時の王のヒーローアカデミア (揚げ物・鉄火)
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0ページ目 キャラ紹介

チラッチラッ…
(誰も見てないな…)ソッ

設定集をそっと投稿です。


氏名.時乃 王魔

 

情報.

本作の主人公であり転生者。

 

平成仮面ライダーが好きでクウガ~ジオウ本編.映画を含め全て視聴済み。

全ライダーの中でも全てのライダーの力を持ったオーマジオウが一番好き。

怪人で言えばグラファイトが一番好き。

『オーマジオウドライバー』と『オーマジオウライドウォッチ』を買った帰りに急死した。

 

その後、転生の間みたいな白い空間に魂だけの状態で呼ばれ『転生する世界がランダムな代わり好きな力を2つまで選んでいいよ~』と言われたので迷わず『オーマジオウの力』を選んだ。

その次に『ジオウ本編のキャラ達』を選んだ。

 

ヒロアカについては最初の数話と映画の予告編しか知らない。

 

外見.

黄色い目に黒髪。

ウォズとスウォルツに鍛えられまくったせいで腹筋が割れた細マッチョ状態。

 

身長.

現在172cm

未来.185cm

 

性格.

結構優しい。

個性の関係上たまに威圧的になるが心を開いた相手になら普通に接する。

 

個性.

逢魔時王(オーマジオウ)

能力.

オーマジオウに変身できる。

ジオウの全フォームに変身できる。

全ライダーの武器をライドウォッチを使って召喚できる(慣れればライドウォッチを使わなくても召喚できる)。

 

趣味.

音楽鑑賞

 

好きなプロヒーロー.

1位.オールマイト

2位.ミルコ

3位.ベストジーニスト

4位.ウォズ

5位.シンリンカムイ

 

今欲しい物.

友だちor同士

 

要らない物.

忠誠心の高すぎる部下(カッシーン等)

 

常時保有しているライドウォッチ.

ジオウライドウォッチ.

ジオウⅡライドウォッチ.

ジオウトリニティライドウォッチ.

グランドジオウライドウォッチ.

 

『レジェンドライドウォッチ』

ブレイドライドウォッチ.

カブトライドウォッチ.

ディケイドライドウォッチ.

ダブルライドウォッチ.

オーズライドウォッチ.

フォーゼライドウォッチ.

鎧武ライドウォッチ.

エグゼイドライドウォッチ.

ビルドライドウォッチ.

 

 

 

二人目.

 

氏名.明光院 ゲイツ

 

情報.

ジオウの本編で完全にヒロインをやっていた二号ライダー。

ジオウ本編のように未来から来たのではなく家庭の事情で時乃ハウス(クジゴジ堂擬き)に預けられた。

時乃とは、小学生時代からの友達。

 

外見.

ジオウ本編のゲイツと瓜二つ

 

身長.173cm

 

性格.

勝気で優しい。

向上心が凄い。

本当に向上心が凄い(二回目)。

めっちゃいい人。

 

個性.

最高の相棒(二号ライダー)

能力.

仮面ライダーゲイツに変身出来る。

リバイブライドウォッチを使える(克服済み)。

救世主の力(ゲイツマジェスティ)を使える。

 

趣味.

特訓

 

好きなプロヒーロー.

1位.オールマイト

2位.エンデヴァー

3位.リューキュウ

4位.ミルコ

5位.ウォズ

 

欲しい物.

特訓相手

 

要らない物.

白ウォズ

 

常時保有しているライドウォッチ.

ゲイツライドウォッチ.

リバイブライドウォッチ.

ゲイツマジェスティライドウォッチ.

 

『レジェンドライドウォッチ』

龍騎ライドウォッチ.

ファイズライドウォッチ.

ウィザードライドウォッチ.

ドライブライドウォッチ.

ゴーストライドウォッチ.

ゲンムライドウォッチ.

クローズライドウォッチ.

 

 

 

三人目.

 

氏名.月読(ツクヨミ) 有日奈(アルピナ)

 

情報.

ジオウ本編のヒロイン(?)。

終盤で仮面ライダーに変身してスウォルツに背後から光の剣をぶっ刺したり映画でヒューマギアをボコボコにしたり『滅』と『迅』を相手に必殺技をぶっ放したりする戦闘力お化け。

変身前の素の状態でもファイズフォンⅩで怪人と戦ったり時間を止めたり出来る初期から居る強キャラ。

実は(ジオウ本編のネタバレになるのでもう一つの情報は伏せて置く)である。

この作品では、ヒーローランク25位.月光ヒーローツクヨミとして活動している。

素手でヴィランを殴り飛ばす動画がネット上に投降されて一気に有名になった過去を持つ。

 

身長.

168㎝

 

性格.

プライドが高い仲間想い(ツンデレとも言う)。

ジオウ本編より好戦的(パワー系のヴィランをパワー勝負で捻じ伏せる)。

姐御肌

結局めっちゃいい人。

 

個性.

光の戦士

 

趣味.散歩

 

欲しい物.

癒し空間

 

要らない物.

姐御と呼んでくる元チンピラヴィラン。

 

常時保有しているライドウォッチ.

ツクヨミライドウォッチ.

 

『レジェンドライドウォッチ』

クウガライドウォッチ

アギトライドウォッチ

響鬼ライドウォッチ

電王ライドウォッチ

キバライドウォッチ

 

 

 

四人目.

 

氏名.???(通称.ウォズ)

 

情報.

謎の多い男。

自称.ジオウの忠実なる僕。

「祝え!」とかよく言ってる人。

この作品では、個性が発現したその日のうちに時乃の家に凸り家臣として忠誠を誓った。

No.3ヒーロー ウォズの名で絶賛活躍(金稼ぎ)中。

 

身長.

182㎝

 

性格.

我が魔王に心酔しているのでヤンデレに近い何かを発現しかけている。

ヒーローとして活動する際の自分ルールを持っているが時乃の前では存在が危うい。

 

個性.

『祝福』

8歳で発現した。

能力.

祝福の対象(オーマジオウ)が存在する限り自分は常に全盛期の力を発揮出来る。

謎の衝撃破、ストールによるワープ、アナザーライダーの攻撃を素手で受け止める、『逢魔降臨歴』による封印など全てこの個性に依存している。

 

趣味.

「祝え!」の練習。

 

欲しい物.

我が魔王!

 

要らない物.

もう一人の私

 

常時保有しているライドウォッチ.

無し

 

『ミライドウォッチ』

ウォズミライドウォッチ.

シノビミライドウォッチ.

クイズミライドウォッチ.

キカイミライドウォッチ.

ギンガミライドウォッチ.

 

 

 

五人目.

 

氏名.???(通称.スウォルツ)

 

情報.

ジオウ本編でラスボスを務めた男。

様々な世界から怪人やダークライダーを召喚できる能力を持つ平成の締め括りに相応しい強さを持つ。

最後はオーマジオウへと変身した常盤 総悟に倒された。

「意見は求めん!」で有名。

 

この作品では『人類史上最凶最悪のヴィラン』と称されていたが色々あって倒された。

今では性格や強さそのままに最強の主夫になってしまった。

 

身長.

185㎝

 

性格.

傲慢で高圧的。

良い人と化したので横断歩道を渡れない老人や重い荷物を持った老人を率先して助ける。

 

個性.

『アナザーディケイド』&『時間停止』

能力.

アナザーディケイドに変身出来る。

時間を止める事が出来る。

 

趣味.料理

 

欲しい物.

新しい調理器具

 

要らない物.

過去

 

管理しているアナザーウォッチ.

アナザークウガウォッチ

アナザーアギトウォッチ

アナザー龍騎ウォッチ

アナザーリュウガウォッチ

アナザーファイズウォッチ

 

アナザー響鬼ウォッチ

アナザーカブトウォッチ

アナザー電王ウォッチ

 

アナザーディケイドウォッチ

 

アナザーダブルウォッチ

 

アナザーフォーゼウォッチ

アナザーウィザードウォッチ

 

アナザードライブウォッチ(オーラが所持中)

アナザーゴーストウォッチ

アナザーエグゼイドウォッチ

アナザービルドウォッチ

 

 

アナザーシノビウォッチ

アナザークイズウォッチ

アナザーキカイウォッチ

アナザー???ウォッチ

 

 

 

六&七人目.

ウール&オーラ。

 

情報.

ジオウ本編ではタイムジャッカーをしていたがこの作品ではウールがウォズ、オーラがツクヨミの相棒(サイドキック)をしている。

 

個性.

『時間停止』

 

欲しい物.

ウール.ヒーロートップ3のサイン。

 

オーラ.新しい服。

 

所有ウォッチ.

ウール.ブランクウォッチ

オーラ.アナザードライブウォッチ

 

 

 

八人目.

 

氏名.

時乃 総一郎

 

情報.

時乃の叔父にして時乃ハウスの店主。

ボロボロだったスウォルツを助けて改心させた大英雄。

 

身長.

170㎝

 

性格.

聖人君主

 

個性.

『修復』

能力.

どんな物でも完璧に直せる(治せる)

オールマイトやオール・フォー・ワンの傷も修復できる。

 

趣味.料理

 

欲しい物.

皆の幸せ

 

要らない物.

特に無し

 

保有ウォッチ.

???

 

 

 

九人目.

 

氏名.???(白ウォズ)

 

情報.

ジオウ本編でゲイツを救世主呼ばわりして仮面ライダーウォズに変身したりした。

色々あって最終的には、「私が救世主に成る事だ…」と言ってアナザーディエンドに変身したが倒された。

 

この小説では『#(#&$)!&’#%&#$&’!』である。

 

身長.

182㎝

 

性格.

紳士的に見えるが本当は、傲慢で自己中心的。

 

個性.

『???』

能力.

???

 

趣味.

???

 

欲しい物.

憎き魔王の首

 

要らない物.

邪魔者

 

保有中ライドウォッチ.

無し

 

『レジェンドライドウォッチ』

無し

 

『ミライドウォッチ』

シノビミライドウォッチ.

クイズミライドウォッチ.

キカイミライドウォッチ.

 

『アナザーウォッチ』

強化版アナザーブレイドウォッチ

強化版アナザーキバウォッチ

強化版アナザーオーズウォッチ(破壊済み)

アナザー鎧武ウォッチ(破壊済み)

アナザージオウウォッチ(破壊済み)

アナザージオウⅡウォッチ

アナザーディエンドウォッチ




ついでにアンケートに答えて欲しいなぁ…(/ω・\)チラッ

質問等ございましたらどうぞご遠慮なくお願いします。


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1ページ目

書きたくなったので書いただけです。
出来る限り原作を崩壊させないように努力します。
では、どうぞ。
他の作品もちゃんと進んでますよ。
決して行き詰ったからこれを書いているなんかじゃありませんからね…ガクガクブルブル


雄英高校入学試験の日

 

試験終了後の一室

そこで数人の男女、雄英高校の教師陣がとある中学校から送られてきた履歴書を穴が開くほど見ていた。

その履歴書に貼られている写真の生徒は、整った顔立ちで黄色の目に健康的な白い肌に黒い髪をしている。

彼の履歴書とにらめっこしていると今年の春から雄英で働く予定の新人教師のオールマイトが「もう一度映像を確認しましょう」と発言したことで満場一致でもう一度…本日二度目の映像確認をすることになり入学試験実技会場の映像が流れる。

そこには、件の生徒と他の受験者達がスタート地点で待機していた。

 

 

 

 

実技試験会場にて

 

 

スタート地点には、何人もの受験生達がいた。

「……」

皆一様に緊張しており中には、準備をしている者もいる。

 

「…」

だがそんな中一人だけほぼ動かずにいる者がいた。

 

彼からは、圧倒的な『王の風格』を感じることが出来る。

彼が立っているだけで平伏してしまいそうな圧倒的な『なにか』を感じれる。

そんな彼が右手に黒と白のなにかを持ち試験会場を見る。

すると、彼の両目に時計の針のような物が一つずつ現れ一周する。

「ほう…」

何かを視た彼が手にした物を仕舞い腰にベルトを装着し走る準備をする。

 

『スターート!!』

プレゼントマイクが発すると同時に彼は、駆け出す。

 

『どうしたどうした?実践にスタート合図なんてないぜ?もう一人走り出してるぞ!そいつに続け!』

 

その言葉を聞いた受験生達も一斉に走り出した。

 

 

彼は、手に持ったライドウォッチのスイッチを押すと

『ジオウ!』

と音が鳴り後ろに巨大な時計が現れた。

 

「変身ッ!」

彼がそう言い腰に着けたベルトに装填すると彼の後ろにあった時計の針が一回転してライダーの文字が飛ぶ。

 

『Rider time!』

『仮面ライダー!ジオウ!』

そして彼は、黒に所々銀とピンクの線が入った装甲を纏い顔にピンクで『ライダー』と書かれた文字が顔の目の部分に収まり仮面ライダージオウへと変身する。

「なんか…いける気がする!」

そう言って仮想敵達を見る。

 

『標的捕捉!』

『ぶっ殺す!』

『殺す殺す!』

仮想敵もこちらを捕捉し襲い掛かって来る。

 

だが彼は、焦る様子も見せずにいつの間に取り出した剣で次々と仮想敵を倒していく。

「口を慎め…誰に口を利いている?」

「我は、王だぞ!」

 

彼は、それだけ言い放ち次の敵を探しに走って行く。

 

 

 

 

数分後

 

 

 

彼は、『ジオウ、ディケイドアーマー』の状態で剣を構え

『ヘイ!ビルド!』

トリガーを押す。

『ビルド!デュアルタイムブレイク!』

ライドヘイセイバーにドリル状のエネルギーを溜め、目の前の一列に並んだ複数の仮想敵を一気に貫き仮想敵を爆発させる。

 

「これで87ポイントくらい…まだまだ足りない…次の敵は…」

 

ズズウウウウゥゥゥゥン…

ゴゴゴゴゴゴ…

 

「ッ!なんだ!?」

 

新しい仮想敵を探そうとしたとき突如大きな振動が起きて周りのビルを壊しながら0ポイント仮想敵がやって来た。

「う、うわーーー!」

「逃げろ――!」

受験生達が逃げていく中…

 

彼は、0ポイントを見ていた。

「でかいな…どうするか?…ん?あれは…」

0ポイントが壊した瓦礫に脚を挟まれた耳たぶの長い女の子を発見したと同時に駆けつける。

「無事か?」

「え?挟まってるから無事じゃないかな?」

「そうか。ちょっと待ってろ。」

彼は、それだけ言って瓦礫を退かす。

「よし、これでいいか。動けるか?」

「うん、大丈夫ありがとう。じゃあ、早く逃げなきゃ、って…え?」

彼女が逃げようとしたが彼は、0ポイント仮想敵に向かって歩き出した。

 

「ええっ!?ち、ちょっと!なにしてんの!?早く逃げなきゃ!」

「……」

彼は、一瞬だけ彼女の方を見てから0ポイントを見てこう言い放った。

 

「王に後退も逃亡もありえない!それに、ヒーローを目指す者として人々の脅威になりそうな敵を野放しにすることなど出来ない。」

「だからこいつを倒せるうちに倒しておかなければならない。だからこそ…俺が倒す!」

「え?ち、ちょっと!どうする気なの!?」

「こうする!」

そう言ってスタート前に手にしたライドウォッチの上のボタンを押す

 

『ジオウ!(ツー)!』

 

そして左のダイヤルを回しライドウォッチを二つに割る。

 

『ジオウ!』

 

ベルトに装填しベルトを360度回転させる。

「変身ッ!」

 

『『RiderTime』』

 

『仮面ライダー『ライダー』ジオウ『ジオウ』『ジオウ(ツー)』』

 

その音声と共に仮面ライダージオウ(ツー)に変身する。

「さ~て、時間もあんまり残ってない事だし一気に決めるとするか。」

 

彼は、そう言ってライドウォッチのボタンを押しベルトをもう一度360度逆時計周りに回転させる。

 

『『RiderFinishTime!』』

『『トゥワイズ タイム ブレイク!』』

 

その音声が鳴ると0ポイント仮想敵の周りに『キック』のピンク色の文字がいくつも出てくる。

そのまま彼は、0ポイント仮想敵に向かってジャンプし思いっきり飛び蹴りを食らわせる。

「ハァーッ!デリャー!」

 

顔面にもろに飛び蹴りを食らった0ポイント仮想敵は、後ろに少しずつ傾きながら爆発を起こしていき再起不能になる。

と同時に彼も着地する。

スタッ!

「よし、次は…」

彼の目にある時計の針が一回転すると彼が呟く。

「もう無理か…」

 

「終ーーー了----!」

彼が呟いた直後にプレゼントマイクの声が試験会場全体に響き渡る。

 

「大丈夫か?」

「え?う、うん。大丈夫…かな?」

彼は、変身を解除し先ほど助けた女の子に向かって聞き安全確認をする。

「そうか。それなら、よかった。」

「じゃあまた、いつか会えるといいな。」

彼は、それだけ言い残し試験会場を後にした。

 

 

耳郎「あっ…名前聞いてなかった…」

 

 

 

場所と時間が戻りモニター室

 

「「「「「……」」」」」

圧倒的な沈黙が場を支配していた。

 

「…彼の入学を認めよう。」

校長である根津(個性『ハイスペック』を持ったネズミ)がそう発したことで場の沈黙が破られた。

 

「本気ですか…?」

根津の言葉にそう返したのは、プロヒーローイレイザーヘッドこと相澤先生だ。

 

「本気もなにも彼が雄英(うち)に来たのは、今の映像で見た通り彼の危険すぎる個性をヒーローとして使いたいと思っての事だからね。志望理由にもそう書いてあるし。」

根津がそう答える。

 

「いえ私が言っているのは、そういう事ではなく…オールマイト。あなたならわかりますよね?」

相澤先生がオールマイトの方を見て聞く。

 

「相沢先生が言いたいのは…「彼が『オール・フォー・ワン』の関係者である可能性がある。」そういうことですね?」

「ええ…」

オールマイトの言葉に一同が思案顔をする。

 

「そのことについてなら問題ないさ!」

「「「「「???」」」」」

根津の言葉に全員に同じ疑問が浮かぶ。「なにが、大丈夫なのか?」と。

 

「彼について少し調べてみたけど特に問題点は、見つからなかったし態度も真面目成績も優秀だったからね。変な噂もないし敵との繋がりを思わせるようなこともなかったからね!彼は、大丈夫だと思うよ。それでも心配だって言うなら…イレイザー君のクラスに送るよ!」

「…マジですか。」

「マジだ!」

「わかりました…」

 

「オールマイトも彼について聞きたいことがあれば直接聞いてみるといいさ!最悪呼び出せばいいだけだからね!」

「…わかりました。」

 

「では、なにか質問のある先生は、いるかな?」

「「「「「…」」」」」

 

「特にないようなので…時乃 王魔くんの入学を認める!」

根津は、そう言いながら書類に「可決・認可」のハンコを押す。

「じゃあ、次の子なんだけど…」

 

時乃の書類の個性の欄には、『逢魔時王(オーマジオウ)』と記されていた。

 

時乃サイド

 

時乃ハウスにて

 

ガチャッ

「ただいまー。」

「おかえり、我が魔王。」

家に帰ると返事が返ってきた。

返事を返してきたのは、クォーツァーの服を身に纏った黒目黒髪の長身の男性。ウォズだ。

 

「あー、ただいま。ウォズ。」

「そうだ、我が魔王。雄英から手紙が来ているよ。」

「そうか、ありがとう。」

ウォズが渡してきた封筒を受け取り中身を取り出すと小さな機械が出てきた。

 

「なんじゃこりゃ?」

「どうやら投影機のようだね。」

「ふ~ん、ここのボタンか?」

投影機に付いている赤いボタンを押すとオールマイトが投影された。

 

『わーたーしーがー………「溜めるね…」「そのようだね…」投影されたーーーー!!!』

 

『なぜ私が投影されたかって?それは、私が今年の春から雄英に教師になるからだ!』

「うん、知ってた。」

「この本にもそう書いてあるしね。」

 

『では、結果発表といこうか!まず筆記試験は、全教科合格ライン!そして実技試験。君の敵ポイントは、87ポイント!もちろんこれだけでも十分合格だが我々は、もう一つ見ていた。』

「救出ポイントだろ?」

『その名は救出ポイントヒーローたる者自分の身を犠牲にして人を助けることが重要だ!君が少女や他の受験生達をを助ける為に0ポイント仮想敵に立ち向かった。その結果、君の救出ポイントは…33ポイント!合計120ポイント!』

『過去最高得点での主席合格だ!時乃少年ここが君のヒーローアカデミアだ!』

プツンッ

そこで動画切れた。

 

「受かった…!」

「よかったでは、ないか我が魔王!では、祝福しよう!」

「祝え!我が魔王が「そういうのいいから赤飯を炊きにいくぞ。」…了解したよ、我が魔王。」

「あとで、タルトを作るのもいいと思わない?」

「いい考えだね、我が魔王。じゃあ私は、材料を買ってくるよ。」

「分かった。後で一緒に作ろうな。」

「ああ、畏まったよ。」

 

時乃ハウスは、今日も平和である。




はい。てなわけでオリ主は、オーマジオウの力をそのまま持っています。
ヒロインは、耳郎と誰かもう一人を予定しております。
では、また次回!(あるかわからない)


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2ページ目

ええ…約半年ぶりにこの作品を投稿します。
お待たせして申し訳ありませんでした!
特に良い訳はありません。ただ気分が乗らないだけでした。
所々変な場所があると思いますが出来れば教えてください。
あと、まだキャラを模索中なので時乃くんがちょっと威圧的になってます。

では、どうぞ。ごゆっくり!


雄英高校初登校日

 

朝早く起きて朝食を済ませ玄関で登校の準備をしているとウォズがやって来た。

 

「おはよう、我が魔王」

「おはよう、ウォズ」

「今日から高校生だね。ここは、一つ祝うとしよう」

「うん、頼むよ」

 

「祝え!我が魔王が雄英高校の生徒となり最高最善のヒーローへの第一歩を踏み出す瞬間である!」

「さあ、我が魔王!元気よく行って来て歴史に新たな1ページを刻みたまえ!」

 

「うん、ありがとう。ウォズ。じゃあ、行ってくるね」

「気を付けて行きたまえ我が魔王。いってらっしゃい」

 

ガチャッ

キィー…バタン!

 

時乃が出て行ったのを確認したウォズは自分が右手に持っている本『逢魔降臨歴』を開く。

「……行ったか…この本によると今日は、いきなり個性把握テストがあるらしい。そこで我が魔王が叩き出す結果は…おっと、これは、まだ先の話だったね」

「それよりも私が気になるのは、USJの事件…なにか本来の歴史とは、違うことが起きるらしい…我が魔王が全力を出すような事が起きなければなければいいんだけどね…」

ウォズは、本を閉じて玄関扉を見ながらそう呟いた。

 

「ウォズ、仕事に行かなくて良いのか?そろそろ時間だろ。他のみんなは、すでに向かったぞ?」

ウォズの後ろに来た男が声を掛けウォズは返事を返した。

「ああ、すぐ行くよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スウォルツ氏(・・・・・・)

 

 

時乃サイド

 

現在絶賛困っている。

(ふむ…困ったな)

(1-Aの場所どこだ?)

