未完成の歴史 (神浄刀矢)
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Re.UNION

キャラクター

三浦 凪砂

仮面ライダーアギトに変身する大学生で、2年ほど単身で戦い続けていた。トルネイダー・スライダーモードによる空中戦も行う。

 

八坂 和真

仮面ライダーブレイドに変身する高校生。現在はある組織を追い、アイドルヒーローズと共闘中。

 

ダークセーラーシホ

765プロライブシアター前に現れた、謎の少女。北沢志保に瓜二つの外見をしているが…

 

三浦 あずさ

ザ・ファースト。前世代のマイティセーラーで、かつて百瀬莉緒や桜守歌織と共に活躍した。

 

 

 

 

いつもの朝がやってくる。部屋に朝日が差し込み、起床する。今日の授業は2限からなので、いつもの1限がある日と比べて遅めに出ても問題はない。が、支度を終えて三浦凪砂はバイクに跨り、大学に向かう道を走り出した。

(まあ街もだいぶ平和になったのかなぁ)

大学に直行はせず、軽く巡回をしつつキャンパスへと向かう。パトロールといえばそうなるが、余裕を持って出掛けたのはこの為でもある。

2年近く前、彼の友人であり仮面ライダー仲間として戦っていた少年が失踪した。理由は不明だったが、それ以降社会全体の秩序を維持するために凪砂が戦ってきた。そして大学に入って少し経ったころ、ようやく社会も彼自身も落ち着きを取り戻してきたのであった。

(赤か)

信号で止まり、ふと空を仰ぎ見る。綺麗な青い空だ。淀みがなく、澄み切っていてまるで天国のようだ。最も天国など有りはしないのは分かっていることだが。

信号が青に変わり、再び走り出す。バイクは都内を走り、丁度765プロのライブシアター前を通り過ぎようとした時だった。

(今のは…)

何か嫌な予感がしたのだ。

バイクをとめて振り返ると、空間に黒く禍々しい穴が開き、人影が降りてきた所だった。悪魔というより、堕天使に見えなくもない。

(セーラー服?)

正体不明の彼女は手をゆっくりと前に出し、エネルギー球のようなものを作り出していった。

周囲にいた人達が逃げていくのが目に入り、凪砂はバイクの向きを変え、仮面ライダーアギトに変身。フレイムフォームに変わり、フレイムセイバーを手にバイクを走らせる。

飛べば速いが、そんなことを気にしている場合ではない。彼女のエネルギー球と彼のセイバーどちらが勝つか。

彼女がいるのは劇場正面入り口前、疑問に思ったアイドル達が顔をのぞかせていた。

(間に合うか…?)

避難しろよと言いたいが、タイミングがタイミング。

エネルギー球が放たれシアターに迫るが、フレイムセイバーがエネルギー球を斬り裂き、直撃は避けられた。

「志保?」

「おい、出て来るな!やられるぞ!」

バイクを降りてグランドフォームにチェンジし、劇場から顔をのぞかせた少女に叫ぶ。

再度攻撃を仕掛けて来る少女は凪砂とぶつかり合うが、シアターの知り合いと思われる人物らしく、攻撃も鈍ってしまう。

「ったくここんとこ何もないと思ってりゃコレか…」

「そう」

「喋れるんだな。その割には積極的なコミュニケーションはないと」

防戦一方となってしまった凪砂は、隙をつかれて彼女の攻撃でシアター入り口まで吹っ飛ばされる。

「がはっ…」

ゆっくりと歩いて来る少女に舌打ちをしつつ策を急いで練っていると、彼女の後ろから聞き覚えのある音が聞こえた。

凪砂から見ると丁度彼女の向こう側で、よく見える位置だった。

『スラッシュ』『サンダー』

『ライトニングスラッシュ』

ガラスの破片のようなものが周囲を浮遊する謎の光の中から彼は現れ、雷を纏わせた剣を反撃の隙すら与えず、彼女に向かって振りおろした。血が吹き出すかと思われたが、爆発した。これはご都合か。

変身を解き、彼は口を開いた。

「久しぶりだな凪砂。2年と少しか?測ってないから分からんが」

「ったく相変わらずで安心したぜ。で、色々と説明はしてくれるんだろうな?」

「ああ、分かってる。一応そのつもりだ」

2年くらいか。久しぶりに見る八坂和真の姿ははまったくといって良いほど、変わっていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




だいぶ書いてなかったね。
いやホントさ、なんか途中までは書くんだけどなんか違うなーってなってボツにしてしもうてね。
結果的にまあ夏休みほとんど使ってクオリティ低いこれしか書けてないわけですよ。
これも続くか怪しいから個人的になんとも言えん。
あと俺のハーメルンでの初期作ってわけでもねーかな、題名長いから割愛するけど仮面ライダーブレイド主人公の作品あるのよ。
その主人公のその後を描いてる感じでもあるんでね。
まあ『そっちの本編思いつかないから』とかいう裏事情は聞かなかったことにして欲しいです。
あと定例(?)のコーナー。サブカルというかエンタメというか。
ワイスピのスーパーコンボ観たんですが、1回観て興奮したので2回目見に行きました。やはり相当エキサイトでしたね。
ダブルハゲかっこいいのとライアン・レイノルズがデッドプールかと思うほどに安定感。
ゲイツのVシネ期待してます!


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さよならアンドロメダ

『再会』

それは誰かと再び会うことであり、人生にとって新たな分岐点となる可能性も秘められている。2度と出会うことのないはずの人物と会う事も、また再会である。

「つまりアレか、お前は世界を旅してるわけか?」

「簡単に言えばそうなるな」

カフェの椅子に座ってアイスティーをすすりながら、八坂和真は答えた。彼は2年ほど前に姿を消して以降、様々な世界を巡って今の世界に行き着いた。そしてセーラー服の少女を倒すために一度この世界に帰ってきた、というのが事の顛末であるらしい。

「正確にいうと今は『アイドルヒーローズ』っていう組織に協力してるんだ。まあアイドルじゃねえけど、それで『デストルドー』ていう敵と戦ってるわけよ」

「いや、『アイドルヒーローズ』って特撮番組だったはずだろ。なんでお前が関わってんだ?」

「なんていうかな、アレ自体が1つの世界を構成してて、そこに行っているってのが分かりやすい言い方か」

「ならさっきの黒いセーラー服は『デストルドー』っていうことになるのか?」

「そうだな。そこでだ」

「うん」

「俺とアイドルヒーローズだけじゃ勝てそうにねえんだ。協力してもらいたい所なんだが」

「悪いな、俺は大学がある。そっちに時間を割く余裕はないんでね。今日も授業1つ遅れてるし」

金を置き、席を立つ凪砂。大学云々だけではなく、彼がもし居なくなってしまったら社会秩序の維持は誰が行う?

立ち去ろうとする彼に和真は声を掛けた。

「いや、お前だって無関係じゃねえ。財団Xの名前は聞いたことがあるはずだぜ?」

「…財団Xがどうしたっていうんだ?」

「俺らが戦ってる『デストルドー』に財団Xが関係してる。なかなか表には出て来ねえがな。それに恨みもあるだろ?」

「それで協力しろってか」

僅かに考え込む。こっちの世界の防衛力が手薄になってしまうかもしれないが、財団Xが関わっているとなると放ってはおけない。

「いいぜその話、乗ってやるよ。あの組織は徹底的に潰すしかなさそうだ」

「そうと決まりゃ出発するか」

「だが財団Xを潰したら俺は降りる。単位もあるからな」

「大学生は大変なこって」

「お前が高校生続けてんのがおかしいんだよ」

金を払い、店の前に置いていたバイクを押して劇場の近くまで戻ってくる。

「765プロには説明はしなくていいのか?」

「俺の独断だがまあ要らんだろ。北沢志保本人は生きてるし、このシアターにいる。あっちの北沢志保が消えてもこっちのオリジナルは何ら問題はないさ」

「オリジナル?」

「気にするな。あとで分かる」

端末を操作し、和真は先ほど見たのと同じ光を作り出した。

相変わらずガラスの破片のようなものが周囲を飛んでおり、怪我をするのではないかと不安に思ってしまう。

「これ通ってきたんだよな?」

「別にガラスじゃないから怪我はしねえよ。ほれ」

先に和真が通り、手だけ出して『来いよ』と合図を出してくる。

「はぁ…」

一息ついてバイクを押し、凪砂も光のゲートを通り抜けると、光は消滅した。

通り抜けた先の世界は世紀末…というわけでもなく、少しばかり現代よりも科学技術が進歩した程度。

「ここが…アイドルヒーローズのいる世界か」

「ああ。まずは本部に案内しておくか」

「いや俺部外者だし、お前と違って人とすぐ馴染めるわけじゃないからな…気は進まねえなあ」

「一応司令には顔を見せておくべきだろ。戦いに関わるわけだしよ」

「へいへい」

和真は近くに停めていたバイクに、凪砂はもってきた自身のバイクに跨る。

「それお前の?」

「おう」

「へえ…」

和真の先導で走りだしたが、どうやら信号のない道を出来るだけ選んでいるらしく、和真のいう本部には思ったよりも早くついた。場所がそもそもわからなかった故、早い遅いがあまり測れないが。

「ここか?かなりデカいな」

「ああ、この最上階だ」

自動ドアを通って建物内部に入り、エレベーターで最上階に向かう。

最新式のを使っているのか、建物の外観に反して最上階までは早く着いたように感じた。

少し歩き、ある扉の前で彼は止まる。

「司令、失礼します」

「ええ、いいわよ」

木製の扉を開けて中に入ると、デスクにかけている1人の女性がいた。

見たことがある顔だった。

「従姉さん…?」

「いや、違えよ」

「あ、ああ、人違いだよな」

「貴方ね、和真が連れてくるって言ってた新戦力って。名前は?」

「三浦…凪砂です」

「奇遇ね、私も三浦なのよ。三浦あずさ、ここの司令官よ。よろしくね」

「はい…」

彼女は凪砂のことを知らないようだが、彼からすればよく知る従姉の顔である。どうやらアイドルヒーローズというのは嘘ではなかったらしい。

「和真、凪砂の面倒を見てあげてね。当面2人でチームを組んでもらうから」

「了解です」

ひとまず2人とも下がり、仲間に顔合わせをして戦闘まで待機することとなった。

 

 

 




第2話だぜウェイ。
自称・低クオリティを提供する男ですからね、まあまあ。
一応時系列的には…まだ言わんでもいいか。
誤字脱字あったら指摘オナシャス。
時間あんま経ってないでサブカルコーナーとかやりづれえな…
タペストリー買ってサイズが思ったより大きかったとかしかないよ。
あ、シャニマスのアルストロメリアのCD買ってない!やべえ!
色々買わなきゃね。
まあ今帰省中だからアニメイトとか近くにないのよね。
さすが田舎。
『ドルヲタ推しと付き合うってよ』期待してます!
なんか前の話もゲイツで似たようなこと言ったな。
うーん違う締め方ねえかな。
ストパンの『発進しますっ!』劇場版やるよね確か。見に行こう皆。
あとアレね、かぐや様の実写版個人的に何とも言えぬ。
賛否両論になる気がする。実写版てそうだからね。
平野紫耀と橋本環奈でカバーしてる感否めない。すまん。
まだ公開されてないし予告しか見てないけど。
じゃあまたねー
あ、デレマスの担当は多田李衣菜です(割とどうでも良い情報提供)


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マスカレードの心

とはいえ敵である『デストルドー』もタイミングを見計らって攻めてくるわけでもないようで、来た割に凪砂は暇を持て余していた。

「ホントにいるんだろうな?デストルドーってのは」

「まあすぐ攻めてくるわけでもないからな。それに本拠地も未だに掴めてねえし」

空を眺めながら缶コーヒーをすする。デストルドーとの戦闘が日常茶飯事的なものなのかと思っていたが、これでは大学にいる時と大して変わらないではないか。

(ま、帰ろうにも帰れないんだけどな)

どっちみちあのゲートを通らなければ元の世界に帰れない。まあ財団X殲滅まではここにいると言った以上、約束は守らねばなるまい。

「…いや、暇なんだけど」

「すぐには来ねえって言ったろ。待つんだよ、俺たちは」

「釣りかよ。まあいいや、あと5分来ないのに500円賭ける」

「じゃあ俺は200円だ」

来るような雰囲気もなく、4分が過ぎた。5分になろうとした時、音声が流れた。

『ポイント1-2にデストルドー出現。数は3、ダークセーラータイプと思われます』

「ようやく来たか」

「くそ、5分経ってねえ…」

「そういやポイント1-2ってどこなんだ?」

「割と近え。ここから2ブロックほどだ…ってバイク乗るの早えな」

「だろ?」

エンジンをかけ、バイクは走り出す。またも和真も先導されたが、勝手な知らない世界だ。仕方ないことか。

現場に着くと戦闘は既に始まっており、白いセーラー服の少女(名前はわからないがマイティセーラーだろう)が黒いダークセーラーに吹っ飛ばされたところだった。

「あの黒い方…見覚えあんな」

「ああ、アレもダークセーラーシホだ。そっくりだろ北沢志保本人に」

「ったくオリジナルって意味はそういうことか」

「察してきたか?」

「大体な」

バイクから降り、凪砂はダークセーラーに向かって走り出す。ダークセーラーシホは敵性反応を認めたのか彼の方を向き、エネルギー球を作り出していく。凪砂はわざなのか躱すようなことをせず、一直線に彼女へと駆ける。エネルギー球が無慈悲に放たれ、彼を包み込むが。

「変身!」

彼もまた戦士。金のアギト・グランドフォームへと姿を変えた凪砂は、アスファルトを蹴って一気にダークセーラーとの距離を詰め、ストレートパンチを放つ。

しかしダークセーラーシホも一撃を簡単に貰ってくれるほど優しくはないらしく、なんとか回避して空に舞い上がり、エネルギーを雨のように降らせてくる。なんとか弾幕のような攻撃は回避はしたが、あんな風にスーパーマンのように飛ぶとは聞いていない。

おまけにもう1人ロングヘアの赤い軍服の少女と、刀を持ったセーラー服の少女も現れた。

(こりゃ思ったより厄介そうだ)

「何か問題でも?」

「いえ、問題ありません。マイティセーラーも当面は動けないでしょう」

「よろしい。…恐らく『彼』ね、新しく来たのは」

「ええ」

刀の少女は喋らず、軍服とダークセーラーが話している。

どうやらトドメは刺さないでおくらしいが、こちらとしては納得がいかない。ダークセーラーシホの件といい、このまま取り逃がしてはいけない気がする。

専用マシン・トルネイダーをスライダーモードに変え、上に乗って飛び去る彼女達を追うことに。

「おいおい無茶すんなよ?」

「無茶はしねえよ。たぶん無理はするけどな」

去っていく彼女たちを追い、スライダーで加速していく。こうやって飛ぶのも久しいが、割と覚えているものだ。

「待て!おい、コラ!」

凪砂の声に反応し、黒いセーラー服の少女がこちらを向いた。

フレイムフォームに変わり、フレイムセイバーを手にスライダーから跳躍し、黒いセーラー服の少女を斬り裂いてスライダーに着地し、残りの2人を追う。

「向こうはやる気ね」

「ここは私がやります」

エネルギーをガトリングのように放っていき、ダークセーラーシホは凪砂を撃ち落そうとしてくる。スライダーでエネルギー弾の雨の中を飛びながら、ストームフォームへチェンジ。

ストームハルバードをダークセーラーシホに叩きつけるが、シールドのようなものを展開されてガードされてしまう。

「こんのッ…」

再びハルバードを振るい、シールドを張るタイミングさえ与えずにダークセーラーシホを道路へと吹っ飛ばす。

残りは1人だが…

「なんだよ来るなら来るって言えよ」

「いや、俺も気になったんでな。この3人だけが送られてくるのは珍しいんだ。事情聴取はしておきたい」

いつのまにか残っていた軍服の少女を地面に叩きつけてダウンさせていた和真。加速能力でも持っているのだろうか。

「つーかその翼なにそれ?かっけえな」

「良いだろ、お前と会ってない間に俺も変わったのさ」

「いやあのゲートの時点で充分変わってるから」

そう言いつつ地面に降り立ち、変身を解いて凪砂と和真は気絶させたダークセーラーシホともう1人を見下ろす。

「血ィ出てるな…回復役はいないのか?」

「いるけどよ、デストルドー相手には使えんだろ。俺たちで何とかするしかねえ」

「何とかってなんだ?魔法でも使えんのか?」

「魔法は今の俺でも無理だ。だからアレを使う」

和真はどこから取り出したのか、小瓶に入った液体を2人に飲ませた。

「それは?」

「スーパーミラクルジュース。冗談だ、別の世界で買ったちょっとした回復睡眠アイテムさ。別々だったんだが上手く調合できてな」

面倒くさかったがな、と言いながら和真は首をすくめる。

「問題はこの2人をどうするか、だ」

「アイドルヒーローズの本部に連れていくしかないだろ」

「はあ?」

「全責任は俺たちが持つって事にすればいい。まあ従姉さ…じゃなくて司令がOKだしてくれるかは分からんけどさ」

「不安要素が多いが…それしかねえな」

和真はアパートなどを借りていないし、凪砂に至っては来たばかり。行動しやすい場所といったら本部しかない。

(どうやって乗せてく?)

(…車持ってくる)

しばし待つと、ピックアップが目の前に止まった。

バイクを荷台に括り付け、昏睡した少女たちを後部座席に乗せる。凪砂と和真は助手席と運転席にそれぞれ座り、アイドルヒーローズ本部へと道を戻っていった。

本部に帰ってすぐに『拉致したの?!』とか言われたというのは、また別のお話。拉致してないのにね。

 

 

 

 

 

 

 




3話目だぁぁぁぁぁぁぁぁ!
マジすいません(冷やし土下座)
どうも、いつも変わらない低クオリティ小説の提供者です。
なに言おうとしたんだっけ、最近忘れがちなんだよね。ま、いっか。
そうそう、これ食ってもいいかな。
じゃねえよ!(だが私は謝らない)
そろそろ実家から帰らねばならない日が近づいてまいりまして、やや壊れております。いつもの事とか言わないで。
えーとですね、うーん。いつもなんだけど本編より後書きに色々書いてる方がね、個人的には割と好きなんですね。
小説書いてる端くれとしてアカン事なんでしょうけど。
でも後書き20000字以内ってあるし、割と書いてもいいのかな。
てなわけでようやくサブカル&エンタメコーナーだッ!
自分はアイマス知ったのがミリシタなんですね。
高校の時だったな。
そこからまあ色々とね、あって…今年か。
ミリ6thがライブ初参戦だったのよ。ってもライブビューイングだったから現地ではなかったし、エンジェル2日目(かな?)しか出れてない。
でも興奮したし、初だったけどサイリウム振りまくって声出した(と思う)
来年は行けるかなあ…忙しくなりそうなんだよね。
ミリシタ2周年はアキバに初日参戦しましたけども、人の数圧倒的。
3周年も期待してますよ!
だって俺の人生だもの。アイマスのために生きるって、そう決めた。誰が?俺がだよ。
やっぱ無駄に長く語ったな。下手にカッコつけようとかするもんじゃないねえ。
次いつになるか分からないけど、またねー




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デイ&ナイト

アイドルヒーローズ本部。

先ほどの戦闘から間も無く、調査室の前で三浦凪砂と八坂和真はザ・ネクスト百瀬莉緒に説明を要求されていた。

理由はたった1つ。デストルドーのメンバーを無断で連れ帰ってきたからであった。

「あのね、彼女達は敵なのよ?万一にでも暴れ出したらどうするの?」

「そこは、大丈夫かと」

「彼女達が何かした場合、全責任は俺たちが取ります」

「それに何か情報を引き出せるかもしれません」

「確かにそうだけど…入ったばかりの新人に全責任とかいわれてもねぇ」

「問題ありません。彼は信用に足る人物なので」

「そう…でも彼女達から目を離さないこと、どんな些細なことでも全責任はあなた達にいくのを忘れないようにね」

百瀬莉緒は去っていった。恐らく司令官である三浦あずさへの報告も兼ねているのだろう。彼女の代わりに百瀬莉緒が来たというわけだ。

壁に寄りかかって和真が口を開く。

「どっちが聞く?」

「俺から聞こう。ていうかお前も部屋入るんだよ」

「分かってる分かってる」

扉を開き、無機質な部屋に入る。映画で見たことがあるくらいだが、こういう冷たそうな壁にはいまいち慣れることができない。

無感情に椅子に座る彼女たちの向かい側に、凪砂と和真は座った。

「今回俺たちは君たち2人を保護し、ここに連れてきた。ま、手荒な真似はしたくないからよろしく頼む」

「そういうわけだから、答えられる範囲で答えてもらいたい」

「取り調べというものなのかしら」

「あくまで質問だと思ってくれ。けどまじめに、っていうくらいだ」

そして質問は始まった。

あまり踏み込んだ質問は答えてくれないというのは、する前から分かっていることだ。だからそこは考えてするしかない。

和真がいうには密かに自白剤的なものを投与したらしいが、とりあえず無難な質問からしてみることにする。

「君たちの名前は?」

「シホ型ダークセーラー、No.33」

「デストルドー日本支部総帥、田中琴葉」

(やはり量産されているクローンか何かか…)

