精霊使いとキル姫使いと銃姫使い (大城 零)
しおりを挟む

第1話  2人の異端者

初心者です。
腕試しのつもりで投稿しました。
そのため、第1話、第2話、第3話の投稿のみと考えています。
感想で「続きが気になる」「頑張ってみてください」などを書いてくれると、続きの投稿を考えます。

とまあ、ここまでにして
読みにくいところがございますが、
作品を楽しく読んでいただければ幸いです。


 2XXX年のある満月の夜のことである。

 

 男性A「うわぁー!?」

 

 女性A「キャーー!!」

 

 おじいさんA「たすけてくれぇー!!」

 

 男性C「森に逃げて隠れるんだ!」

 

そんな声が至る所から聞こえてくる。

 

家が燃え、人々が次々に白い仮面をかぶった化け物たちに殺されていく

化け物たちをこの世界では「異族(いぞく)」と呼ぶ。

異族たちは突如現れ、そして人を無差別に殺す

 

森に逃げ込んだ町の住人達は異族に殺されまいと必死だった。

 

 男性A「何でこんなことに!!」

 

 男性B「ギルドに異族の討伐依頼を出したんじゃないのか!?」

 

 町の町長「足の速い者に依頼書を出させに行かせたわい!!」

 

 女性B「じゃあ、どうして討伐隊は来てくれないのよ!!」

 

 町の町長「ワシが分かる訳無いじゃろ!!」

 

 男性A「お、おい、静かにしろ!近くに異族がいる!!」

 

 異族「グギィィィ」

 

 

異族の声が小さくなった

 

 

 町の町長「何とかやり過ごせたようじゃな」

 

 女性B「ぁ、あぁ、、、」

 

 町の町長「なんじゃ!」

 

ドスッ!!

 

バタッ

 

 女性B「いやぁーーーー!!」

 

 異族「グギィィィィィ!!」

 

 男性C「見つかった!みんな逃げろぉーー」

 

 男性A「他の異族たちも俺たちを見つけて追ってきた!!」

 

 女性C「逃げてる方向からも異族がッ!!」

 

 おばあさんA「もうダメじゃあ」

 

 異族達「「「「グギィィィィィ!!!」」」」

 

 

この後、逃げていた町の住民たちは全員異族たちによって殺された。

町長は足の速い者に依頼書を預けたと言っていたが、

依頼書を預かったものはギルドに向かう途中に異族に出くわし殺されていた。

 

その時の満月の色は『 紅 』かった。

 

 

この異族襲撃から3週間ほどしたある日の朝

 

 

 

------ 精霊魔導士育成学校(教室) ------

 

 ???「うーん、どうしたもんかなこれ……」

 

 ***「全然目覚めませんね、マスター」

 

 !!!「おはよう、暁、ティルフィングさん」

 

  暁 「おはようさん、(いかづち)

 

 ティル「おはようございます、智也(ともや)さん」

 

  雷 「で、お前何してんだ?」

 

 ティル「その疑問は私が答えますね。

     マスターは、昨日智也さんと別れた後、

     『声がする』とのことだったので

     声のする場所に行きその剣を見つけました。」

 

 ティル「気配が私と同じ伝説の剣だった為、

     キル姫と思い契約しようとしたのですが……」 

 

  雷 「魔力を流しても目覚めないから、

     契約できずに困っていると?」

 

  暁 「そうでございます」

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

そんな会話をしているとチャイムが鳴った。

 

ガラガラ

 

 魔術教師「全員席に着けー」

 

 魔術教師「朝のHR(ホ-ムルーム)を始める、出席とるぞ」

 

 魔術教師「暁」

 

   暁 「はい」

 

 魔術教師「雷」

 

   雷 「はい」

 

 

それから、30人ほどの生徒たちの名前が呼ばれた。

 

ここで少しこの学校の紹介をしておこうかな?

この学校(精霊魔導士育成学校)はこの世界に住む人々の脅威で、

数百年前に突如として現れた異族たちに抵抗できるよう

魔法が使える者やその素質がある者を育てる学校です。

その他にも、精霊を使役できる者や武術などの心得がある者たちも対象者である。

とまぁ、こんな感じかな?

 

おっと、大事なことを忘れてた。

ティルフィングについて話しておこうか

 

彼女は見た目は人間ではあるが、人間ではない

彼女はこの世界(・・・・)ではキル姫と呼ばれている

 

キル姫は神話や伝承などに登場する

神や武器の能力を持っている

その為、キル姫の名前は神や武器の名前に(ちな)んで

ついていることが多い

 

例えばティルフィングの場合は

北欧神話の(いにしえ)エッダ、サガに登場する

魔剣(ティルヴィング)の力を有しているためその名に因んで

ティルフィングってついてんだ

 

話は変わるが、この世の中ではキル姫も異族と変わらないと言っている者たちがいるが……

てかそっちの方が圧倒的に多い!!

 

なんでやねん!……コホン

 

自分は全然違うと思う

 

あいつらは無差別に人々を殺すがキル姫には感情があるし、

何よりも、人々を助けることに関して尽力してくれている

 

世の中がどうしてキル姫を危険視しているのか……

 

1つだけ心当たりがある

 

『キル姫暴走事件』これが原因だろう、

異族が現れ始めた頃1人の魔法使いが

キル姫と異族討伐の依頼を受けたらしい

依頼は順調に進み異族を倒し終えた時、

その魔法使いはキル姫に余計な量の魔力を流した、そのせいでキル姫が暴走

しまいには依頼した町の住人と魔法使いは

暴走したキル姫によって亡くなったという。

そのあと暴走したキル姫は国の魔術師達によって封印されたらしい

 

といってもこの話は数百年も前の話なのに

そんな昔の出来事、普通なら忘れると思うけどなぁ~

 

なぜ知っているか?って

そんなもん調べたらすぐじゃろ

 

ここだけの話、世界中でキル姫と契約を交わしているの俺だけなんだよね。

 

友人の雷もあいつだけの契約者がいるから

毎日が退屈しねぇんだよな

 

おっと、話がそれちまった。

かと言ってもだいたい話したしこんなもんかな

 

 

  雷 「おーい、暁ー、訓練場まで一緒に行こうぜ」

 

  暁 「いいけど、じゃあティルフィング行こうか」

 

 ティル「はい、マスター」

 

 ティル「さっき教師の方が言ってましたが、

     今日一日実技戦闘訓練なんて珍しいですね?」

 

  暁 「そういやぁー、そうだな」

 

  雷 「あれが原因じゃねぇかな?」

 

  暁 「あれってなんやねん」

 

 ティル「あれ?」

 

  雷 「ほら、三週間ぐらい前の異族が急激に増加したこと」

 

  暁 「あぁー、なるほど。理解」

 

 ティル「そんなことがあったんですか!?」

 

  雷 「あれ?ティルフィングさん知らなかったの?」

 

 ティル「ええ、その時ちょうど(つるぎ)状態で眠りについて魔力を安定させてましたから」

 

  雷 「暁からは?」

 

 ティル「マスターからは何も」

 

  暁 「聞かれなかったし」

 

  雷 「暁…、お前なぁ……。」(呆れ)

 

  暁 「でも言ったらティルフィング飛び出して行くだろ?」

 

 ティル「当たり前です!!」

 

  暁 「場所もわかんないのに、ていうかこの情報ってつい最近出た情報だから言ってもしょうがないだろ」

 

 

そんな言い合いをしていると、

 

 

  雷 「訓練場に着いたみたいだな」

 

  暁 「相変わらず馬鹿広いよなぁ」

 

  雷 「て言っても、別の場所で戦うんだけどな」

 

 ティル「いつもより人の数多くないですか?」

 

  雷 「確かに、どうなってんだ?」

 

 ???「おい、お前ら!!」

 

俺達は後ろから唐突に声を掛けられ、後ろを振り返るととてつもなく小物感がすごい先輩の

5人グループの姿がそこにはあった。

 

     雷 「え、えっと、何ですか?」

 

 上級生生徒A 「下級生だな?」

 

     暁 「はい、そうですが何か用ですか先輩方」

 

 上級生生徒C 「上級生生徒A(お頭)こいつ噂のキル姫と契約している異端の暁ですぜ。」

 

 上級生生徒D 「それに、その隣の奴は噂では隠れて戦わないで有名な雷です。」

 

 上級生生徒B 「今回の戦いは我々が優勝だな」

 

     暁 「???先輩方何の話ですか」

 

 上級生生徒A「お前たち何も知らないのか?

       お情けで教えてやるよ」

 

 上級生生徒A 「今回の実技訓練は全クラスの代表選手が戦うんだよ。 優勝した代表クラスは優先的にこの訓練場を使えるって話だってよ」

 

 

  暁・雷 〈〈 何だ、全くもって関係の無い話か... 〉〉

 

 

 上級生生徒A 「ちなみに、お前たちのクラスの代表者は......、お前たち2人組だったぜ」

 

 

  暁・雷 〈〈 はっ?今なんて...聞き間違い? 〉〉

 

 

 上級生生徒E 「もうすぐで開会式が始まりますよ?」

 

 上級生生徒A 「おっと、もうそんな時間か。

         まぁ、精々足搔くんだなwww」

 

  暁・雷 〈〈 あっ、あの感じ聞き間違いじゃないわ 〉〉

 

 

  暁 「なぁー、雷?」

 

  雷 「なんだよ」

 

  暁 「これは夢か?」

 

  雷 「俺もそれ思ったわ」

 

 

 暁・雷 「「マジかよ……」」

 

 

この時二人共少しの間放心状態でした。

 

 

 




感想を書いてくれると嬉しいです。
誤字、脱字が有りましたら申し訳ありません


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話 久しぶりの戦闘

第2話の制作が終了しました。

この話の注意事項としましては、前話と同様に読みにくいかもしれないことです。

それでもよかったら読んでください。


3分間の放心状態から意識を戻し、ダッシュで魔術教師のもとへ向かった。

 

   暁 「ちょっ、先生どういう事ですかこれは!?」

 

 魔術教師「お前たち今までどこ行ってたんだ?

      もうちょいで開会式だぞ」

 

   雷 「先生、説明を求めます。なぜ俺たちがクラス代表なんですか!?」

 

 魔術教師「あれ? 言ってなかったっけ??」

 

  ティル「朝のHRでも何にも聞いてませんし、

      先生自身も何も言いませんでしたよ」

 

 魔術教師「そうか、それは申し訳なかったな」

 

 魔術教師「一応言うがこれは上からの指示でね、

      お前たち2人を見世物にするつもりだろう」

 

   暁 「なぜ俺達が出れるのか不思議ではありましたが、そういうことですか。」

 

   雷 「上の連中にも困ったな」

 

 

異端者である俺達がこんな大きな試合に出れるのが不思議だった。

 なるほどね、上の者もそこまでしてくるか……、異端である俺達をそんなにも排除したいか

 

 

 魔術教師「まぁ、お前たちなら大丈夫だろ」

 

 魔術教師「お前たちの強さを一番分かっているのは俺だしな」

 

   雷 「どこからそんな自信と信頼が出てくるんですか?」

 

 魔術教師「知らん」

 

   暁 「知らんって、まぁだいたいのことは理解しました。兎に角、決まっていることなので諦めて出ますよ」

 

  ティル「マスター」

 

   暁 「んっ? どうしたティルフィング?」

 

  ティル「この試合、なんだか嫌な感じがします」

 

   雷 「何か起きるかもしれないってこと?」

 

  ティル「はい」

 

   暁 「うーん……、起きてからにしよう」

 

  ティル「マスターがそう言うなら」

 

   雷 「おい暁、そろそろ開会式の時間じゃね?」

 

   暁 「最後に一言先生に」

 

 魔術教師「何だ?」

 

   暁 「やるからにはそこそこ本気で行っても構いませんね?」

 

 魔術教師「もちろんだ! お前たちの力見せつけてこい!!」

 

   暁 「その確認がしたかった、雷ー」

 

   雷 「何だよ?」

 

   暁 「4割ほど本気出してもいいってよ」

 

   雷 「マジ!! やったね!」

 

   暁 「ティルフィング試合のときはよろしく頼む」

 

  ティル「はい、マスター!!」

 

 

その後の開会式は何事もなく進行し、

代表戦1回戦のルールが発表された。

 

 

ーーーーーー 代表戦1回戦のルール ーーーーーー

 

戦闘方法:12クラスまとめてのバトルロイヤル

 

 チーム:5人 (例外チームあり)

 

制限時間:なし

 

勝利条件:参加クラスが6クラスになるまで生き残ること

 

敗北条件:チームの全滅かチームの大将が降参宣言または倒されること

 

                   以上

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーーーー 代表戦チーム別用待機室にて ーーーー

 

    暁 「分かりやすくていいな」

 

    雷 「まぁ、要するに実力で何とかしろってことだよな」

 

   ティル「そうですね。それよりも雷さんの契約姫の方は?」

 

   ???「私ならちゃんとここにいるぞ」

 

 

どこからともなく声が聞こえた。

 

 

   ???「雷、私に魔力を少々流してくれ人型になりたい」

 

    雷 「分かったよ、ドラグノフ」

 

 

その会話が終わると雷は魔力制御を行った

 

 

 ドラグノフ「久しいな、暁、ティルフィング。

       そしてやっぱり人型はいいものだな。」

 

 

彼女は雷の契約姫で「ドラグノフ」である。

因みに彼女はこの世界では銃姫(じゅうき)と呼ばれている

彼女達銃姫もキル姫と同様武器の力を有している、銃姫達の場合銃に関する力だ

そして、契約者と契約姫の魔力回路を1つにすることで人型になったり、制限のかかった力を

開放したりすることができる。

 

 

   ティル「お久しぶりですね、ドラグノフさん」

 

   ティル「最近姿を見ませんでしたが、大丈夫ですか?」

 

 ドラグノフ「うむ、最近極まれだが魔力が乱れてな。それを直していた。」

 

    暁 「大丈夫なのか?」

 

 ドラグノフ「ああ、もう何の問題もない。

       戦闘もいつもどうりで戦える」

 

 

待機室のスピーカーに声が入った。

 

 『各クラスの代表者の皆様準備ができましたので、訓練場の中央にお集まりください。』

 

 

   ティル「マスター、準備は出来ています。

       何時でも行けます」

 

    暁 「よし、じゃあ行きますか」

 

 雷・ドラグノフ「「ああ!!」」

 

 

俺達は、待機室を出て放送のあった場所へと向かう。

向かっている最中に何組かのチームから(さげす)まれたりしたが、その都度試合で倍返ししてやろうかなと考えた。

 

そんなこんなで、開会式のあった訓練場の中心辺りについた。

 

 

   審判長「これより、特別ステージに転送します。転送位置はチームメンバー以外はバラバラになるようにしています。」

 

   審判長「それでは、転送開始します」

 

 

その声と同時に足元に転移魔法が発動し、光を発した。

光に包まれたかと思うと、そこはすでにさっきいた場所とは違う。辺りを見渡した結果、

どうやら「森」のようだ。距離は遠いが至る所に魔力の塊を感じる。

 

 

    暁 「ふむ、結構の広さのステージのようだ」

 

    雷 「一人で納得する前にまず、友人の無事を確認しろよ。」

 

    暁 「俺達が無事なのは確定事項だろ?」

 

    雷 「いやまぁそれはそうなんですが……、そこはほら気持ち的にね?」

 

    暁 「はいはい」

 

    暁 「それよりも、これからどうしたもんかな」

 

    雷 「どうしたもなくね、俺達含めて6チームになるまで他チームを倒せばそれで解決だろ?」

 

    暁 「それはそうなんだが……」

 

 ドラグノフ「暁が考えてるのは魔力量のことではないかな?」

 

    雷 「今さら何でそんなことを?」

 

 ドラグノフ「今回の戦いはほとんど仕組まれた戦いに近いからな。それに、暁はティルフィングが言っていたことが気になっているんじゃ?」

 

    雷 「嫌な感じがするって言ってたっけ?」

 

   ティル「はい、それが何かはわかりませんが……」

 

   ティル「すみませんマスター確証もなしにこんなこと言ってしまって」

 

    暁 「別に構わないよ、それに此処に来てからだけどティルフィングが言いたいことがなんとなくだけどわかったからね。」

 

    暁 「確かに、変な感じがするんだよなぁ~。」

 

    雷 「そんな感じしないけど?」

 

    暁 「うーん……おっと、どうやら俺達を倒そうとしているチームが来たみたいだな」

 

    雷 「久しぶりだからって腕がなまってやられましたなんて言うなよ!!」

 

    暁 「その言葉、そっくりそのまま返すわ」

 

   暁・雷「「ティルフィング!!・ドラグノフ!!」」

 

   ティル「はい!!」ドラグノフ「承知!!」

 

 

俺と雷はそれぞれの武器を取りつつ、それぞれの契約姫に流している魔力量を少し上げた。

すると、何も持っていなかったはずの契約姫達の手にはそれぞれ剣と銃を持っていた。

 

 

    雷 「隠れてても魔力感知の魔法で居場所がバレバレなんだよなぁ」

 

 

そういいながら雷は茂みに一発撃ち込んだ。

 

 

   生徒 「ぐはっ!!」

 

 

どうやら一人倒したらしい。

それが引き金となったのか倒された奴のチームメイトだろう

剣を持った男子生徒と槍を持った女子生徒の2人が茂みから出てきた

 

 

 男子生徒A 「貰った!!」

 

 女子生徒B 「やぁーー!!」

 

 

甘い!砂糖をそのまま食べるぐらい甘い!!

奇襲のつもりなんだろうがさっき雷が言った通り魔力感知の魔法で居場所が筒抜けだったんだよな。

だから対応しやすい

 

 

    暁 「ティルフィング女子生徒の方よろしく」

 

   ティル「分かりました。マスター」

 

 

俺とティルフィングが同時に出てきた生徒を一閃した。

 

 

    暁 「後2人いるはずなんだけど?」

 

    雷 「この感じなら後2人は支援型じゃねぇかな」

 

    暁 「なるほど、と言うわけであとは雷とドラグノフに任せるわ」

 

    雷 「締めがもらえた。やったぜ」

 

 ドラグノフ「雷、残り2人の位置が分かった。

       直線50m先の木の上に1人とそいつの左斜め後ろ20m先にもう1人だ」

 

    雷 「遠い方はドラグノフに任せた」

 

 ドラグノフ「了解した。」

 

 

2人が銃を構えて一息入れ、そのまま引き金を引いた。

すると、出発する前に事前に配られていた魔力で書かれた参加表から

俺達が今さっき倒したであろうチームのクラス名が消えていた。

 

 

    雷 「久しぶりの戦闘でなまっているかと思いきや案外いけそうだわ」

 

    暁 「確かに」

 

 

俺達がそんなたわいもない話をしているとき、

他のチームは俺達を潰す計画を練っていた。

だがそんなこと、今の俺達には知る由もなかった。

 




感想が御座いましたら書いていただけると嬉しいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話 2人の異端者と契約姫の実力そして・・・

何とか第3話まで書くことができました。
一応投稿は最初に申した通りここまでとさせて頂きます。
三桁行くか行かないかぐらいまでの人数に読んでいただければ
続きを投稿しようかと今は思っております。

※ 読み難い所ばかりかも知れませんが、それでも大丈夫だという方は
  楽しんで読んでいただけると幸いです。


戦闘を終えてから数10分位経過した。

 

 

    暁 「さて、あんまりじっとしてるのも性に合わないんでそろそろ動きますか」

 

    雷 「だな、残りのチームも倒して出来るだけ早くブランクを取り戻したいしな」

 

    暁 「じゃあ、1チームずつ確実に潰しにかかるか」

 

 

そういって踵を返して、雷に魔力探知の魔法を使わせた。

 

 

    雷 「おいっ!!暁ちょっと待て!!」

 

    暁 「何だよ雷?せっかくいい感じにまとめたのに~」

 

    雷 「これちょっとやばくね?」

 

    暁 「だから何だよー」

 

 

そう思い自分でも魔力探知の魔法を使ってみると何と、大量の魔力の塊が一斉にこっちに向かてきている

はっ?一瞬思考が停止した。

いやいやこれおかしいだろ、他のチームが全部こっちに向かって来てますよ

 

 

    暁 「おい、これマジかよ」

 

    雷 「距離的にはまだまだ来ないと思うけどこれはさすがにねぇ」

 

    暁 「逆に考えるんだ、ちまちま戦わなくていいと」

 

    雷 「なるほど」

 

    暁 「さて皆さんそう言うことなので、迎え撃つ準備をしましょうか」

 

    雷 「ライフルと近距離用のハンドガン2丁、替えのマガジン準備OK」

 

 ドラグノフ「こちらもライフルと替えのマガジンの準備OK」

 

  ティル 「マスター、魔力量に以上ありません何時でも行けます」

 

    暁 「いいタイミングで向こうも来たみたいだ」

 

    雷 「いつものやり方でいいよな?」

 

    暁 「それで構わないよ、そっちの方がやりやすいじゃろ

       細かいことは後からテレパシーでよろしく」

 

    雷 「分かった、じゃあドラグノフ行こうか」

 

 ドラグノフ「了解した。」

 

 

雷とドラグノフが移動を開始したと同時に残っていたチームの近距離担当が一斉に襲ってきた。

雷とドラグノフが敵側の遠距離攻撃してくる者を倒しつつ、援護射撃もできる位置に着くまで

俺とティルフィングで注意を引きつけつつ、隙の多い奴から確実に倒していった。

雷とドラグノフが所定の位置に着くまでに数十秒と掛からなかったため、一瞬で2、3のチームは脱落させた。

 

 

    雷 (暁、流石に飽きてきた)

 

    暁 (遠距離型の敵は?)

 

    雷 (あらかた処理したよ)

 

    暁 (相変わらずの手際の良さですな)

 

 

そんなやり取りをしながらも次々と敵を倒していく

ティルフィングの方はと思い横目で見てみるがこちらも全然息を切らさず余裕そうだ

【さすが】としか言いようがないなと思った。

 

 

  生徒(上) 「全然話が違うじゃないか!!」

 

 

1人の生徒が大声でそう叫んだ

それと同時に大人数にしてはそこそこ統率の取れた攻撃が一瞬にして穴だらけの攻撃になった。

 

 

 女子生徒(上)「そうよ、相手は2人で雑魚だからって話だったじゃない!!」

 

 数人の生徒 「「そうだ!!」「話が違うぞ!!」「どうなってんのよ!!」」

 

  生徒(上)A「異端者がこんなに強いなんて俺達も知らなかったんだ!?」

 

  生徒(上)A「だが確かに出場者リストにはこの二人の名前しかなかったんだ!!」

 

 

なるほどあの時のお前らの入れ知恵というわけか

だからといって手心を加えて逃げるなんてことは絶対にしない

そもそも全力も出していないのに強いなんて、馬鹿言うんじゃないよ。

でもまぁ、こんな展開目に見えていましたからねぇ

 

 

    暁 「このまま結果の見えた勝負を続けますか?」

 

    暁 「正直こっちとしては今まで異端者だの仲間が化け物だの言われてきた分のうっぷんは晴らしたいんですがね」

 

 

そうこうしているうちにいつの間にか雷とドラグノフがこちらに来ていた。

 

 

    雷 「暁、何で止まってるんだよ?」

 

    暁 「大半が戦意喪失してんだよ。こんなのと戦ってもしゃあねぇだろ?」

 

    雷 「それはそうかもしれねぇけど、だが俺達は今まで……」

 

    暁 「それ以上は止めとけ、確かに俺達は今までいろいろ言われてきたしやられてきたから腹も立つ。」

 

    暁 「最初は俺も全滅させるつもりでいたけど、雷よく考えてみろ」

 

    雷 「言いたいことは分かったよ、力でどうこうしたら結局こいつらと同じだって言いたいんだろ」

 

    雷 「それぐらい考える冷静さはあったさ」

 

    暁 「分かっているならよし」

 

 ティル・ドラグノフ(( ほっ... ))

 

 生徒(上)A 「たっ……、助けてくれるのか?」

 

    暁 「ああ、でもこのままならまだ勝利条件に達していないからなぁ」

 

 生徒(上)A 「それなら私たちのチ-ムが……」

 

      『グギィィィィィイ』

 

 その場の全員「「「「「「「「ッ!!!!」」」」」」」」

 

 

この声はまさか!!!!

その予想と同時に緊急放送が入った

 

 

   『ただいま、そちらのフィールドに異族の存在を確認致しました。そのため現在行われている戦闘を中断、至急転送魔法を用意いたします』

 

 

嫌な予感が的中した。

隔離されているはずのこの特殊フィールドに異族が出現したのだ

 

 

    暁 「今残っているのは何人だ?誰でもいい早く答えてくれ!!」

 

 生徒(下)A 「えっと、54人です」

 

    暁 「なあ雷、全員無事帰還できると思うか?」

 

    雷 「さっきの聞こえた異族の声から考えたらまず無理だろうな」

 

    暁 「ですよねー。」

 

    暁 「放送係さん!!聞こえてますね!」

 

      『はっ、はい聞こえてます。』

 

    暁 「近くに教師もいますね、転送魔方陣を作るのにどれくらい掛かるか聞いてもらえませんか?」

 

 放送係 『わかりました、すぐに戻りますので』

 

 

     『暁選手、聞いてきたところ何かの力によって転送魔法の準備を妨害されているため、早くても30分は掛かるとのことです。』

 

    暁 「30分かぁー、1人で相手するにはちょっぴりしんどいかな?」

 

    雷 「何言ってんだ暁?ここは4人だろ?」

 

  ティル 「そうですよマスター、私はマスターの(つるぎ)なんですから忘れないでください」

 

 ドラグノフ「こういう時、何時も共に駆け抜けたんだそういうのは今更無しだ」

 

    暁 「そうだな、動ける生徒達は動けない生徒を引っ張てでもまとまってろ」

 

    雷 「しんがりは俺達がします、だから……」

 

    暁 「頼むから生きて帰ってくれよ。」

 

 生徒(上)A 「お前達どうしてそこまでする?俺達はお前達を……」

 

    暁 「ただそうしたいだけですよ。他意はありません」

 

  ティル 「いつものマスターですね」

 

    暁 「うるさい!」

 

    雷 「暁!!奴らが来たぞ!!」

 

    暁 「ッ!?おいおい、流石に多すぎだろこれ」

 

    雷 「魔力を節約しながら戦ってよかった」

 

 ドラグノフ「この感じ、雷これは無限増殖かもしれんぞ」

 

    雷 「どういうことだ!?ドラグノフ!!」

 

 ドラグノフ「さっきから異族の気配が増えているんだが?」

 

  ティル 「そんな!!」

 

    暁 「ふざけんなコノヤロー!」

 

    暁 「うだうだしてても距離を詰められるだけだ、とにかく突っ込む援護射撃頼むぜ雷」

 

    雷 「任せろ、とは言うが保証は出来んな」

 

    暁 「だろうな、さぁ行こうかティルフィング」

 

  ティル 「はい、マスター」

 

 

俺とティルフィングは大量の異族の中に突っ込んでいく

雷とドラグノフがその援護をしてくれる、遠距離と近距離同時に背中を任せられる安心感

いつも以上にその大切さを感じていた

 

 

   『残り10分弱で転送します。』

 

 

そんな声が聞こえた気がした、いや確かに放送していたが戦闘中の4人には

その声は届いていなかった。傷だらけでいろんな傷からから血が出ていた。

正直言って結構きつい、魔力が大量にあるとはいえ疲労の蓄積量が予想以上に早い

 

 

      『5秒前!!』

 

       『4!!』

 

       『3!!』

 

       『2!!』

 

       『1!!』

 

     『転送します!!』

 

 

 

転送される瞬間を見てからどれだけ経っただろうか。この際正直時間などどうでもいい

俺達4人は完全に囲まれた。

数十、数百と増え続ける異族に対してよくここまでもったと思う。

 

 

  ティル 「はぁ…、はぁ…、マスター流石にこれ以上は……」

 

    暁 「さすがにこれは死んだな...ハハッ」

 

    雷 「さすがに同意するわ、これで切り抜けてくださいは人間じゃねぇよ」

 

 ドラグノフ「雷、短い間だったが楽しかったぞ」

 

 

   異族 「「「グギィィィィィィ!!」」」

 

 

残った4人が「ここまでか」死を覚悟した時だった

足元に魔方陣が発動した。異族が剣を振り上げた瞬間に目の前が真っ白になった

気が付けば特殊フィールドではないそして周りにいたはずの大量の異族がいなくなっていた

近くにいたのは、ティルフィングだけだった

どうやらティルフィングも状況を呑み込めていないようだ

俺とティルフィングは生きていることにホッとしたそれと同時に地面に倒れ込み

意識が朦朧とした。

 

 

 ??? 「お… …んた、しっ…… …しろ」

 

 !!! 「……ミ……、な…… よこ……」

 

 

意識が遠の行っていった。一瞬だけ声が聞こえた気がした

 

 




感想がございましたら書いていただけると嬉しいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話 異世界 ー前編ー

今回から作者と登場キャラの数名による会話会とします。


大城「何と!!読者が三桁行きました。うれしいですね」

暁・雷・ドラグノフ・ティルフィング『三桁おめでとう。作者』

大城「皆さん、ありがとうございます。」

暁「今回からキャラを出していくそうだな」

大城「ええ、ここも楽しんでもらえるといいですね。」

雷「投稿ペースはこれからどうするんだ?」

大城「気ままかな、と思っております。」

ドラグノフ「そんなことで大丈夫なのか?」

大城「大丈夫ではないでしょうね。」

ティル「マスター、この作者大丈夫なんでしょうか……」

暁「心配なのはわかるが信じるしかない」

大城「と、とにかく注意事項を読んで楽しんでもらえると嬉しいです。
   今回は暁サイドとなっています。」


※ 今回から少し書き方を変えていたりします。大まかには変っていないと
  思うので読み難い所がございます。


全員「それでもよかったら、本編をどうぞ!!」


『私達のマスター、早く目を開けて。』

 

 

───んっ、何だ?声?

 

 

暁「誰だ?というかここは」

 

 『ここはあなたの意識の中よ。あなたは今眠っているの、覚えているでしょ。』

 

暁「そうか、安堵した後確か力が入らなくなってそのまま…」

 

 『そう、ティフィングとともに倒れ、意識を失った』

 

暁「それより君は誰だ!?なぜティルフィングのことを君が知っている?」

 

 『ここにいるのは私だけではないわ。ほとんど気配がないかもしれないけど』

 

暁「確かに、気配探知に集中すれば君以外にもいることはわかるな。」

 

 『そしてなぜ私達が今のあなたのパートナーのことを知っているか簡単な答えです。私達もキル姫であるからでよ。』

 

暁「何だって!?」

 

 『そんなに驚くことではないはずよ、あなたはさっきの気配探知でここにいる子達は皆キル姫であることを知ったでしょう?』

 

暁「ああ、だが違和感がある君は…いや、君達は他のキル姫よりも神性が強い気がする。」

 

 『中々察しがいいななら、本題に入らせてもらう。マスターには後7人のキル姫と契約してもらう』

 

暁「後7人だって!?なんでそんなに。」

 

 『私達には時間がないのよマスターちゃん、だからお願い!』

 

暁「君達が切羽詰まっているのは会話していて理解した。7人のキル姫と契約何とかしてみるよ。」

 

 『話が早くて助かります。マスターの意識が戻るとき私達のことは忘れてしまうでしょう』

 

暁「そうか、せめて最後に君達のことを教えてくれ個々のことは無理でもせめて…」

 

 『私達はエンシェントキラーズ(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)それだけ教えておこう。』

 

この言葉と同時に現実へ意識が戻るのであった。

 

 

 『【紅い月】が昇る前に…』ぼそっ

 

 

最後に何か言ったみたいだけど俺はそれを聞き取れてはいなかった。

 

 

異世界の12時過ぎ頃

 

暁「んっ、ここは?」

 

 

それと同時に奥の方から足音と少女の声が聞こえた。

 

 

???「やっと目が覚めたみたいね、気分はどうかしら?」

 

  暁「あなたは誰ですか?」

 

???「起きて早々ずいぶんな挨拶ね。せっかく助けてあげたのに」

 

  暁「勝手に助けたのはそちらではないですか?」

 

???「何よこいつ!!」

 

???「まぁまぁ、落ち着けクレア。」

 

クレア「何よカミト?あんたはこいつの肩を持つ気なの!?」

 

カミト「違う、素性の知れない輩に助けられたら誰だって警戒するって話だ。」

 

 

赤髪の怒っている少女の方はクレア、黒髪で背の高い青年はカミトというらしい。

上体を起こそうとしたら体の至る所から痛みが走った

 

 

  暁「ぐっ!!」

 

カミト「あんまり無理すんな。」

 

  暁「これぐらいなら大丈夫です。」

 

カミト「ならせめて、自己紹介をさせてくれ」

 

  暁「?なぜそこで自己紹介なんですか??」

 

カミト「君は素性の知れない俺達を信用していないだろ、だから自己紹介で少しは信用してもらえるとこちらとしても助かるんだが……」

 

 

俺は少し考えてから、情報が必要だと思い相手の考えに乗ることにした。

 

 

  暁「分かりました。」

 

カミト「ならまず俺からだな。俺はカゼハヤ・カミトこの世界で唯一の男の精霊使いだ。こいつは俺の精霊で剣精霊のエストだ」

 

 

今なんて?唯一の男の精霊使いって言ったか?いや、聞き間違いか

 

 

エスト「エストです、よろしくおねがいします。」

 

  暁「ああ、こちらこそよろしくお願いします。」

 

カミト「ほらクレア次はお前の番だぞ。」

 

クレア「どうして私がこんな奴に名前を教えなくちゃならないのよ」

 

カミト「クレア……、お前なぁ~……」(呆れ)

 

クレア「なっ、何よ?」

 

 

カミトはクレアのいつもどうりの態度を見て少し呆れていた。

 

 

カミト「悪いな。こいついつもこんな感じで人見知りしてるんだ。でも悪い奴ではないんだ分かってくれ。」

 

クレア「ちょっ、勝手なこと言わないで頂戴。わかったわよ、クレア・ルージュよ。よろしく」

 

カミト「本当は他にも仲間がいるんだが今は別件があっていないんだ。機会があったらまた紹介するよ」

 

  暁「では自分達の番ですね。」

 

クレア「【達】って、あなた一人しかいないじゃない。」

 

  暁「?、……ッ!?」

 

 

辺りを見渡した。そして今になってようやく築いた、

いつも近くにいたはずのティルフィングがいないことに。

ティルフィングだけではない雷とドラグノフもいない。

ティルフィングの気配はする、魔力回路はまだつながっている。だが姿はない

 

 

暁「なあ!!俺を助けたとき他に誰もいなかったのか!!」

 

カミト「落ち着けって、俺達が助けたときは君とそこに立てかけてある剣だけだったよ。」

 

 

俺はその剣を見た。そこには(つるぎ)状態のティルフィングがいた。意識を失ったせいで人型から剣状態になってしまったんだろう、今までほとんど人型の姿を見てきていたから剣状態だとは思はなかった。

とにかく無事とはいいがたいがあってよかったと思った。

だが雷とドラグノフがいないのはやっぱり気がかりだった。

 

 

  暁「すみません、取り乱しました。剣を一緒に運んでくれて感謝します、後2人仲間がいたんですがはぐれたようですね。」

 

カミト「そうか」

 

  暁「話がそれました、自己紹介でしたね自分は(あかつき) (りょう)って言います。」

 

クレア「珍しい名前ね。」

 

  暁「そうですか?」

 

 

カミトが一つの疑問を俺に聞いてきた。

 

 

カミト「あの剣は精霊なのか?」

 

  暁「どうしてそう思うんですか?」

 

カミト「いやそんな疑問がふと頭によぎったもんだからつい……」

 

クレア「あれが精霊なわけ無いじゃない、だって男の精霊使いって伝説に出てくる魔王スライマンとあんたぐらいじゃない」

 

カミト「そうだけど、ちょっと気になってな」

 

  暁「えっ、今なんて?男の精霊使いがカミトさんしかいないって!?」

 

カミト「俺はちょっと特殊ではあるがな。」

 

クレア「何がちょっとよ、普通精霊と契約できるのは姫巫女だけなのよ。それをあんたは……」

 

  暁「ここは何処ですか?」

 

クレア「何言ってるのよ、ここはアレイシア精霊学院の女子寮よ。」

 

 

この言葉を聞いて俺は自分がいた世界とは違うことを自覚する。

あの時に発動した転送魔法によって別の世界に来たというわけだ。俺はカミト達に自分のいた世界について話した当然【異族】についてもだ、が全く分からないとのことだった。そんなものは聞いたことがないと

 

 

  暁「そんな、ハハッ……マジかよ」

 

カミト「お、おい大丈夫か?」

 

  暁「正直言って大丈夫じゃないですね。」

 

クレア「信じられないけど、正直話を聞いた限りでは信じるしかないようね」

 

カミト「暁はこれからどうするつもりなんだ?」

 

  暁「それこそ分かんない、ですよカミトさん」

 

 

数分間の沈黙がその場に流れた。

最初に口を開けたのは意外な人物だった。

 

 

ティル「ではマスター、彼らに協力をお願いしてみては?」

 

  暁「!!ティルフィング!?」

 

 

いきなり剣から声が聞こえたためその場の全員が驚いた。

剣が光に包まれると同時に人の姿になっていった。

そして光が消えるとそこには人型のティルフィングがいた。

 

 

  暁「もういいのか?」

 

ティル「はい、心配をかけましたマスター」

 

カミト「君は!?」

 

ティル「私はティルフィングと申します。」

 

クレア「あなたはエストと同じ剣精霊なの?」

 

エスト「いいえ、違いますクレア。」

 

クレア「エスト!」

 

エスト「私は契約者の精霊魔装(エレメンタルヴァッフェ)となり神威(カムイ)を消費しながら戦いますが彼女の場合武器にならなくても人の状態のまま戦えます。そこが彼女と私の違いです。」

 

カミト「そうなのか?ティルフィングさん」

 

ティル「ええ、エストさんの言ったことは間違っていません。」

 

  暁「それはそうとティルフィングさっき言ったのはどういうことだ?」

 

ティル「さっきとは?」

 

  暁「カミトさん達に協力を申し出たら?という案だ」

 

ティル「ああ、そうでした。マスターはすでにどうするか決めているのでしょう?」

 

 

ティルフィングのその言葉と表情で変な返しをしても無駄だと悟った。

 

 

───ティルフィングに隠し事は出来ないかもな……

 

 

そんなことを思いながら俺は口を開いた。

 

 

  暁「カミトさん「これからどうするか」って聞きましたよね?」

 

カミト「ああ」

 

  暁「俺はとにかく後2人の仲間を探します。

    後のことは見つかってから考えます。」

 

 

そういってこれから何とかしようとした矢先…、

 

 

ドゴォォォォォォォン

 

 

大きな爆発音がした。

俺達は急いで外に出て爆発のした方向にむかうのだった。

 

 




暁「ついに異世界転送ですか。」

大城「ええ、ここまで結構頑張って書いているんですよ。」

雷「当たり前って言葉を作者には贈ろう」

大城「解せぬ」

暁「書くって決めたんならちゃんと書けよ」

大城「ういっす」

雷「それでは次回も……」

ティル・ドラグノフ「「よろしく(お願いします。)(頼むぞ!)」」


感想がございましたら書いていただけると嬉しいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第5話 異世界 ー後編ー

大城「連続投稿です。」

暁「こんな短い間隔で投稿して大丈夫なのか?」

大城「正直大丈夫ではないですよ」

雷「じゃあなんで出すんだよ」

大城「前半と後編なんでそっちの方がいいかなと、
   今回の後編は雷サイドとなっていますね。」

暁「これは書かなくなる落ちが見えたな」

大城「ありえそうなんで言わないでください。
   投稿の方は頑張っていくつもりです。」

雷「当たり前だって言ってんだろ」

大城「はい。ここで注意事項です。」


※ 読み難い所が多々あると思いますが心を盛大に広くして読んでいただけると
  嬉しいです。相変わらずの下手編集です。


暁「それでは本編……」

???・???・???『第5話を楽しく読んでください。』

大城「皆さん出てきたんですね。」


光に包まれたと思ったら気付けば見たことのない場所にいた。

辺りを見回してもドラグノフ以外いなかった。

 

 

    雷「イタタ、(あいつ)が前衛で戦ってくれたおかげと防御魔法でダメージを防いではいたけどやっぱり結構のダメージが入ってるな。」

 

ドラグノフ「雷、無事そうで何よりだ。」

 

    雷「この状態を見てもそれが言えると?」

 

 

やはり雷も体のあちこちに傷ができていた。それはドラグノフも同じなのだが、

 

────まぁ、あの数の異族を相手して生きているだけましか。

 

そう思う雷であった。

 

 

    雷「とにかくここが何処なのかがわからない以上むやみやたらに動いてもしょうがないか」

 

ドラグノフ「そうだな、だが早めに暁たちを見つけて合流したいところだな」

 

    雷「目標は暁達を見つけて合流すること、そのついでにここが何処なのかの情報収集かな」

 

ドラグノフ「うむ、それでいいだろう。」

 

 

目標を決め、それを行動に移そうと歩き出したとき、

 

 「何よこいつら!!」

 

少女と思わしき声が聞こえた。

 

 

    雷「何だ?」

 

ドラグノフ「わからんが、行ってみよう雷。少しは何か情報が掴めるかもしれん」

 

    雷「確かに、行こうか」

 

 

雷とドラグノフは悲鳴のした方へと向かっていった。

 

 

  ???「ちょっと、しつこいわよ。こうなったら、お願いゲオルギウス」

 

 

少女が名前を叫ぶと光とともに姿を現した。

大きい図体に白い鎧を纏い、右手には大剣・左手には大楯を持っていた。見たまんま騎士である。

ゲオルギウスと呼ばれた騎士は(あるじ)を守るかのように襲い掛かってくる【何か】と対峙していた。

 

 

その頃、雷とドラグノフは到着はしているものの少女と騎士が戦っている【何か】を姿を見て呆気に取られていた。その【何か】とは自分達には見覚えのある姿だったからだ。

白い仮面をつけた彼らを見てきた雷とドラグノフが間違えるはずがない。

奴ら【異族】だ。しかもかなりの数だ、でもあの時ほどではないと思った。

 

 

ドラグノフ「雷!!あいつらは!?」

 

    雷「分かってる!!あれを使って異族(あいつら)をかたずけるぞ!!」

 

ドラグノフ「本当にいいのか?」

 

    雷「もちろん、異族(あいつら)を野放しにする方が危険だ」

 

ドラグノフ「了解した。」

 

    雷「ドラグノフ、魔銃モード!!」

 

 

雷がそう叫ぶとドラグノフの体が白く光、人型から本来の姿であるライフルへと形を変えた。

いつもならドラグノフは人型のまま戦うがそれでは火力が乏しい。

彼女達銃姫やキル姫は、契約者からじかに魔力を貰うことで武器(本来の姿)になり、それ相応の力を発揮する。そして契約者の意思でさらに火力や射程距離を伸ばしたりできる。

だがこれをすることで契約者には相応の負荷がかかる。それに消費する魔力量もけた違いだ一般の魔法使いや精霊使いが彼女らを使えばものの数秒と持たない。

それを暁と雷は使いこなしている

 

 

  雷「そこの少女思いっきり横に飛んでください!!」

 

???「何?」

 

  雷「早く!!」

 

???「…っ!!ゲオルギウスお願い。」

 

 

少女と騎士がいいタイミングで射線上からずれてくれた。

異族はきれいにまとまっている。

 

 

  雷「これで!! サンダーバースト!!」

 

 

それと同時に引き金を引いた。

そして雷を纏った魔力の弾は魔力砲となって異族を呑み込んでいった。

そこに異族の姿はなかった。完全に消し飛んだ

 

 

  雷「すみません、急に大声で叫んでしまって怪我はありませんでしたか?」

 

???「ええ、助けてもらってありがとう。正直危なかったもの」

 

  雷「そうは見えませんでしたが」

 

???「戦闘が終わった後にあいつらに追われてたから、神威がギリギリだったのよ。」

 

  雷「そうでしたか、そういえば自己紹介がまだでしたね。自分は(いかづち) 智也(ともや)と言います。そして、彼女はドラグノフ」

 

???「彼女?」

 

 

そう疑問を浮かべたとき雷の手に持っていた銃が光、人の形を成した。いつもの姿になった

 

 

ドラグノフ「初めまして、紹介に上がったドラグノフだ。」

 

  ???「!!驚いたわ、あなた男の精霊使いなの?それにあんな武器見たこともないわ」

 

    雷「いえ、私は精霊使いではありませんよ。」

 

  ???「でも彼女は精霊じゃないの?」

 

    雷「彼女は銃姫です。精霊とは異なる存在ですね」

 

  ???「そう、銃姫って言うの……あっ、こちらの自己紹介を忘れていたわね。」

 

  ???「私はオルデシア帝国第二王女、フィアナ・レイ・オルデシアよ」

 

 

────オルデシア帝国なんて聞いた事が無い、やっぱりここは俺の居た世界ではないということか。

 

 

  ???「フィアナ…ッ!?貴様何者だ!!」

 

  ???「ようやく追いつきましたわよフィアナさん…ッ!?そこのあなたすぐにフィアナさんから離れなさい、さもなくば、私のフェンリルが黙ってませんわよ。」

 

    雷「マジかよ……」

 

 フィアナ「2人ともまって、彼は私を守ってくれたのだから落ち着いて。」

 

 

フィアナは後から来た2人に先までの経緯を話した。

 

 

  ???「そうだったのか、早まってしまって済まない雷 智也。」

 

  ???「(わたくし)の方もてっきりあの仮面の連中の仲間かと思いましたわ。申し訳ございません」

 

    雷「いえ、分かってもらえればそれで構いませんので」

 

 

どうやら2人はフィアナの説得によって自分達の勘違いだと気付き、謝罪してきた。

 

 

  エリス「そういってもらえて助かる。それはそうと自己紹介しよう、私はエリス・ファーレンガルトアレイシア精霊学院でシルフィードをやっている。よろしく」

 

リンスレット「次は(わたくし)ですわね、私はリンスレット・ローレンフロストですわ。ローレンフロスト家の長女ですわ。」

 

  エリス「君はどうしてこんな所にいたんだ?」

 

 フィアナ「そういえばそうね、私達は依頼で此処に来ていたけど雷君はどうしてこんな所に?」

 

 

雷は少し考えた。この3人に自分達の今の状況を説明して信じてもらえるか?

もし信じてもらえなかったらこの3人と戦闘をしなければならないのか?

考えた結果真実を告げることにした。

 

 

    雷「信じてもらえないかもしれませんが、自分達の今の状況を説明します……」

 

 

それから雷は自分達がどうしてここにいるのか、奴ら【異族】と銃姫ついて話をした。

そして友人の暁とそのパートナーのティルフィングについても

正直信じてもらえるかは、信じてもらえるが4割、信じてもらえないが6割だと思っていた。

 

 

  エリス「にわかには信じがたいが、フィアナが見た君の力といいそこの彼女ドラグノフといったか、彼女の力や姿を見れば信じるしかないな」

 

リンスレット「そうですわね、それで話に出てきた暁とは一緒ではないんですの?」

 

    雷「転送魔法を受けたときにどうやら離れて転送されたみたいです。」

  

ドラグノフ「すまないがそちらが今から町に行くのであればそこまでで構わない、同行させてもらえないだろうか?」

 

  エリス「私は構わないが」

 

リンスレット「(わたくし)も構いませんわ」

 

 フィアナ「当然私も構わないわ」

 

ドラグノフ「ありがとう、助かる。」

 

    雷「ありがとうございます。」

 

 

こうして雷とドラグノフはエリス、リンスレット、フィアナの3人とともに町に向かうのであった。

町に向かう途中で質問をしたりされたりした。この時フィアナの雷に対しての質問が結構あった。

そうこうしているうちに町の近くまでやって来ていた。

 

 

    雷「ここまで同行させていただき、本当にありがとうございました。」

 

ドラグノフ「私達だけでは正直迷っていただろうからな。本当に助かった」

 

  エリス「本当にここまででいいのか?」

 

    雷「えぇ、でもどうして?」

 

  エリス「こういう時に頼りになる男を私達は知っていてな。」

 

リンスレット「そうですわね」

 

 フィアナ「そうね」

 

  エリス「そういうわけで、君をその男に合わせようとさっき話していたんだよ。」

 

    雷「そうだったんですか、でも……」

 

ドラグノフ「ここは言葉に甘えたらどうだ。情報が欲しい状態の私達だ、信頼できる者たちなら尚更会っておいた方がいいと私は思うがな」

 

    雷「ぐっ!!確かに……そういうことですのでもう少しお願いします。」

 

  エリス「では……」

 

 

ドゴォォォォォォォン

 

 

街から大きな爆発音が聞こえた。

 

 

  エリス「何だ!?」

 

    雷「急ぎましょう!!」

 

 

そして雷とドラグノフ、エリス、リンスレット、フィアナは爆発した所へと急いで向かうのだった。

 

 




大城「ここまで書いてもう既に自分の読んでいる方の執筆力の凄さがよくわかりますね。」

雷「そんな感想を出すのはもっと書いてからにしろ」

大城「はい。それより新キャラの3名前書きで出てきましたね。」

エリス「いいではないか、どのみち本編で出るんだから」

大城「まぁね、その辺の細かいことは気にしませんから」

リンスレット「そこは気にしましょうよ。」

フィアナ「この作者には無理な話ね。」

大城「そう言う事ですね。諦めてください」

ドラグノフ「と言うわけで、次回予告をしようか」

大城「そうですね。後は皆さんにお任せします。」


雷・ドラグノフ「「次回第6話……」」

エリス・リンスレット・フィオナ「「「この世界の精霊使い達と雷合流」」」


感想がありましたら書いていただけると嬉しいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第6話 この世界の精霊使い達と雷合流

大城「第6話の投稿です。」

カミト「作者、お前ちょっと前に短期間投稿は無茶だって言ったし言われたよな?」

大城「ええ、そうですね。」

クレア「こんな作者で本当に大丈夫なのかしら」

大城「今回は投稿について話しておこうかと思い出てきてます。」

カミト「そうか、一様これからどうするか決めたのか!!」

大城「はい、と言うわけで投稿はこれから週一にしようと思います。」

クレア「それはそれでどうなのよ」

大城「正直、今までが馬鹿みたいに調子乗って投稿していたんですよね」

カミト「自覚があってこれとは、(たち)が悪いな」

大城「まぁそういうことなのでこれからもよろしくお願いします。
   本編前の注意事項です。」


※ 相変わらずのへたくそ編集によっての読み難さ。


大城「これが大丈夫な方だけ……」

カミト・クレア「「本編をどうぞ」」


あの爆発音は結構大きかった。

暁は少し痛む傷を抱えながらカミト達と爆発音がした方向へと向かっていた。

現場に着くといろんな建物が崩れていた。そして子供の泣き声や気を失っているであろう大人などの姿が目に入る。

 

 

 ティル「これは…」

 

  暁 「爆発音からしては規模がデカすぎやしないか」

 

 カミト「どうやら爆発だけじゃないようだ」

 

 暁・ティル「「ッ!!」」

 

 

黒煙より黒い大型の【何か】が姿を現した。

その【何か】は空を飛んでいた。大きな口が特徴で、しかも胴体と(おぼ)しき数か所から黒煙とは別の煙を出していた。

 

 

  暁 「アイツは何だ?気配は精霊に近いが……」

 

 ティル「どう見ても普通の精霊とは違いますよマスター。」

 

  暁 「分かっているよ。」

 

 カミト「アイツは魔精霊か!?」

 

 クレア「嘘でしょ!?」

 

 

カミトとクレアは【何か】を見ると【魔精霊】と言い、驚いていた。

どうやら魔精霊はこちらに気付いたらしい。

追求しようかと思ったがむこうはやる気満々で咆哮とともに襲ってきた。

 

 

 魔精霊「グオォォォォォ!!」

 

 

 ティル「マスター来ます!!」

 

  暁 「迎え撃つぞティルフィング!!」

 

 ティル「はい」

 

 

俺とティルフィングは魔法で生成・強化された剣を手にした。

突進してくる魔精霊をお互い左右に飛んで回避した。

魔精霊が突っ込んだ地面には大きな穴が開いていた。

 

 

  暁 「おいおい、なんて破壊力だよ。」

 

 クレア「カミト、考えるのは後。今はアイツを倒すことに専念しなさい」

 

 カミト「すまない、確かにそうだ。エスト、行くぞ!!」

 

 エスト「私はカミトの剣、あなたが望むままに」

 

 カミト「冷徹なる鋼の女王、魔を滅する聖剣よ、鋼の剣となりて我が手に力を!!」

 

 クレア「行くわよ、スカーレット!!」

 

 

2人の戦闘態勢が整ったようだ。

エストと名乗っていた少女はカミトの詠唱とともに剣の姿となった。

そしてクレアの手には炎とともに鞭が現れていた。

 

 

  暁 「戦闘の準備ができたようですね。」

 

 カミト「ああ、遅くなった。」

 

  暁 「かと言ってむやみやたらに戦うわけにはいきませんね。」

 

 魔精霊「グオォォォ」

 

 

魔精霊は動きを止めてこちらの出方を(うかが)っているようだ。

このまま街中で戦えば逃げ遅れている人達に被害が及ぶ。

どうしたものかと考えているとまた魔精霊が突進してきた。

避けようとしたがその時傷が痛んだ。そのせいで避けられない。

 

────防ぐしかないか!

 

  暁 「ドリームオーラ!!」

 

 

左手を前にかざしその叫び声とともに俺を覆うように半円状のバリアが形成された。

 

 

 ティル「マスター!!」

 

 カミト「暁!!」

 

 クレア「暁 令!!」

 

  暁 「何とか生きてます。(そろそろ反撃したいんだが、)」

 

 

辺りを見渡すとまだ逃げ遅れた人達がいる。

でも最初に比べたら数は減っている。

泣いている子供はまだその場で泣いていた。

 

 

  暁 「ティルフィング、泣いている子供と残っている人達を

     できるだけ素早く避難させてくれ。

     アイツの注意は今はこっちを向いているが

     いつ変わるかはわからんからな」

 

 ティル「分かりました。マスター無茶だけはしないでくださいね。」

 

 カミト「クレア、ティルフィングの援護に回ってくれないか?」

 

 クレア「そんなこと言われなくても分かっているわよ。」

 

 

4人は行動に移った。暁とカミトは魔精霊に少しずつだが反撃をしていく。

そしてティルフィングとクレアは共に逃げ遅れた人達を逃がしていく。

泣いていた子供はクレアに連れられ親の元に行きそのまま親と一緒に逃げていった。

これにて避難は終了した。少しずつだが暁とカミトは反撃していたはずだが、魔精霊は効いていないかのように暁とカミトの方を向いている。

これではジリ貧だ。そんな時だった……

 

 

(マガ)ツ風よ!!』『凍て付く氷河よ穿て魔氷の矢弾(フリージング・アロー)!!』

 

 

どこからかそんな声が聞こえた。そして暴風と無数の氷の矢が魔精霊に命中した。

 

 

  暁 「何だ!?」

 

 カミト「この攻撃は、エリスとリンスレットの攻撃じゃないか。」

 

 

攻撃の飛んできた方を向くと3人の少女が風に乗って飛んで来た。

攻撃を受けた魔精霊が攻撃を仕掛けてきた。意識をそちらに戻した

彼女達が誰かは分からないが、カミトも彼女達もお互いを知っているようだった。

だから少しでも時間を稼ぐつもりでティルフィングと共に魔精霊と対峙した。

 

 

  エリス 「カミト、遅くなってすまない。」

 

  カミト 「3人ともどうして?」

 

リンスレット「依頼が終わって街に戻ってきたのですわ。」

 

 フィアナ 「まあそれと同時に街で爆発があったから様子を見に来たのよ。

       まさか魔精霊が暴れているなんてね。」

 

  エリス 「カミト、ここからは私達4人も加勢させてもらうぞ。」

 

  カミト 「ああ助かるよ。それよりも4人って?」

 

  クレア 「カミト不思議に思うのは分かるけどそういう話は後にしてくれないかしら?

       あの2人が今必死で時間稼ぎをしてくれているのよ」

 

 

エリス達の話に割って入るかのようにクレアが話した。

この間にも俺とティルフィングは魔精霊の注意を引きつけていた。

正直傷が痛んでいるせいで(かわ)すので精一杯だったりする。

だが少しでもダメージをと思い隙を見ては攻撃をしていく。

魔精霊の攻撃を躱しカミト達の傍に着地した。

 

 

  暁 「皆さん、用事は済みましたか?」

 

 カミト「時間を稼いでくれてありがとう暁。」

 

  暁 「いえ、どういたしまして。」

 

 ティル「マスター、そろそろ限界ではないのですか?」

 

  暁 「何の、まだまだ。」

 

 

暁は微量ながら自然治癒力を魔法で強化してはいたが無理して戦っていた。

ティルフィングはどうやらそれに気づいていたようだ。

そしてそんな姿を建物の上から見ていた雷とドラグノフ

雷はいつもの友人の姿を見て無事だったという安堵と無茶をしてまで戦うなよという呆れ混じりの溜め息を出をしていた。

 

 

   雷 「とにかく俺の役目は魔弾での援護射撃だな。」

 

ドラグノフ「この世界の敵に我々の攻撃は効くのだろうか?」

 

   雷 「効くかどうかはともかく、(あいつ)が無茶してんだ俺もやらなきゃなんねぇだろ」

 

ドラグノフ「それもそうだな、では雷いつもどうりでいいのだな?」

 

   雷 「いや、今回ドラグノフはおやすみだ。」

 

 

そう言いながら雷は魔法でライフル1丁と特殊魔弾が入ったマガジンを何個か作った。

雷はドラグノフと援護射撃のしやすい位置に動いた。

 

 

  カミト「(俺の神威(カムイ)もそろそろ限界か。)ここで一気に片を付けるぞ!!」

 

 

その場の全員がうなずいた。

これが異世界から来た者達とチーム・スカーレットとの初めての協力戦闘となった。

魔精霊は大きな雄たけびと共に一番最初に飛び出したカミトに向かって突進していった。

 

 

  カミト「飛び出したはいいが、こいつ予想以上に速い!!」

 

 

魔精霊の突進を喰らう前にどこからともなく銃声がし、それと同時に魔精霊の突進のスピードが落ちた。

 

   暁 (【あいつ】ちゃっかり狙撃しよったな)

 

突進のスピードが落ちたことでカミトは躱した後そのまま剣で魔精霊を斬った。

すると魔精霊は苦しそうな雄たけびを上げた

この時、魔精霊の動きが止まったのだ。その隙を逃すまいと一斉に攻撃を仕掛ける。

 

 

  クレア 「くらいなさい。炎王の息吹(ヘルブレイズ)!!」

 

リンスレット「もう一度お見舞いして差し上げますわ。魔氷の矢弾(フリージング・アロー)!!」

 

  エリス 「これで、(マガ)ツ風よ!!」

 

  カミト 「絶剣技、二ノ型<流星>!!」

 

 暁・ティル「「剣技、(エックス)ブレイド!!」」

 

 

魔精霊はすべての攻撃を直撃し、動かなくなった(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)

 

 

   雷 「これで終わったと思うか?」

 

ドラグノフ「まだだろうな。」

 

 

雷はそのままスコープを覗いていつでも魔精霊に攻撃ができるようにしていた。

 

 

一方でカミト達はこちらも消滅していない魔精霊を見て警戒していた。

だが1人だけは違った。いや、警戒していないわけではないがただ自分じゃなくても別の誰かが良い所を持っていくことを確信しているかのようなそんな感じだ。

 

────後はあいつが何とかするじゃろ

 

   暁 「警戒しているところ申し訳ないんですけど、この中で治癒魔法に特化されている方はいますか?少しだけでもいいので傷を癒してもらえないかと」

 

 フィアナ「それなら私がやるわね」

 

   暁 「すみません、助かります。」

 

 

そして全員の予想は的中した。

魔精霊は急に動き出したかと思うと、治癒魔法をかけていたフィアナに突撃していった。

警戒はしていたがカミト達の反応が遅れた。

 

 

  カミト「ッ!フィアナ!!(間に合わない!?)」

 

 フィアナ「えっ…!!」

 

   雷 「銃技!ホークアイドライブ!!」

 

 

上からの3つの特殊弾が魔精霊の胴体を貫通し暁達の目の前で魔精霊は消滅した。

これでようやくの勝利である。

 




暁「離れた話を作って3話目で合流ですか」

大城「書き終わってからそれぞれのサイドで新しい力を
   手に入れさせればよかったと後悔しました。」

雷「そもそもお前じゃ限界があるじゃろ」

暁「俺怪我してるのに旅させるとか鬼かよ」

大城「結局後の祭りなんですけどね」

フィアナ「作者、そろそろ次回予告の時間よ。」

大城「おっと、そんなタイミングでしたか、後はよろしくお願いします。」


暁・雷「「次回第7話……」」

フィアナ・クレア・ティルフィング『グレイワース・シェルマイス』

感想がございましたら書いていただけると嬉しいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7話 グレイワース・シェルマイス

大城「皆さん、作者です。」

雷「お前は何を言っている?」

暁「なんだかんだで7話まで書けてるんだな。」

大城「書いてると意外にネタが出てきたりするんですよね。」

エリス「この調子で頑張るんだな。もしサボるようなら、
    サーモンマリネにしてくれる!!」

大城「頑張ることは肝に銘じておきます。
   ここで注意事項です。」

※ 書き方を変えております。

エリス「注意事項が大丈夫だと言ってくれる諸君は……」

暁・雷『楽しんでください』




魔精霊を倒してから数分後、建物の陰からカミトとクレア以外は見覚えのある姿が現れた。

 

 

雷「しぶとく生きてたか暁。」

 

暁「当たり前だろ。というかそっちもな、後ナイスショット。」

 

ドラグノフ「ティルフィング無事で何よりだ」

 

ティル「ドラグノフさんも。」

 

 

暁と雷、ドラグノフとティルフィングはお互いの無事を確認し、

お互いのこれまでの経緯を話し合っていた。

そこに数十名の少女達が駆け付けた。カミト達の知り合いのようだ。

街の爆発と魔精霊の出現に慌てて出てきてようだ。

 

 

少女A「隊長、ご無事ですか!?」

 

エリス「お前達来てくれたのか、だが問題はもう既に解決した。」

 

少女B「そのようですね、それより彼らは?」

 

 

駆け付けた彼女達はその発言とともに一斉に会話している暁達を見た。

少女達は暁達を見ているがその目は疑っている目だった。

エリスはそれに気づき少女達に暁達の説明をした。一部を除いて。

エリス達が会話しているのに気付いた雷が近づいって行った。

 

 

雷「どうやらいろいろ面倒を掛けたみたいですね。(かさ)(がさ)ねすみません」

 

エリス「いやこちらこそ、力を貸してもらったのだこれぐらいはするさ。」

 

エリス「それより君は仲間に会えたようだな」

 

雷「ええ、彼が友人の暁です。そして傍にいるのがアイツ()のパートナーのティルフィングです。」

 

雷「おーい暁ー、それとティルフィングーちょっと来てくれー。」

 

 

雷に呼ばれた暁とティルフィングは何事かと思いながら暁は治療してくれた少女にお礼を言ってから雷の方に向かった。

 

 

暁「何だよ雷?」

 

ティル「そちらの方は?」

 

雷「さっき経緯を説明しただろ、ここの街まで案内してもらった3人のうちの1人のエリスさんだ。」

 

エリス「エリス・ファーレンガルトだ。君が(あかつき) (りょう)だな。(いかづち) 智也(ともや)から話は聞いているよ。なかなか無茶をするそうだな。」

 

暁「どうも。てか雷テメェどんな紹介の仕方をしてんだ。」

 

雷「元居た世界のお前のありのままを紹介しただけだが?」

 

エリス「話しているところすまないが、彼女達の紹介もしよう。

    彼女達は私が所属しているシルフィードの仲間達だ。」

 

 

エリスの紹介が終わるとシルフィードの少女達は魔精霊の討伐に尽力してくれた暁・雷・ティルフィング・ドラグノフの4名に今回の疑いの目を向けたことを謝ると同時に感謝を述べてきた。

暁と雷は、(まぁ知らない奴がいればそうなるよな。)と思いつつ謝罪の件は仕方がないとして流した。

 

 

エリス「お前達、少々すまないがここは任せても構わないだろうか?」

 

シルフィード隊員A「大丈夫です。後のことはお任せ下さい。」

 

 

シルフィードの少女達は街の状態を直すべく行動に出た。

 

 

エリス「君達、この後時間は空いているか?」

 

暁「ええ、時間なら全然大丈夫ですよ。」

 

エリス「一度全員でまとまって話をと思っているのだが……」

 

雷「自分は構いません。今は少しでも情報が欲しいですから」

 

暁「右に同じですね。」

 

エリス「そうか、ではカミト達にもこの件を伝えてくる。」

 

 

そう言うとエリスは(きびす)を返してカミト・クレア・リンスレット・フィアナ・エストのいる元へ走っていった。エリスが暁達に話した事をカミト達にも話すと全員その方がいいと判断した。

 

 

現在異世界での時間で午後の2時頃、あの後暁達はカミト達と行動を共にし落ち着いて話の出来る場所ということで、ちょっとしたカフェに来た。席に座ると同時にカミト達は各々(おのおの)の飲み物を注文するとカミトは今回は(おご)るからということで暁達4人に飲み物を注文してくれた。

注文が届くとカミトが口を開いた。

 

 

カミト「聞きたい事はお互い沢山あるだろうがまずは自己紹介のやり直しからで」

 

フィアナ「そうね、それでいいと思うわ。」

 

エリス「異議なしだ。」

 

リンスレット「構いませんわ。」

 

クレア「ええ、分かったわ。」

 

暁「それで問題ありません。」

 

雷「こちらも。」

 

ティル「分かりました。」

 

ドラグノフ「うむ、承知した。」

 

 

満場一致で自己紹介のやり直しをした。一通りの自己紹介が終わると暁達は自分達がどうして此処にいるのかなど、一からカミト達に話した。向こうからしたら突拍子もない話なので流石にピンと来ていなかったが、正直こちらも何が何だかわからない状況である。

 

 

クレア「正直、半信半疑ね。」

 

エリス「ああ、だが彼等が嘘をつくメリットが何処にもない。」

 

リンスレット「それに、暁さん達は(わたくし)達の知らない力を持っていらっしゃいますわ。」

 

フィアナ「他に何か確証の出来る何かは無いの?なんでもいいわ。」

 

 

暁は顔を横に振る。「何もない。」ただその一言だけ。

だが1人だけあからさまに印象が違った。カミトだ。

 

 

カミト「俺は信じるぜ。」

 

 

カミトが放ったその一言で場の空気が変わった。

暁達はびっくりし、クレア達4人の少女達は驚きはしていたものの、

その言葉が出るのが分かっていたかのように溜め息を出していた。

 

 

雷「カミトさんどうして?」

 

カミト「だってさ、お前達は街を助けてくれたし雷に関しては2回もフィアナを…、仲間を助けてくれた。」

 

カミト「俺はそれだけで信じる理由になっていると思うんだが」

 

クレア「はあ、カミトあんたねぇ~。」

 

リンスレット「カミトさんらしいですわ。」

 

エリス「そうだな。」

 

フィアナ「そうね。」

 

 

暁達は正直呆気に取られていた。自分達の世界では【異端者】として忌み嫌われ、誰も俺達を信じる奴がいなかったのにこっちに来たらこんなにあっさりと、本当に異世界だなと思う半分皆優しい方たちですねと思うのであった

 

 

カミト「それにこういうことに関して詳しそうな奴を俺達は知っているしな。」

 

クレア「もしかして、学院長のこと?」

 

カミト「ああ、あの人なら何かしら知っててもおかしくない。」

 

フィアナ「でもどうやって連れて行くのよ?あそこは本来男子禁制の場所なのよ。」

 

カミト「うっ!忘れてたぜ。」

 

 

そんなやり取りをしていると後ろから声がした。

 

 

???「お前達、面白そうな話をしているな私も混ぜろ。」

 

 

暁達には聞き覚えの無い声だが、カミト達からしたら聞き覚えのある声だったようだ。するとカミトが後ろの人物に話しかけた。

 

 

クレア「学院長!?」

 

エリス「なぜ学院長がこちらに!?」

 

リンスレット「うそっ!?」

 

フィアナ「なんで!?」

 

カミト「タイミングが良すぎやしないか、グレイワース?」

 

 

俺達は後ろを向いたそこには白髪の女性が立っていた。カミトはグレイワースと言っていた。それにクレアとエリスがこの女性に向かって学院長と言っていたことからカミト達が合わせようとしていた人物なのだろう。

 

 

グレイワース「いやなに、お前達が面白そうな話をしていたのでな私も混ぜてもらおうかとな。私はグレイワース・シェルマイスこいつらの通う学院の学院長をしている。」

 

カミト「聴いていたなら丁度いい、暁達のこと何かわからないか?」

 

グレイワース「知っていると言ったら?」

 

カミト「その情報を暁達に教えてあげて欲しい。」

 

グレイワース「ふむ……」

 

 

グレイワースは少し考えるため黙り込んだ。数十秒してから口を開いた。

 

 

グレイワース「いいだろう……」

 

カミト「本当か!?」

 

グレイワース「だが一つ条件がある。暁と雷と言ったか、お前達には学院に入ってもらう。」

 

 

その一言で全員が驚愕した。なぜならアレイシア精霊学院は少女達しかいなかった学院だからだ。今は特例として認められているカミトはいるが、彼一人だけだそんなところに2人の男子が入ることになる。しかも異世界から来た男子だ。いろんな意味でダメだろと思う暁と雷だがもしかしたら元の世界に帰れる方法を得られるかもしれないとも思う2人。そんな中カミトが問う。

 

 

カミト「2人ともどうする?」

 

雷「暁、どうする?」

 

暁「おいおい、俺も悩んでんだ。聞くのは野暮ですぜ…」

 

雷「だよな、でも……」

 

暁「ああ、決まってることだったかもな」

 

 

暁・雷「「情報が欲しい、だからその条件…乗った!!」」

 

 

それを聞いたグレイワースは鼻で笑うとともに踵を返して行ってしまった。

グレイワースがいなくなった後、暁と雷は(やっちまったーーーーー!!)と思いながらカミト達の方を向いた。

カミトはすまないといい、クレア達4人の少女達はやっぱりという顔をしていた。

 

 

 




大城「これ書く前からお金の事書こうとしたんだけど、
   書くタイミングが無くなってました。」

リンスレット「そこをちゃんとするのが作者の技量というものではなくて?」

クレア「そうね、作者なんだからもっとしっかりしなさい。」

大城「しんd……」

クレア「消し炭にするわよ?」(にこっ)

大城「頑張らせていただきます。」

大城「では御二方、後はよろしくお願いします。」

リンスレット・クレア『次回第8話 アレイシア精霊学院』


感想がございましたら書いていただけると幸いです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第8話 アレイシア精霊学院

大城「皆様お待たせしました。第8話です。」

クレア「案外頑張ってる方なんじゃない?」

大城「そう言ってもらえると嬉しいですね。」

クレア「だからって調子に乗らないのよ。」

大城「分かってます。燃やされたくないので。
   ここで注意事項です。」


※ 初心者編集、読み難い所が存在するかも。


大城「以上が大丈夫な人、気にしないという方は」

大城・クレア『本編をどうぞ』




暁と雷はティルフィングとドラグノフに勝手に決めてしまったことを謝ったがティルフィングもドラグノフもマスター達が決めたことならと了承してくれた。そんな中カミトがこれからのことを暁達に(たず)ねてくる。

 

 

カミト「暁と雷、学院に入った後どうするつもりなんだ?」

 

 

暁達4人は顔を合わせる。そして暁がカミトの問いに答える

 

 

暁「情報が欲しい、だから学院に入る。そう決めたのは自分達ですが本当のところは話を聞いてみないことには行動がとれないと思っています。なので、まずは先の人から話を聞いてから考えるつもりです。」

 

クレア「まあ、それもそうよね。」

 

エリス「ああ、だがまさか女の園と言われたアレイシア精霊学院に男子が3人か」

 

 

エリスの顔が少し曇った。確かに事前に話を聞いていた分、軽率だったかなと暁と雷は思いエリス達に謝罪する。

 

 

暁「すみません、異例な事だということなのに軽率すぎましたね。」

 

クレア「エリス」

 

 

クレアがエリスの名を呼ぶと、エリスはこちらの様子を見て「あっ!」と急いで首を横に振った。

 

 

エリス「別に君達を責めるつもりはないんだ。だがそう聞こえてしまったのなら謝罪する。すまない」

 

 

そう言ってエリスは暁達に頭を下げた。

 

 

暁「エリスさん!?、頭を上げてください!!」

 

雷「そうですよ!!、事前に話を聞いてカミトさんは特例として認められていることを知っているのに、それなのに勝手に決めて、あの人の条件に乗ったのは自分達なんですから。」

 

エリス「しかしそれでは……」

 

 

これでは一方通行だと思ったクレアが暁と雷とエリスの会話に割って入る。

 

 

クレア「はあ、エリスそこまでにしておきなさい。これじゃあ終わらないわ。それよりもしなければいけないことがたくさんあるわ。」

 

リンスレット「そうですわね、暁さん達が学院に入るからには学院のルールなどを教える必要性がありますわ。」

 

フィアナ「それなら一度学院に向かうのはどうかしら?私とリンスレットとエリスは依頼の報告がまだだしね。」

 

エリス「私としたことが、そのことをすっかり忘れていた。」

 

リンスレット「仕方がないですわよ。戻ってきたらいきなり街が爆発したんですから。」

 

 

なんだかんだで暁達はアレイシア精霊学院に向かった。

アレイシア精霊学院に入ると所々(ところどころ)でここの生徒だと思わしき少女達に会う。

会うだけならいいのだが、やはりと言っていいのだろうかひそひそ声が聞こえてくる。

今はカミトがいるがその前は超の付くほどのお嬢様学校だったとカミトからは聞いている。

そんなところに、見知らぬ男子がいればやはりこうなるのは当然かそう思う暁と雷だった。

 

 

クレア「学院に来たのはいいけどまずどこから説明しましょうか。」

 

カミト「考えてたんじゃないのかよ……」(呆れ)

 

クレア「うるさいわね、仕方ないじゃない。」

 

エリス「私達は学院長に依頼の報告に行こうと思っている。」

 

フィアナ「だから此処で一旦お別れね。」

 

雷「その依頼報告について行っても構いませんか?」

 

 

雷がいきなりそんなことを言ったためにエリス達はびっくりしている。

 

 

エリス「別に構わないがどうして?」

 

ドラグノフ「そうだ雷、いきなりどうしたのだ?」

 

暁「自分からもお願いします。」

 

ティルフィング「マスターもですか?」

 

暁「ティルフィングも聞いただろ雷とドラグノフの経緯を、どうやってここまで来たのかそしてその間に見てきたもの」

 

ティルフィング「まさか!!」

 

暁「俺と雷の予想が正しければの話だがな。」

 

カミト「いいんじゃないか?どのみちグレイワースの元には行かなければいけないし、特にどこから回るとかもきまっていなかったわけだし。」

 

クレア「悪かったわね、計画なしで。」

 

エリス「分かった、案内しよう。」

 

 

というわけで暁達はカミト達と一緒に先程のグレイワースの元へ向かった。

扉の前で一度立ち止まってエリスが扉を3回ノックし名前を言った。

 

────コンコンコン

 

エリス「失礼します。エリス・ファーレンガルトです。調査依頼の報告に来ました。」

 

すると扉の向こうから声が聞こえた。

 

 

グレイワース「入れ。」

 

エリス「失礼します。」

 

 

そういいながらエリスは扉を開け、そのまま中に入るそれと一緒に暁達やカミト達も部屋に入っていく。

 

 

グレイワース「全員揃って報告か。暁と雷には関係ないのにいる理由は?」

 

暁「今回のエリスさん達の依頼内容が気になりましてね無理行って同行させてもらいました。」

 

グレイワース「そしてついでに情報を貰うつもりでもあるのだろう?」

 

雷「ええ、でも今回に関してはそれは二の次ですね。予想が正しければですが…」

 

グレイワース「まあいいだろう。それで報告を受けよう。」

 

 

そしてエリスはリンスレットとフィアナと一緒に行った調査依頼の結果をグレイワースに伝えた。

暁と雷、ティルフィング、ドラグノフはエリスの報告を聞いて少しだが驚きが隠せない。

暁と雷は予想が当たった。エリス達の調査依頼は暁達の知る【異族】についてだった。

 

 

グレイワース「そうか、あまりいい報告ではないな。」

 

エリス「すみません。お力になれず、」

 

グレイワース「いや、気にするな。それで、この報告を聞いてお前達はどう思う?暁と雷」

 

暁「自分達の予想通りの依頼内容ですよ。」

 

雷「本当に。正直驚いてますよ。」

 

ティルフィング「マスターこれは!?」

 

ドラグノフ「雷これからの目的が決まったのではないか?」

 

雷「ああ、そうだな。」

 

グレイワース「できればお前達が知っている事を教えてくれると助かるんだが……」

 

ティルフィング「どうされますかマスター?」

 

暁「カミト達には恩があるし、できるだけ協力してもらえる状況をとれる方がいいだろうな。」

 

ティルフィング「じゃあ話すんですね?」

 

 

その問いに俺は首を縦に振った。その後雷に目配せをして雷もそっちの方はいいだろうとのことだったので、カミト達に、【異族】について話した。

 

 

グレイワース「では異族と呼ばれる奴らは君達の居た世界から来たかもしれないと……」

 

暁「多分」

 

クレア「多分ってどういう事よ!?」

 

雷「転送されたとき、異族とは距離がありました。一緒に転送されたとは考えにくいんです。」

 

カミト「なら考えれることは…」

 

グレイワース「ああ、調査報告に上がった異族達はこちらの世界で出現した、と考えるべきだろうな。」

 

グレイワース「暁と雷、情報提供は感謝するが…お前達を元の世界に戻す方法だが……」

 

暁「分からないんですよね?」

 

 

暁のその一言で場の空気が変わった。暁とグレイワース以外は皆「えっ!?」という顔をしていた。

 

 

グレイワース「気づいていたのか。」

 

暁「いえ」

 

グレイワース「ではなぜそう思った?」

 

暁「ただの勘です。ですが今さっきのあなたの発言で確信しました。」

 

グレイワース「ふん、これはしてやられたな。」

 

ティルフィング「それでは…」

 

雷「俺達に帰るすべはないのか」

 

ドラグノフ「・・・・・・。」

 

暁「そうでもないさ。」

 

雷「何だって!?」

 

ティルフィング「他に方法があるんですか!?」

 

暁「確信は持てないけどな。」

 

ドラグノフ「一体その方法とは?」

 

 

暁はその方法を口にした。雷達からしたらその方法は無茶に等しいものだった。いや、無茶ではなく不可能に近いことなのかもしれない。その方法とは、この世界に出現する異族を消滅させることだった。

 

 

雷「おいおい、そんなこと不可能だろ。奴らは意味もなく無造作に出現するんだぞ!!」

 

暁「分かってるよそんなこと。」

 

雷「分かってる奴の言うことじゃねぇだろ今のは!?」

 

ティルフィング「ですが、マスターは出来ると思っているんですね?」

 

暁「ああ、エンシェントキラーズの復活、だがそれをするにも準備が必要だ。」

 

暁「俺は後7人程のキル姫と契約しなければいけない。」

 

ティルフィング「私はマスター()の剣です。何処までもお供します。」

 

暁「ありがとう。ティルフィング」

 

雷「だあー、悩んでもしゃあねぇ。それに援護射撃は必須だろうし俺とお前の仲だ、最後まで付き合うよ。」

 

ドラグノフ「雷が付いて行くのなら私はそれに従うまでだ。」

 

暁「2人もありがとう。」

 

グレイワース「お前達の行動方針はだいたい今の会話で理解した。暁の力を付けるということだな。」

 

 

グレイワースは不敵な笑みを浮かべた。それと同時に一枚の調査依頼書を出してきた。

依頼内容は幽霊少女の原因究明というものだった。グレイワースの話によると異族が出現するとその少女が現れ、異族が全部いなくなったと思ったらその少女もいなくなっていたというものだった。

そして何人かの目撃者の中にはその少女が小言で「マスター」と言うのを聞いたものもいるとか。

だが、これを受けるにはこの学院の生徒でなければならないようだ。

 

 

グレイワース「どうだ?」

 

暁「完全に狙っていましたね?」

 

グレイワース「さあな。」

 

暁「受けます。」

 

グレイワース「そうだな、カミトお前がついて行ってやれ。」

 

グレイワース「ついでに一時的ではあるが暁と雷のチームメイトになってやれ。」

 

カミト「俺一人がか?」

 

グレイワース「何か不満か?」

 

カミト「いや、何もない。」

 

グレイワース「では決まりだな。」

 

 

するとフィアナが「私も行きます。」そう言いだした。すると残りの3人も「付いて行く」と言い出しグレイワースは呆れながらもこうなることが分かっていたかのように承諾(しょうだく)した。

 

 

カミト「これからよろしくな。暁」

 

暁「よろしくお願いします。」

 

カミト「一時的とはいえチームメイトになったんだ、その敬語できればやめてくれないか?というかできればこれからも」

 

暁「分かったよ、カミトが言うなら雷達みたいなしゃべり方にするよ。」

 

カミト「助かる、聞いててむずがゆかったんだよな」

 

 

そんな会話をしながら暁達はカミト達と依頼のあった場所まで向かうのであった。

 

 

 




大城「自分の作品って進みが遅いのでしょうか?」

カミト「急にどうしたんだ?」

大城「書いてて思ったんですよ、『話が進んでんのかこれ?』とね」

フィアナ「そういうことは私達には分からないわよ」

大城「ですよねぇー」

大城「まぁ、大丈夫だということを祈りながら続けていきます。」

カミト・フィアナ『作者、ファイト』

大城「では、次回予告御二方にお任せしますね。」


カミト・フィアナ『次回、第9話 異世界で初めての1日経過』


フィアナ「もうちょっとましな題名は思いつかなかったのかしら……」

大城「申し訳ない、私の思考能力ではこれが精一杯でした。」




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第9話 異世界で初めての1日

大城「お待たせ致しました。第9話です」

大城「今回の前書きのゲストは雷とドラグノフです。」

雷「何か久々な気がするんだが…」

ドラグノフ「それは私の言葉なんだが」

大城「キャラが多いから仕方がないよね」

ドラグノフ「そういえば大城」

大城「はい、何でしょうか?」

ドラグノフ「次で投稿話数二桁行くみたいだな?」

大城「ええ、ここまで長かったように感じますね」

雷「書き始めてそんなに日が経ってもいないのにその言葉はどうかと思うけど?」

大城「気にするな!!」

雷「なんでやねん!!」

ドラグノフ「漫才をするんじゃない。」

大城・雷『はい。』

大城「茶番はここまでで、注意事項です。」


    ※ 誤字・脱字、読み難い所の存在


大城「これらが大丈夫な方は…」

雷・ドラグノフ『楽しんでください。』





暁達が出発して2時間程経った。アレイシア精霊学院の案内をするつもりが依頼を受けたため、魔精霊との勝負での疲れは当たり前のように全然とれていなくバテバテだった。

 

 

暁「しまった!!休憩という名の睡眠を忘れていた」

 

ティルフィング「確かに勢いのまま出てきましたからね。」

 

雷「しっかり者のはずの俺まで忘れていたとは。」

 

ドラグノフ「お前は何を言っている?」

 

 

空はほとんど日が落ちてしまっている状態だ。

するとカミトが一つ提案をしてきた。

 

 

カミト「なあ暁、日が完全に落ちきる前に野営の準備をしないか?」

 

暁「でも、野営セットなんて俺達無いぜ?」

 

クレア「それなら私達が持ってきたわよ。」(呆れ)

 

 

クレアはやっぱりと言わんばかりに呆れながら言った。

こればっかりは皆さんに感謝しなければと思う反面、「お金が無いからどうしようもないよね。」とも思っていた。

 

 

エリス「君達は準備もなしに遠いとこまで行くなんて半分無謀だぞ。」

 

リンスレット「そうですわ、遠い所に行くのでしたらまずは準備をしっかりしなければ。」

 

 

正論を受け続ける暁と雷は、ぐぅの根もでずお説教を受けていた。

まあまあとカミトが抑えようとしたがその後「カミトさんもですわ。」と飛び火した。カミト、マジでスマン。暁は心の中でそう思うのであった。暁・雷・カミトの3人がお説教を受けているとき、残りのメンツは野営の準備をしていた。

 

それから十数分後暁達はリンスレットとエリスのお説教から解放された。

いや、マジでしんどかった。戦闘してる時よりしんどかったかも、なぜなら正論過ぎて精神崩壊しかけたからさ。

まあ、自業自得なんだけどね。

そんなことより準備の方だけどほぼ終わっていた。

 

 

暁「早くないですか?」

 

クレア「十数分あったらこれぐらいできるわよ。」

 

雷「マジかよ…。」

 

フィアナ「ただ慣れているだけよ。遠くに行くことはそこそこあったから」

 

暁「なるほど」

 

クレア「納得してないで、男共は何にもしてないんだから料理ぐらいしなさい。材料は一応あるから」

 

 

そう言って材料を出すとちょこちょこ缶詰が見えるのは気のせいだろうかと思いたかった。確実にある。料理の出来てるものがあるんだが…まあ、うん、材料か…。これそのままじゃいけんとですか?

暁のそんな思いを誰か汲み取ってあげてください。

 

 

雷「暁、ボーッとしとらんと手伝えや。」

 

暁「おう、すまねえ。で、何作んの?」

 

カミト「まあ、定番のカレーでいいんじゃないか?」

 

暁「了解」

 

雷「んじゃ、作り始めますか。」

 

 

そんなこんなで数十分後、カレーができ、全員揃っていろいろと楽しくしゃべりながら食べた。そして、就寝のときに男女分かれる際にフィアナは雷に「雷くん、少し用があるの。」そう言って雷を呼び止めた。

 

 

雷「フィアナさん、何の用ですか?」

 

フィアナ「フィアナでいいわ。あまり名前で敬語を使われるのは慣れていないの。それに、喋り方も暁くんやカミトくんと喋っている時の感じでいいわ。」

 

雷「フィアナがそういうなら。で、何の用?」

 

 

雷が2度目の問いかけをした。そして雷にはフィアナの顔が少し赤くなっているように見えた。

実際のところはフィアナの顔は少し赤くなっていた。だが雷は気のせいかと思った。

 

 

フィアナ「あの…雷くん、異族と魔精霊から助けてくれてありがとう。」

 

雷「ああ、そのことか。フィアナに怪我がなくてよかったよ。それだけか?」

 

フィアナ「それだけなの、じゃあおやすみなさい。」

 

雷「おやすみ。」

 

 

フィアナは雷に背を向け女子側のテントに入っていた。

雷もそれを見送るなり男子側のテントに入っていった。

そして、何事もなく夜が更けていくのだった。

 

 

────異世界での朝5時頃────

 

それぞれのテントで一番最初に目を覚ましたのは暁とティルフィングだった。なぜならこの時間は2人の朝稽古の時間。暁は眠気覚ましもかねての朝稽古だったのだが、元居た世界で偶然ティルフィングに見つかり一戦することになった。それから、それが習慣となった。

テントから少し離れた位置で魔法で剣を作り、ティルフィングに一本渡す。

 

 

ティルフィング「それではマスター、今日もお願いします。」

 

暁「うん~よっと、ふぅ~、伸びをして少しは眠気とれたかな?」

 

ティルフィング「そんなんじゃ怪我しますよ。」

 

暁「やってるうちに目も覚めるだろうから大丈夫さ。今までと変わらんさ」

 

 

そんな会話をしながらお互いに30メートル程距離をとって向かい合わせになり剣を構える。

そして、太陽が少し顔を出したのと同時に暁とティルフィングは地面を思いっきり蹴り、お互いに突っ込んでいった。何度も鍔迫り合いになっては後ろに飛び、また字面を蹴って突っ込んでいく。

 

 

────異世界での朝7時頃────

 

カミト「ああ、よく寝た。」

 

クレア「あら、カミトじゃないおはよう。」

 

カミト「クレアか。おはよう珍しく早いじゃないか。」

 

クレア「誰が寝坊助(ねぼすけ)よ!?」

 

エリス「カミト、クレア、おはよう。」

 

クレア「おはよう」

 

カミト「おはよう、エリス」

 

エリス「なあクレア、ティルフィングを見なかったか?」

 

クレア「そういえば居なかったわね。どこ行ったのかしら?」

 

カミト「そういえば暁もいなかったな。」

 

 

すると遠くから音と声が聞こえてくる。

キン!!、カン!!、キンキン!!、カン!!、「甘いです。」、「何の。」

両方聞き覚えのある声だ。というわけで3人はそっちに向かった。

向かった先には暁とティルフィングが戦っていた。

3人は急に2人が戦っているのを見て、焦って割って入った。

 

 

クレア「あなた達何してるのよ!?」

 

カミト「2人とも落ち着け!!」

 

エリス「武器を置くんだ!!」

 

暁「のわっ!!」

 

ティルフィング「クレアさんにカミトさんにエリスさん、御三方がどうして此処に?」

 

クレア「どうしてって?戦う音が聞こえたから」

 

暁「もしかして、争いごとかと思って止めに来た?」

 

カミト「そうだけど?」

 

 

暁とティルフィングは笑った。笑われた3人は訳も分からずにいた。

 

 

エリス「暁、どういうわけか説明しろ!!」

 

暁「そうですね、説明します。これは元居た世界で習慣づいていた朝練ですよ。」

 

クレア「えっ!?じゃあ2人は争っていたんじゃなく……」

 

カミト「ただ朝練してただけ?」

 

ティルフィング「ええ、そうですね」

 

 

3人はとんだ勘違いをしていたようだ。そして、暁から「全員起きてるだろうからここまでだね」とティルフィングに告げ、5人でテントのあった位置まで戻るのであった。到着すると残りのメンバーやっぱり起きていた。

朝飯を作り、食べた後テントなどを片付けて目的地の村まで再び足を運ぶのであった。

 

 

────異世界での朝10時頃────

 

暁達はやっと目的の街に到着した。暁は皆に「ちょっくら話を聞いてくる。」そう言いながら街に入っていった。

それから数分後に戻ってきて、聞いた話をするのであった。

 

 

暁「どうやらこの町から少し行ったところに森があって、その森の奥に例の幽霊の少女が出るらしい。」

 

雷「行くしかないが、少し休むべきだな。あれから一時間半は歩いてる。」

 

暁「だな、すぐに行きたいが俺の我が儘に付き合ってもらってる上にさらにってのはさすがにな。」

 

 

というわけで、町に入って各々(おのおの)のやることを済ませるのであった。

 

────もう少しで新たなキル姫と出会う。それなりの覚悟をしないとな。

 

 

ーーーー異世界での昼1時頃ーーーー

 

各々飯や町の見回りをしていま全員揃った。

 

ドラグノフ「暁、新たなキル姫に会いに行くのだな。」

 

暁「ああ、ちなみに今回の依頼どうやらキル姫だけじゃないらしい。」

 

ドラグノフ「それは本当か!?」

 

暁「あれからもう少し聞いてみたらどうやらそうらしい。まあ、行ってみてからのお楽しみってやつだな。」

 

雷「なら早く行こうぜ。なんか知らんが、誰かに呼ばれてるような気がしてんだ。」

 

 

暁は驚いた後すぐに頷き、キル姫と謎の少女がいるであろう森に向かうのであった。

 

 

 

 




暁「いやぁー、休憩忘れて遠出しちまうとは」

雷「勢いってヤバいな」

クレア「あんた達馬鹿でしょ?」

暁・雷『そんなこと言われたら照れます。』

クレア「全く褒めてないわよ!?照れる要素が何処にあったの!?」

ティルフィング「あはは…」

フィアナ「それよりも2人とも意外にも料理できたのね。」

暁「やるときゃやるんですよ自分」

ティルフィング「マスターの料理案外うまいんですよ?」

フィアナ「へぇ、今度作ってもらいましょうか」

雷「そういや作者さんや?」

大城「いきなり登場、何でしょうか?」

雷「お前って料理できんの?」

大城「・・・・・・・・・・・デキマスヨ」

雷「お前・・・、まじか。」

大城「生活に支障が出ないからできなくてもモーマンタイ。」

フィアナ「そういう問題じゃないと思うけど・・・」


大城「次回!! ようやく二桁、『第10話 2人の新たな契約姫』お楽しみに!」


 ※ 大城退場 ※


全員『逃げた』

感想がございましたら書いていただけると嬉しいです。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第10話 2人の新たな契約姫

大城「ようやく話数で二桁です。」

大城「今回のゲストはフィアナさんとリンスレットさんです。」

フィアナ「作者、皆、よろしくね。」

リンスレット「よろしくお願いしますわ。」

フィアナ「作者、話数二桁よく頑張ったわね。」

リンスレット「素直に褒めて差し上げますわ。」

大城「御二方ありがとうございます。」

大城「ですが、ここで浮ついていてもしょうがないので!!」

リンスレット・フィアナ『おお!!』

大城「これからも何とか頑張っていきたいなぁと」

フィアナ「断言じゃなくて気持ちなのね。」(呆れ)

リンスレット「結局、いつもどうりですのね。」(呆れ)

大城「御二方が呆れている中での注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在


大城「これらが大丈夫な方は・・・」

リンスレット・フィアナ『楽しんで読んでください。』





森の奥に進む暁達、今のところは何かがあるわけでもないのだが雷が時々声が聞こえてくる。そう言って先頭を歩いていた。見てわかる通り雷にしか聞こえない声を頼りに森を進んでいる。声が途絶える時は大抵一本道になっているところばかりだった。

 

 

暁「完全に道案内されてるなこれ」

 

ティルフィング「そうですね。でも、これでは智也さんの契約姫としか出会えないのでは?」

 

暁「そうかもしれないが今は声に従うしかないじゃろ。」

 

ドラグノフ「多分これは……」

 

暁「多分じゃなく絶対に銃姫だろうな。」

 

ドラグノフ「なぜ絶対なのだ?」

 

暁「俺が一度体験してるからな。」

 

 

そう言って俺は腰につけていた一本の剣をドラグノフに見せた。

その剣は未だに契約ができていないあの時の剣だった。

 

 

ドラグノフ「この剣は?」

 

ティルフィング「この剣ってもしかしてあの時出会った剣ですか?」

 

暁「そう、さっきも言ったけど俺も体験してるんだよね。そしてこの剣と出会った。」

 

ドラグノフ「自分が体験済み。とういわけか」

 

暁「そういうこった。」

 

 

会話が終わると同時に雷が立ち止まった。

その先に目をやると洞窟が大きな口を開けて存在する。

雷が洞窟の奥に目を集中させていると急に洞窟の最深部だろうか。でも最深部には相応しくないくらい明るい所に1人の少女が結界の中で眠っている様子が入ってきた。突然の出来事で雷は少し後ろに後退してしまった。

 

 

カミト「どうした雷?」

 

雷「いや、ちょっとね。暁、ここに銃姫がいる。」

 

暁「姿を見たんだな?」

 

雷「ああ。」

 

クレア「姿を見た、ってどういう事よ?!ここにはどう見ても私達しかいないじゃない。」

 

カミト「暁、説明を頼む。」

 

暁「分かった。俺と雷はそれぞれの契約姫と接触する際に(たま)にだが契約姫の方からどちらかの契約者の意識だけを自分の近くまで持っていくことがあってその時にこれから出会う契約姫の姿を見れたり感じたりできるんだ。」

 

カミト「そんなことが…」

 

暁「でもこれって正直ランダムだと思うんだよなぁ~。」

 

リンスレット「どういうことですの?」

 

暁「発生した時必ず意識が引っ張られるとは限らないんだよ。何度もあったわけじゃないからどうこう言えないけど」

 

 

そういいながら俺はカミト達に一本の剣を見せた。

ドラグノフにも見せた未だに契約ができていない剣だ。

 

 

カミト「この剣は?」

 

エスト「カミト、この剣はティルフィングと同じ感じがします。」

 

カミト「エストそれは本当か?」

 

エスト「はい。」

 

暁「察しがいいな。確かにこいつはキル姫なんだ。」

 

エリス「だがどう見ても剣ではないか。」

 

ティルフィング「私達契約姫は契約者と契約するか、特殊な結界が張られている場所もしくは祭壇のある場所でないと人型になれないんです。」

 

暁「まあその辺の細かいことは帰りながらでも話すよ。で、話を戻すがこいつの見つけ方って声と意識ではなく、声と魔力なんだよ。」

 

リンスレット「声と魔力とは?」

 

暁「声は雷よりはっきり聞こえてたんだけど魔力の方なんだが、こいつに近づくほど魔力を持っていかれたんだよ。今はちょっとした結界張って抑えてるけどね。」

 

カミト「色々話してくれてありがとうな。」

 

暁「別にいいよ。」

 

雷「そろそろよろしいですかな?」

 

暁「悪い、長話になっちまったな。」

 

雷「じゃあ行くか。」

 

 

そして暁達は雷を先頭にして洞窟に入っていった。当然洞窟の中は真っ暗で何も見えない。

暁、雷、クレアの3人が明かりをともした。これで足元の確認はできる。

そうして暁達は数十分ほど歩いている。

ただただ一直線に。

 

 

フィアナ「真っ暗で前が見えないのは分かるけど何か変ね。」

 

クレア「フィアナも気づいたみたいね。私達今まで一度も曲がったりしてないわ。」

 

リンスレット「正直疲れましたわ。」

 

雷「大丈夫。もうすぐ着く。」

 

 

後ろのフィアナとクレア、リンスレットの3人のやり取りが聞こえた雷はそう返す。そしていきなり目の前が明るくなった。

皆一斉に急な明かりで目を瞑った。目を開けると洞窟に似つかわしくないほど明るい場所にいた。

目の前にはとてつもなく大きな扉がそこにはあった。

 

 

ドラグノフ「雷、ここがお前が見たという銃姫のいる部屋の前か?」

 

雷「ああ、間違えない。」

 

 

そして雷は何の躊躇いもなく扉に手のひらをあてると扉は誰が来たのか分かるかのように開きだした。一瞬全員警戒したが扉の中の状況を見て警戒を解いた。

1人の少女が結界の中で丸くなって眠っている。

全員で扉の中に入り、少し辺りを見回したが壁があるだけで特に何かがあるわけではない。

雷とドラグノフは真っ直ぐに眠っている少女の元へ歩いた。

 

 

雷「ドラグノフ、結界を解くよ。」

 

ドラグノフ「ああ」

 

 

雷は眠っている少女を覆っている結界に触れた。

すると結界がはじけ飛んだ。眠っている少女はゆっくりと目を覚ましながら地に足をつけた。少女は雷に気付くと挨拶をした。

 

 

ノリンコ(仮名)「やっと出会えたね、指揮官。ノリンコZ75式だ封印を解いてくれて感謝する。」

 

雷「いや、別に感謝されるようなことはしてないさ。」

 

ノリンコ(仮名)「そんなことはないさ、私達銃姫の封印は世界から必要のない存在として扱われているようなものだからな。私達の封印を解くということは指揮官は私達を必要としてくれているとそう思っているのだが?」

 

雷「まあ確かにそうなんだけどな。後その指揮官って呼び方違和感があるから雷って呼んでもらえると嬉しんだが……」

 

ノリンコ(仮名)「そうか、では雷とそう呼ばせてもらおう。ちなみにこちらな呼び方は指揮k……雷が決めてくれてもいいんだよ。」

 

雷「じゃあノリンコの間の【リン】ってのはどうだ?」

 

リン「ふむ、【リン】か…、いいな気に入った。雷、これからリンと呼んでくれ。」

 

雷「分かった。リン。んで、契約を結びたいんだが」

 

リン「まあ待て、雷達の目的は私以外にもあるはずだろう。というかそっちの方が本命じゃなかな?」

 

 

全員『─────ッ!!』

 

 

その場の全員が驚いた。一切情報を出していないのになぜ他に目的があるのを知っているのか?

その疑問を解消するのに数秒と掛からなかった。暁達から見て右側の壁の一ヵ所が無くなった。

隠し通路のようだそれを確認するとそれと同時に何かがゆっくりとだがこちらに近づいて来る。

俺とティルフィングはすぐに分かった。この気配は間違いなくキル姫の気配だと。隠し通路から少し怯えた表情の少女が出てきた。

 

 

リン「雷達の本当の目的は彼女を仲間にすること違うかい?」

 

暁「ああ、そうだ。」

 

リン「なるほど、君が彼女……ロンギヌスの指揮官というわけだね。」

 

暁「君はロンギヌスというのかい?」

 

ロンギヌス「はい、ノリンコさんとマスターの言うとおり私はロンギヌスといいます。キル姫です。」

 

暁(やはりか。)

 

ロンギヌス「あの~、できればこのまま帰ってもらっても?」

 

暁「えっ?」

 

ロンギヌス「私自身力があるとは思えなくて、戦うのはただ居場所が欲しいだけで、あなたはそんな私の願いを叶えられますか?もしダメだと言うなら契約はしません。」

 

 

少し沈黙してから俺はロンギヌスに答えた

 

 

暁「ロンギヌス、それは俺には出来ないことだよ。」

 

ロンギヌス「では契約は……」

 

暁「というかここにいる誰もが願うだけでは叶わないと思うよ。」

 

ロンギヌス「どういうことですか?」

 

暁「居場所ってのは願うだけじゃできないんだよ。居場所が欲しいなら行動しないと」

 

ロンギヌス「【行動】、それだけですか?」

 

暁「なんかこう、もっとあるんだろうけどめんどくさいからパス。」

 

ロンギヌス「ええ…。」

 

 

暁が投げたと同時に雷、クレア、リンスレット、エリス、フィアナから「最初だけ良いこと言っときながら投げるな!!」とツッコミを入れられ、そこから少女陣営の軽いお説教タイムである。

 

 

ティルフィング「ロンギヌスさん」

 

ロンギヌス「何でしょうか?」

 

ティルフィング「あなたにはもう居場所があるように私には見えますが?」

 

ロンギヌス「どうして?」

 

ティルフィング「だってロンギヌスさん楽しそうだもの。」

 

 

そんな言葉を聞いて初めて自分の口角が上がっていることに気がつく。

 

 

ロンギヌス「私は…そんな……」

 

リン「ロンギヌスもうおしまいだ。本当は早く契約したいんだろ?」

 

ロンギヌス「!!ノリンコさん、何を言って……」

 

リン「お前が異族との戦闘が終わった後毎回「早くマスターと契約したいなぁ」って言ってるの知ってるんだぜ。」

 

 

そのことを聞いてロンギヌスは顔を真っ赤にする。どうやら独り言を聞かれてその上自分には似合わないと分かっていた人を試すような真似をしていたことがばれて恥ずかしくなったようだ。

 

 

ロンギヌス「マスター、試すようなことをして申し訳ありません。」

 

暁「それに関しては謝らないでくれ。俺は何も言えなかったから」

 

ロンギヌス「それでもマスターが優しい人だということは皆さんを見ていてわかりましたから。ですから、私はマスター……暁さんと契約したいです。」

 

暁「そう言ってもらえると心が助かるよ。」

 

 

話がまとまるのと同時に雷とノリンコZ75式、暁とロンギヌスの契約の儀が始まった。

これは、お互いの魔力を流し合い何の異常もなければ魔術回路を繋げるという、極簡単なものだが魔力量が違いすぎると契約者側に一方的に流れるようになり精神崩壊や魔術回路の暴走で死に至ったりする。これは、お互いの魔術回路を繋げる時も同様のため、意外と集中力を使う。

 

ーーーー契約の儀が始まって約十分後。

 

契約の儀を終えた4人が待っている者たちの元へ歩いて行った。

 

雷「ようやく終わったぁー。」

 

暁「じゃあ、一旦町まで帰るか。」

 

ティルフィング「それがいいかと。」

 

 

そして暁達が町まで帰ろう歩き出した。

だがこの時、祭壇の様子が変だということに誰も気づかなかった。

 

 

 




ティルフィング「ロンギヌスさん、リンさんようこそ私達のチームへ」

暁「ロンギヌス、これからよろしくな。」

ロンギヌス「よ、よろしくお願いします。」

雷「リン、頼りにしてるぜ。」

リン「どんと任せなさい雷。」

カミト「おーい、作者ー。」

大城「突如登場作者です。で、何でしょうかカミトさん?」

カミト「キャラを増やすのはいいが対処しきれるのか?」

大城「何とかします。それが作者というもの」

クレア「できなかったらしょ処刑(消し炭)ね?」

大城「・・・まじですか。」

クレア「何か問題が?」

大城「イイエナニモ、ゼンショシマス。」

大城「とまぁ、そういうことなので後はお任せしますね。」

カミト・クレア『次回、第11話』

暁・ティルフィング・ロンギヌス『新しい契約姫の力』

雷・リン『お楽しみに!』




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第11話 新しい契約姫の力

大城「どうも、大城です。」

大城「今回のゲストは、前回初登場のロンギヌスさんとノリンコZ75ことリンさんです。」

リン「皆よろしくね!」

「・・・・・」

大城「あれ? ロンギヌスさんは?」

リン「ほらあそこの壁から覗いてるよ。」

大城「そのままでいいのでせめて挨拶を・・・」

ロンギヌス「|д゚) ロ、ロンギヌスです。よろしくお願いします。」ボソッ

大城「うーん、これじゃあダメな気がする。」

リン「あの子はああいう子だから仕方がないね。」

大城「今回はこれで、注意に行かせてもらいます。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在


大城「これらが大丈夫な方は」

大城・リン『楽しんで読んでください。』
ロンギヌス「|д゚) 楽しんで読んでください。」

大城「!!」





新しい契約姫のリンことノリンコZ75式とロンギヌスを連れ暁達は洞窟を抜けようとしていた。さすがに野宿で疲労はとれないな。多分皆同じだろう。暁はそう思いながらみんなのことを横目にして見回した。

 

 

暁「町に着いたら一日は宿屋に泊まってから学院に戻るってことでいいと思うかい?」

 

クレア「できればそうしてくれると嬉しいわ。」

 

フィアナ「そうね。野宿で少しは休憩したとはいえ、疲れはあまり取れてない感じだし」

 

エリス「結果的には何もなかったが、最深部に行くまで気を張りっぱなしだったからな。解いた時から疲れがどっと出てきてしまっている。」

 

雷「俺もお前の案でいいと思う。できて約三十分程度の戦いを後一戦ぐらいだ。魔力にはまだ余裕があるのに疲労だけが積もっていくのも考え物だな。」

 

 

皆一旦町に戻り町の宿屋で一日を過ごしてから出発、学院に帰るという暁の案に大賛成のようだ。そうと決まれば早く洞窟から出ようと考えている時だった。洞窟の入り口付近から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

 

『グギィィィィ』

 

 

この声は間違いなく奴ら(異 族)だ。みんなが疲弊しているなか戦闘を少しでもまともに行えるものが暁、ティルフィング、ドラグノフ、リン、ロンギヌスの5名だけだった。暁は「疲弊しているが戦えないほどしているわけではない」と言い、少し無理やりに前線に出ようとしていた。ティルフィングはそんなマスター()を心配して止めようとするが、暁は「大丈夫。」の一点張りだった。

 

 

ティルフィング「ならマスター、せめてこれだけは約束して下さい。」

 

暁「その約束ってのは何だい?」

 

ティルフィング「危なくなったら……いえ、私と二人一組でマスターが危険な状況に陥らないように戦ってください。これならマスターも合わせやすいでしょうし、私もマスターを守りやすい危機的状況を減らせると思います。」

 

暁「分かった。その約束の条件を呑もう」

 

 

暁はティルフィングが自分の事を凄く心配しているんだと気づいた。それに元居た世界でも何度も無茶を言ってティルフィングを心配させたことがあった。だから偶にはティルフィングの言う約束を聞いてもいいかなと思った。

 

洞窟を出ると異族は暁達に気付いた。暁達はすぐに攻撃に出た。形としては前衛に暁とティルフィング、真ん中にロンギヌス、後衛に関しては雷達疲弊組とそれを守る形、ついでに撃ち漏らしが出たときのカバー役でドラグノフとリンがいるという配置で戦っている。出だしは善かったのだが少しずつだが何か様子が変だと気づき始めた。

 

 

ロンギヌス「あのマスター、撃ち漏らしの数が増えてます。私もなんですが……」

 

ティルフィング「マスターこれなんか変ですよ!?」

 

暁「ああ、倒しても倒してもキリがない。それに数が増えてるように感じる」

 

ドラグノフ「これではあの時のにのまえではないか!?」

 

暁「くっ!!」

 

リン「だらしないな。ここは私とロンギヌスに少し任せてもらおう。」

 

 

そう言いながらリンは何かを探すように異族のど真ん中を打ち倒しながら進んでいく。持っている武器が両手にハンドガンのため少々危ない場面もあったがどうやら探していたモノが見つかったようだ。その場で立ち止まり、銃声に負けない大声でロンギヌスに指示を出す。

 

 

リン「ロンギヌス!!ここに一発デカいのを頼むよ。」

 

ロンギヌス「???……っ!!」

 

 

最初ロンギヌスも何を言っているのかわからなかったが何度かリンと異族を倒すために洞窟を出たことがあった。その都度異族が増えていることをリンが教えてくれてそして、その原因も教えてくれたことで解決したことがあることを思い出した。

 

 

ロンギヌス「マスター!!風魔法は使えますか?」

 

暁「ああ使える、だがいったい何をするつもりだ?」

 

ロンギヌス「異族を一網打尽にして見せます。」

 

暁「本当にできるのか?そんなことが…」

 

ロンギヌス「私を信じてくれますかマスター?」

 

暁「それは当然信じるが……。」

 

ロンギヌス「その言葉が聞けて良かったです。」

 

ロンギヌス「今から言うことをやってもらいたいんです。」

 

暁「君を信じるといった手前だ、何としてもやってやろう。時間がないからできるだけ簡潔に説明を頼む。」

 

 

そしてロンギヌスは暁に作戦を説明した。作戦はいたって単純だった。それは暁が風魔法でロンギヌスをリンのいる位置を中心としてできるだけ高く空に上げてロンギヌスの攻撃が終わるまでその高さを維持し続けるというものだった。

 

 

暁「作戦の内容は分かったすぐに始めよう。」

 

ロンギヌス「はい。」

 

 

暁は風魔法を使いロンギヌスを大空に上げた。

 

────この高さなら

 

 

ロンギヌス(マスター止めてください。この高さで十分です。)

 

暁(ああ)

 

 

暁は念のためとロンギヌスを空に上げる前に念話(テレパシー)ができるようにしていた。そのためロンギヌスが何処まで上げて欲しいのか確認が取れた。

暁とロンギヌスの準備ができた頃リンのところにティルフィングが駆け付けていた。ティルフィングはリンにマスターとロンギヌスさんの準備ができたことを伝える。

 

 

リン「わかりました。ティルフィングさん一気に元の位置まで駆け抜けますよ。合図はこちらでします。」

 

ティルフィング「わかりました。」

 

リン「では、5……、4……、3……、2……、1……、今です!!」

 

 

そこ合図とともにティルフィングとリンは異族の間を掻い潜り暁の位置まで戻ってきた。

そして、視力が上がる魔法で上空から見ていたロンギヌスはリンとティルフィングが走り出したのを合図とし、自分の持つ槍に自分の魔力を集中させていた。ティルフィングとリンがある程度離れているのを確認と同時に魔力を集中させていた槍を真下に投げ放った。投げ放たれた槍は高速で地面に突き刺さり、刺さったと同時に大きな衝撃波が発生、周囲を吹き飛ばした。異族は数体は残っているもののほとんどは消滅していた。

 

 

ティルフィング「!!これはすごいですね。あっという間に異族を倒してしまうなんて」

 

暁「ティルフィング残りの残党の処理を頼まれてくれるか?」

 

ティルフィング「はい、お任せください。」

 

ドラグノフ「私も手伝おう。」

 

ティルフィング「では、お願いします。」

 

 

そうしてティルフィングとドラグノフは残党処理に向かった。彼女達の力から残党処理に時間はそうかからなかった。ティルフィングとドラグノフが残党処理に向かった時、暁はロンギヌスをゆっくりと地面に()ろしていた。カミト達は安全が確認できたと同時に暁の元へ向かう。そしてティルフィングとドラグノフが残党狩りから戻ってきたと同時にロンギヌスも着地する。

 

 

カミト「ロンギヌス、すごいじゃないか!!」

 

クレア「あなたにあんな力があるなんてね。人見知りする割にすごいわね。」

 

 

皆がロンギヌスを称賛する。ロンギヌスは照れながら「私は別に…」と謙遜している。

暁がロンギヌスに「お疲れ様、頼りないマスターですまない」そう言った。だがロンギヌスは首を横に振った。

 

ロンギヌス「いいえマスターは頼りなくなんかないですよ。」

 

 

そう言われた俺は「どうして?」と返した。

 

 

ロンギヌス「だってマスターは私を信じてくれましたから。」

 

 

暁は驚いたのと同時に、少し嬉しかった。

 

 

雷「リン、お疲れ様。最初の戦闘なのに隣に立って戦ってやれなくてすまない。」

 

リン「いいんですよ、これから共に戦っていけるんですから。」

 

 

こちらも契約者としてふがいないと思い雷はリンに謝っていた。

そこにフィアナがやって来て観戦していた時に不思議に思ったことをリンに聞いてみた。

 

 

フィアナ「違和感を感じ始めた時どうして走り出したの?そして立ち止まった所にはいったい何があったの?」

 

リン「皆さんは気付かなかったんですか?」

 

エリス「一体何にだ?」

 

リン「立ち止まった所には歪な魔力の流れとそれが繋がっている転送の魔方陣があったんですよ?」

 

リン以外全員『何だって!?』

 

 

そのことを聞いた皆は驚きを隠せなかった。後ろにいた者達はともかく前線で戦っていたリン以外の者達が誰一人として気づかなかったモノをリンは気付いたというのだ。ロンギヌスの事と言いリンの事と言い、これはとてつもなく心強い契約姫2人を仲間にしたと思う暁達だった。

 

 

 




ティルフィング「まさかリンさんにあんな能力があるなんて」

暁「これから面白くなりそうだな。」

リン「これから面白くなるかは作者次第だがな。」

大城「・・・・・」カタカタ

雷「一応頑張って書いてるみたいだな。」

大城「ふー。」

ティルフィング「大城さんひと段落着いたんですか?」

大城「ええ。第12話もそこそこ書けましたね。」

雷「あれ? 後書きってこんな話をするところだっけ?」

大城「これが普通なんですよね 実は。」

大城「あとは皆さんにお任せします。」


暁・雷『次回第12話』

ティルフィング「依頼の追加とちょっとした女子会」


暁・雷『何か不穏な空気が漂っている気がします。』


感想がございましたらよろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第12話 依頼の追加とちょっとした女子会

大城「皆さんどうも。」

大城「今回のゲストは暁と、連続登場のロンギヌスさんです。」

暁「呼ばれた暁です。」

ロンギヌス「ど、どうも ロンギヌスです。」

大城「あれ? 前回は出t・・・ロンギヌス「それは言わないでください!!」」

ドンッ!!

大城「グフッ!!」

大城、ロンギヌスのグーパンにより撃沈

暁「大丈夫か?」

大城「い、意外と強い」ガクッ

ロンギヌス「ええっと、やりすぎちゃいました?」

暁「気にするな!!」

暁「というわけで、注意事項です。」

※ 誤字・脱字、読み難い所の存在

ロンギヌス「以上が大丈夫な皆さんは」

暁・ロンギヌス『楽しんで読んでください。』




異族を片付けた暁達は依頼のあった町に戻るのであった。

道中、特に何も無かったが疲労のせいか足取りは重く町まで10分のところを20分程度かけて戻った。町に戻ったのはいいが何やら様子がおかしいことに暁達は気付く。

 

 

ティルフィング「どうかされたのでしょうか?」

 

 

ティルフィングがふとそんなことを口にしたとき町の男性が青ざめた顔でこちらに来た。

 

 

町の男性A「おい、あんた達大丈夫だったか?」

 

暁「皆さん慌ただしくしていますが何かあったんですか?」

 

町の男性A「何かあったも何も、あんた達が出て行ってから1時間ほどした後に地揺れがあったんだ。そのあと少ししてから白い仮面をつけた奴らが急に出てきてあんた達のいる洞窟の方に行ったって話があったんだよ。」

 

暁「そうでしたか。自分達はこの通り大きく目立った傷は無いので安心してください。」

 

町の男性A「どうやらそのようだな、安心したよ。そうそう、町長があんた達が戻ってきたら3人ほど呼んでくれって言ってたんだった。」

 

暁「分かりました。ありがとうございます。」

 

 

最後に町長の伝言を伝えた男性は暁達から離れていった。

 

 

暁「これはまだ休憩ができそうにないな」

 

雷「だな。」

 

クレア「町長のところへは男3人衆に任せたわ。」

 

女性陣「異議なし(ですわ)。」

 

雷「えっ!?」

 

クレア「何か問題でも?」にこっ バシッ!!