教室の場所が分からずめっちゃ困っている。

 

「どうしたものか?」

「ん?あれは…入試の時の女の子?」

能力を使おうかと思っていたら入試の時に助けた耳たぶが長い女の子を見つけた。

 

相手もこちらに気づいた。

「あ、ねえあなた入試の時うちを助けてくれた人だよね」

「ああ、そうだな」

特に隠す必要もないのでそう返した。

 

「あの時礼を言いそびれていたからさ、今言うよ。助けてくれてありがとう」

「気にしなくていい。当然の事をしたまでだ。それよりも名前聞いていいか?俺は、時乃(ときの) 王魔(おうま)。好きに呼んでいいぞ」

「じゃあ時乃って呼ぶね。うちは、耳郎 響香。好きに呼んで」

「そうか、なら耳郎と呼ばせて貰う。それよりも一緒に教室行かないか?」

「分かった」

自己紹介も済ませて教室に向かった(遠視を使った)。

 

遠視とマッピング機能を使ってやっと教室に着いた。

「着いたね」

ガラッ

 

ドアを開けると

 

「君!机から脚を降ろさないか!この机を使った先輩方や作った方々への配慮の気持ちは無いのか!」

「ねえよ!そんなもん!てめえ、どこ中だよ!端役!」

「ぼ、俺は、私立聡明中学出身、飯田 天哉だ!」

「聡明~?クソエリートじゃねえか!ぶっ殺し甲斐がありそうだ!」

「ぶっ殺し甲斐ッ!ひどいな君!本当にヒーロー志望か?」

「か、かっちゃん…!」

「うわー、すごい子おるね!」

 

(いろいろと酷い)原作組が居た。

原作組ぇ…

「なんか…すごいカオスだね」

 

「早く席に座ろう」

「え、うん。そうだね」

なので無視して席に座った。

 

そうこうしていると声が聞こえて来た。

「お友達ごっこがしたいなら他所へ行け。ここは、ヒーロー科だぞ」

 

気づくと教壇に寝袋があった。

(((((何かいる!!?)))))

「はい、静かになるまで8秒も掛かりました。君達は、合理性に欠けるね」

(((((人?先生?)))))

「今日から君達の担任になった相澤消太だ。よろしく」

(((((担任かよ!?)))))

「さっそくで悪いけど全員体操服に着替えてグラウンドに集合。時間は有限、早くしろ」

軽く自己紹介だけ済ませそう言った。

 

「質問よろしいですか!」

「ダメだ。自分で考えろ」

ガララ

バタン

 

言う事だけ言って相澤先生は、そのまま出て行った。

 

(これって原作通りであってんのかな?帰ったらウォズに聞いてみよう)

原作をほぼ知らないので後で確認することにした。

 

グラウンドにて

 

「では今から個性把握テストを始めます」

「「「「「個性把握テスト!!?」」」」」

相澤先生の予想外の発言にA組全員が驚愕の声を上げる。

 

「入学式は!?ガイダンスは!?」

「ヒーローになるんだったらそんな悠長なことやってる暇なんかないよ。雄英は自由な校風が売り文句そしてそれは教師側もまた然り」

そう言いながら時乃にボールを手渡す。

 

「お前たちも中学のころからやってるだろ?個性禁止の体力テスト…いまだ確執的な記録で平均を取り続けている合理的じゃない。ま文部科学省も怠慢だな。入試主席の時乃、お前中学の時の記録何メートルだ?」

「うん?確か…63メートルくらいだったと思う…」

「じゃあ円から出なければいいから個性を使って思いっきり飛ばせ」

「…分かった」

相澤先生の言葉に時乃が反応し円の中に入る。

 

『ジクウドライバー!』

そして腰に腕時計のような白いベルトを巻き付け両手に時計のような物を二つ取り出し起動させる。

 

『ジオウ!』

『ファイズ!』

二つのライドウォッチをベルトの左右それぞれに装填しベルトの上のボタンを押し少しだけ傾けさせる。

と後ろに巨大なアナログ時計と携帯電話のような物を肩に着けた鎧が現れる。

「…変身!」

そしてベルトを360度、右回転させる。

 

『RiderTime!仮面ライダー!ジオウ!』

『アーマータイム!コンプリート!ファイズ!』

 

と、音声が鳴り時計からピンク色の文字が飛び出し黒をメインに銀とピンクの線が入った装甲を纏った仮面ライダージオウに変身した。

その直後、片膝を地面に着け腕を膝の上に乗せるファイズのポーズを鎧と一緒に取ると鎧が分かれ脚部、胸部を装着されて行き、両肩には携帯電話のような物が装着され最後は、顔の模様が変わり目の部分に『ファイズ』の文字がはまり『仮面ライダージオウ ファイズアーマー』へと姿を変える。

 

「変身した!?」

「カッコいい!」

「なんだあの個性!?」

突如姿を変えた時乃にA組がざわついた。

 

 

 

その頃のウォズ。

「( ゚д゚)ハッ!我が魔王が変身した!?今すぐ祝いに行かなくては!」

「おいウォズ!勝手に帰ろうとするな!」

「し、しかし祝いに行かなくては!私の存在意義が!」

「いいから目の前の(ヴィラン)に集中しろ!」

「うぅ…!クソッ!よくも私の祝え!の時間を邪魔してくれたな!!貴様は完膚無きなまでに叩き潰してやる!」ギンガ!

 

 

 

場所は戻り雄英のグラウンド

時乃はA組と何処からか聞こえて来たウォズの声を気にせず左手にボールを持ち『ファイズフォンX』右手に持ち『555』『ENTER』の順番で入力する。

 

『Ready!Shot On!』

と機械音が鳴り赤いエネルギーが右腕を伝って行き右手にファイズショットが現れる。

 

「そーらっ!」

ドガーン!

 

そのまま測定用のボールを殴るとボールが猛スピードで飛んで行き最終的には見えなくなった。

 

ピピッ!

「と、まあこんな感じで自分の最大限を知って貰う…それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

相澤先生が持っていた端末には『2003M』と記されていた。

 

「2003メートルってマジかよ!」

「個性を思いっきり使ってやっていいのかよ!」

「なにこれ面白そう!」

「個性思いっきり使えんだ!さすがヒーロー科」

時乃が出した記録にA組の皆が騒ぎ出し『面白そう』と言う言葉を聞き相澤先生がため息を吐いた。

「面白そう…か」

「これから三年間その腹積もりでやって行くつもりか?よし、ならこうしよう。八種目トータル最下位の者は見込みなしと判断して除籍処分する」

「「「「「はああああ!!?」」」」」

相澤先生の言葉にクラス中が驚きの声を上げる。

 

「最下位除籍って理不尽すぎる!いや、初日じゃなくても理不尽すぎる!」

「理不尽ねぇ…いいか世の中は理不尽だらけだ。地震に火災、津波や台風などの自然災害だけでなく大事故や何の前触れもなく現れる(ヴィラン)による破壊活動や様々な事件、今から10数年前に起こったアナザーディケイド事件(・・・・・・・・・・・)等いつどこからやって来るか分からない厄災、世の中は理不尽だらけだ。そんなピンチを覆して行くのがヒーローだ。雄英に相応しくなければ遠慮なく切る。放課後にマックでお喋りでもしたかったか?残念ここは雄英。これから三年間雄英は君達に苦難を与え続ける。『プルスウルトラ(さらに向こうへ)』さ。ようこそ雄英高校へ、ヒーロー学校の最高峰へ」

相澤の出した案に誰かが抗議の声を上げたが相澤先生の言葉により押し黙り最後にはクラス中が覚悟を決めた。

 

「…もしかして忘れられてる?」

一方の時乃は忘れられていた。

 

 

そのまま体力測定は続く。

まずは50m走。

 

レーンには変身を解除した時乃と眼鏡の如何にも真面目な感じのする飯田 天哉が並んでいた。

「君は確か時乃くんだったかい?俺は飯田天哉だ!よろしく頼む!」

「ああ、こちらこそよろしく」

二人で簡単な挨拶を済ませると測定用ロボットが合図を出す構えをした。

 

『位置に着いて!ヨーイ!』

その声に飯田は走るための姿勢を取ったが、一方の時乃はただ立ったまま右手を顔の辺りで構えるだけに済ませた。

『ドン!』

パチンッ!

ロボットが合図を出したとほぼ同時に時乃が指を鳴らすと…

 

ジ…ジジ…

 

世界の時が止まった。

 

「ふ~ん♪ふふ~ん♪ふんふ~ん♬」

時乃は止まった時の中をまるで散歩でもするかのようにゆっくりと歩きながら十分な時間をかけてからゴール地点を通過し再び指を鳴らした。

パチンッ!

 

「なっ!?」

「「「「「速!!」」」」」

クラスメイト達には急に消えたようにしか見えなかっただろう。

 

『ピピッ!0.1秒!』

「ふむ…こんなものか…」

一方の時乃は自分の反射神経を鍛えようと心に誓ってから次の場所に移動した。

 

 

握力測定

 

仮面ライダージオウへと再び変身した状態で測定器を握った。

「すぅ…ふんっ!」

ミシッ!メキッ!ビキッ!

特別な測定器が嫌な音を発しながら亀裂が入って行くがギリギリ壊れずに済む。

 

「ふう…」

罅割れた測定器には8.2tの文字が記されていた。

 

「8.2tってバケモノかよ!?」

ブドウのような頭をした男子生徒の言葉に時乃は微妙な表情になった(そもそもマスクで見えないが)。

 

「「……!!?」」

ちなみに万力を作った女子生徒と六本腕の男子生徒は、何とも言えない表情になった。

 

 

反復横跳び

 

『アーマータイム!チェンジビートル!カブト!』

赤をメインに両肩に赤いカブトムシのような装甲を纏い目の部分が『カブト』と記された仮面ライダージオウカブトアーマーへと姿を変えた。

 

『スタート!』

『フィニッシュタイム!カブト!クロックタイムブレイク!』

ロボが合図を出したとほぼ同時にクロックアップによる超加速を行いクロックアップに合わせて時間をの経過を無理矢理遅くして記録を伸ばした。

 

『ピピーッ!測定不能!』

「「「なんじゃそりゃ!!」

「…さすがに疲れた」

だが流石に疲れたらしい。

 

長座体前屈

 

『ピピッ!72センチ!』

「あれ?意外と普通?」

「何を使えばいいか…思いつかなかった」

 

 

上体起こし

「64回」

「クッ!」

「普通だ」

 

 

幅跳び

 

『アーマータイム!3・2・1!フォーゼ!』

白とオレンジを基調に肩と両腕にロケットのような物を持った『仮面ライダージオウフォーゼアーマー』へと姿を変えた。

 

「宇宙行くー!!」

その声と共に遥か上空まで飛んで行った。

「無限…」

相澤先生が胃の辺りを抑えながらそう言った。

 

 

次々にとんでもない記録を出して行く中他のクラスメイト達がボール投げでなかなかの好記録を出していた。

 

「…無限」

「無限!?」

「すげー!主席を超えやがった!」

そんな中丸顔の少女が無限と言う記録を出していた。

 

「なん…だと!?」

時乃は自分がボール投げの時に叩き出した記録を楽々と超えられた事実に軽くショックを受けていた。

そのせいで緑谷と相澤の会話を途中からしか聞く事が出来なかった。

 

「昔一人の暑苦しい(ヒーロー)が一人で千人以上助け出すという伝説を作り、別の(ヒーロー)は己の命を顧みず地球に飛来して来た小惑星を破壊した。同じ蛮勇でもお前のは一人を助けて木偶の棒になるだけ…緑谷出久、お前の力じゃヒーローになれないよ」

相澤の辛辣な言葉はたしかに納得できる内容だった。

 

「お前の個性を戻した。ボール投げは二回だとっと済ませろ」

相澤はそう言いながら緑谷にボールを手渡した。

 

 

「なにか指導を受けたようだな」

「除籍宣告でも受けたんだろうよ」

「いや…期待できるな」

「ああ!?誰だてめえ!」

飯田と爆豪の言葉にいつの間にか現れた未来視を実行中の時乃が反論し爆豪は少し驚いた。

 

 

「SMASH!!」

ドンッ!

緑谷の掛け声とともに爆発音のような音が鳴り響きボールが途轍もないスピードで飛んで行った。

 

「先生…まだ動けます!」

「こいつ…!」

相澤は指を赤紫に腫れあげた緑谷を見て僅かに口角を上げた。

 

「どういう事だデクてめえ!訳を言えや!」

だが今までずっと緑谷が無個性だと思っていた爆豪は手を爆破しながら緑谷に近づいたが

「ふん!」

ジ…ジジ…

時乃が相澤の飛ばした拘束具と爆豪の時を同時に止めた。

 

「時乃…」

「こうした方が合理的と思っただけです。解除しましょうか?」

「ああ、そうだな」

その言葉に時乃は頷き時間停止を解除した。

 

「おい変身野郎…てめぇ何しやがった?」

「お前の時を止めただけだ…それよりもそこをどけ緑谷を治しに行く」

「ああ?」

それだけ言って緑谷に近づきバッキバキに折れた指の時間を30分だけ巻き戻す。

 

「30分以内に治療を受けろ。さもなくばお前の指がいろんな意味で死ぬ」

「ええっ!?」

時乃の言葉に緑谷は心底驚いた。

 

 

持久走

 

最後の種目である持久走は、一切変身せず普通に走ったため4位に落ち着いた。

「ふう…地味に疲れた」

 

 

「はい、じゃあぱっぱと順位発表するね」

全ての種目が終わり合計記録と順位が簡潔に発表された。

 

1位 時乃 王魔

2位 八百万 百

3位 轟 焦凍

21位 緑谷 出久

「僕が最下位…」

緑谷が絶望してると相澤が声をあげた。

 

「ちなみに除籍は嘘ね」

「「「「はああああ!!!?」」」」

その言葉にクラスのほとんどが驚愕の声を上げる。

「そんなの少し考えれば予想が着きますわ」

「うん、予知通りの展開だね」

が、八百万と時乃などの少人数だけ驚愕せず眺めていた。

 

「じゃあ各自教室に戻って机の中に置いてある参考資料を読んでおくように。以上、解散」

その一言で解散した。

 

 

時乃ハウスにて

 

「ただいまー」

「良く帰って来たな…ジオウ!」

授業が終わり家に帰ると以外な人物が出迎えてくれた。

 

「ただいまスウォルツ。相変わらずそのエプロン似合わないね」

「やかましい!そんな事よりもこの新作のチェリーパイを食ってみろ!」

なぜかピンクのハート柄のエプロンを着用したスウォルツがパイを差し出してきた。

 

そのパイを一切れ食べてみたが普通に美味しかった。

「うん、いいんじゃないの?」

「だろう?ならば、とっとと手洗いうがいを済ませ貴様も作りに来い!明日には人数分作って置かなけれいけないからなぁ…」

スウォルツは、それだけ言い残しキッチンへと消えて行った。

 

「ちょっと兄さん!なんで私のお弁当がキャラ弁なのよ!」

「私の気まぐれだ!妹よ!」

「おかげでミルコに色々と揶揄われてリューキュウさんにも生暖かい目で見られたじゃないの!どう責任取ってくれるのよ!?」

 

直後何か聞こえて来たが気にしないことにした。




まさかの6000文字越え。
次の更新がいつになるか分かりませんが頑張らせていただきます。
では、また次回!

☆9評価をして頂いた吉井明久様、プロスペシャル様、箱乃森蒼井様、本当にありがとうございました!


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3ページ目

今回は戦闘訓練の前編です。
色々と原作に近かったりそうじゃなかったりします。

アンケートも実施してあります。

ではどうぞ。ごゆっくり!


ドゴォォォン!!

 

「なんだ!!?」ガバッ

途轍もなく大きい音と振動が聞こえて朝早く起きると…なぜかスウォルツが一階の床に頭から上半身を突っ込んでいた。

 

「なあウォズ…」

「なんだい我が魔王?」

いつの間に近くまで来ていたウォズに質問を投げかける。

 

「スウォルツに何があったの?」

「申し訳ないけど私には分からないよ」

「そう…」

ウォズに聞いても分からなかった。

 

「私に聞くよりも過去を視る方が早いんじゃないのかい?」

「それもそうだね」

ウォズの提案に頷き僅かながら疲れるがこの部屋の過去を視る事にした。

 

 

『おはよう!我が妹よ!』

『おはよう兄さん』

『これが今日の弁当だ!あとチェリーパイも作って置いたから職場の者達か他事務所のヒーロー達と一緒に食べろ!」

『うん、ありがとう』

『くれぐれも一人で食べるなよ?それ一切れでカロリーがとんでもないからな。一人で食べるとまた太るぞ?この前3キロ太ったってオーラから聞いt『うっさい!』ぐっはああ!』

乙女()が気にしている事を…『乙女?お前はどちらかと言うと漢女(おとめ)じゃないのか!?』言うなああああ!!!!』ガシッ!

『うおりゃあああ!!』

ドゴォォォン!!

『ガッハァァ!!?』

シュウウ…パラパラ…

『ふん!行ってきます!』

 

 

この部屋で起こった事を視て思わず両手で顔を覆った。

「はあ…」

「大丈夫かい我が魔王?」

「ああ、大丈夫だよウォズ…心配してくれてありがとう」

ウォズが心配して話しかけてきた。

 

「それで何を視たんだい?君がそこまでの反応を示すとは中々珍しいからね。本当に何があったんだい?」

「…ただのスウォルツ(バカ)の自業自得だよ。心配してやる筋合いは無いかな。どっちかというとツクヨミに襲われるであろうオーラの心配をした方がいいと思う」

今、視た過去の重要な部分だけをウォズに教えた。

 

「そうなのかい?君がそこまで言うならそうだろうね。では、私は仕事に行ってくるよ。」

「うん、いってらっしゃい。けどツクヨミには気を付けろよ」

「安心したまえ我が魔王もしもの時は私がツクヨミ君を止めるからね。では、また後で」

ウォズはそのまま仕事(ヒーロー活動)に向かった。

 

 

「俺も早く行こ…」

ぐっすり寝ているであろう叔父さんを起こしてから学校に向かう事にした。

 

 

 

雄英にて

 

雄英高校登校日二日目

 

雄英(ここ)では、今日から普通の授業が始まる。

 

雄英の教師は、皆プロヒーローなので授業を目当てに入学しようとする受験生もいる。

まあ大抵失敗するが…

 

1.2限

英語

プレゼントマイク先生の授業。

 

「はい、じゃあ。この中で間違っている英文はどれでしょう?」

everybody(エブリバディ―) Thinking(シンキング)!」

(((((普通だ!)))))

 

めっちゃ普通の授業なのである。

 

(クソ、つまんねえ…)

爆豪にとってはつまらない授業らしい。

 

(関係詞の場所が間違っているから4番!)

緑谷は、大真面目に受けている。

 

「ふ~む…」

時乃は昨日ウォズから聞いた今日の戦闘訓練について考えていた。

 

「じゃあ、この問題の答えを…」

「ん?」ギロッ

「…緑谷!お前が答えろ!」

「は、はい!」

プレゼントマイクは、偶然、王としての威圧的な目をした時乃に一瞬だけ委縮し緑谷に答えるように促した。

 

(何があったんだ?)

時乃は疑問に思った。

 

 

食堂にて

 

雄英の食堂ではクックヒーロー.ランチラッシュの遺留の料理が格安で食べられる…が、時乃は持参したスウォルツ特製のお弁当を特殊な目を用いて視ていた。

 

「う~ん…毒は無いし罠もない。大丈夫そうだな」

弁当箱の中身を透視、毒検知してから弁当箱を開けた。

 

「うん、美味い」

一人で弁当を食べている時乃に一人の男が近づき声をかける。

 

「ジオウお前の隣いいか?」

「ああゲイツか、いいよ」

「そうか、ありがとう」

時乃に話かけたのは黒目に黒い短髪に雄英の制服を着た男子生徒、明光院 ゲイツだ。

 

「お前は学食か?」

「そう言うお前は弁当なんだな」

ゲイツは、かつ丼を時乃はジオウの顔が書かれたキャラ弁を食べていた。

 

「ああ、スウォルツ特製の弁当だ。結構うまいぞ」

「あいつのか…仮にも最凶の(ヴィラン)だった奴だぞ。大丈夫なのか?」

「大丈夫だよ。あいつをボコしてからずっと大人しくしてるし、何なら叔父さんの影響で料理に目覚めて料理の腕前だけならランチラッシュを上回るほどに成長したからな」

「とんでもない進化を遂げたな…」

ゲイツは嘗て最凶最悪の(ヴィラン)とまで謳われたスウォルツの進化になんとも言えない気持ちになった。

「うん、美味い!」

時乃はそんな事を気にせず弁当を食べ続けた。

 

 

昼も終わり午後の授業

 

昼ごはんを食べ終えた後の授業は一番眠くなる時間帯だが…誰も寝る素振りすら見せない。

 

その理由は今から始まる授業と担当の教師にある。

 

ガラッ!

(((((来たっ!)))))

A組のドアが勢いよく開かれそこから入ってきたのは…

 

「わ―――た―――し――――が―――」

「普通にドアから来た――!!」

「「「「「オールマイト!!!」」」」」

筋骨隆々の()No.1ヒーローオールマイトだ。

 

「すげーオールマイトだ!」

 

「一人だけ画風が違う!」

 

「本当に雄英で教師やってんだ!」

 

「あれは(シルバー)時代のコスチューム!」

A組のクラスメイトはオールマイトの教師姿に驚きながら各々の反応をみせる。

 

 

「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地を作るのに必要な科目だ!1年を通して一番単位数が多いぞ?さっそくだが今日は…これ!」

そう言いながらオールマイトが持ってきた箱に手を入れて1枚のカードを取り出す。

そのカードには、『BATTLE』と書かれていた。

 

「戦闘訓練!」

「それに伴いこれだ!」

そう言うと壁の一部が突き出て番号の書かれたケースが合計21個出てくる。

 

「入学前に送って貰った個性届と要望にそって誂えたコスチューム!着替えたら順次グラウンドβに集まるように!恰好から入ることも重要なんだぜ?少年少女たちよ!自覚するんだ、今日から自分達は…ヒーローなんだってな!」

 

 

全員が更衣室で着替えてる間…時乃は盛大に戸惑っていた。

 

「なんだ…これは?」

時乃のヒーローコスチュームのスーツケースの中に入っていたのは…真っ黒の軍靴とローブ。

それも未来の常盤ソウゴが着ていた所々に金の装飾で着飾られている豪華なローブだ。

 

(変身したらコスチュームなんて意味なくなるから適当にスーツでいいやって要望に書いて置いたのに…なぜ68歳の常盤ソウゴが着ていたローブになってるんだろう?)

カサ…

「ん?紙?」

ローブから落ちた紙を拾って書いてある内容を読んでみる。

 

『偉大なる我が魔王へ

 

貴方がこの手紙を読んでいるという事は私が注文しておいた特注のヒーローコスチュームが届いたと言う事かな?

