これでも体力には自信ある方なんだよな、多分今なら体育系の部活に入っても汗一つかかずにやりきれそうだ」

 

麻弥「さすがですね・・・」

 

相汰「しかし麻弥」

 

麻弥「どうかしましたか?」

 

相汰「いや、よくこの劇のヒロインを引き受けたなって。」

 

麻弥「ああ、それですか?それはこの間言ったとおりですよ。ジブンは『大和麻弥』としてこの演劇のヒロインを演じようと思っただけです。それ以上もそれ以下でもありません。」

 

相汰「そういうものか?」

 

麻弥「そういうものですよ。何事もチャレンジです!ジブンはこれまでの演劇では裏方しかやってませんでしたし。パスパレに入ってからはテレビに出演することも多くなったのでこの機会に、と思ってヒロイン役を引き受けました」

 

相汰「人それぞれ、だな。」

 

麻弥「はい、まさにその通りです!と、そろそろ休憩は終わりですね。そろそろ再開しましょうか」

 

相汰「ああ、まだまだ改善しなきゃいけない点はある。それらを地道に改善して徐々に仕上げていけばいいさ」

 

麻弥「はい!ジブンもベストを尽くしてこの劇を絶対に成功させます!それには相汰くんはもちろん劇のメンバーの皆さんの協力が必要不可欠です。」

 

相汰「だな、それに頑張りすぎても無理がたたって体を壊してしまう。だから俺たちは俺たちのペースで一歩ずつ踏み出していけばいい」

 

麻弥「そうですね。あ、相汰さん。」

 

相汰「どうした?」

 

麻弥「いえ、衣装を作るにあたってサイズとかを図らないといけないので隣の美術室に来てもらってもいいですか?」

 

相汰「わかった。」

【美術室】

麻弥「はい、終わりましたよ相汰さん」

 

相汰「ん、サンキュ。寸法を測るだけだからすぐ終わったな。」

 

麻弥「ではジブンも寸法を測るので相汰さんは先に戻っていてください。」

 

相汰「わかった、先に戻ってるぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【空き教室】

 

相汰「ただいま」

 

日菜「おかえりー!どうだったー?」

 

相汰「セリフも多かったし、やりごたえを感じるな。今の俺でどこまでやれるのか…」

 

日菜「そーくんなら大丈夫だよ!なんってたってそーくんだから!」

 

相汰「それ、まったく理由になってないからな(ポカリ)」

 

日菜「いったーい!か弱い女の子を叩くなんてひどいよー!」

 

相汰「根も葉もない理由をつけてくるからだ。で、背景の方はどうなんだ?」

 

日菜「そこそこかなー。あと8割くらい?」

 

相汰「結構速いペースで出来上がってるな。」

 

日菜「台本読んだらるんってくる背景思いついたから書いてるだけだよー♪」

 

相汰「いつもの日菜さんだな」

 

リサ「あはは、日菜らしいねー♪アタシの方も大変だけど楽しいからいいかな。」

 

相汰「ん?リサさんか。そういえば小道具と大道具担当だったな、二つも担当して大丈夫なのか?」

 

リサ「あはは、アタシは結構物とか料理とか作るの好きなんだよね。たまに友希那にクッキー作ってあげたりしてるし。家でも筑前煮とかの煮物とか作ってるよ?」

 

相汰「へえ、結構家庭的だなリサさんって。」

 

リサ「アタシを何だと思ってたの?」

 

相汰「うーん…主婦、かな」

 

リサ「この年で主婦って言われるのはちょっとアタシショックかも・・・」

 

相汰「それくらい料理がうまくて家庭的ってことだよ。じゃあ俺は次の班のところに行ってくる」

 

リサ「はーい」

 

 

 

 

 

 

 

相汰「友希那さん、調子はどうですか?」

 

友希那「まだ迷走中だわ。自分で言いだしたこととはいえ音楽を一から作るのは時間もかかるしなによりどんな音楽ならこの場面に合うのか…ということも考えなければいけないから悩みどころは多いわね」

 

相汰「すみません、こんな大仕事を任せてしまって」

 

友希那「別に大丈夫よ。私はあまり器用ではない方だし絵もそこまでうまくないわ・・・だからこれは私にとって一番合ってる仕事だからそこまで気にする必要はないわ。あなたはあなたのするべきことで学園祭を盛り上げることに集中しなさい。」

 

相汰「元よりそのつもりです。友希那さんに言われると身が引き締まるのでこれは負けてられないですね。友希那さんも頑張ってください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ガラガラ)

 

麻弥「ただいまです!」

 

相汰「おかえり。ほら、水だ」

 

麻弥「ありがとうございます!他の班の進捗はどうなってましたか?」

 

相汰「やっぱり初日だけあってみんな迷走してた。日菜さんだけいきなり2割終わったって言ってたぞ」

 

麻弥「日菜さんに仕事させたらいつもの2倍近く早く終わりますからね」

 

相汰「日菜さんだしな、しょうがないな」

 

麻弥「まあ日菜さんですし・・・しょうがないですね」

 

相汰「で、そっちはどうだった?」

 

麻弥「こっちは少しだけですが進捗はあったみたいですね。衣装のサイズを的確に把握していましたし、必要な布地はいくつかあったみたいです。さすが薫さんです」

 

相汰「薫さん、そこまで頑張ってたのか。やっぱりなんだかんだで楽しみにしてるんだな、この劇」

 

麻弥「薫さんは演劇部員ですからね、劇をやるとなったら人が変わったように本格的に取り組み始めるのでジブンが知る限りは最高の演劇部員ですね」

 

相汰「そこまでなのか・・・」

 

麻弥「はい、薫さんとは去年から一緒だったんですが薫さんの変わりようは簡単に忘れられないですからね・・・」

 

相汰「普段は頼りなさそうだけどこんな時はすごいんだよな本当に」

(キーンコーンカーンコーン・・・)

 

相汰「もうそんな時間か、今日の作業はここまでだ、みんな」

 

「「「「「「「お疲れ様(でした)」」」」」」

 

相汰「んー…初めての文化祭の準備とはいえ初日だけでここまで疲れるとは思ってなかったな」

 

麻弥「初日だからここまで疲れるんですよ。初日は小道具とかの材料とかを買ってきたりしないといけませんし、メンバーの振り分けとかもあるので仕方ないです」

 

相汰「そうか、なら明日はもっと頑張らないとな。何しろまだ文化祭の準備は始まったばかりだ。まだ初日だし改善点はいくつもあるし俺たちもセリフを台本なしで話せるようにしなきゃだし」

 

麻弥「ですね。台本は持って帰ってきてるので家の方で少しだけ練習しましょう。」

 

相汰「なあ麻弥。」

 

麻弥「なんでしょうか?」

 

相汰「アドリブって入れても大丈夫か?」

 

麻弥「はい、大丈夫だと思いますけど・・・やってみるんですか?」

 

相汰「ああ、でもさすがに練習中にやるのは気が引けるし本番でやってみる。トリで演じる二人だけのシーンで使ってみるつもりだ。」

 

麻弥「なるほど…アドリブは急にやるものなので対応力が必要になりますからね。それなら任せてください!ジブンもいつアドリブが来てもいいようにセリフを考えておきますね!」

 

相汰「よし、そうと決まれば練習だ。頑張るぞ麻弥」

 

麻弥「はい!気合を入れて頑張ります!」

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

物語の主人公=劇の主人公って定番ですよね(適当)物語のヒロイン=劇のヒロインっていうのもいですよね(適当)そして日菜ちゃんさすがっす(いつも通り)花咲川のメンバーはどうなってるかって?HI・MI・TSU・DA♪

ではまた次回をお楽しみに


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9話:部屋の狭さは心の狭さ

どうも、今日は雨の音のせいで朝9時に起きてしまった空丘ルミィです。

いやー・・・大雨って怖いですね。うちの近くが冠水してるらしいので今日は外に出れません(いつも出てません)湿気ってどうも苦手です・・・湿っぽくなるし行動範囲が狭まってしまいますからね(いつも狭い)明日、バンドリの浴衣イベが終わりますね。トライイベはやっぱり苦手だ…

では本編へ


10月12日

 

《あれから3週間・・・文化祭の劇に力を入れ、劇は完成に近づいていた。セリフも完全に覚え、完成した衣装や小道具、小道具を使って本格的な練習も行い日に日に文化祭の日へと近づいていった…ある日のことである》

 

【羽丘学園:倉庫】

 

・・・・・・・・今俺は羽丘学園の倉庫にいる。何でこうなったかというと

 

[数時間前・・・]

 

相汰「これはどこに置けばいい?」

 

薫「ああ、それは倉庫に置いておいてくれ。学園のフロアごとに倉庫があるから間違えることはないだろう」

 

相汰「了解」

 

日菜「薫くーん、この衣装はー?」

 

薫「それはこの部屋にあるロッカーに入れておいてくれ。」

 

日菜「はーい!」

 

[数分後]

 

相汰「はあはあ…これで全部か?」

 

麻弥「はい、これで全部ですね。お疲れ様です相汰くん。」

 

相汰「麻弥もお疲れさん。しかし今日は相当時間がかかったな・・・もう夜になってるし」

 

麻弥「ですね・・・他の皆さんも帰っちゃいましたし。今日はここに泊まっちゃいましょうか。先生に連絡も入れましたし、許可してくれました。」

 

相汰「そうか、なんか悪いな。ところで、どこで寝るんだ?」

 

麻弥「寝るとしたら空き教室でしょうか?でも寝るにしても倉庫から布団を持ってこなくちゃですね・・・」

 

相汰「なら早く取りに行くか。早くいかないと他に泊まってる生徒もいるかもしれないし布団を早く取られるぞ」

 

麻弥「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

(ガラガラガラ・・・・)

 

相汰「麻弥、布団はどこにあるんだ?」

 

麻弥「たしかそこの棚の中にあるはずです」

 

相汰「お、あったな。しかし結構高いところにあるな・・・俺でもギリギリだぞ。よっ…とっと!?」

 

麻弥「相汰くん!?大丈b」

 

(バサッ!!)

 

????「あれ?今何か変な音がしたような・・・あれ?何でここの倉庫の扉が開いてるんだろう?ちゃんと鍵を閉めておかなくちゃ…」

 

 

 

 

 

 

相汰「ぶはっ!麻弥、だいじょう・・・ぶ…か・・・?」

 

麻弥「えっと相汰くん・・・?これはどういう……?」

 

(えっと・・・確か俺は布団を取ろうとしてバランスを崩して麻弥もろとも布団をかぶって…それで布団を剥がしたら麻弥が目の前にいて・・・そう、所謂床ドンという状況になっている。ちなみに俺が上で麻弥が下だ)

 

相汰「・・・」

 

麻弥「・・・」

 

相汰「(ヤバい、麻弥の顔が目の前に来てて心臓がすごいドキドキしてる・・・クソッ、静まってくれ俺の心臓の鼓動…!)」

 

麻弥「(そ、そそそそそ相汰くんの顔がすぐ近くに・・・!心臓の鼓動がとてもはやくなってやばいです・・・!)」

 

相汰「(・・・くっ、鼓動が静まるどころかはやくなってる・・・)」

 

麻弥「(・・・顔も赤くなってきましたし熱くなってきちゃいました・・・本当にどうしたんでしょうか、ジブンは・・・まさか日菜さんたちが言っていたことは本当に・・・?)」

 

相汰・麻弥「「す、すまない!(す、すみません!)」」

 

 

 

 

 

 

 

相汰「・・・なんか悪かった。勢いだったとはいえ床に押し倒す形になって」

 

麻弥「・・・いえ、ジブンも相汰さんを受け止めに行っちゃいましたし・・・」

 

相汰「そ、そろそろ出るか。」

 

麻弥「は、はい!」

 

(ガチャガチャ)

 

相汰「あ、あれ?」

 

麻弥「どうかしましたか?」

 

相汰「いや、ドアが開かなくてな…俺たちが布団を取りに来たときは開いてたよな?」

 

麻弥「はい、確かに開けてました。それに、倉庫の中に入って扉を閉めると光があまり差さないのでドアも開けておきました。それにしてもいつ閉まったんでしょうか・・・?」

 

相汰「そういえばさっき布団を被ったときにガラガラって音がしたけど・・・まさか俺たち以外にも止まってる生徒がいるのか?それで音がしたからこっちに来てドアを閉めたとか…」

 

麻弥「ということは今ジブンたちは・・・」

 

相汰「ああ、真っ暗な倉庫の中で二人きりだ。で、倉庫のカギだけど内側からは開かないようになってるらしく、多分他の生徒もすでに寝てるから外からの助けは期待しない方がいいかもな・・・」

 

麻弥「・・・ですね。」

で、今に至るってわけだ。あれからかれこれ30分は経っただろうか。一向に助けに来る気配はない。

 

相汰「・・・誰も来ないな、もうあれから2時間半は経ってるけど」

 

麻弥「・・・ですね。文化祭前なので誰かしらは泊まり込むとは思ってたんですがまさか本当に劇担当のメンバーが泊まり込んでるとは…スマホも空き教室に置いてきちゃいましたし・・・」

 

相汰「(ガサゴソ)・・・俺のスマホもあと5%しかバッテリーがない。電話もできて1分だけだ。せめて誰がいるか把握できれば…俺たち以外の2年メンバーは全員帰ってるし残ってるとしても1年メンバーしか知ってるやつはいないだろうからな・・・俺たちは俺たちでやることしかやってなかったから他の学年の劇の班を把握してないし・・・」

 

麻弥「そういえばさっき、誰かの声が聞こえましたね。」

 

相汰「誰かって?せめて声の特徴が分かればいいんだが・・・俺なら聞きなれてるから多分特徴とかでわかるかもしれない。」

 

麻弥「声は結構高めでしたね。あと、髪の色がチラッと見えたので・・・」

 

相汰「髪の色?今、髪の色って言ったか麻弥?どんな色だった?」

 

麻弥「えっと・・・たしかピンク色だったと思います。」

 

相汰「声が高めで髪の色はピンク色・・・それってもしかしてあいつじゃ」

 

麻弥「誰ですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

(ピロピロピロ・・・ゴーウィゴーウィヒカリッヘー)

 

???「あれ?こんな時間に誰…?」

 

相汰「もしもし、俺だ。頼みがある」

 

???「頼み…?」

 

相汰「2階の・・・倉庫の・・・ドア…開け・・・(ブツッ)」

 

???「あ、あれ?もしもしー…?」

 

 

 

 

 

相汰「バッテリー切れか・・・うまく伝えられたか?」

 

麻弥「大丈夫でしょうか・・・」

 

相汰「多分大丈夫だろ。それよりも・・・今、ここには俺たち二人だぞ」

 

麻弥「そうでした・・・どのくらい時間がかかるんでしょうね・・・」

 

相汰「あいつは寝坊助でな。起きたとしても30分はその場にいるだろうからあと30分は待つことになるだろうな。・・・なあ麻弥。」

 

麻弥「どうかしましたか?」

 

相汰「俺たちは初日、羽丘側の人間だから文化祭を見てまわることはできないと思う。だから、初日の羽丘学園での文化祭と2日目の花咲川での学園祭の日、俺と一緒に文化祭を見てまわらないか?」

 

麻弥「ええ!?ジブンですか!?千聖さんや日菜さん、彩さんたちがいるのに・・・ジブンなんかよりもっといい人がいるんじゃ…」

 

相汰「それでも、俺は麻弥と一緒に回りたい。来年は一緒のクラスにいないかもしれないのに・・・今を後悔したくないんだ。」

 

麻弥「相汰くん・・・わかりました。ジブンでよければぜひ一緒に文化祭を見て回りましょう。去年はジブン一人で回っていたのでどこか心細かったのかもしれませんね・・・」

 

相汰「ありがとな、麻弥。・・・ところで麻弥、いつまでこの状態が続くんだ?」

 

麻弥「え?えっとこれは・・・!」

 

そう、扉が閉まってからというものの麻弥はずっと俺の手の上に麻弥の手を重ねた状態だった。俺は嬉し恥ずかしながら麻弥と会話していたのだ。多分、麻弥はどこかこの状況が心細かったのだろう。だから俺の手に触れて気を紛らわすつもりだったんだろうけど…俺の気が紛れることはなかった。

 

