黒獅子と9人の女神の物語 (面心立方格子)
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【随時更新】メインオリキャラ紹介

とりあえず作っておきます.....読む前でも読んだ後でも分かるようには作ってあります。少しネタバレする部分もありますが悪しからず。


メインオリキャラ

「一条伊月」(いちじょう いつき)

プロフィール

生年月日不明 15歳

性別男 身長181cm

第1回オリキャラ投票ランキング1位

 

本作の主人公にして、心に闇を抱えているダーク系な人間。【黒獅子】と呼ばれており、周りの人間から恐れられている。だが誰にでも手を出す訳ではなく、相手にするのは卑怯なものばかり。その為、闇取引等をしている人間からしたら邪魔でしかない。【3年前の惨劇】という事件の影響があり、人をなかなか信じることが出来ない。その過去は一部の人間しか知らず、後に会うμ'sのメンバーですら誰一人知らない。とある組織と敵対しており、命を狙われているため、あまり大切な人を作ろうとしない。そのせいか人間関係や自分の存在意義には人一倍意識があり、自分の在り方や生き方、どうすればいいか分からない人の力になっている場面もある。母親がピアニストであったこともあり、ピアノを弾くことが出来、その実力は真姫を上回る程。また父親の知り合いから体術などを習っていた過去があり、本人の運動能力も相まって、武器を使わない素手でのタイマンならかなりの実力を持つ。ルックスもそこまで悪くなく、顔が気持ち悪いという理由で避けられたりしたことはなかったらしい。勉強は3教科ならとてもレベルが高いが、社会が極端に苦手で、ちょっとしたワードを聞くだけでもショートする。

あらすじにもある通り、絵里を救い、そこから父親によって学校に入れられて数奇な運命を辿っている。その後に、1年生組と出会い、ちょっとした出来事等で仲良くなる。その後、μ'sに1年生組が入ることを知り、μ'sと関わることが多くなった。また希の策略で半強制的に生徒会に入り、絵里と親しくなる。そして、μ'sと絵里が対立していた時は衝突をなるべく避ける展開にもっていったりしていた。メンバーと向き合い心を開いていき、メンバーは彼を信用している。しかし、彼はまだ人間に心を開けるまでにはなっておらず、中々信用することが出来ていない。第2部になり、少しずつ明るくなってきた。ことりとは小学生の時に出会っており、姐さんと慕っている。

また車や電車などの閉塞している乗り物に乗るのが大の苦手で、のって5分も経たないうちに酔う。

 

「一条那月」(いちじょう なつき)

プロフィール

2月20日生まれ17歳

性別女 身長164cm

第1回オリキャラ投票ランキング3位

 

一条伊月の姉。雰囲気が優しく、明るい。周りを見ることに長けており、人を見るのが上手い。伊月の人間不信をある程度治した人であり、周りからも本当に優しい人間だと評価されている。しかし、年上でも間違ったことや自論で人を押さえつけてる人に対しては態度が悪くなる。英語がとても得意でイギリスに2年間留学していた。父親に呼び戻され実家に戻る。かなりのブラコンで伊月のことをとても気にかけている。3年生なので、絵里たちと同じクラスで仲も良く、生徒会長時代だった絵里が態度を柔らかくしていた数少ない人物。少しドジなところもあるが、やはり姉らしい場面は多く、たまにハイスペックな伊月の女子力に嫉妬していた場面も......

ルックス自体は良く、絵里ですらいいスタイルと褒めるほど。でも本人は伊月が靡いてくれないことを気にしている。

 

「一条敬一」(いちじょうけいいち)

プロフィール

4月8日生まれ 39歳

性別男 身長190cm

第1回オリキャラ投票ランキング5位

 

一条家の大黒柱。メインストーリーで明かされてはいないと思うが、元々SPの仕事をしていたこともあり、本気を出せば伊月や親友の黒柳を完封できるほど。銃を扱うことも報告をすれば認められ、腕前もなかなか。SPを辞めた後、後輩や警察官見習いに基礎的なことを教える仕事をしている。3年前、伊月の傍にいてやれなかったことを強く後悔しており、今でも伊月が1人で抱え込まないように気を使っている。いじめやかつあげを見逃さず、更に先生たちにも対等な雰囲気を感じさせるように喋っており、学生時代はかなりの問題児扱いされ先生たちを困らせていたらしい。ことりの母親の先輩で面識があり、先輩と慕われている。明るいおじさんみたいな感じが強いため、後輩の警察官からはあまり尊敬されていない。μ'sメンバーとは出会っており伊月のことを示唆することをちらほら.....周りから伊月の黒獅子としての活動を止めろと言われている中、本人が納得する自分を見つけて欲しい、裏切りだけじゃないということを分かって欲しいと思い、伊月にはあまり制約をかけていない。伊月自身もそこら辺は理解しており、感謝している。

 

 

「黒柳哲二」(くろやなぎ てつじ)

プロフィール

1月3日生まれ 38歳

性別男 身長186cm

第1回オリキャラ投票ランキング4位

 

一条敬一の同級生であり、ストッパーとしても役割を担っている。

生真面目な性格をしており絡みづらいと言われているが、ちゃんと話せば普通の人と変わりない感じである。警察官であり、伊月のことを担当している。組織の中で出世第一で被害者よりもお金のことを考える警察官が増えていることを憂いていて、どうにかしたいと考えている。芯の太い人間であり、周りが腐っても自分は正しいと思ったことをする。独身ではあるが、伊月や那月などを気にかけており、伊月のことを我が子の事のように心配している。伊月の過去を知る数少ない人物であり、内心では伊月には黒獅子を辞めて欲しいと思っている。学生時代は、優秀な生徒であり、一条敬一のストッパーをしていたので、周りからの印象が良かった。

 

 

橘優花(たちばな ゆうか)

プロフィール

性別女 身長170cm

第1回オリキャラ投票ランキング2位

8月2日生まれ 年齢はナイショだよ♪(多分ストーリーの中にあるので読んで見つけてみましょう。)

 

黒柳の後輩で、新人の警察官。黒柳がよく怒るので、文句を言うことが多いが、自分の意志を貫いている姿勢は尊敬しており、礼儀を忘れないようにしている。伊月のクラスの担任、神崎の同期で仲がかなり良い。女性だがその身体能力は男性に劣ることなく、同年代の警察官の中では実力が抜きん出ている。伊月とは3年前の事件の少し前に知り合っており、変わった伊月を見て驚いている。抜けている部分があり、逮捕をするのに手錠を忘れたり、要綱を抜かしたりなど小さいものもあれば大きいものもある。海未を助けたことからμ'sの存在を知り、時折大人として子供を手助けすることもある。第1部では登場回数が1番少ないキャラだったが、この作品で唯一のドジっ子というかそういうギャグ系に出てきそうなキャラの雰囲気を持っている人間。

 

神崎百合子(かんざき ゆりこ)

プロフィール

10月31日生まれ身長158cm

オリキャラランキング投票に入れるの忘れてました......

 

音ノ木坂学院の1年生の主任で伊月の担任。黒獅子である伊月のことを受け入れており、クラスの中で伊月が受け入れられていないことを気にしている。橘と正反対で、意外としっかりとしている。伊月を受け入れていることで、周りの教師から忌避されている面があるが、理事長からは信頼されており、受け入れにすぐ同意した人物。第1部では特にといった活躍場面はなかったが、伊月に場所を与えているという面では伊月の生活を支えている裏方のような役割を果たしている。これも本編では明かされていないが、スクールアイドル部の顧問であり、彼女たちに一役貢献している。

 

透谷(とうこく)

プロフィール

生年月日不明 身長不明

第1回オリキャラ投票ランキング最下位

 

第1部で最も謎に満ちている人物。立ち位置は、伊月のお付き人ではあるが、それ以外不明。言葉は執事口調で誰に対しても丁寧語を使う。実力は相当で、伊月とならぶ実力を持つ。姿を隠すのが得意で、常に影から伊月について行っている。かつてとあるお金持ちの家に使用人として雇われていた過去を持つため、伊月たちの拠点の基地スペースの状態維持の仕事を受け持っている。

 

 

 

毛利与助(もうり よすけ)

プロフィール

5月5日生まれ 身長155cm

第1回オリキャラ投票ランキング6位

 

伊月の頼れる片腕。喧嘩が出来ないが、ハッキング技術などに長けている。パソコンを操作するのは大の得意だが、その他の電化製品を扱うのが苦手で、使う度に壊している。身長も低く、顔も可愛いに含まれる顔なので、いわゆる「オトコの娘」枠である。伊月の過去を知る数少ない人物で当時の伊月と関わったことがある。そのことから伊月を支えようと頑張っている。武士の子孫という設定はあるが、あの有名な毛利氏とは関係がないらしい。

 

 

城善寺冴子(じょうぜんじ さえこ)

プロフィール

9月19日生まれ 身長160cm 16歳

 

 

 

第2部の途中から参加したメインキャラ。城善寺財閥の次期当主という肩書きを持ちながら、伊月たちのいる音ノ木坂に転入してきた。大人びていて、趣味もお嬢様のテンプレ的なお茶や散歩、景色を眺めたりと.....多彩である。お金の力を知ってはいるが、お金の有無で人を差別するようなことが嫌いで誰にでも平等に接している。しかし力を知ってるが故に交渉の時は望外な値段をちらつかせることもある。透谷を知る数少ない存在で、かなり知ってそうな言い回しをしている。




なにか抜けていたりしていたら教えてください。ストーリーをある程度進めたら少し書き換えます。


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メインストーリー第1部 黒獅子とμ'sの出会い
#1 始まりの時


元々読み専でしたが、思いきって投稿してみようと思いました。
文章が多少拙いと思いますが、よろしくお願いします


「く、来るなー!」

 

「諦めろ。俺の前でしょうもねぇ痴漢なんざするのが、悪ぃんだよ。とっととくたばれ。」

 

ある日、いつもの様に路地裏を歩いていたら、変な男が可愛い金髪ちゃんに、セクハラしてた。見ててむかついたので、そいつを問い詰めたら、逃げちまったので、追った。

はい、回想終了。何言ってんだ、俺。

 

「うるせぇ。ガキが口挟むんじゃねぇよ。カッコつけやがって!」

 

「ガキィ?俺を黒獅子と知らずにそれ言ってんのか?」

 

「!?」

 

名乗ったら気絶しやがった。つまんね。

 

「ところで、嬢ちゃん、大丈夫かい?」

 

見たら金髪ちゃんは、震えて座っていた。まぁそりゃそうか。

 

「ええ。助けてくれてありがとう。」

 

「そっか。そりゃよかった。じゃあな。」

 

俺は去ろうとした。そしたら、

 

「待って!名前を教えてくれる?それにお礼も.....」

 

律儀な嬢ちゃんだな。尊敬するよ。

 

「まぁいいか。俺は一条 伊月(いちじょう いつき)。15歳。この街じゃ黒獅子と呼ばれる人間だ。あと嬢ちゃん。お礼はいらねーよ。どうしてもお礼をしたいなら、こういう危ねーところを今後歩かないことでいいよ。それで充分だ。」

 

「でも...」

 

俺は、そのままここを去った。それにしてもさっきの金髪ちゃん可愛かったなー。お茶の誘いとかすりゃ良かった。そしたらあの野郎と同類か

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

絵里side

彼との出会いは、突然だった。

普段通り、生徒会の仕事を終えて、帰っている時に、変な男性に捕まった。

 

「ぐへへへ、君可愛いねー!おじさんが身体検査してあげるよぉ」

 

こういう状況は、ドラマとかの世界でしか起きないと思っていたけれど、まさか本当に起きるなんて、

 

「むぐぐぐ」

 

「無駄だよー、こんな所に助けはこないよー。大人しくおじさんに身体を預けなよー」

 

誰か.....誰か助けて!私は、心の中でそう叫んだ。

そんな時だった。知らない青年が気付かぬ間にそこにいた。

 

「おっさん、何してんの。こんな人気のない裏路地で。その嬢ちゃん、離してやりなよ。」

 

「あ?痛い目あいたくなかったら、早く消えな。」

 

「そうか。なんかお前見てるとムカつくし、強制的だが、離れてもらうわ。」

 

そして、彼はその男に綺麗な正拳突きを決めた。

 

「ぐふっ、こ、こっちに来るなーー!!」

 

「逃げんのか。おい、待ちやがれ!!」

 

そして、私は彼に助けられた。正直、怖くて立ち上がれなかったが、見知らぬ彼にこれ以上迷惑をかけたくなかったので、とりあえず大丈夫だとは言った。すると、彼はすぐ去った。彼はお礼なんかしなくていいと言ったが、彼は命の恩人と言っても過言ではないし、お礼はしたい。

 

「次会った時には、何かしらお礼しないとね」

 

それが、彼とのある意味運命的な初対面だった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「お疲れ様でした。兄貴。」

 

「お前の方が年上なんだから、いくら俺の部下だろうと、敬語は要らないですよ。むしろ俺の方が使うべきだ。」

 

「さすが兄貴!!なんと真面目な!なんで高校はこんな人を学校に入れないんすかね。」

 

「それは言わないでくださいよ。」

 

そう、俺は高校受験をした。因みに頭は良かったから、合格点とか、順位は良いはずなのだが、黒獅子というせいで、学校側が勝手に問題児扱いして、不合格にされた。別にそれが憎いわけじゃない。仕方の無いことだし。

 

「俺も、学校生活たのしみたかったなぁ...」

 

 

 

 

 

虚しい回想をしながら、家に帰った。時間は夜の8時くらい。俺は、よく部下を連れて夜の見回りをしている。たまにやべー奴らとも出会うが、全部成敗している。それに、俺はいつも黒いパーカーをいつも着ているので、そこから、黒獅子と呼ばれている。

 

「ただいま、親父。」

 

「おう、お帰り。今日も暴れたのか。顔で分かるぞ。」

 

「暴れたんじゃねぇ。人助けだよ。」

 

「そうかい。そりゃあよくやった。」

 

こいつは俺の親父、一条 敬一(いちじょう けいいち)俺の尊敬する父だ。

 

「そうだ、伊月。後で話がある。俺の部屋に来い。」

親父が話ってのは珍しい。なんかあったのか?

 

 

 

1時間後

「で、話ってなんだ?」

 

「ああ、俺のツテでな、お前のことを受け入れてくれる学校が見つかったんだ。」

 

「は!?そんなとこあったのか?」

 

「おう、明日の朝、その学校の理事長の所に行ってこい。お前も知ってる人だ。」

 

俺の知ってる人?誰かはこの時検討すらつかなかった。

 

「で、その学校はどこだ?」

 

「聞いて驚け。国立音ノ木坂学院だ!」

 

.....え?




今回はこれで終わりです。あまりμ'sキャラを出せてないのですが、許してください。どうも初めまして。μ'sでは海未推し、Aqoursでは果南推しの面心立方格子です!!初めての投稿ですので、誤字脱字があったりとか、なにかおかしいとこがあったら教えてください。投稿は、基本的に早めにしますが、定期投稿ではないので、ごめんなさい。失踪はしないので、温かい目で見守ってください。では!


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#2 再会と学校

スマホ投稿だから、結構見やすく書くのが難しいです。これから慣れていきます。


状況を整理しよう。俺は国立音ノ木坂学院に入ることになった。親父によって。別に学校に行くことに不満があるわけじゃない。音ノ木坂?あそこって、女子高だよね?え?この親父は、何を言ってるんだ?

 

「親父」

 

「ん?何だ?」

 

「親父から見た俺は、男か、女か、どっちだ?」

 

「そりゃ男だろ。」

 

「そうか.......なら音ノ木坂学院は、どういう学校だ?」

 

「そうだなぁ、歴史のある女子高d「いや、おかしいだろ!?なぜに女子高なんだよ!?」

 

「華の女子高だぞ!?ウキウキしないのか!?」

 

「ウキウキしねーよ!?畜生がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

思わず親父のセリフを遮ってしまった。ウッソだろお前!?分かってて入れるのかこいつは!ぼっちの未来しか見えねぇよ(・ω・`)

 

「大丈夫だ。お前は共学化テスト生徒という形で編入するんだ。白い目で見られることはない。それにお前もそろそろ『あれ』を克服しないといかんしな。」

 

「...........それを言われると、なんとも言えねぇよ」

 

俺にはあるトラウマがある。それについてはまた今度でいいだろ。

 

「とりあえず、理事長に会ってこい。話はそれからだ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

 

俺は音ノ木坂学院の裏門にいる。正門だと、怪しまれるだろ

 

「来たはいいが、理事長室って、どこにあんだよ」

 

そう、校内の構造を知らないため、今呆然としているのである。

 

「どうしたん?こんな所で突っ立ってて」

 

「!?」

気付かぬ間に背後にこの学校の生徒らしき人が立っていた。気配消すのうますぎだろ。この子も可愛い

 

「怪しいもんじゃねえよ。ちょっとこの高校の理事長に話があるんだ。ただ、場所が分からんくてな。」

 

「うーん、あんまり信じられへんけど悪い人じゃなさそうやね。いいよ、うちが案内してあげる」

 

「感謝する。」

 

感で人を信じるのもどうかと思うけどありがてぇ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここやね」

 

「そうか。案内してくれてありがとな。」

 

そして、その女の子は去った。不思議ちゃんだったなー。

 

「失礼します。共学化テスト生とやらになった一条伊月です。理事長さんは、いらっしゃいますか?」

 

「はーい、どうぞ」

 

緩い返事が返って来たので、入ると........

 

「姐さんのお母さん!?」

 

まさかの南さんがいた。親父が言ってた意味が今ようやく分かった。

 

「久しぶりね、伊月君。本当に大きくなったわねぇ。お父さんに似たんじゃないかしら?」

 

「そうですか。3年ぶりですねー。相変わらず若いっすね。」

 

「あらあら。嬉しいわね。ことりとはもう会った?」

 

「姐さんとは、まだ会ってないです。あの頃から変わってますか?」

 

「いえ。ことりはあの頃とほとんど変わってませんよ。」

 

そこから20分くらい思い出話に花を咲かした。懐かしいなぁ。

 

「ところで、理事長。俺の共学化は本当に大丈夫なんですか?」

 

「ええ。伊月くんのことは昔から知ってるし、いい子だからテスト生を安心して任せられるわ。それに、伊月くんも学校に行ってないみたいだし。」

 

「そう言ってもらえるならありがたいっす。」

 

「じゃあ、生徒会室に行って、編入に関する資料を貰ってきて。伊月くんが、学校に行くのは来週からになるわ。」

 

「分かりました、それじゃあ失礼しました。」

 

「待って伊月くん。」

 

出ようと思ったら呼び止められた。なんかあるのかな。

 

「ことりのこと、またよろしくね。あと良い学校生活を。」

 

....言葉が重いよ。姐さんと結婚するわけじゃないのに。まぁ信頼されてるのは嬉しいけどさ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

なんと迷いました。(2回目) 校内うろうろしてたら余計に怪しまれるだろ。大丈夫か。この学校の人。けど、今回は運良く着いた。

 

「失礼します。共学化テスト生の一条伊月です。資料もらいに来まし......た」

 

「理事長から聞いてるわ。資料はここ.......に」

 

『ああーーーーーーー!!!』

 

「ん?二人とも、知り合いなん?」

 

目の前にいたのは、先日助けた金髪ちゃんだった。しかも隣にはさっき案内してくれた不思議ちゃんがいた。すげー偶然。

 

「まさかここの生徒だったとはな。驚きだよ。」

 

「私こそ、あなたが共学化テスト生だなんて驚きだわ。そう言えば、まだ名前を教えてなかったわね。私は絢瀬絵里。生徒会長をやってるわ。」

 

「じゃあうちも。うちは東條希。副会長やね。よろしくね、一条くん。」

 

「え?なんで俺の名前知ってんの?怖。」

 

「なんでって、それはそこの資料に名前が書いてるからやん。」

 

「」

そりゃそうか。資料に書いてるもんな。気づかんかった。

 

「あれ?生徒会長ってことは、もしかして....」

 

「ええ。私も希も3年生よ。」

 

\(^o^)/ てことは、俺は先輩に向かって思いっきりタメ口聞いてたのか。終わってしまった、俺の学校生活。

 

「す、すみませんでした、タメ口聞いて!」

 

「え.....気にする事はないわ。私はあなたに助けてもらってるし、別に気にしていないわ、だから今まで通りでいいわよ。」

 

「あなたは女神様ですか」

 

「め、めが....もう、そういうことは思っても言っちゃダメよ。」

 

思うのはいいのかよ。にしても、見た目は大人っぽいのに、案外子供っぽい所もあるんだな。

 

「じゃあ失礼しました。あ、そうだ。絢瀬先輩。」

 

「何かしら?」

 

「なんか、その、もうちょっと自分の我儘っていうかやりたいこととか、やってもいいんじゃないですか?俺みたいな第三者が言うのあれなんですけど、なんか今の絢瀬先輩は、抑えてるというか無理してる気がするんですよ。」

 

「!?」

図星かな。でも、触れちゃいけないところに触れたかな。怒りの感情が少し見えた。

 

「余計なことでしたかね。それじゃ失礼します。もし気に触ったならすみません」

 

「.........」

 

そう言って俺は生徒会室をさった。昔っから、思ったことをすぐ言う癖があるけど、そろそろ治さないとな。

 

 

 




文章をきるのって、かなり難しいです。正直今回の終わり方は微妙ですね。これから書く力を鍛えないと.....それはそうと、UR絵里ちゃん可愛いですね。


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#3 彼の日常とあらたな出会い

Super LOVE=Super LIVEのmasterが難しくて、400combo以上行かない。LOVELESS WORLDのmasterはフルコンしたんですけどね(・ω・`)

お気に入り登録してくれてる人がいてとても嬉しいです。これからも頑張るので、よろしくお願いします!!


.....伊月......つ.....だつ....のよ.....

 

「はぁ、はぁ、はぁ」

 

また「あの夢」か、やっぱ心の中じゃまだ未練が残ってんのか。女々しいなぁ......

 

どうも、一条 伊月だ。夢から覚めた俺は今、建物の間の暗い通路や路地裏を見回りしている。2年前からの習慣である。

 

「ん?」

 

あいつら何してんだ?なんかを囲んでるみたいだけど

 

「ち、ちょっと、あなた達こんな幼い子を殴るなんてどういうつもりよ!?」

 

「どけよ嬢ちゃん。こいつは俺たちがタバコ吸ってる所を警察にチクろうとしたんだ。余計な真似をしたやつらには粛清を、なぁ、ガキ!」

 

「ひっく、た、助けてお姉様」

 

「いい加減退きなさいよ!!あなた達が悪いんでしょ!?なんでこの子を殴るのよ!?」

 

「俺たちが仮に法律を犯していたとしても、バレなきゃいいんだ。それをそのガキは首を突っ込んだ。証拠隠滅は当然だろ。嬢ちゃんも邪魔するならそのガキ諸共黙らしてやるよ、なぁ」

 

「!?」

 

見たところ、ガキ+赤い髪のお嬢様みたいなやつが不良に絡まれてんのか。非力なやつによってたかってとは汚いな。

 

「そこまでだ。俺のテリトリーで何してんだ?テメェら?」

 

「あぁ!?んだテメー、こっち見んじゃねーよ。」

 

「未成年の煙草は、悪影響の方が多いんだよ。あと数年我慢すりゃいいものを。学校で習ってねーのかお前ら?」

 

「ち、正義のヒーロー気取りが。まずお前から殺してやる。死ね!!」

 

おいおい、あいつらナイフ出しやがった。トーシロのナイフ捌きなんか話にならねーのに。

 

「道具を使うか。いいだろう。お前らに絶望を教えてやる。」

 

1人が俺に突撃してきたが、避けて相手の手を蹴り、ナイフを飛ばす。

もう1人が後ろから来たな。こいつは素手か。なら足を蹴って動きを鈍らせるか

 

「動きが甘いんだよ。ほらよ」

 

「い、痛ってぇ!」

 

こういう時だけは、身体捌きとか教えて貰って良かった思うよ。

 

「さて、あとはお前だけだ...と思ったが逃げたか。少し追いかけるか」

 

俺は残り1人を追いかけた。すると道端で気絶していた。そこには1人の背の高い男がいた。

 

「お前か....黒柳、喧嘩の邪魔しやがって。」

 

「対象に逃げる隙を与えるとはまだまだだな。伊月。」

 

黒柳 哲次(くろやぎ てつじ)、警察の人間だ。俺に受け身や攻撃のいなし方、対人特訓をしてくれた人である。因みに父とは高校時代からの付き合いらしい。

 

「まあいいや。こいつらのことはお前に任せる。俺は襲われてた奴らを見てくるわ。」

 

「被害者の保護は我々の役目だが。まぁよかろう。このチンピラは私が責任をもって連行しておこう。あと、警察にはお前のことは黙っておいてやるよ。」

 

「....ああ、感謝する。」

 

俺は黒獅子と呼ばれているのは、当然警察にも知れ渡っている。はっきり言って、警察は俺の事をよく思っていない。1部じゃ俺が犯罪に関わってるから、チンピラをよく叩いていると噂する奴すらいる。迷惑な話だ。だが警察が関わってないし、俺がしていることは外から見ればただの喧嘩である。警察の奴らからすれば俺も結局はチンピラと同類とでも思ってるんだろう。しかし、黒柳さんを含む俺の事をちゃんと捉えている人もいる。俺が知る限りは、黒柳さんとその部下、橘さんもその例である。橘さんは、また今度会った時に詳しく話すよ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「さて、とあんた達大丈夫?怪我は...見た限り大丈夫みたいだな。」

 

「ありがとおー、おにいちゃーん!!!」

 

「ちょっと、まだこの人がアイツらの仲間の可能性も......」

 

へぇ、なかなか考えてるじゃん。しっかり者だなぁ。このトマトちゃん

 

「目の前で仲間をボコる奴がいるかよ...俺は仲間を大事にする主義なんでね。まあ、信じられないなら別にいいけど。とりあえず人気のある所に行こう。ここじゃあ落ち着かんだろう。二人とも立てるか?」

 

意外と二人とも立てた。この子ら結構キモ据わってるんだな。

 

「助けてくれてありがとうございます!私は矢澤こころです!」

 

「おう、丁寧だな。でもお礼は俺じゃなくて、そのトマトちゃんにしな。」

 

「はい!そこのお姉さん、助けてくれてありがとうございました。」

 

「誰がトマトよ!?....別に感謝されるようなもんじゃないわよ。」

 

「ところで、こころちゃん。その丁寧な言葉遣い。子供なのに感心するよ。すげーな。」

 

「えへへ、でも私よりお姉様の方が凄いんですよ!」

 

「そうかい、ならきっと上品なお姉さんなんだな。」

 

「ち、ちょっと!?私のこと忘れてない!?」

 

「いや、忘れてねーよ。お前こそ勇敢だったな。その心意気、気に入ったよ。」

 

非力ながらも、他者の為に行動する。俺はそこでちゃんと行動するやつは好きだ。口だけのやつよりよっぽど良い。

 

「そ、そんなんじゃないわよ!?で、でも....助けてくれてありがとう。私は西木野真姫よ。」

 

「ああ、気にする事はないよ。じゃあな、俺は見回り終わったし帰るわ。」

 

「見回り?あなた警察か何かなの?」

 

「知らないのか。俺は黒獅子って呼ばれてるんだぜ。結構有名だと思うんだけどな。」

 

「く、黒獅子!?それって、この街を牛耳っている好戦的なやつのことでしょ!?それがあなた!?聞いてたのと違うわ。」

 

「その情報がどこから出てるかはともかく、俺は黒獅子と呼ばれている。別に俺は誰にどう思われようが構わないよ。俺は、俺のテリトリーで汚いことしてる奴が嫌いなだけだよ。」

 

「......ごめんなさい。」

 

「何故謝る?構わんと言ったはずだが。」

 

「いえ、私はあなたを誤解していたわ。その事については本人に謝らないと気が済まないのよ。悪い!?」

 

「.....」

 

「ちょ、ちょっと何か言いなさいよ!?」

 

「いや、俺の部下以外のやつからそんなこと言われるのは初めてでな。少し驚いただけだ。長話もあれだ。帰りが怖いなら送っていくが

どうする?」

 

『いえ、いらないわ(です)』

 

「そうかい。なら、じゃあな」

 

謝られるのは慣れてないんだよな。あのトマトちゃん、面白いな。絢瀬先輩の時と少し似てるな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真姫side

彼は少し変わっていた。私が子供を庇ってることよりも、煙草を吸っている方が気になったのかしら。でも、それは違うくて、私たちのこともちゃんと心配してくれた。あのチンピラ達を楽々と倒していたから警察とか何かの部類だと思ったらまさかの黒獅子だった。

黒獅子―前からこの街でよく聞く名前だった。好戦的で、彼のテリトリーを汚すような事をしたら容赦なくボコボコにすると噂されていた。生徒の中でも彼の気に触れないようにと恐れられていたのを覚えている。

でも、出会ってイメージが変わった。彼はちゃんと他人の心配もしていたし、怖い雰囲気もなかった。でも、彼の目は悲しそうに見えた。何かあるのかしら?そんなことを考えても分からなかったので、私はすぐ家に帰った。

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さっきの制服、音ノ木坂の生徒だったな。もしかしたら俺が入るクラスの人かもな。音ノ木坂の生徒って、面白いのが多くて飽きなさそうだな。絢瀬先輩、東條先輩、西木野さん。よく覚えておこう。

 




僕は今、修学旅行に行っております。なんで、旅行+意外とお気に入り登録されていたことが重なりモチベが上がっております。まだまだ未熟ですが、頑張ります!


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#4 学校へ

いよいよ学校編を始めます。ただ、オリ主が高校1年のため、まだ少しオリジナル展開が続きます。ご了承を。


とうとう来た。俺の高校生活が!と言っても編入なんで、入学式とかはなく、全校生徒の前でという公開処刑ものはなかった。本当に良かった。

 

「さてと、俺は1年だから....と思ったら1クラスだけか。生徒数が少ないんだな。」

 

あれかな。生徒数を少なくして、より教師の目が届くようにしてるのかな。そういう方針の学校もあるだろう。少なくとも、その時の俺はそう思った。

そうこう考えてる間に、職員室に着いた。担任に会わなくちゃならないんだとよ。

 

「めんどくせぇけど仕方ない。失礼しまーす。共学化テスト生の一条伊月です。1年生の担任の先生はいらっしゃいますか?」

 

「はい!あなたが一条さんですね。初めまして。担任の神崎 百合子(かんざき ゆりこ)です!君のことは、優花から聞いてるよ!」

 

「え?お前、橘さんの知り合いなの?」

 

「む、お前とは失礼ですよ!橘さんは、私の幼馴染です。よく黒獅子、つまり君の話はよく聞くよ。面白い子だって!」

 

「失礼。面白いって....あの人らしいですね。先生は俺の事黒獅子って知ってるなら、先生は俺に対して偏見とかないんですか?」

 

「うーん、最初は怖い人だと思ったよ。年下だけどね。でも、優花が信用してる人間なんだし、今会っても怖い雰囲気を感じないしね!」

 

なんか、こういう感で人を信用する所も、橘さんに似てるなー。

 

「じゃあ、時間になったら教室に移動するから、それまではここでゆっくりしておいてね。」

 

「うっす。」

 

それからしばらく1人で待たされた。悲しい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

花陽side

「ねぇねぇ聞いた!?今日うちに共学化テスト生が来るんだって!」

 

「それ聞いた!楽しみだよね!」

 

私は内心不安だった。怖い人だったらどうしよう。

 

「かよちーん、どうしたにゃ?」

 

「凛ちゃん.....」

 

「共学化テスト生のことが心配なのかにゃ?それなら心配ないにゃ!凛がかよちんのことを、ぜーーったい守ってあげるからにゃ!」

 

凛ちゃん、私の幼馴染がこう言ってくれて、少しは安心した。けど、やっぱり不安だった。ダレカタスケテーと内心叫びたい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「じゃあ、時間になったし行こうか!」

 

「分かりました。自己紹介の長さはどれくらいなんすか?」

 

「うーん、大雑把でいいから2分くらいでいいよ!それより短くてもいいし。」

 

そして、俺はとうとう教室前に来た。いよいよだ......

 

「はい!皆、静かにして。今から皆が知ってる通り共学化テスト生が来るからね!じゃあどうぞ!」

 

「えと、失礼します。初めまして。俺..じゃなかった。僕は一条伊月です。身長は、181センチです。中学時代、部活は入ってませんでした。これから1年間、至らないところもあると思いますがよろしくお願いします。」

 

決まった!俺の完璧なスピーチが。これで1年間安泰だ。

 

と思ったら、この前会った西木野さんが思いきり教室にいた。あ、終わったわ....

 

「じゃあ皆!仲良くしてあげてね!」

 

これでHRが終わった。意外と雑なんだな。

 

「て、俺の席は、どこだァァァァァーーー!」

こんな抜けてるところも橘さんにそっくりだな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真姫side

ま、まさか共学化テスト生があいつだったなんて!べ、別に嬉しいわけじゃないけど、これで彼にお礼ができるし、彼のこともよく知れる。最初は、共学化テスト生なんてどうせ下心の持つ男子が来るものだと思ったけど、彼だったから安心した。それに、これで黒獅子の噂がデマだってことも証明される!それは、私にとってはなぜだか分からないけれどとても嬉しかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どうやら俺の席は、小泉さんの隣らしい。あの子、眼鏡掛けてるけど、外したら絶対可愛いだろうなぁ。人見知り感が凄いけど。

 

「とりあえず、小泉さん?だったかな。いろいろよろしくね。」

 

「はい.....よろしく.....お願い.....します。」

 

こりゃあ前途多難だな。この子と打ち解けるのは、相当時間がかかるみたいだ。まぁいいか。馴れ馴れしいのもかえって怖いし。

1限目は、数学Iだった。俺は聞かなくても分かる内容だったので、適当に教科書を読んでいた。

 

「ん?小泉さん、そこの式、3をかけ忘れてるよ。3乗の展開式は、そこ抜けることがたまにあるから気をつけなよ。」

 

「あ、ありがとう...ございます。」

 

「気にしないでいいよ。小泉さん、字が綺麗だなぁ。ノートすげー見やすいし。」

 

「.....」

 

あ、これはやってしまった。最初から積極的に関わろうと思ったけど、かえって小泉さんには、逆効果で、怖がらせてしまったかな。

 

「なんか、ごめんね」

 

 

時は流れて昼休み。

「ねぇ」

 

「ん?お前は、誰だっけ?」

 

「星空凛だよ。ねぇ一条くん、さっきからかよちんが困ってるでしょ。話しかけるのやめなよ。」

 

「さっきのことか。確かにあれは小泉さんを困らせてしまった。けどそれは謝罪したよ。だからさっきのことは大丈夫だよ。」

 

「それはそうだけど.....とにかく!一条くんはかよちんに関わらないで!」

 

お前が口挟んでくるんじゃねぇよと本当なら言ってやりたい所だが、星空さんは、きっと小泉さんが大事なんだろう。さっきのあの行為が、悪く見えるのも無理はない。

 

「関わるなって、要求は呑めないな。でも、あんたこそ少しは考えた方がいいよ。」

 

「え...?どういうこと!?」

 

「あんたは小泉さんの事を大切にしている。それは結構だよ。でもな、俺と関わるかどうかを決めるのは小泉さんだよ。あんたの決めることじゃない。でも今の状態を見ると、小泉さんのことをあんたが決めてるみたいじゃないか。それはどうなのかって思うよ。言葉が悪いかもしれないけど、それは優しさの皮を被った押し付けだよ。大切に思ってるのは本当に素晴らしいことだけどね。」

 

そう言って俺は教室から去った。けど、これである意味クラスの注目を集めてしまったな。嫌な意味で。てか西木野さん何気に教室にいなかったな。どこ行ったんだろ。

 

 

 

 




オリジナル展開は、書いてて結構難しい。次回は、真姫ちゃんも含めて書きます。
あと、評価をつけてくれた人がいて驚きました。その評価に応えるよう、頑張ります!


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#5 ピアノの旋律

いい感じのタイトルが思い浮かびませんでした。(´;ω;`)



星空さんに、結構きついことを言った俺は、人気のない音楽室に行った。なんで音楽室かって?それはな、ピアノが、今はいない俺の「母親」と俺を繋ぐものだからだ。ピアノを弾いている時か、ピアノが近くにあれば、不思議と周りの喧騒すら気にならなくなる。そういうものなんだ。

だが、今日は先客がいたみたいだ。

 

「西木野さん、だっけか?なんで音楽室に?」

 

「それなら一条も、どうしてここに来たの?」

 

「ちょっと、教室に居づらくなってね。ここなら落ち着けると思ったからだよ。」

 

「私はいるけど、それは大丈夫なの?」

 

「西木野さんは、黒獅子ってこと知ってるし、それを認めてくれたと俺は認識してる。だから特に気にはしてないよ。」

 

「そう。」

 

それだけ言うと、西木野さんは椅子に座った。

「西木野さんは、ピアノ弾けるんだ?」

 

「ええ。今から弾くけど、どうする?べ、別にあなたが私のピアノを聞きたいっていうなら別にここにいてもいいけど....」

 

「なんで上から目線なんだよ。じゃあ聞かせてもらうよ。君のピアノ」

それだけ言うと、西木野さんは返事をせず、ピアノを引き始めた。さらに歌っている。いい声だな。

愛してるばんざい、か。いい曲だね。これから旅立つ者へのメッセージが歌詞に込められている。卒業ソングみたいな感じだね。

でも、西木野さんのピアノの音は、少し複雑である。純粋な心で弾いているようには聞こえない。なにか『苦悩』のようなものがある。

そうこう考えてる間に演奏は終わっていた。

 

「どうだったかしら?」

 

「....とても上手いと思うよ。歌唱も悪くない。」

 

「当然よ。」

 

「でも、音が良いとは言えないかな。」

 

「え!?どういうことよ!?さっきは上手いって言ったじゃない!?」

 

「待てよ。演奏が上手いのと音の質がいいっていうのは別の話だ。確かに西木野さんの技術はすごいと思う。けど、俺が聞いた限り西木野さんは、音楽を楽しむ感情と、なにか後ろめたいのか分からないけど苦悩みたいな感情が混じってるんだよ。俺個人の意見だけど、そういう気持ちでピアノを弾いてほしくないんだ。」

 

「...あなた、人の心でも読めるの?しかもピアノの音から感じるなんて。」

 

「そうね。苦悩がないと言えば嘘になるわ。私はね、元々はUTX学園ーここの近くにある人気の女子高に入ろうと思ったの。でも、パパとママは、縁のある音ノ木坂に入れって言われてこの学校に入ったの。それに、私は将来医師になるの。だからピアノをやるより、勉強しなくちゃいけないの。でも私は音楽が好き。辞めたくないの。」

 

ふと見ると、西木野さんは少し涙目状態になっていた。そんなに深刻なのか。

 

「そうだったのか。なんか辛いこと言わせてすまないな。でもそんなに悩むことではないぞ。」

 

「何よ!?あなたに何がわかるのよ!?」

 

「確かに俺にはお前の悩みは分からない。人の考えがわかる人間なんていないしな。ならさ、音楽で医師になるのと同じくらい大切なものを持てばいいんじゃないか?」

 

「え?そんなこと....」

 

「音楽が好き。その気持ちはとても純粋でいいものだ。だからこそ家族、いや両親の為に医師になりたいという気持ちとの間で葛藤する。葛藤するのは、お前が両親のことを大切に思ってるからだ。だからこそ、音楽でもそれを見つけるんだよ。そして、両立する努力をすればいい。口で言っても説得力がないだろうから、俺が証明してやるよ。ピアノ、俺にひかせて。」

 

「え?でも、あなたピアノ弾けるの?」

 

俺は、返事の代わりにピアノを弾き始めた。曲は、「セントメテル」

、未だ題名の意味は全く分からないが、昔母さんが作った曲だ。曲自体は、結構悲しさが溢れている。そして演奏を終了させた。

 

「どうだ?何か掴んだか?俺はピアノと対人訓練を同時に始めて、3年でどっちも高いレベルまで習得した。お前なら出来るんじゃないか?両立を」

 

「すごいわね....でも、.あなたはとても悲しそうにピアノを弾くのね。どうして?」

 

「.......色々あったんだよ。俺にも。それはともかく何か掴めたか?」

 

「ごめんなさい、けど、あなたはとても純粋な心で弾いているのね。

分かったわ。私も何か探してみるわ。」

 

「昼休みも終わりそうだな。俺はもう教室に戻るわ。じゃあな。」

 

「待って!」

 

「どうした?」

 

「あ、ありがとう、相談にのってくれて。」

 

「どういたしまして、かな。俺から話題を振ったから感謝されることじゃないよ。」

 

そう言って、俺は教室に戻った。星空さんが心配だな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

おいおい、まじかよ、なんか、俺が西木野さん泣かしたみたいなデマが広まってやがる。なんでやねん!

 

「一条くん、女子を泣かすとかサイテー。」

 

「ちょっと、酷いよね。」

 

え....俺泣かしてないのに。あっちは涙目になっただけで泣いてないよ。いや、本人も戸惑ってるじゃん。

 

「え、ちょ待って。僕は泣かしてなんかいません。西木野さんの共通点、教室にいないだけじゃないですか。何故そういうことになるのですか?」

 

「そうだよ、それだけで勝手に決めつけるのは良くない...です」

 

小泉さんが、小さい声ながら俺に加勢してくれた。天使ですか。この子は。

 

「花陽ちゃんの言う通りだね....ごめんね、一条くん、疑って」

 

「まぁ、分かってくれたのならそれでいいですよ。」

 

内心、誤解が解けたことより、小泉さんが味方してくれたことの方が嬉しかった。

 

「ありがとうございました、小泉さん。おかげで助かりました。」

 

「いえ....気にしないでください。それに....」

 

「私の方こそ、さっき気さくに話し掛けてくれたのに、反応できなくてごめんね。あと、同い年だから、丁寧語じゃなくてもいいよ。」

 

「あれは俺の方が悪かったから謝らなくていいよ。小泉さん、優しいね」

 

「そ、そうかな。えへへ.....」

 

「!?」

 

小泉さんの笑顔を見ていたら、西木野さんから足を踏まれた。え?なんで

 

「ちょ、西木野さん、その足をどかし...痛い痛い!お願いだから離して!」

 

「あなた口説くのが趣味なの?女子を褒めすぎるのは、よくないのよ。周りから見たらあなた、プレイボーイよ」

 

「そう...なのか、分かったよ。今度から気をつけるよ。(てかなんで、俺は足を踏まれたんだ?)」

 

「そうね、せいぜい気をつけることよ。(じゃないと、こいつがたらしになるじゃない。そしたら、こいつのことが気になる私はどうなることか…)」

 

そして、その日から1年生のクラスでは、ある意味一条という男を含めて、雰囲気が良くなった。たった1人を除いて。




真姫sideでも書こうと思ったんですけど、内容も同じで、セリフで幾つか心情が出ていたので、まとめて書きました。一応、花陽、凛、真姫も含め、1年生だけの物語はあと数話で終わる予定です。なので、2年生がまだ1度も出ていないことや、3年生の影が薄いのは許してください。後々ちゃんと書きますので。


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#6 スクールアイドルやりませんか?

連日投稿してますが、僕は土日は投稿しないと思います。平日の暇な時に書いてるので、休日はほとんどスマホを触らないんですね。
あと、お気に入りが増えてたり、評価している人が増えたりと結構嬉しいです。


凛side

凛は悩んでるにゃ。さっき一条くんに言われたことが頭から離れない。

ーー優しさの皮を被った押し付けだよーー

凛は昔からかよちんのためにいろんなことをしてきた。そして、それがかよちんにとって1番だと思っていた。でも、それがかえってかよちんの自由を奪っていたのかな?さっきのかよちんは、笑っていた。かよちんは心を許したのかな.....どうしてももやもやするにゃ

 

「星空さん」

 

そしたら、ふと一条くんに呼ばれた。何かな?

 

「少し話さないかな?場所を変えよう」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺は星空を、静かな場所に連れてきた。

 

「さて、俺はまずお前に謝らないとな。初対面なのに、あんな酷い言葉をかけたこと、本当にすみませんでした。君が小泉さんの為に動いていると分かっていながら」

 

「!?」

 

反応.....ありか、これはほんとにやらかしたな。ここで反論してくれたら、まだ関係を初期化出来ると思ったんだが

 

「え.....あ、あの!?凛の方も悪かったにゃ。かよちんの為とはいえ、かよちんがどう思っているかを考えずに一条くんに酷いことを....」

 

「いや、その事は俺の方が悪いんだ。推測はこうだ。俺の編入話が1年のクラスの中でもちきりになっていた。そして、小泉さんはそれを聞いて俺が怖い男子かもしれないと考えた。だから、星空さんは小泉さんの為に俺にああいう言葉をかけた。違うかな?」

 

「.....」

 

「無言は肯定と捉えていいな?」

 

「うん。そうだにゃ。」

 

「でも勘違いしないで欲しい。俺は、お前の小泉さんを大事に思って行動することは本当にいい事なんだ。だから、俺はお前を否定したいわけじゃない。お前の『過ぎた優しさ』は、本人の成長にとってはあんまり良くないってことなんだ。」

 

「過ぎた...優しさ?」

 

「これは完全に俺の自論だが、友人のやりたい事の背中を押してやる、これが優しいってことだと思う。他人の為にレールを引いてしまうのは、かえってその人にとって窮屈な思いをする。優しさ故の行為だから尚更な。だからこそ、その友人を助けたいなら、前から手を差し伸べるんじゃなくて、隣に立って共に歩む。そうあるべきだと俺は思う。」

 

こういうのって、自分で悩まないと分からないんだよな。中には、過ぎた優しさじゃないと優しくしてないと捉える人もいるしな。ただ星空さんにはこっちの方が合うかなと思ったけど

 

「うん.....分かった。凛もかよちんの背中を押すように頑張るよ。ありがとう!!伊月くん!!」

 

「急に親しげになったな。まぁ堅苦しいよりかはいいか。じゃあ、改めてよろしくな、星空さん」

 

「うーん、凛が下の名前で読んでるから、伊月くんも凛のこと、凛って読んで欲しいにゃ!」

 

「.....分かったよ、凛」

 

この子、結構コミュニケーション能力高いな。それに、可愛いし。

 

「さて、教室に戻るか」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「私たち、今度講堂でライブします。メンバーもまだまだ募集してます!ぜひ見に来てください!」

 

ん?帰ってきたら誰かなんかの勧誘やってる。ライブって、バンドとかかな?

 

「小泉さん、これどういう状況?」

 

「あ、一条くん。2年生の先輩が、スクールアイドルで、今度ライブするんだって」

 

「すくーるあいどる?何だそれ?」

 

「え!?スクールアイドルを知らないんですか!?」

 

あれ?小泉さんにスイッチが入ったのか?

 

「スクールアイドルとは、プロのアイドルではなく、学校の生徒に構成されるアマチュアアイドルです。でも近年は、スクールアイドルのレベルが高く、中にはプロのアイドルに匹敵もしくはプロ並のスクールアイドルもいるんです!」

 

「お、おう...」

 

小泉さん、スクールアイドルが大好きなんだな。普段の雰囲気とはうってかわって、楽しそうだな。

 

「アイドルが好きなんだね。小泉さんはアイドルやらないの?」

 

「え...でも、私は背も低いし声も小さいし、私はアイドルに向いてないよ。」

 

「まぁ、そこは個人の問題だから、どうとも言えないな。」

 

確かに、普段からこんな感じだったら星空さんが引っ張ろうと思うのも無理はないな。でも、この子のスペックは高いよな。声も可愛いし。」

 

「い、一条くん、声に出てるよ...」

 

「まぁ思ってることだから聞かれても大丈夫だけど」

 

「うう.....あ、そうだ。これがそのスクールアイドルの勧誘の紙だよ。」

 

「ん。サンキュ」

 

μ’s、か。女神から取ったのかな?でもポスターを見る限りメンバーは3人。しかも1人は見覚えがある。これ姐さんじゃね?

 

「君、テスト生だよね?興味あるの?」

 

声がしたので後ろを見たら、サイドテールをしていたオレンジ色?みたいな髪の色をした生徒がいた。

 

「興味があるっていうか、スクールアイドルって言うのを知らなくて」

 

「じゃあ、今度のライブ見に来てよ!スクールアイドルすごいってなるから!」

 

「すごい自信ですね。分かりました、見に行きます。」

 

「うん!あ、私は高坂穂乃果!2年生、君は?」

 

「俺は、じゃなくて僕は一条伊月です。」

 

「!?」

 

ん?動揺した?何故だ、黒獅子がバレてるとは思わない。バレてたとしても、雰囲気がおかしい。少し狂気というか殺気が垣間見えた。

 

「まぁともかく。楽しみにしてますね。」

俺はとりあえずその場を去った。高坂穂乃果、なにか俺と接点があったか?それとも.......

 

 

 




文字数って、少ないんですかね?長くして欲しいとかその他要望があれば、コメントとか感想とかで教えてください。極力その希望に応えるようにしますので。


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#7 再会

今回は、伊月メインの話になります。そして、ことりが出ます。
お気に入り登録が増えてて嬉しいです!今のところアニメのストーリーから大まかに道を外していますが.....軌道修正はちゃんとします。



あの時のあの感覚は何だ?俺は高坂先輩に少し威圧された。全く関わりのない人にいきなりあそこまで憎悪というか、殺気のある目で睨まれるのは初めてだ。かと言って、彼女の両親が俺となにかあったかと言われてもそうでもない。今までで、高坂という名前の犯罪者もしくはチンピラと会ったこともない。一体何なんだ.......

 

「一条くん!?話聞いてた?」

 

「...小泉さんか。すまない。少し考え事をしていたんだ。」

 

「体調が優れないとかじゃないんだね?」

 

「ああ。それに関しては問題ない。心配かけてすまない。」

 

それから俺は、午後の授業を聞いてさっさといつもの場所ー俺たちが集まる地下スペースに行った。

 

「なぁお前ら」

 

「どうかしましたか、兄貴」

 

「今まで色んなことに首突っ込んできたんだけどさ、その中で『高坂』って人がいたか覚えてる人いるか?」

 

「いえ....正確には覚えてませんね。すいやせん。」

 

「いや、いいんだ。」

 

「そう言えば、兄貴。報告が遅れて申し訳ないんですが.....」

 

「何だ?なんかあったか?」

 

「いえ、今から三日前、つまり兄貴が高校に通い初めて間もない時に、誘拐事件が発生しまして.....」

 

「誘拐?警察は動いていないのか?」

 

「それなんですけど.....その犯人は、自分のことを黒獅子と名乗ったらしいんですよ。ちょうど兄貴が学校に行ってる時に、警察の黒柳さんがそう教えてくれたので.....」

 

「自分が何者かを偽ったのか。だから、最近周りから少し見られているような感覚を覚えていたのか。」

 

そう、ここ数日、俺の登下校の時何者かに見られている感じがした。少し相手を撒くように動いたら、上手く追いかけてきた。恐らく警察だとその時確信した。

 

「身元はわかってないって訳か。」

 

「それが.....警察の中には、本当に兄貴がしたと信じている人間が数多くいるらしいんですよ。捜査自体はしているらしいんですが、あくまで形だけで、これを機に兄貴のことを逮捕する方針を立ててる人がいるみたいなんですよ。」

 

「.....こんな時に私情を優先してどうする。犯人が誰かはともかくまずは誘拐された人の保護を最優先にすべきだろ。」

 

「そして、その人間が....」

 

「どうせ大森だろ。たかが知れてる。」

 

大森ー黒柳のことをライバル視しており、仕事より手柄や出世を大事にするやつ。だが、本当にそいつは事件の犯人を数多く逮捕しており、その手腕は警察の中でも評価されているみたいだ。だが、それは俺たちが現れたことで崩れた。恐らく今回の事件は完全にその腹いせと取ってもいいだろ。

 

「だが、場所は割れてるんじゃないか。黒柳が何も仕事をしてないとは到底思えない。」

 

「はい。犯人の居場所はこことされています。」

 

確かに、ここから近い。なら、徹底的に叩き潰すまで

 

「仕事開始だ。まず、俺はお前らの1部で犯人の居場所に行く。ただし、奇襲という形をとる。残りの者は、他の人に危害が加わらないように警戒。これは俺達のプライドに関わる問題だ。何としても俺たちでケリを付けるぞ!」

 

『はい!!』

 

「あと、これは提案なんだが.....」

 

そして、作戦は三日後に決行することを決めた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

学校に行く途中に神社に続く階段を見つけた。そう言えば、この街には住んではいるけど、あんまりこの街のことは知らなかったな。

 

「アイツらの社会復帰とか俺の人生の安泰を願いに行こうかね」

そう言って俺は神社の階段を駆け足で登った。

 

 

階段をのぼりきり、神社に着くと見覚えのある巫女さんがいた。

 

「副会長さんじゃないですか。バイトですか。」

 

「うん、一条くんも早いね。ここに来るのは初めて?」

 

「はい。神社があることを知りませんでした。お恥ずかしい限りです。」

 

「気にする必要ないやん。あと、うちのことは東條って読んでくれても、希って呼んでくれても構わんで。勿論タメ口で。」

 

「そうかい。ならそうさせてもらいますよ。希」

 

「お、いきなり下の名前とは...一条くんもプレイボーイやね。」

 

「なんで、そうなるんですか.....」

 

この人には、口喧嘩で勝てない気がした。

 

「あ、そうそうそろそろここにスクールアイドル部の子が走りに来るで。帰りがてら見てきたら?」

 

「こんな朝早くからすげーな。まぁ運が良ければ見させてもらいますよ。」

 

そう言って俺は神社を去った。にしても、希って、結構掴みにくいな。ふわふわしてる割には隙がないから捉えにくい。溢れる母性は凄かったけど。

 

「はっ、はっ、はぁ、疲れたよぉ〜」

 

階段の下から脳がとろけそうな声が聞こえた。この声は…

 

「姐さん!久しぶりです!」

 

「伊月くん!?久しぶりー、3年ぶりだね。」

 

そう言って姐さんは俺に抱きついてきた。昔は俺の方が小さかったのにな。だから俺もゆっくり抱きしめ返した。

 

「姐さん…なんも変わってないんですね。」

 

「ずっと.....ずっと会いたかったよー!」

 

姐さんが泣いていた。これ誰かに見られたらやばいな。

「あれ、二人ともアツアツやね〜」

 

ウッソだろ。1番見られたくない人に見られた。この人に見られたらネタにされる!

 

「いや、別にそ、そういう訳じゃ…」

 

「伊月くんは、ことりに会って何とも思わなかったの...?

 

その言い方はずるいよ。返事に困る。

 

「そんな訳ないじゃないですか。会えてとても嬉しいよ。姐さん。」

 

そう言って俺は姐さんの頭を撫でた。

「えへへ…」

 

小泉さんと似てるな。守りたくなる。

 

「うん。熱々やね。これは意外やわー」

 

「お願いだから、黙っていてください。」

 

「うーん、ただって訳には行かへんね。せやなー、ほな生徒会手伝ってくれへん?」

 

「へ?」

 

「そんな難しいことは頼まへんで。ただ、忙しい時の手伝いってことで。」

 

「それくらいなら、やりますよ。」

 

とりあえず拡散しないことが確定して安心した。でも、それくらいなら条件なしでもやるのに。

 

「契約成立、やね。ほなよろしくね。」

 

そう言って希は上の方に戻って行った。

 

「伊月くん、副会長さんと知り合いなの?」

 

「はい、資料もらいに行った時少し話しただけですが」

やっぱり掴みどころのない人だな。あの人。

 

 




終わり方がよく分からない。次の話に繋がるように書きたいのですが.....難しいですね。
他の人の作品を見るとほんとによく出来てるなーって書く側になって改めておもいます。
余談ですが、masterでどんなときもずっとが僕らは今のなかでより難しく感じます、同じ人いませんかね?


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#8 衝突

今回は穂乃果メインの話になると思います。UAが2000を越えていてびっくりしました。これからも頑張ります


姐さんと別れた俺は、神社の階段を降り、学校に向かおうとした。

その矢先、もう1人階段を上がってきた人がいた。

高坂穂乃果、先日俺に対して殺気を放ってきた人物。もしかしたら、俺の事を黒獅子と知ってる可能性もなくはない。

 

「なあ、高坂先輩よ」

 

「.......」

 

「もう回りくどいことは無しだ。高坂さん、俺になんか恨みでもあるのか?」

 

「......」

 

「前俺に会った時にあからさまに俺に殺気を向けた。その理由は知らないが、俺を黒獅子だと知ってることはもう分かっている。なぜだ?俺がお前に何かしたのか?」

 

「.....して」

 

「あ?」

 

「雪穂を返してよ!この誘拐犯!!」

 

「誘拐?俺が、てか雪穂って誰だよ?」

 

「雪穂は穂乃果の妹だよ!雪穂を誘拐したのは黒獅子、つまり君でしょ?とぼけないで!!」

 

「なんでそうなるんだか.....まぁ聞けよ。まず誘拐犯なら自分の名前をばらすなんてバカな真似は絶対にしない。それにもし誘拐してるなら人質を放置することなんてあるのかよ。人質だって窓から脱出したり出来るだろ?それに拘束するにしろ人質が暴れれば、その騒音なり振動なりで隣人達が気づくはずだ。あと、『黒獅子』はこの街で汚いことをする奴らは許せないんだよ。その本人が汚いことをするかよ。どう考えたって俺は無実だ。」

 

「警察の人はそう言わなかったよ!今言ったことだって警察の人は予測してたし、そんなまやかしに騙されちゃダメだって!そういう手練手管な言葉遣いで雪穂を誘拐したんでしょ!!」

 

ダメだ、何言っても聞く気はないのか。何が面倒かって、警察が言いくるめてることだ。どうせ言葉ならなんとでも言えるとでも言われたんだろうな。

 

「穂乃果ちゃん!?伊月くん!?一体どうしたの?」

 

「ことりちゃん、ここに雪穂をさらった誘拐犯がいるよ!ことりちゃんも何か言ってよ!」

 

「穂乃果ちゃん、伊月くんは誘拐なんて絶対しないよ。昔から伊月くんを知ってることりが保証するよ!」

 

「姐さん、この話は俺と高坂先輩の問題です。庇ってくれるのは嬉しいんですが、今回は首を突っ込まないでください。」

 

「でも.....」

 

「高坂先輩、ならこうしませんか?今から2日後、俺が先輩の妹さんを救い出し、誘拐した真犯人を捕まえる。そしたら、俺の無実を認めてくれるかい?」

 

「もし、出来なかったらどうするの?」

 

「俺の事を警察に言えばいい。そしたら俺は間違いなく懲役なりなんなり刑罰を喰らうさ。俺はそれでも構わない。信用できないなら、俺の生徒証の写真でも撮ればいい。住所もかいてあるし、警察に突き出したいならどうぞ。だが、それは俺が無理だった時だけだ。それを守ってくれるか?」

 

「.....その言葉を信用出来ると思う?」

 

「信用してもらうしかないさ。現に高坂さんが俺を疑ってる理由は相手の証言だけでしょ?それを信用するなら俺は身元すら明かすんだからちゃんと信用してもらいたいね。」

 

「.....分かった。」

 

やっと納得してもらえたか。にしても今回は警察の動きがちょっと気になるな。まるでこの事件が作られているかのように。大森が裏で操っているのはすぐ分かったがあいつは表舞台には出てこないだろう。

本当に汚いやつだ。これが世間じゃ優秀な警察官だなんてもてはやされてるからな。

そして俺は高坂先輩に生徒証を見せて、学校に向かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

穂乃果side

雪穂が誘拐されたのが今から三日前だった。

 

「君の妹さんを誘拐させてもらった。因みに私は黒獅子だ。妹を返して欲しければ、500万円用意しろ。」

 

その電話が来た時、穂乃果は震えた。誘拐だなんてドラマの中だけだと思ってたから現実に起きると本当に怖くなる。すぐ警察に通報したら、警察の方はいつもどうり過ごせと言われた。あともし黒獅子にあっても彼の言葉を一切信用してはいけないと言われた。

そして今日会ってしまった。だが彼はそんな怖い雰囲気ではなく、誘拐したことを否定した。穂乃果はすぐ反論したけど、一条くんは痛いところをついてきて穂乃果は言いくるめられてしまった。けど彼は自分の個人情報を教えるから、雪穂を救えなかったら通報して構わないとまで言った。

 

「ここまで言われたら、さすがにいいえとは言えないよね.....」

 

「穂乃果ちゃん」

 

「どうしたの?ことりちゃん?」

 

「伊月くんはね、絶対に誘拐なんてしないよ。それに伊月くんは、昔から自分の言葉に信憑性を持たせることを特に気にしてたんだよ。口だけの人間には絶対になりたくないって」

 

ことりちゃんはとても一条くんと仲がいいんだね。穂乃果や海未ちゃんほどの付き合いではないかもしれないけど、とても信頼されてるんだね。

 

「ことりちゃんがそこまで言うなら信じるよ!それはそうと、ダンス練習しよ!もう海未ちゃんが上で待ってるかもしれないしね!」

 

「うん!そうだね。行こう、穂乃果ちゃん!」

 

とりあえず雪穂のことは一条くんがなんとかすると言っていた。なら穂乃果は、ダンスや歌をもっと練習していいライブにしなきゃ!もし出来てなかったら雪穂からも怒られるかもしれないしね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

学校に着いてみたら、綾瀬先輩が仁王立ちして校門に立っていた。

 

「おはようございま「待ちなさい。」はい。」

 

あれ?俺なんか怒られるようなことしたっけ?

 

「一条くん、希からこれが送られてきたんだけど、これは何?」

スマホの画面を覗いたら、俺と姐さんが抱き合ってる場面が映し出された。希...さては写真撮ってから話しかけにきやがったな。

 

「いや...これは、幼なじみとの再会を喜んでいただけでして」

 

怖い。綾瀬先輩の顔が直視出来ない。これ下手したらそこら辺の強盗より怖い。あいつら銃持ってることが多いけど、それより恐怖を感じる。タスケテ。

 

「ふーん、まぁそういうことならいいわ。私はてっきりあなたがうちの生徒にセクハラをしたのかと。それに希から聞いたわ。生徒会、手伝ってくれるんでしょ?たくさん働いてもらうわよ♪」

 

完全にはめられた。この人らやべーわ。




まだアニメで言うと3話のはじめくらいという。展開が遅いですがオリジナル要素が多めなのでご了承ください。


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#9 救出作戦

今回は前回くらいから出てた雪穂救出戦です。ラブライブ要素どこいってんねん!と思う方もいるかも知れませんがちゃんとストーリーも進めますので...


今、俺は生徒会の資料を運ばされている。体は鍛えてる方だけど結構な量をもたせられてる。綾瀬先輩、働かせるマンになってる。でも、これを今まであの人たちがやってたんだからすげーよ。

 

「あ、そうだ。綾瀬先輩」

 

「どうしたの?」

 

「えと、明後日ちょっと朝遅刻します。」

 

「それを私に言ってどうするのよ.....分かったわ。じゃあ明後日の分まで今日は働いてもらうわ。そうね...今日は生徒の服装点検を校門でしてもらえる?」

 

「え?でも相手は女子でしょ?それって大丈夫なんですか?」

 

「あら、別にリボンとかボタンがちゃんとしてるか見るだけよ。触る訳では無いわ。もしかして想像しちゃった?」

 

「さすがにしませんよ。そこまで変態ではないんですから。」

 

まぁそうか、触ってたら本当に警察の世話になっちゃうよ。

 

「でも神社の階段で女性と抱き合ってたじゃない。」

 

「その話はもう辞めましょうよ.....」

 

「それもそうね。いつまでもいじってたら申し訳ないわ。じゃあ服装点検よろしく!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

校門に着いたらチラシ配りをやってた。ん?アイドル?

 

「あ、姐さん。ここで何をしてるんですか?」

 

「あ、伊月くん!えっとね、三日後にライブを講堂でするんだ。見に来てね!」

 

「ぜひ。で、姐さん、リボンが少しズレてますよ。直しますね。」

 

そう言って俺は姐さんのリボンを整えた。

 

「ことり、チラシ配りちゃんとしてますか?」

 

「あ、海未ちゃん、ちょっと生徒会の服装点検に引っかかってて...」

 

「もう、だらしないですよ。アイドルならちゃんと身だしなみは整えないと?」

 

なんかすげー清楚な人が来た。この人もアイドルやるのか。でも女子高ってすげーな。可愛い子多すぎだろ。

 

「えと、どうも初めまして。」

 

「あなたは...共学化テスト生でしたか?」

 

「あ、そうです。」

 

「挨拶が遅れました。私は園田海未、2年生です。」

 

「僕は一条伊月です。1年生なので、丁寧語じゃなくていいですよ。」

 

「いえ、言葉遣いは元からなので気にしないでください。ところで一条さんはことりと知り合いなのですか?」

 

「はい。一応小学校の頃に知り合って。幼なじみというほど付き合いが長い訳では無いのですが。」

 

「先程ことりと話してるところを見た限りとても親しそうでしたので。てっきりことりの友人なのかと。」

 

「まぁ、友人という所は間違いじゃないですね。」

 

他愛のない話をし、西木野さんに昼ごはんを誘われたり、綾瀬先輩にこき使われ...いや、手伝ったり、あっという間に2日が過ぎた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「よし、作戦開始だ。」

 

時刻は朝の4時。この時間を選んだのはこの時間帯なら人通りが少ないのと隠密に事を終わらせることが出来るからだ。遅刻っていうのはもし長引いたら後始末とかで始業に間に合わないからである。

 

「よし、俺についてこい。潜入するぞ。」

 

「兄貴、まだ入口に見張りがいますよ。」

「任せろ、もうすぐ囮が来るから。」

 

そう、今回はガチの奇襲作戦。バレる訳にはいかない。

 

「朝早くすまないな、こんな所で何してるんだ。」

 

「黒柳さん!?お疲れ様です。私はここで黒獅子の動向を見張っています。」

 

「それはご苦労なことだ。だが、こんな見えやすい所で見張りとは張り込みの基礎も教えて貰ってないのか?」

 

「は...大森さんの指示であえて存在を出すことで相手を動揺させるらしいです。何せ、相手は学生で、人質を殺す度胸はないと予測されるので。」

 

「そんな生半可な気持ちでやっているのか?人質がどうなるかは犯人次第だ。学生だとかそんなことはどうでもいい。お前はもう帰れ。残りは私がやろう。」

 

「でも、大森さんからは自分の指示があるまでここに残れと.....」

 

「.....まぁお前は大森直属の部下だからな。確かに俺の指示では動けないか。そこは仕方あるまい。だがお前のやっていることは絶対に良くない。せめて気づかれないように見張れ。よいな?」

 

「.....はい」

 

黒柳がうまい感じに気を引いてくれたな。

 

「よし、今だ行くぞ。」

 

俺達はこっそり建物の裏口から入った。

 

「妙だな。中に人がいない。見張りがいたのに巡回するやつはいないのか。罠のような気はするがとりあえず行こう。」

 

そして、途中になにかを引きずった後があった。

 

「恐らくこれが誘拐した人を引きずっていったんだろう。」

 

そして、ひとつの部屋にたどり着いた。

 

「鍵がかかってます。兄貴。」

 

「仕方ない。壊すぞ。」

 

そしてドアを蹴り、中に入った。人質はすぐそこにいた。

 

「大丈夫か!?嬢ちゃん。」

 

「そこまでだ。」

 

近くに誰かいた。誰だ?こいつ

 

「君たちがこの子を誘拐したんだね?私が助けに来たよ。」

 

「んだと!?お前が部屋の中にいたんだろ!どう見たってお前が犯人だろ!」

 

「作り話をするな!この誘拐犯め!黒獅子とか偉そうにしてる割にはタダのガキじゃないか。お嬢さん、今助けますね。」

 

「くそ!その手を離せ。」

 

その途端なにかボタンが押された。

 

「ふふふ、演技ご苦労。今君たちの言葉を録音した。これを証拠として提出すれば、君たちはれっきとした犯罪者だ。」

 

「何!?」

 

「黒獅子が誘拐したなんてのは嘘だ。まんまと騙されやがったぜ。あそこの家族は。そうさ、犯人は俺さ。だがそれはバレない。この録音では、君たちは誘拐犯で私はそれを助けに来たヒーローだ。いいか?事実というものは簡単に曲げられるんだよ。証拠も意図的に作ればこっちのものだ。それに私は金で雇われてるんでね。邪魔者も消せてお金も入る。一石二鳥よ!」

 

その後その男は高笑いした。憎たらしいやつだ。

 

「さて、君たちは用済みだ。さっさと消えな。」

 

「ふっ...あはははははははははは!」

 

そして、俺達は一斉に声を出して笑った。

 

「な、何がおかしい!?」

 

「全部俺らの予測通りだったんですよ。ね、兄貴?」

 

『バリィン!!』

 

そして、『俺』はガラスを割って部屋に侵入した。

 

「ああ、相手がバカで良かったぜ。大丈夫か?今拘束を解いてやるからな。」

 

「だ、誰だ貴様は!?」

 

「あ、お前が勝手に俺の名前を使ったんだろ、この野郎」

 

「な!?そこにいる男が黒獅子じゃないのか?」

 

「は、お前黒獅子本人の顔すら確認してないのかよ。とんだ野郎だな。いいか、俺達がこの時間に入ったもうひとつの理由は、俺達の顔が暗闇で見えにくくするためだよ。そこまで頭が回らなかったみたいだな。このバカは。」

 

「く、クソが!死ね!」

 

そしてその男は俺にナイフを向けてきた。

 

「無駄だ、教えてやるよ、黒獅子と呼ばれる理由をな!」

 

そこからは一瞬だった。相手の足元に本を投げて予想通りにバランスを崩し、その間に相手の懐に入り、ナイフを奪い相手を拘束した。

 

「人の名前を勝手に使った罰だ。あと、俺のテリトリーで汚いことしやがって。」

 

気絶してる、弱くねーかこいつ?

 

「さて...嬢ちゃん大丈夫?」

 

「は...はい、ありがとうございます。」

 

「君は高坂雪穂であってる?」

 

「え!?なんで私の名前を...」

 

「君のお姉さんと会ったからね。君のお姉さんと君を救うと約束したからね。家までちゃんと送るよ。」

 

「は、はい。お願いします!」

 

よっぽど怖かったんだろうな。今手を繋がされてるが震えてるよ。

 

「雪穂ちゃん、約束しよう。俺はこの街で今回のようなことがあり、もし誰かが危険な目にあうのならば、俺は全力でそれを助ける。知らない人も含め誰一人失いたくないんだ.....」

 

雪穂ちゃんの揺れが少し収まったかな。まぁ、いつまでも怯えながら生活は嫌だもんな。

 

「...なんか意外です。」

 

「ん?」

 

「黒獅子って、噂で聞いてるような怖い人じゃないんだなって、本当に優しい人なんだなって」

 

「.....優しくはないさ。俺はただ俺の我儘を満たすために動いてるようなもんだ。」

 

「そうですか、でも他の人から見たら本当に優しいと思いますよ。きっと他の人も分かってくれますよ。」

 

褒められるのは本当に慣れないもんだな。

 

「とにかく、一旦君の家に帰ろう。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

高坂先輩の家って、饅頭屋さんなんだ。全然知らなかった。

 

「失礼します。一条伊月です。穂乃果先輩いますか?」

 

「あ、いちじょ...雪穂!」

 

「お姉ちゃん!怖かったよー!」

 

「もう大丈夫だよ、穂乃果やお母さんがいるから」

 

「うん、そこの人が助けてくれたんだ。ありがとうございました!」

 

「おう、穂乃果先輩、約束通り妹さんを救ってきましたよ。」

 

「うん...その、ごめんね。あんなこと言って」

 

「気にする必要ないですよ。それに真犯人は警察に突き出したんで」

 

疑いが晴れて良かったよ。てか朝の五時くらいなのによく起きてたな。

 

「ところで一条くん、穂乃果って呼んでくれたんだね!」

 

「あ、ここ高坂家なので高坂って呼んだら全員反応するでしょ」

 

「そっか!でももう穂乃果でいいよ!先輩もいらない!雪穂もたすけてくれたし、恩人だね...って、どこいったの!?」

 

あんなに明るい人だったんだな。てかこの高校の先輩って、案外学年意識とか嫌うのかな。皆やけにフレンドリーだし。

 

高坂雪穂救出、並びに誘拐の容疑で、雇われ屋逮捕




結構長くなりました。これなら、前後半分けたら良かった。
そろそろことりちゃんと梨子ちゃんの誕生日ですね。ラブカストーンが結構あるので、それぞれ20連ずつ引きます。爆死する未来が見えますが.....
バンドリだったら、今日はモカちゃんの誕生日ですね。


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#10 向き合う

タイトルが全く思いつかない。
多分ですが、ここら辺が終わったらまたオリジナル多めになります。
最近スクフェスの調子が良いです。Mermaid festa vol.2 Passinoateがフルコン出来ました。


俺は今後始末に追われている。誘拐犯の隙をつく為とはいえ、ビルの壁をのぼり、そして普通に窓ガラスを割ったためその掃除や誘拐犯が誰かと繋がっていた等の手がかりも探している。

 

「だから、雪穂ちゃんを救うためにはそれが1番効率的だったんだよ。」

 

「お前、もし被害者が窓の近くにいたらどうするつもりだったんだ?下手したらガラスが刺さる可能性もあるんだぞ。それにお前もまだ学生だろ。リスクの大きいことをするな。」

 

「.....窓ガラスを割って入ったのは反省するよ。だけど、俺はリスクがあったとしても誰かを助けたいんだ。」

 

「もしそれでお前が重傷なんて負ってみろ。お前の学校の仲間や家族は皆お前を心配するんだぞ。特にお前の姉はそうだろ。」

 

「ああ.....分かっている。たが俺は自分が傷つくより他人が傷ついていのを見る方がよっぽど嫌なんだ。.....もう二度と誰かを失いたくない。」

 

「『3年前の惨劇』の1件は、俺も橘もよく分かっている。だからこそ俺達を頼って欲しい。まだ出来そうにないか?」

 

「.....まだ、無理だ。俺はいつまで経っても女々しいままだよ。」

 

「とりあえずこの話は終わりだ。ここでどうこう言い合っても根本的な解決にはならない。とりあえず学校に行ってこい。あとはこっちで始末しておく。」

 

「.....すまない。じゃあ学校に行ってくるわ。」

 

気は重いが、俺は一旦リセットして学校に向かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

黒柳side

伊月、お前は子供なのにあそこまで辛い思いをしたんだ。だからこそ平和に暮らして欲しかったが、今の街の平和は黒獅子、あいつのおかげでなってるようなものだ。そして、高校に行く話を敬一から聞いた時は驚いた。まさかあいつが人との関わりが多い場所にいく覚悟でもしたのかと思った。しかしそうではなく、南さんと敬一が仕組んだものだった。他が俺は賛成だ。あいつには極力危険なことには関わって欲しくないし、そろそろ人との関わりを持って欲しい。なら俺が出来ることはこの警察の中で腐った連中を叩きのめすことだ。

 

「おやおや、黒柳さんじゃないですか」

 

「何の用だ、大森」

 

こいつのような奴を。

 

「いえいえ、今回もあなた方は事件解決には貢献せず、黒獅子を頼ったのだと思いまして。『鋼鉄』で名が通っているあなたにしては珍しいですね。」

 

「ふざけるな。今回の事件の犯人は、君が雇ったのだろう。いい加減事件を作るのは辞めたまえ。」

 

「事件を作る...失礼、証拠はどこに?」

 

「今回のビルの監視は君の部下がしていた。その部下は、君に指示されたとも言った。それが本当かはともかく、俺の勘では、お前が1枚かんでいたと見ている。今回の事件で、黒獅子を犯人だと真っ先に言ったのも君だ。疑われるのは当然だろ。」

 

「そうですか...ですが、黒獅子ではないと言い出したのもあなたと橘さんじゃないですか。それにあなたは黒獅子の父親と仲が良かったとか、これも充分怪しかったですがね。」

 

こいつ.....犯人が自分から名乗るなんてことが無いくらい分かるだろ。こう言えばああ言われる。売り言葉に買い言葉。鬱陶しい。どうして上層部はこいつを優秀と見るんだ。どうみたって下衆じゃないか。

 

「まぁ、今回は私の手柄なんで。では、会議があるので失礼。」

 

そう言って大森は去った。伊月、面倒な敵がいるぞ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「すみません、ちょっと遅刻しました。」

 

「一条くん!?後で話は聞くけど。じゃあ、一条くん、来たばかりで申し訳ないけど、この問題黒板に解答書いて!」

 

え?この先生は鬼かよ。

 

「分かりましたよ。」

 

そしてその後5分位前に立ちながら解いた。ある意味公開処刑ものだろ。

 

「一条君、なんで遅刻したの?」

 

「小泉さんか、あ、まぁ野暮用でね。朝から結構疲れたよ。」

 

「それは大変だね。そう言えば一条くん、明日ライブあるけど行く?」

 

「まぁ、知り合いもいるし行くよ。小泉さんも行くでしょ?」

 

「勿論だよ!それはともかく、一条君、廃校の話聞いた?」

 

「廃校?何故だ?共学化すればいいのに。」

 

「それが、生徒数の減少もあるけど、共学化するなら廃校にする方がいいという意見もあったらしくて。」

 

そんなこと全く知らなかった。

 

「じゃあスクールアイドルって言うのは、生徒にアピールして入学者数を増やすためってこと?」

 

「うちの場合はそうなりますね。でも皆可愛くて、すごいよー。」

 

小泉さん、やっぱりスクールアイドルのことになるとテンション上がってるな。

 

「かよちんと伊月くん、何話してるにゃ?」

 

「ああ、スクールアイドルのことだよ。明日ライブあるだろ?」

 

「そうだったかにゃ?」

 

「思ったんだが、凛、小泉さん、お前らスクールアイドルやってみたら?すげー似合うと思うよ。」

 

「え!?凛が!?かよちんはともかく凛は無理だよー。凛は可愛くないもん。」

 

「え?俺は凛のことは可愛いと思うぞ。」

 

「え.....え!?」

 

そんなに驚くことか。何かあったのかな。過去に何がなければここまで自分を卑下にすることないでしょ。

 

「もちろん小泉さんも可愛いよ。てか二人とも違ったタイプの可愛さだよね。」

 

「う、うん。と、ところで一条君、凛ちゃんといつ仲良くなったの?」

「この前色々あってな。」

 

こういうことはあんまり言わない方がいいだろう。

 

『ガシ!』

 

「ん?」

後ろを見たら西木野さんがえぐいほど怖い顔でこっちを見てた。怖い顔してるけど、やっぱクールだな。若干子供っぽさが見えるのは気のせいか。

「ちょっと来なさい!」

あ、これは詰んだわ。\(^o^)/




前回がまとまったので、今回は結構グダってしまいました。ストーリーも進行させなければいけないので、少し長くなるかもしれませんが、そこはご理解願います。
あと、誤字脱字や何か質問とかがあったら、コメントとかか欲しいです。(切望)


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#11 誰がために

やっぱりタイトルが思いつきません。
いろんな人がこの作品を読んでくれてとても嬉しいです。
これからも頑張ります!



何故か分からないが、俺は西木野さんに音楽室に連れてこられ、今絶賛お説教中である。

 

「........あの、何故に俺は説教を受けておるのですか?」

 

「あなたが、女性を口説くようなことしてるからでしょ!?前も言ったけどああいうことは思っても言っちゃ駄目なの!!」

 

「そうなのか?俺は口説こうなんて全く思ってないぞ。思ったことを口にしてるだけだ。」

 

「留めなさいよ!!あなたが口説こうと思ってないことくらい分かってるから尚更責めにくいのよ!」

 

「意外と西木野さんって俺の事見てるんだな。なんか嬉しいよ。」

 

「え!?ちょ、何言ってんのよ!?意味わかんない!!」

 

「小泉さんや凛も可愛いけど、西木野さんも可愛いよね。可愛い、と言うよりか大人びててすごいよ。」

 

「お、大人びてる!?そういうところよ!」

 

やっぱり西木野さんは怒ってる。でも顔が赤いんだよな。褒められると弱いタイプなんだな。ツンデレ?て言うのかは知らないけどそんな雰囲気がすごい。

 

「分かったよ。悪かったよ。だからもう怒らないでくれ!」

 

「じゃあ、私の事下の名前で呼んで!!」

 

「へ?」

 

「いいから呼びなさいよ!星空さんのことは凛って呼んでるじゃない!?私があなたと1番付き合いが長いから私も呼ばれないと不公平よ!!」

 

「何が不公平なんだか.....分かったよ。ごめんな、真姫。」

 

「!?」

 

「どうした?顔が赤いが、熱でもあるのか?」

 

熱があるかは確認するか、俺は西木野さんの頭に手を伸ばした。

 

「熱は.....無いか、良かったよ。それで、音楽室に連れてきたのは他にもなにかあったんでしょ?」

 

「.....急に話を変えたわね、ええそうよ。私、スクールアイドル部の人の為に曲を作ったの。『START:DASH!!』っていう曲なんだけど」

 

「あなたに、聞いて欲しいの。私にとっての小さな一歩になった曲を。」

 

「そうか、あの時から成長したんだな。喜んで聴かせてもらうよ。」

 

やっぱり歌声が綺麗だな。それにピアノの音もだいぶ良くなった。本当に迷いが晴れたとはまだ言えないが本人は自分がやることに対しては迷いがないってことが分かった。

 

「西木野さんは、スクールアイドルはやらないの?」

 

「私はやらないわ。私はあくまで楽曲を提供しただけよ。」

 

「でもそのスクールアイドルの為に曲を作った。なぁ西木野さん、この曲は本当にスクールアイドルの為だけなのか?」

 

「.....」

 

「俺は違うと思う。それだけじゃない。多分だけど自分の為っていうのもあるんじゃないか?決して利己的な意味じゃない。自分の中で何かがあったんだろ?」

 

「.....あなたこういう事だけは鋭いのね。スクールアイドル部の人達が一生懸命練習してるところを見て感動したの。それにあなたも私に色々言ってくれた。だから私もやろうって思ったの。だから作ったの。でもひとつ違うわ。この曲はね、私が成長したということをあなたに見せるっていう意味もあるの。つまり、あ...あなたの為に作ったの。」

 

「そういう思わせぶりなことは言わない方がいいぞ。俺は大丈夫だが、他のやつなら勘違いするからな。」

 

「.....この鈍感」

 

「皆そう言うんだよな。全く酷いぜ。まぁ、西木野さん、よく頑張ったよ。」

 

そして、俺は西木野さんの頭を撫でた。意外と楽しい。

 

「じゃ、俺はこの辺で。西木野さん、もしスクールアイドルをやるってことになったら言ってね。協力してやるから。」

 

そう言って俺は去った。途中誰かがこの会話を聞いてるように感じたが気の所為だろう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後になって、俺は生徒会の手伝いをしていた。

 

「結構資料残ってますね。」

 

「本当よ。これでも結構疲れてるのよ。」

 

「大変ですね.....ん?これは講堂の使用許可の資料?」

 

「ああ、それね。この学校でスクールアイドルをするって言ってる生徒がいて、貸してくれって言ってきたのよ。やめて欲しいわ。」

 

「どうしてですか?」

 

「彼女たちの踊りや歌が素人にしか見えないのよ。あれで人を感動させられるとは思わないの。」

 

「まぁ、そうかもしれませんね。綾瀬先輩にはそれを言えるだけの何かがあるんですね。」

 

「ええ。だからあなたからも言ってくれないかしら?」

 

「うーん、俺はやるくらいなら別にいいと思いますけどね。」

 

「どうしてそう思うの?失敗したら学校の品格を落とすことになるのよ。」

 

「そうですけど.....俺は思うんですよ。やってみないことには何も分からないって。黒獅子っていう立場があるからかもしれませんが、部下がやることには口を出さないようにしてるんですよ。あいつらはあいつらなりに考えてやってる。俺も同じく、やりたいことはやってるんですよ。」

 

「.....失敗はしないの?」

 

「勿論することはありますよ。でも、そういうことを含めて色々経験するんですよ。そして、やりたいようにやったら、自分のためにやったことが意外と誰かのためになってたりするんですね。」

 

「.......」

 

「俺も一応綾瀬先輩と同じで、人を纏めてる立場にいるんで、部下がやることに不満や反対することもあると思います。でも、それって義務感からなんですよ。自分がそういう立場にいるからって。」

 

「でもこれだけは分かってください。立場がどうであれやりたいことはすべきだし、成功する未来をみて頑張るべきだってこと。」

 

「なんか、偉そうに言ってすみません。これから理事長に資料を提出してきますね。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

絵里side

一条くんは、達観してるわね。やっぱり黒獅子と呼ばれるだけあって経験もある。今私が悩んでることを的確に指摘して、それに対してアドバイスみたいなものをくれた。やりたいことをやる、か。でも、今の私には.....

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ありがとね、一条くん。」

 

「希、もしかして今の会話聞いてた?」

 

「うん。、絵里ちの心の枷を抜いてくれたんかな。」

 

「あれはまだ悩んでるよ。答えはまだ出ないさ。でも、俺はなんとなく思うよ。スクールアイドルの人達が綾瀬先輩をどうにかするって。」

「うん、うちの占いでもそう出とるんよ。」

 

やっぱり希は雲みたいな存在だな。掴みにくい。

 

「あ、そうだ一条くん、昼休み音楽室で何しとったん?」

.....え?

「昼休み?なんのことですかね?」

 

「うちに隠し事はできんよ。これやん。」

 

そう言って希は俺が西木野さんの頭を撫でてるシーンの写真を見せてきた。

 

「これは絵里ちに報告やね。」

 

この人、俺で遊んでないか?

 

 




また長くなりました。最近はこういうセリフと足そうと書いている間に字数が多くなります。反省ですね。
あと、お気に入りの数が少しずつ増えていて嬉しいです。拙いところもありますが、これからもお願いします。


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#12 姉の襲来

今回は、オリキャラ回になります。以前から名前しか出てなかった人もここで一気に出ます。


今日は災難続きである。現在綾瀬先輩に怒られており、先程メールで姉が家に帰ってきたというメールも来た。俺の安寧の時間よ.......さらば。

 

「さて、前回は見逃してあげたけど今回は、ね。」

 

「待ってください。一応同意の上ですよ。相手が嫌がるならやりませんよ。」

 

「へー。あなたは口説くのが上手いのね。」

 

綾瀬先輩のジト目がささる。何故だ?真姫といいどうして口説くという結論にたどり着くのか。

 

「じゃあ今回もペナルティをかそうかしら?」

 

「というか僕悪いことしてませんよね?」

 

「ん?何か言ったかしら?」

 

「だから俺は何も悪いことはって痛いですよ。」

 

この人笑顔でつま先踏んでるよ。悪魔だ。

 

「そうね.....まぁ今は無いから今度学校対抗の討論会の代表にでもなってもらおうかしら」

 

「討論会?」

 

「ええ。他校との交流や討論をすることで将来社会に出て必要な力を養うことが目的ですって。3年前からやってるらしいのだけれど、うちは毎年UTXに負けていてね。今年は勝ちたいのよ。」

 

「その、UTXっていうのはそんなに凄いんですか?僕は学校とはあまり関係の無い環境にいたのでそこら辺はよく分からないんですよ。」

 

「今音ノ木坂の生徒が少ないのもUTXの志望者が多いからなの、だから私達も色々とアピールしてるの。」

 

「.....なるほどね。」

 

スクールアイドルが生まれたのもそういう所があるのか。

 

「分かりました。討論の件はしましょう。では俺はここで失礼します。」

 

綾瀬先輩も何気に優しいな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

海未side

いつも通り、穂乃果たちと練習を終え、家に帰っている途中でした。

 

「ねえねえ」

 

「はい、何ですか?」

 

「お嬢ちゃん、可愛いね。今から俺とお茶しない?」

 

これは.....ナンパですか?私はそういうのには疎いのでよく分かりません。

「すみません、用事があるので失礼します。」

 

「そう言わずにさ、一緒に行こうよ!」

 

しつこいですね。このままでは家までついてきてしまうのでは?

 

「ですから、忙しいので失礼します。ついてこないでください。」

 

「もう、緊張しないでいいのに。じゃあさ、電話番号交換しようよ!それならいいでしょ。」

 

「知らない人に個人情報は教えられません!いいから帰ってください!」

 

「はぁ.....素直にのればいいのに。俺の誘いを断ればどうなるかその体で教えてやるよ。」

 

そう言い、男は私の腕を掴み、無理やり路地裏に連れていこうとした。振り払おうとしたが、力が強く離れられなかった。

 

「そこの人!待ちなさい!何をしているんですか!」

 

「ん?誰あんた?」

 

「私服ですが、こう見えても警察です!あなた、それはいけませんよ。」

 

「うるせぇよ。今は俺とこの子の話だろ。首突っ込むなよ!」

 

「そうはいきません!私は警察として市民の平穏を守る義務があるのです!」

 

そう言って女の人とナンパの喧嘩が始まった。ただ、一方的で女の人が一瞬でナンパを拘束した。

 

「ふん!女を甘く見てるからです!」

 

その割にはその人は手錠を持っていないのは何故でしょう?

 

「あの.....手錠とかはないんですか?」

 

「.....は!?手錠を忘れました!仕方ありません。あなた、通報してください。」

 

本当に警察なのですか?この人、抜けてるような気がします。

 

そう言いながら10分くらいが経った。

 

「こちら黒柳。現場に到着しました。.....って橘か!?お前何をしてたんだ!」

 

「す、すみませぇぇん!!手錠を忘れてしまって。」

 

「お前、それで現行犯逮捕出来ると思ってるのか。やはりお前は抜けてるな。その体術が勿体ないな。」

 

コメディのような会話をしていますね。この人たち、同僚なのでしょうか。

 

「あ、あの....」

 

「あ、すみません!自己紹介がまだでした。私は橘 優花です。こう見えても警察なんですよ!」

 

「そうなんですか、先程は助けて頂きありがとうございました。」

 

「いえいえ気にしないでください。それにしても凄い可愛いね!清楚という言葉がとても似合います!」

 

「そ、そうですか。あ、ありがとうございます。」

 

褒められると、やはり照れますね.....

 

「橘。行くぞ。今日はまだ仕事があるだろ。」

 

「でも.....今日は那月ちゃんが帰ってくるから伊月くんの家で食事するという仕事が.....」

 

「お前は警察だろーが!少しは仕事をしろ!あと、那月が帰ってくるって言うのは初耳だ。俺も行く。」

 

「黒柳さんも行くんですね!じゃあ伊月くんに連絡しておきます!」

 

私が置いていかれてる気が.......

 

「それはともかくだ。橘、お前はこの子を家まで送り届けろ。被害者の安全は保護しろよ。」

 

「分かりました!!行きましょう。」

 

そう言って私は橘さんと一緒に家に帰った。道中いろんな話をしてくれました。とても面白い方ですね。あと少し穂乃果に似ていますね。ほっとけない雰囲気がありますね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ああ、憂鬱だ。あいつが帰ってきてるなんて。

 

「ただい「お帰り!!伊月ーーーーーーーー!!!!」ってうるせーよ!那月!」

 

そう言って俺に飛びかかって来たのは、一条那月、俺の2つ上の姉である。俺とは対照的で明るくていい人だ。.....本当に俺とは違う。

 

「伊月、久しぶりだね!元気だった?」

 

「ああ、元気だよ。一応な。」

 

「.....まだ『あれ』は克服出来てないんだね.....。お姉ちゃん、辛いよ。」

 

「なんで那月が気にするんだよ。.....俺が女々しいだけだよ。」

 

「でも聞いたよ!学校に行き始めたんだね!お姉ちゃん感激だよぉ!!」

 

「半ば強制だけどな。」

 

「で、学校ではどうなの?」

 

「勿論つまらなくはないよ。でも人間関係とかは築いていないよ。まだ信頼できる人もいない。」

 

「.....そっか。伊月のペースでいけばいいよ。何も今すぐ信頼できる人とは言えないしね。でもお姉ちゃんね、伊月が学校に行くって決めたことが1番嬉しいよ。」

 

こういう優しい姉を持って本当に良かったよ。じゃなきゃ、ここまで立ち直れてないかもな。

 

「それはそうと、お姉ちゃんね、伊月と同じ音ノ木坂学院に行くことになったよ。」

 

予想はしてたけど、まじかよ。本当に平和な学生生活が終わったよ。

 

 




展開考えるのってやっぱり楽しいですね。あと、お気に入りが増えていて嬉しいです。これからも頑張ります。
欲を出しても良いというのなら、感想が欲しいです。おかしな所とか指摘して欲しいです。


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#13 久々の盛況

タイトルが意味不明です。そこは気にしないでください。スクフェスで新しいイベント始まりましたね。あれにmasterの12を足して欲しいとつくづく思います。9~11は簡単なものが多いので。


姉が音ノ木坂に来る。それは別に構わない。俺が1番心配してるのは...

「那月、これだけは守って欲しい。昼休みとか俺の教室に来んなよ。」

「え!?なんで?」

「クラスからの視線が集まるからだろーが!いい加減そのブラコン治せよ!!」

「でもー、伊月のことは大好きだよ!!それは譲れないね。」

そう、こいつの最大の弱点は外でもブラコンを出すことだ。家の中だけならともかく外は困る。

「まぁでも女子校だし、男子は伊月しかいないんでしょ?だったらお姉ちゃんはクラスの人とお昼食べたり話したりするよ!!伊月とはこうやって家で話せるしね。まぁ、伊月成分が無くなったら行くかもだけど」

「それを辞めてくれ。」

姉は中学校時代にいつも男子からご飯誘われたり告白されたりと何かと忙しかったのを覚えてる。中には、姉に近づく為にあえて俺の近くに来るやつもいた。そういうやつは、大抵ろくな奴じゃなかった。

「だったら、せめてお姉ちゃんって呼んでよ!!」

「恥ずかしいわ!!それだったら那月の方がいいわ。」

「下の名前で呼んでくれるのは嬉しいんだけど、それだと伊月と距離を感じて.....嫌なの。ダメ.....かな?」

こういうのを仕組まずにやってるのも姉に治して欲しい。

「なんていうか、まだ俺の中でも抵抗があるからな。呼べるようになったら呼ぶよ。」

「.....え!?てことはいつか呼んでくれるんだね!!やったーーーーーー!!」

これで大喜びするのか。単純だな。

「おっ邪魔しまーーす!!那月ちゃん、久しぶりーー!!」

「あ、優花さんじゃん。本当に久しぶりーーーーー!!」

「おい橘、せめて靴は揃えろ。伊月、悪いが邪魔する。」

「おう、くつろいでいってくれ。」

黒柳と橘さんが来たことで我が家は一層賑やかになった。

「あれ?黒柳さんじゃないですか?お久しぶりです!!」

「相変わらず元気だな、那月。イギリスでの生活はどうだったんだ?」

「それこの後話すよ!!ご飯の時にいっぱい話したいしね!!」

「そうか、それは楽しみだ。」

「ちょっと黒柳さん!?私と那月ちゃんで態度違いすぎじゃないですか!?」

「お前は抜けているんだ。那月はちゃんとやることはやってるだろ。」

「ぶーぶー」

相変わらず元気だな、皆。昔は俺もあの輪にいたんだな.......

「おい、料理が出来たぞ!!皆で食べようぜ。」

「やった!!久しぶりのお父さんの料理だ!!」

「今日は哲二や優花さんも来てるからな、腕が鳴ったぜ。」

そう言って宴会のような晩御飯が始まった。

「でさー、その時先生の英語が早すぎて全然聞き取れなかったんだよね!1年くらいで慣れたけどさ!!」

「イギリス英語か。多少はアメリカの英語とは異なるんだっけ?」

「うん!!本当にびっくりしたよ。」

「そうか、色々苦労してたんだな。」

「あの伊月が人を労ることを知ったなんて.....お姉ちゃん感激だよぉ!!」

「大袈裟なんだよ。俺だってそれくらいのことはできる。」

「聞いてくださいよ!!黒柳さんったら、ちょっとミスしただけですぐ怒るんですよ!!カルシウムが足りないんですよ!!」

「それはお前がいつも忘れ物をするからだろーが!!少しはこっちの身にもなれ!!」

「それでさー、そん時社長ってば、俺に仕事を押し付けてくるんだぜ!!そりゃあもう.....って哲二聞いてるのか!?」

「お前の愚痴は随分とスケールがでかいな!!その愚痴を聞くのは今回で4回目だ。」

親父は酔ってやがる。黒柳のやつ、飲んでるってのに酔わないのはスゲーな。

「そう言わずにさー、聞いてくれよ哲二ィ!!!」

「おい、飲み過ぎだ!!あと離せ!!苦しい!!」

やっぱ同級生だけあって仲がいいんだな。.....俺にもそんな仲間が欲しかったな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

わぁぎゃあとやかましかった食事も1時間半過ぎたら皆各々食器を片付け少し静かになった。橘さんと姉は疲れたからかソファーで寝てる。無防備すぎるだろ。親父と黒柳は外に行ったみたいだ。まぁ語りたいこともあるんだろうな。

「ったく、いつまで経っても世話のかかる姉だよ。」

そう言って俺は2人をベッドまで運んだ。途中姉が「いつきー、ここでそれは恥ずかしいよー」とか言ってたけどそれは無視した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「なぁ哲二、俺が伊月を学校に行かせることに反対しなかったがどうしてだ?」

「伊月もそろそろ人との関係を築くべきだと思ったからだ。あいつも弱くない。姉の力があったとはいえあそこまで立ち直れたんだ。別に反対はしないさ。」

「.....そうか。俺は最初躊躇ったんだ。でも、な。いつまで経っても女々しいだけのあいつを見るのは嫌だったんだ。ただの自己満ってところもある。」

「情けないのはこっちもだ。この街の安全は今あいつのおかげでなってるようなもんだ。私たち大人は、あんな子供に力を借りてるんだから、少し情けないよ。」

「お前がそう思うのは珍しいな。」

「.....そうだな。でも、最近はそれを特に思うよ。」

「でもさ、学校に行き始めてからあいつの顔、気のせいか少し明るくなってんだよ。南さんが迎えてくれて、あいつはまだ人と信頼関係を築けてないかもしれないけど、アイツなりに向き合ってるんだ。俺達はそれを見守ろうぜ。」

「.....確かにな。あいつの顔は少し変わった。過去に追われて目に光がなかったからな。いまでも無いに等しいが、少し光が宿ったように思う。それは嬉しいよ。」

「那月をわざわざ呼び戻す必要もなかったかもな。」

「お前が呼び戻したのか?.....なんとなくそう思ったが。那月も音ノ木に行くのだろう?伊月の所に行き過ぎないといいんだが.....」

「まぁ大丈夫だろう。俺達も大人になったな。こう感傷に浸ってるとさ。思うんだ。」

「そうだな。中身は学生の頃から変わってないが、やはり大人になったんだな、私達は。」

「今日は月が綺麗だ。月見がてらもう少し飲もうぜ?」

「また飲むのか.....程々にしろよ。」

 

 

 




今回は、オリキャラ達の平和な一時を書きました。μ'sメンバーは一切出てきませんでしたが、オリキャラのキャラとか理解してもらいたかったので書きました。次回くらいからはちゃんとfirst liveの所を書きます。展開が遅いかもしれませんが、お付き合い下さい。


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#14 First Live 当日①

バンドリに ブランドルームが出来ていてとても驚きました。入ってみましたが、スコアが200万超の人がほとんどで凄いなーとおもいました。(一応僕も200万は超えています)
休んでる間にお気に入りが増えていて驚きました。


騒がしかった夜も明け、皆いつも通りの生活に戻っていた。俺が見回りから帰ってきた頃には黒柳や橘さんは消えていた。あんだけ酒を飲んだり騒いでいたのに朝早くから動けるのはさすがだとしか言えない。

に比べ、親父と那月はずっと寝ている。お前ら仕事と学校あるだろ!!

.....久しぶりの静寂だ。こう静かだとらしくないが思いにふけることもある。いつまでも縛られ続けてる女々しい自分、黒獅子という名で周りから畏怖され、頼られている自分。どっちも自分だけど本当の自分が何なのか分からなくなる。そして、親にも姉にもない身体的特徴。俺は目の色が他の2人と違う。俺の目は緑色。親父と姉は黒色。姉はどちらかと言えば青に近いのか。ともかく、俺だけは特に違いがある。最近はこんなことをよく思う。思春期だからか。それとも.....俺が『あれ』に向き合おうとしてるからか。

いくら考えても仕方がないので。朝食の準備をする。こう見えても料理は出来るんだぜ。と言うのも、夜の見回りとかしてるとお腹減るし、コンビニに入れば不良と勘違いされ、通報されかけたこともあったので、自分で作るのが1番平和な気がするだけである。

「おはよう、伊月。朝食何ぃ?」

「おはよう。今日はな、サンドイッチにでもするよ。軽めにな。」

「うーん、分かった〜。お姉ちゃん着替えに戻るけど、覗きに来ないでね.....伊月に見られるなら別にいいけど.....」

「覗きに行かねーから安心しろ。」

というか今の服装も危ないと思うぞ。だって、今とかシャツの間から下着見えてるし。もうちょいちゃんとした服装で寝ろよ。

「おい伊月、俺二日酔いでしんどいから今日休むわ。」

「お前は自由人か!!仕事行け!!」

「少しは労れよ!!どうせ今日は社長が会議で喋るのを聞くだけだから今日は行かなくてもいいんだよ!!」

「いや尚更行けよ!!社長に喧嘩とか売ってないよな?」

親父は、会社員とは思えないくらい自由人である。よくこれでクビにならないな。

「とりあえず、朝食食うぞ。」

そういえば、今日はライブの日だったっけか。放課後行かなきゃな。

「なぁ那月。今日の放課後にスクールアイドル部の人がライブするんだけど、見に行かね?」

「伊月ってアイドルとか好きだっけ?」

「そういうわけじゃねーけど.....姐さんが出るらしいから」

「ことりちゃんが?意外だねー。よし、私も見に行くよ!!」

「あんまり騒ぐなよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「今から、1泊2日の宿泊研修の行動班と部屋決めをします!!」

先生がやけにテンション高いと思ったらこういうことか。

「小泉さん、宿泊研修って何するんだ?」

「ええとですね.....研修とは言いますが特に勉強とかはしないそうです。栃木の方に行って観光のようなことをするらしく、何をするかとかは生徒に委ねられるそうです。」

「そうか。微塵も興味がねーわ。多分休む。」

「え?どうしてですか?」

「まぁ.....色々と事情があってな。」

そう、俺が黒獅子とか呼ばれ始めてから俺はこういう校外行事は参加出来ない。俺がいないと分かって、闇取引をしたり、大人しくしてたチンピラ共が暴れ出すからである。警察も頑張っているが、バレないように動いているから、警察はあまり頼りにできない。過去に俺が修学旅行に行った時にそうなったため、それ以来一度も行ったことがない。

「因みに部屋割りですが、一条くんは女子と一緒の部屋に寝てもらいます!!」

.......は?

こいつは何を言ってるんだ?モラル的に問題あるだろ。まぁ行かないから一緒の部屋にされても構わないのだが。

「先生、いくらテスト生とはいえ扱いがおかしいです。俺はともかく女子は嫌がるんじゃないですか?ほら、言うじゃないですか?男は獣とか.....」

「心配ご無用です!!一条くんがいる部屋に先生も入るので!!」

「教師と生徒が一緒の部屋ってのもある意味気まずくないですか?」

「文句が多いですね!!先生これでも25だよ!!」

「俺達は15or16です。」

「だから皆は私と一条くんをセットで考えてください!!」

というわけで話し合いが始まった。まだ決まりそうにないけど

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

絵里side

今日3年生にも転校生が来るみたい。女の子らしいけどどんな子なのかしら?

「はい、転校生を紹介する。入りなさい。」

「はーい。私は一条 那月です!!イギリスの留学から帰ってきました!!これからよろしくお願いします!!」

とても明るそうな子ね。一条?一条くんのお姉さんなのかしら?

「一条、お前は綾瀬の後ろの席だ。行きなさい。」

「はい!!」

そう言って彼女は、私の後ろに来た。それにしても可愛いわね。私は自分のスタイルにはそれなりの自信があるけれど、彼女も凄い。顔も可愛いし、雰囲気も優しそうね。

「えーと、これからよろしくね!!あなたは?」

「私?私は綾瀬絵里よ。よろしくね、一条くん。」

「那月でいいよ!!絵里ちゃん?でいいのかな?」

「別に構わないわ。」

「私、生徒会の生徒会長を務めているのよ。」

「え!?生徒会!?私生徒会には嫌な思い出しかないなー。」

「何かあったの?」

「うーんとね、生徒会長に口説かれたり、副会長がしつこくお茶誘ってきたし、仕事全くしてなかったしね。印象は良くなかったかな。」

「それは災難ね。安心して。私達はそういうことにはならないから。」

「そこ、そろそろ私語を、慎みたまえ。」

「はーい、すみません」

こうして、クラスに1人新しい仲間が増えた。彼女とは仲良くなれそうね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

那月side

絵里ちゃんかー、可愛いなー。でもなんか心の闇がありそう。少し雰囲気が伊月と似ている。伊月ほど重くはなさそうだけど、これは手を差し伸べなくちゃいつまでもこのままでいそう。

 

 




ねぇ知ってる?アニメの時間じゃまだ3話に入ったばっかなんだよ。かなり展開が遅いですね。あと、今回のイベント報酬がいいですね。花陽ちゃんSRが3人。70000ptで勧誘チケット。ユニット対抗戦で周回しきれなかったので、今シュガーキューブが38個残っています。


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#15 First Live当日②

やっとラブライブらしいことが出来ます!!
という錯覚をおぼえました。


あれから話し合いが進み

「結局残った俺ら4人が一緒の部屋か」

「そうね。(ま、まさかこいつと同じ部屋になるなんて.....やった!!)」

「かよちんや伊月くんはあれだけど、西木野さんははじめてにゃ。」

「そう、私は西木野真姫。よろしくね、星空さん。」

「うん!!よろしくね!!西木野さん!!」

「良かったぁ、凛ちゃんや一条くんみたいな知り合いが一緒で。」

「付録で先生がついてくるけどな。」

「ちょっと!?私の扱いひどくないですか!?」

「だって、俺別に女子を襲いませんよ。そもそも行かないんで、関係ないですし。」

『え!?』

「行かない?もしかしてくr「ストップ!ストップ先生!!」?」

この人は大丈夫か!?俺なんか変なデマ流れてるんだぞ!そんな状況で俺が黒獅子だなんて知られてみろ。このクラスで白い目で見られるし、居場所がなくなる。それどころか、監視という名目で仮に行くにしても部屋で待機とかさせられる未来しか見えない。

「(先生、俺が黒獅子っていうことは皆の前では言わないでください。)」

「(どうしてダメなの?)」

「(いやダメでしょ!!俺に関するデマとか流れてて、黒獅子は好戦的な不良と思われてるんですよ。)」

「(別に気にする必要なくない?だって君は今まで問題行動はしてないし、西木野さんとかあなたのこと信頼してるように見えるし。)」

「("信頼"か.....ともかく俺のことを言うのは控えてください。)」

「(分かったよ。でもいつかは皆に話してね。)」

この人はよほどいい環境で育ったんだろうな。信頼なんてものは簡単に出来ない。特に俺みたいな人間は心が闇な人間はな。皆に話す、か。いつか出来るのか.......

『ガシィ!!』

「ん?」

『絶対に来なさい(来るにゃ)!!』

なんかこの2人が妙に威圧的です。タスケテ。目が怖い。

「来れたら、な。」

真姫と凛がやたら怖い。綾瀬先輩も怖かったが、この2人も結構怖い。

「来れたらじゃなくて、怪我したりとか風邪引いた以外の時は来なさい!!女子しかいないんだから行った先で私たちを守る人が必要なの!!」

「凛は単純に伊月くんが一緒の方が楽しいにゃ!!ね?かよちん?」

「う、うん。一条くんがいてくれた方が安心する、かな。」

小泉さんに頼まれると断るのに特に罪悪感あるなー。他の2人に感じないとは言わないが。幼さがある。

「ま、行けるかは分からないから行けたらな。」

まぁ那月が帰ってきてるから安心はできるか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

那月side

英語の授業とかつまんないよ。ネイティブで慣れてるから日本人の英語はかえって聞き取りにくい。文法とか訳し方とかも学習済みだし。

「一条さん、さすがに寝ちゃダメよ。」

「那月でいいよー。というか絵里ちゃんも後ろ向いてたらダメだよー。」

「おい喋るな。じゃあ一条。このarrogantの意味を答えろ。」

「傲慢、ですよね。先生は私に言いたいんですか。

I can't put up with her arrogance. とか。」

「.....次からは私語は慎めよ。」

まぁ当然か。あんた日本でしか英語勉強してないしね。

こういう所は伊月と似てて嬉しいな。生意気って思われるけどね。

「....あなたって、すごいのね。」

「伊達に留学してましたから!!けど、これは私達姉弟の共通点なんだよ。」

「弟.....?もしかして一条伊月君?」

「弟を知ってたんだ。なんか迷惑はかけてなかった?」

「いえ。むしろ私は助けてもらった側なの。」

「ふーん。まぁそういう頼りがいのある所もかっこいいよね!」

「確かに頼りがいはあるわ。彼さすが黒獅子と呼ばれるだけあるわね。」

「黒獅子、ねー。伊月はあんまりそう呼ばれるのは好きじゃないよ。だからちゃんと伊月を1人の人間として見てあげてね!!」

「ええ。分かったわ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

絵里side

那月ってすごいのね。一条君の姉だとはなんとなく思ってたけどやっぱりそうだったのね。留学してたって言ってたけど英語の実力も確か。もしかしたら、先生より英語詳しいし喋るのも上手なのかも。そして、かなりの弟好きなのね。弟のことを心配してるのも伝わったし、一人の人間として、か。彼と会った最初の時、彼は自分で黒獅子という名を使っていた。それから察するに彼は黒獅子として見られることにそこまで嫌ではないと思うけど........本当に辛いのかしら。私は男の子の価値観とかが分からないから、強いとかそういうことが男の子は嬉しいと思うと思っていた。でも一条君は違う。那月はそう言いたかったのかしら。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

昼休みが過ぎ、今とても眠い。何故かって、昨日の見回りが無茶苦茶長くて、仮眠する時間すらなかった。てのがひとつ。もうひとつは.....さっきの話し合いで体力を使ったからだ。真姫と凛が思った以上にしつこかった。

「少し寝るか.....」

というわけで寝た。授業?大丈夫だろう。

 

 

 

 

「きて.....さい。」

「ん?」

「起きてください!!一条くん!!」

「小泉さん...今何時?」

「もうライブ始まっちゃいますよ!!」

「まじか。ありがとう小泉さん。行こう。」

俺達は講堂まで走った。

「小泉さん、走るの遅くないか?」

「はぁ.....はぁ.....一条くん、先に行ってください。」

「起こしてくれた恩だ。行くぞ!!」

「ひゃ!?い、一条くん」

俺は小泉さんをお姫様だっこして走った。




今日は校内行事のため、書くのが遅れました。
文字数が少ないとか、もうちょいラブライブ要素を出せとか言われるかもしれませんが、タグにオリジナル多めとあるのでご了承ください。なにか質問とか誤字脱字があれば、教えてください。


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#16 First Live当日③

ことりちゃんの誕生日に、番外編とか作ろうか悩んでます。なにせストーリーの進行スピードが遅いので書ける内容が限られるんですよね……


穂乃果side

今日はライブ当日!!たくさん練習したし、チラシも配ったし皆来てくれるよ!!頑張らなくちゃ!!

「海未ちゃん?本番は恥ずかしがっちゃダメだよ!!」

「でも.....やはり恥ずかしいです。今からでも、制服に着替えたいです!!」

「制服のスカートも膝下より上だよ!?大丈夫だよ、海未ちゃん似合ってるし。」

「うんうん、海未ちゃん可愛いよ!!」

そう言ってことりちゃんが海未ちゃんを鏡の前まで連れていった。

「これが.....私.....ですか?」

海未ちゃんも見入ってるのかな。海未ちゃんスタイルいいからやっぱり良いよねー。穂乃果もダイエットしなくちゃ!!

「穂乃果ちゃん、もうすぐ時間だよ。」

「うん!!ことりちゃん、海未ちゃん、頑張ろう!!」

穂乃果達はお互いの緊張をほぐすために手を繋ぎあった。

そして、ステージの幕が上がり、スポットライトが差し込んできた。

『.......え?』

そこには、誰一人いなかった。そう、誰一人。

「嘘.....でしよ?」

「ごめん、色んな人に呼びかけたんだけど.......」

どうして......?

「穂乃果.....」

「穂乃果ちゃん.....」

2人とも穂乃果を心配してくれている。2人も同じ気持ちなのかな。

でも2人の前で弱音は吐けない。穂乃果がアイドルをやろうと言ったから、責任は持たなきゃいけない。生徒会長の言う通り、私達じゃ無理なのかな。

「仕方ないよ、世の中そんなに甘くない!!」

口ではそう言えるが、涙が込み上げてくる。だめだ、泣いちゃう.....

 

 

 

『バン!!』

「はぁ.....はぁ.....間に合ったのか?」

「一条くん、着いたんだしそろそろ下ろしてくれない!?」

「あ、悪ぃ。」

一条くんと花陽ちゃんが来た。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「講堂ってどっちだ?」

「知らずに走っていたんですか!?方向は合ってます。あとあそこを左に曲がったら入り口があります。」

「おーけー。あ、小泉さん、前から気になってたんだけど」

「何ですか?」

「俺に対して丁寧な口調してるけど、同級生でもそういう感じなの?」

「そ、それは.....私が昔から人と話すのが苦手で.....凛ちゃんみたいに気軽に相手に接するって言うのが出来ないんです。」

「凛は幼なじみなのか?」

「はい。凛ちゃんは昔から私のことを助けてくれたんです。」

「いい幼なじみを持ったな。あと、俺に対してはタメ語でも構わないよ。この学校唯一の男子とか気にする必要ないし、別にそれくらいで相手をボコボコにしてやろうとかは思わねーからさ。」

「.....さすがに今すぐは難しいです。けど、一条くんが良いって言うのならやってみます。いつまでも引っ込み思案は嫌ですので。」

いい目をしてるな。こういう澄み切った目を見ると染めてやりたいと思うけど、綺麗すぎて染めたいとは思わなかった。

「なら、俺も少しは変えないとな。そうだな.....小泉、て言うとなんかあれだし下の名前で呼ぶか?花陽だっけ?」

「は、はい!!」

「なんでビビってるんだよ.....まぁ慣れるまでは時間かかるか。」

背が低いのと引っ込み思案のキャラがマッチしててある意味できてるよな。こんなこと言ってたらまた真姫に怒られる。ある意味思考回路も変態だしな。

「ここ、か。中から音が聞こえないがライブやってるのか?」

「うーん、ライブはもう始まってるはずなんだけど.......」

「とりあえず入ろう。小泉さん、しっかり掴まっとけよ!!」

「ふぇ!?一条くん、どこ触ってるの!?」

花陽を片手でだっこする。なんか柔らかいものを掴んでるがまぁいいだろう。そこまで力入れてないし。

『バン!!』

 

 

 

ということで今に至る。ステージの幕は上がってるし、3人がステージに立ってるってことはライブは終わったのか。

「あ、あれぇ、ライブは?」

「姐さん、もしかしてもう終わったんですか?」

「ううん。まだ始まってないよ。伊月くんと花陽ちゃんが一番早く来たんだよ。」

「ということは、定刻には客はゼロ、か。まぁいいさ。俺達はライブを見に来たんだし、まだなら見せてくれませんか?」

遅れてきたのに随分と図々しく頼んでしまった.....これは反省。

「え.....でも.....」

「数の問題ですか、大丈夫ですよ、あともうもう1人来るので。」

「え.....もう1人?」

「はい.....入ってこいよ、那月。」

「えへへー、バレてた?やっぱりお姉ちゃんと伊月は以心伝心だね!!」

「お前の足音は聞こえてたからな。以心伝心かどうかは知らないな。なぜ遅れたんだ?」

「えーと、職員室で先生に怒られてて.....なまいきだーって。それより伊月も遅れてるけど何かあったの?どうせ寝てたんでしょ?」

「よく分かったな。疲れてるんだよ。」

「ふふーん、これでもお姉ちゃんは伊月のことを理解してるつもりだよ!!」

この姉は恐ろしいな。観察でもされているのか?

「まぁとにかく、私もライブが見たいな!!まだなんでしょ?遅れてきて凄い偉そうだけどライブ、見せてくれませんか?」

「やろう!!」

『穂乃果(ちゃん)!?』

「せっかく来てくれたし、私達もいっぱい練習してきた。だから、やろう!!」

そして、姐さんと園田さんは頷き、配置についた。

 

『START:DASH!!』μ's 高坂穂乃果、園田海未、南ことり

 

 

 

 

 

彼女たちはライブを始めた。これが.....アイドルなのか。

「那月、どう思う?」

「うーん、私もダンスは習ってたからあれだけど、まだまだ荒削りだね。もっと練習したら良くなるよ。けど、それは上手い人がメンバーにいることが条件だけどね。歌に関しては上手いと思うよ。もう少し上手くなると思うよ。」

「初心者しかいないのに、ここまで短期間で仕上げるのはすごいな。」

俺達は彼女達の踊りや歌を分析していて、小泉さんは見入ってる。

外に数人いるし、1人は撮影をしているのか?カメラの光が見えた。




熱い。9月なのになんでこんな夏みたいな熱さなんだ!!
UAが5000を突破していたり、お気に入りも少しずつ増えていてとても嬉しいですね。そろそろ見ている人の声、要はコメントが1件くらいは欲しいです。助言とか間違いの指摘とかおねがいします。


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#17 LIVE後

タイトルが思いつかない.......
お気に入りが50件突破してて驚きましたね。


ライブが終わり、俺達は夕日が差し込む道を歩いていた。

「スクールアイドルっていうのはすごいんだな。アマチュアとは言え、歌とかダンスとかのレベルが高い。」

「まぁ熟練した人からしたらまだまだだけど、プロがいない中であそこまで自力で完成させるのは、中々だよ。」

那月が認めるっていうことは相当なんだな。

「そういえば伊月、さっき女の子抱えてさ、おまけに胸まで触っててさ.....ナニシテタノ?」

出たよ、那月のヤンデレモード。昔も姐さんと手を繋いで帰ってきたらボコボコにされたんだよな。理不尽なり。

「いや、花陽に寝てるところを起こしてもらって、花陽が走るのが遅かったからお姫様だっこして運んだんだよ。恩返しってかたちで。胸を触ったっていうのは.......ドアを開けるために腕をあけようとして、片手で抱えたら手がたまたまそこにいったんだよ。意図的ではないさ。」

「だったら入り口で下ろせば良かったじゃん.......」

「返す言葉がありません。すみませんでした。」

あれちょっと震えが止まらない。あと花陽に明日会った時にどんな顔すればいいんだ.......

「私だって.......お姫様だっことかしてもらいたいもん。」

「なにぶつぶつ言ってるんだ?とりあえず帰ろうぜ。」

「バカ.....分かったよ。それじゃ帰ろうか。」

「ああ。.....と言いたかったが、そうもいかないみたいだな。おい、出てこいよ、ストーカーさん。」

無反応か、まぁそりゃのこのこ出てくる馬鹿はいないよな。

「おい、隠れてるのは分かってんだよ。今更ダンマリは通じないぞ。」

そう言って俺は近くの木を蹴った。そっと近づいたからバレてないだろう。

「ひ!?」

「てめぇ.......この前綾瀬先輩を襲った.......」

「な、なんなんだお前は!?僕の邪魔をするな!!」

何故だ.....?こいつは確か警察に捕まったはずなのに.....

「てめぇどうやってシャバに出やがった?」

「そんなことどうだっていいだろ!?お前そこの可愛い子と仲良く喋りやがって.....一体何なんだよ!?僕は彼女の色んな姿をこのカメラに収めたいんだよ!!だから、お前が邪魔なんだよ!!」

「俺の姉だ。彼女でも何でもねえんだよ。それに気持ち悪い。」

「どこまで侮辱するつもりだ!?もう許さない。お前なんか殺してやる!!」

「拳銃かよ.....ちっ、物騒なもん使いやがって。」

そして、そいつはいきなり発砲してきた。少し顔を掠めたが、そこまで痛くなかった。しかも相手は銃の反動で転びやがった。

「使ったことないくせに、偉そうに使ってんじゃねーよ!!」

相手が怯んでる間に間合いに入り、銃を奪った。

「チェックメイトだ。今から俺の質問に答えろ。さもなくば、銃弾がお前の頭に飛ぶからな。」

「1つ目、どうやってシャバに出てきた?お前は有罪判決を受けたかは知らないが現行犯逮捕されたはずだ。」

「2つ目、その拳銃は、闇サイトから手に入れたのか?それとも.....誰かから借りたのか?」

1番怪しいのは、このハンドガンが警察が一般的に使っている種類ということである。

「そして3つ目、お前は那月の存在をどこで知った?」

「た、たまたま見かけて.....」

「嘘を吐くなよ。那月は昨日の夕暮れ時に帰ってきた。それに、空港からタクシーで帰ってきたし、本人はタクシーの中で横になっていたと聞いた。ということは那月の存在をたまたま見かけるなんてことはありえない。誰かから情報をもらった。違うか?」

.......くそ、ダンマリか。

「.....へへ。質問に答えてやるよ。1つ目のことは、俺はあの方が助けてもらって無事逃げられたんだ。」

「そして、2つ目、拳銃はあの方が俺に渡したものだ。外に出て、命を守るために身につけろとな。」

やはり裏で誰かが手をひいていたのか。

「あの方ってのは誰だ?」

「そんなこと教えるわけないだろ。このクソガk『パァン!!』ひ!?」

顔のすぐ近くで威嚇射撃した。こいつ、この期に及んで言い逃れをしたいのか。それにしても.....『あの方』か。一体誰だ?

「言っておくが、俺は銃を扱えるんだ。下手に煽るなよ。今度は外さないからな。」

「.....俺を殺してみろ。あの方が黙ってない。お前はおしまいなんだよ。黒獅子だなんていきって俺達に楯突いた罰が下るんだよ!!」

そう言って男は気絶した。

「伊月.......」

「.....厄介なことになった.......と言うべきか。」

だがそんなことよりも俺は.......

「俺はこの街を守るつもりでずっと戦い続けた。時々説得とかもしたが、それは結局無駄だった。受け入れて改心した人もいたが、こいつのようなやつもいる。裏で組まれているから、どれだけ頑張ってもいたちごっこのようになる。.....守るどころか危険を広げてるだけじゃねーか。俺は.....自己満のために戦って、守るっていうのを建前にしていたのか....」

「だが.....俺は戻れない。あの日誓ったことを違えたくない。.....どうすれば.....」

「伊月」

気づけば那月が俺の手を握っていた。

「確かに伊月はそうしてきたよ。でも、伊月のおかげで盗まれたものが戻ってきたり、命を救われた人だっていたんだよ。.....忘れないで、伊月は自分を汚してまでたくさんの人を救ってきたんだよ。相手が裏で組んでいたりどうしようもない奴だっている。それは仕方のないことだよ。あの日のことは私も忘れないし、伊月にだって部下がいるじゃん。その部下は、前科があったり伊月の信念を信じてついてきてるんだよ。だからね.....上手くは言えないんだけど.....信じて進みなよ。自分の道を。今はそうするべきだよ。」

なんだか最近重い雰囲気になりやすいな。

「.....ああ。ありがとう那月。」

 

 

 

 

自分の道を信じて進む、か。今の俺にその資格があるのか.......

 




オリジナル多めなので、どうしてもこういう展開になりやすいんですよね。僕ももう少し経ったらハーレム展開書くので、それを待ってる方はもう少しお待ちください。


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#18 和やかな日常

ちょっとは学生らしいことも......ね
誕生日記念編を一番早く投稿できたのが何気に嬉しかったです。
クオリティがどうとか言われたらどうしようもありませんが.....


重たい気持ちを抱えながら、歩いていると黒柳と出会った。

「黒柳、か。後ろの方に銃刀法違反したやつがいたから逮捕しておけよ。」

「銃声が聞こえたのはだからか.....所で伊月、お前また銃を使ったのか?」

「.....まあな。情報をはぐらかされたがな。気をつけろよ、お前らの中に敵がいる。しかも犯罪者を逃がすような輩がな。」

「それは申し訳ない。私達の管理の甘さだ。まだ世間に知れ渡ってないから混乱を招くことはないだろう。だが伊月、お前はこの国では銃を持つことも撃つことも認められていない。許可ない発砲をすれば、たとえお前の行動が正義でも犯罪者と同罪だ。それが分からないお前ではあるまい。」

「.....ああ、分かっているさ。逮捕するなりなんなりすればいいさ。」

「.....あまりこういうことはしたくないが、こうしないか?お前が銃を持った男が何を吐いたかを教えるかわりに今回のお前の発砲は厳重注意ですます。ギブアンドテイクだ。」

「.....いいのか?それこそ警察として問題があるだろ。」

「警察は犯罪者を捕まえておきながら逃がしている。その事実の方が大問題だ。我々の威信を揺るがしかねない。しかも、それはうちの誰かが手をひいていると見て間違いないだろう。冤罪でも無いものを手助けするなど言語道断だ。」

「.....分かった。その条件をのもう。」

「感謝する。だが、お前には厳重注意をしなければならない。警察署まては来てもらうぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

「ふふふ、いいネタを頂きましたよ。これは大儲け間違いなしのスクープになるぞ。」

 

 

 

 

 

そうして、俺は警察署に行き、事の一部始終を話し、警察から怒られた。行動をもう少し慎めとも言われたな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

なんだかんだ忙しかった1週間が過ぎ、俺は驚きの事実を目の当たりにした。

「定期テスト.......だと!?」

おいおい聞いてないぞ。そんなに早くあるのか。

「皆さん、定期テストは明明後日から始まりますが、皆さんにとっては高校始めての定期テストです!!いきなり赤点を取るようなことにはならないように勉強してきてください!!では!!」

何が嫌かって、俺の苦手な社会があることだ。現在の経済の仕組みとかどうでもいいし複雑過ぎて分からんわ!!『見えざる手』ってなんだよ!!ホラー映画かよ!!

「ううー、もうダメにゃー。」

「凛、俺もそうだ。同士だな。」

「伊月くんも勉強苦手なの?」

「昔から社会だけはダメなんだ。お前は?」

「凛は英語がどうしても苦手なんだにゃー。』

『はぁ.....』

「小泉さん、伊月って勉強出来ないの?」

「いいえ、むしろできる方なんですが.....社会の時間だけ何かの呪文を唱えていまして.....少し不気味なんですよ.....」

「あいつにも、苦手なものもあるのね。」

まさか俺と同じ状況にいるやつがいたなんて、なんとなく元気が出てきた。後ろが辛辣だが気にしない。

「落ち込んでもあれだ。凛、ラーメンでもたべにいかないか?」

「ら、ラーメン!?テンション上がるにゃー!!すぐ行くにゃー!!」

⊂('ω'⊂ )))Σ≡GO!!

「凛ちゃんダメだよぉ!!ちゃんと勉強しなくちゃ。」

「伊月!!何逃げようとしてるのよ!!」

「(・ω・`)」

「.......勉強できる真姫には分からないでしょうねぇ!!社会が出来ない俺の気持ちを!!気持ちを!!(2回目)」

「うるさいわねぇ!!少なくとも3教科だけならあなたの方が上じゃない!!」

「もうダメだ.....おしまいだぁ!!」

「べ.....別に私が教えてあげても.......いいのよ?」

「まじっすか!!よろしくお願いします!!真姫先生!!」

そういって俺は真姫を抱きしめた。案外背が高いんだな。

「ちょ.......」

『きゃーー!!』

周りから黄色い歓声が上がったがそういう意味じゃないんだけどな。

しかも真姫は髪と同じくらい赤くなってる。

「真姫、顔が赤いな。暑いのか?離れるから水飲めよ。」

「.....この」

「ん?」

「この、バカーーーーー!!!」

「ひでぶ!!」

真姫のビンタが炸裂した。いなすことは簡単なんだが、至近距離だったから、いなしたら真姫を怪我させる可能性もあったので受けた。

 

 

 

「あわわ、一条くんがぁ.....」

「伊月くんは鈍感さんだにゃ。」

「凛ちゃん、それはともかく後で私の家でしっかり勉強しようね!」

「かよちんが鬼にみえてしまったにゃー.......」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真姫side

あ、ありえない!!あんな人前で抱きしめるなんて.....イミワカンナイ!!

でも、彼が抱きしめてくれた時、温もりがあってなんだかとても落ち着いた.......会合とかで会う外国人も挨拶でハグをしてくるけど、それよりも温かった。

彼に助けられて、そして彼に道を示してもらえて.....私は彼に依存しているのかしら.....

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あのー、真姫さん、そろそろ機嫌直して勉強教えてくれませんかね?」

「ふん!!あんたなんか知らないわよ!!」

おいおい、むっちゃ切れてるやん。こういう時どうしたらいいんだ?前に那月の時にも同じようなパターンがあったが、理由を聞いたら殴られたな.......