 

雷「イイエナニモゴザイマセン……」

 

暁「うん知ってた。」

 

カミト「暁、雷さっさと終わらせに行こうぜ」

 

暁「うい~」

 

 

そんな暁の気の無い返事とともに男性陣と女性陣とで別れて行動するのであった。この時ティルフィングは「マスターは休ませた方が…」「マスターの方に私も…」と言っていたがクレア達に「あいつなら大丈夫よ」その一言で遮られていた。

 

 

~~ 男性陣 ~~

 

────コンコンコン

 

 

暁「町長さんいらっしゃいますか?暁です。」

 

 

────ガチャッ

 

 

町長「おお、お主達無事じゃったか!!」

 

暁「ええ、見てのとおりですよ。少々危ない場面もございましたが」

 

町長「そうか。このまま立ち話もなんじゃ、話の続きは椅子に座ってからじゃ」

 

 

町長は暁、雷、カミトの3人を家の中へと招き入れた。町長を含め4人が椅子に腰かけた後町長の奥さんがお茶とお菓子を出してくれた。

 

 

暁「それで町長俺達を呼んだ理由は?」

 

町長「その話なんじゃが、少しの間だけ町の警備に力を貸してほしいのじゃ。」

 

暁「別に構いませんが…どうして私達に?」

 

雷「そういうことはギルドなどの腕の立つ者達に頼むものでは?」

 

町長「ギルド?」

 

暁「ああそうか、これは失礼今のは聞かなかったことにしてください。こちらの話ですので」

 

町長「そうか、それよりも腕の立つ者達なら今ワシの前にいるではないか。」

 

カミト「俺達がそうだとでも?」

 

町長「なにせ、あの未知の敵と戦って無事に帰ってきたそれだけで十分じゃよ。」

 

暁「その話し方だと警備の件については白い仮面を付けた者達からこの町を守ってくれ、ということですか?」

 

町長「うむ。数日前までは何ともなかったんじゃがここ最近奴らが出てきての、町の者や商売人が襲われるようになったんじゃ。」

 

町長「頼む!!数日の間この町の警護に力を貸してくれんかの?」

 

 

町長は暁達3人に頭を下げた。

町長はこれ以上町の皆を危険にさらしたり、不安にさせたくないと暁達に告げた。

いつもの暁ならすぐに決断してOKを出すのだが今回は少し悩んでいた。悩んでいる理由としては今回この町に来ているのは学院に届いた調査依頼を受けたためだ。

そのため受けた依頼の報告を一度学院に戻って報告しなければいけない。

 

 

暁「一体どうしたものか…」

 

カミト「それなら二手に分かれよう。」

 

雷「なるほど、この町に(とど)まって警護をする側と学院に戻る側とで別れるわけだな。」

 

カミト「ああ、そして学院に戻る側は依頼の報告と警護の内容を伝える。」

 

暁「そういうことなら残る側に入らせてもらうよ。」

 

雷「なら俺もかな。異族の殲滅は俺達の仕事だからな。」

 

カミト「分かった。なら俺は2人達のことをグレイワースに伝えておくよ。」

 

暁「そういうことなんで俺と雷が残って警護をします。」

 

町長「そうか、ありがとう。お主達には感謝してもしきれんの」

 

暁「いえいえ、自分達が役に立てるならお安い御用ですよ。」

 

町長「少し大きめの空き家がこの近くにある、中はきれいのはずじゃからそこを休憩のスペースとして使ってくれて構わん。これがその家の鍵じゃ」

 

 

そう言って町長は暁の前に2本の鍵を差し出した。おそらく1本はスペアキーだろう。

 

 

暁「ありがとうございます。」

 

雷「それじゃあ、女性陣と合流だな。」

 

カミト「では町長さん、俺達はこれで。」

 

町長「ああ、時間をとってすまなかったのう。」

 

 

暁達は町長の家を後にし女性陣と合流するために探しに出た。

 

 

時間は小一時間ほど(さかのぼ)って、男性陣が町長の家に向かったころ

 

 

~~ 女子側 ~~

 

クレア「大抵の町長の話って長いのよね」

 

フィアナ「確かにそうね」

 

エリス「クレアはただ面倒なことを男子に(なす)り付けただけか」

 

クレア「いいじゃない、こうして女子だけになるのもいいでしょ?」

 

リンスレット「そうですわね。それについては(わたくし)異議なしですわ。」

 

リンスレット「そ・れ・に、ティルフィングさんとドラグノフさんのことを聞きたいですし。」

 

ティルフィング「(わたし)についてですか?」

 

ドラグノフ「私達のことは自己紹介をしたときに話したと思うが?」

 

リンスレット「ああいうありきたりなことではなく、ちょっとした色恋話を聞きたいのですわ。」

 

フィアナ「確かに、話を聞いたところ2人とも長いこと彼ら(暁と雷)と一緒みたいだしね。」

 

フィアナ「そういう話の1つや2つあるでしょ?」

 

クレア「折角男子がいないんだから町を周りながらにしましょ。」

 

 

女性陣はこの後数30分程町を周り、少し疲れたとのことで休憩にはもってこいの丁度いい喫茶店を見つけ、そこで休憩しようとのエリスの案で休憩することにした。

 

 

クレア「それじゃあ、本題に入りましょうか…」

 

リンスレット「ええ、そうですわね…」

 

ティルフィング「えっ!?、何ですかこの威圧!?」

 

ドラグノフ「威圧の使う場所、普通に間違っている気がするのだが……。」

 

フィアナ「気にしないの」

 

フィアナ「それでどうなの? 実際元の世界の方であの2人と何あったの?」

 

ティルフィング「何かと言われましても……特に何も」

 

クレア「長いこと一緒にいて何にもないの!?」

 

ティルフィング「ええ。」

 

リンスレット「ちなみに、ドラグノフさんはどうですの?」

 

ドラグノフ「私は雷の戦闘のパートナーとして契約している色恋沙汰など無いな。」

 

リン「でも雷達ってこっちがそういう気持ちってまず気が付かなそうよね。」

 

フィアナ「あの2人ならありえそうね。」

 

エリス「なるほど、カミトと同じタイプか」

 

クレア「これはもし彼らに惚れたら負け確定ね。」

 

リン「だってさロンギヌス。」

 

ロンギヌス「ふぇぇぇぇ!?」

 

リンスレット「あら?ロンギヌスさんはどちらかに惚れたんですの?」

 

ロンギヌス「そ、そんな滅相もないですよ。」

 

クレア「まぁ普通に考えて暁の方よね。」

 

フィアナ「でもリンよくわかったわね。」

 

リン「見てたらわかるよ。というかさっきの戦闘の時にやけにやる気出してたしね。」

 

エリス「そうなのか?」

 

リン「うん、いつもなら『私には無理ですぅ~。』とか言って隠れたり逃げ出したりするはずなのに暁と共に戦っているとき自分から戦いに出てたからね。」

 

リン「多分だけど出会った瞬間に一目惚れしたんじゃないかな?」

 

 

クレア、リンスレット、フィアナ、エリスは『へぇー』と言いながらロンギヌスに笑顔を向けていた。

ロンギヌスは恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になりそのまま俯いてしまった。

 

 

クレア「これ以上はかわいそうね」

 

フィアナ「そうね。」

 

クレア「ロンギヌスの事ばかり言っていたけどリン、あなた自身はどうなのよ?」

 

リン「雷の事かい?」

 

クレア「ええそうよ。」

 

リン「今のところはドラグノフと一緒かな。戦闘のパートナーとして隣に立つ」

 

クレア「ふーん。」

 

 

クレアがつまらなさそうに返事をすると『ようやく見つけた。』そんな声が聞こえた。男子陣がようやく女子陣を見つけて合流した。

 

 

リンスレット「噂をすれば、とやらですわね。」

 

暁「何の話だ?」

 

フィアナ「こっちの話だから気にしないで」

 

暁「さいですか。」

 

クレア「遅かったわね。それで町長の話は何だったの?」

 

 

男性陣は町長との話を女性陣にしたのだった。

 

 

 




暁「俺達がいないところで何つー話を」

雷「まあ、ありえないことではないよね。」

カミト「なんだかんだで仲がいいんだからよくないか?」

暁「まあ、そうなんですけどね。」

雷「お前よく言ってんじゃんか細かいことは気にすんなって。」

暁「それもそうか。それより大城」

大城「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン。で、何でしょう?」

カミト「何だよその登場の仕方」

大城「これ結構気に入ってまして」

暁「そんなこたぁーどうでもいいんだよ。」

大城「うそんッ!!」

暁「お前がよく女子会もどきなんか書けたな。」

大城「そんなもん想像以外のなにものでもないに決まってるじゃないですか」

暁・雷・カミト『ですよねー』

大城「当然じゃないですかヤダー」

大城「そろそろ次回予告お願いします。」


暁「次回第13話」

雷「部屋割りと依頼の準備」

カミト「お楽しみに!!」


雷「もうちょっとなんかなかったのか次回の題名」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第13話 部屋割りと依頼の準備

大城「今回のゲストは雷とフィアナさんです。」

雷「どうも、雷です。」

フィアナ「フィアナよ。よろしくね」

雷「今回は珍しい組み合わせだな。」

大城「それはフィa・・・」

ゴスッ

大城「ゴフッ!!! 2話…連続…です…か…。」

バタッ

フィアナ「貴方が余計なことを言おうとしたからよ?」

雷「では、注意事項です。」

※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在

フィアナ「これらが大丈夫な皆は」

雷・フィアナ『楽しんで読んでください。』




クレア「まーた勝手に決めて」

 

暁「今回に関しては俺達男性陣に任せるってことだったから決めただけですよ。」

 

リンスレット「兎に角、話は分かりましたわ。で、ここに残る組はどなたですの?」

 

暁「俺と雷だよ。」

 

リンスレット「ですとカミトさんは…」

 

カミト「ああ、俺は学院に戻る側になったよ。」

 

ティルフィング「異族問題となると私達が出ないわけにはいけませんね。」

 

暁「まあそういうことだ。」

 

ドラグノフ「雷、今回は夜中での警戒が主となるのに私達に出番がくるのか?」

 

雷「ぶっちゃけると一応ってことだよ。狙撃に関してはあまり出番がないと思われるね。」

 

ドラグノフ「ふむ、今回も出番が無いのか……」

 

 

最近出番がないせいかドラグノフは少し不機嫌そうだ。

 

 

フィアナ「ねぇ、警護って今日の夜からじゃないのよね?」

 

暁「と思うじゃろ、受けたからには今日からしないとね。」

 

雷「ただ何時(いつ)からやればいいか聞くの忘れただけなんだけどね。」

 

カミト「そういえばそうだな。」

 

クレア「それってダメじゃん。」

 

暁「気にするな」

 

エリス「暁は時々おおざっぱだな。」

 

ティルフィング「あはは……」

 

 

エリスの言葉にティルフィングはフォローの言葉が見つからずただ苦笑いをするしかなかった。

そんなこんなで夕方まで日が落ちていた。

 

 

エリス「だいぶ日が落ちたな。」

 

カミト「ここに長居しすぎたようだな。」

 

クレア「でも宿なんか取ってないわよ?」

 

リンスレット「また野宿ですのね。」

 

暁「それなら心配いらねぇよ。」

 

リンスレット「どういうことですの?」

 

暁「町長が町の警護をしてくれるお礼ということで空き家を貸してくれたんだ。」

 

雷「女性陣を探すついでにその空き家を見てきたけどなかなか広かったぜ。」

 

暁「ここにいる全員は暮らせるぐらいの大きさだったかな?」

 

雷「部屋が少々問題なんだがな。」

 

クレア「部屋が2つしかないとか?」

 

暁「いや、部屋は3つあるんだが……広さがあんまりない。」

 

クレア「どういう事?」

 

暁「うーん、百聞は一見に如かずってことでとりあえず日が落ちきる前にその家に行こうか。」

 

 

暁達は会計を済ませて町長から貸してもらった空き家に向かうのだった。

喫茶店から歩いて数分でその家の姿が見えた。家の位置は少々町から離れていたがそのおかげなのか広く作られているようだった。

 

 

クレア「見た目はそこそこ悪くないわね。」

 

カミト「借りた家に文句を言うなよ。」

 

リンスレット「それで問題の件というのは?」

 

暁「ちょいまち。」

 

 

そういって俺は家の扉の鍵を開け、扉を開けた。

 

────ガチャ

 

フィアナ「外から見た感じと話から聞いていた通り2階があるのね。」

 

雷「問題の部屋なんだが……、」

 

リンスレット「2階でしたわよね?」

 

雷「ええ。」

 

クレア「で、とにかく一番左の部屋の前まで来たけど?」

 

暁「じゃあ、開けるぞ。」

 

 

何故か暁がいつもよりトーンを低くしてそんなことを言った。

何故暁がそんな言い方をしたのか女性陣にはさっぱりわからなかったが、扉の向こうを見た瞬間すぐに理解した。扉をくぐって真っ直ぐにちょっと進むとシングルベッドが壁に対して直角で配置しており、その左側には小さい机が配置されている。それが両サイドに2つずつ計4つ、これだけ聞けば普通の部屋に思えるかもしれないが問題はそこではなく扉からベッドに向かうまでの通路が極端に狭いことだ。人一人歩けるぐらいの幅しかない。

 

 

クレア「ちょっと!? 何よこれ!?」

 

リンスレット「さすがに狭すぎではありませんか、これ……」

 

フィアナ「暁くんもしかしてだけど他の部屋も?」

 

暁「3部屋中の一番右の部屋だけは少し広いですが、何故かダブルベッド1つにソファ1つなんですよねぇ~。」

 

カミト「今の聞いてわかると思うが真ん中はここと同じだからな。」

 

ドラグノフ「2階に関してはただの張りぼてか。」

 

雷「よく見せようとしただけだったんだろうな。」

 

ティルフィング「マスターさすがにこれは部屋割りが大変そうですね。」

 

暁「マジでどうすっかなぁ~」

 

クレア「妥当にくじ引きでいいんじゃない?」

 

 

カミト・フィアナ・リンスレット・エリス

      『えっ!?』

 

 

カミト、フィアナ、リンスレット、エリスは驚いた。なぜなら誰よりも先に『私は一番右の部屋をいただくわ。』と言いかねない彼女が『妥当にくじ引きでいいんじゃない?』そう言ったのだ。彼女と長い付き合いであり、彼女のことをよく知っている4人からすれば相当の驚きに違いない。

 

 

カミト「クレア、風邪でもひいたんじゃないか?」

 

クレア「そんなわけ無いじゃない。」

 

 

リンスレットは片手を自分の額にもう片方の手をクレアの額に当てた。

 

 

リンスレット「熱は・・・、なさそうですわね。」

 

クレア「・・・・・・」

 

フィアナ「あなたきっと疲れ過ぎているのよ。」

 

エリス「ああ、心配だから少し下で休んでいるといい。勝手に決めたりしないから」

 

クレア「あんた達さっきから言いたい放題言ってくれたわね?にこっ

 

クレア「あんた達全員まとめて消し炭よ!!!!

 

ティルフィング「クレアさん落ち着いて、マスターも止めてください!!」

 

暁「家が燃えなけりゃ無問題(もうまんたい)。」

 

ティルフィング「えぇ!?」

 

 

この後クレアが数十分間暴れた。なぜかカミトが一番狙われていたがまぁ、家が燃えなかったから良しとするか。

クレアが暴れている間に日は完全に落ちきってしまっていて、月が見えていた。

 

 

暁「落ち着いたかいクレア?」

 

クレア「ええ、すっきりしたわ。」

 

 

この時のクレアは本当に清々しい顔をしていた。

 

 

雷「そろそろ部屋割り決めないか?」

 

カミト「クジで決めるのはいいがその肝心のクジは?」

 

ドラグノフ「お前達が暴れている間に作っておいた。」

 

暁「紙の先に1~3の番号が振られているから引いた番号が自分達の部屋ということで」

 

エリス「部屋に番号は無いがどうする?」

 

雷「そこは一番左の部屋から1番でいいんじゃね?」

 

雷以外『異議なし(ですわ)。』

 

暁「じゃあ、全員紙を選んでくれ。」

 

 

全員引く準備ができた。

 

 

カミト「せぇーので引くぞ。」

 

 

全員『せぇーの!!』

 

 

全員一斉に俺が持っているクジを引いた。

 

 

クレア「1……ね。」

 

リンスレット「私も1ですわ。」

 

エリス「私もだ。」

 

カミト「俺も1だな。」

 

フィアナ「私は2番ね。」

 

雷「おっ、フィアナも2番か。」

 

ドラグノフ「私も2番だ。」

 

リン「雷、私も2番だよ。」

 

暁「俺は3番だな。」

 

ティルフィング「マスター、私とロンギヌスも3番です。」

 

ロンギヌス「うぅ。///」

 

 

なんだかんだあったがやっと部屋が決められた。

一体部屋を決めるのにどんだけ掛かってんだよって思っちゃうよね。

 

 

暁「やっと決まったな。」

 

ティルフィング「だいぶかかりましたね。」

 

クレア「そろそろご飯にしましょうか。」

 

雷「賛成。お腹が空いてしかたがねぇ」

 

フィアナ「今回は私達が作りましょうか。」

 

リンスレット「昨晩は殿方達が作ってくださいましたし、そうですわね。」

 

エリス「では、キッチンに向かうとしようか。」

 

暁「悪いが、俺は最初に風呂入るわ。」

 

クレア「わかったわ。」

 

 

俺はそのまま風呂に向かい、入った。そして風呂から上がると料理のいい匂いがしてきた。どうやらちょうど料理ができたようだ。

 

 

雷「遅ぇぞ暁。」

 

暁「そりゃあ悪かったな。」

 

 

料理は机一杯に並べられていた。どれもおいしそうだ。でも食いすぎると眠気でこの後の警護依頼に支障が出ると思った。だからあまり食べないようにした。

 

 

暁「ごちそうさん。」

 

クレア「あれ?もういいの?」

 

暁「ああ、今は少しでも早く寝たい気分なんだ。飯はうまかったよ、ありがとう。」

 

雷「暁テメェ、それは作った奴に失礼だろ。」

 

暁「おめぇはちょっと食いすぎなんだよ。」

 

雷「飯がうますぎるのが悪い。」

 

暁「女性陣には悪いと思ってるが先に部屋で寝るよ。」

 

クレア「別に謝らなくていいわよ。おやすみ」

 

カミト「暁、おやすみ。」

 

暁「ああ、おやすみ。」

 

 

俺は自分の部屋へと戻っていった。その後、雷が俺の分も食べた。

この時ティルフィングは暁が考えていることを理解していたが目を瞑った。

晩ご飯を食い終わって皆やることをやって寝静まった。

 

 

────深夜の2時頃

 

暁「さて、そろそろかな?」

 

 

小声でそう言いながら俺は静かに家の扉を開け外に出た。そこにはドラグノフが待っていた。

 

 

ドラグノフ「今回は出番が無いと思っていたのだがな。」

 

暁「雷は?」

 

ドラグノフ「ぐっすり眠っているよ。」

 

暁「まぁ、あんだけ食ってりゃあそうだろうな。」

 

ドラグノフ「というかこれはどういうことだ?」

 

 

ドラグノフは1枚の手紙を見せてきた。

その手紙は俺が寝る前にドラグノフに向けて書いたものだった。

内容は依頼のことで手を貸してほしいただそれだけの単純な文だ。

 

 

暁「そのままの意味だよ。」

 

ドラグノフ「雷に言えばいいじゃないか。なぜ私に?」

 

暁「あいつよりもお前の方が遠距離で精密射撃ができるからな。」

 

ドラグノフ「そう期待されても困るが、お前と組むのも偶にはいいかもしれんな。少し楽しそうだ」

 

暁「じゃあ行きますか。」

 

ドラグノフ「うむ。」

 

 

暁とドラグノフは町の入り口まで行くのであった。

 

 

 




クレア「部屋割りが狙っていたかのような結果になったわね。」

リンスレット「あからさますぎですわね。」

大城「私が書いてますからね。」

エリス「いきなり出てきてのメタ発言」

大城「後書きなんで無問題(モウマンタイ)。」

フィアナ「後書きでも駄目じゃないかしら?」

大城「そこは作者次第ですね」

クレア「じゃあやっぱり大城、あなた次第じゃない。」

フィアナ「うちはもうダメね。」

大城「そんなこと・・・なかったらいいなぁ~」

エリス「そろそろ次回予告したほうがよいのでは?」

大城「うん (´・ω・) 」


クレア「次回第14話 町の警護」

大城以外『お楽しみに!!』


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第14話 町の警護

大城「早速ですが今回のゲスト紹介。」

大城「ティルフィングとドラグノフです。」

ティルフィング「どうも。」

ドラグノフ「よろしく。」

ドラグノフ「大城、お前意外に頑張っているではないか。」

大城「そりゃ、書き始めたんですから頑張りますよ。」

大城「途中で終わることだけは自分あまりしたくないんですよね。」

ドラグノフ「意外としっかりしているな」

大城「意外は余計ですよ。」

ティルフィング「作者の大城はこう言っていますが絶対に詰まると思いますので」

ドラグノフ「温かく見守ってやって下さい。」

大城「・・・・・」

ティルフィング「注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在


ティルフィング「これらが大丈夫な皆様は」

ティルフィング・ドラグノフ『楽しんで読んで(ください)(くれ)。』




~~ ティルフィングside ~~

 

マスターとドラグノフさんが町の入り口に向かった時、マスターと私、ロンギヌスさんの部屋の窓から私とロンギヌスさんは顔をのぞかせていた。

 

 

ティルフィング「やっぱり私達を連れずに行かれるのですねマスター……」

 

ロンギヌス「あのー、ティルフィングさん。」

 

ティルフィング「はい、何でしょうか?」

 

ロンギヌス「マスターはこういうことをよくなされるのですか?」

 

ティルフィング「こういうこと、とは?」

 

ロンギヌス「一人で勝手に行動をする、と言えばいいのでしょうか。私達キル姫を連れずに何処かに行ってしまうことは」

 

ティルフィング「ええ。こちらの世界では初めてですが、元の世界ではよくやっていましたね。」

 

ティルフィング「ですから最近は目を瞑ることが多いですね。」

 

ロンギヌス「それってただ諦めているってことですよね?」

 

ティルフィング「そうとも言いますね。」

 

 

いくら私が「ついていきます。」と言ったところでマスターは「大丈夫だから」と私の心配をはねのけてしまう。だから私はあまり何も言わないようにしていた。

 

 

ティルフィング「さっ、私達は寝ましょうか。」

 

ロンギヌス「マスターは大丈夫でしょうか?」

 

ティルフィング「今回、ドラグノフさんが付いてますし大丈夫ですよ。」

 

ロンギヌス「そうですね。」

 

 

そしてティルフィングとロンギヌスはダブルベッドで一緒に眠った。

 

~~ ティルフィングside out ~~

 

 

~~ 暁side ~~

 

町の入り口付近に着いた暁とドラグノフはこの町の自警団の男性と話をしていた。

 

 

暁「すみません。町長さんの依頼で手伝いに来た暁です。」

 

ドラグノフ「同じくドラグノフだ。」

 

男性「町長から話は聞いているよ。こんな夜遅くにすまないね。」

 

暁「いえいえ。それよりも白い仮面を付けた化け物について少しでいいのでお話を聞きたいのですが?」

 

男性「構わないよ。」

 

 

そんなこんなで俺は自警団の男性から白い仮面の化け物についていろいろ聞いた。

聞いた中で一つ不思議に思うことがあった、白い仮面をつけた化け物は主に夜に行動をし、夜が更けると森の中へと消えていくとのことだった。そのせいか、お昼過ぎに化け物たちが活動しているのを知って村の連中は驚いたという。

 

 

暁「すみません。ちょっとの間離れますね。」

 

男性「わかった。」

 

 

そして暁とドラグノフは自警団達から距離をとって聞いたことについて話した。

 

 

ドラグノフ「暁、この話を聞いてどう思った。」

 

暁「ありえないって思ったね。ドラグノフは?」

 

ドラグノフ「同じ意見だ。と言いたいが、ここに出る異族は私達の知る異族ではないこともありえる。」

 

暁「完全には否定できないってことか」

 

ドラグノフ「そういうことだ。」

 

 

そうこう話しているとさっきの男性が走ってきた。

 

 

男性「奴らが現れた!! 手を貸してくれないか?!」

 

暁「勿論です。ドラグノフ、行こう!!」

 

ドラグノフ「ああ。」

 

 

暁とドラグノフは町の入り口付近まで戻った。目を凝らしてみると確かに奴らの姿が見えた。距離と奴らの歩くスピードを考えればまだここに到達するまで時間はある。だからこそできるだけ数を減らしときたいとも思うわけだ。

 

 

暁「ドラグノフ、いきなり出番だ。」

 

ドラグノフ「ここまで暗いと狙いがつけられないがどうするつもりだ?」

 

暁「こうするんだよ。」

 

 

そう言って暁はドラグノフに補助魔法をかけた。それによりドラグノフは夜という暗闇の中でもしっかりと敵をスコープで狙えるようになった。

 

 

ドラグノフ「ふむ、これは便利だな。敵の姿がはっきりと見える」

 

 

そしてドラグノフは次々に遠くにいる異族を倒していった。

だがやはり異族、数が多く撃っても撃ってもキリがない。町までの距離が100メートルを切ったあたりから暁は魔法で剣を生成した。時刻は夜中の4時を過ぎたころぐらいだ。

 

 

暁「ドラグノフ、交代だ。少し休憩した後に援護射撃とおこぼれを頼むわ。」

 

ドラグノフ「了解した。」

 

 

その言葉とともに俺は異族の中へと突っ込んでいった。

 

 

男性「あんた、あいつを止めなくていいのかよ。」

 

ドラグノフ「ああ、あいつなら大丈夫だよ。見てればわかるさ」

 

 

そう言ってドラグノフは自警団の男性と共に休憩がてら暁の戦闘を眺めるのであった。

異族は自分達の目の前にあるものを排除するために町に行くのを一旦止め暁に攻撃を仕掛けた。だが暁はそれを難なく躱し、確実に一体ずつ処理していく。

 

 

暁「やっぱり数が多いな。まぁあの時ほどではないが……」

 

 

だがやはり一人で相手をするとなると時間がかかってしまっていた。

 

 

暁「あの技使うか。」

 

「ソードビット!!」

 

 

俺がそう叫ぶと俺の後ろには10本の光の剣が現れていた。

 

 

暁「行ってこい!!」

 

 

その掛け声とともに10本の光の剣は異族へと飛んでいった。

そして全部命中10本分の異族をまとめて倒した。

それでも異族はぞろぞろと出てくる。暁はふと思った。こんなに異族が出てくるのになぜ今までこの町がつぶれなかったのか。確かに町には自警団の人がいるが指で数えれるぐらいしかいない。それなのにこれだけの異族を相手にできたとは到底思えない。

暁がそんなことを考えながら戦っていると一体おこぼれを出してしまった。

 

 

暁「げっ!! やっちまった!!」

 

 

俺が気付いて倒そうと振り向いたら既に誰かに倒されて灰になっていた。

それをやったのは当然ドラグノフだ。

 

 

暁(すまねぇ、助かった。)

 

 

俺はテレパシーでドラグノフにそう伝えた。

 

 

ドラグノフ(別に構わんから次に集中だ。)

 

 

俺はそう言われ(今は考えるのは止めよう、戦闘に集中しよう)気持ちを改め異族(ども)と対峙した。

かれこれ戦ってもう2時間半ぐらい経つ、気持ちを切り替えてからというもの【ソードビット】をうまく活用しながら戦ったため一体も取りこぼすなく戦った。

そして、ついに夜が明けようとしていた。自警団の男性からの話によればそろそろ異族共の攻撃が止む筈なんだがなそう思ったやさきに異族達は攻撃を止め森の方へと歩いて行った。

町を守り切った。俺とドラグノフの勝利だ。俺はドラグノフと自警団の男性がいるところまで戻った。

 

 

暁「づーがーれーだー」

 

ドラグノフ「お疲れ様、暁。」

 

暁「お前もな。」

 

 

そう言って俺とドラグノフはハイタッチをした。

それと同時に戦闘を見ていた男性が話しかけてきた。

 

 

男性「それにしてもすごいな君達は。あれだけの数を凌いで見せるなんて。」

 

暁「それが聞きたかったんです。今まであれだけの数を相手にしてきたんですか?」

 

男性「まさか、今回が初めてだよ。」

 

暁「そうですか。」

 

男性「にしても、君達に押し付ける形になってしまってすまないね。」

 

暁「気にしないで下さい。これで終わりなんですよね?」

 

男性「ああ、そうだよ。お疲れ様。」

 

暁「お疲れ様です。じゃ、戻るかドラグノフ。」

 

ドラグノフ「うむ。」

 

 

男性と別れ俺とドラグノフは借りている家に戻るのであった。

家に戻るころには7時を回っていた。まだみんな寝てるかな?そう思い扉を静かに開けるとティルフィングとロンギヌスが出迎えてくれた。

 

 

ティルフィング「お帰りなさい マスターとドラグノフさん。」

 

ロンギヌス「御二人とも怪我がなくてよかったです。」

 

ドラグノフ「ただいま、だ。」

 

暁「・・・・・」

 

ティルフィング「マスター?」

 

暁「えっ? ああ、ただいま。」

 

 

俺はまだ寝ていると思っていたのでティルフィングとロンギヌスの姿を見て少々返事が遅れた。

 

 

ティルフィング「どうかされたんですかマスター?」

 

暁「ん? ああ、いや、まだ寝てると思っていたから返事が遅れただけだよ。」

 

ロンギヌス「御二人とも依頼お疲れ様です。」

 

ドラグノフ「私は眠たいからこのまま部屋で寝させてもらうよ。」

 

暁「わかった。依頼に付き合わせて悪かったな。」

 

ドラグノフ「いや、なかなか面白い体験ができたから構わないよ。おやすみ3人とも。」

 

暁「おやすみ」

 

ティルフィング「おやすみなさい。」

 

ロンギヌス「お、おやすみなさいです。」

 

 

ドラグノフは眠るため自分の部屋へと戻っていった。

 

 

ティルフィング「マスターはどうされますか?」

 

暁「このまま起きとくよ、と言いたいがやっぱり寝るよ。」

 

ティルフィング「分かりました。多分皆さんもまだまだ起きないでしょうしね。」

 

ロンギヌス「ふわぁ~。 あっ、あうぅ~////」

 

ティルフィング「私達も、もうひと眠りしましょうか」

 

 

ティルフィングはロンギヌスにそう語りかけた。

ロンギヌスは恥ずかしそうにうなずいた。

そして俺とティルフィング、ロンギヌスも自分達の部屋へと戻り眠りについた。

 

 

 




暁「・・・・・」

ドラグノフ「・・・・・」

大城「どうかされたんですか?」

暁「大城・・・、雷あんなにやる気出しといて出てこないのかよ!!」

ドラグノフ「それに関しては私もびっくりだ。説明してもらってもいいかな?」

大城「そのことですか 構いませんよ。」

大城「簡単な話です。雷はリアルの友人に近づけて設定してます。」

暁「それで?」

大城「それだけです。」

暁・ドラグノフ『えぇ……』

ドラグノフ「まあいいさ、雷以外の奴と組むのはそれはそれで新鮮だからな。」

暁「まぁ、確かにな。」

大城「そういうことなんで皆様これからも温かく見守って下さい。」

大城「では次回y……暁「次回予告だな」……(´・ω・)うん」

暁「次回第15話」

ドラグノフ「昼過ぎからの自由行動」

暁・ドラグノフ『お楽しみに!』


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第15話 昼過ぎの自由行動

大城「今回のゲストの方は暁とドラグノフさんです。」

暁「よろしく」

ドラグノフ「連続登場か」

暁「前回は俺とドラグノフの戦闘回だったな。」

大城「これからも、組み合わせを変えてみるつもりです。」

ドラグノフ「面白そうだな。」

暁「珍しい組み合わせが書かれることがあると?」

大城「まあ、そうなりますね。」

ドラグノフ「さあ、次に私と組むのは誰だ?」

大城「それはその時になってからのお楽しみです。」

大城「ここで、注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在


大城「これらが大丈夫な方は」

暁・ドラグノフ『楽しんで読んでください。』





~~ 暁side ~~

 

俺が起きたのはお昼を過ぎて午後3時前だった。。

俺は起きた寝ぼけ眼でティルフィングとロンギヌスが寝ているであろうベッドに目を向けたがそこに彼女たちの姿はなかった。

 

 

暁「これは寝すぎたかな?」

 

 

そう思いソファから体を起こし伸びをした。少しは眠気が取れた感じがしたがやっぱり眠いものは眠い。

だからと言って寝るわけにはいかないので部屋を出た。すると下からみんなの話声が聞こえてきた。

俺は皆のいるであろうリビングに向かった。

 

 

暁「おはよう。」

 

雷「やっと起きたか。というか時間帯的にその言葉は間違ってるぞ。」

 

暁「うるせぇ、今起きたんだからしゃーねーだろ。」

 

リンスレット「あら、ようやく起きたんですの? おはようございますわ。」

 

エリス「暁、おはよう。」

 

フィアナ「おはよう 暁くん」

 

クレア「ようやく起きたのね。おはよう ていう時間じゃないわね。」

 

カミト「暁起きたんだな。」

 

暁「てか皆ってどれぐらいに起きたの?」

 

カミト「全員まとめてお前が起きる2時間ぐらい前だな。」

 

暁「むー、そうか。」

 

雷「てかティルフィングが一回お前を起こしに行ったんだぞ。」

 

暁「へ? マジで?」

 

雷「なぁ、ティルフィング?」

 

ティルフィング「おはようございますマスター。」

 

ティルフィング「正確には私とロンギヌスがマスターを起こしに行ったんですけど……」

 

ティルフィング「マスターは熟睡でして、ゆすっても起きなかったんです。」

 

暁「うっ!! 何かすまん。」

 

 

俺は少し罪悪感が沸いた。なんかマジですみません。

 

 

暁「話は変わるがカミト?」

 

カミト「なんだ?」

 

暁「学院にはいつ戻るんだ?」

 

カミト「それなんだが、この時間で出発しても一昨日と同じ結果になりかねないからもう1日止まってくことにした。」

 

暁「そうか。」

 

カミト「ああ、出発に関しては明日の朝6時頃にしようと思ってる。」

 

暁「戻るメンツは? カミトだけじゃないんだろ?」

 

カミト「それを決めるのに今さっき話をしていたんだ。」

 

雷「その途中でお前が起きてきたってわけだ。」

 

暁「はえぇ~~。」

 

クレア「あんたのその気の抜けた返事どうにかなんないの?」

 

暁「無理だな。」

 

雷「無理。」

 

ティルフィング「無理ですね。」

 

ドラグノフ「無理だな。」

 

 

俺含めて俺のことをよく知っているメンツが満場一致で【無理】だと判断した。

御三方俺のことをよく分かっているじゃないですか。そんな言葉を心にしまって話を続けた。

 

 

暁「そんな話は置いといて、今のうちに決めちまおうぜ。」

 

雷「話を遮った奴の言うことじゃねぇ。」

 

暁「気にするな!」

 

クレア「兎に角、止まっていた話を進めましょう。」

 

カミト「実際は止まるほど話は進んでいないんだけどな。」

 

リンスレット「確かにそうですわね。」

 

カミト「そういえば暁?」

 

暁「なんだ?」

 

カミト「人数だけど残る側にはあと何人欲しいんだ?」

 

暁「何人というか一人できれば残ってほしい人がいるんだよな。」

 

フィアナ「それって誰なの?」

 

暁「フィアナ」

 

フィアナ「えっ!? 私!!」

 

 

フィアナは驚いていた。少しあたふたしているのを見ると自分が呼ばれるとは思っていなかったようだ。

 

 

フィアナ「どうして私なの?」

 

暁「単純に回復魔法の使える人が欲しいんだよ。」

 

暁「それとあと、雷の監視。」

 

雷「なんで!? 俺の監視ってどゆこと!?」

 

暁「お前、援護射撃(たま)にサボってるだろ。」

 

雷「ナンノコトカナ?」

 

暁「俺がお前の射撃できる位置に敵を誘導してもすぐにその敵が倒されないんだもん。」

 

雷「それは、射線上にお前がいるからでぇ~・・・・・」

 

暁「時々だがドラグノフからそういう情報がこっちに流れてくるんだよね。」

 

雷「・・・・・・」

 

雷「モウシワケゴザイマセン。」

 

暁「謝るきねぇなコイツ。」

 

雷「勿論さぁ~。」

 

暁「一回殴ってやろうか。」

 

ティルフィング「まあまあ、落ち着いてくださいマスター。」

 

暁「はぁー、それでフィアナさえよければ手伝ってほしんだがダメか?」

 

 

フィアナは考える体制をとり、悩んでいた。

こういう時って大抵「時間をくれ。」ってな感じの返答が来るんだよな。

俺がそう思った矢先にフィアナが返答してくれた。

 

 

フィアナ「いいわよ。」

 

 

予想より以上に早い返答だったので俺は少々面を喰らった。

 

 

暁「へっ!? あ、おう、そうか。」

 

フィアナ「何よその返事は。暁くんが聞いてきたんでしょ。」

 

暁「いや、予想よりも早い返答だったので少々驚いたんだよ。」

 

フィアナ「そうかしら?」

 

暁「俺的には考える時間をくれって言われると思っていたからさ。」

 

フィアナ「なるほどね。まあいいじゃない細かいことは」

 

 

そう言ったフィアナは雷の方を流し目で見ていた。

俺はそれを見逃さなかったがこの時の俺はそれが何の意味思っているのか知る由もなかった。

 

 

カミト「じゃあクレアとエリス、リンスレットは俺と一緒に学院に戻る側ってことでいいのか?」

 

暁「俺はそれで構わないよ。」

 

フィアナ「私もそれで大丈夫よ。」

 

雷「俺も大丈夫だ。」

 

クレア「私達3人もそれで構わないわ。」

 

 

そう言ってクレアとエリス、リンスレットはそれぞれ頷いた。

 

 

暁「そんじゃあ、これで一通りのことは決まったな。」

 

ティルフィング「マスター、これからどうされるのですか?」

 

暁「これといってやらなきゃならんことが無いから晩飯まで自由行動かな?」

 

雷「じゃあ俺はもう一回寝るかな。」

 

暁「人に寝すぎとか言っときながらまて寝んのかよ。」

 

雷「それとこれとは別ってね。」

 

 

雷が2階へと姿を消してから各々自由行動をとった。

俺が外に出ようとしたときクレアがフィアナと話していた。

少し気になったが結局俺には関係ないと思いそのまま外に出た。

 

~~ 暁side out ~~

 

 

~~ クレアside ~~

 

クレア「ねぇフィアナ、あなた残る側を取ったけどどういう事よ。」

 

フィアナ「どういう事、とは?」

 

クレア「いつものあなたならカミトとは何が何でも離れようとしないのに、今回に関して妙に暁達の方に着くじゃない。」

 

フィアナ「そのことね。異世界から来たなんて面白いじゃない だからちょっと興味がわいただけよ。」

 

クレア「ほんとにそれだけ?」

 

フィアナ「それだけよ。」

 

クレア「そう、あんたがそう言うならそうなんでしょうね。」

 

 

クレアは一人で納得してそのまま外に出て行った。

 

~~ クレアside out ~~

 

 

~~ ティルフィングside ~~

 

私はロンギヌスと一緒に今晩のご飯の買い出しをしに来ていました。

 

 

ティルフィング「さて、今晩のご飯は何にしましょうか。」

 

ロンギヌス「昨日は皆さんがいろいろ作ってましたからね。」

 

ティルフィング「ホワイトシチューにでもしましょうか」

 

ロンギヌス「いいですね。私もお手伝いさせていただきます。」

 

ティルフィング「よろしくお願いしますね。」

 

 

今晩のご飯を何にするか決まって材料を探していると、ふとマスターの姿が見えた。

 

────あれは マスター? どこに行くのでしょうか?

 

気になったのでロンギヌスにマスターの姿が見えたから後を追いましょうと提案した。どうやらロンギヌスもマスターの姿を見つけて気になっていたらしく、後を追うことにした。

 

 

ロンギヌス「マスターは何処に行くのでしょうか?」

 

ティルフィング「こっちの方向って確か町長さんの家がある方向だったと思いますけど」

 

ロンギヌス「ではマスターは町長さんに何か用事があるってことですかね?」

 

ティルフィング「話なら昨日のうちに終わっていると思うんですけど他に何かあるのでしょうか?」

 

ロンギヌス「兎に角このまま後ろについていきましょう。」

 

ティルフィング「そうですね。」

 

 

そして私とロンギヌスはマスターの後を付いて行くのでした。

 

 

~~ ティルフィングside out ~~

 

 

 




暁「なんだかんだでようやくゆっくりできたわ。」

クレア「それでも7時半ぐらいから3時まで寝るってどうなってんのよ?!」

雷「こいつ何もない日はだいたい寝てるからな。」

暁「眠いんだもの、仕方ないよね。」

暁「ていうか、お前らも3時に起きてたじゃんか。」

クレア「私たちは朝に一度起きてるわよ。」

雷「その後もう一回寝た感じだな。」

暁「それで3時に起きたと?」

クレア「ええ。」

暁「納得。」

雷「暁が納得したので次回予告」

クレア「あれ? 大城は?」

暁「キャラからの呼び出しがなかったのでいません。」

クレア「・・・。気にしたら負けね。」

クレア「第16話 気になったこと」

3人『お楽しみに。』


大城( 出番なかった。(´・ω・`) )


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第16話 気になること

大城「読者の皆様お待たせいたしました。第16話です」

大城「今回のゲストはカミトとリンスレットさんです。」

カミト「どうも」

リンスレット「よろしくですわ。」

大城「今回は投稿の話をします。」

リンスレット「いきなりですわね。」

カミト「それで何なんだ?」

大城「前々回から考えていたのですが投稿を夜中の水曜日にします。」

リンスレット「不定期から定期にしたんですの?」

大城「いえ、不定期のままです。」

カミト「それはどうして?」

大城「確定で守れる気がしないからですね。」

カミト「それは作者の大城がどうにかするんだろうが」

リンスレット「結局こうなるんですのね」

大城「仕方ないね。では、注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在


カミト「これらが大丈夫な読者の皆は」

リンスレット「楽しんで読んでくださいな。」





~~ 暁side ~~

 

俺は外に出てから夜中の戦闘で気になったことを町長に聞きに行こうと思いいたったので、町長の家に向かった。

 

 

暁「こんな時間に行っても大丈夫だろうか。」

 

 

ふとそんなことを呟いたが自分なりに考えた結果、流石に大丈夫か。と勝手に思いながらそのまま町長の家に向かった。

店が並んでいるところにティルフィングとロンギヌスの姿を見つけた。2人共なんか楽しそうだし別に話しかけるような用事も無いのでそのままスルーで通過した。

通過してから数分した後誰かにつけられている気がした。人数としては2人程度かな?

 

 

暁「うーん、どうしようか。俺なんかしたかな?」

 

 

そんなことを考えていると目の前に撒くにはちょうどいい角が見えた。

 

 

暁「ちょうどいいや。誰がつけてきているのか確認するか。」

 

 

俺は角を曲がって剣を生成して待機した。

 

 

暁「さて、誰かは知らんがいったい何ようかな?」

 

~~ 暁side out ~~

 

 

~~ ティルフィングside ~~

 

マスターは途中で急に角を曲がった。私とロンギヌスがつけているのに感づいたのでしょうか。

 

 

ティルフィング「角を曲がっちゃいましたね。」

 

ロンギヌス「どうします?」

 

ティルフィング「撒かれないように走りましょう。」

 

ロンギヌス「はい。」

 

 

そして私とロンギヌスはマスターが曲がった角まで走った。

するとその角から剣の切っ先が私に向けられた。

 

 

ティルフィング「ッ!!」

 

ロンギヌス「ひっ!!」

 

 

私とロンギヌスはあまりにも衝撃的なことだったので驚きで体が強張(こわば)った。

だが聞き覚えのある声を聴いて強張りは一瞬で解けた。

 

 

暁「つけてたの ティルフィングとロンギヌスだったのか。」

 

~~ ティルフィングside out ~~

 

 

~~ 暁side ~~

 

どうやら後をつけていた2人組が走ってきたようだ。

 

 

暁「ホントにもう、いったい誰だよ。」

 

 

そろそろ到着するかなと思い剣の切っ先を突き付けた。すると1人の少女の怯える声が聴こえた。

その声には聞き覚えのある声だった。

目の前にいたのは俺の契約姫のティルフィングとロンギヌスだった。

 

 

暁「つけてたの ティルフィングとロンギヌスだったのか。」

 

暁「お前達に剣を向けてしまった。すまない 許してくれ。」

 

ティルフィング「いえ、私達がマスターをつけていたのが原因ですので気にしないでください。」

 

ロンギヌス「か、勝手に跡をつけてごめんなさい。」

 

暁「謝罪のやり取りはここまでにしよう。それで どうして俺の跡を?」

 

ティルフィング「夜中にマスターは私達を置いて依頼に向かわれました。だから今回もまた何かあるんじゃないかと思って、それで気になったものですからマスターの跡をつけました。」

 

ロンギヌス「私もティルフィングさんと同じです。」

 

暁「そうか、心配してくれていたのか。ただちょっと昨日の戦いで気になることがあったから町長に聞きに行こうとしていただけだよ。」

 

ティルフィング「私達がついて行っても構いませんか?」

 

暁「別に構わないよ。誰もいなかったから一人で行っていたようなもんだし」

 

ロンギヌス「ありがとうございます。」

 

暁「お礼なんていいから、早速行こうか。」

 

ティルフィング・ロンギヌス『はい。』

 

 

そして俺はティルフィングとロンギヌスの同行を許し町長の家まで再度歩みを進めた。

町長の家に着いた頃にはすでに日が傾き始めていた。

 

────コンコンコン

 

 

暁「町長さんいらっしゃいますか? 暁です。」

 

 

────ガチャ

 

扉が開くと町長さんが出てきた。

 

 

町長「お主か どうしたのじゃ? それと後ろの2人は初めて見る顔じゃな。」

 

ティルフィング「私はティルフィングと言います。」

 

ロンギヌス「えっと、ろ、ロンギヌスです。」

 

町長「ふむ、わしはこの町の町長じゃ よろしくのぅ。」

 

 

ティルフィングとロンギヌスは町長に挨拶した。

挨拶された町長も2人に挨拶を返した。

そして町長は俺に向き直った。

 

 

町長「お主はこの2人を紹介しに来たんじゃないんじゃろ?」

 

暁「ええ、少し町長に聞きたいことがございまして訪れました。」

 

町長「夜中の警護で戦った化け物達についてかの?」

 

暁「そうですけどどうしてそのことを?」

 

町長「今回の警護に当たっていた町の者から話を聞いておったんじゃ。」

 

暁「そういうことですか ではそのまま聞きます。」

 

暁「夜中にあれだけの量の化け物が現れたのは今回だけですか?」

 

町長「そうじゃ。」

 

暁「そう……ですか……。」

 

ティルフィング「どうされたのですかマスター?」

 

暁「ちょっとね。町長さん後2日程この町の警護に当たっても構いませんか?」

 

町長「こちらとしてはありがたい申し出なのじゃが……、本当に良いのか?」

 

暁「はい。」

 

町長「それでお主の聞きたいことはそれでけかの。」

 

暁「そうですね。ですので俺達はこれで失礼します。」

 

町長「そうか。ではな気を付けて帰るのじゃよ。」

 

暁「お邪魔しました。」

 

 

そして俺達は町長の家を後にした。

帰り道ティルフィングがさっきの話について聞いてきた。

 

 

ティルフィング「マスターさっきの町長さんとの話って夜中の戦いのことですよね?」

 

暁「ん? ああそうだよ。それがどうかした?」

 

ティルフィング「マスターは何故あんなことを町長さんに?」

 

暁「夜中に戦った時異様に異族の量が多かったんだよ。」

 

ティルフィング「そんなにですか?」

 

暁「ああ。それでもしこの量の異族が毎回出ていたとしたら普通なら町は壊滅どころじゃない状態だったと思ったんだよ。それともう一つ、ついさっき思ったのが何だか力を試されているような動きでもあったんだ。」

 

ティルフィング「!! 誰かが異族を操っているとでも!?」

 

暁「それはまだ分からない。だから後2日残って様子を見るつもりだよ。」

 

ティルフィング「なら次からは私達も連れて行ってくださいね。」

 

ロンギヌス「わ、私もマスターのために頑張ります!」

 

暁「えっ!? いやでも……」

 

ティルフィング「連れて行って ね。

 

暁「りょ、了解、しました。」

 

 

滅多に見ないティルフィングの威圧に押し負けて俺は夜中の警護の同行を了解せざる終えなかった。俺はふと思い出した。そういえばティルフィングとロンギヌスって買い物してたんじゃなかったっけ?

 

 

暁「なあティルフィング」

 

ティルフィング「何でしょうか?」

 

暁「俺をつける前、ロンギヌスと一緒に買い物してたんじゃなかったのか?」

 

ティルフィング「ええそうですね。晩ご飯何にするか決めましたよ。」

 

暁「買ったの?」

 

ティルフィング「えっ!?」

 

暁「いやだからさ、晩飯の材料は買ったのかって」

 

ティルフィング・ロンギヌス『・・・・・・・』

 

 

ティルフィングとロンギヌスがお互いに顔を合わせて

 

そして、

 

 

ティルフィング・ロンギヌス『ああ────────!!!!』

 

 

お互いあたふたしてどうしようと焦っていた。やっぱり忘れてたのか。

 

 

暁「とにかく急いで今から買いに行くか。」

 

ティルフィング「はい、急ぎましょう。」

 

 

まあ何とか話を逸らせれたから良かったぜ。

あのまま話を続けていたらお説教だったろうな。

 

 

暁「ただいまー。」

 

ティルフィング「ただいま戻りました。」

 

ロンギヌス「ただいまです。」

 

カミト「おかえり3人とも」

 

クレア「おかえりなさい」

 

リンスレット「おかえりですわ。」

 

フィアナ「おかえりなさい。」

 

暁「あいつ()まだ寝てんのか?」

 

カミト「そうみたいだな。」

 

ティルフィング「マスター、すぐにご飯の用意しますね。」

 

ロンギヌス「ティルフィングさんお手伝いしますね。」

 

ティルフィング「ではお願いしますね。」

 

 

ティルフィングとロンギヌスはキッチンに入り晩ご飯の準備をし始めた。

それと同時に2階から誰かが下りてきた。どうやらドラグノフのようだ。

 

 

暁「お、ドラグノフが下りてきたか。」

 

ドラグノフ「暁戻っていたのか。」

 

暁「ついさっきな。」

 

ドラグノフ「それで、どうだったのだ?」

 

暁「何がだ。」

 

ドラグノフ「昨夜の戦闘で考え事をしていただろ。どうせお前のことだ町長のとこに聞きにいたのではないのか?」

 

暁「ありゃ、ばれてましたか。」

 

ドラグノフ「ふっ、私をなめてもらっては困るな。」

 

暁「で、話を戻すぞ結果的に言えばわからないままだ。」

 

ドラグノフ「そうか、では今晩も行くのだな。」

 

暁「まあね。」

 

 

そして俺はティルフィングとロンギヌスの料理を待つのだった。

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 

 




暁「ティルフィング、ロンギヌス本編でも誤ったが剣を向けてすまなかった。」

ティルフィング「もういいですよマスター。」

ロンギヌス「そうですよ。正直自業自得なことなんですから。」

暁「ありがとう。」

ティルフィング「それよりもマスター」

暁「(。´・ω・)ん?」

ティルフィング「マスターが考え事をしているときはどこか抜けてるんですから気を付けてくださいね。」

暁「えっ?」

ティルフィング「返事は?」

暁「あ、はい。」

ロンギヌス(ティルフィングさんがマスターのお母さんみたいになってる。)

大城「ティルフィングのもう一つの顔が出てきたところで次回予告です。」

3人『ッ!!!! 急に出てくんな!! ビックリ(したわ)(しました)!!!』

大城 「(´・ω・`)ショボーン」

ティルフィング「気を取り直して次回予告です。」

暁・ロンギヌス「「次回第17話 2回目の警護」」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第17話 2回目の警護

大城「皆さんどうもです。では今回のゲストはクレアさんとエリスさんです。」

クレア「よろしくね。」

エリス「よろしくお願いする。」

クレア「前回は暁が町長さんの所に行くことがメインだったわね。」

大城「そうですね。」

エリス「その道中にまさか暁がティルフィングとロンギヌスに剣を向けるとはな。」

クレア「暁もまだまだね。」

大城「ではおふたりさんならどうしてました?」

クレア「消し炭ね。」

エリス「目的を聞いてから刺身にしてやるな。」

大城「そんなこったろうと思いました。」

大城「では、注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在


クレア「以上が大丈夫な方は」

エリス「楽しんで読んでくれ。」





あれから雷が起きてきたりティルフィングとロンギヌスが作った晩飯のシチューを食ったりした。正直に言って食いすぎたと思っている。なぜなら今めちゃくちゃ眠い!!

 

 

暁「ふわぁ~~。ねみぃ~~~。」

 

ティルフィング「マスター 大丈夫ですか?」

 

暁「大丈夫じゃねー。うおっと!!」

 

ロンギヌス「マスター本当に眠そうですね。」

 

 

俺の足取りが少しよろけているのを見たロンギヌスが心配していた。

俺はティルフィングとロンギヌスと供に町の入り口付近までやってきていた。すると男性が声をかけてきた。

 

 

男性「君は昨晩のときに手を貸してくれた」

 

暁「こんばんわ~。」

 

男性「ああ、こんばんわ。それより眠そうだね。」

 

暁「ちょいと晩飯食いすぎて只今絶賛睡魔と戦っています。」

 

男性「君はもう既に戦闘をしているのか。」

 

ティルフィング「マスター、こちらの方は?」

 

男性「俺はこの町の自警団のリーダーをしているものだよ。自警団といってもそんなに数がいるわけではないんだけどね。」

 

ティルフィング「私はティルフィングと言います。よろしくお願いします。」

 

男性「ティルフィングさんっていうんだね よろしく。それで、君の後ろにいる子は?」

 

ティルフィング「えっ?」

 

 

私は不思議に思い後ろを向くとそこにはロンギヌスが私の後ろに隠れていた。

さっきまで隣で話していたはずなのにいつの間に!?

 

 

ロンギヌス「えっとぉ、ろ、ロンギヌスっていいます。

 

男性「ええっと、ロンギヌスさんでいいのかな?」

 

 

ロンギヌスは小さく頷いた。男性の方はロンギヌスの言葉を何とか聞き取ったようだ。

ほとんどの人なら聞き逃してもおかしくない声量だ、よく聞き取れたなと思う。

 

 

男性「今回も手伝ってくれるってことでいいんだよね?」

 

暁「手伝うのは手伝うのですが……」

 

男性「歯切れが悪いな」

 

暁「今回は昨晩のように白い仮面を着けた化け物が大量に出てきた場合のみとさせて頂きたいのです。」

 

男性「それはどうして?」

 

暁「少し確認したいことがあるので」

 

男性「わかった。頼んでいるのはこちらだ そのことを受け入れよう。」

 

暁「ありがとうございます。」

 

 

この会話が終わって数分した後に俺を呼ぶ声が聞こえた。その声の方を向くとそこにはこんな時間に起きているとは思えない奴の姿があった。雷だ。よく見ると、フィアナとドラグノフ達も一緒のようだ。

 

 

雷「暁、俺を置いて行くとはどういうことだ!!」

 

暁「いやだって、お前この時間帯だいたい寝てんじゃんか。」

 

雷「・・・・・。」

 

フィアナ「いきなり言い負かされてるじゃない。」

 

ドラグノフ「的を射ているから仕方ないな。」

 

男性「暁君 彼らは?」

 

暁「友人の雷と、仲間のフィアナです。それと、雷の契約姫のリン。」

 

男性「そうか、みんな君の仲間か。私はこの町の自警団のリーダーをしているものだ よろしく。」

 

雷「よろしくお願いします。」

 

フィアナ「よろしくお願いします。」

 

リン「よろしく。」

 

 

一通りの挨拶を済ませて時間になるのを待っていた。

 

 

ドラグノフ「暁、昨晩の感じだとそろそろだな。」

 

暁「ああ。」

 

 

現在の時間は午前3時を過ぎたところだ。

時間の確認を終えて森の方に向き直ると人の形をした白い何かがこちらに向かって来ていた。

あの見た目は間違いなく奴らだ。だがしかし昨晩ほどの数はいなく数体ずつこちらに向かって来ていた。

 

 

男性「今回はどうやらいつも通りのようだ。」

 

暁「では、いつも出現していた数はあの程度なのですか?」

 

男性「ああそうだよ。だから昨晩は本当に驚いたよ。」

 

暁「そうですか」

 

男性「じゃあ自分達はあいつらを倒してくるよ。」

 

暁「お気を付けて。」

 

 

そして自警団のリーダーの男性は他のメンバーを連れて戦闘に向かった。

 

 

雷「なんだあんだけしかいないのか。」

 

ティルフィング「あれだけの数なら自警団の皆さんでも大丈夫でしょうね。」

 

ロンギヌス「でも怪我人は出ると思います。」

 

フィアナ「そのための私なんでしょ?」

 

暁「その通りですよ。」

 

 

そんな中ドラグノフはやはりと思う感じで一人難しい顔をしていた。

ドラグノフが俺の所に来て感じていたことを話してきた。

 

 

ドラグノフ「昨晩の一件が気になって仕方がないのだが…」

 

暁「偶然なのかそれとも何者かによる必然なのか……」

 

ティルフィング「その確認のために3日のところを2日程伸ばしたんですよね?」

 

 

そんな会話を聞いていたティルフィングがやってきた。

 

 

ドラグノフ「そうなのか?」

 

暁「ああ。」

 

ティルフィング「1人だけで残られるつもりではありませんよね?」

 

暁「えっ?」

 

ティルフィング「まさか」

 

暁「ソンナワケナイジャナイデスカ。」

 

ティルフィング「。」

 

暁「申し訳ございません。」

 

ドラグノフ「まぁそう怒るなティルフィング。暁の事を一番よくわかっているのはお前じゃないか。」

 

ティルフィング「だからですよ 全く。」

 

暁「ははは……」

 

 

それから数時間、太陽が昇り始めた。異族どもは昨晩のように森に消えていった。

正直言ってなぜ奴らが日が昇ると消え、夜中にだけ現れるのか未だにわからない。

それよりもやはりと言っていいのかわからないが多数の怪我人が出た。

だが死人が出たわけではないのが驚きだ。

現在重傷者から順番にフィアナが自警団のメンバーを治癒させているところだ。

 

 

男性「今回は何事もなくいつも通りでよかったよ。」

 

暁「これがいつも通りですか。」

 

男性「これでもマシな方だよ。ひどいときは死人が普通に出るからね。」

 

暁「すみません」

 

男性「どうして君が誤るんだい?」

 

暁「あっ、いや、つい言葉に。」

 

男性「君は少し変わっているね。」

 

暁「よく言われます。」

 

フィアナ「皆の治癒終わったわよ。」

 

 

そんな話をしていたらいつの間にか怪我人の治癒が終わったようだ。

 

 

暁「ありがとう フィアナ。」

 

男性「ありがとうございます。」

 

フィアナ「いいのよ。」

 

 

俺と男性がフィアナに対して感謝をしていると雷が急に叫んだ。

 

 

雷「って、フィアナ以外なんもしてねぇじゃねぇか!!

 

暁「まあ今回はそういう約束だったからな。」

 

雷「それはそうなんだが、警護の依頼なのに何もしないってなぁ~。」

 

男性「気になさらないでください。昨晩は力を貸していただいたんですから。」

 

雷「?????」

 

 

雷が疑問を抱いていると見知った顔が荷物を持ってこちらに来る。

カミト達だ。どうやら学院に戻る準備ができたようだ。

待てよ、ということは?そう思って携帯端末の時間を見ると午前6時半を回っていた。

 

 

カミト「暁、お疲れ様。」

 

暁「そうか、もうそんな時間か。」

 

クレア「フィアナ、あんた本当にここに残るのね?」

 

フィアナ「ええ、決めたことだもの。」

 

リンスレット「珍しいですわね。貴女がカミトさん以外と組むなんて」

 

エリス「確かにな。」

 

フィアナ「なかなか言ってくれるわね。」

 

カミト「暁、フィアナの事頼むな。」

 

暁「大丈夫、任せとけって雷が」

 

カミト「他人(ひと)任せかよ。」

 

暁「冗談だよ。」

 

カミト「ならいいんだけどな。じゃあ俺達は出発するよ。」

 

暁「わかった。ちゃんとグレイワース学院長に伝えといてくれよ。」

 

カミト「わかってるよ。じゃ、学院で」

 

暁「またな。」

 

 

そしてカミト、クレア、リンスレット、エリスは学院に戻るために町を()った。

 

 

暁「フィアナ、本当に残る側でよかったのか?」

 

フィアナ「大丈夫よ。それに自分で決めたことよ。」

 

暁「そうか。」

 

フィアナ「仕事はこれで終わりなのよね?」

 

暁「そうだな。」

 

フィアナ「なら先に戻らせてもらうわね。」

 

 

そう言ってフィアナは家に戻って行った。

 

 

雷「俺達も戻っていいか? すごく眠たいんだ。」

 

暁「OK」

 

 

そして雷、ドラグノフ、リンも家に戻って行く。

残ったのは俺とティルフィング、ロンギヌスの3人だ。

これと言って特にやることもないし、雷に言われて思い出したかのように睡魔に襲われ始めたため男性に挨拶をして俺達も帰ることにした。

 

 

暁「では、自分達もこれで失礼しますね。」

 

男性「次の戦闘も来てくれるんだよな?」

 

暁「はい。」

 

男性「なら、その時までゆっくりしてなよ。」

 

暁「ええ、そのつもりです。では、」

 

 

最後にそう言って俺はティルフィングとロンギヌスと一緒に家に戻った。

 

 

 




大城「いきなり失礼します。」

暁「お前が最初に出てくるなんて珍しいな。」

大城「皆さんに言いたいことがありまして」

雷「何だ?」

大城「重大なお話です。実はですね……」

皆『実は……(ゴクッ)』

大城「なんと!! ファンキルが5周年を向かえました!!

大城「イエーーーーーーーイ。」

皆『・・・・・。』

大城「あの~、皆さん無言で近寄ってこないで、いや、まじ怖いから」

~~ 大城logout ~~

ティルフィング「大城さんは体調を崩し退出なされました。」

大城「私はまだやれます。」(出血状態)

カミト「確かにめでたいけどさ。」

リンスレット「投稿日を考えて言ってほしいですわね。」

エリス「とりあえず、ティルフィングとロンギヌス、おめでとう!!」

フィアナ「2人ともおめでとう!!」

ロンギヌス「な、なんか、照れちゃいますね。」

ティルフィング「そうですね。」

暁「大城」

大城「はい?」

暁・雷『後でもう一回全員からの処刑な』

大城「はっ?」

ドラグノフ「大城の処刑が確定したところで次回予告だ。」

大城「えっ!? ちょっ、マジかよ!?」

ティルフィング・ロンギヌス「「第18話 闘技大会開催の案内」」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。

※ ファンキルを運営している皆様これからも頑張って下さい。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第18話 闘技大会開催の案内

大城「今回のゲストはカミトとエストです。」

カミト「よろしくな。」

エスト「本編での私の出番がありません。」

大城「・・・・・今回はカミト視点です。」

カミト「おい、大城何とかしろ。」

大城「これからはちょこちょこカミト視点を入れるつもりなのでそこで何とかエストを入れていくつもりではあります。」

カミト「頼むぞ大城。」

大城「わかってます。もう少しの辛抱を」

エスト「注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在


カミト「これらが大丈夫な皆さんは」

カミト・エスト『楽しんで読んで(くれ)・(ください)。』





~~ カミトside ~~

 

俺達は朝、いつもより少し早めに起きた。

なぜなら今日は依頼の報告に学院に戻らなければならないからだ。

 

 

カミト「3人ともおはよう。エストも」

 

クレア「おはよう。カミト」

 

エスト「おはようございます。カミト」

 

リンスレット「おはようございますわ。カミトさん」

 

エリス「カミト、おはよう。」

 

 

そして俺達は昨日のうちに準備しておいた荷物を持って外に出た。

空を見上げるとまだ少し暗い、どうやら日が昇りだしたばかりのようだ。

 

 

カミト「やっぱりまだ少し暗いな。」

 

クレア「そりゃそうでしょ、あんた今何時だと思ってるのよ。」

 

エリス「とにかく、まずは暁達残る側に出発することを伝えないと」

 

リンスレット「そうですわね。で、皆さんはどちらに?」

 

カミト「それなら町の入り口にいると思うぜ。」

 

クレア「じゃあ行きましょうか。」

 

 

そして俺達は借りていた家を後にし、暁達残る側がいるであろう町の入り口まで向かった。

遠めだが案の定暁達はいたが取り込み中のようだ。

 

 

カミト「挨拶はしないといけないよな。」

 

クレア「当たり前でしょ。」

 

 

俺は暁にしゃべりかけた。今から出発することを伝えるつもりだ。

 

 

カミト「暁、お疲れ様。」

 

暁「そうか、もうそんな時間か。」

 

カミト「俺達はこれから出発しようと思ってる。」

 

暁「道中異族に出会った場合は気をつけろよ。」

 

カミト「わかっているさ。」

 

カミト「暁、フィアナの事頼むな。」

 

暁「大丈夫、任せとけって雷が」

 

カミト「他人(ひと)任せかよ。」

 

暁「冗談だよ。」

 

カミト「ならいいんだけどな。じゃあ俺達は出発するよ。」

 

暁「わかった。ちゃんとグレイワース学院長に伝えといてくれよ?」

 

カミト「わかってるよ。じゃ、学院で」

 

暁「またな。」

 

 

俺と暁の会話が終わるのと同時にクレア達もフィアナとの会話を終えたようだ。

そして俺達は学院に戻るために町を()った。

 

町を発ってから数時間ちょっとで学院のある街まで着いた。

 

 

カミト「ちゃんと休憩を入れてから出発するとこうも早く着くのか。」

 

クレア「カミト達が何も考えずに突っ走るからああなったんでしょ。」

 

リンスレット「少しは反省してほしいものですわ。」

 

カミト「ごもっともだ。」

 

エリス「とにかく、学院長に依頼の報告と暁達のことを伝えなければ」

 

カミト「そうだな。」

 

 

そうして俺達はアレイシア精霊学院の学院長室の扉の前まで行きノックした。

すると中から「入れ。」と女性の声がした。「入れ。」と言われたので扉を開けた。

 

 

カミト「今戻った。グレイワース」

 

グレイワース「おや? 数人足りないようだが?」

 

カミト「受けた依頼の報告と一緒にこの場にいない奴の説明をするつもりだ。」

 

グレイワース「そうか、では聞こうか。」

 

 

そして俺達はグレイワースに依頼の結果と暁達の現状について話した。

 

 

カミト「とまぁそういうことだ。」

 

グレイワース「ふむ、やはり少女というのはキル姫だったわけか。」

 

カミト「そうだな。」

 

グレイワース「戻ってきていない者については特に言うことはない。彼らに規律に従えと言ったところで無駄だろうしな」

 

カミト「なら俺達はこのまま自由でいいのか?」

 

グレイワース「ああ、構わないぞ。」

 

カミト「そうか、なら退出させてもらうよ。」

 

 

そう言って踵を返して扉に向かおうとすると、

 

 

グレイワース「ああそうだカミト、お前は少し残れ。」

 

カミト「? わかった。」

 

クレア「それじゃあカミトまたあとで」

 

 

そしてカミト以外の3人は学院長室を出て行った。

これで部屋にはカミトとグレイワースだけになった。

 

 

カミト「それで、俺を残したのは何故だ?」

 

グレイワース「そう警戒するな、お前に出てもらいたいものがあって残しただけだ。」

 

 

そういいながらグレイワースは俺に1枚の紙を見せてきた。

 

 

カミト「闘技大会? これに出ろってのか?」

 

グレイワース「そうだ。」

 

カミト「それならクレア達もいた方がよかったんじゃないのか?」

 

グレイワース「参加内容の所を見てみろ。」

 

カミト「参加チーム数は10チーム…、チーム人数は3~8人これが?」

 

グレイワース「今回はカミト、お前と暁、雷の3人でそれに出てもらう。開催は二週間後だ。」

 

カミト「いきなりすぎるだろ!! それに暁と雷がいないのに決めていいのかよ?」

 

グレイワース「それもそうだな。だがお前自身は「面白そう。」と思っているんだろ?」

 

カミト「まぁそうなんだけどな。なんせ別世界から来たなんて奴らと一緒なんだからな。」

 

グレイワース「というわけで暁達の説得はカミト、お前に任せた。」

 

カミト「何が「というわけで」だ。まぁいいけど」

 

グレイワース「では頼んだぞ。」

 

カミト「暁達が帰ってきてからだけどな。」

 

カミト「この紙は貰っていくぞ。」

 

 

そう言いながら紙を四つ折りにしてポケットにしまった。

 

 

グレイワース「要件は以上だ。お前からは何かあるか?」

 

カミト「この事はクレア達に言ってもいいのか?」

 

グレイワース「構わないがどうなっても知らんぞ。」

 

カミト「そのときはそのときで考えるよ。じゃあ」

 

 

そういって俺はそのままグレイワースに背を向けて部屋を出た。

部屋を出た後これからどうしようかと考えた結果、暇なので街をぶらつくことにした。

そんなこんなでお腹が空きはじめたのでお昼にしようと思い近くの店に入った。

店に入ると人でいっぱいだった。

 

 

カミト「すごいな、人でいっぱいじゃないか。」

 

 

そう言いながら店の時計を見ると12時を過ぎていた。

確かにこの時間でこの人込みは頷けるな。と1人で納得していると

 

 

「カミト」

 

 

聞き覚えのある声が聞こえた。

俺はそちらに振り向くとクレアがこっちと手招きしていたのでそのままクレアの所に行き、向かい合わせになるように座った。

 

 

クレア「学院長の話は何だったの?」

 

カミト「これに出てほしいそうだ。」

 

 

そういって俺はポケットからグレイワースから貰った闘技大会の紙を取り出してテーブルの上に置いた。

 

 

クレア「闘技大会?」

 

カミト「何の意図があってかは知らんが俺と暁、雷の3人で組んで出ろってさ。」

 

クレア「そう。」

 

カミト「以外に反応が薄いな。」

 

クレア「どういうことよ。」

 

カミト「いつもなら「あんたは私の契約精霊なんだからそんなこと許さないわ!!」とか言うのになと思って。」

 

クレア「言ったところであんたいつも守らないじゃない。」

 

カミト「・・・・・。」

 

クレア「はぁ~、とにかく出るのはいいけど変ね。」

 

カミト「何が?」

 

クレア「「何が」って? カミト気づいてないの?」

 

カミト「?」

 

クレア「精霊剣舞祭(ブレイドダンス)が近いうちにあるわけでもないのに開催されること、参加チームは姫巫女のチームばかりなのにその中に異例の男子チームを混ぜること。」

 

カミト「あぁ~、すっかり忘れてたぜ。」

 

クレア「あんたねぇ~。 ただでさえ男子チームってだけで目立つのに、さらに暁と雷というさらに異例の者をチームに参加させるという目立つことをしようとしてるのよ? すぐに変だと気付きなさいよ。」

 

カミト「今回はクレアの言う通りだな。これは俺の落ち度だ。」

 

 

クレアにもっともなことを言われて反省していると、袖を引っ張られる感じがした。

俺は気になって向くとエストがいた。

 

 

エスト「カミト、私はお腹が空きました。」

 

 

エストのその一言で昼飯を食べていないことを思い出す。

すぐに店員を呼び適当に注文をして昼飯を食べた。

食べ終えた後クレアとさっきの話の続きに入った。

 

 

クレア「で、こんだけ言ってあんたは出るの?」

 

カミト「こればっかりは暁達が戻ってきてからになるな。」

 

クレア「ま、それもそうね。」

 

 

闘技大会の話が終わり会計を済ませ、店を出た。

暁達が帰ってくるまで何してよっかな? そんなことを思いながら街を見回った。

 

 

~~ カミトside out ~~

 

 

 




大城「皆さんに大事な報告があります。」

暁「いきなりなんだ?」

雷「下らんことなら即処刑な。」

大城「よかろう。聞いて驚け」

クレア「無駄な壮大さ」

リンスレット「今更ですわ。」

エリス「だな。」

大城「なんと、UAが4桁いきました。」

大城以外『はっ!?』

カミト「めちゃくちゃ重要なことじゃねぇか!!」

フィアナ「うちの作者は本当に駄目ね。」

ドラグノフ「常識だろ?」

ティルフィング「常識ではない かと」

大城「外野が怖いですがこの場をお借りして少しでも興味を持ってくれた読者の皆様に感謝します。ありがとうございます!!」

大城「こんなシナリオがめちゃくちゃな話ですが、」

大城以外『これからもよろしくお願いします。』

大城「それじゃあ、次回予告任せるね。」


暁・ティルフィング・ロンギヌス『次回!!』

雷・ドラグノフ・リン『第19話』

カミト・クレア・リンスレット・エリス・フィアナ・エスト
       『依頼終了、学院へ』


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。
  そしてこれまで興味を持って読んでくださった読者の皆様
  本当にありがとうございます。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第19話 依頼終了、学院へ

大城「どうも皆さん、作者の大城です。」

大城「今回のゲストはティルフィングとドラグノフです。」

ティルフィング「よろしくお願いします。」

ドラグノフ「よろしく。」

大城「前回は後書きにてUAが4桁いったことの報告と感謝をした回でしたね。」

ドラグノフ「こんな作品が4桁行くとはな。」

ティルフィング「大城さんが裏で手をまわしたんじゃ」

ドラグノフ「なるほど、それなら納得だ。」

大城「そろそろ号泣しますよ。」

ドラグノフ・ティルフィング『冗談(だ)(です)。』

大城「おふたかたの冗談は冗談に聞こえません。」

ティルフィング「気にしたら負けです。」

大城「あなたにそれを言われるとは」

ドラグノフ「ここで注意事項だ。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在など


大城「これらが大丈夫な皆さんは」

ティルフィング「楽しんで読んでください。」





~~ 暁side ~~

 

町長の依頼を受けてから3日目の夜、異族と交戦したが昨日とさほど変わらない量だった。

 

 

雷「うーん、なんか暴れたりねぇ。」

 

暁「町に被害が少ないことが一番なんだからそんなこと言ってんな。」

 

雷「ま、それもそうだな。」

 

 

今回の警護に当たっていたのは俺と雷、そしてフィアナの3人だ。

フィアナに関してはただいま自警団の方たちの手当て中だ。

軽傷ばかりではあるが甘く見てはいけない。手当てをするのとしないのとでは次の時に戦えるかどうか変わってくると俺は思っている。

 

 

フィアナ「暁、次の人で最後よ。」

 

暁「わかった。」

 

 

フィアナの働きぶりを見ていると俺の戦闘がサボっているように思えてくる。

これでも頑張ってるんですけどね? 数がいないと仕事が無いわけで……、いや、言い訳はやめておこう。自分が醜くなるだけだわこれ。

そんなこと考えていると町長がやってきた。

 

 

町長「暁、この3日間お疲れ様…じゃな。」

 

暁「それは彼女に言ってやってください。」

 

 

そう言ってフィアナに目を向ける。

 

 

町長「彼女は?」

 

暁「一時的に協力してもらっているチームの一人でフィアナって言います。」

 

暁「正直彼女が一番働いてる気がしますね。」

 

町長「そうか。」

 

 

そして町長はフィアナのもとへ向かって行った。俺はそれに付いて行った。

 

 

男性「町長!! こんな朝早くにどうかされたのですか!?」

 

町長「いやなに、依頼を受けてもらった者達に感謝の言葉を言いに来たんじゃよ。」

 

町長「フィアナさんは何処に?」

 

フィアナ「私に何か用かしら?」

 

町長「町の者達の怪我を直してくれているそうじゃな町の代表として感謝する。ありがとう」

 

フィアナ「私は当然のことをしているだけよ。頭を下げられるようなことでは」

 

雷「いいじゃねぇか。素直に喜んでおけって。」

 

フィアナ「まぁ雷くんがそう言うなら」

 

 

その後町長がお礼をとの事だったので町長の家で夕食を食べることになった。

ちなみにお礼を言われた後は家に帰りいつも通りお昼まで寝て、お昼を食べながらティルフィング達に晩は町長の所に行くことを伝えた。

そして夜になり俺達は全員で町長の家まで行った。

 

────コンコンコン

 

 

暁「町長さん暁です。」

 

 

────ガチャッ

 

 

町長「やっと来たか。 ちゃんと全員連れてきたのか?」

 

暁「ええ、ちゃんと全員連れてきましたよ。」

 

ティルフィング「町長さんこんばんわ。」

 

ドラグノフ「町長、こんばんわ。」

 

雷「こんばんわ。」

 

フィアナ「町長さん こんばんわ。 お誘い感謝するわ。」

 

ロンギヌス「こんばんわです。」

 

リン「こんばんわ。」

 

町長「うむ、全員いるようじゃな。さあ、中に入りなさい。」

 

全員『お邪魔します。』

 

 

町長さんに言われ中に入ると机の上には豪勢な料理が並べられていた。

 

 

雷「これはすごいな!!」

 

暁「町長さん、この料理の多さは?」

 

町長「感謝の気持ちと残りの3日も頑張ってもらうための料理じゃ。」

 

町長(奥)「作ったのは私なんだけどねぇ~。」

 

町長(奥)「さ、あんたたち座った座った。しっかり食べて残りの3日間も頑張っておくれ。」

 

 

全員が席に座り「いただきます。」と言って楽しく喋りながら町長の奥さんが作った料理を

たらふく食べたのだった。そして町長に許可を得て今回からの戦闘について話し合った。

 

 

暁「これからの戦闘について話し合いたいんだが」

 

雷「それなら前回みたいに全員で出たらいいんじゃね?」

 

フィアナ「あと何回守るの?」

 

暁「今回合わせてあと3回だ。」

 

ドラグノフ「暁、残りの3回雷の言う通り私たちが戦闘をしないか? 数は確かに少ないが少々自警団の連中に疲労の気配がみられる。それに、フィアナにも頼りすぎだと思うしな。」

 

フィアナ「頼られるのは慣れているわよ。でも確かに、1人1人傷の手当てをしていくとき疲労していることは感じていたわ。」

 

暁「うっ、そうだったのか。全く気付かんかった。」

 

ティルフィング「マスターは考え事をしていましたからね。」

 

ドラグノフ「初日のことが(いま)だに気になっているのか?」

 

雷「俺が寝ちまって手伝えなかった日の事か。」

 

暁「まあ、気にしても仕方がないのは分かってんだけど どうしてもな……。」

 

フィアナ「その感じだと残りの3回で見切りをつけないと永遠と残るわね。」

 

暁「だな。話がそれたな、結局残りの戦闘は俺たちが引き受けることでいいんだな?」

 

 

俺が言うと全員頷いた。

 

それから町長に夕食のお礼を言い外に出ていつもの場所に向かった。

いつもより数十分早く着いたためか自警団の人たちがその場所にはいなかった。

時間が過ぎるのを待つこと数分で自警団の人たちがやって来た。

リーダーの男性を見つけたので、俺はさっきの話をリーダーの人にすることにした。

 

 

暁「こんばんは。」

 

男性「暁君こんばんは。今日は早いね。」

 

暁「皆して町長さんの家にお呼ばれしまして、夕食をご馳走してもらっていたので」

 

男性「成程ご馳走になってその後、そのままこっちに来たんだね?」

 

暁「ええ、そういうわけです。」

 

男性「でも、ただの挨拶に来たわけではないんだろ?」

 

暁「そうですね。これからの戦闘について話し合ったのでそれを伝えに来ました。」

 

男性「なら、結果だけ聞こうか」

 

暁「わかりました。では、残りの3回の戦闘はすべて自分たちが引き受けます。」

 

男性「君たちに力があることは知っているがこれは一応この町の問題だ。」

 

暁「分かっています。だからこそでもあるんです。」

 

男性「どういう意味だい?」

 

暁「現状況でまともに戦える人はそんなにいないでしょ? ほとんどの人は疲労と傷が治りきっていない人たちばかり 違いますか?」

 

男性「そんなことは……暁「あるはずです。」……。」

 

暁「仲間の観察眼に優れている2人がそう言っていました。」

 

男性「君が気付いたわけではないんだね。」

 

暁「自分は考え事、いえ、元々そういうことには全然気づかない人ですから」

 

男性「・・・わかった。後の3回は君たちに任せるよ」

 

暁「ありがとうございます。」

 

 

そして俺は皆が待っている所へと戻って行った。

 

 

ティルフィング「どうでしたかマスター?」

 

暁「多少の衝突はあったけど分かってもらえたよ。」

 

雷「そうか、よかったじゃねぇか。」

 

暁「まぁな。」

 

ドラグノフ「そろそろ時間だ。」

 

 

ドラグノフのその一言で俺たちは気を引き締め直した。

いかに数が少なかろうが相手は異族だ。

少し間違えれば致命傷を負わされてしまう、それは自分達の世界で十分に理解しているつもりだ。

気を引き締め直して数分後にロンギヌスとリンに出会った神殿があった方角の森林が一瞬光った。

 

 

雷「来たな。」

 

暁「さあ、戦闘態勢だ。」

 

 

そして俺達は4回目の戦闘に入った。それからの戦闘はやはりと言っていいか雷たちがいてくれるおかげで楽に戦闘ができた。

 

 

────後ろに頼れる見方が居てくれるのは安心できるな。

 

 

そんなことを思いながら戦闘をしていると気がつけば戦闘は終了していた。

5回目もそして最後の6回目の警護も結局のところ初日の警護の時の異族の量ではなかった。

 

学院に戻る7日目の朝、

 

 

ティルフィング「結局のところマスターの考え事は解消しませんでしたね。」

 

暁「そうだけど、気のせいってことで頭の片隅にでも置いとくよ。」

 

雷「暁ー、出発の準備はできてっぞー。」

 

暁「わかったー。じゃあ、学院に戻るか。」

 

ティルフィング「はい。」

 

 

そして俺達は町の入り口に行った。

するとそこには町の住人たちがいた。

 

 

町長「暁、そして皆、この町を少しの間とはいえ守ってくれてありがとう。何か礼をと思っておったのじゃがなんせウチの村はそこまで裕福ではないからの。何にも出せんのじゃ 許してくれ。」

 

暁「家を貸してもらっただけで十分ですよ。」

 

 

そんなやり取りを俺が町長としていると町の子供が数人雷達に走って行った。

手にはどうやら小さな花を持っているようだ。

 

 

男の子「このまちを、まもってくれて、ありがとう。」

 

女の子「フィアナおねえちゃん、またあそぼうね。」

 

子供たち『まちを、まもってくれて、ありがとう。』

 

 

そして男の子たちは雷に、女の子たちはフィアナにそれぞれ手に持っている小さなお花を渡した。雷はそういうことに慣れていないせいか子供たちにはわからない程度で動揺して、フィアナは微笑みながら女の子たちをぎゅっとしていた。

 

 

町長「あんなものを見せられると大人の私が情けなく思ってしまいますな。」

 

暁「なんだかんだ最後までやり切れてよかったですよ。」

 

ティルフィング「マスター、そろそろ。」

 

暁「うん、では町長さん自分たちはこれで」

 

町長「この6日間本当に感謝しておる。だからまた何かあったときは訪れなさい。町の皆また会える時を待っておるぞ。」

 

暁「はい、ありがとうございます。それでは」

 

 

そして俺達は学院に戻るために町を出発した。

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 




暁「大城、これからも頑張れよ。」

大城「いきなりなんですか。」

雷「お前が途中で逃げ出さないようにな。」

大城「私はそんなことしない!! と、言い切れるようになりたいです。」

カミト「まあ、少しぐらいは自信持ってもいいと思うが」

クレア「カミト駄目よそんなこと言ったら」

カミト「どうして?」

クレア「うちの作者は自信を持つと一瞬で怠けるからよ。」

全員『あぁ~。』

大城「満場一致しなくてもいいじゃないですかヤダー。」

大城「切り替えて、次回予告よろしくです。」

暁・雷『次回、第20話』

カミト・クレア『闘技大会の参加』


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第20話 闘技大会の参加

大城「どうも皆さん、作者です。」

大城「今回のゲストは暁とエリスさんです。」

暁「よろしく。」

エリス「よろしく頼む。」

大城「今回は三人の視点を書いています。」

暁「誰でしょう?と言っても分かりやすすぎるな。」

エリス「まあ読んでからの楽しみということで」

大城「では注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在など


暁。エリス『これらが大丈夫の皆さんは、楽しんで読んでください。』


~~ カミトside ~~

 

俺達学院に戻る側が戻ってきてから早くも一週間が経った。

現在の時刻は11時半過ぎだ。

俺は午前の授業が終わってすぐに放送で呼び出されただいま学院長室前にいる。

 

 

カミト「今度は一体何なんだ?」

 

 

1人でそう呟き、学院長室の扉を叩いた。

 

────コンコンコン

 

 

カミト「俺だ。」

 

グレイワース「来たか、入れ。」

 

 

そう促されたので俺は扉を開け中に入った。

 

 

グレイワース「私を待たせるとはどういうことだ?」

 

カミト「あんたに呼ばれるとどうしてか足が重い気がしてな・・・。」

 

グレイワース「言うではないか、まあいい。それよりも暁達がそろそろ戻ってくるのではないか?」

 

カミト「ああ、確かに。それがどうしたんだ?」

 

グレイワース「鈍いやつ目、午後の授業を免除してやると言っているのだ。」

 

カミト「どういう風の吹き回しだ?」

 

グレイワース「何、ただの良心だよ。」

 

 

グレイワースのその言葉に嘘偽りはない。

だが、俺の知るグレイワースはたいてい裏があると考えていたら、そんな時この前教えられた闘技大会の事を思い出した。

 

 

カミト「そういうことか、闘技大会の事を聞いて来いってことだろ?」

 

グレイワース「さあ?」

 

カミト「わかった。それより、本当に午後の授業は免除してくれるんだろうな?」

 

グレイワース「もちろんだ。私が約束を破ると思うか?」

 

カミト「そうだな、そういうとこだけは信用できる。」

 

グレイワース「後、こいつらも連れていけ。」

 

 

そう言ってグレイワースが椅子から立ち上がり扉を開けた。

するとクレアとリンスレット、エリスの3人が倒れながら入ってきた。

3人ともすぐに起き上がった。

 

 

グレイワース「盗み聞きとは感心せんな。」

 

エリス「申し訳ありません 学院長。」

 

グレイワース「まあいいさ。ではカミト後は頼んだぞ。」

 

カミト「わかってるよ。ほら行くぞ。」

 

 

そして俺達は学院長室を後にし、街の入り口に向かった。

その間にリンスレットとエリスに闘技大会の事を聞かれたので移動しながら説明をした。

説明が終わるころには丁度町の入り口に着いていた。

 

 

~~ カミトside out ~~

 

 

 

~~ 暁side ~~

 

依頼のあった町を出発してからかれこれ2、3時間経過した。

アレイシア精霊学院のある街まですぐ目の前まで来ていた。

 

 

暁「体をちゃんと休ませてからなら歩きでもこうも楽なのか……。」

 

フィアナ「クレアが言っていた通り考えなしに勢いだけで行くからよ。」

 

雷「そうだぞ 暁。」

 

フィアナ「雷もよ。」

 

雷「はい。」

 

 

会話が終わるころにはまちの入り口の見える位置まで来ていた。

少し遠いが入り口に4人の人の姿が見える。

俺達には見覚えのある4人だった。

カミト、クレア、エリス、リンスレットの4人だ。

出迎えは嬉しいのだが正直なところ「何故?」という疑問形が最初に浮かんだ。

でも少し考えればすぐにわかることだ。カミト達の仲間のフィアナがいるからだ。

俺は皆、フィアナの出迎えだとこの時は思っていた。

 

 

フィアナ「皆、ただいま。」

 

カミト「おかえり、暁達もお疲れ様。」

 

暁「ただいま、少々疲れたよ。」

 

クレア「でも、何とかなったみたいね。」

 

雷「まあ、暁は考え事とか言ってあまり戦闘に集中できてなかったみたいだけどな。」

 

リンスレット「考え事とは何ですの?」

 

暁「ただ単に一回目の戦闘の時だけ敵の数が異様に多かったから」

 

エリス「確かに、そう聞くと気になるな。」

 

暁「だけど確認の手段とかないから結局頭の片隅に放置ってことになったんだよね。」

 

クレア「カミト、暁と雷にあの事言わないといけないでしょ。」

 

カミト「そうだな。それがここにいる理由でもあるからな」

 

暁「俺はてっきりフィアナの迎えかと思っていたんだけど?」

 

クレア「私たちはそうよ。でもカミトは違うのよ。」

 

カミト「暁と雷にこれに出てもらえないかと思ってな。」

 

 

そしてカミトが出したのは一枚の紙だった。

その紙の上部には大きく【闘技大会】の文字が書かれていた。

参加者は当然精霊使いであること、とも書かれていた。

まあ、当然だよな。んっ? 待てよ。

 

 

暁「なぁカミトさんや。」

 

カミト「いきなりどうしたんだよ暁?」

 

暁「これって俺と雷が出ても大丈夫なのか?」

 

カミト「・・・・・。」

 

雷「どういうことだ?」

 

ドラグノフ「雷、本当に言っているのか?」

 

雷「・・・・・マサカー」

 

 

ドラグノフは雷に俺がどうしてそんな質問をしたか説明した。

ちなみにカミトはだんまりである。

 

 

雷「ああ、そういうことか。そのことをすっかり忘れてたわ。」

 

ドラグノフ「しっかりしてくれ。」

 

雷「うっす。」

 

暁「で、カミトさんそこんとこどうなんすか?」

 

カミト「グレイワースは大丈夫とは言っていたが」

 

 

今回俺が疑問に思っていることは男の俺と雷がこの大会に出てもいいのかという点についてだ。

俺達は確かに精霊使い(?)ではあるが男だ。

この世界での男の精霊使いは大昔に存在したという魔王スレイマンだけだと俺達は聞いている。だからカミトが現れたときは皆動揺を隠せなかったらしい。それなのにさらに現れたとなればいろいろ面倒ごとが増えるのではないか。問題については少し考えればたくさん出てくる。

 

 

暁「まあ、進めてきた人が大丈夫と言っているのなら大丈夫か。」

 

雷「そんな軽さで大丈夫か?」

 

暁「大丈夫だ、問題ない。」

 

カミト「何だあれ?」

 

ティルフィング「マスターと智也さんのよくするやりとりです。」

 

クレア「そんなことよりも暁、雷参加はどうするのよ。」

 

暁「もちろん出るに決まってるじゃないか。」

 

雷「どんな精霊と戦えるかすでに楽しみで仕方ないぜ。」

 

クレア「そう。」

 

カミト「どうしたんだ?」

 

クレア「なんでもないわ。」

 

カミト「? そうか。」

 

ティルフィング「マスターも智也さんも目が輝いてますね。」

 

ドラグノフ「あいつらだからな仕方ないな。」

 

カミト「決まったな。俺は一度学院に戻ってグレイワースに伝えてくるよ。」

 

暁「俺も付いて行っていいか? 急な以来の報告をした方がいいだろうから」

 

カミト「ああ、構わない。」

 

雷「疲れたから、その辺で休憩してるわ。」

 

フィアナ「なら、ここで一旦解散ね。」

 

 

フィアナの言葉に全員頷き俺とカミトはグレイワースのもとへ雷は街へと動いた。

この時クレアがフィアナたちに声をかけていたが特に気にしなかった。

だがそれが、あんなことになるなんて。

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 

~~ クレアside ~~

 

私は暁と雷が参加すると言ったので(ひそ)かに考えていたことを

実行しようと思い至った。だから全員が解散する前にリンスレット、エリス、フィアナ、

ドラグノフ、ティルフィング、リン、ロンギヌスを呼び止めた。

 

 

リンスレット「クレア、いったい呼び止めて何の用ですの?」

 

クレア「少し考えがあって呼び止めたのよ。」

 

エリス「何となくだが予想がついているのだが……」

 

フィアナ「奇遇ね私もよ。」

 

クレア「私たちも出ないかしら。闘技大会に、男子には内緒で」

 

エリス「はぁ~。やっぱりか」

 

フィアナ「そんなことだろうと思ったわ。」

 

リンスレット「そうですわね。」

 

クレア「どうかしら、ティルフィング達もよ。」

 

ティルフィング「私たちも…、ですか…。」

 

クレア「でなければ呼び止めたりしないわ。」

 

ドラグノフ「だろうな。」

 

リン「面白そうだね。私は乗った」

 

ロンギヌス「ええ!! リンさん!!」

 

ドラグノフ「私もリンと同じ意見だ。偶には雷とも戦ってみたいしな。」

 

 

どうやらドラグノフとリンはノリノリのようだ。

でもティルフィングとロンギヌスは悩んでいる。

当然といえば当然よね。急な提案だもの。

 

 

クレア「ごめんなさい。急すぎたわね 少しk…ティルフィング「出ます!!」」

 

ロンギヌス「私も!!」

 

 

私は驚いた。あれだけ難しい顔をしていたのに参加するとは

ロンギヌスに至っては戦闘に消極的なのに強く出てきた。

 

 

クレア「ほんとに出るのね?」

 

ティルフィング「ええ。」

 

ロンギヌス「は、はい。」

 

クレア「出る気になった理由を聞いても?」

 

ティルフィング「難しく考えずに自分がマスターと戦いたいという気持ちに従ったまでです。」

 

クレア「暁の言葉ね?」

 

ティルフィング「はい。」

 

クレア「ロンギヌスは?」

 

ロンギヌス「わ、私は、マスターに手合わせしてもらいたくて、それで、その……」

 

クレア「で、彼女たちはこう言ってるけれどあなた達はどうするの?」

 

 

そう言ってリンスレット、エリス、フィアナに向き直った。

 

 

リンスレット「「面白そう。」確かにそうですわね。」

 

フィアナ「そうね。そしてカミト君にも一泡吹かせそうだし」

 

エリス「暁と雷の力を見極めるチャンスでもあるしな。」

 

クレア「決まりのようね。」

 

 

私たちは闘技大会に参加することを決めた。

さて、男子はどんな顔をするかしら。

大会当日が楽しみで仕方がないわね。

 

 

~~ クレアside out ~~

 

 

 




大城「少々大事な話がございまして出てきました。」

暁「何だ?」

エリス「ここの作者は大事な話が多すぎるな。」

リンスレット「大城ですから仕方ないですわ。」

クレア「今更の話ね。」

フィアナ「書き始めた時点でこうなることは確定事項よ。」

大城「そのことについては猛反省しておりますので、そこまで言わなくてもいいじゃないですか。」

カミト「それで、大事な話ってのは?」

大城「そうでした。リアルの方が忙しくなるため投稿しない日が出てくるかもしれません。
そのことで温かく待ってもらえると助かります。」

クレア「そもそも全話読んでいる人がいるかが疑問だけどね。」

大城「(´・ω・`)」

ティルフィング「そういうことなのでよろしくお願いします。」

ドラグノフ「次回予告に行こうか。」

ロンギヌス「じ、次回、第21話」

リン「報告と街案内、よろしくね。」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。


大城(最近メンバーに次回予告のよろしくと言う前に次回予告されてる(´・ω・`))




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第21話 報告と街案内

大城「いきなりですが、ゲスト紹介です。」

大城「リンスレットさんとエストです。」

リンスレット「よろしくですわ」

エスト「お願いします。」

リンスレット「珍しい組み合わせですわね。」

大城「メンバー考えるのがしんどいです。」

リンスレット「メタいですわよ。」

エスト「作者の特権で喋ってますね。」

大城「わかってるじゃないですか」

リンスレット「とりあえず、後で処刑ですわね。」

大城「いつも通りですね。わかりたくない」

エスト「注意事項です。」

大城「!?」


※ 誤字・脱字、読みくい所の存在など


リンスレット「これらが大丈夫な読者の皆様は楽しんでくださいな。」





~~ 暁side ~~

 

カミトからの闘技大会の参加を勧められ出ると決めた。その後、一旦解散となり俺はカミトに付いて行く形でグレイワース学院長のもとへ向かった。

 

────コンコンコン

 

 

カミト「俺と暁だ。」

 

グレイワース「入れ。」

 

暁「失礼します。」

 

グレイワース「何の用だ?」

 

カミト「闘技大会のことを伝えに来た。暁は依頼のことだ。」

 

グレイワース「ふむ、では聞こうか。」

 

カミト「俺からだが、暁も雷も出てくれるそうだ。そうだろ?」

 

暁「もちろん、面白そうだしな。ただ……」

 

グレイワース「ただ、なんだ?」

 

暁「本当に俺と雷が出ても大丈夫なんですか?」

 

グレイワース「もちろんだとも。」

 

暁「わかりました。」

 

カミト「俺からは以上だ。あっ、そうそう」

 

 

急にカミトが何かを思い出したかのように俺の方を向いた。

いったい何だろうと思った。

 

 

カミト「闘技大会の参加内容は見たか?」

 

暁「精霊使いであることとチーム戦ってことが書いてあったな。」

 

カミト「そのことなんだが……」

 

暁「?」

 

カミト「チームは俺と暁、雷の3()()なんだ。」

 

暁「ほう……、ん?」

 

カミト「気づいたみたいだな。」

 

暁「それマジ?」

 

カミト「マジな話だ。」

 

 

何故俺が疑問に思っているかというとですね。

参加する闘技大会はチーム戦なわけで参加人数は3~8人なんですわ。

チーム戦は人数が相手より多ければ有利になることが多い。と言っても戦闘場所が広ければの話なんだが、どのみち精霊使い同士の戦闘なんだから戦闘場所は広いだろうな。

 

要するに、不利じゃね。

 

いや、まあ、自分で言うのもなんだけど戦闘に関しては確かに能力は持っているつもりだよ。でもさぁ、それとこれとはまた別じゃん。まあいいけど。

 

 

カミト「これを聞いても出ようと思うか?」

 

暁「当たり前だろ。こんな面白そうなことを俺は放っておけない人なんだ。だから誰に何と言われようが出させてもらう。ついでに言えば雷も同じ事言うと思う。」

 

カミト「そうか、ならよかったよ。ここで抜けられたら困るからな。」

 

暁「なら聞くなよ。」

 

カミト「一応確認しておこうかと」

 

暁「そういうのは当日に言って逃げられなくする方がいいんだぜ。」

 

グレイワース「私を放って話すとはいい度胸だなお前たち。」

 

 

グレイワース学院長はどうやら不機嫌なようだ。

何故かはだいたいわかる、だから早いうちに誤っておこうと思っていた。

どうやらカミトも同じことを思っていたみたいだ。

 

 

カミト「悪い。」

 

暁「すみません。」

 

グレイワース「まあいい。それで暁、カミトから一応一通りのことは聞いている。寄った先の町で依頼を受けたそうだな?」

 

暁「はい。」

 

グレイワース「結果について話を聞かせてもらおうか。」

 

 

グレイワース学院長がそう言うとカミトも耳を向けてきた。

どうやら気になっているみたいだ。

 

 

暁「依頼を受けた初日は異族の数が多く、そのことをその町の町長さんや自警団の人にも聞いた結果、「そんなことは一度も起きたことがない。」と言われました。その後の5日間も確認をとるため出ましたが町長さんや自警団の人が言った通り初日と比べて断然に数が減り、危ない場面もありましたが自警団の人たちでどうにかできる数しか出ませんでした。以上が受けた依頼の結果です。」

 

グレイワース「そうか。」

 

カミト「そんなことがあったのか。」

 

暁「最後に、カミト、グレイワース学院長、一つ確認したいことが」

 

グレイワース「何だ?」

 

カミト「どうした?」

 

 

俺は初日の戦闘で異族の多くに何かしらの模様を見つけていた。

場所がバラバラで、大きさも大、中、小とバラバラだったため全部が全部確認できたわけではない、が、確かに自分たちの世界では見たことのない模様だった。

そして、その模様からは何か歪な力を感じ取ったことも2人に伝えた。

 

そのことを聞いたカミトとグレイワース学院長、カミトは驚いて言葉をなくし手には力が入っていた。、グレイワース学院長は冷静を装ってはいるが少し顔がしかめていた。

 

 

グレイワース「暁、その話は本当だな?」

 

暁「勿論です。嘘を吐く必要性がありますか?」

 

グレイワース「それもそうだな。」

 

 

その言葉の後、部屋に数秒の沈黙が訪れた。

 

 

暁「何か知ってはいるんですね?」

 

グレイワース「ああ。だがそれを話すかはもう少し待ってくれ。」

 

暁「わかりました。」

 

カミト「なあ暁、この事を知っているのは?」

 

暁「ここにいる3人だけだよ。」

 

カミト「この事は他言無用の方がいいんじゃないかグレイワース。」

 

グレイワース「そうするしかないだろうな。」

 

カミト「暁もそれでいいか?」

 

暁「勿論。もともとそのつもりだからな。」

 

グレイワース「要件は終わったな?」

 

カミト「ああ。」

 

暁「はい。」

 

グレイワース「いろいろと整理する必要性がありそうだな。」

 

カミト「グレイワース、俺たちは部屋に戻るよ。」

 

グレイワース「ああ。暁、報告助かった。」

 

暁「いえ。それでは」

 

 

そして俺とカミトは学院長室を後にした。

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 

~~ 雷side ~~

 

一旦解散となってから、かれこれ1時間程度経過していた。

解散となってからは街をぶらついていた。

 

 

雷「ゆっくり街の観光って初めてじゃないか?」

 

 

1人そんなことを思いながら歩いていると1人見覚えのある後ろ姿を見つけた。

綺麗な紫のロングヘアをしている人を俺は1人しか今は知らない。

1人このままぶらついてもしょうがないのと、街案内をしてもらうために声をかけた。

 

 

雷「おーい、フィアナー。」

 

フィアナ「あら、智也君じゃない。どうしたの?」

 

雷「街をぶらついてたらフィアナを見つけて街案内でも頼もうかと。」

 

フィアナ「そういうことなら任せなさい。で、どこか行きたい場所でもあるの?」

 

雷「今は街のどこに何があるのか把握しておきたいってのが一番かな?」

 

フィアナ「了解よ。そういうことならとりあえず開けた場所まで行きましょうか。」

 

雷「だな。」

 

 

というわけで俺とフィアナは噴水のある広場中央までやってきた。

 

 

フィアナ「どのあたりから見るのがいいかしら。」

 

雷「考えるより行動でいいと思うぜ。」

 

フィアナ「???」

 

雷「要するに、とにかく動きまくって気になった店がありゃあ入ればいいんだよ。」

 

フィアナ「成る程、一理あるわね。」

 

 

そう言って俺とフィアナは賑わっている方へ歩き出した。

歩いた方はどうやら繁華街だったらしくいろんな店が建ち並んでいた。

 

 

雷「どの店の料理もうまそうだな。」

 

フィアナ「そう思うなら食べたら?」

 

雷「それもそうだな………あっ!!

 

フィアナ「いきなり大声出してどうしたのよ?」

 

雷「俺金がねえ……」

 

フィアナ「えっ!?」

 

雷「正確に言えばこの世界の金がねえ。」

 

 

そう、俺と暁はここに来て数週間経ってはいるが1円たりとも稼いでいない。町でのティルフィングとロンギヌスの買い物の時のお金はクレア達から借りたもので、早いうちに返すつもりであるが今のところそんなことはできない状況だ。

 

 

フィアナ「ねえ智y……雷くん」

 

雷「雷くんって言いにくいだろ? 智也でいいよ。」

 

フィアナ「そ、そう? じゃあ遠慮なく……こほん、智也くん。」

 

雷「ん?」

 

フィアナ「今回は私が立て替えようか?」

 

雷「それだけは駄目だろ。」

 

フィアナ「どうして?」

 

雷「女子に奢られたくないっていう私情。」

 

フィアナ「何よそれ? ならこうしましょ。」

 

雷「???」

 

フィアナ「2回助けてもらったお礼ということで」

 

雷「まあ、それなら……」

 

フィアナ「決まりね。それじゃあ行きましょ。」

 

 

俺とフィアナは食べ物屋を回ったり、フィアナが「服を見たい。」と言ったのでそれに付きあったりした。正直に話そう、俺に服のことを聞かれてもわからん。

そしてそんな楽しい時間はあっという間に過ぎていった。

気づけば空は薄暗くなっていた。

 

 

雷「今日はこの辺で切り上げるか。」

 

フィアナ「そうね。」

 

雷「今日は楽しかったよ。案内もありがとう」

 

フィアナ「別にこのくらいどうってことないわよ。」

 

雷「何から何まで助けられてばっかりだな。」

 

フィアナ「そんなことはないわ。戦闘ではこっちが助けられているもの。」

 

雷「そうか?」

 

フィアナ「そうよ。それに困っているときはお互いさまって言うでしょ。」

 

雷「うーん。」

 

フィアナ「男が細かいこと気にしないの。」

 

雷「それもそうだな。こういう時 暁の大雑把な性格が欲しいと思うわ。」

 

フィアナ「ねえ智也君、暇な時でいいの。またこうして2()()()()で出かけないかしら?」

 

雷「そりゃあ構わないけど、俺と2人ってつまらなくないか?」

 

フィアナ「そんなことないわよ。何せ今回楽しかったもの。」

 

雷「まあフィアナがいいならいいか。」

 

フィアナ「ありがと。それじゃあまた明日。」

 

雷「ああ、また明日。」

 

 

そして俺とフィアナは分かれてそれぞれの寮へと戻って行った。

 

 

~~ 雷side out ~~

 

 

 




大城「ついに、ストックがなくなってしまった・・・。」

クレア「最近小説書くのをサボり気味だったんでしょ?」

大城「はい。」

クレア「なら、そうなっても仕方がないわね。」

大城「書こうとは思うんですけどね。」

カミト「そこで書けばいいのに」

大城「別の事して書かなくなるんですよね。」

フィアナ「お願いだから一か月開けることはないようにしなさいよ?」

大城「重々承知しております。」

フィアナ「本当かしら?」

エリス「うちの作者はその辺大雑把だからな。」

リンスレット「どうしようもない人ですから」

大城「(´・ω・`)フォローしてくれる人がいない現実」

カミト「まあお前だからな。仕方がない」

大城「気持ち切り替えて私は続き書きに戻るので次回予告お願いします。」

カミト「仕方ないな。次回!! 第22話」

クレア「チームエントリー」

フィアナ・リンスレット・エリス『お楽しみに!』


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第22話 チームエントリー

大城「早速ゲスト紹介です。」

大城「暁とティルフィングです。」

暁「どうもです。」

ティルフィング「よろしくお願いします。」

暁「今回の登場まで結構間が空いたな。」

大城「出来るだけ連続登場なしにしようとしてますから。」

ティルフィング「今回の話は別の人からの視点なんですよね?」

大城「でも読んでも『いつもと変わらねぇ』って思いますよ。」

暁「そうかもしれんがお前が言うな。」

ティルフィング「私が振っておいて何ですがネタバレはいけませんね。」

大城「おう、そうですね。読者の皆様申し訳ありません」

暁「まあ、本編の内容言ってないだけましか」

大城「では、そろそろ注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在など


暁「これらが大丈夫な皆さんは」

ティルフィング「楽しんで読んでください。」





~~ カミトside ~~

 

暁と雷が闘技大会の参加を決めてからすでに一週間が過ぎ、闘技大会当日の朝俺はいつも通りベッドで寝ていた。一人で寝ていたはずなんだ。なのにベッドの中にあからさまにもう一人いる。何時潜り込んだかなど今はどうでもいい、この後起きることについて俺はどう対処すべきか考えなければならない。

そんなことを考えていると潜り込んでいた張本人が出てきた。

 

 

カミト「やっぱりお前だったか エスト。」

 

エスト「おはようございます カミト。」

 

カミト「ああ、おはよう。できれば早く服を着てくれないか?」

 

 

何故俺がこんなことを言っているかというとエストはただいま黒色のニーソ以外着用していないからなんだよ。これはエストと契約した時からこうなんだ。

それのせいで何度クレア達に殺されかけたことか。

 

 

エスト「今はクレア達はいないのですから大丈夫なのでは?」

 

 

エストの言う通り今はクレアは居ない。

 

暁と雷がここに来てからグレイワースが俺達男子用にっていうのと暁達がここで生活していくのに必要最低限の住む場所+生活費ができはじめるまでの間として貸してくれている寮にいる。しかもクレア達の居る女子寮とは逆の位置に存在する。

クレア達から離れたことで殺されかける心配はなくなったが、暁達に見つかって何を言われるか分からない。

 

 

カミト「クレア達は確かに居ないが暁達がいるからな?」

 

エスト「確かにそうですね。」

 

 

白い光がエストを包み込んだ。

白い光から姿を現したエストはアレイシア精霊学院の女子生徒の制服を着ていた。

 

 

エスト「カミト、これからどうするんですか?」

 

カミト「とにかく、暁と雷を起こすか。多分まだ寝てるだろうし」

 

エスト「わかりました。」

 

 

~~ 暁の部屋 ~~

 

カミト「まずは暁からだな。」

 

 

コンコンコン

 

 

カミト「暁ー、起きてるかぁー。」

 

 

シ──────ン

 

 

エスト「応答がありません カミト。」

 

カミト「やっぱり寝てるのか? 入るぞ。」

 

 

ガチャッ

 

 

カミト「暁ーって居ないじゃん。」

 

エスト「カミト 暁が居ません。」

 

カミト「と、すればええっと、今何時だ?」

 

 

時間の確認のため暁の部屋の壁に掛けてある時計を見た。

時計は午前の7時を丁度回ったところだった。

 

 

カミト「エスト、雷の部屋行くぞ。」

 

エスト「カミト、暁はいいのですか?」

 

カミト「暁は多分雷を起こしに行ってる間に戻ってきてるはずさ。」

 

エスト「?」

 

カミト「とにかく、雷を起こしに行くぞ。」

 

 

~~ 雷の部屋 ~~

 

コンコンコン

 

 

カミト「雷ー、入るぞー。」

 

 

ガチャッ

 

 

雷「グゥ~~~~~。」

 

カミト「やっぱり寝てたか。」

 

エスト「カミト、流石にこの時間は他の人も寝てると思います。」

 

カミト「まあそうだけどな。」

 

雷「・・・んっ?」

 

カミト「起きたみたいだな。」

 

雷「なんでお前らいんの?」

 

カミト「お前を起こしに来た。」

 

雷「暁は~?」

 

エスト「部屋に行きましたが姿を見ませんでした。」

 

雷「んーーーと、ふうー、外だな。」

 

 

雷が伸びをした後にそう言った。

 

 

エスト「どうしてそう思うのですか?」

 

雷「この時間帯はあいつ、外で剣振ってんだよ。」

 

エスト「なるほど。」

 

雷「アイツ試合となるとムキになるからなぁ~。」

 

カミト「そうなのか?」

 

雷「まあ、ムキというか真剣(マジ)だな。」

 

カミト「珍しいな。」

 

雷「アイツ、元の世界で誰かと練習試合する時に偶にはそのこと忘れて思いっきり潰しにきたことが何回かあったのを思い出したわ。」

 

 

そんな感じで暁と雷のちょっとした話を聞いていると

あっという間に時計の針が8時半を回っていた。

 

 

カミト「おっと、もうこんな時間か暁の所に行かないと」

 

雷「俺も付いてくわ。」

 

カミト「わかった。部屋の前で待ってる」

 

雷「助かる。」

 

 

そしてまた暁の部屋の前に来た。

 

コンコンコン

 

 

カミト「暁、いるか?」

 

暁「いるぞ。」

 

カミト「入っても?」

 

暁「いいぜ。」

 

 

ガチャッ

 

 

カミト「おはよう。」

 

暁「おはよう。」

 

エスト「おはようございます 暁。」

 

暁「おはよう エスト。」

 

雷「おはよう。」

 

暁「おう。」

 

雷「俺だけなんで?」

 

暁「いつも通りの返しだろ?」

 

雷「そっすね。」

 

エスト「そういえば 暁、7時頃に剣を振りに行っていたのですか?」

 

暁「そうだけど どうしてそれを?」

 

エスト「雷が教えてくれました。」

 

 

エストの言葉を聞いて暁が雷の方を睨む感じで向くと雷は

明後日の方向を向いて口笛になっていない口笛を吹いていた。

 

 

暁「別に隠してるわけじゃないからいいけど」

 

雷「いいなら、俺を睨むなよ!!」

 

暁「いや、何となく。」

 

カミト「暁、エストの質問に答えてやってくれ。」

 

暁「おっと悪い、あの時間帯なら殆どの人がまだ寝ているからかな。」

 

エスト「では、他人に迷惑をかけないようにと?」

 

暁「簡単に言えばそうなるな。後習慣ってのもあるけど」

 

エスト「理解しました。」

 

暁「それはよかった。」

 

カミト「さて、そろそろいい時間だ。」

 

 

時計を見て俺がそう言うと暁と雷も時計を見た。

時計の針は9時をちょっと過ぎたあたりを指していた。

 

 

カミト「俺達朝飯食ってねぇな。」

 

雷「忘れてたわ。」

 

暁「朝飯? あぁ、そんなものあったなぁ。」

 

カミト「暁、お前・・・。」

 

雷「お前、元の世界で1人の時朝飯どうしてたんだ?」

 

暁「食ってないな。」

 

雷「マジかよ。」

 

カミト「とにかく、試合の参加登録が10時半からだからそれまでに何か食べておこうぜ。」

 

雷「だな。」

 

暁「腹が減ってはなんとやら。」

 

雷・カミト「「お前がそれを言うのかよ!?」」

 

 

とりあえず、エストを含めて4人で軽い朝ご飯を食べた。

そして、参加チームの登録開始時間になった。

 

 

カミト「時間だしそろそろ行くか。」

 

雷「いつも奢られてばっかりでなんか悪いな。」

 

カミト「気にすんなって」

 

暁「ふと思ったんだけどさぁ~。」

 

雷「何だ急に?」

 

暁「今回の大会の景品って何なんだ?」

 

雷「そういえばそうだな。」

 

カミト「紙にはー・・・、書かれてないな。」

 

暁「大会というには景品が無いってのはどうかと思うけど」

 

雷「開会式のタイミングとかで言うんじゃね?」

 

暁「成る程」

 

カミト「どのみち、何かしらありそうだよな。」

 

暁「まさかの主催者がキル姫と銃姫だったりしてな。」

 

雷「まっさかぁ~。」

 

カミト「そんなわけないに決まってるだろ。」

 

暁「だよな~。」

 

 

3人「「「アハハハハハハハハ。」」」

 

 

エスト「カミト、人はそれをフラグというのですよね?」

 

 

3人「「「・・・・・。」」」

 

 

エストの一言でその場の空気が一変した。

何とかして話題を出さなければ・・・。

 

 

カミト「そういえば、暁」

 

暁「ん? なんだ?」

 

カミト「ティルフィング達はどうしたんだ?」

 

暁「用事があるとかで出ないってさ。」

 

カミト「それ大丈夫なのか?」

 

暁「まあ、魔法で武器作れるから大丈夫だろ」

 

雷「一種の精霊の力みたいなもんだしな。」

 

カミト「それもそうか。」

 

暁「それで納得していいのか?」

 

雷「気にするな!」

 

エスト「カミト、時間は大丈夫なんですか?」

 

 

3人「「「あっ・・・」」」

 

 

そして俺たちは全速力で受け付けのある闘技場まで走った。

走った結果間に合ったのだが受付で「チーム名を教えてください。」と言われた。

まあ、チーム名何か考えているわけもなく、

どうしようかとなっているときに雷が「【MULTI USERS】でどうよ。」と言い出した。

理由を聞くと「使い手が3人いるから」ということだった。

 

 

カミト「俺はいいと思うな。」

 

暁「他に案が無いからそれで。」

 

 

というわけで、俺たちのチーム名は【MULTI USERS】となり、

闘技大会の参加登録を終えた。

 

 

~~ カミトside out ~~

 

 




カミト「今回は俺がメインの視点だったな。」

エスト「はい、カミト。」

カミト「エストも結構出番があったな。」

エスト「後半はあまりありませんでした。(´・ω・`)」

カミト「大城もうちょい頑張れ。」

大城「善処しますよ。」

カミト「頼むぜ。」

大城「わかってます。エストの出番を何とかして作ります」

暁「大城、今回は少し短くないか?」

大城「うまく切れるところが見当たらなかったので切れるところで切ったらこうなりました。」

暁「ああ、そういうことね。」

大城「いつも通りで書くとエストの登場を増やせます。(多分)」

カミト・暁「「おいこら、大城最後」」

大城「とにかく、エスト次回予告お願いします。」

エスト「次回第23話 初戦」

エスト「読者のお兄ちゃん、お姉ちゃん次回もお楽しみに」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第23話 初戦

大城「どうも皆さん作者です。ゲスト紹介ですね」

大城「今回のゲストは雷とリンさんです。」

雷「オッス。」

リン「よろしくね。」

雷「最近ストックの方は大丈夫なのか?」

大城「無くなりました。」

リン「書いて即投稿になるのね。」

大城「そういうことですね。」

雷「リアル友人の方はどうなんだ? 同じ小説家だろ?」

金剛「大丈夫だ、問題ない。」

大城「だそうです。」

リン「しれっと入ってきたわね。」

雷「モチーフがそんなこと言っていたのか、心配でしかねぇ。」

大城「自分がだいじょばないですので、とりあえず頑張ります。」

リン「大城の「頑張ります。」がどこまで続くかみものね。」

金剛「大城wwwガンバwww」

大城「ここから注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在など


リン「これらが大丈夫な皆さんは楽しんで読んでください。」






~~ 女性陣side (控え室) ~~

 

クレア「カミト達、何とか登録できたみたいね。」

 

リンスレット「滑り込みセーフってところでしたけど」

 

エリス「カミトの事だから時間には余裕をもって来ると思っていたのだが」

 

ティルフィング「多分マスター()ですね。」

 

ドラグノフ「雷もだろうな。」

 

フィアナ「予想はついてるけど、どうして?」

 

ティルフィング・ドラグノフ

    「「(マスター)(雷)は、とにかくマイペース(ですから)(だからな)。」」

 

フィアナ「やっぱりなのね。」

 

リンスレット「そういえば皆さんちゃんと暁と雷には伝えていますの?」

 

ティルフィング「私はマスターに出場の事を聞かれましたので用事がある、と伝えました。」

 

クレア「えっ? それで信じたの!!」

 

ティルフィング「ええ。」

 

リンスレット「暁って意外と単純なんですのね。」

 

エリス「暁なら疑いそうだが」

 

フィアナ「よく考えてみなさい。」

 

リンスレット「何ですの?」

 

フィアナ「ティルフィングがこの前言ってたじゃな。暁は大雑把だって」

 

クレア・リンスレット・エリス「「「ああ~。」」」

 

 

3人がティルフィングの言葉と暁の言動を振り返り、一瞬で納得できた。

 

 

クレア「で、ドラグノフの方は?」

 

ドラグノフ「私のところも同じようなものだ。」

 

リンスレット「では、ロンギヌスさんとリンさんも同じですのね?」

 

ロンギヌス「は、はぃ。」

 

リン「そうだね。」

 

 

そんな会話をしていたら放送で開会式を始めると入った。

 

 

フィアナ「あら? もうそんな時間なのね。」

 

クレア「じゃあ、行きましょうか。」

 

 

そして私たち、チーム【姫巫女】が開会式に向かった。

 

 

~~ 女性陣side out ~~

 

 

 

~~ 男性陣side ~~

 

カミト「参加登録が俺たちで終わるとは・・・」

 

雷「ギリギリだったな。」

 

暁「チーム名がいるとは・・・」

 

エスト「カミト、さっき放送で広場に集合と言っていましたよ?」

 

カミト「マジか!!」

 

暁「多分開会式だな。」

 

雷「だろうな。」

 

暁「うん、メンドイな。」

 

雷「かと言って出ないわけにはいかんだろ。」

 

暁「ですよねー。」

 

 

なんだかんだ言いながらも出ないといけないので、

暁たちは放送のあった広場に向かった。

 

 

暁「うわっ!? これ何チームいるんだ?」

 

雷「数が多すぎるだろ」

 

カミト「これを勝ち残るのはさぞかし骨が折れるな」

 

エスト「大丈夫ですカミト。カミトには私が付いてます」

 

カミト「だな。頼りにしてるぞ」

 

 

そんな会話をしていると珍しい恰好をした1人の女性が出てきた。

威風堂々としているその女性は腰に刀を携えていた。

そしてその女性がこの大会のルールと、優勝品について話した。

 

女性「ルールはいたって簡単なものだ。」

 

 

─────────── 第一試合ルール ───────────────

 

・参加人数:3~5人

 

勝利条件

・相手チームリーダーを倒す

・相手チームの全滅

 

敗北条件

・自分チームリーダーが倒される

・自分チームの全滅

・チーム内の違法行為

 

違法行為

・上限メンバー以上で戦闘に参加すること

・別のチームメンバーをチームに入れること

 

────────────────────────────────────────

 

 

暁「ふむ、なるほど。」

 

カミト「あれ? シンプルだな」

 

雷「暁、抜け道あるよな これ。」

 

暁「あるな。」

 

エスト「抜け道ですか?」

 

暁「そう。」

 

 

エストにこのルールの抜け道を教えた。

 

 

エスト「それじゃあ、共闘で戦いに挑むチームがいると?」

 

暁「そう思って戦うべきだろうなって話さ。」

 

 

女性「そして、優勝品についてだが・・・、」

 

女性「特殊な精霊との契約と、賞金10万

 

 

ざわざわ・・・

 

 

女性の一言でこの会場にいる誰もがざわついた。

金額についてもそうだが一番はやはり『特殊な精霊との契約』ってところだろう。

参加者は全員精霊使いだろうからな。

 

急に、足元が光りだした。

それと同時に女性が最後に一言言い放った。

 

 

女性「では、健闘を祈る!!

 

 

そして、光に包まれ戦う場所に飛ばされた。

俺たちが戦う場所は元素精霊界(アストラル・ゼロ)と呼ばれている場所の森林、

元素精霊界(アストラル・ゼロ)とは精霊が存在している場所だとか。

そこに行くためには、この世界と元素精霊界(アストラル・ゼロ)を繋いでいる

精霊界の門(アストラル・ゲート)を使うそうだ。

 

元素精霊界(アストラル・ゼロ)についたのだが、辺りに別のチームの気配はない。

 

 

暁「いきなり全チーム一斉のバトルロイヤルかよ。」

 

雷「これいきなり決勝戦とかじゃないよな?」

 

カミト「多分大丈夫だろ。多分・・・」

 

暁「とりあえず、場所が広いので雷の狙撃で戦闘かな? 俺とカミトは囮で雷に敵の位置を教えるってところでいいよな?」

 

雷「俺はそれで構わないぜ。」

 

カミト「俺もそれで構わない。」

 

暁「じゃあ、動きますか」

 

 

すると、

 

ドオォォォォォォォォォン

 

暁達が動き出すと同時に爆発音が聞こえてきた。

 

 

暁「もうドンパチやってんのかよ。」

 

雷「距離的には遠そうだから無視でいいんじゃないか?」

 

カミト「周辺を要警戒だな。」

 

 

暁と雷はカミトの言葉で慎重に行動する。

何時、奇襲を受けるかわからない。

 

 

暁「雷~、そろそろいい位置見つけたかぁ~。」

 

雷「おう。」

 

 

雷の声のする方に暁とカミトは向くがそこに雷の姿はなかった。

どうやら既に雷の得意とする魔法の一つステルスの魔法を使っているようだ。

 

 

暁「念話(テレパシー)できるようにしておくか。」

 

カミト「念話(テレパシー)? なんだそれ?」

 

暁「簡単に言えば、口に出さずに考えるだけの会話だな。」

 

カミト「一応イメージ的なのは出来てる。」

 

暁「実際に体験した方が早いだろ。というわけでちょい待ち」

 

 

そう言って暁は目を閉じて何かに集中し始めた。

それから数十分して、暁は目を開けた。

 

 

暁「魔力の性質が違うせいか少し時間がかかったわ。」

 

カミト「でも「かかった。」だけなんだろ?」

 

暁「おう。というわけで早速試すか」

 

暁(カミト聞こえてるか?)

