戦姫絶唱シンフォギア 〜紅蓮を纏いし装者〜 (saint shine)
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特別編
クリスマス特別編


〜調side〜

 

クリスマス当日に響さん達とクリスマスパーティーをする代わりに湊から部屋の飾り付けを頼まれたから私と切ちゃんでリビングの飾り付けをして湊は食材の買い出しに行った

 

「切ちゃんそっち持って」

 

「わかったデス」

 

私はリビングの机を移動させる為に切ちゃんに反対側を持ってもらう

 

「「せーの!!」」

 

切ちゃんと私の2人がかりで机を1度別の部屋に運ぶ

 

「ふー、重かったデスね」

 

「そうだね、それじゃあこれ置いてこっか」

 

私は袋から雪綿を取り出す

 

「おー!雪綿デス、良く湊が許してくれたデスね」

 

「今月のお小遣い半分カットで何とか許して貰った」

 

「さいデスか」

 

お小遣いの半分カットはちょっとキツかったけどお陰で雪綿を好きなだけ敷き詰めて良いって言ってもらえたから良かった

 

「切歌、調そっちはどうかしら?」

 

雪綿をリビング一杯に敷き詰めた所でマリアが来た

 

「後はマリアと葉月ちゃんの作ってるクリスマスツリーを置けば完成デス」

 

「そう、それでこの床一杯に敷き詰められてる雪綿は貴方なの切歌?」

 

「ううん、私」

 

「そう「マリア叔母さん!!」今行くわ」

 

マリアは一瞬意外そうな顔をしたけど葉月ちゃんに呼ばれて葉月ちゃんの部屋に向かった

 

「それにしても驚いたデスね」

 

「うん、まさか遊び半分で応募したもみの木を当てるなんて」

 

もみの木なんてクリスマス意外使わないのに

 

「そうデスね、湊もしかして来年まで育ててまたこのもみの木使うつもりデスかね?」

 

「どうなんだろ?「ただいま」湊お帰り…どうして雪綿だらけになってるの?」

 

私が湊の材料を受け取りに行こうと玄関に行くと雪綿だらけになった湊が居た

 

〜調side out〜

 

「ただいま」

 

そう言って扉を開けた途端に何かが降って来た

 

「湊お帰り…どうして雪綿だらけになってるの?」

 

「俺が知りたいよ。まあ、こんなことする奴1人しか居ないけどな、おい!切歌!!」

 

俺はこれをしたであろう犯人の名前を呼ぶ

 

「どうしたデス?あちゃー、それの事すっかり忘れてたデス」

 

「たく…なあ調これは何だ?」

 

俺がリビングに入ると中の床が雪綿で覆われて居た

 

「雪綿だけど?」

 

「いや、そう言うのを聞きたいんじゃ無いんだが…まあ良いか、言った通り飾り付けも終わらせてるし」

 

何時も使って居るリビングが別の場所に思えるほど変わって居た

 

「パパ!ツリー出来たよ!!」

 

「そうか、ならこっちに運ぶから手伝え切歌」

 

「わかったデス」

 

さっきの罰として切歌にはもみの木を運ぶのを手伝って貰った

 

「それー!」

 

「あ!やったデスねー!それ!」

 

クリスマスパーティーの準備も後は料理だけになり切歌は葉月と雪綿で遊び始めた

 

「楽しそうね葉月」

 

「ああ、そういや葉月の奴雪見た事無かったな」

 

去年は1回も雪降らなかったからな、本物の雪を素手で触らない様にしないと

 

「後は俺1人で何とかなるから調とマリアも休んでてくれ」

 

「「それならそうさせて貰うわ(それじゃあそうするね)」」

 

マリアと調もキッチンからリビングに向かった

 

「それじゃあ、乾杯!」

 

『乾杯!!』

 

「乾杯」

 

響の掛け声でクリスマスパーティーが開催された

 

「すみません、遅くなってしまって」

 

「気にするなよエルフナイン、さっきも言ったが料理が出来たのはお前の来る少し前なんだから」

 

エルフナインの謝罪に対し俺はそう返す

 

「それにしてもビッキーから聞いてたけど本当に広いねミナの家」

 

「此処に葉月ちゃんと2人暮らしなんですよね?」

 

「ああ、と言っても毎日の様に切歌と調とマリアが来てるから5人で住んでるって感じが強いけどな」

 

響からの連絡で急遽参加する事が決まった安藤達、此処が広いから良かったがクリスの家とかだったら無理だったな

 

「ほういえば」

 

「切歌飲み込んでから喋れ」

 

俺がそう言うと切歌は喋るのを辞め口の中のものを飲み込む

 

「ん、そう言えば調はサンタさんに何をお願いしたデス?」

 

「私は前から欲しかった本にしたよ、切ちゃんは?」

 

「私は新しい服を頼んだデスよ」

 

あー、此奴らまだサンタ信じてるんだったな

 

「お前らまだサンタ「「ストップだ(よ)クリス」」どうしたんだよお前ら?」

 

俺とマリアは余計な事を言おうとしたクリスをリビングから引っ張り出す

 

「クリス貴方余計な事を言おうとしてなかったかしら?」

 

「何だよサンタが居ないって事くらい常識「彼奴らは信じてるんだよサンタを」マジかよ…」

 

クリスの言葉に俺とマリアは頷く

 

「と言うか俺かマリアが一年周期で交代してサンタをしてるんだけどな」

 

「お願いあの子達の夢を壊さないであげて」

 

「ま、そう言う事なら良いけどよ、葉月の奴も居るってのにあんな事言おうとしたあたしも悪かったんだ」

 

確かに葉月くらいの歳ならまだサンタを信じててもおかしくないからな

 

「ありがとう」

 

「悪いなクリス」

 

「良いよ別に」

 

俺とマリアはクリスにはお礼を言って3人でリビングに戻る

 

「それじゃあお休みデス」

 

「お休み」

 

「お休みパパ!」

 

クリスマスパーティーも終わりそれぞれ分かれて話して居ると切歌達がそう言って俺の部屋に入って行く

 

「今年も俺の部屋で寝るのかあの2人は」

 

「今年も?去年もだったの?」

 

去年も確かにそうだった、去年も一昨年もその前の年も

 

「クリスマスの日あの2人は大抵湊の部屋で寝てるのよ。去年だけじゃ無いわね一昨年もその前の年もそうだったわね」

 

マリアが思い返しながらそう言う

 

「ま、俺は慣れたけどな」

 

「それは慣れたらダメだと思うよミナ」

 

「アニメだと恋人同士で添い寝って結構マイナーな展開だけど、現実でもあるんだ」

 

アニメだと結構あるのか

 

「ま、後はマリアの仕事だな」

 

「わかってるわ」

 

そう言って俺の部屋に入って行くマリアだが直ぐに出て来る

 

「靴下が吊るされてないわ」

 

ああ、そう言う事か

 

「靴下なら、確か…あった」

 

俺は去年と同じくクローゼットの中に吊るされて居る靴下を見つける

 

「何故クローゼットに」

 

「知らねぇよ、去年からクローゼットの中に変わってたんだ」

 

去年俺も同じ体験をした。去年俺も最初は部屋の何処かに吊るされて居るのかと思ったが何処にもなく靴下を吊るせそうだと思った所を見て行き最後の方にクローゼットを見てみると靴下が吊るされてあった

 

「色は誰かわかるかしら?」

 

「ああ、切歌が緑、調がピンク、葉月がオレンジだ」

 

俺がそう言うとマリアはそれぞれに準備したプレゼントをその靴下に入れて行く

 

「これで終わりね」

 

「そうだな、そんじゃ俺も寝るか」

 

「ええ、おやすみなさい湊」

 

「ああ、お休みマリア」

 

マリアが部屋から出て行くのを確認してから俺も買っておいたプレゼントを靴下に入れてから眠りについた

 

翌日俺はプレゼントが2つ入ってた事に驚いた切歌と葉月に叩き起こされた




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正月特別編

あけましておめでとうございます。
今年も頑張って投稿していくのでよろしくお願いします


「いやー、今年もあと少しだね」

 

「そうデスね」

 

今年も残り数時間、俺の部屋にはクリスマスと同じメンバーに加えClover'sが集まっていた

 

「皆さん、年越し蕎麦が出来ました」

 

「エルフナインも未来も悪いな、手伝わせちまって」

 

「ううん、部屋にお邪魔させて貰って居るんだもん。このくらいわね」

 

これを少しはあの2人に見習ってもらいたいな

 

「はぁ、こたつ出したの失敗だったな」

 

「まあまあ」

 

俺は昨日の夜こたつを出したのだが切歌と調がこたつから出るのを極端に嫌がり挙げ句の果てに昨日はこたつで寝ていた(ついでに言うとマリアもこたつで寝てしまっていた)

 

「お前ら、良い加減にしないとこたつ仕舞うぞ?」

 

俺は未だにこたつに篭り蕎麦を食べる切歌と調にそう言う

 

「えー!こたつ仕舞っちゃうデスか!」

 

「それは困る」

 

「わかるよ、こたつって1度入ったら出るの辛いよね」

 

切歌と調同様にこたつに入る響が2人に同意する

 

「全く、ナインと言いあの子達と言いだらしないわね」

 

「あれって本当に人をダメにするのな」

 

ステラ達の部屋でもこたつを出したのだがその日ナインが1日中こたつから出なかったのに痺れを切らしたステラが1日で仕舞ったそうだ

 

「あの、初詣何ですが皆さん是非良かったこれを」

 

アリアがそう言うとレイネさんが晴れ着を持って来た

 

「凄い量だな、いつ準備したんだ?」

 

「今朝取り寄せました」

 

「取り寄せたのか?」

 

あまりの出来事にクリスがアリアにそう聞き返す

 

「はい」

 

「これを全部か?」

 

「勿論です」

 

改めてアリアがお嬢様だと実感させられる

 

「金持ちの金銭感覚ってわかんねえな」

 

「私もアリアとは長い付き合いしてるけど未だにわからないわ」

 

アリアと小学校の時からの付き合いがあるステラがわからないんだ俺らに分かるはずがないか

 

「それじゃあ出発!!」

 

除夜の鐘がなって数分後、全員が晴れ着を選び終え初詣に出かける

 

「うわぁ、まだ人で一杯だね」

 

「そりゃそうだ、まだ年明けて間もないんだぞ?」

 

神社に着くと分かってはいたが人の多さが尋常じゃなかった

 

「響逸れない様に手繋ごっか」

 

「うん!」

 

響と未来が手を繋いで居るのを見て切歌と調がこっちに来る

 

「葉月逸れる前に手を繋ぐわよ」

 

「うん!」

 

俺が葉月と手を繋ごうとして居るとマリアが葉月と手を繋ぐ

 

「湊はあの子達と繋いであげなさい」

 

「「湊!」」

 

俺が何かを言う前に切歌と調が俺の腕に飛び付く

 

「お前らな」

 

「えへへ、あくまで逸れない様に手を繋ぐだけデスよ」

 

「うん、他意はない」

 

俺も他意があるとは思ってないがな

 

「はぁ、わかったよ」

 

「「宜しい(デス)」」

 

まっ、偶には良いかとそう思いながら俺は切歌と調の2人と手を繋ぎながらお参りをした




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バレンタイン特別編

「おーい!お前ら早くしないと遅刻だぞ?」

 

何時もはもう既に出て居る時間なのだが切歌と調が遅い為まだ学校には向かって居ない

 

「「今日は学校休む(デス)!!」」

 

「お前らな…「今日くらいは良いんじゃ無い?女の子にとって特別な日何だから」全く、毎年毎年そんじゃいってくるマリア」

 

そう言って普段より遅く俺は学校に向かった

 

「何とか間に合ったか」

 

「おはよう湊、今日は随分と遅かったんだね?」

 

教室に着き1限の準備をして居ると未来が話しかけて来た

 

「切歌と調が準備に手間取ってな、結局あの2人学校休むらしいし」

 

「そっか、切歌ちゃんと調ちゃんはお休みなんだ。そうだ、はいこれ」

 

そう言って未来から1つの包みを渡される

 

「ありがとな未来、所でその大きめのは響にか?」

 

「そうだよ」

 

相変わらず響の事好きだな此奴

 

「おーい!湊くーん!!1年の子が来てるよー!!」

 

わざわざ俺のクラスに来る1年って

 

「やっぱりお前か鳩木」

 

「すみません、朝のうちにこれを渡しておこうと思って」

 

そう言う鳩木の手には丁寧にラッピングされた包みがあった

 

「ありがとな鳩木」

 

「はい、それと今日のお昼はファンクラブの部室で食べて下さい。数が数なので教室に押しかけるのは迷惑かと思いお昼に部室で渡す事になったんです」

 

まあ、あの数が教室に来るのは出来れば避けて欲しい所ではあった

 

「わかった、昼はそうする」

 

「はい、部室で待ってますね」

 

鳩木はそう言って自分のクラスに戻って行った

 

「ミナー!お昼一緒に食べよ!」

 

「悪い安藤、昼は朝来た1年と食べる事になってるんだ」

 

「そっか、それじゃあ私達からのは先に渡しとくよ」

 

そう言って安藤達から1つずつ渡される

 

「ありがとな」

 

俺は安藤達に礼を言って部室に向かう

 

「何か騒がしいな…」

 

俺は恐る恐る中を除くと巨大なチョコレートケーキがあった

 

「やべえなウェディングケーキかよ…「あれ?湊先輩入らないんですか?」神無月、あれ見たら何か入り辛くなってな」

 

「あれ?うわぁ、流石にデカ過ぎな気がする…まあ外に居ても仕方ないんですし入っちゃいましょうよ!」

 

神無月がそう言って俺の手を引き中に入る

 

「皆んな!!湊先輩連れて入って来たよ!!」

 

神無月がそう言うと中に居た奴が全員俺の方を向く

 

「あら、遅かったじゃない雪音君」

 

「あはは、あのチョコレートケーキの大きさ見たら何か入り難くなって」

 

会長の言葉に俺はそう返す

 

「成る程ね、因みにこれはファンクラブ全員からのバレンタインチョコよ」

 

通りでデカい訳だ

 

「ぜっ全員で食べましょうよ。こんなの俺1人じゃ食いきれませんし、何より…こんなの1人で食べたら考えるだけでキツイです」

 

「そうね、雪音君がそう言う訳だし此処に居る全員で食べましょう。きちんと暁さんと月読さんのも…確か妹が居たわね、妹さんのも切り分けてあげなさい」

 

会長の言葉でどっから出て来たか知らないが黒服が全員分に切り分ける

 

「流石にキツイ…」

 

「大丈夫?」

 

昼のチョコレートケーキが予想以上にキツく机に突っ伏して居ると響が声を掛けて来る

 

「響…もう暫くの間チョコは見たくないな…」

 

「あはは、そう言われると渡し辛いけど」

 

苦笑いをしながら響は俺の机にチョコレートの入った包みを置く

 

「ありがとう…響」

 

「本当に辛そうだね」

 

「切り分けたとは言え流石に昼からチョコレートケーキはキツかった。しかもウェディングサイズの」

 

「うへぇ、流石の私もお昼からそれは辛いかな」

 

その後も行きは無かったが帰りは下駄箱の中にチョコレートの箱でパンパンになって居たので家に帰るのがより一層辛くなった。何故なら家でもあの2人のチョコを食べるのだから

 

「ただいま…」

 

「お帰りデス湊!お!大量デス!!食べて良いデスか?」

 

「ああ、どうせ食べきれないからな」

 

「やったデス」パクッ

 

切歌はそう言って俺の貰ったチョコを1つ食べる

 

「一個は残しとけよ、一様全員分1個は食べるんだから」

 

「1個はちゃんと食べるんだ。はい湊、パッピーバレンタイン」

 

調がコップにホットチョコレートを入れて渡して来る

 

「ありがとな調、これがあるって事は結構やらかしたんだな」

 

去年は無かったが一昨年は夕食の飲み物が全員ホットチョコレートになったのをよく覚えて居る

 

「今年は切ちゃんも手作りにしたから」

 

「その通りデス!」

 

通りで何時もは準備の早い調が間に合わなかった訳だ

 

「帰ったのね湊、随分と貰ったのね」

 

「ああ、チョコで思い出した。これお前らの分のチョコレートケーキ会長が取っといてくれたぞ」

 

そう言ってチョコレートケーキの入った箱を取り出す

 

「良く先生に怒られなかったわね?」

 

「さっきも言っただろ会長が取っといてくれたって、先生に話したら帰りまで保健室の冷蔵庫に入れて置いても良いって言ってくれた」

 

本当あの会長先生の前ではどんな顔してんだか

 

「此処に追い討ちを掛ける様で悪いデスけど」

 

「私達からのチョコレートだよ湊」

 

そう言って切歌と調はチョコレートを口に咥えて迫って来る

 

「1人ずつにしてくれ」

 

俺がそう言うと切歌と調はそのチョコレートを食べてジャンケンを始める

 

「私から」

 

「うう、負けちゃったデス」

 

結果調が勝った

 

「湊…」

 

「わかったよ」

 

俺は諦めて調が咥えて居るチョコレートを食べようとすると調は一気に顔を近づけ気づけばキスをされて居た

 

「何やってるデスか調!!」

 

「わっ!むぅ〜、切ちゃんのケチ」

 

「そこまでするなんて私は聞いてないデス!!湊も何時までそうしてるつもりデスか!」

 

俺は切歌の声でやっと我に帰る

 

「は!悪い一瞬飛んでた」

 

「もー!調抜け駆けは禁止デス!!」

 

「勝負に情けは無用」

 

「それなら調の番は終わりデスよね!湊外で2・人・だ・け・で食べるデス!」

 

そう言って切歌はチョコレートのを包みを持って外に行く

 

「逃がさない」

 

「湊!早くしないと調に捕まるデス!」

 

「わかったから引っ張るな!!」

 

俺は切歌に続いて外に出た

 

「ふぅ〜、調も此処は盲点デス」

 

「まあ、外に出て自分達の部屋に居るなんて思わないだろうからな」

 

俺と切歌は一度マンションの物陰に隠れて調を撒いた後切歌の部屋に向かう

 

「それじゃあ湊…あ〜んデス」

 

「ん…美味い」

 

「えへへ、良かったデス」

 

切歌は頬を染めて照れ臭そうにそう言う

 

「それじゃあ今度は湊が調と同じ方法で私に食べさせて下さいデス」

 

「まあ、調にしてお前にしないのは可笑しいが…」

 

さっきは調の不意打ちでしたが今度は俺からするのか

 

「早くしないと調が来ちゃうかもデスよ」

 

「わかったよ」

 

俺は切歌に調と同じ様に食べさせる

 

「これで良いんだろ」

 

「はいデス!あ、調からデスね。チョコレートの消費が大変だから今日の夕食の飲み物は全員ホットチョコレートだそうデス」

 

当たり前だよな、俺が貰った分で結構量あったからな。それに切歌の失敗したチョコレートの処理もあるんだ必然的に夕食の飲み物がホットチョコレートになるのは予想出来てた

 

「行くか」

 

「そうデスね」

 

俺と切歌は調達が居る俺の部屋に向かった




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月読調誕生日祭

調ちゃん誕生日おめでとう!
今回は調ちゃんと湊の話がメインです


〜調side〜

 

「ん…2月16日…よし」

 

私は携帯の目覚ましを止めて曜日を確認してから何時なら朝食の準備に取り掛かるけど今日は違う、今日だけは私は何もしないで湊との時間を過ごす。2月16日は私の誕生日、この日だけは切ちゃんは私が湊に何をしても特に無いも言わない。でも切ちゃんの誕生日は逆に私は何も言えないからあまりやり過ぎるのは避けたい

 

「おはようマリア」

 

「おはよう調、朝食は出来てるわ。着替えてるって事は朝食を食べたら直ぐに出るのね?」

 

「うん、もう湊も起きてると思うし」

 

毎日早起きしてる湊、服を気にしない事以外特に心配も何もしてない

 

「ごちそうさま、いってきます」

 

「あまりはめを外し過ぎない様にしなさいよ。でないと切歌の誕生日に何をしでかすか分からないわよ」

 

「うん」

 

マリアに言われた事に私は頷いて外に出る。ある程度は耐えるでも恋人になって初めての誕生日だからきっと切ちゃんも許してくれるよね

 

「お待たせ湊」

 

「別に俺もさっき来た所だ、そんじゃ行くぞ「湊何か言う事ないの」言う事?ああ…似合ってる。てかそれまだ持ってんのな」

 

私の付けてる髪留めを見て湊がそう言う。本当にこう言うのはきちんと覚えてるんだ

 

「当たり前、湊から初めて貰った誕生日プレゼントだよ?私が手放すわけない」

 

「髪留めの1つくらい買ってやるのに」

 

「良いの、寧ろ髪留めはこれじゃないと落ち着かない」

 

「お前がそれで良いなら俺は良いけどな」

 

同じペース、同じ歩幅で話しながら歩く。湊ならもう少し前に歩く事も出来るだろうけど湊は自然にそしてさりげなく私のペースに合わせてくれている。私は湊の何気ない優しさに触れてる間に気になり始めてそれが次第に好きに変わっていったんだろう。でも湊

 

「何処に行くの?此処だよ?」

 

「分かってる…」

 

湊はわざと私達の目的地である場所の入り口を遠ざける様にして歩いて居た

 

「湊…私とは嫌なの?」

 

「別にそう言う訳じゃないんだけどな…」

 

そう言って湊は少し困った顔をする

 

「私は湊と次の段階に進みたい」

 

「お前頭から抜けてないか?切歌の誕生日お前何も言えないんだぞ?」

 

当然忘れてない、忘れてないけど私はあえて此処に向かうつもりで居る

 

「湊…バレなきゃ大丈夫だよ」

 

「あれを見てもお前はバレて居ないとそう言うのか?」

 

私は湊の指差す方を見るとそこには一瞬だけど金色の髪が見えた

 

「切ちゃん…湊入るよ」

 

「あれを見てまだ入る気なのか」

 

当然それに切ちゃんが居るなら好都合、私と切ちゃんの間に差をつける絶好のチャンス

 

「それで、中に入ったのは良いがどうするんだ?」

 

中に入ったのは良いけど、いざとなるとやっぱり切ちゃんの事が気になる。結局の所私も湊と同じで切ちゃんと湊どっちも大好きなんだ。だから

 

「特に何も、やっぱり私もいつかの時は切ちゃんと一緒が良い。だから今は」

 

そう言って私は湊をベットに押し倒す

 

「湊の温もりを感じる今はそれだけで私は充分幸せ」

 

「安い幸せだな」

 

「幸せはお金では買えない、それにそれを手に入る人も見つける人もほんの一握り、だから私はその幸せを十分に堪能する」

 

「なら好きにしろ、それと誕生日おめでとう調」

 

湊はそう言ってポケットから私の誕生日プレゼントを取り出し中に入ってる月をモチーフにしたネックレスを私に着ける

 

「ずるいよ、こんな状況でこんなプレゼントなんて渡されたら我慢出来ない」

 

「ちょっと待て調!一旦落ちこうな!?な!?」

 

「湊♪」ジュルリッ

 

必死に私を説得しようとする湊だけど、私の頭には湊と次の段階に進む事しか無かった

 

「覚悟してね?」

 

「お前本気で冷静になれ!飲み物でも飲んで!」

 

「なら湊のを飲ませて貰うね」

 

「違う!!そう言うのを言ったんじゃ無い!」

 

湊は大声でそう言ってさっきとは逆に湊が私を押し倒した

 

「良いよ…湊…」

 

「これが終わったら直ぐ出るからな」

 

湊の言葉に頷き私は目を瞑った

 

〜調side out〜

 

あの後俺と調はキスだけして直ぐに出た。キスの際調が舌を入れて来た時は俺も頭が真っ白になりかけてたが何とか耐え切った

 

「湊のヘタレ」

 

「何とでも言え、それにしても明日は1日潰れるだろうな切歌かもしくはマリアの説教で」

 

あらかじめマリアからはめを外しすぎるなとは言われているんだろうが流石にあれはアウトだろ

 

「大丈夫だよ、多分…」

 

「だと良い…いろんな意味で忘れられない誕生日になりそうだぞ調…」

 

「うん…そうだね湊…」

 

俺達の視線の先には仁王立ちする切歌の姿があり明日ではなく今日の今後の予定が全て埋まった瞬間だった

 

本当に色々とあったが…誕生日おめでとう調




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暁切歌誕生日祭

切歌ちゃん誕生日おめでとう!
今回は切歌との話がメインです


〜切歌side〜

 

「ん…ふぁ〜、よく寝たデ〜ス」

 

私はそう言って伸びをする。今日は私の誕生日、私は調と違って早く起きる自信が殆どないから昨日は私だけ湊の家に泊めてもらった

 

「湊おはようデス!」

 

「起きたか切歌、もう直ぐ朝食が出来るから座って待ってろ」

 

「今日の朝ごはんは何デスか?」

 

私は椅子に座ってから湊にそう聞く

 

「ベーコンと卵だ。パンとご飯どっちにする?」

 

「う〜ん、悩み所デスね。それじゃあご飯にするデス」

 

「了解」

 

湊はそう言って私の分のご飯をよそう

 

〜切歌side out〜

 

「それじゃあ出発デス!」

 

「ああ、行くか」

 

切歌が朝食を食べ終え数分後、俺と切歌はマンションを出発した

 

「何処に行くデスかね」

 

「そうだな…」

 

切歌の事だ調の時の様な事はまずあり得ないだろう。何せ何処に行くかも決まってないんだからな

 

「そうデス!湊!前に葉月ちゃんと行った遊園地に連れてって欲しいデス!」

 

「遊園地に?別に良いがあの時とは違って早めに切り上げる必要があるぞ?」

 

「構わないデスよ!そうと決まれば早速行くデ〜ス!」

 

切歌はそう言って駅に向かって走って行く

 

「遊園地に来るのも久しぶりデス!」

 

「言われてみればお前と2人で来るのは初めてじゃないか?」

 

「そう言えばそうデスね、なんか恥ずかしくなって来たデス」

 

同じ布団で寝る方がよっぽど恥ずかしい気がするのは俺だけだろうか?

 

「あ!コーヒーカップデス!湊!最初はあれに乗るデス!」

 

「わかったからそんな走るな」

 

俺はコーヒーカップに向けて一直線で走って行く切歌を追いかけながらそう言う

 

「いや〜、久しぶりに乗ったデスけど案外楽しいもんデスなぁ」

 

「俺はまた地獄を見たよ」

 

コーヒーカップに乗ったのはまだ良かった、だが昔と同じ様に切歌が思いっきり回して来たのでかなり辛い

 

「大丈夫デスか?」

 

「もう慣れた、次行くか」

 

「次はお化け屋敷デス!」

 

俺は切歌に言われた通りお化け屋敷に入る

 

「結構雰囲気あるデスね…」

 

「そうだな」

 

お化け屋敷に入ってから切歌が俺の手を離さない

 

「俺が思うにノイズの方がよっぽど怖いんだけどな」

 

「ノイズとお化けはまた違った怖さがあるデスよ」

 

「そんなもんか?」

 

「そうデス「お前も地獄につれてってやろうか〜!」デ〜ス!」

 

いきなり出て来たお化けに驚き切歌は手ではなく俺の背中に飛びつく

 

「お前高校生にもなってビビりすぎだろ」

 

「ビッビビッて何か「お前を殺してやる〜」みっ湊彼奴を何とかして欲しいデス!」

 

切歌は震えながら俺にそう言う。結局ビビってるじゃねえか

 

「まっまあまあだったデスね」

 

お化け屋敷を出た切歌はそう言う

 

「終始俺に引っ付いてた奴が何言ってんだか」

 

「さて次にいくデス」

 

切歌はおれの言葉を無視して次のアトラクションにも向かう

 

「調達も待ってんだそろそろ帰るぞ」

 

「待って欲しいデス湊!最後に観覧車に乗るデス!」

 

「本当に最後だからな」

 

俺はそう言って切歌と観覧車に乗る

 

「湊、今日はありがとうデス」

 

観覧車が天辺に到着すると切歌がいきなりお礼を言い出した

 

「何だよ急に」

 

「急でもないデスよ、湊のお陰で今日は凄い楽しかったデス」

 

「楽しかったなら良かったよ。誕生日おめでとう切歌」

 

そう言って俺は切歌に誕生日プレゼントを渡す

 

「ありがとうデス!開けても良いデスか?」

 

「別に良いがあんまり期待すんなよ」

 

俺がそう言うと切歌はプレゼントを開ける

 

「湊付けて欲しいデス」

 

切歌は誕生日プレゼントのネックレスを即座に俺に付けて欲しいと要求して来た

 

「わかった」

 

俺はそう言って切歌にネックレスを付ける

 

「さてそれじゃあ調達も待ってる事デスし帰るデス!」

 

「そうするか」

 

俺と切歌はそう言って調達の待ってるマンションに帰った

 

誕生日おめでとう切歌




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序章
プロローグ


時々嫌な夢を見る

 

『何処へでも行け、そしてもう2度と私の前に現れんな!』

 

『お姉ちゃん?』

 

少年は姉に手を伸ばすが

 

『目障りなんだよ!私が大嫌いな…歌を歌おうとしやがって!』

 

『そんなつもりじゃ『うっせえ!とっとと私の前から消えろ!』!!』

 

そう言われて少年は姉に背を向け涙を流しながらその場を去る

 

「またあの夢か」

 

そこで少年は眼を覚ます

 

「動けねぇ…はぁ、やっぱこいつが居るか」

 

少年の身体が動かない理由それは1人の金髪少女が隣で自分にしがみついた状態で眠って居たからだ

 

「何度言えばわかるんだか」

 

少年はその少女に何度も辞めるように言うが数日経つと必ず隣に居るので少年はもはや呆れ少女を起こさない様に部屋を出る

 

「おはよう湊」

 

少年が朝食の準備をして居ると黒い髪をツインテールにした少女が起きてくる

 

「おはよう調、パンご飯どっち?」

 

「パンそれと…目玉焼きは2つ、そう言えば切ちゃんは?またなの?」

 

調と呼ばれた少女は湊の後ろから朝食のおかずが目玉焼きである事を確認してそう言う

 

「まただよ、ほら出来たぞ」

 

「ありがとう、大変だね湊も」もぐもぐ

 

調はそう言って食パンを頬張る

 

「そうだな、それでマリアは?」

 

「さっき見て来たけどまだ寝てた」

 

まだ寝てるのか

 

「マリア起こして来るから調は切「私がマリアを起こして来るから湊が切ちゃんを」いやいや、俺がマリアを起こして来るよ「切ちゃんを起こすのは湊の役目」なんだよそれ!?「良いから湊は切ちゃんを起こす」えー「湊の部屋を漁って良いなら切ちゃんを起こしに行くよ?」俺が起こしに行くよ」

 

調の言葉に折れて俺が切歌を起こしに行く。切歌とは俺の部屋で寝て居た金髪の少女の事だ

 

「おーい、切歌朝だぞ」

 

そう言って俺は部屋のカーテンを開ける

 

「んー、まだ眠いデース」

 

切歌はそう言って俺の布団を深く被る

 

「全く、後10秒以内に起きろさもないと…どうなるかわかってるよな切歌」

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

そう唱えると赤一色の装備が展開されその中で浮遊する小型の装置が切歌に銃口を向ける

 

「10…9…8…7…」

 

数字を数え始めるが一向に起きる気配のない切歌

 

「4…3…2…1…「んー!って何事デス!?」おはよう切歌」

 

そう言って俺はその装備の展開を解除する

 

「酷いデス湊!朝起きないだけでシンフォギアで叩き起こそうなんて酷すぎるデスよ!断固抗議するデス!」

 

シンフォギア本来はノイズを討伐する際に使うものであまり人間に向けるものではない

 

「すぐに起きないお前が悪い、ほら調とマリアも起きてるだろうしさっさと行くぞ」

 

「待って下さい!グヘッ」

 

そんな声が聞こえたので後ろを振り返ると扉は閉まっており切歌は居なかった。大方俺が出たのと同時に扉が閉まった所為で顔をぶつけたんだろう

 

「うう、痛いデース」

 

切歌はそう言って涙目になりながら鼻を抑えて居る

 

「はぁ、全く何やってんだかほら」

 

そう言っててを差し伸べると切歌は未だに鼻を抑えたままだが俺の手を取って立ち上がる

 

「ありがとうデス」

 

「どういたしまして、調もマリアも遅れてごめん」

 

戻ると調とマリアは既に起きて朝食を食べて居た

 

「おはよう湊、調から聞いたわ切歌はまた貴方の部屋に忍び込んで居たのね」

 

「ああ、中々起きないからいつも通りのやり方で起こそうとしたらその前に起きた」

 

いつも通りのやり方その言葉に調とマリアは苦笑いを浮かべて居た

 

「それで作戦の方はどうなんだ?」

 

朝食を食べながらマリアにそう聞く

 

「後もう少しってところかしらね」

 

後もう少しか

 

「本当に良いのか?俺は参加しなくて?」

 

「ええ、神獣鏡は貴方のおかげであるような物だもの。だから少し休みなさいそれに一回くらい作戦に参加しなくても支障はないわ」

 

マリアはそう言ってコーヒーを飲む

 

「それに貴方の目的の人がこの街にいるんでしょう?」

 

「まあそうだが、分かったその代わり俺個人としてノイズの掃除はやらせてもらうからな?」

 

「分かったわ」

 

マリアのその言葉を聞いた後俺は外に出てシンフォギアを身に纏う

 

「さて10年振りに会う彼奴(雪音クリス)はどんな顔をしてくれるのやら楽しみで仕方ないな」

 

そうは言って居るがその少年、雪音湊の顔はとても友人や親しい人物に見せる顔ではなく何処か恨みを持った顔だった

 

〜主人公のプロフィール〜

 

名前:雪音湊

 

年:15歳

 

好きなもの:小動物 カレー 家事全般

 

嫌いなもの:雪音クリス(嫌いと言うよりかノイズと同じく消滅させる対象) マリアとマムを除く大人

 

シンフォギア:カマエル、サンダルフォン

 

武器:カマエル…腕の銃と宙に浮く小型銃、サンダルフォン…大剣

 

 




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1話

(さて休みってのは良いが、闇雲に探した所で彼奴が見つかるとも言えないし先ずは情報収集だな)

 

そう思い人の居ない所でギアを解除して街に出る

 

「へー、結構人がいるなこりゃなんか良い情報がありそうだ」

 

そう思ったのもつかの間に携帯が鳴る

 

「ノイズか…場所も近いなさっさと終わらせて情報収集始めますか」

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

人目の付かない場所で聖詠を唱えカマエルを見に纏いノイズの出現場所に向かう

 

「おお!結構居るな!何やってんだ彼奴?」

 

ノイズの出現場所に着くと少女がギアも纏わずに走って居る

 

「彼奴死にてーのか?まあ、それなら助ける必要はねぇな」

 

「…こ」

 

だが少女は俺の予想とは別の言葉を口にした

 

「ママどこ!?」

 

(親とはぐれたのか…それなら)

 

「消し飛びやがれ!」

 

そう言ってノイズに銃口から炎を放つ

 

「大丈夫か!?」

 

「うん「華!!」ママ!」

 

どうやら少女の母親が迎えに来た様だがその少女は俺の側を離れない

 

「どうした!早く行け!」

 

「お兄さんも一緒に「馬鹿野郎!それでお前が死んだら意味ねーだろ!俺は大丈夫だからさっさと行けや!」わかった、後でねお兄さん」

 

俺が少しきつい口調でそう言うと少女は俺の側を離れ母親の元に走る

 

「ふー、これで周りを気にする必要が無くなったんだ、とっておきを喰らわせてやんよ!」

 

《豪炎天界》

 

複数の炎を天に向けて放つとその炎の集合体が辺りを焼き尽くしノイズを殲滅する

 

「ふー、掃除完了っとそんじゃ情報収集と行きますか」

 

僅か数分でノイズの殲滅を行い再び情報収集を始めた

 

「お兄さん!」

 

「さっきの奴か、なんだまた迷子か?「ううん!ママがねお礼がしたいって!」いや俺がしたくてした事だ気にすんなそれじゃあな」

 

俺はその少女の頭に手を置いてそう言ってその場を離れる

 

「それで、いつまで隠れてんだそろそろ出てこいよ」

 

その人物はバレると思って居なかったのか意外そうな顔をして俺の前に姿を現した

 

「まあ落ち着け俺は決して怪しいものじゃない」

 

「そう言う奴は大抵怪しい奴だな」

 

そう言って俺はその男にシンフォギアの銃口を向ける

 

「おいおい、随分なご挨拶だな。質問だがさっきこの辺りでノイズが出現したんだがその反応が急に消えてな何か知ってるんじゃないかと思ったもんでね。そのシンフォギアについても知りたいからな俺は風鳴 弦十郎、特異災害対策機動部二課の司令官を務める」

 

それを聞いて銃口を降ろす

 

「へー、おっさんが二課の司令官か気が変わった。俺の名前は雪音湊だ。後ノイズなら俺がやったんだがそっちの対応が遅かっただけだろ」

 

「耳の痛い話だがその通りだ、雪音か二課に所属して居る子に君と同じ名字の子が居るんだが何か「そいつの名前って雪音クリスか?」ああ、やはり知り合いかクリス君が先程現場に向かったが既にノイズは殲滅された後だったそうだ。市民を守ってくれたお礼がしたい「なら雪音クリスに合わせてくれ」クリス君にか?良いだろうまた後日となるだろうが構わないか?」

 

「ああ、彼奴に会えるだけマシだ」

 

俺がそう言って頷くとおっさんは二課に戻ると言って歩いて行った

 

「まさかこんな直ぐに情報が手に入るなんてな、ノイズ供に感謝すんのは癪だが良い情報が手に入った」

 

俺は不敵な笑みを浮かべてそう言う

 

〜クリスside〜

 

「クリスちゃん師匠に呼ばれるって何かあったの?」

 

「んなもんこっちが知りてーよ!たく!」

 

バカにそう言ってあたしはおっさんの居る二課の部屋の扉を開ける

 

「お!来たかクリス君!」

 

「なんだよおっさん!「ノイズを殲滅した少年と顔を合わせたんだがクリス君、君に弟は居るか?」弟?そんなの居るわけ」

 

無いと言おうとした所で自分に弟が居た事を思い出すそしてその弟と最悪な別れ方をした事も

 

「居るがそれがどうしたんだよ!」

 

「そうか、よく聞いてくれノイズを殲滅した少年の名は雪音湊この名前に聞き覚えがあるか?」

 

その名前を聞いた途端あたしは一気におっさんとの距離を詰めた

 

「おい!それは本当かおっさん!?湊は!あいつは生きてんだな!?」

 

「ああ、やはり君の弟だったか彼に何かお礼をしたいと言った所君に会いたいそうだ」

 

あいつが私に会いたい何処か引っかかる

 

「それで、どうするクリス君俺としては会って欲しく無いな」

 

「あ?どう言う事だ」

 

「俺が君の話をした時だが彼は君を殺してもおかしくない顔をして居たんだ俺としてはそんな相手と君を合わせたく無いって言うのが本心なんだが君はどうなんだ?」

 

おっさんはあたしを見てそう言う

 

「会うよ、あたしは…あたしはあいつに償いをしなきゃならない今の彼奴を作っちまったんは他でもねえあたしだ」

 

「そうか、もしもの事を想定してその時は響君と翼を同行させる」

 

「わかった」

 

あたしはそう言っておっさんの居る部屋を出る

 

〜クリスside out〜




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2話

「湊お帰りデース!」

 

「お帰り湊どうだった?」

 

どうと言うのは彼奴の事か

 

「有力な情報が手に入った、それとニ課の司令官の名前と顔も分かった」

 

「1日でそんな情報どうやって手に入ったの?」

 

調が気になるのも当然か

 

「ノイズを掃除した後につけられてたみたいでな、俺の後をつけてたのがニ課の司令官である風鳴 弦十郎だったって事だ。彼奴は今ニ課に所属して居るらしい。そんでもって彼奴と会える可能性が出て来た理由としてはおっさんにお礼をしたいと言って来たから彼奴と会わせてくれって言ったって訳だ」

 

「そう、お休みなのにノイズの掃除ご苦労様夕飯は湊の好きなカレーだよ」

 

「お!マジか!調のカレーは美味いからな期待してるぞ!」

 

俺がそう言うと調は恥ずかしいのか頬を赤く染めて俺から目をそらす

 

「もう、でもありがとう」

 

それでも褒めてくれた事に対してお礼を言うあたり調はきちんとしてる

 

「むー、調ばかり見てないで私にも構うデス!」

 

「悪かったよ切歌、それよりもあの医者はどんな感じだ?」

 

ウェル博士現在マムの医者として此処に住んでいるのだがマリアとマムが彼奴を必要としていないなら俺は追い出してる、何より俺はどうもあの医者は嫌いだ英雄とか子供の幻想にも程がある何処にも英雄なんて居ないのだから

 

「そうですね、今の所は特に変な所は無いですよ?あ、強いて言うなら彼奴お菓子しか食べないデス。マムも相変わらずお肉しか食べてくれないデス」

 

彼奴菓子しか食わねえのか!?それは健康面に問題がありまくる気がするんだが、それとマムそろそろ肉だけじゃなくて他も食べてくれよ

 

「はぁ、そう言やマリアは?」

 

「マリアならあの医者とQUEENS of MUSICの時の作戦を考えてるデスよ」

 

確か大体一週間後にあるマリアの出るライブの名前がQUEENS of MUSICで作戦の決行がその日だったな

 

「その作戦俺も出る」

 

「えー!?それはダメデス!湊はまだお休みの期間デス!」

 

「ノイズとなればニ課が出て来る彼奴を雪音クリスを殺すには絶好の機会なんだ「湊!!」切歌?」

 

俺がそう言うと切歌が叫んで真正面から抱きついて来る

 

「湊…私は湊にあの時みたいな殺戮の鬼になんてなって欲しく無いデス。それは調もマリアもマムもきっとみんなそう思ってるデス」

 

「切歌…悪いな」

 

かつて俺は雪音クリス彼奴を殺す為だけに生きシンフォギアを纏って居た。その当時もノイズを倒して居たがその他に何人もの人をそれこそ無関係な人も殺した。そんな俺を救ってくれたのが切歌やみんなだった。俺を必要としてくれた、俺と言う存在を受け入れて肯定してくれた。

 

「落ち着いたデス?」

 

「ありがとな切歌」

 

そう言って俺は切歌の頭を撫でる

 

「えへへ、湊のナデナデは気持ちいデスなぁ♪」

 

俺が頭を撫でると切歌は幸せそうな表情でそう言う

 

「それで…ご飯が出来て呼びに来たのに湊と切ちゃんは何をしてるのかな?」

 

「「!?」」ギギギ

 

俺と切歌が恐る恐る声のした方に振り返ると案の定後ろに修羅が見える調が居た

 

「しっ調なんでも無いですよ?」

 