(まだ何体も居るんだろ。まあもう1人にも聞ければよかったが)

「所属は?」

「「デストルドー日本支部」」

まあそう答えるか。名前は吐いてくれたが、こればかりはあまり良い質問ではなかったようだ。

「ダークセーラーシホに聞きたい」

「シホ型ダークセーラー識別番号33です」

「識別番号とかは今関係なくてな…君にそっくりのヤツは後何体いるんだ?」

「そっくり…同じ姿のダークセーラーですか。私たちに把握する能力はありませんので返答は出来かねます」

「じゃあ他にはいたりするのか?その、ダークセーラーは」

「サヨコ型、ユリコ型のダークセーラーがいます。全体数は不明ですが」

溜息をつく。

どうやら財団Xを潰すだけの仕事と考えていたが、事態は思ったよりも深刻なのかもしれない。

「今日の質問は終わりだ」

椅子から立ち、凪砂と和真は部屋を後にした。念の為こちらも報告をかねて司令の部屋に向かうことにするが。

「しかし…行く必要あるか?」

「何が?」

「司令に報告する必要はあるのかってことだ。彼女たちに関することは全て俺たちに任せられていると言っても良い。わざわざ管理職の仕事を増やす訳にもいかん」

「そういう事ならさっそくやってみたいことがある。もしかしたら収穫があるかもしれない」

「期待は裏切るなよ?」

「まあ協力してもらわんとできないけどな」

「んなこったろうと思ったわ。ま、そこは任せろ」

***

同日、夜。都内某所。

繁華街のように人通りは多くはなく、ちらほらといる程度。そんな中を、2人は作戦実行のためにある場所へと向かって歩いていた。

とはいえ組織としてのではなく、昼に凪砂が和真に提案した非公式作戦であるため、救援も呼べないのが難点か。

(しっかしなかなか捕まえられんな)

彼女達に密かに発信機を取り付け、敢えて解放させて彼女達がデストルドー日本支部に戻るのを追うという作戦だったが、その日本支部というのがどこなのかサッパリなのである。

大まかなところまでは辿りついているのだが、同じ場所を歩いていると思うのは気のせいではないはずだ。

「本部を見つけさせないつもりか?」

「この周辺なのは間違いねえけど、肝心なあと一歩が掴めねえんだよな」

「ならどうする?手当たり次第にやるのもアレだしな…妨害者を逆探知してみるとかは?」

「出来たらやってるわ!クソ、思ったよりハードじゃねえか…」

迷路の出口前で迷子になっているような感覚か。まあ分かりづらい例え方かもしれないが。

「じゃあ運にかけてみるか」

「なんだよ。テキトーに決めてぶっ壊してみるのか?」

「まあな。じゃんけん…」

凪砂がグーを出し、和真がパーを出した。

「先にどうぞ」

「おう。じゃあこれでやってみるか…」

そう言って彼が取り出したのはロケットランチャー。1つのビルに狙いを定め、ランチャーを撃ち放った。

爆発が起こると、窓ガラスなどが消えて無機質なコンクリートのような外壁が露わになった。ホログラムか何かを展開していたと思われるが、外壁は無傷。

「…ロケラン意味あった?」

「知らね。効果はないみてえだけど…当たりくじは引けたっぽいぜ」

和真がロケランをぶつけた建物から湧いてくる少女達。恐らくダークセーラーであろうと見受けられるが、数が尋常ではない。

凪砂と和真を囲むように陣形が展開されていき、逃げる事は出来なさそうな感じだ。

「じゃあやるか」

「ああ」

凪砂はオルタリングを出現させ、和真はブレイバックルを装着し、2人は叫ぶ。

「「変身!」」

 

 




いつになるか分からないとか言って投稿するバカ=私でございます。
幕張行きたかったけど行けなかった…のでTwitterで色々と結果知ることにしました。
思ったより話すことが見つからないなぁ…どうしよ。
あ、3話くらいかな、既にこの小説あげてるんですけど、1話ごとのサブタイ後で変えます。なんとなくね。
今回のデイ&ナイトは映画の『ナイト&デイ』が元ね。
まあサブタイ変えたとこで話の内容は変わんないから。
メニューの名前だけ変わる感じ。レストランとかであるじゃん?
あと今実家から下宿先に帰ってきてるんだけど、思ったより前の俺買い物してた。
ウィッチーズ関連のライトノベル(スオムスいらん子はないけど)とかアイマス関連の本とか。
ウィッチーズ関連が1番あるかな。『発進しますっ!』は全部あるし、ノーブルの小説とストパンと。
マンガだとアイマスの『朝焼けは黄金色』も買ったな、最新巻。
あとかぐや様もあるねェ…
うーん、もう話す事はないかな。
次こそいつになるか不明です。じゃあねー


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スターライト・ジョーカー

凪砂は仮面ライダーアギトに、和真は仮面ライダーブレイドに変身し、戦闘が始まった。

トルネイダーがないと空を飛べない凪砂に代わって和真が空の敵を、凪砂は地上の敵を相手にする。

とはいえ彼らも集団戦の経験は何度かあり、一方的にやられるようなことはないが、いかんせん数が数ゆえに倒しきれない。

「どうする?倒しても倒してもドッペルゲンガーみたいなのがわんさか湧いてくるぞ」

「じゃあ纏めて片付けるしかねえな。例のビルの屋上に行くから、そこまで引きつけてくれ」

「ったく…無茶いうなよ」

ビルの屋上に向かう和真を見上げ、ため息をつく。しかしそういうのなら、相当の火力を持つ兵器があるのだろう。

ストームフォームへと変わり、凪砂は一気にビルの屋上へと跳躍。地上にいたダークセーラー達も彼を追って屋上のところまで来たが。

「ナイス」

「そりゃどうも」

『♠︎10・J・Q・K・A』

『ロイヤルストレートフラッシュ』

金色の光の奔流が重醒剣キングラウザーから溢れ出し、和真は勢い良くそれを薙いだ。闇夜を太陽の如く明るく照らし、その光は彼らを囲んでいた黒い少女達を跡形もなく消し去った。

「ふう…こんな感じか」

「なんだその姿?!てかすげえな!ビーム出たじゃん、ビーム!」

「お前と会ってない数年間で俺も色々と強くなったってことだ」

「ほへえ…」

「とりあえずここにずっといるわけにもいかんし、中入ろうや」

「どうやってだよ?出入り口的なのは見つからないけど」

「こうするんだ」

そう言って右腕にエネルギーを集中させて和真は屋上を殴りつけ、人が通れるくらいの穴をあけた。

「本当ロケランの意味なくね?」

「今更いうなって」

穴から中に侵入し、建物内部の様々なところを見て回ったが、人の気配はカケラもなかった。寧ろ無人のビルと言われてもおかしくはないくらいである。

「さっきまでいたよな?」

「反応はあった。琴葉もシホもだ。けど今はもぬけの殻になっちまってる」

「逃げられたか?」

「可能性はあるな。場所を特定された時点でここを捨てたのかもしれねえが」

「なるほど…」

琴葉がいたと思われる部屋のドアを開ける。別に確信はなく、他のところよりも雰囲気が違っていたというだけだ。

「ここは…」

「司令室なんてお堅いところじゃないだろうが、田中琴葉がいたと見て間違いはない」

「分かるのか?」

「ほれ、俺たちが付けた発信機だ。特殊な材料で出来ているからちょっとやそっとじゃ消えねえ。間違いなく彼女はここに戻ってきたんだ」

確かにあの発信機だが、それだけ残ったところでデストルドーを追う手掛かりにはならないし、財団Xに辿り着くことさえ出来ない。

「けど発信機はここで終わりだ。シホにつけた発信機も先の戦闘で壊れたろ」

「流石にあの火力だとな」

ここまで来ておいて、自分たちの手で手掛かりを消し去ってしまう事になるとは。最もあの2人だけで財団Xを突き止めることは不可能であろうとは思っていたが、なんとか財団Xに繋がるものを見つけなければ収穫はゼロとなってしまう。

「ん?なんだ、パソコンあるじゃん」

「データ残ってりゃいいがな」

起動させて色々と漁ってみるが、何も情報が得られない。真っ白に消し去られてしまっている。

そしてふと1つの考えが浮かんだ。

「ここのデストルドーもパソコンのデータも『消去』されたのか?」

「消去?何言ってるんだ?」

「飽くまで仮説だけどな、さっきここを捨てたっていったろ。捨てたのはデストルドーじゃなくて財団Xだったんだ」

「デストルドーはただの捨て駒だってのか。だがそれなら量産されているのも納得がいくな…使い捨ての兵器というなら」

その時、バァンとドアが開き複数の銃を構えた男たちが入ってきた。

続いて姿を現したのはロングヘアーの女性。

「ようやく見つけたわ。八坂和真、三浦凪砂。貴方たちをアイドルヒーローズ本部に連行します*

「は?!なんでだよ!」

「敵をみすみす逃した上、デストルドーの報告もない中での無断出撃。組織に所属する者として最低限のことは守ってほしいのだけど…」

「…それは」

「デストルドー日本支部を突き止めたのは手柄といえるわ。現場はマイティセーラーズに任せて、貴方達は1週間出撃停止とします」

真夜中に勝手に行動したのは事実。全責任が凪砂と和真にあるとはいえ、デストルドー2人を逃して無断で出撃したというは間違っていないのである。

仕方なくデストルドー日本支部を後にした時には既に朝日が昇ってきていたが、彼らに朝は訪れたとはまだ言い難かった。

 

 

 

 

 

 

 




5話目だね!
しぶとく投稿しております私。
今回は早速サブカル&エンタメコーナーいくよッ!
今朝無駄に早く起きてね、ビルドNEW WORLD 仮面ライダーグリスを観てきたんだ。
ネタバレしない程度に話すけど、まあ予告でもわかってた通りヒゲのヒゲがなくなってHIMURO GENTOKU(略してHIGE)になってしまってたんで不安はあったけど安定の文字T残ってて良かったです。
結局ハッピーエンドだったんでベストでしたね!
ベストマッチな奴らって、カズミンとみーたんのことでもあったのかなぁ…
いやぁ、良い映画でしたね。クローズ見れなかったから惜しいけども。再上映頼む。
あとは何かな…TrySailのCDを買おうか悩んでます。
もちょの写真集もね。
つーわけでまたねー


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Spread the Wings

謹慎処分を受けて3日が経った。現在彼らは1人用の個室に2人で閉じ込められ、もとい謹慎処分を受けているが、部屋自体は結構広いのでかなりくつろげてはいた。

出撃ができないだけで、電子機器等の使用や外部と連絡を取り合うことが禁止されているわけでもない。現場に出向くことができないという点において情報不足は否めなかったが、和真が大学生の凪砂よりもコンピューター等を扱えるということもあって、情報は多少なりとも集めることができてはいた。

「しかしまだ3日くらいしか経ってないのな。すっごい暇だわ」

「まあその通りだが…現場に出る事は許されてねえからな。こうして部屋の中で地道にやるしかないわけだろ」

「ってもゴールには辿り着けてないじゃん。アイドルヒーローズ側でも財団Xの情報は掴めてないらしいし」

「そうか…あークソ、やっぱ破れねえ」

「つーかさっきから何やってんのさ」

「ここの情報収集衛星をハッキングしようとしてみたんだが、まあ無理だったな」

「生憎と俺は文系なんでそこはわからん。けど衛星使わなくても結構情報は集まってるだろ」

「空から見た方が索敵範囲は広がるだろ。ま、どっちにしろ役に立たなかったけどな」

首をすくめて和真は言う。だがこのまま処分期間を終えるだけでは、何も収穫がないままになってしまう気がする。まあ謹慎処分中なので情報収集していること自体がおかしいのだが。

「これまで集めた情報じゃ、いまいち財団Xの基地ははっきりしていないな。デストルドーの日本支部は見つけたけども」

「財団Xも表に出てくる時は少人数だしな。雑魚はたくさん連れてくるくせに」

「もしかして基地は空中戦艦的なのだったりしてね」

「大和かよ。しかしあんまり空中基地っつーのは考えない方が良い気もするぜ。非現実的すぎだ」

「けど財団Xだぞ?」

「確かに科学力じゃいくらか先をいってるが…まあ可能性の1つとしておこう」

その後も凪砂と和真は討論を続けたが、これといった意見が出せぬままであった。

しかし次の日、謹慎4日目に状況が変化した。

早朝からアイドルヒーローズ本部が騒がしくなり、否応にも凪砂達は眼を覚ますこととなったのである。

「なんだ…うるさい目覚ましだな」

「誰か廊下走ってんだろ。気にすんな、俺たちは謹慎処分を受けてる身だ。別に出撃はできやしねえ」

「まあそうか」

よっこらせ、とジジくさく起き上がり、凪砂は身支度を整えていくことにした。衣服は和真が四次元ポケットのようなものを持っているので、そこから彼の物をとって着ている。体格はほぼ同じなので大丈夫なのだが、このリュック型の四次元ポケットがどうなっているのかだけが疑問ではある。

のそのそと和真も起きてお互いに着替えを済ませたところで、はてさてどうしたものか。

「どうする?ドンパチしてるっぽいぞ?」

「ま、呼ばれたら行けば良い。呼ばれることは無いと思うがな」

集めた情報と再び睨めっこを始める和真。

外から戦闘しているであろう音が聞こえ、アイドルヒーローズ本部も僅かに揺れた。

「ちょっと出かけてくる。何かあったら連絡するから」

「ああ」

部屋を後にし、凪砂は屋上へと向かう。特に屋上に何かあるわけではないが、高いところからならば俯瞰できると思ったのだ。

そしてそこから知った現実は予想を遥かに上回るものだった。

(この間倒したはずなのに…まだこんなにいたのか)

前回を上回る数のダークセーラーと、それを指揮する赤い軍服の田中琴葉。それに加えて前はいなかった3人の少女が加わっており、兵力も増強されているようだ。

「チヅル、スバル、セリカか」

「和真」

「話し相手がいないのもつまらねえから来てみたが…あの3人は普通なら出てこねえんだよな」

「普通ならってどういう事だ」

「北米支部のメンバーなんだよ、あの3人は。日本支部がやられたからアメリカを動かしたってことだろうよ」

「随分と厄介だな」

「それに米軍すら掌握してるってのもな。ほれ、空母と戦艦がたくさんいるだろ」

海の方を指差す和真。アイドルヒーローズ本部は海の近くに建っているため、屋上からだと湾岸がかなり見えるのだが、そこを埋め尽くすように艦船の類がやってきている。

「財団Xの仕業か」

「奴ら国家上層部にまで入り込んでるって噂だからな…軍の1つや2つ簡単に動かせるんだろう」

「ライダーシステムを悪用する組織だと思ってたけど…ちょっと間違いだったみたいだな」

「さてどうする?アイドルヒーローズも戦っているようだが」

「俺たちは謹慎処分中なんだろ。戦闘には最悪の場合以外参加できないんじゃないか?」

「最悪の場合か」

刹那に爆発音が響き渡り、アイドルヒーローズ本部が揺れた。見てみると、やってきた艦隊がアイドルヒーローズ本部に向けて砲撃を開始しているのである。

財団Xが絡んでいるということも考えると、艦隊は洗脳を受けている可能性もある。

「あいつら!行くぞ和真!」

「最悪の場合か?」

「少なくとも最高じゃないことだけは確かだ!」

叫んで凪砂は腰にオルタリングを出現させ、屋上から身を躍らせた。和真もブレイバックルを装着して落ちてくる。

「「変身!」」

 




6話…だね。
テンション高くいきたいけど天気が悪すぎて洗濯物乾きにくいので、割と暗いデイですな。
台風来るんじゃねえよホント。
今回はそうですね、題名はなんとなくシャニマスBRILLI@NT WINGの全体曲から取りました。
ライブ行けてないんだけどね!
つーか他の2次小説はちょいちょい書いてたわりに、結局中途半端になってしまってるのよね。
これはそうならないようにしたい!
ま、中途半端になってるのは原作のラノベ読まなくなったからかもしれないけど。なんかラノベが全部似た作品に見えてきてしまってね。
ネット小説とかはかなりそう。
なろう系とか。
小説まともに書けねえのに評論するなって言われそうだけども。
はてサブカル&エンタメコーナーやろうと思ったけど、何言えばいいかな。思い付かん!
マギレコやってますとか?うーん、違うな。
プリコネ?違うなぁ。
大学の友人が知らないうちにシャニマスを始めてて、あさひの担当になってた話とか?…絶対ここで言う話じゃないよね。
あと実家帰省して久しぶりに高校時代の友人に会ったの。
高校時代は「アニメ?何それ」だったのにまどマギのファンになってフィギュアまで買ってた。
人って変わるもんなんだねェ…俺も何か変わらないとな。
つーわけでまたねー


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想い出のクリアスカイ

1Gの重力に引かれて落ちながら、アギトとなった凪砂は和真に向かって叫ぶ。

「和真!ダークセーラーを一掃するの頼めるか?!俺は北米支部の方をやる!」

「数はちと多いがまあ問題ねえ!片付けたら合流するから、これ以上本部に被害がいかないようにしろよ!」

「分かってるって!」

和真はジャックフォームになってダークセーラーの方へ飛んでいき、凪砂はアイドルヒーローズ本部の壁を蹴って地面に着地する。少々無茶をしすぎた気もするが、まあいいだろう。

というか飛べるなら着地の手伝いくらいしてくれても、と思ったが後の祭りである。

(ま、今はそんなこと言ってる場合じゃないしな)

トルネイダーをスライダーに変化させ、上に乗る。てっきり使えないようにしてあるのかと思っていたが、そうでもなかったらしい。誰かが敢えてこうしておいた可能性もあるが。

ストームフォームへとチェンジし、スライダーで飛翔してチヅル、スバル、セリカへと攻撃を仕掛けていく。

「誰かしら?情報にはなかったけれど」

「ま、倒せば同じだろ」

「最後はこの子のエサになるんですから」

「全員して飛行能力デフォルトか!ったく…」

元々アギトに飛行能力はなく、このスライダーモードも改造をしてもらった、いわば後付け機能なのである。それなのに皆して当たり前ように飛んでいるのでは、流石に苛立ちを覚える。

それを言ったところで無意味なのだが。

(しかしうまく近付けないな)

最初は接近できたものの、遠距離攻撃に対処しているうちに距離を置かれてしまっていた。加えて軍の攻撃対象が凪砂に変わっているらしく、艦隊からの攻撃も避けなければならなくなっていた。

(和真早く来てくれよ)

こちらから見える範囲でもまだ戦いは続いているらしく、飛びながら剣を振るう姿が見える。例の金ピカのフォームをまだ使っていないのには理由があるのだろうか。

「ま、こっちものんびりしてられないんだよなぁ」

艦隊からの砲撃を避けながら、再び3人に接近を試みる。765プロのアイドルと同じだと考えるなら、ハサミを持っているのがチヅル、遠距離攻撃をしてくるショートヘアのがスバル、ツインテールで犬のようなものを連れているのがセリカか。

まあ本人ではないので問題はないのだが。

「これでどうだ!」

直接斬りかかる…のではなく、凪砂はフレイムセイバーをチヅルに向かって投げつけた。当然当たるなどとは思っていないので、ストームフォームへチェンジ。ストームハルバードを構えてスライダーから跳躍した。

風を纏ってチヅルへと迫り、巨大なハサミを真っ二つに切り裂き、ハルバードで彼女を海原に向けて叩き落とす。

彼の体も落下していくが、スバルも巻き込んで一隻の艦の上に落ちる。

「ってえ…何するんだ!」

「お前も敵だからな!」

アイドルと瓜二つの姿をした少女にいうのは…今更か。

ハルバードを振るい、彼女の武器と火花を散らす。どうやらスバルの武器はランチャーやライフルといった遠距離武器だけでなく、近接武装もあるようで、様々な武装を作り出して凪砂と戦っていく。

(思ったより彼女が1番厄介かもしれないな)

更にセリカも降りてきて、援護をするように犬のようなものを凪砂に差し向けてくる。

「オレ1人で倒せるって!」

「チヅルがやられたのにですか?」

「まあそれは…」

一瞬の隙を突き、ストームハルバードで飛びかかってきた犬(外見はほぼ犬ではないが)を吹っ飛ばし、犬はスバルを巻き込んで海に落ちた。

「残ったのはセリカか」

「遅いぞ和真」

「道が混んでたんだ。それより他のチヅルとスバルは?」

「海の中だ。まあ生きてるかもしれないけどな」

「セリカ。アイドルヒーローズに投降する気はないか?」

「急に何言ってんだ!敵だぞ!ていうか砲門が俺たちの方向いてんのに、よくも悠長なこと言ってんな!」

「そう焦るな。で、投降する気は?」

「ありません」

「なら仕方ない」

『サンダー』『スラッシュ』

『ライトニングスラッシュ』

ブレイラウザーを振るって雷の斬撃をセリカに向かって飛ばし、セリカを海へと落とす。

「聞いた意味あったか?」

「たぶんなかったな」

「しかし3人倒したところで狙いは変わってないし、操ってるやつはここにはいなかったっぽいな」

「倒しきれてないってことも考えられるが、まあそうだろな。ていうかおまえスライダーはどうしたよ」

「あ」

スライダーは凪砂が飛んだところで停止したままだった。彼が触れていないとまともに動きやしない。

ストームフォームのまま飛び上がってスライダーに乗り、翼を広げて上昇してきた和真と並ぶ。

「これでよし。じゃあ和真、例の金ピカで倒せないか?この艦隊」

「あっさり言うな。国家間の問題に発展する可能性があんだぞ」

「ここでマジになる?!」

「デストルドーとは勝手が違うんだよ」

「じゃあどうすんだ?操ってるやつ探して倒すか?」

「それに関しちゃ分からんからな。今は艦隊を足止めするくらいしかねえよ」

そう言って金ピカのキングフォームに姿を変える。

「結局なるんじゃん」

「まあな。だが倒すわけじゃねえからな」

キングラウザーとブレイラウザーを両手に持って和真が雷を纏った2本の剣を振るうと、艦隊全体に電撃が走った。

「砲撃が止んだ…のか」

「艦載機とここの全部の艦を麻痺させた。ついでに乗組員もな」

「すげえ…」

「これで当面は動けねえさ。上手くいけば目覚めた時に洗脳が解けてる可能性もあるが…ま、時間稼ぎにゃなったろ」

「まあこっちの時間稼ぎにはなってなかったぽいけどな」

「あー」

凪砂に促されて和真も振り向くと、そこにはアイドルヒーローズが。

どうやら長い説教時間になりそうだと2人は思うのであった。

 