 

カミト「うおっ!? 頭に暁の声が!!」

 

暁(習うより慣れよの精神でカミトもやってみ。)

 

カミト(こんな感じか?)

 

暁(初めてにしてはいい感じじゃんか。)

 

カミト(そうか。)

 

暁(ちなみにこれは雷にも繋いでるため集中しているあいつに急にしゃべりかけると・・・。)

 

暁(カミト、ちょいとそこ見てろ)

 

カミト(お前何するつもりだよ。)

 

暁(見てれば分るよ。カミトから雷に変えて・・・)

 

 

暁(ヴェアアア!!)

 

 

ガサッ ドスンッ

 

 

誰かが落ちてきた。

誰かってまあ雷しかいないんだけど、それより結構痛そうな音なったな。

 

 

雷「ぐおぉぉぉ、頭と背中がぁ~。」

 

カミト「暁、お前・・・」

 

暁「www」

 

雷「(#^ω^)暁テメェー」

 

暁「いやはやすまんすまんw。」

 

 

ガサッ

 

 

暁「はい釣れた。」

 

雷「後で覚えてろよ。」

 

 

雷は暁にそう言い残してまたステルスの魔法で姿を消してから

さっきの位置に戻って行った。

 

 

暁「さてカミト、準備はいいな?」

 

カミト「ああ、もちろんだ。」

 

 

暁とカミトが構えた瞬間に風の刃が飛んできた。

お互い左右に飛んで(かわ)した。

だが、二手に分かれてしまった。

カミトの方にはさっき風の刃を飛ばしたであろう少女A。

暁の方にはハンマーを持ち、ゴーレムを従えた少女B。

 

 

暁「おい、マジか。」

 

少女B「貴様も男の精霊使いなのか?」

 

暁「精霊とは違うがまあ、そんなとこだな。」

 

少女B「他にも男の精霊使いがいたとは驚きだ。」

 

暁「う~ん、違うと言ってんだけどな。」

 

少女B「男の精霊使い、貴様の力見せてもらうぞ!!」

 

 

少女Bはハンマーを構え、ゴーレムとともに突っ込んできた。

 

 

暁「いきなりすぎてついていけないので、早々にご退場願います。」

 

 

その言葉と同時に暁は後ろに倒れこんだ。

すると、少女Bは何かに()()()()

射貫かれたわけではなく、撃たれたのだ。

少女Bは一瞬で倒され、何が何だか理解できていない様子だ。

 

 

少女B(いったい何が? 矢に射貫かれたわけではないアレはいったい?)

 

暁「大丈夫か?」

 

少女B「ああ、大丈夫だ。考えていただけだ」

 

暁「それならよかった。ちゃんと戦ってやれなくてすまないな」

 

少女B「何、これも作戦なのだろう。気にはせん」

 

暁「じゃあ、次があるんで。」

 

少女B「君。」

 

暁「ん?」

 

少女B「頑張りたまえよ。」

 

暁「勿論さぁ~。」

 

 

暁はカミトの方に向かって行った。

 

 

 




大城「次の回は特別編を書こうと思います。」

暁「どんな内容にするんだ?」

大城「それは、来週の水曜日が何日かで分かります。」

金剛「爆ぜろリア充!!」

大城「いつも通りのあなたで安心しました。」

クレア「他人出して大丈夫なの?」

大城「友人なんで無問題。」

クレア「・・・」

リンスレット「次回が楽しみですわ。」

フィアナ「そうね。誰と誰がいい感じになるのかしら?」

エリス「わ、私はすでに用意しているがな。」

ティルフィング「マスターへのプレゼントを考えなければ。」

ロンギヌス「ティルフィングさん、一緒に行っても?」

ティルフィング「ええ、構いませんよ。では行きましょうか」

ドラグノフ「私たちも考えなければな」

リン「そ、そうね。仕方がないから考えてあげるわ。」

雷「プレゼント、どうしようかな?」

大城「これ・・・、やばす。」

金剛「自業自得じゃんか。」

大城「とりあえず、次回予告・・・、」

金剛「次回、特別編 クリスマス」

全員『お楽しみに!』


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。


大城(収集つかねぇ。)

金剛(ザマァwww)

※ 特殊な男(モブ)達の現代戦車道
  個人的には面白いのでおすすめします。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

特別編 クリスマス ー前編ー

大城「メリークリスマス、作者の大城です。急ではありますが今回が今年最後の投稿とさせていただきます。そして、前回の次回予告ではクリスマスとしておりましたが書いているうちに分けるべきと判断したため前編・後編とさせていただきました。申し訳ございません。」

大城「謝罪はこれぐらいにして今回のゲストです。カミトとエリスです」

カミト「メリークリスマス、よろしくな。」

エリス「よろしく頼む。そしてメリークリスマスだな」

カミト「大城いきなり謝罪から入るのはどうかと思うぞ。」

大城「書いてるときに思ったんですこれやべぇわと。」

エリス「後で処す。」

大城「やめてくださいよ。」

エリス「仕方がないな。」

大城「命が伸びたところで注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、今回はいつもより長文であることなど


エリス「これらが大丈夫な皆さんは」

カミト「楽しんで読んでくれ。」




今日、12月25日この日はクリスマスである。

戦闘以外勘が働かない3人の男性陣と少し浮かれている女性陣

はてさてどうなりますことやら・・・。

 

 

~~ 12月25日朝 女性陣side ~~

 

ティルフィングとロンギヌスの部屋前に数人の少女たちの姿があった。

クレア、エリス、リンスレット、フィアナ、エスト、ドラグノフ、リンの姿だ。

 

コンコンコン

 

 

ティルフィング「皆さんどうぞ。」

 

クレア「入るわね。」

 

 

ガチャッ

 

 

ティルフィング「皆さんいらっしゃい。」

 

ロンギヌス「いらっしゃいです。」

 

クレア「こんな朝早くに準備しなくてもいいんじゃないの?」

 

ティルフィング「準備というか、役割を決めようかと」

 

リンスレット「役割ですの?」

 

ロンギヌス「最初に料理をする人と買い物に行く人です。」

 

リンスレット「なるほど。で、誰が最初に買い物に行きますの?」

 

ティルフィング「私は最初の買い物組でもよろしいでしょうか?」

 

ロンギヌス「それならできれば私も」

 

クレア「まあ、そうなるわよね。」

 

リンスレット「(わたくし)は買い物前半組でよろしくてよ。」

 

ドラグノフ「では私とリンは買い物後半組で」

 

リン「そっちの方がありがたいかな?」

 

クレア「私は買い物後半組ね。」

 

エリス「私は買い物後半組だな。」

 

フィアナ「私は買い物後半組に入れてもらえないかしら?」

 

クレア「別に聞かなくてもいいわよ。」

 

エスト「わたしはかいものぜんはんぐみに入ります。」

 

ティルフィング「決まりましたね。」

 

クレア「少し整理しましょうか。」

 

 

・前半買い物組

ティルフィング

ロンギヌス

リンスレット

エスト

 

・後半買い物組

クレア

エリス

フィアナ

ドラグノフ

リン

 

 

エリス「こんなところか?」

 

フィアナ「そうね。」

 

クレア「これ、料理って何を作るのかしら?」

 

ティルフィング「前半に料理をする人はケーキを作ってもらおうかと」

 

ロンギヌス「後半組の料理担当はパーティー用の料理を作る予定です。」

 

リンスレット「それは構いませんが・・・」

 

エリス「クレアとフィアナに料理をさせるのは・・・」

 

クレア・フィアナ「「それはどういう意味かしら2人とも?」」

 

リンスレット・エリス「「・・・・・。」」

 

クレア「今回ばかりはあんたたちの言うことを聞きながら作るわよ。」

 

フィアナ「そうね、失敗したものを食べさせたくはないもの。」

 

リンスレット・エリス「「・・・・・ほっ。」」

 

 

なんだかんだありましたがとりあえず前半の買い物組と後半の買い物組とで別れて、

各々鈍感3人衆のために行動を起こすのだった。

 

 

~~ 女性陣side out ~~

 

 

~~ 12月25日朝 男性陣side ~~

 

暁の場合

暁「起きないとなぁ・・・、Zzz~」

 

雷の場合

雷「Zzz~~」

 

カミトの場合

カミト「うぅ~、寒いな。」

 

 

唯一ちゃんと起きたのはカミトのみ

 

 

カミト「とりあえず、暁と雷起こしに行くか。」

 

 

カミトがそれぞれの部屋を回り2人を起こした。

 

 

暁「おはよう。とりあえず寒いの無理」

 

雷「カミトおはよう。」

 

カミト「2人ともおはよう。というかまだ眠そうだな」

 

暁「冬の朝はマジで無理。寒すぎて布団から出たくねぇ」

 

雷「今出てんじゃんか。」

 

暁「それもそうなんですけどね。」

 

雷「カミト、こんな朝早くに何の用だ?」

 

カミト「お前ら今日何の日かわかるだろ?」

 

暁「なんかあったっけ?」

 

雷「いや、俺に振られてもわかんねぇよ。」

 

カミト「おいお前ら、本気で言ってんのか?」

 

暁・雷「「???」」

 

 

暁と雷は今日という日が何の日か完全に忘れている。

昨晩、皆で集まってパーティーをすると話したばかりなのに・・・。

 

 

暁「パーティー・・・。ッ!!」

 

雷「今日がクリスマスの日か!!」

 

 

暁と雷が目を見開きお互いに確認しあっていた。

 

 

カミト「お前ら、マジかよ・・・。」

 

 

カミトは今までの暁と雷の行為を見て呆れ続けるしかなかった。

この2人はいったい何時(いつ)になったら大事な話を覚えれるのか。

 

 

暁「カミトはプレゼントの用意はできてんのか?」

 

カミト「まあな。」

 

雷「マジか。」

 

暁「今何時だ?」

 

雷「9時丁度だな。」

 

暁「朝飯食って街に行くか。」

 

カミト「ちなみにパーティー開始の時間は午後6時からだからな。」

 

暁・雷「「だ、だだ、大丈夫だ、問題ない。」」

 

カミト「・・・、5時半に俺の部屋に集合でいいか?」

 

暁「OK」

 

雷「了解」

 

 

そして男性陣は朝飯を食べてから時間になるまで自由に動き回り始めた。

 

 

~~ 男性陣side out ~~

 

 

~~ カミトside ~~

 

2人と別れてから俺は街をぶらついていた。

一応クリスマスが近づいていることを知っていたので、

少し早いうちにクレアたち用のクリスマスプレゼントを用意しておいた。

まあ、暁と雷は完全に忘れていたみたいだが・・・。

時間もあるし大丈夫と祈りたいな。

 

 

カミト「あそこにいるのはリンスレットとエストだな。」

 

リンスレット「あら? カミトさん奇遇ですわね。」

 

エスト「カミト、何をしていたんですか?」

 

カミト「時間まで暇だから街をぶらついていただけだよ。」

 

リンスレット「でしたらこれから一緒に行動しても?」

 

カミト「構わないよ。」

 

エスト「では、いろいろ回りましょう。」

 

 

その後、俺とリンスレットは半分エストに振り回されながらも街を見て回った。お昼を食べてからリンスレットとエストがこれから朝とは別の用事があるとの事だったので、一旦分かれた。

別れた後はまた街をぶらついた。

 

 

~~ カミトside out ~~

 

 

~~ 暁side ~~

 

今日がクリスマス、そんなことすっかり忘れてました。

どうしようか、ティルフィングとロンギヌスに渡すクリスマスプレゼントを用意してねぇ~。

 

 

暁「うーーーん。」

 

 

いろんなお店を見て回るもの、これといったピンとくるものが見つからない。

正直2人にはいつも助けられている。

だからこそ何か良いものをと考えているのだが・・・

 

 

暁「見つかんねぇ~。」

 

 

本人たちに聞こうにも『それは違う』と言われている気がして聞こうにも聞けない。

 

 

暁「マジどうしよう。時間は~、」

 

 

時間が気になり時計のある中央広場にいたので、時計を確認しようとしたとき、

聞き覚えのある声が聞こえた。

 

 

ティルフィング「マスターじゃないですか。」

 

暁「お、おう。奇遇だな。」

 

ティルフィング「マスターの事ですからまだ布団にこもっている気がしていました。」

 

暁「俺だって、出るときは出るよ。」

 

暁(とりあえず、プレゼントの件はバレないようにしないと・・・。)

 

ロンギヌス「それで、マスターは何をしていらしたんですか?」

 

暁「へ?」

 

ロンギヌス「? 何かまずいことでも聞きましたか?」

 

暁「そんなことは、ちょっと気分で街をぶらt・・・ティルフィング「ロンギヌスさん」。」

 

ロンギヌス「はい?」

 

ティルフィング「マスターが街にいる理由は明白じゃないですか。」

 

ティルフィング「私たちへのクリスマスプレゼントの用意ができていないから探してるんですよ。」

 

ロンギヌス「ああ、なるほど。」

 

暁「バレてたのね。」

 

ティルフィング「勿論です。長い付き合いですから」

 

暁「ロンギヌスもそこで納得しちゃうのね。」

 

ロンギヌス「マスターの性格を理解してますから。」

 

暁「正しいから何も言えねぇ。」

 

暁「プレゼント、用意できてなくてすまない。」

 

ティルフィング「では、プレゼントの代わりに時間まで私たちの買い物に付き合ってもらえませんか?」

 

暁「そんなことでいいのか?」

 

ティルフィング「ええ。」

 

ロンギヌス「はい。」

 

 

買い物ついでになぜ声をかけたのか聞いてみたところ、2人は夜のパーティー用のご飯の材料を買い物に来ているところで俺を見つけたらしい。一人だったため声をかけたとの事だった。

 

そんな話をしているとどうやら目的の場所に着いたみたいだ。

買う材料がそろった後はまだ少し時間に余裕があるみたいだったためいろんな雑貨屋さんを見て回った。

そのときの2人の顔はとても楽しそうだった。

 

俺はふと2つのペンダントに目がいった。

そしてピンと来たのですぐにその2つのペンダントを買った。

 

 

暁(喜んでくれるといいんだがな・・・。)

 

ティルフィング「マスター?」

 

暁「ん?」

 

ロンギヌス「マスター、その手に持っているものって?」

 

暁「企業秘密です。」

 

ロンギヌス「気になります。」

 

暁「駄目です。」

 

 

そして時間になったため、荷物を寮の近くまで持って行きここで2人とは別れた。

 

 

暁「時間は限られてるからな、急ぐか。」

 

 

別れた後俺はすぐに自分の部屋に戻った。

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

~~ 雷side ~~

 

俺は今猛烈に困っている。

女性は一体何を渡されれば喜んでもらえるのかと。

今日はクリスマス、そんなことをすっかり忘れて現在進行形でドラグノフとリンに渡すプレゼントを探しまくっているわけだが・・・、皆目見当もつかん。

 

 

雷「はぁ~、どうしたもんかなぁ~。」

 

 

時間は刻一刻と進んでいっている。

カミトの部屋に集合するまであと3時間ちょっととなっていた。

プレゼント探しに途方に暮れて俯いていると、

 

 

???「何か困りごと?」

 

 

そう声をかけられた。

 

 

雷「実は知り合いのプレゼントの用意を忘れ…て…ま…して…?」

 

 

顔を上げると目の前にはフィアナがいた。

 

 

雷「フィアナ!? どうしてここに!?」

 

フィアナ「今晩のパーティー用の材料を探していたら智也君を見かけたのよ。」

 

雷「だから声をかけた、と?」

 

フィアナ「そうよ。それより、プレゼントは準備できたのかしら?」

 

雷「うっ!! どうしてそれを・・・。」

 

フィアナ「大体想像がつくわよ。」

 

雷「なんかこれっていうものが見つからないんだよなぁ。」

 

フィアナ「智也君、一つ言いたいんだけど」

 

雷「?」

 

フィアナ「贈り物ってものはね、気持ちが大事なの。送りたい相手の事を思った贈り物なら貰う相手はきっと喜んでくれるわよ」

 

雷「なるほど、確かにそうだな。ありがとうフィアナ」

 

 

雷はそう言うと勢いよくフィアナの両手を握った。

 

 

フィアナ「ふぇ!?………////」

 

雷「フィアナ?」

 

フィアナ「その……////、手……////」

 

 

フィアナにそう言われて雷はハッと我に返ってすぐにフィアナの手を離した。

 

 

雷「す、すまねぇ。」

 

フィアナ「う、ううん。」

 

 

少し沈黙の間ができてしまった。

 

 

フィアナ「智也君!!」

 

雷「お、おう。」

 

フィアナ「・・・・・。とりあえず、プレゼント一緒に探しましょうか?」

 

雷「頼む。」

 

 

そして、時間ぎりぎりまで俺はフィアナと一緒にプレゼントを探すのだった。

 

 

ドラグノフ「あの2人が一緒にいたから面白そうだと思って陰ながら見ていたが・・・」

 

リン「なんか胸の真ん中あたりが急に寂しい感じになった。」

 

ドラグノフ「お前もだったか。」

 

リン「じゃあ、ドラグノフも?」

 

ドラグノフ「ああ。いったいこの感情は何なんだろうか」

 

 

建物の陰で雷とフィアナのやり取りを見ていた2人に少し変化が出てきたみたいだった。

 

 

~~ 雷side out ~~

 

 

 




※ 前編に前書き、後編に後書きを書かせていただきます。

※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

特別編 クリスマス ー後編ー


※ 申し訳ありませんがゲストは前編のみとさせていただきます。

大城「注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在など


大城「これらが大丈夫な皆さんは楽しんでください。」


────── カミトの部屋 ──────

 

 

机の上には既に大量の豪勢な料理が並べられている。

 

 

カミト「俺の部屋でやるのかよ!!」

 

クレア「仕方ないでしょ、女子寮は男子禁制なんだから。」

 

カミト「うっ!! それを言われると返す言葉がない。」

 

リンスレット「そういえば、暁の姿が見えませんわね?」

 

カミト「時間は教えたし、遅れるなよとも言ったんだけどな。」

 

雷「部屋の扉に【絶対開けるな!!】って張り紙あったぞ。」

 

クレア「そんなこと言われると、」

 

リンスレット「開けたくなりますわよね。」

 

エリス「2人ともやめておけ。」

 

フィアナ「そうよ、今回に関してはそっとしておきましょ。」

 

クレア「ちょっとした冗談よ。」

 

リンスレット「ですわ。」

 

カミト「雷」

 

雷「ん?」

 

カミト「プレゼントの準備間に合ったみたいだな」

 

雷「なんとかな。」

 

ティルフィング「マスターは放っておいて先に始めましょう。」

 

クレア「いいの?」

 

ティルフィング「はい。」

 

クレア「そう、じゃあ皆クラッカーを持ってせーのでいきましょうか」

 

クレア「せーの!」

 

 

全員『メリークリスマス!!

 

 

その言葉と同時に一斉に自分たちが持っているクラッカーを鳴らした。

 

 

雷「うるせーな。」

 

ドラグノフ「この人数一斉に鳴らしてるんだからそうだろうな。」

 

 

各々料理を取り始めたとき、ようやく1人の人物が到着した。

 

 

暁「おうふ、やっぱり始まってたか。」

 

雷「遅いぞ。」

 

クレア「何やってんのよあんたわ。」

 

暁「いやはや、面目ない。始まる前には間に合うと思っていたんだがな」

 

ティルフィング「まだ料理を取り始めたばっかりですから大丈夫ですよ。」

 

 

そして、暁達は料理を食べ始めた。

 

 

暁「うめぇ~。」

 

カミト「確かにこれはうまいな。誰が作ったんだ?」

 

ティルフィング「私と」

 

ロンギヌス「わ、私と」

 

リンスレット「(わたくし)と」

 

エスト「私です。」

 

カミト「エストも手伝ったのか!?」

 

エスト「はいカミト、皆さんに教えてもらいながらですが頑張りました。」

 

カミト「そうか、うまいぞ。」

 

エスト「やりました。」

 

クレア「カミトってやっぱりエストに甘すぎじゃないかしら?」

 

リンスレット・エリス・フィアナ「「「うんうん。」」」

 

 

暁「ロンギヌスも料理ができたのか。」

 

ロンギヌス「い、いえ、私はまだまだです。」

 

暁「そんなことないって、めちゃくちゃうまいよ。」

 

ロンギヌス「…………////」

 

暁「ティルフィングもさらに腕を上げてるんじゃないか?」

 

ティルフィング「ありがとうございます、マスター。」

 

 

そんなやり取りが所々で行われている。

気づけば料理も後わずかしか残っていなかった。

 

 

雷「いやー、堪能しましたわー。」

 

ドラグノフ「どれもうまかったな。」

 

リン「だねー。」

 

カミト「お腹いっぱいだぜ。」

 

雷「パーティーでの飯の次と言えば、やっぱりゲームだよなぁ。」

 

暁「わからんでもないが、案はあるのか?」

 

雷「こういうのって王様ゲーム・・・」

 

 

女性陣(雷(智也さん)(智也君)(智也)は王様ゲームと言ったか!?)

 

 

雷「とか思ったけど・・・女性陣「その勝負のった!!」・・・へ?」

 

 

さて、雷のちょっとした発言でここから男性陣が地獄を見ることになるとは

この時の男性陣は気づかなかった。

 

雷の案が女性陣に採用されてしまい王様ゲームが開催された。

ルールは5ゲーム制の誰が王様になっても文句なしという単純なものだった。

だが始まってみればそれは男性陣には地獄そのものだった。

なぜなら、完全に女性陣が共同戦線を張ってきているからだ。

 

番号が見えない位置にいても王様となった彼女たちは的確に番号を当ててくる。

男性陣が異議を唱えようものなら、圧で制圧されてしまう。

 

男性陣は思った。

ーーーーどうしろってんだこれ?

 

 

そして、5ゲームが終わった。

 

※ ゲーム内容は皆様のご想像にお任せします。

 

 

 

雷「なんだよ、あの地獄は。他人がやられてると面白く見れるのに」

 

暁「終わった。自分にターゲットが向いた瞬間の圧がやばかった。」

 

カミト「つ、疲れた。」

 

クレア「これぐらいでへばるなんてまだまだね。」

 

エスト「カミト、ファイト。」

 

リンスレット「次はどうしましょうか?」

 

エリス「時間は?」

 

フィアナ「まだ9時過ぎね。」

 

 

カミト・暁・雷「「「なん・・・だと・・・。」」」

 

 

ティルフィング「皆さんと何かするのは本当に楽しいですね。」

 

ロンギヌス「はい、そうですね。」

 

クレア「何言ってるのよ。まだまだ始まったばかりよ」

 

リンスレット「そうですわ。」

 

ドラグノフ「もう既に疲れ切っている者たちがここにいるがな。」

 

 

そういってドラグノフは男性3人を見た。

 

 

暁「肉体的は大丈夫なんだけど」

 

雷「精神がやばい。」

 

カミト「確かに。だが俺は精神は大丈夫だぜ」

 

暁・雷「「おめぇは俺たちみたいなのはなかったからな!!」」

 

ティルフィング「あはは・・・。」

 

カミト「で、次は何するんだ?」

 

暁「カミト!?」

 

雷「諦めろ暁。」

 

 

雷はそっと暁の肩に手置き立ち上がった。

暁はマジかと思いながら雷に続いて立ち上がった。

 

 

リンスレット「かと言ってこれといったものは考えていませんわ。」

 

暁「なんじゃそりゃ。」

 

雷「んじゃ、とりあえずこれでもしますか?」

 

 

雷は人生ゲームとトランプを取り出した。

 

 

暁「お前いつの間にそんなものを?」

 

雷「店回ってたらたまたま見つけたから買っておいた。」

 

クレア「人数的に無理じゃない?」

 

カミト「そこは数人のチーム組めばいいんじゃないか。」

 

ティルフィング「では、あみだくじですかね。」

 

暁「それしかないだろうな。」

 

 

この後暁が紙に適当に線を引いた。

 

 

暁「俺は最後で皆名前書いてくれ。」

 

 

全員の名前の記入が終了後、カミトが1人ずつ番号を言っていく。

 

結果としては・・・、

 

 

チームカミト

・カミト

・エスト

・クレア

・ドラグノフ

 

チーム雷

・雷

・エリス

・フィアナ

・ティルフィング

 

 

チーム暁

・暁

・ロンギヌス

・リン

・リンスレット

 

 

暁「チームが決まったわけだし」

 

雷「やるか。」

 

カミト「負けないからな。」

 

 

何だかんだゲームを進めていき、ゲームが終わるころには時計の針は11時を回ろうとしていた。

エストはいつの間にか剣の状態になっていた。

流石に睡魔には勝てなかったようだ。

 

 

カミト「もうこんな時間か。」

 

クレア「そろそろお開きね。」

 

フィアナ「その前に、」

 

エリス「プレゼント交換、だな。」

 

 

皆各々でプレゼントを持ていて渡す相手を決めているようだ。

 

 

カミト「暁、プレゼントは?」

 

暁「大丈夫だ、問題ない。」

 

雷「じゃ、お先。」

 

 

そう言って雷はドラグノフとリンにプレゼントを渡した。

ドラグノフとリンも雷にプレゼントを渡した。

 

 

ドラグノフ「雷、確認してもいいか?」

 

雷「いいよ。こっちも開けていいか?」

 

ドラグノフ「いいぞ。気にもらえればいいのだが・・・。」

 

リン「私のも開けていいから。」

 

雷「おう。」

 

 

3人とも開けて中身を確認してみた。

雷が貰ったものは、ドラグノフからはマフラーでリンからは手袋だった。

そして雷が2人に贈ったものドラグノフには新しいリボン、リンにはイヤリングだった。

 

 

雷「2人ともありがとう。とても気にいったよ」

 

ドラグノフ「そうか、なら良かった。」

 

リン「あんたもいいもの選んでるじゃん。」

 

ドラグノフ「明日からでも使わせてもらうよ。」

 

雷「気に入ってもらえたのなら選んだかいがあったよ。」

 

 

ドラグノフとリンの頬が何だか赤くなっていてにやけているのは

見ているだけで分かる。2人とも本当に嬉しそうだ。

 

そして、カミトもクレア達にプレゼントを渡し始めていた。

カミトもクレア達もお互いにプレゼントを貰って嬉しそうだ。

 

 

カミト「暁は渡したのか?」

 

暁「今からだよ。」

 

 

暁はティルフィングとロンギヌスのそばに行った。

暁の手にはプレゼントが2つあった。

 

 

暁「2人ともこれ、俺からのクリスマスプレゼント。」

 

ティルフィング「マスター、開けても?」

 

暁「気に入ってもらえれば・・・」

 

ロンギヌス「ネックレスですか?」

 

ティルフィング「私のもです。」

 

暁「両方同じもので悪いんだけど許してくれ。」

 

ロンギヌス「でもこれって、特殊能力付いてますよね?」

 

暁「ああ、ティルフィングとロンギヌスに合わせての補助能力を付けてるよ。」

 

ティルフィング「マスターが遅れた理由って・・・、」

 

ロンギヌス「能力付与(エンチャント)に時間がかかったから?」

 

暁「流石にいつも世話になってるお前らに同じものをそのまま送るのはどうかと思ったからな。だからせめて能力を付けて使えるようにしたんだ。」

 

ティルフィング・ロンギヌス「「マスター、とても嬉しいです。」」

 

 

2人は頬を赤らめて笑顔で暁にお礼を言った。

それを見た暁は2人にドキッとさせられるのであった。

 

 

ティルフィング「では次は私たちの番ですね。」

 

ロンギヌス「これ私たちからですマスター。」

 

ティルフィング「開けてみてくださいマスター。」

 

暁「わかった。」

 

 

暁はティルフィングに言われた通り中身を開けて確認した。

 

中身にはいつもご苦労様ですマスター。と書かれた手紙と・・・、

 

 

暁「これは剣と槍のペンダント?」

 

ティルフィング「はい。聖剣ティルフィングと聖槍ロンギヌスのペンダントです。」

 

ロンギヌス「職人さんに頼んで作ってもらいました。」

 

ティルフィング「マスターの傍には私たちは付いていると、そう願いを込めて。」

 

暁「とても嬉しいよ。本当にありがとう」

 

 

そして、プレゼント交換も終わりクリスマスの夜は終わっていくのでした。

 

 

 




暁「パーティー楽しかったな。」

ティルフィング「ええ、とても。」

ロンギヌス「マスターからプレゼント……(* ̄▽ ̄)フフフッ♪」

クレア「ロンギヌスめちゃくちゃ嬉しそうね。」

暁「あそこまで喜んでくれるとはな。」

リンスレット「ドラグノフさんとリンさんも智也さんからプレゼントを貰ってからというもの、にやにやが止まってませんわ。」

リン「と言いつつも皆もカミトからプレゼント貰ってめちゃくちゃ喜んでたじゃん。」

リンスレット「何のことでしょう?」

ドラグノフ「リンスレット、顔に出てるぞ。」

リンスレット「・・・・・。」

カミト「結局のところ皆今回のパーティーでいいものが貰えたってことだな。」

フィアナ「でも相変わらずの男子3人でしたけどね。」

エリス「本当だな。本来の目的が達成されていなかった気がする。」

クレア「それでも終わり良ければ総て良し、よ。」

ティルフィング「では皆さんそろそろ次回予告をしましょうか。」

ロンギヌス「次回 特別編part2 年明け」

全員「来年もよろしくお願いします。よいお年を!!」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。
  


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

特別編part2 年明け

大城「明けましておめでとうございます。作者の大城です。」

大城「ゲストは暁とティルフィングさんです。」

暁「明けましておめでとう。」

ティルフィング「明けましておめでとうございます。」

大城「今回の回は異世界に行く前の話です。」

暁「カミト達は出ないのか。」

大城「そうですね。」

ティルフィング「残念ですね。」

大城「そもそもあっちの世界に神社があるのかどうか曖昧でしたので、異世界に行く前の話とさせていただきました。」

暁「ちゃんと調べとけよ。」

大城「そうっすね。というわけで注意事項です。」

暁「どういうわけだよ!!」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在など


ティルフィング「これらが大丈夫な皆さんは楽しんで下さいね。」





これは暁と雷が異世界に行く前のとあるお正月のお話

 

 

~~ ティルフィングside ~~

 

朝の7時頃、家の電話が鳴った。

 

トゥルルルルル

 

 

ティルフィング「もしもし?」

 

ドラグノフ『ティルフィングか?』

 

ティルフィング「その声はドラグノフさんですね。こんな朝早くにどうかされたんですか?」

 

ドラグノフ『いや、昨日雷と話して初詣に行こうって話をしてな。2人もどうだ?』

 

ティルフィング「私たちも昨日その話をしたんですが実はマスターがまだ寝てるんですよ。」

 

ドラグノフ『雷でさえすでに起きていると言うのに』

 

ティルフィング「とりあえずマスターを起こしますので家まで来てもらえますか?」

 

ドラグノフ『了解した。ではまた後で』

 

ティルフィング「はい。」

 

 

ツーー、ツーー、

 

 

ティルフィング「さて、さっさとマスターを起こしますか。」

 

 

電話が切れた後、私は智也さんとドラグノフさんが家に着くまでにマスターを起こしに行った。

 

 

ティルフィング「マスター、起きてください。」

 

暁「うぅ~。」

 

ティルフィング「昨日の夜に初詣に行く約束しましたよ。」

 

暁「今何時だ~?」

 

ティルフィング「もうすぐで7時半です。」

 

 

ガバッ

 

マスターが勢いよく起き上がった。

いきなりだったので少しビックリしたのは内緒で。

 

マスターは起き上がると傍に置いてあった時計を見た。

起きようと思っていた時間より遅く起きたからか少し落ち込んでいる。

 

 

暁「起こしに来てくれてありがとうティルフィング。」

 

ティルフィング「いえいえ、それより智也さんとドラグノフさんがこちらに来てますよ。」

 

暁「なぜ?」

 

ティルフィング「一緒に初詣に行くためですよ。」

 

暁「いつの間にそんな話が、まあいいけど」

 

 

ピンポーン

 

家のインターホンが鳴った。

外から智也さんの声が聞こえてきた。

 

 

ティルフィング「ほらマスター、急いでください。」

 

暁「お前は俺のオカンか。」

 

 

この後マスターはすぐに着替え、私たちは初詣に行く準備を終わらせた。

 

 

~~ ティルフィングside out ~~

 

 

~~ ドラグノフside ~~

 

ティルフィングに電話をかける1時間ほど前・・・

 

 

ドラグノフ「ん、今何時だ?」

 

 

私はそう思って枕元の目覚まし時計を見た。

時計の針は午前6時手前を指していた。

 

 

ドラグノフ「設定時間より早く目覚めるとは」

 

 

そんなことを思っていると、異様に気分が高まっていることに気がつく。

 

 

ドラグノフ「今日ぐらいはいいだろう。」

 

 

私は私にそう言い聞かせ、ベッドから出て雷の部屋へと向かった。

 

コンコンコン

 

 

ドラグノフ「雷、入るぞ。」

 

雷「Zzz~~」

 

ドラグノフ「やはりまだ寝ているか。だが、起きてもらう。」

 

 

私は少し強めに雷の肩を揺すってみた。

だが起きる気配はこれぽっちも見えない。

 

 

ドラグノフ「揺するだけではダメか。」

 

ドラグノフ「雷、起きるのだ。」

 

 

今度は声をかけながら肩を揺すった。

 

 

雷「ん? ドラグノフ?」

 

ドラグノフ「起きたな。では、準備をするんだ。」

 

雷「何の?」

 

ドラグノフ「決まっているだろう。初詣に行く準備だ。」

 

雷「ふむ、なるほど。で、今何時だ?」

 

ドラグノフ「午前6時過ぎだ。」

 

雷「早いわ!!」

 

 

と、言いつつも雷はその後ベッドから出て初詣に行く準備をしていた。

準備をしている最中にたまにあくびをしていた。

やっぱり早く起こしすぎたかな?まあいいか。

 

それから数十分が経過した。

 

 

ドラグノフ「なあ雷、初詣だがティルフィングたちも誘わないか?」

 

雷「いいな、人数が多い方が楽しそうだしな。」

 

ドラグノフ「では、電話をかけてくる。」

 

 

そして私はティルフィング達の家に電話をかけた。

電話に出たのはティルフィングだった。

ティルフィングに初詣の事を伝えると、供に行くのは大丈夫だが暁がまだ寝ているのとの事だった。

今から起こすから家まで来てくれと言われた。

そこまで距離があるわけではないので了承して電話を切った。

そして、雷の元へ戻った。

 

 

雷「どうだった?」

 

ドラグノフ「ともに行くのは大丈夫らしい、ただ・・・」

 

雷「ただ?」

 

ドラグノフ「暁がまだ寝ているから家まで来てほしいとの事だ。」

 

雷「あっ・・・。」(察し)

 

ドラグノフ「少ししてから出ようと思うのだが?」

 

雷「それでいいだろ。」

 

 

そこから数十分家でくつろいで、暁の家に向かった。

 

暁の家に着くと雷がインターホンを鳴らすと同時に声を掛けた。

家の中から少しあわただしいやり取りが聞こえてきて、

私はティルフィングは苦労しているんだなと思った。

 

 

~~ ドラグノフside out ~~

 

 

~~ 暁side ~~

 

初詣に行く準備が終わり、ティルフィングとともに家を出ると雷とドラグノフが待っていた。

 

 

暁「明けましておめでとう、遅くなった。」

 

雷「明けましておめでとう、遅ぇぞ。」

 

暁「悪かったな。」

 

ドラグノフ「明けましておめでとう、ティルフィング。」

 

ティルフィング「明けましておめでとうございます。ドラグノフさん」

 

ドラグノフ「では、初詣に行こうか。」

 

ティルフィング「ですね。」

 

 

そして俺たちは飛んで大きい神社に向かった。

神社にはすでに大勢の参拝客がやって来ていた。

通路端には出店が並んでいる。

 

 

暁「おみくじと参拝どっちからしようか?」

 

雷「参拝でいいだろ。」

 

ティルフィング「そうですね。今はそこまで並んでもいませんし」

 

ドラグノフ「それでも結構の人数だがな。」

 

 

列の人数を見てみると普通に数十分はかかりそうな人数だった。

 

 

暁「並びますか。」

 

ティルフィング「はい。」

 

雷「だな。」

 

ドラグノフ「うむ。」

 

 

並び始めて約40分後ようやく俺たちの番が回ってきた。

そして各々お金を賽銭箱に投げ入れた。

 

 

暁「ティルフィングの願いが叶いますように。」

 

ティルフィング「えっ…、ドラグノフさんの願いが叶いますように。」

 

ドラグノフ「むっ…、雷の願いは叶うまい。」

 

雷「暁のn…、あれ? 今なんかおかしくなかったか?」

 

 

そんなこんなで俺たちの参拝が終わった。

 

 

ティルフィング「マスター、どんなことをお願いしたんですか?」

 

暁「今年もティルフィングと仲良く過ごせますようにって。」

 

ドラグノフ「雷はどんなお願いしたんだ?」

 

雷「俺は、異族がいなくなりますようにって。」

 

ドラグノフ「そうか。」

 

雷(ん? 一瞬暗くなったか?)

 

 

そんな会話をしながらおみくじ売り場まで来た。

4人、各々のおみくじ代を払って引いた。

 

結果

・ティルフィング・・・大吉

・ドラグノフ・・・大吉

・雷・・・小吉

・暁・・・凶

 

 

ティルフィング「やりました。大吉です!!」

 

ドラグノフ「ふむ、私も大吉だな。」

 

雷「俺は小吉だって、微妙なラインだな。」

 

暁「・・・・・。」

 

ティルフィング「マスターはどうでしたか?」

 

暁「・・・・・。」

 

ドラグノフ「暁?」

 

暁「・・・・・。」

 

雷「おーい。」

 

暁「\(^o^)/オワタ」

 

3人「「「え?」」」

 

 

3人が俺のおみくじの結果を見た。

凶であることを3人は目の当たりにした。

 

 

ティルフィング「マ、マスター・・・。」

 

ドラグノフ「まぁ、ドンマイだな。」

 

雷「やらかしたな。」

 

暁「結んできます。」

 

 

そして俺はおみくじを結んですぐに3人のもとへ向かった。

 

 

雷「さて暁も戻って来て、やることもやったし帰るか。」

 

ティルフィング「そう言えば御二人はこれから用事はありますか?」

 

雷「特に何もないよ。だろ、ドラグノフ?」

 

ドラグノフ「ああ、帰ってもお雑煮の準備して食べるだけだな。」

 

ティルフィング「なら、うちで食べていきませんか?」

 

雷「いいのか?」

 

ティルフィング「構わないですよねマスター?」

 

暁「ああ、別にいいよ。」

 

ドラグノフ「ならお言葉に甘えようじゃないか。」

 

 

その後2人を家に招き、ティルフィングとドラグノフが一緒に作ったおせちとお雑煮を食べた。

あまりにも美味過ぎて雷と一緒に涙を流したら、

2人からそれは大げさすぎだと言われたが、そんなことはないと思った。

 

食べ終わった後はお正月らしい遊びを4人でとことん楽しんだ。

 

こんな楽しい日がいつまでも続けばいいなと思った。

きっと、他の3人も思っているだろうな。

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 




雷「ついに年が明けたな。明けましておめでとう、大城。」

ドラグノフ「明けましておめでとうだ、大城。」

大城「明けましておめでとうございます。御二方。」

雷「にしてもまさか暁が凶を引くとはな。」

ドラグノフ「確かに、てっきり雷が引くかと思ってたよ。」

雷「パートナーなんだからもうちょっと信用してくれよ。」

ドラグノフ「冗談だ。」

大城「ドラグノフさんの冗談は冗談に聞こえないんですよね。」

ドラグノフ「そうか?」

雷「そうだな。」

大城「そろそろ次回予告をお願いします。」

ドラグノフ「了解した。」


雷「次回第24話」

ドラグノフ「2戦目」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第24話 2戦目

大城「投稿が一週間も空いてすみません。ゲスト紹介です」

大城「今回はクレアさんとリンスレットさんです。」

クレア「よろしく。」

リンスレット「よろしくお願いしますわ。」

クレア「大城? 何で投稿しなかったの?」(ニコッ)

リンスレット「そうですわね。人を待たせて何してましたの?」(ニコッ)

大城「あの~、2人とも心からの笑顔じゃないですねよね。それは」

クレア「一応聞いておこうかしら?」

大城「では、コホン。友人が今回登場させるキャラをとにかく出してほしいと言っていまして出すのはいいのですが全くもってそのキャラが私にはわからなかったわけですよ。」

リンスレット「そうするにキャラ設定がうまくいかなくて書くに書けなかった。と?」

大城「単的に言えばそうですね。」

クレア「メタ話だけど、はあ~、これに関しては仕方がないわね。」

クレア「それに投稿が遅れたのは今回が初めてだから大目に見てあげるわ。」

大城「ありがとうございます。」

リンスレット「あら珍しいですわねそんなあっさり許すなんて」

クレア「別にいいじゃない。それに何か文句でもあるの?」

リンスレット「いいえ別に。」

クレア「何か言いたそうじゃない。言ってみなさいよ!!」

大城「そろそろ喧嘩が勃発されそうなので注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在など


クレア・リンスレット「「これらが大丈夫な皆さんは楽しんで(行きなさい)(くださいな)。」」





~~ 暁side ~~

 

とりあえずこちらの戦闘が終わったのでカミトの方に向かった。

向かったのはいいがどうやら手助けは要らなかったようだ。

戦闘はすでに終わっていた。

 

 

暁「自分の力で何とかしたみたいだな。」

 

カミト「そりゃあ、結構の戦闘の経験は積んできているからな。」

 

暁「それもそうか。」

 

 

こちらの戦闘は終わっているがいたるところで戦闘をしているような音が聞こえて来ている。

 

 

暁「皆、ドンパチしてますな。」

 

雷「よっと、お疲れさん暁」

 

暁「何もしてないけどな。」

 

カミト「これからどうするんだ?」

 

暁「正直このまま何にもしなくても勝ち上がれそうなんだよな」

 

カミト「その理由は?」

 

暁「皆が勝手にドンパチしてるから。」

 

雷「言うと思った。」

 

 

そんな会話して終了までの時間を潰しつつ、他のチームを探した。

 

他のチームを探してかれこれ数時間経過した

時々他のチームと他のチームが戦闘している場面に出くわしたが、

俺と雷、カミトは姿と気配を消してその戦闘を傍観しつつやり過ごしていった。

カミトの気配に関しては俺がステルス化の魔法をかけて姿と気配を消した。

 

 

暁「数多くのチームと出会ったな」

 

雷「でも、戦闘はしなかったけどな」

 

カミト「そりゃあ、姿と気配を消してたらこっちから仕掛けるか余程の強者でないとわからんだろ。」

 

 

カミトがそういうと足元が光りだした。

気づく元の世界に飛ばされていた。

どうやら1戦目のバトルロイヤルは終了したようだ。

辺りを見渡すと開会式よりも数が減っていた。

ついでに言えば辺りを見渡した時見覚えのある顔が数人見えたような気がするんだが・・・、

気にしたら負けかな?

 

 

暁「だいぶ数が減ったな」

 

雷「どうやら半分のチームが脱落したみたいだぜ。」

 

 

そう言いながら雷は指をさしていた。

俺は雷の指している方に向くとすでに2戦目の内容が出ていた。

2戦目はトーナメント形式のようだ。

 

トーナメント表にはすでにチームが割り振られていた。

 

 

・第一試合

MULTI USERS vs チーム・アクア

 

・第二試合

チーム・シルフ vs チーム・ルナ

 

・シード枠

姫巫女

 

 

カミト「いきなりだな。」

 

雷「半分サボった感じがあるからな。」

 

暁「というか、シード枠の姫巫女ってチームが結構気になるんだが」

 

カミト「確かに、うーん、いやな予感しかしないんだが・・・」

 

雷「まぁ、当たってからのお楽しみってやつだな。」

 

 

雷が言い終わると幕の奥から小柄な少女が出てきた。

 

 

少女「2戦目の説明をします。」

 

少女「2戦目は御覧の通りトーナメント形式です。参加人数は3人までとします。勝敗はチームの勝ち星の数で決めます。以上で説明を終わります。」

 

少女「それでは2戦目、第一試合のチームの方は準備をしてください。」

 

 

そして小柄な少女は幕の中へと消えていった。

 

 

暁「準備しろってさ。」

 

雷「準備という準備がないと思うんですが」

 

カミト「とりあえず先方、中堅、大将を決めないか?」

 

雷「そうだな。先方誰が行くんだ?」

 

暁「俺いくわ。」

 

雷「珍しいな。お前から言い出すとは」

 

暁「うるせぇ。」

 

カミト「中堅に俺がいくよ。」

 

雷「俺最後ってマジ?」

 

暁「マジ」

 

雷「なんで?」

 

暁「この世界でお前が使ってる武器が珍しいと忘れてないか?」

 

雷「そう言えば、そうでした。」

 

カミト「・・・・・。」

 

雷「これって今回俺の出番なくない?」

 

暁「・・・多分大丈夫だろ。」

 

雷「最初の間は何だよ。」

 

暁「気にするな!」

 

カミト「いつも通りだな。で、先方に暁、中堅に俺、大将に雷でいいのか?」

 

暁「俺はそれで構わない。」

 

雷「今回はしゃあないな。それでいこう」

 

カミト「雷も納得したからフィールドに行くぞ。」

 

暁・雷「「OK」」

 

 

俺たちがフィールドに出るころにはすでに相手チームは並んでいた。

そして両者が並び終わるとまた幕の奥から小柄の少女が出てきた。

 

 

少女「両チームが揃ったことにより只今より第一試合、MULTI USERS vs チーム・アクアの試合を開始します。先方の方は前へ!!」

 

暁「それじゃあ勝って来るわ。」

 

雷「負けて俺に番をよこせ」

 

暁「だが、断る。」

 

カミト「頑張って来いよ。後、油断は禁物だぞ」

 

暁「わかってるよ。」

 

暁(最初のバトルロイヤルで分かったさカミト。この世界の精霊使いの強さが)

 

 

少女「それでは先方戦開始!!

 

 

俺は審判をしている少女の開始の合図とともに刀を作った。

それを見ていた相手の少女は少し驚いたような感じだったがすぐに表情を戻してこちらに向かってきた。

 

 

暁「いきなり突っ込んでくんのかよ!?」

 

 

俺はてっきり契約している精霊を使ってかく乱とか騙し討ちとかその辺の事仕掛けてくるかと思ってたんだけど、まさかの正面から来るとは・・・。

そのため俺の方が予想外で少し反応が遅れた。

 

 

女生徒A「いただきですわ!!」

 

暁「何のこれしき」

 

 

俺は刀を横に一閃薙ぎ払ったがそれは少女を切ってはいなかった。

俺が切ったのは水で作られた少女だった。

 

 

暁「なんとー!!」

 

女生徒A「まず1人、勝ち星は貰いましたわ!!」

 

 

女生徒Aは後ろから槍を持って奇襲を仕掛けてきた。

 

 

暁(ふむ、こっちは本物か)

 

 

俺は刀の生成と一緒に魔力探知も使っていたため、まあ一応隠れていることは分かっていたんだけども、やっぱり予想していた事とは違うことされたら驚いて反応が遅れますよね。

 

では、そろそろカミトにバトンパスしますかね。

 

 

女生徒A「これで終わりですわ。男の精霊使い!!」

 

暁「男の精霊使いに関してはもう突っ込むのは辞めよう。」

 

女生徒A「てやーー!!」

 

暁「悪いけどここは勝たせてもらいますよ。」

 

 

女生徒Aが槍を思いっきり突き出してきた。

俺はそれを躱し、刀を下から上に切り上げて少女Aが持っている槍を真っ二つにした。

そしてそのまま刀の切っ先を相手に向けた。

 

 

女生徒A「そ・・・そんな・・・。」

 

暁「これで、終了かな?」

 

女生徒A「参り、ましたわ。」

 

少女「勝負あり。勝者、チーム・MULTI USERS、暁!!

 

女生徒A「あなためちゃくちゃ強いじゃない。」

 

暁「そうか? でもあんたの作戦もよかったと思うぜ。あれはマジで不意を突かれたからな。」

 

女生徒A「強い人にそう言ってもらえて光栄ですわ。」

 

 

その後カミトとハイタッチをした。

 

 

暁「後はよろしく。」

 

カミト「任せとけ」

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

~~ 開催者side ~~

 

女性「あの少年は!?」

 

少女「姉上? どうかされましたか?」

 

 

小柄の少女から姉上と言われた女性は暁を見て何かを感じ取ったようだった。

 

 

女性「ムラマサよ、お前はあやつを見て何も思わなかったのか?」

 

ムラマサ「あやつとはチーム・MULTI USERSの暁でしょうか?」

 

 

女性からムラマサと言われた小柄の少女も【何か】は感じ取ってはいたようだ。

 

 

女性「そうだ。」

 

ムラマサ「あの人は確かに他の人とは違う何かを感じ取りましたがそれが何かまでは」

 

女性「そうか、ではエキシビションマッチまでに気づけるといいな。」

 

ムラマサ「それが姉上からの新たな試練だというのなら承知しました。」

 

女性「今回はそう固いものではないがな。」

 

女性「それに後ろの御二方も、もう片方がどうやら気になっているみたいだしな。」

 

 

ムラマサから姉上と呼ばれた女性はそう言うと後ろに目を向けた。

そこには2人の少女が並んで座っていた。

 

 

???「開会式の時にすでに感じてはいたさ。」

 

???「そうですね。雷さんでしたっけ、あの方は確かに()()の私たちにとっては気になりますね。」

 

女性「さて、今回の試合どうなるのか見ものだな。」

 

 

~~ 開催者side out ~~

 

 

~~ カミトside ~~

 

1試合目の暁は対戦相手に降参させ勝利してきた。

次は俺の番だな。そう思ってフィールドに出る。

 

 

少女「それでは、中堅戦開始!!

 

女生徒B「私の相手は君だね。カゼハヤ・カミト君」

 

カミト「俺の事は知っているみたいだな。」

 

女生徒B「君は有名だからね。それより唯一の男の精霊使いだと思っていたけどまさか他にもいるなんてね。」

 

カミト「俺も会ったときは驚いたさ。自分以外にもいたんだからな。」

 

女生徒B「さて、そろそろ戦闘と行こうか。」

 

 

そう言いながら女生徒Bは詠唱をし、弓を構えた。

対戦相手が詠唱を始めたので俺も詠唱を始めた。

 

 

カミト「冷徹なる鋼の女王、魔を滅する聖剣よ、鋼の剣となりて我が手に力を!!」

 

 

詠唱が終わり、エストを構えようとするとその前に女生徒Bの矢が飛んできた。

 

 

カミト「なっ!!」

 

 

間一髪で矢を避けた。

 

 

女生徒B「あれを避けるとは、だがこれならどうだ!!」

 

 

水の精霊の力で女生徒Bの分身が作られ、俺の目の前には5人の女生徒Bがいる。

 

 

カミト(本物を見極めるのはほねがおれるなこれ)

 

女生徒B「この状況で考え事とは、余裕があるみたいだな。」

 

 

そして5人の女生徒Bが弓を構え、矢を放ってきた。

俺は飛んできた矢を剣で弾いたが、次がすぐに飛んできた。

 

 

カミト「くっ!!」

 

女生徒B「どうやら相性が悪かったようだな。」

 

 

確かに俺は剣で相手は弓、近と遠で相性的には向こうが有利、だがーーーー

俺は太陽を背にするように高く飛んだ。

女生徒Bは太陽の眩しさで目を瞑ってしまった。

俺はその間に女生徒Bの目の前に着地した。

 

 

女生徒B「なっ、しまった!!」

 

カミト「これで終わりだ!! 絶剣技、三ノ型<影月円舞>」

 

 

片足を軸にして回転切りを放った。

水で作られた人形の女生徒Bはこの技で倒せたが

女生徒Bは間一髪で後ろの飛んで躱された。

だが俺は女生徒Bの目の前まで飛んで暁同様に首元に剣の切っ先を向けた。

 

 

女生徒B「やはり私の力では勝てなかったか。降参だ」

 

少女「勝負あり。勝者、チーム・MULTI USERS、カゼハヤ・カミト!!

 

カミト「ふぅ、危なかったぜ。」

 

 

これで勝ち星が2つ、一応勝ち上がれたけど次はどうなることやら

 

 

~~ カミトside out ~~

 

 

 




大城「皆さん本当に遅くなりました。」

暁「遅い!!」

雷「遅すぎるぞ~」

ドラグノフ「本当に、もう少しでヘッドショットかますところだったぞ。」

ティルフィング「流石にそこまでは・・・」

カミト「まあ、今回が初めてなんだし少しは緩く見てやろうぜ。」

クレア「大城、今回だけは許してあげるから次はないと思いなさい。」

リンスレット「相も変わらず、カミトさんは優しいですわね。」

フィアナ「今回だからこそ少し強めに言っておくべきだと思うのだけど?」

エリス「同じ過ちをしないように強く言っておくべきだと私も思う。」

金剛「そうだそうだ」

カミト「おおう、いきなり出てきたな。」

金剛「大城、作者として期限は守ろうな。」

大城「だぁーれぇーのーせーいーでー、遅れたと思ってんじゃゴラァ!!」

金剛「テヘペロ。」

大城「待てゴラァ!!」


ダダダダダダ


暁「せめて誤ってから追いかけろよ。」

ティルフィング「まあ、出だしに誤ってますしいいのでは?」

雷「そろそろ次回予告行こうぜ。」

ドラグノフ「だな。」


カミト・クレア「「次回第25話」」

リンスレット・フィアナ・エリス「「「まさかの対戦相手」」」

全員『お楽しみに!』


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。
  この度は投稿が遅れてしまいすみません。
  これからもこういうことがあるかもしれませんが
  目を瞑っていただけると幸いです。





目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第25話 まさかの対戦相手

大城「申し訳ありません。投稿が遅れました。」

大城「では、ゲストの方です。カミトとエストです。」

カミト「よろしくな。」

エスト「よろしくお願いします。」

エスト「大城、出番をください。」

大城「はい、承知してはいるんですが」

カミト「なんだ?」

大城「なかなか難しいんです。許してください。」

カミト「お前の執筆力、頑張って上げろよ。」

大城「日々精進していきたいと思います。」

エスト「大城、ファイトです。」

大城「エストに励まされながら注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在など


カミト「これらが大丈夫な皆さんは」

エスト「楽しんで読んでね。」





~~ 暁side ~~

 

俺たちの試合が終わってからすぐに第二試合が始められた。第二試合のチーム・シルフ vs チーム・ルナの戦いは先鋒戦チーム・シルフの選手が追い風を作り電光石火の如く距離を詰め、相手を降参させた。

 

中堅戦では、チーム・シルフの選手が同じ要領で攻撃を仕掛けるも、それを読んでいたチーム・ルナの選手が光の魔法で相手の視覚を奪い、勝利した。

 

大将戦では最初、お互いに慎重になり動きはなかったが、数分後チーム・ルナの選手が先に攻撃を仕掛けた。

チーム・シルフの選手はそれを剣でうまく弾きなから間合いを詰めようとはするが、チーム・ルナの選手には近づけなかった。どうやら何もなかった数分のうちに光の壁を作っていたようだ。

 

 

暁「おお! いつの間に光の壁何か。」

 

雷「動かなかったときに作ってたんだろうな。」

 

カミト「この戦いどっちが勝つと思う?」

 

暁「チーム・シルフかな。」

 

 

俺がそう言うと近くで見ていたスタッフの男性が割って入ってきた。

 

 

男性「おいおい! そんなわけないだろ? どう見たって絶対防御状態の光の嬢ちゃんが勝つだろうよ。そこの二人もそう思うだろ?」

 

雷「俺は暁の予想に賛成だな。」

 

男性「えっ!?」

 

カミト「俺はこの男性の方かな。理由はまた違うけど」

 

男性「そうだろそうだろ。」

 

暁「まあ見てればことだな。」

 

 

試合の映像に目を向ける。

チーム・シルフの大将は後ろに引いてどう突破しようか考えているようだ。

そして、何か閃いたように顔をハッとさせた。

どうやら試合が動き出すようだ。

 

するとチーム・シルフの大将は空高く飛んだ。

そして、契約精霊とともに一直線に高速で突っ込んでいく。

 

 

男性「なっ!? 突っ込んでいくぞ。」

 

暁「あの速さなら多分・・・」

 

 

俺の予想が的中した。

光の壁は砕けてなくなり、チーム・ルナの大将は一撃を入れられてしまった。

そして、勝負ありの声が挙がった。

 

 

男性「シルフの嬢ちゃんが買っちまったよ。あんたにはわかってたのか?」

 

暁「ん~? 正直何となくって感じだったけどな。」

 

男性「あんたたち、何者だ?」

 

雷「変わった精霊使いってことで納得しといてくださいな。」

 

カミト「次の試合があるから行くぞ2人とも。」

 

 

カミトはそう言いながらフィールドに向かって行った。

俺と雷はそれに付いて行った。

 

次の試合は俺たちとさっき勝ち上がってきたチーム・シルフの試合だ。

先方に俺で、中堅に雷で試合を始めた。

決勝まで温存しておこうかと思っていたのだが雷が戦闘したそうにしていたので出した。

その後試合になり先方戦なので俺が出た。

さっき試合を見ていたのでどう立ち回ればいいか整理できていた。

そのため楽々勝利できた。

 

俺の試合が終わるとすぐに中堅戦が始まった。

そして、銃独特の発砲音と同時に試合終了の声が聞こえてきた。

それはモノの数十秒だった。

 

 

カミト「容赦ねぇな あいつ。」

 

暁「相手に悪い気持ちになるな。」

 

 

カミトと話していると雷が戻ってきた。

 

 

雷「すぐに終わったわ。」

 

暁「お前、手加減してやれよ。」

 

雷「最初はそう考えてたんだけどさ、向こうがすごい気迫できたから手加減すると悪いかなと、ついな」

 

カミト「ついって、ついでやっていいことではないと思うんだがな」

 

カミト「でもこれで決勝だな。」

 

暁「さて、対戦相手の姫巫女ってのはいったいどんなチームなんだろうか。」

 

雷「名前からして嫌な予感がするんだが」

 

カミト「雷に同意」

 

暁「まあ、1戦目が終わって元の世界に戻ってきたときに当たり見渡したんだけど見覚えのある顔がちらちらしてたんだよな。」

 

 

雷・カミト「「確信にたどり着いたな。」」

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 

~~ 女性陣side ~~

 

クレア「やっとカミト達と戦えるわね。」

 

リンスレット「誰が出るんですの?」

 

ロンギヌス「私は遠慮しておきます。マスターと戦うのはまだ気が引けるので・・・。」

 

ティルフィング「では、今回のマスターの相手は私がするということで」

 

エリス「暁の相手はティルフィングに任せるとして」

 

フィアナ「智也君とカミト君は誰が相手をするかね。」

 

リン「雷の相手は私がしてもいいよね?」

 

ドラグノフ「別に構わない。」

 

クレア「後はカミトね。」

 

リンスレット「いつもは味方サイドですから今回は少々考えますわね。」

 

フィアナ「私は補助系統なんでパスよ。」

 

エリス「折角だから優勝を狙いたいものだな。」

 

クレア「でも相手が相手だから難しいわね。」

 

リンスレット「誰もカミトさんに勝てないと思ったんですけど」

 

クレア・エリス・フィアナ「「「・・・・・。」」」

 

クレア「カミトはパスで勝負を流しましょうか。」

 

リンスレット・フィアナ・エリス「「「異議なし。」」」

 

ティルフィング「それでは順番を決めましょうか。」

 

クレア「今までの感じで来るならカミトが最後でしょうから先鋒と中堅を考えればいいわね。」

 

リン「私が先鋒で出たいな。」

 

ティルフィング「私は構いませんよ。」

 

ドラグノフ「では、先鋒にリン、中堅にティルフィング、大将戦はカットでいいな?」

 

ティルフィング・リン「「(はい)(ええ)。」」

 

 

女性陣は順番が決まると戦う覚悟を決めてフィールドに出るのであった。

 

 

~~ 女性陣side out ~~

 

 

 

~~ 男性陣side ~~

 

こちらも順番が決まりフィールドに出るとそこにはやはりかと思うメンツが並んでいた。

 

 

暁「ああ、やっぱりか」

 

雷「どうしてこうなった。」

 

カミト「さて、先鋒がリンで中堅はティルフィング、なんか読まれてる感じだな。」

 

暁「仕方がないだろうな。」

 

雷「ああ、向こうは俺たちの事を良く分かっているんだからな。」

 

カミト「そろそろ見たいだ。」

 

 

幕の奥から第一試合と第二試合で号令をかけていた少女が出てきた。

カミトの言う通りどうやらそろそろ始まるみたいだ。

 

 

少女「両チーム礼!!

 

 

お互いに礼が終わると「先鋒、前へ!

そう声が上がったので雷が前に出た。相手はリンのようだ。

 

 

少女「それでは、先鋒戦開始!!

 

 

試合開始の声が上がるとお互いすぐに二丁の拳銃を作りだし発砲した。

両者その攻撃には当たらなかった。

 

ちなみに観客席の様子はというと、

今回の試合では物珍しい武器が使われているため観客席にいる人は全員が驚いている。

 

 

暁「観客席の連中ざわついてんな。」

 

カミト「そりゃそうだろう、見たこともない武器で戦闘がされているんだからな。」

 

 

カミトと暁が試合を見ながらそんな話をしていた。

そして、試合が開始してから十数分が経過していた。

 

雷が意外と真面目に戦っていたので少々驚いた。

リンの戦闘姿をあまり見ていなかったので雷自身少々苦戦している様子だ。

リンは雷の隙を見つけると罠を仕掛けていた。

 

『隙を見つける』というより、上手く避け難い位置に銃弾をばら撒き

雷が銃弾を避けている最中に罠を仕掛けている感じだった。

 

 

雷「ああもう、めんどくさい!! 避けても避けてもキリがねえ。」

 

リン「ほら雷、どんどん行くわよ?」

 

 

リンがそう言い放つとまた銃弾をばら撒いた。

だが、いつまでも雷が避けに徹するわけはない。

 

戦闘を開始してすでに数時間が経とうとしていた。

その時タイミングを計っていたかのように雷が動き出した。

リンは動き出した雷に同じように銃弾をばら撒いた。

雷はリンが発砲すると同時に発砲した。

 

そして、雷が発砲した銃弾はリンが発砲しばら撒いた銃弾を正面からぶつかり相殺(そうさい)した。

何発かは雷を掠めたが雷はそのままリンに突っ込んだ。

 

 

リン「嘘!! あれを相殺して道を作ったっていうの!?」

 

 

リンは雷の行動に驚き罠を仕掛け損ねた。

その一瞬を雷は見逃さなかったためそのまま銃口をリンに向けた。

 

 

リン「はぁ~、行けると思ったんだけどなぁ~。」

 

 

そう言うと銃をしまい、両手を上げて降参を宣言した。

 

 

少女「勝負あり、勝者チーム・MULTI USERS 雷!!

 

 

ワァァァァァ!!

 

 

観客は盛り上がっていた。

 

 

雷「危なかったぁ~。」

 

リン「次は負けないんだからね!!」

 

 

リンは雷にそう言い残して後ろに引いて行った。

雷もその後ろ姿を見送るとこちらに戻ってきた。

 

 

暁「珍しかったな。お前が苦戦するとは」

 

雷「うるせぇ~。お前も足元すくわれそうになるなよ。」

 

カミト「雷お疲れ、そして暁頑張って来いよ。」

 

暁「わかってるよ。」

 

 

雷と入れ替わるように暁はフィールドに出る。

暁の対戦相手は勿論彼女だ。

 

 

暁「ティルフィングとか。」

 

ティルフィング「朝の稽古とは違うので手加減なしですよマスター。」

 

暁「よかろう。かかってこいや。」

 

 

久々のティルフィングとの本気の戦闘、いつ以来だろうか。

だがそんなことはどうでもいい。

今は目の前の戦闘に思いっきりぶつかりに行く。暁はそう思っていた

 

 

少女「それでは、中堅戦開始!!

 

 

暁とティルフィングはお互いがお互いを分かっているかのように突っ込んだ。

そして暁とティルフィングの剣がぶつかり合い甲高い金属音がフィールドにこだました。

 

 

ティルフィング「流石はマスター、力が違いますね。」

 

暁「お前こそ、昔とは段違いの力じゃねぇか。驚いたぜ。」

 

ティルフィング「マスターにそう言ってもらえて嬉しいです。そして、いつまでも昔の私ではありません。マスターの隣でいつも戦ってきたんですから。」

 

暁「それもそうだな。」

 

 

暁は後ろに飛んでティルフィングとの間を空けたと思いきや、

そのまま突っ込んでいった。

 

 

暁「行くぜ。剣技、X(エックス)ブレイド」

 

ティルフィング「それは避けれます。」

 

 

暁が剣技を放つギリギリでティルフィングは後ろに飛んで暁の剣技を避けた。

 

 

カミト「ティルフィング、暁と互角じゃないか?」

 

雷「今のところは、な。」

 

 

雷は何かに気づいているようだった。

そしてカミトは、雷の気が付いていることに気づけていない様子だった。

 

 

暁とティルフィングの戦闘が始まってから数時間が経過していた。

暁には少々疲れているように見えるがティルフィングはまだ余裕そうにしていた。

 

 

暁「疲れた。」

 

ティルフィング「最近のマスターの弱点は長時間の戦闘、ですね。」

 

暁「朝に剣は振ってるんだけど、振るだけだったから軽く体力落ちたな。」

 

ティルフィング「では、これで終わりにします!!」

 

 

そう言ってティルフィングは暁に突っ込んでいった。

そして、暁の目の前に来た。

 

 

ティルフィング「はあ!! 剣技、月華刃!!」

 

 

ティルフィングの剣技は確かに暁を仕留めた・・・はずだった。

暁の姿は影となり消えていった。

 

 

ティルフィング「えっ!!」

 

 

ティルフィングは驚きを隠せなかった。

一体いつの間に影となったのかわからない。

 

そして、本物の暁はというと

ティルフィングに切られた影の中に潜んでいた。

 

ティルフィングは冷静を欠いてしまい完全に一番の注意物から目を離してしまった。

それは切った影である。

 

 

暁「まだまだだな。」

 

 

そう言いながら暁はティルフィングの後ろに現れ、剣を向けた。

 

 

ティルフィング「また負けましたか。降参です。」

 

 

ティルフィングの降参宣言がされた。

 

 

少女「勝負あり、勝者チーム・MULTI USERS 暁!!

 

ティルフィング「相変わらず、マスターは強いですね。」

 

暁「騙し討ちみたいなものだがな。」

 

ティルフィング「それでもです。それと、優勝おめでとうございます。」

 

暁「ありがとう。」

 

 

そうしてすべての試合が終了し、暁達が優勝した。

 

 

~~ 男性陣side out ~~

 

 

 

~~ 運営side ~~

 

女性A「これで決まったな。」

 

ムラマサ「姉上、本当に戦われるのですか?」

 

女性A「もちろんだ。そちらもそのつもりだろう?」

 

女性B「もちろん。」

 

女性C「ええ、少し楽しみですわ。」

 

 

~~ 運営side out ~~

 

 

 




暁「いやぁ、雷は危なかったなぁ。」

雷「動き方が分っていれば余裕でしたぁ~。」

ドラグノフ「言い訳だな。」

雷「ていうか暁、お前も危なかっただろ!!」

暁「んなわけないじゃないですか。」

ティルフィング「マスターはいつの間に影になっていたのですか?」

暁「それはほら、後ろに飛んでから突っ込んだ時に」

ティルフィング「そんな前からでしたか。」

暁「そういえばリンは?」

ロンギヌス「あそこで雷を睨んでます。」

リン「今度は絶対に負けないんだからぁ~。」


ピュ~~~~~ン!!


大城「そろそろ次回予告をしていただきたいのですが」

暁「すまんすまん。」

ティルフィング「では、次回予告です。」

ロンギヌス「次回第26話」

ドラグノフ「契約前のエキシビション」

全員『お楽しみに!』


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第26話 契約前のエキシビション -前編ー

大城「どうも作者です。そして、今回も予告とは違う前編後編という形になりました。申し訳ございません。このままゲスト紹介です。今回は暁とロンギヌスです。」

暁「よろしく。」

ロンギヌス「よろしくお願いします。」

暁「またか。」

大城「書くと意外と文が出てきて長くなるんです。」

ロンギヌス「書き溜めの方は?」

大城「ありません。」

暁「それが原因だろ。」

大城「わかってはいるんですけどね。」

ロンギヌス「大城さん、頑張ってください。」

大城「ありがとうございます。では、このまま注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在など


暁「これらが大丈夫な皆さんは」

ロンギヌス「楽しんでください。」





~~ 暁side ~~

 

優勝チームが決まったことにより只今表彰式を執り行っている。

優勝チームの代表に優勝トロフィーと同時に賞金の10万が渡された。

ちなみに俺たちのチーム代表は表彰式が始まる数分前にカミトになすr……決めた。

 

カミトは最初「なぜ!?」って感じだったので、

俺と雷が同時に「「あんな目立つところに立ちたくない!!」」と言ってやると

苦い顔をしながら了承してくれた。

 

トロフィーと賞金の受け渡しが終わり、

最後に運営側から特殊な精霊との契約についての説明が行われた。

 

 

女性A「優勝チームのチーム・MULTI USERSにはこれから勝負をしてもらう。」

 

女性A「これから勝負をしてもらう君たちのチームから2名、他チームから2名で2人組を組んでもらう。そのままチーム同士で組んでもよし、他チームの奴と組んでもよし、とりあえず()()()()に勝てる2人組を組むことだな。」

 

 

この発言の一部分を待機室にいる俺と発言者の近くにいるカミトは聞き逃さなかった。

俺の言いたいことをカミトは代わりに言ってくれた。

 

 

カミト「今、()()()()って言ったか?」

 

女性A「おっと失言だったな。では話そう君たちが戦うのはこの試合を運営していた拙者たちだ!!」

 

 

女性Aがそう言うと同時に第二試合の開始合図をやっていた少女と、

さらに運営に関わっていたんであろう女性2名がやってきた。

 

 

カミト「なっ!?」

 

女性A「表彰式が終わりそこからそうだな、一時間後に勝負を始めようか。」

 

カミト「出るのは誰でもいいのか?」

 

女性A「ああ、優勝チームの2名が入っていれば組み方はどうでもよい。」

 

カミト「わかった。」

 

女性A「では、これにて表彰式を終了する。その一時間後にエキシビションを行う!!」

 

 

ワアァァァァァァ!!

 

 

観客はこの意外な展開で、さらに盛り上がった。

 

 

表彰式が終わると代表者として出ていたカミトとクレアが大急ぎで戻ってきた。

 

 

カミト「暁に雷、聞いただろどうするんだ?」

 

暁「どうするって言われてもなぁ。」

 

雷「戦うしか選択の余地なしだろ?」

 

クレア「カミトが言いたいのはそう言うことじゃなくて、」

 

クレア・暁「「誰がその勝負に出るか」よ。」

 

暁「そんなことは分かってるんだよ。」

 

雷「なあ暁、」

 

暁「ん?」

 

雷「俺、ふと思い出したんだが、これってフラグ回収したんじゃないか?」

 

暁「何のことだよ。」

 

カミト「まさかあれか!?」

 

 

雷とカミトは思い出しているようだが俺にはさっぱりだった。

 

 

雷「ほら、お前が優勝賞品が記載されてないって言ったときあったろ?」

 

 

※ 第22話 チームエントリー参照 ※

 

 

暁「ああ、確かに言ったな。」

 

 

俺は確かに試合の登録前に景品が記載されていないことについてカミトと雷に話した。

あの時なんか・・・、

 

 

暁「・・・あっ。」

 

カミト「どうやら思い出せたようだな」

 

 

俺は思い出した。完全に

俺が言った一言が本当になっていたとは、そんな気配全くしなかったんだが

 

 

クレア「あんたたち、私たちにも分かるように話しなさい。」

 

 

話に置いて行かれていた女性陣が説明を求めていた。

というわけで、男性陣が話の内容を説明した。

 

 

クレア「なるほどね。それならメンバーは決まっているようなものじゃない。」

 

リンスレット「そうですわね。」

 

エリス「エキシビションに出るのは暁、雷、ティルフィング、ドラグノフの4人だろうな。」

 

カミト「まあ、こればかりは仕方がないな。暁、雷勝って来いよ。」

 

暁「ああ。任せろ」

 

雷「またとないチャンスだからな。」

 

クレア「ティルフィング頑張りなさいよ。」

 

ティルフィング「ええ。」

 

クレア「ドラグノフもよ。」

 

ドラグノフ「わかっている。」

 

 

そして俺達4人はチーム・スカーレットとロンギヌス、リンに見送られながら

主催者が待つフィールドに出た。

 

 

女性A「来たようだな。勝負をする前に名を名乗ろう。拙者はマサムネという。」

 

少女「拙者はムラマサと言います。」

 

女性B「私はM16A1だ。」

 

女性C「私はM4A1と言います。よろしくお願いします。」

 

マサムネ「そうだな…、試合開始の合図は……、君たちのチームの誰かに頼もうか。」

 

 

マサムネの提案で誰が合図を出すのかチーム・スカーレットのメンバーで話し合っていた。

結局試合開始の合図をすることになったのはカミトだった。

まあ、そうなりますよね。

 

 

カミト「試合開始の合図は俺が持っているこのコインが地面に着いた時ってことでいいか?」

 

マサムネ「それでいこう。」

 

 

俺を含め残りのメンバーもそれに同意し、頷いた。

 

 

カミト「じゃあ、行くぜ。」

 

そして、カミトがコインを上に弾き上げ、地面に落ちると相手のマサムネは俺を狙い、ムラマサはティルフィングを狙って思いっきり突っ込んできた。マサムネとムラマサの刀は鞘に入っている状態だったが、手はしっかりと柄を握っていた。そして、刀を鞘から抜きながら横に一閃する。

 

俺とティルフィングは相手の居合切りに合わせて防御の形をとる。

マサムネとムラマサの居合切りはかなりのは速さと威力を持っていた。

少しでも反応が遅れるとすぐにでも俺たちの負けが確定しそうな強さだと思った。

 

それに、この戦いに剣士 vs 剣士、銃使い vs 銃使いなんてルールはない。

だからいつ隙を突かれてM16A1とM4A1の攻撃が飛んできてもおかしくないわけだ。

と言ってもそれは向こうも同じなわけで、雷達がいつマサムネたちに横やりをいれてもおかしくはないと思っているだろう。

 

戦闘開始から数時間が経とうとしていた。

俺たちは最初マサムネたちの初撃で向こうにペースを持って行かれ、反撃のできそうなところは迷わずに攻撃を入れていってはいたのだがことごとく弾かれては攻撃を続けられ、こちらのペースに持っていけてはいなかった。俺もティルフィングも少し息が上がり始めていた。

 

 

暁「すぅ~。こりゃあ、結構しんどいな。」

 

ティルフィング「はい。向こうの攻撃が激しくなかなか反撃ができません。」

 

マサムネ「どうした? お前たちの力はそんなものか?」

 

ムラマサ「・・・・・。」

 

マサムネ「お前たちの力が本当にこの程度なら評し抜けなんだが?」

 

暁「いったいどのくらい高く評価してくれてるのかは知らんが、そういうことならここからは攻めさせてもらうぜ。」

 

マサムネ・ムラマサ「「・・・ッ!!」」

 

ムラマサ「姉上、これは!!」

 

マサムネ「うむ、先程とは全くの強い気を感じる。やっと力を見せてくれるようだ。ムラマサ、油断するなよ!!」

 

ムラマサ「心得ております。」

 

暁「さあ、ここからが本番だ。合わせてくれティルフィング!!」

 

ティルフィング「はい、マスター!!」

 

 

そして俺は刀身を鞘に納め、いつもの居合切りの構えをとり深呼吸をした。

俺が居合の構えをとると俺の前にティルフィングが現れた。

 

 

マサムネ「それでは、暁の邪魔になるだけではないか?」

 

ティルフィング「いえ、マスターであれば大丈夫です。」

 

マサムネ「ではそれが嘘ではないことを見せてもらおう!!」

 

 

そう言うとマサムネはこちらに突っ込んできた。

ティルフィングはマサムネの攻撃を剣を使って防いで避けるのではなく、剣の先が触れないギリギリの距離で避けた。そしてマサムネの剣が空を切るとティルフィングは間髪入れずに剣を振り下ろした。が、それはムラマサによって止められた。

 

そして、マサムネはこの間に距離を置こうと一旦後ろに飛び退いた。

そう、その判断がこの戦いの決着になるとは知らずに。

マサムネがティルフィングと一時的にでも距離を取ろうと後ろに飛んだ。

マサムネは着地し、もう一度踏み込みを入れようとしたとき、何者かに後ろから一閃された。

 

 

マサムネ「なっ・・・!! 貴様いつの間に!?」

 

ムラマサ「姉上!!」

 

暁「まず一人。」

 

 

マサムネがやられるのが意外だったのだろう。

鍔迫り合い中だったが意識がティルフィングからマサムネに代わった。

そして、ティルフィングはその隙を逃さないと、ムラマサの剣を弾き飛ばした。

 

 

ティルフィング「これで終わりですね。」

 

 

手元に武器がなくなったムラマサは降参の意を示した。

 

 

これにより、暁 & ティルフィング vs マサムネ & ムラマサの勝負は幕を閉じた。

 

 

暁「こっちは終わったけど向こうはまだ見たいだな。」

 

ティルフィング「加勢しに行きますか?」

 

暁「いやいや、そんなことしたら野暮ってもんだろ。」

 

ティルフィング「それもそうですね。」

 

暁「雷~、こっちは終わったからなあ~。」

 

 

俺は雷にそれだけ言うと傍観の立場に入った。

 

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 




雷「大城!!」

大城「何でしょうか?」

雷「俺の活躍がない!!」

大城「次回ですね。」

雷「流された!!」

ドラグノフ「雷、うるさい。」

雷「(´・ω・`)」

大城「友人からの要望ではあなた方の活躍より相手の方たちの活躍の方が見たいそうです。」

金剛(M4A1の活躍早よ。)

ドラグノフ「・・・・・大城」

大城「何でしょうか?」(本日2度目)

ドラグノフ「ちょっと出てくる。」

大城「わかりました。」

雷「行かせて良かったのか?」

大城「私には関係ないことなので、それより次回予告お願いします。」

雷「あっはい。コホン、次回!!」

マサムネ・ムラマサ「「第27話!!」」

雷「!!」

M16・M4A1「「契約前のエキシビション ー後編ー」」

雷「!!!!」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第27話 契約前のエキシビション ー後編ー

大城「皆さんどうも大城です。今回のゲストはクレアとドラグノフです。」

クレア「よろしくね。」

ドラグノフ「よろしく。」

クレア「大城、私たちの言いたいことわかるわよね?」

大城「読者の皆様投稿が遅くなり申し訳ございません。」

クレア「なんかそうもすんなりと謝れるとねぇ。」

ドラグノフ「一応遅れた理由を聞こうか。」

大城「今回の話が書けていなかったこととリアルの方でお金についての用事を済ませてました。」

クレア「後半はしょうがないにしろ前半はあんたの頑張り次第じゃないの!!」

大城「もっともでございます。」

ドラグノフ「後で処刑な。」

大城「ウンシッテタ。」

クレア「とりあえずここまでにして注意事項よ。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、キャラ崩壊など


ドラグノフ「これらが大丈夫な皆は楽しんで呼んでくれ。」





~~ 雷side ~~

 

カミトがコイントスをし、コインが地面に着く……、

 

 

キーーーーーン

 

 

金属同士がぶつかり合い甲高い音がフィールドを木霊する。

ふと、そちらを見るとマサムネとムラマサはすでに暁とティルフィングに攻撃を仕掛けていた。

剣士組は相変わらず動きが速いな。

 

 

ドラグノフ「雷、向こうを見過ぎだ。」

 

雷「悪い。さて、こちらもやろうか」

 

M16A1「狙撃型に対して、こちらはアサルトライフル型相性としては不利と見えるが?」

 

雷「それはドラグノフを見ての感想だろ。」

 

M16A1「どういうことだ?」

 

雷「こういうことさ」

 

M16A1・M4A1「「・・・ッ!?」」

 

 

俺はいつも通りにその場の戦闘に合わせて武器を作った。

その武器はサブマシンガンのP90、しかも両手に装備。

弾切れに関しては魔力で次々に生成されるので何の心配はないか。

フィールドは広いが障害物はなく、ちょっと離れたところでは暁達剣士組が戦っている。

撃ち合いをしていると必ず流れ弾が出てしまうものだ。

 

 

雷「あいつらに当たらないようにしないとな……。」

 

 

俺はそう思いつつこちら側の戦闘に意識を向け直した。

 

 

M4A1「姉さん今の!?」

 

M16A1「これは驚いたな。流石……とでもいうべきだろうか、銃姫契約者の雷。」

 

雷「そう言ってもらえるのは嬉しな。というか詳しいな」

 

 

MM16A1と話しをしているとドラグノフが小声で話しかけてきた。

 

 

ドラグノフ「雷、この戦いでは私は足手まといになるかもしれんぞ。」

 

雷「お前が足手まといになることは絶対にないから安心しろ。」

 

ドラグノフ「お前は私どれだけの信頼を置いてくれているのやら。」

 

雷「暁達とのバカ騒ぎに付き合ってくれるぐらいには」

 

ドラグノフ「それは高いのか?」

 

雷「俺の中では結構高い方だぞ。」

 

ドラグノフ「そうか。なら私はそれに応えなければいけないな。」

 

雷「俺はM16A1を先に叩こうと思っている。」

 

ドラグノフ「了解した。」

 

 

雷に信頼してもらっていることの確認ができたからか、

少し暗くなっていた気持ちに喝が入ったみたいだった。

 

 

雷「それじゃあ、行動開始!!」

 

 

俺は右手のP90でM16A1を、左手のP90でM4A1を撃った。

本来の目的は二手に分かれさせるための発砲だった。

これに関してはうまくいくことは分かっていた。

なぜならわざわざ自分からあたりに行くなんてことを誰がするのか。

 

 

そして、二人は飛んでくる銃弾から逃げながら自分たちの持っているアサルトライフル(M16A1・M4A1)

雷に向かって撃つ。

だが、走りながらの撃っているせいかそれともよく狙って撃っていないせいなのかは分からないが、弾が雷に当たることはなかった。それを目の当たりにした彼女たちは驚きを隠せなかった。

 

 

M16A1「なっ・・・!!」

 

M4A1「嘘・・・!!」

 

M16A1(いくら適当に撃っていたとしても数発はアイツに当たってもおかしくはないはず・・・。)

 

 

そう考えているうちに雷はリロードに入った。

 

 

M16A1「今が好機。」

 

 

そう言ってM16A1は俺に照準を合わせて発砲してくる。

M4A1も同様に俺を狙い発砲してきた。

 

 

雷「やっべ!!」

 

 

俺は勢いよく後ろに飛んだが、さっきのお返しと言わんばかりの量の銃弾が次々に飛んでくる。

直撃だけは避けるために両手のP90を盾の代わりにした。

当然、持っていたP90は砕け散った。

 

 

雷「ちぃ!!」

 

M16A1「そちらの武器は無くなった。降参したらどうだ?」

 

雷「・・・・・。」

 

M4A1(そういえば、もう一人は何処に?)

 

雷(そろそろドラグノフの準備が整ったころかな?)

 

M4A1「M16姉さん!! 危ない!!

 

M16A1「?・・・・・しまッ!!」

 

 

パァァァァァァァァァン!!

 

 

M4A1はもう一人がいないことに気づいた。

そしてその者がしっかりとこちらを狙っていることに気づき

M16A1に大声で危険であることを伝えた。

M16A1はM4A1の声を聴いてもう一人の事に気づいた。

そして、発砲音がする前に何かが光ったのが見えたため、横に飛んだ。

致命傷は凌いだが腕を少し掠めた。

 

 

M16A1「くっ!!」

 

ドラグノフ「まさかこの私が一発で仕留めれないとは。」

 

雷「いい感じに動けたと思ったんだけどな。」

 

 

俺は向こうの注意がなくなっているうちに新たな武器を作りだした。

今回作ったのはハンドガン(P1911)を二丁である。

そして、気が付けば試合が開始してから一時間半が過ぎていた。

 

 

暁「雷~、こっちは終わったからなあ~。

 

 

遠くから暁の声が聞こえた。

 

 

雷「あんにゃろ~、戻ったら一発殴らせろ。」

 

 

こちらはだいぶ疲れが出てきていた。

そんな中に「終わったから。」は、ただの煽りに聞こえてしょうがない。

暁の事だから「お前も頑張れよ」って意味だろうがもう少し言葉を選んでほしかった。

 

 

雷「にしても、強いな。」

 

ドラグノフ「最初は何とも思わなかったが時間が経つにつれてこのコンビの強さがこの身にしみるな。」

 

雷「だがこちらも長いこと一緒に冒険して来たんだ。いい勝負してると思うけどな。」

 

M16A1「向こうは終わったみたいだな。」

 

雷「そう見たいだな。」

 

M16A1「ではこちらもそろそろ終わりにしようか。勝つのは私たちだ!!」

 

雷「終わらせるのは賛成だ。だが、残念なことにお前たちが勝つんじゃない。俺たちが勝つんだ!!」

 

 

両者弾幕を張った。

弾幕を一度張り出すとお互いに簡単に止めることができないため、発砲音は鳴り続いた。

ドラグノフの邪魔にならないように立ち回りつつも攻撃は緩めない。

だがここでM16A1が手に何かを持った。

そしてこちらに目掛けて手に持っていたものを投げてきた。

ドラグノフがそれを打ち抜いて破壊した。

しかし破壊したものは閃光手榴弾だったため俺とドラグノフ、

周りの観客の目が一時的に視界を奪われた。

 

 

雷「のわっ!!」

 

ドラグノフ「くっ、やってくれる!!」

 

雷(この隙に絶対に奴らはチェックメイトをかけてくるはず・・・、なら。)

 

 

俺はそう思い、スモークグレネードを準備した。

 

 

M16A1「勝負ありだな。」

 

雷「本当にそう思うか?」

 

M16A1「君も相方も先程の閃光で視界がやられているはずだ。それに君ほどの者だ、声の大きさで私がどれだけ近くにいて尚且つ、どういう構えを取っているかはわかるだろ?」

 

雷「まあ確かに大体想像がつくな。」

 

M16A1「なら尚更分かっているはずだな? 今君がとるべき行動は何か。」

 

雷「あんたには感謝をするよ。」

 

M16A1「何?」

 

雷「俺たちに視界の回復する時間をくれてさ。」

 

 

そして俺はスモークグレネードを地面に落とした。

 

 

M16A1「なっ、いつの間に!?」

 

 

M16A1はそれが手榴弾だと思い後ろに飛んだ。

だが正解はスモークグレネードだった。

ピンが抜かれているスモークグレネードは、

 

プシューーー

 

と、大きな音を立てながら煙を発生させた。

ものの数秒で四人の視界は煙によって潰された。

 

 

雷「ドラグノフ、合流できそうか?」

 

ドラグノフ「何の問題もない。」

 

 

そう言いながらドラグノフが煙の中から現れた。

 

 

ドラグノフ「お前との繋がり(魔力回路)があるからな。このくらいの距離間隔なら直ぐに合流できる。」

 

雷「頼もしいこって。さて、反撃と行きますか。」

 

ドラグノフ「うむ。」

 

 

 

俺はハンドガン(P1911)のマガジンを交換し煙の中を走り回った。

その際に弾が飛んできたことから人影を見つけたから撃っているということが分かった。

そして、弾が飛んでくる方には間違いなくM16A1かM4A1のどちらかか、それともすでに合流してどちらともかは分からないがが確実に居る。

 

 

雷「さて、確認に行きますか。」

 

 

俺は弾が飛んできていた方に走る。

煙を掻い潜りながら見えてきた姿は、M4A1だった。

どうやら彼女も此方を捉えたようだ。

アサルトライフルを構えている。

 

 

雷(おっと、ちょっと予想外かな?)

 

 

M16A1が攻撃をしてきていたと思っていたため、若干戸惑ったがやることは変わらない。

相手を倒して勝ちを得ること。

そう思いながら此方は臨戦態勢をとる。

右手のハンドガン(M1911)で先制攻撃を仕掛けたが、避けられてしまう。

俺の先制攻撃が引き金になり撃ち合いが始まる。

 

 

M4A1「ここであなたを倒して、私たちが勝ちます。」

 

雷「そうは問屋が卸さないぜ。」

 

 

お互いに弾を撃ち尽くしリロードにはいった時、雷の後ろで【何か】が光った。

M4A1は雷の後ろで光った【何か】に一瞬ではあったが思考を持って行かれた。

 

リロードはほぼ同時に終わっていたがM4A1は【何か】に気を取られていた。

 

 

雷「今だ。」

 

 

俺は好機(チャンス)と見て相手の後ろに回り込んだ。

 

 

M4A1「・・・ッ!!」

 

 

回り込んだ後そのまま銃を頭に突き付けた。

 

 

雷「どうする?」

 

M4A1「大人しく降参します…。」

 

 

俺とM4A1の勝負がつくと同時にスモークグレネードの煙が完全に消えた。

煙がなくなるとドラグノフとM16A1の姿を確認できた。

M16A1はこちらを視認するとM4A1が手を挙げて降参の姿勢を取っていることに驚いていた。

そして、何か考えた後武器を捨てた。

 

 

雷「どういうつもりだ?」

 

M16A1「降参だよ。」

 

 

ここに来てやっと決着がついた。

向こうさんの両者の降参宣言によって俺とドラグノフが勝利した。

戦闘時間は2、3時間半経過していた。

 

俺は疑問に思ったことをM16A1に聞いた。

 

 

雷「どうして最後降参したんだ?」

 

M16A1「2対1では勝てないと思ったからだね。」

 

雷「それだけか?」

 

M16A1「他にあるとすればアンタの強さがデタラメ過ぎることかな。」

 

雷「そうか?」

 

M16A1「自覚していないのかい?」

 

雷「これが普通だと思っていたからな。」

 

M16A1「アンタそれ本気で言ってるだろ?」

 

雷「勿論。」

 

M16A1「はぁ~・・・。」

 

 

M16A1は俺の言葉を聞いて深い溜め息を吐いた。

俺にはそれが何故だかわからなかった。

とにもかくにも俺とドラグノフはM16A1とM4A1のペアを打ち破り、勝利した。

 

 

~~ 雷side out ~~

 

 

 

 

 




雷「なあ大城」

大城「なんででしょうか。」

雷「お前最後の戦闘描写諦めただろ。」

大城「・・・・・。」

M16A1「否定しないのか。」

大城「仕方ないじゃない。書いていてキャラのイメージが全然わかなかったんだもの。ここまで書いたことを逆に褒めていただきたい。」

M4A1「なぜか・・・、ふんぞり返ってる・・・。」

雷「まあ、こいつだからな。」

M16A1「大城、本編は途中で投げないでくれよ?」

大城「そこは安心してくれて大丈夫です。」

M4A1「この感じだと……少し…心配…。」

大城「こればっかしは信じてくださいとしか言えませんね。」

雷「そりゃあそうか。」

大城「ええ、そうです。と、そろそろ次回予告お願いします。」

雷「ほいよ。次回28話」

M16A1・M4A1「「契約と打ち上げ」」


※ ここで少しお話があります。
  これから忙しくなるため投稿をお休みさせていただきます。
  安定し始めたら投稿を再開しますのでその時はよろしくお願いします。
  急なことですがご了承のほどよろしくお願いいたします。
  最後に感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第28話 契約と打ち上げ

大城「読者の皆様大変お待たせ致しました。第28話です。遅れることを予告していたとはいえだいぶ間が空いてしまいました申し訳ございません。ではそろそろゲスト紹介です。今回はカミトとクレアさんに来てもらっています。」

カミト「よろしく。」

クレア「よろしくね。」

カミト「早速だけど大城、どうしてこうなったかの説明をしてくれ。」

大城「私只今学生なんですが、第27話の投稿した時ってテスト期間でした。」

カミト「お前・・・。」

クレア「続けて」

大城「落としてはいけない単位があったのでその単位のため少しは頑張ろうと思って勉強したんですが結局そこの単位を落としましてただいま補習という立場です。」

カミト「だから投稿がこんなにも空いたと?」

大城「はい。」

クレア「あんた一体何してんのよ・・・。」

カミト「入ったばっかりでそれはどうなんだよ。」

クレア「補習の方はどうなの? 大丈夫なのかしら?」

大城「正直不安しかないです。」

クレア「それならさっさと勉強しなさーーーい!!!!」

大城「直ちに!! (`・ω・´)ゞ」

カミト「唐突だが注意事項だ。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、今回は長文であることなど


クレア「これらが大丈夫な皆様は楽しんでね。」





~~ エキシビション終了後 ~~

 

マサムネ「さて、私たちに勝った君たち2人は契約するだけの相応の力を見せてくれたわけだが・・・どうする?」

 

暁「どうするとは?」

 

マサムネ「契約するのかどうかだ。」

 

雷「勿論契約するに決まってんだろ。なぁ?」

 

暁「そのつもりだ。だがなぜそんなことを聞く?」

 

マサムネ「君たちの仲間が相当優秀みたいだからな。それに、」

 

雷「それに?」

 

マサムネ「君たちはすでに私たちと同じキル姫と銃姫を仲間にしているだろ?」

 

暁「確かにそうだけどそれはそれ、これはこれだろ。」

 

雷「うんうん」

 

暁「それに俺たちはキル姫と銃姫たちと契約を結ぶ旅をしてるわけだからな。契約しないわけがない。」

 

マサムネ「そうか。変なことを聞いてすまない。」

 

暁「構わないよ。」

 

M16A1「マサムネ、そろそろ契約を開始しないか? 観客がざわつき始めているぞ。」

 

 

そう言われて観客席の方に目をやると「すごかったですわ。」や「あんなもの見たことなかったぞ。」などいろいろ言っている中、「契約はどうなったんだ?」「勝負はついておりますのよね?」などなかなか進まないことに疑問を抱いている観客たちがいた。

 

 

暁「確かに、そろそろ大会の進行を再開した方がいいな。」

 

マサムネ「うむ。」

 

 

俺の言葉に頷いたマサムネは観客たちに目を向け、大会の進行を進める。

 

 

マサムネ「観客の皆様方、エキシビションを終え結果としてこの2人、チーム・MULTI USERSの暁と雷はそれぞれ私たちに契約するだけの力を示した。そのためこれより拙者とムラマサは暁と、M16A1殿とM4A1殿は雷と契約を行う!!」

 

 

マサムネの言葉が終わると俺と雷の足元にはいつもの契約陣より少し大きめな魔法陣が現れた。

 

 

暁「まさかの1人ずつじゃなくて2人同時なのね。」

 

マサムネ「そっちの方が早く終わるからよかろう?」

 

暁「それはそうなんだけど、2人同時契約は初めてだからな。」

 

マサムネ「そうだったのか。」

 

暁「まあ、魔力回路を繋げるだけだから大丈夫だろ。」

 

 

魔法陣が現れ、それぞれ契約が始まってから数分で魔法陣が消えた。

 

 

マサムネ「ふむ。暁と回路を繋いだおかげなのか分からんが体が軽くなった気がするな。」

 

ムラマサ「少し不思議な感じがしますね。」

 

M16A1「魔力量が増えた感じだ。」

 

M4A1「だからといって無茶だけはしないでね。」

 

M16A1「わかっているさ。」

 

 

どうやら契約は無事に終わったみたいだ。

俺も雷も2人同時契約なんて初めてだったため契約中内心ヒヤヒヤしてたのは内緒の話。

 

 

暁「無事に終えれてよかった。」

 

雷「意外といけるもんだな。」

 

 

4人が契約後の体の状態を確認している間に俺と雷は少し安堵していた。

そんな中、マサムネが大会の閉会の言葉を始めた。

 

 

マサムネ「契約が終了した今、大会の全ての内容が終了した。大会に出場するも惜しくも負けてしまったチームもいい戦いぶりだった、この大会に参加してくれたことに感謝している。ありがとう。これにて、闘技大会を終了する!!」

 

 

閉会の言葉が終わった。

そして、次から次へと闘技大会の会場から姿を消していった。

気付けば闘技大会の会場に残ったのは俺たちだけになっていた。

 

 

カミト「お疲れ様、いい戦いだったぜ。」

 

クレア「お疲れ様。4人とも」

 

リンスレット「お疲れ様ですわ。」

 

エリス「お疲れ様だ。」

 

フィアナ「お疲れ。」

 

エスト「お疲れ様です。」

 

ロンギヌス「お、お疲れ様です。」

 

リン「お疲れ~。」

 

 

後ろにいた皆がこちらにやってきた。

 

 

暁「皆もお疲れ。」

 

雷「お疲れ様。」

 

ティルフィング「皆さん、お疲れ様です。」

 

ドラグノフ「お疲れ様、だな。」

 

雷「この後どうするんだ?」

 

暁「どうするとは?」

 

雷「このまま解散なのかってこと。」

 

暁「なるほど、どうしようか。」

 

雷「特にないなら打ち上げしたいんだけど。」

 

カミト「いいな。」

 

暁「やるなら明日の方がいいんじゃないか?疲れている者もいるだろうし」

 

 

どうやら皆同じ意見だったみたいで俺の意見を首を縦に振った。

そのため今日のところはひとまず解散ということになった。

 

 

雷「じゃあ今日はこのまま解散ってことで、明日何時にどこに集合だ?」

 

クレア「どこかの店でってわけにもいかないわね。」

 

リンスレット「人数が人数ですものね。」

 

エリス「この大人数で店に行って打ち上げなんてやったら確実に追い出されるな。」

 

フィアナ「そっち(男子寮)の方でどうにかできないの?」

 

カミト「流石にこの大人数を入れるのは無理だな。」

 

クレア「使えないわね。」

 

カミト「無茶言うな」

 

 

そういうことで皆が頭を悩ませているとティルフィングが一つの案を提案した。

 

 

ティルフィング「でしたらどこか広い所でバーベキューなんてどうでしょうか?」

 

全員「「「「「それだ!!」」」」」

 

 

ティルフィングの案で全員の悩みが一斉に解決した。

 

 

カミト「そういうことなら男子寮の付近が十分な広さがあるから余裕でできるぜ。」

 

暁「なら決まりだな。時間は11時半男子寮前集合ってことで」

 

雷「バーベキューの機材の用意は俺たちがするとして」

 

ドラグノフ「私たちはそちらに行くついでに料理の材料を買っていけばいいだろう。」

 

クレア「話がまとまったみたいだから解散しましょうか。」

 

リンスレット「それではカミトさん、また明日。」

 

フィアナ「また明日ね。」

 

エリス「では私も戻るとするか。また明日」

 

 

クレア達は一足先に戻って行った。

 

 

マサムネ「拙者たちはどうすればいいのだ?」

 

ティルフィング「マサムネさんとムラマサさんは私とロンギヌスと一緒に来てください。それでいいですよねマスター?」

 

暁「ああ。」

 

マサムネ「うむ。承知した。」

 

ムラマサ「承知いたしました。」

 

ロンギヌス「ではいきましょうか。」

 

 

そして、キル姫一行も部屋に行くため動き出した。

 

 

M16A1「では私たちは」

 

ドラグノフ「ああ、私たちと一緒に来てもらう。」

 

M4A1「よろしくお願いします。」

 

リン「そうかしこまらなくていいよ。」

 

ドラグノフ「では雷、明日」

 

雷「今日はお疲れ様。ゆっくり休んでくれ。」

 

 

銃姫たちもキル姫たちが動き出してすぐに動いて部屋に向かって行った。

 

 

暁「さて、俺たちも部屋に戻って明日に備えて寝るとしますか。」

 

 

そう言いながら俺たちも部屋へと歩き出した。

 

 

雷「にしても疲れたな。」

 

カミト「雷がいてくれたおかげでこっちは楽できたけどな。」

 

暁「最初だけな。」

 

雷「それでも楽できたんだから俺に感謝しやがれ。」

 

暁「だが、断る。」

 

 

そして男子寮に着き、それぞれの部屋へと別れていく。

部屋に戻ってから飯食ったり風呂に入ったりしてから布団に入るとすぐに眠りへとついた。

 

 

 

~~ 打ち上げの日 ~~

 

昨日すぐに眠りについたからか今日はいつにもまして早く起きた。

 

 

暁「時間は・・・、5時半か。」

 

 

時間を確認してすぐに部屋の扉がノックされた。

「こんな早くに誰だ?」そう思いながら扉を開けるとそこには雷が立っていた。

 

 

雷「うっす。おはよう。」

 

暁「珍しいな。お前がこんなに早く起きるなんて」

 

雷「昨日帰ってから飯とか終わらせてベッドに入ったらすんなりと寝ちまってな。」

 

暁「同じく。それで俺の所に来た理由は?」

 

雷「どうせお前の事だからこういう時体動かしに行くかなと思ってな。起きてたら一緒に来てもらおうと。」

 

暁「寝てたらどうすうるつもりだったんだ?」

 

雷「そんときは1人で行くつもりだった。」

 

暁「本音は?」

 

雷「叩き起こす。」

 

暁「はぁ~~。ちょっと待ってろ。」

 

雷「おう。」

 

 

俺は数分で準備して部屋を出た。

その後、雷と街の中をぐるっと走り走り終わって少し休憩した後防音の結界を張って腕試しをして時間を潰した。

そんなこんなで時間はすでに9時を回るところだった。

 

 

暁「もうちょいしたら9時になるからここまでだな。」

 

雷「もうそんなに経つのか。早かったな」

 

 

そうこうして部屋に戻る最中にカミトと出会った。

 

 

カミト「お前たちもう起きてたのか。」

 

暁「まあな。カミトはこれからどこか行くのか?」

 

カミト「バーベキューの機材がないか見て回るつもりだ。」

 

雷「なら俺たちも付いて行くよ。少しだけ待っててくれ。」

 

カミト「わかった。」

 

 

カミトと雷、俺の3人は店を見て回った。

最初の方は全然見つからず諦めかけていたのだが、心優しい男性が「使わなくなったから。」と、バーベキューの機材をくれた。新品の状態のためすぐに使える状態だった。

 

 

暁「こんなことってあるんだな。」

 

雷「早く戻って他の準備もしようぜ。」

 

カミト「クレア達が来るまで時間がそうないから急ぐか。」

 

 

時間はすでに10時を回っていた。

俺たちは急いで寮に戻り、食材以外の用意を済ませた。

用意が終わると同時にクレア達が食材を持ってやってきた。

そして、すべての準備が整い全員の手には飲み物があった。

 

 

暁「雷、よろしく。」

 

雷「カミト、よろしく。」

 

カミト「暁、よろしく。」

 

クレア「あんたたちねぇ。(呆れ)」

 

ティルフィング「マスター頑張って下さい。」

 

暁「うっす。コホン、皆昨日はお疲れ今日は昨日すぐできなかった分存分に楽しもう。乾杯」

 

 

全員「「「「「かんぱーーーい」」」」」

 

 

乾杯の音頭が終わると各自料理を取り、食べ始めた。

料理を取り終えたマサムネとムラマサが俺の所にやってきた。

 

 

マサムネ「主君、改めて自己紹介をした方がいいのではないだろうか?」

 

 

突然マサムネがそんなことを言ってきた。

俺は「一理あるな」そう思ったのでカミト達を呼んだ。

その後マサムネ、ムラマサ、M16A1、M4A1の順番でカミト達に自己紹介をした。

カミト達もマサムネたちの自己紹介が終わると自己紹介をした。

その際マサムネがカミトに「今度暇なときにでもお手合わせ願えないだろうか?」

と勝負を挑んでいた。

自己紹介が終わり、昨日の大会の話に花を咲かせていた。

話が終わるころには料理も尽きていた。

だが女子たちの話が終わる気配を見せない。

 

 

雷「いや~、食ったぜ。」

 

カミト「この後どうするんだ?」

 

暁「今何時ぐらいだ?」

 

カミト「2時半過ぎ。」

 

暁「なあカミト」

 

カミト「ん?」

 

暁「今動けるか?」

 

カミト「勿論。」

 

暁「俺と一戦してくれや。」

 

カミト「いいぜ。」

 

暁「よし決まりだな。」

 

 

結界の展開と開始の合図を雷に頼み、俺とカミトは向き合って立つ。

使う武器は俺が作った木刀、制限時間は5分での勝負。

女子たちはというと話をやめて俺とカミトがその場から離れていくのを見て「ん?」と首をかしげたが、お互いが持っている木刀を見て「いつも通りか」という顔になった。

その後は俺とカミトの戦闘の観戦状態に入った。

 

 

雷「それじゃあ、いくぜ。」

 

暁「おう。」

 

カミト「いつでも」

 

雷「・・・始め!!」

 

 

雷の開始の合図とともに俺とカミトは正面から打ち合った。

開始の合図があってからすでに残り時間が30秒を切っていた。

 

 

暁「よっ、ほっ、のわ!!」

 

カミト「せい、この、せやぁ!!」

 

 

先に型が崩れたのは俺だった。

最初は攻めていたものの後半からちょっとした隙を突かれてしまい反撃された。

カミトの剣戟に意識を集中し、下がりながらそれを捌いていた。

そのため、足元の注意が疎かになってしまった。

そして、踵が埋まっていた石に引っ掛かりバランスを崩した。

残り数秒というところで俺の喉元にはカミトの木刀の先が向けられていた。

 

 

暁「負けだな。」

 

カミト「危なかったぜ。お疲れ様」

 

クレア「食った後に何してるんだか」

 

ティルフィング「マスターお疲れ様です。」

 

 

雷と女子たちがさっきの勝負の感想を各々語りながらこちらにやってきた。

 

 

雷「お前が負けるとはな。」

 

暁「まあそんな日もあるさ。」

 

カミト「ストレート負けするかと思ったぜ。」

 

エリス「お互いすごい気迫だったな。」

 

マサムネ「カミト殿今回は流すがいつかまた相手を」

 

カミト「ああ、構わない。」

 

リンスレット「皆さん、そろそろ片づけを手伝ってくださいな。」

 

 

どうやらリンスレットは先に片づけを始めていたようだった。

そうして全員で片づけに入り、打ち上げは終わりを告げた。

 

 

 




暁「今回は分けなかったんだな大城。」

大城「分けようか悩んだ結果、そのまま書きました。」

雷「にしてもいつものより1200文字程度は多いな。」

大城「そうっすね。」

ティルフィング「これからは安定してかけるんですか?」

ドラグノフ「そういえばお前成績悪いらしいな。どうなんだ?」

大城「・・・まあ、うん、ぼちぼち。」

全員(あっ、これは全くダメな奴だ。)

大城「次回予告お願いします。」

全員(逃げたな。)

暁「はぁ~、しゃーない。」

ティルフィング「次回第29話」

雷・ドラグノフ「「学院での一日」」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。
  未だ安定して書くことはできないため投稿に長い間隔が空くかと
  思い、迷惑をおかけしますがどうか待っていただけると嬉しいです。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第29話 学院での一日

大城「早速ゲスト紹介です。今回はマサムネとムラマサに来てもらっています。」

マサムネ「よろしく頼む。」

ムラマサ「よ、よろしくお願いします。」

マサムネ「そういえば大城」

大城「何でしょうか?」

マサムネ「前回の後書きで投稿、遅れるようなこと書いてなかったか?」

大城「リアルの方で()()書ける状態なのでこうして書いています。」

ムラマサ「では、これからまた忙しくなると?」

大城「正確には4月からですね。でもできるだけ書いていくつもりではいます。」

マサムネ「また『単位を落として書けません。』なんていうことがないようにな。」

大城「善処します。」

ムラマサ「では、作者のリアルの話はここまでにして注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在、キャラ崩壊など


マサムネ「これらが大丈夫な読者の皆様は」

マサムネ・ムラマサ「「楽しんで読んでくれると嬉しい(です)。」」





大会が終わり、ここからは特に依頼や大会、催し物がない一日が始まった。

要するに暇な一日が始まったわけである。只今カミト達は学院の方で授業を受けている。

街はあらかた見て回っているため本当にすることがない。

一応暁達異世界人側はグレイワース学院長の計らいでアレイシア精霊学院の生徒として入れてもらっている。学院の授業に関しては俺たちは受けなくてもいいことになっている。

それによって現状暇である。

 

 

暁「暇だな~。」

 

雷「そうだな~。」

 

ティルフィング「この時間私たちも学校に行ってますからね。」

 

ドラグノフ「と言ってもほとんど教師陣からは無視されていたがな。」

 

ロンギヌス「それはどういうことですか?」

 

暁「ああ~。それ聞いちゃう?」

 

マサムネ「何だダメなのか?」

 

暁「駄目ではないけど・・・、あんまり良い話ではないぞ?」

 

リン「それでも構わない。」

 

雷「まあ、いいんじゃないか?」

 

暁「確かに隠すほどの話ではないからな。」

 

ティルフィング「ではお話は私がしますね。それは私たちがまだこの世界に来る前・・・」

 

 

ティルフィングがここに来るまでの話をこの世界で仲間にした全員に話した。

 

 

 

~話を始めて数十分後~

 

 

 

ロンギヌス「そんなことが」

 

リン「私たちが異族とほとんど同じ扱いで、それを契約する雷と暁は異端者だと」

 

マサムネ「拙者は少々憤っている。」

 

ムラマサ「拙者もです姉上。」

 

M16A1「右に同じくだな。」

 

M4A1「そんな学校によく居れましたね。」

 

暁「まあ何だかんだ自由にできていたからいたんだろうな。」

 

雷「担任教師だけは俺たちの事認めていたけどな。」

 

ティルフィング「そうでしたね。」

 

ドラグノフ「それはそうと、本当にこれからどうする?」

 

 

うーんと悩んだ結果

 

 

暁「グレイワース学院長に頼んで授業に出させてもらうか。」

 

雷「どうしてそうなった。」

 

暁「いやな、俺たちはこの世界の事を全然知らないわけだから少しでも知っておこうかと」

 

ティルフィング「なるほど確かにそうですね。」

 

雷「一理あるな。」

 

ドラグノフ「そうと決まればすぐに行動だな。」

 

 

 

────────────────────────────────────────

 

 

 

というわけで、俺たちはグレイワース学院長がいるであろう学院長室の前まで来ていた。

 

 

暁「なぜか緊張する。」

 

雷「わからんでもない。」

 

 

そう言いながらも俺は学院長室の扉を叩く。

 

 

グレイワース「誰だ?」

 

暁「暁です。」

 

グレイワース「入っていいぞ。」

 

暁「失礼します。」

 

グレイワース「勢揃いで一体何の用だ?」

 

暁「ちょっとお願いがあってきた次第でして」

 

グレイワース「いいだろ、聞いてやろうではないか。」

 

 

俺はこの世界の事を知りたいため授業に参加させてほしいとグレイワース学院長に頼んでみた。

すると意外なことにすんなりとOKが出た。

 

 

暁「てっきりダメかと思っていたんだが。」

 

グレイワース「お前たちは一応この学院の生徒なんだから授業に出てもおかしくないだろ。」

 

雷「本音は?」

 

グレイワース「カミトの反応が面白そうだからだな。」

 

 

そんなこんなでカミト達のクラスの担任の教師を学院長室に呼び出してもらい、2時間目以降の授業は俺たちのためにこの世界の事をについての授業をしてくれるとの事だった。

呼び出された教師から自己紹介があった。俺たちも自己紹介をしようとするがどうやらグレイワース学院長の方から事前に話がしてあったようだったので向こうは俺たちの事を知っていた。

教師の名前はフレイヤ・グランドル、どうやらカミト達がいるクラスの担任をしているとの事だった。そして第一にその担当クラスは問題児たちの集まりらしい。まあその点に関しては、元の世界で俺たちも似たような扱いされてたから別にどうでもいいんだよな。

 

 

フレイヤ「学院長、この者たちを授業に参加させるのですか?」

 

グレイワース「ああ、この者達用に授業をしてほしい。」

 

フレイヤ「内容は?」

 

グレイワース「ちょっとした歴史を話をしてやってくれ。」

 

フレイヤ「分かりました。」

 

全員「「「よろしくお願いします。」」」

 

フレイヤ「それではクラスに案内しますので私はこれで」

 

 

そして俺たちはフレイヤ先生にクラスを案内してもらうため付いて行こうとすると突然グレイワース学院長に俺は呼び止められた。

 

 

グレイワース「暁。」

 

暁「何でしょうか?」

 

グレイワース「・・・・・いや、何でもない。」

 

暁「? そうですか、では。」

 

グレイワース「ああ。」

 

 

俺はそのまま皆の後を追った。

 

 

グレイワース(一瞬黒い(もや)のようなものが見えた気がしたんだが、気のせいか?)

