バカとゲームとドロップアウト!?(凍結) (あんこ入りチョコ)
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天使と悪魔のキャラ設定!

今回は本編更新ではなくキャラ設定の紹介になります。
キャラ設定はガヴリールドロップアウトのキャラがメインで、バカとテストと召喚獣のキャラは補足が主になっています。
ゆるい部分もあるかもしれません。


明久とガヴリールドロップアウトのキャラ

 

吉井明久

 

2年Fクラス

 

詳細:本作の主人公。人に優しく、困ってる人を見過ごせない性格

文月学園に入学する際、入学前にガヴリールが隣の部屋に引っ越してきて、ガヴリールと出会う。

原作と違い、最低限の食費、光熱費等の生活費は確保しているが、それ以外の仕送りはゲーム(遊戯王とポケモンカード)に費やしている。

1年時の成績は学年底辺だったが、夏休み等の長期休みの期間にガヴリールと共に、ヴィーネによる地獄の勉強会により成績は向上している。

 

 

 

天真=ガヴリール=ホワイト

 

2年Fクラス

 

詳細:本作の第二主人公。ぐーたらでだめだめな性格の(駄)天使

天使学校を首席で卒業して、文月学園に入学する前に明久の隣の部屋に引っ越して、明久と出会う。

だめだめな性格ではあるが、ゲームに関しては本気で取り組み、試験召喚戦争や補充試験なども、ゲームのようなものだと煽ったらやる気を出す時もある。

ゲームの実力は明久と同等で、読み合いが深すぎるが故にありえないような行動をされると負ける時がある。

ほとんどの人から「ガヴ」と基本的に呼ばれる。

 

 

 

月乃瀬=ヴィネット=エイプリル

 

2年Aクラス

 

詳細:人に優しく、困ってる人を見過ごせない性格の悪魔

人間界に来たばかりで道に迷っていた時に、ゲーム堕ちする前のガヴリールに出会う。

悪魔だが根が真面目で、ガヴリールや明久の世話をしていることが多いため、性格を知っている人からは「お母さん」といじられることも何度かある。

ゲームはあまり得意ではないが、怒った状態での強さは異常。

ガヴリールからは「ヴィーネ」、明久からは「月乃瀬さん」と基本的に呼ばれる。

 

 

白羽=ラフィエル=エインズワース

 

2年Aクラス

 

詳細:ドSな天使(ド直球)

天使学校を次席で卒業しており、ガヴリールとはその頃からの仲。

ドSな天使で、明久からは「ガヴも白羽さんも月乃瀬さんも、生まれてくる種族を間違えた」と思われている(言ってもいる)。

基本的にはサターニャを弄っており、ガヴリールと明久はその次の標的。

ゲームはすごく上手という訳でもないが、ドSスイッチがONになると、着地狩りやはめ技など、相手の抵抗を許さない。

ガヴリールからは「ラフィ」、明久からは「白羽さん」と基本的に呼ばれる。

 

 

 

胡桃沢=サタニキア=マクドウェル

 

2年Fクラス

 

詳細:原作の明久並のバカ(本作は少し向上してるので、本作で1番のバカ(モブを除く))で、自称大悪魔の悪魔。

魔界の頃からのヴィーネの知り合いで、スケールは小さいがヴィーネよりも悪魔的な行動をしている(あまり成功していないが…)。

犬やラフィエルなど、天敵が多く、雄二によよく弄られている。

悪魔だからか味覚も普通とはかけはなれており、劇物でも美味しく食べるほどの味覚をしている。

ガヴリールからは「サターニャ」、明久からは「胡桃沢さん」と基本的に呼ばれる

ゲームはブラフに引っかかりやすく、決して下手ではないが上手くもない

 

 

 

 

 

バカテスキャラの変更点(主な変更点があるキャラのみ記載)

 

坂本雄二

明久とは悪友ではあるが、明久の不幸が大好きではないなど、性格は少し丸くなっている。弄る頻度もお互いに少ない

 

島田美波

明久とは友達だが、暴力的ではなく、明久に恋愛感情を抱いていない。

 

姫路瑞希

明久と幼なじみだが、暴力的ではなく、恋愛感情も抱いておらず普通の友達だと思っている。

 

霧島翔子

暴力的ではないが、雄二への独占欲はそのままで、暴力以外のアピールは多い

 

 

 




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天使と悪魔と伝説の傭兵!