「そっそうだぞ調!?俺らはただ…」

 

「ただ何かな湊?」

 

やばい本気でやばい今の調にさっきの話をしたら夕食の前に説教が始まる

 

「その…そう!QUEENS of MUSICの作戦の時に俺も参加させてもらうって話してたんだ!」

 

「そうデスよ調!だから早く夕食に「切ちゃんは先に食べてて大丈夫だよ?私が話したいのは湊だから」そっそうですか、それじゃあ私は先に食べてるデス!」

 

そう言って走って食事をしに行く切歌

 

「あ!こら切歌!!「湊きちんと私が納得できる説明をしてくれるまで当然夕食は食べさせないからね」わかった!全部話すから!?今の調の顔笑ってるはずなのにめっちゃ怖いから!?」

 

笑ってる筈なのに目が全く笑って居ない調を前にし俺は切歌と話してた事を調にも話事にした

 

「そんな湊は、切ちゃんの言う通りマリアもマムも当然私も望んでない、でもそう言う事なら私は湊が作戦に参加するのは賛成だよ。勿論湊がまたあの時みたいになっちゃったら作戦を捨ててでも私と切ちゃんで湊を止めるね」

 

「ああ、頼りにしてるぞ調」

 

「うん、それで…切ちゃんにはして私にしないのは不公平」

 

要するに自分も撫でろって事か

 

「これで良いか?」

 

「ん上々、それじゃあ私達も夕食にしよっか」

 

調の言葉によって俺はやっと夕食を食べる事が出来た。あ、調のカレーは相変わらず美味かった




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3話

「湊ちょっと良いかしら?」

 

「なんだマリア?」

 

夕食を済ませた後にマリアに呼ばれる。まぁ理由は大体わかってるけど

 

「QUEENS of MUSIC当日の作戦に貴方も参加するの?」

 

「ああ、なんせその前にソロモンの杖強奪なんて作戦があったらしいしな」

 

俺がそう言うとマリアは驚いた顔をして考えたが理由はすぐに理解してため息をつく

 

「切歌ね」

 

「残念調だ」

 

俺にその作戦があった事を伝えたのは調だ普段は切歌なのだがその時は何故か調が知らせに来た理由を聞いたら切歌より自分が頑張ったからだそうだ

 

「意外ねいつもなら切歌なのに」

 

「俺もそう思ったが今回は調が切歌より頑張ったから知らせに来たらしい。彼奴は切歌のストッパーの役割を十分すぎるくらいしてくれてんだけどな」

 

作戦を行う際最も先走るのは切歌だ調はそのストッパーの役割を担ってくれている

 

「それとニ課の司令官が接触して来たそうね」

 

「ああ、名前は風鳴 弦十郎はっきり言って俺は彼奴との敵対は避けたいが彼奴が、クリスがニ課に居る以上敵対するだろうな」

 

あのおっさんは姿を見た時からなんとなく敵に回してはいけない気がしたがそれがどうしてかは今の俺にはわからない

 

「それでそのソロモンの杖ってのは何が出来るんだ?」

 

「ソロモンの杖はノイズを呼び出し制御出来る道具と思った方が早いわね」

 

そう聞いた途端俺はマリアの胸ぐらを掴む

 

「おいマリア!テメェまさかそのノイズに一般人を襲わせる気じゃねえだろうな!」

 

そうなれば話が変わってくる俺とマリアはある1つの約束事をしている。それは《作戦に一般人を巻き込まない事》だQUEENS of MUSICには大勢の一般人が集まるそこにノイズなんて放ったら何人死者が出るかわかったもんじゃない

 

「大丈夫よ、ソロモンの杖さえあればノイズを制御できる「その杖が使えなくなったらどうするつもりなんだよ!英雄になるとか子供みてーな事ほざいてるあの医者がそれを使って俺たちを襲ってみろ!下手すりゃ俺達も危ねえんだぞ!もっと後先考えて行動しやがれ!」わかってるわよそんなの!なら他にどう言った案があるのよ!」

 

「んなもん普通にライブをすりゃ良いだろ!何でわざわざ敵を煽るようなことしやがる!ちょっと作戦の用紙を見せろ!」

 

そう言って俺はマリアから作戦の書かれているであろう紙を奪い確認する

 

「はぁ、マリアお前ニ課に喧嘩売る必要がどこにあんだよ」

 

現在俺はマリアの他に調、切歌を俺の部屋に呼び出し正座をさせた状態で事情を説明して貰っている

 

「それは切歌と調が言い出したのよ」

 

マリアがそう言ったので俺は切歌と調を見る

 

「えっと…私は湊に迷惑をかけてばかりだから少し湊の役に立ちたかったデス。そんな時ニ課はノイズを倒す事を専門にして居るって噂を聞いてもしかしたら湊のお姉さんが居るんじゃないかって思って調と一緒に相談してマリアに入れてもらったデス」

 

「私も…湊にはいつも助けてもらってばかり、それに私と切ちゃんのシンフォギアイガリマとシュルシャガナが私達の手元にあるのは湊がその2つを所有していた国を一年単位で守るって言う約束をしたから」

 

要は俺への恩返しのようなものだったのか

 

「はぁ、俺への恩返しは正直言って嬉しいよ。でもそれでお前達が変に怪我すんのは嫌なんだよわかってくれ」

 

俺はそう言って切歌と調の2人の頭を撫でる

 

「「ごめん(デス)湊」」

 

本当にこいつらはでもありがとな切歌、調

 

「マリアやっぱ俺も参加するお前らだけじゃ上手くまわんない可能性もあるしな」

 

「なら私からドクターにそう伝えておくわ」

 

マリアはそう言って俺の部屋を出る

 

「まぁ他にも色々と言いたい事はあるが俺が気になったのはそれくらいだ「「湊!!」」何だ2人して?」

 

「「足が痺れて立てない(デス)」」

 

大声で呼ばれたと思ったらそんな事か

 

「全く、お前ら最近まともに鍛錬つけてないだろ?」

 

「「そ…そんな事ない(デス)…」」

 

誤魔化すならもうちょい上手くやれないのかこいつらは

 

「今日はここで寝る事を許す」

 

「「本当(デス)!?「ただし」?」」

 

「明日は早朝からみっちり稽古つけてやるから覚悟しとけよ?」

 

俺がそう言うと調と切歌の顔から血の気が引いていく

 

「せ…せめて明後日から」

 

「そうデス!明日からは急すぎデス!」

 

それもそうか

 

「だが明日からだおい調、今の話を聞いた途端逃げようとすんな釘刺しとくが切歌お前もだぞ?」

 

「「横暴(デース)!!」」

 

「んなもん知るか!20分の正座如きで動けなくなるなんて鍛錬が足りない何よりもの証拠だ!言っとくが異論反論は一切受け付けないからな!」

 

「「…はい」」

 

2人はこの世の終わりと言わんばかりの顔をして頷く

 

翌日いつも以上に体が動かないので左右を確認すると切歌だけでなく調まで俺に抱きついた状態で寝ていたのでシンフォギアを起動させ2人を叩き起こしてから演習場に向かった

 

余談だが演習場に着くまでの間2人は涙目のまま俺をずっと睨んでいた




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4話

「湊さっきの事今のうちに謝った方が良いデスよ?」

 

「切ちゃんの言う通りいくら湊でも私達2人同時じゃ勝てないよ、それでも私と切ちゃんが勝ったらさっきの事を謝って貰うのと私達の言う事を1週間聞いて貰うけど」

 

「わかったわかった、俺からはそうだな…よし!2人が負けたらQUEENS of MUSIC当日まで毎日鍛錬サボったらその分QUEENS of MUSIC後に追加だ」

 

この試合に負けたらQUEENS of MUSICまで毎日鍛錬だけだと調は大丈夫だろうが切歌は絶対にサボる為切歌がサボれない様にする

 

「う!考えたデスね湊」

 

「切ちゃんがサボってばかりしてるからだよ。理由があるならまだしも寝坊でサボるのは厳禁」

 

「そう言う事だ、さてとっとと始めるか」

 

〜Various shul shagana tron〜

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

3人同時に聖詠をしてシンフォギアを纏う

 

「先手は譲るよ」

 

「ほーう、その余裕がいつまで続くか見ものデース」

 

「それじゃあ遠慮なく行くよ切ちゃん!」

 

「湊覚悟デース!」

 

《非常Σ式 禁月輪》

 

アームドギアから巨大な円状の刃を形成しそこに切歌と調が内側に乗って突撃して来る

 

「単なる突撃じゃ避けてくれって言ってる様なもんだよ!」

 

「私は真っ直ぐなだけだなんて言ってない」

 

俺が軽々と避けると調は方向転換させて追いかけて来る

 

「成る程ね、んじゃ俺も行くか」

 

そう言って俺は切歌と調の攻撃をギリギリの所で避けて中心にいる2人に向けて銃口から炎を放つ

 

「切ちゃん!」

 

「了解デス!」

 

切歌と調は即座にその技を解き切歌が鎌で炎を両断する

 

「やっぱ当たらないか」

 

ノイズなら今ので決まったんだけどな

 

「当然デス!」

 

「私達がどれだけ湊と鍛錬したか忘れた?」

 

まあこれくらい避けてくれないと困るんだけどな

 

「これならどうだ!」

 

《豪炎天界》

 

前回ノイズ殲滅した時と同じ技を切歌と調に使う

 

「ちょ!?それは反則デース!」

 

「ノイズに使う技を私達に使うなんて酷い!」

 

そう言いながら一生懸命に炎をかわしていく切歌と調

 

「お前らさっき俺に使ってたじゃねえか!?」

 

俺が使ったら文句言うのに自分らは良いのかよ!?

 

「きゃー!」

 

避けきれなくなった調に当たった所で技が終わる

 

「調!!「よそ見してる場合か?」ちょ!湊!そんな間近でやられたら流石に持たないデス!」

 

「いや、流石にそこまではしねえよ」

 

そう言って俺は切歌に向けた銃口を下に向ける

 

「俺の勝ちで良いよな?」

 

「あれは反則デスよ、避けるのが精一杯で追撃とか鬼デスよ」

 

「やり直しを要求する」

 

まあ俺も若干反則気味な技な気がするけど

 

「その分カマエルには技がこれしかないだろ。やり直しなんてしないに決まってるだろ。まあ最後にやった時は避けきれなかった訳だから大目に見てやるよ。毎日の鍛錬は無しで良いよ」

 

「「やった(デース)!!」」

 

よっぽど嬉しかったのか2人は強く抱き合い互いに喜びを分かち合っている

 

「お前らそんなに鍛錬嫌なのか?」

 

「嫌ではないデスけど」

 

「湊との鍛錬は出来れば避けたいかな」

 

(俺そんなにキツイ鍛錬させた事あったかな?)

 

いくら考えてもわからない為、俺は考えるのを放棄した




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5話

切歌と調2人との鍛錬を終えた俺は昨日彼奴の事で頭が一杯だったのと、この街の探索をあまりしていなかったと言う理由から前回彼奴の情報を取集しようと思っていた商店街を歩く事にしたのだが

 

「前回に続いてまたノイズ俺に休むなと言いたいのか?」

 

昨日同様商店街を少し歩いていると携帯がノイズの出現を知らせ現在その現場に向かっている

 

「へー、ニ課も今回のは察知したのか」

 

ノイズの出現場所にはシンフォギアを纏いノイズと戦闘をしている(恐らく俺と同世代くらい)少女が居た

 

「そこの装者助けはいるか?」

 

俺はノイズと戦闘をしている少女に近づきそう聞く

 

「お願いします!」

 

即答か、てゆうか武器も持ってねえし…まさか素手で戦うのか?

 

「大丈夫です師匠!助っ人が来てくれましたから!」

 

(なんだ独り言か?それとも通信機みたいなのがあんのか?)

 

「わかりました!貴方名前なんて言うの?」

 

ノイズを殲滅しながらそんな事を考えていると少女は俺に名前を聞いてくる

 

「んな事聞いてる暇があったらノイズを倒せ、ほらそっち2匹行ったぞ」

 

「とりゃー!」

 

その少女は俺が思った通り素手でノイズを倒す

 

「たく、数が多いな。おい、お前とっとと離脱しろさもねーと消し炭になるぞ」

 

「了解!」

 

俺がそう言うとその少女はノイズから距離を取る

 

「それじゃあ終わらせますか」

 

《豪炎天界》

 

「待って!助けてくれてありがとう」

 

ノイズの殲滅も完了して街の探索に戻ろうとすると先程の(シンフォギアは解除している)少女に引き止められる

 

「気にすんな「私は立花響15歳リディアン音楽院の1年なんだ!誕生日は9月13日で、血液型はO型!趣味は人助けで、好きな物はご飯&ご飯!貴方の名前は!年は!学校は!誕生日は!血液型は!趣味とか好きなものは何!」聞けよ人の話を」

 

いきなり自己紹介をし始めた立花、こいつは何処切歌に似た感じがする

 

「はぁ、俺は雪音湊だ。年は15歳、学校は通ってない、誕生日と血液型に関しては教えるつもりはない、趣味は家事全般で好きな物は小動物とカレーだ。自己紹介も終わった事だしじゃあな」

 

そう言ってその場を去ろうとするが俺は重大なミスを犯したそれは

 

「雪音?もしかしてクリスちゃんの親戚か何か!?ねえねえ!」

 

こいつが切歌と似ていた時点で気づくべきだった人の話を聞かない馬鹿である事に気付かなかった事だ

 

「クリスちゃん?」

 

「うん!私と同じでニ課に所属してる雪音クリスちゃん!」

 

まさかこんな所で彼奴と同じニ課に所属してる奴に会うとは思わなかった

 

「立花ー!!」

 

「たく!無関係な奴巻き込んでんじゃ…ねえよ…」

 

そこに長髪と左側で結わえたサイドポニーが特徴的な女性が立花を呼びながら走って来たが、襟足の左右を長く伸ばしておさげのような形にした女性は俺の顔を見て固まる。まさかこんな所で彼奴と再会するなんてな

 

「あ!翼さん!クリスちゃん!紹介するね!ついさっき友達になった雪音湊君!」

 

「おい、俺はお前と友達になった記憶は微塵もねーぞ!」

 

「えー!私と湊君はもう友達だよ!」

 

俺はいつこいつと友達になったんだわかる奴が居たら俺に教えてくれ

 

「すまない立花はこう言う奴なんだどうか許してやって欲しい」

 

立花に翼さんと呼ばれた人は呆れた表情で俺に謝罪をしてくる

 

「なんか知らんが大変なのはわかる」

 

「そうか」

 

こんな奴と毎日一緒に居るのかすげー疲れるだろうし気苦労も絶えないだろうな

 

「久しぶり…だな…湊」

 

複雑そうな表情で俺にそう言ったのは俺がこの世の中で最も嫌いな人物

 

「ああ、そうだな…クリス」

 

俺の実の姉、雪音クリスだった




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6話

「3人共準備は良いか?」

 

別室でトレーニングルームを見ているおっさんからそんな声が聞こえる

 

「はい!師匠!」

 

「いつでも行けます」

 

(どうしてこうなったんだ?確か俺は立花とノイズを殲滅し終えてクリスや風鳴が来てから)

 

立花と風鳴がおっさんにそう返している最中俺は今に至るまでの経由を思い出していた

 

「へー、クリスちゃんの弟だったんだ!」

 

クリスが立花に俺がクリスの弟である事を説明する。まあこっちはお前の事を姉だなんて思ってねえけどな

 

「まあな、その…元気だったか?」

 

「ああ」

 

クリスの質問に俺は素っ気なく返す

 

「私は風鳴翼だよろしく頼む雪音弟」

 

風鳴?あのおっさんの子供か?

 

「よろしくな風鳴じゃあな、「待って!この後暇?良かったらニ課に来て欲しいんだ!助けて貰ったお礼もしたいし!」気にする事じゃねえだろ?「少なくとも私は気にするよ!だからお願い!」つってもなぁ「立花は一度言い出すと聞かないぞ?」…知ってますようちにも似た奴が居るんですから…だー!もうわかった行きゃ良いんだろ!」

 

「やった!ありがとう湊君!さ!こっちだよ!」

 

そう言って俺の手を引きニ課に向かう立花

 

「おい!引っ張んなよ立花!風鳴も止めろよ!」

 

「諦めろ」

 

おい!俺は同情じゃ無くて助けて欲しいんだ!今回ばかりはお前でも良いから助けてくれクリス!

 

「あー、このバカに目を付けられたら逃げられねえから諦めろあたしも同じ目に合ってるし」

 

まさかこいつ確信犯か!?やっぱ参戦しなけりゃよかったなぁ

 

「此処にニ課があるのか?」

 

「うん!そうだよ!」

 

立花はそう言うが

 

「此処って海だよな?」

 

「ニ課は次世代型の潜水艦の内にあるんだ」

 

風鳴に話を聞き終えた所で俺達の居る方に向かってヘリが飛んで来た

 

「師匠!ただ今戻りました!」

 

立花はそう言っていつも通りにニ課へ入って行く

 

「戻ったか響君、ん?湊君じゃないか」

 

そう言って俺が最初に目にした人は昨日会ったおっさんだった

 

「昨日ぶりだなおっさん」

 

「おう、昨日に引き続き更には響君を助けてくれてありがとう。それで昨日俺に向けた浮遊する銃が君のシンフォギアカマエルの武器として見て大丈夫か?」

 

何故このおっさんは俺のシンフォギアの名前を知って居る?

 

「何故知って居るのか聞きたいのか?シンフォギアにはノイズと同じで出現パターンが存在する此処まで言えば湊君わかるだろう」

 

「成る程な俺のシンフォギアの出現パターンから推測したって事か、にしてもでけーとは思ってたがこんな風になってたんだな」

 

潜水艦かうちもこんな感じなら移動も楽なのだろうが

 

「それでですね師匠!それはもう凄かったんですよ!」

 

「此方でも確認させて貰った。翼までもが苦戦していたノイズをまさかあの数分で殲滅するとはな」

 

「ほお、立花の方に居た数も相当だった筈だがそれを数分でか、雪音弟この後の予定は大丈夫だろうか?」

 

おっさんの言った事に何を感じたかは知らんが風鳴がそう聞いてくる

 

「予定か?あの後はこの街の探索でもしようと思っていたんだが…もう半分諦めかけて居るから気にすんな」

 

「そうか、なら」

 

そして現在に至るか

 

「取り敢えず立花は覚悟しとけ」

 

「なんで私だけ!?」

 

『それでは模擬戦開始!』

 

おっさんの合図で模擬戦が始めた

 

「参る!」

 

「行くよ!湊君!」

 

立花はさっきと同じく素手で風鳴は剣を持って攻めてくる

 

「ふ!は!とりゃ!」

 

「甘いぞ立花、相手はノイズみたいな極端な動きしかしねー訳じゃねぇ人間だ相手の動きをよく観察しろ」

 

打撃と蹴りで攻めてくる立花の攻撃を軽々と避けながらそう言う

 

「はぁぁあ!」

 

立花と連携を組むようにして風鳴も剣を振るう

 

「はあ!風鳴お前は動きが真っ直ぐすぎる肩の力を抜けそうしないと当たるもんもあたんねーぞ?」

 

風鳴の振るう剣を腕に着いてある銃で弾き風鳴にそう言う。立花よりかはマシだが攻撃が真っ直ぐすぎて簡単に返せてしまうそれに

 

「連携を組む上で1番大切なのは互いのコンビネーションだ。お前らうちのちびっこコンビに比べたら子供の遊びだぞ」

 

ちびっこコンビとは勿論切歌と調の事だあの2人のコンビネーション本当凄いからな

 

「先程は立花だけを見て居たが私も相手に居るぞ!」

 

「大丈夫だ風鳴、お前には即刻退場して貰うから」

 

そう言って俺は風鳴だけに浮遊する銃を向ける

 

「翼さん!今援護に!「行かせる訳ねーだろ立花?」くっ!」

 

そう言って俺は立花の前に立ち塞がる

 

「風鳴の方はチェックメイトだな」

 

「翼さん!」

 

立花と俺が戦って居る間に討ち取ったらしく風鳴は地面に倒れて居る

 

「経験の差って奴だな」

 

「私だって!」

 

「おっと!まだまだだな立花」

 

そう言って俺は立花との距離を取る

 

「まだまだー!」

 

「悪いがこれで終わりだ」

 

そう言って腕に着いてある銃口を立花に向ける

 

「は!」

 

「じゃあな」

 

そう言って立花に撃った炎は立花を飲み込んだ

 

『そこまで!勝者雪音湊!』

 

おっさんのアナウンスで俺の勝ちが確定した

 

「風鳴大丈夫そうか?」

 

「ああ、問題ない強いな雪音弟良ければまた手合わせ願う」

 

風鳴はそう言ってトレーニングルームを出る

 

「うへー、手も足も出なかった「立花お前何終わったみたいな事言ってんだ?まだまだやるぞ?」え?もう勝負着いたんじゃ」

 

「勝負はついたな、だが始まる前に言ったよな?覚悟しとけって」

 

俺がそう言うと立花の顔から血の気が引いていく

 

「まさかだけどこのまま続行って事はないよね?」

 

「お!冴えてんな立花その通りだ」

 

俺は笑って立花の言葉を肯定する

 

「しっ師匠!」

 

立花はおっさんに助けを求めるが甘いな立花

 

『続行!』

 

「師匠!?」

 

おっさんの許可は既に取ってある

 

「始めんぞ立花」

 

「おっお手柔らかにお願いします」

 

その後俺と立花の模擬戦は立花がぶっ倒れてこれ以上動けなくなるまで続いた(因みに2時間程ぶっ通しでした)

 

「良かったらヘリで家まで送るが?」

 

「なら立花達が俺をヘリに乗せた場所まで頼む」

 

おっさんの行為に甘え俺はヘリで立花達とヘリに乗った場所まで送って貰った




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7話

「ただい「「湊!!」」どう言うつもりだお前ら」

 

俺が帰るといきなり切歌と調が飛びついて来た

 

「どうもこうも無いデス!体は大丈夫デス!?どこも痛くないデスか!?」

 

どうして第一声が俺の身の安全なんだ?

 

「夕飯のリクエスト聞こうとして電話掛けたのに全然出ないから位置情報で確認したら海のど真ん中に居るんだもん!それに何時もならとっくに帰って来てもいい時間なのに帰って来ないんだもん!何かあったんじゃ無いかって心配もするよ!」

 

あー、海のど真ん中ね多分その時ニ課の潜水艦に居たからだな

 

「湊やっと帰って来たのね。もう大変だったのよ切歌と調が警察に届けを出そうって言って聞かなかったんだから、あと少し遅かったら引き止めるのも辞めて行かせる所だったわ」

 

危ねぇ、もう少し遅かったら俺警察沙汰になってたのか

 

「あー、悪かったな心配かけてちょっと面倒な奴に捕まってな」

 

「「面倒な奴(デス)?」」

 

「立花響、ニ課のシンフォギア装者だ」

 

俺の言葉に切歌と調は驚きマリアは最早呆れて物も言えないらしい

 

「それが海のど真ん中に居たのとどう関係するの?」

 

「ニ課の仮本部が潜水艦の中だからな俺が海のど真ん中に居た理由はそれだ」

 

「全く、貴方は厄介事を持ち込んでくれるわね。昨日は司令官と会ってその次の日にはてきの本拠地に入るなんて」

 

確かに改めてそう言われると厄介事以外の何者でも無いな

 

「悪いなマリア、ノイズの掃除を手伝ったら何故かニ課の仮本部に行く事になってな、それから…彼奴にも会った」

 

「そう、何もしなかったのね」

 

「流石に敵の本拠地で彼奴は殺さないな」

 

そんな事したら生きて帰れるかわからないし

 

「それから立花響、風鳴翼とも模擬戦をした」

 

「彼女じゃないの?」

 

「勝負は戦う前から始まってんだよ。あの2人に少しでも良い奴だと思わせておけば彼奴も少しは油断してくれるかも知れねーしな」

 

それに彼奴と戦ったら絶対に殺しちまう何よりQUEENS of MUSICで彼奴とクリスと戦うんだ実力がわかっちゃ面白くねぇからな

 

「湊なんか休み貰ってからの方が厄介事に巻き込まれてない?」

 

調の言葉を否定できない自分が居る実際巻き込まれてるし

 

「そうデス!湊明日は私と調3人で遊びに行くデス!」

 

「それ良いね切ちゃんそれなら湊が厄介事に巻き込まれる前に止められるし」

 

俺が厄介事に巻き込まれるの前提なんだな

 

「それから湊今日は昨日と一緒で3人で寝る事これで今回私達に心配かけた事はチャラにしてあげるどう?」

 

「いえ4人よ、これでも私だって心配したんだから」

 

調の条件にマリアが自分も追加する

 

「わかった、それにしても珍しいなマリアが自分から言い出す何て」

 

「そうね、こう言うのに私を誘ってくれて居たのはセレナだものね…!ごめんなさい湊」

 

「大丈夫…だ…マリア」

 

セレナその名前を聞いて俺だけでなく調や切歌の表情も暗くなる

 

「今日だよねセレナの命日」

 

「そうデスね」

 

「だな」

 

セレナ・カデンツァヴナ・イヴ今思うとセレナが居なければ俺はマリア達と会う事も無かっただろうし俺は生きて居ないと思う。セレナが俺を見つけたのは10年前クリスに拒絶され行く当てもなく彷徨い倒れた俺をセレナが見つけてマリア達に俺を保護してくれるよう説得してくれた。そして6年前、俺と共にFIS施設で行われた起動実験で暴走したネフィリムを休眠させる為に絶唱を歌い休眠を成功させたがそのダメージで動けなくなり、発生した火災による瓦礫の崩落に巻き込まれて、俺達の目前で命を散らした。その時俺は暴走したネフィリムの攻撃を受け気絶しており目を覚ましたのはセレナが絶唱を歌い動けなくなった後、『私は動けそうにないから湊だけでも逃げて』セレナにそう言われた俺は当然断り子供ながらセレナを助けようとしたが瓦礫の崩落に気づいたセレナは最後の力を振り絞り瓦礫の落ちない所まで俺を押し出し瓦礫の崩落に巻き込また。

 

「あの時俺がネフィリムの攻撃で気絶さえしてなければもしかたらセレナは…」

 

そう言った俺の手は恐らく震えているのだろう

 

「「「湊」」」

 

3人が心配した声で俺の名前を呼ぶ

 

「ごめん!そんじゃあ夕飯にしよーぜ!」

 

「そうだね…うん、今日の夕飯はハンバーグだよ今焼くからちょっと待ってて」

 

調はそう言ってハンバーグを焼き始める

 

「本当にごめんなさい、私がセレナの事を話し始めた所為で」

 

「マリアのせいじゃないデス!」

 

「マリアが悪い訳じゃねえんだから気にすんなよ」

 

「ありがとう湊…切歌」

 

しばらくして調がハンバーグを焼き終え皿に盛った状態で持って来るが重い空気は変わらずそのまま食事を始めた




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8話

「湊!調!早くするデス!」

 

俺と調は切歌にそう催促されるが

 

「お前が変装でもしろって言ったんだろ!」

 

「同意、切ちゃんも手伝うべき」

 

俺と調が遅れている理由それは切歌が変装の提案をした為である

 

「調もう良いんじゃないか?「ダメ、此処まで時間をかけたんだから最後までやり切る」へいへい」

 

俺としては別にメガネに帽子だけで良いと思うんだが調に変なスイッチが入ってしまい俺は半分諦めている

 

「調〜、早くしないと遊ぶ時間がどんどん減っちゃうデスよ?」

 

「うん、満足」

 

調は満足した顔でそう言う

 

「全く」

 

「終わったデス?おお!湊一瞬誰だかわからなかったデス!凄いカッコ良いデス!」

 

何時も顔を合わせてる切歌が一瞬とは言えわからなかったんだこれなら大丈夫だろう

 

「後はこれで完璧」

 

俺は調に渡されたメガネをかける

 

「何もしてないのに疲れたんだが」

 

「湊って結構見た目良い感じなのにあんまり服とか気にしないから一度コーディネートしてみたかった」

 

まあ服何て着れれば何でも良いいしな

 

「それじゃあ改めて出発デース!」

 

切歌はそう言って外に出る

 

「湊あまり1人で歩かないって約束して」

 

「ん?取り敢えずわかった」

 

何故か調に袖を掴まれそう言われるので一先ず了承しておいた

 

「全く、昨日あんな重い空気になってたのにな」

 

「そう言う時切ちゃんの性格には助けられるね」

 

俺と調は先頭を走る切歌を見てそんな会話を交わしながらのんびりと歩く。昨日セレナの事で重い空気になって居たが今日の朝俺と調は何事もなかったようにはしゃぐ切歌に起こされた(マリアはまだ寝ていた為朝食だけ作って出た)

 

「もー!湊も調も遅いデース!」

 

そう言って調の反対側に並び腕に飛びつく切歌

 

「わかったから引っ付くな!」

 

「切ちゃん抜け駆け禁止」

 

調もそう言って俺の腕に引っ付く

 

「何だよ抜け駆けって」

 

「湊には関係ない私と切ちゃんとの間で決めた約束」

 

「その通りデス!」

 

なら俺を挟んで睨み合うのを辞めろよ

 

「本当お前ら仲が良いのか悪いのか」

 

「「私達が仲が悪いのは殆ど湊の所為(デス)!!」」

 

「そんな理不尽な事始めて言われたぞ!?」

 

息もあってるし、やっぱ仲良いなお前ら

 

「ほら、早く行くデス!」

 

「行こ湊」

 

そう言い走って先に行く切歌と調、全くこの2人は

 

「あんまり走ると転ぶぞ!」

 

「子供じゃないから大丈夫デス!わわ!」

 

「切ちゃん!きゃっ!」

 

言った側から転んでるし、しかも2人同時に

 

「はぁ、だから言っただろ」

 

ため息をついてからそう言って俺は切歌と調に手を差し出す

 

「「ありがとう(デス)湊」」

 

2人はお礼を言うと俺の手を掴み立ち上がる

 

「たく、そんなに急がなくても大丈夫なんだからのんびり行こうぜ」

 

俺がそうと2人は顔を合わせてから

 

「それじゃあエスコートお願いね湊」

 

「デース!」

 

2人は笑顔でそう言って腕に飛びつく

 

「仰せのままに」

 

俺は2人にそう返事をしてショッピングモールの中に入る




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9話

「調…本当に俺も此処に入るのか?」

 

「何か問題ある?」

 

「調私も此処に湊を連れて入るのはどうかと思うデス」

 

調は何の躊躇いもないが流石に問題あるだろ

 

「何で…何で俺が女性用の下着売り場に入らなきゃ行けないんだ!」

 

ショッピングモールに入って最初に連れてこられたのは女性用の下着売り場男が入っちゃダメだろ

 

「そもそもお前らだけの時に行くべきだろ」

 

「はぁ、分かってないね湊。時には男性の意見も知りたい物なんだよ」

 

そんな物分かりたくもない

 

「俺はゲーセンにでも行って時間潰すからお前らだけで見て来い「往生際が悪い」おい、離せよ調!って力強!」

 

調が無理矢理俺を店の中に連れ込む

 

「湊も大変デスね」

 

「そう思ったなら調を説得してくれよ」

 

結局俺の抵抗は虚しく調は現在試着をしている

 

「お前は良いのか?」

 

「さっ!流石に湊の前では恥ずかしくて選べないデスよ!」

 

俺がそう言うと切歌は顔を赤くして首を左右に振る。良かった普通の反応してくれる人が居て

 

「それに調とはあまりこう言う所には行かないデス」

 

「そうなのか?」

 

「それが…前に一緒に行った時の私を見る調の目は少し…いやかなり怖かったデス」

 

あー、成る程な確かに切歌と調って一部だけ違う部分あるからな

 

「お待たせ」シャッ

 

試着の終わった調がカーテンを開けるそこまでは普通なんだが

 

「湊は見ちゃダメデス!調はどうして服を着る前に出てくるデス!?」

 

咄嗟の判断で切歌は俺の目に自分の手を当てて視界を塞ぐ

 

「湊に似合うか見て貰おうと思って」

 

危ねぇ、なんて事考えてんだよ調の奴

 

「考え直すデス調!」

 

「充分考えてその結果湊に似合うか見てもらう事にした」

 

驚いた、調って実は切歌以上に馬鹿なのか!?仕方ない覚悟決めるか

 

「切歌…俺も覚悟を決めたから手を退けてくれ」

 

「湊…わかったデス、危なくなったら直ぐに言うデス」

 

俺の言葉に切歌はそう言って俺の目から手を退ける

 

「湊…その…どのかな?」

 

俺は調を見る。て言うか頬を染めるな!恥ずかしいならやるなよ!

 

「良い…と…思う」

 

「そう…それじゃあこれにするね」

 

俺が苦し紛れにそう言うと調はカーテンを閉める

 

「はぁ、これでやっと終わる」

 

「湊…さっき一瞬調に見惚れてなかったデス?」

 

切歌からこれまでない程の殺気を感じる

 

「そっそんな事ないぞ」

 

「怪しいデス」

 

殺気は薄れたがそれでも疑いの目を向ける切歌、実際見惚れて居たか居ないかで言うと切歌の言う通り見惚れて居たが今それを切歌に知られる訳にはいかない

 

「お待たせ、どうかしたの切ちゃん?」

 

「何でもないデス調、次はゲーセンデース!」

 

調が戻って来た所で切歌は切り替えてゲームセンターに向かって歩き出した




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10話

〜切歌side〜

 

「むー」

 

下着売り場からゲーセンに移動してクレーンゲームをしている

 

「あ、中々取れないデス」

 

「切ちゃん結構使ってるのにね…それに比べて湊は凄いねどんどん荷物が増えていってる」

 

調がそう言うので湊の方を見るとかなりの数のお菓子とぬいぐるみが後ろの袋に入って居た

 

「凄いデスね湊」

 

「切ちゃん頼んでみたら?湊なら取ってくれると思うよ?」

 

それもそうデスね

 

「湊ちょっと良いデスか?」

 

「なんだ切歌?」

 

景品を取り出す湊に近づき声をかける

 

「実は…取って欲しいぬいぐるみがあって」

 

「別に良いぞ、どのぬいぐるみだ?」

 

調の言う通りデス

 

「調お前はしないのか?」

 

「クレーンゲームはちょっと苦手、湊お菓子貰って良い?」

 

「良いぞ、これなら直ぐに取れるな」

 

そう言って湊は100円玉を一枚入れる

 

「本当に凄いデス」

 

湊は100円で私がずっと取れなかったぬいぐるみを取った

 

「そうか?ほれ、目当てのぬいぐるみ」

 

「ありがとうです湊…あれ?調はどこ行ったデス?」

 

「ああ、調ならコインゲームのコーナーに行ってたぞ」

 

そう言えば調はコインゲームが得意だったデスね

 

「そうデス!湊とやって見たいゲームがあるデス!」

 

「俺とやって見たいゲーム?って事は1人じゃ出来ないのか?」

 

「そうデスね、1人でも出来ない事は無いデス、でも2人でやった方が楽しいゲームデスよ」

 

私がそう言うと湊は疑問を抱きながらも私に着いて来てくれた

 

「これデス!」

 

「何だこのゲーム?」

 

「湊知らないデスか?これはプリントシールを作れる機械です。一回調と2人で撮ったデス!」

 

前に調とゲーセンに来た時に2人で撮ってから次は湊と撮りたいってずっと思ってたデス!

 

「ふーん、じゃあさっさと終わらせて調呼んでから買い物行くぞ」

 

「了解デス!」

 

私と湊は機械の中に入ってお金を入れる

 

「俺は使い方分かんねーしお前に任せる」

 

「んー、そうデスね…カップルモード?これにするデス!」

 

「カップル?ちょ!切歌ストップ!」

 

「へ?」ポチッ

 

湊の方に振り向くのと同時にそのボタンを押すと湊はため息を吐いた

 

「湊!わっ私何かいけない事したデス!?」

 

「分かってなかったのか、多分だがカップルモードって言うのは恋人同士でやるモードだと思う」

 

(こっ恋人!?それって私と湊がデス!?)

 

そう知った途端に顔が赤くなる

 

「こっごめんデス湊!もっ戻るデス!」

 

私は必死に戻るボタンを探すけど何処にも見当たらない

 

「うう、ごめんデス湊」

 

「まあ知らなかったんだし仕方ねーよ」

 

そう言って湊は私の頭に手を置く

 

「何事も経験だと思ってやってみれば良いだろ」

 

「そうデスね…フレームは湊に任せるデス」

 

「了解」

 

そう言って湊はフレームを選ぶ

 

「湊出来れば変えて欲しいデス」

 

湊が選んだのは子猫と子犬が描かれているフレームだった

 

「俺は良いと思うんだけどな」

 

「湊って本当小動物好きデスね、まあ湊が良いなら良いデスけど」

 

『それでは彼氏さんは彼女さんを後ろから抱きしめて…』

 

「みっ湊これ本当にしなくちゃダメなんですか!?」

 

「落ち着け切歌、別にしなくて良いだろ普通に取れば良いんだ」

 

普通にデスか…

 

「湊1つだけやっても良いデスか?」

 

「ん?まあ1つだけなら良いが出来ればあまり恥ずかしいのは勘弁してくれ」

 

(わっ私の顔大丈夫デス!?可笑しな所ないデス!?)

 

湊が顔を赤くしてそう言うので私は必死になって鏡を見て髪を整える

 

「切歌もう撮るみたいだぞ?」

 

「待ってデス!湊もうこれで良いデス!」

 

「そうか…それじゃあ」

 

そう言って湊が私を後ろから抱きしめる

 

(うう、自分で言っといてこう言うのも可笑しいですけど…死ぬほど恥ずかしいデス!でも…)

 

私は上にある湊の顔に目線を向ける

 

(なんだか凄く安心するデス)

 

『3…2…1…』パシャッ

 

その後の内容はかなり恥ずかしい物が多かったから最初のにしてて良かったデス

 

「湊写真出来たみたいデス」

 

「へー結構上手く撮れてるんだなて言うか最初の以外本当きついのばっかだったな」

 

「そうデスね」

 

中でも最後の彼氏が彼女の頬にキスって聞いた時は本当に恥ずかしかったデス

 

「最後のお前耳まで赤いな」

 

「当たり前デス!きっキスなんて恥ずかし過ぎデス!」

 

「…夜忍び込む方がよっぽど恥ずかしいと思うんだが…」

 

湊が何を言ってるかは知らないデスけど、これは調に見られたら駄目デス見つからない様にしないと

 

「それじゃあ俺は調呼んで来るから待ってろ」

 

「わかったデス」

 

(恥ずかしかったデスでも…2人だけの思い出が出来て嬉しいデス)

 

そう思いながら私は再び写真を見つめた

 

〜切歌side out〜




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11話

「「「ただいま(デス)」」」

 

「湊丁度良いわ少し良いかしら?」

 

ショッピングモール帰ると俺はマリアに呼ばれる

 

「わかった、切歌、調頼んだぞ」

 

「「了解(デス)」」

 

そう言って切歌と調は台所に食材を置きに行った

 

「それでなんだマリア?」

 

「ドクターが貴方に頼みたい事があるらしいわ」

 

あの医者が俺に?珍しい事もあるもんだな

 

「了解、ついでに彼奴の菓子も置いてくる」

 

「ええ、お願いするわ」

 

俺はマリアにそう言ってあの医者が使っている部屋に向かう

 

「おい!俺だ!」

 

「どうぞ入って下さい湊さん」

 

そう言われて中に入るとそこにはドクターとマムが居た

 

「久しぶりマム、序でにお前も久しぶりだな医者」

 

「ええ、そうですね湊」

 

「お久しぶりですね湊さんマリアさんから聞いて居ますね?」

 

「ああ、なんでも俺に頼みたい事があるらしいな」

 

俺がそう言うと医者は1つの資料を俺に見せる

 

「このリストの中にある人物を誰でも良いので1人攫って来て欲しいのです」

 

「攫うだ!?言っとくが俺は一般人巻き込むのはマリアでも許してねえのに俺がお前のそんな指示に従うと思ってんのか?」

 

「湊私からもお願いします。どうかドクターの指示に従って下さい」

 

俺がそう言うとマムが俺に頭を下げて頼んでくる

 

「頭を上げてくれよマム!チッ!わかったよ、ただし理由は聞かせろ」

 

「そのリストの人物達は神獣鏡の適合する可能性がある人物達です」

 

神獣鏡に適合する可能性があるのか…

 

「確かに神獣鏡は後々必要になるからな…わかった、ただし攫うんじゃなく協力してもらう方向で来てもらう。その辺りは俺が説明する。それと菓子置いとくから好きに食べろ」

 

「ありがとうございます」

 

俺は医者にそう言って部屋を出る

 

「数が少ないのは助かるな…にしても彼奴どうやってこんなデータ手に入れたんだか」

 

資料のリストに目を通しながらそう呟く

 

「お疲れ湊、もう直ぐ出来るから切ちゃん達と待ってて」

 

「わかった」

 

調にそう言われマリアの隣に座る

 

「マリアお前彼奴が何頼むかわかってたのか?」

 

「いえ知らないわ」

 

まあマリアが知っているなら言ってくれるだろうしな

 

「彼奴の頼みたい事はこのリストの中にある人物の内1人を攫って来いだそうだ」

 

「無関係な人を巻き込むつもりデスか!?」

 

「ああ、そうらしい」

 

切歌の言葉に俺は頷きそう返す

 

「ごめんなさい湊、そうと知って居れば私が引き受けたのだけど」

 

「彼奴もそれを予想して居たんだ。だからマリアを通してじゃなく直接俺に頼んだんだ」

 

本当にあの医者は

 

「お待たせ、どうかしたの?」

 

そこへ調が鍋を持って来た

 

「それでなんの話をしてたの?」

 

「どふたーが「切歌飲み込んでから喋れ」ん、ドクターが湊にそのリストの中の一人を攫って来るように頼んだらしいデス」

 

「そうなんだ、それにしても良く湊は引き受けたね。普段なら引き受けないよね?」

 

まあそうなんだがな

 

「マムにも頼まれたんだ流石に断れねーよ。それにそのリストに載ってる奴神獣鏡の適合する可能性があるらしいぞ実際にどうかは知らないがな」

 

「神獣鏡に適合する可能性があるのね。湊はその事も踏まえた上で引き受けたの?」

 

俺は頷いて資料に目を通すと見覚えのある顔があった

 

「ん?此奴は、マリアもしかしたら直ぐに見つかるかも知れない」

 

「どう言う事かしら?」

 

どうやら神様って奴は俺に味方してくれたらしいな

 

「これを見てくれ」

 

「この子達がどうかしたの?」

 

「落ち着いて聞いてくれ、片方は二課の立花響だ」

 

その言葉を聞いてマリア達が驚く

 

「ちょ!待つデスよ湊!まさか2つのシンフォギアに適合してるデス!?」

 

「話は最後まで聞け、名前は小日向未来こっちの黒髪の奴だ」

 

俺は切歌にそう言って落ち着かせ立花と一緒に居る黒髪の少女を指差す

 

「待ちなさい湊、まさかこの子を攫うつもり?」

 

「ああ、小日向未来とは直接の面識はないが幸い立花とは面識があるなら立花と接触して小日向未来と知り合っておいた方が話も早く進むそれに彼奴には攫うんじゃなくて協力してもらうつもりって言ってあるからな。適合が無ければ直ぐに帰すつもりだ、適合があった場合は最後まで協力して貰うけどな」

 

出来れば無駄な被害を防ぐ為に適合しないで欲しいがな

 

「湊早くしないと切ちゃんにお肉全部食べられちゃうよ」もぐもぐ

 

「そう言う調だって沢山食べてるデス!湊あーんデス!」

 

切歌が箸で肉を掴み俺の口に持ってくる

 

「あーん、うん美味いサンキュー切歌」

 

「えへへ、どういたしましてデス湊」

 

そう言って切歌は嬉しそうな顔をする

 

「湊あーん」

 

「湊もう1つ上げるデス!」

 

そう言って切歌が肉を調が野菜を俺の口に持って来る

 

「お前ら!2人同時は流石に無理だ!「「あーん」」だから」ムグッ

 

俺の言葉を無理して切歌と調は俺の口に肉と野菜を突っ込む

 

「熱!!」

 

「切歌、調、貴方達少し落ち着きなさい。大丈夫かしら湊?」

 

切歌と調に注意をしたマリアが俺を心配する

 

「ああ、ありがとなマリア」

 

「「ごめん(デス)湊」」

 

「まあ食事中に資料ばっか見てた俺も悪いんだし気にすんな、だが次からは少し加減してくれると助かる」

 

「「わかった(デス)」」

 

俺は資料を仕舞いに一度部屋に戻り(切歌も調もマリアも俺を待っててくれた)その後食事を再開した




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戦姫絶唱シンフォギアG編
12話


「あ!あれって!おーい!湊くーん!!」

 

翌日街を歩いて居ると立花と遭遇する

 

「なんだ立花」

 

「え?見かけたから声かけただけだよ?」

 

此奴に見つかったら1日潰れるんだろなぁ

 

「もう響いきなり走らないでよ。あれ?響の知り合い?」

 

立花を追いかけて来たのは昨日の資料に載って居た小日向未来だった

 

「ごめん未来、あ!紹介するね湊君!私の親友の小日向未来だよ!未来この子はクリスちゃんの弟の雪音湊君だよ!」

 

俺と小日向はそれぞれ立花に紹介され互いに会釈だけ交わす

 

「立花の親友か…苦労しないか?」

 

「全然だよ、それにしてもクリスの弟か…確かに雰囲気とかクリスに似てる…かも?」

 

そう思うなら直球で言えば良いのに何故疑問系?