 

 

学院長室を後にした俺たちはフレイヤ先生に担当としているレイブン教室まで案内してもらった。

フレイヤ先生から授業の内容が変わったこととお前たちの事についてクラスの連中に話すから少し待っていてくれと言われたので只今教室の扉の前で待機中である。

 

 

暁「よく考えたら結構な大人数で授業受けるんだな。」

 

雷「あ、そういえば。」

 

ティルフィング「何人でしたっけ?」

 

 

俺は人数を数えた。その結果自分含めて10人いた。

流石に多いかと思ったがまぁいっかって気持ちが最終的に勝った。

そうこうしているうちにフレイヤ先生が「新しい生徒を紹介する。入れ」という声が聞こえたので扉を開けて中に入る。教室の入った時の第一声は顔見知りからの「えっ!?」という声だった。

(当然の反応だな。)とその場の俺たちはそう思った。

 

 

フレイヤ「お前ら人数が多いんだからさっさと自己紹介をしろ。」

 

 

そう言われたので俺たちはレイブン教室の生徒たちに自己紹介をした。

自己紹介が終わりフレイヤ先生に一番前の席を使うよう言われたのでその席に着いた。

その後、フレイヤ先生の機転でカミトとクレア、リンスレットにフィアナを俺たちの間間に座らせて授業で分からないところはカミト達に聞けれるようにしてもらった。

 

席が決まると早速授業が開始された。

授業内容は俺たちのためのこの世界の歴史についてのものだ。

授業を聞いていて思ったことは男の精霊使いがいないと言っていい程存在しないということ。

昔、魔王スライマンと呼ばれる男の精霊使いが存在していたこと。

そしてその者は七十二柱の精霊を従えその力で大陸全土を恐怖に陥れたそうだ。

話を真剣に聞いているとチャイムが鳴った。

 

 

フレイヤ「歴史についての話はここまで、昼休み終わりの授業は精霊剣舞祭(ブレイドダンス)について授業を行う。」

 

 

そう言ってフレイヤ先生は教室を後にした。

 

 

 

────────────────────────────────────────

 

 

 

現在カミト達と一緒に昼飯を食べている。

エリスは別のクラスだったため後から合流した。

 

 

カミト「それにしても驚いたぞお前ら」

 

クレア「まさかクラスに来るとはね。」

 

リンスレット「どうしてこんなことになったんですの?」

 

 

 

~暁・雷説明中~

 

 

 

フィアナ「なるほど、この世界について知ろうとね」

 

暁「本当のところは暇だったからってのが一番だったけどな。」

 

雷「でも、案外聞いていて面白かったよな。」

 

エリス「私たちからしたら当然の話だからな。」

 

クレア「そうね。でも・・・」

 

カミト「暁達からしたら新鮮なんだろうな。なんてったって異世界人なんだからな。」

 

暁「一度は手合わせした見たいものだな魔王スライマンと。」

 

雷「確かに。」

 

ティルフィング「マスター・・・」

 

ドラグノフ「雷・・・」

 

ティルフィング・ドラグノフ「「(お前)(マスター)たちときたら・・・」」

 

暁「なんで呆れられてんの?」

 

雷「さあ。」

 

クレア「あんたたちねぇ」

 

 

いろいろ話をして気付けば昼休みが終わろうとしていた。

急いで飯を食い終わらせて教室の戻った。

 

 

 

────────────────────────────────────────

 

 

 

昼休みが終わり午後の授業に入った。

授業内容は説明のあった通り、精霊剣舞祭(ブレイドダンス)と呼ばれるお祭りに関してだった。

フレイヤ先生の説明を聞く限り精霊剣舞祭はチームを組んで最強の精霊使いを決める大会であるという話だった。小声ではあるがクレア達から前回の精霊剣舞祭での優勝者はチームを組まずに一人で勝ち上がったらしく、名前はレン・アッシュベルというらしい。

 

そして授業が進むにつれて時間も進んで行きついに授業終了のチャイムが鳴った。

 

 

フレイヤ「これで授業を終わる。カミト達と暁達は学院長が及びだから向かうように」

 

カミト「グレイワースが俺たちを?」

 

クレア「なんでかしら?」

 

暁「行けば分かるだろ。」

 

フィアナ「それもそうね。」

 

 

俺たちはグレイワース学院長のもとへ向かった。

 

 

 

────────────────────────────────────────

 

 

 

学院長室の扉をノックした。

 

 

グレイワース「入れ。」

 

 

そう言われたので入って行った。

 

 

グレイワース「ようやく来たか。」

 

カミト「ようやくって授業が終わってからそんなに経ってないだろ。それよりも暁達は分かるが俺達まで呼び出したのは何故だ?」

 

グレイワース「いやなに、暁達と一緒に授業を受けた感想を聞こうと思っただけだ。」

 

カミト「それなら驚いたってのと、不思議な感じだったな。」

 

クレア「私は物珍しくてよかったです。」

 

グレイワース「暁」

 

暁「何ですか?」

 

グレイワース「これからも時々で構わない。授業に出てみないか?」

 

暁「それは嬉しいがそんな感じだと授業の邪魔にならないか?」

 

グレイワース「ではこうしよう、いつ授業を受けても構わないが出るのであれば朝から出てもらうというのはどうだろうか? 勿論お前の仲間たちも同じ条件で出てもらって構わない。」

 

暁「どうする?」

 

雷「俺に聞かれてもなぁ。でも、この世界の事をまだ知らないといけない気がするからいいんじゃねぇか。」

 

ティルフィング「私はマスターの意思に従います。」

 

ドラグノフ「私も雷に従うまでの事だ。」

 

 

ロンギヌス、マサムネ、ムラマサ、リン、M16A1、M4A1、全員がそれぞれの契約者の指示に従うと言った。残るは俺の考えのみとなった。まあ、雷の言葉は自分でも納得していたからこの時点でどうするのかは決めていた。

 

 

暁「グレイワース学院長、その条件でよろしくお願いします。」

 

グレイワース「分かった。ではこれからもよろしくな。」

 

カミト「おいマジかよ。」

 

クレア「暁達がうちの学院に通うようになるなんてね。」

 

リンスレット「学院長、クラスはどうするんですの?」

 

グレイワース「お前たちのクラス、レイブン教室に決まっているだろう。」

 

フィアナ「まあ、そうなるわよね。」

 

 

そして細かい話し合いが終わり俺たちは帰路についた。

異世界での学校というのは不思議な感じがして面白かった。

長いと思っていた一日はあっという間に終わっていた。

 

 

 




暁「戦闘のない日っていつ以来だろうな。」

雷「確かに。」

カミト「にしてもお前たちが学院に通うことになるとはな。」

クレア「あんたたち、問題があるわよ。」

暁・雷「「問題?」」

リンスレット「もとは女子校だということですわ。」

フィアナ「とりあえず女子生徒にいろいろ言われるから覚悟することね。」

暁「忘れてたぜ。」

雷「何とかなるだろカミトいるし」

カミト「俺に投げるなよ。」

エリス「問題を起こしたら風王騎士団(シルフィード)が黙っていないからな。」

暁「肝に銘じておきます。」

雷「最近の後書きがシナリオ感半端ないんですが」

大城「気にしたら負けです。そんでもって次回予告お願いします。」

カミト「次回第30話」

クレア「動き出した異族」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第30話 動き出した異族

大城「皆さんどうも、第30話です。今回のゲストはM16A1とM4A1です。」

M16A1「よろしく。」

M4A1「よろしくお願いします。」

M16A1「ところで大城よ。」

大城「何でしょうか?」

M4A1「言いたいことわかりますよね?」

大城「分かります。」

2人「「ではどうぞ」」

大城「私たちに雷から名前が貰えていないんですが?」

2人「「正解」」

大城「学校が休みになってから友人と会ってないせいで決めれてないんです許してください。」

M16A1「早めに頼むぞ。」

大城「わかっています。」

M4A1「では注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読みにくい所、今更のキャラ崩壊など


M16A1・M4A1「「これらが大丈夫な皆さんは楽しんで読んでください。」」





────────── ある日のどこかの町 ──────────

 

グガアァァァァァァ

 

そんな声がどこからともなく鳴り響く。

家は燃え、至る所にはこの町の住人であるだろう死体が転がっている。

 

 

男性A「こんなことって!! う、うわぁぁぁあ!!」

 

女性A「いやぁぁぁぁあ!!」

 

男性B「に、逃げ、ぐあぁぁぁ!!」

 

 

大量の異族が、町の人々を切っていく。

 

ザシュッ

 

という音を立てながら。

 

1体の異族が泣き続ける少女とその少女を抱いている母親のもとに向かっている。

母親はそれに気づいた。

 

 

少女「ママーー!! うわーーん」

 

少女の母親「ッ!! 来ないで!!」

 

 

異族が剣を振りかぶった母親はもうダメだと思った。目を瞑り死を覚悟した。

だが、いつまで待っても子供の泣きじゃくる声が聞こえ続けた。

 

 

少女の母親「何が・・・起き・・・て」

 

 

少女の母親が何が起こったのか、振り向くと灰となって消えていく異族がそこにはあった。

母親自身何が起こったのか未だに理解できていない。

しかし、二人の少女の後ろ姿を見てすぐに理解できた。

助けてもらえたということに。お礼を言おうとしたがその姿はすでになかった。

そして気が付けば異族の声も聞こえなくなっていた。

 

 

────────────────────────────────────────

 

 

異族の出現は各国、町、村で出現が確認されている。

既にいくつかの国、町、村が襲撃されており、

その全てではないが必ず二人組の少女が異族を倒しているという。

 

このことを暁達が知るのはまだ先の話だった。

 

 

──────────────────────────────────────────

 

 

異族の出現を知らない暁達が異世界、カミト達の世界に来てから数か月経とうとしていた。

昨日はこの世界の学院、アレイシア精霊学院に行ってこの世界の歴史について少しだけ教えてもらった。

それだというのにその学院の学院長から至急学院に来てくれと呼び出された。

 

というわけで現在学院長室の前にいる。

 

 

暁「昨日会ったばかりなのにいったい何用だ?」

 

雷「その確認のために今こうしてここにいるんだろ。」

 

暁「いやまあ、そうなんですけど…」

 

ティルフィング「とりあえずマスター、入りませんか?」

 

暁「だな。」

 

 

俺は扉をノックした。

すぐに返事があったので中に入ったら見知った顔がそこにはあった。

 

 

暁「カミト達じゃないか!?」

 

雷「お前らも呼び出されたのか?」

 

カミト「でなければこんなところにはいねえよ。」

 

グレイワース「私に対して文句を言うとはそんなに偉くなったのか?」

 

カミト「だったらよかったのにな。」

 

クレア「学院長、私たちを呼び出したご用件というのは?」

 

 

クレアがグレイワース学院長に呼び出した用件を聞いた途端顔が険しくなった。

 

 

グレイワース「その話なんだが最近異族の動きが活発化し始めた。」

 

全員『ッ!?』

 

 

そのことを聞いた俺たちは驚きを隠せなかった。

今までこれといって異族との戦闘がなく平穏とまではいかなくてもこのまま何事もなく契約を成せればいいと思っていた。内心ではどこかでこのままでもいいとすら思っていたのかもしれない。だからこそ、グレイワース学院長の言葉を聞いて居ても立っても居られなかった。

 

 

暁「その話は…本当なんですか。」

 

ティルフィング「マスター……」

 

グレイワース「本当だとも。現にこうして学院に大量の依頼書が届いているのだから。」

 

 

そう言うとグレイワース学院長は大量の依頼書を机に出した。

その依頼書を全て確認したがそのほとんどが異族関係のものだった。

 

 

カミト「だが、今更なぜこんなに? 今までにも異族の出現は確認されていたはずだろ?」

 

グレイワース「今までは数と強さがそれほどでもなかったからか、対応できていたみたいなんだが近頃の異族は今までの異族とは数も力も桁違いだそうだ。」

 

暁「だから今こうして大量の依頼書が届いたというわけですか。」

 

グレイワース「そういうことだ。」

 

 

その場に一瞬の沈黙が流れた後グレイワースが訪ねてきた。

 

 

グレイワース「どうする?」

 

暁「決まっています。」

 

雷「この仕事は俺たちの仕事だ。」

 

暁・雷「「その依頼、すべて受けます!!」」

 

グレイワース「本当にすべて受けるのか?」

 

暁「もちろんです。俺たちの当初の目的でしたから。」

 

雷「俺たちが今まで行動を起こさなかった理由を知りたいぐらいだな。」

 

グレイワース「お前たちの当初の目的となると」

 

暁「元の世界に戻る方法を探すこととキル姫と銃姫の契約、そしてこの世界と自分たちの世界に存在している異族を殲滅すること。と言っても今は自分達の世界の異族は叩けないけどな。」

 

グレイワース「確かにそうだったな。では異族に関する依頼、全て頼む。」

 

暁「了解しました。自分たちはすぐにでも発ちます時間も無さそうですし。」

 

グレイワース「そうか。それと最後に暁」

 

暁「何でしょうか?」

 

グレイワース「これを機会に残りのキル姫と銃姫を探すつもりだろう?」

 

暁「バレていたんですね。」

 

グレイワース「こんなこと誰だって思いつく。」

 

暁「それもそうですね。」

 

雷「暁、時間が惜しいそろそろ行こうぜ。」

 

暁「だな。」

 

 

此方だけで話をまとめて踵を返して早速近くの依頼場に向かおうとしたとき「待った」をかけた人物がいた。カミトにかけられたかと思い、足を止め振り返ると実際に「待った」をかけたのはクレアだった。

 

 

クレア「あんたたち勝手に話を進めないでくれるかしら。」

 

暁「何故だ?」

 

クレア「私も付いて行くからよ。」

 

 

唐突にそんなこと言いだした本人のクレアとグレイワース学院長以外全員驚いた。

 

 

リンスレット「ちょっとクレア!? あなた何を言い出していますの!?」

 

フィアナ「そうよ!! 異族の話は雷君達に任せておけばいいじゃない!!」

 

エリス「クレア、君が何故そんなことを言い出したのか理由を聞かせてくれないか。」

 

クレア「自分たちの世界だからよ。」

 

 

最初は誰もがその言葉を理解できなかったがその後続いた言葉で理解した。

 

 

クレア「確かに異族の討伐は暁達に任せた方が効率がいいかもしれないけどここは暁達の世界じゃなく私たちの世界、だからこれは私たちの問題なの。それを他人に押し付けるのは間違いだと思っているのよ。だから私は暁達に付いて行って異族共を消し炭にするのよ!! それに……」

 

リンスレット「それに?」

 

クレア「私の領土もあなた達の領土も異族に襲撃されているみたいだしね。」

 

リンスレット・フィアナ・エリス「「「!!」」」

 

フィアナ「それ…本当なの?」

 

クレア「気づかなかったの? まあ、重なってたから気づかなくても仕方がけどね。」

 

 

クレアの言う通りもう一度依頼書を確認したリンスレットたちは一瞬言葉を失った。

 

 

クレア「そういうわけだから暁、私を連れて行きなさい。」

 

リンスレット「いいえ、私たちですわ!!」

 

 

リンスレットがそう言うとフィアナとエリスも此方を見て頷いた。

 

 

グレイワース「カミト、お前はどう思っている?」

 

クレア「あんたは快く送り出してくれるわよね?」

 

 

今まで黙っていたカミトがグレイワース学院長の問いでようやく口を開いた。

 

 

カミト「正直に言って俺は暁達に任せた方がいいと思っている。」

 

クレア「どうして!?」

 

カミト「異族の強さはお前たちだって体験してるだろ。」

 

4人「「「「……。」」」」

 

カミト「そんなところに俺はお前たちを送り出したくはない。」

 

リンスレット「カミトさん」

 

フィアナ「カミトくん」

 

エリス「カミト」

 

カミト「だが、暁達はすでに俺たちの大事な仲間だ。そんな奴らが俺たちの世界を救おうとしてるんだ力を貸さないわけにはいかないよな。」

 

 

カミトがそう言うとクレア達の表情は少し驚いた顔になっていた。

そしてカミトはグレイワース学院長に向かい言い放った。

 

 

カミト「俺も、いやチーム・スカーレットは暁達に協力しようと思う。」

 

 

その発言にグレイワース学院長は溜息を吐いた。

 

 

グレイワース「お前たち、学院の方はどうするつもりだ?」

 

クレア「うっ!! それは……」

 

カミト「それはあんたがどうにかしてくれるだろ?」

 

グレイワース「ふん。いいだろ、何とかしてやろう。その代わりちゃんと仕事をこなして来いよ。」

 

カミト「わかっているさ。」

 

 

どうやら話がまとまったようなんだが、こちらの意見は無視ですかい。

まあ、道案内が必要なのも事実なんですよね。

 

 

カミト「というわけなんだが暁、いいだろうか?」

 

暁「ダメと言っても付いてくるんだろ?」

 

カミト「まあな。」

 

暁「危険だということは肝に銘じておいてくれよ。」

 

カミト「了解。」

 

暁「それじゃあ、準備して行きますか。」

 

全員『(おう)(ええ)!!』

 

 

俺たちは学院長室を後にし各々準備をするために分かれた。

 

 

 




暁「気が付けば30話まで来ていたのか」

雷「確かに、でもまだまだなんだろ大城?」

大城「まったくもってその通りです。なにせ全然キル姫と銃姫と契約できてませんからね」

暁「30話になって未だ4人である。」

ティルフィング「第4話の内容では私を除いて10人でしたから、あと7人ですね。」

ドラグノフ「どうするつもりだ?大城」

大城「気合で何とか……」

雷「気合で何とかなるのか?」

大城「やってみます。何度も言うように途中リタイヤだけはしたくないので」

暁「そうか。まあ一応みんな応援してるから頑張りたまえ」

大城「はい」

ティルフィング「ではそろそろ次回予告ですね」

大城「そうですね。後はお願いします」

ドラグノフ「任せろ。次回第31話 異族襲撃の爪痕」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第31話 異族襲撃の爪痕

大城「どうも皆さん作者の大城です。今回のゲストは連続でM16A1とM4A1です。」

M16A1「よろしくな。」

M4A1「よろしくお願いします。」

M16A1「珍しいな。連続で出すなんて」

大城「今回出させてもらったのは御二方の名前が決まったためです。」

M4A1「それは本当ですか?」

大城「ええ、ですので紹介しますね。M16A1は6と1からムイ、M4A1は4と1からシィです。」

ムイ「大城」

大城「はい。」

シィ「安直すぎです。もう少し良いのはなかったんですか?」

大城「友人と考えて漢字にしてみようかとも思ったんですが、ノリンコZ75ことリンとドラグノフに合わせようと思ったら違和感があったのでこうなりました。安直なのは名前付けがこの作品のオリジナル設定なので大丈夫かなと」

ムイ「名前に関しては分かったが、本編にはどういうふうにして影響させるんだ?」

大城「本編には次の話から何とかして反映させるつもりです。」

シィ「大城さんそろそろ本編の方に行かなくていいんですか?」

大城「そうですね。話が長くなりました。では注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、キャラ崩壊、独自設定など


ムイ・シィ「「今更ながらではありますがこれらが大丈夫な読者の皆様は楽しんで読んでください。」」







長い旅になるため各々準備を済ませ、現在は門の前で集合していた。

 

 

暁「準備はできてるな?」

 

雷「もちろんだ。」

 

 

その後、全員暁の言葉に応えるように頷いた。

 

 

暁「それじゃあ出発しますか。」

 

ティルフィング「はいマスター。」

 

 

そして俺たちは最初の依頼場所まで向かった。

 

 

 

────────────────────────────────────────

 

 

 

アレイシア精霊学院のある街を出てから数時間が経った。

ようやく最初の依頼場所の町が遠くからだが見えた。

先頭を歩いていた俺は町の状況を誰より先に見たのだが…………

あまりの衝撃に俺は気付けば走り出していた。

 

 

雷「あっ! おい暁?!」

 

クレア「急に走り出してどうしたのかしら?」

 

カミト「とりあえず追ってみよう。」

 

 

残されたメンバーも暁を追って走り出す。

ちょっと走った先で暁は止まっていた。

 

 

雷「急に走り出して何だってんだ暁?」

 

暁「俺たちは……間に合わなかったらしい。」

 

クレア「いったい何を言ってるの?」

 

カミト「クレア……俺たちは夢でも見ているのか?」

 

リンスレット「何ですの……これは……」

 

フィアナ「町が……」

 

エリス「これが異族の本気とでもいうのか。」

 

 

俺たちが見た光景は町が黒く、ほとんどの建物が焼けてしまっていた。

 

 

ティルフィング「マスター!!」

 

ドラグノフ「まだ生存者がいるかもしれない。お前たち急ぐぞ!!」

 

 

2人の声で俺たちは猛ダッシュで町まで走った。

 

 

「はぁ、はぁ、誰かいないのか!!」

 

「生きている人はいませんか?」

 

カミト「俺は奥の方を見てくる。」

 

クレア「あたしは向こうを」

 

 

俺たちは分かれて生存者がいないか手当たり次第に探し回った。

数十分後カミト達がこちらに合流してきた。

 

 

暁「全員合流したみたいだな。」

 

カミト「そっちはどうだったんだ?」

 

雷「こっちは……いなかった。」

 

暁「俺の方も残念ながらいなかった。」

 

カミト「俺の方もだ。」

 

クレア「私たちの方もよ。あったのはあまり言いたくはないけど焼けた人だけだったわ。」

 

リンスレット「そんなことよく言えますわね。」

 

クレア「だから前置きで言いたくはないって言ったでしょ。」

 

 

この町はすでに異族によってすべてを壊された町となっていた。

建物や人、動物のすべてが奴ら(異族)によって壊されたのだ。

 

 

暁「クソッ!!」

 

ティルフィング「マスター………」

 

雷「暁、悔しいのは分かるが今はそんなことやっている場合じゃないだろ。」

 

ドラグノフ「雷の言う通りだ。もしかしたらまだ間に合うところもあるかもしれないんだ。悔しがって時間を潰すより、異族に襲われて生存できている人を探すのに時間を潰すべきだ。」

 

ティルフィング「そうですよマスター。きっとまだ間に合います。」

 

クレア「あんたがこんなことでウジウジしてんじゃないわよ。しっかりしなさい。」

 

カミト「暁、俺たちはまだ一つ目の町に来たばかりだ。まだ大量にあるんだきっと救えるさ。」

 

リンスレット「そうですわね。」

 

フィアナ「なくさなくちゃ!!」

 

エリス「絶対に許さん!!」

 

 

パアァ────ン!!

 

 

俺は両手で自分の頬を叩いた。

 

 

暁「うっし、確かにみんなの言う通りだな一人でも多く救うために次の依頼場所に行こう!」

 

 

俺たちはこの町を後にした。その前に手を合わせて合掌した。

 

 

ロンギヌス「それにしても……酷かった…ですね。」

 

ティルフィング「自分たちの世界でも何度か見たりはしていたんですけどね。それでも時間が経ったものだったり、誰かが片付けた後だったりとあそこまではっきり残ったものは見ませんでしたからね。」

 

マサムネ「だから主君はあそこまで怒りを(おもて)に出していたのか。」

 

リン「雷の方も焦っていたね。」

 

ドラグノフ「雷も私も暁とティルフィングと同じだからな。見たものは時間が解決してしまったものばかりだったからな。にしても、今回は時間勝負だな。」

 

ムラマサ「間に合うでしょうか……」

 

ティルフィング「間に合わせます。絶対に」

 

 

 

────────────────────────────────────────

 

 

俺たちはあの町を出てからまた1、2時間歩き続けた。

アレイシア精霊学院のある街を出てから一度も休まずに歩き続けていた。

カミト達の案内からすればもうすぐ見えてくるとの事だった。

 

 

ティルフィング「マスター、あれ!!」

 

 

先行していたティルフィングが何かを見つけたらしく、俺に知らせた。

 

それは大きな黒煙だった。

 

俺たちは嫌な予感ときっとまだ間に合うという気持ちの両方を抱いて疲れている体に鞭を打って走り出した。

 

 

グギャアァァァァァァ

 

 

俺たちが向かっている町の方からそんな聞き覚えのある声と銃と思わしき発砲音が聞こえてきた。

声に関しては異族で間違いない。

それを考えるとすでに誰かが異族と交戦しているようだ。

 

 

カミト「暁!!」

 

暁「分かってる!! 全員戦闘の準備をしてこのまま突っ走るぞ!!」

 

 

数分走ってようやく見えてきた町の光景は大量の異族が町を襲っているというものだった。

大量の異族はこちらに気付くことはなく、ただただ町に向かって行くだけだった。

 

 

暁「後ろから攻撃を仕掛けて激戦になる前にできるだけ数を減らそう。」

 

雷「援護射撃は俺とドラグノフ、リンスレットに任せろ。」

 

暁「任せたぜ。」

 

雷「おうよ。」

 

カミト「行くぞエスト!!」

 

エスト「私はあなたの剣、あなたの望むままに。」

 

クレア「リンスレット、ちゃんと働きなさいよ。」

 

リンスレット「分かっていますわ。あれを見た後ですもの」

 

フィアナ「私は後ろの皆を守るのに徹したらいいわね。」

 

エリス「皆いくぞ!!」

 

 

前衛と後衛の二手に分かれ異族と接敵する。

 

 

────────────────────────────────────────

 

・前衛のメンバー

・暁

・ティルフィング

・ロンギヌス

・マサムネ

・ムラマサ

・リン(ノリンコZ75式)

・M16A1

・M4A1

・カミト

・クレア

・エリス

 

・後衛のメンバー

・雷

・ドラグノフ

・リンスレット

・フィアナ

 

 

────────────────────────────────────────

 

 

ティルフィング「とりあえず、町の中までの道を作る感じで先に斬って行きますね。」

 

暁「頼む。」

 

マサムネ「それなら拙者たちも行こう。行くぞムラマサ!!」

 

ムラマサ「はい、姉上!!」

 

ティルフィング「ロンギヌスさんはマスターといてください」

 

ロンギヌス「分かりました。」

 

 

ティルフィングとマサムネ、ムラマサが先行して異族を倒しながら町に向かって行く。

異族はティルフィング達を確認すると町に向かう連中と、俺たちと戦闘する連中とで別れた。

 

 

暁「少しでも数を、ソードビット展開、行け!!」

 

 

光の剣が異族に向かって行き次々に倒していく。

少し離れたところではカミト達も異族と戦闘に入っていた。

 

 

カミト「はぁーー!!」

 

クレア「これでもくらいなさい!! 炎王の息吹(ヘルブレイズ)

 

エリス「凶ツ風よ、狂え!!」

 

リンスレット「凍てつく氷河よ、穿て、魔氷の矢弾(フリージング・アロー)!!」

 

 

カミト達も異族を次々に倒していくが数が減っているように思ない。

だが、ここで足を止めても仕方がないことは誰もが分っていた。

異族と戦闘になってから2時間が経過しようというところでようやく町の中への道ができはじめていた。

陽はすでに沈んでいて月が昇っていた。

 

 

暁「はぁ…、はぁ…、はぁ…」

 

ロンギヌス「マスター大丈夫ですか?」

 

暁「何のこれしき。」

 

 

そうは言ったが正直あまり体が言うことを聞いてくれていない。

そして、少し気が抜けた瞬間、異族に背後を取られた。

 

 

暁「しまっ……!!」

 

 

パシュン!!

 

 

その音とともに異族は灰となった。

 

 

雷(危なかったな。)

 

暁(助かった。)

 

ドラグノフ(こちらはそろそろ限界だ。)

 

 

雷とドラグノフが念話(テレパシー)で自分達の状況などの報告をしてきた。

遠距離で異族を狙っている雷とドラグノフは空が暗くなっているせいで、狙いが定まりにくくなっているとの事だった。

 

 

雷(これからそっちに行くからよろしく。)

 

暁(分かった。)

 

 

この後、後衛のメンバーと先に合流してから、カミト達と合流してティルフィング達が作ってくれた町の中への道を突っ走った。その最中にティルフィング達とも合流し町の中に何とか入った。

 

町の中では少女が2人異族と戦闘していた。町の中の異族を減らしていたのはこの2人で間違いないだろうと考えてはいたが、それを遮るように異族は次から次へと町の中へと押し寄せてくる。

 

 

???「援軍が来たみたいだね。」

 

 

1人の少女は戦闘をしながらもこちらに気が付いた。

だが俺たちは町の外の異族との戦闘でそれに気付くことはなかった。

 

 

暁「剣技、大真空斬!!」

 

雷「銃技、サテライトレーザー!!」

 

カミト「絶剣技、三ノ型 影月円舞!!」

 

 

俺と雷、カミトは異族に囲まれる位置に飛び込み大技を叩きこんだ。

これによって多くの異族が倒された。

 

それから戦い続けること数十時間、ようやく異族の姿がなくなった。

途中カミトの神威が切れて危ない場面があったが、クレア達がうまくカバーに入っていて流石のチームワークだなと思った。

 

 

暁「やっと、終わったな。」

 

雷「ああ、魔力がほとんど残ってないんだが。」

 

暁「マジでそれな。カミトは…………大丈夫ではないな。」

 

カミト「すまない。」

 

雷「お前が誤ることじゃねぇよ。」

 

暁「そうだぜ。これからだってきっとこんなんだ。だから気にするだけ無駄だぜ。」

 

 

男三人で話しているところにティルフィングがやってきた。

 

 

ティルフィング「マスター、マスターと話したいという方がいます。来てもらえますか?」

 

暁「了解。いったい誰だ?」

 

 

最初にティルフィングからそのことを聞いたときは不思議に思ったが、移動中にすぐにわかった。俺たちが町に入った時に異族と戦闘をしていた少女たちだろうと。

 

そして俺は俺と話がしたいと言っていた少女のもとに着いた。

 

 

???「マスター、君たちが来てくれて助かったよ。」

 

暁「そう言ってもらえると心が少し楽になるよ。結局助けられたのは君たち二人だけみたいだしね。」

 

???「何を言っているんだい?」

 

 

その場にいた俺とティルフィングは少女の返答に疑問を浮かべるしかなかった。

だが、その後の出来事を見て俺たちは驚いた。

焼け崩れた建物も下から生存者がぞろぞろと出てきたのだから。

 

 

???「マスターたちがあと少し遅かったらここにいた皆、僕を含めて死んでいただろうね。だから、マスターたちには感謝してもしきれないよ。」

 

 

俺たちが話しているとみんなが集まってきた。

そして、この真実をみんな驚いて今回は守ることができたんだと実感した。

俺たちが本当の意味で戦いきったと思ったときは太陽が昇り始めていた。

 

 

 

 

 




暁「大城」

大城「何でしょうか?」

雷「戦闘描写何とかならない?」

大城「私にはこれが精いっぱいです。」

ドラグノフ「数が多いとどうしようもないな。」

カミト「大城の腕が上がることに期待するしか・・・」

全員・大城『無理(だな)(ですね)。』

クレア「あんたまで言ってどうするのよ!?」

大城「これでも頑張ってるんです。大目に見てくださいお願いします。」

リンスレット「そろそろ次回予告ですわ。」

大城「後は皆さんで」


暁・カミト・クレア「「「次回第32話 領土防衛 partクレア」」」

雷・ドラグノフ・リンスレット「「「お楽しみに!!」」」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第32話 領土防衛 partクレア

大城「投稿遅れて申し訳ございません。今回のゲストですが金剛 時雨さんとフィアナさんです。」

フィアナ「よろしくね。」

金剛「よろしく。」

フィアナ「ねえ大城、これ大丈夫なの?」

大城「金剛さんの出演は本人の方から許可は取ってるので大丈夫です。」

フィアナ「そうならいいわ。では金剛さんよろしくね。」

金剛「よ、よろしくお願いします。」

フィアナ「緊張しないでリラックスしていきましょう。」

金剛「ハイ。」

フィアナ「それで大城」

大城「遅れた理由ですね。」

フィアナ「ええ。」

大城「正直に言いますと、題名詐欺をしないようにしようとした結果、区切るところが見つからず、書き続けたせいですね。」

金剛「適当なところで切るというのは考えなかったのか?」

大城「一応考えたんですけど、毎回そんなんばかりなんで今回は書ききろうかと」

フィアナ「でもそれで投稿が遅れたら本末転倒じゃない。」

大城「ごもっともです。」

金剛「今度は気を付けることだな。」

大城「先輩の言うことはちがうっすわ~www」

金剛「馬鹿にしてんだろ!!」

フィアナ「こっちで地獄を見せるから安心して(^_-)-☆」

金剛「ではよろしくです。」

フィアナ「ええ任せて。」

大城「・・・・・注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、キャラ崩壊、長いストーリーなど


フィアナ・金剛「「これらが大丈夫な皆さんは楽しんで読んでください。」」





俺たちは少しの間安堵していた。

その間に町の住人と話をしていたもう一人の少女が話が終わったようで愚痴をこぼしながらこちらに来ていた。

 

 

???「それにしても、来るのが遅くないかしら」

 

???「仕方がないさ。マスターたちも他にすることがあったんだろうし、それに異族の動きは近頃全然見られなかったんだからね。」

 

???「それでもよ。私の指揮官とあなたの指揮官は私たちと契約するっていう目的があるのだからもっと早く来てもよかったじゃない。」

 

???「まあまあ、こうして来てくれたんだからいいじゃないか。」

 

 

この町を先に守っていた少女二人が話していた。

 

 

暁「話に割って入ってすまないが君たちの名前を教えてもらえないだろうか?」

 

???「おっとこれはすまないね。僕としたことがマスターに名乗るのを後にしてしまうとは。僕はパラシュよろしくね。それと……」

 

???「私はWA2000よ、よろしく。それと言いたいことがあるのよ!!」

 

暁「えっと…、何でしょうか?」

 

WA2000「来るのが遅いのよ!! もっと早くに来なさいよ!!」

 

パラシュ「などと言ってますが、皆さんの姿を見たとき嬉しそうにしてましたので気にしないでください。」

 

WA2000「ちょっ!? それは言わない約束でしょ!!////」

 

 

WA2000はパラシュに秘密にしていてもらいたかったこと言われて顔が赤くなりながらも文句を言っていた。その様子を見ていた俺と雷は、

 

ここに来てツンデレ(?)を見ることになるとは

 

などと思っていた。

 

 

カミト「えーとパラシュさん、そろそろ話を元に戻すべきではないですか?」

 

パラシュ「おっとそうだね。それとパラシュでいいよ、敬語もいらない。えっと……?」

 

カミト「俺はカゼハヤ・カミト、カミトでいいですよ。」

 

パラシュ「そういうことなら、カミトの言う通りだね。話したい内容がこっちにはいくつかあるんだ。」

 

暁「こちらの自己紹介をしてないからそれが終わってから内容を話してくれ。」

 

パラシュ「わかったよ。」ちらっ

 

WA2000「なんでこっち見たの!?」

 

 

俺たちの自己紹介をパラシュとWA2000にした。

そしてパラシュの話を聞くことに入った。

 

 

暁「自己紹介も終わったからパラシュ、君の話したいことを聞かせてくれ。」

 

パラシュ「まず最初に一つ目、これはそっちでも分かってることだと思うけどいろんなところで異族が急に大量に出現し始めたということだね。」

 

暁「確かに、出現に関してはこちらも持っている情報だな。」

 

雷「でもその規模とかまではわからないんだよな?」

 

暁「ああ。」

 

ドラグノフ「正直規模の話は関係ない。どのみち片っ端から片づけて行くだけだからな。」

 

ティルフィング「そうですね。」

 

パラシュ「二つ目は知っていても損はないと思うよ。」

 

 

パラシュがそう言った。

だがこちらとしては依頼のある町や村を目指しながらドラグノフが言った通り片っ端から倒して回るつもりでいるため、あまり関係ないかなと思い頭の片隅にでも置いておくつもりで聞いた。

 

 

暁「それは一体何なんだ?」

 

パラシュ「異族大量発生しているのは、大体が人口が多い所に偏っていることだね。」

 

 

パラシュの言った言葉は片隅どころかしっかりと覚えていて損のないことだった。

さらに俺たちはパラシュとWA2000の言葉に驚かされる。

 

 

カミト「それは本当なのか?」

 

パラシュ「間違いないよ。」

 

マサムネ「そう言い切れる根拠は?」

 

パラシュ「他のキル姫たちと銃姫たちからの情報だからね。」

 

 

全員『!!』

 

 

ティルフィング「それだとこの世界で封印されているキル姫や銃姫の皆さんはすでに目覚めていると?」

 

パラシュ「そういうことだね。」

 

クレア「でも待って、キル姫と銃姫ってのは祭壇があってそこに封印されているものでしょう?そして自由に動くにはそれを解く契約者がいないといけないんじゃ……」

 

 

クレアが疑問に思ったことを口にした。

それに一番に応えたのはWA2000だった。

 

 

WA2000「それは少し違うわ。私たちは確かに祭壇に封印されている。でもそれはある条件で解除されるのよ。それは異族が出現するという条件」

 

パラシュ「そうだね。さらに詳しく言うと僕たちが封印されている祭壇の近くで異族が出現したときだね。それでも完全に封印が解除されているわけではないよ。行動制限や力の一片の封印はこの条件でも解除されない。」

 

リンスレット「その話を聞く限りでは行動制限の解除と本来の力を発揮するために契約者がいるというお話でいいんですの?」

 

WA2000「その解釈で大体合ってるわ。」

 

フィアナ「その話が本当なら今頃は!!」

 

エリス「キル姫と銃姫の祭壇が近くにない人口密度の多い所は口は悪いが何も出来ずに終わるだろうな……。」

 

クレア「そして私たちの故郷がそれに当てはまるかもしれないってことでもあるのね」

 

 

クレアの一言で各々自分の故郷がもう既に悲惨なことになっているかもしれないと考え、暗い空気がその場に漂っていた。自分の家が、友人が、街の人たちが、家族が、そんなことでいっぱいいっぱいになっているのが見て取れた。すぐにでも自分たちの故郷に飛んで行きたいのだろう。クレア、リンスレット、フィアナ、エリスの4人は名のある名家のお嬢様であり領地を持つ、領地を持てばおのずと人口が増える。だからこそ異族がそこに現れてもおかしくはない。

 

 

パラシュ「故郷が心配かい?」

 

クレア「当たり前じゃない!!」

 

WA2000「ま、当然よね。」

 

暁「ここから一番近い領地は」

 

リンスレット「クレアの領地ですわね。」

 

フィアナ「エルステイン家の領地ね。」

 

エリス「そうと決まれば先を急ごう。」

 

クレア「あんたたち、自分の領地を優先しようとは思はないの!?」

 

リンスレット「思いますわ。」

 

フィアナ「そうね。急いで自分の故郷に戻って様子を見たいと思うわ。でもねだからといって仲間の故郷を見捨てていい理由にはならないわ。」

 

エリス「フィアナの言う通りだクレア。それに考えていても動かなければ何も始まらない。目の前に救える命があるのなら救わなければいけない。そうだろう?」

 

クレア「ごめんなさい。どうしてもマイナスの方にばかり考えて……」

 

 

そんなクレアの頭にカミトが手を置いた。

 

 

カミト「きっとまだ間に合う。だから少しだけ肩の力を抜け。」

 

クレア「そうね。」

 

 

カミトにそう言われてクレアの肩の力が抜けたみたいだった。

俺以外は見ていてこっちが恥ずかしいみたいな空気だったが

その時俺は

 

暁(異族の討伐は()の仕事なのにな……)

 

自分の仕事なのになぜ他人を巻き込んでいるのだろうそんなことを思っていた。

このことに誰一人として気付くことはなかった。

 

 

パラシュ「さて、そちらの話はまとまったかな?」

 

カミト「すまない。大丈夫だ。」

 

パラシュ「ならマスター、契約をしたいんだがいいだろうか?」

 

 

パラシュが声を掛けてきたのだが俺はすぐには返事ができなかった。

 

 

ティルフィング「マスター?」

 

暁「・・・・・」

 

ティルフィング「マスター」

 

 

何度かティルフィングに呼ばれてやっとパラシュに呼ばれていることに気付いた。

 

 

暁「うおっ!! えっと、なんだ?」

 

パラシュ「僕との契約を進めてもいいだろうか?」

 

暁「ああ、喜んで。契約を進めよう。」

 

ティルフィング「マスター、大丈夫ですか?」

 

暁「ちょっとだけ疲れが出たのかもな。」

 

ティルフィング「それなら今は休んで契約は明日でも」

 

暁「大丈夫だよ。」

 

 

俺はティルフィングにそう言ってパラシュとの契約の準備を始めた。

 

 

WA2000「はあ~、しょうがないから私もあなたと契約してあげるわ!!」

 

雷「嫌々なら別に無理しなくても……」

 

 

雷がそう言うとWA2000が目をうるっとさせた。

 

 

WA2000「そんなこと言わないでよ!!」

 

パラシュ「素直に付いて行かせてくださいって言えばいいのに。」

 

雷「どのみち契約はするつもりだけどな。」

 

 

そして俺と雷はそれぞれの契約姫との契約を終わらせた。

 

 

WA2000「ねぇ雷」

 

雷「ん?」

 

WA2000「名前付けてよ。」

 

雷「いきなりだな。」

 

WA2000「いいじゃない別に。」

 

雷「それもそうか。……あっ! そう言えばM16A1とM4A1にも名前付けてやるの忘れてたな。これを機会に一緒に考えるか。ん~、M16A1がムイでM4A1がシィってのはどうだ?」

 

ムイ「安直だが折角付けてくれたのだからその名を使わせてもらおう。」

 

シィ「名前、安直だけど嬉しい。」

 

WA2000「あれ? 私が言い出したのに私最後なの!?」

 

雷「今考えてるから……、……、……、ミレイってのはどうだ?」

 

WA2000「ミレイね……、安直だからいや。」

 

雷「じゃあもう考えるのメンドイからいいや。」

 

WA2000「ごめんなさい。ミレイ、ホントは気に入っているからそう呼んで!!」

 

 

名前を付けてもらった三人は「安直だ。」とは言っていたが本心の方はどうやら結構嬉しかったようで雷が背を向けたときに口角が上がっていた。このことに雷は当然のごとく気が付かなかった。

 

一通りのことを済ませた俺たちはそのままクレアの故郷へと向かった。

 

移動方法は俺、雷、エリスの3人のローテーションによる風魔法で移動した。

移動する最中(さなか)に異族に襲われているいくつかの町や村を助けた。

数はそれほどではないが、やはり活発化していることが戦闘で分かった。

 

現在俺の番なので俺の風魔法でクレアの故郷に向かっている。

 

 

雷「移動方法、もっと早くに気が付くべきだったなぁ~。」

 

ドラグノフ「確かにな。」

 

ティルフィング「マスター、体調の方は大丈夫ですか?」

 

雷「俺たちの魔力量は段違いだからこのくらいじゃあ音を上げないよ。だろ暁?」

 

暁「分かってるのにこっちに振るなよ。まあそう言うことだからそんなに心配すんなティルフィング。」

 

ティルフィング「ならいいのですが……」

 

クレア「見えたわ!!」

 

 

そんなこんなでクレアの故郷であるエルステイン領土に到着した。

所々で家が潰された跡が見えた。

 

 

カミト「異族、現れたんだよな。」

 

クレア「家が潰されているのを見るとそうだと思うわ。」

 

リンスレット「それにしては被害が小さいように思えるのですが」

 

クレア「もしかして!!」

 

 

そう言うとクレアは一目散に走りだした。

俺たちは何が何だかわからなかったがとりあえずクレアを追いかけた。

クレアを追いかけて数分、クレアが1人の少女に抱き着いていた。

その少女はクレアに抱き着かれてとても笑顔だった。

 

 

???「元気だったかクレア。」

 

クレア「ええ、お姉様。」

 

暁「彼女は?」

 

カミト「彼女はルビア・エルステイン、クレアのお姉さんだ。」

 

 

それを聞いてなぜクレアがああも嬉しそうなのか理解した。

 

 

雷「姉妹が仲良いのはいいことだ。」

 

暁「見ていて微笑ましいが」

 

カミト「そうも言ってられないよな。」

 

 

そう言ってカミトがクレアとその姉のルビアのもとへ向かって行った。

 

 

カミト「お久しぶりです。ルビアさん」

 

ルビア「カゼハヤ・カミト、久しぶりね。」

 

カミト「クレア、お姉さんに会えて嬉しいのは分かるがそろそろ本題を聞かないと」

 

クレア「そうだったわね。お姉様に聞きたいことがあるの。」

 

ルビア「それは白い化け物の事か?」

 

クレア「やっぱり出てたのね。」

 

ルビア「何か知っているみたいだな。」

 

クレア「ええ、それとお姉様に合わせたい人たちがいるの。」

 

ルビア「そういうことなら、ここで話すのもなんだ家で話そうではないか。」

 

 

どうやら三人だけで話をまとめたみたいで遠くからだが三人が分れるのが見えた。戻ってきたカミトとクレアがクレアの家に向かうからと話をして、そのまま付いて行く形となった。付いて行っている際にどうしてクレアの家に向かっているのかの説明を受けた。ルビアさんは先に家に戻って準備をするとの事だった。クレアの家に着くなりルビアさんが俺たちを出迎えてくれた。

 

 

ルビア「私はクレアの姉、ルビア・エルステインだよろしく。」

 

 

ルビアさんの軽い自己紹介の後俺たちも軽く自己紹介をした。

積もる話もあるだろうからという事で応接室だろう場所に案内された。

 

 

ルビア「それにしても随分と賑やかになったものだな。カゼハヤ・カミト以外の男の精霊使いを見るのは初めてだな。」

 

クレア「お姉様、暁達はこの世界の人間じゃないの。」

 

ルビア「どういうことだ?」

 

 

クレアが言葉にした途端にルビアの顔が険しくなった。

 

 

暁「何故俺たちがクレア達とともにいるのか説明させてもらいます。」

 

 

そして俺と雷でルビアさんにクレア達と行動を共にしている顛末を話した。

 

 

ルビア「話は分かった。そして、君たちを睨みつけてしまってすまない。」

 

暁「お気になさらず、仕方がないことですから。」

 

ルビア「敬語は使わなくても大丈夫よ。」

 

暁「そういうことなら、それでこの町を襲ったのは」

 

ルビア「ああ、君たちの話に出てきた異族とやらで間違いない。特徴が一致する」

 

雷「大量にここに押し寄せてきたんじゃないですか?」

 

ルビア「正解だ。」

 

クレア「それってお姉様一人で撃退したってこと!?」

 

ルビア「そんなわけなかろう。」

 

カミト「何があったのか話してもらえますか。」

 

ルビア「あれはお前たちが来る数時間前の話だ…………」

 

 

それからルビアから聞かされた話では(たみ)たちが急に(あわただ)しくなり何事か尋ねたら街の外に白い化け物が大量に現れ、人を切り始めたとの事だった。一刻も早く民を避難させなければいけないと思い声を掛けて回った。それはすでに入り込んでいた異族と戦闘をしながらだった。

 

避難は完了したが異族の量は増えるばかり、これでは避難させても結局は・・・そう思った矢先に2人の少女が姿を現した。その二人は異族の殲滅に力を貸してくれるとの事だったので言葉に甘えて共に戦った。急に異族が姿を消したかと思うとともに戦っていたはずの少女たちも姿を消していた。その後は壊された建物を見て回っているときに俺たちと出会ったそういう話だった。

 

 

ルビア「ここは丈夫な城壁なんかないからな。あの時、二人の少女が現れていなければ今頃この地は灰と化していただろうな。」

 

クレア「今の話に出てきた少女二人ってまさか」

 

カミト「キル姫と銃姫かもな。」

 

ルビア「長くなったな、こんな時間だ家の泊まっていくといい。」

 

暁「いいんですか?」

 

ルビア「これも何かの縁だ。別に構わない」

 

 

アレイシア精霊学院を出発してから動きっぱなしだった俺たちにとってはありがたいことだった。今まで全然休みという休みが取れていなかったからだ。

 

 

暁「お言葉に甘えます。」

 

ルビア「では、それぞれの部屋に案内しよう。」

 

 

俺たちはルビアに部屋を案内されて、各々部屋で休憩することにした。

女子たちは汗でベタベタだということで先にお風呂へと向かった。

 

部屋で休んでいると扉がノックされた。

返事をすると「夕食の準備ができたので呼びに来ました。」と言われた。

扉を出て目の前にいたのは()()()だった。

(こういうのって執事の人が来るんじゃないの?)などと思ったりもしたが、気にしたら負けか。

そしてメイドに連れられて部屋に入ったらすでにみんな揃っていた。

食事中は喋りしながら楽しく食べていたのだが何故か俺だけはその輪の中に入れずにいたのだった。

 

食事が終わり皆部屋に戻った。

今までの疲れがいっきに出たのだろう。その夜皆すぐに寝静まった一人を除いて。

 

俺は何度も目を瞑り、寝ようと心掛けたが何故か寝ることができなかった。

 

 

暁「疲れ、溜まってると思うんだけどな……」

 

 

かと言ってこのままいてもどうしようもないので一旦外の風に当たろうと思い、起き上がり一緒の部屋で寝ているキル姫たちが起きないように部屋の外に出た。部屋を出た後も誰も起こさないように外に出た。外に出て風に当たっていると溜め息が出た。

 

 

暁「いったいどうしたもんかな」

 

 

そんなことを考えていると遠くの方が明るいことに気が付いた。

 

 

暁「こんな夜中にキャンプファイヤーか?」

 

 

俺は最初そんなふざけた考えをしていたが、そんなものは現実を目にして吹っ飛んだ。

そんなバカなことを考えた自分を本気で殴ってやりたいとさえ思うほどに現実は無常だった。

外が明るかったのは建物が燃えているいるからだったのだ。

 

俺はすぐに明るくなっている所に向かった。

そこにいたのは逃げ惑う人々とそれを切り殺す大量の異族だった。

見ただけで一人だけで対処しきれる数ではないことは明白だった。それでもこの世界での異族出現は自分がこの世界に来ることで蒔かれた種かもしれないと思っていた俺はそんなことは関係なかった。

 

逃げ惑う人々を庇いながら異族と戦い始めて数十分後、援護射撃が飛んできた。雷達かとも思ったがあいつらは寝てるから、すぐに準備ができるとは思えない。

じゃあ誰なのか。考え続けようかとも思ったが今は目の前の大量の異族に専念することにした。

どのみち、この戦闘が終わるかはわからないがもし終わったとすればその時に姿を見せてもらえると思うだろうし、だからこそ今は戦闘に集中して何とかしよう。

 

誰かは分からない援護射撃を貰い助けられながら異族を斬っていく。

 

 

暁「剣技、ヒートウイング!!」

 

 

背中に炎の翼が生成され、さらに使っている剣に炎を纏わせて大量の異族の中に突っ込んでいく。

 

 

暁「まだだ!! 剣技、ストームソード!!」

 

 

高速で回転して周囲の異族を蹴散らしていく。

 

戦い始めてすでに数時間が経っていた。

そろそろ雷達の耳にこのことが入っていてもおかしくはないと思うが…………いや、これは俺の仕事だな。あいつらを巻き込むのは筋違いだよな。あいつらは十分すぎるほど手伝ってくれた。後は俺一人で…………

そんな時だった

 

 

ティルフィング「マスター!!」

 

 

そんな声が後ろから聞こえた。

聞き覚えのある声、ティルフィングの声だ。

その後ろにはみんながいた。

 

 

雷「遅くなった。」

 

ティルフィング「申し訳ございませんマスター。」

 

暁「なんでお前が誤ってるんだよ。」

 

ティルフィング「それはマスターの手助けに遅れたから」

 

暁「仕方がないことだろそれは。ここから屋敷まで結構の距離があるし、それに準備だってしなくちゃならないんだから。」

 

ティルフィング「ですが!!」

 

暁「これじゃあ、埒が明かないからとりあえず一緒に戦ってくれや。」

 

ティルフィング「もちろんです。」

 

 

それからすぐに全員で戦闘に入り異族を倒し切ったのはそれから数時間後の話だった。

そして、戦闘終了とともに全員が俺のもとに集まってきた。

当然、最初に俺に援護射撃をしてくれていた人もだ。

 

 

ルビア「こういうのは私がしなければいけないのにすまない。そして、住民を守ってくれてありがとう。」

 

クレア「私からも御礼を言わせて、本当にありがとう暁。」

 

暁「頭を挙げてくれ、俺は俺の仕事をしただけ……だか……ら。」

 

 

言い終わると同時に急に意識が持って行かれ、倒れそうになった。

 

 

カミト「おっと」

 

キル姫たち「「「「「マスター!!」」」」」

 

カミト「大丈夫だ。眠ってるだけだ。」

 

 

カミトの一言を聞いてキル姫たちは安堵した。

 

 

???「あれ? もしかしてバッドなタイミングだったかな?」

 

 

その時2人の少女がこちらに姿を見せた。

その姿を見たルビアは驚いていた。

 

 

 

 

 




暁「今回は話が長かったな。」

雷「ホントにな。」

大城「毎回毎回前半と後半に分けてるとなんかさ、ね。」

暁・雷「「ね。じゃねえよ!!」」

クレア「いつも通りなのね。」

金剛「大城ですからね。仕方がない。」

リンスレット「そうですわね。大城ですものn・・・」

全員『!?』

金剛「どうかされましたかみなさん?」

暁「他の作者が出てていいのか!?」

金剛「こういうときリアルが友人関係だといいですよね。」

大城「そうですね~。」

クレア「いきなりのメタ発言。」

リンスレット「これが作者の力・・・」

大城「ただ()()()()()()()ので出てもらっただけです。」

雷「またメタ発言かよ」

金剛「そろそろ次回予告ですね。」

大城「よかったら一緒にどうぞ。」

金剛「お言葉に甘えて」

暁・雷・金剛「「「次回第33話」」」

クレア・リンスレット・金剛「「「領土防衛 partリンスレット」」」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第33話 領土防衛 partリンスレット

大城「またしても遅れて申し訳ありません。ゲストの紹介です。ドラグノフとリンです。」

ドラグノフ「よろしくな。」

リン「よろしくね。」

大城「2人とも久しぶりに出ましたね。」

ドラグノフ「確かにそうだな。」

リン「私に関しては本編ですら全然出てないからね!?」

大城「頑張って出そうとは思うんですがシナリオにどう重ねようかと」

リン「要するに大城の技量がないと」

大城「YES」

ドラグノフ「今更だな。」

大城「では、注意事項です。」

リン(無理やり突っ込んだ!?)


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、キャラ崩壊、オリジナルの名前など


ドラグノフ「これらが大丈夫な皆さんは楽しんで読んでくれ。」





────── 暁side ──────

 

気が付けば暗い所に一人ぽつんと立っていた。

気を失ってからこの状態になっているから夢であることは理解できた。

 

 

暁「ここ、何処だ?」

 

 

周りを見渡しても暗すぎてわからない。

一応足場はあるみたいだ。

 

 

暁「暗い中歩くのはどうかと思うがじっとしているよりはいいか。」

 

 

歩き出して何時間たっただろう。

もしかしたら体感であって実はそんなに歩いていないのかもしれない。

だから俺は歩き続けた。

 

 

暁「ぜぇ、ぜぇ、くそ!! なんだこれ、歩いても歩いてもキリがねぇじゃねぇか。」

 

 

結局何もない。

 

自分という存在は感じるのにそれ以外は全く感じない。

 

俺はその場(?)に座り込んだ。

 

 

暁「どうなってんだこれ?」

 

 

そんな時微かに声が聞こえた

 

 

──────ち……ら……ほ……すか

 

 

暁「何だ!?」

 

 

自分以外の声が聞こえ驚いてすぐに立ち上がった。

 

 

何処からともなく聞こえてくる声

 

聞き覚えがあるような声

 

今でも聞いているはずの声

 

でもどこか冷たく透き通った声

 

 

だからなのか何故か思い出せず、思い出そうとすると黒い靄のようなものがかかって思い出すのを邪魔してくる。しまいには、頭痛が起き始めた。

 

 

暁「ッ!?」

 

 

思い出すのをやめたとき頭痛もなくなった。

 

 

暁「何かを思い出そうとすると、頭痛が起きるってか。」

 

 

また声が聞こえた。

 

今回ははっきりと聞こえた。

 

あの聞き覚えはあるが冷たく透き通った声で

 

 

──────力が欲しいですか?

 

 

暁「どういう意味だ!!」

 

 

あまりにも急な問いを聞かれたのでつい聞き返してしまった。

 

だが返事はない。

 

 

暁「お前はいったい何者だ!!」

 

???「あなたならわかるでしょう?」

 

 

後ろから声がした。

 

振り向くとそこにはパートナーの姿があった。

 

そう……

 

 

ティルフィングの姿が

 

 

だが違和感があった。

 

その違和感はすぐにわかった。

 

 

瞳の色が紅いということ

 

黒い衣装に包まれているということ

 

何よりもいつもの明るい表情がなくなり、冷たい意志が真っ直ぐに突き刺さるということ。

 

 

暁「お前は……ティルフィング……なのか?」

 

ティルフィング(?)「そうですよ。マスター」

 

暁「さっきの問いもお前が?」

 

ティルフィング(?)「はい。」

 

暁「ならもう一度聞く。あれはどういう意味だ?」

 

ティルフィング(?)「そのままの意味ですよ。」

 

暁「どうしてそんなことを聞く?」

 

ティルフィング(?)「どうして?決まっているじゃないですか。マスター御自身がそれを望んでいるからですよ。」

 

暁「俺自身が?」

 

ティルフィング(?)「ええ。」

 

 

ティルフィング(?)にそう言われたが俺自身自覚がなかった。

正直今の力量で十分だと思っているし、仲間もいる。

これ以上の力を望むなんてそれはただの傲慢だと思う。

だがティルフィング(?)はそうではない俺がいると言い放った。

 

 

暁「分からないな。」

 

ティルフィング(?)「そうですか。自覚がない、少々早かったようですね……

 

 

ティルフィング(?)が最後に何か言ったが聞き取れなかった。

 

 

ティルフィング(?)「そろそろ時間ですね。」

 

暁「時間?」

 

 

そう思ったときティルフィング(?)の姿がどんどん光に呑まれていく。

光は眩しすぎて直視できない。

 

 

ティルフィング(?)「また会いましょう。次合うときは答えを聞かせてくださいね?」

 

 

ティルフィング(?)の言葉を聞いて問いを返す暇もなく光に包まれた。

 

 

 

────── 暁side out ──────

 

 

 

 

 

────── 他のメンバー(主:雷)side ──────

 

暁が意識を失ってから見知らぬ少女二人がこちらに顔を出した。

その時ルビアはとても驚いていた。

 

 

ルビア「君たちはあの時の!!」

 

クレア「お姉様もしかしてあの2人が共に戦ってくれたと言っていた人たちなの?」

 

ルビア「そうだ。だが名前を教えてもらえていないから誰とは言えないが。」

 

???「あなたは昨日の」

 

???「名前、名乗っていなかったわね。ワタシはフライクーゲルよろしくネ」

 

???「私はFALっていうの、よろしく。」

 

 

フライクーゲルと名乗った少女とFALと名乗った少女は暁を見て話しを始めた。

 

 

フライクーゲル「それにしてもバッドなタイミングだったみたいね。ワタシのマスターは疲れて眠っているみたいだね。」

 

FAL「そのようね。でも仕方がないんじゃない?この指揮官は寝ずに戦闘してたみたいだから。」

 

ティルフィング「どういうことですか?」

 

FAL「どうもこうも、そのままの意味よ。」

 

フライクーゲル「マスターは皆が寝ている間に外に出て風に当たっていたみたいだよ。」

 

雷「ということは風に当たっている最中に街が燃えているのに気づいて」

 

カミト「戦闘に入った……」

 

リンスレット「それじゃあ暁さんは今までの疲労が残った状態であの大量の異族と戦闘をこなしていたというんですの!?」

 

フィアナ「そういうことになるわね。」

 

エリス「私たちは普通に寝ていたが、暁は眠れなかったのか。だがどうして?」

 

雷「それを知っているのは本人だけだな。」

 

マサムネ「だが今は」

 

ロンギヌス「このまま寝させてあげましょう。」

 

ティルフィング「そう……ですね……。」

 

 

俺も含めて皆、暁に対してどこか不安を抱いていた。

悩みがあるのなら言ってほしい、頼ってほしい。

誰もがそんな気持ちをこの時抱いていたに違いない。

その中でも一番付き合いの長いティルフィングはこの気持ちを一番強く持っていただろう。

 

 

フライクーゲル「そういうことなら、マスターとの契約はマスターが目を覚ましてからになるね。FALは契約を済ませてしまったら?」

 

FAL「それもそうね。さて、あなたが私の指揮官よね?」

 

 

FALはそう言いながら俺の所に歩み寄ってくる。

 

 

雷「そうだな。雷 智也だ。よろしく」

 

FAL「よろしく。私と契約、してくれるわよね?」

 

雷「当然。」

 

 

俺はFALと契約を交わした。

 

その後少し暁が気になった。

いつもの暁なら疲れていればすぐにでも眠りにつくはずなのにそれが今回ばかりは眠れずここまでの旅の疲れを残しながら戦闘をした。今は眠っているがどうしてみんなが眠っているときに俺たちと同じぐらい、もしくはそれ以上の疲労があるはずのアイツ()が眠れなかったのか少し不思議に思った。

でも結局、さっき自分でもいった通りそれを知るのは本人()だけだと思い流すことにした。

 

俺がそんなことを考えている間に暁以外の他の連中がフライクーゲルとFALに自己紹介をしていた。

その際に他の銃姫たちは俺に付けてもらった名前を使っていた。

それを聞いた時少々気恥ずかしかった。

FALに関しては銃姫たちに独自の名前があることに驚いていた。

 

それから少しして自己紹介が終わった。

 

 

FAL「ねぇ指揮官。」

 

雷「指揮官って呼び方は慣れてないから雷って呼んでくれると助かるんだが……」

 

FAL「ならそうするわ。それで雷」

 

雷「ん?」

 

FAL「私にも名前、付けなさいよ。」

 

雷「デスヨネー。」

 

FAL「何よその反応は、嫌だとでもいうの?」

 

雷「言わないけど、俺が考えるのって安直だからさ皆反応がイマイチなんだよ。」

 

 

雷はこう言うが実際のところは名前を付けてもらったとき銃姫たちは嬉しがっていたんだけど、まあそれは心の中だったり雷から背を向けたときだったりと、とにかく雷が気が付かない時に喜んでいるもんだから名前を付けた後にみんなから「安直」と言われて心に刺さったままになっているわけだ。

 

 

FAL「私としては安直でもいいわよ。」

 

雷「それはどうして?」

 

FAL「誰かから名前なんてもらったことがないもの。」

 

雷「名前なら……」

 

FAL「名前ならすでにあるって言いたいんでしょ?」

 

雷「……ああ。」

 

FAL「でもそれは武器の名前、兵器としての名前、人としての名前じゃないわ。私たちと契約できるのは極少数の人しかいない。雷以外の人と何度か契約したことだってあるわ。でも名前をもらうのは雷が初めてなのよ。他の人は私を人として見ないから雷達のような名前をもらったことがない。だから安直でもすごく嬉しいのよ。それは他の皆も同じはずよ?ただ雷の前で見せてないだけで、ね。」

 

雷「そう……なのか……?」

 

FAL「そうなのよ。それで私に名前は付けてもらえるのかしら?」

 

雷「そうだったな。そういうことならちょっと待ってくれ。……、……、……、ファル、どうだろうか?」

 

FAL「本当に安直ね。そのまま呼んでるじゃない。」

 

雷「ぐっ、だから言ったのに。」

 

ファル「でも……」

 

雷「?」

 

ファル「ありがとう。名前を付けてくれて」

 

 

その時の彼女の笑顔はとても眩しかった。

その不意の笑顔を見たとき俺はドキッとして、顔が少し熱くなったのがわかった。

 

とりあえず、一通りのことが終わった俺たちは一度エルステイン邸に戻ることにした。

暁に関しては俺とカミトで肩を貸して運んだ。

 

 

────── 他のメンバー(主:雷)side out ──────

 

 

 

 

 

光に包まれた俺は目を覚ました。

目を覚ました時、夢での出来事をすぐに思い出そうとした。だが、話した言葉は残っているが誰と話していたのかは全然思い出せなかった。

 

その後いつの間にかベッドで寝かされていることに気付いた。

 

 

暁「あれ?いつの間に?」

 

 

俺は不思議に思ったがすぐに理解した。

気を失っている間に誰かが俺を運んでベッドに寝かしたんだな、と。

俺は今が何時なのか確認のため時計を見た。時計の針はお昼を回っていた。

 

 

暁「もうこんな時間か。腹減ってるし下に行ってみるか。」

 

 

部屋を出ると下から楽しそうな喋り声が聞こえてきた。

その部屋に向かい、入るとみんなが食事をしていた。

一番に俺に気付いたのはティルフィングだった。

 

 

ティルフィング「マスター!!お体の方は大丈夫なんですか?」

 

暁「ああ、大丈夫だよ。」

 

 

他のキル姫たちもどうやら心配していたらしく各々声を掛けてきた。

 

 

暁「心配をかけたみたいだな。すまない」

 

カミト「大丈夫そうだな。」

 

暁「もちろん。」

 

ルビア「暁、今一度私から礼を言う。ありがとう」

 

暁「役に立てたのなら光栄です。」

 

雷「お前倒れたんだから飯、大量に食えよ?」

 

暁「腹は確かに減ってるが、お前程食わねぇからな。」

 

雷「そうそう、お前が気を失っている間に2人仲間が増えたぜ。」

 

 

雷がそう言うとその2人が俺の前に出てきた。

 

 

フライクーゲル「ハァイマスター、ワタシはフライクーゲルよろしくネ。」

 

ファル「私はFALといいます。ですが、ファルと呼んでください。」

 

暁「よろしく。俺は暁 (りょう)、キル姫の契約者をしている。」

 

 

お互いの自己紹介が終わり食事に入る。

 

食事が終わるとルビアからこれからどうするのかと問われた。

 

 

暁「今まで通り依頼を送ってきた町や村、領地を助けに行きます。」

 

ルビア「そうか。それなら次はローレンフロスト家を目指すべきだろう。」

 

雷「何かあるのか?」

 

ルビア「何度か行ったことがあるのだが近くに精霊とは異なった祠があったのを思い出したんだ。もしかするとそれがキル姫か銃姫の祠かもしれない。行ってみる価値はあるだろう?」

 

暁「確かにそうですね。」

 

クレア「それなら、防寒着を用意しないといけないわよ。」

 

カミト「だな。俺も行ったことがあるがあそこは結構寒い。」

 

リンスレット「暁さんが寒さに耐えられるか心配ですわ。」

 

暁「ちなみにどんだけ寒いの?」

 

エリス「かなりとしか」

 

暁「行くの……止めようかな……」

 

 

俺は遠い目をするが……、

 

 

雷「異族が出てる可能性だってあるんだ行くしかないだろ?」

 

暁「分かってますよ。寒いの嫌だなぁ

 

 

そんなこんなで話がまとまりローレンフロスト家に向かうこととなった。

出発の準備の際、ルビアがローレンフロスト家に向かうための防寒具を人数分用意してくれた。

 

 

暁「いろいろとお世話になりました。」

 

ルビア「なに、こちらこそ楽しかったよ。また来るといい」

 

暁「そうですね。いずれまた」

 

雷「ほら行くぞ。」

 

 

俺たちはエルステイン家を後にして次の目的地のローレンフロスト家に向かった。

エルステイン家に向かっているときと同様に幾つかの町や村を助けながら向かった。

でも今回はちゃんと休憩を取りながら向かった。

 

エルステイン領土を離れてから二日が経った朝方。

未だにローレンフロスト領土に着く気配がないが体感で少し寒くなっている気がする。

 

 

暁「なあ雷、ちょっと寒くないか?」

 

雷「俺はそうでもないけど?」

 

暁「マジ?」

 

雷「マジ。」

 

 

そんな会話をしつつさらに3時間ほど風魔法で移動した。

するとどんどんと気温が下がってきた。

 

 

雷「これはさすがに防寒着がいるな」

 

カミト「だな。それで暁は……」

 

暁「もう……無理……」

 

クレア「流石に早すぎでしょ!?」

 

ティルフィング「まあ仕方ないですね。いつも通りです。」

 

フィアナ「どういうこと?」

 

ティルフィング「マスターは冷え性なんですけど、手足がすぐに冷えるんですよ。特に手なんか時間が経過した死体のように冷たくなりますからね。」

 

暁「今既にだいぶ冷えてきた。」

 

エリス「一体どれぐらいなんだ?」

 

ティルフィング「ご自身で確認されたらどうですか?」

 

暁「俺は別にいいけど、正直言ってやめた方がいいぞ」

 

エリス「まあ少しだし」

 

 

というわけでエリスと握手する感じで手を握ったんだが…………

 

 

エリス「暁、お前生きてるよな?」

 

暁「生きてますよ。」

 

 

他の連中も興味本位で俺と握手をするのだが誰もが同じ質問をしてくる。

「生きてるよな?」と。こうなることがわかってたから止めたのに。

この後全員防寒着を着用した。

 

それから1時間程経過して…………

 

 

リンスレット「見えましたわ。あれがわたくしの、ローレンフロスト家が納める街ですわ。そしてその奥で立派に立っている屋敷がわたくしの住んでいる屋敷ですわ。」

 

 

ようやく目的地に着いた。

リンスレットはすぐに家に向かいたいと言っていたためクレアとエリスの3人で向かわせた。カミトとフィアナをこちらに残したのは街の案内と屋敷までの案内をしてもらうためである。

 

 

カミト「案内って言ってもなぁ~。」

 

フィアナ「そうね。私たちもあまり来たことがないのよね。」

 

暁「とりあえず、人が多くいる所かな。」

 

カミト「それなら大丈夫だ案内できる。」

 

フィアナ「こっちよ。」

 

 

俺たちはカミトとフィアナを先頭にして案内してもらった。

到着するとそこは活気ある街並みだった。

 

 

暁「これだけ寒いのに人の活気はすごいな。」

 

ティルフィング「ですね。見ていてこちらも元気になりますね。」

 

 

街を見て回っている最中にリンスレットたちと合流した。

用が終わって俺たちを探してくれていたらしい。

 

 

クレア「動くなら動くって言ってくれないと困るわよ、全く。」

 

カミト「すまない。」

 

暁「カミトを責めないでくれ、頼んだのは俺なんだ。」

 

クレア「まあ、そういうことなら。カミト怒ってごめんなさい。」

 

カミト「俺も不注意だった。クレアが怒るのは間違っていない。」

 

クレア「カミト・・・。」

 

カミト「クレア・・・。」

 

 

カミトとクレアが見詰め合って自分達だけの世界を作りだした。

 

 

暁(おい誰か、この空気どうにかしてくれ。カミトを庇った俺が空気じゃねぇか。)

 

 

そんな俺の気持ちを汲み取ってくれたかのようなナイスタイミングでリンスレットがカミトとクレアの間で咳ばらいを一度してくれた。そして我に返る2人。顔真っ赤、分かってたけど。

 

 

暁「それで家の方はどうだった?」

 

リンスレット「家族みんな元気でしたわ。」

 

カミト「よかったな。」

 

リンスレット「ええ、本当に。」

 

クレア「異族について聞いてみたけどそんなもは現れていないって言っていたわ。ただ…」

 

フィアナ「ただ?」

 

クレア「時折住民が街の外で白い化け物を見たって話を聞いたって」

 

雷「でもさ暁、なんか不自然じゃねぇか。」

 

暁「俺も思ったよ。今まで大量に押し寄せてくる異族が確認して逃げ切れる数しかいないってのはどうも引っかかる。しかも来た時に街の外回りを確認したけどそもそもここまで来た痕跡が見当たらなかった。」

 

 

俺はそのまま考え込んでしまった。

 

 

ティルフィング「マ……ー……。」

 

暁「・・・・・。」

 

ティルフィング「マスター。」

 

暁「おう!?なんだ?」

 

ティルフィング「リンスレットさんが家にご招待すると言っていますがどうしますか?」

 

暁「そうか。お言葉に甘えさせてもらおう。」

 

雷「じゃ、決まりだな。リンスレットお邪魔させてもらうぜ。」

 

リンスレット「分かりましたわ。それに皆さんをわたくしの家族にも紹介したいですし。」

 

 

というわけで俺たちはリンスレットに連れられローレンフロスト邸にやってきた。

エルステイン邸でも思ったが流石お嬢様、家がでかい!!

屋敷って言われるだけあって本当にでかいよな……。(遠い目)

 

 

???「お嬢様、お戻りになられたんですね。」

 

リンスレット「キャロル、ただいまですわ。」

 

 

出迎えてくれたメイドはキャロルというらしい。

後からカミトから聞いた話ではリンスレットの専属のメイドらしいのだがほとんどの仕事ができないらしい。リンスレットが自分でやっていてメイドらしい仕事をしているのをあまり見ないらしい。

それってメイドとしてどうなんだろうか?

そう思った瞬間、先頭を行くキャロルが足を滑らせた。

それを庇おうとしたカミトは下敷きになりキャロルに馬乗りにされていた。

 

暁・雷((いや、どうしたらそうなるんだよ!?))

 

俺は……いや、きっと雷も同じことを思っただろうから俺たちは心の中でそう突っ込んだ。

カミトはというと…………皆さんのご想像に任せます。

 

何だかんだ騒がしくしながら屋敷内を案内してもらっていると少女がこちらに走ってきた。

そしてそのままカミトに抱き着いた。

 

その後に一言

 

 

???「お久しぶりです、お兄様。」

 

暁・雷・キル姫たち・銃姫たち『はっ!?』

 

 

たったその一言で俺たちの頭が一瞬にして真っ白になってガチトーンの「はっ!?」が出た。

こんな言葉を使わないであろう連中ですら出てしまうほどに驚いた。

俺たちは少しの間フリーズしたのは言うまでもない。

 

 

暁「誰か説明を頼む。」

 

カミト「この子はリンスレットの妹なんだ。」

 

リンスレット「皆さん驚かせてすみませんわ。ほらミレーユ、挨拶しなさいな。」

 

ミレーユ「これは皆様すみません。ミレーユ・ローレンフロストですわ。」

 

暁「しっかりしてるなぁ~。俺は暁 令よろしくね。」

 

雷「俺は雷 智也よろしく。」

 

ミレーユ「今日1日泊まっていかれるんですよね?」

 

暁「まあそうだな。」

 

雷「そういえば、カミトがミレーユからお兄様と言われてるのはどういうことだ?」

 

暁「雷、そういうのはな静かに見守るものだぜ。それが俺たちがいつもやってきたことだろ。」

 

雷「確かに。」

 

 

というわけで俺と雷はカミトから少し距離を置いて流し目を送る。

 

 

カミト「お前ら、精神に来るからやめてくれ……(切実)」

 

 

カミトを少し(いじ)っているとキャロルが買い忘れがあるとの事で離れた。

その後はリンスレットとカミトからいっこうに離れようとしないミレーユに連れられて来客室に来た。

ここに来るまでにカミトがミレーユからお兄様と呼ばれている理由を聞いた。

リンスレットを先頭に来客室の中に入ると男性が一人堂々たる風格で待っていた。

 

 

???「君たちが新しく仲間になったっていう暁君と雷君かな?」

 

暁「そうですが、あなたは?」

 

???「申し遅れた。私はリンスレットの父グライアス・ローレンフロストだ。」

 

暁「!!これは失礼しました。」

 

グレイアス「そうかしこまらないくてもよい。」

 

暁「そうですか。」

 

 

この後俺たちの経緯をグレイアスさんに話をして、異族について知ってもらった。

 

 

グレイアス「なるほど。だがしかし私たちのところではそういったことは起きておらんな。」

 

暁「そのようですね。」

 

 

そう話がまとまろうとした時だった。

買い忘れで外に出ていたキャロルが扉を勢いよく開けた。

そして息を切らしていた。

 

 

リンスレット「キャロル!?どうしたんですの?」

 

キャロル「白い……化け物が……剣と弓を持って大群で……」

 

リンスレット「何ですって!!」

 

リンスレット以外『ッ!!』

 

 

息を整えたキャロルが続きを話す。

 

 

キャロル「今街は大騒ぎです!!それとこちらに向かっている途中で女の子二人がその白い化け物に向かって行って、武器も持っていたし今頃戦っているかと。」

 

 

キャロルの話を聞き終えたリンスレットは勢いよく部屋を飛び出した。

 

 

ミレーユ「お姉様!?」

 

グレイアス「リンスレット!?」

 

雷「暁!!」

 

暁「分かってる!! みんな急ぐぞ!!」

 

全員『はい!!』

 

グレイアス「待ってくれ。」

 

暁「?」

 

グレイアス「娘のリンスレットとこの街を頼む。」

 

暁「ええ、頼まれました。」

 

 

そして俺たちも急いでリンスレットの後を追った。

 

俺たちが行くのを見届けたグレイアスはソファに座り、リンスレットと街の無事を祈った。

この時ミレーユから目を離していたため居なくなっていることに気付かなかった。

ミレーユがいないことに気付いたのはそれから数分してからだった。

 

 

 

俺たちが外に出るとすでにリンスレットが異族と戦闘を開始いていた。

キャロルの言った通り弓持ちがいた。

 

 

雷「俺たち狙撃側は弓持ちを優先的に狙っていくってのでいいよな?」

 

暁「それで構わない。俺たち剣組はいつも通りに剣持ち優先で戦闘を行う。」

 

カミト「わかった。」

 

クレア「了解よ。」

 

 

フィアナとエリスもそれでいいと頷いた。

そして俺たちも異族と戦闘に入った。

 

異族と戦闘に入ってから数時間が経った。

相変わらず異族の量が多い、皆大技を使ったりして何とか数を減らそうとするのだがやはり持久戦のようになってしまう。

 

 

暁「ああもう!! 鬱陶しい!!」

 

ティルフィング「言ってても仕方がないですよ。」

 

暁「分かってるよ。」

 

マサムネ「主君!!すまないが数体そっちに向かった。」

 

暁「了解。」

 

 

マサムネに言われその処理に向かっていると少女の声が聞こえた。

 

 

ミレーユ「お姉様ー!!お姉様どこですかー!!

 

暁(あの子は確かリンスレットの妹の)

 

 

そう考えていると処理しようとしていた異族がミレーユの方に向かって行った。

ミレーユはそれに気づかず、姉であるリンスレットを探し続ける。

 

 

暁「ティルフィング!! 少しの間ここを任せる!!」

 

ティルフィング「マスター!?」

 

 

俺は全速力で走る。

 

 

暁(間に合ってくれ!!)

 

 

 

少し先で姉の姿を見つけたミレーユだが異族は近くまで来ていた。

 

 

ミレーユ「お姉様ーーー。」

 

 

駆け出すミレーユ、剣を振り上げる異族。

 

 

リンスレット「ミレーユ?!危ない!!」

 

 

リンスレットは矢を放つ。

見事に命中し妹のミレーユを救えた。

 

 

ミレーユ「お姉様、ありがとう。」

 

リンスレット「無事でよかったですわ。」

 

 

妹を助けれたと、油断していたリンスレットに異族は忍び寄る。

 

 

ミレーユ「お姉……様……」

 

 

ミレーユの声が震える。

リンスレットは自分達にかかっている影とミレーユの声でどういう状況下察した。

振り返れば異族はもう既に剣を振り下ろす寸前だった。

 

 

リンスレット(そんな、わたくしが油断したばかりに!!)

 

 

ここで終わりだと思った。せめて妹だけでも、と。

異族の剣は振り下ろされた。

 

ザシュッ!!

 

と鈍い音を立てた。だが痛みがない。

 

ミレーユ「お姉様!!」

 

リンスレット(ミレーユの声?)

 

 

リンスレットはそっと目を開けるとそこには背中を斬られた暁の姿があった。

 

 

暁「間に合って何よりだ。」

 

リンスレット「暁さん!?」

 

暁「戦闘に集中できそうか?」

 

リンスレット「そんなことより傷を!!」

 

暁「俺の傷なんざぁ後だ。今は街を守ることに集中しろ。」

 

リンスレット「わかりましたわ。」

 

暁「それでいい。」

 

 

その後戦闘を数時間行ってようやく終了を迎えた。

 

 

暁「終わった……。」

 

 

ドサッ

 

 

戦闘が終わるとその場に座り込んだ。

そのすぐにティルフィング達が駆け付けた。

血だらけの俺を見て駆け付けた皆は驚いていた。

 

 

ティルフィング「マスター!!ってこの傷大丈夫なんですか!?」

 

暁「意識あるから大丈夫。」

 

雷「お前なぁ~」

 

フィアナ「すぐに治癒魔法をかけるわ。」

 

暁「頼みます。」

 

リンスレット「ごめんなさい。わたくしが油断したばかりに」

 

暁「気にしない。気にしない。」

 

???「キル姫の気配をたどって来たのですが、すごい数ですね。」

 

???「やっと見つけた。」

 

 

見覚えのない少女が2人声を掛けてきた。

 

 

 

 

 




全員+大城『長すぎる!!』

クレア「自分でどうにかしようとは思ってるのよね!?」

大城「そうですよ。」

リンスレット「切るという方法を何故取らないんですの?」

大城「気分ですね。」

一部女性陣『大城、死刑』(ニッコリ

大城「あっれれー?」

暁「当然の反応だな。」

雷「では、一名様裏方にごあんなーい。」

大城「いやーーー!!」


大城&一部女性陣裏方へとlogout


ティルフィング「今回は次回予告は無しとさせていただきますね。」

暁「どうしてだティルフィング?」

ティルフィング「大城さんから渡されたメモにそう書いてあったので」

雷「あいつちゃっかりしてんな。」

ドラグノフ「題名思いつかなかったんだろうな。」

暁「そう言うことなので、次回をお楽しみに。」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第34話 つかの間の休息

大城「皆さん投稿遅れて申し訳ございません。」

クレア「最近の投稿遅れてばかり見たいね?」

大城「そうですね。てか勝手に出てこないでください。」

リンスレット「最初の時期はちゃんと守れていたのに。」

クレア「ちなみに今回遅れた理由は何かしら?」

大城「ドルフロのキャラ準備が間に合いませんでした。」

クレア「友人さんには話していたの?」

大城「ええ、でもギリギリで話していたのでこちらの落ち度です。」

リンスレット「読者の皆様こういうことがこれからも起きますが、温かい目で見てやってくださいな。」

大城「これから起きないように善処はしてるんですけどね。」

クレア「大城の刑は消し炭確定で、そろそろ注意事項に行ったら?」

大城「そうですね。では注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、キャラ崩壊など


クレア・リンスレット「「これらが大丈夫な皆さんは楽しんで読んでください。」」





少女が2人こちらに来たおそらく、いや間違いなくキャロルが戻って来た時に言っていた武器を持った少女たちとはこの2人の事だろうな。

 

 

暁「君たちは?」

 

???「私はアルテミスといいます。」

 

???「416、ちゃんと覚えておいてくださいね、指揮官。」

 

 

自身よりも大きな弓を背に背負っている方がアルテミスと名乗り、その隣の武装はしてはいるが綺麗な銀髪が目立っている方が416と名乗った。

 

こちらもいつも通りアルテミスと416に自己紹介を行った。

 

 

 

アルテミス「それにしてもこのチームは女性陣が多いですね。」

 

暁「まあそうだな。イテテ……」

 

フィアナ「あまり動かないで。」

 

暁「おう。」

 

雷「暁は放っておいて、アルテミスさん」

 

アルテミス「呼び捨てで構いません。」

 

雷「わかった。アルテミスさっきは何が言いたかったんだ?」

 

アルテミス「いえ、この人数で男性が三人しかいないのは少々不安でして」

 

全員『?』

 

アルテミス「風紀が乱れないのかということです。」

 

リン「それなら心配いらないと思うよ。」

 

 

アルテミスの発言にリン*1がすぐに返した。

 

 

 

 

アルテミス「何故そう言い切れるのです?」

 

リン「だって、ロンギヌス。それとミレイ*2ちょっとこっちに来てくれる?」

 

ロンギヌス「なんですか?」

 

ミレイ「何よ?」

 

 

リンは2人に耳打ちで何かを伝えていた。

その後の2人の顔が真っ赤になっていた。

 

 

ロンギヌス「本当にそれを言うんですか!?」

 

ミレイ「私は絶対に言わないわよ!?」

 

リン「これから仲間になるアルテミスの不安を取り除く手伝いだからさ。どのみち、いずれ言うんだからその練習でもと思って、ほら。」

 

ロンギヌス「うぅ~///」

 

ミレイ「いやよ、こんな大勢の前で恥ずかしいじゃない!!」

 

アルテミス「一体あなたはこの2人に何をさせる気なのですか?」

 

リン「まあまあ、アルテミスの不安を一瞬で解消する方法だからさ。」

 

ミレイ「いいわ。やってやろうじゃない!!」

 

 

勝手に話を進められて全くついていけていない一部の者達、その間にフィアナの治癒魔術と治療が一通り終わった。

 

 

暁「終わったのか?」

 

フィアナ「ええ一応は。」

 

暁「そうか……、未だに普通に痛ぇ。」

 

フィアナ「そりゃあそうよ。傷が完全に癒えたわけじゃないんだから。」

 

暁「でもありがとな。助かった。」

 

フィアナ「私は私にできることをしただけよ。」

 

 

フィアナが俺から離れていきティルフィングに向かって行き何か話している。

ティルフィングに俺の傷について話しているのだろう。

それはいいとして……

 

 

暁「で、そっちはまだか?」

 

リン「大丈夫だよ。2人とも覚悟ができたみたい。」

 

 

ロンギヌスが俺の所に来て、ミレイが雷の所に行った。

一体何が始まるのだろうかと思っていると

 

 

ロンギヌス・ミレイ「「私は(マスター)(雷)のことが好き(です)(よ)!! ////」」

 

 

その言葉が出ると同時にその場は沈黙の空気が流れた。

俺と雷はあまりの急なことでポカーンとしていたがすぐに我に返った。

 

 

 

暁「えっと……、今更じゃないか?」

 

ロンギヌス「えっ!?」

 

雷「まあ、確かに今更だろ。」

 

ミレイ「まさか気付いていたの!?」

 

雷「だってそれって……」

 

 

暁・雷「「仲間として好きって意味だろ?」」

 

 

俺と雷の発言で、さらに場の空気が静かになった。

その数秒後

 

 

ロンギヌス・ミレイ「「(マスター)(雷)のバカーーーーーーーーー!!」」

 

 

ロンギヌスとミレイは大声でそう叫びながら走り去っていった。

そして周りの連中は大きな溜め息と呆れた顔をしていた。

 

 

リン「ね?」

 

アルテミス「そういうことですか。」

 

リン「わかってくれた?」

 

アルテミス「あなた達も苦労しているんですね。」

 

リン「でも毎日楽しいわよ。」

 

416「指揮官を落とすのは大変そう。」

 

リン「そうだね。」

 

416「でもそれが楽しいんでしょうね。」

 

アルテミス「マスター、契約はしてもらえるでしょうか?」

 

暁「もちろん。」

 

416「指揮官、私もお願いできますか?」

 

雷「いいぜ。」

 

 

俺とアルテミス、雷と 416で契約を行った。

ロンギヌスとミレイに関してはティルフィングとドラグノフが追いかけて行った。

 

 

暁「契約完了。これからよろしくアルテミス。」

 

アルテミス「よろしくお願いしますマスター。」

 

雷「416にも名前付けないとな。」

 

416「どういうことですか?」

 

雷「俺と契約した銃姫には名前を付けてるんだよ。」

 

416「どうしてそのようなことを?」

 

雷「武器の名前で呼ばれるより、人としての名前の方がいいだろうと思ったから。」

 

416「指揮官は面白い方ですね。」

 

雷「契約してきた銃姫皆に言ってるんだがその指揮官っていうの言われなれてないから雷とか智也って呼んでくれると嬉しんだが、後敬語もやめてもらえるとさらに嬉しい」

 

416「では智也さんと、敬語は気にしないで下さい。」

 

雷「わかった。それで名前だけど……、シルってのはどうかな?」

 

416「いいと思います。気に入りました。」

 

雷「なら良かった。」

 

 

というわけで、アルテミスとシルこと416が仲間になりました。

 

 

アルテミス「マスターたちはこれからどうするのですか?」

 

雷「暁、傷の方はどうだ?」

 

暁「痛みはあるが戦える。」

 

フィアナ「ダメよ。」

 

 

俺の言葉をフィアナが間髪入れずにダメ出ししてきた。

 

 

暁「戦闘には支障をきたさないはずだ。」

 

フィアナ「そういう問題じゃないの。」

 

雷「暁、今回は流石に言うこと聞いておけ」

 

暁「へーい」

 

リンスレット「暁さん本当にごめんなさい。」

 

ミレーユ「暁様、私の勝手な行動のせいで傷を……」

 

暁「2人とも気にし過ぎだぞ。」

 

リンスレット「私のせいでそんな傷を負われたら気にもなりますわよ!!」

 

ミレーユ「そうですわ!!せめて傷が癒えるまでのお世話をさせてください!!」

 

暁「別にそんなことしなくても……」

 

 

俺は断ろうとしたのだがミレーユの目は何を言っても聞かないという目をしていた。

 

 

雷「暁、諦めろ。お前の負けだ」

 

暁「何の勝負で負けたんだよ俺は。」

 

マサムネ「どのみち、リンスレット嬢の屋敷に泊まることにはなっているんだ。ちょっとだけでも世話してもらっても罰は当たらんと思うが?主君。」

 

暁「そうかもしれないけどさぁ。」

 

リン「折角なんだから受けなよ。」

 

雷「そうだぞ暁。」

 

暁「雷とリン、お前らいったい何を企んでる?」

 

雷・リン「「ただ面白そうだな、と。」」

 

暁「雷だけ殴らせろ」

 

雷「俺だけ!?」

 

フィアナ「それもダメに決まってるでしょ。」

 

暁「マジかよ。」

 

カミト「話からするとこのままリンスレットの家に向かうってことでいいのか?」

 

雷「そうだろうな。」

 

クレア「ならさっさと行きましょ。」

 

暁「だな。グレイアスさんに話さないといけないしな。」

 

 

俺たちはリンスレットの屋敷に戻った。

屋敷に戻るとメイドのキャロルと屋敷の主人のグレイアスさんが出迎えてくれた。

 

 

キャロル「お嬢様!! ご無事で何よりです!!」

 

グレイアス「ミレーユ!! お前がいなくなったと知った時は気が気でなかったぞ。」

 

ミレーユ「お父様、ごめんなさい。」

 

グレイアス「暁君、娘たちと街を守ってくれて感謝する。」

 

 

そう言って頭を下げてきた。

 

 

暁「ちょっ!! 頭を上げてください。俺みたいな奴に高貴のあなたが頭を下げる必要なんて」

 

グレイアス「そんな事はない。君はもっと自分を誇るべきだ。」

 

暁「俺は頼まれたことを成しただけで」

 

グレイアス「頼まれたからと言って、成し遂げる人なんてほんの一握りしかいないよ。しかもあんな意味も分からない相手にだ。他の者達ならきっと逃げ出していただろう。」

 

暁「そんなことないですよ。雷でも、それこそカミトでも、頼めばきっとやり遂げていたはずです。」

 

グレイアス「君は本当に自分に自信を持てていないようだな。」

 

暁「そうですね……、おっと。」

 

 

少し目眩がして倒れそうになるが何とか踏み(とど)まった。

 

 

リンスレット「暁さん!!」

 

暁「大丈夫だ。」

 

グレイアス「泊まっていくことは娘からすでに聞いていた。今はゆっくりするべきだな。キャロル案内してやりなさい。」

 

キャロル「はい、旦那様。では皆様ご案内します。」

 

 

リンスレットに肩を借りながらキャロルに付いて行き、部屋まで案内してもらった。

案内してもらい各々部屋に入って行った。

 

 

暁(女の子に肩を借りることになるなんて、情けないな。)

 

 

案内してもらっている中、俺はそんなことを思っていた。

 

 

リンスレット「このままベッドに連れて行きますわよ?」

 

暁「いや、部屋にあるソファでいいよ。」

 

リンスレット「そんなのダメに決まってますわ!! 傷を負っているのにソファなんてあなたバカですの!!」

 

暁「そこまで言わなくても」

 

リンスレット「言いますわよ。あなたは人に気を使って自分自身の体を(おろそ)かにしすぎですわ。ティルフィングさんたちの苦労が少しわかりますわ。」

 

暁「ティルフィングに似たことを言われたことがあるよ。」

 

 

その後、ベッドに座った。

 

 

リンスレット「どうしてそんなに他人を優先しますの?」

 

暁「さあ。」

 

リンスレット「さあって。」

 

暁「ただ、自分の幸せを守るより他人の幸せを守った方がいいと思ったから。」

 

 

俺はそう言いながらベッドに横になり、目を瞑った。

 

 

リンスレット「あなたのその考えはいったいどこから……」

 

暁「Zzz……、Zzz……」

 

リンスレット「って、すでに寝ていますのね。」

 

ティルフィング「あれリンスレットさん? ああ、マスターを運んでくださったんですね。」

 

リンスレット「ええ、それとお話を少し。」

 

ティルフィング「そうでしたか。」

 

リンスレット「でも、暁さん寝てしまいましたわ。」

 

ティルフィング「マスターはマイペースですから。」

 

リンスレット「それと、あなた達キル姫の苦労が少しわかった気がするわ。」

 

ティルフィング「マスターの事ですから寝かせるのはソファでいいとでも言ったんですよね?」

 

リンスレット「よく分かったわね?」

 

ティルフィング「マスターとは長い付き合いですから。」

 

リンスレット「その分の気苦労もあるんですわよね?」

 

ティルフィング「もちろんです。」

 

リンスレット「少しだけ聞かせてもらえるかしら?」

 

ティルフィング「構いませんよ。マスター寝てますので部屋を変えましょうか。」

 

リンスレット「そうですわね。」

 

 

そしてリンスレットとティルフィングは部屋を後にし、別の部屋で暁の苦労話をするのであった。

 

 

 

*1
※ 「リンって誰?」って方は第10話参照

*2
※ 「ミレイって誰?」って方は第32話参照




ティルフィング「大城さん」

大城「何でしょうか」

ティルフィング「登場キャラ多すぎやしませんか?」

暁「同じく」

大城「最初は平気だったんですけどね。時間が経ってしまい自分が誰を出そうとしてたのかわからなくなったんですよね。」

雷「何やってんだか。」

ドラグノフ「今は大丈夫なのか?」

大城「ええ、決め直しました。」

暁「なら大丈夫だな。」

大城「そうなんだけど、当初の俺は誰を出そうとしてたのかめっちゃ気になってるんですよね。考えまくった結果分かりませんでした。」

雷「もうあきらめろ。」

大城「そうして続きの話考えます。閉めは任せました。」


4人『では次回もお楽しみに!』


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第35話 復帰戦 ー前編ー

大城「皆さんどうも作者です。今回のゲストは雷とフィアナさんです。」

雷「よろしくな。」

フィアナ「よろしくね。」

雷「ようやく時間を守ったか。」

フィアナ「最近遅れていたものね。」

大城「その節はどうもすみませんでした。」

フィアナ「これからは大丈夫なの?」

大城「善処はする。とだけ言います。」

雷「だめだこりゃ。というわけで注意事項だな。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、キャラ崩壊など


フィアナ「これらが大丈夫な皆さんは楽しんで読んでくださいな。」





戦闘が終わり、俺の傷の回復のためリンスレットの屋敷に世話になってから数日が経った。

傷も癒え、ベッドから出ると扉がノックされた。

返事をすると扉が開かれた。入って来たのはリンスレットの妹のミレーユだった。

 

 

ミレーユ「暁様、失礼いたしますわ。」

 

暁「ミレーユか、どうしたんだ?」

 

ミレーユ「御身体の方は大丈夫なのか心配でして……」

 

暁(未だに気にしてんだな。優しい子だな……)

 

暁「傷なら大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。」

 

ミレーユ「お礼だなんて!!」

 

暁「他に皆は今何してるの?」

 

ミレーユ「そのことでしたら……」

 

 

ミレーユから話を聞いたところ、俺が動けない間に他の皆が代わる代わる異族の再度襲来がないか町の外を警戒していたらしい、現在は次の所に向かう準備並行して行っているとの事だった。

 

 

暁「俺にもやらせてほしかったぜ。」

 

ミレーユ「クスッ。」

 

暁「何か可笑しかったか?」

 

ミレーユ「いえ、皆様が言った通りだな。と」

 

 

ミレーユがそう言うと扉がまたノックされた。

次に入ってきたのはリンスレットだった。

 

 

リンスレット「ミレーユ、先に来ていましたのね。」

 

ミレーユ「お姉様。」

 

リンスレット「暁さん御身体はどうですか?」

 

暁「ミレーユにも言ったけど大丈夫だ。」

 

リンスレット「それはよかったですわ。」

 

暁「それはそうとミレーユ、さっきのはどういうことだ?」

 

ミレーユ「さっきとは?」

 

暁「ほらさっき、皆様がどうとか。」

 

ミレーユ「ああ。それはですね……」

 

 

異族警戒の話は俺がいない時にグレイアスさんと話し合って行うこととなったらしく、その時にフィアナが俺にこの事を伝えないようにしようと言ったらしい。その時にグレイアスさんが「何故?」と問うと満場一致で『傷の事すっぽかして無茶をするから』と話したそうだ。

 

 

暁「無駄に自分の事を知られると反論しにくいな。」

 

リンスレット「あなた自身の行動が物語ってますから仕方がないですわ。」

 

暁「ていうかそういうことなら雷もそうだろ!?」

 

リンスレット「暁さんの言う通り後からですがドラグノフさんが雷さんに対して「ちなみにお前もだからな?」と言っていましたわ。その時の雷さんは驚いていましたわ。」

 

暁「だろうな。」

 

ミレーユ「そう言えばお姉様、お姉様はどうしてこちらに?」

 

リンスレット「そうでしたわ。雷さんが暁さんを呼んできてくれないかって、その後カミトさんとマサムネさん、ティルフィングさんとドラグノフさんに声かけてましたわね?」

 

暁「準備してくれてるのか。」

 

リンスレット「何の準備ですの?」

 

暁「着けばすぐにわかるよ。案内してもらってもいいか?」

 

リンスレット「構いませんわ。」

 

ミレーユ「私も付いて行ってもよろしいでしょうか?」

 

暁「OK」

 

リンスレット「では、行きましょうか。」

 

 

リンスレットの案内のもと雷達がいる場所に案内された。

そこにはすでに全員揃っていた。

 

 

雷「おっ! 来た来た。」

 

ティルフィング「マスター、傷は大丈夫なんですか?」

 

暁「もちろん。」

 

カミト「それで雷、俺たちを集めた理由は?」

 

雷「暁のリハビリのために戦闘をな。」

 

カミト「そういうことか。」

 

クレア「リハビリって言っても数日剣を振ってないだけじゃない。」

 

暁・カミト「「数日をなめるな!!」」

 

雷「カミトまで……」

 

リンスレット「雷さんがしていた準備ってこういうことだったんですのね。」

 

暁「だから着けばすぐに分かるって言ったろ。」

 

リンスレット「そうですわね。」

 

雷「暁、誰から始めるんだ?」

 

暁「時間が惜しいから、雷とカミト、ティルフィングとドラグノフで組んでくれ。」

 

カミト「二対一、流石にそれは……」

 

雷「了解。」

 

ティルフィング「分かりました。」

 

ドラグノフ「承知した。」

 

カミト「・・・・・。」

 

 

俺と他の三人の反応にカミトは難しい顔をしていた。

辺りを見回すと残りの連中も流石にリハビリで二対一の戦闘は無茶だと言わんばかりの顔をしていた。マサムネはべつの考えを持っていたようだが……

 

マサムネ(拙者も混ぜてくれないだろうか。)

 

ムラマサ(姉上、自分も戦闘したいとか考えておられるんだろうな。)

 

 

雷「組むのはいいが、結局順番決まってないぞ?」

 

暁「それなら最初はティルフィングとドラグノフの組と、お前らは最後。」

 

ティルフィング「私はそれで構いません。」

 

ドラグノフ「私もそれで問題はない。」

 

カミト「わかった。」

 

ドラグノフ「ルールはどうする?」

 

雷「今って何時だっけ?」

 

ミレーユ「午前の10時過ぎです。」

 

雷「うおっ!?」

 

 

急に出てきたミレーユに雷は驚いて少しビクついた。

 

 

リンスレット「ミレーユ?」

 

ミレーユ「義兄様(カミト)、私もここで暁様の戦闘を見ても構いませんか?」

 

カミト「それは俺に聞かずに暁に聞いてくれないか?」

 

 

カミトはそう言うと俺の方を見てきた。

 

 

暁「結界張って戦闘するから大丈夫だとは思うけど、ドラグノフや雷の流れ弾が結界を破らないとは言えないからな。一応カミトやリンスレットたちから離れないってんなら別に構わないよ。」

 

カミト「だ、そうだ。」

 

ミレーユ「ありがとうございますわ。」

 

ミレーユ(この方たちはどんな戦い方をするのでしょうか。)

 

 

そして俺と雷である程度の大きさと強度の結界を張った。

結界の中にはティルフィングとドラグノフ、俺の3人だけだ。

最後に2人とある程度距離を取って戦闘の準備をした。その間に雷がルールについて説明した。

 

 

 

─────── ルール ───────

 

・制限時間15分

・どちらかの戦闘継続不可

・バッチの破壊

・剣技、銃技の使用不可

 

──────────────────────

 

 

 

雷「こんな感じだが問題ないか?」

 

暁・ティルフィング・ドラグノフ「「「問題(ない)(ありません)。」」」

 

雷「準備の方は?」

 

暁「OKだ」

 

ティルフィング「いつでも。」

 

ドラグノフ「・・・・・。(カチャ)」

 

雷「それでは……、開始!!

 

 

雷の合図を聞いて思いっきり地面を蹴って前に出たのだがそれを読んでいたかのようにパンッ!!という音とともに銃弾が真正面に飛んできた。俺は剣の腹で銃弾を防ぐ。

 

 

暁「マジか!?」

 

ティルフィング「驚く暇、ないと思いますよ。」

 

暁「ちょっ!?」

 

 

気が付けばティルフィングが目の前にいた。

ティルフィングの左斜めからの切り上げに対して俺は後ろに下がったが、俺の服が少し切れた。

 

 

暁「なんと!!」

 

 

さらに間髪入れずに右側からまたしても発砲音がした。

これは自分の右側に障壁(バリア)を展開して防いだ。

 

 

暁(2人を視界に入れながら戦うのはしんどいな。)

 

ティルフィング「マスターのための戦闘なんですから集中してくれないと」

 

暁「これでも結構集中してるんだぜ。致命傷を避けるためにな。」

 

ティルフィング「そうでしたか。続き行きますよ!!」

 

 

──────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 

 

カミト「やっぱり1人ずつ相手した方がよかったんじゃないか?」

 

クレア「確かに、これはどう見ても負けるわね。」

 

フィアナ「でもリハビリなんだし負けても関係なくないかしら。」

 

エリス「リハビリだが一応勝負事、やはり勝ちが欲しいのではないか?」

 

リンスレット「でもこの状況からひっくり返すのは無理ですわよ。」

 

 

外から戦闘を見ている全員は暁の状況を見てさすがにふたりに負けると思っていた。

ほとんどティルフィングから攻撃を仕掛けそれを捌くか避けるかしてるだけ、反撃しようと暁が前に飛び出してもドラグノフの精密射撃でそれを妨げられてします。

 

 

雷「開始からもうすぐ10分が経過するな。」

 

カミト「あいつすげぇな。」

 

クレア「カミト?」

 

フィアナ「それはどういうことかしら?」

 

カミト「俺ならあの2人を相手にしてこんなに持ちこたえらる自信ないぜ。」

 

クレア「あんたならあれぐらいは……。」

 

カミト「いや、遠距離が苦手だからとドラグノフに集中しすぎるとティルフィングの速さに対応できないし、逆だとドラグノフの狙撃に対応できない。正直言って数日剣を振ってないってのが嘘みたいだ。」

 

雷「相変わらず強いな。」

 

フィアナ「雷くんだって十分強いじゃない。」

 

雷「ありがと。さて、そろそろ終了なんだが……」

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 

 

暁「あとどれぐらいだ?」

 

ティルフィング「残り5分ぐらいではないでしょうか。」

 

ドラグノフ「そろそろ倒れてくれないだろうか?」

 

暁「自分から倒れるのは結構です。」

 

ドラグノフ「では、勝利を勝ち取るのみ!!」

 

暁「これ、リハビリ戦闘ってわかってます?」

 

ティルフィング「マスターよく言うじゃないですか。「やるからには全力」って」

 

暁「自業自得じゃないですかヤダー。」

 

 

ドラグノフの発砲とともにティルフィングが回り込んでくる。

俺はドラグノフの初撃をティルフィングのいる方向に剣で捌いた。

銃弾が飛んで来ていることに気付いたティルフィングは足を止め、剣でそれを防ぐ。

俺はその隙にドラグノフに向きを変え、加速魔法を使い狙いを絞られないように動いた。

 

 

ドラグノフ「くっ!! 動きが速い!!」

 

暁「もらい。」

 

ドラグノフ「しまっ・・・!!」

 

 

剣で思いっきり銃を弾き飛ばし、そのままバッチを切り落とす。

 

 

暁「まず1人」

 

ティルフィング「今度こそもらいました!!」

 

暁「何の!!」

 

 

ティルフィングは後ろから斬り下ろしを、俺は右足を軸にして回りながら横薙ぎ払いをしようとしたとき「そこまで!!」そんな声が聞こえた。俺とティルフィングは寸でのところで止まった。

 

 

暁「時間切れか……。」

 

ティルフィング「そのようですね。」

 

ドラグノフ「もうちょいだったんだがな。」

 

 

そんなことを言っていると雷達がやってきた。

 

 

雷「休憩タイムだ。」

 

暁「おうよ。」

 

クレア「まさかドラグノフを倒すとはね。」

 

エリス「2人が圧勝すると私はふんでいたのだがな。」

 

フィアナ「私もよ。でもこれで傷は本当に完治してるみたいね。」

 

暁「皆さんが寝てろっていうものですから。」

 

 

全員『当たり前(だ)(でしょ)。』

 

 

暁「・・・・・。」

 

雷「俺とカミトとの試合はどうする?」

 

暁「勿論やります。」

 

カミト「もう少し休憩入れてから、だろ?」

 

暁「流石にあの2人は鬼だろ。いや、どの組み合わせでもこうなるか。」

 

雷「その通ーり。」

 

 

俺は雷とカミトの組み合わせと試合をするため少し休憩を取るのであった。

 

 

 




暁「リハビリとは?」

ティルフィング「やってる事って模擬戦に近いですね。」

雷「俺たちのリハビリっていつもこんな感じだろ?」

カミト「お前ら・・・。」

クレア「普通素振り程度じゃないの?」

ドラグノフ「相手がいない時はそうしてると聞くが。」

ティルフィング「そうですね。」

暁「でもまあ大体ティルフィングいるから素振り程度で終わらないというね。」

カミト「今度俺もやっていいか?」

暁「別にいいんじゃない?なあ大城?」

大城「ではその時用の相手、考えておきますね。」

カミト「冗談のつもりが・・・。」

大城「そろそろ次回予告お願いします。」

クレア「分かったわ。次回36話」

ドラグノフ「復帰戦 ー後編ー」

大城以外『お楽しみに』


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第36話 復帰戦 ー後編ー

大城「どうも皆さん作s「遅れたわね?」。」

大城「自己紹介はさせてください。クレアさん」

クレア「投稿遅れた者に慈悲はないわ。」

カミト「一応聞くが遅れた理由は?」

大城「気分転換に別の作品書いてたらこうなりました。」

カミト「この作品が終わるまでは書かないんじゃなかったっけ?」

大城「投稿をしないだけですよ。」

カミト「そういうこと。」

クレア「大城、アンタまだ読者に謝ってないんだからさっさと謝りなさい。」

大城「そうでしたね。読者の皆様投稿遅れて申し訳ありませんでした。何度も言ってウザったいと思いますがこんな作者の私ですが温かい目で読んでくれると嬉しいです。」

クレア「謝罪が終わったので注意事項ね」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、キャラ崩壊など


カミト「これらが大丈夫な皆さんは楽しんで読んでください。」


クレア「大城、裏に来なさいよ。皆待ってるから」

大城「\(^o^)/オワタ」





休憩を始めて20分ほどたった。

 

 

雷「そろそろ始めないか?」

 

暁「それもそうだな。」

 

カミト「手加減なしでいいんだよな?」

 

暁「もちろん。」

 

 

結界を張り直し、ある程度の距離と戦闘の準備を始めた。

 

 

ドラグノフ「ルールはそのまま、異論はないな?」

 

雷「ちょい待ち。」

 

ドラグノフ「どうした?」

 

雷「なあ暁」

 

暁「ん?」

 

雷「お前さっきの試合たまに障壁(バリア)張ってただろ?」

 

暁「そうだな。」

 

雷「それ、なしな。」

 

暁「何ですと!?」

 

雷「それ使ったらリハビリになんねぇじゃんか。」

 

暁「うぐっ、それを言われると………」

 

 

雷に痛い所を突かれ言いよどむ。

 

 

クレア「確かにそうね。」

 

 

クレアが雷の意見に賛成すると同時に他の皆も満場一致で頷いた。

 

 

暁「わかったよ。剣術のみで戦いますよ。」

 

雷「それでよし。」

 

 

この時には準備は完了していた。

準備と言っても準備運動と自分の使う武器を作るぐらいなんだがな。

 

 

暁「そういやカミトはエストで戦うのか?」

 

カミト「ああ、これを機に少しでも長くエストで戦えるようにしときたいんだ。」

 

暁「なるほど。」

 

カミト「それだけか?」

 

暁「それだけだよ。」

 

雷「ドラグノフ、開始の合図を頼む。」

 

ドラグノフ「了解した。」

 

 

ドラグノフが頷くと俺たちもお互いを視界に入れていつ開始の合図があってもいいように構えた。

 

 

ドラグノフ「コホンッ、ではいくぞ。試合開始!!

 

 

ドラグノフの開始の掛け声と同時にカミトが地面を蹴って先制攻撃に出てきた。

その後ろにはもちろん雷がスナイパーライフルを構え、スコープ越しでこちらを狙っていた。

俺はドラグノフの時と同様に雷の狙撃から入ると思っていたため警戒して思いっきり横に飛んだが予想は外れ、カミトと近接戦闘に入った。

 

 

暁「雷の初撃が来るかと予想していたけど、カミトの接近戦だったとは」

 

カミト「そうは言いながらもしっかり俺の動きに合わせ捌いてるじゃないか。」

 

暁「どのタイミングで雷の狙撃が来るのかわっかんねぇからな。」

 

 

反撃をしてカミトにパリィされて雷の狙撃が飛んできて「はい終了」なんてのが一番やってはいけないことだからな。もしそんなことにでもなったら最初に戦ったティルフィングとドラグノフに申し訳が立たない。カミトの攻撃を捌いている今もちょっとした失敗で隙が作られるんじゃないかとヒヤヒヤしている。

 

 

暁「相変わらず、剣戟が恐ろしいな。」

 

カミト「その割には余裕がありそうじゃないか?」

 

暁「そう見せてるだけだよ。」

 

 

内心でも実際に焦っている。

数日剣を振っていなかっただけでこうもカミトとの剣術の差が出るとは思っていなかった。

前からカミトの方が剣術が上なのは理解していた。でもそれは戦いを繰り返していれば追い抜けるものだと思っていた。現実は違った反撃しようものならカウンターをくらっての終わりが目に見えている。

 

 

暁(そもそも反撃できるタイミングが見当たらねぇ!!)

 

雷(暁の野郎、俺が移動しても射線上にうまくカミトを被せてきやがる。)

 

カミト(このまま押し切れるか?)

 

 

俺はとにかくカミトの攻撃を捌くので精いっぱいだった。

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 

ドラグノフ「暁の奴押されてるな。」

 

ティルフィング「そうですね。」

 

クレア「えっ!?」

 

リンスレット「それ、本当なんですの?」

 

エリス「私にはカミトをうまく使って雷に狙撃させないようにし、反撃を狙っているように見えるのだが」

 

フィアナ「私もそう見えているのだけど……」

 

マサムネ「見え方はそれで間違いないだろう。主君も最初はその戦法で行こうと考えていただろうからな。でもカミトの力量を見誤ったのだろうな。」

 

 

エリスの言ったことに間違いはないし、マサムネの言ったことは的中していた。

 

 

ドラグノフ「これはそろそろ決着がつくな………」

 

ティルフィング「マスターの敗北ですね。」

 

リン「経過時間ってどのくらいなの?」

 

ミレーユ「まだ5分を過ぎたところです。」

 

リン「意外と早くの決着ね。」

 

クレア「私にはまだまだ続くように見えるわよ!?」

 

ドラグノフ「まあ、見てればわかる。」

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 

見ている側が状況を把握し始めたころ俺はカミトの攻撃を少しずつ捌ききれず、攻撃を受け始めていた。カミトの攻撃を捌くのに集中していくせいで雷への注意がおろそかになっていた。

 

 

暁「これは本格的にヤバイ!!」

 

カミト「ここだ!!」

 

暁「しまった!!」

 

 

俺はカミトによって剣を後ろに弾かれ()り返った。

剣を弾いたカミトはすぐさま横に飛び雷の射線を開けた。

 

 

雷「待ってました!」

 

 

雷は引き金を引き発砲する。

弾は見事に俺のバッチに命中、砕け散った。

結果として雷・カミトペアの勝利、俺の負けだ。

 

結界が解かれ見ていた者たちが駆け寄って来る。

 

 

ティルフィング「お疲れ様です、マスター。」

 

暁「おう。時間はどのくらいだ?」

 

マサムネ「8分45秒だ。」

 

暁「呆気なかったな。」

 

ティルフィング「マスター………」

 

 

ティルフィングは暁にかける言葉が見つからなかった。

いつもは勝負に負けてもあまり気にしない暁が今回ばかりは落ち込んでいた。

暁の様子からティルフィングは表面には出さないようにしていることも分かっていた。

 

 

暁「それにしてもカミトがあれほど強いとはな。力を隠してやがったな?」

 

カミト「別に隠していたわけではないけどな。」

 

雷「俺の狙撃も良かっただろ?」

 

リン「良いとこ取りしただけじゃん。」

 

ドラグノフ「確かにな。」

 

雷「あれ? 俺の評判落ちてない?」

 

シル「大丈夫です智也さん。私はちゃんとあなたを評価しますから」

 

雷「シル、ありがとう。」(うるっ)

 

ミレイ「なんで泣いてるのよ。」

 

雷「泣いてないし」

 

ミレイ「ハイハイ」

 

 

そんなやり取りをしているとミレーユが飲み物をもってこっちに来た。

 

 

ミレーユ「御二人ともお疲れ様です。良ければどうぞ。」

 

暁「ありがとう。」

 

雷「ありがとうな。」

 

ミレーユ「御二人ともすごかったですね。」

 

暁「そうか?」

 

ミレーユ「そうですわ。義兄様と戦ってあれだけの戦闘をこなすんですもの。」

 

暁「負けちまったけどな」

 

雷「珍しいな。お前が勝敗に固執するなんて」

 

クレア「そうなの?」

 

 

クレア達も此方に来た。

 

 

ドラグノフ「そう言えばそうだな。いつもならさらっと流すのにな」

 

暁「そう言えばそうだな。」

 

フィアナ「まさかの無自覚……」

 

エリス「暁、これからどうするのだ?」

 

暁「次の所に向かうよ。」

 

カミト「それはすぐに出るのか?」

 

暁「そのつもりだけど?」

 

ミレーユ「皆さんともっともっとお話がしたいですわ!!」

 

リンスレット「暁さんせめて今日までは泊っていかれては?」

 

暁「う~ん」

 

雷「別にいいんじゃないか?」

 

暁「しかし………」

 

ドラグノフ「焦る気持ちは分かるが()()()()()()()()()()ぞ。」

 

 

ドラグノフの言葉を聞いて少しイラつきを覚えた。

こんなことは今までなかった、初めての事だった。

 

 

暁「俺がやらかす? 面白いことを言うじゃないか。」

 

 

俺のいつもと違う雰囲気を全員が悟った。

此方の世界に来て一度も怒ったことのない暁がドラグノフの言葉を聞いた途端怒りをあらわにしていた。それを分かったうえでドラグノフは言葉を続けた。

 

 

ドラグノフ「ああそうだ。()()お前ではな。他の者達も同じ事を()()お前から感じているはずだ。特に付き合いの長いティルフィング、お前は気付いているだろ?」

 

暁「そうなのか?」

 

ティルフィング「………………………はい。」

 

 

少し間が空いていたがドラグノフの言葉を肯定した。

その時のティルフィングの表情はとても暗かった。

 

 

暁「そうか……分かった泊まるよ。リンスレットにミレーユ、もう一日世話になるな。」

 

ミレーユ「はい!!」

 

リンスレット「え、ええ。」

 

 

ミレーユは皆とまだ居れることが嬉しいのか笑顔だったがリンスレットは何処か不安を感じていた。正確にはリンスレットだけではない。カミトやクレア他の仲間たちも暁の異様さに違和感を覚えていた。

 

 

昼からの残り時間は各々明日の準備をしたりして時間を潰した。

 

 

時間はあっという間に過ぎていき、次の日の朝がやってきた。

 

 

ミレーユ「お姉様、義兄様(カミト)、それに他の皆様もう行かれてしまうのですね。」

 

グレイアス「君たちのおかげでこの街と娘たちは守られた。本当にありがとう。」

 

雷「いえいえ。」

 

グレイアス「次はゆっくりできるときにまた来るといい。歓迎しよう。」

 

暁「ありがとうございます。それでは、私たちはこれで。」

 

グレイアス「うむ。」

 

ミレーユ「お姉様、お元気で。皆様も」

 

 

ミレーユとグレイアスさんとは屋敷で別れた。

 

 

雷「次の目的地は?」

 

クレア「エリスのファーレンガルト家でいいと思うわ。」

 

カミト「俺はそれでいいと思うぜ。」

 

 

カミト、リンスレット、フィアナ、エリスはクレアの意見に賛成した。

 

 

暁「なら決まりだな。」

 

 

俺たちはエリスのファーレンガルト家に向かうのであった。

 

 

 

 

 




暁「ちきしょう。負けた!!」

雷「俺の勝ちだ!!」

クレア「あんたほとんど何もしてないじゃな。」

リンスレット「あれはあなたの勝ちではなくカミトさんの勝ちですわね。」

エリス「確かにな。チームの勝利とも言い難いな。」

雷「ボケた結果、マジレスされました。」

フィアナ「まあまあ、雷君の狙撃の凄さは私が褒めてあげるから」

雷「嬉しいのに、ボケをマジレスされて泣けてくるぜ。」

暁「そろそろ次回予告といきますか。」

クレア「次回第37話 領土防衛 partエリス」

全員『お楽しみに』


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第37話 領土防衛 partエリス

大城「どうも皆さん作者です。今回のゲストはクレアさんとフィアナさんです。」

クレア「よろしくね。」

フィアナ「よろしく。」

クレア「早速だけど遅れた理由は?」

大城「どうも創作意欲が少ないんですよね。」

フィアナ「それで書かないと?」

大城「そうですね。」

クレア「死刑」

フィアナ「拒否権無し。」

大城「知ってました。」

フィアナ「とりあえず謝罪。」

大城「投稿遅れて申し訳ありません。」

クレア「それじゃあ注意事項よ。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、キャラ崩壊など


クレア・フィアナ「「これらが大丈夫な皆さんは楽しんで読んでください。」」





エリス「見えた!!」

 

 

数週間の移動と数回の戦闘をこなし、ようやくファーレンガルト家が統治している街に着いた。

 

 

エリス「私は姉上と家の者達に君たちの事を話してくる。」

 

 

そう俺たちに告げてエリスは屋敷に向かって行った。

 

 

雷「ふぅ~、やっと着いたな。」

 

ドラグノフ「ここに来るまでがしんどいからな。そう言うのも仕方ないな。」

 

カミト「エリスの奴大丈夫かな?」

 

クレア「あんたが心配しなくても大丈夫よ。」

 

カミト「それもそうか。」

 

ティルフィング「マスター疲れてはいませんか?」

 

暁「大丈夫。」

 

ティルフィング「それならいいのですが……」

 

 

ティルフィングは雷とカミトとのリハビリの戦闘以来口数が減っている暁を心配していた。そして、ここに来るまでの休憩の時や戦闘の時にあからさまに1人で行動することが目立っていた。

 

 

ロンギヌス「マスターが私たちから距離を取っているように見えるのですが。」

 

ティルフィング「ロンギヌスさんもそう感じましたか。」

 

マサムネ「主君が契約しているキル姫全員が同じことを感じているだろう。」

 

アルテミス「こんなことは初めてなんですか?」

 

ティルフィング「1人で何かすることは度々ありましたが、こんな嫌な感じはありませんでした。」

 

アルテミス「そうですか。とりあえずもう少し様子を見ましょうか。」

 

マサムネ「それがよいだろう。」

 

 

暁の異様さにどこか不安を感じているキル姫たちだった。

 

 

ファーレンガルト家に向かいながらエリスが戻ってくるのを待った。

 

 

クレア「エリスが戻って来たみたいね。」

 

 

数十分程度でエリスが戻ってきた。

 

 

リンスレット「どうでしたの?」

 

エリス「姉上が会いたいと言っていた。」

 

クレア「あのサイレントフォートレスがねぇ。」

 

エリス「何が言いたいのだ?」

 

クレア「いや、私たちが戦った時に比べて結構丸くなったなぁって、そう思ったのよ。」

 

 

クレア達はエリスの姉と面識があるようだった

 

 

カミト「そろそろ向かわないか?」

 

クレア「それもそうね。エリス案内よろしくね。」

 

エリス「うむ。」

 

 

エリスを先頭に俺たちはエリスの屋敷に向かった。

屋敷の前にはすでに誰かがいた。

 

 

雷「あそこにいるの誰だ?」

 

 

雷が指をさす、そこには凛々しいたたずまいの女性が扉の前で立っていた。

 

 

エリス「姉上!?」

 

???「ようやく来たか。待ちくたびれたぞ。」

 

カミト「ヴェルサリア!!」

 

ヴェルサリア「久しいではないか、カゼハヤ・カミト。」

 

エリス「姉上、家の中で待っていてくださいと言ったではないですか。」

 

ヴェルサリア「お前たちがなかなか来ないからこうして出てきてやったのだ。」

 

エリス「別れてからそんなに時間は経っていないはずでしょう?」

 

ヴェルサリア「そんな事はない。何時間か待った。」

 

エリス「それは姉上の体感時間でしょう!?」

 

 

実際エリスが俺たちと再度合流してから数分しか経っていない。

 

 

ヴェルサリア「それはそうとして」

 

エリス「姉上!?」

 

ヴェルサリア「そこの連中がエリスの紹介したいと言っていた連中だな?」

 

エリス「え、ええ。そうです。彼らが現在の異変に協力してもらっている者達です。」

 

暁「どうも、暁 (りょう)と言います。」

 

雷「雷 智也(ともや)です。」

 

 

エリスに紹介されて俺たちは各々簡単な自己紹介をヴェルサリアに(おこな)った。

 

 

ヴェルサリア「ヴェルサリア・イーヴァ・ファーレンガルトだ。よろしく。」

 

 

俺たちの自己紹介の後、ヴェルサリアも軽い自己紹介をしてくれた。

 

 

ヴェルサリア「エリスから聞いている。聞きたいことがあるそうだな?」

 

暁「はい。」

 

ヴェルサリア「立ち話もなんだから中に入って話そう。」

 

 

ヴェルサリアに屋敷内の客間まで案内された

 

 

ヴェルサリア「さて、お前たちの聞きたいことについてはおおよそ見当がついている。白い化け物についてだろう、違うか?」

 

全員『ッ!?』

 

エリス「姉上!! どうしてそれを!?」

 

ヴェルサリア「数日前、街の近くに現れたからだ。」

 

エリス「大丈夫だったのですか!?」

 

ヴェルサリア「私を誰だと思っている?あんな雑魚共に負けるものか。」

 

クレア「それもそうよね。」

 

カミト「エリス、少しは落ち着いたか?」

 

エリス「ああ、すまない。」

 

ヴェルサリア「こちらとしては情報を与えるというよりも欲しい状況なのだ。」

 

暁「そのことでしたら持っている情報を教えます。」

 

ヴェルサリア「ちょっと待て、お前たちは白い化け物共について聞きたいのではないのか?」

 

暁「こちらはここにあなた達が言う白い化け物が出たかの確認がしたかったのです。」

 

ヴェルサリア「そうだったのか。すまないがお前たちの持っている情報を教えてはもらえないだろうか?」

 

暁「わかりました。それには少し私たちについても話しますがよろしいでしょうか?」

 

ヴェルサリア「構わない。話してくれ」

 

 

俺はヴェルサリアに俺たちの事を話した。

それと同時に異族についても話をした。

 

 

ヴェルサリア「まさかお前たちが異世界から来たと言い出すとはな。」

 

暁「信じられないとは思いますが………」

 

ヴェルサリア「いや、信じよう。」

 

雷「えらく簡単に信じるんですね。何か理由が?」

 

ヴェルサリア「何簡単な話だ。私の妹が信じているからな。」

 

エリス「姉上何を!?」

 

雷「わぁーお。」

 

 

それから話は俺たちの事から異族のことに変わった。

 

 

ヴェルサリア「異族……か……」

 

 

ヴェルサリアは厳しい顔となって少し考えた。

 

 

暁「情報と言いましたが、有益と言えるほどの情報がなくすみません。」

 

ヴェルサリア「気にするな。それにしても無造作に出てくるのは厄介だな。」

 

雷「こちらではある程度の時間で止まるみたいだがな」

 

 

俺たちが客間で話を始めてから終わる頃には夕方になっていた。

 

 

ヴェルサリア「お前たち今夜はうちに泊まっていくといい。」

 

クレア「あんたからそんなことを言うとはね。」

 

ヴェルサリア「ここは私の家なんだから何らおかしくはないだろう?」

 

クレア「昔のあんたなら絶対にそんなこと言わなかったとふと思っただけよ。」

 

ヴェルサリア「ふっ、確かにな。」

 

エリス「それで暁どうだろうか?」

 

暁「俺に聞かれてもなぁ、宿を取ってるわけじゃないからそう言ってもらえるのは助かる。」

 

ヴェルサリア「決まりだな。部屋の案内は………」

 

エリス「私がやります。」

 

ヴェルサリア「では頼むとしよう。」

 

 

俺たちはエリスにそれぞれの部屋へと案内された。

 

夕飯までには時間があったので俺は外に向かった。

その途中ヴェルサリアと出会った。

 

 

ヴェルサリア「暁どこに行くのだ?」

 

暁「ヴェルサリアさん、いえ、ちょっと外に出ようかと」

 

ヴェルサリア「そうか。私も付き合ってよいだろうか?」

 

暁「別に構いませんよ。」

 

ヴェルサリア「そうか。そこのメイド」

 

メイド「ヴェルサリア様何用でしょうか?」

 

ヴェルサリア「少し出てくるからエリスたちに聞かれたらそう伝えといてくれ。」

 

メイド「わかりました。」

 

 

ヴェルサリアが近くを通りかかったメイドにそう伝え俺とヴェルサリアは街に繰り出した。

 

街を歩きだして数分、聞きたいことがあったので俺は聞くことにした。

 

 

暁「ヴェルサリアさん」

 

ヴェルサリア「別に敬語じゃなくても構わない」

 

暁「ですが………」

 

ヴェルサリア「本人がいいといっているんだ。」

 

暁「わかった。」

 

ヴェルサリア「それで何か用か?」

 

暁「いや、何故付いて来たのかなと……」

 

ヴェルサリア「そのことか。私自身君に何かを感じたからだ。」

 

暁「出会ったばかりなのに?」

 

ヴェルサリア「そうだ。君を見た瞬間何故か前の自分を見ているような気がしたんだよ。」

 

暁「?」

 

ヴェルサリア「まあ気にするな。ほんの少しそんな気がしただけだからな。」

 

 

ヴェルサリア(暁から嫌な感じが少しだが感じる、前の強さを求めた私のような)

 

 

ヴェルサリア「さて暁、そろそろ時間だから戻ろう。」

 

暁「そんな時間か。」

 

 

俺はヴェルサリアとともに夕飯のため戻ろうとしたが、歩く足を止めた。

そして、門の方を確認した。

 

 

暁「?」

 

ヴェルサリア「どうしたのだ暁?」

 

 

顔色を変えた男性が一人こちらに向かって走って来ていた。

いや、一人ではなかった。その後ろには多くの人たちがいた。

 

 

男性「ヴェルサリア様!!」

 

ヴェルサリア「何事だ?」

 

女性「町の外に例の白い化け物たちが!!」

 

ヴェルサリア「何だと!?」

 

暁「ッ!?」

 

女騎士「隊長!!」

 

 

空から女性の騎士が降りてきた。

 

 

ヴェルサリア「戦闘の状況は?」

 

女騎士「勢力を集結させ対応に当たっていますが………」

 

ヴェルサリア「どうした?」

 

女騎士「白い化け物どもの後ろに……魔精霊を確認しました……」

 

ヴェルサリア「何だと!?」

 

女騎士「隊長、力を貸してください。」

 

ヴェルサリア「当たり前だ!!」

 

 

この話を聞いていた逃げてきた街の住民たちはヴェルサリアにすがっていた。

 

 

ヴェルサリア「すまない暁、君一人で戻ってくれ。私はこれから」

 

暁「俺は行きます。」

 

ヴェルサリア「お前は何を言っている!!」

 

暁「異族の処理は()()仕事ですから。」

 

ヴェルサリア「待て!!」

 

 

俺はそれだけを言いヴェルサリアの言葉を流し風魔法で空を飛び、戦闘が行われている所に向かった。

 

 

ヴェルサリア「あいつ、君はすぐさま戻って戦闘に参加してくれ。私は一度屋敷に戻ってこの戦闘の協力者を連れてくる。きっと戦力になってくれるはずだ。」

 

女騎士「はっ」

 

 

ヴェルサリアの指示を受けた女騎士はすぐさま飛んで行った。

 

 

女の子「騎士様。」

 

ヴェルサリア「大丈夫だ。必ず守って見せよう。」

 

女の子「うん」

 

 

ヴェルサリアは急ぎ屋敷に向かった。

 

 

バアァ──────ン

 

 

ヴェルサリアは勢いよく扉を開けた。

 

 

メイド「ヴェルサリア様お帰りなさいませ。暁様は?」

 

ヴェルサリア「緊急事態だ。エリスたちは何処にいる?」

 

メイド「エリスお嬢様達ならダイニングに集まっておられますが?」

 

ヴェルサリア「わかった。」

 

 

ヴェルサリアは急いでダイニングへと向い、扉を開けた。

 

 

エリス「姉上、戻られたのですね。メイドの話だと暁と一緒だと聞いたのですが?」

 

ヴェルサリア「異族が現れた。しかも魔精霊もいるとの事だ。」

 

 

全員『ッ!?』

 

 

ヴェルサリア「暁は今頃私たちの騎士達とともに戦闘に入っているだろう。」

 

雷「あの馬鹿また一人で突っ走りやがったな!!」

 

ドラグノフ「最近の暁は様子がおかしかったからな。」

 

ヴェルサリア「すまない、皆力を貸してくれないだろうか。」

 

雷「当然手を貸すぜ。」

 

ティルフィング「異族の処理は()()()の仕事ですから。」

 

カミト「すぐにでも向かうべきだ。」

 

クレア「そうね。」

 

 

全員が手を貸すと言った。そのことにヴェルサリアは少々驚いた。

 

 

ヴェルサリア「エリスよ。」

 

エリス「何でしょうか?」

 

ヴェルサリア「面白い連中を仲間にしたみたいだな。」

 

エリス「そうですね。」

 

 

雷達はヴェルサリアとともに暁と騎士たちが戦闘している場所まで向かった。

 

 

雷「少し劣勢って感じだな。」

 

ドラグノフ「雷あそこだ。」

 

 

そう言ったドラグノフは突出している人を指さす。

その者は異族を次々に倒していく。

 

 

雷「暁の野郎やっぱり太刀筋がいつもと違うな。」

 

ティルフィング「………………。」

 

マサムネ「今は戦闘に意識を持つべきだろう。」

 

 

ティルフィングの隣でマサムネはそう言った。

 

 

ティルフィング「わかっています。」

 

雷「戦闘方法はいつも通りでいいよな?」

 

ドラグノフ「今回は騎士団を援護すべきだろう。」

 

雷「それもそうか。」

 

カミト「少し形を変えて、キル姫は銃姫とペアを組んで戦うべきと思うんだが」

 

ティルフィング「その策に賛成です。でも私とドラグノフさんは例外で」

 

雷「俺もそっちの方がいいかな。一人で騎士団に援護射撃をするのは流石に無理だと思うし。」

 

カミト「それもそうか。」

 

クレア「決まったんなら行きましょ。」

 

リンスレット「騎士団たちの消耗が思ったより酷そうみたいですわ。」

 

ヴェルサリア「私はどうすればいい?」

 

カミト「異族はティルフィング達の任せて俺たちは魔精霊を叩きに行くつもりだ。重傷者をある程度後ろに下げたらそれを手伝ってくれないか。」

 

ヴェルサリア「了解した。」

 

クレア「以外ね。」

 

ヴェルサリア「何がだ?」

 

クレア「私たちの指示に従うことよ。」

 

ヴェルサリア「経験の多いものに付くのは当たり前だろう。」

 

クレア「そうね。」

 

ヴェルサリア「おしゃべりはここまでだ。」

 

 

皆行動に入った。

 

雷とドラグノフは前線より少し後ろで構え、騎士団の援護射撃に入り、ティルフィングは暁のもとへ向かい、他のキル姫と銃姫はペアを組んで戦闘に参加、ヴェルサリアはカミトに言われた通り一通り騎士団の重傷者を後ろに下げた。カミト達チーム・スカーレットはフィアナを騎士団の傷の回復に回し、戦闘中心の4人は異族を倒しながら魔精霊へと向かって行った。

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 

ティルフィング「マスター!!」

 

暁「ティルフィングか。」

 

ティルフィング「カバーに入りますね?」

 

暁「………頼む。」

 

 

俺とティルフィングは異族を次々に倒していく。

お互いがお互いの背中を守るような立ち回り、だがやはり暁の戦闘は何処か違和感があった。

 

そして違和感と言えばそれは異族にも見受けられた。

それは異族の一部に見覚えのある模様、そうクレア達のように精霊と契約した時に現れる模様だった。だが異族のそれはクレア達のものとはあからさまに違う。

クレア達の模様はどこか温かいものを感じる光なのだが異族のはそれが全くなく、ただただ黒く光っていた。それに気付いたティルフィング。

 

 

ティルフィング「マスター、これってもしかして!!」

 

暁「気づいたみたいだな。誰かは知らないが異族に魔精霊を契約させたみたいだな。」

 

 

どうやら暁はすでに気付いた。

 

 

暁「剣技、ヒートウィング!!」

 

ティルフィング「行きます!! 剣技、月華乱舞!!」

 

 

暁とティルフィングが戦闘していた周りの異族はあらかた片付いた。

 

 

──────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 

 

ティルフィングが暁の所に着いた頃──────

 

 

パァ──────ン

 

 

と、銃声がこだまする。

 

 

雷「次!!」

 

 

そう言いながら雷は騎士団に援護射撃をする。

 

 

ドラグノフ「異族の減るスピードが速いな。」

 

雷「ああ、でもあいつ(異族)らの後ろには魔精霊がいるみたいじゃねぇか。」

 

ドラグノフ「そちらはカミト達に任せて大丈夫だろう。」

 

雷「まあ、俺たちみたいにそっちが専門だからな。」

 

ドラグノフ「暁の事が気になるのか?」

 

雷「………。」

 

ドラグノフ「気持ちは分かるが今は………」

 

雷「わかってる。だからとりあえず異族に八つ当たりだ。」

 

ドラグノフ「ふっ」

 

 

雷・ドラグノフ「「銃技、ホークアイドライブ!!」」

 

 

次々に異族にエネルギー弾を当てて数を減らす。

騎士団の連中も雷とドラグノフの援護射撃を受けながら異族を倒す。

 

 

雷「騎士団の連中、優秀過ぎやしませんか?」

 

ドラグノフ「確かに予想よりも速く片が付いたな。」

 

雷「とりあえず休憩だな。」

 

 

──────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 

戦闘開始から数時間が経過した。

空はすっかり夜になっているが、戦闘の方はというと終了していた。

何とか真っ暗になる前に片付けることができた。

 

だがまた急に現れることを警戒して騎士団は外に野営地を作った。

 

俺はティルフィングとともに雷とドラグノフ、契約したキル姫や銃姫たちと合流した。

その後野営地でカミト達を見かけたのでそっちに向かった。

 

野営地ではフィアナが慌しく重傷者を診て回っていた。

 

 

暁「邪魔しないようにカミト達に合流しようか。」

 

ティルフィング「そうですね。」

 

雷「俺はフィアナの方に回るわ。」

 

暁「どうして?」

 

雷「大変そうだから。」

 

ドラグノフ「そういうことなら傷の手当てができるものが向かうべきだろう。」

 

ティルフィング「なら一部の者だけでカミトさんたちの所に向かうというのは?」

 

暁「皆軽傷者の相手はできるだろうからそれでいいか。」

 

雷「一応俺も基本の回復魔法使えるしな!」

 

暁「はいはい。じゃあカミト達の所に行くのは俺とティルフィング、マサムネ、フライクーゲルにアルテミスってところか。雷と銃姫たち、ロンギヌスとパラシュはフィアナの手伝いに向かうってことで。」

 

ドラグノフ「うむ。」

 

 

そして俺たちはさっきの通りに分かれた。

 

カミト達と合流した俺たちはヴェルサリアからもう少し手を貸してほしいとの事だったので了承し、雷達の方では意外と雷の基本の回復魔法が役に立ちフィアナから感謝されたとか。

 

後にヴェルサリアと騎士団の副隊長、俺、ティルフィング、雷、ドラグノフ、カミト、クレアで話し合った結果見張りを立てることが決まった。皆、時間で交代するつもりだったが俺が無理を通して見張りは俺だけがやることになった。

 

皆が寝静まり、見張りを始めてから数時間後、腰につけていた剣が光りだしたのだった。

光は強くなった。視界を奪われ目を瞑った。光が弱まり目を開けるとそこには一人の少女が立っていた。目を見るととても眠たそうだ。

 

 

暁「君は一体……」

 

???「私はレーヴァテイン、よろしく。」

 

 

彼女は気怠(けだる)そうにしながら自己紹介をした。

 

 

暁「急に現れて自己紹介とは。レーヴァテイン、君は腰につけていた剣で間違いないんだよな?」

 

レーヴァテイン「うん、そう。」

 

暁「どうして今になって人の姿で現れた?」

 

レーヴァテイン「分からない。」

 

暁「マジ?」

 

レーヴァテイン「うん。」

 

暁「………………。」

 

レーヴァテイン「ねえ、私はあなたを何て呼べばいいの?」

 

暁「俺の自己紹介まだだったな。」

 

レーヴァテイン「大丈夫、剣状態で眠っていても皆の声は聞こえてたから。」

 

暁「そうか、呼び方は好きにしてくれ。」

 

レーヴァテイン「じゃあ私もマスターって呼ぶ。」

 

暁「わかった。」

 

レーヴァテイン「眠くなったから寝る。」

 

 

レーヴァテインはそう言うと剣となって眠ってしまった。

それからというものこの出来事以外特に何も起こらず、朝を迎えた。

 

 

 

 

 




暁「最近大城の創作意欲がないらしい。」

雷「マジか。ついに打ち切りか?」

大城「何とかします。」

雷「急だな。」

クレア「でも、アンタが今の状態じゃあどうしようもないじゃないの」

大城「来月の事があるので、どうにかするつもりです。」

リンスレット「来月は6月ですわね。」

フィアナ「何かあったかしら?」

エリス「思いたることはないぞ。」

クレア「大城、教えなさいよ。」

大城「ヒントだけですよ。あるものを女性陣の皆様に着てもらいます。」

ティルフィング「大城さんそれは私たちキル姫もですか?」

大城「勿論」

ドラグノフ「私たち銃姫もか?」

大城「女性陣全員って言ってるんですから当然です。」

ティルフィング「ちょっと楽しみです。」

ドラグノフ「確かにな。」

大城「御二人は分かったみたいですね。」

暁「そろそろ次回予告に入るぞ?」

大城「お願いします」

雷「次回第38話 心の陰」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。







目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第38話 心の陰

大城「ゲストの紹介です。今回はリンスレットさんとカミトです。」

リンスレット「よろしくですわ。」

カミト「よろしく」

リンスレット「大城このタイミングで出して大丈夫ですの?」

大城「前回言った通り女性陣の皆様にはある衣装を着てもらうのでその為にはこれぐらいしないといけないんですよ。」

カミト「無理だけはするなよ?」

大城「それができたら苦労しません。」

カミト「ダメだこりゃ。」

大城「そういうことなので注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、キャラ崩壊など


リンスレット「これらが大丈夫な皆さんは楽しんで読んでくださいな。」







太陽が昇り始め、辺りが明るくなりだした。

心配されていた異族の襲撃もなく、夜が明けたのだ。

 

 

暁「ふあぁ~~。少し眠いな。」

 

 

ふとそんな言葉が出た。

 

 

???「皆さんの案を受け入れればよかったのに」

 

 

そして誰かに聞かれたようだ。俺は振り向いた。

 

 

暁「やっぱりお前だったかティルフィング。」

 

ティルフィング「おはようございます、マスター。」

 

暁「おはよう。」

 

ティルフィング「異族は出なかったみたいですね。」

 

暁「ああ。」

 

ティルフィング「マスターも休憩を取ってください。」

 

暁「大丈夫だよこのぐらい。」

 

ティルフィング「でもさっき眠いって言ってたじゃないですか。」

 

暁「それならもうないから。」

 

ティルフィング「ですが………」

 

暁「心配し過ぎなんだよ。」

 

 

ティルフィングの忠告を無視した。

 

それから数時間して他の皆も起きてきた。

 

 

雷「ふあぁ~。おはよう暁、ティルフィング。」

 

ティルフィング「おはようございます。智也さんそれに皆さんも」

 

クレア「相変わらず早いわね。」

 

ヴェルサリア「おはよう暁。」

 

暁「おはよう。特に問題はなかった静かな夜だったよ」

 

ヴェルサリア「そのようだな。で、暁達はこれからどうするんだ?」

 

暁「()()すぐにでも発つつもりだ。」

 

ヴェルサリア「あの戦闘の後に見張りまでしていたんだ疲れがあるだろう。せめて一日体を休めてから発つべきだと私は思うのだが……」

 

暁「そうしたいが今行けばまだ間に合う村や町があるかもしれない。」

 

ヴェルサリア「そうかもしれんが」

 

 

暁の発言に仲間たちは何処か不安を隠しきれていなかった。

このままでは身体に無茶を重ねて絶対に重傷を負う。

最悪の場合の () すらも目に見える。

誰も望んではいないが今の暁にはそんなことは関係がない状態だった。

だからこそ誰かが止めなければいけない。

 

 

ドラグノフ「少しいいか?」

 

暁「ん?」

 

ドラグノフ「暁、お前は何故焦っているのだ?」

 

 

ドラグノフは今まで皆が思っていたことを聞いた。

 

 

暁「俺が焦ってるって?そんなこと……」

 

ドラグノフ「リハビリでのカミトとの戦闘」

 

暁「!!」

 

ドラグノフ「あれ以来お前の行動には何処か焦りが見えるのは私だけか?」

 

暁「………………。」

 

ティルフィング「マスター…………」

 

ドラグノフ「他の者達もそれには気付いてはずだ。当然お前もそうだろう暁?」

 

「………るさい…」

 

ドラグノフ「どうなんだ暁。」

 

 

「うるさい!!」

 

 

全員『!!』

 

 

いつも穏やかな暁が大声でキレた。

その事実にいつも一緒にいたティルフィングでさえ驚いた。

 

 

暁「わかってるんだよそんなことは!!気にしないようにしても何処か気になって仕方がない。寝て忘れようとしても夢で力を求めて、強さを求めて、否定してもどうしようもなくて。俺の力は上げらずにお前たちに置いて行かれる悪夢をずっと見てきた。近くには誰もいない暗い場所に一人でいる。お前らに俺のこの気持ちが分かるってのかよ!!