麻弥「す、すみません!ジブンの気を紛らわせることばかり考えていて…相汰くんの方までは気が回ってませんでした・・・」

 

相汰「・・・俺は嬉しかったけどな。やっぱり麻弥と一緒にいると心が安らぐし一緒にいる時間が少ない時は寂しく感じるから近くにいるって思うと嬉しいんだ」

 

麻弥「そ、そんな恥ずかしいです…!そんなはっきりと言われると照れるっていうか・・・フヘヘ、でも相汰くんからそう言われるとジブンも嬉しいです。」

 

相汰「・・・じゃあ文化祭の初日の途中と2日目は一緒に回るか。約束だ。」

 

麻弥「はい!約束です!」

 

(ガラガラ・・・)

 

相汰「・・・やっと来たか、遅いぞ。・・・ひまり」

 

ひまり「あれ?空葉先輩?どうしましたかこんなところで?大和先輩も一緒に・・・」

 

相汰「こうなった元凶のお前が何を言ってるんだ(ポカリ)」

 

ひまり「いったーい!何するんですか!私は何もしてないですよ!」

 

相汰「自分がやったことすら覚えてないのか…どうやら思い出させる必要があるようだな。ひ・ま・り?」

 

ひまり「いーやー!!!」

 

相汰「というわけで麻弥、ちょっとひまりとお話してくるから空き教室に戻っておいてくれ」

 

麻弥「わかりました、先に戻っておきますね。」

 

ひまり「そんなー!?見捨てないでください大和せんぱーい!」

 

相汰「ほらひまりー、お前はこっちだからなー(ズリズリ)」

 

ひまり「ぃーーーーーゃーーーーーーぁーーーーー・・・・・」

相汰「というわけだ。反省したか?」

 

ひまり「うぅー…ごめんなさいー…まさか二人が布団を取りに来てたなんて…そういえば薫さんたちは?」

 

相汰「反省したと思えばいきなり薫さんの話か・・・本当に反省してるのか?」

 

ひまり「ちゃんとしてますよー!」

 

相汰「はぁ…わかったよ。薫さんはもう帰ってる。俺たちは道具とかを移動させたりしてるうちに帰ってた。」

 

ひまり「空葉先輩たちはその後どうしてたんですか?」

 

相汰「俺たちはずっと道具の搬送してた。衣装から大道具をな。で、少しだけセリフを合わせてたら夜になってた。で・・・ひまり、あとはさっき話してた出来事だ。」

 

ひまり「うぅー…そのことに関しては本当にごめんなさい…」

 

相汰「はぁ…もういいよ」

 

ひまり「本当に?やっt」

 

相汰「た・だ・し。初日の羽丘の文化祭で途中から俺と麻弥の仕事を引き受けてもらうこと。これが許す条件な。」

 

ひまり「うぅー…夢の文化祭食べ歩きがー・・・」

 

相汰「別に一人でやってくれって言ってるわけじゃない、誰かと一緒にやっていいんだぞ」

 

ひまり「わ、わかりましたよー…」

 

相汰「じゃあ文化祭初日は任せた。もうこれで話は終わりだ、明日に備えて寝ておけ」

 

ひまり「うぅー…おやすみなさーい…」

 

相汰「はい、おやすみなー。」

相汰「ただいま」

 

麻弥「おかえりなさいです、相汰さん。で、どうでしたか?」

 

相汰「麻弥、初日だが途中から一緒に羽丘の文化祭をまわれそうだぞ」

 

麻弥「一体どういう交渉をしてきたんですか!?」

 

相汰「別に、今日起こったことをチャラにする代わりに俺たちの仕事を引き受けてくれって頼んだだけだ」

 

麻弥「それってある種の脅迫では?」

 

相汰「そうともいうな」

 

麻弥「そうとしかいいませんよ・・・」

 

相汰「ま、引き受けてくれたから俺たちは途中から文化祭を楽しむことにしようか」

 

麻弥「そうですね、まさかの事態だったのでちょっと嬉しいです。」

 

相汰「さて、そろそろいい時間だし寝るか。おやすみ、麻弥」

 

麻弥「はい、おやすみなさい相汰くん。」

 

zzz・・・

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?今回は文化祭や修学旅行DEあるあるの『in The 閉鎖空間』回にしてみました。主はアニメを見て少し齧った程度ですが再現度はどうだったでしょうか?
主もいつかこういう感じの状況になりたいです(懇願)脅迫は新しいイベントを生むといいますがまさかこういうことになるとは…(無言の腹パンされる)ぐふっ・・・(バタッ)

では次回・・・まt…(ガクッ)

キーボーウノハナーツナーイダーキズーナーヲー

主「だからよ・・・失踪するんじゃねえよ・・・」


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10話:School festival(前編)

どうも、結局連日投稿が面白くて時間が空いたときとかじっとしてる時に書いている空丘ルミィです。

Q:これから毎日投稿しようぜ? A:気が持てば…な

Q:ネタバレは? A:後書きでしかしません

Q:一番楽しいと思う時は? A:寝てる時^^

では本編へどうぞ


10月15日

 

何だかんだあって、何事もなく初日の合同学園祭・・・羽丘学園での学園祭が始まった。今日から3日間は花咲川と羽丘の両校に通ってる生徒の関係者とかが来るらしい。で、初日の俺はというと

 

相汰「何でこの服装までして校内の見回りなんだ?」

 

そう、俺は羽丘学園の生徒会長の日菜さんの提a・・・企みで『俺とあいつだけ』コスプレして学園の見回りをしているところだ。そのコスプレの特徴はというと、某〇FLAGのモンスターで、白いローブに緑色の長髪、足にブーツか靴か呼んでいいのかわからない物を履いている。まあ秋だし多少は暖かいんだろうが・・・今日は麻弥が相方として見回りを手伝ってくれている・・・が

 

麻弥「なんでジブンまでこの服装を・・・」

 

そう、麻弥も俺と同じ、日菜さんの提a・・・企みでコスプレして学園の見回りをしてくれてる。で、その服装はというと、某〇FLAG金髪で紫色のローブに、その辺にあるごく普通のブーツに白いズボン、さらには紫と白のツートンカラーの羽をローブにつけた格好である。

 

相汰「なんで俺のやってるスマホゲーム知ってるんだ日菜さん・・・」

 

麻弥「そのおかげでジブンも巻き込まれちゃいました・・・」

 

相汰「でも、似合ってるぞその服装。というか俺の服装…というかコスプレって見た目は完全に女なんだけどな・・・(後で覚えててください日菜さん)」

 

麻弥「そうですか?そういう相汰くんもお似合いですよ、その服装。」

 

相汰「そうか?ありがとな・・・おっと、さっそく発見だ。」

 

そこで見つけたのは・・・ああ、事前に聞いていた通りだ。

《ちなみに、勉強会のメンバーとも連絡先は交換済みだ。そのため、他バンドのメンバーの特徴とか性格とかも把握済みだ。》

 

相汰「ちょっと行ってくる。少しの間だけ他のフロアの見回りを頼んだ。」

 

麻弥「わかりました、相汰さんも気を付けて」

相汰「そこの問題児たち、ちょっとこっちまで来い」

 

そういって俺は二人の首根っこを掴んで休憩所として開放してある空き教室まで連行した。

 

相汰「で、俺から言われることはわかってるよな?」

 

香澄「はい…」

 

こころ「うー・・・」

 

【プチ自己紹介のコーナー:まず、猫耳のような髪型をした女性・・・こいつは戸山香澄(とやまかすみ)。りみや有咲と同じ花咲川学園の1年生で「Poppin'Party」のリーダーでボーカル&ギター担当。とても騒がしく、有咲がいくら叱っても次の日にさっぱり忘れるというとてもと言えないほど困った性格(俺の中での4バカの一人)。もう一人の金髪のブロンドカラーで長髪の女性は弦巻(つるまき)こころ。ここにいる香澄と同じ花咲川高校の1年生で「ハロー、ハッピーワールド!」のリーダーでボーカル担当。別名「花咲川の異空間」。この近くにある豪邸、弦巻邸のご令嬢でお金持ちなお嬢様。いつも周りに黒服の人たちがステンバーイしており、こころが困ったときやこころが呼んだときによくあらわれる。美咲曰く3バカの一人。ミッシェルの中身が美咲だと全く気付く素振りもなく、こころ曰く「美咲は6人目のハロハピメンバー」らしい。(俺の中でも4バカの2人目)】

 

相汰「事前に美咲と有咲から言われなかったか?あまり騒ぐようなら追い出すって。」

 

香澄「うぅー…だって他校の学園祭なんて楽しみすぎて盛り上がるしかないもん…」

 

相汰「こころもこころだ、黒服の人たちが来て学園祭の参加者も驚いてるぞ。黒服は呼ぶことは禁止な。次呼んだら香澄と同じく追い出すからな?」

 

こころ「はーい・・・」

 

相汰「わかったら早く行ってくれ、俺も俺で忙しいんだ」

 

そういうと二人はしょぼくれた顔で空き教室を出て行った。

 

相汰「ふう…まずは一組の鎮圧完了、と(ふぇぇぇぇー!ふぇぇぇぇー!)ん?〇INE?誰から・・・つぐみ?」

つぐみ「あ、やっと来てくれたー・・・空葉先輩、あそこを・・・」

 

相汰「・・・あいつ、ま た か。ちょっと行ってくる。ちょうど近くにあいつもいるから一緒に鎮圧してくる。」

 

 

 

 

 

???「そーそー、で空くんが怖くてですなー。」

 

???「なるほど、その空くんが見てない隙を確認して今にいたる…と。あれ、これ私も見つかったら共犯者扱いかな?」

 

???「ふっふっふー、だいじょーぶー。???ちゃんにお任せあれー。」

 

相汰「で、誰が怖いって?」

 

???「えっとー、空くんがー・・・おやー?」

 

相汰「俺の言いたいことはわかってるな?モカ、たえ。」

 

???「あたしからも逃げられると思わないでよね、モカ?」

 

【プチ自己紹介のコーナー:そこの銀髪に近い色の髪をした女性は青葉(あおば)モカ。俺やつぐみと同じ羽丘学園の1年生で「Afterglow」のギター担当。ゆったりとした性格でマイペース。沙綾の実家、「やまぶきベーカリー」の常連で早朝から大量のパンを買い込むほどの大食家。モカ曰く「ハンバーガーは15個くらい余裕」だそうだ(お前のその鉄のような胃袋はどうなってるんだ)で、その隣にいる黒髪のロングの髪をした女性は花園(はなぞの)たえ。りみや有咲と同じ花咲川学園の1年生で「Poppin'Party」のギター担当。モカと同じくらいの天然でゆったりとした性格。俺曰く「第2のモカ」。有咲のツッコミにも持ち前の天然で乗り切るというとてもと言えるほどの天然すぎて有咲でも手が付けれないほど(こいつ、ポ〇モンに例えたら4世代の秘伝要因のアイツだな)それと、俺と一緒に二人を説教してるのは美竹蘭(みたけらん)。モカやつぐみ達と同じ羽丘学園の1年生で「Afterglow」のギター&ボーカル担当。黒髪の短髪に赤メッシュを入れている。クールな性格とは裏腹に、褒められると赤面するというかわいらしい一面を持つ。「Roselia」のリーダー、湊友希那さんとはなかなか馬が合わない・・・のだがモカが手を付けれないときは一緒に説教したりするとか。(いいツンデレしてんなー)】

 

相汰「なんで羽丘で売店の担当か学校の見回りをするか決めたよな?で、モカは売店の担当を選んでたよな?それで・・・な ん で 売 店 の 客 側 に 回 っ て る ん だ ?」

 

モカ「ダメー?空くんのけちんぼー・・・」

 

相汰「ダメだ。こらたえ、おもむろにモカを連れ出そうとするな」

 

たえ「え?ダメだった?」

 

蘭「ダメに決まってるでしょ。こら、モカも唸ってないで早く教室で店番して」

 

モカ「はーい・・・」

 

相汰「たえもしょぼくれてないで沙綾と一緒にいろ。くれぐれも周りに迷惑はかけるなよ」

 

たえ「けちー」

 

相汰「ケチで結構。」

 

そう言ってモカを教室に連行したえを沙綾の元に連れて行った。

 

相汰「蘭、お疲れ様。モカだししょうがないけどあそこまで言わないとダメそうだったんでな」

 

蘭「ん、ありがとう空葉さん。あたし一人じゃ手が付けられなかったから助かりましたよ」

 

相汰「蘭も気をつけてな。俺は他のところに見回りに行ってくる」

相汰「そろそろあいつとの交代の時間か・・・」

 

ひまり「ごめんなさーい!人混みに流されそうになっちゃってー…」

 

相汰「間に合ったから良しとする。で、巴を呼んだのか。」

 

巴「どうもです、空葉先輩」

 

【3回目のプチっと自己紹介のコーナー:この赤い色の長髪の女性は宇田川巴(うだがわともえ)。蘭やモカたちと同じ羽丘学園の1年生で「Afterglow」のメンバーでドラム担当。今更だが蘭とモカ、つぐみとひまり、巴の5人は幼馴染で「Afterglow」というバンドを組んでいる。ちなみに巴はラーメンが好きで、暇なときはよくラーメン屋に行くらしい。面倒見がよく、一年生の間では「気の利く姉御」と言われている。あと、中等部にいるあことは姉妹で、一つ上の姉である。(暑すぎてこっちの世界まで暑くなったりしないよな…?)】

 

相汰「巴、悪いな。巻き込んじまって」

 

巴「別に大丈夫ですよ。ひまりから聞きましたけど悪いのは1000%ひまりなので」

 

ひまり「巴ー!?それってどういう意味ー!?」

 

巴「あ、大和先輩連れてきましたよ。アタシ達と交代って聞いてましたから」

 

相汰「ん、悪いな。じゃあ行くか麻弥。」

 

麻弥「はい!それじゃあ行きましょうか!」

相汰「人混みが激しすぎてどうなるかと思ったけど案外簡単に屋上まで抜けれたな。」

 

麻弥「途中で千聖さんや紗夜さんが来てくれたのはよかったですね。それに周りには誰もいないようですし・・・今、ジブンたち二人っきりですね」

 

相汰「・・・そうだな、劇の時間までまだあるから連絡が来るまでゆっくりしてるか。」

 

麻弥「はい!」

 

 

 

 

 

 

(ん?ゆっくりしすぎて眠ってたか?それに頭に何やら柔らかい感触が・・・ってこの状況、前にもあったような・・・)

 

麻弥「あ、起きましたね。」

 

相汰「ふぁぁぁぁ…おはよう麻弥。もしかして・・・また膝枕か?」

 

麻弥「はい、相汰くんが気持ちよさそうに寝ていたので、石でできた屋上の床に寝せるのは寝起きが悪くなりそうなので膝枕にしましたけど・・・寝起きはどうですか?」

 

相汰「めちゃくちゃすっきりしたよ、ありがとな麻弥。(デデーン!)ん?着信・・・麻弥、急ぐぞ。」

 

麻弥「あ、もうすぐ出番ですか?それじゃあ向かいましょうか、ジブンたちの晴れ舞台へ!」

 

相汰「ああ!」

相汰「・・・いよいよ本番だな、とうとうここまで来たんだな俺たち。」

 

麻弥「はい、ここまで来たんです。皆さんの支えがあっての劇です。絶対に成功させましょう!」

 

薫「儚い劇にしよう・・・ああ、儚い・・・」

 

日菜「るんってくる劇にしよー!」

 

友希那「私達の全力の劇…見せてあげるわ」

 

リサ「あはは、友希那固いって!リラックスリラックス♪」

 

相汰「それじゃあ羽丘学園2年生・・・ファイトー・・・」

 

全員「「「「「おー!(行くわ!)」」」」」

【劇中】

 

相汰「なんで君は・・・そんなに僕のことを心配してくれるんだ?僕と君はあって2週間も経ってないんだよ?どうして…?どうしてそこまで僕のことを思ってくれるの・・・?」

 

麻弥「それは・・・君のことが好きなんです。確かに私は君と出会って2週間も経ってないです。でも私はあなたのことを知ることができた。少しの間しか話をしていなくても・・・一緒にいた時間は2週間なんて短い時間なんかじゃありません。あなたと一緒に過ごした時間は1か月ほどにも私の中では経ってるんです」

 