「その、真姫、ごめん。正直な話なんで怒ってるかは知らない。けどこれからは気をつけるから、許してくれないか.....?」

「.....分かったわよ、今度買い物に付き合ってくれるなら許してあげる。」

「買い物?分かった。いつになるかは後々話すとして、買い物なら大人数の方が楽しいだろ。凛や花陽を誘うか?」

「.....この鈍感、その.....二人きりで行くのよ。」

あー、あれか。皆で行くと無駄に時間がかかるから、荷物持ちの俺だけ連れていって、効率的にってことか。.....にしても思わせぶりな言い方だったな。外で使ったら勘違いされるぞ。

「も、もういいでしょ!?さっさと勉強するわよ!!どこが分からないの?」

「全部です。」

「あなた、よくそれでやってこれたわね.....。まぁいいわ。じゃあひとつ質問するわ。インフラとインフレの違いは?」

「?インフレ?インフラ?詐欺の手口か?」

「そんなわけないでしょう!?あなた授業聞いてたの!?」

「それがな、先生の言ってる言葉が呪文にしか聞こえないんだ。だから覚えようと何回も唱えてるんだが、それでも分からん。」

「あなたそれ、小泉さんが怖がってたわよ。後でちゃんと謝りなさいよ.....さて、さっきの質問の答えだけど、インフラ、つまりインフラストラクチャーは、ダムや道路などの経済活動や社会生活の基盤を形成しているものよ。インフレ、すなわちインフレーションは、一般的な物価水準が継続的に上昇することで、貨幣価値が下落することよ。その逆として、デフレというものもあるわ。また、物価が下落しても消費や投資が回復せずに、不況に陥るのをデフレスパイラルと言うのよ。分かった?」

「インフレスパイラル?.....ストラクチャー?」

「これはかなりの重症ね。帰って復習しなさい。次の質問をするわよ。消費税は何税?」

「それなら分かるぞ。消費税は辛い税だろ?」

「くだらないわよ。それ先生のギャグじゃない。」

「じゃあ分からん。消費税は消費税じゃないのか?」

「そういうことじゃないわよ。消費税は、物品購入、サービス受容など全ての消費に対して課される税のことよ。消費税は国税で、消費税の中には、入場税や自動車税といった直接消費税と、酒税やたばこ税といった間接消費税があるの。」

「ほえー」

そうして俺と真姫のテスト勉強は3時間近くやった。あまりの俺の要領の悪さに真姫が何度もきれてたけど。




最近投稿時間が遅くなっているのは、朝の十時くらいに最近スマホを触れない環境にいるからです。ちゃんと平日(祝日は除く)は投稿しますので、ご理解ください。


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#19 黒獅子であること

暇が出来たので、投稿します。ことりちゃんの誕生日限定勧誘でしたが、見事に爆死しました。SSRは出ましたが、URは出ませんでした。
1%はやはり出にくいですね。


地下ホールにて

 

 

「兄貴、少しお話ししたいことが.......」

「どうした?何かあったのか?」

「2つ、報告がありまして、いい報告と悪い報告、どちらから聞きたいですか?」

「んー、悪い方から聞く。」

 

 

俺らにとっていい報告って大体決まってるしな。

 

「はい。悪い報告なのですが、裏の掲示板によりますと、兄貴の通っている音ノ木坂学院に、怪しいやつがいるんですよ。」

「怪しいやつ?どういうことだ?」

「.....学校の金が外に流れてるらしいんですよ。横領?というやつですかね。最近、ここら辺で暴走族にお金が貢がれているという噂があって、ここ数ヶ月、この街のその額がとても多くなってるんですよ。そこで先日兄貴が捕まえたやつから情報を吐かせたんですが、どうやら献金をしているのは1人のようです。しかも、その取引自体が定期的でその人間は公務員らしいんですよ。」

だから最近アイツらのバイクとか凶器がごうかになっていたのか。

「自分の職業をばらしているってそいつ大丈夫なのか?」

「それが.....元教え子だったらしいんですよ。そいつが言うには、自分たちの問題行動を隠蔽し続けてくれてたらしいんですよ。」

「.....すごい野郎だな。そんで、そんなやつがうちの高校に、か。分かった。俺から内部調査をしよう。で、嬉しい報告は?」

「中島の野郎が一流企業に就職出来たらしいんですよ!!誠実さが伝わって、社長が雇用したらしいです。まぁ最初は平社員から始めるらしいですけど。」

「よくやった!!よし、今日は皆でパーティーだ!中島のやつを全力で祝おうぜ!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「さて、皆揃ったな?せーの、」

 

『中島、社会復帰おめでとう!!』

 

「あ、兄貴.....皆...ありがとうございます!!」

そこからは大騒ぎ。中にはバトルを始めてるやつもいた。

 

 

俺はこの騒がしさが嫌いじゃない。こいつらは、裏切られたり見捨てられたり、何かと闇を抱えてる奴らが多い。そして、手を染めてしまった。けど、社会復帰したいと願う奴らだ。その願いが叶うんだから、皆嬉しいさ。仲間の門出、ってやつだな。

 

悪が全て黒とは限らない。中には世の中に絶望し、周りの人間のなんてことない理由で差別されたりと。そうやって自分を見失って犯罪者になり、それを世の中は一律に罰する。犯罪者全てがそういう訳では無いが、環境によって人は変わる。それを前科があるだ、噂があるだで否定的な姿勢を取ることを俺は許せない。だから俺は、こうやって仲間を集めている。1人でも、そういうやつを救いたい。そんな変な正義観からだ。俺だってそうだ。3年前のことを未だ引きずり自己満の元、暴力をつかいつづけている。褒められたものじゃないし、女々しいと言われたらそれまでだ。

 

 

「兄貴.....あの、俺は.....ここにたまに来てもいいですか?」

「いいに決まってんだろ!!お前が入ってきたのは一年半前だ。長い付き合いだったな。ただ、気をつけろよ。同業者とかに見つかったら何かと言われるしな。」

「はい!!ありがとうございます!!兄貴に助けてもらって、みんなと色々出来て、本当に楽しかったです!!」

今くらいは、それを忘れてもいいよな?

 

それから2時間位は騒ぎ続けた。日々の疲れってのもあるから、皆大いに盛り上がった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて、また忙しい平日がやってきた。テスト?ギリギリアウトだったよ!!もう真姫に顔向け出来ねぇわ.......

「今日は数学科の先生が欠席のため自習とする。」

「誰だ?あいつ?」

「一条くん、失礼だよ。あの人は教頭先生だよ。最近ここに赴任してきた人だよ。」

「ふーん、まぁいいや。寝させてもらうわ。」

さーてと、睡眠学習だ.......

 

「おいお前、なぜ寝ている?自習と言ったはずだ。」

「睡眠学習ですよ。寝て成長するんですよ。先生。」

「下らん。テスト生と聞いていたがこれでは周りに迷惑だ。自主的に退学してくれないか?」

「騒ぐならともかく寝るは迷惑にはならないじゃないですか。」

「屁理屈を言うな!この不良が!!」

こいつカルシウム不足だろ。

しかも気づけば皆こっち見てるし、小泉さんとかすごい慌ててる。

 

 

「ふん、やはり黒獅子とやらはただの不良のようだな。」

『!?』

「あの、先生?黒獅子とはどういうことですか?」

「この機会に皆に話そう。この男、一条伊月は、黒獅子だ。」

.......おいおいまじかよ。こいつなんで正体を.....

 

え?黒獅子?

 

あの好戦的な不良?

 

なんでこんなとこ入ってきたの?

 

きっと下心に決まってるわ。

 

うわー、引くわー。一条くん優しそうな雰囲気してたけど、全部演技なんだ。

 

周りからえぐいほど言われてる。しかも教頭の顔は満足気だな。

 

.....やっぱり情報1つで人ってのは手のひらを返すのか。

 

「どうした?何か言い返さないのか?黒獅子よ。」

「.....別に俺は他人からどう思われようが構わねぇさ。それよか何でお前がそれを知っているんだ?」

「ふん。そんなことどうでもいいだろ。それよりも、不良が我が校にいるのは迷惑極まりない。廃校の話も出ているのに、お前のようなやつがいたらこの学校に泥が塗られる。今からでも退学しろ。」

周りも俺に非難の目を向けている。3人を除いて。

 

 

これが正常な反応なんだ。排除して自分たちの安寧を守る。至極当然だ。たとえそれが間違った情報だとしても。黒獅子の実態も知らず当てつけの噂を信じ込み、ソースの分からないものを信用し、自分が見てきたものを嘘だと決めつける。

 

 

 

 

 

 

まただ。いつになっても周りは腐り続けている。自分の目よりも周りの情報。一方的に決めつけて非難する。やっぱり人を信じるのは間違いでしかないのか。

 

 

「.....分かったさ。こんなとこ辞めてやる。俺が間違いだったんだよ。人と関わろうだなんて。もううんざりだ。自分の目を信じられない奴らといたら俺の目まで腐っちまうよ。」

「なんとでもほざけ。この社会不適合者が。さっさとこの場から立ち去れ。」

「待って!!伊月!!」

俺は誰かに呼ばれたが、それすら無視して教室を出た。

 

だが、もうひとつ得た。教頭が横領の犯人であることを。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真姫side

「ふん、ようやく去ったか。では自習を再開する。」

「どういうことですか!!教頭先生!!」

「ん?君は.....西木野くんか。なんだね。」

「伊月が.....伊月が何をしたっていうんですか!!あいつが1度でも.....1度でもこの学校で問題行為を起こしましたか?」

「確かにおこしてはいない。だがそれは自分を隠すための汚い作戦で.....」

「あなたは噂で言っているんでしょ!!私は黒獅子である彼に助けてもらった。彼をこの目でちゃんと見たのよ!!彼は噂のようなやつじゃない!!心が優しい人なのよ!!」

「やはり汚いな。西木野くん、君の家はお金持ちなのだろう?」

「それが何よ?」

「黒獅子は君のようなお金持ちと仲良くなることでお金を貰おうとしていたのだろう。ああ、なんて汚い。」

「あなた、1度も伊月と関わったことのないくせに、よくそんなことが言えるわね!!」

「ああ関わったことはないさ。だがそんな噂がたつ人間がいい人間な筈はない。西木野くん、よく覚えておきなさい。それが現実だ。世の中は見せかけで相手を騙す人間がいる。彼はその部類だろう。気をつけたまえ。」

あいつ.....よくもそんなことを。

「もういい!!あなたと話しても埒が明かないわ!!」

「西木野さん!?」

「凛も探しに行くにゃ!!」

そう言って私たちは外に出ていった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

凛side

教頭先生の顔を見てるとなんだかイライラしてきたにゃーー!!伊月くんが黒獅子ってことは今日知ったけど、凛が知ってる伊月くんは優しくて、そして.....周りを考えている人だにゃ。それに、伊月くんの目は綺麗だった。それだけ。それだけだけど、凛は伊月くんを信じることができる。必ず見つけるにゃーー!!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

花陽side

私は1人教室に残っていた。凛ちゃんも行っちゃったし、西木野さんも行った。

こんな時、どうすれば.......

一条くんが言っていた方法を、非力な者ができること。.....相手から情報を取る。

正直言って怖いし、したくない。けど.....一条くんにはお世話になったし、私には悪い人には見えない。.....頑張れ、私!!

「その、教頭先生?」

「なんだね。」

「さっきの黒獅子の噂ってどこで聞いたんですか?しかも彼の本名をどうやって知ったんですか?」

「噂は嫌でも聞くさ。この街に住んでいれば。本名に関しては.....偶然聞いてな。」

「偶然?誰かの会話を聞いたんですか?」

「.....あまり詮索はするな。警察だ。本校生徒に危害が及ばぬよう黒獅子のことを警察に聞いたのだ。その時に聞いたのだ。」

「それじゃあ.....偶然というのはおかしくないですか?その.....意図的に聞きに行った訳ですし。」

「.....なんだ、その揚げ足をとるような言い方は。失礼だろう。」

「でも.....間違ったことで人を非難することの方が失礼.....です。」

「やはりか。黒獅子に毒されている。一刻も速くやつを排除せねば。」

怖くて、これ以上出来ない。けど.....色々聞き出せた。私は授業中にスマホで凛ちゃんにメッセージを送った。今聞いたこと、全てを。

 

 

お願いします.....一条くん、戻ってきてください。




長くなりました。会話とか心情とかをみやすくするため、本音を言うとほかの作者さんの書き方から学んで隙間を入れてみました。
どうかは分かりませんが、もし変なら教えてください。


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#20 憂鬱ですねぇ

前回からの展開に若干困り気味ですね。三連休だったので英気は養えました。


学校から出ようと思ったら門が固く閉ざされていた。登って出ようと思ったら監視センサーみたいなのが作動しているようで、出ようにも出られない。

 

「ちっ、どうしたものかねぇ。」

こうなったらどっかの教室にこもりましょうかね。

というわけで俺は今生徒会室にいる。ここ以外人いない場所知らないしな。

「ん?これ綾瀬先輩がよく使っているパソコンだな。仕事用だろうな。」

パソコンを開いて見ると仕事用のファイルがずらりと並んでいる。

その中には、教員と連絡を取り合うためのファイルや、会計や委員会の報告書のものもある。

「検索履歴にスクールアイドルのことがある。.......あの人気にかけてるんだろうな。」

否定的な態度を取ってはいたが、やっぱり気になるのだろう。彼女自身歌や踊りに関する経験があるのだろうから気になるし、やりたいのだろうか。

「ん?この会計ファイル.....少しおかしいな。学生の会計決済書なのに最終編集が教員になっている。どういうことだ?」

俺は原案を見ながら比較してみた。そこで、ひとつ気がついた。

「ここだけ値段が違う.....いや、それと同じ額別の項目で補っているのか。生徒会運営費とクラブ年度予算。どこをどうしたらこんな変更が出るんだ?」

だが、その2つは無関係で、関連性があるとは思えない。更にいえば、かなりの額の変化がある。

「別の所から入ってるのか?いや.....その線くらいしか考えられない。となると.....誰かが横領した分を外から貰っている。.....何なんだ?この予算案は?」

巧みに操作されている。綾瀬先輩が気付けなくてもおかしくないくらいに。.....この学校を辞めるのはこの案件を解決してからだな。

.....足音が聞こえてきた。誰か来たのか?まぁいいさ。窓から出て屋上まで登ればいい。

「ふぅ、命綱なしだとやっぱこえーな。」

( ゚д゚)ハッ!生徒会のパソコン切るの忘れてた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真姫side

あいつ.....どこにいったのよ!!門からは出てないはず。しばらく探し回ったけどどこにもいない。さすが黒獅子。こういうことに関しては私たちよりも群を抜いて秀でている。

 

「星空さん、いた?」

「こっちにもいないにゃー。」

「あと行ってない場所は.....講堂と生徒会室と屋上。星空さん、屋上に行ってくれる?私は生徒会室と講堂に行くわ。」

「了解!!もし見つかったらお互いすぐ連絡しようね!!」

「分かったわ。」

.....もしあいつに会ったらどういうことを言えばいいのかしら。あいつの目は本当に悲しそうだった。教頭への怒りよりも、一瞬で態度を変えた他の生徒達を見て。........そこら辺はまた後で聞くしかないわね。

 

 

 

生徒会室に着いたはいいけれど、誰もいなかった。

「窓が開いているのは不自然だけれど、パソコンが開かれている。

.....あの生徒会長がそんなミスはしないわ。.....あいつここに来てたのね。」

気になって私はパソコンを見た。 .....今年の予算決済案かしら。

「あいつ、こんなこと見てどうしたのかしら?.....生徒会の手伝いをしてるとは言え、これは決済されたやつなのに、今更変更する余地でもあったのかしら。」

少なくとも私はこの時気付かなかった。.....伊月が何をしたかったのか。

保存するのもあれなので、私はパソコンを切った。おそらく閲覧履歴にはのらないでしょうけど。

「次は、講堂ね。.....待ってなさい、伊月!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

凛side

かよちんからメールが送られてきた。.....教頭先生から色々聞いたんだね。かよちん、よく頑張ったにゃー。

「屋上に着いたはいいけど、鍵かかってるのかな。」

と思ったら普通にあいたにゃ。しかも伊月くんもいた。

「伊月くん!!」

「.....凛か。こんなとこまでどうした?」

「伊月くんを探しに来たんだよ。辞めちゃうの.......?」

「まぁ、な。ここの生徒の殆どはああいう奴らだって分かったしな。黒獅子と分かって受け入れてくれてるのは知る限り真姫だけだしな。」

「.....凛、俺に失望したか?黒獅子であることを隠し、お前らと関わってきた俺を。」

伊月くんが何を言ってるのか分からない。.....伊月くん、だって凛に大事なことを気づかせてくれたじゃん。なんで.....

「凛には難しいことは分かんないにゃ.....伊月くんが黒獅子だってことも今日初めて知ったし、黒獅子の変な噂はよく聞いてたにゃ。.....でも、伊月くんのことは悪い人だとは思ってないよ。」

「.....どういうことだ?俺は黒獅子で、世間では好戦的な不良だなんて言われてる。そいつと俺は同一人物だ。.....それを何とも思わないのか?」

 

伊月くんの行動は嘘じゃない。だって.....伊月くんの目はあの時、澄んでいて綺麗だった。.....あんな目をする人が悪い人のはずがない!!

 

「.....驚きはするけど、別に不信感は持たないよ。.....凛の知ってる伊月くんは優しくて、周りをよく見てて.....決して自己満足のために誰かを傷つける人じゃないにゃ。凛は自分の目を信じるよ!!.....かよちんだって、西木野さんだってそれは同じ。.....だから伊月くん、辞めないで.....」

「.....皆お前みたいなやつだったら辞めようだなんて思わないさ。.....結局は教頭の言う通り、噂がたつやつが決して良い奴じゃないし、皆それがデマであっても信じるのさ。.....演技だとか言われたって仕方がない。.....それにな、凛、俺の事がPTAで問題になれば、学校側の信頼がなくなる。.....知られた以上こうするしかないんだ。俺には.....高校生生活を送る資格なんてない。」

「そんなのおかしいよ!!凛は伊月くんのこと悪いだなんて思ってないし、この学校で伊月くんは、1回も問題行動してないじゃん!!」

「本当に優しいな.....お前は。」

「当たり前でしょ!!凛と伊月くんは友達なんだから!!心配するのは当然だにゃ!!」

 

西木野さんにもさっき連絡したし、もうすぐ来るはずだにゃ。.....絶対に辞めさせない。あの教頭がどう思ったとしても、凛は伊月くんを信じるにゃ!!




一旦ここまでです。このままだとあまりにも長くなりそうなので。
次回は、少し理事長が出ます。.....3年生組も出ると思います。


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#21 蠢いてる?

言ったでしょう、英気を養えたと。


花陽side

自習も終わり、教頭先生が教室から去った。.....何となく雰囲気が刺々しい。

「小泉さん、大丈夫だった?黒獅子の隣で、ずっと脅されてたの?」

「いえ.....彼は気さくに話しかけてくれましたよ。決して悪い人には.....」

「小泉さんは騙されてるんだよ!!あいつはきっと金とかむしり取るつもりで近寄ってたんだよ。もしくは、小泉さんの身体目的で!!

でもあいつ退学するみたいだし、もう安心だね!!」

「.......」

この人達は関わったことのない人をどうしてここまで批判できるの?

私には分からない。一条くんは決して悪い人じゃないし、私も何かと助けてもらった。金なんて要求されたことは1度もないし.....胸は触られたことはあったけどあれは偶然だし、決して意図的ではない.....はず。ちょっと口説くような口調だったけど、あれは無意識でよく西木野さんに怒られてたしね。

 

.....でもここで私は声を出して言う事ができない。臆病で、勇気が出せない。.....こんな時に一条くんがいれば.....背中をおしてくれたのかな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

教頭side

何故.....あの男が入学しているんだ!!信じられない。.....私の献金を知って入ったわけではなさそうだが、あいつは生徒会の手伝いをしていると聞いた.....まずい、このままでは探られる.....その前にあいつを退学させなければ。私の地位が.....

「理事長、失礼します。」

「あら?どうかしたのかしら?」

「理事長、今すぐ一条伊月を退学処分にして下さい!このままでは我が校に泥が塗られますよ!!」

「それは認められません。彼がなにかしたのならともかく問題をおこしていない生徒をこちらの都合だけで退学にさせることは許されません。」

「ですが理事長.....PTAが黙っていません。そうなればこの学校はピンチですよ!!」

「それに、テスト生なら他の生徒を入れれば良いではありませんか、何故彼なのです!!」

「あなた...生徒に話したのね。なんてことを.....それに教頭先生、何故そこまで焦っていらっしゃるの?彼ではまずいの?」

「まずいも何も彼は黒獅子です。あんな不良をどうして入れようと思うのですか!!あなたのあの判断はどう見ても間違いです!!」

「私は彼が幼い頃から彼を知っています。彼は下心がある人間ではないし、正義感も強い。それに、彼の思考は枠に囚われない自由なもの。彼こそ今の音ノ木坂を変えるキーマンになるの。」

「3年前の惨劇の生き残りがそんなたいそうな役目を持てるわけないでしょう!!いい加減あいつを退学させましょう!!」

「あなた.....どこでそれを.....、」

「!?いえ、警察から彼について聞いたので.....生徒の安全を守るため、危険人物の情報を知っておくのは重要かと思いまして....」

「まぁいいわ。それに担任の神崎先生が彼をよしと判断しているのだから何も問題はないわ。とにかく、私は彼の退学を認めません。」

「.....失礼しました。」

 

 

くそ、理事長は味方に付けられん.....このままでは、あいつらに金を渡してやれん。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真姫side

星空さんから屋上にいると連絡があり、珍しく私は全力疾走している。

「いた!!伊月!!」

「真姫.....お前もか。俺は辞める。それは変わんない。」

「その事は星空さんから色々言われたでしょう!!私も一緒よ。あなたに助けられて、悩みを聞いてくれて、楽しくテスト勉強したり.....私はあなたと一緒にいたい。....たとえ周りがどう思おうとも。」

「それに、あなた.....生徒会室で何をしていたの?予算のファイルなんか見て。」

「....そうか、見られたのか。なら教えよう。」

「.....待ちなさい、あなた。一体何をする気なの?」

「俺は決済されたものと元の予算案を見て少しおかしいことに気づいた。.....生徒会運営費とクラブ予算案。全く関係のない項目のお金がいじられていたんだ。.....普通の生徒じゃ分からないように巧みにいじられていてな。おかしいと思って編集履歴を見たら、.....教員で編集してたのはあの教頭だ。どういうことがわかるか。」

「.....あいつが怪しいのね。」

「ああ。俺が黒獅子であることを知っているのも怪しかったが、何より予算案をいじる理由が存在しない。.....あいつは黒だ。俺が学校を辞めるのはそれを暴いた後だ。」

「.....あなた、過去に何があったの?『もう』とか言ってたけど、そういう経験があるのね.....」

「悪いが、親しいやつでもこのことは話せない。.....俺の過去なんかどうでもいいしな。」

「分かったわ。それは聞かない。.....でも伊月、これだけは分かって。

確かにあの場で殆どの生徒があなたを非難していた。けど.....私や星空さん、小泉さんのようにあなたを信じている人もいる。.....それだけは忘れないで。私たちがいる、周りがあなたをどう思っても私たちはあなたを信じ続ける。だから.....人を信じるのを諦めないで。」

「.....おい、なんでそんなに泣きそうな顔してんだよ。これじゃ俺がお前を泣かしたみたいじゃないか。」

「じゃああなたの胸を貸しなさいよ。.....あなたがいなくなるって考えると.....言葉に出来ないのがもどかしいけどモヤモヤするのよ。」

そう言って私は彼に抱きついた。やっぱり温かい。.....包まれてる感じが安心させてくれる。

「.....女の涙は本当に愛した男性の前でしか見せないって那月が言ってたけど本当なんだな。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真姫、凛、花陽、この3人は俺のことを信じてくれている。.....辞めるとは言ったけどこいつらと別れるのも嫌だな。.....残るか。いつまでもうじうじして逃げるのもばつが悪い。それに.....ここまで俺のことを考えて動いてくれた人がいる。裏切るのは良くない。

 

 

 

 

 

 

「ふふっ、伊月もやっと信頼できる人を見つけられたんだね。」

 

 

 

 

あれから2時間たち、放送がなった。

「あー、1年生一条伊月くん、理事長室に来てください。」

.....俺が?まさか教頭が何か言ったのか。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「失礼します.....綾瀬先輩もいた。生徒会関連ですか?」

「ええ。何かまでは伝えられてないけれど。」

「あれ?希は?」

「希は、今日やることがあるからってどこかに行ったの。.....なんで呼び捨てなのかは後できっちり聞くわよ。」

あ、しまった。あの時二人きりだったから綾瀬先輩は知らないのか。.....あ、俺死んだわ。\(^o^)/

「ごめんね、急に呼び出して。と言うのも、明後日、朝礼があるでしょ?その時に予算案の説明をお願いしようと思って。」

「分かりました。今日中に詰めておきます。原稿は提出しますか?」

「いえ、それは結構よ。もう予算案には目を通したし。」

「では、失礼します。」

「あ、一条くん、あなたは残って。話したいことがあるから。」

「分かりました、綾瀬先輩は先に戻っておいてください。」

「ええ。.....希のことはその後に聞くわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「で?南さん、何用ですか?教頭になんか言われて俺を退学処分する気にでもなったんですか?」

「伊月くんも冗談が上手くなったわね。私が入れたのに退学させるわけないでしょ。でも、教頭先生関連なのは正解ね。.....伊月くん、よく聞いて、教頭先生はあなたが3年前の惨劇の生き残りであることを何故か知っていたわ。」

「!?.....それは本当ですか?何故.....?」

「教頭先生の話では、警察から聞いたと言っていたけれどあの事件に関わった刑事さん達は皆やめたり、亡くなっている。つまり、その事を知ってるのはほとんどいないわ。」

「.....『あの方』か。」

「え?」

「いえ、なんでもありません。それでは失礼します。」

「敬一さんには内緒よ。あの人が動くと何かと後処理が大変なのよ。」

「...わかりました。」

そう言って俺は理事長室を出た。

 

 

その後綾瀬先輩のことをわすれていて大量の通知にびびっていたのは内緒だよ。

 

 

 

 

 

 




長いし、ラブライブ要素どこいってんねん!!
教頭編を終わったらちゃんとストーリー進行させます。いつまでもオリジナル展開にする訳にはいかないので。


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#22 妹との出会い

ラブライブ要素を早く入れなければ.......
今回は亜里沙ちゃんが登場します。


あの事があってから一日が経ち、今日は学校に行っていない。

というのも、辞めてやるとか言っておいて翌日何事もなく来たら色々まずいしね。

「さすがにこんな朝からやらかしてる野郎はいないだろ。」

久々の朝回り。意外と路地裏とかに溜まってるんだよなぁ。

と思ったら路地裏に肌色というかなんというか小さい女の子がいた。

 

「お嬢さん、こんなところで何をしてるんだ?」

「?あなたは誰ですか?」

おいおいこの子の首傾げる動作可愛いな。撫でたくなる。

 

 

「えと、俺は一条伊月だけど、君は?」

「はい!!私は絢瀬亜里沙です!!こう見えてクオーターなんですよ!!」

.....ん?綾瀬?

 

「えと、綾瀬さん、君お姉さんいる?」

「はい。もしかして、お姉ちゃんが言ってた一条さん?」

「俺なんて言われてるの?」

「えーっと.....頼れる人、と言ってました。」

「そうか。それは嬉しいねー。」

 

まぁ世間話はこの程度にしておいて。

 

 

「で、本題に戻るけど君なんでこの時間帯にこんな所にいるんだ?返答次第では、たとえお嬢さんでも容赦しないからな。」

「目的ですか?えーっと、黒獅子さんに会いに来ました!!」

.....は?

「会いに.....来た?俺に?なんで?」

「日本のことを色々教えて欲しいです!!黒獅子さん、色々なこと知ってるようですし。」

「人選ミスがすごいな。社会科の教師に聞いてこい。」

「あ、そういうわけじゃないんですよ!!漫画とかで見たんですけど、こうやって朝とかに学校をサボって遊びにいく場面を何回も見たのでやってみたかったんです!!」

.....この子、大丈夫か?色々とズレてる。

 

「.....そういうのは本来いけないんだけどなぁ.....この子の場合、意図的にサボってる訳じゃないし、下手に手は出せないか。.....分かった、綾瀬さん、俺がその光景見せてやるよ。けど、今回限りでやめろよ。」

「え!?いいんですか!?ありがとうございます!!」

さて、何をしようか.....

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「一条さん、あれに乗りましょうよ!!」

「それ入れてもう4回ジェットコースター乗ってるぞ.....すげーな綾瀬さん。」

実は俺って乗り物に弱いんです。車とかバスとかすぐ酔ってしまって敵わない.....あれに平気で乗れる人本当に尊敬するよ。

 

今俺は遊園地に来ている。平日なのでそこまで客がおらず、すぐジェットコースターに乗れる。.....勘弁してくれよ.....

 

「?どうしたんですか?疲れたんですか?」

「綾瀬さん、ジェットコースター辞めてコーヒーカップのやつでも乗ろうぜ。これ以上は.....限界。」

「分かりました!!じゃあ行きましょう!!」

 

 

 

 

 

「ちょ?綾瀬さん、速すぎ!!もう少し遅くして。」

「一条さん、音をあげるのが早いですよ!!まだまだ!!」

 

この人は悪魔だ.....完全に俺を殺しに来てる。

 

 

 

 

 

「ふぅ.....やっと休める.....」

「あ、あのごめんなさい。つい楽しくて.....」

「気にする事はない。お前が楽しけりゃそれでいいよ.....」

「ハラショー...男前ですね!!」

「そうでもないさ.....」

もはや答える元気もない。

 

 

「綾瀬さん、そろそろ海に行かないか?」

「まだ泳ぐにははやいですよ?」

「ちげーよ。今から行けば良いもん見れるからさ。」

「?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そこからバイクで2時間、海の方まで走った。一応免許持ってるから大丈夫だろう。.....二人乗りが良かったかはしらんが。

 

 

「間に合ったな。ほらみてみろ。」

「ハラショー!!本当に綺麗ですね!!」

今俺らは海に沈む夕焼けを見ている。漫画とかでよくあるだろ?

こうやって夕日を見ることって。

「あ、一条さん、これ飲み物です。」

「あ、ありが.....これ飲み物じゃねーぞ。おでん缶じゃねーか。」

「え?これは飲み物ではないのですか?自販機に売っていたのですが.....」

この子の天然ぶりすげーな。

「なぁ綾瀬さんよ」

「はい?どうかしましたか?」

「.....今日は楽しめたか?学校サボってるけど。」

「はい!!とても楽しかったです!!学校サボるとこんなに楽しいことがあるんですね!!」

「いやいやいや、サボったらダメだって。学校でちゃんと生活しなさい。それに.....休日でも今日と同じことはできるさ。」

「私、今日本当に楽しかったです。一条さんが色々なことを教えてくれたり、私のワガママを聞いてくれたり、こんな素敵な場所に連れてきてくれて.....見ず知らずというか今日知り合った人にここまで親切にしてくれて....お姉ちゃんの言う通りいい人なんだなって。」

 

 

 

.....なんか面と向かって言われると嬉しいな。しかも今夕日が彼女の顔を照らしていて、より可愛さが引き出されている。.....こういう所は綾瀬先輩に似てるんだな。

「まぁ今日は俺も楽しかったよ。最近色々あってストレスとかも溜まってたし、その発散が出来たから良かった。ただ、綾瀬さん、もう学校をさぼるなよ。会ったのが俺だったから良かったけど案外チンピラとかいるから気をつけろよ。あと、今日遊びにいったことはお姉さんには内緒にしておけよ。」

「はい。分かりました!!あと私のことは綾瀬さんじゃなくて、亜里沙と呼んでください!!お姉ちゃんとも知り合いなんですよね?だから区別ということで。」

「分かったよ.....亜里沙。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その日の夜

 

 

「もしもし、一条くん?」

「は、はい。綾瀬先輩。何かご用ですか?」

「あなたには2つほどお話しないとね♪希の件は学校で聞くとして、あなた今日亜里沙と会ったのね?」

え?なんでバレてるん。亜里沙が話したのか。

「なんの話しでしょうか?全く分かりません。ちなみに亜里沙って誰ですか?(震え声)」

「ふーん、とぼけるつもりね。今日亜里沙が無断で学校を休んだって先生から連絡がきてね。そして、妙に亜里沙が楽しそうに帰ってきたから聞いてみたら、『え?今日ですか?黒獅子さんと仲良く遊園地に行ったり夕日を見に行きました!!』って言ってたの...」

「.......」

((((;゚;Д;゚;))))カタカタカタカタカタカタカタカタカタ

なんでだろう、電話越しなのに震えが止まらない。

「一条くん?」

「は、はい。なんでしょう?」

「今からゆっくりお話しましょう♪♪」

その後2時間くらい説教された。なんという理不尽!!!




ちょっとはこういう要素も入れてみたかったんですが.......
こうオリジナルばかりだと、ね。
梨子ちゃんの誕生日が近づいてきましたね。ルビィちゃんの誕生日も近々来ますし。この数ヶ月ラブカ不足に陥りそうです。


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#23 倍返し

とうとうこの小説に感想が来ました!!
色んな人に読んでもらえているのは本当に嬉しいです。
これからも頑張ります!!
あと数日前からスクスタの事前予約が始まってましたね。リリースされるのが楽しみです!!


.....今日、あの予算案の報告があるのか。元々綾瀬先輩は、あの改ざん前の予算案を理事長に報告してるはずだから、このままだと生徒会の表記ミスになるのか。.....それだけはいただけないな。

 

 

「伊月、今日も行かないの?お姉ちゃん1人登校で寂しいよー。」

「那月、俺1年のクラスで黒獅子ってバレてるんだわ。だから、行こうにも行きづらいんだよ。」

「ふーん.....どうせ伊月が『辞めてやる』なんて言ったかと思ってたよ。」

「なんで分かるんだよ。まぁ今日は行くさ。やらなきゃならない事があるんでね。」

「分かったよー。何するかは知らないけど頑張りなよ。」

この姉は危機感というものがないのか。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時は過ぎ、朝礼の時間

絵里side

一条くんは、昨日も休んでたみたいだけど、今日も来てないのかしら?この予算案の報告は結構大事なのに.......

 

 

「では、生徒会より前期予算案の報告があります。」

 

始まった.....やるしかないわね。

「皆さん、おはようございます。生徒会会長絢瀬絵里です。今から予算案についての報告を行います。先程配られた資料をご覧下さい。

まず、生徒会運営費からですが.....」

 

.....あれ?額が違う。どうして?ちゃんと打ち込んだ筈なのに、前と同じ筈なのに1部値段が違う。.....どういうこと?

「.....どうしたんですか?生徒会長。」

「いえ.....私たちが理事長に提出した時の予算案と違うところがあるんです。合計金額は書いてあるものであっているのですが、生徒会運営費が、予定より安価になっていて、クラブ予算及び援助費が少し水増しされているんです。」

 

 

周りがざわざわとし始めた。

「え?これとは違うの?」

「どうせ生徒会の打ち間違いでしょ。」

「そういえば一条くんって、生徒会の手伝いしてたよね。」

「絶対にあいつの仕業だわ。だって学がなさそうだもん。」

 

私たちの記入ミス.....それならまだ納得できる。けど、提出して以降パソコンで編集はしていないし、一条くんが学校に来なかったのは、提出した後。.....なにがどうなってるの?

 

 

 

 

「それに関しては、俺が説明しよう。」

 

 

...一条くん!?どうして今?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

盗み聞きしておいて正解だった。やっぱり綾瀬先輩は無関係だし、資料をいじっていない。これはもらった。

 

 

「ええと、おはようございます。1年生、共学化テスト生の一条伊月です。このちょっとおかしい予算案について俺が紐解いて行きましょう。」

「なんなんだね、君は!!朝礼に遅刻しておいてその尊大極まりない態度は!!」

「そいつは悪かったな。悪いが俺は今日で退学するんだ。だからお前らに敬語を使う必要性もねーんだよ。」

「うるさい!!『黒獅子』のくせに生意気な態度を!!やはり貴様は今すぐ退学処分にする。」

「うるさいのはてめーだ、この野郎。俺が今から説明するから静かに聞いておけよ。テメーの下らない説教はその後聞いてやるよ。それすら出来ないのか、お前は。」

 

周りがやっぱりざわざわしてるな。まぁ黒獅子ってなると、女子生徒からしたら恐怖の対象だからか。

 

神崎先生と那月はめっちゃワクワクしながらこっち見てるけど。

 

「はーい、皆さん静かに。今から原案を皆さんに配ります。先頭に渡すので後ろまで送っていってください。」

 

 

 

「いきましたね。では説明を開始致します。まず生徒会運営費ですが、これは原案の方が正しいです。そして、クラブ援助費の方ですが.....こちらも原案の方が正解です。と言うのも、生徒会は皆さんからの報告書を元に作成されているので、ここにいる部活動に所属するキャプテン又は会計の者が申請書を出しているはずです。だから各クラブの会計の者は自分の部活の援助費が増えていたり減っていたりするでしょう。.....そちらは確認できましたか。もし額が変わっていたクラブは手を挙げてください。」

 

俺の予測だと12個の部活が手を挙げるはずだ。

 

「いち、にい、さん.....やはり12ですね。しかも、水増しされている所もあれば削られている所もある。だが、この原案と皆さんが出した報告書は理事長に提出されており、検閲も済んでいます。つまり、原案が通った後に誰かが改ざんしたということになります。生憎、生徒会にいる人間は部活動に所属していないので、どこかの部活に肩入れしてるわけではありません。また、合計金額が変わっていないのは、そこにある増加と減少を合わせればゼロになるからです。そして、生徒会のパソコンには編集履歴がついており、生徒会が原案を提出したのは今から3日前です。ですが、編集が最後にされたのは、2日前の朝7時。誰が編集したか。.....なぁ、もう知らんふりは出来ないぞ教頭。」

 

そう言って俺は教頭の方を向いた。

 

「ふん!私が改ざんしたというのかね。言いがかりも程々にしたまえ。第一私がそんなことをする理由があるのか。ないだろう!!貴様がやっているのはただの八つ当たりだ!!」

「まぁ最後まで聞けよ。というわけでもう1枚プリントを配布するのと、.....2週間前にとっ捕まえた暴走族の証言をお聞きください。」

 

そう言って俺は編集履歴の載った紙を全員に配った。

.....那月がにやにやしてるのが地味に腹立つ!!帰ったら、あいつの嫌いなキャベツもりもりのサラダ食わせてやる!!

 

「では今から録音したやつを聞いてください。」

 

 

 

 

"おい、お前らの装備はやけに豪華だな。バイクも改造してさ。.....一体どうやってそんな大金持ってるんだ?"

"お前らなんかに話すわけがないだろ、このクソが!!"

"そうか.....ここで理由を話せば半殺しで済ませてやったんだが.....仕方ない。お前らの窃盗や未成年飲酒は前から分かってたんだ。警察に突き出すしかないか。"

"警察だと.....それだけは勘弁してくれ!!"

"じゃあさっさとリーク先を教えろ!!"

".....音ノ木坂の教頭だ。.....俺たちは先生の元教え子で、俺達がやってた問題行為を全部隠蔽してくれてたんだ。.....それに援助費もよくもらってたさ。"

 

 

 

「これでもまだ自分は清廉潔白だと言い張れるか、教頭!!」

「.......」

「黙ってないでなんか言えよ。」

「.....これは貴様らが捏造したものだ!!黒獅子だとばらした私に対する仕返しだ。そんな子供じみたことを他人が信じるとでも.....バカバカしい!!やはり貴様は私を嵌めようとしたのだ。」

 

 

まだ言い逃れるか.....いいだろう。

「俺が黒獅子だとばらされたのは今から2日前。そしてこのテープレコーダーを使用したのは2週間前。分かるか。これがお前に対する仕返しだとでも?時期がズレているんだぞ。もう諦めろよ。」

「最後にこれ。この学校の金銭の流れを表したものだ。おかしいよなぁ、この予算案と同じ額が外に追加して出回ってるなんて。」

「だから捏造をするな!!黒獅子である貴様などここでは誰も信用しない!!」

 

 

 

 

 

 

 

「信用、ね。俺が一般生徒ならともかく、俺は『黒獅子』だ。信憑性が違うんだよ。聞かなかったか。黒獅子は、自分のテリトリーで汚いことをするやつを逃がしはしないと。」

「!?」

「黒獅子であることをばらしてくれてありがとよ。おかげで俺の証言の信憑性がさらに増したんだ。ばらして俺を窮地に立たせるつもりだったんだろうが、逆に足をすくわれたな。.....お前ら入ってこい。」

『バァン!!』

そして、俺の部下たちは後ろのドアと横のドアを占拠した。.....これで教頭を逃げられなくすることが出来た。

「チェックメイトだ。.....よくもこんなことをしてくれたな。お前もどうせ、最後はこれを理事長の責任にするつもりだったんだろ。そんなことさせねーよ。倍返し.....てな♪」

「...く、クソがァァァァァァァァァァァ!!!!」

そう言って俺に襲いかかってきた。

「お前ごときに負けねーよ。おら!!」

 

 

 

 

 

 

無事教頭を取り押さえ、残りは部下に任せて俺は体育館に残った。

「ええ、皆さん。改めまして、俺は黒獅子です。1年生は全員知ってるでしょうが.....せっかくテスト生として来たんですが、皆さんからは出ていけみたいなことを言われたので公言どうり辞めます。短い間でしたが、ありがとうございました。」

 

 

そう言って俺は体育館を去ろうとした。

 

が、

 

 

 

「待ちなさい、一条くん。あなたを辞めさせるわけにはいきません。」

この人全校生徒の前でこれを言うのかよ。

「.....理事長、俺はちゃんと退学届はちゃんとだしましたよ。」

「あなたはこの学校の不祥事案件を暴いてくれた。.....それにあなたはまだ本校で問題をおこしていない。特に器物を壊したわけでもない。よって退学にするわけではいきません。」

「私からも言うわ。一条くん、今回は助かったわ。ありがとう。生徒会としてもあなたのような人が必要よ。だから辞めてもらう訳にはいかないわ。」

「.....あんた達がそうだとしても、他の生徒がどう思うかです。皆俺がいることをよく思ってないし、好戦的なんて根も葉もない噂まであるしまつだ。.....こんな所にいてもなんも面白くないんすよ。」

「それなら問題ありません!!一条くんのことは担任である私が責任を持ってみます!!だから何も心配いりません!!」

 

「.....あ、そう。そこまで言うなら残る。けど、俺は誰かが問題を起こさない限りなにもしないし、関わって欲しくなければ喋りもしない。

.....それが信じてくれるなら俺は行こう。」

 

 

 

 

言い残したのはいいのだが、これって俺が直接確かめる手段ねーじゃん。やっちまったな。

 

 

 




やっと教頭編が終わりました。ここからアニメのストーリー通り進められます。


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#24 友達のために

FEの風花雪月で出てくるレスター諸侯同盟のリーガン家とかコーデリア家とかって、シェイクスピアのリア王にも同じような名前かあったんですが、関連性とかあるんですかね。


あの一件以来、学校には行けるようにはなったが、やっぱり周りの雰囲気はちょっと刺々しいな。まぁ当然か。黒獅子が誰かは分かったはいいが、やっぱり噂があるせいで勝手に悪印象持たれてるし。悲しいなぁ。どこに行ってもこんな感じなのか.....

 

「おはよー、花陽。ん?それ何見てんの?」

「あ、一条くん。おはようございます。えっと.....これは.....」

「スクールアイドルのやつか...花陽、お前アイドルやりたいの?」

「いえ.....私には向いてませんので...」

「んー、向いてないから諦めるってなんか惜しいな。花陽はアイドルに向いてると思うけどな....ほ見た目とか可愛いし、アイドル詳しいしな。」

「か、可愛い!?そんなことないよぉ.....でもやっぱり私、背も低いし、声も小さいし.....」

「まぁ最終的に決めるのはお前だからどっちでもいいんだけどさ.....やりたいって気持ちがあるんならやっといた方がいいよ。『後悔したくないならね。』」

「.....はい。」

「あ、それはそれとして、俺が休んでいた間のノート見せてくれないか?」

「あ、いいですよ。けど、今日は古典のノートは持ってきてないから、数学と英語のノートなら見せられるよ。」

「お、サンキュ。」

だいぶ花陽とも打ち解けてこれたかな。口調が多少は柔らかくなったと思うし。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「というわけで、花陽がアイドル部に入れるように背中を押してあげよう作戦の会議を始めます。」

「わーーーーー。(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ」

「放課後残れって言われたから、どんなことかと思ったらこんなことだったのね。」

「ん?こんなこととは聞き捨てなりませんな、真姫。別に俺たちは強制的に入れるわけじゃない。勇気が出せない子の背中を押す大事な使命があるのだ!!」

「あなた少し気持ち悪いわよ。」

真姫さん毒舌。心に多少のダメージが.......

「まぁとりあえずだ。俺たち4人って何かと絡むことが多かっただろ。だから友人の力にはなりたいなって思っただけだ。」

「あなたってやっぱり仲間想いなのね。まぁいいわ。協力してあげる。」

「凛も協力するにゃーーー!!」

「ありがたいな、凛。いいか。入らせるんじゃない、背中を押してやるんだ。凛、そこは分かってるな?」

「もちろん分かってるよ!!伊月くんにも前言われたしね!!」

「さて、作戦はこうだ。」

 

花陽がアイドル部に入れるように背中を押してあげよう作戦

企画責任者 一条伊月

①伊月が花陽にそれっぽく話を切り出す。

②凛と真姫がそれぞれ花陽に話しかける。

③花陽は迷うだろうから、スクールアイドルの人達が練習している所に強制連行する。

※これは多分花陽1人だといつまで経ってもうじうじするだろうから、そこは幼なじみの凛と最近知り合った音楽に携わっている真姫で連れていく。ここは少し強引だが、我慢して欲しい。

④伊月がスクールアイドルの人達が帰らないように屋上で引き留めておく。ここで合流する。

⑤あとは花陽が入部したいという趣旨の言葉を出せるように背中を押してやる。

 

 

 

 

 

 

「ていう感じなんだが、どうだ?」

「背中押すの最後だけじゃない!!これほとんど強制連行のようなものよ。」

「かよちんだからこういう作戦を取るのは普通だにゃ。多分だけど、かよちん1人だけだったらずっと縮こまっちゃうままだしね!!」

「まぁ凛の言う通りだ。確かに強制要素が多いが、俺達がやるべき事花陽がちゃんと意思表示ができる環境を作ることだ。多少のことは目を瞑ってくれ。」

「分かったわ。.....けど私小泉さんが歌った所とか見たことないわ。だから.....歌唱力がどうとか.....言ってあげられる所はハッキリ言って少ないわ。」

「ないなら機会を作ればいいさ。その作り方は真姫に一任する。」

「.....なんか面倒な所だけ任されたけど、まぁいいわ。やってあげる。」

「とりあえず第一ステップは完了している。ここからはお前たちの働きが大きい。任せたぞ。」

「随分と無茶ぶりだにゃ。伊月くんにはお世話になってるし、かよちんの為だもん。喜んで協力するにゃー!!」

「伊月かそこまで言うなら協力しなくもないわ。それに小泉さんには何かとお世話になってるしね。」

「頼りになる。じゃあ明日からこの作戦を実行しよう。頼んだぞ。」

 

そう言って俺たちは解散した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

やっぱりこういう路地裏はいいな。人気もないし、静かだ。こういう所にいると、気持ちが自然と落ち着く。

「あら、こんな所に人がいるなんて珍しいわね。」

「ん?あんたは誰だ?」

「普通名前を聞くなら自分から名乗るのが礼儀ってものよ。」

「あ、そう。俺は一条伊月。で、あんたは?」

「私は綺羅ツバサ。そうね.....ツバサとでも呼んでくれていいわよ。」

「綺羅って苗字は珍しいな。あんた俺と同じくらいの歳だよな。こういう所に来るなんて、お前友達いないのか?」

「あら.....これでも私結構有名な方なんだけど.....それにあなたもここに来ているなら友達はいないの?」

「いるにはいるが、そんなそこらのJKみたいに皆お友達って訳ではねーよ。有名?」

「そ。私一応AーRISEってグループのリーダーだし、テレビとかPVとかでも出てるんだけど.....」

「すまんな。俺はそういうのは疎いんだ。まぁいいや。とりあえず、お前を追ってきたのか知らないが後ろにいるストーカー共をどうにかしないとな、有名人さん。」

てかこの人、自分が有名人って思ってんなら、顔を隠せよ。

 

 

 

 

「ふーっ、片付いた。思った以上に数が多かったな。」

「顔を隠して来なかった私も悪いけど、あなたあの人数相手によく1人で圧勝したわね。その体捌き、羨ましいわ。」

「どこを見てんだよ。てかあんた、だいぶ有名人なんだな。ファンも多いことで。ていうかまずくないか?いくら路地裏とはいえ、ここにいたらマスコミとかに見られてもおかしくないぞ。密会だなんて言われてさ。俺もあんたも何かと面倒なことになるぞ。」

「ふーん、心配してくれるのね。ありがとう。お礼とかは出来ないから許してね。」

「お礼なんざいらねーよ。別に欲しくてやったわけじゃない。」

「ふふっ、男らしいね。連絡先交換する?」

「.....好きにしろ。だが、あんま連絡するなよ。」

「大丈夫だって。トークアプリの方で沢山話すから。」

随分と面倒なやつに出会ったものだな.......

 

 




オリ主が1年生のため、こうすることで、軌道修正します。
あと、活動報告でも言いましたが、定期テストのため、来週1週間はお休みさせていただきます。
ではまた。


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#25 親方!目の前に魔神が!!

テスト前でなかなか展開が思いつかないので、今回はネタというかストーリーから少し離れた感じのやつを書いてみます。初挑戦ですね。
一応今回は伊月と絵里のやりとりです。


「.......」

「あのー、綾瀬先輩、なぜに無言なのです?」

「あら、何を言ってるのかしら。あなた、何かと問題があるようね。」

「え.....」

 

問題?この前の朝礼のやつは解決したはずでは...?

 

「先日の朝礼の件のやつは教頭の悪事をばらすために必要なことだったので.....」

「それじゃないわよ。.....あなたには2つ聞かないとね♪」

 

怖い。綾瀬先輩怖すぎ。今後ろに魔神みたいなのがいる。.....この人、俺ら側の人間でも通用するんじゃないか。

 

「まず、前から聞きたかった希の件なのだけれど.....あれは一体どういうことかしら?」

「え、えとあれはですね.....神社に行った時にそこでバイトしている希と出会って、言葉が硬いってことで、希から、タメ語で東條なり希なり自由に呼んでいいって言われたので東條って長いので希って呼んでるんですよ。.....本人からは何も聞いてないですか?」

「本人に聞いたら『一条くんがいきなり希って呼んで驚いたんよ。彼、案外プレイボーイみたいな一面があるかもね♪』って楽しそうに言っていたわよ.....」

 

 

まじかよ、自分がそう呼んでいいってことを言ってないのかよ!!

断片的に伝えられていたのか...さてはあいつ策士やな!

「.....私にだって気にせず話してくれてもいいのに.....」

「何か言いました?」

「いえ、何でもないわよ。でも希だけっていうのはなんだか不公平だと思うのよね.....」

不公平?そんなこと気にする?というか何の勝負してんの?

 

「でもさすがに出会った当時のようにやるのは失礼だと思うんですよ。ほら、俺って生徒会の仕事とかで結構親しくなったじゃないですか、親しき仲にも礼儀ありって言うでしょ?だからそうしてるんですよ。」

「親しいからこそ気軽に話して欲しいものよ。」

「そうですか.....じゃあ、生徒会長って呼べばいいですか?」

「.......」

 

痛い痛い!!この人無言で関節技決めにきてるよ。

「それだと尚更距離を感じるでしょ、言ってみなさい、絵里と。」

「絵里先輩?」

「えい☆」

 

ちょ、半端ないって!!明らかに普通の女子高生の力じゃないって。

こんなん出来へんやん、普通の女子高生は!!

 

「聞こえなかったの?.....その絵里って呼びなさい.....」

 

なんで恥ずかしそうにしてるんだ?

 

「もしかして恥ずかしいんですか?下の名前を異性の年下に呼ばせることが。」

「.....何か言い残したいことはある?」

「すみませんマジ勘弁して下さい神様仏様絵里様。」

「聞こえないわぁ~.何言ってるのかしら?」

「そろそろ離せ!!絵里!!」

 

このままだと関節壊れるわ!!

「ふふっ、やっと呼んでくれたわね!!これからもよろしくね、一条くん。」

「.....助かった.....」

 

 

 

 

「そして、2つ目なのだけれど.....那月がこんな写真くれたのよ。」

「え?なんで那月のこと知ってんの?確かに、あいつ3年だけど....」

「あら、言ってなかったかしら、那月は私のクラスにいるの。オマケに席も近かったから話すことが多いの。」

「因みにどんなことを話して.....」

「うーん、基本は先生の愚痴だけど、あなたのことも多いわ。本当にベタ褒めよ。」

「.....すみません、うちの姉がご迷惑を.....」

「迷惑ではないけれど...こういうのを弟君の前で言うのもあれだけど、勢いがすごくて困り気味なのよ.....まるで恋人の惚気話くらいすごいわよ。」

 

那月め.....あれほどブラコン要素を隠せと言ったのに.....まじで今度のご飯にレタスの千切り山ほどいれてやる...

 

「で、その写真はって.....これ!?この前のライブの時のやつじゃないですか!?なんで!?」

 

そう、俺が花陽をお姫様抱っこしてる写真があった。(詳しくは#15を見てね。)

 

「那月が送ってきたのよ.....あなた、本当に捕まりたいの?これ本当に遠くから見たらおかしいわよ。」

 

「いえ.....これはですね.....俺が寝過ごしてライブを行き損ねそうになった時に花陽が起こしてくれまして.....ライブの時間までに花陽の足じゃ間に合いそうに無かったので仕方なく抱き抱えて運んだんですよ。これに関しては俺は無実だ!!!!」

「それで済めばいいのだけれど.....あなた、女の子の...その.....胸をさわっているじゃない?この写真だと。」

「.......」

「それもたまたまで済ませるのかしら?」

「それは.....ドアを開ける時に片手で抱えたらたまたまそこに手がいきましてね.....嘘じゃないよ、ホントウデスヨ!?」

 

「ふーん.....でもこれは看過出来ないわよ。いくらなんでも。」

「.....まさか、まーた罰則パターンですか?」

「あら?たまたまとはいえ女の子にとってデリケートになる部分を触っておきながら随分と偉そうね...」

「」

 

やってしまった.....自宅の害虫相手に核兵器を使うくらいやってしまった.....

こういう時に言うのもあれだが、絵里もなかなかのものをお持ちで.....顔もそうだけど絵里って高校生にしてはスペック高すぎだな。

「あら、どこを見ているのかしら?」

「すみません、間違っても絵里がなかなかのものをお持ちしてるとか断じて思っておりません。」

「ふん!!」

「いった!!痛い、いきなり鉄拳制裁はおかしい!!」

「あなたにはこれくらいがお似合いじゃない?黒獅子さん♪」

「ひでぇ.....だったらどうすりゃいいんだよぉぉ!!!!」

 

俺のキャラ崩壊激しいな。

 

「そうね.......じゃあ黒獅子さん、この街で1ヶ月間女性の痴漢被害をゼロにしてくれるかしら?それが出来たら許してあげるわ。」

 

いや、無理だろ!!痴漢してから騒ぎが起きるのに、どうやって未然に対処しろって言うんだよ。

 

「だったら条件を変えてくれ。絵里。痴漢被害を無くすのははっきり言って無理だ。だから、痴漢した犯人を一人残らず逃さない.....それでいいか?」

「ええ。それでいいわ。と言うのも....この前の生徒調査で、痴漢被害を受けた子がいたの.....学校としても対処したいのだけれどさすがに電車内まで管理はできない.....だからこの仕事をあなたに任せるわ。」

 

「まぁ絵里も痴漢被害受けたことあるしな、良かったー、罰則というかペナルティがそういう系ことで。」

「あら?自分の行為は反省したのかしら?」

「もちろんしたさ。花陽にだってあの後謝ったし、あれ以降女子の体を触ることは1度もしてないよ。」

「話したいことは以上よ。あと、最後にお願いしたい事があるだけれど.....」

「ん?まだ何かあるのか?」

「亜里沙がまたあなたと会いたいんですって。この前の朝礼の話をしたら『さすが黒獅子さん!!やっぱり漫画の主人公みたいでかっこいいです!!』って。」

「まじかよ.....まぁ分かりました。また今度って話で。」

「ええ。そう伝えておくわ。」

そう言って俺は去った.....

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

絵里side

は.....恥ずかしい!!流れに身を任せたとはいえ、彼とかなり体が当たったし.....何より下の名前で呼ばせたり.....普段の私じゃありえないくらい大胆だった。男友達は初めてだから.....距離が分からないわ。

 

「ふふっ、絵里ちゃん、さっきとは打って変わって随分と乙女チックになったねーーー!!」

「那月!?あなたいつから!?」

「最初から全部見てたよ!!面白かったよ!!」

 

その後、那月は絵里を散々いじり倒した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「えっと伊月?これは?」

「ん?何ってレタスの千切りじゃないか?今日の晩御飯はトンカツだしな。」

「おかしいよぉ!!何で肉の量に比べて野菜、よりによってレタスの量がこんなに多いのーー!!普通キャベツでしょ!!伊月の悪魔!!」

「うるせぇ!!お前絵里に余計な画像流しやがって!!その仕返しだこの野郎!!しかもお前キャベツも苦手だろうが!!」

「この鬼!!悪魔!!」

「.....なんか言ったか?おい。」

「.....うう。今度お父さんに頼んで車にのせてやる。」

 

なにか不穏なことを言ったがまぁいいだろう。

 




落ちがおかしい!!全く思いつかない。
日常回とかネタ回って、こういう所が難しいですね.....
頭の中を無限級数とかが埋めつくしていて、若干おかしい所があるかもしれません。あったら教えてください。


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#26 難航

1週間近く続いたテストを終え、私は甦った!!
先程終わったので、投稿が少し遅れました。


花陽side

昨日一条くんに言われたことが頭に残ってる。。後悔したくないなら.....。確かにアイドルは大好きだし、やってみたいとも思うよ。

けど.....私には勇気がない。「スクールアイドルをしたい!!」、たったそれだけの言葉が言えたらいいのに.....

 

「かよちーん、どうしたにゃ?」

「あ、凛ちゃん、おはよう。.....別になんでもないよ。」

「えー?嘘だー。かよちんすごい悩んでる顔してるじゃん。凛が相談にのってあげるよ♪」

「.....うんうん、別になんでもないよ。心配かけてごめんね、凛ちゃん。」

「かよちん.....」

 

これは自分の悩みだから、やっぱり凛ちゃんとかに迷惑はかけられないよ!!

 

 

 

 

 

「ん、花陽じゃん、今日は珍しく早いじゃん。」

「一条くん。おはよう。」

「......アイドルするか、まだ悩んでんのか?」

「あはは...そんなに分かりやすいのかな、私の顔。」

「悩んでんのか?って誰かから聞かれたのか?」

「うん、今朝、凛ちゃんが相談にのってくれるって言ってくれたんだけど、やっぱり私の問題だし、他の人に迷惑をかけたくないんだよ。」

「.....まぁ自分で悩んで道を決めるのも大事だしな。そこはいいんだが、相談にのってくれるって言うんならのってもらってもいいんじゃないか?もしかしたらそれが新しく答えを決めることもあるし。」

「.....うん、ありがとう、一条くん。」

「ん。迷ったら俺にも相談してくれよ。なれる限りは力になるからさ。」

 

一条くんも.....誰かに相談した方がいいのかな。

 

 

 

 

そして、昼休みが来ました。私は、なんだか居づらくなったので、少し外に出ました。

 

「この綺麗な音色、きっとすごい人なんだろうな。」

 

私は、綺麗な音色を奏でている人を見に行きました。

 

「ん?あれは西木野さん?ピアノ弾けたんだ.....」

「そこで聞くくらいなら中に入ってきなさいよ。」

「あわわわ、に、西木野さん!?いつの間に!?」

「いつの間にって.....さっき独り言のようなのが聞こえたから誰かなって。」

 

 

ピアノ弾いていたまま、誰かいるとか気づけるんだ.....

 

「で?何か用があるのかしら?」

「え?いえ、ただピアノの音が綺麗だったので.....」

「ありがとう。そういえば小泉さん、あなたどれくらい歌えるの?」

「え?」

「アイドルに興味持ってるんでしょ?だったら少しくらいはいけるかもって思ってね。ほら、あなた声が結構綺麗でしょ。」

 

声が綺麗.....か。そういえば一条くんが西木野さんは歌が上手いとか言っていたような...

 

「まぁまずは音程取れるかね。ドから始めるからピアノの音に合わせて声を出してみて。」

「え!?いきなりですか!?」

「あなたがどれだけ歌唱力があるのか、興味があるのよ。星空さんも結構歌うの上手いのかしら?」

「うーんと、凛ちゃんが歌ってるところはあんまり見た事がありません。鼻歌はとても上手でしたよ。」

「そう.....じゃあ始めるわよ。」

 

 

 

 

 

 

「あなたなかなか歌うの上手いじゃない!?」

「いえ...西木野さんのリードが上手かったからですよ。」

「嬉しいわね。でもピアノがあったにしろ、あなたの歌唱力はそれ相応のものよ。そこは自信を持っていいわ。」

「.....ありがとう、西木野さん。」

 

 

そう言って私は音楽室を去った。.....私は.....アイドルを.....

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「お前らどうだった?」

「凛は全然。かよちん相談してくれないんだよ。」

「私はとりあえず彼女の歌唱力は分かったわ。なかなかのものよ。あれなら少し練習すればスクールアイドル、やっていけるんじゃないかしら?」

「そうか、真姫の方は上手くいったみたいだな。凛、とりあえず花陽にはちょっと助言はしておいたから、もうすぐ話してくれるさ。それまでは待とうぜ。」

「うーん、もう凛はかよちんをスクールアイドルの人の所まで連れていけばいいと思うんだけどなー。かよちんが相談してくるまでは待つにゃ。」

「ありがとう相談してくれたら、そこからは強制連行だ。そこは2人に任せる。」

「了解だにゃ!!」

「分かったわ。」

「あ、あと伊月。あなた少し相談の時態度が結構上からみたいな感じがすごいからもう少し寄り添った方がいいわよ。」

「え?俺そんな言い方きつかった?」

「いえ...言うのはいいのだけどどこか命令というか高圧的というか...もう少し柔らかい言葉にしたら?」

「自覚はないんだけどな.....分かった。少し気をつけるよ。」

俺たちは解散した。多分だけど、明日くらいには決まるかな。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「お前、夕方から何回も電話かけてきてどうしたんだ?」

「あら、それが女の子を待たせた人の言う言葉かしら?」

「悪かったよ、綺羅。」

 

 

こいつ、なんで夕方から電話かけてきたんだ。

「で、要件は何だ?」

「この前、私が有名人って言ったでしょ?だから1回位は私たちのライブというかステージを見て欲しいなって。今度UTXでライブするから見に来てね。特別にウィンクでもあげるわよ♪」

「いらねーよ。てか部外者が校内のライブに行けるのか?」

「今回は学校の宣伝もかねたライブだからね。皆が入れるようにはしてあるわ。」

「ふーん、お前バンドでもやってんのか?」

「.....え?私この前スクールアイドルやってるって言わなかったっけ?」

「あらいず?とやらのリーダーとは聞いたが、なんのグループかは聞いてなかったな。」

「そう.....私たち、これでも結構有名なのよ。自分で言うのは烏滸がましいかもしれないけれど、スクールアイドルからは目標みたいにされてるのよ、私たち。」

「あ、そう。俺そういうの疎いから分からねーんだよな。で?そのUTXとやらはどこにあるんだ?」

「音ノ木坂の結構近くにあるわよ。しばらく歩けばでかい建物があるし、UTXって書いてるからすぐ分かるわよ。」

「了解。暇だったら行くよ。」

「いいから来なさい。あなたには特等席を用意してあげてるから!!」

「そこまでしなくてもいいよ。」

 

 

うーん。花陽がスクールアイドルするかもって感じだし、俺も少しは勉強した方がいいのか?最近誘拐とか痴漢とか増えてるし、アイドルの情報を知ってれば、少しは予測して動けるかもな。

 

 

 

「す、すみません兄貴。少しいいですか?」

「ん、どうした?お前らが俺の家に来るなんて珍しいな。要件はとりあえずいつもの所できこう。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「.....これはひどいな。結構な大惨事だ。」

「はい、もう大荒れです。」

 

 

とりあえず今の状況を説明しよう。.....電子レンジが爆発した。

どういうことか分かんねーだろ?俺もわからん。どういう扱い方をしたら電子レンジが爆発するんだ?

 

「ごめんねぇ、伊月。僕いつまで経っても機械操作が苦手で。」

「大体お前だろうと思ったよ、与助!!」

 

毛利 与助(もうり よすけ)。武士の子孫らしい。家柄とかはそこまで重くなく、剣道がそれなりにできるやつだ。

こいつは、パソコン操作だけはめっちゃできるのに、それ以外の機械はてんでだめ。料理をすれば厨房が爆発し、洗濯をすれば、洗面所が泡で満たされたりと。.....ある意味芸術家だ。

眼鏡をかけていて、背はあまり高くない。.....そして、いわゆる「おとこの娘」に属する人間である。こいつ声も比較的高いし、眼鏡外しても掛けてても顔が可愛いんだよな。前もチャラ男にナンパされたらしいし。

「与助。今度から機械を使う時は俺か部下に一声かけてくれ。じゃないと俺たちの基地が予算不足で倒れそうだ。」

「ごめんよぉ.....僕、結構気をつけてやってるんだけどな...壊した分は僕が弁償するよ。」

 

こいつが金持ちなのは、経済の流れを読むことや、株式の取引のタイミングを伺うのが上手いからだ。だからこいつの所持金はだいたい4億。そう所持金。多分こいつの預金はえぐい。

 

「まぁいいや。で、わざわざ呼び戻して悪かったな。」

「気にしなくていいよ。僕だって君の役にたちたいしね。命を助けてもらった恩人を無下にはできないよ。」

 

こいつ曰く、受けた恩は必ず返すらしい。悪い大人に騙されないといいんだが。

 

「伊月.....しばらくさぐってみて分かったんだが、結構君今危険な立ち位置にいるよ。」

「どういうことだ?」

「掲示板に、君が恫喝したという噂が入っていてね。しかもそれがいずれ週刊誌にのるみたいなんだ。いわゆるスクープとして。」

 

 

 

 

 

「恫喝、どういうことだ?」




オリキャラは出しますが、あまり出すぎないようには善処します。

前回の話が良かったのか、それともコメディにしたのが正解なのかは分かりませんが、休んでる間にお気に入りが5件くらい増えてました。UAも比較的多くなってましたし。


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#27 半端ないってぇ!!

アンケート見たんですが、やっぱりネタ回を希望する人が多いですね。
今回はちょっとだけ真面目なやつが入ります


俺が恫喝.....

身に覚えがない。大体自分から人を倒しておきながら自分が犯罪してるってのは筋が通らないだろ。

 

「与助、なんて書いてあるんだ?」

「んーとね、『大スクープ!!黒獅子が警察を脅し、証拠をもみ消す!!銃を持ち犯罪者を恫喝』だって。」

 

 

 

.....あの時か。確かに銃を奪って若干脅しはしたな...

まぁその後警察に厳重注意されたんだけどな。

 

「そう取られるのは、仕方ないところがあるか.....ただ、俺は警察に連れていかれて厳重注意されたし、何事もなかった訳じゃないんだけどな。」

「ということは、事実無根というわけではないのか。痛いところをつかれたね。あと、伊月の話だといわゆる過剰防衛にも当たるしね。そこら辺をどうするか....」

「書いたやつが誰か特定はできるか?」

「少し時間をくれればその人のパソコンが特定できるから、なんとかはなるけど、裏垢とかでやられてたらしんどいね。少し餌でも付けて誘き出すか.....」

「それって俺の不祥事案件ってことか?」

「うん、わざとそういう動きを見せて、相手が激写する所を狙うよ。この人は、伊月のことを知っていても、僕や部下の人の存在までは把握しきれていない。とすると、君の動き次第でこのことはなんとかなるさ。」

「ただな...与助、真実を明らかにするのも問題だぞ。」

「そうだね.....有罪判決を受けた人間が、逃走している上に凶器を持って動いていた、それに逃走犯が凶器を持つ、それは簡単に言えば、共犯、もしくは警察内に協力者がいた.....そういう話になる方がよっぽど問題だろうね。」

「ああ、逃走のタイミングを連絡し合うのは不可能だ。だからそこから考えて、真実を明らかにすることは、世間の警察への信用の低下、最悪失墜までいく。それこそ大問題だ。」

「じゃあどうするつもり?」

 

 

 

 

 

「簡単だよ、この記事をわざと出させて俺が裁判なりなんなりに出ればいい。なぜなら、この記事が出ても、悪いと断定されるのは俺だけだ。だから、出てもそこまで事態は悪化しない。それに、うちの仲間には、記録係がいるからな。」

「ああ....その手があったのか。君もなかなかに面白いことするじゃん。なら、僕は自分のすべきことをするよ.....」

 

にしても、あの時人の気配なんか一切感じなかった。となると、一体.....

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あれから2日後

 

「一条くん、その.....」

「ん?どした?」

「私、アイドルやってみようと思うんです。」

「ようやく決心できたのか。良かったな。」

「はい、凛ちゃんにも相談したんです。」

「で、入部届けは出したのか?」

「いえ.....まだです.....」

 

まぁこればっかりは凛と真姫に任せるか.....

「そうだ、花陽。明日だったかな、AーRISEとやらがUTXで公開ライブすらみたいなんだけど」

「はい!!知ってますよ!!でも驚きですよね、UTX自体は今ではとても人気のある高校なのに、それでもライブをするんですから!!」

「人気だからこそ、集客がしやすいんじゃないか。」

「でもその日、別の用事があって行けないんですよね.....残念です。」

 

綺羅が所属してるグループってそんな有名なのか。今度サインでも貰っとこうかな?

 

 

授業にて

 

「護送船団方式?何だそれは?海軍の陣形なのか?それとも、車懸の親戚か?」

「一条くん、社会が苦手なのになんで車懸が分かるの?」

「ん?なんとなく。社会は苦手だけど兵法とかそういうのは結構面白く感じるんだよね。」

「ちなみに護送船団方式は、経営体力・競争力に最も欠ける事業者、もしくは企業が、落伍することなく存続していけるよう、監督官庁がその許認可権限などを駆使して業界全体をコントロールしていくことだよ。一応名前は海軍の所から由来してるらしいけどね。」

「経済体力?許認可権限?」

「あわわ、また一条くんが壊れたよぉう.....ダレカタスケテー」

「そこ、さっきからやかましいぞ。」

『すみません。』

「伊月、あんたちゃんと勉強してるの?」

「.....一応それなりには。」

「そう、あなたまた勉強会をする必要がありそうね.....今度は厳しく行くわよ。」

 

\(^o^)/

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

那月side

あれからというもの、何故か姉の私まで周りから怖がられてる。別に伊月がしたことってそこまで酷くはなかったと思うんだけどなー

 

「そういえば、那月。この後体育の授業だけど、体操服に着替えないの?」

「.....は!?忘れてた!!どうしよう絵里ちゃん!!」

「どうするって.....誰かから借りてきたら?3年の他の子から。」

「それがさー、この前伊月が朝礼で暴れたじゃん、その事のせいで姉の私まで謎のレッテル貼られてるんだよねぇ。だから怖がって話しかけても逃げられるんだよ。」

「そう、それはご愁傷さまね。」

「なら、伊月くんに借りてきたらいいんちゃう?」

「ちょ、希!?それはさすがに.....」

「あ!!その手があったか!!ありがとう希ちゃん!!」

 

そうして私はダッシュで1年生の教室に向かった。

 

「面白いことになりそうやね。」

「希、あなたね.....」

「まぁ、ええんちゃう?この状況やと貸してくれる人って伊月君くらいしかおらんし。」

「.....そうだけれど、はぁ。下手に騒ぎとか噂にならなければいいのだけれど.....」

「絵里ち、どうしたん?少し疲れたん?」

「あなたのせいよ.....希。」

「ん?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「伊月!!体操服貸して!!」

「断る。てか帰れ。」

「なんでさー!!」

「あたりめーだろ!!お前、女子ならともかく男子に借りに来るな!!それくらい分かれよ!!」

「別にいいじゃん!!確かに、伊月のサイズだと少しブカブカで着にくいかもしれないけど......大丈夫!!シャツインすればそれなりになるよ!!」

「そういう意味じゃねーよ!!異性の服、しかも弟の服着ることに違和感持てよ!!」

 

こいつの頭のネジ飛んでんじゃねーのか!?親父は一体どんな教育してきてんだ!!

 

「だから、女子がメンズ着ても、『あ、あの子男の子の服着てる』位で済むでしょ、それと一緒の原理だよ!!」

「そういうことじゃねーよ!!着るものの特性とかじゃなくて、他人が普段着てるもの、しかも持ち主が異性というところをもう少し遠慮しろよ!!」

 

こいつこれでよく外国で2年間、何事もなく過ごせたな!!

「まさかお前、イングランドに行ってた時もそんな感じでいたのか?」

「そんなわけないじゃん。伊月以外の男の人の服着るとかありえないし。」

「なんで俺だけいいんだよ!?いいから帰れ!!」

「このままだと、私、体育の授業に遅れちゃうよーー!!」

「知るか!!忘れたお前が悪いんだろ!!」

 

早く帰ってくれ。こんな姉を持ってるってことが広まるし。

 

「あ!?そこの赤い髪の子!!体操服貸してくれない!?」

「ゔぇえ、あなた誰よ!?」

「あ、私は一条那月!!そこにいる一条伊月の姉にあたる者です!!」

「伊月の.....別にいいですよ。でも、後で返してくださいね!!」

「もちろん、今度お礼するから、伊月が。」

「俺かよ!?」

「うーそ。ちゃんと今度何かしら私がお礼するからさ。じゃーね!!」

 

そう言って那月は去った。

 

 

 

 

「あなた、とんでもないお姉さんをお持ちなのね。」

「真姫、その言葉を聞けるだけで救われるよ。」

 




所用で、投稿するのが遅れました。
多少駄文っぽい部分もありますが、ご容赦を。


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#28 背中を押すこと

スクスタの覚醒って、スクフェスの時よりも時間かかりますね.....



あの後授業が終わり、俺はスクールアイドルの人達が練習している屋上に向かった。

 

「失礼しまーす。」

「あ、伊月くんじゃん!!今日はどうしたの?」

「あ、ちょっとスクールアイドルとやらがどんなものか見てみたくて、練習を見学させてもらうって出来ますかね?」

「うん♪いいよ!!そういえばおねーちゃんは?」

「那月ですか?あいつは、今日授業を居眠りしたことで教員室に呼び出されてるみたいです。」

「おねーちゃんらしいね♪」

 

そう、姐さんは、俺と小学校時代に知り合った。無論、那月もその時に。その時に那月がよく姐さんのお世話をしていたから、おねーちゃんと今でも呼んでいる。

 

「いけません、穂乃果、ことり!!この人は危ないです。」

「えーと、園田さん、だったっけか。俺そんな危なく見えます?」

「この前朝礼で暴れていたではありませんか!!」

「.......」

 

まぁあれに関してはそう捉えられてもおかしくはないか。堂々と正体ばらされちゃったし。

 

「もー、海未ちゃん大丈夫だよ!!伊月くんは危なくないよ!!」

「穂乃果!?あなたこの人と関わりがあったのですか!?」

「うん。雪穂が攫われた時に助けてくれたのは伊月くんだよ!!」

「あの件ですか。....でもやはり警戒を解くのは難しいです。」

「別に無理する必要はないですよ。俺だってあの時、他の人からどう思われるか大体分かってましたし、それが当然の反応だって思っていますから。高坂先輩だって、最初は狂犬のような目で俺の事睨んでましたし。」

「その事はもう忘れてよぉ!!」

「じゃ、俺は影になってますんで、気にせず練習してください。」

 

 

 

 

 

 

 

確かに練習が、アマチュアにしては本気だな。歌のレッスンとかもかなり頑張ってる。ただ.......

「すみません、園田さん、少しいいですか?」

「はい、なんですか?」

「あなたがダンスレッスンをする上でどこを重視してやってるんですか?」

「そうですね.....やはりひとつひとつの動きの精度を良くすることです。ひとつひとつのフレーズを大事にすることで、やはりライブの質も上がりますし。」

「なるほど.....ですが、このままいくと結構しんどいですよ。」

「どういう事ですか?」

「簡単に言えば、難しいフレーズをこなせる身体能力がないということです。確かにフレーズでも練習すれば身につくでしょう。ですが、フレーズによっては、連続してても重心を置く場所が変わったり、その時反動から立て直せる柔軟性とかが不足してると思います。」

「一体どうしてそう思ったのですか?」

「高坂先輩が、同じフレーズで何回かミスをしていた、ということと姐さんのフレーズの切り替えの時間が周りより少し遅れていたからです。声を掛け合ってフォローは出来ていましたが、本番ではそうはいかない。だからこそ、フレーズ練習に加えて、体幹トレーニングとかを入れるべきかと。採用するかしないかはそちらにおお任せしますが。」

「.....あなた、ダンス経験とかあるのですか?」

「いや、単に観察してて気づいただけですよ。相手の重心の置き方とかでどの方向に力を入れてるか位は見えますよ。」

「すごいね、伊月くん♪」

 

その後2時間位練習を続けていた。まだまだだなと思う。スクールアイドルがどんなものかは分からないが、可愛いフレーズや声が良いからってのも大事かもな。あまり難易度を高めて、アイドルの域を越えるのもおかしいし。

 

「で、伊月くん、どうだった?」

「うーん、スクールアイドルがどんなものかを知らない状態で見たので、あまり具体的には言えませんが、研鑽を積めば良いものになると感じました。あとは.....やっぱり羨ましいなと。」

「羨ましい?どういうこと?」

「いえ.....俺は熱中できるものがないなと。先輩達は、それに打ち込んでいて、でも楽しそうで.....俺じゃ絶対に経験できないことだなって。」

 

あの日以来、やっぱりこういう一緒に楽しみながら本気でやるということはできない。まだ自分の中でも人を信じきれない部分があるから.....羨ましいよ。

 

「で、ここに来た目的は単に見学だけだったんですか?」

「園田さん、鋭いな。もうすぐここにある人達が来るからそれまで引き止めておくのが今回ここに来た本当の目的です。」

「ある人達?」

 

 

『バァン!!』

「誰か助けてー!!!」

「いいからかよちん来るにゃ!!」

「ちょっと星空さん!?勢いが強すぎよ!!」

「西木野さんのペースだと日が暮れちゃうよ!!」

「ちょっと2人とも!?落ち着いてよぉ.....」

 

あいつら連れてきたのはいいが、なんで喧嘩してるんだ?仲良くやれよ。

 

「お前ら少しは仲良くやれよ。」

「だって、西木野さん(星空さん)が!!」

「たく.....喧嘩するほど仲がいいってか。それは置いといて、花陽、スクールアイドルの人達がいるから、覚悟決めて言いな。」

「え.....でも、私.....」

「もう!!アイドルやりたかったんでしょ!!絶対にやった方がいいよ!!凛は知ってるからね、かよちんがどれだけアイドルが好きかってことを。」

「そんな事はどうでもいいけど、あなたの歌唱力は相当なものよ。技術的には劣らないわ。やった方がいいわよ。」

「そんな事じゃないよ!!」

「だから、お前ら少し落ち着けよ。」

 

こいつらコントでもしてるのか?これサイクルから抜けられないパターンだよな.....

 

「高坂先輩、彼女が入部希望の1年生ですよ。」

「え!?入部!!誰だれ.....って、この前ライブ見に来てくれた子じゃん!!」

 

高坂先輩、花陽が怖がってるので、少し抑えてあげてください。

 

 

「私、小泉.....」

 

 

凛と真姫が、花陽の背中を押した。.....なかなか粋なことするじゃん。

 

「ふぇ.....?」

「2人とも応援してるんだよ。」

「私は.....」

「勇気を出せ、花陽。俺達がついている。」

 

 

 

 

「私、小泉花陽と言います!!背も低くて、声も小さくて.....いい所は何もありません。けど、アイドルに対する思いは誰にも負けません!!だから...どうかメンバーに入れてください!!」

 

 

「.....こちらこそ、よろしくね、花陽ちゃん!!」

 

高坂先輩と花陽が固い握手を交わした。夕日がいい感じに演出してるな。

 

 

「かよちん偉いにゃー。」

「なんであなたが泣いてるのよ?」

「そういう西木野さんこそ泣いてるの?」

「だ、誰が泣いてるのよ!!」

 

 

 

「それで2人はどうするの?」

「え?」

「まだまだ部員は募集中ですよ!!」

『え、えぇーーー!?』

 

いやそうなるわな。これ完全にノリだよな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後2人も入部して、μ'sが6人になった。

作戦は成功して、結果オーライなんだが、俺にもいくつか問題が山積み。.......鬱だ。




終わりが上手く書けない。どうしたものか.......


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#29 肩こりは案外しんどい

気づけばUAが10000を越えていました。
皆さんがこの作品を見てくれてるんだなぁと少し感動しました。
拙いですがこれからもよろしくお願いします。


1年組が、μ'sに加入してから1日、あいつらは朝練に行ったり、放課後練習したりとかなり頑張ったらしい。

 

 

「さてと、俺はUTXにでも行くか。」

 

俺は、綺羅に呼ばれていたためUTXに向かった。その途中、電車に乗った時に酔いそうになったのは別の話。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「もしもし、ちゃんと来てる?」

「お前本番前に随分と余裕だな。準備は終わったのか?」

「ええ。今はライブ前のストレッチを少ししているの。最高のステージを見せなきゃならないしね♪」

「そうか、じゃあ切るぞ。」

「あ、待って!!ライブ始まる前に控え室に来てくれない?メンバーを紹介したいの。」

「いや、俺UTXの校内構造知らないし、控え室とかどこか知らねぇよ。」

「大丈夫よ。ステージの隣に控え室があるから、迷うことはないわ。」

「いや、ステージの横とか大問題だろ。見知らぬやつが入って行ったらそれに乗じて色んなやつが入ってくるぞ。」

「もう、頑なに断るのね。いいわ、私が迎えに行ってあげる!!門の前で待ってて!!」.

「おいおま。」

 

切りやがった。.....もうめちゃくちゃだよ。

「ん?おい、あんた止まれよ。」

「何よ!?私に何か用?」

「顔も隠して.....お前怪しいな。一体誰だ?」

「うっさいわね、あんたには関係ないわよ!!黒獅子!!」

 

黒獅子を知っている.....?ということは、こいつ.....裏の人間、もしくは音ノ木坂学院の生徒。

 

「あんた音ノ木の生徒か。まぁいいや。外しといた方がいいぞ、そのマスクとかサングラスとか。」

「日焼けとかするのが嫌なのよ!!いい席確保しなきゃいけないからここら辺で終わらせてもらうわよ!!」

 

 

随分と強気な生徒だな。.....身長小さいけど、うちのクラスにはあんなやついなかった.....となると先輩か。

 

「おまたせー、待った?」

「いや、そこまで。じゃ行くか。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

にこside

なんで黒獅子がこんな所にいるのよ!?しかも、今日はライブの日。まさかあいつ、ライブを壊しに来たのかしら.....そんな事したらにこ許さないわよ!

 

 

「あれって、綺羅ツバサ!?さ、サイン貰わなきゃ!?」

「す、すみません、綺羅ツバサさんですよね?」

「はい。そうですけど.....何か御用ですか?」

「にこ、じゃなかった、私、AーRISEの大ファンなんです!!サイン下さい!!」

「ええ、いいですよ。」

 

やった、あの綺羅ツバサの直筆サインを貰った!!これは宝物にするにこ!!

 

「じゃ、私、人を待たせてるので失礼しますね。」

「あ、せめてもう少しお話を.....」

 

綺羅ツバサは行ってしまった.....きっとメンバーを待たせてるはず!!

 

さて、いい席確保のために行かなきゃ!!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここよ。」

「本当にステージの隣なんだな。」

 

ここまで何事となく、来れて良かった.....にしてもこいつ、本当に有名なんだな。来る時に周りの人が本当によく見てたし。

 

俺?俺は、影を消して、同行してましたよ.....影消さなかったら、ファンに本気で消されるしね。

 

「ツバサ、戻ってきたか。待たせ人とは出会えたか?」

「あらあら、かっこいい男の子を連れてきて。ツバサにも春が来たのかしら♪」

「ええ。彼が私を助けてくれた人よ。」

「まぁ、あれは助けたに入るのか.....俺はあくまで尻拭いをしたような感じだったが.....」

「結果的には助けて貰ったでしょ。細かいことを気にしてたらモテないわよ♪」

「別に誰かに好かれたいとかは思ってねーよ。」

「なるほど。確かにツバサの言う通り、頼もしい人間だな。」

「そりゃどーも。」

「うーん.....もし君の貰い手がいなかったら私が貰ってあげようか♪」

「いや、ジョークは大概にしとけよ。」

 

 

綺羅って、こんな感じの人間だったのか。少し無邪気だな。

 

「自己紹介が遅れた。私は、統堂英玲奈。」

「優木あんじゅよ♪」

「ああ、俺は一条伊月。もう綺羅からは聞いてると思うが、巷じゃ俺は黒獅子と呼ばれている者だ。」

「ああ、そのことに関しては聞いている。にしても少し不思議だな。」

「不思議、どういうことだ?」

「あなた、街の中じゃ恐れられてる存在なのに、いざ向かい合って話し合えば優しい雰囲気がするのよね。不思議♪」

 

この人たちもだいぶ変わった人間なんだな。大体の人間は先入観に囚われるっていうのに。

 

「さて、もう少しで時間ね。一条くん、またライブ後に話し合いましょ!!」

「ああ。で、俺はどこにいればいいんだ?」

「そうね.....約束どおり、ちゃんと特等席は用意したから、そこで見てね♪」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

おいおいおい、特等席ってマジでど真ん中かよ!!

俺はステージ全体が見え、かつ前の人の頭が邪魔じゃないくらいの場所にいる。.....これ後ろから刺されても何とも言えないな。

 

 

 

ステージは、圧倒的だった。残念だが、μ'sよりも現時点ではレベルが高すぎる。伊達に有名なだけあるな。

ファンの人も大盛り上がりだ。さっきの怪しい人も声出して盛り上がってたな。悪い人じゃなくて良かったよ。

 

「さて、帰ろうかな。」

「おい、待てお前!!」

「は?お前誰?俺になんか用?」

「お前、さっきAーRISEの控え室に入っていっただろ!!お前は一体なんなんだよ!!」

 

あちゃー、さっきのやつが見られてたのか。あいつらもあいつらで相当苦労してるんだな。

 

「何って.....場所が分からなかったから、受付とかだと思って入ったんだよ。そしたら控え室だっただけだよ。」

「しかもお前、予約席にも座ってただろ!!あれはどういうことだ!?」

「お前俺の事見すぎでしょ。こえーわ。」

「うるさい!!説明しろ!!」

「俺の親父は、スクールアイドルのイベントとかを取り仕切ってる会社の偉いさんでね。親父も忙しいから、今回のAーRISEの校内ライブの撮影と評価を俺に一任してくれたのさ。だから、予約席である必要があったし、個々のパフォーマンス性や歌唱力、総合的に見て完成されてるか見なきゃいけなかったんだ。理解してくれたか?」

「.....なら控え室に行ったことが矛盾するぞ。」

「え?ステージをやるって知ってても、校内構造を知ってるとは限らないだろ。俺は仕事は任されたが、細かい資料は貰ってない。素人の目線から見たライブがどう映るか.....親父もそれが知りたかったんじゃないかと思う。」

「.......疑って悪かった。」

 

 

そう言って野次を飛ばしてきたファンはどこかへ行った。俺はしばらくファンの人が帰るまでステージを眺めていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あら、まだここにいたのね。」

「ん?綺羅か。ライブお疲れ様。」

「ええ、ありがとう。どうだったかしら、私たちのステージ。」

「.....いい点と悪い点、どっちから聞きたい?」

「そうね....じゃあ悪い点から聞こうかしら。」

 

「アピールが足りない。それが一番だと思う。お前、ライブ中にファンと目線が合ってなかっただろ。ほかの2人も集中してるからかファンを置いていってるような感じがした。それが見てる側からしたら圧倒的に見えるかもしれないが、これはライブでお前らはアイドル。そこから外れちゃいけねーよ。」

 

「なかなか根本的な指摘ね。感謝するわ。それで良かった点は?」

「ライブに臨機応変に対応出来る身体作りができていることだ。筋力、柔軟性共に完成されている。そこはでかいと思う。」

 

「そう.....ありがとう!!でも身体能力ならあなたの方が凄いわよ。なんであんな不利な姿勢から一気に動けるの?」

「そういう感じのことを日々してるからな。自然と身についたという方が正しいさ。」

そこと比較してもな.....状況とかも違う訳だし。

 

 

「じゃ、俺は帰らせてもらうよ。」

「え?もう帰るの?うちの食堂で食べていかない?もちろん無料だよ。」

「無料には釣られないからな。」

「じゃあまたの機会に。英玲奈もあんじゅも貴方と話したがってるし。」

「.......そうか、じゃあな、綺羅。」

「ツバサでいいよ。私も伊月くんって呼ぶし。」

「勝手にしろ。」

 

 

にしても疲れたな.....ライブって人多いし、熱気もすごいから、体力もっていかれるな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「伊月、正座。」

「は?那月、疲れてるからおふざけならまた今度な。」

「.........」

あ、これ逃がしてくれないパターンですね。

 




UR5%って、結構確率高いですよね。10連したら出るかもって希望がスクフェスよりも持てそうです。


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#30 キャラ作り

スクスタで、にこちゃんのURが3回被りました。被る確率が尋常じゃありませんね。


「で、那月。俺に何の用だ?いい加減1時間もだんまりだと俺の膝がそろそろしんどいんだが。」

引き止めておいて、ずっと黙られるって結構めんどくさくないか。

 

「.....少し厄介なことになったのよ。今日の下校中『あいつら』を見たの。また動き出しているみたいだよ。」

「!?」

嘘だろ.....あいつらは3年前に消えたはず.....

 

「ずっと黙ってたのって.....」

「うん、この事を伊月に話すのを躊躇ったのよ。」

「.....なんでだ、そんな表目立った動きは出来ないはず。あいつらは警察から機密に監視されているからまともに動けない.....」

「気をつけなよ、伊月。あいつらがまた動くとなると.....」

「ああ。また無意味な犠牲が払われる。.....それだけは何としてでも阻止しなければ。」

 

 

「うん、それはそれなんだけど...」

「え?用ってそれじゃないのか?」

「伊月、他校の生徒に手を出したみたいだね!」

「は?いやいやそれさすがにないでしょ。」

「だって今日UTXに行ったでしょ。しかもそこであの綺羅ツバサと接触したんだってね。」

「お前、どうやって.....」

「あなた、自分に記録係がいるの忘れてたの?」

「あいつかーーーー!!!!あの野郎!!どんな伝え方してんだよ!!」

「と、いうわけで、今日はお姉ちゃんと一緒に寝てもらうからね。」

「お前俺の事抱き枕にするだろ。抱きしめる力が強くて痛いんだよ。」

「あーあ、仕方ないなー。こうなったら絵里ちゃんと希ちゃんに、この事を伝えないとなーーー。」

 

おいなんでそこでその2人が出てくるんだよ!!

「ことりちゃんにも伝えないとねー。」

「ちょ、マジでそれだけは勘弁して下さい。姐さんにばれたら、めっちゃ怖いんすよ。」

 

 

そう、かつて俺が小学生の時、姐さんのおもちゃにされた時があって、死ぬほど恥ずかしい思いもしたし、あの時の姐さんの光のない目が今でも怖い。しかも成長して女子高生。同じ状態になったら恐ろしさは倍以上になる。

 

「あ、間違えて画像送っちゃった♪」

「お前絶対わざとだろ!!この状況楽しんでるだろ!!」

 

ピコン

 

ことり「ふーん、伊月くん♪今度ことりの家でゆっくり話そうね♪」

 

 

さらば俺の人生.........那月、今度こそお前をレタスだらけの空間に叩き込んでやる!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あれから三日後

 

「一条くん、そっちのクラブの調査表まとめておいて。」

「はい、分かりました。.......ん?アイドル研究部?」

「あ、それね。私たちが1年生の頃にできた部活なんだけど、今は部員が一人しかいないのよ。」

「へー、当時はこういう部活を作ることには反対してなかったんだな。」

「ええ。それは否定しないわ。」

 

 

「失礼します!!2年の高坂です!!生徒会長、ちゃんと約束通り5人以上集めてきました!!スクールアイドル部の設立を認めて下さい!!」

「残念ながらそれは出来ないわ。この学校にはもうそれと同じらしき部活が存在しているので、これ以上の部活の増加は認めません!!」

「そんなぁ.....」

「もしそれが嫌なら「その部活と話を付けてくることやね。」.....希」

「まぁ、絵里、一応規定を守って申請をしてきたんでそこら辺は許容してもいいでしょ。」

「一条君まで.....分かりました、ならアイドル研究部の人と話を付けることが出来たら認めてあげるわ。」

「はい!!失礼します!!」

 

 

 

「伊月くん、他校の生徒以外にも先輩と仲良くなっちゃって.......これは話し合わないとね。」

\(^o^)/

 

「他校の生徒に手を出す.....一条くん、私も後で話があるわ。.....逃がさないわよ♪」

 

 

もうこの人ら怖いよ。ヤンデレみたいな雰囲気が出てるよ。俺特に悪いこと1個もしてないのに.......

 

 

「一条くん、それはそれとして、アイドル研究部の部室に行ってくれる?」

「それはまたどうして?」

「他の部活の視察には行けたのだけれど、アイドル研究部の部室だけは入れてもらえなくて.....こっちも困っているのよ。」

「まぁ分かった。.....あんまり期待はしないでくれ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここがアイドル研究部の部室かな?」

「伊月、あなたなんでここに来たのよ?」

「え?いや、生徒会の仕事で。部室を見て来いって。別にお前らの邪魔をするつもりは毛頭ないよ。」

「そう、残念ね。さっきアイドル研究部の人が部室に籠っちゃったのよ。ほら、あそこで高坂先輩と凛が騒いでるでしょ。」

 

あ、あれか。てか鍵が開かないなら、ドアごと壊して道を開けばいいのにな。

 

「外から行くにゃー!」

 

.....え?凛のやつ、窓割って行くつもりなのか?後で部室の掃除がとんでもなく大変になるぞ。

 

「じゃ、俺もドアを開けるとしますか、後で直すから許せよ.....おらぁ!!」

 

『ドカァン!!』

 

「.....もぬけの殻、か。随分とバリケード張ってやがったのか。」

 

「捕まえた、言う事きかんとワシワシするよー。」

「ひゃぁぁぁぁ、許してくださいー!!」

 

希が外で捕まえたみたいだな。わしわしってなんだ?

 

 

 

「て、アイドル研究部の部長って、あんただったのか。」

「なんであんたがここに来てるのよ。」

「なんでって、俺生徒会だし、部室見に来るって仕事があったんで。別に、そこら辺に揃えてあるDVDとかポスターは捨てないし、持って帰れとも言わないから安心しろ。」

「そう言えば名前聞いてなかったな.....俺は一条伊月。」

「矢澤にこよ。3年生よ。」

「矢澤.....なんか前にそんな名字の小さい女の子助けたな。まぁいいや。部室の視察も終わったし、俺帰るわ。」

「伊月、あなたこの話に関わったんだから最後までいなさいよ。」

「え?俺帰りたいんですけど.....」

「部長さん、いえにこ先輩、私達スクールアイドルやっているんです。だから.....」

「希に話を付けてこいとでも言われたのね。その話ならお断りするわ。」

「え!?なんで」

「あなた達がアイドルを汚しているからよ。あなた達はアイドルが何たるかを何も分かってないわ!!」

 

まぁ、まだ生まれたばっかだからな、そこら辺は多めに見てもいいような気するが.....

 

「にこ先輩、具体的にはどんなことですか?」

「いい!!見に来てくれた人がアイドルに求めるのは夢のような時間。つまり、ちゃんとキャラが作れているかよ。あなた達、ちゃんとキャラ作り出来てる?」

「.........」

 

 

「さっきすごい音したけど、何何!?面白いことあるの!?」

 

 

このタイミングで、那月が来るんかい!!帰れ!!




ちょっと駄文ぽいですが、許してください。


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#31 前へ進む

イベントでURをくれるって、だいぶ太っ腹ですね。ただ、まだメンバーの強化が終わっていないので、中級の曲をやり続けてるので、pt稼ぎがしんどいです。


(^ω^ ≡ ^ω^)おっおっおっ

今の状況を説明しよう。矢澤先輩がアイドルについてご高説してる時に、那月が来た。以上!!

 

「いい、よーく見てるのよ!!」

 

「にっこにっこにー!!あなたのハートににこにこにー!笑顔届ける矢澤にこにー!!」

 

ん?何かが始まった。これはいわゆるキャラアピールなのか......?

だが、練習したあとが見えたり、本人も本気でやってるのが伝わる。確かに今のこの人達に足りないのはこういうところかもしれないな。

 

「え!!すごい、かわいい!!何そのポーズ!!すっごく似合ってるよ!!」

「え、ええっ」

おいおい那月の勢いがすごくて流石の矢澤先輩もたじろいでる。

「ちょっ寒くないかにゃー。」

え?凛、お前さらっと地雷踏み抜くなよ。これはやってしまったな。

「あんた、今寒いって.....」

「あ、いえ!!とても素敵だと思いました!」

「.....出てって。」

『え?』

「いいから出てって。」

 

 

 

 

「で、なぜに俺たちは残ってるんですか?追い出さずに。」

「あんた、さっきのやつどう思った?」

「俺?ふつーにいいと思ったんですけどね。飾ってるDVDとかを見るに、相当アイドルが好きで、だからこそ独力でああいう感じのパフォーマンスを生み出した。自分のキャラを出せてるところがさすがだなと。」

「.......そう、そんな事言われたのは初めてね。」

「初めて?矢澤先輩はかつてアイドルをしていたんですか?」

「.....ええ。にこは1年生の時、今のあの子たちと同じようにスクールアイドルをやっていたの。けど、にこの目標に誰も着いてこれなくて、皆辞めていったの。」

「そうですか.....なら何故彼女たちに力を貸さないんですか?」

「それは.....あの子たちも高い目標にいけないでしょうし、何よりアイドルが何たるかを分からずにやっているからよ。」

「早計ですよ。いけないと決めつけるのは。それにアイドルが何たるかを分かってないと言うのなら、矢澤先輩が導いてあげればいいじゃないですか?」

 

 

「.....何を簡単に、にこはね!!」

「過去に辛い経験をした、だよね。でもだからって今はそうとは限らないでしょ。.....一応これは彼女たちの練習動画だよ。稚拙かもしれないけど、1度見てみて。」

「.......」

「あの子たちは逃げずにめげずに一途に頑張っている。学校を救いたいという思いで。.....絶対に逃げたりしないよ。どんなに険しくても。絵里ちゃん、じゃなかった、生徒会長と対峙したり、観客ゼロだったFIRST LIVEだってあった。それでもこうやって前に向かっている。

.....信じてあげてもいいんじゃないかな。」

 

やっぱりこういう時は、那月が頼りになるな。俺もかつてそういうことがあった時、どれだけこいつに救われたか.......

 

 

「少し考えさせて。今日は帰らせてもらうわ。」

 

「.......お前ってこういう時だけは本当に頼りになるよな。」

「だけっていうのは酷いよ!?お姉ちゃん色々できるからね!!」

「料理もほとんど出来ないお前がか.....」

「痛いとこつかないでよ!!お姉ちゃん気にしてるんだよ!!弟の方が料理できるって!!」

「人には得意不得意があるんだから、別に気にする必要ないだろ。」

「違うよ!!なんというか、女の子の矜恃ってやつだよ!!」

矜恃って.....そこまで気にするのか。

 

 

 

「さっきの話なんだけどさ、伊月。やっぱりまだ人は信じられない?」

「.......ああ。良い奴だって分かっていても信用することが未だに出来ないよ。.....そういうのを悟られないように振舞ってはいるんだけどな。」

「.....辛いよね。」

「いや、女々しいんだよ。辛いと言うより自分が嫌いになりそうだよ。なんでそんなことも出来ないんだって。」

「.....伊月は優しすぎるんだよ。.....あの時だって.......」

「.......もう過去のことだ。今更古傷を抉ろうなんて思わねぇよ。」

「..........これだけは3年前のあの日から埋まらない溝だよね。」

 

 

そう、3年前のあの日から俺と俺以外の人の間には大きな溝がある。

.....那月や親父、黒柳や橘さんがいたからこそ、今はここまで立ち直れたんだがな......憎いよ、弱い自分が。前を向いて進んでいるのに、全く光が見えすらしない。

 

 

「でもお姉ちゃんね、ここに帰ってきた時、少し安心したんだ。」

「どういうことだ?」

「伊月は、あの時とは違った。前に進む決意をしたんだって。お姉ちゃんが知らない2年の間に大きくなったんだなって。.....少し寂しかったけど、嬉しかったよ。」

 

ほんとに、こういう姉を持って、俺は幸せだよ。口に出したら調子にのりそうだから言わないけどな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

 

「那月っち那月っち。」

「ん?どうしたの?希ちゃん?」

「今日にこっちが正式にμ'sに入ったんやって。」

「そうなの!!良かったー。無事解決して。」

「那月っちが裏で少し関わってたらしいやん。」

「私?さぁ、なんのことでしょうねぇ。」

「うちのカードがそう告げとるんよ。それににこっちもうちに『あの、3年のトラブルメーカーがにこに道を示してくれたのよ。』

って言ってたし。」

「にこちゃんから聞いてたんだ.....さては希ちゃん、私で遊んだなー。」

「いやいやー、嘘ついた那月っちにはわしわししてあげるやん♪」

「わしわし?ひゃ!?希ちゃん、そこ私の胸.....」

「うーん、那月っちも中々の物を持ってるやん♪」

「やったなー、やり返しだ!!伊月の姉を舐めないでね!!」

「ほわぁぁ!?那月っち、」

「ふふーん♪形勢逆転☆覚悟してね!こんなでかいのをお持ちで!!」

「那月っちも言うて大きいやん!!ちょ、やめてぇぇ!!」

 

 

 

 

「さて、終わった、終わったぁ。」

「那月っち、容赦ないやん。」

「それで、希ちゃん。私への用事は何?わざわざにこちゃんのことを報告しに来ただけじゃないでしょ?」

「.....鋭いね。そうやね、那月っち、にこちゃんと同じように絵里ちも救って欲しいんや。」

 

 




そうだ、合宿をしよう(唐突)。スクスタの合宿って便利ですよね。
スクフェスでもハロウィンイベント始まりましたし、2人とも可愛いですね。


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#32 リーダー選び

改めて思えば、まだアニメでいうと1期5話くらいまでしか進んでませんね.....そりゃあ本編進めろってなりますよね.....


「絵里ちゃんを救う?どういうこと?」

 

「絵里ち、スクールアイドルの活動に反対してるやん、あれって本当は生徒会長の義務感故なんよ。だから、うちは絵里ちに自分のやりたいことをやってほしいなって.....」

 

「うーん、それなら私よりも伊月の方が適任だと思うよ。」

 

「え?」

 

「だって、伊月も絵里ちゃんと同じ人の前に立つ立場だし、何より同じ生徒会だしね!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「リーダー決め?」

 

「俺絶対いらないよね。帰っていいかな?」

 

俺は別にスクールアイドル部の手伝いをしてる訳じゃないんだけどな.....何故に巻き込まれているんだ。矢澤先輩の1件以来、何故かスクールアイドル部に度々連れてこられています.....真姫め、少し強引すぎるぞ.....

 

「そもそも私が入った時点でこの話はいずれしなくちゃいけなかったのよ。リーダーは誰か?そして、センターは誰かってことを。」

 

「確かに、センターが変われば曲に対するイメージもガラッと変わります。」

 

「リーダーはしっかりした人がいいねー。」

「ふふん!仕方ないわねー、ここは先輩のにこにーが.....」

「海未先輩がいいかにゃ?」

「なんでやねーん!!」

 

こいつら、コントでもしてるのか?正直、センターは曲ごとに決めればいいし、リーダーって、μ'sを作った高坂先輩でいいんじゃないのか?.....これって.....

 

「しっかり云々よりかは、メンバーを引っ張ることの出来る人でいいんじゃないか?リーダーの形は1つじゃないけど、このメンバーだったらその方がいいと思うよ。」

「あんたが言うと、妙に説得力があるわね.....」

「まぁこれでも人を率いる立場にいるんでね。そこら辺は分かってるつもりですよ。」

 

「なら、にこにいい提案があるわ!!」

「じゃ俺帰らせ『逃がさないわよ!!』え?」

「あの、真姫、この手を放してもらえますかね?俺別にスクールアイドル部の人間じゃないから、実力を測るのに俺は不要でしょ。」

「この際よ。1年生組は気になってるのよ。あなたがどれくらい歌が上手くて、身体能力が高いのか。実際、あなたピアノこの前ひいていたじゃない。」

「いや、それとこれとは話が.....」

 

「あ、それ穂乃果も興味ある!!伊月くん、凄そうだもんね。」

「私も〜」

「さすがに先輩方の誘いを断るのはな.....分かりましたよ、行きます。」

 

別に、歌うとか踊るとかはそこまで恥を晒すほど低レベルではないし、見せても特に損はしないか....

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

絵里side

 

「ふふふ、綾瀬絵里さん、分かっていますね?誰かにこのことは話していませんね?」

「はい、ですから早く亜里沙を.....」

「おっと、まだ早いですよ。音ノ木坂学院スクールアイドル部を完全に無くしてから取引をしましょう。失敗したりこの事を誰かに話したらどうなるか.....分かりますね?」

 

「.......」

「では。理事長にいい報告、お願いしますよ。」

 

助けて.....一条くん。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

学校正門にて

 

 

「おい止まれよ。お前誰だ?」

「私ですか?私はこの学校の建築を担当した者です。この学校もだいぶ古くなりましたから、耐震構造について、理事長と話をしていたんですよ。」

「.....そうか。止めて悪かったな。」

 

.....あんな男、見たことないな...あいつらとは関係ないだろうし、誰だ.....?

 

「伊月くん、早く早くー!!」

「アッハイ。今行きます。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「というわけで、歌唱力とダンス、その合計のスコアが1番高い人がリーダーってことで行くわよ!!」

「ぐふふ、高得点の出やすい曲は予めリサーチしておいたわ。ふふふっ、これでリーダーの座はにこのものになるにこ!!」

 

こいつ、きったねぇ!!自分のマウントに入れてからやるのかよ。まぁそれが上手くいくといいのだが.....

 

 

「わああ、93点。」

「これで、全員90点以上よ〜。普段からレッスン頑張ってるもんね♪」

「ば、化け物ぉ.....」

 

まぁでも矢澤先輩も90点以上取ってるんだし、そこまで気にすることないだろ。

 

「最後は伊月くんだね!!」

「え.....結局俺は歌わなきゃいけないの?」

「当たり前でしょ!!あなたが大本命よ!!」

 

さて、何を歌おうかね.....とりあえず『EXIT』にするか

 

 

 

 

「99.702!?」

「凄いです!!こんな高得点初めて見ました!!」

「そりゃどうも。」

 

結果的に1位になった。母さんに昔音楽に関することは色々仕込まれたからな。.......懐かしいよ、あの頃が。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「次はこのダンスゲームで勝負よ!!」

「ふふふ、このゲームは経験してないと全く取れない。素人相手には負けないわ。これは確実ににこの勝ち『なんかできちゃった』えぇーー!?」

「凛、お前なかなかやるな。」

「ふふん!伊月くんにも負ける気がしないにゃ!!」

「じゃあ、勝負するか。」

「2人ともすごいねぇ〜。」

「流石の私でもあの二人には敵いません.....」

「ば、化け物ぉ.....」

 

その後、チラシ配りもやったが、姐さんの圧勝で幕を閉じた。

.......結局矢澤先輩勝てなかったな.....

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「結局決まらなかったね〜。」

「そうですね.....皆それぞれ得意不得意がありますから.....」

「リーダーなら決まっているではありませんか。」

「そうね.....不本意だけど。」

「いつも前だけ見て進んで、皆を巻き込む。このスクールアイドルが始まったのだって穂乃果の思いつきからですし、やはりリーダーは穂乃果ですね。」

「.......そういえば伊月くんは?」

「.......え!?どこいったの?」

「伊月くんって少し距離を置いてる感じがするよね〜。」

「そうだね.....なんか表面上は仲がよく見えるけど、まだ友達とは言えないみたいな感じがするにゃ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「与助、さっきメールで送ったやつの捜索はできたか?」

「うーん、似た人は見つけたけど.......ねぇ伊月、この人、いやこの人達UTXの職員なのかな?」

「UTX?なんでそこで出てくるんだ?」

「 さっき監視カメラを見てみたんだけど、この人達が、UTXに入っていく所を見てね。建築業者という話なら確かに怪しい所はないけど.....UTXに戻るまでに普通の道を使わずに人気のない所を通っているんだ。これは調べた方がよさそうだね?」

「ああ。....さすがに内部事情は分からねぇ。一旦こいつらの情報を手に入れてから、内部調査しないとな。」

「でも伊月は音ノ木坂でしょ?どうやって内偵するのさ?」

「.......親父に頼むか?」

「敬一さんに?でもそれくらいしかないよね.....後処理が思いやられるね。」

「ああ。.....でもそれが一番早いからな。」




会話文の間って、開けた方がいいですかね?アニメ準拠の展開は、早めにやります。


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#33 動き出す歯車

今回はオリジナルメインの話になります。


「親父、少しいいか?」

「ん?伊月か。どうした?」

「.......実は折り入って頼みがあるんだ。」

 

俺はそこから今日見た不審な出来事を話した。因みに、過去に親父がスクールアイドルに携わっているっていったことがあったが、それは、場を切り抜けるための嘘で、本当の仕事はSPである。もともと諜報員をしていたらしいが.....

 

「伊月、まずは音ノ木坂で調べろ。出入りをしてるならそいつから洗い出すのが先決だ。UTXに関してだが.....最近嫌な噂を耳にした。」

「は?そんな噂あるのかよ。」

「ああ。最近UTXの理事長ととある団体に癒着があって、金を払う代わりに、UTXの優位性を保たせるためにあらゆる手段を使っているらしい。例えば.....自分たちより優れているもしくは優位性を揺らがしかねない物を排除してるとか.....」

「もしかしたら.....姐さんの母さんや、絵里が危ない目にあうかもしれない.....」

「安心しろ!!南さんは俺の後輩だし、ああ見えて結構強いんだぜ。」

「.....え?親父と姐さんの母さんって、そういう関係だったのか!?」

 

今日一番の驚きである。じゃあ、ある意味俺と姐さんが会ったのって必然的だったんだな。

 

「ただ、その絵里って女の子は危ないかもしれないな。生徒会長さんか?」

「.....ああ。俺も一応生徒会にいるから、絵里を守ることはできるが.....」

「その家族がどうかは分からないな。だが伊月、お前が今すべきことは音ノ木坂の中で全てを暴くことだ。俺もUTXについては調べてやるが.....相応の報酬がないとなぁ」

 

 

そう、この男は、正式な依頼に関してはそれが誰であろうと報酬を要求するのである。たまたま出くわして助けた時は何も要求しないらしいけど。

 

「そうだな.....明後日の晩御飯は親父の好きなやつにしてやるよ。」

「交渉成立だな。UTXに内偵調査だな。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

 

「絵里、またパソコン作業か.....と思ったらスクールアイドルの動画見ていたのか。あいつら、また新しい曲出したんだ。『これからのSomeday』か。全員で曲を作るって感じか。」

「.....やはりまだまだ未熟ね。」

「そうだね。けど、伸び代はすげーからな。ところで絵里」

「どうしたの?一条くん?」

「校舎の耐震構造に関する改築を話に来た人っていましたか?」

「いえ.....そんな人はみていないけれど。」

 

ん?絵里の首元になんか赤いのが着いてるな。.....まさかこれって盗聴器?一体何故?

 

「確認のため一緒に理事長室に行ってもらってもいいですか?」

「ええ。私も理事長からそのような話は聞いていないし、もし工事をするなら張り紙も作らなきゃいけないし。」

 

まだ、盗聴器を取り外す時じゃない。今動けばこっちの負けだ。少し揺さぶりをかけるしかない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「理事長失礼します。」

「あら伊月くん、どうかしたのかしら?」

「理事長、最近建築関連について業者が来ませんでしたか?」

「いえ.....来ていないわ。それにそういうことはだいたい秋にくるのだけれど.....」

「いえ。来たか来てないかだけ分かれば十分です。失礼しました。」

 

 

「私着いてくる必要あったかしら?」

「一応俺だけで行ってもあれだからね.....それに、今ので理事長も大体察してくれただろ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「どうやら変な虫が嗅ぎ回ってますね。」

「男の声か.....確かあそこは女子高のはずだが。」

「いや、それだが今はテスト生とやらが来ているみたいで、その人間は.....」

「黒獅子か。あの男に気づかれるのはかなり厄介だぞ。」

「大丈夫てすよ、ボス!!こっちの盗聴器には気づいてないでしょう。」

「まぁそうか。気づいていたらあんな大胆には動かない。」

「おやおやあなた達、計画は順調かしら?」

「.....理事長でしたか。ええ。今のところ万全ですよ。.....ひとつの問題点を除いて。」

「問題点?それはなんですの?」

「黒獅子がこれに関与するかもしれないということです。音ノ木坂にスパイを作りましたが、まさかその女と黒獅子に関係があったみたいです。」

「分かりましたわ。では黒獅子には、刺客を数十人送っておきましょう。.....全ては我が校、そして私の名声のため。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして、俺は放課後1人帰っていた。俺は別にスクールアイドル部のお手伝いでもなんでもないので、よく1人になる。.....今日はそれで良かったと思える。

 

「おい止まれ!!警察だ!」

「ん?警察?俺が何したって言うんだよ。」

「黒獅子.....いや、一条伊月、お前を逮捕する。」

「捕まってたまるかよ。」

「くそ、待て!!」

 

俺はそのまま路地裏に警察をおびき寄せた。

 

 

 

 

 

「で?偽物の制服を着て警察ごっこか。」

「な、何を!?私は本物の警察官だ!!」

「じゃあなんで逮捕状を持ってないんだよ。現行犯にしろ俺は何もしてない。そこらへんの詰めの甘さが酷いぞ。それにそれ、裏サイトで手に入れた警官服だろ?そこの紋章とかも少し違うし、それくらい考えろよ。」

「.......」

「で、何のつもりか知らないけどどうしてそこら辺から殺意がもれているんですかね?」

 

うわぞろぞろ出てきたよ。パッと見20くらいはいるのか.....しかもどいつも体がごついな。雇われか。

 

「仕事でお前を潰せとの命令があるのでね。悪いが死んでもらう。」

「おいおい、たかが高校1年に対して大の大人が寄って集ってとかださすぎでしょ。」

さすがに死角を狙われるのはきついし、相手は多分プロだから勝ち目は限りなく0に近い。

「ふん、なんとでも言うがいい。死ね!!」

 

 

 

 

 

 

「ち、こいつなんてしぶといんだ。」

「さすがに、20対1はきつい。.....ぐふっ。」

 

俺もかなりダメージを受けている。20人中8人は気絶させられたが、死角から掴まれたり殴られたりで、もうオレノカラダハボドホドダァ。おまけにサイレンサー付きのハンドガンで左肩を撃ち抜かれたから、動きもだいぶ鈍っている。

 

「お前らに....警告しておく。ここは俺のテリトリーだ。それなのにお前らはのこのこ入ってきた。.....何が起こるかも知らずにな。」

「あ?てめぇ負け惜しみはかっこ悪いぞ。さっさと死にやがれ!!」

 

「伊月様、遅れて申し訳ありません。与助様に機械の使い方を教えており遅れました。」

「遅いぞ。透谷。俺の死角をカバーしてくれ。.....俺も戦う。俺のテリトリーで汚いことをしたやつを.....俺は許さない!!」

「はっ。しかし伊月様も重傷を負っております故、無理のなさらないよう。」

 

 

そこから透谷のおかげで、やつらを殲滅させることが出来た。だが、俺は相当の傷を負ってしまったがな。

 

 

「すまない.....透谷。力を借りてしまった。」

「いえ、主の為に戦うのは従者兼記録係である私の義務ですので。」

「そうか.....悪いが肩を貸してくれるか?基地まで.....頼む。」

「.....伊月様、無茶が過ぎます。何故拳銃を持つ集団に素手で挑むのですか。.......この傷だと全治までかなりかかりますね。」

「まあ、な。それまでは.....休まないとな.....」

「伊月様、先程の者たちの雇い主が分かりました。UTXの理事長のようです。」

「そうか.....すまないな。」

「あともうひとつ、どうやら奴らは人質を抱えているようです。場所も割れています。伊月様が動けるようになり次第行きましょう。」

「.......分かった、すまないな。」

 

 




『EXIT』という前回伊月君に歌わせたやつなんですが、あれAJISAIのEXITなんですよ。AJISAI知ってる人いますか?僕の周りの人は誰も知らないんですよ。


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#34 ( ^ω^)おっ

他の作者さんの作品を読んでると、凄いなぁといつも思います。キャラの演出が巧みですね。
タイトルはふざけてますが、内容は真面目ですよ。


「伊月君今日も来ないねー。」

「そうだね、..あれから3日連続で来てないね。どうしたんだろ?」

「先生も特に理由を教えてくれなかったし.....何かあったのかしら?」

「真姫ちゃんって、伊月君が関連すると少し目の色が変わるにゃ。」

「なっ.....ど、どういうことよ!?べ、別に私はあいつを意識したりしてないからね!!」

「そういう所だにゃ。真姫ちゃん照れ屋さんにやー。」

「凛ちゃん.....あんまり真姫ちゃんをいじったらだめだよ。」

「だから!そういうのじゃないってば!!聞きなさいよ!!凛!!」

「うーん、でも伊月君って不思議だよねー。凛も初めてというか話した時凄い落ち着くにゃ。」

「それは私も.....私人見知りだけど一条くんと話してる時はそんなに気にならないんだ。」

「.....私もそうよ。中学の時とか、男子は大抵下心を持って寄ってきてたけど...伊月はそんなのが全くないのよね。そういう所がいいのかしら。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「いてて.....傷は大抵治ったからいいが、やっぱりダメージは残るんだよなぁ.....不便な体だぜ。」

「伊月様、普通の人間は銃弾で撃ち抜かれた傷が3日で治る人は存在しません。.....気をつけてくださいよ。」

「ああ。分かってるよ。透谷、人質の場所はどこだ?」

「ここから約1kmの、雑居ビルの3階にいます。伊月様のお父様が見つけてくれました。」

 

.....やっぱあの親父は普通じゃないな。ここまで情報を仕入れるとは。

 

「あとお父様の伝言で、怪我が治ったら俺が好きなリゾットでも作ってくれとの事です。」

「分かった。じゃあ、行くか。」

 

 

 

「兄貴、俺達もお供いたします。」

「ああ。助かる。お前らで今からグッチョッパでもしてくれ。」

「え?何でですか?」

「3手に分かれる。1つは俺が、2つ目は透谷、3つ目は与助をリーダーとして動く。.....だから俺のところに7人。透谷と与助の所に6人で分かれてくれ。」

「あい、分かりやした!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あそこか.....門番のようなやつがいない.....奇妙だな。」

 

俺たちは、今人質が捕まっているとされている雑居ビルの前にいる。人通りがある程度ある場所だからここは確かにマークされにくい場所だな.....

 

「ここだな.....おい!!お前ら何してるんだ?」

「うん?なんだお前?俺たちの部屋に乗り込んで何の用だ?」

「ちょっとどいてもらおうか。俺たちの仲間がここに誘拐されたらしいんでね。」

「お前たちの仲間?.....まさかあの女吐いたのか?」

「あの女.....?どういうことか話してもらおうか。」

「んんーーーー!!んんー。」

「なんかの声?中に入らせてもらおうか?」

「ちっ、おい!!お前らやっちまうぞ!!」

「ふん.....こんな狭い通路でやったのが間違いだったな。」

 

 

 

 

 

 

 

「さてとぉ、一通り片付けたし.....お前らこいつの事頼むわ。」

「了解しやした...兄貴これを持っておいてください。」

「BB弾?......まぁとりあえず貰っとくよ。」

 

 

 

「おい!!動くな!!この女がどうなってもいいのか!?」

「亜里沙!!お前何してんだよ。.....て言っても口塞がれてりゃ答えられないか。」

「今すぐそこに座れ!!そして命乞いをしろ!!」

「.........」

「あと残念だっな!!お前が動いたせいで、あの女も終わりだ!!今俺たちの仲間が音ノ木坂に向かっている。お前のせいでこの女もその姉もお前もここで死ぬんだよ!!ざまぁみろ!!あと、貴様らの基地も場所が割れている!!警察にも突き出した!!お前は本当に終わりなんだよ!!」

 

 

「長々とご高説ご苦労さま。けど、君たちのその作戦にはひとつ穴がある。.....動きを読まれた時どうするか.....それを考えるべきだな。」

「負け惜しみが!!往生際が悪いぞ!!」

「負け惜しみ.....それがどっちか今に分かるさ。」

「な!?貴様ハンドガンを!?」

「俺は動いちゃいないさ。亜里沙を撃ってみろよ。俺がお前の脳みそをぶち抜いてやる。」

「血迷ったか!?ああお前のせい....痛!?なんだこれBB弾!?」

「こっちが本命だよ!!くたばれ!!」

 

 

 

 

 

 

「亜里沙、大丈夫だったか?」

「黒獅子さん.....いえ一条さん、助けてくれてありがとうございました!!でもお姉ちゃんが.....」

「大丈夫だ。俺はそこまで間抜けじゃねーよ。絵里の所にはもう他のやつが行ってくれてるからさ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「なんだ!?こいつ、化け物だぁぁ!!!」

「ふん、この程度でいけるとは、我が主も随分と甘く見られたようですね.....伊月様を侮辱するような行為をしたこと、その身を持って後悔させてあげます!!」

 

 

 

 

「警察だ!!ここを不正利用してることは立派な犯罪だ!!責任者を逮捕する!!」

「ああ、責任者は僕の事ですか?でもここはちゃんと契約して手に入れた場所ですし...不正利用ではありませんよ。ほら、これが証明証です。」

「(この子可愛いな。).....では何に使っているのだ?反社会勢力や暴力団関係が使用しているなら許されないぞ。」

「僕のラボですよ。何せ爆発等の音は地上では迷惑ですし、こうやって安全な地下でやっているんですよ。ほら、これとか声で動く電子レンジとか.....」

「そうか。失礼致しました。そのようでありますから、怪しいものではなさそうですね。では本官はここで。」

「はい、お仕事ご苦労さまです。」

 

 

 

 

「与助さん、演技が上手いですね。」

「まあね、ここに土足で入り込まれたら伊月に怒られちゃうからね.....」

「(仕草がいちいち女の子っぽいな。)」

「所で与助さん、昨日の夜から洗濯機が使えなくなっているんですが.....」

「.....僕だね。ごめんね、また新しいのを買うよ。」

『(いやその前に機械の扱い方を学べよ!!)』

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「で、亜里沙、家に帰るのか?」

「しばらくは.....帰りたくありません。一条さんと一緒に過ごしたいです!!」

「親御さんが心配すると思うんだが.....それはいいのか?」

「まだ誘拐されているという設定にしておけば大丈夫ですよ。」

「まじか.....まぁ別にいいか。じゃあ中学もまだ休むってことか?」

「はい!!そういうことになります!!」

 

なんで生き生きしているんだ?.....とは言っても今は夕方。暗くなればまた変なのが湧き上がりそうだからとりあえず連れて帰るか.....

 

「あれ?伊月さん、カラコンでもしたんですか?目が緑色になってますが.....?」

「!?.......そうなんだ、こうした方が少し威圧感が出るかなってさ。」

「伊月さんもおかしなことを言うんですね。」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「皆に紹介しよう。この子は絢瀬亜里沙。しばらくここにいることになった。仲良くしろよ。」

「絢瀬亜里沙です!!よろしくお願いします!!」

(か、可愛い.....)

「全く伊月様もお人好しですね.....絢瀬様、ここでの生活は他言無用で。ここにいるためにはそれを守っていただきます。よろしいですね?」

「はい!!分かりました!!」

「じゃ、新しい仲間が出来たということで、乾杯!!」

『乾杯!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、亜里沙、ここに来た本当の目的はなんだ?」

「.....お姉ちゃんを救って欲しいんです。お姉ちゃん、学校の事が好きなのに、学校のことを紹介する時すごく辛そうな顔をしているの。.....だから助けて欲しいなって。」

「.....絵里か。今はお前の1件で頭がいっぱいだろうな。その上学校は廃校の危機ときた。.....相当疲れているだろうな。」

「私、お姉ちゃんに何も出来なかった.....ねぇ、一条さん、ううん、伊月さん!!そういう時ってどうしたらいいんですか?」

「俺にも分からないさ....何が最適なのかって。でもな、助けることは出来なくても共に背負うことは出来る。」

「共に.....背負う?」

 

「ああ。責務とかに苛まれるのは大体1人で抱え込んで、自分を押し殺してしまうんだ。.....だからさ、それを一緒に背負ってやるんだ。そしたら、相手は1人じゃないし、自分も相手の事が分かる。.....上手くいくかは分からないが、それもひとつの救うって形のひとつだ。俺はそう思う。まぁお前は絵里と歳が離れてるから今はそれが出来ないけどな.....いつか誰かがそうなった時、手を差し伸べてやれたらいいんじゃねーの?」

「.....うん!!ありがとう、伊月さん!!」

「どういたしまして。」

 

 

 

 

 

 

あ、でも俺が亜里沙と一緒に過ごしましたって、絵里にバレたら俺マジでおわるかも。

 




少し長くなってしまいましたね.....次回からアニメ準拠で進めます。


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#35 vsテスト

定期テストって、教科によって、難易度が差が凄いですよね


「(*・ω・)ノ、皆元気だった?四日ぶりかな。」

「伊月くん!?やっときたにゃー!!」

「今まで何していたんですか?」

「まぁ色々な。.....俺も忙しいんでね。」

「そういえば伊月、来週に定期テストあるってあなた知ってる?」

.....え?定期テスト?

 

「定期テスト?ナニソレオイシイノ?」

「あはは.....一条くん、今回は社会大丈夫なの?」

「大丈夫なわけないだろぉ!?訳の分からない単語多すぎなんだよ!!」

「凛も英語だけは本当にだめだにゃぁ。」

「これはまた勉強会開かないとね.....伊月、今回はみっちりいくわよ!!」

「真姫が一瞬悪魔に見えたのは俺だけかな?いや.....小悪魔?」

「今はどうでもいいでしょ!?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「絵里、最近元気ないけど大丈夫か?」

「.....ええ。特に問題はないわ。」

 

亜里沙の事で悩んでんのか?.....でも今はまだ言うには早いんだよな。

まだあいつらを完全に倒せた訳じゃない。もし今明かせば、絵里も亜里沙も安全が保障できなくなる。.....それだけは防がなきゃな。

 

「希、一条くん、一緒に着いてきてくれる?オープンキャンパスについて理事長と話さなきゃならないの。」

「ええで。」

「ああ。俺も理事長とは話さなきゃならないからな。」

 

 

 

 

 

 

 

「何故ですか!?理事長!?」

「ですから、オープンキャンパスにおけるあなたが提案した生徒会の活動は認められません。」

「なぁ希、絵里と話す時の理事長って、少し強ばってないか?何かあるのか?」

「伊月くんには.....いずれ話すよ。ところで伊月くんが理事長と話したいことってなんなん?」

「あ、それは、この学校のセキリュティのこと。最近変な奴らがこの学校を出入りしてるんだけど、そこら辺が少し不安だなってことだよ。」

「怪しい人なんか見たことないけどなぁ。」

「まぁそうだろうよ。放課後に来てるんだから生徒の目につかないのも無理はないけどな。最近希も生徒会来れてなかったらしいけど。」

 

 

 

「2人とも部屋から出てもらっていいですか?少し伊月くんと話をしなければならないから。」

「.....はい。失礼します。」

 

 

「で?伊月くん、話って何かしら?」

「親父からメールを貰っているでしょうが、不審な奴らがこの学校に出入りしてたりと蠢いているんですよ。」

「ええ。先輩も同じようなことを送ってきたわね。けれど、私も放課後軽く見て回ったけど、そんな怪しいやつなんかいなかったわ。」

「それが.....生徒会長がそいつらに絡まれているんですよ。この前は透谷達を学校の前に配置したから辛うじて校内衝突を避けることは出来たんですが、今後起きないという確証もない。だからお願いしにきたんです。」

「さっき首元に何か付いていたけど、あれは恐らくGPS付きの盗聴器ね。でもね、伊月くん、私はそんなに強くないわよ。か弱い女性よ♪」

「親父から聞きましたよ。お義母さん、昔親父に護身術とか教えてもらってたんでしょ?」

「お義母さんだなんて.....気が早いわね、伊月くん♪」

「そういうことじゃないんだけどな.....だから理事長、俺たちでなんとか出来ない部分のカバーをお願いします。」

「生徒の身が危険に晒される可能性があるなら黙ってはいられないわね...分かったわ、可能な限り協力するわ。でも、先輩が動いているならそこまで心配は要らないと思うわよ。」

「ありがとうございます。親父の伝言ですが、『南さん、元気か?伊月のカバーを頼む。あと、また今度哲二と橘さんと4人で飲みに行こうぜ!!』だそうです。」

「ふふ、先輩らしいわね。.....何か外が騒がしいわね。何かしら?」

 

 

 

「どうしたのかしら?皆揃って。」

「あ、理事長!!お話があるんです!!」

「だからクラブの申請は原則生徒会を通してからよ。」

「まあまあ理事長に直談判はダメってルールはないし、話すだけ話させてもいいんじゃないか?」

「ふふ.....今の言い方、先輩に似てるわね。懐かしいわ。」

 

 

 

「ラブライブ?出ていいんじゃないかしら?」

「え!?本当ですか!?」

「理事長!!」

「別に出るだけならいいんじゃないかしら?けれど条件があります。

クラブ活動も大事ですが、学生は勉学も大事にしなければなりません。だから、次の期末試験、赤点がなければ、ラブライブエントリーは認めましょう。.....あと伊月くんもね。」

「え?何故に俺まで?俺別にスクールアイドル部に関わってませんが。」

「でも、ここにいる子達は伊月くんと那月ちゃんが関わっている子が多いじゃない?那月ちゃんは前回のテスト全部95点以上だったみたいだし。伊月くんも生徒会なら生徒の模範とならなきゃだめでしょ?その人が赤点取ってたら話にならないしね。」

「.....もし俺が取れなかったら?」

「うーん、その時はラブライブにエントリーする話は無くなるわねぇ♪」

 

 

.....意味が分からん!!何故にこの人は俺まで巻き込むんだ!!