初めましての方は初めまして。あんこ入りです
また、別の作品を見ていただいてた方で、なんで別の作品を更新しないんだと思っている方は、活動報告をご覧下さい


--------春

 

 

 

それは、桜が咲きほこる出会いと別れの季節

 

僕、吉井明久は、散ってゆく桜の吹く道を----

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

----疾走していた

 

 

 

「遅刻だぁぁぁぁぁ!!

ガヴが登校しようとしないからこんな時間になっちゃったじゃないか!僕だけならともかく、月乃瀬さんにも迷惑がかかっちゃったじゃないか!!」

 

「自分は悪くないような言い方をしてるけど、昨日の夜寝る時間が遅くなったのはアキのせいじゃないか!つまりヴィーネに迷惑がかかったのもアキのせいだ!」

 

彼女は天真=ガヴリール=ホワイト

小さい体に金色のボサボサした毛玉みたいな髪の女の子だ

実は彼女は人間ではなく天使なんだ。

1年前までは別人のような真面目だったのに、僕のせいでもあるんだけどいつの間にかこんな駄目駄目な天使、駄天使になってしまったんだ…

 

「2人とも無駄な罪のなすり付けあいをするくらいなら、早く足を動かして間に合うように行かないと、大変なことになるのが分かってるの!?」

 

そして僕達の言い合いにツッコミを入れる彼女が月乃瀬=ヴィネット=エイプリル

僕とガヴの友達で、よくツッコミを入れてくる。

彼女は悪魔なんだけど、世話焼きで優しい性格をしる。

ほんと、ガヴと月乃瀬さんは産まれてくる種族が逆だったんじゃないかなって思うんだ…

 

 

「そうだね!とりあえず今からでも、間に合うように走ろう!」

 

これ以上、月乃瀬さんに迷惑はかけられない!

 

「アキが先に折れるならヴィーネに迷惑をかけてるのはアキってことだぞ!ほら、ヴィーネに謝れ!」

 

この駄天使!まだそういうことを言うのか!

 

「そういうのはもういいから、ガヴも早く走りなさい!」

 

「月乃瀬さんの言う通りだよ!早く門を潜らないと、伝説の傭兵が…」

 

門の目の前には人の影が…時計を見るからにまだ間に合う!!

 

「遅いぞ吉井、天真、月乃瀬!それと、変なことを考えていなかったか?」

 

 

 

す、鋭い…!

 

 

 

「おはようございます鉄人!それは気のせいじゃないですか?」

 

「うっす、鉄人」

 

「おはようございます、西村先生。遅れてすみません」

 

 

「ああ、おはよう月乃瀬。

そして吉井、天真、鉄人ではなく西村先生と呼べと何度言ったらわかる?それと、おはようございますじゃないだろ?」

 

 

 

「えーっと…今日も黒光りするその肌は凄いですね…?」

 

「鉄人の肌は松崎し〇るには劣るけどすごく黒いですね」

 

 

「お前たちは遅刻しそうになったことよりも、俺の肌の方が大事なのか?少しは月乃瀬を見習え」

 

 

 

「ああ、そっちでしたか。遅刻しそうですみません…って、僕ギリギリセーフですよね!?」

 

 

 

「いや、お前たちは…

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

 

…ギリギリでアウトだ」

 

 

 

「そんな!鉄人が止めなかったらセーフだったじゃないですか!」

 

「そうだ鉄人!私達は間に合ってたぞ!」

 

 

「いや、止めてなくてもアウトだ。なぜなら、今日は新学期になって初日。つまり、これを全生徒に渡すことになっている。受け取れ」

 

 

 

そう言って、鉄人は白い封筒を僕たちに差し出してきた。これってもしかして…

 

 

 

「お年玉ですか?」

 

「よし、アキこれで新弾を買って勝負するぞ!」

 

 

「「そんなわけないだろう(でしょうが)…」」

 

 

 

呆れ顔で鉄人と月乃瀬さんは僕たちのことを見てくる。わ、分かってるよ。ボケただけだって

 

 

 

「振り分け試験の結果ですよね?」

 

そう、それだよ!先に月乃瀬さんに言われたけど、そう言いたかったんだよ!