 

 




低クオリティの提供者再び参上ッ!
今日は洗濯物よく乾いてるから機嫌もいいです。てなわけで7話かな。
たぶんそう。
短期間で書くとホント後書きで話すこと思いつかないよね。
とかいってエンタメ&サブカルコーナー!
ストレイライトのCD買いました。
まだ聴いてないんですが、ジャケットが素晴らしいので中も良いのは間違いないですね。
他は何か話すことあるかな…
刺激が足りないのかなぁ、俺の毎日って。
大学もまだ始まってないし、暇を持て余してます。
映画でも観たら時間潰れるけど、かぐや様の実写なんか観るのにいまいち踏み切れないんだよな。
グリスはなんだかんだ観に行くのが遠いし。
秋葉原も最近行ってないしなぁ。
アズレンのコラボあるから行かなきゃいけないんだけどね。
つい数日前だね、カラオケで友人に「アイマス以外は何かないの?」と言われたんだよね。
だからTrySailの曲を歌いました。ベストマッチでしょ。
じゃ、またねー




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レジェンドデイズ

(威圧感やべえ…)

(クソ、なんか言えよ凪砂)

(言えるわけないだろ、こんなんで)

テーブルを挟んで向かい側に座る、百瀬莉緒とアイドルヒーローズ司令官である三浦あずさ。現在凪砂と和真は例の謹慎処分で置かれていた部屋ではなく、彼女たちによってデストルドーのシホと琴葉に質問をした調査室に連れてこられていた。

前は質問した側が、今度は質問される側になるとは皮肉である。

「今度も命令無視、無断出撃ね。それでもデストルドー北米支部メンバーを3名撃破、他ダークセーラーを多数撃破してると」

「前回と言い今回と言い、妙に戦果を残すからチームから追放もしづらいのよね。だから謹慎扱いにしたのだけど」

「こう何度も何度も命令違反をされると流石に困るし、こちらとしても対策を考えなきゃいけなくなるのよね」

「でも今回の件でペナルティなしというわけにもいかないでしょ」

「そうなのよね」

考え込む百瀬莉緒と三浦あずさに向かい、和真が口を開いた。

「だったら2、3日ください。その期間でデストルドーと裏の財団を引っ張り出してきますよ。あとはアイドルヒーローズも加わって叩けば良いかと」

(おい和真!)

(これしか思いつかなかったんだよ。それに俺らにだってメリットはあるだろう?)

(まあ…そうだけど)

「でもデストルドーの本部はどこにあるのかはっきりしてないのよ?それでできるの?」

「問題ありません。俺たちが突き止めてみせますから」

「ならいいわ」

「でも1つ頼みたいことが」

「なに?」

「米国艦が活動再開した場合の対処をお願いします」

「分かったわ」

呆れたのか、それとも納得したのか。どちらか不明ではあったが、三浦あずさと百瀬莉緒は部屋を出て行った。

凪砂はゆっくりと溜息をつく。

「和真…流石に無茶言いすぎだろ。数日でデストルドーと財団Xを引っ張り出すって?ドバイタワー登るより難易度高いぞ」

「そこは安心しろ。実は奴らの本部の場所はほとんど突き止めたも同然なんだ」

「全然そんなこと言ってなかったろ!」

「凪砂が屋上向かった後に計算したんだよ!」

「そんな頭キレるなら最初からそうしてくれよ…」

「悪りぃな、ViVid Strike!したのがそのタイミングだったんだ」

「はあ…」

何故か英語っぽい発音をしたように聞こえたが、気のせいか。

それに発音云々を今は気にしている場合ではない。

「ま、いいや。で、その場所ってのはどこなのさ」

「太平洋上だ。それもど真ん中」

「遠くないか?!行くだけで時間かかるし、なんかこう…パッ、といけるピンク色のドア的なのは?」

「ねえよ。俺のリュックも万能じゃねえんだ、そこはもう自力だ自力」

「へいへい」

そういえばあの鏡の破片のような光は使えないものかと思ったが、今更である気がしたので触れずにおいておくことにした。

***

しばらくのち、ブレイドのジャックフォームの先導で大海原の上をただひたすらに飛ぶ凪砂の姿があった。

もちろんアギトに変身し、スライダーでの飛行ではあるが、それでもこういうところを長く飛んだことはない。大抵が飛行機で現地に行ったりするか、国内での事件であったため、海の上をスライダーでただただ飛ぶというのは慣れないことだった。

「まだ着かないのか?」

「もう少しだと思うんだが…ああ着いた着いた」

和真はそういって空中で止まったが、見たところ前方には何もない。

大方光学迷彩か何か、そういう類のものがあるのだろう。

「じゃあちょっと痺れさせるか」

『サンダー』『スラッシュ』

『ライトニングスラッシュ』

雷を放つ剣を不可視の標的に突き刺す和真。電撃が走り、迷彩機能が失われたのか、見えなかった本体が明らかになる。

「でかっ…」

基地とはいえ、海に浮いているのか、そこに浮いている空中艦なのか、その場所に海底から建てられているのか、どういう姿をした基地なのかは不明であった。

しかし答えは空中艦が正解だったようで、とにかく馬鹿でかい空中艦が中空に浮いているのが目に入った。

「よし、入るか」

「そうだなぁ」

和真が装甲が薄そうな部分を殴り、人が通れるくらいの穴を作る。凪砂も通るが、スライダーは脱出できるように入った穴のところに置いていく。スライダーで艦内を進んでもいいが、撃墜されると困る。

「おっ、敵さんの登場早いねえ」

「そりゃ本拠地みたいなもんだからな」

「死ぬなよ!」

「ったく、そっちこそ!」

床を蹴り、2人は敵へと飛びかかっていった。

 

 

 

 

 




7話?8話か?
まあそこはどっちでもいいか。
またまたしぶとく書いておりますが、気分転換に別作品を書く可能性もあります。
え、これまで中途半端に書いてるやつの続き書けって?
ってもラノベも最近読んでないしなぁ…ま、ラノベ原作以外も書いてるけどね。
エヴァとかさ。
つーかラノベ飽きかけてる自分がいるんですが、大丈夫ですかね。
どれも同じに見えてきてしまって…歳ですかね。
20歳でいうことじゃないと思うけど。
ま、サブカル&エンタメコーナーいきますか。
かぐや様の実写観てきました。色々覚悟決めて。
ネタバレ避けて感想からいいますと、なんか違う感やばい。
まあ2時間くらいに色々詰め込まなきゃいけないのはわかってるけど…完全オリジナルストーリーって言われてもおかしくないね。
劇場版でよくある『完全オリジナルストーリー』ってワード、中々に危険な気もするよね。
原作にないストーリーをゼロから作らなきゃいけないんだし、下手したら失敗しちゃうって感じが。
えーとあと…かぐや様の実写は女性率高かったです。
平野紫耀か!平野紫耀だよなぁ!
おのれ…
しゃあねえよな、平野紫耀と橋本環奈と佐藤二朗で成り立ってるような映画だものね。
まあナレーションと白銀父は面白いキャラでしたが。
つーわけでまたねー


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灼熱ブレイズアップ

「こんなところか」

「ただの戦闘員だな。雑魚はいくらでも出せるってわけだ」

「だから皆同じ顔をしてるのか?」

「まあな。どうせ量産してるんだろ」

「ふうん」

敵の数は多いと思ったものの、戦闘能力は思っていたよりも高くなく、こうしてあっさり片付いてしまったわけだが。確かにどれもこれも同じ機械じみた顔に似たような服装をしている。

(デストルドーではなさそうだな)

「じゃあこいつらは財団Xがどっかからデータを盗んで作ったと見るべきなのか?」

「恐らくな。それに中に人間は入ってない。全部機械だ」

「遠隔操作か」

「動きが統一されてはいなかったからな、1つのプログラムで動いてるわけじゃなさそうだ。こいつら一体ずつに簡単な人工知能的なのが入ってたのかもしれねえな。あまり高性能じゃなかったみたいだが」

「よくまあそんな考察できるな。俺全然考えなかったぞ」

「経験の差ってヤツだ。凪砂が真面目に大学行ってる間に、俺は色々と経験を積んでたってだけだ」

「やれやれ…それに関しちゃ今更どうしようもないか」

***

雑魚に足止めを食らったが、一旦変身を解いて2人は奥へと進むことにする。目的はこの空中艦を日本まで動かすことと、財団Xを表に引っ張り出すこと。空中艦を動かすことは出来るだろうが、財団Xに関しては相当の難易度の気がする。

仮にここに財団Xのメンバーが居たとしても、そんなのは氷山の一角でしかないのは目に見えている。

「そういやなんで変身解いたんだ?お前が解いたんで俺も解いてしまったけど」

「俺の武器にはカード使用するためのポイントってのがあってな。変身解除してもう一度変身しないとポイントがリセットできないんだ。あと例の大技を雑魚相手に使うのもなんかな…」

「じゃあ俺変身解除した意味!」

「ハァ…しゃあねえな。ほれ、この銃でも使っとけ」

「うわっ!」

放り投げられた拳銃をキャッチしたが、見た目に反してかなり重い。昔アクション映画に憧れてエアガンにハマった時期はあったが、実物ではないので重さは分からなかった。いざ実物を持つと重量はかなりのものだ。

そもそも射撃の腕は良くない割にアクションヒーローに憧れ、ちょっとしたコスプレ的な感覚で楽しんでいた程度だったのに。

(なんだ…実際の銃ってこんななのか?)

一応映画等で見て覚えた範囲で扱うしかないが、暴発したらどうしようという恐怖もある。

「つーかアメリカじゃねえのによく銃なんて持ってたな」

「奪ってきたんだよ。色々なとこからな」

そう言いつつ射撃を始める和真。しれっとアサルトライフルを使っているが、扱い方からして慣れているのだろう。

(ったく、ものは試しか)

渡された以上使ってみるしかない。例の雑魚がまた湧いてきているのが見え、狙いを定めて凪砂は引き金を引いた。

「外れたか」

「…前から遠距離攻撃はしたことなかったろ!苦手なんだよ!」

やけくそにアギトに変身し、敵に向かっていく。殴り、蹴り、機械仕掛けの戦闘員たちを打ち倒す。

勢いづき、凪砂はフレイムフォームにチェンジしてフレイムセイバーで残った雑魚を一気に斬り裂いた。

「これで終わりか」

「俺の銃弾無駄になってね?ほぼお前倒してたじゃねえか」

「まあ…そうだなあ。とりあえずほい、銃返すよ」

簡単に銃を投げて暴発というのもシャレにならないので、手渡しして再び艦内を進む。

進んでも中々にゴールらしきものは見えてこず、似たような廊下が続くばかりである。

「これ道は合ってんのか?」

「たぶんな。司令室ってのは大抵真ん中くらいにあるもんだろ」

「そういうもんかな」

「そういうもんだろ?」

「ていうかそろそろ見えてもいいはずなのに、なんでデストルドーも財団Xも見えないんだ?」

「そりゃこっちも聞きてえよ」

完全に敵地の中にいるのに、先程から出会うのは雑魚敵ばかり。彼らの侵入を感知しているはずなのだが、ダークセーラーなどが出てこないというのは違和感がある。

(罠か?)

どこになにがあるのか分からないものの、、前に進まぬ限り何も得ることはできない。

しかししばらく歩くと、これまでと全く異なる雰囲気の場所に彼らは足を踏み入れた。なんというか、機械と違う人の感じがある。

「もうすぐ着くかもしれねえな。用心しろよ」

「分かってる」

先程雑魚集団を葬って以降、結局敵とは遭遇していないので凪砂は変身を解いていたが、どうやら中心部はもうすぐらしい。

いつでも行けるようにしておかねば。

(妙な感覚だな。敵なのに)

彼が財団Xと戦うのはこれが初めてではない。それなのになにか大事なものを前にしたような、そんな感覚が今の凪砂にはあった。

「見合いするわけじゃねえんだ。殴り込みみてえなもんだぞ、今からすんのは」

「分かってる。財団Xは必ず俺たちが叩くんだ」

「その前にこの空中艦を日本に進路を取らなきゃいけねえがな」

そうこうして、やがてある扉の前に2人は辿り着いた。

和真がいうにはこの奥が司令室らしいが、ここに来るまで全然デストルドーにも会っていない。

気味が悪いほどに。

(このドアで良いんだな?)

(たぶんな。まあ何か収穫はあるだろ)

近づいていないにも関わらず、扉はスライドして開いた。自動ドアなのかもしれないが、やけに準備が良すぎる。まるで来客を見通していたかのようだ。

顔を見合わせ、凪砂と和真は入り口と思しき場所を通ったが、直後にドアは閉まった。

その部屋の中には…

「やはりそういうことか」

「こんだけの数で出迎えたぁ、随分と豪勢だな」

2人を囲むようにダークセーラーと北米のデストルドーが展開、その更に上には白服の集団が見える。

パチパチと手を叩く音がし、デストルドーの集団がモーセの海渡りのように綺麗に分かれ、その間を1人の女性が進んできた。

まあ財団Xは皆同じような服装をしているのでぱっと見では分からないが、この場合はヒールの音で判別できた。

「空中機動要塞『エスペランスノーツ』へようこそ。別世界の仮面ライダーたち」

「いや…え、嘘だろ」

「あれミヤコだろ。お前の双子妹の。高校ん時に会ったことあるから一応記憶にあるが、なんでここにいるんだ?」

「見たとこミヤコで間違いない。お前が知らないのは、旅行に行ってる間に財団Xに拉致られたからだよ」

「まあどうやら敵っぽいがな」

「何を言っているの?ま、いいわ。とりあえず客人も来たのだし、パーティーを始めましょう」

「和真はこの艦のコントロールルームにいってくれ。ここは俺が片付ける」

「1つ言っとくが、艦は大破させるなよ?」

「善処はする」

ミヤコがパチンと指を鳴らすと同時、デストルドーがこちらに向かって飛びかかってきた。

「はああああああああああああッ!」

刹那、凪砂は咆哮した。炎を纏いながら。まるでそこに太陽があるような感じだ。プロミネンスが噴きあがり、迫るデストルドーを吹き飛ばし、オルタリングから出現した新たな武器シャイニングカリバーをを掴む。炎を纏わせたカリバーを薙ぎ、前方の敵を一気に殲滅。

「その姿…」

プロミネンスが収まっていくと全身がはっきりと分かるようになったが、そこにいたのはグランドフォームでもフレイムフォームでもストームフォームでもなかった。

豪炎のアギト、バーニングフォームだった。

 

 

 

 

 




9話…かな?
前よりは文字数増えた気もするけど、なんか駆け足になっちゃったような感覚はあるね。クオリティ低いのは元々だよ。
ま、いっか。
珍しく題名の話をします。これね、『ジレるハートに火をつけて』っていうミリオンライブの中の曲から取ってます。
その中にブレイズアップていうワードがあるっていうのと、ユニット名が灼熱少女(バーニングガール)だったっていうのを合わせました。
まあこれやりたいから書いたようなもんなんだけどね!
何気にベストマッチでしょ、バーニングフォームと。
良い曲なので機会があれば是非どうぞ聴いてください(宣伝)
正直今後の展開で悩んでます。
こういう時書かないパターンになりがちだし、ちゃんと書かなきゃなぁ…
そろそろウルトラマンでもなんか書いてみたい感じはある。
あと声優繋がりってもやりたいけど、中々に難しいんだよなコレ。
ストライクウィッチーズとかワールドウィッチーズ関連になりそうだけどね、その場合。
ウィッチ好きだもん。
正直な話大学での研究テーマ決めたの、ストライクウィッチーズの影響は少なからずあるよ。あとガルパンと艦これ。
いやまあ大学だるいから2次小説書いてんだけど。
現実逃避ばかりしてるわけにもいかんよね…
ゼミも面倒なんだけどね…
てなわけでチャオ!(声・金尾哲夫)




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バーニング・ビート

睨み合う豪炎のアギトとデストルドーだったが、それも一瞬だった。

ミヤコが指をパチンと鳴らしてデストルドーを動かし、凪砂とデストルドーは再び戦闘状態に入る。

多勢に無勢ではあったが、凪砂は退かなかった。

シャイニングカリバーを振るい、拳を叩きつけ、黒い少女たちを倒していく。

何人倒したのかすら、途中から数えてなどいなかった。とにかく前に進み、敵を打ち倒す。それだけ。

気付けばデストルドーの姿は消え、残されているのは凪砂と財団Xのみとなっていた。

「ま、彼女達は役に立たなかったってことね。それにまだパーティは始まったばかりなのだし、もっと楽しみましょう」

「自分じゃ出ないのか」

「主役は最後なの」

そういうと、フッと凪砂の前に白服の男が現れた。見たところ財団Xのメンバーであることは間違いないが…手に持っているものが妙に引っかかる。

(赤いベルト?そんなんあったっけかなあ)

まあ記憶力は偏りはあるものの、それなりに物覚えは良いつもりだ。けれどそのようなベルトは見たことはない。

単に忘れているだけだとしたらそれまでだが。

「変…身…」

『メロンエナジー』

『ロックオン』

『ソーダ…メロンエナジーアームズ!』

男がベルトを操作すると、中空にジッパーのようなものが開いてメロンを模したものが落ちて彼に被さり、展開してアーマーへと変化。

同時に彼の手には弓らしき武器が握られていた。

(にしても滅茶苦茶喋るベルトだな)

あまり悠長にベルトのことを気にしているわけにいかない。今は戦闘中であり、それに敵の正体は全くもって不明。戦闘スタイルすら分からない。

シャイニングカリバーを構えて男の変身した白いライダーと向かい合う。

(近接か…いや弓みたいだし遠距離もできそうだ)

和真に援護を頼みたいところだが、彼にはこの艦のコントロールを任せているのでそこはどうしようもない。

睨み合いが続き、先に動いたのは白いライダーだった。弓型武装を使って斬りかかったのをシャイニングカリバーを使って受け止め、鍔迫り合い状態になる。

(やっぱ近距離もいけんのか!)