 

「ねえ未来、今から行く喫茶店湊君も一緒で良いかな?」

 

「響が良いなら私は良いけど…雪音君は大丈夫?」

 

まあ小日向の事を知るには良い機会なのかもな

 

「大丈夫だ」

 

「良かった、それじゃあ出発!!」

 

立花はそう言って小日向と向かう予定だった喫茶店に向けて走って行く

 

「喫茶店って言われても何処か知らないんだが」

 

「響は全く、私が案内するよ雪音君」

 

「頼む小日向、それとお前やっぱ苦労してるんじゃないのか?」

 

「そんな事ないよ、だって私は響のそう言う所も合わせて好きだもん」

 

なんだ?今の此奴の好きって言葉が変に重く感じたんだが気のせいか?

 

「どうかしたの?」

 

「いや何でもない」

 

振り返りそう問いかける小日向に俺はそう返事をして小日向と共に立花の向かった喫茶店に向かう

 

「そう言えば響と雪音君ってどうやって知り合ったの?」

 

「あのね!私とノイズの戦闘中に颯爽と現れてノイズを一緒に倒したのがきっかけだったんだ」

 

立花の中での俺はそう言う扱いなのか

 

「まあ実際は立花がノイズと戦闘に横槍を入れた感じだけどな」

 

「それでもすっごい助かったんだ!ありがとう湊君!」

 

そう言って立花は俺の手を握って上下に振る

 

「うーん…は…でも…」

 

小日向が何か言って居るのかはわからないが気にしない方が良いだろう

 

「ごめん、ちょっと席外すね」

 

立花はそう言って席を立った

 

「所で雪音君は響の事どう思ってる?」

 

小日向が鋭い目つきで俺にそう聞く。なんか黒いオーラ見えるし

 

「突然なんだ小日向?」

 

「ただ単に気になっただけだよ」

 

うーん、俺が立花をどう思って居るかね

 

「そうだな、手の掛かる妹みたいな感じだな、お前は何でそんな事聞いたんだ?」

 

「実は最近響が良く話するから気になったんだごめんね変な事聞いちゃって」

 

成る程さっき好きって言葉が変に重く感じた理由ってそう言う事か

 

「小日向は本当に立花が好きなんだな」

 

「うん、だから出来れば響にはノイズとも戦って欲しく無いんだけどね」

 

寂しそうな顔をしながらそう言う小日向を見るからに此奴は嘘偽りなしの本心で言ってる事がわかる

 

「小日向少し「お待たせ!いやー、思ってたより混んでたんだ」戻ったか立花、それじゃあ俺は帰るな」

 

「うん!またね!」

 

「またね」

 

俺は立花にバレないよう小日向にメモ用紙を渡して喫茶店を出る

 

(さてどう転ぶか楽しみだな)

 

そう思いながら俺は帰宅する

 

〜未来side〜

 

「未来何見てるの?」

 

「何でもないよ響」

 

私は響にそう言って去り際に雪音君に渡されたメモを開くとそこにはアドレスと電話番号が書かれてあった

 

(どうしてこれを響に見られないように私に渡したんだろ?何か理由があるのか…それとも偶然か…悩んでも仕方ないか)

 

「未来!!」バンッ

 

「なっ何響!?」

 

響が机を叩いて大声で私の名前を呼ぶ

 

「大丈夫?ボーとしてたけど?」

 

「大丈夫だよ響」

 

そう言って私はメモ用紙をポケットに仕舞う

 

「そうだ!もう少しで翼さんのライブがあるんだって!それで翼さんに未来も来ないかって聞かれたんだけと未来一緒に行く?」

 

「勿論行くよ、それに響が行くのに私が行かない訳ないでしょ」

 

「やったー!翼さんにも伝えておくね!」

 

響はそう言うと携帯を取り出した。多分翼さんに連絡するんだと思う。それじゃあ私も

 

「あれ?未来も?」

 

「うん、ちょっと用事があって」

 

私はメモに書かれて居るアドレスを携帯に打ち込んで雪音君にメールを送る

 

「翼さんが明日チケット渡すだって」

 

「わかった、私達も出よっか」

 

「そうだね!」

 

そう言って私と響は喫茶店を出ると急に響の携帯が鳴り出した

 

「はい!師匠!」

 

『響君、直ぐ近くでノイズが出現した!速やかに対処に当たってくれ!』

 

「わかりました!ごめんね未来」

 

「気にしないで響、先に帰って待ってるから」

 

「うん!いってきます!」

 

響はそう言って走って行った

 

「メール?これって…」

 

雪音君のメールには少し協力して欲しい事がある事、そして私のメリットとして響がノイズと戦わなくて済むかも知れないと言う内容が書かれてあった。私は即座にメモ用紙に書かれて居る電話番号に電話をかける

 

「もしもし!?」

 

『なんだ小日向もう決まったのか?』

 

まるで私が電話をかけてくる事を見透かしていたかのように言う雪音君

 

「それで私は何を協力すれば良いの?」

 

『何シンフォギア神獣鏡に適合があるか見るだけだ。勿論適合が無ければ早急に解放しよう。ただし適合がある場合最後まで協力して貰う事になる。それでも良いなら3日後つまりQUEENS of MUSIC当日俺と合流しろ。じゃあな』

 

そう言って雪音君は電話を切る

 

〜未来side out〜




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13話

ついにQUEENS of MUSICがやって来た

 

「それで来たって事は協力するって事で良いんだな?」

 

「うん、少しでも響が戦いから遠ざけられるのかも知れないなら!」

 

本当此奴立花の事好きすぎるだろ!?

 

「わかった、合図としてはそうだなノイズが現れたらステージ近くに金髪の女の子が居る筈だ、名前は暁切歌そいつと合流しろ」

 

「雪音君が来るんじゃ無いの?」

 

「俺には別にやる事があるからな、じゃあな」

 

そう言ってその場を離れる

 

ライブが始まり一曲目の曲が終わるのと同時にマリアがノイズを出現させる

 

「「湊!!」」

 

「切歌、調さっさと出るぞ切歌はステージ近くで待機しろそこに1人の黒髪の少女が向かって来る名前は小日向未来、調お前は当初の予定通り立花響の相手を頼む」

 

「「了解!」」

 

そう言って切歌はステージ下へ俺と調はステージ裏に向けて走る

 

「話はベットで聞かせてもらう!」

 

俺と調がステージ裏に到着したのは風鳴がそう言ってマリアに突っ込んで行く所だった

 

「行くぞ調」

 

「うん」

 

〜Various shul shagana tron〜

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

聖詠を唱えて調と共にシンフォギアを纏う

 

《α式 百輪廻》

 

「く!」

 

調の背後からの攻撃に即座に反応した風鳴が剣を回転させて攻撃を防ぐ

 

「装者が2人」

 

「危機一髪」

 

「調に助けられなくても貴方程度に遅れを取る私じゃ無いんだけどね」

 

背後取られてた癖によく言えるなマリア

 

「貴様みたいなのはそうやって見下ろしてばかりだから勝機を見落とす「そう簡単に行くわけねーだろうが!」誰だ!!」

 

確かに上から攻めてくるなんて思わないだろうな、だがそれは相手が警戒していなければの話だが

 

「チッ!」

 

「うわぁ!とと!!」

 

立花とクリスはギリギリの所で全て避けてステージ上に着地する

 

「よお、お前ら」

 

「「雪音弟(湊君)!?」」

 

風鳴と立花は驚いた表情を浮かべるがクリスは特別大きな驚きは見せない

 

「湊」

 

「始めようぜクリス…本気の殺し合いをな」

 

「!」

 

銃口が自分に向いていると気づきクリスは後ろに飛ぶ

 

「遅えんだよ!」

 

「ちょせえ!」

 

《BILLION MAIDEN》

 

複数の銃口から一気に放出して壁へ壁へと誘導するクリス自身気づいているのだろう正面から技を放つ。まあ今回は手加減なしで行くから良いけどな

 

「だから…遅えって言ってんだよ!」

 

《豪炎天界》

 

「くっ!」

 

クリスはギリギリで防ぐも力ではこちらが押している

 

「クリスちゃん!「行かせない」話せば分かり合えるよ!戦う必要なんか「偽善者…この世界には貴方の様な偽善者が多すぎる!」は!「何をやっている立花!!」ありがとうこざいます翼さん」

 

調の攻撃を防ぎながら立花に注意をする風鳴

 

「湊テメエいい加減本気で来やがれ!「そうだな、そろそろ終わりみたいだし…じゃあな雪音クリス」く!はっこんなもんか…よ…」

 

「知らないなら教えてやるよ。俺のアームドギアは腕に付いている方でそっからなら炎は形状を変えて出せるんだ…こんなふうにな!」

 

そう言って俺はクリスの心臓に近い位置に腕の銃口の部分から炎で作った剣を出しクリスを貫く

 

「終わったぞマリア」

 

血を流し倒れるクリスを背中に俺はマリアの元に向かう

 

「そう、お疲れ湊って言っても疲れる程のものじゃ無いでしょうけどね」

 

「まあな、そんじゃ俺は「まだだ…」そうだよな、まだ終わりじゃないよな」

 

出血をしている部分を腕で抑えながら立ち上がるクリスに俺はゆっくりと近づく

 

「へへ、これがお前の全力か?笑わせん、が!!」

 

「んなわけねーだろバカかお前は?」

 

俺はそう言ってクリスの右足を撃ち抜く

 

「次は左足だ」

 

「あぁああ!!」

 

クリスは悲鳴にも聞こえる声でそう叫ぶのと同時にクリスのシンフォギアが解除される

 

「湊マムから撤退の指示よ」

 

「了解、切歌どうだった?」

 

「バッチリデス!」

 

そう言って切歌がそう言って小日向を抱えて来る

 

「あれは!」

 

「未…来」

 

立花からすれば小日向は気絶させられて見えて居るのだろう

 

「じゃあな」

 

「待っ」

 

立花の言葉を聞かずに銃口を向けて乱射し全員でその場を離れアジトに戻る

 

「雪音君」

 

「なんだ小日向」

 

アジトに戻ると小日向に声をかけられる

 

「クリスにあそこまでする理由って何?」

 

まあ当然気になるよなだが

 

「お前に言う義理は無い」

 

「なら…私は協力を辞める!!」

 

小日向は協力者は自分じゃ無いといけないと勘違いしているみたいだが

 

「別に良いぞ他にも候補者は居るからな」

 

今立花達の元に戻れば何とか隙を見て逃げ出したとは思われるだろう

 

「わかった…そこまで答えたく無いなら無理にとは言わない、でもね気が向いたらで良いの教えてね」

 

「気が向いたら…な、切歌部屋に案内してやれ」

 

「了解デス!こっちデスよ」

 

そう言って切歌は小日向が使う部屋に案内しに向かった




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14話

〜クリスside〜

 

あたしが次に目を覚ました時に見たのは知らない天井だった

 

「痛っ、此処は…何でバカがあたしの足元で寝てんだ?おい起きろバカ」

 

「うーん…未来後ちょっと」

 

この此奴あたしと未来の声も聞き分けられねー程熟睡してんのかよ

 

「良いからさっさと起きろやこのバカが!!」

 

そう叫んでバカを殴って起こす

 

「痛た…クリスちゃん!良かった!目が覚めたんだね!!」ギュー

 

バカはそう言ってあたしに抱きつく

 

「だー!もう暑苦しい!引っ付くな!まだ痛み残ってんだから手加減しろよ全く、それであの後どうなったんだ?」

 

あたしはバカにあの後のどうなったか聞く

 

「そうか未来が拐われたか」

 

「うん、私何もできなくて…そう言えば私の机にこんな手紙が置いてあったんだどう思う?」

 

バカの取り出した手紙には『響へ 何か困った事があったら此処に電話してね 未来』そう書かれてあった

 

「これって未来からなんだよな?」

 

「見た感じそうなんだけどこれ一体いつ書いたんだろうって思うと電話する気になれなくて」

 

「取り敢えずかけてみろよ」

 

バカは頷いてあたしにも聞こえる様にスピーカーで電話をする

 

「もしもし未来?『誰だよこんな朝っぱらから…その声まさか立花か?』ふぇ!?湊君!?」

 

待て待て!何で彼奴が電話に出る!?

 

「なっ何で湊君が!?『そりゃ俺の携帯だし…と言うか立花お前何で俺の番号知ってんだ!?』わっ私は未来が書いてあった番号に電話をしただけなんだけど」

 

『あの野郎、立花お前は何も知らない良いな?俺の番号も忘れろじゃあな』

 

湊はそう言って電話を切る

 

「なんか凄い人が出たね」

 

「あっああ、あたしも彼奴が出るのは予想外だ」

 

未来の野郎なんて事考えてんだ!

 

「そう言えばクリスちゃん足は大丈夫?」

 

「足?そういや、引っ付いてんなてっきり無くなったかと思ってたんだが」

 

「あ、それは師匠のつてでなんとかなったみたいだよ」

 

あのおっさんマジで何者なんだよ!?

 

「それでさ、湊君がクリスちゃんにあそこまでする理由教えてもらっても良いかな?」

 

流石の此奴も気になるわな

 

「おっさん達が来てからで良いだろ「なら話して貰おうかクリス君」チッ!来てたんならさっさと入って来れば良いものを、そんじゃ話すぜ」

 

あたしはあの時の事を思い出しながら話す

 

「おっさんは置いといてお前たち2人特にバカは唯一1人だけの家族に拒絶されたらどう思う」

 

「え?うーん、あはは私難しい事はわかんないや」

 

「私はそうだな、酷く悲しく孤独なのかもしれないな」

 

まともな意見を出したのは翼だけか

 

「彼奴さ、性格があたしとは正反対だったんだよな、争い事が嫌いで優しくて愛想良くて何処ででも友達が出来る様な奴でさ、困ってる奴が居たら手を差し伸べるちょいとバカに似た奴だったんだ。そんな彼奴を壊したのは他でもねえあたしなんだ10年前にあたしは彼奴を拒絶しちまった」

 

拒絶その言葉におっさんと翼は難しい顔をする

 

「えっと、それの何処があの状態につながるの?」

 

「はぁ、ちっとは考えろ、お前は幼い頃に親を亡くした上その数日後に唯一の心の支えであった姉に歌が嫌いだと言う理由で拒絶されるんだ。お前はこれに耐えられるのか?」

 

そこまで説明すると状態を理解したらしい悲しい表情を浮かべる

 

「多分…ううん、絶対無理!」

 

「あたしは彼奴を拒絶したんだ!歌が嫌いだって言うそんな理由で唯一あたしの側に居てくれた彼奴をたった1人の家族を!!」

 

今思えば本当に情けねぇな、湊はずっとあたしの側に居てくれようと寄り添おうと2人で助け合おうと手を伸ばしてくれていた。それなのにあたしが臆病なばっかりに…彼奴を

 

「彼奴があたしを恨むのは訳ねえよ。唯一の家族に拒絶され裏切られたんだからな」

 

そうこの世に神様なんて奴がいるんならこれはあたしに対する罰なんだ

 

「クリスちゃん…」

 

「悪い今は1人にしてくれ」

 

あたしがそう言うとまだ何か言いたそうなバカをおっさんと翼が部屋の外に連れ出して行ってくれた

 

「なぁパパ…ママ…あたしどうすりゃ良いんだ?」

 

誰も居ない病室でそう呟くあたしの視界は涙でぼやけて見えた

 

〜クリスside out〜




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15話

〜未来side〜

 

「此処が小日向さんの使う部屋デス」

 

私は切歌ちゃんに使う部屋へ案内して貰っているんだけど

 

「切歌ちゃん中に人が居るみたいなんだけど」

 

「そんな筈は…まっ間違えたデス!そっちは調の部屋でした!「良いよ切ちゃん丁度私も小日向さんと話してみたいって思ってたから」さいですか、そうデス!このまま調の部屋で小日向さんの歓迎会をするデス!」

 

切歌ちゃんと調ちゃん?が2人で話をどんどん進めていくけど流石に邪魔じゃないかな?

 

「ありがとう、でも切歌ちゃんもえっと…「月読調、調で良いよ」よろしく調ちゃん2人は良いの?」

 

「全然デス!」

 

「むしろ私達から誘ってるんだからダメなんかじゃないよ」

 

そう言って2人は私を調ちゃんのベッドに座らせる

 

「今お菓子と飲み物を持って来るデス」

 

そう言って切歌ちゃんは部屋を出た

 

「じー」

 

「えっと…「小日向さん湊とはどんな関係?」え?雪音君と?」

 

じっと見つめられて居たので何事かと思って居たら調ちゃんが雪音君との関係を聞いてくる

 

「関係も何も私と雪音君が会ったのは一回だけだよ?」

 

「ならどうして私達に協力したの?貴方はあの偽善者の親友の筈」

 

偽善者?ああ、そう言えば響の事をそう呼んでた気がする。私が雪音君達に協力する理由か

 

「私は響をノイズとの闘いから遠ざけたい出来る事ならそんな危険な事して欲しくない、私が調ちゃん達に協力するのは響がノイズと戦わなくて良くなるかもしれない雪音君にそう聞いたからだよ」

 

「それだけ?」

 

「そうだよ、だから今は神獣鏡って言うシンフォギアに適合してくれれば嬉しいなって私は思ってる」

 

「そう」

 

その後は話さなくなった調ちゃんと切歌ちゃんを待つ

 

「お待たせデース!調!湊がクッキーを焼いて持って来てくれるそうデス!」

 

「湊のクッキー」ジュルリ

 

お菓子と飲み物を持って戻って来た切歌ちゃんの言葉を聞いて調ちゃんはよだれを垂らすが直ぐに気づき服の袖で拭う

 

「雪音君ってお菓子作れるんだ」

 

「お菓子だけじゃなくて普通に料理が上手デスね」

 

「掃除や洗濯も得意、家事全般が湊の趣味みたいな物だしね」

 

家事全般が趣味なんだ随分と家庭的な趣味をしてるんだ。なんだか少し意外

 

「そう言えば、小日向さんはどうして協力してくれたデス?」

 

「切ちゃんそれ私が聞いた。あの偽善者をノイズとの闘いから遠ざけたいみたい」

 

「そうデスか「切歌トランプ忘れてるぞ」ありがとうデス湊いやー、すっかり忘れてたデスよ」

 

そこに雪音君が切歌ちゃんの忘れて居たトランプを持って来る

 

「湊も参加する?後でマリアも呼びに行くつもりだけど」

 

「クッキーが焼けたら参加させて貰う、それとマリアを誘うのは辞めておいてやれライブの直後に風鳴との戦闘今日くらいは休ませてやれ」

 

「そうデスね、それじゃあ辞めておくデス」

 

「そうしろ、そうだ小日向お前は明日神獣鏡の適合を見るからそれで適合が無かったら帰れるぞ」

 

「ねえ、どうすれば適合があるって分かるの?」

 

私がそう聞くと雪音君だけじゃなく切歌ちゃんと調ちゃんも難しい顔をする

 

「胸に歌が響いて来る事は絶対条件だな、後は身に纏えるかだがこれに関しては一定の適合係数が必要でそれに届かないと纏えない」

 

「最悪LiNKERを使えば適合するかもしれないデスけど…あまりオススメは出来ないデスよ」

 

「そう…だね」

 

雪音君の説明に切歌ちゃんが補足し調ちゃんは切歌ちゃんに同意する。この子達本当は優しい子達なんだろう現に殆ど無関係な私の事も少なからず心配してくれている

 

「3人共ありがとう」

 

「気にするなよ、そろそろだな。それじゃあ俺はクッキー持って来るからお前らはゆっくりしとけ」

 

そう言って雪音君は部屋を出て行く

 

〜未来side out〜

 

「持って来たぞ」

 

調の部屋に戻ると早速切歌と調が来た

 

「おー!1つ貰いデス!」

 

「切ちゃんずるい!私も!」

 

そう言って切歌と調がクッキーを口に運ぶ

 

「お前らなぁ、小日向お前も食べねえと彼奴らに全部持ってかれるぞ」

 

「それじゃあ」

 

小日向はクッキーを自分の口に運ぶ

 

「美味しい」

 

ならどうして複雑な顔をする

 

「それじゃあ湊も来た事デスし、ババ抜きで勝負デス!罰ゲームはそうデスね…最下位の人は全員のお願いを一回ずつ聞くって言うのはどうデス?」

 

「望む所」

 

「ババ抜きか久しぶりにやるなぁ」

 

「そうかもな取り敢えず…混ぜる前にババを一枚抜いてくれないとババ抜きにならないんだがどうするつもりだ切歌?」

 

俺がそう言うと切歌は顔を赤くして混ぜたトランプの中からババを探し始める

 

「ちょっと…間違っちゃった…だけデス」

 

「切ちゃん誤魔化しきれてない」

 

「まあ切歌らしいけどな」

 

ババを抜いた後また混ぜる

 

「お前なんか別の意味で凄かったな」

 

「そうだね、最初から最後までババ持ったままって中々無いよ」

 

「うう、それは言わないで欲しいデス」

 

結果最初から最後まで切歌がババを持ち続け一位…小日向、2位…俺、3位…調、最下位…切歌と言う結果になった

 

「切歌ちゃんきっと次は勝てるよ」

 

「その前に罰ゲーム、私からで良い?」

 

調がそう言って俺と小日向に確認を取る

 

「俺は良いぞ、まだ決めてないし」

 

「私もまだ決まってないかな」

 

「じゃあ私から、切ちゃんは明日から小日向さんが帰るまで湊の部屋に入っちゃダメ」

 

うわぁ、切歌が1番嫌がりそうなのを言ったよ調の奴

 

「な!?それは横暴デース!」

 

「これは罰ゲームだからルールは絶対」

 

こう言い出した調は引かないからなぁ

 

「切歌…諦めろ」

 

「そんな〜」

 

凹む切歌に対して調は勝ち誇った表情を浮かべる

 

「えーと、ごめんね切歌ちゃん本当に思い浮かばないから雪音君に譲るね」

 

「えー!仕方ないデスね湊2つの命令ってなんですか?」

 

「ん?正直言って俺も特に…いや悪いあった。俺の部屋に置いてる私物を、全部部屋に持って帰ってくれ、次置いたままにするなら金輪際俺の部屋に入れないからな」

 

「うう、了解デス少しずつで良いデスか?」

 

「ああ、もう1つだが…済まん俺も取り立ててないからなしで行く」

 

「うーん、何なら少しエッチな「それはないから安心しろ」なんデスと!?それはそれで傷つくデス!」

 

騒がしい切歌を無視して次のゲームに移ろう

 

「次はダウトなんてどうかな?それなら切歌ちゃんでも大丈夫だろうしせっかくだから男女に分かれてさ」

 

つまり俺対小日向と切歌と調の1対3でするって事か

 

「思いっきり不利じゃねえか!?」

 

「ダウトってなんデスか?」

 

聞けよ話を!!

 

「1〜13までの数字を順番にカードを裏向きにして置いてそれが嘘だと思ったらダウトって言って本当に嘘だったら出てるカードが全部カードを出した人に行って、逆に本当だったらダウトって言った人の所にカードが行くって言うゲームでね。次の数字はカードを取った人が決められるんだ」

 

小日向が切歌に簡単にダウトのルールを説明する。聞いて貰えないんですね

 

「それなら私達でも湊に勝てるかもしれないデスね」

 

「その前に切ちゃんはもう少しポーカーフェイスを身につけるべき」

 

そう切歌が最後までババを持っていた理由だがどれがババでどれがババじゃないかわかるくらい表情を隠すのが下手だった。

 

「それじゃあそれで勝負デス!」

 

こうしてダウトを始めたが途中で切歌と調に限界が来て寝てしまったのでそこでお開きになり各自の部屋に戻った




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16話

翌日俺は電話の着信音で目が覚めた

 

『もしもし未来?』

 

電話に出ると何処かで聞き覚えのある声が聞こえた

 

「誰だよこんな朝っぱらから…」

 

待てよこの声もしかして

 

「お前立花か?」

 

頼む間違いであってくれ!

 

『ふぇ!?湊君!?』

 

マジで立花かよ!?

 

『なっ何で湊君が!?』

 

こっちが聞きてーよ!!

 

「そりゃ俺の携帯だし…と言うか何でお前俺の番号知ってんだ!?」

 

誰だ!誰が立花に教えたんだ!?

 

『わっ私は未来が書いてあった番号に電話しただけなんだけど』

 

彼奴か!!

 

「あの野郎、立花お前は何も知らない良いな?俺の番号も忘れろじゃあな」

 

俺はそう言って電話を切る。さてどうしたものか俺は彼奴の部屋を知らないかと言ってこのまま放置してアジトがバレたらアウトだ

 

「此処で考えても仕方ねーし、取り敢えず起きるか」

 

俺は自室を出て台所に向かう

 

「おはよう…湊」

 

しばらくすると調が起きて来たが目の下にクマが出来ている

 

「おはようお前俺と小日向より先に寝たのになんかあったのか?」

 

「夜遅くに飲みすぎた切ちゃんに何度かトイレで起こされて、小日向さんに頼んでって言ったら今日会ったばかりの人にそんなの頼めないって言うからそれに付き合ってだからまだ眠いけどこの時間に起きる習慣がついちゃってるからこれ以上は寝られなくなった」

 

大変だったんだな調

 

「お疲れ調」

 

そう言って俺はカップに牛乳を入れて調に渡す

 

「ありがとう…湊」

 

やばそうだな、今にも寝そうだし

 

「調もう少し寝て来たらどうだ?」

 

「大丈夫…だよ…湊」

 

いやとても大丈夫そうには見えないんだが…

 

「おはよう雪音君、調ちゃん」

 

「「おはよう小日向(小日向さん)」」

 

そんなやりとりをしてると小日向が起きて来た

 

「そうだ!小日向お前置き手紙みたいなのした時に俺の番号書いただろ!朝立花からそれで電話が来たんだがどう言うつもりだ!」

 

小日向の顔を見てその事を思い出しそう聞く

 

「響本当に電話したんだ…それで響は何て?」

 

「お前が手紙に書いてた番号に電話したら俺が電話に出たみたいだ。お前何してくれてんだよ」

 

俺がそう言うと小日向は何か言いたそうな顔をする

 

「それについてはごめんね、でも私も思う所があってした事なの」

 

「思う所ってなんだよ」

 

「クリスの事教えてくれたら私もおしえるよ」

 

そう来たか、そう言えばさっきから調が一言も喋らないんだがまさか

 

「……」

 

やっぱり寝てたか

 

「おい調、此処じゃ風邪引くからせめてベットに行け?」

 

そう言って調を起こそうとするが一向に起きる気配がない

 

(仕方ないか)

 

そう思って俺は調を抱える

 

「小日向フライパンのベーコンと目玉焼きを自分で皿に乗せて先に食べててくれ俺は一先ず調を俺の部屋のベットに寝かせて来る」

 

「うん、雪音君女の子は丁寧に扱わないとダメだよ」

 

小日向はそう言って椅子から立ち上がりフライパンから自分の分のベーコンと目玉焼きを取ったのを見て俺は調を自分の部屋のベットに運ぶ




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17話

小日向と俺が朝食を食べ終えてから調も切歌も起きてこないので先に小日向の適合を確認する事にしマムに許可を貰い神獣鏡のコアを預かる

 

「これが神獣鏡だ。どうかしたか小日向?」

 

小日向に神獣鏡のコアを渡すと小日向はジッと見つめる

 

「この感じ…うん、私多分使えると思う」

 

~Rei shen shou jing rei zizzl~

 

そう言って小日向が聖詠を唱えるとコアは多少反応する物の不発に終わる

 

「これって無理って事なのかな?」

 

「いや、多少反応はしたんだ少なからず可能性はある。それに昨日話しただろ適合したとしても一定の適合係数が必要になるって」

 

「そう言えばLiNKERって言うのがあるんだよね?それは使えないの?」

 

LiNKERか正直言ってオススメは出来ない

 

「確かにLiNKERを使えば適合係数は足りるかもしれない、だがお前は良いのか?今まで通りの暮らしに戻らないかも知れないぞ?」

 

装者になって仕舞えば今まで通りの生活に戻れない可能性も出て来る。そこに一般人を巻き込むのはやはり気が引けるのだ

 

「優しいんだね雪音君は、でも響が闘ってるのを見てるだけじゃ嫌なの、私だって闘いたい可能性があるならやれる事をしたい」

 

小日向は力強くそう言う

 

「わかった、少し待っててくれLiNKERを作ってる奴に聞いてくる」

 

そう言って俺はあの医者の居る部屋に向かう

 

「俺だ入るぞ」

 

「おや?湊さんどうかしましたか?」

 

部屋に入ると医者が俺の方を振り返りそう言う

 

「LiNKERを1つ頼めるか?神獣鏡が多少反応はしたんだがまだ少し適合係数が足りてないみたいでな、そいつの覚悟も聞いて来た」

 

「成る程、歌は胸に響いたのですね。少し時間がかかりますのでその方には待って貰って下さい」

 

医者がそう言って資材の調合を始めたのを確認して俺は部屋を出る

 

「起きたか切歌、調」

 

「おはよう切歌ちゃん、調ちゃん」

 

「「おはよう(デス)湊、小日向さん」」

 

小日向にLiNKERが出来るのに時間がかかる事を伝え切歌達が起きてるか確認しに戻る途中に切歌と調と会う

 

「お前ら今起きたのか?」

 

「えへへ、昨日は夜更かししすぎたかもデスね」

 

「湊部屋貸してくれてありがとう自分の部屋よりぐっすり寝れた」

 

そう言った調の顔にはもうくまは無くいつも通りの調に戻っていた

 

「そうデスか、小日向さんはLiNKERを使うんデスね」

 

「うん、私の大切な人をノイズとの闘いから遠ざけられるなら私は何でもするよ」

 

そこまで行くと小日向がどこまで出来るのか気になる所だな

 

「湊さんLiNKERが出来ましたよ」

 

「出来たか、マムとマリアも一緒なんだな」

 

「ええ、来なさい小日向未来」

 

「はい」

 

マリアに呼ばれた小日向は早足でマリアの所へ向かう

 

~Rei shen shou jing rei zizzl~

 

LiNKERを投与した後再び聖詠を行うと今度は成功し小日向は神獣鏡を身に纏う

 

「これで私も闘えるんだ!響の居る世界を守れるんだ!」

 

「素ぅ晴らしいですねぇ!ボクの作った『あなたの為のLiNKER』があるとはいえ、ここまで簡単に適合してしまうとは!これこそまさに愛!ですねぇ!」

 

「何故そこで愛!?」

 

医者に対しそうツッコミを入れるマムだが

 

「親友のいる世界を守りたい、そんな純粋な想いが聖遺物との適合を果たしたのです!涙ぐましいじゃないですか!これを愛と言わず何と言うのです!」

 

それを無視して尚も演説を続ける医者を見て思わずため息を吐く。と言うか既に全員が彼奴の話を半分しか聞いてない所を見ると全員此奴の扱い方がわかって来てる証拠だろうか?

 

「はぁ、小日向纏っちまった以上最初に言った通り最後まで協力して貰う、その際立花や二課の人と対立する可能性もあるその辺も含めて大丈夫そうか?」

 

「うん!」

 

俺がそう聞くと小日向は力強く頷くこの調子だったら大丈夫だろう

 

「ま、午後に少し動かして慣れとこうぜ。マリア朝食用意するから少し待ってて」

 

「わかったわ湊」

 

そう言う俺に対しマリアはそう返事をした




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18話

「それで動かすんだが調相手してやれ」

 

午後になり現在演習室で小日向の模擬戦を行おうとしている

 

「私?切ちゃんの方が良いと思うんだけど」

 

「初めてシンフォギア使う小日向と使い慣れてる切歌しかも攻撃をする間合い的にも同じなんだ、どちらが有利かはわかりきってる。対して調ならまだ攻撃を避ける練習位にはなるからな」

 

それに切歌の場合手加減を忘れるだろうし

 

「よろしくね調ちゃん」

 

「うん、小日向さんも最初は慣れないと思うけど頑張って」

 

「うん」

 

そして調と小日向の試合が始まったが

 

「まさか調があんな簡単に負けるなんて予想外デス」

 

「聖遺物殺し何て呼ばれるだけあるな」

 

試合は小日向が圧倒して勝っていた。神獣鏡には聖遺物由来の力を無力化する力がある。その存在を調が忘れていた事が勝敗を分けたな

 

「お疲れさん、どうだ調?」

 

「正直驚いた初めてでこれなんだ…何!?」

 

突然アジトが大きく揺れた事に調が驚く

 

「湊大変デス!彼奴の話だと今の神獣鏡の聖詠でネフィリムが起動したみたいデス!」

 

「ネフィリムが起動したのか!?不味いな早急に鎮める必要があるが「雪音君私に行かせて」小日向?確かに起動させられたんだから鎮める事も出来るかもしれないが…わかった、補佐として俺も行く切歌、調お前らはネフィリムを鎮めてる部屋のシャトルを開けるようにあの医者に言っとけ!」

 

「「了解(デス)」」

 

俺がそう言うと切歌と調は彼奴に連絡を取る

 

「小日向ネフィリムの特性で暴食ってのがある。それは遺産物を取り込んで力を増幅させる。だからシンフォギアで挑むのは餌を与えに行ってる様なもんだ。出来る限りネフィリムとの接近は控えろ」

 

「わかった」

 

ネフィリムを鎮めている部屋に走りながら俺はネフィリムについての大まかな説明をする

 

「此処だ、行くぞ小日向」

 

「うん」

 

~Rei shen shou jing rei zizzl~

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

聖詠を行いシンフォギアを纏ってから中に入る

 

「あれがネフィリム」

 

「ああ、小日向?」

 

俺がそう答えると同時にネフィリムに近づく小日向を俺は慌てて止める

 

「何してんだよお前!?」

 

「大丈夫だよ、それにあの子ずっと私達を見てるけど敵意はなさそうだし」

 

そう言えば、前回セレナと一緒にネフィリムの前に出た時は視界に入った途端襲って来たのに今回は睨み合うだけだ

 

「私少し試したい事があるんだけど良いかな?」

 

「試したい事?まあ良いが」

 

小日向はありがとうと言ってネフィリムとの距離を後数十センチの所まで縮める

 

「ネフィちゃんお座り」

 

「は?」

 

あろう事か小日向はネフィリムに犬に接する様に言葉を使う

 

「良い子良い子、雪音君も来てみる?可愛いよ」

 

ネフィリムはそれに従い本当に小日向の犬であるかの様に座り撫でられている

 

「そっそれじゃあ俺も」

 

そう言って半信半疑で小日向の言う通りネフィリムに近づく

 

「本当に何もしてこないな」

 

「そうだね」

 

小日向に変わり試しに俺も撫でてみたが何もしてこない。

 

(此奴本当に6年前のネフィリムか?なんか別の生物に見えるんだが)

 

俺の疑問を他所にネフィリムは撫でられて気持ち良さそうにしている

 

「取り敢えず…これで良いの?」

 

「さあ…切歌!調!これで良いのか?」

 

モニターに向けてそう叫ぶ。恐らくそこにはマリアとマム、それにあの医者も居るだろう

 

「えっと…マムもこんな事は初めてでかわからないそうデス」

 

そうだよな

 

「取り敢えずはそのまま様子見で行くそうデス」

 

「わかった、小日向一回出るぞ」

 

「うん、後でねネフィちゃん」

 

小日向がそう言うとネフィリムはその場に座った状態で小日向を見ていた




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19話

ネフィリムが起動して2日が経った

 

「ネフィちゃんお座り」

 

ネフィリムは完全に小日向のペットとなった。最初柴犬程度だったネフィリムだが今はくらいの少し成長してブルドッグ同等の大きさになっている

 

「フィー切歌起こして来てくれ」

 

「凄いネフィリムが2人の指示を聞いてる」

 

切歌を起こしに行ったネフィリムを見て調がそう言う。何故かは知らないがネフィリムは俺の指示にも従う。マムが言うには小日向の場合ネフィリムは彼女に逆らってはいけないと本能的な恐怖を感じており彼女に服従しているそうだが俺の指示に従う理由は未だにわからないそうだ。それに何かあるたびに小日向ではなく俺に引っ付いて来る

 

「ふぁ〜、おはようデス」

 

「「「おはよう切歌(ちゃん)(切ちゃん)」」」

 

しばらくするとネフィリムが切歌を起こして戻って来る

 

「ありがとうフィー」

 

「ネフィちゃんいい子いい子」

 

俺と小日向はネフィリムを褒め本当のペットのように接している

 

「切歌パンとご飯どっちだ?」

 

「まさかネフィリムがあんな風になるなんて世の中何が起こるかわからないデスね。メニューにもよるデスね…お!今日は目玉焼きとソーセージデスかならご飯にするデス」

 

「本当、そう言えば2人同時に指示を出したらどうなるの?」

 

2人同時に指示を出したらか

 

「うーん、混乱しちゃうんじゃないかな?」

 

「試しにやってみるか?」

 

「そうだね、それじゃあせーので言うよ」

 

小日向の言葉に俺は頷き切歌の分を皿に移してからネフィリムを見る

 

「「せーの!ネフィちゃん(フィー)お座り!!」」

 

俺と小日向が同時にそう言うと

 

「湊は見ちゃダメ!」

 

「なっ何が起こったんだ!?」

 

急に調が俺の視界を手で塞ぐ

 

「何事デスか?な!何デスかこの子!?と言うか何でこの子服を着てないデス!?」

 

服?何の事だ?