 

 

「そうだ。我が校はシステムの関係上、こうして俺が朝早くから一人ずつ手配りしているのだが…お前たちが来ないからな、ここに立って待っていたところだ」

 

 

 

そう、僕が通う文月学園の珍しい特徴としては、科学とオカルトが混じり合い、(噂では偶然)開発された試験召喚システムを用いた、クラス対抗での試験召喚戦争が行われる。そのクラスを学力によって決めるための振り分け試験の結果で、教室のランクと召喚獣の装備諸々が決まり、クラス対抗だからクラス分けを全クラスの生徒に対して公開すると、相手クラスにいる人物がバレて、対策を練ったりとかが容易になるから、という思考があるみたいなんだ。って、月乃瀬さんがワクワクしたように言ってたような…

 

 

 

それにしても…朝早くから待っていた…?ということは…

 

 

 

「最初に来る人が来る前からここに居たってことですか?」

 

 

 

「そうだ。一番早い者で部活の自主練のためといって早く来る者もいるからな」

 

 

 

この人はもしかして文月学園に住み着いてるんじゃないか

 

 

 

「うわぁ…朝早くからお疲れ様です、鉄人」

 

「おつかれ鉄人」

 

「お疲れさまです西村先生…」

 

 

「お前たちは何度言ったらわかるんだ…それと、立ち話ばかりしているとどんどん時間が過ぎていくぞ。早く受け取って自分のクラスに行け」

 

 

 

「「「わかりました」」」

 

 

 

 

 

吉井明久 Fクラス

 

天真=ガヴリール=ホワイト Fクラス

 

月乃瀬=ヴィネット=エイプリル Aクラス 

 

 

 

 

 

これは------人間界の娯楽に堕ちた天使とバカの物語

 

 

 




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豪邸と廃墟と遅い後悔

今回は少し短めです


「ガヴもFクラスだったんだね。テストの出来は悪かったの?」

 

「アキも一緒に来ただろうけど、テストの前日に箱争奪があってたよね?それで疲れてたからテストの時に寝てた」

 

「あー、うん。僕も疲れてはいたけど流石にテストの時には寝てないよ…」

 

「隠さなくていいよ。私は知ってるから。ずっと寝てたよね?」

 

うっ…バレてる…

 

「ちょ、ちょっとだけ疲れて少し居眠りしてただけだから…!」

 

「その割には、毎時間寝てたよね?」

 

「吉井くんもガヴも、テスト中寝てたの?春休みの間ずっと教えてあげてたのに…」

 

「ヴッ…そ、そんなことより、Aクラスについた…ってここ、ほんとに学校の教室…?」

 

「アキは相変わらず話そらすの下手だなー…って、ホントだ…あのババァ、学校の設備にどれだけ金つぎ込んでるんだよ…」

 

「うわぁ…下界の学校って凄いのね…」

 

僕たちはそれぞれの教室に向かうために2年生が使う3階に到着したんだけど、目の前に拡がっていた光景は、まるで高級ホテルのパーティ用の部屋のような大きさをした2年Aクラスの教室だった。

 

「ずるいぞヴィーネ。私とクラスを変えてくれ」

 

「無理に決まってるでしょ?努力しなかったガヴたちのせいなんだから…」

 

「ガヴ、駄々こねないで僕たちは僕達の教室に行くよ。ただでさえ遅刻してるんだから…」

 

「そうだった!またあとでねガヴ、吉井くん!放課後、ガヴの家に行くから!」

 

「ちょ、なんで放課後に私の家に来るんだ」

 

「そりゃあ、私があれだけ教えてたにも関わらずFクラスなんだから、その反省会よ」

 

ガヴ…ご愁傷さま…

 

「自分は関係ないみたいな顔してるけど、吉井くんもだからね?拒否したらこの前没収したガヴと吉井くんのカードゲーム、捨てるからね?」

 

「…はい」

 

「人質なんて卑怯だぞヴィーネ」

 

「そりゃあ、私は悪魔だもの。じゃあ、またあとでね。

すみません!遅れてしまいました!」

 

そう言いながら月乃瀬さんはAクラスに入っていった。

 

「…とりあえず僕たちもクラスに向かおうか」

 

「アキ!あれだけは捨てられる訳には行かないから絶対に私の家に来てよ!」

 

「絶対いくよ、僕もあれを捨てられる訳には行かないんだ…!」

 

僕とガヴが没収されたカードゲーム、遊戯王のデッキなんだけど、僕もガヴも1番お金のかかったデッキを取られたんだ、捨てられる訳にはいかないよ。

 

「…あれ?僕達のクラスは?ここ、廃墟じゃないか」

 

「…ガラスに2-Fって書いてあるけど、誰かのイタズラだな…?」

 