力任せに弾き、前蹴りで白いライダーと距離をとる。しかし直ぐに距離を詰められてしまい、いまいち決定打が放てぬままに一進一退の攻防が続いていく。

このままかと思われたが、先に白いライダーが動いた。

『メロンエナジースカッシュ!』

ベルトを操作し、足にエネルギーを収束させていく。これは彼の意思なのか、それともミヤコに操られているのか。

どちらか今は気にしている場合ではない。

白いライダーのキックに対抗し、アギトは跳躍しつつ炎のエネルギーを纏ったパンチを放つ。

そして…僅差で当たったのは凪砂だった。

白いライダーの変身は解け、男は白いスーツを着た元の姿に戻る。

「ミヤコ、まだやるか?今なら手荒な真似はしないつもりだぞ」

若干の焦りが見える。恐らくこの白いライダーが撃破されることは想定外だったのかもしれない。

「まだまだ盛り上がるのはこれからよ」

「やめておけ。犠牲をこれ以上出されるとこっちとしても厄介だ」

「和真か」

「艦は自動で動くようにした。もうすぐ日本に着く頃だろ。お前らの逃げ場はないぜ?」

もうそんなに時間が経っていたのか。太平洋のど真ん中から日本まで、どれだけのスピードで動いていたのだろう。

「向こうにはアイドルヒーローズも待ってる。投降すりゃ無駄な殴り合いをしないで済むぞ、お互い」

和真と凪砂の言葉をミヤコが聞くかはわからない。彼女も元々こうではなかったし、財団Xによる何か改造を施されている可能性はある。

それに家族を手にかけるのは嫌だ。

「ミヤコ、パーティはお開きにするんだ。客もいないだろう」

変身を解き、彼女に声をかけた…が。

「消え…た?」

白い服を着た財団Xのメンバーと思しき者たちは、全て姿を消していた。凪砂が変身解除に追い込んだ男も含めて。

「どこかにワープしたか、させられたか。誰かが転移させたって考えが妥当かもな」

「何だってこんな!これじゃこのデカブツをわざわざ持ってきただけじゃないか。ただの迷惑なやつじゃん…」

「まあそうなるが、けど収穫はないわけじゃねえからな、来た意味はあったぜ」

「ふうん。俺にも得はあるのか?」

「ああ、財団Xの情報だ」

USBをちらりと見せてくる和真。その中に彼の言う『財団Xの情報』とやらが入っているのだろう。

だがすぐにそれを仕舞った。

アイドルヒーローズが艦内に踏み込んできたからであった。

「財団Xとデストルドーの基地最奥部、と見ていいのかしら?」

「ええ。デストルドーは凪砂が全て撃破。財団Xは姿を消してしまいましたが」

「…はぁ、あれだけ言っておいてこんな鉄の塊を持ってきただけなの?そろそろホントに首にするわよ」

「今日は休んでいいわ。明日詳細を聞きます」

「どうも」

勿論2人とも休むつもりはない。財団Xの情報をいち早く得なければならない。己自身のために。

 

 

 




どうも10話?です。たぶん10話。
最近大学が忙しくて(ちょっと言い訳)あんまり手をつけられてませんでした。ハイ。
まあこうして書いたんだけど、ちゃんと書けてるか不安が残るね。
つーかぶっちゃけ大学、楽だと思ってた授業がそうじゃないからな。
オリエンテーションだけじゃあ分からんこともあるってことね。
ま、それは置いておいて。
サブカル・エンタメコーナー行こうか。
まず原由実さん結婚おめ!アイマス声優も結婚していくねぇ…
これも時代の流れってやつかなあ…
あとラビットファーのCD買いました。めっちゃジャケットからしてええやん。最近オールスターズの出番も出てきましたしね。
あと麻倉ももさんと雨宮天さんの写真集も買ったな。
そろそろ貧乏生活になりそう。まだ大丈夫だけど。
あとなんか無いかな…かぐや様のガチャガチャとか?大した話題にならねえなあ。
そういやなんか大学の友人に服装がアカン言われたんですよ。
着てる服の半分がジュリアのものだけどさ。
残りは昴とだりーとか。個人的には全然問題ないと思うんだよ。
でも彼女作りたいならやめとけって。
別にこれでも一般人に見えるでしょーよ。ま、良いけど。冬の俺の装備は氷室幻徳だし。
イェーイ。
つーわけでまたな!


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月明かりムーンハーモニー

明日になるまで待機することとなり、凪砂と和真は前も使っていた部屋に戻ってきていた。

もちろん戦闘待機ではなく、事情聴取のための待機である。帰還後にただちに艦の調査が行われたが、2人は参加することは出来ていない。

無駄にデカブツを運んだはいいが、あれだけデストルドーと財団Xをひっぱりだすとか宣っておいて、どちらも遂行できていないのである。

「そういや米軍はどうしたんだ?」

「もう空母もなんもねえよ。思ったより目覚めが早かったらしくてな、基地にお帰りになったんだと」

「ふうん」

帰ってきた時は色々あって知らなかったが、あんなにデカい艦を港に持ってきた時に空母やらなんやらがあれば気付くはずだ。

まあ空中艦だからぶつからないといえばそうなのだろうが、こちらが帰ってきた時にはもういなかったのだろう。

「で、まだそのデータは開けないのか?」

「ロックが色々かかってるみたいでな…ちとばかし時間かかるぜ」

「盗んでおいてそれか」

「盗むのは簡単だったんだ。特定の場所から動くと自動的に複雑なロックがかかっちまう感じだな」

「なんだ、そんなのあるのか」

「財団Xは相当な技術を持ってる。これくらいするんだろうよ。泥棒みたいなことしてるだけじゃなくて、自分とこのデータ管理もしっかりしてるってわけだ」

「厄介だなあ」

プログラムだかなんだかそういう複雑なことは凪砂にはさっぱりだが、和真はキーボードを叩いていく。

画面は目まぐるしく変化し、どれが正しいものなのか分からない。しばらくその状態だったが、和真がキーボードを叩き終わると、画面の変化は止まった。

「これだ、昼に言ってたのは」

「これが?」

「そうだ」

画面を覗き込むと、表示されていたのは大きなXの文字。分かりやすいといえば分かりやすい画面ではあるが、どうやらパスワードを打ち込む必要があるらしい。

「パスワードは分かるのか?」

「まあ一応な」

「なんだよ、あと一歩なんじゃないのか?」

「パスワードわかんなきゃホーム画面にもいけねえだろ。今はロック画面みたいなもんだ。なんつーかパスワードがピッタリこねえんだよなどれも」

「じゃあ俺がやってみよう」

「好きにしろ、どうせ開かねえから」

やや投げやりになっている和真をよそに、凪砂はキーボードを打ち込む。彼とて自信はない。思いついたものを打つ。

「お、開いたんじゃないか?」

「はあ?!おいマジか、どうやったんだよ!」

「MASQUERADE。これがパスワードだったみたいだ」

「ンなワードすぐ思いつくのかよ」

「仮面ライダーっていうのと、ミヤコがパーティって言ってたのと、あとそういう名前のアイドルユニットがあるのを思い出して」

「ほう、なるほどな。マスカレードホテルは関係ねえのか」

「それもあるかな」

「まあいいか、開いたんならこっちのモンだ」

再度パソコンを弄り出す和真。またよく分からない情報ばかりが出てくるので、凪砂はコーヒーメーカーでコーヒーを入れ、勝手に休み始める。

「おいコラ、コーヒー飲んでんじゃねえ。ようやくたどり着いたぜ」

「財団Xの情報か」

「ああ、財団Xは他の基地もあるんだと、あの空中艦以外にも。座標もちゃんと出てるな。定期的に連絡取り合ってたと見ていいか」

「国内はあるのか?」

「あるぜ。しかも地下にどでかい奴がな。いや、これは研究施設か。基本的に都市の近くにある感じだ」

「恐怖はすぐ隣にってことか」

「あとは海中基地もある。空中艦が複数残存…クソ、多い!」

「今すぐ動けば1つは落とせるんじゃないか?」

「明日には事情聴取だからな…気は進まねえが」

「なんだ、珍しいな。乗り気じゃないなんて」

「おまえ連れてきて、そんな経ってない内にこんな色々しでかしたんだ。あんまり派手なことはしたくねえんだよ」

確かに今の時間は夜間警備なるものも回っており、無断外出彼らには許されていないだろう。だがせっかく情報を掴んでおきながら、なにもせずに傍観者を決め込むのは嫌なのだ。

「それに…ミヤコの事もあるし」

「そうか」

和真はすこしの間考え込んで口を開いた。

「まあ良いだろ、行くか。元より俺たちはこの世界は俺たちの本来いるべき世界じゃねえんだしな」

そうだ。ここは凪砂が本来いて良い場所ではない。彼には戻るべき場所があり、守らなければならないものがある。

少しパソコンをいじり、小型の端末を手に和真は立ち上がった。

「監視カメラを少々ハッキングさせた。無効化できるのは数分だ、さっさといくぞ」

廊下を駆け抜け、階段を飛び降り、一気に駐車場まで辿り着く。それぞれバイクにまたがると、夜の闇の中へと走り出した。

 




どうも11話?です。
今回は変身しません!
ま、変身して戦ってばかりじゃ面白くないでしょ?変身して戦うのが仮面ライダーなんだけどさ。
クオリティはいつも通りですが、題名は…まあうん。
ミリオンライブ関連ですね。
にしても休日になるとどこか出かけるのがお決まりなんだけど、グッズとか見つけても買わなくなってしまって。
欲がないというのか、なんていうのか。
Tシャツも良いの見つけたのにね。ストレイライトのやつとか。
サブカル・エンタメコーナー行きたいところなのですが。
話題がありません。
授業とかゼミとか色々考えてたらね、なくてさ。
まあ大学の授業でのアドバイスでもするか。役に立てば良いけど。
てか社会人の人だとこれ言っても意味あんのか?ま、いっか。
教授の話はちゃんと聞こう。俺のいる大学だけかもしれんけど、教授って頭おかしい人たまにいるから。
どこをテストに出すのか分かったもんじゃないし、聞くに越したことはねえぜ。
あとレポートを他人にやらせると失敗するよ。
まあ俺はやらせた側じゃなくてやらされた側なんだけどね。参考資料書かないと単位落ちるから。
書かなくても単位取れることあるけど、慢心したらダメだぜ。特に資料重要って教授が言う場合。
ま、俺がやらされたレポートの単位落ちたのは理由がちゃんとあるんだけども。分かるかな?
まあ結構分かりやすいよね。参考資料を書かなかったから!
分かってて書いてないに決まってるじゃん。
敢えて仕掛けたっつーかまあ。
皆はダメだよ。こんなの。やらせたり、やらされたりは。
でも大学の名物っちゃそうなのよな。
ま、じゃあねー



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夜に輝く星座のように

街灯が灯る夜の街を、凪砂と和真の2台のバイクが走り抜けていく。

先程突き止めた財団Xの研究施設の1つを潰しにいくためにこうして出てきたわけだが、アイドルヒーローズ本部には連絡など一切していない。前もそうだったが、アイドルヒーローズとは協力関係と言いつつも殆どその命令を聞いていないようなものだ。

思えば命令無視をしておきながら、これまで組織に残らせてくれていたのはある意味幸運なのかもしれない。

まあ1週間程度くらいだが。

(でも今回でホントに首になる可能性あるな)

先を行く和真が更に加速し、凪砂もそれを追いかける。夜明けまでに戻れれば何も言われないと初めは考えていたが、監視カメラをハッキングして無理矢理出てきたのだから何か言われるのは避けられないだろう。

(自己責任といえばそうか)

やがて都内のある場所で2人はバイクを停めた。東京は狭いもので、距離があると思っていても意外と早く着いてしまうものである。

「そういや目指すのはどんなのなんだ?言い出しっぺだけどさ」

「地下施設があるっていったろ?それを潰しに行く。見たところかなり重要みたいなんでな、先に潰しておくに越したことはねえ」

「あーなるほど。…それはいいけど、ここ東京駅だぞ」

「電車で行くわけねえだろ。駅の下行くんだよ」

「駅の下?」

端末を手にすたすたと歩いていく和真。凪砂は東京駅はあまり使わないので内部構造も詳しく把握しておらず、和真の後を追うしかない。

正確には迷子になってしまうので使いたくないだけなのだが。

一応時間制限があるからか、やはり和真も焦りが見える。

「にしても駅の下ってどうやって行くんだ?」

「地下鉄のところから行けるはずなんだが…」

「どした?」

「定期ねえから無理矢理乗り越えるしか」

「えぇ…」

ここに来てトラブル発生である。改札を通れないというそもそもの話になってしまうとは。

「よし、こうなりゃ無茶でもやるしかねえ。捕まるんじゃねえぞ」

「既に犯罪に加担してるようなもんだけどね!」

助走をつけて改札を飛び越え、和真と共に構内を走り出す。

「おい、君たち!何やってるんだ!」

「捕まえろ!」

後方の声から逃げつつ、階段を駆け下りてホームに辿り着く。

「ここからは?」

「あの奥だ」

和真が指差したのは線路内、トンネルの更に奥の方。つまり電車が通る場所に降りろということか。

「次の電車は2分後。はやくしねえと死ぬぞ」

「確かにな。行くしかないか」

線路内に飛び降り、和真の端末を頼りに暗いトンネルを進んでいく。これでハズレだった場合不法侵入やら、電車遅延やらで迷惑をかけることになる。ハズレはないと思うが。

(というかアイドルヒーローズにも迷惑かかるな)

今のこの世界での所属はそこになっているので色々と厄介なのだ。早々に首になっておけばよかったのかもしれないが、それもそれで面倒である。

(色んなこと考えるようになったのも大学生になったからかなぁ)

大人に近づくと良いこともあるが、嬉しくないこともまた多くなる。

酒が飲めるようになる程度だ。まだ凪砂は未成年だが。

更に進み、ある扉の前で2人は立ち止まった。

「たぶんここなんだが…ったくこんな時に認証番号が必要なのか」

「適当に打ってみれば良いじゃないか。あ…そうにもいかないか」

「まあそりゃ来るよな」

一度は和真のおかげでなんとか躱せたが、今は回避行動を取っている場合ではない。

「おらぁ!」

「うそん…」

結局力技であった。認証番号が必要な扉を無理矢理蹴り破ったのだ。

和真に促され、こちらも慌てて転がり込んで電車を避ける。

「堂島の龍かお前」

「誰が桐生一馬だ。下の名前の読み方しか同じじゃねえよ」

起き上がって状況を確認すると、どうやらここは端っこの目立たない場所らしく、殆ど人がいない。

しかし更に向こうには建物がいくつも確認でき、この地下だけで1つの都市を形成しているようにも見受けられる。

「しかし思っていたより広いな。もしかするとここだけでかなりの収穫を得られるかもしれねえぜ」

「だと良いけど。ほれ、既に敵さんのお出ましだぞ」

「なんだと?」

「誰かさんがドアをぶち壊したからだろうよ」

こちらを囲むデストルドーはユリコは判別できるが、どうしてか高坂海美と伊吹翼そっくりのデストルドーもいるのはなぜだ。

「マイティセーラーズか?」

「その割には全員黒い。デストルドーだろ」

「いやそんなはずねえ、最近までマイティセーラーズはいた。どうなってやがる…」

「ならここは俺がやろう。和真の方はまだバレてない可能性があるからな。切り札になり得る」

「そう…か」

オルタリングを出現させてアギトに変身し、凪砂は正面の敵に向かって飛びかかっていった。

だが彼はまだ知らなかった。切り札とはジョーカー。それが意味するのがどういうことなのかを。

 

 




12話か。最近短い間隔で書いてますね、割と。
まあ大学っつー現実から逃げたいから書いてるようなもんなんだけど。
あと昨日大学のアドバイス的なの後書きで書いたんだけど、教授とか見てたら怖いんだよね。何言われるか分かったもんじゃねえや。
つーわけで今回はまじめに(?)サブカル・エンタメコーナーやるよ。
『アズレン』のアンソロ最新巻と『びそくぜんしんっ!』を買いました。初期艦ズかわいいですね。
ちなみに嫁はイラストリアスです。なんでロリ艦じゃないのかって?
ま、最初にケッコンしたのがイラストリアスってだけです。
強いし。
綾波とかユニコーンとか松風とか可愛いし指輪渡してしまいました。
松風にいたっては見た目にストライクブーストされたので。
つーわけであとはそーですね、なんか大学の話題ばかり思い付く自分が嫌になるなぁ。
俺サークルに入ってないんですけど、友人が言うには入った方が良いとのことなんですがね。なんだろう、出会いを求めてサークルに入るのもなんか違うように感じてしまうんだよね。
でも両親はサークルで知り合ってその後結婚したって話だから、サークル入った方が彼女は出来やすいんだろうけど。
そんなことを悩んでおります。
あとそうだ、大学の2年生とか1年生の人には言っておきたい。
分かってると言われるかもしれないけど、ゼミ取りたい感じの先生いたらその人の授業たくさん取るべきよ。
顔売っておけば覚えられるから。悪目立ちはダメだよ。
そんでその教授の授業は好成績を取ること。それでいけば好印象間違いなし。
…たぶんね。
1年生はそうかもしれないけど、ゼミ取りたいの思いつかないっていうなら、楽そうなのとりあえず取っておくことをオススメ。でもあんまり適当に色々とっちゃうと、自分が何やりたいのか分からなくなるから気を付けて。
俺みたいに途中で研究テーマが変わったクソ野郎は、1年生で取った授業が全然意味無くなったんだよ。単位数は取れたから良いけどね。
そもそも神話やりたくて大学入ったっつーのに、2年生になりゃ戦争を研究テーマにしたいんだからな。
まあその方が楽しそうだし、資格でもそれをメインにしてたから。
ま、色々いったけど役に立てばいいなあ。
じゃあねー


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クレイジー×クレイジー

戦闘時間はさしてかからず、決着がついた。デストルドーと幾度か戦っているおかげか、相手に合わせて動く事で確実にすばやくダメージを与えることができるようになっていた。

とはいえ知っている顔にライダーキックを当てるのは良い気がしないので、フレイムフォームにチェンジ。フレイムセイバーで彼女たちを倒し、凪砂は変身を解いた。

「こんなところか」

「ああ。だが流石に侵入もバレてるだろうからな、一旦どこかに身を隠さねえと」

「身を隠すってどこに?全員が敵のところで安全な場所なんてありゃしないぞ」

「まあ表はな。裏から行きゃ直ぐには見つからねえさ」

そう言って和真は裏路地と思しき薄暗い道へと入り、凪砂も続く。しかし裏といってもまっすぐそこを通るわけではなく、頻繁に別の路地へと曲がって進んでいく。

「おい、なんでこんな変な行き方するんだ?」

「バレないようにするためだ。馬鹿正直にまっすぐ裏を進んだとしても、それはそれで捕まるのがオチだしな。なら分かりにくくした方が良いだろ、時間稼ぎにもなってよ」

「まあ、そうだけど」

しばらくし、都心部を目前にしたところで2人は立ち止まった。ここにたどり着く前にビルの近くに大きな倉庫らしきものが見えていたが、今彼らはそこにいた。

「つーかこの地下都市どんだけ広いんだ?倉庫んとこまで来たけど、全然本部みたいなものは見えないぞ」

「そりゃ東京都心の地下の半分以上占めてるんだ、広くて当たり前だろうがよ」

「じゃあ俺たちはまだ入り口と大して変わらないのか」

「おうよ。これから入る都市エリアがまたクソ広いんだがな…」

端末を手にため息をつく和真。

凪砂にとっても仮にここにミヤコがいたとして、見つけ出すのはまた至難の業ということになるわけだ。

「夜明けまでに戻るとしても時間はそんなないし、場所を絞るしか見つける方法はないな」

「なら精々1つか2つくらいしか調べられねえが…まあいい、警備の分厚いとこつけばいいだけか」

「ならさっさと行こう。アイドルヒーローズに見つかるわけにはいかないからな」

タイムリミットは夜明けまで。最も前と同じように見つかってしまった場合はそれまでではあるが、とにかく行かねば事態は変わらない。

立ち上がり、2人は歩き出した。

「都市部は監視カメラあるんだな」

「まあ予想はしてたがな。こっちとしちゃ研究施設だと思ってたのに、予想外に都市だったことに驚かされてるぜ」

「しかしデカいなぁ…東京の下に陣取るだけあるね」

「のんびりすんなよ、カメラがある以上バレてること前提で進んでいくから気を付けな」

「分かってる。…っていや、もうデストルドーが」

強引にでも彼らをこの都市に入れないらしい。先程マイティセーラーズそっくりのデストルドーを倒した時に、既に待機はしていたのかもしれない。

日本のデストルドーだけでなく、北米の方のもちらほらと見受けられ、時間はあまり掛けられなさそうだ。

(あっちのも量産されてたんだな)

「とにかくここは強行突破するしかねえな」

「だな」

「「変身!」」

お互いに仮面ライダーに姿を変え、防衛線を築くデストルドーとぶつかっていく。

和真はバイクがなくても大して戦力に支障はないが、凪砂はあるとないで空中移動ができるかできないかという問題が発生する。

事実フォームチェンジで飛べる和真は余裕があったが、凪砂はフレイムフォームとストームフォームを使い分けて戦うしかなく、下手をすれば押されかねないギリギリの状態。

「和真!この数倒しきるのは無理だ!俺を持ち上げて飛んでくれ!」

「あ、そういやそうか。トルネイダーないと飛ばねえんだったな。ほらよ」

デストルドーの海の中から凪砂を引っ張り上げ、和真はビルに向かって飛んでいく。警備の厚いところをつくなどといってはいたが、エリアの入り口があれでは判別のしようがない。

(黒いなぁ)

逃すまいとデストルドーが追ってくるが、さながら黒い大波のようであり、見ていて良いものではない。

しかし和真とて持ち上げながら飛ぶのはこたえるのか、バランスを崩しつつ、2人とも目の前に建っていたビルの窓ガラスを突き破り、中に転がり込んだ。

「っつぅ…ここ一応、ビルん中だよな?」

「ああ。まあ次からはお前持って飛ぶのは勘弁してほしいがな」

「バイクがありゃね。さて、行きますか」

「まあ待て。俺の端末なきゃ見取り図も分からねえだろうが」

「そうだったな」

彼の小型端末を覗き込み、場所を把握する。

「…なるほど。けど本命がいそうなとこまではまだあるな」

「じっとしてるワケにもいかねえ。今度こそ振り切っていくぜ」

追手もすぐそこまで迫っているが、相手をしている暇はない。目指す場所は決まった。

目配せをし、タイミングを計る。

(3、2、1)

刹那に床を蹴って壁をぶち抜き、凪砂と和真は加速する。一際目立つある建物を目指し、2人は疾走していく。

しかしあと少しでたどり着けるという時、死角から謎の攻撃を受けて2人の加速は終わってしまった。

「ってェ…なんなんだ?」

「恐らくライダーだろう。俺たちをここに入れさせないために準備させてた…のか?」

そうなるとここに来るという情報を掴まれていた可能性がある。情報を流した者がいるということか。

分からないが。

(アイドルヒーローズの誰か、和真の可能性は…いやないよな)