 

 

今まで強さに(こだわ)らず自由気ままに過ごしていた暁が、あの時の戦闘以来強さを求めていた。皆暁の異様な行動は気になってはいたがそれはほんの少しだけ気になっていただけに過ぎなかった。だから暁がここまで追い詰められていたことに誰も想像していなかった。

 

 

暁「ハァ……ハァ……。」

 

ティルフィング「マスター。」

 

暁「!! すまない取り乱した、今のは忘れてくれ。」

 

雷「暁、お前……」

 

暁「頭を冷やしてくる。」

 

 

俺はそう言うとその場を去った。

 

 

──────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 

暁が去った後残された仲間たちの間には数分間の沈黙が訪れた。

そんな中最初に口を開いたのは雷だった。

 

 

雷「あいつ、あんなにキレたのって初めてじゃないか?」

 

フィアナ「そうなの?」

 

ティルフィング「そうですね。今まで一度も無かったと思います。」

 

ドラグノフ「それだけ追い詰められていたんだな。」

 

ロンギヌス「私たちがそれに気づいてあげられていれば」

 

リン「そうだとしても彼の性格なら隠し続けていたと思うよ。」

 

マサムネ「だが一体何が主君を追い詰めていたのか」

 

クレア「普通に考えればカミトと戦ったときに負けて悔しかった……」

 

リンスレット「でもあの感じはそれだけが原因とは思えませんわ。」

 

エリス「暁の性格からして負けただけが原因ではないだろう。」

 

 

皆が暁に関して考えているとヴェルサリアが口を開いた。

 

 

ヴェルサリア「君たちと戦う前の私を見ているみたいだった。」

 

カミト「ヴェルサリア?」

 

ヴェルサリア「精霊剣舞祭(ブレイドダンス)で負けた私は力を追い求めるようになり呪装刻印(じゅそうこくいん)に手を出し、大切な妹すらも手にかけようとした前の私に。」

 

エリス「姉上……」

 

ヴェルサリア「そのことを踏まえた上で言うなれば、彼から目を離したのは間違いだ。」

 

カミト「それはどういう?」

 

ヴェルサリア「そのままの意味だ。カゼハヤ・カミト。」

 

雷「まさか!!」

 

 

ヴェルサリアの言葉で何かに気付いた雷は屋敷に向かって走り出した。

 

 

フィアナ「雷くん!?」

 

ドラグノフ「雷を追うぞ。」

 

ティルフィング「はい。」

 

 

雷が走り出し、その後を皆が追う。

屋敷の扉を雷が開けるとそこには一通の手紙を持ったメイドがいた。

 

 

メイド「皆様、暁様が皆様が戻ってきたら渡してくれと手紙を預かっております。」

 

 

メイドはそういうと雷に手紙を渡した。

雷はすぐにその手紙に目を通した。

手紙にはこう書かれていた。

 

 

──────────────────────────

 

みんなへ

 

とりあえずできるところまでやってみるわ。

 

            暁より

 

──────────────────────────

 

 

この一文だけが手紙に書かれていた内容だった。

これを読んだ雷は怒りで震えていた。

 

 

フィアナ「雷くん?」

 

ティルフィング「マスターは何と?」

 

雷「あの野郎一人で行きやがった!! 」

 

クレア「それ本当なの!?」

 

雷「ああ、間違いねぇ。できるところまでやるってそう書いてある。」

 

リンスレット「流石に無茶を通り越して無謀ですわ!!」

 

ヴェルサリア「やはりこうなったか。」

 

エリス「姉上は気付いておられたのですか?」

 

ヴェルサリア「会った時点でな。だから昨日彼に付いて行ったのだ。」

 

エリス「そうだったのですか。」

 

ドラグノフ「ティルフィング、暁の魔力反応追えないか?」

 

ティルフィング「キル姫全員でやってみます!!」

 

 

暁と契約したキル姫たちが暁の居場所を見つけ出そうとするが失敗に終わった。

 

 

ティルフィング「駄目です。マスターとの繋がりが小さくなりすぎて全然わかりません。」

 

パラシュ「それに回路に何か(もや)のようなものがあってこちら側からマスターに力を送ることができなくなっているみたいだ。ただマスターから僕たちに送ることはできるみたいだね。」

 

雷「あいつの考えそうなことだな。」

 

ドラグノフ「雷、これからどうする?」

 

雷「今から後を追っても遅いだろうしな。」

 

カミト「今は休むべきだと俺は思う。」

 

クレア「何言ってるのよこんな時に!!」

 

カミト「こんな時だからだ。」

 

エリス「私もカミトの意見に賛成だ。キル姫たちを見てみろクレア。」

 

 

エリスにそう言われ、ティルフィング達キル姫を見たクレア。

皆どこか抜けてしまっていて、いつもの覇気やら元気がない。

こうなって当然の話だ。契約者である暁が居なくなってしまったのだから。

 

 

クレア「ごめんなさい。確かに今は休むべきね」

 

ティルフィング「気になさらないで下さい。私たちは大丈夫ですから」

 

マサムネ「契約を破棄されたわけではないからな。」

 

ロンギヌス「マスターの事です。何事もなかったように戻ってきますよ。」

 

フライクーゲル「それでもやっぱりバッドな気分に一度なったらそう簡単には立ち直れないね。」

 

アルテミス「今はマスターを信じるしかありません。」

 

パラシュ「僕は武器になって眠るよ。」

 

 

キル姫たちはこのことがあまりに衝撃過ぎて心に大きな傷ができてしまった。

兵器として扱われていた時よりも酷い心の傷、家族のように優しく接してくれていたのに、死ぬまで隣に居てくれると、居てほしいと言いあった人物に置いて行かれた。

キル姫たちは、表情には出さないように頑張ってはいるがそれはどうしても出てしまう。

それに気づいていても雷達は何も言わなかった。

 

 

ティルフィング「私も少しの間眠りに就きます。戦闘には参加しますので安心してください」

 

マサムネ「すまないが拙者もそうさせてもらう。」

 

 

キル姫たちは次々に武器になり眠りに就いた。

 

 

クレア「みんな泣いていたわね。」

 

カミト「ああ、暁と出会って皆楽しそうだったからな。」

 

リンスレット「大切な人とこういう形で別れては心が壊れてもおかしくないですわ。」

 

エリス「彼女たちが我慢していることがハッキリわかるな。」

 

 

皆キル姫たちが心配で仕方がなかった。

 

 

ドラグノフ「この空気の中言うのはどうかと思うのだが明日からの事を話さないか?」

 

雷「そうだな、話そう。」

 

フィアナ「雷くん、この空気の中話すの!?」

 

リンスレット「ティルフィングさんたちを待った方がいいのでは?」

 

雷「それだと遅い。」

 

カミト「雷、お前………」

 

雷「ティルフィング達を待っていたら最悪の事態になるかもしれない。」

 

クレア「それってもしかして」

 

雷「まあ、そういうことだ。そんなことになってみろティルフィング達は一生心に傷を負ったままになっちまう。俺だってそんなことは望まない。あいつとは長い付き合いだしな。」

 

エリス「だがどうする?」

 

雷「ん~……」

 

カミト「それならこのままでいいんじゃないか?」

 

フィアナ「それだとオルデシア帝国に向かうということよね?どうして?」

 

カミト「賭けに近いが暁ならそうするような気がしたから…かな。」

 

雷「確かに、やる事はやる奴だからな。その案で俺はいいと思う。」

 

ドラグノフ「他に大事な案件があるわけでもないしな、私もそれで構わない。」

 

クレア「それしかないわね。」

 

 

雷達の話はまとまった。

明日からの主な方針としては何ら変わらなかったが、あえて言うならできるだけ早くにオルデシア帝国に到着するというものだった。

 

 

雷「エリス、ヴェルサリアさん、一晩泊めてもらってもいいかな?」

 

ヴェルサリア「勿論こちらはそのつもりだ。」

 

エリス「全員揃ってとはいかなかったが今晩はゆっくりしてくれ。」

 

雷「ありがとう。恩に着るよ」

 

 

明日に備えて雷達はファーレンガルト家に泊まらせてもらった。

その夜、雷はどうしても眠れずにいた。

 

 

雷「こんなことは初めてだな。」

 

 

そう思った雷は起き上がり部屋を出た。

部屋を出た雷は少し歩きそしてベランダの戸が開いていることに気付いた。

そこにいたのはティルフィングだった。

 

 

雷「あいつが心配で眠れないよな。」

 

 

声を掛けられたティルフィングは後ろを振り向く。

 

 

ティルフィング「智也さん……」

 

雷「いつものアイツじゃないのは分かっていたのに何もしてもやれなかった。」

 

ティルフィング「それは私、いえ、私たちキル姫が一番よく理解しているところです。すぐ傍にいて、魔力の流れが乱れていることも分かっていたのに、マスターの力になれませんでした。」

 

 

夜風に当たる2人、会話の内容はもちろん唐突に居なくなった暁の事だ。

 

 

雷「俺一回あいつにさ「お前って悩みとか持ってなさそうだよな」って聞いたことがあるんだよ。そしたらなんて答えたと思う?」

 

ティルフィング「そうですね、マスターの事ですから「悩むのはメンドイ」とかですかね?」

 

雷「ちょっと違うな。あいつこう言ったんだよ「自由に生きる上で悩むなんて愚の骨頂、悩む前に行動しろそれができない状況なら悩んでもいいんじゃないかな。そんでもってその悩みが一人で解決できないならパートナーを頼ればいいだろ。」ってさ。」

 

ティルフィング「マスターがそんなことを……」

 

雷「俺はこの言葉で何度か救われたことがあったよ。あいつが居なくなってからこの言葉を思い出したけどさ。そんで思った。ブーメラン刺さってるじゃねぇかってな。でもあいつは自分の事を面に出さない。」

 

ティルフィング「マスターはそういう人ですから。」

 

雷「分かってる。でもそれが、今回かえって裏目に出てしまった。」

 

 

雷は後悔したように(こぶし)を握る。

 

 

ティルフィング「マスターは私たちのもとに帰って来てくれるでしょうか………」

 

雷「何事もなかったかのようにきっと帰って来る。暁だからな!」

 

ティルフィング「そうでしょうか………」

 

雷「そうだ。だからあいつには「俺の居場所はここだ!」って思ってもらうためにもティルフィング達には元気でいてもらいたい。すぐが無理なのは分かってる。だからせめて、あいつと会う前までには………」

 

ティルフィング「そうですね。私たちがマスターを信じ続けなければいけないですからね。」

 

雷「無理言ってすまない。」

 

ティルフィング「そんなことないですよ。智也さんのおかげで少しスッキリしましたから。」

 

雷「そういってもらえると助かる。」

 

ティルフィング「少し寒くなってきましたね。」

 

雷「だな。そろそろ戻るか~」

 

 

2人はそれぞれの部屋に戻って行った。

 

 

ドラグノフ「・・・・・・・・。私も戻るか」

 

 

そして一人の少女の心配は杞憂に終わるのだった。

 

 

夜が明け朝が来た。

 

 

雷「よし!みんな揃ってるな。」

 

ドラグノフ「全員いるぞ。」

 

 

雷は皆を見渡す。

一晩寝たからかそれとも他の要因があるのかはわからないがキル姫たちに少しだが覇気が戻っているのが顔を見ただけで分かった。

 

 

雷「ヴェルサリアさん」

 

ヴェルサリア「さんは必要ない。ここにいない暁にも言ったが敬語は使わなくて結構だ。」

 

雷「ならヴェルサリア、泊めてくれてありがとう。」

 

ヴェルサリア「こちらもいい経験ができた。」

 

雷「?」

 

ヴェルサリア「こちらの話だ。それよりまた会えるのなら今度は手合わせをしようじゃないか。」

 

雷「望むところです!! ではまた」

 

ヴェルサリア「妹のエリスの事は頼んだぞ。雷 智也、カゼハヤ・カミト。」

 

雷・カミト「「任せろ」」

 

 

その後ヴェルサリアと握手を交わし街を出たのだった。

 

 

 




雷「大城~」

大城「・・・・・・・」

雷「お~い!」

大城「・・・・・・・」

クレア「これはダメね。」

フィアナ「力尽きてるわね。」

カミト「裏方でPCと睨めっこしながら「遅れた分を取り返さなくては」って言いながら夜なべして書いてたからな。」

リンスレット「そういうことですのね。」

エリス「無理は体に良くないというのに。」

雷「とりあえず運ぶか。」

カミト「俺も手伝う。」

雷「頼む。せぇ~の」


わっせ、わっせ、わっせ・・・


雷・カミト・大城log out


クレア「なかなかシュールだったわね・・・」

リンスレット「大城、なんだかんだで頑張っていますわね。」

エリス「私たちはいったい何を着せられるというのだろうか」

フィアナ「それは、来月の作品まで期待して待ってましょう。」

クレア「大城が真面(まとも)であることを願うわ。」

3人「「「確かに。」」」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第39話 堕ちる者

大城「早速ですがゲスト紹介です。リンさんとパラシュさんです。」

リン「よろしくね。」

パラシュ「よろしく。」

パラシュ「それにしてもまさか僕がここに出るなんてね。」

リン「大城は出てくるキャラ全員を出すつもりでいたみたいだよ。」

パラシュ「そうなのかい大城?」

大城「そのつもりでいたんですけど、キャラの喋り方が曖昧過ぎて諦めてます。」

リン「今更なのにね」

パラシュ「まあ、無理だけはしないでくれよ?」

大城「善処します。」

パラシュ「心配しつつ、注意事項だよ」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、キャラ崩壊など


リン「これらが大丈夫な皆は楽しんで読んでください。」





仲間と別れてから俺はすぐに居た街を離れ、別の近くの街へと向かい3日程経った。

お金の方は異族から救ったお礼として今まで貰っていたので困ることはなかった。

最初は断っていたのだが「それでは私たちのケジメになりません。」などと言って無理矢理受け取ってもらおうとしてくるのでこちらが折れる形となりお金を受け取った。

 

 

暁「この辺りに町があるって話を聞いたんだが………、お?あれか。」

 

 

少し遠いがそれらしきものを目視できた。

 

 

暁「さて、検問を通れればいいんだけど」

 

 

俺は向かいながらふと思ってしまった。

今までカミトやクレア、リンスレット、フィアナにエリスといったこの世界では有名な人たちがいてくれたおかげで信頼されて検問を通ることができていたが、今回は俺一人だ。

見知らぬ冒険者、いや今は放浪者か、そんな奴を入れてくれるところなんてあるとは思えない。

 

 

暁「どの道行くしかないか~。」

 

 

街がだいぶ近くなってから気付いた。

街の前で異族がその街の兵達と戦っていた。どうやら見たところ兵を総動員して異族と戦っているみたいだった。だが異族の予想以上の力とその量には勝てないようで兵が後ろに下がりつつあった。

 

 

暁「あれ以上下がると街の中に入られるな。」

 

 

暁(だがどうする?今の俺は1人だ。1人であの数の異族を相手にできるのか?)

 

 

俺の中で助けに入るべきかどうか葛藤していた。

いつもの俺なら迷わずに助けに入るはずなのに、この頃どうも迷うようになった。

 

 

暁「いや、迷うな。異族は俺の敵、それが目の前にいるんだ、ならやるしかない。」

 

 

風魔法で飛んでいた俺は兵士側に着地した。

 

 

兵士A「何だ君は!?」

 

暁「通りすがりの放浪者です。そんなことより今は戦力が必要ですよね?お手伝いします。」

 

兵士A「何を言っているんだ君!!ここは大人に任せて子供の君は何処か安全な場所へ………」

 

暁「そんな悠長なことを言っていていいのですか?このままだと町の中に入られますよ?」

 

兵士A「そんなこと君には関係がないだろ!!君みたいな子供が戦力になるはずがないだろ。ふざけたことを言うんじゃない。おい誰か、この少年を連れていけ!!」

 

 

どうやら俺が話しかけた兵士は指揮官クラスの人だったみたいで、他の兵士に俺を連行させようとしていた。だがお節介やきの俺はそのまま連れていかれるつもりはない。

 

 

暁「はぁ~。」

 

 

溜め息を出した俺は魔力で武器を創りだす。それを見た兵士たちは驚いた顔をしていた。

 

 

兵士A「君は精霊使いだったのか!?」

 

暁「少し違いますがまぁそんなところです。」

 

兵士A「だが君一人が戦闘に加わったところで何になる?」

 

暁「見たらわかりますよ。それで戦闘に参加させてもらっても?」

 

兵士A「・・・・・・・わかった。」

 

暁「承諾、ありがとうございます。」

 

 

指揮官クラスの方はどうやらまだ疑っているようだ。

まぁ当然だな。急に現れて何とかするので戦闘に参加させてくれって言われてすぐに信じる奴なんてそうそういない。すぐ信じる奴なんて余程の御人好ししかいないだろう。

 

 

暁「さて、行きますか!!」

 

 

戦場に立つと異族の大半がこちらに来た。

俺はそれを正面から異族を斬り捨てて向かい打った。

 

 

暁「今回はそこまで数がいないな。」

 

 

暁が戦闘に参加してからというもの異族はどんどんと数を減らし、兵士たちの負担が少なくなってきていた。この事実を見せつけられた兵士たちは驚くほかなかった。

 

俺が戦闘に参加してから数時間が経った。

 

 

暁「こいつが最後」

 

 

剣を振り下ろし最後の1体が灰となり消えて行った。

 

 

暁「ふ~、終わった終わった。」

 

 

戦闘が終わり俺が一息ついていると兵士Aがやってきた。

 

 

兵士A「驚いた。君がここまで強いなんて、失礼なこと言って悪かった許してくれ。」

 

暁「当然の反応ですから別に気にしてませんよ。」

 

兵士B「隊長!」

 

兵士A「どうした?」

 

兵士B「領主様がお待ちになられております。」

 

兵士A「わかった。すぐに向かおう。ところで君」

 

暁「何でしょうか?」

 

兵士A「少しついてきてくれるか?領主様に話しておきたいのだ。」

 

暁「分かりました。」

 

 

今回の異族襲撃の件だろう、指揮官クラスの兵士から報告をするために付いてきてくれと頼まれた。急ぎの用事はあるがここで断ると後々後悔しそうなので付いて行くことにした。

 

 

暁「ええっと~、ここ・・・ですか・・・。」

 

兵士A「ああそうだ。」

 

暁(いやいやいや、「そうだ」の一言で片づけないでください!!)

 

 

俺の目の前に広がるのは広大な敷地だった。

クレアやリンスレット、エリスの屋敷もすごかったがこれはもう、屋敷ではない。

 

 

暁「城じゃねぇか………」

 

兵士A「こっちだ、付いてきなさい。」

 

 

俺は言われた通り指揮官クラスの兵士ともう一人の兵士に付いて行く。

城もどきは外見だけではなく内装の方もそれとなく近いものを感じさせた。

 

 

屋敷内を案内されながら歩くこと数分、どうやらようやくついたようだ。

 

 

兵士A「君はここで待っていてくれ。」

 

暁「わかりました。」

 

 

兵士Aが目の前の扉を叩く。

 

 

兵士A「私です。報告に来ました。」

 

領主「入ってくれ。」

 

兵士A「失礼します。」

 

領主「それでどうだ?」

 

兵士A「数多くの兵士が傷を負うものの今回は死者が出ることはなく例の化け物どもを殲滅することに成功いたしました。」

 

領主「そうか。これでこの街の民たちに良い報告ができる。本当によくやってくれたな。」

 

 

扉の外にいるが話は聞こえてくる。話の内容からどうやら異族の出現は何度かあったようだ。そのたびに兵士たちは駆り出され死人を出してでもこの街を守っていたみたいだった。

 

 

兵士A「そのことなのですが・・・」

 

領主「? どうしたのだ?」

 

兵士A「今回の戦闘に協力してくれた者がおりまして、その者が例の化け物どもをほぼすべて倒してくれたのです。我々は助けられたにすぎません。」

 

領主「そうだったのか。その者は何処に?」

 

兵士A「扉の向こうで待機させております。」

 

領主「入ってもらってくれ。感謝をしたい。」

 

兵士A「わかりました。」

 

 

どうやら話が終わったらしく扉が開いた。

そして指揮官クラスの兵士に入るように言われた。

 

 

暁「失礼します。」

 

領主「君が化け物どもを倒してくれたみたいだな。この街の領主として感謝する、ありがとう。」

 

 

領主の男性は深々と頭を下げてお礼を言ってきた。

俺はそこまでして感謝されるとは思っていなかったので驚いた。

 

 

暁「ちょっ!?そこまでしてお礼を言わないでください!!只々お節介を焼いただけなんですから。」

 

領主「君のお節介で私たちは本当に助けられたのだよ。」

 

暁「一つ聞きたいことがあるんですがいいでしょうか?」

 

領主「私が答えれることであるのなら聞いてくれて構わない。」

 

 

俺が話を聞こうとしたとき、ふと扉が叩かれた。

 

 

???「あなた、私です。中に入ってもよろしいかしら?」

 

領主「今取り込み中なのだが……」

 

 

領主の男性はこちらにどうする?という目を向けてきた。

 

 

暁「俺は大丈夫ですよ。」

 

領主「入っても大丈夫だ。」

 

 

領主の男性が許可を出すと後ろで待機していた指揮官クラスの兵士が扉を開けた。

声で分かっていたがそこには女性が立っていた。そして女性の後ろから顔をひょっこりと出してこちらを見てくる子供が2人、男の子と女の子のようだ。よく見ると少し震えて怯えている感じだ。

 

 

女性(仮)「あら?お客様と取り込み中だったのね。」

 

暁「こんにちわ。」

 

女性(仮)「こんにちわ。」

 

領主「お互いを紹介しておくよ。先ずは彼女、私の妻だ。それと妻の後ろで隠れているのが私たちの子供たちだよ。」

 

奥様「初めまして、夫の妻です。よろしくね。ほらあなた達も」

 

男の子「おにいちゃんはじめまして。」

 

女の子「おにいちゃんはじめまして。」

 

暁「初めまして。」

 

領主「それで君は………なんていうんだ?」

 

暁「名乗っていませんでしたね。暁って言います。」

 

奥様「暁君ね。よろしく。」

 

暁「よろしくお願いします。」

 

領主「そういえばお前、何しに来たんだ?」

 

奥様「すっかり忘れていたわ、化け物はどうなったの!?」

 

 

どうやら領主の男性の奥様がここに来た理由は異族に関することだったようだ。

 

 

領主「そのことなら解決したよ。暁君が奴らをすべて倒してくれたからね。」

 

奥様「それは本当なの!?」

 

兵士A「間違いありません。我々、戦闘に駆り出されていた兵士全員が見ていましたから。」

 

奥様「暁君!!」

 

暁「うぇ!!」

 

 

急に迫られてびっくりした俺は変な声を出してしまった。

 

 

奥様「本当にありがとう!!化け物が現れてから兵士が次々に亡くなっていく、もうどうしようもないかと思っていたところだったのよ。」

 

暁「え、あ、いえ、力になれたのならよかったです。」

 

領主「暁君が困っているだろうが。そこまでにして落ち着け。」

 

奥様「そうね、取り乱しすぎたわ。ごめんなさいね暁君。」

 

暁「い、いえ、お気になさらず……」(びっくりした~。)

 

 

そんなことを思っていると服の袖を揺すられた。

そちらを見ると女の子が俺を見上げていた。

 

 

暁「どうしたの?」

 

女の子「こわいのやっつけてくれたの?」

 

領主「そうだぞ。暁お兄さんが怖いのやっつけてくれたんだ。」

 

男の子「ほんとに?」

 

領主「ああ。」

 

 

領主の男性が子供たちにそう言うと2人の怯えている感じが和らいだ。

 

 

暁(2人が震えていたのは異族のせいだったのか。)

 

女の子「あかつきおにいさんありがとう。」

 

男の子「ありがとう。」

 

暁「どういたしまして」

 

領主「2人とも、お父さんとお母さんは今からお兄さんと大事な話をするから自分たちのお部屋に戻っててくれるかい?」

 

女の子「はい。お父様。」

 

男の子「うん。」

 

 

子供2人は指揮官クラスの人と一緒に部屋を出た。

 

 

領主「ようやく本題に入れるな。暁君の聞きたいことってのは何なんだ?」

 

暁「化け物についてです。正確には化け物がいつ頃から現れたのか、ですね。」

 

領主「奴らがここに現れ始めたのはごく最近だ。」

 

奥様「夜唐突に兵士たちが化け物が門の外に現れたって」

 

 

そこから数十分話を聞いた。

話の中には兵士が次々に犠牲になっていく話も入っていた。

 

 

暁「そうでしたか。辛い話をさせたみたいですね、すみません。」

 

領主「別に暁君が謝ることじゃない。」

 

奥様「そうよ。あれはどうしようもないことだったのだから。」

 

暁「ですが……」

 

奥様「それより暁君はこれからどうするの?」

 

 

話が終わった時、外はすでに夕方になっていた。

 

 

暁「宿を探して明日の朝にでもここを発つつもりでいます。」

 

奥様「そう。ねぇ暁君」

 

暁「何でしょうか?」

 

奥様「もし暁君がよかったらでいいのだけれど今晩は家で夕飯を食べないかしら?そのまま泊まってくれてもいいのだけれど、どうかしら?」

 

暁「何故いきなり?」

 

奥様「正直、化け物からこの街を助けていただいたのにお礼を言うだけでは物足りない感じがしていたの。だからせめてご飯と床に就いてもらおうと考えたのだけど、無理にとは言いません。」

 

暁「そういうことなら、ご厚意に甘えさせてもらいます。」

 

 

それから俺はご飯を頂き、部屋まで貸してもらえた。

部屋に入るやそのままベッドに倒れこんだ。

仲間たちと別行動をし始めてからというものまともに休憩を取っていなかった。

 

 

暁「流石に疲れたな。」

 

 

俺はそのまま深い眠りへと入っていった。

 

少ししてから目が覚めた。

辺りを見回すと真っ暗で何も見えない。

 

 

暁「この感じ、前と同じだ。」

 

 

そう黒いティルフィングと出会った場所、俺はその時のことを思い出した。

 

 

暁「いるのか?」

 

 

俺が問うと、

 

 

???「やはり再び会うことになりましたね。」

 

 

後ろからそう返答してきた。

 

 

ティルフィング(黒)「やっと、自分の気持ちに気付いたんですね。」

 

暁「別のそういうわけじゃ……」

 

ティルフィング(黒)「それではなぜ、仲間たちから離れたのですか?」

 

暁「それは………」

 

 

俺は黒いティルフィングの問いに答えられなかった。

 

雷とカミトとの戦闘で負けたときいつもは感じないはずの力の差というものを感じた。

俺はずっとその事を考えつつ、どうやって埋めていくのかも考えた。

だが考えれば考えるほど苦しくなっていった。

誰にも相談せず、ただ自分の力だけで解決しようとする。そのせいもあるだろう。

ドラグノフに図星を突かれたとき、心に余裕がなく、いっぱいいっぱいの状態の俺は仲間に怒鳴り距離を取ることを選んだ。

 

 

ティルフィング(黒)「やはり答えられないのですね。」

 

 

黒いティルフィングは俺の隣に立つと一言告げる。

 

 

ティルフィング(黒)「でもこれであなたは力を得られます。」

 

暁「何を言って………」

 

 

すると足元が沈みだした。

 

 

暁「なっ!?」

 

ティルフィング(黒)「さあ、堕ちちゃってください。」

 

 

どんどんと沈んでいく

 

もがいても出れる様子はなく逆に沈むのが速くなっている

 

ものの数分で俺は水中(?)のようなところに完全に沈んでしまった

 

辺りが真っ暗なのは変わらない

 

意識がだんだんと朦朧(もうろう)としてくる

 

止まることなく沈む

 

俺は朦朧とする意識の中手を伸ばすが誰もその手を取ってはくれなかった

 

そして意識は考えるのを止めると同時に途切れた

 

 

ティルフィング(黒)「あなたはもっと強くなれます。ただそれには仲間なんて不確かなものは必要がありません。」

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 

 

朝日が昇り始めたころ──────

 

 

???「おはようございます。マスター」

 

暁「おはよう。グリード」

 

グリード「これからどうなされますか?」

 

暁「決まっている。力を手に入れるために異族を狩りに行く。邪魔するものは力で捻じ伏せる。」

 

グリード「出発の準備はできいています。」

 

暁「ああ。」

 

 

泊めてもらったお礼の手紙を置いて、俺は町を出た。

 

 

 

 

 




暁「最近大城の姿を見ないんだが誰か知らないか?」

マサムネ「大城なら自室にてずっとPCと睨めっこしているみたいだぞ」

暁「アイツ大丈夫なのか?」

ティルフィング「昨日無理はしないように注意はしたんですけど」

ドラグノフ「相変わらずのようなのだ」

雷「そういえばこの前リンとミレイと一緒に見に行ったんだけど・・・」

暁「どうしたんだ?」

雷「結構カオスな状況だったぞ。」


全員『あっ』(察し)


暁「今度アイツに差し入れでも持って行くか~」

ティルフィング「お供しますね。」

ドラグノフ「体調を崩さなければいいのだがな」

全員『・・・。』(頼むから倒れるなんてことだけはやめてくれよ……)


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第40話 届かぬ声

大城「早速ゲスト紹介です。カミトとクレアさんです。」

クレア「よろしくね。」

カミト「よろしく。」

クレア「それにしても大城、投稿遅れるの癖になってないかしら?」

大城「癖になりかけ……なってるような気がします。」

カミト「直していかないとダメだろ。」

大城「分かっているんですがどうも創作意欲がわかないんですよね」

カミト「作者として致命傷じゃねぇか!!」

クレア「諦めなさいカミト、大城はそういう人物よ。」

大城「ぐうの音の出ずに、読者の皆様、投稿遅れて申し訳ありませんでした。それでは注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、キャラ崩壊など


カミト「これらが大丈夫な読者の皆様は」

クレア「楽しんで読んでください。」





~~ 雷side ~~

 

ファーレンガルト領を出た俺たちは領を出る前に街で暁の聞き込みをしていた。

その時に暁から「ここから近い街を教えてくれ」と聞かれた人物に話を聞くことができていた。

 

 

雷「間に合うと思うか?」

 

ドラグノフ「私たちがファーレンガルトの領を出てすでに数日が経っている。まあ、普通に考えれば暁に追いつくことは不可能だろうな。」

 

ミレイ*1「でも、諦めたりしないわよね?」

 

雷「当たり前だ。こちとら言いたいことが山積みなんだ。それに……」

 

 

俺は途中で言うのを止めてキル姫たちを見た。

そして言葉を続ける。

 

 

雷「アイツには目を覚ましてもらわないと」

 

ドラグノフ「確かにそうだな。」

 

 

俺とドラグノフは後ろに視線を送った。

ティルフィング達はやはりどこか上の空だった。

 

 

クレア「やっぱり一夜明けただけじゃダメよね。」

 

リンスレット「キル姫の皆さんを見ていて心苦しくなりますわ。」

 

エリス「だな。」

 

カミト「早く暁に追いつかないとな。」

 

フィアナ「そうね。……見えてきたわよ。あの街じゃないかしら?」

 

 

俺達は聞き込みで得た情報の街が見えた。

 

 

雷「やっと見えたな。」

 

ドラグノフ「あの街でも情報を集めるのだろ?」

 

雷「当然。」

 

ムイ*2「ここでは検問があるみたいだな」

 

 

俺達が門の近くまで来ると1人の兵士が止めてきた。

 

 

兵士C「止まれ!! お前たち何者だ!?」

 

カミト「俺たちはアレイシア精霊学院から来た。これがその証だ。」

 

 

ここに来るまでにも何度か見せてきたグレイワース学院長特製の生徒証のようなモノと異族に関する依頼書をカミトは見せた。

生徒証のようなモノには暁、俺、カミト、クレア、リンスレット、フィアナ、エリス、エストがアレイシア精霊学院の生徒であることが書かれ、書かれていない者たちは暁又は俺の精霊である。と書かれてある。それと本人の印も付けられている。

 

 

兵士C「こ、これは失礼いたしました!! アレイシア精霊学院から来られたのですね。」

 

カミト「別に謝らなくていいよ。あんたは仕事をしているんだから」

 

兵士C「そう言っていただけて嬉しいです。少し待ってください。領主に確認を取ります。」

 

カミト「わかった。」

 

雷「どうだった?」

 

カミト「領主に確認取るって」

 

クレア「それじゃあ少しかかりそうね。」

 

ドラグノフ「・・・・・」

 

雷「どうしたんだドラグノフ?」

 

ドラグノフ「少し前にここで戦闘があったみたいだ。」

 

エリス「本当なのか!?」

 

ドラグノフ「ああ、ほんのわずかだが異族を倒した時に出る灰が残っている。」

 

リンスレット「だとすると、ここで異族と戦闘があったってことですわね。」

 

カミト「なら、兵士が戻ってきたら聞いてみよう。」

 

クレア「そうね。」

 

 

それから5分程度して、確認を取っていた兵士がが戻ってきた。

 

 

兵士C「確認取れました。通ってもらって大丈夫です。」

 

カミト「そうか、ありがとう。」

 

兵士C「いえ、それと領主様が皆様にお会いしたいとの事なのですが・・・」

 

カミト「どうする?」

 

雷「聞きたいことがあるからな応じるべきだと思う。」

 

ドラグノフ「雷の意見に賛成だな。領主というなら暁の情報を持っているかもしれない。」

 

カミト「そうだな。そのお誘いお受けします。」

 

兵士C「私は仕事があるため他の者が領主の家まで案内しますね。」

 

 

俺達はこの兵士とは別の兵士に案内され現在領主さんの屋敷の目の前まで来ていた。

 

 

雷「これ、屋敷ってレベルじゃねぇだろ・・・」

 

兵士A「ハッハッハ、暁と同じ事言う奴がいるとはな」

 

 

全員『!!』

 

 

雷「暁を知ってるのか!?」

 

兵士A「知ってるも何もこの街を救ってくれたのは彼だよ。」

 

カミト「救ったって?」

 

領主「それは私から話そう。」

 

兵士A「領主様!!」

 

 

この街の領主が話に入ってきた

 

 

雷「暁がここを救ったって本当ですか?」

 

領主「間違いない。君たちは彼の仲間、でいいんだね?」

 

カミト「はい。」

 

 

そこから俺たちは領首と兵士Aから暁がこの街を助けた話を聞いた。

その後、暁と俺たちの関係を簡潔に説明した。

 

 

雷「ここに立ち寄った後だったか………」

 

ティルフィング「あの教えてください!! マスターは、暁は今どこに?!」

 

 

ティルフィングは暁の事が本当に心配なのだろう。

領主に暁の所在を聞いた。

 

 

領主「現在の所在については分からないが、彼はどうやらオルデシア帝国を目指しているみたいだ。どの方角に行けば着くのか、出ていく前の日に聞かれたよ。」

 

ティルフィング「そう……ですか……。」

 

領主「力になれずすまない。君たちが来ることを知っていれば引き留めていたのだが」

 

ティルフィング「いえ、謝らないでください。それに引き留めていてもマスターならきっと勝手に出ていきますから。」

 

 

少しの沈黙が訪れた。

 

 

兵士A「そういえば、えっと……ティルフィング……さん?」

 

ティルフィング「何でしょうか?」

 

兵士A「君は双子だったりしないか?」

 

ティルフィング「? いえ、私は1人ですが?」

 

 

兵士からの質問の意図がティルフィングはどういう意味か分からなかった。

だが兵士の続きの言葉で俺達は暁が居たことに次いでさらに驚くこととなる。

 

 

兵士A「そうか。」

 

ティルフィング「どうしてそのようなことを?」

 

兵士A「この街を出ていくとき、暁君の様子が来た時と変わっていたのと君に似た少女を連れていたんだよ。それが気になってね。変なことを聞いた忘れてくれ。」

 

領主「それで君たちはこれからどうするんだい?」

 

 

領主に尋ねられ空を見上げると日はすでに傾き始めていた。

 

 

雷「今から急いで向かっても追いつく可能性は低いしなぁ。」

 

ドラグノフ「とりあえずはこの街で一泊でいいのではないか?」

 

カミト「ここに暁が立ち寄っていることがわかったんだ。もしかしたら他にもアイツの情報が手に入るかもしれない。」

 

雷「それもそうだな。というわけで俺達はこのままここの宿を取ります。」

 

領主「それなら皆さん私の屋敷に泊まっていってください。暁君の仲間ということなら私の妻も子供たちも喜んで迎えてくれるでしょうし。」

 

雷「それはこちらとしても嬉しいのですがいいのですか?」

 

領主「ええ。」

 

 

というわけで俺達は領主さんの善意で屋敷に泊めてもらうことにした。

夕飯までの間、皆バラバラに行動した。

 

俺はというとこの街の住民たちにアイツ()の事を聞いて回った。

皆言うことはほとんどが「アイツが優しくいい奴」ということばかりだった。俺達に怒りをぶつけたときのアイツではなく、いつもの自分のことより他人を優先するアイツとなっていた。

だが聞いた数人の中にこの街を離れる早朝にアイツの姿を見たという人がいて、その人たちが言うにはその時のアイツは「優しい感じはなく、大切なモノをなくしたような冷たさを感じた。」そうも言っていた。

 

俺はこのことを考えながら屋敷に戻った。

 

 

ドラグノフ「戻ったのだな。」

 

雷「ああ、ただいま。」

 

ドラグノフ「どうしたのだ?」

 

雷「ん?何が?」

 

ドラグノフ「いや、考えているように見えたのでな。」

 

雷「お前にはかなわないな。」

 

ドラグノフ「私だけではないが銃姫というものは観察眼や視力はお前たちよりも優れているからな。それで、暁について何を悩んでいる。」

 

雷「実はな………」

 

 

俺はドラグノフに聞いてきた話を全て話した。

 

 

ドラグノフ「一晩明けただけでそこまで雰囲気が変わるのか?それに兵士Aが言っていたもう一人のティルフィング、何か関係がありそうだな。」

 

雷「俺もそう思っていたんだ。」

 

 

2人で考えているとフィアナがやってきた。

 

 

フィアナ「あ、いた。2人とも夕飯の準備ができたそうよ。」

 

雷「わかったよ。今考えてもしょうがないか。飯に行くか」

 

ドラグノフ「そうだな。」

 

 

飯の最中に暁の話を領主の奥さんとその子供たちから聞いた。

内容はやっぱりいつもの優しいときのアイツの話だった。

 

飯や風呂などが終わった俺達は明日に向けて眠った。

 

朝日が昇り始めたばかりでまだ少し空が暗いころ、俺達は出発の準備をしていた。

 

 

雷「こんなもんかな。他の皆は……大丈夫そうだな。」

 

ドラグノフ「うむ。」

 

カミト「大丈夫だ。」

 

ティルフィング「私たちも大丈夫です。皆さんご心配をおかけしました。」

 

クレア「本当に大丈夫なの?」

 

ティルフィング「本音を言えばまだ少し心の整理はついていませんが、これ以上下を向いているとマスターに何かしら言われかねないので。」

 

リンスレット「確かに、暁さんなら何か言いそうですわね。「湿っぽいのは嫌いだ」とか。」

 

エリス「ありえそうだな。」

 

ティルフィング「そういうことですので、私達キル姫はもう大丈夫です。」

 

 

確かにティルフィングの言う通り、キル姫皆の顔つきがいつも通りに戻っていた。

 

 

雷「それじゃあ、そろそろ出発するか。」

 

 

俺達が屋敷を出ようと玄関まで行くとそこにはすでに領主さんとその奥さんに子供たちが集まっていた。どうやら見送ってくれるようだ。

 

 

領主「もう出発するのだな。」

 

雷「ええ、一刻も早く向かいたいので。」

 

奥様「もっとお話ししたかったですわ。」

 

カミト「そのうちまたふらっと立ち寄りますよ。」

 

男の子「お別れなの?」

 

女の子「また会えますか?」

 

クレア「きっとまた会えるわ。」

 

 

俺達は挨拶を済ませ、屋敷を出た。

そして風魔法で空を飛び、オルデシア帝国に向かった。

 

 

四日ほどかけて俺達はようやくオルデシア帝国に着いた。

 

 

雷「結構しんどいな。」

 

エリス「風魔法は私の得意分野なのにお前が初日以外私達含めて飛び続けるからだろ。」

 

雷「前線でドンパチやってるエリスには少しでも体力の消耗を減らしていてほしいと思ってな。」

 

エリス「その心遣いには感謝するがそれをして君に倒れらでもしたら結局意味がないだろう。」

 

雷「それを言われると痛いです。」

 

クレア「そこまでにして頂戴。これからどうするか話したいのだけれど?」

 

 

クレアの言うことは最もだ。

帝国領土内に入れても今はやることがない。

皆のようにフィアナも家族のもとにすぐに向かうかと思えばどこか暗くなっているように見える。家族に会いに行かなくていいのか聞こうかとも思ったがあまりこういうのに踏み込まない方がいいような気がした。

 

 

雷「さてどうしたものかな?」

 

ドラグノフ「それにしても四日掛けてここまで来たがその割に立ち寄った町や村は異族との戦闘がほぼほぼなかったな。あっても数十体出てくるだけだったし」

 

雷「そういえばそうだな。」

 

クレア「暁が倒してたんじゃないの?」

 

ドラグノフ「その割には暁の話が出なかったのはおかしい。」

 

リンスレット「ただ誰にも言わないでくれって頼んだのでは?」

 

カミト「全員が全員それを言われているとは思えないな。」

 

エリス「う~む、では単に運が良かっただけということか?」

 

雷「そうだといいな。そうだと……」(どうも変な感じがして落ち着かない)

 

ドラグノフ(雷は何か感じ取っている感じか、それが吉と出るか凶と出るか………)

 

雷「それにしても腹減ったなぁ~。」

 

クレア「アンタねぇ~」

 

カミト「まあ確かにそろそろ昼時だろうしいいころじゃないか?」

 

フィアナ「それなら私がいいお店を案内するわ。」

 

雷「飯食えりゃあそれでよし。」

 

ドラグノフ「流石に感謝をしろよ。」

 

雷「感謝はしているさ。」

 

 

俺達はフィアナを先頭にフィアナのおすすめのお店に向かっていた。

 

 

ドン

 

 

フィアナ「きゃっ!」

 

 

フィアナが人とぶつかりよろけた。

 

 

雷「おっと。」

 

 

偶然その隣を歩いていた俺が受け止める形となった。

 

 

雷「大丈夫か?」

 

フィアナ「ッ!! ええ大丈夫よ。ありがとう。////」

 

 

この時フィアナの顔が少し赤くなっていた。

だが雷がそのことに気づくことはなかった。

 

 

雷「そうか。にしてもぶつかったやつ謝罪なしで行っちまったな。」

 

エリス「話を付けてこようか!!」

 

フィアナ「別に私は大丈夫なのだからそこまでしなくていいわよ。」

 

リンスレット「それにしてもこの人込みの中よくもまぁフードを深くかぶって歩けますわね。」

 

クレア「さっきの人どこかで会った気が………」

 

カミト「どうしたんだクレア?」

 

クレア「いえなんでもないわ。」

 

フィアナ「それよりお目当てのお店はすぐそこよ。」

 

 

フィアナがそう言ったときリン*3があることに気付く

 

 

リン「ティルフィング達、キル姫の皆は?」

 

 

いつの間にかキル姫の皆が居なくなってしまっていた。

 

 

~~ 雷side out ~~

 

 

 

 

~~ キル姫達 side ~~

 

現在キル姫達はフィアナとぶつかった人物を追っていた。

 

 

ティルフィング(あの感じ間違えるはずがない!!)「マスター………」

 

 

キル姫達が追いかけていた人物は人気の無い路地裏へと消えていった。

 

 

ティルフィング「これは」

 

マサムネ「間違いなく誘っておるな。」

 

ロンギヌス「で、でもここまで来て戻るわけには」

 

パラシュ「そうだね。マスターにはどうして僕たちから距離を取っているのか教えてもらわなくちゃ。僕たちはそれを知る権利がある。」

 

アルテミス「ではいきましょうか。」

 

 

私達は路地裏へと入っていった。

そして私たちは驚いた。

そこにいたのは追っていた人物ともう1人──────

 

 

ティルフィング「黒い………私……!?」

 

 

そう、そこにいたのはもう一人の私だった。

 

 

グリード「お客様のようですよマスター。」

 

 

もう1人の私がそう言うと追っていた人物がフードを取りこちらを向いた。

 

 

暁「着けていた来たのか。それで何用だ?」

 

ティルフィング「アナタはマスター……なんですよね……?」

 

 

問いかけてきた人物は確かに私達のマスターで間違いないはずなのに何故か別の人物だと思った。正確には、そう思わせるほど冷たい感じを漂わせていた。

 

 

暁「この1週間とちょっとの間で俺の顔を忘れたのか?」

 

ティルフィング「そんなことはありません。ただ………」

 

暁「ただ、なんだ?」

 

ティルフィング「いえ、その………」

 

 

あまりにも感じが変わりすぎていて頭で考えていたことがすぐに真っ白になってしまう。

 

 

暁「はぁ~、もういい。特に用がないなら俺はもう行く。」

 

ティルフィング「待って下さい!! マスター戻って来てください!!」

 

ロンギヌス「私も(みな)さんもマスターの事を本気で心配しているんですよ!!」

 

暁「それ()()を言いに来たのか?」

 

ロンギヌス「え?」

 

暁「俺はお前たちのもとに戻るつもりはさらさらない。」

 

アルテミス「・・・それは何故です?」

 

暁「俺が居るべき場所ではないと思ったからだ。」

 

パラシュ「マスター、それが君が僕たちから離れた理由ということでいいんだね?」

 

暁「そう捉えてもらって構わない。」

 

パラシュ「そうかい。」

 

フライクーゲル「マスターはどうしてもワタシたちのもとには帰ってこないの?」

 

暁「そうだ。」

 

ムラマサ「しゅ、主君!! わ、拙者はまだ主君から剣の事を何も教わっていません!!」

 

暁「お前が姉として慕っているマサムネから教わればいいじゃないか。俺に固執することは何もないはずだ。俺と出会う前はそうしてきたのだろう?」

 

ムラマサ「それは……そうですが、でも………!!」

 

マサムネ「そこまでだ。」

 

ムラマサ「姉上……」

 

 

ムラマサが何か言おうとしたがマサムネがそれを止めた。

 

 

マサムネ「主君はもう、拙者達の知る主君ではないのだな。」

 

暁「そうだ。優しい俺は()てた。」

 

 

マスターは本当に変わってしまっていた。

今のマスターに誰がどんな言葉を掛けようがその言葉は届かない。

 

 

ティルフィング「皆さん、智也(ともや)*4さん達のもとへ戻りましょう。」

 

ロンギヌス「ティルフィングさん!?」

 

アルテミス「何を言っているのですか!?」

 

マサムネ「いや、ティルフィングの言う通りだ。雷達と離れて結構経つ、今頃探し回っているだろう。それに今の主君にどんな言葉をかけても意味をなさない。」

 

アルテミス「そうかもしれませんが・・・」

 

マサムネ「主君、拙者達はこれで失礼する。」

 

暁「・・・・・ああ。」

 

 

そして私達はマスターに背を向け路地裏を出た。

 

 

ロンギヌスさんとムラマサさんはすでに泣いていた。

 

マサムネさんはムラマサさんを、パラシュさんはロンギヌスさんを抱き寄せていた。

 

フライクーゲルさんは泣くまではいかないものの、いつものテンションはなくなっていた。

 

アルテミスさんは悔しそうにしていた。

 

そして私は目頭が熱くなっていた。

理由はすぐに分かった。

いつも信頼して隣に立っていた人がもういないと分かってしまったから。

 

皆路地裏を出たところで立ち尽くしていた。

少ししてから智也さん達が私達を見つけて合流した。

 

 

~~ キル姫達side out ~~

 

 

 

*1
ドルフロキャラ:WA2000のこの作品での名前

*2
ドルフロキャラ:M16A1のこの作品での名前

*3
ドルフロキャラ:ノリンコZ75式のこの作品での名前

*4
雷の下の名前




暁「大城はどうなったんだ?」

カミト「アイツなら6月までに進みたい分が進まなかったとかで部屋で死んでる。」

クレア「確かに頑張ってはいたものね。」

リンスレット「でも途中で書くの止まっていたじゃない。」

エリス「流石に三回目の夜通しではネタが出なくなったのだろうな。」

フィアナ「その時大城の部屋から「考えていたネタが頭から消えたーー!! あぁぁぁーーーー!!」って聞こえてきたもの」

雷「アイツ・・・、ドンマイ。」

大城「(´・ω・`)」

暁「出てきて大丈夫なのかよ」

大城「続き書きに戻ります。」

雷「また、発狂すんなよ・・・」

大城「善処します。」


大城log out


クレア「流石にちょっと心配になって来るわね。」

フィアナ「とりあえず無事を祈りましょう。」



※ 感想がございましたらよろしくお願いします。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第41話 本当の心

大城「どうも作者です。すみませんが今回は前書きと後書きを飛ばさせていただきます。というわけでこのまま注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、キャラ崩壊など


大城「大丈夫な読者の皆様は楽しんで読んでください。」





~~ 暁side ~~

 

ティルフィング達が俺との話を切り上げ路地裏から出て行った。

 

 

グリード「あんな対応をして、よかったのですか?」

 

暁「あれでいいんだ。あれで」

 

グリード「後悔しているくせに」

 

暁「後悔など……」

 

グリード「言っておきますがマスター、私はあなたの心から生まれた存在です。あなたの心がこちらに流れてきているということを忘れないでください。」

 

暁「………、それでも俺は………」

 

グリード「それも分かっています。自分の意志で心を閉ざしたのだということも、閉ざした理由があの子たちを危険にさらさないようにしようとしていることも。」

 

暁「ならもういいだろ、準備のために宿に行くぞ。」

 

 

俺は路地裏から出るために歩き出した。

 

 

グリード「ほんと、不器用なマスターですね。あの子たちはそんなこと気にしないでしょうに」

 

 

グリードは暁に聞こえない声でそうつぶやいた。

そして、暁の後を追うのだった。

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 

 

 

~~ 雷side ~~

 

俺達がティルフィング達を探し始めて小一時間ほど経過していた。

 

 

リン「見つけた!!」

 

 

どうやらリンが見つけたようだ。

 

俺達はリンに付いて行った。

 

そこには確かにキル姫の皆がいた。

だがどこか様子がおかしかった。

傍に行くとロンギヌスとムラマサが泣いていた。

他の者達も悲しさを顔に出していた。

 

 

雷「一体、何があったんだ?」

 

ドラグノフ「ただ事ではないのは見て直ぐに分かる。」

 

クレア「皆を連れてここを離れましょう。」

 

リンスレット「そうですわね。ここは目立ちすぎますわ。」

 

 

辺りを見回すと通行人やら商人やらがこちらを見ていた。

俺達はキル姫達を連れて人気の少ない、一息つける場所に移動した。

移動を含め、小一時間ほどしてやっとキル姫の皆が落ち着きを取り戻してきた。

 

 

雷「何があったのか話してくれないか?」

 

 

正直、今の状況で聞ける話ではないことは重々承知しているが、何故か今聞いておかなければいけない気がした。だから俺はキル姫達に尋ねた。

 

聞いてから数十分の間沈黙が訪れた。

話すべきかどうか悩んでいたのだろう。結果として彼女たちは口を開いてくれた。

 

 

ティルフィング「マスターと……会いました。」

 

雷「アイツがいたのか!?」

 

ティルフィング「はい。」

 

マサムネ「フィアナとぶつかった人物がいただろう。」

 

雷「ああ、フードを深くかぶっていて顔は見えなかったが」

 

パラシュ「その人物がマスターだったんだよ。」

 

リンスレット「それは本当ですの!?」

 

パラシュ「うん。」

 

クレア「やっぱりそうだったのね。」

 

カミト「クレア、気づいていたのか?」

 

エリス「何故それを私達に言ってくれなかったのだ?」

 

クレア「確証がなかったのよ。ほんの一瞬だけ顔が見えただけだったから」

 

ドラグノフ「ティルフィング達はどうしてアイツが暁だと分かったんだ?」

 

リン「そういえばそうだね。見た目や雰囲気が全然違っていたのにどうして分かったんだい?」

 

ティルフィング「うまく説明はできません。あの時はそう感じたとしか……」

 

マサムネ「しいて言うならば、主君独特のどこか優しい感じが残っていた。」

 

ドラグノフ「お前たちにしか感じない何かがあった、ということなのだろうな。」

 

 

それから俺達は暁と会って何を見たのか、そして何を聞いたのか、ティルフィング達に聞いた。

ティルフィング達は要所要所で口ごもったりしたがちゃんと話してくれた。

 

 

雷「そろそろマジで一発殴りたいのだが?」

 

ドラグノフ「正直私も同じ気持ちだ。だがどうしてそこまでして我々を避ける?」

 

フィアナ「話を聞く限りだと、力を手に入れるのに私達が邪魔だからじゃないの?」

 

ドラグノフ「確かに話をまとめるとそうだろうな。」

 

雷「ドラグノフ、何が言いたいんだ?」

 

ムイ*1「ドラグノフの言いたいことがわかった気がする。」

 

シィ*2「私も。」

 

ムイ「簡単な話だ。力を手にしたのであれば利用すればいいではないか。」

 

ドラグノフ「うむ、暁がそのことに気付かないはずがない。」

 

カミト「じゃあ、別の理由があると?」

 

ドラグノフ「これこそ確証の無い話だがな。だが一つ言えることは、暁の本来の力が発揮されるのは1人で戦い続けることではなく、ティルフィングやマサムネ、キル姫達と共に戦ってこそだと言える。」

 

雷「確かにそうだな。」

 

ロンギヌス「皆さんはそう言いますが、マスターは私達をすでに見放しています。私自身マスターを信じ続けることができません。」

 

アルテミス「私もそうですね。あの時の言葉に嘘偽りがないと思います。」

 

フライクーゲル「マスターはワタシ達をもう必要としていない。」

 

 

暁の態度を受けたキル姫達は最初の頃より暗くなっていく。

今の彼女たちにいったいどんな言葉を掛ければ元気を取り戻してくれるのだろうか。

俺達は言葉を探すが見つからなかった。

 

 

ティルフィング「私は、もう少しマスターを信じます。」

 

 

ティルフィングは俯きながらもそう言った。

 

 

ロンギヌス「ティルフィングさんはどうしてそこまで信じ続けることができるんですか?」

 

 

ロンギヌスのティルフィングに対する言葉は誰もが思った事だった。

あれだけ突き放され続けたのにどうしてそこまで彼を信じ続けられるのか、諦めて彼から離れようと考えないのか。彼女の予想外の言葉で全員驚く。

 

 

ティルフィング「私が信じ続けられる理由ですか……、正直なところ私自身も分かりません。私の心がそうしたいと言っているだけで、そうですね。一つ言えることがあるのなら、マスターを一人にしてあげたくないというところでしょうか。」

 

ロンギヌス「ティルフィングさんは強いですね。」

 

ティルフィング「私は強くないですよ。」

 

ロンギヌス「でもマスターを信じ続けられているじゃないですか、それを強さと言わないのなら何だと……」

 

ティルフィング「私は本当に強くなんかないんです。信じ続けているのは自分が傷つきたくないからですよ。それは強さではなくただ逃げているだけなんですよ。」

 

ドラグノフ「逃げることは悪いことではない。」

 

 

ドラグノフはそう言った。

 

 

ティルフィング「逃げることが悪いことではない?」

 

ドラグノフ「そうだ。誰しも必ず逃げることを体験する。それがいつなのかは分からないがな。」

 

ティルフィング「ですが私は……」

 

ドラグノフ「自分が逃げれば暁が一人になるとでもいうのか?」

 

ティルフィング「!?」

 

ドラグノフ「ティルフィングよ。私達の仲は悩みの一つや二つ、共有できない仲なのか?私達は信用に足らない仲間なのか?」

 

ティルフィング「そんなことはないです!!」

 

ドラグノフ「ならば言わせてもらおう。暁と共にいるのはもうお前だけではない!!確かに暁にはお前の存在は欠かせないものだろうが今はお前だけが暁を支え、支えられる関係ではないのだ!!お前が、お前たちが困っているのならそれを解決するためにここにいる者達は全力で手を貸してくれる。それを分かってもらいたい。」

 

 

ドラグノフの言葉とともに俺や他の銃姫たちは頷いた。

そして見ず知らずの俺達に力を貸してくれているカミト達もその言葉に強く頷いた。

それを目にしたティルフィングは今まで我慢していたであろう涙を流し始めた。

 

 

ティルフィング「皆さん……本当に……ありがとう……ござい……ます……。」

 

 

これで少しはティルフィングの肩の荷が下りてくれていることを俺は願う。

 

 

ロンギヌス「ティルフィングさん」

 

ティルフィング「はい、何でしょうか?」

 

 

ロンギヌスの問いかけに涙をぬぐって答える。

 

 

ロンギヌス「私も、もう少しマスターを信じたいと思います。」

 

ティルフィング「えっ……」

 

ロンギヌス「皆さんとなら、まだ信じられる気がするんです。」

 

ティルフィング「でも、心に付く傷はもっと大きなものになるかもしれませんよ?」

 

ロンギヌス「そうですね。確かにこれ以上傷つくのは嫌です。」

 

ティルフィング「それなら別に……ロンギヌス「でも」」

 

 

ロンギヌスはティルフィングの言葉を遮って自分の言葉を続けた。

 

 

ロンギヌス「自分の本当の気持ちを告げずに嫌われるのは嫌ですから。」

 

ティルフィング「それって」

 

ロンギヌス「もう一度チャンスがあるのなら私はマスターに「好き」だと伝えます。」

 

リン「この前と同じ結果をたどるんじゃないの?」

 

ロンギヌス「うぅ~、次は大丈夫!!………のはず………」

 

リン「そこは確信持ってほしかったなぁ~。」

 

フライクーゲル「ロンギヌスの言葉はもっともネ。ワタシも目が覚めたわ。ワタシもマスターをもう少し信じてそして「好き」だと伝えたいネ。」

 

アルテミス「そう言うことなら私もです。ともにいた時間はあなたたちより短いかもしれませんが、マスターの事は「好き」だと言えます。」

 

パラシュ「皆抜け目ないね。」

 

ミレイ*3「そういうあなたは違うの?」

 

パラシュ「さあ、どうだろうね。」

 

ミレイ「前に言われたことそのままそっくり返しすわ。素直になりなさいな。」

 

パラシュ「まさか君に言われるとはね。でも確かにそうなのかもしれないね。」

 

 

少しずつだがキル姫皆の顔が元に戻って行く。

それでも皆きっと裏のどこかでは信じない方がいいのではないかと思っているだろう。

でもやっぱり暁の契約姫だな。

皆悩むより行動をしようと考えているようだった。

俺は良くも悪くもアイツ()を羨ましく思った。

 

 

クレア「暗い話はここまでにしましょう。」

 

 

クレアはこれ以上の話は気分が元に戻ってしまうと思ったのだろう。話題をそらした。

 

 

クレア「さて、私達はご飯も宿(やど)も取っていないわけだけどどうするよ。」

 

雷「うげ、忘れてた。思い出したせいで腹減ってきた。」

 

 

するとフィアナがため息交じりで提案してきた。

 

 

フィアナ「仕方がないわね。私の(うち)に案内するわ。」

 

雷「えっ!?」

 

フィアナ「どうしてそこまで驚いてるのよ?」

 

雷「いや~、何かしら家の人とあるから戻りにくいのかなぁ~と思っていたから。」

 

フィアナ「まあ確かに一度そんなことはあったけど今は大丈夫よ。」

 

雷(あったんだ。)

 

フィアナ「それでどうする。行くの?行かないの?」

 

雷「行きます。というかお願いします。」

 

ドラグノフ「時々、雷と暁を交換してほしいと思うのは私だけだろうか・・・」

 

ティルフィング「智也さんに聞こえたら悲しみますよ。」

 

カミト「それじゃあ、フィアナの家にご厄介になりますか。」

 

クレア「そうね。というかそれしか道はないと思うわ。」

 

 

俺達がフィアナの屋敷に着く頃はすでに夜を迎えていた。

家族はいろいろ忙しくあまり家に顔を出さないとの事だった。

 

俺達はご飯を頂いたら部屋を案内され、それぞれ床に就くのだった。

 

 

~~ 雷side out ~~

 

 

 

 

 

*1
ドルフロキャラ:M16A1のこの作品での名前

*2
ドルフロキャラ:M4A1のこの作品での名前

*3
ドルフロキャラ:WA2000のこの作品での名前







※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第42話 突然の嵐

大城「皆さんどうもです。今回のゲストは雷とフィアナさんです。」

雷「よろしくな。」

フィアナ「よろしくね。」

雷「大城、目標まで間に合いそうか?」

大城「今まさに追い込みかけて頑張ってます。」

フィアナ「ほどほどにしなさいよ?」

大城「そうも言ってられないので鞭打ってでも書きます。」

雷「お前・・・」

フィアナ「大城、そこまでして私たちに何を着させたいの?」

大城「秘密です。」

フィアナ「む~」

大城「秘密なものは秘密です。では注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、キャラ崩壊など


雷「これらが大丈夫な読者の皆様は」

フィアナ「楽しんで読んでください。」





~~ 雷side ~~

 

フィアナの屋敷に泊めてもらってすでに3日が経った。

この3日間で異族の襲撃はなかった。

しかもそれはここだけではない他の地域での町は村でも異族の襲撃が確認されなかったという。

人々は完全に安心しきっていた。

 

 

雷「これは絶対、嵐の前の静けさってやつだよな。」

 

フィアナ「今までの事を考えれば、そう考えるのが妥当よね。」

 

雷「俺達はそう言う考えができるが一般人からするとそうもいかないよな。」

 

フィアナ「そうね。」

 

 

俺はただいまフィアナと買い出しをしていた。

フィアナの屋敷のメイドがお昼ご飯の買い忘れがあるとの事で最初はフィアナ1人で行くつもりだったみたいだが、ちょうど外にいた俺がそれに気づいて付いて来ているしだいだ。

自分の領地と言えど女の子を一人で歩かせるわけにはいかんだろう。

 

 

フィアナ「着いたわよ。」

 

 

どうやら目当ての店に付いたようだ。

 

 

雷「何買うんだ?」

 

フィアナ「じゃが芋と人参よ。」

 

雷「ということは、今日の昼飯はカレーかぁ~。」

 

フィアナ「残念、正解はホワイトシチューよ。」

 

雷「その考えはなかった。」

 

 

などと話をしていると、奥にいた男性店員が出てきた。

 

 

男性店員「王女殿下じゃありませんか!!いらっしゃいませ。何をお探しで?」

 

フィアナ「じゃが芋と人参を売ってほしいのだけれど」

 

男性店員「何個でしょうか?」

 

フィアナ「それぞれ十個ずつお願いするわ。」

 

 

ここまで買い物は順調だった。

後はお金を渡して、引き上げるだけだったのだが、男性店員は最後に一言ぶっこんできた。

 

 

男性店員「そういえば王女殿下」

 

フィアナ「何かしら?」

 

男性店員「そちらにいる男性は()()さんですかい?」

 

 

この言葉を聞いた瞬間、俺とフィアナの時間が一瞬止まった。

 

 

フィアナ「そんなわけないじゃない!!///」

 

 

フィアナは男性店員に必死に否定している。

 

 

男性店員「私の勘違いですかい。それは失礼いたしました。これはそのお詫びです。」

 

 

そう言って男性店員は果物をいくつか入れてくれた。

お金を払い終えて俺とフィアナは屋敷に歩み始めた。帰りはあの店員のせいで気まずい空気となってしまい、一言もしゃべらずに帰った。

帰っている最中、フィアナをちらっと見たが顔を真っ赤にしていた。

屋敷に戻るとフィアナはそそくさと厨房の方へと向かって行った。

 

 

雷「はぁ~。」

 

ドラグノフ「どうしたのだため息なんかついて。」

 

雷「いや、ちょっとな。」

 

ドラグノフ「溜め息ばっかりついていると幸せが逃げてしまうぞ?」

 

雷「そう言うこと言わないでくれ結構気にするから。」

 

ドラグノフ「意外だな。お前の事だから気にしないと思っていたのだが」

 

雷「暁は気にしないだろうが、俺は気にするんだよ。というか、そんな話をしに出迎えをしに来たわけではないんだろ?」

 

ドラグノフ「そうだった。それで街の様子はどうだった?」

 

雷「皆、完全に平和だと思ってるよ。」

 

ドラグノフ「異族の目撃情報が無くなったのだからな。仕方ない」

 

雷「そろそろ現れそうなんだがな。」

 

ドラグノフ「たまに外の様子を見に行くが、これといった違和感がないのが違和感というか。」

 

 

ドラグノフと異族の話をしているとメイドが一人こっちに来た。

お昼ご飯の用意ができたため呼びに来たみたいだ。

 

 

メイド「ご飯の準備ができましたので及びに来ました。」

 

雷「わかった。すぐに向かうよ。」

 

ドラグノフ「私もそうしよう。」

 

 

俺達は一旦話を止めてダイニングに向かった。

俺とドラグノフが着くとまだ集まってはいなく、フィアナとメイド数人が食器やら料理を配膳していた。

 

 

雷「結構量あるみたいだな、手伝うよ。」

 

メイド「お客様!?お客様は座ってお待ちください。」

 

雷「そうは言われてもなぁ。」

 

フィアナ「その人はじっとできない人なのよ。配膳ぐらいはやらせてあげて。」

 

メイド「お嬢様がそうおっしゃるなら。」

 

 

メイドからの許しも出て俺は配膳の手伝いをした。

 

 

ドラグノフ「珍しいな。お前が手伝うなんて」

 

雷「いいだろ、たまには。」

 

ドラグノフ「たまには、ねぇ~。」

 

雷「何だよ。」

 

ドラグノフ「いや、ちょっと面白くもあり少々悔しくもあるって話さ。」

 

雷「何言ってんだお前?」

 

ドラグノフ「お前にはわからない話さ。」

 

雷「?」

 

 

俺にはドラグノフの言葉の本当の意味が分からなかった。

 

配膳が終わる頃には皆集まり終えていた。

 

 

クレア「雷が手伝っているのは違和感しかないわね。」

 

リンスレット「明日は豪雨ですわね。」

 

雷「言いたい放題嫌がって」

 

リン「それだけ雷が手伝っているのがおかしいんだよ。」

 

雷「チクショウメー!!」

 

フィアナ「はいはい、その辺にして食べましょうよ。」

 

 

お昼を食べ終わり、俺は部屋に戻り昼寝をしようと考え目を瞑ったが眠れなかった。

 

 

雷「いつもは寝れるんだがな。また外に出るか」

 

 

俺は外に出ることにした。

 

 

雷「まだ日が高いな。」

 

カミト「雷じゃないか。何してるんだ?」

 

雷「昼飯食ったから寝るつもりだったんだがどうも寝付けなくてな。とりあえず外に出てきただけ、これと言って何かをするつもりはないよ。」

 

カミト「それなら俺の訓練に付き合ってくれないか?」

 

雷「やる事ないし、面白そう。乗った!!」

 

カミト「そう来なくちゃな。場所まで案内するよ。」

 

 

俺はカミトに連れられてカミトが訓練しているという場所まで案内してもらった。

案内された場所には俺以外の全員が揃っていた。

 

 

雷「あれ?皆いるじゃん。」

 

カミト「それが最初は俺達チーム・スカーレットのメンツだけでやっていたんだけどな。後々銃姫達がやって来たんだよ。ついでだから訓練に付き合ってもらってたんだ。」

 

雷「これ、俺いらなくね?」

 

カミト「まあそう言わずに付き合ってくれよ。」

 

雷「ま、いっか。俺も・・・」

 

 

俺もカミト達の訓練に参加しようとした時だった──────────

 

 

???「フィアナっ!!フィアナは無事か!!」

 

 

男性が大声でフィアナの名を叫びつつこちらに向かってきた。

 

 

フィアナ「お父様!?」

 

フィアナの父(仮)「フィアナ、無事であったか。」

 

 

フィアナが父といった人物は本人が無事だと分かったとたん安心しきった顔をしていた。

 

 

フィアナ「お父様、そんなに慌ててどうされたのですか?」

 

フィアナの父(仮)「そうだ、実はさっきこちらに大群の化け物が向かっていると護衛の騎士達から報告があってな。急いでこちらに向かってきた次第なのだ。」

 

フィアナ「何ですって!?お父様、その化け物は白くて仮面を着けていましたか?」

 

フィアナの父(仮)「報告には確かにそのような特徴もあったな。」

 

雷「確定だな。」

 

フィアナの父(仮)「む?そういえばカミト殿がいるではないか。それに見覚えのない顔もあるな。」

 

カミト「お久しぶりです。アウグスト皇帝」

 

アウグスト「うむ。それでそちらの者達は」

 

フィアナ「紹介するわね。雷 智也君と雷君の契約姫の皆よ。分け合って今は供に行動しているの。」

 

アウグスト「そうであったか。私はフィアナの父でこのオルデシア帝国の皇帝、アウグスト・レイ・オルデシアである。」

 

 

アウグスト皇帝とこちらに向かっている異族について話していると血相を変えた兵士が向かってきた。兵士はアウグスト皇帝の前で膝をつき、報告する。その報告内容は驚くものばかりだった。

 

 

兵士「報告します!!大群の化け物がこちらに進行中、すでに目視できる範囲まで来ております。さらに、大群の化け物どもの中には精霊刻印と思われる模様を確認、魔精霊の姿も確認いたしました。」

 

アウグスト「それは……本当か……」

 

兵士「残念ですが間違いありません。現在、兵士総動員して戦闘を行っておりますが数的不利で押され続けています。いつまで持つか分かりません。それともう一つ報告しておきたいことが」

 

アウグスト「それは何だ、申してみよ。」

 

兵士「こちらに向かう前、少年と少女が戦闘に参加、只今大群の化け物と魔精霊を同時に相手をして進行を阻止してくれています。」

 

全員『!!』

 

アウグスト「そうか。その者に感謝しなければならないな。」

 

雷「なあ、その少年と供にしていた少女の特徴を教えてくれないか?」

 

兵士「黒い服装にピンクの髪をしていました。そこにいらっしゃる方と瓜二つでした。」

 

 

そう言って兵士はティルフィングを指さした。

これで俺達は確信した。戦闘に参加しているのは暁とティルフィングの話に出てきたグリードという少女で間違いがないと。

 

 

カミト「雷、すぐに向かおう!!」

 

雷「ああ!!」

 

 

俺とカミトは走り出した。

 

 

クレア「待ちなさいよカミト!!」

 

リンスレット「カミトさん!?」

 

ドラグノフ「我々も向かうぞ!!」

 

 

その後も皆走って俺とカミトの後ろから付いてくる。

 

 

フィアナ「お父様、私も行きますね。」

 

アウグスト「フィアナ、無事に帰ってくるのだぞ。」

 

フィアナ「はい。」

 

 

フィアナも父であるアウグスト皇帝に一言告げて俺達の後を追う。

 

街に出ると異族の事を聞いた人々が逃げ回っている。

 

 

雷「こうなるだろうとは思っていたが」

 

カミト「急いで戦闘に参加しないと」

 

エスト「カミト、魔精霊の気配がすごいことになっています。数がどんどん増えています。」

 

カミト「それは本当か!?」

 

エスト「間違いありません。10……15……30……、増える量も増えてます。」

 

クレア「こんなところで立ち止まってないで急ぐわよ!!」

 

 

俺達はまた走り出した。

 

門の近くまで来ると兵士たちは慌しく動き回っていた。

後ろで休んでいるのは重傷者ばかりだった。

指示し続ける一人の兵士に俺は声を掛け、他の怪我人の事を聞くと人手が足りないとの事で軽症者は戦闘に参加し続けているとの事だった。

俺はすぐさま兵士全体を後ろに下げるように言ったが聞いてはくれなかった。

 

 

雷「ああもう!!こんなところで時間くっている場合じゃないってのに!!」

 

フィアナ「私に任せて。」

 

 

フィアナはそう言うと指示を出していた兵士に後ろに下がるよう言ってくれた。

 

 

フィアナ「これでいいかしら?」

 

雷「ありがとう。助かった」

 

 

兵士が後ろに下がっているのを確認すると同時に、足止めをこなしている者の姿も見つけることができた。独りの少年と1人の少女が戦闘をしていた。

 

 

雷「見つけた。というか流石に数が多すぎじゃないか?」

 

カミト「本当に嵐の前の静けさだったな。」

 

エスト「カミト、暁と供にいる少女ですがティルフィング達とは違う存在です。」

 

カミト「どういう意味だ?」

 

エスト「見た目や能力は確かにティルフィング達キル姫と同じですが気配がキル姫の皆さんではなく、どちらかと言えば暁に近い気配がします。」

 

カミト「気になるな。」

 

エリス「どうやら私達に気付いたみたいだ。来るぞ!!」

 

 

異族はそのまま暁と戦闘を続けるが魔精霊がこちらに向かってきた。

黒いティルフィングが魔精霊を追いかけこちらに来る。

どうやら、異族の担当は暁で、魔精霊の担当が黒いティルフィングのようだ。

 

 

カミト「行くぞエスト!!」

 

エスト「はい。私はカミトの剣、あなたが望むままに」

 

カミト「冷徹なる鋼の女王、魔を滅する聖剣よ、鋼の剣となりて我が手に力を!!」

 

 

カミトの詠唱とともにエストは本来の姿の剣となり、戦闘の体制に入った。

俺もRPG-7Bを創り出して戦闘態勢に入った。

 

 

グリード「皆さん来たんですね。」

 

雷「当たり前だ!!」

 

 

ティルフィング達は一刻でも早く暁のもとへ向かいたいのだろうが数多くの魔精霊がその行く手を阻む。暁はこちらを向くことはなくただただ異族を倒し続けていた。

 

 

雷(アイツ、本当に変わっちまっていたんだな……)

 

ドラグノフ「暁の事を考えるのはいいが戦闘に集中してくれないか?」

 

雷「悪い。銃技、超多弾頭ミサイル!!」

 

 

超大型のミサイル弾を空めがけて撃ち放った。

ある程度の高さまで上がった超大型のミサイル弾は分裂、中から無数の小型のミサイル弾が飛び出した。飛び出した無数の小型のミサイル弾は魔精霊に向かって飛んで行き、命中した。

命中した魔精霊は灰となって消滅した。

今ので5体は倒したのだがまだまだ魔精霊は襲ってくる。

 

 

雷「もう一発くらえや!!」

 

 

俺は連発で銃技、超多弾頭ミサイルを放った。

今回は6体消滅させた。やはり減った感じがしない。

 

魔精霊に後ろを取られた俺は気付くのに遅れた。

 

 

雷「しまった!!」

 

フィアナ「汝、人の子の王に仕えし剣聖の騎士よ、古き血の契約に従い、我を護る剣となりて我がもとに馳せ参じたまえ!! お願いゲオルギウス!!」

 

 

フィアナの契約精霊のゲオルギウス盾によって俺に迫っていた魔精霊は防がれた。

 

 

雷「銃技、ブリザードボム!!」

 

 

狙いはもちろんゲオルギウスが抑えてくれている魔精霊だ。

氷属性が付与された弾はその魔精霊に命中、消滅した。

 

 

雷「フィアナ助かった。」

 

フィアナ「私にはこれぐらいしかできないもの。」

 

雷「さっき守ってもらったからな。俺もお前をしっかり守ってやる。」

 

フィアナ「/// じゃあお願いするわ!」

 

雷「任せろ。」

 

 

フィアナと喋っているとドラグノフが来た。

 

 

ドラグノフ「こんな戦況で、イチャコラできる余裕があるとはな。」

 

雷「イチャコラって、それより何の用だ?そんな冗談を言いに来たわけじゃないんだろ?」

 

ドラグノフ「それだけだが?」

 

雷「・・・・・」

 

ドラグノフ「冗談だ。さっきカミト達にも話したのだがティルフィング達が暁に意識を持って行かれ過ぎていてこちらの戦闘に集中できていないようなんだ。」

 

雷「予想はしていたがやっぱりか」

 

 

魔精霊と戦闘をしながらも会話は続く

 

 

フィアナ「雷くん、どうにかできないかしら?」

 

雷「そう言われてもな~」

 

リン「雷、私の力を使いなさい。そうすればロンギヌス達を暁の所に向かわせられるでしょ。」

 

 

俺が案を考えているとリンがこちらに来てそう言ってきた。

 

 

フィアナ「それは本当なの?」

 

雷「確かに、【あれ】を使えば道を開けることもこの窮地を少しは楽にできるかもしれないが・・・いや、悩むだけ無駄だな。それに、困っているときは全力で助けるって言ったしな。分かったやってやろう。」

 

リン「そう来なくっちゃ。」

 

 

俺はフィアナに少し距離を取ってもらい、ドラグノフには護衛とティルフィング達に念話(テレパシー)で暁のもとに向かうように指示してもらった。

そして、俺が【あれ】のために武器をしまいリンと手を握る。

【あれ】とはフィアナと出会ったときにドラグノフに使った魔銃モード*1の事である。

魔銃モードを使用するときは契約者と契約姫の魔力回路を一つにすることで使用可能となる。その際はお互いに触れあっている必要性がある。

 

 

雷「始めるぞ。」

 

リン「うん。」

 

 

足元に魔法陣が現れリンの体が光りだす。

そして数分後、光が強くなった。だがそれはすぐに収まった。

 

 

雷「終了だ」

 

ドラグノフ「うまくいったみたいだな。」

 

雷「ああ。」

 

 

魔精霊が正面から2体同時に襲ってくる。

 

 

グオォォォォォォォ

 

 

雷「銃技、トリプルエネルギー弾×2!!」

 

 

6つのエネルギー弾は3つずつそれぞれの魔精霊に飛んで行き命中、消滅させた。

 

 

雷「相変わらず2丁拳銃は強いな。」

 

リン「お褒めに預かり光栄だね。」

 

ドラグノフ「雷、ティルフィング達に話した。いつでも行けるぞ。」

 

雷「わかった。」

 

 

ティルフィング達を暁のもとに向かわせる準備が終わり決行しようとしたとき黒いティルフィング、グリードがこちらに来た。邪魔をされるのかと思いきや彼女は「協力する」と言い出した。

 

 

雷「どういうつもりだ?」

 

グリード「彼女達と話していた時のマスターを見て思ったんです。彼は1人では強くなれないと、誰かと共に成長していくからマスターは強くなれるんだと。だから彼女達にはマスターのもとに向かってもらいたいのです。」

 

雷「お前は、本当にそれを望んでいるのか?」

 

グリード「はい。」

 

雷「わかった。ならお前も暁のもとに向かえ。」

 

グリード「なぜ?」

 

雷「お前のその気持ちは俺じゃなくて暁に言ってやれ。」

 

グリード「・・・そうですね。そうさせてもらいます。」

 

 

俺は念話(テレパシー)を全員に繋げた。

 

 

雷(皆聞こえているな)

 

カミト(大丈夫だ)

 

エリス(私も大丈夫だ。)

 

クレア(考えれだけで会話ができるって違和感ね。)

 

リンスレット(変な感じがしますわ。)

 

雷(少しの間だけだ、我慢してくれ。)

 

カミト(それで、そっちの準備はできたのか?)

 

雷(準備は完了している。だからタイミングを伝えようと思ってな。)

 

ティルフィング(皆さんすみません。私達のために)

 

クレア(気にしなくていいのよ。でも暁をしっかりと連れ戻してきなさい。)

 

ティルフィング(はい!!)

 

リンスレット(ティルフィングさん達が飛び出すタイミングはどうされますの?)

 

雷(ありきたりだが3からのカウントダウンで行こうと思う。)

 

カミト(それでいいと思う。)

 

エリス(異議なしだ。分かりやすくていい)

 

クレア(私も異議なしよ)

 

リンスレット(わたくしも同じく、ですわ。)

 

雷(あと一つ頼みたいことなんだが、俺もティルフィング達に付いて行くつもりだ。)

 

ドラグノフ(どういうつもりだ?)

 

雷(ティルフィング達が暁を説得している間の異族処理のために向かう。)

 

ドラグノフ(そう言うことならば納得しよう。)

 

雷(フィアナ)

 

フィアナ(何かしら?)

 

雷(フィアナにも来てもらいたい。)

 

フィアナ(わかったわ。その代わり、しっかり守ってよね。)

 

雷(もちろん)

 

クレア(あんた達そんなに仲良かったかしら?)

 

雷(ん?)

 

クレア(何でもないわ。それより始めましょう。)

 

雷(そうだな。それじゃあ行くぜ。3……、2……、1……、GO!!)

 

 

俺の合図とともに俺とフィアナ、ティルフィング達は暁の居るところに向かって走り出した。当然魔精霊も追って来ている。だが、カミトやクレア、エリス、リンスレット、銃姫たちが追って来ている魔精霊を攻撃し注意を引き付けてくれた。それでも何体かは追って来る。

そこはおれが走りながら対処する。

 

ある程度暁の居るところに近づくと異族がこちらに気付き、攻撃を仕掛けてくる。

 

 

雷「ティルフィング達は進み続けろ!!」

 

ティルフィング「はい!!」

 

 

異族との間を掻い潜りつつ戦闘もし、暁のもとへ向かって行く。

 

暁のもとに着いた時、戦闘を始めて数時間が経っていて太陽はすでに沈んでいた。

 

そして暁の体は傷だらけだった。

 

 

~~ 雷side out ~~

 

 

 

 

 

*1
魔~モード:人の姿をしているキル姫や銃姫は契約者と魔力回路を一つにすることで姫達に眠っている武器の力を本格的に目覚めさせるというもの。目覚めた後は意思を持っている武器となる。




大城「・・・・・」チーン

カミト「やっぱりこうなったか」

暁「結構無茶して書いてたからな」

雷「どうするこいつ?」

クレア「燃やしちゃおうかしら?」

カミト「やめてやれ」

リンスレット「では氷漬けなんて」

カミト「それもダメだ」

大城「・・・・・」ガバッ


全員『!?』


カミト「大城、生きてたのか・・・」

大城「まだ書けきれてないので部屋に戻って書いてきます・・・」


大城log out


フィアナ「相当無理してるわね」

クレア「あそこまで頑張られると、弄りにくいわね。」

カミト「弄るの止めてやれよ……」

雷「暁」

暁「ああ、後でおいしいものでも持って行くか。」

雷「多分食べないだろうけど」

全員『・・・大城、頑張れ』



※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第43話 孤独を忘れさせる温もり

大城「皆さんどうも、早速ですがゲスト紹介です。今回のゲストはティルフィングさんとドラグノフさんです。」

ティルフィング「よろしくお願いします。」

ドラグノフ「よろしく。」

ティルフィング「この感じだと何とか間に合いそうですか?」

大城「正直怪しいですね」

ドラグノフ「だがこれで三日連続投稿なのだろう?」

大城「構うものか!!」

ティルフィング「無理だけはしないでくださいよ?」

ドラグノフ「この時点で無理してるんだよな~」

ティルフィング「そうでしたね。」

大城「そろそろ注意事項に行きましょうか。」

ティルフィング「それでは注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、キャラ崩壊など


ドラグノフ「これらが大丈夫な読者の皆様は楽しんで読んでくれ。」





~~ ティルフィングside ~~

 

私達は皆さんの協力でマスターのもとまで向かっていた。

魔精霊や異族が私たちの行く手を邪魔する。

 

 

ティルフィング「お願いです!!私達の邪魔をしないでください!!」

 

 

私は正面に現れる異族を斬り倒していく。

後ろから襲ってくる魔精霊は智也さんや他に皆さんが対処してくれていた。

 

智也さんに後ろを任せられる安心感は確かにあるのだが、やっぱり何か違う気がしてどこか不安を感じてしまう。決して信じられないとかじゃない。いつも隣にいてくれた人じゃないだけで違和感があった。

 

 

ティルフィング(やっぱりマスターじゃないと背中を安心して任せられませんね。)

 

 

異族と戦闘しているとマサムネさんが隣にやってきた。

 

 

マサムネ「ティルフィング、今背中を任せられるのは主君しかいないと思っただろ?」

 

ティルフィング「ハァ…、ハァ…、どうしてそれを?」

 

マサムネ「拙者も戦闘をしていて思ったからだ。雷ではどうも違和感があってな。そんなことを思っているとやはり拙者達の主君は暁しかいないと、そう思ったのだ。」

 

ティルフィング「マサムネさん……」

 

マサムネ「さあ、主君までもう少しだ。一気に駆け抜けるぞ!!」

 

ティルフィング「ええ!!」

 

 

私達は異族を蹴散らしながらマスターまでの残りの距離を駆け抜けた。

 

 

私達がマスターのもとに着いた時マスターはすでにボロボロだった。

息は上がり、体のあちこちに切り傷ができており血が出ていた。

それでもマスターは剣を取り戦い続けていた。

 

 

ティルフィング「マスター!!」

 

 

私は声を掛けたがこちらを向くそぶりも、応える気配もなかった。

マスターはただただ戦い続けていた。

私は襲ってくる異族と戦闘をしながらもマスターに声を掛け続けた。

だがマスターは反応を示してはくれない。

 

 

フィアナ「流石にあの状態はやばいわよ!?」

 

 

後ろから付いて来ていたフィアナさんはマスターの姿を見て驚いていた。

 

 

フィアナ「どうして止めないの!!」

 

パラシュ「止めないんじゃない。止まらないんだ。さっきからティルフィングが声を掛け続けてはいるけど反応を示さないんだよ。」

 

アルテミス「話を聞かざるおえない状態にしなければ」

 

パラシュ「そんなこと今の僕たちじゃあできないね。」

 

フィアナ「それができれば、暁くんを戻せる?」

 

パラシュ「戻るかどうかは確証はできないね。ただ話ができれば変わるんじゃないかな。でもそんな状況にできるのかい?」

 

フィアナ「うまくいくかはわからないけど、やれないことではないわ。」

 

アルテミス「パラシュ、どう思う?」

 

パラシュ「試してみてもいいんじゃないかな。それにそれしか方法がないと思うしね。」

 

アルテミス「それもそうだな。他の者達に伝えてこよう。」

 

パラシュ「お願いするよ。」

 

 

私は呼び続けているとアルテミスさんが来た。

アルテミスさんから聞いた話だとフィアナさんがマスターとの話の場を何とかして作ってくれるとのことだった。私はすぐにその案に賛成した。一途の望みかもしれないけどそれでもマスターと話ができるかもしれないのなら何もしないよりマシだと思った。

 

 

ティルフィング「他の皆さんは?」

 

アルテミス「私も含めてみんな、貴女と同じ意見でしたよ。」

 

ティルフィング「そうだったんですね。」

 

アルテミス「皆すでにフィアナさんの周りに集まっています。」

 

ティルフィング「分かりました。私達も行きましょう。」

 

 

私とアルテミスさんがフィアナさんの所に着いた時アルテミスさんの言ったようにすでにみんなフィアナさんの周りに着いてた。

 

 

ティルフィング「遅くなりました。」

 

フィアナ「皆集まったわね。それじゃあ始める早よ!!」

 

 

するとフィアナさんは詠唱を始めた。

 

 

フィアナ「汝は我が剣、汝は我が盾、無窮の光を掲げ、闇を祓う者! 其の銘は無窮なる女王の城(セイヴ・ザ・クイーン)!!」

 

 

フィアナさんの詠唱が終わるとその身には純白の鎧をまとっていた。

そして、広域の結界が展開され私達だけを呑み込んだ。

結界の中には展開者のフィアナさん、私達キル姫、もう一人の私のグリード、智也さん、そしてマスターだった。

 

 

フィアナ「これでいいでしょ。」

 

パラシュ「これは驚いた。」

 

ティルフィング「マスター!!」

 

 

私はマスターに何度目かの声を掛けた。

マスターはようやく反応を示してくれてこちらを振り向こうとした。

だが、振り向ききる前に膝から崩れ落ちた。

 

 

キル姫『(マスター)(主君)!!』

 

 

私達はマスターに駆け寄った。

私は倒れているマスターを抱き起した。

傷が最初に確認した時よりも増えていた。

 

 

ティルフィング「マスター、どうしてこんなになるまで!!」

 

暁「まだ、たたか……える……」

 

 

マスターは私の腕から自力で起き上がり、剣を取り結界の外で戦おうと自分で歩き出した。

 

その姿は痛々しく見ていられない。

 

それに、この機会を逃してしまえば本当にマスターを失う気がした。

 

その思いはキル姫の皆同じだった。

 

だから私達は、マスターの行く手を阻んだ。

 

 

暁「退()け……」

 

ティルフィング「退()きません。」

 

暁「そこを……退くんだ……」

 

ティルフィング「絶対に退きません!!」

 

暁「俺の……邪魔を……する…つもり…か……?」

 

ティルフィング「はい!」

 

暁「なら、お前たちであろうと…斬る……」

 

 

マスターはそう言い私達に剣を向けようとするが、剣先を向けることすらできずそもそも剣を持つことだけで精いっぱいの状態だった。

 

 

ティルフィング「そんな状態で私達全員と戦うおつもりですか?」

 

暁「そうだ。」

 

ティルフィング「どうして……どうしてそこまでして戦われるのですか?」

 

暁「力を得るためだと言っただろう。」

 

マサムネ「では問おう。今の戦い方でお前は強くなれたのか?一人で戦い続けた結果、お前の言う力とやらは得られたのか?」

 

暁「・・・・・」

 

マサムネ「応えろ!! 暁!!」

 

暁「・・・・・」

 

マサムネ「今のお前より、前のお前の方が強い信念を持っていた。大会のエキシビションの時、交わった剣からはその信念が強く伝わってきた。だから私はお前と契約して付いて行くことを決めたのだ。そして拙者は何時しかお前に惹かれるようになったのだ。そして今は、本当に意味でお前が好きだ!!とな。」

 

暁「お前は、何を言って……」

 

 

マサムネさんは話が終わると次は君だというようにムラマサさんの肩に手を置いた。

 

 

ムラマサ「!?/// えっと……、拙者は、私は主君が、マスターの事が好きです。契約をしてからマスターは疲れていようが私の鍛錬に付き合ってくれました。姉上を超えたいという相談をしてから付き合える時は毎回のように剣術の稽古をつけてくれました。姉上と勝負をして負けたとき、私は泣いてしまいました。その時、隣にいて支えてくれたのは誰でもないマスターです。私はそんなマスターが好きです。」

 

 

ムラマサさんが終わるとパラシュさんが話し出した。

 

 

パラシュ「マスターと契約したことを僕は一度後悔したんだ。作戦を立ててもマスターは自由に動き回るからね。作戦通り動いてくれることの方が少なかった。でもねマスター、僕は気付いたんだ君が作戦通りに動かないのは仲間を護るためだってね。その時僕は思い直したんだよ。君がマスターでよかったと。そして、僕は君に惹かれ始めたんだ。僕は君が好きだよマスター。」

 

 

パラシュさんの次にアルテミスさんが話し始めた。

 

 

アルテミス「マスター、私は出会ったときあなたの事がどうも好きになれませんでした。契約して供に行動し始めたとき私はその気持ちを隠すことをせず、あなたに出し続けました。それでもあなたは私に話しかけ続けてきました。正直あの時は本当にしつこかったですよ。でもそれが、少し嬉しかったりもしました。自分の事を分かろうとしてくれているのだと気付いた時それが引き金となって私はマスターに惹かれ始めました。今ならはっきり言えます。私はマスターである暁が好きです。」

 

 

アルテミスさんが終わるとフライクーゲルさんが話し始めた。

 

 

フライクーゲル「ワタシはマスターと出会ったときからマスターの事がラブだったよ。マスターと一緒にいるだけで皆との生活がとってもハァッピーだった。でもね、マスターがどこかに行ってからはね、誰かと何をしようもマスターが居ないだけでハァッピーが半分になるんだよ。だから、早く戻って来て、いつものワタシがラブだったマスターになってホシイな。」

 

 

フライクーゲルさんが終わると次はロンギヌスさんが話し始めた。

 

 

ロンギヌス「マスター、最初に出会ったときのこと覚えてますか?」

 

暁「・・・ああ。」

 

ロンギヌス「あの時の私はマスターに私の居場所を願いました。その願いが叶えられないならマスターとは契約しないとも。今のマスターはその時の私です。マスターは私達から離れる時言いました、力がないからそこに居場所はないと。力を得たら本当にそこはマスターが居るべき居場所なのでしょうか。」

 

暁「それは……」

 

 

ロンギヌスの問いにマスターは答えられなかった。

 

 

ロンギヌス「私は……出会った頃のマスターが好きでした。皆さんと楽しそうに喋って、笑っているそんなマスターが私は好きだった。でも今のマスターにその時の面影は欠片としてありません。マスター、お願いですから元の毎日を楽しく過ごしていたマスターに戻ってください。」

 

 

ロンギヌスさんは涙を流した。

 

 

暁「・・・・・、力を手に入れても居場所がないのは分かっているさ。でもさ、こうでもしないとしんどいんだよ。暖かな場所から冷たい世界に堕とされたとき、戻ってもまた堕とされるんじゃないかって怖くなったんだ。だから俺は苦しみから逃げるためにお前たちという温かい場所から自分の意志で離れ、力を手にしようとした。結局は何も得られず、ただ大切な存在のお前たちを傷つけるだけだった。もういいんだよ・・・」

 

 

マスターの辛そうな顔を見ていた私は気付けばそっと抱き寄せていた。

 

 

ティルフィング「マスター」

 

暁「ティルフィング、お前………」

 

ティルフィング「マスターは一つ勘違いしています。」

 

暁「勘…違い?」

 

ティルフィング「マスターは戻ってもまた堕とされるかもしれないことを恐れたんですか?」

 

暁「いや、正確に言えば堕ちたことを誰にも気づいてもらえないこと…だな。」

 

ティルフィング「それなら絶対にありえません。」

 

暁「何故そう言い切れる?」

 

ティルフィング「キル姫の私達はマスターを必要としています。キル姫だけではありません。智也さんも、銃姫の皆さんも、そしてこの世界で出会ったチーム・スカーレットの皆さんも。皆、マスターを必要としているんです。それなのに居なくなったマスターに気付かないはずがないじゃないですか。もし誰も気づかなくても私だけは絶対に気付いて探して見つけ出します。なにせ……私はマスターが大好きですから

 

 

話が終わった後マスターは目を瞑ってしまった。

 

私はマスターに自分の気持ちをしっかりと伝えられた。

後はマスターが戻って来てくれることを祈るだけです。

 

 

~~ ティルフィングside out ~~

 

 

 

 

 

~~ 暁side ~~

 

暗い世界に俺はいる

 

光の射さない暗い世界

 

目を開けていても、目を閉じていても同じ世界が見える

 

俺はこの暗い世界に堕ちてからいったいどのくらいの時間目を閉じ続けているのだろう

 

そう思った矢先に閉じている目の前を何かが通った

 

気になって目を開けた

 

それは光だった

 

その光は小さくも眩しく発光していた

 

光が無い暗い世界だと思っていた俺は驚いた

 

俺は光に手を伸ばした

 

すると聞き覚えのある声が聞こえてきた

 

最初はマサムネの声、

 

 

マサムネ「──────────そして拙者は何時しかお前に惹かれるようになったのだ。そして今は、本当に意味でお前が好きだ!!とな」

 

 

次に聞こえてきたのはムラマサだった

 

 

ムラマサ「──────────その時、隣にいて支えてくれたのは誰でもないマスターです。私はそんなマスターが好きです。」

 

 

3人目はパラシュだった

 

 

パラシュ「──────────君がマスターでよかったと。そして、僕は君に惹かれ始めたんだ。僕は君が好きだよマスター。」

 

 

4人目はアルテミス

 

 

アルテミス「──────────自分の事を分かろうとしてくれているのだと気付いた時それが引き金となって私はマスターに惹かれ始めました。今ならはっきり言えます。私はマスターである暁が好きです。」

 

 

5人目はフライクーゲル

 

 

「──────────早く戻って来て、いつものワタシがラブだったマスターになってホシイな。」

 

 

6人目にロンギヌスの声

 

 

ロンギヌス「──────────皆さんと楽しそうに喋って、笑っているそんなマスターが私は好きだった。でも今のマスターにその時の面影は欠片としてありません。マスター、お願いですから元の毎日を楽しく過ごしていたマスターに戻ってください。」

 

 

最後はやはりティルフィングの声だった

 

 

ティルフィング「──────────皆、マスターを必要としているんです。それなのに居なくなったマスターに気付かないはずがないじゃないですか。もし誰も気づかなくても私だけは絶対に気付いて探します。なにせ……私はマスターが大好きですから

 

 

皆の声を聞いていているとさっきまで弱々しく光っていた光が強くなりだした

 

それは止まることを知らず次第に俺の視界を覆いつくした

 

明るさが戻ったのを感じて俺は目を開けた

 

するとそこはさっきまでいた暗い世界とはうって変わって、日が照って明るく野原が広がっていた。俺は後ろに誰かがいるのを感じ振り向いた。

 

そこにいたのは

 

 

キル姫達だった。

 

 

暁「どう……し……て……」

 

ティルフィング「言ったはずですよマスター。私達はマスターを必要としていると、いなくなったマスターを探し出すと。」

 

暁「でも、俺は……」

 

マサムネ「お前は1人で抱え込みすぎなのだ。」

 

ムラマサ「そ、そうです。私では悩みを解決するのに力不足かもしれませんが聞くことぐらいは出来ます。」

 

パラシュ「マスター、僕たちをもっと戦闘の以外でも頼っておくれよ。」

 

アルテミス「私達を人間の家族のような扱いをするのであればなおさらです。」

 

フライクーゲル「マスターのハァッピーがワタシのハァッピーね。」

 

ロンギヌス「マスターが辛いと私達も辛いんです。だから、自分の中に押しとどめないでください。そもそも悩み事は吐き出すものなんですから」

 

暁「俺は……俺は……、ごめん、本当にごめん………」

 

 

俺は涙を流すしかなかった。

俺が泣いているとティルフィングが歩み寄ってきて俺を抱き寄せた。

 

 

ティルフィング「分かりましたかマスター。あなたが一人になるなんてことはあり得ないんです。あなたの傍には必ず仲間の誰かが居てくれるんです。だからもう泣かないでください。」

 

 

暁「本当にごめん。そして………ありがとう、みんな。」

 

 

あまりの温かさに俺は孤独だったことを忘れた。

 

そして俺は戦場へと意識を戻した。

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 




暁「ティルフィングが果物用意したんだが」

雷「食っていいのか?」

ティルフィング「はい、皆さんどうぞ。」

クレア「あら、気が利くわね」

リンスレット「わたくしもいただきますわ。」

エリス「ではわたしも」

ドラグノフ「大城のやつはどうしたんだ?」

カミト「部屋行ったけど返事がなかった。」

ティルフィング「大丈夫なんでしょうか。」

フィアナ「そのうちひょこっと出てくるわよ。あ、このイチゴうまいわね。」

カミト「だといいんだがな。」

クレア「とりあえず今はそっとしておきましょう」

カミト「それもそうだな。」

雷「俺達にできることは」

暁「アイツが倒れないことを祈ることだけ」

大城「まだだ!!まだ終わらんよ!」


全員『・・・・・、急に出てくんなよ。』



※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第44話 領土防衛 partフィアナ ー前編ー

大城「どうも皆さん、作者の大城です。今回のゲストは暁とティルフィングさんです。」

暁「よろしく。」

ティルフィング「よろしくお願いします。」

暁「俺ここに出るの久しぶりだわ。」

大城「どのタイミングで出すかめっちゃ悩みました。」

ティルフィング「その結果このタイミングがいいと?」

大城「ええ、シナリオ上では皆さんのもとに帰って来てますからね。」

暁「微妙に合理的なんだよな~。」

ティルフィング「忘れられて出れないよりはマシなんじゃないですか?」

暁「それもそうだな。さて、そろそろ注意事項に行こうか。」

ティルフィング「はい、マスター。」

暁「注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、キャラ崩壊など


ティルフィング「これらが大丈夫な読者のみな皆様は楽しんで読んで下さい。」





~~ 雷side ~~

 

フィアナが結界を張ってくれたおかげで、ティルフィング達は暁と話ができている。

俺はフィアナの隣に立った。

 

 

雷「俺達の問題に手を貸してもらってありがとう。」

 

フィアナ「貴方達だけの問題ではないわ。私達は仲間なのよ?カミトくんやクレア達も今の言葉を聞いたらきっと同じことを言うに違いないわ。」

 

雷「それもそうだな。」

 

フィアナ「それより彼……、暁くんは戻って来てくれるかしら?」

 

雷「大丈夫、戻って来るよ。アイツはアイツ自身が思っているより本当は強い、それに………」

 

フィアナ「それに?」

 

雷「アイツの隣には絶対に離れないパートナー達が付いているんだからな。」

 

フィアナ「そうね。」

 

 

俺とフィアナは暁達の方に目を向けた。

暁は皆が話をしているとき立ち尽くした状態でキル姫達の話を聞いていた、只々静かに。

 

そしてロンギヌスが話し終わると暁は口を開き話し出した。

話し出した暁は涙を流した。

泣く暁をティルフィングが抱き寄せ静寂の時が流れた。

 

 

それから数分して────────

 

 

暁が立ち上がった。

こちらからは暁の顔は見えないがティルフィング達キル姫の顔は見えている。

だからこそ、ティルフィング達の顔を見てすぐに分かった。

アイツが、暁が戻ってこれたのだと

 

 

雷「馬鹿が戻ってこれたみたいだ。」

 

フィアナ「ティルフィング達の顔が明るくなったわね。」

 

リン「成功してよかったね雷。」

 

雷「ああ、やっといつも通りに戦える!!」

 

フィアナ「ティルフィング達のもとへ行きましょう。」

 

 

俺達は暁達のもとへ駆け出した。

 

 

~~ 雷side out ~~

 

 

 

 

 

~~ 暁side ~~

 

悩み始めてからというもの余裕がなくなっていた俺は身体が重くて仕方がなかった。

でも今はどうだろうか、キル姫達の温もりに触れてからというもの身体が本当に軽くなった。

立ち上がった時にそれはすぐに分かった。

 

その後俺はキル姫達を見た。

みんな目頭に涙を浮かべていたが笑顔で出迎えてくれた。

だが俺はその笑顔に答える顔を向けられなかった。

だから俺はすぐに俯いてしまった。

 

 

ティルフィング「マスター、顔を上げてください。」

 

暁「だが俺は……」

 

ティルフィング「もういいんです。マスターが戻って来てくれただけで私達は嬉しいですから。」

 

ロンギヌス「そうですよマスター。いつもの真っ直ぐなマスターが私達は好きなんですから。」

 

暁「お前たちは優しすぎるんだよ。」

 

マサムネ「この優しさはお前譲りだと言っておこう。」

 

暁「そうなんだな。……遅くなったがただいま、みんな。」

 

 

キル姫達『お帰りなさい、マスター。』

 

 

雷「やっと戻って来たんだな暁。」

 

 

後ろから顔を合わせたいが合わせにくい奴が来た。

 

 

暁「あ、ああ。」

 

雷「どうしてこっちを向いてくれないんだ?」

 

暁「いや~、それは~」

 

雷「いいからこっちを向け」

 

 

後ろの友人にそう言われ振り向いた。

そこにはフィアナもいた。

 

 

雷「一発殴らせろ!と言いたいところだが状況が状況だそうも言ってられない」

 

暁「・・・・・。」

 

雷「もしお前が許してもらおうと考えているなら、戦闘でそれなりの戦いを見せてみろ。いつものお前に戻っているならそのぐらい簡単だろ?」

 

暁「雷……」

 

雷「あと…お帰り暁、俺の最高の友人よ。」

 

フィアナ「私を忘れないでほしいわ。」

 

暁「フィアナ……」

 

フィアナ「皆、暁くんの事本気で心配していたのよ。」

 

暁「・・・・・」

 

フィアナ「あなたの行動がこの子たちを不幸にしたのよ?」

 

 

フィアナの言葉に俺は言い返せなかった。

 

 

フィアナ「この子達はもういいと言っているけど私は納得していないのよ。というわけで、私から一つ条件を出させてもらうわ。暁くん」

 

暁「一体どんな条件を?」

 

フィアナ「そんな無理難題を出さないわ。ただ、今まで以上にこの子達を幸せにしてあげる。それが私が出すあなたを許す条件よ。」

 

暁「・・・、確かにそれぐらいしないと罪滅ぼしにはならないな。」

 

グリード「マスター」

 

暁「グリード」

 

グリード「どうやらあなたに孤独は似合わないようですね。」

 

暁「そのようだ。」

 

グリード「そして、どんなに突き放されても戻って来てくれると、信じ続けてくれる仲間もいる。貴方は本当に良い仲間を持っていましたね。」

 

暁「それに気付けたのはお前のおかげでもあるんだ。いつも一緒にいるとどうしてもそのことを忘れてしまう。忘れてはいけないのにな。」

 

 

話をしていると突然としてグリードの体が透け始める。

 

 

グリード「どうやら時間のようですね。」

 

暁「どういうことだ!?」

 

グリード「私はマスターの心が黒く染まった時にできた存在です。心が明るくなれば私の存在は勝手に消滅します。ただそれだけです。」

 