僕たちは教室に向かってたはずなんだけど…おかしい、目の前にあるのは廃墟だ

 

「うん、きっと誰かのイタズラだよね!さぁガヴ、帰ろうk「吉井くん、天真さん、入口でたたずんでないで入ってください」あ、福原先生!ってことは、ここ…Fクラスで間違いないんですか…?」

 

「そうです。ホームルームはまだ始まってないので、早く入って始めましょう」

 

「「…わかりましたー」」

 

こ、こんな廃墟が僕たちの教室だなんて…

この先が不安だな…




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馬鹿と仲間の自己紹介

今回は自己紹介編です。
1話にまとめたかったので長めになってます。
ラティアスの厳選(まだ終わってない)だったり、ゲームのイベントだったりで少し遅くなりました


教室に入って、僕達は2つ隣同士で並んでる机(ちゃぶ台)に座ると、隣の人物が声をかけてきた

 

 

「よお、明久。遅かったじゃねーか」

 

赤髪でツンツン立っている髪の毛の持ち主だ。

 

「おはよう雄二。朝、ちょっと色々あってね」

 

そして僕たちの友人でもある。

話しかけてきた男子生徒の名は坂本雄二。僕の悪友だ。

 

「まぁ、お前のことだからそこで寝始めた天真かお前が何かやったんだろうが、そこは聞かないでおいてやる」

 

「まったく、いつも鋭いねー。それにしても、なんで雄二がFクラスなの?Aクラスにも行けたよね」

 

雄二は元々、神童とも呼ばれてたほどに頭が良くて、色々あって悪鬼羅刹って異名もついてたんだけど、1年の時のある出来事がきっかけで、Aクラスレベルの成績も取れるはずなんだけど…

 

「まぁ、色々あってな。俺はこのクラスの代表だ」

 

クラス代表、それは振り分け試験で振り分けられたクラス内で最も成績がよかった人物のことで、試験召喚戦争では代表が戦死するとクラスが敗北するなど、クラスで重要な役割を持つ人物なんだけど…

 

「代表ってことは、それこそなにか企んでるでしょ…」

 

「ま、もうちょっとしたらそれも教えてやる」

 

「静かにしてください。みなさんおはようございます。えー…担任の福原慎(ふくはらしん)です」

 

福原先生はそう言って自己紹介をしたけど…

 

「ねぇ雄二、先生はなんで黒板に名前を書かなかったの?」

 

「あぁ、早めにこのクラスに来て設備を確かめてたんだが…この教室にはチョークがなかった」

 

「…え?まじで?」

 

「あぁ、マジだ」

 

チョークすらないって…どんな教室だよ…

 

「では、自己紹介を始めましょうか。そうですね。廊下側の人からお願いします」

 

福原先生の提案で自己紹介が始まった

福原先生の指名を受け、車座を組んでいた廊下側の生徒のひとりが名前を告げる。

 

「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる」

 

最初に自己紹介をしたのは、去年からのクラスメートで友達の木下秀吉だった。見た目は完全に美少女なのに自分のことを男だと言い張る彼は、このクラスの天使でしかない。

 

そうやって頭の中で誰に対してかかわからないけど説明をしていると次の人が立っていた。

 

「…………土屋康太」

 

次に立ち上がったのは、ムッツリーニこと土屋康太だ。彼はまぁ、一言で表すとエロの化身だ。それ以上でも、それ以下でもないと思う。

 

「島田美波です。海外育ちでまだ分からないことも多いけれど、仲良くしてくれると嬉しいです」

 

次の人は、このFクラス数少ない女子の内の一人、島田美波さんである。日本生まれドイツ育ちの帰国子女で、会話は問題なくできるが、日本語を読み書きするのは苦手だけど、Bクラス並の学力を持つ聡明な女の子だ。

 

 

類は友を呼ぶ、というやつだろうか。なんだか知り合いが多い気がする。

いや、でも僕はそんなに馬鹿じゃないはずだ!!

 

 

「では次は、胡桃沢さん、お願いします」

 

福原先生の言葉に、教室のど真ん中に鎮座していた、ツインテールを輪っかのようにした髪型とコウモリをモチーフにしたヘアピンが特徴の女の子……胡桃沢さんは、高笑いを上げながら起立した。

 

 

遠からんものは音に聞け!

近くば寄って目にも見よッ!

我が名は胡桃沢=サタニキア=マクドウェル!