 

誠に勝手ながら貴方の要望していたコスチューム案を破棄してこのコスチュームを選ばせて理由は、君にあのコスチュームは似合わない上に貴方に相応しくないからだね。

 

だから君にピッタリな物に返させて貰ったよ。

 

そしてこのコスチュームの機能だけど、主に三つある。

 

まず1つ目はその圧倒的な耐久力。

これはスウォルツ氏の召喚したフェニックスドーパントの業火にも耐えきりウィザードのウォータードラゴンの冷気にも耐えられる素材で出来ていてツクヨミ君の光の剣でも切れずフルボトルバスターのアルティメットマッチブレイクにも耐えれるように作ってあるよ。

 

そして2つ目はその圧倒的なまでの快適さ。

夏には涼しく冬には温かく肌触りも最高クラスの物になっているはずだ。

 

最後に3つ目は圧倒的な使い易さ。

貴方が持っておられるライドウォッチを全て仕舞っても尚、余るスペースに簡単に引き裂けるように編んであるから怪我人に巻く事で傷の応急処置にもなる。

それだけでなく私の持つスカーフのように伸縮自在だから捕縛用の武器としても十分優れてるよ。

 

ここまで長々と説明させて貰ったけど言いたい事は一つ…我が魔王、私は君の覇道を応援しているよ。

 

親愛なる臣下ウォズより』

 

「はあ…」クソデカ溜め息

ウォズからの手紙を読み終えた時乃は肺の中の空気を全て吐き出すかのごとき溜め息を吐いて頭を抱えたくなった。

頭を抱えたくなる衝動を何とか抑え込みコスチュームに着替える事にした。

 

 

 

全員がコスチュームに着替え終わり集合したが…時乃だけとてもヒーローとは思えない格好だった。

なんと言うか…流石は未来の魔王と言うべきか真っ黒のローブが似合い過ぎていた。

 

 

「ヒーロー科最高…」

「分かるその気持ち」

突然呟いた峰田の言葉に時乃は共感した。

 

「お前…同士か?」(性的な意味で)

「恐らくな…」(ヒーロー的な意味で)

「お前は誰が一番好きだ?」(性的な意味で)

「ミルコだな」(ヒーロー的な意味で)

「ふっ…今日からお前は同士だ。よろしくな!」

「こちらこそ!」

時乃と峰田の間に勘違いから友情が生まれた。

まあ後日壊れるが…

 

その二人の会話を遠巻きに見ていた女性陣は冷めた目をしていた。

 

 

「さあ戦闘訓練のお時間だ!」

「先生!」

オールマイトの言葉に反応して騎士とロボットを合体させたようなコスチュームを纏った飯田が手を挙げて質問する。

「ここは入試の演習場ですがまた市街地演習を行うのでしょうか?」

「いいやもう二歩先に踏み込む!」

 

飯田の質問にオールマイトが答える。

(ヴィラン)退治は主に屋外で見られるが統計で言えば屋内の方が凶悪(ヴィラン)の出現率が高いんだ。監禁、軟禁、裏商売!このヒーロー飽和社会…真の賢しい(ヴィラン)は闇に潜む。君達には今から(ヴィラン)組とヒーロー組に分かれて屋内戦を行って貰う」

「基礎訓練もなしに?」

「その基礎を知るための実践さ!ただし今度はぶっ壊せばO.Kなロボじゃないのがミソだ」

 

「勝敗のシステムはどうなります?」

「ぶっ飛ばしていいのか?」

「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか?」

「分かれるとはどのような別れかたをすればよろしいですか?」

「このマントヤバくない?」

「全力を出していいのか?」

オールマイトの説明に時乃を含め一気に質問が投げかけられる。

 

「う~ん…聖徳太子!」

一気に来た質問を捌ききる事も出来ずカンペを取り出し訓練の説明を始めた。

 

「状況設定は(ヴィラン)がアジトのどこかに核兵器(張りぼて)を隠していてヒーローはそれを処理しようとしている。ヒーロー側の勝利条件は時間内に(ヴィラン)を捕まえるか核兵器を回収すること(ヴィラン)側の勝利条件は時間まで核兵器を守るかヒーローを捕まえること」

(((((設定がアメリカン…)))))

オールマイトの説明に皆が心の中で突っ込んだ。

 

「コンビ及び対戦相手はくじ引きで決める!」

「適当なのですか!?」

「プロは他事務所のヒーローと急増チームアップすることが多いしそういうことじゃないかな?」

「そうか、先を見据えた計らい…失礼いたしました!」

オールマイトの言葉に飯田が疑問を抱いたが緑谷の言葉で納得した。

「いいよ、早くやろう!」

 

そしてみんなくじを引き始めた。

ここで思い出して欲しい事がある。

今作のA組は21人即ち奇数なので二人一組のチームを作った場合必ず誰か一人余る。

 

そして運命は面白い結果を導き出した。

 

Aチーム

緑谷&麗日

 

Bチーム

轟&障子

 

Cチーム

八百万&上鳴

 

Dチーム

爆豪&飯田

 

Eチーム

青山&芦戸

 

Fチーム

砂藤&口田

 

Gチーム

耳郎&時乃

 

Hチーム

蛙吹&常闇

 

Iチーム

尾白&葉隠

 

Jチーム

瀬呂&切島

 

Kチーム

峰田&???

 

 

「え?」

峰田が一人(+後でもう一人決める)という面白い結果になった。

 

「最初の対戦相手は~…こいつらだ!」

オールマイトが取り出した二つのボールを取り出した。

「Aコンビがヒーロー!Dコンビが(ヴィラン)だ!他の者はモニタールームに向かってくれ!」

『はい!』

「ちょっと待っておいらは!?おいらはどうなるんだ!?」

(ヴィラン)チームは先に入って準備して待っていてくれ!」

峰田の言葉は無視された。

 




次回は戦闘訓練の後編です。
頑張らせていただきます。
コスチュームの性能についてですがウォズが頑張ったとしか言いようがありません。

では、また次回!


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4ページ目

お久し振りです。
えーとご報告をさせてください。
気まぐれにこの小説の評価を見るとゲージが赤くなっていて1分くらい放心状態になってから変な声が出ました。
高評価をして頂いた方々に心より感謝しています。
本当にありがとうございます!
あとお気に入り登録150人&UA数9400を突破しました!
ありがとうございました!

今回は戦闘訓練の中編になっております。
微妙な戦闘描写に思ったよりも字数を使ってしまい終わりませんでした。
相変わらずキャラを模索中なので時乃くんが変なことになっています。
自分の最終目標としてはfgoのギルガメッシュを少し丸くした感じにしたいと思っています。
特に「慢心せずして何が王か!」を言わせてみたいですがシチュエーションが思いつきません。

長くなりましたが本編をお楽しみください。
では、どうぞ。ごゆっくり!


「君に勝ちたいんだ!バカ野郎!」

「その顔やめろやクソデクー!」

その声とともに爆豪と緑谷が互いの攻撃がぶつかると誰もが思っていた。

だが…

「行くよ!麗日さん!」

 

ドォォォン!!!

緑谷のパンチの風圧が上の階の床を貫き無数の石礫を舞い上がらせ

「ごめんね飯田くん!即興必殺!流星ホームラン!」

「それはホームランではなく無いか!!?」

舞い上がった石礫を麗日が壊れた支柱で吹き飛ばし飯田を妨害。

そして自分に掛かった無重力を解除し核の回収に成功した。

 

『ヒーローチームWIIIIN!!』

かなり粗々しい手段だがヒーローチームが勝利した。

 

そして緑谷が医務室に運ばれてから公表が開かれた。

 

「今戦のベストは飯田少年だな!」

「なっ!?」

「勝ったお茶子ちゃんか緑谷ちゃんじゃないの?」

オールマイトの言葉に飯田が驚き蛙吹が疑問を口にする。

「ん~そうだな~なぜだろうな~?分かる人!」

「はいオールマイト先生!」

「それは飯田さんが一番状況設定に順応していたからです」

オールマイトのした質問に八百万が長々と説明し始めた。

「爆豪さんの行動は、戦闘を見た限り私怨丸出しの独断。そして先ほど先生が仰っていた通り屋内での大規模攻撃は愚策。緑谷さんも同様受けたダメージから鑑みてもあの作戦は無謀としか言いようがありません」

「麗日さんは…中盤の気の緩み、そして最後の攻撃が乱暴過ぎた事。張りぼてを核として扱っていたらあんな危険な行為は出来ませんわ。相手への対策をこなし核の争奪をきちんと想定していたからこそ飯田さんは最後対応に遅れた」

「ヒーローチームの勝ちは訓練だという甘えから生じた反則のような物ですわ…」

 

八百万が説明し終わると誰も何も言えなかった。

(完璧かよ…)

 

(思ってたより言われた…)

「ま、まあ飯田少年もまだ硬すぎる節はあったりする訳だが…まあ正解だよ!クゥ~ッ!」

オールマイトは若干プルプルしながらサムズアップした。

 

「常に下学上達!一意専心に励まねばトップヒーローになどなれませんので」

それに対し八百万は堂々と宣言した。

 

(うわぁ…ウォズと真逆の事、言ってる…『土壇場こそ適当でいいんだよ。普段から無理しすぎるといつか自分を壊してしまうからね』とか言ってくれたのに…自信無くすわ…)

時乃は家臣であり指導役も担っているプロヒーローであるウォズの言葉を思い出し心の中で盛大に戸惑っていた。

 

 

〇移動〇

 

「よーし、皆場所を変えて第二戦を始めよう。今の公表をよく考えて訓練に挑むように」

「「「「「はい!」」」」」

そしてまたくじを引いた。

 

 

「第二戦!ヒーローチームBコンビ!ヴィランチームIコンビ!」

演習場で両方のコンビが準備を始めていると時乃の目に二つの時計の針が現れ一周した。

 

「マジかよ…」

「戦闘訓練、第二戦スタート!」

時乃が驚愕の言葉を漏らすと同時にオールマイトが開始の合図を出した。

 

その直後にに轟が動き出し…

ピキピキ…

壁に手を当てビルを一気に凍らせた。

 

「仲間を巻き込まず、核兵器にもダメージを与えず、なおかつ敵も弱体化!」

「最強じゃねえか!」

「予知通りとんでもない奴だな…」

モニタールームで見ていたクラスメイト達は寒さで震えながら見ていた。

「お前寒くねえのか?」

「大丈夫だ問題ない」

ローブのおかげで時乃はめっちゃ快適に過ごしていた。

『ヒーローチームWIIIIN!!』

そして轟が核を確保して勝利した。

 

 

「よーし、では全員集まって二回戦の公表。そして三回戦を始めるぞ!」

「「「「はい!」」」」

 

そのまま三回戦も無事終わり…ついに四回戦

 

Cチーム.八百万&上鳴vs.Gチーム.耳郎&時乃

推薦入学者(八百万)入試主席(時乃)の始まった。

 

時乃サイド

 

耳郎と時乃は演習に使う空きビルの前に立っていた。

「戦闘訓練を始める前にお互いの個性を把握して置く必要があると思う。耳郎、お前の個性を教えてくれないか?」

「分かった。私の個性は『イヤホンジャック』耳たぶのプラグを壁や床に突き刺して音で相手の居場所を把握できる。逆に私の心音を増大させて相手を攻撃したりも出来る」

「そうか…分かった」

耳郎の個性を聞いた時乃はどうするべきか考えていた。

 

「時乃の個性は?」

「俺か?俺の個性は…『逢魔時王(オーマジオウ)』って名前でな。まあ簡単に言えば時の王者(・・・・)になれる力だ」

「時の王者?どんななの?」

「時を支配したり衝撃波を飛ばしたり因果律を操作したり高速移動(カブトの力)出来たり封印術(ゴーストの力)を使ったり超自然発火能力(クウガの力)を使えたり無から有を作る(ビルドの力)ことも出来たり魔法を使う(ウィザードの力)事も出来るし…まぁ、もっと言ってけばキリが無くなるな。うん」

「なんか…すごいね」

時乃の説明に耳郎が唖然とした様子で呟いた。

 

『第四回戦!スターート!!』

何時の間に開始時間になりオールマイトが開始の合図を出した。

 

『ジカンギレード!ジュウ!』

何もない空間からジカンギレードを銃モードで取り出し、耳郎が探索しながら二人で進み始めた。

 

「なにも来ないね…」

「ああ…危ない!」

2階を散策中に油断していた二人に突如ゴム弾が飛んできた。

が、未来視を発動していた時乃が耳郎をローブで庇いゴム弾が直撃するがコスチュームの圧倒的な耐久性の前にその攻撃はハエが止まった程度でしかない。

 

「だ、大丈夫?」

「大丈夫だ…この程度の攻撃は想定内だ」

そう言いながら待ち伏せ用に設置されたマシンガンを銃モードのジカンギレードで撃ち抜き破壊する。

 

(まったく油断できないな…)

さらに歩いて3階に着くと今度はピアノ線がそこら中に張り巡らされていた。

 

「時間稼ぎのつもりか?2人はどこにいるか分かるか?」

「…4階の大広間にいる。二人とも固まって待機してる」

「この真上か…回収目標が核じゃなければ多少強引な手段を取ることも出来るが…今はそうもいかないな」

そう言いながらもジカンギレードを剣モードに切り替え、次々とピアノ線を切断していく。

 

「相手は?」

「まだ待機中…動きがほぼない」

「そうか…」

二人とも4階に辿り着き探索を行い突撃の準備をする。

 

 

「行くぞ…」

「うん」

確認を取り鉄柱などで強化施錠されていた入り口の扉を切り裂き突入した。

 

「ヴィラン共おとなしく捕縛さr『ドガーン!』グハッ!?」

「時乃!?」

時乃が入ると同時に巨大なハンマーの振り回し攻撃をほぼ真横に食らい壁まで吹き飛ばされ駆けつけようとした耳郎の首元に少しだけ放電し耳郎の動きを止めた。

「おっと動くなよ」

「突撃してくる事は予想できていましたわ。なので待ち伏せさせて貰いました」

 

「なるほど。してやられたってわけか…参ったなぁ、クソ」

「あとで反省会決定だな…だが今はやり直しだ(・・・・・)

気を失いかけていた時乃が『やり直し』と呟くと…

『ヴィランチーム!WII…』

 

カチッカチッカチッ…

 

ジジ…ジ…

全世界の時が止まり

 

…ッチカッチカッチカ

 

 

「行くぞ…」

「うん」

全世界の時が巻き戻された。

 

「待て!」

「どうしたの?」

(時が巻き戻された?一回負けたのか…)

時間が巻き戻った事に気づいた時乃は未来視を発動させる。

 

「なるほど…そういう事か」

「どういう事?」

「待ち伏せされている。悪いが作戦変更だ。俺が2人を相手にするから耳郎は俺に構わず核の確保を最優先に実行しろ。見つからなかったらイヤホンジャックで探してくれ」

「…良く分かんないけど分かった」

「じゃあ今度こそ行くぞ!」

「オッケー!」

そして時間軸上一回目、事実上二回目の突撃を実行した。

 

 

 

ザシュッザシュッ!

扉の壁付近に切り込みが現れると同時に壁が蹴り飛ばされ時乃と耳郎が同時に突入した。

 

「行け!耳郎!」

「なっ!?」

予想と全く違う行動を取った時乃に八百万は一瞬判断が遅れるがさすが推薦入学者と言うべきか即座に切り替えハンマーを振りかぶった。

 

「予知通り!」

その攻撃を間一髪で躱し耳郎の元に駆け寄ろうとしていた上鳴にウォズのスカーフのように伸縮自在の素材で出来たローブの右袖を伸ばし拘束。

そして新たにこん棒のような物を振りかぶってきた八百万の攻撃をローブの右袖を軸に回転しながら受け流し、左袖で先ほど八百万が捨てたハンマーを回収し八百万が持っていたこん棒を薙ぎ飛ばした。

「そーらっ!」

「うそっ!?」

「本当だよ!」

『クウガ!』

さらにクウガライドウォッチを起動させハンマーをタイタンソードへと変化させる。

 

「クッ!離せ!100万ボルト!」

拘束されていた上鳴は拘束から逃れようと一気に放電するが

「ウェーイ」

「耐電性らしいな!よかったぜ!」

耐電も完璧なローブに防がれ敢え無く失敗そのまま上鳴を壁に叩き付けた。

 

「だめ!どこにも核が無い!」

「じゃあ上鳴を捕縛しておけ!八百万は俺がやる!」

耳郎の報告に時乃が指示を出し八百万の方を確認しようとすると

 

パアーンッ!

「何!?」

パーティーのクラッカーが弾けるような音に一気に振り向くとほぼ同時に捕獲ネットが飛んできた。

「ハァーッ!オラーッ!!」

だがタイタンソードを一気に振り下ろしネットごと空気を切り裂き暴風が生まれる。

 

「きゃっ!」

その暴風に八百万が少しだけ吹き飛ばされ宙を舞った隙を突き…

「確保ー!」

 

八百万の左手首に捕縛テープを巻き付けお姫様抱っこでキャッチし

「捕まえましたよ。お嬢さん」

「へ?」

微笑みながら優しく声を掛ける。

 

『ヒーローチーム!WIIIN!!』

オールマイトの声と共にヒーローチームの勝利が宣言された。

 

 

戦闘訓練が終わったあとモニター室に戻り公表を聞いている間、八百万は顔を真っ赤に染めて時乃は盛大に悶えていた。

「と、時乃少年。大丈夫かい?」

「うぉー…殺してくれぇ誰か俺を殺してくれぇ…」

オールマイトの言葉にまったく反応せず悶えまくっていた。

 

「き、気を取り直して第五回戦を始めよう!」

オールマイトはそう言いながらクジを引き最後のチーム戦を決めた。

そしてKチーム(峰田 実)が余った。

 

 

五回戦も終わり公表を終えるとオールマイトが峰田に目を向ける。

「さて、最後まで残ってしまったわけだが…峰田少年どうする?」

「どうするってなんだよ!?オイラ一人でやれって言うのか!?無理に決まってんだろ!」

オールマイトの言葉に峰田は軽くパニックになった。

「いや、そうじゃないんだ峰田少年。ハンデとしてペアを選ぶ権利があるから誰にするかって意味だ」

「ハッ…誰でも?」

「誰でもだ」

「………」

誰でも指名しても良いという言葉を聞き峰田は何時になく頭をフル回転させた。

峰田の中で欲望&本能と理性(笑)が戦っていた。

 

そして勝ったのは…

「八百万で」

「お断りしますわ」

だが速攻断られた。

「芦戸」

「なんかヤダ」

「蛙推…」

「イヤよ」

「葉隠…?」

「ごめんね~!」

「麗k「嫌です」…」

「しょうがないから耳郎で…」

「あんた死にたいの?」

女性陣全員に断られた挙句なぜか時乃が女性陣を庇うように若干両腕を広げ場所を変えた。

 

流石に可哀そうになったオールマイトが峰田に声を掛けた。

「み、峰田少年?」

「時乃!お前のその立ち位置羨ましいんだよ!この野郎!お前は、もう同士なんかじゃねえ!オイラのペアになれ!」

「いいよ」

「「「「軽!!?」」」」

突然叫びながらめちゃくちゃな事を言いながらペアになること要求した峰田に対し時乃はすぐに了承した。

 

 

「よーし!では、相手チームだが「俺が殺る!」ば、爆豪少年!「俺にもやらせろ」轟少年も…」

オールマイトがもう一度くじを引こうと提案しようとしたが先に爆豪と轟が立候補した。

 

「ふん!お前らなんかオイラ達(主に時乃)の敵じゃないぜ!」

峰田の調子に乗った発言に二人とも殺気立ち

「あぁん?」

「なんだと…?」

「ヒィッ!助けてくれ時乃!」

何故か時乃は巻き込まれた。

「なぜ俺が…こんな目に」

 

「オホン!では、両チームとも準備してくれ!」

「時乃&峰田ペアがヴィランチームで爆豪&轟ペアがヒーローチームだ!準備が出来次第始めるぜ!」

 

こうして初めての戦闘訓練最後の一戦が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

「お前って女子のどこが一番好きなんだ?」

「…へそ周り。チラッと見えてるのが一番いいと思う」

「やっぱりお前は同士だ!」

「…そうだな」(なんだこいつ…)

二人は再び同士となった。




今度は5000字近くです…やばいです。

一応ご報告しておきますが自分は、ヒロアカのカップリングで出茶、尾葉、轟百、切芦が大好きなのでこれを崩す気は一切ありません。
なので八百万さんはヒロインになりません。
耳郎さんはヒロインですがもう一人のヒロインはUSJ事件が終わったあたりで発表(登場)します。
Wヒロインを書いてみます楽しみにしていてください。

最後に☆10評価をして下さった真紅鮫様、☆8評価をして頂いたのびにたか様、本当にありがとうございました!m(__)m


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5ページ目

どうもこんにちは。
お久しぶり…今回は戦闘訓練の続きになります。
頑張って終わらせようとしましたが4000字を超えたあたりで区切りがちょうど良い所だったので途中で区切らせて貰いました。
勝手ながらすみません。
なので今回は戦闘訓練(中編2)となっております。
次回こそは終わると…思います。

それではどうぞ。ごゆっくり!



時乃が峰田とペアになりお互いの個性を確認し終えた。

 

「くっついたら自分の意思でも離れず自分の体調しだいでくっつく時間が決まり自分は跳ねるか…使えるな」

「本当か!?本当にオイラの個性を使って勝てるのか!?」

「勝てるとは限らないが…そこは俺が何とかする」

「か、勝てるんだよな!?」

「…」

峰田の個性を聞いた時乃は早速作戦を考え始めるが確実に勝利出来る自信は無かった。

そして調子に乗った発言をした峰田は若干後悔し始めた。

 

「とりあえずその『モギモギ』を大量に設置しておけ、後で役に立つ…かもしれない」

「分かった!」ピューッ!

時乃の言葉に峰田はモギモギを大量に置きに行った。

 

「…アレを出すか?個性による召喚とかは禁止されていないからな…時間稼ぎ程度になるだろうな」

反則ギリギリの禁じ手を思いつき少し迷いながらも実行する。

 

「来い…我が家臣よ」

そう呟くと何もない空間に突如として黄金の扉が現れ中から一人…いや一機の兵士が現れる。

「お前の命を俺のために使ってくれるか?」

「よろこんで。我が魔王」

 

 

 

 

爆豪&轟サイド

爆豪と轟は演習用のビルの外で待機していた。

 

「……」

「……」

自尊心の塊である爆豪と基本無口でド天然な轟が会話を始めるとは思えない。

当然その二人の間に会話が生まれる事なく時間だけが過ぎていった。

 

『戦闘訓練、第6試合!始め!』

オールマイトがスピーカー越しで開始の合図を出すと同時に轟がまたもやビルを一気に凍らせた。

 

ピキピキッ!

「勝手な事やってんじゃねえよ半分野郎!」

「これが一番手っ取り早い方法だ」

「俺が変身野郎をぶっ殺すんだよ!」

ビルを凍らせた事に対し爆豪がキレるが轟が反論した。

だがその反応が気に食わなかった爆豪が再びキレた。

 

二人が言い争いをしていると

 

カチッ…カチッ…カチッ…

 

ジ…ジジ…

 

チカッ…チカッ…チカッ…

 

ジジ…カチッカチッカチッ

 

ビルの時間が8分巻き戻され氷が全て消えた。

 

「何!?」

「攻略されてんじゃねえかよ!」

目の前で起こった現象に轟は驚愕で固まり爆豪は先に突っ込んだ。

 

「今ぶっ殺しに行くぞ変身野郎!」

「なっ、待て!」

二人ともビルに入った。

それが罠とも知らずに

 

2分経過

 

「死ねや!」

BONW!

 

爆豪が二階の一室のドアを爆発でこじ開けると

 

スッカラカ~ン!

 

何もなかった。

 

「っ~!次だ!」

恥ずかしい気持ちを隠そうとした爆豪は次の部屋のドアもその次の部屋のドアも爆発でこじ開けて行ったが

「どこに居んだ!」

やっぱり何もなかった。

 

「さっさと上に行くぞ」

「俺に指図してんじゃねえ!」

階段を見つけた轟の言葉に爆豪は相変わらずキレまくっていた。

 

 

「そこまでだ!侵入者共!」

だが階段を上るとした二人の前に一つの影が現れた。

「ああ!誰だてめえ!?」

「何者だ?」

二人の言葉に現れた影が持っていた武器を振り回しまるでヒーローの様に名乗りを上げる。

 

「私はカッシーン部隊第137部隊所属第3大隊内第17小隊副隊長補佐!型番B-196製造番号143万9887番!初期カッシーンモデル!通称.戦闘用人工知能搭載人型機械兵である!」

名乗りを上げたのは黒をメインに所々金や青のパーツが入った鎧を身に纏い、鳩を模した頭部と翼を思わせる肩から靡くマントに三又の槍を持った一機の機械兵。

仮面ライダージオウ本編に登場する機械兵のカッシーンだ。

 

「我が魔王の命によりお前たちの足止めを仰せつかった!ここから先に進みたくば我を倒してからにしろ!だが我も鉄くずになるまでお前たちを足止めさせて貰うぞ!」

ジオウ本編では中々不憫な扱いを受けていたカッシーンだがこの作品では結構マシな扱いを受けている。

 

「いざ参る!」

その声と共にカッシーンが突撃した。

 

「「邪魔だ!」」

「グハァッ!?」

だが轟が足元を凍らせてから爆豪の爆破による連続攻撃を食らい肩の装甲が破壊される程のダメージを受ける。

が、さすがは忠誠を誓う魔王のためなら己の命を捨てる事も躊躇わない狂信的な機械兵。

 

「まだだ!我が魔王のためであればこの程度の損傷(ダメージ)など如何って事ない!」

まるで何もなかったかのように動きだし自分の足元の氷を力で無理矢理破壊し拘束から逃れ轟に向かって槍を連続で突きまくった。

 

「貴様の個性は一時的とは言え私の動きを止めた!厄介な個性はお前の方だ!」

「クッ!」

「俺を無視するな!」

轟がカッシーンの槍による連続を攻撃を間一髪で躱しながら隙を窺っていると爆豪がカッシーンの背中に特大の爆発を喰らわせる。

 

BONW!!