 

「湊落ち着いて聞いて」

 

「わかった」

 

「実は、ネフィリムが2つに分裂して小日向さんの方には今まで通りのネフィリムがそして今湊の前には女の子の姿をしたネフィリムが居るしかも裸で」

 

「はあ!?」

 

2つに分裂したのはこの際置いておこう。いや、何で分裂したかは気になるが!何故人型になる!?しかもどうして服を着ていない!?待てよ?そもそもネフィリムは服を着るのか?そんな考えを巡らせていると

 

「パパ、どうかしたの?」

 

俺の目の前からそんな声が聞こえる

 

「調、誰が俺をパパ何てふざけた名前で呼んだんだ?」

 

「えっと、女の子になったネフィリム」

 

俺の目を塞いだ状態の調がそう言う。つまりネフィリムは俺を父親か何かだと思って居るのか

 

「ねえパパ遊んで」

 

「遊ぶ前に服を着るデスよ!!私の部屋にいくつか残ってる筈デス!!」

 

「私も手伝うよ切歌ちゃん」

 

「お願いするデス!」

 

なんか知らんが小日向と切歌が俺の前に居るネフィリム(女の子)に服を着せに向かったらしいその証拠に調は俺の目を塞ぐのを辞めてくれた

 

「パパ!!」

 

そう言いながら俺の元に走って来る5歳くらいの黒髪少女、此奴があのネフィリムか面影がねぇな

 

「ふー、やっと着せ終わったデス」

 

「凄い力で暴れるから大変だったね」

 

少し向こうで小日向と切歌が疲れ切った顔をしている

 

「それにしても切ちゃんよくこんな服あったね」

 

「使わなくなった服を捨てられないのが役に立ったのは今日が初めてデス」

 

あー、何処かで見た事あると思ったら昔切歌が来てた服か

 

「あのな?俺はお前のパパじゃない俺とお前は他人だわかるか?」

 

「パパはパパだよ?」

 

ダメだ此奴全然わかってない

 

「調、切歌何とかしてくれ」

 

「ごめんデス湊もうお腹が空いて仕方ないから後にして欲しいデス」

 

「私もまだご飯の途中だから少し待って湊」

 

そう言って切歌と調は朝食を食べる

 

「小日向「ネフィちゃん次はこれを取って来てね」ダメだ小日向の奴ネフィリムと遊び始めやがった」

 

小日向の2日前から始めた事がネフィリムと遊ぶ事だ。小日向がネフィリムと遊び出すと大体1時間はそのまま遊び続ける為此奴の相手を出来るのは俺しかいない事になる

 

「パパどうかしたの?」

 

「はぁ、もうパパで良いにしても遊ぶったって何もないぞ?」

 

俺は諦めてネフィリム(女の子)にパパと呼ばれるのを受け入れそう言う

 

「抱っこ!」

 

「はいはい」

 

そう言って両手を上に上げるネフィリム(女の子)を持ち上げる

 

「ほら、これで良いのか?」

 

「もっと!もっと!」

 

これ以上高くは出来ねえよシンフォギアを纏えば何とかなるかもしれないが万が一の為此奴の前ではシンフォギアを使わない方が良いだろう

 

「雪音君代わろうか?」

 

そう考えて居ると小日向が俺にそう聞いてくる

 

「ああ、頼む」

 

「うん、ほらおいで「やー!」我が儘言わないの、パパはまだやる事があるのでも…終わるまで良い子にしてたらパパが何でもしてくれるって」

 

小日向がそう言うとネフィリム(女の子)は俺から離れ小日向に着いて行く

 

「それじゃあね、雪音君」

 

「パパいってきます!!」

 

ふー、なんか知らんがいつも以上に疲れた

 

「お疲れ様デス湊」

 

「お疲れ湊」

 

「ありがと、全く分裂したかと思うと女の子になるなんてどうなったんだよ」

 

「それについては今マムとドクターで意見を出し合ってるデス」

 

まあネフィリムが分裂したんだその時点でマムとあの医者は驚くだろうな、しかも片方は俺と同じ人間の女の子になったんだからな

 

「パパー!!」

 

「うわ!なんだどうした!?」

 

少しすると小日向と遊びに行ったネフィリム(女の子)が泣きながら戻って来た

 

「ネフィちゃんストップ!!噛んじゃダメだよ」

 

しばらくすると小日向とネフィリム(犬)も来たどうやらネフィリム(犬)がネフィリム(女の子)に噛み付こうとしたらしい

 

「そっちのネフィリム(犬)噛み付こうとしたのか?」

 

「うん、今までこんな事無かったのに」

 

確かに基本的に噛み付いたりした事は無かったましてや小日向の前でそんな事は普通しないだろう

 

「なんかしたのか?」

 

「これ…」

 

ネフィリム(女の子)が持って居たのはさっきまでネフィリム(犬)が小日向と遊んでいたボールだった

 

「これ取られて怒ったのか、ほら悪かったな」

 

俺がそう言ってボールをネフィリム(犬)に返すと大人しくなり小日向と共に何処かへ行く小日向の事だから厳重注意だけで済むだろうが完全に此奴に非がある

 

「お前な!いくら遊びたいからって人の物取る奴があるか!」

 

「ごめん…なさい」

 

俺が怒鳴るように言うとネフィリム(女の子)は泣きながら謝る

 

「謝る相手が違うだろ、お前が謝らないといけないのはさっきの犬だ」

 

遂に俺はさっきのをネフィリムと思わず犬と考えるようになって来た

 

「湊ごちそうさまデス!」

 

「ごちそうさま、謝るなら私達と一緒に行こ」

 

調がそう言ってネフィリム(女の子)に手を差し出す

 

「いってちゃんと謝って来い」

 

「うん」

 

ネフィリム(女の子)は調の手を取り3人で小日向の元に向かった




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20話

連続投稿


「小日向この後少し良いか?」

 

朝食の洗い物を終えた後洗濯物を一緒に干している小日向にそう聞く(分裂後俺はフィーに指示を出して見たがそれに従わなくなって居た。マムの会見では人型になったネフィリムの存在がフィーに俺の指示を聞かせて居たのかも知れないそうだ)

 

「良いけど、どうかしたの?」

 

「お前が俺達に協力する本当の理由を教えろ、俺が彼奴に雪音クリスにあそこまでした理由も教える」

 

そこまで言うと小日向の洗濯物を干す手が止まる

 

「うん、少し長くなるけど大丈夫かな?」

 

何処か悲しげな声で小日向がそう言う

 

「ああ、どれだけ長くなろうが構わない」

 

「ありがとうこれで洗濯物も終わりだね。それじゃあ雪音君の部屋で話そ」

 

そう言って小日向はアジトの中に入る

 

「それで、小日向お前はどうして俺達に協力したんだ?」

 

「実は…」

 

そこから小日向は俺に本当の事を教えてくれた

 

立花が2年前とあるライブイベントに参加した時にノイズが出現、それに対応したのが当時のガングニールの適合者天羽奏と天羽々斬の適合者風鳴翼の2人だった。天羽奏は逃げ遅れた立花を守っていたが、ノイズの攻撃により破損したガングニールの一部が立花の体に突き刺さった後絶唱を歌い死亡した。それから立花がガングニールに適合、融合体となった。そして俺が協力する事を頼んだ次の日偶然聞いてしまった。ガングニールの侵食が進みこのまま使い続ければ立花が死んでしまう事を

 

「そうか、立花は融合体か…二課の考えは正しい。おっさんの言う通りこのままシンフォギアを使い続ければいずれ立花は死ぬ」

 

「そんな…「だが俺は言った筈だ、立花をノイズとの闘いから遠ざけられる可能性はあると」うん、確かにそう言ってたね。それってどうすれば良いの?」

 

「神獣鏡を使う、昨日のでわかっただろ?神獣鏡の別名は聖遺物殺し、そう呼ばれる由来は神獣鏡の力である聖遺物由来の力の無効化だ。上手く使えば立花からガングニールを取り除ける可能性がある。確証は無いし実証もされていないだが、試してみる可能性は充分にある」

 

俺がそこまで説明した所で小日向はある疑問を覚えたらしい

 

「ねぇ、雪音君はどうしてそこまで詳しいの?」

 

「当然疑問に思うだろうな、俺も融合体だからだよ」

 

俺の言葉に小日向は驚く

 

「俺が4歳の頃だ、クリスとはぐれてなその時俺は誘拐されて心臓に聖遺物を埋め込まれた。誘拐した動機が本当にふざけててな偶々俺が目に止まったからだそうだ」

 

「そんな理由で…」

 

「ああ、そんな理由でだ。まあ俺を誘拐した奴らはシンフォギアが暴走した時に最初に殺したみたいだがな、その後一度目覚めた時にクリスが俺を抱えて病院に向けて必死に走っている姿が見えたが直ぐにまた気を失った。この際だから俺の方も話すか、少し話は変わるが小日向お前は唯一の家族に拒絶されたらどう思う?」

 

俺の唐突な質問に小日向は考えるが

 

「凄く悲しくて孤独なのかな?あれ?でも今そんな事聞くって事は…」

 

まあ嫌でも理解するよな

 

「ああ、俺は10年前雪音クリス彼奴に拒絶されたんだ。当時はすげー辛かったな父さんも母さんも死んでそんでもって大好きだった姉にも拒絶されて頭ん中がごちゃごちゃになってな、多分その時に俺の心が壊れちまったんだと思うたった1人の家族であり唯一の心の支えだった雪音クリス彼奴に拒絶され裏切られて心の拠り所もなくしてな」

 

そこまで言うと小日向は俺の手を握る

 

「何だよ…」

 

「雪音君気付いてないかも知れないけど…話してる時雪音君の手震えてたよ。今も凄く震えてるまるで何かを怖がってるみたいに」

 

そう言われて自分の手を見ると確かに俺の手は震えていた

 

「ごめんね雪音君、私クリスと雪音君との間にそんな事があったなんて知らなくて…本当にごめんね」

 

小日向は泣きながら謝る

 

「何でお前が泣いてんだよ、それと俺が身に纏ってるのはそのシンフォギアじゃ無い。カマエルは普通に適合して使ってる」

 

「そうなんだ、その聖遺物はまだ雪音君の心臓にあるの?」

 

「ああ、もうずっと使ってないけどな」

 

そう言って俺は心臓近くに手を当てる

 

「雪音君、私決めた響の事が終わったら次は雪音君を助ける」

 

小日向は涙を拭いながらそう言って立ち上がる

 

「まだ出来るって決まった訳じゃねえだろ。まあ試す方法はあるがな」

 

「どうすれば良いの?」

 

「簡単な事だ俺に神獣鏡を使って試してみる」

 

俺からシンフォギアの破片を取り除ければ立花のも取り除ける筈だ、だがその逆もあり得る

 

「明日試してみようかな」

 

「明日?俺は今日でも良いぞ?」

 

「明日にした方が良いと思うし、何より扉の向こうで聞いてる2人も居るしね」

 

小日向も気づいてたのか、と言うか時々話し声も聞こえて来たしそりゃ気づくか

 

「「わぁぁあ!」」バタッ

 

扉を開けると切歌と調が倒れてくる

 

「お前ら盗み聞きとは感心しないな」

 

「あはは、もしかしてバレてたデス?」

 

切歌が苦笑いを浮かべて俺にそう聞く

 

「バッチリな、小日向も気づいてたみたいだし」

 

「切ちゃんが盗み聞きしようなんて言い出すから」

 

「ちょ!それを言うなら調だって!賛成したじゃないデスか!」

 

「それはその場の雰囲気を読んでだよ」

 

切歌と調が言い合いを始める

 

「パパお話終わった?」

 

そう言ってネフィリム(名前を考えるのが面倒だった為そのままの呼ぶ事にした)が部屋に入って俺にそう聞く

 

「ああ、今終わった所だ」

 

「それじゃあ遊んで!」

 

まだ遊び足りないのか元気すぎるだろ

 

「わかった、小日向お前はどうする?」

 

「私もネフィリムちゃんと遊ぼうかな」

 

「あ!私も遊ぶデス!」

 

「私もってそう言いたいけどお昼の準備始めないとダメだからまた後で遊ぼうねネフィリム」

 

調はそう言ってネフィリムの頭に手を置いてから台所に向けて歩いて行く




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21話

小日向に俺の過去の事を話した翌日

 

「パパおはよう!」

 

「ああ、おはよう葉月」

 

昨日このネフィリムの名前を考る事になり、その結果俺の考えた葉月に決まった。まあこの名前にした理由は何となくなんだが

 

「取り敢えず立てないから降りろ」

 

「はーい」

 

ババ抜きの時の命令で小日向が帰るまで俺の部屋に入ってはだめだと言ったので、切歌が俺の部屋に居ることが無くなったのだが、その2日後にネフィリムが分裂して葉月が誕生したので、実質俺が静かに寝られたのは2日間だけだった。

 

「おはよう湊、葉月ちゃん」

 

「「おはよう小日向(未来お姉ちゃん)」」

 

俺と葉月が起きてしばらくすると小日向が起きて来た。(因みに切歌が切歌お姉ちゃん、調が調お姉ちゃん、マリアはマリアおばさんなのだが葉月にそう呼ばれた時のマリアの顔は引きつって居た)

 

「葉月、切歌を起こして来てくれ」

 

「わかった!」

 

俺がそう言うと葉月は切歌を起こしに行く

 

「良い子に育ってるパパさん」

 

「パパ言うな、俺も正直言ってこの歳で父親になるなんて思ってなかったんだがな」

 

15歳で父親の時点で色々とおかしいと思う、葉月が4歳〜5歳くらいなのだから俺は11歳〜12歳で父親になったと言う事になる。後俺が小日向に過去の事を話してから急に名前で呼ぶと宣言された

 

「湊、未来さんおはよう」

 

「「おはよう調(調ちゃん)」」

 

葉月が切歌を呼びに行って少しすると調が起きて来た

 

「ほら、牛乳」

 

「ありがとう湊、そう言えば切ちゃんの部屋に葉月ちゃんが入って行ってるのを見たけど」

 

「俺が頼んだんだ、切歌が居なくなったと思ったら次は葉月かしかも切歌と違って俺を起こして来るから静かに寝てられる時間が減る」

 

「子育てってそんなもんなんじゃ無いの?赤ちゃんの時は結構頻繁にミルクあげないといけないみたいだし」

 

俺もそう思うのだが、やはり睡眠を妨害されるのは嫌だ

 

「小日向お前の使ってる部屋に連れてってくれないか?」

 

「そうは言っても葉月ちゃん湊以外の人と一緒だとお昼寝すらしないよ?」

 

そう切歌や調、小日向でも試して貰ったが葉月は俺が居ないと絶対に寝ないらしい

 

「ふぁ〜、おはようデース」

 

切歌が大きなあくびをして起きて来ると葉月も戻って来た

 

「パパ!切歌お姉ちゃん起こせたよ!」

 

「助かったよ、それと危ないから向こう行ってろ」

 

「葉月ちゃんこっちでパパを待ってよ」

 

「うん!」

 

小日向に呼ばれて葉月は小日向の方に向かって走って行く

 

「葉月ちゃんは本当にパパが大好きだね」

 

「そうデスね、大変ですねパパも」

 

切歌と調はそう言って葉月を見る

 

「葉月ホットケーキが出来たから運ぶの手伝ってくれ」

 

「わかった!」

 

ホットケーキが焼けたので葉月に助っ人を頼み一緒に運ぶ。本当に葉月はよく言う事を聞いてくれている

 

「…お前らも最初からこれくらい手伝ってくれたら良かったんだけどな」

 

俺は小声でそう呟く。切歌と調は初めて会った時は俺を警戒して近づいてすら来なかった

 

(まあ今では軽口を言い合えるくらい仲良くなったがな)

 

そう思いながら切歌達が呼ぶ方に向かい歩いて行く




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22話

「米国の哨戒船か」

 

今回の作戦で最も重要なのがフロンフィアの浮上なのだがそのフロンフィアが封印されている場所に移動をして居る途中同じ目的地に向かって居る米国の哨戒船を発見した

 

「恐らくですが米国は自分達でフロンフィアを浮上させるつもりなのでしょうね。月の落下時に有利な状況を作ろうとして居るのでしょう」

 

成る程な、米国からすれば自分達でフロンフィアを浮上させる事に意味があるって事か

 

「お前はどうするつもりだ?」

 

「そうですね、こう言うのはどうでしょう。連中を無残に葬ってこちらに注目を向けさせると言うのは」

 

「お前、俺がそれを許すと思ってんのか?」

 

俺は濃い殺意を医者に向ける

 

「あくまで1つの案ですよ」

 

「そんなのは弱者を見下す強者のやり方「世界には私達の主張を届けるには格好なデモンストレーションかもしれないわね」マリア」

 

調が寂しそうな表情を浮かべる

 

「マリアお前「私は…私達はフィーネ弱者を支配する強者の世界構造を終わらせる者この道を行く事を恐れはしない」そうか…悪い今回俺は好きに行動させて貰う行くぞ葉月」

 

「うん!またね調お姉ちゃん、切歌お姉ちゃん」

 

俺はこれ以上此処に居ても意味がない為俺は葉月と小日向が居る待機場所に戻る

 

「お帰り湊、葉月ちゃん」

 

「未来お姉ちゃんただいま!」

 

葉月は走って小日向に近づき俺は座って窓の外を眺めて居ると

 

「あれって!あの野郎、小日向お前は葉月と此処で待機してろ!」

 

「待って、湊はどこに行くの?」

 

「俺はソロモンの杖で出たノイズの掃除をしに行く」

 

小日向に呼び止められた俺はそう返す

 

「それじゃあこの後する予定だったシンフォギアを取り除くのは…」

 

「出来ねえな、悪い約束したのにな」

 

俺は小日向にそう言って頭を下げる

 

「ううん、気にしないで、それで私も「お前が行って何になるんだ!!お前は葉月と此処で待機してろ!」そんな私だって「お前は確かに闘える!だがまだ実戦はまだ無理だ!お前が来ても迷惑になるだけだ!!」わかった、でも約束して絶対に戻って来るって」

 

荒れ気味に言う俺に対し小日向は真剣な表情を浮かべてそう言う

 

「わかってる「パパ!」何だ」チュッ

 

「頑張って!」

 

葉月は俺の頬にキスをしてからそう言って小日向の元に戻る

 

「全く…いってくる…」

 

俺は小さく呟いて待機場所の扉を開けてヘリから飛び降りる

 

〜Various shul shagana tron〜

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

「湊」

 

「調お前もか?」

 

俺の質問に調が頷く

 

《α式 百輪廻》

 

《豪炎天界》

 

「一先ず二手に分かれるぞ」

 

「わかった、気をつけて」

 

「お前もな」

 

互いにそう言葉を交わし別々の場所に着地する

 

「大丈夫か!?」

 

「ああ、助かった」

 

「ノイズが居なくなったら合図を送るそれまでどっかに隠れてろ」

 

俺がそう言うと男は頷き走って行った

 

「調そっちは…どうだ…」

 

俺が調の方を向くとそこには切歌にLiNKERに似た何かを打たれギアを強制解除された調が居た




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23話

「湊…」

 

「切歌」

 

ふらつく調を支えながら俺は切歌を睨む

 

「お前自分が何やったかわかってんのか!此処にはノイズが居るんだぞ!そんな状況でギアを強制解除させるって何考えてんだよ!」

 

「そんなのわかってるデス!でも此処ままじゃ私が私じゃ無くなるかも知れないデス!そうなる前に何か残さなきゃ!調にも、湊にも忘れられちゃうデス、そんなの…そんなの耐えられないデス!」

 

そんな理由で

 

「そんな理由でお前は調を…仲間を危険な目に遭わせんのか!!」

 

「私にとっては大事な事なんデス!だから私はドクターのやり方で世界を守るデス!もうそうする…」パンッ

 

我慢の限界に至った俺は切歌の頬を思いっきり叩く

 

「湊…「お前ふざけんのもいい加減にしろ!」ふっふざけてなんか!」

 

「いいや、ふざけてる。お前そんなに俺や調が信じられないのか?お前がお前で無くなっただけで忘れちまう程俺と調にとってお前がどうでもいい存在だなんて本当に思ってんのか?言っとくが少なくとも俺は忘れねえお前がお前で無くなろうがどうなろうが」

 

俺は切歌の肩を掴んで真っ直ぐ目を見ながら切歌にそう言う

 

「私もだよ切ちゃん」

 

「調」

 

「私が切ちゃんを忘れるなんてあり得ないよ。それに少しでも私と湊が切ちゃんの事を忘れるなんて思っちゃうのは切ちゃんが私と湊を信じ切ってくれていないから」

 

調もそう言って真っ直ぐ切歌の目を見る

 

「調…湊…でも他にどうすれば良いんデスか!私にはもうこうする以外の方法が思い浮かばないデス!」

 

切歌が涙を流しながらそう言う

 

「ならそのドクターのやり方でどれだけの人が救えるんだ?どれだけの弱い人達を助ける事が出来るんだ?」

 

「それは…」

 

俺の質問に切歌は言葉を詰まらせる

 

「切ちゃん1人で抱え込まないで、1人で考えてわからなかったら私や湊も入れて3人で考えよう?そうすればもっと良い方法が思いつくかもしれないでしょ?」

 

「そうだぞ切歌、それに昔約束しただろ?3人のうち誰かが道を踏み外したら残りの2人が正しい道に連れ戻すって」

 

「そうデスね、覚えてるデスよ何でこんな大事な事忘れていたんデスかね。湊…調…私まだやり直せるデスか?やり直せない所まで来てないデスか?」

 

切歌は泣きながらそう問いかけてくる

 

「ああ、お前はまだやり直せる。だから「湊逃げて!!」どう…した」

 

調にそう言われた途端に右腕に激痛が走るので本来右腕のある場所に目を向けるとそこには俺の右腕ごとシンフォギアを食べるネフィリムの姿があった

 

〜切歌side〜

 

私の目の前で人の右腕がネフィリムに食べられた。誰の?湊の?

 

「テメェ!許さねーデス!」

 

「待って切ちゃん」

 

ネフィリムに向かおうとする私を調が止める

 

「何するデス調!!早くしないと「湊変じゃない?」変…デスか?」

 

調にそう言われて冷静になって居ると確かに湊の様子がおかしい、それに何デスかあの赤い炎を纏った様な身体は!?

 

「切ちゃん、フィーネの観測記録にあった暴走って覚えてる?」

 

「暴走…まさか!?」

 

「ガアアア!!」

 

あれが暴走何デスか?

 

「湊…ネフィリムに腕…食べられたんじゃ」

 

「その筈、でもあれは確かに腕」

 

湊が叫びながらアームドギアを生成するかの様に右腕を修復するでもあの形は…

 

「切ちゃん」

 

「間違いないデス、湊の体を侵食してるシンフォギア、サンダルフォンデス」

 

忘れるはずがないデスあの腕の形はそれにあの剣あれはサンダルフォンのアームドギア一度に2つのシンフォギアのアームドギアを使う何て聞いた事無いデス!

 

「ガアアア!」

 

湊は叫びながらネフィリムに突っ込んで行く

 

「凄いデス」

 

6年前セレナと共に闘い苦戦していたネフィリム、それを今は湊は1人で圧倒して居るデス

 

「あれが暴走…確かに凄い、でもこのままじゃ湊の体が壊れちゃう!それにサンダルフォンの侵食も」

 

暴走してネフィリムを圧倒しているのは良いデスでも湊の体が心配になるデスそれにサンダルフォンのアームドギアを使ってるって事は体の侵食も…これはうかうかしてられないデス!

 

「そうデス!元々湊に使う予定だったこれを湊に使えば!」

 

そう思いAnti_LiNKERを取り出す

 

「確かに湊にそれを使えば暴走は治るかもしれないでもどうやって湊の動きを止めるかが問題」

 

やっぱりダメデスねこう言うのは湊が得意なんデスけど

 

「仕方ないデス、調イガリマの絶唱でネフィリムの魂を砕くデスそうすれば暴走した湊は次の標的を探すのに一瞬動きが止まる筈デス」

 

「でもシュルシャガナが使えないのにどうやって「調お姉ちゃーん!切歌お姉ちゃーん!」葉月ちゃん!?」

 

「何デスと!?」

 

私と調が声のする方を向くとそこにはパラシュートを使ってゆっくり下降して来る葉月の姿があった

 

「何してるデス!?」

 

私はそう言って着地した葉月に詰め寄る

 

「パパがこれ持って来てって」

 

そう言って私に渡したのはLiNKERだった

 

「このLiNKERを湊がデスか?」

 

「うん!調お姉ちゃんと切歌お姉ちゃんの分!」

 

驚いたデスこんな小さい子にこんな物持って来させるなんてでもこれで

 

「調これを使うデス」

 

「これってLiNKER?」

 

「湊が準備してくれてたデス!」

 

「そうなんだ、ありがとう湊」

 

そう言って調はLiNKERを打つ

 

「切ちゃん馴染むまで少し時間がかかりそう」

 

「わかったデス、その間は私が!今度は何事デス!?」

 

突然水飛沫が上がったと思うと海から何かが飛び出してき空中で開くと2人のニ課の装者が出て来た

 

〜切歌side out〜




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24話

〜調side〜

 

「お前達この子に何するつもりだ!」

 

1人の装者が葉月ちゃんの前に立ちそう言う

 

「何の事デス?」

 

「多分私達が葉月ちゃんに何かするんじゃないかと思ってるんじゃないかな?」

 

本当に酷い勘違いもあったね

 

「切歌お姉ちゃん!調お姉ちゃん!」

 

「バカ!お前暴れんな!「ガアアア!」チッ!らあ!」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

自分に向かって来る暴走した湊に攻撃をするが軽々と避けられる

 

「嘘だろ!?くっ!」

 

軽々と避ける湊に驚きながらも湊の攻撃を避ける

 

「私達も居る」

 

「デース!」

 

「私が居る事も忘れるな!」

 

「邪魔デス!」

 

切ちゃんが刀を持った装者の相手を始めたから私は湊に小型ミサイルを飛ばした装者の相手をする

 

「中々やんじゃねえか、でも一手遅え!なんだ!?」

 

そこで不自然で大きな揺れが起きる

 

「お姉ちゃん達を虐めるなー!!」

 

葉月ちゃんはそう言って私が闘って居る装者に殴りかかった

 

「なっなんだ此奴!!ぐっ!すげー力だ此奴人間か!?」

 

「葉月ちゃん離脱して!!」

 

私はそう言うが葉月ちゃんは私の声に耳を貸さずに装者に攻撃をする

 

「切ちゃん!」

 

「調!?そっちはどうしたデス!?」

 

「葉月ちゃんが相手をしてくれてる。私よりも押してる」

 

「それじゃあこっちを「戦さ場で話し合いとは私も舐められたものだな!」そんな気はさらさらねーデス!」

 

切ちゃんはそう言って鎌で刀を受け流す

 

「切ちゃん横に飛んで!!」

 

私がそう言うと切ちゃんは左に飛ぶ

 

《α式 百輪廻》

 

「その技は見切って居る!」

 

「そんなのは百も承知」

 

「本命はこっちデス!」

 

《切・呪リeッTぉ》

 

切ちゃんはアームドギアの刃を3つに分裂させてブーメランの様に飛ばし左右から挟撃する

 

「くっ!」

 

流石に対処しきれなくなったのか後ろに飛んで避ける

 

〜Rei shen shou jing rei zizzl〜

 

「何だこの聖詠は」

 

「この聖詠は!」

 

私は空を見上げると思った通りの人物がいた

 

「切歌ちゃん、調ちゃんお待たせ」

 

「「未来さん!」」

 

「「未来(小日向)!?」」

 

私達の助っ人の人物に装者が驚く

 

「未来お前」

 

「ごめんねクリス私は切歌ちゃんと調ちゃんの味方なの。2人は湊を助けてこの2人は私が引き受けるよ」

 

「「お願い(頼んだデス)」」

 

私と切ちゃんは葉月ちゃんを連れて未来さんと装者2人から距離を取る

 

「ありがとう葉月ちゃん助けてくれて」

 

「調お姉ちゃんもう大丈夫?」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

私はそう言って葉月ちゃんの頭を撫でる

 

〜調side out〜.




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25話

〜切歌side〜

 

《β式 獄糸乱舞》

 

「くっ!切ちゃん早く」

 

調が湊を拘束しながらそう言う調の後ろでは葉月ちゃんが調を引っ張って居る

 

「それじゃあ始めるデス」

 

私はそう言って絶唱を歌い始める

 

イガリマの絶唱はあらゆる防御を無視して対象の魂を破壊する。ネフィリムの魂を破壊出来るかも知れないデス、そしてそれが出来れば湊の動きも少しは止まる筈その間にAnti_LiNKERを湊に打つそれが今回の作戦デス

 

「調もう少しだから耐えるデス!」

 

「うん、でもそろそろ「ガアアア!」きゃ!」

 

「調!!」

 

湊の力に負けて調が湊に引っ張られる

 

「切ちゃん私は気にしないで早くネフィリムを!!」

 

「調…当たりそうなら絶対に避けて下さいデス」

 

私の言葉に調が頷いたのを確認すると私はアームドギアを構えてネフィリムに向かっていく

 

「はあああ!」ザクッ

 

「うっ!」

 

つい私は調に当たってしまったらと言う思考から目を瞑っしまった。でも…それがダメだったデスね

 

「調…調!」

 

私のアームドギアはネフィリムじゃなくて調に突き刺さって居た

 

(何で…何でこうなるんデス、教えて下さいデス湊)

 

私は調を抱えながら困った時に何時も助けてくれる頼れる存在(湊)を思い浮かべたデス

 

〜切歌side out〜.

 

〜調side〜

 

声が聞こえる、泣きながら私の名前を呼ぶ大切な親友(切ちゃん)の声が、出会ってまだ日は浅いでも一緒に居ると笑顔になれる妹の様な存在(葉月ちゃん)の声が、怒りに狂う私の大好きな人(湊)の声が、手を伸ばしたいでも体が動いてくれない。

 

「誰?」

 

「どうでも良いじゃないか」

 

その人は興味もなさそうにそう言う

 

「どうでも良くない、私の大切な親友が…私の妹が泣いている。それに助けたい人を助けられていない」

 

「そうね…誰の魂も塗りつぶす事無くこのまま大人しくしてやるつもりだったけど、そうもいかないものね、魂を両断する一撃を受けてこの体もあまり長くは持ちそうに無いか」

 

魂を両断する一撃を受けて?それじゃあ

 

「私を庇ってくれたの?でもどうして?」

 

「そうね、ある子に伝えて欲しい事があるの」

 

「ある子?」

 

「だって数千年も悪者やって来たのよ?いつかの時代、どこかの場所で今更正義の味方を気取ることなんて出来ないって、今日を生きる貴方達で何とかなさい」

 

「立花…響…」

 

何故かわからないがその時浮かんだのはあの偽善者の名前だった

 

「いつか未来に人が繋がる何て事は亡霊の願い」

 

「もしかして貴方が…」

 

そこで私は意識を失う

 

「し…べ…調!!目を開けて欲しいデス!調!」

 

「調お姉ちゃん!」

 

「切…ちゃん、葉月…ちゃん」

 

私が目を覚ますと目の前には切ちゃんと葉月ちゃんが居た

 

「調…調!!」

 

泣きながら私に抱きつく切ちゃん

 

「調お姉ちゃんもう大丈夫なの?」

 

「うん、大丈夫だよ葉月ちゃん」

 

そう言って私は切ちゃんに抱きつかれた状態で葉月ちゃんの頭を撫でる

 

「良かった…本当に良かったデス!でもどうして、私のアームドギアは確かに調を「多分…フィーネの魂に助けられてたんだと思う」フィーネの、と言う事は調がフィーネの器だったって事デスか?」

 

私は切ちゃんの言葉に頷く。あの時の人は恐らくフィーネの魂が具現化したもの

 

「皆んなが私を助けてくれているだから切ちゃんも力を貸して、もう一度2人で…ううん、3人で湊を助けよう」

 

「調…勿論デス!湊を絶対に助けるデス!」

 

「私もパパの為に頑張る!」

 

(私と切ちゃんそれに葉月ちゃんの3人で今度こそ助けるだからもう少し待ってて湊)

 

そう思いながら未だに暴走して居る湊に目を向ける

 

「切ちゃん、もう一回同じ事やらせて」

 

「さっきのデス?でももう絶唱は歌えないデス。それに、調と湊で力勝負になったら又さっきみたいになってAnti_LiNKERどころじゃ「私が湊を拘束した時に切ちゃんは私から湊に向けて伸びてる紐を伝って、そうすれば湊の所に行ける。それが一番早くて確実にAnti_LiNKERを湊に打てる」調、わかったデスでも無茶だけは辞めて下さいね」

 

切ちゃんはそう言って私から離れる

 

〜調side out〜.

 

〜切歌side〜

 

「調今デス!」

 

「うん!」

 

《β式 獄糸乱舞》

 

調がさっきと同じ要領でもう一度湊を拘束する

 

「切ちゃん行って!湊を助けて!」

 

「切歌お姉ちゃん!」

 

「了解デス!」

 

調に言われた通りに湊に向けて伸びて居る紐を伝って湊の元に向かう

 

「お前は邪魔デス!」

 

そう言ってネフィリムを退かすとネフィリムはマリアに回収される

 

「湊!今助けるデス!うわぁああ!?」

 

「切ちゃん!!」

 

調の拘束から逃れ私を振り落とそうと暴れる湊に必死にしがみ付く私

 

「湊…皆んなの所に帰ろうデス、帰って一緒にご飯食べて、一緒に遊ぶデス、だからごめんデス!」

 

そう言って私は湊にAnti_LiNKERを打つ

 

「ガァァァ…」

 

最初叫んだ湊の姿は次第に元に戻って行きギアを解除した時の湊に戻る

 

「「切ちゃん(切歌お姉ちゃん)!!」」

 

「調!葉月ちゃん!やりましたデス!!」

 

走って近づいて来る調と葉月に向けて私は笑って成功した事を伝える

 

〜切歌side out〜.




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26話

〜未来side〜

 

「未来…」

 

「響…」

 

翼さんとクリスを切歌ちゃん達から遠ざける事に成功した私は響と会った。途中クリスは何を見つけたかはわからないけど、血相を変えてマリアさん達の乗ってる飛行機に向かっていった。

 

「何で…何で未来がシンフォギアを纏ってるの?私ずっと未来を心配して「私もだよ響」未来?」

 

「私は響にこれ以上闘って欲しくないの!これ以上シンフォギアを使うと響が死んじゃう!」

 

「小日向!どうしてその事を!?」

 

翼さんが驚いた声を上げる

 

「私が湊達に協力するって決めた2日前に偶然聞いちゃったんです。二課の人達が話してる所を」

 

「そうか、だからと言って何故協力する必要があった!」

 

そうか翼さん達は知らないんだ

 

「響、私と湊が始めて会った日覚えてるよね?あの時は何でもないって言ったけどごめん嘘なの、実はあの後電話してある事を聞いたんだ。もしかすると響をノイズとの闘いから遠ざける事が出来るかもしれないって、それが出来るかもしれないのが私の使ってるシンフォギア神獣鏡、神獣鏡は聖遺物由来の力を無力化出来る力があるって湊から聞いた。それを使えば響のガングニールを取り除けるかも知れないって、だから私は響を助ける為に自分からこの力を望んだの」

 

私は言いたい事を全部響達に伝えた

 

「未来…」

 

「だがお前は彼らに攫われ「翼さんそれ誤解なんです」誤解だと?」

 

翼さんの言葉に私は頷く

 

「あの時私を攫ったように見せたのは私と響達との間に亀裂を生まない為なんです。後になって切歌ちゃんから聞きました」

 

「確かに、それならば私達の間に亀裂は生まれないが…成る程小日向はあくまで協力するだけ、敵に見られる必要がないだから攫った様に連れて行った。そう言う事か?」

 

「はい」

 

私はそう言って響達の元に降りる

 

「響今からガングニールを取り除けるかどうか試してみたいの良いかな?」

 

「うん!ドーンと来て未来」

 

響はそう言って笑う

 

「ありがとう響、翼さん下がって下さい」

 

私がそう言うと神獣鏡の力を知っている翼さんは後ろに下がる

 

「マリアさんお願いします」

 

私が叫ぶとマリアさんが飛行機から複数の反射鏡を飛ばしてくれた

 

(お願い神獣鏡、響を助けさせて)

 

《混沌》

 

私は今の自分に出来る全力で反射鏡に光を放つと神獣鏡に亀裂が入り光が出なくなった

 

「響!!大丈夫!?」

 

複数の光が一点に集まり大きな光になって響を包む光が治ると私は響に近づきそう聞く

 

「あはは、何とか大丈夫だよ。まだちょっと体が痛いけど」

 

「良かった、響が無事で「未来あれ見て!」何あれ…」

 

光が収まると突然海面が大きく揺れた。まるで海底自体が隆起しているみたい。もしかしてこれが湊の言ってたフロンフィア?

 

〜未来side out〜

 

俺が目を覚ますと知らない天井が広がっていた

 

「此処は…何処なんだ?俺は確かネフィリムに「それについては俺が説明してやろう」おっさん、て事は此処は二課の潜水艦内って思って良いのか?」

 

俺の言葉におっさんが頷く

 

「「「湊(パパ)!!」」」

 

「どうしたんだよお前ら」

 

おっさんが入って来て1分もしない間に切歌達が入って来る

 

「良かった、本当に良かったデス湊!」

 

「切ちゃん大袈裟…でも無いね、良かった湊が無事で」

 

「パパ!パパ!」

 

俺の無事がわかった途端に全員が泣きながら飛びついて来る

 

「取り敢えずこのままで良いから何があったか教えてくれ」

 

「ああ、一先ず湊君は何処まで覚えているんだ?」

 

「ネフィリムに腕を喰われた辺りまでは覚えてるがそれ以降は」

 

「そうか」

 

そう言うとおっさんは俺に何があったのか話し始めた

 

「暴走か」

 

「ああ、君の腕がネフィリムに喰われてから僅か数分でだ。1つ良いか?君の腕が喰われた後再生したが別のアームドギアを使って居たあれはなんなんだ?」

 

別のアームドギア?ああ、あれが出て来ちまったか

 

「あ!湊君起きたんだ!未来ー!湊君起きたよ!」

 

「本当!!良かった湊無事だったんだね」

 

俺達の話し声が聞こえたのか立花と小日向も入って来る

 

「ごめんね湊、助けるって約束したのに神獣鏡が壊れちゃって」

 

小日向が暗い表情でそう言って謝る。小日向の話だと立花を助けた時の反動で神獣鏡が壊れてしまったそうだ。

 

「気にすんなよ、お前の目的が達成出来たんだそれで良いじゃねえか「良くないよ…」小日向?」

 

「良くないよ!!湊ずっと苦しんで来たんでしょ!それに私は湊を助けるって約束もしたのに…」

 

そこで小日向は泣き崩れる。お前、そこまで

 

「未来…湊君、私知りたい。未来がどう言う理由で湊君を助けようとしてたのか」

 

「ああ、それを今から話す所だ」

 

そこから俺は小日向に話した事と同じ事を話した

 

「酷いよ…そんなの」

 

「つまり暴走している時に君の再生した時に使って居たアームドギアは」

 

「ああ、俺の体の中にある聖遺物サンダルフォンだろうな。おっさん達から聞いたアームドギアの特徴とも当てはまる」

 

おっさん達の話によると再生した時に出て来たのは剣のアームドギアだそうだ。そしてサンダルフォンのアームドギアも剣なのでその可能性は充分にあり得る

 

「本当は響の事が終わったら次は湊を助けるって約束してたんです。でも、神獣鏡が壊れちゃって…本当にごめん」

 

「だから何度も言うが俺は「湊…本当に良いんデスか?」神獣鏡は壊れちまったんだ、今更何言っても仕方ないだろ」

 

切歌の言葉に俺はそう返す、実際小日向が謝るような事は1つもない。神獣鏡が壊れた事に関しても別に小日向が悪い訳じゃないのだから

 

「それでフロンフィアの方はどうなったんだ?」

 

「ああ、現在フロンフィアが浮上して大体1時間と言った所だ。現在翼が対応に当たっている」

 

(1時間か、彼奴の事だそろそろ何か行動を起こすかもな)

 

そう思い立ち上がろうとする俺を切歌と調が止める

 

「何処へ行くつもりデス?」

 

「まさかとは思うけど、フロンフィアだなんて言わないよね」

 

「そのまさかだ、俺はフロンフィアに行くマムとマリアを助ける為に」

 

俺がそう言うと切歌と調は引き止める手の力を強くする

 

「行かせないデス、そんな状態の体で一体何をするをつもりデス!湊お願いデスから安静にして体を休めて下さい」

 

「切ちゃんの言う通り今は体を休めるた方が良い。マムとマリアは私と切ちゃんで助けるだから「お前らに出来んのか?」それは…」

 

俺がそう聞くと調は言葉を詰まらせる

 

「絶対に出来るって言い切れんのか!!俺は…俺はあの時みたいな思いをすんのはゴメンだ!またあんな思いしたら今度こそ耐えられねーよ」

 

「「湊…」」

 

切歌と調の手を振り払い部屋の外に出る

 

(もうセレナの時みたいな思いをするのはゴメンだ。そんな思いをするならいっそ…)

 

「まあ待て」

 

「テメエには関係ねえ話だ」

 

おっさんの力が切歌と調とは比べ物にならず中々振り払えない

 

「せめてメディカルチェックの結果だけでも見て行け」

 

「チッ!わかったよ」

 

俺はおっさんに渡された1枚の写真を見る。どうやらネフィリムとの闘いの時に使ったのはサンダルフォンで間違いない様だ。その証拠に侵食が進んでいる。でも、それがどうした

 

「じゃあな」

 

「ああ、意思は変わらないか」

 

「そう簡単に変わるもんじゃねえよ「「湊!!」」何だよお前ら」

 

そこに切歌と調が走って来る

 

「私達も連れてって欲しいデス!」

 

「マリアとマムを助けたい気持ちは私達も同じだから私達も湊と一緒に行く」

 

「湊君、君には頼れる子達が居るじゃないか。君は1人じゃないその事を忘れるな」

 

そんなの言われなくてもわかってる

 

「わかってるよ「待って!私も…私も連れてって!」立花、だがお前は「確かに私はもうシンフォギアを纏えない、だからって見てるだけじゃ嫌だ!」お前…今お前はシンフォギアを纏えない戦場に行くのは自殺行為だそれでも行くか?」

 

「行く!」

 

立花は俺の目を見て即答する。本当に此奴は何処までバカで、何処までも真っ直ぐで、俺が欲しいと願った強さを何処まで持ってんだよ

 

「わかった、連れてってやる。ただし降りかかる火の粉は自分で払えこれが条件だ」

 

「それで良い」

 

「それじゃあ行くぞ!」

 

「「「了解(デス)!!」」」

 

俺達はフロンフィアに向けて出発した




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27話

フロンティアに到達すると2つの人影のぶつかっているのが見えた

 

「あれは…お前ら先に行け」

 

「湊?「俺も直ぐに後を追う」わかったデス、無茶だけは絶対にしないで下さいデス」

 

「わかってる!」

 

そう言って俺は人影が降りていった場所に向かう

 

「やっぱり風鳴とクリスか、彼奴は」

 

そこには倒れた風鳴の前に立つクリスそれと何故かあのクソ医者が居た

 

「約束…片付けた…」

 

「こんなままごと…必要があるんですかねぇ」

 

クリスがそう言うと彼奴はそう言って手に持ったボタンを押すが何も起こらない

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

「まあ、どうでも良いけどな」

 

俺はシンフォギアを纏いクソ医者に銃口を向ける

 

「なっ何で爆破ぎゃああ!」

 

「!?」

 

彼奴がソロモンの杖を持って居た腕が無くなりクリスが此方を見る

 

「よおクソ医者、ちっとばかし聞きてぇ事があんだけどよ。ネフィリムを俺達の所に放ったのはお前か?」

 

あの時ネフィリムは俺らを目掛けて降って来て居たこいつの事だ俺らの内誰かの聖遺物をネフィリムに食わそうとしたんだろう

 

「なぁ、答えろよ」

 

「ひっヒィ!」

 

「答えろっつってんだよ!」

 

そう叫びながら俺は彼奴に当たらない様に撃つ

 

「そっそうだ!おっお前達の内の誰かの聖遺物をネフィリムに食わそうと「もう良いわかった、次の質問だ何故風鳴やクリスの二課じゃなくて俺らなんだ」二課を待った所で貴方達の誰かの聖遺物をネフィリムに喰らわせる事は決定事項でしたからね」

 

そうか、此奴は切歌と調も犠牲に入れたのか

 

「正直に言おう…俺はお前が嫌いだよ。やり方も考え方も何もかも」

 

「ひっヒィ!」

 

俺が銃口を向けるとクソ医者はソロモンの杖を使いノイズを呼び出す

 

「今更ノイズ!!くっ!」

 

「Anti_LiNKERは忘れた頃にやって来る「それがどうした?」なっ何故!?「此奴が何かお前ならわかるだろ?」LiNKERまさか貴方があの子に持たせたLiNKERは!?」

 

「あれは2つだ俺のこれはちょっと前に言ったろ?LiNKERを分けてくれって」

 

数日前俺は彼奴にLiNKERを分けてくれる様に頼み彼奴は快く分けてくれた

 

「まさか!?」

 

「ああ、そのLiNKERだよ。お!あっちも演技はお終いか」

 

「先輩!」

 

そこにはさっきまで倒れて居た風鳴が立っている

 

「気づいていたか」

 

「ああ、遠くから見えたがありゃ互いが避けてくれるって分かってやってる様にしか見えなかったからな」

 

此奴らのやり合いが途中から見えたが確実に相手の次の手が分かりきったものだった

 

「最後にお前に聞いておきたい事がある。数分前フロンティアの一区画が宇宙空間に飛ばされたっておっさんから聞いたが、マムの居た場所じゃ無いだろうな?」

 

「ひっヒィ!」

 

クソ医者はソロモンの杖を放り投げ片手を失った状態で逃げる

 

「逃すかよ!チッ!」

 

クソ医者に向かおうとする俺をノイズが止める

 

「邪魔なんだよ!」

 

《豪炎天界》

 

「チッ!逃げられたか」

 

ノイズの殲滅が終わる頃には彼奴の姿はなく。俺はソロモンの杖を拾う

 

「仕方ねえ、切歌達と合流するか「なあ」なんだよ」

 

「なんであたしを助けたんだ?」

 

俺が此奴を助けた?