というか多分この状況を楽しんでるな。

 

「.....理事長命令なら仕方ありませんね。」

「でも赤点を取らないくらいなら大丈夫.....」

『はぁ...』

「あ、あれぇ~」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「申し訳ありません!!」

「ません!!」

「なんか.....すんません。」

「昔から知ってはいましたが、穂乃果.....」

「数学だけだよ!!ほら、昔から算数苦手だったでしょ!?」

「7×4=?」

「にじゅう.....ろく.....」

 

おいおい、九九は小学二年生で習うやつだろ?それでよく高校合格出来たな.....

 

「凛は英語!!英語だけはどうしてもだめだにゃぁ。」

「英語、難しいよね。」

「そうだよ!!大体凛達は日本人なのに、どうして英語をやらなきゃいけないの!?」

「屁理屈はいいの!!」

「真姫ちゃん怖いにゃ~。」

「これで赤点取ってエントリー出来ないなんてなったら恥ずかしすぎるわよ!!」

 

 

「伊月くんは?」

「俺は社会です。用語とかを聞くといつも頭が痛くなるんですよ。」

「でも、一条くん、前回のテスト、3教科満点だったよね。」

「ま、満点!?一条さん、あなたそんなに頭がいいのですか!?」

「まぁ、俺らみたいな人は頭悪そうに見られがちだが、案外勉強できる人多いんだぜ。」

「それで何故社会だけできないんですか!?」

「もう分っかんないんだよ。本当に用語が身近じゃないから尚更嫌になるんですね。」

 

 

「にこ先輩は?」

「な!?に、にこにーなら余裕よ。赤点なんて取るわけないじゃない?」

「矢澤先輩、教科書上下逆ですよ。」

「それならうちに任せて。」

「希先輩、いのですか?」

「ふん!!さっきから言ってるでしょ!!にこにはそんなの必要」

『がしっ!!』

「嘘つくと、ワシワシするよー♪」

「わ、分かりました。.....教えてください。」

「はい、よろしい。あともう1人来てるよ。」

「やっほーー!!スクールアイドルの皆さん!!」

「那月、お前何故に来た?」

「希ちゃんに呼ばれてね!!勉強会やるの?」

「は、はい。」

 

那月の勢いって、あの高坂先輩すら超えるのか。

 

「では、私とことりは穂乃果を、真姫が一条さんを、花陽が凛を、希先輩がにこ先輩をという形で、やりましょう。」

「よし!!明日から頑張ろう!!おー!!」

「今日からです。」

「あぅぅぅー。」

「えーと、凛ちゃん?だっけ?あなた英語苦手なの?」

「は、はい!!そう.....です。」

「固くなる必要ないよ。私が教えてあげるから、花陽ちゃんは、伊月を見てあげて。多分だけど、1人の手に負えないほどの要領の悪さだからね。」

「は、はい。分かりました。」

 

 

こうして、俺たちのテスト勉強会が始まった。.......絵里のマークを甘くしてしまった状態で。




主人公が主人公故に、少しオリジナル要素が強めになってしまいますね.....凛ちゃんの「ガッコウノキョカァ?ミトメラレナイワァ」を入れるタイミングを失いましたし。


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#36 親世代の戦い

昨日10連したら、新規UR穂乃果と絵里ちゃんのURが出ました。多分今月分の運を使い果たした気がします。


「まさかここまでとはね.....」

「一条くん、これはさすがにまずいよ.....」

今軽く真姫と花陽が作った小テストを解いたら、まさかの0点でした。これは流石にまずいな.....

 

「ことりちゃん」

「なぁに?穂乃果ちゃん、あと1問だよ。」

「おやすみぃ。」

「あ、穂乃果ちゃん!!穂乃果ちゃ~ん!」

 

「ほら、ここの問題はどうするんや?」

「えっとここの問題は.....にこわかんなぁい。,.....や、辞めて!!わしわしは辞めて!!」

「ふざけてるとわしわしするよー。」

 

「はぁ。」

園田先輩が完全に呆れ果ててますよ。かく言う俺もその原因のひとつでしょうけど。

「ことり、私は弓道部に行くので、穂乃果をお願いします。」

「分かった!!穂乃果ちゃん、起きて!!」

 

 

「あー!!白いご飯にゃー!!」

いやいや凛よ、さすがにそれで騙されるやつはいないだろ。

 

『え!?どこどこ?』

え?花陽と那月騙されてるじゃん。お前ら大丈夫かよ。

「そんなんで騙せると思ってるの。」

「那月、お前こんなのに引っかかってどうするんだよ。」

「し、仕方ないじゃん!!迫真の演技だったんだから!!」

「いや、言い訳になってねぇぞ.....」

 

こうして俺たちのカオスな勉強会が始まった。.....本当にこれで大丈夫か。

 

 

 

.......嫌な予感がする。

 

「すまない。一時的に抜けさせてもらう。後で戻る。」

「ちょ!?伊月、どこ行くのよ!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

絵里side

亜里沙が誘拐されてからあれこれ2週間。「妹を返して欲しければ、音ノ木坂にあるスクールアイドルを潰せ」それが指示だった。相手のやりたいことが全く分からない。どうしてそこまでこの学校に拘るのか。.....そして何より、GPS付きの盗聴器を付けさせられている。だから外したりしたら亜里沙が.....

 

 

「ちょっといいかしら?」

「先生?何か御用ですか?」

「あなた、まだあのアイドル部を潰せていないじゃない。どういうことかしら?」

「生徒会の権限で、部活を無くすことは出来ないんです。だから.....」

「言い訳をするのですか。早くしてください。さもなければあなたの妹は.....」

「.....分かっています。」

「.....これは命令です。彼女達を襲いなさい。その為の人員は渡します。彼女達が動けなくなるくらい痛めつけても構いません。あなたが主犯だということは揉み消しますので。」

 

.....これは嘘だ。私は感じた。おそらく校内で事件を起こして、アイドル部を潰してこの学校の評判を下げるつもり。.....私は黒幕と出会ってしまっているから、それが分かっている。

 

「.....分かりました。.....でも亜里沙は返してください。」

「それはわかっているわ。でもあくまで成功したら、よ。」

 

 

 

 

「へぇー。いいこと聞いちゃったな。ね、理事長。」

「ええ、そうね。伊月くんの言う通り怪しい人がいたわね。」

「でも、まさか教員までもが間者になってるとは.....」

「そうね.....ここ数日少し観察したけど、確かに不審な動きは多かったわね。」

「.....スクールアイドル達は俺に任せてください。.....守り抜きます。」

「そういう所は、ほんとお父さん譲りね。分かったわ。なら私は.....綾瀬さんの身の安全を保障しなければね。.....そういえば先輩は何をしているの?」

「親父ならおそらく.....多分もう乗り込んでると思いますよ。」

「え!?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

UTXにて

「よう、桝井。20数年ぶりか。お前も随分と過激になったもんだな。」

「一条.....敬一....!」

「なぁ、昔からそうなんだが、実力を磨いて頂点に立とうと思わないのか?やり方が汚いぞ。」

「そうね.....私はあなたと黒柳のせいで、いつも学力は3番手だった。それが憎かった.....何より、自分より上に人がいるのが気に入らなかった。.....私こそ頂点にいるべき人間、その名誉のためならどんな手を使う。」

「ほんと、変わらないな。お前は勉強はできるが.....人間性という面は全く成長してねーな。それもこれもお前が「あの財閥のおこぼれ」として冷遇されたからか。」

「黙れ!!私は優秀なんだ.....財力も地位もあるのよ。」

「.......そんなもん、意味はねぇよ。お前は子供だ。自制を知らないバカだ。現実と向き合えよ。それが出来てりゃお前はあの財閥御曹司より良い人間になれたんだがな。」

「.....だがお前には知られてしまった。ここから生きては帰さん。」

「.....烏合の衆で俺を殺せるとでも思ったのか.....俺も随分と舐められたもんだな。それにここは学校。生徒がいないから来たってのに、騒ぎを起こせば他のやつに勘づかれるんじゃないのか?」

「それはないわ。この部屋は防音加工してるの。ちょっとの音くらい消せるわ。」

「.....ここは学校だよな?なんだこの悪のアジトに乗り込んだみたいな雰囲気。一応拳銃持ってきておいて正解だったぜ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「さて、どうしたものか。」

「伊月くん、今日家にこない?少し話しましょ?」

 

.....え?家?

「姐さんの家に行くんですか?」

「ええ。最近ことりも『伊月くんとせっかく会えたのに全然話せてないんだよね.....』って悩んでたし。.....まぁそれはあくまでついでよ。」

「分かりました、行きましょう。」

 




短いですが、お許しを。また今晩投稿しますので....今日遠足で、書く時間が少ないんですよ。

あと、こういう感じのやつかいてほしい、もしくはこのキャラメイン(オリキャラでも)の話が欲しいというリクエストがあったら、感想かコメントで送ってください。なるべく対応します。


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#37 南家でお泊まり会 前編

清水寺って、今修繕中なんですね。驚きました。



「もしもし、那月か。」

「ん?どうしたの、伊月?」

「今日、姐さんの家に泊まってくるよ。」

「.......は?」

 

いや怖ぇよ。ガチトーンで、は?とか言われたら正直ビビるわ。

 

「伊月、あんたまさか...」

「姐さんのお義母さんに誘われたんだよ。.....お前も薄々気づいているとは思うが、今学校に魔の手が伸びている。その対策を話に行くだけだよ。」

「ことりちゃんのお義母さんが!?まさか.....」

「おい!その先を言うな!!タグを追加しなきゃいけなくなるだろ!!」

「何をメタい話を.....まぁいいよ。でも伊月、Hするならちゃんと避妊具付けなよ。」

「だからしねぇって言ってんだろ!!.....那月、親父は帰ってるか?」

「お父さん?普通に今ソファでグーグー寝てるけど。」

 

あの男マジなのか?今日乗り込んでもう帰ってきてるのか!?

 

「お父さーん、伊月から電話だよ。」

「.....ふわぁーーー。ん?電話?」

「おい親父、頼んだ仕事はちゃんとしてくれたか?」

「ああ。危うく集団リンチに合うかと思ったがな!!みんな弱くて、統率力無くて助かったわ!!」

「.....全く変わらずの化け物だな、あんた。」

「そりゃどうも。.....伊月、今回の件だが俺たちもやらなきゃならないことが出来た。」

「?なんだそれ?」

「今回の騒動の黒幕は.....俺たちのかつての同級生でな。俺や黒柳とも顔見知りなんだ。だから俺たちでケリをつけさせて欲しい。」

「.....分かった。きっちりケリをつけてくれ。」

「あと最後に1つ報告だ。その主犯はな....奴らの仲間、というか血族だ。」

「!!!!!それは.....本当なのか?」

「ああ。おこぼれとは言え、血族なんだ。どういうことか、分からないことはないだろ?」

「あいつらがまた本格的に動き出す.....」

「だが伊月、落ち着け。今はまだあいつだけだし、今回俺を襲った奴らもただの雇われで訓練を受けたとかはなさそうだ。」

「............分っている。」

「すまないな。折角のお泊まりの前にこんな話をして。たが、お前には知っていて欲しかったんだ。」

「.....了解した。じゃあ切るぞ。」

「あ、そうだ伊月!!南さん、もしくはその娘さんを雰囲気に流されて襲うなよ!!」

「うるせぇよ!!お前ら揃って俺を獣だと思ってんのか!?」

「だって.....なぁ、那月。」

「うん、伊月だって、もう...感じるのかなって。その、ね。あ、もし我慢出来なくなったらお姉ちゃんが相手になるからね。いつでもばっちこいだよ!!」

「もういいわ!!切るぞ!!」

「伊月、ちゃんと南さんの家に行く前に何か手土産買っていけよ。失礼のないようにな。」

「分かった。じゃあ今度こそ切るぞ。」

 

あいつ最後だけ父親らしいこと言っていったよ。

読者の為にも言うけど、俺は決して性欲とかないからな!!勘違いだけはするなよ!!

 

.......て何言っているんだ、俺は。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まだ夜は涼しかった。珍しく人通りも少なく、俺の気分を落ち着ける為にはちょうど良かった。.....まさかあいつらがまた関わってるなんて.....心の奥にある黒い炎が轟々と燃えている。...だが、感情に流されてはならない。

「伊月様...」

「透谷(とうこく)、.....俺は、あの時を思い出すよ。.....頭では分かっていても、やっぱり感情に流されそうだ。」

「伊月様.....私とて気持ちは同じです。あのような汚い暗躍をしている輩を見ていては、 反吐が出ます。」

「お前は正義感が強いな.....俺はな、心の奥に復讐心があるんだよ。」

「.....この話は、今は辞めましょう。これから南さんの家に行くのですから、少しくらい気分転換をしなくてはいけませんね。」

「ああ。少し走っていくか。体動かせば少しは気が楽になるだろうな。」

「はい。お供致します。」

「透谷、お前はもう帰れ。今日の付添はここで終了して構わない。」

「しかし、伊月様に何かあれば.....」

「俺は大丈夫だ。だから休め。」

「.....分かりました、夜道は背後に気をつけてください。私は巡回でもしていましょう。」

「休めよ.....まぁ、お前の自由に過ごせ。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「いらっしゃい、上がってね。」

「あ、これは軽い差し入れみたいなものです。」

「あら、チーズケーキじゃない!?嬉しいわ。後でことりと2人で食べるわね。」

「あ、伊月くん!!いらっしゃい!!」

「姐さん、お邪魔します。」

 

 

 

「伊月君の分もご飯作ったから沢山食べてね。」

「ことりも、お手伝いしたんだよ♪だから、残さず食べてね♪」

「お気遣い感謝します。では、いただきます。」

「そんなにかしこまらなくてもいいわよ。」

 

いや、うま!!何これ、どうやってタレとか作ったんだ?しかもこの唐揚げ、肉汁がすげぇ出てくるな。.....これはすごいや。

 

 

「どう?おいしい?」

「はい。本当に美味しいです。今度作り方とか教えてくれませんか?」

「うん!!今度また暇があればことりと料理しようね!!」

「これ、姐さんが作ったんですか!?すごいっすね。」

「えへへ.....伊月くんに喜んで欲しかったから張り切っちゃった♪」

 

.....姐さん、普通に男の心掴み方を知ってるのかな.....多分これが自然なのだから、恐ろしいな。

 

「因みに私が作ったサラダは?」

「繊維の切り方はちゃんとしてますね。やっぱり長年やってると分かってるんですね。」

「あらあら伊月くん♪大人の女性に年齢を示唆させる言葉を言うのはタブーよ♪」

 

.......姐さんのお義母さんも殺気がえぐいな。こんな笑顔なのに、寒気がする。

 

「.....別にそういう意味で言ったわけじゃ.....すみません.....」

「次からは気をつけるのよ。でも褒められたのは素直に嬉しいわ♪」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ことり、とりあえず食器は片付けておいてあげるから、部屋で宿題しなさい。明日小テストがあるんでしょ?」

「あ!忘れてた.....勉強しなきゃ〜。」

 

 

 

 

 

「さて、伊月くん、話を始めましょうか。」

「はい。.....親父は本当に今日UTXに行ったみたいです。主犯というか黒幕は、そこの理事長、親父の同級生らしいんですよ。」

「.....桝井先輩?かしら?」

「名前までは分かりませんが、親父にも嫌悪感があるみたいなんです。」

「.....そう、ありがとう。」

「でも、主犯が分かったからと言ってあいつを捕まえることは出来ない。なんせ、他人の手を染めさせて自分は高みの見物ですから。」

「大丈夫よ。黒柳さんに任せておけば、ね。あの人、癒着とかそういうことにすごく強いから。」

「だから、それまでは音ノ木坂の生徒の安全を守るのが俺たちの仕事、ですよね?」

「ええ。お願いするわ。.....あなたの事だから、もう人質とか解放してるんでしょ?」

「まぁ.....。ただ、迂闊に動いてしまったような気がすごくしますけどね。」

「....確かに時期尚早かもしれなかったわね。....でもカバーの効く失敗だから、そこまで深く思い詰めることではないわ。」

「はい、でもそこは反省します。」

「.......ところで伊月くん?何か悩んでいるの?あなたの目、少し不透明よ。先輩も昔、悩んでいる時はそういう目をしていたわ。」

「.......いつまでも過去を引きずっている自分に嫌気が差して。.....まだ俺は3年前のあの日から抜け出せないんです。.....頭では分かっていても、心の奥に復讐心が残っているんです。今回の主犯は、奴らの血族なんですよ。.....」

「伊月くん、あなたの3年前のことは分っているわ。勿論気持ちも痛いくらいに分かる。.....けどね、その人は3年前の事件に関わっているわけではない。だから、血族というだけで人を憎んではいけないのよ。」

「.....だから辛いんですよ。頭で分っているんですけどね。」

「.......よく悩みなさい、伊月くん。あなたが考えてあなたの道を歩むのよ。もしそれが間違っていたのならば、その時は私たち大人が教えてあげるから.....悩み抜くことも大人になるための大切なことよ。」

「.....ありがとうございます。」

 

 

「さて、暗い話は終わり!!少しは楽しい話をしましょう。どう?学校生活は?」

「.....楽しいですよ。最初はぼっちになる未来しか考えてませんでしたが、良い奴も沢山いて、色々絡んだり。」

「そう。良かったわ.....好きな子とかはできた?」

「まさか。恋愛なんてありえないですよ。」

「そう?じゃあ、もし大人になっても独身のままなら、ことりをよろしくね。」

「え?姐さんとか、すぐ貰い手見つかりそうな気がするんですが...」

「あの子は少し人見知りなところがあるから、グイグイ来る人とか苦手なのよね.....それにあの子、男の子の友達があなたしかいないのよね.....私も、親の立場からして、伊月くんみたいに優しくて信頼できる子に貰って欲しいのよね。」

「まぁそこは姐さんの人生ですから.....」

「ふふ.....やっぱり楽しいわね。今日はここまでにしましょう。ことりが部屋で待っていてくれてるから行ってきたら?」

「そうですか.....ありがとうございした。」

 

 

 

 

「ふふふ、先輩、伊月くんは本当にあなたに似て育ちましたね。将来が楽しみだわ.....」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「伊月くん、お母さんと何話してたの?」

「えっと、俺の親父の話ですよ。姐さんのお義母さん、俺の親父の後輩らしくて、関係があったんだって。」

「え!?そうなの!?知らなかった.....」

「_俺もつい最近知ったんですよ。それはともかく、スクールアイドルの方はどうなんですか?」

「にこちゃんが入ってからパフォーマンスの練習があったり、海未ちゃんもダンス練習少しきつくしてたね。ことり、ついて行くので大変だよぉ。」

「姐さんも大変ですね。でも学校のことを広める為にはそれなりの実力も必要ですしね。」

 

 

 

 

 

「ところで、姐さん、俺はどこで寝るんですか?」

「?ことりのベッドだよ。」

「いや、それだと姐さんの場所がないじゃないですか?」

「一緒に寝るんだよ?」

 

 

 

 

 

 

 

え?

 




透谷くんの読み方を書いていなかったので描きました。すけたにくんじゃないよ。
すみません、多分このまま進むと字数が多くなるので、次回に引き継ぎます。、


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#38 南家でお泊まり会 後編

スクスタのラブカスターが全然集まりません。どうしたらいいんですかね....


一緒に寝る.....?きっと過労からの聞き間違いだろう。

 

「姐さん、俺は床で寝るんですか?」

「え?だから、ことりのベッドで一緒に寝るんだよ。」

 

うん、聞き間違いではなかった。.....なんで?

 

「え?何故一緒に寝るんですか?」

「伊月くんに風邪引いて欲しくないのと.....ことり、また昔みたいに伊月くんと一緒に寝たいなって。」

 

確かに、小学生の時は一緒に寝た記憶はある。だが、それは小学生の時の話。高校生になっても同じことをするのか.....

 

「だめ.....かな?」

 

そんな涙目でお願いされたら、断りづらい。というか多分断ったら姐さんのお義母さん直々に始末にきそうだ。まぁ、姐さんが寝たのを見計らってどこかに行けばいいか.....

 

「郷に入ればなんとかって言うしな.....分かりました、一緒に寝ますか。」

「うん♪ありがとう。」

 

 

 

 

その後、姐さんが一緒に風呂に入ろうとか言い出したので、さすがにまずいと思い諭した。.....姐さん、俺はあんたの妹でも息子でもないんだけどな.....

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時は流れ、夜に

 

「伊月くん、起きてる?」

「.....ええ。起きてますよ。姐さん、どうしたんですか?」

「なんだか懐かしいなって。昔伊月くんと一緒にいた時はこんな感じだったなって。.....覚えてる?」

「覚えてますよ。なにせ姐さんは俺にとって初めての女友達ですから。」

「ふふ、そうだったんだ。ことりも伊月くんが初めての男友達なんだよ。ねぇ伊月くん、どうして最近ずっと黒色のカラコンしてるの?昔は目の色は緑色だったし、どうして?」

「......すみません、姐さん。その理由は教えられません。俺にも事情がありますし。」

 

姐さん相手に下手な嘘は通用しない。だからこうやってぼかす位しか方法がない。

 

「そうなんだ.....別に話したくなかったら話さなくていいよ。」

「.....感謝します。」

「でも驚いたよ。共学化テスト生が伊月くんで。お母さんね、何も教えてくれなかったんだよ。」

「まぁ...ネタバレを防ぐためじゃないですか?情報が流れて、黒獅子が入ってくるなんてことになったら少し騒ぎになるとかを防ぐためとかだと思いますがね。」

「そうだったのかな.....ことりは伊月くんが来るって知っていたらお菓子とか作ってあげようかなっておもってたんだけどな。伊月くん、挨拶にも来なかったし。」

「それはすみません。ここに戻ってきたのもつい最近でしたし、色々忙しかったので。」

「それに伊月くん、最近じゃ生徒会長さんとも仲良くなってたし.....ことり、少し寂しかったんだよ .....」

 

あれ?なんでだろう。急に寒気がしてきた。姐さんの目からハイライトが消えかかってるし。これがヤンデレってやつなのか....知らないけど。

 

「別に口説いてたとかそういう訳じゃないんですけど.....まぁ色々事情もありましたし。」

「それでも、だよ。もう少しことりを頼っても良かったんじゃないかな.....」

「.....すみません、俺こういう時どうしたらいいか分からないんですよ。」

「ことりを.....抱きしめて。ぎゅーって。」

「こ...こうですか?」

「うん♪伊月くんは温かいね。」

 

こう抱き寄せると、姐さんの匂いがする。落ち着く匂いだな.....

というか顔を埋めないでください。

 

「ちょ、姐さん、俺の腕は抱き枕でもなんでもないんですよ。.....それに当たってますよ。」

「当ててるんだよ♪ふふふ、伊月くんもやっぱり男の子だね♪」

「.....姐さん、こういうことしてると変な人に捕まりますよ。」

「大丈夫だよ。伊月くんにしかしないし、それにもし連れ去られても....伊月くんが助けてくれるからね。信じてるよ♪」

 

 

信じる、か。姐さんの信頼はおそらく本物だ。.....なのに、それを信じようとしない自分がいる。なんでだ.....

 

「.....ありがとうございます。姐さん。」

 

 

「.......うん。そろそろことりって呼んで欲しいなぁって。」

「え?ダメなんですか?」

「ダメじゃないんだけど、その姐さんって呼んでもらうよりことりって呼んでくれる方が嬉しいし.....その、将来困らないかなって。」

 

「将来.....どういうことだ?もしかして、大人になった時、姐さん呼びしてたら姐さんの社会的地位が損なわれる可能性があるからか.....」

「そういう事じゃないんだけどね.....伊月くんの鈍感」

 

「とりあえず.....今すぐは難しいので少しずつでいいですか....ことり姐さん。」

「.....うん、仕方ないね♪じゃあ最終的にはことりって呼んでね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

姐さんが眠り、俺はベッドから離れ、夜風に当たっている。姐さんが俺の腕に巻きついていたので離そうとしたら、「うぅん.....」とか少し色気のある声が出すので、静かに抜いた。.....この人ほんとに男を落とす才能があるんじゃないか。

 

それにしても、夜の風っていうのは、本当に涼しいな。

 

「やはり眠っていなかったのね。」

「南さん.....はい。」

「やっぱりことりの隣で寝るのは興奮するのかしら?」

「まぁ.....というか、この歳で一緒に寝るというのがおかしい気もしなくはないんですが.....ところで南さん。」

「どうしたの?」

「学生時代の親父や黒柳ってどんな感じだったんですか?」

「先輩?.....今とほとんど変わってないわよ。黒柳さんも。でも、昔は黒柳さんも一緒に悪ふざけしてたのよ。」

「へー。あの生真面目が。どんな感じだったんですか?」

「そうね.....例えば、生徒を小馬鹿にしてる国語の先生に、とても難しい漢字テストを作って提出したこととかあったわね。先生も一問も解けなくて。『俺ら生徒をバカにしたからですよ!!』とか言って職員室で騒ぎを起こしたり。生徒を叩いたり殴ったりしてる先生に対して、タイマンを挑んでぼろ勝ちしたり。先生が休んだ時に、他学年の教室に乗り込んで授業をしたり、本当にハチャメチャだったのよ。私は一つ下だから現場にはいなかったのだけれど、学年問わず本当に問題児扱いされてたからね。そのくせ、点数は学年1位2位で先生達も扱いに苦労していたわ。」

「へぇー。本当に荒れてたんですね。」

「でもね、汚いことは本当に嫌いで、弱い生徒を寄って集っていじめてた教員軍団を2人で成敗したり、カツアゲした生徒からお金を取り戻したり。.......懐かしいわね。」

「.....想像できませんね。親父ならともかく黒柳がそんな感じだったなんて。で、南さんと親父達ってどうやって会ったんですか?」

「あれはね、私が学校に入学したばかりの時なのだけれど.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今から20数年前

「ぐへへへ、君可愛いね。先生が直々に身体検査してあげるよ。」

「先生、離してください!!私これから身体測定しなきゃいけないんです!!」

「だから、僕がしてあげるって言ってるだろ!!大人しくしろ!!」

「いやっ、誰か助けてーー!!」

 

 

 

 

「おい、今この辺から叫び声しなかったか?哲二?」

「あれじゃないか?おい!!何してんだよ!!」

「!!一条!黒柳!お前らは今日係に当たっているだろ!!持ち場に戻れ!!」

「いやー、1年の1クラスがいつまで経っても来ないから事情聞いたら、まだ来てないんだとよ。」

「それで俺と敬一で探しに来たというわけだ。そしたらビンゴ。お前、本当に懲りないな。」

「うるさい!!先生が生徒の身体検査して何がいけないんだよ!!」

「いや、ふつーにダメだろ。しかもこんな人目のないところで。そりゃ怪しまれますぞ。皆の前ならいいけど。」

「皆の前でもこれはダメだろ!!とりあえず離してもらおうか。」

「うるさい!!」

「哲二、あの子を頼む。俺はこの豚野郎を叩きのめす!!」

「分かった。くれぐれもサンドバッグにして、再起不能にするなよ。」

「あいよ。こいよおらぁ!!」

 

 

 

 

 

「ふぅ、いっちょ解決だな。お嬢さん大丈夫?」

「は、はい。ありがとうございます。」

「敬一、一応変な物は付けられていなかった。これで解決だな。」

「お、そうだな。じゃ、1年のところに戻れ。」

「あ、あの.....あなたは?」

「俺?俺は、一条敬一、2年だ。」

「同じく2年、黒柳哲二だ。」

「お前は.....まぁいいや。もし不安なら送ってやるぜ。」

「.....お願いします。」

「敬一、こいつの後処理は俺に任せろ。」

「はぁーー、これで何回目の指導室だよ。もう行くの慣れたけどさ。」

「大半はお前の思いつきのせいだがな。今回は訳ありだから少しの小言で済むだろ。」

「何回も指導室に行ってるんですか?」

「ああ。もう30回以上は行ってるぜwwwwww」

「つまり俺たちは問題児だ。変なのと出会ったな、お嬢さん。」

「.....」

「まぁ、俺たちと話せるってことは少しは元気になったな。お嬢さん、もしまたこんな事が起きてたら俺らに言え。そしたら解決してやるよ。」

「.....ありがとうございます。」

「じゃ、行こうぜ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あの時は、本当に吃驚したのよ。」

「へー。なんか俺と絵里の時の出会いと結構似ているんですね。」

「え?伊月くんと綾瀬さんってそうやって出会ったの?」

「はい。たまたま通りかかったところで絵里がセクハラされてまして、そこを助けたんですよ。」

「なるほど.....」

「ま、でも黒柳にそんな感じのことがあったとはな、それはそれで面白いんですけどね。」

「黒柳さんには内緒ね。あの人、過去の荒れてた自分を知られたくないみたいだから。」

「はい。構いませんよ。貴重な話も聞けましたし。」

「ふふっ、さ、今日も遅いし寝なさい。明日も学校あるわよ。」

「そうですね.....今日くらいは早く寝ます。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌朝

 

.....え?これはどうなってるんだ?目の前に少しはだけている姐さん。そして何故か知らないが姐さんの胸を揉んでいる俺の手。......見たらわかる、まずいやつやん。

「ことり、そろそろおきな.....ごゆっくりどうぞ。でもご飯出来てるから早めにしなさいよ。」

「いや、そういうのじゃないんですよ。」

「むにゃむにゃ.....ふぇ!?伊月くん、少し大胆だよぉ.....」

「だから違いますって!!」

「お邪魔しまーーす!!.......伊月?あれだけ言ったよね.....?」

「那月!?これは事故だ!!故意ではない!!」

 

やばいやばい。このままだとキボウノハナー状態になる。

 

「姐さんも何か言ってくださいよ!!」

「伊月くん、昨日の夜(おしゃべりできたの)は、楽しかったよ♪」

「ふーーん、楽しかった?伊月、あとでゆっくり話そうね。」

「いやだから誤解だって!!」

 

 

 




たまにはこんな感じの回も入れてもいいですよね.......
次回からちゃんとストーリー進めます。


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#39 綾瀬絵里を救え 前編

ここら辺から少々個人編が入りやすくなります。ストーリーはちゃんと進めますが.....


「で?事情を聞こうかしら?」

 

現在、何故か生徒会室で那月と絵里からとてつもなく冷たい目線で見られている。.....俺は無実だってのに。

 

「だから寝ている間に寝相でああなったんですよ。別にことり姐さんを襲おうとか思ってないし、不慮の事故だったんですよ。」

「ふーーん。でも不慮とはいえ、あんなにも不自然な感じになるの?」

「なっちまってるんだからしょうがないだろ。」

「那月、一条くんはこれまでにも人の頭を撫でたりしてきているのよ。だから、今回のも自然にやったってことじゃないかしら?」

 

絵里、それは全くフォローになってないんだよなぁ.....それだと俺が無意識に変態行為をしていると言っているのと同じだからな。

 

「自然にやっちゃうってことは、伊月は自然な変態だね。」

「だから、寝相だって言ってるだろ!?」

「一条くん、今まではスキンシップで収められる行為しかしてなかったから良かったけれど、華の女子高生と一緒のベッドで寝て、しかもセクハラと疑われるような所を触っていたの。これは、さすがに生徒会としては見逃せないわ。」

「お前らに俺の声は届いていないのか?」

 

 

「本当に自然か確かめるために、一条くん、今日は私の家に来なさい。そこで確かめてあげるわ。」

「は!?絵里、お前何言ってるんだ!?」

「そうだよ、絵里ちゃん!!今朝だって羨ま.......ゲフンゲフン、けしからん行為をしてたんだよ。絵里ちゃんがベッドを共にしたら、それこそ大問題だよ!!」

「那月、生徒会長には、生徒を守る役割もあるの。だから、本当に無罪かはちゃんと私の目で確かめるわ。だから来なさい。」

 

おい今、羨ましいとか言ってなかったか?大丈夫なのか?

 

「それで無罪が証明できるなら.....分かった、行きます。」

「ええ。それでいいのよ。ただし、もし少しでも不埒な行為をしたらどうなるか.....分かっているわよね?」

「もちろんですとも。絵里さん。」

「伊月、先に出といてくれる?絵里ちゃんと少し話がしたいから。」

「分かった。じゃあ出るぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「一条くんって、性欲とかあるのかしら?」

「うーん、というよりもあれはね、伊月の過去が大きく影響しているんだよ。」

「過去?どういうこと?」

「私たちのお母さんはね、凄いピアニストで、ずっと外で仕事をしていたんだ。だから、物心着く前から私たちは母親のいない環境で生きてきたの。だから伊月は.....体が自然と甘えたくなっちゃったのかな.....」

「そうだったの.....でも、それもこれも今日の夜に分かる話だわ。......あれ?じゃあ那月?なんであんな態度取ったの?」

「だって、私にだって甘えてくれたっていいじゃん!!ことりちゃんは確かに凄い母性溢れてるし、スタイルだっていいけどさ!!」

「あなた、本当に一条くんのことが好きなのね.....」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「伊月、そこ間違ってるわよ。」

「一条くん、そこはイじゃなくて、エが正解だよ。」

「.....はい。全く分かんねぇな。」

 

今は何故か俺だけ部室で絶賛勉強中。高坂先輩とか凛とか、あいつらどこにいったんだ.....?

 

「伊月.....少し勉強方法変えた方がいいかしら?」

「ん?どういうことだ?」

「私たちは、普通に覚えれば内容は入ってくるけれど、あなたはそうじゃない。.....なら、仕組みから理解していけば少しは楽になるかしら。」

「分かんねぇんだけど、真姫がそう言うならやってみるよ。」

「というか、あなた普段から違法者とかそういう類の人と戦っているのに、なんで法律とか経済の仕組みを知らないのよ。」

「それとこれとは話が違うんだよ。俺が戦ってるのって、基本的に密輸とか麻薬とかの取引とかそういうのが多いんだよ。だからあんまり経済の仕組みとか考えなくても生きていけるんだよ。」

「それはそれで問題よ。」

「あはは.....一条くん、今回の範囲は銀行の仕組みとか経済の歴史がメインだから、流れさえ掴めば多分赤点は取らないと思うよ。」

「そうね.....前回のテストで社会で赤点だったの伊月だけだったしね。」

「.......お前ら、気にしてることをずばずばと.....」

 

こいつら何気に毒舌だな.....

 

「お、伊月くんはちゃんと勉強してるやん。」

「希.....というか何故に俺だけ?」

「3人はここにおるで。なぁ」

「.........」

「ありゃ、少し刺激が強かったかな.....」

「いや何したんだよ.....」

 

 

3人とも見つかったはいいが、半分気絶してる.....希、一体何したんだ?

 

「勉強したくないよぉ.....」

「凛もしたくないにゃー。」

「あれ?そんなこと言ってるとまたワシワシするよ。」

『勘弁してください!!』

「ワシワシ、何だそれ?」

「うーんとね、簡単に説明すると、伊月くんがことりちゃんにしたことと同じことだよ。」

「お前まで知ってんのかよ.....あれは事故だって言ってるだろ!?」

 

というかどこまで俺=変態の噂が広まるんだよ.....

 

そしてこの場にいる人間の反応はというと.....

 

「い、伊月!?あなたそんなこと.....」

「あ、あわわわわ.....」

「凛にもあればなぁ.......」

「え!?ことりちゃんそうなの!?」

「一条さん、あなたことりに何したんですか.....?」

「俺は無実だ!!そうですよね、姐さん!!」

「あぅぅぅ.....」

「伊月くんも、中々のやり手やねぇ。」

(; ・`д・´)

 

 

 

 

というか勉強どこいったんだ?その後、死ぬほど1年生組から詰問された。誤解こそ解けたから良かったが、希、お前は許さん!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「よ、待ったか?」

「いいえ。私も今仕事が終わったところよ。じゃ、行きましょ。」

 

何故か今日も他人の家で泊まることになった。ああ、帰りてぇ.....

 

「おいおいお嬢さん、何男を連れてるんだよ?」

「.......お前ら誰?」

「ああ!?お前には関係ないだろ!!」

「おいお嬢さん、まさかとは思うがあの件を話してないだろうな?」

「......勿論です。嘘だと思うなら、あとで調べてください。」

「あのぉ、赤の他人の前でそういう話をするのは少しまずいような.....」

「ガキは黙ってろ!!お前は誰なんだよ!?」

「俺?俺はこいつの中学時代の同級生っすよ。今日久々に飯一緒に食いに行こうってことで呼ばれたんですよ。」

「.....ふん。おい、ガキ!!今のこと誰にも話すなよ。話したらどうなるか.....分かるな?」

「分かってますよ。」

「おい、ずらかるぞ.....。」

 

 

 

 

 

 

 

「一条くん、今のって.......」

「俺はそういうのに首突っ込むほど馬鹿じゃないですよ。じゃ、行きましょ。」

「そうね.....」

 

俺は絵里の首元についていた盗聴器を取り外した.......バレないようにやるのは俺の得意技だからな。こういう世界にいると、嫌でも身につくスキルだ。亜里沙も保護したし、理事長も警戒してるし、そろそろいいだろ。

 

 

 

 

 

「お邪魔します。意外と普通の家なんだな。てっきり豪華なところに住んでるかと思った。」

「ふふっ、希も初めて来た時そんなことを言ってたわ。少し待ってて。晩御飯作ってあげるから。」

「ありがとうございます。絵里って料理出来たんだな。」

「あら、失礼ね。私はこれでも家事は一通りこなせるのよ。」

「じゃあ、将来はいい嫁になりそうだな、絵里。」

「いい嫁だなんて.....まだ早いわよ.....」

 

めっちゃ照れてるやん、なんか子供っぽい。普段きりっとしてるからこういう風な反応はかえって珍しい。いいものみれたな。

 

「ご飯出来たわよ。」

「これは....ボルシチ?長時間煮込まなきゃいけないんじゃないのか?」

「よく分かったわね。あ、気にしないで。長時間煮込むことに関しては、前に済ませてあったから、それを使ったのよ。」

「なんか、パンとボルシチって、変わった組み合わせのように感じるな。」

「そうかしら.....私はよくこうやって食べてるわよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「絵里、お前の部屋ってどこだ?」

「え?どうしたの?」

「いや、少し話があるから来てくれないか?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

絵里side

 

話.....?一体なんの事かしら?私も一条くんに話はしたい.....けどできない。人質取られていたり、盗聴器を付けられていたり、今は何も出来ない。どうしたらいいの.....?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「で?話というのは何?」

「.......お前何があってあんな奴らに絡まれているんだ?」

「あんな奴ら.....どういうことかしら?」

「俺相手に騙せるとでも思っているのか?それとも.....こいつが原因か?」

「!?どうして.....?」

「簡単だよ。前から変なもの付けられているのを知っていたからだよ。だが今日あいつらと出会って確信した。間違いなく発信機。だから取り外したってわけ。」

「.......何をしてくれてるの!!」

「.....は?」

「それを外したり、電源を切ったりしたら、亜里沙が殺されるの!!」

「.....どういうことか説明してもらっていいか?」

「もう仕方ないわ.....今から大体2週間前、亜里沙が誘拐されたの。彼らは亜里沙を人質にすることで、私を動かしていたの。あいつらの目的は、音ノ木坂学院のスクールアイドル部の廃部。」

「.......」

「でも.....あなたがこれを取り外したせいで亜里沙が死ぬのよ!!亜里沙だけじゃない。音ノ木坂の生徒も手にかけられるのよ!!なんてことしてくれたのよ!!!」

「亜里沙か。......悪いが、亜里沙はもう救出させてもらってる。」

「........え?」

「あのな、絵里。発信機の目的は監視。それでお前が最近おかしかったのは薄々察してたんだよ。それに、俺を潰すために幾人かプロの雇われ屋が来た。その時から、俺は少し調べてたんだよ。そしたら、誘拐されてたってわけ。助けたら亜里沙だったぜ。」

「.....じゃあ、あの人たちが言っていたのは.....?」

「うん、全部嘘だ。人質が無くなればお前が言うことを聞かなくなるとでも思ったんだろ。だから嘘を通してお前を操った。」

「.......」

「さて、最後にお前に聞きたいことがある。これは完全に俺の興味本位だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前、一体何がしたいんだ?」




終わり方が微妙ですね.........
投票なんですが、まさかの同数だったので、少し考えます。


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#40 絢瀬絵里を救え 後編

気づけばもう40話くらい投稿してるんですね。前から思っていたんですが、LOVELESS WORLDのドラムすごいですよね。


「私のやりたい.....こと?」

「聞き方が少し悪かったかな。じゃあ方向性を変えて、本当のお前はどれなんだ?」

「....どういうこと?」

「生徒会長であるお前、理事長と話す時のお前、スクールアイドルと接する時のお前、俺はそれがどうもお前の本音があるとは思っていないんだ。まぁ.....つまりは自分を押し殺しているって言えばいいのか.....それに前も言ったと思うが、1人で抱え込んでるせいか、自分を出せてないと思うんだよ。もっと肩の力抜いて生活してもいいんじゃないのか?」

「.......ふざけないで。」

「ん?」

「...,あなたに何が分かるのよ。この前はまだ許せたけど今回は我慢できない。私は、あなたみたいに好きなことをやって生きていける人じゃないのよ!!立場だって違う.....あなたはそれでなんとかなってるんだろうけど、私はそうじゃない。今だって.....あの人たちの言いなりとして動いて、でも生徒会長である以上学校を廃校に防がなければいけない.....それでどうしろというのよ!!」

「どうして1人で背負おうとするんだよ。」

「それは.....それが私の義務だから.....」

「さっきの言葉をそのまま返そう。ふざけてんのはそっちの方だろ!!」

「!!」

「義務だかなんだか知らねぇが、どうして他人を頼ろうとしないんだ!!1人にだって限度が存在する。なんとかできることとなんとも出来ないことがある。たがそれは『1人で』の場合だ。他人の力を借りれば、なんでもできるとは言わない.....少しは道が開ける。俺だってそうだ.....俺一人じゃ何も出来ない。部下がいて、与助や透谷がいるからこそ俺は初めて黒獅子として動ける。今回の件だって、お前が手紙とかそういう感じで察知されない方法で俺たちに教えてくれれば、普通に解決したしな。」

「.........」

「まぁ、その......なんだ、頼るってことを知らないなら、俺たちが教えてやる。頼る勇気がないなら、俺たちがお前に手を差し伸べてやる。それでいいじゃねぇか。今すぐに出来なくったっていい。少しずつ、それを理解していけばいいさ、.....俺は口だけの人間じゃない。それをちゃんと行動で示してきた。だから、俺の言葉を信じろ。」

 

 

 

あとは、前に進む力を手に入れれば、絵里はより一層成長する。たが、これはスクールアイドルの方々が気づかせてくれるはずだ。それまではこれでいいだろ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

絵里side

一条くん.....本当にすごいわね。私は、気づかないうちに自分だけでなんとかしようと思っていたのね.....それに彼に怒鳴り散らしてしまった。......あとで謝っておかないと.....

 

 

 

 

 

風呂に入った後、私は一条くんのところに行った。.....何か独り言が聞こえるわね。.....なんて言ってるのかしら?

 

 

「あぁ〜恥ずかしい。なんだよ、俺の言葉を信じろって。終わった。絵里から完全にナルシスト扱いされる。\(^o^)/」

 

ふふっ、さっきはあんなに強気だったのに事が終わるとあぁなるのね、ひとつの新しい発見ね。

 

「そんなに恥ずかしがる必要ないわよ、一条くん。」

「!?絵里!?お前いつの間にそこに、さてはお前ニュータイプやな!!」

「何を言ってるか分からないわ。.....隣、座ってもいい?」

「アッハイ。どうぞ。」

「ふふ、ありがとう。.....一条くん、さっきはありがとう。そしてごめんなさい。あなたに怒鳴り散らすのは間違いだったわ。」

「それは気にしないでください。....あれは俺が完全に自分の価値観を押し付けてしまったので、絵里は何も悪くないですよ。ああ反論するのは当然ですよ。」

「そう.......でも、少しは気持ちが軽くなったわ。あなたの言葉、信じてみるわ。」

「さらっと俺の黒歴史を出さないでくださいよ.....あれ結構恥ずかしいんですよ。」

「そうかしら?あの時のあなたは.....かっこよく見えたわよ。やっぱり経験している人の言葉は違うわね。」

「.......とにかく、絵里の気持ちが少し軽くなったならそれでいい。」

 

那月が一条くんを可愛がる理由がよく分かるわ。亜里沙とは全く違うけれど.....少し子供っぽさがある。年下って感じはすごくするわね。でも彼に救われたというのは事実。何か恩返ししないとね。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ところで気になったのだけれど.....亜里沙は今どこにいるの?」

「え?俺らが普段拠点として使っているスペースにいますよ。電話します?」

「ええ。お願い。」

 

ブルプル

 

「はい、伊月さん!!どうかしましたか?」

「亜里沙、私よ。」

「お姉ちゃん!?どうして伊月さんの電話使ってるんですか?」

「今私の家にいるの。亜里沙 .....あなた今無事なのね?」

「勿論だよ!!伊月さんが助けてくれました.....それよりお姉ちゃん...」

「....どうしたの?」

「.....家に帰らなかったのはね、ここにいた方が安全だっていうのと、今のお姉ちゃんを見てて苦しかったの。.....お姉ちゃんは自分を押し殺しているんだって。」

「.....亜里沙、その事に関してはごめんなさい、でももう大丈夫よ。一条くんが教えてくれて、私も目が覚めたのよ。」

「伊月さんが.....さすがです!!でも今の一連の出来事が終わるまでは.....私はここにいます。」

「ええ。そうしてちょうだい。また誘拐されるか分からないし。」

「はい!!伊月さんに変わって貰っていいですか?」

「亜里沙。そっちの生活はどうだ?案外悪くないだろ?」

「はい!!拠点にしては、色んなものが揃ってて楽しいですよ。昨日も大人の人が、薄い本?とかを見せてくれたんですよ!!」

「あいつら後でしばいとかないとな....」

 

 

ん?なんか後ろから騒ぎ声が聞こえてくる。

 

与助さん!!どうして電子レンジに水を流し込もうとするんですか!! え?だって熱くなったから冷やそうと.......

 

透谷!!なんでオリーブオイルとりんごジュースを間違えるんだよ!! 同じような色だから仕方ないだろ!!

 

 

.......あいつら.....相変わらずアホみたいなことしてるな...いざって時はあんなに頼りになるのにな.....

 

 

「じゃあ切るぞ。」

「はい!!また遊んでくださいね!!」

 

 

 

 

「一条くん?亜里沙が伊月って呼んでいたけれど.....どういうこと?」

「ん?なんか知らんがお前の話をしていた時に、黒獅子さん→一条さん→伊月さんって感じになんか自然に呼び方が変わっていってな。」

「じゃあ、私も伊月って呼んでいいかしら?」

「お好きにどうぞ。」

「ふふっ、ありがとう、伊月♪」

「.....どうも。」

 

 

 

 

「じゃあ伊月、私の部屋で寝ましょう。」

「えっと、俺は床で寝ればいいということですか?」

「そんなわけないでしょう。私と一緒に寝るのよ。言ったでしょ?今日私の家に来た目的は、あなたが理事長の娘さんにセクハラしたのが果たして意図的なのか、それとも寝相なのか確かめるためよ。」

「そうでしたっけ?」

 

なんか絵里と話す方に意識がいってたから、元の目的を忘れていた。

 

「あの.....生徒会長が不良と一夜を共にしたとかが流れたらそれこそ色々まずいと思うんですが.....」

「あなたが何もしなければいいだけじゃない。それに大丈夫よ。もし流れても被害を食らうのはあなただけよ。」

「さらっと酷いこと言いますね.....」

「冗談よ。さぁ、いらっしゃい。」

 

 

今の目の前の構図を説明しよう。布団に入っている絵里が両手を差し伸べてベッドに誘っている。.......これ普通に問題だよな。まぁまた姐さんの時同様寝てからどこかにいけばいいか。

 

「絵里、そういうのどこかで学んだのか?」

「いえ、昔亜里沙を呼ぶ時こうやってしてたから同じようにやっているだけよ。」

「俺はお前の妹じゃないんだけどな。」

抵抗しても無駄だと思った俺は大人しくベッドに入った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

絵里side

意外と大人しく伊月が入ってきた。もう少し反抗してるところを見たかったのだけれど.......

 

「それにしても伊月の髪の毛の触り心地、本当にいいわね。撫でたくなるわ。」

 

体は私よりもでかいけれど、寝顔が幼いし、髪の触り心地もいい。本当に弟がいるみたい。

 

 

「.....伊月、今日はありがとう。大切なことを教えてくれて。.....あなたは、私の大切な人よ。那月の気持ちも分かるわ。.......これからもよろしくね。」

 

そう言って、私は伊月を背中から抱きしめて眠りについた。.......大きな背中ね。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌朝

全く眠れませんでした。辛うじて寝相でラッキースケベ.....ゲフンゲフン、事故は起きなくて住んだみたいだ。けれど、絵里がずっと後ろから抱きしめてきたり、耳元で囁かれたりと、こいつ寝させる気ないだろとしか思えなかった。.......しかも、絵里に抱きつかれてるから背中に感覚が来るんだよなぁ....何かとは言えないけどな。

 

 

 

 

「伊月、学校に行きましょ!!」

「え?もうそんな時間なんすか?今行きます。」

「しっかりしなさいよ。」

「はいはい分かってますよ。」

 

 

 

「おっはよー!!絵里ちゃん、伊月が何かしてきた?」

「いや俺は何もしてねーよ。」

「そうね.....昨日はとても充実した夜を過ごすことが出来たわ♪」

「悪意あるだろ!!」

「ふーーーん.......伊月、帰ったらお父さんとドライブの刑だね。」

「は!?おかしいだろ!!なんでそうなんだよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「那月、あなたが伊月を可愛がる理由が分かったわ。子供っぽいところがあっていいわね。」

「ふふん!!いいでしょ!!でも伊月は渡さないからね!!」

「大丈夫よ、取る気はないわ。.......今はね。」

「絵里ちゃん!?なんと恐ろしい子.......」




ストーリー無視の日常回みたいな感じになりましたね。そろそろμ'sを結成させねば.....


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#41 動き出す闇

今更ですが、スクスタのUR曜ちゃんとても優秀ですよね。スタミナ回復があるので、安心してライブできます。



UTXにて

「.....盗聴器が壊された?どういうことですか?」

「私にも分かりません。あの女には人質が解放されたという事実は伏せていますので、本人が取った可能性は限りなく低いのですが.....」

「.....こうなったら本人の口封じをしなくちゃいけないわね.....」

「ええ。その為に数人派遣しています。しかも今回は『KB』を投入したやつも1人入っていますよ。」

「KBを?.......ふふふっ、それなら確実ね。」

 

 

 

 

「今の話録音させてもらった。どういうことかしっかりと説明してもらおうか。」

「!?.....一条、黒柳。」

「な、なんだ!?お前ら?門番はどうした?」

「門番?あんな弱いやつ門番にするなよ。普通に潜入される位のガバガバ体制だったぞ。」

「........」

「とりあえず仕事らしく名乗っておくか。警察だ。桝井、並びに暴力団、プライバシー侵害、殺人未遂、暴行罪により、逮捕する。逃げるなよ、ここにしっかりと証拠が残っているからな。」

「桝井.....ひとつ聞く。お前ん家は、一体どれだけのKBを所持している?そして、どのくらい取引している?.....答えろ!!」

「私が答えるとでも.....馬鹿ね!!そんなこと口が裂けても言わないわよ!!」

「ちっ......黒柳、あとは頼んだぞ。」

「ああ。.....こちら黒柳。主犯とその協力者を逮捕した。直ちにUTXに人員派遣を求む。」

 

その後、警察は桝井ら数名の犯人を逮捕。それに協力したもの達も、順次逮捕していく方針らしい。

 

 

 

 

「.....悪夢は、終わってなかったみたいだな、哲二。」

「ああ。まさか3年経った今でもKBが当たり前のように取引されているとは.....伊月がまた壊れないといいのだが.....」

「それも心配だが、1番の問題は、KBを投入したやつにこんな街中で暴れられりゃ.....」

「恐らくだが、伊月のような腕の利くやつ以外全員殺される。それにKBを投入した人間の倒し方は、3年前のあの日を知る者以外知らない。.....まずいな。」

 

「透谷にも連絡して、警戒するよう伝えておこう。伊月には.....今は伏せておこう。」

「だが、KBを投入したやつを含み、数名が音ノ木坂に襲撃すると言っていただろう。さすがに学校に伊月は拳銃を持って行っていない。.....どうすれば?」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

場所は移り、音ノ木坂

 

「ねぇねぇ一条くん。」

「ん?どうした花陽?またスクールアイドルでなんか問題でもあったのか?」

「そうじゃなくて.....ここの問題を教えて欲しいんだけど.....」

「ん?.....あ、そこはな、ABを3:2に内分する点から補助線を引いて(2)で出てきたBCを2:1に外分する点との交点をとるんだ。そこから......」

「あ、そうかこの前習った定理を使えばいけるんだね。」

「ベクトルとかは図形の中で解決できることが多いが、ただの図形の問題だったら、補助線とかを1本引くだけでも答えが見えやすいからな。つけ足すこととかは思いつきか慣れだからな。思いつけないなら、色んな問題に触れてみたらいいぜ。」

「うん!!ありがとう、一条くん。」

「そういや、お前らあれからダンスとか上達したのか?」

「それがね.....海未先輩が生徒会長さんの幼い頃のバレエを見たんだって。それで、ダンスを生徒会長さんにお願いしようかなってことに昨日の夜なったんだ。.....一条くんはどう思う?」

「別にいいんじゃないのか。.....現にお前らはネットでも今知名度が上がってきてるしな。学校の人気に繋がるとなりゃ少しは協力してくれると思うぜ。」

 

ただ、まだ生徒会長さんは、共に前に進むということを分かっていないだろうから、少し戸惑うだろうな。.....昨日の夜、あそこまで言わなきゃ良かった。

 

 

花陽side

一条くんっていつ勉強してるのかな?すごく忙しそうに見えるから、あんまり勉強してないように見えるけど、国数英なら学年トップだし。......すごいね。

 

ブーブーブー

「ん?なんだ?警報か?」

「火事じゃないと思うけど.....」

 

警報が鳴るのは、人生初めての経験だから....少し怖いな。

 

『校内に不審者が数名侵入しました。生徒は、教室からは出ず、窓等を閉め、安全確保を、教員は生徒の保護を第一に動いてください。』

 

ザワザワ

「え!?不審者!?」

「ちょっと待って、めっちゃ怖いんだけど。」

 

「不審者だよ.......一条く.......え!?いない!?」

「皆さん!!一旦落ち着いてください!!皆さんの身は私が守ります!!」

「先生、一条くんがいないんですけど.....」

「え!?あの子こんな時に一体どこに行ったの!?」

「もしかしたら、黒獅子の手先じゃない?」

「ああ。有り得るかも。信頼を得たいからって、敢えて部下に侵入させて、収めようってところかな。」

 

また一条くんを疑い始めてます。.....この前の教頭先生の1件以来、このクラスには事ある毎に一条くんのせいにする風潮があります。.....私や凛ちゃん、真姫ちゃんを除いて。仕方ないと本人は言うのですが.....それにしても酷いです!!一条くんはどちらかといえば学校の不正を見つけてくれたのに.....

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

不審者が出る......恐らく狙いは絵里。もしくは俺の気を引かせる為の作戦。.....行くしかないか。

 

 

 

「てめぇらか。不審者ってのは。」

案外直ぐに見つけることが出来た。下足室の近くにいた。

「ちっ、見つかったか。さっさとやっちまうぞ。」

「かかってこいよ。てめぇらを血祭りに上げてやる。」

「そう上手くいくかな、これを見ろ!」

「........がぁぁぁぁ、うがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「!?あれは.....まさかKBを投入した人間かまだいたのか......ということはお前ら、あいつらの手先か!!」

「それは教えられないな。だが、クライアントはこの学校にいる黒獅子を殺すもしくは生け捕りできれば、高額の報酬を払ってくれるんだとよ。だからお前を殺す。」

 

よりによって、またKBを投入した人間にまた会うとは......3年前のあの日を思い出す。......くっそ気持ちわりぃ、今すぐにでもこいつらを消し去りたい。

 

「.....1度だけ警告する。ここから去れ。そしたら見逃してやる。だが、もし俺に喧嘩売ろうって言うんなら.....気絶で済むと思うなよ。殺してやる.....俺の前でKBを見せて、タダで済むと思うなよ。」

「ふん、ガキが何を言うんだ。さっさと殺っちまうぞ!!」

「畜生と会話をしようと考えた俺が間違いだったな。.....来いよ、骨の髄まで粉々にしてやる。」

 

そして、俺はポケットからメリケンサックを取り出し装着した。....カイザーナックルとかいう別名もあるらしいが、今はどうでもいい。

こいつらを.....殺す。

 

 

「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「.......鬱陶しい。まずはてめぇだ!!」

そういって、俺はKBを投入した人間の頭を本気で殴った。そして、その後、首に強い衝撃を与えた。.......これでこいつはおわりだ。

 

 

 

 

 

「だ、だずげてぐだざい.....し、死ぬ。」

「何を今更ほざいているんだ?お前らのこんな苦しみ、3年前のあの人たちの苦しみに比べたらなんともないぞ。それに思い出した.....お前ら3年前にいたよな。.....息の根を止めれば楽になっちまうよなぁ.....頭に強い衝撃を与えて、お前に一生の苦痛を植え付けてやろうか?生きられるんだからいいよなぁ.....」

「あ、悪魔め.....!!」

「なんとでも言うがいい。俺は、死神でも悪魔でもいい。.....彼らの仇討ち.........まずはお前らの再起不能を以て彼らへの手向けとさせてもらう。」

「やめろ!!伊月!!」

「親父か.....何の用だ?」

「お前はまた3年前の繰り返しをするのか!!そいつらを殺したら、相手の思うツボだろ!!」

「........命拾いしたな。」

 

そう言ってやってきたやつは去った。.....生憎、そこまで血の出るような戦いじゃなかったから、後処理は楽だった。

 

「ところで伊月、KBは?」

「あそこで、蹲ってるやつだ。急所に当てたから、あの通りだ。」

「.....やはり凶暴化したか。やつの後処理は俺に任せろ。.....少し話し合え。」

 

 

 

「.......くそ!!今でも、どうしても......目の前が真っ暗になっちまう。」

「お前の気持ちが分からんでもない。俺だって同じ立場ならお前と同じ行動をとるだろうよ。だがな、伊月。怒りで自分を見失うな。たとえ相手がKBを投入していた相手や、3年前の加害者だとしても、だ。

それが分からないお前じゃないだろ。」

「.....ああ。だが親父、何故KBがまだいるんだ.....?」

「おそらく、奴らが回収したんだろう。.......となると、またお前を亡きものにしようとする奴らがまた来るだろうな。」

「いや、今回はおそらく絵里の口封じだ。.....だが、それにKBが使われているとなると.....相当厄介だな。」

「俺らも警戒しよう。おそらく哲二が、警備を強化してくれるだろうな。」

「親父.....さっきは助かった。俺はまた闇堕ちするところだった。」

 

 

 

 

「.....気にするな、子供を救ってやるのが親の仕事だからな。」

 

 




今日体育大会の前日準備とかで、投稿するのが遅れました、すみません。
あと、少し体調不良気味で、展開が微妙になっている可能性があります、ごめんなさい。


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#42 μ’s結成まで①

今日体育大会なんですね。皆さん燃え上がっています。天気はよくありませんが.....色々あったので投稿が大幅に遅れました。


不審者の鎮圧は終わり、俺は少しモヤモヤしたまま教室に戻った。

.....親父が止めてくれたから良かったがやっぱりKBが関わるとなると過去を思い出し、自我を失いかける。......もうあのことは終わったはずなのにな.....

 

 

 

 

 

「一条くん!?大丈夫でしたか?」

「ああ。とりあえず不審者は捕まえた。警察が身柄を確保したからひとまず安全だ。」

「そうでしたか.....お疲れ様でした!!今回もあなたに助けられましたね!!」

「.......そりゃどうも。」

 

 

 

「一条くん、なんかぱっとしないね?何かあったの?」

「いや.....少し昔を思い出しただけだ。気分が優れないとかではないよ。」

「そう.....そうだったらいいんだけど。」

花陽に変な心配かけたな....こいつは優しいんだな。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

花陽side

帰ってきた伊月くんは少し顔色が変わっていました。.....でも、伊月くんの体を見るに、刺されたとか撃たれたということは無かったんです。.....どうかしたのかな?

私が最近気になっていること.....私は伊月くんを何も知らない。彼と接していて結構経っているのですが、どちらかと言えば私たちのことをきいてくるだけで、特に自分のことを何も話そうとしません。聞いても、彼の黒獅子としての経験談だけで、彼の中学時代のことや、親のこと、私は何もわからないです。

.......友だち、なのに知らないのは辛いです。

 

 

「ねぇ、一条くん?」

「ん?どうした?花陽?」

「あの.....伊月くんってどんな中学時代を過ごしていたの?」

「中学時代.....か。特に目立ったことはねぇよ。今と変わらない生活だよ。」

「じゃあ.....お父さんやお母さんはどんな人なの?」

「親父は.....破天荒だな。俺よりも強いし、知識もえぐい。母さんは.....俺もよく覚えていないんだ。なんせ物心ついた頃からずっと海外で仕事してたし.....たまにピアノを教えてくれる姿は、とても優しそうだったよ。」

「そうだったんだ.....今も海外で仕事しているの?」

「いや.....もうこの世にいないさ。3年前、死んだよ。.......病気だったかな.....」

「.....なんかごめんね。辛いこと聞いちゃって。」

「気にする必要はない。俺の親が死んだことをお前は知らないからな。.......そういうことは誰だってあるさ。」

「.......」

「お前は少し気を遣いすぎだ。少しは失礼があったっていいんだぜ。そうじゃなきゃ、結構狭い思いをするからな。」

 

一条くんはこう言ってくれていますが、やっぱり気にはなります。それに.....このことに関しては、真姫ちゃんや凛ちゃんも結構思っているんです。もう少し、距離が縮まらないかな?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時は流れ、放課後

 

「絵里先輩、ダンスを教えてください!!」

「.....どうして私に頼むの?」

「絵里先輩昔バレエしていたんですよね!!それがとても上手だったから、私たちをいつも足りないと言っていた理由が分かったんです.......だから習いたいと思ったんです!!」

「ダメ.....ですか?」

「あなた達の活動は理解できないけれど.......あなた達もそれなりの人気があるし、それで学校の知名度が上がるなら協力するわ。でも、やるからには私が許せる水準まで頑張ってもらうわよ。」

『はい!!』

 

 

 

 

 

 

「絵里のやつ、少しは分かってきたんじゃないか。」

「そうやね......これも伊月くんのおかげかな。」

「....俺は何もしてねぇよ。あいつが自分と向き合ってそういう風になったんだろ。」

「そうなん?でも伊月くんが来てから、絵里ちは変わったんだよ。」

「まぁ絵里にとっては非日常的なことが沢山あったからだろうけどな。それが良く働いたか悪く働いたかは知らんが。」

「.......なぁ伊月くん、教えて欲しいんよ、どうやったらあんな風に人を助けることができるん?」

「.....どういうことだ?別に俺はそういうことをしてはいないが.....」

「今のμ'sのメンバーって、海未ちゃんとにこっちを除いて、皆伊月くんの影響を濃くうけてるやん?その裏には大体伊月くんが関わっている。絵里ちに関しては、昔からすごく変わった。うちは何もできんかったし.....だから知りたいんよ。」

「高坂先輩も、妹さんを救ったってだけで、本人とはそこまで関わっていないけど......俺は俺の母さんが昔よく言ってたことと、親父がいつも信念としているものを大事にしているだけさ。」

「大事にしているものって?」

「俺の母さんはな、昔から『何が大切なのかを考えるのじゃなくて、あなたが何を大切にしたいか考えるのよ。自分を見せない人には、他人は自分を見せないのよ.....だから、あなたはあなたの大切にしたいものを以て進んで、誰かの支えになれる人になりなさい。』って。今ならその意味も何となくわかる気がするよ。」

「因みにお父さんはなんて言うてたん?」

「親父か.....親父は『進むことをやめるな。』ってよく言ってるんだ。立ち止まれることもひとつの強さなんだが、親父は自分らしく進めって。生きていれば、必ず意見の衝突や小競り合いはおきる。その時に、自分を貫けってさ。進んでいけば、それが成功であれ失敗であれ自分を大きくしてくれる.....成功をどれだけ糧にできるか、失敗から何を学び、立ち上がるか......親父はそうやって進み続けることで、いつか誰かを救うことが出来るし、誰かの助けになるって。.....俺はその信念に信じて進んでるだけ。何も特別な話術や、心理学とかを心得てるとかそういう訳じゃないんだ。」

「そうなんや.......それはそれとして、改めて礼を言わせて欲しいんや。絵里ちを助けてくれてありがとう....伊月くんには感謝してばっかりやね♪」

「そうか?お前もすごいと思うけどな。.....人を支え続けるってかなり難しいんだ。それをお前は出来ている。尊敬するよ。」

「ふふ.....伊月くんに褒められるとなんかくすぐったいね。」

 

 

 

「なあ?絵里たちどこ行ったんだ?」

「.......忘れてたね、おそらく屋上やと思うけど.....」

「じゃ行くか。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

屋上に来てみたら、皆がヨガみたいなことをしていた。.....えっと踊りを教えるんじゃなかったっけ?

「絵里、お前なぜにヨガ教室みたいなの開いているんだ?」

「ヨガ教室じゃないわよ.....ダンスにおいて大切な柔軟性、体幹能力がどれくらいか見たら絶望的だったから1からやり直しているの。」

「大丈夫かよ.....まぁ出来た方が絶対にいいだろうな。」

 

 

「もう無理〜。」

「この程度で音をあげちゃダメよ。ダンスで人を魅了したいんでしょ!?この程度出来て当たり前!!」

案外厳しめでいってるんだな。そっちの方がいいだろうけど。

というか、凛、真姫、お前らに関してはどんだけ柔軟性がないんだよ!!それだと普通に怪我しやすくなるぞ.....

 

「柔軟性とかは、継続すればちゃんと身につくから頑張れよ。」

「伊月くんはどれくらい柔軟性あるん?」

「えっと、座ったまま開脚して、体を倒した時、お腹は付けられますよ。体幹能力に関しては.....少なくともこの中で一番高いと思います。」

「すごいね.....それも黒獅子やってるうちに身についたん?」

「そうですね。体幹能力は元々ありましたが、柔軟性に関しては、結構最近に身につきましたよ。ほら、ナイフで刺されそうになった時、案外役に立ったんですよ。あとは、細かい動きができるようになったのは大きいですね。」

「へえ、すごいね。」

 

「あわわ!!」

「あ!!かよちん!!大丈夫?」

「大丈夫だよ。」

 

前途多難.....だな、これは。

 

 

「もういいわ、今日はここまで。」

「ちょ!?何それ!?」

「そんな言い方ないんじゃない!?」

「私は冷静に判断したまでよ。自分たちの実力が少しは分かったでしょう?」

 

 

.....あれ?絵里が前の冷たい絵里になってる。先日までのあの柔らかい絵里は一体どこにいったんだ?

 

 

 

「なぁ、希、どうして絵里ってあんなにスクールアイドルに対する当たりが強いんだ?」

「さっきも言ってたやん、絵里ちはバレエをしてたって。だからこそ、スクールアイドルの踊りが稚拙にみえるんちゃうかな。」

「そういうもんなのか.....まぁ分からなくもないが....」

 

 

 

「今度のオープンキャンパスには学校の存続がかかっているの。もし出来ないっていうのなら早めに言って。時間が勿体ないから。」

「待ってください!!ありがとうございました!!明日もよろしくお願いします!!」

『お願いします!!』

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「絵里、お前随分と硬い態度とるじゃねぇか。」

「伊月!?希!?どうしてここに?」

「そりゃあ、お前の練習指導を見に来る為さ。......顔から見て前途多難ってところか。」

「ええ。.....あの子たちはまだまだ未熟すぎる。とてもオープンキャンパスは任せられないわ。」

「そ.....だがそう決めるのはまだ早いぞ。もう少し見てから決めたらどうだ?」

「.....おそらく無理よ。」

 

 

絵里はそのまま去っていった。希は後を追いかけたのか。

 

 

 

ガチャ

 

 

「おいお前ら大丈夫か?随分と揉まれたみたいだな。」

「伊月くん!?どうしてここに?」

「いや、ちょっとした気分だ。ところで、急な頼みで悪いが.....引き受けてくれないか?」

 




新しく評価されていて驚きました。これからも頑張らねば.....

初めて見た時、絵里の「ダンスで人を魅了したいんでしょ!?」が
「デァンスで人を魅了したいんでしょ!?」って聞こえたんですよね.....聞こえませんでしたか?

あと今回も多分誕生日記念のやつは、0時0分に投稿すると思います。


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#43 μ's結成まで②&対峙

オリジナル多めですが、やっとμ'sを結成出来ます。μ'sってよくよく考えたら、正式に入部しているのって、初期メンバーの3人を除いたら、花陽ちゃんだけっていうのは驚きですよね。


「頼み?一体なんの事かしら?」

「頼みというか提案なんだが....絵里をメンバーにしたらどうだ?」

「え!?そんなこと出来るの?」

「あれだけ冷たい態度を取ってたし、今まで何かと対立してたのに、メンバーに出来るわけないでしょ!?」

「まぁ矢澤先輩、落ち着いてください。.....μ'sが今よりもレベルアップするためには絵里の力が不可欠だ。現に、今までの練習をしていたら、自分たちの体の能力が分からないままだった、そうだろ?」

「そうだけど.......」

「こちらが誘っても乗るかどうか分かりません.....確かに絵里先輩が入ってくだされば、より良い練習ができるのですが.......」

「確証はないが、可能性はある。本当お前たちを嫌っているならさっきみたいに練習には付き合わないはずだ。それに、これはあくまで予測なんだが.....絵里はアイドルをしたいんしゃないか?なんとなくだけど。」

「あなたが憶測で話すのは珍しいわね。でも.....あなたの言う通りな所もあるわね。本当に嫌ってたら確かに練習には協力しないでしょうね。」

「それに、2年生の初めてのライブを動画で上げたのは絵里だぞ。」

「へー、そうだったんだ!!じゃあ、生徒会長さんって、私たちの味方だったんだね!!」

「味方とは言い難いが.....まぁ協力はしてくれてたしな。ただ、絵里は立場上自分からやりたいとは言えないんだよな.....そこで、皆から誘ってやって欲しいんだ。仲間になって損はしないだろ。」

「うん!!分かった!!やってみるね!!」

「穂乃果!?.....やはり穂乃果は穂乃果ですね。」

「皆も、ついて来てくれ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「絵里ち」

「希.....あなたついてきたの?」

「.....うちね、絵里ち友達になって、一緒に生徒会やってきてずっと思っとったことがあるんよ。絵里ちの本当にやりたいことは何だろうって。」

「私は.....」

「それにね、絵里ちが頑張るのはいつも誰かの為ばっかり。学校を存続させるのも生徒会長としての義務感からなんやろ!?だから、理事長は絵里ちの提案を認めなかったんとちゃうん?」

「..........」

 

 

"本当のお前はどれなんだ?"

"どうして1人で背負おうとするんだ?"

 

(伊月、私はまだやっぱり本当の自分を出せそうにないわ.......)

 

「お前ら、ここにいたのか?」

「伊月!?どうしてここに?」

「いや、お前がどうしてるかなって。邪魔だったかな。」

 

 

「.......仕方ないのよ。私は生徒会長。この学校の生徒の代表。好き勝手やることなんてできないし、それでどうにかならないものなのよ!!私は不器用な人.....それくらい分かっているわ......でも!!私が今更アイドルやるなんて言えると思う?」

「普通に言えるだろ。だから言ったろ。1人で背負うなって。お前が生徒会長という肩書きがあるのは分かるし、だからこそ発生する義務もある。でもさ.....代表って、あくまで前に立つだけで、誰かの力を借りちゃいけないってことはないだろ?頭が硬いんだよ。」

「...........」

「お前は誰かの為に頑張って、自分のやりたいことをしない。それはある意味献身的だが、周りからしたら押し殺してるのを見るのは結構辛いんだぜ。」

「.......少し考えさせて。」

 

 

「悪かったな、希。割って入って。」

「別にええんよ。もしうちがこのまま話しても、絵里ちが爆発するだけだったし。」

「.......とりあえずスクールアイドルの人達は、説得しといた。後はお前ら次第だ。.....後は任せる。」

「うん。後はうち達に任せて。で、伊月くんはどこ行くん?」

「俺は.....少し野暮用だ。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あの後、絵里と希がμ'sに入り、μ'sが9人になった。もともとμ'sの由来は、音楽の女神ムーサをモデルにしたものらしい。俺は、動摩擦係数かと思ったがな。

 

 

「さてと、久々に見回りするか。」

「ふふふふふっ、久しぶりですね、一条伊月。」

「.......大森、なんの用だ。俺にケチつけにきたのか。」

「いえいえ、あなたに忠告をしておこうと思いまして。」

「.....どういうことだ?」

「あなたは今日KBを投入した者と戦ったことでしょう。ですが、あれはただの一般人です。これからは、もっと強い刺客があなたを襲うことでしょう。」

「てめぇ.....何のつもりだ?まさかあいつらと手を組んでるのか?」

「そんなことを喋るとお思いで?ですが、あなたが働くことで、よりデータは集まっていきますし、私も組織の中で出世できるので、せいぜい働いてくださいね。」

「.......いずれてめぇを叩き潰す。」

「なんとでもほざきなさい。では、私はここまで。急がないと、一般市民が傷つきますよ。」

「どういうこと.....だ?」

「きゃーーーーーーー!!!!化け物!!助けてください!!!」

「ちっ!!てめぇ!!」

「だから急ぎなさいと言ってあげたのです。早くしなさい、また3年前のように血が流れますよ。」

「.......覚えておけよ。いずれ、てめぇも、あの野郎も倒す!!」

そう言って俺は去った。.......くそ、まだあの3年前のことは終わってなかったのか。

 

 

 

 

 

 

「ぅががががががががががが、ううががががががががががががーー!!!!!」

「ひっ!!こっちに来ないで!!」

「ちっ!!!お嬢さん!!そこをどけ!!」

「え!?えええええ。」

「またか.......この感じからして、また無理やり投入したのか。」

 

今日不審者が学校に来てくれて正解だったぜ。メリケンサックがポケットにあった。

 

「とりあえず、大人しくしてもらおうか。おらぁ!!」

「がぁぁぁ!!う、うがぁぁぁぁぁ。」

「こいつ、さっきのやつよりタフだな。どうしたら......」

近くに鉄の棒とかそういうのがあれば......

「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「ぐっ.....劣化型とはいえ、威力はえぐいな。.......肋骨大丈夫か?」

ちっ、今のでかなりダメージが入った。.......まずいな。

「お嬢さん、走れるか?」

「は、はい!!」

「よし、少し逃げるぞ。悪いが、あいつを倒すためにおびき寄せるためだ。安全は保障しきれないぞ。」

「もういいです!!どうせなら囮とかに使ってください!!」

「囮にはしないが.....よし、行くぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここですか!?行き止まりですよ!!」

「大丈夫だ!!ここまで来ればあいつを倒せる。.....お嬢さん、このレンガブロックで、あいつの頭を狙ってくれ。」

「え、ええええええええーーー!?」

「いいから!!生き残るぞ。」

「うがががががががががががががががががががががががが!!!!」

「よし.....いくぞ。」

「ひゃ!?もう来ないでください!!!!」

そのお嬢さんは、ちょうど頭にレンガを投げ当てた。.....よしひるんだな。

「重力の力を思い知れ!!」

俺は、やつの首を狙って着地した。俺の体重で、首ごといってやる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ふぅ.....危なかった。お嬢さん、大丈夫か?」

「はい。大丈夫です。危なかったぁ。」

「悪かった.......よ。」

「ん?どうかしたのですか?」

 

 

こいつ、爪が黄緑色だ。.......これはネイルじゃない。

「あんた.....その爪、まさか。」

「.......へ!?これは.....その.......」

「驚いた。俺以外にも生き残りがいたのか。それともとっくに外に出てたのか。」

「俺以外.....え!?」

「この目を見てみろ。緑色、というか黄緑だろ。俺もあの町の生まれだ。」

「へ!?.......良かったですーーー!!!!皆、死んだって聞いて、もう私だけだと思ってたんですよ。ここで話すのも、あれですし、私の店まで来ませんか?ご馳走します。」

「.......ああ。行かせてもらうよ。」

 

 

.........まさか、俺以外にも生き残りがいたなんて、もしかしてさっきのやつは、この人を狙って.......

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「店って、メイド喫茶のことだったのか。」

「はい!!私これでも経営者なんですよ。たまには、私がホールに出て接客することもありますよ!!これでも、まだ26ですから!!」

「見た目通り若いんだな。まぁいいや。」

「そういえば、名前を聞いてませんでしたね!!私は、姫野 莉奈(ひめのりな)と言います!!」

「俺は一条伊月。巷じゃ黒獅子って呼ばれてるよ。」

「へー、そうなんだ!!まぁいいや、一条くん、今料理出すね!!」

その後、色々ご馳走してもらった。途中、訳の分からないフレーズをしていたが、あれは一体何なんだ?あれが味を良くするのか.......

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「奇妙だな。今日だけでKBを投入した人間が2人も出るとは。.....まずいな。」

「無駄ですよ、黒柳さん。」

「大森.....まさかお前の手引きか?」

「いえいえ。私もこんな物初めて見ましたよ。一体どうなってるんですかね。」

わざとらしい.....こいつ、本当に大丈夫なのか?

「ただ、この怪物を始末したのは、私ということになってますので、私の手柄ですね。あなたもはやく手柄を立ててくださいよ。」

「ふん.....お前も黒獅子を利用しないことだな。あいつにいずれ飲み込まれるぞ。」

「ご忠告ありがとうございます。では。」

 

 

あいつらのおこぼれを逮捕してから数日、奇妙なことが多く発生している。東京で行方不明者の数が多くなり、このようにKBを投入したもの達が現れる。.....再び動き出したか。

「.......もう二度と失いはしない。敬一、共に守ろう。」




僕は、基本的に平日は投稿しますが、決まった時間には投稿しません。つまり、不定時投稿って感じですね。あと今回は少し短めです。ご了承ください。


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#44 隠したいことってあるよね

最近ガチャが爆死しかしていないような気がします.....なぜなんだろう。
久々の日常回。書くスピードが上がりました。
ただ.....ぼらららというかオープンキャンパスの所ををカットしてしまったんですよね。ごめんなさい.......


「姐さんが、変?」

「そうなんだよ!!ことりちゃん、最近訳も言わずに練習を抜けちゃうんだよね!!なんでかな?」

「いや、俺が知るはずないじゃないですか。」

 

姐さんでも、練習抜けることあるんだ.....

 

「さぁ.....姐さんに男でも出来たんじゃないですか?ほら、最近何かとカップルとか出来てるじゃないですか。よく見回りしてる時も、自撮りするために物を買って、使わずに捨てるカップルとかいたんですよね。その場で、軽く注意はしましたが.....」

「ちょっと!!最初の言葉は聞き捨てならないわね!!」

「矢澤先輩、どうしたんですか?」

「アイドルに恋愛なんてアウトよ!!それくらいあの子は分かっているはずでしょ!!」

「いやだから知りませんて.....あくまで予測ですよ。」

「でも、確かに気になるね。」

「そうにゃ。ことり先輩って、しっかりしているイメージがあるから少し驚いたにゃ。」

「でも、個人的な予定とかもあるでしょ?そこら辺も考えないと。」

「真姫の言う通りよ。ことりにだって、色々あるんだし。」

「でも、このままだと練習に集中出来んしね。本人は伏せてるけど、明らかにしておかないと、うちらも心配やしね.....」

「.......で、俺を呼んだのは、その調査をしろってことなのか?」

「ううん。伊月くんには穂乃果たちのボディーガードを頼みに来たんだよ!!」

「護衛?.....何故?」

「もし、ことりが悪い人達に脅されて、何かをしていたりした時の為です。一条さんには、その場合、その人たちを木っ端微塵にしてもらうのと、私たちの護衛を頼みにきたんです。頼めませんか?」

「木っ端微塵.......表現が暴力的だな。まぁ姐さんが変なのに絡まれてたらあれだしな.....分かった。一緒に行こう。」

 

てか、こいつら練習してるよな?.....なんかいつも話してるところしか見ないが.......あと園田先輩が、過激な言葉を使ったのも驚きだな。だが、最近何かと物騒なことも多い.....心配だな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「って、暑ーーーーーーい!!!!!!」

「というか、にこ先輩、こんなことする必要あるんですか!?」

「あったり前でしょ!!私たちはアイドルよ。こうやって、顔を隠さないと。」

「やってられないわ。」

 

なんか.....怪しいな。この人ら、大丈夫なのか?こっちの方がかえって目立つぞ。

 

「というか.....俺だけ隔離されて別行動なのね。」

矢澤先輩曰く、顔を隠してるとはいえ、男と一緒にいたらスキャンダルになるため、俺だけ別行動らしい。.....スクールだしそこまで気にする必要ないと思うんだけどな。

 

「といっても、俺が動けば目立つしな.....さてどうしたものか。.........ん?」

「あれは.....ツバサ達か.....本当にあいつら有名なんだな。」

「あら、やっと分かってくれたのかしら?」

「ああ、すげーなっ........て、ツバサ!?」

「久しぶり、伊月くん♪こんな所で何してるの?」

「いや.....うちの学校の生徒が、最近不審な行動をしてるから、変なやつらに絡まれてないか心配でな.....今その情報収集してんだよ。」

「そういえば、伊月くんってどこの学校だったっけ?」

「あ....元々行ってなかったんだけど、今は音ノ木坂学院の共学化テスト生として学校に行かせてもらってるんだ。」

「へー.....ハーレム築いてるの?」

「んな訳あるか。黒獅子がバレて、思いっきり引かれてるよ。生徒&教員の9割以上が俺を拒んでるんだ。そんで、何か不祥事案件があれば、すぐ俺のせいにされるんだよな.....仕方ないとはいえ、酷いもんだよ。」

「ふふふっ、苦労してるのね。どうしても噂とかあると、勘違いされるよね。」

「まぁ.....もう仕方ないってことで割り切ってるさ。」

「.......ところで伊月くん、うちの理事長がそっちに迷惑かけて本当にごめんね。まさかあんな人だとは思わなかったよ.......」

「何故お前が謝る?悪いのはあいつだろ。.......あいつがしたことも許せないが、一番許せないのは、その事実を揉み消したことだ。あれなんだろ?お前ら生徒には転勤ってことで伝わってるんだろ?しかも世間も隠蔽のせいで、ほとんど知らない。.....たちの悪い野郎だ。」

「私はよく、理事長室に変な人たちが行き来してるのを見てたからなんとなく分かってたけど.....本当にごめんなさい。」

「だから謝るな。お前が悪いわけじゃないだろ。.........お前も人がいいな、全く。」

「ありがと。少し寄って欲しいところがあるんだけど、ついてきてくれる?」

 

 

 

 

 

 

 

「ここよ。」

「ここは.....スクールアイドルショップ?」

「ええ。スクールアイドルに登録されているアイドルの商品があるの。......もちろん、私たちAーRISEやあなたの学校にいるμ'sも。この前、オープンキャンパスの時にライブしてたでしょ?」

「俺は行ってないから知らないんだ。その時は、色々と後処理が大変でな。」

「そう.....μ'sの人達に伝えておいて。負ける気はないって。じゃ、私も用事があるんで、失礼するね。」

「ああ。じゃあな。」

 

 

「やっぱり伊月くんは、私をスクールアイドルとしてではなく、普通の女の子として見てくれてる.....やっぱりいい人ね♪」

 

 

 

 

 

 

 

俺.....姐さん探すの忘れてなかったか?

「あれ!?伊月くんじゃん!!」

「あ、高坂先輩。」

「ことりちゃんいたー?」

「いえ、ここにはいませんでしたよ。」

「そー.....え!?これって穂乃果たち!?石鹸じゃないよね?」

「おおおお落ち着きなさい、なんでアイドルショップで石鹸が売ってるんですか!?」

「ちょ.....どきなさいよ。にこのグッズは.......」

「あ、そういえば、ツバサが伝言で、負ける気はないってさ。」

「一条くん、そのツバサって.......」

「ん?綺羅ツバサって奴が言ってたぞ?」

「え!?あの綺羅ツバサが!?私たちに!?」

「うん。あいつそんなにすごいのか?有名なのは、最近知ったけど。」

「あったーーー!!!にこのグッズよ!!!」

「というか、一条くん、あの綺羅ツバサと知り合いだったんですか!?」

「知り合いというよりか.....普通に前ライブに招待してもらったしな。」

「あんたがUTXにいたのって、そういうことなの!?」

「ああ。矢澤先輩とはあそこで初対面だもんな。」

「う、羨ましいです.....あの綺羅ツバサと関係があるなんて。」

「いや、関係というか、ぼーっとしてたらなんか会ってな。最初はスクールアイドルってことすら知らずに知り合ったんだよな。」

「ふーーん、」

「どうした、真姫、絵里。そんな怖い顔して。」

「いえ、あなた、意外とタラシなのね。」

「ええ。全くその通りよ。」

「え?タラシ?俺そんな人を口説いた覚えほとんどないんだけど。.........というか無言で足を踏むなよ。」

 

一体なんで怒ってるんだ?あれか?ライバルと関係があるのは、情報漏洩とかが有り得るからってことなのか。

 

「別に俺はお前らの情報とかを漏らしてるわけじゃないし、というかツバサと会ったの3回しかないし。どうしてそんなにきれてるんだよ?」

『そういうことじゃないわよ!!!』

ヽ(  ´・ω・`  )ノ

 

 

 

 

「なあ、これって姐さんじゃないのか?このメイド服の。」

「本当だね.....ことりちゃんだね。」

 

「あ、あの!!」

「?」

「ここに...私の生写真があるって聞いたんですけど.....ダメなんです!!撮影禁止だったんです。今すぐ返してもらえませんか?」

「ことりちゃん?」

「ひっ!!.....ことり、ホワットどぅーなたですかー。」

「が、外国人。」

いや、あれで騙せるわけねーだろ。」

「ことりちゃんだよね?」

「ちがいマース!!では、ごきげんよう、皆の衆.....さらば!!」

「あ、ことりちゃん!!」

「待ってください!!」

「ほう.....俺相手に逃げられてるとでも思ってるのか。」

「伊月くんが別方向に燃えてるにゃ.....」

さっきにツバサに色々教えてもらったんだ、絶対逃がさないぜ。

 

 

 

 

 

 

「はぁ.....はぁ.....はぁ.....良かった、逃走用の道を考えておいて。」

「ああ。確かに上出来だな。だが、逃げていった方向からいって瞬時に道を特定できちまうけどな。もう少し綿密にしといた方がいいぜ、姐さん。」

「い、伊月くん!?なんでここに?」

「さぁ.....なんででしょう、とりあえず姐さん、大人しくしてもらうぞ、なあ、希。」

「あちゃー、ばれてたか.....でもことりちゃん、大人しくしないと、わしわしするよー。」

「ひっ!?.....ごめんなさぃぃ。」

「さて、どこに連れていこうか?」

「とりあえず、この服装の理由が分かる場所に行かんとね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「えぇぇぇぇえ!?」

「じゃあ、ことり先輩があの有名なミナリンスキーだったんですか!?」

「.....そうです(地声)」

「ひどいよ、ことりちゃん!!教えてくれたら、ジュースとかご馳走してもらったのに!!」

「そっち!?」

うん、俺もそう思った。まあこっちの方が高坂先輩らしいけどさ。

「でも何故にバイト?小遣いでも足りなかったんですか?」

「ううん、そうじゃなくて.....自分を変えたいなって。.....ことり、穂乃果ちゃんや海未ちゃんと違って何も無いから.....」

「そんなことないよ!!ことりちゃん、歌やダンスだって上手じゃん。」

「それに、衣装だってことりが作ってくれてるではありませんか。」

「少なくても、2年の中で一番まともね。」

.......そうなのか?高坂先輩はともかく、園田先輩はまともなような気がするけど.....違うのか?

「ううん、やっぱりことりには、穂乃果ちゃんみたいにみんなを引っ張れるわけじゃないし、海未ちゃんみたいにちゃんとしてないから.....」

 

 

うん、これは重症だな。気持ちが分からんでもない。どうしても、他人と自分をくらべると、相手のいい所よく見るよな。それも幼なじみとかだったら尚更劣等感とか感じるのか.....

 

「あれ!?伊月くんじゃん!!どうしたの?」

「あ、姫野さん、てことは、姐さんって姫野さんのところで働いてたんですか。」

 

あれ?おかしいな。昨日はいなかったんだけどな。

 

『ガシ!!』

「ん?真姫、絵里、姐さん?なんで俺の肩掴んでるんですか?」

「伊月、あんた、あんな大人の人とも関係持ってるのね.....」

「どういうことかきかせてもらおうかしら?」

「そうだよ、伊月くん!!いつ店長をおとしたの?」

というか、姐さんはさっきまで落ち込んでましたよね?あの暗い雰囲気はどこにいったんですか?

 

「あの、姐さん?さっきまで落ち込んでましたよね?」

「それとこれは別の話だよ。さ、伊月くん、ちゃんと話してね。」

 

この人ら、怖ーよ。というか、見てないで助けろよ!!希に関しては、ビデオ撮ってるじゃねーか!!




久々に伊月くん絡みじゃない話を書けました。.......やっとですね。
この前も言ったような気がしますが、展開がデジャブとか、オチがおかしい、もう少し展開考えろとか指摘、または要望などが気軽にコメント下さい。


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#45 姉弟の本気(ネタ)

ラブライブの1期って全体的に少し重いですよね...だから2期で一気にネタが入ってきたなあという感じがします。


翌日

何故か知らないが、俺は職員室に呼ばれていた。.......なんで?

「一条さん、これ警察からの感謝状みたいです!!警察が不審者を逮捕しやすいように、動いてくれたことに関することですよ!!」

「そりゃどうも。」

 

というか、あれほとんど俺だけでやったよね?警察いつ出てきたの?まぁ興味ないからいいんだけど。

 

「あと、大きな声じゃ言えないんだけど.....今先生の間で一条さんを退学させる動きが出てるんですよ。」

「へ?今更ですか?何故?」

「それが.....この前のオープンキャンパスの結果が予想以上に良くて、学校のイメージダウンを防ぐために黒獅子である君を退学にしたいんだって。」

 

.......薄々は察していた。なんか最近教師たちが何かと俺を目の敵にしているのは、そういうことからだったのか。女子校としてのプライド.....か。

 

「というか、俺を退学させたいなら、ちゃんと学校の存続が確定してからしてもらいたいね。理由が曖昧なんだよ。」

「ちょっと、いいかね?」

「ん?なんですか?」

「神崎先生、少し一条くんを借ります。会議室に来なさい。」

「.......何か言われたら後で言ってね。」

「別に大丈夫ですよ。慣れてるんで。」

 

 

 

 

 

 

 

「で、用ってなんですか?」

「君、西木野さんのところの娘さんと仲がいいようだね。」

「真姫のことですか?それがどうかしましたか?」

「西木野さんの家はね、この学校にかなりのお金を納めてくれていてね。それはいいんだが.....最近とあることがあったことで最近はその献金が減っていてね。」

「......まさか、俺がいるからとでも言うんですか?」

「そう。君が仲良くしているせいで、この学校の信頼が失墜しかけているのだよ。だから、辞めてくれないかね?」

「というか、ここ国立じゃないですか?学校運営は大丈夫だと思うんですけど。」

「そうじゃない。それだと給料が安くなるだろ。私たちは損をするんだ。国から渡される金だけじゃ学校運営は不可能だ。今だって、高収入ということで、教員を集めているのに。」

 

要はあれか。都合が悪いから消えろってことか。というかこの学校の先生って、OGとかが多いような気もするが.....男性教員は金でやってきてるのか。

 

「それを理事長は承認しているのですか?」

「理事長は頑なに首を縦に振らないんだ。困ったんだよ。だから、こうやって署名をすることで、君を公的に排除する。」

「.........へー、」

「なんだね!!その態度は!!」

「いや、俺は問題起こしてないのに退学させられるのか。......というか、そんなことしてていいんですか?」

「.......当たり前だ。何が言いたい?」

「こういうことを言うのは嫌なんですが.......俺がいなきゃこの学校どうなってましたか?粉飾があって、教員が他校の理事長と手を組んで学校を潰そうとしたり、あんた達は不審者が来た時に何をしていた?15分経っても俺だけで戦ってたんだ。ずっと保身してたんだろ?」

「違う!!あれは全部お前が仕組んだことだろ!!」

「俺が仕組んだ?証拠ないでしょ?というか、言いがかりも程々にしてもらえませんか?俺はあんたなんかと関わったことないくせに、よくそんなこと言えるよな!!ふざけんじゃねーぞ!!!!」

「君!!先生に向かってそんな態度を取るのか!!」

「あ!?ソースも分からない噂を信じて、人を見ないくせに勝手に決めつけて問題扱い。そっちの方がよっぽどタチが悪いんだよ!!お前みたいなやつに敬意なんか払う必要はねーよ!!教師のくせに、生徒を見ないで自分の利益。そんなやつに言われたかねーんだよ!!」

「黙れ!!このまま流れにのれば、この学校は存続するんだ!!それがお前みたいな奴1人のせいで台無しになるのは耐えられん!!」

「綺麗事を.......さっき言ったよな?自分たちの給料が下がるって。今更そんなこと言ってんじゃねーぞ!!」

「........無駄だよ、どうせ署名をすれば、生徒と教員の9割の人間は喜んで署名するさ。お前は終わりなんだよ。」

「.......勝手にしろ。だが、何かあっても俺は知らないからな。」

 

なんか俺の方が悪役みたいなセリフ言ってるな。.....なんか恥ずかしいわ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ピリピリ

 

「はい、どうかしましたか?」

「あ、伊月くん♪この前のメイド喫茶に来てくれる?」

ん?なんかあったのか....

 

 

 

「お帰りなさいませ♡ご主人様。」

「お帰りなさいませぇ!ご主人様!!」

「お帰りなさいませ.......ご主人様。」

 

.......ん?なんか増えてる?

 

「2人ともすっごく似合ってるよ。店長も快く承認してくれたし。」

「えーと、何をしてるんですか?」

「歌詞が思いつかなかったら、いっそアキバで考えようと思って。という訳で、穂乃果ちゃんと海未ちゃんに一緒にやろうとお願いしたんだ♪」

「そうですか.....似合いますね。」

「あ、伊月くん!!ちょうどいいところに!!」

「なんすか?」

「伊月くんも、バイトしない?そのルックスだったらいけるよ!!」

「.......は?」

 

 

 

 

 

「じゃあ言ってごらん。」

「えーっと.....お帰りなさいませ、お嬢様?ご主人様?」

「うーん、やっぱり似合うね、執事服!!」

 

何故か執事服を着させられている。.......まぁ女装させられなかったのが唯一の救いだな。そして.......

 

「お帰りなさいませ!!!ご主人様!!!」

 

何故か那月もメイド服を着ている。.....お前どこからわいたんだよ。

「あの、なんで俺たちまで働かされてるんですか?」

「なんでって、君たちに衣装が似合うと思ったからだよ!!うんうん、やっぱり似合うね!!」

「えへへ、ありがとうございます!!」

 

「にゃー、遊びに来たよ!!」

「えへへ、」

「アキバでライブをするなら、曲はアキバで考える。いい考えね。」

「凛、花陽、お前たちどうしてここに?」

「私が呼んだの。」

「伊月くん、その服は?」

「ん?執事服だってさ。なんか知らんが、働かされてる。」

「ではではー、早速取材をー。」

「辞めてください!!恥ずかしいです!!」

「どうでもいいけど、さっさと接客しなさいよ!」

あ、ブラック矢澤先輩だ。ああいう感じの人相手に愛想振りまくのも簡単じゃねーな。

「いらっしゃいませ。2名様でしょうか?」

「は.....はい。」

「では、空いてる席に案内しますね。」

 

うん、手慣れてるね。というか、すごくないか?伝説のメイドとか呼ばれてるだけあるな。

「そこの執事さん、ちょっといいですか?」

「アッハイ。えーっと.....ご注文は何になさいますか?」

「アイスコーヒー2つと、ホットケーキ1つ、お願いします。」

「かしこまりました、少々お待ちください。」

「あの.....一緒に写真撮ってもらっていいですか?」

「写真.....ですか?」

 

そういうのって、この店のルールとか知らないから勝手に許可できない。それに、なんか奥の方から殺気と睨みを効かせている人がいる.....どうしたものか.....

 

ω・`)チラッ

 

(そういう誘いにのっちゃダメよ♡)

(あとでタダじゃ済まさないわ。)

(そんなことしたら.....あとで教育するからね♪)

 

うん.....これ誘いにのったらあとで俺がエンダーされるわ。キボウノハナーされるのは面倒くさいし、

 

「あの、すみません、当店はそういう撮影は禁止になっていますので、そういうのは.....」

「そうだったんですか、じゃあいいです。その代わり.....あとで呪文かけてくださいね♪」

「じゅ、呪文?エクスペリアームス?」

「どうしてそこでどこかの魔法使いの呪文が出てくるのよ。」

 

あれ、真姫がツッコミにきた。というか、こいつのメイド服見てみたいな。.....ツンデレメイド、一部の人に受けそう。

 

 

 

 

 

 

「お待たせしました、アイスコーヒーとホットケーキです。呪文を唱えます。......ご主人様のお口に合いますように.......はぁ!!!!!」

 

とりあえず呪いをかけるようにやってはみたが、みんな驚いてるな。まぁそうか、普段戦う時と同じくらいの覇気を出したからな。一般人からしたらそら怖ーよな。

 

「か.....かっこいいです!!」

「へ?怖くなかったんですか?」

「はい!!むしろ、真剣にやってくれて嬉しいです!!」

「次は、私もやってください!!!」

「え?.....美味しくなってくれよ.....はぁ!!!!」

『きゃーーーーー!!!!!』

あれ?思った以上に好評?.....そういや、那月は何してるんだ?

 

 

「hshs、那月たーん、もっとやって!!」

「仕方ないなぁ.....いけない子♪美味しくなぁれ!!」

『わあーーーーー!!!!!!!!』

「これは天使....SNSにあげられないのが残念だ。」

「ミナリンスキーとは別ベクトルだけど、これはまた新種のメイドだな!!!」

「皆、注文しなよ!!!これじゃただのイベントだよぉ!!!!」

(というか、伊月のおまじない羨ましい.....!!私もしてもらいたい!!というか雇いたい!!!)

 

.....え?なんかイベントみたいなことになっとる。これはおそらく帰ったらめっちゃ愚痴を聞かされるやつだな。うん、帰りたい。

 

「なんか.....あそこはすごいわね.....」

「伊月くんもあれだけど、那月先輩の人気がすごいにゃ。」

「だって、モデルみたいだもん、あのスタイル、憧れるなー。」

「ふん!?何よ!?にこを差し置いて盛り上がるなんて!!」

「あはは.....」

「そうやね.....それにしても那月っちの人気はすごいねー。」

「ことりもイベントじゃないのに、あそこまで盛り上がるのは初めて見たよ。」

「ですが、あれでは他のお客様に迷惑では.......」

「それがね....店長ああいうの好きだから大丈夫なんだ。」

 

その後、那月大いに場を盛り上げ、SNSで「幻のメイド」として話題を作ったらしい。




次回で、Wonder Zoneのところを終わらせます。というか、ストーリー進めないと.....


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#46 自分らしさ

この小説を描き始めてから、スクフェスで出てくるURの9割が絵里ちゃんなんですよね。海未ちゃんが全く出てきません.....


「姐さん、何か分かったか?」

「ううん、歌詞は思いつかないよ。」

「.....そうか、なら姐さんに1つ聞いてもいいか?」

「え?何?」

「姐さんはここで働いてどう思っているんだ?俺はそれが知りたい。ここでの姐さんは、学校の姐さんとは随分と違う。俺はそう見えてな、それがなんでか気になってるんだ。」

「ここに来るとね.....見える景色が少し変わるんだ。この服を着ると、少し勇気が貰えて,.....言葉にするのは難しいんだけど、楽しいんだ。ことりはこの仕事や、この場所が好きなんだなって。」

「そう思えてるなら、何も迷うことないじゃないですか。」

「え?どういうこと?」

「自分はこれが好きだ、こういうことが楽しいんだと思えることがあるっていうのは、結構いいことなんだよ。現に姐さんは、ここで色んなことをして、楽しいと思っている。歌詞に迷ってるとか言ってたけど、自分が思ったことを書いてもいいんじゃないですか?」

「でも.....」

「『曲に宿された命はそれぞれ違って、その人の個性や自分らしさが溢れている。そのらしさがあるからこそ、曲の命の輝きは美しく、作る人、聞く人を楽しくさせる』今回の1一件とは少し違うことだが、かつてとある音楽家はこう言ったんだ。だから、自分が思ったこととかを歌詞にするのは決して悪いことではないんだ。姐さんにはそういうことが出来る能力がある。」

「.....うん。」

「それに、姐さんには歌詞を書いたり、人を笑顔にする力があると思う。きっと、それは高坂先輩も園田先輩も同じ考えを持ってると思いますよ。」

「うん....ありがとう、伊月くん♪」

「礼を言われるほどのことは何もしていませんよ。俺はあくまで、自分の考え方を言っただけです。」

 

あとは頼みましたよ、高坂先輩、園田先輩。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

地下スペースにて

 

「これより緊急会議を始める。全員いるな?」

「います。それより兄貴、突然会議開いてどうしたんすか?」

「今回はみんなに伝えたいことがあってな.....ひとつは、最近なにかと事件や問題が頻繁に起こるようになった。だから、各自警戒してくれ。変な組織とかも動いてるからな。それともうひとつなんだが.....」

「どうしたんすか?兄貴」

「.......」

「.......仕方ありません、私から話しましょう。先日、この街にKBを投与した人間が2人現れました。倒した後、確認しましたが、どうやらただの一般市民でした。」

「KB?なんのことですか?」

「そうか.....皆はKBを知らないのか.....この中で麻薬等の闇取引に関わったことがあるものは知っているだろう。」

「はい、なんか特級レベルで危険らしいんすけど、そのかわり世界各国で望外な値段で取引されているらしいです。」

「その通りだ、KBというものは、一種のアンプルのような物なのです。基本的に生物全てに投与することができるもので、投与したものは異常なレベルの再生能力を手にすることになります。」

「それって、倒すのは不可能だってことですか!?」

「いや、そうでもないのです。KBを投与しても、脳や脊髄など、中枢の神経、または急所に強い衝撃を与えれば、奴らを止めることができます.......つまりは殺すのです。」

「何故殺さなきゃいけないんすか?」

「彼らは再生能力を手に入れる代わりに.....自我を失ってしまうのです。KBというものは、生物の精神を蝕むほどの強力なアンプルです。稀に適合することで、自我が残る者もいますが、そんな者でも1週間経てばただの怪物に成り下がってしまうのです。」

「それを治す方法というのは.....?」

「現時点では解決方法は見つかっていません、ただ投与した彼らを救うためには、彼らの命を摘み取らねばなりません。」

「.......そうなんですか。」

「.....私も正直な話、手をかけたくありません。ですから、一刻もはやくその原因を探さねばなりません。」

「そこで、だ。お前らには数人1組のグループを作って、それぞれ捜索に当たって欲しい。ただし、乗り込むのは辞めてくれ。見つけ次第、全員で乗り込む。いいな?」

『はい!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「辛いもんだな.....」

「伊月様.....心中お察しします。」

「 俺は3年前、悪夢を見た。しかもその事件は終わっていなかった。.......再びあのような地獄絵図になるのか.....」

「KBを投与される人間は、9割以上が望んでやっているんだ。.....今回もおそらく実験としてやったんだろうな.....」

「ですが、今回は市民です。おそらく強制的にやったのではありませんか?」

「御家族の方には申し訳ないな....」

「.......あなたが悪いわけではないのに、何故頭あなたがそう思うのです?」

「この悪夢は.....いや、これは俺がケリをつけなきゃいけないんだ.....だからこそ、考えなくちゃいけない。最悪謝らなきゃいけないんだ。そして、戦わなきゃいけない.......それが、俺の罪滅ぼしになるんだ.....あの日、守れなかったことの。」

「それでは、伊月様、あなたが悪者になってしまいます!!真実がねじ曲げられてしまうのですよ!?それに、それこそ、世間にこの問題がばれて、大問題になるのですよ!!」

「それでもいい.....それでも、終わらせなきゃいけないんだ.....この負のサイクルを。」

「伊月様.......」

「伊月、僕は3年前のことはよく覚えてるよ。伊月の気持ちも分かるよ。.....でもさ、1人でいかないでくれよ。僕や透谷さん、敬一さんだっているんだから.....」

「.......すまないな。」

 

 

 

1人でいくな.......か。絵里にそう諭しておきながら俺が出来ていないのは、話にならないな.......

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺は、少し重い足取りで家に帰った。.........辛いもんだな。

だが、俺は気分を帰るために壁を強めに殴った.....少し血が出たがまぁいいだろ。

 

「おかえりーーー!!!!.......なにかあったの?」

「いや.....少し疲れただけだ。」

「だったらお姉ちゃんが膝枕でもしてあげようか?」

「いや、遠慮しておく。ところで今日の晩御飯はなんだ?」

「えっと、カレーだよ。今日は私の手作り!!」

 

 

.......は?手作り?

「すまん、疲れて耳がおかしくなったのかもしれん。今手作りって言ったか?」

「うん!!!言ったよ!!!!」

「今日は地球が滅びるのか.....」

「なんでさーーーー!!!!」

「お前の作るカレーはまずいんだよ!!どういう作り方をしたら、あんな物を作れるんだ!!!下手したら、舌の感覚消えるし、意識も飛ぶわ!!!」

「ひど!!私そこまで下手じゃないよ!!!!」

「じゃあそこで伸びてる親父はなんだ!!!絶対にこれ気絶してるだろ!!!」

「お父さん、私の料理を味見してから、ずっとこんな感じなんだよね.....そんなに美味しいのかな?」

「どうしたらそんなおめでたい思考回路になるんだ.....あ、俺用事思い出したわ。じゃー『がし!!!』\(^o^)/」

「伊月?どこ行くの?オネエチャントイッショニゴハンタベヨ?」

 

今日のメイド喫茶で貰ったまかないが愛おしいよ.......

 

 

 

 

 

 

「完食だね!!また作るよ!!!」

「もう嫌だ、俺はおわったかもしれない....ヨクイキタ。」

「伊月.....俺なんかもう2回目だぞ...」

こういう時だけは、親父と共感できるんだよな。那月の料理下手は本当にどうにかしてほしい。将来旦那になる人の不幸が見える.....

 

「そういえば伊月、ことりちゃんからメール来たんだけど、今度の日曜日にアキバでライブするんだってさ。見に来てって。」

「見にいけたら行くよ.......この料理を食って生き残ってたらな。」

「どれだけひどいのさ!!!!普段の伊月の方が生き残るか心配だよ!!」

「そいつは大丈夫だ。そう簡単には死にはしねーよ。」

「はっは、頼もしいな。さすがは伊月だ!!!」

「そりゃどうも。」

 

 

「そうだ、伊月も世話になってることだし、その子達に会いに行くか!!南さんところの娘もいるんだろ?」

「親父が行くと、カオスになりそうだから辞めとけ。」

「おいおいひでぇな。これでも社交辞令くらいはできるぞ?」

「普通は誰でもできるんだよ。まぁいいや.....あんまり変なことするなよ。」

「おう、任せとけ!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

日曜日

「親父!!いつまで寝てるんだよ!!」

「んあ?あと5時間寝かせてくれ.....」

「5時間寝たら夕方になるぞ!?ライブあるから早く起きろ!!」

「.........は!?もうこんな時間かよ!!準備準備.....」

「.....たく、」

 

親父って、普段はすごいのに、こういう所を見るとなんか一般人にしか見えないんだよな。

 

「んじゃ!!行くか!!車で行くぞ!!」

「.......は?お前頭沸いてんじゃねーの?」

「お前は車に乗りたくないだけだろ!!いいから行くぞ!!」

 

.......神様、ときに現実は残酷ですね、酔い止めが持つといいのですが.......

 

 

 

 

 

 

 

「あぶねぇ、危うく始まるところだったな。」

「どっかの誰かさんが寝てたせいだけどな。」

「まあまあ、というか皆メイド服だよ!!可愛い!!」

 

 

「それでは聞いてください!!!」

 

 

『Wonder zone』μ's

 

 

 

「すごいね、歌詞がことりちゃんって感じがするよ!!」

「本当に南さんそっくりだな。若返ったみたいだ。」

「.......前に進めてるんだな、あいつら。」

 

本当に尊敬するよ、進めてない自分を見ているからかな。それはさておき、あいつらメイド服めっちゃ似合ってるな。絵里と真姫は特にすげーな。希は.....うん、なんかエロいな。

 

「前に進めないってんなら、俺たちが背中を押してやるよ、伊月。たまには人を頼れ!!」

「...........ああ。」

 

 

 

 

 

ライブ後

「お客様、困りますよ!!会いたいなんて!!」

「どけおら、俺は関係者だ!!」

「大体皆さん、そう言うんですよ!!帰ってください!!」

「どうかしたんですか?」

「いえ、この迷惑な客があなた達に会わせろって言って帰ってくれないんですよ!!」

「どうしたらこんなスマートな大人をそこら辺の迷惑な客と間違えるんだ!!」

「あの.....どちら様ですか?」

「あ、俺は一条敬一。一条伊月の親父の位置にいる人間だ!!」

「伊月の.....分かりました、どうぞ。」




投稿が遅くなってすみません。今日は時間割が鬼畜で小説を書く時間がありませんでした。


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#47 邂逅

ハーメルンに、ランキングとかがあるのを最近知りました。結構細かく出来てるんですね.....やっばりバーに色がある人が上位に多いですね。


「皆、伊月のお義父さんが来たわよ。」

「え!?敬一さん!?お久しぶりです!!」

「よ、ことりちゃん、3年ぶりかな。母親に似て美人に育ったな。」

「えへへ.....」

「ところで今日はどういったご要件で来たのですか?」

「ただの挨拶だよ。普段から伊月と那月が世話になってるからな。ありがとう。」

「2人とも立派な問題児だけどね。」

「ちょっとにこ先輩......」

「気遣いはいらないよ。俺も学生時代は、教師の目の敵みたいなものだったからな、親に似てしまったのかな、アッハッハッハッハッ!!!」

「...........」

「これは差し入れだ。皆で食ってくれ。」

「ありがとうございます。.......あの少しいいですか?」

「ん?どうした?」

「前から気になっていたんですが、一条くんは中学時代どんな感じだったんですか?本人が全く教えてくれなくて......」

「中学時代か.....あいつは廃れてたな。今あいつが黒獅子なんて呼ばれてるのも、中学時代で暴れてたからだしな。」

「......そうなんですか。」

「まぁそんな暗い話はなしだ。南さんから聞いたんだが.....伊月のやつ、退学させられるのか?」

「!?.....それ本当ですか?」

「聞いてなかったのか.....ああ。音ノ木の存続の為に、汚点である伊月を消したい.....自分たちの給料を下げられるのが嫌っていう魂胆丸見えなことだけどな。生徒のほとんどは伊月を恐れて、署名なんかしたら、多分アウトだろうな。」

「そんなの勝手じゃない!!!伊月は、学校の不正を何回か見破っているのよ!!!どうしてそうなるのよ!?」

「黒獅子っていう噂がそうしてるんだろうな。そんな噂がたつ奴が普通とは思えないんだろう。」

「そうにゃ!!クラスの皆もなにかと伊月くんを悪者扱いしてるよね!!」

「うん.....あれは酷いよね。」

「話を聞く限り、1年生が一番酷そうだな.....」

「朝礼で派手にやってたしね。あれは凄かったねぇ。」

「そうですね、見ているこっちがドキドキしましたよ。」

「それで.....まぁこれからも伊月を宜しくっていうのと、もしあいつが学校で何かあったら.....その時は頼む。」

「.......重い頼みね。」

「はい!!分かりました!!!」

「穂乃果ちゃん!?」

「まぁ伊月がこのまま不当な扱いを見るのは嫌ね.....いいわ、強力するわ。」

「感謝する.....それはそれとして、伊月と那月って学校でどんな感じなんだ?」

「伊月くんは、ある意味すごいにゃ。3教科だけだったら、学年トップだし。」

「普通に頼れるよね。.....社会の授業の時以外は。」

「那月は、普通に騒がしいわね。3年の間じゃトラブルメーカーなんて呼ばれてるし。」

「うちもびっくりしたよ。先生を論破した時とかすごかったね。」

「そうか、あいつら全然教えてくれないからなー、μ'sのことはよく言ってるんだけどな。」

「.......なんて言われてるんですか?」

「ん?伸び代がすげーとか、なんかメンバーの事情が案外複雑とか、まぁ色々言われてるさ。」

「良かった.....酷評はされてないみたいね。」

「まぁ、うちの子供たちと仲良くしてくれて感謝する。伊月は、中学時代なんか怖がって誰も寄らなかったし、那月は、あいつを狙う男しか来なかったからこうやってまともな友達が出来てるのは本当に嬉しいよ。親として、そういうところは心配だからな。」

「でも一緒にいて楽しいですよ。那月が来てから受験シーズンに入るってことで少し暗くなってたクラスも明るくなりましたし。」

「そうか.....ありがたい限りだな。時間取って悪かったな。帰るわ。」

「はい!!いろいろ話してくれてありがとうございました!!!」

「いや、こっちこそありがとうな。色々聞かせてくれて。じゃあな。

あ、最後に言い忘れてたわ。.......伊月と関わるなら覚悟がいるからな。生半可な気持ちで付き合ってると後々面倒になるからな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちっ、余計なことを...,.....」

「盗み聞きとは聞き捨てならんな。」

「当たり前だ。親父がうっかり口を滑らすか分かったもんじゃないからな。」

「別に3年前のことを話そうとは思わねぇよ。それはお前が信じた人だけに話せ。」

「分かってるよ.......」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

那月side

 

「あっつぅいーーー。」

「そうかな、そこまで暑くは無いと思うけどな。」

「そうよ!!こんな暑さの中練習するなんて馬鹿なの!!!」

「文句言ってないでレッスンするわよ。」

「だけど、この暑さは少し考えないとまずいよ。」

 

そうです!!私、一条那月はμ'sのサポーターとなったのです!!伊月も誘ったんだけど、自分はいいって。.......まだ悩んでるのかな?

 

「そうね.....モチベーションが下がるとレッスンの質も悪くなるわね。」

 

 

「そうだ!!合宿しようよ!!!」

「合宿?」

「そうだよ!!せっかく部活になったんだからそれっぽいことしようよ!!それに、合宿とかの方が涼しいところで練習できるし!!!」

「どこでやるのですか?」

「それは.......」

「それに費用とかもどうするのですか?」

「それは.....ことりちゃーん、次の給料いつ出るの?」

「えぇ.......」

「あ、そうだ!!真姫ちゃんの別荘とかどう?」

「うぇぇぇ.....なんで私なのよ!?」

「だって、真姫ちゃんの家ってお金持ちでしょ?だったら別荘もあるんじゃないかなぁって。」

「無いわけではないけれど.....」

「穂乃果、思いつくのはいいけれど、それで真姫に迷惑をかけるのは良くないわよ。」

 

あれ?絵里ちゃん、口ではああ言ってるけど目で「いけないかしら?」みたいな感じになってる。こういうのやったことないから興奮してるのかな?

 

「.....仕方ないわね、聞いてみるわ。」

「やったーーーー!!!!!」

「その代わり、那月先輩、伊月も連れてきてくれますか?」

「伊月を?なんで?」

「家で少し問題になっているのよ。黒獅子ってことで。だから一緒に来てパパと話をつけて欲しいの。」

「それでいいの?」

「ええ。それにパパと伊月が話をつけることが出来れば、この学校の教員、お金目当てで働いている人達は、伊月を残すことに賛成するわ。」

「1回伊月に電話するね♪」

 

 

 

ピリピリ

 

「はい、どうかしたか?」

「伊月、真姫ちゃんの別荘で合宿しようよ!!!」

「却下。じゃあな。」

「ちょっと待ってよ!!!話もあるから!!」

「何だよ?それって。」

「那月先輩、貸してください.......伊月、私たちの合宿についてきて。そこでパパと話をつけて。」

「え?パパ?お前父親のことパパって呼んでたのか。意外だな。」

「今はそんなことどうでもいいでしょ!?いい?伊月.....今の音ノ木で伊月を追い出そうとしている大人の大半は、うちからのお金が絡まっているからよ。」

「うん、知ってる。この前言われたし。」

「だからあなたがパパと話をつければ、大人は納得してあなたを追い出そうとはしなくなるわ。」

「.........分かった、一緒に行こう。なあ真姫、もしかして電車とかで移動するのか?」

「ええ、それがどうかしたの?」

「........俺やっぱ無理だわ。」

「え!?どうしてよ!?」

「俺は乗り物苦手なんだよ!!!!電車とかに乗るとかありえない!!!」

「知らないわよ!!いいから来なさい!!!」

 

 

 

「ごめんねー、真姫ちゃん、伊月って乗り物とか本当に苦手なんだ。すぐ酔っちゃうから。」

「そうなんですか、あいつにそんな弱点があるなんてね.......」

「結構びっくりだにゃ。社会以外に弱点があったなんて.....」

「まぁ伊月のことは私に任せてね!!」




今回はいつもより短いです。なので、多分明日も投稿します。


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#48 合宿①

ラブライブってアニメ見てると結構進みが早いなーとか思ってましたが、書いてみると結構量があるんですよね.......


「先輩後輩禁止?」

「そうよ。この合宿の際に先輩後輩の壁を壊したいの。踊る時とかに先輩とか意識するのは良くないし、手始めとしてそうしようと思うの。」

「確かに、私も3年生に気を使って動くこともありましたし....」

「そんな気遣い一切感じたことないんですけど。」

「それはにこ先輩が先輩と感じられないからにゃ。」

「なんですって!?」

「うーんと、後輩?」

「うちはマスコットやと思ってたけど.....」

「あんた達ーー!!!」

 

なんでこいつら朝からこんな騒がしいんだ.....こちとら、強盗犯片付けてから来たから結構疲れてんのに.....しかもこれから電車だろ?ウソダドンドコドォン!!!

 

「じゃあ.....穂乃果」

「う、うん.....絵里ちゃん。」

「うん、よく出来ました。」

「花陽ちゃん♪」

「は....はい、じゃなかった、うん....ことりちゃん。」

「真姫、あなたもよ。」

「うぇ.....別に無理して呼ぶ必要ないでしょ!?」

「まぁそりゃそうか。慣れねぇもんはきついわな。」

「伊月はどうしようかしら?アイドル部じゃないし、かと言って手伝いでもないし.....」

「別にそれは個人の希望次第でいいじゃないか?親しくもないのに下の名前で呼ばれるのは、なんか嫌だし。」

「そうね....じゃあ伊月は自由にしていいわ。」

「ねぇ!!!じゃあ穂乃果って呼んでよ!!!」

「え?.....うーん、先輩だしなぁ。」

「前から言ってるじゃん!?いい加減呼んでよ!!」

「分かりましたよ、穂乃果さん。」

「うん.....今はそれでいいかな、いつか穂乃果って呼んでよ!!」

「分かりましたよ。」

「それでは、合宿に出発します。」

「よし、俺は帰ろう。⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン.....」

「逃がさないわよ!!!」

「あの、真姫、靴紐踏まないで貰えますか?それ地味に痛いんですよ。」

「いいから来なさい!!あんたにはこの学校にいるかの問題があるでしょ!!......あなたがいなくなるのは嫌だから(小声)......」

「あ、そっか。そうだったな。.....酔い止め飲まないと。」

「それじゃあ仕切り直して.....合宿に出発!!」

『おーー!!!』

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おおーー!!!」

「はぁ.....死ぬかと思った.......」

「真姫ちゃんの別荘すごいね!!!」

「そう?普通でしょ?」

「ぐぬぬぬー。」

 

うん、矢澤先輩の気持ちが分かるぞ。これが普通って大丈夫なのか?

 

 

 

 

「これが!!!この合宿のメニューです!!!」

「遠泳10km.....ランニング15km.....」

「最近、基礎体力を上げるトレーニングがありませんでした.....ですから、この合宿でしっかりとしましょう!!!」

「スイッチがイタイ方向に入っるわね.......」

「園田さん、このメニューどこで寝るんだ?」

「これはあくまで活動時間内のメニューです。睡眠はちゃんと6時間は取りますから!!!」

「まじか.....ランニングはともかく高校生が遠泳10kmできるのか.....」

 

というか.....みんな引いてない?あの絵里ですら、えぇ.....(困惑)みたいな感じだし

 

「あんた達!!どうしかしなさい!!!」

「ラジャーにゃ!!あ、海未ちゃんあそこ!!!」

「え!?どれですか?」

「今だーー!!!!」

「ああ!!ちょっとあなた達。」

「ふふっ.....」

「絵里先輩からも何か.....あっ.....」

「先輩後輩禁止よ。合宿を通して皆の仲も深めたいし、ああやって遊ぶのもいいんじゃないかしら?練習はまたどこかでやればいいし。」

「.......はぁ、分かりました。ですが!!練習はちゃんとしてくださいよ!!」

「分かってるわよ。ふふっ。」

(絵里ち、嬉しそうやね.....)

「あんた達!!早く来なさいよーー!!!

 

うわー、なんか遊び始めましたよ。しかも全員水着で。うん、皆スタイルいいんだな。あれくらいだったら、体術の1つや2つ、習得できるかもな。

 

「さて....俺は何をしようかな.....折角だし、園田先輩が作った練習、やってみるか.....ダンス、発声練習以外を。」

 

 

そうして、俺は超ハードな練習メニューをやってみた。久々にこんだけ運動すると、少し疲れるだろうけどな。というか、那月も遊んでる。あいつ、本当に人の輪に入るの上手いよな.......

 

 

 

 

「.......あれが、一条伊月か。」

「はい。今のところお嬢様には何もしていません。」

「観察を続けてくれ。もし真姫に何かあるなら.....消すだけだ。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ふぅ!!よく遊んだ!!!」

「ほんと、全部遊び時間に使ってしまいましたね.....」

「晩御飯どうする?」

「材料は、私が買ってくるわ。私以外、ここら辺に詳しい人いないでしょ?」

「じゃあうちもついていくよ。」

「......勝手にしなさい。」

「伊月、荷物持ちとしてついてきて。」

「雑用かよ.....そういうのは那月の役割って.....寝てる!?」

「そうよ、だから男のあなたがついてきなさい。」

「分かりましたよ.....けど皆、那月に料理はさせるなよ。死にたくなかったらな。」

 

 

 

「いやー、夕陽が綺麗やねー。」

「ああ。結構綺麗だな。」

「どういうつもり.....?」

「別にー、真姫ちゃんは面倒なタイプだなぁって。本当は皆と仲良くしたいのに、なかなか素直になれない。」

「私は普通にしているだけで.....」

「そうそう、そうやって素直になれないんよね。」

「ていうか、どうして私に絡むの!?」

 

 

「うーん.....ほっとけないのよ、よく知ってるから、あなたに似たタイプ。」

「何それ.....」

「まぁたまには、無茶してもいいと思うよ、合宿やし。」

 

希なりの励ましなんだろうな.....絵里の時は、ほとんど俺が関わったようなものだし。だからこそ、次は助けたい.....そう思ってるんだな。

 

「.......」

「まぁ.....その、なんだ。重く考えんなよ。お前がどうであれ、あいつらはお前を受け入れてくれる。頑張れよ。背中押してやるからさ。」

 

そう言って俺は真姫の頭を撫でた。ほんと、ここの人ら、頭撫でやすいな。

 

「分かってるわよ.....」

「そういや、さっき誰かに見られてたんだよなぁ。ちょっと面倒だな。」

「え!?ここうちの土地だからそういうのはいないと思うんだけど.....」

「まぁいいさ。いざとなったら俺がいるからな。...さ、さっさと買い物済まそうぜ。」

「.....うん。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ふぅ、美味しかった!!」

「にこちゃん料理上手いんだ!!羨ましいなーー。」

「ふん!!にこを誰だと思ってるのよ!?」

「穂乃果、食べてすぐ寝ると牛になりますよ。」

「もうっ、海未ちゃんも雪穂みたいなこと言って。」

「あはは.....」

 

 

 

「よぉし。これから花火をるにゃあ。」

「花火?遊ぶのはいいんだが、お前ら練習どうするんだ?」

「練習ねぇ.....明日かな?」

「今日の夜しましょう。」

「え!?今から?」

「当たり前です。昼間あんなに遊んだのですから。」

「夜にするのもなぁ.....練習効率がいいとは言い難いな.....」

「それに、花火は楽しそうね。」

「そうにゃ、皆で花火やろう。」

「ですが、それだと.....」

「花陽はどうしたい?」

「私ですか?私は.....お風呂に入りたいです。」

「三者三様だな。」

「なら、今日の夜はお風呂に入って、明日の朝早くから練習はどうかな?」

「.....分かりました、ですが、皆さんちゃんと早起きしてくださいよ。」

「決まりね。伊月、覗きに来ちゃダメよ♡」

「誰が行くんだよ。俺は散歩してくるわ。」

「そう、なるべく早く帰ってきなさいよ。」

「ああ。少し夜風にあたりに行くだけだ。」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

μ's side

「ふぅ、いいお湯だねぇ。」

「ほんと、こんな別荘があるのは羨ましいわ。」

「本当にいいお湯ですよね!!」

「花陽、先輩後輩禁止なんだから、敬語もだめよ。」

「あっ......ごめんなさい、じゃなかった、ごめん。」

「ふふっ、次から気をつけてね♪」

「ところで那月先輩に聞きたいんですけど、伊月くんってどんな感じだったんですか?」

「伊月?うーん.....今とは違ってもう少しやんちゃだったかな。黒獅子を通して、少し大人しくなったし.....あんまり感情は表に出さないし。」

「でも、私たちの内、私と1年生とことりは伊月に救われた所があるし.....もう少し知りたいわね。」

「無闇に喋ると怒られるしなぁ.....あとは、あんまり人を信用してないってことかな。」

「え?どういうこと?」

「伊月ってね、あんまり人と関わろうとしないんだ。関わったとしても表面上上手く取り繕うだけ。今の皆を信用してるかどうかはまだ分からないけど.....時間をかけたらきっと信用してくれると思うよ。」

「そうかな.....ならよかった。」

「まぁそんな話はさておき、皆スタイル良いよねぇ、羨ましいよ!!」

「那月先輩が言うと.....少し嫌味に聞こえちゃうにゃ。」

「え!?何で!?」

「そうよ!!あんた、なんでそんないいスタイルしてるのよ!?」

「そうやね....これは羨ましいよね。」

「ちょ!?触らないでよ!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

伊月side

 

夜風ってのは気持ちいいなぁ、....この暗闇も居心地がいい。

ほんと.....変な虫さえいなければな。

「おい、そろそろ出てこい。一日中付きまとわれてほんと気分が悪いんだよ。」

「やはりばれていたか....一条伊月、あなたを排除します。」

「ふん、やれるもんならやってみな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふん、口ほどにもない。まとまってそれかよ。」

 

こいつら気絶してやがる。隠密なら一流かもしれないが、普段からそういう環境にいる俺からしたら察知するのは朝飯前だ。

 

「おい!!高みの見物か?出てこいよ。」

「.....初めまして、かな。私は西木野真姫の父だ。」

「あっそ。あんたと話をつけにきた。俺についてだ。」

「真姫に言われたのか.....悪いが君を置いている音ノ木坂には同意できない。」

 

 

.....これは長丁場になりそうだな。

 

 




スマホ更新してから、写真アプリが使いづらく感じます。前の方が良かったな.....


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#49 合宿②

祝!!お気に入り100件越え!!!
本当にありがとうございます!!これからも頑張りますので、よろしくお願いします。


「君は自分のいるべき場所が分かっていないのか?」

「は?俺は高校生だ。高校生が高校に行って何がいけないんだよ?」

「君みたいな社会のゴミは、路地裏で泥水でもすすっているのがお似合いだな。」

 

こいつ、ボコボコに言ってくるやん。これがお金持ちの言うセリフなのか.....?

 

「確かに、俺には路地裏はお似合いだろうな。だが、だからといって表世界にいちゃいけないっていうのはいささか強引な理論じゃないのか?」

「黒獅子.....2年前突然現れた不良で、非常に好戦的、自分の気に入らないことがあればすぐに排除する。」

「どいつもこいつも.....ソースの分からない情報ばっか信じやがって.....」

「言っておくが、ソースはあの城善寺財閥だぞ。まさか知らないとは言わないだろうね?」

「城善寺財閥か.....ちっ、あいつらか。」

 

よりによって、ここであいつらの名前を聞くことになるとはな.....

 

「じゃあ逆に言うが、お前は城善寺財閥がどんなことをしてるか、知らないわけじゃないだろうな?」

「城善寺財閥は、自分たちが築き上げた財産を身寄りのない子供たちを助けるための施設を作るために寄付したり、学校に支援金を送ることで、より良い教育を受けさせている素晴らしい集団じゃないか。何が言いたい?」

「俺が言いたいのは、その財産の築き方だよ。そんな表のいいこちゃんな面はどうだっていい。......喋りたくもないがな。」

「そんなことはただの逆恨みだ。それにもうひとつ、君が『3年前の惨劇』の主犯であることだ。」

 

.....またそれか。この言葉をもう何度聞いたことか.....