暁「お前………」

 

グリード「マスター、そんな存在の私が言うのもなんですが、とても楽しかったです。」

 

暁「お前には大事なことを思い出させてもらった、ありがとう。」

 

グリード「それでは私はこれで」

 

暁「ああ、本当にありがとう。」

 

 

グリードは消えてしまった。

消えるときの彼女の顔は暗い存在とは思えないくらいの笑顔だった。

 

グリードが消え感傷に浸っていると、あまり気にしていなかった傷が痛み始めよろけてしまう。

 

 

暁「おっと。」

 

雷「流石にその傷じゃあこれからの戦闘に支障が出るか。」

 

暁「これぐらいの傷で支障が出るわけ……」

 

ティルフィング「マスター」

 

暁「治癒に専念します。」

 

雷「フィアナ、この結界はあとどのくらいもつ?」

 

フィアナ「もう少しの間はもつけど、できるだけ魔力は残しておきたいわ。私のメインは治癒だからね。大事な時に傷ついた仲間を治せないなんてしたくないもの。」

 

雷「暁、治癒にはどれくらいかかるんだ?」

 

暁「小さいのは無視して大きいのだけ回復するからそこまで時間はかからないと思う。早くて5、6分ってところだな。」

 

雷「そうか。なあ暁回復が終わったらなんだけどさ」

 

暁「分かってる。俺も使うよ」

 

 

俺は2人のキル姫に声を掛けた。

 

 

暁「マサムネ、ムラマサ後でよろしく頼む。」

 

マサムネ「承知した。」

 

ムラマサ「承知いたしました。」

 

 

治癒に専念していた俺、予想よりも早く傷が癒えた。

 

 

暁「意外と早く治ったな。」

 

雷「なら始めてくれ。」

 

暁「そうだな。マサムネ、ムラマサ俺の手を」

 

 

マサムネとムラマサは俺の手を取った。

そして、俺は足元に魔法陣を展開した。

マサムネとムラマサは強く光りだす。光は次第におさまっていき両手には刀となったマサムネとムラマサを握っていた。

 

 

暁「久しぶりに使ったからうまくいくか心配だったぜ。」

 

雷「この力はお互いの信頼関係の強さで成功するかどうか決まるんだぞ。」

 

フィアナ「そうなの?」

 

雷「ああ、キル姫や銃姫と契約できたから使えるってものでもないんだ。お互いが本当の意味で信頼しあってようやく使いこなせるようになる。」

 

フィアナ「そういうことなら暁くんは本当にキル姫の皆に感謝しないとね。あんなことがあったのにその力が使えるだけ信じ続けていたんだもの。」

 

暁「そうだな。その信頼に応えないとな。そして、もう自分から手放さないと誓うよ。」

 

マサムネ「主君よ、その言葉しっかりと守ってもらうぞ。」

 

暁「もちろん。」

 

雷「そろそろ戦闘に戻るぞ。」

 

暁「いつでも。」

 

雷「フィアナ、結界の解除を頼む。」

 

フィアナ「分かったわ。3……、2……、1……、消えるわよ!!」

 

暁「ティルフィング、俺の背中はお前に任せた。」

 

ティルフィング「はい!!任せてください。」

 

 

フィアナの張った結界が消滅、それと同時に結界を攻撃していた大量の異族とちらほら見えていた魔精霊が襲い掛かってきた。

 

 

雷「暁、俺はこのままフィアナの護衛に入る。前衛戦闘はいつも通り任せてもいいよな?」

 

暁「もちろん。俺の背中はちゃんと頼もしいパートナーが守ってくれるからな。」

 

 

異族はゆっくりと迫って来るが、魔精霊の方は突進でこちらとの距離を一気に詰めてくる。

3体ほど俺の正面から突っ込んできた。

 

左手に持っているムラマサを右側に斬り下ろした。1体目は斬られ灰となり消えた。

2体目が追い打ちをかけて突進してくる。

タイミングを合わせて斬り下ろしたムラマサを左側に薙ぐ、2体目も1体目と同様灰となって消えた。だがまだ3体目がいる。1体目と2体目と同様、勢いそのままで突進をかましてくる。

これもタイミングを合わせて右手のマサムネを斬り上げる。これまた灰となって消え去る。

 

 

マサムネ「余裕だな。さっきまでの主君とは大違いだ。」

 

ムラマサ「主君、凄いです。拙者も精進しなくては」

 

暁「さっきまでは力任せに振り回すだけの、周りの事も全然気にせず目の前の敵だけを斬る、そういう戦い方をしていたからな。心が軽くなって冷静さを取り戻したらいつもの戦い方になるさ。お前達には本当に感謝している。信じ続けていてくれてありがとう。」

 

マサムネ「そういうことはここにいる敵を殲滅してから言ってほしいな。」

 

暁「違いねぇ。」

 

マサムネ「では主君、其方の力拙者らで大いに振るってくれ。」

 

暁「言われるまでもない。もとよりそのつもりだ。」

 

 

俺は三度戦闘に入った。

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 

 

 

~~ 雷side ~~

 

暁が3体の魔精霊を呆気なく倒した。

フィアナはそれを見て驚いていた。

 

暁とティルフィング、パラシュ、ロンギヌスが前線を張ってくれているおかげで後衛組の俺、フィアナ、フライクーゲル、アルテミスは少し余裕をもって状況対処ができていた。

 

 

フィアナ「結構の速さあったはずなのにああもあっさりと」

 

雷「あれぐらい、俺達にとっては朝飯前だけどな。」

 

フィアナ「貴方達が敵じゃなくてよかったと、心から思ったわ。」

 

雷「俺達だって最初はそう思っていたんだぜ?」

 

フィアナ「どうして?」

 

雷「どうしてって、チーム・スカーレットの戦闘を目の前で見てきたから言えることだけどフィアナ達のチームワークって本当に息があっていて、相手にする側は対処しにくいんだぜ。」

 

フィアナ「そうなの?」

 

雷「ああ、一度アイツと話し合ったことだってあるぐらいだしな。」

 

フィアナ「その話し合いの結果、出た結論はどんなものだったの?」

 

雷「ゴリ押し。」

 

フィアナ「・・・・・」

 

 

俺の口から出た結論にフィアナは言葉をなくした。

 

雷(まあ、そうなりますよね。)

 

などと考えていたらアルテミスが話しかけてきた。

 

 

アルテミス「もう少し戦闘に集中してください。撃ち漏らしが目立ちます。」

 

雷「悪い、気を付ける。」(そうだ、今は戦闘の真っただ中、ちょっとしたミスで大怪我を負うかもしれない。いや、運が悪ければ・・・)

 

 

俺はそう思い気持ちを切り替えた。

 

俺達が戦闘を始めてすでに数十時間は経っているだろう。だが戦闘は激しさを増すばかりだった。

こんな状況で唯一喜べることと言えば街に被害がなさそうだということだった。

正直後ろの状況をしっかりと確認できる状況ではないため、チラチラと目を街に向ける程度だがこれといった被害を負った様子は確認できていない。

後ろで戦っている他の仲間達が奮戦してくれているおかげだろう。

 

 

雷(後ろを気にするのはもうやめよう。今は目の前の無造作に出てくる異族に集中しないとな。)

 

 

俺はアルテミスとフライクーゲルとともにフィアナを守りながら前線を張っている暁達を抜けてくる異族と魔精霊を対処し続けるのであった。

 

 

~~ 雷side out ~~

 

 

 

 

 

 

 




ティルフィング「マスター、大城さんを見かけませんでしたか?」

暁「いや、見てないぞ。」

雷「どうせ部屋で小説書いてるんだろうさ。」

クレア「ティルフィングが持ってるそれってホールのケーキよね?」

ティルフィング「そうですね。」

リンスレット「どうしてそのようなものを?」

ティルフィング「一日遅いですが大城さんの誕生日を祝おうかと思いまして」

暁「そういえば昨日がアイツの誕生日か」

雷「そういうことなら部屋から引っ張り出してくる。」

フィアナ「私も行くわ。」

引っ張り出された大城「皆さん集まってどうされたんですか?」


全員『大城、誕生日おめでとう!!』


エリス「昨日が大城の誕生日だそうだな。ティルフィングから聞いたぞ」

大城「・・・・・あっ、忘れてましたわ。」

クレア「本人が忘れてどうするのよ。」

大城「いや~。」

リンスレット「褒めてませんわよ。」

ドラグノフ「大城、昨日投稿しなかったのは誕生日だったからなんだな。」

大城「いえ、それはただ間に合わなかっただけです。」


全員『』ガタッ


大城「ああ、言い忘れてました。祝っていただきありがとうございます。」

暁「今回は部屋に戻らず楽しめよ?」

大城「そうですね。折角ケーキも用意してもらいましたし、そうさせてもらいますね。」

雷「さぁ、騒ぐぞ!!」

カミト「なんで雷が一番はしゃいでんだよ」

ドラグノフ「さあ~?」


この後、皆さんとケーキをおいしくいただきました。


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第45話 領土防衛 partフィアナ ー中編ー

大城「どうも皆さん尺者です・・・作者です。今回のゲストです。暁と雷です。」

暁「よろしく」

雷「よろしく。」

暁「大城、お前噛んだだろ」

大城「何のことかさっぱり。」

雷「とぼけるな。」

大城「とぼけてなんかいません。」

暁「ちょっと後ろで話そうか。」

大城「お話しするのならせめて注意喚起してください。」

雷「何だこいつ。」

大城「というわけで注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、キャラ崩壊など


暁・雷「「これらが大丈夫な読者の皆様は楽しんで読んで下さい。」」





~ 暁side ~

 

戦闘に復帰してから1時間が経過する時、俺は少しでも戦力を増やすために彼女に手伝ってもらえるか交渉しようと考えた。

 

 

暁「ティルフィング、少しの間戦闘任せてもいいか?」

 

ティルフィング「それは構いませんが一体何を?」

 

暁「もう1人手伝ってくれそうな仲間を・・・ね。」

 

ティルフィング「わかりました。」

 

マサムネ「主君、拙者達はどうする?」

 

暁「ティルフィングとともに戦ってもらってもいいかな。」

 

マサムネ「承知した。ムラマサ!!」

 

ムラマサ「承知しております。主君の邪魔は絶対にさせません。」

 

 

俺はマサムネとムラマサを自由にさせて一旦雷達の元まで戻った。

 

 

雷「お前、何しに戻って来たんだ?」

 

暁「戦力を1人だが増やそうと思ってな」

 

フィアナ「あてがあるの?」

 

暁「ああ。」

 

 

俺はフィアナの問いに応えると、いつも腰に帯剣していた一本の剣に手を掛けた。

そしてそのまま剣に話しかける。

 

 

暁「起きてくれないか?」

 

 

話しかけた剣は光だし、人の形を形成した。

光が収まると眠たそうな少女がそこにはいた。

 

 

レーヴァテイン「やっと呼んでくれた。」

 

暁「何だ?呼ばれるのを待っていたのか?てっきり寝てるものかと」

 

レーヴァテイン「顔を合わせてからずっと起きてたし」

 

暁「そうだったのか。それにしても別に出てきたいときに出てくればよかったのに」

 

レーヴァテイン「そういう状況じゃなかったと思うけど?」

 

暁「・・・・・申し訳ありませんでした。」

 

レーヴァテイン「それで、戦闘に参加すればいいの?」

 

暁「ああ、だが無理強いはしない。」

 

レーヴァテイン「この状況で「無理強いしない」は意味をなさないと思うけど」

 

暁「そうだな、言い直すよ。レーヴァテイン、君の力を貸してくれ。」

 

レーヴァテイン「いいよマスター。契約、すぐに終わらせよ。」

 

暁「即決だな。」

 

レーヴァテイン「ちょっとした時間も惜しんでしょ?」

 

暁「そうだな。」

 

雷「話はまとまったのか?」

 

暁「ああ、こんな状況だがレーヴァテインと今から契約を結ぶ。」

 

雷「そうなるわな。守ってはやるが出来るだけ早めで頼むぜ。」

 

暁「分かってる。」

 

 

他の三人も協力してくれると言ってくれた。

 

俺はすぐにレーヴァテインとの契約を始めた。

発見してからここに来るまでずっと腰に帯剣していたおかげか魔力回路はすぐにレーヴァテインと繋がることができた。それでも5分程度は要した。

 

 

暁「これでOKのはずだ。」

 

レーヴァテイン「この前出てきたときより楽な感じがするわ。いけそう」

 

フィアナ「成功したみたいね」

 

雷「もういいだろ暁?」

 

暁「ああ。」

 

レーヴァテイン「メンドーだけど、戦闘に入るわ。」

 

暁「頼む。」

 

 

レーヴァテインは頷くと、異族との戦闘に加わった。

 

 

雷「なあ暁。」

 

 

ティルフィング達のもとに戻って再度戦闘に戻ろうとしたとき雷に呼び止められた。

 

 

暁「何だよ」

 

雷「この戦闘、どれぐらいで終わりを迎えると思う?」

 

暁「さ~な、だが一言いうならば()()はいつも通り無茶するしかないんじゃないか」

 

 

俺がそう言うと雷は鼻で笑って「違いねぇ。」そう言った。

その後俺はティルフィング達のもとに飛んで戻り、戦闘に参加した。

 

 

~ 暁side out ~

 

 

 

 

俺達が戦闘を始めてから二度目の月が昇りきっていた。

皆疲労の蓄積が限界まで来ていた。

 

前線で戦闘をしている中、少し後ろを確認した。

雷、アルテミス、フライクーゲルの3人はまだ余裕があるように見えた。だがどうやらフィアナの方はそうも言っていられないようだった。息は上がり、契約精霊であるゲオルギウスの召喚は難しくなっていた。

 

 

暁「これは流石に下げた方がいいな。」

 

ティルフィング「マスター、どうなされたのですか?」

 

暁「後ろが少し危ないと思ってな。」

 

ティルフィング「フィアナさんですね。」

 

暁「気づいていたのか。」

 

ティルフィング「ええ。それでどうされますか?」

 

暁「雷も気づいてるだろうけど一応言っておくか。」

 

マサムネ「では拙者達は異族の足止めに・・・」

 

暁「いや、少しずつ後ろに下がりながら雷達のもとに向かう。」

 

マサムネ「それはどうして?」

 

暁「フィアナがあの調子だと他の連中もこの調子じゃないかなと」

 

マサムネ「確認もかねて、というわけだな承知した。」

 

 

話がまとまると前衛で戦っている俺達は少しずつ雷達に向かって後退していった。

 

雷達のもとにたどり着くのに10分程度かかったが大きな問題なく後退できた。

 

 

雷「これはどういうことだ?」

 

暁「お前が守ってるお姫様がそろそろ限界だと思ってな。」

 

雷「後ろにも気をまわしていたとはな。」

 

暁「全体を見るのは戦闘の基本だからな。」

 

雷「少し前のお前に聞かせてやりたい言葉だな。」

 

暁「・・・・・大変申し訳ございませんでした。」

 

雷「とまあ、冗談はこのぐらいにして」

 

暁「・・・・・。」

 

雷「さっきから俺も下がらせようとはしてるんだけど、」

 

フィアナ「まだやれるわ……、ハァ…、ハァ…、」

 

雷「この調子なんだよ。」

 

ティルフィング「マスターと同じですね。」

 

リン「雷もそうね。」

 

暁・雷「「・・・・・。」」

 

マサムネ「主君、これからどうするのだ?当の本人は引くつもりはないようだが?」

 

暁「雷」

 

雷「ほいほい。失礼しますよ。」

 

 

俺が雷を呼ぶと雷は察したようにフィアナをお姫様抱っこした。

 

 

フィアナ「ええっ!/// 雷君!!///」

 

雷「ちょっとの間じっとしててくださいね。」

 

フィアナ「私まだやれるわ。だから下ろして!!」

 

雷「契約精霊がまともに召喚維持できないのにまだできるは信用ならない。今のような状況なら尚更だ。そのことに関してフィアナだってわからないわけじゃないだろう。」

 

フィアナ「でも!!」

 

雷「引きたくない気持ちは分からなくもない。」

 

フィアナ「それなら!!」

 

雷「でもな、仲間が目の前で死ぬのは見たくないんだよ。わかるだろ?」

 

フィアナ「そうね……」

 

暁「準備できたみたいだな。全員後退するぞ」

 

 

戦闘をしながら少しずつ後ろへと後退していく。

オルデシア帝国の城門の近くまで来るとそこで魔精霊と戦っているカミト達を視認できるようになった。カミト達もどうやらこちらに気付いたようで少しずつこちらに近づいてきた。

 

 

カミト「暁、お前、戻って来たんだな。」

 

暁「心配かけてすまなかった。」

 

カミト「ティルフィング達にはしっかり誤ったんだろうな?」

 

暁「ああ。」

 

クレア「正直、それだけで許せる話ではないかもしれないけれどティルフィング達がそれでいいと言ったのなら私からどうこう言うつもりはないわ。ただ・・・」

 

暁「ただ?」

 

クレア「次同じようなことをしてみなさい。その時は一瞬で消し炭にしてあげるから」

 

暁「肝に銘じておくよ。」

 

 

会話では悠長に話をしているように見えるが実際の所は口呼吸の回数がどんどん多くなってきていた。やはりと言っていいのかチーム・スカーレットのメンバーはフィアナと同じく息が上がりきっていた。カミトもエストを維持させるのは限界のようだ。

 

 

暁「・・・」

 

雷「暁、これは」

 

暁「分かってる。ティルフィング。」

 

ティルフィング「何でしょうか?」

 

暁「チーム・スカーレットを城門の中に突っ込んできてくれ。」

 

カミト「なっ!? 何を言って!!」

 

マサムネ「悪いが無理矢理でも連れて行かせてもらう。」

 

カミト「うおっ!」

 

 

カミトはマサムネが、クレアはムラマサが、リンスレットはアルテミスが、フィアナはレーヴァテインが、エリスはロンギヌスがそれぞれ担ぎ上げた。

 

 

クレア「待ちなさい!!私達はまだ戦えるわ!!」

 

雷「今の状態で戦っても足手まといにしかならねえよ。」

 

エリス「雷、それは聞き捨てならないぞ!!」

 

リンスレット「そうですわ!!そもそも私達を城門の中に連れて行くのにいったい何の理由があるというのですの?!」

 

暁「簡単な話だから教えない。」

 

クレア「暁、あんた!! きゃっ!!」

 

 

クレアが俺に対して何か文句を言おうとしたが、ムラマサはそれを無視してジャンプした。

他のキル姫達もジャンプしてチーム・スカーレットを城門の中へと連れて行った。

カミト達を連れて行ったキル姫達が戻ってくると、城門に魔法でロックをかけてカミト達を外に出られないようにした。

 

 

暁「手荒い方法で悪いな。お前たちは休んでくれ」

 

雷「本人達に言わないと意味がないだろ」

 

暁「この戦闘が終わったらそうするよ。」

 

雷「その時は俺も一緒に怒られよう。」

 

暁「すまない。」

 

雷「いいってことよ。それよりも・・・」

 

 

今までカミト達に狙いを向けていた魔精霊は一気にこちらへと狙いを変えてきた。

 

 

雷「いくら膨大な魔力がある俺達でもいずれは疲労という限界がくるぞ。」

 

暁「分かってるよそんなこと。」

 

 

俺達は身体強化魔法などを駆使して疲労の蓄積を最小限に抑えているだけであって、決して疲労をしていないわけではない。それはすでに体に現れ始めていた。剣を振る腕がいつもより少し重く感じていた。

 

 

暁(まる2日ぶっ通しでこの数を相手にしていたら流石にこうなるか)

 

ティルフィング「マスター、動きが鈍ってますが大丈夫ですか?」

 

暁「そういうお前たちもだろうに。」

 

マサムネ「ムラマサ!! 後ろだ!!」

 

 

突然、マサムネのムラマサを呼ぶ声が聞こえてきた。

 

 

ムラマサの背後に異族が忍び寄っていることに気付いたマサムネはムラマサに声を掛けるがこの激戦区の中だ届くはずもなく、マサムネは駆けつけようとするが異族と魔精霊の攻撃によって行く手を阻まれていた。

 

 

マサムネ「ムラマサ!!

 

ムラマサ「姉上……!? しまった!!」

 

 

マサムネの声を拾えたムラマサは自分の後ろに忍び寄っている異族に気付いた。

何とかの異族の攻撃を防いだが疲労のせいで力負けしていた。

 

 

暁「雷!! 援護射撃を頼む!!」

 

雷「急にそんなこと言われても、こっちもこっちで手一杯なんだが?」

 

暁「雑な射撃で構わない! 突っ走る俺の邪魔になりそうな敵を狙ってくれ。」

 

雷「ったく。どうなっても知らねぇぞ!!」

 

暁「とか言いながらもしっかり援護してくれるんだろ?」

 

雷「うるせぇ。合図は?!」

 

暁「俺が今戦ってる魔精霊が消滅したらそれが合図だ!!」

 

雷「はいよ。」

 

 

俺を食おうと口を開けて突っ込んできた魔精霊を後ろに向かって飛んで回避した。

 

 

暁「剣技!! Xブレイド!!」

 

 

技を当て魔精霊が消滅した。

それと同時に後ろから無数の銃弾が俺の横を通っていく。

 

 

雷「ほら、さっさと行け。」

 

暁「助かる。強化!! ストライクモード!!」

 

 

そう言うと青く光る魔力が俺の体を包み込んだ。

 

この力は速さに特化しているためムラマサのもとにものの数秒で到着、ムラマサと鍔ぜり状態だった異族を倒しムラマサを救うことに成功した。

 

 

ムラマサ「主君、かたじけない。わた、拙者が不甲斐ないばかりに……」

 

暁「今は反省会をしてる場合じゃない。それに俺はお前が不甲斐ないとは思わないぞ。」

 

ムラマサ「えっ?」

 

暁「前のお前ならここまで戦えてなかっただろうからな。」

 

ムラマサ「ですが」

 

暁「納得できていないなら、この戦闘を生き抜いてまた一緒に鍛錬でもしようや。」

 

 

俺は笑顔でムラマサの頭に手を置いた。

 

 

ムラマサ「はい!!」

 

 

ムラマサは頬を赤くしながら返事した。

 

 

暁「さっ、俺の背中はムラマサに預けた。」

 

ムラマサ「お任せを。主君の背中必ずや守って見せます!!」

 

 

それからすぐ、異変が起き始めた。

 

 

暁「ん? 何だ?」

 

 

どうも様子がおかしいと思った俺とムラマサは空を見上げた

 

すると

 

空が紅く染まり始めたのだった。

 

 

 

 




暁「大城のやつ、どうしたんだ?」

雷「どうしたとは?」

暁「部屋から出てきたのはいいが、目が死んでいるんだが」

クレア「そういえばそうね。」

リンスレット「どうされたのかしら?」

カミト「あー、やっぱりこうなったか~。」

エリス「カミトは何か知っているのか?」

カミト「知っている。」

フィアナ「教えてくれない」

カミト「期間過ぎてるから別にいいか」

暁「期間?それと大城の状況に関係あるのか?」

カミト「大いにあるぞ。今日は何月だ?」

クレア「七月ね。」

カミト「大城先月の六月に女性陣に来てもらいたい衣装があるって言ってただろ?」

雷「そのために六月の半ば必死こいて書いてたな。」

全員『あっ!』

カミト「気づいたみたいだな。そう、それに間に合わず書き上げることができなかったためああなってるってわけだ。」

クレア「定期的に書かないからこうなるのよ」

リンスレット「自業自得じゃないですの」

エリス「まったくもってその通りだな。」

フィアナ「それで、大城が私達に着せようとしてたのは一体何だったの?」

大城「気になります?」

カミト「うおっ!おま、いつの間に」

フィアナ「結構引っ張ていたものならないはずがないわ。」

大城「では教えますね。ウェディングドレスです。」

女性陣『・・・・・マジ?』

大城「おおマジです。ジューンブライド企画との一環としてストーリーに組み込もうと考えた結果間に合わず、この有様です。」

暁「ああ、何してんだか。」

女性陣『大城、後で裏に来てね。』

大城「どんな処罰も受けましょう。」

クレア「そうもすんなりと受け入れられたら・・・ねぇ。」

大城「こうなったら、水着回と夏祭り回は絶対入れます。」

リンスレット「本気で行ってますの?」

大城「水着回は半分諦めてます。書ける気がしないので」

フィアナ「その言い方だと夏祭り回は書くのね?」

大城「はい。」

エリス「今回のようにならないと言い切れるか?」

大城「保証できません!!」

女性陣『そこで堂々としない!!』

雷「ダメだこりゃ。」

暁「次も今回と同じになる気しかしないな」

雷・カミト「「うんうん。」」



※ 感想がございましたらよろしくお願いします。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第46話 神と御旗に集う者たち

大城「作者の大城です。今回のゲストは暁と雷です。」

暁「よろしく。」

雷「よろしくな。」

大城「早速ですが、一か月以上に間が空き申し訳ありません。」

暁「お前これさぁ~、六月と同じ状況なんだが今回も書くつもりでいるモノ書けないんじゃないか~」

大城「・・・・・。」

雷「だんまりは肯定と取るぞ?」

大城「な、何とかして見せます……。」

暁「女性陣の期待やばいからな」

雷「裏切るんじゃないぞ~」

大城「最善を尽くします。」

暁「さて、そろそろ注意事項に行こうか」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、キャラ崩壊など


雷「これらが大丈夫な読者の皆様は楽しんでください。」





ムラマサを助けた後、異変はすぐに起こった。

 

いつもは明るい光を照らすはずの満月は紅くなり辺り一面を赤暗く染め上げた。

 

 

暁「何が始まるってんだ!?」

 

ムラマサ「主君、あれ。」

 

 

ムラマサが紅い満月を指さした。

そこには月光に照らされた翼の生えた人影があった。

 

人影が現れたと同時に異族の動きが止まり、魔精霊は勝手に消滅していった。

 

 

暁「おいおい、なんだよ……」

 

ムラマサ「天…使……?」

 

ティルフィング「マスター!!」

 

雷「暁!!」

 

 

皆が集まってきた。

 

 

雷「これは一体どうなってるんだ?」

 

暁「俺に聞かれても」

 

ドラグノフ「異族の動きが止まったのはあの人影が関係しているよな。」

 

ティルフィング「でしょうね。あれが現れてから現状況になりましたし。」

 

マサムネ「主君、味方だと思うか?」

 

暁「分からん。」

 

マサムネ「では、このまま何事もなく終わると思うか?」

 

暁「それは絶対にないと言い切れるだろうな。」

 

マサムネ「拙者も同じ意見だな。」

 

雷「どうやら動き出したみたいだぜ。」

 

 

雷に言われ喋っていた俺達は例の人影に視線を向ける。

正直最初に見て感じたことはあの人影は人間である俺達では相手にもならないだろうということ、だから俺個人としていや、仲間達も思っていることは味方であって欲しいという気持ちだったがこちらに向かってくる人影の言葉に俺達の願いは潰されるのだった。

 

 

???「私の名はラファエル。この世界に()()の混入が認められたため初期化を行います。無駄な抵抗をせずその身を捧げてください。」

 

全員『!!』

 

カミト「世界の初期化?」

 

リンスレット「どういう意味ですの?」

 

 

カミト達は門の上から身を乗り出すような形でこちらの様子を見ていたようだ。

そして、ラファエルと名乗った者の「世界の初期化」という単語にピンときていないようだった。

 

 

暁「ラファエルと言ったな。異族ってのはアンタが作ったものなのか?」

 

 

俺はカミト達にもよく聞こえる声でラファエルに問いただした。

 

 

クレア「どういうこと?」

 

エリス「暁の質問の意図が読めない。」

 

ラファエル「神である私に対してなんて聞き方。まぁいいでしょう、どのみち消えるのですから聞いて差し上げましょう」

 

 

カミト達は俺の質問に?を浮かべていたが、その他の仲間たちは俺の質問の意図を理解していた。

 

俺がラファエルに何故このような問いをしたのかというとこの戦場にいるすべての異族からラファエルとよく似た気配、いや同じと言ってしまって構わないような気配を感じ取っていたからだ。質問の意図を理解できている仲間たちも同じく感じ取っているだろう。

 

 

ラファエル「なぜそのようなことを聞くのですか?」

 

暁「アンタが現れる直前にこいつらの動きが止まったから。」

 

ラファエル「それだけですか?」

 

暁「もう一つある。この戦場にいる異族とアンタの気配があまりにも似すぎている。」

 

ラファエル「…………」

 

 

ラファエルは少しの間をおいてから俺の質問の答えを出した。

 

 

ラファエル「答えは、Yesです。」

 

 

ラファエルの回答に皆驚愕の表情を浮かべた。

 

 

クレア「一体何のためにそんなこと」

 

雷「世界の初期化……」

 

フィアナ「えっ?」

 

雷「異族はそれを成すためのお前()達の道具、違うか?」

 

ラファエル「半分正解で半分不正解です。」

 

雷「どういうことだ?」

 

ラファエル「もともと異族が作られた目的は貴方達人類が増え過ぎないよう調整するために作られたのですよ

。ですが暁と雷、外の世界から来た貴方達異物が現れてからこちら側の予定に支障が出た。そのため異族の目的を人類の調整から殲滅に変えたのですよ。」

 

暁「その話し方だとこの世界はアンタ達によって作られ、人類を管理しているみたいに聞こえたんだが?気のせいだよな?」

 

ラファエル「遠回しですがそう言っているのですよ。付け加えて言うのであれば暁、雷、貴方達の世界もそうなのですよ。」

 

暁・雷「「ッ!?」」

 

ラファエル「貴方達はこちらの世界に来る前、大量の異族を相手にしていたのではありませんか?自分達を虐げていた者達を逃がすために」

 

暁「ああ、そうだ。」

 

ラファエル「あの異族の襲撃は貴方達の世界の初期化の始まりなんですよ。貴方達をこの世界に飛ばした者の目的は分かりませんが、貴方達がいなくなった向こうの世界はもう終わりですね。」

 

暁「雷……」

 

雷「ああ……」

 

 

俺と雷はラファエルの言葉で冷静さを欠いた。

 

自分達の帰る場所(世界)が無くなりかけていること

 

神たちの勝手な話で俺達が殺されなければいけないということ

 

そんな勝手な話があってたまるかと

 

 

ラファエル「さてそろそろ話はおしまいです。」

 

 

ラファエルがそう言うと、さっきまで止まっていた異族が動き出した。

 

 

ラファエル「大人しく、消えなさい。」

 

暁「断る!!」

 

 

異族を掻い潜りながらラファエルに斬りかかるが剣を掴まれそのまま投げ飛ばされた。

投げ飛ばされた俺はカミト達の居る門にぶつかった。

 

 

暁「カハッ!!」

 

 

ぶつかった衝撃で血の混じった胃液を吐き出す

 

 

ティルフィング「マスター!!」

 

雷「暁!! この野郎!!」

 

ラファエル「無駄です。」

 

 

雷の撃った弾も容易に交わされてしまう。

 

 

雷「当たれ!!」

 

 

何度も狙いを定めて撃つが当たる気配が一向に見えない

 

ドラグノフも雷に合わせてラファエルに発砲するもヒラリと交わされる

 

 

ドラグノフ「これもダメなのか」

 

ラファエル「いくら仕掛けてきても無駄だというのに」

 

ティルフィング「無駄かどうかは私達が決めます! はあぁーーーー!!」

 

 

ティルフィングが斬りかかるがラファエルの攻撃だろう突風によって飛ばされてしまう

 

 

ティルフィング「くっ!!」

 

 

異族の対処をしつつラファエルに攻撃を仕掛けるが命中することはなく、只々体力を消耗し続けた。その結果、皆息を切らし満身創痍になりつつあった。

 

 

ラファエル「愚かな者達ですね。力の差は歴然だというのに」

 

暁「それ、でも、」

 

ラファエル「ん?」

 

暁「この体が動き続ける限りは挑み続けてやる!!」

 

???「善き覚悟です。それでこそ我々キル姫のマスターです。」

 

 

その声は何処からともなく聞こえてきた

 

聞き覚えのある声の気もするが思い出せない。

 

 

ラファエル「何者ですか!」

 

 

ラファエルが声に対して反応すると俺達とラファエルとの間に光の柱が現れた

 

 

雷「何だ、敵の新手か!?」

 

暁(もしそうなら……)

 

 

雷の反応に全滅する事を考えていると光は強さを増した。

 

 

暁「のわっ!」

 

ラファエル「・・・・・。」

 

 

光の強さが徐々に弱まり、目を凝らすと光の中に人の姿が見えた。

 

それも一人や二人ではなかった。

 

次第に光は消えその中にいた人影は姿を現した。

 

 

ラファエル「!? まさか貴女達が出てくるとは思いませんでしたよ。エンシェントキラーズ」

 

ティルフィング「エンシェント……キラーズ……?」

 

???「マスターたちは一度下がって。ネス、マスター達の手当てを、終了次第戦闘に参加して」

 

ネス「了解しました。ラグナロク」

 

ラグナロク「ミネルヴァとフライシュッツはネスに付いて行って回復中のマスター達を襲う異族から守ってあげて」

 

ミネルヴァ「分かりました。」

 

フライシュッツ「やった~。ようやくマスターくんの近くに居れるよ~。」

 

ラグナロク「ダモクレスとグラーシーザは周りの異族の相手を」

 

ダモクレス「愛さえあれば殲滅しても問題ないよね。」

 

グラーシーザ「せいぎの名のもとにお前たちを片付けてやる!」

 

ラグナロク「エルキュールとスイハは私とともに神を相手するわよ。」

 

スイハ「お背中、お守りいたします。」

 

エルキュール「皆の希望を壊させたりはしない!」

 

 

ラグナロクと呼ばれた少女を中心に彼女たちは動き出す。

ネスと呼ばれた少女とミネルヴァと呼ばれた少女、フライシュッツと呼ばれた少女は俺達の方にやってきた。

 

 

ネス「動けますか?」

 

暁「あ、ああ、それぐらいは問題ない。それより君たちは味方っと判断していいのか?」

 

ミネルヴァ「その判断で間違いありません。」

 

ネス「皆さんの傷をまとめて癒しますので一か所に集めてもらえますか?」

 

暁「これぐらいの傷ならまだ戦える!」

 

ミネルヴァ「今は傷を治すことに専念してください。」

 

フライシュッツ「そうだよ。無理は禁物!」

 

暁「だが……」

 

ミネルヴァ「私達を信じてください。」

 

 

ミネルヴァの説得に考え込んでいると雷がこちらに来た。

 

 

雷「暁、今の俺達が戦闘に参加したところでこいつらの足を引っ張るだけだ。お前だってそれぐらいわかってるだろ?それにこいつらは全部を任せて戦うなって言ってるわけじゃねぇんだ。回復したら神とこいつらに俺達の本当の強さってのを見せつけてやろうぜ。」

 

 

雷はそう言って俺の前に握り拳を突き出してきた。

どうやら雷の方が冷静に状況判断で来ているようだった。

 

 

暁「お前に助けてもらってばかりだな。俺は」

 

雷「たまにはいいだろ?」

 

暁「違いねぇや。」

 

 

俺は突き出された拳に拳を軽くぶつけた。

 

 

暁「すまない。」

 

ミネルヴァ「いえ、信じてもらえるのならそれで結構です。」

 

フライシュッツ「うんうん、友情ってのはいいよね~。後でハグしてあげる。」

 

ミネルヴァ「ネス、皆さんの治癒任せましたよ。」

 

ネス「勿論です。」

 

 

俺達は言われた通り一度後ろに下がりネスの治癒を受けた。

 

驚くことに傷や疲労が瞬く間に回復していった。

 

 

ドラグノフ「これが彼女の力」

 

雷「他の皆もあの数の異族をどんどんと倒していく」

 

リン「皆見て、ラファエルが」

 

 

リンの声で皆がラファエルの戦闘に目を向ける。

その光景に俺達はさらに驚く。自分達では手も足も出なかった相手をラグナロク、スイハ、エルキュールの3人は確実に攻撃を通していた。

 

だが──────

 

 

ラファエル「流石はエンシェントキラーズですね。 ですが、」

 

 

ラグナロクたちが攻撃した場所に傷は見当たらなかった。

 

 

ロンギヌス「そんな!!」

 

ラファエル「誰であろうと神である私に傷をつけることはできないのですよ。」

 

 

ラファエルは余裕に笑みを浮かべ続け、ラグナロクたちも攻撃を続けた。

 

 

雷「なあ暁」

 

暁「ん?」

 

雷「本当に傷がつけられないと思うか?」

 

暁「さぁな。」

 

雷「さぁなってお前なぁ~」

 

暁「真面目な話、個々だけでは無理だろうな。」

 

ドラグノフ「では個々だけでなければいけるのか?」

 

 

俺と雷の話を聞いていたドラグノフが話に入ってきた。

 

 

暁「確証は何処にもないけどな。」(キリッ)

 

雷「相変わらずだな、おい!」

 

ドラグノフ「はっはっは、でも、確かにいつも私達は個々で戦うって事はしていないな。常に誰かに背中を預けて戦ってきた。」

 

ティルフィング「エンシェントキラーズの彼女達とも契約を結んではどうでしょうかマスター。彼女たちもマスターと契約すれば今よりも強くなれるでしょうし。」

 

ネス「傷はどうですか?」

 

 

俺達が話しているとネスが傷が治っているか確認してきた。

気が付けば体のあちこちにあった傷は無くなり、痛みや疲労も取れていた。

 

 

暁「問題ない。戦闘前の状態とほとんど変わらない。ありがとう」

 

ネス「構いません。それより先程私達と契約を結ぶと聞こえたのですが」

 

 

どうやらこちらの話が聞こえていたみたいだ

 

 

暁「そういう話をしていたからな」

 

ネス「なら一つ質問いいでしょうか。」

 

暁「おう。」

 

ネス「貴方と契約したとして本当にあれに勝てるのですか?」

 

暁「知らん!」

 

ネス「なっ!そんないい加減なことで」

 

雷「でもやってみる価値ってのはあると思うぜ。それに俺達は勝つつもりでいつも戦ってきたんだ。これからもそのつもりだがな。」

 

暁「そうだな。アイツが神であっても負けるつもりはない!」

 

ネス「………私だけでは判断しかねますのでラグナロクに話します。もしラグナロクが貴方との契約を望むのなら私もお願いします。」

 

暁「分かった。」

 

ネス「それでは私はラグナロクに合流しますので」

 

 

そう言ってネスはラグナロクの所に向かって行った。

それとは入れ違いでチーム・スカーレットが合流した。

 

 

暁「出てきたのか。」

 

カミト「当たり前だ。お前たちにだけ任せるつもりはない。」

 

雷「もう大丈夫なのか?」

 

フィアナ「当たり前よ!」

 

雷「本当か?まだ無理してるんじゃ・・・」

 

フィアナ「智也君は心配し過ぎなのよ。」

 

雷「そうか~」

 

フィアナ「そうよ。」

 

暁「イチャコラやめい。でも、傷の回復とか本当に大丈夫なんだな?」

 

クレア「アンタが無理やり休憩させるからね。充分回復できたわ」

 

リンスレット「それにこれ以上見ているだけなんてできませんわ!」

 

エリス「私も同じ意見だ!!」

 

カミト「暁、もう一度俺達を戦場に立たせてくれるよな?」

 

暁「自分が戦えるって思ったらそれでいいだろ。俺達は何時もそうやって戦ってきたはずだろうに。だから俺に聞く必要はこれぽっちもない!」

 

カミト「そういえばそうだな。」

 

暁「だろ?」

 

カミト「ああ!」

 

 

俺達はエンシェントキラーズと戦闘をしている異族とラファエルに向き直る。

 

 

雷「どうするよ暁?」

 

暁「どうしようか。」

 

雷「何も考えてないのかよ。」

 

ティルフィング「いつも通りですね。」

 

ドラグノフ「契約の話がどう転ぶかはわからないが、もし契約を結ぶのであれば暁を護りつつ時間稼ぎ、それまでは彼女達と共同戦線で各々異族とラファエルへ攻撃ではいいのではないか?」

 

カミト「俺はそれでいいと思う。」

 

クレア「問題なし。」

 

 

俺も含め残りの全員がドラグノフの意見に賛成し、動き出した。

 

 

 




クレア「大城、本当に大丈夫なのかしら?」

フィアナ「信じるしかないわ。」

リンスレット「一様ネタは考えているみたいですわよ。」

エリス「『考えるだけで書けるとは言っていない』とか言いそうだな」

ティルフィング「流石にそれは……ないとは言えませんね」

ドラグノフ「しかし我々はフィアナの言う通り信じることしかできないな。」



女性陣『・・・・・』



女性陣⦅今回もダメ(ね)(だろうな)(ですわね)(かしらね)(でしょうね)。⦆



~ 大城の部屋 ~

大城「へっくしょん!……?」



※ 感想がございましたらよろしくお願いします。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第47話 領土防衛 partフィアナ ー後編ー

大城「どうも皆さん作者です。今回のゲストはドラグノフさんとティルフィングさんです。」

ドラグノフ「よろしくな。」

ティルフィング「よろしくお願いします。」

ドラグノフ「大城、投稿また遅れたな?」

大城「申し訳ないです。最近どうも書く気力がわかないんですよね」

ティルフィング「スランプでしょうか?」

大城「それとはなんか違う気もしますが、近いものな気がします。とまぁ遅くなった言い訳はこのぐらいにして、読者の皆様遅くなりすみません。このまま注意事項に行きます。」


※ 誤字・脱字、キャラ崩壊、読み難い所の存在など


ドラグノフ「以上が大丈夫な読者の皆さんは」

ティルフィング「楽しんで読んでください。」





~~ ラグナロクside ~~

 

神ラファエルと戦闘を始めて数十分が経過したときマスター達の回復に着いていたはずのネスがいつの間にか戦闘に参加していた。

 

 

ラグナロク「ネス、マスター達の回復は?」

 

ネス「終わっているよ。今はミネルヴァ達と異族と戦っているよ。」

 

ラグナロク「そう。間に合ってよかったわ。」

 

ネス「ラグナロク」

 

ラグナロク「何かしら?」

 

 

私がネスに尋ねるとネスはマスター達との会話を話してくれた。

 

 

ラグナロク「マスター達がそんな話を」

 

ネス「確かに彼はマスターです。でも、契約するだけで動きやすくなるなんてこと本当にあると思いますか?」

 

ラグナロク「正直信じられない話ね。」

 

ネス「ラグナロクもそう思いますよね。」

 

ラグナロク「でも」

 

ネス「?」

 

ラグナロク「もしその話が本当なら面白いと思わない?」

 

ネス「ラグナロク、もしかして」

 

ラグナロク「マスターのもとに皆を集めましょう。」

 

ネス「正気ですか!?」

 

ラグナロク「私は本気よ。マスターにそれだけの力があることは私達が一番よく知っているじゃない。それに……」

 

ネス「それに?」

 

 

私はネスから少し離れたところで戦っているマスターに目を向けた。

 

 

ラグナロク「マスターをこの世界に連れてきたのは私達なんだからそれぐらいの事協力してもいいと思わない?」

 

ネス「その言い方だと『責任があるから契約をする。』みたいな言い方だね?」

 

ラグナロク「その解釈で間違いないわ。」

 

ネス(本当は違うことを思っているくせに、て言うのは野暮だね。)「わかったよ。後ろのミネルヴァ達に伝えてくるよ。」

 

ラグナロク「お願いするわ。」

 

ネス「任せてください。」

 

 

ネスはミネルヴァ達の所に向かって行った。

 

私は私でスイハとエルキュールにこの事を伝えた。

 

 

スイハ「ラグナロクの決めたことなら私は従うまでです。」(わ、私がマスターと契約を……)

 

エルキュール「それでみんなの希望になれるのなら」

 

ラグナロク「なら決まりね。」

 

 

私達はラファエルに悟られないように攻撃し続けた。

 

 

 

~~ ラグナロクside out ~~

 

 

 

 

 

~~ 暁side ~~

 

 

ネス「マスター!」

 

 

真上から声がしたので俺は見上げた。

 

 

暁「どうだった?」

 

ネス「ラグナロクは貴方との契約に賛成しました。私はミネルヴァ達と話が……」

 

暁「分かった。」

 

ネス「まだ話の途中ですよ!?」

 

暁「ラグナロクの賛成の話をあの4人にするからその間、戦闘のカバーをしてほしいって言いたいんだろ。違うか?」

 

ネス「え、ええ。その通りです。」

 

暁「戦闘はこっちに任せてもらって大丈夫だ。回復してもらった分しっかりと働かせてもらう。」

 

ネス「任せてもいいんですね。」

 

暁「おうよ。」

 

ネス「それではお願いします。ミネルヴァ達と話がついたらまた知らせに戻ってきますので。」

 

暁「了解した。」

 

 

そしてネスは4人のもとへと飛んで行った。

 

俺はネスがミネルヴァ達のもとに向かう姿を見ながら仲間たちに念話(テレパシー)を繋げた。

 

 

暁(ネスが来て話が決まったわけなんだが……)

 

雷(時間稼ぎだろ?任せろ)

 

暁(話が早くて助かるよ。)

 

ドラグノフ(そのまま契約に入るのか?)

 

暁(そうなるだろうな。)

 

カミト(二手に分けた方がいいんじゃないか?)

 

雷(でもこの戦闘の中でどう分けるつもりだ?)

 

ティルフィング(ラファエルを誰が抑えるのかだけでも決めればいいのでは?)

 

暁(それなら俺が考えたメンバーで頼んでもいいか?)

 

ドラグノフ(聞こうじゃないか。)

 

暁(雷とドラグノフにムイとシィ、キル姫からはティルフィングとマサムネ、パラシュにレーヴァテイン、そしてチーム・スカーレット全員これが俺の考えだ。)

 

カミト(俺達から誰かそっちに置かなくても大丈夫なのか?)

 

暁(大丈夫だよ。その代わりしっかり時間稼ぎをしてくれ)

 

カミト(任せてくれ。)

 

暁(あとの者達は契約中の俺を護って欲しい。)

 

ミレイ「雷と組めないのは残念だけど、確かに組み合わせとしては妥当ね。」

 

マサムネ「ムラマサ、主君の護衛しっかりと果すのだぞ。」

 

ムラマサ「はい!! 姉上!」

 

 

こちらの話がまとまり、俺はネスが戻ってくるのを待った。

 

 

それからしばらくしてネスが戻ってきた。

 

 

ネス「ミネルヴァ達も「ラグナロクに意思に従う。」との事なので契約に入れます。」

 

暁「分かった。」(皆、ネスから他のエンシェントキラーズたちが契約してくれると言ってくれた。俺は契約に入るため先程頼んだメンバーで動いてもらいたい。一度皆から身を離した者の頼み事で気乗りしないと思うがここは頼む!)

 

雷(もうそのことはいいよ。皆お前の事をもう一度信じてる。だから、何が何でもお前の契約の邪魔はさせない!)

 

ドラグノフ(全員、話が出た時点で心の準備はできていた。だが、できるだけ早く頼むぞ。)

 

クレア「カミト行くわよ!」

 

カミト「ああ!」

 

 

皆俺の声に耳を傾けてくれた。

ちょっと前まで俺は仲間である皆から背を向けていたというのに。

俺の身勝手な行いで心配や嫌な思いをさせたに違いないそれなのに────

 

 

暁(ホント、お前ら御人好しにもほどがあるだろ

 

雷(何か言ったか?)

 

暁(いや、何でもない。)

 

雷(ラファエルと交戦に入り次第ラグナロク達をこっちに向かわせればいいんだよな?)

 

暁(そうなるな)

 

雷(その確認ができればあとは大丈夫だ。)

 

ドラグノフ(では、ラファエルを抑える組は仕掛けに行こうか。)

 

ティルフィング(マスター、ご武運を)

 

暁(俺は護られてるだけだよ。ティルフィングも俺が動けるまでは無茶な動きはしないでくれよ?)

 

ティルフィング(分かっています。では)

 

 

ドラグノフの言葉でラファエルを抑える役目を任せた仲間たちはラファエルに向かって動き出し、エンシェントキラーズ達はこちらの動きを読み取って俺のもとへと向かってきた。

 

ミネルヴァ、フライシュッツ、グラーシーザ、ダモクレス、ネスは俺とさほど離れていなかったためすぐに合流することができていた。

 

 

ミネルヴァ「それにしてもこの人数といっきに契約なんてできるのですか?」

 

暁「分からない。」

 

ミネルヴァ「分からないって、それじゃあ 暁「でも、」……?」

 

暁「君たちが俺を信じてくれるというのならきっとできる。そんな気がするんだよ。」

 

フライシュッツ「おねえちゃんはマスターくんの事信じてるよ~。」

 

暁「あはは…、それはありがたい。」

 

 

俺はミネルヴァ達と戦闘の話をしながら契約の準備を進めていき、残るはラグナロク、スイハ、エルキュールの合流だけとなっていた。

 

 

暁「遅すぎないか?」

 

ネス「ラグナロクが規律を破ることなんてありえません。」

 

ムラマサ「主君!!」

 

暁「ムラマサ、どうした?」

 

 

ムラマサに状況を聞くとラグナロク達三名は大量の異族を囲まれて身動きが取れない状況に陥っているとの事だった。

 

 

暁「何だって! すぐにでも向かいたいが……」

 

ミネルヴァ「大丈夫です。異族ごときで彼女たちはやられたりはしません。だから、今この場にいる私達だけでも先に貴方と契約を執り行うべきです。皆、貴方を待っているのでしょう?」

 

暁「・・・・・分かった。契約を始める!!」

 

 

俺は少し考えてミネルヴァの言うことが正しいと判断し、契約の儀を開始した。

 

俺達の足元には契約用の魔法陣が展開されており、魔法陣は光を発した。

俺は俺の魔法陣と彼女たちの魔法陣とを魔力で繋げた。

 

そして、魔法陣が発していた光が消えるとその発生元である魔法陣も消えた。

結果だけを言うなれば契約は成功したのだ。

 

契約を終えたエンシェントキラーズ達は驚いていた。

 

 

ミネルヴァ「これは!?」

 

フライシュッツ「体がすごく軽いよ!?」

 

ネス「そして、何だか温かい気持ちになれます。」

 

ダモクレス「マスターの愛だね。」

 

グラーシーザ「マスターのおかげで異族どもを一掃できる気がするぞ。」

 

暁「成功してよかったよ。急いでラグナロク達のもとに行こう!」

 

 

俺は護ってくれていた者たちにこのまま異族との戦闘に集中するように告げ、ミネルヴァ達とともにラグナロク達のもとへ向かった。

 

それほど距離が空いていたわけではなかったのですぐに戦闘に参加した。

 

俺達はラグナロク達がいるであろう中心に向かって一点突破で異族たちを切り伏せて行った。

 

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 

 

 

~~ ラグナロクside ~~

 

 

私、スイハ、エルキュールはマスターの仲間たちにラファエルとの戦闘を任せて、マスターのもとへ向かっている最中、大量の異族に囲まれてしまい身動きが取れない状況に陥っていた。

 

 

スイハ「流石にこの数と距離では弓が引けません!!」

 

ラグナロク「何とかしてこの状況を脱出しなくては!」

 

エルキュール「ここで倒れるわけにはいかないのです!」

 

 

最初は善戦していたものの気が付けば数に押されていた。

 

 

ラグナロク「このままでは…」

 

 

そう思ったとき────────

 

 

ミネルヴァ「ラグナロク!」

 

 

ミネルヴァの声が聞こえたかと思うと正面の異族が消滅していた。

そして、マスターとミネルヴァ、ネスが私達と合流した。

 

 

ネス「ラグナロク、スイハ、エルキュール、今回復します。」

 

ラグナロク「ありがとうネス。それより貴女達契約は?」

 

ミネルヴァ「契約なら先に終わらせました。後はラグナロク達だけです。」

 

ラグナロク「そう。」

 

 

私は他の仲間の戦闘を見て驚いた。

明らかに契約する前よりも動きがよくなっていたのだから

 

 

ラグナロク「すごいわね。契約するだけでこうも変わるなんて」

 

ミネルヴァ「ラグナロクが驚くのも無理ありません。私も最初は半信半疑でしたから。でも契約してみると本当に身体が軽くなって動きやすいんです。」

 

ラグナロク「そのようね。」

 

ミネルヴァ「ラグナロク、私は戦闘に入り契約の邪魔を防ぎに戻ります。」

 

ラグナロク「分かったわ。」

 

ミネルヴァ「それでは。」

 

 

ミネルヴァが離れていくのと同時に回復が終了した。

そして、マスターに話しかけた。

 

 

暁「傷は大丈夫なのか?」

 

ラグナロク「ええ、もう平気よ。それよりも…」

 

暁「契約だろ?こんなど真ん中で無茶な気もするが」

 

ラグナロク「でもやるしかない。」

 

暁「だな。」

 

 

私はスイハとエルキュールの傷が癒えているのを確認するとマスターに契約を始めてもらうように伝えた。マスターは頷くとともに魔法陣を展開し、契約の儀を開始した。

 

契約の儀はモノの数分で終わったのだが、身体が契約前よりも軽くなり体の底から力が沸き上がってくるのも感じ取れた。

 

 

スイハ「凄いですね。」

 

エルキュール「マスターと契約するとこんな感じなんだね。」

 

ラグナロク「これならいけるわ! マスターありがとう。」

 

暁「礼を言うのはまだ早いし、言うのはどちらかと言えば俺達の方だよ。」

 

 

周りの異族があらかた片付け、私達の契約が無事に終わっていることを確認したミネルヴァ達が集まってきた。

 

 

ミネルヴァ「ラグナロク」

 

スイハ「ラグナロク」

 

ダモクレス「ラグナロク」

 

グラーシーザ「ラグナロク」

 

ネス「ラグナロク」

 

フライシュッツ「ラグナロクちゃん」

 

 

皆が私の名を呼び見つめてきた。

私はこれに応えなくてはいけない。

 

 

ラグナロク「ええ! 皆、反撃よ!! 七つの光よ、御旗に集え!

 

 

 

~~ ラグナロクside out ~~

 

 

 

 

 




暁「大城や」

大城「はいはい。」

雷「八月過ぎましたが?」

大城「そうですね」

カミト「八月に夏祭り書くとか言ってなかったか?」

大城「言いましたね。」

ドラグノフ「書けていないのだが?」

大城「うっす。」

クレア「言い訳聞いてあげるから言いなさい?」

大城「私は気付いてしまったんです。」

リンスレット「何にです?」

大城「わざわざリアルに合わせなければいけないことはないと!」

フィアナ「死刑」

大城「ですよねー。」


-大城logout-


エリス「やはりこうなったか。」

クレア「予想通りになったわね。」

フィアナ「でも書くみたいなことは言っていたわね。」

リンスレット「それもいつになることやら」


女性陣『・・・・・。はぁ~』


暁「俺達は大城を見張りに行くか」

雷「それでも変わらなさそうだけどな。」

カミト「あいつの性格がたまにわからん」

暁・雷「「それな」」



※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第48話 決着

大城「どうも皆さん作者です。今回のゲストはカミトとクレアさんです。」

カミト「よろしく。」

クレア「よろしくね。」

カミト「今回は出せたんだな。」

クレア「時間は過ぎているけどね。」

大城「そこは…不定期ですし…ね?」

クレア「はいはい。」

カミト「この調子は維持できそうなのか?」

大城「何とかしてみるつもりではいます。」

クレア「頑張んなさいよ。」

大城「はい。それでは、注意事項です。」


※ 誤字・脱字、キャラ崩壊、読みにくい所の存在など


カミト・クレア「「これらが大丈夫な読者の皆様は楽しんでください。」」




ラグナロク達エンシェントキラーズとの契約に成功した俺は雷のもとへと向かった。

 

 

暁「待たせた。」

 

雷「意外と速かったな。」

 

暁「そっちの方がいいだろ?」

 

雷「だな。」

 

 

俺が雷と合流する時にはエンシェントキラーズ達はティルフィング達とともに神を相手にしていた。

 

 

暁「さて、そろそろ行きますか。」

 

雷「久しぶりに俺も前に出るわ。」

 

暁「お?珍しいな」

 

雷「久しぶりにお前の隣に立ちたくなったんだよ。神相手だそれくらいしないとだろ?」

 

暁「隣に立つのはいいが……遅れるなよ?」

 

雷「そっくりそのまま返すぜ。」

 

 

俺は刀を二本、雷はスナイパーライフルを創り出した。

 

 

雷「ドラグノフ、ムイ、シィ、援護射撃は任せた!」

 

ドラグノフ「任された。」

 

ムイ「了解」

 

シィ「任せて」

 

暁「準備は?」

 

雷「ばっちりだ。いつでも」

 

暁「それじゃあ頼むわ。」

 

 

雷はスコープを覗き込み、引き金に指を掛けた。

ラファエル、キル姫達、チーム・スカーレットが入り乱れる中、雷はタイミングを見つけ引き金を引いた。

 

 

パアァ────ン

 

 

銃声が鳴ると俺は走り出した。

弾丸は仲間たちの間をうまく抜けてラファエルの頬を掠めた。

 

 

雷「ちっ、掠めただけか。でも」

 

 

雷はライフルのマガジンに装填されている分を撃ち切るまで一発一発狙いを定めて撃ち放った。

弾切れを起こすころにはラファエルの至る所にかすり傷程度だが傷はできていた。

 

 

ラファエル「!!」

 

 

ラファエルは驚き、動きを止めた。

それも当然、傷をつけることができないと思っていたのに掠めた箇所には傷ができていたからだ。

 

 

ラファエル「神である私に傷!?」

 

ティルフィング「傷が!」

 

クレア「でも…」

 

 

その傷はすでに癒えていた。

 

 

リンスレット「そんな!」

 

ラファエル「傷を作ったことには素直に賛辞を送りましょう。ですが、それだけでは私には勝てないのですよ!」

 

暁「なら、防御が薄いであろう後ろに全力技を叩き込んだらどうなるんだろうな?」

 

ティルフィング「マスター!」

 

ラファエル「!? いつの間に私の後ろを!!」

 

暁「剣技、Xブレイド!!」

 

ラファエル「ぐっ!」

 

 

俺の技はラファエルの背中に大きな傷を作った。

傷はすぐに癒えるということはないが徐々に癒えている状態だった。

 

 

ラファエル「神である私にこのような傷を!!」

 

暁「やっぱりか」

 

ティルフィング「どういうことですかマスター?」

 

暁「簡単な話さ。ラファエルは単に固いだけじゃない。自己治癒能力が高いんだよ。ちょっとした傷なら傷ができていないように見えるぐらいにはな。そうだろ?神ラファエル」

 

ラファエル「よく見抜きましたね。」

 

 

ラファエルは傷が痛むのだろう顔をしかめながら答えた。

 

 

暁「最初は本当に勝てないと思ったさ。傷がつけられないんだからな」

 

ラファエル「ではなぜ見抜けたのですか?」

 

暁「あんたとエンシェントキラーズとの戦闘で不思議に思ったのからさ。俺達には力で捻じ伏せようとしていたのに彼女達には攻撃を当てさせて自分からは攻撃をしなかった。だから何かしらの仕組みがあると思ってネスが俺達を回復しているときにあんたが攻撃されたところを集中して見ていたんだよ。そしたらあら不思議、そこにあったはずの傷がさっきのように無くなってることに気付いたってわけだ。」

 

ネス「あの短時間でそんなことを」

 

カミト「相変わらずすごい洞察力だな。」

 

暁「答え合わせもした。あんたの弱点が今ここにいる全員に知られているわけだがまだやるか?」

 

ラファエル「当然です。神である私が貴方達人間如きに負けるはずがないのですから。それに、長々と喋ってくれたおかげで傷はほぼ癒えました。さあ、二回戦目を始めましょうか」

 

 

ラファエルがそう言うと翼を大きく羽ばたかせた。

羽ばたかせたときに生じる風はあまりにも強く踏ん張るので精いっぱいだった。

 

 

ラファエル「くらいなさい。」

 

 

ラファエルが手を空に掲げると光の槍が大量に現れた。

そして挙げられて手を振り下ろすとそれに合わせて光の槍は雨のように俺達に降りかかってきた。

 

俺と雷は障壁を張って自分たちの契約姫達を守り、カミト達はフィアナの契約精霊のゲオルギウスの盾で光の槍を凌いだ。

 

 

ラファエル「しぶといですね。」

 

雷「これならどうだ!」

 

 

スナイパーライフルからアサルトライフル両手持ちに変えた雷がラファエルめがけて乱射する。

弾丸はラファエルの翼によって全弾防がれる。

 

 

雷「暁、今だ!」

 

暁「ほい来た。」

 

 

俺は雷の合図とともに高くジャンプした。

 

 

暁「そろそろ終わりにしよう。はあぁーーーー!!」

 

 

二本の刀を振り上げすぐに振り下ろし、ラファエルの右側の大翼を切り裂いた。

 

 

ラファエル「くっ! 死になさい!」

 

 

ラファエルはすぐさま光の槍を創り出し俺を刺そうとした。

 

 

クレア「させないわ! 炎王の息吹(ヘルブレイズ)

 

リンスレット「魔氷の矢弾(フリージング・アロー)

 

 

2人の攻撃がラファエルの背中に命中した。

ラファエルの手元が少しずれて俺は致命傷は避けたものの左肩を貫かれた。

左肩を貫かれたことで激痛が走る。

 

 

暁「ッ‼」

 

 

その後ラファエルから距離を取るため後ろに下がるとエンシェントキラーズ達が俺の所にやってきた。

 

 

ラグナロク「マスター、大丈夫?」

 

暁「何とか。」

 

ネス「傷の手当なら」

 

暁「今は俺の傷の事よりラファエルを倒すことに集中を」

 

ネス「ですが」

 

暁「別にこのまま死ぬわけじゃねぇんだから」

 

ネス「分かりました。」

 

ラグナロク「マスター、一つ案があるの。」

 

暁「案?」

 

ラグナロク「もしかしたらラファエルに勝てるかもしれない。」

 

暁「分かった。それで行こう」

 

ミネルヴァ「内容も聞かないで決めるんですか!?」

 

暁「俺以外の誰かを犠牲にするって内容なら止めるが……」

 

ネス「ラグナロクがそんな作戦を立てるはずありません。」

 

暁「なら、大丈夫だ。信じられる。」

 

ラグナロク「どうしてそう簡単に信じるの?」

 

暁「アンタの仲間がアンタを信じているから、だな」

 

ラグナロク「それだけなの?」

 

暁「俺はそれだけで十分だと思うが?」

 

ミネルヴァ「マスターは変わってますね。」

 

暁「よく言われる。」

 

ラグナロク「マスター、この作戦は一撃必殺に近いもの。だから」

 

暁「その隙ぐらい作って見せるさ。」

 

 

俺はエンシェントキラーズたちにそう言うとその場を後にし、前線の仲間に念話を繋げた。

 

 

暁(あー、あー、聞こえますか?)

 

雷(暁、どうした?)

 

カミト(アイツに勝てる算段でも付いたのか?)

 

暁(それに近いこと、だな。)

 

クレア(そう。なら、早く指示を頂戴。)

 

雷(クレアさんや暁の事だからどうせ今回も「隙を作ってくれ」って話だぜ?)

 

暁(分かってんじゃん。)

 

クレア(そうだとしてもよ。今の私達のリーダーは暁、アンタなんだから)

 

暁(俺がリーダー……はっ!? えっ、いや、はっ?)

 

 

クレアからの突拍子の無い言葉に俺は驚きながらも話を続けた。

 

 

リンスレット(それで、隙を作るのはいいですけれど誰が仕掛けるんですの?)

 

暁(エンシェントキラーズ達だ。この策は彼女達からの策だからな)

 

エリス(暁は彼女たちの作戦は成功すると思ったのだな?)

 

暁(確実…とまでは言わないがな。)

 

エリス(お前が信じると決めたのなら私達もそれを信じるまでだ。)

 

フィアナ(サポートは任せなさい。しっかり守ってみせるわ)

 

ドラグノフ(隙を作るということはさっきのような戦い方でいいのか?)

 

暁(今回は奴に攻撃させないようにしてもらう。要するに防御に集中させるほどの手数だな。)

 

ドラグノフ(私達銃姫と雷、クレア、リンスレット、エリスならともかく、暁達剣士はそうはいかないと思うのだが?)

 

暁(そうですね。)

 

ドラグノフ(お前…、まさか!)

 

暁(そのまさかですね。)

 

 

ドラグノフは俺の考えていることを察したのか頭を抱えたようだ。

 

 

ドラグノフ(無理、とは言わないが無茶苦茶だな。)

 

暁(今更ですね。)

 

雷(今更だな。)

 

ドラグノフ(そうかもしれないが)

 

クレア(結局、どういう作戦なの?)

 

暁(体力のギリギリまで魔法を放ち続ける、というもの。)

 

リンスレット(………へっ?)

 

雷(その反応が普通なのになぁ~。俺はその反応ができない。慣れって怖いね。)

 

エリス(それを私達にもしろと?)

 

暁(はい。)

 

リンスレット・エリス((鬼 (か) (ですの) !?))

 

 

リンスレットとエリスの叫びが頭に響く。

 

 

暁(いやだなぁ~、半分冗談ですよ。)

 

クレア(半分は本気だったんじゃない…)

 

暁(この辺の無茶は雷に任せますよ。)

 

雷(ま、そうなりますよね。ムイ、シィ、準備を頼む。)

 

ムイ(会話を聞いていたからすでに準備はできている。)

 

シィ(いつでも…、いける…)

 

雷(俺の契約姫はとても優秀だわ~。)

 

暁(はいはい、そういうのはこの戦いが終わってからにして。)

 

 

戦闘をこなしながらだがなんだかんだで作戦(?)の方は固まった。

 

 

暁(所定の位置に頼む。)

 

 

俺がそう話すと雷、ドラグノフ、ムイ、シィ、クレア、リンスレット、エリスはラファエルを囲むように配置に着いた。

 

 

ラファエル「貴方達の作戦はエンシェントキラーズが私をしとめる作戦なのでしょう?」

 

暁「分かります?」

 

ラファエル「そのことぐらいすぐに分かります。」

 

暁「そう、まあバレようが実行するんですけどね。」

 

ラファエル「何のつもりですか?」

 

暁「ちょっとの間攻撃の手を止めてもらおうと思ってな。」

 

ラファエル「人間如きにできますかね?」

 

暁「あまり人間を……なめるのよ?」

 

 

俺がラファエルを睨め着けると雷が手を挙げすぐに手を振り下ろした。

そして雷、ドラグノフ、ムイ、シィ、クレア、リンスレット、エリスが一斉に攻撃を開始した。

 

 

ラファエル「くっ! 確かにこれでは攻撃ができませんね」

 

 

雷達のあまりの弾幕の量にラファエルは正面の攻撃を避けつつ、後ろの攻撃を防いでいた。

 

弾幕をまき散らし始めて数十分が経過した。

 

 

雷(そろそろこちらに穴ができるころだ。)

 

暁(了解、準備しておくよ。)「ティルフィング、俺の片腕として隣頼むわ。」

 

ティルフィング「分かっています。それより左肩、本当に大丈夫なんですか?」

 

暁「簡易的な治癒魔法はかけてあるから大丈夫だよ。痛みはあるけど」

 

ティルフィング「マスターあまり無茶は…」

 

暁「するなと言っても意味がないのは知っているだろ?」

 

ティルフィング「それもそうですね。」

 

 

会話が終わったすぐに雷達の手が止まった。

雷、ドラグノフ、ムイ、シィはリロードに入り、クレア、リンスレット、エリスは肩で息をしていた。

その隙にとラファエルは光の槍を生成し、エンシェントキラーズ達に向かって行った。

 

 

ラファエル「貴女達が消えれば私が勝利する!! 消えなさい。」

 

 

ラファエルが槍を持った右腕を振り下ろした。

だがラグナロクはその攻撃を避けようとしなかった……

 

なぜなら────

 

 

暁「ティルフィング!」

 

ティルフィング「はい!」

 

 

俺とティルフィングはラファエルとラグナロクの間に割って入り振り下ろされた槍を弾き返した。

 

 

ラファエル「そんな…バカな……‼」

 

 

俺とティルフィングに勢いよく弾かれ、ラファエルは体を後ろに仰け反らせた。

 

 

ラグナロク「ありがとうマスター。貴方達が作ってくれたこのチャンス無駄にはしない!神ラファエル、これで終わりです。七つの光よ、御旗に集え! 神の(くびき)から全てを解き放つ皆の力を・・・今!」

 

 

ラグナロクの言葉とともに眩い光が放たれる。

そして、ラファエルを一閃した。

 

 

ラファエル「この私が…負けた…? 人間風情に?」

 

 

ラファエルはラグナロクに一撃を受けて深手を負い、戦闘継続が不可能な状態に陥っていた。

 

 

暁「だから言ったはずだ。人間をなめるなと。」

 

ラファエル「くっ!」

 

暁「もう一度聞く。まだやるか?」

 

ラファエル「この場は引きましょう。ですがまた近いうちに貴方達を消しに来ます。」

 

 

ラファエルはそれだけを言い残すと消えて行った。

ラファエルが消えるとその場にいた異族は灰となり霧散していき空は青空を取り戻した。

 

 

クレア「終わったの?」

 

カミト「ああ、終わったんだ。俺達の勝利だ!」

 

 

 

全員「「「やったーー!!」」」

 

 

 

その場で全員が喜びの声を上げた。

長きにわたる戦闘がようやく終結を迎えたのだ。

 

 

暁「何とかなってよかった。」

 

ティルフィング「やりましたねマスター。」

 

暁「ああ。」

 

 

ティルフィングと話しているとエンシェントキラーズ達がこちらに来た。

 

 

ラグナロク「お疲れ様、マスター。」

 

暁「ラグナロク達のおかげで勝てた。礼を言う。ありがとう。」

 

ラグナロク「私達だけの力じゃないわ。マスター達の力もあってこそ掴めた勝利よ。」

 

暁「そう言ってもらえて嬉しいよ。イテテ」

 

フライシュッツ「マスターくん大丈夫!?」

 

暁「大丈夫、平気です。」

 

 

ティルフィングを横目で見るとミネルヴァと話していた。

 

 

ミネルヴァ「マスターはいつもあんな感じの行動を?」

 

ティルフィング「そうですね。戦闘になるといつもああやって無茶をしますよ。」

 

ミネルヴァ「皆さんマスターには苦労されているんですね。」

 

ティルフィング「慣れてしまいましたけどね。」

 

 

話の内容は聞こえてこないが楽しそうならそれでよし。

 

 

暁「ラグナロク達はこれからどうするんだ?」

 

ラグナロク「どうするとは?」

 

暁「いや、俺的にはこのまま同行してくれると嬉しいんだがそちらに事情があるのならそちらを優先してもらいたくてな……」

 

ラグナロク「私達エンシェントキラーズはマスターに同行するわ。契約も維持で」

 

暁「いい…のか…?」

 

ラグナロク「皆、異論はないわね?」

 

 

エンシェントキラーズたち「「「はい。」」」

 

 

暁「本当にいいのか?」

 

ラグナロク「同じことを言わせないで」

 

暁「わ、悪い。」

 

ラグナロク「これからもよろしくね、マスター。」

 

 

ラグナロクはそう言うと握手を求めてきた。

 

だから────────

 

 

暁「ああ、よろしく。」

 

 

そう言って出された手を握り握手に応じた。

 

握手が終わるとラグナロクは持っていた旗を高く掲げ一言叫んだ。

 

 

ラグナロク「白き意志は誰にも砕けはしない!」

 

 

 

 




暁「そういえば、大城の作品1周年って何時だったっけ?」

雷「本人に聞けば」

フィアナ「何の話をしているの?」

雷「いや、大城の作品1周年って何時だっけって話をしてたんだよ。」

フィアナ「その辺私達も把握してないわね。」

暁「だろ?で、本人に確認を取ろうかと……」

クレア「面白そうな話を聞いたから連れてきたわ。」

リンスレット「意外とすんなり見つかりましたわね。」

大城「あのぅ、いきなりなんですか?」

クレア「アンタの1周年って何時なの?」

大城「・・・」

エリス「お前たち、何してるんだ?」

クレア「大城の1周年がいつなのか聞こうかと思ってね」

エリス「なるほど、おめでたいことだからなもうすぐというなら祝ってやっても」

大城「1週間と数日前の8月29日です。」

全員「「「はっ?」」」

大城「やっちゃったぜ。」

クレア「・・・・・」

大城「痛! あ、あのぅ、クレアさん?」

リンスレット「・・・・・」

フィアナ「・・・・・」

エリス「・・・・・」

大城「ちょっ、痛い! あの、痛いです。」

女性陣「・・・・・」

大城「何も言わずに殴るのはやめて、精神的にも物理的にも来ますので。あ、あのぅ、痛いです!」

暁「とまぁ作者の大城に代わって言わせていただきます。こんな作者ですが、1周年を迎えてました。」

雷「言うことはただ一つ、こんな作者ですが読者の皆様にはこれからも楽しく読んでいただけると幸いです。」

暁・雷「「これからもよろしくお願いします。」」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第49話 休息

大城「読者の皆様、大変遅くなりました。作者です。今回のゲスト紹介です。暁とカミトです。」

暁「よろしく。」

カミト「よろしくな。」

暁「遅れた理由は?」

大城「ネタが思い浮かびませんでした。それと創作意欲ですね。」

カミト「お前結構前に一ヶ月は空けないように投稿って言ってたよな?」

大城「そうですね。」

暁「前回の投稿日何時だっけ?」

大城「9月6日ですね。」

カミト「今回の投稿は?」

大城「10月5日ですね。」

暁「死刑確定。女性陣の皆様後よろしく。」

女性陣『任せて』

カミト「大城の死刑が確定したので注意事項です。」


※ 誤字・脱字、キャラ崩壊、読み難い所の存在など


暁「これらが大丈夫な読者の皆様は楽しんで読んでください。」





神であるラファエルとの長い戦闘を終えひと段落した。

バラバラで戦闘をしていたので全員集合することにした。

 

 

暁「とりあえず、街に戻りながら他の契約姫達と合流しますか。」

 

雷「だな。にしても疲れた。」

 

ドラグノフ「これからどうするのだ?」

 

暁「すぐにでも元居た世界に戻りたいが、今は体を休めることに集中するべきだろうな。」

 

雷「と、言うことは?」

 

ティルフィング「久しぶりの休日ですね。」

 

雷「でも、寝て過ごしそう。」

 

暁「マジそれな。」

 

 

こんなやり取りをしながら後ろで異族と戦っていた他の契約姫達と合流した。

 

 

ミレイ*1「流石は私達の契約者ね。」

 

雷「後方での異族との戦闘お疲れ様、ミレイ、それにファルも。」

 

ファル*2「お疲れ様です雷さん。」

 

暁「お疲れ、アルテミス、フライクーゲル、ムラマサ。」

 

アルテミス「お疲れ様です。マスター」

 

フライクーゲル「お疲れ。マスター」

 

ムラマサ「お疲れ様です。主君」

 

クレア「それにしても疲れたわ。」

 

リンスレット「皆さん同じ気持ちですわよ。クレア」

 

 

皆と合流した俺は少し休憩と思い門の前の隣に座り込んだ。

 

 

雷「お前何してんだよ」

 

暁「休憩のため座っています。」

 

雷「じゃあ俺も。正直立っているのがしんどい。」

 

 

そして雷も座りだした。

その後は他の仲間たちも限界だと思ったのだろうその場に座りだした。

 

数分してカミトがこちらに来た。

 

 

カミト「暁、お前たちはこれからどうするんだ?」

 

暁「自分たちの世界に帰る!」

 

 

俺のこの言葉にこちらの世界で契約したキル姫や銃姫がこちらを見た。

その中にフィアナもいたのだがそのことには俺達は気付いてはいなかった。

 

 

カミト「やっぱりそうなるよな」

 

雷「と言っても準備とか休息の意味で明後日に帰る予定だけどな。そうだろ?」

 

暁「そうだな。」

 

カミト「・・・・・」

 

マサムネ「主君、拙者達は……」

 

暁「お前たちは一緒に連れて行くから安心してくれ。」

 

マサムネ「そうか。」

 

 

俺の言葉を聞いたキル姫と銃姫は安堵した。

そして、俺達の話を聞いて目を瞑っていたカミトは目を開けると唐突なことを言い出した。

 

 

カミト「暁、俺も連れて行ってくれないか?」

 

 

唐突なことに皆驚いたがその中でもやはりクレア達が一番驚いていた。

 

 

クレア「はぁ!あんた何考えてるの!?」

 

リンスレット「そうですわ!この世界はどうするおつもりですの!?」

 

カミト「そこはお前たちがいるし……」

 

エリス「お前に言いたいのはそういうことではない!」

 

フィアナ「・・・・・」

 

クレア「フィアナも何とか言ってやりなさい。」

 

フィアナ「えっ?……あぁ、そうね。」

 

クレア「どうしたのよ?」

 

 

フィアナの反応にクレアは不思議に思った。

 

 

暁「お前、本気か?」

 

カミト「勿論だ。」

 

暁「そもそも、お前が俺達の世界に来ることができるのか分からんのに。」

 

ラグナロク「可能よ。」

 

 

すると離れてこの話を聞いていたラグナロクがその言葉とともにこちらに来た。

 

 

暁「それは本当なのか?」

 

ラグナロク「ええ、マスター達に使った能力と同じですから。」

 

暁「それもそうか。」

 

 

今更思い出したが俺達をこの世界に連れてきたのはエンシェントキラーズ達の能力だったな。

 

 

暁「異世界を渡る能力かぁ~。」

 

ラグナロク「一つ言い忘れていたことがあるわ。この能力はとあるキル姫から一時的に借りてる力の一片でしかないの。それだけは覚えておいて。」

 

暁「ほへぇ~。とりあえず自由に使えるわけではないという理解でいいのか?」

 

ラグナロク「簡潔にまとめるとその通りよ。」

 

暁「了解した。まあ、カミトを連れていけることは分かったが」

 

カミト「なら!」

 

暁「正直、軽く『OK』とは言えないな。」

 

カミト「そう…だよな…。」

 

暁「そもそも、なんでお前は付いてこようと思ってるんだ?」

 

カミト「それはまぁ、」

 

 

カミトは照れ臭そうに頭を掻きながら言葉を続けた。

 

 

カミト「お前達には俺達の世界を一時的とはいえ救ってもらえたからな。だから、お前達が戻って自分たちの世界を救うって話なら次は俺が手伝おうかと思ってな。」

 

雷「別に気にしなくてもいいのに」

 

カミト「そこはほら、助け合いの精神ってやつだよ。」

 

暁「そう言ってくれるのは嬉しいが、俺が良しとしてもあの学園長は良しとしないだろう。それにカミト、お前の性格からして自分の世界をほっぽらかすような奴ではないだろう?」

 

雷「それに、カミトの事だ。俺達の世界に来たとしてもすぐにクレア達の心配、し始めそうだしな。」

 

カミト「言い返せない。」

 

暁「そうだろう。だから、今は気持ちだけ受け取っとくよ。」

 

カミト「そうか…」

 

 

カミトはどこか寂しそうに応えた。

 

 

暁「さて、いい加減動きますか~。」

 

雷「帰る前にすることは?」

 

暁「今日はとりあえずこのままオルデシア帝国の宿で一泊して、明日の朝一でアレイシア精霊学院に向かおうと思う。」

 

雷「グレイワース学院長に別れの挨拶だな。」

 

暁「そういうことだ。」

 

 

俺と雷がこれからの行動を話し合っていたら意外な人物が驚くことを言葉にした。

 

 

フィアナ「ねぇ暁くん。」

 

暁「ん?どうしたんだフィアナ?」

 

フィアナ「もし……、もしグレイワース学園長が許可を出したとしたら私が連れて行ってと言ったら連れて行ってくれるかしら?」

 

カミト「フィアナ!?」

 

クレア「フィアナまで!?」

 

暁「?????」

 

 

フィアナのこの言葉に俺の思考は【?】で埋まった。

だが、すぐに思考を戻して言葉にする。

 

 

暁「そのもしが起きたとして、フィアナの事を大切にしている人たちが許可しているのであれば連れて行っても構わないと思うな。」

 

雷「暁!? お前何を言って……」

 

フィアナ「そう。」

 

 

このフィアナの言葉が本気の言葉とはこの時この場にいた誰も本気だとは思わなかった。

 

 

フィアナ「それはそうと、宿ではなく家に来るといいわ。」

 

雷「いいのか?」

 

フィアナ「勿論。騎士達が既に報告してるかもしれないけど一応私からお父様に事の終息を教えたいし、それにここを護った貴方達をちゃんとお父様に紹介もしたいしね。」

 

雷「そういうことならお邪魔させてもらうわ。」

 

フィアナ「暁くんもそれでいいかしら?」

 

暁「皆が納得しているのならそれで構わない。」

 

フィアナ「なら決まりね。行きましょう。」

 

 

俺達はフィアナ達に付いて行く形でフィアナの屋敷に向かった。

屋敷に向かう途中、街を通るのだがこれがまた騒がしいのなんの、街を護ったことで至る所から住民達が俺達に感謝の言葉を送ってくるのだ。

悪い気はしないのだがどうも気持ちが落ち着かないでいた。

そんな時に雷に「俺達には似合わねぇな。」そう言われた。

だから俺は「まったくだ。」と応えた。

 

そして、そうこうしているうちに俺達はフィアナの屋敷に着いた。

屋敷の扉の前には男性が立っていた。

男性がフィアナの姿を確認するとすぐに駆け出した。それと同時にフィアナも駆け出し男性に抱き着いた。その時雷とカミトから聞いた話でどうやらフィアナを抱いている男性はフィアナの父親でこのオルデシア帝国の皇帝、アウグスト・レイ・オルデシアだと聞かされた。

 

俺が雷とカミトからいろいろ聞き終えるとどうやら向こうの話も終わったらしくフィアナとアウグスト皇帝がこちらにやってきた。

 

 

アウグスト「この度はこの帝国と民たち、何より娘のフィアナを護ってもらったことに感謝する。」

 

 

そう言うとアウグスト皇帝は頭を下げてきた。

 

 

雷「頭を上げてください!」

 

アウグスト「何か褒美をと思っているのだが、これだけの事をしてもらっては何がいいのか見当がついていなくてな。」

 

雷「それなら一晩泊めさせてもらえないでしょうか?」

 

アウグスト「そんなことでよいのか?」

 

雷「自分達はそれで構いません。」

 

アウグスト「そうか。それより最初に会ったときより人数が増えていないか?」

 

 

アウグスト皇帝が俺とキル姫達の事に気が付き訪ねてきた。

 

 

フィアナ「話したでしょ。少しの間別行動していた仲間の暁くんとその契約姫のキル姫達よ。」

 

暁「これは名乗り遅れました。自分は暁 (りょう)と言います。」

 

アウグスト「そうか君が暁くんか!君がすぐに戦場に出てくれたおかげで大勢の兵士達の命が助かった。本当にありがとう。」

 

暁「いえ、自分は……」

 

 

俺は皇帝の言葉を否定しようとしたが雷とカミトはそれを止めるように肩に手を置いてきたためその続きを言葉にはしなかった。

 

 

アウグスト「おっと、長話をしてしまったな。戦闘でとても疲れているだろうにすまない。すぐに使いの者に部屋を案内させよう。夕食までゆっくりするといい。」

 

 

アウグスト皇帝とともに屋敷に入った俺達はメイドに部屋を案内された。

そして、部屋でゆっくりしていると夕食の時間はあっという間に来てしまい、全員で夕食もご馳走になった。夕食中は今回の戦闘の事などの報告やちょっとした世間話などをしてこれまたすぐに時間が過ぎ去っていったのだった。

 

 

 

 

 

*1
この作品でのドルフロキャラ:WA2000の名前

*2
この作品でのドルフロキャラ:FALの名前




暁「大城どうなった?」

雷「ただいま女性陣にフルボッコにされています。」

カミト「そりゃあこんだけ間隔あったらそうなるわ。」

雷「自業自得ってやつだな。」

暁「さて、これからどうなることやら。」

雷「打ち切り見えてきたぞこれ」

大城「そんなこといたしません。」

3人「「「!!」」」

雷「逃げてきたのかよ…」

カミト「でも、そう思われても仕方ないぞこればっかりは」

大城「そうですね。こればっかりは自分の気持ちの問題なんで自分で何とかします。」

雷「頼むぞ。まじで」

大城「はい。」

カミト「それじゃあしめるか。」

暁「次回も楽しんで読んでください。」


※ 今回はいつにもまして投稿間隔が空いてしまい大変申し訳ございません。
  一周年を迎えていきなりこの感じで心配になると思いますが、これからも
  温かい目で見守って下さると幸いです。
  今後ともこの小説をよろしくお願いします。

  感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第50話 覚悟 ー前編ー

大城「どうも作者の大城です。今回のゲストは雷とドラグノフさんです。」

雷「よろしく。」

ドラグノフ「よろしく。」

雷「前回出してからそんなに日付経ってないのに出して大丈夫なのかよ。」

大城「まったくもってそんなことはありません。」

ドラグノフ「ストックにすればいいものを」

大城「なんか出さないといけない気がしたので」

雷「それはいいがまた1か月手前まで出さないなんてするなよ?」

大城「・・・・・」ふいっ

雷「明後日の方向を向くな!」

ドラグノフ「善処はしろよ。さて、注意事項だ。」


※ 誤字・脱字、キャラ崩壊、読みにくい所の存在など


雷「これらが大丈夫な読者の皆様は楽しんで読んでください。」





~~ 男性陣side ~~

 

夕飯を食べ終えた俺達は一度割り当てられた部屋に戻ると女性陣は浴室へ、男性陣は自室で待機していた。

 

 

暁「戦闘と言いお偉いさんの相手と言い、疲労感がやばいなぁ~。」

 

 

1人部屋でそんなことを言っていると扉が叩かれた。

俺は確認のため扉を開けるとそこには雷とカミトが立っていた。

 

 

暁「2人してどうしたんだ?」

 

雷「俺は暇だったからお前の所に来ただけ。」

 

カミト「俺は少しでもお前達と居たくてな。」

 

暁「そうか。とりあえず中に入れよ。」

 

 

廊下にいる2人を部屋の中に招き入れた。

 

 

暁「こうして招き入れたのはいいが…なんもないな。」

 

雷「それを言っちゃおしまいでしょ。」

 

カミト「確かにな。」

 

 

そこで会話が途切れ少しの静寂が訪れた。

 

 

カミト「そう言えば、神ラファエルが言っていた異物って結局のところ何のことを指していたんだ?」

 

暁「俺達だろうな。」

 

雷「やっぱり?」

 

カミト「本来はこの世界に存在しない存在ってことか。」

 

雷「それってこの世界で契約したキル姫や銃姫も含まれるのか?」

 

暁「たぶんな。」

 

カミト「なぁ暁。」

 

暁「ん?」

 

カミト「やっぱり連れてってくれ。お前たちの世界に」

 

雷「まだ諦めてなかったのか。」

 

カミト「ここまでしてもらって何も返さずに帰られるこっちの気持ちもわかってくれ。」

 

暁「そうは言われてもなぁ~。」

 

 

ここまでカミトの諦めが悪いとは。

 

本人希望で一緒に来てくれるのは正直に言えば嬉しい。だが、その私情だけでモノを言ってカミトを俺達と一緒に連れてきてしまえばそれこそこの世界にどういった影響が出るか分からない。すべてが終わった際にカミトを戻したくても戻せないかもしれないし、戻せたとしてもカミトの事を忘れられ、存在していなかったことになっているかもしれない。だからこそ、安易にカミトの提案を受け入れることができないわけだ。

 

カミトにそう言ったことが起きるかもしれないと伝えた。一瞬考えたみたいだがそれでも「頼む!」と言って聞かない。余程借りを残したままは嫌なのだろう。

 

 

暁「さっきの話を聞いても(なお)食い下がらないのか。」

 

カミト「ああ。」

 

雷「なんかもう、何も言えんな。」

 

暁「ならこうしよう。俺達が出発するまでにグレイワース学院長とクレア達を納得させれたら連れて行こう。だが、誰か一人でも否を言うようであればそれまでだ。諦めろよ?」

 

 

正直この条件であればカミトは確実に残らなければならない。

最初にカミトがこの事を言い出した時クレア達は全力で止めにかかっていた。だとすればもし、グレイワース学院長がよしとしても、クレア達は否を叩きつけてくれると考えた。

 

 

カミト「・・・わかった。」

 

 

俺の条件をカミトは渋々といった感じで納得してくれた。

 

こちらの話が終わると廊下から女性陣達の話し声が聞こえてきた。

 

 

カミト「さて、風呂の準備のため俺は戻るよ。雷は?」

 

雷「もう少し残ってから戻る。」

 

カミト「そうか。じゃあまた後で」

 

 

カミトは先に自分の部屋に戻って行った。

 

 

暁「で、お前が残った理由は?」

 

雷「さっきの条件、無理だと分かっているうえで出しただろ?」

 

暁「当たり前だ。どうなるか分からないのに連れて行けるか。」

 

雷「その確認がしたかっただけだ。俺も戻るわ。」

 

 

雷は扉の前まで行くと一度立ち止まった。

 

 

雷「お前は優しすぎだな。」

 

暁「・・・・・」

 

 

背を向けたままその言葉を俺に言って部屋を出た。

 

 

暁「俺も風呂の準備をするか。」

 

 

~~ 男性陣side out ~~

 

 

 

 

 

~~ 女性陣side ~~

 

暁が居る部屋に雷とカミトが集まる5分程前

 

 

── 脱衣所にて ──

 

リンスレット「ようやくシャワーで汗を流してさっぱりできますわね。」

 

エリス「汗で体がベタベタして気持ちが悪いな。」

 

クレア「・・・・・。」

 

リンスレット「あらクレア?どうかしましたの?」

 

 

リンスレットはクレアが向けている視線に沿って視線を向けた。

そこには大きな果実を二つぶら下げたフライシュッツがいた。

 

 

リンスレット「クレア…、あなたって人は……」

 

クレア「な、何よ!というかあれはデカすぎでしょ!?」

 

リンスレット「まぁ、それに関しては同意しますわ。」

 

エリス「一体何を食べたらあんな体になるのだろうな。」

 

フィアナ「クレアには一生縁のない話よね。」

 

クレア「喧嘩なら買うわよ。」

 

 

クレアとリンスレットの会話を聞いていた2人が会話に混ざってきた。

そうこう話していたらフライシュッツはクレア達の視線に気づいた。

 

 

フライシュッツ「あら~?どうかしたの?」

 

リンスレット「い、いえ、何でもありませんわ。」

 

フライシュッツ「?」

 

エリス「ちょっと気になった事を話していただけだ。ハッハッハ」

 

ミネルヴァ「おおかた、貴女のその胸について話していたのでしょう。」

 

フィアナ「良く分かったわね?」

 

ミネルヴァ「クレアさんの目線が気になっていたので確認しました。」

 

エリス「なるほど。」

 

フィアナ「それにしても、ティルフィングとドラグノフに会ってから思ってたけど、キル姫の皆も銃姫の皆もスタイルいいわね。」

 

ティルフィング「それを言うなら皆さんもですよ?」

 

リンスレット「何故でしょう。何故か負けた気になりますわ。」

 

ドラグノフ「そこに勝ち負けはないと思うのだが…」

 

ロンギヌス「皆さんスタイルいいなぁ~。」

 

リン「ロンギヌスだってスタイルいいじゃない。」

 

ロンギヌス「そう…かな…?///」

 

リン「というかクレア達はどうしてそこまで気にしてるの?」

 

クレア「えっ? いや、それはね? その~……」

 

リンスレット「決まってますわよ。カミトさんの事g…クレア「ちょっと!」」

 

 

リンスレットの途中までの言葉とクレアの反応から全員察した。

 

 

リン「ん~、でもカミトって他の子に目移りするようなタイプじゃないと思うけどなぁ~。」

 

クレア「それは、そうなんだけどね。」

 

リンスレット「まぁ、クレアの気持ちは分かりますわ。リンさんだって、雷さんが銃姫の方達以外で自分よりスタイルの良い方とパーティーを組んでいたら心配になるでしょう?」

 

リン「どうしてそこで雷が出てくるのかは分からないけど、まぁ確かに。」

 

リンスレット「クレアの今の気持ちはそういうことですわ。」

 

リン「良く分かったような? 分からないような?」

 

エリス「そういう感情を理解できるのはどちらかと言えばキル姫の皆じゃないか?」

 

ティルフィング「聞いて想像しましたがなんかこう、ムカッとしましたね。」

 

ロンギヌス「悲しくなりました。」

 

パラシュ「ティルフィングと同じ気持ちになったね。」

 

アルテミス「同じです。」

 

フライクーゲル「マスターに後できつーいお仕置きネ。」

 

リンスレット(あら?暁さんに何故か白羽の矢が立ちましたわ。)

 

ドラグノフ(理不尽なお仕置きが暁を襲うのか……)

 

ネス「皆さん、そろそろ入りませんか?」

 

 

ネスの一言で女性陣はようやく浴場に入った。

 

 

ミネルヴァ「これが、浴場ですか。脱衣所の広さから予想はしていましたが浴場も広いですね。」

 

ダモクレス「すごい!すごーい!」

 

 

そう言ってダモクレスは走り出す。

 

 

ミネルヴァ「ダモクレス、走ると危ないですよ。」

 

ダモクレス「大丈夫だよ。」

 

フライシュッツ「それにしても本当に広いわね。」

 

スイハ「ラグナロク、よかったらお背中流しましょうか?」

 

ラグナロク「そう? ならお願いしようかしら。」

 

スイハ「はい。任せてください。」

 

 

そして各々身体が洗い終わると風呂に入る。

 

 

クレア「今日の疲れが飛んで行く~。」

 

エリス「まったくだ。」

 

 

女性陣は完全にリラックスモードでゆっくりとする。

 

 

リンスレット「それにしてもカミトさんの発言には驚かされましたわね。」

 

クレア「そうね。」

 

ティルフィング「カミトさんがあんな発言をする理由ってわからないんですか?」

 

エリス「分からないわけではない。」

 

フィアナ「カミトくんの事だから借りを残したままでは納得いかないんでしょう。」

 

ドラグノフ「ふむ、だが自分の世界を離れてまで返す義理はないと思うのだが?」

 

クレア「貴女達の考えはそうかもしれないけどカミトの、いえ、私達の考えはそうではないのよ。世界を救ってもらった私達からすればね。」

 

 

クレアの言葉にはどこか悔しさが混じっているように聞こえた。

 

 

ドラグノフ「4人に聞こう。」

 

クレア「何かしら?」

 

ドラグノフ「もし、私達に付いてこれるとしたらどうする?」

 

 

少しの沈黙の後フィアナが口を開いた。

 

 

フィアナ「付いて行くわ。」

 

リンスレット「フィアナさん!?」

 

エリス「本気か!?」

 

フィアナ「本気よ。」

 

クレア「フィアナ、理由を聞かせてもらえるかしら?」

 

フィアナ「そうね。ただ自分の気持ちに正直になっただけよ。」

 

クレア「あんた…まさか…」

 

フィアナ「何かしら?」

 

クレア「暁か雷のどちらかに?」

 

 

クレアの発言で皆慌てだす。

数人が聞き出そうとするがフィアナは「どうかしらね」と言って1人先にあがった。

 

 

リンスレット「まさかフィアナさんが」

 

エリス「信じられんな。」

 

リンスレット「クレアは気付いていましたの?」

 

クレア「そんな気がした程度だったけどね。」

 

ドラグノフ「フィアナの意見は聞けたがお前達3人はどうする?」

 

クレア「カミトがt…ドラグノフ「カミトが行くのであればというのは無しだぞ?」……。」

 

ドラグノフ「これはあくまでもお前達個人の覚悟を確かめるつもりでもあるのだ。」

 

クレア「そう言われると正直応えにくいわね。」

 

リンスレット「それを考えるとフィアナさんの発言は?」

 

エリス「そうだ、あの感じだと「どちらかの為に付いて行く」という発言のはずだが?」

 

クレア「フィアナは私達とは違って覚悟のできた発言だったわ。」

 

リンスレット「クレア?」

 

クレア「あの発言をした時のフィアナの目は「どんな結果が待ち受けていたとしても」そんな覚悟のできた目をしていたわ。だからドラグノフは何も言わなかったのでしょう。」

 

エリス「では私達にはその覚悟が足りないと?」

 

クレア「只々誰かに付いて行くという理由だけではダメとドラグノフは言いたいのよね?」

 

ドラグノフ「そうだ。「カミトが行くから私も行く。」それでは私達の世界に来た時に後悔をすることになるだろう。そして、何か失敗をすることに繋がる。その失敗が命に関わることかもしれない。だからこそ、どうするか聞いておきたいのだ。どんなことでも受け入れる覚悟があるのかどうかを。」

 

 

3人「「「・・・・・」」」

 

 

ドラグノフの言葉に3人は言葉をなくした。

 

 

ドラグノフ「重い話になったな。ただちょっとカミトと同じ気持ちがあるのならそういった事を少しでも考えていてほしかったんだ。」

 

クレア「後日この答えを出してもいいかしら?」

 

ドラグノフ「構わない。」

 

クレア「ありがとう。」

 

ティルフィング「そろそろ上がりましょう。」

 

リンスレット「そうですわね。」

 

 

そして残っていた女性陣は風呂から上がり自分達の部屋に戻って行くのだった。

 

 

~~ 女性陣side out ~~

 

 

 




クレア「今回の話、いろんな意味で大丈夫かしら?」

リンスレット「確かに少し心配ですわね。」

エリス「ちょっと大城のところ行ってくる。」

フィアナ「エリスの制限には引っかかったみたいね。」

ティルフィング「今さっきエリスさんとすれ違いましたけどすごい怒りをあらわにしていました。何かあったんですか?」

クレア「私達の会話シーンの事で大城の所に行ったのよ。」

ティルフィング「なるほど。そういうことでしたか。」

ドラグノフ「エリスはそういう所厳しいからな。」

リンスレット「しれっと会話に入ってきますわね。」

ドラグノフ「気にするな。」

フィアナ「早めに閉めて大城の様子見に行かない?」

クレア「そうね。では次回の第51話も」


5人「「「「「お楽しみに!」」」」」


大城「ちょっ!エリスさん!?」

エリス「問答無用!」

大城「What!?」

エリス「せいっ!」

大城「」ピチューン


5人(まあ、いい人(でした)(だった)わ。)


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第51話 覚悟 ー中編ー

大城「遅くなりました。今回のゲスト暁と雷です。」

暁「よろしく。」

雷「よろしく。」

暁「ひと月経ってるじゃないか。」

雷「弁明は?」

大城「ありません。」

雷「意外と素直じゃないか。」

大城「ネタは頭にあったけど書かなかったですからね。」

暁「またか。」

大城「またですね。」

暁「どうしようもねぇな。」


女性陣『わかりきっていたこと(よ)(ですわ)(だな)。』


大城・暁・雷「「「・・・・・」」」


大城「裏方の声が入りましたがとりあえず注意事項です。」


※ 誤字・脱字、キャラ崩壊、読みにくい所の存在など


暁・雷「「これらが大丈夫な読者の皆様は楽しんで読んでください。」」





風呂に入り終え、自室に戻ってきた俺はソファーに倒れこんだ。

 

 

ティルフィング「マスター、そのまま寝ないでくださいよ?」

 

暁「分かってる」

 

ロンギヌス「大丈夫なんでしょうか…」

 

ティルフィング「マスター、寝るならベッドで」

 

暁「そっちは…お前達が…使っ……スー、スー」

 

アルテミス「寝ましたね。」

 

パラシュ「ベッドを僕たちに譲って寝てしまうとはね。」

 

フライクーゲル「そのやさしさに私達はやられたネ。」

 

パラシュ「だね。」

 

レーヴァテイン「で、マスターはどうするの?」

 

ティルフィング「毛布を掛けてそのまま寝かせてあげましょう。」

 

ロンギヌス「ベッドはどうしますか?」

 

レーヴァテイン「マスターが使えって言ってるんだし使っちゃえばいいじゃない。」

 

ロンギヌス「ですけど、マスターだけソファーっていうのも…」

 

ティルフィング「ベッドは私達が使いましょう。というか使わなかったらマスターに朝起きたときに怒られかねないので。」

 

パラシュ「マスターの事だから「折角空けたのに」って小言を言われかねないね。」

 

ティルフィング「私達もそろそろ寝ましょうか。」

 

 

皆が寝静まりその夜は明けていくのだった。

 

 

 

 

 

────翌朝

 

 

???「起き…く…い。マ…ター…。」

 

 

 

声が聞こえる。

 

 

誰かに揺すられている。

 

 

 

暁「あと一時間」

 

???「仕方のない方ですね。」

 

 

声の主と思われる者は暁に掛けられている毛布を取り上げると大きく息を吸い込んだ。

 

そして、

 

 

 

???「起きてください!マスター。」

 

 

 

暁「ん!?」

 

ティルフィング「やっと起きましたね。」

 

暁「何だティルフィングか」

 

ティルフィング「何だじゃありません。マスターが起きてくるの皆さん待ってるんですよ。」

 

暁「俺、朝飯いらない。」

 

ティルフィング「ダメです。ちゃんと食べてください。」

 

 

そんなやり取りをしながら俺はティルフィングに引っ張られて皆のいる部屋へと連れられた。

 

 

ティルフィング「皆さんお待たせしました。」

 

雷「やっと来たみたいだな。」

 

フィアナ「みんな揃ったことだし朝ご飯食べましょうか。」

 

 

フィアナの声で全員食事を始めた。

 

 

クレア「ねぇ?それちゃんと起きてるの?」

 

 

ウトウトとしている俺を見てクレアは心配そうにする。

 

 

暁「一応…、起きて…る。」

 

リンスレット「そんな状態で言われても説得力が皆無ですわよ。」

 

ティルフィング「こっちに来て少しは生活習慣が治るかと思ったんですけどね。」

 

エリス「暁は朝に強いと思っていたんだが?」

 

カミト「確かに、朝練を良くしてたからてっきり朝は強いものかと。」

 

ティルフィング「緊張感がある時はそうなんですけど、気が緩むとこうなるんですよね。」

 

ドラグノフ「元の世界でも休日何かはあまり外に出ない奴だからな。」

 

雷「その点俺はアイツと違ってよく外に出るけどな。」

 

ドラグノフ「お前の場合は親の頼みごとを渋々受けて外に出るだけだろ。そのぐらいで威張るな」

 

雷「それにしても、未だにウトウトしているアイツはちょっと本気で心配になるぞ…」

 

 

ティルフィングに起こされてからすでに5分は経とうとしているが暁は未だにウトウトと首を縦に振っていた。

 

 

ティルフィング「マスター」

 

暁「………」

 

雷「返事がない。ただの屍のようだ。」

 

リン「馬鹿なこと言わないの。」

 

ミネルヴァ「確認しますね。」

 

暁「Zzz」

 

ミネルヴァ「寝てますね。」

 

カミト「マジか!?」

 

雷「とりあえず、起きろ暁」

 

 

雷は結構な勢いで暁の頭にチョップをかました。

 

 

暁「ゴフッ」

 

雷「目が覚めたか?」

 

暁「痛い&もうちょいマシな起こし方なかった?」

 

雷「ティルフィングが起こした時点で起きないのが悪い。」

 

暁「起きたじゃん。ん~っと。」

 

雷「飯の途中で寝るのが悪い。」

 

暁「眠いのだからしょうがないよね。」

 

雷「そこは分からんでもない。」

 

クレア「そこで同意したらダメでしょ。」

 

ティルフィング「マスター、朝ご飯さっさと食べ終えてください皆さんに迷惑が掛かっているんですから。」

 

暁「すみません。」

 

 

雷のチョップを受け完全に目を覚ました俺は、ティルフィングに怒られて食いかけていた朝飯を食い始めた。

 

 

雷「暁が飯を食ってる間カミト達がどうするか聞いておきたいんだが?」

 

クレア「私は一旦実家に戻るわ。」

 

エリス「クレアもそうするのか。」

 

クレア「エリスもなの?」

 

エリス「ああ。姉上達に話しておきたいことがあるからな。」

 

フィアナ「私はこのまま残るわ。まだ昨日の今日でまだ異族の事で(たみ)たちが不安になってるだろうしね。」

 

クレア「リンスレット、貴女はどうするの?」

 

リンスレット「皆さんと同じですわ。わたくしも一度家の方に戻りますわ。昨日の戦闘が自分の所に影響がなかったのか心配ですし、いろいろと準備もしないといけないでしょうから。」

 

雷「カミトは?」

 

カミト「俺はクレアに付いて行くよ。特に当てがないからな。」

 

 

カミトの発言にクレアは嬉しそうに頬を緩め、リンスレットとエリスは少しムッとした顔をしたがすぐに仕方がない、とため息を出した後すぐにいつもの顔に戻った。

 

 

雷「そうか、俺達はどうする?」

 

 

雷は丁度朝飯を食い終わった俺に問いかけてきた。

 

 

暁「細かいことはない。ただ戻るための準備ぐらいだろう。まぁ()いて言うなら昨日使った分の弾薬の補充じゃないか。」

 

雷「それって俺の話だよな?」

 

暁「そりゃあこの中で実弾ばら撒いてる奴はお前しかいないんだからな。」

 

雷「へいへい。俺のやる事は理解したがお前はどうするんだよ?」

 

暁「俺は………どうしようか?」

 

雷「考えてないのかよ」

 

暁「お前達ほど細かいことはないからな~」

 

クレア「私はただちょっとお姉様に会いに行って話をするだけよ?」

 

暁「ほお~、カミトが付いて行くのにそれだけだと言い切れるんだ?」

 

クレア「・・・・・、カミトとちょっとゆっくりしてきます。

 

暁「正直でよろしい。」

 

リンスレット「結局、暁さんはどうされますの?」

 

暁「どうしましょうか。」

 

リンスレット「一つ提案なのですが、もう一度わたくしの屋敷に来てくださらないかしら?」

 

暁「特に何も考えてないから別にそれでもいいか。でもなんでそんな提案を?」

 

リンスレット「実は妹のミレーユが暁さんの傷の事をまだ心配してまして」

 

暁「いや、あれから日経ってるし流石に治るよ~。」

 

ティルフィング「マスターは軽すぎるんです! 御自身の体をもっと大事にしてください!」

 

暁「・・・善処します。」

 

リンスレット「それで、私の提案には乗っていただけますの?」

 

暁「それは構わないよ。あっ、リンスレット」

 

リンスレット「何ですの?」

 

 

俺はヴェルサリアにちゃんとした挨拶をせずに出てきたことを思い出した。

 

 

暁「ファーレンガルト家に寄ってからでもいいか?」

 

リンスレット「それは構いませんが?」

 

エリス「何故私の家に?」

 

暁「いや、ヴェルサリアにちゃんを挨拶せずに出てきたから、その謝罪をと思ってな。」

 

エリス「君は意外と律儀なんだな。」

 

暁「どうだろうな。」

 

雷「今日の予定はこれで決まったな。」

 

フィアナ「そう言えば雷くんは誰かに付いて行くの?」

 

雷「いや、ここに残るつもりだけど。ダメなのか?」

 

フィアナ「ダメってことではないわ。ただ少し気になっただけなの……ホッ。」

 

暁「それじゃあ、俺は部屋に戻って出る用意してくる。」

 

クレア「お昼ぐらいに出発でいいんじゃないの?」

 

暁「エリスの所に寄るから少し早めにと思ってね。」

 

リンスレット「わたくしとエリスさんと行動するような口ぶりですわね?」

 

暁「そっちの方がいいだろ?馬車を使うよりも早いしそれにお金も浮くしな。」

 

エリス「いいのか私まで?」

 

暁「今更遠慮することはないよ。」

 

エリス「では甘えよう。」

 

暁「そういうわけだから戻るわ。」

 

リンスレット「でしたら」

 

エリス「私達も準備のために戻ろう。」

 

リンスレット「ですわね。」

 

ティルフィング「では私達はこれでドラグノフさんまた」

 

ドラグノフ「ああ、近いうちにな。」

 

 

俺とキル姫達、リンスレット、エリスは部屋に戻りオルデシア帝国を発つ準備をした。

 

準備が終わりフィアナの父親であるアウグスト皇帝に挨拶に行くと、感謝の言葉を嫌というほど言われた。話が終わりオルデシア帝国を発った俺達は話した通りファーレンガルト家に着いた。

 

 

暁「ふ~、到着っと。」

 

ラグナロク「マスター、別に私達にまで風魔法を使わなくてもよかったのでは?」

 

暁「そうかもしれないけど、そこは俺がそういう気分だったから。」

 

ネス「気分でこの人数を風魔法で制御できるなんて」

 

エルキュール「それに、確かここまでの道中一度も休憩なしですよね。」

 

ミネルヴァ「マスターの魔力量と技量が凄いことを再認識できましたね。」

 

フライシュッツ「マスターくん、お姉ちゃんハグしちゃう。」

 

暁「なぜ!?」

 

???「何やら騒がしいと思って出てみれば、パートナー達に迷惑をかけた人物ではないか。」

 

 

その言葉の方に目を向けると1人の女性が立っていた。

 

 

エリス「姉上、ただいま戻りました。」

 

ヴェルサリア「お帰り、エリス。」

 

暁「えっと…、一か月ぶりですね。ヴェルサリアさん」

 

ヴェルサリア「出会ったときに敬語は必要ないと言ったはずだが?」

 

暁「そうだったな。」

 

ヴェルサリア「とりあえず屋敷に入れ、話があるのだろう?」

 

暁「ええ。」

 

 

ヴェルサリアに案内されて話の場を作ってもらい、俺が一人飛び出してからの出来事を話した。

 

そして、自分達の世界に帰ることも

 

 

ヴェルサリア「そうか、昨日という一日にそんな出来事が」

 

暁「ここは大丈夫だったのか?」

 

ヴェルサリア「ああ、あの時のように襲われることは起こらなかった。空と月が【紅く】なった時に1人の隊員が異族がオルデシア帝国方角に進行していると報告があったのは神であるラファエルが現れたからだったのだな。暁達が危険な時に助太刀に行けなくてすまない。私が離れてから襲われる可能性もあったのでどうも動けなかったのだ。」

 

エリス「姉上…。」

 

 

そう言ってヴェルサリアは頭を下げた。

 

 

暁「謝らなくてもいいよ。その判断は正しいんだから。」

 

ヴェルサリア「そう言ってもらえて心が救われる。」

 

暁「そもそも俺が来たのはヴェルサリアに謝りに来たんだ。」

 

ヴェルサリア「どういうことだ?」

 

暁「世話になったにもかかわらず礼を言わずに出て行ったりしてすまない。」

 

ヴェルサリア「クスッ…お前、そんなことを気にしていたのか?」

 

暁「え?」

 

ヴェルサリア「あの時のお前は心に余裕がなかった。そんな奴が周りの事を気にできないことぐらい私は知っている。何せ私自身も経験があるからな。だからそれこそ別に謝る必要はない。」

 

暁「ありがとう。」

 

ヴェルサリア「なに、世界を救った人物にそんなことで怒るほど馬鹿ではないよ。それにしても、暁という人間は意外と律儀な人間なのだな。」

 

暁「それエリスにも言われたよ。」

 

ヴェルサリア「そうか。」

 

 

会話が途切れ少しの静寂が訪れた。

 

 

暁「さて、俺達はそろそろ行くよ。」

 

ヴェルサリア「泊まっていかないのか?」

 

暁「先約があるからそっちに泊まることになってるんだ。」

 

ヴェルサリア「それは残念だ。エリス、お前は付いて行くのか?」

 

エリス「いえ、このまま家にいます。姉上達に聞いてもらいたい話がありますから。」

 

ヴェルサリア「では、暁達を見送った後に聞くとしよう。」

 

 

そして俺達はエリスとは一旦分かれヴェルサリアとエリスに見送られながらリンスレットの屋敷に向かった。

 

ファーレンガルト領を出て三時間程風魔法で飛んでようやくローレンフロスト領に着いた。

ちなみに防寒はしっかりとしている。

 

 

暁「ここの寒さに慣れるのは無理だわ。」

 

ティルフィング「そうでしょうね。」

 

リンスレット「暁さんをすぐにでも屋敷に案内した方がよさそうですわね。」

 

ティルフィング「お願いします。」

 

 

少し歩いてリンスレットの屋敷に着いた。

リンスレットが扉を開けると丁度メイドのキャロルが目の前を通った。

 

 

リンスレット「キャロル、ただいま戻りましたわ。」

 

キャロル「お、お嬢様!? 戻ってくるって報告着てましたっけ!?」

 

 

急な帰省によってキャロルは驚いていた。

 

 

リンスレット「そこまで驚かなくても……、それはそうとミレーユは何処かしら?」

 

キャロル「ミレーユお嬢様なら……」

 

ミレーユ「お姉様‼」

 

 

階段から駆け下りてくる1人の少女がいた。

リンスレットの妹のミレーユ・ローレンフロストだ

 

 

ミレーユ「お姉様、急に帰省されてどうされたのですか?」

 

リンスレット「ちょっとね…、それより貴女が心配していた方が来ていますわ。」

 

ミレーユ「もしかして!?」

 

暁「数か月ぶりだね。ミレーユ」

 

ミレーユ「暁様、それにキル姫の皆様も……って前より増えていませんか!?」

 

暁「あれからいろいろあったからね。」

 

ミレーユ「そういえばカミト(お兄)様達他の方達の姿が見えませんが……」

 

暁「今はわけ合って別行動中なんだ。」

 

ミレーユ「そうなんですのね。それより傷の方は大丈夫なのですか!?」

 

暁「そんな前の事心配していたの?」

 

ミレーユ「わたしのせいであんな大怪我を負わせてしまったのです。当然です!!」

 

暁「心配してくれてありがとう。本当に大丈夫だよ。」

 

リンスレット「ミレーユ、そんなに心配なら暁さんに回復した証拠として再び手合わせしている姿を見せていただきなさいな。」

 

ミレーユ「いいんですの?」

 

暁「そうだな。そっちの方が納得できるだろうし。」

 

ミレーユ「分かりましたわ。」

 

リンスレット「と言っても明日の話ですけどね。」

 

ミレーユ「それって……」

 

暁「今日から少しの間だけどまたよろしくね。」

 

ミレーユ「はい。」

 

暁(ちょうどいいや、明日からキル姫の誰かに稽古の相手を頼むか。何もせずに過ごすよりそっちの方がいいだろうしな。)

 

 

暁達は着々と自分達の世界に帰る準備に入る中、ある人達は自分達の親族に覚悟を話し仲間に付いて行こうとしていた。

 

 

 

 




暁「大城の処遇はどうなったんだ?」

雷「女性陣が交代で見張りをする中、部屋で小説を書かせてるらしい。」

カミト「相変わらずだな。」

クレア「こういう人の事を学ばない人間っていうのよね。」

大城「良く分かってるじゃないですか。」


四人「「「「!?」」」」


クレア「あんたがどうしてここに!?」

大城「裏の手ぐらい考えてありますよ。」

クレア「とりあえずこのまま連行ね。」

大城「そう簡単には捕まりませんよ。」

カミト「大城、後ろ振り返ってみな。」

大城「後ろがどうかされたんd……」


笑顔が笑顔ではない女性陣『・・・・・』


大城「は…、話をしよう……

笑顔が笑顔ではない女性陣『断る』

大城「\(^o^)/オワタ」

暁「大城が連行されたので閉めたいと思いまーす。」

雷・カミト「「異議なし」」

暁「というわけで」

暁・雷・カミト「「「次回もお楽しみに」」」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第52話 覚悟 ー後編ー

大城「どうも皆さん、作者の大城です。ゲスト紹介、カミトとリンスレットさんです。」

カミト「よろしくな。」

リンスレット「お願いしますわ。」

リンスレット「今回は珍しく出せたんですのね。」

大城「急ピッチで仕上げました。」

カミト「よく間に合ったもんだ。」

大城「先週に出せていませんけどね。」

リンスレット「まあ、今回の事で帳消しにしてあげますわ。」

大城「助かります。」

カミト「次からもこの調子で頑張れよ?」

リンスレット「カミトさん、その言葉は「善処します。」で終わりですわよ。」

大城「・・・・・。」

リンスレット「なので、この調子で頑張りなさいな。貴方に監視が付いていることをお忘れなきように。」

大城「・・・もうだめだぁ~。」

リンスレット「大城が頑張るという事なので注意事項ですわ。」

大城(そんなこと言ってないのに……)


※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在、キャラ崩壊など


カミト「これらが大丈夫な皆さんは楽しんで読んでください。」





~~ フィアナ&雷 side ~~

 

暁くん達とリンスレット、エリスが私達と別れてから2時間が経過して、クレアとカミトくんもエルステイン領に向けて出発した。

 

ここに残ったのは私と雷くん、そして彼の契約姫の銃姫達だった。

 

 

フィアナ(さっき銃姫達の皆は出かけて行ったから今部屋には雷くんだけのはずよね)

 

 

私は雷くんの事が気になって様子を見に行った。

 

 

フィアナ「雷くん、私だけど部屋に入ってもいいかしら?」

 

雷「フィアナか、ちょっと待ってくれ。」

 

 

部屋の中から雷くんの声が聞こえると少ししてから部屋の扉があいた。

 

 

フィアナ「何かしてた?」

 

雷「武器の調整と点検をな。」

 

フィアナ「邪魔したかしら?」

 

雷「大丈夫だけど、どうしたんだ?」

 

フィアナ「ちょっとね…」

 

雷「?」

 

 

私は雷くんに聞きたかったことを口にした。

 

 

フィアナ「ねぇ雷くん」

 

雷「ん?どうしたんだフィアナ?」

 

フィアナ「いや、暁くんに付いて行かなくてよかったのかなって思って…」

 

雷「今更だな。付いて行ったてやる事変わんないんだからどこにいても一緒ってやつだな。それに、ここに残ることを決めたのは俺自身だ。」

 

フィアナ「そうだったわね。」

 

雷「まぁ、それだけじゃないけどな。」

 

フィアナ「どういうこと?」

 

雷「集合する時にお姫様の護衛をしようと思ってね。まぁ、ちゃんとした護衛が付くだろうから俺が付くのもどうかと思うけどな。」

 

フィアナ「そうね。でも、雷くんがいるのといないのとでは(護衛の)安心感が違うわよ。」

 

雷「本物のお姫様に面と向かってそう言われると少し照れるな…///。」

 

 

お互い顔が赤くなり、少しの静寂が訪れた。

 

 

雷「フィアナ姫、頼りのない俺ですがどうか護衛は任せてくれないでしょうか。………こんな言葉俺には似合わねぇな。言ってから後悔したわ、忘れてくれ。」

 

 

私は雷くんの唐突な言葉に驚いた。

言った本人の雷くんはさっきよりも顔を赤くしてそっぽ向いてしまっていた。

でも、その言葉はとても嬉しかった。だから私は応えた。

 

 

フィアナ「そんなことありません。貴方のような腕利きの方なら私を目的地まで守り抜いて下さるでしょう。だから私の護衛、貴方がしてくださらないかしら?旅人さん。…なんてね。」

 

雷「…!! 必ず、守り抜いて見せましょう!」

 

 

雷・フィアナ「「クスッ」」

 

 

私達はこのちょっとした小芝居で笑い合った。

 

 

フィアナ「そろそろ私行くわね。」

 

雷「わかった。」

 

 

この後私はお父様のもとへと向かった。

 

そして私はお父様に告げた。「仲間を助けるためにこの世界を離れる」と、突然の私の言葉にお父様は驚き、引き留めてきた。でも私は事情を話し説得を続けた。最終的にお父様は私の気持ちに負け、「必ず戻って、元気な顔を見せてくれ」と、一つの約束とともに承諾してくれた。

 

 

 

~~ フィアナside out ~~

 

 

 

 

 

~~ エリスside ~~

 

暁達とリンスレットと別れてから私は姉上に私の覚悟を話した。

 

 

ヴェルサリア「エリス、お前は本当にそれでいいのか?」

 

エリス「急な話なのは承知です。それにどうなるか分からないことも…ですが私は決めたのです。彼らには何度も助けてもらって貸しがあります。しかも、世界までも救ってもらいました。そして、そんな者達の世界もまた危険に陥っています。だから、私は行きます。」

 

ヴェルサリア「お前の意志は固いようだな。」

 

エリス「はい、姉上に迷惑がかかるのは承知の上でお願いしたいのです。」

 

ヴェルサリア「お前の言いたいことは分かっている。この世界とシルフィードの事は私が引き受けよう。ただし!」

 

エリス「ただし?」

 

ヴェルサリア「必ず生きて帰って来い!」

 

エリス「それはもちろん、必ず生きて帰って姉上に会うと約束します。」

 

 

話が終わった後は姉上といつものように残りの時間を楽しく過ごした。

 

 

 

~~ エリスside out ~~

 

 

 

 

 

~~ クレア&カミトside ~~

 

フィアナが手配してくれた馬車に乗ってオルデシア帝国を発って、3時間程してようやくクレアの実家、エルステイン家に着いた。

 

 

クレア「ただいま戻りました。」

 

???「お帰りクレア。今回はカゼハヤ・カミト君だけか?」

 

クレア「今は訳あって2人で行動してるのよ。」

 

???「私はてっきり二人だけの世界を作って仲間から追い出されたのかと思ったよ。」

 

カミト「そんなはずないだろ!?」

 

???「冗談だ。」

 

カミト「ルビアさん、冗談に聞こえなかったぞ。」

 

ルビア「すまない。それで急に戻って来た理由は?」

 

クレア「お姉様にお願いがあって戻って来たの。」

 

 

クレアはいつにもまして真剣な顔つきになって姉であるルビアに要件を話した。

 

 

ルビア「・・・・・。」

 

クレア「お姉様、どうか聞き入れてくれないかしら…。」

 

ルビア「他の者たちはこのことを知っているのか?」

 

クレア「カミトにはここに来る途中で話したけど他のメンバーにはまだ…」

 

 

そう、エルステイン領に来る途中の馬車の中でクレアから話は聞いていた。

 

その時クレアから

 

「暁達に付いて行く気持ちは変わってないわよね?」そう聞かれた。

 

だから俺は「変わっていない。」とはっきり言い返した。

 

そのとき、クレアは何かを決心したような顔をしたと思ったら、思いもよらないことを言った。

 

「私も付いて行く。」そう言ったのだ。

 

俺はクレアに本当に付いてくるつもりなのかと聞き返した。クレアは「私は決めたの!誰にも文句は言わせないわ!」と言って聞かなかった。

 

そして今に至るわけだが……

 

 

ルビア「こんな大事な話を他の仲間にしないのはどうかと思うぞ。」

 

クレア「うっ…、それは…」

 

カミト「皆、同じことを考えてると思います。」

 

クレア「カミト?」

 

ルビア「何故そう言える?」

 

カミト「今まで一緒に冒険してきた仲間だから。」

 

ルビア「お前達は仲間思いと言えば聞こえはいいが、ただ親しいものに甘いだけの連中だな。」

 

カミト「そうだな。でも、暁達に助けてもっらたことのあるアンタならわかるんじゃないか?」

 

ルビア「確かに、彼らと話してどこか手を差し伸べたくなるな。まぁ、今回は私達が手を差し伸べられたわけだがな。」

 

カミト「だな。」

 

クレア「でも今は彼らの世界がこちらと同じ状況なの。だから……」

 

ルビア「わかった。こちらは私が何とかしてみよう。その代わりといっては何だが、私の分までしっかりと助けてやるんだぞ。」

 

クレア「ええ!ありがとうお姉様!」

 

 

首を縦に振ってくれたルビアにクレアは満面の笑みで抱き着いた。

 

 

ルビア「カゼハヤ・カミト」

 

カミト「なんだ?」

 

ルビア「私の妹のクレアを頼むな。」

 

カミト「任せろ。しっかり守り抜いてやる。」

 

ルビア「その言葉が聞けて安心したよ。」

 

 

俺達のその後は何もなくいつもの日常を過ごしたのだった。

 

 

 

~~ クレア&カミトside out ~~

 

 

 

 

 

~~ リンスレットside ~~

 

暁さん達の部屋の案内をキャロルに任せた私は妹のミレーユを連れてお父様のもとへ向かった。

向かっている最中……

 

 

キャロル「お部屋に案内しますね」

 

暁「お願いします。」

 

キャロル「こちらに…ってキャー!!」

 

 

ガッシャーーン

 

 

暁「大丈夫!?」

 

キャロル「大丈夫です。いつもの事ですから」

 

暁「いつもなの!?」

 

キャロル「仕切り直して…」

 

暁「そこ足元に雑巾」

 

キャロル「キャー!!」

 

 

ドンッ、ガッシャーーン

 

 

それからも何回かキャロルの悲鳴と暁さん達の心配の声が聞こえた。

 

本当にキャロルに任せてよかったのか心配になりましたわね。

 

少し歩いてお父様の部屋の前まで来ていた。

扉を叩き、中にお父様がいるか確認した。

 

 

グレイアス「キャロルか?」

 

リンスレット「わたくしですわ。お父様」

 

グレイアス「リンスレット!?急に戻って来てどうしたのだ!?」

 

リンスレット「お父様とミレーユにお話ししたいことがありますわ」

 

 

わたくしは、これから自分がどうするのかを事細かに話した。

 

 

グレイアス「・・・・・」

 

ミレーユ「それじゃあ、お姉様には二度と会えないんですの?」

 

リンスレット「そうなるかもしれないというお話ですわ…。」

 

ミレーユ「そんなの絶対に嫌ですわ!」

 

リンスレット「ミレーユ……」

 

ミレーユ「お父様も何か言ってくださいませ!」

 

グレイアス「・・・・・」

 

ミレーユ「お父様!」

 

グレイアス「ミレーユ、お姉ちゃんはもう覚悟を決めているみたいだ。」

 

ミレーユ「…ッ! お父様とお姉様の馬鹿ーーー!!