「グッ!私の邪魔をするな!!」

カッシーンが自分の背後から来た衝撃に振り向き槍を構えると槍の先端からビームが飛び出したがそれをギリギリで躱した。

「うおっ!?」

「チッ!外したか!だが今度こそ!」

「おい…俺を忘れてんじゃねえよ」

パキパキッ!

轟の出した氷塊によりカッシーンの体の前の半分が凍らされ

「当たるんじゃねえぞ半分野郎!そして死ねぇ機械野郎!」

爆豪が先ほど爆発を食らわせた背中に両手で最高威力の大爆破を食らわせる。

BONW!!!

「ガハッ!!?」

「損傷率63%ただし内部回路及びエネルギーコアを著しく破損…なるほど見事だ。貴様らの力を認めよう…お前たちは我が魔王と戯れるに相応しい強さだ。精々我が魔王を楽しませてみろ…」

「時乃 王魔様 万歳!我が魔王の覇道(人生)に永遠の幸あれ!!」

カッシーンは両手を上に掲げ後ろに倒れて行き…

 

ドッガ――ン!!!

盛大に爆発した。

 

「爆発しやがった…」

「なんだったんだあいつは?」

「知るか!とっとと先に進むぞ!」

カッシーンの事を疑問に思いながらも二人は先に進んだ。

 

5分経過

 

時乃サイド

 

~スタート直前~

時乃は通信機越しにオールマイトと話していた。

 

『時乃少年、君が召喚したアレは何者なんだい?』

「俺の個性によって生み出された兵士です。ルール上、八百万の個性と同じ扱いになるので反則ではありません」

『う~む…グレーゾーンだが今回ばかりは許可しよう』

「感謝します…」

『では早く準備を進めたまえ』

「もう終わっているのでいつでも始められます」

『そうか…わかった』

 

~スタート直後~

『戦闘訓練、第6回戦!スタート!』

オールマイトがスタートの合図を出すとほぼ同時にビルが凍り付いて行く。

 

「おいおい!マジか!?」

「ぎゃあ、どうすんだよ!?」

泣き喚いていた峰田を脇に抱え因果律の操作により宙に浮かびあがり自分達が凍るのを防ぐ。

 

「巻き戻し!」

そしてビルの時間を8分巻き戻し氷が来るのを遅れさせた。

 

「すげー!氷が一気に消えた!」

「消したんじゃない。凍り付くのを8分遅れさせただけだ」

「どういうことだ?」

「8分後にまた凍り付く。その時がタイムリミットだ」

「何自分で時間制限設けてるんだよ!?不利になってんじゃねえか!」

「安心しろ。これも作戦の内だ」

 

~2分経過~

 

ドォンッ!!

ドガァンッ!

 

「なんだよこの音!?」

「下で時間稼ぎをやって貰っている。出来る限り時間を稼いで欲しいが…もうじき終わるかもしれない」

 

~3分経過~

 

ドガ――ン!!

二人で話をしていると最後に大きな爆発音が鳴り響いた。

 

「…倒されたか。弱くはなかったがやはりあの二人を相手にしては3分が限界か」ツー…

「た、倒された!?あの強かった奴が倒されたのか!?ってあれ?時乃お前泣いてんのか?」

「目にゴミが入っただけだ…戦闘の準備をしておけ。あの二人を迎え撃つ」

『ジカンギレード!ケン!』

そう言って涙を拭いながらジカンギレードを取り出し左手に青と銀のライドウォッチを持つ。

 

「いいか、作戦通り動けよ?」

「もうやけくそだ!やってやるよ!」

 

BONW!!

二人で最後の会話をしていると爆発音と共に扉が壊され一気に氷が押し寄せてくる。

「今だ!」

『ブレイド!』

『フィニッシュタイム!ブレイド!ギリギリスラッシュ!』

それを予知した時乃は『ブレイドライドウォッチ』を起動させてジカンギレードに装填し迫りくる氷塊ごと入り口の壁を切り裂き壁が崩れ落ちる。

 

ズズゥゥン…

「おらー!モギモギ乱れ撃ちー!」

ピタピタ

そこに峰田のモギモギを連続で飛ばし簡易な罠が出来上がった。

 

「てめぇ…わざわざ場所を広くしやがって…舐めてんのか?」(爆豪)

「こっちの方が戦いやすいだろ?ヒーロー共?」(時乃)

「俺たちを気遣ったつもりか?随分舐められたものだな」(轟)

「あわわわわ…」(峰田)

遂にヒーローチームとヴィランチームが真正面から相対し一触即発の空気となった。

 

 

第三者視点

 

爆豪、轟、時乃、峰田の中で最初に動いたのは…

「我が家臣の仇!討たせて貰うぞ!」

ダッ

意外にも時乃だった。

「ハァッ!」

「当たるかよ!」

仇討ちと称し止めを刺した爆豪に目にも止まらない速度で近づき剣を真横に振り抜くが爆豪が持ち前の反射神経で紙一重の所で躱し、逆に剣を振り終えてがら空きになった時乃の腹部に爆発を食らわせる。

「死ねぇ!」

BONW!

「ガハッ!?…なんてな!」

「なにっ!?」

だがローブの圧倒的な耐久性の前にダメージは、ほぼ無く逆に膝蹴りを食らわせようと踏み込むが

「おらっ!」

「チッ!」

またもやギリギリの所で躱される。

パキパキパキッ…!

その隙を突き轟が氷を出し時乃を捕らえようとする。が…

 

「おいらだって!役に立つんだー!」

峰田が時乃を押し出し変わりに凍り付いた。

「あとは…頼ん…だ、ぜ」ピキーン!

 

「峰田…仇は討つぞ」

そう言いながら手に持ったジカンギレードを手放す。

 

「我が家臣を倒し、一度ならず二度までも俺の攻撃を躱し、挙句の果てに俺の同士(友人)を捕らえるか…正直に言おう。お前達は強い。お前たちの強さに敬意を表し俺も本気で戦うとしよう…」

突然、時乃の雰囲気と口調が変わり右手に黒と黄色のライドウォッチを左手に銀と金のライドウォッチを持ちそれぞれを起動させる。

『キバ!』

『アギト!』

音声が鳴ると黄金の扉が二つ現れそこから一振りの魔剣『魔皇剣ザンバットソード』と炎の剣『フレイムセイバー』が現れた。

 

「ハアッ!」

右手にフレイムセイバーを左手にザンバットソードを持ち構える。

「1対2だが…丁度いいハンデだ。さあ殺す気で掛かって来いヒーロー共!手を抜けばこの町を地図から消す!」

威圧感を出しながらも時乃はヴィランとして戦う姿勢を維持し続ける。

 

「ハンデだと?丁度いいだと?…どこまで俺を怒らせれば気が済むんだお前は!」

「いいだろう。お望み通り本気でやってやるよ!」

「それでこそヒーローだ!」

時乃の言葉に爆豪はさらに怒りが上昇し轟は全力で戦う姿勢を示し時乃は大きな笑みを浮かべた。

 

氷の再発(タイムリミット)まであと2分~




と言うわけで戦闘訓練(中編2)でした。
恐らく次話で終わると思います。
あとカッシーンですが彼らは時乃くんがオーマジオウの力を発現したと同時に何処からともなく勝手に作られ始め時乃くんに絶対の忠誠を誓っています。
最初の方は困惑していましたが今では普通に受け入れています。

近いうちにキャラ紹介?みたいな奴を作ろうと思います。
では、また次回!


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6ページ目

どうもこんにちは。
まさかの二日連続投稿に成功しました。
今回は戦闘訓練の後編でやっと決着です。
相変わらずの微妙な戦闘描写ですが頑張らせていただきました。
なぜか轟と爆豪が意外と仲良くなってて書いてる本人が一番ビックリしました。

あと一つだけ謝罪させて下さい。
昨晩小説投稿予約をミスったせいで投稿時間が早まり小説の更新通知が早く届いてしまうといった軽い事件が起きてしまいました。
すぐに削除し新しく予約投稿しましたが皆さまにご迷惑をおかけしました。
大変申し訳ございません。

では、どうぞ。ごゆっくり!


時乃がザンバットソードとフレイムセイバーをそれぞれの手に持ち爆豪、轟と向かい合っていた。

時乃からすれば氷の再発まで二人の足止めを行いその後で拘束するかタイムリミットまで戦いルールで勝利するのが理想と考えているため自ら動こうとは思っていない。

それに都合よく時乃の煽りで爆豪と轟のプライドを丁度良い感じに刺激し二人の冷静な判断力を鈍らせ核の回収を忘れさせる事に成功した。

(偶然ってすごいな…)

だがこれは全て想定外の出来事。

運に身を任せ直感(&未来視)だけで戦闘を行った結果起こった偶然の出来事であり完全に予想外の状況。

まさに運が味方したとしか言えない。

 

【おばあちゃんが言っていた。俺が望みさえすれば、運命は絶えず俺に味方する】

 

「……」

突如、頭の中に天道語録が流れたが気にしない方が身のためと思い無視することにした。

 

 

「死ねぇ!」

時乃が一向に動かずしびれを切らした爆豪が爆発による加速を行いながら一気に近づい顔に小さな爆発で目くらましをしてから背後に回る。

「当たると思うか?」

だがそれを先読みしていた時乃に目くらましは効かずザンバットソードを振ろうと体を捻り足を動かした時…

ズルッ!

「なっ!?」

バキンッ!

足元が凍り付いており足を滑らせて盛大にバランスを崩しザンバットソードによる斬撃は爆豪の籠手を破壊するだけに終わった。

さらに轟が氷塊を出しバランスを崩した時乃に氷塊をぶつけて吹き飛ばすことに成功した。

パキパキパキ…ドンッ!

 

「クッ!油断した!」

スタッ!

だが時乃も空中でバランスを取り綺麗に着地し再び剣を構えた。

「次は無いぞ!」

 

一方の爆豪は助けられたことに対し轟に文句を言っていた。

「おい、半分野郎。俺を助けたつもりか?」

「助けなければあの剣に当たって死んでただろ?」

「死ぬか!あの程度で俺は死なねえ!」

爆豪は強がっているが確かにザンバットソードが直撃していれば有無を言わさず死んでいただろう。

だが殺さないように柄の部分で意識を刈り取ろうとしていたので運が良ければギリギリ死なずに助かっていたのかもしれない。

 

「あいつの持っている剣から途轍もない威圧感を感じる…あの剣の攻撃を一度でも食らえばこっちが即戦闘不能になる。それに対しあいつの防御力は異常なまでに高くお前の爆破攻撃も俺の氷塊による攻撃も大したダメージになってなかった」

「…残り1分半」

「それに八百万達との戦いでも見た通りあいつのコスチュームは伸縮自在で上鳴を拘束し放電攻撃をものともしなかった」

「たしかにそうだな…だがあいつの持っている武器による攻撃ならダメージが入る可能性がある。問題は武器をどのように奪いどうやってあいつに当てるかだ…あいつの先読み能力は異常だぞ?」

「それについては大丈夫だ。あいつはお前の攻撃を先読みしたとき俺が地面を凍らせたことに気づかず足を滑らせた。どうやらあいつは一人分しか先読みする事が出来ないようだ…俺が囮になるからその隙に武器を奪い確実に当てろ。悔しいがそれしか勝つ方法がない」

「チッ、わーったよ」

轟の作戦を聞いた爆豪は勝つために自分のプライドを投げ捨てた。

 

「作戦会議は終わったか?氷の再発(タイムリミット)まで残り1分。悪いが1分以内にケリを付けさせて貰うぞ」

そう言いながらザンバットソードに付いているザンバットバットを動かし刀身を赤く光らせフレイムセイバーに炎を纏わせもう一度、両方の剣を構えた。

 

「いいか?当たれば死ぬぞ。だから絶対に当たるなよ?」

「しつけえぞ」

爆豪と轟も戦闘の構えを取った。

 

 

「「「……」」」

三人が睨み合い…

 

「…!」

パッキーンッ!

轟が視界の全てを覆うほど巨大な氷塊を一瞬で作り出し時乃を攻撃するがそれをフレイムセイバーの一振りで焼き切る。

「爆豪がいない!?どこにいっt『BONW!!』痛っ!」

だが爆豪が居ない事に気づき探そうとした瞬間、左手に激痛が走り思わずザンバットソードを手放す。

 

「今度こそ死ねや!変身野郎!」

「グッ!」

爆豪が落ちたザンバットソードを拾い時乃に向かって斬りつけるがギリギリ反応し右手に持ったフレイムセイバーで対抗する。

 

ガギィィィィィン!!!

 

だが二つの剣には僅かながらに力の差があったらしく

ギリギリッ…ピシッ!パッキィィィン!

 

「マジかよ!?おい!」

時乃が持っていたフレイムセイバーを真っ二つに圧し折られその勢いで時乃のローブに当たる。

バキバキッ!

「ガハッ!」

しかしローブの耐久性が僅かにザンバットソードの攻撃力を上回ったのか、それとも無意識下で力を抜いたのかローブは斬れなかったが時乃の体に衝撃が走りあばら骨を数本折る怪我を負わせた。

 

ドガンッ!

「クッソ痛え…けど我慢出来ない程の物じゃない!」

壁に叩き付けられた時乃は半ば圧し折られたフレイムセイバーを杖替わりにしながら立ち上がり折れたフレイムセイバーで土煙を払う。

 

 

「残り30秒…いや25秒か?まあどっちでも良い。あと少しで勝敗が決する」

そのままフレイムセイバーを捨てると爆豪が持っていたザンバットソードも空中に分解されるように消失する。

 

「だから最後は俺自ら相手してやろう。さあ掛かって来い!ヒーロー!」

そう言って空手の猫足立ちの構えを取り迎え撃つ準備をする。

 

「その必要は無えみてぇだぞ」

「なに?」

『爆豪、こちら轟。核を回収した。繰り返す核を回収した!』

「ほらな?」

轟は時乃が爆豪との戦闘に夢中になっている内に別の部屋に隠されていた核を回収した。

爆豪は途中でそれに気づき結果的に殿を引き受けたが時乃は気づけなかった。

 

『核を回収!ヒーローチームWIN!!!』

オールマイトの声が響き渡り爆豪と轟の勝利が知らされる。

 

「なるほど…ルールで負けたか。参ったなーこりゃ!アーハハハハ!ゴブォッ!」

負けを認めた時乃が笑い出したかと思ったら突如、吐血した。

 

「おい変身野郎!」

「あばらが2,3本折れてるだけだ。あと10分もすりゃ完治するよ」

「そうか…」

爆豪は少し心配したが時乃の力であれば問題なかったようだ。

 

「あと5秒か…どっちみち俺の負けだったな」

「どういう事だ?」

ピキピキ…パキッ!

爆豪が質問すると同時にビルが凍り付いた。

 

「こういう事だ。さっさと行くぞ地味にあばらが痛いからな」

「チッ!」

 

こうして爆豪&轟ペアvs.時乃&峰田ペアの戦闘訓練の結果は爆豪&轟ペアの勝利で幕を閉じた。

 

ちなみに峰田はちゃんと回収され女子からの評価が一時的に変わったがその後のセクハラ発言で評価は元に戻った。

そして時乃と爆豪はオールマイトに武器を使った事について怒られた。

 

とあるバー

 

この場所に4人の影があった。

1人目はバーテンダーのような服を着た黒い靄の男がグラスを拭いており

2人目は手のような物を顔や腕などに大量に付けた男が新聞のオールマイトが雄英の教師に就任した記事を読んでおり

3人目はボロボロの短パンを履いた上半身裸の黒い肌をしたムキムキな脳をむき出しにした鳥の嘴のような口を持った大男が生気を失った目でただボーっと立っている。

 

「なあ見ろよこれ。オールマイトが雄英の教師に就任だってさ」

そんな中、2人目の男が新聞を投げ出しながら口を開いた。

 

「なあ、どうなると思う?平和の象徴がヴィラン(俺たち)に殺されたら」

聞きながら右手に持った酒の入ったグラスを勢いよく傾け一気に酒を煽り懐から三つの黒いウォッチを取り出す。

『ガイム!』

『オーズ!』

『ジオウ!』

それをそれぞれ起動させるが何も起きない。

 

「気を付けてくれたまえ死柄木 弔。それらは私がスウォルツから奪って来れた貴重なウォッチの内の3つなのだから」

「ああ、分かってるよ。心配すんな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

救世主(ウォズ)さんよ…」

手を大量に付けた男に声を掛けたのは未来的な銀色の画家風の服を身に纏い、銀のベレー帽を被った男。

通称.白ウォズだ。

「そうかい?じゃあ頼んだよ。今はまだ行動出来ない私の代わりにあの魔王を討ち取ってくれたまえ」

 

時乃ハウスにて

 

現在時乃は静かに怒っている女性の前で正座させられていた。

「先になにか言って置きたい事ある?」

「ない…です」

「あっそ。じゃあ私の(・・)ウォッチを勝手に持ち出した理由を聴かせて貰えるかしら?」

白いワンピースを着て黒いタイツを履いた女性の圧倒的な女王様としての圧力に押され時乃は渋々今日の事を喋り出す。

「実は今日戦闘訓練があって…そこでクラスメイトがどんな個性を使うか分からなくて…俺が常備しているライドウォッチだけでは心配だったから全部のライドウォッチを持って行っただけだ…です」

「ハァ…ねえジオウ。私の職業が何か知ってるよね?」

「ヒーロー…だよな?」

「そう。私はヒーローをやってる。じゃあ私のヒーロー名とランキングは言える?」

「月光ヒーロー.ツクヨミ。ヒーローランキング25位」

「その通り。そして私の相棒(サイドキック)一人だけ。だけどそれで充分なぜなら私の相棒(サイドキック)はそんじゃそこらのプロヒーローよりも強いからね」

「…知ってます」

「そりゃ知ってるよね。じゃあさ…私が常備している6つのライドウォッチを私に一切相談せず全て持って行ったら…私がどれだけ困るかあなたなら分かる筈よねぇ?」

「…はい」

「ふふふふ…あなたが私のライドウォッチを全部持って行ったせいでパワー系のヴィランに押し負けそうになったのよ?気合でどうにか乗り切ったけどおかげでいつもより何倍も時間が掛かった上にいつも以上に疲れたのよ?どう責任取る気かしら?」

「…分かりません」

「あっそ、じゃあ…あとでマッサージして頂戴」

「いや、しかし…」

「あなたに拒否権は無いわ。今夜風呂から上がったら私の部屋に来て全身マッサージしなさい。それが今回の事への罰よ」

「分かりました…」

女性(ツクヨミ)に一切相談せずライドウォッチを全て持って行った時乃が全面的に悪いのでツクヨミの注文をただ黙って受け入れる事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

「ジオウを一方的に攻めるとは…やはり女は強い」

「それはツクヨミくんだけに限る事だと思うよ?」

柱の陰から覗いていたスウォルツ(元ラスボス)ウォズ(臣下)はひっそりと話していた。




やっと戦闘訓練が終わりました…めっちゃ疲れました。
時乃くんが負けた理由は普通に油断(慢心)していたからです。

質問等がございましたら遠慮なく聞いて下さい。
次回は委員長決めことマスコミの侵入の回です。
その次がついにUSJ編です!
アンケートは受付中なのでどんどん投票して下さい!

果たしてオーマジオウで無双するか。
それともグランドジオウとアナザーディケイドが共闘するか。
はたまた不思議な事が起こりジオウが増えまくるか。

全ては皆さまの投票次第です!
投票で選ばれなくても番外編みたいな物で選ばれなかったのを書く予定なのでご安心下さい。

では、また次回!(いつになるか分からない)


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7ページ目

どうもこんにちは。
なんか出来ちゃったので投稿しておきます。
今回は委員長決めとマスコミ突撃回で次回はついにUSJ編です。
脳無やアナザーライダー達との戦闘シーンを頑張って書いてみようと思います。
あと通算UA数が15000とお気に入り登録数200突破です!
本当にありがとうございす!

では、どうぞ。ごゆっくり!


戦闘訓練が終わった次の日

 

朝早く時乃ハウスにて

 

「ね…寝過ごした―!!

朝早くから時乃の大きな声が響いた。

俺も寝過ごしたー!!

ついでにゲイツの大きな声も響き渡った。

 

時乃は一切相談せず全てのライドウォッチを持って行った罰として10時に風呂に入り11時近くに風呂から上がったツクヨミの全身マッサージを行った。

その結果、寝る時間が0時近くになってしまい普通に寝過ごした。

 

ゲイツの方はというと夜遅くまでウォズとスウォルツに稽古を付けられていた。

稽古の疲労のあまりぐっすりと眠りすぎてしまい気づいたら遅刻確定の時間だった。

 

「今何時だ!?」

「ウォズ!ウォズはどこだ!?」

「ここだよ我が魔王」ヌッ

「「うおっ!」」

焦りまくっていた二人のすぐ後ろにウォズがヌッと現れ二人を驚かせた。

 

「そうだウォズ!ここから雄英まで距離は!?」

「約20キロだね我が魔王」

「バイクを飛ばして掛かる時間は!?」

「25~30分位だね。だけどその前にスピード違反で捕まるよゲイツ君」

「あと20分で遅刻確定…なにかいい案はないか!?」

「走って行けば5分で着くから走ればいいじゃないか」

「ちょっと待て!確かに俺とジオウが走って行けば5分で着くかもしれないが『個性』を使う事になるぞ!そっちの方がアウトじゃないか!?」

「それについてなら大丈夫だよ」

焦りまくる二人をよそにウォズは落ち着いて喋り続ける。

 

そして二人が待ちわびた救いの言葉が掛けられる。

「こほん…プロヒーロー.ウォズの名の下に『個性』の使用を一時的に許可する!」

「おぉ…!ありがとうウォズ!」

「恩に着る!」

「ただし次は無いよ?」

「「はい!」」

個性の使用許可が出た二人は、すぐ外に出て腰にベルトを巻きつける。

『『ジクウドライバー!』』

 

「「変身!ッ」」

そして二人とも両手にライドウォッチを一つずつ持ちそれぞれを装填しベルトを360度回転させる。

『RiderTime!仮面ライダー!ジオウ!』

『アーマータイム!カメンライド ワオ!ディケイド!』

『ドライブ!ファイナルフォームタイム!ド・ド・ド・ドライブ!』

時乃は仮面ライダージオウ.ディケイドアーマードライブフォームへと姿を変えた。

 

『仮面ライダー!ゲイツ!』

『スピードタイム!リバイ・リバイ・リバイ!リバイ・リバイ・リバイ!リバイブ疾風!疾風!』

ゲイツは仮面ライダーゲイツ.リバイブ疾風へと姿を変えた。

 

「「行ってくる!」」

「行ってらっしゃい。我が魔王そしてゲイツ君」

二人に別れの合図をすると同時に二人は一瞬にして消えた。

 

 

ドタンッ!ガラガラ!ゴシャッ!ドガガガッ!ズギューンッ!ヴゥ――!ヴゥ――!マックスハザードオン!オーバーフロー!エラー!ゴキンッ!(首の骨が折れる音)、ゲームオーバー!コンテニュー!『フーハハハハハ!』…バタンッ!