相汰「・・・本当に僕のことが好きなの?・・・それなら、証明してよ」

 

麻弥「証明・・・ですか?」

 

相汰「うん、僕のことが本当に好きなのなら・・・僕のことが好きだって行動で証明してほしい」

 

{アドリブタイム}

 

麻弥「(・・・行きますよ相汰くん)」

 

相汰「(…ああ、いいぞ麻弥)」

 

麻弥「(・・・そっと抱きしめる)」

 

相汰「(俺からもそっと抱きしめる・・・)」

 

麻弥「(ありがとうございます相汰くん・・・)」

 

相汰「(俺からも言わせてくれ。ありがとう、麻弥・・・)」

 

{アドリブ終了}

「「「「「「ありがとうございました!!!」」」」」」

 

麻弥「お疲れさまでした皆さん!おかげでいい劇になりましたよ!まだ皆さんからの歓声が止みません!」

 

相汰「ああ、劇は大成功だ!ありがとうみんな!」

 

日菜「ところでさー、あたし一つ気になったんだけど」

 

リサ「あ、それアタシも気になってた♪」

 

薫「私も長く演劇を見てきたから気になっていたよ。」

 

友希那「あら、どこか失敗でもしたかしら?台本通りにこなしていたと思うけど」

 

リサ「友希那は気づいていなかったんだ?アタシは気が付いてたけど」

 

日菜「リサちー、薫くん!せーの!」

 

日菜・リサ・薫「「「どうしてアドリブを入れていた((のー?))(んだい?)」」」

 

相汰「やっぱりバレバレだったか。」

 

日菜「うん、あんなシーンは台本に書かれてなかったもん!でもるんってきたからいや!」

 

リサ「あそこは二人だけのシーンだったからね、アタシは見てる側だったけどドキドキしちゃった☆」

 

薫「二人とも、いつあのシーンを思いついたんだい?」

 

麻弥「二人だけのシーンを演じるときに演じてみようって相汰くんの提案だったんです。すみません隠してて」

 

薫「いいさ、麻弥たちの初めての晴れ舞台だ。私たちからは言うことはないよ・・・それくらい儚い舞台だということさ。」

 

相汰「褒めているのかわからないけど・・・素直に受け取っておくよ、ありがとなみんな。この舞台を成功させ・・・ること・・・ができ・・・て・・・・・・(バタッ)」

 

「「「「「相汰くん!?」」」」」

小さい頃の相汰「ぐすっ、ぐすっ…お父さん、お母さん…なんで・・・なんで…?」

 

小さい頃の???「(そっと抱きしめて)泣かないで…?私がずっとそばにいるから・・・相汰くんがどこまで言っても私は相汰くんの側を離れないから・・・」

 

小さい頃の相汰「でも…僕そろそろ行かないと・・・叔父さんの家で暮らさなきゃならなくなって…涙が止まらない・・・」

 

小さい頃の???「ううん、わかってる。わかってるよ相汰くん・・・でも一つだけ約束してほしい・・・」

 

小さい頃の相汰「う、うん…な、何・・・かな…?」

 

小さい頃の???「もしこっちに戻ってきて同じ学校に通うことになった時…私のことが・・・き・・・だ・・・て・・・おね・・・い・・・」

 

小さい頃の相汰「う…ん…それじゃあそろそろ行かないと…ごめん・・・なさい…」

 

小さい頃の???「ううん・・・きっとまた会えるから・・・絶対に・・・また・・・会おうね・・・」

 

小さい頃の相汰「うん…絶対にまた…そういえば君の名前は・・・?」

 

小さい頃の???「・・・まや。私の名前はやまとまや!」

 

小さい頃の相汰「まやちゃん・・・またね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【2時間後】

 

???「・・・くん」

 

相汰「(誰かが・・・俺を呼んでいる・・・?懐かしい声…やっぱりあの女の子の声は・・・)」

 

麻弥「相汰くん!!」

 

相汰「う・・・ここは・・・?(起き上がる)」

 

麻弥「(ガバッ)」

 

相汰「麻弥…?ちょっと苦しいぞ・・・」

 

麻弥「す、すみません。かれこれ2時間も眠ったままだったので心配しちゃいましたよ…!」

 

相汰「・・・すまない、迷惑かけたな。でも…おかげで思い出したよ。」

 

麻弥「!!それって…昔の記憶、ですか?」

 

相汰「ああ、思い出したよ、何もかも・・・過去の記憶の所々が抜けていた理由、俺とよく遊んでくれていた少女。その全部を・・・麻弥は昔の記憶、覚えているか?」

 

麻弥「昔の記憶、ですか?所々抜けていますが・・・小さい頃、よく友達の男の子と遊んでいたくらいですが・・・その男の子と別れることになった時…ジブンとその男の子は泣きじゃくっていたことですね・・・でもなんでそんなことを?」

 

相汰「・・・やっぱりか」

 

麻弥「やっぱり…?」

 

相汰「あの時俺がよく遊んでくれていた少女…その正体は・・・麻弥だったんだ。」

 

麻弥「えっ…?」

 

相汰「無理もないよな、あれから9年も経ってたんだからな。無理もなかっただろ…俺の記憶が所々抜けていたのは・・・やっぱり子供の時に両親を同時に亡くした時にショックだったんだ。・・・麻弥、9年も待たせて悪かった。あの時の約束…覚えてるか?」

 

麻弥「・・・はい、今も鮮明に覚えています。あの日からあの約束のことを一度も忘れたことなんてありません。」

 

相汰「・・・麻弥。」

 

麻弥「・・・はい。」

 

相汰「・・・俺は麻弥のことが好きだ。機材をいじってる時に見せてくれる笑顔も、アイドルとして仕事をしてる時の笑顔も、麻弥が楽しそうにしているときの顔も・・・全部ひっくるめて麻弥のことが大好きだ。」

 

麻弥「・・・っ!」

 

相汰「俺はもう麻弥の側を離れたりしない。だから・・・俺と付き合ってくれないか?」

 

麻弥「・・・はいっ!!」

 

そういって9年ぶりに会った俺たちはお互いに抱きしめあった温もりを求めるように抱きしめあい、少し時間が経ってからお互いに見つめ合い…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約束を果たすように…そっと触れ合う程度だったけどキスをした。少し触れあっただけなのに、唇には仄かに甘い匂いがした

【大和家:相汰の部屋】

 

麻弥「・・・フヘヘ、これで正真正銘・・・ジブンたちは恋人同士ですね」

 

相汰「・・・ああ、ここまで長かったな。9年も待たせてしまってすまなかった。」

 

麻弥「もういいんです、無事にあの時の約束を果たせたので・・・それにあの時の男の子が相汰くんだったなんて思い出せなかったのでこれはお互い様です」

 

相汰「・・・それもそうだな。・・・麻弥、今俺はとても嬉しい。こうして麻弥と昔の約束を果たせて・・・本当に良かった。」

 

麻弥「あ、そういえば楽器が嫌いになった理由って…」

 

相汰「・・・ああ。俺は昔よく楽器のコンクールに出ていたんだ。それでよく母さんや親父に褒められるのがとても嬉しかった。でも親父と母さんは俺が6歳の誕生日の日のコンクールの帰りに交通事故で帰らぬ人に・・・その時に思ったんだよ。『楽器なんてやらない方がよかった、楽器を演奏するから両親は死んだ。』そう心に刻んだ俺は・・・その日から楽器を演奏することをやめた。小学生の音楽の授業の時はずっと休んだりしてたな・・・でももう俺は後ろを向いて生きたりしない。俺は前を向いてこれからの人生を歩んでいく。麻弥と一緒に、な。」

 

麻弥「相汰くん・・・フヘヘ、なんだかくすぐったいです」

 

相汰「・・・麻弥、少しだけ目を瞑ってくれないか?」

 

麻弥「こう・・・ですか?」

 

相汰「・・・」

 

麻弥が目を瞑ったのを確認した俺は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

子供のころから今に至る時間を埋めるようにキスをした。麻弥はそれを優しく受け入れてくれた。だいたい10秒ほど触れ合ったキスは今まで食べたデザートより甘く、どれくらいの時間キスしていたのか忘れるほど、俺と麻弥は顔を真っ赤にしていた・・・




いかがだったでしょうか?今回はキャラ紹介で大体1000文字くらい持って行かれました(長かった)おかげでこの小説初の7000文字オーバーです(ゆっくり読んでありがとうございました!)ヌシノユビトコシハモウボドボドダー!(本当に痛いです)

ではここまでありがとうございました!また次回にご期待を!


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10話:School festival(中編)

どうも(めんどくさいので割愛)の空丘ルミィです。

Q:投稿ペースは? A:今のところ1日1話のペース

Q:あとどれくらいで完結? A:主の気分次第です

Q:どれくらいのキャラ紹介をした? A:残りは一人くらいだったかと・・・

(こっちだって疲労と闘って頑張ってるんだよぉ…)では本編


10月16日

 

今日は花咲川での学園祭の日だ。花咲川に向かう俺の足取りは軽く、昨日の劇の疲れなどどこかに吹っ飛んだようだった。そしてとうの俺は家を先に出て商店街である人を待っていた。少し待ってから・・・

 

麻弥「すみません相汰くん!お待たせしてしまって・・・」

 

相汰「別に気にしてないから大丈夫だ。それより早く行くぞ、麻弥」

 

麻弥「はい!」

 

そう、今日は麻弥と恋人になってからの初めての学園祭という名目のデートの日だ。そのこともあってか俺と麻弥は楽しみにしてる表情が緩むことはなく、指と指を絡めあっている…所謂恋人繋ぎ状態だ。ちなみに手を繋いできたのは言うまでもなく麻弥だ。おそらくパスパレの仕事の内容でこういうことをすることがあったのだろう・・・その時の麻弥の嬉しそうな顔はいつもより輝いて見えた。

 

相汰「着いたな、花咲川に」

 

麻弥「もう着いちゃいましたね、なんだかとても遅く感じました」

 

相汰「はは、違いないな。今日はめいいっぱい楽しむぞ。今日はずっと二人で回ることができるんだからな」

 

麻弥「はい!あ、受付にいるのは・・・」

 

千聖「あら、相汰くんと麻弥ちゃんじゃない。今日は別々に来るのだと思っていたのだけれど」

 

相汰「(そのことですけど、俺と麻弥は付き合うことになったんです。それも昨日の学園祭の終わり際に、俺から告白して)」

 

千聖「(あら、ということは麻弥ちゃんが以前言ってた記憶のピースが埋まったのかしら?それもとても大事な)」

 

相汰「(はい、麻弥にはとても感謝しています。こうして再び会えて昔の約束も果たすことができたので)」

 

千聖「(ふふ、麻弥ちゃんのこと、お願いね。きっと・・・麻弥ちゃんが落ち込んだ時に一番側にいてほしいのはほかでもない相汰くんだもの。)」

 

相汰「(もちろん、言われるまでもないですよ。麻弥は俺が幸せにしてみせます)」

 

麻弥「相汰くーん?早くしないと置いて行っちゃいますよー?」

 

相汰「悪い悪い、今行くから待ってくれ。それでは千聖さん、また後で。」

 

千聖「ええ、また後で会いましょう」

 

麻弥「千聖さんと何を話してたんですか?」

 

相汰「別に、麻弥と付き合うことになった経緯だよ。千聖さん、最初は心配してるのかと思ってたけどそんなこともなかったな。」

 

麻弥「あの千聖さんがそんなことを・・・相汰くんって結構信頼されてるんですね」

 

相汰「あのなあ…麻弥は俺のことを何だと思ってるんだ」

 

麻弥「何って…もちろん、自分にとって大切でかけがえのない人ですよ?どうしてそんなことを・・・?」

 

相汰「はは、悪い。ちょっとからかってみただけだよ」

 

麻弥「うぅー…相汰くんって意地悪です・・・」

 

????「あー!まーちゃん先輩と空くん先輩だー!」

 

と、突然大きい声を出してきたのは・・・あいつだ。大きな声を出しながら俺の方に突撃してきた。それを俺は冷静に対応してコブラツイストを繰り出した

 

相汰「いきなり突撃してくるなはぐみ。お前は今日花咲川の見回りのはずだが」

 

はぐみ「だってー…見回りなんてしててもつまらないもんー・・・」

 

???「北沢さん・・・ちゃんと見回りをしないと・・・紗夜さんに怒られますよ・・・」

 

【ここでプチ自己紹介のコーナー:このオレンジ色の髪の色をして元気があり溢れすぎているのは北沢(きたざわ)はぐみ。花咲川高校の1年生で「ハロー、ハッピーワールド!」のベース担当。美咲曰く「3バカの一人」。こころと同じで騒がしく、とてもおバカ。勉強は苦手だが体育の成績だけはいいという謎すぎる運動神経を持っている。俺曰く「4バカの一人」。ちなみに紹介し忘れていたけど、もう一人の「4バカ」は誰かというと…たえである。あいつの天然さと言ったら俺の中ではバカとしか言いようがない(その運動神経、俺も少しくらい分けてほしいものだが・・・)

もう一人後でやってきたのは白金燐子(しろがねりんこ)。花咲川学園の新しい生徒会長で紗夜さんとリサさん達が所属するガールズバンド、「Roselia」のキーボード担当。本人は恥ずかしがり屋であまり人前に出ることは嫌がっている・・・というわけではないがただ苦手なだけらしい(ただしスマホやネトゲでは饒舌になる)。】

 

麻弥「はぐみさん、見回りはちゃんとしないとダメですよ?」

 

相汰「そうだ、ちゃんと見回りしないと紗夜さんを呼ぶぞ」

 

はぐみ「さーちゃん先輩だけは勘弁してー!!」

 

相汰「なら早く戻ったほうが良いぞ、いつ来るか分かったものじゃないからな」

 

はぐみ「はーい・・・」

 

そうつぶやくとはぐみは校舎内に戻っていった。

 

相汰「何でこっちに来てまでも見回りの時と同じ状況になってるんだ・・・」

 

麻弥「花咲川のバンドメンバーはテンションが高い人が多いですからね・・・香澄さんやはぐみさん、こころさんもいますし・・・」

 

相汰「でも羽丘も羽丘だろ?日菜さん一人でその3人くらいにテンション高いし」

 

麻弥「あはは・・・苦労してますね・・・」

 

相汰「さて、チェックも終わったし早く入るか。時間は待ってくれないんだ」

 

麻弥「はい!相汰くんと一緒に回る文化祭、とても楽しみです!」

【花咲川学園:屋上】

 

麻弥「ごちそうさまでした」

 

相汰「ごちそうさま。」

 

俺と麻弥は校舎内の模擬店をいくつか回り、屋上で昼ごはんにしていた。

 

相汰「にしても・・・羽丘とは大きい違いだな。」

 

麻弥「そうですね、花咲川は名前の通り花が咲いてるような華やかな感じがします。それはこの文化祭の雰囲気にもあってるのでとても楽しいです」

 

相汰「華やか…ね。俺には縁遠い単語だな。」

 

麻弥「そんなことはないですよ?昨日着た衣装も華やかってイメージがありましたし、とても似合ってましたから。ところで相汰くん、その手に持ってる袋は何ですか?」

 

相汰「…ずっと隠してるつもりだったんだが、さすがに気になったか」

 

麻弥「はい、中身は何ですか?」

 

相汰「これはな・・・昨日見回りの時に着ていたやつと同じ衣装だ」

 

麻弥「何でそれを今相汰くんが持ってるんですか?確か日菜さんに渡したはずじゃ・・・」

 

相汰「そうなんだよ。で、さっき日菜さんとすれ違った際にこっそり渡されてな…で、昨日のこの衣装が思ったより好評だったらしく今日限定で客として見回る際に着てほしいって言われてな…で」

 

麻弥「断るに断れなかった・・というわけですね。日菜さんの性格だから断るのは紗夜さんでも無理らしいので・・・」

 

相汰「・・・そういうことだ。というわけで・・・着るしかないな。屋上から下のフロアに降りたとしても空き教室がどこかまでは把握できてないし・・・」

 

麻弥「着替えるとしたら…この屋上・・・でしょうか。むしろ今ここ以外に着替える場所がないと思います」

 

相汰「それしかないか・・・俺はあっちで着替えるから麻弥はあっちで着替えてくれ」

 

麻弥「わかりました」

 

 

 

【数分後】

 