 

リンスレット「ミレーユ!!」

 

 

ミレーユは泣きながら勢いよく飛び出していった。

 

 

リンスレット「ミレーユ……」

 

グレイアス「リンスレットよ。」

 

リンスレット「何でしょうお父様…」

 

グレイアス「どんなに時間がかかってもいいから必ず生きて帰って来ておくれよ。」

 

リンスレット「それはもちろん。約束いたしますわ。」

 

 

話が終わり、必死でミレーユを探していると食事頃に暁さんと一緒にやってきた。

話を聴くとミレーユは部屋を飛び出した後、フライシュッツさんとミネルバさんにお世話になっていた。その後、暁さんの所に行ってわたくしの話をしたそうですわ。

ミレーユから相談を受けていた暁さんはわたくしを見るや大きな溜め息をつきました。

そして、いろいろと問い詰められましたが何とか同行の許可を貰えましたわ。

 

 

グレイアス「暁君、こんな我が儘娘だが守ってやってくれ。」

 

暁「勿論です。何が何でもグレイアスさん達のもとに返すと約束します。」

 

ミレーユ「お姉様、必ず帰って来てくださいまし。」

 

リンスレット「勿論ですわ。」

 

 

そして、その日は過ぎて行った。

 

 

 

~~ リンスレットside out ~~

 

 

 

 




暁「なぁ、大城」

大城「何でしょうか。」

暁「お前宛に手紙が来てるんだが?」

大城「誰からです?」

雷「金剛時雨って書いてあるぞ。」

※ 名前の使用は本人から許可を貰っています。

大城「中身見ますね……」

雷「なんて書いてあるんだ?」

大城「飲みのお誘いですね。」

クレア「アンタ続きは?」

フィアナ「今回はいいんじゃないかしら。」

エリス「今回は間に合ったみたいだしな。」

リンスレット「失踪されるよりいいですわ。」

クレア「それもそうね。」

大城「あざっす。とりま行ってきますね。地獄へ」


全員『アイツ最後になんて言った?』


クレア「と、とりあえず閉めましょうか。」

リンスレット「そ、そうですわね…」

フィアナ・エリス「「次回もお楽しみに!!」」


全員『アイツ、大丈夫だよな……』


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第53話 帰還

暁「あれ?大城は?」

ティルフィング「あれ以降まだ戻って来てないそうです。」

暁「投稿日遅れているのに」

ティルフィング「一応話は考えてると電話は来ましたよ。」

暁「間に合うの?」

ティルフィング「「無理」だそうです。」

暁「・・・もう何も言うまい。」

ティルフィング「という事で注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在、キャラ崩壊等


暁「これらが大丈夫な皆様は楽しんでください。」





~~ 暁side ~~

 

あれから数日が経った。

俺は準備していた荷物を背負った。

 

 

ティルフィング「マスター、出発の準備は大丈夫ですか?」

 

暁「うん、大丈夫だと思うよ。」

 

マサムネ「主君よ、リンスレットが呼んでいるぞ。」

 

暁「ほーい。」

 

 

俺は世話になった部屋を後に、「リンスレットが呼んでいる」と伝えに来たマサムネとティルフィングとともに他の仲間が先に待っている玄関に向かった。

 

 

ティルフィング「皆さんお待たせしました。」

 

暁「いや~悪い悪い。」

 

ネス「マスター規律はしっかり守ってください!」

 

ロンギヌス「マスターには難しいことなんですよね。」

 

ラグナロク「出会って間もないけど、この数日のマスターを見ていてそれを実感したわ。」

 

パラシュ「マスターは何かに縛られるのは嫌いな性格な人だからね。」

 

ネス「だからって自由過ぎます!今度一度ちゃんとお話しします!」

 

 

キル姫達(((逃げるマスターの姿が目に浮かぶ)))

 

 

リンスレット「遅すぎますわよ!暁さん」

 

暁「いや~、なんか名残惜しくて。」

 

グレイアス「暁君、もう一度言う。娘のリンスレットを頼んだ。」

 

暁「もちろんです。」

 

ミレーユ「お姉様!」

 

 

ミレーユはリンスレットに抱き着いた。

 

 

リンスレット「ミレーユ……」

 

ミレーユ「必ず帰って来てください。」

 

リンスレット「必ず帰ってきます。約束しますわ。」

 

キャロル「お嬢様……」

 

リンスレット「キャロル、ミレーユたちの事頼みますわ。」

 

キャロル「はい!お任せください!」

 

リンスレット「それでは、行ってきますわ。」

 

 

俺達は風魔法で飛ぶとそのままローレンフロスト領を後にした。

 

 

パラシュ「それにしても今でもびっくりだよ。」

 

アルテミス「パラシュ、急にどうしたのですか?」

 

パラシュ「いやだってさ、頑なに連れて行くことを拒んでいたマスターがだよ、こうやって別世界の住人を連れて行こうとしてるからね。」

 

ロンギヌス「そういえばそうですね。どうしてなんでしょうか?」

 

パラシュ「ここからは本人のみぞ知る、だね。」

 

ロンギヌス「でも、ティルフィングさんあたりなら何か知っててもおかしくなさそうですよね。」

 

アルテミス「確かに。」

 

パラシュ「なら聞いてみるかい?」

 

アルテミス「聞くのなら直接マスターでよくないでしょうか?」

 

パラシュ「それもそうだね。で?誰が聞こうか?」

 

ロンギヌス「それなら私が」

 

アルテミス「では任せます。」

 

 

俺が先頭を飛んでいるとロンギヌスが隣に来た。

 

 

暁「ロンギヌス?どうかしたのか?」

 

ロンギヌス「少し聞きたいことがあって…いいですか?」

 

暁「別に構わないけど、何が聞きたいんだ?」

 

ロンギヌス「さっきパラシュさんとアルテミスさんと話していたんですが何故マスターはカミトさんの申し出は断って来たのにリンスレットさんの申し出は聞き入れたのかなぁと。」

 

ティルフィング「それなら私も気になってました。どうしてなんですかマスター?」

 

暁「そのことか。最初は断るつもりだったんだ。」

 

リンスレット「そうなんですの?」

 

 

俺達の話を聞いていたリンスレットが話に入ってきた。

 

 

暁「勿論。何があるか分からないんだからな。」

 

ティルフィング「ではなぜ断らなかったんですか?」

 

暁「簡単な話だよ。リンスレットが付いて来ようとしてるってことはクレアとエリス、フィアナの三人も同じこと考えてると思ったからだよ。」

 

パラシュ「なるほどそういう事だったんだね。」

 

 

この話の話題を始めたパラシュとアルテミスも話に加わってきた。

 

 

アルテミス「でもその考えは【絶対】ではないですよね?」

 

暁「いや、【絶対】だと思ったよ。」

 

アルテミス「それはどうしてですか?」

 

暁「今まで一緒に行動して来たんだからわかるだろ?チーム・スカーレットのメンバーは誰か一人が欠けることを許さないチームだってことは。」

 

アルテミス「そうでしたね。」

 

リンスレット「そこまで分かっているんでしたらもう断りませんわよね?」

 

暁「そうだな。……見えてきたなアレイシア精霊学院。」

 

 

そうこう話しているうちに俺達はアレイシア精霊学院の門の前に降り立った。

 

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 

 

 

~~ 雷side ~~

 

出発の日がやってきた。

部屋を出ようと扉の前に行くと扉が勝手に開いた。

 

 

フィアナ「準備できてるみたいね。」

 

雷「勿論。」

 

フィアナ「ねぇ()()君、暁君は私が付いていくことOKしてくれるかしら…」

 

雷「こればっかりは本人に確かめるしか分からないな。」

 

フィアナ「そうよね。」

 

 

俺がフィアナが付いてくることに何故納得しているのかだが、俺はフィアナが付いてくることに反対しなければいけない立場であることは理解しているのだが、泊っている数日の間にフィアナに「ダメ」と言い続けても「付いて行く」と言い続けられて結局俺が根負けしたというわけだ。

 

 

ドラグノフ「雷、私達も準備はできている。そろそろ出発しないか?」

 

リン「他の皆はもう出発してると思うよ。」

 

ファル「早めについて暁にフィアナさんのこと聞いた方がいいんじゃないの?」

 

雷「そうだな。フィアナ」

 

フィアナ「大丈夫よ。お父様とは昨日のうちに挨拶を済ませてるから。」

 

雷「わかった。それじゃあ皆行こうか」

 

銃姫達・フィアナ「「「ええ」」」

 

 

そして俺達もオルデシア帝国を出発した。

 

 

 

~~ 雷side out ~~

 

 

 

 

 

────────────────────────────────────────────

 

 

暁「アレイシア精霊学院を見るのは何か月ぶりだろうな」

 

リンスレット「街にも学院にもあれから被害がなさそうで安心しましたわ。」

 

ティルフィング「これからどうしますか?」

 

暁「そういえばここを集合場所にしたけど細かくは決めてなかったな」

 

リンスレット「そういうことなら学院長の所に向かうのがよろしいのではないですか?私の事もそうですが新しく仲間になったキル姫の皆さんの事も紹介しなければいけないでしょうし。」

 

暁「そうするか。皆何だかんだでそこに来そうだしな。」

 

 

というわけで俺達はアレイシア精霊学院で学院長をしているグレイワース学院長のもとに向かった。部屋の前まで来ると部屋の中から声が聞こえた。聞き覚えのある声が4人分、一人はグレイワース学院長で間違いないだろう。だとすると、残りの3人は……俺は確かめるべく扉を叩いた。

 

 

グレイワース「誰だ?」

 

暁「お久しぶりです。暁です。」

 

グレイワース「入って来い。」

 

暁「では失礼します。」

 

 

俺は扉を開いた。

 

目の前には予想していた通りの人たちがいた。

グレイワース学院長とカミト、クレア、エリスの4人だ。

 

 

暁「お久しぶりですね。」

 

グレイワース「そうだな。そして、随分と増えたではないか。」

 

暁「ええ、アナタのおかげでね。」

 

グレイワース「ふん。」

 

カミト「数日ぶりだな。」

 

暁「カミト達は何時ついたんだ?」

 

カミト「ついさっきだよ。途中でエリスと合流したんだ。」

 

暁「そうだったんだな。」

 

ティルフィング「そういえば、先程何を話していらしたんですか?」

 

クレア「私達がこの世界を離れることとその経緯についてよ。」

 

ティルフィング「そうだったんですか。そしてやっぱり付いて来る気なんですね。」

 

グレイワース「その感じだとこいつらが付いて来るのが分っていたみたいだな。」

 

暁「カミトはずっと前から言ってましたから。クレアとエリスが来るのを知っているのはリンスレット本人から聞いて予想してました。」

 

グレイワース「なるほどな。」

 

クレア「この調子だとフィアナも言い出すんでしょうね。」

 

 

そんな話をしていると残りの仲間がやってきた。

 

 

雷「やっぱり俺達が最後だったか。」

 

ドラグノフ「そんなこと言う前に学院長に挨拶をしろよ。」

 

雷「おっとそうだった。お久しぶりですグレイワース学院長。」

 

グレイワース「お前も随分賑やかになったなものだな。」

 

雷「おかげさまで。暁、ちょいと話があるんだが……」

 

暁「どうせ、フィアナも付いて来るからその許可をって話だろ?」

 

フィアナ「どうして分かったの!?」

 

暁「みーんなその話、そしてついさっきフィアナもそう言いだすだろうって話もしてたの。」

 

フィアナ「それじゃあ」

 

クレア「チーム・スカーレット全員暁達に付いていくことを決めた、という事ね」

 

暁「お前達なら引き留めてくれると思ってカミトに誰か一人でも駄目だと言ったら諦めろと言ったらこのザマだよ。どうしてこうなった……」

 

雷「こんなこともあるんだな。」

 

暁「まだだ、まだグレイワース学院長が…グレイワース「構わんぞ」…へっ?」

 

グレイワース「私は同じことを二度は言わん。」

 

リンスレット「暁さん、ここに来る途中でもう断らないと言ったじゃないですの。」

 

暁「そうでした。諦めよう。」

 

グレイワース「話はまとまったか?」

 

暁「そうですね。」

 

グレイワース「なら、こんなところで油を売っている暇はないのではないか?」

 

暁「……いろいろとお世話になりました。」

 

グレイワース「とっとと私達の世界を救ったように自分達の世界も救ってこい。」

 

暁「はい。皆行こうか!」

 

全員『(はい)(ああ)!』

 

 

俺達は外に出た。ラグナロク達エンシェントキラーズが俺達を囲むように立つと魔法陣が生成された。そして、次の瞬間眩い発光とともに俺達の姿はその場から消え、気が付けばそこは懐かしい場所に立っていた。

 

 

暁「この空気懐かしいな」

 

ラグナロク「ちゃんと飛べたようね。」

 

カミト「ここが暁達の世界」

 

雷「そうだ。ようこそ俺達の世界へ。」

 

 

 

 

 




暁「大城、いろいろと大丈夫なのか?」

雷「もうダメだろ。」

ティルフィング「25日には間に合わないですしね。」

カミト「クレア達が裏で凄い形相なんだが」

ドラグノフ「仕方がないな」

暁「大城、ご愁傷様。」

雷「自業自得だけどね。」

カミト「とりあえず機嫌とりでもしてくるか。」

ティルフィング「カミトさんお疲れ様です。」

ドラグノフ「大城にはお土産でも頼んでおくか。」

雷「ついでに新話の催促も」

ドラグノフ「だな。」

暁「さて閉めるか」

ティルフィング「次回もお楽しみに」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。

  投稿が遅くなり申し訳ありませんでした。
  これからもゆっくりと待っていただけると幸いです。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

特別編part3 大切な日

大城「どうも皆さん作者です。今回のゲストですが雷とフィアナさんです。」

雷「よろしくな。」

フィアナ「よろしくね。」

雷「帰って来たんだな。」

大城「何とか地獄から戻ってきました。」

フィアナ「意外と話し書けたのね。」

大城「何とか仕上げました。」

雷「よく間に合ったものだ。」

フィアナ「皆諦めモード+大城の処罰考えていたものね。」

大城「そうですよね~。覚悟はしてました。」

雷「まぁ、書けたんだから良しとしてやるよ。」

大城「そう言ってもらえると書き上げた甲斐があります。」

フィアナ「そろそろ注意事項に行きましょうか」

大城「そうですね。というわけで注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在、キャラ崩壊、
  ストーリーに関するちょっとしたネタバレなど


雷「これらが大丈夫な皆様は楽しんで読んでください。」

フィアナ「最後のところ大丈夫なの?」

大城「重大な部分ではないので大丈夫だと自分では思ってます。」





今年もやって来たのであるこの日が…

 

そう、クリスマスである。

 

前回は暁と雷がパーティーの事を忘れ、当日にプレゼントを用意していた。

人数が少なかったためすぐに用意できたが今回のクリスマスはどうなりますやら……

 

 

 

─────────────────────────────────────

 

 

 

25日のパーティーから2週間ほど前────

 

 

 

~~ 雷side ~~

 

 

ドラグノフ「なあ雷」

 

雷「何だ?」

 

ドラグノフ「またクリスマスパーティーしないか?」

 

雷「お前からそんなこと言うなんて珍しいな。」

 

ドラグノフ「べ、別にいいではないか」

 

 

ドラグノフとそんなやり取りをしているとリンがやってきた。

 

 

リン「2人して何の話をしてるの?」

 

雷「ドラグノフがクリスマスパーティーをまたしないかって」

 

リン「ああ、それさっき話してたやつだね。」

 

雷「そうなのか?」

 

リン「うん。ドラグノフとまたしたいって、新しい仲間もいるしね。」

 

雷「そういうことか。まぁ確かにムイとシィ、ファルにミレイも前のパーティーの時はいなかったもんな。やるのはいいがちょっとしたトラウマが…」

 

リン「今回もそうなるかもしれないね」

 

ドラグノフ「そこは雷が我慢してくれればいいわけだ」

 

雷「簡単に言ってくれるぜ。でも面白そうだし他の奴も誘ってみるか。」

 

ドラグノフ「言ってみるものだな。」

 

リン「だね。」

 

 

と、俺達の話がまとまったので暁に相談の電話を掛けた。

 

 

雷「もしもし、オレオレ。」

 

暁『・・・・・切るわ。』

 

雷「俺が悪かったから切らないでくれ。」

 

暁『それで、何の用だ?』

 

雷「ちょっと相談というかお誘いをだな。」

 

暁『お前の親の頼みごとを俺にもさせようとしているなら即刻切るぞ。』

 

雷「そういうのじゃないからそこは大丈夫。」

 

暁『そうか。それで、相談というのは?』

 

雷「相談というよりお誘いなんだけどさぁ~。」

 

暁『どっちなんだよ。そして話が進まん。』

 

雷「実はな……」

 

 

俺は通話越しで暁に先ほどのドラグノフとリンとの話し合いを説明した。

 

 

雷「で、どうかな?」

 

暁『・・・・・』

 

雷「タイミングが悪かったか?」

 

暁『ある意味ではそうだな。』

 

雷「どういうことだ?」

 

暁『実はだな。こっちでもさっきまでその話をしてたんだよ。それで、お前達を誘おうと電話をしようとしたらお前からかかってきてその話題を振られたわけだ。』

 

雷「わあ~お、それは確かにタイミングが悪かったな。」

 

暁『というかパーティーをする理由が被るとはな。』

 

雷「仲間思いでいいじゃないか?」

 

暁『それはいいんだけど……プレゼント代が……ね?』

 

雷「ああ…」

 

 

電話越しでも暁の奴が遠い目をしているのが容易に想像できた。

 

 

暁『ま、今更なんですけどね。パーティー場所はどうするんだ?』

 

雷「それは家でいいかなって思ってる。親にはまだ確認取ってないけどな」

 

暁『とってからにしろよ。でもお前の親なら許してくれるだろうけど。』

 

雷「そうだろう。」

 

暁『親にも言ってないってことはカミト達にもお前から言えよ。』

 

雷「分かってる。」

 

暁『話すことはこんなとこか?』

 

雷「開始時間どうしよう?」

 

暁『朝からでいいんじゃないか?』

 

雷「夕方とかじゃないのか?」

 

暁『いや、朝からやった方がいろいろできそうだったから』

 

雷「確かにそれもありか。」

 

暁『大丈夫かどうかはお前しだいだけどな。』

 

雷「いきなり責任を押し付けてくるなよ。」

 

暁『そこまで重くないんだからいいじゃん。』

 

雷「そろそろ、親とカミト達に話したいから切るな。」

 

暁『ほいほい。じゃあな。』

 

雷「また後日。」

 

 

そして俺は暁との通話を切った。

 

通話を切った後俺はまずカミト達のいる部屋に行った。

 

部屋の扉を叩くとカミトが出てきた。

 

 

雷(また呼び出されたのかな?)

 

などと考えているとカミトが要件を訪ねてきた。

 

 

カミト「雷?どうしたんだ?」

 

雷「ちょっとお話が合ってね。クレア達にも聞いて欲しいから中に入っても?」

 

カミト「大丈夫だ。」

 

 

カミトに促されて部屋に入った。

 

 

クレア「雷?どうしたの?」

 

雷「皆に聞いて欲しいことがあるんだ。」

 

 

俺はまたドラグノフとリンとの話をした。

 

 

フィアナ「そんな話があったのね。」

 

エリス「ちょうどいいのではないか?」

 

クレア「そうね。」

 

雷「ちょうどいいとは?」

 

リンスレット「私達も丁度そのお話をしていたんですの。」

 

カミト「でも他人の家だからどうしようか話してたんだよ。」

 

雷「この集まりはそういう事だったのか。」

 

クレア「えぇそうよ。」

 

フィアナ「これで悩みなくパーティーができるわね。」

 

雷「さて、親の所に行ってくるか。」

 

クレア「アンタ親に相談しないで決めたのね。」

 

雷「うちの親、こういう事には目がないというか、大体すぐにOK出すから。」

 

リンスレット「そういう事ですのね。」

 

雷「でも相談しないわけにもいかないからな。」

 

エリス「当然の話だな。」

 

雷「そういうわけだから、俺はこれでお暇するよ。」

 

カミト「暁達には話したのか?」

 

雷「電話で話してる。というか向こうは向こうで同じ話が出てたみたいだ。」

 

カミト「暁は凄いことになりそうだな。」

 

雷「あいつ自身そう言ってたよ。」

 

カミト「はは…」

 

雷「じゃ、俺は出るわ。」

 

カミト「引き留めて悪かったな。」

 

雷「大丈夫。」

 

 

俺はそう言うと部屋を後にして両親のいるところに向かった。

 

両親にクリスマスパーティーの事を話すと予想通りすんなりとOKが出た。

 

暁と話した時間帯なども話して大丈夫か確認も取ってみるがこちらも全然問題ないとの事だった。

 

両親からOKを貰った俺はドラグノフ達のもとに向かった。

 

ドラグノフ達の居る部屋の扉を叩くとリンが出てきた。

 

 

リン「雷どうしたの?」

 

雷「いや、親の許可が下りたことを一応言っとこうかと思っただけなんだ。」

 

リン「雷の両親ちょっと軽すぎないかしら。」

 

雷「俺もたまに思うよ。」

 

リン「でもよかった。これでダメってなったらどうしようかと思ってたわ。」

 

雷「何かあったのか?」

 

リン「今皆でクリスマスパーティーをすることを話してたのよ。」

 

雷「そういうことか。こういう時に親がそういうことに軽くてよかったって思うな。」

 

リン「皆いるから喋っていく?」

 

雷「いや、ちょっと用事思い出したから今回は遠慮する。」

 

リン「そう。それじゃあ私は皆に許可が貰えたこと伝えておくわね。」

 

雷「うん。」

 

 

リンが部屋の扉を閉めると俺はすぐに買い物に向かった。

 

目的はもちろんドラグノフ達のプレゼントを買うことだ。

 

 

雷(皆それだけ楽しみにしてるのか。気合入れて考えないとな~。)

 

 

こうして俺のパーティーまでの時間は過ぎていくのだった。

 

 

~~ 雷side out ~~

 

 

 

─────────────────────────────────────

 

 

 

そして、25日クリスマスパーティー当日がやってきた。

 

 

 

~~ 暁side ~~

 

 

暁「皆さん支度が終わるの早くないですか?」

 

ティルフィング「マスターが遅いんですよ。」

 

ロンギヌス「そうですよ。」

 

暁「いやいや、出発の5~10分前に支度が終わるのって遅いの!?」

 

マサムネ「主君は拙者達は30分前には終わっていたぞ。」

 

暁「見てわかる通り、ウキウキしてんな。」

 

アルテミス「ありえないと思っていたことですからね。」

 

パラシュ「そりゃあ楽しみにもなるよ。」

 

暁「そうかもしれないけどさぁ~」

 

ミネルヴァ「マスター出発の時間ですよ。」

 

暁「もうそんな時間か。じゃ、皆行こうか雷の家に」

 

キル姫達「「「はい!」」」

 

 

俺達は雷の家でクリスマスパーティーをするために雷の家に向かった。

 

雷の家に着くと俺はすぐにインターホンを押した。すると扉の奥から「は~い」という声が聞こえてきた。その声が聞こえてすぐに扉が開かれた。

 

出てきたのは雷の母の優里(ゆうり)さんだった。

 

 

優里「おはよう令君、ようこそ我が家へ、そしてメリークリスマス」

 

暁「おはようございます。メリークリスマス」

 

優里「寒いでしょ?さっ、入って入って」

 

暁「お邪魔します。」

 

キル姫達「「「今日はよろしくお願いします。」」」

 

優里「ええよろしくね。」

 

 

優里さんは優しい笑顔でキル姫達を迎えた。

 

リビングに向かうと雷と雷の父親の誠人(まさと)さん、カミトとクレアがいた。

 

 

雷「やっと来たか。」

 

誠人「令君メリークリスマス、キル姫の皆も。」

 

暁「メリークリスマス誠人さん」

 

カミト「お!暁とキル姫の皆来てたのか。メリークリスマス」

 

クレア「皆着いたのね。メリークリスマス」

 

暁「メリークリスマス2人とも」

 

ティルフィング「メリークリスマスです。御二方」

 

 

その後、エリスとリンスレット、フィアナ、銃姫の皆もやってきて挨拶のし合いになった。

 

 

優里「そういえば令君」

 

暁「何でしょうか?」

 

優里「あの大きな袋は何なの?」

 

雷「あっ、それは俺も気になってたんだ。何が入ってるんだ?」

 

暁「やっぱり気になっちゃいます?」

 

雷「隠すようなことなのか?」

 

暁「まったくもってそんなことはないよ。」

 

カミト「じゃあなぜ隠そうとするんだ?」

 

暁「気分」

 

雷「そんなこったろうと思った。」

 

フィアナ「それで結局何なの?」

 

暁「決まってるじゃん。ティルフィング達へのクリスマスプレゼントだよ。」

 

 

聞いてきた人達「「「ああ~。」」」

 

 

とまぁ、俺の大きな袋の謎が解けて納得する皆であった。

 

 

カミト「袋の謎が解けたのはいいがこれからどうするんだ?」

 

雷「暁、俺と勝負しないか?」

 

暁「面白そうだな、俺は構わないぜ。」

 

カミト「それ俺も混ざってもいいか?」

 

雷「カミトとは手合わせしたことがなかったな。」

 

カミト「ああ。」

 

マサムネ「拙者も参加させてもらえないだろうか。マスター以外と手合わせしてみたいのだ。」

 

暁「やる気十分だなマサムネ。」

 

マサムネ「うむ。拙者も今よりも精進したいからな。」

 

ミレイ「なら私も参加するわ。」

 

エリス「私も参加させてもらおう。マサムネと手合わせしたいのだ。」

 

暁「意外と人が集まったな」

 

雷「こうなったらチーム戦でいきますか。」

 

カミト「それがいいだろうな。」

 

暁「ティルフィング達はどうする?」

 

ティルフィング「私達は観戦しながら優里さんとお喋りしてます。」

 

暁「分かった。」

 

 

各々のすることが決まった。

 

俺達戦闘組は専用のフィールドで戦闘の準備をした後、すぐに戦闘を始め、戦闘をしない組は雷の母親の優里さんと戦闘組の戦闘を見ながら雷の両親と楽しくお喋りを開始した。

 

それから数時間してお昼の時間が来た。

 

戦闘を終え、俺達戦闘組は息を上げながら元の場所に戻ってきた。

 

 

暁「ただいま戻った。」

 

雷「疲れた~。」

 

カミト「やっぱりあそこで決めに行くべきだったか。」

 

エリス「マサムネまたいつか相手をしてもらえないだろうか。」

 

マサムネ「よかろう。拙者もまだまだだと教えられらしな。」

 

ミレイ「あとちょっとの所だったのに~!!」

 

ティルフィング「マスター達お帰りなさい。」

 

 

テーブルの上には既に料理が並べられていた。

 

どうやら戦闘をしない組は雷の両親とお喋りしながら俺達が返って来るのに合わせて料理を作っていたようだ。

 

全員が席について「いただきます。」の言葉で食事を始めた。食事をしている時俺は雷の両親の誠人さんと優里さんに少しの間質問攻めにあった。内容は「異世界はどんな感じだったのか」や「生活はどうしていたのか」などだ。その合間に優里さんに「キル姫の誰が本命か」聞かれたがそこは黙秘権を行使した。

 

その時にキル姫の皆は少し残念な溜め息をしたが俺がそれを知ることはなかった。

 

食事が終わり、少し休憩をしてから俺達は夕食まで遊び倒した。

 

この遊びの中に当然王様ゲームが入っており、また俺と雷、カミトは地獄のような他人から見れば天国のような現実に出会ったのだった。 ※ 内容は読者の皆様でお考え下さい。

 

夕飯時には俺達男性陣の精神はギリギリまですり減っていた。

 

夕飯の料理はお昼の時より豪華になっており、食べ終わった後には優里さん特性のクリスマスケーキが出てきた。

 

 

暁「ふぅ~、食った食った。」

 

雷「俺もう食えねえ。」

 

優里「フフッ、皆よく食うわね。」

 

ティルフィング「優里さん、今度料理を教えてもらってもいいですか?」

 

ムラマサ「せ、拙者もよろしいでしょうか?」

 

優里「ええいいわよ。」

 

雷「さて、そろそろプレゼントを渡そうか。」

 

暁「それもそうだな。」

 

 

俺達はプレゼントを交換し合うことにして各々渡す人物の所にプレゼントを持って行った。

 

俺の所にはキル姫達が、雷の所には銃姫たちが、カミトの所にはクレアとエリス、リンスレット、フィアナにエストの5人がそれぞれ集まった。

 

俺のプレゼントは前回と同じような感じになってしまったがキル姫達に似合いそうな装飾品に戦闘に役立つ付与魔法を付けたものだ。正直自分の感性だから喜んでくれるか心配だったがそれは皆の笑顔を見て杞憂であったと思えた。雷の方は銃姫たちが欲しがっていたモノ+αでプレゼントしていた。銃姫の皆本当に嬉しそうでリン何かは勢いよく感謝の言葉とともに抱き着いた。抱き着かれた本人はかおをまっかにしていた。それを見た他の銃姫達はというと、ドラグノフとファル、ムイとシィはムッとした顔をしており、ミレイはあたふたしていて、シルに関しては目のハイライトが少しなくなっているように見えた。カミト達はというと……いつも通り過ぎて言うことがねぇ。只々自分達の世界を作り上げているのだ。

 

ちなみにこの様子を雷の両親は滅茶苦茶いい笑顔で俺達を見ていた。

 

皆幸せそうでパーティーをしてよかったという気持ちになった。

 

プレゼント交換を終えた後、俺とキル姫達は帰るつもりだったが雷の両親に泊まっていくように言われてお言葉に甘えて俺達は泊めてもらうことにした。

 

その後は女性陣は寝落ちするまで自分達が貰ったプレゼントを眺めていたのだった。

 

そして、また大切な1日が過ぎていくのだった。

 

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 

 




クレア「大城が戻って来たんですって?」

カミト「ああ、あそこでぶっ倒れて唸ってるのがそうだぞ。」

大城「う~~……、あ~~……」

クレア「な、何か、凄いことになってるわね…」

カミト「お土産を何個かかって来てからというものあんな感じだ。」

クレア「お仕置きをしようと思ったけど今回は無しにしてあげましょう。」

カミト「それは今回が出ているからか?」

クレア「それだけじゃないわ。今の状態でお仕置きするのは流石にね。」

リンスレット「クレアがそんなこと言いだすとは」

フィアナ「私はクレアの言うことに賛成ね」

エリス「とりあえずゆっくりさせておこう。」

大城「誰か…水を…ください…」

全員「「「「「・・・・・。」」」」」

リンスレット「水、持ってきますわ」

カミト「閉めよう。作者の限界だ。」

エリス「グダグダだがまた次回をお楽しみに」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。





目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

特別編part4 暖かな新年

大城「読者の皆様」

全員『新年明けましておめでとうございます。』

暁「大城、投稿に遅延」

大城「間に合うかと思いきや間に合いませんでした。」

雷「出さないよりはマシじゃないか?」

クレア「出してなかったら消し炭どころでは済ませてなかったわ。」

大城「さて、新年最初ということもありまして長々話さずにこのまま注意事項に行きます。」


※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在、ちょっとしたネタバレ、キャラ崩壊など


全員『これらが大丈夫な皆様は楽しんで読んでください!』





楽しく新年を迎えるのはいつ以来だろうか……

 

 

 

~~ 暁side ~~

 

暁「ん…、朝か…自分のベッドじゃない?」

 

 

俺は起きて使ってるベッドが自分のではないことに気がつき少し考えた。

 

 

暁「そうか、クリスマスパーティーの後の次の日に優里さんと誠人さんから「このまま新年迎えちゃいなさい」って言われて結局言葉に甘えたんだったな。お世話になりっぱなしだな…」

 

 

そんなことを1人言葉にしていると扉がノックされた。

 

 

ティルフィング「マスター私です。起きていますか?」

 

 

どうやらティルフィングが俺を起こしに来たようだ。

 

 

暁「起きてるよ。」

 

ティルフィング「入っても?」

 

暁「大丈夫だよ。」

 

ティルフィング「では失礼しますね。」

 

 

扉が開かれティルフィングが入ってきた。

 

 

暁「皆は?」

 

ティルフィング「マスターが部屋に戻った後少ししてほとんどの方が眠りに就きました。最終的に起きてたのが私とドラグノフさん、フィアナさん、優里さんの4人だけ、今は私とドラグノフさん、フィアナさんの3人で寝ている皆さんを起こしに回っている所です。優里さんは年越しそば作ってます。」

 

暁「そうか。今の時間は…」

 

 

枕元に会った時計を見ると11時半を回ろうとしていた。

 

 

暁「結構いい時間に起きたんだな。」

 

ティルフィング「そうですね。」

 

暁「俺も他の奴起こすの手伝うよ。」

 

ティルフィング「ではお願いします。」

 

 

そうして俺も混ざって寝ている奴の部屋に入って起こして回った。

 

そして日付が変わる10分前に全員テーブルに着き年越しそばを食っていた。

 

テレビを見ながら日付が変わる5秒前になった時

 

 

全員『5…、4…、3…、2…、1…』

 

 

と全員でカウントダウンをし、日付が変わると

 

 

全員『新年あけましておめでとう

 

 

全員でその時を祝った。

 

 

雷「ついに年が明けたな。」

 

カミト「こうして誰かと年を越すのっていいもんだな。」

 

優里「はぁ~い、それじゃあ女性陣は皆こっちに来てね。」

 

クレア「?」

 

リンスレット「優里さん、何かあるんですの?」

 

優里「それはこっちに来てからのお楽しみ。男子諸君と貴方はそこで待機ね。」

 

 

俺達は優里さんの言葉に従った。

 

女性陣は優里さんに促されて別室へ、男性陣はと言うとその場にポツンと取り残された。

 

一応この後何をするかを考えれば優里さんが何をしようとしているのか想像できた。

 

女性陣が別室に言ってから小一時間ほど経過して扉の開く音がした。

 

 

雷「やっと戻って来たの…か…」

 

カミト「どうしたんだ雷?」

 

 

雷が後ろを向いたまま言葉を失って棒立ち状態になっているのを不思議に思ったカミトは雷の隣に立ち同じ方向を見た。そこには着物で着飾った女性陣がずらっと並んでいた。

 

 

誠人「これは見違えたな。皆きれいじゃないか。まあ、一番は優里だがな。」

 

優里「貴方、馬鹿なこと言ってないの。ほら皆行った行った。」

 

 

優里さんは誠人さんの話を流しつつ、着飾った女性陣達の背中を押していった。

 

押された女性陣は顔を少し赤くしながらそれぞれの男子たちのもとへと歩き出した。

 

 

ドラグノフ「雷、その…どうだろうか…」

 

雷「えっと…、とてもよく似合ってるよ。」

 

ドラグノフ「そうか、それならよかった。」

 

雷「皆が綺麗すぎて目のやり場に困るぞこれ!」

 

リン「そんなこと叫ばないの!」

 

 

雷がそう叫ぶと銃姫たちは顔をさっきよりも真っ赤にした。

 

 

カミトもクレア達をそれぞれ褒めていた。

それでもやっぱりカミトからしてはクレアが一番気になっているようでリンスレットたちを褒めながらも何処かクレアが気になって仕方がないといった状況だった。

リンスレットたちはそれを察してはいるがやっぱりカミトに褒められて照れ臭くしていた。

 

他の様子を見ていた俺のもとにもキル姫達が集まった。

 

 

ティルフィング「マスターよそ見ですか?」

 

暁「悪い。」

 

 

ティルフィングによそ見していることを注意され謝りながらキル姫達の方を向き直る。

そこにいたのはいつもと全然雰囲気の違うキル姫達がいた。

 

 

暁「・・・・・。」

 

ティルフィング「マスター?」

 

ロンギヌス「どこか悪かったのでしょうか。」

 

暁「ああ、そういうことではないから安心してくれ。」

 

ロンギヌス「そ…そうですか?」

 

暁「うん。」

 

 

俺は皆の着物姿を見てからというもの顔が熱くなっていくのを実感していた。

そして、雷が叫ぶのも無理はないとこの時考えていた。

 

 

ムラマサ「姉上、この姿は何処か落ち着きませんね。」

 

マサムネ「【戦う】姿ではなく【見せる】姿だからだろうな。」

 

ミネルヴァ「私こういう服初めて着ました。」

 

フライシュッツ「ねぇねぇマスターくん、お姉ちゃんの着物姿どうかな?」

 

 

そう言ってフライシュッツは俺の目の前でクルっと1回転して見せた。

 

 

暁「とても似合ってるよ。」

 

フライシュッツ「そう?よかったぁ~。」

 

ネス「なぜか私が着ると子供っぽさが出ている気がするのですが。」

 

暁「そんなことないよ。いつもより大人に見えるよ。」

 

ネス「そ…そう…ですか…」

 

 

俺が褒めるとネスは顔を赤くして下を向いてしまった。

 

 

ダモクレス「ん~、お腹の辺りが少し苦しいよね。」

 

エルキュール「仕方がないですよ。着物とはそういうものだそうですから。」

 

ラグナロク「皆楽しそうね。」

 

スイハ「私がこのような格好をするなど」

 

ラグナロク「気に入らないの?」

 

スイハ「気に入らないわけではなくこれではいざというときに動きにくいではないですか。」

 

ラグナロク「着替えるの?」

 

スイハ「私はそうしようかと」

 

ラグナロク「ねぇマスター」

 

暁「ラグナロク?どうしたんだ?」

 

ラグナロク「スイハが着物を着替えるって言ってるのだけど」

 

スイハ「ラグナロク!?」

 

暁「あれまぁ、それは残念だな。せっかく似合ってたのに」

 

スイハ「・・・・・ます。

 

暁「ん?」

 

スイハ「着続けます!」

 

ラグナロク「そう。よかったわ。」

 

暁「おう、そうか」

 

スイハ(マスターに「似合う」って言われたら着続けたくなるじゃないですか…)

 

 

この後スイハは少しの間俺とラグナロクの口をきいてくれなかった。

 

スイハにラグナロクと謝り、何とか許してもらった。

 

 

ラグナロク「ごめんなさいねマスター。」

 

暁「何が?」

 

ラグナロク「スイハの件よ。」

 

暁「別にいいよ。事実スイハの着物姿を見た時点で俺もラグナロク同様すぐに脱いじゃうのはもったいないと思ったわけだからさ。」

 

ラグナロク「マスターは変わってるわね。」

 

暁「よく言われる。」

 

 

ラグナロクと話しているとミネルヴァ達がラグナロクを呼ぶ声が聞こえた。

 

 

ラグナロク「私は皆の所に行くわね。」

 

暁「おう。」

 

ラグナロク「それじゃあ。」

 

暁「ラグナロク」

 

 

ラグナロクがミネルヴァ達の所に歩き出した時、俺は声を掛けた。

 

 

ラグナロク「何かしら?」

 

暁「その~なんだ、お前の着物姿も他の皆にも引けを取らないぐらい、とっても綺麗だよ。」

 

ラグナロク「そう、ありがとうマスター。」

 

 

ラグナロクはそう返事をしてミネルヴァ達のもとへと向かって行った。

 

それを見送った俺はティルフィング達に向き直ったのだがそこにはムッとした顔をしているティルフィング達がいた。

 

 

ティルフィング「マスター私達にかける言葉はないんですか?」

 

暁「皆いつも以上に綺麗だよ。」

 

 

俺は皆にバレないように照れ隠しで目を少し外してそう言った。

 

 

アルテミス「なんか冷めてませんか?」

 

暁「そんなことない!」

 

パラシュ「本当かい?」

 

暁「そこは断言できる!」

 

 

俺がこう言ってもどうやら疑っているらしく少し睨んでくる。

 

俺が少し後ずさるとティルフィングが割って入って来た。

 

 

ティルフィング「大丈夫ですよ皆さん。」

 

パラシュ「どうしてだい?」

 

ティルフィング「だってマスター、私達を褒めるとき顔が少し赤くなってましたしそれに何よりも目線が私達を見ないようになってましたから。これってマスターが照れ隠しをしてる時に出る癖なんですよ。そうですよねマスター。」

 

暁「うぐっ!?バレないように目線を外したのに…」

 

ティルフィング「ふふっ」

 

ロンギヌス「これがマスターと一番長く一緒にいた者の余裕ってやつなんでしょうか。」

 

マサムネ「そうかもしれないな。」

 

ムラマサ「拙者も精進しなくては」

 

マサムネ「花嫁修業をか」

 

ムラマサ「はい!……って違います!」

 

マサムネ「今「はい」って断言した?」

 

ムラマサ「違います~!」

 

 

キル姫達と話をしていると雷の俺達を呼ぶ声が聞こえてきた。

 

 

暁「じゃあ皆初詣行こうか。」

 

キル姫「「「はい!!」」」

 

 

そして俺達は雷達と合流して皆が集まっていることを確認してから初詣に向かった。

 

近くの神社に着くと先に参拝を終わらせるためにその列に並ぶ者や、おみくじを引きに行く者、中央で焚火をしているのでそこで温まる者、皆それぞれで行動していた。

 

ちなみに俺は当然のように焚火の近くで温まってます。

 

 

暁「こんな夜中の寒い時間帯によくもまぁ長蛇の列を並ぶなぁ~。」

 

ティルフィング「マスター、そんなこと言ってないで私達もそろそろ並びますよ。」

 

暁「まだよくないか?」

 

ティルフィング「ダメです。そろそろ並んでおかないと最後のとっておきが見れなくなってしまいますよ。皆楽しみにしてるんですから。」

 

暁「・・・・・そうだな。それじゃあ並ぶか」

 

ティルフィング「はい、マスター。」

 

 

そして俺達は長蛇の列に並び数十分後にようやく自分達の番が来た。

 

お賽銭箱に全員それぞれお金を投げ入れ、そして手を合わせて目を瞑り自分達のこれからの願いを願った。願い終わり目を開けて他の者たちを見ると丁度皆顔を上げるタイミングだった。

 

 

暁「皆願い終わったか?」

 

ティルフィング「私は大丈夫です。」

 

マサムネ「拙者も大丈夫だ。」

 

ラグナロク「私達も終わってるわ。」

 

暁「それじゃあ、皆が待ってるだろうし行きますか。」

 

キル姫達「「「はい。」」」

 

 

参拝が終わった俺達は雷達が待ってるところに向かった。

 

 

雷「来たな。」

 

暁「お待たせ」

 

カミト「俺達も今ここに着いたばかりだけどな」

 

優里「皆集まってるわね。」

 

誠人「皆のお楽しみを見に行こうか。時間もいいころ合いだしね」

 

 

俺達は優里さんと誠人さんに連れられてちょっとした場所に連れられた。

 

 

誠人「さ、着いたよ。」

 

雷「父さん、ここで本当にみられるの?」

 

誠人「ああ。問題ない。」

 

優里「それにしても懐かしいわね。」

 

ティルフィング「そうなんですか?」

 

優里「ええ、だってここは18年ぐらい前にお父さんから結婚を申し込まれた場所だもの。」

 

全員『ええーーーーー!!

 

 

優里さんの突然の告白に俺達は驚いた。

 

 

ロンギヌス「あ、あの!その話聞いてもいいでしょうか?!」

 

クレア「私も気になるわね」

 

優里「あらあら、そうね、あまり長くは話せないから簡潔に言うとね。ここから眺める日の出にその時思った「そろそろ結婚の申し出とかしてくれないかしら」って願ったら偶然だとは思うけどね。誠人さんが一緒に日の出を見ながら申し出てくれたのよ。」

 

 

女性陣は優里さんの話に夢中になっていた。

 

 

雷「父さんにそんな過去があったとは。」

 

誠人「いやはや、恥ずかしいな。」

 

暁「いいじゃないですか。男らしくて。」

 

誠人「なら令君もやってみればいいさ。」

 

暁「自分はいいですよ。そんな度胸ないですし。というかそういうのはまず自分の息子にさせるものじゃないんですか?」

 

誠人「こいつがすると思うか~?」

 

暁「しないですね。」

 

雷「即答かよ!?いやまぁ確かにしないけど…」

 

 

俺達の会話が聞こえていた女性陣達は溜め息をこぼしていた。

その溜め息は俺達には聞こえていない。

 

 

優里「皆大変そうね。」

 

ティルフィング「時間がかかってでも、いずれはマスターの口から「好き」の2文字を言わせてみます。皆きっと同じ思いですよね?」

 

 

ティルフィングの問いに他のキル姫達も頷く。

 

 

ドラグノフ「それを言うなら私達とて同じだ。智也から言わせて見せる。」

 

 

ドラグノフの言葉に他の銃姫たちも頷いた。

 

 

そんなこんなで話をしていると徐々に空が明るくなり始め、水平線からは太陽が昇り始めているのが見えていた。

 

そう、俺達は優里さんと誠人さんに連れられてきた場所というのは初日の出を見るための場所だったのだ。そして、皆が楽しみにしていたことでもあった。

 

女性陣達は初日の出に向かって何かお願い事をしているようだった。

 

願い事が終わった女性陣達は初日の出を堪能していた。

 

 

暁「そういえば言ってない言葉があったな。」

 

ティルフィング「そういえばそうですね。」

 

雷「年を越したのに言ってないとはな。」

 

暁「それじゃあ、」

 

 

全員『新年明けましておめでとう(ございます(ですわ))。

 

 

初日の出と新年の挨拶を終えた俺達は雷家に戻った。

 

戻るとすぐに優里さんと一部の女性陣はキッチンへと向かって行った。

 

残ったメンバーはおせちやらお雑煮やらができるまで適当に遊んで過ごしたのだった。

 

 

暁(父さん、母さん。新年明けましておめでとう。2人がいなくなってから初めてこんなにも楽しい年を越すことができたよ。雷達には本当に感謝しかないよ。)

 

 

俺は亡くなった両親にそんな思いを届かないと分かっていても投げかけるのだった。

 

 

 

 




暁「大城は?」

雷「先に部屋に戻ったぞ。」

ティルフィング「先に寝ると」

ドラグノフ「今回の回を書くのに慌ててたらしいからな。」

クレア「事前に書いてない大城が悪いのよね。」

リンスレット「そこはあの人ですから諦めるしかないですわ。」

フィアナ「最終結論、どうしようもない人。」

エリス「途中退場だけはしないことを祈ろう。」

カミト「アイツそこだけはしっかりしてるよな。」

暁「あいつの線引きがマジで分からんぞ。」

雷「まぁ、気長に待つしかないんですよね。」

ドラグノフ「そろそろ閉めるか」

ティルフィング「そうですね。おせちの残り食べましょう。」

クレア「私も食べたいからちゃちゃっと閉めちゃうわよ。」

リンスレット「というわけですので、唐突ですが」

チーム・スカーレット「「「次回もお楽しみに!」」」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第54話 一波乱

大城「どうも皆さん作者です。今回のゲストはクレアさんとエリスさんです。」

クレア「よろしくね。」

エリス「よろしく頼む。」

クレア「大城、私達の言いたいことわかるわよね?」

大城「そんなに圧を掛けなくても分かっています。投稿が1か月も空いたことですよね。」

クレア「そうよ。どうしてかしら。」

大城「ちゃんと説明しますからそんなに圧を掛けないでください。」

エリス「では、とりあえず聞こうではないか。」

大城「簡単に言えば期限ぎりぎりの課題や書類の提出があったためですね。」

クレア「む~、そういうことなら怒りにくいわね。」

エリス「確かに、だがそういった事をちゃんとできていれば書けたのではないか?」

大城「ごもっともです。」

クレア「これからは大丈夫なの?」

大城「はっきりとハイとは言えない状況ですね。」

エリス「また、こういうことが起きると」

大城「出来るだけ起こさないよう努力はするつもりです。」

クレア「仕方ないわね。そういう理由なら許してあげる。」

大城「以後は気をつけていきたいと思います。」

エリス「頼むぞ。さて、長くなってしまったな。注意事項だ。」


※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在、キャラ崩壊など


クレア「これらが大丈夫な皆様は楽しんで読んでね。」





~~ 暁side ~~

 

ついに俺達は自分達の世界に帰って来ることができた。

 

 

ティルフィング「帰ってきたことを実感するのはいいですが、マスターここはどのあたりなのでしょうか?」

 

 

ティルフィングの問いに戻ってこれたことを堪能していた俺は、ハッとなり辺りを見回した。

 

すると一つ見覚えのある街を見つけた。

 

距離がありその街は小さく見にくいが、見覚えのある大きな建物が遠めからでもはっきりと見えた。

 

 

暁「なぁ、あの街ってさ、雷の両親が経営してるギルドがある街じゃないか?」

 

雷「う~ん?どれどれ?・・・あ~、そうっすね。」

 

クレア「ギルド?それは一体何なのかしら?」

 

 

聞きなれない言葉を聞いたこの世界に来たばかりの者たちはは頭に【?】を浮かべ、聞いて来た。

 

 

暁「なんて説明したらいいかな?俺達のような戦闘向けの人達が色んな所の依頼を受ける場所、こんな感じか?」

 

ティルフィング「別の言い方なら、戦闘能力を認められた強い人達の集会場、でしょうか?」

 

「脳筋どものたまり場」(ボソッ)

 

フィアナ「今智也君何か言わなかった?」

 

雷「いや、俺は何も言ってないけど?」

 

フィアナ「そう・・・」

 

 

雷は「自分は何も言ってませんがと」しらを切っているが、特定に数人は聞き逃さなかった。

雷が「脳筋どものたまり場」といった事を。

あながち間違いではないが、多分あそこのギルドが大きいせいでそう思うだけだと俺は信じたい

 

 

雷「それにしても見知った土地の近くに転移できて良かったな。」

 

ドラグノフ「うむ。」

 

暁「途方に暮れなくてすんだな。」

 

ティルフィング「こんなところで立ち話もなんですからそろそろ街の方に行きませんか?」

 

暁「それもそうだ。」

 

 

俺達はその場から街に向かって移動した。

 

 

暁「街に着いたのはいいが、懐かしいって感じがしないのは俺だけか?」

 

雷「右に同じ」

 

カミト「それはたぶん俺達の世界の街もこんな感じだったからじゃないか?俺は初めてなのに何故か初めてきたって感じがしなかったから。」

 

暁・雷「「それだ!」」

 

暁「カミトの話聞いて納得したわ。」

 

雷「だな。それで街に着いたのはいいけどこれからどうするんだ?」

 

クレア「ギルド?だったかしら、そこに行けばいいんじゃないの?」

 

暁「それは……まぁ、そうなんだけどな……」

 

リンスレット「珍しく歯切れが悪いですわね。何か行きたくない理由でもあるんですの?」

 

ティルフィング「私達が皆さんに話した話覚えていますか?」

 

エリス「えっと…、暁と雷が自分達の世界では白い目で見られている、だったか…」

 

ドラグノフ「簡単に言えばそうだな。」

 

クレア「だからなのね、さっきから周囲の目がどうも刺さる感じがしていたのは。」

 

ティルフィング「こうなったのは私達の責任なんですけどね。」

 

暁「ティルフィング、昔話しただろ。お前の責任じゃないって」

 

ティルフィング「そうですけど…でも!」

 

暁「それにこの話はしないって約束もその時にしたはずだぞ~。」

 

ティルフィング「そうでしたね。すみません」

 

暁「分かればよろしい。」

 

雷「結局ギルドに向かうってのでいいのか?」

 

暁「だな。ギルド長とその奥さんに挨拶と帰ってきたことを伝えなきゃいけないし。」

 

雷「律儀だな。」

 

暁「なんだかんだあの人たちにはお世話になりっぱなしだからな。」

 

 

というわけで、俺達はギルドに向かって再度歩き出した。

 

 

暁「俺があそこに行きにくい理由って白い目で見られるからじゃないんだよねぇ。いや、無いわけではないんだけど。」

 

クレア「どっちなのよ!」

 

暁「白い目で見られることに関しては流すことにしてるから」

 

クレア「そういうことね、暁らしいわ。」

 

雷「ということはあっちの方か。」

 

フィアナ「「あっち」っていうのは?」

 

雷「女性陣は注意、特に気弱なロンギヌスとムラマサしっかりと暁に着いとけよ~。」

 

ロンギヌス「えっと、どういうことでしょうか?」

 

ムラマサ「拙者もですか?」

 

ドラグノフ「確かにそうだな。」

 

ティルフィング「マスターはその辺しっかりしてますから大丈夫でしょうけどね。」

 

 

などと会話をしながら向かっていた俺達はすでにギルドの前にまで着いていた。

 

 

暁「さて、入るか」

 

雷「あまり気は進まないけどな。」

 

ドラグノフ「お前、親がいるのにそういうこと言うのか。」

 

 

カミト達「「「ここって雷(さん)(智也君)の親がいる(んです)の(か)!?」」」

 

 

雷「あれ?言ってなかったっけ?」

 

クレア「聞いてないわよ!」

 

暁「扉開けるぞ~。」

 

 

後ろのやり取りを聞き流しながら扉を開けて中に入っていった。

 

中に入るといろんな冒険者がこちらを向き驚いた顔をする者、驚いた顔からすぐにしかめっ面をする者がいた。

さっきまで外まで聞こえていた声は俺達の姿を見るなり一瞬で静まりかえった。

 

 

暁「ま、こうなるよね」

 

 

俺はため息交じりに呟いた。

それと同時に次に起こることも大体予想がついていた。

 

するとガタイの良い冒険者一行がこちらに歩いて来た。

 

 

大男A「おう、ガキがませてんな~。」

 

暁「俺達に何か用ですか?」

 

大男A「何か用?分かってんだろ?俺達の言いたいことが」

 

 

大男Aの後ろにいる他の奴らは嫌な笑いをしながらあからさまにキル姫や銃姫、クレア達を見て品定めしていた。大男Aもこちらに話しかけているように見せて品定めしていた。

 

 

暁「分かりませんね。」

 

大男A「そうか、じゃあはっきり言わせてもらうぜ!お前の連れている女どもを俺達に寄こしな!」

 

暁「断ったら?」

 

大男A「おいおい、そんなこと言える状況か?」

 

 

いつの間にか俺達は大男Aの仲間に囲まれていた。

 

 

大男A「さっさと女どもを俺達に渡してガキどもはここから立ち去んな!」

 

暁「両方ともお断りします。というか邪魔なんでどいてください。」

 

大男A「正気かよ。」

 

 

俺達を囲みながら大男Aとその仲間が笑い始めた。

 

遠くから見ている他の連中から小さい声だが「アイツら、もうおしまいだな。」とか「ご愁傷様」だとか(あわ)れむ声が聞こえてきた。

 

 

暁(聞こえてるし、あと勝手に俺達が負けるとか思わないで欲しいんだが?)

 

 

そんな中、受付さんが何処かに連絡しているのが横目で見えた。

多分ここのギルド長に連絡をしているのだろう。

 

 

大男A「オイ餓鬼、人の話聞いてんのか!」

 

暁「エエ、キイテマシタトモ」

 

 

俺の言葉と態度が気にくわなかった大男Aは遂にキレた。

 

 

大男A「お前らやっちまえ!」

 

 

俺達を取り囲んでいた大男A達が一斉に武器を構え、攻撃してきた。

だがしかし、雷を相手にしていた者達はゴム弾だが眉間に一発入れられ即ノックアウト、カミトを相手にした者達は普通に体術で捻られていた。

大男Aを相手にしている俺はというと、わざと寸でのところで攻撃を躱していた。

 

 

大男A「ぜぇ…、ぜぇ…、一体何なんだお前らは…」

 

暁「お前らみたいな奴に名乗る名前はあいにく持ち合わせてないんだわ。」

 

大男A「舐めやがってぇ!!」

 

 

大男Aが再び襲い掛かって来るがガタイと予備動作が大きいので懐に潜り込むのは容易だった。

そして、俺は大男Aのみぞおちにグーパンを思いっきり打ち込んだ。

大男Aは気を失い他の連中と同様気を失った。

 

 

暁「雷とカミト、そっちは終わったか?」

 

雷「余裕」

 

カミト「こいつらいったい何なんだ?」

 

暁「知らね。」

 

ドラグノフ「大方、お前達男共に嫉妬して喧嘩を売って来たんだろう。このザマだがな。」

 

クレア「それより、こんなに大暴れしてよかったの?」

 

 

辺りを見回すとほとんどの冒険者達が大男A達を倒したことで驚愕していた。

 

 

暁「なるようになるだろ。」

 

クレア「それで大丈夫なの?」

 

ドラグノフ「こんなことは前からあったからな。気にすることではない。」

 

フィアナ「智也君達も戻ったら戻ったで大変なのね。」

 

雷「まぁな。」

 

 

俺達が話をしていると階段から降りてくる影があった。

 

 

???「何の騒ぎだ!」

 

受付さん「ギルド長!実は…」

 

 

ギルド長と呼ばれた大人の男性がこちらを見るや否や、驚いた顔をすると同時にこちらに駆けて来た。そしてそのまま…

 

雷に抱き着いた。

 

その現場にいた俺とティルフィング、ドラグノフ、抱き着かれた雷以外驚いた。

 

 

???「お前、帰って来ていたんだな…」

 

雷「えっと…、只今、父さん。」

 

カミト「父さん!?」

 

クレア「じゃあここのギルド長をしてるのって…」

 

フィアナ「智也君のお父様…」

 

リンスレット「そういうことになりますわね…」

 

 

何も知らない者達はあまりの真実に呆気に取られていた。

 

そして、()()()()に感づいた者達はこそこそと話し出した。

 

 

雷「父さん、皆見てるからそろそろ離れてくれ。」

 

???「おっと、ごめん。あまりの嬉しさでつい…な…」

 

 

目尻に涙を溜めていた雷の親父さんは、少し照れくさそうな雷から離れた。

 

 

???「それに、令君も良く一緒に帰って来てくれた。お帰りなさい。」

 

暁「お久しぶりです。」

 

リンスレット「あら?暁さんは雷さんのお父様と面識があるのですね?」

 

暁「まぁ、いろいろとお世話になってるからな。」

 

 

リンスレットの言葉に苦笑いで返す。

雷の親父さんは俺達全体を見つめ直した。

 

 

???「いろいろと積もる話もあるだろう。ギルド長室で話そう。母さんもいることだしな。」

 

雷「珍しいな。母さんがこっちに来てるなんて。」

 

???「父さんお昼を忘れてな。届けてもらったところだったんだよ。」

 

雷「なるほどね。」

 

 

そして俺達は雷の親父さんに連れられ、ギルド長室に向かった。

 

 

 

 




カミト「大城って今何してるんだ?」

クレア「大城なら、部屋に籠って小説が書ける状況を作ってるわ。」

リンスレット「正直、自業自得ですけどね。」

カミト「再開されないよりマシだろ。」

リンスレット「それはそうですけど…。」

フィアナ「今さっき部屋をちらっと覗いて来たけど必死こいてPC弄ってたわ。」

エリス「これで前のようにとはいかなくてもある程度の間隔で書いてくれればいいのだがな。」

フィアナ「もう少し自分の立場を自覚してほしいわね。」

クレア「そうね。」


大城「あぁーーーーー!!


全員『・・・・・。』

クレア「この物語、本当に大丈夫かしら?」

リンスレット「大丈夫と…信じ……切れるでしょうか…」

カミト「後で声かけてみる。」

フィアナ「お願いするわね。」

エリス「……そろそろ締めるか。」

全員『次回もお楽しみに!』


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第55話 両親 ー雷編ー

大城「どうも皆さん作者です。ゲスト紹介行きますね。今回は雷とドラグノフさんです。」

雷「よろしくな。」

ドラグノフ「よろしく。」

雷「間が空いたとはいえ今月中に2話目出せたんだな。」

ドラグノフ「前回からもう少しで2週間が経つところだったのだな」

大城「今月はこれだけになりそうですね。」

ドラグノフ「そこは大城が頑張って書けば3話目が出せるのではないか?」

大城「それが私にできるとでも?」

雷「やれよ。」

大城「善処します。」

雷「口癖になってるじゃねぇか。」

大城「私ですから仕方がないです。」

ドラグノフ「どうしようもないということか。」

大城「そのとーり。」

雷「後でクレア達に伝えておくか。」

大城「それだけはマジ勘弁です。」

ドラグノフ「さて、そろそろ注意事項に行こうか。」


※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在、キャラ崩壊など


雷「これらが大丈夫な皆様は楽しんで読んでください。」





名乗っていないことを思い出した雷の親父さんの誠人さんはギルド長室に向かっている最中にカミト達にちょこっとだけ自己紹介をしていた。

 

 

~~ ギルド長室 ~~

 

誠人「今戻った。」

 

???「下の騒ぎはもう大丈夫なの?」

 

誠人「ああ。それより俺達にとって良いニュースがあったぞ。」

 

???「良いニュース?」

 

誠人「智也が帰って来た。」

 

???「えっ?」

 

 

誠人さんの言葉で扉の後ろにいた俺達は顔を出した。

 

ギルド長室にいた俺達を見ると女性は驚き、両手で口を覆うと目元に涙を溜めた。

そして、駆け寄り雷に抱き着いた。

 

 

???「よく無事に帰って来てくれたわね。」

 

雷「ただいま。母さん。」

 

???「お帰り、なさい。」

 

 

この光景を見た者達のほとんどが微笑ましく家族の再会を見ている中、どうしても俺だけはこの光景を素直に祝福できない気持ちでいた。

 

 

暁(顔に出さないようにはしたが、実際はどうかな…。)

 

 

そんなことを思っていると雷の母親から声を掛けられた。

 

 

???「令君もよく無事に帰って来たね。」

 

暁「ええ、いろいろありましたが何とか。」

 

???「それで、見ない顔がたくさんあるのだけど……」

 

 

冷静に状況が見れるようになった女性はカミト達を見て少し戸惑ってしまっていた。

 

 

誠人「その話をするためにここに呼んだんだよ。」

 

???「そういう事だったのね。とりあえず自己紹介しておくわね。私はギルド長の誠人さんの妻で、智也の母の優里と言います。それじゃあ、私はいない方がいいわよね?」

 

暁「いえ、聞いてもらって大丈夫です。それにせっかく再会したんですから」

 

優里「そう?じゃあ、そうさせてもらうわね。」

 

 

この後、誠人さんに座るように促されギルド長室にあるソファーに座った。

 

俺達が座ると机を挟んだ向かい側のソファーに誠人さんと優里さんが座った。

 

 

誠人「単刀直入に聞こう。今まで何があったのか話してくれるね?」

 

暁「勿論です。」

 

 

俺達は飛ばされたあの日から今に至るまでの話を誠人さんと優里さんに話した。

 

 

優里「本当によく無事に帰って来たわね。」

 

誠人「チーム・スカーレットの皆さん、智也たちを助けて下さりありがとうございました。」

 

 

雷の親父さんの誠人さんはソファーから立ち上がるとカミト達に頭を下げた。

 

 

カミト「頭を上げてください! 助けられたのは俺達の方なんですから!」

 

クレア「それに暁達に助けられたのは私達だけではありません。話にも出てたように彼らは私達の世界を救ってくれたのです。」

 

リンスレット「こうしてわたくし達がここ居るのもその恩を返すためですし。」

 

フィアナ「私達は感謝はすれど、感謝される立場ではないわ。」

 

エリス「彼らの優しさを私も見習いたいのだ。」

 

 

カミト達の言葉を聞いた誠人さんは俺達に向き直った。

 

 

誠人「良い仲間を作れたんだな。智也」

 

雷「ここにいる連中は別の世界で出会ったとはいえ大切な仲間たちだよ。」

 

 

それからは誠人さんと優里さんに俺達が居なくなってからのこちらの世界について話を聞いた。

 

その後、確認もかねて誠人さんと優里さんから聞いた話をまとめた

 

・俺達が居なくなってから既に1年が経っているということ

・居なくなる前に戦っていた異族は俺達が居なくなった数分後に消えたということ

・居なくなったことを聞いてすぐに捜索しようとしたがなかなか許可が下りなかったこと

・捜索が始まっても数週間で打ち止めとされたこと

 

そして何よりも

 

・異族と魔物の出現頻度が増えている

 

ということだった。

 

現在のギルドの依頼の大半は異族と魔物の討伐内容のモノばかりだという。

 

 

暁「こっちもこっちで大変だったんですね…」

 

誠人「令君達ほどではないけどね。」

 

雷「父さん、学校での俺達の扱いってどうなってるんだ?」

 

誠人「それなんだが一度お前達の担任が来てな、「休学という形をとる」って言っていた。」

 

雷「休学…、ねぇ~…」

 

暁「また、行かないとな。」

 

雷「マジで言ってる?」

 

暁「マジだ。」

 

雷「もうそのまま行かなくてもよくないか?」

 

暁「状況確認して、めんどくさい空気なら行かない。少しは改善されているようならまた通い始める。そういう形を取ろうと考えてる。」

 

雷「なるほどねぇ~。」

 

暁「ま、期待薄だろうけどな。」

 

 

俺が雷と学校の話をしていると優里さんに声を掛けられた。

 

 

優里「そういえば令君、もう()()()には報告してきたの?」

 

暁「……今日ってもしかして」

 

優里「その反応だとまだ()()()に報告して来てないのね。」

 

暁「えぇ、戻って来てすぐにこっちに歩みを向けましたから。」

 

雷「暁、行ってこい。」

 

暁「雷?」

 

誠人「そうだぞ。帰って来たのならまずはご両親を安心させないと。」

 

暁「それも…、そうですね…。」

 

 

どこか遠い気持ちになりつつ俺は立ち上がりティルフィングにどうするか聞いた。

 

 

暁「ティルフィングはどうする?」

 

ティルフィング「もちろん、ともに行きます。」

 

ロンギヌス「あの、マスター、私も付いて行ってもいいですか?」

 

暁「あっ…」

 

 

ロンギヌスの言葉で他のキル姫達も付いて来ようとしていることに気が付いた。

 

気付いたのはいいがすぐに言葉が出なかった。

 

 

ティルフィング「いいのではないですか?皆さんを紹介したらきっと喜ばれるでしょうし。」

 

暁「それもそうだな…。それじゃあ行こうか…。雷、また後で。」

 

雷「・・・また後でな。」

 

 

そして俺とキル姫達は部屋を後にした。

 

 

 

~~ 雷side ~~

 

フィアナ「私達も暁君のご両親に挨拶しに行かなくてよかったの?」

 

雷「・・・・・」

 

 

フィアナの問いに俺は何も答えられなかったが、父さんが俺の代わりに応えた。

 

 

誠人「彼のご両親には会えないよ。」

 

フィアナ「えっ?」

 

エリス「それはまさか…」

 

雷「あいつの両親は5年ほど前に亡くなってるんだ。異族の襲撃によって。」

 

 

俺の言葉にこのことを知らなかった者達が驚く

 

 

カミト「それじゃあ、暁が向かったところって…」

 

誠人「彼のご両親が眠っているお墓だね。」

 

 

この場にいる全員が言葉をなくした。

 

 

リンスレット「暁さんからそのような話は…」

 

雷「個人の話になるからな、聞かれない限り話さないだろう。ま、あいつの性格からして聞かれてもはぐらかすか、隠し通そうとするだろうけどな。」

 

クレア「ご両親が無くなった後って暁はどうしていたの?」

 

誠人「ティルフィングと2人で暮らしていたな。」

 

リンスレット「二人の仲の良さを納得しましたわ。」

 

クレア「ティルフィングって最初っから暁と契約をしていたの?」

 

誠人「いや、契約したのは彼が13歳の誕生日を迎えた時だったはずだよ。そもそもティルフィングはもともと放浪者だからな。」

 

エリス「放浪者?」

 

誠人「そうだよ。令君のご両親から聞いたんだけどね、依頼で遠くの街に行っているときに記憶が曖昧な彼女と出会ったらしくてね。誰も彼女の事を「知らない」、「関係がない」と言って彼女に必要最低限の事しかしなかったそうだ。それを見かねた2人が自分の家に来るように誘ったって話だったと思うよ。」

 

フィアナ「余所者だからってそんな扱い…」

 

誠人「その街の者達はきっとティルフィングがキル姫だと気付いていたんだろうね。」

 

雷「この世界はそういうところが多いから嫌になっちまうぜ。」

 

優里「初めて彼女を紹介されたときの彼女は何処か寂しそうだったわね。」

 

誠人「数週間で見違えるほど明るくなっていたけどな。」

 

優里「そうね。そういえば、智也とドラグノフさんが出会ったのもこの頃なのよね。」

 

誠人「そういえばそうだな。」

 

フィアナ「経緯を聞いてもいいかしら?」

 

ドラグノフ「あまり面白い話ではないぞ?」

 

フィアナ「それでも興味があるの。」

 

ドラグノフ「私も最初の時はティルフィングと同じで放浪していたな。そんな中たまたまこの街に立ち寄ってな。ギルドに行くと情報が集まってると聞いたのでこのギルドに来たら、そこには他の者達よりずば抜けた魔力を持った奴がいたわけだ。」

 

クレア「それが雷だったのね。」

 

ドラグノフ「ああ。その後は雷の両親に声を掛けられて一緒にパーティーを組んだりしていた。そんなこんなしているうちに仲良くなって今では()()()()()()接してもらっている。」

 

優里「ドラグノフさんを見かけたときになんかビビッと来たのよね。将来、智也の良いパートナーになるんじゃないかってね。」

 

誠人「その勘が今では大当たりだもんな。」

 

優里「あと、()()()()()()ではないは、あなたは、いえ、智也と契約してくれた銃姫の皆は私達の家族よ。」

 

ドラグノフ「そうだったな。そして、雷が13歳の誕生日を迎えて契約をした。これが、私と雷の馴れ初めだ。」

 

フィアナ「ティルフィングもドラグノフも暁くんと智也くんのご両親に会うまではずっと一人だったのね。」

 

ドラグノフ「ティルフィングは分からないが、その時の私はそれが当然と思っていたから寂しさというものはなかったがな。」

 

誠人「時間もいい頃合いだね。カミト君達は既に宿を取っているのかい?」

 

カミト「いえ、それはまだです。」

 

優里「それならうちにご招待させてもらえないかしら?」

 

カミト「いいんですか?」

 

誠人「堅苦しい話以外の事も聞きたいからね。」

 

クレア「それじゃあ、お言葉に甘えるわ。」

 

優里「ええ!大勢の方がいいものね!」

 

ドラグノフ「暁達はどうするのだ?」

 

雷「そろそろ戻って来るだろうしその時に聞けばいいだろ。」

 

ドラグノフ「それもそうだな。」

 

誠人「それにしても本当に大所帯だな。」

 

優里「私達の息子が女の子に囲まれて帰って来た!」

 

雷「今更そこに触れるのか!?」

 

 

 

~~ 雷side out ~~

 

 

 




暁「大城に少しだが小説を書くエンジンが着いたみたいだな」

雷「これがどれだけ続くか分からんけどな。」

カミト「大城の事だからモノの数日で終わりを迎えそうなんだよな。」

暁「そうならないことを俺達は祈るばかり。」

雷「俺達は俺達でこのやり取りばかりしてる気がするのだが」

カミト「ネタが尽きたって声がどこからともなく聞こえてきそうだな。」

暁「本気でアイツが心配になって来たわ」

雷「大城に少し無茶してでも書くように言いに行きますか」

暁「俺も付いて行く。アイツにはいろいろと言いたいことあるし」

カミト「ほどほどにしとけよ。おまえら…」

カミト「さて、俺だけになってしまったので締めるか。」

カミト「それじゃあ次回もお楽しみに!」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第56話 両親 ー暁編ー

大城「読者の皆様、お待たせしました。作者です。今回のゲストは…」

キル姫達「「「・・・・・」」」スッ

銃姫達「「「・・・・・」」」カチャ

クレア「・・・・・」ボォ

リンスレット「・・・・・」ヒュオォォオ

エリス「・・・・・」ビュオォォオ

フィアナ「・・・・・」※ゲオルギウススタンバイ

大城「皆様からの早く(本編)逝けという圧がありますので注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在、キャラ崩壊など


大城「これらが大丈夫な皆様は楽しんで読んでください。」





~~ 暁side ~~

 

 

雷と雷の両親に言われ、俺はキル姫達とともに自分の両親のもとへと向かった。

 

 

ロンギヌス「マスター、どこか暗いですね。」

 

パラシュ「あそこまで露骨に暗い表情をするマスターは確かに珍しいね。」

 

フライクーゲル「ティルフィングは何か知らないの?」

 

ティルフィング「私は知っています。でもそれは、私の口から言うことはできません。」

 

アルテミス「口止めされているのですか?」

 

ティルフィング「そういうわけではありません。でもこればかりは本当に私の口から言えないんです。ごめんなさい。それに、もうすぐで着きますから」

 

 

ティルフィングの言葉を聞いた他のキル姫達、それから数十分歩いた。

 

 

暁「着いた。」

 

ロンギヌス「え?」

 

 

俺が両親の所の着いたことを伝えると、ティルフィング以外のキル姫達は驚いた表情で固まってしまっていた。

 

無理もない話だ。

 

何せ俺が来たところは墓地で、俺の両親の名前が入った墓の前にいるのだから……

 

 

ミネルヴァ「マスターのご両親は既に亡くなられていたんですね……」

 

暁「ああ、5年前にな。大量の異族の襲撃があって亡くなったよ。」

 

キル姫達「「「・・・・・」」」

 

 

俺の言葉にキル姫の皆は言葉が出なく沈黙してしまった。

 

声を掛けようにもどう掛けていいのかわからないから黙ってしまっているのだろう。

 

 

暁「・・・墓石綺麗にするための掃除道具持ってくるから少し離れるよ」

 

 

俺はキル姫達にバレバレだろう作り笑顔を向けてその場を後にした。

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 

 

 

~~ キル姫side ~~

 

 

マスターの言葉を聞いて私達は声を掛けてあげられなかった。

 

 

ラグナロク「マスターにこんな過去があったなんてね」

 

ティルフィング「マスター、自分の事はあまり話さないですからね」

 

ミネルヴァ「ティルフィングさん、マスターのご両親が亡くなられたときの事聞かせてもらえないですか?」

 

ティルフィング「……何故聞きたいのか、聞いてもいいですか?」

 

ミネルヴァ「私達はマスターと契約しました。それなのに彼の事を知らないというのはダメな気がするんです。それに、マスター自身がよく言ってる事ではないですか、「辛いことや苦しいこともパートナーである俺が半分持ってやる。」って。それは私達とて同じではないでしょうか。立場が逆になっただけで私達はマスターの契約姫であり、パートナーです。マスターの、いえ、マスターとティルフィングの辛い気持ちも私達は持つべきなんです。だからお願いします。私達にその時の出来事を話してもらえないでしょうか。」

 

 

ティルフィングは少しの思考の後、何かに納得したように首を軽く縦に振り語り始めた。

 

 

ティルフィング「……わかりました。あのときの事をお話しします。そうですね、まずは私とマスターが出会うまでのお話ですね。」

 

ロンギヌス「2人は最初から知り合っていたんじゃないんですか?」

 

ティルフィング「いいえ、マスターと出会う前の私はどうして自分がここにいるのかわからないなか、1人でとある町に居ました。その町は度々異族に襲われていました。私は只々それを撃退する毎日でした。町の人々は私の事がキル姫だと分かっていたようで白い目を向けてきました。それでも私は滞在させてもらっている身でしたので、そんな毎日を耐えながら過ごしていました。心の中で「どのみち異族を倒すのはキル姫である私の役目」「私がキル姫であるから仕方ない」とずっと思いながら…」

 

ティルフィング以外のキル姫達「「「………。」」」

 

 

ティルフィングの話を静かに聞くキル姫達は何処か自分達を語られているような気持ちでいた。

 

そんな中、ティルフィングは話を続けた。

 

 

ティルフィング「その気持ちが芽生えてから数か月して私は「誰かを護ること」を忘れて、何も感じることなく感情を捨てて異族を倒し続けるようになりました。それから数日して私は出会いました。とある2人組の冒険者に」

 

アルテミス「その2人組の冒険者がそうなんですね。」

 

ティルフィング「お察しの通り、マスターのご両親です。私は御二人に何故ここにいるのか尋ねました。お二人は異族の討伐の依頼で町に来たと答えました。私は町の町長の所に案内しました。その後はすぐにその場を離れ、借りている家へと帰りました。それから数時間して家の扉が叩かれたので誰が来たのか確認するために扉を開けるとそこにはマスターのご両親が居ました。私は御二人に何故ここにいるのか聞きました。この時御二人がなんて答えたと思いますか?」

 

ロンギヌス「君が気になった、とかですか?」

 

アルテミス「マスターのご両親ですからね。」

 

 

ティルフィングはロンギヌスとアルテミスの回答に首を横に振った。

 

 

パラシュ「では、何て言ったんだい?」

 

ティルフィング「「1人で抱え込んで辛くはないか?」そんな言葉でした。その時の私はそれはそれは驚きました。聞いたこととは別の回答が飛んできたんですから。それと同時に出会ったばかりの御二人に自分の状況を見透かされているよう、という意味でも驚きましたね。でも、見透かされているような気持に陥ったにも関わらず、恐怖心はありませんでした。それどころか、そのことが嬉しく思いました。この人達なら今の私から救ってくれるのではないかと……」

 

レーヴァテイン「マスターにも似たような感じがあるのは親譲りだったってわけね。」

 

ティルフィング「そうですね。その後はちゃんと私のところに来た理由を聞けました。その時の回答は「君をこれ以上一人にしてはいけない気がしたから」ということでした。とりあえず御二人を一晩私が借家に泊め、後日町長の所に行って私は御二人に別の泊るところを案内するよう頼みましたがそれは断られました。町長さん曰く、「あの2人が自分からお前の家に厄介になる」と言ったそうです。最初は町長さんも私がキル姫であることをお伝えし、反対したそうですが「それがどうかされましたか?」って返されたそうです。この事を聞いて私も諦めて御二人を借家に住まわせ続けることにしました。それから数日間、私はマスターのご両親とともに異族の討伐を行いました。そして依頼期間最終日の事です私達はいつも通り異族の討伐を終えて帰路についている時です。御二人から提案されました。「自分達はこれで戻るが君も一緒に来ないか?」と、私は唐突なことに言葉が出ませんでした。正直、御二人と過ごしたこの数日間は心に穴が空いた私にとってとても暖かいもので、空いた穴も埋まったような気持になりました。でも私は、気づいた時には断りの言葉を発していました。」

 

ラグナロク「キル姫であるという事実が邪魔をしたのね。」

 

ティルフィング「はい。御二人ならそんなこと気にしないと分かってはいても心のどこかでまた心に穴の空くようなことになるのではと思ってしまっていたのです。」

 

ネス「それは私達の逃れられないモノですね。貴方の回答を聞いた御二人の反応はどうだったんですか?」

 

ティルフィング「御二人はとても申し訳なさそうな顔でした。その後の帰路は気まずい雰囲気でした。町の入り口が見えてきた辺りでマスターのお父様の方から住んでいる町を離れる時間を教えていただきました。その際に「ほんの数時間だけで気持ちが変わるとは思はないがもし変わるようならさっき言った時間までに町の入り口付近に来てくれ。町長に依頼の報告をした後、俺達はそこで待っているから」そう言って御二人は町長さんのもとへ私は借家へそれぞれ向かいました。依頼の報告が終わったと思われる頃私は借家のソファで横になって考えていました。御二人はキル姫だと分かっていても私を人として見てくれる。そんな方達と供に行けば辛い気持ちも少しは晴れるのではないかと最初は考え御二人に付いていくために扉に手を掛けましたがその時、裏切られたときの事を考えてしまって扉を開けることはできませんでした。」

 

フライクーゲル「でも、今こうしてここにいるってことは2人に付いて行ったんだよね?」

 

ティルフィング「はい。結果としてはそうですね。」

 

フライクーゲル「扉を開ける決心ができた理由は何だったの?」

 

ティルフィング「御二人を優しさを信じたい、信じ続けたいと思えたことでしょうか…」

 

ラグナロク「マスターのご両親の優しさに触れられたからこそ思えたことね。」

 

 

ラグナロクは少し微笑んでティルフィングの話に応えた。

 

 

ティルフィング「そうですね。御二人に出会っていても私が受けた優しさが無ければ付いて行こうなんて考えなかったでしょうしね。」

 

フライシュッツ「マスターくんのご両親と合流した後は?」

 

ティルフィング「合流した後は御二人に言われて御二人の住んでいる家に向かいました。向かっている間に御二人から息子さんがいることを聞きました。」

 

フライシュッツ「それがマスターくんの事なのね。」

 

ティルフィング「その通りです。御二人の家に着くと1人の少年が出迎えてくれました。その時が初めてマスターとの顔合わせでした。マスターのご両親は出迎えてくれたマスターに私の事を紹介しました。キル姫であることも含めて……」

 

ネス「今の事を考えるとマスターは気にしなかったのでは?」

 

ティルフィング「ええ確かに、キル姫であることに関しては気にすることなく挨拶はしてくれました。ただ……」

 

ネス「ただ?」

 

ティルフィング「その後、ほとんど会話をしませんでした。」

 

他のキル姫達「「「えっ…?」」」

 

ミネルヴァ「でもマスターはキル姫であることを気にしなかったんですよね?」

 

ティルフィング「はい。」

 

ミネルヴァ「ではなぜ?」

 

ティルフィング「簡単な話ですよ。マスターが私に人見知りをしたということと、急に自分達の家に他人が加わったことの心の整理がついていなかったという話ですよ。」

 

エルキュール「今ではわからないマスターの意外な一面ですね。」

 

ティルフィング「仕方のないことですよ。当時のマスターはまだ9歳でしたから。」

 

エルキュール「確かに9歳なら仕方ないですね。でも今までの話の事を振り返って考えるとその年で既に1人で留守番をしていたんですね……」

 

ティルフィング「今思えばこの時からしっかりしてたんですね。話を戻しますね、私とマスターの会話の無い日が一か月経とうとしたときです。マスターのご両親から「私達の知人に君の事を紹介しようと思うんだが一緒に来てくれないだろうか」そう言われました。私はマスターのご両親の知人なら大丈夫だろうと思う反面まだどこか震える自分を抱えながら承諾しました。マスターのご両親の知人と会うため冒険者ギルドに向かうことになりました。私と御二人は出発する前に見送りに来ていたマスターに「行ってきます」と言いました。マスターは私を含めて「行ってらっしゃい」と言い返しましたが、その時の私は「きっとご両親だけに言っているんだな」と思いながら家を後にしました。冒険者ギルドに着くとマスターのご両親はとある家族に声を掛けました。御二人からは「紹介したい知人とは彼らの事だよ」そう言われました。皆さんも気づいているとは思いますがこの知人というのが雷家の皆さんとドラグノフさんでした。他にも冒険者の方達がいる中、私は雷家の皆さんとドラグノフさんに自己紹介しました。キル姫であることは隠して自己紹介をしたのですがどうやらそれは意味をなさなかったようでした。」

 

ミネルヴァ「それはどうしてですか?」

 

ティルフィング「どうやら御二人が先に私がキル姫であることを教えていたんですよ。」

 

ミネルヴァ「なるほど、そういうことだったんですね。」

 

ティルフィング「はい。その後は何もなくたわいのない話をしました。雷家の皆さんも暁家の皆さんと同じく私がキル姫であることを気にせずに話をしてくれました。

怖がることもなく、恐れを抱くこともなく只々普通の人のように接してくれました。私はその時に両家の優しさは信頼できるものだと思いました。それと同時にその優しさをくれた両家に恩を感じて一生をかけて共に戦うと心に決めました。

別れ際にドラグノフさんから「私は君に似た銃姫なんだがお互い、いい家族に救われたな。これからも会うことになるだろうからその時はよろしく。」と言われました。銃姫もキル姫と同様この世界では忌み嫌われる存在です。だから彼女の言ったことがとても理解できました。

雷家の皆さんとドラグノフさんと別れた後は御二人とともに家に帰りました。帰った時、マスターが出迎えてくれました。出迎えてくれたマスターは「父さん、母さんお帰り」そう言って背を向けてしまいました。(私が来てから結構経ちましたが私はまだ認められていないんですね。)背を向けられて挨拶がなかった私はそう思っていました。ですが、マスターは私達がいない間に心の整理をしてくれていました。背を向けた後マスターはその場に少しとどまって私に「えっと…、ティルフィングさんもお帰り…」そう言うとリビングの部屋へと戻って行きました。この時私は嬉しくてしょうがなかったですね。

その場にはもういないマスターに向けて「ただいま」と返しました。この時ご両親はとても笑顔でして、マスターのお母様が「(りょう)とティルフィングはきっといいパートナー同士になれるわね」と言っていたのを思い出しました。

会話の無かった私達ですがその挨拶を気に喋るようになりました。それから数年マスターが12の誕生日を迎えた後日悲劇は起こりました。とてつもない量の異族が先程まで居た街(あの街)を襲ったのです…、冒険者である私達は家族を、住む場所を、いろいろな思いとともに異族から護り抜くために戦いました。」

 

アルテミス「その戦いのときマスターはどうされていたのですか?」

 

ティルフィング「マスターは「自分も前線で戦う!」と言って聞きませんでした。反対していたご両親の方が先に折れてしまい、戦うにしてもせめて後方支援の方に行ってほしいと頼んでいました。マスターはご両親の心配がわかったのかそれで頷き前線で戦う私達と離れました。」

 

アルテミス「それでは、マスターもその戦いに参加していた、ということでいいのですね?」

 

ティルフィング「はい。この時智也さんとドラグノフさんもいました。」

 

ミネルヴァ「戦闘はどうなったのですか…?」

 

ティルフィング「戦闘は過激さを増していく一方でした。休むことなく戦い続ける日々が5日程続きました。ですがそんなある日、突然異族の数が減り、1週間にもわたる長期戦は終わりを迎えました。戦闘に出ていた者はもちろんの事、非戦闘の者もどうなってしまうのか、という緊張の張りっぱなしで皆疲労困憊の状態でした。街の状況は酷いものでした。言葉すら出なくなるほどの惨状でした。前線から戻って来た私は戦闘の際にマスターのご両親とはぐれていたため、合流することを考えてマスターのもとに向かいました。マスターは多少の傷を負っていたものの大きな傷はありませんでした。マスターにご両親には会ったか聞きました。マスターからは「まだ自分のもとには帰って来ていない。ティルフィングが先だよ」と言われました。御二人の強さを知っていた私はきっと無事だろうと思い、マスターとともに御二人の帰りを待ちました。待ち続けて、2時間程経過した時でした。とある4人組の冒険者に声を掛けられました。その冒険者たちは大きな傷を作っていました。私がどうされたか聞こうとしたとき、4人組の内のリーダーと思われる方が大声で「すまない!」と、頭を深く下げて謝罪してきました。私もマスターも何が何だかわかりませんでした。でも、その後に見せられた光景を見て私もマスターもすぐに理解しました。地面に横たわって起き上がる素振りを見せない()()()()()()()()()姿()でした。」

 

他のキル姫達「「「・・・・・・」」」

 

 

ティルフィングの最後の言葉で他のキル姫達は言葉をなくした

 

 

ティルフィング「私はあまりにも衝撃的で信じたくない気持ちでいっぱいになりましたがそれ以上に、マスターの心が壊れてしまうのではないかと思い、マスターに目を向けました。マスターはじっとご両親の姿を見続けていました。涙を流すことなく、只々じっと静かに……」

 

ロンギヌス「我慢をしていたとか…?」

 

 

ロンギヌスの言葉にティルフィングは静かに首を横に振った。

 

 

ティルフィング「目頭が熱くなっている様子はありませんでした。」

 

ロンギヌス「そんな…」

 

ティルフィング「マスターがご両親を見続けている中、謝罪してきたパーティーのリーダーさんが「君のご両親は僕たちを護ろうとして犠牲に…」そう話しました。マスターは少しの間を空けて彼らに向かい「アナタ方が助かっているなら父さんも母さんも報われると思います。ですから、もしこれからも冒険者として生きていくなら、その命をどうか大事にしてください。お願いします。」そして、マスターはその場を後にし、智也さん、ドラグノフさん、智也さんのご両親に一言入れてから街から少し離れた家へ帰っていきました。私はというと声を掛けることができず、ただマスターの後ろを付いていくことしかできませんでした。」

 

フライシュッツ「それは仕方のないことだよ。きっと、ここの誰がその時のマスターくんの傍にいても貴女と同じことになるわよ…」

 

ティルフィング「それからのマスターは喜怒哀楽の哀の部分だけを見せることはありませんでした。お葬式の時も、今までのお墓参りの時も何一つ変わらずに……

ご両親が亡くなった次の年のマスターの誕生日で私はマスターと契約を結びました。それからはマスターの智也さんのご両親の手を借りながらではありましたがマスターとともに生活してきて今に至ります。これで私とマスターの過去の話を終わります。」

 

パラシュ「……これから、どう接していいか分からなくなっちゃったよ。」

 

暁「今のままでいいよ。」

 

 

準備物を取りに行っていたマスターが戻って来て、私達はそちらに顔を向けた。

 

 

パラシュ「マスター、戻ってたんだね…」

 

暁「まぁな、父さんと母さんの話を聞いたんだな…」

 

ティルフィング「勝手なことをしてすみません。」

 

暁「謝る必要はないよ。どのみち話すつもりだったんだから。というか、謝るなら俺の方だ、俺が話さないといけないことをティルフィングにさせてしまったんだから」

 

ティルフィング「最初っから聞いていたんですか…?」

 

暁「そうだね…」

 

 

マスターはそう言うと墓石とその周辺を綺麗にし始めた。

 

 

ティルフィング「マスター、私も、いえ、私達も手伝います。」

 

 

マスターはこちらに振り向き皆を見た。

 

少し間をおいてから「頼むよ。」と言って作業に戻った。

 

私達が加わり、清掃はすぐに終わった。

 

最後にマスターが線香を焚いて手を合わせた。

 

私達はそれに続いてマスターのご両親の眠る墓に手を合わせた。

 

 

ティルフィング(お父様、お母様、マスターは私以外の多くのキル姫とも契約できるまでに大きくなりました。御二人が亡くなった後見せなかったマスターの涙も、私達には見せてくれました。私達は御二人ほどマスターに思いを注げるとは思いませんが、それでも安心して私達を見守っていてください。)

 

 

~~ キル姫side out ~~

 

 

 

 

 

~~ 暁side ~~

 

 

俺が掃除用具を取りに行っている間にティルフィングが過去の話を始めていた。

 

戻って来た時に聞こえた話は俺とティルフィングがまだ出会っていなく、俺の両親と出会った時の話だった。

 

他のキル姫達はティルフィングの話に聞き入ってしまっていて俺が戻って来ていることに気付いている様子はなかった。俺も両親とティルフィングの出会いの話は詳しくは知らなかったので木陰に隠れて聞くことにした。

 

話が進むにつれて俺は両親が亡くなったときの事を鮮明に思い出していた。

 

2人が亡くなって悲しいはずなのに涙が出ず、ずっとただ立ち尽くしていたときの事も……

 

そんなことを思い出しているといつの間にかティルフィングの話が終わっていた。

 

俺は木陰から出て、皆のもとに戻った。

 

その後、キル姫達と少し話してから両親の墓石を清掃し始めた。始めるとすぐにティルフィングが「私達も手伝う」と言ってくれた。

 

だから俺は言葉に甘えることにして皆に頼むことにした。

 

時間がかかると思っていた清掃はキル姫達の手伝いのかいあって20分程度で終わった。

 

俺は最後に手を合わせた。

 

 

暁(父さん、母さん、俺は強くなれたのかな?皆こんな俺を頼りにしていて、しかも好いているときた。正直、全員に思いを応えれるか不安だけど少しずつ応えていこうと思うよ。それが成し遂げられたとき、父さんも母さんも少しは安心していられる…よね…?)

 

 

唐突なことで事ばかりで父さんと母さんは驚いているだろうと思いながらも今の自分の気持ちを2人が眠る墓石に心の声を投げかけたが正直に言って自信はなかった。

 

合わせ終わり、俺はキル姫達を見た。

 

どうやら皆も俺の両親に手を合わせてくれたみたいだった。

 

 

暁「さて、そろそろ雷達のもとに戻るか。」

 

キル姫達「「「はい。」」」

 

 

俺達は雷達と合流するため墓地を後にした。

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 

 

 




暁「あの馬鹿は?」

雷「いつものところ」

カミト「こればっかりは擁護できないな。」

雷「前回の投稿からほぼ2か月経ってるって」

暁「前回の後書きにやる気が出たというのは大噓じゃねぇか。」

カミト「数日ともたなかったな…」

暁「その日で終わるって一つの才能だよな…」

3人「「「はぁ~」」」

雷「とりあえず締めるか」

カミト「だな。」

暁「それでは読者の皆様」

3人「「「次回を楽しみに待っててください。」」」


暁「ホント、これからどうなることやら……」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第57話 帰路

大城「読者の皆様お待たせしました。作者です。今回のゲストは雷とカミトです。」

雷「よろしく。」

カミト「よろしくな。」

雷「(前話投稿)二か月ギリギリ経ってないんだな。」

カミト「それでも一か月は優に越してるがな」

大城「今回の話の題名が思いつかず、(投稿日)伸びて行きました。」

カミト「結局思いついた題名も何のひねりもない。」

大城「・・・・・」

雷「いつも通りで安心だ。」

大城「泣きますよ。」

雷・カミト「「大の大人がそんなこと言ってんじゃねぇ。恥ずかしい。」」

大城「・・・・・」


~~ 大城の心log out ~~


雷「ちょっと言い過ぎたと思いながらこのまま注意事項だ。」


※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在、キャラ崩壊など


カミト「これらが大丈夫な皆様は楽しんで読んでくれ。」





~~ 暁side ~~

 

 

墓地を出発した俺達は雷達の居るギルドに戻った

 

 

雷「お帰り、ちゃんと話せたか?」

 

暁「まぁ…」

 

雷「相変わらず、この話では苦い顔をするな。悪い」

 

暁「別にいいよ。悪気がないのは知ってるし、どちらかと言えば長いこと引っ張ってる俺の方が心が狭くてお前達に迷惑かけてるようなもんだし。」

 

雷「お前の心は狭くなんかない。それは俺達が保証してやる。」

 

暁「ありがとう。」

 

雷「素直なお前は気持ち悪いな。」

 

暁「殴るぞ」

 

 

俺と雷のやり取りを見て他の皆は笑った。

 

俺も雷もつられて笑ってしまう

 

 

ドラグノフ「暁、悪いとは思ったのだがカミト達にご両親の話をした。」

 

 

ドラグノフに声を掛けられたかと思うと急にそんなことを言われた

 

 

暁「……そうか」

 

 

ドラグノフ「すまない。」

 

誠人「ドラグノフが謝ることはないよ。話をしたのは私だからね。令君勝手なことをしてすまなかった。」

 

 

俺の前で誠人さんが頭を下げた。

 

 

暁「そこまでしないでください。遅かれ早かれ話すことにはなっていたでしょうから。」

 

誠人「相変わらず君は他人に優しいね。君の両親にそっくりだよ。」

 

暁「良いこと…何でしょうかね…?優しすぎるというのは……」

 

優里「令くんのその優しさは良いことよ。だからこそ、今の君の周りには多くの仲間がいるじゃない。君の両親が残してくれたであろう君が持つその優しさにもっと自信を持ちなさい」

 

暁「そうですね、ありがとうございます。」

 

優里「いいのよ。これからも何か困ったことがあったら頼りなさい。」

 

暁「考えておきます。」

 

優里「そこは素直に「お願いします」って言って欲しかったなぁ~」

 

 

俺の返事に納得がいかなかったようで頬を少し膨らませた。

 

 

雷「暁、お前これからどうするんだ?」

 

暁「どうする、とは?」

 

雷「お前がいなくなった間にカミト達を俺の家に招待することになってな。」

 

ドラグノフ「それで、暁達はどうするのかと」

 

暁「なるほど、どうしようか…」

 

ティルフィング「どうしてこちらを見るんですか?」

 

暁「いや、お前達はどうしたいのかな、と」

 

ティルフィング「マスターがどうしたいのか言葉にしていないのに私達に聞いてどうするんですか?」

 

暁「え?いや…」

 

ティルフィング「?」

 

ロンギヌス「ティルフィングさんのマスターに対する圧が凄いです。」

 

パラシュ「毎回マスターは私達の意見を聞いて自分の意見を私達に通そうとはしないからね。」

 

アルテミス「今回ばかりは擁護できませんね。」

 

暁「えっと…、お前達がまだ雷達とともに行動したいのであればを雷の所に預けて、自分だけ自分の家に帰って掃除とか諸々しようかと…、そういう算段でした、はい…」

 

ティルフィング「あの家に住んでいるのはマスターだけではないんですよ?私だって住んでるんですからそういうことなら私だって手伝いますよ。まったくもう、そういうことに関しては油断も隙も無いんですから。」

 

 

どうやらあまりにもキル姫達の意見を優先させ過ぎて俺の行動が怪しくて仕方がないようだ。

 

 

ティルフィング「というわけで、私はマスターとともに家に行きますが他の皆さんはどうされますか?まだ雷さん達とお話ししたいのであればそちらに行ってもらっても構いませんが…」

 

マサムネ「何を言っているのだティルフィングよ。拙者達は既にマスターとともに行くつもりでいたのだが?」

 

ロンギヌス「そうですよ。私達もマスターと契約しているんですから。それに掃除をするなら2人よりもみんなでやった方が早く終わるでしょうから。」

 

パラシュ「そうだね。あ、でも、部屋の確保ができないのであれば向こうに行くけど?」

 

ティルフィング「部屋の数は大丈夫だと思います。そうですよね?マスター」

 

暁「部屋の数は心配しなくていいよ。あの家無駄に広いし。」

 

雷「そっちで勝手に話が進んでいるように思えるんですが?」

 

 

俺達の会話に雷が割って入る

 

 

暁「悪い。」

 

雷「とりあえず、お前達は来ないってことでいいんだな?」

 

暁「ああ、せっかくのお誘いだけど今回は家に帰るよ。」

 

雷「ま、せっかく帰って来たんだからそっちの方がいいだろうな。」

 

優里「それは残念ね。また誘うからその時は受けてもらえると嬉しいわ。」

 

暁「その時しだいですね。」

 

 

そしてまた優里さんは頬を膨らませた。誠人さんはそれを見て和んでいた

 

 

誠人「さてそろそろここ(ギルド)を閉める時間だな。」

 

優里「あら、もうそんな時間だったのね。」

 

誠人「それじゃあ、お開きということでいいかな?」

 

暁「そうですね。」

 

雷「カミト達は付いて来てくれな。」

 

クレア「分かってるわ。」

 

 

それぞれが分かれるとき俺はカミトに呼び止められた。

 

 

カミト「なぁ暁、話を聞いて考えたんだが……」

 

暁「いつも通り接してくれたらいいんだよ。」

 

カミト「いいのか?」

 

暁「仲間の両親が亡くなったことを知ったからって接し方を変えるのは違うと俺は思いたいな。」

 

カミト「・・・確かにそうだな、変なことを聞いて悪かった。」

 

暁「いいよ。心配してくれてるのは伝わったから」

 

ティルフィング「マスター!行きますよー!」

 

暁「ああ!」

 

クレア「カミトー!早くしなさーい!」

 

カミト「すぐに向かう!」

 

 

お互いパートナーに呼ばれ、話を切ることにした。

 

 

カミト「呼び止めて悪かったな」

 

暁「聞かれずに距離を置かれる方がしんどいだろうから聞いてくれてよかったよ。」

 

カミト「そうか…、それじゃあ、俺はいくよ。またな。」

 

暁「ああ、また。」

 

 

俺はクレア達のもとに戻って行くカミトを見送ると背を向けて、キル姫達のもとに戻った。

 

 

ティルフィング「カミトさんと何のお話を?」

 

暁「両親がいないこと知って、どう接していいか分からなくなったんだと」

 

ティルフィング「なるほど。」

 

マサムネ「それで、主君はなんて答えたのだ?」

 

暁「変える必要はないって」

 

マサムネ「主君らしいな」

 

暁「ささっと帰ってできる範囲で掃除しちゃいましょう。」

 

ティルフィング「その前に、夕飯の買い物をしておきましょうね。」

 

暁「それもそうだ。」

 

 

俺はキル姫達と夕飯の買い物をしてから家へと帰っていった。

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 

 

 

~~ カミトside ~~

 

 

クレア「暁と何話していたの?」

 

カミト「あいつとの接し方を変えた方がいいのかなって…」

 

リンスレット「どうしてそのようなことを?」

 

カミト「あいつの両親が亡くなった話を聞いたからな」

 

エリス「だからといって暁がそれを受け入れるとは思えないが…」

 

カミト「まさしくその通りだったよ。あいつから「いつも通り接してくれたらいいんだよ。」ってそう言われたよ。俺が難しく考えすぎたようだ。」

 

 

俺達の会話に雷と雷の両親が入って来た

 

 

雷「そうやって、少しでもあいつ()の事を考えてくれる奴がいるだけで救われるよ。」

 

フィアナ「そこまでなの?」

 

優里「ご両親が亡くなってからの彼は本当に心ここにあらずって感じだったわね。」

 

リンスレット「今も出会った頃も普通に見えますが?」

 

誠人「今の彼は君たちのおかげで明るくなっているよ。君たちに出会う前の昔の彼は、ご両親を亡くした時から自分に対する不の感情を他人に見えなくしたんだよ。私達は彼のその気持ちに気付くのに数週間は要したよ。」

 

優里「気づいてあげれても私達ができることなんてほとんどなかったけどね…」

 

雷「今更だよ母さん。」

 

優里「それもそうなんだけどね。それでも時々お父さんと考えるのよあの時ああしていればよかったのかなとかって」

 

カミト「暁が聞いたら「今更言ってもしょうがない」とか言いそうだな。」

 

雷「自分の心配より、他人の心配するやつだからな」

 

リンスレット「プライベートの事とはいえ、暁さんの事を知れてよかった、そうは思いませんこと?暁さんは雷さんが言った通り自分の事はあまり話さないわけですし」

 

カミト「そう言われるとそうなんだが」

 

フィアナ「聞いた話が辛い話だから素直に喜びづらいのよね。」

 

エリス「暁はもう少し私達を信用してくれてもいいと思うのだ!」

 

ドラグノフ「信用してるから話さないんだよ。」

 

エリス「どういうことだ?」

 

ドラグノフ「簡単な話だ。暁なりにお前達を信用している。だからこそ、こういう話は自分と最初から知っている者達だけで抑えようと思うのだ。仲間と言えど住む世界が違うお前達に自分の過去を背負わせることをしたくないのだよ、暁は。」

 

エリス「……納得だな。」

 

 

ドラグノフの言葉にエリスも周りの皆も納得し、少しだけ沈黙の時間がその場を流れた

 

 

優里「さて、暗い話はここまでよ。もう家は目と鼻の先なんだから。それに令くんが「いつも通り接してほしい」って言ってるんだからそれでいいじゃない。」

 

 

優里さんの言葉でその場の空気が一気に明るい方へと向いた

 

 

優里「帰ったら早速夕飯の準備しなくちゃね。カミト君達や新しい銃姫の子たちもいるから腕によりをかけてたくさん作るわね!」

 

雷「母さん張り切ってるね。」

 

誠人「そりゃあ、ドラグノフ以外でお前の嫁候補が増えたんだからな!張り切るだろうよ。」

 

雷「へっ……?」

 

誠人「何だ違うのか?」

 

雷「俺はそういうふうに見てないよ!?」

 

 

銃姫達「「「・・・・・」」」

 

 

雷の先の言葉から雷の後ろを歩いていた銃姫達から異様な圧が出ていることが見て取れた。

 

 

カミト「雷、お前……」

 

クレア「地雷、踏み抜いたわね。」

 

リンスレット「盛大に踏み抜きましたわね。」

 

エリス「私は知らんぞ。」

 

フィアナ「私もしーらない。」

 

雷「どういうことだ?」

 

リン「智也、ちょっといいかな?」(#^ω^)

 

雷「へ?」

 

ミレイ「あなたに少しお話があるのよ。」(#^ω^)

 

シィ「とても大事なお話です。」(#^ω^)

 

ムイ「これからの私達の関係に関わる話だ。」(#^ω^)

 

雷「えっと…、皆さん笑顔が怖いんですが…?」

 

ファル「気のせいよ雷。」(#^ω^)

 

雷「あはは……」

 

シル「それでは連行させてもらいますね。」

 

ドラグノフ「やれやれ」

 

 

銃姫たちに連れて行かれる雷を見送って俺達は雷の両親に家へと招き入れられた。

 

 

~~ カミトside out ~~

 

 

 




暁「大城は?」

雷「小説進まないと言いながら部屋に籠ってる。」

暁「いつも通りか。」

雷「なんか用事でもあったのか?」

暁「小説の進み具合を聞こうとしたんだ。」

雷「なるほど。」

カミト「暁、雷、大城見なかったか?」

雷「部屋にいるだろ?」

カミト「逃げた。」

暁・雷「「は?」」

カミト「クレア達が見張っていたんだがいつの間にかいなくなっていた。」

暁「あいつ何してんだ?」

雷「なんか紙が降って来たぞ?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

皆さんへ

ちょっくら小説のネタという名の現実逃避してきます。

数時間して戻ってくる予定なので探さないでください。


                   大城

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


三人「「「…馬鹿だろ、あいつ」」」

雷「どうする?」

暁「とりあえず、締めに入ろう」

カミト「その後、俺達も大城探すか。」

暁「と言うわけで、」

三人『次回…大城「次回もよろしくお願いします。」』

三人「・・・・・」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第58話 ???

大城「どうも作者です。今回のゲストはクレアさんとエリスさんです。」

クレア「よろしくね。」

エリス「よろしくな。」

クレア「私達を自ら出すなんて何かあったの?」

大城「いえ、そういうわけではないですよ。ただ出てもらいたかっただけですが。」

エリス「そういえば今回は1か月経っていないのか。」

クレア「そうね。今回の投稿はギリギリ1か月経っていないわね。」

大城「まぁ、この話は少し前から出来上がっていたモノですけどね」

クレア「どうせ、ストックが欲しかっただけでしょ?」

大城「まったくもってその通り。」

エリス「なんだかなぁ~。」

大城「そろそろ注意事項行ってもらって」

クレア「はぁ~、分かったわ。今回は1か月経たずに投稿したことに免じて何もしないであげるわ。」

エリス「では、注意事項だ。」


※ 誤字・脱字、読み難い所の存在、キャラ崩壊など


クレア「これらが大丈夫な皆さんは楽しんで読んでください。」





本来ならば決して姿を見せるはずのない者が、あることが理由にその姿を見せ、暁達と戦い、敗れたあと本来の居るべき場所に帰り、そこにいる同族とのやりとり。

 

このやりとりは暁達が元の世界に戻る準備をし始め、カミト達が暁達に付いていくことを決意したそんなときのお話である。

 

 

 

~~ ??? ~~

 

 

影2「おや?いつの間にか帰って来ていたのですね?」

 

 

影1「・・・・・」

 

 

影2「人間などという下等な生物に負けて帰って来た気分はいかがですか?」

 

 

影1「・・・・・」

 

 

影2「言い返す言葉がありませんか…」

 

 

影3「そこまでにしておきなさい。」

 

 

影1「私が負けたのは想定外の事が起きたせいです。」

 

 

影3「【想定外】とは?」

 

 

影1「ラグナロク率いるエンシェントキラーズが現れたことです。」

 

 

影2「なるほど、彼女たちが現れたのですか。」

 

 

影3「確かにそれならば今回の事は納得のいくものですね。」

 

 

影1「それに一つ気になることもありました。」

 

 

影2「それは何ですか?」

 

 

影1「私達と同じ気配が一つしたのです。」

 

 

影3「我々と同じ?」

 

 

影1「ええ、気配はそうですね裏切り者の【エイレーネ】微かですが感じました。」

 

 

影2「人間に加担した裏切り者の気配ですか。それは気になりますね。」

 

 

影3「気になるからと言ってそちらにばかり気を取られていても仕方がありませんけどね。」

 

 

影2「それもそうですね。手加減していたとはいえに抗う人間ですか。」

 

 

影3「正直信じがたい話ではありますが、一応注意しておきましょう。」

 

 

影2「注意する必要性はないだろう。我々が本気を出せば人間など(ちり)と変わらないのですから。」

 

 

影3「()()ですよ。」

 

 

影1「次出るときは3人で出るということでよろしいのですか?」

 

 

影3「ええ、アナタにダメージを負わせたという人間どもと戦ってみたいですしね。」

 

 

影2「私はエンシェントキラーズと手合わせしたいですね。」

 

 

影3「それでは私は準備をするのでここで。」

 

 

影2「私もそうさせてもらいます。」

 

 

二つの影がその場から姿を消した。

残ったもう一つの陰は敗れたことを思い出していた。

 

 

影1「人間などという下等な生き物にこの私が負けるなどと!!」

 

 

拳を強く握りしめる影1、そしてそれをすぐに緩めた。

 

 

影1「次は本気で行きますからね!覚悟しなさい人間!あの屈辱を必ず返して差し上げます!」

 

 

誰もいないその場にその言葉だけを吐き捨てると、残っていた影1もその姿を消した。

誰もいなくなったのその場は只々静寂に包まれたのだった。

 

 

~~ ??? ~~

 

 

 




暁「大城の奴、最近執筆が進んでるそうだ」

雷「3日坊主になると見た。」

ドラグノフ「右に同じ。」

ティルフィング「もう少し信じてあげませんか?」

暁「本音をどうぞ。」

ティルフィング「もう既に書いてないと思います。」

ドラグノフ「ティルフィングが一番大城を信用してないと思うのだが…」

雷「ま、自業自得なんだけどね。」

暁「ちなみに、ストック一つできて今2つ目書いてるみたいだぜ。」

4人「「「「一体いつぶり何だろうか…」」」」

暁「締めるか。」

雷「だな。と言うわけで」

ティルフィング・ドラグノフ「「次回もお楽しみに!」」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第59話 今の学校 ー前編ー

大城「皆さんどうも、作者です。今回のゲストはフィアナさんとリンスレットさんです。」

フィアナ「よろしく。」

リンスレット「よろしくですわ。」

フィアナ「早速だけど、大城、投稿期間前話出してからそんなに経ってないけど大丈夫なの?」

大城「今のところ、一ストックだけですが出来てるので大丈夫です。」

リンスレット「あら、珍しいですわね。」

大城「といっても、また少ししたら期間が空いての投稿になるでしょうね。」

リンスレット「ダメじゃないですの。継続は難しそうですの?」

大城「リアルが関わってくるお話ですからね。」

フィアナ「それでも何とかならないの?」

大城「無理ですね。只今就活中ですから」

フィアナ「それは確かに、厳しいわね。」

リンスレット「あなた、大事な時期と分かりながら投稿してますの…?」

大城「現状、そこまでバタバタしてませんから」

リンスレット「そうですか。とりあえず状況は分かりましたから無理のないように投稿お願いしますわ。」

大城「努力します。」

フィアナ「さて、注意事項に行きましょうか」


※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在、キャラ崩壊など


リンスレット「これらが大丈夫な皆様は楽しんで読んでくださいな。」





~~ 暁side ~~

 

 

俺達が元の世界の戻って来てから数日が経ったある日の暁家のリビング。

優里さんと誠人さんが顔を出しに来ていた。

そして、二人からそろそろ学校に顔を出してもいいのではないかと言われた。

その話を聞いて俺は少し考えた。一度学校の話聞いてその時は通うことをすぐに話していたが数日経ってその話を聞くと考えが変わり、俺達への態度が前と変わっていない気がして通うことに躊躇いが出ていた。

 

優里さんと誠人さんの話では雷は既に自分の両親に説得されて通う準備をしているらしい。

一番通うことを渋っていた奴が意外とあっさりと受け入れたものだなと、俺は内心話を聞いて思った。

優里さんと誠人さんに「1日考えさせてほしいと」頼みその日は話を終えた。

 

 

ティルフィング「マスター、どうされるのですか?」

 

暁「今の学校の状況を知りたい気持ちが大きいのは確かなんだけどね…。」

 

ティルフィング「では何が枷となっているのですか?」

 

暁「枷って言い方は酷いとは思うけど…そうだな、【期待】ってところかな?」

 

ティルフィング「・・・・・」

 

 

ティルフィングは暁が何故【期待】と言ったのか理解していた。

いや、暁と長い間共にしているからこそ理解できたと言った方が正しいのかもしれない。

 

 

暁「他のキル姫達が説明してるとはいえこの世界での俺達の扱いを知ったらきっと傷付くんじゃないかってどうしてもそう思ってしまうんだよ。」

 

ティルフィング「マスターの言わんとしていることは分かりますが残念ながらマスターの言っていることは杞憂ですよ。」

 

暁「どういうことだ?」

 

ティルフィング「それは彼女たち自身から聞いてください。」

 

 

そういうとティルフィングは扉を開けた。

すると、扉にもたれかかって聞いていたであろう他のキル姫達が一斉に雪崩(なだ)れてきた。

 

 

暁「お前ら、聞いていたのか」

 

ロンギヌス「あはは…」

 

暁「どこから聞いていたんだ?」

 

パラシュ「一応最初っからだね」

 

暁「・・・そうか。」

 

マサムネ「主君、拙者達は周りの評判何かで主君のもとから離れたりはしないぞ。」

 

暁「マサムネ?」

 

マサムネ「ここにいるキル姫は皆、主君の事を思っている者達だ。周りがどう思っていようがそれを真に受けて主君のもとから去ったりはしない。それを一番分かっているのは他ならぬ主君ではないか?それでも不安があるというのならそれは拙者達だけがそう思っていて主君は拙者達を信用していない、そう捉えてしまうが?」

 

暁「そんなことはない!俺がお前達を信用していないはずがないだろ。お前達と別れて1人で戦うことを決めて、裏切るようなことをしても、それでもお前達は俺が戻って来ることを信じ続けて、待っていてくれた。そんなお前達を俺が信用しないはずがないじゃないか。」

 

 

俺が言葉を並べると、キル姫達は微笑んだ。

 

 

アルテミス「そこまで言えるんですからマスターはもう決まっていますね?」

 

暁「・・・お前達を連れて、学校に行くよ。」

 

パラシュ「決まりだね。」

 

暁「俺はお前達にうまく乗せられたな…」

 

ティルフィング「私も含めてそれだけ皆さんマスターの事を思っているんですよ。」

 

暁「嬉しい気持ちとちょっとした複雑な気持ちだよ。」

 

ティルフィング「ふふっ♪」

 

 

この後俺は雷家に電話を入れてキル姫達と今の学校に行くことを伝えた。

伝えた次の日に雷とドラグノフが家にやってきて学校に行く予定を決めた。

 

 

 


 

 

 

それから3日程して学校に行く日がやって来た。

俺達は雷達と()()()()と合流して学校に向かっていた。

 

なぜカミト達がいるのか雷に聞いたところカミト達たっての希望ということで付いて来ているらしい。異世界(カミト達の世界)では俺達も学院に入っていたからそれと同じと考えれば、まぁ分からなくもないのかな?