 

「君はかつて、大量の人が死ぬような事件を起こした犯人だ。そんな人間と真姫に関係があると知られてみろ。真姫の人生が無駄になるのだ。全て君のせいで。」

 

.....それに関しては言い返すことが出来ない。たとえ事実が誤りだとしても、世の中はデマや噂を真実にする。ありえないとは言えない。

 

「まったく、君のせいでアイドルなどというちゃらんぽらんな事まで始める.....どうしてくれるんだね。」

「おい.....ふざけんじゃねぇぞ。」

「なんだと?」

「ちゃらんぽらんだと.....あいつがどれだけ汗流して本気でやってるか知らないくせに偉そうなこと言ってんじゃねぇぞ!!!」

「だが、あんなもの将来なんの役にも立たない。無駄だ。」

「そうかもな。将来には役に立たないものかもしれない。だが、真姫にとってのアイドルはそんな損得勘定はない!!!」

「君に娘の何がわかると言うんだね!!真姫は将来医者になるんだ!!それが真姫にとっての幸せなのだ!!」

「うるせえ!!クソジジイが!!!あいつだって悩んでるんだ、お前の言う通り、医者になることが 自分の未来だし、てめえを喜ばせる為に一生懸命頑張ってるんだ、だがな、あいつは音楽が好きだ。音楽を捨てるという選択はとても辛いものだろう。だから、俺は提案した。両立すればいいじゃないかって。その答えがスクールアイドルだ。悩み悩んで出した答えがそれだ!!てめえは親だろ?親なら!!娘が悩み抜いて決めた道を進むことを尊重してやれよ!!それが、親のやるべきことだろ!」

「違う!!親がやるべきことは、娘の未来を守ることだ!!子供は間違いを犯す。だからこそ、大人が成功する道を歩ませることが、娘の幸せになるのだ!!!」

「てめえはただ自分の価値観を押し付けているだけだろ!!!なんでそれが分からないんだ!!!それがどれだけ子供にとって足枷になってるのか分からないのか!!!」

「足枷だと!!!そんなことはない!!」

「じゃあ聞くが、お前は娘と向き合ったことがあるか?娘の口から1度でもやりたいことを聞いたことがあるか?」

「なっ!?...それは.....」

「ないだろうな。だからそうやって自分の考えだけで物事を裁量できるんだよ。」

「...........」

「1回真姫と話し合ってみろ。そうすりゃ何かが分かるはずだ。」

「.....こんな不適合者に諭されるとは.....」

 

 

俺に対する侮辱はどうだっていい。だが、真姫が自分の意志で決めた道を否定するのは許せないからな。少し声をあげたが、まあいいだろ。

だが、気になることもある。こいつ、胸元にハンドガンを隠している。何故だ.....?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真姫side

 

「伊月くん、帰ってこないねぇ。」

「そうだね.....何かあったのかな?」

「伊月の実力からして、別に襲われても多分大丈夫よ。」

「道にでも迷ったのでしょうか.....?」

「,.....私探してくるわ。」

「そうね、夜で暗いし、土地勘のある真姫に任せるのが1番ね。何かあったらすぐ電話して。」

 

私は伊月を探しにいった.....大丈夫かしら?

 

初夏とはいえ、外は涼しかった。上着を着て、私は外に出た。すると、近海岸近くで、誰かが言い合いしていた。

 

「伊月?よね、もう1人は誰かしら.....?」

 

 

「まったく君のせいでアイドルなどというちゃらんぽらんな事まで始める.....どうしてくれるんだね。」

 

この声は.....パパ!?どうしてここに?

でも、アイドルを始めたのは私の意志。それを伊月に責任を押し付けるなんて酷すぎるわ。

 

「ちゃらんぽらんだと.....あいつがどれだけ汗流して本気でやってるか知らないくせに偉そうなこと言ってんじゃねぇぞ!!!」

 

「えっ.....!?」

 

てめえは親だろ?親なら!!娘が悩み抜いて決めた道を進むことを尊重してやれよ!!それが、親のやるべきことだろ!

 

伊月.....

私は1度音楽を諦めた.....それが正しいんだって、パパが喜ぶ道を選んだ.....でも、あの時伊月は自分のやりたいこともやれって。両立してみろって。最初は少し強引だなって思ったけど、彼は私の背中を押してくれた.....私をちゃんと見てくれた。だから私はスクールアイドルを始めて、一生懸命やっている。それを見てくれている人がいる.....

そして、今もパパを恐れずに私のことを言ってくれている.....自分のことを話す為に来たのにね。パパってお金持ちとかなんとかで、結構みんな気を使うんだけど....さすが伊月ね。

 

「おい、見てないでこっちに来いよ、真姫。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「真姫!?どうしてここに!?」

「それはこっちのセリフよ!!」

「真姫.....アイドルをやっているのは本当にお前の意志なのか?」

「ええ。そうよ。私は将来医者になる。でも、音楽を捨てたくない。だから私はスクールアイドルをやっている。でも勉強もちゃんとやるし.....だから認めてくれないかしら?」

「.......分かった、お前のアイドル活動は認めよう。しかし、ちゃんと勉強しなさい。」

「.....はい!!」

 

 

これで、めでたし、なのか?あれ?俺何しに来たんだっけ?

 

「だが、黒獅子よ。お前が真姫と関わるのは認めない。どうせお金目的だろ?」

「パパ!?何言ってるの!?」

「そんな訳ないだろ。お金目的でこんなに言うかよ。」

「じゃあ、証拠を見せてみろ。お前が真姫を想っているか確かめる。」

 

 

 

嘘だろ.....?終わるかと思ったらこんなことになるとは.....だからハンドガンを持ってたのか。

 

「真姫、今から銃弾を1つ入れなさい。何番目に入れたかも。」

「え!?パパどうするつもり?」

「ロシアンルーレットだ。お前が入れてない、入れていると言うことで、黒獅子にスルーさせるか発砲させる。この状況でお前を信じることができるかだ。.......入れてないと言い続けなさい。」

「な!?.....パパやっぱりおかしいわよ!!私の知ってるパパはそんな人じゃない!!!」

「いいからやりなさい。あの男が本当に信頼に足る男か.....」

 

 

 

 

 

「伊月、これ。頭に銃口を向けて。私が銃弾が入ってるかどうか言うから.....」

「.......分かった、お前を信じよう。」

 

こうして、俺はロシアンルーレットをやることになった。.....やってやるよ。

 

 




新しくしたiOSが使いにくすぎます。おかげで1回書いたやつ1部パーになりました。なので、文の流れがおかしくなっていないといいんですが.....
次回の都合上、今回はここで終わらせてもらいます。短いですが、お許しください


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#50 合宿③

多分今回で合宿が終わると思います。
本編も祝50話です。ただ、このスピードだと3年生が卒業するまでに100話くらいまでかかりそうなので、オリジナルを、少し削ります。


ロシアンルーレットをするために、真姫からニューナンブM60を受け取った。.....見た感じ4発目に弾が入ってるのか。さてどうしたものか.....

 

.......気になるのは、真姫の父がつけているイアリングだ。片方にしか付けていない.....最近のファッションなのか.....

 

 

「おい、これでいいのか?」

「しっかり頭に銃口を付けてるな.....よし、真姫、始めなさい。」

「伊月.....一発目には入っていないわ。」

「ああ。.......セーフか。」

「伊月、あなた拳銃を使ったことあるの?」

「一応、な。たまに銃撃戦みたいな感じになる時に、敵から奪って使ってる。因みにだが、親父は国から拳銃の所持の許可は貰ってるんだ。」

「あなた達、親子揃って異常ね。」

「俺は普通だ。親父が異常なんだ。」

「雑談はいい。続きをしろ。」

 

続く2発、3発目と何事もなく進んだ。問題は次.....銃弾が入っているのは4発目。おそらくだが、真姫は入っているとは言わないだろう。

 

 

さてどうしたものかね......

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真姫side

 

何事もなく進んできたけど、4発目に銃弾が入っている.....ここで入っていないと言えば、伊月は死ぬ。けれど、今私はパパに銃を向けられている。やっぱりパパはおかしい.....なんで.....?

それは分からない。けど、もし入っていると言えば私は撃たれる。でも、伊月を死なせたくない.....どうすれば.....

 

「真姫、何を迷っている?4発目は入っているかいないかを言いなさい。まさか、黒獅子に脅されて怯えているのか....?」

「違う!!!伊月はそんなことしていない!!!パパこそどうしてこんなことするのよ!!!」

「大事な娘から汚らわしいハエを取り除くためだ。真姫には輝かしい人生がある。その人生を、あんなやつに台無しにされるのはいけないからな。」

 

どうすれば.....ごめんなさい、伊月...,

 

「伊月、4発目は......」

 

『ばぁん!!』

 

私が言葉を発する前に伊月は発砲した。すごい早撃ちだった.....刹那パパが倒れた。

 

「パパ!!!!」

 

私はパパの元に駆け寄った.....あれ?血が流れていない?

 

「このイアリングに当たった.....これは一体?」

「それはどうやら人を操る装置みたいだな。おそらく遠くから電波を出して、それを受け取って増幅させるみたいだ。だが、振動したりと誤魔化す点においては全然みたいだな。」

「そんな高度な技術があるなんて.....」

「おそらくは奴らだろうけど.....まあそこはいいか。安心しろ、真姫、さっきまでの言動は恐らく操られたことによるものだから、多分嘘だ。じゃなきゃ、娘に銃を向ける父親なんていないだろ。」

「良かった.....伊月、ごめんなさい。」

「ん?なんで謝るんだ?お前何かしたっけ?」

「私は4発目の時に、自分の命を優先して、あなたを見殺しにしようとした.....人間として恥ずかしいわ。」

「いや、別にそれは普通だけどな、自分の命を優先することは人間としては当然だし。」

「でも!!!.........」

 

私は伊月に指で口を塞がれた。.....なんのつもり?

 

「これ以上言っても仕方ないだろ。それにお前は、入っていないって口に出していないじゃないか。だったら見殺しにもしていないし、お前は何も悪くない。一線を超えてないしね。」

「..........」

「それに最初から4発目に入ってたのは知ってたさ。入れてないことはありえないし。」

「ならどうしてロシアンルーレットをやることを受け入れたの.....?下手したらあなたが死んだのよ?」

「これがお前の父親を救う最適な方法だったからだ。こうでもしないと、相手にダメージを与えずに済むしな。」

「じゃあ、何で私が言う前に撃ったの?」

「そりゃあ....言うのが少し恥ずかしいが.....お前を見殺しにした人間、もしくは嘘つきにしたくなかったからだ。当たり前だろ?俺のことをちゃんと見てくれてる少ない人の1人だ。俺にとってお前は結構大切な存在なんだ。そんな大切な人を、見殺しをした、なんて汚したくない。ただ純粋にそう思っただけだ。恋愛感情とかはないけどな。」

「伊月.......」

 

私は今、本当にドキドキしている。自分の命の危機があっても、常に大切な人の為に動いてくれる.....そして、私のことを大切な人と言ってくれた。最後の一言は本当に余計ね。それが無ければ完璧な台詞だったのに.....こんなにも体が熱くなるのは初めて。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「んん.....ここは.....」

「パパ!!!大丈夫?」

「あんた、自分が何をしたか覚えているか?」

「いや.....頭が痛くて思い出せない.....だが、君に言われたことは覚えている。私は間違っていたんだ.....娘に窮屈な思いをさせてしまったのも私だ.....真姫、私はお前に医者になってほしい。だが、お前が大好きな音楽も続けなさい。これからは真姫が道を選びなさい、私はそれを見守り続けるよ。」

「パパ.....はい!!!」

 

 

良かったな、これであいつも少しは吹っ切れただろうな。俺が学校に行くか行かないかは正直生徒の評価が変わらなければ、意味が無いだろ。

 

「一条伊月君と言ったかな.....ありがとう。私に大切なことを教えてくれて。そして、謝らせて欲しい。噂等を信じて勝手に君を悪者扱いしたことを。今日分かったよ。君は優しい人間だ。」

「別に謝らなくていいですよ、慣れてますし。」

「そう言って貰えるなら助かる。これからも真姫のことをよろしく頼む。」

「.....頼むって言われてもな。ただ....本人がなんかの犯罪に巻き込まれて死なせないようには頑張ります。」

「ははっ、君らしい台詞だね。では、私は帰らせてもらうよ。」

 

そう言って、真姫の父親は帰っていった。.....だが、今の状況が分かった。奴らはとうとうお金持ちや権力者すら手を伸ばしている。.......これは呑気に過ごすわけにはいかないな。KB.....城善寺財閥.....これから厳しくなるな......

 

というか、もう真夜中も終わりそうで、早朝になりかけだった。こんな長い時間が一瞬で過ぎるとはな.....眠気も不思議とない。

 

「真姫、眠いか?」

「ええ。少し眠いわ。けど....これから練習もあるし。」

「そうか.....頑張れよ。」

 

 

「2人で何話しとったん?」

「ん?希か、お前起きるの早いな。」

「なんか.....色々あったみたいやね。」

「べ、別にやましいことなんて何も無いわよ!?」

「ん、別にうちはやましいことなんて一言も言ってないけどなぁ~。」

「まあ色々あったよ。疲れたし、少し休みたいもんだね。」

「お疲れやね.....あれ?真姫ちゃん、少し顔赤くない?」

「気のせいよ.....」

「ほんとに赤いな。少し休んだらどうだ.....?」

「誰のせいでこうなったと思ってるのよ!!!」

「いや俺は何もしてないからな!?」

 

何で俺のせいなんだよ、あれか。薄着で夜中ずっと海沿いにいて体調崩したのか?

 

「で、真姫、今回の合宿で少しは馴染めたか?.....まあ夜のことが結構印象的すぎるからあれだけどさ。」

「そうね.....少しだけ.....」

「良かったな、希。」

「そうやね.....伊月くんみたいに出来たかな?」

「俺は何もしてない。希が真姫の性格とかをちゃんと理解して働きかけた。自論だけで動いている俺とは違うよ。お前は立派だ。それにお前はお前だ。俺みたいになる必要はないよ。」

 

まあ実際、俺が今日来てなかったら、真姫はもっとμ'sのメンバーと一緒に過ごせたのにな。少し申し訳ないな。

 

「おーい!!!」

「ん?みんな起きるの早いな.......」

「いやぁ、いい朝だねぇ!!!」

「はぁ.....穂乃果は最後まで起きなかったではありませんか。」

「あはは.....」

「それにしてもいい景色だにゃ。」

「そうだね、ここに来れて良かったって感じがするね!!!」

 

ん?皆手を繋ぎ始めた。雰囲気はいい感じだな。ラブライブ?だっけか。全国出場できるかは知らないが、出れたらいいな。

 

 

「伊月何してたの?」

「那月か.....少しあってな。奴らの動きが本格化してきてな.....さらなる警戒が必要だ。」

「ふーん.....伊月は大丈夫なの?3年前のこと思い出して辛くない?」

「大丈夫、とは言えないかもな。やっぱり3年前のことを思い出すと我を忘れて暴れてしまうかもしれない。しかも加害者を目の前にするとな.....」

「もし何かあったらお姉ちゃん、相談にのるし一緒に戦うからね。」

「感謝する。.....だが、あれは俺の問題だ。あんまりお前らに迷惑かけるつもりはねぇよ。」

 

俺だけじゃまともに太刀打ちできないくらいは分かっている。だけど.....あの悲劇の真実を知ることや、あのレベルの残酷さを知るのは俺を最後にしたい。もう二度と私利私欲、証拠隠滅の為に人を殺す奴らを許してはおけない.......たとえ俺が死んだとしても

 

 

「では、練習を始めましょうか!!!」

「海未ちゃん!?あのメニューはやらないからね!?」

「なんでですか!?基礎体力がメキメキつくんですよ!!!」

「やりすぎだよ!!穂乃果たち死んじゃうよ!!!」

「まあ確かにあのメニューを昨日こなしてみたんだが...結構しんどかった。まあしんどいって言っても少し息切れするくらいだけどな。」

「聞きましたか皆さん!!一条さんができたんです、私たちもハートがあれば乗り切れるはずです!!」

「伊月の話聞いてた!?男でも辛いのよ!!!」

「そうね、あのメニューはあまり合理的とは言えないわ。」

「絵里.....」

「そうやね、ここは普段より筋トレとかトレーニングを増やすってことでええんちゃうかな?」

「.....分かりました。ですが、そのトレーニングはみっちりやりますからね!!!」

『はい!!!』

 

 

その後、なんかめっちゃしんどそうなトレーニングをしていた。

 

 

 

 

 

「花火をするにゃあ。」

「本当にやるとはな。」

 

今俺たちは線香花火をしている。意外とこういうのって趣があって派手にやる花火よりも好きなんだよな。個人的なあれだけど。

 

「あ!!穂乃果の落ちちゃった!!もう一本!!!」

「全く.....落ち着きがありませんね.....」

「こういうの初めてだから、意外と面白いものなのね。」

「絵里ち、やったことなかったん?」

「ええ。日本文化に触れる回数が少なくて.....」

「でも、この合宿楽しかったね、皆と遊んで、先輩後輩の垣根が取れて、皆で日の出を見て.....穂乃果、すっごく楽しかったよ!!!」

「ことりも、楽しかったよ♪」

「はい、練習メニューを出来なかったのは残念でしたが、仲が深まったという意味では非常に良かったです。」

「凛も皆とお泊まりできてたのしかったにゃー!!!真姫ちゃんは?」

「私は.....そうね、楽しかったわよ.....少しだけだけど。(というか伊月が言ってくれたことが1番頭に残ってるんだけど。)」

「ええ。目的は達成できたしね。良かったわ。」

「そうやね。みんなの色んな一面も見れたし、うちも楽しかったよ。」

「......楽しかったわよ。色々できて。」

 

 

 

 

 

 

「あいつら、いい感じになったな。だが....」

「そうだね、誰かが欠けたら一瞬で崩壊する。そうならなきゃいいんだけど。」

 

 

こうして俺たちは、楽しさと、達成感と、不安を抱えて合宿を終えた。少なくとも、それが現実にならなきゃいいんだがな.......




合宿の最後らへんは、少し改変してオリジナル展開にしました。
最近スクフェスが親切になりましたね。ラブカストーンがたまりやすいです。


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#51 信じる心

今回は完全オリジナル回です。ここで一気にオリジナル展開を進めます。
Aqoursのmaster曲全般的にノーツ多くないですか?greatがよく出るんですよね.....


「何......?あの装置が壊された?」

「はい、先日西木野家に潜入し、こちらの装置を付けたのですが、昨日何者かによって破壊されました。」

「一体誰が...?」

「録音を聞いたのですが、どうやら黒獅子が関与していたそうです。我々の所から派遣したもの達も全員返り討ちにあったみたいです。」

「黒獅子...一条のところの子供か...忌々しい。」

「しかし、奴もあまり派手に動けますまい。警察は奴を警戒するように報告しましたし、デマの情報をネットに流していますから、やつはどんどん周りから捨てられていくことでしょう。」

「やつはKBが何から作られているかを知っている。一刻も早く殺さなければ、我々も足を掬われる。お前ならどうする、大森よ。」

「そうですねぇ、私ならまずやつの周りにいる味方を潰しておくのが良いかと、黒柳はともかく、特に一条敬一は絶対に取り除かなければならないでしょうね。」

「一条.....あの時私の要求を呑んでおけば、お前の息子も平和に暮らせたものを.....」

「全く愚かなものです。あと、私に対する報酬も忘れないで下さいよ。」

「分かっておる....国も我々には手を出せない。なにせ、我々が出している金額は望外だ。それを差し止められたらやつらはまともに議員を雇えない。.....さらに言えば、警察の装備を揃えているのも私たちだ。それを知る警察の上層部はどんなことをしてでももみ消す。だが忘れるな.....我々を裏切れば命はないぞ、大森。」

「分かっていますよ、あなた達のおかげで出世してますし、有力な者を左遷されていますからお互いwinwinです。」

「.....引き続き黒獅子の監視に務めよ、『透谷』。」

「はい.....分かっております。千世様。」

「安心せよ。お前が忠実に従っておれば、兄の敵討ちも、冴子がこちらの世界に来ることも無い。」

「分かっております.....あいつの首は私の手で.......」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

うわぁぁぁぁー!!!助けてくれーー!!!

 

ひぃ!!化け物!!!

 

もう辞めてくれ.....母さん.....助けてくれ.....

 

伊月.....あなたは何があっても.......

 

 

 

「.....ひどい夢だ。」

KBが出てきてからここ数週間、3年前のことをよく思い出す。あの日.....皆を.....母さんを奪われたあの日.....そして最近よくある不審な事件。.....たまたまでは済まされない。また.....奴らと戦わねばならない。

 

「伊月、俺の部屋に来い。少し話がある。」

「.......ああ。」

 

 

 

 

 

「お前、合宿で何があった?」

「別に何もねーよ。.....疲れてるんだ。」

「なら何で最近毎晩魘されているんだ?俺を誤魔化せると思ったら大間違いだ。」

「.......悪いが話したくない。」

「それは俺のことを信じられない、それが根拠だな?」

「ああ....お前は俺のことをしっかり見てくれている。だが、見てくれているから信頼してる訳では無い。いつ裏切られてもおかしくないんだ。たとえ俺にとって大切な人でも.....裏切らない確証はない。誰があいつらと結びついてるか分かったものじゃないからな。」

「お前.....やっぱりそうか。最近またあのことを思い出してるのか。」

「俺は変わらないんだよ。いつも3年前のことを引きずって、人を信頼しようとしない。さらに言えば、家族まで疑うレベルだ。そしてその禍根がまた姿を表した。.....滅ぼさなきゃならないんだ.....」

「じゃあお前はμ'sの皆や、透谷たちのことも信じてないのか?」

「俺だって信じたいさ.....頭で分かってても心がそれを許してくれないんだ。」

「伊月.....お前は3年前から少し変わった。それが何かわかるか?」

「さあな.....表面上上手くやる能力は身につけたが。」

「違う。そんなクソみたいなことはどうだっていいんだ。いいか伊月.....お前はなぜ悩む?それは心が葛藤しているからだ。」

「.......だからどうした.....」

「お前が葛藤しているのは、お前の心が人を信じたいと強く願っているからだ。3年前のお前は、そんなことはなかった。目に光が宿っていなかったし、誰も信用していなかった。まず信じたいとすら考えていなかった。那月がいたからこそここまで立ち直れたが....お前はそこから前に進もうとしているんだ。まずはそのお前を評価してやれ。」

「俺は成長なんかしていない。それに......確たる証拠がない以上、人を信じるのは馬鹿げている。だってそうだろ?表面では友達でもお互いを利用しあったりすることもあるし、何かあればすぐ悪者扱いをして、他人と繋がろうとする。そんなヤツらばっかりなんだ、世の中は。疑うことがこの世の中の本質なんだ。俺は3年前、それを痛いほど学んだ。どれだけ那月やあいつらが善人だとしても.....俺は信じられない。」

「まさかお前、自分は本来関わっちゃいけないとでも思ってるんじゃないだろうな?」

「そうかもしれないな.....あいつらを見た時、眩しかった。俺とは違う。信じられる世界にいるんだ.....俺みたいな汚れたやつが関わるのは烏滸がましいかもしれない.....資格なんかないんだ。」

「資格だと...うじうじするのもいい加減にしろ!!!」

「.....お前に何が分かるんだ!!!お前には分からないだろうな、裏切られることが!!!俺は3年前、この世の仕組みを知った。デマかもしれない情報や噂を信じて、自分が見てきたものを嘘だと決めて、相手を迫害する。あいつらだってそうかもしれない。俺の過去を知れば、すぐ俺を忌々しく思って、嫌うはずだ。」

「いつまで過去に囚われているんだ!!!μ'sの皆も、那月も『今』のお前を見ているんだ。お前は過去からあまり変わっていないかもしれない。だがな、信じようとする心は少しずつ戻っているんだ。」

「.....詭弁はいくらでも言えるな......」

「おい待て!!伊月!!!」

 

 

俺は家から出ていった。信じる.....だと。親父やμ'sは綺麗な世界で生きてきたからあそこまで人を簡単に信じられるんだ。.....信じられるかよ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はぁ.....どうしたものか。」

「敬一、どうかしたのか?」

「哲二か.....伊月の事なんだが.....」

「伊月.....あいつに何があったんだ?」

「ここ最近、KBが現れて、あいつに何があったかは分からないが、また3年前の思い出して、また人を疑うようになったんだ。途中までいい調子だったんだがな。」

「そうか.....だが私たちがどれだけ言っても詭弁として切り捨てられるだろうな。」

「ああ.....あいつは少しずつ人を信じようとしてきたんだ。那月やμ'sのおかげで心を取り戻している。....天の神様は、ほんと伊月に苦難を与えすぎだろ。....なあ哲二、独身のお前に言うのもあれだが、俺は父親としてどうしたらいいんだろうか?」

「父親、か。.....俺にも分からない。だが、俺たちは行動で示していくしかないだろ。どれだけ詭弁だと思われても、行動を見せればあいつも少しは信じてくれるだろ。」

「そんなもんなのか.....」

「現に那月も、あいつがずっと寄り添って、あいつを守ろうとした行動をずっとしていた。」

「.......俺は親としてあまり出来てないな.....恥ずかしいや。」

「変わればいいだろ。難しく考えるのもお前らしくない。.....終わりだ。ともかく、俺がここに来たのは報告の為だ。」

「どういえことだ.....?」

「先日、西木野家の別荘で数人の不審者を見つけたらしい。そいつらを捕まえて事情を聞いたが、面倒くさいことになった。城善寺財閥が動き出した。さすがにこんな都会じゃ3年前のように大きい動きは出来ないが、その分隠密に進められる。敬一、お前にもう一度動いてもらわないといけない。」

「またか.....だが、伊月のこともある。分かった、その要求を呑もう。ただし、特殊部隊を編成する前に俺に警察を観察させてくれ。やつらの息がかかった奴がどいつか見極めてからやる。それでいいか?」

「いいだろう。勿論チームリーダーは私だ。詳細は追って連絡する。」

 

嫌な予感しかしないな.....何事もなければいいんだが.....

 




物語を円滑に進めるために、こういうオリジナル回がかった奴がを何回か入れると思います。そこら辺は、ご理解を。


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#52 崩壊の前兆

ラブライブの11話ら辺って、本当にシリアスなんで出来れば描きたくないんですよね.....その出来事があったから、μ'sがより良くなったんですが.......


「海未ちゃん.....ことり、どうしたらいいのかな.....?」

「私にも分かりません.....ですが、今はまだ言わない方がいいですよ。」

「そうだよね.....オープンキャンパスで上手くいって、人気も出てきたんだから.....ことりもここで終わるのは嫌だよ。でもね、それ以上に.....穂乃果ちゃんと海未ちゃん、皆と別れるのが1番嫌だよ.....」

「それは私だって嫌です....ことりは、私や穂乃果にとって大切な人ですから....ですが、ことり。もし言いにくいからタイミングを伺って私から言いましょうか?」

「うん.....もし自分で言えなかったら.....お願い。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

信じる心を取り戻しつつある.....か。俺は未だ他人を信じることは出来ない。だが.....俺はあいつらを疑っていない。綺麗な世界で生きているから、人を本気で疑うことを知らないからというのもあるが、あいつらは心に正直に動いているから。.....現に、真姫や凛、花陽は俺のことを一切疑っていない。他人を疑うのは自由だが、他人の信用を疑うのは少し無粋か.....でも、だからこそ、俺みたいな人間があいつらと関わっていいのか.....?俺はあいつらのことを大切に思っている。俺たちの世界の人間以外、那月以外に初めて自分の目を信じて俺と接してくれた人間。たからこそ、疑うということを知って欲しくない。こんな価値観を知るのは、俺だけで十分だ。

 

 

「最近、兄貴の雰囲気が暗くなりましたねー。」

「仕方ない、ここ最近本当に色々あったんだ。優しい兄貴が、心を痛めるのも無理はない。」

「それにしても、あのKBって本当に何なんですかね。あんな化け物を作り出すなんて。」

「しかも、投与されたら最後は死ぬしかないんだ。兄貴も気が重くなるわけだ。」

 

 

「透谷、話がある。ちょっと外に出てくれないか?」

「何ですか?与助様。」

 

 

 

「君は一体何がしたいんだい?」

「何がしたい.....どういうことですか?」

「とぼけてるの?ここ数週間この街の監視カメラに君が1度も映っていない。前までは数ヶ所で確認できたのに。」

「たまたまではありませんか?私は別段おかしなことはしていません。「そうかな.....1番最初にKBを確認した際に、君は伊月のそばにいなかった。2回目に見つかった際もそうだ。KBの発生も伊月の近くで起きる。.....偶然にしては出来すぎじゃないか。」

「そう言われましても.....いなかったのは別件に当たっていたからです。最近は詐欺も巧妙化していますし、その逆探知などをしていたのです。」

「そうか.....ならいいてす。ですが、透谷さん、貴方が伊月を裏切るようなことをした時、僕は容赦しませんからね。」

「.....心にとめておきます。では、私は失礼させてもらいます。」

 

.....敵は味方の振りをする.....伊月、こっち側の世界にいる以上、信じることは簡単じゃないよ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「これが決勝のステージ、すごいねぇ.....」

「もう勝った気分になってるんですか?」

「そうね、予選ももう少しだから、最近順位を伸ばしているグループもいるし、油断は出来ないわ。」

「はい!!!中にはプロの真似をしていたり、急成長のアイドルと全国的にレベルが高いんです!!!ですから、気を抜いたら本当に足をすくわれます!!!」

「そうね、でも今更何か特別なことをしても仕方ないわ、今はとにかく学園祭に備えて準備をすることね。」

「よし!!!練習がんばろー!!!」

 

 

 

 

 

「そう言えば、一条くん最近学校に来てませんね.....」

「何かあったのかにゃ?でも合宿の時は別になんともなかったよね。」

(一悶着あったとはいえ、伊月はいつも通りだった。.....なんか嫌な感じね。)

「真姫ちゃんは何か知らない?」

「私は何も知らないわ。」

「1年生が誰も知らないとなると.....本当にどうしたのかしら?」

「とりあえず、行くわよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで、講堂の使用をくじ引きで決めるのよ。」

「なんでって....それはそういう伝統だから.....」

「頼んだよ!!!にこちゃん!!」

「え!?わ、私!?」

「だってにこちゃんが部長だもん!!!頼んだよ!!」

「.......分かったわよ。」

 

ガラガラガラガラ

 

「..........!!!」

 

「ハズレ.....だね。」

 

 

「どうしよーー!!」

「だって仕方ないじゃない!?くじ引きだってこと知らなかったのよ!!!」

「あ!!開き直ったにゃーーー!!!」

「うう.....なんで外れちゃったのー.....」

「どうしよーー!!!!」

「まあ予想してたオチね。」

「にこっち.....うち信じてたんよ.....」

「うるさい、うるさい、うるさーーーい!!!悪かったわね.....」

「気持ちを切り替えましょう。講堂が使えない以上、他のところでやるしかないわ。体育館もグラウンドも運動部が使うから.....」

「ではどこで.....?」

「.....部室とか?」

「せまいよ!!!」

「んー、じゃあ廊下は?」

「バカ丸出しね。」

「にこちゃんがくじ外したから必死に考えてるのにー!!!」

「あとは.....」

「じゃあ、ここ!!」

『え?』

「ここに簡易ステージを作ればいいんじゃない?ここなら沢山お客さん入れるし。」

「屋外ステージ?」

「確かに人は沢山入るけど.......」

「何よりここは私たちにとってすっごく大事な場所!!ライブをやるのに相応しい場所だと思うんだ!!!」

「野外ライブ!?かっこいいにゃー!!」

「でも、それならどうやって屋上にお客さんを呼ぶの?」

「確かに.....ここはたまたま通りかかることもありませんし.....」

「下手すると、1人も来なかったりして.....」

「え!?それはちょっと....」

「じゃあ!!大きな声で歌おうよ!!」

「はぁ....そんなことで簡単に解決できるわけ.....」

「校舎の中の人や、外にいるお客さんに聞こえるような声で、歌おう!!!そしたらきっと皆興味を持って来てくれるよ!!!」

「ふふっ.....穂乃果らしいわ。」

「うぇ....ダメ?」

「いつもそうやってここまで来たんだもんね。μ'sってグループは。」

「絵里ちゃん....」

「決まりよ、ライブはこの屋上にステージを作って行いましょ。」

「確かに、それが一番μ'sっぽいね。」

「よーし、凛も大声で歌うにゃー!!!」

「じゃあ各自歌いたい曲の候補を出してくること。」

「ふっふっふっ....その話聞かせてもらったよ!!!集客とライブ会場作りは私に任せて!!」

「那月っちやん。ほんまにええの?」

「うん!!何か力になりたいからね!!!」

「あの、那月先輩、ひとついいですか?」

「ん?どうしたの?」

「伊月は....何かあったんですか?」

「伊月か.....ここ数日家にすら帰ってきてないよ。事情も事情だし、仕方ない所もあるんだけどね。」

「その、仕方ないことってなんですか?」

「それは今は言えないかな.....伊月の口から聞いて。私に伊月のことを語るのは今は無理だから。」

 

 

 

 

 

 

「本当にどうしたんだろうね.....」

「凛もよく分からないにゃ。那月先輩も、伊月くんのことをはぐらかすしね。」

「.....本当にね、なんなのかしら?」

「伊月くんに会って聞くしかないかな?」

「でも一条くんにどうやって会うの.....?私たちが襲われたとしても、タイミングとかあるし必ず一条くんに会える確証はないし.....」

「.....今は辞めておきなさい。」

「え?真姫ちゃんなんで?」

「今私たちがやることは学園祭のライブを成功させること。それを放っておいてあいつに会いに行ったら、怒られるわよ。」

「そうだね....」

「真姫ちゃん、ほんとに何も知らないの?」

「凛、それどういうこと?」

「真姫ちゃん、合宿の夜、あの後帰って来なかったよね.....凛が目が覚めた時に、いなかったし.....」

「.......別に話してもいいんだけど....私のパパが来たの。でも誰かに操られていた感じで。伊月と一悶着あったみたいなの。その時はそこまで変わった様子はなかったんだけど.....その後疲労で何かあったのかしら?」

「 ならいいにゃ。伊月くん、凛たちの相談には本当に乗ってくれるけど、伊月くんは全然相談しないよね。」

「うん.....やっぱり皆気になってるんだね。」

「ライブが終わったら探しましょ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おい黒柳.....この組織腐りすぎだろ。橘さんと数人以外まじで出世狙いの野郎ばっかじゃないか。」

「おい、口を慎め。彼らは正義を求める心は強いが、それと同じく強欲なんだ。だが、実際にその分成果を上げているから国民の為にはなっているんだ。」

「それはどうだっていいんだ。今回は.....大森とその直属の部下を入れたらその時点で終わりだ。」

「あいつが何故あそこまで怪しいのか.....理由が分からないのがもどかしい。」

「まあいいさ。とにかく、目星はついた。早速プロジェクト開始だな。」

 




なんか最近展開を考えるのが結構しんどくて、ストーリーの質が悪かったり周りくどかったりするんですよね...


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#53 宿敵&亀裂

オータムレクリエーション始まりましたね。経験値10倍とかありますし、本当にありがたいですね。ラブカストーンもたくさん配って欲しいですね.......余談ですが、僕はやきいもに投票しました。


「.....今日は学園祭だったか.....行く気がしないなぁ.....」

あれから、俺は1度も家に帰ってないし、学校にも行っていない。.....本当に気分が悪い。自分というものを見るだけで反吐が出る。心に闇を抱えてながら、何事もなかったかのように接しようとしていた自分が。表面上上手くやるのは大切だが、やっていて気持ちがいいものではない。

 

「ちっ.....最近は変なやつらもいないから退屈だな。」

 

そう、KBが発見されてからここ数週間、いつもなら見かけるチンピラ共が誰一人いない。平和と言えば聞こえはいいが、嵐の前の静けさというか.....悪い予感しかしない。

 

 

「なんでだろうな.....気分は最悪なのに、雨にあたると少しは気分が落ち着く。汚い自分を洗い流してるからか.......」

 

 

 

 

「おや?久しぶりだね、少年。」

「ああ?誰だてめ......!?なんでお前がここにいるんだ!!」

 

そこには....俺の.....3年前の宿敵が現れた。ほんと最悪だよ。

 

「なんでか.....まぁ答えてあげよう。ここ最近、この街で色々起きているみたいだからね。楽しそうだから来たのだ。」

「裏じゃ『白鴉』と呼ばれてる有名な殺し屋がなんの用だ.....?」

「また呼ばれていてね。この街までわざわざ足を運んだのだ。依頼は『黒獅子の暗殺』、つまり君を殺すことが私の仕事なのだ。」

「.........」

「まさかこんな所で会えるとは思いすらしなかったがまあ良い。私は今ここで君を殺すつもりは毛頭ない。」

「.......何のつもりだ?」

「今の君を殺しても満足出来ないからだ。3年前の君は、血に飢えた獣のようで、私を昂らせるには十分な気迫、殺気であった。だが今は打ちひしがれた弱小な生き物のようだ.....殺し屋とは言え私は弱者を殺してもなんの快感も得られないからね。」

「ふざけんな!!!今ここで、てめぇの首を引きちぎってやる!!」

「ふっ.....どうかな。」

「なっ.....!?」

 

俺は全力で殴ったはずだ。だかそれは簡単にいなされ、横腹にナイフを刺された。

 

「昔の貴様は失ったからこそ限界を越えた気迫があった。だが、今の貴様には何もない。空っぽなんだよ。」

「クソが.....」

「貴様が大切なものが壊れる時を待っている。その時、私は今まで味わったことの無いほど興奮できるはずだ。」

「くそ.....待やがれ.....」

「今回は見逃してやる。『同郷』のよしみだ。」

 

 

 

その後俺はナイフを抜き、血が止まるまでその場で伏した。.......全くかなわなかった。あんな簡単にやられるとは.....

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「.......き。兄貴!!起きてください!!!」

「.......ん.....ぐっ...,」

「無理しないでください。刺されたんですから。」

「悪かった.....まさかやられるとは.......」

「一体誰なんですか?そいつは....」

「白鴉....現在世界でも屈指の実力を持つ殺し屋だ。お前らなら聞き覚え位はあるだろ.....?」

「はい.....殺しに快感を覚えてて、標的を追い詰め、限界状態にしてから殺すやり方をよくすると聞いています。」

「.......話が変わるんだが、お前らは俺をどう思っているんだ?正直に話して欲しい。.....俺をどう思う?」

「どうって.......今だから言えるんですが、俺たち皆、兄貴のことは信じていますよ。最初は、こんな若いやつが偉そうな態度を取って.....なんて思った人もいるんすよ。でも、俺たちは一緒に過ごしていく中で、兄貴の温かさを知りました。兄貴は自分を大事にしてください。裏切られても誰かを信じたいと思う兄貴の心は.....立派ですよ。俺たち大人もこうやって騙し合いの世界で生きてますけど、分かるんですよ。信じることよりも信じようとすることの方がよっぽど難しいんですよ。自分の心と対峙しなきゃいけませんから。」

「そうなのか.......」

「それに今までここを出た皆も今は上手くやっていけてるみたいですし、兄貴は救っているんですよ。.......詭弁と言われるとどうしようもありませんけど、俺たちは兄貴を信じてついていきますよ。勿論、お金とかそういうの関係なしで。『一条伊月』という人間についていきます。何があっても.......」

「...........」

 

本当に勿体ない位の部下だ。こいつらは本当に人ができてるからそこら辺の奴らより信じられる。こういうところは、俺にはないし.......なにより立派だ。手を差し伸べておきながら俺は追い越されてたのか。

 

 

「ありがとう.....少しは軽くなったよ。」

「いえいえ、俺たちはただ思ったことを言っただけですよ。」

俺の過去を知らないとはいえ.......俺の事を真正面から見ている。偏見なしに。こういう部下に恵まれて俺は良かったよ.......

 

「だが、まだ完全には信じられないんだ。昔のこともあってか、どうしてもな...悪いな.....」

「別に構いませんよ。俺たちは兄貴が自分から信じれる時までずっと待ってますから.....何も急ぐことありませんよ。」

 

 

 

ほんと、俺が憎いよ、こんなにも分かっているのにまだ心が否定している。なんでこうなるんだよ.......

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

穂乃果side

今日は学園祭......前に雨の中練習したせいか、少し体がだるいけど、ライブがあるからそんなこと言ってられない!!!頑張らなきゃ。

「穂乃果?大丈夫なのですか?」

「大丈夫だよ!!海未ちゃん!!今日のライブ頑張ろうね!!」

「はい。そうですね。」

 

海未ちゃんにバレそうになったけど誤魔化した。.......皆一生懸命練習して来たんだもん。ここで穂乃果がしんどいという理由で休んだらみんなの頑張りが無駄になっちゃう。お願い!何とかもって.....

 

「それにしても凄い雨やねー。」

「こんな中で屋外ライブは、最悪ね。」

「そうね.....でもお客さんはそこそこ来てくれてるみたいよ。雨とはいえ、いつも通りやりましょ。」

「.......うん!!そうだね。」

「もうそろそろ時間よ!!皆、準備いいわね!?」

「もちろんにゃ!!雨の中でも楽しく歌うにゃーー!!!」

 

「こんにちは!!皆さん!!μ'sです!!雨の中見に来てくれてありがとうございます!!精一杯歌うので、見ていてください!!!」

 

『No brand girls』μ's

 

 

なんとか曲は終わり、ライブは成功.......

 

 

ドサッ!!!

 

 

「!?」

「穂乃果ちゃん!?」

「すみません、メンバーが倒れてしまったのでライブは中断させてもらいます。」

 

 

そんな.....ここまで頑張ったのに.......穂乃果の意識は遠のいていった。

 

「穂乃果!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

.........寝てたのか。

俺はふと気づけば1日寝ていたらしい。疲れていたからなのか、それとも少し安心したのか.......

 

 

「伊月、ここにいたんだ。」

「那月......何の用だ?」

「伊月が元気かなって。家を出たのは気分とかの問題だよね?だったら伊月が納得いくまで行動して。お父さんもわかってると思うから。」

「ああ.....」

「それと、昨日の学園祭ライブなんだけど、.......成功とは言えなかった。穂乃果ちゃんが途中で倒れたことでライブは中断。まだ完全に治っていないし。」

 

まさかあいつら、あんな雨の中ライブをしたのか.........それにリーダーが倒れたとなれば....大変なことになりそうだ。

 

「そうか....それは残念だな。でも問題はそこじゃないだろ。」

「そうだね.......」

「その事実を、穂乃果先輩はどう捉えているかだ。体調管理すら出来てないのかと思う人もいるだろうし、無茶はするだろうから想定してたかもしれない。つまり....グループがバラバラになるんだよ。特に自分のせいで台無しにした、なんて考えれば尚更だ。これ以上何もないといいんだが.....」

 




最近少し短めになっています。場面の区切り具合で、どうしても1回の文量が少なくなってしまいます。そこはご理解を。


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#54 助けるために

やっぱりシリアスになるとオリジナル展開の方がやりやすいですねぇ....オータムレクリエーションでラブカストーン沢山貰えて助かります。


「で?伊月どうするの?」

「俺にあてがある。そいつに相談して少し助けてもらう。」

「あて、ねぇ。まぁいいや。じゃあ私は自分が成すべきことをしますかね。」

「成すべきこと?お前何するつもりなんだ?」

「それがね.....ことりちゃんが留学するんだって。これまずくない?」

「ああ.......今のμ'sにそれが判明したら完全に崩壊するだろうな。間違いなく。立て直せるかどうかはあいつら次第だが、かなり難しいだろうな。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「さて...どうしたものか。」

俺が直接関わるのは今はナンセンスだ。こんな状態の自分じゃ言葉に説得力が生まれない。信じ合えることのできるあいつらとは違うからな.....なら、俺がやるべきことは.....

 

「へぇー、伊月くんから私を誘うなんて珍しいね、何か用事?」

「ツバサ、今日は呼び出して悪かったな。」

「別にいいよ、それにこの前約束したじゃん。一緒に食事しようって。今日は英玲奈とあんじゅもいるし。」

「そうか。.......ここで話すのもあれだ、場所を変えるぞ。」

「はいはーい。じゃあ私は2人を呼んでくるから待っててね♪」

「ああ、頼む。」

こいつらの力を借りる時が来るなんてな.....予想すらしてなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「で、頼みというのはなんだ?」

「なぁ、お前らはグループが崩壊直前の状態になった時、お前らならどう動く?それを聞かせて欲しい。」

「そうねぇ.....私ならちゃんと話し合う機会を作るかな。私はそこまで行動力はないし。」

「私なら、ずっと練習を続ける。いつメンバーが戻ってきても遅れを取るようなことがないようにな。」

「私は.....崩壊するならその原因に立ち向かう。私たちAーRISEは3人いて初めて成り立つの。誰か1人が欠けたりしてはいけないわ。」

「.......お前らはやることがバラバラなんだな。」

「そうね.....でもだからこそグループやチームというのは良くなるのよ。一律に同じ役割しか果たせない人間が揃ってもあまり良くはならないの。グループやチームにいる以上、その人にはその人の役割があって、それを成し遂げなきゃいけない。だから欠けちゃいけないの。.....で、こんなこと話に来たわけじゃないでしょ?用事は?」

「.......その言葉をμ'sに言ってやって欲しい。あいつらは今崩壊しかけている。少しだけ助け舟を出してやってくれないか?」

「私たちに?だがどうやって干渉するのだ?私たちには接点が全くをもってない。」

「そうねぇ.....私たちか街中て探しても周りの人に見つかって、さわがれるのがオチだもの。」

 

こいつ今さらっとすごいこと言ったな.....有名人の風格なのか.....

 

「なら私が動くわ。目立つのは仕方ないとして、私が1番動くには適任だわ。察するに、高坂穂乃果さんが大丈夫ではないのよね?」

「よく分かったな.......頼む。」

「え!?別に頭を下げなくても.....君は私の恩人なんだからこれくらいの頼みなら喜んで引き受けるわよ。」

「.....なんか恩着せがましくてすまないな。」

「そう思うなら.......今度基礎練習を君に見てもらってもいいかな?君の身体能力はすごいし、重心の調整とかは本当に上手いから。」

「分かった.....引き受けよう。取引成立だな。」

「ふふっ、悪代官みたいだね。でも感謝してね?私たちはライバルを助けるわけだから。」

「ライバル?」

「ええ。この地区で1番私たちと張り合えるのはおそらくμ's。今はまだだけどいずれ大きくなって私たちにとって最大のライバルになる。その人達を助けるわけ。.......さてこういう話は終わり!!ちょっと私たちの愚痴を聞いてくれない?この前先生がさぁ.......」

「お前たちも苦労しているんだな.......」

 

普段はトップアイドルとして君臨してるらしいが、こういう面を見るとやっぱり学生なんだなって思う。おっさんみたいな事言ってるけど.......

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

穂乃果side

あれから色々あった.....文化祭ライブが失敗した。学校の存続が決まって嬉しかったけど、今度はことりちゃんが海外留学するんだって。.....ずっと一緒にいようねって言ったのに。ずっと一緒にいると思ってたのに.....

どうしたらいいのかな.....μ'sを辞めるとなったら今度は海未ちゃんとも仲が悪くなってしまった。でも.....ことりちゃんには行かないで欲しい。それに、μ'sだって続けたい。でも.....どうすれば.........

 

「あなたが高坂穂乃果さんで合ってるかしら?」

「あなたは.......?」

「あら?私を知らないの?まぁいいわ。私は綺羅ツバサ。スクールアイドルAーRISEのリーダーよ。高坂穂乃果さん、今日はあなたに話があるから来たの。」

「え.....?私に?」

「場所を変えましょ。そこで要件は話すわ。」

 

 

 

 

 

 

 

「あなた、窶れてるけど何かあったの?あなたの個性である明るさがないわよ。」

「あはは.....別にそういうわけじゃ.......」

「手厳しいことを言うようだけれど、あなたはリーダーとしての自覚が足りないわ。メンバーがいなくなるから動揺するのは分かるのだけれど、こういう時だからこそリーダーとしての役割を果たさなきゃいけないのよ。」

「..........」

「高坂さん、よく聞いておいて。これは一条くんの言葉だから。」

「え!?伊月くん!?どうしてあなたが.....」

「以前私のストーカーを追っ払ってくれたの。その時に知り合って。言うわよ。

『人には強みと弱みがある。組織を成り立たせるためにはそれそれがお互いを補完し合うことが大事になる。リーダーというのは前を向いて歩み続けることが何よりも大事である。他のメンバーを引っ張ったり、自分のやりたいことを成し遂げるために。穂乃果先輩、あなたは自分自身の考えで前に進んでください。それが.....もしあなたが罪悪感を覚えているなら、もう一度立ち上がって前を向いて進んでください。それが償いになると思います。後悔しないように、あなたが望む未来のために』だってさ。少し厨二病っぽいけど、今のあなたの背中を押すには本当に適切なアドバイスじゃない?」

「伊月君.......」

「私から言えることはあなたらしさを捨てたら終わりよ。あなたらしくいなくちゃμ'sが成り立たなくなるのだから。」

「.......分かった!!ありがとうこざいます!!綺羅さん!!」

「あっ、ちょっと!!.......仕事はしたわよ、伊月君。約束、守ってもらうからね♪」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「南さん、失礼します。」

「あら、伊月君。どう?少しは冷静になれた?」

「はい.....色々ありましたがなんとか。ところでこの学校の存続が確定したらしいですね。」

「ええ、そうなのよ。これもμ'sのおかげね。穂乃果ちゃん達もよく頑張ってくれたわ。」

「本当にそうですよね.....で、俺をどうするつもりです?」

「え?どういうことかしら?」

「分からないんですか.....?この学校が女子高として存続が決まった以上、共学化の事を考えなくてよくなった。俺は退学という処分が妥当でしょうね。」

「そうね.....でも存続が決まったからと言って生徒をすぐ切り捨てるのもどうかと思うけどね。それは子供のことを安易的に考えすぎだし、それこそ学校の評判を下げることになる。あなたならそれくらい分かるでしょ?」

「そうですね。だけど、それを生徒や教員が認めるかどうかですよね。理事長は俺を幼い頃から知ってるからあれですが、他の人は黒獅子のことしか知らない。勝手に悪者扱い。さてどうしたものか.....」

「だけれど、あなたがこの学校で上げた功績は誰も否定できないわ。あなたは学校の横領を見破り、更には不審者を捕まえた。あなたがいなければ、これらの出来事で被害を受けた人が多くいたのよ。だから伊月君、あなたの自主退学は認めないわ。」

「.........分かりました、ですが生徒や教員が署名したり、俺を追い出そうとするなら俺はすぐに身を引きます。」

「分かったわ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「さてと.....ことりちゃんが留学する学校はこれかな.....」

私ができること...,ことりちゃんを引き止めるためにその留学先に交渉をすること。上手くいくなんて全く思ってないけど.....やらなきゃいけないんだ。

 

 

「伊月、あなたは自分のすべきことを成した、今度はお姉ちゃんの 番だよ。」




橘さん、メインオリキャラで1番出番少ないのにそれなりに人気あるんですね.....
本来なら絵里ちゃんと穂乃果ちゃんのシーンを、オリジナルに置き換えました。多分シリアス展開の時はアニメからかなりルートを変えるので、ご了承ください。


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#55 光を取り戻す

1期をそろそろ完結させます。2期からは多分日常回やキャラの過去など色々な要素が増えると思います。


「もしもし、伊月くん?」

「ツバサか。どうした?」

「約束通り、高坂さんと会って話したわよ。まだ迷いがあるようだけれど......あの様子なら近々勢いを取り戻すわ。」

「そうか......感謝する。」

「まぁ私の言葉を君が言ったって形で言ったんだけどね。」

「え?どういうこと?」

 

ちょっと待って。え?ツバサが言ったんだよね?なんでそこで俺の名前が出てくるの?

 

「えっとね.....初対面の私が言ってもあんまり響かないさなって思って。他のμ'sメンバーの名前を出しても良かったんだけど、それだとあれだし.....だから使わせてもらったよ♪」

「面倒なことにならなきゃいいんだが.....」

「あとは君の番だよ。今のμ'sを立て直す為にはあなたの力が不可欠だわ。お願い、行ってあげて。」

「お前たちもだいぶ変わってるよな。ライバルを助けるなんて。」

「そうかしら?勝負していないのに勝ったなんて言えないでしょ?私たちはちゃんとした場で勝負したいの。だから助けたい。それだけよ。」

「分かった.....だが、俺がどこまで出来るかだな.....」

 

今の俺は前の俺とは違う。.......優しさも明るさもない。それでどこまであいつらの力になってやれるか.......

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここいらにいないか.....あっ、いた。」

 

 

「はぁ.....はぁ.....しんどいよぉ。」

「少し休憩したいにゃー!!」

「あんた達!この程度でへばってどうするのよ!!あの子たちが戻ってきた時に遅れを取らない為にはこれくらい出来て当然よ!!!」

「前の絵里ちゃんみたいなこと言ってるにゃ。」

「でもそうだよね.......絵里ちゃん達が戻ってきた時に前と変わってなかったら意味ないよね。頑張らなくちゃ。」

「ふーん、なかなか頑張ってるじゃないか。」

「そうだよ.......え!?一条くん!?」

「伊月くん!!今までどこいってたにゃー!!!」

「悪い悪い、ちょっと野暮用があってな。3人しかいないのか?」

 

知ってはいるが敢えて聞いておこう。こいつらの本音を知りたいし。

 

「あの後ね......穂乃果がいじけて、ことりの留学が決まったりでμ'sが崩壊したの。その後、穂乃果は辞めて、海未は部活にと皆バラバラな訳。だけど私たちは続けているの。いつかあの子たちが帰って来れる場所を失わないように。」

「凛もアイドルを続けたいからやってるにゃ。穂乃果ちゃんたちもきっと戻ってくるにゃ!!」

「私は.....他の人より身体能力が劣ってるから、少しでも頑張らなくちゃって思ったし.....アイドルも辞めたくないから.....」

「それぞれ訳があるんだな.....大丈夫だろ、μ'sは復活する。」

「はぁ?今までどっかに行ってたあんたがなんでそんなこと言えるのよ?」

「ちょっとにこちゃん.......」

「だってそうじゃない。一条がいたらもしかしたらあの場でμ'sの崩壊を防げたかもしれないじゃない。那月もあの場にいなかったし。」

「どう言われようが仕方ない.......実際事実だ、俺がいなかったのは。」

「伊月くん.......」

「でも何もせずにここに来た訳じゃない。ツバサと会って、穂乃果先輩を励ましてもらえるようお願いしたんだ。どう捉えるかは穂乃果先輩次第だが、少しは道が見えたみたいだ。.....なんか俺が言ったみたいにツバサが言ったらしいんだけどな.....」

「え!?ツバサ!?あんたあの綺羅ツバサと知り合いなの!?」

「そうなんですか!!一条くん!!」

「というかこの前アキバに行った時に話したような.......」

「でもでも!!名前呼びだなんて、とても親しくなってるじゃないですか!!」

「あんたいずれ刺されるわよ!!」

「おいおい.....話の目的が変わってるぞ,。」

『それは後!!今は綺羅ツバサとの関係が知りたいのよ(たいんです)!!』

「いやだから知り合い以上友人未満だろ.....恐ろしや。」

 

いや、μ'sの話をしろよ。なんでここでヲタク発動してんだよ。

 

「というかそれを言ったら俺はお前たちと関係を持ったらアウトになるよな.......」

「あっ.....」

「取り敢えず話を戻すぞ。穂乃果先輩のことは俺に任せてくれ。姐さんのことは.....恐らく那月が動いてくれているさ。あいつはアホ丸出しだけどああ見えて周りはちゃんと見えている。」

「で.....これからどうするつもり?」

「俺が穂乃果先輩と接触する。どうなるかは分からないけどなるべく説得しよう。穂乃果先輩が戻れば、2年生以外は戻ってくるはずだ。」

「分かったわ。いなかった分しっかり働きなさい。あなたも、那月もμ'sのメンバーなのよ。その意識を持ちなさい!!」

「あぁ.....分かった。」

「じゃあ練習続けるわよ!!」

「え!?まだやるんですか!?」

「当然よ!!この程度でへばってたら.....」

「聞き飽きたにゃぁ!!」

 

元気なんだな.....こいつら。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さてどこにいるのやら.....こういう時は家に行くのが一番か。

 

ガラガラ

 

「ごめんください、高坂穂乃果さんいますか?」

「あ、一条さん!!お久しぶりです!!」

「えっと.....雪穂ちゃんだっけ。お姉さんいる?」

「いるにはいるんですが.....どこか閉塞的で.....アイドルやってた頃からかなり変わったんです。」

「で、お姉さんには会わせてくれるかい?」

「はい.....お姉ちゃんの力になってください。」

 

 

 

 

 

 

 

「邪魔するぞ。」

「.........」

「あれ?前にツバサが助言したって言ってたから少しは明るくなってるかと思ったら暗いままだな。」

「.........あれ!?伊月くん!?どうしてここに!?」

「今更気づくのか.....隣座るぞ。」

「うん.......」

「色々あったみたいだな.....お前の気持ちを共感してやれることは出来ないが、酷なもんだ。」

「ねえ、伊月くん。私どうしたらいいんだろ?分からないよ.....」

「どういう動きが最適かなんて決まっちゃいねーよ。今のお前は何がしたいんだ?」

「ことりちゃんが行っちゃうのは嫌だよ.....でもことりちゃんがそれを望んだんだから穂乃果も認めなきゃって.....でも駄目で.....やっぱりことりちゃんと海未ちゃんとずっと一緒にいたい。μ'sだって続けたい。だけど.......」

「そこまでいってるならあとは動くだけじゃないか。何故動かないんだ?」

「どうしようもないしゃん!!そんな事くらい伊月くんにだって分かるでしょ!!!」

「どうしようもないだと....?動く前から何決めつけてんだこの野郎!!」

「.......!!!!」

「あんたがそれを言ってどうするんだ!!考えてみろよ!!廃校寸前で、近くには人気校がある中お前はスクールアイドルを始めたんだろ!?誰だって最初はそんなことでは何も変わりはしないと思っていた。だがどうだ!?実際はメンバーが揃っていって、オープンキャンパスで一定以上の評価を貰い、更には廃校を阻止したんだぞ!!それだけ成し遂げてきて何今更諦めてるんだよ!!」

「それとこれは話が違うじゃん!!」

「諦めが早すぎるんだよ!!!姐さんだってアイドルを続けたい、穂乃果先輩と園田先輩とずっと一緒にいたいって言ってたんだ!!諦めるなよ!!まだ届くんだ。まだ不可能になった訳じゃないんだ.......それを自分から手放すなよ!!」

 

そう、俺とは違うんだ.....まだ届くんだよ.....

 

「じゃあどうすればいいっていうのさ!!」

「だったら姐さんを、連れ戻せよ!!!いいか穂乃果先輩、今から少し話すから聞け。」

「え?」

「実はな.....今さっき連絡が来たんだが、那月が姐さんの留学先と交渉して、留学するのを延期してもらったみたいだ。一応本人が望んでいた志望先だから取り消しはいけないってことで。あっちの人が良かったから助かったな。」

「それ、ことりちゃんは知ってるの.....?」

「いや、多分知らない。けど内緒にしておいてくれ。そして当日、空港に迎えに行ってくれないか?」

「それ、いいの.....?ことりちゃんに言わなくて。」

「いや、言わない方がいいだろ。姐さんのことだから内心覚悟してるだろうし。ちゃんと姐さんと会って話さなきゃいけないしな。」

「.........ありがとう、伊月くん。ここまで相談乗ってもらって。」

「気にするな。俺もお前らには本当に迷惑かけてるからな。変なレッテルまで貼られてないか結構心配してるんだぜ。」

「へぇ......じゃあ今度こそ!!穂乃果って呼んでよ!!」

「だから先輩相手にそれはダメだと思うんですけどね。」

「さっきはあんたって言ってたのに。別にいいじゃん。」

「ぐっ.....そこは否定できない。」

「それに、もし呼んでくれないなら真姫ちゃんや絵里ちゃんに今穂乃果の頭に手を置いてることを言うけど。」

おい待て、それだけはまじで面倒だから勘弁してくれよ。あの二人、なんか女性が絡むと何かと怖いんだよなぁ.......特に絵里に関しては。

 

「分かったよ.....穂乃果。」

「うんうん!!よく出来ました!!じゃあお腹すいたから食べてくるね!!」

「太るぞ!!」

「うぐっ.....だ、大丈夫だよ!!最近あんまり食べてなかったし!!」

 

 

取り敢えず元気を取り戻してくれて良かった。後はメンバーだけでなんとかしてくれよ。




次回くらいで1期は完結します。というかやっと終わらせられます。


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#56 終わりと新たなスタート

やっと....1期を完結させられました。多分2期はオリジナルがかなり絡んできます。多分




伊月くんへ

明後日、放課後に講堂でμ'sのライブをするから見にきてね。

穂乃果より

 

 

「ライブ....か。姉様連れ戻す前提で言ってるあたり穂乃果も成長したんだな。」

 

やっぱりあいつらはすげーな。助けがあったとはいえ自力でここまで戻ったんだ。明るい世界はいいよな......

 

 

「俺も落ち込んでられないな......見回り再開するか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

裏路地

 

「久々に来たが、やけに人が少ないな。何故だ.....?」

あの事件以来、本当にチンピラ共の姿が見えなくなった。裏で誰かが牛耳ってるのか?

それに気になることもある。俺は本来そろそろ裁判所に行かなければならないはずだが、その召集の封筒が来ない。それに最近はTVを見てもそういうニュースは上げられていない。もしかして、証拠不十分で提訴が棄却されたのか.....それとも誰かが裏で揉み消したのか.....

 

 

「あら、あなた。随分と醜い格好をしているわね?」

「あ?なんだお前?」

「あら、あなたみたいな汚い人間に名乗る名はないわ。」

「あっそ。.......その言い方、なんとなく分かった。お前.....城善寺の人間だな。」

「あら?分かったの?では自己紹介するしかないわね。私は城善寺千世、現在の城善寺財閥の当主よ。」

「てめぇが.......探したぞ。3年前の恨み、ここで晴らす!!」

「あなた.....もしかして神山町の人間?その割には体が変色してないわね。」

「俺は目が緑色になったからな。そんなことはどうだっていいだろ。お前、自分がしてきた事が分かっているのか。お前は何の罪もない人々を都合が悪い、証拠隠滅として沢山殺したんだ。あの日.....唯一あの町で生まれて生き残った俺は生き地獄を見た。お前に分かるか?お前がしたことの重さを。」

「くだらない。あの汚らわしい市民を殺して何がいけないのかしら?それに世間ではあなたがその事件の犯人なの。これは真実よ。」

「ふざけるな!!てめえは腐りきっている。」

「あなたがどう喚こうと正義は我にありよ。あなたは悪なの。それを理解しなさい。一条伊月.......あの憎き一条敬一の....養子。」

「性根が腐りきっているてめぇに言われたかないな。お前はあの日.....街の人々だけじゃない。お前たち側の人間も死んだんだ。あいつは.....お前の強欲のせいで苦しい思いをして死んだんだ。それが分かるか!?」

「私たち以外の人間は駒でしかないの。駒は感情は持たない。それが上に立つものの常識.....下僕こどきに情を注ぐあなたを理解できないわ。.......これ以上話していても時間の無駄ね。あなたたち、この男を殺しておきなさい。」

「ちっ、待ちやがれ!!!」

「一条伊月、お前を殺す。覚悟しろ。」

「お前ら、お前ら2人なんかに負けるわけねぇだろ。どけオラ!!」

 

 

 

 

 

 

「くそが.....ふざけるなよ、いずれお前の首は俺がはねてやる。」

「ははは......」

「何がおかしいんだ!!!」

「お前はもう当主様の手のひらにのっているんだよ。もうじき音ノ木坂に.....冴子お嬢様が転校なさる。お前が少しでもお嬢様に不快な思いをさせたら、お前は本当に終わるんだよ。」

「ちっ.......」

 

あいつの娘が入ってくる.....くそ、一体どんな奴なんだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2日後

「伊月、ちゃんと準備した?ライブ見に行くよ。」

「ああ。だが、懸念すべきことがある。」

「穂乃果ちゃんとことりちゃんが間に合うか.....だよね。それは.......」

「そいつは俺に任せろ。車とばして迎えに行ってやるさ。」

「助かる。俺は.....気づかれないように動く。もしKBを投与した人間や変なやつらが来ても.....俺が叩き潰す。」

「分かった。私は皆を元気づけに行くよ!!!」

「ああ.....親父、少し話しがある。来てくれないか?」

 

 

 

 

 

「俺が養子というのはどういうことだ?」

「.....誰から聞いた?」

「城善寺財閥現当主からだ。あいつらが俺を揺さぶる為に考えたデマの可能性は低いんだ.....教えてくれ。」

「......わるいが今は話せない。いずれ話す時が来る。それまでは待ってくれないか。」

「.....仕方ない。だが、事情次第では親父であろうと容赦しないからな。」

「分かっている.......とりあえずライブ会場に行くぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

「哲二、伊月が全てを知るまではそんなに遠くないみたいだ。皮肉だよな、あの日1人奇跡的に生き残った男の子が、再びその黒幕と相対することになるんだ.......伊月が壊れないといいんだが。俺たちも動かなきゃいけなくなる。伊月の周りにいる人たち守るため、そして俺たちの世代の因縁を片付けるために...,」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「それにしてもすごい人だね。」

「あれ?那月っち。いつの間に来てたん。」

「さっきだよ。穂乃果ちゃんとことりちゃんは.....まだみたいだね。」

「大丈夫だと思いますよ。なんせ穂乃果ですから。」

「ええ、きっとことりを連れてきてくれるわ。」

(まあことりちゃんの留学先には話をつけているから、当然連れて帰ってくるよ。)

「ところで伊月は来ているの?」

「伊月?多分きてると思うけど、皆からは見えない位置にいると思うよ。」

「それはなんでですか?」

「まあ.....要は会場警備だって。それにここ女性客が多いから、目立つのが嫌なんじゃないかな?」

「そういうものなんですか.......」

「でも伊月くんには見ていて欲しいにゃ。」

「大丈夫だよ、ああ見えてそういう所はしっかりしてからね。何せ私の自慢の弟だもん!!」

「久々に見たわ.......那月のブラコン。」

「と。とにかく頑張ってね!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「兄貴、これなんですか?」

「これは.......なんだ、なんかの発信機か。いや、通信か.......」

「というか兄貴はライブに行ってください。事後処理は俺たちに任せてください。」

「そうしたいのだが.....警察が来た時にお前らだけじゃ厄介事が起きるんだ。俺はある程度顔が知れてるからまだしもお前らはそこら辺のチンピラと勘違いされる可能性すらある。特に今の警察はそういう奴が多いからな.....」

「僕のこと忘れてない?伊月程じゃないけど、警察には顔がきくよ。だって普段監視カメラの解析とかは僕が手伝ってるからね。ここは僕たちに任せて、μ'sの元に行ってあげて。」

「与助.....分かった。なら向かわせてもらう。ただ.....何かあればすぐ連絡してくれ。」

『はい!!』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はぁ.....はぁ.....間に合ったか。」

危なかった.....『9人』がステージに立っていて、曲が始まる寸前だったみたいだ。

 

「では聞いてください....私たちの始まりの唄、『START:DASH!!』」

 

「あいつら.....前よりも輝いてるな。今回の1件がメンバーの仲をより確かなものにしたんだろうな....羨ましいよ、そういうのが通じる世界で。」

「あら?あなた.....もしかして一条伊月さん?」

「ん?あなたは誰ですか?」

なんか真姫に似てる.....気のせいか。

 

「私は西木野真姫の母です。旦那と娘がお世話になりました。」

「いえ.....真姫にはこっちもお世話になっています。というか.....若くないですか?」

「あらあら嬉しいわね♪.....真姫ね、前よりも明るくなったんです。今まではずっと閉塞的であんまり関係とか作ってなくて.....この学校に入学したのも私たちのエゴみたいなものなんです.....」

「へぇ、自分で望んで来たわけじゃないんだ。それは初耳ですね。」

「はい.....でも今は楽しそうに学校のこと話してるんです。スクールアイドルのことや、あなたのこともよく聞きます。」

「別に.....俺は真姫に何もしてませんよ。」

「そうなの?真姫はあなたに勇気を貰ったって言ってましたよ。お父さんとちゃんと話せたのもあなたが機会を作ってくれたからだって。更には、あなたが自分の悩みをさらけ出した時に親身になってくれたことが本当に有難かったって、本当に楽しそうに話してましたよ。」

「.......」

「これからも真姫のことをお願いしますね。あの子は少し強がるところがあるから、親としても心配なんです。支えてあげてください。」

「はい.....まぁこっちも色々お世話になってます。俺を初めてちゃんと正面から見てくれた人ですから。」

「ふふふっ、将来が楽しみね♪」

「俺は真姫とは釣り合いませんよ。もっといい男が見つかりますよ。」

「でも、旦那も私も婿を迎えるならあなたみたいな誠実で頼れる、優しい人がいいわ。だから.....縁談になった時は顔だけ出してくださいね。了承はすぐ降りますから♪」

「将来の話は一旦置いときましょう.....輝いてますよね。」

「そうね、皆楽しそうだわ。真姫のあんな顔見るのは小さかった時以来ね。」

 

そのまま少し感傷に浸りながらライブを見ていた。.....少しは頑張った甲斐があったかな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ライブ後 屋上

 

『ありがとうございました!!』

 

「いやー、どういたしまして!!」

「俺は別に何もしてないよ。」

「いいえ、今回は一条さん姉弟がいなければμ'sはなくなっていました。私たちの為に色々してくださったことは感謝しきれません。」

「じゃあ穂乃果ちゃん.....あれやる?」

「うん!!やろうよ!!!」

 

 

そう言うと、穂乃果と姐さんが俺たちに手を差し出してきた。.....なんだこれ?

 

「一条伊月くん、一条那月さん、μ'sのメンバーになってください!!!」

「え!?メンバー!?」

「那月はともかく俺は男だぞ。視力大丈夫か?」

「大丈夫だよ!!」

「メンバーと言ってもステージに出る訳じゃなくて、私たちをサポートして欲しいの。今回みたいに大きく動く必要はないけど、私たちを助けて欲しい。」

「そういうことなら喜んで!!!」

「.......」

「どうしたの?伊月くん?」

「俺は.....まだお前たちを信じきることが出来てないんだ。頭では分かっていてもまだ心には疑心暗鬼がある。だから、ありがたい誘いだけど断らせてもらうよ。」

「もう!!まどろっこしいわね!!それでもいいじゃない!!」

「は?どういうことだ?」

「伊月くんが凛たちを信じきれてなくても、これから関わっていく中で信じてくれればいいにゃ。伊月くんの心の中は分からないけど、でも凛たちは伊月くんの力が必要だし、伊月くんと一緒にいたい。.......それだけだよ。」

「凛.....」

「そうね、今のμ'sにはあなたが必要なの。メンバーでもあなたの影響を受けている人間は少なくはない。それは事実よ。」

「.........」

「伊月、この子達は大丈夫だよ。きっと伊月のことを分かってくれるから.....一緒にやろうよ、サポーター。」

 

 

俺がやっていいのか?.....俺は本来交わっちゃいけないんだ。人のことを信じることの出来ない人間なんだ.....そんな俺に手を差し伸べてるのか?こいつらは.....

 

信じていいのか?俺はこいつらを信じたいのか.....

 

「.......分かった、それでもいいなら力になろう。『11人目』のメンバーとして。」

「わぁぁ.....うん!!!これからもよろしくね!!伊月くん!!」




1期というか第1部終了です。やっと終われました。まさか56話もかかるとは.....第2部なんですが、早ければ明日、構成考えたりすることになったら来週からになると思います。


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閑話 夜のプール

時期外れもいいところですが、多分ラブライブ内の時系列だと今くらいかなと思いました。一応こういう回は、メインストーリーとして置いておきます。ストーリーの息抜き点みたいな感じですね。
海未ちゃんってフリルとか似合いそう(唐突)


「海に行こうよ!!」

「え?」

 

いきなりどうした、暑さで頭が壊れたのか?

 

「穂乃果、練習しなければいけませんよ。」

「だって暑いんだもん!!真姫ちゃんの別荘行って少しは和らいだけどやっぱり無理!!!」

「しかしあまり涼しいところにいますと暑さの耐性が無くなりますし.....」

「でもこの暑さはおかしいでしょ。海はともかく、プールとかそういう所に行きたいわね。」

「でもこれから練習があるのよ.....」

「じゃあこうしいひん?練習はするけど、その後に皆でプール行かへん?海に行きたいなら海でもいいけど、練習してからだと夜だからナイトプールとかになるんよ。」

「それいいね!!そうしよう!!!」

「ことり、水着あるかなぁ....?少しきつくなってるかも.....」

「そう言えば私も水着は買ってないわね.....希は?」

「うちはあるよ。この前別荘行った時に新しいの持っていってたし。」

「まあ楽しんでこいよ。俺はパスだ。」

「私は.....どうしようかな、伊月が行かないなら行かなくてもいいかな.....」

「伊月くんも行くんだよ!!!もし変な人がいたら穂乃果たちを守ってよ!!!」

「まず危ないところに行くな。それにナイトプールだかなんだか知らないけど、俺はそういうところがどうも苦手でな.....」

「私も.....男のいやらしい視線がすごいし.....」

「えー!!でも行きたいよ!!!」

「,.....那月、どうするんだ?俺は休みたい。というか、橘さん呼べばいいような気がしてきた。」

「橘さんは仕事中だよ。さすがに呼べないよ.....」

「というわけで伊月くんも来てもらうからね!!!」

 

 

 

「はぁ.....面倒だ。」

「ご愁傷さまね。」

「真姫、お前は行かないのか?」

「そうね.....さっきまではそう思ってたけどこれも皆と仲良くなれる機会かもしれないし.....行ってみるわ。」

「そうか.....お達者で。」

「あなたも来なさいよ。私だけ恥ずかしいのはごめんだわ。」

「何が恥ずかしいんだよ.....」

 

 

結局あの後、言い合いを続けたが、μ'sが凄い強情だったので折れた。.....そんなに公共施設がガバガバ警備してるわけないだろ.......

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

P.M8:00

 

「おっまたせー!!!」

「おう、来たか。.....お前ら結構似合ってるな。」

「あら、嬉しいこと言ってくれるのね。」

「さっき道端で買ってきた水着のサイズが合って良かったね、希ちゃん。」

「そうやね、うちも結構きついから新しいのはいい感じやね。」

「ぐぬぬ.....なんであんなにでかいのよ。」

「にこちゃん嫉妬してるにゃ。」

「別に胸のでかさなんてどうだっていいだろ。どうしてそんなに気にするんだ?」

「女の子は気にするものです!!一条くんもそこら辺は全然分かってないんですね.....」

「そうか?逆に胸を気にしてる方がおかしいだろ。そういうところに意識を向けても特に何も無いし。」

「那月、あんたどういう教育してきたのよ。あの男、全然思春期の男子高校生とは思えないわ。」

「まあまあにこちゃん、伊月はそういう男女の関係とか全く気にしてないからね.....というか昔からあんまり女の子とは関わってきてなかったからかな?」

「とりあえず2時間後には帰るからそれまでは自由行動よ。ただしあまり人気のない所は行かないこと。いいわね?」

 

 

 

 

あいつら、楽しそうに遊んでるな.....夏の夜って言っても湿度が高かったりするから案外暑いんだよな。確かにプールとかに行ったらモチベーションの回復というかリフレッシュできるからいいのかもな。

 

 

「あれ?伊月くんは泳がへんの?」

「俺はあくまで付添だからな。お前らが変なやつらに絡まれないよう見ておくんだよ。だから遊ぶのは遠慮しとく。」

「伊月くんも折角水着に着替えたんやから、うちらと一緒に遊ぼう。」

「おい、希.....当たってるぞ。」

なんで腕に抱きついてくるんだ.....

「当ててるんよ。伊月くんにも少しは女の子を意識して欲しいからね。」

「俺には意味無いと思うんだけどな.....」

 

というか、ナイトプールだからなのか、希が妙に色っぽく見えるな。ライトアップひとつでこんなにも雰囲気が変わるもんなんだな。今度うちの地下スペースの電球変えてみるか。

 

「隙あり!!!」

「あ?.....水鉄砲か。お前もはしゃいでるな。」

「そうよ、こうやって遊ぶこと今まで無かったもの。思いっきり楽しむわ!!!伊月も来なさい!!」

「ちょ、引っ張んな.....て、うわっ!?」

「えっ.....きゃっ!?」

 

今の状況を説明しよう。絵里が引っ張ったことにより、希もろともプールに落ちた。今俺の顔は何かに挟まれている。息が苦しい.....しかも背中に希が抱きついているため、バランスが取れない。

「.....ぷはっ!!!死ぬかと思った....」

「もう、伊月も大胆ね♪」

「元はといえばお前が俺を引っ張ったからだろ.....あと、そろそろ背中から降りてくれないか?浮力があるからとはいえ、結構しんどい。そうやって首に抱きつかれると.....折れそう。」

「あっ.....ごめん。でもよくこんな不利な体勢で人を持てたね。」

「一応鍛えてはいるからな、女1人持ち上げられないようじゃいけないしな。」

「あっ、伊月くん!!凛たちと一緒に遊ぼう!!!」

「...もういいか。俺がそばにいりゃ襲われることもないだろ....分かった.....」

「海未ちゃん見て!!これすっごく美味しそう♪」

「穂乃果、また食べたら太りますよ?それに.....この雰囲気は少し破廉恥なような.....」

「そうかなぁ?ことり、こういう所も結構好きだよ。みんなの魅力が結構でるから。」

「そうですか.....」

「うん!!海未ちゃんもすごくスタイルいいよね!!羨ましいよ!!」

「なら、一緒にダイエットでもしますか?」

「うぐっ.....それは勘弁して.....」

 

 

 

「騒がしいわね。」

「ふん、何1人だけ優雅にくつろいでるのよ。」

「こうやって浮き輪で浮くのも案外いいわよ.....夜空見てると意外と歌とか思いつきそうだし。」

「へぇ、真姫もそういう事言うんだな、意外。」

「.....わっ!!!伊月!?あなたいつの間にここに!?」

「いや、単にお前らがどこいったか探しに来ただけだ。」

「.....その....伊月、この水着....どうかしら?」

「え?水着?すごく綺麗だと思うぞ。真姫の魅力をだしきってるんじゃないか?」

「あ、ありがとう.....///」

「ふーん。」

「な、何よ?」

「別にぃ、真姫ちゃんは一条の前では乙女になるんだなぁって。」

「べ、別にそんなことないわよ!!」

「にこも似合ってるんじゃないか?可愛いし。」

「.....ふ、ふん!!当然でしょ!?にこにーが着てるんだから魅力があるに決まってるわ。」

「何照れてるのよ。」

「べ、別に照れてなんかないわよ!!!」

「おい、お前ら一応公共施設なんだから静かにしろよ。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1時間半後

 

「あれ?花陽、お前はもういいのか?」

「はい.....本当に運動しました。」

「そうか、今日は楽しかったか。」

「うん、こうやって皆で遊ぶのは初めてだから.....いい思い出になったよ。」

「そうか.....」

「ねぇ、一条くん。」

「ん?.....お前。」

 

花陽がいきなり俺にもたれかかってきた。しかも抱きつき方が完全に当てに来ている。

 

「随分と大胆だな。」

「そうかな?....でも、折角こういう場所に来たんだから少しくらいはいいよね?」

「雰囲気は大事だが、羽目は外すなよ。」

「一条くんらしいね.....一条くんは今日楽しかった?」

「まあな.....こうやって遊びに来たのも悪くは無い、かな。お前らと一緒に来れて良かったよ。」

「へへ.....良かった。ねえ、一条くん。今、どきどきしてる?」

「いや、別に。」

「そうなんだ.....私の心音伝わってる?すごくドキドキしてるんだ.....」

「そうなのか.....?」

「うん、一条くん。.....ありがとう♪」

 

 

その時の花陽は、ライトアップの影響もあるのか、普段よりも大人らしく妖艶に、そして可愛く見えた。.....こういう一面もあるんだな.....

 

「俺こそ今日は来てよかったよ。お前らの違う一面を見れたからな。感謝感激とまではいかないけど、嬉しいんだぜ、これでも。」

「あっ.....えへへ.......」

俺は花陽の頭を撫でた。こう見るとやっぱり花陽だなって感じる。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

女子更衣室

 

「伊月くん、今日である程度わかってくれたかにゃ?」

「分からないわ、けれど少しは意識するようになったんじゃない?私たちも当てた時に少し反応してくれたし。」

「でも伊月は伊月ね。やっぱり冷静だわ。」

「まあそういうところがあるから安心して守ってもらえるもんね♪」

「穂乃果はずっと食べていたではありませんか.....」

「ち、違うよ!!希ちゃん達と少しビーチバレーボールで遊んだよ!?」

「そうですが.....」

「でも....伊月くんは少し変わったと思うよ。私たちとちゃんと話してくれるし、前よりも話すことが多くなったし。」

「今回は花陽が1番頑張ってたわね。これで伊月も少しは意識してくれた.....伊月にも普通の男子高校生がどんな風なのか知ってもらわないとね♪」

 




新規果南ちゃんがエロい.....というか可愛い。スクスタの画質本当にいいですよね。ぷちぐるのカードも良かった。
基本的にこういう系の話は、μ'sが伊月くんを攻略するみたいな感じになることが多いと思います。というか、こっちの方が本来書きたい形だったんですよ.....


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メインストーリー第2部 黒獅子とμ’sの軌跡
#57 リスタート


第2部書いていきます。オリジナルが大きく絡んでくるので、おそらくアニメとかなり異なる展開が多めになるかもしれません。


わいわいわいでしょ colorcode (ry
おさんぽラリーでお世話になりましたね、COLORFUL VOICE


第1部までのあらすじ(知ってる人は読み飛ばしてね。)

 

『黒獅子』と呼ばれる少年、一条伊月は、色々あって音ノ木坂学院にテスト生として入学することに。そこで後のμ'sとなるメンバー達と出会い、様々な事件や出来事を通して彼女たちに様々な影響を与えていった。だが、それは彼も等しく、μ'sと関わっていくうちに自分と向き合うようになる。

 

 

「って!!大雑把すぎるよ!!」

「だって仕方ないじゃん、細かく言っていくと長くなり過ぎるし。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「...これで理事長挨拶を終わります。3年生は残り短い高校生生活を、2年生は最高学年になるための準備を、1年生は後輩を迎え入れる準備をしてくださいね。」

「ありがとうございました。つづきまして、新生徒会長の挨拶です。高坂穂乃果さん、よろしくお願いします。」

 

パチパチ

 

なんで絵里だけ拍手してるんだ.....

 

「皆さん、こんにちは!!新しく生徒会長になりました、高坂穂乃果です!!えっとぉ.....」

 

あっ、これ多分セリフ忘れてるやつじゃん、まぁそっちの方が穂乃果らしいんだけどさ.....

 

 

 

 

 

 

「いやー穂乃果ちゃん面白かったにゃ。」

「まさか歌い出すなんてね.....予想の斜め上を行くわね。」

「あはは.....穂乃果ちゃんらしいと言えば穂乃果ちゃんらしいよね。」

「お前たちμ'sのメンバーはともかく、穂乃果を知らない生徒は絶対に驚いただろうな。」

「今頃海未ちゃんに怒られてそうだよね。」

「目に浮かぶな。さてと.....俺は帰るわ。」

「え!?さっき来たところだよね!?」

「あれだ.....廃校を阻止出来てからというものの俺を消し去りたいのか排除運動みたいなのが行われてるんだとさ。だから、とりあえず理事長室に行って資料とか貰ってからこっそり帰るんだよ。」

「相変わらず大変だね.....」

「念の為に言っとくけど、俺のことであんまり動くなよ?校内でもお前らに変なことがあるのは嫌だからな.....仲間に迷惑はかけたくないんで。」

「変わらないわね。どうしたらいいのかしら?」

「何かしらの出来事がない限りいつまでもこの風潮は変わらないだろうな。でも仕方の無いことだ。」

「もどかしいわね....何もしてあげられないのが。」

「そうにゃ!!伊月くんは何も悪くないのにね!!」

「まぁ.....こういう理不尽なことがあるっていうのも社会勉強ってやつになるんじゃないか?」

「そうなのかな.....ん?え、えええええええええ!!!!!」

「どうしたの!?かよちん!?」

「た、大変です!!」

「一体どうしたって言うのよ。」

「もう一度.....もう一度開催されるみたいです!!!」

「ラブライブ.....か。」

「はい!!今運営からメールが届きました!!すごいです!!」

「取り敢えず詳しいことは後で部室に行ってから聞くわ。」

「じゃ、俺さっと理事長室行ってくるわ。その後少し部室に顔を出すよ。」

「じゃ、後でね!!伊月くん!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「早いものですね.....あれから3年、伊月くんも大きく成長した.....敬一さん、もう話してもいいんじゃないかしら。もしものことがあってもことり達がいる.....私は信じてますよ。」

「失礼しまーす、理事長、資料ください。」

「あら、伊月くん、これね。親御さんに書いてもらう資料が多いからちゃんと渡してね。」

「はい。.....親御さん、か。」

「......何かあったの?」

「いえ、何にも。少し母親がいたら.....と考えてただけですよ。俺自身、母さんのことを殆ど知らずに生きてきましたから.....母親の愛情とかを知らなくて.....姐さんと南さんを見てるとふと思うんですよ。」

「こんな重い話になるとは思わなかったけれど.....伊月くん、今年は行ってきたら?神山町に。」

「.......まだ行けませんよ。俺は母さんに顔向け出来るほどの立派な人間になれてませんから。俺が花を手向けに行くのは、俺自身と向き合えた時って決めてますんで。それまでは.....」

「無理強いはしないわ。けれど、あなたは本当に大きく成長した。3年間会ってないとは言え、本当に大きくなったわね、伊月くん。」

「中身はあんまり成長してませんよ。」

「いいえ。あなたは成長した。この学校に入ってからあなたは前に比べて自分と向き合うようになれている。ことり達がどう影響したかは分からないけれど、あなたが否定しても私の目からしたらもう立派になったわよ。」

「.....ありがとうございます。」

「.....重い話をしてごめんなさいね。これから少し打ち合わせがあるから、ちょっと失礼させてもらうわね。」

「いえ、こちらこそ時間とってすみません。では失礼しました。」

 

 

 

「一条さん、久しぶりですね!!」

「先生.....太りました?」

「なっ!?.....この前優花とスイーツ巡りしたからかなぁ.....じゃなくて!!女性にそういうことを言うのは、めっ!!だよ!!」

「なんかすみません.....じゃ失礼します。」

 

 

 

 

「神崎先生、入ってください。」

「失礼します、理事長!!今日はどういったご要件で?」

「転校の手続きがあるから呼んだの。またあなたのクラスに転入するの。しかも.....今回は城善寺財閥の次期当主、城善寺冴子。」

「なんか.....1年生が1クラスしかないからでしょうけど、私の学年だけ本当に色々ありますよね。」

「ええ.....でも仕方ないわ。年齢は変えられないもの。」

「私に務まりますかね.....」

「大丈夫よ、伊月くんが残っているということは少なくともあなたを無能と思ってない証拠よ。」

「多分優花と仲がいいというのもあるんですけどね.....」

「そうかしら、それはともかく。あなたに重荷ばかり背負わせて申し訳ないのだけれど、よろしく頼むわね。」

「はい!!できるだけ頑張ります!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「もう一度!?」

「もう一度!?」

「ラブライブが!?」

「行われるの!?」

「はい!!先程発表されて、速報が届きました。しかも今回のラブライブは、前回のこともありスケールがより大きくなりました!!今回のラブライブは、スケールが大きいこともあり、ランキング形式ではなく各地で予選が行われ、各地区の代表が本戦に進む形式になりました!!」

「これはつまり、人気投票による今までのランキングは関係ないということですか?」

「その通り!!これはまさにアイドル下克上、ランキング下位でも予選のパフォーマンス次第で本大会に出場出来るんです!!」

「それって、私たちでも大会に出るチャンスがあるってことよね?」

「そうなんです!!」

「すごいにゃー!!」

「またとないチャンスです!!」

「ええ....!!」

「やらない手はないわね。」

「そう来なくっちゃァ!!」ダキッ

「えぇ.....」

「よぉし、じゃあラブライブ出場を目指して.....」

「でも待って。地区予選があるということは.....私たち、AーRISEとぶつかるってことじゃない?」

『あっ.....』

「あぁっ.....おわりました。」

「だめだぁ.....」

「AーRISEに勝たなきゃいけないなんて.....」

「それはいくらなんでも.....」

「無理よ!」

「ああ.....」

「いっそのこと全員で転校しよう!!」

「できるわけないでしょ。というか、諦めが早すぎます。」

 

「お前ら、ここにいたの.....か。何があったんだ?」

「AーRISEとぶつかることになったのよ。」

「へぇ、いいじゃねぇか。ツバサ達を叩き潰せばいいんだろ?」

「物騒すぎるよ.....前回王者ですよ。」

「でも伊月の言うことも強ち間違いでは無いかもしれないわ。精一杯練習して、勝てるようにやってみないと。やる前から諦めるのは早いわ。」

「穂乃果先輩はどう思う?」

「ずずーっ.....」

あら?呑気にお茶飲んでる。こういう話題に食いつきそうなのに。

 

 

「出なくてもいいんじゃないかな?」

『えっ.....?』




念の為に書いておきますが、この小説に出てくる神山町(かんざんのまち)というのは実在する神山町(かみやまちょう)とは全く異なるものです。


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#58 それぞれの思い

経験値10倍のありがたみが凄い......おさんぽラリー周回してるだけで、ランクが15近く上がりました。


でなくても.....いい?

「伊月くん、なんで穂乃果のおでこ触ってるの?」

「熱があるわけでは.....ないんだな。」

「じゃあなんで!?」

「穂乃果ちゃん....それ本気で言ってる?」

「だって......廃校から救えた訳だし、後は皆で楽しくやる、じゃだめなのかな....?」

「......穂乃果。」

「絵里ち?」

「私たち3年生はあと半年すれば『卒業』するの。そして.....今回のラブライブが私たちにとって最後の大会になるの。」

「.........でも」

「それにスクールアイドルの決まり上、卒業すれば私たちはもうスクールアイドルを出来なくなる....だから最後の思い出を作りたいの。」

「...........分かってるよ、分かってるけど.....」

「穂乃果!?どこに行くのですか!?」

「穂乃果ちゃん待って!!」

 

 

 

 

 

 

「卒業、か。当たり前のことだけど辛いもんなんだな。」

「そうね。私たちが卒業すれば、伊月と会う機会も減るものね。」

「別にそこじゃないんだけどな.....皆頭では分かってるけど受け入れたくないんだろうな、折角こうやって仲間が集まったんだ.....気持ちが分からんでもない。」

「それでも、避けれないんよ。」

「なにしみじみしてるのよ、とりあえず穂乃果を追いかけましょう。」

「そうね。」

「絵里ち、先行っててくれる?うちはちょっと伊月くんとお話してから行くよ。」

「ええ。見つかったら連絡するわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんのつもりだ?」

「伊月くんには改めてお礼を言わんとね、ありがとう。μ'sを救ってくれて。」

「俺は何も.....とは言えないが殆ど何もしていない。全てはあいつらの行動が成したことだ。」

「それでも、だよ。.....それとあと一つ聞いていい?」

「なんだ?」

「伊月くん、うちらに何か隠してることあるん?」

「なぜそう思う?」

「カードがそう告げてるんよ。それとあとは.....勘、かな。うちらと関わっていく中で伊月くんはどこかうちらと自分を離してるような感じがして.....なんというか、もどかしいんよ。何を隠してるのか分からんから。」

「特に何も隠しちゃいないよ。」

「うん.....ならいいんだけど。じゃあ穂乃果ちゃん追いかけにいこか。」

「ああ、そうだな。」

 

 

 

 

「希.....悪いな。俺にはまだお前らに打ち明けることが出来ない.....お前らを信じきることが出来ないんだ......」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はぁ.....はぁ.....」

「ここにいたのか。穂乃果。」

「伊月くん.....追いつくの早いね。」

「俺は男だからな。お前らよりも速くないとまずいし。」

「.....うん。」

「何かつっかえてるのか?」

「絵里ちゃん達が卒業するってこと.....分かってるんだけどね、嫌なんだ。だから考えないようにしようと思ってたんだけど.....」

「逃れられないことだからな。」

「うん.....」

「まぁ.....俺が言えることじゃないんだけどさ、最高の思い出作って送り出してやらないのか?」

「.....え?」

「卒業したら確かに絵里たちとは別れることにはなるだろう。だが別に永遠に別れるわけじゃないしな.....μ'sがどうなるかはともかく、3年生を送り出してやるって考えたらどうだ?」

「送り出す.....?」

「絵里達にとって今回のラブライブに出ることがあいつらにとっては最高の思い出になると思う。だったらそうしてやることが一番良いと思うけどな。」

「そうなのかな.....」

「3年生がそれを望んでいればな。だがこれは俺の意見だ。決めるのはお前らだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「穂乃果!!ここにいたのですか.....一条さんも。」

「ああ。それでどうするんだ?ラブライブ.....」

「....穂乃果、改めて私たち3年生の意見を聞いて。私たちは、ラブライブに出たい、このメンバーで。たとえ予選で負けたとしてもいい、出たいの。それは希もにこも同じでしょう?」

「うん、うちはラブライブ出たいんよ、穂乃果ちゃん。卒業云々を置いたとしても、ね。」

「にこは卒業のことはどうでもいいわ。私たちはラブライブに出るために、ここまで一生懸命に練習してきた。ステージに出たい。それだけよ。」

「絵里ちゃん.....希ちゃん.....にこちゃん....」

「3年生でなくとも、私たちも同じ気持ちですよ、穂乃果。」

「そうね、ここまで来たもの。それに今回はAーRISEとぶつかることになるけど.....可能性もなくはない。」

「凛は単純に皆で歌って踊りたいにゃー。」

「わ、私は....憧れのラブライブのステージに立ちたいです。」

「たがら穂乃果ちゃん、一緒にラブライブ出よ?」

 

 

「皆.....分かったよ。私もラブライブに出たい!!出て絶対に優勝するんだ!!」

「AーRISEと戦うんですけどね.....不可能かもしれませんよ。」

「不可能なことなんてないよ!!」

 

ん?雨降ってるのにどこ行くんだ?また風邪は引くなよ。

 

「すぅっっっ.....雨やめーーーーーーー!!!!.......ほら!!やんだよ!!」

 

いやすごいな、それ。天に愛されてるのか....

 

「不可能なことなんてないよ!!.......ラブライブに出場して、皆で歌って、踊って.....そして、1番になろう!!!」

『やろう!!』

『やろう!!』

「頑張れよ。お前ら。」

「伊月くんも頑張るんだよ!!」

「だって俺ステージとか出ないし、特別ダンスや歌が出来るわけじゃないしな.....」

「そうかしら.....あなたは歌唱力は私たちよりはるかに上よ。那月もダンスだけ見れば絵里よりも上.....あなた達姉弟の力が絶対に必要になるわ。」

「那月はともかく俺はな.....まあメンバーなんだ。果たすべきことは果たそう!!」

「それじゃあ、ラブライブ目指して、頑張ろう!!!」

『おーー!!!』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はぁ.....はぁ.....」

「那月ちゃん!!動きが甘いよ!!もっと速く、もっと鋭く!!」

「優花さん、本気出しすぎだよー!!!」

「だめだよ!!伊月くんの隣に立って戦いたいんでしょ!?だったらこの程度で音を上げてたらアウトだよ!!伊月くんは、黒柳さんと同じレベル.....いやそれ以上。私だって手加減してもらってるとはいえ、伊月くんに勝った回数で片手で数える程度なんだから!!」

「そうなんですか.....?」

「うん!!だから那月ちゃんもせめて私レベルくらいにはならないと!!」

「もう一度お願いします!!」

「うん、じゃあ最初からやり直しだよ!!」

 

 

 

 

 

「橘さん、本気だな。」

「伊月の隣で戦うというのは、常に死と隣り合わせになることを意味するんだ。せめて自分の身くらいは守れるようにはなっておかなければならない。」

「黒柳、すまないな。時間使って鍛えてもらって。」

「気にする必要はない。那月も望んでやっているのだからな。それに、橘も自分の動きを確認することにおいてはいい機会だろ。」

「お前が稽古をつけないのか?」

「手加減することが出来ないもんでな、那月の骨を折りかねない。」

「なるほどな.....久々に俺とやり合うか?」

「遠慮しておこう。お前とやると体が疲弊しきる。」

「そうか.....まあいいさ。」

「ところで敬一、少し報告があるのだが。」

「ん?何だ?何かあったのか?」

「城善寺財閥の次期当主が伊月のクラスに転任するらしい。」

「千世の娘、か。あいつとの因縁も片付けないとな.....」

「こう見ると皮肉なものだな。伊月は、私たちのいざこざに巻き込まれてるようなものなんだ。」

「申し訳ないとは思ってるさ.....特にあいつの母親にはな。」

「.......私は仕事に戻る。橘達のことは頼んだ。」

「ああ.....那月、そこの動きなんだけどな.....」

 

 

 

 

 

 

 

「......はい。一条敬一と、黒柳哲二をマークしています。今のところ目立った動きはしていませんが.....早めに潰しておくべきかと。」

「まだよい。引き続き監視に務めなさい。まだ泳がせて機会を待つのよ。」

「.......はい。」




1年もあと1ヶ月とちょっとで終わるんですね.....早いですよね。僕も来年は受験がありますし.....嫌なものですね。


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#59 黒獅子だから

ここら辺はアニメでも楽しいところですね。こういうライトな雰囲気はなるべく崩さないようにはしますが.....


「あら、いらっしゃい。」

「ここに入るのって結構苦労するな....設備が新しいのがほんとくるよ....」

「お疲れ様、少しお茶してから練習しましょ?」

「本当に俺はやることないぞ。スクールアイドルと俺らが使ってる体術とかは、あんまり共通点無いしな。」

「けれど、そういう複雑な動きをこなす上では、そういう力がないと難しいわ。私たちはそれを教えてもらいたいの。」

「分かったよ、.....今回のラブライブのルール見たか?」

「確認したわよ、あなた達μ'sと戦うことになりそうね。」

「俺はμ'sのサポーターだけどな。」

「一緒よ。おそらく彼女たちは少なくともあなたの影響を受けているのよ。はっきり言って、μ'sは今回の私たちの最大の敵になる。私たちはそう踏んでいるわ。」

「一応理由は聞いておいていいか?」

「まず、メンバーに個性がある。それぞれ被らない上に濃い個性、それは多人数グループの強みなの。それに、歌唱技術、ダンスなど伸びの勢いがすごい。彼女たちは今年結成して半年足らずでトップレベルに成長した。」

「随分と買い被ってるんだな。あいつらはそう思ってないと思うけどな。」

「それにあなたもいる。あなたはグループを裏から支える柱、その存在がどれだけメンバーの精神的支えになっているか、あなたは自分を評価すべきよ。それに他のグループはそれを知らない......だからこそあなた達は私たちを脅かす程大きくなった。」

「俺はあいつらに絡んでる事件や問題を解決するために動いただけで、あいつらの為になったのかは知らないが、そうなったのは結果論だ。誰かを助けようなんて綺麗な心は持ち合わせてねーよ。」

「では何故あなたはμ'sのサポーターを務めているの?」

「俺のジレンマみたいなものを取り払うためさ。」

「そう.....さてそろそろ時間ね。練習、見てもらおうかしら。」

「ああ、視察させてもらおうかな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうも、私はAーRISEのコーチを務めさせていただいてる者です。あなたにはこれから練習を見てもらうのですが、口出しは一切しないでください。」

「それだったら俺がここに来た意味がないだろ。」

「初心者の意見を彼女たちに参考にさせたら困るんですよ。だから意見を言いたいなら私を挟んでからにしてもらいます。」

「あっそ。好きにしたらいいじゃないか。」

 

 

 

 

「それじゃ、まずアップから始めるわ。各自柔軟と発声練習をするように。」

「おい、各自でやらせるのか?」

「当然です。こんな基礎的なことをいちいち全員でやる必要はありません。時間もくわれますし、彼女たちにもそれぞれペースというものがありますから。」

(あいつらだったら.....皆でやってるんだけどな。おそらくこのコーチが従わせてるという感じがすごいな。まるで傀儡.....)

「何か文句でもあるのですか?」

「いえ、何も。他校のやり方にいちいちケチつけるのはナンセンスですから。」

「つくづく気に入りませんね、その態度。あなたどうやって彼女たちと知り合ったのですか?」

「ツバサとたまたま会ったんですよ、路地裏で。当時はまだAーRISEの存在すら知りませんでしたけど。」

「そうですか。アップが終わり次第、次回のラブライブに向けて振り付けの確認を行います。」

『はい。』

「お互いアドバイスとかさせないのか?アップにしても他のいいやり方があるかとか模索しないのか?」

「そんなもの不要です。これは洗練されたメニューなんです。」

「なんかな.....これじゃだめだな。」

 

 

 

 

 

 

「1、2、3、4、5.......優木さん、少し遅れています、綺羅さん、そこのパフォーマンスはもっと大胆に!!」

「す、すみません、コーチ。」

 

この光景はなんか見慣れてるんだよな、園田先輩とかと同じこと言ってるし、この人も経験があるのかかなり厳しめにいってる。

 

「10分休憩します。各自自分が指摘されたところを見直して次の合わせる時にはそこが出来ているようになっていてください。」

「休憩させる気ないでしょ、あんた。」

「何ですか?だらけるのは良くありません。こう時間を有効的に使ってこそ、よりレベルが高くなるのです。」

「なんか殺風景なんだよな、あんた、何したいんだ?」

「私はAーRISEのステージのレベルを高めるのが仕事です。それが何か?」

「レベル、ねぇ。あんたの理想を体現させるためにこいつらは練習してるわけじゃないんだけどな.....」

「あなた、随分と偉そうな口をきいてきますね、何様なんですか?」

「何様って、最近急成長しているスクールアイドルグループのサポーターですけど。」

「あなたが?冗談も程々にしてほしいものね。」

「あんた相手に嘘なんかつこうなんか思いもしないよ。」

「.....ならば、今のあの子たちの課題とその解決策を言ってみなさい。傍観者でもサポーターとは言えるもの。それくらいはできるわよね?」

「アドバイスしていいんだな?後で文句を言うなよ?」

 

 

 

「ツバサ、柔軟運動は誰かと一緒にやった方がいい。外から力がかかれば、普段伸ばしきれてないところも伸ばせるからな。」

「ええ、心がけてみるわ。」

「あんじゅ、お前は重心が揺れている。ヨガとかしたり、バランストレーニングを強化したりして、重心の安定をやってみろ。」

「はい♪」

「英玲奈、お前は3人の中では一番身体能力はいい。だけど、複雑な動きをこなすのが苦手なのか動きと動きの間が目立つ。ひとつひとつの動きをマスターするか、次の動きを想定しながら動いてみろ。」

「分かった。やってみよう。」

 

「口で言うのもあれだ.....個人個人相手になろう。俺の動きを真似してみてみろ。それが慣れたら、1回合わせてみろ。」

 

 

 

そこから俺はある程度ステップ多めの動きをした。3人共頑張ってついてきている。普段から9人の動きは細かく観察しているから3人だと相当楽だな.....ただ違うのは、μ'sは絵里を中心に基礎的なところを徹底的にやってるから軌道修正とか、変化が早いんだよな.....そこがAーRISEとμ'sの違い、とでも言うべきかな。これでも一応ちゃんとメンバーの動きとか見てるんだぜ.....いつ無茶ぶりされてもいいように.....特に凛とか急に聞いてくることがしょっちゅうなんだ.....

 

「...........」

「どうした、なんかあんのか?」

「いえ....先程は無礼なことを言ってしまって、すみませんでした。」

「そっちか.....気にしてないから安心しろ。.....と言いたかったが.....」

 

 

 

 

 

「何拳銃隠し持ってんだよ、てめー。」

「!?」

「分かってたんだぞ、隠せてるとでも思ってたのか。」

「くっ.......」

「あいつらにばれないようにするのは簡単だろうが.....俺には通用しない。俺があいつらにアドバイスしている時、あんたが打てないように動いていたのに気づかなかったのか?」

「.........一条伊月、お前は敵だ。お前がいなければ全てが上手くいったんだ。じゃなければ、息子はあんな怪物にならずにすんだ。」

「KBか....だがそれはいちゃもんじゃねぇか。やったのは城善寺財閥だろ。俺は襲われてる側なんだ。」

「違う!!お前がいなければまずあんな怪物が生まれることはなかった!!」

「お前の息子を被験者にしたやつを恨めよ.....」

「だからお前を.....」

「残念だな、あんたのハンドガンはここだ。」

「いつの間に!?」

「こっそりくすねるのは慣れてるもんでね.....本来ならあんたをボコボコにしてやりたい気分だけど、今回は見逃す。」

「...........」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

"お前が生きているから皆死んだんだよ!!"

"ほんと、死んだ人が可哀想だ、こいつのせいで罪もないのに死んだ"

"汚らわしい!!近づくな!!"

 

 

 

「ほんと.....嫌なこと思い出したみたいだな....」

俺にとって人間不信に陥ったきっかけ....あいつのセリフで思い出してしまった.....

 

 

「俺が生きているから.....か。あながち間違いではないのかもしれないな。あの日、全てが終わっていたら、俺が死んでいたら.....今頃城善寺財閥は、一般市民の人達に関わらずに済んだのかもな.....だけど俺は約束を果たさなきゃいけないんだ.....これ以上増やさないためにも、あの人との約束を.....果たすんだ。」




読んでて面白くない場面かもしれませんが、どうかお付き合いください。
最近のスクフェスのラブカストーンの溜まるスピードが異常なくらい速い。前に尽きたと思ったらもう10連できるくらいまで溜まってるし.....


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#60 各々の強化期間

スクスタのスノハレのスーパーライブ、だいぶ力入れてますよね。僕はスノハレ大好きなので、アニメとは違っていましたがかなり本気出してて嬉しかったですね......


翌日

「新曲?」

「はい。今回のラブライブのエントリー校が多く、中にはプロの真似をしているグループもあるんです。そこで、今回の予選は新曲でなければならないというルールがあるんです。」

「大変なんだな、でもうちのグループって今までに既存曲で戦ったことあったっけか?」

「いえ.....再始動する時には同じ曲を使いましたが、ラブライブなどの曲は被ってないです。」

「なら、特に気にする必要ないんじゃないのか?」

「それじゃ駄目なんです!!」

「近い.....近いよ、花陽。」

前も思ったけど、どうして女性はこういい匂いがするんだ.....香水とかつけてないのにさ。

 

「あ、.....ご、ごめんなさい。」

「別に嫌って訳じゃないからいいんだけどさ、で?なんでダメなんだ?」

「今までのランキング形式とは違って、今回はAーRISEを筆頭に、本戦出場経験のあるグループや、ランキング上位がこの地区には沢山います!!つまり、今まで通りでやっていたら負けてしまうんです!!!」

「そんなもんなのか.....でもだからといって実力を強化する時間がそんなにないぞ。新曲を作るにしろ、真姫や絵里の負担も大きくなるしな....どうするんだ?」

「あぅぅ.....」

「とりあえず部室行って話し合ってみるか。」

 

一番合理的な方法は、どこかで合宿みたいなのを開いて、徹底的にやるのがいいがもしかしたら他にもいい方法があるかもしれないな.....

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「伊月くん、なんで穂乃果達を集めたの?」

「これからどうするかってのを話し合わないといけないからな。」

「それで、何が言いたいのよ?」

「まず現在お前たちはラブライブに向けて練習している。そして今回、ラブライブの予選ルールとして、新曲でなけれはならないという物があるらしい。」

「ということは、今までの曲で挑むことが出来ないということですね。」

「ああ、だがここで1つ懸念すべきことがある。」

「そうね、今回は地区で戦うわけだから、レベルが高くないといけない.....その上新曲となるとこのまま何もしないで挑めば勝つのはかなり厳しい、そういうことね?」

「その通りだ。かといって俺たちは学生。勉学も両立しなければならない。短時間で徹底的にやってその後もレベルの高い状態を維持しなければならない.....さてどうする?」

「うーん....休日練習もしてるしなぁ......」

「それに曲を考えるのも時間がかかるわ。」

「振り付けも、曲が完成してからじゃないと考えられないし.....」

『うーん.....』

「.....やっぱりもう一度やるしかないわね.....」

「絵里ち、何か思いついたん?」

「えぇ.....合宿よ!!」

「おお!!確かに!!」

「.......いけるか?」

「さぁ.....話してみないと分からないわ。でも、伊月には色々世話になったから多分いけるわよ。」

「伊月くん何かしたの?」

「まぁ色々な.....」

「じゃあ今度の週末、真姫の別荘で1泊2日の合宿をやります。メンバーは11人、それでいいかしら?」

「それは辞めて欲しい。」

「何故?」

「この前までは特に何もなかったから良かったが、最近何かと物騒になりつつある。俺一人でも守れる範囲には限界がある。もう1人助っ人を連れてきていいか?いつどこで誰の手を出すか分からないからな.....」

「因みにお義父さん連れてくるの?」

「いや、今回は橘さんについてきてもらう。女性の方が、自由時間とかも自然と守れるからな。」

「分かったわ。じゃあ今日の練習を始めましょうか。」

「俺は橘さんに話にいくから今日は抜けさせてもらうよ。」

「ええ。後で連絡してちょうだい。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「というわけで、ついてきてくれないか?」

「伊月くんからお願いされるなんてなんだか不思議だなぁ。この前まで小さかったのにね.....大きくなったねー、伊月くんも。」

「何年寄りみたいなこと言ってるんだよ、それで?いけるか?」

「うーん、私今ちょっと抱えてるからねー。黒柳さんに言ってきてくれる?伊月くんの方が話聞いてくれると思うし。」

「遠回しに俺をパシるなよ....」

「でもお願いしてきたの伊月くんじゃん!!だったら上司の人にも言っておいてね!!」

 

 

 

 

 

「黒柳、いるか。」

「なんだ伊月。今は仕事中だ。」

「週末に橘さん借りたいんだけど、いいか?」

「週末....いいだろう。連れていくといい。ただその代わりこちらも要求がある。」

「なんだよ、金は取るなよ。」

「誰がそんな子供じみた事をするか。.......お前の部下と那月を少し貸してほしい。」

「何故?」

「お前も分かっているとは思うが、最近は城善寺財閥の動きが目立ってきている。KBを平気で使うほどにな.....今KBややつらの差し金とまともにやり合うことが出来るのは、敬一、私、伊月、橘、透谷、この5人だ。これから刺客も多くなる.....大幅な戦力強化をしておきたい。.......自分の身を自分で守れるくらいにはな......」

「分かった.....その要求をのもう。」

「助かる。橘には週末伊月の方に行くよう後で連絡しておこう。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おい、戻ってきたぞ。」

「敬一か、どうだった?」

「相当やばいぞ。この街について調査したんだが、KBの被験者は基本的にこの街の人間が六割、それ以外が四割みたいだ。更にアンプルの数も尋常じゃない。おそらく貯めていたんだろうな.....」

「やはりか。.....奴はいたか?」

「ああ。だがかなり厄介な奴もいた。白鴉もいる。」

「何.....!?あの殺し屋もいるのか!?」

「不気味なもんだよな.....俺たちがこう一堂に会するようで。」

「本当に呪われているんじゃないのか.....」

「だが、俺たちの世代のことは俺たちでケリをつけなきゃいけない。.......本当に、嫌な感じだよな。」

「伊月もこのことを多分聞きつけるだろう。その時はどうする?」

「あいつの因縁はあいつがケリをつければいいさ。だがな、俺らの飛び火があるなら、話は別だ。あいつには手は出させない。」

「.......行くぞ。」

「おいおい、今からどこ行くって言うんだよ。」

「少し体が訛っているからな、敬一、相手をしてくれ。」

「ああ。.....疲れても知らねーぞ。」

「本気でいく。お互い拳銃を使用してよいものとしよう。」

「まじじゃねーか.....じゃあやるか。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「お前ら、少し耳かたむけろ。」

「どうしたんすか?兄貴。」

「今週末、うちのつてに稽古を付けてもらうことになった.....お前らがな。」

「え!?何でですか!?」

「理由は簡単だ。俺たちはとてつもなく大きな組織と戦うことになる。城善寺財閥.....世間じゃとても良心をもつ財閥とな。」

「やっぱりそうなんだね。彼らがKBを.....」

「ああ。だからこそ俺たちは今のまじじゃ太刀打ち出来るかすら怪しい。そこで最低限自分の身を守れるレベルまでは強くなって欲しいということで、腕がたつやつがお前らを鍛えるらしい。」

「兄貴はどうするんすか?」

「俺はその日、スクールアイドルの合宿についていって、あいつらの警護をしなきゃいけない。あいつらは恐らくこっちの足元を見ている。あいつらを襲って俺の場所を奪うこともあるだろう。それにあいつらは綺麗な世界で生きているんだ.....俺たちみたいな汚い世界は見せたくない。皆、頼めるか?」

「勿論ですよ!!兄貴の為に俺達も強くなってきます!!」

「あの、伊月.....僕は?」

「与助、お前もだ。お前は木刀とかを持てば強いが、素手での組手に弱い。護身術か何かを学んできて欲しい。」

「了解だよ。」

「失礼ながら伊月様。私はどのようになされたらよろしいでしょうか?」

「俺たちの方は大丈夫だから.....街の見回りとこの場所の警備を担当して欲しい。.....いけるか?」

「はっ。お任せを。」

「よし、それぞれ週末は頑張ろう。」

 

 




活動報告のところで、こういう話が欲しい、みたいなの募集してるのでもしあるならコメントください。
次回は合宿(2回目)になると思います。


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#61 優勝を目指して

ラブカストーンが溜まる溜まる。本当に親切設計。Aqoursの12ってスイングなしの方が難しいですよね、物量攻めみたいな感じがしなくもないです。


「じゃあ揃ったし、出発しましょうか。」

「その前に少しいいか。皆に紹介しておこう。警察官の橘優花さんだ。今日はお前らの付添という名目で来てもらった。」

「え?付添が必要なの?」

「理事長に前回の合宿を報告した時に『西木野さんの家なら安全だけれど、やはり何かあった時に頼れる大人がいた方がいいわ。学校の先生じゃなくてもいいから次はお願いね♪』って言われたからさ。それに、前にも真姫の家で不審な人間がいたからな.....俺もお前ら全員を守れるかは保障できない。だから同じ性別の頼れる大人を連れてきた。」

「えへへー、頼れるなんて照れちゃうよ〜。」

「実際女性の中では強いだろ。それに動きと動きの間に無駄がない、力もちゃんと入った状態で何発も叩き込んでくるからな。拳銃の腕が熟達した人間が相手にならない限り、おそらく確実に守ってくれよ。」

「任せなって!!伊月くんがお願いしてきた時は驚いたよ。まさか私が頼られる時がくるなんてねー。」

「仕方ないだろ....女性でかつ腕がたつ人間が身近にお前しかいなかったんだから.....さてと無駄話は終わりだ。合宿先に向かうぞ。」

『おー!!』

 

 

「さぁ、電車の乗るわよ。」

「俺はバイクで行ったらダメか?」

「今回は山の近くにあるから、バイクや車だと行きづらいわよ。」

「くそが.......電車から逃れられない。」

「諦めなさい。でもしんどくなったら言いなさい。酔い止めくらいならあげるから。」

「ありがとう.....真姫。というかよく覚えてたな。」

「当然よ、前回それを理由に逃げようとしたじゃない。その退路を潰しただけよ。」

「さらっと怖いこと言うなよ.....」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おおーー!!」

「空気がおいしいにゃー!!!」

「こういう所やとスピリチュアルがありそうやね。」

「それにしても、皆結構身軽できたんだね。」

『ドォン!!』

「ん....?園田先輩?その装備は?」

「山登りの服ですが?皆さん軽装すぎではありませんか?私たちは山に来たのですよ。さぁ!!行きましょう!!山が呼んでいますよ!!」

「海未ちゃん、スイッチ入っちゃったね.....」

「前回みたいにヒートアップし過ぎないといいね.....」

「こっからどんくらい歩くんだ?」

「ほんの10分くらいよ。」

「皆荷物の忘れ物はない?それじゃ行きましょ?」

「あれ.....?」

「 どうしたの?凛ちゃん?」

「何か足りないような.......」

「そりゃあ人数だろ。お前ら、今何人いるんだ?」

「えっとぉ....あれ?11人?」

「だから穂乃果がいないんだよ。」

「えっ.....ほんとだにゃ!!」

「電車まで一緒だったのに....どこ行ったのかしら?」

「というか電車に乗りっぱなしなんだろ。さっき寝てたし。」

「困ったわね.....どうしようかしら?」

「俺が迎えに行ってくるよ。橘さん、頼んだ。」

「オッケー!!任せておいて!!」

 

さてと.....迎えに行くか.....

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1時間後

「皆酷いよ!!なんで起こしてくれなかったの!?」

「それは私たちも悪かったですが、寝ていた穂乃果も穂乃果で悪いのですよ。」

「うぅ.....ごめんさなさい。」

「じゃあ行きましょう。」

『おー!!』

 

 

 

 

 

「ここが真姫の別荘!?」

「大きいにゃー!!」

「相変わらずすげぇな。」

「そう?普通でしょ?」

「全然普通じゃないよ!!羨ましいなー。」

「あの、山登りしないのですか?」

「それは後よ。一旦入ってやるべきことを決めてからにしましょう。」

「それもそうですね。」

 

 

 

「おおー!!!」

「広ーい!!お金持ちの家によくあるやつ!!そして暖炉!!」

「すごいにゃー!!ここに火を.....」

「つけないわよ。まだそんなに寒くないでしょ。それに今から暖炉を使ってたら煙突が汚れてサンタさんが入ってこれないってパパが言ってたの。」

「サンタ......?」

 

真姫って、意外と子供らしいところが残っているんだな。普段大人びてるやつがこういう所があると結構可愛く見えるよな。サンタを信じるかはともかくだが.....

 

「素敵!!」

「優しいお義父さんですね。」

「あの人、やっぱ娘さん大事にしてるじゃんり

「ここの掃除は毎年私がやっているのよ。それにサンタさんが来なかったことは1度もなかったんだから。中見てみなさい。」

「んん?」

「ぷぷ.....真姫がサンタ.....」

「にこちゃん!!」

「それはダメよ!!」

「痛い、痛い!!だってあの真姫よ、真姫がサンタ....」

「にこちゃん、それを言うのは重罪だよ。」

「そうにゃ、真姫ちゃんの理性を左右しかねない一言だにゃ!!」

「まあまあ皆落ち着いてね。とりあえずやること決めよ。」

まぁある意味そうかもしれないな.....俺はまずサンタの存在を最近まで知らなかったんだよな.....親父もクリスマスでも忙しそうに働いてたし、今思えば物を頼まなかったのがある意味親孝行になってたのかな.....あれ?橘さんが珍しく仕切ってる。何かしでかさないことを祈るがな.....

 

「じゃあ、今回は新曲の作成をメインにしましょ。この合宿で、AーRISEや他のグループに負けないくらいのライブを考えましょ。皆それぞれ頑張りましょ。」

「それはあんまり賛成出来ないな.....」

「どういうことですか?」

「それじゃ今まで通りのような気がするんだ。今までだって真姫や園田先輩が手を抜いたことは1度もないだろ?それで今まで以上のものを作れって言うのはかなりしんどいものになるぞ。いくら専念できるとはいえ、1人じゃ何かとしんどいだろ。」

「ならこうしましょうか。真姫、海未、ことりを中心として作曲、作詞、衣装のグループを作りましょ。今回はそれ以外の6人はくじ引きでそれぞれ分かれましょ。そっちの方が新しいイメージが湧いてくるでしょ?」

「そっちの方がいいだろうな.....なら俺や橘さんはどうするんだ?」

「そうですね、3つのグループとなるとバラバラになったら私たちは1グループ付くことが出来ませんしね....」

「それなら大丈夫よ。作曲組は殆ど家の近くか中にいるわ。ピアノが必要だから。」

「ことりたちもミシンとかがないとダメだからイメージが浮かんだら家にいるよ。」

「分かった、なら作曲グループは基本的に家の近くで活動してくれ。できるだけ人目がつきやすい場所とかで頼む。」

「分かったわ。」

「じゃあくじ引きしましょうか。」

 

 

 

 

「ざっとこんな感じね。」

 

作曲班

真姫、絵里、にこ

作詞班

海未、希、凛

衣装班

ことり、穂乃果、花陽

 

「じゃあ私は衣装班のお守りをしますね!!」

「なら俺は作詞組か。俺たちのことは気にしなくていい、自由にやってくれ。」

「それじゃあ、頑張ろう!!」

『おーー!!!」

「.......おー.....」

「真姫、タイミングが少し遅かったな。」

「うるさいわね!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一方その頃

 

「2人1組で組手を行う。使うのはいまさっき習った護身術と拘束のみを使用して、どちらかが拘束されたら負けだ。」

「はい!!!!」

「そし、かかれ。」

「兄貴のお知り合いは中々スパルタっすねー。今まで休憩なしときた。」

「だが俺達が強くなれば兄貴の力なれるんだ。頑張ろうぜ。」

「ふぅ....ふぅ.....お父さん!!力入れすぎだよ!!」

「何言ってんだ、これくらい解けないと守るどころかお前が拉致されて終わりだぞ。さっき言ったみたいにやってみろ。」

「やってるけど無理なんだよ!!」

「敬一、少し力抜いてやれ。お前の弱気は強すぎるんだ。」

「そうか....?なら無気力.....おっ、抜けられたじゃないか。」

「お父さんの力の調整が下手すぎるんだよ!!」

 

 

 

 

「どうだ?そっちは。」

「那月ももう少し体を上手く使えば力を出しやすくなるんだけどな.......要領は悪くないから少しずつ力を入れていくつもりだ。そんでそっちは?」

「伊月の下にいるだけあって、かなり鍛えられている。だが技が全くなっていないからこれどは簡単にやられる。」

「まぁそんなもんか。これ、定期的にやらないとな。」

「ああ。あいつにはあんまり負担をかけたくないしな。」

「........橘のやつ、呑気だな。」

「どうした?」

「先程、山の写真が送られてきてな。あいつ、護衛のこと忘れてないといいんだが.....」



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#62 進捗

スクスタのラブカスターがたまらない....スクフェスが沢山くれるからでしょうか?


「なぁ園田先輩、一体どこに行くんですか?」

「どこって.....山ですが?」

「え?何故?」

「なぜって、当たり前じゃないですか。山に来たのですから山登りをするのは当然ではありませんか。」

「なぁ凛、園田先輩は歌詞作りを忘れているのか?」

「え!?そうなの!?」

「でも、山には沢山スピリチュアルがあるからね、歌詞を思いつくにもいい場所やないんかな?」

「へぇ、スピリチュアルってそういう感じなんだな。」

「うん、神社とかこういう自然の中やとスピリチュアルを感じるんよ。そしたら、意外と普段は思いつかないことも思いつくんよ。」

「園田先輩はそう思ってないでしょうけど.....」

「あの感じやとそうやね......」

「まぁやってみるのも案外いいのかもな。凛、お互い我慢しよう。」

「うぅ......でも海未ちゃんがそう思うならついて行くにゃ!!」

「さぁ!!日が暮れる迄には登りきりましょう!!」

「にゃあ!?」

「ったく.....危ねぇから慎重になれよ、凛。」

「う、うん.....ありがとう.....」

「ん?どうした?赤くなって?」

「とりあえずそのお姫様抱っこ状態から解放してあげた方がいいんとちゃう?」

「ああ.....ごめん。」

「.....別にいいよ。気にしなくても。」

(お、これは脈アリかな.....)

「3人とも、速く登って来てください!!」

「悪い、すぐ行く!!」

 

 

 

「凛ちゃん、もしかして.....伊月くんのこと.....」

「ち、違うよ!!距離が近かったから恥ずかしくなっただけだよ!!」

「ふーん、うち、別に好きなの?って聞いてないのになー。」

「にゃ!?希ちゃん酷いにゃー!!」

「冗談やって、ごめんね。からかって。」

「別に...伊月くんはそんなんじゃないよ.....」

「おい、行くぞ。」

「う、うん!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「寝てますね。」

「あはは....」

「電車でも寝てたけど、よく眠る子なんですね。」

「穂乃果ちゃんはいつもこんな感じですけどね.....」

「私に敬語はいらないよ。私、あんまり距離感とかがあると嫌だし。特に年下の人とかだったら。」

「そうなんです.....そうなんだ、橘さん。」

「うんうん、そんな感じ♪ところで衣装とかって思い浮かびそうなの?」

「ううん.....まだ少しイメージが足りないんです。どんな曲なのかも分からないし.....」

「どういう曲、か。想像するのは確かに難しいねぇ。」

「戻ってきました、この花、どうかな?」

「うわぁ、可愛い!!これどこで摘んできたの?」

「ちょっと行った所だよ。すぐそこにある。」

「これは使えそう♪橘さん、少しお花摘みに行ってきます♪」

「私も一応ついて行くよ。何かあったら困るしね!!」

 

 

 

 

「これ冠みたいにしたらどうかな?」

「うんうん、すごくいいと思うよ!!」

「でも、あんまり取っちゃだめだよ。自然のバランスとかもあるし。」

「分かってるよ♪じゃあ花陽ちゃんこれ摘もうか。」

「うん!!ことりちゃん!!」

「ほぇ.....ここどこ!?」

「あ、穂乃果ちゃん起きたんだ。おはよう!!」

「あ、おはようございます.....ここは?」

「今アクセサリーとして使えそうな花飾りの花を摘み取りに来てるんだよ。まぁ最低限しか摘まないけどね。」

「じゃあ穂乃果もお手伝いします!!」

「じゃあこっちらへんから摘んでいってね♪」

「うん、分かったよ!!」

 

 

「ふふっ、平和っていいですね、伊月くん。君が守ってるものはとても尊いものですよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「全く.....ちゃんとしてこないと枝とか刺さるし邪魔だな。」

「でも避けて通るのは楽しいよね!!」

 

ガラッ

 

「あっ.....」

「にゃーーーー!!!!」

「凛!!この手を離してはいけません!!」

「無理にゃーー!!!」

「ったく、降りたら危ないがそんな崖っぷちじゃないんだぞ.....大丈夫か?」

「凛ちゃん、ファイトが足らんよー!!」

「さっさと引き上げるぞ、せぇの。」

 

 

 

 

「もう帰りたいにゃーー!!!」

「何を言っているのですか!!折角ここまで来たのですよ!!今日は日も暮れそうですし、明日の朝日が昇り次第山を登りきります.....山頂アタックです!!」

「でももう散々だにゃー!!」

「何を言っているのですか!?何の為に山に来たのですか!?」

 

.....は?おいおい待てよ、この人作詞を忘れていたのか!?しっかりしてると思ってたけど案外抜けてるんだな。

 

「作詞に来たはずだにゃーー!!!」

「なっ!?」

「忘れてたの!?」

「い、いえ!!忘れていたわけではありません。山を登りきった達成感が歌詞を思い浮かばせるかもしれないと思っただけです!!」

「言い訳にしては、少し見苦しいんじゃないんですか?園田先輩。」

「それに凛ちゃんも嫌がってるし.....日も暮れそうやし、ここで打ち切って降りへん?」

「な、折角ここまで来たのですよ!!」

「海未ちゃん、大事なんは、諦めることを知ることやで。」

「まぁこのまま登ってもあれだしな.....」

「.......分かりました。」

「じゃあとりあえず降りる準備をするか.....と言いたかったがもう暗いな.....少しここで残って朝を待つか。園田先輩、食糧持ってきてますか?」

「はい、一条さんも含め4人分ちゃんと持ってきていますよ。」

「わざわざ悪いな。」

「いえ、あなたも大切な仲間ですから.....」

 

今の間、何か少し気になるな.....何か隠してるのか?

 

「とりあえず火をつけますか。俺がちょっくら木材とか取ってくるからその間に色々準備しておいてくれ。」

 

俺はこの時自分がこの行動を取ったことを後に深く後悔することになった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「こんなところにお風呂があったなんてねぇ。」

「ほんと、よく見つかったよね。」

「はぁ....癒される。」

「花陽ちゃんは今日一日本当に頑張ってくれてたもんね♪」

「えへへ...そんなことないよぉ...」

「なんか子供を持った感じがするなぁ。私も早くいい人見つからないかなぁ.....」

「大丈夫ですよ!!橘さんならすぐ見つかりますよ!!」

「そう?ふふっ、ありがと。もし貰い手がいなかったら伊月くんに貰ってもらおうかなぁ.....なんて。」

「そ、それはダメです!!」

「あら?どうしたの、花陽ちゃん?」

「あっ.....なんでもないです。」

「大丈夫よ、冗談、冗談♪今のところはね。」

「あはは.....ところで橘さんは伊月くんの過去を知ってるんですか?」

「え?知ってるけどどうかしたの?」

「伊月くんは、私たちのことを何回も助けてくれてるんですけど.....伊月くんと私たちの間に距離を感じて.....半年くらい一緒にいるのに伊月くんの誕生日とか趣味とか....中学時代どんなだったのか全く分からないんです。聞いても、面白くないよ、って返してきて.....」

「それは仕方ないかもね.....」

「え?どうしてですか?」

「まぁそれはいずれ伊月くんから話してくれると思うよ。本当に伊月くんの過去が知りたかったら今まで通り何があっても伊月くんのことを信じ続けてあげなきゃいけない。それはとても大変なことなのよ.....特にあの子にとっては、ね。」

「そうなんですか.....じゃあ待つしかないね。」

「あれ?穂乃果ちゃん意外と潔いんだね。」

「だって無理やり聞いても伊月くん嫌がるだろうし.....何より伊月くんの口から直接聞きたいしね♪」

「ことりもそうかな.....伊月くんが心を開いてくれるまで待とうかな.....」

 

 

「ふふっ、伊月くん。いい子達に出会えて良かったじゃない。私も少し安心したよ.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ま、迷った.....」

そう、俺は日が暮れた山の中を少し迷っている。明かりを灯せるものをひとつくらい持ってこればよかった.....どうしたものか.....

 

 

「一条さん、どこにいるのですか?」

「園田先輩?」

「ここにいたのですね。帰りが遅いものですから、少し見に来ました。」

「ここがわかったんですか?」

「はい、あなたの足跡がありましたので.....二人きりですね.....」

「え?どうかしたんですか?」

「一条さん.....私の悩みを聞いて貰えませんか?」

 




やっと推しとオリ主のイベントを作れました。ここら辺しかオリ主(1年生)と絡ませられないんですよね.....