 

「勘違いすんな、単にお前より彼奴を殺す方が先だっただけだ。何なら今から此処でやり合うか?」

 

「いや、遠慮しとく。あのさ湊…この件が全部片付いたらあたしと一騎打ちをしてくれ」

 

クリスは覚悟を決めた顔でそう言う

 

「一騎打ち?」

 

「ああ、お前が勝てばあたしを殺すなりなんなり好きにしろ、でもあたしが勝ったらあたしの話を聞いてくれ!」

 

「な!?雪音!」

 

「良いんだ先輩、どうなんだ湊」

 

クリスの話か

 

「良いだろう、万が一お前が勝ったら話を聞いてやるよ」

 

そう言って俺はソロモンの杖を持って地上に出るとフロンティアの塔一角に大きな光が見える

 

「あのバカの仕業か」

 

「ああ、だけど立花らしい」

 

俺は2人のその声を聞くとそこに向けて走り出す




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28話

「切歌!調!」

 

「「湊!!」」

 

光の見える塔に向かって居る途中2人と合流する

 

「無事だったデスね」

 

「良かった」

 

切歌と調は心底安心した声を上げる

 

「俺はあの塔の光る場所に行ってみる。お前達は風鳴と協力してノイズを頼む」

 

「わかったデス」

 

「気をつけて」

 

俺は切歌と調の言葉に頷き塔に向けて再び走る

 

「此処だよな「湊君!」おっさん!?何で此処に!」

 

「ウェル博士の確保に来た」

 

あー彼奴の確保か

 

「彼奴片腕無くなってますけど良いですか?」

 

「何かあったのか?」

 

「まあイラついてやったと言いますか、何と言いますか」

 

俺は言葉を濁らせながらそう答える

 

「その話は後でじっくり聞かせてもらう」

 

おっさんはそう言って中に入る

 

「ウェル博士!」

 

おっさんはそう叫ぶが彼奴は開いた空間から下に向かった

 

「マリア!」

 

「湊…良かった無事だったのね」

 

マリアは俺の無事を知り小さく笑う

 

「ああ、立花お前その姿」

 

「マリアさんのガングニールが私の歌に答えてくれたんだ」

 

そうか、マリアのガングニールが

 

「今のウェルは左腕をフロンティアとつながる事で意のままに制御出来る。フロンフィアの動力はネフィリムの心臓、それを停止させられればウェルの暴挙も止められる」

 

成る程なそう言う事なら

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

シンフォギアを纏い地面に穴を開ける

 

「俺があのクソ医者を追う。立花、みんなの事は頼んだ」

 

「任せといてよ湊君」

 

立花がそう言ったのを聞いて俺はその穴に入る

 

「何でおっさん達まで来るんだ?」

 

「本部の解析にて高質力のエネルギー反応地点を特定した!恐らくあそこがフロンティアの心臓部に違いない!」

 

成る程ね、流石やる事が早いな

 

「ウェル博士!」

 

「よお、マムだけじゃ飽き足らず切歌達まで俺の前から奪おうってんじゃないだろうな?それに元々お前の手に世界なんて大きかったんだよ」

 

おっさんに続いて俺も中に入る

 

「奇跡が一緒懸命の報酬なら僕にこそ!」

 

「テメエ!」

 

俺は彼奴の腕が石板に触れる前に撃ったつもりだったが一歩遅く先に彼奴の命令が行ってしまった

 

「ぎゃああ!」

 

彼奴はもう片方の腕も無くなった状態で叫び地面に転がる

 

「答えろ、お前最後に何て命令しやがった」

 

俺はクソ医者の顔を掴みながらそう聞く

 

「ただ1つネフィリムの心臓を切り離せと命じただけ!こちらの制御を離れたネフィリムの心臓はフロンティアの船体を喰らい暴走を開始する!そこから放たれる温度は1兆度だ!!」

 

「そうか、お前に聞きたい事はもう無い、そのまま死んどけ「待て湊君」何だよおっさん」

 

「ウェル博士の身柄はこちらが預かる事になっている此処で殺させる訳にはいかないな」

 

そう言っておっさんは俺の腕を掴む

 

「わかったよ、それとおっさん言っとくがその石板みたいなの壊したところで命令が既に実行されてるから意味はないぞ」

 

「そうか、壊せばもしかすると思ったんだがな」

 

おっさんが残念そうにそう言う

 

「それで止まるなら俺が壊してるな」

 

「ははは、違いない、湊君ウェル博士を運んでくれ」

 

「了解、全く人使いが荒いおっさんだな」

 

そう呟いて俺はクソ医者を担ぎ上げおっさんに着いて行った




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29話

「湊ただいまデス!」

 

「ただいま湊」

 

立花達と共に無事戻った切歌と調がそう言って近づいてくる

 

「おかえりで良いのか?取り敢えずお前ら良くやったよ」

 

そう言って切歌と調を撫でる

 

「未来ー!!」

 

「響ー!!」

 

向こうでは立花と小日向が抱き合い互いに生きてると実感し合っている

 

「湊、マムはどうなったデス?」

 

「その事を話さないとな、マムだが米国の知り合いにロケットを飛ばして貰ったんだが既に亡くなった後だったらしい。今はその遺体を運んで貰っている」

 

「なあ?あのヘリこっちに飛んで来てねえか?」

 

クリスがそう言うのでそっちを見ると確かにヘリが此方に向かって居た

 

「あれって」

 

俺はあのヘリに見覚えがある。そう思っているとヘリは俺らの前で止まり中から見覚えのある人が出て来る

 

「湊様!!」

 

俺をそう呼ぶ奴は2人しかいないそしてこの声は

 

「悪いなアリア、わざわざ来てもらって」

 

「いえ、湊様のお手を煩わせる訳にいかないのでわたくしが馳せ参じただけの話です」

 

そう言って俺の目の前に立つ赤髪の少女。彼女がロケットを使いマムの遺体を回収して来てくれたアリアだ

 

「湊この女は誰デス?」

 

「詳しく聞かせて」

 

切歌と調がそう言って俺の手を思いっきり握る

 

「申し遅れました、わたくしはアメリカの対ノイズ用グループclover's所属のアリア・ツゥーヴェルクと申します。以後お見知り置きを暁切歌さん、月読調さん」

 

アリアはそう言って切歌と調にお辞儀をする

 

「単刀直入に聞くデス、湊とはどう言う関係デス?」

 

「湊様とですか?そうですね、一晩共に過ごした事もあります」

 

アリアがそう言うと切歌と調からものすごい勢い殺気を感じる

 

「「湊?」」

 

「アリア変な言い方は辞めろ」

 

「?わたくしはノイズとの戦闘で一晩共に過ごしたと言う意味で言ったのですが?」

 

アリアがそう言うと切歌と調はほっと安心した顔をする

 

「それよりマムの遺体を見せてくれ、それがマムじゃなかったら来た意味が無くなるしな」

 

「そうですわね、これがそうです」

 

アリアはそう言って人1人入りそうな棺桶を持ってくる

 

「ご確認下さい」

 

アリアはそう言って棺桶を開けたので俺と切歌と調がマムかどうか確認する

 

「間違いないマムで合ってる」

 

「「マム…」」

 

棺桶の中に入って居たのはマムで間違えなく切歌と調は既に泣きそうになっている

 

「そうですか、わかりました。ナターシャ教授の遺体はわたくし達米国が責任を持ちます。それでは湊様わたくしはこの辺りで失礼します」

 

アリアがそう言ってヘリに乗り込むとそのヘリは出発した

 

「湊あのヘリは何だったの?どうしたのよ切歌、調?」

 

ヘリが出発してからマリアが来ると切歌と調はマリアに抱きつく

 

「何かあったのね」

 

「ああ、米国が月で遺体を見つけたのがマムだったんだ」

 

俺がそう言うとマリアも元気がなくなる

 

「そう、マムが…良いわよ切歌、調。貴方達は頑張ったわ。だから今は思う存分泣きなさい」

 

マリアがそう言うと切歌と調はそれこそ声が出なくなるんじゃないくらいんじゃないかってくらい泣いた




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30話

「切歌お姉ちゃんも調お姉ちゃんもおんぶ良いなぁ」

 

「おんぶ位後でしてやるから、全く泣き疲れて寝るって小学生かよ」

 

俺は葉月にあらかじめ釘を刺す。俺が調を背負い、マリアが切歌を背負った状態で葉月を連れておっさんの用意してくれたホテルの部屋に向かっている。

 

「切歌と調にとってそれだけの事だったのよ。バレない様に隠してたみたいだけど貴方も泣きたかったのよね」

 

やっぱりマリアには敵わないか

 

「当たり前だろっと着いたな…本当に此処で良いんだよなマリア?」

 

「地図によると此処で間違いないわね、一先ず入りましょ」

 

そう言ってマリアはホテルに入って行く

 

「広いな」

 

「そうね」

 

「広ーい!!ふかふか!」

 

葉月はそう言ってベットの上に寝転ぶ。おっさんの用意してくれた部屋は5人で使うには充分過ぎる部屋だった。俺とマリアは葉月にベットから降りてもらいそこに切歌と調をベットに寝かせる

 

「パパおんぶ!」

 

「わかった、後でしてやるって約束だからな。ほら、これで良いか?」

 

俺はその場で葉月を背負ってそう言う

 

「もっともっと!」

 

「お前そんなに叫んだら…」

 

切歌達が起きるだろと言おうとした時

 

「ん、ふぁ〜、此処どこデス?」

 

「マリア?湊?葉月ちゃん?」

 

案の定、切歌と調が起きてしまった

 

「お前な、次からで良いから誰か寝てる時は起こすかもしれないから出来るだけ静かにしろよ?」

 

「ごめん…なさい…」

 

「はぁ、切歌と調が起きたと思ったら今度はお前かよ」

 

謝りながら寝てしまった葉月を俺はベットの上に降ろし布団を掛ける

 

「湊なんで私達ホテルに居るデス?」

 

「湊、お腹すいた」

 

「取り敢えず、此処に居る理由はおっさんが用意してくれたって言うからそれに甘えたからだ。それとお腹すいたならどっか食べに行くか?と言うか俺とマリア、葉月もまだなんだがこの時間に寝たんじゃ葉月は明日まで起きないだろう」

 

現在の時間は19時30分を少し過ぎたくらい、この時間に寝た葉月は次の日まで起きた試しがない

 

「そうね、偶には外で食べるのも悪くないかもね。でも万が一があるから私は残るわ、最初は3人で行って来なさい」

 

それでも良いが

 

「マリアはお腹空いてないデスか?」

 

「空いてない訳じゃないけど、誰も居ない時にこの子が起きちゃって1人だったら寂しいと思うの。だから私は残るわ」

 

そう言ってマリアは葉月を撫でる

 

「わかった、なら葉月はマリアに任せる。行くぞ切歌、調」

 

「「待って(デス)湊!」」

 

俺がそう言うて部屋を出ると切歌と調は走ってそれを追いかけて来て俺の両腕に飛びついた




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31話

「それで外に出て来たのは良いが、何食べるんだ?」

 

「そう言えば…」

 

「決めてなかったデスね」

 

ホテルの外に出てから何を食べるか決めてない事に気づく

 

「仕方ない、マリアも呼んで考えるか「「待って(デス)」」どうしたお前ら?」

 

俺がマリアをよびに部屋に戻ろうとすると切歌と調に止められる

 

「湊私行って見たいお店があるんだ」

 

「私もデス!」

 

「そうなのか?何処だ?」

 

俺がそう聞くと切歌と調は携帯でお店までの地図を出す

 

「此処なんだけど」

 

「此処なんデスけど」

 

「うーん、距離的には切歌のお店の方が近いけどどっちかって言うと調のお店の方が美味そうではあるな」

 

切歌が行きたいのはハンバーガーショップ、調が行きたいのは少し離れた場所にあるフードコートだった

 

「一先ず調の行きたいフードコートに行って席が空いてない様なら切歌のハンバーガーショップに行くか」

 

「「そうだね(そうデスね)」」

 

行き先も決まったので俺達はフードコートに向かった

 

「うわぁ、人が一杯だね」

 

「そうデスね、あ!あそこ空いてるデスよ!」

 

そう言って切歌は走って行ってしまう

 

「おい!走ると誰かとぶつかるぞ!」

 

「大丈夫デスよ!うわぁ!」

 

ほら言わんこっちゃない

 

「大丈夫か?」

 

「大丈夫デス、ごめんなさいデスって響さんじゃないデスか」

 

「あれ?切歌ちゃん!湊君達も此処で晩御飯なの?」

 

切歌がぶつかったのはどうやら立花らしい。良かった知り合いで

 

「悪いな立花、大丈夫だったか?」

 

「うん!平気へっちゃらだよ!「おーい!響!!」あ!未来!こっちこっち!」

 

そこに立花と来ていた小日向が来た

 

「あれ?湊達も?」

 

「ああ、ある程度見たが此処以外席空いてなかったぞ」

 

「そうなんだ、ねえ、湊君達さえ良かったら一緒に食べない?」

 

うーん、席は空いてないしでもそうなると椅子が4つしかないから1つ足りなくなる。どうするかな

 

「椅子が足りなくてどうするか迷ってるの?」

 

「ああ、もう1つ椅子があったら全員で座れるんだが…「あ!あの時のお兄さん!」ん?あいつは確か…」

 

声のした方を向くと以前俺がノイズから助けた少女が母親らしき女性と歩いて来る

 

「貴方が華を助けてくれたんですか、貴方が助けて下さらなければ娘は此処に居ません本当にありがとうございます」

 

「ありがとうお兄さん!」

 

母親は俺に頭を下げ、少女はその隣で満面の笑みを浮かべてそう言う

 

「別に気にする必要は無いんだけどな…なぁ、お前ら此処で飯食ってんだよな?なら椅子譲って貰えねえか?椅子が1つ足りなくて困ってたんだ」

 

「ええ、それくらい大丈夫ですよ」

 

「助かる、立花達は此処で待っててくれ椅子貰ったら直ぐに戻る」

 

そう言って俺は2人が座っている席まで向かい椅子を1つ貰い戻ろうとした所で母親に止められる

 

「あの、少ないですが受け取って下さい」

 

母親はそう言って財布から一万円札を3枚取り出して渡して来る

 

「いや、俺が勝手にした事なんだが」

 

「娘の命に比べたらこれでも少ないくらいです。気になさらず受け取って下さい。「ママ!」はいはい、それでは私はこれで」

 

母親はそう言ってその少女の方に向かって行きそれを見た俺も何時迄もこうしている訳には行かず立花達が待っている席まで戻った




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32話

「それじゃあそろそろホテルに帰るか」

 

夕食を食べ終わってから切歌と調が立花達と話し始め気づけば1時間程経っていた

 

「そうデスね、あ!マリアのご飯買って帰ってあげるデス!」

 

「良いね切ちゃん、マリアもきっと喜ぶと思う」

 

そう言って切歌達も立ち上がる

 

「私達もホテルにチェックインしに行こっか響」

 

「そうだね未来」

 

立花達も今日のホテルにチェックインに向かうらしい

 

「それで、どうしてこうなった?」

 

現在俺たちの部屋に二課の装者(クリスは立花が無理矢理連れて来た)が来ている。

 

「ごめんね湊、突然大勢で押しかけちゃって」

 

「来ちまったんだからもう良いが、俺は寝るから静かにしてくれ」

 

そう言ってベットに横になり布団を被る(マリアと葉月はこの騒がしい中寝ている)

 

「えー!そんなのつまんないデス!夜はまだこれからデスよ!起きるデス湊!!」

 

「そうだよ湊君!まだ寝かせないよ!」

 

立花と切歌が強引に俺から布団を取る

 

「お前らな…俺は眠いんだ寝かせろ」

 

「それじゃあ、今からババ抜きをして一番に上がったら寝て良いよ」

 

このままじゃいつまで経っても寝れそうにないので不本意ながら俺は調の提案にのる

 

「それじゃあおやすみ」

 

開始10分、俺の手札がババだけになり立花がそのババを引いて俺が最初に上がったので俺は眠りにつく

 

〜切歌side〜

 

「それにしても早かったデスね」

 

「湊はこう言う時の勝負事には強いから」

 

あれ?それって…

 

「調もしかして最初からそれがわかっててしたデスか!?」

 

「うん、私はいつでも湊の味方」

 

ぐぬぬ、思わぬ伏兵が居たデス

 

「……」チラッ

 

「どうかしたデス?」

 

さっきから偶に湊の方を見てるクリスさんにそう聞く

 

「あ!いや、彼奴の寝顔なんて久しぶりに見てな」

 

「そう言えばクリスさんは湊のお姉さんでしたね…湊からお姉さんの良い話は全く聞かないデスけど」

 

「そう言えばそうだね」

 

私と調がそう言うとクリスさんは少し沈んだ表情を浮かべるもしかして

 

「クリスちゃん寂しいの?」

 

「バっバカ!そんな訳ねーだろ!」

 

クリスさんはそう言って顔を真っ赤にしてカードに向き直る

 

「ただ…彼奴の根本的な部分は何も変わってねぇなって思ってな。あ、それとあたし明後日彼奴と一騎打ちする事になってるから」

 

「一騎打ち!?何それカッコイイ!何で勝負するの!?」

 

「防人であればやはりシンフォギアであろう」

 

「いや、意表をついて料理かもしれないデスよ?私的にはそっちの方が良いデスけどね」

 

「私も…料理対決なら嬉しい」

 

「それって切歌ちゃんも調ちゃんも湊の料理が食べたいだけだよね?」

 

そんな事ある訳ないじゃないデスか未来さん…

 

「…」ジー

 

う、仕方ないじゃないデスか湊の料理が好きなんデスから

 

「いや、お前ら普通に考えたらシンフォギアでの一騎打ちだろ!?何であたしと湊が料理の腕を競わなくちゃならないんだよ!?」

 

「それはそうと雪音、本当にあの条件で良かったのか?」

 

「ああ、あれくらいしねぇとあたしは彼奴に償えねぇそんくらいの事をしたんだ」

 

あの口ぶりからするに翼さんはその条件を知ってるんデスね

 

「その条件って何なのクリスちゃん?」

 

「ああ、湊が勝てばあたしを殺すなりなんなり好きにしろ、でもあたしが勝ったらあたしの話を聞いてくれってあたしからそう言ったんだ」

 

クリスさんそれって…

 

「もしかしてデスけどわざと湊に負けようとしてないデスよね?」

 

「まさか出来れば勝ちてぇよ。あたしは彼奴を人殺しなんかにしたくない。それでも彼奴が勝つ確率が75%だとしたらあたしが勝つ確率は5%残りの20%は引き分けだ。彼奴とあたしにはそれくらいの差があるんだ」

 

クリスさんは真剣な表情でそう言う

 

「そっか、私姉弟なら話せば分かり合えると思ってたんだけどなぁ」

 

「確かにそれが一番なのかもしれないデス。でも綺麗事だけでどうにかできる程この世界は平和じゃないデス」

 

響さんの言葉に私はそう言う

 

「響もう遅いしそろそろ部屋に戻ろう」

 

「もうそんな時間なんだ」

 

「我々も部屋に戻ろう」

 

「そうだな「「待って(デス)」」なんだ?」

 

私はと調は外に出ようとするクリスさんを呼び止める

 

「「湊を人殺しにしない為にも絶対に勝って(デス)」」

 

「お前ら、彼奴は本当に良い仲間に会ったな、今のあたしにできる全力で行くつもりだ。それじゃあな」

 

クリスさんはそう言って部屋を出て行った

 

「切ちゃん」

 

「何デス調?」

 

私と調は湊を間に挟んで話をする

 

「クリスさんとの事が終わったら私と切ちゃんの気持ち湊に伝えよう」

 

「そうデスね…私もそろそろ頃合いだとは思ってたデス」

 

「どっちが湊に受け入れてもらえるか勝負だね」

 

「そうデスね、お互いに全力でアプローチはしたデス」

 

「「後は湊が私か切ちゃん(調)かを選ぶだけだからね(デスよ)」」

 

私と調は湊の隣でそう呟き眠りについた

 

〜切歌side out〜




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33話

〜クリスside 〜

 

「取り敢えず…今回は最初からガチで行くから」

 

「ああ」

 

~Killter Ichaival tron~

 

〜Volar esperança Sandalphon tron〜

 

湊の纏ったシンフォギアを見てあたしは驚く

 

「お前…」

 

「勘違いすんな、俺はさっさと終わらせたいだけだ」

 

実際に早く終わらせたいってのもあるかも知れねぇ。でもそれだけじゃねえそんな気がする

 

「じゃなくて!んなもん使ったら!「喋ってる暇があるならさっさと構えろ、じゃなきゃ…何もできずに死ぬぞ!」チッ!どうなっても知らねぇからな!」

 

湊はあたしの言葉を無視してアームドギアである剣を振るう

 

「あっぶねぇ」

 

さっきまであたしの居た地面には亀裂が入っている

 

(一振りであれって、全く冗談キツイぜ)

 

「はああ!」

 

「ちょせえ!」

 

《MEGA DETH INFINITY》

 

「邪魔だ!」

 

《雷精》

 

あたしの放ったミサイルを彼奴は剣に溜めた雷をぶつけて相殺しあたしに近づいて来る。彼奴に懐に入られる訳にはいかないそう思ったあたしは即座に反応し後ろに飛ぶ

 

「とっ、これならどうだ!!」

 

《QUEEN'S INFERNO》

 

あたしは両手にアームドギアしたクロスボウを構え多連装のエネルギーの矢を高速で連射する

 

「はあ!」

 

湊は剣を回転させてそれを防ぐ

 

「俺は此奴だ!」

 

《雷鳥》

 

湊が持ってた剣をぶん投げると剣は雷を纏った大きな鳥になりあたしに向かって来る鳥を避ける

 

「武器を投げるとはあたしも舐められたもんだな!」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

左右の腰部アーマーを展開し、内蔵の多連装射出器から追尾式の小型ミサイルを一斉に発射する。あたしはこれで決まったと思い油断したがそれがいけなかった

 

「ぐっ!」

 

「悪いな、そいつも追尾型の技だ俺の手に戻るかお前にぶち当たるまで終わらねえ」

 

あたしの左足を擦りその剣は湊の手に戻る

 

「それに追尾式の小型ミサイルも切り刻めば済む話だ」

 

そう言って剣で小型ミサイルを全て叩き斬る

 

「へへ、デタラメだな」

 

「これで終わらせる」

 

《雷斬》

 

剣に雷を纏わせあたしに向かって来る湊

 

「それを待ってたぜ!」

 

《RED HOT BLAZE》

 

あたしはアームドギアをスナイパーライフルに形成して至近距離で放つ事で湊の技の軌道を変えた

 

「しまっ!ぐっ!」

 

流石に対応仕切れずあたしはスナイパーライフルの銃口を湊に向ける

 

「勝負あったな湊」

 

あたしはシンフォギアを解除して湊にそう言う

 

「決まったと思ったんだがな」

 

「あたしもお前の癖が抜けて無かったら多分負けてたよ」

 

「癖?何の事だ?」

 

「お前あたしに向かって来る前に一瞬だけ笑っただろ?お前がそれやった時は油断してる時、そしてそん時のお前は大抵小さなミスをするんだよ」

 

あたしの指摘に彼奴は驚く

 

「そんな癖あったんだな」

 

「気づいてなかったんだな、さて勝負はあたしの勝ちだな」

 

「ああ、それでお前が聞いて欲しい話ってなんなんだ?」

 

そう聞かれたあたしは湊に話したい事を話し始める

 

〜クリスside out〜




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34話

「なあ、聞いてんのか!」

 

「ああ、悪い」

 

俺は一騎打ちに負けてクリスの話を聞いているが正直言って話を聞くまでもなく俺はもう此奴を殺そうなんて考えは頭から抜けている

 

「たく!お前はいつから人の話もまともに聞けなくなりやがった!」

 

「ん?そりゃ今お前の話してる内容の真実を俺が知っているからだが?あ、やば」

 

「なっ!お前!今なんて言いやがった!?」

 

クリスは顔を赤くする

 

「はぁ、正直に話すよ。俺はお前の話す内容を知っていると言うかおっさんにその資料を貰ったと言った方が正しいな」

 

おっさんから貰った資料には俺が居なくなった後クリスの身に何が起きたかが書かれてあったその原因となった事も

 

「はあ!?そんな事なんでもっと早く言わねえんだよ!?」

 

「いや、此処まで同じだと思わなくてな」

 

実際にクリスの話して居た事は全ておっさんがくれた資料に書いてあった事だった

 

「お前そんな事言うって事はまさか!?」

 

「負けたのはワザとだよ」

 

俺がそう言うとクリスはため息をつく

 

「ならさっさと負けてくれれば良かったものを」

 

「それは…負けたら負けたでやっぱ悔しいから」

 

俺はそう言うとクリスから顔をそらす

 

「その…こう言っちゃなんだが…お前は俺の事嫌いにならなかったのか?お前が捕虜生活を送る原因になったのって…俺だろ?」

 

俺を拒絶した翌日クリスは俺を探して街中を走り回ったが見つからなかった為、次の日に今度は街の外を探し始めた。そしてその数日後に南米バルベルデ共和国付近での戦争に巻き込まれその後、現地武装組織に捕えられ6年の捕虜生活を送っている。そもそもの原因は此奴なのかもしれないが、此奴が捕虜生活を送る原因になったのは俺だ。だからこそ気になった彼奴はクリスの方は俺を恨んでないのかと

 

「確かに捕虜生活を送って居た最初の頃はお前のせいでなんであたしがこんな目に遭わなくちゃいけねぇんだとは思ってたよ…」

 

クリスは当時の事を思い出して居るのか暗い顔をしながらそう言う

 

「それでも、どれだけ迷惑かけられようが、そいつのせいで酷い目にあったとしても、あたしは湊の姉ちゃんなんだ。お前を嫌いにはなれなかったよ」

 

クリスは先程とは一変して笑ってそう言う

 

「それでさ、お前さえ良かったら…昔みたいなとは言わねえ、でも…せめてまた一緒に笑ったり出来る姉弟に戻ってくれないか?」

 

クリスはそう言って俺に手を差し出す

 

「わかった、だが次同じ事したら許さないからな」

 

俺はそう言ってクリスの手を取る

 

「当たり前だろ!ん?悪いあのバカからだ。何だ?」

 

クリスはそう言って立花からの電話に出る

 

「…こんな俺を許してくれてありがとお姉ちゃん…」

 

クリスに聞こえない小さな声で俺はそう呟いた




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35話

「それじゃあ!切歌ちゃん達の歓迎会始めよー!」

 

そう言った立花の後ろには『熱烈歓迎!暁切歌さま、月読調さま、雪音湊さま』と書かれたボードが吊るされておりその周りには色々な料理が並べられて居る。

 

「マリア、お前は二課所属じゃないのか?」

 

「私もそう出来れば良かったのだけど、司法取引に応じて《フロンティア事変の英雄》という肩書きでの立ち回りながら国連の監視下で歌手活動を続ける事になったの、だから湊、私の居ない間切歌と調の事頼んだわよ」

 

「わかった、でも出来るだけ早く戻って来てくれよな。俺も切歌も調もみんなで待ってるからな」

 

「ええ」

 

切歌達が色々な話で盛り上がる中俺とマリアはそんな会話を交わす

 

「それにしても、アリアの親戚が日本でホテルをしてたなんてな。しかも宴会場まで貸してくれて」

 

現在歓迎会を行って居るのはアリアの親戚の経営して居るホテルの宴会場を借りてして居る

 

(また埋め合わせしなきゃな)

 

そう思いながら用意されて居る飲み物を飲む

 

「おーい!湊君もそんな隅に居ないでこっちに来なよ!」

 

俺が隅の方で静かに食事をして居るのが立花に見つかった

 

「こう言う騒がしいのは苦手なんだよ…」

 

「そんなこと言わないで一緒におしゃべりしよ!」

 

俺の意識を無視して立花は俺の手を引っ張って切歌達の元に向かう

 

「お!やっと来たデスね湊」

 

「待ってた」

 

「湊1人で食べても美味しくないよ」

 

立花に連れて来られた場所には切歌と調、それから小日向が居た

 

「俺は静かに食べるのが好きなんだよ」

 

「まあまあ、そう言わずに一緒におしゃべりしながら食べようよ!」

 

「響さんは少し強引すぎデスよ。そうでした、湊この後少し時間もらっても大丈夫デスか?」

 

「私も切ちゃんと一緒に時間もらっても良いかな?」

 

「別に良いが今ここじゃダメなのか?」

 

俺がそう聞くと切歌と調は頷く

 

「今ここではちょっと…」

 

「恥ずかしいデスね」

 

2人がそう言うと小日向は何を言いたいのか理解したらしい

 

「ほら響ちょっとあっちに行ってよ」

 

「どうしたの未来?」

 

立花は疑問を抱きながらも小日向に着いて行く

 

「どう…デス…未来…気を…デスし…」

 

「そう…きり…しよ」

 

2人が何か話して居るが声が小さくて何を話して居るかわからない

 

「「湊こっちに来て(デス)」」

 

俺は切歌と調に手を引かれ歓迎会をして居る宴会場の外に出る

 

「此処まで来れば大丈夫デスね」

 

「そうだね切ちゃん」

 

そう言って2人は深呼吸をする

 

「湊、私ずっと言いたい事があったデス」

 

「私もずっと湊に言いたい事があった」

 

切歌と調が言いたい事?なんだ?

 

「「私は湊の事が好き(デス)私と付き合って下さい!!」」

 

2人が言いたい事、それは俺への告白だった




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36話

切歌と調の2人が俺の事が好きね

 

「知ってる」

 

「え!?気づかれてたデス!?」

 

「やっぱり」

 

俺の言葉に切歌は驚くが調はあまり驚いた様子はない

 

「調は驚かないんだな?」

 

「湊の事だから気付いたとしてもどっちか決まるまで気づいてないフリするってそう思ってたから」

 

調の奴なんでそこまでわかるんだよ

 

「湊の事なら手に取るようにわかるよ」

 

「なにそれ、すげー怖いんだけど」

 

俺今口に出してないよな?本当に怖いんだけど

 

「調の言う通りだ、俺は気づいてないフリをしてた。こう言っちゃ悪いが俺はまだどっちの気持ちを受け入れるかは決まってない。正確には決めれて居ないだな、俺が調の事を受け入れたら切歌が辛い思いをする。切歌の事を受け入れたら今度は調が辛い思いをする。出来る事なら俺は切歌にも調にも辛い思いなんてして欲しく無いんだよ。それよりも怖いのは今の関係に亀裂が入る事なんだよ。俺は今のお前達との関係が居心地が良いと思ってるし、気に入ってる。ずっとこのままで良いって俺は思ってるがお前達はそうもいかないんだろ?」

 

俺がそう聞くと切歌と調は考え始める

 

「ずっとこのまま3人で…確かにそう出来るなら1番デスね」

 

「私は…私は今のままは嫌だ、私は湊とのその先の関係になりたい」

 

「私だってそうデス、でも…湊に辛い選択を迫るくらいなら…私は今のままで充分デス。私が居て、湊が居て、調が居て、マリアが居る。私はそれだけで充分幸せデス」

 

切歌…そう思うならそんな無理な作り笑いをするなよ

 

「悪い…俺がはっきりしないばっかりに」

 

俺が切歌と調どちらにも決められてない理由は誰よりも俺が1番理解している

 

「私は今の湊の答えを聞かせて欲しい。それが私じゃなくて切ちゃんだとしても私は諦めるつもりはない私には湊しか居ないそう思えるから」

 

「調…私も知りたいデス、今出せる湊の答えを」

 

「そうは言っても…」

 

(言える訳がない、切歌と調両方が好きで決められない何て、だが…)

 

「「……」」

 

真剣な表情で真っ直ぐ俺の目を見て答えを待つ切歌と調、仕方ない俺も覚悟決めるか

 

「俺はお前らのどちらも選べない。俺はお前ら両方が好きなんだ。だから1番最低な案…いや、考える中で最も最低な案だな。切歌と調2人して俺と付き合ってくれないか?」

 

俺は考えた中で1番最低な案を2人に伝える。取り敢えず殴られるくらいは覚悟しといても良いだろう

 

「そう、それが湊の答えなんだ…私は良いよ、この先に湊以上に好きになれる人なんて現れないだろうし、それにそれなら切ちゃんともずっと一緒に居られる」

 

「そうデスね、私も大丈夫デスよ湊」

 

あれ?何かすんなり受け入れてる!?俺結構本気で殴られると思ってたんだが…

 

「待て待て!!お前らは良いのか!?」

 

俺が思わずそう聞き返してしまう

 

「さっきも言った、この先湊以上に好きになれる人なんて現れないから良い」

 

「そうデスよ、それに私と調はそれくらい湊の事が大好きって事デス」

 

お前ら2人は本当に俺の予想外の反応をしてくるな

 

「それじゃあ、3人で付き合うって事で話は終わり「「待て(デス)」」何だ?」

 

話も終わったので歓迎会に戻ろうとすると切歌と調の2人に呼び止められる

 

「その…付き合ったんデスから…キスでもして欲しいデス」

 

「湊、私も切ちゃんと同じ」

 

「お前らな…まあ、あの案を受け入れてくれた訳だし…取り敢えず2人共目瞑れ」

 

俺がそう言うと切歌と調は言われた通り目を瞑った

 

(全く、今日一日でこんな関係が変わる事があるもんなんだな)

 

そう思いながら俺は未だに目を瞑り続ける切歌と調にキスをした




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37話

「ん〜、朝か…」

 

俺は起きて携帯の目覚ましを切る。切歌と調両方と付き合い1週間が経った。あれから特別変わった事と言えば、おっさんがと言うかアリアの父親が二課に俺と切歌達の住む場所を与えてくれと資金を寄付した事により、俺と切歌達はこの近辺にあるマンションで切歌と調で一部屋、俺と葉月で一部屋の住む場所を手に入れた事くらいだ。しかもどちらも4LDKと2人で使うには大き過ぎる程の部屋だ。

 

『全く驚きましたよ、オーグさん』

 

『ハハハ!アメリカにいる間娘の世話を任せてしまった謝罪料と思ってくれ』

 

部屋を見た途端にやり過ぎなのではと思いアリアの父親のオーグ・ツゥーヴェルク張本人に連絡した

 

『それにしてもやり過ぎですよ。こんな部屋を2人一部屋で2つ用意するなんて、それに1人は5歳児で実質俺しか使わないんですよ?』

 

『これでも足りないくらいだよ、アリアの世話は大変だったろう』

 

その時の俺はアメリカでのアリアとの生活を思い出すとなにも言えなくなった

 

『それでもこれは流石に』

 

『ハハハ!君は遠慮し過ぎだ少しは大人に甘える事を覚えなさい』

 

オーグさんはそう言って電話を切った

 

「まあ此奴が来るってわかってたのも理由の1つなのかもしれないが」

 

そう言た俺の目線の先で葉月と寝ている人物に目を向けてから台所に向かう。アリア・ツゥーヴェルク現在有給を取って日本に遊びに来ている。アリアは昨日の夜日本に着きそのまま俺の部屋のマンションに来た。俺は事情を説明してもらう為にオーグさんに電話をかけると、泊まる部屋を取る前にアリアが勝手に日本に向かったそうだ。そして日本に滞在する間アリアの事を頼むとも言われた。切歌と調の2人とは1日交代で互いの部屋で夕食を食べる事になっており昨日は俺の部屋に来る日だったので一瞬でバレて説教を喰らいアリアが滞在する間こっちに泊まると言う条件で許して貰えた

 

「ん、湊おはよう」

 

「ふぁ〜、おはようデス湊」

 

しばらくすると切歌と調が起きて来る

 

「おはよう調、切歌はなんか悪い夢でも見たのか?」

 

「私と調の対応の差の理由を教えて欲しいデス」

 

「それは調からの情報で普段は起こさなかったら昼くらいまで寝てるって聞いたからだ」

 

実際アジトにいた頃も起こさないと昼近くまで寝ている事があった。その為、切歌は何も言い返せなくなった

 

「パパおはよう」

 

3人で朝ごはんを食べていると葉月が起きて来る

 

「おはよう葉月、アリアの奴はまだ寝てるのか?」

 

俺の質問に葉月が頷く。大方また深夜アニメでも観てたんだろう

 

「アリア起こして来る。切歌、葉月のご飯とベーコンエッグ用意してやってくれ」

 

「わかったデス」

 

俺がそう言うと切歌は立ち上がり葉月のご飯とベーコンエッグの準備を始めた

 

「アリア朝だぞ起きろ」

 

俺はそう言ってアリアを起こす

 

「んー、湊様?まだ朝の7時ですわ、もう少し…寝ますわ…おやすみなさい」

 

アリアはそう言ってもう一度寝ようとする。このやり取りはアメリカに居る時に何度か経験したのでどうすれば良いのかはわかっている

 

「ほら!起きろアリア!」

 

「むー、わかりましたわ」

 

アリアは寝起きの時に二度寝仕切る前に布団を取られると絶対に起きる。この方法を使った時に二度寝をしたアリアを俺は観た事がない。アリアが起きリビングに向かった所で俺もリビングに向かった

 

〜アリアのプロフィール〜

 

名前:アリア・ツゥーヴェルク

 

歳:15歳

 

好きな物:アニメ ショートケーキ

 

嫌いな物:虫全般 運動(嫌いと言うより苦手)

 

シンフォギア :エアリアル

 

武器:剣




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38話

「パパ!お部屋で遊んでも良い?」

 

朝食の洗い物をしている途中に葉月がそう聞きに来た

 

「今日はアリアが居るんだ外に出かけるぞ。それでも良いなら、着替えと歯磨きが終わってからなら遊んでも良いぞ」

 

「わかった!」

 

葉月はそう言うと着替えを取りに自分の部屋に向かう

 

「葉月ちゃん本当に良い子に育ってるね湊」

 

「そうだな」

 

俺は洗い物を終えタオルで手を拭きながらそう答える。本当に葉月は良い子に育って居る。と言うか俺も最近では葉月を本当に自分の子供の様に思う事がある。でも葉月はネフィリムが分裂して生まれたもう1つのネフィリムの姿なんだ。それでも…それでも俺は葉月の事は出来る限り守って行きたいそう思っている。

 

「調!洗濯出来たみたいデスよ!」

 

「わかった、それじゃあ私は切ちゃんと洗濯物を干すね」

 

そう言って調は切歌とベランダに洗濯物を干しに行く

 

「パパ!終わったよ!」

 

「そうか…どうした?遊んでも良いぞ?」

 

何時もなら直ぐに遊びに行く葉月だが今日は遊びに行こうとしない

 

「パパも一緒に遊んで」

 

「何だそんな事か?別に良いぞ」

 

「本当!やったー!!」

 

俺がそう言うとよほど嬉しかったのかその場で飛び跳ねる

 

「湊、洗濯終わったよ」

 

そこに洗濯を干し終えた調が来るどうやら遊ぶのは無しになりそうだ

 

「ならアリア呼んで「アリアなら部屋の中でまだ服選んでたよ」彼奴まだ選んでたのか、そんじゃアリアの服が決まるまで4人で遊ぶか」

 

「わーい!!」

 

葉月はそう叫ぶと走って自分の部屋に向かう。

 

現在俺達は葉月の部屋で人生ゲームをしているのだが

 

「パパの番だよ?」

 

「おう」

 

俺の足に座る葉月にそう言ってルーレットを回す。

 

(…何でこうなったんだっけ?)

 

俺は切歌と調にジト目で見られる中そう考える

 

最初は普通にゲームをしていたがマスの1つにチャンスマスと言う物が存在する。このチャンスマスでは10枚あるチャンスカードと言うカードから1枚引く事ができ、そのカードの内容に応じてマスが進んだりお金が増えたりする。しかし、このカードの中にゲームに一枚だけ無関係なカードが入って居た。それが好きなプレイヤーに何でも1つ命令が出来る王様カード、それを葉月が引き当てこのゲームが終わるまでの間俺は葉月を足に座らせた状態でゲームをする事になった。それが切歌と調が不機嫌な理由の1つだろう。正直言って俺は切歌と調には悪いが葉月が引いてくれて安心して居る。この2人が引いたらゲーム終了後にも影響してくる可能性も否定できない。そして不機嫌な理由はもう1つあるそれは

 

「6か…」

 

6マス進めた所の内容に思わず手を止めてしまう

 

「パパ?」

 

そこにはこう書かれて居た

 

『新婚はラブラブで絶好調!ハネムーンで子宝を授かり夫婦共に3000円貰う』

 

俺と葉月が結婚している事だ。葉月は最初に結婚マスにたどり着きルーレットを回し俺と結婚、その次に俺も結婚マスにたどり着きルーレットを回すが結果は同じで葉月との結婚だった。因みに切歌と調も結婚しておりその両方が他人の結婚相手の事をジト目で見ると言う変な事態になっている

 

「パパとの子供?」

 

「その発言は誤解を招くから辞めてくれ葉月」

 

「次は私デスね」

 

切歌がそう言ってルーレットを回す

 

「8デスか、あ」

 

切歌が俺と同じマスに泊まる

 

「切ちゃん…」

 

「ごっごめんデス調…」

 

互いに顔を赤くし顔をそらす切歌と調

 

「次は私だね、7えっと…」しゅ〜

 

調が止まったマスを見て顔から湯気を出す

 

『新婚旅行の最中流れに身を任せる色々ありベットが壊れる。夫婦共に6000円失う』

 

(何があったんだよ!?アリア早く服選び終わってくれ!!)