「ウォズ!」

「やれやれ…君まで急いでどうしたんだい?スウォルツ氏」

二人が走り出してから数秒も経たない内に大きな音&いろんな音と共にスウォルツが大急ぎで出て来る。

 

「ハァハァ…二人とも弁当を忘れて行ってるぞ!」

「そうか…私が届けるから君は買い物にでも行きたまえ」

「甘やかしすぎじゃないか?」

「君ほどじゃ無いよ」

「そうか?まあいい取り敢えず頼んだぞ!」

スウォルツの要件を聞いたウォズは弁当を受け取って、ファイズフォンⅩを取り出し自分の事務所に電話を掛ける。

 

「やあやあ、おはようウール君。」

『―――!――――?』

「いや特にヴィランが現れた訳じゃないよ」

『―――?』

「ちょっと我が魔王とゲイツ君に忘れ物を届けてくるからお昼が終わった頃に入ると連絡しただけさ」

『――!?―――!!―――!!?』

「はははは、そんなに怒らないでくれたまえ。ちゃんと埋め合わせはするからね」

『―――!―――!』

「ふむ、ちょっと厳しいね…まあ、いいだろう。ちゃんとやって置くよ」

『―――!――!!』

「ああ、だけどまずは彼に会わないとね。では、また」

ガチャ…

 

「さて…私は歩いて行くとしよう」

電話を切ったウォズはヒーロー活動をしながら雄英へ歩いて向かった。

 

 

雄英の校門前

 

雄英の校門の前に人だかりが出来ていた。

その人だかりの中には、マイクを持った女性レポーターやカメラマンなどが次々と生徒へと質問等をしていた。

 

この人達は、いわゆるマスコミだ。

 

その一人の女性リポーターが登校していた生徒達にマイクを向けて質問する。

 

「オールマイトの授業風景は、どんな感じですか?」

「えっ!?あ、すみません僕、保健室行かなきゃならないんで!」

 

別の女生徒にマイクを向けてまた同じ質問する。

「平和の象徴が教壇に立っている様子を聞かせてくれる!」

「えっ?えーと、筋骨隆々!って感じかな?」

 

別の男子生徒(以下略)

「教師オールマイトについてどう思ってます?」

「最高峰の教育機関に自分は在籍しているという事実を殊更意識させられますね。威厳や風格はもちろんですが他にもユーモラスな部分も我々学生は常にその姿を拝見出来る訳ですからトップヒーローとは何を持ってしてトップヒーローなのかを直に学べるまたと無い!」

飯田へ質問すると思ったよりも大真面目な返答が来てマスコミは少し疲れた顔をした。

 

「すみません!オールマイトについて!…って、あれ?君ヘドロの時の?」

「くっ…やめろ…!」

 

「あのオールマイトの…って小汚!なんですかあなたは!?」

「彼は今日非番です。授業の妨げになるんでお引き取り下さい」

相澤先生の対応によりマスコミ関係者はまたも情報を得る事が出来なかった。

 

などとマスコミが雄英の生徒や教師を困らせていた。

 

とそこへ二つの影が猛スピードで向かって来ていた。

「うぉーっ!ギリセーフか!?どうなんだ!?」

「15分前だ!問題ないはずだ!」

一人は羽が開いたような青い装甲を身に纏い。もう一人は腕にタイヤを嵌めて胸に『フォーミュラー』と書かれた装甲を身に纏った男が居た。

 

「お前…時乃か?」

「あ、先生!おはようございます!時間は大丈夫ですか!?遅刻してませんよね!?」

相澤の質問に時乃が逆に質問を返した。

 

「まだ15分前だから大丈夫だが…個性の無断使用は個性取締法違反で一発アウトだぞ?」

「それについては大丈夫です。ちゃんと俺もゲイツもウォズ(・・・)に許可を貰ってきましたから!」

「ウォズと言うと…ヒーローの方のウォズか?」

「はい」

「あの人との関係は?」

「同居人です」

「そうか…あとで連絡して確認するけど次からは遅刻しないように心掛けろよ」

「「はい!」」

事情を知って貰い相澤先生から許可が出て二人とも門を潜ろうとする。

が、そうさせないのがマスコミである。

 

「ウォズと言うとあのフューチャーヒーローのウォズですか!?」

「ああ、そうだが?」

「ちょっ、ゲイツ!」

マスコミの質問にゲイツが反射的に答えてしまいマスコミは二人をロックオンする。

 

「彼は普段どんな感じですか!?彼の個性は!?彼の本名は!?」

「一切教えません!では失礼!」

女性リポーターの質問攻めになにも答える事なく二人とも門を潜った。

 

A組の教室にて

 

「昨日の戦闘訓練お疲れ…VTRと成績見させて貰ったよ」

相澤先生が教壇で書類の束を持ちながら喋りだす。

「爆豪お前もうガキみてえなマネするな。能力あるんだから二戦目のようにしっかり使え」

「…分かってる」

相澤先生の言葉に爆豪は素直に受け入れた。

 

「んで緑谷は…また腕ぶっ壊して一件落着か…」

「うぅ…」

「個性の制御いつまでも出来ないから仕方ないじゃ通させねえぞ」

「俺は同じ事を言うのが嫌いだ。それさえクリア出来ればやれることは多い…焦れよ?緑谷」

「はい!」

緑谷は背中を押される形で叱咤された。

 

「んで最後に時乃…お前の力は対人戦では余りにも強過ぎるから変身せずに戦うのはいいがせめて武器はもっと慎重に選べ。一歩間違えれば爆豪が死んでたんだろ?」

「確かにあと数秒あの魔剣(ザンバットソード)を手放すのが遅かったら確実に暴走か魂の吸収が始まっていたな…」

時乃の言葉を聞いたクラスメイト数人は顔を青ざめた。

「…あの剣は禁止な?」

「…はい」

そしてザンバットソードの使用は禁止された。

 

「さてホームルームの本題だ…急で悪いが今日は君らに…」

(((((また抜き打ちテスト!?)))))

その言葉にクラスの心が一致した。

 

「学級委員長を決めてもらう」

(((((学校っぽいの来たー)))))

みんな一斉に安心した。

 

 

「委員長やりたいです!それ俺!」

「それ俺も!」

「ウチもやりたいっす」

「僕のためにあるやt「リーダーやるやる!」」

「オイラのマニフェストは女子のスカート膝上30センチ!」

「俺にやらせろー!俺にー!」

普通ならこういうことにならないがヒーロー科では集団を導くトップヒーローになるための素地を鍛える事が出来るため全員、立候補するのだ。

 

「静粛にしたまえ!」

そんな中、飯田の声が響き渡る。

「多を牽引する瀬金重大な仕事だぞ!やりたい者がやれる物ではないだろう!周囲からの信頼あってこそ務まる政務。民主主義に乗っ取り真のリーダーを皆で決めると言うのなら…これは投票で決めるべき事案!」

凄くカッコいい事言ってるが…

「「「「めっちゃ聳え立ってるじゃねえか!」」」」

腕がピーンと伸びきっていた。

「なんで発案したんだ?そう言う案を出すなら手を挙げない方が説得力があると思うが?」

「君も手を挙げているではないか!」

時乃も手を挙げていた。

 

「日も浅いのに信頼もクソも無いわ飯田ちゃん?」

「そんなもん皆自分に入れらぁ…」

「だからこそここで複数票取った者こそが真に相応しい人間という事にならないか?どうでしょうか先生!」

「時間内に決まればなんでもいいよ」

飯田の質問に相澤は寝袋に入りながら答えた。

「ありがとうございます。先生!」

 

~数分後~

 

投票結果.

緑谷3票

八百万2票

時乃2票

 

「僕3票!?」

「なんでデクに!?誰が!?」

「まあお前に入れるよかわかるけど…」

緑谷に票が入っていた事に爆豪はプルプルし出した。

 

「あれ?副委員長どうするんだ?」

「あ、俺辞退します!」

「「「「はああああっ!!?」」」」

誰かの素朴な疑問に反応し時乃は辞退した。

 

「じゃあ委員長は緑谷。副委員長は八百万で決まりだ…」

相澤先生がそう言って朝のホームルームは終わった。

 

「まあ良いんじゃないかしら?」

「緑谷何だかんだで熱いしな!」

「八百万は公表の時のがカッコ良かったし」

 

~昼休憩~

食堂にて

 

普段なら時乃とゲイツが一緒に食事をしているはずだが…

「「はぁ~」」

今日に限り二人とも寝過ごして遅刻しそうになり弁当を時乃ハウスに忘れるだけでなく二人揃ってお金も忘れると言う最悪の結果となった。

「なあジオウ…」

「どうしたのゲイツ?」

「ウォズが弁当持ってくるのって本当か?」

「本当だよ。もうすぐ着くって言ってたからあと少しで来ると思うよ?」

ゲイツの質問に時乃は弱々しい声で答える。

 

「そうか…朝飯抜きで戦闘訓練やったからな。今いろいろと限界なんだよ」

「そうなんだ…実を言うと俺も今朝の走りにエネルギー使い過ぎてやばいんだよなぁ…」

二人とも昨晩の夕飯から何も食べていなかったので育ちざかりの男子高校生には正直、結構やばい状況だった。

 

そんな中…

『ヴゥ―――ッ!!ヴゥ―――ッ!!』

『ヴゥ―――ッ!!ヴゥ―――ッ!!』

『セキュリティー3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋内に避難して下さい』

突然サイレンが鳴り響いた。

「なんだ!?」

「侵入者!?って、うおっ!」

人の波に押し流されるように二人共、窓の方に移動させられた。

 

「侵入者は誰だ!?見えるかジオウ!」

「ちょっと待て!ええと、侵入者は…マスコミ!?」

「マスコミ!?どうしてあいつらが侵入出来てんだ!」

「知るか!取り敢えず止めるぞ!」

「個性の使用許可出てないだろ!?」

「あとでウォズと口裏を合わせればいいだけだ!出でよ!我が家s、うわっ!?」

「ジオウ!」

カッシーンを召喚しようとした時乃は人の波に押され召喚詠唱を途中で強制解除された。

 

 

雄英の校門付近にて

 

侵入してきた報道陣が相澤先生とプレゼントマイクに詰め寄っていた。

「オールマイト出して下さい!居るんでしょ!」

「彼は今日非番だっつてんだろ?」

「オールマイトに一言貰えたら帰りますので!」

「一言貰ったら二言欲しがるのがあんたらでしょ?」

 

「これ立派な不法侵入だぜ。これもうヴィランだ。ぶっ飛ばしてもいいかな?」

「やめとけマイク。あること無いこと書かれるぞ。警察を待とう」

「…チッ」

と、対応に困っていた。

 

そんな時あの男(・・・)が来た。

「君達…申し訳ないがそこを退いてくれるかな?」

「ああ?今取材中なんだよ。邪魔すんn…ウォズさん!?」

取材陣の中の一人の男が少し怒りながら振り返るとプロヒーローのウォズが立っていた。

 

「ウォズ!?ってあのヒーローの!?」

「なんであなたがここにいらっしゃるんですか!?」

「あの!今度取材させてください!」

「オールマイトの教師就任についてプロヒーローとしてのお気持ちをお聞かせ下さい!」

ウォズが来たと知った瞬間、報道陣の興味が完全にそちら側に移りウォズに対して質問を開始する。

 

「はあ…私がここに来た理由は忘れ物を届けに来ただけ。取材に関しては事務所を通してにしたまえ。オールマイトに対して彼にはNo.1として生徒達をしっかり指導できるように周りの教師達にも協力してほしいと思うよ」

「もうういいかな?正直に言うとこの空気はあまり好きじゃないんだ…あと君達全員…」

取材陣の質問に全て答えたウォズは首に掛けているストールに手を掛け

「不法侵入で逮捕する!」

マスコミを一人残らず拘束する。

 

「ち、ちょっと!私たちには表現の自由があるんですよ!こんなことしていいと思ってるんですか!?」

「取材は相手に迷惑をかけない程度にしたまえ。そんな事くらい小学生でも分かるぞ!」

女性リポーターが抗議の声を上げたがウォズが一蹴した。

 

数分後

 

警察が到着しもれなく全員逮捕された。

「グッバイ!バッドマスコミュニケーション!」

「次からはしっかりと順序を踏みたまえ」

「それでウォズさんは誰に忘れ物を届けに来たんですか?」

「ああ、そうだった。時乃少年と明光院少年に弁当を届けに来たんだった。代わりに届けて貰えるかな?あと10分で事務所に行かないとウール君に怒られてしまうからね」

「分かりました。渡しておきます」

「感謝するよ。では、失礼」

相澤に弁当箱を手渡したウォズはスカーフを回転させ自分を包み込みその場から消えた。

 

昼休憩終了10分前に空腹で瀕死状態の時乃とゲイツを見つけた相澤は二人に弁当を渡すとほぼ同時に弁当の中身が空になった。

 

「「ご馳走様です!」」

「…そうか」

 

 

 

そして教室に帰ると緑谷が委員長は飯田の方が相応しいと言い委員長は飯田に変わった。

 

 

 

雄英の教師達数人が破壊された門を見ていた。

「ただのマスコミにこんな事が出来ると思うかい?」

「普通は出来ないでしょうね…」

「つまり何者かが唆したかもしれないね。邪な物が入り込んだか、それとも宣戦布告の腹積もりか」

「どちらしろ警備を強化しておきましょう




今回は低クオリティでしたが次回こそは!否!次回からはちゃんとした戦闘シーンも含めて頑張らせていただきます!

では、また次回!


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8ページ目

前話で訳の分からない作者の暴走と言うお見苦しい物をお見せしてしまいました。
今回はUSJ事件の入りです!
やっとあのUSJ事件ですよ!
今のところ一番の候補としてオーマジオウの無双が期待されているあのUSJ事件です!
出来る限り頑張らせていただきます!

では、どうぞ。ごゆっくり!


マスコミが侵入してから数日後

 

昼終わりのA組

「えぇ、今日の戦闘訓練は俺とオールマイトあともう一人の三人態勢で見る事になった」

「はい、今日は何をやるんですか?」

相澤の言葉に誰かが質問した。

 

「火事に水難なんでもござれの救助(レスキュー)訓練だ!」

そう言いながら『RESCUE』と書かれたカードを取り出した。

 

「レスキュー…今回も大変そうだな」

「ねえ」

「バカおめえ。これこそヒーローの本分だぜ!鳴るぜ腕が!」

(なぜ倒置法?)

「水難なら私の独壇場。ケロケロッ!」

 

「おいまだ途中!」

クラスメイト達がざわつく中、相澤先生の怒りの籠った声で一気に収まった。

「今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定したりする物もあったりするからな訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上、準備開始!」

要点だけ説明し終えると皆一斉に動き出した。

 

(救助訓練…『我が魔王。今日のヒーロー基礎学だけど訓練場に着いたらすぐにでも私に連絡してくれたまえ。いいかい?絶対だからね?ああ、あと一つサプライズを用意させて貰ったよ』とか言われたけどどういう事なんだろうか?また後で聞いてみるか…)

時乃は朝ウォズと話した事を思い出しながらコスチュームの入ったケースを取り出す。

 

コスチュームに着替え終わった一同はバスの近くにいた。

 

「サプライズってこのローブと同じ素材で作られた手袋かよ…あいつどんだけ心配性なんだ?」

時乃はローブと一緒に入っていた光沢のある黒い手袋を嵌めながら呟いた。

(しかもピッタリじゃないか。まるで特注品(オーダーメイド)…いつの間に計ったんだ?手袋なんて作った覚えないし…あいつの前で手のサイズを計った事もないのに)

「これ以上考えるのは止そう…」

時乃はなぜか怖くなり考えるのをやめた。

 

ピ―――!!

「1-A集合!バスの席順でスムーズに行くよう!番号順に二列に並ぼう!」

飯田が笛を吹きながら皆を案内する。

 

全員でバスに乗り込むが…

「クソッ!こういうタイプだったか」

「意味なかったな」

縦列タイプのバスだったので意味が無く各々が好きな席に座りバスが発進した。

 

移動中、蛙吹が口を開いた。

「私思った事をなんでも言っちゃうの。緑谷ちゃん」

「あ、あ、はい!蛙吹さん?!」

「梅雨ちゃんと呼んで」

「う、うん…」

「あなたの個性オールマイトに似てる」

「え!?そ、そ、そうかな!?いやあ、でも、あの僕は!ええと、その!」

蛙吹の言葉に緑谷が動揺しまくった。

 

「待てよ梅雨ちゃん。オールマイトは怪我しねえぞ。似て非なるあれだぜ」

それに対し切島が助け船を出した。

 

「しっかし増強型のシンプルな個性はいいよな。派手で出来る事が多い!」

「俺の『硬化』は」対人じゃ強えけど如何せん地味なんだよなぁ」

「僕はすごいカッコいいと思うよ!プロにも十分通用する個性だよ!」

切島は自分の個性を地味と言うが緑谷に褒められ少し嬉しそうにする。

 

「プロな!しかしやっぱヒーローも人気商売みてえなとこあるぜ?」

「僕のネビルレーザーは強さも派手さもプロ並み!」

「でもお腹壊しちゃうのは良くないね?」

芦戸の言葉に青山は黙り込む。

 

「まあ派手で強いと言ったら轟と爆豪!あと二人を相手に生身で一歩も引かなかった時乃だな!」

「ケッ!」

「俺は…負けたけどなぁ…」

切島の言葉に爆豪が舌打ちし時乃は思いに更けていた。

 

「爆豪ちゃんはキれてばっかだから人気出なさそう」

「んだとこら!?出すわ!」

「ほら」

蛙吹の言葉に予想通りの反応をした。

 

「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されてるってすげえよ」

「てめえのボキャブラリーはなんだこの殺すぞ!」

爆豪は弄られまくり爆豪の隣に座っていた耳郎が迷惑そうにしていたので時乃がローブの袖を伸ばし耳郎を回収した。

 

「せめてもう少し静かに叫べよ。おちおち考え事も出来ないじゃないか」(温い…)

「んだと変身野郎!」

時乃は回収した耳郎を自分の膝の上に座らせながら爆豪に文句を言った。

そして耳郎は頬を赤らめながらモジモジしていた。

 

「爆ぜろ…時乃」

峰田はボソッと呟いた。

 

「低俗な会話です事」

「でもこういうの好きだ!私!」

「もう着くぞ!その辺にしとけ!」

「「「「「はい!」」」」」

相澤先生の一言で全員黙った。

 

バスが目的の場所に着き全員が降りると宇宙服を着た一人の人影があった。

「皆さん!待ってましたよ!」

「スペースヒーロー13号だ!災害救助で目覚ましい活躍をしている紳士的なヒーロー!」

「私好きなのー!13号!」

どうやら13号は全員に人気のあるヒーローのようだった。

 

ちなみに時乃はと言うと…

「…」

ピピッ

『ウォズ。訓練場に着いたよ』

律儀にウォズに連絡していた。

 

そして全員でドーム状の建物の中に入った。

 

 

建物の中には巨大な湖、岩山、崩れたビル、土の山、赤いドームに緑のドーム等があった。

「うおー、すっげー!USJかよ!」

「水難事故、火災、土砂災害、暴風、etc…ここはあらゆる災害を想定して僕が作った演習場!その名もウソの(U)災害や(S)事故ルーム(J)!略してUSJ!」

(((((本当にUSJだった…)))))

どうやら本当にSUJだったようだ。

 

(いろいろとアウトじゃないのか?…いやそれよりもツクヨミが『今日はゲイツの物も含め全部のライドウォッチを持って行って良いから無事に帰って来なさい』と言ってくれた方が気になるんだが…明日雨でも降るのか?)

時乃が心の中で呟いているとなぜか相澤先生がため息を吐いた。

「はぁ…不合理の極みだな、おい」

 

「まあ仕方ない。じゃあ始めるか?」

「ええ始める前にお小言を1つ…2つ…3つ…4つ…5つ…」

(((((増える)))))

13号が指をどんどん上げて行く。

 

「皆さんご存じだとは思いますが僕の個性は『ブラックホール』。どんな物でも吸い込んで地理にすることが出来ます」

「その個性でどんな災害からも人々を救助出来るんですよね!」

緑谷の言葉に肯定するがしかしと続ける。

 

「しかし、それと同時に人を簡単に殺せる個性でもあります。みんなの中にもそんな個性の持ち主がいるでしょ?」

13号がそう言うと全員が一斉に時乃の方を向く。

「…なんで俺?」

時乃は疑問に思った。

 

「んんっ!超人社会は個性の使用を視覚性にし一見に成り立っているように見えます…しかし一歩間違えば人を容易に殺せる行き過ぎた個性を個々が持っている事を忘れないでください。相澤さんの体力テストで地震の力が秘めている可能性を知りオールマイトの対人戦闘訓練でそれを人に向ける危うさを体験して貰ったかと思います。この授業では心機一転!人命のために個性をどう活用して行くか学んで行きましょう。君達の力は人を傷つけるためにあるのではない助けるためにあるのだと心得て帰って下さいな!以上ご静聴ありがとうございました」

13号はそう言いながら紳士的な例をし話を終わらせた。

 

「素敵ー!」

「ブラボー!ブラボー!」

それに対し皆拍手していた。

 

「よし、じゃあまずは…」

バチバチッ!

相澤が口を開くと同時に照明部分に電気が走り広間に黒い靄が現れる。

ズズ…

 

「全員一塊になって動くな!13号生徒達を守れ!」

それを見た相澤は全員に指示を出し首に掛けていたゴーグルを装着する。

「なんだよ?」

「まーた入試みたいなもう始まってるぞパターン?」

「動くな!」

切島が疑問の声を上げるがすぐに相澤が叫んだ。

「あれは…ヴィランだ!」

 

 

「イレイザーヘッドに13号ですか…先日頂いた教師側のカリキュラムではオールマイトがここにいるはずなのですが…」

黒い靄を発生させているヴィランがそう呟く。

 

「やはり先日のはクソ共(ヴィラン共)の仕業だったわけか?」

その声を聞いたイレイザーはマスコミ侵入の日の出来事を思い出す。

 

「どこだよ?せっかく大衆引き連れて来たのにさぁ…オールマイト…平和の象徴…居ないなんてな?子供を殺せば来るのかな?」

主犯格の男がそう呟く。

 

 

ヴィラン連合USJ襲撃事件&アナザーライダー事件が…

いよいよ始まろうとしていた。

 

 

「ヴィラン~!バカだろヒーローの学校に入り込んで来るなんてアホすぎるぞ!」

「先生!侵入者用センサーは?」

「もちろんありますが…」

「現れたのはここだけか学校全体か…なんにせよセンサーが反応しねえなら向こうにそういう事が出来る奴が居るって事だ。校舎と離れた隔離空間そこにクラスが入る時間割。バカだがあほじゃねえ。これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」

轟のその言葉にクラスに戦慄が走る。

 

「13号避難開始。学校に電話飛ばせ!センサーの対策も頭にあるヴィランだ。電波系の奴が妨害している可能性もある…上鳴!お前も個性で連絡試せ…んで時乃はさっきから何やってんだ?」

相澤先生が指示を出している間、時乃はローブの内側に仕舞ってあるライドウォッチを探していた。

「あった…」

『ブレイド!』

ブレイドライドウォッチを取り出し起動させると『重醒剣キングラウザー』と五枚のカードが現れる。

 

『♠10、J、Q、K、A!ロイヤルストレートフラッシュ!』

そして五枚のカードをキングラウザーにスキャンさせUSJの天井に向かって斬撃を飛ばす。

 

「なにやってんだ!?」

「助けを呼んだ!これで気づくと思う!」

「…帰ったら反省文だ!」

相澤はそれだけ言ってヴィランの大群に突っ込んで行った。

 

「待って下さい!あの数を相手じゃいくら個性を消すって言ってもイレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛!正面戦闘は得意じゃないはず!」

「安心しろ緑谷。『ヒーローは一芸だけじゃ務まらない。常に別の手を隠し持っている』さ。先生なら心配ないさっさと避難するぞ!」

「それってウォズの!」

時乃がウォズから聞いたセリフをそのまま緑谷に伝えてる間に相澤先生はヴィラン相手にうまく立ち回っていた。

 

 

「すごい…多対一こそ先生の得意分野だったんだ」

「分析してる場合じゃない!早く避難を!」

クラスが出口に向かっているとまた黒い靄が現れ行く手を阻む。

 

「させませんよ」

「初めまして我々はヴィラン連合。僭越ながらこの度ヒーローの巣窟雄英高校に入らせて頂いたのは…平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思いましての事でして」

「は?」

「本来ならここにオールマイトがいらっしゃる筈ですが何か変更があったのでしょうか?まあそれとは関係なく私の役目はこれ…」

そう言いながら腕を広げるように黒い靄が広がって行く。

と同時に爆豪と切島が同時に攻撃を仕掛けた。

 

「その前に俺たちにやられる事を考えなかったか?!」

「待て!それじゃあ意味がない!」

「ふう…危ない危ない。そう生徒と言えど優秀な金の卵」

「駄目だ!退きなさい二人共!」

効果が無い事に気づいた13号はすぐに退くように言ったがそれよりも黒い靄が広がるのが早かった。

「私の役目はあなた達を散らして嬲り殺す!」

そう言うと同時に靄が一気に広がりA組を包んで行く。

 

「あれはやばい!」

一方で未来視を行い広場の未来を視た時乃は手を翳し空中に黄金の扉を開ける。

 

「…では私の役目は君を撃破し我が魔王とA組の生徒を救い出す事かな?」

 

 

「なに?」

ザグッ!