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#63 少女の悩み

うーん....この小説ってオリキャラが何かと複雑だからキャラ紹介みたいなのを作った方がいいのかな.....


「悩み、ですか?それって何ですか?」

「凜や希には聞かれたくないんですが.....私は今メンバーとして役割を果たせているのでしょうか?」

「え?何か悩むことあるか。」

」はい.....今日の登山は、私の自己満足を出してしまい本来の目的である作詞のことを忘れていたんです。」

「うん、だろうなと思いましたよ。」

「そうですか.....最近自分が本当にメンバーに相応しいか分からなくなってくるんです。」

「それは何故?」

「穂乃果は皆を引っ張っていますしことりは雰囲気を和ませていたり.....絵里や希のように先輩らしい雰囲気もなければ、にこのように理想が高いわけじゃない。.....私はなんなんでしょうか?」

「難しい悩みだな....この前の姐さんみたいな感じですね。」

「あの時は励ます側でしたけど、悩む側はこんな感じなんですね.....ことりの気持ちが分かったような気がします。」

「自分の存在意義っていうのは本当に分からないものですよね....俺も気持ちは分からなくはないんです。」

「一条さんは.....すごいです。まだμ'sが結成する前から絵里を説得していたり、落ち込んだ穂乃果が再び動けるようにしたのもすごいですよ.....」

「でも、あれは園田先輩も関わったじゃないですか。俺は道を作っただけで穂乃果の背中を押したのは園田先輩じゃないですか。その事実は揺るぎませんよ。」

「穂乃果が歩いていっただけですよ.....それに、穂乃果もことりも前に進んでいってるのに私はいつまでも変わらないままで.....」

「でも、今の会話を聞く限り、園田先輩は周りのことがちゃんと見えているじゃないですか。あなたはとおそらくメンバーの誰よりも個性や特徴を捉えられている。それに変人が多めなこのグループでは数少ない常識人枠ですよ。」

「ですが.....」

「それに作詞だってやってる。それでもまだ自分はメンバーにいる資格はないとでも言うんですか?」!

「違います!!そういうことにじゃないんですよ!!皆が前に進んでいってるのに私だけは変わっていない.....今日だって凜や希に迷惑をかけてしまいました。」

「.....今思ったんですが、別に目に見えた成長が見えなくてもいいんじゃないですか?」

「....え?」

「俺だって組織の中じゃ人を纏めるという役割こそあるが、本当にリーダーとして認められているか分かりませんよ.....悩むことや立ち止まることは悪いことじゃないし、成長が必ずしもなければいけないと言う訳でもない.....そうやって悩んでも立ち止まっても『自分がなりたいもの、支えたい誰かの為に』って考えながら過ごしていれば、自然と前に少しずつ進んでいくものだと俺は思いますよ。」

「.....そうなのでしょうか?」

「それに今のメンバーはあなたのことを受け入れられない人間は1人もいませんよ。他のメンバーはあなたが持っているものを分かっているでしょうし、認めてくれていると思いますよ。だから、そこまで悩むことじゃないですよ。....空見上げてください。」

「えっ.....わぁ、綺麗な星ですね。」

「本当に綺麗ですよね.....ああいう風に輝きたい、そんな目標立ててみたらどうですか?」

「え?」

「園田先輩は、俺から見たら縁の下の力持ちというか.....皆を支えるとても大切な役割を担ってると思うんですよ....だから今度は、一度前に出て輝きたいみたいなことを目標に立てれば、自分の成長を感じられるんじゃないですか?」

「星のように.....一条さん、私は少し頑張ってみようと思います。元来恥ずかしがり屋ですが.....穂乃果のように輝ける人になります!!」

「うんうん、その意気だな。頑張って下さいね、俺はあんたを支えますから。」

「それで....あの.....その第一歩としてなのですが.....」

「ん?」

「私の異性で家族以外で初めて親しくなったのはあなたなんです.....だから、あなたのことを伊月と呼んでもいいでしょうか?」

「ご自由にどうぞ。じゃあ俺もそれに倣って.....海未、と呼べばいいんですかね。」

「はい。これかもよろしくお願いしますね、伊月♪」

「こちらこそ.....って俺ら何か忘れてませんか?」

「.......あっ!?燃やすもの集めてる途中でした。うっかり話し込んでしまいましたね.....それじゃ行きましょうか。」

「帰り道分かるんですか?」

「はい。ちゃんと印を付けてきたので。」

「あんたサバイバル経験あるのか.....」

 

 

 

 

 

「ありがとうございます、伊月。」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「遅いにゃー!!」

「2人で何かしとったん?」

「いえ、燃やすものを探すのに案外苦労したので。」

「テントは立ててくれてたのか.....悪いな、完全に忘れてた。」

「もう!!.早く食べたいにゃー!!」

「用意するので少し待っていて下さいね。伊月、火をつけてください。」

「バーナーみたいなの持ってきておいて正解だったな.....」

「あれ?伊月くん?いつから海未ちゃんと仲良くなったん?」

「え?まぁ色々ありましたんで.....本人の恥ずかしがり屋の克服の練習ですよ。」

「あ、そういうこと.....でも海未ちゃん、ステージで投げキッスしてたよね?恥ずかしがり屋は大丈夫やないん?」

「あれは後で見たら恥ずかしいんですよ!!」

「でも海未ちゃんのパフォーマンス良いよね!!凛も今度やってみるにゃー!!」

「じゃあ真姫に頼まないとな....お、出来たな。」

「はい、それでは食べましょうか。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

深夜

「もしもし伊月くん、そっちはどう?」

「こっちは山の中だ。電話があるだけありがたいよ。」

「山.....とりあえず作詞グループと衣装グループは家にいるよ。全員無事。だけど、警戒してね.....途中怪しい光を見たから。」

「怪しい光?なんだそれ?」

「よく分からないけれど....面倒な奴らに目を付けられてるかもね。」

「分かった、こっちは引き続き警戒しよう。そっちは頼んだぞ。」

「分かったよ!!そっちも気をつけてね!!」

「ああ。」

 

 

 

 

 

 

 

「こんな時間に起きてるの?」

「それはこっちのセリフだよ、希。」

「そうかもね.....今日はありがとうね。」

「ん?俺は何もした覚えはないが.....」

「海未ちゃんの目の色が変わっていた....雰囲気も少し良くなってたから.....また伊月くんに助けられたね。」

「別に俺は何も.....園田先輩が自分で進もうって決意しただけだよ。」

「でも機会は伊月くんがあげたよね.....」

「俺からしたら絵里やグループを支え続けた希の方がすごいと思うけどな。俺にはそんな長い間誰かを支えたことなんかないからさ......」

「これやとお互いキリがないね。」

「そうだな。もう寝ろ。俺にはまだやることあるからさ。」

「一緒にねぇへんの?」

「当たり前だろ。俺の仕事は護衛。俺が寝たらこっそり誘拐される可能性すらあるからな。」

「できるだけ早く寝るんよ。」

 

 

 

 

 

 

 

「さて、と。.....誰かいるんだろ、今日は橘さんの方を見張っていた。で、俺に何の用だ。出てこいよ!!」

「.......,」

「ちっ、だんまりか。すぐ捕まえてやるよ。」

 

だが相手も速い。俺も追いつくには道が凸凹で、かなり足を掬われる。

 

「ちっ、こうなったら.....」

 

俺は木の上に登り、忍者とかがよくやっているあれをやった。名前はしらないけど.......こんな山道を走るよりかはよっぽど速い。

 

「捕まえた.....そのバッジ、あいつらか。何の用だ。」

「今日は何もしようとはしていない。お前に警告しにきたのだ。」

「警告?じゃあなんで橘さんを監視したんだ。」

「それはあの人が美しかったからだ。」

「ストーカーかよ。で、警告は?」

「近々お嬢様が転校される。お前がお嬢様を少しでも不快にするようなことをすれば.....お前の首が飛ぶことになるんだ.....それを分かった上でお嬢様の駒になれ。」

「は?却下するに決まってるだろ。ふざけてんのか?」

「ならばお前はあの学校の生徒がどうなってもいいのか?お嬢様のご機嫌を損ねれば、学校ごと潰すぞ。私たちはマスコミを買収できる。いくらでも事実を曲げることができるんだ。」

「ちっ.....ふざけやがって!!」

「がはっ.....」

「クソが....あいつら、絶対に許さない.....よりによって関係ない人を人質に取るとは.....腐ってやがる。」




ストーリーの進行スピードは第一部に比べて速くしているつもりですが.....どうですかね。
後でオリキャラの紹介上げておきます。分からない人はそこを見ていただければ小説が読みやすいかなぁと思います。あと随時更新する形で書いていきます。


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#64 新たな一歩と刺客

アニメを潰さないようにオリジナルを加えるというのは、結構難しいですね.....


翌朝

「で、どうだったの?」

「ええ、作曲は終わったわ。あとは歌詞と振り付けを上手く調整するだけね。」

「衣装もある程度は出来てるよ♪ただ曲に合わせて少し変えなきゃだけどね.......」

「すみません.....歌詞は思いつく限り書いたのですが、山登りに夢中になってしまい、まだ未完成なんです。」

「やっぱりそうだったのね.....大丈夫よ。まだ間に合うわ。」

「よし、帰って練習しよう!!」

「穂乃果、まだ時間はあるのですから基礎練習くらいはしないといけませんよ。」

「あはは.....そうだね。」

 

 

 

 

 

 

「橘さん、そっちはどうだった?」

「こちらは一晩中見張ってはいましたが、特に怪しい人は見かけなかったよ。ただ.....伊月くんには伝えたはずだけど、あの時は怪しい人が2人程.......」

「あれはお前のストーカーだから気にするな。こっちは仕掛けたけどな.....やっぱりあいつらだった。だが要件は違った。」

「要件?何だったんですか?」

「忠告だそうだ。城善寺財閥の当主の娘さんが音ノ木坂学院に転入するから失礼なことをすれば首が飛ぶってさ。学校に送って、俺を直接監視したいんだろうけど。ただ気になるのはそいつがどういうやつなのかってこと。」

「さぁ.....当主さんは知ってますが娘さんは知りませんねぇ.....」

「あいつに似たクズ野郎かもしれないが、かつてそこでその人に仕えていた人と出会って話したことはあるんだけどさ.....今の当主とは違うみたいだぜ。」

「違う?どういうことですか?」

「そいつの言葉が信頼できるかはともかくそいつはあの野郎みたいに自分の使用人を駒だとかは思ってないみたいでな。」

「そうなんですね.....なんにせよ伊月くん、警戒しなよ。その子が大丈夫だったとしても、その取り巻きが因縁付けて伊月くんに嫌がらせするかもしれないしね。」

「ああ気をつけよう。今回は感謝するよ。無理なお願い聞いてくれて。」

「え.....?伊月くんが私にお礼......うぅ....」

「おい、なんで泣くんだよ。別になんともないだろ。」

「伊月くんも成長しましたね.....私も嬉しいよ。」

「なんか湿っぽいな.....とにかくその転入生には気をつけよう。」

「うん、任せたよ。じゃ、戻ろっか。」

「そうっすね。」

 

 

そうして俺たちの2度目の合宿は幕を閉じた。色々あったみたいだけど、また成長出来たんだし、あいつらにとっては良かったんじゃねーの。俺にとってはまた厄介事が増えたんだけどな.....

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「さて!!こんな時期ですが、またクラスに転入生が来ました!!さぁ、入ってきてください!!」

「また転入生だね.....どんな人なんだろうね、一条くん。」

「さあな、面倒な奴じゃないといいんだけどな。」

 

 

 

 

「自己紹介お願いします!!」

「分かったわ、私の名前は城善寺冴子(じょうぜんじ さえこ)。城善寺財閥の次期当主よ。あと半年くらいだけど、よろしく。」

「へぇ.....優しそう.....」

「ほんとそれ。一条くんもう不要なんだし、消えてもいいんじゃないかな (ボソッ)」

「.......」

「とりあえず一条くんの後ろに座ってね。」

「ええ、あそこね。」

 

 

 

 

 

「あなたに後で話があるわ。後でここに来なさい。」

「.....ああ。」

 

話、か。嫌な予感しかしないな.....

 

 

休憩時間

 

「城善寺さんって、どういう趣味があるの?」

「そうね.....特にはないのだけれど、強いていえば散策かしら。新しく見えることが意外と楽しいの。」

「普段どんなご飯食べてるの!?今度誘って!!」

「誘えたら、ね。うちは何かと厳しいから。」

「あ、そっか。、ごめんね。」

「さっき一条くんと話してたけど、なにか脅されてたの?」

「いいえ.....ちょっとした挨拶よ。」

「でも安心だよねー。城善寺さんがいれば一条も怖くないよね。」

「彼が何かしたの?」

「あいつがいるせいで事件に巻き込まれるし、ほんと最悪。」

「でもそれは彼が原因ではないのでしょう?」

「それでもさー、トラブルメーカーって言うかさ、今までそんなことなかったのにあいつが来てからそういう事件が増えたってわけ。だから結局あいつがいるからーってなっちゃうじゃん?だから城善寺さんも何かあったらあいつのせいにしていいよ。というか物騒なのはアイツ絡みって考えていいよ。それにさ、小泉さんとかスクールアイドルの子達も一条と絡んでるんだよね、あれ絶対脅されてるんだよ。じゃなきゃ内気な小泉さんがあんなに話すわけないし。だから城善寺さん、小泉さんたちをあの野郎から解放してあげて。」

「随分と酷い言われようね.....」

「まぁ城善寺さんがいれば大丈夫だと思うよ。」

 

 

 

 

「城善寺......か。」

「一条くん、どうかしたんですか?」

「いや、何でも.....俺今日の練習少し遅れるわ。」

「え?何で?」

「ちょっとした野暮用があるからな。」

「分かったよ、気をつけてね。」

「ああ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後

「で、何の用だ?」

「私が何故ここに来たか、分かるかしら?」

「俺の監視、だろ?」

「半分正解、ね。私がここに来たのはこの学校の評価を守ることとあなたを抑制するためよ。」

「守る?どういうことだ?」

「下調べはしたのだけれど、この学校はスクールアイドルのおかげで持ち直したようね。そこは素晴らしいのだけれど、あなたがいる.....この事実が世間によく思われるかしら?」

「さあな.....世論だったら悪く思われるだろうな。暴力を行使しまくっている人間がこんな学校に来てるんだからさ。」

「あなたがどんな人間かは知らないわ。でも、少なくとも良く思う人は殆どいないでしょうね。だから私が動いた。あなたが何かすれば.....分かるわね?」

 

これは明らかに脅迫だ。いや、死刑宣告か.....自分がいるから、いつでも情報をリークできる。今までみたいに雇われた奴なら容赦なく叩ける。あっちは仕事だからやられてもそれまでだ。だが世間から高評価されている財閥の当主の娘となると話は変わってくる。発言に信憑性が変わってくる。つまり、俺が学校で何かをすれば.....たとえそれが事実無根だったとしても、それが世間に真実として伝わる。それがたとえ教員が相手でも.....この学校の人間を守ろうとすれば、俺は干されるし、逆に見捨てれば、それはそれで俺の悪評が出回るだろうし、何より俺の信念に反する。くそが.....足元を見られるっていうのは本当に嫌なもんだ。

 

「俺はお前が来ようとやることを変えるつもりは毛頭ない。そう上の奴らに伝えておけ。」

「そう.....あとこれは依頼よ。」

「あ?」

「この学校に護衛なんて連れてきたら迷惑でしょ?だから私のボディーガードをしなさい。そうすれば、学校におけるあなたの好感度も少しは上がるわよ。」

「却下だ。そんなもん誰がするかよ。」

「なら100万出すと言えば、引き受けてくれるかしら?」

「金出せば意見を変えるとでも思ってんのか。」

「ええ、今まで大金を積んだ時、断った人は誰一人いなかったもの。あなたとて大金は欲しいでしょ?」

「いらねーよ。俺を買収出来ると思ってるそのおめでたい思考回路を直してこい。俺は金を積まれようと引き受けるつもりはない。俺が守るのは、全員だ。お前個人を守りはしない。よく覚えておけ。それがお前のかつての使用人、いやこういった方がいいか?城善寺財閥の次期当主を守り、汚れ仕事を担当している『透谷』との約束だからな。」

「なぜ彼を.....」

「それは今どうでもいい。とにかく、俺はお前の依頼を拒否する。そして.....お前らがここの奴らになにかした時は.....たとえお前でも容赦しないからな。」

「交渉決裂ね、まぁいいわ。つまらないことで呼んですまなかったわね。ではこれで失礼するわ。」

 

 

 

 

 

 

「何故彼が透谷を.....一体どこで?」




テストが終わった.......
スクスタにフェス来てますね。こういうの前もって知っておけばよかったかな


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#65 vsAーRISE

おのれテスト日程.....日本史選択に容赦なさすぎでしょ。


あいつのあの言い様.....あいつは3年前のことを知らないのか?だとしたら.....

 

「悪い、遅れた.....って何全員揃って悩んでるんだ?」

「歌と衣装が出来たのは良かったのだけれど.....ステージどうしようかしら?」

「学校じゃダメなのかなぁ?」

「さっきも言いましたがそれでは目新しさがありません。」

「さっきバカ丸出しな想像してたじゃない?」

「仕方ないじゃん!!思いつかないんだから.....」

「ステージは運営が用意してるわけじゃないのか?」

「はい、予選エントリーが多く、会場を設けるとその後のスケジュールに誤差が生じる心配があることと、予選は自分たちのベストを尽くせる場所でしてほしいということで、予選は自分たちでステージを選ぶことになっているんです。でも講堂も、屋上ももう使ってしまったので.....」

「校内にないなら校外で探せばいいじゃねーか。」

「それが思いつかなければ苦労しないのよ!!」

「うーん、どうしたらいいのかにゃぁ.....」

「.....だったら聞くか。」

「一体誰に聞くん?」

「お前らが悩んでるしな、前回の優勝グループがどこでやるかくらいは聞いてもいいんじゃないか。」

「でもそんな方法あるの?あんたね、AーRISEはトップクラスのスクールアイドルなのよ。街中で探すことなんかふか.....あっ。」

「そそ。俺ツバサの連絡先持ってるから聞けるんだよ。というわけで今からアポ取ってくるわ。」

 

ピロピロ

 

「あら?珍しいわね。もしかしてお茶のお誘い?」

「仕事だよ。お前ら、どこでライブするんだ?」

「私たちは一応校舎でやるわよ.....え?そろそろ?.....分かったわ、伊月くん、今日の夕方6時、μ'sのメンバーを連れて今から送る場所に来て。」

「場所?.......これか。分かった、連れていく。」

「これで貸し借りなしね♪」

「貸し借り?借りはあったが貸しがあったか....」

「私たちを救ってくれたことよ。あのコーチの件よ。」

「ああ...分かった、とりあえず後で話そう。」

「そうね、じゃ、また後でね!!」

 

 

 

 

 

「どうだったの?」

「ここか.....取り敢えずAーRISEがお前らと会いたいんだってさ。だから今日の午後6時、ここに来いって。」

「ここは.....アキバ?」

「そ。取り敢えずそれまでは練習するか。」

「そうね、じゃ今日はストレッチと、予選に向けての動きの確認と通しをするわよ。」

『おー!!』

「そういや那月はどこいったんだ?数日姿を見てないんだが....」

「え?伊月も知らないの?那月、ここ数日学校にすらに来てないわよ。」

「特に理由も分からんし.....なんかに巻き込まれてないといいんやけどねぇ。」

「まぁあいつなら大丈夫か。念の為に探しておくが.....とりあえず行くぞ。」

 

 

その後俺たちは練習をして、アキバに向かった。ここって.....裏路地かよ。あいつすごい所選んだな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

午後6時

 

「おっ、来たきた。やっほ、伊月くん♪」

「ああ。で、なんでこんな人気のないところなんだ?」

「こういう所じゃないと、お互い有名なんだし騒ぎが起きちゃうからね。」

「あ、ツバサさん!!お久しぶりです!!」

「あら、高坂さん。この前の暗さは無くなったようね。さて....ここで話しててもあれだし学校まで来て。食堂で話しましょ。」

「じゃ、俺は帰る。」

「ええ、わかっ.....え?」

「いやだって今日はAーRISEとμ'sが会う予定なんだろ?だったらステージに出る者同士でじっくり話した方がいいんじゃねーかなって。それに何かと物騒だ。見回りを怠って、何かあったじゃ遅いからな。」

「だったら私たちを野ざらしにするのはどうなの?こんなか弱い私たちを放っておいたりしたら.....どうなるか、分かるわよね?」

 

なんかすごい脅迫紛いなことを言ってるんですが.....いや、別にすぐそこなんだから、その心配は無いだろ。というさっき一通り見てきたから安全なんだけどな.....

 

「いや、でも学校すぐそこじゃn「分かるわね?」.......分かったよ。」

「伊月くんが折れたにゃ。」

「恐るべしAーRISE......」

「とにかく、学校に案内するわね、と言ってもすぐそこなのだけれど.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「そういえば、こうやって面と向かって会うのは初めてね。一応自己紹介をしておくわ。私は綺羅ツバサ。」

「優木あんじゅです♪」

「統堂英玲奈だ。」

「えっと、私は.....」

「あなた達のことはよく知っているわ。最近結成されたグループで急成長している。私たちにとって最大のライバルになるわ。」

「そ、そんなライバルなんて.....」

「にこちゃんが珍しく丁寧語を使っているにゃ。」

「いいえ、謙遜はいらないわ、μ'sの小悪魔担当の、矢澤にこさん。」

「え!?にこのこと知ってるんですか!?」

「当然よ、私たちはあなた達を調べてるからね。メンバー一人一人の個性も把握しているわ。.....ただし、ステージに出てるメンバーの、だけどね。あなた達は11人いる。違うかしら.....?」

「どうしてそんな所まで.....」

「さっきも言ったけど、私たちは調べあげている。更に伊月くんとは面識もある。だからこそ.....残り1人を知りたい。残り1人だけが全く分からないのよ。」

「というか、お前らその情報どっから仕入れてるんだよ?」

「パフォーマンスやダンスを見れば分かるわ。バレエの経験がある綾瀬さんが加入してからμ'sのパフォーマンスは格段によくなった。でもね.....私たちはそれ以外のものを感じたの。」

「それ以外?どういうことだ?」

「彼女たちの動きを見たら.....稀に難しいものがあるの。異なる複雑なステップを繋げる時に、その間合いで無駄がない。さらに言えば、パフォーマンスにおいても全員が前に出ている感じがした。前まではセンターや2年生が目立っていたけれど.......」

「そんなに難しいことしたっけ?」

「穂乃果ちゃん.....」

「そうですね、それは買いかぶりではないのですか?私たちはそんなに優れたことをした訳でも、特別なことをしたわけでもありません。」

「そこよ。」

「え?」

「そうやって当たり前のようにこなせるようになっている。それが一体誰の影響か.....おそらく日頃からトレーニングを積んでいるからこそそこまで大したこととして感じないのよ。」

「.........」

「だからこそ、私たちはあなた達を1番のライバルだと思っている。個性が重ならなくて、かつ全員が前に出ている.....だからこそ、私たちは絶対に負けたくない。」

「え?じゃあ今日ここに呼んだのって.....」

「そうね、いわば宣戦布告のようなものね♪」

「私たちはいつだって最高のパフォーマンスを披露する。二次予選、お互いに通過するといいわね。」

 

あら?帰り始めちゃったよ、俺たちここに来たのってステージ探しじゃ.....

 

「待ってください!!.....私たちだって負けるつもりはありません!!」

「ふふっ.....いい目をしてるわね。」

「おい待て、今日ここに来た目的、忘れてないか?」

『あ.......』

「ステージの件、だったかしら?それならここでやらない?屋上にステージがあるの。」

「え!?いいんですか!?」

「構わないわ、とびっきりのいいステージよ。後で案内するわね。」

「あ、ありがとうございます!!」

「じゃ、俺は帰るな。」

「待って.....もうひとつ言い忘れていたわ。これはあくまで賭け事のようなことなのだけれど.....」

「ん?何するんだ?金はないからな。」

「別に金を毟りとるわけじゃないわよ.....今回の一次予選で、もしあなた達が予選を突破出来なかったら.....一条くんを貰うわね!!」

「は?お前何言ってるんだ?」

『えええええ!!!!!!!!』

 

 

こうして.....少しおかしい一次予選が始まった。




皆さん、スクスタフェスの引きはどうでしたか?僕は一応20連して新規の曜ちゃんと真姫ちゃんが当たりました。サイリウムが虹色じゃなくて爆死やんけ!!って思ったら出ました。僕は果林さん狙いで引いたので、物欲センサーが見事に作動しました.......


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#66 それぞれの本当の戦い

スクスタフェス限定の性能が良すぎる.....よく20連で新規の真姫ちゃんと曜ちゃんが来てくれたものです.......スクユニの方の爆死はこの為にあったのか.......
今回は少し短めです。


「な、なななな何でですか!?」

「何でって.....私たちは以前、といっても最近の事だけれど、伊月くんから色々教えてもらって、この人は私たちが頂点を目指す上では不可欠な存在だなって思って。けれど、伊月くんはあなた達μ'sのメンバーでしょ?だから、手に入れたいの。」

「あのぉ、俺に決定権は無いんですか?」

「勿論ないわよ、だってあなた、お願いしてもすぐ拒否するじゃない。」

「そりゃ、こいつらのことを見なきゃいけないし、俺は見回りとかトレーニングもかもある訳で.....とてもじゃねぇが2つのグループを並行して見れるほどの余裕がないんだ。」

「それに、聞くところだと伊月くんは学校じゃ大不評のようね。」

「それは今は関係ないでしょ!!」

「それに私たちは、その根も葉もない噂のせいであなた達の評価にバイアスがかかることが1番嫌なの。」

「それは建前じゃないのか?」

「いえ、本当の気持ちよ。最後に.....伊月くんを擁していながら予選突破ができなければ、あなた達は彼のことをちゃんと使えていない、ということよ。なら、私たちがより効率的に使うってわけ。」

「俺は道具か何かですか?」

「この話はまた後でね.....とりあえずステージに案内するわ。」

 

 

 

「あいつ.....もう少し別の方法があっただろ.......」

「ツバサはこういう面では少し不器用でな。」

「そうねぇ、あの子も全力のμ'sを見たいからってやりすぎね。」

「とりあえず、俺らはここで待っとくか。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あの後、あいつらは帰ってライブを最終確認をするらしい。何故か俺だけ残されてるけど.......

 

「ツバサ、もう少しいい方法あっただろ。」

「そうかしら?あなたを賭ける方があの子たちもより燃えるんじゃないかなって思ったんだけどね。」

「これじゃライブの意味が変わってくるだろ。」

「それはどういうことかしら?」

「お前らスクールアイドルがやるべき事は、こういう賭けをして勝負を熱くするんじゃなくて、ステージ外の聴衆により良い時間を届けるためだろ。これじゃ、お前らはアイドルじゃなくて、ただの賭け事好きと一緒だからな。」

「それはそうだ。ツバサが言い出した時は少し驚いたがな。」

「私は、どっちでもいいわよ♪あの子たちと戦えるわけだし。」

「そうね、私も見落としていたわ.....予選が終われば謝るわ。」

「そこら辺はお前らの裁量でいいんだけどさ.....なぁ、俺が残された理由って何だ?」

「あっ、忘れていたわ。実はこれはひとつの噂なのだけれど.....最近音ノ木坂やこのUTXで生徒が行方不明になる事件が起こってるって聞いてるの。」

「誘拐.....?で?それは不登校ではないのか?」

「ええ。うちの生徒が捜索願を警察に提出してあれこれ1週間経つのだけれど手がかりが何一つ見つかってないの。監視カメラにも写ってないみたいで。」

「もしかしたら.....那月......」

「私たちは辛うじて無事なのだけれど、頻度が上がっていて、かつ範囲も広くなっているの。」

「だが、そんな多人数誘拐をすれば場所が割れるんじゃないのか?大人数を収容するならそれなりの敷地を要する。さらに言えば人質として扱うなら、食糧も足りなくなる。一体何をしているんだ.....?」

「それで私たちの頼みはその捜索よ。今、UTXの生徒が10人誘拐されている。警察が言うには音ノ木坂の生徒は13人誘拐されているみたいよ。」

「計23人.....だがあまりにも多すぎる。何が起こっているんだ.....?」

 

考えうる中で最悪の結果は、KBの実験台にされていることだ。あいつらであってもなくても試し打ちの為にやる輩もいる。そうじゃないことを祈るしかないか.......

 

「更に悪い知らせなのだけれど.......つい昨日、その内の1人が見つかったの。生きていたのだけれど、身体中に傷があったわ。」

「そうか.......だが狙いが全く分からない。俺を誘い出すなら1人で十分なはずだ。.......その生還した子は何か言っていたのか?」

「私は直接会っていなかったから分からないのだけれど、『血』が関係しているらしいわよ。今は検査を受けて入院しているの。」

「大体分かった......ツバサ、教えてくれてありがとう。」

「ええ、それじゃ次は二次予選の時に会いましょ。」

「あいつらが勝ち残る前提か.....まあいいか。」

 

そう言って俺はUTXを去った。......那月が気がかりだ。あいつは橘さんから教わったとはいえ実戦経験が乏しい。何もなければいいんだがな.....

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「どうだ、与助?」

「確かに行方不明の生徒が写った記録はないね。なんでだ?僕はかなり監視カメラを設置しているのに、それに引っかからないなんて。」

「奴ら、相当下調べをしてきているようですね。」

「...........」

「何ですか?伊月様?」

「いや、なんでも.....与助、とりあえずこれよりも外の範囲を見れるか?もしかしたらそっちにも手がかりがあるかもしれない。」

「分かった、見てみるよ。」

「俺は少し回ってくる。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

妙に静かだ.....なんでだ。

 

「あ、伊月!!こんな所にいたんだ!!」

「那月か.....お前今までどこ行ってたんだ?」

「ちょっと野暮用でね...少し出てたんだ....」

「そうか.......!?」

「え?どうしたの?うっ.....」

 

そう、那月の耳にはあの時と同じ物が取り付けられていた。しかも一瞬しか見えなかったが、針を通した痕があった...まさか.......

 

「ぐっ......逃げて.....」

「やっぱりKBを.....」

「あっ.......がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

そう、今俺の目の前で.....姉が化け物になった。くそ.....やるしかないのか。

 

「くそ.....一旦おびき出すしかないか。」

「がぁぁぁぁぁぁ.....にげ....て.....」

「自我がまだ残っているのか.....」

考えろ、考えろ、今の俺に何が出来る。自我が残っているならまだ.....救えないときまった訳じゃない。だがどうすれば.......

 

「がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「ぐっ.....!!痛ぇ.....」

バァン!!

 

「少年!!大丈夫か!?私も加勢する!!」

「来るな!!こいつにはまだ自我があるんだ.....発砲するんじゃねぇ!!それよか、ここら辺の住民を避難させろ!!」

「なっ.......!?分かった。今は君の言う通りに動こう。」

 

と言ったのも後ろから、自我のないKBがもう1人出てきた。2対1、でも片方は自我が残っている。下手に出だしをすれば死ぬのはこっちだ....

 

「こうなったら.....あれをするしかないか。」

それは、KBと.....俺たちの血液の相性みたいなものなんだが.....上手くいくかは全く分からない。なにせKBを投与された人間は、人間を襲うだけで血を飲んだり、食べようとする傾向が全くないからだ。だが....もう3年前と同じ思いだけはしたくない。

 

「仮にもあの化け物みたいなやつの血を引いているんだ..........もってくれよ!!」

 

そうして.....俺は那月の口に、俺の右腕を噛ませた。痛え.....だがこれで俺の血を飲んだはずだ。頼む.....那月、戻ってきてくれ!!

 

「がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!があぁぁぁぁぁ.......」

 

その後、那月は意識を失い、暴走した時の体のまま止まっている。脈がある限りまだ生きている。

 

「さて.....もう1人。.........逃げたか。一体どこに?」

 

気づけばもう1人の方がいなくなっていた。.....やけにガソリンくせぇ。

というかあいつらのライブ行きそこねたな.......

 

「まさかさっきのもう一体は.....ロボット.....だったのか?」

「いつ.....き.....」

「!?....大丈夫だったか。」

「ううん.....怖かったんだよ.....」

「全く世話のかかる姉だ。.......生きててくれて良かった.......」

「ふふっ.......よく.....言えたね.......」

 

そして那月は気絶した。くそが.....那月を救えたが全く居心地が悪い。俺は負けたんだ。身内すら守りきれなかった.....情けない。

 

「もう二度と失いたくない....そして.....必ずあいつらを.....」

 

そうして、μ’s、伊月、それぞれの本当の戦いが始まった。

 




最近時間がなくて、投稿するのが夜とかになってしまいます.....
いろいろ書きたいんですけどね、
これは完全に僕の趣味でどうでもいいんですが、皆さんはファイアーエムブレム風花雪月って知ってますか?あれのBGMの野望の地平というのがあるんですが、あれが本当に好きです。特にこの小説書く時はいつもこの音楽聞きながらやってます。なんか.....雰囲気が似ているので。


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#67 「義」

そろそろアニメの方も進めないとまずいですね.......オリジナルがここら辺から展開していこうと考えているので本当に頭が痛いです。


あの後、警察が到着し事態は一応収めることが出来た。生憎一般市民にKBを投与された人間を見た者はいなかったので、騒ぎが大きくなることは無かった。

 

俺は那月を抱えて家に帰った。まだKBの影響がなくなったわけじゃない。だから今医者に見せたり公共の施設に連れていくのは、万が一暴走した時のことを考慮して症状が収まった後にしている。

 

「............」

「.........今回ばかりはお前に感謝するしかない。那月を救ってくれて感謝する。」

「俺が通ってなければ本当に危なかった。こんなところで暴れられたらおしまいだ。」

「お前、どうやって那月を止めた?」

「俺の血を使ったんだ。KBとは相性がいいだろ?特に生きた人間の生血なら尚更だ。」

「そうか.......このタイミングで悪いんだが、この前のことを話す。」

「この前?」

「お前も薄々は察しているだろうが.......お前は、俺や那月の血族じゃない。お前は拾われた子供なんだ。」

「なんとなく分かってはいたが.....どういうことか具体的に説明してもらえるか?」

「あぁ、少し長くなるがな。事の発端は今から15年前、お前がまだ生まれて間もない頃だった.......お前は別の家族の一人っ子として生まれた。そしてお前の父親は俺のかつての同期で仕事仲間だったんだ。そしてその妻は.......」

「俺と同じ神山町の生まれ、か。」

「あぁ、お前の親父もだけどな。それでな.....当時俺たちの仕事の界隈であるひとつの噂があったんだ。「血狩り」という隠語でな.......ある人間があらゆる血を求めて人を殺していたんだ.......A、B、O、AB、RH+、-.......そして神山の血。そしてその人間は.......白鴉、今お前を狙っている殺し屋だ。」

「なっ.....!?だが、なぜお前がそれを知ってるんだ?親父はSPだろ?だったら要人保護をしておけば良かったんだからどうしてそっち側の事情を知ってるんだ?」

「要人と関わっているからだよ。あいつの人間の血への執着は異常だ。しかもあいつは仮面を被って襲うから、国籍とかが分からなくなるんだよ。以前にあの男は別の国の大臣を襲ったらしい。大臣は幸い命を落とすことはなかったが、その国の治安維持機関が来た時にはかなり血を取られていたらしい。監視カメラもかいくぐってフードを被っていたから、大臣もどこの国の出身か分からず暫くは恐怖で外に出られなかったらしい。だが、正体が分からない以上指名手配にすることが難しい。全く、上手いことをしてくれる。」

「あいつと俺の本当の親になんの繋がりがあるんだ?」

「やつの出身か神山町であることは知ってるよな?」

 

そうか、あいつか同郷のよしみって言ってたのはこういうことだったのか.....だがそれなら自分の血で満足出来ないのか.....?

 

「白鴉、あいつの経歴は一切分からない。そして.....あいつは神山の血を引いていない。神山の血はそれを持つ者同士が産まない限り継承されない。一般の人との間には普通の血を持った子供が生まれるんだ。白鴉もその例だという噂がある。」

「だがあいつには胸の近くには緑色の痣があったんだ。それはおかしいだろ。」

「そう.....あいつは血を自分の中に入れたんだ。最初は興味本位で傷口に血を付けたら、あいつの傷が治ったんだ。そこからあいつはその血を自分の中に入れるようになった。そして.....血を引く者と同じ特質を持ったんだ。つまり適応したんだ。仮にも傍系だったからな。だがそれは適応した血だ。直系の血を手に入れられなかったから、殺して手に入れようとしたんだ。そしてその標的が.......お前の親達だ。もともと白鴉は町に住んでいたから誰かの目星がついていた。だが町で殺しを行えば後々の後処理が面倒だから外に出た標的をさがした.....その結果がお前の親だ。」

「.......何故俺は生き残れたんだ?」

「少し回想に入るぞ。」

「このムードでメタ発言をするな。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今から15年前

 

「あいつ、今日仕事なのになんで来てないんだ?」

「さぁ.....体調不良の連絡もない。どこか行ってるんじゃないか?」

「仕方ねぇな。俺が起こしに行ってくる。」

「頼む。もし何かあった時はすぐ連絡してくれ.....」

「大丈夫だろ、簡単に死ぬ奴じゃない。」

 

 

 

 

「.........なんだ、これは。」

今目の前に広がっているのは、汚れが何一つない部屋。だがそこには死体が2つ。息も脈もない。そして.....やけに白い。

「とりあえず本部に連絡.....ん?赤子...,?しかも寝てやがる。」

 

刹那、敬一は赤子を見つけた。その近くには手紙のようなものもある。

 

俺は命を狙われている。もし俺たち親子が死んだら、この子を.......

その後は字が消されてていて読めなかった。

 

「分かった.......お前のとの約束を守る。この子を立派になるまで守ってみせる。」

「おい一条、どうし.....大丈夫か!?」

「もう駄目だ。輸血をするにしろもう抜かれてから時間が経っている。これは助からない。」

「.....血狩り、か。」

「おそらくそうだろうな。だが俺らSP相手にここまで手際のいい事が出来るとはな.....」

「そうだな.....これは緊急事態だ。帰って対策を立てる。一条、この者の弔いはお前に任せる。」

「あぁ...,.......」

 

 

 

そして敬一は彼らの墓を立て、弔った。親族には仕事での事故死として伝えられた。自分たちの親族が殺し屋に血を抜かれたなどと言えばショックのレベルは計り知れない。

 

「ったく.....こんな赤子を残して死ぬなんて.....馬鹿野郎が。」

「...........」

「赤子は至って無言か。でも悲しそうな目だな。さぁ、お前もお父さんお母さんに挨拶しておけ。」

「...........あぁぁ........」

「...........この子は俺がちゃんと面倒を見る。絶対に死なせはしない.........約束だ。」

 

その後、一条敬一は静かに涙を流した。何も出来なかった自分を悔い、そしてこのような事態を予測出来なかった自分を責めながら.....

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「これが....お前が俺の家に拾われた発端だ。」

「.......そうか。」

「.......恨んでるか?俺を。」

「は?」

「俺はお前の父親のフリを今までしていたんだ。さらに言えばお前の父親を守れるようにしなかったんだ。恨めしくはないのか?」

「さぁな.....だけど俺が今こうやって生きていられたのは本当の親父とお前がいたからだろ。恨めしいとは思えねぇし、俺は親の顔すら知らないんだ。恨むのもおかしいだろ。」

「それもそうか.......だけど良かった。お前にこのことを伝えることが出来て.....一生黙ったままじゃ気持ち悪いしな。」

「どういうことだよ.....それはそれとして、.......これからどうする?」

「伊月。これから毎朝、俺と組手をしろ。お前を強くする。」

「罪滅ぼしなんて思ってないよな?」

「無くはない.....だが、今のお前じゃ明らかに力不足だ。俺がと組手てそのギャップを埋めろ。」

「そうだな.....那月は.....」

「暫く経過観察するしかない。今すぐには目覚めないだろうし症状が消えるかも分からない。」

「分かった.....えっと、どう呼べばいいんだ.....義父、よろしく頼む。」




なんか疲れているのか....見直した時に展開があまり意味が分からないものになってるような.......


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#68 凪

メインオリキャラ紹介更新しました。城善寺さんだけですけどね。
スターが貯まる貯まる。フェス前のスター不足が嘘のように貯まりますね。


「はぁ....はぁ.....」

「おいおい、まさかこの程度で本気とは言わないよな?読みやすい動き、モーションに隙がある、懐に入り込みやすい.....そんなんであの娘達を守れるのか?」

「ちっ.....」

「おい、煽られたからって情に身を任せるな。さっきより動きが雑くなっている。お前はメンタルも鍛えた方が良さそうだな。」

「くそっ、大人気ねぇ.....」

「何とでも言え。お前を鍛えるためだ。お前が強くなれば、那月やあの娘達を守れる可能性が増えるんだ.....そうしたきゃ黙って強くなれ。」

「あぁ......」

「時間だな、今日はここまでだ。」

「そうか、ありがとうございました。」

「ありがとうございました.....さて、朝食食うぞ。というか作れよ。」

「少しは働け、義父。」

「あー何も聞こえないなー。」

「明日痛い目にあわせてやる。」

「その意気だ。返り討ちにしてやるよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時を同じくして

 

「お母様、私に何か隠していませんか?」

「冴子、あなたには何も隠していないわよ。」

「そうですか.....ではあの一条くんは、何故透谷を知っているのですか?」

「一条.....黒獅子、ですか。あいつは裏の世界の人間だからそこで知ったのでしょう。透谷は代々汚れ仕事を多く引き受けているので。」

「納得出来ないわ.....では、私たちの家はその汚れ仕事をして今のような地位についたの?」

「綺麗事だけでは這い上がれないのよ。覚えておきなさい。」

「でも.....」

「それと、一条という人間には近づいていけません。あいつは裏の世界の人間、つまりあなたが関わればこの家の品格を損ないかねない事態になるの。分かるわね?」

「.......分かりました。」

 

 

 

「お母様は、一体何を隠しているの.....?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺はあまり気分はのらなかったが、学校へ行った。昨夜の事件が噂になってないといいんだけどな....

 

「一条さん!!5分遅刻ですよ!!.......て、どうしたんですか!?その右腕!?」

「少し面倒事に巻き込まれまして.....ちよっと怪我を。」

「気をつけてくださいよ.....」

 

 

ねぇねぇ聞いた?昨日この近くで事件があったらしいんだけどさ、また一条くんが関わってたらしいよ。

 

え?マジ?もうあいつ本当に消えて欲しいんだけど、いつまで居座る気?存続決まったんだし、もう良くない?

 

 

「.......もう聞き飽きた。」

「あの人たちの言うことなんか気にする必要ないわよ。あなたのことを知らないもの。」

「そうです!!だから一条くんも気にせず元気になってください!!」

「あぁ.....ありがとな。」

 

 

 

 

 

放課後

「一条くん、ちょっと来てください!!」

「なんすか.....?まぁいいか。花陽、後で部室に行くって伝えてくれ。」

「はい、分かりました.....うう、緊張するなぁ。」

「緊張?なんでだ?」

「結果発表が今日だからですよ.....ぁぁ、落ちてないといいなぁ.....」

「まぁ.....通過してるといいな。」

 

 

 

 

「で?何の用で?」

「昨日のこと、優花から聞いたんだ.....大丈夫だった?」

「知ってるんですか.......那月自体の容態はまだ分かりません。完全に治ったとは言い難いですし.......」

「そうなんだ.....でも、私が聞いてるのはお姉さんのこともあるんだけど....一条くん、君の方がメインだよ。」

「.......え?」

「お姉さんが目の前で怪物のようになって.......それと自分が戦わなきゃいけない展開になった。精神面が心配でね.....君が弱いとは思わないよ、でもね。君は抱えすぎじゃないかな?もっと、頼ってくれてもいいんだよ?」

「すみません.....でも、俺のせいでおきてる出来事に他人を巻き込むわけにはいかないんです。」

「その気持ちは分かるよ.....でもね、君は良くても、苦しんだり、悩んだりしている君を見ているのは.....辛いんだよ。皆君には風当たりが強いけど.....西木野さん達や、私は君の味方だからね。」

「あの.....なんで真姫の名前が.....?」

「実はちょっと前にね......西木野さん達が伊月くんの事で相談をしに来たの。自分たちにできることはないのかって。私は伊月くんの力になりたいなら、普通の学校生活を送るべきだって言ったんだ。そうじゃなきゃ.....懸念することが増えるでしょ?」

「そうっすね.....本当に俺のことを思ってくれてるなら、俺から離れるのがベストなんですよね.......」

「何故そう思うんですか?」

「だってそうじゃないですか.......今のほとんどの生徒だって言ってますが、俺がいるから.....あいつらの周りの人間が巻き込まれたり血の繋がってない義姉まで命を落としかねない状態になった.....俺は強くないんですよ。仮に暴力を行使することに長けていても、俺には現実を受け止められる程の精神面が出来てない.......俺の愚かさ故に周りを巻き込むのが本当に嫌なんですよ.....」

「君の気持ちが分からないわけじゃないんだ...私も昔同じ気持ちだったからね。」

「同じ.....?どういうことですか?」

「私ね.....昔通り魔に射撃されそうになったんだ。私は気づかずにいてさ.....その時お父さんが身を呈して守ってくれたんだ。その結果、お父さんは命を落として.....お母さんに責められたんだ。」

「それは理不尽じゃないですか。」

「そうなんだけどね.....私もそう思ったんだ。あの時気づいて逃げていればお父さんは死なずに済んだんじゃないかって.....しばらくの間、ずっと暗い気持ちでいたんだ.......」

「そこから立ち直れたんですね.......強いですね、先生。」

「ううん、自力じゃないよ。その時に.....優花が助けてくれたんだ。どうして頼ってくれないんだって。そして、身を呈して守ってくれたお父さんの為にも.....立派に生きようって言われてさ。もしお父さんの死を罪悪感を感じるなら.....償うためにも、お父さんの為にも誇れる自分で生きようって。それが難しいなら自分が手を貸してあげるって。あの時は本当に救われたんだ.......知ってる?優花が警察官になったのは、私みたいな人を増やしたくないから、自分が守るんだって.....そう言って目指してなったんだよ。」

「.........」

 

 

"まぁ、その......なんだ、頼るってことを知らないなら、俺たちが教えてやる。頼る勇気がないなら、俺たちがお前に手を差し伸べてやる。それでいいじゃねぇか。今すぐに出来なくったっていい。少しずつ、それを理解していけばいいさ"

 

 

過去にも似たようなことを言ってたんだな.......俺。

 

 

「だからさ.......1人で貯めちゃだめだよ。私でも、西木野さん達でも構わない.....誰かに相談してね。」

「.........はい。」

「話したいことはそれだけ。それじゃ、解散。」

「はい.......ありがとうございました。」

「どういたしまして、でいいかな?」

 

 

先生らしいところを見たな......自分のことを話す、か。いつか、できるといいな.......

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ん?どうした?お前ら?」

「通った.....通過したんですよ!!伊月くん!!」

「おお、おめでと。」

「これで伊月くんは私たちのものだね♪」

「まぁ.....あれは冗談だ。」

「.....え!?」

「ツバサは口下手でな.....お前らの本気が見たかったからあえてああいう煽りをしたみたいなんだ.....相手が自分たちだからと臆して全力を出せなかったなんて事態にしない為に。」

「そうだったんだ.....良かったぁ.....」

「それにしてもあの人のこと、詳しいのね?」

「まあな.....何かとプライベートで会うことが多くてな.....今だから言えるが穂乃果にアドバイスして欲しいと頼んだのは俺だったしな。」

「ふぅん.......そこはいいのよ。でも、何故私たちよりも交流が多いのかしら?」

「それはたまたま.....というか学校で会ってるじゃん。」

「学校生活とプライベートは別よ。」

「その話は今はいいだろ.......皆に話すことがある。」

「なになに?」

「那月の件だ.....」

「見つかった、のね?」

「ああ。無事にとは行かなかったけどな.......」

「一体何があったん?」

「簡単に言えば.....人体実験されててな....なんとか症状を収めることには成功したが、若干の後遺症を残す可能性がある。それにまだ完治していない.....時折症状が出る可能性も否めない。」

「じゃあ、見舞いとかは出来ないってことね?」

「そういうことだ。悪いな.....今は治さないといけないんだ.....」

「別に構わないわ。ちゃんと元気になってから姿を見せて欲しいもの。」

「感謝する.......」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「お嬢様、一体何用ですか?」

「あなた.....今までどんな仕事をしてきたの?」

「私は....ただ習慣をこなしたに過ぎません。」

「ふざけないで、あなた裏で一体何をしているの?」

「それは.....お話できません。」

「そう.......ならいいわ。」

「申し訳ございません.....」

 




フェス限定の曜ちゃんと通常の曜ちゃんがいると、ライブ安定するんですよね.......ありがたや。


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#69 にこを追え

スクスタで絵里ちゃん欲しいなぁ.....あの花嫁絵里ちゃんまじで欲しいんですよ.....でも爆死してるわけでもなく、今日10連して果南さん(Aqoursの推し)が出た時は発狂しかけましたね。


「矢澤先輩が最近おかしい?」

「そうなんです。最近練習に中々来なくなって.....理由を言わずに帰っちゃうんです。」

「そうなのか.......別に特にと言った変な案件は聞いてないからな。なんかあるんじゃないか?」

「でも、やましいこととかじゃなかったら普通話すよね?」

「詮索もあれだしな.....俺も直接聞いてみるか。」

「そういえば、那月先輩の体調はどうなんですか?」

「まだ眠ってるよ.....ただ、症状はだいぶなくなってるからあと1週間もすれば目を覚ますくらいには治ると思ってる。」

「そうですか.....良かったぁ.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「矢澤先輩、どこ行くんですか?」

「あ、あんた.....別に、ちょっとした用事よ。」

「どんな用事なんですか?」

「そんなことはあんたには関係ないでしょ!!ほっといてよ!!」

「あらら.......これはちょっと固いな。」

「どうする?にこはこうなると本当に喋らないから.....」

「後を追うっていうのはどうなん?」

「追うのはいいんだが.......見つかったら気まづくないか?」

「でもそんなこと言ってる場合じゃないよ!!ラブライブに向けて練習するのに、にこちゃんが欠けたら始まらないよ!!」

「では.....あまり気は進みませんが、尾行しますか?」

「よし!!にこちゃんを追うにゃー!!」

「うるさいとすぐバレるぞ。」

「ぅぅ.......」

「とりあえず行くぞ.....見回りも兼ねてな。」

「そうね.....伊月、私たちの命は任せるわ。」

「簡単に任せるなよ.......危なかったら逃げろ。それと、集団で行動しろ。単独行動が一番危険だからな。」

「分かりました.....」

 

 

 

 

 

 

「あそこね。」

「スーパーに入って行きましたね.......」

「スーパーでバイトでもしてるのでしょうか?」

「なんとなく想像できるな.....それ。」

「そうではないみたいよ。」

「何買うんだろう.....」

「夕食の準備じゃないのか?矢澤先輩、妹や弟がいるらしいから母親の手伝いとかで動いてるんじゃないの?」

「それだと今まで練習に来れたことがおかしくなります.....」

「それもそうか.....母親が仕事、とかじゃないのか?」

「そうなのかな.......」

「でも怪しいよ!!にこちゃん、なんか嬉しそうに買い物してるじゃん!!」

「それに買い物をするだけで練習を休むのでしょうか.......」

「よっぽど大事な人が来ているとか.....」

「その人に料理を振る舞うためとか......」

「おいおい、想像がどんどん変な方向に行ってるぞ。」

「ダメです!!これはアイドルとして一番ダメなパターンです!!!」

「声、声がでけーよ。気づかれたら.....あっ。」

「.......,.....」

⊂('ω'⊂ )))Σ≡GO!!

 

 

「ああ!!逃げた!!」

「なんであんた達が来てるのよーー!!練習しなさいよ!!」

「待ちなさい!!」

「練習はにこちゃんのことが終わった後だよ!!」

 

 

 

「なんでよ!!......ええ!?」

「さすがにこ。裏口を使うとは、ね。」

「ガシッ さぁ大人しく訳を聞かせてもらうよ〜」

「んんー、はぁ!!」

「あ、逃げた!!」

「待てー!!」

 

 

 

 

「希、にこは.....って何車の間に入ろうとしてるんだ?」

「胸が大きくて通れないんよ......」

「ご愁傷さまです。ということは.....にこはここの先、か。」

「そうやね....」

「希ちゃん、にこちゃんは!?」

「.........」

「...,.......なんで凛を見てるの!?」

「凛、お前にしか頼めないことがあるんだ.....この車の隙間を通って矢澤先輩を追ってくれ。」

「え.....?う、うん!!でも.....なんか不本意だにゃぁ〜.......」

「ふふふっ.....」

「もう、にこちゃん!?.....いないにゃぁ.....」

「女っていうのは......あれだな、色々あるんだな.....」

「おお、伊月くんもだいぶわかってきたみたいやんね。」

「女の子のことはわかって欲しいけどこういうことはあんまり知らなくてもいいんだよ!!」

「そうなのか.....?その、なんだ。これが那月が言ってた胸の格差社会ってやつか。」

「そうだけど.....女の子は胸の大きさじゃ決まらないからね!?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「結局逃しちゃったねー。」

「まぁ本気でやれば一瞬で自宅あぶりだせるんだけどな。」

「伊月くんが本気出したら街が騒ぎになるよ!!」

「それにしてもどうして休むのかしら.....?」

「あ、あれ!?にこちゃんじゃない?」

「え.....?でもにことは少し違う雰囲気ですね....」

「でもにこちゃんそっくり....小さいにゃーー!!!」

「あら....あなた達は?」

「あれ?君どこかで.....」

「あっ!!この前のお兄さんじゃないですか!!お久しぶりです!!」

「久しぶり、あの後は大丈夫だったか?」

「はい、特に巻き込まれていません。」

「えっと.....伊月くん、この子は?」

「あ、すみません。自己紹介が遅れてしまいました。矢澤にこの妹、矢澤こころです!!」

「.......え?」

『ええええええーーーーーー!!!!!』

「嘘!?」

「全然違うにゃーー!!!」

「にこっちより落ち着いてて、丁寧やね。」

「皆さんは、μ'sの方々ですか?」

「え、知ってるの!?」

「はい.....それはそれとして.....こっちに来てください。」

 

 

 

 

 

 

「それで.....どうして車の裏に隠れてるの?」

「もしかして、殺し屋に狙われちゃってる?」

「それはないだろ.....さすがにお前らを標的にはしないだろうさ。」

「しーっ、.....パパラッチに捕まるか分かりませんし.....」

「パパラッチ?なんでそんな海外スターでしかないような現象が起きるんだ?」

「皆様が有名だからです。お姉様のバックダンサーとして。」

「......ん?バックダンサー?」

「はい、お姉様が言うには、アイドルとしてはまだまだで8人揃ってやっと見られるレベルだと言っていました。」

 

あぁ.....見栄張ってるパターンか。まぁ、自分を大きくみせたかったんだろうなぁ.....妹や弟の前であんまりかっこ悪い自分は見せたくないし.....那月とかよく言ってたな.......

 

「えっと、こころちゃん、だったかな?とりあえず矢澤先輩の家まで案内してくれるかな?.....君たちが共同生活している方の家だよ。」

「分かりました、改めてお礼も兼ねて.....案内します。」

「伊月くん、いつからこの子を知り合ったの?」

「真姫を助けた時に同じ場所にいたんです。なんかふっかけてかえって巻き込まれたらしくて.....そん時は助けましたが.....意外と繋がってるもんなんですね。」

「そうだねぇ.....じゃ、にこちゃんの家に行こうか。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここです。」

「普通のアパートみたいな感じなんだな。」

「お姉様は別の家があるのですが.....」

「その話はまた後で矢澤先輩がいる時に聞くよ。」

「ごめんね、少しにこに電話かけてもいいかしら?」

「はい、構いません。終わったら言ってくださいね。」

「ええ.....伊月、その間その子を見ておいて。」

「うん、で、絵里?殺気が漏れてるよ。」

「何も怒ってないわよ?」

 

絶対嘘やん、殺気がすごい。

 

ピロピロピロピロ

「にっこにっこにー!!矢澤にこでぇーす!!今ぁ、電話に出ることが出来ませぇーん。なので、メッセージがある方は、残してください♪それじゃあ、にっこにっこー!!!」

 

...,これ、すごいな。まさかここまで自分で設定しているとは.....そして、それ、まじで煽りになってるから火に油を注いでるようなもんだぞ。

 

「もしもし、あなたの『バックダンサー』を務めさせていただいてる、絢瀬絵里です。もし聞こえてるなら.....すぐ出なさい!!!」

「出なさいよ、にこちゃん!!」

「バックダンサーってどういうことですか!?」

 

 

「なぁこころちゃん、次いでに聞くけど俺はどういう立ち位置にいるんだ?」

「お兄さんは.....いわゆるマネージャーだそうです。何せ、お姉様専用のボディーガードですよね?」

「なるほど....俺はそういう立ち位置にいるのか。」

 

まぁ.....異性だしかと言って無関係でもないから、ある意味その役職にいれてる時点でラッキーかもな。というかこころちゃん達、知ってるならあれだよ?世間的に悪者扱いされてる人がアイドルのボディーガードってある意味問題のような.....

 

「にこ....専用?」

「それはぁ、少しおかしいよねぇ.....」

「ちょっと!?その事も説明しなさいよ!!」

「そうにゃ!!!なんでにこちゃん専用なの!?」

「いや、お前ら俺のことはどうだt『そんなわけないでしょ!?』........そうですか。」

「これは由々しき問題ね。」

「とりあえずにこちゃんを捕まえて問い詰めないとね。」

 

 

 

 

 

「希、あいつら怖い。」

「まぁ.....あれは仕方ないよね.....」

「伊月くんも無自覚だしね.....」

「これは.....そうなりますよね....」




次のスクスタフェス限定って誰だろう.....?キャラのバランスだけで考えたら、凛、茉莉、虹ヶ咲学園の誰か(果林さん以外)でしょうけど。というのも、初回の真姫ちゃん、曜ちゃんの共通点として、2枚目のURが出てなかったことなんですよね。そう考えると配布も含めて2枚目のURが出てないのは、凛、にこ、茉莉、虹ヶ咲学園の果林以外なんですよね。


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#70 事情聴取

忙しい学校生活.....変化しまくる入試制度...
結局今までと同じセンター試験みたいになるんですかね

ちょっと後半にグロテスクなものがあります。ご注意ください。


「ここが我が家です!!」

「お邪魔します.....矢澤先輩はいないみたいだな。」

「でも、すぐ帰ってくるでしょ。」

「それでにこちゃんの部屋ってどこなの?」

「お姉様の部屋はこちらです。」

「ありがと.....ん?弟?」

「はい!!弟の虎太郎です。」

「虎太郎くん、お姉ちゃん達は、なんて言われてるの?」

「.....バックダンサー。」

「でもさ.....ライブとか見てるなら、にこが圧倒的とは見えないはずなんだが.....そこはどう考えてるんだ?」

「お姉様が言うには、皆さんを引き立たせる為にあえてセンターをやっていない時もあると言っていました。」

「ねぇ.....見てこれ。」

「これが....にこっちの部屋?」

「あれ?これ穂乃果だよね.....顔がにこちゃんになってるよ.....」

「こっちも.....私の顔を切り貼りしているわ。」

「なるほど.....こうやって信じさせてたのね。」

「でも、そんなに隠すことあるのかにゃー?別に1番じゃないとまずいことなんてないと思うけど.....」

「にこっちも色々あったからね.......」

「まぁ.....姉として、妹や弟に誇れる自分を見せたいんじゃないか?それに家でどう伝えても良いし.....そこら辺は仕方ないところもあるな。」

 

 

「あんた達.....」

『あっ.......』

「あ、逃げた!!」

「待てー!!!」

「なんであんた達ここまで来てるのよ!!?」

「はぁ.......こころちゃん、ちょっとうるさくなるけど許してくれよ.....」

「いえ!!別に構いませんよ。」

「ボディーガード.....」

「あながち間違ってはいないんだよなぁ.......まぁ専属ではないけどな。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「では.....事情を聴きましょうか。」

「あれ?1人増えてる.....」

「あ、矢澤ここあです!!」

「似たような名前だね.....」

「とりあえず妹と弟達は、あっちで俺と遊んでおくか。」

「ほんと!?じゃあ外でかくれんぼしよ!!」

「別にいいけど.....俺が鬼、だな?」

「うん!!じゃあ行こう!!」

「私も参加します!!」

「虎太郎は、どうするんだ?」

「.....僕は見とくー。」

「オッケー、じゃあ行くわ.....」

 

 

 

 

 

「さて、話してもらおうかしら?」

「妹さん達もいないことですし.....正直に話してくださいね、にこ。」

「.....お母さんが出張でしばらく家にいないのよ。だからあの子達の面倒を見なきゃいけないのよ。練習には行きたいのだけれど.....あの子たちの面倒を見るのが最優先なのよ。」

「それはそうね.....それならそうと話してくれればよかったのに.....」

「そんなこと話して、あなた達に迷惑かけるわけにはいかないでしょ、わざわざ家のことであなた達を巻き込むのは.....」

「じゃあ、あのポスターとかは?」

「見たのね.....別に私が家でどうしようと関係ないでしょ。」

「別に『あれ』はいいのよ。多少勝手なところもあるけれど、にこの言う通りだし、そこは許せるわ。.......でも、専属ボディーガードのことは聞き逃せないわね。」

「あっさりして大丈夫なのですか.......」

「ああ.....一条のこ.....ひっ!?」

「それじゃあ裁判を始めましょうか?にこ。」

「そうね、はっきりさせてもらうわよ!!」

「専属はぁ.....聞き逃せないよね♪」

 

 

「かよちん、絵里ちゃんが怖いにゃー。」

「生徒会長だった時より怖いよぉ.....笑ってるから尚更。」

「恋って怖いね.....絵里ちも燃えてるねぇ.......」

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、裁判を始めさせてもらうわよ。にこ。」

「なんでこんなコメディのような展開になるのよ.......」

「何か言ったかしら?」

「.......なんでもないわよ。」

「さて.....何故専属と言ったのかしら?」

「それは.....そっちの方が響きがいいでしょ。ただのボディーガードとは違うし。」

「『あなた』専用のボディーガードと言わなくても良かったんじゃないかしら?別に『私たち』でも。」

「どうせこころから聞いてるでしょうけど.....私、家ではスーパーアイドルということにしているのよ。そしたら、ただのボディーガードだったらおかしいでしょ?」

「なるほどね.......そこはいいわ。じゃあ真姫、さっき見つけた物を見せて。」

「ええ.....これね。」

「これは.....一条君の写真!?」

「これいつ撮ったんですか?」

「那月に頼んで撮ってもらったのよ。元々、ここあ達が一条の顔を見たいって言うから必要だったの。特に、こころは『あぁ.....一条さん.....』ってよく言ってるしね。」

「さすがね.....伊月。」

「それでこの写真の何が不味いわけ?」

「単刀直入にいうわ.....なんでこれを共有しなかったの?」

「.......え?」

「1年生の宿泊研修も事件のあれこれで延期になって伊月の生写真がまだ無いの。.....本人もあまり撮られたくないみたいだし.....」

「それがどうかしたのよ?」

「私ね、μ'sに入ってから皆の練習風景とかをちょくちょく撮ってるのよ.....思い出残し、っていうのもあるんだけどね。」

「絵里、そんなのしてたの?」

「真姫達には気づかれないようにこっそりとね.....たまに伊月にもお願いしたし。でもね.....ここには、伊月の写真が何一つないのよ!!だから欲しいのよ。」

「なるほどね.....でも那月には『伊月とか皆には内緒でね♪これ撮るの本当に苦労したんだけど.....バレたら私がおわるしね!!』って言われたから中々公開出来ないわ。」

「そう.....ならこの裁判は無罪判決ね。でもね、にこ。これは一応言わせて。あなたが妹さん達にスーパーアイドルとして見せるのはいいのだけれど.....私たちはひとつのグループなのよ。11人でひとつなの。だから.....もし出来るなら、これからは.....やっぱりなんでもないわ。」

「絵里も少しおかしなことを言うのね.....まぁいいわ。特に用がないなら、今日は帰って。お母さんが帰ってきたらちゃんと練習には戻るから。」

「分かったわ.....お邪魔したわね。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここだな....ほい、捕まえた。」

「うわー、また捕まったよ!!」

「やはり一条さんは強いですね!!」

「そりゃあ生きてた年齢が違うからな.....お前らよりも知恵も知識も土地勘もあるんだよ。それはそれとして.......お前らはμ'sのこと、どう思ってる?お姉さんがいる以外で評価して欲しい。」

「そうですね.....でもやっぱりお姉様が鍛えてるだけあってやっぱりすごいと思います!!私も昔のPVを見たのですが.....お姉様が入ってから本当に変わったなと思いました!!アイドルが何たるかを分かったような.....」

「.....お姉ちゃん、一時期つらそうだったよね。」

「ん?何かあったのか?」

「それは分かんないけど.....お姉ちゃん、一時期暗い時期があってさ.....こっちには気づかないように振舞ってたけど.....内心気づいてたんだよね。でも最近また明るくなってさ.....バックダンサーの人たちには感謝だよ!!」

「あいつらバックダンサーじゃないんだけどな.......ん?」

 

なんかこっちに頭に刺青してるおっさんが来てるんだが.....あれは.....

 

「おお一条のガキやんけ。元気にしとったんか。」

「おっちゃん、久しぶり。相変わらずごついな。」

「お前さんには言われとうないわ。」

「あの.....この方は?」

「わいは犯罪者、密売者専門の商人や。この一条の父の同期や。」

「それで....どうしてここに?」

「後でお前に見せなあかん代物が出てきたからや。これはたまげたで.....」

「その話は一旦後だ.....とりあえずこの子達を家に返してからな。」

「おう。ここで待っとるで。」

「ああ。それでここあちゃん達。」

「ん?何?」

「実はさ.....」

 

 

 

 

「ありがと.....ここあたちと遊んでくれて。」

「遊んだというか、矢澤先輩達の話し合いの邪魔にならないように動いただけなんですけどね。」

「お兄ちゃんまた遊んでねー!!」

「時間があればな、では失礼します。」

 

 

 

「あの、お姉様?」

「どうかしたの?」

「一度.....μ'sのお姉様を見てみたいです!!」

「μ'sの.....」

「こころ.....」

「.....あっ!?ごめんなさいお姉様、なんでもありません。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おい.....これって.......」

「わいも最初見た時はたまげたで。まさかこんなもん売りに来る奴がおるっちゅうことにな.....」

 

俺たちの目の前にあるのは.......まだ微妙に動いている人間の腕である。しかもただの腕ではなく、なにか小動物に指を食べられ.....そして変な形で再生している指、見るにたえないものである。

 

「誰が売りに来たんだ.......」

「けったいな男やで。顔は見えんかったが、おそらく城善寺の人間やろうなぁ.....しかもこの腕、比較的最近切り落とされたもんやで。まだ動いとる.....あいつら、まだこんな実験しとるんか。」

「実験.....まだってどういうことなんだ?」

「なんや、知らんのか。あの日から3年、なんでKBが絶えてないと思う?」

「それは.....あの日死体から大量回収したからじゃないのか?」

「それもあるやろうけど.....よく商品を送ってくる連中がな、城善寺家は、人体実験やその他諸々やばいことしてるらしいねん、という噂をよく話すんや。しかも、千世の代からそうらしいねん。」

「ということは.....まさか.......」

「この腕はおそらく.....その実験体にされている人間のもの。だがそれが売却されたということは.....間違いなく、あの家の中にこちら側に何かを伝える誰かがおるっちゅうことや。」

「.........!!!」

「やっぱり行ってもうたか。.......もしもし、一条か。」

「なんだこんな時に.....」

「作戦開始や。城善寺の家にいる人間を助け出す。予定通り動くんや。周りは任しとけ。退路は作ってある。」

「綿密な根回し、ほんと感謝するよ。」

 

 

 

 

 

「ったく.....いつまでこの物騒な争いは続くんや。」




オリジナルは、ここから一気に展開していく予定ですね。アニメはもう少し後(大体8話くらい?から段々意識し始めてた?)でしたので、流れ的にはいいかなと。


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#71 突撃

アニメからどんどん離れていく.....なんとかしないと。皆さんはラブライブフェス、当たりましたか?僕はお金不足のせいで先行抽選に参加出来なかったので、アプリのやつでやってます。ggったら倍率が15倍近くあるとか.....まぁでも宝塚歌劇の学校の試験の倍率よりマシですし、当たるといいなぁ.....(あそこ、倍率が48倍とかあったような.....)


「あれ.....義父と黒柳じゃねえか。」

「伊月.....透谷はいないな。」

「おっちゃんから言われて来たからな。あいつはらいねーよ。」

「あいつから見せられたか.....あれ。」

「ああ。これで確信した.....神山町で誰かが捕まって今もより強い血を求める為に実験を繰り返しているのを。」

「だろうな.....俺たちの今回の任務はその捕虜扱いされてるやつの救出、城善寺と戦うことじゃない。それは分かっておけよ。間違っても情に流されて動くなよ。」

「分かっている.....同じ間違いは繰り返したくない。」

「では、行くぞ。今回は警察で家の設計図を貰ってある。送っておいたからその裏口から入る。」

「だがあいつらの見張りをどうかいくぐる?あの野郎は隙がない。おそらく裏口に見張りか監視カメラか何かしらはつけてるぞ。」

「だからまず俺が監視カメラを取り纏めている部屋に行って操作してくる。それからお前と黒柳で突撃しろ。だが人質を取り戻す前に白鴉みたいな実力者に出会ったら.....逃げろ。ここでくたばったら終いだ。」

「分かった.....敬一、お前も気をつけろよ。」

「分かってるよ.....こんなところでくたばってたまるかよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「それにしても....随分と複雑だな.....」

「それはそうだろ。簡単に作られていたら意味が無い。」

「監視カメラは.....ないみたいだな。」

「そのようだな.....だが、ここから地下に行くのは相当面倒だな.....」

「地下にいるのか.....」

「さっき所長を派遣してな。捜査協力やその他の関係についての話し合いという目的で出たんだ。だが問題なのは.....」

「所長の安全は保障されていない、さらに言えば.....」

「目的に気づいて警察に脅しをかけてくるかもな。あいつらの金はマスコミを操れる。つまり、バレたら終わりだ。」

「だがバレずに行くのは不可能だ。さすがに実験体をのさばらせるほど甘くないだろ。」

「だろうな.....こっちだ。」

「なぁ.....黒柳。」

「ん?どうした?」

「お前らの世代で一体何があったんだ?」

「私たちの世代?どういうことだ。」

「義父が言ってたんだけどさ.....元々義父とお前、城善寺のやつも皆同級生だし、そこで起きたいざこざに俺が巻き込まれたって.....」

「あいつ.....余計なことを.....」

「教えてくれないか?何があったのか。」

「.....この件が済んだら話す。それまでは待て。」

「分かった.....」

「今で8分32秒.....あいつが監視室を乗っ取るのが予定で10分.....あと1分半。」

「一応あのドアを通ったら地下に行けるのか。」

「そうだな.....」

 

 

 

 

 

 

 

「よし、行くぞ。」

「ああ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「よしっと.....覗き見とはいい度胸だな、白鴉。」

「一条、久しぶりだな。お前も学生の頃から変わってないようだな。」

「俺の妻を殺しておいてよくそうのうのうと出てこれたな。」

「妻.....?3年前のあの女か。あの女の血は量産型のようでつまらんかった。」

「なんだと.....!!」

「言っておくが一条、今俺はこの家に雇われている。貴様の血など価値が見当たらないが、ここで死んでもらう。」

「悪いが俺にはお前にくれてやる命なんか持ってねーよ。ここを出させてもらう。そして.....決着をつけようじゃねーか。」

「そうだな、貴様と自分、どちらが強いか決めようじゃないか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「見張りがいない、どういうことだ。」

「潜んでる可能性もない.....不気味だなこりゃ。」

「人質はあれか.....酷いな、これは。」

 

俺たちは人質を見つけることが出来た。だが.....あまりにもむごい。今は世の中で拷問が禁止されているが....これはまるで中世の拷問じゃないか。いや、それよりも酷い。椅子にも、腕のところにも棘、生命線になる主要部分だけ残し、それ以外を痛めつけ血を出している。本人も息こそしているものの、意識がない。いくら対応力の高い血を出させるためとはいえ.....これは酷すぎる。

 

 

「おい....脈自体はある。やはり血の力は侮れないな。」

「とりあえず....黒柳、この人を頼む。」

「お前はどうするつもりだ?」

「退路を見てくる。この人を安全に運ぶ為にも.....安全だけは見なきゃいけない。」

「わかった。だが騒ぎだけは起こすなよ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「てめぇ.....本当に血に適応したとはな.....」

「なんだその言い方は。一条はいいよな、そうやって才能に甘えて....俺はまずそんなものなかった。何も特別なものはない.....力を求めて何がいけない。」

「いけないんじゃねぇ.....道を踏み外すなって言ってんだ。どうして殺し屋になった?」

「君のような才能に甘えてる人間が反吐が出るくらい嫌いでね。特にそういうやつはルールを作る側にいる。だから殺す。個人的な血への興味もあるがな。」

「子供か.....話にならん。」

「珍しく話が一致したみたいだな。」

「ちっ.....あぶね!!!」

「なんの真似だ、城善寺!!」

「あら、協力したにも関わらず随分と傲慢なものいいね、白鴉。」

「ふざけるなよ、こいつは俺の獲物だ。血の最後の一滴まで俺のものだ。邪魔するんじゃねぇ!!!」

「2対1か.....くそが。」

「ちっ.....逃げられたか。」

「まぁ良い。そろそろあいつらも終わりだ。」

「何をするつもりだ?」

「社会的制裁よ.....私に楯突いたこと、死ぬほど後悔させてやる。」

「貴様の目的には興味はないが、あいつを殺せるなら今はまだ従おう。」




今日はバンドリの方も投稿したので.....字数は少ないですが許してください。


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#72 本当の宣戦布告

前回があまりにも短かったので......今回は長めに書きます。
余談なんですが、皆さんはラブライブ!シリーズのedって、1期と2期どっちが好きですか?僕はμ'sもAqoursも2期の方が好きです。


「誰も.....いないか。」

 

俺は退路の確認に来ている。あのおっちゃんのことだから抜かりはなさそうだ。ただ.....逃げるための移動手段が歩行なのか.....?怪我人もいるしな.....

 

 

「伊月、こっちには誰もいないか。」

「ああ.....特に潜んでもいない。かえって怪しいな.....あいつらのことだ。何かしら仕掛けてるのか.....?」

「あとは一条を待とう。ここは家から遠い。追っ手が来るまではある程度時間稼ぎはできる。その間に.....ちょっとでも応急処置をするか。」

「そうした方がいいな.....と言いたかったところだが、追っ手みたいだな。」

「.........」

「てめぇが何考えてるかは俺には分からんが.....それがお前の決断なんだな、透谷。」

「やれやれ.....やはりあなた相手ではこの程度のことではすぐバレますか.....伊月様。」

「なっ!?貴様.....」

「待て、黒柳。これは俺とこいつの問題だ。首つっこむなよ。」

「.........」

「お前が裏切るとは思ってなかったが.....城善寺が転入してから急に動きが目立つようになった.....」

「私は元々あなたに対して忠誠心など無かった。それにお嬢様が来ればその害になりうる存在を消しておくのは、私の役目ですから。」

「そんなこと知ってる。なんでまだ家に囚われているんだ。」

「当たり前です。それが私の生きる意味ですから。あなたにぐちぐち言われたくありませんね。」

「生きる意味、か。透谷家の掟は知ってるが.....あれでいいのか?」

「あなたの主観で決めないでいただきたい。私は今の役目に満足しているのです。さっきの言葉、そのまま返します。あなたこそ、復讐に囚われて黒獅子などをしていてなんとも感じないのですか?私は不可解だ。」

「さぁな.....確かに、心に傷がつくようなこともあったし、時には情に身を任せたこともあった.....だが俺はお前が考えてるような理由でやってねーよ。確かにそういう感情は抱くがな。」

「では何故やっているのですか?あなたは元々こちら側と関係のある世界には生まれていない.....」

「3年前にな、あの日.....目の前で皆が化け物に襲われて死んでいった日.......殺されかけた俺をある人が命をかけて庇ってくれたんだ.........それが、お前の兄だ。あいつも透谷と名乗っていたしな。」

「.......では、あなたは今まで裏切ると分かっていた者を傍に置いていた、ということですか.....」

「まぁ、そうなるな。そこは否定はしない。」

「これはあくまで確認なのですが.....私の兄、先代の透谷を殺したのは.......あなたで正しいですね?」

「.........あぁ。あいつを殺したのは.....俺だ。」

「そうですか.....あなたを殺す理由はそれで充分でしょう。あなたはこの家を敵に回した時点で負けなのですよ。あの日、大人しく私たちに捕まっておけばよかったものを.......」

「悪いが、あいつに助けられた命をそう簡単には捨てられないな。俺は生きなきゃ行けないんだ。あいつとの約束を果たす為に.....」

「殺しておいて随分と綺麗事を言うようですね。あなたはその人を殺したのですよ?都合よく話すのを辞めてもらいましょうか。」

「信じる、信じないは自由だが、俺はあの日起こったことを美化しようとはしない。だがな.......あいつの死をただの死にするなよ。それは.....俺は許さない。」

「兄は立派だった。私の目標のようなものでもあった.....顔色を変えずに標的を殺し、私たちのような下の者には優しかった.....だがあの兄はもういない。私の憧れていた兄は.....どこかの誰かの手で殺された。その誰かがあなたなのです。」

「話し合う気はないか........」

「では、死んで頂きます。」

「かかってこい。.......黒柳、その人を頼む。俺はこいつと戦う。」

「お前はどうするつもりだ?」

「義父が来るまで持ちこたえる.....頼んだぞ。」

「分かった.......必ず生きて帰ってこい。」

「会話とは随分と余裕ですな。」

「くっ.....速い。」

「今までのものが本気もでも思っていましたか?あなたの動きを2年近く観察したのです.....今の私はあなたの戦い方を全て知り尽くしている。」

「ちっ.....思うように動けねぇ。」

 

 

ボォン!!!

 

「何事ですか.....?」

「ちっ.....まさか爆破するとはな.....」

「外の方が戦いやすい。家の中では窮屈だ。」

「人の家を簡単に爆破しないで.....まぁいいわ。今回は不問にするわ。」

「義父!!」

「伊月!!人質は解放出来たか!?」

「ああ!!黒柳が今運んでいる!!!」

「人質.....まさか!?」

「そうさ.....今回の目標はお前らじゃねぇ。人質だ。てめぇらが裏で金稼ぎする為に犠牲になっていた人間をな!!」

「ちっ.....何故その情報が外に......」

「そんなことはどうだっていい。今はお前を殺す。」

「くそ.....さっきのナイフ、毒を塗ってあったな.....体が動きにくい。」

「普通この毒は動物ならイチコロなんだが.....お前は規格外のようだな。まぁいい。じわじわ追い詰める。」

「義父!!危ない!!!」

「くそ、来んじゃねえ!!」

 

パァン!!!

 

「.....,....!?」

「ぐっ.....」

「義父.....おい!!しっかりしろよ!!!」

「今のうちに2人とも殺しなさい。」

「勿論だ。こいつらには恨みがある。この前は同郷のよしみで見逃してやったが.....今回は殺させてもらう。」

 

 

「くそ.......こうなったら.....」

 

俺はあるボタンを押した。これで逃げるしかない.......!!!

 

「おい、ガキ!!乗りやがれ!!!」

「済まない!!義父を.....頼む!!!」

「何言うとんねん!!お前も乗るんや!!!」

「だが.....俺は決着をつけなきゃいけない!!」

「この状況でそれができると思うとるんか!!このアホが!!!」

「ちっ.....なら......」

 

 

 

「俺は戦う!!!俺自身の復讐としてではなく、お前らに縛りつけられた人達を.....罪のないひとを救う為に.....俺はお前たちを倒す!!!誰も.....失わせはしない!!!」

 

「はよのれ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「逃げられましたね、追いますか?」

「今はいいわ。ともかく.....爆破した壁を直して何事も無かったようにするのよ。後はアンプルが無事か最優先で確認して。もし壊されていたら.....マスコミを買収してあいつらをする追い詰める。」

「承知しました.....当主様。」

「あと.....裏切り者を炙り出すわ。あいつらに嗅がれるようになった禍根を絶やすわ。」

「はっ.....お任せを.....」

「つまらない。あと1歩で殺せたものを.....」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ピッ.....ピッ.....

 

「一条さん、どうぞ。」

「.....はい。」

「あなたのお父さんの容態ですが....大変危険です。銃弾で体が貫通している上に、そうとう強力な毒のせいで体の機能が上手く働いていません。今は生と死の境目にいます.....我々もベストを尽くします。」

「ありがとう.....ございます。」

 

 

 

 

 

「敬一.....」

「.........くそが!!!!!」

「おい、ここは病院だぞ。壁を殴るな。」

「.....すまない。俺は.....また、また自分の無力さで他人を巻き込んだ。くそ.....俺には誰も守れないのか.......」

「.......今はお互い落ち着こう。私も、今は心の中が渦のようになっている。怒り、哀しみ、混乱......とてもまともではいられない。」

「.....それは俺もだ。」

「私は現場近くを見てくる。後処理をしなければいけないのでな.......」

「分かった。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺は夜の闇の中を歩いている。正直何から考えていいかすら分からない。仲間だった透谷は裏切った.....予想出来ていたとはいえ苦しいものだな。そして...白鴉と城善寺は繋がっている。白鴉は血を取り込んで適応。親父は重症を負い.....死にかけ。きっと皆また離れるんだろうなぁ.....裏切りを見抜けなかったこと、また守れなかったこと.......部下たちは分からないが、μ'sのやつらは.....どうだろうな。だけど.....

 

 

「本当に俺には居場所なんてないんだな.........無力な俺に現実を示す.....」

 

 

 

「あれ?一条さんじゃないですか。.....どうしたんですか!?その血しぶき。」

「先生.....なんでもないよ。」

「なんでもないわけないじゃないですか!!!」

「......今はほっておいてくれ。」

「だめです!!今1人にしたら大変なことになりそうですし!!!」

「.....あっそ。」

 

 

 

 

 

 

 

「だからって家までついてくるのか.....」

「一条さんとは改めてお話しておきたかったので。.....それで何があったのですか?」

「ちょっとした喧嘩ですよ。」

「嘘、ですよね?」

「.....あ?」

「君の目が普段に比べて光がありません.....まるでなにか大きな物を失ったかのように.....話してください。私は.....あなたが打ち明けてくれるのを待ちます。いつまでも.....これでも信じられないかな?」

「先生なら.....いや、またあんな.......」

「安心してください....あなたに何か暗い過去があっても.....あなたがそれで今も葛藤していたとしても.....私は『今』のあなたを見ます。生まれとかは関係ありません。私が見ているのは一条伊月という1人の子供ですから。」

「...........」

「この前話したと思うけどね.....私も1度大切な人を、父を失ったことがあるの。だから....少しは力になれるんじゃないかな?」

「先生はいいじゃないですか.....支えてくれる人がいたんだから.....俺にはいない。全てをうち開ければ誰も、俺と関わろうとはしないんだ。」

「君にだって支えてくれる人が、人達がいるじゃないですか?」

「あいつらは.....分からない。あいつらは裏切るのか.......あの時の野郎共みたいに。.....ぐっ!!」

 

 

俺は3年前を思い出した。あの時.....誰一人助けてくれなかった。それどころか死にかけの俺をサンドバッグのように蹴ったり殴ったり.....見世物のようにゴミ扱いされ、皆俺を嘲笑った。.....あいつらがそんな悪い奴らじゃないくらいわかっている.....だけど.......

 

 

「俺は....俺は.......」

「私に話して欲しい.....私は君じゃない。君の過去だって分からないし、同じ気持ちなれるとも限らない.....でもね、私は、君の気持ちを知らないままただ君を諭したくはないんだ.....だって、それは結局言われた側を傷つけることになるんだから.....話して欲しい。私は、君を傷つけたくない.....」

「先生は.......先生はどう思いますか?目の前にありえないくらいの再生力を誇る人がいたら.......」

「.......だいたい分かったよ。君のことが。君は.....神山町の出身なんだね。あの、3年前の事件の生き残り.....」

「.........どうですか?気持ち悪い、忌々しいとでも思いましたか?」

「何故私がそう思わなきゃいけないの.......たとえ君が誰であろうと君は君だよ。それ以上でもそれ以下でもない。君は.....たとえ君が忌み子と揶揄されていた子だとしても.....私の1人の生徒。そして.....μ'sのみんなにとって大切な人。それが.....私から見た君だよ。」

「....先生はどうして.....そう、思えるんですか....?俺は.....そんなに人を信じることが出来ない.....」

 

 

 

「どうして.....か。難しい質問だね。私は.......人に裏切られた経験があるから、かな。」

「.......は?」

「そういう反応にはなるよね.....人を信じるってね、本当に難しいんだ。世間じゃ信じ合うことが大切だってよく言われてるけど.......それは彼らの価値観が似ているという条件下にいるのと、あくまで裏切らない=信じるって価値観が作られてるんだよね.....だからさ、普通に生きてる人は疑うことを知らないんだ.....そして、信じることも。でも.....一度裏切られて人との関係を目の当たりにした人は.....人を本当に信じることの難しさを学ぶんだ。私だってお父さんが死んだ後にお母さんから酷い仕打ちを沢山受けたし.....今の君と少し似ているのかな?でもね.....だからこそ悩んで苦しんで.....初めて本当の意味で人を信じることができるんだ。だからこそ私は.....人を信じることが出来る。....それと同時に逆のことも分かっている。君は今その真ん中にいるのかな.....?断定は出来ないけどね。」

「..........」

「今すぐ人を信じろとは言わないよ。君が人を信じたいという想いが君を動かすまでは、沢山悩んで、苦しんで。それでも辛かったら.....先生や皆がいるから.....きっと、君のことを救ってくれるからさ....信じてみなよ、μ'sの皆を。君なら.....絶対に間違わないと思うから.....」

「先生.....」

「話しすぎちゃったかな?じゃあ私は帰るよ。優花もいるし多分安心だよ。」

「はい....ありがとうございました。」

「うん.....頑張ってね、一条さん。」

 




今回の話の中に、僕の好きなAJISAIの曲の歌詞を入れてみました。もし暇だったら探して下さい。ここからかなりシリアスが続くので、そういうことやってないと読む度に気が重くなりますからね.....
まぁ小説の雰囲気を楽しみたいという人は、これは無視してください。


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#73 大人たちの思い

アニメとオリジナルを繋げたらいいなぁと思いつつこの回を書いています。リアルが忙しすぎて、頭が痛いです......
スノハレが聴きたくなる季節になりましたね.......
オリキャラが出ます、少しアニメというか公式設定とズレるかもしれません。そこはお許しを。


「やっほ、優花。仕事中?」

「あれ?百合子じゃん、待ってね。今ちょっと帰る準備してるから!!」

「うん、焦らないでね。」

 

 

「ごめんごめん、待たせた?」

「少し待ったかな?」

「うう.....そこは待ってないよって返してよぉ.....」

「気の利いた返事は出来ないんだ.....それで、どうなの?そっちは?」

「うん.....今は本当に事態が複雑で、捜査するのも一苦労なんだ。一応これはまだ一般公開されてないから、さすがに捜査情報は話せないよ。」

「うん、別にそれはいいの。仕事だから.....でも今回は、一条さんが心配なんです。」

「伊月くん?あぁ.....確かに今は辛いね。」

「私も担任として何か力になってあげたいんだけど.....どうしたらいいかな?」

「それは百合子が考えて決めなよ。伊月くんは、優しい人だから先生が出した答えをすぐ否定するようなことは絶対にしないよ。」

「優しい.....か。手を伸ばす優しさと受け入れる優しさ.....私は今それで悩んでるんだ。一条さんが何があって悩んでるかは私には分からない。でも.....ただただ手を伸ばしてあげるだけだったら.....一条さんはどうなるのかって。あの子に限って無いと思うけど手を伸ばしてくれるまで何もしないってことにはなって欲しくないから.....」

「優しさの形は人それぞれだよ、百合子。でもさ.....伊月くんなら受け入れてあげる準備をして、あっちが話してくれるまで待ったらいいんじゃないかな?伊月くんも今悩んでいるし.....何より心の傷が深い.....μ'sの皆ならあの子を受け入れてくれるし百合子がいたら.....心ない大人たちの代わりになってくれると思ってるよ。」

「うん.....少し考えてみるよ。」

「私はそんなメンタルケアが出来るほど器用な質じゃないからさ.....せめても、伊月くんの為に1つでも多くの情報を手に入れたり、捜査しなきゃって.....任せたよ、百合子。」

「私にどこまでできるかは分からないけど.....やってみるよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「.........」

私は今、病棟にいる。敬一の手術は一応終わって、今は体調が回復するまでは経過観察だそうだ.....

 

「なぁ、敬一。お前が伊月との関係を話したことはすぐに分かったよ。伊月はあのことを知ったんだな.....白鴉や城善寺が動き出すのはあまり時間がかからないだろう。それまでには.....治ってくれよ。」

「黒柳さん.....」

「?.....南さんか。連絡が来たのか。」

「はい、商さんに電話を貰って....先輩、大丈夫なのですか?」

「今はまだそうとは言いきれない。生と死の境目を今はさまよっている。それに.....伊月は自分と敬一が血の繋がっていない家族だということを知ったみたいだ。恐らく.....敬一が話したんだろうな。」

「そうですか.....」

 

「南さん.....恐らくあいつらの標的はおそらく音ノ木坂学院だ。間違いなく、伊月の場所を奪うように動くはずだ。」

「でも、あの人の娘さんがいるのよ。!そんなに上手くいくかしら?」

「分からない.....だが、あの女は娘を道具としか思っていない。おそらくは.....娘もろともやるかもしれないな。学校を救う為にμ'sの人達と縁を切って学校を去るか.....残って学校の無関係の人達を巻き込んで怪我をさせるか.....伊月にとって辛い選択を迫るだろうな.....」

「可能な限り私も動きますが.....」

「私たちも可能な限り阻止する。だが.....万全とは言えないだろうなぁ.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

絵里side

 

私たちは、にこにサプライズライブをした。にこは今まで『スーパーアイドル矢澤にこ』として生きてきて、家族もそれを信じている。だから私たちはその尊敬を壊さないように、にこがセンターで私たちがバックダンサーのライブ『矢澤にこ引退ライブ』を開いた。これで、にこは『スーパーアイドルの矢澤にこ』から『μ'sの矢澤にこ』になった。これを思いついた穂乃果たちは本当に頭が良いわ.......でも

 

 

「伊月くん、何かあったのかなぁ.....?今日は来てなかったし.....」

「さぁ.....先生も話してくれなかったし.....何かあったんでしょうね。」

「やはり気になるわね.....」

 

 

そう、私たちμ'sの一番の問題は、伊月のことである。那月はいざこざに巻き込まれてまだ復帰していない。伊月も最近は雰囲気が怖いし、気のせいか私たちを避けている節がある。

 

 

「私たちは.....伊月のお荷物になっているのでしょうか.....?」

「海未ちゃん?それどういうこと?」

「いえ.....私たちは何かとトラブルに巻き込まれた時に那月や伊月に助けて貰っている.....伊月も当然色々あるのですから、自分の身すら守れない私たちのことを邪魔だと思っているかも知れません.....そんなことないと信じたいのですが.....」

「伊月くんはそんなこと絶対に思わないにゃー!!!」

「それもそうね.....そう思うならもっと露骨に避けるわよ。あいつ、秘密を隠すのは上手くても感情を隠すのは下手だから。私たち1年生が保障するわ。」

「それでも.....伊月くんには余計な心配はかけたくないよね.....」

「そうやね.....でも、どうしたらええんやろ........うちらが伊月くんと一緒に戦えたらええねんけど.....そんなことは実現不可能や。」

「それはそうでしょうね。一条の運動神経は異常よ。あいつと張り合う連中がたくさんいるのなら、私たちが来る方が尚更足でまといね。」

「なら.....教わりに行こうよ。」

「穂乃果.....誰に習うの?」

「警察に1人、伊月くんのお父さんの友人がいて、すごく強いんだって。その人なら.....教えてくれるかもしれない。」

「今は少しでもその可能性にかけたほうが.....いいかもしれません.....」

「花陽の言う通りね。私たちも最低限身を守れないと.....伊月には余計な心配はかけたくないし、それに.....何より伊月の隣に立つためにはそれが必須よ。」

「じゃあ、警察署に行こうか。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

警察署

 

「黒柳さん、呼ばれてますよ。」

「.....すまない。誰だ?」

「えっと.....可愛らしい高校生です。」

「那月か.....いやまだ伊月からは何も聞いていない.....」

 

 

 

「えっとぉ.....こんにちは.....高坂穂乃果です。伊月くんの仲間です。」

「μ'sか。敬一から色々聞いているよ。伊月や橘がお世話になっているな。.....仕事中で悪いんだが、東條希さん、サインをくれないかな...?」

「え?うちですか?」

「ああ。私も敬一に勧められて聞いたのだかはまってしまってね.....特に東條さんが好きなんだ。」

「それはいいんですけど.....」

「さて、用件を聞こう。わるいが橘は今外回りに出ているから帰るのは夜になる。」

「えっとそうじゃなくて.....」

「私たちに、護身術か何かを教えてください!!これ以上.....伊月の足でまといになりたくないんです!!」

「真姫ちゃん.....」

「悪いが断らせてもらう。」

「何故ですか!?」

「君たちの決断はいい物だと思う.....だがな、伊月は君たちにそんな危険な目にあって欲しいと思っているのか?そんな護身術が必須な世界に来ることを望んでいるのか?それはないだろう。伊月の足でまとい以前に伊月のことを本当に思っているならあいつと距離を置くのがベストだ。」

「それは.....したくないんです。」

「その気持ちが理解出来ない訳では無い。君たちは伊月を仲間とみなした初めての人達だ。あいつも君たちのことは大切に思っているだろう。でもだからこそ、安全に暮らしてほしいんじゃないか?私たちもなるべく君たちがそういうのに巻き込まれないようにはする。これじゃダメなのか.....?」

「それはダメです。絶対に。」

「海未ちゃん!?」

 

「黒柳さん、あなたの言い分はごもっともですし、ひとつも間違いはありません。ですが、納得出来ないことがあるんです。もし私たちが離れたら.....伊月はまた元に戻るのかもしれないのですよ。彼は合宿で私に言ってくれました、支えたい誰かの為にと思えば前に進めると.......私たちは仲間を救いたいんです。伊月にどんな過去があったかは分かりません。ですが、私たちμ'sは伊月を仲間に誘った時から誰一人として伊月と離れたくない、伊月のことを助けてあげたい、そう思って皆過ごしてきました。それにお姉さんも何かのトラブルに巻き込まれたみたいですし.....だから私は彼を、伊月を支えたい。だから私たちには身を守る術が必要なんです。」

「ことりだって....伊月くんにも、お母さんにももうこれ以上迷惑をかけたくない!!もう守られることりは卒業したいんです!!戦えなくてもいい.....せめて自分の身さえ守れれば.....」

「.....お願いします!!!伊月くんの力にならせてください!!!」

 

『お願いします!!』

 

「大した度胸持っとるやんけ、お嬢さん達。あの黒柳に意見するとはな。いいもん見せてもろたわ。」

「商か.....なぜここに。」

「警察から頼まれてたブツを持ってきたんや。お前んとこに話がいってないんか?」

「ああ....今日は お前が来るとは聞いてなかった。」

「教えたりーな、黒柳。この子達の覚悟は半端じゃない。この目は本物や.....」

「だがそれでは.....」

「ごちゃごちゃやかましいねん!!!お前だって分かっとるやろ!?この状況でどうすべきか。この子達はこの子達の道を決めたんや。大人なら子供の決めた道を見守ってサポートしてやるのが常識やろ!!」

「お前は分かっていないんだ!!!それで伊月がどんな思いをするかをな!!!」

「そんなもんこれ読めば分かるやろ!!」

「.....これは?」

「伊月がμ'sとお前に渡して欲しいっちゅう手紙や。」

 

 

 

黒柳へ

もし皆が何か戦う術を求めてきたら.....教えてやって欲しい。μ'sの皆は俺が作った基礎トレーニングを毎日こなしている。だから会得しても半端では終わらないと思う。もし俺が命を落とすようなことがあったら.....頼んだぞ。

 

 

 

「これでもまだごねるんか?」

「いや、あいつがそれを望むのなら.....分かった。教えよう。さっきまで厳しく接してしまってすまない。だが私は訓練を甘くはしない。それでもいいんだな?」

 

『はい!!!ありがとうございます!!』

 

「ほな、わいは仕事したから帰るわ。」

「渡すものって....」

「おう、これのことや。ほな。」

「あっ、待って!!」

「希、どこ行くのよ!?」

 

 

 

 

 

 

「待ってや.....お父さん。お父さんやろ?」

「.......人違いや。わしは結婚しとらん。」

「そんなん嘘や!!その目、その喋り方.....娘が父親のことに気づかないと思うん.....?舐めるのも大概にして!!」

「.......悪いな、希。」

「.......え?」

「いや、なんでもない。とにかく!!さっさと戻ってあいつの訓練受けい!!」

「うん、分かった......」

 

 

 

 

 

「希、すまんな。今はまだお前と家族として接する資格がないんや......」




虹ヶ咲学園のアニメ化、おめでとうございます!!!タイトルなんなんだろう.......ラブライブの曲って歌詞が別作品と繋がってるからすごくすきなんですよね。(例えば、sunny day song→僕たちはひとつの光→MOMENT RING→Step zero to one、BrightestMelody→TOKIMEKI Runnersみたいの感じ)


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#74 女の子

これは二次創作だ.....これは二次創作だ.....オリジナルではない.....
短いです、すみません。時間がある時はちゃんと長いやつ出します。


「どうしたものか.....」

俺はどうするか悩んでいる。まだ肉体的にも精神的にも回復したとは言えない状態だ。だが.....俺は学生だ、しかも高校生。よって出席日数というものが存在している。それを満たせなければまず成績以前に留年にされる。さすがにそうなったら義父には迷惑がかかるし.....行くか。

 

 

 

「あれ!?伊月くん来たんだ!!今までどこいってたの!?」

「悪いな、凛。俺にも色々あってな.....」

「もう.....皆心配してたんだよ。」

「でも、無事で良かった.......」

「そうでもないでしょ。確かに身体は大丈夫そうだけど.....あなた、心の状態はどうなの?」

「あんまり良いとは言えないな.....」

「そう.....なら落ち着くまで待つわ。」

「そうしてもらえたら有難いんだが.....いつまでもお前らのお荷物になるのは嫌だからな...なんとかするよ。」

「そうですか.....無理しないでくださいね。」

「ありがとう.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「修学旅行?」

「はい、私たち2年生が明日から修学旅行で.....数日帰ってきません。」

「それなら、週末のイベントはどうするの?」

「それなんだけど.......」

「穂乃果たち、そのイベントの前日の夜に帰って来る予定だから、翌日のイベント参加するよ!!!」

「待って、練習とかはどうするつもりなのよ?」

「あっちでやります。私がいますから、穂乃果がサボることもありませんし。」

「さすがにサボらないよ!?」

「だが、そういうのだったら少しくらい練習のことを置いといてもいいんじゃないのか.....?」

「それじゃダメです。AーRISEや他のグループに勝つためにはその位の覚悟でなくては.....」

「さいですか.......」

 

 

 

 

 

 

「それで、その後の練習は誰が仕切るんだ?」

「伊月くん、それどういうこと?」

「まぁ、練習云々もあるんだが.....それ以前にこの3人が生徒会であることもあるんですよ。つまり生徒会長も含め、学校における重要役職がいなくなるんだから代役が必要だ.....つまり、それは確実に3年生にまわってくる。具体的に言えば絵里と希.....だな。俺が仮にサポートに回ったとしたら.....普段練習を見ている海未も、絵里も、俺もいなくなる。どういうことか.....分かるな?」

「あっそっか.....」

「そこら辺の話は残った人でお願いします。私たちがとやかく言うことではないでしょうし、あと半年くらいで.....あなた達1年生が中心となるのですから。」

「海未ちゃん.......」

「その話はまた今度でいいだろ。とにかくだ、俺は生徒会のサポートに入る。だからお前ら中心で練習に取り組んでくれ。」

「分かったにゃ!!」

「うん....心配だけど、頑張るよ。」

「でも不安ね。私たちの中には穂乃果や絵里みたいなリーダーシップを持った人がいないもの。」

「なら.....俺は凛を勧める。」

「え.......えぇぇぇぇぇ!?なんで!?」

「お前は周りのことを本当に見ている.....それが理由だ。確かに穂乃果や絵里みたいなリーダーシップは持ち合わせてないけどな。ただ....リーダーシップの形はひとつじゃない。それを見て欲しい。俺の個人的な我儘みたいなもんだ。」

「うう.....凛には向かないよぉ.....」

「物は試しだ.....やるかどうかはお前らで決めてくれ。俺はステージに出る訳じゃないし、何より.....来年にはここにはいないかもしれないしな。」

「え?それってどういう....」

「.....悪い、なんでもない。とりあえず現状がどうなのかは教えてくれ。」

「そうね、私たちは先に行くわ。」

 

 

 

 

 

 

「伊月.....あなた.....」

「俺に来年があるかなんて分からねぇよ。それにまず俺はあくまでテスト生。存続が確定した今、俺の存在は本当に必要なのかは分からない。仮に理事長がどう判断しようと、生徒が署名とかしてきたらさすがに無視は出来ない。それに俺は世間じゃ嫌われ者。誰も味方なんていないのさ。」

「私はそっちの意味を聞きたいわけじゃないの。あなた.....まさか、自分を犠牲に、と思っているの??私はそれが気になるのよ.....」

「絵里ち.....」

 

「あなたが今どんな状況に置かれているかは分からないし、あなたの過去も知らない.....でも、あなたは自然と私たちと距離を開けているように見える。.......私たちは『それ』が本当に嫌なの。あなたのことを何も知らないのに.....何故か距離をあけられて.....それが嫌で仕方がないの。私たちはあなたの隣に立って戦うことは出来ない.....けど、あなたの力になりたい。なれなくてもあなたを支えたい。あなたが人を信じにくいのは知ってる。でもだからこそ、私たちを.......いいえ、なんでもないわ。」

「そうか.....」

「それよりも、あなたが凛を勧めたのは結構驚いたわ。」

「そうか?俺は普通に考えただけなんだけどな。」

「せやね、うちはてっきり真姫ちゃんに任せると思ってたよ。」

「いや、真姫はリーダーというよりかは参謀みたいな感じのほうがいいんだよな.....前に出るよりかは誰かのサポートや助言の方が向いてると思う。で、お前らは誰に任せるつもりだったんだ?」

「私は、全員で協力してってことにしようかと思ってたわ。でも1年生だけではないし、にこもいるなら安心ね。さて、仕事しましょうか。伊月、ちょっと職員室行って鍵かりてきてくれる?」

「あ、分かった。先に行っててくれ。」

 

 

 

 

 

 

「絵里ち....さっきのって....」

「紛れもない私の気持ちよ、希だって思う節はあるでしょ?」

「そうやね.....でも伊月くんって前に比べて感情を出しやすくなってるよね。」

「それはそうね。比較的感情豊かになったわね。」

「でも.....私たちは伊月の過去が知りたい。どうしたらいいのかしら?」

「それは伊月くんがうち達に心を開くのを待つだけやね。」

「それもそうかしら.....本当に、卒業のことといい悩むことがたくさんあるわね。」

 




リアルが忙しすぎる.....前まで昼前に出せてたのに今じゃ夜中.....大変だ。


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#75 新体制?

クリスマスのイベントやってましたね。一応全員分やりました。皆メッセージが可愛いんですよね.......ぼっち確定のクリスマスなので、街頭のリア充を見ると道に広がるなって思いますね。


「1、2、3、4.....」

「凛、少しリズムが崩れてるわよ。」

「あ、ごめん......」

「凛、さっきの振り付けなのだけれどもっとこうしたらいいと思うのよ。」

「いいえ、あの振り付けはあのままでいいわよ。そこを複雑にすると余計に面倒くさくなるのよ。」

「何よ?」

「お、落ち着いてください.......」

『凛、どう思う!?』

 

「え、勘弁してほしいにゃーー!!!」

 

「あ、行っちゃった.....」

「やっぱりリーダーは難しいわね、穂乃果や絵里がどれだけ凄いかが改めてよく分かるわ。」

「そもそも、にこちゃんが何か言わなければ良かったでしょ!?」

「何よ、思いついたから言ったのよ!!何か悪い!?」

「だから.....落ち着いて.......」

「おいおい、何を揉めてるんだよ。」

「あ、一条くん、助けて!!!」 ギュッ

「はいはい落ち着いて.....で何があったんだ?」

「ちょっとした言い合いよ.....凛には少し負担が大きいかもね。あなた、なんで凛を勧めたの?」

 

「理由おいうか、凛には自信をつけて欲しかったんだ。あいつなんか知らないけど.....自分にコンプレックスを感じているように感じたんだ。それに時々自分には不釣り合いだとか言うこともあったし.....ここれを機に自分のコンプレックスを乗り越えてほしいなって.....まぁ過去に囚われている俺が言うのも全く説得力がないんだけどな。」

 

「伊月....あなたの過去って一体何なの?私は気になって仕方がない。」

「それはにこも同じね。あんたには色々助けられてるし、それなのにあんたのことを全く知らないなんていうのはおかしいわ。」

「俺の過去なんかどうだっていいさ。今はな.....」

「そう.....まぁいいわ。私たちはあなたから話してくれるまでは待つわ。だから.....いつかは来てね。」

「ああ.....分かったよ。」

「さて、時間も来たことだし今日は帰りましょ。屋上の鍵はにこが返しておくからあんた達はさっさと行きなさい。」

「悪いな、ありがとう。」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「.......それで、用事って何よ。」

「うちらで話し合わんといけないことがあるやろ?その事や.....」

「私たちが卒業した後に.....μ'sにどうして欲しいか。私たちの意見を一致させたいの。」

「それは.....にこ達が決めることじゃないでしょ。それは残るあの子たちが決めること。私たちがとやかく言うのは野暮じゃないの?」

「それはそうやね.....でも、『うち達』のμ'sはどうするの?」

「.......そっちか。」

「ええ、私たち11人のμ's.....半年もしない内に私たちと那月は卒業する。それに伊月だって来年いるかは分からない.....そしたら実質6人しか残らなくなる。μ'sをどうするか.....難しいわね。」

 

 

 

 

 

 

 

「あの.....一条くん。」

「ん?どうした、花陽。」

「その.....凛ちゃんのことはあんまり責めないであげてね。凛ちゃん昔ちょっとしたトラウマというかコンプレックスがあるんだ。」

「トラウマ?何かあったのか?」

「凛ちゃんはね、昔は今みたいに恥ずかしがってた訳でもなくて、小学校の頃はミニスカートを履いてたりしてたんだ。でも.....」

「でも?」

 

「男の子達が凛ちゃんを馬鹿にしてね。女の子っぽくないくせにそんなもの履くなって。凛ちゃん、男の子よりも運動が出来たし、今でもショートヘアだから.....小学生の男の子が思っている女の子とは離れてたから.....そういう心ない言葉のせいで凛ちゃんはそれ以来スカートを履いてこなくなったし、女の子らしいアクセサリーすらしなくなったんだ.....」

 

「そういうことか.....反動形成じゃないのか?よく言うだろ?自分たちが可愛いとか好きだなって思う人に対していじわるな態度を取る傾向がある、それだと思うけどな.....だが、受け取る側も子供だからか.....案外根強い過去だな。でも、じゃあなんでアイドルをしているんだ?アイドルとかって女の子のスターみたいな存在だから、そういのにはコンプレックスは感じないのか.....?」

 

「凛ちゃんは私の為にスクールアイドルになったんです。私1人じゃ心配だからって。でも.....最近の凛ちゃんは楽しそうで、そういうのを気にしなくなったなって.....でもやっぱり気にしてるみたいで.....」

 

「それも含めてどうにかしないとな.....あいつのポテンシャルをその過去で潰されるのはあれだしな.....」

「一条くん.......なんとかならないかな?」

「だから今回のライブは.....あいつ中心でやるべきだと思う。人を纏めるのは本当にしんどいだろう。そこら辺は花陽達が察して動いてやってくれ。凛のコンプレックスの部分は俺ができる限りなんとかしよう。たが.....俺の言葉だけじゃ足りない。花陽たちも凛の背中を押してやってくれ。」

「う、うん.......頑張るよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おかえり、伊月。」

「.......え?」

「どうしたの?お姉ちゃんが復活したって言うのに.....嬉しくて言葉が出ないの?」

「お前.....その髪色.....」

「あぁ.....これね。私、対応出来たみたいなんだ。だから伊月とお揃いだね、えへへ.....」

「.......なんでだよ、」

「え?」

 

「その血を持つことがどういうことか分かっているのか?えへへなんて悠長な事言ってる場合じゃねぇぞ。これのせいでお前はこれまでよりも更に狙われやすくなるんだ。髪だからまだマシかもしれないが.....あいつらからしたら摘み取らなきゃいけないものだ。お前はあいつらに自分は無事だって言えるか?その血が何を意味するか知らないわけじゃないだろ.....?」

「.......大丈夫だよ。」

「大丈夫なわけないだろ!!!馬鹿なのか!!!」

「大丈夫だよ.....私、もっと強くなるから!!!」

「なんでお前までこっちに入ってくるんだよ!!!こんな争いの犠牲は俺1人で充分だ。お前らは明るい世界で生きてりゃいいんだよ。疑うことを知らない綺麗な信頼関係を結べる世界で.....」

「そっちこそ....ふざけないでよ!!!」

「あ.....?」

 

「犠牲は俺1人で充分?何言ってるの.....?この世の中の人は伊月が犠牲になることを望んでいるの?全員が伊月が犠牲になるのを平気で見てられるの?そんなわけないでしょ!!!私だって.....μ'sの皆だって伊月が傷ついて楽しいなんて思う人は誰一人いないよ!!!」

「そういうことじゃねぇんだよ。犠牲を増やすか、最小限に留めるか、どっちが現実的かって話だ。人間っていう生物はそうだ。常に集団の中で嫌われたりしている奴に傷を負わせてそいつを排除する。そうやって社会を回してきているんだ。だから.....今回だってそうだ。俺は犠牲になるかもしれない.....だが世の中からしたらただの不良が消えるだけだ。それでいいじゃねぇか.....それであいつらが助かるなら.....俺はそれでいい。」

「伊月の.....バカ!!!!伊月が良くても私たちはダメ!!!本当にあの子たちのことを想ってるなら.....生きてよ。生きて皆を守ってよ!!!いや....私たちと一緒にいてよ。もしそれを世間が認めないなら.....私は戦う。そんな理不尽な現実と。たとえ誰を敵に回しても.....私たちは君と一緒にいたい。誰よりも優しい心を持つあなたと戦いたい。.....ごめんね、柄にもないこと言って.....」

「なんでお前らは.....嘘や偽善でまみれて汚れている俺に....そこまでしてくれるんだ.....俺には分からない。お前らが『関わってあげてる自分優しい』とかそういう奴らじゃない.....何のつもりなんだ.....」

「うーん、それは愚問だよ。」

 

 

 

「私も.....μ'sの皆もきっと優しい君が好きだから.....力になってあげたいんだよ.....こんな答えじゃ満足しない.....?」




aviutlの操作方法を学んでいます。これやってるとyoutuberの方々が大変かが分かります。それと同時にリアルが忙しい中殆ど毎日内容の濃い作品を投稿している他の作者さんが凄いなーと思う日々です。


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#76 自分らしい

昨日忙しくて投稿でしませんでした.....なので今日2本投稿します。


翌朝

「那月、お前学校どうするつもりなんだ?」

「私もまだ意識が戻ってから1日経ってないから少し様子見しようかな?だから今日と明日は休むよ。」

「そうか、気をつけろよ。」

 

 

 

 

「伊月も.....そろそろ心を開いてくれないかな.....まぁそこは私たち次第だよねぇ.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後

 

「.....え?台風?」

「そうなんです。もし台風が天気予報通りに来てしまったら、私たちは週末のイベントに参加できないんです。そのことを絵里や皆に言っておいてくれませんか?」

「わかった.....そっちも少しくらいは楽しめよ。」

「はい、お気遣いありがとうございます。」

 

 

 

「こっちはプールに来てるなんて言えないよな.....」

「わざわざプールに来る必要ないでしょ!?」

「何で!?穂乃果ちゃん達だけずるいにゃ!!だから凛達も少しは楽しまないと!!」

「いや、練習しろよ。」

「そ、そうだよ.....凛ちゃん.....」

「とりあえず真姫ちゃんもかよちんも入るにゃ!!」

「ちょ!?押さないでよ!?」

「あ、あわわ!!!」

 

「ったく、.....まぁ息抜きとしては充分か。」

 

ピリピリ

 

「はい、もしもし.....絵里か。どうかしたのか?」

「週末のライブの件なのだけれど、2年生の件は聞いたでしょ?」

「ああ.....それで、代理のことか?」

「そうね。でも今回は...1年生の誰かに任せたいの。一年後はきっとあなた達が主導になるから、今回もし2年生が帰って来れなくなったら.....その時は頼むわね。」

「あの、それメンバーのチャットで言わないんだ?なんで穂乃果といい俺に言うんだ?」

「あなたはサポーターだからね。私たちの仲間だけど、ステージに立たない。ならそれ以外の役割も果たしてもらいたいの。那月が戻るまではそういうことは伊月に任せるわ。これでいいかしら?」

「分かったよ.....じゃあな。」

 

 

 

「一条くん、何かあったの?」

「ん?ちょっと週末のライブでな....2年生の旅行先に台風が来るかもしれないからさ、その時の代理のセンターをたてるならどうするかってことで.....3年生が1年生の誰かにセンターを任せたいんだってさ。」

「それで、それって確定なの?」

「修学旅行先の天気によるが、直撃したら間違いなくそうなるだろうな。」

「じゃあそのセンターどうするの?」

 

「さぁ.....俺らの間で話し合うことになるけど.....どうする?」

「私はパスね。今回のライブの趣旨と私は合わないわ。」

「今回のライブの趣旨って何なんだ?」

「今回は確か花嫁?だったと思います......」

「なるほどね。じゃあセンターの衣装はおそらく.....相当着飾ることになるのか。」

 

「凛は絶対に嫌だよ!?凛に女の子らしい衣装なんて似合わないもん.....」

 

「その決めつけはおかしいんじゃない?だってあなた、今までのライブでも色々な衣装着てきたでしょ?それにあなたにもファンがいるのよ。だからその考えはおかしいわね。」

 

「それはことの成り行きだよ!!それに衣装が似合うのは真姫ちゃんみたいなスタイルが良くて可愛い人だけだよ!!」

 

「私は可愛いには入らないわよ.....あなたのような人の方が多くの人に好かれると思うわよ。」

 

「それは嫌味なの!?」

 

「嫌味なわけないでしょ!?なんであなたの自己評価が世の中の評価になってるのよ!!少なくともあなたのことを女の子らしくないなんて言う人はいないわよ!!」

 

 

 

「あわわ.....また喧嘩だよぉ.......」

「まぁあれは可愛い喧嘩だしいいだろ。というか.....やっぱり幼少期のトラウマは根強いもんだな.....」

 

「伊月はどう思う?」

 

「え.....俺に聞く?俺からしたらお前ら2人ともどっちも可愛いけどな。」

 

「ちょ!?あなた.....!?」

「伊月くん.....それは違うよ.....」

「違うかよ、俺がお世辞を言うような人間に見えるか?」

「全く見えないわね。」

「断定速すぎだろ。まあいい。とりあえずセンター誰にするかの話題に戻るぞ、仕方ない.....満場一致で決まらないなら.....多数決でいくぞ。せーの.....凛だな。」

「理不尽だにゃ!?」

「じゃあ仮のセンター指名していいんじゃないか。」

「だったらかよちんにやってもらうよ!!」

「え.....えぇぇぇぇぇぇ!?」

「とりあえず決定でいいか.....おい、練習戻るぞ。いつまでプールにいるんだよ、」

「そうね....そろそろ帰りましょうか。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

病院

 

「敬一.....今日も寝たままか。」

 

「黒柳じゃねぇか。今日も来てたのか?」

「伊月か.....それと、那月か!?お前もう大丈夫なのか!?」

「はい!!一応様子見状態ですが、伊月の同行なら外出OKみたいなんで、来ました。お父さん.......」

「.......俺の力不足だ。」

「.......お父さんの状態はどうなんですか?」

「今はまだ昏睡状態だ。生きてこそいるが意識が戻るまではまだ安心できない状態だ。」

「そうなんだ.......」

「.......くっ!!」

「おい伊月!!どこにいくつもりだ!!那月、少しここにいてくれ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.........くそが。」

「ここにいたか.....どうしたんだ?」

「分かってて聞いてんのか?.....那月は、自分の本当の父親を、別の家の忌み子のような義理の息子を庇ってああなったんだ。それでその場にのうのうといられると思ってんのか。」

「お前......ふざけるな!!!那月がそんなこと思うわけないだろ!!」

「じゃあその確証がいったいどこにあるんだよ!!あいつは.....無理してんだ。俺に気を遣わせない為に心の中に闇抱えてるんだ。」

「それはそうだろうな、お前のことを本当の弟のように思ってるからな。だからこそその気持ちを踏みにじるようなことをするな!!お前の勝手な思い込みのせいで.....余計にあいつが苦しむんだ。それが分かってないのか!!!はっきり言って私も今はお前が少し憎い.....敬一は半ば強制でお前を育てることになったんだ。そのお前が.....お前のせいであいつは撃たれた。分かるか?親友が仕事上仕方なく引き取った人間のせいで命を失いかけたんだ.....」

 

 

「そうかよ............やっぱり信じることなんて間違いだ。お前らだって表面上上手くやって内心はいなくなってほしいと思っている。今回のことでよく分かった.....俺はもうお前らの目の前から消える。じゃあな、もう二度とお前らの目の前には現れない。もうたくさんだ.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ええ.....やっぱり無理なのね。」

「はい.....すみません。なのでイベントの方はお願いします。」

「分かったわ。私たち6人でなんとかするわ。海未達は修学旅行を楽しんできなさい。」

「はい.....ありがとうございます。あと、もうひとつ気がかりなのですか....」

「どうかしたの?」

「伊月に連絡できないんです.......電話でももう使われていないってことで。」

「そうなの.....」

 

 

「にゃぁ......」

「こ、これがセンターの衣装.....」

「随分と力が入っているわね。凛、良かったじゃない。」

「全然良くないよ!?こんなの.....凛には似合わないよぉ.....」

 

「ちょっといいかしら.....?」

「どうしたの絵里ちゃん?」

「最近伊月、学校に来ている?」

「ここのところ見てませんね.....連絡したの?」

「それが.....もう使われていないって。」

「困ったわね.....私たちは伊月を探すのは不可能。あいつのいそうなところを歩くってことは命を守れるほどの力がなければいけない.....私たちじゃ無理ね。」

「でも.....どうしたらいいんだろ.....」

「それもあるのだけれど、週末のライブ、センターは誰に決まったの?」

「そうやね、それを聞かしてほしいね。」

「希ちゃん!?いつの間に.....」

「一応センターは凛ということで決めたわ。」

「だから凛は納得してないよ!?」

 

「でも.....皆凛にして欲しいって思ってるんだし.......そこは1回やってみてもいいんじゃないのかしら?」

「絵里ちゃん.....仕方ないにゃ.....少しだけやるにゃ。」

「ええ.....お願いするわね。」




タグのオリジナル多めってつけておいたのはやっぱり正解でしたね.....
スクスタが急にスターを沢山くれるようになりましたね.....スクフェスでもラブカストーン欲しいですね。


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#77 発散場所

普通に時間が無い.....その一言に尽きますね。あの暇があった10月とかはなんだったのか.....


「ちょっと黒柳さん!?那月ちゃんから聞きましたよ。なんで伊月くんにあんなこと言ったんですか!?」

「私は自分の気持ちを素直に言っただけだ.....それがどうかしたのか?」

「伊月くんの過去を知っておきながらよくそんなこと言えましたね!!」

「実際そうだろ。あいつがあの時殺されていたら.....敬一がこんな感じになることは絶対なかった。なぜなら、あいつがいたことでKB関連のことにも触れなければいけなくなった。もしあいつが無ければ.....あいつは城善寺財閥と戦うことはなかった。私だって今混乱しているんだ.....だが、それでもこの憎い気持ちは抜けない。橘、お前ならどうだ?そいつさえいなければお前の大事な親友が生死をさまようような事態になることが無かったなら.....お前はそいつをどう思う?」

「どう思うってそれは.......」

「お前だって相手のことを憎まないことは出来ないはずだ。勿論これが気持ちの混乱から出た間違った判断だとしても.....」

 

「でも私は、『絶対に』黒柳さんと同じ結論は出しません。確かに相手のことを許せない気持ちがあることは一切否定しません。ですが.....じゃあその行動を取った人はどう思うんですか?100%私たちと同じ気持ちを抱きますか.....?それは無いです。きっと伊月くんのお父さんだって.....それが正しい判断だと思って.....たとえそれが仕事上のことで家族となった義理の息子だったとしても.....その人に憎しみなんか、伊月くんのことを憎むことなんか....無いと思います。少し出しゃばってすみません。失礼します。」

 

 

「.....だがこの気持ちは.....どうしたらいいんだ.....私は.....私は......って、橘!!要件忘れてるぞ!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「大変だにゃ.....」

「でも凛ちゃんドレス似合ってたよ。別に気にする必要ないよ!!」

「かよちん.....でも、凛はかよちんみたいに可愛い訳でもないし、その.....胸も大きいわけじゃないし.....」

「そこは関係ないよ!!凛ちゃんが女の子らしいっていうのが皆の意見だよ。だから.....自信出して、凛ちゃん。それに.....何より一条くんが勧めてくれたんだから.....」

「伊月くんが....うう、やっぱり迷うよ.....あれ?ところでかよちん、まだ一条くん呼びしてるの?かよちんが一番接してるような気がするんだけどにゃぁ.....」

「そ、それは.....恥ずかしいよ...。それに私は一条くんとは対等な関係になれてないしね.......」

「え?どういうこと?」

「私は一条くんには色々助けて貰ったから.....μ’sが崩壊仕掛けた時も一条くんが尽力してくれたからなんとかなったところはあるし.....まだ下の名前で呼べるほど一条くんは対等じゃない.....だから私は.....一条くんの力になりたいなって常にそう思ってるんだ。」

「ふぅん.....でもほのとうの伊月くんが今はいない.....一体どこにいったんだろうね。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「くそが.....くそが.....!!!」

「兄貴!!落ち着いてください!!相手がとっくに気絶してます!!」

「なっ.....そうか。」

 

 

「まさか兄貴の機嫌があそこまで悪くなるなんて.....あの生真面目警察官は一体何をいったんだ.....」

「さぁ.....でも最近の兄貴は調子が少しおかしい。また初めて会った時に似てきているというか.....心の中に闇があってひたすら血迷ってた時と同じ感覚だ。」

「何かあったんですかね.....あの兄貴があそこまで血迷ってるように見えますし。」

「おそらくここいらの一件のせいで兄貴の心に余裕がなくなったんだろうな。兄貴は優しい.....でもだからこそ傷つく事もある。あとは.....兄貴は俺たちみたいなのを救うっていう芯が硬くて太いのが特徴なんだが.....やっぱり過去に何かあったみたいでそのせいで兄貴も.....苦労している.....のか。」

 

「だけど、このまま放置するのは良くないだろうな。」

「それはそうだろうな。そこら辺の奴らによりましである。」

 

「伊月...,大丈夫なのか.....」

 

 

 

 




今日文化芸術祭があったんですが、音楽選択の人達が頑張っていました。課題曲が、ほらねでした。短くてごめんなさい


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#78 幼なじみたちの決断

今回は主人公は出てきません。アニメとは少し異なった展開になるとは思いますが.....。


花陽side

 

「うう.......」

 

私は今とても悩んでいます。凛ちゃんにはセンターとしてあのドレスを着て欲しい.....けど、凛ちゃんは嫌がっている。強制は良くないけど、凛ちゃんにはあれを着て.....自分のコンプレックスを乗り越えて欲しい。一体どうすれば.....

 

ピリピリ

 

「あら、あなたから電話してくるなんて珍しいわね、どうかしたの?」

 

「真姫ちゃん.....私、どうたしらいいんだろ?」

 

「凛の件かしら?」

 

「うん.....凛ちゃんには着て欲しいけど.....でも、嫌がっているし.....」

 

「あなたは少し気が弱いのよ。幼なじみなら何も遠慮することないじゃない。」

 

「でも!!凛ちゃんがああなった原因を知ってるからこそ.....余計に言いにくくなるんだよ。」

 

「なるほどね.....今は伊月もいない訳だし、難しいわね.....なら、那月先輩に相談したら?」

 

「那月先輩に?」

 

「ええ、あの人、一応伊月のお姉さんでしょ?だからこういう時は強そうだなって思っただけ。自信はないけど.....勧めるわ。」

 

「うーん.....分かった、相談してくるよ。ありがとう真姫ちゃん。」

 

「ええ。でも今回の一件を解決するには.....花陽、あなたが一番頑張らないといけないわ。幼なじみとかいないから的確なアドバイスは出来ないけれど.....親しいからこそちゃんと言わないといけないわよ。」

 

「うん、分かったよ。じゃあね。」

 

那月先輩に相談.....か。私は今まで話したことが少なかったから少し緊張する.....どうかかたまりませんように。

 

ピリピリ

 

「はい?もしもし。花陽ちゃん?どうしたの?」

 

「あ、あの.....そ、相談がありまして.....」

 

「別に畏まる必要はないよ。それで、どうしたの?何か振り付けとか聞きたいの?」

 

「いえ.....その、那月先輩に聞きたいんですけど.....親しい間柄の人が、自分のコンプレックスで悩んでいたら.....どう声をかけますか?私の幼なじみも.....りんちゃんもそういう状況にいて.....でも、凛ちゃんには女の子としての自信を持って欲しいんです。でも、どうしたらいいか分からなくて.....」

 

 

「なるほどね.....今週末のイベントの件か。女の子としての自信ってどういうこと?」

 

「実は.....凛ちゃんは小学生の時に、男の子達からスカートを馬鹿にされて.....普段から男の子よりも運動が出来たから.....周りの子達も凛ちゃんが女の子らしい服を着てきたら.....皆同じ反応をして....そこで凛ちゃんが.....」

 

「大体事情は分かったよ。なるほどね.....ちょっかい出したくなるあれじゃんか.....そのことについてなんだけどさ、それは何もそこまで深刻に気にする事態じゃないよ、といっても凛ちゃんは納得しないよね.....だったら公に凛ちゃんが女の子として見られているっていう客観的証拠と後は花陽ちゃんたちの強い押しがないとだめだね。そこに関しては私がなんとかするわ。それはそれとして.....花陽ちゃん?」

 

「は、はい.....なんでしょう...」

 

「なんでそこまでビビってるの...?今の花陽ちゃんに必要なの、何か分かる?」

 

「今の私に.....強く言える勇気、ですか?」

 

「うーん...まぁだいたい正解かな。でも少し違うよ...花陽ちゃんに必要なのはまず、自分の意見に自信を持つことだよ。花陽ちゃんってさ、色々振り付けとかの話し合いとかする時って黙ってノートとってるじゃん?それはいいけど...皆で意見出した方がいいよ。それに、このグループには誰も花陽ちゃんを否定しようなんて思ってる人なんかいないし。それに伊月から聞いたけど、花陽ちゃんはμ'sに入るって自分で決断したんでしょ?」

 

「あれは、真姫ちゃんと凛ちゃんに勧められたから.....」

 

「それでも、だよ。こういうの説得力あるか分からないけど.....今まで花陽ちゃんは凛ちゃんに引っ張ってきてもらったって思ってる?そう思うならさ.....今度は自分で進んで、凛ちゃんを導いてあげなよ。私はそれがいいと思うよ。」

 

「でも、私には.....」

 

「私は伊月みたいに的確なこと言ったりとかは全く出来ないからさ.....今まで凛ちゃんが花陽ちゃんに影響与えてきたならさ.....なんというか花陽ちゃんが変われば凛ちゃんも変わるのかなって。それに幼なじみだからこそお互いのことを深く知ってるわけだし、核心をつく事とか言えるかなって。何言ってるんだろう .....私。ちょっと伊月っぽく言ってみると

『大切な幼なじみなんだろ?だったらそのトラウマなんか乗り越えればいい。トラウマを気にしてる俺が言っても説得力ないかもしれないけどな.....そういうことを乗り越える為に仲間がいるんだ。花陽、お前が凛に感謝してるなら、今度は花陽が凛を助ける番だ。ここで.....μ'sで成長したお前なら発言にも説得力が出るだろ....今回は1人で頑張れよ。大丈夫だ、何かあったら俺がなんとかしてやるから。』とか言いそうだけどね。」

 

「そう.....ですか?」

 

「うん、だから長くなったけど.....花陽ちゃんが強い意志を持って凛ちゃんに伝えれば.....きっと凛ちゃんも変わってくれるよ。ごめんね、あんまり力になれなくて....」

 

「あ、いえ.....ありがとうございます。少し勇気が貰えました.....。」

 

「それなら良かった。それじゃあね。」

 

「はい、ありがとうございました.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

凛side

 

「凛には.....女の子っぽいものなんて似合わないよ.....」

 

やっぱり凛には女の子らしい服を着る勇気なんてない。またあの時みたいに馬鹿にされたら.....

 

ピコン

 

「.....メール?unknown.....?」

 

 

あなたの幼なじみは少しずつ変わりつつあります。あなたが悩んでいるなら.....不安やトラウマがあるなら幼なじみと乗り越える、という道もあるのですよ。それに今と過去は違います。あなただっていつまでも弱いあなたではないはず.....その内きっとあなたを変える機会が来るはずですよ.....