 

内心早く終わってくれと思っていると

 

「お待たせしてしまいすみません!それでは出かけましょう!」

 

服を選び終えたアリアが部屋に入って来た事により人生ゲームは終了した。それと俺はこの人生ゲームを二度としたくないとそう思った




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39話

「此処がゲームセンター!」

 

「本当に初めてなんだな」

 

俺は目を輝かせるアリアにそう言う。アリアが昨日着いたにも関わらず勝手に日本に来た罰として明後日帰る事になったそうなので今日と明日はアリアが行ってみたい場所に連れて行くと言うとアリアは迷わずゲームセンターに行きたいと答えた。

 

「そう言えば何でゲーセン何だ?」

 

「それがお父様から絶対に行ってわならないと言われていて一度も行った事がなかったのです」

 

まあ、オーグさんの気持ちもわからなくはないゲーセンの存在を教えたらただでさえ部屋の中にアニメのDVDが入ったケースが床の至る所に落ちているアリアの部屋にフィギュアまで落ちてたら最悪怪我をする恐れがあるのと、これ以上アリアがアニメにのめり込むのを防ぐ為だろう。それなのに俺はアリアをゲーセンに連れて来てしまいました。すいませんオーグさん

 

「湊様!湊様!あれはどうやって遊ぶのですか!?あっちには何か大きな箱の様な機械があります!!凄い所ですねゲームセンターは!お父様はどうしてわたくしを此処んな素晴らしい場所に行かせてくださらなかったのですか!「取り敢えず落ち着くデスよアリア、やり方なら私が教えてあげるデス」ほっ本当ですか切歌さん!是非ご教授お願いします!」

 

「そこまでの事では無いと思うのデスが、取り敢えず私が一度やってみるのでそれを真似してやってみるのが1番デスね」

 

そう言って切歌は先ずクレーンゲームのやり方から教え始めた

 

「それじゃあ私はコインゲームのコーナーに居るから終わったら呼びに来て」

 

調はそう言ってコインゲームのコーナーに向かう残った俺と葉月で欲しいお菓子やぬいぐるみ(基本的に葉月が選ぶ事が多い)を取っていく

 

「湊ちょっと来るデス!!」

 

ゲーセンに来て30分くらいした頃切歌がそう言って俺の元に走って来る

 

「どうした切歌?」

 

「それがアリアさんずっと同じ人形を狙ってるんですけど中々撮れないみたいで既に6000円くらい使ってて」

 

6000円使って取れないなら諦めろよアリア…

 

「はぁ…大体分かった行ってくるから調と合流して3人で遊んでてくれ」

 

「わかったデス。アリアさんならこの裏側に居るデス」

 

この裏側の人形って確か…そう言う事か

 

「アリアどうだ?」

 

「湊様それが…」

 

アリアが取ろうとしていたのはやはりと言うかアニメのキャラ(アリアが取ろうとして居るのは黒髪をツインテールに纏めギターを持った少女)のフィギュアだった

 

「全く、切歌から聞いたぞ?こう言うのは諦めが肝心なんだ」

 

「わかってはいるのですが…此処まで来てしまい辞めるにやれられなくなってしまい」

 

それでずっと同じの狙ってたのか

 

「ちょっと変わってみろ」

 

「はい」

 

俺がそう言うとアリアは俺に変わる

 

「此処まで来てたら後2回で落ちるな」

 

「2回でですか?」

 

「ああ」

 

俺は100円玉を2枚入れる

 

「ほら、取れたぞ」

 

俺は取ったフィギュアの箱をアリアに渡す

 

「ありがとうございます湊様」

 

アリアはそう言うとその箱を大事そうに持つ

 

「こっからは計画的に程々にしろよ?」

 

「はい、その…湊様もう1つお願いしてもよろしいでしょうか?」

 

どうやらアリアにはもう1つ欲しいフィギュアがあるらしい

 

「良いぞ、どれだ?」

 

「これです」

 

アリアが次に指定したのはこれまたギターを持って居るが今度は茶色っぽい色の髪をしていた

 

「これで良いのか?」

 

「はい!ありがとうございます湊様!!」

 

今度は俺も苦戦して1500円使ったがアリアに比べたらマシだろうと思いアリアを連れて切歌達の待つコインゲームのコーナーに向かった




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40話

「湊お金大丈夫デスか?」

 

「ああ、なんとかな」

 

(まあ、切歌が心配するのも無理はないか1万円以上使ったしな)

 

切歌達と合流後1度お昼を食べにゲーセンを出て昼食を取ったが夕飯の買い出しにはまだ早い時間だったのでもう一度ゲーセンに入ったがアリアのフィギュアを取り続けて居るといつの間にか金額が1万円を超えていたので驚いた

 

「すみません湊様わたくしのせいで」

 

「まあ、オーグさんから貰ったアリアの宿泊費の30万円もあるしあんまり気にすんなよアリア」

 

そう今日の朝携帯を見ると、オーグさんからアリアの宿泊費として30万円君の口座に振り込んでおいたからと言うメールが来ていた

 

「30万デスか」

 

「お金持ちの金銭感覚がわからない」

 

「わあ!アリアお姉さんのパパ凄い!!」

 

「そうでしょうか?」

 

アリアは疑問符を浮かべてそう言うが30万ってかなりの額だぞ?

 

「取り敢えず夕食の買い出しも終わったし帰るか」

 

「待って湊、これを未だやってないデスよ」

 

そう言って切歌はガラポンの券を取り出す

 

「お前らだけで行ってこいよ俺は待ってる」

 

「つべこべ言ってないで行く」

 

こうして俺は強制的にガラポンの抽選をして居る場所に連れて行かれた

 

「おー!まだ結構豪華なの残ってるデスね!」

 

ガラポンの抽選をして居る場所にに着くと切歌はそう言う

 

「確かにそうだな、ん?葉月?」

 

葉月が抽選をする場所に着いてからずっと見ているその視線を辿ると3等の豪華海の幸詰め合わせセットを見ていた。

 

「あれが欲しいのか?」

 

「うん」

 

まあこればっかりは運だからな

 

「次のお客様」

 

「私の番デス!よーし」

 

切歌は気合を入れてガラポンを回すと黄色い球が出て来た

 

「おめでとうございます!3等、豪華海の幸詰め合わせセット大当たりです!!」

 

「おー!やったデスよ湊!3等デス!」

 

どうやら切歌が引き当てた様だ

 

「良かったな葉月」

 

「うん!切歌お姉ちゃんありがとう!!」

 

「葉月はあれが良かったデスか?喜んで貰えて私も嬉しいデス!!」

 

そう言って喜びを分かち合う切歌と葉月それは良いが

 

「一先ず邪魔になるからそこを退いたらどうだ?」

 

「は!しっ失礼しましたデス!」

 

切歌は顔を真っ赤にし頭を下げて景品を受け取りに行く

 

「全くいつまで経っても切歌は切歌だな」

 

「そうだね「次のお客様」私だ行ってくるね湊」

 

調はそう言ってガラポンを回しに向かう

 

「後は湊と葉月ちゃんだけ」

 

「頑張って下さい!」

 

そう言って俺と葉月を応援するアリアと調(因みに2人はポケットティッシュだった)

 

「先ず葉月からだな」

 

「うん!えい!」

 

葉月が回して出て来たのは白い球つまり

 

「ごめんね、はい参加賞のポケットティッシュ」

 

「ありがとう!」

 

葉月の欲しい景品は既に切歌が引き当てた為特に興味がない葉月はポケットティッシュを受け取る

 

「パパ頑張って!」

 

「最後はお父さんですか頑張って下さいね」

 

受付の人と葉月からそう応援されるが正直言って俺も欲しい景品はない為適当に回す

 

(白か)

 

「わあ!これキラキラしてる」

 

「は?キラキラ?」

 

葉月がそう言うので俺も目を凝らしてみると確かに光っていた

 

「こっこれは!特賞秋の京都旅行ペアチケット大当たり!!」

 

店員は大声でそう言って俺を台の上に上げる

 

(秋の京都旅行のペアチケットか。誰と行こうか?葉月の欲しい景品を引いてくれた切歌か?それとも世話になってる調?でも葉月も心配だしなぁ、そう言やクリスと仲直りしてから2人で話したりする機会も無かったな)

 

「凄いデス湊!!」

 

「流石湊だね」

 

「凄いです湊様!!」

 

「パパ凄い!!」

 

4人からそう賞賛される中、俺は秋の京都旅行を誰と言うか考えていた




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41話

「いらっしゃいデス響さん!未来さん!」

 

「ごめんね切歌ちゃん。準備に手間取っちゃって」

 

「大丈夫デスよ、みんなまだ来たばかりデスよ」

 

そう言って切歌が立花と小日向を中に入れる

 

「しかし湊、お前も大変だなぁ、あたしらが来るまでお前何も知らされてなかったんだろ?」

 

立花にもこう言う所があるからだろうか、クリスが本気で同情しながらそう言う

 

「いや、この量をどう処理するのかとは考えてたがまさか人を呼ぶなんてな、しかも自分達の部屋じゃなくて俺の部屋だし」

 

「ごめん湊、私と切ちゃんの部屋にはこれだけの人数分のお箸もお椀も無い事に帰ってから気付いて。それで湊の部屋でやる事になったんだ」

 

「まあ、切歌が思い着いたんだ。その時点である程度覚悟はしてた」

 

そう言えば1つ気になる事言ってたな

 

「立花準備って何の準備だ?」

 

「あれ?湊君聞いてないの?」

 

聞いてない?何がだ?

 

「私達今日此処に泊まるんだよ?」

 

ふーん、泊まるねぇ

 

「切歌…却下、泊めるなら自分達の部屋に止めろ」

 

「えー!?私達の部屋には響さん達の分の布団無いデスよ」

 

「知らん、部屋は余ってるんだそれくらいは自分達の部屋で何とかしろ、俺を巻き込むな」

 

「切ちゃんそれは私も初耳だよ?」

 

此奴、調にも言ってなかったのか

 

「だって…調に言ったら湊に知られるじゃないデスか」

 

「はぁ、本当にお前は」

 

流石に耐えられずため息を吐く

 

「湊、気持ちはわかるけどため息を吐くと幸せが逃げるよ」

 

「そう思うなら此処に泊める気になってるあのバカをなんとかしてくれ」

 

「湊…諦めも肝心だよ」

 

「仕方ない、布団運ぶかアリア!」

 

俺は奥の部屋で葉月と遊んでいるアリアを呼ぶ

 

「何でしょうか湊様?」

 

俺が呼ぶとアリアは何処にあったかは知らないがメイド服を着て俺の所に来る

 

「頼みがあるんだ。布団4つ隣の部屋に運ぶの手伝ってくれ」

 

「布団を4つですか?わかりました」

 

「悪いな」

 

そう言って俺は布団を仕舞って居る部屋から4つ布団を出して来る

 

「湊私も手伝おうか?」

 

「あたしも手伝うぜ」

 

「小日向は葉月と遊んでやってくれ。クリスはそっちの布団を頼む、切歌お前が言い出した事なんだから手伝え」

 

「わかったデス」

 

4人で布団を運び終え部屋に戻ると誰も居なくなって居た

 

「あれ?調ー!何処行ったデース!」

 

「切ちゃんこっちだよ!!」

 

切歌が大声で調の名前を呼ぶと葉月が遊んで居る部屋から調の声が聞こえた

 

「調そこに居たデスか、何してるデス?」

 

「晩ご飯の準備が終わったんだけどまだ早いからみんなで葉月ちゃんと遊ぼうって事になったんだ」

 

それで全員いなかったのか

 

「後は俺がやっとくから切歌達も行って来たらどうだ?」

 

「そうするデス!」

 

「すみません湊様」

 

「悪いな湊」

 

切歌達はそう言って立花達が遊んで居る部屋に向かう

 

(さて、鍋だけじゃ物足りないかも知んないしそう言や確かワインがあったな、よしカルパッチョでも作るか、後海鮮サラダも)

 

何を作るか決まった所で早速作り始めた




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42話

「ふぁ〜、よく寝た」

 

そう言ってまだ寝ている葉月を起こさない様にベットから降りる。

 

「パパ?」

 

俺がベットから降りると葉月が起き上がる

 

「悪い起こしちまったか?」

 

「ううん、大丈夫」

 

葉月はそう言ってベットを降りる

 

「そうか、それじゃあ朝ご飯にするか」

 

「うん!」

 

そう言って俺と葉月はリビングに向かい昨日の鍋の残りを温めいる間にサラダも持ってくる

 

「「おはよう湊」」

 

鍋の残りを温めていると調と小日向が来た

 

「おはよう、もう少しで出来るから待っててくれ」

 

俺はそう言ってご飯を鍋に入れ雑炊を作る

 

「ごめんね、昨日も殆ど湊がしてたのに朝ご飯まで任せちゃって」

 

「気にすんなよ小日向、俺が好きでやってるんだから」

 

「湊は良いお父さんになる」

 

なんだろう別に嬉しくない

 

「パパもう出来た!?」

 

「もう直ぐだから座って待ってろ」

 

「うん!」

 

椅子の上に立つ葉月座らせる

 

「湊本当にお父さんみたいだね」

 

「お前までそれを言うのか小日向」

 

俺は事あるごとに切歌や調からそう言われるが遂に小日向にまで言われ始めた

 

「未来さんは湊と葉月ちゃん見てどう思う?」

 

「うーん、仲の良いお父さんとその子供かな?」

 

小日向がそう言うって事は結構周りからそう見られてるって事なのか?

 

「これからは気をつけるか…あ!葉月ちゃんと野菜も食べろ!」

 

「うう、お野菜苦いから嫌い」

 

「好き嫌いしてると身長が伸びないぞ?」

 

葉月は身長が低いのを少し気にしている為そう言うと大抵なものは食べてくれる

 

「頑張る」

 

「「頑張って葉月ちゃん」」

 

調と小日向に応援される中葉月は野菜を食べ始めた

 

「よし、小日向に調雑炊出来たぞ」

 

「「ありがとう湊」」

 

調と小日向はそう言って器を受け取り雑炊を食べ始める

 

「パパ!お野菜食べられたよ!!」

 

「そうか凄いな葉月、ちょっと待ってろ」

 

俺は葉月にそう言うと冷蔵庫に入ってる葉月の好きな食べ物を取りに行く

 

「ほら、デザートに食べて良いぞ」

 

「プリン!!」

 

俺が持って来たのは葉月の好物のプリン。何か頑張った時にはご褒美にプリンをおやつにしたりしている

 

「これ湊が作ったの?」

 

「ああ、最初は市販品でも良いかって思ったんだが一回俺が作ったのを食べてからそれが良いって聞かなくてな」

 

本当は作るの結構大変だから市販品にしたいんだが葉月が頑張ったご褒美なんだから要望通りにしようと思ってそれ以来頻繁にプリンを作る様になった

 

「湊のプリン私も食べてみたい」

 

「ダメ!パパのプリンは葉月のなの!調お姉ちゃんでもダメ!」

 

「葉月そんな意地悪言ってやるな。ほら、その代わり先に食べ終わっても葉月が食べ終わるのを待ってやれよ」

 

「わかった」

 

俺の言葉に調はそう言って頷いた




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43話

「そう言えばアリアさんは明日帰るんデスよね?」

 

「ええ、明日の朝には日本を出る予定ですわ。それで湊様、もし宜しければ二課にお邪魔させて頂けないでしょうか?」

 

「二課に?んー、俺にはなんとも言えないな、いけそうか風鳴?」

 

俺にはわからないのでおっさんの親族である風鳴に聞く

 

「少し待っててくれないか?叔父様に聞いて来る」

 

風鳴はそう言って部屋の外に向かう

 

「そう言えば昨日聞いたんですけど、アリアさんってシンフォギア装者なんですよね?しかもアメリカでいくつかあるグループで1番活動の多い」

 

「ええ、ですからこう言った休みは中々取れないんです。それに多いと言っても夜は順になって警備をして居ますわ。それからノイズの発生した数が多い時はいかなる時でも出動しなければならない為に、学校には通って居ません。特にわたくしの所属するclover'sはこれまでの功績が認められているのは嬉しい事なのですが休める日が少ない所が難点ですわね。因みにこのClover'sには一時期湊様も所属して居ましたわ」

 

アリアがそう言ったのでその場にいて知らない調と切歌以外の全員が俺を見る

 

「まあな、そう言やお前あの後結局の所ステラかナインに勝てたのか?」

 

「それが湊様に鍛錬をつけてもらったにも関わらず1度も」

 

それゃそうか、アリアと同じくらいステラとナインの鍛錬にも付き合ったんだから

 

「Clover'sは3人の特技や要素で形成されているんだ。1つの要素がスピードの速いアリア、その次が力の強いナイン、戦略にたけたステラ、その3人で形成されて居たんだが、俺が入る前のステラとナインが酷くてな、ステラは確かに戦略にはたけて居た。だが兎に角頑固で融通が効かなかったな、ナインも確かに力は人一倍あった。でも闇雲に突進するだけで自分の身体の事を後回しに考えててステラはそれが気に入らなかったんだろうな、それで2人が対立してステラはナインに対し、ナインはステラに対して敵対心みたいなのを互いに抱いててな、アリアはそんな中に居たくないから1人でノイズを倒しに行く事が最初は多かったみたいだな」

 

「そうでしたわね、そんな時に湊様がClover'sに来たのです。湊様は力が強いだけでは、戦略にたけて居るだけでは何も意味がないと言う事を実際に模擬戦をしステラさんとナインさんに教えてくださってのです」

 

「戦略があってもそれに必要な人材が必要だ、力があってもそれをフォローするパートナーが必要になる。アリアはその辺は理解してたから特にこれと言って無かったからあの2人には俺と一対一をして貰ったのとステラには戦略だけでは何も出来ない事、ナインには力だけでは意味がない事を理解してもらう為単独でノイズを討伐して貰った」

 

その結果ナインは戦略も必要である事が、ステラは自分には出来ない事がナインに出来る事が理解し今ではあの時の様な敵対心は無いがステラと他のグループのメンバーが言い合いになって居る事は度々あるとナインから聞いている

 

「雪音弟、叔父様が大丈夫だそうだ」

 

そこに風鳴が戻りそう言ったので俺達は二課の潜水艦に向けて出発した




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44話

「アリア君、切歌君、調君準備は良いか?」

 

二課のトレーニングルームに居る切歌達におっさんがそう問いかける

 

『大丈夫デス!』

 

『いつでもいける』

 

『初めて下さい』

 

今から切歌達3人による模擬戦が始まろうとして居る。きっかけは些細なもので二課についておっさん達に挨拶をするとアリアが俺に模擬戦をして欲しいと頼んで来たのだが自分達に勝てないなら湊には勝てないと切歌と調がアリアの前に立ちはだかったのがきっかけだ

 

「それでは模擬戦開始」

 

〜Various shul shagana tron〜

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

〜Màquina guanyadora vent aerial tron〜

 

おっさんの言葉で3人は聖詠をし模擬戦を始めた

 

「湊君、君はこの模擬戦どちらが勝つと思う」

 

模擬戦が始まって5分くらいするとおっさんがそう聞いて来る

 

「確実って訳じゃないがアリアだな、切歌と調も別に弱い訳じゃないだがアリアの方が一枚上手だ。そこをあの2人がどこまでカバー出来るかが勝負の分かれ目だろうな」

 

実際今押されて居るのは切歌と調、アリアは俺がClover'sに居た時に指摘した速さだけに頼る戦い方から連続して剣で切り裂いたり強い突きを入れたりと臨機応変に戦っている。それに速さが加わったんだ厄介な事この上ないだろうな

 

「雪音弟この中で彼女と戦えるのは誰だろうか?」

 

「そうだな…風鳴お前だけだ。クリスの場合あの速さに遠距離での攻撃は難しいと言う、立花は武器がないから論外、消去法で風鳴だけになる」

 

風鳴はアリアには無い剣の技術がある。技術があるのとないのじゃ大きく変わる。技術無しでカバー出来るのならばそれは才能と言って良いだろう。だがアリアは違うアリアにはそんな才能はないだから戦略と作戦、装者の腕によるものとなる。そして…

 

『まだ負けねーデス!!』

 

『こんなの湊との鍛錬に比べたら!!』

 

切歌と調には互いを信じ合って居るからそこ出来るチームワークがある

 

「彼奴ら…」

 

「エクスドライブだと!?」

 

切歌と調のエクスドライブ、この姿を見るのはネフィリムの時以来だ

 

『勝負はここから』

 

『覚悟するデス!!』

 

そう言った切歌が鎌を持ってアリアに突っ込む

 

『わたくしだってそう簡単に負けるつもりはありませんわ!』

 

そう言ってアリアも切歌を迎え撃つそして勝ったのは

 

「負けてしまいました」

 

「勝ったデスね調」

 

「うん、でもエクスドライブが使えなかったら負けてた」

 

かなりの僅差で切歌と調が勝った

 

「アリアもエクスドライブを発動してる相手に頑張った方だ。エクスドライブ何て反則みたいなもんだしな」

 

エクスドライブに至ると出力も戦闘力も大幅に上昇する為その状態の切歌と調が僅差だったので普通の状態じゃ確実にアリアが勝って居た

 

「アリアお前俺の言った事理解出来たみたいだな」

 

「はい、湊様が言いたかった事は速さだけに捉われず時には他の技術も必要だと言いたかったのですよね?」

 

「正解だ」

 

アリアがきちんと俺の言いたい事を理解して居るとわかった所で良い時間になったので俺達は二課を後にした




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45話

翌日、俺は朝早くに鳴る俺の部屋のインターホンの音で起きる。まあ誰かはわかって居るのだが

 

「お久しぶりです湊殿」

 

「お久しぶりですレイネさん」

 

扉を開けると俺が思った通りアリアの専属のメイドレイネさんが居た

 

「湊殿、アリアお嬢様はまだお休みなのですか?」

 

「はい、少し待って居て下さい」

 

俺はそう言ってアリアを呼びに行く

 

「アリアー、レイネさん来たぞ!」

 

「う〜ん、湊様…もうそんな時間なのですね」

 

まだ目が半開きの状態で起き上がったアリアがそう言う

 

「お前、また深夜アニメか?」

 

「いえ、そうではなく単に中々寝付けなかっただけです」

 

流石のアリアも翌日の朝帰るって言う時に深夜アニメは見ない様だ

 

「お待たせしましたレイネさん」

 

「待たせてごめんなさいレイネ」

 

「いえ、湊殿もお嬢様もお気になさらないで下さい」

 

「それでは、湊様3日お世話になりました。切歌さんと調さん、それから葉月ちゃんには楽しかったと一言お伝えして下さい」

 

「わかった、こっちも楽しかった。また来いよアリア」

 

「ええ、もちろんです」

 

アリアはそう言って微笑み乗って来たヘリのある屋上に向けてレイネさんと歩いて行った

 

「ん〜、パパアリアお姉さんは?」

 

アリアの見送りをしてしばらくし朝食を作っていると葉月が起きて来た

 

「アリアなら葉月の寝ている間に家に帰ったよ」

 

「そうなんだ、またねって言いたかった」

 

そう言って葉月は少し寂しそうにする

 

「ならアリアに電話かけるか?」

 

「うん!」

 

俺がそう言ってアリアの番号を開いた状態で携帯を渡すと葉月は頷きアリアに電話をかけた

 

「おはよう湊」

 

「おはようデス湊」

 

俺が朝食を食べ終わった所に切歌と調が来た

 

「おはよう切歌、調「パパ!ありがとう!」終わったかどう致しまして」

 

走って来た葉月から携帯を受け取り葉月の朝食を温める

 

「お前らは何してんだ?」

 

「え?湊の家で朝ご飯食べようかなって思って」

 

それでお前らも椅子に座ってるのか

 

「葉月とは違ってまだ作ってないからちょっと時間かかるがそれでも良いか?」

 

「大丈夫デスよ湊、私と調が急に来たのも悪いデス」

 

「うん、だから待つのはわかってる。むしろ作ってくれるだけ嬉しい」

 

「そうか、ほら葉月お前のは出来たぞ」

 

そう言って葉月に朝食を渡す

 

「ほう言えば「切歌飲み込んでから喋れ」ん…そう言えば今日近くの神社でお祭りがあるそうデスよ」

 

「それはその祭りに行きたいって事で良いのか?」

 

俺がそう聞くと切歌は頷く

 

「それで、浴衣を着たいんデスけど私の浴衣何処にあったか覚えてるデス?」

 

切歌の浴衣か

 

「うーん、、最後に使ったのってもう2、3年も前だろ?ならもう着られないんじゃないか?」

 

「そう言われれば、ん?アリアさんからメールデス」

 

アリアからメール?

 

「何て書いてあるんだ?」

 

「アリアさんも今日のお祭りの事知ってたらしくて私と調、それから湊と葉月ちゃんの浴衣をお店に頼んで置いてくれたみたいデス」

 

彼奴今日祭りがあるって知ってたのか。それに4人分の浴衣ってかなりの値段したんじゃ

 

「それでその浴衣を受け取ってくれって事で良いのか?」

 

「そうみたいデスね、それでデスね湊、朝ご飯が食べ終わったら皆んなで浴衣取りに行かないデス?」

 

切歌は早く浴衣を着てみたいのだろうかそう提案する

 

「まあ早いに越した事はないしな、でもまだ店自体が開いてないだろうし昼過ぎに行った方が良いんじゃないか?」

 

「ならそうするデスか、あ!湊朝ご飯食べさせて貰ったんデスから洗い物は私がするデス」

 

切歌がそう言って洗い物を始めようとする俺を止める

 

「そうか?なら洗濯でも「それは私がする。湊は休んでて」ならお言葉に甘えるか、葉月俺と遊ぶか?」

 

「うん!!」

 

「なら頼んだぞお前ら」

 

「任せるデス!」

 

「終わったら呼びに行くね」

 

俺がそう言うと切歌と調はそう返事をした




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アンケートの方は今日で終了とさせて頂きます


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46話

「おー!焼きそばにたこ焼き!ジュルリッ、早速食べるデス!!」

 

「おい待て切歌」

 

祭りに来て早々屋台に食べ物を買いに行こうとする切歌を止める

 

「どうしたデス湊?」

 

何か悪い事をしたかと言わんばかりの不機嫌なオーラを放ちながらそう言う切歌

 

「祭りの前に神社でお参りをするぞ。葉月だってやってるのにお前はしないのか?なら切歌には祭り用の小遣いは無しだな」

 

「な!?それはダメデス!!わかったデスからそれだけは勘弁して欲しいデス!」

 

見事な掌返しを見せて切歌は列に戻る

 

「今度こそ食べるデース!!」

 

「待って切ちゃん!!湊後で合流ね」

 

食べ物の屋台に走る切歌を調が追いかけて行った

 

「全く、切歌は落ち着きがないな」

 

「パパ、ご飯」

 

「そうだな、俺らも何か食べるか」

 

「うん!」

 

俺と葉月は手を繋ぎながら屋台を巡る

 

「結構食べたな、葉月?」

 

俺は急に立ち止まった葉月を見ると射的の屋台を見ていた

 

「あれって」

 

その射的屋に見覚えのある女性が居る

 

「よっと!へへ、たいした事ねえな「当たり前だろクリス」ん?湊じゃねえかお前こう言うイベント参加する奴だったか?」

 

「普段ならしないな」

 

そう言って屋台の人にお金を渡し銃と玉を貰う

 

「丁度良かった。これにお前を誘おうと思ってたんだ」

 

俺は射的を中断してガラポンで当たった京都旅行のペアチケットのうちの一枚を渡す

 

「あ?京都旅行ペアチケット?何であたし何だ?あのチビ2人のどっちかと行けば良いじゃねえか」

 

「その…お前と仲直りしてから1回も2人だけで何処かに出かけるってした事なかったなって思ってな。嫌なら断ってくれても構わない、偶にはこう言うのも良いかなと思って誘っただけだから。でも、出来れば俺はお前と行きたい」

 

本人を見ながらはやっぱり恥ずかしいので景品を狙い撃ちながらそう言う

 

「お前本当に不器用だな、素直に一緒に行きたいって言えば良いのに」

 

「だから言っただろ、出来ればお前と行きたいって」

 

「それもそうだな、わかった。行くよ湊、それでいつから行くんだ?」

 

「小日向から聞いたんだが、明後日テストの最終日なんだろ?そしてテスト休みとして金曜日〜月曜日まで休みなら金曜日に行って日曜日に帰宅して月曜日はゆっくりした方が良いと思うんだがどうだ?お、落ちた」

 

俺がそう言ったのと同時に葉月の欲しがって居た景品のぬいぐるみが落ちた

 

「成る程な、なら金曜日の朝から行って日曜日の夕方に帰るって事で良いか?」

 

「お前さえ良かったら、俺は何時でも大丈夫だし」

 

「そうか、ならそうするか」

 

その後切歌達が立花達と合流したらしく男1人に女6人と言う状態になり周りの男だけで来てる人達からの嫉妬の目線が凄かった




アンケートの結果湊と京都旅行に行くのはクリスになりました。アンケートに参加して頂きありがとうございました。
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47話

「やー!!葉月も行くの!!」

 

「わがまま言っちゃダメデスよ葉月ちゃん」

 

「そうだよ、それにたった3日会えないだけだから我慢しよ?ね?」

 

京都に向かう新幹線の駅前で俺は葉月に抱きつかれ切歌と調がそれを引き剥がそうとしている

 

「まだやってたのかお前ら」

 

先に新幹線に乗った筈のクリスが降りて来る

 

「お前こうなるの予想してなかったのか?」

 

「少しは予想してたけど此処までとは、葉月帰ったら何処か連れてってやるから少しの間切歌に調と留守番しててくれ。夜には小日向達も来るからな?」

 

俺は葉月に目線を合わせてそう言う

 

「未来お姉ちゃんも来るの?」

 

葉月は目に涙を浮かべそう聞いてくる

 

「ああ、今日から俺が居ない間小日向も来てくれる。それだけじゃない立花と風鳴も皆んな来てくれるんだ」

 

「…わかった」

 

葉月は未だに目には涙を浮かべているものの俺から離れてくれた

 

「よし、良い子だ。切歌、調俺が留守の間葉月の事頼んだぞ?」

 

「「任せて(任せるデス)湊!!」」

 

切歌と調のその言葉を聞いて俺はクリスと新幹線に乗り込んだ

 

〜クリスside〜

 

「そう言やお前いつあのバカや先輩、未来に頼んだんだ?」

 

あたしが知る中この3人と湊が最後に会ったのは祭りの時だ。だがその時に湊が3人の内の誰かと話している所をあたしは見ていない

 

「祭りの時に言ったろ小日向からテスト休みの日にちを聞いたって、そん時にあらかじめ俺が居ない間葉月の事頼んどいたんだよ」

 

「成る程な、そう言や昔お前もマ…母さんの事あんな感じに困らせたな」

 

危ねぇつい弟の前でママって言いそうになった。まだママとパパが生きてる時湊はさっきの葉月みたいにママにしがみついて離れなかった事が結構あった

 

「そうなのか?」

 

「ああ、マ…母さんが出かける時お前を置いてこうとした時は絶対に離さなかったな」

 

「んー、俺そんな事してたのか?」

 

そう言って湊はその時の記憶を辿る。まあこう言うのって本人じゃ無くて他人が覚えてる事が多いしな

 

「それより京都に行くのは良いが何処見て回るんだ?」

 

「それは調べて来た。メジャーな所だが金閣寺に清水寺、それから嵐山に二条城、それから此処は個人的に行きたいんだがリディアンの編入試験の合格祈願に学業の神様である菅原道真をまつった神社北野天満宮、他には」

 

「ちょっと待て!お前取り敢えずそれ見せろ!!」

 

あたしは此奴に任せて良いのか不安になり湊の書いた紙を掻っ攫う

 

「お前どれだけ回る気だよ」

 

あたしは頭を抱えてそう言う

 

「全部は回らなくてもせめて半分は回ろうと思ってる?」

 

「半分でも多すぎるだろ!」

 

湊の書いた紙には数多くの観光名所が箇条書きされておりその半分を回りたいと言って居る。

 

「バスやタクシーも安くないだろ」

 

「これくらい3日もあれば余裕だろ?」

 

「お前それ本気で言ってんのか?」

 

確かにノイズとの戦闘に比べればかなりマシだ、だがこれを全部回るのは流石に骨が折れる

 

「はぁ、こん中からあたしが選ぶからそこに行くぞ」

 

そう言ってあたしは湊の選んだ観光名所の中から何処に向かうか選んでいるとあたしの肩に重みが加わる

 

「まさか寝てねぇ訳じゃないよな?」

 

隣を見るとあたしの肩にもたれかかり眠る湊の姿があった

 

(少し前のあたしと湊じゃ考えられねぇな)

 

そう思うと何故か頬が緩んだ

 

〜クリスside out〜




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48話

「…ぞ…ろ」

 

俺に向かって何か言って居る声が聞こえるが何を言っているかはわからない

 

「着いたって言ってんだろ!良い加減起きやがれ!!」

 

今度ははっきりと聞こえ同時に頭に痛みが走る

 

「ん…クリス、どうした着いたのか?」

 

「ああ、さっさと降りるぞ」

 

そう言って新幹線を降りるクリスを俺は追いかける

 

「んで、何処行くか決まったのか?」

 

「まだだよ…あんな状態で決められる訳ないだろ…」

 

「何か言ったか?」

 

「何でもねえよ!ほら行くぞ!」

 

顔を真っ赤にして1人先に行くクリスを不思議に思いながら追いかける。(クリスが決められなかったのは肩に寄りかかり眠る湊を意識してしまったからだと言う事を湊自身は知らない)

 

「それで結構何処行くんだ?」

 

改札を出た近くにあるベンチに座るクリスにそう聞く

 

「…誰のせいだと思ってんだよたく…あー!もう決まんねえ!」

 

「落ち着けクリス、昼飯でも食べながら考えようぜ」

 

「しっ仕方ねぇな」ぐ〜

 

そう言って立ち上がったのと同時にクリスの腹が鳴る

 

「……」

 

やばいめちゃくちゃ笑いそう、でも今笑ったら

 

「…取り敢えず彼処にするか」

 

俺は笑うのを必死で堪えてクリスにそう言うと顔を赤くしたクリスは無言で頷いた

 

「しかし今からだと行く場所も限られてくるな」

 

「そうだな」

 

時刻は13時を少し過ぎた所、清水寺に行っても良いがお土産とか選んでたら半日くらい潰れるらしいから明日にした方が良いなかもな、かと言って金閣寺も嵐山も結構時間かかるし

 

「北野天満宮にするか」

 

「それってお前が行きたいって言ってた神社だよな?」

 

「ああ、新幹線の車内でも言ったけど北野天満宮には学業の神様である菅原道真をまつってるって、俺も切歌達もリディアン学院受けるだろ?合格祈願に行っておこうと思って」

 

俺がそう言うとクリスは意外そうな顔をした

 

「お前結構そう言うの信じるのな」

 

「本気で信じてる訳じゃないけどな、それに俺自身も不安が無い訳じゃ無いから気休め程度だ、1番大事なのは勉強をする事だし、それに切歌と調も学業御守とかあった方が気が楽になるだろうし」

 

最近になって勉強を始めた切歌と調、この2人とも学年は違うが同じ学校に通えたら俺も嬉しいからその為なら神頼みでも何でもしてやる

 

「決まりだな、行くぞ湊」

 

「俺が払うのかよ!?」

 

俺のその言葉を無視してクリスは店の外に出る

 

「たく、会計全部押し付けやがって」

 

「悪い悪い、お!次がそうみたいだな」

 

バスの中でクリスと話して居ると北野天満宮に着いた

 

「此処が北野天満宮か」

 

「そう、ほら神社の色んな所に牛の像があるだろ?あの牛の頭を撫でると頭が良くなるって言われてるんだ」

 

「ほーん、こんなんで頭が良くなるのかね」

 

そう言ってクリスは牛の頭を撫でる

 

「ま、そんな暇があったら勉強しろって言いたいけどな」

 

「はぁ、クリスそれは言うな」

 

俺はため息混じりにクリスにそう言う

 

「絵馬か、湊せっかくだし書いてかねえか?」

 

「良いぞ、俺も書こうと思ってたからな」

 

そう言って互いに絵馬を書く

 

「さて、そろそろホテルに行くか」

 

「そうだな」

 

気が付けば時刻は17時を過ぎていたので俺とクリスはホテルに向かった

 

『3人揃って合格出来ます様に 雪音湊』

 

『チビ2人と湊が合格出来ます様に 雪音クリス』

 

そう書かれ隣同士に並ぶ絵馬の離れた場所に隠す様に吊るされた絵馬がありそこにはこう書かれてあった

 

『これからはずっと姉さんと仲良く居られます様に 雪音湊』




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49話

「結構美味かったな」

 

「そうだな」

 

ホテルで夕食を済ませ部屋に戻るが会話が続かない、元々ペアチケットなので同じ部屋なのは俺もクリスも理解して居た。理解はして居たのだがいざそうなると俺は切歌達で慣れて居て大丈夫だが、クリスは慣れていない為変に意識して居る。

 

「お前そんなんて大丈夫なのかよ?明日も同じ部屋で泊まるんだぞ?」

 

「しっ仕方ねえだろ、お前はあのチビ達で慣れてるかも知んないけど、あたしは男と2人で外泊何て初めてなんだよ!それと私は寝るからな!」

 

クリスはそう言って頭まで布団を被る

 

「お前が良いならそれで良いが俺は風呂に行って来るからな」

 

俺はクリスに一言そう言って部屋を出る

 

〜クリスside〜

 

「気使わせちまったな」

 

湊が居なくなった部屋で1人あたしは布団から顔を出しそう呟く、彼奴は言葉にしてなかったが少しあたしを1人にした方が良いと思って部屋を出たんだ。その証拠に彼奴は着替えを持たずに部屋を出ている

 

「たく、昔は逆だったってのにな」

 

そう呟くとあたしの電話が鳴る

 

「なんだよおっさん」

 

電話の相手はおっさんだった

 

『クリス君、湊君は君と居るか?』

 

「いや、さっき出てったが?」

 

『やはりかクリス君、先程君達の泊まって居るホテルから2キロ先にノイズとカマエルの反応を確認した』

 

まさか彼奴!!

 

「切るからなおっさん!」

 

『待てクリス君、今ノイズとカマエルの反応が消滅した。だが湊君は未だにそこに停滞して居る』

 

何でわかるかは置いといて同じ場所に停滞してんのは気になんな

 

「あたしから連絡を取ってみる」

 

『ああ、何かあったならまた連絡をくれ』

 

おっさんのこの言葉を聞いて電話を切り湊に電話をかける

 

(頼む無事で居てくれよ)

 

『もしもし?』

 

「湊!お前無事か!?」

 

『何だよ急に?無事じゃ無かったら電話なんかにでねぇぞ』

 

それもそうだがそれなら何で

 

「おっさんからお前が同じ場所で停滞してるって聞いたから何かあったのかと思ってな」

 

『あー、心配させたならごめん、ただ子猫が居たから…ちょっとな』

 

湊がそう言うとさっきまで心配して居た自分がバカに思えて来た。はぁ、あたしの心配を返せ

 

「程々にして帰って来いよ、それとさっきは気使わせたな」

 

『了解』

 

そう言って湊は電話を切る

 

「あ?今度は誰だよ、先輩?」

 

電話の相手は先輩だった

 

『野暮遅くに済まないな雪音、伯父様から聞いたのだが雪音弟はどうだったんだ?』

 

「心配して損したよ、彼奴近くに居た子猫と遊んでやがったんだよ」

 

『そうか、子猫が無事で何よりだ、どうした暁?』

 

『クリスさん!湊は大丈夫デスか!?』

 

慌てて居るのか早口で喋る金髪のチビ

 

「彼奴子猫と遊んでただけみたいだぞ」

 

『あー、湊なら有り得そうデスね』

 

あたしがそう言うと電話越しだが納得したのが伝わって来る

 

「彼奴前にも似た事あったのか?」

 

『そうデスね、一回だけ5時間くらい戻らなかった事ならあるデスよ』

 

5時間も戻らなかったのか…なんか別の意味で心配になって来た

 

「そうか『それよりクリスさん!そろそろ私や調の事名前で呼んで欲しいデスよ!』いっ良いだろ今のままで『えー!マリアと葉月ちゃんの事は名前で呼ぶのに私と調だけ名前で呼ばないのはなんか寂しいデスよ』わかったよ!切歌これで良いのか!」

 

『ありがとうデス、それじゃあお休みデスクリスさん』

 

そう言って切歌は電話を切った。ついでに言うとあたしが起きてる間に湊は戻って来なかった

 

〜クリスside out〜




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50話

(昨日はすっかり遅くなっちまったな)

 

昨日ノイズの殲滅が終わってからまあ色々あってホテルに戻る頃には23時を回って居た

 

「んー!湊お前戻ってたのか」

 

俺が昨日入り忘れた風呂に向かおうとするとクリスが起きる

 

「悪い起こしちまったか?」

 

「別に良いけどよ…ん?お前何か良い匂いしないか?この匂い香水?お前香水何か使ってたのか?」

 

香水…やば!