相汰「こっちは着替え終わったぞ」

 

麻弥「ジブンも終わりました」

 

相汰「じゃあ・・・行くか。」

 

麻弥「はい…相汰くん」

 

そういって俺たちは再び恋人繋ぎをした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後俺たちは数時間の間、日菜さんから渡された衣装を着て文化祭を見て回った。展示会や模擬店。カフェなど様々なところを回った。で、途中で紗夜さんに遭遇し衣装を着て歩く羽目になった元凶の日菜さんをとっ捕まえて紗夜さんに日菜さんからもらった衣装を無理やり着せさせた。最初は嫌がっていたけど、慣れたのかスキップして文化祭を一人で回ったという。

 

で、俺たちはというと・・・

 

 

 

【花咲川学園:体育館倉庫】

 

相汰side

 

相汰「コレハイッタイダレノテイアンナンダロウナー」

 

俺は一旦麻弥と離れてトイレに向かった後、こころと香澄に捕まりこの体育館倉庫にいる。で・・・

 

こころ「ようやく捕まえたわ!さあ覚悟しなさい!」

 

相汰「やっぱりお前たちか4バカ。これは一体どういうことだ」

 

香澄「そーたくん確保ー!」

 

相汰「おい話を聞け!」

 

そうは言っても俺は身動きができない。何せ椅子に座らされ箕巻きにされているからだ

 

たえ「うーん…なんでだっけ?」

 

はぐみ「おたえん、そらくん先輩を確保してこれからのイベントに参加させるってこころんが言ってなかったっけ?」

 

たえ「そんなこと言ってたような言ってなかったような・・・」

 

こころ「さあ3人とも!相汰をあーだこーだしてこの後のイベントに向けて準備するわよー!」

 

相汰「オイチョットマテナニヲスルキダヤメロタノムダカラソレヲシマエッテ」

【花咲川学園:もう一方の体育倉庫】

 

麻弥side

 

えっと・・・ジブンは確か相汰くんがトイレに行くって言って一旦分かれたんでしたね。それで確か何かの薬を嗅がされて・・・ダメです・・・意識が・・・

 

千聖「そろそろ起きるころかしら?」

 

彩「うん、時間的には・・・そろそろじゃないかな?」

 

イヴ「マヤさん、不意打ちを食らうとは…マヤさんは武士に向いていませんね・・・」

 

日菜「あはは!千聖ちゃんたちも悪だねー☆あたしも言えたことじゃないのかもしれないけど」

 

麻弥「うぅっ・・・一体何が・・・あれ、どうしてジブンはここに・・・?」

 

千聖「あら、少しだけ早かったけど起きたわね。おはよう麻弥ちゃん」

 

麻弥「千聖・・・さん?彩さんに日菜さんにイヴさんまで・・・?これは一体どういうことですか?声だけしか聞こえませんけど・・・」

 

彩「ごめんね麻弥ちゃん、ちょっと目隠しさせてもらったんだ・・・麻弥ちゃんと相汰くんが楽しそうにしていたからちょっと面白いことに付き合ってもらおうかなー…って」

 

麻弥「面白いこと・・・ですか?それよりも相汰くんはどこに?」

 

イヴ「ソウタさんならお隣の倉庫でトラワレノミになっています!」

 

日菜「あはは、そういうことだからなんかごめんねー♪」

 

麻弥「ええー!?一体何を企んでるんですか!?」

 

千聖「これからすぐにわかるわ。」

 

????「あーあー…テステス…これからとあるイベントが起きるので皆さん、体育館のステージ前に来れる方はぜひお越しください・・・」

 

麻弥「今の声って…リサさん?リサさんもこの一件に絡んでるんですか?」

 

日菜「リサちーだけじゃなくて麻弥ちゃん以外のガールズバンドメンバー全員がこの一件を考えたんだー♪」

 

麻弥「ええ!?薫さんや湊さんもですか!?・・・ちなみに発案者は」

 

日菜「あたしだよ?」

 

麻弥「(やっぱりですかー!!!相汰くん、今どこにいるんですか・・・?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

【花咲川学園:もう一方の体育館倉庫】

 

こころ「香澄、そっちは終わったかしら?」

 

香澄「こっちはそろそろ終わるよこころん!」

 

はぐみ「はぐみもそろそろ終わりそうだよー!」

 

たえ「わたしの方ももうすぐかも」

 

こころ「オッケー!(日菜、そっちはどうかしら?)」

 

日菜「(あたしたちは終わったよこころちゃん!)」

 

こころ「それじゃあ行くわよー!ハッピー!ラッキー!スマイルー・・・」

 

香澄・はぐみ・たえ「「「イェーイ!!」」」

 

相汰「(これから一体どうなるんだ・・・!?)」

・→→→→→→→→

→後編へつづくぅ!!→

 →→→→→→→→




いかがだったでしょうか?今回は麻弥ちゃんと主人公が付き合って初めての文化祭という名のデート回でした。

やーっとここで全バンドのメンバーの紹介の紹介が終わりました・・・え?何で今更自己紹介のコーナーが終わったかって?忘れてたんだよチクショウ!

はい、以上主のくっだらない裏事情でした。では後編をお楽しみに


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10話:School festival(後編)

どうも(めんどくさいので割愛)の空丘ルミィです。

Q:主のバンドリでの一推しキャラは? A:かのちゃん先輩

Q:バンドリの腕前は? A:難易度26以上がクリアできないポンコツ

Q:商店街メンバーの中で一番好きなのは? A:あこ姫

Q:今無性に演奏したくなる楽器は? A:ドラム

はい、では本編へ


10月16日

 

【前回のあらすじ】

 

 

≪相汰side≫

よう、俺だ。空葉相汰だ。俺は今日花咲川学園の学園祭に麻弥と一緒に来ている。俺は麻弥と一緒に文化祭を回って屋上に一緒に向かって、日菜さんから渡されたを着て文化祭の後半を回っていた。で、俺はトイレに行ってくるって言って麻弥と一旦分かれた。で、トイレから出てくると麻弥の姿がどこにもなかった・・・で、声を出して探すわけにもいかないし俺は学園中を探し回った。だが麻弥はどこにもいなかった。各学年の模擬店や展示会、屋上や運動場、どこを確認しても麻弥は見つからず一旦引き返してきた道を戻ろうとしていた・・・時に後ろから何かで殴られたような鈍い音がした。そうして俺はその場に倒れこみ…意識を失った。

気が付いたら俺は花咲川学園の体育倉庫らしきところで椅子に箕巻きにされ、身動きできない状況になっていた・・・しかも目隠し付きである。で、声が聞こえるから耳を澄ましてみると・・・花園たえ、戸山香澄、弦巻こころ、北沢はぐみの4バカの声が聞こえる。どううやらあいつらが俺をここに連れてきたみたいだな。後でアイツらにお説教をするとして・・・今はこの状況をどうにかすることが先決だが手も縛られてるし足も縛られてる。さて、どうするか・・・

 

 

≪麻弥side≫

どうも、右から読んでも左から読んでもやまとまや、大和麻弥です。ジブンは今日花咲川学園の文化祭に相汰くんと一緒に来たんですが、午前中は相汰くんとたくさんの模擬店や展示会を回ったりして、昼ご飯は相汰くんと一緒に屋上ていただきました。それでジブンは日菜さんが用意していたという昨日着た衣装を着て学園祭を回り始めたのはいいですが・・・相汰くんがトイレに行きたいといったのでジブンはトイレの外で待機していたところに後ろから何かの薬を嗅がされ・・・ジブンは意識を失いました。目を覚ましたら椅子に座らされ、手足を縛られて目隠しもされていました。耳を澄ましてみると、4人の声が聞こえたのですが・・・声の正体は彩さん、千聖さん、イヴさん、日菜さんがいたんです。どうやら・・・この計画の発案者は日菜さんのようです。それで、どうやら相汰くんも他のところで同じ状況になっているようで、時間が経つと放送が聞こえてきました・・・声の主はリサさん。リサさんもどうやらこの計画に一枚噛んでいたようで・・・後に聞こえた声が驚かせました。『ガールズバンドメンバー全員で考えた計画』だということに・・・

 

【羽丘学園:体育館】

 

りみ「こんなことに巻き込んじゃったけど・・・二人とも大丈夫かなぁ?」

 

沙綾「大丈夫だって!!あの二人ならきっと乗り越えてくれるから」

 

有咲「沙綾、それ根拠ないだろ…何の解決にもなってねーからな!?」

 

蘭「本当に空葉さん大丈夫かな…でも日菜さんの提案だから断れなかったあたしもあたしだけど」

 

ひまり「ううー・・・いいなぁー…私もいつかあんな風になりたいなぁ…」

 

モカ「ひーちゃん、恋愛と婚期は呟けば呟くほど逃げちゃうって言うよー?」

 

つぐみ「フォローになってないよモカちゃん!でもひまりちゃんの気持ちもわかるかも・・・」

 

巴「だなー・・・それにしても急によくこんなこと思いついたよな日菜先輩…まあ同じ羽丘学園の生徒だしなー・・・いつ思いついたんだろうな?」

 

友希那「まったく・・・日菜さんも日菜さんだけど乗る戸山さんも戸山さんだわ・・・」

 

紗夜「まったくです湊さん、日菜はまたもう・・・でもあんなに楽しそうな日菜は久しぶりね。」

 

あこ「空にいいいなー!あこもいつかあんな舞台に立ちたーい!ねーりんりん!」

 

燐子「うん…大和さんと空葉くん・・・私なんかじゃできなさそうだし・・・うらやましいねあこちゃん・・・」

 

薫「あぁ…昨日に続き麻弥の晴れ舞台を見れるなんて…あぁ、今年の文化祭はなんて儚いんだ・・・!」

 

美咲「空葉先輩、ご愁傷様・・・って普段なら言うんだろうけど今はそんなことも言ってられない状況だからなぁ…」

 

花音「ふぇぇー…空葉くん大丈夫かなぁー…?で、でもこころちゃんたちの話だとあの衣装らしいから・・・ふぇぇぇー…!」

 

(ガラガラ)

 

香澄「ただいまー!空くんの準備はオッケーだよ!」

 

たえ「うん、大丈夫。ところでこれって誰が計画したんだっけ?」

 

こころ「日菜が計画したのよ!私もこんなに楽しいイベントに参加できるなんて嬉しいわ!ハッピー!ラッキー!スマイルー…イェーイ!」

 

はぐみ「はぐみも頑張ったよ!でも苦労しちゃったなぁー・・・商店街の人たちに頼むの疲れたもん・・・」

 

千聖「ふふ、日菜ちゃんからこの計画を持ち掛けられたときはどうしようかと思ってたけど日菜ちゃんってある意味策士よね」

 

彩「空葉君には悪いことをしたかもしれないけど、麻弥ちゃんと幸せそうにしてるから多分喜んでくれるはず・・・だよね?」

 

イヴ「はい!マヤさんとソウタさんならきっと喜んでくれると思います!これが『吊り橋効果』ですね!」

 

日菜「あはは!イヴちゃん面白ーい!でもみんな楽しそうに待ってるから計画したかいがあったよ!るんってきちゃった!」

 

友希那「ところでリサはどうしたのかしら?」

 

日菜「リサちーなら麻弥ちゃんとそーくんのところだよ。ほら、縛ったまま置いてきちゃったから。それに拘束を解いちゃうとその場から逃げてきそうだし、一人は拘束を解く人がいた方がいいでしょ?」

 

彩「たしかに・・・リサちゃんなら多分相汰くん達も落ち着いてくれるかもしれないし・・・そう考えたらいい判断かも・・・」

 

【花咲川学園:体育倉庫】

 

リサ「よっ…と、ごめんね空葉くん・・・アタシも日菜には逆らえなくて・・・」

 

相汰「・・・だからって何でこの衣装なんですか?」

 

リサ「これ用意したの日菜だからねー…怒るなら日菜にぶつけて?アタシは巻き込まれた側だから・・・」

 

相汰「はあ…わかりました。後で日菜さんに説教しておきますから・・・とりあえずこの後どうすればいいか教えてください。」

 

リサ「本当にごめんね・・・この後アタシは麻弥のところに行った後放送室に行って、放送でその時の行動を教えるからその通りに動いてくれれば…」

 

相汰「・・・わかりました。」

 

リサ「あ、一応言っておくけど・・・ここの窓は高めになっててマットを登って外に降りることはできないし、渡り廊下への道は防がれてるから逃げることはできないし、体育館側には生徒がたくさんいるから逃げることもできないから・・・本当にごめんね空葉君。」

 

相汰「デスヨネー」

 

リサ「じゃあアタシは麻弥のところに行ってくるから椅子に座って待っておいてね」

 

相汰「わかりました(本当にあとで日菜さん覚悟しててくれ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【花咲川学園:もう一つの体育倉庫】

 

麻弥「リサさん・・・あなたが来たということは」

 

リサ「ごめんね麻弥…日菜っていつも唐突に思いつくからアタシじゃどうしようもないから・・・」

 

麻弥「いえ、リサさんが謝ることじゃないですよ。」

 

リサ「それじゃあアタシは放送室に行ってくるから・・・後は流れでお願いするね。あ、一応言っておくけど・・・ここの窓は高めになっててマットを登って外に降りることはできないし、渡り廊下への道は防がれてるから逃げることはできないし、体育館側には生徒がたくさんいるから逃げることもできないから・・・本当にごめんね麻弥」

 

麻弥「いえ、ジブンはそこまで運動神経がいいわけではないので逃げたりしませんよ・・・」

 

リサ「ほんっとうにごめん!じゃあまた後で!」

リサ「お待たせしましたー!これから羽丘学園生徒会長、氷川日菜提案の衣装披露宴を開催しまーす!」

 

「「「「「「わーーーーーー!」」」」」」

 

リサ「それでは今回の披露宴に参加してく(巻き込まれ)れた二人のうちの一人を紹介しまーす!ではまず今年羽丘学園に転入してきた空葉相汰くんでーす!」

 

相汰「・・・」

 

何か不安な心情を抱えながら俺は体育倉庫から出てきた。その衣装はというと…

 

りみ「(あ、あれ?前に見たことがあるような衣装…だよね?)」

 

沙綾「(あれ…多分見たことあるような気がするけど気のせいだよね?)」

 

有咲「しっかし、よく似合ってるよなー・・・あれ本当に空葉先輩か?」

 

蘭「・・・いいじゃん」

 

モカ「おー?空くんかっこいー。」

 

ひまり「私もいつかああいう人と出会いたいなぁー・・・」

 

つぐみ「うぅー…なんだか眩しく見えて直視できない・・・」

 

巴「(あれって…なんか見たことあるんだけど・・・)」

 

友希那「あら…とても似合ってるわよ空葉君。」

 

紗夜「日菜が持って来たからどんな衣装かと心配していたけど・・・日菜にしてはいいチョイスじゃない。」

 

あこ「(あ、あれ?あこ、あれ見たことあるような・・・気のせいだよね?)」

 

燐子「空葉君・・・いいですね・・・とても似合ってます・・・」

 

彩「うわぁー…いいなあ…」

 

千聖「私もああいう衣装を舞台で演じた時に見たことがあるけど多分似合ってる人は見たことがないってくらい似合ってるわ」

 

イヴ「ソウタさん!とてもカッコいいです!」

 

薫「(おや、あの衣装は・・・いや、気のせいではないだろうね。儚い・・・)」

 

美咲「これは・・・想像以上にすごいですね。これはとても似合ってるとしか言いようがないです」

 

花音「ふぇぇぇー…ふぇぇぇー…!(言葉にならないほど見とれている)」

 

そう、俺が着ているのは・・・白いタキシードである。それに白い手袋を着用している・・・所謂正装というものだ。

 

相汰「(ヤバい・・・今めちゃくちゃ緊張してる・・・こんなの着たことがないしこの服装でどうすればいいのかわからないし・・・)」

 

 

 

 

 

 

 

リサ「それじゃあ、もう一人も呼んじゃおっか!もう一人は空葉君と同じ羽丘学園に通う生徒で先日演劇のヒロインを演じた大和麻弥さんです!どうぞー!あ、空葉君は麻弥が出てくる方をちゃんと見てあげてね!」

 

 

 

麻弥「・・・」

 

相汰「・・・」

 

そう言われて麻弥は出てきた。俺はそんな麻弥を見て見とれるしかなかった。その衣装とは…

 