 

 

 

「I.....?怖いにゃー!!!誰にゃ!!しかも凛の事情がめちゃくちゃ分かられてるにゃーー!!すぐに迷惑設定しなきゃ!!」

 

凛は即座に迷惑設定をした。こんな誰かも分からない人にメアドとかバレてるの!?でも.....書いてあることは間違いがない。

 

 

 

かよちんは変わっている.....凛は、やっぱり1人で解決出来ないよ.....凛だって女の子らしい服とか着たい!!でも.....怖い。過去がいつまでも凛の足を掴んでいる。動けないよ.....こんな時に伊月くんがいたらどうなるのかな....?伊月くんは凛のこと、ちゃんと女の子として見てたよね.....?凛は、女の子らしくしてていいの.....分からないよ。

 

でも、凛の考え関係なしに大事にしなきゃいけないもの.....かよちんの思い、真姫ちゃんや皆の思いを大切にしたい。でも.....

 

 

 

「なんや、こないなところ歩いとるとは、拉致されたいんか?」

 

「.....え!?あの時の.....!!!」

 

「なんや、違うんかいな。まぁええわ。何か悩みあるんか?相談ならのったるで。何せ伊月のことはよく面倒見とったからな、」

 

「え!?伊月くんの幼い時を知ってるんですか!?」

 

「そりゃわいは敬一や黒柳の同期やからの。それくらい知っとるわ。で、どないしたんや。」

 

「話していいのかな.....」

 

「迷うのは自由やけど、誰かを頼れるなら頼る方が得策やで。」

 

「実は.....凛は女の子らしい服とかアクセとか着たり付けたりしたいんです。でも凛は.....全然女の子らしくなくて.....皆は良いって言うんですけど.....」

 

「なんや、そんなことかいな。別に悩む必要あらへんやろ。今は立派な女の子やって当時の奴らの発言を後悔させたったらええんや。その1歩は.....どうやってええ。仲間頼るのも、自分で踏み出すのも。でも踏み出すのが難しいなら....勇気を誰かから貰うんや。誰かに導いてもらうでもええ。そうやって人ってのは成長するんや。悩んで止まってもな.....絶対に前に進む方法はあるんや。過去に囚われてるなら、今の自分がその過去を打ち砕くんや。そんなことない!!自分は女の子や!!って、そしたら当時の奴らも頭揃えて謝ることになるやろな。」

 

「大胆だにゃ.....」

 

「そうか、でも那月が小さい時、周りから女の子扱いされない時もあったからな。」

 

「え!?それどういうことですか!?」

 

「実はな.....那月の母親はピアニストでな....でも那月はずっと外で走ったりしてたから周りから色々言われてな.....大人も含めてな。そん時那月を守ったんは伊月なんや。」

 

「伊月くんが.....」

 

「そん時言ったことが傑作でな

『お前ら将来後悔するぞ!!那月はきっと.....将来きっととても美しい人になるんだ!!母さんみたいに.....だからお前らの価値観で那月の枠を.....道を作るな!!!』って言ったんや。いやー、あんな子供がああ言うのは珍しかったから敬一も『え!?お前らこんな子供に諭されてんの!?ばかにしておいて.....ざまぁねぇなwwwwww!!!』ってな。わいも笑ったわ。だからな、お嬢ちゃんも悩む必要ないで。今はいないけど.....コンプレックス抱えてても伊月や仲間がおるんや。そんな過去打ち壊したれ。」

 

 

「伊月くん.....ありがとうございます!!少し勇気が出ました!!」

 

「そっか。なら後はちゃんと仲間と腹割って話すんやで。ほな。」

 

「はい!!ありがとうございました.....そういえばあの人誰!?」

 

凛は知らない人と色々話してたんだ.....でも!!かよちん、伊月くん、凛は頑張るよ!!もう負けない!!




こんな感じですかね。カウンセラー枠は大体オリキャラにしています。キャラ同士の掛け合いって意外と書くのが難しくて.....


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#79 払拭

眠い.....眠い。クリスマスで55連×2っていうのは本当においしいですよね。去年も同じでしたが.....μ'sでURが出ないんですよね.....Aqoursじゃ出るのに.....


ピリピリ

 

「もしもし凛ちゃん?今大丈夫?」

 

「かよちん?今は大丈夫だけど....どうしたの?」

 

「今から.....私の家に来てくれないかな.....?話したいことが.....あるんだよ。」

 

「.....分かったにゃ。じゃあ今からかよちんの家まで行くにゃ。」

 

「うん、ありがとう.....」

 

 

これで準備は整った。今日は.....凛ちゃんと腹を割って....堂々と話したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

「かよちん♪お邪魔するにゃー!!」

 

「いらっしゃい凛ちゃん。お菓子あるから食べてね。」

 

 

.........気まづい。やっぱり今までずっとそうだったから.....いざ凛ちゃんに物言いするのは.....緊張する。でも.....

 

 

「.....ねぇ凛ちゃん、今週末のイベントのことなんだけどさ.....やっぱり凛ちゃんが着るべきだよ。」

 

「.......」

 

「凛ちゃんはさ、幼い時にスカート履いてきて馬鹿にされたことがあった、よね....でも、そんなの気にする必要ないよ!!凛ちゃんは可愛い女の子だよ。何も自信なんか失う必要なんかないんだよ.....コレ見て。」

 

 

「これは....何の円グラフだにゃ?」

 

「これは那月先輩が送ってくれたμ'sのファンに対する聞き込みなんだ。それでこの円グラフは.....凛ちゃんのことをどう思うかっていう項目なんだ.....それで多く、いや殆どの人が凛ちゃんのことを『とても可愛い』って答えたんだよ。残りの人達は、『元気が貰える女の子』とか『ポテンシャルが隠されている子』って言われてて.....どこにも凛ちゃんのことを馬鹿にする人なんかいないんだよ.....」

 

「凛は.......少し悩んでるんだにゃ。昔馬鹿にされたこともあるけど.....今だって女の子らしいところがあるとは思えないんだ。真姫ちゃんみたいにスタイルがいいわけじゃないし、希ちゃんみたいに胸があるわけでもない.....だから皆が羨ましいんだ。」

 

「何で他人が出てくるの?」

 

「.......え?」

 

「なんで凛ちゃんのことを決めるのに他人のステータスが基準になるの.....?それがおかしいよ!!凛ちゃんは凛ちゃんだよ!!真姫ちゃんでも、絵里ちゃんでもない!!1人の女の子だよ!!」

 

「かよちん....」

 

「凛ちゃんが気にするのは分かるよ.....でも、他人がとうとかは関係ないよ。凛ちゃんにも可愛いところはたくさんあるし.....私たちにはない可愛さだって持っている。それはわかって欲しいな.....」

 

「凛の.....可愛いところ....?」

 

「皆に元気をくれる。可能性を秘めている.....それはさ、凛ちゃんが持っていて他の人にはない個性であって、可愛さになるんだよ。だから.....気にする必要ないんだよ。」

 

「かよちんは....皆は、凛の味方、だよね....?」

 

「当たり前だよ!!皆凛ちゃんのことを1人の可愛い女の子として見てるし.....誰も敵なんていないよ。一条くんだってきっとそう言うと思うよ.....」

 

「かよちん.....ありがとう!!!」

 

「わわ!!凛ちゃん!?いきなり抱きついたら危ないよ!?」

 

「凛、頑張るよ!!もう怖がらない!!凛だって.....可愛くなれる!!もう迷わない!!ありがとう!!かよちん!!」

 

「.......うん!!凛ちゃん、頑張ろうね!!」

 

 

 

 

「真姫ちゃん、やったよ!!!」

 

「良かったわね、花陽.....あなた少し明るくなったんじゃない?」

 

「え!?そうかなぁ....」

 

「凛と話したことで前に出る勇気でもついたんじゃないかしら?でも良かった.....結構心配してたのよ。あなたが意見を言えるかどうか心配だったし.....」

 

「あはは.....でも、大丈夫だよ。凛ちゃんは前の凛ちゃんから変わったしね。」

 

「ええ、期待してるわね。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「お嬢様.....手は打っておきました。」

 

「何かは知らないけれど、ご苦労さま。けど.....本当にこんなやり方でいいのかしら?」

 

「敵を倒すのに手段などは選んでる場合ではございません。」

 

「あなたは教えてくれないのね....お母様は一体何がしたいの?この前も家の壁が爆破されたこともあった。けれどそこよりも気になったのは.....地下部屋らしきものがあったということとその階段にはいくつかの血痕があったのよ。.....どういうことかしら?この家は一体何をしているのよ.....」

 

「お嬢様、そこはお答えできません。その事は言うなと主からの伝言なので.....すみませんがお話できません。」

 

「そう.....私は....私は潔白なのかしら。何か大きなことに気づいていない.....それに自然と加担しているような.....そんな気がしなくもないの。」

 

「きっと気のせいでしょう。お嬢様は疑いすぎなのです。」

 

「疑いすぎ.....でもあなたは私に何か隠している。理由は知らないけれど何故隠すの?主人の私の言うことは聞けないのかしら?」

 

「はっ、申し訳ありません。ですが、お嬢様には内密にと主に言われておりますので.....」

 

「ちっ....もういいわ。.....ねぇ透谷。」

 

「何でしょうか、お嬢様。」

 

「これ.....どういうこと?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「.....え?それはどういうことですか?」

 

「私にも分からないわ.....でも、この音ノ木坂学院に黒獅子がいるという事実が公に晒されたの。」

 

「いずれはバレるとは思ったんですが.....何故教育委員会から退学させろという指示が来るんですか?一条さんは別に学校で何も問題を起こしていないのに.....どうしてですか?」

 

「それが分からないの.....しかも教育委員会は『直接調査をした上』で問題だという結論を出したと言うのよ。そんな調査なんか一度も来なかったのに.....」

 

「もしかして.....この学校の裏サイトで何かあったんじゃないですか?」

 

「裏サイト.....?」

 

「SNSをあまり使わない子達以外の生徒が沢山入ってる掲示板みたいなものなんです。もしかしたらそこで.....一条さんのことを.....」

 

「何かしら出来事をでっちあげて伊月くんを追い込む.....そうすれば退学処分きできる。世間は基本的に肩書きに左右されやすいから.....かなり考え込まれているわね。でもどうすれば.....」

 

「とりあえず様子を見ましょう。それ以外今は何もできません。それにここで下手に動いたら、相手にいいように扱われるだけですよ。」

 

「そうね.....一体何が起こってるの?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

週末

 

『一番可愛い私たちを見ていってください!!』

 

「ふっ.....凛のやつちゃんと乗り越えられたじゃねぇか.....心配して損したな。」

 

「あの.....兄貴、少しいいですか?」

 

「あ?何の用だ?」

 

「実はさっきネットを漁っていたらこんなことが書かれていまして.....」

 

「.......!?何だこれは!?俺じゃねぇか。」

 

「はい.....しかも今回は人じゃない。兄貴たち学生を管理する立場にある組織、教育委員会です。とうとうあいつらも兄貴を標的にしてきましたね。」

 

「確かに、兄貴を手土産にすればある意味自分たちも立場を示せるし、何より音ノ木坂学院の評価を下げられる.....汚いやり方してるな。」

 

「調査をした、だと?俺は学校になんか行ってないのに.....ふざげるな!!!!」」

 

「これデマですよ!!誰だこんな記事を出したバカは!!!」

 

「いや、これはどうやら教育委員会が出してるみたいだ.....弱ったね、組織という看板がある以上、証拠が無くても事実に仕立て上げることが出来る。でもこんな汚いやり方をするとは.....堕ちたものだね。」

 

「いや、これは誰かしら関与している。そもそも俺が学校に来ているという情報は学生と教師しか知らない。それに、外で拡散なんてすれば俺に狙われる可能性があるとしてそんな大胆なことはしない。かといって教師がこんなことする可能性も低い ...,」

 

「なんにせよ調査が必要だね。」




ここから一気にいきます。この小説が面白いかは分かりませんが、とりあえず全力疾走で頑張ります。


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#80 次なる戦い

こちらも今日から再開します。100話で終われると思ったんですが意外とかかりそうです。


日が空いたので少しあらすじ

 

父親が重症を負い、肉体的にも精神的にもダメージが深刻な一条伊月。そんな中次は学生を管理する教育委員会と世間が彼に牙をむく。

 

 

 

 

 

 

μ's side

 

「なんですかこれ!?」

 

「穂乃果たちこんなこと1回も聞いたことないよ!!」

 

「伊月くんの退学.....これいつ決定したん?」

 

「それが分からないのよ。今日来たらこうなってて.....」

 

「でも生徒会にはこんな話1度も来なかったよ。」

 

「先生もこんなこと言ってなかったにゃー。」

 

「だとすると.....生徒がこれを推し進めたということ?」

 

「それはありえないわよ。たかが生徒にそこまで力はないわよ。」

 

「そうね、仮に生徒だけで推し進めたのならば、それを生徒会に報告して先生に通すというのが基本だもの。頭越しにやったとしてもその効力は薄いし説得力もないわ。」

 

「じゃあ誰が.....?」

 

「でもこの事態は異常ね。」

 

「真姫ちゃんそれどういうこと?」

 

「一番下に教育委員会と書いている.....これはつまり公にこの事実が漏れているということでしょ?それに伊月は別に学校で問題を起こしたわけじゃないけど、それでも教育委員会は納得した。つまり何かしらでっち上げられている可能性が高いわ。つまりこれは.....」

 

「仕組まれた退学ということ?」

 

「そう取って当然だと思うわ。」

 

「.....あなたは誰?」

 

「自己紹介が遅れました。私は城善寺冴子、1年生です。」

 

「どうしたの?何かあったのかにゃ?」

 

「いえ.....私も今の事態は把握しきれていないのだけれど、突然どうしてこうなったのか気になるのよ。」

 

「私たちは確かに伊月くんとの接触は多いけど、それで来たの?」

 

「ええ、私もこの事態の解決に協力させて欲しいの。」

 

「.....どういうつもり?」

 

「特に裏は無いわ。ただ事実無根の事でこれだけの騒ぎになってるのがおかしいと感じたからよ。この学校の生徒で彼の味方なのはあなた達くらい.....だから協力して欲しい。この学校の品格を下げたくないの。」

 

「品格を下げる?」

 

「もしこの決定を鵜呑みにして学校が退学の判断を下せばお終い。騒ぎが出来れば必ず深堀りをする人間は現れるし、それでこの騒動がデマによって始まり、それを調べずもせずに決定に従ったと後々バレるようなことになれば.....被害は想像以上よ。何も悪くない生徒を肩書きや他者の根拠が曖昧な判断に任せてその生徒の教育を受ける権利を侵害してしまうことになるのだから。数年は良くても10年後になればもう一度廃校の危機に立たされる可能性がある.....あなた達がせっかく築き上げたものが台無しになるのよ。まぁ、あなた達の1番の懸念事は別でしょうけど.....」

 

「.......」

 

「この事実を受けて彼がどう動くか.....そこでしょ?なら一刻も速く動かなければ本当に手遅れになるわ。」

 

「.......分かったわ。協力しましょう。」

 

「ありがとう。それに私がいた方が発言も信憑性が増すでしょ?脅されて言っている訳では無いって。」

 

「よし!!じゃあ伊月くんの退学を取り消そう!!」

 

『うん!!』

 

 

 

 

 

 

 

「城善寺さん.....少しいいかな?」

 

「あなたは.....一条さん?ここではあれね、屋上で話しましょ。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「何を企んでるの?」

 

「何を.....別に何も。」

 

「....ふざけないで!!あなた、城善寺の人間でしょ!?」

 

「そうだけれど.....」

 

「『また』伊月をこうやって追い詰めるの!?そんなに存在が邪魔なの!?」

 

「.....あなたは何を言っているの?私は理解出来ないわ。」

 

「あくまでもとぼけるんだね.....3年前、あんなことをしておきながら。」

 

「3年前?ごめんなさい、何を言っているか分からないわ.....」

 

「あなた達が伊月の血が邪魔だからこうやって排除していって裏で殺すつもりなんでしょ?あの時生き残ったことを後悔させるためにじわじわと.....」

 

「.......だから何を言ってるか分からないわ。言いがかりは程々にして。」

 

「......じゃあ何でμ'sの皆に協力を頼んだの?」

 

「何故.....この学校に於いて彼の退学通知を知らなくて、かつ反対している生徒は彼女たちだけ.....少ないから味方を増やしておきたかった、少しでも生徒たちと戦う為に。私がいくらお金持ちの家に生まれたからって1人で勝てるわけじゃない。それにこの案件に家を持ち込むのは私のプライドが許さない。これは学校にいる人間だけで解決するからこそ意味があるの。金の力で抑制しても意味が無いのよ。」

 

「.....分かった。それは止めない。けど、少しでも伊月に手を出したら.....あなたを許さない。」

 

「もう既に敵意むき出しなのは何故かは分からないけれど....ありがとう。失礼させてもらうわ。」

 

 

 

 

 

「あの子.....本当に3年前のことを知らないのかな......」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

伊月side

 

「俺は教育委員会に行ってくる。何故かくらいは知っておきたい。」

 

「分かりました、お供いたしましょうか、兄貴?」

 

「別に殴り込みに行くわけじゃねぇんだよ、俺1人で行く。」

 

「うっす、じゃあこっちはこっちで情報収集しておきます。」

 

「ああ、頼んだぞ。」

 

 

 

 

 

 

「おい、何か掴めたか?」

 

「まだっすね。街中の人に聞き込みしてきたんだけど、かなりまずいっす。基本的に賛成派が殆どで、どちらとも言えない奴が少し居ました。つまり、反対派がいないに等しい。あの『調査をした上で』という一言でみんな納得してるみたいっす。」

 

「その調査の内容が曖昧なのによく信用したな......」

 

「なぁ.....これ、裏サイトか?」

 

「音ノ木坂学院掲示板....何だこれ?」

 

「分かんね、ただかなりちゃんとしたセキュリティがあるサイトだ。作ったやつもかなりすげぇな。」

 

「関心してる場合じゃねえだろ。ここに何かあるかもしれないだろ。」

 

「それは僕が開けようか、パスワードとかだろ?」

 

「与助の兄貴、.....お願いしやす。」

 

「うん、任せて.....15分頂戴。」

 

 

 

 

15分後

 

「よし、アクセス完了したよ。すごいなこれ....大量に情報がある。」

 

「どれどれ.....兄貴に体を触られた?トイレを覗かれた.....校舎裏で脅された?写真もねぇのによく書けたな、こいつら。」

 

「一部は画像もあるけど.....これは合成だね、よくこんなので納得させられたね.....」

 

「そうっすね.....与助の兄貴、これなんですか?」

 

「これは.....」

 

 

 

 

黒獅子、スクールアイドルに粘着。彼女たちがお情けで同行を許可していることをいい事にストレッチの際に胸や尻を触り、時にはアイドルにポーズを強要。出来なければ怒鳴りつけ体罰.....これを許しておけるのだろうか。アイドル達は皆迷惑がっていて一刻でも速く離れて欲しいと思っている。

 

 

「これは.....音声ファイル?」

 

「これは.....あぁ、分かったよ。」

 

「どういうことですか?」

 

「これはおそらく.....伊月が学校に入って間もない頃のμ'sの皆の反応を録音しているんだよ。あの頃は皆まだ伊月への警戒があったらきついこととか言ったし、伊月が説得の為にちょっと強引に連れて行ったりしてたしね.....内容はともかくそう取られてもおかしくないものを揃えることで、さも今でもその状態が継続しているかのように見せてリアリティを増したんだ。それにこの音声ファイルはいつ録音したかが表示されない。投稿された日が記録されるからこれを利用していい感じに作ったんだ。へぇ.....中々しょうもないことしてくれるじゃん。」

 

「そういうことか.....じゃあこの動画は合成した物ってことですよね?」

 

「うん、それに警察の中には大森のように伊月のことを邪魔だと思っている連中もいる。これが合成かどうかなんて検査せずに本物だと言ったんだろうね。だから教育委員会の連中も信頼して判決を出した。こんなふざけたことあるんだね.....まぁ逆に今みたいな社会だからありえるのか。」

 

「でもどうしてここまで手の込んだことをするんでしょうか。理解出来ねぇ。.....いや、あっちには城善寺の野郎の娘がいるのか。ここまで作ってプラスで城善寺が認めたとなれば世間は絶対に騙される。」

 

「それに伊月と関わってないくせに勝手に悪人扱いしてるから存在することすら許されないんだろうね。」

 

「じゃあ今すぐこれが合成であることを言いに行きましょうよ!!」

 

「それはダメだ。」

 

「え!?どうしてですか!?」

 

「警察と僕達、どっちの方がまともに扱われる?僕達の場合、最悪なのは元の動画を無理やり分解して合成らしくした、なんて勝手に断定されること。それが一番の問題。」

 

「じゃ、じゃあどうすれば.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

「μ'sの人達と連携しよう。内部告発の方が良いし、黒柳を頼れば警察相手でもやってける。」

 

「黒柳!?あの野郎を頼るんですか!?正気じゃないですよ。兄貴のことをボロくそに言ったあの野郎なんざ頼れません!!」

 

「僕だって嫌だ。だけど.....そうしないといけないし、そうするしかないんだ。μ'sなら多分力を貸すはずだ。我慢するしかない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

(僕達は可能な限り動く。後はあの子たちがどうするか.....頼むから飲み込まれないでくれよ。)




この学校編では基本的に伊月くんの登場回数は少なくなります。

それはさておき、イベント新しくなりましたね。多分イベントpt報酬にするとURを回収しきれる人が少なくて苦情とか出たんですかね。こうすることでビンズ集めるだけで交換出来ますし.....ベストボルテージが未だよく分かりませんが。


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#81 確実に

フェス限のせつ菜さんすごいみたいですね。僕は第1回のフェス限はコンプしました。第2回は誰一人持ってませんが.....

少しキャラ崩壊?しているかもしれません.....


教育委員会

 

「失礼します。今あなた達のおかげで世間で騒がれてる一条伊月です。ここで1番偉い人を出してください。」

 

「一条.....く、黒獅子!!す、少し待ってください!!」

 

何だ?あれだけ騒ぎを作ってるのにこの腰抜けみたいな反応は....。度胸無いのか?

 

「君困るよ!!いくら騒ぎが起こったからといって殴り込みに来るのは!!今すぐ帰りなさい!!」

 

「俺は暴れに来たわけじゃない。ちゃんとした説明を受けに来たんだ。」

 

「そんな言葉が信用出来ると思うのか!!」

 

「俺にはそのつもりはない。ちゃんと話し合いが出来たら出ていってやるから。そんなに信頼出来ないなら警察なりなんなり呼んだらどうだ?俺は一向に構わない。」

 

「.......会長がお見えだ。」

 

「あんたが会長か?....少し話をしようか。」

 

「.......」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「何をしに来たのだね?」

 

「俺が退学処分を受けた理由を正確に教えて欲しい。テレビじゃちゃんとした調査をしたと言っているがそれをいったいいつしたんだ?」

 

「それを君に教える必要はない。」

 

「何故ですか?」

 

「多くの生徒が君のせいで不快な思いをしている。学校は君みたいな厄介者を抱える場所じゃないんだ。特に高校は生徒が自ら学ぶ意志を持って来ているんだ。その邪魔をされるのは困る。我々はまだ世間では退学だけだと言っているが処分はもっと重くするつもりだ。警察の方々と相談して、刑罰を受けてもらう。」

 

「答えになっていませんよ。.......じゃあ俺は何もしていないのに『黒獅子』という肩書きだけで悪者のレッテルを貼られて排除されている、と取って間違いないですね?」

 

「そんな言い方は無いだろ。」

 

「そして気になっているのは.....その証言が確かな物的証拠、例えば監視カメラの映像や加工されていない動画などがあるのですか?そしてその出元がちゃんとした監視カメラ等からなのか、編集が容易なスマホや手持ちのカメラからなのか、そこもはっきり教えてほしい。」

 

「音声ファイルや動画も提出されているよ。警察もこれは本物だと言っているのだからそうだろう。」

 

「その警察官の名前は分かりますか?本件を預かっている人の名前が。」

 

「大森さんだよ。」

 

「やっぱりあいつか.......ではその映像などを検察は調査をしたんですか?」

 

「なぜに検察を使うんだね?」

 

「あなた方が撒いたものは、いわゆる事件そのものです。明らかに退学処分を越えた問題になるのですよ。退学させる理由が学校生徒に対するセクハラ行為や恐喝ならそれは立派な犯罪になるでしょう。それにこれだけ騒ぎを大きくしたんです。まさか裁判をせずに済ませられるとは思ってませんよね?あなた方の味方である世間はそれを許しませんよ。いくら社会が苦手な俺でも考えられる事なんですからそれくらい予測出来ましたよね?。」

 

 

そう、この一連の騒動の盲点は、裁判に発展する可能性を考えていないことだ。おそらく城善寺財閥なら裁判官を買収して俺を有罪判決するが.....それは考えたって仕方がない。だが検察がメスを入れれば.....何かが分かるはずだ。俺の部下にも元検察の奴がいるし、与助もいる。その証拠が本当かどうかなんてすぐに分かる。だから今回はどこかの弁護士みたいに知的に、かつ相手を問う。

 

「.....まずお前は普段から暴力行為を繰り返しているそうじゃないか。今更何を偉そうな口を聞いているんだ。」

 

「偉そうな口?そもそもあんたは俺のことを知らないくせにただの噂だけでさも全部を把握しているように言うじゃないですか?あなたこそ偉そうな口聞いてませんか?」

 

「それが目上の大人に対する口の利き方かね!?」

 

「すみませんが今の問題は俺の退学処分のことであって、口の利き方じゃない。話題を露骨に反らさないでもらいたい。」

 

知ってるだろ.......そんな見え見えな嘘で俺を騙せるとでも思ってるのか?それにこんな手の込んだ汚いことしやがって.....俺がそういうことが大嫌いということくらい噂で聞いてないのか?

 

「だが警察の方々が本物だと言ったのだから本当だろう。言いがかりも程々にしたまえ!!お前は警察を否定出来るほど偉いのか!?」

 

「埒が明かないな.....もういい。話したって無駄だ。あと覚えておいた方がいい。そうやって生徒を検挙して退学処分にするならその理由や物的証拠を明確にして、かつ警察、検察の調査をした上で俺に言えばいい。曖昧なのに本当かも分からない証言や証拠で勝手に悪者扱いをすれば.....後々地雷を踏むのはあんたらだ。じゃあな。」

 

 

 

 

俺はもう話しても意味が無いと思い、場を抜けた。言いたいこと言っただけみたいで後味悪いんだけどな.....でも、そんな悠長に過ごしている時間はない。次に俺がやるべきことは...,...

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

μ's side

 

「失礼します!!2年の高坂です!!神崎先生はいらっしゃいますか?」

 

「はい.....高坂さん、どうかしたんですか?」

 

「スクールアイドル部の部室まで来てくれませんか!?」

 

「部室?何かあるんですか?」

 

 

 

 

 

 

 

部室

 

「え!?みんな揃ってどうしたんですか?」

 

「先生.....今教員の間では彼の退学処分の事はどう考えられているのですか?」

 

「そうですね....退学に賛成している先生が多いです。ですが私や理事長以外にも反対している先生もいます。なので今の比率は7:3になっています。」

 

「3割は反対しているのね.....」

 

「はい、理事長の判断に従う先生と見回りをしているけどそういう現場に目撃したことが無いからそれはアンチのでっち上げじゃないかという先生が反対派にはいます。それに校内の監視カメラにはセクハラ紛いなことをしているところは一切写ってないので。」

 

「それじゃああの張り紙は.....?」

 

「おそらく一部の生徒が生徒会を通したと嘘をついて賛成派の先生に渡したんだと思うの。生徒会を通すとなると一条さんと仲が良いあなた達がいるわけだから都合が悪かったんでしょう。」

 

「お母さんはこの事知ってるんですか?」

 

「知ってるわ。でも今は理事長は下手には動けない。」

 

「それは何故ですか?」

 

「理事長が動いたとなれば揉み消しと言われる可能性があるから。うちの生徒たちがそういうことをするとは思えないのだけれど.....現にそういった音声や動画はもう警察に提出されているのよ。この状況下なら有り得なくもないわ。」

 

「まさかここまでやるなんて.......」

 

「でもどうしてここまでするんだろう.....1年生はともかく私たちや2年生はまず関わりすらない。なのにどうしてこんな大がかりなことをしてまで伊月を追い出したいのかしら?」

 

「.....廃校が阻止された、その事実が原因だと思います。」

 

「先生....?」

 

「廃校が阻止された今、この学校は安定した。でもそれと同時にもし黒獅子のことがバレれば、その努力も虚しくなる。また廃校の危機に立たされる.....そう考えたからだと思うわ。」

 

「...........」

 

「そして....あなた達の影響を受けたというのもあると思うわ。」

 

「うち達のことですか?」

 

「そんなことあるんですか!?」

 

「UTXが近くにあり、一時廃校の危機に立たされた。その時、高坂さんが立ち上がって.....そしてメンバーを集めて、そして今ではトップスクールアイドル、AーRISEと肩を並べる程までに結果を残している。そのあなた達の勇姿が.....今度は自分たちが学校を守るという思いを行動に変えて、一条さんを排除して廃校の可能性を完全にゼロにする.......一種の団結ね。」

 

「そんな.....」

 

「私たちが今までやってきたことが.....こうして別の形で動きを生むなんて.....」

 

「悔やんでも仕方ないわよ。現にこの状況は変わらないじゃない。まずはどうするかを考えるのが優先でしょ?今度は学校の揉め事を止めるために動く。スクールアイドルとは無関係だけどこういうことをやらないと私たちは本当の意味で学校を救ったことにはならないわよ。」

 

「にこちゃん.....」

 

「私も全力を尽くします。一緒に頑張りましょう。」




学校編はある意味キャラのオリジナルならではの一面が見れるのかなーと思い書いてます。意外と考えるのも難しい分作るのも楽しいです。


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#82 責任

オートプレイで周回すると、マカロンがすごく溜まるので個人的にはマカロンよりかはスキップチケットとかキャンディの交換数を増やして欲しいです.....


城善寺side

 

「お嬢様、少しよろしいでしょうか?」

 

「どうしたの、手短に頼むわ。」

 

「はい。主がお嬢様を呼んでおります。何やら話があると......」

 

「そう.....伝えてくれてありがとう。.......私も1つ聞いていいかしら?」

 

「はい、何でしょうか?」

 

「透谷.....今回のこの騒動を起こしたのは.....本当に生徒なの?」

 

「それは一体....?」

 

「今回の騒動、世間的にも知られていてかなり大事になっているのよ。でも今まではそんな目立った排除運動は無かった。それに彼女たちは教師を殆ど通さずに警察に訴えた。おかしいとは思わないの?もし今まで排除運動が起きなかったのは、起こしたら自分の身が危なくなる、という恐怖による抑制がかかっていた。そして彼女たちは彼に立ち向かう力は無い。なのに.....この騒動が起きた。....あなたならどう考える?」

 

「別に何も。おそらく溜まりに溜まったストレスが発散したに過ぎないかと。更に言ってしまえばこの国は民主主義です。多数派は正義であり、あいつのようなはみ出し者は悪なのです。今回はその形を見せたに過ぎません。実際、他国の革命は戦力差があっても策を使い、相手を倒しています。彼女たちの行動は理解出来ます。」

 

「あなたはそう考えるのね.....ありがとう。じゃあお母さんの所に行かせてもらうわ。それと....」

 

「それと?」

 

「本当のあなたは誰なの?いつまでハリボテを作って自分を隠しているのかしら.....次に聞く時までには答えを出しておいて。」

 

 

 

「本当の.....自分.....そんなもの....」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「お母様、何の用事?」

 

「冴子、少し座りなさい。...,あなた、今の音ノ木坂の騒ぎの中で動いているようね。その必要は無いのよ。」

 

「何故ですか?」

 

「何故?まず証拠が揃っていること。そして警察の方々がそれを認めたこと。校内だけでなく世間の人もこの運動に賛成している。あなたがしていることはただの反抗なのよ。そんな家の名前を汚すような真似はやめなさい。」

 

「お母様、それには同意しかねます。」

 

「何故です?」

 

「お母様、今回の案件は曖昧な点が多すぎます。それを傍観している方がよっぽど家を汚すと思うのです。それに、手際が良く、都合が良すぎるのです。本来なら彼を呼んで事情聴取や何かしら措置を取るべきなのです。これがちゃんと彼に事情聴取をした上で、かつ証拠が提示しそれが加工でないことをちゃんと公表すべきなのです.....それをせずに一方の要求だけ聞いて勝手に処遇を決めたら、絶対に相手は納得しませんしまた恨みしか生まないのです。」

 

「冴子、あなたは考えが甘いのです。今私たちの地位を高くしているのは財産と世論の支持です。世論がそういう方向を向いているのならそれが正義であり、常識というものなのです。これが分かるなら今回の一件には首を突っ込ないで。」

 

「......話は以上ですね、失礼します。」

 

 

 

 

 

 

「.........透谷」

 

「は、当主様。」

 

「あの子を監視しなさい。少しでもあちら側に味方をするような真似をしたら.....監禁しても構いません、止めなさい。」

 

「.......は、仰せのままに。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

理事長side

 

「御協力感謝します、東條さん。」

 

「その名前で呼ばんといてくれや。わいは商や、東條やない。」

 

「ごめんなさい.....それで今回の件なのですが.....」

 

「あれはままごとや。あんな中途半端なことで伊月を有罪には出来ない。城善寺の野郎も甘いんじゃないか?」

 

「そうでもないですよ。現に今の学校にいる伊月くんの味方は20人もいません。私が把握する限りは13人です。」

 

「なるほどな。でもまずいことになったで。街頭インタビューではまず共学化テスト生徒は何故廃校阻止の時に辞めさせなかったのか?とか言うやつらもいれば、スクールアイドルが出たのはそれを隠蔽するための手段じゃないか?とかいい加減なことを言う出すやつもおった。全く、誰も伊月が学校の粉飾を見抜いたりとかそういうところは誰一人言わへんねんから、相手のやりたい放題やな。」

 

「そうですね.....主に1年生が中心のようです.....。でも、今回はイレギュラーなこともあるんです。城善寺さんが味方側にいるんです。」

 

「...,それはほんまかいな?」

 

「はい。私も最初は驚きました。本来なら敵側のリーダーでもおかしくない人材がこちら側にいるんです。」

 

「.......それはそれとして、わいを呼んだのは何でや?」

 

「伊月くんのことを探して欲しいことと、もし伊月くんが世間が何かしらの形で世間に晒された時、伊月くんのことを助けて欲しいんです。」

 

「......お前は何をするんや?」

 

「私は今学校にかかっている誤解を解くこととこれから教育委員会に行って、今まで起きたことをありのままに話してきます。」

 

「教育委員会.....?今行くのは無駄足ちゃうか?あいつらには世間がついている。あの手この手で屁理屈をこねるで。」

 

「分かっています.....でも、ここで私が行かなければそれこそ音ノ木の名を汚すことになるんです。」

 

「分かった.....成長したな。わいは少しばかり情報操作と伊月を探すことをするわ。だから学校としてちゃんと正面から世間と戦うんやで、ええな?」

 

「はい、ありがとうございます.....。」

 

「敬一が重症で、黒柳が伊月のことを一時的に突き放してしまった今、あいつを知る大人はわいとお前と橘しかおらん。任しとけ。あいつがもし干されるようなら全力で助けるさ。」

 

「本当に感謝しかありません.....それはそれとして、なのですが、娘さんとの縁は戻せそうですか?」

 

「今は無理や。まだこの世界の業者やからのぉ....家族なんて持っちまったら娘は生まれつき道を決められて、理不尽な暴力の下で生きなあかん。麻薬や警察手帳や制服が平気で売られてくるんや.......そんな所に娘は巻き込みたくない。少なくとも城善寺との因縁が終わるまでは...,希の元には行けへん。」

 

「そうですか.....あとこれなのですが.......教育委員会に提出する報告書なのですが.......」

 

「ふん.......このUSBは何や?」

 

「伊月くんが全校生徒の前で粉飾していた教頭先生を暴いたところです。他にも裏サイトで発見された動画の元ネタを探し出しました。これでいわゆる証拠を揃えたつもりです。何か抜けがあるでしょうか?」

 

「そうやな.....今回は警察沙汰になる可能性が高い。だからこの証拠はちゃんと信頼できる警察官に見せて、検察にも出すんや。」

 

「そのつもりです。」

 

「それともし、謝罪会見を要求されたら.....絶対に行くなよ。」

 

「何故ですか?こういうことの責任は私たち教員、もっと言えば理事長である私の責任なのですよ?」

 

「そんな綺麗な建前はええんや。今はその行動の抜け目をなんとかしないかん。マスコミがなんと報道するかは知らんが、もし謝罪なんかしちまったら、折角上がった学校の人気が無くなるのと、あんたら教員が生徒によって提出された証拠を認めるということになるんや。もしそれでも謝りたいんなら、事が住んでからやれ。あとこれは提案やねんけど......」

 

「,......え?しかしそれでは......?」

 

「憂うべき現状を変えられるのは.....あの子たちだけや。それを利用しない手はないやろ。」

 

「...,.....」

 

「もちろんちゃんと同意という最低条件は守らなあかん。これすらいしないと、無理やり言わせたおさとか勝手に悪いことをしていないのなら、堂々と意見を言ったらなあかん。そうじゃなきゃ今後、一切わい達が若者に迷惑をかけることになる。」




虹ヶ咲学園のラブライブはどうなるのでしょうか.....?時系列とかメンバーの集まり方とか....何より幼なじみとやらをどう出すか.....色々気になりますね。


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#83 反撃の狼煙

あんまり長引かせてもイライラするだけなので、展開をちゃんと進めます。


伊月side

 

「失礼します、佐山さんいらっしゃいますか?」

 

「佐山は、今打ち合わせで会議室にいます。会議自体はあと20分足らずで終わりますから、それまでこちらでお待ちください。」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

「あなた.....今世間で騒がれてる人ですよね?」

 

「ええ....まぁ、殆ど相手の陰謀ですけど。」

 

「そんな人がなんでうちみたいな週刊誌を発行している会社に?」

 

「普通のメディアに訴えてもどうせ編集で都合のいいように映されますから、週刊誌なら細かく伝えられるでしょ?」

 

「そうですね、うちは記事が細かいことで有名ですから。では、失礼しました。」

 

 

 

俺は今週刊誌を作ってる会社に来ている。ここの週刊誌は.....何かと俺のことをあげることが多い。といっても批判記事じゃなくて、やったこと全てを細かく.......ここの週刊誌は、記事が少ない分、内容が濃くてインタビューや調査内容もしっかり公表してくれる。新聞やテレビじゃ枠が限られているからどうせ改変されるけど、週刊誌ならそれが可能。あいつら(μ's)が変に動くまでに.....決着を付ける。俺は退学させられることは別にそこまで気にしていない。こうなることは入学した時から想定出来ていた。ただ.....その言い分があまりにもいい加減だった.....しかもかなり考えられて作られているから尚更タチが悪い。なら俺は徹底抗戦する。

 

 

 

「やあやあ一条くん、いつもご贔屓に。」

 

「贔屓って、あんたらが勝手にこびりついてくるんだろ?」

 

「でも君、それを黙認してくれてるじゃないか。うちが今まで嘘の記事、出したことあったかい?」

 

「無いですね。で、今回来たのは......」

 

「大体分かっているよ。今世間でやってるあれでしょ?君も何かと大変だよね。」

 

「.....俺、あんたには色々世話になってるかもだけど、お前のことは信じてないからな。妙に馴れ馴れしいけど。」

 

「良かった、私の記事は信じられているようだ。それで結構。私にとってちゃんと調査をした上での記事を否定されるのはかなり辛いからね。」

 

「そうか.....それにしても今のセリフ、皮肉か?」

 

「まあね。うちの専売特許は圧倒的情報量と綿密な調査だからね。それで、今日はどういうネタを提供してくれるんだい?」

 

「その情報はどこから仕入れてるんだよ....」

 

「商さん、まぁ本名は言わないけど彼から貰っているよ。やっぱり彼の情報は頼りになるよ。」

 

「まぁ、取引の仲介みたいなんしてるからな。」

 

「さてさて、余談はここら辺にしておいて、君の事だから何もしてないわけじゃないでしょ?」

 

「ああ、さっき教育委員会に行ってきたんだが.....話し合いというか一方的に決めつけて話されたから、少し言い返してきた。」

 

「子供じゃん。まぁいいや。あそこの連中は頭固いからね。説得するのは無理だよ。じゃあここに来たのは.....」

 

「ああ、学校外でのこの騒動を調べて欲しい。対象は教育委員会と警察。お願いできるか?」

 

「警察が相手か.....随分と大がかりな頼みをするね。」

 

「学校から始まっちまったのは仕方ない。学校の事は学生である俺がしっかりけりを付けに行く。だけど、警察に提供された証拠や情報は全く分からない。だからそこら辺を洗い出してそれが合成じゃないかとかを調べて欲しい。」

 

「うちは何かの諜報機関かな....?」

 

「そもそも噂じゃない俺を知っている時点であんたらも相当だからな。」

 

「そう言われるとなぁ.....分かったよ、やってみよう。」

 

「ありがとうございます。」

 

「ただ、まずは学校を調査させて欲しい。君がどういう学校生活を送っていたかは知っておきたい。その上で外を調べる。そうだね.....期限はいつまでがいい?」

 

「なるべく速くだ。」

 

「アバウトだけど分かったよ。でもこういうのってドキドキするよね.....」

 

「あんた、喜んでないか?」

 

「楽しみなんだよ。まさかこんな漫画展開みたいなことを実際にする日が来たからね。うちの会社も総出で当たるよ。だって相手は国家機関だからね。」

 

「ああ....頼む。」

 

「何畏まってるの!!君の記事は何かと反響がすごくてね。いい意味でも悪い意味でも皆見てくれるんだよ!!それにそのおかげで警察にもパイプ作れたから、情報が入ってくる入ってくる.....君には本当に感謝だよ。」

 

「それは.....いい事なのか?」

 

「まあね。君の事を調べるのは他の企業の不正やタレントの不倫とかに比べてよっぽど骨が折れるからね。この前、うちの真似をしてどっかのバカ会社が堂々と誤報してたしな。」

 

「......おい待て。あんたどこまで知ってるんだよ。」

 

「少なくとも入ってくる情報分、知ってるよ。あ、あと、その誤報はうちが潰したから安心してくれよ。」

 

「潰した.....どういうことだ?」

 

「んー、君たち臨戦態勢になってたでしょ?それに普段から君たちにはお世話になってるから、その記事が誤報である証拠を提出したら、あっちも取り下げてね。そんなことになったら君の記事が書けないじゃないか。」

 

「ああ.....まぁ、その感謝する。面倒事を避けれた。」

 

「うんうん、素直でよろしい。しゃあ私は今から音ノ木坂に向かう。君は君のやりたいことをしなさい。」

 

「そうするつもりです。」

 

よし、これで1部のメディアの味方を得た。教育委員会、てめぇらが表の明るい世界の理論だけで俺を排除するなら、こっちはてめぇらが絶対に考えない、俺らなりのやり方で反撃するまでだ。覚悟しろよ、上ばっか向いて歩いてたら足元を掬われるからな。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「なんや、伊月、何しにしたんや。」

 

「佐山に協力して欲しい。頼む。」

 

「ああ、さっき電話で来たわ。でも、お前も大変やな。何かととばっちりくらって。」

 

「こういう世界にいるからそれくらい何ともない。別に俺は退学にされることを嫌がってるわけじゃない。その理由があまりにもいい加減だからだ。」

 

「まぁ、お前ならそう言うやろうな。伊月、良いニュースと悪いニュース、どっちから聞きたい?」

 

「いい方から。」

 

「良いニュースはな.....お前のことをちくった子達の提出した証拠がな、加工されたものやって判明したことや。与助のやつが分析して解明したんや。つまり、お前は強気で行ってええっちゅうことや。」

 

「じゃあ悪い方は.....」

 

「お前にとっては悪いニュースや.....μ'sの皆が動き出した。ちゃくちゃくと水面下で準備しとることや。」

 

「な!?あいつら......自分たちのこと分かってないのか.....」

 

「お前もそろそろあいつら以外の仲間を作らんかい.....まぁええわ。もしあの子らを巻き込みたくなかったらはよすることや。あの感じは何するか分からんぞ。」

 

 

.......何やってんだあいつら!!お前ら、自分たちの立場が分かっていないのか!?お前らはスクールアイドルであって『悪者』とされている俺の仲間じゃないんだぞ......脅されたとか、そんな噂が立ってみろ.....スクールアイドルやってる場合じゃねぇぞ。

 

「でも、あと2日は待て、伊月。」

 

「は!?こんな時に悠長に待ってる場合か!!」

 

「かっとなったら何も見えへんぞ!!お前が今のままいっても世論に潰されるだけや。ちゃんと手札揃えてから勝負にいかんかい!!最低条件が整ってないぞ。」

 

「.......分かった。」

 

「わいらはサポートするけど最後に戦うのはお前や、伊月。今のお前じゃ感情的でやれるものもやれんくなる。今は冷静にならんかい。」

 

「ああ.....とりあえず要件は済んだ。時間取って悪かったな。」

 

「伊月.....お義父さんのことはわいや南さんに任せろ。今は自分のことに集中するんや。」

 

 




これは二次創作だ.....オリジナル強すぎやろ。というかよくよく考えたらこの二次創作、日常回1個もないですやん...,

感想とかご意見があればどんどんお願いします...,


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#84 世間を変えろ(μ's編)

今回の反撃編は、μ's(城善寺さんも数えた)、伊月、大人編の三本に分けて書いていきます。今までやってこなかった分、頑張って書かなきゃいけませんし.....


「さて、どうしようかしら....?」

 

「先生たちはうちらに大人しくしとけって言うけど.....」

 

「このまま動かないのはなんか納得できないにゃー!!」

 

「神崎先生も、この行動は私たちの行動が一部影響してるって。それに学校の問題なのだから目を反らす訳にはいかないわ。」

 

「私たちでまいた種は私たちで摘むと.....?」

 

「でもどうするの?やみくもに出しゃばってもかえって逆効果よ。」

 

「そうね...せめて世間で騒がれてることが間違いだって証拠があれば.....」

 

「それならここにあるよ。」

 

「.......わ!?だ、誰ですか!?」

 

「ま、普通はそうなるよね.....自己紹介するよ、僕は毛利与助、一条伊月の片腕、という位置づけにいるよ。」

 

「その人が穂乃果たちに何の用事?」

 

「これを渡しに来たんだよ.....伊月の意思に反するんだけどね。」

 

「それ、どういうこと?」

 

「ちょっとにこちゃん、そんなにきつく当たらなくても.....」

 

「伊月にとってはね、君たちがこうやって動くことは辞めて欲しいんだよ。もし、自分に脅されてるとか、裏でつるんでるとか根も葉もない噂が立てば君たちの今までのアイドル活動に悪影響しかないって。僕も事が穏やかにすめばそれでいいと思ったけど.....そうもいかなくてね。」

 

「で、そのDVDは何ですか?」

 

「学校の裏サイトに貼ってあった陰湿な動画を解析したやつだよ。元ネタと合成元、一応それが記録、録音された日時も判明させた上であの証拠がガセだって言えるように編集した物だよ。君たちにとっては強い武器になると思うよ。」

 

「でもなぜあなたは、伊月の意思に反して動いているの?」

 

「君たちに動いて欲しい、そっちの方が世間的にはまだイメージがあるから影響力がある。そう考えたからだよ。というか、僕達の誰も君たちに協力はして欲しくないんだよ。僕達のことで君たちを巻き込むことになるからね.....ただ、今回は学校の評価にも関わってくる。伊月だけが動いても学校のイメージを変えることは出来ない。むしろ悪化するだろうね。それに城善寺さん、君だけが動けば権力のある者が無理やり筋を通してるだけにも見えてしまう。」

 

「その通りね。私だけが出るのはかえって悪印象。」

 

「じゃあ穂乃果たちて明日、記者会見みたいなのをしようよ!!」

 

『記者会見!?』

 

「でも、そのマスコミをどう呼ぶつもり?それに学校の許可もいるし....いささか非現実的じゃないか?」

 

「大丈夫!!マスコミの人達は結構校門前に沢山来てるし!!それに穂乃果たちはこの学校を救う為にμ'sを結成したもん.....学校の為なら頑張るよ!!」

 

「しかし穂乃果.....その後が大変ですよ。」

 

「そうだよ穂乃果ちゃん、それって簡単に言えば.....ことり達と伊月くんが関係を持っていることをばらすのと同じだよ。それだと.....」

 

「最悪の場合、ラブライブ出場停止もなくは無いわ。」

 

「ことりちゃんの言うことも一理あるかも.....」

 

「あなた達.....なんの為に私がいると思っているの。あなた達のことをカバーする為に私がいるのよ?私を上手く扱いなさい。」

 

「まぁ被害を最小限に抑えるならそういう形でやることがベストだろうね。」

 

「じゃあ理事長に許可を貰いに行こう!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

理事長室

 

「記者会見.....?あなた達が?」

 

「はい!!ちゃんとそれを示す為の証拠も手に入れました!!お願いします!!私たちに.....伊月くんの力にならせてください。」

 

「あなた達も伊月くんに似たわね.....でもダメよ。」

 

「どうしてですか!?」

 

「あなた達が仮にこれをして.....被害があるのは誰?」

 

「それは.....」

 

「伊月くんを、学校のことを想って動いてくれるのは嬉しいのよ。でも、それをして今後のあなた達にどう響くか.....それは考慮している?」

 

「その点に関しては私がいます。もし彼女達に....そして彼に風評被害が来るなら.....私が止めます。」

 

「.......分かったわ。好きな風にしなさい。明日の体育館の使用許可は出すわ。ただし!!ちゃんと準備はしてくださいよ。相手を叩きのめすつもりで。」

 

「あ、ありがとうございます!!」

 

「城善寺さん、あなたは少し残ってくれるかしら?」

 

「ええ、構いません。」

 

「では、失礼しました!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「残した理由は.....家のことですか?」

 

「そうね.....さっき。あなたは風評被害を防ぐと言ったけれどあなたの家は伊月くんと対立している。それでどうするつもりなの?」

 

「やはりお母様は彼を敵視しているのね.....」

 

「あなたは3年前のことを知っているでしょ?」

 

「それが....この前彼のお姉さんから同じ質問をされたのですが.....私には分からないんです。その3年前の事件が。彼と透谷が関わっているということは分かっているのですがそれ以外は何も知らないんです。」

 

「嘘では....無いようね。」

 

「はい.....教えてくれませんか?何があったかを。」

 

「私からは言えないわね.....伊月くんの口から直接聞きなさい。そうじゃないと出来事だけ知っても意味が無いのよ。」

 

「そうですか.....分かりました。でも私の家が彼と対立していたとしても.....間違っていることを間違っていると言えないような恥ずかしい真似はしません。この案件を以てそれを証明します。」

 

「分かりました、あの子たちを支えてあげてください。」

 

「はい....ありがとうございます。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ねえねえ少しインタビューいいかな?」

 

「それに関してですが....マスコミの皆さん、集まってもらえますか?」

 

ザワザワ

 

「明日の夕方、17時より音ノ木坂学院体育館でそこの案件に関することで私たちμ'sが記者会見もどきのことをします。ちゃんとした事実と学校での彼のことをありのままに語ります。是非どうぞ。質問は全てお答えするつもりです。」

 

「じゃあ君たちは彼の味方、というわけですか?」

 

「はい、彼がたとえ共学化テスト生でも、黒獅子と呼ばれる不良であっても私たちの仲間であることに変わりはありません。それに味方、という言い方は辞めてもらえますか?この案件に敵味方なんてことは無いんです。」

 

「分かりました、確かに言質を取りましたよ。」

 

「はい、私たちも逃げるつもりもありません。」

 

 

伊月、私たちも戦うわよ。いつまでもあなたに守られているのは嫌だから.......

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その夜.....

 

「本気ですか!?穂乃果!?」

 

「本気だよ!!だって穂乃果たちがいくら頑張っても皆が変わらないなら.....」

 

「ですが.....」

 

「私もはっきり言えば穂乃果の意見に賛成よ。私たちが救いたかった音ノ木坂学院は、こんな学校じゃないわ。」

 

「でも....うちらは3年生、あと数ヶ月で卒業なんよ。」

 

「でもその手もひとつの切り札ね。」

 

「にこっちはどう思うん?」

 

「にこは本来こういうリスクのあることに首を突っ込むのは嫌なんだけど....あいつが不憫な思いをし続けるのは嫌ね。それに私たちは卒業するんだから、後輩の為に頑張るのもいいんじゃないの?」

 

「にこちゃんドラマの影響を受けているのかにゃ?」

 

「うっさいわね。でもやるならやるわよ。私だけ我儘言ってやらないのはμ'sとして駄目だわ。」

 

「海未ちゃん.....」

 

「.....伊月...,分かりました。私もやります,。」

 

「良かったぁ.....」

 

「伊月もかつて退学を覚悟でたくさんのことをしてきました....私たちもその気で動かなければ何も変えることは出来ませんよね?」

 

「うん、ありがとう、海未ちゃん。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

 

「これから、音ノ木坂学院で起きた今回の案件についての会見を始めます。今回話させてもらうのは音ノ木坂学院スクールアイドル部μ'sのメンバーと城善寺冴子です。よろしくお願いします。」

 

「では早速質問良いですか?彼は淫らな性格でしたか?」

 

「それは.....ありませんでした。私みたいな大人しい人にも優しく話しかけてくれました....あ、私は小泉花陽、1年生です....。」

 

「それはあなた達アイドルに近づきたいからではないのですか?」

 

「その線は無いですね。彼が入ってきた時は皆彼のことを警戒して話しかけようとすらしませんでした。それに彼がアプローチをかける前に他の生徒は勝手にレッテルを貼って嫌い、彼のことを知ろうとする態度すらありませんでした。当然といえば当然の反応かもしれませんが、最初からレッテルを貼っていたのは正直見ていて嫌でした。」

 

「今回の提出された証拠の中にはあなた達らしき方々がセクハラをされて女子生徒がそれに対して激昂しているものもありましたがあれはどうなんですか?」

 

「それに関しては凛が答えます。あれは恐らく凛とかよちんの事だと思います。元々凛もいつ.....一条くんを先入観で悪者にしていて、かよちんの緊張を解いてあげようとしていた一条くんに勝手に注意してしまったんです。その後一条くんから、幼なじみのあり方や沢山のことを教えてもらいました....でもそれを勝手に加工して被害を受けた風にされたんです!!」

 

「因みにですが、それを示す物は....?」

 

「それはこちらのDVDに保存されてあります。昨日中身を確認し、私たちの中でもちゃんと話し合いましたが、全て加工でした。」

 

「...,.......」(視聴中)

 

「このDVDの通り、これは加工された物で、その録音、録画時間も分かりました。このビデオだと4ヶ月以上前の動画と1か月前くらいの音声が合成されています。」

 

「因みにこれは誰が作ったんですか?」

 

「それはこちらをご覧下さい。」

 

 

『どうも!!警察官の橘と黒柳です!!』

 

『今回提示されたこの動画ですが、鑑識に調査させたところ、加工されたものであり、正式な監視カメラから取った物は殆どありませんでした。また、監視カメラでも都合の悪い物はカットされ、音声の書き換えも行われていました。』

 

『私たちの中でいい加減な調査をした者がおりました。そのことを深く謝罪し、また別の場を借りて深く謝罪し、再発防止に努めます。』

 

「こちらが証拠です。」

 

「なるほど.....ではどうしてこのようなことが起きたのですか?」

 

「今回の事件は彼へのレッテルを元に公的に彼を排除しようとしたことが原因で起きました。私たち生徒の中でも、彼のことをよく思っていない人が大多数で、彼の在学を認めている人は数少ないです。ですが彼を批判したり嫌っている者はまず彼と関わったことがない人が殆どで、先入観で勝手に解釈した人が残りです。」

 

「随分と彼に肩入れをしているようですが.....あなた達は彼に脅されてるとかそういうことでは無いのですか?」

 

「勿論そうです。そもそも彼が誰かを脅すような真似をしていたなら今更彼は無事ではありません。私が叩きのめすので。」

 

「失礼ですがあなたは.....?」

 

「私は城善寺冴子、城善寺千世の娘です。」

 

ザワザワ.....

 

「静かにしてください。私は最近この学校に編入して彼のことを見てきました。ですが、彼は淫らなことや脅しのようなことは一切しておらず、むしろ生徒が彼を迫害しているようにも見えました。」

 

「では教育委員会が誤った情報を流してしまった、ということでしょうか?」

 

「はい、そういうことです。」

 

「でも、やっぱり信用出来ないなぁ.....城善寺財閥が関わってるが.....一条伊月と言えば組織とか関係なく突撃する奴だから.......」

 

「勿論、信じるか信じないかはあなた方の会社の判断にお任せします。この証拠を提示して、尚まだ彼を退学させる風潮を出し、学校が変わらないなら......」

 

 

 

 

 

「穂乃果たち、μ's全員、この学校を辞めます。」

 

「え!?そ、それは冗談ですよね!?」

 

「冗談ではありません。私たちが救いたかった学校は、皆が認められ、共に成長できる、歴史あるこの学校なんです。私たち皆、大好きです。ですが、先入観や噂に囚われ、ろくに関わったこともないのに、こんな陰湿な証拠制作をして勝手に上げ、退学にさせることを行った生徒もそれを黙認している教師も、私たちは嫌いです。彼は学校を2度救いました。ひとつは大人の粉飾を見抜き.....ひとつは侵入してきた不審者をたった1人で追い出しました。誰の手も借りず、周りからレッテルを貼られてもなお自分の正しい道を貫いていました.....そして学校の為に尽力していました。」

 

「彼は生徒会の手伝いも兼任していて、作業の効率化に大きく役立ってくれました。」

 

「それも全部一条伊月の指示ですか!?」

 

「違います。.......それは、私たちの意思です!!」

 

「これを見てください、私たち直筆の退学届です。いつでも提出する覚悟はあります。」

 

ザワザワザワザワ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あ、兄貴!!!こ、これを見てください!!!」

 

「どうしたそんなに焦っ......すぐ行くぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

「今だ、あれは操られてやっている。今すぐ保護するぞ!!」

 

「おい待てよ、ここに何の用だ?」

 

「一条.....伊月!?」

 

「貴様!!あんな子達にあんなことをやらせたのか!!汚いぞ!!」

 

「あ!?あいつらの退学なんざ初耳だこの野郎!!」

 

「そこをどけ!!お前たちは恐喝罪と公務執行妨害で逮捕する!!」

 

「上等じゃねぇか。やってみろよ、あいつらが勇気を出して前に出たんだ.....それを勝手に俺のせいにして自分たちで統制する気なんだろ?」

 

「そんなわけないだろ!!」

 

「そんなわけない?違うだろ、あの会見でお前ら警察や教師は面子を潰されたんだ。それを俺の脅しということにして、退学も証拠提示も俺が仕込んだデマだとでも言うつもりだろ?そんなことさせねぇぞ。あいつらに手を出すなら.....表出ろ。全面戦争を受けてやろうじゃねぇか。何があってもここからは通さない。てめぇら汚い野郎共にはうんざりしてたからなぁ!!」

 

「兄貴!?.....仕方ない、おいてめぇら!!やりてぇならこっちはいつでも受けるぞオラァ!!」

 

「お前ら、何があってもここを通すんじゃねぇぞ!!」

 

『おお!!』

 

「おい.....お前は中に行ってこい。あいつらを頼む。」

 

「了解しました.....兄貴、ご武運を。」

 

「ああ。お前こそ負けるんじゃねぇぞ。」




μ's編はこんな感じです。あと2回でこの展開をちゃんと完結させます。感想、ご意見、誤字脱字報告、お願いします。


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#85 世間を変えろ(伊月編)

これ、もうオリジナルですね.....もし次またラブライブの二次創作書く時は気をつけます。とりあえず4月までには完走します。


ピロピロ

 

「どうしたのかしら?伊月くん?」

 

「何で番号変えたのに分かるんだよ.....」

 

「こんな時に連絡をよこすのは君くらいよ。それで何の用事?」

 

「μ'sの皆を頼んでいいですか?あいつらが統制する側に保護されないように。」

 

「統制?.....はいはい、理解したわ。伊月くん、外で騒ぎを起こしたわね?」

 

「まぁ.....警察が記者会見潰そうとしてきたからな。それを止めているだけだ。一応、あいつらの近くには仲間を置いておいたから仮に中からなにかされた時にも対応できるようにはしている。」

 

「大丈夫よ、一応会場には神崎先生と橘さんがいるから。」

 

「はい、頼みました。俺はわんちゃん全面戦争になりそうなので。」

 

「なるべく穏便に済ませなさいよ。あなたもここの生徒なんだから。」

 

「分かってますよ.....ただ、相手側も中々強硬ですから、避けるのは難しいですね。」

 

 

 

 

 

「いいかお前ら、あいつらから何かしてこない限り、何もするなよ。こっちから先に手を出したら負けだ。ただ.....絶対に通すなよ。」

 

「分かってますよ!!中は大丈夫なんすか?」

 

「中にはちゃんとした大人がいる。そこはあいつとそいつらに任せよう。」

 

「おい!!早くどけ!!どかなければ業務執行妨害でお前たちを逮捕する!!」

 

「誰が通報したんだよ、お前らが勝手に動いてるだけだろ?」

 

「近くに住む人から通報があったんだ。お前たちが発言を強制させているから保護してくれと。」

 

「は?じゃあお前らはそいつの勝手な思い込みを信じて、事実確認をしていないのか?」

 

「μ'sのメンバーがこうやって記者会見をしている、それが証拠じゃないか!!」

 

「そういう言い分で動け、お前たち大森に指示されたのか......だがいいのか?あんたらの自分勝手な行動は今、テレビを通して伝えられているんだぞ?そんな曖昧な根拠で動いて勝手に統制する。なんとも自分勝手じゃないか?」

 

「じゃあ何故お前たちは集団でここに来たんだ!?」

 

「何故?お前らが集団で来ることを知っていたからさ。俺一人で行けば、数の暴力でやられるのは明確。なら、部下を連れてきて数の暴力に対抗する。それに保護するよう通報されたにも関わらず、まるで全面戦争をするのを分かっていたかのような動きじゃないか?さっきの通報の中に『俺たちがいる』なんて事、言ってたか?にも関わらずこの人数で来るとは一体どういった了見なんだ?」

 

「ぐっ.....屁理屈をこねるな!!」

 

「だったら今すぐ退け。女子学生を保護するのに20人近くの警察官が普通いるかよ.....それにこのまま強硬突破すればお互い損しかねぇよ。」

 

「なんだと.....!?っ.....もしもし、はい.....分かりました。おい、撤収だ。」

 

「帰りやしたね.....」

 

「そうだな.....だが事態は変わらねぇか。」

 

「そうすか?ちゃんと侵入を阻止出来たじゃないですか?」

 

「それはそうだが.....次あいつらがどう動くかだな。今の出来事を都合のいいように扱うはずだが.......」

 

「いやいやー。いい記事を頂きました!!」

 

「あ!?なんだてめぇ!!」

 

「おい待て。この人は味方だ.....佐山さん、今の一部始終録画しましたか?」

 

「勿論、これは非常に大きいよ。うちの記事で君たちをサポートさせてもらうよ。きっと飛ぶように売れるぞ!!」

 

「あんた.....この状況楽しんでないか?」

 

「楽しんでるよ!!こんなアニメでしか有り得ないようなスクープを実際に手に入れられたからね!!明日を楽しみにしておいてくれ!!」

 

 

 

 

 

「あいつ.....変わってますね。」

 

「ああ。だが、あいつの書く記事はいつも公平だから信用はできる。あいつ自体を信用できるかは微妙だがな.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌朝

 

「な、なんだこれは!?」

 

【衝撃 教育委員会と警察がグルになり、問題を起こしていない生徒を排除している!!】

 

『先日起きた黒獅子の学校での一連の出来事を調べるため、当社の記者が様々なところへインタビューへ行った。そこで記事が見たものは恐るべき計画と世間を騙すための執拗な手段だった。インタビューを元に記者がここに全てを書き記した....』

 

ピロピロ

 

「はい、週刊誌担当の佐山です。」

 

「教育委員会の者だけれどね....どうしてあんないい加減な記事を書くんだ!!」

 

「いい加減?あなた方教育委員会や警察にもちゃんと取材をした上で書いているのですよ。それのどこがいい加減なのですか?」

 

「これではまるで我々と警察が悪者みたいではないか!!」

 

「それは読者の判断次第です。」

 

「あの男は黒獅子ですよ!?悪なんです!!それを擁護する記事を出すとはどういった了見なんですか!?世論を無視しているのですか!?」

 

「すみませんが我々の仕事は世論に従って右向け右のような内容の記事を出すことではありません。我々は常にちゃんとした取材と確かな情報を元に制作しています。記事の方向性に文句を言わないでください。それに彼を一概に悪と決めつけていますがあなたは彼のことを知っていますか?一条伊月、15歳の高校一年生にして共学化テスト生として音ノ木坂学院に入学、入学して早々、当時の教頭の粉飾を暴き検挙、そして校内に侵入した不審者達を追い出した、その他にもスクールアイドル部のメンバーの悩みを解決しており、廃校阻止の裏の主役程のことをしている。また彼の猥褻な行為はまず発見されず、むしろ生徒から距離を取っているというのが事実。これは私が学校に取材に行き、監視カメラや彼のことを調べた結果です。あなた方、調べましたか?」

 

 

「それは.....」

 

「あなた方は噂と曖昧な根拠を信じて退学処分を下した。その怠惰でいい加減な労働姿勢を美化しろという方が苦しいものですよ。それに今回は警察もそれに手を貸したという訳ですよ。それをそのまま記事にしただけです。まだ言いたいことがありますか?」

 

「.....仮にそうだとしてもこれは名誉毀損罪だ!!訴えるからな!!」

 

「はい、お好きにしてください。ですが、それなら彼の方がよっぽど人権侵害をされていますよ。彼への名誉毀損、それを考えてますか?もしあなた方がそう言うなら我々はその件について訴えます。ではお互い法廷で会いましょう。」

 

「ぐっ.....だが私たち教育委員会には子供たちの学べる環境を整える義務がある。彼の存在や行ってきたことで怯えたりするのは当然のこと。大多数の生徒がそれで迷惑しているのだから彼を退学にするというのは至って正しいじゃないか。人権とか言うけどね、しゃあ他の子供達が安心して学べない環境を認めろと言うのか!?」

 

「そもそも噂だけで人を決めるという方が問題ですよ。その理論でいけば、中学生の中でヤンキーがいたら、仮に学校で何もしていないのにそいつを謹慎処分にするのと同じですよ。それに今声を上げている人は1度たりとも彼と話したことがない人たちでしょ?それを鵜呑みにする方がよっぽど馬鹿げてますよ。本当に迷惑行為をしているならともかくそれは自己中な言い分ですよ。私は彼じゃないから言えますけどね、侮辱するのも大概にしてください。もう話しても埒が明かないので失礼します。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

警察署

 

「一条伊月....あなたが何をしたか分かっていますか?」

 

「知るかよ。だがこの一件でてめぇの株は下がったんじゃないか?」

 

「本当です。あなたのせいで!!私の社内評価が落ちたじゃありませんか!!」

 

「だから知るかよ。俺を貶めたいのは丸見えだったしな、どうせ裏で城善寺と絡んでるんだろ?」

 

「何を言っているんだそんな事ないだろ!!ですが君は公務執行妨害をしました。」

 

「は?てめぇらの言論統制の方がよっぽど問題だろ。それに保護であの人数は要らない。お前が俺たちを捕まえる為に敢えて増やしたんだろ?無駄だ。」

 

「ぐぅぅ.....覚えておけよ!!お前をいずれ地獄にたたき落としてやる!!」

 

「やってみろよ、何なら今ここでやってもいいんだ.....ぐっ!?」

 

俺は今肩を銃で撃ち抜かれた。サイレンサーが付いているから音が軽減されてる上に、ここには監視カメラがない。こいつ.....

 

「お前は再生力が高いんだ、この程度の傷ならすぐ治るだろう.....存分に痛めつけてやる。」

 

「ちっ.....」

 

「くそ!!逃げるな!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「な、なん(ですかこれは!?」

 

【激震!!一条伊月容疑者、取り調べを脱走!!】

 

「まずいことになったわね。」

 

「理事長、これ何ですか!?」

 

「この姿勢は.....おそらく銃で撃たれたのね。しかもかなり狙われてやったものね。伊月くんの再生力は並大抵じゃないから.....上手く扱われたわね。」

 

「ということは、取り調べ中に相手の故意で重症を負ったということですよね?」

 

「ええ、ここまでやるなんて.....警察も必死ね。自分たちの面子を守らなきゃいけないからこういう手をとる事で強制的に犯罪者に仕立て上げて世間から批判されるように仕向けた。ほんと、汚いわね。」

 

「でも、どうすれば....」

 

「私たちにできることは無いわ。私たちだけでは世論や警察には勝てない。」

 

「.......先生、今度の記者会見、私に任せてくれませんか?」

 

「神崎先生?一体何を考えているの?」

 

「私が.....担任として一条さんのイメージを....世論と戦います!!私だけに任せてください。」

 

「だけ!?それ、本気なの?」

 

「勿論です。もし無理だったら私はこの学校から去ります。」

 

「え!?ちょっとめちゃくちゃよ.....」

 

「だからお願いします!!私にやらせてください。」

 

「......分かったわ。その代わり、μ'sの皆のことも踏まえて完全勝利することが条件よ。」

 

「!?.....はい!!分かりました!!」




次は大人編です。これで終わる予定ではいます.....


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#86 世間を変えろ(大人編)

もうすぐ最期のセンター試験(来年は共通一次試験でしたっけ?)ですね.....受験生の皆さん頑張ってください。


「やっぱりな.....厄介なことになったな。」

 

「兄貴、これはいくらなんでもおかしいですよ!!こいつ、拳銃を使ったことを隠蔽してるんですよ!?」

 

「だが結果的に俺は事情聴取から逃げた犯罪者だ。今はどう喚こうがそれが事実だ。うだうだ言ったって意味は無い。」

 

「でもこの写真から判断出来ないんですかね。」

 

「俺の再生力は異常だからな.....血は1分足らずで止まる。傷口と痛みは数日あれば元に戻る。それを上手く利用された。」

 

「この画像を解析するのは簡単だけど.....だからと言って出血した痕が無いしその傷口を伊月は手で覆っている。たとえ画像解析が出来たとしても潔白を証明するのは難しい。」

 

「じゃあこのままこれを認めるんですか!?」

 

「そんな訳無いだろ。だがどうやって.....?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おい、何処に行くつもりだ大森。」

 

「これは黒柳さん.....黒獅子の後を追っているんです。私としたことが逃げられてしまいましたから.....」

 

「そうか、ならその銃弾は何だ?」

 

「これは別件の証拠ですよ、これを鑑識に持っていく予定です。」

 

「鑑識はそっちじゃないだろ?お前、伊月を撃ったな?」

 

「何の話ですか、事情聴取で拳銃使う警察がいますか?」

 

「それはいないだろうな、だがその部屋から血痕らしき物は見つかったぞ。それも伊月本人のな。」

 

「それは言いがかりですか?証拠はありますか?無いでしょ?あの男の血を調べるなんて不可能なんですよ。

 

「お前.....やはり知っていたのか。まさかそれを知った上でやったのか!!」

 

「だから証拠ないじゃないですか、どれだけ怪しくても証拠がない限り意味無いんですよ。じゃあその血痕を鑑識に見せたらどうですか?まぁあなたにそんなことは出来ませんけどね。」

 

「くそっ.....卑怯だぞ!!お前はそれでも警察か!!」

 

「はい、市民の平和を守り、犯罪者を捕まえる、立派に仕事はしてますけど。」

 

「.......くっ。」

 

「というわけで失礼します。後、それを証拠には出来ませんよ、あいつが襲いかかって来たから正当防衛をした、そういうことで片付けられますから。」

 

 

 

 

 

 

 

「黒柳さん、どうかしたんですか?」

 

「橘、伊月の血液は知ってるな?」

 

「はい、それがどうかしたんですか?」

 

「もしあいつが襲われたとして.....どう証明する?あいつの血を公表することは世の中を混乱させることになってしまう。鑑識に渡したら終わりだ。」

 

「そうですね、偽装も出来ませんし.....なら、こういうのはどうですか?」

 

「.....確実性は無いが、それでしかあいつを倒せないか。ありがとう、橘。」

 

「はい!!では、私は百合子の護衛に行ってきます!!」

 

「護衛?何があるんだ?」

 

「今日、百合子が何かするみたいで.....信頼できる警察官に守って欲しいと。」

 

「なるほど.....分かった、職務を全うしろ。」

 

「了解です!!黒柳さんも頑張ってくださいね!!」

 

 

(伊月、本当にすまない.....お前の事を分かっていながらあの時あんな事を言ってしまった...未熟な私を許して欲しい。こんな事では償いになるなんて思っちゃいない.....だが私にはこれしか出来ない、許してくれ.....)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「優花、来てくれたんだ。忙しくないの?」

 

「大丈夫だよ!!なんせ親友の頼みだしこれも仕事だしね!!私の上司の人も許可くれたし。」

 

「優花の上司さんはいい人だね。注意散漫な優花を部下に持つと大変そう。」

 

「うっ.....それは言わない約束だよ!!」

 

「あ、そうだったね、ごめん。じゃあ行ってくるよ。背中守っといてね。」

 

「任せなさいって!!というか懐かしいね.....現役の時も同じようなことあったもんね。」

 

「そうだね.....買い食い禁止だったことを変えたもんね。あの時は本当に馬鹿だったからね.....」

 

「まぁ百合子のおかげで皆帰りに食べれるようになったんだし良かったよ!!」

 

「まぁそうなら.....さてと、世間倒してくるよ。」

 

「百合子?現役の時の口癖に戻ってるよ.....」

 

 

 

 

 

「どうも、音ノ木坂学院1年生主任兼一条伊月くん含む1年生クラスの担任、神崎百合子です。」

 

「理事長はどうしたんですか?」

 

「理事長は所用の為いません、その代理として私が来ました。」

 

「何故こんな学校の一大事に用を作ってるんですか?」

 

「それは、これが理事長が出るまでのことでもないからです。皆さんは我が校の教育管理姿勢やその杜撰さの謝罪を聞きに来たのですか?」

 

「これだけ騒ぎが起きれば謝罪が必要なのは当然なのではないですか?現に親御さん達は学校を信じて子供を預けてるわけですから、そこの自覚はありますか?」

 

「そうですか...確かに今騒いでいる生徒へ教育が行き届いていなかったのは事実です。これは事実です。そこについては謝罪いたします。まず皆さんに勘違いされたら困るのですが、校内における彼は何も問題行為を行っていませんよ。今回流出した動画は校内で撮られたもので、明らかに加工画像です。それは以前我が校のスクールアイドル、μ'sの皆さんから同様の発言があったので割愛します。」

 

「ではあくまで彼が何かをしたという訳では無いのですね?」

 

「勿論です。そこで私は昨日、音ノ木坂学院の監視カメラの映像を全テレビ局に送りました。皆さんはご覧になっていないのですか?」

 

「それは拝見させてもらいました。確かにあなたの言う通りそのような事態はありませんでした。ですが校舎でも校舎裏などそういう監視が届かない場所はどうだったのですか?」

 

「それに関してですが、私共で確認した限りは一切見つかりませんでした。その証拠に彼がセクハラ紛いな行為をしていたという映像が撮られていたのは教室等の見える所でした。それに今のところ一般生徒から校舎裏等のところでそういう行為をされたという話は無く、言いに来た生徒も嘘ばかりでした。まず友達が目の前でセクハラされていたとしたら動画撮ってる場合ですか?仮に力が叶わない場合は警察なり私たち教師なり呼べばいいんですよ。確かに証拠作りをするのは大切ですが、まずその前に相手は黒獅子ですよ?そんな呑気に証拠をくれると思いますか?皆さんの想像上の彼ならそれくらい考えて口封じをしますよ。それにこれをご覧ください。これが我が校の校舎構造です。基本的に視覚、監視が届きそうにないところに警備室を作っており、体育館近くには体育教官室もある為、まず悲鳴をあげれば絶対に分かるようには作られています。」

 

「では音ノ木坂学院の職員は何も悪くないと?」

 

「私たち教員にも責任はあります。こんなちゃんと事実を受け止めず、噂と先入観でこんなことをするような生徒を育ててしまったことは全て私たちの責任です。申し訳ありませんでした。」

 

「あのね、私は教育委員会にいた事があるから分かるんだけどね、学校っていうのは学ぶ為にあるところなんですよ。そんな不良などと呼ばれている生徒に時間をかけるなら、退学させてちゃんと真面目に勉強する子供を守り、教える方がよっぽど価値がありますよ。あなた方はそれもせずに何をさっきから言っているんだね!!」

 

「.....分かりました、ではこれをご覧下さい。」

 

「.....随分と厳しい項目ですね。こんなのでも退学扱いになるのか。」

 

「これは共学化テスト生の一条伊月くんに入学した時に同時にサインしてもらった本校の教育方針とその処罰に関してのことです。まず彼には学校が許可を出した生徒以外との連絡先の交換を禁止し、また体育等の実技の時は別室で同じ作業をする、授業中に学校が認めた女子生徒以外との2m以下の接近を禁止にしています。因みに学校が認めた生徒というのは私たち教員がテストをして、その上で彼とちゃんと接していけると判断した生徒です。これを合格したのは、μ'sの9人と彼の姉、そして城善寺冴子さんです。私たちが彼との接触を発見し、今後も可能性がある場合呼び出し、このことを伝えてテストをしましたこれは彼女達に聞けばすぐ分かるとおもいます。あと、彼は下校中の一般生徒との接触は基本禁止し、基本的に授業活動の時以外は厳しい制約を課しました。テスト生とは言え、それは女子生徒が男子生徒と過ごすことに慣れさせることが目的ですからかなり厳しくなりました。彼はこれに躊躇うことなくサインをして、今日まで1度も破っていません。」

 

「.....本当なのですか?」

 

「はい、生徒にはこの項目は内緒にしていましたから、つまり彼女たちが言っていることは嘘です。これについては一般の警備会社との連携を取った上での監視なので信じてもらって大丈夫です。それと.....先程言われたことに対して答えを出していませんでしたね.....私たち大人、教員がすべきことは生徒と向き合い、彼らを伸ばすことだと思います。間違っても自分たちの言うことを聞いていいこちゃんをしている人達の為だけにやっているわけではありません。一昔の言葉を使うなら.....腐ったミカンを放り捨てるわけでは無いんですよ。私たちはこれから社会で生きていく人材を育てる訳ですから。確かに高校ですから、ここは義務教育ではありません。自ら学びに来ている生徒たちを守るのは当然の義務です。それに関しては理解しています。でもだからといってじゃあこいつは邪魔だからいいやとか考えますか?そんなことは無いはずです!!そうやってレッテルを貼って見捨てるから私たち大人への信頼が無くなり、生徒はさらに態度を硬化させていくんです。少なくとも彼はちゃんと向き合ってくれましたよ。でも半年弱かかりましたけどね。そして彼は半年間、途中何回か学校を休むことはありましたが、休学することは無く、契約を守り続けました。少なくとも私たちは生徒と向き合いもせずに勝手に問題児扱いして排除しようとは考えませんよ。それが教育方針です。」

 

「それは正しいかもしれないのですが、やはり悪いことが目立ってしまうのは必然ではないですか.....?」

 

「確かにそれは仕方ないことですよ。ですがそれで終わったら可哀想ですよ。ちゃんと向き合って下さい。」

 

「でも昨日の新聞では、彼が事情聴取から逃げたという情報がありましたが、それはどうお考えですか?」

 

「彼の逃げる姿勢が不自然でした。逃げるつもりなら片腕で肩をおさえますか?そんなことしたら片手が塞がってすぐ捕まりますしね。.....皆さん、SNSをご覧下さい。その当時の事情聴取の映像が送られてきました。これ、警察官が撃ってますね。」

 

ザワザワ

 

「これで伝わりましたか?この一件において彼は無実。むしろ被害者です。今皆さんが持っている嫌疑はこれで全て晴れたと思います。そして、今後のことですが.....今回の一件を踏まえ、道徳教育を増やし、ちゃんとした人間性を育てていきます。それが唯一の贖罪ですので。他に何か質問ありますか?今ここで全部言って貰える方がありがたいです。ネタを分けて定期的にネタにするなんて姑息な真似だけはやめてください。私たちに批判を浴びせるのは構いません、ですが彼を侮辱することは許しません。今なら学校で起きたことなら全てご説明致します。......無いなら、これで失礼します。今回は我が校を起点として大きな騒ぎを起こしてしまい、申し訳ありませんでした。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一方、警察署にて

 

「.....本当に世話になった、商、感謝する。」

 

「取り付けといてよかったわ。この前、客の中に無罪で自主を強制されたっちゅうやつがおってな。そいつの話聞いて、これはあかんなと思っただけや。でもいいんか?黒柳?」

 

「お前、今日の会議で大森を可愛がってた連中がお前を敵視し始めてる。署長を除いて殆ど敵やで。」

 

「構わない...きっとこれは伊月に対してしてしまったことの罰なんだろう。甘んじて受けるつもりだ。それが私の償いになる。」

 

「お前の正義はないんか?」

 

「嫌、ちゃんとある。私は敬一に教えられた。あいつは命をかけて義理の息子を救った。その時は責めることしか出来なかったが.....あいつは自分の正しいことを貫くことを教えてくれた、私は強いつもりでいたがな.....そうでもなかったみたいだ。だがもう折れない。」

 

「まぁそう思っとるなら安心や。」

 

「だがお前、どうやって取り付けたんだ?あそこは基本的に一部の人間しか入れないはずだが.....」

 

「Tと名乗る奴やな。あいつは何かと協力してくれてな、証拠物を貰った時はもろたで!!って思ったわ。」

 

「.....何だかよく分からんがあれのおかげで助かった。ありがとう。」

 

「それはこの騒動で勝ってから言うんや。ええな?」

 

「ああ.....そのつもりだ。」




終われたのか....?というかアニメだと2期の5話と6話の間なんですよね.....恐るべきオリジナル多めタグ。


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#87 その後、収束

そろそろ終わらないとまずいですね。明日からラブライブフェスですね。センターと被るのは少しあれですけど.....


校内にて

 

城善寺side

 

生徒と先生達は随分と焦っているようね.....恐らくは、μ'sのみんなや先生が無実を証明したからこの騒動を起こした自分たちの処分について考えているのかしら.....特に主犯の1年生は怯えている。下手なことしなければ良かったのに.....彼に喧嘩を売れば高い代償がつくのは分かっていたでしょ?

 

「城善寺さん、どうしたらいいの!!」

 

「私に聞かないで。どちらかと言えば私は彼の無罪側にいるのだから。」

 

「でもこのままじゃ私たち警察に捕まっちゃうよ!!」

 

「そうよ!!あいつが来たのが悪いのにどうして私たちがこんな目に遭わなきゃいけないのよ!!」

 

「あいつが来なければこんなことには.....」

 

「あなた達.....いい加減にしなさい!!」

 

「!!!!」

 

「あなた達はもう高校生でしょ!?それにも関わらずなぜ自分の行動に責任が持てないのよ!!あなた達が彼にけしかけたことの意味は、あなた達が本気の彼と闘うことになるということなの、世間や大人が味方だからってあなた達が無事でいられるわけがないでしょ!?」

 

「それはそうだけど.....」

 

「でもあいつがここに来た理由も分からないし.....」

 

「やっぱり理事長を脅したとかそういうことでしか.....」

 

「.....ふざけるのも大概にしなさい!!あなた達がまいた種だからあなた達でケリをつけなさい!!私はあなた達の都合の良いように扱われるお金持ちキャラじゃないわ!!もしそういうつもりで私と接してきたのなら.....二度と関わらないでもらいたいわ。それにそうやって曖昧なことを言って動いた結果がこれよ。まだそれが分かっていないのかしら?」

 

「そうじゃなくて.....」

 

「じゃあ聞くけど、この中で一度でも彼と関わった人はいる?」

 

「.........」

 

「0、ね。それでこの中で処分を甘んじて受けるつもりの人はどれくらいいるの?」

 

「.......」

 

「これも0、かしら。」

 

「で、でも私は悪くない!!私はあんなこと知らなかったし動画も知らなかった!!確かに署名をしてしまったけど.....でもそれは押し付けられたからで.....」

 

「ふぅん.....でも署名をした以上、あなたも同じなのよ。それに知らなかった?.....裏サイトではあなたが動画を提供しているのがあるのだけれどこれは何かしら?」

 

「そ、それは.....」

 

「人は窮地に陥った時に本性が表れるとはこのことね。今のあなた達は、自分を守るのに必死、過去のことを彼のせいにして自分を美化し、もし火の粉が飛んでくるなら他人のせいにして避ける....こんな感じかしら?もしあなた達が自分達の責任を軽くしたいなら.....今やるべきことを考えて動く事ね。それに先生が出したあの項目を彼が守り続けた理由は分からない?」

 

「.......」

 

「それは、彼が自分のせいで皆に悪影響を及ぼさないようにする為よ。彼は最初はμ'sのメンバーとすらあまり自分から関わろうとしなかった。けれど時間がそれを変えた。こんなことを言ったところであなた達が認めるとは1ミリたりとも思っていないけれど。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

職員室にて

 

「城善寺さん、相談があるのだけれど.....」

 

「何ですか?」

 

「あなたの家に行かせて貰えませんか?謝りたいので.....」

 

「謝りたい?何故ですか?」

 

「このような事態が起こったら.....預けてくださった親御さんに申し訳無いですし.....」

 

「はぁ.....(どこもかしこも自分を守ろうと必死ね.....)、すみませんがその必要はございません。」

 

「何故ですか!?」

 

「そうやってお母様に媚びを売って自分だけは正しい、そう示したいのでしょ?」

 

「大人に向かってそんな口を聞くのかね!!」

 

「はい、私はあなた方のような方を見上げるための目はありませんし、何より今回の事件に協力したのは.....あなた達でしょ?」

 

「ち、違う!!これは生徒がやったんだ!!私たちは巻き込まれたんだ!!」

 

「まぁそう言うでしょうね.....それにあなた達は私が転入してから給料が上がったでしょ?もし学校で不祥事が起こり、それがお母様に悪印象を与え、減給されたら.....さぞ大変でしょうね。」

 

「だから私たちを助け『社会人なら未成年の人達がしたことで頭が下げられるくらいの度量はないのですか?』.....」

 

「すみませんが、私はあくまで彼の無罪を主張する立場です。責任転嫁や自己防衛の為の道具ではありませんので.....では。」

 

 

 

 

 

「じょ、城善寺さん!!」

 

「あら、小泉さん、どうかしたのかしら?」

 

「り、理事長室に来て!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

理事長室

 

「本当に今回は.....ことりや皆に迷惑をかけたわね、大人として申し訳ないわ。」

 

「そんな、気にしないでください!!」

 

「私たちは伊月を想って動いただけで.....むしろ私たちが勝手な行動を取ってしまいすみませんでした!!」

 

「.....理事長、にこ達の処分はどうなるのですか?」

 

「にこっち.....?」

 

「仮に許可を出したとはいえ、あんなに大胆にやった上にメディアの前で退学届まで出した。それで何事もなく、はいかないわよ。にこ達はアイドルだもの。」

 

「それもそうですね.....」

 

「理事長、私たちは如何なる処罰も受けるつもりです。退学になさるのなら遠慮なくなさってください。私たちは退学届は持っていますのでいつでも抜けられます。それに理事長達にはご迷惑をおかけしました、申し訳ありませんでした。」

 

『申し訳ありませんでした.......』

 

「私も同じです。彼女達に協力したのと、私がはっきりしなかったせいで他の同級生に『城善寺さんが守ってくれるから』と安易に思わせてしまいました。贔屓目なしに処分をください。それから.....彼女達を退学にするのだけは辞めていただけませんか?」

 

「.....それはどうして?」

 

「先日、私は一条伊月と接触しました。その時に彼からこう頼まれたのです。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『あなた、これからどうするつもりなのよ?』

 

『暫くは学校にも行けないだろうな、残念だ。』

 

『あなたはああいう行動を起こした人に何も思わないの?』

 

『そんな訳ないだろ。内心怒りで満ちていた。』

 

『そうでしょうね.....あなたはどうして欲しい?』

 

『どうして欲しい?.....どういうことだ。』

 

『今回の騒ぎを起こした生徒によ。あなたは今回名誉毀損されたのよ。それに教育委員会から不当な扱いを受けた。その女子生徒達を退学処分にする、とか、委員会の職員を引退させるとか、そういう望みよ。あなたは被害者、それを訴える権利はあるわ。』

 

『そうか.....特段求めるものはねーよ。その生徒たちの心から俺を悪く思うことは消えないだろうし、暫くは世間の風当たりは厳しいだろうな、だからな城善寺.....もしそういう処分の話が出たら、退学だけは阻止してくれないか?』

 

『.....なぜ?』

 

『そういう環境で生きていくことが1番自分を懺悔するのに適しているからだよ。刑罰を下すのは簡単だけど、残るのは自分をそういう状況にした原因に対する憎しみ、自分のしたことよりも刑罰を受けたから自分が悪いと思う。それじゃあ意味がねぇんだよ。あっちが世間を利用したんだ.....だったら俺が世間を利用してあいつらに贖罪の意味もこねて生活させれば、俺も納得するさ。その中であいつらが成長してくれればの話だけどな。』

 

『.....恨みはあるけれど、そういう寛大な処分を求めているのね?』

 

『寛大?そんなわけないだろ、これ以上に生きていて辛いと思うことは無いんだよ。結構性格が悪い方だからな。』

 

『分かったわ.....もし伝える機会があれば伝えておくわ.....それと。』

 

『ん?なんだ?』

 

『早く戻ってきなさいよ。μ'sのみんなをいつまでも放っておけば彼女たちが悲しむわよ。あなたは彼女達にとって大切な仲間だから.....』

 

『てめぇなんでも知ってるんだな。』

 

『予習しておいたから、私たち城善寺家を舐めないで貰いたいわね。』

 

『ああそうかよ。じゃあ俺は去らせてもらうぜ。ここにいても気持ち悪い。』

 

『ええ、止めて悪かったわね。』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「城善寺さん、いつ伊月くんに会ったの!?」

 

「記者会見の後よ。あの時、彼は警察の突入を防いでくれたのよ。もし彼が来ていなかったら私たち、皆今頃警察に口合わせを強要されていたところね。」

 

「それはありがたいわね.....話は反れたけど、先生、今回のことは私たち1年生が中心で起きたことです。ですからもし処分を下すなら私たちを1番重くしてください。私も、凛も、花陽もそれを受け入れる覚悟はしています。」

 

「はい、理事長.....」

「そうね.....あなた達はこれからもここで学び、過ごしなさい。」

 

「.....え?」

 

「確かに今回のことは生徒たちが起こしたことだし、あなた達も伊月くんを守ろうとしたとはいえ少し大胆な行動に出すぎた。スクールアイドルにも多少は影響するかしら.....でもだからこそ、学校生活をする上でそれを償ってほしい。一概に責任と言うのは簡単よ。でもそれは意味が無い。罪をしたというのなら.....そう思うなら、それと向き合って生きていかなきゃいけない。それが間違いを正すことにもなるし、『やり直し』になると思うわ。それにそうやって『責任』という言葉を使えるのは私たち大人だけよ。まだあなた達は未成年、責任こそあるけれど自分に責任というのはまだ早い。ただ、今回の1年生の行動はあまりにも酷かった.....犯罪にも抵触する可能性もある。だから今日から3週間、小泉花陽、星空凛、西木野真姫、城善寺冴子、一条伊月を除く1年生全員を謹慎処分にします。」

 

「.....じゃあ。」

 

「凛たちしばらく5人で授業うけるのーー!?補習みたいで嫌だにゃー!!」

 

「凛ちゃん、ここは文句を言ったらいけないよ.....」

 

「ふふっ、冗談よ。一応あなた達も謹慎処分という形にはするわ。そしてあなた達はまずイメージを取り戻さなきゃいけない。そこで、今度あるハロウィーンイベントに参加してきなさい。ここで、ちゃんと顔を出してきなさい。また細かい謝罪とかは私がするわ。」

 

『あ、ありがとうございます!!』

 

「ええ、でもあなた達も今後あんな無茶なことはしないように!!ちゃんと私たちの許可が降りてからよ。」

 

 

 

「あれ?城善寺さんは?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「お嬢様、どういうおつもりですか?あの男を庇うなど.....」

 

「私は間違っていることに間違っていると言っただけよ。透谷、まさかお母様が何か言ったの?」

 

「いえ、特には。ですがこのような家の品格を落としかねない事態に首を突っ込むのはおやめ下さい。最悪、強硬手段を使うことを許可されていますので.....では。」

 

「.......お母様、透谷.....あなた達は何を知っているの.....?」




少々強引かもしれませんが、なんとか事態を収束させました。やっとアニメの時系列を進められるというものですね。
それでは、センター試験頑張ってください、自身の100%の力を発揮できることを願ってます。


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#88 ハロウィーンに向けて

この回は本当に暴走してましたよね....


「兄貴、復学はいつからするんですか?」

 

「ん?まぁ事態もある程度落ち着いたしこの状況じゃ大森も城善寺家も下手には動けないからな.....束の間の平和な学生生活でもするか。」

 

「じゃあその間、見回りは俺らに任せてください。もし何かあったら兄貴に頼りやすが....それ以外は俺らでやります。兄貴も未成年ですし、少しは普通の高校生らしい生活をしてください。兄貴も休暇取らないと労基に引っかかりますよ!!」

 

「おいおい、俺は雇われてねぇぞ。でも、そうだな.....じゃあお前らのご好意に甘えるか。黒柳とは会いたくないんだけどな.....俺の為に動いてくれたあいつらにも礼を言わなきゃいけないからな.....」

 

「聞くところだと黒柳はこの一件の後処理をしているから暫くは伊月とは会わないと思うよ。」

 

「そうか.....じゃあ行ってくるよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「でもハロウィーンイベントってどうしよう.....?」

 

「学校のこともあるしかなり緊張するにゃあ....」

 

「そうね、こんな事があったんだからとてもインパクトが無いとダメね。」

 

「インパクト.....それだよ、これからはインパクトが大事だよ!!」

 

「といっても何をするのですか....?」

 

「うーん.....そういえばμ'sってこれっていう特徴って無いですね.....」

 

「特徴がない?にこっちを筆頭に変わってる子ばっかやと思うんやけど.....」

 

「ちょっと、なんでにこが変人筆頭なのよ!?」

 

「まあまあ落ち着いて.....」

 

「部活系、とかはどうかな!?」

 

「うーん.....学校のことであれだから学校系からは離れた方がいいかもしれません.....」

 

「それに衣装も限られちゃうし、ハロウィーンにしては少し地味かな....」

 

「地味.....だったらこれはどうかな!?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「久々の学校か.....本当に濃い数ヶ月だな....」

 

あいつらの行動は正直驚いた.....俺を庇う為に世間やマスコミを敵に回した....普通なら学校が止めると思っていたが、あいつらはやった。個人的にはそんなことして欲しくはなかったが結果的に俺のイメージは少し拭われた.....俺が守る側だったのにいつの間にか守られた.....なんか複雑だな。あれだけ人を信じていない俺がここまで人を無意識に信じている.....いや、まだ完全に信じれるわけじゃないんだが、少なくともあいつらの言動は嘘じゃない.....初めてだよ。

 

「さて、人も少ないし静か...,え?」

 

「あ、伊月くん!!久しぶり!!」

 

「.....お前ら、その服装、何でデスメタル.....かは知らないがロックバンドでたまにいそうな衣装着てるんだ........」

 

「ハロウィーンのテーマを考えてたらインパクトが大事ってなって.....」

 

「いや、お前らはアイドルだよな?それはさすがにない.....と思うぞ。というかなんでお前らまでやってるんだよ!!那月、城善寺!!」

 

「いやー、本当に楽しそうだったからさー.、やっちゃった♪」

 

「私は半ば強制的よ.....なんでこんな格好を.....」

 

「取り敢えず普段のに戻ってくれ。話は聞くから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「インパクト、かぁ。」

 

「そうなんです。私たちってよくよく考えればこれといった特徴が無いなってなって.....」

 

「何も無い?個性的過ぎると思うぞ。少なくともマスコミと警察と教育委員会を敵に回すスクールアイドルなんていないからな.....」

 

「あれは伊月の潔白を示すのに必死でしたから....」

 

「でも、なんかちょっと楽しかったよね♪」

 

「ことりちゃんすごいねー。穂乃果は緊張して死ぬかと思ったよ.....」

 

「私も壇上に立つのは慣れていたけれど聴衆のレベルが違うかったから緊張したわ.....」

 

「まぁそれはともかく、インパクト、か。普通の仮装じゃダメなのか。」

 

「それだと他のグループに飲み込まれるのよ。」

 

「難しいこと言うなぁ.....じゃあ俺らを使うか?インパクトが異常なまでに大きいぞ。」

 

「それだとステージどころじゃないわよ!!」

 

「そうやね.....面白そうやけど人数多いしお客さん怖がるかも......」

 

「ジョークだよ。さすがにそんなことにあいつらに動いてもらわないよ。」

 

「じゃあ1日考えて明日改めて案を出し合いましょ?」

 

「それもそうだね....」

 

「じゃあ解散!!伊月、私お父さんの様子見ていくから先に帰ってて!!」

 

「ああ.....よろしく頼む。俺は理事長室に行ってくる。」

 

「うん、じゃあ門で待ってるから終わったら来てね!!」

 

「待たせて悪いな.....別に先に帰ってもらっていいからな。」

 

「え!?久々に会ったんだから何か話そうよー!!」

 

「.......分かった、じゃあ行ってくる。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

理事長室

 

「失礼します.....今回は何かとご迷惑をかけました、すみませんでした。」

 

「いつにもなく丁寧ね.....気にする必要ないわよ。伊月くんは無罪を主張しただけなんだし、私たちの問題を解決しただけよ。ところで....先輩の調子はどうなの?」

 

「那月の連絡によれば容態は回復していてなんとか助かることが確定したみたいです......でも、仮に目覚めても義父には顔向けられませんよ。」

 

「それは後ろめたさがあるから?」

 

「まぁ、俺を庇ったから撃たれた訳で....俺が相手の安い挑発に乗ったからそのせいで,.....それに俺のことで皆を巻き込んじまった.....」

 

「今はどう言っても仕方ないわ。先輩も生存することが決まったんだからピシッとしないとショックを受けるわよ。」

 

「それもそうっすね.......」

 

「それに今くらいは学生らしく生活しなさい。少しの間はあちらも大人しいだろうし.....」

 

「断定は無理ですけどまぁそのつもりです。ありがとうごさいます。居場所を残してくれて.....」

 

「何を改まって.....別にいいのよ。じゃあ気をつけて帰るのよ。」

 

「はい、失礼しました。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「悪いな、話が長引いた。」

 

「あなたも大変ね。」

 

「でもこうやって12人で帰るのは初めてかな.....?」

 

「そりゃ部外者が3人いるし、その内1人はかなりの嫌われようだからな。」

 

「でもかなりの大御所帯だよね!!」

 

「私もこんな風に帰れるとは思ってなかったわ。」

 

「それじゃあ、ヒント探しもしつつ寄り道しない!?」

 

「ヒント?さっきのハロウィーンイベントのことか?」

 

「そうね、外に出れば意外と案が見つかるかもしれないわね。」

 

「.....言っておくけど私は奢ったりはしないわよ。割り勘なら出すけれど.....」

 

「誰もお前を財布代わりにはしないだろ。金持ちからしたらこういうのは珍しいんじゃないか?」

 

「そうね、お金持ちだと人付き合いも環境も全部用意されるから、こうやって世間でいう普通の女子高校生のようなことをすることも無かったし新鮮ね。」

 

「そうかよ.....なぁ那月、無言で肩を掴まないでくれるか?以前に増して力が増してるの分かるが、弟の肩で発揮しないでくれ。」

 

「発揮してほしくないなら理由を考えてね、伊月。」

 

「まじかよ.....これは家帰ってもしんどいな.....」




音ノ木坂の生徒を無能化しすぎたような.....まずいですね。スノハレ回知ってる人はこれの意味がわかると思います.....


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#89 これが高校生?

前回の話を見直したら那月ちゃんが瞬間移動していました.....最近うっかりが多くて困ります.....疲労からでしょうか。


「それで、そのハロウィーンイベントの規模ってどれくらいなんだ?」

 

「結構大きいよ。あのAーRISEも参加するみたいだし。」

 

「あいつらも出るのか。」

 

「はい。というのもスクールアイドルも参加してそのイベントを盛り上げるのが目的なので競争でも無いみたいです。」

 

「じゃあうちらとお客さんの距離が近くなるの? 」

 

「そうね、仮装しながらライブをする訳だからそういう本来のライブじゃ出来ないことをやるのもひとつのアピールポイントね。ファンの人と楽しめればそれなりにプラスになるでしょうし。」

 

「私、仮装が似合うか分からないわよ。あんまり可愛い衣装は向いていないし,.....」

 

「そうか?真姫ならいけると思うけどな......というかむしろそのギャップで狙えるんじゃないか?」

 

「そんなギャップ欲しくないわよ!!それに私の仮装って....」

 

「経験でもあるのか?」

 

「ええ、中学生の時はサキュバスの衣装を着させられたのよ....あれは本当に恥ずかしかったわ。」

 

「え!?真姫ちゃん仮装したことあるの!?見せて見せて!!」

 

「私も気になるわ。真姫が仮装なんて珍しいもの。」

 

「絵里ちがいじってる.....これは珍しいね。」

 

「真姫ちゃんの仮装.....少し興味があります。」

 

「破廉恥な衣装じゃないですよね.....?」

 

「み、見せないわよ!!あんな恥ずかしいの見せられないわよ!!」

 

「でもこれから仮装するからその羞恥心は多少は我慢しないといけないぞ。大丈夫か?」

 

「そこは....衣装次第ね。」

 

「でも、作るなら可愛い衣装がいいよね♪」

 

「ことり.....お願いですから露出が多いのは辞めてくださいね....着るのは仕方ないのですが恥ずかしいので.....」

 

「でも、海未ちゃんの仮装は皆楽しみだも思うなぁ♪」

 

「は、恥ずかしいです!!それに仮装だからといって露出のある衣装を着なければいけないというルールはありません!!」

 

「仮装以前にライブだよ、海未ちゃん。それに海未ちゃんきっと似合うから大丈夫だよ!!」

 

ライブの時の海未は完全になりきってるからな.....ライブ中は全然恥ずかしくなさそうだけどな。」

 

「そ、それは.....さすがにライブ中に恥ずかしがる訳にはいきませんから。」

 

「でもこのメンバー見てると.....花陽と海未が心配だな。」

 

「凛も恥ずかしいよ!?」

 

「凛は猫の仮装があるじゃん。露出はともかくキャラに合ってるからそこまで抵抗無いと思うんだけど....」

 

「それはそうにゃ。凛はことりちゃんが作ったライブ衣装着るの楽しみなんだよ!!」

 

「凛ちゃんは....どんな猫がいいだろう.....」

 

「ことりの目が本気ですね。絵里はどのような仮装をしたいですか?」

 

「そうね、ハロウィーンということに限るなら私はやっぱり魔女かしら。この前スクールアイドルのネットサイトを見たのだけれど、私は何故かドSというか.....大人びて小悪魔みたいな性格だっていう書き込みがあったのよ。私ってそんな印象あるのかしら....?」

 

「絵里ちはスタイルとか顔がいいからなぁ。そういうことをお望みの人もいるんとちゃう?」

 

「伊月は.....その、私はそういうキャラに見える?」

 

「見えないけどな.....俺は関わりがあるから分かるんだけど。」

 

「それにお互い一夜を共にしたもんね〜。」

 

「の、希!?そ、それは.....」

 

「そ、そんな破廉恥です!!」

 

「でもあれは仕事だから仕方ないよね。」

 

「それでも二人きりはおかしいにゃー!!凛も誘ってよ!!」

 

「凛ちゃんそういう意味じゃないと思うよ.....」

 

「あれは単にお悩み相談みたいなところあったからなぁ....別に卑しい意味はほとんど無いし。というかあの時は絵里がだいぶ危ない状況だったな。」

 

「あの時は本当にお世話になったわ。あのおかげでμ'sに入ることも出来たし。」

 

「伊月くん大活躍だね♪」

 

「その分色んなトラブル抱え込んでるけどな。」

 

「まあまあ...それより皆、期末テスト大丈夫?」

 

「き、期末テスト....?」

 

「凛たちは謹慎だから多分うけられないにゃー。」

 

「そんな訳ないでしょ.....でも期末テストまでまだ1ヶ月近くあるでしょ?」

 

「それがなぁ.....1年生はイベントがあるから今くらいから始めないと厳しいんよ。」

 

「ああ.....あれね.....あれの後のテストはしんどかったわ。」

 

「穂乃果も数学で赤点取りましたしね。」

 

「あれは先生が抜き打ちで別の範囲出すからだよ!!」

 

「定期テスト.....どれくらいの難しさかしら?」

 

「そこまで難しくないわよ。おそらく城善寺さんからしたら簡単よ。」

 

「そう.....前に行っていた私立高校は大学入試の問題が出てきたりすることもあったから.....他の学校がどれくらいか知らないわ。けれど.....取るなら1位ね。」

 

「お前、随分と馴染んでるな。」

 

「今までこういう人付き合いをした事がなかったから少し嬉しくなっているのよ。変にお金持ちの御曹司とか議員さんと会うよりも気を張る必要が無いし、同年代と寄り道というのは漫画とかそういう世界の話だと思ってたもの。」

 

「城善寺さんは前の学校で友達作らなかったの?」

 

「作らないというか.....前の学校だと家のランクでクラス分けされていたりカースト制のようなものが敷かれていたからまず私から話すことがタブーみたいな感じで、常に上辺だけの付き合いだったからこういう人間関係を持つのは生まれて初めてよ。」

 

「凄い学校に行っていたんですね.....」

 

「お金持ちはお金持ちで苦労してるのね.....」

 

「西木野さん、ひとつ聞きたいのだけれど.....あなたはどうしてこの学校に入学したの?あなたの家の大きさを考えると少し不思議なの.....」

 

「私は本来UTXに入学したかったのだけれど....親の強制でここに来たの。でも今は皆と会えたし音楽と医者とどちらも向き合うことが出来ているから.....今はここに来て良かったと思うわ。」

 

「私も転入早々こんな騒ぎに巻き込まれるとは思っていなかったけれど.....」

 

「色々話してると時間ってはやくすぎるよね.......」

 

「それもそうね.....、じゃあ今日はこの辺で終わりましょ?それと各自ちゃんと仮装の案をだしておいてね♪」

 

「うん。何かあるかな.....?」

 

「凛ちゃん、もし不安ならスクールアイドルのお店に行こう....?何かヒントがあるかもしれないし.......」

 

「うん、後で行こう!!」

 

「うーん.....何かないかなぁ、衣装、見に行こうかな?海未ちゃん♪一緒に行こう。」

 

「はい....ことりが露出の多い衣装を選ばないか見張りますが....」

 

「じゃあ残りは各自で考えるってことになりそうだな。」

 

「そうね、私は大して思いつかないからそのハロウィーンイベントに少し寄付させてもらうわ。」

 

「おお.....お金持ちの貫禄.....」

 

「そうかしら?アイデア貧乏ならせめてステージを豪華にするくらいはさせて欲しいわ。」

 

「城善寺さんってそういう発言権は家内じゃあるの?」

 

「いいえ、でも世間に良く映ることなら基本的に許可してくれるわ。」

 

「まぁでも.....城善寺さんも考えてきて。」

 

「分かったわ.......笑わないでよ。」

 

「さすがに笑わないわよ。」




次くらいからまたいつものあれに戻ります。こういう日常回というか平和な回ももっとかきたいんですけどね.....シリアスの合間の息抜きとお考えください。


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#90 『透谷』という名

2期6話で90話もいったら.....終わりまでどれくらい書くんでしょうか.....というか2期はここからが本番みたいなところありますし。


「ねえねえ伊月、あとでお父さんのところ行かない?」

 

「そうだな.....一段落ついたし一度くらい顔を出しておいた方がいいか。」

 

「まだあのこと気にしてる?」

 

「まあな、黒柳に言われたのもあれだがもしかしたら本当にそうかもしれないと考えるところがあるんだ。まさか俺が義理の息子だったっとは思わなかった。」

 

「でも伊月のことを仕事として育てるなら愛情注がないと思うよ、最低限生きる必要のあること以外何もしないと思うし。」

 

「取り敢えずこの話は.....病院でやるか。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

病院

 

「お父さん....少しは良くなってるみたいだよ.....」

 

「そうだな.....」

 

「.......ねぇ伊月。」

 

「ん?何だ?」

 

「伊月はさ.....城善寺さんと話している時とかってどういう気持ちなの?」

 

「.........特に憎んだりはしてないよ。」

 

「その様子じゃ.....我慢はしてないみたいだね。でもどうして?」

 

「...,.....あいつはおそらくだが3年前の惨劇を知らないんだ。それにもしそれを知っていたりしたら、まずあの時に俺の味方になんかつかないだろうさ。.....もし仮にそれが演技だとしても家の評価を下げるかもしれない可能性のあることに首をつっこむはずもない。だから俺は分けて考えてるんだよ。」

 

「透谷さんのことも.....そう考えてるの?」

 

「.......まあな。だけど理由も違うし立場も違う。」

 

「今まで謎だったんだけど.....伊月は透谷さんのこと、どれだけ知っているの?」

 

 

(外に多分誰かいるが.....特に問題は無い。扉を閉じれば大丈夫か。)

 

「じゃあ那月にも話しておくよ。あいつ、いや『透谷』についてな。」

 

「うん....」

 

「元々城善寺財閥っていうのは戦争中に急成長した財閥なんだ.....その後一度城善寺家に戻って財閥解体の影響から逃れた.....そして戦後は人道支援や公共事業に出資したりと色々表側ではいい感じを演じている。だけど.....そのお金の集め方はかなり異常だったんだ。有力な投資家を脅してそのお金を集めたり自分たちにとって敵になりうる人物を暗殺したり.....当時は戦争があったからそこまで広がることも無かった。海外のマフィアや麻薬の密輸の手伝いをしてその多額な報酬を受け取ることもしていたんだ。それに不都合な人間は殺してるからあいつらを告発する人間もいないし、出版会社が記事を出そうものなら情報操作をし、銀行を操ってその会社を倒産させたりしていたんだ。」

 

 

「そ、そんなにやばかったんだ.....」

 

「そしてそれは頭首の指示なんだが.....自分たちの手を汚すのが嫌だった城善寺家は、分家の人間にその汚れ仕事をさせて自分たちは潔白でいようと考えた。その汚れ仕事を任された家が『透谷家』なんだ。これをすることで仮にバレたとしても家を切り捨てれば自分たちは助かるような作りにしたんだ。それは戦争中に始まって透谷家に生まれた男子は必ず城善寺家の為に汚れ仕事をする習慣を作ったんだ。」

 

「透谷さん......」

 

「3年前の惨劇も、透谷家をリーダーとする組織で起こしたんだ。当時は犯罪を犯して捕まっていた犯罪者にKBを投入して大量の殺人兵器.....いや、狂人を作り出したんだ。」

 

「でも待って.....どうやってKBを手に入れたの?」

 

「透谷家の人間が拉致したんだ。」

 

「ということは.....その人は.....」

 

「ああ、死なないように食料を与えつつ、全身を拘束して切り傷をつけたり指を切ったりして血を採取していたんだ。『神山の血』をひいている人間は脳みそ、心臓、脊髄のような身体の最重要な部分を壊されない限りとてつもない再生力を誇っているからそれを利用して血を出させ続けたんだ。そして効率が悪いからといって町から出ていく人を拉致して奪っていたんだ。」

 

「ひ、酷すぎる.....」

 

「やってることは吐きそうなほど汚い事だが.....その事実はもみ消されてるから世間じゃ潔白だ。」

 

「.......そうだね。」

 

「これがあいつの家『透谷家』の実態だ。」

 

「それでよく手元にいた時平然としていられたよね.....」

 

 

「まあな.....あいつとの約束があるから、守らなきゃいけない約束が。」

 

「うん.......」

 

「じゃあ帰るか。義父も治ることも分かったんだ、それで充分だ。」

 

「そうだね.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「透谷よ、結局失敗してしまったようだな。」

 

「はい、申し訳ありせん、頭首様。」

 

「まさか冴子が出てくるとは想定外だ.....何を考えているのかしら。」

 

「お嬢様はまだ子供です。そういう間違いをすることはよくあります。」

 

「だがあれは看過できるものではない。.....処分は後で考えるとして、お前に仕事がある。」

 

「はっ、なんでしょうか.....」

 

「今度ハロウィーンイベントがあると知った。その会場を爆破しておけ。その際、大森に事後処理をするよう手配しておけ。」

 

「はっ.....ですがお嬢様が行く可能性があります。」

 

「なら拘束するなりすればいい。どうしても無理なら....爆発に巻き込まれても構わない。」

 

「なっ!?.......それはさすがにやりすぎではありませんか、もう他の議員や主要機関には存在が知れているのですよ、それでもし失うとなれば.....それこそ家の名を汚すことになるのですよ!!」

 

「何故だ.....不慮の事故と済ませれば何も問題は無いはずだが。」

 

「それをすれば次期頭首となる存在の護衛が不十分ということになり、家の格が落ちてしまいます。」

 

「ならばお前たちの組織の中の落ちこぼれもろとも爆殺すればいい。そうすれば護衛をした上で死んだということになる。後はそれをあいつに.....一条伊月とその仲間のせいにすれば何も問題は無い。よいか透谷。お前の使命は家の発展に尽くすことだ。その為なら感情など捨てよ。それが代々お前が受け継いできた家の重みだ。それを個人の感情で迷ってはならない。良いな?」

 

「.....分かりました。」

 

「お前もその暴動に乗じてあいつを殺しても構わん、白鴉。」

 

「やっと仕事か.....最初からそうすれば良いものを。」

 

「お前程の人物を使うのは重要な局面だ。こそこそと殺すのでは気分が良くならんだろ。」

 

「勿論、俺は極限までに追い詰められた人間を殺すのが大好きだからな。こっそり殺すこともできるが面白くない。」

 

「分かった.....では手筈通りに頼むぞ、透谷。」

 

「承知しました、頭首様。」




ちょっとした報告を。
この作品を完結させたら、またラブライブ!の二次創作作ります。まだアニメはやってませんが虹ヶ咲学園を主体とした作品を書こうかなぁと思います。オリ主の予定ですが、今度は虹ヶ咲学園優先で書こうと思っています(要はオリ主回はなるべく少なく)

それまではこの作品をちゃんと書きます。では。


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#91 学校イベント、あったんだ

ここから更にオリジナル色が濃くなります。主人公の性格上シリアス多めになってしまいますね....
投稿遅れてすみませんでした…


翌朝

 

ピロン♪

 

「ん?メール?」

 

 

音ノ木坂学院1年生へ

 

もうすぐ学校の伝統行事(この作品に限る)の音楽祭があります。1年生は謹慎中ではありますがそれぞれ課題曲と自由曲の練習をしておいて下さい。

 

「音楽祭.....?何だそれ?」

 

「絵里ちゃん達から何も聞いてないの?」

 

「ああ、色々あってそういうことを知る暇が無かったからな。那月、この音楽祭って何だ?」

 

「私も知らないよ.....なんだろうね。」

 

「とりあえず聞いてみるか.....」

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたの、一条くん....?」

 

「なぁ花陽、この音楽祭って何だ?」

 

「音楽祭.....あっ、一条くんはいなかったね。音楽祭というのは音ノ木坂学院で伝統行事として続いていて名前に音が付いているという単調的な理由から始まったのですが、これが音楽に触れる少ない機会ということでずっと続いていて、毎年、1年生がやるんです。ただ少し問題があって.....」

 

「問題?」

 

「はい、まずピアノを弾ける人が真姫ちゃん以外いないんです。課題曲と自由曲で指揮者と伴奏を変えるのがルールらしくて、結構困っているんですよ。真姫ちゃんは『伊月に任せたら?』って言ったんですけど皆乗り気じゃなくて.....」

 

「まぁそりゃそうだろうな。」

 

「一条くんってピアノ弾けるんですか?」

 

「弾けるよ。1番最後に弾いたのがかなり前(学校入ってすぐ)になるから多少は練習が必要だけど.....それで、その曲って何なんだ?」

 

「えっとですね.....『大河のように』と『心の瞳』とあと一つは.....まだ揉めているんです。」

 

「大河のように?結構古くないか?それに揉めてるってどういうことだ?」

 

「揉めてるというのは.....残りの1枠なんです。先生方は『群青』をやって欲しくて、私たち生徒側は『地球星歌』を歌いたいということで.....揉めてるんです。」

 

「どっちでもいいじゃねぇか.....でも3曲って伴奏者が今2人しかいないのに大丈夫なのか?それに今あげた曲って基本的に三部合唱じゃねえか。」

 

「そこら辺は少し変えるみたいなんですが.....あくまで課題曲と自由曲は分けろということで、自由曲は変えなくてもいいとはなっているんです.....」

 

「じゃあ.....真姫と話して決めるか。ありがとう、花陽。」

 

「いえいえ....そういえば一条くん、イベントの仮装、何か思いついた?」

 

「ん?別に普通に西洋のモンスターとかかぼちゃとかの仮装でいいんじゃないか?というかμ'sは濃いキャラの集まりだから特に背伸びしてやる必要はないだろ.....」

 

「あはは.....でもそうかな。私も特に思いつかなかったんだ。今のままでいいなって。それと一条くん.....3年生の事なんだけどさ。」

 

「卒業のことか?」

 

「いえ、その後のμ'sなんですが.....一条くんはどうなると思う?」

 

「さあな.....それで揉めると思うし多分意見もバラバラになるだろうけど.....俺は終わるべきだと思う。」

 

「.....やっぱりそうなんだね。」

 

「ただ3年生が続けて欲しいという結論を出したら.....その時は続くかもしれないけどな。」

 

「うん.....ごめんね、こんな話して。」

 

「いや、気にするな。またその事は集まって話そうぜ。」

 

「うん、じゃあ切るね。」

 

「ああ、朝早く電話して悪かったな。」

 

 

 

 

「音楽祭か.....他の奴らが俺のことを認めるかどうかだな.....伝統なら女子だけでやるのが暗黙の了解とかになってそうだし。」

 

「そこは先生と話さないとね。ねぇ伊月....私と組手してくれない?これでも修行して強くなったんだ!!」

 

「.......分かったよ。少しだけな。」

 

 

 

10分後

 

「痛い痛い!!伊月、ギブ!!」

 

「はぁ....動きはだいぶ無駄が無くなって良くなってるけど、動きと動きの猶予が長い。隙を見せたら突かれるぞ。」

 

「でも、私も強くなったでしょ!?」

 

「ああ、前に比べて格段にな。.....ん?私も?」

 

「あれ?伊月は絵里ちゃん達と組手とかしてないの?」

 

「.....は?あいつらまさか.....」

 

「うん、少し前にね、伊月にいつまでも守られるのは嫌だからって皆護身術なり体術なり教えて貰ってるんだよ。」

 

「まじかよ.....あいつらには俺ら側には入ってきて欲しくないんだけどな.....」

 

「でも最低限自分の身を守れるくらいはいいでしょ?」

 

「.........それならいいか。だけどお前たちから俺ら側に入ってくるなよ。本当に命を危険を晒す羽目になるからな。」

 

「うん!!伊月も優しくなったよね.....」

 

「優しくなったんじゃねぇよ。お前らが強くなっただけだ.....じゃあ学校行ってこい。俺はまだ謹慎だから。」

 

「それもそうだね、じゃあ、行ってくるね!!」

 

「いってらっしゃい。」

 

 

 

 

ピロピロ

 

「もしもし、何かあったのか?」

 

「伊月、わいの店に来てくれるか、色々話さなきゃあかんことがあるわ。」

 

「ああ.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

取引店

 

「それで、話って何だ?」

 

「さっき入ってきた情報でな、まだ確証が無いから分からんけど.....『あれ』に適応した人間が白鴉以外にもおるらしいんや。まだ1人だけらしいけど。」

 

「嘘だろ.....?一体どうやって?」

 

「わいも、そこまでは分からん。けど、気をつけろよ伊月。適応しているということは考える頭があるっちゅうことや。白鴉以外にもいるとなると.....本格的に危なくなるで。1人ならともかく2人となればこっちは敵わん。」

 

「それくらい分かってる.....くそ、透谷がいれば。」

 

「あいつは敵やろ。その考えは無理や。」

 

「そうだな.....それで、話はそれだけか?」

 

「これは相当面倒なことや.....大森の野郎が何かしら動いているらしい。」

 

「あいつか.....だがあいつが動くのは大して問題は無いだろ?なんで焦ってるんだ?」

 

「それがな.....何かしら予知したか知らんけど別働隊のようなものを組織してるんや。別にテロや爆破事件があるわけでもないのに何故か準備しているんや。なんか思うところあるか?」

 

「さあな.....不可解だ。俺たちを取り押さえるつもりか.....それとも裏で指示されてその証拠隠滅をする為か。そのどっちかだと思う。」

 

「後者の可能性は高いやろうな.....だがもし全面戦争することになるなら今度は無傷では済まされへんで、伊月。」

 

「1番被害を食らうのは俺じゃない。俺の部下だ。あいつらはちゃんと社会復帰を願って俺と一緒にいてくれるんだ。そんなことになってみろ、経歴に傷ついて誰も雇ってくれなくなるぞ。」

 

「前々から気になっててんけど、伊月と一緒にいてどうして社会復帰できるんや?」

 

「それか、あいつらは検挙される前の奴らなんだ。だから世間じゃまだ潔白だ。だけど麻薬に染まった奴やお金絡みで自分だけじゃどうしようもない.....色々手を汚しちまった奴らでさ、あいつらは基本的に家族とか恋人とか.....そういうところに手を出した奴らが殆ど。でもやり直す覚悟はある、そして何より過去の罪を背負って生きることを決めた奴らなんだ。そういう時は俺も含めて謝罪しに行くんだ。そして俺の元で更生することを条件に裁判を取り消して貰ってるんだ。ある意味俺は警察より恐れられてるし実際に未成年で煙草とか酒飲んでるやつとか、周りに害悪行為をするやつを抑えたりとしてるからな.....それに刑罰を受けるから自分が悪いとは考えて欲しくないんだ。どうしても人間というのはそう考えるんだよ。あれだ、子供の善し悪しの基準っていうのが親の説教とか教育に似るのと同じだ。」

 

「伊月、お前まだ15やろ?」

 

「ああ。人生経験豊富な15歳だよ。」

 

「それでよくここまでやるなぁ.....そりゃあ週刊誌が好むわけや。」

 

「ああ.....その分色々失ってるけどな。」

 

「.....でも気をつけろよ。それは簡単に言えば犯罪者を庇うと見られてもおかしくない。そこを突かれた時の事は大丈夫なんか?」

 

「普段は黒柳に処理してもらってる。」

 

「あいつも中々のワルやなぁ.....」

 

「話が以上なら帰るぞ。」

 

「ああ、伊月、くれぐれも気を抜くなよ.....μ'sの皆も巻き込まれる可能性はある。」

 

「ああ、守るさ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

後ろから気配.....誰だ?もう少し引きつけるか....

 

「.....誰だよ!?」

 

「きゃっ!!」

 

「.....え?」




今回出した合唱曲ですが、僕は『大河のように』を除いて全て歌ったことがあります。(『大河のように』は小学生の時に見させられたやつを覚えていました。)


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#92 一条家でお泊まり 前編

スクスタの無料ガチャ全然UR出ません....試しに500スターで10連したらUR3枚来ました。初期海未ちゃん、お菓子作りことりちゃん(被り)、ピックアップの善子(又はヨハネ)でしたね。神引きだったんですが無料で出て欲しいです.....


俺は幻覚でも見ているのか....こいつは学校を抜け出したのか。

 

「ツバサ、俺に用か?」

 

「脅かさないでよ.....でも久しぶりだね、伊月くん!!」

 

「いや久しぶりなんだが.....学校どうした?」

 

「今日はちょっとしたcm作りに呼ばれてさぁ.....公欠なんだ。そういえばμ'sはハロウィーンイベント出るの?」

 

「出るんだが....どういう衣装がいいか色々揉めててな。今日には結論出すんだが.....」

 

「それ大丈夫?イベント明後日だよ?」

 

「.....それはまじか?」

 

「うん、マジだよ。珍しいね、伊月くんがスケジュール把握してないって。」

 

「俺が色々あったのは知ってるだろ?だから覚えてる暇がなかったんだよ。」

 

「それもそうだね。私たちもレベルアップしているから、あんまり油断していると足元掬われるよ!!」

 

「気を抜く訳ないだろ。一応AーRISEがラブライブで一番のライバルになるっていうのは目に見えて分かってるさ。μ'sのメンバーが俺のいない間にどこまで成長したかは気になるが.....おそらくお前らの最大のライバルとなると思うぞ。」

 

「ふぅん.....勿論油断はしないわ。たとえ相手があなたの指導を受けている人達であっても.....私たちにはトップとしてのプライドがあるの。負けられないわ。」

 

「俺たちも優勝して3年生を送り出すという想いがあるからな。プライドかは分からないが負けるつもりはない。」

 

「ふふっ、頼もしいわね。もう立派にメンバーやってるじゃん♪」

 

「まあな.....まだ心からの信用は出来てないかもしれないがそれでもとても信用出来るからな。あいつらは自分の目を信じて動いてくれた.....それが嬉しかったよ。」

 

「私たちも抗議しようかなって思ってたけど学校に止められてね。なんか学校の人気が落ちかねないことはしないで欲しいって。だからごめんね、あの時力になってあげられなくて。」

 

「ツバサが謝ることじゃないだろ。あれは音ノ木坂学院の問題だから、UTXのお前らを巻き込むのは筋違いだろ。」

 

「まぁそれもそうだね.....じゃあね伊月くん♪またハロウィーンイベントで!!」

 

「ああ、またな。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

部室にて

 

「じゃあ普通の仮装で参加するに決定していいわね?」

 

「うん!!いいよ!!」

 

「やはりそちらの方が落ち着きますね。」

 

「でもにこっちは何の仮装するの?」

 

「にこにーは可愛い小悪魔の衣装に決まってるでしょ!!」

 

「かよちんは何がいい?」

 

「わ、私は.....あんまり目立たない衣装で.....」

 

「真姫は何を着るの?」

 

「私?そうね.....それは任せるわ。露出のやばい衣装以外なら別に構わないわ。」

 

「なぁ、少しいいか?」

 

「どうしたの?伊月くんも出たいの?」

 

「いや.....お前らイベントがいつかちゃんと分かってる?」

 

「え?それは.....ことりちゃん、いつだっけ?」

 

「あはは.....」

 

「.......イベントは明後日みたいね。」

 

「あれ?絵里ちゃんも忘れてたの?」

 

「いえ.....ここ最近忙しすぎて確認するのを怠っていたわ。」

 

「なんか悪かったな、色々。」

 

「まあまあ伊月くんを責めてるわけでもないねんし.....でもどうする?」

 

「衣装はまず手を出してすらいない。イベントに出るけれどその曲もまだ。そして明後日が本番....」

 

「お、終わりました.....」

 

「これでイベントに出るのですか.....生徒会の仕事もありますし不安しかありません。」

 

「おいおい諦めがはやすぎだろ。まだ40数時間あるんだぞ?」

 

「でもきつすぎるよ!!」

 

「だったら.....俺の家にくるか?」

 

「え!?待って伊月!!まだ部屋散らかりっぱなしだよ!!」

 

「それはお前の部屋だろ.....うちにはピアノもあるしミシンはあるかは分からないが.....ちゃんと作業できるスペースもあるし泊められるくらいの物はあるから、どうだ?」

 

«い、伊月(くん)の家.....»