 

「まっまあな」

 

「ふーん、男ってこんな匂いの香水使うんだな…って納得する訳ねえだろ!!お前昨日の夜本当は何してやがった!!」

 

流石に誤魔化し切れないか

 

「本当は猫じゃねえよ、実は昨日会ったのがClover'sの1人のナインて言う奴でな、俺は話すだけにしようと思ってたんだが彼奴の実戦練習に付き合わされたんだ」

 

「それならそうと先に言えよ、ん?なあ何でお前それ隠そうとしたんだ?」

 

まあそりゃ気になるわな

 

「そりゃお前、切歌と調に何言われるかわかんねぇからだよ」

 

「自覚はあんだな、まっそう言う事なら黙っててやるよ。そう言やお前から聞いた話じゃClover'sはアメリカでいくつもあるグループの中でも特に活動の多いグループなんだよな?ちっと前に1人戻ったばかりってのに良くもまあ抜けて来れたな」

 

それは俺も気になってナインに聞いた

 

「あんま大きな声じゃ言えないんだが…アメリカの武装組織が此処京都でテロを企んでいるらしい。ナインはその調査と可能であればそのテロを阻止するって事で日本に来てるそうだ」

 

「!?確かに大きな声じゃ言えねぇな、この事おっさん達は知ってんのか?」

 

クリスの言葉に俺は首を左右に振る

 

「これはアメリカ側の問題だ。下手に俺達が関与して失敗すれば外交問題に発展しかねない」

 

「成る程な、こりゃあたし達も警戒しておく必要があるかもな」

 

「ああ、頭の片隅に入れといて損はないと思う。そんじゃ俺は風呂に行ってくるから」

 

「待て、あたしも行く寝汗が気持ち悪いしな」

 

そう言って俺とクリスは風呂に向かう

 

「それで今日は何処行くんだ?」

 

風呂に入ってから食堂で朝食を食べて居るクリスがそう聞いてくる

 

「そうだな…清水寺だなそこなら産寧坂で皆んなへのお土産も買えるだろうし、それに胎内めぐりもしてみたいし、今の時期なら紅葉も綺麗だしな」

 

「そうか、土産か…なあ湊、良かったら何だが彼奴らへの土産一緒に選んでくれねぇか?あたし京都の名産品とか知らねぇしお前も一緒に選んでくれたら安心できんだ」

 

「なんだそんな事かよ、別に良いぞ俺も買うつもりだしな」

 

「ありがとな」

 

そう言ってクリスはご飯を口に運んだ




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51話

「此処の先が清水寺だ、先にお土産買うか?それとも先に清水寺を観に行くか?」

 

「そうだな…先に清水寺に行こうぜ。あたしの場合土産の方に時間使っちまいそうだ」

 

まあ確かにお土産を選ぶ方が時間かかるだろうしそっちの方が良いかもな

 

「そうだな」

 

そう言って俺とクリスは清水寺に向かい始めに清水の舞台から景色を見下ろす

 

「此処が清水の舞台か、そう言や昔から思い切った事をする事を『清水の舞台から飛び降りる』って言うって聞いた事あるけど、こっから飛び降りるバカ何て…居たな1人」

 

「ああ、立花ならやりそうだ」

 

切歌もやりそうだが流石に立花とは違って思い留まってくれると信じたい。

 

「まあ立花もそこまでアホじゃ無いだろ…多分」

 

「そうだと良いんだがな。彼奴なら本気でやりそうだ」

 

まあ、立花が思いっきり飛び降りる所が想像できるか出来ないかと聞かれると、出来るなのだが何なら何事も無かったかの様に帰って来そうだ

 

「もう辞めないか?」

 

「ああ、そうだな」

 

これ以上立花の評価を下げるのは良くないと思った俺はクリスと随求堂胎内めぐりの体験に向かった

 

「本当何も見えねぇな…お前こんな真っ暗な場所だからって変な何処触りやがったら承知しねぇぞ!」

 

「する訳ねぇだろ!可笑しな事言うなら置いて行くからな」

 

そう言って先に先に進む俺にクリスは

 

「まっ待ってくれ!!」

 

そう言って俺の手を両手で掴んる

 

「たっ頼むゆっくり進んでくれ…」

 

「わかったよ」

 

この姉は怖いなら外で待ってれば良いものを

 

「まっまあまあだったな」

 

(そう言いながら途中から外に出るまでずっと俺の手を両手で握ってたのは誰だよ)

 

そう思いため息を吐く

 

「ん?何か人少なくねぇか?」

 

「そう言やそうだなあたしらが入る時は結構人も居たのに」

 

明らかに人の数が減少して居る事に疑問を感じて居るとその答えを示す生き物が現れた

 

「ノイズか」

 

「たく、旅行先でもノイズと戦うのかよ」

 

~Killter Ichaival tron~

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

そう愚痴りながらも詠唱をするクリス

 

「一先ず二手に分かれて逃げ遅れた人を探すぞ!」

 

「わかってる!」

 

そう言って二手に分かれる俺とクリス

 

「居た!おい!そこのお前さっさと逃げろ!」

 

「ん?その声リーダーじゃねえか?」

 

「ナインお前かよ」

 

そこに居たのは逃げ遅れたのでは無くノイズと向き合うナインだった

 

「ナイン状況は?」

 

「数は少なくとも50は居るな、世界遺産じゃ無ければぶっ壊してでもノイズを殲滅してるってのに」

 

相変わらず血の気の多い奴だ

 

「そんな事したらシェルターに避難してる人にまで影響が出るだろう」

 

「そりゃそうだけどよ、壊しちゃ不味い所に居るからやり辛えたらねえぜ」

 

確かに此処じゃやりにくいか

 

「湊!!こっちには居なかったぜ」

 

「こっちは装者が1人だ」

 

合流したクリスにそう言う

 

「何だリーダー、彼女とデート中だったか?」

 

「何言ってんだよ俺の姉だ」

 

俺がそう言うと面白くねぇと言ってナインはノイズに向き直る

 

「此奴戦う気あんのかよ」

 

「まあこんな奴だけど戦闘では結構頼りになるから」

 

「そうそう私ってば有能だから」

 

〜Oath of moment gungnir tron〜

 

「な!?」

 

ナインの聖詠にクリスが驚くそれもそうだろうなナインが纏ったシンフォギアは立花と同じでガングニールなんだからな

 

〜ナインのプロフィール〜

 

名前:ナイン・フォレスティア

 

歳:16歳

 

好きな物:運動 ハンバーグ

 

嫌いな物:勉強

 

シンフォギア :紫のガングニール

 

武器:ハンマー




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52話

「それで、お前がガングニールを使える理由を聞かせて貰えるんだろうな?」

 

ノイズを殲滅し終え昼食をとりに入った店でクリスがナインにそう聞く

 

「まあまあそう警戒すんなよ、それにお互い何も知らない相手に話せ無いだろ?あたしはナイン・フォレスティア、16だ。あんたは?」

 

「雪音クリス、あたしは17だ。もう一度聞くお前がガングニールを使える理由を教えろ」

 

「せっかちな女は嫌われるぜ、なあリーダー?」

 

そこに蚊帳の外だった俺に話を振るナイン

 

「知らねえし知る気もねえよ」

 

「相変わらず冷めてるねぇ、アリアに聞いたが恋人居るんだろ?その相手にもそんな態度なのかなリーダーは?」

 

彼奴よりにもよってナインに話すか

 

「今はそれとは関係ねぇだろ。それよりお前がガングニールを使える理由を話せ」

 

「全く、姉弟揃ってせっかちだな。お!来た来た!」

 

話していると俺達の頼んだ料理が運ばれて来る

 

「ふー、食った食った!それであたしがガングニールを使える理由だったな。あれは確か2年前だったな、あたしってそん時から結構やらかしててな、歓楽街何かにも結構行ってたんだ。そんな中で偶然ガングニールの破片の取り引き現場に遭遇してよ。その相手からガングニールを掻っ攫ったって訳さ」

 

淡々と話すがそれって

 

「盗みをしたって事じゃないのか?」

 

「まあそう言えなくも無いな、そんでもってあたしの親父がそれをペンダント状にしてくれてよ。ずっと気になってた胸に響いてくる歌を試しに歌ってみたんだ。そしたら」

 

「ガングニールが反応して適合したって事か」

 

クリスの言葉にナインは頷く

 

「それにな、あたしが日本に来た理由がもう一つあんだよ。風鳴翼って奴に会ってこのガングニールを渡そうと思ってんだ。これは元々そいつのパートナーのガングニールなんだからな」

 

「どう言う事だ?」

 

「ガングニールを取り引きしてた男に聞いたんだ。日本って死んだ天羽奏って装者のガングニールの破片だってな。それなら元々のパートナーが持ってた方が良いだろうしな」

 

ナインはそう言ってペンダント状になったガングニールを取り出す

 

「ならそれはあたしと湊で先輩に渡しとくな」

 

「先輩?お前風鳴翼と知り合いなのか?」

 

「ああ、あたしの学校の先輩だ」

 

そう言ってクリスはガングニールを受け取ろうとするがナインが一向に離そうとしない

 

「遠慮させて貰うぜこっちとら今仕事の真っ最中なんでな。それに此奴との仕事もこれで最後だ。最後まで一緒にやらせてくれ、その後ならあたしはガングニールを手放しても良い」

 

ナインはそう言ってガングニールを自分の胸元に持っていく

 

「わかった、行くぞクリス土産選ぶ時間が減る」

 

「おう、お前今の言葉忘れんじゃねえぞ」

 

「わかってるよ」

 

最後のクリスの問いかけにそう答えたナインを見てクリスと俺は外に出た




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53話

「ふー!やっと決まったな」

 

「ああ、これで後は帰るだけだな。ん?電話?」

 

ホテルの部屋に向かおうとすると電話がかかってくる相手を確認するとステラだった

 

「何だステラ?」

 

『湊!?貴方今京都にいるのよね!?』

 

ステラが焦った様子でそう聞いてくる

 

「まあ居るがそれがどうしたんだよ?」

 

『Clover'sじゃない貴方にこんな事頼むのは間違ってるのはわかってるわ、でもお願いナインを助けて頂戴!』

 

ナインを助ける?

 

「何の事だ?ナインなら昼に会ったぞ?」

 

『さっきガングニールの反応が急に消えたの、しかも周りにノイズの反応がある状態で』

 

ノイズの反応がある状態で!?彼奴はそんなバカじゃないそれにそんな事

 

「出来る…」

 

『どうかしたの?』

 

「おいステラ!ウェル博士はそっちに居るのか!?」

 

『えっええ、異端技術の管理特区《深淵の竜宮》に監禁されているわ。どうしてそんな事を聞くの?』

 

俺はステラにAnti_LiNKERの事を話す

 

『そんな物が…少し調べてみるわ、最後にガングニールの反応が検出された座標ポイントはA-56よ。何かあれば全てアメリカが責任を取るそうよ』

 

「わかった」

 

そう言って俺は電話を切る

 

「クリス先に部屋に行っててくれ俺は用事が出来た」

 

「あたしも連れてけ、なんか厄介事なのは電話の内容を聞いてて大方理解出来た」

 

正直言って人手が多いのは助かるが

 

「お前は待っててくれ、これはアメリカから俺への依頼何だ」

 

「わかった、待ってるからちゃんと戻って来いよ」

 

「誰に言ってんだよ。行って来る」

 

俺はクリスにそう言って外に出る

 

〜Volar esperança Sandalphon tron〜

 

《雷鳥》

 

俺は鳥になった剣に乗りナインの居る座標は向かう

 

(何があったかは知らないが無事で居ろよナイン)

 

〜ナインside〜

 

「くっ!そろそろ限界か」

 

「あらもう終わりなの?アメリカのClover'sも大した事無いのね」

 

女はそう言って残念そうな顔をする

 

「へっ!テメエなんてリーダーなら瞬殺何だよ。所詮あたしは力が強いだけなんだからよ」

 

「リーダーねぇ、部下のピンチに現れない人でなしのリーダーなんて居ないも同然ね。「黙れよ」何よ事実を言ったまだじゃ無い」

 

「黙れつってんだよ!!聞こえなかったのかこのクソババア!!」

 

あたしがそう言うと相手の女に青筋がいく

 

「ババア…ですって」

 

「あたしの事はどう言おうが構わねえ!だがな!リーダーの事だけは悪く言うんじゃねえ!!リーダーは初めてあたしって存在を肯定してくれた人なんだ!!その人を悪く言うのはあたしの親父を殺したノイズより許せねえんだ!!」

 

あたしの母親は体裁の為にあたしを産んだ。それを知ったのはあたしが中学の時だった。幸い親父は私の事を大切にしてくれて居た。でも、あたしのガングニールが適合した数日後、街にノイズが出現して親父はあたしを守って死んだ。だからその後のあたしは荒れて居た。そんでもってClover'sに入ったのは良いが、ステラと上手くいかずに対立ばかりして居た。そんな時にリーダーが来た。リーダーはあたしが歓楽街に行く事を止めた。闇雲に力を振るうあたしに闘い方を教えてくれた。あたしと言う存在を肯定してくれた。だからあたしはリーダーをバカにする奴は許せない。

 

「は!そんな状態で何が出来ると言うの?貴方は今から死ぬの、恨むなら無能な貴方のリーダーを恨みなさい「誰が無能だって?」誰だ!!」

 

その声はあたしの聞き慣れた声だった

 

「リーダー…」

 

「おう!遅くなってわりーな」

 

そこに居たのは笑って立つリーダーだった

 

〜ナインside out〜




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54話

『聞こえてるかしら湊?』

 

ナインの居る場所に向かって居る途中ステラからの通信が入る

 

「ああ、それでどうだったんだ?」

 

『さっき話したAnti_LiNKERだったかしら?それの複製に成功してるわ、効力は薄くなってるみたいだけど適合値を下げる事は成功したようね』

 

適合値を下げるのには成功したのか

 

「不味いな適合値を下げられたらそれだけでギアが馴染まなくなる」

 

『ええ、事態は急を要するわ貴方は今何処に居るの?』

 

「こっちは今A-56に到着した」

 

そこにあったのは廃墟となったビルだった

 

『ノイズが居るのはそこの地下1階よそれと貴方もAnti_LiNKERの効果を受けないように注意してね』

 

そこでステラからの通信は切れた

 

「リーダーは初めてあたしって存在を肯定してくれた人なんだ!!その人を悪く言うのはあたしの親父を殺したノイズより許せねえんだ!!」

 

ドア越しにナインの怒鳴る様な声が聞こえる

 

「は!そんな状態で何が出来ると言うの?貴方は今から死ぬの、恨むなら無能な貴方のリーダーを恨みなさい「誰が無能だって?」誰だ!!」

 

そう言って中に入るとナインは俺を見て驚く

 

「リーダー…」

 

「おう!遅くなってわりーな」

 

俺は壁にもたれるナインにそう言う

 

「あら?貴方がこの子のリーダーなの?どんな相手が来るのかと思ったらとんだ拍子抜けね」

 

ノイズが周りに居るのに何故か襲われて居ない女性がそう言う

 

「あんた何者だ?ノイズが襲わないなんて」

 

「襲われるわけないじゃ無い、この子達は私の道具だもの」

 

そう言ってノイズを俺に向けて放って来る

 

「ちょっと聞きテェんだがAnti_LiNKERの複製に成功したってのは本当なのか?」

 

ノイズを倒しながら俺は女にそう聞く

 

「どこから嗅ぎつけたかは知らないけど本当よ、それに貴方のお仲間がガングニールを使えていないのが何よりもの証拠じゃ無いかしら?」

 

なんの悪びれも無く当然だと言わんばかりにそう言う女に対しかなり苛立つ此奴はノイズを人に向けて放つと言う事に何も思わないのか?

 

「お前はノイズを人に向けて何も思わないのか!!」

 

「そんなの思う訳ないじゃ無い、私には来てないんだから」

 

(此奴!!)

 

〜Oath of moment gungnir tron〜

 

「悪いリーダー…もう大丈夫だ」

 

「そんな!?Anti_LiNKERの効果はまだ続いて居る筈なのに!?」

 

ナインがガングニールを纏った事に同様を隠せない様だそれもそうだろう

 

「リーダーが来てんだ!こんな所で何時迄も寝てられっかよ!!」

 

此奴は気力だけでガングニールを纏ったんだから

 

「そんな…」

 

2対1で勝てないと確信したのか女は地面に膝をつく

 

「もう直ぐ此処にアメリカの自衛隊が到着する。お前はそいつらと牢獄に向かう事になるだろうな」

 

ナインの言葉に女は顔を青ざめる

 

「冗談じゃ無いわよ…それならいっそ」ドンッ

 

女がそう言ってナイフを首筋に当てると女の前にナインがハンマーを振り下ろす

 

「死んだ方が良いってか…ふざけんな!!この世に散った方が良い命なんてねえんだ!!」

 

「貴方に…貴方に何が分かるのよ!!力を持つ貴方に!!私の家族は皆んなノイズに殺されたの!!」

 

女がそう言うとナインはその女の目線に合わせる

 

「あたしもさ…あたしも親父がノイズに殺された時すげー荒れたよ。だからあんたの気持ちが少しは分かるよ。辛いよな憎いよな、何も出来ない無力な自分があたしがガングニールをまともに使えるのはリーダーのおかげなんだ。リーダーと合わなかったらあたしもあんたみたいになってたと思う」

 

「同情なんて要らないわ」

 

「同情なんかじゃねえよ本心さ、今回はこんな形で会う事になっちまったけどよ。もっと別な形で会ってたら…あたし、あんたとなら良いだちになれる気がする。だからさ自分のやった事見直してまた話そうぜ」

 

ナインはそう言って笑う

 

「あんた大馬鹿だって言われない?」

 

「はは!あたしの同僚によく言われるな」

 

「そう…ありがとうナインさん」

 

女がそう言うのとほぼ同時に自衛隊が到着した

 

「さて、後は風鳴翼に会って帰るだけだな」

 

あ!帰るで思い出した

 

「ナインお前ステラが帰ったら説教だってよ」

 

「うへー、マジかよステラの説教長いんだよな…」

 

そう言い遠い目をして現実逃避を始めたナインを放置して俺はホテルに戻った




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55話

「それで本当にやるのかお前ら」

 

「ああ」

 

「あたしはどっちでも良いんだけどな、そっちがその気なら私は全然構わねぇぜ」

 

翌日俺とクリスとナインの3人は昨日の廃墟ビルに来て居る

 

「なあ悪い事は言わないから辞めとけってクリス」

 

「何だよ!お前はあたしが負けるとでも言いたいのかよ!!」

 

正直言ってクリスとナインが勝負したらナインが勝つだろう

 

「勿論、ナインが勝つって思ってるよ」

 

「あたしじゃねえのかよ!?」

 

「あはは!リーダーは相変わらずだな」

 

当然だ期待をさせるだけ無駄なのだから

 

「仕方ない、ナイン!俺とクリスでチームを組む」

 

「マジか!リーダーが相手してくれんのか!?やる!やるよ!!」

 

そう言ったナインの目は新しいおもちゃを見つけた子供のように輝いて居た

 

「…どう言うつもりだよ湊…」

 

「…彼奴1回船沈めてんだそんな奴と1対1でやりあえると思ってんのか?…」

 

「…嘘だろ!?…」

 

「…マジだよ…」

 

ナインに聞こえないように俺がそう言うとクリスが動揺する。そう忘れもしない俺がClover'sに加わってナインと初の共同で船に乗る貴族のご令嬢の護衛をした時、ノイズが出現した。その際ナインが振り下ろしたハンマーがノイズを貫通しそのまま船に当たり亀裂が入って沈没した。幸い怪我人は出なかっだが依頼は失敗、しかもナインだけで無く俺もナインを止められなかったので同罪とステラからの説教を受けた

 

「リーダー!早くやろうぜ!!あたしもう早くしたくて体のうずうずが止まんねえよ!!」

 

そう言ったナインはいつの間にかガングニールを纏って居た

 

「やるぞクリス」

 

「ああ」

 

~Killter Ichaival tron~

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺達も聖詠をしてシンフォギアを纏う

 

「そんじゃ行くぜ!!」

 

ナインはそう言ってハンマーを振り上げ突っ込んで来る

 

「真正面から突っ込んで来るとはあたしも舐められたもんだな!」

 

《MEGA DETH FUGA》

 

クリスは固定式射出器に大型ミサイルを左右に各1基、計2基を連装し射出した

 

「甘えよ!」

 

「嘘だろ!?」

 

ナインは大型ミサイルのうち一つを避けもう一つはハンマーで打ち返した

 

「避けろクリス」

 

俺がそう言うとクリスは上に飛び俺は打ち返されたミサイルを破壊する

 

「悪いな、でもまさか打ち返して来るなんてな」

 

「彼奴に常識は通用しない、ありとあらゆる可能性を持った方が良いぞ」

 

ナインは偶に俺の予想を超える事をする今回の事にしてもミサイルを打ち返すなんて俺も思ってなかった

 

「話す暇なんて与えねえぜリーダー!」

 

「これならどうだ!」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

「此奴も貰ってけ!」

 

《紅炎華》

 

左右の腰部アーマーを展開して、内蔵の多連装射出器から追尾式小型ミサイルを一斉に発射し俺はそれに合わせる形で上空から無数の火の矢を飛ばす

 

「そりゃ!」

 

ナインは地面にハンマーを思いっきり打ちつけ盛り上がった地面を壁にしてそれを防ぐ

 

「本当むちゃくちゃな事するなお前」

 

「へへ、これくらいしねーとリーダーには勝てねぇからな」

 

此処が廃墟じゃ無かったらもしかしたら被害者が出たかもしれないな

 

「体もあったまって来たしそろそろ本気で行くか」

 

《gravity bomb》

 

ナインは黒い球体を複数生成し俺とクリスに打つ

 

「クリス避けろ!」

 

「何だ!?ぐっ!かっ体が…重い…」

 

クリスは避けきれずに球体に当たる。すると球体はクリスを包み込みクリスが地面に膝をつく

 

「やっぱリーダーには当たんねえか、よっと!」

 

ナインは別の球体を生成しそれを踏み台にして高く飛ぶ

 

「させっか!」

 

俺は空中に居るナインに炎を放つがナインはそれを球体を利用し避ける

 

「じゃーな」ドンッ

 

ナインはクリスの上からハンマーを振り下ろす

 

「ふー、これで後はリーダーだけだな」

 

そう言ったナインはハンマーを両手で持って居たハンマーを右手に持ち替えハンマーが振り下ろされた場所にはギアが解除された状態のクリスが倒れて居た

 

「はぁ、殺してねえよな?」

 

「大丈夫だって、シンフォギア装者なら耐えられるように手加減はしたって」

 

それでもギアが解除される威力って

 

「痛つつ、これ結構効くな」

 

クリスは地面に倒れたままそう言う

 

「な?」

 

「大丈夫かどうかはさて置き、クリス行けそうか?」

 

「これ以上は無理そうだ悪いな」

 

やっぱりこれ以上の戦闘は無理か、正直言って俺とナインでは武器の相性がかなり悪い、一撃が重すぎて受け流す所じゃ無くなるから出来るだけ接近戦は避けたいが、それを抜きにしても重力球に捕まったら身動きが取りにくいし此奴との戦闘で身動きを封じられるのはかなりきつい、それがアリアが未だにナインに勝てない理由の一つだろう

 

「そんじゃ行くぜリーダー!」

 

「来いよ、ナイン!」

 

その言葉で戦闘が再開される

 

「はぁはぁ、ギブアップだリーダー」

 

「俺も危なかった、腕上げたなナイン」

 

ギリギリの所でナインのスタミナが切れギブアップした事により俺が勝ったが、正直言って俺も危ない部分が結構あった。それはそれだけナインが腕を上げて居る何よりもの証拠だ

 

「あの戦闘に厳しいリーダーが褒めてくれた!?」

 

「やっぱ今のなし」

 

本当に此奴はちょっと褒めると直ぐ調子に乗る

 

「何でだよリーダー!」

 

「安心しろ俺の偏見だ」

 

「あたしはリーダーに認めてもらいたいんだよ!」

 

「ならもう少し落ち着きを持て」

 

さっきまで少しは成長したと思ったがそれを帳消しにするくらい変わって欲しい部分が変わって居なかった為俺はナインにそう言う

 

「おい湊!そろそろ出ねぇと新幹線に間に合わ無くなるぞ」

 

「やば!もうそんな時間かよ!?」

 

慌てて時間を確認すると確かにそろそろ出ないと新幹線に間に合わない時間だった

 

「なら私も急がないとな」

 

「は?何でお前まで急ぐんだ?」

 

「何か昨日ステラから連絡があってよ、あたしの新幹線リーダーと同じ時間の奴にしたんだってよ」

 

ステラの奴俺に厄介者押し付けやがったな!

 

「なら早く出るぞ!」

 

「了解」

 

そう言ってナインは俺の後について来る。

 

新幹線にはなんとか間に合った




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56話

「ふー、着いたか「パパー!!」葉月お前1人で来たのか?」

 

新幹線を降りた途端に俺に飛びついて来る葉月にそう聞くと少し向こうから切歌や調の他にも立花達がこっちに向かって来て居る

 

「クリスちゃん!お帰り!」

 

「お帰りクリス」

 

「お帰り雪音」

 

「おう、それとこれ…大したもんじゃねえけど私と湊で選んだお土産だ」

 

どうやら立花達はクリスを、切歌達は俺を迎えに来たらしい

 

「何かこうなると極端に分かれちゃうデスね」

 

「そうだな「おっ!このちっこいの2人がリーダーの恋人か?」おう、「湊?」安心しろ切歌お前が考えてるような仲じゃない」

 

アリアの時と同じ目で俺を見る切歌に対してそう言う。そう言えば

 

「調は何も言わないんだな?」

 

「その人さっき湊の事リーダーって呼んでたからClover'sの時の仲間なんじゃないかなって思ったから」

 

流石調だ、切歌と違って一度した間違いをしない

 

「調の言う通りだ、自己紹介くらいしろナイン」

 

俺は葉月に抱きつかれた状態でナインにそう言う

 

「その子は気にしないんだな、まあいっか、あたしはナイン・フォレスティアそっちのチビの言った通りリーダーがClover'sに居た時に知り合ったんだ」

 

ナインが調を指さしてそういう

 

「そうデスか、私は暁切歌デス!よろしくデスナインさん」

 

「月読調、よろしく」

 

「おう、よろしくな」

 

そう言って互いに握手を交わす3人

 

「それで、さっきからリーダーに引っ付いてる子は誰なんだ?」

 

「ああ言い忘れてた、ほら葉月お前も挨拶しろ」

 

俺がそう言うと葉月はナインの方を向く

 

「雪音葉月よろしくお姉さん、パパ!」スリスリ

 

葉月はナインにそう自己紹介をする。は?雪音?

 

「へー、リーダー妹居たんだな」

 

「ああ…切歌、調どうなってんだ?…」

 

俺はナインに気づかれないように切歌と調にそう聞く

 

「…葉月ちゃんの戸籍が必要になるから湊の妹って事で司令が戸籍登録したデスよ」

 

確かに何時迄も戸籍がないのは問題があるが

 

「それと葉月ちゃんは来年の4月からこの近くの小学校に通う予定になってるみたいだよ。学費は国が用意してくれるらしいし」

 

国が用意してくれるのか

 

「…わかった…」

 

おっさんと言いこの国の上層部と言い良い人だらけだろ日本!!

 

「それで良いのかナイン」

 

「何がだ?」

 

「彼処お前の目的の人物風鳴翼が居るぞ?」

 

そう言って俺はクリスと話している風鳴に目線を向ける

 

「話してる最中に割って入るのも悪いし明日にする。さて、これから宿探しだな「その事だが良かったら俺の部屋来るか?流石に今からじゃホテル何て空いてないだろうし」良いのかリーダー?」

 

「ああ、切歌と調も3日間葉月の面倒を見てくれてたんだこっちに泊まって良いぞ」

 

「「やった(デス)!!」」

 

そう言って貰えたのが余程嬉しかったのか切歌と調は互いに抱き合って喜びを分かち合う

 

「それじゃあクリス俺達は帰るな、それと小日向達は3日間葉月の面倒見てくれてありがとな」

 

そう言って俺達は俺の部屋に帰った




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57話

「へー、此処が司令が用意したリーダーの部屋か。どう見ても広過ぎる気がするんだが」

 

ナインが俺の部屋に着いて最初の言葉がそれだった

 

「俺もそう思って初日にオーグさんに電話したよ、そしたらアメリカでアリアの世話をしてくれたお礼だって」

 

そう言うとアリアの部屋の事と言い生活面と言いかなり酷い事を知っているナインは何処か納得した表情を浮かべた

 

「それじゃあ早速始めるね」

 

「待て調、今日は俺が作るよ。お前は向こうで2人と一緒にお土産選んで来い」

 

「わかった、それじゃあお願いね湊。それと後で勉強見て」

 

調はそう言って切歌達と俺が買って来たお土産を選びに行った

 

「リーダーあたしにも手伝わせてくれよ」

 

「お前は大人しく座っててくれ、それが1番の手伝いだ」

 

俺がそう言うとナインは不機嫌な顔をして椅子に座る。

 

「何だよ、あたしだってあれから成長したんだぜ」

 

「それは更に酷くなったって事か?それとも少しはマシになったって事か?」

 

「マシになったに決まってんだろ。悪化してるなら成長した何て言わねえよ」

 

アメリカで夕食を当番制にして最初のナインの当番の日、俺もそうだがClover'sの全員がナインも料理は出来ると思い込んでいた。ナインの料理は見た目は普通だったので何の躊躇いも無く食べた。それが臨時体験をさせる料理とは気づかず。後に油の代わりに中性洗剤を使ったと聞いた時は全員が耳を疑った。それだけではなくやけに辛かったり、酸味が強かったりと調味料も真面に使えない程に料理が出来なかった。

 

「あれを目の当たりにして俺がナインをキッチンに立たせると思うのか?」

 

「そりゃ、思わねえけどよ」

 

自分でも料理の出来なさは理解しているのかそう答える

 

「だろ?」

 

「まあ良いや、そんで風鳴翼について何だが」

 

そこからは俺の知る限りの風鳴の事をナインに話した

 

「それで勉強を見て欲しいって調から聞いたんだが何で切歌は文字の書き取りをしてるんだ?」

 

夕食の洗い物を済ませ部屋で勉強をして居る切歌と調の所に行くと何故か切歌が文字の書き取りをしていた為調にそう聞く

 

「切ちゃんの字見て」

 

「切歌の字?…酷いもんだな」

 

俺が京都に行ってから勉強を始めた2人だが切歌の字が酷かった

 

「それで切歌は文字の書き取りか、試験以前の問題だな。調はどうなんだ?」

 

「私は切ちゃんと別の問題があった」

 

そう言って調はノートを広げるが殆ど白紙の状態だった

 

「切ちゃんは読める字が書けなくて私は問題が解けなかった」

 

「お前ら今まで何やってたんだよ」

 

問題が解けないのはまあ仕方ない。だが読める字が書けないのは致命的過ぎる

 

「ちょっと待て、切歌とは別の問題なんだよな?て事は」

 

「うん、未来さんが見てくれたんだけど切ちゃんは字を直してうっかりミスさえ無かったらギリギリ合格点は取れるみたい。私は取り敢えず入試の国語と数学を勉強中」

 

意外な事に切歌は読める字を書ければギリギリ何とかなるらしい。となると問題は調か

 

「葉月はどうなんだ?彼奴も小学校に通うんだろ?」

 

「葉月ちゃんも未来さんが見た限りは字も読めない訳じゃないから取り敢えずは大丈夫だって」

 

成る程、切歌には頑張って貰うしかないが調は今から勉強をすれば何とかなるな

 

「取り敢えず分からない所は教えるから初めろ」

 

「うん」

 

調はそう言って問題に取り掛かる

 

「湊これでどうデス?」

 

「最初に比べると多少マシにはなってる。小学生でこれなら許せる範囲だが高校生じゃダメだろ」

 

何を書いてるかわからなかった字は何とかわかるくらいになったが高校生が書いたとなるとかなり酷いものだ

 

「これでもダメデスか、もう手が疲れたデスよ。そうデス!湊何かご褒美があれば頑張れそうデス」

 

ご褒美か

 

「そうだな…切歌お前が調と同じくらい字が上手くなったら俺に出来る範囲で何でも言う事を聞いてやろう」

 

「うーん、調と同じデスか中々に難しいデスね。でも何でも言う事聞いて貰えるなら頑張れそうデス」

 

切歌はそう言ってまた文字の書き取りを再開した

 

「湊、私も欲しい」

 

「欲しいってご褒美の事か?」

 

俺がそう聞くと調が頷く

 

「ならその入試の2科目で本番までにいくつかテストするからそれで70点以上取れたら切歌と同じで何でも言う事聞いてやるよ」

 

「70点、それなら何とか頑張れそうありがとう湊それと此処教えて」

 

「ああ、此処は」

 

そこから調の勉強に付き合ったが切歌と調に限界が来たらしくその状態でやっても意味が無い為勉強を切り上げ寝る事にした




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58話

「ん〜!おはよう葉月」

 

京都旅行から戻った翌日俺は久しぶりに葉月に起こされた

 

「おはようパパ!」

 

俺のお腹の上に乗ってそう言う葉月

 

「起きれないから降りてくれ」

 

俺がそう言うと葉月はベッドの上に降り俺が立ち上がると

 

「えい!」

 

「危な!?」

 

いきなり葉月が背中に飛びついて来たのでバランスを崩しそうになるが何とか持ち堪える

 

「たく危ねぇだろ、降りろ」

 

「やー!」

 

「良いから降りろ!」

 

「嫌なの!」

 

俺が何度言おうと葉月が降りないので諦めて葉月を背負って部屋を出る

 

「おっすリーダー!お!早いなちびっこ」

 

「ちびっこじゃない葉月だもん!!」

 

起きて来たナインにちびっこと言われた葉月はそれが嫌だったのかナインに自分の名前を教える

 

「そうかそうか、悪いな葉月。さーて今日の朝飯はなにかなー?目玉焼きとソーセージか、私ご飯で目玉2つ」

 

「葉月は、えっと…2つ!」

 

「お!そんなに食えるのか」

 

「食べるもん!「葉月、切歌も調も昨日の勉強で疲れてまだ寝てるんだから静かにしろ」ごめんなさい」

 

俺がそう言うと葉月は静かになった。しかし昨日もそうだがいつもより引っ付いて来るな葉月の奴、切歌も調も止めないし

 

「出来たぞ「リーダー電話なってんぞ」電話?こんな時間から誰だ?ナイン電話とってくれ「ほれ」ありがとな、もしもし?」

 

『朝早くから済まない雪音弟』

 

俺をそう呼ぶのは風鳴だけだ

 

「なんだ風鳴?」

 

『雪音から聞いたのだが私にガングニールを渡そうとして居る者が居るそうだな。そこに居るだろうか?』

 

成る程な、クリスに聞いて俺にかけて来たのか

 

「居るぞ、ナインお前に用があるらしい」

 

「あたしにか?なんだ?」

 

そう言ってナインは風鳴と電話を始めた

 

〜ナインside〜

 

「それであたしに用事ってなんだ?」

 

私は電話の相手にそう聞く

 

『ああ、お前がガングニールを私に渡したいと言っている者か?私は風鳴翼だ』

 

へー、この声の主が風鳴翼か

 

「ああ、あたしで合ってる。私はナイン・フォレスティアだ」

 

『そうか、事情は雪音から聞いている。奏のガングニールの破片がアメリカで裏取引されてたそうだな。先ずはこう言わせて貰おう。ありがとう、ナインだったか?君が止めてくれなければ奏のガングニールが悪用されていたかもしれない』

 

彼女の周りの声から電話越しで頭を下げるのがわかった

 

「謝って頭下げてるならあげてくれ、それであたしに話すって事は受け取るって事で良いのか?」

 

『いや、その逆だ。それは君が持っていてくれ、私が持っていたら無意識の内に奏を頼ってしまいそうだ。ただ頼みたい事がある、奏のガングニールを悪事には使わないでくれ』

 

「そんな事か、わかったよそれにそんな事しちまったらClover'sの名折れだ」

 

『そうか、それを聞いて安心した。長々と失礼したな』

 

風鳴はそう言って電話を切った

 

〜ナインside out〜

 

「どうだったナイン?」

 

「いやー、断られちまったよあたしが持ってろだとさ」

 

風鳴は断ったのか

 

「それと悪事には使わないでくれだとさ、Clover'sに居る時点でそんなのありえねぇのにな」

 

「お前それ言わなかっただろ?」

 

「あー、それじゃあわかる訳ないか」

 

ナインはそう言って笑う

 

「ナイン食べたよ!」

 

「へー、やるじゃねえか。よっしゃ私が食べ終わったら外で思いっきり走ろうぜ葉月!」

 

「うん!」

 

ナインはそう言うと残りを一気に食べ葉月と外に向かった

 

(彼奴いつ帰るんだ?まあ考えても仕方ないか)

 

そう思った俺は朝食を食べ始めた




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59話

「「おはよう(デス)湊」」

 

「おはよう切歌、調」

 

俺が洗い物をして居ると切歌と調が起きて来た

 

「珍しいな調が切歌と同じ時間に起きて来るなんて」

 

調は普段は切歌より先に起きて来ているので切歌と起きて来るのは本当に珍しい

 

「実は寝る前にもう一度湊に教えて貰った所やってたらいつの間にか寝ちゃってて」

 

「それでいつもより遅かったのか、ちゃんと寝ないと身体壊すぞ?」

 

そう言って切歌と調に牛乳をわたす

 

「やっぱり私も早く起きた方が良いデスかね?」

 

「何だよ突然」

 

「いや、どう考えても調との扱いの差が激しいデスよ。だから私も早起きした方が良いんじゃないかって思って、どうかしたデス?」

 

切歌の言葉に俺と調は互いに顔を見合わせてから切歌にこう言う

 

「「切歌(切ちゃん)三日坊主になるなよ(ならないでね)」」

 

「2人とも酷いデスよ!」

 

切歌がそう言うのと同時にインターホンが鳴る

 

「ちょっと出て来る」

 

俺はそう言って玄関に向かい扉を開ける

 

「はい?」

 

「朝から悪いわね湊、あのバカ居るかしら?」

 

そこにはドス黒いオーラを出して居るステラが居た

 

「ステラお前何しに来たんだ?」

 

取り敢えずステラを中に入れてそう聞く

 

「全く言ってないのね、ナイン今日帰る予定なのにその時間になっても来ないのよ」

 

ナインの奴今日帰る事絶対忘れてやがる

 

「悪い、彼奴葉月と外に出て行ったきり戻ってないんだ」

 

「そう、そう言えば貴方達への自己紹介がまだだったわね。ステラ・リーシェンよ、湊とはClover'sで知り合ったの「たでーまリーダー」人を待たせておいて随分と余裕そうねナイン?」

 

自己紹介をしている時に帰って来たナインにそう言うステラ

 

「げっ!ステラ!?お前何で居んだよ!?」

 

「さっき言わなかったかしら?人を待たせてって?今日帰るって約束まさか忘れてる訳じゃないわよね?」

 

ステラにそう聞かれてナインは記憶を辿り始めると次第に顔が真っ青になっていくどうやら本当に忘れていたらしい

 

「あはは、そっそんな訳ねーだろステラ「そうよね、ならどうして1時間も来なかったのかしら?」そっそれは…」

 

ステラにそう聞かれて返しに困るナイン本当にバカな奴だな素直に忘れてたって言っておけば良いものを

 

「まあ良いわ、言い訳は向こうに帰るまでじっくりと聞かせてもらうから」

 

そう言って笑うステラだがあの笑みの裏では相当怒ってるんだろうな、この証拠にステラの後ろには修羅も見えている。あれが俺に向けられた物じゃ無いとわかるだけでほっとするな

 

「それと湊、あの破片の事何だけど色々とわかって来てもう少し調べたいからもう少しの間借りておくわね。それじゃあお邪魔しました」

 

ステラはナインを引きずりながらそう言って部屋を出て行った




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60話

数ヶ月後、遂に私立リディアン音楽院の受験の日が来た

 

「切歌、調忘れ物無いか確認したか?」

 

「大丈夫デスよ湊」

 

「私と切ちゃん2人で昨日の内に確認したから後は行って試験を受けるだけ」

 

昨日2人で何かしてると思ったら準備してたのか

 

「パパ、葉月も「葉月、湊もチビ2人も今日は大事な日なんだ。あんま困らせてやるな」わかった、パパ早く帰って来てね」

 

俺達が受験に行って居る間葉月の面倒を見てくれると言って泊まりに来てくれてたクリスが葉月にそう言う

 

「出来るだけ早く戻るよ」

 

俺はそう言って葉月を撫でる

 

「それじゃあいってくる」

 

「「いってきます」」

 

葉月とクリスにそう言って私立リディアン音楽院に向かった

 

「それにしても良かったね切ちゃん読める字が書ける様になって、私最初に切ちゃんの字見たときダメなんじゃ無いかなって思ってたから」

 

「そうだな」

 

リディアンに向かって居る途中にそう言う調に俺も頷く。切歌はかなりギリギリまで苦労して居たが普通に読める字が書けるようになった。

 

「本当に間に合って良かったデスよ。何はともあれこれで私はご褒美が貰えるデスね」

 

「私ももう少しだったのに」

 

そう切歌は調と同じくらいにまで字が上手くなったので約束通りご褒美があるんだが、調は数学に関しては俺の指定した点数を超える事が出来たが国語の最高得点が69点と1点足りずご褒美は無しだった

 

「それにしても字が読めれば大丈夫だったのが本当に意外だ」

 

「湊それは間違いなく私をバカにしてるデスね?」

 

「そう思ったなら悪かったな、あれがリディアン音楽院か」

 

切歌達と話している間にリディアンが見えて来た

 

「男女の比率が半端ないデスね」

 

「そうだな、殆どが女子だからな」

 

テストを受ける教室に着いて1つ思った事が男女の人数の差だった。俺の受ける教室に居る男子は指で数えられる程度しか居らず大半は女子だ。仕方ないと言えば仕方ない事なのかもしれない、リディアンが共学になったのは去年から、それまでは女子校だったのだから必然的に女子が多くなる

 

「この感じだと2回生の方は女子だけだったりして」

 

「そう言う事言うなよ調、本当にありそうだ」

 

俺は調の言った事が現実になる可能性を頭の隅に入れて試験官が来るまでの残り時間勉強をした

 

「いやー、これでしばらく勉強はしなくて済むデスね」

 

「そうだね、でも勉強についていけなくなったら大変だから少しはしようね切ちゃん」

 

「お前ら余裕だな、もし落ちてたら別の学校探すんだぞ?」

 

俺がそう言うと切歌と調の動きが止まる

 

「今はそう言う事言うのやめて欲しいデスよ」

 

「出来る事はやったでもそれで落ちちゃったら…湊この話辞めない?」

 

「俺が言っといて何だがそうだな」

 

俺達は微妙な空気の中帰宅した




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61話

「「「ただいま(デス)」」」

 

「お帰りパパ!切歌お姉ちゃんも調お姉ちゃんもお帰り!」

 

俺達の声が聞こえると葉月がそう言いながら走って来る

 

「ただいまクリス」

 

俺はリビングに居るクリスにそう言う

 

「葉月が走って行ったからもしかしてと思ったが帰って来たんだな湊、チビ達もお疲れさん」

 

「それとありがとな葉月見ててくれて、礼って程じゃ無いけど昼食べて行くか?」

 

「気持ちだけ受け取っとく、昼は先輩と約束してんだ。じゃあな」

 

そう言ってクリスは風鳴との待ち合わせ場所に向かった

 

「湊!夏に向けて葉月ちゃんの水着買いに行って来るデス」

 

昼を食べて暫くすると切歌がそう言って調と葉月を連れてリビングを出る

 

「おう、気をつけてな。後でお金は返してやるからレシートは残しとけよ。そうしないといくら返すのか分からないからな」

 

「了解デス「切歌お姉ちゃん早く!!」わかったデス!それじゃあ行って来るデス!」

 

葉月に急かされ切歌は走って玄関に向かった

 

「静かだな」

 

自分の部屋のベットに寝転びながらそう呟く

 

「そう言えばこうやって1人でのんびりするのっていつ以来だ?」

 

最近は切歌や葉月達に付き合わされて1人でのんびりする事が無かった

 

(少し昼寝でもするか)

 

俺はそう思い目を閉じた

 

〜切歌side〜

 

「それでどう言う意味切ちゃん?」

 

「何がデス?」

 

葉月ちゃんと手を繋いでショッピングセンターに向かってる途中調がそう聞いて来る

 

「葉月ちゃんの水着買いに行くって事、夏はまだ先何だからまだ買う必要は無いと思う」

 

「そうデスね、実はご褒美何ですけど調と葉月ちゃんも一緒に皆んなでお風呂に入ろうと思ってるですよ」

 

「どうして?切ちゃんへのご褒美だよね?」

 

私がそう言うと調はそう聞く

 

「私は調が私以上に頑張ってた事知ってるデスよ。それなのに私だけご褒美何て貰えないデス。幸い湊も何でもするって言っただけで私だけとは言って無いデス」

 