「がっ!?」

突如、出入り口から聞こえて来た声に黒霧が振り向くと黒とライトグリーンの槍が黒霧に突き刺さり黒い靄の中に居た数人を急に伸びたスカーフで助け出す。

 

「お、お前は…」

「貴方は…!」

「あの人は!」

 

「「「No.3ヒーロー.ウォズ(さん)!」」」

「やあやあ、こんにちは」

黒霧に突き刺した槍をスカーフで回収しながら気さくに手を振りながら挨拶をしたのはプロヒーローにしてオーマジオウの忠実なる臣下のウォズだった。

 

「さあて、私の母校で勝手な事をした罪は重いよ?」

ウォズの瞳には確かな怒りが込められていた。

 

「ぐっ…完全に想定外です!」

そして黒霧は焦りまくっていた。




はい、と言うわけでUSJ事件に入りでした。
次回は、時乃君側で戦闘シーンに入ると思います。
作者の素朴な疑問。
人間が使ってもあまり危険のないライダーの武器ってなんでしょうか?

では、また次回!


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9ページ目

どうもこんにちは。
まさかの一日で書き終えました!いやー本当自分でも驚きです…
えーと今回は時乃くんサイドでの戦いです。
微妙な戦闘シーン満載ですがどうか温かい目でご覧ください。
人間が使っても危険の無い仮面ライダーの武器を教えて下さった皆様。
本当にありがとうございます!

では、どうぞ。ごゆっくり!


時乃サイド

 

あの黒い靄のヴィランが出した靄に吸い込まれると岩山に出た。

 

スタッ

「なんだここは?」

時乃が辺りを見渡していると上空にまた黒い靄が広がり中から3つの人影が降ってくる。

 

「うわー!」

「きゃー!」

「誰か助けてくれー!」

上を見ると八百万、耳郎、上鳴が落ちて来た。

 

「ふっ!」

なのでローブの袖を一気に伸ばし3人を一度に助ける。

 

「「「隙ありだー!」」」

「っ!?クソがー!」

だがそれと同時に近くに潜んでいたヴィランが同時に攻撃を仕掛けた。

 

その攻撃を全て受け流しながら三人を無事に回収した。

『ジカンギレード!ケン!』

そしてローブを戻しジカンギレードを取り出し近くに居たヴィランを斬り飛ばす。

 

「ぐあっ!」

「嘘だろこいつ!容赦無しかよ!?」

ヴィラン共が何か言ってるが関係ない。

 

「俺を殺そうとしたんだろ?なら殺される覚悟くらい出来てるんだろうな?」

「「ヒィッ!」」

 

『ジカンギレード!ジュウ!』

ドドンッ!

そしてすぐにジカンギレードを銃モードに切り替え近くのヴィランの膝の関節部分に一発ずつ撃ち込む。

 

「隙を見せたな!ローブ野郎!」

ダダダンッ!

「痛ってえ!」

「でぇや!」

さらに後方から攻めて来たヴィランに対し弾を3発撃ち込んでからヴィランの集団に向かって蹴り飛ばす。

 

「「「うわー!?」」」

「やべえ!何なんだよこいつは!?」

「ガキしか居ねえんじゃなかったのか!?」

「クソッ!こいつに構っている暇なんかねえ!他の奴らを狙うぞ!」

時乃を恐れたヴィラン達は八百万達を狙うが次々と返り討ちにされて行く。

 

「確かに私たちは時乃さんと比べて実力は劣りますが!」

「それでもアンタ達程度なら倒せるんだよ!」

「俺を舐めんな!」

八百万は個性で創造した鉄パイプを振り回し応戦。

耳郎は八百万が創造した剣でヴィランを殴りながら偶にイヤホンジャックとコスチュームの機能で自分の心音を増幅させヴィランの鼓膜を破る。

上鳴は相手に近づき放電すると言った原始的な方法だが着実にダメージを与えて行ってる。

 

「駄目だ!こっちも強え!」

「どけどけ!ここは俺に任せろ!」

ヴィランが攻めあぐねいている中、一人の巨大な図体を持つヴィランが時乃に向かって走っていた。

 

「遠距離ばっか使う奴はな!大抵接近戦が苦手と相場が決まっているんだよ!」

「チッ!」

ダダダダンッ!

チンッ!チュインッ!キンッ!ギンッ!

迫って来るヴィランの巨体に対しジュウを乱射するが全て弾かれる。

 

「フハハハ!無駄だ無駄だ!俺の個性『鋼鉄』の前ではどんな武器も意味をなさねえんだよ!これはガトリングガンでも検証済みだ!」

「いつから俺が近接戦しか出来ないと錯覚していた?」

『アギト!』

ヴィランの言葉にすぐさま『アギトライドウォッチ』を起動させ何も無い空間から現れたフレイムセイバーを片手に持ち、擦れ違いざまに横一線に剣を振る。

 

ブシュッ!

「…カハッ!そんなバカ、な…!?」

ズズンッ!

鋼鉄による防御力が自慢のヴィランは己の胸に出来た斬られた跡から出血するのを見て自分に起きた事に理解が追い付かないまま気を失って倒れこんだ。

 

「…不思議か?俺がなぜお前の鋼鉄の防御力を上回ったか知りたいか?答えは簡単だ。この剣は鋼鉄程度なら簡単に切り裂ける切れ味を持っているからな…お前の硬さが鋼鉄以上ダイヤモンドくらいの硬度を持っていたら少しは耐えれたかもな?まあその場合より強力な武器でお前を斬っていたから意味なかっただろうな?ってもう聞いてないか」

時乃はフレイムセイバーを肩に担ぎジカンギレード銃モードで周囲のヴィランの膝関節に一発ずつ弾を撃ち込みながら若干の皮肉を込めながら言った。

 

「あいつまでやられた!やっぱりこいつはただのガキじゃねえ!」

「キヒヒ!久しぶりに斬り甲斐のある奴がいるじゃねえか!こいつは俺がもr『ズバッ!』うがぁ!!?」

「もう飽きた!」

鋭く長い爪を持ったヴィランが喋っている間に時乃は一気に近づきヴィランに両腕を一太刀で斬り落とした。

 

「クソッ!こうなりゃ自棄だ!全員で掛かれ!あいつもこの数を相手に対応できるはずが無え!」

「「「「「う、うおおおお!!」」」」」

一人のヴィランの言葉に他のヴィランが一斉に時乃に向かって走り出した。

 

「やれやれ…嫌になっちゃうなー」

『ダブル!』

そう言いながらも『ダブルライドウォッチ』を起動させメタルシャフトを取り出す。

 

「雑魚に時間をかけてる時間なんて無いんだよ!」

『メタル!マキシマムドライブ!』

そのままマキシマムドライブを発動させ周囲一帯のヴィランを吹き飛ばした。

 

「こっちは終わったけど…広場に『アナザーオーズ』と『アナザー鎧武』が現れるから時間稼ぎしておかないとな…」

「我が家臣達よ。お前たちの命を時間稼ぎの為に使ってくれ…不甲斐ない王を許してくれ」

『我々の命は全て我が魔王の為に存在しています。我が魔王が気になさる事は微塵もございません!』

「そうか…ありがとう。なら後は頼んだぞ」

『ハッ!お任せ下さい!』

時乃はカッシーン達に連絡を取り八百万達の援護に向かう。

 

八百万、耳郎、上鳴はヴィランに囲まれながらも対応出来ていた。

だが連戦続きで疲労の色が見え始めていた。

「クッ!」

「駄目だ!こいつらも強い!」

「だが見ろ!かなり疲労してきてるぞ!」

「あと少しだ!あと少しでお前達を嬲り殺しにして…」

「して?そのあとはどうするんだ?」(時乃)

「もちろん男は殺して女は全員で…ってなぜお前がいるんだ!?」

「あっちは終わったからだよ!雑魚ヴィランが!」

ズバッ!

「ぐああ!」

油断しきっていたヴィランが背後に立っていた時乃に気づくと同時に斬られる。

 

「「「時乃(さん)!」」」

「やっほー」

三人の言葉に時乃は手をひらひら振りながら挨拶を返す。

 

「ふざけるなよクソガキが!」

「ふん!」

グサッ!

「ぐがああ!」

攻撃を躱した時乃は左手に持っていたフレイムセイバーをヴィランの肩に突き刺し蹴り飛ばす。

 

『クウガ!』

すかさず『クウガライドウォッチ』を起動させメタルシャフトをドラゴンロッドに変化させる。

「八百万!なにかこの状況を突破する策があるならすぐにでも実行してくれ!正直この数を相手に長く持ちこたえられる自信は無い!」

迫りくるヴィランをドラゴンロッドで吹き飛ばしながら叫ぶ。

「分かりましたわ!上鳴さん放電の準備を!耳郎さんは1分程、時間を稼いでください!」

「やってみる!」

「悪い!俺は途中で落ちるかもしれねえ!」

「じゃあこれ使え!おらっ!」

上鳴の言葉に時乃はフォーゼライドウォッチを起動させビリーザロッドを投げ渡しドラゴンロッドで拘束していた鳥系の個性を持ったヴィランを締め落とす。

 

「おっとと!おお!?こいつはビリッと来るぜ!」

ビリーザロッドをキャッチした上鳴は自分に流れて来る電気を感じながら次々とヴィランを感電させて行く。

 

「きゃっ!」

「耳郎!チッ!」

『ウィザード!』

耳郎がヴィランの攻撃で吹き飛ばされたのを見た時乃はローブを伸ばし耳郎を回収。

そのままの勢いでウィザードライドウォッチを起動させウィザーソードガンをガンモードで取り出し次々にヴィランの膝関節を的確に撃ち抜いていく。

 

「ハァッ!」

『ジカンギレード!ジュウ!』

ダダダダダダダダダダッン!

さらにジカンギレードを銃モードで取り出し耳郎を解放してウィザーソードガン.ガンモードとジカンギレード.ジュウモードの二丁拳銃で次々と的確に膝関節のみを撃ち抜いて時間を稼ぐ。

 

「出来ましたわ!」

そして八百万が声を上げ耳郎と時乃を巨大なシートで覆う。

 

「なんだありゃ?」

「ガードのつもりか?」

今まで派手な戦闘ばかり見て来たヴィラン達は困惑した。

 

「厚さ100ミリの絶縁シートですわ!」

「なるほどな…」

八百万の言葉に上鳴が口角を上げニヤリと笑った。

「これなら俺は…クソ強ええ!!」

ズッギャーン!!!

ビリーザロッドによって大量の電気を蓄積していた上鳴の放電攻撃は周囲一帯を電気で焼き尽くすかの如く威力を誇り原作で地面に隠れていた妨害電波を飛ばしていたヴィランすらも感電させ気絶させる電撃を放ち八百万の創造した絶縁シートをも貫通する程の威力だった。

 

シュウウウウ………

「ほえ~…ウェヘヘイ。ウェーイ」

周囲の煙が収まり焼け焦げたような臭いが充満する中をアホになった上鳴が歩いていた。

バサッ…

「ウェ?」

八百万の創造した絶縁シートがバサリと落ちると中腰の状態の時乃が居た。

しかもいろんな物が最強クラスのローブが地味に…いやかなり膨らんでいた。

「…プハァ!はあはあ!死ぬかと思った!二人共大丈夫か?」

時乃がローブの前の部分を開けると中から顔を赤面させた八百万と耳郎が全くの無傷で時乃の膝に座った状態で出て来た。

 

「時乃の胸筋…匂い…すごくよかった///」

「殿方に抱き寄せられて…ああ、もうお嫁に行けませんわ!///」

「ほえ~?」( ・∀・)b!!

上鳴はよく分かってない状態でサムズアップした。

 

 

「よし…行くか!」(まだあの感触が残ってやがる…!)

二人を降ろした時乃は先ほどから感じる嫌な気配のする広場に向かって歩き出した。

ちなみに二人を膝に乗せた時に感じた温もりや感触をまだ感じ続けていた。

 

うれしい感触に苛まれながら広場の見える場所まで移動した時乃が見たのは…

 

カッシーンを相手にバトライドウォーシリーズの如く暴れるアナザーガイム。

フォームチェンジを駆使しながら仮面ライダーウォズを相手に互角以上の戦いを繰り広げるアナザーオーズ。

そして平和の象徴ことオールマイトと殴り合う改人.脳無。

 

という三つの超バトルだった。

「………………………えぇ?」

この光景にはさすがの時乃も困惑の声を漏らした。




ええと、一応念のためもう一度ご報告しておきますが八百万さんはヒロインではありません。
耳郎さんはヒロインですが八百万さんは違います。
ヒロインはUSJ事件の後で出ます。
そして次回は、広場側。
つまり最後の場面でどうしてそうなったかを知ることが出来ます…多分。
上手く書ける自信はありませんが頑張らせていただきます!

では、また次回!


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10ページ目

お久し振りです。
普通に時間が掛かってしまいました。
言って置きますがオーマジオウの無双はまだありません。

今回はウォズの戦闘シーンです。

相変わらず微妙な戦闘シーン満載ですが…そこはお許し下さい。

では、どうぞ。ごゆっくり!


ウォズサイド

A組の生徒が数人黒い靄に吸い込まれ山岳地帯に移動させられた頃。

 

「さて、君たちがここに来た理由に興味はないが…我が魔王の未来のために障害になりそうな君達を今ここで倒させて貰うよ?」

「なぜ…なぜ貴様がここに居るのだ!」

ザグッ!!

ウォズの言葉に黒霧がぶち切れながらウォズに向かって両腕を伸ばすがもう一度『ジカンデスピア』を突き刺す。

 

「13号。君は生徒達を連れて避難したまえ。こいつの相手は私がする」

「ウォズさん。分かりました!皆早く避難を!」

「させませんよ!」

13号がA組の生徒達を避難させようと動くと黒霧が靄を広げるがウォズがすかさずジカンデスピアを鎌モードに変化させて黒霧の出した靄をぶった切る。

『カマシスギ!』

「君の相手は私と言ったはずだよ?」

「くっ!そこをどけ!」

ズバッ!

「ぐああっ!」

今度は本体を斬り黒霧の体から血が滴る。

 

「さて君を倒してからイレイザーヘッドの援護に行くべきか…それともその二つを同時にこなすか…?」

「ふむ…後者を取らせて貰うよ」

ザシュッ!

ウォズがもう一度、黒霧にジカンデスピアで斬りつけてから自分の腰にドライバーを巻きつける。

『ビヨンドライバー!』

さらにミライドウォッチを取り出す。

『ウォズ!』

『アクション!』

それを自分のドライバーにセットしレバーを前に倒す。

『投影!フューチャータイム!』

『スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!』

そのままフューチャーヒーロー.仮面ライダーウォズに変身する。

 

「さて…死ぬ覚悟は出来てるかな?」

『ビヨンドザタイム!タイムエクスプロージョン!』

「クッ!」

変身したウォズは黒霧に必殺の飛び蹴りを食らわせ広場へと吹き飛ばす。

 

「ハァッ!」

相澤が一人のヴィランを捕縛布で拘束し別のヴィランの元に投げ飛ばす。

 

「はあはあ…」

だが普段の短期決戦とは違い思ったよりも長期戦になってしまいスタミナ切れを起こしかけていた。

 

「おいおい無理すんなよイレイザー。お前の戦闘スタイルは奇襲からの短期決戦だろ?とっとと倒れr『ドガーン!』なっ!?」

「グァッハァ!?」

死柄木が喋っているとすぐ近くに黒霧が勢いよく降って来る。

その時、発生した土煙により一緒に付いて来た者を認識出来なかった。

「おい黒霧…どうしたんだよ?おm「ちぇああ!」がっ!?」

黒霧に話しかけようとした死柄木は土煙から現れた黒いブーツに顎を蹴り抜かれた。

 

「ふんっ!」

クルクルスタッ!

手を伸ばそうとした死柄木から飛び退き離れた一つの影は相澤の横に降り立つ。

 

「おりゃっ!」

降り立った影は手に持っていた槍を異形型の個性を持つヴィランに突き刺しそのまま蹴り飛ばす。

 

「久しぶり…という程でもないねイレイザーヘッド」

「ウォズさん…なぜあなたがここに?」

「それはまたあとで説明するよ。今はこいつらを片付けよう」

その影は変身を解除した状態のウォズだった。

 

「ウォズだと!?」

「なぜNo.3がここに居るんだよ!?」

「聞いてねえぞ!」

突如乱入して来たウォズに対しチンピラクラスのヴィラン達は盛大に戸惑っていた。

 

「今ここでこいつを殺せば俺の名は売れに売れまk『カマシスギ!』うぃぎゃあ!!?」

そんな中、果敢にもウォズを襲おうとしたヴィランは即座に切り伏せられた。

 

「嘘だろこいつ!まったく容赦しねえぞ!」

「本当にヒーローかよ!?」

ウォズのヒーローらしからぬ行動(容赦の欠片も無い攻撃)に恐怖した。

 

「ウォズさん…貴方って人は」

それを横で見ていたイレイザーヘッドはドン引きした。

 

その視線に気づいたウォズは

「なんだいその目は?相手が二度と反逆の意志を抱かせないように完膚無きなまでに叩き潰さなくてはいけないじゃないか?こっちの方が実に合理的だよ」

と言い放った。

「…」

その言葉を聞いた相澤は何も言えなかった。

 

「まあいい。私はこっちをやっておくから君はあっちを頼むよ。では、失礼!」

相澤に指示を出したウォズはジカンデスピア片手にヴィランの集団に突っ込んだ。

 

「お前達には我が魔王が覇道を歩むための犠牲という偉大な運命が待ち構えている!誰一人として逃がさないよ!」

スカーフで相手を拘束し自分の元に引き寄せてから殴り飛ばす。

相手の懐に入り込み衝撃波を食らわせ吹き飛ばす。

『逢魔降臨歴』を開けて相手を閉じ込めたり飛び出す数枚のページで相手の視界を遮りその隙に適格に人体の急所を曲げた指の関節で突きまくる。

武器を使って攻めてくる相手にはジカンデスピアで対抗する。

 

 

「クソがクソがクソが…クソがーー!!!」

ウォズが乱入して来た事により作戦が台無しになった事、先ほど顎に蹴りを入れられた事、危うく出入り口(ワープゲート)を倒されかけた事などが積み重なり死柄木の怒りは頂点に達していた。

 

「殺す殺す殺す!あいつだけは絶対殺す!脳無!」

「待ちなさい死柄木 弔!脳無は対オールマイト用です!ウォズを相手に使ってはいけません!」

「うるさい黙ってろ!脳無!あいつを殺しに行け!」

「…うぅぅ、がああああ!!」

黒霧の忠告を無視した死柄木は怒りに任せ脳無に命令を下す。

 

「むっ?」

『ビヨンドライバー!』

『キカイ!』

『アクション!投影!フューチャータイム!』

『デカい!破壊!豪快!フューチャーリングキカイ!キカイ!』

いち早く脳無の接近に気づいたウォズはすぐさまキカイミライドウォッチを起動させ仮面ライダーウォズ フューチャーリングキカイに変身し脳無の拳を受け止め力比べに持ち込む。

ズンッ…!!

「クッ!中々やるじゃないか?!」

「グルゥ…」

ミシ…ビキッ…バキンッ!

力比べをしていた二人はお互い一歩も引かず逆に力比べをしていた場所の地面に亀裂が入り始める。

 

「オールマイト並のパワーか…なるほど、このままでは埒が明かないね」

「なら一瞬でケリを着ける!タァッ!」

力比べをやめたウォズは脳無にバランスを崩させ腹部に蹴りを入れる。が…

「効いてない?」

『ジカンデスピア!ヤリスギ!』

ウォズは疑問に思いながらもすぐにジカンデスピアで脳無の両腕を斬り落とし先ほどよりも強力な蹴りを入れ衝撃波で死柄木達の所に吹き飛ばす。

 

(もう再生し始めている…あの怪物…そうか!あれが脳無か!)

ウォズは自分が戦っている相手の事を思い出し辺りを見渡す。

 

(オールマイトはまだ来ていない…緑谷 出久達がすでに水辺に居る事から考えるともうすぐ来るはずだが)

「厄介だね…」

自分の攻撃力では脳無にちゃんとしたダメージを与える事が出来ないと理解したウォズは武器を持ち直し小さく呟いた。

 

 

一方で死柄木は脳無が自分達の所まで吹き飛ばされた事実に怒りが募っていた。

「クソッ!もう一度やれ脳無!」

「やめなさい死柄木!」

「っ!邪魔する気か黒霧?」

「そうではありません。『ウォズ(ヒーロー)』には同じ『ウォズ(救世主)』から貰った力を使いましょう」

「ああ?」

黒霧の提案をよく理解していない死柄木は首を傾げた。

 

「あの3つの黒いウォッチを使うのです。それならオールマイトにも勝てるでしょうから」

「そうだな…じゃあ適当に2人連れてこい。実験するぞ」

「はい」

黒霧の提案を理解した死柄木は懐に隠し持っていた2つのアナザーウォッチを取り出す。

 

「連れてきました」

ドサドサッ

「よし…」

『オーズ!』

『ガイム!』

黒霧が連れて来たチンピラヴィラン2人にアナザーウォッチを1つずつ埋め込む。

「さあ…ウォズを殺しに行け!」

死柄木が命令を下すと二体のアナザーライダーはウォズに向かって走って行った。

 

ちょうどこの時ヴィランを倒し終えた時乃がカッシーン達にヴィランの足止めを命じ黄金の扉からカッシーンが出始めた瞬間と偶然にも重なった。

「偶然(ご都合主義)はすごい」(シミジミ)by.作者

 

三人称視点

 

アナザーガイムとアナザーオーズがウォズに向かって走っていると急に黄金の扉から無数の影が飛び出してきた。

 

「「「「「我らはカッシーン部隊!我らが魔王の命により貴様らの足止めを実行する!」」」」」

そう言いながら飛び出したカッシーン達はヴィランやアナザーライダーに向かって行った。

 

「カッシーン?我が魔王も心配症だね…いや丁度いいね」

召喚されたカッシーン達を見たウォズはそう呟きながら『ギンガミライドウォッチ』を取り出し起動させる。

『ギンガ!』

『アクション!投影!』

『ファイナリータイム!』

『ギンギンギラギラギャラクシー!宇宙の彼方のファンタジー!ウォズ!ギンガファイナリー!ファイナリー!!』

 

「私がアナザーオーズを相手にするから君達はアナザーガイムを相手してくれたまえ!それくらい出来るだろう?」

「お任せくださいウォズさん!総員突撃ー!」

「「「「「うおおおお!!!」」」」」

 

ウォズがカッシーン達に命令を下すとカッシーンはそれに素直に従った。

 

そして遂に本物のライダー(+α)と偽りの仮面ライダーの戦闘が始まった。

だが予想だにしない事が起こった。

 

『ライオン!トラ!チーター!』

『ラタラタ!ラトラーター!!』

「これはさすがに予想外だよ!」

なんとアナザーオーズがラトラーターコンボへとコンボチェンジしたのだ。

 

これにはいつも冷静なウォズも驚きを隠せなかった。

だが流石は最高位のプロヒーローすぐに落ち着きを取り戻しアナザーオーズと向かい合う。

 

(まったく…本当に厄介な事をやってくれたね、もう一人の私)

ウォズは心の中で愚痴を零しながら相手を観察する。

 

アナザーオーズ.ラトラーターコンボ(仮称)は、獅子のような立派な鬣にネコ科の動物のように縦に割れた瞳孔。

鋭い牙が見える口元。

本物のトラのような太い腕に鋭い爪。

太く強靭な斑点模様の両足。

両脚の脹脛から伸びたジェット機の噴射口のような物。

どう見ても原作の仮面ライダーオーズを怪人化させた姿だった。

 

(ラトラーターコンボの特性は超高速と発光による超高温…)

「先手必勝!」ダンッ!