 

 

 

香澄「いいなぁー…私もいつかあんなの着てみたーい!」

 

たえ「うーん…私もあれ着たらオッちゃんが遊びに来てくれるかな?」

 

りみ「(やっぱりどこかで見たことある・・・)」

 

沙綾「(あれやっぱりあの時見たのと一緒なものじゃない?)」

 

有咲「(大和先輩・・・とても似合ってます)」

 

蘭「・・・いいね。いつかあたしもあれ着ることになるのかな・・・」

 

モカ「おー、とてもエモいねー」

 

ひまり「うらやましいー…私はまだ試着でも着たことがないから・・・」

 

つぐみ「大和先輩・・・とても似合ってるなぁ…」

 

巴「(やっぱりあれ、アタシ見たことあるんだよな・・・)」

 

友希那「大和さん・・・いい表情してるわ。演劇の時もそうだったけど演劇の時とはまた変わった表情ね」

 

紗夜「大和さん・・・とてもお似合いですよ。これも日菜が用意したんでしょうけど・・・ふふ。」

 

あこ「(やっぱりあれ、あの時の衣装だよね…?)」

 

燐子「・・・(言葉にならない)」

 

こころ「いいわね麻弥!みーんなとってもいい笑顔よ!」

 

はぐみ「いいなー!はぐみもいつかあんなの着てみたーい!」

 

薫「(やはりあれはあの時の…ああ、奇妙な巡りあわせもあるものだね・・・儚い)」

 

美咲「大和さん、どんな衣装でも似合うっていうのがなんか悔しいですね・・・」

 

花音「ふぇぇー・・・!ふぇぇぇー…!(言葉にならないほど見とれている)」

 

 

 

 

そう、俺は見とれるほど麻弥の方を見ている。麻弥が着てきたのはなんと・・・

 

相汰「・・・麻弥、とても似合ってるぞ」

 

麻弥「・・・フヘヘ、そうですか・・・?でも相汰くんの方だって…」

 

白いドレス、その手には花束。白いヘッドドレスをつけている。これはそう…ウェディングドレスというやつである。今は10月でジューンブライドは過ぎているが、日菜さんが昨日演じた劇のアドリブから思いついて今日朝一で商店街の人たちから借りてきたという・・・

 

リサ「さてみんなー!この二人の衣装を見てどう思うー?」

 

 

「「「「「「「とってもお似合い(です)(だよ)ーーー!」」」」」」」

 

麻弥「・・・(言葉にならない)」

 

相汰「・・・(麻弥、俺が以前言ったことを覚えてるよな?)」

 

麻弥「(はい、運動神経がよくて持久力も腕力も相当あるって言ってましたね。それがどうかしたんですか?)」

 

相汰「(・・・麻弥、ちょっといいか?ここからこうしてこうやって・・・)」

 

麻弥「(ええ!?本当にするんですか!?)」

 

相汰「(さっき、リサさんが俺の服にピンマイクをつけてくれてな。みんなに見えないように仕掛けてくれてる。それで、今リサさんのスマホはは通話状態になっている。だから俺が合図したらリサさんが放送で言ってくれる。それに今回は黒服の人たちはリサさんの言葉に従うようにしてある。だからだな・・・)」

 

麻弥「(たしかに・・・今ここでそうしないと後で弄られることは間違いないので早く行動に移しましょう。)」

 

相汰「(というわけなのでリサさん、聞いてますよね?さっき俺と麻弥で話した通りです。俺が合図したら・・・お願いします)」

 

リサ「(りょーかい。それじゃあ合図の時はよろしくね♪)」

 

相汰「(ありがとうございます、リサさん。それじゃあ・・・)今回はよく集まってくれました皆さん!突然の招集にびっくりした方もいるかと思いますが、ありがとうございます!ですがそろそろ俺は家の方に帰らなくちゃいけません…」

 

「「「「えーーーー!?」」」」

 

相汰「リサさん!!」

 

リサ「りょーかい♪黒服のみなさーん!お願いします!」

 

黒服軍団「「「「了解しました。今井様、空葉様、大和様、私たちが道を開きます。どうかお通りを」」」」

 

相汰「ありがとうございます!麻弥、行くぞ!」

 

麻弥「はい!行きましょう相汰くん!」

 

そう言って俺は麻弥をお姫様抱っこをしてこの場を駆け抜けた。途中から羽丘の生徒や花咲川の生徒が俺たちをブロックしようとしたけど黒服の人たちが俺たちの道を開いてくれているから俺たちは安心して足を進めることができた。その途中・・・

 

日菜「どーだったそーくん?」

 

相汰「最初は怒る気満々だったけど・・・今回は普通に感謝しておきますから。」

 

日菜「そっかー。るんって来た?」

 

相汰「そう…ですね。日菜さんの言葉を借りるなら・・・るんって来ましたね、これは」

 

日菜「えへへー…ありがと!二人とも幸せにね!」

 

麻弥「日菜さん・・・ありがとうございます!」

 

相汰「でも今度はあまりやりすぎると怒りますからね?ま…今回はありがとうございます日菜さん」

 

日菜「あたしは衣装を借りてきただけだけどねー♪」

 

相汰「じゃ、俺たちはもう行きますから。」

 

そういって俺たちは体育館のドアを開け校門を出て、黒服たちがスタンバイしていた車に乗って花咲川を出る。その道中…

 

相汰「しかし最初は何事かと思ってたけど、こういうのもたまにはいい・・・かな」

 

麻弥「フヘヘ・・・そうですね。ジブンも倉庫で目を覚ました時はパスパレのメンバーの声が聞こえた時はどうしようかと思ったんですけど・・・ジブンは今とても幸せです」

 

相汰「・・・俺も今これまでにないくらい幸せだ。多分これも日菜さんが計画してくれてたんだろうな・・・つまり今回の計画は日菜さんとリサさんでグルか・・・これは二人に頭が上がらないかもな・・・」

 

麻弥「そうですね・・・まさかあの二人がこんなことを企んでいたなんて驚きです。ジブンには素敵なドレスを、相汰さんに素敵なスーツを・・・何だかこれって結婚式みたいですね・・・フヘヘ」

 

相汰「・・・なら本当にするか?結婚式」

 

麻弥「え?」

 

相汰「実は俺のスーツのポケットにこんなものが入っててな・・・(ポケットから指輪を取り出す)」

 

麻弥「え、えええええ!?これってもしかして・・・」

 

相汰「どうやら俺たちはあの人たちの手のひらで踊らされてたみたいだな・・・さっきリサさんと日菜さんに聞いてみたけどこれ・・・どうやら本物らしい。今すぐは無理でも・・・麻弥を絶対に迎えに来る。その時は・・・」

 

麻弥「・・・はいっ!こんなジブンでよければぜひ・・・!」

 

相汰「・・・麻弥」

 

麻弥「・・・相汰くん」

 

そう言った後、俺と麻弥は少し恥ずかしくてうつむいていたが、次にお互い顔を上げた時は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人は顔を合わせ、時間を忘れるくらいにキスをした。




いかがだったでしょうか?学生の間にプロポーズをするというゲームだとありそうな展開にしてみました。いやー・・・全部下書きなしで思いついたことをそのまま書いていたらこうなっていました・・・想像力の塊ってすごいですね(語彙力皆無)

ちなみに本編で二人が着ていた衣装はガルパのイベント『ウェディングドレスは突然に』で沙綾ちゃんと薫さんが着たときと一緒のものです。

さて、次回は・・・どうなるでしょうね^^


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11話:キミとの出会いは偶然だったのか必然だったのか

どうも、連続投稿のおかげで(ネタがないので割愛)した空丘ルミィです。

何とか無事にここまでたどり着けました。主の脳のスペックの低さでも案外ここまでたどり着けるものなんですね・・・安定した主などどこにもいません(キリッ)はーっはっはっはー…はぁーーーー・・・(深いため息)

では本編へどうぞ


文化祭の日から数年後・・・

 

 

 

 

 

11月3日

 

【????】

 

俺は今、麻弥と出会った日のことを思い出している。両親が仕事で忙しい時は公園で遊び、雨の日は1日ごとに遊ぶ家を変えたりして遊んでいた。そんな日々が毎日のように続いていた・・・そんなある日、その日常は壊れた・・・それは両親の死。悲しみで心が痛んだ最悪の日だ。そんな時でも麻弥は俺の家に遊びに来てくれた。少しでも俺の心を癒すためだったのか、それとも違う思いやりがあったのか…その時の俺には何も考えることができなかった。『来ないで』『僕は一人になりたい』『もう何も考えたくない』そう麻弥に言い放っても麻弥は俺の家に毎日のように来てくれた。何回も俺の口から発せられる拒絶の声を押しのけて、何度でも何度でも。そんな時、麻弥が言い放った言葉が俺の悲しみに満ちた心を優しく包んでくれた。『私はいつでも相汰くんの味方だよ。相汰くんがたとえ遠くに行って友達ができなかったとしても、私は相汰くんと友達だから。だから悲しまないで。』その言葉は俺の心を包み込んで、俺の心に掛かっていた何十、何百もの鍵を開けてくれた。それから俺は両親が亡くなったときの記憶のみを失くし、麻弥と毎日のように遊んでいた。それから何年経っただろうか?俺が叔父さんの家で過ごす時が来たのだ。突然だった。突然の電話に俺は言葉をなくした。『麻弥ちゃんと離れるの?そんなの嫌だよ・・・せっかく楽しく遊んでいたのに…』そんな言葉を押しのけて叔父さんの車がやってきて別れの日がやってきた。麻弥も当然その場に居合わせて俺の名前を必死に叫び続けた。何度も何度も・・・声が枯れるまで何度でも。もちろん俺も何度も麻弥の名前を呼び続けた。だが俺の声は周囲の人の声にかき消され、次第に聞こえなくなっていた・・・そんな時、麻弥が精いっぱいの力を振り絞って発した声が俺の心に深い跡を残した。

 

 

 

 

 

 

『絶対に・・・戻ってきて!!』

 

 

最後に聞こえた声は・・・叔父さんの車の中で泣き続ける俺の心の中で何度も再生された。何百回?何千回?そんな半端な回数じゃない、途中で数えることをやめた時に数えていた回数は・・・『何億回』にまでなっていた・・・

そんな時、思い出にふけっていた俺を呼び戻した声が聞こえた。

 

麻弥「相汰くん!」

 

相汰「・・・ああ、麻弥か。悪い、ちょっと思い出に入り浸ってた。」

 

麻弥「それは昔の思い出ですか?」

 

相汰「ああ、完全に思い出したよ。ただ俺はあの時の現実から逃げてただけの臆病者だったってことだな。まあ、今は何でもないただの一般市民だけどな」

 

麻弥「その一般市民をこんな風に変えたのはどこの誰なんでしょうね?」

 

相汰「はは、どこの誰なんだろうな?」

 

 

 

 

 

 

 

・・・そう、今日は俺と麻弥の結婚式。あの時の学園祭の約束を守り続け、今俺たちはここにいる。

 

麻弥「それにしても思い切りましたね相汰くん。まさか事務所の人たちとパスパレメンバーの目の前で『麻弥さんを俺にください、絶対に幸せにしてみせますので!』なんて言うんですから・・・思いっきり赤面しちゃったじゃないですか!」

 

相汰「それは悪かったって。でもみんな認めてくれたじゃないか。」

 

麻弥「あの衝撃の告白の日は顔が真っ赤で寝つけませんでしたよ・・・でも嬉しかった気持ちが多かったですけどね、フヘヘ」

 

相汰「あの時のパスパレメンバーのセリフ、聞いてて面白かったけどな。」

【某日】

 

彩「そ、相汰くん!?いきなりを言ってるの!?だ、大胆過ぎて私の方が何だかドキドキしてきたー…でもなんか羨ましいなあ・・・私もいつかあんな風にプロポーズされてみたい・・・」

 

千聖「あら、相汰くん。みんながいる目の前でプロポーズなんて男らしいことをするわね。あの時に取った行動がそのまま現実になるとは思っていなかったけれど・・・ふふっ。」

 

日菜「いいなー麻弥ちゃん。そーくんにプロポーズされて!あたしはされる側よりする側かなー。だってるんってくるから!」

 

イヴ「マヤさん、おめでとうございます!いつか私もマヤさんと同じ舞台に立って見せます!マヤさん、ブシドーです!」

麻弥「あはは・・・確かに印象的なセリフがちらほらと聞こえましたね・・・彩さんに至ってはジブン視点で語っちゃってる感じになっちゃってますし」

 

相汰「日菜さんは日菜さんがるんってくるからって理由でする側になりたいとかいってたからな。日菜さんだしモテそうではあるけど」

 

麻弥「イヴさんはいつも通りブシドーを唱えていましたね・・・ジブンにとってのブシドーが何なのかわかりませんが・・・」

 

相汰「それよりも、一番反対しそうな千聖さんがまさかの感動していたってのには驚きを隠せなかったけどな。千聖さんだし『アイドルに恋愛は不要』とか言って猛反対しそうなのに」

 

麻弥「千聖さんは大真面目ですからね。何事にも真剣に取り組むタイプなので千聖さんと結婚する人は結構選びそうですからね・・・」

 

相汰「違いないな。」

 

麻弥「そういえば相汰くん、よく一番大事な記憶を思い出せましたね?しかも文化祭初日にです」

 

相汰「それだけあの劇が俺の記憶を思い出させるのにすごかったってことだ。多分他の劇だとあの記憶を思い出せなかったと思う。麻弥ってもしかして脚本担当にもなれるんじゃないか?」

 

麻弥「ええー!?脚本ですか!?ジ、ジブンには無理ですよー!アイドルに相汰くんのお嫁さんに家事もしないといけなくとなると過労ですって!」

 

相汰「冗談なのに必死に考えるなんてやっぱり麻弥だな。そういうところも含め好きだからあの日プロポーズしたんだからな」

 

麻弥「それにしても・・・やっぱりこの衣装、なんだか恥ずかしいですね。あの時はあの時だったんですが」

 

そう、俺たちが着ているのはあの日、文化祭で日菜さんとリサさんが計画したあの時の衣装をそのまま着ている。

 

相汰「まあな。最初この格好を見た時はどうしようかと思ったけど、まさかもう一度着ることになるなんてな・・・でも麻弥もその格好、とても似合ってるぞ」

 

麻弥「そうでしょうか・・・フヘヘ、相汰くんにそう言ってもらえるのは嬉しいです」

ピンポーン

 

????「そろそろ時間なので準備をお願いします」

 

相汰「おっと、そろそろ時間か。それじゃあ行くか、麻弥」

 

麻弥「はい!相汰くん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神父「では、新郎と新婦は、ここに誓いのキスを」

 

その言葉に俺たちは向き合う。そこには何度も見慣れた麻弥の顔があった。白いヴェールでほんの少し隠れている(らしい)が、少し恥ずかしがっていたが次第に顔色はいつも通りに戻る。身長はあまり変わらないため、両肩を手でつかむのは簡単だった。そして俺たちはキスをする。前にキスした時より甘く、キスしていた時間は10秒ほどだったが、俺たちにとっては何時間にも及ぶほど余韻に浸っていた。

それと同時に式場から拍手喝采が起こった。キスした後は一度顧客たちの方を向き二人して笑顔で手を振る。そして俺たちは手を繋ぎ控室に戻った。

 

【式場:控室】

 

相汰「お疲れさん。」

 

麻弥「お疲れ様です!」

 

(ガラガラ)

 

日菜「二人ともおっつかれさまー!」

 

千聖「二人とも、お疲れ様。いきなり来ちゃってごめんなさいね。私は止めようとしたのだけれど他の人たちが行くものだから流れできちゃったわ」

 

彩「二人とも、おめでとう!それにしても麻弥ちゃんに先を越されちゃったなぁ…私も早く見つけないと」

 

イヴ「マヤさん、ソウタさん!おめでとうございます!お二人の晴れ姿、しかとこの目に焼き付けました!」

 

麻弥「皆さん、来ていただけたんですね!」

 

相汰「みんなも来ていたのか」

 

千聖「だって、麻弥ちゃんと相汰くんの晴れ舞台だもの。それに麻弥ちゃんとは同じアイドルバンドの仲間だし、相汰くんはそんな私たちのことを支えてくれから来ない理由なんてないわ」