「ここに怪しい2人組が来たら始末するように命令されている。正確には仮面ライダーアギトと仮面ライダーブレイドをな」

今度は割と喋れるらしい。前の男と顔が違うので違うライダーの可能性もあり、警戒は怠らない。

ライフルを置き、男は前のと違う変身ベルトを取り出して装着。

『エボルドライバー!』

2つのボトルを振り、そのエボルドライバーにさす。

『コウモリ!』『発動機!』

『エボルマッチ!』

男がレバーを回すと、赤と紫の煙が溢れ、不気味な音声が流れる。

『Are you ready?』

「変…身…」

『バットエンジン!』

『フッハハハハハ…』

「滅茶苦茶喋るな、あの変身ベルト」

「それ俺も思った」

男はコウモリを思わせるようでいて、煙の吹き出すライダーへと姿を変えていた。まるで秩序のない、狂っているような。

感覚的に思った、これは危険だと。

けれど。

「凪砂いいのか?」

「和真には色々と世話になってる。こういう戦いくらい俺がやるさ」

地を蹴り、咆哮を上げて燃え盛る炎に包まれながらアギトはバーニングフォームへと姿を変えていく。

バーニングフォームの燃える拳と男の変身したライダーの拳がぶつかり合い、戦いは始まった。




13話…かな。
最近短い間隔で書きすぎて、ちょっと分からなくなってしもうて。
話数とかね。認知症かなぁ…
色々と処理しきれなくなってるような感じがあって、文章おかしくなってないか不安があります。
つーか大学が。
なんか最近大学の話ばっかりしてない?俺って。
ま、今高校生の人いたら言っておこうと思う。大学生の読者だったら今更感出そうだけどね。
相手が次に言うであろう言葉を考えつつ、喋るのって意外と頭使うんですわ。相手が言う言葉を考えてこっちも発言するって言うね。
まあどんなとこでも同じ事といやぁそうだろうけどよ。
1人で勝手に頭脳戦して頭痛めてます。
何やってんだろな。
他に何かねえかなぁ…
プリコネのハロウィンキョウカ当てました。魔法パーティには要となりますねえ。
コッコロと合わせて使えば強いのでは?
前衛はジュンがいるんで苦労はしないんですけど、メイン火力が物理だったり魔法だったりで編成変わるんですよね。
夏キャルが魔法パだとメイン火力で、物理だとアリサがメイン火力かなあ。どっちもコッコロとジュンは安定で入ります。
つーかこの2人死なねえ。タフすぎ。
プリコネの話題はここらで、そろそろアイマスの話題行こうか。
ミリの追加公演行けてなかった悔しい。
せっかくサイリウム買ったのに1回しか使ってねえや。
まあ今でもあの初LVの熱は思い出せます。
やばかった。とにかく興奮したんだ。
というのは置いておいて。若干言うの遅くなりましたが、鬼滅の刃の劇場版やりますね。無限列車。
煉獄さんかっけえよ。マンガ読んでるけど煉獄さんはかっこいい。あと泣けるんだよ…うん…
劇場でたぶん感無量になってると思います。
ではでは


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インヴィンシブル・ジャスティス

凪砂と男の戦いは徐々に激しさを増していった。

凪砂はシャイニングカリバーを使い、男は紫色の銃と見たこともない剣を使って応戦してくる。

和真は津波のように迫るデストルドーを相手取り、剣を使って倒していく。それぞれが、それぞれの敵に向かい合う。

「ったく、段々強くなってるように感じるのは気のせいか?」

「私にはそういう改造が施されている。戦えば戦うほど強くなっていく」

「ご指摘どうもッ!」

力任せに鍔迫り合いの状態から押していき、ビルに突っ込もうとするが、男は引き金を引いて光弾で凪砂を攻撃。パワーで押していた凪砂の側に、一瞬の隙が出来てしまう。

そこをついて蹴りを放ち、距離をとる男。

「そういえば勝手にアギト、ブレイドといったがこちらは自己紹介をしていなかったな」

「敵の割に律儀なこって。こんな時に名乗る必要もないだろ」

「私はウツミ。マッドローグという名でも通っている」

「今更知ったこっちゃないよ、名前とか」

「それもそうか」

自己紹介など今はどうでも良いのだ。このマッドローグなる敵を倒し、彼らは目的地に辿り着かなければならないのである。

「だが命令は命令だ。始末する」

男がエボルドライバーのレバーを回すと、背中にコウモリを模した翼が生え、それを使って空に飛び上がる。そして凪砂ではなく、和真に向けて一気に下降し、エネルギーを纏って彼に向かって体当たりを食らわせた。

「ぐあッ…」

予想外の強烈な一撃をくらい、和真は吹っ飛ばされる。

いくら強い彼とて不注意ということはあるだろうが、凪砂と戦って更に強さが増した状態で食らえば相応のダメージは受けるであろうことは予測でき、その通り和真は変身が解除された。

「和真…」

「ってェ…早くあいつをどうにかしろ!クソ、思ったより痛え…」

「分かった」

和真が変身解除に追い込まれるレベルならば、凪砂ならどうなってしまうのだろう。下手をすれば骨折では済まないかもしれない。

(一度で決めなきゃいけないってことか)

男はエボルドライバーのレバーを再度回す。翼は使わないようで、足にエネルギーが収束していく。

マッドローグがキックを放ち、アギトも燃える拳を構えて迎え撃つ。

が、今度ばかりは僅かに届かなかったらしい。

「…っ、て…」

こちらも攻撃態勢に入っていたため、防御に回す力が足りなかったのだ。見事に蹴りをくらい、吹っ飛ばされつつ変身が解除される。

せめてもの救いはバーニングフォームになっていたおかげで、多少なりともダメージは軽減されたということか。

それでも腹部へのダメージはかなり来ている。

(骨折れたかもしれないな)

「凪砂も勝てねえか。戦うたびに強くなりやがって…ダメージ吸収なんかよりもタチが悪いぜ」

「じゃあどうする?空飛べる上に自動強化がついてるようなもんだ、こりゃ勝ち目がないように見えるけど」

「…確かにな」

マッドローグは銃型の武器にボトルをセットし、こちらに銃口を向けている。引き金を引かれれば、確実に死ぬ。

(危ないといえば危ないが、作戦はある)

(あるんじゃん)

(下手をすれば背中から撃たれる可能性もあるんだが、やるか?)

(乗ろう)

こう言いつつも作戦の内容は一切聞いていない。結局のところはぶっつけ本番というわけだ。

後ろ手に黒い塊を取り出し、和真がすばやく地面にそれを叩きつけると、瞬時にあたりが白い煙で包まれる。恐らく煙幕弾だろう。

「走れ!」

「そんなことだと思ったよ!」

和真の後を追って走り、彼が目の前の扉を蹴り開けると同時に、建物の中に転がり込む。

後方で扉が閉じるような音がし、煙が断ち切られて視界がクリアになる。しかし思っていたより中は暗く、良い場所とは言い難い。

脇腹にも痛みを覚えつつ、和真と共に中を進む。

「ここに本当にミヤコがいると思うか?」

「分かんねえな。ま、俺も俺で調べることがある。何かしら情報は得られるだろうぜ」

「そう…か。とにかくマッドローグに追いつかれる訳にはいかないからな、急ごう」

***

脇腹を押さえつつ、ゆっくりと歩いていく。和真は昔からタフだったが、今考えると所々人間離れしているようにも見える。

まあ凪砂が弱いだけと言われたら、それまでなのだろうが。

(和真は神室町にいても問題ないよなぁ)

しばらく歩くと、広い空間に2人は辿り着いた。広い空間といえばそうなのだろうが、奥に1人の少女がいるだけ。

他には誰もおらず、それが逆に違和感を覚える。

「ミヤコ…」

「やはりマッドローグでは倒しきれなかったようだな。足止めにすら役に立たんか」

「ミヤコ…じゃない?」

「誰かに操られて喋らされてるんだろう。どっちみち彼女は凪砂には少なくとも倒せない」

「そうだな…」

「八坂和真、お前が私を倒す事は出来ない」

「何を言っている?」

ミヤコは立ち上がり、ゆっくりと歩き出した。

「だが私はお前を倒せる。何故か、分かるか?」

「…」

「それは同じ存在だからだ。戦う目的が違うだけでな。所詮私達が戦い合ったところで、結果は同じになる」

「同じ結果?」

「八坂和真は破滅を望まない。だが私は滅ぼすことに愉悦を感じている。『力』が同じだけでもここまで差が生まれる」

「そうか、そういうことかよ!てめぇ!極悪人もいいとこだぞ!」

「私達の行いに『悪』はない。いずれ私達は理想郷に辿り着く。さて、どうする?私がお前を倒すか、お前が私を倒すか?結果は変わらないが」

和真は取り出していたブレイバックルをしまった。

「凪砂。帰ろう」

「なんでだよ、敵を引っぱり出せたりしないのか?」

「お前に言わなきゃいけないことが出来ちまった。今日は帰るしかねえんだ」

引き返す彼の背中は、何かとても重いものを背負っているようだった。運命とでもいうべきものを。

 




14話だな!恐らく。
マッドローグとのバトルがメインになっております。
なんでマッドローグなのかって?なんとなくだよ、なんとなく。
後半とこの後の話で和真について色々話すことになるでしょう。
彼が主役のやつから少々ずれる可能性もありますが、できるだけ元の方を重視していこうと思うとります。
元のやつって仮面ライダー剣の本編の方もね。
最終回あたりを知っておくと、彼の正体はすぐ分かると思います。
ぶっちゃけこれね、凪砂よりも和真の方が強いです。
それは次回のお楽しみ。
ま、クオリティはいつも通り。
暑いんで今日はこれで投稿するわ。いやシャイニングフォームになれそうなくらいに暑い。
ちょいちょい龍が如くっぽくなるのは趣味。
じゃあねー


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ヒーローズ・リベンジ

歩み去っていく和真の肩を掴み、凪砂は引き留めた。

「敵前逃亡とはらしくないじゃないか」

「あれは…俺はアイツとは戦ってはいけないんだ」

「何を言ってる?戦わなきゃミヤコも解放できないし、デストルドーも倒す事はできないはずだ」

「違う…そういうことじゃねえ。畜生、おかしいと思ってたんだ!それなのによりにもよってこんな事に…」

壁に身を預け、和真は息を吐いた。何を吐いたところで彼が背負っているものを取る事は無くす事はできない。

ただ、向き合っていくしかないのだろうか。

「凪砂、お前にはまだ言ってねえ事があるんだ。まず俺はとっくに人間じゃねえ。アンデッドっていう生き物なんだ」

「は?なに、急に何を言ってんだよ?人間じゃないって…どこからどう見ても人間だろうよ」

「見た目はな。だが中身はもう違う。ほら、この通りだ」

ナイフで軽く手を傷付けると、流れたのは赤い血ではなく、緑色の血だった。生き物のような色だ。

「確かに血はグリーンだけどさ…それだけじゃ、あそこまでならないだろう?」

「そう、それもそう…だな」

こればかりは和真は話したくない。彼が何者なのかを知ると同時、下手をすれば凪砂と敵対しかねない。

けれど和真は話す事にした。

「トランプに切り札、ジョーカーってあるだろ?何にでもなれるやばいカードで、ババ抜きじゃ誰もが手にしたくねえアレだ」

「うん」

「それが俺とアイツなんだ、ジョーカーアンデッド。ジョーカーは2枚は要らない。だから戦ってどちらか片方を勝者に選ばなきゃいけねえわけだが、どっちが勝ったところで世界は崩壊すんだ。元々俺がここの世界に来て世界が崩壊せずに維持されていたのも、ジョーカーが2枚あったからってわけだ」

「ちょ、待て。情報が多いな。まとめるとミヤコに取り憑いたか、操ってるやつが和真と同じジョーカーって存在で、どっちみち戦わなきゃいけないと」

「そういうことだ。だが少なくとも今の状態だとジョーカー=ミヤコって扱いになる。ミヤコを殺すのは凪砂としてアレだろ?」

「そりゃな。家族だから」

「じゃあどうすりゃいいんだって話だ。俺が黙ってアイツにやられたらこの世界は滅ぶし、俺がアイツを倒しても世界は滅ぶ。どうしようもねえじゃねえかよ!」

「いや、ミヤコを生かしつつジョーカーの力だけを抜き取るってのはできないのか?あるいはミヤコを操ってるジョーカーを探すというかさ。俺はどうあろうとミヤコを助けるからな」

「今のジョーカーとミヤコの関係がどうなってるのか知らない事には倒しようがねえがな、ありゃ。ただ身体を操っているだけなら良いが、身体そのものを乗っ取っている状態だと彼女は無傷じゃ無理かもしれねえ」

「もしかしたら手荒な手段を取るってことか?」

「ああ、可能性はある」

和真は溜息をついた。

これまで彼はいくつもの世界を巡ってきたが、自分がジョーカーとなってからは1つの世界に長時間の干渉は避けるようにしていた。

干渉してしまえば、世界の崩壊が始まる。

一度はジョーカーの力を抑えきれずに暴走し、ある世界を滅ぼしてしまったこともある。

夢だと思っていたら事実だったので笑えないが。

「だが俺とアイツ、ジョーカーが出会ってしまった以上はあそこも動くかもしれねえ」

「あそこ?警察か何かか?」

「その方がよっぽどマシだ。前から俺を捕まえようとしてる奴らがいるんだ。元の世界に連れ戻そうとしてる奴らがな」

「そう…なのか。なら和真、お前はどうするつもりなんだ?戻るのか、戻らないのか」

「俺が元の世界に戻れば、ジョーカーはヤツだけになってこの世界は滅んじまう。こうやってジョーカーが2人この世界にいるのも、嫌なモンだ、運命なんだろうさ。だが…」

「だが、なんだよ」

「アイツを野放しにすれば、ジョーカーの力で世界を滅ぼし続けることもあり得る」

「じゃあ結論は簡単じゃないか。和真、あのジョーカーと戦えばいいんだ。残った方を俺が倒す」

「忘れてないか?その場合、下手をすればミヤコと、あるいは俺と戦うことになるんだぜ」

仲間と家族。どう足掻いたところで、助ける為には仲間か家族と戦う事になるのか。

どちらも失いたくないが、失敗したら滅亡が待っている。

親を財団Xのメンバーに殺されてから、ミヤコと凪砂は助け合って生きてきた。せめて彼女だけはと思っていたのに、こういう事になってしまった。

「はぁ…」

凪砂も責任を感じている。そのために財団Xと戦ってきた。親を取り戻すのは不可能だろうが、せめて連れ去られた彼女だけでもと。

「どうする?選択肢は少ないぜ?」

「やるか、やられるか。お前だけを逃がして、俺だけがこの世界に留まることもできる」

「それはしたくないけど…和真、お前こうなる未来を知ってて俺をここに呼んだとか言わないでくれよ?」

「知るわけねえだろ。俺は未来は視えないし、知ることもできん。ジョーカーがいると知ったのも、さっきが初めてだからな」

「ならいいか。ワザと俺を呼んだってんなら、嫌がらせも度がいってると思ったんでね」

「少しは信用しろよ。俺だってバトルファイトしたくて来てるわけじゃねえんだよ。で、話逸れたけど、どうするつもりだ?」

「もちろんミヤコのところに行く。そんでジョーカーの力を使わせて、和真と戦ってもらう。もしかするとライダーがまだ出てくる可能性もあるけど、それは俺が相手するよ」

「俺かあいつか、どっちが戦いの勝利者になる。どちらが勝っても倒せるか?」

「…倒すしかないんだろ」

「そうだな」

背負うものが大きく、重くなってしまった。しかし2人は来た道を引き返し、再びミヤコの元に向かう。

運命に決着をつけるために。

未来に進むために。

そして生きるために。

男たちは前に進む。

 

 

 

 

 

 




どうもどうも、15話かな?
今回いつもに増して会話多めだけど、若干駆け足になってそうな気もして不安。
毎回不安って言ってないか?少しくらい自信持てよ俺。
なんだろう、設定の解釈に関してはすこしガバガバかもしれません。
そこはご容赦ください。
てかアギト主人公のはずなのに、ブレイド主人公ぽくなってない?
大丈夫だよな…?
今回はサブカル・エンタメコーナーなし。
授業で疲れてるので思いつかないです。
じゃあそのうち、近いうちに書くと思うけどねー


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ロスト・ジョーカーズ

しばらくして、あの広い空間に2人は戻ってきた。

先程はミヤコ1人だけだったが、いつのまにか財団Xのメンバーと思しき白服が集まっている。

「思ったより…厄介そうだな。こんなに待ち構えやがって」

「お互いやる事は分かってるよな?和真はジョーカーと、俺は財団Xのメンバーの相手をする」

「ああ、分かってるぜ。おまえも死ぬんじゃねえぞ?」

「お互いにな」

凪砂はオルタリングを出現させ、和真はブレイバックルを装着し、

「「変身!」」

2人は仮面ライダーアギト、仮面ライダーブレイドに姿を変える。

それに反応するように財団Xのメンバーたちも変身ベルトを取り出し、様々な仮面ライダーに変身した。

武器も姿も実に多種多様だ。

キングフォームに姿を変えた和真は、キングラウザーとブレイラウザーの二刀流でもってジョーカーの元へと向かっていく。

行かせまいと銃型武器で狙いを定めるライダーを殴り飛ばし、凪砂は声を上げた。

「お前らの相手は俺だ!和真を倒すなら、俺を先にやれ!」

カッコよく決めたと思ったが、いざ相手を見ると勝てる気があまりしてこない。お互い仮面ライダーとはいえ、だからこそ数で劣っているとやられそうな気がしてくる。

(いやいや、やらなきゃいけないんだ。やらなきゃ…)

拳を構えながら、敵と睨み合う。数は軽く10以上はいるだろう。おまけに近接よりも中距離、遠距離の武器を使う方が多い。

トルネイダーに頼れる戦法が取れない以上、全て自力でなんとかするしかない。

ストームフォームにチェンジし、ストームハルバードを振っていく。やられる前に相手の得物を打ち落とし、そのままハルバードで相手を吹っ飛ばす。

その要領で敵を半分くらいに減らせたが、言い換えれば余裕で半分残っているということである。

(流石に簡単にやれないか)

バーニングフォームへと変わり、シャイニングカリバーを構える。ややスピードでは劣るが、こうなればパワーで押し切るだけだ。

「来い!相手になってやる!」

「いい加減我々をなめるな!」

大型の砲のような武器を構えるライダー。緑色が基本カラーの重武装タイプのようだが、細かいことは今は気にしていられない。

炎を纏ったパンチでもって殴りつけ、シャイニングカリバーを振るうが、所詮は力押しだ。パワーだけでは勝てないライダーもいるのは目に見えている。

(まだ残るのか…しぶといなあ)

数はまた減らせたが残ってはいる。

凪砂が勝った方の相手をするということになっているが、そもそもジョーカーのどっちが勝ったところで世界の崩壊は時間の問題。

そもそも向こうの決着が着く前に、こちらは戦いを終えねばならない。あっちが先に終わるとゲームセットになってしまうのだ。

1分、1秒でも早くこいつらを倒さなければ。

(しかし残りは僅か…やるしかないな)

力任せにスピードを出し、攻撃を仕掛ける。つかみ、投げ飛ばして財団Xのライダーを一箇所に集めると、シャイニングカリバーに炎を纏わせ、凪砂自身も炎を噴き出しながら、ライダー達に突撃。

残っていたライダー達を一掃する。

「はあ…はあ…」

息をつく。これで彼がこなすべき1つ目の仕事は終えたつもりだが、問題は2つ目だ。

ジョーカーを倒す事。

凪砂が変身を解いてそっちを見ると、ブレイドと見たことのない仮面ライダーが戦い続けていた。恐らくアレがジョーカーなのだろうが、名前からしていかれた外見をしているものだと思っていたが、どうみてもライダーである。

(どういう…ことなんだ?ジョーカーってライダーなのか?)