バキンッ!

相手の戦闘スタイルを思いだしたウォズは地面が壊れ破片が飛び散る程に強く踏み込んだ。

 

ガギィィィィィィンッ!

アナザーオーズの爪とウォズの槍がぶつかり合い空気を揺らすような甲高い音と共に突風が巻き起こった。

「ふんっ!」

そのままアナザーオーズの腹部に全力の蹴りを入れ天高く吹き飛ばす。

 

『フィニッシュタイム!』

『バクレツ!デ・ランス!』

ジカンデスピアのタッチパネル部分を三度スライドし一気に跳躍。

空中で姿勢を整える前のアナザーオーズに音速を超えた突きを食らわせる。が…

 

『タカ!クジャク!コンドル!』

『タージャードル~!!』

攻撃が当たるタイミングとほぼ同時にコンボチェンジを行い寸の所で躱された。

 

アナザーオーズが変身した姿は赤い羽根を生やした鷹のような頭に立派な赤い翼、真っ赤な両脚と猛禽類を思わせる鋭い金の爪。

やはり『仮面ライダーオーズ.タジャドルコンボ』を怪人化させた姿だった。

 

「今度はタジャドルか…良いだろう付き合ってやるよ」

『タイヨウ!』

『アクション!投影!』

『ファイナリータイム!灼熱バーニング!激熱ファイティング!ヘイヨー!タイヨウ!ギンガタイヨウ!』

 

「一緒に来て貰うよ!」

ウォズも即座にギンガタイヨウへと変身しアナザーオーズを炎を纏った拳で殴り地面に叩き落とす。

 

 

「……そろそろ来るかな?」チラッ

ウォズが出入り口の方を見るとほぼ同時に扉が吹き飛んだ。

 

「もう大丈夫!なぜって?私が来た…!」

「ヒーローは遅れて登場…ってね?」

扉を吹き飛ばしながら入って来たオールマイトに向かってそう言った。

 

戦いはまだ続く…




なんか強くなってる本編よりアナザーオーズ…理由を説明すると白ウォズが頑張りました。つまり

黒ウォズ→時乃くんのコスチュームの製作を頑張った。
白ウォズ→アナザーウォッチの改良を頑張った。

と言う感じです。
現在、弔が使ってるアナザーウォッチは2つ。
残り1つ。

白ウォズの残りアナザーウォッチ所有数3つ。


次回こそオーマジオウを登場させたいです!
では、また次回!


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11ページ目

取り敢えずこんにちは。
1日で書き終える事に成功しました!
ギリギリだったけど…
今回もオーマジオウの無双はありません。
次回!次回は絶対に!100%いや…1000%入ります!

では、どうぞ。ごゆっくり!


「私が来た!」

出入り口の扉を壊しながら入って来た筋肉の塊と言っても過言ではない程の大男。

彼こそがNo.1ヒーローにして平和の象徴、オールマイトである。

何時如何なる時も笑顔を絶やさず人々に希望を与える最高のヒーローの彼だが…今回は一切、笑っていなかった。

 

「嫌な予感がしてね…校長のお話しを振り切ってやって来たよ。あらかたの話を外に居る13号や生徒達に聞いた…まったく自分の不甲斐なさに腹が立ったよ。後輩がどれだけ頑張ったか、まったく関係ないはずのヒーローにどれだけ迷惑を掛けたか、生徒達にどれだけの恐怖を感じさせたか。だからこそ私が胸を張って言わなくてはならない…」

 

「もう大丈夫!私が来た!」

 

「オ…」

「「「「「オールマイト!!!」」」」」

オールマイトの言葉に生徒が歓喜の声を上げる。

 

「「「「「オールマイト!!?」」」」」

そしてヴィランは恐怖と驚愕の声を上げた。

 

「待ったよヒーロー…社会のゴミめ!」

そして死柄木は口角を上げながら嬉しそうに呟く。

 

「やれやれ…ヒーローは遅れて登場かい?そう言うのは別の機会にして貰いたいものだよオールマイト」

ウォズは皮肉を込めながら仮面の中で嬉しそうに微笑んだ。

 

 

「あれが…オールマイト!」

「生で見るの初めてだぜ!」

「迫力すげぇ…!」

「バカ野郎!尻込みすんなよ!あれを殺って俺たちg『ドガッ!』グバッ!?」

一人のヴィランが何か言おうとしたが一瞬で移動して来たオールマイトにぶっ飛ばされた。

 

「ひっ!」

「ぐあっ!?」

「ぶがっ!?」

「ぐおっ!」

ついでと言わんばかりに広場に居たヴィランの殆どが殴り飛ばされた。

 

「…相澤君。お疲れ様!あとは私がやっておくから…君は休んでいてくれ」

そして相澤先生の隣に立ち肩に手を置き弔いの言葉を掛ける。

「…オールマイトさん。ありがとうございます…くれぐれも無理だけはしないように」

「分かっている…」

相澤の言葉にオールマイトは頷き緑谷達を水辺から引き上げるついでに死柄木の元に態々近づき一発食らわせる。

 

「グッ!」

殴られた衝撃で死柄木が着けていた手のようなアクセサリーが落ちた。

 

「へ?あれ?!」

「みんな入り口へ!相澤君を頼んだ!意識をギリギリ保ててる状態だ。早く!」

「は、はい!でもあの怪物たちが!」

緑谷達に移動するよう命令するが峰田の言葉によってどうするべきか考えようとする。

そこへすかさずウォズがフォームチェンジしながら声を掛ける。

 

「こっちのアナザーライダーの相手なら私とカッシーン達に任せたまえオールマイト!偶には後輩に任せるのも良いと思うよ。全部自分が抱え込んでいたらいつか破裂するからね!」ワクセイ!

「ウォズ!…分かった。あれは君達に任せる!」

「聞いたかお前ら!鉄くずになるまで戦え!」

「「「「「イエッサー!!」」」」」

オールマイトの言葉が聞こえたカッシーンの隊長格は他のカッシーン達に命令を下し一斉にアナザーガイムへと突撃する。

 

 

ズバッ!

ズガーンッ!

ガシャンッ!

バチバチッ!

ドガーンッ!

「「「「我が魔王バンザーイ!!」」」」

次々と倒されて行くカッシーン達は同じを言葉を口にしながら最後の気力を振り絞りアナザーガイムに突撃し爆発に巻き込もうとする。

「怯むな!総員突撃!!」

「「「「「うおおおおお!!」」」」」

また現れた別の隊長格のカッシーンが突撃命令を出し黄金の扉からほぼ無限に湧き出てくるカッシーン達はアナザーガイムへと突撃して倒され爆発すると言うカオスな状況が続いている。

 

「ええ…」

「オールマイト。君の気持ちは分かるけど放って置いてやってくれ…我が魔王のために死ぬ事が彼らにとっての一番の幸せなのだから」

オールマイトの気持ちを察したウォズは肩に手を置きながら説明する。

 

「それはそうと、あの黒い筋肉鳥は君並のパワーとスピードを持っていて全力で無いとは言え私の蹴りが全く効かず腕を斬り落としてもすぐに再生していた…かなりの強敵だが頑張りたまえ。では、失礼!」

「なるほど…参考にさせて貰うよ!」

ウォズは言うだけ言ってサゴーゾコンボへとコンボチェンジしたアナザーオーズに向かって走って行く。

 

 

「ああ、駄目だ…駄目だ…駄目だ駄目だ…ごめんなさい、父さん…」

一方の死柄木は落ちた手を拾っていた。

 

「助けた後に態々殴られた…ふっ、国家公認の暴力だ…さすがに早いや目で追えない…けれど思った程じゃない。やはり本当の話だったのかな?弱ってるって話!」

そう呟きながらオールマイトの方を向く。

 

「Carolina!」

「…脳無」

「Smash!!」

オールマイトが腕をクロスさせて死柄木にクロスチョップを放つが脳無が間に入り衝撃を全て吸収する。

 

「グウウウ…?」

脳無は奇妙な声を発しながらオールマイトを捕らえようとするが体を反らす事で躱しもう一度殴る。

「マジで全然効いてないな?!」

ドガッ!

 

 

「だから言っただろう?!かなりの強敵って!」

『ファイナリービヨンドザタイム!水金地火木土天海エクスプロージョン!』

ウォズは、ガタキリバコンボにコンボチェンジしたアナザーオーズの分身に対し大量の惑星型のエネルギーを降らしながらオールマイトから離れた場所で叫んだ。

『シャチ!ウナギ!タコ!』

『シャ・シャ・シャウタ!シャ・シャ・シャウタ!』

 

「いい加減に飽きてきたよ!」

『タイヨウ!』

シャウタコンボへとコンボチェンジし液体化したアナザーオーズを一気に蒸発させるためギンガタイヨウへと変身したウォズは流石に苛立っていた。

 

 

「ならば!だりゃ!ふんっ!」

今度は顔面を二度殴るがやはり効果は無かった。

「顔面も効かないか?!」

そのまま肩や胸、首などを殴って行くがやはり効果は無かった。

 

 

「脳無に攻撃が聞かないのはショック吸収だからさ!脳無にダメージを与えたいならゆっくりと肉を抉り取るとかの手段が効果的だね?それをさせてくれるかは別として」

まるで自分の玩具を自慢するように死柄木が説明を始めた。

 

「わざわざサンキュー!そういう事ならやり易い!」

脳無の攻撃を躱したオールマイトは脳無の後ろに回りバックドロップを食らわせ地面に突き刺そうとする。

 

ボガ――ン!!

爆発音が鳴り響き数体のカッシーンとアナザーガイムが吹き飛ばされる程の爆風が巻き起こり土煙が立ち上る。

「おいおい…なんちゅうパワーだよ」

 

だが…

「そう来たか…」

地面に突き刺さる前に黒霧がワープゲートを開きオールマイトの背中下にワープゲートの出口を開けた。

 

「コンクリに深く突き立てて動きを封じるつもりだったか?残念それじゃ封じれないぜ。脳無はお前並のパワーになってるんだから」

「クッ…!」

「やったなぁ黒霧。期せずしてチャンス到来だ」

「アイタッ!」(そこは弱いんだ!やめてくれ!)

ワープゲートから出て来た脳無がオールマイトの左脇腹(弱点)を掴むとシャツに血が滲む。

 

「クッ!うっ!」

(なんというパワー!?)

脳無の手を引き剥がそうとするが予想以上のパワーに手がビクともしない。

 

「黒霧…」

「私の中に血や臓物が溢れるので嫌なのですが…貴方ほどの物であれば喜んで受け入れましょう。目にも止まらぬ速度の貴方を拘束するのが脳無の役目。そして貴方の体が半端に留まった状態でゲートを閉じ…引きちぎるのが私の役目!」

黒霧はそう言いながら徐々に黒い靄を閉じて行く。

 

「オールマイト!クッ!」

「ガアアアッ!!!」

「邪魔するな!」

『シノビ!』

オールマイトの元に駆け寄ろうとしたウォズの前にアナザーオーズ.ラトラーターコンボが立ちはだかる。

 

 

「オールマイト!!」

そんな時、緑谷がオールマイトに向かって走った。

だが…

「浅はか…!」

黒霧が黒い靄を出し緑谷を捕らえようとする。

 

その瞬間だった…

BONW!!

突如、爆発音が鳴り響き黒霧を爆発が襲った。

「どけ邪魔だデクー!おらぁ!」

ドガンッ!

爆豪が黒霧の本体部分を捕らえ地面に押さえつけ

ピキキキキンッ!

轟の氷結がワープゲートを通じて脳無の半身を凍らせる。

 

「てめえらがオールマイト殺しを実行する役とだけ聞いている…」

 

その隙にオールマイトが脱出した。

 

「おらぁ!」

スッ…

切島の渾身の一撃を死柄木は簡単に躱した。

 

「クソッ!良いとこ無え!」

「すかしてんじゃねえぞ!靄モブが!」

「平和の象徴はてめぇら如きには殺れねえよ!」

「かっちゃん!みんな!」

A組の主戦力が(ほとんど)揃った。

 

「ちょうどいい所に来たね!爆発君に紅白君!あとは赤髪の少年!」

「ウォズさん!?サイン下さいっす!」

「後でね」

ウォズの存在に気づいた切島は驚きながらもサインを頼んだ。

 

 

「黒霧…出入口を抑えられた。こりゃピンチだな」

 

「へっ!このうっかり野郎め。やっぱ思った通りだ…靄状のワープゲートになれる場所は限られてる。その靄ゲートで実態部分を覆っていたんだろ?そうだろ?」

「全身靄の物理無効人生だったら危ないって発想が出ねえもんなぁ?」

爆豪の考察は100%あ当ってた。

「クッ」

ボボンッ!

「?!」

「動くな!少しでも怪しい動きをしたと俺が判断したらすぐ爆破する!」

「ヒーローらしからぬ言動…」

「正直引くよ…」特大ブーメラン

爆豪の言動に切島とウォズがドン引きしていた。

 

「攻略された上に全員ほぼ無傷…すごいな最近の子供は。恥ずかしくなってくるぜヴィラン連合」

「脳無…いつまで寝てる気だ?」

死柄木が声を掛けると脳無が再起動しワープゲートから凍り付いた体を壊しながら出てくる。

 

「みんな下がれ!なるほど…これがウォズの言っていた再生力」

「正解だ!これは『超再生』の個性だ。脳無はお前の100%にも耐えれるよう作られた超高性能サンドバッグ人形さ!」

 

「じゃあまずは出入り口の奪還だ。行け脳無」

再生を終えた脳無に命令を下すと脳無は、爆豪に向かって一気に走り出した。

「早い!」

 

 

ガッ!ドガーン!

爆豪を殺そうと放たれた脳無の攻撃をオールマイトが間に入り爆豪を投げ飛ばし間一髪で救出。

かわりに攻撃を受けてしまった。

 

「こほっ!えほっ!」

「子供を庇ったか…」

「加減を知らんのか?」

「仲間を助けるためさ仕方ないだろ?」

「さっきだってさ…あっちで戦っているウォズが黒霧を何度も斬りつけ蹴り飛ばし俺の顎に蹴りを入れやがったんだぜ?そこの地味めのガキも俺に思いっきり殴る掛かってきやがったしよ…」

 

「我がために振るう暴力はヴィランになるんだ。そうだろうヒーロー?」

「…」

「俺はなオールマイト!怒ってるんだ!同じ暴力がヒーローとヴィランでカテゴライズされ良し悪しが決まるこの世の中に!何が平和の象徴?所詮は抑圧のための暴力装置だお前は!暴力は暴力でしか沈められないんだよ!」

「めちゃくちゃだな。そういう思想犯の目は静かに燃ゆるものだ。自分が楽しみたいだけだろ嘘つきめ?!」

死柄木の言葉が嘘だと気づいたオールマイトは死柄木の言葉を一蹴する。

「バレるの早や」

だが死柄木は嬉しそうな笑みを浮かべた。

 

「3対5だ!」

「靄の弱点はかっちゃんが暴いた」

「俺らでオールマイトのサポートをすれば何とか!」

「駄目だ!」

緑谷達がオールマイトのサポートに入ろうとするが当のオールマイトの本人に断られる。

「逃げなさい」

「さっきのは俺がサポートに入らなければやばかったでしょ?」

「それはそれだ轟少年!ありがとな!」

轟は引き下がるがやはりオールマイトは断る。

 

「プロの本気を見て居なさい!」

「オールマイト血が!それに時間だって…!」

「フッ!」b!

緑谷が心配の声を上げるがオールマイトはサムズアップするだけで返した。

 

 

「脳無、黒霧やれ。俺は子供たちをやる」

 

(確かに時間は1分たりと残っていない。力の衰えは思ったよりも早い)

「さあクリアして帰ろう!」

(だがやるしかない!なぜなら私は…平和の象徴なのだから!)

ダンッ!

 

オールマイトが駆け出すと同時に脳無も駆け出した。

「うぅ、ぬああ!!」

ドガンッ!!!!

二つの拳がぶつかると途轍もない突風が生まれ周囲に居た人間が吹き飛んだ。

 

「チッ!おいおい、ショック吸収って分かってんだろ?」

「そうだな!ヌゥン!」

死柄木の言葉を肯定しながらもオールマイトは殴り合いを続けた。

 

それは一発一発が全力の攻撃。

拳が衝突する度、突風が巻き起こる。

 

「君の個性が『ショック無効』では無く吸収ならば!限度があるんじゃないか?!」

「私対策?私の100%を耐えるなら!さらに上から捻じ伏せよう!」

そのまま殴り合いが続き次第に脳無の動くが鈍くなっていく。

その攻撃は全てが100%以上の攻撃!

 

「ぬああ!!」

ドガーンッ!

本気の一撃を食らった脳無はかなりの距離を吹き飛びまた帰って来る。

 

「ヒーローとは!常にピンチを覆していく者!」

空中で脳無の腕を掴み思いっきり振り回し地面に勢いよく叩き付ける!

「ヴィランよ!こんな言葉を知ってるか?!」

そして腰と拳を引き全力全開の一撃を撃つ構えを取る。

「さらに向こうへ!プルスウルトラ!!!」

カッ

ズガーンッ!!

バキッ!

ズズゥゥゥン…

 

キラーン!

爆発のような振動が響き渡り脳無は遥か彼方へと吹き飛ばされた。

 

「ショック吸収を無い事にしちまった…究極の脳筋だぜ」

「出鱈目な力だ…再生をも上回るラッシュって事か」

「これがトップ…」

「プロの世界か…」

「オールマイト…」

 

「やはり衰えた…全盛期だったら5発も打てば十分だったのに…300発以上も打ってしまった」

(そして時間切れだ…)

「さてとヴィラン…お互い早めに決着を着けたい所だな」

 

「チートが…!」

オールマイトの言葉に死柄木がキレかけていた。

 

「衰えた?嘘だ完全に気圧されたよ。よくも俺の脳無を…チートが!」

「おいおいどういう事だ?あいつ俺に嘘を吐いたのか?」

 

「来ないのか?クリアとかなんとか言ってたが…出来る物ならしてみろよ」

「ふっ…いいぜ?」

「なに!?」

「見せてやるよ…俺の取って置きのチートアイテムをな!黒霧!」

「はい!」

オールマイトの言葉に死柄木はポケットに手を入れ黒いウォッチを取り出す。

 

「連れてきました」

「なあ、オールマイト…良い事教えてやるよ。この世界にはな…ウォズが2人存在するんだぜ?」

『ジオウ!』

そう言いながら黒霧の連れて来たチンピラヴィランにアナザージオウウォッチを入れる。

 

「ガッ!?ああ!あがああ!!?」

『ジオウ!』

「最強の力だ…本当は魔王とやらを倒すための力だが…まあいいだろ?」

「さあ行け!アナザージオウ!」

「うおおおお!!」

「クッ!」

現れたアナザージオウに対しオールマイトは拳を構える。が…

 

「お前の相手は俺だよ?」

「あ?」

突如どこからともなく声が聞こえてきた。

 

その声が聞こえて来た方を向くと…時乃 王魔が立っていた。




頑張るウォズ!
壊されまくるカッシーン!
ヒーローなオールマイト!
そして満を持して登場する我が魔王!
次回!ついに!逢魔時王無双!

では、また次回!


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12ページ目

こんにちは。
書き終えたので早めに投稿です!
今回はオーマジオウの無双です。
無双小説をあまり読んだことが無いのでちゃんと無双出来てるか分かりませんが頑張って書いてみました。

あと、グランドジオウⅡ様から頂いた案を採用させて貰いました。

では、どうぞ。ごゆっくり!


時乃サイド

 

オールマイトが脳無の拘束から抜け出した頃。

 

時乃は岩山を走って下りていた。

 

「はあっはあっ!やばいやばい!アナザージオウとか聞いてない!」

(アナザーガイムとアナザーオーズだけだったらウォズでもどうにかなったけどコンボチェンジ出来るアナザーオーズとアナザーガイムに加えてアナザージオウはいくらウォズでもやばい!)

ウォズの心配をしながら岩山を降り終わるとオールマイトと脳みそ丸出しヴィランが殴り合いを始めていた。

 

「なんじゃありゃ!?」

一撃ごとに途轍もない突風が巻き起こり吹き飛ばされそうになるのをギリギリで堪える。

「どっちもとんでもないパワーだ!だが…この後の方がやばい!」

未来視を発動してこれから起こるであろう未来を視ると何故かオールマイトが縮みアナザージオウが攻撃を仕掛けるのが視えた。

 

(考えろ!考えろ!カッシーン達の相手しているアナザーガイムを瞬殺しアナザーオーズを倒しオールマイトを守る方法を…)

「ふっ…答えは最初から決まってるじゃないか」

全ての問題を一気に解決する手段を思い付き、ゆっくりと広場に向かう。

 

(出来れば使いたくなかった…この力を使えば俺の未完成な王の器では一切加減が出来ないからな…)

「だが今は加減する必要が無い…加減しないで戦って良いなんてかなり久しぶりだ!遠慮なく使わせて貰おう!最高最善の力を!!」

ついにアナザーディケイド戦振りに最高最善の力を使う事を決意した時乃。

その力は世界を壊しかねない力と知りながらも仲間のために使う事にした。

 

「見せてやる!俺の全力を!」

 

三人称視点

 

「お前の相手は俺だよ?」

「あぁ?」

突如、聞こえて来た声に死柄木等が振り返ると…そこには時乃が立っていた。

 

「誰だてめえ?」

「時乃少年!」

「時乃くん!」

「変身野郎!」

「ン我が魔王!」

死柄木が疑問の声を上げるとほぼ全員が一気に口を開いた。

 

「初めましてかな?ヴィラン連合。俺は時乃 王魔。別名.最高最善の魔王だ」

「最高最善の魔王?魔王…って事はお前がウォズの言っていたあの憎き魔王とやらか」

時乃の言葉に白ウォズから言われた事を思い出した死柄木は僅かに口角を上げる。

 

「アナザージオウを生み出した甲斐があったな…さぁ、あいつを殺しに行け!」

死柄木が命令を下すとアナザージオウは時乃に向かって走って行った。

 

「見せてやろう…俺の全力を!」

バサッ!