 

彩「うんっ!麻弥ちゃんのドレス姿なんてめったに見れないと思うし、二人には世話になりっぱなしだから・・・」

 

麻弥「あはは・・・さっき見た時はまさか来てるなんて思いませんでしたけどね・・・他の人も仕事があると聞いてたので」

 

日菜「あはは、事務所の人たちに聞いたからあたし達もすっ飛んできたんだよ?」

 

イヴ「はい!仕事を早めに終わらせてタクシーで突撃しました!」

 

相汰「突撃って…まあイヴらしいといえばらしいけどあまり突撃なんて言葉は使わないしな・・・戦国時代とかの戦乱時代でしか聞いたことないぞ」

 

麻弥「まあいいじゃないですか。皆さんも何も変わらないようなので」

 

千聖「あら、麻弥ちゃんが一番変わったわよ?」

 

麻弥「そうですか?ジブンじゃよくわかりませんが・・・」

 

千聖「ふふ、どこが変わったんでしょうね?」

 

麻弥「そういう千聖さんは少しイジワルが増えたような気がしますね・・・」

 

(ピンポーン)

 

千聖「あら、そろそろ時間かしら?もう少しお話したいところだけど仕方ないわね・・・それじゃあ行きましょうか日菜ちゃん、彩ちゃん、イヴちゃん。」

 

彩「それじゃあまたね、麻弥ちゃん!」

 

日菜「まったねー!」

 

イヴ「ではまたお会いしましょう!」

 

そういってパスパレメンバーは出て行った・・・

 

(ピンポーン)

 

????「そろそろお時間です。お二人ともご準備を」

 

相汰「それじゃあ、外の方に向かうか。今日の最後の仕事だ。」

 

麻弥「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

【式場外】

 

リサ「わーお・・・二人とも大胆♪」

 

薫「ふふ、晴れ舞台なのだから仕方ないさ。それにしても…はかn」

 

美咲「言わせませんよ薫さん。今日は儚いは禁止って言いましたよね?」

 

有咲「麻弥先輩、やっぱりすげー・・・アイドルってこともあるかもしれないけどこれはなぁー・・・」

 

紗夜「ええ、これはお似合いだという他ないわね。」

 

蘭「相汰さん、おめでとうございます。」

 

そう、控室から外に出るまで・・・俺は麻弥をお姫様抱っこしていた。麻弥がお願いしてくるんだからな。麻弥からのお願いに弱い俺は麻弥をお姫様抱っこして式場を出た。

 

相汰「本日は私たちの結婚式にお忙しい中来ていただいてありがとうございます!私たちの友人、家族、友人のお友達まで来ていただき、ありがとうございます。私たちを育ててくれた方、私たちを見守ってくれた方々・・・たくさんいらっしゃると思います。」

 

麻弥「そんな方々に私たちの式に来ていただいた記念に、ブーケトスを行いたいと思います!ではみなさん、両手を頭の上にあげてください!」

 

相汰「それでは行きますよ!3!」

 

「「「「「「「2!」」」」」」

 

麻弥「1!」

 

(バサッ)

 

そう合図をしたとき、麻弥は上空にブーケを投げた。見事にキャッチしたのは・・・

 

あこ「あ、あれ!?あこ!?」

 

そう、キャッチしたのはあこだった。どうやら・・・他の人たちに比べて身長が小さいのか、燐子さんがおんぶしてくれていたようだった。

 

相汰「それでは」

 

麻弥「皆さん」

 

麻弥・相汰「「ありがとうございましたー!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【式場内:ホテルの一室】

 

相汰「そうだ、麻弥・・・」

 

麻弥「何でしょうか?」

 

相汰「誕生日、おめでとう」

 

そういって俺は麻弥の唇に再びキスをした。俺から麻弥への誕生日プレゼントだ。麻弥は少し恥ずかしがりながらもゆっくりと受け入れてくれた。

 

 

 

 

 

昔の記憶を埋めてくれたのは今俺の隣にいる麻弥。昔の記憶にいた少女も麻弥。転入前日に住むことになったところは麻弥の家。文化祭でヒロイン役を演じてくれたのも麻弥。俺の近くに一番いてくれたのも麻弥。夏祭りで一緒に行動したのも麻弥。

 

麻弥の出会いは偶然か必然か・・・これを知るのは俺と麻弥だけだ。何で麻弥にこのことを聞かなかったのかって?聞かなくても麻弥から返ってくる言葉はわかりきっているからだ。

 

「あの時の出会いは・・・必然ですよ!」

 

そう俺の心の中に聞こえた声は俺の心の中にずっと録音されている。あの時掴めなかった手を今度は離さない。だって・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺たちはこれからずっと一緒なのだから』

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?とりあえず本編はこれでおしまいです。

この次はエピローグになると思います。いつ投稿になるかって?うーん…


わからない!(キリッ

ではここまで読んでくれてありがとうございました!


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エピローグ:これからの未来

どうも、前g(前略)な空丘ルミィです。

今回でこの小説は完結となります。最初は出来心で書いた小説でしたが、ここに至るまでのUAが2600近く、お気に入り登録者数が18人と、最初は「相当少ないだろうな・・・」と思っていましたが主は大喜びしています。

では本編へどうぞ




※この話ではバンドリのメンバーは成人済みです


【結婚式からさらに3年後の11月25日:麻弥・相汰宅】

 

相汰「ふう…今日の仕事は終わり、と」

 

(クイクイッ)

 

相汰「ん?どうした優弥(ゆみ)。」

 

優弥「パパ・・・だ・・・こ・・・」

 

相汰「よしよし、優弥はいい子で本当に甘えたがりさんだな、ちょっとママのところに行こうか。」

 

優弥「うん、行く…(コクコクと頷く)」

 

この子は空葉優弥(そらばゆみ)。俺と麻弥の間に産まれた娘だ。実は結婚してから半年後、麻弥のお腹の中にいる子が急成長し、緊急入院することになった。髪の色はライトベージュで、瞳は薄緑色。一人称は「優弥」、俺と麻弥のことは「パパ」と「ママ」。二人称は「人による」。性格は少し恥ずかしがりやで、外に出てもすぐ俺の胸に顔を埋めたりしている。たまにパスパレの事務所に連れて行って麻弥たちの仕事を見せたりしている度に目を煌めかせている。(夢はトップアイドル)

 

【Pastel*Palettes事務所:休憩室】

 

日菜「そーくんいらっしゃーい!あ、優弥ちゃん、今日も来たんだね!」

 

優弥「(プルプル)」

 

相汰「日菜、優弥が怖がってるからもう少しその性格はどうにならないのか?」

 

彩「優弥ちゃん、いつ見ても可愛いなぁー…何で私に懐いてくれないんだろう…」

 

相汰「そりゃ会うたび写真を撮ろうとするならそうなるわな…」

 

イヴ「ソウタさん!いらっしゃいです!あ、ユミちゃんも来ていたんですね!(頭ナデナデ)」

 

優弥「(パァァ)」

 

イヴ「チサトさん!ユミちゃんが笑ってくれました!」

 

千聖「イヴちゃんは子供に懐かれる体質だからかしら?ふふ、でも本当に可愛いわね。いつかは私たちのライバルになるのかもしれないわ。(頭ナデナデ)」

 

優弥「(パァァ)」

 

相汰「千聖とイヴは優弥によく懐かれてるな。他に懐くのは何人かいるけど・・・まあこの後にも何ヶ所か寄る所あるからその時にでも顔を出すか」

 

ご覧の通り、日菜と彩には懐かず、千聖とイヴには懐いてる。千聖は今でも女優として活躍しており、子供と共演することがあるからそのこともあってかパスパレのメンバーの中では一番懐いている。イヴはどうやら子供によく好かれるらしく、優弥の頭を撫でては笑顔で返してくれる。彩は「SNSに投稿したい!」ってしつこく、優弥を連れてくるたび写真を撮りに迫って来ていたため、俺が意地で拒否している。日菜は・・・言うまでもないだろう。

 

麻弥「すみません、遅れちゃいましたー!瑠南(るな)がちょっと・・・あ、相汰くんと優弥じゃないですか!どうしたんですかここまで?」

 

相汰「麻弥が言ってなかったか?今日は仕事が忙しいから瑠南を連れて色んな所に連れていってやってくれって」

 

麻弥「そうでした・・・」

 

 

麻弥がおんぶして連れてきたのは空葉瑠南(そらばるな)。俺と麻弥の間に産まれた、双子の娘だ。ちなみに姉は優弥で、妹は瑠南だ。髪の色は優弥と変わらずライトベージュカラーで、瞳は瑠璃色。一人称は「瑠南」、麻弥と俺は「ママ」と「パパ」。二人称は「人によって変わる」性格は優弥と少し似ているが、瑠南の方が少しだけ人見知りしない。ちなみに色んなものに興味津々(夢はスタジオミュージシャン)

 

相汰「ほら瑠南、ママは忙しいからこっちにおいで。」

 

瑠南「(麻弥の肩からピョンと俺の肩に乗る)」

 

相汰「いい子だな瑠南は(頭ナデナデ)」

 

瑠南「(パァァ)パパ・・・瑠南、いい子にしてたかな…?」

 

相汰「ああ、いい子にしてたってママから聞いてたからあとでおやつを買ってあげるからな。もちろん優弥の分もちゃんと買うからな。」

 

優弥「えへへ…パパ、あり・・・がと・・・」

 

相汰「それじゃあ俺は行くぞ。」

 

日菜「えー?もう行っちゃうのー?」

 

相汰「まだこれから行く所があるんだよ。」

 

彩「そっかー・・・残念。私たちはまだやることがあるから終わったら麻弥ちゃんを合流させるね!」

 

相汰「麻弥、この後も頑張れよ。」

 

麻弥「はい!ではまた後で!」

 

《パスパレメンバーの呼称表》

   

瑠南:彩お姉ちゃん、千聖お姉ちゃん、日菜ねーね、イヴお姉ちゃん

 

優弥:彩姉ちゃん、千聖お姉さん、日菜ねーね、イヴお姉ちゃん

【十数分後】

 

相汰「ふう…着いたぞ、瑠南、優弥」

 

瑠南・優弥「「パパ、ここ・・・どこ・・・?」」

 

相汰「ここはパパの友達の家だ。心配しなくてもいいぞ」

 

(ガチャ・・・)

 

相汰「よう、来たぞ」

 

リサ「いらっしゃーい!あ、その子たちがこの間言ってた相汰くん達の子供だね?」

 

相汰「ああ、ほら瑠南、優弥。自己紹介をしてみなさい」

 

瑠南「空葉…瑠南…です。」

 

優弥「空葉・・・優弥・・・です・・・」

 

リサ「優弥ちゃんに瑠南ちゃんだね。アタシは今井リサ。キミたちのパパのお友達なんだー。」

 

瑠南・優弥「「リサ・・・お姉ちゃ…ん…?」」

 

相汰「はは、もうお姉ちゃん呼びか。」

 

リサ「相汰くんもアタシのこと、お姉ちゃんって呼んでも」

 

相汰「断る。そんなことより、みんな来てるんだよな?」

 

リサ「うん、もう来てるよー。あこたちも久しぶりに会えるからって楽しみにしてたって」

 

相汰「そか。それじゃ瑠南、優弥、リサお姉ちゃんのお友達に会いに行くぞ」

 

瑠南・優弥「「ん…」」

 

(ガチャリ)

 

相汰「よ、久しぶり。」

 

友希那「あら、相汰さん。久しぶりね。いつこっちに着いたの?」

 

相汰「ついさっきな。ところでF.W.Fはどうだった?あれから連絡着かずだったが」

 

紗夜「大成功でした。終始トップで予選を通過してプロにもなれたのだから」

 

相汰「そうか、よかったな。」

 

あこ「えへへー…あこたちも頑張ったんだよー!F.W.Fのためにみんなで歌詞を考えたりー・・・」

 

燐子「あの…そちらのお子さんが今井さんが言っていた…?」

 

相汰「ああ、紹介しておくか。今肩の上に乗ってるのは空葉瑠南、俺の後ろにいるのは空葉優弥だ。優弥が姉で瑠南が妹な。ほら、自己紹介」

 

優弥「あ…ぅ…空葉・・・優弥・・・です・・・」

 

瑠南「空葉・・・瑠南・・・です・・・」

 

紗夜「瑠南ちゃんと優弥ちゃんですか。可愛い名前ですね。ちなみに名前の由来とかは?」

 

相汰「あるに決まってるだろ。瑠南は瞳の色が瑠璃色だし、俺の好きな方角の南をつけて瑠南。優弥は優しい笑顔で麻弥の一文字を付けて優弥にした。」

 

あこ「空にいって南が好きなんだ?」

 

相汰「意外だったか?俺も子供のころはよく南の空を見上げてたりしてたからな。それも毎日みたいに」

 

燐子「意外・・・です・・・」

 

瑠南・優弥「「(クイックイッ)」」

 

相汰「ん?どうした?」

 

瑠南・優弥「「おねーちゃん・・・遊ぶ…」」

 

相汰「お、お姉ちゃんたちと遊ぶか?行っておいで。」

 

瑠南・優弥「「いって・・・きます・・・」」

 

紗夜「あら、いいのですか?瑠南ちゃんと優弥ちゃんを遊ばせて」

 

相汰「まさかもう他の人と遊ぶのを覚えるとはな。それに優弥は恥ずかしがり屋だからもうちょっと後だと思ってたんだが」

 

友希那「子供の成長はそれほど早い、ということよ。」

 

リサ「ねー。アタシに関してはもうお姉ちゃんって呼ばれてるけど」

 

相汰「あれ、もう来たのかリサ。リサも瑠南たちと遊んであげたらどうだ?ほら友希那と紗夜も。でもあまりグイグイやりすぎるなよ?もれなく嫌われるから」

 

紗夜「わかっています、日菜とは違いますから」

 

 

 

 

 

で、結果はというと・・・

 

瑠南に懐かれた:リサ、燐子、あこ

 

優弥に懐かれた:リサ、燐子、紗夜

 

友希那は懐かれなかった、というわけではないが子供との接し方があまりわからなくてどうすればいいのかわからなかった・・・らしい。

 

相汰「じゃ、俺たちはもう行くから。まだ行くところあるし」

 

リサ「あれ、もう行っちゃうんだ?ざーんねん。もっと瑠南ちゃんたちと遊びたかったけどなー・・・」

 

相汰「時間があればまた来るからその時でもいいだろ」

 

あこ「それもそっかー・・・じゃあね空にい!」

 

相汰「んじゃ、行くか瑠南、優弥。ほら、挨拶」

 

優弥・瑠南「「バイ・・・バイ・・・(手を振る)」」

 

友希那「(今度会った時のために勉強しておこうかしら…)」

 

《Roseliaメンバーの呼称表》

 

優弥:湊お姉さん、リサお姉ちゃん、燐子お姉さん、あこねーね、紗夜お姉さん

 

瑠南:友希那お姉さん、リサお姉ちゃん、燐子お姉ちゃん、あこお姉さん、紗夜姉さん

 

 

 

 

 

 

 

 

【数分後】

 

優弥・瑠南「「パパ・・・ここ・・・商店・・・街・・・」」

 

相汰「お、よく覚えてるな。そうだ、ここは商店街。パパの友達はここにいるんだ」

 

(チリーン)

 

【羽沢珈琲店】

 

つぐみ「いらっしゃいませー・・・あっ相汰さん!お久しぶりです!」

 

相汰「久しぶりだな、つぐみ。みんなは?」

 

つぐみ「もう部屋で待ってますよ。私の方も上がってから飲み物を持ってきますね」

 

相汰「サンキュー。」

 

 

 

 

 

 

【羽沢珈琲店:つぐみの部屋】

 

相汰「よ、元気にしてたか?」

 

蘭「相汰さん、お久しぶりです・・・あれ、もしかしてその子たちって」

 

相汰「ああ、俺と麻弥の子供だ。」

 

巴「へー、その子たちが相汰さんのお子さんたちですか。あんまり似てないですね」

 

相汰「久しぶりに会ったってのに一言多いな・・・」

 

ひまり「可愛いー!」

 

優弥・瑠南「「(プルプル)」」

 

相汰「こらひまり、大きい声出すから瑠南と優弥が怖がってるだろ。」

 