 

そんなこんなでいつも通りの大所帯で学校に向かっている今である。

 

 

暁「今の学校はどうなっていることやら。」

 

雷「少しは変わってるといいけどな。」

 

クレア「あなた達の学校はどんなところなの?」

 

雷「良く言えば、実力さえあれば何とかなるところ?」

 

暁「だな。そして悪く言うなら上級者の下級者への偏見が悪いってところだな。」

 

クレア「この世界もそうなのね。」

 

フィアナ「それじゃあ智也君達は大丈夫なのね。」

 

雷「それだけなら、な。」

 

リンスレット「どういうことですの?」

 

暁「俺達が自分達の世界でどう扱われてきたのか話したのは覚えているか?」

 

カミト「ああ、この世界でお前らの力は異質だからってことで他の連中から白い目で見られているって話だよな?」

 

暁「そう、それはこの学校でも同じなんだよ。実力があっても異質の力によるものだから認められないってね。俺達はそんな身勝手な理由なせいでずっと下級の位置についてるんだよ。」

 

雷「と言っても、俺達が本来の力を見せつけてないってのも少しはあるけどな。」

 

フィアナ「嫌な世界ね。」

 

雷「それでも、生まれた世界だからな。受け入れるしかないんだよな。」

 

暁「それに、学校の全員が俺達を嫌ってるわけではないんだ。」

 

雷「俺達の担任をやってた先生だけは俺達の力を認めていたな。」

 

 

俺と雷の学校側の扱いなどを話しているうちに目的地の学校の正門前に着いた。

 

 

暁「この学校を見るのは久しぶりだな。」

 

カミト「この学校、デカすぎやしないか?」

 

クレア「広すぎて暁達とはぐれたら間違いなく迷子になるわね。」

 

雷「生徒の数もだが、生徒に合った訓練場などがあるからなこれだけ広くもなるわ。」

 

暁「正直、俺はお前達の学院の方が広く思ったがな。」

 

雷「俺も思ったぞ。」

 

エリス「そうなのか?」

 

ティルフィング「結局のところ慣れているかいないかなのでしょうね。」

 

暁「そうだな。さて、ずっと正門にいても仕方ないから入るか。」

 

雷「どこから先に行くんだ?」

 

暁「無難に教室でいいだろ。この時間は教室で座学やってるだろうし」

 

クレア「ねぇ暁少し聞きたいんだけど?」

 

暁「ん?」

 

クレア「もしかしてだけど、このまま向かうわけではないわよね?」

 

暁「このまま向かうつもりだが?」

 

クレア「・・・・・」

 

暁「俺変なこと言ったか?」

 

ドラグノフ「暁よ。お前が本気で言っていることは分かるが、少し考えてみろ。この大所帯で向かえば確実に騒ぎになるぞ?」

 

暁「まぁ、その時はその時でしょ。」

 

雷「いつも通りだな。」

 

ティルフィング「マスターが平常運転のようで安心しました。」

 

ドラグノフ「そこで安心してはいけない気がするぞティルフィング。」

 

ティルフィング「でも、この学校では精霊と契約する者や従魔と契約する者もいますし、しかも契約数が多い方もいますからあまり気にならないでしょう。」

 

カミト「この世界にも精霊はいるのか!?」

 

ティルフィング「ええ、ですがカミトさん達のように姿がしっかりと見えるわけではありません。使役者の中にはそういった方もいるみたいですがほんの一握りしかいません。ほとんどの方が契約はするが姿は見えずに力を借りるだけという方たちばかりですね。」

 

クレア「暁達が自分達の世界にも精霊がいるのに私達の世界で驚いていたのはそういうことだったのね。」

 

ティルフィング「ええ。話を戻しますね。」

 

カミト「ああ、すまない。」

 

ティルフィング「いえ。ということで私達が大所帯で居たとしてもそこまで騒ぎにはならないでしょう。」

 

ドラグノフ「私が心配しているのはそこではない。私が心配しているのは────」

 

雷「俺と暁が異端の力を更につけて戻って来たと思われて騒ぎになること、そう言いたいんだろドラグノフは」

 

ドラグノフ「雷…お前…」

 

雷「でも、あながち間違いでもないからな。こればっかりはどうしようもないそうだろ暁?」

 

暁「俺に振るなよ。だが、そうだな。」

 

ドラグノフ「お前達…」

 

雷「心配してくれるのは嬉しいが、ここまで来ると周りの事なんかもうどうでもよくなってきたんだよな。」

 

ドラグノフ「それはどうして?」

 

雷「俺の傍には常にお前がいてくれるから。」

 

ドラグノフ「!!」

 

雷「お前だけじゃない他の銃姫達に暁、キル姫達、カミト達もいる。俺はそれでいいと思ってるよ。」

 

 

雷はそう言ってドラグノフに微笑んで見せた。

 

 

ドラグノフ「私が心配し過ぎていただけだったみたいだな。」

 

雷「そうそう。それに、学校に行く話をした時点で覚悟はできてるよ。俺も、そして暁も。」

 

暁「クレアもティルフィングが説明した通りだ。」

 

クレア「分かったわ。暁達が大丈夫と言うならそれを信じましょう。」

 

暁「と言うわけで教室に向かって行きますか。」

 

 

そして俺達はようやく正門から校舎に入り、前まで使っていた教室に向かった。

 

 

 


 

 

 

俺達は2分ほど歩いて教室の扉の前まで着いた。が、俺はそこで足を止めてしまった。

 

 

雷「どうしたんだ暁?」

 

暁「いや~、どうやって入ろうかな~、と」

 

雷「普通に入ればいいんじゃないか。」

 

暁「お前できるか?」

 

雷「・・・・・無理。」

 

暁「だろ?」

 

 

俺と雷は教室の扉のガラス部分からこっそり中の様子を覗いた。

見覚えのある人が教台の後ろに立っている姿が見えた。

この学校で俺達の唯一の理解者だった担任の先生の姿だった。

他にもクラスメイトの連中の姿も確認できた。

俺達がいなくなる前の環境そのままの状態だった。

 

少し懐かしく思いながら中の様子を覗いているとたまたまこちらを向いた1人の生徒と目が合った。

その生徒は俺達に気付いて大きな音を立てて椅子から立ち上がった。

 

 

担任の先生「どうした?急に立ち上がって?」

 

クラスメイトA「今扉の向こうに暁君と雷君がいた気がして…」

 

 

クラスメイトAの言葉で教室全体が(ざわ)めき立つ

 

 

担任の先生「夢でも見ていたんじゃないのか?」

 

クラスメイトA「そんなことは…、いえ、そうなのかもしれません。」

 

担任の先生「授業中に居眠りは感心せんぞ。暁じゃないんだからな…」

 

クラスメイトA「すみません…。」

 

 

そんなやり取りを俺達は教室の外で聞いていた。

さっきまで授業をしていた先生の声色が俺達の話になり、暗くなったのを俺達は聞き逃さなかった。

クラス全体も俺達の話になり、暗くなったのも感じ取れた。

 

 

ティルフィング「なんだか暗い感じになっていますね。」

 

暁「俺達がいなくなった後の話は分からないからな。」

 

クレア「暁、あなた授業中寝てるのね…」

 

暁「この学校で実力があればいいと思ってたからな。今もだけど」

 

雷「それにしてもなんか思ってた状況と違うせいで余計に入りにくいな。」

 

暁「同意見だ。」

 

ドラグノフ「だが、このままじっとしていても何も始まらないだろう?」

 

ティルフィング「そうですよマスター。時間だけが過ぎていくと、さらに入りにくくなるだけなんですから。今入らないと後々後悔しますよ?」

 

暁「まったくもってその通りですね。」

 

雷「扉、開けるのか?」

 

暁「ああ。このまま帰っても仕方がないし、それに今の学校の状況を知りたいから来たわけだしな。」

 

雷「そうだった。変に委縮してしまったけど、それこそ変わってないなら帰ればいいだけか。」

 

暁「と言うわけで、カミト達、待たせたな。」

 

カミト「このくらい大丈夫だ。」

 

フィアナ「それに、話を知ってるから言えるけどこうなっても仕方がないわよ。今までされてきた事がされてきた事だけあるんだから。」

 

雷「そう言ってもらえてさらに落ち着けた。ありがと。」

 

暁「さ、開けますか。」

 

 

俺は周りの仲間と顔を見合わせ教室の扉に手を掛けた。

 

そして────

 

 

ガラガラガラ

 

 

教室の扉を開けた。

 

扉が開くと教師とクラスメイト達は一斉に開いた扉の方を向いた。

 

ここで少し問いたいことがある

死んだと思われていた者達が目の前に生きて現れたら、そう信じていた者達はどんな顔をするのだろうか?いたって簡単な答えだ。目を見開きその光景が現実かどうかを確かめる。

 

 

担任の先生「暁に雷?」

 

暁「お久しぶりです。先生」

 

雷「1年とちょっとぶり?ですね。」

 

担任の先生「幽霊とかじゃないよな?」

 

暁「なかなか失礼なこと言いますね。でもそう思われても仕方がないですね。」

 

 

担任の先生は俺達と少し話をして涙を流し始めた。

クラスメイトたちの方も見渡して見るが驚いたまま固まっている者、俺達が生きていることを知って泣きだす者、慌てふためいている者、いろんな状態で混乱しているのが直ぐに分かった。

 

だが俺は、いや、俺だけではなく雷達も思っただろう。

居なくなる前まで忌み嫌われていた俺達が生きていることを嬉しく思われているのかということに。この謎はすぐに解決することになる。

 

クラス全体が落ち着きを取り戻すと授業終了のチャイムが鳴った。

 

 

担任の先生「暁に雷、話がある。これから時間はあるか?」

 

暁「勿論です。こちらも聞きたいことがたくさんありますから。」

 

 

担任の先生はクラスメイト達の方に向き直り、次の授業を自習にすることと俺達が帰ってきたことを他のクラスの友人たちに話さないように指示をした。特に上級生には話さないように、と釘まで指して。クラスメイト達は先生の話に返事をした。

 

 

担任の先生「さて、応接室に行こうか。」

 

暁「そうですね。」

 

 

そして、俺達は担任の先生に連れられて応接室に向かったのだった。

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 




暁「珍しく短期間で投稿されたらしいな。」

雷「ストック切らさないように書き始めたんだと」

暁「いろいろ忙しい時期に入ってるのに大丈夫なのか?」

ティルフィング「そこは大城さんを信じるしかないですね。」

ドラグノフ「催促をしてはいるが体を壊さない程度でお願いしたいものだ。」

雷「だな。あと、もうちょっと優しく催促するか。今だけだが」

カミト「鬼か、お前は。」

クレア「その本人今何してるの?」

エリス「求人情報見ながら小説に手を付けているそうだ。」

フィアナ「エナドリ片手にやってる姿を想像したわ。」

リンスレット「でも、大城ってエナドリとか飲んでる姿を見かけませんわね?」

クレア「そういえばそうね。」

暁「それ一度聞いたことあるぜ。」

ティルフィング「なんていわれたんですか?」

暁「大城『基本起きとけるからエナドリ飲まなくてもね。』って言ってたな。」

カミト「やべぇ~なあいつ。」

雷「それな。…おっと、そろそろ締めないといけないみたいだ。」

カミト「唐突だな。」

雷「天の声的な紙が届いた。」

カミト「なるほど。それじゃあ締めるか。」

全員『次回もお楽しみに(ですわ)!』


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第60話 今の学校 ー後編ー

大城「皆様二か月とちょっとぶりです。大城です。さてさて、ゲストの紹介です。クレアさんとドラグノフさんです。」

クレア「…よろしく」

ドラグノフ「よろしくな」

クレア「さて、投稿が遅れた理由を聞いてもいいかしら?」

大城「就活で書く気力が湧きませんでした。忙しかったのも一つです。」

クレア「はぁ~、せめて一言は言っておきなさいよ」

ドラグノフ「そういう大事なことは伝えておかないと後々後悔することになるぞ?」

大城「今まさにそうなってますね。身に沁みますよ…」

クレア「書き始めて結構経つんだからしっかりしなさいよ!」

ドラグノフ「…、そういえば大城」

大城「何でしょうか?」

ドラグノフ「お前…二周年…経ってるよな?」

大城「・・・・・・・・・・・・・さて、注意事項です。」

ドラグノフ「おい、待て大城」


※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在、キャラ崩壊など


大城「これらが大丈夫な読者の皆様は楽しんで読んでください。」

ドラグノフ「待てよ。」





~~ 暁side ~~

 

 

応接室に来た俺達は担任の先生から俺達がいなくなった後の話を聞いた。それは、俺達がクラスメイトに抱いた謎の答えでもあった。

 

 

・学校全体を見て少しずつではあるが俺達に対しての見る目が変わったこと

・居なくなった後、一部の者達ですぐに捜索をしたこと

・捜索は数週間して打ち止めとなり、俺達の処遇は死んだものとして扱われたこと

・異族の出現があれを気に増えていること

・今では授業に実習訓練と称して異族との戦闘課程が組み込まれたこと

 

 

暁「俺達が居なくなってからそんな変化があったんですね…」

 

雷「周りの目が少しでも変わったのなら俺達がやったことは無駄じゃなかったってことだよな…」

 

ドラグノフ「そうだろうな。お前たちの優しさが他の者達を変えたのだ。」

 

暁「でも、命を張ってようやく少しだけ認めてもらえたっていうのは正直言って喜べないですね。」

 

ティルフィング「マスター…」

 

暁「認めてくれたこと、嬉しくないわけではない。でも…」

 

雷「そこまでしてやっとっていうのに納得いかねぇんだよな?」

 

 

雷の言葉に俺は静かに頷いた。

 

 

雷「お前の言い分も分かるが今は素直に喜んどけ。今は認めてもらえてるかもしれないけど、何かちょっとしたきっかけで元の状態に戻っちまうかもしれないんだから。」

 

暁「だがなぁ~…」

 

クレア「ああもう!!いつもの大雑把な暁は何処に行ったのよ!!」

 

カミト「クレア!?」

 

クレア「大人しく聞いてたら細かいことをずーっと気にしちゃって。いつものあんたなら「まあ、その辺の細かいことは問題になってから考えればいい。」とか言って流してるじゃないの。自分の世界に戻ってから心持が弱くなり過ぎよ!それに、あんたの傍には周りの事なんか気にせず、ずっとあんたの事を支えてくれる仲間がいるでしょうが!私達の世界にいたときみたいにしっかりしなさい!」

 

 

唐突にクレアが会話に割って入って来たので俺は驚いたが、言葉はしっかりと耳に入って来た。

 

 

暁「まさか、異世界の人に喝を入れられるとはな。」

 

雷「細かいことを考えるのは二の次、だろ?俺達がいつもやってきた事じゃん。」

 

暁「そうだったな。…ホントそうだよ。」

 

ティルフィング「クレアさんに言われて、私達の出番はありませんでしたね。」

 

クレア「悪いわね。言葉を取って」

 

ティルフィング「いいえ、いいんです。マスターの姿を見ていてもたってもいられなかったんですよね?」

 

クレア「ええ。あんな暁、私達の知ってる暁ではないもの。」

 

暁「変に気持ちを下げるなんて俺らしくないな。」

 

雷「そうそう。お前は能天気な方が向いてるよ。」

 

暁「テメェ、貶してるだろ。」

 

雷「き、気のせいじゃないかな?」

 

暁「というか、クレアの言葉も褒めてるように見せかけて貶してるだろ?!」

 

クレア「へ!?そ、そんなことないじゃない!気のせいよ!そんなことより、アンタ達の担任の教師、置いてけぼりになってるわよ!」

 

 

クレアの言葉でハッと思い出し、すぐに先生の方に向き直した。

 

 

暁「すみません先生。」

 

担任の先生「構わないよ。それより、こちらの話はした。次は君たちの話を聞かせてくれるか?」

 

暁「はい。」

 

 

俺達は俺達の身に起きたことをカミト達やティルフィングとドラグノフ以外のキル姫達、銃姫達の自己紹介を交えながら話した。

 

 

担任の先生「にわかには信じがたいけど、目の前の光景を見て信じないとは言えないな。」

 

暁「信じてもらえて何よりです。」

 

担任の先生「お前達がこんな大掛かりな嘘を吐かないのは知っているからな。」

 

雷「先生は変わりませんね。」

 

担任の先生「お前達だって変わらないじゃないか。いや、暁は少し変わったか?」

 

暁「そうでしょうか?」

 

担任の先生「ん~?ずっと張りつめていた糸が緩くなった感じ?」

 

暁「自分ではわかりませんが」

 

雷「そういうのって本当に自分じゃわからないよな~。」

 

担任の先生「まあ、カミト君達との出逢いを通して明るくなったんだろうな。」

 

暁「先生がそうおっしゃるのならそうなんでしょうね。」

 

担任の先生「それはそうとして、暁、雷、お前達はこれからどうするんだ?いや、濁さずに聞くべきだな。お前達はまた学校に通おうと思っているのか?」

 

 

和んでいた雰囲気も先生の言葉で俺達は黙ってしまった。

 

 

担任の先生「お前達も感づいているとは思うが、俺達のクラス全員がお前達を認めているわけではない。クラスの一部分だけがお前たちの事を認めてくれてはいるが残りが良しとしていない。俺達のクラスはこんな感じだ。だが、これはあくまで俺達のクラスだけの話だ。他のクラスで最もひどいクラスではいまだにお前達を認めていないクラスも存在する。逆に全員が認めているクラスも中には存在はする。」

 

暁「そんなクラス存在するんですね。うちのクラスだけに認めてくれた人がいるもんだとばかり思っていましたよ。」

 

雷「だな。」

 

担任の先生「そんな現状でお前達はもう一度学校に通おうと思ってくれているかい?」

 

暁「何も変わっていないのなら俺は学校をやめて、それこそ雷の両親の経営しているギルドに冒険者登録して、異族と戦うつもりでいました。でも、少しでも変わってくれているのなら俺は……もう一度通ってもいいと思います。」

 

雷「俺も暁と同じ意見だよ先生。居場所のない所に居ても仕方がない。でも居場所ができたのならそこにいないといけないだろ。だから、俺ももう一度通ってみるよ。」

 

担任の先生「そうか、そう言ってくれて嬉しいよ。」

 

暁「居場所がなくなり次第辞めますけどね。」

 

担任の先生「この空気でそれを言うのかお前は。」

 

ティルフィング「マスターですからね。仕方がないです。」

 

暁「そこははっきりとさせておかないといけない気がしまして。」

 

担任の先生「まったく…」

 

 

先生は呆れながら困った顔をし、他の連中は笑っていた。

 

 

担任の先生「さて、そろそろクラスに戻るか。お前達、午後の授業があるが出るのか?」

 

暁「ええ、出ます。」

 

担任の先生「てっきり出ないかと思った。」

 

暁「条件付きで」

 

担任の先生「・・・・・」

 

暁「先生?」

 

担任の先生「その条件ってのは何だ?」

 

暁「理由は適当でいいのでカミト達も授業に参加させてほしいんです。」

 

担任の先生「なんだそんなことか。それならいいよ。」

 

 

あっさりとOKがでた。

 

 

暁「いいんだ。」

 

担任の先生「お前達が戻って来てくれたんだ。それぐらいのお願いは聞いてやるさ。」

 

雷「本当に先生が変わってなくてよかったって思いますよ。」

 

 

俺達は先生と一緒に職員室に向かった後、自分達がいたクラスへと向かった。

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 




暁「あいつ何してんだ?」

ティルフィング「あいつといいますと、作者の大城さんの事でしょうか?」

雷「大城なら、部屋にいるぞ。」

暁「大城って基本的に後書きでは部屋にいることが多いよね。」

ドラグノフ「そのことだけ聞くと引きこもりのそれだよな。」

暁「実際リアルのアイツは基本的に外に出ないから間違いではないよ」

雷「話それてないか?」

暁「そうだよ、大城、書き始めて二周年経ってんだよ。」

カミト「もうそんなに経っていたのか」

暁「唐突に現れるじゃん」

クレア「二周年経過しても変わらないわね」

大城「変わらない、落ち着ける場所そんな小説を」

リンスレット「書けないですわよね」

大城「精進します」

フィアナ「その言葉を私達は今まで何回聞いたかしら?」

エリス「投稿するたび、とだけ言っておこう。」

大城「…泣きますよ?」

クレア「泣くと燃やすわよ?」

大城「皆様の期待に応えれるようにします…」

クレア「よろしい。」

カミト「それはいいとして」

大城「・・・・・」

全員『大城、二周年おめでとう!!』

大城「最後の最後でありがとうございます。」

暁「さて、大城に伝えることは伝えたので締めますか」

全員『次回もお楽しみに!!』


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第61話 戦闘訓練 ー前編ー

大城「どうも皆さんまた長い間お待たせしました作者の大城です。今回のゲストはエリスさんとリンさんです。」

エリス「よろしく。」

リン「よろしくね。」

エリス「さて大城、期間が空いた理由を聞こうか」

大城「就活ですね。」

リン「あれ?前回落ち着いたって言ってなかったっけ?」

大城「言いましたね。」

リン「前回の言葉は嘘だったってこと?」

大城「いえ、前回投稿した時はひと段落していたんですが、その後にですねまぁちょっとした厄介事がありまして、就活、一からになってしまったわけなんですよ。言い訳じみてますが本当の事なんで許してください。」

エリス「ということはまた、投稿が遅くなるのだな。」

リン「ま、一度破られてから守られたことなんて指で数えられるぐらいじゃないかな?」

大城「……本当に申し訳ない。」

エリス「読者の皆様、こんな作者ですが温かい目で見てやってください。」

リン「それじゃあ、注意事項だよ。」


※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在、キャラ崩壊など


エリス・リン「「これらが大丈夫な皆さんは楽しんでください。」」





~~ 暁side ~~

 

 

教室の前まで着いた俺は一度立ち止まり深呼吸をした。

 

 

雷「何だ?まだ緊張してんのか?」

 

暁「そうだよ悪いか。」

 

雷「いや、ただ珍しいと思っただけだよ。」

 

暁「ほとんど関わりがなかったとはいえ、久しぶりに顔を会わせるんだからな」

 

担任の先生「もういいか?」

 

暁「あっはい」

 

 

俺が返事をすると先生はいつものように教室の扉を開けて入っていく

 

 

担任の先生「ほらさっさと入ってこい。お前たち以外にも紹介するんだから」

 

 

担任の先生に急かされながら俺たちは教室に入っていった。

 

教室に入った俺たちは同級生の顔を見渡して様子を窺った。

 

嫌悪の顔をする者達、無事だったことに笑顔で出迎えてくれる者達が俺達の方に視線を送ってきた。

先生から教えてもらい俺達自信覚悟できていたとはいえ、いい気分での顔合わせとはならなかった。

 

 

暁「えっと…」

 

 

俺はやはり言葉に詰まった。詰まったというよりはかける言葉が出てこなかった。

それもそのはずだ、そもそもクラスの連中とはいい関係を持っていなかったのだから…本来こういう場面は「ただいま」だとか「久しぶり」だとかいうのだろうがそれは仲がいい奴らのすることだ俺達はこのクラスに溶け込んでいたわけではない。だからこそ頭に浮かんでくる言葉はなかった。

 

俺が長考していると意外な方から声を掛けられた

 

 

クラスメイトA「あなた達が居なくなるまで酷い態度を取っていた私が、私達が言うのは変かもしれないけど2人とも生きててよかった。ティルフィングさんも、ドラグノフさんも…」

 

 

まさかの言葉に俺達は驚いた。

聞くことはできないと思っていた言葉を、居なくなる前まで俺達に後ろ指さしていたはずのクラスメイトから聞いたのだから。

 

 

ティルフィング「マスター返答してあげたらどうですか?」

 

暁「そうだな、えっと…久しぶり…?」

 

雷「そこで疑問形はないだろ。」

 

ドラグノフ「小心者」

 

暁「あ~、キレそう…」

 

 

俺の返答に問題があるのは分かるが、そこまで言わなくてもいいじゃんなどと思っていると別のクラスメイトが苛立ちを面に出しながら言葉を発していた。

 

 

クラスメイトB「俺は歓迎しねーぞ!!」

 

 

先生が話した通り変わっていない奴もクラスには存在しており俺達に後ろ指をさしてきた。

 

 

クラスメイトC「そうだ!異端の者はこのクラスから出ていけ!」

 

クラスメイトD「何もそこまで言わなくてもいいだろ。」

 

クラスメイトB「お前もこの前までこっち側だったじゃねぇか!良い子ぶってんじゃねぇぞ!」

 

クラスメイトC「D、お前どうせ女子にモテたいからってそっち側に言ったんだろ!?」

 

クラスメイトD「そ、そんなことねぇよ!お、俺は純粋に…」

 

クラスメイトE「Dの野心ぐらい女子皆、すでに見抜いてるわよ。」

 

クラスメイトD「えっ…?」

 

クラスメイトF「というか、今2人を受け入れない側の奴はだいたいモテないからって暁と雷の2人を除け者にしたいだけでしょ!?」

 

クラスメイトB・C「「は、はぁー!?ち、違うに決まってるだろ!?」」

 

クラスメイトA「動揺してるところから見て図星ね。」

 

クラスメイトF「ほんと、みっともないわね。」

 

クラスメイトB「五月蠅い!誰がどう言おうと俺達は認めねぇからな!」

 

 

クラスメイトのやり取りを聞いていた先生が手を二回ほど鳴らす。

 

 

担任の先生「お前ら熱くなり過ぎだ。まだ、お知らせがあるんだから」

 

 

そう言うとクラスメイト達は先生の方に向き直った。

 

 

担任の先生「え~、コホン。それでもう一つのお知らせっていうのが…こちらにいるカゼハヤ君達と暁と雷の新しい契約姫達の事だ。」

 

 

廊下で待機していた他の仲間たちがぞろぞろと教室に入ってくる。

その数にクラスメイト達は口を開けたままになっていた。

 

 

クラスメイトB「何だこりゃ…」

 

クラスメイトC「嘘…だろ…」

 

クラスメイトA(カゼハヤ君だったかな?かっこいいなぁ~)

 

クレア(クラスメイトA(あの子)、カミトのこと見てるわね)

 

担任の先生「というわけで、この時間を使って簡単な自己紹介をしてもらおうかな。」

 

 

皆がまだ開いた口を塞いでいないのに先生は話を続け、カミト達、契約姫達が順番に自己紹介を始めた。人数が人数なので簡単とはいえ自己紹介が終わる頃には六時間目の授業時間に入る手前だった。

 

 

担任の先生「自己紹介終わったな。諸事情によりカミト君達はこのクラスに編入することになったから仲良くするようにな。ついでに暁達とも…」

 

暁「俺達を「ついで」で括らないでくださいよ。」

 

担任の先生「お前達なら気にしないだろうからいいかなって」

 

暁「まぁ、確かに俺は気にしませんが後ろがね…」

 

 

俺はそう言うと担任の先生に目配せしてから後から入って来たキル姫と銃姫を先生とみた。

するとそこには表面上は優しそうな笑顔を向けている仲間達だがどこか黒いものを感じさせていた。それは先生も同じだったようで顔を引きつらせていた。

 

 

担任の先生「とりあえず席はどうすればいい?カゼハヤ君達の分はどうにか確保できるが、新しく契約したキル姫と銃姫の分まではすまないが用意できそうにないんだ。」

 

暁「ふむ…、なら自分たちで作っちまうか」

 

担任の先生「お前は一体何を言っているんだ?」

 

雷「武器作りだしてるんだから余裕か。」

 

暁「そういうわけなんで足らない分だけ教えてもらえませんか?」

 

担任の先生「……一応数は23、4ぐらいかな?」

 

雷「めんどいから俺15、お前15の計30個作らない?」

 

暁「そうだな。サクッと作っちまうか」

 

 

雷の案に賛成して2人で足りない分の机と何かあってもいいように予備の分としての机をいくつか作った。その様子を見ていたクラスの連中は驚き、担任の先生は呆れていた。

 

 

クラスメイトB「えっ?何もないところから机が…?」

 

担任の先生「…相変わらず、君たちは凄いな。契約姫の数もそうだが」

 

暁「先生ぐらいですよ、そんなこと言うのは」

 

雷「クラスの連中驚いてるけど、俺達の能力は見たことあると思うんだけどなぁ。」

 

担任の先生「準備ができたのなら好きなところに席を置いて授業の準備をしてくれ。といっても、今日の授業はこれで終いだがな。残りの時間はそうだな……お!そういえば」

 

 

俺と雷、ティルフィング、ドラグノフはもともと使っていた自分達の席に着き、そして契約姫達を自由に席に着かせたとき、担任の先生は何かを思い出した。

 

 

クラスメイトA「先生、何か思い出したんですか?」

 

担任の先生「ああ、今訓練場が都合よく開いてる事を思い出したんだよ。」

 

 

何故か担任の先生は笑顔でこちらを見ながらそんなことを言ってきた。

 

 

暁・雷((嫌な予感がする))

 

担任の先生「というわけで暁と雷、お前達がどのくらい成長したのか、それとも居なくなってから変わっていないのか模擬戦をして見せてくれないか?」

 

暁・雷((ですよね~))

 

暁「嫌だと言ったら?」

 

担任の先生「それならそれでもいいさ。ただ、カミト君達だけ模擬戦をやってもらう形になるだけだからね。」

 

雷「最初っからカミト達を巻き込む気だったってわけですか」

 

担任の先生「力の証明がこの学校の校訓だからな。それと、少しの期間だけとはいえ入ったからにはある程度の証明はしてほしいんだよ。」

 

暁「カミト達はそれでいいのか?」

 

カミト「それがここの方針ってなら従うしかなくないか?」

 

エリス「私達は仮にもこの学校の生徒になっているのだからな。」

 

リンスレット「このクラスで(わたくし)の力を見せつけるいい機会ですわ。」

 

クレア「私も納得してるから受けるつもりよ。」

 

フィアナ「私は皆と違ってどちらかと言うと非戦闘員なんだけど…」

 

カミト「そういえばそうだな。治癒魔法をメインに使うフィアナはどうするんだ?」

 

担任の先生「そこはペアを組んでもらって補助としての実力を見るつもりだ。」

 

フィアナ「なるほどね。そういうことなら分かったわ。」

 

担任の先生「うむ。で、カミト君達は了承しているがそれでも断るつもりかな暁?」

 

暁「雷どうする?」

 

雷「俺に振るなよ。でも、やってもいいんじゃないか?面白そうだし」

 

暁「この戦闘狂め。」

 

雷「なんか言ったか?」

 

暁「いえ何も。…とりあえずカミト達も了承してるみたいなので俺達も参加します。」

 

担任の先生「そう言うと思ってたよ。」

 

暁「先生が言わせたようなものですけどね…。それで、相手はどうするんですか?」

 

担任の先生「それは決まってるだろ。このクラスの中でお前達と戦いたいって思ってる奴とだ。」

 

暁「……マジ?」

 

担任の先生「マジだ。」

 

 

そして、その言葉を最後に俺達は訓練場へと向かうこととなった。

向かう際、先生は何か用事があるとかで一旦俺達と分かれてから訓練場に向かうと言っていた。どうせろくでもないことを企んでいるに違いないそう思いながら俺は足を進めるのだった。

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 

~~ 担任の先生side ~~

 

 

私は、生徒達と一旦分かれて、とある場所に歩みを向けていた。

 

 

──── 生徒会室 ────

 

 

コンコン

 

 

生徒会長「はい」

 

担任の先生「特殊クラスの教師です。」

 

生徒会長「入ってください。」

 

担任の先生「では、失礼します。」

 

生徒会長「今回はどういったご用件でしょうか?」

 

副会長「今は授業中だと思うのですが?」

 

担任の先生「ええ。ですからそのことで少しお話を、と思いまして」

 

生徒会長「どういうことでしょうか…」

 

担任の先生「訓練場に来れば分かりますよ。きっと皆さんも驚きますから。それでは私は生徒たちを待たせてますのでこれで失礼します。」

 

 

私は生徒会室を出て扉の前で少しだけ聞き耳を立てた。

 

 

書記(1)「言いたいことだけ言って戻って行きましたね」

 

書記(2)「どうされますか?エリザ生徒会長」

 

生徒会長「どうもこうもないわ。特殊クラスの教師が驚くと言ってるのよ?見に行かないわけないじゃない!(みなと)副会長、リル書記とリラ副書記、様子を見に行きますわよ。準備してください。」

 

 

生徒会長達はどうやら様子を見に来るようだ。

 

 

担任の先生「さてさて、どうなることやら。」

 

 

私は、生徒達の居る訓練場へと向かった。

 

 

~~ 担任の先生side out ~~

 

 

 




大城「読者の皆様、何度も謝罪から始まりすみません。」

暁「珍しく後書きに一番に出てきたじゃん。言葉は謝罪だったが」

大城「前書きで謝罪文ばかり書いてますからね。」

暁「ここでもそのことについて謝罪してたら謝罪しか書かない作者だと思われるぞ?」

大城「遅い気がしますが、よろしくないですね…」

雷「そうだろうな。」

ティルフィング「作者としての威厳が無くなりますからね。」

ドラグノフ「こいつに作者としての威厳何か書き始めた時点でなかっただろ?」

大城「……これから、何とか挽回できれば!」

4人「「「「もう無理」」」」

大城「……とりあえず、頑張って書いていきます。」

ドラグノフ「ちゃんと完結できるのだろうか。この作品は」

大城「そこは確実に何とかします。」

ティルフィング「と言って失踪という方法は取らないでくださいね?」

大城「努力…いえ、何としても守りたいと思います。」

暁「そこまで言うんだ。俺達はお前を信じるからな?」

大城「プレッシャーだけは勘弁」

雷「ダメだこりゃ」

大城「さて、そろそろ締めましょうか。」

暁「そうだな。」

4人「「「「次回もお楽しみに!!」」」」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第62話 戦闘訓練 ー中編ー

大城「読者の皆様、お待たせしました。第62話の投稿です。」

リンスレット「やっと出したのね。」

クレア「今日でちょうど三ヶ月ね。」

大城「ホント申し訳ない。」

リンスレット「まぁ、前回の前書きでこうなることは話していましたし、今回の所はお咎めなしですわ。」

大城「そうなんですか?」

クレア「事情が事情だからね。」

大城「そう言ってもらえると救われます。」

クレア「久しぶりなんだからサクッと本編に行きましょう。」

大城「はい。」

リンスレット「それでは注意事項ですわ。」


※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在、キャラ崩壊など


クレア・リンスレット「「これらが大丈夫な皆さんは楽しんで下さい(な)。」」





~~ 暁side ~~

 

 

先生の唐突な案で俺達は今、使われていない闘技場にいた。

 

 

暁「なんで俺達ここにいるんだ?」

 

雷「極数分前の出来事を忘れるほどお前は馬鹿だったか?」

 

暁「・・・・・そんないい方しなくてもいいじゃん」

 

雷「それにしても、ホント唐突だよな。」

 

暁「俺達と戦いたい奴って絶対全員だよな。」

 

雷「やっぱり思っちゃう?」

 

暁「思っちゃう。」

 

暁・雷「「・・・・・」」

 

暁「バックレるか」

 

雷「だな。」

 

 

俺と雷がそんな話をしてすぐに行動しようとした。が、そんなことはお見通しかのようにティルフィングとドラグノフにお互い捕まった。

 

 

ティルフィング「ダメですよマスター。一度した約束なんですから」

 

ドラグノフ「雷も逃さんぞ?」

 

暁・雷「「ですよね~…」」

 

 

俺達が闘技場に到着してから約5分程経過してから担任の先生が訓練場に姿を現した。

 

 

暁「聞いても答えないと思いますが、何して来たんですか?」

 

担任の先生「まぁそう警戒しない。ちょ~とお話しして来ただけなんだから」

 

暁「・・・・・(じ~」

 

担任の先生「そんな目をしても何も言わんぞ」

 

暁「ちっ」

 

担任の先生「そういうわけだからさっさとここに来た要件を済ませるぞ」

 

暁「はーい」

 

 

その後、担任の先生の「暁達と戦いたい奴はいるか?」という質問で全員とまではいかなかったがクラスの大半が手を挙げて名乗り出た。

 

 

暁「先生、マジでこの人数を相手にするんですか?」

 

担任の先生「流石に何回戦かに分けるがそうだな。」

 

雷「1人1人相手しないといけないってことないですよね?」

 

担任の先生「最初はそれを考えていたけど、思っていた以上に人数がいたから3人ペアを作った団体戦をしてもらおうと考えている。」

 

暁「はぇ~、ルールは?」

 

担任の先生「そうだな~。こういう感じでどうだ?」

 

 

その場の思い付きだろうルールを俺達の担任の先生は話した。

 

 

 


 

団体戦ルール

 

・試合回数:2試合

 

・先鋒:3人、次鋒:3人、中堅:3人、副将:3人、大将:3人

 

・暁、雷は全試合どちらか必ず強制参加

 

・キル姫、銃姫達は(武器状態でも)1人としてカウント、なお、精霊や使い魔などはセーフとする

 

・クラスメイト側は出たい奴がルールに則った人数で出る

 

・勝敗は、戦闘しているメンバーの全滅又は戦闘続行不能と判断されること

 


 

 

 

担任の先生「ま、こんなところかな?」

 

カミト「俺達はどうしたらいいんだ?」

 

担任の先生「そこは暁達と相談して出る出ないを決めてくれ。でも、これは君たちの力を証明する舞台でもあることを忘れないでくれ。」

 

カミト「分かりました。」

 

クレア「それで、どうするの暁?」

 

暁「どうするとは?」

 

クレア「決まってるでしょ、出場の順番よ。」

 

暁「ああ、どうしようか。」

 

フィアナ「何も考えてないのね。」

 

雷「大事な話の時に何も考えていないのは暁の十八番だぜ。」

 

フィアナ「それもそうね。」

 

暁「考えている時もあるよ。1割ぐらいの頻度で」

 

フィアナ「それじゃあダメでしょ。」

 

暁「気にしない、というか先生」

 

担任の先生「ん?なんだ」

 

暁「今から始めて、授業終了までに終わりませんよね?」

 

担任の先生「その時のために他の先生たちにはすでに伝えてある。」

 

暁「ぬかりなしですか…」

 

担任の先生「のびのびできるぞ!やったな!」

 

雷「間違っている!と、声を大にして言いたい。」

 

フィアナ「言えばいいじゃない?」

 

雷「間違ってないから言えません。」

 

カミト「結局選出はどうするんだ?」

 

暁「カミト達は2試合目にまとめて出してしまった方がいいと思っているんだが、どうだろうか?」

 

リンスレット「その意味は何ですの?」

 

暁「最初は観戦してもらって、相手の動きとかを見てもらおうかと思った。」

 

 

俺の意見にカミトは少し考えるような姿勢を取ってすぐに返事をした。

 

 

カミト「一理あるな。俺はそれで構わない。」

 

暁「クレア達はどうだ?」

 

クレア「異論はないわ。それで行きましょうか。」

 

 

他の3人も異論はないと言った。

 

 

雷「なら後は俺達の選出だな。」

 

暁「ワーオ、選出マジでどうしよ……」

 

 

俺と雷は長考の末、何とか選出を紙に書いて纏めた。

 

 

 


 

1試合目

 

○先鋒 … 暁、ミネルヴァ、エルキュール

 

○次鋒 … 雷、シル*1、ミレイ*2

 

○中堅 … 暁、ダモクレス、グラーシーザ

 

○副将 … 雷、ムイ*3、シィ*4

 

 

○大将 … 暁、ラグナロク、スイハ

 


 

 

 


 

2試合目

 

○先鋒 … 雷、リン*5、エリス

 

○次鋒 … 暁、アルテミス、リンスレット

 

○中堅 … 雷、ドラグノフ、フィアナ

 

○副将 … 暁、フライクーゲル、クレア

 

○大将 … 暁、ティルフィング、カミト

 


 

 

 

暁「これでどうだ。頭がパンクするかと思ったわ。」

 

雷「今回は観戦で頼むなファル。」

 

ファル「仕方がないわね。」

 

雷「悪いな。」

 

ファル「そう思うなら、いいとこ見せないさいよね。」

 

雷「任せろ。」

 

暁「なぁ雷さんや、やっぱり均等に出ないか?」

 

雷「さっき話し合っただろうが、そもそもお前の契約人数が多いのが悪い。」

 

暁「ちきしょう…」

 

担任の先生「そろそろ1試合目を始めたいんだが?」

 

暁「はぁ~…分かりました…。では、この順番で俺達は出ます。」

 

 

俺達の組み合わせを書いた紙を担任の先生に渡した。

 

 

担任の先生「本当にいいんだな?」

 

暁「ええ。」

 

担任の先生「了解した。それでは特別クラス生徒対暁・雷チームの戦闘訓練を開始する!!」

 

両チーム「「よろしくお願いします!!」」

 

 

第1試合中堅戦、ダモクレスとグラーシーザが思っていた以上こちらの指示に従わずに自由に戦うせいで対戦相手は困惑し、俺は2人のフォローをする形となった。

 

それ以外の試合は良い勝負していたと思う。…たぶん

 

第一試合終了と同時に、最後の授業終了のチャイムが鳴ったが担任の先生が使用時間の延長申請をしていたいるので少しの休憩の後、第二試合を始めることとなった。

 

 

暁「良い勝負でした。」

 

担任の先生「本当にそう思っているのか?」

 

暁「・・・・・」

 

雷「良い勝負だったと思うけどな~」

 

クレア「あれは良い勝負とは言わないわよ」

 

 

観戦していたクレア達が呆れた顔をしながらこちらに来た

 

 

リンスレット「暁さんの試合は近接特化ですので分からなくもないですが雷さんのは…」

 

フィアナ「偶然の相性の問題もあるとは思うけど、殆ど一方的に攻撃をしていただけだったわね。」

 

雷「・・・・・。」

 

カミト「遠距離特化チーム対近距離特化チームになればそうもなるのも仕方がないが」

 

エリス「良き試合であったかは首をかしげざるおえないな。」

 

雷「・・・でも、本来の目的はカミト達にクラスメイト達の戦い方を見せることだから」

 

エリス「雷達が一方的に攻撃して、相手に攻撃させないようにしていたからその目的も怪しいぞ。」

 

雷「・・・もしかして俺やらかしちゃいました?」

 

 

雷は自分の後ろにいた銃姫達に尋ねた。

 

その結果は、満場一致で首を縦に振った。

 

 

雷「すみませんでした。」

 

エリス「でもまぁ、クラスの連中には証明できたからいいんじゃないか?」

 

雷「まぁね。にしても癖になってるな」

 

ドラグノフ「こればっかりは仕方がないと思うがな。」

 

担任の先生「お前達の強さはしっかりと分かった。いなくなる前よりも力がついてるのはさっきの試合で明白だったよ。」

 

暁「そう言ってもらえて何よりです。」

 

担任の先生「でも次の試合は彼らの力量を見させてもらうぞ?」

 

 

そう言って担任の先生はカミト達の方に視線を向けた。

 

 

暁「ええ、構いませんよ。」

 

 

先生の問いに返しながら俺もカミト達の方に視線を向けた。

 

 

担任の先生「かなり信用しているんだな。」

 

暁「彼らには向こうの世界でとても助けられましたから」

 

 

言葉を言っている時俺は口角が少し上がっていた。

 

自覚はなかったが、担任の先生はどうやらそれを見逃さなかった。

 

 

担任の先生「ホント、お前は変わったよ。」

 

暁「またその話ですか?」

 

担任の先生「まあな。…そろそろ第二試合始めるか。」

 

暁「ですね。カミト達に伝えてきます。」

 

 

そして俺は担任の先生から離れてカミト達のもとへと歩いた。

 

 

担任の先生(昔のお前は、心から笑うことがなかったんだからそう思っちまうだろ。)

 

 

担任の先生は暁の背中を見ながらその言葉を心にしまい、生徒たちの方へと歩いた。

 

 

それから数十分して、第二試合のメンバーが並んだ。

 

 

クラスメートB「俺の方が強いこと証明してやる!!」

 

クラスメイトC「絶対に勝つ!!」

 

クラスメイトA「お、お手柔らかに…」

 

クラスメイトD(いいとこ見せて女の子に好印象を…)

 

クラスメイトF「よろしくね!」

 

 

クラスメイト達の方を向くと各々思っていることを口に出したり、考えていたりしていた。

 

その中に数人がこちらに向けて殺気に近しいものを向けてきていた。

 

 

暁(すんごい反感を持ってるのが数人か~)

 

雷(どうすっかなこれ?)

 

 

俺達がそんなことを考えいると右側からため息が聞こえてきた。

 

どうやら担任の先生も数人の生徒達が俺達に殺気に近しいものを向けていることに気付いたみたいだった。

 

 

担任の先生「とりあえず、始めるぞ。」

 

 

そう言い、俺達のチームと生徒達のチームを交互に見てから開始の言葉を掛けた。

 

 

担任の先生「それでは、第二試合をこれより開始する!」

 

 

試合開始の合図が掛かり、カミト達の力量を確かめる勝負が始まった。

 

 

 

 

 

*1
※「シル」…この作品でのドルフロキャラ「416」の名前

*2
※「ミレイ」…この作品でのドルフロキャラ「WA2000」の名前

*3
※「ムイ」…この作品でのドルフロキャラ「M16A1」の名前

*4
※「シィ」…この作品でのドルフロキャラ「M4A1」の名前

*5
※「リン」…この作品でのドルフロキャラ「ノリンコZ75」の名前




暁「こんなに(投稿)長期間空いたのって久しぶりか?」

雷「そうだな。今あいつは?」

ドラグノフ「今はゆっくりしてるぞ。」

ティルフィング「就活が終わったのが12月だったと聞いてますからその疲れでしょう。」

カミト「就活終わった後も、他にもいろいろと予定詰まってるみたいだぞあいつ」

暁「マジ?」

カミト「今は運転免許取得のために教習所通ってるって言ってたぜ?」

クレア「完結まで持って行くって話もなくなりそうね。」

リンスレット「途中で断念しそうですわよね。今の作者の状態では」

フィアナ「こればかりはどうしようもないわ。」

エリス「私達は応援するしかないからな。」

大城「私は時間がかかってでもこの話は完結させますよ?」


大城以外『うわーー!!』


クレア「唐突に現れないでよ!」

エリス「にしてもその意志の強さは感心できるが、いろいろ詰まり過ぎてこちらに手を回す時間がないではないのか?」

大城「そこは何とかして時間を作りますよ。少しずつでも書いて投稿するつもりです。」

暁「無茶だけはするなよ?」

大城「善処します。では、そろそろ締めてください。」

雷「わかった。」


大城以外『それでは、次回もお楽しみに!!』


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第63話 戦闘訓練 partエリス

大城「どうも、作者の大城です。第63話の投稿です。」

暁「今回は二か月手前か?」

大城「そうですね。」

ティルフィング「今回の遅れたのは?」

大城「PCが逝かれ始めたのと免許の勉強で手が付けられませんでしたね。」

暁「現状は?」

大城「やる事はほとんど終わりました。PCがダメになったぽいですけど。」

ティルフィング「これからは戻るんですか?」

大城「残念ながらこれからは余計に更新頻度が落ちます。」

ティルフィング「どうして?」

大城「4月から会社に出勤し始めるので生活的に今以上に余裕がなくなるとおもうからですね。」

暁「もうそんな時期か。」

大城「そういうことですので楽しみにされている読者の皆様には大変ご迷惑をおかけしますがいつも通りの温かい目で見て頂けたら幸いです。」

暁「そういうことなら俺達からもよろしくお願いします。」

大城「事務的な話はここまでにして、後はお願いします。」

ティルフィング「分かりました。それでは注意事項です。」


※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在、キャラ崩壊など


暁・ティルフィング「「これらが大丈夫な皆さんは楽しんで下さい。」」





~~ 暁side ~~

 

カミト達、チームスカーレットの腕試し試合が始まった。

 

 

 

○ 先鋒チーム

 

・雷、リン、エリス vs クラスメイトC、重戦士(タンク)、魔術師

 

 

 

クラスメイトC「お前達なんかより俺達の方が強いことを証明してやる!」

 

雷「はいはい、頑張ってね。」

 

クラスメイトC「舐めやがって…!!」

 

 

試合が始まって早々雷とリンは手を取り合った。

 

観戦側の俺達は雷が何をしようとしているのかすぐには分かった。

 

銃姫であるリンを『本来』の姿にし、その力を思う存分使うつもりなのだろう。

 

それは分かったがなんだか少し様子がおかしかった。

 

 

ティルフィング「マスター、何だか様子がおかしくないですか?」

 

 

雷達の様子に疑問に思ったティルフィングが問いかけてきた。

 

 

暁「やっぱりお前もそう思うか。」

 

ティルフィング「私だけではありません。他のキル姫の皆さんや銃姫の皆さん、全員が疑問に思ってます。」

 

暁「そりゃそうか。」

 

 

俺は雷の考えがよく分かっていなかった。

 

キル姫や銃姫は契約者と親密であればあるほど自己に眠る武器の力をいかんなく発揮できる。

 

その一つの方法として契約者に彼女達の本来の姿である武器となり、共に戦うといった方法がある。

 

これは契約者(俺と雷)の魔力とキル姫もしくは銃姫の魔力を交換し合い、《共鳴》させてキル姫と銃姫の本来の姿に変えるというものだ。

 

こちら(契約者)側と相手(キル姫達と銃姫達)側が魔力を交換し続けることでこの状態(武器の姿)を維持し続けることができる。

 

武器状態から人の姿に戻るときはどちらかの魔力の流れを切るか、同時に切ることであとはキル姫達、銃姫達が自分の魔力を制御して人の姿へと戻る。片方だけが魔力の流れを切る場合はそのことをもう片方に伝えなければ、独断だけで切ると強い電流がお互いに流れ、お互いが負傷することになる。

 

最悪の場合キル姫や銃姫は二度と武器の姿になれず、本来の力を発揮できなくなってしまう。

それに加え、キル姫は魔力暴走の原因となり、なりふり構わず暴れる可能性もある。

 

ちなみに親密性は力の発揮だけではなく、魔力交換を円滑に終わらせることもできる。

 

お互いがお互いを信じているからこそできることだ。

 

 

暁「エリス1人で相手してんじゃん…」

 

ドラグノフ「雷の作戦だからな。」

 

暁「作戦?」

 

ドラグノフ「わざと魔銃モードにする時間を遅らせているんだ。」

 

暁「わざと?…何故に?」

 

ドラグノフ「今回の試合はチームスカーレットの実力を測るもの。だから雷はあえて魔銃モードの発動を遅らせて、エリスに三人の足止めをさせているんだ。今回の相手チームはクラスの中でも頭角を現しているメンツばかりだろうからな。それができることはそれだけの実力、又はそれ以上の実力があることを証明できる。」

 

暁「はぇ~、そんな発想なかったわ。」

 

ドラグノフ「だろうな。」

 

 

ドラグノフから雷の作戦(?)の説明を聞き終えて雷の戦闘に向き直す。

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 

 

 

~~ 雷side ~~

 

現在試合が始まってから5分経過していた。

 

エリスは風魔術の風神の靴(エア・ウィング)を駆使していつものように地上から空中からとトリッキーに()()攻撃を仕掛けていた。

 

 

エリス「(マガ)ツ風よ!!」

 

 

無数の風の刃が相手チームに降りかかる。

 

しかし、相手チームのクラスメイトCと魔術師は重戦士(タンク)の後ろへと即座に飛び退き、直近の風の刃を避け、残りを重戦士(タンク)の大楯で防いだ。

 

エリスの攻撃の激しさに相手チームは翻弄とまではいかなくとも気押しされていた。

 

 

エリス「まだまだ行くぞ!」

 

 

エリスは始まりから今に至るまで攻撃の手を休めることはなかった。

 

そして、そんな攻撃はまだまだ続く

 

 

クラスメイトC「なっ!?」

 

重戦士「一撃一撃が重い!」

 

魔術師「魔法を撃つ隙が無いわ!」

 

 

エリスの猛攻に相手チームの三人は防戦一方になっていた。

 

とはいえ試合が始まってから10分前後経つ、終始全力戦闘だったエリスに疲れの様子が出始めていた。

 

 

エリス「はあぁぁぁ!!」(時間稼ぎとはいえ、あとどのくらいすればいいのだ!?)

 

 

エリスの戦闘を少し離れたところで俺達はいつでも戦闘ができる状態で見ていた。

 

どうして、エリスが1人で3人を相手しているのかと言うと時間を少し遡ること試合開始前……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────ーーーーーー試合開始前──────────

 

 

俺はエリスと話をしていた。

 

 

エリス「これから試合だというのに何かあるのか?」

 

雷「まぁな。無茶なことを言うから断りたかったら断ってくれてもいいから。」

 

エリス「そもそも言わないという選択肢はないのか?」

 

雷「なかった」

 

エリス「だろうな。それで、内容は?」

 

雷「率直に言います。1人で3人を相手してもらいます。」

 

エリス「・・・理由を聞いても?」

 

雷「今回の試合は先生にエリス達の実力を見てもらうためのものだ。そこでクラスでも目立った強さを持っているであろうあの3人を倒さなくても、普通に相手できているだけでもその実力は見せられると思うんだよ。」

 

エリス「なるほどな。言いたいことは分かった。だがその間お前は何をするのだ?観戦しておくだけってわけではないのだろう?」

 

雷「それはもちろん。こっちはこっちでエリスが戦っている間に戦闘の準備を進めるつもりだ。」

 

エリス「それで、どのくらいの時間を稼げばいいのだ?」

 

雷「そうだな~…、10分程度かな」

 

エリス「了解した。それぐらいなら任せろ。」

 

雷「断るかと思ったんだが?」

 

エリス「お前達の無茶ぶりは今に始まったことではないからな。慣れた」

 

雷「なんかすみません。」

 

エリス「それでは、行くか!」

 

雷「だな。」

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、まぁそんなことを話して今エリスは1人で3人を相手にしているわけだが、

 

 

リン「そろそろいいんじゃないかな?」

 

雷「そうだな。では、本格的にこちらも動きますか。」

 

 

リンの方に向き直して俺とリンの足元に大きな魔法陣を展開する。

 

 

雷「準備はいいか?」

 

リン「いつでもいいわよ。」

 

 

リンの同意を得て一気に魔力を同調させる。

 

リンが光りだしてものの数秒でその光が収まった。

 

雷の手には先程まで何も持っていなかったが今では2丁のハンドガンが握られていた。

 

 

リン(さ、私達の力皆に見せてやりましょう。)

 

雷の「ああ。」

 

 

俺はエリス達の戦闘の方に視線を向けた。

 

 

雷「エリス、準備ができた。一旦下がって大丈夫だ。」

 

 

俺が声を掛けるとエリスはこちらを向いて「やっとか」と口を動かして俺の隣まで飛んできた。

 

 

エリス「10分とは長いものだな。」

 

雷「疲れているのなら後は俺達が決めてしまうが?」

 

エリス「最後まで戦うに決まっているだろう。それに君が魔銃モードを使って戦うのなら私も()()()()で戦うとしよう。」

 

 

そう言うとエリスはすぐにでも自分のパートナーである魔風精霊のシムルグを召喚させた。

 

 

魔術師「嘘でしょ!?あんな近距離戦をしていて精霊まで使役しているの!?」

 

重戦士「俺達にも精霊と契約している奴はいるけど基本的には魔法系特化だぞ!?」

 

エリス「そちらの常識でこちらを図ってもらっては困るぞ。」

 

 

そしてエリスは、精霊魔装の詠唱に入った。

 

 

エリス「凶ッ風よ、怨敵の心臓を貫く魔槍となりて我が手に宿れ!風翼の槍(レイ・ホーク)

 

 

詠唱が終わると先程まで飛んでいた鷹がいなくなり、エリスの手には槍が握られていた。

 

 

魔術師「!?」

 

重戦士「どうなってるんだよ…」

 

クラスメイトC「もしかして、あいつらの仲間全員あんなことができるのかよ…」

 

 

対戦相手はこちらの常識で考えて戦闘していたためエリスの精霊魔装や、雷の魔銃モードに驚き、言葉を失っていた。

 

 

雷「お前ら、驚くのはいいが今は戦闘中だぜ?」

 

 

雷の言葉に驚いていた対戦相手は戦闘が続いていることを思い出し構え直した。

 

 

雷「さぁ、続きと行こうか。」

 

クラスメイトC「くっ…」

 

魔術師(女)「喰らいなさい!火球(ファイアーボール)

 

エリス「無詠唱か、しかし…」

 

 

エリスは雷の前に出て風翼の槍(レイ・ホーク)火球(ファイアーボール)を斬った。

 

斬られた火球は消滅する。

 

 

エリス「飛んでくるスピードも威力も物足りないな。」

 

魔術師(女)「…強すぎでしょ。」

 

 

自分の魔法を斬られあまりの力の差に戦意を失う魔術師(女)。

 

重戦士の方もエリス1人に抑え込まれていたこと、そんな相手とプラスでこれから雷も参加することに絶望をして戦意を失っていた。

 

そのことに雷とエリスはこの程度かと肩透かしをくらった気分になっていた。

 

 

雷「こんなに簡単に戦意を無くされると悲しくなってくるな。」

 

エリス「教室ではあれだけの啖呵を切っていた割にこの程度とは期待して損した。」

 

リン(エリスの言いたいこととても良く分かるわ。)

 

雷「そうなの?」

 

リン(ええ、エリスはどう思っての発言かは分からないけど、私、というか私達銃姫からしてみれば大好き(大切)な契約者の雷を馬鹿にする上に自分達の方が強いと言っていたのよ?だったらこんなことぐらいで戦意を喪失してもらっては困るわよ。)

 

雷「辛口ですね~」

 

 

リンのちょっとした大胆発言に雷が気付くことはなかった。

 

 

クラスメイトC「俺は最後まで戦うぞ…。」

 

雷「他の2人は降参みたいだけど?」

 

クラスメイトC「知らん、他は他だ。負けると分かってても一矢報いてやる!」

 

雷「意外と根性あるんだな。」

 

リン(あれぐらいは当然よ。)

 

雷「少しは褒めたら?意外と根性見せてるんだし」

 

リン(ぜっっっっっったい嫌よ。)

 

雷「そこまでかよ。」

 

 

俺は苦笑いをしながらクラスメイトCを見据える。

 

 

エリス「どうする?」

 

雷「どうするとは?」

 

エリス「このまま人数差でさくっと終わらせるのか、ということだ。」

 

雷「ん~そうだな~…、いや、やっぱりこういう時はタイマンでしょ。」

 

エリス「そう言うと思った。では、後は任せてもいいな?」

 

雷「だな。終わらせてくるわ。」

 

エリス「ふっ。」

 

 

エリスが後ろを向き、左手を挙げながら雷の左側を歩いていくと雷は何がしたいのか分かったため自身の左手を挙げる。

 

そして、そのままハイタッチをしてエリスは後ろ下がり、雷が前に出て立ち位置を交代した。

 

 

雷「決着をつけるか。」

 

クラスメイトC「何だ?二人で来ないのか?」

 

雷「出番の交代ってやつだよ。」

 

クラスメイトC「お前、舐めてるのか!!」

 

雷「そんなつもりはないよ。そもそも俺より強いことを証明したいんだったらこっちの方が分りやすくていいだろ?」

 

クラスメイトC「クッ……。」

 

雷「さて、お喋りはここまでにしてさっさと戦闘しますか。後ろもあることですし。」

 

 

雷とクラスメイトCは戦闘態勢に入る。

 

数秒の静寂が訪れると先に動きを見せたのはクラスメイトCだった。

 

風魔法を使い加速を速めて一気に近距離戦闘の間合いまで詰めた。

 

どうやらエリスの戦闘を見て学習したようだ。

 

 

クラスメイトC「はぁあぁぁぁぁ!!」

 

 

一気に間合いを詰めたクラスメイトCはそのまま雷に斬りかかる。

 

 

雷「なかなかやるじゃん。でも…」

 

 

振り下ろされた剣の刃を片方の銃で受け止め、もう片方でクラスメイトCの腹に一発ゴム弾を撃ち込んだ。

 

 

クラスメイトC「ぐっ!?」

 

 

撃たれたクラスメイトCは激痛で後ろによろけそのまま両膝をついてしまう。

 

 

クラスメイトC「そんな……、俺の攻撃を読んでいたのか……。」

 

雷「まあね。」

 

 

そう言いながらクラスメイトCに近づき銃口を向ける雷。

 

 

雷「どうするまだ続けるか?」

 

クラスメイトC「この状態で続けるほど馬鹿ではない。負けを認めよう。」

 

 

クラスメイトCの敗北宣言がされると同時に「そこまで!」の掛け声がかかった。

 

そして、勝利チームの名前が呼ばれた。

 

 

雷「お疲れ様。エリス、リン。」

 

エリス「お疲れ様。」

 

リン「お疲れ様、と言っても私と雷はほとんど何もしなかったけどね。」

 

雷「ごもっとも。」

 

 

戦闘が終わり、魔銃モードが解けいつもの人型タイプに戻っていたリン。

 

 

エリス「それでは皆のもとに戻ろうか。」

 

雷「ああ。」

 

 

3人が暁達の元に戻ろうとしたときクラスメイトCから声をかけられる。

 

 

クラスメイトC「待ってくれ。雷に聞きたいことがある。」

 

雷「なんだ?」

 

クラスメイトC「タイマンの時何故俺があの攻撃をしてくることが読めたんだ?」

 

 

どうして自分の攻撃が読まれたのか気になっていた。

 

雷からの回答は至極単純なものだった。

 

 

雷「俺がいつも鍛錬で相手してるのが近距離戦では化け物じみた動きをする奴だからな。」

 

 

そう言って暁の方を見る。

 

それに気づいた暁は「なんだ?」という顔をこちらに向ける。

 

俺の言葉を聞いたクラスメイトCはそれだけで納得する。

 

 

クラスメイトC「なるほど。そういうことか…。」

 

雷「ま、あとは経験の差ってやつだな。」

 

クラスメイトC「それだけが気になってたんだ呼び止めて悪かった。」

 

 

クラスメイトCはそう言って踵を返し自分のチームたちの元へと戻って行った。

 

俺もエリスとリンと共に暁達の元へと戻った。

 

暁達と合流した時他の皆から「初戦勝利おめでとう。」と祝われた。

 

 

~~ 雷side out ~~

 

 

 

 

 




クレア「カミトじゃない。大城見なかったかしら?」

カミト「クレアか。いや見てないな。どうしたんだ?」

クレア「アイツ今日が卒業式らしいのよ。」

リンスレット「それ本当ですの!?」

エリス「本当か!?」

フィアナ「間違いないの!?」

クレア「ええ、間違いないわ。それでお祝いしようと考えていたのだけれど」

カミト「良いじゃないか。当の本人いないけど」

クレア「だから探してるのよ。」

リンスレット「なんだかんだで卒業できるんですのね。」

エリス「裏ではヒヤヒヤしながら過ごしていたからな。」

フィアナ「とりあえずみんなで探しましょうか。」



大城捜索中……



クレア「見つけたわよ大城。あら?暁達も一緒だったのね。」

大城「どうしたんですかクレアさん。」

クレア「アンタ今日卒業式らしいじゃない。」

暁「なん…だと……!!」

雷「お前が卒業だと!?」

ティルフィング「そこまで驚かなくても」

ドラグノフ「まぁ、分からなくもないが。」

大城「意外と馬鹿だと思われてたんですね。間違いではないですが。」

クレア「そんなことはどうでもいいのよ。」

大城「そんなこと!?」

クレア「今カミト達とアンタの卒業祝いを考えてるから来なさい。」

大城「流された!? ……分かりました。」

カミト「見つけたんだな。」

クレア「ええ。というわけで皆せーのっ!」


全員『大城卒業おめでとう!!』


大城「ありがとうございます!!」

クレア「そういうわけだから後はパーと行きましょう。」

カミト「だな。」

大城「そういうことでしたら皆さん先にやる事が。」

暁「おっと、そうだな。」


全員『それでは、次回もお楽しみに!!』


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第64話 戦闘訓練 partリンスレット

読者の皆様お久しぶりです。

作者の大城です。

この度は約9ヶ月ほどの投稿に間が空いてしまい申し訳ありません。

仕事や流行病にかかったりで小説を書けていませんでした。

取り敢えず途中まで書いていた話を書き上げましたので生存報告として投稿いたします。

仕事ですがこれから更に忙しくなるため、今回のような投稿期間の空きとそれ以上の空きが出来てしまうと思いますが暖かく待っていただけると幸いです。

それでは生存報告はここまでとさせていただきます。

本編前の注意事項です。


※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在、キャラ崩壊など


これらが大丈夫な皆さんは楽しんでください。





~~ 暁side ~~

 

第2試合の先鋒戦は雷達が白星をあげた。

 

 

暁「お疲れ」

 

雷「お前が人を労うとはな。」

 

暁「リンとエリス。」

 

雷「あれ!? 俺のことは!?」

 

暁「余計なことを言う奴に労いの言葉を掛けるほどお人好しではないんだわ。」

 

雷「ちきしょうッ!!」

 

エリス「さて、次はリンスレットの番だったか?」

 

リンスレット「ええ、そうですわ。並んで戦うのは暁さんとアルテミスさんですわよね?」

 

暁「そうだよ。」

 

アルテミス「今更ながらですが、遠距離二人で大丈夫ですか?」

 

暁「まぁ、大丈夫でしょ。」

 

リンスレット「楽観的ですわね。」

 

クレア「暁はそれぐらいがいいのよ。」

 

暁「軽く貶してませんかクレアさん?」

 

クレア「……気ノセイヨ。」

 

暁「・・・・・。」

 

雷「暁は、モードチェンジ使うのか?」

 

暁「使うわけないじゃん。使ったらどうなるか想像できるでしょ?」

 

雷「そうですね。ちょっとした確認じゃん。」

 

暁「状況次第では使ってもいいかなとは思うけど。」

 

 

いろいろと話をしていると、クラス担任から「そろそろ次鋒戦を始めるぞ。」と声がかかった。

どうやら、クラスメイト側は準備ができているようだ。

 

 

暁「それじゃあ、行って来るか。」

 

雷「勝って来いよ!」

 

暁「もちろん。」

 

ティルフィング「アルテミスさん、リンスレットさん、ファイトです。」

 

アルテミス「ええ。」

 

リンスレット「任せなさいな。」

 

 

そして俺とアルテミス、リンスレットは開始場所まで歩いた。

 

 

クラス担任「やっと来たか。」

 

暁「すみませんね。」

 

男子生徒D「暁!テメェと雷だけには絶対負けねぇからな!」

 

暁「おお~怖い怖い。」

 

 

俺の正面の男子生徒はここぞとばかりに圧をかけてくる。

 

 

女子生徒E「よろしくお願いします。」(お、お嬢様なのかな?)

 

リンスレット「よろしくお願いしますわ。」

 

女子生徒F「よろ~。」(スタイル良すぎでしょ~!?)

 

アルテミス「よろしくお願いします。」

 

クラス担任「それでは第二試合次鋒戦を始める!」

 

 

6人「「「よろしくお願いします(わ)。」」」

 

 

両チームある程度の距離まで離れると今一度向かい合い、相手方は武器を出し戦闘の態勢に入る。

 

 

リンスレット「暁さん、相手を見てどう思われます?」

 

暁「どう、とは?」

 

リンスレット「相手のチーム編成ですわ。」

 

暁「男子生徒は槍使い、リンスレットの対面にいた女子生徒は弓使い、アルテミスの対面にいた女子生徒はバフを得意としたサポート系魔術師だろうな。簡単な話バランスタイプの編成だな。」

 

アルテミス「槍使いの方はマスターに一任しても?」

 

暁「OK。弓使いを相手するんだったら気をつけな。」

 

リンスレット「それはどういうことですの?」

 

暁「精霊…いや、妖精の類と契約してる。ちょっとばかし危険だと忠告だけしておく。」

 

リンスレット「そういうことですのね。」

 

 

こちらも話し合いが一通り終わると各々武器を構える。

 

俺は剣を()()、アルテミスとリンスレットはそれぞれの弓を。

 

両チームの準備ができていることをクラス担任が確認する。

 

 

クラス担任「始め!!」

 

 

開始の合図と同時に槍使いの男子生徒Dが突っ込んでくる。

 

魔術師は男子生徒Dに素早い詠唱でバフ魔法を何重にも欠ける。

 

 

男子生徒D「一撃で終わらせてやる!」

 

 

槍を振り上げ勢いよく振り下ろす。

 

避けようと思えば簡単に避けれる攻撃だったので俺はあえてその攻撃を剣を使って受け止める。

 

俺の足元に凹みができ体が少し落ちる。

 

 

男子生徒D「な!俺の攻撃を受け止めただと!?」

 

暁「ええ…、これぐらいのことで驚くのかよ……。」

 

 

俺はそのまま男子生徒Dお仕返しす。

 

 

男子生徒D「身体強化とバフでパワーを上げてるのに押し返される!?」

 

暁「いや、驚きすぎでしょ……。」

 

 

男子生徒Dは押し返された勢いを利用して初期位置まで後退する。

 

 

暁「流石にそれは下がりすぎ。」

 

 

次はこちらの番と言わんばかりに俺は男子生徒Dとの間合いを一気に詰める。

 

 

男子生徒D「早っ!」

 

 

そしてワザと一拍擱いてから剣を振り上げ相手が対処できるスピードで振り下ろした。

 

男子生徒Dは槍で振り下ろしを受け止める。

 

俺の動きは止まる。それを待っていたかと言わんばかりに弓使いの女子生徒Eが矢を放つ。

 

だが、その矢が俺に届くことはなかった。

 

矢が放たれると別の方向からの()()()によって女子生徒Eの矢を打ち落としていたのだから。

 

 

女子生徒E「噓でしょ!?」

 

女子生徒F「矢を矢で打ち落とすってどんな腕してんのよ!」

 

リンスレット「あれぐらいのスピードでしたら簡単ですわね。」(もとの世界で誰か()さんに稽古を付けてもらっていた甲斐がありましたわ。鬼畜的な速さでの練習をしましたからね。)

 

アルテミス「取り合えず、貴女方の相手は私たちです。」

 

女子生徒F「どうする?」

 

女子生徒E「相手は弓使い二人、接近できれば私のこの短剣で。それに、妖精さんたちもいるから…。」

 

女子生徒F「そうだね。しっかり援護するから任せた。」

 

リンスレット「作戦会議は終わりまして?」

 

女子生徒E「は、はい!」

 

女子生徒F「ここから挽回っしょ!」

 

 

そう言うと女子生徒Eは詠唱を始めた。

 

 

アルテミス「させません。」

 

 

アルテミスは女子生徒Fの補助魔法を妨害するため矢を放つ。

 

 

女子生徒E「ダメ! 妖精さんたちお願いします!」

 

 

女子生徒Eの声と同時に女子生徒Fを守るように風が吹く。

 

その結果、アルテミスが放った矢は風によって跳ね返された。

 

 

アルテミス「なるほど。これがマスターの言っていたことですか。」

 

 

矢を弾かれたアルテミスは暁が言っていたことをここで理解した。

 

 

アルテミス「確かにこれは厄介ですね。目に見えにくい分余計に…」

 

リンスレット「風が在る限りは矢が届くことはなさそうですわね。」

 

アルテミス「そういうことならまずは契約者を狙います。」

 

 

アルテミスが妖精の契約者の女子生徒Eを狙って矢を放つが

 

 

女子生徒F「させないよ!」

 

 

素早い詠唱で光の壁を展開、アルテミスの矢をこれまた弾いた。

 

 

アルテミス「なかなかの連携ですね。」

 

リンスレット「ですが、こちらにばかり気を持っていかれ過ぎではなくて? 貴女方の一番の決めては(男子生徒D)ではないんですの?」

 

 

リンスレットの言葉で女子生徒EとFはチームメイトである男子生徒Dのことを思い出す。

 

バフ魔法を何重にかけても苦戦する相手()に支援が無くなれば結果はすぐに目に見えるものとなる。

 

しかし、女子生徒EとFはアルテミスとリンスレットの弓の腕がケタ違いすぎて、二人から目を離せばいつ射貫かれるか分からないと考えていた。

 

 

男子生徒D「おい、お前ら! 援護はどうした!」

 

女子生徒E「ひッ!?」

 

女子生徒F「こっちも狙われてるの! 見ればわかるっしょ!」

 

暁「そんなに怒鳴らない!」

 

 

男子生徒Dの攻撃を弾く。

 

 

男子生徒D「くそッ!!」

 

 

怒りをチームにまで向け始める男子生徒D。

 

その状態を俺は危険視していた。

 

 

暁(杞憂で終わってくれればいいんだけど……。)

 

 

戦闘とは関係のないことを考えながらも、男子生徒Dから目を離さない。

 

開始の合図から20分程が経過していた。

 

こちら側は息が切れることなく、未だ余力を残した状態だが相手側は肩で息をしており、これ以上の戦闘継続は難しいと思った。

 

 

暁「アルテミスとリンスレット、突破口は見つけた?」

 

リンスレット「それは風の壁のことですの?」

 

暁「そう」

 

アルテミス「それなら先程見つけました。二人で答え合わせもしています。同じ見解でした。」

 

暁「答え合わせなんていつの間にしてたんだ…。まぁいいや、それじゃあこの戦いはお開きにしましょうか。」

 

リンスレット「分かりましたわ。では、女子生徒EとFはお任せを。」

 

 

リンスレットにそう言われて俺は男子生徒Dだけに集中する。

 

剣を鞘に納め、居合の体制を取る。

 

 

男子生徒D「居合だと…。舐めやがって…!」

 

 

男子生徒Dは槍を構え直し、一呼吸置く。

 

大きく深呼吸したあと、こちらへと突っ込んでくる。

 

俺もそれに合わせて前に飛び出す。

 

 

男子生徒D「オラァ!!」

 

暁「•••••。」

 

 

俺は剣を鞘から抜かずに納めた状態のままで横に振り抜いた。

 

一瞬静寂が訪れたが、男子生徒Dが腹を抱えて倒れ込む。

 

強めに振り抜いたんだからこうなるのも当然だった。

 

 

暁「決着、俺の勝ち。」

 

男子生徒D「くっ…そ…。」

 

 

俺は自分の戦いが終わったのでリンスレットとアルテミスの戦闘に目を向けた。

 

リンスレットがこちらをチラッと見たのが分かった。

 

 

リンスレット「相変わらず、早いですわね。」

 

アルテミス「私達もそろそろ終わらせないといけませんね。」

 

リンスレット「とは言ったものの意外と粘りますわね。」

 

アルテミス「それも後2、3分程でしょう。」

 

リンスレット「それでは、たたみかけますわよ!」

 

アルテミス「合わせます。」

 

 

アルテミスはリンスレットのように数多くの矢を生成して放つことはできないが、矢の早撃ちとその正確さは群を抜いて秀でていた。

 

リンスレットの【魔氷の矢弾(フリージング・アロー)】が次々と女子生徒EとFを襲う。

 

女子生徒Eが風の防壁でリンスレットの【魔氷の矢弾(フリージング・アロー)】を女子生徒Fを庇いながら防ぐ。

 

女子生徒Fは隙を見て魔術を撃とうと準備をするが、リンスレットの攻撃に隙なんかなくさらにはアルテミスが睨みを利かせているため反撃に転じれずにいた。

 

 

女子生徒E「ごめん。そろそろ限界…!」

 

 

風の防壁が一瞬弱まる。

 

アルテミスはその隙を見逃さなかった。

 

弱まったのを感じ取るとすかさずつがえていた矢を放つ。

 

放たれた矢は風の防壁をすり抜けて術者の女子生徒Eに命中する。

 

 

女子生徒E「うっ!」

 

 

女子生徒Eはそのまま気を失う。

 

目の前で仲間が倒れ、これ以上は無理だと判断した女子生徒Fは自身が持つ杖を落とし両手を挙げた。

 

 

女子生徒F「こ、降参~!」

 

クラス担任「そこまで!」

 

 

試合終了の声がかかり、俺たちは二つ目の白星を上げた。

 

試合が終わったため待っているメンバーの元へと戻った。

 

 

ティルフィング「三人ともお疲れさまでした。」

 

暁「お疲れ~。」

 

リンスレット「気の抜けた返事ですこと。先ほどまでの集中力はどこへやら。」

 

雷「やる気スイッチの切り替わり早すぎ。」

 

暁「休憩時間なんだからいいじゃん。」

 

雷「いや、まぁ、そうですけど。」

 

ドラグノフ「やれやれ」

 

 

いつも通りの内容のない会話をしているとクラス側のほうから怒鳴り声が聞こえてきた。

 

 

男子生徒D「お前たちのせいで負けたんだぞ!」

 

女子生徒F「うちらだけに責任押し付けるのは違くない!」

 

男子生徒D「いいや、お前たちが全て悪い!」

 

女子生徒E「も、もうやめてよ~…。」

 

 

 

雷「なんだ? 言い争いか?」

 

暁「戦闘中もイライラしてたからな、こうなるだろうと思ってはいたが。」

 

 

周りの連中も止めようか止めまいか見守る中で言い争いは激化していく一方だった。

 

そしてついに、我慢の限界を超えた男子生徒Dは自分の武器を振り上げた。

 

周りの連中もさすがにマズいと気が付き動くが明らかに間に合わない。

 

 

暁「アルテミス。」

 

アルテミス「はい。」

 

 

お互いに手を握り合いものの数秒とかからずに暁の手には弓が握られていた。

 

そこからは流れるように殺傷力のない矢を創り出し、矢を放つ。

 

狙いはもちろん男子生徒D

 

矢は男子生徒Dの頭部側面を直撃、槍は手から滑り落ちそのまま気を失って地面に倒れた。

 

周りの連中はあまりの速さに何が起きたのか理解できていなかった。

 

 

 

雷「さっすがヒーロー様。」

 

暁「うるせい。そういうお前だってちゃっかりゴム弾使おうとしてんじゃねぇか。」

 

雷「それもどっかの誰かさんのおかげで無駄になったけどな。」

 

アルテミス「精確射撃、お見事ですマスター。」

 

暁「アルテミスもよく理解してくれたな。助かった。」

 

アルテミス「いえ。」

 

暁「取り合えず、安否確認だけしてくるわ。」

 

雷「行ってらー。」

 

 

俺はいったん言い争いのあった現場へと向かった。

 

 

クレア「ほんと、お人好しね暁は。」

 

カミト「そこがあいつの良い所で、両親譲りな所なんだろうな。」

 

エリス「人に優しくできることはいいことだ。」

 

フィアナ「そんな優しさに付け入ろうとする、そんな輩も出てきそうね。」

 

リンスレット「そこは(わたくし)たちが、追い返せばいいだけですわ。」

 

クレア「その前に彼女(キル姫)たちが追い返すと思うけどね。」

 

エリス「確かに。」

 

 

 

暁「お前ら怪我はないか。」

 

 

倒れている男子生徒Dの脈を計りながら女子生徒EとFに声をかける。

 

 

女子生徒F「怪我はないよ。それよりうちらを助けてくれたん?」

 

暁「まあな。言い争いだけなら無視するつもりだったが武器を出すなら話は別だ。」

 

 

男子生徒Dが確実に気を失っているだけだと確認が取れた後立ち上がる。

 

 

女子生徒F「助けてくれてありがと…。」

 

暁「どういたしまして。それより自分たちで立てるか?」

 

女子生徒F「うちは大丈夫。」

 

 

そういって立ち上がる女子生徒FだがEの方はあまりにも怖かったらしく腰が抜けたみたいだった。

 

 

女子生徒E「ごめんなさい。私はちょっと…。」

 

女子生徒F「うちが手を貸すよ。」

 

女子生徒E「ありがとう。」

 

 

女子生徒Fの手を取ってEも立ち上がる。

 

 

暁「こっちから見ても大丈夫そうだな。んじゃ、俺はチームに戻るから。」

 

 

クラスチーム側に背を向けて、歩き出す。

 

 

女子生徒E「助けてくれて本当にありがとう。」

 

 

そんな言葉を聞きながら仲間の元へと戻った。

 

 

暁「ただいま。」

 

雷「お帰り。どうだった?」

 

暁「男子生徒Dは気絶、その仲間の女子生徒たちに外傷なし。」

 

雷「流石ヒーロー様。」

 

暁「殴るぞ。」

 

雷「さーせん。」

 

暁「(#^ω^)」

 

ドラグノフ「雷、煽りすぎだ。」

 

雷「ここまでが一連の作業。」

 

暁「お前、次の試合魔法なしの生身で戦え。拒否権はない。」

 

雷「・・・マジ?」

 

暁「冗談でこんなことは言わん。」

 

雷「・・・マジすいませんでした。許してください。何でもしますので。」

 

 

銃姫たち『え? 今何でもするって?』

 

 

暁「別のところで反応してんじゃん。」

 

ティルフィング「それだけ彼女たちも必死なんですよ。」

 

暁「彼女(銃姫)たちも?」

 

ティルフィング「はい。私たちと同じなんですよ。」

 

暁「・・・・・お前たちに関しては近いうちに必ず答えを出すよ。」

 

ティルフィング「その言葉を信じて待ってますね。」

 

暁「はいよ。それはそうとして、まあ、雷への魔法なし案は冗談として。」

 

雷「結局冗談かよ!」

 

暁「いやまぁ、戦いたいならご自由にどうぞ。助けてはやらんから。」

 

雷「ガッツリ魔法使います。」

 

暁「第三試合は雷とフィアナにドラグノフだな。三人ともがんば。」

 

フィアナ「任せて。智也君には指一本触れさせないから。」

 

雷「なら俺はフィアナを護る騎士にでもなるか。」

 

暁「騎士が銃使ってんじゃねぇよ。」

 

雷「モノの例えにツッコミ入れんな!」

 

クレア「これから試合って時に相変わらず緊張感が皆無ね。」

 

カミト「俺達にはこれぐらいが丁度いい。」

 

クレア「それもそうね。」

 

フィアナ「そろそろ行きましょうか智也君、ドラグノフ。」

 

ドラグノフ「そうだな。」

 

雷「この試合も勝つ!」

 

 

そういって三人は試合会場へと向かっていった。

 

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 

 

 




暁「皆さん(いろんな意味で)お久しぶりです。」

ティルフィング「今回もだいぶ期間が空きましたね。」

カミト「過去一で期間が空いたな。」

雷「今回ばかりはな、仕事で一時的とはいえ一人暮らし始めたりその終了間近で流行病にかかったりと、慌しかったみたいだからな。」

ドラグノフ「病気は軽症で済んだらしい。」

クレア「それはよかったわね。これからの投稿頻度はどうなるの?」

ドラグノフ「学生のとき以上に減るだろうな。1年空く可能性はあり得るな。」

フィアナ「こればかりは仕方がないわね。」

エリス「打ち切りにならないことを祈るしかないな。」

リンスレット「コツコツ頑張ってもらいましょう。」

カミト「今回短いけどここまでにするか。」

クレア「そうね。」

リンスレット「次回がいつになるか分かりませんけど」

エリス「次回も」

全員「「「お楽しみに!」」」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第65話 戦闘訓練 partフィアナ

大城「すみませんが、今回は前書きと後書きは無しです。ですのでこのまま注意喚起とさせていただきます。」

※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在、キャラ崩壊など

大城「これらが大丈夫な皆さんは、楽しんでくだされば幸いです。」



~~ 雷side ~~

 

第三試合を始めるため俺は一番のパートナーのドラグノフとフィアナとともにクラス担任のもとへと向かった。

 

 

クラス担任「さて、三試合目を始めるんだが。」

 

雷「どうかしましたか?」

 

クラス担任「二試合目の暁の時も思ったんだが、お前達の組み合わせ偏りすぎじゃないか。」

 

雷「意外とどうにかなりますよ?」

 

クラス担任「それはお前達だからだろうに。」

 

雷「それが分かってるなら気にしないことですね。」

 

クラス担任「はぁ~、そうすることにするよ。」

 

 

そしてクラス担任は合図を掛けるために両チームに目配せする。

 

雷と男子生徒Iはそれを確認して頷き返す。

 

 

クラス担任「それでは第三試合を開始する。両チーム礼!!

 

両チーム「「「よろしくお願いします。」」」

 

 

挨拶が終わりチームごとにそれぞれの配置につく。

 

すると、相手チームの男子生徒Iからフィアナに対して声をかけてきた。

 

 

男子生徒I「フィアナさん。」

 

フィアナ「何かしら。男子生徒Iさん。」

 

男子生徒I「私の目が正しければあなたは高貴な御方とお見受けしますが?」

 

フィアナ「まぁそうね。元の世界ではお姫様をやっていたわ。」

 

男子生徒I「なんと! そのような御方が何故、異端と呼ばれる薄汚い奴らと一緒にいるのか理解ができません。私めが勝利を収めそんな奴らから引き剝がして貴女様を救って御覧に入れましょう。」

 

フィアナ「別にそんなことしなくてもいいのだけれど。」

 

男子生徒I「いえ、私には解ります! 貴女様は嫌々彼らと共に行動していると。」

 

 

男子生徒Iは唐突に雷たちが無理やりフィアナ達を連れていると話し出した。

 

 

フィアナ「彼、一体何者なの? 全く人の話を聞かないのだけれど。」

 

雷「どっかの坊ちゃんとかじゃなかったっけ? 基本的に関わってないから知らん。」

 

 

男子生徒Iの話を聞いていた相手チームの女子生徒Yと男子生徒Nは「また始まったよ…。」という感情でいた。

 

どうやら今回が初めてではないようだ。

 

 

ドラグノフ「ああいったのには関わらないのが吉だ。」

 

フィアナ「それもそうね。」

 

 

そして三人してスルーを決め込もうとしたとき、聞き捨てならない言葉を耳にする。

 

 

男子生徒I「そんなゴミのような奴の隣に貴女のような高貴な方は似合いません。貴女様がいるべき場所はこの可憐で美しい私の隣でこそ相応しい。」

 

 

雷は相変わらずの言われようだなぁ~と流していたが、一部のメンバーは黒いオーラを駄々洩れにし、圧倒的な殺意を男子生徒Iに向ける。

 

それを感じ取った男子生徒Iの仲間は「これ以上はやめろ」と言葉にするが、完全に自分の世界に入り込んでいる男子生徒Iは全く耳に入っていなかった。

 

それどころか、淡々と自分のことを棚に上げて雷を貶すばかりだった。

 

ちなみに、暁と雷を認めている一部の者達はその話を聞いてドン引きを隠せずにいた。

 

 

雷「よくもまぁ、あんなに口が回るよな~。」

 

フィアナ「・・・・・」

 

ドラグノフ「・・・・・」

 

雷「あの~お二人さん? そろそろ始まりますけど。」

 

 

 

ドラグノフ・フィアナ「「・・・殺す!!」」

 

 

 

雷「お、落ち着け。いつものことじゃないか。」

 

ドラグノフ「流石に今回ばかりは許さん!」

 

フィアナ「ふふッ・・・ふふふッ。 」

 

 

表面上は笑っているフィアナ。

 

だが一切の楽しい感情を出してはいない。

 

敵意を駄々洩れにする。

 

 

フィアナ「あの人には地獄よりも恐ろしい恐怖を味わわせてあげる。」

 

雷「あ、だめだこりゃ。」

 

 

二人の殺る気スイッチがONの状態で壊れていることに気づき止められないことを悟る雷だった。

 

ちなみに、後方からも殺気が飛んできておりこちらより人数が多い分質が悪い。

 

そして、それを必死で宥めるカミト達の姿があった。

 

暁はというと我関せずで、宥めるカミト達に「好きにさせておけばいいんだよ。飛び出していくってことはないから。」と言うだけ言って特に何もせずにいた。

 

 

雷「そこのナルシスト。」

 

男子生徒I「誰のことを言っているのかな? 埃君。」

 

 

男子生徒Iの言葉でより一層フィアナと銃姫たちの雰囲気が恐ろしいものへと変わっていく。

 

 

雷「ああ~、悪口を言うのはいいとして…聞き流すから。ただなんだ、周りに注意して発言するんだな。圧倒的に遅い忠告ですけど。」

 

男子生徒I「どういう意味だい?」

 

 

そこでようやく自分の世界から戻ってきた男子生徒Iは周囲の雰囲気を感じ取る。

 

ドン引く者たちと圧倒的なまでの殺意の空気感をだだ洩れにする者たちとを目にするのだった。

 

殺意を感じ取ってからというもの男子生徒Iの冷汗はモノの数秒で発汗、止まることを知らずただただ流れ続けた。

 

 

男子生徒I「い、いやだなぁ~…。ほんの冗談じゃないか…。戦闘前のちょっとしたお茶目さ☆」

 

 

場を和ませようとしたと供述するも時すでに遅し、いや、そもそも先ほどの言葉が冗談ではなく本気で言っていたことをこの場にいるぜ全員が気づいていることだ。

 

その為、余計にフィアナや銃姫たちを苛立たせることとなる。

 

 

フィアナ「先生、そろそろ始めませんか? こちらも向こうも準備ができていますから。」

 

 

笑顔が笑顔でないフィアナが俺たちのクラス担任に話しかける。

 

 

クラス担任「そ、そうだな。こほん…それでは第三試合、開始!」

 

フィアナ「汝、人の子の王に仕えし剣聖の騎士よ! 古き血の契約に従い、我を守る剣となりて我が下に馳せ参じ給え!」

 

 

開幕速攻で詠唱を開始、契約精霊のゲオルギウスを召喚する。

 

 

男子生徒I「なっ!?」

 

女子生徒Y「噓でしょ!?」

 

男子生徒N「うわぁ~、これは無理ですよ~。」

 

 

男子生徒Nがそういうのも無理もない。

 

クラスメイト側のチーム編成は男子生徒IとNが前衛で女子生徒Yが後衛となっている。

 

使用武器は男子生徒Iが細剣(レイピア)、男子生徒Nは槍、女子生徒Yは単体火力型というより火力は落ちるがまとめて攻撃する範囲型の魔法使いの編成だった。

 

 

雷「前線で戦わないんじゃなかったんですか~。」

 

フィアナ「気が変わったの。ゲオルギウスで叩きのめすわ。」

 

雷「・・・・・」

 

ドラグノフ「雷、今回はお前の出番はない。」

 

雷「それはどういうことですかい?」

 

ドラグノフ「流石の私もあんなチャラい奴に自分のパートナーを侮辱されたんじゃ我慢ならん。というわけで、フィアナと二人だけで戦闘する。いいな?」

 

雷「いや、俺にも活躍の場を・・・」

 

フィアナ「い・い・か・し・ら・?」

 

雷「はい。私は手を出さないのでお好きになさって下さい。」

 

フィアナ「ありがと。」

 

 

というわけで俺は後ろに下がり、二人の闘いを見守ることとなった。

 

 

雷(これ観戦席にいるのとおんなじじゃん。)

 

 

などと心の中で考える。

 

言葉にすれば二人の怒りがこちらに飛び火しかねないと感じたからだ。

 

こうしたやり取りをしているうちに相手側の覚悟というか精神的部分での闘う準備が整っていた。

 

 

男子生徒N「馬鹿がしでかしたことですが、チームですのでその尻拭いぐらいは嫌ですけどさせていただきます。」

 

女子生徒Y「やれるところまでやってみましょう。」

 

男子生徒I「私の可憐な剣裁きを見せてあげましょう。」

 

 

そこからようやく始まった戦闘、開幕一番に攻撃を繰り出したのは女子生徒Yだった。

 

 

女子生徒Y「ダメージは低いかもしれないけどやらないよりはマシだよね。『フレイムタワー』!!」

 

 

ゲオルギウスの足元に大きな魔法陣が現れる。

 

そしてゲオルギウスを吞み込む程の炎の柱が魔法陣から放たれる。

 

ゲオルギウスが飲み込まれて20秒程が経過して、炎の柱は消える。

 

炎の中から姿を見せたゲオルギウスに傷は一つもなかった。

 

 

雷「相変わらずの防御力の高さで関心してしまうよ。」

 

フィアナ「そうは言うけど智也君は全ての攻撃を避けるから関係ないでしょ。」

 

雷「いやいや、全部は無理ですよ。」

 

フィアナ「あら、そうなの?」

 

雷「暁達の攻撃は避けられん。」

 

フィアナ「あれは別次元の話じゃない。」

 

雷「ついでの話だが、暁の奴は基本的にねらって撃った弾は全部、避けられるか斬られるな。」

 

フィアナ「驚きを通り越して呆れるわね。」

 

ドラグノフ「雷も早くあいつの所まで強くなってもらわなくては。」

 

雷「人間やめたくないのでお断りします。まぁでも、今よりも強くはなりたいな。」

 

 

こうやっていつも通りの会話をしているが、相手側はあまりのゲオルギウスの予想以上の能力の高さに驚きを隠せていなかった。

 

 

フィアナ「さて、男子生徒Iさんにはどんな攻撃がいいかしら?」

 

ドラグノフ「あいつは私の獲物だが手を出すつもりか?」

 

フィアナ「今回だけは譲ってくれないかしら。」

 

ドラグノフ「・・・はぁ、まあいいだろう今回だけだ。」

 

フィアナ「ありがと。」

 

 

会話が終わると二人はそれぞれの目標に狙いをつける。

 

目が合う相手側の三人は少し気後れして後ろに下がるも、そこは戦闘訓練を授業として行うだけあってすぐに気持ちを持ち直し、下がった分一歩多く前に出る。

 

 

女子生徒Y「ダメージ無いに等しいじゃない!」

 

男子生徒N「とりあえず、あの聖騎士のターゲットが僕らじゃなくて男子生徒I一人なのが幸いかな? 」

 

女子生徒Y「いやいや、私たちの相手は雷のパートナーだよ。もうこれ勝ち目ないじゃん!」

 

男子生徒N「この二戦の戦闘を見て思ったけど、そもそもの話、彼らに挑んだ時点で負けは確定していたんだよ。」

 

 

あまりの力の差に諦めモードの男子生徒Nと女子生徒Y、降参の姿勢を見せそうになるもやれるところまでやってみようという話し合いの結果になり今一度武器を構える。

 

 

ドラグノフ「そうでなくてはな。」

 

 

ドラグノフは自身の分身であるSVDライフルを構え、スコープを覗き込む。

 

一呼吸を息を吐くと引き金を引く。

 

大きな銃声音とともに強化ゴム弾が発射される。

 

ゴム弾は一直線に男子生徒Nの槍へと飛んでいき命中、中心部分からぽっきりと折れそのまま男子生徒Nのみぞおちに直撃する。

 

 

男子生徒N「ぐっ?!」

 

 

身体強化で防御面を固めていても生半可な強化状態ではダメージを和らげることはできない。

 

男子生徒Nはあまりの痛みで片膝をつくがすぐに立ち上がる。

 

 

ドラグノフ「意外と根性があるな。」

 

男子生徒N「そこが自分の長所だと思っていますからね。」

 

女子生徒Y「ちょっ! 今の受けて大丈夫なの!?」

 

男子生徒N「大丈夫じゃないですよ。すげー痛いです。でも、即退場ってのは相手に申し訳ないでしょう。」

 

女子生徒Y「・・・わかった。しっかり援護はするから。」

 

男子生徒N「お願いします。」

 

ドラグノフ「作戦会議は済んだか?」

 

男子生徒N「作戦という程のものではないですよ。」

 

 

一瞬の睨み合いを得て仕掛けたのは男子生徒Nだった。

 

男子生徒Nは折れた槍の刃の無い方をドラグノフめがけて投擲する。

 

投擲された部分をドラグノフは撃ち落とそうと考えたが思ったよりも速さがあったので避ける事にした。

 

真っ直ぐに飛んでくるので()()を避けるのは簡単だった。

 

左足の踵を軸に体を横に向け投擲物を避け、すぐに体を二人の方に向きなおすが視界にいたのは女子生徒Yだけだった。

 

どういうことだと思考が傾くと足元に魔法陣が展開される。

 

大きさは縮小されているがゲオルギウスに使われた魔法陣と同じものだった。

 

 

ドラグノフ「むっ!?」

 

雷「おぉ~。」

 

 

ドラグノフは間一髪のところでその場から後ろへと飛び女子生徒Yの『フレイムタワー』を避ける。

 

 

男子生徒N「勝った!!」

 

ドラグノフ「甘いな。」

 

 

 

パ────ン

 

 

 

大きな銃声がこだまする。

 

ドラグノフの背後をとった男子生徒Nだったがその行動は読まれており、着地の際の滑る力を利用して反転、そのまま男子生徒Nのどてっぱらに強化ゴム弾を至近距離で打ち込んだ。

 

 

男子生徒N「がはッ!!」

 

 

男子生徒Nは後ろに少し飛ぶ。

 

よろめきながらも何とか堪えたかと思うも、残念ながらそのまま膝から崩れた。

 

 

ドラグノフ「後一人だな。」

 

 

そう言ってドラグノフは女子生徒Yを見るが女子生徒Yは既に両手を挙げて降参の意を示していた。

 

 

女子生徒Y「流石に私一人では何もできません。降参です。」

 

ドラグノフ「そうか。今のコンビネーションはなかなかよかったぞ。」

 

女子生徒Y「咄嗟の合わせ技でしたけどね。」

 

ドラグノフ「それができたのは凄いことだ。」

 

女子生徒Y「そうですかね。」

 

ドラグノフ「そうだ。・・・向こうもそろそろ終わるころだな。」

 

 

ドラグノフと女子生徒Yは男子生徒Iとフィアナの戦闘に目を向けた。

 

細剣(レイピア)で戦う男子生徒Iはその軽さを武器に軽快な動きでゲオルギウスに攻撃を仕掛けていた。

 

しかし、軽い武器というのはその特性上決定打にかけることが多く現状の戦闘でそれが一番目に見えて出ていた。

 

ちなみにゲオルギウスは攻撃することなくただただ防御だけを行っている。

 

 

男子生徒I「どうしたんだい?  君は攻撃をしてこないのかい? そうか、この私の美しさにやっと気づいたんだね。そういうことなら潔く降参をして私のもとへ来たまえ。」

 

フィアナ「・・・・・」

 

 

フィアナのドス黒い雰囲気が増す。

 

 

フィアナ「そうね。そろそろ反撃と行きましょうか。」

 

男子生徒I「へ?」

 

フィアナ「ゲオルギウス!」

 

 

フィアナが一声かけるとゲオルギウスは大剣を男子生徒I目掛けて振り下ろす。

 

男子生徒Iはすぐさま回避行動をとる。

 

振り下ろされた大剣は地面を抉っていた。

 

圧倒的殺意がついに目に見える形となって現れた。

 

 

男子生徒I「こ、これは、ダメなやつじゃないか!?」

 

 

ゲオルギウスは次々に大剣を振り下ろし攻撃を仕掛ける。

 

男子生徒Iはゲオルギウスの攻撃を避けるので精一杯になってしまい先ほどまでの連撃はぱたりと止まった。

 

【長時間の戦闘を考えていない 男子生徒I】 対 【長時間の戦闘に長けている フィアナ】

 

戦闘が開始して20分程が経過しようとしていた。

 

男子生徒Iは残り魔力が少なく素早い動きができなくなっているのに対し、フィアナは圧倒的殺意と余りある魔力量でゲオルギウスを顕現させ続けていた。

 

 

男子生徒I「ぜぇ…、ぜぇ…、ど…どうなっているんだ! なぜ私のモノにならない! 不愉快だ! この私が認めた女は全員、私のモノになるべきなんだ!!」

 

 

ここにきて遂に本音の部分が出てきた男子生徒I、少ししてからしまったという顔をするがすでに手遅れ。

 

それを聞いた者達、特に女子生徒たちは一瞬にして男子生徒Iを目の敵にする。

 

 

フィアナ「そんな事だろうと思ったわよ。こっちは伊達にお姫様やってないのよ。そんな野蛮な考えすぐにでも気づくわ。それに、あんたなんかよりずっと智也君たちの方が素敵な殿方よ。ゲオルギウス!」

 

 

ゲオルギウスがとどめの一撃を振り下ろすと「そこまで!」と声が上がる。

 

振り下ろされた一撃は男子生徒Iの寸でのところで止まった。

 

 

フィアナ「あら、残念。」

 

 

男子生徒Iはあまりの恐怖で白目を剝きそのまま気を失った。

 

勝利チームの名前が挙がりそのまま解散となったのだった。

 

 

 

~~ 雷side out ~~

 

 

 

 

 






※ 感想がございましたらよろしくお願いします。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第66話 戦闘訓練 partクレア

大城「どうも、作者の大城です。ゲストの紹介です。カミトとエストです。」

カミト「よろしくな。」

エスト「よろしくお願いします。」

大城「お二人ともお久しぶりです。」

カミト「ここに出るのもそうだが、本当に久しぶりだな。」

エスト「私に関しては本編ですらまともに役割がないのですが。」

大城「そこは本当に申し訳ないと思っています。」

カミト「暁たち側のキャラの数が多すぎるからな。」

大城「次の話からは何とか出番を増やすようにします。」

エスト「それは本当ですか?」

大城「私の努力次第ですが何とかします。」

エスト「やりましたカミト。出番が貰えそうです。」

カミト「良かったなエスト。大城、何とか頼むぞ?」

大城「承知しています。さて、そろそろ本編に回しましょうか。」

カミト「だな。じゃあエスト一緒に言うか。」

エスト「はい、カミト。」

カミト・エスト「「それでは注意事項です。」」


※ 誤字・脱字、読みにくい所の存在、キャラ崩壊など


カミト・エスト「「これらが大丈夫な(皆さん)(お兄ちゃん、お姉ちゃん)は、楽しんでください。」」







~~ 暁 side ~~

 

試合が終わり雷とドラグノフ、フィアナの三人が戻ってきた。

 

 

暁「お帰り、サボり魔。」

 

雷「うるせぇ。 一言余計だ!」

 

リン「勝利おめでとう。それと、あのイケ好かない男に容赦のない一撃をありがとう。」

 

フィアナ「残念なことに、寸止めだったけどね。」

 

ファル「それでもスカッとしたわ。」

 

雷「試合開始前のお前らの憎悪はマジでやばかった。というか、ドラグノフがああいうので怒るの珍しいな。いつものやり取り過ぎて流すと思ってたんだが。」

 

ドラグノフ「最初は聞き流すつもりではいたんだがな、溜まりに溜まった分が決壊したその結果だろう。」

 

雷「へぇ~。・・・なんだよ暁。何か言いたそうな目をしやがって。」

 

暁「いえいえ別に。何もありませんよ?」

 

雷「言いたいことがあるなら言いやがれこの野郎。」

 

暁「え、言っちゃって良いんですか。」

 

雷「な、なんだよ。」

 

暁「いや、ホントに言っちゃっていいのかなぁと。」

 

雷「まどろっこしい! ちゃっちゃと言いやがれ!」

 

暁「そう。じゃあ言わせてもらうわ。愛されてますね~。」

 

雷「んなっ!?」

 

 

俺の言葉を聞いて顔を少し赤くする雷。

 

予想外の言葉で面食らってしまう。

 

 

ティルフィング「マスター。智也さんをからかうの程々にしてくださいよ。」

 

暁「今のは本気だよ。俺もあいつも気が付けば周りに人がいるんだから。」

 

ティルフィング「私は常にマスターの傍にいましたよ?」

 

暁「全くもってその通りだな。」

 

雷「暁!」

 

暁「なんだよ。」

 

雷「俺よりもお前の方が愛されてんだろ!!」

 

 

ここで言い返せば俺にも恥ずかしい思いをさせれると思って言ったのだろうが残念なことに俺はそのことを既に自覚しているのでこう返した。

 

 

暁「お、そうだな。」

 

 

自分と同じ反応をすると思っていた雷は俺の流すような反応にこれまた面食らう。

 

そして、今回は何もかもに負けたせいで雷のテンションはダダ下がり。

 

小言で「チキショウ…。チキショウ…。」と繰り返すだけになってしまった。

 

 

リン「あらら。」

 

ミレイ「暁! やりすぎよ!」

 

暁「流石に今のは自業自得でしょ。」

 

ドラグノフ「暁にも恥をかかせようとした結果、失敗しているからな。」

 

暁「それ見ろ。」

 

クレア「それ見ろじゃないわよ。あんた準備はできてるんでしょうね。」

 

暁「もちろん。俺はいつでも。フライクーゲルはいけそうか?」

 

フライクーゲル「もちろんだよマスター。」

 

クレア「その余裕が少し腹立つわね。」

 

暁「それは理不尽だろ…」

 

フライクーゲル「マスター、先生が呼んでるよ。そろそろ行ったほうがいいじゃない?」

 

暁「そうだな。そんじゃ行ってくるわ。」

 

雷「負けて恥じかけ。」

 

暁「まだいじけてるのかよ…。」

 

雷「俺は根に持つタイプでね。」

 

暁「いい性格してるよ。」

 

雷「お前にだけは言われたくねぇ!!」

 

クレア「早くいくわよ。」

 

暁「へぇ~い。」

 

 

そんなこんなで、クラス担任のもとへと向かった。

 

 

暁「お待たせしました。」

 

クラス担任「お前ら、準備ができているならさっさと出てこい。」

 

暁「最終試合はそうします。」

 

クラス担任「そうしてくれ。」

 

 

クラス担任から対戦相手のクラスメイト達に目を向ける。

 

 

男子生徒B「せめてもの1勝は欲しいところ。譲ってはくれないか、暁。」

 

暁「目指せ全勝! なんて気持ちはさらさらないが、仲間の実力見られてるんでねそこそこで戦わせてもらうよ。」

 

男子生徒B「要は譲る気はないってことだな。」

 

暁「お前がそう感じとったんならそうなんでしょう。」

 

男子生徒B「はぐらかしやがって。」

 

女子生徒B「暁君って意外と冗談を言うタイプ?」

 

クレア「暁の日常会話は冗談で成り立っているわよ。」

 

暁「そこまで言わんでも。」

 

男子生徒C(女の子にいいところを…!)

 

フライクーゲル「この生徒はとってもやる気だね!」

 

女子生徒B「違うわ。こいつはただ女子に良いところを見せたいと思っているだけ。」

 

男子生徒C「ちょっ!」

 

クラス担任「もう号令かけていいか?」

 

暁「お願いします。」

 

 

俺がそういうと担任の先生は「はぁ~」とため息をこぼしてから号令をかけた。

 

「よろしくお願いします。」を言い終わると両チーム開始場所まで離れる。

 

 

暁「さて、どうやって戦いましょうか。」

 

クレア「セオリー通りでいいんじゃないかしら。」

 

暁「それもそうだけど、ん~…」

 

クレア「さっさとしないとまた教師に怒られるわよ。」

 

暁「もういいや、考えるのやーめた。闘いたい奴と闘うで」

 

クレア「考えた意味は?」

 

フライクーゲル「マスターらしいね。」

 

 

俺たちは相手チームに向き直ると相手の編成が確認できた。

 

 

 

男子生徒B:片手剣と中型の盾

 

男子生徒C:両手剣

 

女子生徒B:小太刀を一本

 

 

 

見えた武器構成はこんなところだった。

 

 

クレア「全員が近距離戦を得意としているみたいね。」

 

暁「だな。」

 

フライクーゲル「私一人で三人とも片付けちゃう?」

 

暁「それでもいいけど、クレアの力量を先生に視てもらわないといけないのでダメです。」

 

クレア「誰が誰を相手にするの?」

 

暁「あちらさん次第で。」

 

クレア「他人任せもいいところね。」

 

 

そして、試合開始の声が聞こえた。

 

相手の出方を窺うため少しじっとしていると男子生徒BとCがまっすぐに俺へと突っ込んできた。

 

 

暁「まじか。」

 

 

俺はすぐに剣を一本生成し二人の攻撃を防ぐ。

 

 

暁「二人して俺狙いですか。」

 

男子生徒B「Cの目的は女子にいいところを見せたいだけだとして俺は今の暁と勝負してみたいんだ。」

 

男子生徒C「否定したいけどできない…。」

 

暁「二人相手かぁ~…」

 

男子生徒B「流石に数的不利は暁だって無理だろ。」

 

暁「本当にそう思うなら…いいよ、かかってこい!」

 

 

珍しくもちょっことだけやる気を出してみる俺であった。

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~ クレア、フライクーゲルside ~~

 

男子一行が戦闘を始めてからというものこちら未だに動きを見せていなかった。

 

 

フライクーゲル「先にワタシが仕掛けちゃってもいいけど…」

 

クレア「何か問題でもあるの?」

 

フライクーゲル「ワタシの放つ弾丸は特殊なの。だからどうしようかって」

 

クレア「どう特殊なのよ。」

 

フライクーゲル「説明するには先ずフライクーゲルがどういった存在なのか、ということを話さないといけないけど今は戦闘中、そんなことしてたらマスターに顔向けできないことになっちゃうよ。」

 

クレア「要するに負けるかもって言いたいのね。」

 

フライクーゲル「うん。」

 

クレア「まぁ、私たちに限ってそんなことはないでしょうけど。そうね、ここは戦場やるからには本気で相手してあげないとね。行くわよ、スカーレット!」

 

 

クレアは自身の契約精霊の名を告げる。

 

小さな赤い猫が召喚されたと思いきやそのまま鞭へと姿を変える。

 

フライクーゲルはというといつものバトルフォームに姿と帰ると後ろへと下がる。

 

 

女子生徒B「さて、私は二人相手で何秒持ちこたえられるかな…って、あれ? 一人後ろに下がってる?」

 

クレア「こっちは向こうみたいに意地の悪い戦い方はしないわ。一対一、どちらが強いかはっきりさせましょう!」

 

女子生徒B「そういうことなら、その言葉に甘えましょう!」

 

 

お互いに構えをとると5秒ほど睨み合う。

 

そして、先に動いたのは意外にもクレアだった。

 

 

クレア「行くわよ! 火炎球(ファイアボール)!」

 

女子生徒B「そんなもの当たらない。」

 

 

クレアの火炎球は速さなく真っ直ぐに飛ぶだけだったので女子生徒Bに簡単に避けられてしまう。

 

女子生徒Bは自分の間合いまで詰めるため駆け出した。

 

 

クレア「ならこれはどうかしら。魔炎障壁(フレイムウォール)

 

 

女子生徒Bの進行方向の目の前に断崖絶壁のような炎の障壁を展開する。

 

急に展開された炎の障壁だが女子生徒Bはギリギリのところで足を止める。

 

 

女子生徒B「危なっ! …っ!?」

 

 

危険を察知した女子生徒Bは右横に飛んで回避行動をとった。

 

先程までいた場所を二発分の火炎球が最初に飛んできたモノより倍の速さと大きさで魔炎障壁をすり抜けて飛んできた。

 

 

女子生徒B「危険察知できていなかったら危なかった……。」

 

 

攻撃に対して考えていると魔炎障壁が消える。

 

 

クレア「やっぱり避けられていたのね。」

 

 

女子生徒Bが未だに立っていることに『当然よね。』というような感じで話す。

 

だが実際はギリギリでの回避行動だった。

 

数秒でも回避行動が間に合っていなければ直撃だっただろう。

 

 

女子生徒B「避けられて当然、みたいに言いますけどあと数秒回避行動が遅れていたら直撃でしたよ。」

 

クレア「それでも避けれるだけの能力があるんだから大丈夫よ。」

 

女子生徒B「余裕があるわね。」

 

クレア「当たり前でしょ。こっちはいくつもの実戦という名の修羅場を潜り抜けて来てるんだから。」

 

女子生徒B「実戦なら私だって、異族や魔物と闘って経験を得ているんだから!」

 

 

女子生徒Bはクレアに身体を向け戦闘の構えを直す。

 

 

クレア「そう来なくっちゃね。」

 

 

女子生徒Bのやる気に呼応するようにクレアも片手に火炎球を灯らせいつでも攻撃できる体制をとる。

 

今度は身軽な女子生徒Bが先に仕掛ける。

 

身体強化の魔法で速度を上げつつクレアの周りを駆ける。

 

 

女子生徒B「ふっ!」

 

 

太ももに隠して装備していたクナイをクレア目掛けて投擲するが、冷静に状況を見ていたクレアは鞭を振るって投擲されたクナイを全て打ち落とす。

 

 

クレア(この速さ…なかなかね…。でも、どこかの誰かさんの速さに比べればまだまだね!)

 

女子生徒B(この速さにも対処できるの!?)

 

 

クレアは片手に灯していた火炎球を相手の速度と行動に合わせて放つ。

 

その威力は二回目に放ったものより高いものだった。

 

今回ばかりは避けることができず直撃する。

 

 

女子生徒B「うぐっ!」

 

 

身体強化はスピードを上げるために足に集中していたため防御面では少し甘めだった、それが問題になり大きなダメージとなった。

 

足は止まるがそれでも倒れるまではいかない。

 

 

クレア「倒れないのね。でも、ほとんど気力だけで立っているように見えるんだけどまだやるの?」

 

女子生徒B「ええ。」

 

クレア「あなたのその覚悟に免じて、この一撃に耐えれたら私の負けでいいわ。と言っても私が下がってもフライクーゲルが次の相手をするけどね。」

 

女子生徒B「うっ! そう言えばそうだったわね…それでもやってやるわ…。」

 

クレア「そう。それじゃあ行くわよ! 炎王の吐息(ヘルブレイズ)!!

 

 

膨大な熱量を持った渦巻く炎が女子生徒Bを焼き尽くそうと迫る。

 

あれだけの大きな炎だ喰らってしまえばひとたまりないのはすぐに理解できた。

 

女子生徒Bは覚悟はしていても反射的に目を瞑ってしまう。

 

 

女子生徒B(こんなにも力の差があったなんてね…。)

 

 

だが、炎が女子生徒Bを襲うことはなかった。

 

女子生徒Bは目を瞑ってその時を待つがいくら待てども炎の熱を感じることはなかった。

 

そしてゆっくりと目を開ける。

 

 

女子生徒B「あ、あれ?」

 

クレア「最後の精霊魔術、あなた達で言う魔法はあなたに当たる直前で消したわよ。」

 

女子生徒B「どうして…?」

 

クレア「どうしてって、今の状態で高威力のあの魔法を受けてみなさい下手すれば命に関わる話になってくるわよ。それが分からないあなたではないでしょ。」

 

女子生徒B「・・・・・」

 

クレア「それに、これは模擬戦であって殺し合いではないの。相手が戦闘継続が困難な状態になればそれで勝敗は決まっているわ。」

 

女子生徒B「・・・ごめんなさい。私の負けです。」

 

 

女子生徒Bが降参を宣言した。

 

 

フライクーゲル「ワタシの出番はなかったね☆」

 

クレア「悪いわね。出番を取っちゃって。」

 

フライクーゲル「別に構わないよ。マスターにいいところを見せる機会は今回だけってわけではないから。」

 

クレア「さて、後は暁のほうね。」

 

フライクーゲル「たまにマスターの戦闘を見ていたけど余裕そうだったね。」

 

クレア「暁が苦戦を強いるような奴なんてそう相違ないわよ。」

 

 

女子側は戦闘が終わり、男子の戦闘に目を向けるのだった。

 

 

 

~~ クレア、フライクーゲルside out ~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~ 暁side ~~

 

クレアたちから少し離れてところで戦闘を続けていた。

 

 

男子生徒C「くっ! 攻撃が当たる気がしない!」

 

男子生徒B「加えて、俺たちの隙を確実に見抜いて反撃を加えてくる。」(それに、数回斬られてもおかしくない隙でも暁は一度しか手を入れてこなかった…、それも俺たちが対応できるスピードで、だ。)

 

 

この戦闘を始めて今で3分と言ったところだろう。

 

男子生徒Bは暁があからさまに手を抜いていることを感じ取る。

 

そんな嘗められた態度に少しの苛立ちを覚えるもそんなことができる戦闘能力の高さに驚くほかなかった。

 

今まで『異端』だと馬鹿にし、除け者にして、暁たちのことを真剣に視ようとしなかったのだから当然ではあるが。

 

 

暁(気づけば向こうは終わっているのか。思ったよりも早いな。こっちもそろそろ・・・)

 

男子生徒C「こっちはまだ終わってない!」

 

 

身体強化で加速した男子生徒Cが両手剣を上段から勢いよく振り下ろす。

 

俺は後方に飛んで避けると先ほどまでいた場所が大きく抉られ、クレーターとなる。

 

 

暁(馬鹿力で闘っているように見えて以外と攻撃時と防御時の身体強化の使い分けがうまいんだよね。)

 

 

着地するとすぐさま地面を力強く蹴ってそのまま男子生徒Cを切り伏せようとするが

 

 

男子生徒B「そうはさせない。」

 

 

男子生徒Cが間に割り込み俺の剣を盾で防ぐ。

 

俺の動きが止まったところを間髪入れずに片手剣で突いてくる。

 

盾を踏み台にして後ろに引き、突きを躱す。

 

 

暁「あっぶねぇ~。」

 

男子生徒B「今のを避けるのか。」

 

暁「なかなかいい連携してるな。仲間ほどじゃないが。」

 

男子生徒C「自慢してんじゃねぇ!!」

 

暁「さてと、そろそろ決めますか。」

 

 

少しだけ真面目な雰囲気を出すとそれを感じ取った二人は危険だと思い、いつでも対応できるように構える。

 

俺は男子生徒Bを最初の標的とし、地面を力強く蹴って突っ込む。

 

その速さは先ほどよりも速く現状の二人では目で追えない速さだった。

 

そのため二人の視点から言えば暁がその場から急にいなくなったように見えた。

 

 

男子生徒B・C「「!?」」

 

 

気が付けば男子生徒Bの目の前には上段で今にでも振り下ろさんとばかりの暁の姿が映っていた。

 

あまりの行動の速さに驚いた男子生徒Bは攻撃を防ぐために盾を頭の近くまで上げて防ごうとする。

 

が、それは暁がわざとそうするように誘導させたのだった。

 

暁はそのまま剣を振り下ろすと剣と盾がぶつかる寸前で剣を消して上体を盾の下へと潜り込ませる。

 

そして、利き手に槍を創造する。

 

 

暁「槍技…ライトスピア…。」

 

 

槍の切っ先に魔力を集中させる。

 

ある程度の大きさとなった球体の魔力を男子生徒Bの腹めがけて突く。

 

魔力球は突き出された方に勢いよく伸び男子生徒Bを軽々と飛ばし、そのまま意識を刈り取った。

 

男子生徒Bが倒されるまでがあまりのも早すぎたので隣にいた男子生徒Cは驚きのあまり動けなかった。

 

俺は姿勢を正し男子生徒Cに目を向ける。

 

視線を向けられた男子生徒Cは何かを感じ取り両手剣を真横に振り切るが、がんッという音が闘技場にこだまする。

 

男子生徒Cは目を見開いた。

 

両手剣を振るとき暁は確かに右手に槍しか握っていなかった、のにもかかわらず自身の攻撃を防いだのは男子生徒Bが持っていた盾より一回り小さい五角形型の盾だったからだ。

 

 

男子生徒C「いつの間にッ!?」

 

 

暁は力を入れて一気に押し返す。

 

両手剣の重さが後ろへと流れ男子生徒Cが体勢を崩す。

 

 

男子生徒C「しまった!!」

 

暁「槍技、シャークブラスト。」

 

 

今度は魔力をそのまま魔力として使用するのではなく、水へと変換させる。

 

その後『ライトスピア』と同じ要領で男子生徒C目掛けて突き放つ。

 

威力は『ライトスピア』より高く、放たれる勢いもこちらのほうが高い。

 

直撃した男子生徒Cは吹き飛ばされるも何とか意識を保っていた。

 

 

暁「お…? マジか。」

 

 

威力の高い技を直撃したにもかかわらず意識を保てていることに暁は驚いた。

 

彼の予想ではこれで二人とも仲良く気を失うはずだったのだ。

 

とは言え、ガッツリと攻撃をもらった男子生徒Cは立ち上がることはできないでいた。

 

それを感じた担任の先生が勝利宣言をする。

 

 

担任の先生「それまで! 勝利チームは暁側とする!」

 

クレア「お疲れ様。暁。」

 

暁「お疲れ。二人とも。」

 

フライクーゲル「ワタシは何もしてないけどね。クレアの一人勝ちだよ。」

 

暁「まぁ確かに。さて、戻りますか。」

 

 

四つ目の白星を得て皆が待つ場所へと戻っていった。

 

 

 

~~ 暁side out ~~

 

 

 

 

 




大城「皆さんお久しぶりです。」

暁「お? お前の方から顔を出すなんて珍しいな。」

雷「何だ? 謝罪でもしに来たのか?」

大城「私がやらかした前提で話さないでください。」

クレア「投稿頻度。」

大城「・・・・・はい。」

リンスレット「それに関しましては社会人になりましたし、仕方がないと全員で納得はしていますわ。」

大城「いつの間に。」

フィアナ「それでも頑張って頂戴ね?」

エリス「納得しているからと言ってそれに甘えてサボりすぎるなよ?」

大城「そうですね。何とか時間を作って書くようにはします。」

クレア「この口約束がどこまで続くかね。」

大城「変に言葉にしない方がいいですね…。」

ドラグノフ「そこはお前次第だからな。」

ティルフィング「私としてはしっかりと完結まで持って行ってもらえれば。」

暁「それは決定事項だから破らせはしないけどな。」

大城「もとよりそのつもりです。進み具合怪しいですけど……。」

カミト「不安になるような言葉を最後に残すなよ……。」

雷「そういえば結局何しに来たんだ?」

大城「ああ、ただ息抜きに皆さんと話したかっただけですけど?」

雷「それだけかい!?」

大城「皆さんと話すのに大層な理由つける必要ないですからね。」

雷「それはそうだけどね。なんか思ってたのと違う!」

大城「一人だけ騒がしいですけどそろそろ締めをお願いします。」

雷「ひでぇ!!」


大城以外「「「それでは皆さん次回もお楽しみに!!」」」


※ 感想がございましたらよろしくお願いします。




目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。