一方の時乃はいつも纏っていた耐性が高すぎるローブを脱ぎ捨てる。

「我が魔王!?」

ウォズは時乃の行動を理解できず盛大に戸惑う。

 

ローブを脱ぎ捨てた時乃が来ていたのは金の線が入った体にピッタリな真っ黒のコスチューム。

(FGOのクーフーリンの服をイメージすれば分かりやすい)

 

そしてその腰には黄金のベルト…オーマジオウドライバーが巻き付いていた。

地面に一気に亀裂が走り巨大な時計が現れライダーの文字が刻まれた深い溝が出来上がりそこにマグマが流れ込む。

「変身ッ!!」

オーマジオウドライバーの両端押し込むと腹の底まで伝わって来る音声が鳴り響く。

 

『祝福の時!最高・最善・最大・最強王!オーマジオウ!!』

 

そして無数の赤黒い帯状のエフェクトが時乃の体を包み込みオーマジオウの姿を形成。

そこにライダーの文字が顔部分にセットされ変身が完了する。

 

ドンッ!!

「クッ!」

「「うあああ!?」」

「なんだこれは!?」

変身が完了した際の風圧で周りにいた人間が吹き飛ばされる。

 

「…状態30分巻き戻し…時間を維持」

「時乃少年?」

時乃がなにかを呟くとオールマイトの体の時間が30分前の状態まで巻き戻される。

 

「なんだよ…その姿は!!?」

死柄木の言葉に全員が時乃の方を見ると…絶句した。

 

その姿は、人によっては悪趣味な高級時計のような印象を与えかねない装飾が増え全身が黒と金で統一されている。

右胸には『オーナメントスロット』が6つ付いており、肩からは黄金の勲章『メリディアンサッシュ』をかけて、背中には時計の長短針を模したプレート『アパラージタ』によって構成される大時計『アポカリプス・オブ・キングダム』がマントの様に装着している。

 

顔はクロノグラフ付の時計風で、ジオウと同じく『ライダー』の文字を描いた複眼『エクスプレッシブフレイムアイ』の形状は翼を広げた鳥のよう。

文字盤部分は幾つもの小さく高精細な『王』の文字が並んだ柄になっている。

 

まさに最高最善の王に相応しい姿だった。

 

「祝え!」

いつの間にか移動したウォズが突如、喋り出した。

「全ライダーの力を受け継ぎ時空を越え過去と未来をしろしめす究極の時の王者!その名も仮面ライダーオーマジオウ!歴史の最終章に辿り着き!己の真の力を解放した瞬間である!」

「「「「「我が魔王!我が魔王!我が魔王!」」」」」

ウォズが祝福すると今まで戦っていたカッシーン達が持っていた三又槍を掲げ祝福する。

~♪(ジオウ 時の王者)

 

そしてカッシーン達から音楽が流れ始めるとオーマジオウも動き出す。

 

カッ…

 

コッ…

 

カッ…

 

コッ…

 

「があああ!!」

愚かにもアナザーガイムが大剣を持ちオーマジオウに立ち向かう。

 

「…我が家臣達の仇だ」

『無双セイバー!』

手に稲妻が走り黒い靄が現れると何処からともなく無双セイバーを取り出す。

「…」

無双セイバーを右手で左側に構え

 

スン…

 

「終わりだ…死ね」

いつの間にか右側に振り下ろしていた。

ズル…ズルッ

「が…がああ…?!うわあああ!!?」

チュドーンッ!!

 

アナザーガイムは一瞬で木端微塵に斬られたと認識した瞬間、盛大に爆発した。

「次…」

 

「うおおおおお!!」

『プテラ!トリケラ!ティラノ!』

『プ・ト・ティラノー!ザウル~ス!!』

アナザーオーズが三枚の紫色のメダルを使いまたもやコンボチェンジする。

 

その姿は太古の地球でこの世界を支配していた恐竜をモチーフとした姿。

尖った嘴と紫の鶏冠のような物が付いた頭部。

深淵のを覗くかのような翠色の目。

背中には翼竜の翼。

両肩からはくすんだ黄色の棘状の物が一本ずつ生えており腰からは、巨大な肉食竜が持っていた尻尾。

足は最強の恐竜とされていたティラノザウルスの物に似た太く力強い脚。

その名は、アナザーオーズ.プトティラコンボ。

アナザーオーズの最強の姿である。

 

プトティラコンボへとコンボチェンジしたアナザーオーズがメダガブリューを取り出しオーマジオウに向かって全力で走り出す。

ダガンッ!

「「「「なっ!?」」」」

その速度は、本家のラトラーターコンボを遥かに凌駕しそのパワーは、本家のサゴーゾコンボをも圧倒的に上回っていた。

 

「グルウゥァアア!!」

オーマジオウを確実に殺すための一撃を振り下ろす。

その一撃はグランドジオウの状態であれば一撃で変身解除まで追い込まれる程の一撃。

すでにラスボスの領域に全身を突っ込んだ強さだった。

ドガ――ンッ!!

ド派手な爆発音と共に途轍もない量の土煙が上がる。

「やったか?!」

死柄木が期待を込めた声を出す。

 

が…

 

「…こんなものか?」

シュウゥゥ…

「グゥゥ!ウルァアア!」

アナザーオーズ.プトティラコンボの全力の一撃はオーマジオウの装甲に傷一つ付けずダメージを与える事すら出来なかった。

 

「もう一度やってみるか?」

「………グルアァァ!!ガルァァァ!!!」

オーマジオウの挑発にプライドを刺激されたアナザーオーズは一度オーマジオウから距離を取りメダガブリューにエネルギーを溜めていく。

 

「ルァァァァ!!!」

『プ・ト・ティラーノ!ヒッサ~ツ!!』

エネルギーの充填を終えたアナザーオーズは一切の躊躇無くそのエネルギーを放つ。

 

その威力はUSJドームを消し飛ばし射線上10キロの全てを破壊する程の力。

それほどの力をオーマジオウ個人に向かって放つ。

 

「下らん…」

だがオーマジオウは、これまた何時の間にか取り出した『パーフェクトゼクター』を左手で持ち『重醒剣キングラウザー』を右手で構える。

『カブト!ザビー!ドレイク!サソードパワー!』

『♠10!J!Q!K!A!』

『マキシマムハイパーサイクロン!!』

『ロイヤルストレートフラッシュ!!』

「ふんっ!」

相手の技を下らないとか言っときながら自分は超大人げない技を2つ同時に放つ所は、さすが魔王であるとしか言いようがない。

 

「グガアアアァァァァ!!!??アアアアアア!!?…ァ?」

己の放った全力の技を真正面から打ち破られた事実を受け入れられ無いままアナザーオーズは爆発する事無く塵と化した。

 

「では、最後だ。無様な姿だけは見せるなよ?」

二体のアナザーライダーを瞬殺したオーマジオウはアナザージオウに向き直った。

 

「な、なんだよ!その力はなんなんだよ!?」

オーマジオウの強さを目の当たりにした死柄木は恐怖で取り乱していた。

 

「言ったはずだ…最高最善の力とな…」

その言葉に対しオーマジオウ…時乃は差も当たり前のように答えた。

 

 

「う、うおおおおお!!」

2人が言葉を交わしている隙にアナザージオウは雄叫びを上げて決死の突撃を行った。

 

「無様な姿だけは見せるなと言ったはずだが…仕方ないか」ハァ…

アナザージオウの行動に呆れながらも最強の武器を取り出す。

『ジカンギレード!ケン!』

『サイキョーギレード!』

その二本の剣を合体させ最強の武器『サイキョージカンギレード』へと進化させる。

 

「全力で来い!アナザージオウ!」

『サイキョーフィニッシュタイム!』

ギレードキャリバーをジカンギレードのライドウォッチ装填部分に移動させフェイスの文字を「ライダー」から「ジオウサイキョウー」へと変えて『ジオウサイキョウ』の文字が刻まれた光の剣がUSJの天井近くまで伸びる。

 

「うあああああ!!」

一方のアナザージオウは後の事など一切考えず自分の持てる全エネルギーを持っている剣に流し込み稲妻が迸る程のエネルギーが詰まった桃色の剣へと成長させる。

「うがあああああ!!」

そのままその剣を一気に振り下ろす。

 

「うおりゃあああ!」

『ジオウサイキョウ!』

オーマジオウもそれに応えるように剣を振り下ろす。

 

 

ガッギィィィィィィィィィィィィィン!!!!!!

 

 

ボガ―――ンッ!!!

二つの剣の持つエネルギーが衝突し天を割る程のエネルギーを放ち…

 

ピシッ…ピキキ…バッキィィィィン!!

 

『キングギリギリスラッシュ!!』

オーマジオウの必殺技がアナザージオウの全力の必殺技を真正面から打ち破り空間諸共アナザージオウを真っ二つに斬り裂く。

 

「う、うあああああああ!!!??」

そのまま断末魔の叫びを上げながらアナザージオウは爆発した。

 

「ふんっ!」

\一欠/

そして決めポーズ。

「「「「「時を超える!Saga!」」」」」

丁度カッシーン達も歌い終わった。

 

 

「クソが…帰るぞ黒霧!」

「はい!」

ズズ…

「しまった!」

死柄木達は他のみんなが呆けている間にさっさと逃亡した。

 

「祝え祝え祝え!!!!我が魔王の!完・全・勝・利!である!!」

「「「「「我が魔王!我が魔王!我が魔王!!」」」」」

そしてウォズとカッシーン達は時乃を祝福し続けていた。

 

「恥ずかしいな…」ポリポリ…

祝われている時乃は恥ずかしそうに頬を掻く。

 

「「「「えぇ…?」」」」

あれだけ派手な戦闘を行った時乃の意外な言葉に対し緑谷達は戸惑いを隠せなかった。

 

 

その後、13号が呼んだ雄英の教師陣と駆けつけた警察によりUSJ内の全てのヴィランが逮捕された。

 

 

「そうだ、オールマイト。私の相棒(サイドキック)のためにサインを書いてくれないかい?」

「ああ、分かった」

ウォズはウールから頼まれていた勝手な遅刻への埋め合わせ(・・・・・・・・・・・・・)の『オールマイト直筆のサイン』を手に入れる事が出来て満足し、切島や緑谷等のA組のみんなに快く直筆のサインを書いた。

 

ヒーローオタクである緑谷は、自分のジャージに滅多な事ではサインを書かないNo.3ヒーローのウォズから直筆のサインを貰えて狂喜乱舞した。

 

何とも現金である。

 

ちなみに爆豪と轟もサインを貰った。




以上!完全勝利!!
と言うわけでUSJ編!完結です!
これこそがオーマジオウ!これこそ最強!

正直言って気力が尽きそうです…
では、また次回…バタッ、チーン!(過労死)

『テレテッテテー!!ギュインギュイン!コンテニュー!』
まだ続きます!


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13ページ目

お久しぶりです。
久々の投稿ですので微妙な感じなのですが楽しんでくれれば幸いです。

あと第二のヒロインも登場します。


それでは、どうぞ。ごゆっくり!


「はぁ~、疲れた…」

USj襲撃事件でヴィラン達の主犯格とアナザーライダー退けた時乃は帰路についていた。

 

「事情聴取は長いし個性の説明を要求されるしウォズは後処理で残るしで結局帰りが遅くなったな…今度からバイクを持って行こうかな?」

などと愚痴りながら時乃ハウスに向かっていた。

 

「あとでスウォルツにあのアナザーウォッチの出所を聞いて置こう…にしてもオーマの力って途轍もなく強いけど体力をごっそり持って行かれるからあんまり使いたくないんだよねぇ。まあ、使っちゃったけどさ」

歩きながら『ジカンギレード』を『ジュウモード』で生み出し一気に振り返って構える。

 

「先ほどから付いて来てるのは誰だ?そろそろ姿を現したらどうだ?」

「……バレてたか」

「あれ程の視線を感じれば誰でも気づくさ。で、あんた誰?」

『フォーゼ!』

さらに『フォーゼライドウォッチ』を装填し電柱の後ろに狙いを定める。

「分かった…出るよ」

そう言いながら電柱の裏から黒いスーツを着た比較的若い男が出て来た。

 

「探知系の個性でもバレないはずなんだけど?」

「他の個性と一緒にするな。例え別次元から監視してても俺にはバレるさ」

「それは…凄いね」

時乃の言葉に男は驚きを隠さなかった。

 

「とっとと名乗れ。あんたもヴィランの仲間か?それとも別の組織の人間か?」

『クウガ!』

すかさず『クウガ ライドウォッチ』を起動させ超感覚を発動し相手と自分の周囲を警戒する。

(こいつ以外に7人…うち2人はスナイパー。3秒で片付く)

 

「落ち着いてくれたまえ。私は公安の者だ」

「公安…?公安がなんの用だ?言って置くが個性の継承を行う気はないぞ?」

「そうじゃない。君の個性に興味が無い訳ではないが今我々が追っている『超凶悪ヴィラン』がこの近くに潜伏しているらしい…」

急に声のトーンがマジな物へと変わり周囲の空気が変わる。

 

「そのヴィランの名は『スウォルツ』!またのを『アナザーディケイド』!君も一度くらい聞いたことがあるだろう?『アナザーディケイド事件』と言う名の事件を」

「あぁ~、うん。まぁ…」

「その主犯であるスウォルツをこの近くで目撃したという証言が相次いでいた。そしてついに奴を発見し奴の潜伏場所を突き止めるために奴をしばらくの間、泳がせて潜伏場所と思わしき建物を見つけたのだが…」

「そこに俺が居たと?」

「その通りだ。だが君だけじゃない。もう一人君と同じ雄英の生徒やプロヒーローのウォズにツクヨミ。そして『神の修理人』と呼ばれる男まで居た。いったいどういう事か調べていた訳だが…」

そこで一度言葉を区切り時乃の見る。

 

 

「君達と奴の関係を教えてくれるか?」

真剣な顔で時乃の目を真っ直ぐ見ながら質問する。

それと同時にこちらを監視している場所から銃の装填音が聞こえた。

そして目の前の男も銃を取り出し時乃に突き付けた。

 

「ただの同居人です」

「本当にそれだけか?」

「…と言うと?」

男の言葉に時乃は銃を構えたまま首を傾げる。

 

「君達があいつ(スウォルツ)から何かを受け取る姿が確認出来ている。いったい何を受け取っているんだ?」

「弁当です」

「弁…当?」

「毎日手作り弁当を作ってくれるのでそれを貰って学校で食べてます」

時乃の嘘偽りの無い言葉に公安の男は驚きを隠せなかった。

 

「待て待て待て!!あいつ(スウォルツ)は嘗て世界を滅ぼそうとした『世界最凶最悪の(ヴィラン)』なんだぞ!『全人類の天敵』、『生きる厄災』、『終焉を齎す者』とまで呼ばれた男が手作り弁当だと!?ふざけるのも大概にしろ!!」

「んな事言われてもなぁ…じゃあ本人に聞けば?ちょうど後ろに居るし」

「んなっ!?」

男のブチギレた言葉に時乃は頭を掻きながら男の後ろに買い物袋を片手に立っているスウォルツを見るよう提案する。

 

「ス…ウォルツ…!!」

「俺に用があるんだって?政府の狗共」

「スウォルツゥゥゥゥゥ!!!」ガチャッ!

スウォルツの姿を目にした公安の男は銃を構え狙いを定めた。

 

「話があるなら聞いてやらんでもない。だがまずは、誠意ってもんを見せろ。話はそれからだ」

「貴様に見せる誠意など無い!!」

ダンッ!ダンッ!ダダンッ!!

そう言うとすぐに引き金を引き、銃弾を4発スウォルツの顔目掛けて発砲する。

 

「ふんっ…下らん子供騙しだ」

パシッ!パシッ!パシッパシッ!!

男が撃った銃弾を全て片手でしかも素手で掴み地面に捨てる。

 

「チィ!!」

銃が意味を成さないと気づいた公安の男は銃を捨て近接戦に持ち込む。

「おっと…ははは!どうしたどうした?熱くなってるぞ?政府の犬っころ!」

「黙れ黙れ黙れ!!貴様だけは一発殴らないと俺の気が済まない!」

 

だが攻撃が全て先読みされ当たる直前で全て回避される。

それも買い物袋を持ったまま一切その場から殆ど動かずまるで舞を舞うように全ての攻撃が躱される。

「ふははは!どうした!政府の狗!俺を殴るんじゃなかったのか?」

「ウォアアアアアアア!!!!」

公安の男は完全に遊ばれていた。

 

「あの~」

そこで不意に声が掛けられた。

「帰っていいですか?」

「ハァ…ハァ…」

時乃が小さく手を挙げながらした質問に対し公安の男は息を切らしながら無言で頷いた。

 

「では、失礼しまーす。じゃあねスウォルツ。今日の晩御飯のリクエストはメンチカツでお願いね~!」ノシ

「おう、任せておけ!」

今晩のおかずのリクエストをしながら時乃は去って行きスウォルツは手を振り返した。

 

「さて…近くにコーヒーの美味い店があるんだ。『nascita』って言うんだが…そこで話を聞いてやる。お仲間も連れて来い」

いつも通りの高圧的な態度でそれだけ言い残しスウォルツは『nascita』に向かった。

「クッ…!」

一方の公安の男はまったく相手にならなかった事への悔しさで唇を噛み締めながらスウォルツに着いてついて行った。

 

 

時乃サイド

 

ガチャ…

「ただい…「まーくん!」ムグッ!?」

家に着き扉を開けて中に入ると何かに飛びつかれ視界が柔らかい何かに覆われ真っ暗になる。

 

「まーくん!無事だった?」ムニムニ

むぐいが(ただいま)ぐい(ゆい)

飛びついて来た幼馴染の小大 唯に返事をしながらなんとか引き剥がそうとするがまったく動かない。

 

「プハァ!」

「もう…照れないでいいんだよ?まーくん」

「…照れてない」

なんとか引き剥がす事に成功し深く息を吸うと唯が頬を真っ赤に染めながら両手を伸ばしてくる。

 

「はぁ…来い」

「んっ!」

両手を大きく広げ迎え入れる構えを取るとすぐに胸の中に飛び込み深く長く深呼吸を始めた。

 

「スー…ハー…ス―――――――――ッ…!ハー…」スリスリ

「良く飽きないな…ほんとマジで」

「ふふん…!」

「褒めてないぞ?」

「ん…」シュン…

(可愛いかよ…)

唯が引っ付いたままの状態でバランスを崩さないようにゆっくり歩き出し居間へ移動するとそこには先客が居た。

 

「ジオウ!無事だった…何やってんだお前?」

「ゲイツ…頼むから何も聞かないでくれ」

「そうか…まぁ、ちゃんと責任を取るなら俺から言う事は何もない。幸せにしろよ?」

「うん。何を勘違いしているか知らんけど多分違うぞ。幸せにはするけどな」

いつも通りソファに座っていたゲイツと少し言葉を交わしてから自分の部屋へと向かった。

 

 

 

 

階段を上り終えて右に曲がった突き当りの部屋に入る。

「やっと着いた…唯、そろそろ離れてくれないか?もう十分だろ?」

「うん…」

俺の言葉に頷いた唯をベッドの上ゆっくり降ろし自分は勉強机の椅子に座った。

 

「今日は、何時にも増して積極的だったな。何かあったのか?」

「ん…」

俺が質問すると唯は小さく頷いてからポツリポツリと話し始めた。

 

 

唯の話を要約すると

・スウォルツがまだ『世界最凶最悪の(ヴィラン)』と呼ばれていた頃に気まぐれで渡された『アナザーウォッチ(破壊済み)』と俺が分け与えた『未来視能力』の力が混ぜ合わさり偶然生まれた『未来体験能力』によりusjが襲撃される事を予知したが連絡が着かず心配してた。

・何もないように願っていたら実際に襲撃事件が発生して居ても立っても居られずここ(時乃ハウス)に来た。

・到着を今か今かと待ちわびていたら無事に帰って来たので思わず飛び掛かった。

との事。

 

「(う~ん…俺の幼馴染みが可愛すぎて辛い!)可愛いなぁクソッ!」

「ううんっ!?」

「はっ…!」

しまった。つい口に出てしまった。

まあ、事実に変わりないから構わないが…いや、思ったより恥ずかしいぞこれ。

 

 

「………」モジモジ

「………」(ザ・真顔)

 

(気まずい…)

ベッドの上でモジモジしながら俺を見る唯にどう声を掛けるべきか考えていると頭の中に威厳のある声が響いた。

 

『聞こえるか?若き日の私よ』

(なんの用ですか…未来の自分)

頭の中で返事をするとさらに語り掛けて来る。

『その娘は、未来で妻と成る娘だ。近くのショッピングモールへデートにでも誘えばどうだ?』

(…そうさせて貰います)

 

「なあ…唯」

「ん?」

「明日…一緒に買い物にでも行かないか?」

「え…?」

「い、いやだったら断ってもいいぞ!ただな…明日は臨時休校確定だから久しぶりに二人で買い物に行きたいな…って思ってさ」

「うん…良いよ」

「え…?いいのか?」

「うん。良いよ」ニコッ…

「…ありがとう」

唯の返事に頬を掻きながら明日の計画を話し合う。

 

 

 

 

~ドアの外~

 

「ねぇ、オーラ」

「どうしたの?ウール」

「なんでかよく分かんないけど…あの二人を見ていると心が温かくなるんだ。僕、病気かな?」

「…多分それが普通の反応よ。それよりも早くウォズを迎えに行けば?さっきオールマイト直筆のサインを手に入れたって連絡が来たよ」

「本当!?じゃあ、すぐに行くね!あ、何か進展があったら知らせてね!」

「はいはい…」

ドアの外ではウールとオーラが部屋の中を覗きながら何か色々と話していた。

 

「…そろそろツクヨミを迎えに行かないと今度こそヒロイン(笑)って呼ばれる事しでかしそうね」

スマホを取り出したオーラは時間を確認し自分の仕事仲間を迎えに行く。

 

 

~夜~

 

「一つ…聞きたい事がある」

「言ってみろ」

一階の食堂のテーブルで時乃とスウォルツが向かい合っていた。

 

「今日の(ヴィラン)連合襲撃事件…通称.usj襲撃事件で敵の主犯格がアナザーウォッチを三つ使った…」

「ウォッチを?」

「そうだ!お前が全て管理しているはずのアナザーウォッチを三つも使いやがった!どういうことか説明しろ!!」

「ふぅ…良いだろう。では、どういう事かを話す前に少し昔の話に付き合ってくれるか?」

「分かった…」

時乃が返事を返すとスウォルツは静かに語り出した。

 

 

「あれは…今から12年程前の話だ。オール・フォー・ワン(あのクソ野郎)とオールマイトがまだ最盛期だった時代…俺は文字通り『最強』だった」

何処か遠い場所を見ながらスウォルツは続ける。

 

「ただ…一人だけ俺に並べる男が居た。そいつが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『救世主.白ウォズ』通称.アナザーディエンド(・・・・・・・・・)だ」

その名を口にしたスウォルツの目は後悔と怒りに塗れていた。

そしてついに語り始める。

最強の(ヴィラン)と最凶の(ヴィラン)の過去を…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ポップコーン美味いな…)

「我が魔王。私にも少しくれるかい?」

「俺にも少しくれ」

「ねぇ、私、寝て良い?」

「はあ、凄い話が始まるんだねぇ」

「下らない…」 ソワソワ

「口と言動が一致してないわよ。ウール」

だが聞いている全員は緊張感が無かった。

 

「お前ら緊張感無いな…」

遂にスウォルツも突っ込んだ。




はい。
と言うわけで第二ヒロインは、小大 唯です。
実は、ヒロインを決める時めっちゃ悩んだのですが友達に「自分だけに甘えて来る無口系女子って可愛くね?」と言われて「お前天才か!」となり小大さんに決定しました。

次回は…過去語りか普通に学校。それかデートさせるべきかめっちゃ迷っています。
なのでアンケートを取ります。


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