 

「私は辞めておくわ。私が行くと色々と厄介なことになりそうだし。それに今は後処理が大変なの。」

 

「城善寺、なんか悪いな。」

 

「気にする必要無いわよ。それに最近は家も何だか騒がしいし少し収集つけにいかないといけないもの.....力になれそうにないわ。」

 

「分かった、じゃあ各自着替えとか必要な道具があれば持ってきて俺の家に来てくれ。明後日までなら.....2泊することになるか。」

 

「そ、そんなに長い間お世話になれません!!7それに下着だって,.....」

 

「洗濯は基本的に那月がやるから気にするな。うちは義父のこだわりで風呂が2つあるから別にそういうことは起きないから安心しろ。」

 

「そうやね....伊月くん、くれぐれも夜は襲わんようにな♪」

 

「希....あんまりからかうなよ。」

 

「さりげなく私に家事を押し付けないでよ!!」

 

「お前は普段全然仕事してないだろ.....働け。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

P.M.18:00

 

「じゃあ、せーの.....」

 

『お邪魔します!!』

 

「おう、いらっしゃい。」

 

「ようこそ!!私たちの家へ!!」

 

「それにしても広いねー。真姫ちゃんの別荘程じゃないけど凄いよ!!」

 

「義父が何かと稼いでるからな。」

 

「ところで.....なんであんた右手に包丁持ってるのよ、物騒じゃない。」

 

「ああ....今晩御飯作ってる最中だからな。那月が直前まで寝てなければ落ち着いて対応したんだけどな.....」

 

「包丁くらい置いてきなさいよ!!」

 

「あと何気に私に被害来たよ!!」

 

「じゃあ那月が部屋まで案内してくれるから従ってくれ。.....あ、二階の1番奥の部屋にピアノがあるから使いたかったら使ってくれ。」

 

「分かったわ。」

 

 

 

 

 

 

「じゃーん!!ここだよ!!」

 

「おおーー!!広い!!」

 

「お風呂は因みにこの隣にあるから入りたかったら入ってね!!一応最後の人はガス切っといてね!!」

 

「ええ、分かったわ。」

 

「でもよく布団の数が足りましたね.....」

 

「那月ちゃんこれどうしてにゃ?」

 

「これはね、お父さんがたまに仕事仲間連れてくる事があるんだけど.....仕事の疲れがあるなら泊まっていけってよくお父さん言うからさ.....その時の為の寝具だよ。ちゃんと洗ってるから心配しないでね。」

 

「なにからなにまで悪いわね。」

 

「気にする必要ないよ。私も伊月もここじゃあこうやって招く友達も少ないから.....こうできるのは嬉しいんだよ。伊月も久々に他人を家に招いたし。」

 

「さて、作業にとりかかりましょ。とりあえず前の合宿同様、作曲、作詞、衣装の3班に分かれて作業しましょ。班わけは.....くじで決めるけど、それでいいかしら?」

 

「うん、やろう!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

夕食後

 

「とりあえず行ってくるから、あとのことは頼んだぞ。」

 

「はい!!頼まれました!!」

 

「なんでそんなに元気なんだよ......」

 

「なんでって.....友達が泊まりに来てるんだよ!!わくわくしない訳ないじゃん!!」

 

「そうか.....散らかすなよ。」

 

「うっ.....分かってるよ!!」

 

 

 

 

「ところでピアノはどこにあるの?」

 

「2階の1番奥だよ。調整とかはさっきしてたから大丈夫だと思うよ。それは一旦後にして.....」

 

「何をするつもりなの?」

 

「仮装は決まったけど曲の雰囲気とかどういったサプライズを用意するとかそういうのを考えないと。ただただライブをするのも味気ないでしょ?」

 

「それもそうですね.....」

 

「でもやっぱり楽しい曲がいいよね?」

 

「うん、それはそうだね....でもステージをいつ降りるの?」

 

「そうやね.....サビでええんちゃうかな?」

 

「じゃあ今回のセンターは希ちゃんに任せようよ!!」

 

「え?うちに?」

 

「確かに、希は不思議な雰囲気がありますし霊という所では共通してますしね。」

 

「そうね.....じゃあ今回のセンターは希にしましよ。」

 

「ではそれぞれ分かれて始めましょうか、ことりは.....ミシンを持ってきたのですね。」

 

「うん♪伊月くんの家には無いって知ってるからね♪」

 

「ことりちゃんどうして分かったの?」

 

「だって伊月くんの家には小学生の時に行ったことあるから家のことは大体分かってるよ。少しだけ変わってるけどね。」

 

「へぇ....でも広いにゃ。」

 

「後で色々見ようよ!!」

 

「それは伊月に失礼では.....」

 

「それにそんな遊んでる場合じゃないでしょ?」

 

「えー、でも今日くらいはいいじゃん!!ちゃんと仕事した後にする訳だし。」

 

「,.....それなら」

 

(あれ?海未ちゃんが折れた.....)

 

(海未ちゃんも興味があるのかな.....)

 

「じゃあお風呂の準備とかはしてくるから、皆作業しててね!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その夜

 

「ここが.....伊月くんの部屋。」

 

「確かに綺麗だね.....」

 

「これ.....見回り記録?あいつ見た目に反してマメなのね。」

 

「随分と字も小さいわね.....」

 

「これは.....」

 

「どうしたの?花陽。」

 

「いえ....伊月くん、拳銃を持っていましたので、驚いて.....」

 

「まぁ、伊月は一応拳銃使えるからね、お父さんも銃の使用許可貰ってるし。」

 

「親子揃って化け物ね.....」

 

「ベッド気持ちいいにゃー!!」

 

「僅かに伊月の匂いもするわね....」

 

 

(ごめんねー、伊月。多分お姉ちゃんは後で色々働くから大目に見てね.....)

 

 

「こっちは?」

 

「ピアノの部屋だよ。真姫ちゃんはさっき入った?」

 

「いいえ、曲の話し合いをしていたから入ってないわ。」

 

「じゃあ入ろう!!」

 

 

バタッ

 

「すごぉい.....開放的。」

 

「少し眩しそうね。でも.....ちゃんと綺麗にされているわね。」

 

「ねえねえ、これって.....」

 

「仏壇?女の人の写真......」

 

「これはね『お前ら何してんだ?』.....伊月!?」

 

「ったく、他所の家で探検ごっこか?」

 

「あはは.....」

 

「ねぇ伊月、これって.....」

 

「それは、母さんだ。」




読者は伊月の母親が死んでいることは知ってますよね?区切りがいいので一旦切りました。


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#93 一条家でお泊まり 後編

真姫ちゃんのスペックが高校一年生とは思えない....


「お、お母さん.....」

 

「ああ、一応世界を飛び回ってたがな。ピアニストで俺にピアノを教えてくれた人なんだ。」

 

「へぇ....じゃあこのピアノも?」

 

「うん、お母さんの形見なんだ.....お母さんってさ、仕事が忙しいから全く家に帰ってこなくてね。半年に1回くらいは帰ってくるようにはしてたんだけどね。」

 

「もう今はいないけどな.....3年前に事故で死んでさ。」

 

「その、なんかごめんね。」

 

「別に謝る必要はねぇよ。」

 

「でも、那月ちゃんにそっくりだにゃ。」

 

「親子で似たんだろうな。」

 

「その点、伊月とは全く似てないわね。」

 

「.......そうだな。」

 

「でも知らなかったわ。海外で活躍するピアニストなら、事故があった時にニュースとかになりそうなものだけれど.....那月のお母さんのニュース見たことないわ。」

 

「お母さんは、日本というよりかは海外で主に活動していたからね....知らない人も多いんだよ。」

 

「さてと.....お前らはもう寝ろ。明日も作業しなきゃいけないから、速く休め。」

 

「そうね.....じゃあ寝ましょうか。」

 

 

 

 

 

 

 

「なあなあ伊月くん?」

 

「ん?なんだ、希?」

 

「その....言いにくいというかあれやねんけど.....何か隠しとる?」

 

「隠す?.....何の話だ。」

 

「さっき、仏壇のお母さんの話をしていた時もよく目を反らしてたし.....何よりカードが告げとるんよ。」

 

「そうか.....特に隠してることはないんだけどな。写真を見て、母さんが懐かしくなったからじゃねぇのか?」

 

「そういうことならそれでええねんけど.....あんまり無理したらいけんよ。絵里ちも、皆も心配してるから。」

 

「ああ.....気をつける。」

 

(悪いな、希。まだ本当のことは言えそうにない。俺のことは俺がケリをつけなきゃいけないしな.....)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

 

「ここがイベント会場か....随分と派手になってるな。」

 

「そうでしょうね、私たち城善寺家が出資をしているもの。」

 

「城善寺?お前らが関わったのか?」

 

「ええ、お母様が決めたらしくて.....不思議よね。」

 

「確かにそうだな。いや....使えるからか。」

 

「使える?彼女たちにあなたを殺せるというの?」

 

「無理だろうな.....だが、人質にするなり爆破したりすれば俺にダメージを与えられるとでも考えれば多少は出資するかもな。」

 

「そこまでしてあなたを殺す理由は何なの?理解出来ないわ。」

 

「因縁だよ。詳しいことは教えられないが俺.....いや、俺たちと城善寺家には深い闇があるんだよ。」

 

「ならなぜ私は敵視しないのかしら?」

 

「敵視?お前は俺のことを殆ど知らないだろ?」

 

「そうね、お母様はあなたのことを大罪人のようによく言っているわ.....だけどあなたが本当に悪人なら今頃私もμ'sの皆も無事ではいられないわよ。」

 

「そうか.....だがそれが事情を知ってもなお言えるか?」

 

「その事情は教えてくれないのでしょ?」

 

「ああ.....知りたきゃ俺が死んでから知ればいい。」

 

「そう.....なら当分は聞けないわね。」

 

「そうだな.....で、お前はなんでここにいるんだ?」

 

「現場監督のようなものよ。それに暴動が起きないように警察にも協力してもらってるの。」

 

「警察?」

 

「ええ、大森さんというかなりやり手の警察官よ。」

 

「やり手、ねぇ.....確かにあれはやり手だな。」

 

「これはこれは冴子さん、お誉めにあづかり光栄です。」

 

「あら、来ていたのね。」

 

「ところで.....なぜ冴子さんが一条伊月と一緒にいるのですか?」

 

「同級生よ、同じクラスで。」

 

「ほぉ.....でも彼は問題ばかり起こす人間ですよ、一緒にいると汚れてしまいますよ。」

 

「そうかしら?それは私が決めることよ。」

 

「さすが冴子さん、心が広い!!一条伊月、少しこっちに来なさい。」

 

「ちっ.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

「何のつもりだ?お前。」

 

「なぜお前が城善寺家の人間と親しくしている!?」

 

「親しく?悪いが城善寺家って言うとあいつに失礼だぞ。」

 

「くっ....まぁいいでしょう、どうせあなたもここまでですから。」

 

「ここまで?てめぇまさか.....」

 

「なんの事ですかね?まぁせいぜいシャバの空気を楽しんでおくことですね。言っておきますが何をしても無駄ですよ。もう報道陣も買収していますしあなたが何をしようともあなたが悪となるようになりますから。最後に教えてあげましょう、正義は作るものです、情報操作をしてしまえばどんなことをしようとも正義になれるのです。お前は悪だ。最初から城善寺家と対立した時点でお前は悪なんだよ。お前の掲げるものは夢幻なんだよ。」

 

「それをして以前大敗したのはどこのどいつだ?てめぇの言う通り情報操作さえすれば誰であろうとも正義の味方になれる。俺は悪だ。それを否定するつもりはさらさらないがな。だが、その正義は脆い。それに悪と言われても烙印を押されたとしても俺はやりたいことをするだけだ。」

 

「ほざきますね。まぁいいでしょう。負け犬の遠吠えを聞くのは気持ちがいい。」

 

「ちっ.....」

 

 

そう言って大森は去った。これはまずいな....μ'sに被害が及びかねない。しかもあいつらの数から察するに.....何か仕掛けている。だけどライブ自体はやるしかない。爆弾のタイプだけでも見ていくしかないか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

μ's side

 

「そういえば生徒会の方は大丈夫なのですか?」

 

「かよちん心配しすぎにゃ!!海未ちゃんやことりちゃんがいるから大丈夫だよ!!」

 

「なんで穂乃果だけ入ってないの!!」

 

「穂乃果ちゃん抜けてるところあるんだもん!!」

 

「別に穂乃果だけではありませんよ、私だって完璧ではありませんから間違いを犯すことだってありますよ。」

 

「そうなの?海未ちゃんって結構落ち着いてるから.....」

 

「それに穂乃果ちゃんは色々新しいことをやってくれてるし....ことり達だけだと足りないんだよ。」

 

「そうなんだ.....」

 

「花陽たちも見習わないとね。」

 

「そうやね、来年になれば1年生が中心になって引っ張っていくことになるしね。」

 

「うぅ.....引っ張って行ける自信ないよぉ.....」

 

「大丈夫よ、私も最初はそんな感じだったから。」

 

「絵里ちゃんが!?」

 

「ええ、そう見られまいと結構気を張ってたんだけどやっぱり内心はしんどかったのよ。」

 

「でも絵里ちは何かと上手く仕事してたよね。」

 

「それは希や皆がサポートしてくれたからよ。」

 

「そう言ってもらえると嬉しいね。」

 

「にこちゃんの1年生の時ってどんな感じだったの?」

 

「そうねぇ.....今の穂乃果みたいな感じよ。」

 

「ちょっと!?にこはそんなに危なかっしくなかったわよ!!」

 

「まあまあ....でもライブ中にライブ会場を離れるというのも大胆ね。」

 

「穂乃果ちゃんらしいけどね。」

 

「でも、やっぱり楽しむなら多い方がいいじゃん!!」

 

「それもそうですね、私たちとお客さんの距離を詰めるという貴重な機会ですし、私は賛成ですよ。」

 

「で、でも.....セクハラとかされたら.....」

 

「大丈夫だよ。伊月くんがいるし、そんな人がいたら多分伊月くんがボコボコにするとおもうよ♪」

 

「こ、ことりちゃん、怖いにゃぁ....」

 

「でも今更というところもあるでしょ?私たちは流れとはいえマスコミや教育委員会に喧嘩を売ったのよ。そういうのはアイドルにはNGだけど.....それをした後ならセクハラが起きるくらいどうってことないでしょ?」

 

「それは暴論のような.....」

 

「それに私たちも黒柳さんから護身術は学んでいますしもし手を出されたらやり返せるからそこまで心配いらないですよ、花陽。」

 

「う、うん.....」

 

「というか言葉が物騒になりすぎよ!!にこ達はアイドルなんだから言葉遣いにも気をつけなきゃいけないのよ!!」

 

「まぁ内輪やし.....ええんちゃうかな?」

 

「とりあえずさっさと完成させて練習しましょ。」

 

「あれ?那月ちゃんは?」

 

「那月なら.....昨日伊月の部屋に案内したってことで罰ゲームとして洗濯とか掃除とか色々させられているんですって。罰ゲームとはいえ那月とよくこなすわね.....」

 

「姉弟揃って化け物ね。」

 

「まぁとにかく私たちはこれに集中しましょ。サプライズのタイミングはまた後で考えましょ。」

 

 

 

 




「私を叶える物語」ですか。公募というのは結構踏み切りましたね。
となると今回のラブライブ!は、廃校というよりかは自分のしがらみから乗り越えるみたいな感じになるのですかね....さすがにそんな重い内容ではないような....

というか国立(割とアクセスしやすい場所)で廃校の危機ってだいぶやばいですよね?


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#94 陰謀潜むハロウィン ①

気づけば番外編も含めて100話投稿したんですねぇ.....八月末から始めたから結構グダグダしているような。
今回も3編構成でいきます。ちょっとここからスピード上げます。


「これか.....解除できないようになってるのか。」

 

かといって通報したとしても証拠が無いから意味が無いか.....それに大森がいるからもみ消されるし。

 

「時限式.....まだ作動していないのは当然だな。」

 

「何をしているの?伊月くん?」

 

「ん?.....ツバサ?なぜここに?」

 

「ステージの視察に来たのよ。それに裏にも色々ありそうだから興味本位で来たんだけど....これは?」

 

「ん?時限式の爆弾だけど?」

 

「ば、爆弾!?」

 

「しーっ、声がでけぇよ。」

 

(なんでそんなものがここに....)

 

(色々事情があってな.....解除できないというか面倒な加工がされて付けられてる。起動するタイミングとそれまでのカウントが分からない。)

 

(じゃあ警察に通報したら?)

 

(警察?無理だ、あいつらは動いてくれない。)

 

(そう.....でもまずいわよ。これが分からないと私たちかμ'sか他のグループ.....もしくは全員死ぬ可能性があるということよ。)

 

(ああ.....というかお前安定してないか?)

 

(こういう系の小説はよく読んでいるから慣れているのよ。むしろワクワクしているわ。)

 

(ワクワクしてる場合じゃねぇぞ。....とにかくこのことは他のメンバーには内緒にしておいてくれ。混乱されたら相手にばれちまうからな。)

 

(分かっているわ、なら伊月くん、合図を出してくれる?私たちだけに分かるものを。出来れば他のスクールアイドルのリーダーもしくはセンターには教えてもらえたらありがたいのだけれど.....)

 

(無理だろ。お前やμ'sはともかく、他のスクールアイドルは一般人だ。爆弾しかけられたステージでまともにライブができるわけがねぇだろ。)

 

(そうね...でも君を狙うなら爆発するタイミングは私たちかμ's.....そのどちらかよ。私たちの出番前後、見てくれないかしら?)

 

(分かった.....合図はおって連絡する。)

 

(ありがとう.....それと伊月くんもステージを楽しんでね♪たまには肩の力抜いてさ。)

 

(ああ.....事が上手く進めばな。)

 

 

 

 

 

 

ピロピロ

 

「ん?伊月くん?どうかしたん?」

 

「希、一旦会話が聞かれないところ.....そうだな、屋上に行ってくれるか?お前にたのみたいことがあるんだ。」

 

「うちに?ちょっと待ってな.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、お願いって何なん?お付き合いならラブライブが終わったあとでお願いな。」

 

「別に告白したいわけじゃないんだ.....お前ら、明日アキバでハロウィーンイベントがあっただろ?」

 

「うん、それがどうかしたん?」

 

「それがな.....さっき見に行ったんだがステージの至る所に時限式の爆弾があったんだ。しかも御丁寧に解除できないように加工されてな。」

 

「爆弾.....それでうちは何をすればいいん?」

 

「思ったより動じないんだな.....」

 

「そりゃあ.....身近に物騒という言葉を体現した人がおるからね。」

 

「そりゃあ悪かったな.....」

 

「気にする必要はないんよ。それでうちは.....」

 

「俺が爆弾の確認をする。そして起動するタイミングが分かったら.....その少し前にお前にサインをおくる。そしたらお前はみんなでステージから離れてサプライズという形でファンの方に行ってくれ。」

 

「それってステージに近いお客さんはどうするん?」

 

「それなんだが.....城善寺にお願いしてそこら辺はあいつの護衛とかそういうのにしてもらった。それに 爆発だけが1番の危険じゃない、それの破片が飛んだり障害物で押しつぶされる可能性がある.....そうなればライブは愚か人が死ぬことになるからな。」

 

「でもそんなに派手に動けるん?」

 

「なんでも俺のせいにすればいいとでも思ってんだろ。そこら辺は俺の仕事だ。希、お前にはメンバーの安全を守ってほしい.....頼めるか?」

 

「......分かった。うちも頑張るよ。」

 

「悪いな、余計なものまで背負わせて.....」

 

「気にする必要ないんよ。伊月くんもそうやってうちらを頼ってくれてええんやで。」

 

「頼るってか.....普通に命を失いかねないような頼みをするかよ。」

 

「まぁさすがに無理なこともあるけど.....頼れることはええんやで。それに何かあっても伊月くんが何とかしてくれるしね。」

 

「俺頼りかよ.....」

 

「あくまでどうしようもなかった時だけやけどね。」

 

「まぁ...そのとりあえず頼んだ。予測外のことも兼ねて当日は俺も行くからとりあえずステージに集中してくれ。」

 

「うん、分かったよ。」

 

ピッ

 

「さてと....どうしたものか。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

 

「すげぇな。この人だかり。」

 

「そういえば兄貴ってこういう人だかりの出来るイベントに来るのは初めてでしたっけ?」

 

「真夜中にこんなイベントあったら近所迷惑極まりないだろ。それにしても.....随分と凝ってるな。」

 

「兄貴、呑気に関心してる場合じゃないですよ。とにかく、アイドルさんに詳細を伝えないと。」

 

「そうだな.....なぁ、なんで大森の姿が見えないんだ?あいつここの責任者のはずだったのに。」

 

「さぁ.....爆弾の安否を確認しにいってるんじゃないですか?」

 

「だといいがな....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、今回のμ'sのセンターは穂乃果さんではないのね?」

 

「はい、うちですよ。ノリで決まったといいところもあるんやけどね.....」

 

「おそらくあなたのスピリチュアルという点において選んだのでしょうね.....でもあなたの占いは当たるのでしょ?」

 

「確かによく当たるけど.....確実性はないよ。」

 

「それもそうね.....今日のハロウィーン、楽しみましょ。」

 

「ちょっと、伊月くん待つのにここ来たのに帰ってどうするん?」

 

「あ、そうだったわ....うっかりしてたわ。」

 

「そうだな、そこをうっかりされたら困る。」

 

「あら、伊月くん、来ていたのね。」

 

「ところで伊月くん、合図ってどうするの?」

 

「とりあえず俺を見つけるのが難しいから....俺がこの旗を上げた時に動いてくれ。」

 

「この旗.....μ'sの応援旗やん。どこで手に入れたん?」

 

「昨日アイドルショップに行ってな。大きいから見えると思うぞ。そしてAーRISEの出番の時ならAーRISEの旗を振る。これでいけるか?」

 

「私たちは十分よ。μ'sの皆さんは大丈夫?今までのライブを見させてもらったけど幾度かステージから完全に目を離す時があるけれど.....」

 

「今回のライブはそれが少ないから見逃すということはないと思うよ。わざわざ心配してくれてありがとな。」

 

「いいえ、私たちも爆破のせいでライバルを失うのは悲しいもの。それに私たちのライブを潰される以上に辛いことは無いわ。」

 

「それもそうやね....伊月くん、任せたよ。」

 

「ああ....お前らもすぐ降りろよ。」

 

こうして、少し変わった.....ハロウィーンイベントが始まった。別の意味の恐怖が待っているってか.....俺もやらなきゃいけないことがある。

 




少し短いですがお許しを。
この『黒獅子』シリーズのμ's編に関しては3月入るまでには終われたらいいなぁと思っています。話数も100話を越えましたし。


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#95 陰謀潜むハロウィン②

次のスクスタフェスはにこちゃんとエマちゃんなんですね。にこちゃんのURは少し速すぎるような気もしなくはないですが.....(エマちゃんは納得できる。)
そろそろスクフェスで難しい12が欲しいです。最近の12が簡単だと感じるのは僕だけでしょうか.....


「どういう.....ことだ?」

 

なんでよりにもよって.....司会がボタンをもっているんだ....しかもあいつら、爆発を知っているかのように配置してやがる。となれば.....イベントが開始したと同時にボタンを押すことになるのか。ということは.....リミットは少ない。司会が終わる前に裏に回るしかない。だが.....あいつらも馬鹿じゃない。さすがにもうそろそろ警備をつけている頃だろ。

 

「伊月.....これは面倒なことになったね....」

 

「ああ。これは下手したら全員死ぬぞ。」

 

「でもさすがにすぐには爆発しないと思うよ。おそらく城善寺家の人間も知ってるはずだから上手く全員が抜けてから爆破という予定じゃないかな?警察ごと爆破したら後処理をする人間も減るし。」

 

「それもそうか.....与助、お客さんとアイドルの避難はお前らに任せる。乱闘も最小限に抑えてくれ。いけるか?」

 

「任せて.....現場での指示は僕の得意分野だからね。それにさっきメールで商さんや橘さんにも応援要請はしたから上手く動けるよ。伊月は自分のことに集中して。」

 

「悪いな、俺は落とし前をつけにいかなくちゃいけねぇからな。」

 

 

そうしてハロウィーンイベントが始まった。

 

「では皆さん、イベントをお楽しみください!!!」

 

「今、手を舞台に隠したな.....行ってくる。予定通り頼む。」

 

「うん。頼んだよ。」

 

だが不自然なことがある。城善寺がこれを知っていたとしてなぜ自分の娘を爆破の隣に置いているのか。大森も特に城善寺を避難させる様子もない。...,まさかな。それにメディアも来ている。もし仮に誘導が成功してもどう写るか.....μ'sが悪く書かれるようにはしたくない。なら.....

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あと15分.....定刻通りにイベントが進めばμ'sとAーRISEが交代するタイミングになるのか.....考えたな。」

 

さすがにあいつらはもうライブモードだから連絡は出来ないか.....それに城善寺家の動きがない。あいつら爆発を知っているはずなのに何故逃げないんだ.....

 

 

ピロピロ

 

「ん?何だ?」

 

「伊月、悪い知らせともっと悪い知らせ、どっちから聞きたい?」

 

「どっちでもいい。」

 

「じゃあ悪い知らせから.....爆弾を見つけられることを想定しているのか手榴弾を持った人がお客さんの中に紛れ込んでいたんだ。人の多さで止めることが出来なかった.....ごめんね。」

 

「それは仕方がないだろ。ということはこのタイムリミットはあてにならねぇのか。それで、もっと悪い知らせって何だ?」

 

「白鴉がいた。.......城善寺家の人間の中に紛れ込んでいたんだ。変装してね。本気で伊月を消しにくるつもりらしいよ。」

 

「それにパンフレットにね、『たとえスクールアイドルの人達が何かをしても近づかないことと緊急事態の時以外は観客席からは離れないこと』って書いてあるんだ。不味くないかな.....?」

 

「何?そんなことが書いてあったのか.....」

 

「こっちの動きを完全に読んでるね.....どうする?今はスクールアイドルの子達とは接触は不可能。それに警察も使用人も警戒している。」

 

「.......分かった。俺に考えがある。1回戻る。」

 

 

 

 

 

 

 

「それで、兄貴、考えって何ですか?」

 

「それはな.......」

 

「伊月、それは正気なの?」

 

「ああ.....これしかやれることがない。でもそれは.....」

 

「.........」

 

「これはお前らが決めてくれ。この作戦にのるか、のらないか。どっちを選択しても俺は何も言わない。ある意味捨て身の作戦だからな。」

 

「.......分かりました、俺たち全員、兄貴についていきます!!」

 

「.......本当にいいのか?」

 

「それが1番なんでしょ?それに.....俺たちは兄貴についていくと決めたんです。どんなことでも最期までやりましょうよ。俺たちは兄貴の信じた道を歩みますよ。」

 

「ありがとう.....だけど何かあったらすぐに逃げろよ。」

 

「伊月が本気なら止めないけどさ.....それは代償がでかいよ。」

 

「分かってる。心配してくれてるのか?」

 

「いいや、伊月も凄いなって。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

AーRISE&μ's side

「さて.....そろそろ私たちの出番ね。」

 

「とってもドキドキしてる!!」

 

「それにしても観客の熱気は凄いな。ラブライブに劣らずといったところか。」

 

「どこでも変わらないわよ。私たちは最高の私たちを見せるだけ。」

 

「おぉ.....ツバサさんすごいですね!!」

 

「穂乃果さん?あなたもメンバーをこうやって鼓舞するのもあなたの仕事よ?」

 

「あはは....まだ慣れてなくて。」

 

「緊張感がないわね.....まぁいいわ。私たちのステージ、見ていなさい。」

 

「はい!!」

 

バサッ

 

(旗.....?もう少しで爆発するというの?)

 

 

「へっ、お前ら聞きやがれ!!悪いがこのパーティーは禁止だ!!今からお前らを恐怖の底にたたき落としてやるぜ!!いけ!!お前ら!!」

 

「うっす!!おらぁ死ねや!!」

 

 

 

 

 

「い、伊月くん!?何してるの!?あれ!?」

 

「何で....うちらでやる手筈じゃなかったん?」

 

「しかもあんなこと聞いてないわよ!!」

 

 

「スクールアイドルの皆さん、今のうちに逃げてください!!」

 

「あなたは伊月くんの.....」

 

「はい、自己紹介が遅れました、毛利与助といいます。色々事情があって伝えていた作戦が全てゴミになりました。なのでいつ爆発するか分かりません.....なので今のうちに避難してください!!」

 

「でも伊月くんはどうするの!?」

 

「伊月は大丈夫です!!あいつがやってる間に速く!!」

 

「!!.....行くわよ!!」

 

「ちょっとツバサ!?」

 

「皆大丈夫!?」

 

「城善寺さん!?これはいったい....」

 

「細かいことは後よ。とりあえず、今は逃げましょ。ここにいては命を落とすことになるわ!!」

 

「え!?....分かった!!」

 

「ですが伊月が.....」

 

「伊月は僕達に任せていいから速く!!!!」

 

「小泉さん、何ぼーっとしているの!?」

 

「.......」

 

 

ピーッ

 

「.......え!?」

 

 

「花陽、城善寺、危ない!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「なっ!?ステージが爆発!?よりによってこんなに速く!?」

 

「いいから俺らのことに集中するぞ!!負ければサツに捕まるぞ!!」

 

「貴様ら!!何のつもりだ!?」

 

「それを答える義理はねぇよ!!おらぁ!!」

 

 

 

 

 

 

「大丈夫か....お前ら.....?」

 

「い、一条君.....頭から血が....」

 

「俺のことは気にするな!!いいからどっかにいきやがれ!!」

 

「.......小泉さん、行きましょ!!」

 

「う、うん!!...,」

 

 

なんとか間に合った。爆発の影響でステージが崩れ、危うく花陽と城善寺が下敷きになるところだった。予測して動いたから良かったもののダメージがでかい。俺はあいつらの代わりに瓦礫の衝撃を受けた。それと同時にだいぶ重傷.....血のおかげで何とか助かった感じか。ほかのメンバーは.....無事に逃げたみたいだな。

 

「ほう、中々面倒なことをするな。」

 

「白鴉、やっぱりてめぇもいたのか....」

 

「勿論。それにしても警察も悪趣味なものだな。ステージに爆弾を仕掛けるなど.....」

 

「ああそうだな....てめぇ何しにきやがった!?」

 

「勿論お前を殺す為だ。楽しめるかと思ったら.....これはとんだ誤算だ。まさか女を庇って死に損ないになるなど....」

 

「俺にとっては大事な仲間だ。それを見過ごすのはもうごめんだ!!」

 

「お前のしたことはある意味正義だろうが.....結果的にお前は爆破犯になった訳だ。お粗末だな。」

 

「結構、どう思われようが大いに結構だ。あいつらを守れるなら.....俺は悪役にだってなってやるさ!!」

 

「ふん、下らん友情だ。それが人の刃を鈍らせる.....」

 

「おい白鴉、その男は私が処理する。」

 

「では俺に何をしろと.....?」

 

「貴様の相手は俺だ!!!」

 

「おっと.....てめぇは何者だ?」

 

「敬一の仇.....ここでとる!!」

 

 

 

こうして、俺vs透谷、黒柳vs白鴉、警察vs部下達の大乱闘が始まった。アイドルと観客は外に出せた.....やるべき事は果たした。あとは.....けりをつけるだけだ!!




もうすぐ2月になりますね.....クラスで女子がバレンタイン騒ぎしてます。学年末テストも近づいて本当に病みそうです。


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#96 陰謀潜むハロウィン③

スクスタのインフレの波はどれくらい続くんでしょうか.....
皆さんは無料90連どうでしたか?僕は運があまり良くなかったので、初期海未ちゃん、初期穂乃果ちゃんの2人しか出ませんでした。どちらも未所持だったので良かったです.....


「現在、アキバで暴動が起こっています!!主犯はあの世間を騒がした黒獅子こと、一条伊月容疑者とその仲間のようです!!」

 

今、現場はさっきまでのイベントとはうってかわって乱闘騒ぎになっている。観客とアイドルは全員避難、俺たちと城善寺勢力の衝突となっている。このことを予測していたのか警察は人数が多い、ここで銃殺許可がもし降りたら....._俺たちは間違いなくやられる。

 

「何故.....なぜお前は私たちに歯向かう?」

 

「歯向かう?俺は.....いや、俺たちは汚いことが大嫌いなんだよ。てめぇらがやってきたことは絶対に許されない。それにな.....後ろから襲うなんざ随分と舐めてるじゃねぇか。」

 

そう、ここはアニメやゲームの世界じゃない。こういう時だって後ろから拘束してこようとするし、傷のせいで上手く動けない。

 

「ふん.....お前が兄を殺した人間で.....お嬢様に害を及ぼす存在である限り.....私はお前を消す。」

 

「いつまで盲信しているんだ!?城善寺を守るのは結構だが.....お前はあの家の捨て駒として生きるのか!?」

 

「当たり前だ。それが私に与えられた使命だからな。」

 

「使命だと....?もしお前が城善寺を守りたいなら.....歯向かえよ!!城善寺家がどれだけ酷いことをしたか分かっているだろ!?そして.....お前がお嬢様と慕っている人間がそれを知らずに生きている.....ならば」

 

「これ以上交わす言葉はない。お前を殺して家を守り抜く。」

 

「ちっ.....!!」

 

今の俺は.....こいつの攻撃をいなすので精一杯。後ろから度々やってくる警察官も鬱陶しい。くそが.....

 

「あぶねっ!!この野郎.....!!」

 

「外しましたか.....まぁいいでしょう....透谷さん、彼を拘束して下さい。」

 

「無論だ。」

 

「ちっ、2対1かよ。完全に不利じゃねぇか。」

 

このままじゃ....確実にやられる。目的は果たせた.....なら

 

「お前ら!!全力で逃げろ!!」

 

「兄貴を置いて逃げるわけにはいきません!!俺達も最期まで戦います!!」

 

「頼む!!言うことを聞いてくれ!!このままじゃ俺たちは全滅する。商を呼んだ.....一緒に逃げろ!!俺のことに構うな!!」

 

「言ってもどこに逃げるんですか!?この状況じゃどこいっても同じですよ!!」

 

「スペース(伊月たちの基地)に行け!!そこなら助かる!!」

 

「.....分かりやした、撤退だ!!」

 

「おい!!待て!!」

 

「お前たちは安全確認をしろ!!」

 

「く、黒柳さん!!しかし.....」

 

「奴らはいつでも捕まえられる。今は近くにいる一般市民とアイドルの人達の安全確認と保護をしろ!!」

 

「.....分かりました!!」

 

「黒柳さん、何のつもりですか?」

 

「我々がすべきは市民の保護、現に今私たちはこの事態の収集で手一杯、この状況で市民の安全を保障できるか?それに敵は少数.....これほどの人員を動員する必要があるか?」

 

「.........」

 

「ちっ.....興が冷めた。今日は帰る。」

 

「貴様!!待て!!」

 

「悪いがお前はもうすぐ動きにくくなる。それでもまだ追いかけるのか.....?」

 

「何?.....くっ。」

 

「筋肉硬直剤を打たせてもらった。俺はお前に興味はない。そこでじっとしてろ。」

 

「くっ.....」

 

「いい気味ですね、黒柳さん。あなたが私に物理的にひれ伏すとは.....」

 

「ぐっ.....足を.....どかせ!!」

 

「嫌です。今まであなたのせいでどれ程の手柄を取り損ねたか....苦痛の中で後悔しなさい!!」

 

「ぐっ.......」

 

 

 

 

 

 

 

「一条くん、大丈夫!?」

 

「.....な!?城善寺、何で戻ってきたんだ!?」

 

「お嬢様、ここは危険です!!逃げてください!!」

 

「透谷、今すぐ退きなさい!!これは命令よ!!」

 

「しかし....当主様からご命令が.....」

 

「それはわかっているわ!!その上で言ってるのよ!!」

 

「何ですかあいつは.....邪魔ですね、消えてもらいましょう。」

 

パァン.....

 

「.......!?」

 

「ぐっ.....城善寺、いいからここから離れろ!!」

 

「仕方ない.....お嬢様!!」

 

「ちょっと.....離しなさい!!透谷!!」

 

「いけません、このままではお嬢様が死んでしまいます!!」

 

 

「私も撤退した方が良さそうですね.....あいつが勝手に自滅してくれたし事後処理は楽ですか。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

戦闘後

 

「黒柳.....大丈夫か?」

 

「伊月....すまない、この前はあんなことを言ってしまって.....」

 

「もういいんだ.....どうしてここに来た.....?」

 

「敬一の仇を取りたかった.....だが無理だった。」

 

「.....大丈夫か?」

 

「筋肉硬直剤を打たれただけだ。しばらくしたら.....治るはずだ.....。伊月、お前こそ大丈夫か.....?」

 

「.....かなりしんどい。もう動けないくらい.....だ.....」

 

「!?.....伊月。」

 

「黒柳!?大丈夫か!?」

 

「商.....今は伊月を頼む。私は後で構わない.....」

 

「そうにはいかんやろ.....どっちも重傷やな.....仕方ないなぁ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

μ's side

 

「..........」

 

「伊月も.....だいぶ派手にやったね。」

 

「.............」

 

「皆の気持ちも.....分からなくはないよ。ある意味伊月に.....ライブを潰されたもんね.....。」

 

「.....あれは許されないわよ!!」

 

「にこちゃん、落ち着いて.....」

 

「.......どうしてああしたの?」

 

「うちにもわからん.....けど当初伝えていたことがおじゃんになったとしか分からへん.....」

 

「希ちゃん、何か聞いたの?」

 

「うん、AーRISEのリーダーも一緒に聞いてんけど、ステージが爆発するからその前に合図を送って、うち達と観客をステージから離すようにって言われたんよ。」

 

「じゃあなんであんなこと.....」

 

「おそらく.....パンフレットの注意書きじゃないかな?」

 

「注意書き.....?これ、動けないように指示されているのね。」

 

「確かにこれがあったらその作戦じゃ意味を成さないかも.....」

 

「.....でも、ライブを潰されたのは少し許せないわ。」

 

「それは皆そうです.....ですが、潰された理由が理由じゃないですか.....」

 

「それはそうだけど.......」

 

「でも、もしライブをしていたら.....うちら、今頃灰になっとるよ。」

 

「.......だけど。」

 

「ごめんなさい、あれは私たちの責任なの。だから彼を責めないであげて.....」

 

「城善寺さん?よく抜け出してこられたね。」

 

「ええ.....みんなに伝えなければならなかったから。今回の案件は私の家と警察がグルになってやったことなの.......だから彼はある意味汚れ役になったのよ.....そうなるのを覚悟の上で。」

 

「でも何で.....うちら、確かに伊月くんと繋がりは強いけど、汚れ役なんて誰も望んでない!!」

 

「ねぇ那月.....前々から思っていたのだけれど、伊月は過去に何があったの....?」

 

「ああする理由が知りたいの.....?」

 

「それはそうね。あいつは、にこ達のことを助けてくれた.....けどそこまでやる理由が分からないわ。私たちは確かに他の人より繋がりが強いし信頼している.....ライブを潰されたことは許せないけどあいつが思慮なくやってるわけじゃない.....それに私たちのために命をかける理由が分からないわ。」

 

 

(伊月は、城善寺さんを助けた.....それは城善寺家と分けて考えた。伊月はみんなを信頼している.....ここまでなら、いいかな.......ごめんね、伊月......)

 

「.....じゃあみんなに話すよ。伊月の.....過去と秘密を。ただ、これだけは約束して。これを聞いても伊月への態度や信頼を変えないで.....」

 

「もちろんよ、私たちは受け入れる覚悟はあるわ。」




色々状況がカオスですね。複数の物を同時進行させているので読む上で見にくいかもしれません.....可能な限り分かりやすくしました。お許しを.......


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#97 一条伊月の過去

やっとですね.....伊月くんの過去の全貌。作者自身色々考えて作りましたので、何かおかしいところが無ければいいのですが.....
ニジガクのメンバーのURが欲しい.....とくにまだ出てないけど愛さんが欲しいです。(果林さんは既に所持しているので。)


「伊月くんの過去?」

 

「どうして伊月が黒獅子となったのか、そしてどうして城善寺家と対立することになったのか。」

 

「那月ちゃんはどこまで知ってるん?」

 

「全部、だと思うよ。けど、伊月が全員を助けたいと思っている理由までは分からない。私がお父さんに聞いた限りの内容だから.....」

 

「じゃあ、話してちょうだい。」

 

「うん.....ちょっと時が戻るんだけどね、今から60年近く前の話かな.....とある研究者さんがいたんだ。その学者さんは人が寿命を迎えられる研究をしたんだ。」

 

「寿命を迎えるってどういうことよ?」

 

「病気とか怪我とか.....そういうものによる死じゃなくて健康で寿命を全うできるってことだよ。それでその研究者さんは幾人かの死刑囚を利用して研究を始めたんだ。いくつもアンプルを打ち込んだり、精子や卵子を無理やり体内から取り出して受精させてその受精卵のDNAを組み替えたり.....」

 

「ちょっと待ってください!!そんな昔に遺伝子組み換えの技術が存在していたんですか!?」

 

「うん.....というのも戦争中に『死なない人間』という研究が一部ではあったらしいんだ。回復能力が異常な人間とか。」

 

「そんなのが.....」

 

「そしてその研究者さんは発見したの。その完成形を。.......それが伊月の先祖さんの『神山の民』なの。この名称も最近つけられたんだけどね。」

 

「先祖.....?」

 

「その後その受精卵を何個も作り出して次々人が生まれたの。そしてその人たちの特徴は...脳や脊髄など体の主要部分が傷つかない限り死なない.....いわゆる再生力がおかしい人間だよ。そしてその代償というかなんというか.....普通の人間より少し短命で体のどこかが緑色に変色しているんだ、髪の毛とか皮膚とか目の色とか.....」

 

「じゃあ伊月が銃弾で撃たれて無事だったのは.....」

 

「うん、その再生力と生命力のおかげだよ。でもね、同時に弱点もあって傷は治るけど痛みやダメージ自体の回復は少しラグがあるんだ。それでね.....作り出したはいいんだけど、どこからかそれを嗅ぎつけた週刊誌があって....死刑囚の人権を無視しているとかそういった類の内容だったんだ。その学者さんはその件をもって研究を辞めて警察に逮捕されたんだ。」

 

「では、生み出された人達は....」

 

「当初は殺そうとしていたんだ。平和を掲げた国が軍人が好みそうな人間を作ったら体裁がないからってことで.....で、その人たちは自分の命を案じて隠れたんだ。それが神山町なの。」

 

「ちょっと気になったのだけれど、もしかしてその研究に投資をしていたのは私の家なの?」

 

「うん、そうだよ。国家が絡むと不祥事になるし当時は城善寺財閥はマスコミとか金融とか色々なところにパイプがあったから証拠隠滅とかはすごく得意だったんだ。」

 

「.....そうだったのね。」

 

「そして投資を回収出来なかった城善寺家の当時の当主、.....あなたのお爺さんに当たる人かな、その人が『その血を軍国に売り、それで回収しよう』ってね。」

 

「考え方が狂気の沙汰ね。」

 

「そして研究者さんは裏で身を引き取られ暗殺、城善寺家は何十年もの間、彼らを発見することが出来なかったの。」

 

「でも、彼らが外に出ているという話もあるのよ。それでどうしてそういう特徴をもった人間が現れないの?」

 

「それもあってね.....神山の血はその血をもった人と子を生まないとその特徴は生まれないんだ。当時の彼らは意見が別れて、普通の人と結婚して子を産んでこんな忌々しい血を絶やすべきだと言う人と、外に出たら殺される可能性があるし、自分たちと子供を生むということは普通の人の体に負荷をかけてしまう可能性があるから、ここでおとなしく暮らそうと言う人、その2つにね。」

 

「.....まぁそうなるわね。」

 

「個人の自由ということで事は片付いたの。それから数十年は何もなく過ごせたんだ.....ある人が情報を漏らさなければね。」

 

「どういう....こと?」

 

「神山の血の力は色んな人が欲する効果がある。当時、神山の民と一般市民の間に生まれた人にはそれが無かった.....その人は町に行った時に血の力を知って貪欲に求めるようになった。だけど仮にも母親の仲間だから自分の手で殺すのをためらった.....そこで情報をリークする手を使ったの。城善寺家に。」

 

「....じゃあ。」

 

「まず城善寺家はその情報が正確かを確かめる為に親族のフリをしてしばらく過ごしたの。そして確信した。それを報告して殺して血を獲得しようって。」

 

「でも、おかしくないかな.....?遺伝の時に弱いのに血を取り入れたらその力が手に入るって。」

 

「もちろんその矛盾を指摘した人もいるの.....けれどそれを破った人間がいた。それが白鴉.....名の通った殺し屋だよ。彼は城善寺財閥に情報をリークした人物で.....ちょうど死んだ時にその死体から血液を取り出して取り入れたの。そして.....その力を手に入れた。傍系だったこともあるだろうけどさ。それを確認した城善寺家はその血を取り入れようとしたんだ.....」

 

「でもどうやって.....」

 

「誘拐したんだよ、何人も。しかも夜中に。不審に思って夜中に警戒して巡回していた人も連れ去られて.....町も雰囲気が怖くなったんだって。」

 

 

「それはそうでしょうね.....」

 

「そして.....とうとう虐殺が始まった。採取した血を大量に投与してバーサーカーのような改造人間を作って、町に送ったんだ。彼らを殺す人間、その血を取る人間の2班に分かれて。これがいわゆる『神山の惨劇』と呼ばれる事件なんだ。でもそういうことをしたのを探られるのを恐れた城善寺家はその後、彼らが住んでいた山を燃やして、山火事が起きたということにしたの。そしたら死体ごと燃やせるってことで。そして町にいてただ1人生き残ったのが....」

 

「伊月、というわけね.....」

 

「でも、じゃあ那月ちゃんもその再生能力があるの?」

 

「今はあるよ。血を入れられたからね。でも.....その前まではなかったよ。私と伊月は血が繋がっていないから。」

 

「じゃあ何で一緒に過ごしてるん?」

 

「それも説明するね.....伊月のご両親は神山で結婚してそのまま町を出たんだ....外でもやっていけるということを示したくて、でもそこを白鴉に狙われて.....殺されたんだ。城善寺財閥という後ろ盾があるから母親と同族の人間を殺すことに躊躇いが無くなったんだって。そして伊月の両親は伊月を隠していたんだ.....それをお父さんが発見して保護したんだ。元々伊月のお義父さんとお父さんは同じ仕事をしていたらしくてね.....」

 

「じゃあなんで神山にいったの.....?」

 

「前にも話したことがあるんだけど、私のお母さんはピアニストで海外で多忙だったんだ....そして中学生になった時の夏かな.....お母さんが伊月を町に連れていったんだ。お母さん曰く、伊月に真実を知ってほしかったんだって.....残酷だよね、まだ中学生になったばかりの子供に親が殺されて自分の一族がああいう過程の元で生まれたって。」

 

「伊月にそんなことを.....」

 

「でも時期が悪かった.....それが城善寺家が作戦を実行する2日前だった。そして惨劇が起こった夜、伊月のお母さんはKB、神山の血を元に作られたアンプルを投与された人間に殴られ、握りつぶされ、死んだの。.....伊月の目の前で、伊月を庇って。」

 

 

「......」

 

「城善寺さん?」

 

「私は.....そんなことがあったにも関わらずそんなことも知らずにのうのうと彼に接していたのね.....どんな思いをさせてしまったのかしら.....それにお母様がそんなことをしたなんて。」

 

「そして伊月は心を閉ざして闇堕ちして.....今の黒獅子になったの。帰ってきたときの1年は本当に全然口を聞いてくれなくて.....私も話すのに1年ちょっとかかったの。それから伊月は復讐に心を奪われたかは分からないけど.....黒獅子になったの。これが全貌だよ.....でも、この後が本当に酷かったんだ。伊月が山から降りてきた時に伊月は麓に住んでいた人達から暴力を振るわれ続けたの。城善寺家が麓の山に『山に住んでいる人間はあなた達を害する存在で来たら排除しないと子供たちが危ない。』ってデマを流したの。お父さんが迎えに行くまで食糧もろくに与えられず大人に殴られ、馬鹿にされ続け.....目も当てられないくらい酷かったらしいよ。」

 

「そんなことが.....」

 

「そ、そんなの酷すぎます!!」

 

「そして、お父さんが伊月にそろそろ人と接して信じる気持ちを取り戻して欲しいってことで音ノ木坂のテスト生として入学させたの。伊月も自分もなんとかしないとって考えてたから意見が一致した。」

 

「伊月は強いわね、前を向けて.....」

 

「皆にも感謝してるんだよ、特に1年生組にはね。伊月のことを見捨てないでずっと接し続けてくれた.....城善寺さんも一緒だよ。それにμ'sと接していく中で伊月は少しずつ人間性を取り戻したんだよ.....それに皆は伊月の為に世間を敵に回した....自分たちのことを顧みずに。伊月の知り合いはね......伊月のことを知った途端に離れて殴ったりして、伊月は人間不信に陥ったというか.....自分が作る繋がりの脆さに絶望してあんまり作らないようにしてたんだよ。.......皆はどう?」

 

「...........」

 

「確かに驚きはしたけれど.....だからといって私は.....いいえ、私たちは伊月への評価を変えるつもりはないし、私たちが見た伊月を信じるわ。」

 

「真姫ちゃん.....」

 

「穂乃果もそうだよ!!」

 

「ことりも!!」

 

「そうね.....那月、安心して。私たちは私たちの知る伊月を信じるわ。彼は私たちのことを支え、助けてくれた。私は生徒会長としても1人の人としても助けてもらえた.....彼の生まれや血の歴史がどれだけ醜くて汚れていて悲しかったとしても......それを受け入れる覚悟はあるわ。」

 

「それはうちも同じ。可哀想とかじゃない、私たちは『一条伊月』という1人の人間を認めて受け入れて.....今まで接してきたんよ。にこっちは?」

 

 

「はぁ.....別にそれがどうしたのよって感じよ。あいつがどんな過去を抱えてようとμ'sのマネージャーであることに変わりはないわよ。それに実際にこ達を何回も助けてくれたじゃない。」

 

「私も同じ考えです。伊月がその過去のトラウマを抱えているなら.....それを越える為に私たちは協力は惜しみません。それに彼の人間性は絶対的な善人とは言えないでしょうが、1本芯があります。そしてそれを実行して私たちを助けている.....そんな立派な人を差別するほど私たちは子供ではありませんよ。」

 

「凛は怖いけど....でも、伊月くんを嫌いにはならないよ!!ね!?かよちん!!」

 

「私は.....自分の目を信じたい.....です。」

 

「私は正直申し訳ない気持ちでいっぱいで.....彼の目の前にいる資格があるかすらないと思っている。でも彼と向き合い接していけば.....そして、私が家を変える努力をしなければならない。それが私たちがしてきた罪への償い。私はどんな批判も受け入れて前に進むわ。彼と共に。」

 

 

(伊月.....よかったね、いい仲間を持って。)




ラブライブはどこへいった!?.....主人公が主人公なので日常回とかがないのは許して下さい.....次回作作る時は気をつけます。
誤字脱字報告、感想、ご意見、評価お願いします!!


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#98 ダイエットしないと....

シリアスがずっと続いたので今回はアニメ準拠で行きます。かよちんのあのでかいおにぎりはどこに入れていたんだ.....あれ作るのも大変そう。


『続いて、先日アキバでスクールアイドルによるハロウィーンイベントが一条伊月容疑者によって爆破され、ステージ周辺は今でも後処理が行われています。警察の大森さんによると、これによる市民やアイドルに被害はなく、容疑者の捜索に当たっているようです。周りに住んでいらっしゃる市民の声はーー

 

「やっぱり不安ですよね、ああいう危険人物がいると考えると。」

「子供もいますし、速く捕まって欲しいですよね。」

 

「やっぱり教育委員会の騒動の時に逮捕しておくべきだったと思いますね。というかああいうのを外に出しておくのはダメですよね。」』

 

 

「相変わらず伊月くん、叩かれてるね。」

 

「仕方ないわよ、人々が得られる情報はメディアが発する情報しかないのだから、世論が傾くのは当然よ。」

 

「でも、私たちを庇ったことは無かったことにされているのかな.....」

 

「当たり前よ、そんなことはあの人たちにとっては嬉しくないもの。」

 

「それはそれとして.....練習を始めましょう。事件があったり、伊月が重症を負っているとはいえ最終予選は予定通り行うという方針は変わってませんし、何もしていなかったら伊月に怒られますよ。」

 

「海未ちゃん.....それもそうだね!!じゃあ、練習頑張ろう!!」

 

「....穂乃果?気のせいかもしれませんが少しお腹が出ているのではありませんか?」

 

「ほえ?そうなの?」

 

「でも、ただの見間違えっていう可能性も.....」

 

「では、ことり、最初のライブで使った衣装はありますか?」

 

「え?う、うん.....あるけど。」

 

「これを着て、今の自分がだらけているかが分かるはずです。」

 

 

「ちょぉっと待ってね....うっ!!」

 

「ほ、穂乃果ちゃん!?」

 

「やれやれ.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

「薄々気づいてはいましたが、穂乃果.....」

 

「う、うぅ....今日は1人にして....」

 

「気にしないで、見た目にはそこまで出てないから....」

 

「ホント!?」

 

「え?あ、あっ.....」

 

「ことり、そうやって穂乃果を甘やかしてはいけません!!それに昨日も!!ことりが作ったお菓子を食べていましたね!!」

 

「う、海未ちゃん.....」

 

「これは.....ダイエットです!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「収穫の秋!!秋といえば、新米の季節です!!」

 

「いつにも増して大きいにゃー。」

 

「まさか、それを1人で食べるつもり?」

 

「だって新米だよ!?食べなきゃ勿体ないよ。」

 

「随分と美味しそうに食べるけれど.....大丈夫なの?」

 

「だって新米だよ!?食べたい時に食べられないのは......」

 

ジーッ

 

「.....食べる?」

 

「え!?いいの!?」

 

「ダメです!!穂乃果はダイエット中でありませんか!!」

 

「う、海未ちゃん.....」

 

「.....花陽、あなた最近....」

 

「?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「うっ.....」

 

「あなた達.....」

 

「2人とも、成長期なのかもしれんけど.....これはまずいとちゃう?」

 

「仕方ないわよ、あれだけ食べれば運動しても太るわよ。」

 

「ま、まぁ少し食べすぎるくらいなら....」

 

「でもほっとけない状態なんでしょ?」

 

「うん、これは致命傷かもね.....特にファンの人達はスリーサイズとかに関しては詳しいから太ったら一瞬で見抜かれるよ。」

 

「で、でも.....」

 

「これが、今回のダイエットの計画表です。これで効率的に短期間でダイエットをしましょう!!」

 

「.....え!?晩御飯これだけ!?」

 

「ご安心ください、その分朝ごはんはしっかり食べられますので。」

 

「.....でも良かったぁ。仲間がもう1人いてくれて!!」

 

「な、仲間....?」

 

「目、反らした?」

 

「どっちでもいいわよ。それとも.....伊月に気づかれたい?」

 

「い、伊月くんに!?」

 

 

『お前ら、太ったか.....ったく、しっかりしろよ。よし、お前らだけ残ってもう少しトレーニングをするか。安心しろ、終わるまでつきあってやるから。』

 

「ぜ、絶対に嫌な方向にしか進まない....」

 

「それに伊月くんストイックだから海未ちゃんよりも厳しくいきそう....」

 

「私のメニューでは厳しく感じませんか?それならもう少し制約を課しますが.....」

 

「い、いや!!今ので十分だよ!!」

 

「そうだよ!!それ以上やったら私たちが死んじゃうよ!!」

 

「では早速階段ダッシュ20本から行きましょう。」

 

 

 

 

 

 

「真姫ちゃん、絵里ち、もし伊月くんに太ったのバレたらどう思う?」

 

「.....もう生きていけないわね。おそらくしばらく不登校になるわ。痩せるまで。

 

「ええ、堕落してるとは思われたくないわ.....それに伊月はストレートに言うから.....間違いなく心にヒビが入るわ。」

 

「2人とも大変やね。」

 

「.....これでもちゃんと食生活は管理出来ているのよ。最近帰りに食べるのは増えたけどその分運動してるから体重は増えるどころか減っているわ。」

 

「私もそうね.....私は維持し続けているけれど、太らないようにはしているわ。」

 

「真姫ちゃん、スタイルいいなー。凛も欲しいにゃ!!」

 

「あなたはその分運動ができるからいいじゃない....その体力、欲しいわ。」

 

「でも、アプリじゃフェス限真姫ちゃんは凛よりスタミナ多いよね!?」

 

「それはフェス限だからよ!!それにここでアプリの話を持ってこないでよ!!」

 

「ほらほら、アプリの話はおいておいて行くわよ。作者もどういう神経してるのかしら.....それに海未が暴走しないように見ておかないと.....」

 

「絵里ちはウエディングドレス着てたよね?伊月くんには見てもらった?」

 

「そんなわけないじゃない。恥ずかしいわよ.....」

 

「伊月くんなら『絵里、綺麗だな。』とかストレートに言いそうだよね!!凛も結構恥ずかしい衣装だったけど.....どう言うかな?」

 

「もう!!今はその話はなし!!とりあえず行くわよ!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ぜぇ.....ぜぇ.....こんなにしんどか....った.....け?」

 

「う、ううん.....絶対に.....はぁ、体力が落ちてる。」

 

「これでは危険ですね.....では今日はここまでにしておきます。明日からはもっとキツくなるので頑張って下さいね!!」

 

「う、うん.....」

 

「くれぐれも帰りに寄り道してお菓子などを食べるのはダメですよ!!」

 

「わ、分かってるよ!!」

 

「.....これで大丈夫なのでしょうか?」

 

「さぁ.....だけどあの様子だと直ぐに折れそうね。ある程度は譲歩した方がいいと思うのだけれど.....」

 

「一応、間食は認めてはいるのですよ。ただことりが作るお菓子のように高カロリーのものではないものに限っています。」

 

「.....あなたの前では太りたくはないわね。」

 

「そ、そうでしょうか.....」

 

「いえ、あなたが悪いとかではなくて、あなたの私生活が自分に厳しく作られているからおそらく他人にも厳しいのだろうって思っただけよ。」

 

「そうですね.....私の普通が穂乃果の普通ではありませんし。」

 

「でも、今回はちょっと強制した方がいいわね。あの様子だと太っていく一方だったし。」

 

「城善寺さん.....あなたは太らないのですか?」

 

「まぁお金持ちだから確かにイメージ通り色んなものを食べてはいるけれど....ちゃんと栄養バランスを考えて作ってくれているから太る心配もないわ。体育の授業も頑張っているし。」

 

「それなら.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

 

「では、ランニング5km、どうぞ。」

 

「え!?まだやるの!?」

 

「当たり前です、では速く!!」

 

「うぅ.....」

 

「随分と張り切ってるね、海未ちゃん。」

 

「那月、このままでは2人とも太りそうなので.....」

 

「太りそうというよりかは太ったからこうなったんだよね。」

 

「それはそうですが.....手遅れの1歩手前ですし....」

 

「那月は.....大丈夫そうですね。」

 

「私は家に伊月がいるからさ.....絶対に太りたくないんだよね。お姉ちゃんとしてそこは可愛いお姉ちゃんとしていたいもん!!」

 

「そうですか....やはり伊月を餌にした方がいいでしょうか.....」




スクフェスのバレンタインイベント、1日ちょっとで去年やったのをふと思い出します。そろそろ無料10連もくるのでしょうか.....


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#99 誘惑とミス

ラブライブ!って、ちゃんと卒業させて時間を進めてるから凄いですね.....


「はっ.......はっ.....」

 

「はっ.....はっ.....」

 

 

 

「ちゃんと走ってはいるみたいですね.....」

 

「海未?何か怪しいの?」

 

「いえ、そうではないというか.....花陽はともかく穂乃果が急にやる気を出すというのが不自然で.....」

 

「そうかな?ダイエット頑張ろう!!って思ってるんとちゃう?」

 

「それならいいのですが.....あの穂乃果が何もなしに急にやる気を出すはずもありませんし.....何をしているのか気になりまして。」

 

「というわけで尾行しているのね....でも速いわね。」

 

「城善寺さんは知らないかもしれないけど、凛達、伊月くんに基礎体力をつけるトレーニングとして結構走ったりしてるんだよ。」

 

「そうなの.....なら尚更太るのもおかしいような.....というか尾行がうまいわね...」

 

「伊月くんは結構自主的にやるのが多いから最低限のランニングとストレッチくらいしか義務的にやってないんだよ。」

 

「花陽と真姫は最初の方は死にかけてたもんね。」

 

「あれは序盤からあんなに疲れるとは思ってなかったのよ。」

 

「尾行に関しては.....一条くんといると自然と身につけなきゃってことで.....」

 

「それで身につくものなの?」

 

「私たちも命は守らなきゃいけないから.....多少の訓練はしたわ。」

 

「それにしても.....何もないじゃない。海未の思い過ごしじゃないの?」

 

「そうであればいいのですが.....」

 

「.....ちょっと待って!!あれって.....」

 

「あれは.....誘惑、でしょうか?」

 

「ご飯屋に入ろうとしてるね....」

 

「でも花陽は断ろうとしてるわね.....」

 

「やはり穂乃果でしたか.....今度はちゃんと現行犯逮捕という形で言わなければ.....」

 

「でも、花陽も入ったわよ。」

 

「だから譲歩した方が良かったわね.....」

 

「そうですね.....このままでは痩せるどころかかえって太りますね.....」

 

「でもどうしてここまで目標をきつく設定したの?」

 

「那月は、伊月の食生活などはどう思いますか?」

 

「伊月?伊月は.....まず1日2食しか食べてない上に夜も色々忙しいからまず太る要素が無いんだ。それにちゃんと筋トレもしてるし.....でもだからかな?ちょっとカロリーの高いもの食べてるし、野菜もそれなりに摂ってるよ。」

 

「伊月のように事情があるのならいいのですが、穂乃果はスクールアイドルを始める前からお菓子やパンをたくさん食べていましたので.....スクールアイドルを初めて運動するから痩せるだろうし穂乃果も気をつけると思ったのですが.....かえって食べる量が増えたんですね。」

 

「かよちんは元から食べてるし、新米の季節は沢山食べてるからこの時期はどうしても体重が増えちゃうんだにゃ。」

 

「なら管理はしっかりして欲しいわね.....」

 

「これは明日一緒に行って注意しなければ.....」

 

「.....海未ちゃん、ちょっといいかな?」

 

「どうしたのですか、ことり.....これは.....」

 

「穂乃果ちゃんが戻ったらすぐ行こう。」

 

「そうですね.....すみません、生徒会の仕事で少しトラブルというか.....瑕疵が見つかったので一旦抜けさせてもらいます、すみません。」

 

「穂乃果ちゃんまだ戻っていないけど大丈夫なん?」

 

「事態が事態なので穂乃果には戻り次第生徒会室に来るよう伝えてもらっていいですか?」

 

「分かったわ。」

 

「私も同行するわ。この時期に何かあるなら予算関連の話でしょうし.....私も行かせてもらうわ。」

 

 

 

 

 

「生徒会も大変だにゃ。」

 

「来年は凛達が継ぐ可能性もあるわよ。」

 

「え!?ぜ、絶対嫌だにゃー!!」

 

「そこは生徒の判断ね.....でもにこ達は廃校を阻止した実績があるし、穂乃果が今は会長をしているから一年生の誰かがやる可能性は高いわよ。」

 

「その時は伊月くんが何とかしてくれるよ!!多分.....」

 

「一条くんが来年までいるかは分からないけどね.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「どういうことですか!?」

 

「予算案が先に通ったっていうこと....?」

 

「でも、これを通したのって穂乃果たちじゃないの?」

 

「確認はしたけど通してはいませ.....まさか....」

 

「決済案のところに間違えて入れちゃったってこと....?」

 

「.....ことりのせいだ。私のせいで.....」

 

「今はそんな誰の責任だとか言ってる場合じゃないわよ。面倒なことになったわね.....」

 

「今はこの事態を何とかしないと!!」

 

「これの影響はどうなんですか?」

 

「他のクラブの会計の人達も早い者勝ちって考えてどんどん出してきてるよ。あとはスクールアイドル部が自分たちの都合のいいように予算調整してるんじゃって噂も出てるし.....」

 

「そ、そんな!!」

 

「それに一条くんも関わっていたこともあって批判は凄いことになってるよ。」

 

「世間の次は校内で騒ぎが.....でもこれは私たちの過失です。私たちで解決しましょう。」

 

「でも、どうやって....」

 

「まずは各部活の部長を集めて話そうよ!!」

 

「分かりました、ことり、その間に私と資料整理をしてこのような事態がどこまで及んでるか確認しておきましょう。」

 

「う、うん!!」

 

「もし、予算で足りないとなるならば.....今回限りは私が出すわ。それで今回は事態を収めましょ。」

 

「でもそれでは予算が生徒会に通されなくなる可能性があります!!」

 

「どういうことかしら.....?」

 

「もしそうなれば今後予算などお金に関すること全てを城善寺さん頼りにする可能性があります!!」

 

「でも今回だけよ.....でもそれもそうかしら。なら私はその整理、手伝うわ。」

 

「ありがとうございます。ではこちらをお願いしてもよろしいですか?」

 

「任せて.....これでもこういうのは得意だから。今は一条くんの役割を私が果たすわ。」

 

「伊月の、ですか。そういえば伊月は無事なのでしょうか.....」

 

「少なくとも捕まったということは聞いてないからまだ逃げ残ってるわ。ただ.....時間の問題ね。」

 

「そうですね.....城善寺家が本気を出せばすぐ特定しますからね。」

 

「さすがに表立った動きは出来ないわ.....こっちの資料、確認終わったわ。次はこれね。」

 

 

「は、速いですね.....」

 

「言ったでしょ?得意分野やって。それにあなた達には私の家が本当に迷惑をかけたから.....償わなきゃいけないのよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

伊月side

 

「それにしても.....これが地下にあったのは正解だったな。商が食糧と水を渡してくれるし。何よりテレビも風呂も生活できるように配備されてるのは救いだな。」

 

「でも兄貴、大丈夫ですかね.....」

 

「商曰く、傷自体は治ってるけどダメージがまだ残ってるらしい。兄貴も相当無茶したな.....」

 

「まぁでもおかげで客もアイドルも無傷で済んだんだから結果オーライじゃねぇか。」

 

「でも、君たち表歩きにくくなったよ。」

 

「与助の兄貴、それは仕方ないですよ。それを覚悟の上でやったんですから。」

 

「伊月ね.....目は覚めたみたいだよ。だけどあと2日は安静なんだって。」

 

「兄貴が目覚めたんすね!!良かったぁ....」

 

「だけどここも危ない.....まだ嗅がれてないとはいえここの存在はバレている。あいつらも少しは考えて動くだろうし、ここに長居は出来ないよ。一応隠し通路あるから商からの補給は確保出来てるけど。」

 

「でもどうします?このままじゃ兄貴の面子を汚されたままじゃねぇか。」

 

「でも俺らじゃ絶対に勝てない。今の人数と疲労からしてしんどい.....」

 

「この前みたいにメディアと掛け合うのも難しい.....週刊誌を利用してもいいけど爆破犯としてのレッテルは消えない。さてどうしたものか.....」

 




思い返すと、2期3話や9話の音ノ木坂の生徒たちで手伝いに来た人達はどうしてファーストライブ行かなかったんでしょうか.....セリフ的にも穂乃果ちゃんを手伝いにきたみたいな雰囲気でしたけど.....。今でもよく疑問に思います。サンシャインみたいに驚異的に人が足りないならともかく。


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#100 挽回と予兆

メインも100話を超えましたね。今が2期の7話くらいだからもう少し頑張らないとだめですね。


「まだかかりそう?」

 

「いえ、こちらのチェックは終わりました。」

 

「でも、まだもう少しかかりそうね。延長報告してくるわ。」

 

「はい、お願いします。」

 

 

 

 

「ねぇ、海未ちゃん。」

 

「ことり、どうかしたのですか?」

 

「城善寺さんのことなんだけど.....海未ちゃんはどう思う?」

 

「どう思う、とは?」

 

「ことりはさ、まだちょっと受け入れられないんだ....。頭では分かってるんだけど、伊月くんを傷つけた家の御曹司というか.....まだちょっと抵抗があるんだ。」

 

「それは仕方ないかもしれません。私自身、まだ那月の話した伊月の過去を全部呑み込めていませんから.....それに、城善寺さんがどう思ってるかは分かりませんし、現に今は私たちに協力している。しばらく経たないと結論は出せません。」

 

「そっか.....ごめんね、変なこと聞いて。」

 

「いえ.....那月はこのことを受け入れられたのでしょうか?」

 

「1番きつそうだもんね.....でも、那月ちゃんなら大丈夫な気がするんだ.....」

 

「そうかもしれませんね.....」

 

 

 

 

 

 

(やっぱり私はまだ信じられていない.....それもそうよね。私の家が一条くんにしたことは許されないもの.....)

 

でも、どうしたらいいか分からない。自分自身、今までそんな事を知らずにずっと生きていた。彼が私と家を分けて考えてくれたのは本当にありがたいけれど.....でも、家がしたことは許せない。お母様が何を考えたかは知らないけれど.....今はこうすることでしか償いは出来ない。皮肉ね、お金持ちで今まで何かと上手くいってたのにいざこうなると.....何も出来ないようなもの。自分がいかにお金の力に守られていたかが分かるし、今の自分の贖罪に頭が入って他にも被害を受けた人もいるというのにその申し訳なさよりも先に考えてしまう.....傲慢ね。

 

 

「城善寺さん、少しいいかな?」

 

「先生、どうかしたのですか?」

 

「城善寺さん、何か思い悩んでそうだったから、何かあるなら相談に乗れたらなって。私、一応一条さんのことも、過去も...全部知ってるから。」

 

「.....そうですか、なら少しいいですか?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「先生は.....彼をどこまで知っているのですか?」

 

「一条さんを?詳しい所までは全く分からないけど.....あの子は人には伝えたくない過去があって人を信じる為に苦悩している、のかな?」

 

「そうですか.....実は彼の過去に私の家が絡んでいまして.....」

 

「え?どういうこと?」

 

「それが.....彼を人間不信にした出来事を起こしたのは私の家なんです.....私自身、それを知らずにずっと生きてきました。」

 

「うんうん、それで?」

 

「彼は私がその家の次期当主と知っていながらも普通の人と変わらず接したんです。彼がどういう思いをしたかは分かりませんが.....辛いんです。そういう思いをさせてるんじゃないかって。そして.....彼のことを理由に自分のことしか考えていない自分が.....嫌なんです。先生、私はどうしたら....」

 

「一旦落ち着いてね.....それが今の城善寺さんの心、なんだね?」

 

「はい。私はどう贖罪をしたら.......」

 

「贖罪なんて難しいよ。過去におった傷はそう簡単には治らないしそれに一条さんの傷は深すぎる.....身内さえ疑うほどに。でもそれはあなたがやったわけじゃない。」

 

「それでも!!家がやったのなら私も同罪なんです.....彼の前にのうのうと立っている自分が.....」

 

「.....でも、そうやって生きていくしかないよ。こうすればいい、なんて答えはないし、実際、あなたがどれだけ頑張っても家がした事実は変わらないし周りの人間もそう簡単には変わらない。まだ15、6のあなたにいうのも酷だけれど.....罪は一生消えないんだよ。どれだけ善行を積んでも贖罪をしても.....その事実は変わらないしあなたを一生付きまとう。その中で生きなきゃいけないんだよ。」

 

「そう、ですよね.....」

 

「でも、1番やっちゃいけないのは....一条さんがあなたと接してくれているのならあなたが勝手な理由を作って動いちゃダメ。一条さんはあの子なりにあなたのことを考えて接している.....辛いだろうけどそれを乗り越えてるんだよ。ならあなたがすべきことは.....何かわかる?」

 

「.....私なりに生きる、ということですか?」

 

「当たらずも遠からず、かな。あなたは1人で生きているの?」

 

「.....え?」

 

「その苦しみも.....色々あるけどそれはあなたが背負って進まなきゃいけない。けれど、あなた一人でできる事には限りがあるの。もうひとつ、あなたは自分だけがもつ何かを探さなきゃいけない。あなたのお母さんにはない何か.....それを見つけるのは1人じゃ難しいよ。それに一条さんはね.....あなたのことを特に憎んでいる様子は無かったよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『一条さんは城善寺さんのことどう思ってる?』

 

『.....正直言って最初は少し疑いというかなんというか.....少なくとも普通には感じませんでした。俺にも色々ありましたから.....あいつらのことを普通に受け入れるのは無理です。』

 

『うんうん』

 

『でもだからといってあいつを憎むわけにはいかないんです。それをしたら俺は.....あの日俺たちを殺したあいつらや....散々に痛めつけた奴らと同類になるんで....。だから先生、もしあいつが何か言ってきた時は.....俺は気にしてない、だからお前は絶対に母親のようにはならないでくれ。そして.....ちゃんと透谷も含め家の奴らを救ってやれ、って言ってください。あとは1人で抱え込むなって.....』

 

『それは直接君が言いなよ。』

 

『いえ....そうできない事情がありますから.....』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「って言ってたんだ。」

 

「.........」

 

「あの子は過去と向き合えた。あなたが本当に家の面子を気にするのなら....本気でそれに向き合う覚悟が必要だよ。でもあなたには家の方も含めスクールアイドルの子達もいる。あなたが十分に成すべきことをなせる環境にいるのよ。」

 

「私が.....」

 

「しばらく受け止めるのは時間がかかるかな。でもゆっくり考えて。この事件があった後の彼の対応次第だけど.....まずは彼とちゃんと向き合うことよ。」

 

「.....ありがとうございます。良かったらまた相談に乗って頂いても.....」

 

「私も予定があるからあれだけど.....空いてたら聞いてあげるよ。ちゃんと最後まで隣にいてあげるから。」

 

「ありがとうごさいました.....失礼しました。」

 

 

 

 

 

「今年は骨が折れそうな生徒が多いなぁ....でも、いい経験にはなるね。一条くん、城善寺さん、それにスクールアイドルμ's、.....中々ハードだなぁ.....」




イベントpt制度は良いのですが、もう少し安くしてくれませんかね.....?初心者に厳しいスクスタ。


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#101 再起、そして....

スノハレを披露した時、全員めっちゃ薄着でしたがあれで寒くないのでしょうか.....もしかしてライブ前に運動でもしたのか。
伊月くんsideから入ります。オリジナル佳境ですかね.....


いくつかの時が流れたような気がする。俺にとってはとても長い時間。あの日のことを何度も思い出した。突然の恐怖、目の前で母親を殺された時の怒り、憎しみ、悲しみ.....そして、『透谷』を殺した時の虚無感。あの3年前の日はずっと俺を縛り続け.....そしてまた俺を闇へと誘う。あいつらの.....μ'sの輝きはとても眩しかった。俺とは絶対に合わない光....でも、絵里や真姫を含め、あいつらは俺を助けてくれた.....もし、あいつらがこれを知ったら....俺はもう二度と光を見ることは出来ないだろう.....そんな気がした。

 

 

 

 

「伊月!!無事か!!」

 

「耳の前で叫ぶな。....まだダメージはあるが動けない程ではない。」

 

「お前.....ずっと魘されてたけど何があったんや?」

 

「3年前のことをずっと思い出しては苦しみ、そして改めて自分がどういう道を歩んできたかを考えさせられた。」

 

「そうか.....」

 

「なぁ、与助。もし3年前のことを皆が知ったら....俺はもうあいつらとは交われなくなるよな?」

 

「それはあの子たち次第だけど.....普通なら確実にそうなるよ。」

 

「だろうな.....」

 

「それでお目覚めのところ悪いけど状況は最悪やで。お前の騒ぎを利用してお前は今では世間の敵、犯罪者や。しかも警察の連中、汚いことをしやがった。」

 

「何をしたんだ.....?」

 

「お前を渡せば、部下の人達の罪は無かったことにするやと。ふざけとんのか。」

 

「.....完全に掌握されてる。」

 

「何でや?」

 

「大森は俺を捕まえたいんじゃない。部下を裏切らせ、仲間がいなくなった状態の俺を捕まえていたぶる.....最後は城善寺財閥に渡して報酬金をもらう、本当の意味で俺を殺しにきてるんだ。あいつらはさ....社会復帰をする為に俺が呼んだんだ。だから社会復帰を無くされるのが嫌ならお前らのボスを出せってことだ。要はあいつらが断りにくい条件を出してきたんだ。」

 

「そういうことか.....」

 

「.....俺はあいつらに委ねる。俺を引き出すならそれでいい。あいつらが無事でいてくれるならな.....」

 

「伊月、大森はそんなに真面目な奴じゃないで。おそらく伊月を捕まえた後、その部下をちょびちょび捕まえて自分の実績にするつもりや。それにやり残したことがあるやろ?」

 

「それはな.....透谷と決着をつけにいかなきゃいけないんだ。」

 

「その前にや!!まずはμ'sの子達と会ってくるんや。お前のこと、ホンマに心配しとったで。」

 

「そうなのか....行かないと、か。あいつらにか。」

 

「それも夢で出てきたんか。」

 

「俺のことを全部知ったあいつらに捨てられる夢をな。何度も、何度も。手を差し伸べて突き落とされる。気分がいいわけはない。」

 

「仮にそれでもや.....会ってこなあかん。お前が作ったことはお前がケリをつけるんや。それくらい、お前なら分かるやろ?」

 

「....分かった。行ってくる。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「この時間なら.....あいつらはまだ練習か.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでここなのですが.....伊月!?無事だったのですか!?」

 

「良かった.....良かったよー!!!」

 

「もう.....心配したんだからね。」

 

「悪かったな。」

 

「伊月、話があるの。部室に行きましょ。」

 

「...,ああ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、話って何だ?」

 

「ごめんなさい、あなたに2つ謝らなきゃいけないの。1つは、私たちの為に汚名を着てまで守ってくれた.....私たちが不甲斐ないばかりに....ごめんなさい。」

 

「それは気にするな。汚れ役は俺にはお似合いだからな。」

 

「そ、そんなことないよ!!」

 

「そしてもうひとつは.....那月から教えてもらって、あなたの過去を、知ったわ。全部。」

 

「.......え?」

 

嘘だろ?全部知ったのか.....じゃあ話ということは.....俺に消えろってことか。それとも....

 

「あなたがどんな過去を背負って今まで生きてきたのか.....」

 

「......それでどう思った?」

 

「どう思ったって.....」

 

「気持ち悪いか、忌々しいか、それても汚れているか.....どうだっていい。俺は人殺しでもあるんだ。今までよくものうのうと生きてこられたな、そう言いたいのか?」

 

「ちが、そういうことじゃ.....」

 

「悪かったよ.....お前らを騙すような真似をして。もう二度とお前らの前には現れない。」

 

「待ちなさい!!」

 

 

パシッ....

 

 

「ま、真姫ちゃん!?」

 

「どうして....どうして私たちを頼ってくれなかったのよ!!どうして....話してくれなかったの.....?私たちが弱いから?私たちが信頼出来ないから.....?」

 

 

「何で?そんなの決まってるだろ!!この血が!!俺の存在自体が!!そして....俺の犯した罪が!!あっちゃいけねぇからだよ!!聞いただろ?俺のこの体が生まれた過程が....そしてそのせいで多くの人間が死んだことが!!お前らはそれを知ってしまった以上、無事ではいられない。そしてそうだ.....この事実を知れば全員俺を迫害し、殺そうとする。商売道具にしようとする奴だっている。」

 

「じゃあ私たちがそんな人間だと言いたいの!?」

 

「.....心のどこかでそう、思ってるのかもしれない.....お前らは悪くない。だが、俺が悪いんだ....」

 

「.....ふざけるのも大概にして!!もし本当にあなたのことをそんな風に思っているのなら.....私たちは世間を相手に戦うわけないでしょ!!あなたが私たちにとって大切な人だから....だから私たちはあなたに生きていて欲しい!!あなたと一緒にいたい!!どんな過去があっても、たとえあなたが人を信じることが出来なくても.....私たちは絶対にあなたを見捨てない!!」

 

「ことりもそう思うよ。伊月くんの過去を聞いた時は怖かったけど....でも、ことりはことりが見た伊月くんを信じるよ。誰でもない、自分の判断で。」

 

「........あなたが背負った責任も、苦しみも....私には同じ気持ちはない。けれど.....私の家が犯した罪だから.....私はあなたと本気で向き合う。それが贖罪だと信じて.....」

 

「.....伊月、これを。」

 

「これは....ハンドガン?何で持ってるんだ....」

 

「あなたは私たちが本当に疑っているか心配なんでしょ?なら.....それで私を撃ってみなさい。」

 

「絵里ち!?」

 

「そんなの無茶よ!!かすりでもしたら.....」

 

「当たっても構わないわ。さぁ撃って。全部で6発。私はここから.....一歩たりとも動かないししゃがみも飛びもしない。」

 

「.....正気か?」

 

「正気よ。遊びでこんなことするわけないでしょ。それに私は撃たれたとしても意見はしない.....約束するわ。もし約束が破られるなら.....あなたの好きにして。殺してもいいわ。」

 

「何を.....言っているんだ.....」

 

「あなたの信頼を得られるのが簡単なんて思うことは無いわ。私は命をかける....私の覚悟はそのレベルよ。」

 

 

バァン....勿論当てるつもりはない。

その銃弾は絵里の首の近くを通った.....本当に動かない.....何でだ、怖くないのか....

 

「速く続きを撃って。敵ならいまの間に間合いにはいられたわよ。」

 

 

「....くっ。」

 

 

その後、俺は最後の1発まで撃った。本当に頭がおかしかった.....だが.....絵里は一歩も動くことは無かった。それどころかμ'sのメンバーも銃声があるにも関わらずにずっとその場にいた。途中、俺が銃口を向けたが一向に動く気配は無かった。なんのつもりだ.....?

 

 

「.....なぜ避けなかった。もし俺が狙ってたら今頃お前らは重症だったんだぞ.....」

 

「私の知ってるあなたは優しくて、自分の鬱憤で人を殺すような人じゃないって分かってたから.....信じてたから。聞いて、伊月。あなたの血族がどんな過程で生まれたかも知っているけれど.....この世であなたは一人しかいないのよ。そして私たちは皆あなたに助けられた。あなたはときに命をかけて、自身が不利になることを分かっていながら動いてくれた。私たちがそんなことに気づかないと思った?私たちは別にあなたを護衛として置いている訳では無いし、あなたを利用しようとも思ってない.....一条伊月という1人の人間と向き合って信頼できる仲間だから一緒にいるのよ。そこにあなたの過去がどうであってもその評価は変わらないわ。たとえあなたが人殺しでも.....あなたがちゃんとその罪と向き合って生きているのだから責めることもないわ。それは私たち全員、同じ想いよ。」

 

 

「.....那月以外にそういうことを言ってくれる人物がいるとは....」

 

「そうかしら?でもここにはあなたを受け入れられないような人間は1人もいないわ。伊月.....お帰り。よく生きていてくれたわね.....!!」

 

「.......!!」

 

「涙.....?あなたが流してどうするのよ.....私たちが一番心配したんだからね.....はぁ.....良かったぁ....」

 

.....こんなに温かいのか。俺が捨てるはずだったものはこんなにも....安らぎをくれるのか。

 

「伊月、ちゃんとみんなに謝りなよ!!仮にも撃ったんだし、それに何よりも!!こんな健気な子達を待たせたことだよ!!」

 

「そうだな....那月、いや、姉ちゃん。」

 

「ね、姉ちゃん!?ちょ.....言われてみると恥ずかしいな....なんか恥ずかしいからやっぱり那月でいいや。家でならそう呼んでね。」

 

「あぁ.....みんな、本当に.....本当にありがとう。」

 

『おかえり!!伊月(くん)!!』




こんな感じですかね.....オリジナルもまだもう少し残ってます。


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#102 最終予選に

スクスタのゲスト選択のところに同じくらいのランクの人出ないかなぁ.....?上位勢が出てきたらフレンド申請しにくいんですよねぇ.....


地下スペースにて

 

「.....というわけで厳重警戒のもと、最終予選は行われるみたいです。」

 

「本当になんか、色々悪かったな。」

 

「気にする必要はないわ。やり方が雑だったとはいえ犠牲は出なかったもの。結果オーライよ。」

 

「でも、ステージめちゃくちゃにしたんだから、しっかり働いてもらうわよ!!」

 

「分かってるよ。」

 

「ちなみに今回は新曲という縛りはなく、過去に歌った曲でもいけるみたいです。」

 

「じゃあどうする?」

 

「私は新曲がいいわ。」

 

「おお!!新曲!!」

 

「でも作る時間が厳しいわよ。それに新曲である必要はないし...」

 

「正直リスクが大きいよ。」

 

「だが俺たちがAーRISEに勝つためには既存曲で正面から挑んでも駄目だ。新曲もリスクがあるなら.....確率がある方に賭けてもいいんじゃないか?俺はそう思うが....」

 

「それもそうね.....」

 

「あともし新曲を作るっていうなら.....俺も手伝わせてくれないか?自分勝手なのは承知だが.....今まで散々迷惑かけて何もしてこなかったんだ.....お願いします。」

 

「12人で作る初めての曲ね....いいわ、やってみましょう。」

 

「じゃあ曲のイメージを決めようよ!!」

 

「じゃあ.....ラブソングなんてどうやろ?」

 

「ラブソング...?」

 

「確かに!!アイドルにおいて恋の歌すなわちラブソングは必須です!!」

 

「じゃあ何で今までなかったんだろ.....?」

 

「それは.....」

 

「な、なんで私を見るのですか?」

 

「だって海未ちゃん恋愛経験ないやろ?」

 

「ど、どうしてそう決めつけるのですか!?」

 

「じゃああるの!?」

 

「あるにゃ!?」

 

「あるの!?」

 

「別にどっちだっていいじゃねぇか....」

 

「そうかな?女の子にとって恋愛経験があるかは結構重要だよ。」

 

「そんなもんなのか?」

 

「私は.....ありません。」

 

「もう、驚かせないでよー!!」

 

「何で私が責められるんですか!?穂乃果もことりもないでしょ!?」

 

「あはは.....」

 

「ことりは....あったよ。」

 

「え!?」

 

「姐さん初恋とかしたんですね。」

 

「うん.....優しくてかっこいい人だったよ♪」チラッ

 

「その人は凄いですね....俺なんか今まで恋愛したことないですし、これからも多分ないでしょうねぇ.....あれ?俺独身じゃん。」

 

「それは....大丈夫だと思います.....」

 

「そうにゃ、特に真k『凛!!ストップ!!』うにゃ!!」

 

「?」

 

(ちょっと何言ってるの!?)

 

(だって本当じゃん。絵里ちゃんも慌ててたけど.....)

 

(凛が私の名前を出すかもしれなかったから不安だったのよ.....)

 

「大丈夫だよ!!伊月に貰い手が出なくてもお姉ちゃんがずっと隣にいてあげるからさ!!それに血も繋がってないから結婚だって出来るよ!!」

 

「そういやそうか.....まぁでも俺じゃ釣り合わないしな。那月はもっと相手を探せ。」

 

「え?釣り合わない.....?」

 

「話が反れてるわよ。」

 

「にこちゃんもさっき首突っ込んでたじゃない。」

 

「あれはアイドルが恋愛経験があるというのがダメだからよ!!」

 

「はいはいそこまで....とりあえずラブソングのイメージを作らんとね。」

 

「確かに.....曲を作るにしろどういう感じかどういう気持ちで歌うか分からないと進みませんね。」

 

「じゃあどうする?実践するか?」

 

「じ、実践!?」

 

「いやだって異性の俺がいるなら.....イメージしやすいだろ、練習にもなるし。」

 

「それもそうだね。」

 

「じゃあ早速やってみよう!!」

 

 

 

 

 

 

「なぁ、那月。」

 

「ん?どうしたの?」

 

「城善寺知らないか?見当たらないが.....」

 

「それもそうだね.....どこ行ったんだろ?」

 

「なんか面倒なことになってないといいがな....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『す、好きです!!受け取って貰えませんか!?』

 

「ああ。」

 

「うん、いい感じやね。」

 

「うう....恥ずかしいですぅ.....」

 

「本番じゃないから緊張することもないだろ。」

 

「そういうことじゃないですよ.......」

 

「じゃあ次、真姫ちゃん行ってみよう!!」

 

「わ、私はやらないわよ!!」

 

「ふん!、何恥ずかしがってるのよ!!」

 

「別に、恥ずかしがってる訳じゃないわよ!!ただ相手が.....」

 

「俺じゃ無理か?なんなら他のやつ連れてくるけど.....」

 

「べ、別にそういうことじゃ....」

 

(真姫ちゃん、一条くんに想いを伝える練習になるよ....)

 

(花陽....分かったわ、やってみる。)

 

 

 

 

 

 

 

 

「これ伊月ににあげる.....べ、別にあなただけの為に作ったわけじゃないからね!!皆にもあげてるから.....」

 

「パーフェクトです!!すごいです!!」

 

「テレビで見たことあるにゃー!!」

 

「.....どう?」

 

「ん?いいんじゃないか?ただ俺の名前使うのはな.....将来別の相手にやるわけだしそこは伏せといたほうが良かったんじゃないか?」

 

(ねぇねぇかよちん、伊月くんって鈍感なの?)

 

(一条くんも過去が過去だからね.....人に愛されるということが極端に少なかったんじゃなかったかな?だから心のどこかで自分を卑下してるんじゃないかな.....?)

 

「別に構わないわよ。相手はもう決まってるんだから。」

 

「そうだな、どっかのお金持ちさんと結婚するならわざわざこんなことする必要ないしな。」

 

「ふんっ!!」

 

「いった!!何すんだよ!!」

 

「これは伊月くんが悪いにゃ。」

 

「そうね、地雷は踏まないようにすることね。」

 

「じゃあ真姫ちゃんもやったことだし....絵里ちもやってみる?」

 

「わ、私はやらないわよ!!」

 

(絵里.....私がやったのよ。だからやらないと不公平よ.....)

 

(真姫....仕方ないわ。真姫、見てなさい。)

 

「分かったわ、やるわ。」

 

「なんでそんなに燃えてるんだ.....?」

 

「じゃあカメラ回すよ。」

 

 

 

 

 

 

 

「伊月.....その、受け取ってもらえるかしら?私の気持ちよ.....」

 

『おおー!!』

 

「中々うまいじゃない。」

 

「亜里沙がこういう漫画を読んでるから覚えたのよ......」

 

「伊月くん的には今のどう?」

 

「俺?そうだな.......目を合わしてくれたらありがたかったかな.....反応に困るし。でも、表現とか雰囲気はいいんじゃないか。真姫も絵里も。ただ何故俺の名前を出すかは謎だけど。将来のこと考えたら伏せた方がいいだろ。」

 

「じゃあじゃあ私もやる!!」

 

 

「那月っちもやるん?」

 

「うん!!1回こういうのやってみたかったの!!」

 

「待ちなさいよ!!なんでにこがほったらかしになってるのよ!!」

 

「じゃあにこっちもやる?」

 

「ふん。しょうがないわねぇ!!」

 

「まんざらでも無さそうだな。」

 

「ええ.....ところで伊月はやらないの?」

 

「俺?というかにこ先輩無視されてませんか?」

 

「いいえ、ちゃんと聞いてるわよ。ただ.....準備されてる感じがするのよ。」

 

「ちょっとは聞きなさいよ!!」

 

「聞いてたよ。ちょっと準備が良すぎひん?」

 

「うっ!!.....でもこれが見本よ。」

 

「確かに、にこちゃんみたいにスラスラと想いを伝えられたらねぇ.....」

 

「じゃあ真打を見る?伊月くん。」

 

「ん?俺がやるのか?」

 

「女の子だけじゃ分からんこともあるからね.....やってくれへん?」

 

「ああ.....で相手は誰だ?」

 

「そうやね.....じゃあうちがやろか?うちの心に響くのをお願いな♪」

 

「さらっと無理難題を押し付けるなよ.....やるよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほらこれ、プレゼント。お前いつも頑張ってるだろ?そのご褒美みたいなもんだ....裏で頑張ってんのちゃんと分かってるからな。なんかあったら俺を頼れよ。俺が隣で支えてやるからさ。」

 

 

『おおー!!』

 

「どう....?希?」

 

「うん.....これは合格やね。」

 

「すごいにゃー!!伊月くん!!それならちゃんと将来お嫁さんが来てくれるよ!!」

 

「そうだといいな。で、浮かんだか?イメージ?」

 

「うーん...やっぱり難しいよね......」

 

「じゃあ映画でも見てイメージをさらに広げてみましょ。」

 

「じゃあ行こう!!」

 

「悪い、少しだけ残る。先に行っててくれ。」

 

「了解にゃ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ストーカーとは趣味が悪いな、透谷。」

 

「ふん、貴様こそ気づいていてわざと演じていたのは滑稽だな。」

 

「で?何の用だ?そんなことよりも....お前、自分の主をどうした?」

 

「お嬢様のことをお前に教える義務はない。」

 

「あっそうかよ。.......この日に指定した場所に来い。いいな?」




スクフェスの順位が全然下がらない.....スクスタにみんな力を入れてるのが分かります。海未ちゃんだったのでちゃんと周回しました。
誤字脱字報告、お願いします。


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#103 想いここに

ここの場面の海未ちゃん可愛かったなぁ.....μ'sって多分文系だと思うんですが3年生はどこの学科受けたんでしょうか.....?
少し短いです...活動報告を見てください


「じゃあこれ見よか?」

 

「結構古めの映画持ってきたな.....」

 

「これくらいしか見つからんかったんよ。」

 

「こんな感じがいいでしょうか.....?」

 

「それはちょっと直接的過ぎない?もう少し包んだ方がいいような...」

 

「じやあ見るわよ。」

 

 

 

 

 

視聴中

 

「うぅ.....」

 

「可哀想.....」

 

「何よ!!安っぽいストーリーね.....」

 

「涙でてるよ。」

 

チラッ

 

いや、穂乃果と凛が寝てるじゃねぇか.....まぁ眠たくなるのは分からなくはないんだがな。切ないんだろうが...テンプレすぎて飽きるな。海未は何で怯えてるんだ...?

 

「真姫.....暇そうな顔してるな。」

 

「展開があまり分からないのよ.....恋って難しいのね。」

 

「さぁな、でもなんか複雑だし面倒だな。」

 

「そうね.....こう想いを告げるのも勇気がいりそうね.....」

 

「そうか?気持ちを伝えるのはそこまで緊張しないと思うけどな.....というか随分真面目に見てるんだな。」

 

「何か参考になるものがないか探してるのよ。.....将来の為にも。」

 

「将来、か。お前ならいくらでもアプローチがありそうだけどな.....親父さんも結構娘のこと大事にしてるし縁談持ってきそうだな。」

 

「それは骨が折れるわ.....そういえば作曲手伝うって言ってたけどどうやるの?」

 

「真姫が作ったやつを少しだけ手を入れるだけだ。曲調は壊さないようにはするよ。」

 

「そう.....」

 

『きゃぁぁ!!』

 

「あっ...ぁぁぁぁぁ!!」

 

ピッ カチッ

「ほぁっ...」

 

「おはよう。」

 

「あ!?」

 

「は、破廉恥です!!大体こういうことは人前ではやりません!!」

 

「さてと....イメージ出たか?」

 

「あんまり広がらなかったかな.....」

 

「.....とりあえず明日までに考えてまた共有しましょ。」

 

「絵里ち.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「絵里ち...別にいいんよ、そこまでやらなくても。」

 

「どういうこと...?」

 

「うちのこと考えて動いてくれるのは嬉しいけど...もうええんよ。カードもダメって告げてるし。」

 

「そう....でもそれが希の気持ちなの?」

 

「え?」

 

「確かにラブソングというジャンルは私たちにとっては未知の領域...ラブライブの最終予選はそこまで来ているけれどそれと曲の方針を決めるのはまた話が違うわよ。あなたの気持ちを大切にして欲しいの。.....少し話しましょ?」

 

「絵里ち...どこで?」

 

「希の家、よ。もう1人連れていくけどいいかしら?」

 

「別にええけど.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

希の家

 

「へぇ...ここが希ちゃんの家なんだ!!」

 

「那月は初めてだったわね。」

 

「でも、希ちゃんが一人暮らししてるのは意外だよ。」

 

「希はいわゆる転勤族でご両親のお仕事が忙しくて基本1人なのよ。」

 

「うちと少し似てるね...うちもお父さんの仕事が忙しい時は私と伊月しかいないし、伊月が黒獅子として外にいる時は私1人ぼっちだし...」

 

「そうなんや。」

 

「それに希ちゃんのお父さんは知ってるからね。伊月と同じ界隈の人だから.....」

 

「何をしているの?」

 

「ん?主に犯罪者の質屋みたいなものだよ。麻薬とか金とかを高額で買い取るんだ。それを伊月や警察みたいな機関に情報共有して取締りしてるんだよ.....秘密裏にね。で、要件が片付いたら別の県に行ってまたそれをって感じ.....でもあの人希ちゃん連れてるんだ。危ないのに.....」

 

「それでね.....その転勤が重なって友達が出来てもすぐに引っ越して中々親友みたいなのが作れないの。それでこの音ノ木坂学院に来て...穂乃果たちと出会って大切な仲間が出来て.....その仲間でラブソングを歌いたい、それが希の夢なのよ。」

 

「この話はもう終わり、結局上手くいかんかったし。」

 

「て、希は言うのだけれど.....どう思う?」

 

「うーん、でも捨てるにはまだ早いんじゃないかな...?別に不可能って訳じゃないし、希ちゃんがそう伝えれば皆力になってくれると思うよ。」

 

「それに私も自分の気持ちを押し殺していた時があったから希には同じことをしてほしくないのよ.....私は伊月や穂乃果達のおかげでそれを乗り越えられた...だから、一緒に乗り越えたいの。ね?那月?」

 

「そうだね、絵里ちゃん!!」

 

「あっ.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ、希ちゃん一人暮らしだったんだ。」

 

「それに家に来るのも初めてだにゃ。」

 

「初めて知りました。

 

「最低限のものしか置いてないな.....やっぱり転勤族だったのか。」

 

「それで.....どうするの?」

 

「言葉を出し合ってみるのはいいんだけど....」

 

(伊月.....お願い出来ないかしら.....?)

 

(いや、これはお前らで解決すべきことだろ?俺が出たら色々不味くないか.....?)

 

(それもそうかしら.....)

 

「あれ...?これは?」

 

「ああ、それは!!」

 

「凛達が復帰した時のライブ?」

 

「ふふっ、そういうのを飾ってるのは意外ね。」

 

「別にええやろ.....うちだってそのくらいするよ。」

 

「那月はなんか飾ってたっけ?」

 

「私はまだ写真も撮ってないしμ'sの皆撮った写真はないかなぁ.....」

 

「俺も当然無いんだけどな。それにしても....成長したよな。」

 

「そうなの?私は途中から来たからあんまり分かんないよ。」

 

「そうかもな、初期に比べたら本当に表情豊かになったしチームとしてもいいまとまりだ.....それに黒柳が毎朝護身術とか色々教えてくれてるみたいだから中々強くもなってるみたいだ。」

 

「武闘派スクールアイドル.....」

 

「自分の身を守る術を持ってくれているのが安心だ。.....雪、か。」

 

「雪だー!!」

 

「皆子供だね.....」

 

「いいんじゃないか?こういう時もあって。」

 

「それもそうだね...」

 

 

 

 

 

穂乃果「想い」

 

花陽「メロディ」

 

海未「予感」

 

凛「不思議」

 

真姫「未来」

 

ことり「ときめき」

 

にこ「空」

 

絵里「気持ち」

 

希「....好き」

 

 

「.....今話しかけるのは野暮、かな。」

 

「そうだな.....那月、頼みがある。」

 

「ん?何?」

 

「最終予選、皆のことはお前に任せる。俺は落とし前をつけに行かなきゃいけなくてな.....その日はあいつらの傍にいてやれないんだ。だから頼む。」

 

「え!?何したの!?」

 

「透谷と決着をつけにいく。そこでまずは3年前の惨劇にけりをつけにいくつもりだ。過去と区切りをつけにいく。」

 

「分かった.....でも、死なないで、生きて帰ってきてね。皆を泣かすような真似はしちゃだめだよ。」

 

「分かってる.....死ぬつもりは毛頭ない。」




ニジガクのユニットの人数の分け方すごいですよね...2人と4人が出てくるとは(今更感)。振り付けとか大変そう。
2期EDを聞くと何故か泣けるんですよ.....(スクフェスの11の中では一番苦手です。)


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#104 雪降る最終予選、血に染る戦い①

久しぶりです.....昨日投稿するの忘れてました。3編に分けるので1話の文字数は少ないです.....許して。


「最終予選.....か。見に行きたかったな。」

 

「兄貴が自分から日時を決めたんじゃなかったんすか?」

 

「いやそうだけどさ....完全に頭から抜けてた。」

 

「伊月、じゃあどうするの?今日の動きは.....」

 

「あぁ....さっと見た感じ今日は少し天気が悪くなりそうだな。そして積雪も結構してた.....お前ら、もしあいつらの移動に支障をきたす状態があったらサポートしてやってくれねぇか?」

 

「でも兄貴、俺たち皆今は指名手配状態ですし、あんまり外で動けませんよ。」

 

「それがな.....警察は皆最終予選ステージの方に行っているんだ。少なくとも音ノ木坂学院にはいない。そして、今日学校説明会だかなんだか知らねぇが生徒会が動かなきゃいけない仕事がある。だからおそらく穂乃果、姐さん、海未は学校にいるはずだ。だからあいつらの力になってやってくれ。」

 

「他のメンバーさんはどうしてるんすか?」

 

「他のメンバーは那月や橘さんが見る手筈になっているはずだ。あとは.....」

 

「どうしたの?」

 

「もし学生や見学に来た方、マスコミの中で俺の事をバカにする連中がいても.....放っておいてくれ。相手にはしなくていい。」

 

「でも兄貴を馬鹿にされちゃたまらないですよ。」

 

「いや、いいんだ。そんなことの相手をするよりもあいつらのことを助けることを優先してほしい。頼む。」

 

 

「....頭さげられたらどうも言えないですよ。分かりました、じゃあ雪かきなりしときやすね。警察が万が一来たらどうします?」

 

「その時は.....警察と協力して雪かきになるか。お前たちは犯人として言われてはいるがまだ顔や名前までは明らかにされていない。だから赤の他人の振りをすればあの日現場にいなかった警察官ならごまかせる。」

 

「可能性は0ではないんすね....」

 

「あぁ頼んだ.....俺は命を賭けてあいつを倒しに行く。」

 

「頑張って下さい、兄貴。」

 

「ああ、ありがとう。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

那月side

 

「おはよう、那月。」

 

「うん、おはよう、絵里ちゃん!!皆!!」

 

「今日は.....雪が降りそうね。」

 

「うん.....ライブの時には止むといいよね。」

 

「ええ....ところで伊月は今日来るの?」

 

「伊月は今日は来ないよ。何か大事な用事があるんだって。」

 

「そう.....残念ね。」

 

「ところで今回の会場ってどんな感じなんだろう.....?」

 

「最終予選って言うくらいたからきっと豪華に違いないわ。」

 

「でもそこでうちらが歌うって考えられへんなぁ。」

 

「それだけ皆が成長したってことだよ♪」

 

「そろそろつくにゃー。」

 

「一体どん.....な.....」

 

「どうしたの?真姫ちゃん....?すごいにゃーー!!!」

 

「.....え。」

 

「す、凄いです.....」

 

「こ、こんなステージで歌うの!?凛自信無くなってきたにゃぁ.....」

 

「これは穂乃果たちに連絡しないと.....」

 

ピリピリ

 

「もしもし!!どうしたの?絵里ちゃん。」

 

「今、会場に着いたのだけれど.....凄いわよ.....」

 

「にこちゃんも緊張で足が震えてるにゃ。」

 

「だ、誰が緊張してるのよ!!これくらい....何とも....」

 

「そんなに凄いの!?」

 

「ええ凄いわよ。学校説明会の方はどう?」

 

「うん.....もう少しかかりそうかな。でも雪も少ししか降ってないし車で送ってもらうから多分時間にはつくよ。」

 

「そう.....なら安心だわ。」

 

「でも3人で回すのってやっぱり難しいね.....」

 

「そうね、今は伊月が居ないから効率も下がるでしょうし。」

 

「じゃあそろそろ切るね。後でまた!!」

 

「ええ。」

 

「でもすごいねぇ、このステージ。あの事件があったとはいえ随分と本格的にしたね。」

 

「むしろあの事件があったからこそ豪華にしてるような気もするけど.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

伊月side

「.......あの日から約3年、もう少しで4年になるのか.....なぁ透谷。」

 

俺はあの日起きた悲劇を.....体を張って守ってくれた透谷のことを思い出した。あいつは.....敵ではあった。が、泣いていた。何度もKBを止めることを指示していた。ただ.....『透谷』の名前を背負ったが為に心を無にしてやっていた。もし俺に力があれば.....あの日あいつを救えたのかもしれない。

 

「.......お前との約束通り、今から透谷と戦いにいく。だからお前も安心して.....成仏してくれ。......なぁ透谷?後ろで盗み聞きとはいい趣味してるじゃねぇか。」

 

「ふん、お前が何を言おうと構わん。何故お前が兄の墓に来た?」

 

「盗み聞きしておいて聞くのか?....,こいつとの『約束』を果たすために、その決意表明のために来たんだよ。」

 

「あの日兄を殺しておきながらよくのうのうとそんなことが言えたな....」

 

「あぁ.....そうかもしれないな。」

 

「ふん.....今から約1時間後、あの場所に行く。逃げずにこい。」

 

「当たり前だ。俺から言ったんだ。逃げるわけねぇだろ。」




スクスタフェスを見た感じ、またナチュラル属性が強くなりましたよね.....初期から壊れていたとはいえやりすぎでは.....?しずくもフレンドでは強いですし、虹ヶ咲とAqours強いですよね.....


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#105 雪降る最終予選、血に染まる戦い②

スクフェスから音ゲーを始めたのでAreaeaやバンドリをやる時に端にいくと指が上にいってタップが反応しないということがまだたまに起きます.....


「穂乃果達もできる限り早く来て。」

 

「うん、分かった。」

 

 

「残る仕事は遅れて来られた方々の案内ですね。」

 

「うん、じゃあ行こう!!」

 

 

「おーい!!」

 

「穂乃果!?」

 

「何か手伝えることはないかな?」

 

「何言ってるの!!あなた今日何の日かわかってる?今日はラブライブの最終予選の日だよ、最終予選!!忘れたの?」

 

「だから学校のことは私たちに任せて穂乃果たちはライブ会場に行って。こんなところで体力使ったら勿体ないでしょ?」

 

「.....穂乃果たちは学校の為にラブライブに出て、生徒会もやって、音ノ木坂の為に働いてきたでしょ?」

 

「だから今度は私たちが助ける番。そしてその助け方ももう間違えないよ。(詳しくは『世間を変えろ』のところを参照)

 

「あの件で穂乃果たちには余計なものまで背負わせちゃったし.....もう私たちは間違えない。都合がいいっていうのは百も承知だけど.....お願い。今日ぐらいは力にならせて。」

 

「.......うん!!ありがとう!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ほわぁ.....凄い。」

 

「今からここで踊るんだ.....綺麗だにゃ。」

 

「本当にここがいっぱいになるの?この天気だし.....」

 

「うん。それにこの天気なら.....私たちにはむしろラッキーじゃないかな?」

 

「びっしり埋まるのは間違いないわ。警察も厳重体制を敷いているからハロウィンのような事態にはならないわ。」

 

「完全にフルハウス♪(意味不明)最終予選にピッタリのステージになりそうねぇ♪」

 

「どうやら、全員揃っていないようだが.....」

 

「今日学校云々があってさ.....予定も狂ったし、あと1時間後くらいには合流する予定なんだけど....それにそんなに身構えなくても。」

 

「....そう。じゃあ穂乃果さん達にも伝えて。『今日のライブでこの先の運命が決まる。互いにベストを尽くしましょう。.....でも私たちは負けない。』それはそれとして.....どうやら伊月くんは来てないようね。」

 

「伊月は何か大事な用事があるから行けないんだって.....」

 

「そう.....あなたたちは大丈夫なの?彼無しで。」

 

「勿論よ....あいつが自分のことを果たすんだからにこ達がラブライブを戦い抜かなかったら合わせる顔がないわ。」

 

「そうね.....じゃあまた後で会いましょ。」

 

「にこちゃん、トップアイドルに堂々と言ったね.....」

 

「え?.....ああ!!」

 

「ふふっ.....でもそれはそれとして、雪.....酷くなってきたわね。」

 

「.....ええ!?動けない!?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「そうなの、電車が止まっちゃったらしくて.....」

 

「そんな....間に合うの?」

 

「車出してもらおうと思ったんだけど.....使えなくて.....」

 

「ええ!?それでは移動手段が.....」

 

「.......来られないの?」

 

 

 

「走っていくしかない!!」

 

「穂乃果ちゃん!?」

 

「開演までまだ1時間ある。急げば間に合うよ!!」

 

 

「雪かきしたのに.....もうこんなに!!」

 

「しかも.....激しくなってる!!」

 

「これでは....たとえ向かったとしても間に合うかどうか.....」

 

「.....行こう!!穂乃果ちゃん、海未ちゃん!!」

 

「ことり!?」

 

「死ぬ気でやれば怖くなんかないよ!!行こう!!この日の為に頑張って来たんだよ.....やれるよ!!それに伊月くんなら.....絶対に諦めないよ!!」

 

「ことりちゃん.....うん、行こう!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

伊月side

 

「雪が.....ここまで激しくなるとはな。この雪が今から多少たりとも血に染まるのか.....」

 

「来たか、黒獅子。お前はμ'sのライブには行かないのか。」

 

「当たり前だ。あいつらは9人でなんとか出来る。それに那月もいるんだ.....俺は、俺のやるべきことをするまでだ。」

 

「皮肉だな、世間では光のようにもてはやされているスクールアイドルと人殺しの経験があり、いわれもないデマによってゴミのように扱われ育った闇であるお前、それが交じるとはな。」

 

「お前も闇に含まれるだろうが.......俺は3年間.....いや、もうすぐ4年にもなるこの因縁に終止符を打たなきゃならない。1度はあいつらの命だって狙われたんだ。.....もう俺は大切な人を誰1人失いたくない。」

 

「綺麗事を.....その道で何人の人間が犠牲になる?お前が作る道は常に血で染まっているんだ。どう足掻いてもその因縁は終わらない。」

 

「そうかもな.....だが『俺たち』の因縁は終わらせる。もうこれ以上無駄に命を失わせはしない.....お前にもその気持ちはあるだろ?」

 

「.....私に意思はない。私はただ頭首様の指示に従うのみ.....」

 

「それはお前の本心じゃないはずだ!!あいつだって.....お前だって好き勝手に命を奪って何も思わないわけないだろ!!じゃあなぜハロウィンの日にアイドルを殺さなかった?俺を仕留めなかった?もしどちらかをすればお前の任務は都合良くいった筈だ.....だがお前はしなかった。それがお前の意思以外の何になるんだ!!」

 

「.....命令に従うだけだ。ここで.....お前を殺す。一条伊月!!」




そう、本来はオリジナルはこれくらいの短さにしたかった(今更)。春休み中には頑張ってμ's編を終わらせます。


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#106 雪降る最終予選、血に染まる戦い③

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会三大問題
①ぽむの重すぎるあなたへの愛
②せつ菜さんの親
③彼方ちゃんがいつも眠そう(というかポジション的に希ちゃんやまりちゃんのところにいるからなんとなく)


「はぁっ...!!」

 

「ちっ.....」

 

俺たちは厳しい雪が振る中、お互いに攻撃をいなし、牽制し、時には実弾を撃ち、かすり.....お互い血を流していた。吐血はしないものの、そ傷口が多く、出血量は多い。と同時に地面が血の色で染まっているように一瞬錯覚した。

 

「くそ.....まだ完全に回復していないのか.....」

 

「貴様、何故その体で来た?」

 

「何故?俺は約束を果たすために戦うと言っただろう。なら俺の体がどうかなんてどうでもいい。お前を救わなきゃあいつが救われないからだ。」

 

「意味が分からない。兄はお前が復讐として殺した。なら私がその仇討ちとしてお前を殺すことの何がおかしい。」

 

「復讐?お前はあの日の真実を知らないのか?」

 

「当主様はこう言ったんだ。それが正しい。」

 

「本気で言ってるのか!?あの日.....」

 

「回想に入るな!!」バァン!!

 

「ぐっ.....ちくしょう、肩を撃ち抜きやがって。あの日、あいつは涙を流していた!!自分のした事を、そしてこれからもこの連鎖が止まらないことを!!何よりも悔いていた!!あの日あいつは、俺を庇って.....いや自らKBを止めに入ってKBに吹っ飛ばされ、全身の骨がボロボロの状態で死んだんだ!!」

 

「でも何がどうあれお前のせいで死んだ!!その事実に変わりはない!!」

 

「くっ.....くそが!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一方ラブライブ側

 

「これで.....」

 

「ちょっと待った、そのスイッチを押せば、お前の頭も飛ぶことになるぜ。城善寺さんよ。」

 

「一条敬一.....貴様生きていたのか!!」

 

「おう、お前らに毒入れられたりした時はガチで焦ったけどなんとか再生した。で、何をするつもりだった?」

 

「簡単よ。このライブ会場を爆破して、ラブライブを無くす。そうすれば、一条伊月は自分が透谷の方に行ったからこうなったと自分を追い込むだろう。それが目的だ。」

 

「だが残念だったな。その爆弾すらとっくに解除されている。」

 

「何....?」

 

「お前は知らないと思うが、黒柳の観察能力は異常だぞ。今回警察を沢山つけたのが裏目に出たな。お前が来る前にお前に連絡を入れていたやつを全員捕縛して、爆弾を全員で解除した。どうだ?お前が操れていると思ってた警察が善意によってお前がしかけた爆弾を解除したんだ。皮肉だよなぁ。」

 

「.....貴様は何故邪魔をする?」

 

「邪魔?人聞きの悪いことを言うじゃねぇか。事の発端は全てお前の仕業だろうが。」

 

「何の話だ....?」

 

「とぼけてもらっちゃ困るよ。白鴉から神山の情報を手に入れ、透谷家に血の採取を命じた。それを拒んでいた当時の透谷は、お前に弟を人質として取られ、弟の為に自らが嫌がった人殺しをしたんだ。そして当の本人はそこである少年を助けるためにKBの攻撃を受けてあの世へ旅立った。そして今はその事実をねじ曲げ、透谷を操り、うちの義理の息子を殺そうとしている。もうたくさんだ。お前の自己満の為に何人の血が流れたと思ってんだよ。それでも自分は潔白だと言いきれるか?」

 

「勿論だ。私は生まれてこの方人を殺したことは無い。あいつらが勝手に殺したまで。私は刑事告訴されようが無罪だ、無駄だ。私が金を回せば警察だって裁判長だって意見を私寄りにしてくれる。もしこの事実がばれようが私はきっと任意の事情聴取になり、証拠不十分で不起訴、一方お前たちは私の護衛を殺した、つまりは殺人罪だ。分かるな?お前が私を追い詰めようと結局損をするのはお前たち金の無いものだ。この国は住みやすい.....なにせ金と肩書きさえあれば対処が緩くなるのだからな!!」

 

「お前.....」

 

「それにたとえ娘が当主になろうと知ったことか。あの子が仮にお前たちから真実を伝えられ、私を捕まえようとしたところで透谷に始末を言いつけるだけだ。」

 

「.......死ね。」パァン!!

 

「.........」

 

「急所は外した。お前はしばらくの間、動くことさえ不可能だろう。」

 

「.......ははは」

 

「何笑っているんだ?」

 

「お前が私を殺そうが無駄だ。今あの娘は監禁している。そして私の命令なしに解放することを厳禁している。お前が私を銃殺したところで無駄なんだよ!!!」

 

「.......そうか。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「くっ.....追い込まれる」

 

俺はなんとか透谷を追い詰めた。こいつ.....前より強くなっているが何か心にひっかかってるのか.....

 

「おらぁ!!」

 

「ぐ....ぐはっ!!」

 

「やっと追い詰めた.....」

 

俺は透谷が持っていたハンドガンを奪い、そしてナイフも取った。そして.....透谷は抵抗を止めた。いくら強いとはいえ出血の影響でかなり体が動かなかったのか.....

 

 

「いいだろう.....殺せ。」

 

「.....お前は殺さない。」

 

「それは何故だ.....いつ裏切られるか分からないんだぞ。」

 

「だから回想させてくれ。.....過去に何があったか。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3年前

 

「うぅ.....母さん.....」

 

その当時、俺は母親が目の前で無残な殺され方をするのを見た。骨が折れる音....目の前の怪物が母さんをまるで紙を握りつぶすかのようにした。そのおかげで.....母さんの目は飛び出し、身体中の骨は折れ、臓器も潰れていた.....たった数分前まで元気な1人の人間だったのに。

 

そして.....その考えていることこそが甘かった。俺はKBに周りを囲まれていた。その瞬間.....もう死んだと自分でも思った。だがそれを止めたのは.....この村への襲撃を指示し、以前からこの村の偵察に来ていた男だった。俺は心の闇を抑えきれなかった.....こいつのせいで皆が死んだと。だがその男は不可解な行動を取り出した。

 

「いいから戻れ!!これ以上人を殺すな!!」

 

「頼むから辞めてくれ!!これ以上.....血は流させたくないんだ.....」

 

その男は、KBを殴って止めたりKBにすがりつき、泣きながら止めていた。そしてKBは最後の排除対象.....つまり俺に目をつけた。

 

「はっ!!君、危ない!!」

 

「....え、ふわぁ!!」

 

「僕はその男に押され、KBの拳を喰らわずにすんだ。だが.....その男は死にかけになっていた。そしてその死にかけの状態でKBを全員倒した。

 

「おじさん、なんで庇ったんだよ!?あんたあいつらの味方なんだろ!?」

 

「俺は.....もう俺は生きるのが嫌だ。俺は生まれてから人を殺すことしか習ってこなかった。ひたすら城善寺家の手駒として働き、意志を持つなとひたすらたたきこまれた。もうたくさんだ.....」

 

「.......」

 

「俺は.....君に謝らなければならない。こんな事態を引き起こしたのは全て俺だ。だから.....俺を殺せ。」

 

「....なんでだよ。あんたがそう思うなら生きて償えよ!!俺はあんたを信用できない.....けど、どんな人であれ生きて償わないと意味が無いんだ!!!死んだらなんだ、殺した、手をかけた人が帰ってくるっていうのか!!ああ!!」

 

俺も怒りで混乱していた.....目の前で母さんが殺され、みんなが手をかけられ、そして血を抜き取られ.....でもその人たちは帰ってこない。

 

「その通りだ....戻っては来ない。だが、これがわたしにとって1番相応しい最期だ。殺してきた私は殺されてこそ意味がある。」

 

「何言ってるか分かんねぇよ.....」

 

「君は.....1人の意志を持った人間だ。」

 

「.......どういうことだ。」

 

「俺は.....常々偉い、強い人間の舎弟のような存在で生きてきた。透谷家も元々、城善寺家の手を汚させないために作られた家。そんな血塗られた家の当主になってしまった.....俺の人生は何だったんだ。」

 

「.........」

 

「そして俺は.....この事態を防げなかった。KBは暴走した....こんな俺には死がお似合いだ。もう俺にはどうすることも出来ない。この現状を変えることすら。」

 

「.......だからなんだ。」

 

「俺を殺してくれ....そうすればこの事態は収まるはずだ。指揮する俺が死ねば統率が取れないことから撤退を図る。.....そしてこれは君にしか頼めない事だ.....俺が死ねばきっと人質になった弟が俺の役を継ぐことになる。そうなった時は....頼む、弟を救ってくれ。そして.....みんなを救ってくれ。こんな愚かなことで命を奪われていいはずがないんだ.......」

 

「.....分かった。本当にいいんだな?」

 

「ああ.....このハンドガンで頭を撃ち抜いてくれ。何発でもいい。殺せさえすれば。」

 

「.........」

 

バンバンバァン.......

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「.....それがあの日の真実だ。俺はお前の言う通り人殺しだ。そして俺は.....あの日約束したことを果たす為に今生きている。だから透谷.....俺の元に戻ってこい。お前の兄が果たせなかった償いを.....俺と共にするんだ。」

 

「.....無理だ。私はもう何人殺したことか.....」

 

「勿論それだけで償いになるとは思わない。けどな、奪った人間は奪った分だけ重いもの持って生きなきゃいけないんだ。奪った命はもう二度と戻りはしない....だからこそ俺たちは、変えていかなきゃいけないんだ。」

 

「.......私は、やり直せるというのか。」

 

「.....それはお前次第だ。だが.....俺はお前と一緒に背負って生きていく覚悟がある。もう誰にもこんな思いをさせたくないんだ.....」

 

「.......私は愚か者だ。貴様が差し出した手を払い除けたのだからな。だがもう一度叶うのなら.....私は自分、いや家が持った罪を償い生きたい。それが.....兄を供養することにもなるなら。」

 

「そうか.....よく帰ってきてくれた、透谷。」

 

「はい.....伊月様。」

 

「よしっ、今から行くぞ。」

 

「行くってどこに?」

 

「ラブライブの最終予選会場だ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ラブライブ最終予選会場

 

「間に合ったみたい.....だな。」

 

「ですね.....む?あの方々は?」

 

「兄貴.....って透谷じゃねぇか!?お前!!」

 

「待て、その件は解決した。こいつはまた俺たちと共に戦う。もう裏切りはしないだろう。」

 

「.....兄貴に感謝しろよ。」

 

「で、お前達は大丈夫だったか?」

 

「あの後大変だったんすよ。あの子たちが間に合いそうにないから警察と生徒含め、俺たち全員で雪かきしたんすから。」

 

「ということは.....あいつら走ってきたのか!?」

 

「そうっすよ。途中兄貴のことをしつこく聞かれましたね。」

 

「.....なんて答えた?」

 

「大事な用事と言っておきやした。これでいいっすよね?」

 

「ああ.....お前ら本当に大活躍じゃないか。」

 

「へへっ、俺たちだって出来るんすよ。」




更新が遅れて本当に申し訳ないです。結構ラブライブの設定壊したせいでここら辺の生徒とかどうすべきか悩んでました。


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#107 最終予選、その後

こっち、3月に完結させないと色々まずいんですよね.....というかオリジナル強すぎて途中からラブライブじゃなくなってますね、はい。


あいつらはSnow halationを終わり、最終予選は終わった。今回は特にステージが爆破とかそういう仕掛けがなくて良かった。

 

「俺に感謝しろよ、伊月。」

 

「義父.....もう平気なのか。」

 

「まぁ大丈夫だ。撃たれた時はやべぇと思ったけど案外どうにかなるもんなんだな!!」

 

「それはお前の体が丈夫なだけだろ?」

 

「まぁそれもそうだな。伊月、とりあえずステージに取り付けられていた爆弾は警察と俺たちで全部解除しておいた。お前はあの子たちの所に行って何か声をかけてやってこい。」

 

「ああ。けどさすがに体が傷んでるからちょっと無理かも。」

 

「まぁどっちにしろ、 あの子たちに会う時は心配させんなよ。」

 

「わかってる。とにかく.....助かってよかったよ。」

 

「お前の口からこんな言葉を聞けるとはな。μ'sのみんなにも感謝しないとな。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

東條家

 

「じゃあ最終予選、無事成功したことをお祝いして、乾杯よ!!」

 

「うん、かんぱぁい!!」

 

「でも良かった.....ことり、一瞬間に合わないかと思ったよ。」

 

「それは私も思いました。でも無事に行けて良かったです。」

 

「後で皆や伊月の仲間さんには感謝しておかないとね。」

 

「ねぇねぇ皆で初詣行こうよ!!今度、年が変わる時にさ!!」

 

「穂乃果、起きられるのですか?」

 

「ちゃんと起きられよ!!」

 

「うちは無理やね。」

 

「どうして?希ちゃん帰省でもするの?」

 

「ううん.....単にうちが神社で巫女としてバイトせなあかんから。特に正月は人が沢山来るし忙しいんよ。」

 

「私たちも希に手伝う形になるから、会うとしたら神社で、ってことになりそうね。」

 

「にこちゃん達も巫女やるの?」

 

「そうよ、でも巫女さんってどんな感じなのかしら?」

 

「そうやねぇ.....神聖な雰囲気を持つ清楚感がある女の子かなぁ。」

 

「あんたからは一切感じないんだけど。」

 

「あれ?にこっち何か言うた?」ガシッ

 

「ひっ!?何も無いです!!」

 

「うん、宜しい。」

 

「伊月くんはどう誘う?」

 

「そうね.....もう学校も多分無いでしょうし前の事件のせいか学校も音楽祭中止にしたみたいだし.....何よりあいつ携帯変えたし。」

 

「でも伊月くんの家は分かるから行ったらいるんじゃないかな!?」

 

「戻っていたらの話ですけどね。なにせ伊月は家にいないことが多いと那月からもよく聞きますし。」

 

「じゃあ那月ちゃんも一緒に誘おう!!12人で行きたいんだ!!」

 

「でも城善寺さんへ連絡が出来ないわよ。あの子、最近学校にも来てないみたいだし。」

 

「確かに、学校説明会の日もいなかったよね。どうかしたのかな?」

 

「本人が体調不良かもしれませんし、家もどこにあるかも分かりませんから.....また会う機会があればそこで誘いましょう。」

 

「それもそうやね。ちゃんと祈願すること考えてきーや。」

 

「うんうん、分かってる!!」

 

「穂乃果はくれぐれもな寝ないでくださいよ!!」

 

「もう、分かってるよぅ .....」

 

「去年は私たちが起こしたではありませんか。」

 

「まあまあ、また今年も一緒だね。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

伊月side

 

事が収まったとはいえ根本的な解決は何一つしていない。

 

「どうする.....?未だ俺らにかけられた嫌疑が晴れねぇぞ。」

 

「仕方ないですよ、皆それを覚悟してやったんですし。」

 

「そりゃそうだが.....どうする?」

 

「その嫌疑を作り出した大森も重なる任務の失敗で今は警察にもいません。今回のことをうけ城善寺家は多少はおとなしくなります.....というか大人しくせざるを得ません。」

 

「そりゃなんでだ?」

 

「今までのことでマスコミが嗅ぎつける可能性があるからです。特に伊月様と仲がいい記者がいる会社は金持ちだろうと大手企業だろうと怖気づかずに行きますから。」

 

「佐山は狂ってるくらいに記事を書くのが好きだからな。だが絶対にバイアスも誤報もない。好きだからこそ嘘を書かないのがあいつの取り柄だからな。」

 

「後はここ半年、城善寺家が会合などの出席数が激減していることです。つまり会合に出るとまずい事情があるのです。それはおそらくあのアンプルでしょうけど.....」

 

「報告はもういい。で、何がある?」

 

「.....実はμ'sの皆さんや学校側にはバレると不味いのですが.....当主様が冴子お嬢様を監禁したんです。」

 

「.....は?実の娘を監禁?」

 

「だからあの女が最近見なかったのか.......」

 

「おそらく伊月様と干渉することで隠蔽していた事実がばれるのを恐れたのでしょう。実際にお嬢様はマスコミの前にも出てくる、正義感の強い人ですから。」

 

「確かに最初も高圧的ではなかったな.....」

 

だが同時に気になることもある.....それによって関係者が何かを疑問に持つこと、城善寺を拉致して監禁したタイミングが透谷がこちら側に寝返った直後.....しかも透谷も抗うことが出来なかった。まるで計算されてるみたいに.....タイミングが良すぎる。

 

「.......じゃあ俺たちの新年初の大仕事は城善寺家に殴り込みをすることになるか。」

 

「まじすか!!やっとあいつらに殴り込みが出来る.....」

 

「覚悟しやがれ、ぼこぼこにしてやる。」

 

「......兄貴、俺らのことはもう気にしないでください。俺らはもう腹括ってますから。」

 

「そういう訳にもいかんだろ.....」

 

「大丈夫っすよ。ここまで来たらもう最後まで行きましょうよ。俺らがしちまった罪はその後で充分償いますよ。不法侵入とか傷害罪とか。でも今は俺たちは俺たちのことよりも兄貴のことを優先してほしいっす。どこまでもついていきますから。」

 

「まぁとりあえず新年は少しゆっくりしよう。初詣とかまとまったら無理だろうけど少しくらいは羽を休めることにしよう。もしその間にあいつらが動けば.....その時は待ったなし。全員で行くぞ。」




頑張らないと.....自分もやりたいことがあったりで両立がしんどいですね.....さすがに勉強しないわけにはいきませんし。


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#108 平和な正月.....だといいな

3月があと10日しかない....やばい。


新年

 

こういう日は大抵神社や寺に人が集まる。まぁ普通はりんご飴とか賽銭とかそういうのが思いつくだろうが.....俺はスリや強盗犯くらいしか思いつかない。たまに神社を燃やそうとするやつもいる。

 

「そういや、透谷は初詣ってしたことあるか?」

 

「私はありませんね。新年といえば私たちは初殺しという習慣があって殺す勢いで味方と組手をする習慣はありました。」

 

「休みがないのか.....まぁ今年は普通の正月味わおうぜ。」

 

「はい、伊月様。」

 

「与助はどうするんだ?帰省するのか?」

 

「さすがに出来ないよ。このご時世じゃね。特に城善寺家に乗り込むのに館内構造のデータ送るの僕の役割だし。」

 

「与助の兄貴も今日はぱぁっと行きましょうよ!!今までに溜まった鬱憤とかも含めて今日は楽しみましょうよ!!」

 

「おい、未成年に酒飲ますなよ。」

 

「分かってますよ、兄貴!!お菓子とかたんまり買ってきたんで食べましょう!!」

 

「そうだな。」

 

俺たちはしばし新年を迎えるためにお菓子とかお酒とか色々用意した。俺もこの1年μ'sやあいつらのおかげで色々変われたからな.......本当に濃い1年だった。

 

 

 

 

時は経ち正月

 

「初詣行くか。どうする?」

 

「まずは兄貴と透谷と与助の兄貴で行ってください。俺らは後でぼちぼち行きますんで。」

 

「そうか、ありがとう。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

神社にて

 

「人が沢山いますね.....確かにスリが起きそうです。」

 

「まぁ仕方ないだろ。しかも賽銭とかも回収する輩もいるしな。」

 

 

 

「あれ?伊月くんじゃん!!」

 

「穂乃果?お前らもお参りに来てたのか。」

 

「うん!!心配したんだよ、あれからずっと連絡無かったし。」

 

「悪かったよ。.....おい真姫、何で隠れてるんだ?」

 

「べ、別にどうだっていいでしょ!!」

 

「ねぇねぇ見て伊月くん!!真姫ちゃんおめかししてきたんだにゃ!!」

 

「ちょ、凛!?」

 

「着物か.....一段と力入ってるな。」

 

「違うわよ!!これはママが着ていきなさいって言うから.....」

 

「伊月、こういう時は感想を言ってあげるべきですよ。お母さんが着させたとはいえ現に綺麗に着付けてきてるのですから。」

 

「そういうもんなのか.....似合ってると思うぞ。あんまり上手くは言えないけどな。」

 

「...,...もう、なんで言えるのよ.....」

 

「では皆さんでお参りしませんか?新年のお願いごともあるでしょうし。」

 

「うん!!」

 

 

 

 

 

祈祷中

 

「皆は何をお願いしたんだ?」

 

「私は皆さんの健康とラブライブ優勝ですね。」

 

「ことりもラブライブ優勝、お願いしたよ♪」

 

「穂乃果は.....随分と長くお願いしていますね。」

 

「.....終わった。皆でりんご飴とか食べに行こう!!」

 

「全く.....穂乃果はいつでも穂乃果ですね。」

 

「あはは.....」

 

「伊月は何をお願いしたの?」

 

「俺か.....俺はちょっとしたお願いだよ。」

 

「教えてくれないのかにゃ?」

 

「まぁな、あんまり話せるお願いごとじゃないからな。」

 

「ええー、つまんないにゃ。」

 

「仕方ないだろ。俺は普通の学生じゃないんだし。」

 

「それもそうね、.....穂乃果たち行っちゃったけど。」

 

「え!?もう行ったんですか!?」

 

「追いかけるか.....ちょっと片付けてからな。」

 

「?」

 

μ's、透谷たち皆が平和で光ある中で生活出来るように.....たとえ俺がいなくなったとしても.......こんなお願い話したらお前らは許してくれないだろ?だけどこれが俺にとっての1番の願いだ。たとえ俺が犠牲になったとしても.....それを成し遂げてみせる。

 

 

 

 

「そういえば透谷は何かお願いしたの?」

 

「はい、私は冴子お嬢様がき気高く美しく成長してくれることと伊月様がこれからも理不尽な世の中に挫けずに戦って欲しいというお願いですよ。与助は何かしたのですか?」

 

「僕はちょっと自分的なお願いかな.....身長もう少し欲しいなって。そんな皆のためとかそんなお願いはしなかったよ....」

 

「気にする必要はありませんよ。そういうのも与助らしくていいではありませんか?」

 

「でも子供っぽいのはもう少しで卒業したいかな,.....僕ってまだ女の子と間違えられることあるし。」

 

「それは災難ですね.....ん?あれは伊月様ですか?」

 

「透谷、与助、参拝した時にスリが2人、あとナイフ持ったやつが1人いた。手分けして取り押さえてくれるか?俺はナイフ持ったやつの所に行く。」

 

「分かりました。では与助、いきましょう。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おい待て!!どこに行くつもりだ!!」

 

俺は今ナイフを持った怪しいやつを追いかけている。さっきは参拝してたから細かくは見えないが服に何かの血痕がついている.....通り魔か?