13枚のカードが1つになり、新たなカードを形成。敵のジョーカーはそれを武器に読み込ませる。

『ワイルド』

衝撃波と共に放たれたエネルギーが和真を襲うが、彼も光の奔流を剣から放ち、応戦する。

…が、決定打にはならず、互いにダメージを受けてノーマルフォームに戻ってしまう。

彼もジョーカーも残ったのは己の身体と、1つの得物だけだ。

どちらが相手を早く殺るかに全てが掛かっている。

武器を握り、2人は立ち上がった。

相当に傷付いているにも関わらずだ。

(俺は、俺には…止める事は出来ないのか)

火花を散らし、2人のジョーカーは戦い続ける。まるでそれは、終わりが見えない戦いをしているようだった。

しかしやがて和真が一瞬の隙をついた。

『キック』『サンダー』『マッハ』

『ライトニングソニック』

雷を纏ったキックを放ち、ついに相手の変身が解ける。

ジョーカーの正体は…

「結局ミヤコだったのか」

「ああ」

「家族が死ぬのは…見たくない。いくら敵であってもな」

「そうか…」

変身を解き、和真は僅かに思考を巡らせると、1枚のカードを取り出した。それをミヤコに向かって投げると、彼女はその中に吸い込まれるようにし、そのカードにはハートが刻まれた。

「これでミヤコは殺さなくていい。まあこういう形になっちまうがな」

「じゃあミヤコに関しちゃなんとかなったんだな」

「ああ、運が良ければ夢で話すことができるかもな」

「そうか…良かったよ」

少しばかり安堵する凪砂だが、和真は真剣な表情で続けた。

「こうして俺が残った以上、これからやることは分かってるよな?」

「でも…それは出来ない。お前に戻って欲しい人がいるんだろ?」

「今更何を言ってんだ!世界が滅びるのと、俺が居なくなって世界が平和になるのとどっちがいい!?」

「それは…」

悩んでる時間はない。ミヤコを封印した以上、勝利者は和真という扱いになる。

「やってくれ、凪砂」

***

少し時間は遡り、この広間に戻ってくる直前。和真は念を押すように凪砂に言った。

「ホントに凪砂、お前ジョーカーを倒せるのか?」

「何言ってるんだ?力不足かもってことか?」

「そうじゃねえ。その場面になった時、別のやつの可能性もあるが、ミヤコか俺が残るはずだ。知っている奴を手にかけることが出来んのかって話だよ」

「やるしかないんだろ?俺はやるよ」

「仮に力が互角だったとしても、お前じゃできねえのは目に見えてる」

「どういう意味だ?」

「皮肉というか、不幸にもというか、ジョーカーのどちらが勝ってもお前の知ってる相手だ。情が残ってるお前じゃ殺れねえぞ?」

「じゃあ非情になれってことか?」

「違えよ。情があるってのは人間である何よりの証拠だ。だから、お前にはこれを渡しておく」

和真は懐から1枚のカードを取り出し、凪砂に渡した。

片面が赤いが、もう片面には何も描かれていない。

「これは?」

「ラウズカードだ。俺かミヤコか、どっちかが勝つ。そこに立ってる奴にそれを向けろ」

「それでどうなるんだ?」

「見れば分かる」

***

和真と凪砂が向かい合う。躊躇する凪砂、決意した和真。

「さっきやり方見せただろ?俺にそのカードを使ってくれ」

「でも、2度と表に出てこれなくなるんじゃ…?」

「良いんだ、俺はもう」

「え?」

「改めてこういうのもなんだが、世界を色々巡るのも良いことばっかりじゃなかったぜ。ヒーロー気取って色々やったりもしたが、所詮ガキだった。アンデッドじゃあ見た目が成長する事もできねえし、お前と年も離れちまった」

「和真…」

「そろそろ俺も役目が終わったんだと思う。最後におまえと戦えて良かったぜ、凪砂」

「おい、それじゃあ消えるみたいな…」

凪砂の手からラウズカードを取り、和真は笑顔を浮かべた。

「泣くなよ、大学生だろ」

「泣いてるわけないだろが!20歳前にして泣くかよ!」

「ま、お前なら元の世界にも戻れるだろ。こっちで戦い続けるのも自由だが。ま、いずれまた会えるさ」

和真の体はラウズカードに吸収されていき、そこから消え去ると同時にカードがひらりと床に落ちる。

そこにはスペードが刻まれていた。




わりと量増えたね、16話。
今回の話色々と詰め込みすぎたせいで、いつもに増して駆け足になっているかもしれん。
色々意見あると思いますが!
さてどうしよう。次の敵考えてはいるけどさあ…出しても良いのかちょっと悩んでます。
とりあえずサブカル・エンタメコーナー。
ジョン・ウィック パラベラム観てきた。
めちゃアクションじゃん。あと馬。
キアヌリーブスまだまだ現役だな。
ありゃチャプター4やるよ。あとマトリックス最新作やるっつー話を前にやってた気もするんで、期待してます。
今回あとがき少なめにしようか。
いつも多すぎるような気もするからさ。
じゃあここらでまたねー


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ヒーローズ・ジェネシス

2人のジョーカーは封印され、世界の崩壊は免れた。
しかし凪砂は大切なものを失い、様々なものが重くのしかかる。
そんな彼は司令の命令により新たな任務に就くことになるが…




凪砂が地上に戻り、アイドルヒーローズの元で再び戦い始めてから1週間ほどの時間が経った。

勿論帰ってすぐは色々と取り調べられたりはしたが、結局組織に残して貰えることとなり、さほど時間はかからずに復帰はできた。

せいぜい変わった事といえば、財団Xの基地をこちらが割り出したことで攻めてくるのを待つだけでなく、襲撃をかけることもできるようになったということだろうか。

(これも和真、お前が居たからだよな)

彼が残したデータのおかげだ。いつのまにか凪砂のポケットに入っていたが、これを見越して彼が渡していたのだろう。

凪砂の手柄と言われたが、それをしたのは全て和真なのだ。

「はぁ…」

アイドルヒーローズ本部の屋上で缶コーヒーを煽り、溜息をつく。組織に残って戦い続けられるとはいえ、前と違って何か物足りないような感覚があるのは否めない。

(和真はもういない。ミヤコともまだ…)

ミヤコとは精神世界で会える的なことを言ったが、一向にコンタクトはない。前は親のため、ミヤコのためと戦ってきたが、もう何かが変わってしまった気がする。

和真という仲間であり、友もなくしてしまった。凪砂の責任ではないことは分かっている。世界の崩壊を止めるためだったのだ。

(でも何か空っぽになってしまったなあ)

彼も死んでいるわけではない。封印したというだけなのに、何か大切なものをなくしてしまった気持ちになる。

(いずれ会えるっていってもいつなんだか…)

こうして虚しくなり、現実から逃げようとする自分もいるのに、一方で現実を受け止め、前に進まねばならないと思う自分もいる。

逃げたいなら逃げても良いというのに。

和真はお前なら元の世界に戻れると言ったが、凪砂はそれをせず、こうやってアイドルヒーローズの元に残ることを選んだ。

(俺にはまだ知らない事もある。デストルドーだってまだいる)

「いつまでそうしているつもり?」

1人で考えこんでいる凪砂の前に現れたのは、ザ・ネクスト百瀬莉緒だった。屋上に来るのは凪砂くらいしかいないはずだが、珍しいこともあるものだ。

「少し風に当たっていただけですよ。そこで考え事を」

「そう。司令から呼び出しよ、貴方にね」

「俺だけ?何か特別なことでも?」

「それは直接言って聞きなさい」

缶コーヒーの残りを飲み干し、ゴミ箱に投げ込む。そして扉に手をかけたところで、百瀬莉緒が口を開いた。

「仲間を失って悲しむのは分かるわ。けれど足踏みしているわけにもいかないのよ」

「…そうですか」

凪砂が扉の向こうに変えたところで、莉緒は空を仰ぎ見る。

こうして彼を呼びに来たのも、我ながら彼に対して思うところがあったからだったと思う。

(歌織…)

***

アイドルヒーローズ司令官室。

司令の三浦あずさがいる部屋なのだが、皆が集まる司令室とは異なり、ここは彼女の個室である。

まあ凪砂にとってはどっちであろうと大して重要ではないが。

(そういや和真と来たのもここだったな)

凪砂は重厚な扉を開け、中へと入った。

「挨拶くらいはして貰いたいものね」

「すみません」

「まあいいわ。莉緒から連絡がいったと思うけれど、貴方に新しい任務を与えることにしたの」

「クビですか?」

「違うわ。新人の面倒を見てもらうことにしたの」

「新人の…面倒を?今のこんな俺にですか」

あずさはファイルを凪砂の前に置いた。

「ええ。貴方復帰しても、前と違って明らかに戦果が芳しくないし、少し休ませる事も必要かと思っただけのことよ」

「それは…そうかもしれませんけど」

確かに和真と組んでいた時とは違う。簡単に言うと、元気がないという感じだろうか。デストルドーやライダーを相手に戦っていても、本調子が出ていない気はしていた。

その挙句に何度か敵を逃してしまうこともあった。

「これは命令でもあるのよ。少し退いて考える事も重要だもの」

「…分かりました」

「新人の子たちも呼んでミーティングをするわ。1時間後に司令室に」

それだけ言って彼女は自分のデスクで、パソコンとにらめっこを始めてしまった。

司令というだけあって、そりゃ忙しいのだろう。

一礼して部屋を後にした凪砂はどこへともなく歩き、気付けば再び屋上に戻ってきていた。

(またか)

最近屋上にくる回数が、前よりも増えている気もする。無意識のうちに高い所に行く癖があるのか、自殺願望でもあるのか。

凪砂が死んだところで悲しむ人間はここにいるか分からないが、少なくとも和真とミヤコの封印が無意味になってしまう。

考え込み、ゆっくりと目を閉じる。

(俺はどうすれば良いんだ。復讐しようにも相手はいない。現実を受け入れて、新人の面倒を見るべきなのか)

『復讐はやめておけ。復讐は何も残らない。今のお前がやるべきなのは前を見て進むことだけだぜ、凪砂』

「和真?!」

だがそこには誰もいない。ただ風が吹き抜けていくだけだった。でも今の声は和真のものだった。

姿も見えなかったが、どこかから話しかけていたのか。

幻聴だったのかもしれない。

「いない…よな。そりゃあいつカードの中だもんな」

ポケットから2枚のカードを取り出す。ハートはミヤコ、スペードは和真が封印されているカードだ。

肌身離さずこの2枚を凪砂は持ち歩いている。

(いつか解放できる方法が分かれば…)

その時はまた共に戦えるし、ミヤコとはまた一緒に過ごせるはずだ。それだけは信じている。

カードを仕舞い、凪砂は屋上を後にした。長居をしたところで何かメリットがあるわけでもない。

自販機でコーヒーを購入し、一旦部屋に戻ることにする。

(でも部屋戻っても何もないんだよなあ)

その通り何も無いのである。

同居人はいないし、 話し相手もいない。まあここでの立ち回りが上手くできていない所為でもあるのだろうが、和真がいなくなって以降、任務等での打ち合わせ以外喋らなくなった。

(誰か話し相手いた方がいいよねえ…)

椅子に腰掛けて缶コーヒーを飲む。さっき飲んでまた飲んでいると、いよいよカフェイン中毒では無いかと思えてくる。

無糖ブラックだから余計に。

凪砂は半分くらい飲んだところで、缶を机の上に置いた。

和真のリュックがまだここにあるという事を、ふと思い出したのである。

(そういやあいつ何かまだ入れてないかな)

4次元ポケットのようになんでもかんでも出てくるリュックだったので、今でも何かしら入っているに違いない。

アイテムの1つや2つあるはずだ。

ベッドの上に無造作に置かれたリュックをごそごそと漁ると、一通の封筒を見つけた。

宛先はなく、茶封筒が簡単に封をされているだけだったが、和真が書いたものだろうとは予想できた。

(あ、時間か)

後で見ても良いと思い、封筒をテーブルの上に置き、凪砂は部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




17話かな。
そういやぁ、こんな感じの二次小説これまで書いたことなかったな、と思いまして。
これまでは原作ストーリーに沿った感じのを書いてたのが結構多いんですが、今回は割と変えてますね。
ま、こういうのも悪くないかな。
どうにかまた盛り上げていきたいけども。
あとは和真と凪砂って一応自分がモチーフなんですよね。モチーフというか、なんか自分に近い?
和真は高校時代の自分で、凪砂は今の大学生の自分。
喋り方も少し違うと思います。
ま、なんとなくそんなイメージ。
サブカル・エンタメコーナーは…思いつかない。
ジョン・ウィック パラベラムに関しちゃもう言ったもんね。
もう一回観たいけどさ。
ストライクウィッチーズ劇場版501部隊発進しますっ!
これも観なきゃね。近いとこだと川崎なのよね。
とりあえず授業面倒くさいけど頑張ろ…
あ、資料も読まなきゃなぁ…クソだるいじゃん。
次は気分転換に別なの書こうかな。
前にも同じこと言わなかったっけ?俺。
ま、いっか。じゃあねー


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いつか Shiny Days

司令室に行くと、既にメンバーは揃っているようだった。

司令の三浦あずさ、補佐の百瀬莉緒、他にマイティセーラーと似た格好をした少女が2人。

知らない顔なので、彼女たちが司令の言っていた新人なのだろう。

コスチュームもマイティセーラーズとほぼ同じだが、違いは両腕にブレスレットのようなものが付いているか否か、ということか。

(もしかして拘束具か何かか?)

あれがどんな役目を果たしているのかは今は関係ないことか。凪砂が来た事を確認し、あずさは口を開いた。

「揃ったわね。彼がジェネシスの新しいリーダー、凪砂よ」

「リーダーですか?私達にそんなものは必要ないと…」

「紬、今回ばかりは命令を聞いてほしいの。色々と事情があって必要な人事なのよ」

「そうなんですか?」

訝しげにこちらを見る長髪の少女。髪が短い方の少女はそうでもないらしいが、やはり見たこともない人が上につくというのは抵抗があるのだろう。

(そりゃま、分からんでもないけどね気持ちは)

このまま無口でいるのも如何なものかと思い、凪砂は口を開く。

「新しくリーダーとなりました、三浦凪砂です。よろしくお願いします」

「三浦?司令の親戚か何かか?」

「いえ、偶然ですけど」

「ふうん、そうなのか。あたしはジュリア、よろしくな」

自然体でいるようなジュリアと名乗る少女。髪の短い方である。

髪の長い方は白石紬と名乗った。やはり凪砂にはいくらか冷たい。

(ここで上手く立ち回れるのかなあ)

「茜はまだ出ているのね?」

「ええ、帰還はまだ分からないわ。とりあえずこのメンバーね」

「凪砂には紬とジュリアの面倒を見てもらうわ。実戦に出ても大丈夫なくらいにはしてね」

「はい…」

それだけ言って、三浦あずさと百瀬莉緒は部屋から出て行った。

実戦に出ても大丈夫なくらいとはどれくらいなのだろうか?

そもそもメンタル的にか、それとも戦闘面のことをいっているのか。

それともその両方か。

「えーと、2人は何か訓練メニューを言われていたりは…」

「いいえ、大丈夫です。貴方が何かする必要はありません」

「あ…そすか」

さっさと紬は部屋から出て行ってしまい、ジュリアも後を追うように出て行った。

思っていたよりも、彼女達に対しての接し方が分からない。ファイルを見た限り、新人のこのチームは凪砂よりも全員年下だったが、全然距離感というものが掴めない。

(なんだろうなぁ、何かひっかかるんだけどな、あの2人)

どこか凪砂と似ているような気もする。

内に秘めた何かというか。

とはいえ彼女達にもう一度会わないことには、何も始まらない。むしろ中間管理職として割り当てられた以上、仕事はこなす必要がある。

司令は前線から退くようにと言ったが、休むのではなく考える時間を与えてくれたのかもしれない。

(もしかして全て見通していたのか?)

彼女達を追うように凪砂も司令室から出たが、ふと彼女達を追うべきか、部屋に戻るべきかという二択が浮かんだ。

彼女達を追うのが最善ではあろうが、部屋に戻って彼女達について調べる必要もあると思えたのだ。

(まあどこにいるのかさっぱり分からないし、とりあえず部屋戻ろ)

無駄に建物内を走り回るより、一旦整理するべきだ。

部屋に戻り、司令から渡されたファイルを開く。

(あんまりちゃんと見てなかったからな)

はじめに目を通しておくべきだったのだが、それをせずに顔を合わせてしまったのはこちらの落ち度。

ミンティアをひと粒口に入れ、凪砂は入っている資料に目を通していく。

(なるほど…確かに似てるっちゃ似てるか)

司令が凪砂をこのチームのリーダーにしたのも、やはり考えがあってしたことだったのだろうか。

(でもそうすると地下での事を知っているってことになる)

こちらもアイドルヒーローズに全ては話していない。いくらかかいつまんで言っただけだ。

(けど偶然ってこともある。戦果が芳しくないのは事実だろうし)

警戒しておくに越したことはないが、だんだんと真実というのが分からなくなってくる。

正直分からないことばかりだ。

「はあ…」

溜息をつく。ふと目に入る、和真が残したと思われる茶封筒。置きっぱなしにしていたのをすっかり忘れていた。

凪砂がそれを手に取り、開けようとした時だった。

「出動命令か…」

重い腰を上げる。どうやら中間管理職になって最初の仕事は、いつもと同じ事らしかった。

 

 




やっほー18話。クオリティいつも通り。
気温低くなったと思ったら、陽射しはまだ暑いしやってられねえ。
何話そうかな。
大学のことばっかり話しそうだから、ちょっと気を付けなきゃな。
正直大学の話聞いてもつまらんでしょ?
理系の大学行った友人の話だとめちゃキツいって感じだけど、まあ俺文系だからなあ。
戦争研究したいってヤツいなくね?面白そうなのに。
ま、最初は神話やりたいとかいったヤツの言うことじゃないよね。
資格の授業で色々変わったわ。
そろそろサブカル・エンタメコーナー行こう…ってまた話すことないじゃんか。
うん、話すこと思い付かねえんだよ。
最近生きる意味を考えたりすることもあって、いよいよじゃないかなって思えてくる。
20歳くらいなんてまっすぐに生きればいいのにね。
生きる意味ってなんだろーな。
ま、そのうちね。じゃあねー


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ブラック&ホワイト

命令を受けて凪砂も出動する事になったわけだが、彼が行うべきは敵と戦うよりも、ジェネシスチームの2人と合流する事であった。

勝手に行動をされてなにかあっては、こちらの責任にされかねない。その役職についたときから仕事は始まっているのだから、のんきにコーヒーを啜っているわけにはいかないのである。

(にしても、そこそこ遠くまで行ったなあの子達)

本部から彼女達の座標を送って貰ったが、いくらか遠征したらしい。新人のくせして率先して進んでいく辺り、ヒーローとしての自覚があるというべきか。

それとも彼女達を突き動かす、何かがあったのか。

(そろそろだな)

バイクを走らせてようやく辿り着いた先で目にしたのは、予想とは少しばかり違う光景だった。

デストルドーが襲撃してきており、ジェネシスチームが応戦しているようには見えるのだが。

(デストルドー…なのか?けど前に見たのと全然違う)

本部で捉えた反応がデストルドーだった以上デストルドーなのだろうし、見た目もそうなのだが、彼女達は初見だ。

ボーイッシュな黒髪の子と、あとはやや大人びた、年齢は23歳くらいで紅茶を愛飲していそうなイメージのある軍服の女性。

(ダージリンて似合いそうだけど、気のせいか)

などと冗談を言っている場合ではない。見れば、ジェネシスが戦っているのはその2人ではなく、送り込んだと思われる別の敵。

2人は上空で見下ろしているだけだ。

「また敵が増えたのか…厄介だな、ったく」

とはぼやきつつも、凪砂はこのチームのリーダーという肩書きを持つ以上、戦闘は避けられないだろう。

監督不行き届きなどと初っ端から言われてはたまったものではない。

(しかしジェネシスが戦ってるのは…何なんだ?)