ひまり「だってー…可愛いんだもん…」

 

モカ「ほらひーちゃん、ケーキでも食べて落ち着いちゃってー」

 

相汰「こんな状況でもモカはいつも通りなのな・・・」

 

つぐみ「ジュース持ってきました!」

 

相汰「みんなには二人のことは言ってたよなつぐみ?」

 

つぐみ「うん、みんなには言ってあるよ。」

 

相汰「ほら優弥、瑠南。お姉ちゃんたちと遊んでおいで」

 

優弥・瑠南「「(コクリ)」」

 

 

 

 

 

 

で、結果は・・・

 

瑠南に懐かれた:蘭、つぐみ、巴

 

優弥に懐かれた:つぐみ、巴、モカ

 

巴は妹のあこがいるため子供の扱いは慣れているので簡単だったという。蘭は子供に好かれるらしく(本人は無自覚)、よく遊んでいるらしい。つぐみは元から面倒見がいいのですぐに懐いたという。モカはお気楽な性格が優弥を落ち着かせ、懐くようになったという。ひまり?騒ぎすぎたから俺が無理やり剥がして隣の部屋で説教しただけだ。ちなみに懐いたか懐かなかったかと聞かれるなら・・・やや懐かなかった、といったところだな。

 

モカ「でねー、ひーちゃんがー・・・」

 

ひまり「またその話ー!?もうやめてよー!」

 

相汰「はは、何年ぶりに会ってもいつも通りだな。」

 

優弥・瑠南「「パパ…ケータイ…なってる・・・」」

 

相汰「ん?ああ…悪い、呼び出しくらった。」

 

蘭「誰に?」

 

相汰「あの問題児」

 

巴「相汰さんも楽じゃないなー・・・」

 

相汰「あいつらも相変わらずみたいだな。まあ変わらない方が対応が楽でいいんだがな」

 

つぐみ「もう行っちゃうんですね・・・またいらしてください!腕によりをかけてお待ちしています!」

 

相汰「ああ、楽しみにしてる。それじゃあ行くぞ、優弥、瑠南」

 

《Afterglowメンバーの呼称表》

 

瑠南:蘭お姉ちゃん、モカ姉ちゃん、ひまりお姉さん、つぐみお姉ちゃん、巴お姉さん

 

優弥:蘭姉ちゃん、モカお姉さん、ひまりお姉さん、つぐみお姉ちゃん、巴お姉ちゃん

 

 

 

 

 

 

 

 

【数分後:弦巻邸】

 

相汰「何度来ても見慣れないなここ・・・」

 

瑠南・優弥「「(高そう…)」」

 

黒服「ようこそいらっしゃいました、相汰様。おや、お子様方もご一緒でしたか。ではこちらをどうぞ・・・」

 

そういって黒服の人たちはクッキーの入った袋を瑠南と優弥にくれた

 

瑠南・優弥「「ありが・・・と・・・ござ・・・ます・・・」」

 

相汰「わざわざありがとうございます。こころ達はもう部屋に?」

 

黒服「はい、すでにお待ちになっております。部屋へご案内しますので・・・」

 

相汰「お願いします。瑠南、優弥。離れないようにちゃんと手を繋いでおくんだぞ」

 

瑠南・優弥「「(コクリ)」」

 

 

 

 

 

 

【弦巻邸:弦巻こころの部屋】

 

相汰「お邪魔するぞ」

 

美咲「どうも相汰さん、お久しぶりです。」

 

花音「あ、あの…お久しぶりです・・・ふぇぇー…」

 

薫「おや、今日は相汰と麻弥の可愛らしい子供も連れてきたのかい?ああ…はかn」

 

美咲「今日は儚いは禁止って言いませんでしたか?かおちゃん?」

 

薫「なっ、その名前をどこで・・・?」

 

相汰「俺だ」

 

薫「キミか・・・この間美咲に何か教えていたようなところを見たがこういうことだったのか…」

 

美咲「とりあえず。今日は『儚い』は禁止でお願いします薫さん」

 

薫「わ、わかったよ・・・」

 

相汰「ところであの2バカは?」

 

美咲「あー…」

 

相汰「察した」

 

こころ「そーうーたー!」

 

はぐみ「そーうーくーん!」

 

そう声が聞こえたので俺は扉から一気に離れた

 

こころ・はぐみ「いったー!(ズザァァァァ)」

 

盛大な音をしてこころとはぐみはずっこけた。

 

相汰「たく・・・今日は子供を連れてくるって言ったから出迎えるなら静かにしろって言っただろ?」

 

はぐみ「だからって避けないでよー…」

 

(クイクイッ)

 

優弥・瑠南「「(ビクビク)」」

 

相汰「ほらお前たちが飛び込んでくるから優弥と瑠南が怯えてるぞ。お前たちはもう少し笑顔を届ける方法を変えろ」

 

こころ「ごめんなさーい・・・」

 

相汰「優弥、瑠南。この人たちは少しだけ変だけどパパのお友達だから遊んでおいで」

 

優弥・瑠南「「(コクコク)」」

 

 

 

 

 

 

 

 

で、結果はというと…

 

瑠南に懐かれた:美咲、花音、はぐみ

 

優弥に懐かれた:美咲、花音、こころ

 

美咲は弟がいるというので二人が懐くのは早かった。花音は子供に好かれるという謎体質だったのだが、美咲より早く二人とも懐いた。こころは持ち前の明るさで優弥を笑顔にすることができたので懐くのは早かった。はぐみは北沢家の末っ子ということもあって小さい子の面倒はよく見ていたという。薫?ああ…難しいことばかり言うものだから瑠南も優弥も俺の背中に隠れ続けてたよ。

 

《ハロハピメンバーの呼称表》

 

優弥:こころおねーちゃん、美咲ねえね、花音お姉ちゃん、はぐみお姉ちゃん、薫お姉さん

 

瑠南:こころお姉ちゃん、美咲お姉ちゃん、花音お姉さん、はぐみねえね、薫お姉ちゃん

 

優弥・瑠南「「(パパ…ケータイ・・・なってる・・・)」」

 

《ちなみに着信音は「きゅーまい☆flower」だ。》

 

相汰「ああ、そろそろ来ると思ってたからな・・・じゃあ俺は行くぞ。」

 

美咲「あれ、もう行っちゃうんですか?もうちょっとゆっくりしていけばいいのに」

 

相汰「まだもう1ヵ所回って麻弥を乗せて帰らなきゃいけないからな。」

 

花音「優弥ちゃん、瑠南ちゃん、またね。」

 

優弥・瑠南「「ありが・・・う・・・」」

 

相汰「これに懲りたら今度から考えろよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【数分後:流星堂】

 

優弥・瑠南「「パパ…ここ・・・何・・・?」」

 

相汰「ここは流星堂っていって、色んなものが置いてあるんだ。パパの友達もここにいるぞ」

 

(ガラガラ)

 

相汰「おーい有咲ー?」

 

有咲「ったく誰だよ・・・って相汰さんか。」

 

相汰「さっき連絡入れたの有咲じゃなかったのか?宛名が有咲になってるが」

 

有咲「香澄・・・お前の仕業かー!」

 

相汰「はぁ…香澄には後で説教しておくからとりあえず蔵の中に入れてくれ。」

 

有咲「わかりました。じゃあこっちに」

 

 

 

【流星堂:蔵】

 

相汰「よっ…と。」

 

りみ「あっ、相汰さん・・・こんにちは。」

 

沙綾「こんにちは相汰さん!」

 

たえ「相汰さん、こんばんはー」

 

相汰「まだ昼だぞたえ」

 

香澄「空さーん!こんにちw」

 

(ズガッ)

 

香澄「いったー!?いきなり何するんですか空さん!」

 

相汰「か・す・み?(ゴゴゴゴゴ)」

 

香澄「あ、あれ?顔が怖い・・・です・・・よ…?」

 

りみ「あ、相汰さん。そのお子さんたちは・・・」

 

相汰「ああ、俺と麻弥の子供だ。ちょっと上の階に香澄連れてくぞ。りみたちは優弥と瑠南の遊び相手になっててくれ。じゃあ瑠南と優弥はお姉ちゃんたちと仲よく遊んでるんだぞ?」

 

優弥・瑠南「「(コクコク)」」

 

 

 

相汰「さてと・・・香澄?ちょーっと俺とお話しようか?大丈夫、ち ゃ ん と 聞 い て く れ れ ば す ぐ 終 わ る か ら」

 

香澄「ぃぃぃぃぃぃゃゃゃゃぁぁぁぁぁ・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

相汰「というわけだ。わかったな?」

 

香澄「は、はい・・・」

 

相汰「さて、ちょっと時間をかけすぎたか?じゃあ戻るぞ」

 

香澄「・・・(コクコク)」

 

(ガタッ)

 

相汰「ただいま」

 

優弥・瑠南「「パパ…おかえり…」」

 

相汰「お姉ちゃんたちと遊んでどうだった?」

 

優弥・瑠南「「楽し・・・かった・・・(ニコッ)」」

 

相汰「そうか、よかったな。」

 

瑠南に懐かれた:香澄以外全員

 

優弥に懐かれた:香澄以外全員

 

香澄が懐かれなかった理由?俺が今日来た時に説教の際「今日は瑠南と優弥と遊ぶことを禁止する」って言っておいたからな。今度から注意してくれれば遊ばせてやるんだが・・・

 

《Poppin'Partyメンバーの呼称表》

 

優弥:香澄お姉ちゃん、たえねーちゃん、りみお姉ちゃん、沙綾お姉さん、有咲お姉ちゃん

 

瑠南:香澄お姉さん、たえお姉ちゃん、りみお姉さん、沙綾お姉ちゃん、有咲お姉ちゃん

 

有咲「とりあえずさっきからビクビクしてる香澄を元に戻すか。」

 

相汰「そうするか。1・・・2・・・3!(指パッチン)」

 

香澄「はっ!?」

 

沙綾「香澄、おかえりー」

 

香澄「あれ、私は一体…」

 

相汰「とりあえず戻ったな、俺が帰るまでこのままだけどな。」

 

りみ「それって脅迫じゃ・・・」

 

相汰「これはれっきとした『空葉式説教術』だ。」

 

有咲「それ、今考えただろ!?」

 

(まーんかい、ポンポポン♪ジャーン♪)

 

相汰「ちょっと悪い、電話だ」

 

麻弥『あ、相汰くんですか?ジブンです。今どこですか?』

 

相汰『ああ、麻弥か。今は流星堂だけど、今日の仕事は終わったのか?』

 

麻弥『はい、今日の分は終わりました。これからちょっとだけ寄る所があるので、今から迎えに来てもらえませんか?』

 

相汰『おうわかった、場所は事務所前でいいな?』

 

麻弥『はい、事務所前で大丈夫ですよ。』

 

相汰『了解、今から出る』

 

有咲「もしかして麻弥さんからですか?」

 

相汰「ああ、今日の分の仕事は終わったってさ。麻弥を迎えに行かないといけないから今日はもう帰る」

 

沙綾「そっかー・・・残念、もっと優弥ちゃんたちと遊びたかったんだけど」

 

相汰「また時間があったら来るからその時にでも遊んでやってくれ」

 

りみ「また今度遊ぼうね、優弥ちゃん、瑠南ちゃん」

 

優弥・瑠南「「(コクコク)」」

 

相汰「よし、帰るぞ優弥、瑠南。」

 

優弥・瑠南「「お姉ちゃ…バイ・・・バイ・・・」」

 

 

 

 

 

 

麻弥side

 

麻弥「・・・というわけなんですけど」

 

日菜「いいよー!」

 

彩「うん、大丈夫だよ!」

 

千聖「ふふっ、面白そうね。」

 

イヴ「レッツサプライズです!」

 

友希那「楽しそうね、乗ったわ。」

 

リサ「アタシも混ざろー♪」

 

あこ「あこも混ぜてー!」

 

燐子「私も・・・やります・・・」

 

紗夜「本来なら私は相汰さんの味方ですけど・・・仕方ないですね、手を貸します」

 

こころ「楽しそうね!相汰に笑顔を届けるわよー!」

 

はぐみ「はぐみも頑張る!」

 

美咲「まあ、これくらいなら乗らない手はないかー・・・」

 

花音「わ、私にできることなら・・・」

 

薫「いいアイデアじゃないか、麻弥」

 

蘭「いいじゃないですか、それ」

 

モカ「おー、エモってるー」

 

巴「アタシも手伝いますよ!」

 

つぐみ「私はケーキとか用意してますね!」

 

ひまり「私は飲み物とかを!」

 

(ポピパメンバーにはすでに通達済みだが現在事務所にいないなため省略)

 

麻弥「じゃあ今から準備を始めてもらってもいいですか?」

 

リサ「いいよー☆じゃあ料理組はアタシと一緒ね。」

 

日菜「じゃあ飾りつけメンバーはあたしと一緒に!」

 

麻弥「他の担当メンバーはそれぞれのリーダーに任せましょうか。それでは・・・張り切っていきましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

相汰side

 

【相汰が運転する車の中】

 

相汰「今日はどうだった?優弥、瑠南。」

 

優弥「楽し・・・かった・・・」

 

瑠南「変わったお姉ちゃんたち・・・だったけど…楽しかった・・・」

 

相汰「そっか、よかったな。おっと、そろそろ着くぞ。お姉ちゃんたちとどんな遊びをしてたのかパパとお話しようか」

 

優弥・瑠南「「(コクコク)」」

 

 

 

 

 

 

 

相汰「着いたぞ優弥、瑠南。」

 

 

 

 

相汰「ただいm・・・・・・」

 

(パーーーーン!)

 

優弥・瑠南「「(!!)」」

 

相汰「うわっ!?」

 

3人以外「おかえりなさーい!」

 

麻弥「あはは、びっくりさせちゃいましたか?すみません、ちょっとしたサプライズを計画していたので・・・」

 

相汰「ちなみに、これ計画したの誰だ?日菜か?」

 

麻弥「いえ、ジブンですよ。」

 

相汰「え、麻弥だったのか?」

 

麻弥「あはは、ビックリさせてみたかったんですよ。どんな顔をするのかってワクワクしていましたけど」

 

相汰「普通で悪かったな」

 

麻弥「さあ相汰くん!はやくこっちへ!」

 

 

 

 

 

【空葉宅:台所】

 

相汰「この料理とケーキ…もしかしてこれって」

 

麻弥「はい!」

 

優弥・瑠南「「(コクコク)」」

 

相汰「もしかして優弥と瑠南も・・・」

 

麻弥「はい、そういうことです。他のところにあいさつに回ってほしいというのは名目で、他のメンバーにジブンの計画のお手伝いしてもらったんです。」

 

相汰「・・・そうか、ははっ。嬉しいな・・・まったく、今日はサプライズ祭りだな。」

 

相汰「とりあえず・・・優弥、瑠南。好きなお姉ちゃんのところに行ってきていいぞ。」

 

優弥・瑠南「「(コクコク)」」

 

そう頷いて優弥と瑠南が行ったところは・・・

 

瑠南:リサのところ

 

優弥:千聖のところ

 

相汰「リサも千聖も短い時間だったのに相当懐いてるな。ここまで懐いてるのは初めてだぞ」

 

 

バンドメンバー+瑠南、優弥、相汰食事中・・・

 

相汰「ごちそうさま。」

 

バンドメンバー「ごちそうさま。」

 

優弥・瑠南「「ごちそう・・・さま・・・」」

 

麻弥「では相汰くん以外の皆さん、席をお立ちください!」

 

相汰「???」

 

麻弥「せーの・・・」

 

 

 

 

 

相汰以外のメンバー「誕生日、おめでとうございます!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

主の低スペックな脳で考えられたこの小説をここまで読んでいただきありがとうございました。本作はこれで終わりとなります。今回は結婚後のストーリーということで一番長く仕上がりました。次作は・・・本作の途中にヒントが隠されています。

それではここまで読んでいただき・・・本当にありがとうございました!次回作にご期待ください!