いずれはこの世界を支配し、頂点に君臨する大悪魔よ!なーっはっはっはっは!」

 

ちゃぶ台に立ち上がって、胡桃沢さんは高らかに宣言した。

瞬間、教室が居た堪れない空気に包まれる。

 

 

「うわぁ……」

 

「ちなみに、そこにいるガヴリールは私の永遠のライバルよ!私のライバルになりたいのなら、まずはそいつを倒すことね」

 

「誰がライバルだって?」

 

むくりと、めんどくさいオーラ全開で起き上がるガヴリール。

胡桃沢さんもまた、月乃瀬さんと同じく悪魔である。それ故なのか天使であるガヴリールを一年生の頃からずっと目の敵にしている。

…その割には仲良さそうだけど。

 

 

「では、次は天真さん。自己紹介をお願いします」

 

「めんどくさいなぁ…

あー……天真=ガヴリール=ホワイト。好きなのはゲーム。よろしく」

 

その後は淡々と自己紹介は進み、やがて僕の番が訪れた。

 

「吉井明久です。気軽に『ダーリン』って呼んでくださいね♪」

 

 

 

「「「ダァァーーーーーーリィィーーーーーン!!」」」

 

 

 

野太い声の大合唱。これは非常に不愉快だ。

 

 

「失礼、悪れてください。趣味はゲーム、とにかくよろしくお願いします」

 

 

突然教室のドアがガラッと開いた。皆の視線がそちらへと向かう。そこにいたのは、息を切らせて胸に手を当てた女子生徒。

 

「あ、あの、遅れてすみません……」

 

「丁度良かったです、今自己紹介をしていたところなので、姫路さんもお願いします」

 

 

 

「はっ、はい!あの、姫路瑞希と言います。よろしくお願いしますっ」

 

 

「あの! どうしてここにいるんですか?」

 

このクラスの大半が思ったであろう一言を、ある男子生徒が質問する。

聞かれようによっては失礼な質問であるが、姫路さんは学年トップクラスの学力を持つ才女だからだ。

そんな当然Aクラスにいるべき彼女が、何故かFクラスの教室にいる。

 

「そ、その……振り分け試験の最中に、高熱で倒れてしまって……」

 

配属クラスは振り分け試験の総合点で決定する。

試験の途中退席は失格、つまり0点扱いになってしまうのだ。それ故に、彼女はFクラスに配属されることとなってしまった。

彼女の説明に合点がいったのか、今度はFクラスの面々が各々言い訳を始めた。

 

 

「私はラティアスの厳選に忙しかったのでそれで」

 

 

「忙しいどころかいまだに終わってないよね…というか、今朝言ってたことと違うし…」

 

ガヴは前日に自力で、ラティアスの色厳選をしてみせる!といい、自ら天への祈り(物理)を封じてラティアスの色厳選をしている。

まぁ、いまだに終わってないんだけど…

 

 

「で、では、今年一年よろしくお願いしますっ!」

 

姫路さんはいい加減注目の的なのが恥ずかしくなったらしく、逃げるように空いていた席についた。雄二の席の隣だ。

ガヴリールも淡々と続く自己紹介に飽きてきたのか、座布団の上でウトウトし始めている。

 

「坂本くん、君が自己紹介最後の一人ですよ」

 

姫路さんも自己紹介を終え、その後も特に問題なく自己紹介を終え、いつのまにか代表の雄二のみとなる。

了解、と短く応え、雄二は教壇に立った。

 

 

「Fクラス代表の坂本雄二だ。俺のことは代表でも坂本でも好きに呼んでくれ。さて、皆に一つ聞きたい」

 

雄二は長身なこともあって高い目線から僕らや教室を見回す。

かび臭い畳。古く汚れた座布団。薄汚れた卓袱台――

 

 

「Fクラスはこんな環境なのに対し、Aクラスは冷暖房完備の上、座席はリクライニングシートらしいが――不満はないか?」

 

 

 

「「「大ありじゃあーっ!!」」」

 

 

2年Fクラス生徒たちの、魂の叫び。

 

 

「ああ、そうだな。俺だって、代表としてこの格差に問題意識を抱いている。そこで提案なんだが」

 

 

バン、と教卓を叩き――雄二は自信たっぷりの不敵な笑みを浮かべて告げた。

 

 

「俺たちFクラスは、Aクラスに試験召喚戦争を仕掛けようと思う!」

 

 

雄二が、戦争の引き金を引いた




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ポケモンバトルの回はあと少しで書きます


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