デストルドーの反応があったのはあの2人の影響だろうが、このよくわからない敵は全く報告がないので正体すら不明である。

和真がいれば分かりそうだが、今は彼はいない。

(見た目は生き物っぽいけど…)

生き物というには大きさが違い過ぎる。イノシシを大きくしたようなのと、シカを筋骨隆々にしたようなのを流石に生き物とは言えない。

ここまで来るとバケモノである。

しかし恐らくこの2頭のせいでジェネシスは、本命に辿り着けていない。言い換えると、このデカいのさえ倒せばいいわけだ。

バイクから降りて駆け出しながらオルタリングを出現させ、凪砂はアギトに変身。跳躍しつつバーニングフォームにチェンジし、炎のパンチでイノシシを殴り飛ばす。

「誰ですか?部外者は近付かないでください」

「部外者?あ、見た目これだもんな、俺だ俺。声で分かるでしょ」

「はあ、まあ」

ほとんど会話をせずに戦場に出たのだから、声を認識できているか怪しい。というか若干オレオレ詐欺みたいになっているあたりに不安が残る。

「とにかく勝手に色々やられても困るんだ、俺は。責任者は責任とるためにいるとか言われたくないから」

「責任者…?」

「そうだよ。だからまあ監督責任とかさ、そういうのもあるし。こうやって来たんだ。ってこのバケモノたちがそんな会話聞くわけもないか」

殴られたイノシシは再起動してシカと共にこちらを睨め付ける。そんな風な視線を送ったかは分からないが、少なくとも凪砂にはそう感じられた。

「俺はこっちを。2人は…あ、いや」

デストルドーを任せようとしたところで、逡巡する。

もしかしてこの2人にはあのデストルドーが見えていないのか。そんなはずはないと思うが…このバケモノたちが行動を妨害しているせいと考えるべきだろうか。

デストルドーの2人を相手にするか、このバケモノたちを相手にするかで、市街地への被害を抑えるのを優先してこちらを選んだとすれば、いい判断をしている。

(しかしデストルドーの反応が出ておきながら、ジェネシスはデストルドーの方に気付いていないようにも見える)

ともかく真偽は不明ではあるが、目前の敵を倒さなければならないというのは変わらない。

「そっちのシカは任せるよ」

「…分かりました」

凪砂は拳を構えてイノシシの方と向かい合い、ジェネシスのジュリアと紬はマッチョなシカと睨み合う。これで一応戦力のバランスは取れたと思いたいが、どうにも気性が荒い相手のようだ。

(少し手こずりそうだなぁ)

突進してくるイノシシの巨体を受け止め、全力で押し返す。両者ともに一歩も引くことはなく、相撲取りのように押し合いを続ける。

…が、現状維持では解決に繋がらないのは目に見えているので、強引にでも事態を変えていくしかない。

「ふっ!」

前蹴りでイノシシをのけぞらせると、凪砂は炎の拳でイノシシの顔面を再度殴り飛ばした。

ややフラフラとしたが、イノシシはやがて倒れた。

ジェネシスの方を見ると彼女達も筋骨隆々なシカを撃破していた。

(ようやく本命か)

見上げると、そこには既にデストルドーの姿はなかった。逃げられたと考えるべきか、命拾いしたと安堵するべきか。

見たことのないデストルドーではあったが、彼女たちは明らかにこれまでの量産されているようなのとは何かが違っていた。

(少し調べる必要もあるかもしれない)

凪砂は変身を解き、軽く息をついた。

「ホントにリーダーだったのか」

「そうだって言ったろ。疑ってたのか?」

「いや、見たことなかったから。さっきの姿」

「まあそりゃね」

若干いじけているようにも見える紬に、凪砂は声をかけてみる。

「怪我ないか?」

「問題ありません。別に私たちでなんとか出来ましたし」

「そう…すか」

妙に強情な子だ。元からなのかもしれないが、このままではいけない気もする。

(いや、俺と似てるからこそ、か)

彼女たちとはしっかり向き合う必要がありそうだ。同じような経験を持つ者としても、そしてチームのリーダーとしても。

改めて声をかけようとしたが、そこには誰もいなかった。

2人は帰ってしまったのである。

「俺も帰るか…」

始末書だけは御免だと思いながら、凪砂はバイクにまたがり、走り出した。

 

 

 




19話。19話か?
たぶんそうだね。
いや、大学の方が忙しくて全然書けてないわ。課題とかあって。
今日は何話そうかな…
とりあえず、はづきさんお帰りなさい。正直いつもいる人がいないって違和感あるんだよね。
当たり前って重要だけど、何かない欠けていることがあるからこそ重要なんじゃないかと思う。
何いってんだろ、後書きで。
うっわ、思いつかねえ、これ以上何言えば良いんだ?
そもそも台風さえこなけりゃ普通に出かけられたのにっ!土日を潰しよってからに…
許せぬ。
ま、次なんかCD買うか、映画見たりしたら例のコーナーやるわ。
じゃあまたねー


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インビジブル・ヴィラン

何かしら面倒くさい書類の作成を求められるかと思いつつ本部に帰還したが、それは杞憂だったらしく、特にそういうことはなかった。一応報告は済ませ、部屋でくつろいでいても、凪砂はどこか引っかかるものがあった。

(何か…うーん、変というか違和感あるんだよなぁ)

新たなデストルドー、見たこともないバケモノ。偶然かマイティセーラーズはいなかった。他のアイドルヒーローズも。

ゆえに新人のジェネシスだけが出撃。バケモノは凪砂と共に倒すことはできたが、過去にあんなデカいバケモノは見たことがない。

(いや恐らくバケモノはあまり重要じゃない)

それよりも気にかけるべきは、新しいデストルドーであろうか。しかしデストルドーが量産され、財団Xの手駒のようになっているのを見た事がある以上、アイドルヒーローズの中にいる内通者を優先して探し出すべきか。

(内通者に関しちゃ1つも情報ないんだよねぇ)

もちろんあの2人のデストルドーに関してもさっぱり情報はない。どうにかして誰かから情報を得なければならないわけだが、和真のようなパソコンの技術は凪砂は持ち合わせていない。

(和真、そうだ!封筒残してたなあいつ)

ふと思い出し、茶封筒を手に取る。味気ない封筒だといえばそうだが、問題は中身である。

凪砂が手を突っ込んで取り出したのは折りたたまれた1枚の紙。何かしらの情報が書かれていることを願い、それを開いた。

『木の葉を隠すなら森に。そして光があれば、すぐ隣に影がある』

「こんだけ?!」

要点を得ていない。遺書の類かと思わせておきながら、これしか書かれていないとは。

(ま、遺書を書くなんて和真らしくないもんな)

となればこれが指す内容は何だ。何が言いたいのだ。考えれば考えるほど、頭が痛くなってくる。

木の葉と森。光と影。

(探偵がやるようなことをただの大学生ができるかっての)

気分転換を兼ねて部屋を出、凪砂は屋上へと向かうことにした。

いつもの階段をあがって扉を開けると、そこには既に先客がいた。

「珍しいですね」

「貴方がここにいない事もね」

「そう…ですか」

屋上=凪砂というイメージでもあるのか。今更どうでもいいことだが。

会話が続かず、沈黙が流れる。

そういえば彼女とこうしているのは、あまりないような気がする。凪砂はふとある事を思い出し、口を開いた。

「そういや、前にこんな事を言いましたよね。仲間を失って悲しむ気持ちは分かるって。どういうことだったんです?」

「だいぶ前だけどね、私とあずさが現役だった頃よ。もう1人歌織っていうメンバーがいたんだけれど、戦闘で行方不明になってしまって。待てど暮らせど帰ってこなくてね」

「そう…だったんですか。すいません、辛い話をわざわささせてしまって」

「いいのよ。歌織の分まで私たちが頑張るって決めたもの」

「乗り越えたってことですか?」

「そうね。デストルドーを憎んだこともあったけど、憎しみじゃ何も解決しない。だから私たちはそれを乗り越えて、前に進むことを選んだの」

「…でも帰ってきますよ、いつか」

「そうだといいけど」

莉緒はそう言って屋上を後にした。経験者は語るというが、確かにその通りなのだろう。

和真、ミヤコのおかげで今の凪砂がある。2人の分まで生きることが、凪砂にできることなのかもしれない。

「しかし、歌織さん…か」

可能性は低いが、行方不明になっているとなれば例のデストルドーのどちらかに改造されているというのもあり得る。あくまで可能性の1つであり、真実かどうかは確かではないが。

(歌織さんてのは行方不明になってる以上、内通者である線はほぼないな。となれば他にいるんだろうけど)

正直こういう時に限ってスキルが著しく低い自分が恨めしい。できるのは古臭い地道な情報収集くらいだし、それも確実性に欠ける。

(内通者誰ですかって聞いて回るわけにもいかないからねえ)

こうなるとこちらから探すより、尻尾を掴ませるまで待った方がいい気もする。

「ホント、お前必要な時に居てくれないよな」

和真がいればもう少し効率良くなったろうが、どう足掻いたところで今は凪砂1人なのである。

(ま、そろそろ戻るか)

内通者や新手のデストルドー以外にも、彼がやるべきことはある。ジェネシスチームのことだ。ジュリアや紬とまともに話しておらず、上司でありながら管理がしっかりできていない。

(けどファイルを見る限り、彼女達と話す必要はある)

2人とも肉親が行方不明、あるいは殺されている。おまけに中高生、凪砂よりも不安定のはずだ。見た目とは裏腹に、下手に復讐などを考えていないとも限らない。

「面倒だなぁ」

小さくため息をつきながらも、ジェネシスの元へ向かおうとしたが、よくよく考えると肝心なことが抜けているのに気付く。

凪砂は彼女達の普段いる場所を知らないのだ。

聞きそびれたというのもあるが、伝えられていないとも言える。

(ま、次の出動で聞けばいいか)

そう思い直し缶コーヒーを購入し、凪砂は部屋に戻ってきた。コーヒーを開けて飲みながら、パソコンを開く。

彼でもメンバーの記録を見るくらいはできるはず、と思ったのである。

(記録は抹消されてないと思うんだよな。行方不明者のとこか)

さっきの会話でザ・ネクスト百瀬莉緒が言った歌織という名前の女性。行方不明リストに写真くらいは載っているだろう。

リストを開いたところで、部屋のドアが軽くノックされ、凪砂は言葉だけで返した。

「今忙しいんで」

無視するように扉が開いた音。椅子を回して振り返ると、微かな銃撃音と共に身体に痛みが走った。

「ぁ…」

しかし痛みのようでいて、何か変な、そんな感じだ。恐らく麻酔弾か。そう願いたい。

暗闇に落ちていくような感覚を味わいながら、凪砂は薄れいく意識の中でおぼろげに人影を捉えていた。

黒い服に黒い手袋、他には凪砂を撃った銃。その人物は凪砂のポケットに手を入れると、2枚のカードを取り出した。

「これで計画は修正できる」

そう呟き、スペードとハートのカードを取り出し、彼女は部屋を去っていった。

 




やっほーこれで20話かな。
あれさ、台風やばかったよね。昨日めっちゃ晴れたけど、コンビニのものは売れてるわ、電車止まってるわで何もできないからさ、ひたすら散歩してた。
でも意外と自販機がちゃんと働いてたんで驚いてます。感心した。
慢心して買い溜めとかしてなかったのはダメですね。次の台風の時はちゃんと買っておこう。
つーか台風二度と来んな!Jアラート的なそういうのがうるさいし。
急に鳴るしさ。
あ、雨降ってきた。いい加減晴れてくれよ。
今日は部屋干しか。
じゃあそのうち、またねー


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アンダーシティ・ビギニング

目覚めは最悪だった。頭痛はするし、何より身体が重たい。インフルエンザと違うのは熱がないことくらいで、他は同じくらい酷い有り様に感じる。

(ここは…)

ベッドがカーテンで仕切られているあたり、医務室あたりなのだろうが、運ばれた記憶が一切ない。

おぼろげに覚えているのは誰かが彼を撃ったということ。どこも血は出ていないので麻酔だったのは間違いないが、ポケットに手を突っ込んだところであるものが無いことに気付く。

「カード…盗られた?」

あのジョーカーのカードは肌身離さず持っているものだ。下手な事で落としたり、すられる事のないように内ポケットに入れていた。

それが無くなっている。

思い当たるフシは1つしかない。

(俺を撃ったやつか。眠らせて盗ったんだな)

誰がやったのか分からないが、あの2枚を盗られた以上は取り返すのが急務となる。

下手に財団Xの関係者だったりしたら、カードをどうこうして封印を解いてしまう可能性もある。解き方は和真は知っていそうだが。

「けどこの本部もセキュリティは雑じゃないしなぁ」

それこそ内通者がいると考えるべきか。その誰かが凪砂を撃ち、カードを盗んだ、と。

優先順位が新たなデストルドーから内通者およびカードの奪還になってしまった。内通者も見つけねばとは思っていたが、こんなタイミングで探す羽目になるとは。

「ったく骨が折れる」

仕切りのカーテンを開けると、白衣を着た女性がこちらを見ていた。

年齢は20歳ほどだろうか。どこか不思議な女性のように見える。

名前は名札を見る限り『北上』という苗字のようだ。

「あの、あなたがここの担当ですか」

「そうですよ〜ジュリアちゃんが貴方を運んできたんです」

「彼女が…。あ、ベッドありがとうございます」

「いえいえ〜」

軽く礼をして扉を開けた凪砂の背中に、白衣の女性は声を掛けた。

「急いだ方が良いでしょう。時間はあまりないですよ」

「…はい」

彼女が何者なのかは知らない。ただ者ではないことは確かだが、どうやらこちらの事まで知っているらしい。

…が今の凪砂にはカードの場所を探知する技術はない。だからといって諦めはしないが、何か策をと必死に頭を働かせても、これと言って直ぐに良い作戦も思い付かない。

(何もないのか…?いや、何かある。きっとやり方はあるんだ)

廊下を歩き、やがて気付けば司令室のところまでやって来ていた。司令室なら情報は多いし、財団Xの基地の情報もある。

下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるの要領で、財団Xの基地を全て洗うというやり方もできるが、それでは時間がかかりすぎる。

「どうすりゃいい?どうすれば…」

問いに答える者はいない。最早一か八かの賭けに出るしかなさそうな気がして来た。

場所を唯一知っているあの場所に全て賭けるのだ。色々とリスクは大きいが、手段はあまり残されていない。

「地下都市…か」

最後に和真と訪れた場所であり、ミヤコと和真を失った場所でもある。でもなぜか、あそこに行けば何か掴める気もした。

(よし)

踵を返し、凪砂は部屋に戻って和真のリュックを肩にかけ、ジェネシスにも何も言わずに外に出た。

久しぶりに外に出た気がするが、気のせいか。

彼がバイクに跨ったところで聞き覚えのある声が聞こえた。

「やっぱり司令の言った通りだ。外に出るだろうからって」

「ジュリア」

「紬もいるよ。倒れてるのを運んだあとに外出たら止めるように言われたんだ」

「倒れてるのを運んだ…、それは司令に直接言われたのか?」

「いや、あんたにちょっと用事があってね。それで部屋に行ったら倒れてた。医務室に運んだ時に言われたんだ」

「…なるほど」

司令もわざと言ったのだろうか。余計に怪しく思えるセリフだ。

(運んだ後に…止めた?)

撃ったことを知っているか、撃った本人でなければ止めることはしないはずだ。ただ倒れているだけだったら、何かしらの発作程度にしか見えないだろう(まあそれもそれで深刻ではあるが)。

司令、三浦あずさ。彼女は黒の可能性が高い。

百瀬莉緒はグレーか。司令の側近である以上行動を把握されているという事もあり得るが、話を聞く限りは白とも考えられよう。

「俺に用ってのは何だったんだ?」

「あんたの話を聞こうと思ったんだけど、もう無理そうだしやめとくよ。リーダー」

「俺を止めるんじゃないのか?」

「今の貴方には何か決意があるのでしょう?司令が止めるほどです。だから私達くらいでは止めることはできません」

「紬」

「なんで司令がリーダーの外出を止めたのかは分からないけど、止める事はしないよ」

「そう…か。ありがとう」

礼を言うと、凪砂はバイクのアクセルを全開に走り出した。命令違反をした彼女たちの事は気掛かりではあるが、振り返る事は今はできない。まだリーダーになって日の浅い凪砂のことを、彼女たちは珍しく信じてくれたのだ。

その分信用に応える必要がある。

(この先に何が待っていても)

向かうは財団Xの地下都市。入り口である東京駅に向かって彼はバイクを走らせていく。

 

 




どうも。かなり雑になってそうですね。
いつも通りか。
早速サブカル・エンタメコーナーいくぞ。
『デート・ア・バレット』アニメ化…だよね?
狂三は推しなのでね、いやはや最ッ高だねェ!
親父もデアラは好きだからな。
親子揃ってアニメ好きです。自分で思うけど大丈夫かこの親子?
まあ話盛り上がれるし良いよね。
ちなみに声優は雨宮天さんが好きだって言ってましたね。
親子曰く「最近の声優は歌上手いし綺麗だし」ってよ。
確かにそうだな。
誕プレは写真集で決まりだね。CDは基本持ってるからさ親父。
明日は投稿できないと思うので今日しときます。
あ、そういやちょい先かな、ターミネーター最新作やるよね。
リンダ・ハミルトンとアーノルド・シュワルツェネッガー出てくるっていう、2の続編だって。
見に行くわこれ。
じゃあねー



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アンダーシティ・アウェイクニング

凪砂がヒーローズ本部を経ったのと同時刻、国内某所。

部屋の中心に置かれたハートとスペードが描かれたカードを囲む、複数の人影があった。

「このハートのカードだな」

「ええ、これを解放すればシナリオは修正できます」

「ブレイドが現れたせいで色々と狂ってしまったが、ようやく元に戻せる」

声からして男性と思われる人物は、息を吐いた。途中までは脚本通りだったのに、予想していなかった所からエキストラがアドリブをしたおかげで、どんどんズレてしまった。

まさにジョーカーと言わんばかりの嫌な存在だったが、それもここで終わる。

彼が創り上げた最高のジョーカーを解き放ち、再度計画を進めるのだ。

男はカードを掴み、準備させていた機械に通した。

『リモート』

音声が鳴り、ラウズカードから1人の少女が現れた。彼女こそジョーカーであり、仮面ライダーブレイドと刃を交えた張本人。

だが現れた彼女はどこか変だった。

「…何が、どうなっている?」

男は首をかしげた。急いで作ったものとはいえ、オリジナルのレンゲルラウザーのデータを使ったのだ。使えないはずはない。

ミヤコは確実に、以前と同じ状態で具現化させることが出来る計算だった。

「貴方は一歩足りなかったんですよ。天王路」

「ミス・ラベンダー…何のつもりだ?」

「私は確かにカードを奪う命令を遂行しました。ですが、命じられていたのはそれだけです。他は何も言われていない」

「貴様、裏切るのか?!」

「裏切ってなどいませんよ。与えられた命令には違反していない。それに私の顔は1つではないですから」

ミス・ラベンダーと呼ばれた女性を白服の財団Xのメンバーが囲み、銃を向けていく。

ミス・ラベンダーも銃を抜くが、多勢に無勢、確実に被弾はしてしまうだろう。彼女は煙幕弾を取り出して床に転がし、刹那、煙が部屋に充満。視界は最悪な状態になり、標的を定めない闇雲な銃撃が始まった。

「ぐっ…」

痛みで何発か食らった事を認識しつつ、彼女は残されたもう一枚のスペードのカードを手に取り、機械に読み込ませた。

***

駅に到着した凪砂はやや考え込んでいた。

予想はしていたものの、東京駅には警官が立っており、目を光らせていた。前に東京駅に改札を飛び越えて侵入し、帰りも運良く捕まらずに帰ってきた所為だろう。

しかし帰りに誰も襲ってこなかった理由は未だにわからない。おかげで帰ること自体は容易かったが。

「まぁ今度のコースは難易度ハードってことか」

前回居なかった警官がいるという点を除けば、コースは恐らく同じ。バイクから降り、軽く様子を伺う。

(こりゃ下手に変装するより突っ切る方がいいかな)

時間も限られている。覚悟を決め、凪砂は駆け出した。

立ち止まらない。あの場所に辿り着くまで、今は止まるわけにはいかない。

背後から警官のものと思しき声も聞こえるが、無視して記憶を頼りに改札のところまで走り、彼はそのまま改札を飛び越えた。

「来たぞ!捕まえろ!」

「大人しくしろ!」

どうやらここにも警官がいたらしい。改札を通らないで構内に入るくらいで、ここまで事が大きくなるとは思えない。後ろで財団Xが手を回したのであろう。

(ま、どっちみち犯罪なんだろうけどね)

階段を数段飛ばしで下り、彼は見たことのあるホームにやってきた。

電車が来ていないことを確かめて線路内に降り、ラストスパートを駆ける。

やがて壊れた扉を見つけ、急いで中に入る。正直な所これを見つけられるのも、和真が壊したからに他ならない。

(っても都市部まで遠いからなぁ…バイク使うべきだったかな)

今更である。置いてきたものを今になって求める方がおかしいのだ。となれば選択肢は1つだけ。

(都市の所まで少しあるけど、走るしか無いな)

今日は走ってばかりだが、仕方ないこと。都市部に向かって駆けてきた凪砂は、ふと違和感を覚えた。

これまで襲ってきていたデストルドーの姿が影も形もないのだ。倒せていないマッドローグの姿も。

「全然…何も、ない?」

財団Xのメンバーも一切姿を見せない。システム自体は稼働しているようだが、それ以外は静寂に包まれている。

(いや、まだ入り口だからってだけだよね?)

更に進んでいくと、漸くそれらしいものが見えた。ある建物が騒がしくなり、そこから人影が現れたのだ。

どうやら片方は怪我をしており、もう1人が支えているようだが、服装からして少なくとも財団Xではない。

その2人はこちらを認めたのか、凪砂の方へと近づいてきた。

(敵…じゃない。いや、嘘だろ!?)