 

「へっ、こっちに来てみろ黒獅子!!」

 

こいつは俺のことを知っている....ということは裏の世界の人間か。だが俺を知っていてわざわざこんな犯罪しましたよアピールをする馬鹿がいるのか.....参ったもんだ。

 

「捕まえた!!」ガシッ

 

「くっ.....離しやがれ!!」

 

「その前に2つ答えてもらおうか。なぜ俺を知っている。そして.....なんのつもりだ?」

 

「.......」

 

だんまりか。だが大体予想はついている。おそらく城善寺が雇った犯罪者だろう.....

 

「どうせ城善寺家に俺を何かすれば殺人の罪をもみ消す、とでも言われたんだろう。」

 

「そんなことお前に話すと思ってるのか!!」

 

「だったら容赦しないぞ。死にたくないならさっさと話せ。こっちは折角の休暇を潰されてイライラしてんだよ。」

 

もちろん嘘である。だがこう怒って多少脅せば相手は降りてくれる。こっちの世界じゃ嘘を上手につけなきゃ生きていけない場面もあるからな.....生半可な覚悟じゃ首をとられる。

 

 

「.....へへっ、お前今どこにいるか分かってるのか?」

 

「どこ.....神社から少し離れた場所だがそれが何だ?」

 

「だったら今も神社で犯罪が起きればどうなる?」

 

「.......まさか、てめぇ。」

 

俺は軽く首にスタンガンを当ててそいつを気絶させ、拘束しておいて警察に連絡しその場を去った。急がないとまずいことになる.....こいつが逃げたいが為の嘘じゃないことはすぐに分かった.....俺が逃がさないことは裏じゃ有名な話だからな。くそっ、冷静になれ.....

 

ピロピロ

 

「どうした?透谷。」

 

「伊月様、私と与助どちらもスリの確保完了しました。どちらも近くの実行委員の警察のところに身柄をあげました。」

 

「よくやった、お前ら、今近くで変に燃えるものや爆発するものがないか見てくれ。」

 

「爆発物ですか?火炎瓶等も探しましょうか?」

 

「ああ、だが屋台や参拝してる人の迷惑にはならないよう隠密に頼む。いけるか?」

 

「勿論です、伊月様も早めに来てください。」

 

「分かってる....嫌な予感しかしない。」

 

だがまだ最悪の事態には至っていない。おそらくこの状況で神社を燃やせば.....被害はかなりのものだ。まだ周りが山じゃないのが救いなだけ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

神社にて

 

「すみません、伊月様。そのようなものはありませんでした。」

 

「そいつ嘘出したんじゃないの?逃げたいがために。」

 

「俺がそんなヘマをするはずないだろ。だがそれでも気になる.....あの言い方はおそらく共犯者がいる。」

 

「そうですが.....伊月様、携帯がなってますよ。」

 

「ん.....那月からか。もしもし。」

 

「もしもし.....」

 

「.....何かいったのか。」

 

「伊月、落ち着いて聞いて.....絵里ちゃん達3年生組が攫われた。」

 

「.......は?」




スクスタもまた無料10連×9とかやってくれないかな.....しずくちゃんのURが1番欲しいですね、今は。


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#109 城善寺家の戦い①

ストーリー一気に進めます。多分あと少しでゴール出来ると思います.....


「攫われた.....どういうことだ?」

 

「さっき穂乃果ちゃん達と会って皆で話してたら.....急に黒いスーツの軍団がやってきて絵里ちゃん達を攫ったんだ。私たちも精一杯抵抗したんだけど.....ごめん。」

 

「謝るのは後だ。現状報告してくれ。」

 

「うん.....とりあえず今私たちは誘拐犯を追いかけて城善寺家まで来てるんだ。」

 

.....は?城善寺家まで行ったのか。お前らあそこがどれだけ危険か分かってるのか.....

 

「まだ中には入ってないよな?」

 

「うん、一旦伊月と連絡取ろうと思って。」

 

それならまだ良かった.....家に入られたら手遅れになる可能性が一気に高くなる。

 

「分かった、そこでじっとしてろ。俺たちが後でそこに行く。だから撤退するかそこで隠れてるかどっちかにしてくれ。」

 

「それは嫌だ。」

 

「は!?お前は死にたいのか!?」

 

「違うよ!!でも.....私たちだって絵里ちゃん達を助けたい。いつまでも伊月のお荷物になるのは嫌!!だから私たちにも手伝わせて。」

 

.....今そんなこと言ってる場合かよ。だが.....

 

「.....どうせ止めたって入るつもりなんだろ?」

 

「う、うん.....」

 

「.....お前らにはこっち側に来て欲しくなかったんだがな.....仕方ない。危ないと思ったらすぐ逃げろ。ただし隠密に行け。」

 

「うん、分かった!!」ピッ

 

 

 

「ったく、何やってんだ.....」

 

「伊月様、どうかなさったのですか?」

 

「.....与助は黒柳や橘さんに城善寺家へ向かうようお願いしてくれ。透谷、俺と一緒に来てくれ。館内構造も含め明確にした状態で乗り込みたい。」

 

「はい、分かりました。」

 

そう言って俺たちは城善寺家に向かった。途中親父や商に来てもらうようお願いした。頼む.....全員無事でいてくれよ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

μ's side

 

「よし、伊月から許可は貰ったよ。」

 

「ですが那月、本当に良かったのですか?伊月がよく思うことではありませんよ。」

 

「でも伊月を待ってる時間なんてないよ。行くしかないよ。」

 

「那月ちゃん.....」

 

「お待たせ、着替え終わったわ。」

 

「真姫ちゃん、着物どうたしにゃ?」

 

「さっき人を呼んで回収してもらったわ。だから隠密行動に支障は出さないわ。」

 

「じゃあどうする?」

 

「海未ちゃん主導で移動しよう。穂乃果はもしもの為の死角を見張っておくから。」

 

「じゃあことりは海未ちゃんが見えない方向を見るよ。」

 

「凛は前で戦うにゃ!!」

 

「さっき伊月からこの家の構造が送られてきた.....これ。」

 

「私、これ覚えます。これくらいなら....3分あれば。」

 

「なら花陽は海未と一緒に前で指示を取って。」

 

「うん、分かったよ....真姫ちゃんは?」

 

「私?私はもしもの為の退路を確保する係をやるわ。」

 

「それ1番危ないんじゃ.....?」

 

「でも残った役割ってそれくらいでしょ?」

 

「あはは.....それもそうだね。」

 

「では皆さん.....私についてきてください。花陽、案内をお願いしますね。」

 

「わ、分かりました.....」

 

そして私たちは潜入を開始した.....こういうの映画で見てたから感じは分かるけど緊張感が凄い.....こんな中で的確に動かないと行けないなら.....とっても難しい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

伊月side

 

「与助、あいつらがどこにいるか分かるか?」

 

「さすがに分からないかな.....ただ、城善寺家の構造からして人を監禁したりするのはKBのアンプルがあった地下が1番可能性があるよ。ただ、相手も伊月を知ってるからそう動いてるかもしれない.....だから地下にいる確率は100%じゃないって思っておいて。」

 

「分かった、色々感謝する。」

 

今俺たちは、バイクに乗って城善寺家に向かっている。正確にいえば城善寺家が逃げ道の為に作っていた地下道から入って突入し、その穴を埋めておく。バイクに関してはまた後で回収すればいい.....今はあいつらの安全が最優先だ。

 

「こっちだな?」

 

「はい、確かに。」

 

「しかし.....城善寺に続いて絵里達まで.....何のつもりだ。」

 

「お嬢様を捕らえたのは私に命令を実行させる為です。おそらくμ'sのメンバーを誘拐したのは伊月様をおびき寄せることと、『3年前の惨劇』の真実を知ってしまった者の始末といったところでしょう。おそらく今回動いたのは透谷家の暗殺部隊でしょう。あの部隊くらいしか隠密行動に適してる人間はいませんし。」

 

「ちっ.....挑発にのるのは気に食わないが.....やらなきゃ殺される。透谷、もし城善寺が見つかったらお前だけでも逃げろ。じゃなきゃ人質取られておしまいだ。」

 

「.....わかっています。ですが私はお嬢様は救いたいのです。」

 

「分かってる、お前のあいつへの忠誠心だろ?なら助けるのはいいがあいつを人質代わりにされたらお前は動けない。だからばれないように連れていくか、バレても城善寺を傷つけても連れて帰る覚悟をしなきゃいけない。」

 

「.....はい。」

 

「よし、行くぞ。」

 

俺たちは地下道に入って城善寺家に侵入した。ここからは時間との勝負.....義父や黒柳がくれば劣勢にはまずならない。だがこの家には白鴉もいる.....あいつと出会えば1番厄介。かつ城善寺千世に見つかる可能性も上がる。

 

 

 

 

「....よし、いい。」

 

「はっ。」

 

「透谷、場所が特定出来たか? 」

 

「ううん.....館内の監視カメラにはどこにもいない。おそらく個室か地下室のどこかにいるはず。」

 

「伊月様.....ここで2手に分かれましょう。私はお嬢様を、伊月様は綾瀬様達の方に行ってください。」

 

「ここで分かれる方が不味くないか?」

 

「いえ、むしろ人質のせいで2人まとめて手が出せない状態になる方がリスクが大きいです。それに伊月様も並大抵の相手には負けはしません。お互い人質が救えた場合、裏門から出て撤退しましょう。あとお願いしたいことが.....この住居の破壊や襲うのは最小限に抑えていただきませんか?このお金は全て透谷家から出されるんです.....」

 

 

「なんだそりゃ、無茶苦茶だな.....まぁ分かった。ことを荒らげるつもりはない。」




スクスタのスタミナが増えた.....


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#110 城善寺家の戦い②

なぜμ'sを強くしてしまったんだろう.....まぁいいか。


μ's side

 

「.....誰もいません。」

 

「現在地どこか分かる?凛ちゃん。」

 

「んーっと、さっき入ってきたのがここで今曲がったから....おそらくこの階の部屋の上にゃ。」

 

「ここには.....絵里達はいないみたいですね。」

 

「でもこのまま上に上がるのは危険よ。何せ上に行く度に退路を塞がれたら終わりだし。」

 

真姫ちゃんの言う通り、この家の構造を見る限り上層階からの脱出は難しい。穂乃果達は空を飛ぶ道具を持っていなければ来るよう指示も出していない。だから上のフロアに行くほど失敗したときのリスクが大きい。

 

「.....妙ですね。」

 

「どうしたの?海未ちゃん。」

 

「いえ、今のところ誰1人見つけることが出来ないんです。私の視野に入っていない可能性もありますが、これだけ広い屋敷で見張りや侍女といったような仕えてる人がいない。おかしいと思いませんか?」

 

「うん.....確かに。」

 

「となると、私たちの侵入はとうにバレていて、敢えて誘き出してる可能性があります。」

 

「でもそんなことしてなんのメリットがあるのよ。見張りがいないということは集中してる、何処に人質がいるかって分かるってことでしょ。私たちにはメリットはあるけれどあっちにあるとは思えないわ。」

 

「それだといいのですが.....」

 

穂乃果も不安なところはある。海未ちゃんの言う通り、誰もいないのに部屋の電気はついている。さっき見せてもらったマップを見る限り上の方に隠してる可能性は高い.....けど。

 

「二手に分かれるのは.....」

 

「それはダメね。ただでさえ弱い私たちが分散したら力ずくで止められるのがオチよ。6人いればまだ抵抗出来るわ。」

 

「.....那月は伊月に連絡したとは聞いています。だから伊月と合流して情報共有を試みるか、私たちで他の部屋の捜査を終わらせておくか.....」

 

「前者は賛成出来ないかな.....ことり、これ以上伊月くんに負担かけたくないし。」

 

「それは私も一緒.....です。」

 

「では先に他の部屋に行きましょう。それから入口に戻りましょう。」

 

「うん!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

伊月side

 

「誰だお前!?.........」

 

「じっとしてろ。」

 

俺達は地下の入口近くにいた警備員を気絶させ、ドアを開いた。透谷がくれたマスターキーがあるから敷地内の移動は普通に動ける。

 

「さてと.....簡単には行かせてくれないみたいだな。」

 

「ひっひっひ、久しぶりですね.....一条伊月!!」

 

そこには大森が立っていた.....こいつ、警察から消えたと思ったらここにいたのか。

 

「てめぇが銃を構えようが怖くねぇんだよ!!今は自由に動けるからな。警察署のように上手くいくと思うなよ!!」

 

 

 

 

 

透谷side

 

お嬢様は地下には絶対にいない.....当主様も娘には悪事を一切話してはいない。つまりKBの元となる神山の民の血液を採取される現場を知らない場所.....お嬢様の部屋にいるはずだ。お嬢様の部屋は遮音性が高く、窓もない閉鎖空間のような場所である。

 

「無事でいてください.....お嬢様。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

再びμ's side

 

「ここは暗いですね.....降りて確認するのでサインを出すまで待っててください。」

 

「穂乃果も一緒に行く。海未ちゃんの死角を守るよ!!」

 

「はい、お願いします。ことり、1年生をよろしくお願いしますね。」

 

「うん、分かった。」

 

 

スススゥ.....

 

「窓がありませんね.....ん?」

 

「ねぇ海未ちゃん、誰かが呼吸してる音、聞こえない?」

 

「はい、何かで塞がれているような.....ここですね。」

 

私たちはライトを付けて何があるか確かめた.....すると

 

「冴子ちゃん!?」

 

「どうして冴子がここにいるのですか?」

 

まさかの城善寺冴子ちゃんがいた。最近学校に来てなかったのは監禁されていたからなんだ.....ってそんな場合じゃない!!

 

「大丈夫!?今助けるからね!!」

 

「むぐぐぐ...」

 

 

 

 

 

 

 

「助かったわ、ありがとう。」

 

「仲間を助けるのは当然ですよ。」

 

「頼もしいわね.....貴方達。」

 

「冴子、話してる暇はありません。急ぎここを脱出しましょう。」

 

「ええ.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

地下

 

「.....ここか。」

 

俺はガチガチに警備を固めている真ん中に、城善寺千世を見つけた。あいつ.....来るって分かってやがったな。あの男の人.....大丈夫か。

 

バァン!!!

 

「おい、その人を返してもらおうか。」

 

「一条伊月.....やはり来ましたね。悪いけど貴方には死んでもらうわ。」

 

「そうか。まずその人を解放させてもらおうか。断れば.....お互い無事じゃいられないぞ。」

 

「そうですね、あなたと私の周りにいる人間は無事では済まないでしょうね。」

 

「てめぇ.....その人たちを何だと思っていやがる。」

 

「駒に過ぎないのよ。一条伊月、あなたには分からないでしょうけど下の者は上の者の傀儡となり駒となるのが普通なのよ。そしてそのピラミッドを形成するのはお金.....私はあらゆる事をしてお金を手に入れた。そしてこのもの達は私のような者に利用されて初めて生きる意義を手に入れる。上に立つ者は下の者に対して感情を抱く必要は無い。それが正しいトップのあり方よ。」

 

「 ふざけるなよ.....全てが金で手に入ると思ってるなら頭が花畑だな。残念だが透谷はこちらに寝返った。」

 

「そんなことはどうでもいい。また強い人間を雇えばいい。」

 

「そうだろうな、てめぇからしたら透谷家はただのトイレットペーパーみたいなもんだからな.....無駄話はもういいだろう。今日ここで!!てめぇをぶっ飛ばしてやる!!」

 

俺はそう言って近くにいるガードマンらしき人間を1人 2人と.....確実に倒していった。だがあいつは全然何とも思っていないのか動かない。

 

「私がお前に直接勝負を挑むとでも?」

 

「どういうことだ?」

 

「どうやらこの家には今、アイドルの鼠共が入ってるみたいだ。おそらく彼女達の目的は攫った他のメンバーの救助でしょう.....ですが無駄です。白鴉を向かわせた。」

 

「な!?.....てめぇ!!」

 

「もういいでしょう。お前たち、来なさい。」

 

そういって建物の隅々から人がやたらやって来やがった....くそ、不利過ぎるだろ。

 

「さぁどうする....神山の生き残り。」

 

「10人だろうと100人だろうと力ずくで押し通る!!」

 

透谷.....頼む。俺が向かうまであいつらを守ってくれ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

μ's&透谷side

 

「どこへ行くつもりだ....」

 

「白鴉.....皆下がって。」

 

「冴子ちゃんどうしたの.....うわぁ!!」

 

「穂乃果!?怪我はありませんか?」

 

「うん、大丈夫、ギリギリ。」

 

「なんだこの歯ごたえの無さそうな虫けらみたいな奴らは。あの女はこいつらを掃除するためだけに俺を呼んだってのか。」

 

「皆、あいつは白鴉.....世界でも有数の殺し屋よ。」

 

「殺し屋.....」

 

「あなたが伊月を狂わせた原因ね。」

 

「真姫ちゃん!?」

 

「伊月....あぁあのガキか。あのガキは自滅した。あの日、母親と一緒に殺されておけば楽になれただろうに.....」

 

「あなたね.....」

 

「真姫ちゃん落ち着くにゃ!!」

 

「そうだよ、挑発に乗ったら相手が有利になるだけだよ。」

 

「ほう.....多少の頭はあるみたいだ。あのバカのように単細胞で突っ込んでくるかと思ったが.....予想外だ。まぁいい、ここで死んでもらう。世間ではあいつに殺されたと報道されるだろう。」

 

「そんなこと.....させない!!」

 

私たちは戦闘態勢に入った。さすがにここまで馬鹿にされて黙っていられない。

 

「数が多ければいいというのは同程度の実力があることが前提だ。」

 

バァンバァン!!!

 

穂乃果達はその男に向けて撃ち続けた。そしてうち終わって、海未ちゃんと穂乃果と真姫ちゃんが近接戦を仕掛けに行く。その内に凛ちゃんと花陽ちゃんで城善寺家の外に送り出してもらう。凛ちゃんがいるから襲われても抵抗できる....どこまで持つか。ことりちゃんが退路確保のために先に行ってくれてるけど1人だから危険....でもこれが1番最適な配置。

 

「ふん、甘い。」

 

「え、きゃぁ!!」

 

 

 

「そこまでだ!!白鴉.......」

 

「ほう、裏切り者が来たか。」

 

「君たち、先に撤退してくれ。伊月様からの伝言だ。」

 

「伊月くんから!?でもまだ絵里ちゃん達が.....」

 

「我々に任せてくれと言っているんだ。早く撤退しないと死ぬぞ。」

 

「.....うん、分かった!!一旦引こう!!」

 

「はい、分かりました。」

 

 

 

 

 

「なんの真似だ?」

 

「呪われたこの家の呪縛を断ち切る為だ。お前もいつまでも血に縋る女々しい野郎が.....」

 

「ふん、本来あの力は俺に備わっているべきだった。」

 

「それは傲慢だな。貴様こどきにあの血は不適切だ。」

 

「.....俺の前に来たこと、後悔するなよ。」

 

「それはこちらのセリフだ。依頼を達成出来なかったことを後々見苦しい弁明で誤魔化すなよ。」

 

こちらも戦闘が始まりました。伊月様.....残りの3人をお救い下さい。




7周年前のイベントみたいなのって、交換してもラブカくれないんですね.....


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#111 城善寺家の戦い③

スクスタフェス、今月来るのかなぁ....来る気がしない。


伊月side

 

俺はおそらく血をずっと抜かれ続けていた人を背負って逃げている。一旦この人を誰かに預けないと.....俺の血を飲ませて辛うじて生きてはいる。だがこのまま放っておけば死ぬ.....

 

 

「伊月、大丈夫か!?」

 

「黒柳、この人を保護してくれ。俺は今から絵里達を探す。」

 

「無茶な!?お前は速く戻れ!!これ以上騒ぎを大きくしたらお前はもう二度と外を歩けなくなるかもしれないんだぞ。」

 

「それでもいい。俺はあいつらから受けた恩を返す。あいつらの命を救い、ラブライブ!まで安全に守ることが俺の役割だからな。」

 

「....どう言っても聞かないのか。」

 

「勿論だ。お前だって分かっているだろう?」

 

「.....生きて帰ってこい。退路は確保しておいてやる。」

 

「感謝する。頼む。」

 

俺はそう言って黒柳に預け、もう一度内部に戻った。絵里達は地下にいなかった.....なら、おそらく最上階のあの部屋にいるはずだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

10分後

 

「この部屋か.....大丈夫か!?」

 

「むぐむぐ.....」

 

「すぐ解く。待ってろ。」

 

 

 

 

「はぁ.....助かったわ。」

 

「まだ落ち着くには速い。穂乃果達がここに入ったらしい。」

 

「え!?穂乃果ちゃん達が!?」

 

「ああ。」

 

「それで今どういう状況なのよ.....」

 

「俺にも分からない。あいつらがどこにいるかすらな。」

 

「そんな.....」

 

そう、俺と透谷は行動を共にしていたが、μ'sのメンバーは俺たちが来る前に潜入を開始している。 それにここにいないということは逃げ道を塞がれないように下で探していると思う。

 

「とりあえず急ごう。厄介な殺し屋に見つかる前にお前らだけでも逃がす。」

 

「ええ、上に通気口があるわ。そこから脱出出来そうよ。ただカメラがある。あれをかいくぐらないと外には行けないわ。」

 

「それは行く時に全部潰した。おそらく透谷が監視室を抑えたはずだからな。」

 

「透谷ってあの.....」

 

「ああ、お前らが最終予選をやっている時に戻ってきてくれたんだ。」

 

「あの時いなかったのはそれが理由なのね.....」

 

「とりあえず一旦外まで行くぞ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

透谷side

 

「はぁ.....はぁ.....」

 

「はぁ.....お前も中々、やるじゃないか。」

 

「私も元はそちらの世界の住人でしたのでね.....殺し屋の手段なんて大体把握していますから。」

 

「だが物理的ダメージはそう簡単には取れないぞ.....」

 

「貴様だって血の力があるとはいえ、ダメージ回復にはラグがあるはずだ。それに今のお前では....伊月様には勝てない。」

 

「.....なんだと?」

 

「伊月様は過去と向き合い、より強くなられた。今の伊月様には迷いが無い.....つまり、血に縋って生きてきた貴様では相手にならないということだ。」

 

「ふん、寝言は死んでから言え。」

 

「くっ.....」

 

私はやつの手の内を全て封じた。だがこいつは血の力がある.....このまま長期戦をすれば私が不利になることは確実。

 

「透谷、大丈夫か!?」

 

「!?.....一条敬一、生き返ったのですか?」

 

「おいおい殺すな。俺は生きてる。そこを退け、そして退却しろ。こいつには俺も因縁がある。伊月ならμ'sの皆を保護しておそらくこっちに向かってる。透谷、道中出会ったら引き返すよう言っておいてくれ。」

 

「.....分かりました。ご武運を。」

 

 

 

 

「死に損ないが.....私に勝てるとでも思ったのか。」

 

「この前は伊月を庇ったが故だ.....今から本気の勝負やろうぜ。」

 

「ふん、すぐにあの世に逝かせてやる。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

伊月side

 

「伊月様!!」

 

「透谷、無事だったか。」

 

「はい、ですがお父様が白鴉と交戦中です。引き返すよう言われています。」

 

「義父が.....大丈夫なのか?」

 

「はい、本人はそうしろと仰っておりました。それに白鴉も殺し屋としての手の内をもう明かしました。おそらく死ぬことはないでしょう。」

 

「.....分かった、1回出よう。親父もおそらく撤退するだろう。」

 

そして俺たちは屋敷をで出て、退却した。警察の介入もあり、事態は速く収束した。だが館内を探しても白鴉、そしているはずだった大森.....城善寺千世の姿は無かった。そして俺の部下たちはアンプルを回収して全破壊し、二度とKBが出ないようにした。奴らを追い詰めた.....あと一歩だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「絵里ちゃん!!無事だったんだね!!」

 

「ええ.....!!心配させたわね。」

 

「うんうん!!そんなことないよ!!」

 

「そうですね、絵里達が無事で良かったです。」

 

「それに、伊月も特段何も無く帰ってきたし、今回は私たちの勝ちね。」

 

「まだ因縁は終わってないがな.....だが、一件落着した。」

 

「うちらも早く帰らんとね。このままここにいても疲れるだけやし。」

 

「本当よ!!にこ、おかげでもう体がバッキバキなのよ!!」

 

「お疲れ様.....でした。」

 

 

その後、事は終わり、それぞれが帰路についた。今回はけが人は数人いるけれど、死者はゼロ、透谷家は透谷によって方針転換し、城善寺家の傀儡であることを辞めた。城善寺冴子は母が不在の間、臨時的な当主として動いている。形だけではあるが、城善寺家は多少良くなった。

 

 

一条家 朝2時

 

「伊月.....何してるの?」

 

「作曲.....ついでに作詞も。」

 

「こんな時間に.....すごい、ここまで出来てるんだ。」

 

「ああ、もう少しで完成する。俺のパートが。」

 

「俺のパート?」

 

「ああ、詳しくは言えないがな。那月、決勝戦、俺は傍にいてやれないかもしれない。いや、正確に言えば.....その場にいることが出来ない。だから.....これを預かっていてくれ。」

 

本当にこの血を呪いたいよ.....だがあいつらは受け入れてくれた。俺はせめてもの恩返しをしたい。それに.....俺は神に誓ったんだ。たとえ死んだとしてもあいつらの光を汚しはしない。行方不明の白鴉と大森.....あの二人がどこにいるかは分からない。だが近いうちに必ず姿を表す。あいつらなら....ちょうど決勝戦の日.....あの惨劇からちょうど4年の日に俺の前に現れる。その日こそ、俺たちが真にこの縛り付けられた因縁から解き放たれる日であり.....俺たちにとって最期の戦いになる。

 

「これは.....」

 

「決勝戦の前にあいつらに渡してくれ。頼む。」

 

「.....うん、分かった。伊月.....」

 

「お姉ちゃんはさ.....出来れば伊月には行って欲しくないんだ。もうこれ以上自分を犠牲にする伊月なんか見たくないよ.....」

 

「.....すまない。それでも俺は行かなくちゃいけないんだ.....」

 

「.......!!!そうだよね.....伊月、必ず生きて帰ってきて。もうこれ以上、お父さんや私や、お母さんに.....悲しい思いをさせないで.....」

 

那月は泣いていた。普段気丈に振る舞うからこそ、俺は久々に見た。ずっと.....ずっと辛い思いをさせていたんだ...あの日からずっと。優しいから那月は絶対に口を出さない。溜めていくんだ.....母さんが死んで、更に弟まで死んだら.....どんな思いを、させちまうんだろうな。μ'sのメンバーにも.....そう思われる人間であれたのか。

 

「.......俺は全力で戦う。必ず勝ってみせる。だから泣くな。」




この二次創作もそろそろクライマックスになっていきます。ハッピーエンドになるのかバッドエンドになるのか.....予想しながら呼んでくれたら嬉しいです。


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#112 キャッチフレーズ

自粛すると体が訛りそうで怖いですよね。僕は普段動画見ながら体幹トレーニングしてます。


正月も色々あって疲れた俺たちだけどラブライブ決勝戦に向けて練習をしている....それになんか知らないけど最後って言葉を使うのを禁止にしているらしい。おそらく3年生とのお別れを意識しない為だろうな.....

 

「キャッチフレーズ?」

 

「はい、決勝戦に出場したグループはそれぞれキャッチフレーズをつけることが出来るんです。」

 

「へぇ.....他のグループもちゃんとつけてるんだな。お前ら何にするんだ?」

 

「え、えっとね〜.....」

 

「決まってないのか。」

 

「私たちを表す一言というのは結構難しいですね。」

 

「そうかな.....皆のいいところ上げていったら上手くいくんじゃないかな....?」

 

「いや、それはかえって難しくないか?このグループ自体かなり個性の強いメンバーが集まってるから纏まらなくないか?」

 

「伊月君には言われたくないにゃ。」

 

「そうね、少なくとも1番個性が強いのは伊月ね。」

 

「とにかくうちらを表せる一言を探さんとね。」

 

「.....ここで悩むのもあれだ、神社に行って階段ダッシュでもするか。」

 

「ええ!?今から走るの!?」

 

「こういう時は動いたらなんとかなると思ってな。」

 

「そうね.....今日の練習もある程度調整はしていたからちょっとくらいは走らないとね。それに冬で寒いし、体をあっためるっていうのも兼ねて、行きましょ!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

神社前 階段

 

「よぉい、どん!!」

 

「はぁ.....はぁ.....」

 

 

 

「今日も俺の勝ち、か。誤差5秒は誰もいないのか。」

 

「伊月くんに勝てる人なんてそうそういないよ!!」

 

「それに私たち女の子よ。あなた15歳とはいえ体は大人だから私たちに勝てないと逆にまずいわよ。」

 

「ま、それはそうだよ。だけど、皆自己新更新出来たんじゃないか?」

 

「え、.....ほんとだ!!」

 

「私も最高記録です。よく気づきましたね。」

 

「俺はずっとお前らの練習見てきてるからな、それくらいの感覚はある。あとここにしたのは理由があってな.....コレ見てみろ。」

 

「これは.....音ノ木坂の生徒の。」

 

絵馬にはμ's優勝と少し大きめな字で書いてあった。これはおそらく那月だな.....あいつ絵馬書いてたのか。

 

「見てください、こっちにも!!」

 

「皆、私たちのこと応援してくれてるんだ。」

 

「これで少しはキャッチフレーズの印象が出来たんじゃないか?」

 

「.....うん!!伊月くん、ちょっと急展開だけど思いついたよ!!.....穂乃果達、学校の皆や伊月くん達に応援されて、背中を押してもらって、最終予選の時も皆がいてくれたから.....穂乃果達は皆でラブライブ優勝を叶えたい!!」

 

「決まりだな。」

 

「穂乃果.....」

 

「.....ふふっ、じゃあ日も暮れかけだからここで解散しましょ。希、にこ、伊月はここに残って。」

 

「.....分かった。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「で、結論は出たか?」

 

「いいえ.....まだなの。」

 

3年生が抜けた後のμ'sをどうするか.....3年生からしたら大事だからな。

 

「俺はどっちでもいい。お前らの決断を信じる。μ'sを存続させるのか、解散するよう提案するか.....」

 

「にこは存続で変わらないわ。アイドルならメンバーが変わっても皆に笑顔を届けるのが仕事よ。それにあの子達ならそれが十分に出来る.....にこ達がいなくても。」

 

「うちは穂乃果ちゃん達に任せたいな。続けるにしろ終わるにしろ。うちらは去る側やからあんまり押し付けたくないし.......」

 

「私は.....正直解散派なのよ。μ'sっていうのは私たち12人でなきゃμ'sっていう感じがしないのよ。」

 

「正確に言うと9人だけどな。音ノ木坂学院アイドル研究部が12人だからな。」

 

「え?まだアイドル研究部で残ってるの?」

 

「にこっち知らんの?にこっちが仲間に入った時にアイドル研究部として登録されてるからスクールアイドル部っていうのは正確にいうと存在しないんよ。」

 

「.....話を戻すぞ。俺としては3年生として1つの結論にまとめなくてもいい。あいつらだってどうするか心のどこかでは考えてるだろうし。」

 

「.......」

 

「ただ、この1年.....μ'sというグループが出来てから楽しかったことも苦しかったことも入れ違ったことも.....全部含めてその9人で乗り越えてきた。その思い出はやっぱり、価値あるものだ。だがそれは『9人』でなければ出来なかった。μ'sでなければ出来なかった.....言いたいことは分かるか?」

 

「.....ええ。」

 

「俺の意見はμ'sが終わるということだ。この9人の思い出を薄れさせたくない。μ'sというのはお前ら9人でなければいけない。そう思うんだ。」

 

「伊月はそう思うのね。」

 

「ああ.......」

 

「.....私たちからも伊月に聞きたいことがあるの。伊月の体は....あと何年持つの?」

 

「どうしたんだ.....急に。」

 

「この前那月に聞いた時に短命だって聞いたの。それをずっと聞きたかった.....伊月はあと何年生きられるの?」

 

「分からない.....だが今年になって俺は血の力を酷使した。だから.....おそらくあと20数年くらいじゃないか?」

 

「.......そうなの。」

 

「もしかしたらもっと短いかもしれない.....でも今は俺の事よりもお前らのことの方が大事だ。」

 

「.......なんで?」

 

「は」

 

「なんでそういう事を言うの.....伊月のことが大事なのに。いつも自分のことは後回しにして。」

 

「そうじゃないのか?側近の課題はラブライブの決勝戦だ。俺の寿命の話なんざどうだっていい。」

 

「勿論寿命の話もそうかもしれないけど.....伊月、あなた何をするつもりなの?」

 

「絵里ち.....」

 

「どうした?急に。映画の見すぎじゃないのか?」

 

「違うわ。伊月.....なんであなたはずっと9人と言い続けたの?」

 

「そりゃあステージに出るのが9人だから.....」

 

「そうかもしれないけど伊月や那月、冴子がいなければ私たちはステージに立てなかったこともあった。12人じゃダメなの?」

 

「そういうわけじゃ.....」

 

「それにずっと気になってた。最近の伊月は私たちに干渉してこなくなった.....この前の誘拐の件だってもう前の伊月じゃなかった。まるで私たちの記憶から自分の存在を薄めるかのように....」

 

「絵里ちどうしたん?どこか具合でも悪いん?」

 

「そういう訳じゃないのよ。希やにこも気にならなかった?」

 

「私は何となく分かるわよ。前までの伊月とは違う。避けてはいないものの存在が薄まるように.....正確に言うと9人でここまで成し遂げたかに見せるように消している.....そんな気がするわ。」

 

「私はその行動の理由が知りたい。何かそれをしないといけない理由があるの.....」

 

「.......そんなつもりで動いてた記憶はないんだがな。分かった、俺の心のつっかえを話すよ。俺が無意識にそうしていたのは.....お前たちの為なんだろうな。」

 

「私たちの.....」

 

「これから先、μ'sが全国的に有名になって行った時にその過去を調べようとするやつは沢山出てくるだろう.....その時に俺の存在がばれればお前たちの未来の光に影を差すようなもんだ.....」

 

「そんな、影だなんて.....」

 

光が強ければより強い影がある.....おそらくμ'sという強い光と俺という濃い影である俺が引き寄せられた。自分でも何を考えているのかよく分からない.....だがあいつらにはそんな影がいたなんて事実で足を引っ張られて欲しくない。

 

「.....その話はまた今度せぇへん?全員いないところで話すのもあれやし。」

 

「そうだな.....」




スクスタで、無料チケットでラブアローシュートの海未ちゃんが当たったのでURの海未ちゃんをコンプできました。


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#113 今できること

あと数話でこの話も終わります。シリアスかもしれませんがどうか最後までお付き合い下さい.....


あれから数日.....あいつらは『皆で叶える物語』というキャッチフレーズを作ったらしい。俺はその時事後処理に追われていたから傍にはいなかった。

 

「久しぶりに.....行ってみるか、あそこへ。」

 

俺にとったら忌々しい場所.....全ての元凶の地、神山へ。

 

 

 

 

 

「あれって伊月くんだよね?」

 

「そうですね.....どこへ行くのでしょうか?」

 

「ついて行ってみる?」

 

「でもそんなストーカー行為、伊月だったらすぐ気づくんじゃないのかしら?」

 

「それでも気になるにゃ!!」

 

「わ、私も知りたいです.....」

 

「にこはどっちでもいいわよ。今日練習がある訳でもないし。」

 

「そうやね.....行ってみよ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スーパー

 

「すみません、これください。」

 

やっぱ逝っちまった人達にと花は手向けないとダメだろうな.....数はどう考えたって足りねぇけどな.....許してくれよ。

 

「はい。お若いのに買うんですね、シオンの花。何かあったんですか?」

 

「いえ.....大切な人に渡さなきゃいけないんです。」

 

「そうですか.....頑張って下さいね。」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

 

「た、大切な人!?」

 

「伊月くんにそんな人が.....」

 

「.....絵里ち、真姫ちゃん、どうしたん?」

 

『いえ、なんでもないわ(よ)』

 

(ねぇねぇかよちん、あれ絶対怒ってるよね。)

 

(うん.....怖くて近づけないよ。)

 

「まさか伊月が.....ねぇ、真姫。」

 

「ええ、これは後できっちり話を聞かないといけないわね。」

 

「2人とも、声を出したらバレるじゃないですか。気持ちは痛いほど分かりますが今は抑えてください。」

 

「え?海未ちゃん分かるの?」

 

「ち、違います!!とにかくバレるので黙らないと!!」

 

「そういう海未が1番うるさいわよ。」

 

「あぅぅ.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

神山近く

 

やっぱり....ここに来ると寒気と.....トラウマが蘇る。あの時皆が目の前で殺されたこと.....母さんが見るに堪えないくらいに握りつぶされ投げられたこと.....生き延びたら生き延びたで麓の人間にはゴミ以下の扱いをされて.....それでも血の力のせいで死ぬことは叶わなかった。あの時だけは本当に何も信じられなかった。皆がいなくなったこと、自分がどういう立場に立たされたのか、そして.....これからの未来。

 

「やはり.....緊張はしてしまうもんなんだな.....」

 

 

 

 

 

「ねぇねぇ、ここどこ?」

 

「私も分からないわ。でも.....」

 

「さすがにこんな所に女の子とデートしに来るはずはないよね。」

 

「そうね.....じゃあどこに行くのかしら?」

 

「墓参り....とか。」

 

「でも、那月や伊月のお父さんだっていないじゃない。1人で行くのかしら.....ありえなくはないけど。」

 

「伊月はああ言いながらも1人で抱えてしまう所がありますから.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

神山

 

とうとう来た.....あの日からもうすぐで4年....になるのか。

 

「ここ.....だったかな。村の中心部は。」

 

山火事もあったせいかもうそこには俺たちが暮らしていた形跡も、殺された人達の遺体も、そして.....沢山流れた血も無かった。ただ閑散としている.....野原にいた。信じられないよ.....これがあの悲劇が起こった場所なんて。

 

 

「母さん....皆、4年近くここに来れなくて悪かったな。俺は自分と戦い続けた。けど負けた.....俺は弱かったんだ。今の俺がいるのはμ'sも含め、俺のことを支えてくれた人達のお陰なんだ.....。世間じゃ俺は黒獅子なんて恐れられてるんだぜ。皆信じられないだろ?それに世間じゃスクールアイドルなんてのも流行ってて凄いよ.....。俺が会った人達はやっぱりあの日のように勝手に決めつけたり、悪役を作って皆で纏まったり.....腐った連中なんざ沢山いた。あの日見た黒い部分はやっぱり世間でも同じだった。俺も世間に敵にされて、何度も戦う羽目にはったんだ。」

 

俺にとってあの日が転換点なのかもしれない.....やっと社会というものに、世間というものの影の部分を見た。行き過ぎた私利私欲。

 

「でもさ.....そんな汚くて、暗い世界で.....俺は眩しいくらいの光と出会った。初めてだった、那月や親父、黒柳、橘さんや商を除いて俺の血のことを知ってもなお俺の事を信じて、認めて受け入れてくれた人達がいたんだ....嬉しかったよ。まだ捨てたもんじゃないって思えたし、それに.....俺は普通の生活が出来たんだなって。あいつらが一緒にいてくれたおかげで。これじゃ、俺があいつらを利用したみたいな感じで取られてもおかしくないんだけどな。俺は思うんだ。あいつらの光を守ることが、俺が今まで疑い、潰してきたものへの償いで.....俺がなさなければならないことだって。あの日、命懸けで俺を守ってくれた人達への弔いにもなるんだ。母さん.....あんたの言う通り、いい事もあったし.....強く生きれてないかもしれないけど、強く生きたい理由をくれた人達と出会えた。少しは.....自惚れてもいいかな?」

 

あ.....涙。前までは流しすらしなかったのに。俺もだいぶ感情的になったのかもしれないな....生きてて良かった。俺は今ひたすらそう思えているんだ。

 

「これから俺は最期の闘いに行かなければならない。この血の.....呪われた何十年と続いた因縁に終止符を打つために。その為なら.....俺は命なんてくれてやる。そのつもりでいる。本当はさ.....もっと普通の人間として生きたかった。あいつらには嘘をついたけどさ.....俺の命はいつ終わってもおかしくないんだ。この1年、生死を彷徨うことが何回もあった。血の力でそれも収まったが、あまりにも多く、過酷すぎた。もう.....普通に生きるのは無理なのかもしれないな。」

 

こればっかりはどうしようもない。俺たちの体は.....血は何か特効薬があるわけでもなければ治療法もない。遺伝子からそうなっているから。俺の生命力はもう無いに等しい。回復する力すらもう.....残ってないのかもしれない。

 

「今俺がこうやって普通に動けているのもこの血の力だ。本当なら寝たきりになってもおかしくないかもしれないんだけどな.....あいつらには言えなかった。それであいつらに迷惑をかけるかもしれない.....って思ってさ。こんな弱い自分を許せなんて言わない。ただ.....記憶の中にいてくれたらいい。たとえ世間から存在が消されても。俺は自分が生きた証をどこかに求めたいんだ。俺たちの一族が本来は知られてはいけない存在だからこそ.....人として、そういう思いを抱いたんだ。ここに来たら.......どんどん我儘言っちまうな。だけど、俺はやっと自分が進むべき道を見つけた.....あいつらがたとえ望んでいないにしても、俺はあいつらの人生を壊すものから守らないといけない。それが俺の.....宿命、だろうな。だからさ.....きっちり因縁を、俺が果たすべき宿命を成し遂げるから.....安眠してくれ。悲しみも、憎しみも.....全て含めて、安らかになってくれ。もう二度とこんな悲劇は.....起こさせない。俺はそう誓うよ。」

 

たとえ俺がどうなろうとも.....世間がどれだけ俺を汚く罵り、それを排除しようとしても.....その宿命だけは果たしてみせる。それが.....今の俺の生きる理由であり、宿命だから。

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μ's side

 

「伊月くん.....」

 

「どうしてそんな大事なことを.....黙ってたの?」

 

「.....私たちを想ってくれているのは嬉しいです.....けど私たちは誰一人、伊月に犠牲になって欲しいなんて思ってません!!」

 

「.....でもそれが伊月が決めた生きる道なんでしょ.....それなら私たちがわーぎゃー言って止めるのも.....野暮なんじゃない?」

 

「にこもそう思うわ.....だから私たちはあいつに応えないといけない。ラブライブ決勝戦で最高のステージを作って.....あいつをちゃんと迎えられるようにしないと。」

 

 

「にこの言う通りね。私たちじゃ伊月のことを止めるのは無理。私たちは9人纏まっても伊月には敵わない.....なら私たちは私たちに出来る全てをするしかないわ。」

 

「.....頑張ろうね。」

 

「凛も伊月くんの為に頑張るよ、ね、かよちん!!」

 

「うん.....私たちも頑張らないと。」

 

μ'sのメンバーはそれぞれ覚悟をした。ラブライブを優勝して、3年生を笑顔で送り出す為に....μ'sとして最高の思い出を作るために、そして.....1人の少年を迎えるために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シオン、花言葉『追憶』『君を忘れない』『遠方にある人を思う』




書いていて重いなぁ.....ラブライブと真反対だなと常々思います。けど始めた以上、最後まで書ききります。


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μ's編 final 光と影

一旦最終回にします。本当はあの遊んで泣くシーンも書きたかったのですが.....書くと泣けてくるので今回はあくまで語りとしています。


俺はしばらくあいつらと会うことが出来なかった。というのも城善寺家の動きが大人しくなった為か、チンピラ共や闇取引が再開されたせいで、そっち側にずっと行っていた。俺がいなくなったらやばそうだな.....というのもあり、俺はそれが起きないよう部下たちに教育をしたりと色々していた。そのせいか....あいつらと会う時間が無くなった。那月が言うには、

 

「あの後ね、皆で遊んだんだ。ラブライブ前に皆で最後に思い出作りしたかったからさ。それで伊月も誘うはずだったんだけど忙しそうだったから皆に言っておいたよ。それでね.....色んなところいって楽しかったし、物騒な事が多かったから久々に自然と笑えたかな。それでね.....結局、μ'sは解散することにしたんだ。私たちが、12人いてこそμ'sだから、私たちのものにしたかったから。その後皆泣いちゃったんだ。卒業って言う別れを実感して、離れるから.....悲しくって。この1年間、私たちはスクールアイドルとしても沢山の苦難も楽しみも共に味わってきた、伊月だってそうでしょ?それに皆.....伊月が来なかったこと、本当に残念そうにしてたよ。泣いてる時も伊月くんがいたら.....って言ってたし。ねぇ.....伊月ならどんな言葉をかけてあげる?」

 

俺には.....その時答えられなかった。いつもなら何か思いつくけど簡単に言い出せなかった。俺は自分がこの先どうなるか分からなかった。そんな状況で安易に思い出と言うことを語るのはできなかった。心が乱れてるんだろうな.....

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地下スペース ラブライブ本番の日

 

「.....これで、完成か。」

 

「兄貴、何してるんですか?」

 

「うん?.....ちょっとした事だよ。よし、お前ら集まれ。今日の動きを伝える。まず半分は.....いつも通り街の見回りをしてくれ。今日は俺はサポートに入ることが出来ないから現場の判断は任せる。そしてもう半分は.....μ'sを守って欲しい。与助、お前を中心にやってくれ。」

 

「うん.....分かったよ。伊月は何をするの?」

 

「俺は.....透谷と一緒に全ての因縁のケリをつけに行く。俺たちが負ければまたKBの脅威と戦わざるを得なくなる。確実に.....勝ってみせる。」

 

「そうですか.....それで、この紙は?」

 

「そうだ.....ラブライブ側に行くなら、μ'sのメンバーにこの手紙を渡してくれ。会場のやつが止めるかもしれないがその時は俺の名前を出してくれればいい。なんとしてでも届けてくれ。.....タイミングはライブ前にしてくれ。後だと.....まずいんだ。」

 

「わかりました。絶対に届けます。」

 

「よし.....時間だ。全員頼んだぞ!!」

 

『おう!!!』

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とある港の近く

 

「.....ふふっ、来ましたか、一条伊月。」

 

「なんだ、この前の邪魔をしてくれたやつもいるじゃないか。」

 

「お前達が来ることは予想していた。.....今日ここで全ての決着をつけようじゃねぇか。」

 

「そうですね.....進化した私の力に絶望しながら死になさい。」

 

「なっ.....!?てめぇも血を入れたのか!!」

 

「勿論。私はもうあの女の手先ではない。単に復讐したいと思っている1人の人間ですから。力が手に入るのなら人外になったっていいでしょう。」

 

「貴様らのせいでどれほど家が汚れていったのか.....城善寺家を守るものとして許さん!!」

 

「ふん、貴様らはあいつらの犬だろ。ごたごた騒ぐな。意思なき人形風情が。」

 

「貴様のような血の通っていない人間になど言われたくない!!今日ここで.....全てを終わらせる!!」

 

「安心してください、一条伊月。私はもう警察をやめた身。今更伏兵だなんて考えてませんから。」

 

「ふん、そんなことはどうだっていい。あの日.....てめぇが警察内で事実を隠蔽していたのは知っている。」

 

「おや、知っていましたか。事実1つ隠蔽するだけで大量のお金が入ってるんですから。やって当然です。あいつらは金を与えるべき人間と価値を分かっている。」

 

「その為に.....どれだけの人が報われないままに死んでいったか分かっているのか!!」

 

「他人が死のうがどうだっていい。死んだものに何かをするのは不可能。それならばその死を利用して金を手に入れる方がよっぽど優秀で賢いでしょう。今更灰になったカスのことを責めるのは気持ち悪いですね。」

 

 

「てめぇ.....」

 

「もう口論もいいでしょう。さっさと殺して私たちの復権をするのです!!」

 

そうして、俺vs大森、透谷vs白鴉の最期の戦いが始まった。これで.....全ての決着をつける!!

 

 

 

 

「そりゃぁ!!」バキッ

 

まず俺は大森に一気に近づき首に蹴りをかました。はっきり言って血の力は厄介極まりない。再生能力が特化していて、まともに相手をしてもキリがない。それはお互い様分かっているようで.....

 

「ふん、汚らしい!!死ね!!」ゴキッ

 

俺の鼻に鉄パイプで殴ってきた。相当痛い....おそらく鼻の骨が折れた。だがこの程度今更.....

 

「ちっ..... おらぁ!!」

 

構わず俺はあいつの頭部に強い衝撃を与え続ける。どれだけやろうが...

経験の差は埋められない。

 

「ふふっ、愚かなことを。」シューッ

 

「なっ.....げほっげほっ。」

 

こいつ.....毒ガスか。体が麻痺している。

 

「ふふっ、貴方が至近距離での戦闘を得意としているのは知っています。ならば毒ガスなどを使えばあなたはいとも容易く封じられる。」

 

「ざんねん.....だな.....火事の中で、一酸化炭素中毒になっても動き続けられたんだ.....この程度.....どうってことはない!!」

 

嘘だ。本当はダメージ自体はある。その証拠に俺は疲労のせいで動くのもしんどい。だが.....こいつらを倒さないとまた俺と同じような犠牲者が出るんだ.....

 

 

 

透谷side

 

「ちっ.....小細工を。」

 

服の袖に毒ガスを出せるよう隠している....それに、こいつのナイフの動きが前より速くなっている.....暗かったからあの時は遅かったのか。

 

「ふっ、私は殺し屋だぞ?お前ごときでは勝てん。」

 

「どうかな.....お前も油断しているんじゃないか?」

 

「何を.....!!」バァン

 

そう、私はこの間にやつのポケットに小型の爆弾を入れた。殺傷能力は低いにしろ、その衝撃を無視はできない。

 

 

 

 

 

「.....ははは!!!面白い!!そうでなくてはな。」

 

「なっ.....爆弾が効かない。」

 

「ふっ、お前はあの惨劇を知らないだろうから特別に教えてやる。この血はな、この程度の衝撃なんざ無効にするくらい再生能力が速いんだよ!!」

 

「くっ.....貴様、アンプルの力で。」

 

「ああそうさ、普通の血の力を促進している。つまり再生能力自体は他の奴より群を抜いて高い。無駄なんだよ。」

 

「そうかな....元暗殺者を舐めるなよ。」

 

そういって私達は再び組合になった。だがお互い相手を掴むことはできなかった。当然である。どれだけ再生能力が凄くても奴は人間。私の手の内を警戒しつつ動く。

 

「.....ならこいつはどうだ。」

 

「なに.....釘?」

 

「靴裏に仕込ませておくくらい普通だろ?お前はこれで少しは動けないはずだ。」

 

再生能力がいかに凄くても.....刺さったままじゃ意味が無い。私はやつの足の中心に釘を指した。これで少しは動きにくくなったはずだ。

 

「くっ.....無駄なことを。」

 

「下を向くとは随分と余裕だな、はっ!!」

 

私は奴が釘を抜くために下を向いたのを見計らってやつの顎に膝蹴りをかました。これはかなりのダメージだろう。

 

「くっ....へへ、だが抜けた。それにお前も随分と余裕だな。」

 

「.....くっ。」

 

そう、蹴られると同時に奴は硬直剤を打ってきた.....手で払い除けたがその手に刺さった。くそ.....左手が動きにくくなった。

 

「指が使えないようでは話にならん。」

 

「どうかな、この程度....なんとかなるんだよ!!」

 

そう、透谷家には過去から過酷な訓練がある。拷問に耐える特訓、体の神経を攻撃される特訓、今みたいに硬直剤を打たれて体が不自由になった時.....その全てを耐えのけて初めて実働部隊に入れる。

 

「ふん、これでこそ戦いというものだ!!!」

 

「いかれてやがる.....」

 

だが今の一瞬隙を作ることはできた.....ならこいつを倒すなら.....お嬢様、私に力を貸してください。

 

「いくぞ!!」

 

そして私は近接戦に持ち込んだ。こいつの捌き方は学習しきった.....もういける。

 

「はっ!ゃ!!」

 

「くっ.....面倒だ。」

 

そいつはハンドガンを取り出し.....いなす暇もなく打った。なぜだ....現代の拳銃はすぐ打てる作りじゃないはず,.....なんとか急所を外したがダメージはでかい。.....お互いにな。

 

「甘かったな.....距離を取りたいか知らないがその一瞬がいのちとりだ!!」

 

お嬢様.....兄さん、この技を.....使う。守るために。

 

「なに.....ぎゃあ!!!」

 

そして私は.....やつの首にとおっている神経の部分をナイフで切り.....そして頭に銃弾をぶちこんだ。これで終わりだ.....

 

「血の力を過信し、近接戦に多く持ち込んだようだな。透谷家が近接戦を得意としていたのは知っているだろう。」

 

「くっ....そんな馬鹿な.....」ドサッ

 

「今まで殺した魂に.....人に頭下げてこい。地獄に行け。」

 

伊月様.....こちらは片付きました。あとはお願いします。

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再び伊月side

 

「はっ.....!!」

 

「ごふっ.....」

 

どうやら血の力にまだ慣れていないのか動きが鈍い.....適応したとはいえ白鴉のように馴染まなければ血はかえって足枷になる。

 

「くっ.....」パンパン

 

「当たらねぇよ...そんなフラフラした銃身なら.....な。」

 

俺の体も動かなくなってる.....さっきの硬直剤、まさか全身に回ったのか.....

 

「ははっ、かかったな。これは4年前奴らを黙らせるために作った特効薬だ。これが高く売れてな。これはお前ら専用の毒薬だ。血と共に体を麻痺させる成分が全身に回る。さらにお前らの細胞を破壊し再生能力を抑止する。どうだ?いい心地だろ?」

 

「ふんっ.....ならてめぇだって一緒だよな?」グサッ

 

「なっ、貴様.....なぜ抜ける?」

 

「破壊されようとも.....俺の力が抜けることは無い。げほっ.....くらいやがれ!!」

 

そして俺はその薬を.....そいつに指した。御丁寧に首に刺した。これで.....お前も終わりだ。

 

「がぁ....貴様、」

 

「ふん、お互い呪われた人間同士なんだ。これくらい受けて当然の罰.....だよ。」

 

「.....死ね。」

 

「そのボタンは.....」

 

「ふっふ、一条伊月。私の負けは認めましょう。ですがこのまま生き残っても私はもう詰んでいます。あなたが生きて償わせるのが流儀みたいですし。それに.....あなたごと爆破すれば私も汚名なくして死ねるでしょう.....」カチッ

 

バァァァァァァァン!!!!!!!!!!

 

「なっ.....ぐぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

俺はそのまま体が吹き飛ばされ、海に落ちた。まずい.....体が動かないせいで.....意識が遠のく。

 

「伊月様!!」ダバァン

 

「透谷.....お前は生き延びろ。俺を捨てて逃げろ!!」

 

「ダメです、私はあなたを生かした。なら私が貴方を見殺しにすれば名が廃れます!!それにこれは恩返しです!!」

 

「ばかやろ!!それで死んでどうする!!誰が城善寺を守るんだ!!」

 

「.....ですがあなたを捨てる訳にはいかないのです!!.....がぁ。」

 

そう、透谷も戦いのせいで体がマトモに動けなくなっている.....このままじゃ.....穂乃果、姐さん、海未、真姫、花陽、凛、絵里、希、にこ.....那月、城善寺、すまない.....生きて帰れそうにない...

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μ's side

 

「もうすぐ決勝だね!!」

 

「ええ、皆張り切っているわね。」

 

「冴子ちゃん!!どうしてここに!?」

 

「家のことはいいのですか!?」

 

「ええ、今日は時間を作って来たのよ。あなた達のステージ、見に来たわ。」

 

「それなら.....尚更負けられませんね!!」

 

 

 

「おい、通してくれ.....どけやおら!!」

 

「わ!?何!?」

 

「はぁ.....はぁ....μ'sの皆さんですね、兄貴から...ぜぇ.....手紙です。」

 

「伊月くんから.....」

 

「何か書いてるの?」

 

 

 

皆へ

 

俺がこの手紙を書いた理由は至ってシンプルだ。もしかしたらこの戦いで.....俺が命を落とす可能性があるからだ。もしそうなっちまった時の為にここに全てを記しておく。

まずは.....色々散々迷惑かけてごめんなさい。俺は俺なりに行動をしてきたけどそれが時にはお前らからしたら迷惑なことも沢山あったはずだ。それは....ほんとうに申し訳ない。

そして、これは俺の本音だ。今でも俺は自分を信じることが出来ない。暗闇だった俺の人生にお前らが光をくれた.....そして今の自分が誰かの為に生きているという事実が俺にとっては信じられなかった。あの日、絵里や真姫と会っていなかったらずっと闇の中で生きていたのかもしれない。お前たちが俺の過去を知ってもなお俺を受け入れてくれたこと.....それが昨日のことのように今でも感じる。俺は.....お前らに報いることができたのだろうか。

俺みたいな影のことは....忘れてくれたって別にいい。でも、もし叶うなら.....お前らがくれた、眩しいくらいの光を誰かに分けてあげて欲しい。世の中には俺ほど重く辛い過去を持っていない人間にせよ、誰しも心の闇があって、それに心を奪われている人間もいるんだ.....だがそいつらは全員悪い奴とは限らないんだ。無論、そんなことは綺麗事だ、なんて言われてもおかしくない。だが俺が見てきた中だったら.....あいつらは皆自分を見失っていたり、他人に拒絶され自分がわからなくなってきたり.....光を失ったやつが多かったんだ。だからこそ.....お前らがくれた光を、俺たちみたいな影に住む人間にもあげられる人間になってほしい。与えられる資格とかそんなことは関係ない.....お前ら見て、接して信じることが出来た人間も救って欲しい。いずれそれが.....また光を生む。その始まりになってほしい。そしたらまた他の誰かがその光を受け継ぐ.....スクールアイドルとして、1人の人間として。お前たちのことが大好きだ。出来ればずっと一緒にいたい.....でも、それが叶わないかもしれないんだ。もし俺が消えても.....常に今のように眩しいままでいてほしい。

 

「伊月.....そんなの勝手よ!!」

 

「そうね.....私たちが貴方からどれだけ光を貰えたと思ってるの.....」

 

「うちらが辛くても、絶対に見捨てなかった。」

 

「命をかけてまで....誰かを守った伊月くんは影なの.....?」

 

そして.....俺の最期の願いを叶えて欲しいんだ。いつの日か.....俺が作った曲をお前たちがアレンジしてひとつの曲に完成させてほしい。.....その楽譜が一緒にあるはずだ。

 

「楽譜.....これね。編曲が済んでいるのかしら?」

 

僕たちはひとつの光.....ちょっと厨二病みたいな感じかもしれないけど、俺の素直な心で、お前たちをみて作ったんだ。

 

「.....これ、歌詞が途中で終わってるわね。しかも途中途中線があるし。」

 

「これを私たちらしくして.....ひとつの曲にしろってこと?」

 

.......ありがとう。皆。1年ちょっとかもしれなかったけどμ'sと一緒に過ごせた時間は.....俺にとっては宝そのものだった。出来ることなら.....3年生の卒業を見届けたかった.....本当にありがとう、信頼できる、眩しい人達よ。

 

一条伊月

 

「うっ.....伊月くん.....」

 

「穂乃果、本番前ですよ?私も泣きたいですよ.....我慢してください。」

 

「あいつ、死ぬつもりなの.....」

 

「.....見て、これ。髪飾り.....」

 

「私たち全員分あります.....ね。」

 

「これ、可愛いにゃ。伊月くん.....ずっと内緒にしてたのかな。」

 

「.....これつけて出えへん?伊月くんがくれた形見やもん.....一緒にステージにいるみたいで。ええやん。」

 

「そうね.....伊月、私たちは必ず優勝するわ。だから.....傍で見届けて。」

 

 

 

 

 

 

 

そしてμ'sはラブライブ!優勝を果たし、全国にその存在をしらしめた。音ノ木坂学院は廃校を阻止し、強豪であるAーRISEを倒し、見事輝いた.....その光は全国のスクールアイドルを志すもの、アイドルが好きな子達に勇気と笑顔を与えた。.....その影で支えていた1人の青年の存在は知られることなく消えてしまった.....

 

 




これで、黒獅子のμ's編は終わりとなります。
この二次創作でメインにしていたのは、最終回らへんで多用した『光と影』ということです。ラブライブ!本編はメンバーの成長も描かれていて凄くいいです。そして、ラブライブ!にはない人の影の部分を足せばもっといい感じになるのでは?と思い描き始めましたが.....キャラを書くのが下手くそだったりオリジナルを強くする方針がいつの間にかラブライブ!が追加要素のようになってしまいました。また人間の汚い部分を多めに描写したのも、μ'sという光がそういった人間の闇の部分と向かいあい、そしてそれを経験して成長していくことで、より人間としても育っていく風に書きたかったんです。初めての二次創作で至らない部分だらけでした.....それでも読んで下さっている皆さんには本当に感謝しています。

そしてこれはめたい話なのですが、作者が今年受験生になり、勉強を本格化させないといけなくなりました。この二次創作が考えてる時間が1番長く、書くのに苦労していたのもあって、続編は受験が終わった後、つまり1年後くらいに再開出来たらな、と思っています。生誕記念編は書きたいと思います。なのでこの1年は不定期投稿になってしまいます。ご了承ください。

言い訳がましいですが、あとひとつ。僕がこの作品を書いて思ったのは、『全然ラブライブ!のこと分かってないじゃん.....』ということです。アニメと映画は全部見ていたのですが、書いていて下手くそだと思いながら過ごしていました。なので一度離れ、もう一度見直したいということです。もう1つ書きたい二次創作もあり、この受験生の期間は、二次創作を書きつつ、ラブライブ!をちゃんと見直して行けたらなと思います。大変自分勝手ですが本当に申し訳ありません。そして、読んでくださった方、お気に入り登録、評価、感想をくれた方、低迷してはいましたが本当にありがとうございます。


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番外編
南ことり生誕記念編 不器用な贈り物


結局書こうと決意しました。内容が拙いかもしれませんが、頑張ります。


ことりside

今日はことりの誕生日♪

μ'sの皆でお誕生日会をするんだって。昨日このメールが来た時に、ことり、嬉しすぎてつい跳ねちゃったよ。お母さんに注意されちゃったけどね。

それに.....伊月君がお祝いしてくれることが実は1番楽しみなんだよね♪那月ちゃんもプレゼントくれると思うけど。

やっぱり幼い頃から好意を抱いている異性の子がくれるプレゼントってやっぱり格別なんだぁ。

「ことり、今日はみんなと誕生日会するんでしょ?そろそろ時間よ。」

「はぁい、ありがとうお母さん!!行ってくるね!!」

そう言って私は音ノ木坂学院に走っていた向かったんです。皆との誕生日会が楽しみ過ぎて!!

「行ったわね.....楽しんでらっしゃい、ことり、私はこんな物しかプレゼントしてあげられないけど.....誕生日おめでとう。」

一方ことり母は、デザインが凝った髪飾りをプレゼントしたらしい。

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「はぁ、はぁ、ごめ~ん、遅れちゃった。」

「遅いですよ、ことり。皆準備して待ってますよ!!」

「ありがとう、海未ちゃん!!」

「今日はあなたが主役なのですから、気にする必要はありませんよ。」

そして、部室のドアを開けると

『ことり(ちゃん)、誕生日おめでとう!!』

「!?」

驚いちゃった♪皆ことりのためにケーキやらマカロンやら可愛い食べ物を沢山置いてくれてる!!それに、皆クラッカーでお出迎えしてくれて、嬉しいよ!!

「じゃあ、皆で食べない?もう穂乃果お腹ペコペコだよぉ!!」

「凛もお腹すいたにゃ!!」

「ちょっとあんた達!?今日はことりが主役なのよ!!もう少し控えなさいよ!!」

『ごめんなさい.....』

「にこちゃん、別にことりは気にしてないよ!!むしろいつも通りの穂乃果ちゃんや凛ちゃんの方がことりは嬉しいな♪」

「ことりは、本当に甘いんですから.....」

やっぱりこの雰囲気が好きだな。μ'sのメンバーと出会えて本当に良かったよ♪

 

ただ、伊月くんはいない.........

 

「じゃあ、プレゼント渡そうよ!!」

「そうですね、ことり。これは穂乃果と私からです。ぜひ使ってください!」

「これは.....櫛だよね?しかもデコレーションがされてあるね。」

「穂乃果と海未ちゃんで作ったんだ!!大切に使ってね!!」

「手作り.....ありがとう、穂乃果ちゃん!!海未ちゃん!!大切にするね!!」

2人の気持ちが本当に嬉しいよぉ。ことりのこと大切に思ってくれて。

「じゃあ次は私達からね。その.....いいプレゼントが思いつかなかったから.....私達1年生で話し合ってこれにしたの。」

ちょっと大きめの箱だね.....中身は.....アルパカのぬいぐるみ!?

「これどこで売ってたの!?ことり、初めて見たよ!!」

「良かったぁ.....持ってなくて。」

「結構賭けなところがあったにゃ。」

すごいよ!!ことりこういうの欲しかったんだ!!

「じゃあ次は私達かしら。ことり、これから勉強することも多いだろうから3年生からはこれをあげるわ。」

これは.....多色ペンかな。

「これは、ボールペンとシャープペンシルを合体したものよ。しかも、ボールペンはペンの上にある消去ラバーで、もし書き間違えても消せるのよ。」

「絵里ちが最初これみた時凄かったねー。」

「そうね、小学生のように目を輝かせてたもんね。」

「ちょっと、希!にこ!それは言わないでよ。」

『あはははははは!!』

そこからは食べたり雑談したりで、昼から始まったのに、もう夕方になっていた。

「今日はありがとう!!ことり、本当に嬉しかったよ!!」

「それは良かった!!じゃあそろそろ終わりにしようかしら。」

絵里ちゃんの一声で皆片付けを始めた。ことりも、こんな先輩になれるのかな。

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伊月side

くそったれがぁ!!なんでこんな時に窃盗と強盗が当時に出るんだよ!!せっかく姐さんの誕生日会に行きたかったのに!!

「へ!捕まえられるかな?クソガキがぁ!!」

「俺は今、猛烈にイカれている!!覚悟しろよ、この野郎がァァ!!」

「なぁ、なんか兄貴、今日やけに殺気立ってないか?」

「なんか、御友人の誕生日会に出席出来なかったらしくて、すごく不機嫌なんですよ。」

その間、部下の間では怒りに我を忘れた悪魔=兄貴という認識だったらしい。

「ふぅ、覚悟しろよ.....ちゃんと盗んだもんは返させてもらう。」

「お疲れ様でした。兄貴。こいつは俺らに任せて、兄貴は休んでくだせぇ。」

「ああ.....そうさせてもらう。」

そして、俺は夕日が差す道を歩いた。その時の夕焼けは嫌味たらしいほど綺麗だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ことりside

皆から祝ってもらったのはとても嬉しかったけど、やっぱり足りない.....心は満たされてるんだけど、やっぱり伊月くんにお祝いしてほしかった。プレゼントなんていらない。「おめでとう」って言って欲しい。ことりって、案外我儘なんだね.......

「あ、姐さんじゃないですか!!」

「え.....?伊月くん!?」

そう、ことりの目の前に伊月くんが現れたのです。

「お誕生日会行けなくて、本当にすみませんでした。」

「うんうん、別に気にしてないよ!!伊月くんは、いつも通り悪い人を懲らしめてたの?」

「懲らしめると言うよりかは、捕まえてたんですけど。」

「それはそうと、姐さん、お誕生日おめでとうございます!!本当だったらμ'sのメンバーと一緒に祝いたかったんですが.....」

.....心が熱い。彼の口からおめでとうと言われて、ことり、今本当に興奮してるよー!!

「それと、プレゼントなんですが.....汚いですが受け取ってください。」

「えっと.....これはペンダント?」

「はい。那月に教えて貰いながらやりました。途中ドジして怪我もしたんですけどね.....」

伊月くんは本当に綺麗なペンダントをくれた。伊月くんの手を見たら絆創膏がたくさん貼ってあった。

「その傷、どうしたの?」

「いや、ペンダントの前に人形を作ろうとしたんですが、針が指に当たりまくって、このザマです。アルパカの人形というかぬいぐるみなんですけど.....」

「あれ、伊月くんが作ったの!?」

「いえ、1年皆で共同制作です。花陽に特に頑張ってもらって。」

1年生からって言ってたけど、伊月くんも協力してたんだ。嬉しいよ!!

「ねぇ、伊月くん、このペンダントの石って何?」

「サファイアですよ。9月の誕生石で、慈愛とか誠実とか意味があるみたいです。慈愛という面で姐さんと本当にあってると思います。」

「は、恥ずかしいよぉ.....」

昔からそうだけど、伊月くんって本当にこういう所は欠かさないんだよね。

「あの、姐さん。手紙とか書くのは煩わしいので口で言います。姐さんの優しさに俺は心が救われました。本当にありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします。.....そして、これからも姐さんのことを守り続けたいです。」

伊月くんって、この街の平和を守ってくれてるもんね.....でも本当に嬉しいよ.....言って欲しいことを言ってくれて。

「あの.....姐さん?なんで泣いてるんですか?」

「ほ.....本当に嬉しいからだよぉぉぉぉ!!ありがどう、伊月ぐぅん!!」

「ちょ、姐さん抱きつかないでください!!」

そうして、南ことりの誕生日の1日は幕を閉じた。

因みに翌日、ことりにプロポーズ紛いな事を言ったという事がことりの口から判明し、伊月は残りの8人のメンバーから怒られたそうです。伊月本人は無意識だと主張しましたが、メンバーからは問答無用で説教を受けたらしい。

しかし、とうのことり本人はとても恥ずかしそうに、そして嬉しそうに話していたそうな。

 

 

 

 




改めまして、ことりちゃん、お誕生日おめでとうございます!!あのほんわかした雰囲気とか優しいところが僕個人としては好きです。
本編よりも長くなりましたね.....


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絢瀬絵里生誕記念編 隣に立つこと

スクフェスでも、誕生日の時にミニストーリーを配信していましたね。.......あれ作る時って、声優さん行かなきゃいけないから大変ですね.....
一応今回の誕生日のやつは、本編より少し時系列が後になります。



「お姉ちゃん!!お誕生日おめでとう!!」

「ありがとう、亜里沙.....これは?」

「髪をくくるやつだよ!!お姉ちゃんいつもポニーテールにしてるでしょ?だから、その可愛いやつを買ってきたんだよ!!.....雪穂にも協力してもらったけどね.....」

「でも可愛いわね、嬉しいわ。ありがとう、亜里沙。」

 

私は今日が自分の誕生日ということを忘れていた.....亜里沙に言われるまではね。結構忙しいから自分の誕生日のことまで頭が回らないのかしら.....

 

ピリリリ

 

「もしもし絵里ちゃん!!」

「穂乃果?どうかしたの?」

「今日絵里ちゃんの誕生日でしよ?だから、今日の夜穂乃果の家で誕生日パーティーするんだ!!だから、今日の夜7時に穂乃果の家まで来てね!!」

「今日が休みだからあれだったけれど.....前の平日に教えてくれなかったの?」

「絵里ちゃん忙しそうだったし.....当日に教えた方が驚くかなーって。」

「.....私が用事でも作ったらどうするつもりだったの.....?もしかして他の皆も知らないんじゃ?」

「ぎく.....昨日海未ちゃんに言ったら『そういうことは、他の人も予定があるかもしれないのですから、早めに連絡しなさい!!』って怒られちゃんたんだよね.....でも、皆OKくれたよ!!絵里ちゃんは.....あいてる?」

「そうね.....今日は特に用事はないわ。だから、そのパーティーに行かせてもらうわ。」

「ほんと!?良かったぁ.....じゃあ、美味しい食べ物用意して待ってるからね!!」

「ええ、楽しみにしているわ。」

 

こういう時でも、穂乃果らしいわね.....でも、ちゃんとしてほしいわね。って、自分の為のパーティーに誘われたのに、そういうことを言うのは、少し野暮ね.....伊月と那月は、来るのかしら?

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

休日だったから仕事もなく、私はウィンドウショッピングをしている。いい感じのアクセサリーが多くて、結構見入っちゃうのよね.....

 

「このアクセサリー、ことりに似合いそうね.....このオレンジのペンダントも凛に似合いそうね。この青いブレスレットも外せないわね。海未が身につけたら絶対似合うわ。」

 

気づけばμ'sのことを考えていたりと、私は少し笑ってしまった。最初はあれだけ冷たい態度を取ってしまったけど、今となっては、皆は大切な仲間。私も随分と変わったわね.....

 

.....ん?あれは、伊月と那月かしら?

 

 

「ねえねえ、伊月!!この指輪可愛いよね!!絶対いいよ!!」

「なんでお前の買い物になってんだよ。今日の目的を忘れたのか?」

「そんなはずないじゃん!!でも、やっぱり絵里ちゃんには喜んで貰いたいし!!ちゃんと考えなきゃね!!」

「数秒前のはしゃいでた自分はどこいったよ.....まぁいいか、俺はこういうセンスは皆無だからお前に任せる。」

「もっちろん!!任せて!!あと伊月も何か探して渡しなよ。さすがに任せっきりはダメだからね。」

 

あの二人も、今日プレゼントを買いに来たのね。.....というかあんな大きい声で騒いでたら怒られそうな気がしそうだけれど.....伊月の雰囲気があれだから大丈夫なのかしら。.......内心どきどきしている。伊月がどんなプレゼントをくれるのか。勿論那月のプレゼントだって気になるけれど.....やっぱり、初めてできた男友達のプレゼントってどんなものか気になる。.....さすがに、メリケンサックとかは渡してこないと信じたいけど.........

 

 

「お客様、他のお客様の迷惑になりますので、もう少し私語のボリュームを下げてください。」

「す.....すみません。」

「お前うるさすぎなんだよ。」

「伊月だって同罪だよ!!」

「だから静かにしろって.....すみません、店員さん、このアホはちゃんと俺の方で見ておきますんで.....」

「誰がアホだーーー!!!」

 

やっぱりあの姉弟が絡むとコントのようになるわね.....

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

やることも無く、私は他のスクールアイドルのPVを見ていた。やはり、どこのグループもパフォーマンスがすごいわね。負けてられないわ。

 

「あ、このグループの振り付け、結構凝ってるわね。今度1回練習でやってみようかしら.....この足の動かし方もすごいわね。基礎練習に入れてみようかしら.....」

私たちも有名になった方だけれど、やはりまだまだ足りないところはある。そこを考えてやらないと、いつまでも成長できないしね。

 

 

「あら.....?メール?これって....お祖母様から!?」

昼過ぎに、お祖母様から連絡がきた。おそらく、ロシアに住んでるから少し時差があるのね.....ということは、あっちは朝なのかしら?

 

『絵里へ

お誕生日おめでとう。元気にしてるかい?もう秋だけど、こっちはもう日本の初冬くらいの寒さだよ。.....あなたももうそろそろ社会の一員になるのだから、頼れる伴侶を探しなさい....あなたならできるわ。プレゼントは何もあけられないけど、あなたがこれからも健康で楽しい1年を送れることを祈るわ。』

 

「お祖母様.....結婚の話は早いわよ.......」

 

でもあながち遠い話ではない.....私ももうすぐ社会人になる。どこかの企業とかで雇われて、働く.....全く想像がつかないわ。

結婚か.....もし私が結婚して.....伊月とどんな家庭を築くのかしら..........子供は作るのかしら.....ご飯作って、休日は旦那さんと蜜月の時を過ごす.....悪くないわね.....何故か伊月が旦那さんになる設定が進んでいるけれど.....誕生日くらい欲張りな妄想してもいいわよね。

そして、気付かぬ間に私は眠ってしまった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「眠ってしまったわ.....は!?もうこんな時間!?少し準備しなきゃ!!」

私は、寝落ちしていた。起きたら、もう5時くらい。少し髪もボサボサだし、化粧も、軽くだけどしておかなくちゃ......まるでいつもの穂乃果みたいな焦り方ね.....

1時間後、そして準備できた私は、少し早いけど家を出た。.....この時間で、もうこんなに暗くなるのね.....季節を感じるわ。夜も少し肌寒いし、少し羽織っていって正解だわ。

 

 

 

「ん?絵里じゃねぇか。よ、どっか行くのか?」

「絵里ちゃん、こんばんは!!どうしたの?化粧して。」

「あら、伊月に那月じゃない。これから穂乃果の家で誕生日パーティーをやるらしいの。だからそこに向かってるの。」

「へぇ、そんなんあるんだ、知らんかった。」

「え?伊月は来ないの?」

「ああ。俺も那月も、今日は少し野暮用があってな。そのパーティーとやらがあるのは今知ったが、どのみち行けねぇよ。」

「伊月、私の携帯には穂乃果ちゃんから昨日メール来たよ。伊月に届いていないの?」

「携帯?.......あ、本当だ。メール来てるわ。」

「伊月のおっちょこちょいさん!!まぁそういう所も可愛いよ!!」

「いや可愛いって言われても嬉しくないんだが.....」

 

 

「あ、そうだ、絵里。こんな所で渡すのもあれだが.....俺たちから誕生日プレゼントを渡すよ。」

「あ!?そうだった.....誕生日プレゼント買ったこと忘れてたよー。」

「お前のその頭は本当にどうにかしろよ。それが学年一位のやつの言うことかよ.....」

「それとこれは関係ないじゃん!!」

 

相変わらずこの姉弟は仲がいいわね.....

 

「じゃあ、私から渡すよ!!じゃじゃーーん!!私からはこれ!!」

「これは.......万年筆?」

「そうだよ!!絵里ちゃん何かとペン持ってること多いから、これ使ってくれたらなーって。書きやすいフォルム&長持ちのやつを買ったからぜひ使ってね。」

「ええ。大切に使わせてもらうわ。ありがとう。」

 

こういう実用的なものを貰うと、勿体なくて使いにくいのよね.....でも、那月が使ってということでくれたのだから、使わないと失礼よね。

 

「じゃじゃ!!次は本命!!伊月のプレゼントだよ!!」

「おい、ハードルを上げるなよ。」

「大丈夫だよ!!前のことりちゃんの時も成功したんだから、今回も大丈夫だよ!!」

 

 

そういえば、この前ことりが言ってたわね.....『伊月くんの誕生日祝いは本当に格が違うよ!!この前なんか、ことりにペンダント直接かけてくれたし。もうすごく満足した!!』って。私にもなにか付けてくれるのかしら.....とても気になるわね。

 

「じゃあ俺からか.....絵里、左手出して。パーで。」

「え?こ、こうかしら?」

「うん、で、目を閉じて。」

 

目を閉じる.....一体何をするのかしら.....?

 

「目を開けていいよ。」

そして、私は左手を見た.......小指に指輪が付けられている。

 

「.......え!?これって.....指輪!?」

 

私はとても混乱した。お祖母様の手紙があったから余計に驚いてしまった。........指輪?よね、伊月がくれたのよね。こ、これは、その.....

 

 

「おーい。絵里ー。大丈夫かー?なぁ那月、なんで絵里は赤くなって動かないんだ?」

「伊月.....異性、しかも思春期に指輪をあげることの意味を分かっていないようね.....」

「え?だって左手の薬指はそうかもしれないが、それ以外の指だったら、別に良くないか?そこまで考えんの?」

「伊月は女心が分かってないなー。帰ったらお姉ちゃんがしっかり教育してあげるからね!!」

「勘弁してくれよ.....女の事とか分からないよ。それにこれは市販のだし。」

「だから、この前ことりちゃんにプロポーズ紛いなことを言って、みんなから怒られたんだよ。いい?今回はしくじっちゃだめだよ。」

「え、ええと.....これは一体どういう.....?」

「ん?何あげようかなって考えた時にさ、絵里ってあんまりこういう装飾品を付けてるイメージが全く無かったから、手軽な指輪を買ったんだよ。一応誕生石のオパールとトルマリンを半分ずつ付けたけど。」

「こんな凝った物が売ってたの.....?」

「いや、誕生石を付けたのは那月だ。.....俺は前回の姐さんの誕生日で細かい作業が向いてないって痛いほど分かったからな。今回は那月に頼んだんだ。」

「すごいでしょ!!私は伊月よりもはるかに細かい作業が得意なんだよ!!」

「お前、俺と比べて喜んでて大丈夫か?月とスッポンだぞ。」

「だってーー!!にこちゃんも希ちゃんも絵里ちゃんも皆女子力高いからーーー、少しは自慢したいの!!」

「あっそ。でも得意っていうのは事実だもんな。」

「これ.....本当に貰っていいの?」

「当たり前だろ、誕生日プレゼントなんだから。.......絵里、誕生日おめでとう。お前はいつも人の前に立って頑張ってるよな。その姿は本当に立派だよ。俺もいつか、お前の隣に立って支える、お前が俺を友として誇れる人間になってみせる。これはその誓いの意味も込めた指輪だ。......これからもよろしくな。」

 

.......まさか、ね。誕生日に、伊月と那月からこんなにも勿体ないくらいのプレゼントを貰って、しかも伊月から、こんな夢のようなことを言って貰えるなんて.......心がいっぱいだわ。これからμ'sの皆にも祝ってもらうのだから.....今年の誕生日は一番幸せね。

約束は小指から薬指へ.......そんな風になってくれたらな.....

.......涙が出てきそうだわ。

 

 

「!!!!.....ええ、これからもよろしくね!」

「え!?絵里!?お前なんで泣きそうになってるんだ!?」

「あーあ、伊月またやらかしたよ。これは明日が怖いなー。」

「普段仲間を誘う時と同じように言っただけなのにな、.......やらかしたのか?」

「明日の皆の反応で察しなよーー。」

 

 

この後、私は指輪をはめて、穂乃果の家に行った。皆それぞれプレゼントを用意していて、本当に嬉しかった。指輪のことは.....一応話したわ。明日、伊月は大変でしょうね。

 

 

その翌日、那月が皆に伊月の言葉を言いふらした為、伊月はずっと詰問されていた。......でも嬉しかったわよ♪




絵里ちゃん誕生日おめでとうございます!!
普段はしっかりしてるけど、暗いところが苦手なところとかあって、そういう可愛いところが好きです。

生誕記念編は、本編より長めに書くつもりで書いています。変になっていないといいんですが.....


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星空凛生誕記念編 巡り会えた幸せ

誕生日編はやっぱり本編のりもスピードがあがってするする書けます。
ラブカストーンが枯渇気味です。今月ももしかしたら課金ですかね......


今日は凛の誕生日だにゃ。でも皆とパーティーするのは夜。

 

「ん?メール?なんだろう.......て伊月くんから!?」

 

凛へ

今日昼間特になにも予定ないって言ってたよな?じゃあさ、俺とスポーツセンター行かないか?俺も久々に体動かしたいし。

 

「そういえば凛も最近ダンス練習はよくするけどスポーツとか全くやってなかったにゃ.......うん!!行こう!!!」

 

そう言って凛は伊月くんにOKの返事をした。昼からかー。楽しみだなー。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ごめん!!伊月くん、少し待った?」

「いや、全然待ってないよ。」

「良かったぁ .......」

「こんな所で話してるのもあれだ。早速行こうぜ。」

「うん!!」

 

 

 

 

 

「凛、お前、バドミントン上手いんだな。」

「凛はスポーツ大好きだからね!!相手が伊月くんでも負ける気がしないにゃ!!!」

「そうか、じゃあ俺は男として負けちゃいられないな!!!」

 

そこから凛たちはバドミントンを1時間近くやった。途中周りの人が見ててびっくりしたにゃ。

 

「ねぇママ。あそこのカップル仲がいいね!!」

「しっ!!邪魔しちゃだめよ!!」

 

カップル.....凛たちが.....凛と、伊月くんが.....

 

「おい、凛、大丈夫か?顔が赤いぞ。」

「え?うんうん!!大丈夫だよ!!じゃ、他のスポーツしよ!!」

「ああ。じゃあ次は.....バスケでもするか。」

「うん!!」

 

 

「ん?凛?どうして手を繋いでいるんだ?」

「伊月くんの手って温かそうだなぁって思っただけだよ!!.....凛たちって周りから見たらカップルに見えてるのかな.....?」

「そうかもな。」

 

もう!!伊月くんも少しは恥ずかしがってよ!!結構凛、勇気だしたんだけどなぁ.....

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はぁ.....はぁ.....凛、お前ほんとすげーな。」

「伊月くんもだよ。.....はぁ、凛とここまで張り合える人あったことないにゃ。」

「いくら凛とはいえ、負けたくないからな。本気でやってるんだよ。」

「凛も伊月くんに勝ちたいから本気でやってるよ!!」

「そうか.....良かった。」

 

凛たちは1on1でお互いの点数を競っている。やっぱり思う存分体を動かせるのは本当に気持ちがいいにゃ。

 

「甘いな!!ほらよ!!」

「行かせないにゃ!!」

「お、引っかかったな。そい。」

「あ!?.....負けたにゃ、」

「バドミントンで負けたんだ。これで一勝一敗だな。」

「絶対に勝ってみせるにゃ.....最後は.....」

「だったら.....卓球するか。他の種目だと、やっぱり体格とか影響してくるしな。」

 

伊月くんはこういうところはよく考えてるよね.....凛が一方的に不利になる勝負は一切しようとしない。

 

「分かったにゃ。絶対に勝ってみせるにゃ!!」

「おう、俺も負けるつもりはない。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「勝ったにゃーーーー!!!!」

「くそ.....あんなところでサーブミスをしなければ.....」

 

結果的には凛の勝ち.....伊月くんがある程度手加減してくれたとはいえ本当に楽しかったにゃ。

 

「それにしても珍しいよね。伊月くんから遊びの誘いが来るのって。」

「そうかもな.....まぁ今日がお前の誕生日ってのもあるけどな。」

「そうなんだ....」

 

素直なのはいいけど、こういうところをはぐらかさないあたり、伊月くんって不器用だよね!!最後の一言が余計だよ!!

 

「まぁでも日々思ってたけどな。音ノ木坂学院の中でお前と運動能力が並ぶやつがいないから本気で体とか動かすことってあるのかなって。走るならともかく、ラケット種目とか1人で出来ない種目とかあるだろ?だから今日はお前が精一杯体を動かして、フレッシュすることが出来ればいいなって思って誘ったんだ。」

「そうだったんだ。ありがとうね、伊月くん!!」

「気にすんな。今日はお前が主役なんだ。.....凛、少し場所を変える。バイクで移動するぞ。」

「う、うん!!!」

 

そう言って伊月くんはどこかに凛を連れて行った。どこ行くんだろう.....?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここは...?」

「ちょっとした穴場スポットだ。どういうことかは時間が経てば分かるさ。」

「で、何をするの?」

「誕生日プレゼントを渡そうと思ってな。ほら、これ。」

 

これって....ブレスレット?しかも節々に宝石のような装飾が施されてある。.....可愛い。

 

「これは.....?」

「ブレスレットだ。11月の誕生石、トパーズとシトリンで装飾してるんだ。凛っぽい感じで作れてるかな?」

 

....そんな手間かけて作ってくれたんだ。でも.....こんな可愛いの凛には似合わないよ。

 

「ありがとう伊月くん。嬉しいにゃ!!!」

「凛.....お前は可愛いよな。」

「.....え!?」

 

伊月くん、いきなり何を言い出すんだにゃ!?この状況でナンパとかじゃないよね!?

 

「お前は陰ながら花陽を支えていたり、周りに元気を振りまいたり.....そんなお前を俺は可愛いと思うし、そんなお前と関われているのが本当に嬉しいよ。」

「.......」

 

絵里ちゃんや、ことりちゃんが言ってたやつってこれのことだよね.....?確かにドキドキする。伊月くんだからこそ、なのかな。

 

「改めて.....凛、誕生日おめでとう。普段お前の元気さに励まされたりして、本当に世話になったな。あと俺は凛に言っておきたい。お前は可愛い。そんなに気にする必要ないぞ。」

「........」

「お前がそういうコンプレックスを持ってるなら.....治せるまで俺がそばにいてやるよ。俺たちは、友人、だろ?」

「!!.....うん!!」

 

 

伊月くんには凛はお見通しだったんだね。凛は自分が女らしくないということで悩んでいた。今も少し戸惑いはあるけど。.....でもμ’sの皆や、伊月くんは可愛いと言ってくれた。それに伊月くんは、凛を1人の女性として対等に接してくれる。胸とかそういうの関係なしに。

 

「ねぇ.....伊月くん、1つ聞きたいんだけど.....」

「なんだ?」

「なんで伊月くんは....凛のことを女の子として見てくれるの?」

「え?.....お前何言ってるんだ?お前は立派な女性だろ。親友のことを支えようとしたりして。俺はお前のそういう姿は尊敬するぞ。お前の過去に何があったかは全然分からない.....俺が言うのもあれだが、過去と今は違うんだ。お前をちゃんと見てくれる人がいる、見ようとする人がいるんだ。俺はお前を1人の女の子らしい女の子だと思ってる。その思いには偽りはないよ。」

 

 

.......すごい、じんとくるね。伊月くんは、自分の過去があるからこそ、他人のことをちゃんと見て判断しようとしている。凛は自分が他の子に比べて女の子らしくないとよく思うことがある....でもこのブレスレットや伊月くんの言葉が教えてくれた。.......いい人と巡り会えてよかったにゃ。

 

 

「凛、お前は立派な人だ。俺も1人の男として『女の子らしいお前』を守れる人間になりたい。危険なところに行くって言うなら一緒に行くさ。俺はそれくらいの覚悟はある。」

 

 

....え!?それって.....プロポーズ!?

いや待って.....過去に伊月くんがそういうのをやらかすというのを那月先輩に聞いたことがあるにゃ。でも.......言われて1番嬉しいことを言ってくれる.....やっぱり伊月くんはすごいよ。

 

 

「うん....凛も、これからもよろしくね!!!」

「ああ。.....いい頃合いだな。凛、左を見てみろ。」

「左......うわぁ....!!!!」

 

そこには、夕焼けに照らされてる街があった。こんな都会にこんな景色を見られる場所があったなんて.....

 

「いい場所だろ?これで俺からの誕生日プレゼントは以上だ。今日は半日楽しかったぜ。」

「.....うん!!凛も本当に楽しかったよ!!」

「ああ、そりゃあよかった.....じゃ、パーティー会場まで連れていくよ、後ろにのって。」

「分かったにゃ!!!」

 

 

神様、こんないい人に会わせて本当にありがとうございます。おかげで、凛は今日人生で1番嬉しい誕生日になりました。

 

 

そのあと、凛は穂乃果ちゃんの家で誕生日会をした。伊月くんといっぱい遊んで、μ’sの皆と遊んで、本当に楽しかったにゃ!!!




凛ちゃん、誕生日おめでとうございます!!!
1番女の子らしいところや、花陽ちゃんのことを思ったりと優しいところが僕は好きです!!


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小泉花陽生誕記念編 その背中を

μ'sって皆誕生日離れてますよね.....パーティーとかめっちゃ盛り上がってそう。
今回は誕生記念編なので、花陽ちゃんは伊月くんのことを『伊月くん』と呼びます。


電話にて

 

「俺に密着する?」

 

「はい!!伊月くんがどうして頼もしいかを知りたいんです。」

 

「なぁ、明日ってお前の誕生日だよな?そんな貴重な日を俺の尾行というかなんというかそういう事に消費していいのか?」

 

「はい。絵里ちゃん達が卒業したら、私も2年生になりますし.....凛ちゃんみたいに自信があったり真姫ちゃんみたいに強気になれたらいいんですが.....それが苦手で。でも、やっぱり頼れる先輩にはなりたいんです。それに来年は伊月くんがいるか分かりませんし.......」

 

「そんな悲しい声を出すなよ。別に学校にいるかが分からないだけで死ぬわけじゃねぇんだからさ。それにお前らだけじゃ不安だからな。お前らが1人前くらいに成長するまでは俺が傍にいなきゃいけないしな。」

 

やっぱり伊月くんからしたら私たちは守られる対象なんだ.....だからあんまり頼ってくれないのかな?

 

「それで密着することなんだが.....ちゃんと親御さん説得して来いよ。別にお前を俺ら側の方には連れていかないから安心しろ。危険なことに巻き込まれないようにはするから。」

 

「わ、分かりました.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌朝

 

ピンポーン

 

「あれ?花陽ちゃん?どうかしたの?」

 

「あの、伊月くんいますか?」

 

「伊月?うん、寝てるよ。というか花陽ちゃんも早いよね、まだ朝の7時だよ?しかも今日休みだよ。」

 

「今日は伊月くんを1日密着する予定なんです!!どうしたら頼れる人になれるかなって.....」

 

「ああ.....でも花陽ちゃんも変わってるよね。密着する人なんて初めて見たよ。」

 

「やっぱり話で聞くよりも直接見た方が学べることも多いかなと。」

 

「じゃあ伊月起こしに行ってくれない?伊月の寝顔は見たことないでしょ?」

 

「はい、合宿でも寝たところ見たことありませんし。」

 

「なら見た方がいいよ!!絶対に得するから!!」

 

「は、はい.....」

 

伊月くんの寝顔.....真姫ちゃんや凛ちゃんも見たことがない.....なんか申し訳ないけど、見てみたい。

 

 

 

 

 

 

 

「伊月くーん?朝だよ.....」

 

「んん.....」

 

....え?何?今の色っぽい声?これが伊月くん!?すごく子供っぽさがある可愛い顔.....でもやっぱり体を見るとたくましい男の子だよね....那月ちゃんはずっとこれを見てるのかな.....羨ましい。

 

「普段出来ないから.....伊月くんの髪、さらさらだなぁ.....」

 

私はそっと伊月くんの頭を太ももにのせて、頭を撫でてみた。すごく撫でやすい.....普段はそんなイメージないけど細やか.....

 

「.......ん?花陽?もう来たのか?」

 

「伊月くん、おはよう。起きるの少し遅いね。」

 

「そうだな.....昨日は夜ずっと忙しかったからなぁ.....」

 

「それって黒獅子の仕事?」

 

「いや、それじゃなくてな.....今まで色々とやってきててさ.....ことの成り行きとは言えお店とかご近所に迷惑をかけたから謝りにいってたんだよ。マンションとかも行きたかったけど管理人さんが許可してくれなかったから謝罪の意を込めた手紙を管理人さんに渡してそれで解決したということにしてもらったんだ。」

 

「それって伊月くんは何も悪くないんじゃ.....」

 

「まあな。けど結果的に迷惑はかけたわけだし.....謝らないのは俺個人的には許せなくてな。こんなんだから何かと苦労するんだろうけど。」

 

やっぱりこういうことを考えられるところは凄いなぁ.....普通なら相手のせいにして終わりそうなのに。ちょっと優しすぎのような気もするんだけど.....やっぱりそこら辺は伊月くんらしいなぁ.....

 

「なぁ、何をメモしてるんだ?」

 

「伊月くんのいいところだよ。」

 

「俺は誇れる物なんかあんまりねぇよ。まぁお前がそれで満足ならいいんだがな。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

街中にて

 

「花陽、あれ食べるか?」

 

「ご、ご飯!?で、でも!!今日はこれが最優先だから.....」

 

「まじかよ、ご飯に勝ったのか....」

 

「うう....バカにされた気しかしない。」

 

「あ、悪い。珍しかったから驚いただけだ。だから涙目になるなよ。」

 

 

「うぇーーん!!ママーー!!」

 

「迷子か.....おい、どうした?」

 

あっ.....ちゃんと目線の高さを同じにしてる.....那月ちゃんの真似をしてるのかな....

 

「うっ.....うっ.....はぐれた。」

 

「はぐれた、か。なら探すぞ。早いとこお母さん探してやらねぇとな。」

 

「え.....う、うん!!」

 

「因みに特徴とかあるか?」

 

「えっとね.....最近茶髪にしてる人!!」

 

「アバウト過ぎだな.....背が高いとかそういう感じのはどうだ?」

 

「ママは身長高いよ!!電車でも埋もれてないから!!」

 

「ということは160くらいか?....まぁ、とりあえず歩いてみるか。花陽、悪いけど着いてきてくれるか?」

 

「勿論いいよ。これも貴重.....」

 

「メモし過ぎて前方不注意だけは辞めろよ。」

 

「それくらいは大丈夫だよぅ....」

 

「そう言えばここに住んでるのか?」

 

「ううん、今日はお母さんの会社の壮行会?みたいなのをするみたいだから着いてきたんだ!!そこのデザートが楽しみで!!」

 

「お、良いじゃねぇか。でも食べすぎるなよ、食べちまったらちゃんと動けよ。」

 

「分かってるよ、 そんなバカじゃないよ!!」

 

伊月くん、子供と打ち解けるの早いなぁ....それに雰囲気も柔らかい。黒獅子の時のことを知ってるからやっぱり新鮮。

 

「なら親の連絡先とか持ってないか?そこからお母さん呼べばいけるだろ?」

 

「でも、携帯ないし.....」

 

「俺のがある。あるならこれでかけな。」

 

「うん.....」

 

「でもよく分かったよね、伊月くん、子供が連絡先持ってるって。」

 

「ここより外から来てるなら恐らくはぐれることも想定してるはずだし、何よりここら辺は特徴らしい何かが少ない。それを目印に、とも言い難い。だったら誰かから連絡を入れてもらってその場がどこかを聞くんだろうよ。まぁベストははぐれないようにすることだろうけどさ。」

 

「そ、そうなんだ.....」

 

「花陽、少しついてきてくれ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

夕方

 

「ところで何かあったの?」

 

「これ、渡しとかないとな.....おめでとう、花陽。これは俺と那月からのプレゼントだ。」

 

「え!?あ、ありがとう....ございます。」

 

プレゼントされたのは.....ガーネットが使われた髪をまとめるゴム、そしてこれは....ペン?

 

「ガーネットは1月の誕生石だから使ったんだ.....那月がな。もうひとつのペンだ。俺が作ったな。」

 

「ペンを作ったんですか!?」

 

「うちの部下にそれに詳しいやつがいてな....加工までしてもらったんだ。ペンの側面、見てみろよ。」

 

 

そこには....HAPPY BIRTHDAY 花陽と書かれていました。.....すごい、凝ってるよ。

 

「あ、そうだ、花陽。」

 

「何?伊月くん?」

 

「先輩として、ってなやんでただろ?それだけどさ.....今のままいれば尊敬されると思うぜ。」

 

「それはどうして.....?」

 

「花陽は人を見るのが上手い.....それは個人の才能を開花させるのでも使えるし、自分に向けられるなら自分の長所を見つけられる。あとな.....尊敬されるか不安なら.....」

 

「不安なら?」

 

「背中で語れ。今の花陽が先輩になって、後輩に親身になって相談したり寄り添ってあげたり.....今と同じことをちゃんとしていれば....後輩からしたらお前はこの太陽みたいに明るくて眩しいと思える、尊敬できる人と思われるぜ。」

 

「そ、それ本当.....?」

 

「だと思うぜ。だから何も気にする必要ないよ、もし不安なら相談してくれよ.....俺がいるからさ。」

 

 

ありがとう....伊月くん。」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「ううん、なんでもない。」

 

ありがとう、伊月くん.....私も頑張るよ。そして....誕生日プレゼントありがとう.....ここまで凝ってくれてありがとう....。




0時0分に投稿出来なかった.....悔しいです。
花陽ちゃん、誕生日おめでとうございます!!しっかり芯があるところとか可愛らしいところが好きです!!


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園田海未生誕記念編 あなたを想って

推しの誕生日が来たんだ.....
しばらく投稿出来てなくて申し訳ないです。


「こう構えるのか?」

 

「はい、そこから呼吸して打つタイミングを整えてください。」

 

「ああ.....」

 

「初めてにしては中々筋がいいですね。」

 

「そうか?ただ海未の指示に従ってやっただけだけどな。」

 

「それでも筋はいい方ですよ。初めての方は大体最後の整えるところが出来ないので。」

 

今日は私の誕生日です。ですが、私は穂乃果やことりのように普通の女子高校生が行く所や、男子高校生が行きたがる場所が分からないので、今日は伊月に弓道や日本文化を教えています。私の家は日舞の家元ですのでそういったことなら教えられるかと.....

 

「やってる人を見てすげぇなとは思ったが、いざ自分でやってみると難しさを改めて実感するよ。海未は凄いな。」

 

「いえ、私はクラブ活動してやっていますから、全くの初心者の伊月よりは出来て当然ですよ。」

 

「そんなもん、なのか.....」

 

「はい。」

 

「というか.....皆怖がってないか。俺が弓矢持った瞬間に皆ふるえてたけど。」

 

「それは伊月の雰囲気が怖いからですよ。慣れた私たちならともかく関わりが少ないと貴方は怖く感じてしまいますから。」

 

「そうか.....でも弓道部の人達からしたらアイドルやってるお前も結構変わって見えるんじゃないか?投げキッスしたりとか部活じゃ滅多に見せない笑顔とか....」

 

「そ、それは恥ずかしいから言わないでください!!」

 

「あ、わりぃ.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

昼間

 

「なあ、昼だしどっかで食べていかないか?」

 

「そうですね......晩にはパーティーがありますしあまり食べ過ぎないようにはしないと.....」

 

「それはそうだな。じゃああそこの店でもいくか。」

 

「そうですね。」

 

 

 

 

「いらっしゃいませ!!おふたり様でしょうか?」

 

「はい、海未、テーブルとカウンターとっちがいい?」

 

「私はどっちでもいいですよ、伊月の好きな方で。」

 

「じゃあテーブルでお願いします。」

 

「はい、分かりました!!おふたり様はカップルですか?」

 

「か、かかかかカップル!?」

 

「はい、当店ではカップル割というのを今の期間開催しておりまして、」

 

「俺たちはカップルではありませんよ。」

 

「そうでしたか.....すみません。」

 

「別に気にする必要は何もありませんよ。」

 

.......何故すぐ断ったのですか.....少しくらい、戸惑ってくれたっていいじゃないですか.....

 

 

 

 

「海未?なんでちょっと不機嫌なんだ?」

 

「なんでさっきすぐ断ったんですか.....?」

 

「え?そりゃあ海未と俺じゃ釣り合わないしな。もし嘘でもカップルって言っちまったら海未に失礼だろ?」

 

伊月は.....こういうところは生真面目ですね。そういうところが、いいのですが.....1人の女の子としては、もう少し戸惑ってくれた方がありがたかったです.....

 

「そうですが.....」

 

「?.......まぁこれは言い訳みたいかもしれないけどさ.....俺は海未が誠実な人間だって知ってるからさ、嘘でまみれた俺がそんな嘘ついちまったら海未に嫌な思いさせてしまうかもなってのも考えたんだが.....」

 

「ちょっと待ってください。」

 

どうして伊月くんは......

 

「ん?どうした?」

 

「嘘でまみれている訳ないじゃないですか!!誕生日だから少し本音を話しますけど、どうして伊月は自分を卑下しがちなんですか!!」

 

「海未、ここ店だから.....その話は後にしよう。」

 

「あっ.....すみません。」

 

それから私たちは嫌な雰囲気で食べる訳にもいかなかったので、世間話でもしました。でも.....ずっと思っていたこと.....皆が思っていたこと、言わせてください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「伊月.....誕生日だから少しだけ私の我儘を聞いて貰ってもいいですか?」

 

「さっきのことか.....いいぞ。」

 

「では.....伊月はどうしてそこまで自分を見ようとしないのですか!?私は、いや私たちは知っていますよ、伊月が私たちの為に命をかけてくれたこと、そして.....ずっと私たちのことを支えてくれたこと、それは決して普通のサポーターのようなことは殆どしませんでしたよ。それでも貴方は私たちの心の支えになってくれました。絵里や真姫だって.....ずっと貴方に感謝したいんですよ!!それをどうしてああ卑下してなかったことにするんですか!!」

 

私にはそれが悲しい.....確かにあなたは褒められた人間ではないかもしれない、けど誰よりも人の醜い部分を知って.....そしてその対になる優しさも、温かさも知っている。伊月はなぜそれを否定するのですか.....

 

「.....海未、俺の過去は分かるだろ?俺の血のことも.....それが全てだ。たとえ俺がどんなことをしようとも.....所詮俺は穢れた血の.....金と権力によって生み出された存在なんだよ。本来はお前たちとは交わったらいけない存在なんだ.....はっきり言っちまったら俺はお前達のことをサポートしたのは、お前たちが大切だから、そして自身への贖罪だと思っている.....」

 

「贖罪、どういうことですか?」

 

「言葉通りだ。お前たちは俺に光をくれた。本来は闇の中で生きていかなきゃいけない俺に.....だから俺はお前たちに報いるのは当然だし、迷惑をかけてしまったお前たちへの罪の償いでもあるんだ。」

 

違う.....光をくれたのは、伊月、貴方です。μ'sだって最初から勢いがよかった訳じゃない....あの日、穂乃果に光を戻したのは誰ですか.....真姫の心を開いたのは誰ですか.....目標を見失い、辛かった私に道を、光をくれたのは誰ですか.....それが本当に闇に染まった人間に出来ますか.....光を失った人間に出来ると言うのですか.....

 

「.......ふざけないでください!!!何が贖罪なんですか!!たとえその行いがそうだったとしても、私たちからしたら大きく助けてもらってるんですよ!!それでどれだけ.....私たちが心から救われたと思っているんですか!!それに...,もう伊月が自分を傷つけるところを見たくないんです。私たちはあの時、どれだけ貴方が自分を汚いと思ってもあなたを受け入れると誓いました。そして....あの約束は同時に、貴方に貴方のことを知って欲しかったからです。.......人間の暗い部分も受け入れた貴方だからこそ、そういう気持ちを持っていて欲しいんです。そう思っては.....いけないんですか.....私は貴方を生まれや血ぇなんかで判断したくない、たとえ貴方がそれが正しいと考えても.....穂乃果も、ことりも、.....皆そうです。うぅ.....」

 

「.........泣くなよ。」

 

「もし伊月が.....誕生日プレゼントをくれるというなら.....私は貴方に自分のしたことに誇りを持って欲しいです。それさえあれば.....私は満足です。」

 

「.....難しいぞ。多分1年かかるかもしれないし。」

 

「それでも構いません.....貴方がそうやって向き合ってくれるならそれで....」

 

「.....頑張るよ。でも誕生日プレゼントがそれだけじゃつまらないだろ。」

 

「え.....?」

 

「これ、頑張って買ったやつを加工したりしたんだが....なにせ不器用でな、出来が悪いことは言わないでくれ。」

 

「これは.....何でしょう?」

 

「俺も正式名称は知らない。なんかペンダントの先端部分が豪華になったやつ、としか言えないな。」

 

「この真ん中の石は.....サファイアともうひとつは?」

 

「ブラッドストーンだ。どっちも3月の誕生石だ。」

 

「よく知ってますね。ではさっそく....どうですか?」

 

「凛とした雰囲気に合ってると思うよ。」

 

「そうですか.....それは嬉しいです。伊月がくれたものですから、似合わないはずはありませんか。」

 

「ちょっとハードルを上げるの辞めてくれよ.....」

 

「ふふっ、普段のレッスンでは立場が逆ですから、少しお返ししただけですよ。」

 

「そんなプレッシャーかけた覚えはないけどな.....」

 

「.....貴方から見た私はどう見えるのですか?」

 

「ん?そうだな.....凛とした可愛さも持ち合わせる人だと思うけどな。」

 

「.....よくすらすら言えますね。」

 

「お前らのことは近くで見てきたから分かる。色々あるけど.....俺はお前らを支え、見ていくと決めた。それで分かってなかったら色々問題だからな。」

 

「そうかもしれませんね。」




海未ちゃんおめでとうございます!!僕が海未推しになったのは1期の最後です。途中の仕草も可愛いなと思いながら、主人公である穂乃果のことを大切に考えそして不器用ながらも支えようとする姿勢を見て凄いなと思ったことがきっかけです。2期では顔芸もありましたが.....個人的にはμ'sの中で自分という像を見つけるのに苦労した人物だと思います。


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西木野真姫生誕記念編 あなたという人

物語自体が終わっているので、ちょっと時系列や内容の質がおかしいかもしれませんが許して。なのでちょっとしたifストーリー的な感じにしました。


「料理を教えて欲しい?」

 

「ええ、私もさすがに出来ないとまずいし。」

 

この前絵里や海未と料理をした事があったけれど明らかにレベルが違った.....特に絵里に関しては伊月を意識しているのか新妻感が凄かった。私もああいう風になりたいわね。

 

「別にいいが....今日か?」

 

「ええ、今日よ。」

 

「今日って.....お前の誕生日じゃなかったか?誕生日をいつでもできる料理に使うのか?」

 

「ええ、私が過ごしたいように過ごすのよ。伊月もリフレッシュがてら何かするのもいいわよ。色々あったんだから.....」

 

「まぁ.....その一節はご迷惑をかけたな。まぁいいや。じゃあ料理するか。」

 

 

 

 

 

 

 

「で、何か作るのか?」

 

「そうね.....やっぱり定番の肉じゃがでも作れればいいわね。」

 

肉じゃがは作れた方がいいってにこちゃんも言ってたし、それになんかイメージ的に肉じゃが作れたら少しはいい感じの雰囲気出せるかな。

 

「肉じゃがか.....オッケ、じゃあ普通の作るか。とりあえず人参を乱切りしてくれ。」

 

「乱切り....どうやるの?」

 

「家庭科でやらなかったか?えっと.....手をこうやってだな。」

 

「ちょ、伊月!?」

 

私は手を伊月に触られてびっくりした。嫌ってわけじゃない。温もりを感じれるからいい.....じゃなくて。

 

「えっ.....まずかったか。」

 

伊月が凄く申し訳のなさそうな顔をしている.....うぅ、そんなつもりは無かったのに.....

 

「あ、別に不味いってわけじゃなくて....そ、その。恥ずかしかったのよ!!」

 

「そうか、悪かったな。」

 

「で、でもやり方が分からないから....さっきみたいに教えてくれるかしら?」

 

「それはリードしながらってことか?」

 

「ええ、そうしてって言ってるの。」

 

そして、伊月は私が手を怪我しないように包んで、そして包丁を動かした。やっぱり慣れてるわね....

 

「ん?どうした?顔が赤いが。」

 

「い、いえなんでも無いわよ!?」

 

危ないわ.....伊月が鈍感で良かった。普通なら何かしらバレるけど.....

 

「.....一応換気はしてるから暑くはないんだがな.....暑いか?」

 

「い、いいえ。そこは大丈夫よ。」

 

「じゃあ続きやるか。人参は済んだから....次は玉ねぎか。ちょっと目に染みるかもしれないけど、大丈夫か?」

 

「そこは大丈夫よ。以前にもやったことあるから。」

 

玉ねぎって目に来る時と来ない時の差が凄い.....私も最初目に入った時全国の料理をしている人と家にいる料理作る人が凄いと感じたわ。

 

「伊月は大丈夫なの?そこら辺は。」

 

「まぁ、俺に関しては目にガスとか入ったこともあるし痛みとかには慣れてるからな。」

 

「嫌な慣れね。」

 

そう雑談をしながら私と伊月は料理を続けた。時々伊月がアドバイスをしてくれるけれど.....ホント伊月のスペックってどうなってるのかしら。

 

「真姫、緊張してるのか?ちょっと包丁強く握りすぎだぞ。」

 

「え、そ、そうかしら....」

 

「あんまり強く握らない方がいいぞ。固いもの切る時はちゃんと握らなきゃいけないけどな。後は持ち方か。別に今の持ち方で悪くないけど、刃のところを少しは掴んでもいいからな。指で挟むって言えばいいのか.....まぁこうやるんだ。」

 

「確かに.....しっくり来るわね。」

 

「まぁそこら辺は慣れだな。自分で合うやつを探せばいい。」

 

そして作業も進み、弱火で煮込む段階まで行った。少し落ち着いたかしら.....

 

 

 

「ねぇ、伊月。」

 

「ん?どうした?」

 

「その.....伊月は、将来の事とか考えたこと.....ある?」

 

「将来.....か。俺も血の力を酷使したからあんまり長くは生きれないし.....考えたこともないな。」

 

「そう....」

 

「真姫には.....いや、お前は医者になるんだったか。」

 

 

「ええ、私はパパを継いで医者になるのが将来の目標だけれど...それともう1つ家庭がどうなってるかなって。」

 

「家庭?」

 

「ええ.....その、μ'sの皆にも、私にも.....ちゃんと旦那さんを迎え入れて家族を作る未来があるのかなって.....」

 

「それはあるだろうな....ま、楽しみにしておくよ。」

 

「楽しみに?」

 

伊月が他人事のような事を言い出した。多分μ'sのメンバー.....というか私や絵里はおそらく伊月のことが好き.....そうなる未来を望んでいる。

 

「ん?お前らが作る未来ってやつを楽しみにしてるってことだよ。その頃まで俺が生きてるか分からねぇけどな.....」

 

「伊月はその.....私たちの誰かと、結婚したいとかそういう願望は無いの....?」

 

その返答次第では私多分立ち直れなくなる可能性はあるけれど....気にはなる。

 

「そうだな.....俺には無いな。さっきも言ったけど俺にはあんまり長い寿命は残されていないからな.....誰かと結婚したとして、その家族を置いて逝っちまうっていうのは.....残酷だろ?」

 

伊月はどこか暗い感じに言った。確かに.....伊月がすぐ亡くなったら....折角掴んだ未来が、消える.....ということなのかしら。

 

「それを大事なお前らなんかに味あわせたくはない.....そっちの気持ちの方が大きいな。」

 

「大きい?他にも何か理由があるの?」

 

「まぁ.....俺はお前らを幸せにする力が無いからな。もっといい人と出会って、幸せな家庭を築いてくれれば、俺は幸せだよ。真姫とかはさ、許嫁とかも探せばいそうだしさ。」

 

「ふん!!」

 

「いった!!つま先、つま先来るかよ.....」

 

ちょっとデリカシーが無いんじゃないかしら?確かに結婚した時に財産的なこととかを考えればそうかもしれないけど.....私の幸せは.....遠のく。

 

「私は.....その.....伊月と、築けたらなぁって.....」

 

つい口に出てしまったけどもうこの際構わないわ.....どういう反応をするか。

 

「そうか.....それは嬉しいな。だけど俺には医療の知識も無ければ釣り合う程の経歴も無い.....それが不安で仕方ねぇよ。」

 

伊月なりに私の心配をしてくれているのは分かるのだけれど.....

 

「なら.....私が治してあげる。」

 

「は?いきなり何言ってるんだ?」

 

「その.....伊月の短命の理由を研究して.....伊月が普通の人間として生きられる道を探すわ。」

 

「そうか.....そいつは嬉しいねぇ。」

 

伊月はどこか遠くを見ているような感じはしたけど....嬉しそうな感じは伝わってくる。こういうところは.....子供っぽいわね。

 

「ちょっとだけ鍋見ててくれるか?取りに行ってくるわ。」

 

「え?何を.....ちょっと!?」

 

伊月は私を台所に残し、部屋へ行った。何か隠し味でもあるのかしら。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「....柔らかくなったわね。そろそろ火を止めようかしら。」

 

私は菜箸で状態を確認して火を止めた。伊月との共同作業.....これが日常となる未来が来ればいいわね。

 

「お待たせ、待たせたな。」

 

「どこに行って.....ってそれ。」

 

「あぁ、誕生日プレゼント。ちょっと部屋で包みをちょっと結んでたら時間かかってな。」

 

「開けても.....いいかしら?」

 

伊月がくれたのは.....これは、白衣.....?

 

「なんかさ、医者ってイメージがあんまり湧かなくてさ。真姫はお金持ちだし大抵の物は貰ってそうだから俺なりに考えたんだけど....どうだ?」

 

伊月は、白衣と名札と.....多分医者を想像して用意できる範囲でやったんでしょうね。地味にメスが入っているのは怖いけど...

 

「ありがとう.....大切に使わせてもらうわね。」

 

私も医者になったらこれを着て仕事をしようかしら.....病院がくれる白衣よりも先に使わないと。

 

「後はこれ。」

 

「腕輪?しかもこれは.....」

 

「ダイアモンドや水晶でデコレーションしたやつだ。一応4月の誕生石だろ?まぁそのなんだ....真姫は医者になるわけだし色々イバラの道通るだろうからさ.....潜在的な能力解放とかそういう祈願も含めて作ったんだ。」

 

「そう.....」

 

「真姫?なんで泣いてるんだ?」

 

「いえ、貴方からこんな気持ちを込めてもらったプレゼントを貰ったんだもの.....嬉しくて。」

 

「.....随分素直だな。」

 

「私にも素直になる時くらいあるわよ。」

 

ちょっと失礼だなとは思ったけど...プレゼントに免じて許してあげるわ。特別よ?

 

「真姫、誕生日おめでとう。まぁその.....初期からずっと俺の事を信じてくれたり支えてくれてありがとうな。」

 

「ええ...それくらい当然よ。」

 

「なぁ.....真姫。」

 

「どうしたの?」

 

「さっきの話の続きなんだけど、真姫にはきっと釣り合うというか....俺を超えるいい人がきっと居るはずだ。だから.....その人を探してくれ。」

 

「伊月以外なんて.....いるわけないじゃない。」

 

「俺はまだ1年ちょっとだ。医学部にいけば何年も一緒にいる....その上でどうか考えてくれ。もし見つかったら俺の血の研究は諦めて幸せな家庭を築いてくれ。」

 

「.....どういうこと?」

 

発言の意味が分からなかった。どうして結婚することと諦めることが繋がるの?

 

「幸せな家庭を築いて欲しい。それを俺の血の研究なんかで潰して欲しくない。もしそれでも自分が認められる人と出会わなかったら.....その時は俺のことを考えてくれ。そして、血の研究をしてくれればいい。その時は俺も真剣に考える。」

 

「.....言ったわね?言質取るわよ?」

 

「でもそれを確定路線にはしないでくれ。頼む。」

 

「....まぁいいわ。誕生日だし、許してあげる。」

 

でもこれは.....実質伊月と結婚する未来を掴めたということでいいわよね.....でもその為には血の研究もしないといけない.....道が厳しいわね。

 

「ふふっ、実質伊月からプロポーズしてもらったってことでいいかしら?」

 

「誰もそんなこと言ってないんだが.....まぁいいか。でもちゃんと自分と見合う人は見つけてくれよ。」

 

「それは分かってるわよ。」

 

きっと伊月は未来でもあの手この手で頑張って私を他人とくっつけるでしょうけど.....絶対に手に入れてみせるわ。この腕輪もあるもの.....




真姫ちゃん誕生日おめでとうございます!!あのクールな感じや強がるところも可愛いですよね.....


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東條希生誕記念編 輝いてる

今この二次創作読んでる人って殆どいないだろうなぁ.....受験生故に忙しくて例の0時投稿が.....


「撮影?スクールアイドルなのにそんなのがあるのか。」

 

「ううん。正確に言うとサマーキャンペーンの撮影に選ばれたんよ。うちらのPV見た人が希ちゃんにぜひっ!って。」

 

「それは良かったな。で、用はなんだ?わざわざ休日に俺の家に来るなんて。」

 

「ふふん、伊月くんにはうちのアシスタントをしてもらいます!!」

 

「.....はい?」

 

「実はその撮影の時にサポートの人を1人連れてきてって言われてるんよ。」

 

「だったら絵里とかでいいんじゃないのか?」

 

「うちも絵里ちに頼んだんやけど、用事があるって断られたし、にこっちもその日は別のスクールアイドルのライブがあるから見に行きたいんだって。(まぁ本音を言えば伊月くんと2人の時間が欲しいんやけどね.....絵里ちや真姫ちゃんみたいにうちは積極性ないし.....)」

 

「....週末だったか?分かった。行こう。」

 

「うん!そうこなくっちゃ!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

週末 ビーチサイド

 

いざ撮影するとなると緊張するね....他の子達もいるけどやっぱりサポートは女の子やった.....伊月くん、大丈夫かな?

 

「それで、俺は何をすればいい?」

 

「うーんと.....後でうちと何枚か撮るねんて。」

 

「.....本当に俺とで大丈夫なのか?色々問題のような気がするんだが.....」

 

「大丈夫大丈夫!伊月くんはもう有名人になっちゃったし、うちらと関係があるんやから、別にええやん!」

 

内心緊張しながらも余裕を装う。まぁ本音はこの写真で真姫ちゃんや絵里ちがどんな反応するかっていうのもあるけど.....でも、伊月くんと話してみたいっていうのもあるからね。

 

 

カメラマン「じゃあ、希ちゃんとサポートの子、準備お願い!」

 

「はぁい!伊月くんも行こ!」

 

「ああ....分かったから手を離してくれ。」

 

「あっ、ごめん。」

 

撮影は順調に進んだ。最初はうちだけで何枚か撮影をしている。ところどころちょっとポーズが気になるところもあったけど.....まぁ気にしない。

 

ザワザワ.....

 

やっぱり貸切ではない所で撮影してるから周りの人達が物珍しそうにこっちを見ている。そんなに見つめられると....恥ずかしいやん。そして伊月くんが何をしているかというと.....

 

「とりあえず出番まで砂浜で走るか....まぁこんだけ人がいれば大丈夫だろう。」

 

ある意味いつも通りだった。でもうちの近くからはあんまり離れていない所を見るとちゃんとこっちにも気を使ってるのが分かる。

 

(それにしてもスクールアイドルの人気ってやっぱ凄いんだな.....普段あいつらと一緒にいるから全く分からなかったけど改めて見るとすごいな。)

 

一般人「やっぱのんたんすげぇ!!これ絶対買おう!」

 

「これいつ発売なんだろ.....」

 

「カメラマンは足りないな。もっと攻めてもいいだろ!」

 

.......まぁめっちゃ賑やか。俺はこういう系の賑やかさはあまり好き好んではいない。でも、希が皆から愛されてるのは嬉しいな。

 

「しばらくは邪魔しちゃ悪いな.....」

 

俺は人混みを利用して少し遠くへ行った。何枚かで済むとか言ってたけどカメラマンも熱入って多分俺の事忘れてるだろうしな.....

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

青い空、輝く太陽、爽やかな風、そしてそれを反射して輝いている海.....6月なのにもうこうなのか。

 

「曇りない.....綺麗だな。」

 

こんなところには滅多に来たことが無いからか海がとても綺麗に見える。.....それこそ、自分という存在が汚れそのもののように感じるのも理由のひとつだけど。.....誰かいる

 

パシャッ! Σp[【◎】]ω・´)

 

「....希か。撮影は終わったのか?」

 

「うちはまだ休憩。伊月くんが雰囲気に似合ってたから1枚撮ったよ。見る?」

 

「別にいい。あとで消しといてくれ。俺にこんな綺麗な景色は似合わない。」

 

「そう?うちからしたらすごく合ってると思うけどな〜。」

 

「.....そうか。」

 

「伊月くんも真姫ちゃんと似て少しめんどくさいところあるよね〜。」

 

「まぁそうだろうな。」

 

「自覚はあるんやね。」

 

「いやまぁな.....普通の男子高校生に比べたらよっぽど面倒だろうな。それに、今日は希の撮影なんだから、俺のことは放って集中してくれ。大丈夫だ。チンピラが来た時は俺がなんとかしてやるから。」

 

パシャッ! Σp[【◎】]ω・´)

 

「.....なんだよ。」

 

「いや〜、伊月くんがカッコイイ顔してたから撮っとこうかなって。真夏の太陽の下に光る決意?みたいな。」

 

「変わった題名だな....」

 

「じゃあ、うちも戻らせてもらうからぼちぼち戻って来てな〜。」

 

「ああ....参ったな。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

戻ったら戻ったでいきなり騒がしいな.....なんだこれ

 

「おい、そこの兄ちゃん!」

 

「あ?なんだ?」

 

「今すぐ財布を置いてここから去りな!」

 

「.....場所考えろよ。なんでこんな砂浜でやるんだ。」

 

「舐めた口聞いてんじゃねぇよ!」

 

周りの人が皆揃ってビビってるのはそれが原因か.....希はどこに行った。いや、カメラマンもいない。

 

「おい無視か!」

 

「ここにさっき居た子達はどうした?」

 

「ここに.....あぁ、あの豊かな胸の女の子か!それならさっき拉致ったよ!あとでいっぱい可愛がってやるからなぁ....それにしても他にも美味そうな女が沢山いて、ここら辺はいいぜ.....」

 

こいつ....

 

「おっと近づくなよ!この子がどうなってもいいのか!?」

 

「なっ.....人質かよ。」

 

その男は多分近くで拉致ってきたであろう中学生を人質に取り、顔に銃口を突きつけている。なんで行く先で毎回こんな事件に会うんだ.....

 

「大事なこれを.....汚すわけにはいかないからな。」

 

「へっへっへ.....抵抗できないみたいだな。おいお前ら、こいつやっちまえ!」

 

気づけば周りにあの男の仲間らしき人間が俺を取り囲んでいた。近くにいる人は携帯を取られたのか持っていないのか通報する気配もない。というかこいつらの仲間ってこれで全部か.....だったら今逃げ出せると思うんだが....男たちはナイフなりカイザーナックルなりを付けている。

 

「大事なものを汚す訳にはいかないんだ.....どけ。」

 

「あ!?大人をからかったらどうなるか教えてやるよ!」

 

俺は横に付けていたハンドガンを取り出し、目の前の男のこめかみぎりぎりを撃った。銃弾がかすったことで傷がついたみたいだ。

 

「.....次は外さないからな。どいてくれ。」

 

後ろからこっそり殴ろうとしてきた男の攻撃をよけ頭を蹴る。どうやら砂浜のせいかあんまり動けていないみたいだ。

 

「お前!?銃持ってるとか犯罪だろ!」

 

「あぁそうさ。こちとら警察からウザがられてるんでね。今更そんな事を言われようが関係ないね。それにお前らは銃を持ってるんだ。正当防衛として、やらせてもらうからな。」

 

さすがに実弾発砲が怖かったのか、目の前のやつはガタガタ震えて上の空になっている。他のやつも自分が撃たれるのではと考えたのか自然と俺から距離を取った。

 

「あとはお前だ....覚悟しろよ。俺の前で汚いことしやがって。」

 

「お、お前は一体誰だ!?」

 

「俺は『黒獅子』、お前銃を持ってるあたり裏サイトと通じてるだろ?だったら俺の名前くらいは知ってるよな?」

 

「一条.....伊月....」

 

「俺の仲間を.....希を返してもらおうか。」

 

「ふ、ふざけるな!」

 

そいつは俺に向け発砲した....咄嗟の事だから直撃は避けたがちょっとかすった。

 

「危ねぇだろ....後ろの人に当たったらどうするんだ!?」

 

「ひっ....!」

 

そしてその男は人質を捨て逃げた.....あとで警察に少しお世話になるか。

 

「あんた、大丈夫か?」

 

「あ、は、はい....」

 

「よく頑張ったな。とりあえずさっさと友達か親の所に帰って顔を見せろ。」

 

 

 

バン

 

「おいのぞ.....何にやにやしてるんだ。」

 

「別にー、伊月くんはやっぱり伊月くんやなぁって。」

 

カメラマン「いやー、すみませんね。今回は協力してもらって!」

 

「は?何の話だ?」

 

「実は今回のうちの撮影っていうのは嘘なんよ.....嘘企画とかではないんやけどね。」

 

「.....って、あんたよく見たら佐山さんの部下じゃないか。」

 

「そうなんすよ!この撮影も兼ねて一条伊月の動きも見れるから楽しみだったよ!今回の事も是非記事にさせてもらうね!」

 

「ということはあいつらは....」

 

「はい!君がかつて壊滅させたギャングの残党です!」

 

「....やけに銃の扱いが慣れてるあたりそこら辺だろうとは思ったけど...

...とりあえず元に戻ろう。」

 

 

 

 

 

 

夕方

 

「なんだかんだ、1日終わりそうだな。」

 

「うんうん!伊月くんが助けにきてくれて嬉しかったし.....」

 

「俺が助けるのは当然だ。俺にとってお前は大切な人、だからな.....これ、」

 

「ん?これって.....イヤリング?」

 

「ああ。」

 

「ムーンストーンとパール....6月の誕生石で揃えてくれたん?」

 

「やっぱ希は分かるんだな。あんまり上手く作れた自信が無いんだけどな.....」

 

「ううん.....このイヤリングから、伊月くんの気持ちが伝わるよ。うちには分かるんよ、このスピリチュアルな感じが.....」

 

「.....なら良かった。」

 

「....ふふっ、どう?」

 

「.....似合ってるな。ちょうど夕日も相まって輝いてる.....」

 

「ふふっ、それを言ったら伊月くんも輝いてる。その綺麗な目.....宝石みたい。」

 

「そうか.....あんまり目にはいい思い出がないからな.....」

 

「神山のこともあるもんね....」

 

「.....もう大丈夫だ。俺はもうあの頃の俺じゃない。今はお前がいる。それが、何よりの支えだ。」

 

「.....その言葉が、1番の誕生日プレゼントかもね。」




希ちゃん、誕生日おめでとうございます!


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