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番外編:この日を彩ろう

どうも、ルミィです。

では・・・大和麻弥ちゃん、誕生日おめでとうございます!今回は麻弥ちゃんの誕生日会です!ハーメルンに投稿した最初の作品でまさか一番に祝えるなんて思ってませんでした(本当です)

初めての番外編ですが、楽しい目で見てくれると嬉しいです





《今回は本編では語られなかった高校3年生としての時間軸となっています(時間軸は10話と11話の間と思っていただければ)》












 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11月2日

 

今日は麻弥の誕生日の前日だ。今日の授業は終わって放課後になったのでこれからパスパレのメンバーや麻弥と仲がいい人を誘ってファミレスに集合することになっている。

ちなみに、3年生になってからも麻弥たちと同じクラスになった。

 

 

 

 

 

【放課後3ーB】

 

相汰「今日の授業も終わり・・・っと」

 

麻弥「相汰くん、お疲れ様です。今日、この後時間ありますか?」

 

相汰「あー、悪い。今日はちょっと外せない用事があるんだ。」

 

麻弥「そうなんですか?」

 

相汰「ということで、俺はちょっと行くところがあるから早めに失礼するぞ」

 

麻弥「わかりました。でもあまり遅くならないでくださいね」

 

相汰「ああ、また後でな」

 

そう言って俺は教室から出た。麻弥は今日の日直なのである意味助かった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【羽丘学園校舎前】

 

相汰「ごめん、待った?」

 

リサ「大丈夫だよ相汰くん。それにしても相汰くんから麻弥の誕生日会をやりたいって言って来た時は驚いたなぁ」

 

相汰「まあ、高校最後の誕生日なので盛大に祝いたいんですよ。後は・・・」

 

日菜「そーくんごめんねー!ちょっとだけ生徒会の仕事が残ってて!」

 

相汰「もしかしてつぐみに押し付けてきてないですよね?」

 

日菜「つぐちゃん頑張り屋だから頑張ってくれるみたい。」

 

相汰「はぁ…あとでつぐみに何か買ってあげましょうか。」

 

日菜「うん!それよりリサちー、そーくん、早くファミレスに行こうよ!もうみんな着いてるころだよ!」

 

相汰「そうですね、行きましょうか」

 

俺たちはファミレスに足を進めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ファミレス】

 

相汰「すみません、イヴ、千聖さん、彩さん、有咲。」

 

千聖「いいえ、大丈夫よ。私たちもさっき来たところだから」

 

イヴ「それではマヤさんの誕生日パーティのカイギをしましょう!」

 

彩「イヴちゃん、カイギじゃなくて話し合いだよ。」

 

有咲「まあ、結局は変わらないからいいんじゃね?」

 

リサ「それじゃあ始めよっか」

 

日菜「うん!」

 

美咲「まあ、ほどほどにやりましょうか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相汰「それで、ここはこんな感じでどうでしょう?」

 

リサ「誕生日ケーキはどうする?スポンジケーキはアタシが焼いておこうか?」

 

日菜「それじゃあ、スポンジケーキはリサちーに任せてあたしたちはケーキに乗せる果物とかクリームを買いに行かない?」

 

相汰「リサさんはケーキスポンジ担当で、残りのメンバーは俺、千聖さん、彩さん、有咲、美咲、日菜さんの6人ですか。俺は一応果物を切る係でも大丈夫なんですがリサさんは食べたい果物とかあります?」

 

リサ「うーん、イチゴがいいかな。」

 

相汰「イチゴですね、わかりました。それじゃあ今から材料の確保に行きましょう。」

 

美咲「どんな果物がいいでしょうかね・・・大和さんの好みはあまりわからないので」

 

相汰「麻弥は苦い物とかじゃない限りは大丈夫ですよ。まあみんなで見て回りましょうか」

 

彩「うん!」

 

俺たちはファミレスを後にしてショッピングモールに向かった。ちなみに麻弥は日直の仕事の後は家に戻ると言っていたので出くわす心配はないだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ショッピングモール】

 

相汰「さて、着きましたね。それでどうします?何組かに分かれて材料を確保しますか?」

 

千聖「そうね、リサちゃんと日菜ちゃんでケーキスポンジの材料と生クリームを、私たちは何組かに分かれて果物を買いに行きましょうか。」

 

イヴ「ここには何か所か果物屋さんがあるので皆さんで分かれて回る方がいいと思います!」

 

日菜「それじゃあリサちー、あたし達は先に行こうよ!早くしないと売り切れちゃうよー?」

 

リサ「それもそうだね。早くいこっか。それじゃあ疾透くん、アタシたちは行くね」

 

彩「リサちゃん、気をつけてねー!」

 

リサさんと日菜さんは別の階に移動した・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相汰「さて、ここには6人残ったわけですけどどんな組み合わせで回りましょうか?」

 

千聖「そうね、みんなは誰と一緒に回りたいとかはあるかしら?」

 

イヴ「私はアリサさんと一緒に回りたいです!」

 

有咲「私か!?ベ、別にいいけど・・・」

 

美咲「あたしは千聖さんと一緒に回ってみたいですね」

 

千聖「あら、私かしら?いいわよ」

 

相汰「それじゃあ残った彩さんは俺とですね。」

 

彩「よーし、頑張るぞー!」

 

相汰「何を頑張るのかはわかりませんけどあまりやりすぎないでくださいね」

 

彩「はーい!」

 

相汰「それじゃあみなさん、いい果物を探しましょうか」

 

俺たちは一度別れ、各自ケーキに乗せる果物を買いに行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彩・相汰side

 

相汰「さて、一度ここを見て回りましょうか。」

 

彩「そうだね。ここは果物をたくさん売ってあるみたいだから珍しいものもあるかもしれないし」

 

相汰「一応他のメンバーに俺のお金を預けてあるのでそこまで奮発はしないと思いますが・・・」

 

そう、みんなで買う果物は全部俺の負担で買うことになっている。ちなみにお釣りとかはちゃんともらう。

 

彩「あ、このラズベリーなんてどうかな?」

 

相汰「こっちにはブルーベリーもありますね。ベリー系の果物は目にいいとか言いますしこれもよさそうです」

 

彩「あ、こっちには珍しい色のパイナップルもあるよ!果肉の色は緑みたい」

 

相汰「へえ、そんなものまであるんですか。じゃあそれも入れて俺たちは集合場所に向かいましょう」

 

彩「そうだね、これだけ買えば他のみんなもいろんなのを買ってきてくれるから私たちはいこっか」

 

彩・相汰side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千聖・美咲side

 

美咲「さて、何を買いましょうか。」

 

千聖「ありきたりなものばかり買っても普通のケーキとは変わらないから一風変わった果物を入れたいわね」

 

美咲「そうですね、何かいいものは思いつきませんか?」

 

千聖「メロンやスイカはありかもしれないわね。でもスイカは果肉がすぐ崩れるからスポンジに混ぜる感じでどうかしら」

 

美咲「所謂隠し味というやつですね。それならキウイなんてどうでしょう?」

 

千聖「いいわね。それじゃあこれだけ買ったら集合場所に行きましょうか」

 

美咲「あたし達ながらいい買い物しましたね。今度またこっちに来た時に同じものを買って帰りましょうか。」

 

千聖「その時は私も紅茶を用意しておくわね。」

 

千聖・美咲side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有咲・イヴside

 

イヴ「アリサさん!こちらの果物なんてどうでしょう!」

 

有咲「これは…ヤシの実の果肉か。まあいいんじゃねーか?お金は相汰さんのだけど・・・というかあるのかよ!!」

 

イヴ「アリサさん!こちらにもありました!」

 

有咲「こいつ柿だな。…なあイヴちゃん、一ついいか?」

 

イヴ「なんでしょう?」

 

有咲「これだけ買うのはいいんだけど、他のメンバーがどんなのを買ったのとか考えて買った方がよくねーか?」

 

イヴ「大丈夫です!いざとなったらソウタさんたちにあげましょう!」

 

有咲「・・・まあいいか。早く買って合流するぞー」

 

イヴ「わかりました!」

 

有咲・イヴside out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ショッピングモール:インフォメーションセンター前】

 

リサ「あ、来た来た!みんなこっちだよ!」

 

相汰「すみません、果物を買ったのはいいんですが彩さんが洋服コーナーに足を運んじゃいまして…」

 

千聖「彩ちゃん、またなの・・・?」

 

彩「えへへ、買っちゃった。」

 

相汰「・・・次からは気をつけてください彩さん」

 

日菜「みんな、どれだけ買えたー?」

 

相汰・有咲・美咲「「「これくらい買えました」」」

 

日菜「わーい!果物がたくさんだー!これならフルーティなケーキになりそうだねリサちー!」

 

リサ「だねー☆それじゃあ帰ってさっそくスポンジを作らないと」

 

相汰「これだけの量を俺が持ち帰ると麻弥にバレるので今日は日菜さんの家に泊まらせてもらってもいいですか?」

 

日菜「あたしの家に?いいよ!」

 

相汰「すみません。ついでに果物も切るので台所も借りさせてもらっても」

 

日菜「それくらいならお安いごようだよ!おねーちゃんにも連絡しておくね!」

 

千聖「それじゃあ今日は解散しましょうか、みんなお疲れ様」

 

相汰「お疲れさまでした」

 

俺たちは解散し、それぞれの帰路についた。帰り際に麻弥に連絡を入れて、今日は日菜さんの家に泊まると伝えた。最初は麻弥も心配していたが、『相汰くんなら大丈夫だって信じてます』と返事が返って来た。何を信じてるんだ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから俺は日菜さんの家でみんなが買った果物を適当な大きさになるように切って冷蔵庫に入れてその日は終わった。さすがに俺と麻弥が恋人同士なのを自重したのか日菜さんは紗夜さんと一緒の部屋で寝たという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11月3日

 

今日は麻弥の誕生日だ。麻弥はリサさんに任せて麻弥を色んな所に連れまわしてくれることになっている。それとは別に俺たちは麻弥の家でリサさんが焼いてくれたスポンジケーキに生クリームを塗ってその上に盛り付ける感じだ。ちなみにリサさんが作ってくれたスポンジケーキは二つあり、サンドイッチのように果物を中に入れることもできる。

 

【午後2時:相汰・麻弥宅】

 

 

 

 

相汰「ここはこんな感じでどうだ?」

 

有咲「もうちょっとこっちにずらしたらどうだ?」

 

千聖「彩ちゃん、イチゴはこの位置でいいわよね?」

 

彩「うん!SNS映えしそうな感じだね!いいよ千聖ちゃん!」

 

イヴ「ソウタさん!こっちは飾り付けが終わりました!」

 

日菜「あはは、イヴちゃんが張り切りすぎてあたしは何もしなかったけどねー」

 

有咲「後は大和さんが来るのを待つだけだな。リサさんから連絡は来るらしいし気長に待つか」

 

相汰「だな。」

 

(テーレッテー)注:相汰のスマホの着信音ですby主

 

相汰「噂をすればなんとやら、か。」

 

リサ「ヤッホー♪何とか間に合ったね」

 

相汰「いえ、まだもう少し時間があるので大丈夫ですよ。それじゃあ準備はあと少し残ってるので終わらせましょうか」

 

イヴ「はい!いざサプライズの幕開けです!」

 

少年少女達準備中…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相汰「なんとか準備は終わりましたね。そろそろ麻弥が着くころでしょうか」

 

日菜「そうだねー☆麻弥ちゃんをるんってさせよう!」

 

彩「大丈夫大丈夫…これは収録じゃないんだし噛まない噛まない・・・」

 

千聖「彩ちゃん、本当に大丈夫なのかしら…」

 

美咲「彩さん、偶に学校で見かけるんですがよく困ったようなところを見せるんですよね…」

 

有咲「ま、まあいいんじゃねーか?」

 

(ピンポーン)

 

相汰「お、来たな。それじゃあ連絡を入れて・・・っと」

 

(ガチャ)

 

麻弥「ただいま戻りました…」

 

(パァン!)

 

麻弥「うわぁ!?何ですか!?」

 

「「「「「「「誕生日おめでとう!」」」」」」」

 

麻弥「え、えええええ!?もしかしてこのために!?」

 

相汰「悪いな、このために昨日は麻弥の家に戻れなかったんだよ」

 

麻弥「あー…なるほど、サプライズってことですね。」

 

相汰「そういうこと。ほら、今日の主役は席についてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

【リビング】

 

麻弥「おおー!すごい量の料理ですね!」

 

相汰「ここにいるみんなでそれぞれ作ったんだ。それぞれが得意な料理を担当してみんなで味付けとかをアレンジしてみたんだよ」

 

千聖「ふふ、すごい驚いているわね。」

 

麻弥「これだけたくさんのおいしそうな料理を作ってくれたんですからそれはもう驚きますよ!」

 

相汰「まあ、本命はちょっと後で出すから今はみんなでこの料理を食べるか」

 

麻弥「はい!」

 

少年少女食事中…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

麻弥「結構食べましたね・・・日菜さんがジブンたちの倍くらい食べてたような気がします」

 

相汰「だな…日菜さんは『あたしはどれだけ食べても太らないから大丈夫だよ!』って言ったけど日菜さんだし普通に受け入れるしかないな」

 

麻弥「ですね…それで相汰くん、さっき言ってた『本命』ってなんですか?」

 

相汰「ああ、それは…千聖さん、有咲。二人で持ってきてくれないか?」

 

千聖「わかったわ」

 

有咲「わかったよ。」

 

そういって有咲と千聖さんは冷蔵庫から俺たちが作った誕生日ケーキを持って来た

 

麻弥「こ、これってもしかして誕生日ケーキですか!?」

 

相汰「そうだ。昨日はみんなで果物を買ってきて今日このケーキに乗せたりスポンジとスポンジの間に入れたんだよ。」

 

麻弥「そうだったんですね・・・ちなみにどれだけの果物を入れたんですか?」

 

相汰「俺たちに聞くよりは自分で食べた方がいいだろうな。ほら麻弥。」

 

麻弥「いただきます…こ、これはおいしいです!たくさんの果物のハーモニーが奏でられています!」

 

千聖「これを考えたのは確か相汰くんよね?」

 

相汰「はい、このケーキにあれだけたくさんのフルーツを入れることは難しかったんです。でもひとつだけ可能にする方法がありました。」

 

麻弥「それはなんですか?」

 

相汰「これです。」

 

俺が取り出したのは、小さいキューブ状のゼリーだった

 

麻弥「これ、ゼリーですよね?どうやってこのケーキに入れたんですか?ゼリーを食べたような感触はしませんでしたけど」

 

相汰「これは、時間経過で溶けるようになっていたんです。冷蔵庫からここまで持ってくるまでの短い時間の間にゼリーは7割ほど溶けてスポンジケーキに染み込んでいました。」

 

有咲「つまり、見た目以上にフルーツの味はスポンジケーキに染み込んでいたんです。だから大和さんがいろんな味がするって言ったのは間違いじゃないんです」

 

麻弥「なるほどー…ジブンもゼリーを作ったことはありましたけどそこまでは考えたことはなかったですね。」

 

相汰「これに名前を付けるとしたら…『カラフルキューブ』といったところですかね。ここに集まったのはパスパレのメンバーだけじゃない、Poppin'Partyの有咲、ハロハピの美咲、Roseliaのリサさんもいるんです。みんなは違う色を持っていて、みんなでつくったこれは溶けた瞬間にたくさんの色を周りにスプレーのように振りまき、そして染まるんです。」

 

麻弥「相汰くん、皆さん…ありがとうございます!今日は今までで素敵な誕生日パーティですよ!」

 

俺たちは笑いあい、その日の誕生日パーティは終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【麻弥の部屋】

 

麻弥「今日はありがとうございました相汰くん。ジブンのためにあんなに楽しいサプライズパーティを開いてくれて」

 

相汰「麻弥のためならこれくらいは張り切らないと。ま、まだ俺たちは付き合い始めてから1年とちょっとしか経ってないしな。去年はちょっと学校の方が忙しくて誕生日を祝うどころの話じゃなかったしな…ま、今までの分を全部上乗せだ」

 

麻弥「フヘヘ…とても嬉しいです相汰くん。」

 

相汰「ああ、そうだ麻弥。一つだけ渡し忘れてたプレゼントがあったよ」

 

麻弥「まだ何かあるんですか?」

 

麻弥はキョトンとした目で俺を見ている。それにこたえるように俺は麻弥にキスをした…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相汰「改めて、誕生日おめでとう。麻弥」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

初めての番外編への試みだったので至らぬ点があったかもしれませんが、主的には書くことができて満足しております。まだ未熟者ですが、これからもよろしくお願いします



それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!


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