凪砂は自分の目を疑いたくなった。今見ているものは本物なのか。偽物なんかじゃないのだとしたら。

「和真、それに司令」

「また会ったな、凪砂」

「今は…少し隠れましょう。そこで全部話すから」

事態が飲み込めないまま、凪砂は2人についていき、近くのビルへと身を隠すことにした。




いつも通り低クオリティの提供者でございます。
頭から飛ばすけど、バンナムフェス行きたかったぜ!だってアレじゃん、あれよあれ。
何言ってんだ、俺。
ともかく行けなかったもんは仕方ない。
そういや先週かな、俺一人暮らしの友人のとこ泊まったのよ。めちゃ夜騒いだね。とかいって夜の3時くらいには寝たんだけど。
アニメ映画、ってもマクロスか。を、2本続けてみてマリカやってぐらんぶる見て、ダンベル見て青春ブタ野郎を見てって。
ぶっちゃけ疲れたわ。
そんで夜食に焼きそば食って朝飯はカップラーメン。不健康な極みだけど大学生っぽいよね。
あ、そういやアズレンでね、ようやくグラーフ当たったんだ!
憎んでいる全てを!
あとは今日から始まる近未来アウトサイダーのイベ走らんと。
じゃ、またねー


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ふたつめの旅

和真があずさの手当てをし終えた所で、あずさの語りも終わった。

「情報量多いな…つまり司令は二重スパイだったわけか」

「そう言われるとそうね…」

「だが分からん事がある。さっきミヤコの方はまともに動けていなかったのに、俺はこうやってちゃんと動けてる。なぜだ?」

「特殊なウイルスを仕込んだの。ジョーカーの力を一時的に抑えるような、薬みたいものよ」

「それで何で俺は平気なのかって事だよ」

「貴方はジョーカーの力を抑えられても、他の能力があるでしょう。だからそうやってピンピンしてるの」

「なるほど、そこまで分かった上でか。じゃあミヤコはベースがあくまでただの人間だからって感じか?」

「そうね。あのウイルスの効果もそんな長くはないから、もうすぐ動き始めるはずよ」

「なら俺も変身できるわけだ」

凪砂と和真は立ち上がり、外に出ようとすると、あずさが声を掛けてきた。

「そろそろハッキングも解除されて、デストルドーとライダーシステムも襲ってくるはずだから、くれぐれも気を付けてね」

「数は?」

「恐らくここにいる全て」

2人は顔を見合わせる。この感覚、懐かしい。

「改めて言っておくけれど、今のミヤコは操られてるただの人形よ。下手に情をかけるとやられるわ」

「それは…分かってる」

扉を開けると、既にそこは敵によって囲まれていた。

ミヤコ=ジョーカーとデストルドー、量産されたライダーに他のライダー、凪砂が戦ったデカいイノシシや筋骨隆々なシカもいる。

どうやら隠れた場所をあっさり特定され、全戦力でもって彼らを倒しにきたらしい。

(黒髪と軍服の女性はいないみたいだな)

あの2人が気になるところだが、今は眼前の敵だ。他のデストルドーを倒すのは後回しにするしかない。

「司令が言った通りミヤコは戻ってるわけだ」

「だが本質はジョーカーだ。手加減はするなよ?」

「覚悟は出来てる。解放された以上、封印するつもりでやるさ」

凪砂はオルタリングを出現させ、和真はブレイバックルを腰に装着し、再び彼らは叫んだ。

「「変身!」」

仮面ライダーアギトと仮面ライダーブレイド。もうこうして彼と肩を並べて戦うことはできないと思っていたが、こうして彼とまた戦場に立てているのが凪砂はどこか嬉しかった。

帰ってきたような気がしたのだ。

「チクショウ!敵が多すぎる!押し切られるのも時間の問題だ!」

「どうする!?地上に戻って助けを呼ぶか!?」

「ンな時間をこいつらはくれねえよ!だから困ってんだ!」

ライダーを蹴り飛ばし、距離を取りつつ建物の入り口を守る形で2人は敵と睨み合う。

数はいくらか減ったが、持久戦ではこっちが負けるのは目に見えており、どうにかして勝つ方法を見つける必要がある。

はっきり言って味方が少な過ぎるのだ。

(和真の戦力を考えるとある程度は保つだろうけどさ)

「バイクもないから地上まで引きずり出すのは無理かもね」

「こんな時に限ってそれか。やれやれ」

フォームチェンジし、凪砂はストームフォーム、和真はジャックフォームになる。

飛行能力やスピード、跳躍力を生かし、群れる敵にストームハルバードと強化されたブレイラウザーを振るっていく。

…が、隙を突かれてイノシシとシカのバケモノに2人は吹っ飛ばされた。

「がっ…」

「ってェ…思ったよりやるじゃねえかよ」

「あぁ…あれは、強いよ」

あのバケモノを倒せたのもバーニングフォームだったからであり、グランドフォームやストームフォームでは正直勝てる気がしない。

「あの金ピカやるのか?」

「それしかねえ。この数相手にぽちぽち1人ずつ相手すると時間が足りんからな」

『エボリューション・キング』の音声と同時、カードが和真の身体と一体化し、アーマーを形成した。

これこそ仮面ライダーブレイド・キングフォーム。

キングラウザーにカードを読み込ませ、和真は剣を握りしめた。

『♠︎10・J・Q・K・A』

金色の光のカードが敵に向けて展開し、キングラウザーから同じ色の光の奔流が放たれる。

そのままキングラウザーを薙ぎ、敵集団はその光に飲み込まれた。

「ふう…これでいくらか減ったろ」

「だといいけど」

イノシシとシカのバケモノは撃破し、デストルドーやライダーも半数以上を今ので倒せたようだが、ジョーカーを含め敵はまだ残っているのが確認できる。

「なら次は俺か」

炎を纏ってバーニングフォームへ姿を変え、凪砂は敵陣に突っ込んでいく。シャイニングカリバーを使い、更に敵を蹴散らすが、見たことのあるライダーに撃たれ、蹴り飛ばされてしまう。

「マッド…ローグ…」

「倒せなかったのか」

「まあ…ね」

どうにもマッドローグとは戦う運命にあるらしい。最も彼の能力を考えると、勝てる望みは浅いが。

しかし立ち上がり、拳を構える。

「ここまで来て負けるわけにはいかないんだ…」

「なんだ、お前も分かってきたじゃねえか」

「ミヤコのために俺は戦う。今はそれでいいと思ってる」

凪砂と和真が再び財団Xとぶつかろうとした時、ヒーローのように彼女たちは現れた。

白い服を着た彼女たちは…

 




何話目か覚えてないんで、頭のアレは飛ばします。
20数話ってとこなのは覚えてるんだ。
今日ってさぁ、天皇の即位だかなんだかの儀式?的なのあるじゃん。
大学休講にならねえんだよ。
バカじゃねえの。
振替休日もなし。
単位のためだから仕方なく行くんだけどさ。
泣きてえ…
結局まだ気分転換で他の作品書くいうて書いてないな。
そのうち書きてえ。
じゃあまたねー


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ファンタスティック4

現れたのは見たことのある白いセーラー服に、ブレスレットを腕に付けた2人の少女。凪砂がリーダーを務めるヒーローズのチーム、ジェネシスのメンバーであった。

「ジュリア!紬!何でここに来たんだ!?」

「リーダー?!そっちこそなんで?」

「え、何、知り合い…なのか?」

奇妙なものを見るようにしながら、和真が問いかけてくる。

「まあ、知り合いだ。この2人のチームのリーダーを俺がやってる」

「お前が中間管理職かよ。笑えるぜ」

「良いだろ、別に。上からの命令に従ったまでさ。それより2人はなんでここに来たんだ?」

「いや命令を受けたから来たんだけど…」

「誰から?」

「司令」

和真と凪砂は顔を見合わせた。

***

時は戻り凪砂がヒーローズ本部を出発した頃に戻る。

凪砂を止めずに送り出してしまった彼女達は、この後どうしたものかと頭を抱えていた。あそこで力づくで止めようが、彼はどうあっても出て行くことは分かってはいたものの、このままでは彼女達は命令違反をしたという扱いになる。

新人で命令違反というのは良いものではなかろう。

「どうする?紬」

「どうするもこうするも、命令違反したのだから、相応の処罰はあるでしょうけど」

「だよなぁ」

「けれどあそこで止める事もできなかったでしょう」

失った大切なものを探しに行くような焦りが見えていたのは、恐らく見間違いではなかろう。

壁に体を預け、ジュリアはゆっくりと息を吐いた。

次に上から何か言われるときは謹慎処分あたりの単語が来るだろうが、流石にそれはまともに受け止めねばなるまい。

しかしそれまで彼女達ジェネシスも何もしないというわけにもいかず、何かできることは無いかと思考を巡らせる。

(でもとりあえず次の連絡待ちか…)

が、さほど時間を置かず、ジュリアと紬双方に連絡が入った。送ってきたのはアイドルヒーローズ司令の三浦あずさで、しかも内容は緊急かつ極秘の案件という扱いをされている。

「なんだと思う?これ」

「分からないけれど、司令からの命令には従いましょう。この座標に何かあるはずですから」

「まあ…そうなんだろうけどさ、この座標地下だよな?」

「ええ…」

2人は半信半疑ながらも、地下鉄の路線を利用してこの座標に向かうことにしたのだった。

***

「なるほどな。入ってきたのは壊れた扉からか?」

「壊されているようだったので良いかと」

「良かったな和真。役に立って」

「イマイチ嬉しくねえ褒め方だな」

納得のいかない感じの和真と、なんだかんだそれを見て楽しむ凪砂。

ふとそこに声がかけられた。

「おい、こちらを忘れてもらっては困る」

「「あ」」

ジェネシスと話し込んでいたらしく、敵の存在が頭から抜けていた。その間に攻撃を仕掛けてくれば良かったものを、ご丁寧にこちらを待っているあたりが妙に空気を読んでいるというのか。

「いや、忘れてたわけじゃないんだ」

「すまんな」

だがこちらは新人とはいえ、アイドルヒーローズが2人加わり、戦力は増えている。まだ敵に数では劣っているが、先程よりかは負ける気がしない。

改めて拳を構え、ミヤコ=ジョーカーの率いる敵と向かい合う。

「和真、今度は俺がミヤコの相手をする」

「おい正気か?お前アイツを殴るこたぁできねえって言ってたじゃねえか」

「だからこそだよ。ミヤコとの決着は俺がつける必要があると思う」

「ったくこのタイミングでよォ…まぁいいけどさ。いいか、言っておくが、今はラウズカードはねえからな、封印はできん」

「ならどうすればいい?封印以外で彼女に勝利して、尚且つラブ&ピースってのは」

和真は黙り込む。考えがあるのか、ないのか。あっても相当に危険な賭けになるのか。

そして彼は口を開いた。




やっほー
後書きそろそろ短くしようかなと思う。
でもデート・ア・ライブ最新巻買ったことは報告しておきます。
内容はネタバレになるので言わんけどさ。
あと沼倉愛美さん結婚したらしいね。お幸せに。
他になんかねえかな。
あ、そういや遊戯王で今ウィッチクラフトのデッキ作ってんだよ。
クリエイションの値段が高いな!
まあ贅沢もできんし、魔法カード1枚に1000円出せねえんだ。
何、他のとこでは使ってるだろって?
基本カードゲームは安くしてえからな。でもウィッチクラフトはイラストが好きだから。
つーかイラスト可愛いデッキしか使わねえんだよな遊戯王だと。
トリックスターとかね。
まあデュエルマスターズだとドラゴンだけど。
中学生の頃買ったやつだからね、だいぶ弱いよな今だと。
ガチンコジャッジの時代だぜ。
ま、ウィッチクラフトは魔法使いだからな、他の魔法使い系のカードで代用して混ぜ物になる可能性あるな。
ま、じゃあねー


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ライダーズ・ゲーム

和真が告げた内容は、凪砂にとっては正直理解の及ばぬものでもあり、思わず聞き返していた。

「それ…正気か?」

「ああ、さっき見たことを考えるとそれしかねえ」

彼がいうにはミヤコはただの操り人形であるため、操っている人物がおり、本体とミヤコを強引に切り離すしか今は方法はないらしい。

ラウズカードに封印することで前は切り離せたが、カードがない以上力づくということになる。

「なるほど…」

「ミヤコを殴る事になると思うが…ホントにいいのか?」

「……構わない。やってみるしかないだろ?2人も援護よろしく」

「分かった」

軽く息を吸い込み、ミヤコ=ジョーカーを視界に捉える。他は和真達に任せるつもりだが、マッドローグとも結着をつける必要があるだろう。まあ能力的に見ても今の彼では勝てないかもしれないが。

(ま、ジョーカーとて勝てそうな気はしないけど)

「後ろは頼むよ!」

「任せろ!」

襲い来るライダー達を蹴飛ばし、殴りつけ、和真達に援護されながら、凪砂はミヤコ=ジョーカーへと拳を握りしめて飛びかかった。

「決着をつけるぞ!ジョーカー!」

凪砂は炎を纏わせたパンチをミヤコへと放つが、彼女はそれをガード。彼のよく知るミヤコの姿から、前に和真との戦いで見たライダーのそれに姿を変え、蹴りを放ってくる。

凪砂は間一髪で躱して間合いを取り、今度はシャイニングカリバーで斬りかかるが、ミヤコの取り出した弓のような武器で防がれる。

一進一退の攻防が続くかと思われたが、ミヤコの方がフォームチェンジしたことで形勢は逆転した。

『エボリューション』

赤というよりかは、錆びた色に近いカラーリング。腰から鎌を思わせる武器を取り出すと、彼女は凪砂にそれを躊躇なく振るっていく。

「ぐっ…あっ…」

抵抗をすることもできずにダメージを受け、凪砂はよろめき、膝をつく。動きがフォームチェンジ前より速くなっている気もするが、それよりも相手がミヤコであるということが、まだ彼には枷になっているのかもしれない。

(やっぱり俺じゃ無理なのか?)

心のどこかで彼女はミヤコであるという認識が、彼の動きを鈍らせているのか。

(いや、そんなはずは…決めたんだ。彼女は俺がやるって)

ゆっくりと立ち上がり、己の敵を見据える。

ミヤコに向かって一歩、二歩…と迫り、勢いをつけてシャイニングカリバーでミヤコの鎌型の武器と鍔迫り合う。

火花を散らし、力に任せてぶつかるが、どうやらミヤコの方が彼を上回ったらしい。

腹部を勢いよく蹴り上げられ、凪砂の身体は地下都市のビルを破壊しながら、吹っ飛ばされて天井部に叩きつけられた。

「がっ…」

必死に呼吸をしようとしても、それができない。地までが遥か遠く見え、落下していくのがゆっくりと感じられる。

ミヤコは鎌型の武器と弓型の武器を連結させ、そこにカードを1枚読み込ませた。

『ワイルド』

エネルギーが収束していき、彼女は落ちてくる凪砂に照準を合わせた。

和真は落下してくる凪砂を見つけたが、状況的に今のままでは助けることはできなさそうだった。

「クソ、このままじゃやられちまう!どっちか助けに行ってくれ!」

「こっちも手一杯なんですが!」

数が減ったために楽に倒せるかと踏んでいたが、強化フォームを持っていたようで、3人は予想外に苦戦を強いられていたのである。

「どっちでもいいから!俺だって数が多いのは大変なんだよ!」

声を上げながら剣を薙ぎ、和真は敵を切り裂く。彼女達もエネルギーを纏った拳を相手に叩きつけ、善戦はしているものの、なぜか先程よりも敵の数が増えているのは気のせいではあるまい。

「あの白いライダーか」

ゾンビのような動きをするクレイジーな白いライダーが、分身体と思しきものをポンポン創り出しているのだ。

正確には分身体の他にも一度死んだのを復活させているようだ。

(ゾンビかよ…)

正直気持ち悪い。しかし奴をどうにかしない限り、敵は無限に復活し続けるだろう。

躊躇していると背後から黒い影に急襲を仕掛けられ、和真は素早く振り返り間一髪でそれを防いだ。

(トルーパーか…クソ厄介だな)

無言で槍を振るう黒いライダー。量産型ではあるものの、数で襲いかかってくるのだからタチが悪い。

見れば、ミヤコ=ジョーカーの弓にはエネルギーがフルチャージされたらしく、彼女はそれを凪砂に向けて放ったところだった。

どうやら和真に撃ったものよりも強いように見え、ジュリアと紬に行ってもらおうとその方向を見るが。

2人は最早なんとか戦えているレベルだった。もうボロボロである。

「ったく…ポンポン生き返りやがって…司令は何してやがる!?」

彼女達を呼ぶだけ呼んでおいて、こんな戦場にポンッと放り込むとは酷い上司だ。

(友人を助けるか、友人の部下を助けるか)

下手をすれば友の命に関わる案件。どちらの命を取るべきか。

(だがアイツなら)

和真は剣を握り、地を蹴った。




後書きね。後書き。
何書こうか。
何度も言っておきながら、新しいもの全然書いてないな。マジでなんか新しいの書きたいけど、思いつかん。
あーそういやそうだ。
同窓会に呼ばれてさあ。
まあ直ぐにじゃないんだけど。
スーツじゃなくても良いよね?
スーツって着るのだるいじゃん。でも桐生さんのスタイルは好き。
あれはカッコいい。沖縄だとアロハ着るけど。
福岡だとタクシードライバーか。
龍が如くについて話してどうすんだ。
個人的には冴島さん好きですね。めちゃ良い人だもん。
いや、大吾もカッコいいな。
もちろん成長した後ね。
ホント今度こそなんか新しいの書こう。
じゃあねー


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陽だまりサンシャインリズム

重力に従いながら落ちて行っていた凪砂の身体は、ミヤコの一撃を受け、再びくの字になって吹っ飛ばされ、今度は天井部に穴を開けた。

「がっ…?!」

凄まじい衝撃と共に考える間も無く地下から地上へ、速度は衰えずに更に上へ。空を飛ぶ術を持たない凪砂にはどうしようもなく、蒼穹にその身体を預ける。

(ちょっとやばいかもな…)

掴めるものはもう何もなく、縋れるものも何ない。彼の手の中にあるのは透明な空気。握りしめてもどうにもならない。

ここまで来て惜しいが、残されているのは『死』のみであろうことが予想出来た。

不思議と走馬灯はない。死ぬ間際はそういうのが見えてるらしいが、今の凪砂にはそれがなかった。

(俺にもっと力があれば…)

上昇が終わり、今度は重力に引かれるように落下していく。僅かな時間で激しい上昇と下降を繰り返しているせいか身体が悲鳴を上げている気がする。

けれど、それでも。

(俺はまだ死ぬわけにはいかないんだ!)

凪砂の心の叫びに応えるように太陽が顔を出し、眩く輝く陽の光が彼を照らした。

「っ…」

何かが弾けるような、砕け散ったような、それでいて新たなものを手にしたようなそんな感覚。

刹那、眩いばかりの光が彼を包んだ。

***

目を開けると、空にいたはずの彼の身体は見たこともない洞穴にあり、目の前の壁には見慣れぬ絵が描かれていた。

「これ…は」

壁画か何かだろうか。凪砂は知らないはずのその絵を、まるで知っているかのように右から左へと見ていく。

大地と風と火。炎を得て、光へと辿り着く。

小さな火は集まって炎を形成し、やがてヒトの姿をした者は輝く光を手にした。

「人の…歴史か?」

終わりのない人間の文明の進歩を表しているのだろうか。それとも進化の過程の1ページを見せられているに過ぎないのか。

「無限の進化ってこと…なのか」

そして再び輝く光が彼を包みこんだ。

***

地下都市での戦いは終わりが見えそうになかった。和真はキングラウザーとブレイラウザーの二刀流で敵を切り裂いていくが、敵の数は減っているように感じられない。

(減ってはいるのかもしれねえが、状況が状況だからな)

彼1人ならば縦横無尽に駆けることもできたろうが、中破したジュリアと紬を庇いながらの戦闘では、いまいち本領を発揮することはできていなかった。

(だが凪砂でも彼女達を助けたはずだ)

凪砂を助けるかジュリア&紬を助けるかで悩んだ和真は、ジュリアと紬を助ける方を選んだ。

きっと凪砂も、和真かジュリア&紬だったら後者を選ぶだろう。部下だからというのもあるかもしれないが、凪砂と和真には互いに信頼がある。

故にそう判断した。アイツなら、と。

「しっかし…敵多いな、クソ」

軽く肩で息をしながら敵を睨み、和真は毒づく。敵の多さもあるが、凪砂を撃ったミヤコが戻ってきているのだ。恐らく凪砂はもう帰ってこないと踏んでいるのだろう。

いつこちらは攻撃されてもおかしくない。

(ったく兄妹には見えねえな、これじゃ)

目の前のライダーを蹴り飛ばし、剣を振るい、少女達を援護しながら戦い続けていくが、ついに和真は膝をついた。

「ぐっ…」

誰かを援護しながら戦うというのはそもそも得意ではなかった上、この敵の数である。正直シャレにならないのだ。

(結構減らせはしたんだがな)

変身解除には追い込まれていないものの、現状何か有効打があるかと言われると無いに等しい。

手段はないこともないが、一度変身解除を行い、もう一度変身する必要があるためにあまり良い手ではない。

(やはり危険はおかせねえ)

いつやられるかわからない。僅かな油断は命取りとなる。

和真と財団Xの睨み合いはいつまで続くかと思われた時、天井をぶち壊して人影が現れ、敵集団を蹴散らしてそこに降り立った。

「なんだ…?」

そこに居たのは見たこともない姿の仮面ライダー。だがどこかアギトに似ているようだ。

「お前、凪砂…か?」

「え?まあ、うん。色々あって色々あったからな、なんか思考が纏まってないんだ。ていうかアレ?なんか俺変わった?」

「全体的にな。まず燃えてないしよ」

自身の体を見直して、燃えていないことを確認し、凪砂は驚いたように声を上げた。

「マジか!?なんかスマートになってないか?」

「それな」

反応をしているのも束の間、蹴散らされた敵集団が再構成されて襲ってきたが、鋭く放たれた凪砂のパンチが敵を殴り飛ばした。

「なんか行ける気がする」

「ならやろうぜ。後たぶんそのセリフ、アギトが言うもんじゃない」

 

 




前話からだいぶ期間空きましたね。
大学とか色々忙しかったんで、こっちに手を付けられなかったのはありますね。すいません。
冬休みなって実家帰ってきて、ひと段落したんでようやく書いた次第でございます。
あ、令和ザ・ファースト・ジェネレーション結局見に行ってないな。
シティウォーズの1型は使いやすいんですけどね。
つーわけでとりあえず謝罪をしつつ、最新話投稿します。
新しく何か書こうと思ってたけど何も書けてないし。
おのれ大学め。というか教授め。
まあどうせ春休みは車の免許取るんで、書けない気もしますしね。
ま、冬休み中に何か新しく書けたら良いかなってくらい。
あとそうだ、最後に1つ。
ジュマンジ最新作のネクストレベル、あれ観に行ったんですよ。
令和ザ・ファースト・ジェネレーション見てないくせにな。
とりあえずあれ、予告でやってた通りドウェイン・ジョンソンがおじいちゃんなのは合ってましたな。
笑いあり涙ありってああいう映画なんだね。
じゃ、そろそろ別の作品書こうかな
またねー


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