「そっか、そこに葉月ちゃんを巻き込んで湊が断れない状況を作って逃げ場を無くすんだね?」

 

調の言葉に私は頷く

 

「葉月ちゃんどんな水着が良いデスか?」

 

ショッピングセンターの水着売り場に着いてから葉月ちゃんに着てみたい水着を聞く

 

「んー、これ!」

 

「これ…デスか」

 

葉月ちゃんが選んだのは水着は葉月ちゃんくらいの子が着る水着じゃなかった

 

「こっちの方が可愛くないデスか?」

 

「葉月ちゃんこっちにも可愛いのあったよ。だからこれは戻そう」

 

流石にこれにする訳にはいかないと思った私と調は葉月ちゃんくらいの子が着てそうな水着を選ぶ

 

「うん!」

 

葉月ちゃんは私と調の選んだ水着の方が良いと思った様で持ってた水着を元の場所に戻しに行った

 

「切ちゃん私葉月ちゃんが持って来たのにしようかな?」

 

「辞めとくデスよ調、今回は葉月ちゃんも居るんデスからそう言うのは葉月ちゃんが居ない時に取っとくデス」

 

「それもそうだね、切ちゃんは?新しいの買うの?私は買うつもりだけど?」

 

調は新しい水着を買うデスか。うーん、悩みどころデス

 

「私も買っとくデス、今年もプールには行くから買っといて損はしないデス」

 

「それじゃあ一緒に選ぶ?」

 

「そうデスね、そう言えば葉月ちゃん戻って来ないデスね」

 

水着を戻しに行ったっきり葉月ちゃんが戻って来ないそこまで大きなお店でも無いのに

 

「調少し探さないデス?いくらなんでも遅いデスよ」

 

「そうだね、あれだよね葉月ちゃんの持って来たの」

 

葉月ちゃんが持って来た水着は元の場所に戻って居た

 

「おかしいデスよ調!なら何で戻って来ないデス!?」

 

「わからないけど嫌な予感がする、水着は後にして先ずは葉月ちゃん探そ切ちゃんはこの辺りを探して私はトイレとか別の場所も探してみる」

 

「了解デス!」

 

私がそう言うと調は走ってトイレに向かった

 

「どうするデスかね「あれ?切歌ちゃん?」響さん!丁度良い所に葉月ちゃん見てないデス!?」

 

葉月ちゃんを探して居ると響さんに会ったので葉月ちゃんを見てないか聞いてみる

 

「葉月ちゃん?見てないけどもしかして居なくなっちゃったの!?」

 

「はい、葉月ちゃんの水着見に来たのは良いんデスけど葉月ちゃんが水着戻しに行ったんデスけど水着は元の場所に戻っててそれなのに葉月ちゃんが戻って来ないんデス!」

 

「それって誘拐とかじゃ無いよね!?」

 

「ちょ!?そんな洒落にならない事言わないで欲しいデスよ!?」

 

でも実際葉月ちゃんは見つからないこの調子だと本当に誘拐の可能性とかも出て来そうデスね

 

「切ちゃーん!あ!響さんも」

 

そこに調が戻って来た

 

「調!どうだったデス!?」

 

「はぁはぁ、トイレと他のお店も探して来たけどどこにも居なかった」

 

「迷子センターとかにも居なかったの?」

 

「うん、もう少し探す範囲広げた方が良いかも」

 

これはいよいよ不味いデスね

 

「未来?どうしたの?本当!?葉月ちゃんそこに居るの!?」

 

葉月ちゃんは未来さんと一緒デスか一安心デス

 

「うん、わかった。大変だよ2人とも!葉月ちゃん強盗の人質にされちゃったみたい!」

 

ちっとも安心出来ないデス

 

「「強盗の人質(デス)!?」」

 

「うん、この近くの廃墟に立て篭もったらしくて未来もその近くに居るんだって」

 

「その廃墟って何処にあるデス?」

 

私が聞くと響さんが携帯でその廃墟までの地図を見せてくれた

 

「此処デスか、行くデスよ調!私達の妹を人質にした事後悔させてやるデス」

 

「そうだね切ちゃん」

 

私は響さんに教えて貰った廃墟に向かった

 

〜切歌side out〜




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62話

〜調side〜

 

「此処デスよね調?」

 

「響さんの話では此処のはず」

 

私と切ちゃんはとある廃墟の裏側に居る。表には警察や人だかりが多くて中に入れそうにないから裏側から入る事にした

 

「頼むデス調」

 

「うん」

 

〜Various shul shagana tron〜

 

私はシンフォギアを纏い廃墟から飛び出て居る鉄骨に紐を巻き付けその鉄骨の上に登り切ちゃんを引き上げる

 

「ありがとうデス調」

 

「気にしないで」

 

そう言って私と切ちゃんで中を覗く

 

「居た葉月ちゃんデス」

 

「縄で柱に縛りつけられてるね」

 

中を覗くと柱に縛りつけられた葉月ちゃんが見えた

 

「調お姉ちゃん!!」

 

「ちょ!?葉月ちゃん!?仕方ないデス調下から中に入るデス」

 

「わかった」

 

葉月ちゃんが私と切ちゃんを見つけて叫んだので私と切ちゃんは慌てて一つ下の窓から中に入る

 

「ふー、危機一髪デスね」

 

「そうだね、葉月ちゃんも居たし突撃しよっか」

 

「そうデスね」

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

切ちゃんもシンフォギアを纏い階段を登る

 

「準備は良いデスか調?」

 

「何時でも大丈夫だよ切ちゃん」

 

扉の前でそう言ってから互いに頷き思いっきり扉を壊す

 

「ぐはっ!」

 

扉の向こうに誰か居た様で1人吹き飛ぶ

 

「さーて、葉月ちゃんを返して貰うデス」

 

「もう大丈夫だよ葉月ちゃん」

 

「テメェらどっから入った!」

 

私と切ちゃんは一先ず相手の人数を確認する

 

(相手は5人、1人は向こうで扉の下敷きになってるから身動きは取れない筈)

 

(そうデスね、一般人相手にシンフォギアを使うのは気が引けるデスが葉月ちゃんを拐ったなら話は別デスね)

 

「やっちまえ!」

 

リーダーらしき男がそう言うと私と切ちゃんに向かって残りの3人が向かって来る

 

「来るデスよ調」

 

「うん、切ちゃん」

 

私達と強盗との戦闘が始まった

 

「よく頑張ったデス葉月ちゃん、今ロープを切るデス」

 

強盗を物の数分で拘束してイガリマの鎌で葉月ちゃんを繋いで居るロープを切る

 

「切歌お姉ちゃん!調お姉ちゃん!」

 

「怖かったのに泣かなかったんだね、偉いよ葉月ちゃん」

 

切ちゃんがロープを切ると葉月ちゃんは私に向かって走って来た葉月ちゃんを優しく撫でる

 

「これで任務完了デスね」

 

「そうだね、後は下の人達にバレない様に廃墟を出るだけ」

 

私と切ちゃんは葉月ちゃんを連れて裏側から飛び降りた

 

「そう言えば葉月ちゃんはどうしてあの人達に捕まっちゃったデス?」

 

「お菓子くれたから…」

 

それで着いて行っちゃったんだ

 

「ダメだよ葉月ちゃん知らない人に着いて行っちゃ、次から気をつけてね」

 

「ごめんなさい」

 

葉月ちゃんはしょんぼりしながら謝る

 

「わかってくれたなら良いデスよ、それじゃあ水着選びを再開するデス!」

 

「そうだね、可愛いのも見つかったし行こっか葉月ちゃん」

 

「うん!」

 

その後葉月ちゃんの水着を切ちゃんと一緒に選んでから晩ご飯の買い物をして帰った

 

〜調side out〜




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63話

「んー!久しぶりに昼寝なんてしたな」

 

俺が起きた頃には日も落ち始めて居た

 

「小日向から電話?」

 

携帯を見ると小日向から電話がかかって来て居た

 

「もしもし何だ小日向?」

 

『湊?もう終わった話なんだけど葉月ちゃんが強盗に人質に取られちゃってね』

 

葉月が強盗に人質にね……は!?

 

「マジかよ!?」

 

『うん、切歌ちゃんと調ちゃんが助けたみたいなんだけどね』

 

彼奴ら何やってんだよ

 

「そうか、俺からも葉月に注意しとくよ」

 

『あまり怒るのも良くないよ、それじゃあね』

 

小日向はそう言って電話を切った

 

「「「ただいま(デス)」」」

 

俺が立ち上がったのと同時に切歌達の声が聞こえる

 

「お帰り水着どうだった?」

 

「色々あったデスが良いのが買えたデス」

 

「色々ね、お前ら葉月が強盗に人質に取られたって本当か?」

 

俺がそう聞くと切歌と調は葉月が強盗に人質にされた経由を話した

 

「そうだったのか、葉月今回は助かったが今度からは知らない人に着いて行くなんて事ない様にしてくれ、切歌に調お前達も出来る限りで良い葉月から目を離さない様にしろよ、何はともあれ無事で何よりだ」

 

そう言って葉月の頭を撫でる

 

「それでデスね、ご褒美の件何デスけど今日はみんなでお風呂に入るデスよ」

 

「全員でか?まあ何でもするって言ったのは俺だしな、わかったよ…成る程その為の水着か」

 

此奴らが急に水着買いに行くって言ったのは元々ご褒美の内容を決めて居たからだと理解した。因みに風呂とは言ったが一般的な風呂とは違い10人は入れるんじゃ無いかってくらいに広い

 

「えへへ、流石にバレちゃったデスね、それとこの際私達も水着を新しく買ったからその感想も欲しいデス」

 

「期待しててね湊、それじゃあ夕飯の準備始めるね」

 

そう言って調は夕飯の準備を始めた

 

「パパ!どうどう!」

 

葉月は俺の前で一周してそう聞いてくる

 

「可愛いじゃん、切歌と調が選んでくれたのか?」

 

「うん!」

 

葉月の水着は上下の繋がった水色の水着

 

「お待たせデス湊!」

 

「お待たせ」

 

暫くすると切歌と調も入って来た

 

「どうデスか?変なら言って欲しいデス」

 

「湊?」

 

何も言わない俺を不思議に思い調が近づいて来る

 

「何でもない、それと…別に変じゃないぞ」

 

そう言って切歌と調から目をそらす。切歌の水着は上が緑と黒の左右色違いで下が黒のビキニ、調はこれまでは葉月と同じ様な感じの水着だったのが切歌と同じで上がピンク下が白のビキニになって居た

 

「良かった、ビキニって初めてだからどうかなって心配してたんだ」

 

「良かったデスね調、それじゃあ思いっきり遊ぶデース!!」

 

そう言って切歌はビーチボールを膨らませる

 

「流石に此処じゃ無理だろ」

 

「これだけ広かったら大丈夫デスよ!葉月ちゃんも遊ぶデス!」

 

「うん!」

 

葉月は湯船から出て切歌と遊び始めた

 

「全く、風邪ひいても知らないからな」

 

「私も辞めとこうかな」

 

そう言って葉月と入れ違いで調が湯船に浸かる

 

「そうデスか「切歌お姉ちゃん!!」行くデスよ!それ!」

 

「えい!」

 

切歌が飛ばしたビーチボールを葉月が返す、俺と調は2人が満足するまでその光景を湯船に浸かりながら見ていた




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64話

「湊早くしないと入学式そうそう遅刻するデス!」

 

「わかってる!よし、出来たぞ葉月」

 

今日は私立リディアン音楽院そして葉月の通う小学校の入学式よりにもよって2つの学校の入学式が被ってしまった

 

「ありがとうパパ!」

 

「取り敢えず出るぞ!」

 

「うん!」

 

葉月の髪を結び終え急いで玄関に向かう

 

「入学式終わったら直ぐ迎えに行くからそれまでは学校で居るんだぞ葉月」

 

「うん!待ってる!」

 

学校へ向かう途中の分かれ道で葉月は左、俺達は右に向かう

 

「はぁ、朝から疲れた。これが毎日あるのか地獄だ」

 

葉月と別れリディアンに向かう途中でそう呟く

 

「まだ入学式も始まってたのに既にくたくたデスね」

 

「大丈夫湊?」

 

「なんとか「おーい!湊くーん!切歌ちゃーん!調ちゃーん!」立花朝から元気だなお前」

 

朝から疲れ果てる俺にさらに追い討ちをかけるかの様に立花がやって来た

 

「あれ?元気ないね湊君?」

 

「昨日の夜葉月が学校が楽しみすぎて中々寝てくれなかったんだ。その癖に今日は朝早くに起こされて寝不足なんだ。そう言や小日向とは別々に登校してるのか?」

 

俺はてっきり立花は小日向と登校してると思って居たから少し気になって立花ににそう聞く

 

「ううん、何時もは一緒に登校してるんだけど今日は用事があって先に学校行っちゃったんだ」

 

「そうか、小日向も大変だな」

 

そう話している内にリディアンに着いた

 

「それじゃあ俺は職員室に行くから」

 

「また後でデス」

 

「またね湊」

 

2人にそう言って俺は職員室に向かう

 

「失礼します、雪音ですけど」

 

俺がそう言って中に入ると1人の女性が近づいて来た

 

「待ってたわ貴方が雪音君ね、私は貴方のクラスの担任になる小倉愛香です。それじゃあ早速教室に向かいましょうか」

 

「はい」

 

俺は先生と教室に向かった

 

〜響side〜

 

「おはよう!未来!」

 

「おはよう響、今日は遅刻せずに来れたんだね」

 

「何とかね、そう言えば湊君達に会ったよ!同じクラスだと良いなぁ」

 

「そうだね」

 

未来と話して居ると先生が来た

 

「さて、皆さんに重大な発表があります」

 

小倉先生はそう言ってから少し間を入れて

 

「何と…リディアン音楽院初の男子生徒がこのクラスで皆さんと勉強をする事になりました!」

 

小倉先生の言葉を聞いて周りの人達が騒めく

 

「それじゃあ響、湊って」

 

「うん、私達のクラスって事だね」

 

「それじゃあ入って」

 

小倉先生がそう言うと私達の思った通りの人が入って来た

 

「雪音湊、これから1年よろしく」

 

湊君は黒板に自分の名前を書いてそう言う

 

「えっと、それだけかしら?」

 

「?」

 

小倉先生の言葉を聞いて湊君は疑問符を浮かべる

 

「それじゃあ席は立花さんの後ろに座って」

 

「はい」

 

湊君はそう言って私の後ろの席に座った

 

〜響side out〜

 

「ねえねえ!雪音君って何処から来たの?」

 

「雪音君って好みのタイプとか居るの?」

 

入学式も終わり帰ろうと思って居たら周りに女子達が集まり質問攻めにあった

 

「だー!煩い!そんな一斉に聞かれても答えられねぇよ!」

 

俺が怒鳴る様にそう言うと周りは静かになった

 

「たく」

 

俺は女子の間に出来た道を歩いて教室を出ると中がまた騒がしくなる

 

『たっ助けて未来ー!!』

 

『響ー!!』

 

その2つの声を聞いて理解した立花と言う犠牲のお陰でこの件は何とかなりそうだ

 

(大分時間取ったな急がねぇと)

 

チラッと教室で時計を見た時の時間は10時30分、小学校までの時間も考えて着くのは11時過ぎ、入学式終わったら直ぐ迎えに行くとは言ったが、向こうは既に入学式も終わってると葉月からメールもあったのでより急いで葉月の小学校に向かった

 

〜葉月side〜

 

「パパ」

 

私はパパに言われた通り学校の前で待ってる。皆んな入学式に来たお父さんとお母さんと一緒に帰って行き周りには葉月以外誰も居なくなった

 

「雪音さん帰らないの?」

 

「パパがお迎えに来てくれるって約束してくれた」

 

私がそう言うと先生は葉月の隣に座る

 

「私も此処で雪音さんのお父さんを待つわ」

 

「うん「葉月ー!!」あ!パパ!!」

 

遠くから走って来るパパが見えた

 

〜葉月side out〜

 

葉月の小学校が見えて来た所で葉月が誰がと話して居るのが見えた

 

「葉月ー!!」

 

「パパ」

 

葉月が俺に気づき走って来て抱きつく

 

「悪いな葉月」

 

「ねぇ、貴方本当に雪音さんのお父さん?どう見ても高校生にしか見えないけど」

 

「うん!葉月のパパだよ」

 

葉月はそう言ってさらに強く俺に抱きつく

 

「すみませんご迷惑をお掛けして」

 

「いえ、それでその雪音さんのお父さんで良いんですよね?」

 

少し警戒した様子でそう言う小学校の教師

 

「あはは、まあそうなりますよね」

 

俺はリディアン音楽院の制服のまま葉月の小学校に向かったので相手も高校生だってわかるし、それで父親って言うのもおかしいと思うのも無理はない

 

「そう葉月ちゃんは捨て子だったの」

 

葉月は捨て子で俺が面倒を見続けるけている内にいつの間にかパパと呼ぶ様になったと嘘を吐いた

 

「はい、それじゃあ失礼します。ほら葉月」

 

「先生さようなら」

 

「さようなら、気をつけて帰ってね」

 

葉月は先生が見えなくなるまで手を振って居た




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65話

「遅いデスよ湊」

 

「もうみんな来てるよ」

 

俺と葉月がマンションに帰ると入り口で切歌と調が待っていた

 

「悪い、制服のままで行ったからちょっと話聞かれた。それに」

 

嘘ではない、小学校の先生に葉月が俺をパパと呼ぶ理由を話した事も理由の一つだだが1番遅れた理由が

 

「疲れ切って寝た葉月に加えてランドセルに学校の鞄だぞ」

 

そうもう一つの理由が疲れ切った葉月が途中で地面に座り込み動かなくなってしまった為、背負い歩き始めるとわずか数分で眠りその状態では走れない為ゆっくり歩いて帰って居た

 

「遅れて悪い」

 

「おせーぞ…って起こしちゃ悪いな」

 

俺が部屋に入るとクリスが大声を出そうとするが葉月が寝て居る事に気づき声を抑えた

 

「立花と小日向も悪いな遅れて」

 

葉月を部屋に寝かせた後そう言ってリビングに入る

 

「ううん、仕方ないよ葉月ちゃん寝ちゃったんだもん。それじゃあ進級祝いと入学祝いはじめよっか」

 

立花がそう言って立花達の進級祝いと俺達の入学祝いが始まった

 

「そう言や俺が出た後お前の叫び声聞こえたけど何かあったのか?」

 

「あー、それは響が自分でやった事だから気にしないで」

 

小日向の話によると立花は俺が教室を出た後俺を名前呼びした事でクラス全員からかなりの数の質問攻めにあったらしい

 

「あれは大変だったよ、未来が明日のレクリエーションで湊君抜きの王様ゲーム何て考えてくれなかったら私まだ学校に居たかも」

 

立花からおかしな言葉が聞こえる

 

「立花今なんて言った?」

 

「え?レクリエーションで湊君抜きの王様ゲームを「何でそんな事になってんだ?」それは未来に聞いて」

 

俺の聞き間違いではなく本当にそう言った立花にそう言われるので提案した本人を見る

 

「ん、湊ってあんまり人と関わろうとしないよね?学校じゃそう言う訳にはいかないから皆んなに湊の事知って貰う為に、湊の我慢できる範囲、出来ない範囲をわかって貰う為に湊は王様ゲームのくじを引かずに我慢の出来る王様の命令には従って貰って、出来ない命令は別の湊出来る範囲の命令に変えて貰う、それなら皆んなも湊との距離感を縮めやすいし、湊も皆んなと仲良くなりやすいでしょ?」

 

まあ理屈は分からなくない、分からなくないのだが何処か納得が出来ない

 

「1人1人でやってたら時間かかるんじゃないか?」

 

「そこは問題ないよクラスの人数は湊を抜いて35人だから5人1組のグループにして貰ったから」

 

小日向の奴結構逃げ道塞いで来るな、と言うかお前らも参加するのな

 

「そう言えば湊君そろそろ私と未来の事名前で呼んでくれても良くない?」

 

「何だ突然?」

 

「確かに突然だけど、今此処に居る中で名前呼びじゃないの私と未来だけだよ?」

 

そう言えば風鳴が居なくなったから立花と小日向だけか

 

「名前で呼べば良いのか?」

 

「呼んでくれるの!!」

 

立花がそう言って身を乗り出して顔を近づけて来る

 

「そんくらい別に良いから離れろ」

 

「あはは、ごめんね湊君」

 

立花は少し顔を赤くして離れる

 

「響、これで良いんだろ」

 

「うん!これでようやく本当の友達になれた気がする!これからもよろしく!」

 

響はそう言って俺の手を両手で握り上下に振る。

 

「響を名前呼びにしたのに私を名前呼びにしない何て事しないよね湊?」

 

「わかってる、未来これで良いだろ」

 

「うん、これからもよろしくね湊」

 

未来は響の逆の手を握り握手をする

 

「ま、どんな命令があるかは明日になってからしかわかんねぇしな、此処で解散にしようぜ」

 

「そうだね、晩ご飯の材料も買わないといけないし帰ろっか響」

 

「うん、それじゃあまた明日ね湊君!」

 

響達はそう言って帰って行った




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66話

「「おはよう湊(湊君)」」

 

「おはよう響、未来」

 

翌日登校した後学校の探索をしていると響と未来と遭遇した

 

「何してたの?」

 

「学校の探索だ、まだ保健室とか知らない場所もあるからな」

 

「本当は昨日の放課後に案内しようって思ってたんだけど湊が帰っちゃうから、まだ時間もあるし保健室の場所教えようか?」

 

「ああ、頼む」

 

俺は未来と響に保健室の場所を教えて貰い2人と教室に向かう

 

「そう言えば学校に来てから誰がと話したの?」

 

「いや、お前達が初めてだ。結構周りから視線は感じるんだが向こうも距離感が掴めてないらしい」

 

俺が探索して居る途中何度も視線を感じる事はあっても直接何かあった訳ではない

 

「湊から話しかけて場所聞こうって思わないの?」

 

「まあ何度か試そうとしたんだが…その逃げられてな…」

 

最初は俺も何度か試したが全て逃げられて話しかけるのを辞めた

 

「そう何だ…ごめんね湊」

 

「き、きっと皆んな男子とどう接したら良いのか分からないんだよだから気を強く持って湊君、次何処行こっか!?」

 

「いや、もう良い教室に戻る」

 

俺のその言葉を聞いて響は何も言わなくなり教室に着くまで誰も話さなかった

 

「それじゃあ王様ゲームを始めよー!!」

 

『おー!!』

 

「…おー…」

 

レクリエーションの王様ゲームが始まり今朝の件もあって精神的にかなりのダメージを受けた俺は机に突っ伏して居る

 

「あの立花さん、雪音君なんかぐったりしてるけど大丈夫なの?」

 

「あはは、今朝ちょっとあってね。取り敢えずグループから1人出て来てくじ引いて」

 

響がそう言うと椅子から立ち上がる音が聞こえる

 

「えっと最後に私が引いて、ほらほら何時迄もそうしてないで湊君も楽しもうよ!」

 

(俺が命令されるのに何を楽しめと言うんだ?)

 

そう思ったが確かに何時迄もこうしてる訳にはいかないので取り敢えず響に顔だけ見せる

 

「それじゃあせーの!」

 

『王様だーれだ?』

 

響の掛け声と共に全員がくじを開く

 

「あ、私だ」

 

王様は響のグループか

 

「それで命令って何だ響?お前俺に命令する事って特に無いんじゃないのか?」

 

「言われてみれば「響こっち来て」何未来ー?」

 

響が考えて居ると未来が呼ぶ

 

「わかったよ未来、湊君は私たち5人の質問に1つづつ答えて」

 

「私と響はまだ決まってないから先ずは創世達の質問に答えてあげて」

 

未来に言われた通り同じグループの安藤達の質問に答える事にした

 

「確か板場だったよな?」

 

「覚えててくれたんだ」

 

「ああ、質問の印象が強くてな何となく覚えてた」

 

始めて会った時に好きなアニメは何か何て質問する奴そんな居ないだろうしな

 

「昨日と同じ質問なら答えられないぞ、それ以前に俺はアニメを見ないからな。知り合いに勧められたのならいくつかあるが」

 

その知り合いとはもちろんアリアだ

 

「そのタイトルって何だった?」

 

「それが質問って事で良いのか?」

 

俺がそう聞くと板場は頷いた

 

「確か…CLANNADそれからけいおん後はまどマギにSAOだった気がする」

 

「うーん、その人中々良いチョイスしてますね」

 

俺にはよく分からないが板場の中では何かアリアに共感出来る物があったらしい

 

「私は安藤創世、よろしくミナ」

 

「ちょっと待て、ミナって俺の事か?」

 

流石にそれはないと思いながら安藤にそう聞く

 

「そうだけど?それで質問なんだけどさ、昨日何であんなに急いで帰ったのか気になったんだけどなんでなの?」

 

「その事か、実は妹を小学校まで迎えに行くって約束しててな、あのままだったら1時間近く待たせる事になるから急いで…ってどうかしたか安藤?」

 

俺がそう言うと安藤達を含めて響と未来以外のクラス全員が意外そうな顔をしていた

 

「いや、ミナって意外と家族思いなんだなって思って」

 

安藤がそう言うと全員が頷いた

 

「はぁ、お前らが俺をどう思ってるのかよくわかった」

 

俺はため息を吐いてそう言った

 

「それでは次は私ですね。寺島詩織と言います」

 

「よろしく寺島」

 

軽くお辞儀をする寺島にそう返す

 

「それで質問なんですけど、3回生に雪音クリス先輩が居ますけどご親族か何かですか?」

 

「俺の姉だ、ちょっと訳あって最近まで疎遠になってたがな」

 

流石に殺そうとしてた事云々は伏せて話した

 

「疎遠ですか、色々とあったんですね。ありがとうございます」

 

寺島はそう言うと安藤達と席に戻って行った

 

「後はお前らだけだぞ」

 

「それじゃあ質問、湊君誕生日っていつなの?最初あった時教える気がないって教えてくれなかったよね?」

 

そういえば言ったな

 

「11月の11日だ」

 

「へー、未来と近かったんだ」

 

「そうなのか未来?」

 

「うん、私は11月の7日だから」

 

俺の4日前か確かに近いな

 

「それで未来で最後だが何だ?」

 

「質問じゃなくてお願いでも良いかな?」

 

お願い?

 

「別に良いが何だ?」

 

「…この間のお泊まりの時のレシピ教えて…」

 

未来は響にも聞こえない声で俺にそう言う

 

「…何で誰にも聞こえない声で話すんだ?…」

 

「…皆んなは私と響が湊の家に泊まった事あるって知らないでしょ?…」

 

成る程、要するに余計な騒ぎを防ぐためか

 

「わかった」

 

「うん、ありがとう」

 

未来はそう言って席に戻って行った




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67話

あれから数日、未来の狙い通り距離感が縮まり普通に話せる程度までにはなった

 

「湊君お昼一緒に食べよ!」

 

「良いぞ、あの2人も今日はクラスの奴と食べるらしいからな」

 

何時もは切歌と調と俺の3人で食べてるが今日はクラスの人と食べる約束をしたと3限目が始まる前にメールが来た

 

「そうなんだ、それじゃあ行こ未来や創世達も待ってるし」

 

「わかった」

 

俺はそう言って立ち上がり未来達の待って居る場所に向かう

 

「そういやお前3限の前にレポートがどうとか言ってたけど終わったのか?」

 

「それが中々終わん無くてさ」

 

まだ終わって無いのか

 

「早めに終わらせないともっと面倒だぞ」

 

実際切歌と調の2人は俺を頼って来たし、まあ自分の力でやらせたけど

 

「たはは、厳しいなぁ。そう言えば湊君ギリギリまでレポート出してないって聞かないね」

 

「後々になってやるのも面倒だから早めに終わらせてるだけだ。誰でもしてる事だろ」

 

「そうだよね、湊君そこでお願いがあるんだけど、今回のレポート手伝って!」

 

響はそう言って頭を下げる

 

「悪いがその気はない、そう言うのは未来に頼め」

 

「それが未来は今日用事があるらしくて、そのレポート今日中に出さなくちゃいけなくて、だからお願い!!」

 

「そう言われてもな」

 

「もう響、遅いと思ったらそんな事してたの?」

 

俺と響が遅いと思う様子を見に来た未来がそう言う

 

「ビッキーもミナも遅いよ」

 

未来の案内の元安藤達と合流する

 

「悪いな」

 

俺は安藤に一言だけ謝って広げられたレジャーシートに座る

 

「雪音さんのお弁当何時も美味しそうですが何方が作ってくれて居るんですか?」

 

弁当を食べて居ると寺島にそう聞かれる

 

「俺は毎日自分で作ってるぞ?」

 

「へー、ミナ料理出来るんだ」

 

まあ覚えるしか無かったからな、セレナもマリアも最初ろくに料理出来なかったし

 

「そう言えば雪音君は部活しようと思わないの?」

 

「また突然だな板場、悪い携帯鳴ってるから少し外すな」

 

俺はそう言って電話に出る

 

「何だ切歌」

 

電話の相手は切歌だった

 

『湊今日の放課後3人でクラブ体験に行くデス!』

 

「クラブ体験か、丁度俺もその話してたんだ。どうするかな」

 

『悩むくらいなら決定デス!放課後第1音楽室前に集合デス!』

 

切歌は言いたい事だけ言って電話を切った

 

「ミナ誰からだった?」

 

「俺の知り合いからだ、放課後クラブ体験に行くらしい」

 

「先程部活をしないかどうかと考えて居たので丁度良かったのでは?行くんですか?」

 

「ああ、そいつがあの調子の時は何言っても聞かないしな」

 

切歌があの調子の時に俺の意見を聞いてくれた試しが無いので行く事になるだろう

 

「私達の屋上にバトミントンに行くけどミナはどうする?ヒナはビッキーのレポート手伝うって言ってたけど」

 

「ならレポートの邪魔しちゃ悪いし俺も行かせてもらう」

 

そう言って俺は安藤達と屋上に向かいバトミントンをし頃合を見て教室に戻った




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68話

「彼奴ら呼んどいて遅れるってどう言うつもりだ」

 

放課後俺は切歌に言われた通り第1音楽室の前で2人を待って居る

 

「遅れてごめん湊」

 

「調、お前だけか?」

 

暫くすると調だけが来た

 

「切ちゃんが寝ちゃって私が何度起こしても起きないから起こして」

 

来ないと思ったらそう言う事か

 

「わかった、取り敢えずクラスまで案内頼む」

 

「うん」

 

俺は切歌を起こしに調の案内の元2人のクラスに向かった

 

「切ちゃん、やっぱりまだ寝てる」

 

調が教室の外から切歌の席を見ると切歌はまだ寝て居た

 

「起きて切ちゃんもう放課後だよ。今日は放課後クラブ体験に行くんでしょ?」

 

「もう食べられないデスよ湊」

 

調はもう一度切歌を起こそうとするが切歌の起きる気配はなく調は教室の外に居る俺に目線を向ける

 

「はぁ、邪魔するぞ」

 

そう言って俺が教室に入ると教室に居た女子全員が一瞬俺に目線を向け小声で話し始めた

 

「起きろ切歌」

 

「起きて切ちゃん」

 

俺と調でもう一度切歌を起こそうとするが一向に起きない切歌、流石に腹が立って来た

 

「調ちょっと手伝ってくれ」

 

「わかった」

 

調はそう返事をして机を持つ

 

「「せーの!」」ドンッ

 

俺と調の2人掛かりで机を前に移動させると机に突っ伏して寝て居た切歌はそのまま前に倒れ顔から地面にぶつけた

 

「うう、痛いデス「おはよう切歌」おはようデス湊…湊!?何で湊が私のクラスに居るデスか!?」

 

寝起きで俺が居る事に何も思わなかった切歌だが直ぐにおかしいと理解して俺にそう聞いてくる

 

「私が何度起こしても起きないから私が呼びに行った」

 

「さいデスか、そう言えば何か忘れてる気がするデス」

 

そう言って考え込む切歌、此奴は自分が言い出した事なのにクラブ体験の事を忘れて居るらしい

 

「クラブ体験だろ切歌」

 

「クラブ体験…は!そうデス!それじゃあ早速行くデス!「待って切ちゃんこっちが先だよ」しっ調!?それは湊の前で出しちゃダメデス!!」

 

切歌は調の持って居たプリントを慌てて鞄に詰める

 

「調何なんだあのプリント?」

 

「この間湊に手伝って貰ったレポートあったでしょ?あれの提出期限が明日の2限目なんだけど切ちゃんは白紙の状態だから先に終わらせないと」

 

提出期限が明日の2限目のレポートが白紙か

 

「切歌先にレポート終わらせるぞ、クラブ体験は明日の放課後でも出来るがレポートの期限は明日の2限目だ」

 

「そうだよ切ちゃん、それにちゃんとしないとまた怒られるよ?」

 

ん?また?

 

「なあ調、もしかしてだが切歌の奴」

 

「うん、結構注意受けてる」

 

マジかよ

 

「切歌今直ぐ帰るぞ」

 

「ちょ!?しっ調!」

 

切歌が危険を感じて調に助けを求めるが

 

「湊、私は夕飯の材料買って帰るから切ちゃんの事お願いね」

 

「わかった」

 

「調!?」

 

調はこっちの味方だから意味ないぞ

 

「ほら!帰るぞ切歌!!」

 

「わっわかったデス、今晩は徹夜デスかね」

 

そう言った切歌は見るからに落ち込んで居た




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69話

「湊君今週の土曜日空いてる?」

 

放課後になり帰ろうとすると響にそう声をかけられる

 

「土曜って事は明後日か、大丈夫だがそれがどうした?」

 

「それがレポートの提出期限1日遅れちゃって、その罰でプール掃除をする事になったんだけど「手伝って欲しいって事か?」嘘!?何でわかったの!?」

 

逆にそれ以外の事だったら何を話す事があるんだ

 

「話の流れ的にそう来ると思っただけだ。にしてもプール掃除か…人数はどれくらい集まったんだ?」

 

「えっと…未来達とクリスちゃんそれから、切歌ちゃんと調ちゃんの7人だよ」

 

「それだけ居れば充分だろ、俺はパスだ」

 

それだけのメンバーが居れば何とかなるだろうに

 

「それが…切歌ちゃんと調ちゃんの2人には湊君が行くって前提で来て貰う事になってるんだ」

 

響が苦笑いでそう言うと言うか

 

「響…俺がいつ行くなんて言った?」

 

「えーと…たはは、聞くの忘れてた」

 

此奴は本当に馬鹿なんだなと改めて理解した瞬間だった

 

「悪いが俺は行かない」

 

そう言って教室を出ようとした所を未来に止められる

 

「その代わりね、私達だけでプールを貸し切れる事になってるんだ。それに当日切歌ちゃんと調ちゃんに連れて行かれるのは湊もわかってるんじゃない?」

 

言われてみると確かに切歌と調に連れて行かれるのは明白、それなら断らず最初から承諾した方が良いのかもしれない

 

「分かった、俺も行くよ」

 

「ありがとう、それじゃあまた明日ね」

 

まだ人数を集めている響に変わって未来がそう返した

 

「それじゃあ出発デース!」

 

「おー!」

 

プール掃除当日、浮き輪を持って切歌の次にテンションの高い葉月が切歌に続いて外に出ようとする。本当の事を言うと葉月はおっさんに預けるつもりだったのだが切歌がプール掃除の後遊ぶと余計な事を言った為、急遽葉月を連れて行く事になった

 

「待てお前ら、弁当よし、飲み物よし、着替えと水着もよし、これで大丈夫だな。葉月こっちに来い」

 

「うん!」

 

俺がそう言うと葉月は浮き輪を持ったまま走って来る

 

「葉月浮き輪はもう少ししてからにしような」

 

「うん…」

 

俺がそう言うと葉月はしょんぼりして浮き輪の空気を抜く

 

「後でちゃんと膨らませてやるからな」

 

「うん!」

 

葉月は笑って頷き浮き輪をリュックに入れて背負う

 

「湊遅いデス!」

 

『切ちゃん!着替え忘れてるよ!!』

 

「本当デスか調!?今直ぐ取りに行くデス!湊待っててデス」

 

切歌はそう言うと走って部屋に戻って行った

 

「お待たせデス」

 

「お待たせ湊」

 

「全員揃ったな、じゃあ行くか」

 

俺達はリディアンに向けて出発した




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70話

「ミナ!こっちこっち!」

 

「悪い安藤俺が最後…って訳でもないみたいだな」

 

リディアンの校門前に安藤達が居たが頼まれた張本人の響と未来が居なかった

 

「ビッキーが今起きたってヒナから連絡きたよ。走って向かってるだって」

 

彼奴こんな時でも寝坊かよ

 

「俺達は先に職員室に用具室とプールの鍵貰いに行く」

 

「うん、ビッキーとヒナが来たら私達も直ぐに行くよ」

 

安藤の言葉に頷き俺は切歌達を連れて職員室に向かった

 

「掃除って言うからある程度汚いとは思ってたデスけど」

 

「これは予想外」

 

プールに着いて最初に切歌と調が口にした言葉がそれだった

 

「ぐちぐち言っても仕方ないだろ、さっさと着替えて来い」

 

「そうデスね、湊…覗いちゃ」バタンッ

 

調は切歌が何を言いたいか理解して言い切る前に葉月の手を引いて中に入り扉を閉めた

 

「さて、俺も着替えるか」

 

俺は女子更衣室の隣にある小さな部屋に入り着替える

 

『おーい!ミナ?何処に居るんだろ?』

 

俺が入って暫くすると響と未来も来たらしく安藤達もプールに来た

 

『さあな、そんじゃあたしも着替えるか』

 

クリスはそう言って更衣室のドアの部に手をかける。俺が着替えをして居る男子用に作られた更衣室のドアの部に

 

「クリス!!お前ちょっと待て!!」

 

「あ?…!?悪い!!」

 

クリスは顔を赤くして開けた扉を即座に閉めた

 

『ねえねえクリスちゃんどうしたの顔真っ赤だよ?』

 

『そこで湊が着替えてたんだよ!わかれよ!』

 

『そう言えば、湊が入学したから新しく男子用に小さい更衣室が作られたんだっけ?』

 

未来が思い出したかの様にそう呟く

 

『そう言うのは先に言ってくれよ』

 

『ごめんねクリス、湊もごめんねそれじゃあ私達も着替えよっか』

 

そう言うと未来達は今度こそ女子用の更衣室に向かった

 

〜クリスside〜

 

「あ!響さんやっと来たデスか、あれ?クリスさん顔真っ赤デスね何かあったデス?」

 

更衣室に入ると既に水着に着替えた切歌が居た

 

「いやー、それがクリスちゃん湊君の着替えを覗いちゃってさ」

 

「このバカ!元はと言えばテメェが寝坊なんてするからだろ!!」

 

このバカが寝坊なんてしなければこんな事は起こらなかった。まあ…あたしの確認不足ってのもあるかも知れねぇけど…

 

「響取り敢えず着替えよ、それにしても切歌ちゃんと調ちゃんの水着って湊のリクエスト?」

 

未来がそう聞くと切歌と調は互いに顔を見合わせてため息を吐く

 

「それなら嬉しかったデスけど」

 

「学校のプール使うんだったら学校指定の水着じゃないとダメなのかなって思って」

 

それでこの2人は学校指定の水着なのか

 

「未来お姉ちゃん!」

 

あたし達が着替え終わると奥から未来を見つけた葉月が走って来た

 

「葉月ちゃん、その水着可愛いね湊と一緒に買いに行ったの?」

 

「ううん、切歌お姉ちゃんと調お姉ちゃんと買いに行った!」

 

「へー、その子がミナとキネクリ先輩の妹なんだ」

 

そう言ってあたしと葉月を見る

 

「あまり似てないですね」

 

「悪かったな似てなくて」

 

そう言ってあたしは外に出て先に掃除を始めてる湊と合流して掃除を始める

 

〜クリスside out〜




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71話

プール掃除は人数が多い事もあり12時前に終わり先に弁当を食べてからプールに入る事になった

 

「湊早くお弁当食べるデス!もうお腹空いて待ちきれないデスよ!」

 

「切ちゃん少し落ち着こう、でも私もお腹空いたかも」

 

お腹が空いて待ちきれない切歌を調が宥めるが調もお腹が空いて居るらしい

 

「パパ!手洗って来たよ!」

 

「それじゃあ食べるか」

 

そう言って持って来たレジャーシートを敷いて弁当を広げる

 

「おー!!今日のお弁当は豪華デス!」

 

「美味しそう」

 

『いただきます(デス)!!』

 

そう言って俺達は弁当を食べ始めた

 

「へー、ミナ達はお弁当なんだ」

 

そこに安藤達が来た

 

「私達もお弁当持ってこれば良かったね未来」

 

「そうだね響、湊私達も一緒にそのお弁当食べて良いかな?」

 

未来が申し訳なさそうにそう言う

 

「未来お姉ちゃん!葉月のあげる!」

 

葉月がそう言って未来に自分の皿におにぎりとおかずを取り未来に持って行く

 

「その必要はないぞ葉月、実は元々皆んなで食べようと思って作ってきたんだ」

 

「本当!?ありがとう湊君!!」

 

響は両手で俺の手を握り思いっきり上下に振る

 

「すみません雪音さん」

 

「悪いな湊」

 

「別に気にする事じゃ無いだろ」

 

俺は謝るクリスと寺島にそう答えた

 

「デース!!」

 

「とりゃー!」

 

切歌と響が同時にプールに飛び込む

 

「はぁ、あのバカ2人は…葉月お前はやるなよ」

 

「うん」

 

俺は今まさに切歌達と同じ様にプールに飛び込もうとした葉月を止める

 

「ほら、浮き輪」

 

「ありがとうパパ!」

 

葉月はそう言うと未来の元に走って行った

 

「湊、バレー勝負するから来て」

 

「ダメ!パパは葉月と水中鬼するの!!」

 

プールに入って約1時間、俺は葉月と調に両腕を別々の方向に引っ張られて居た

 

「ストップだ調、所で葉月水中鬼ってなんだ?水中でやる鬼ごっこか?」

 

バレー勝負はまだわかるだが、俺は水中鬼と言う遊びを聞いたことがない

 

「あのね!学校のお友達が教えてくれたんだけどね」

 

葉月が嬉しそうに話す。

 

(学校の友達が教えてくれたのか良かったな葉月)

 

「水中鬼は、鬼じゃ無い人がそうで無い人を追いかけて、鬼が他の人を水中に引きずりこんで、溺れさせたら勝ちって遊びなんだって!」

 

楽しそうに話しているが…言ってる内容はまさに鬼だ最近の小学生ってこんな遊びしてたのか!?通りでごっこの部分が無くなってる訳だ

 

「葉月それは危ないからダメだ」

 

「ダメなの?」

 

「ああ、俺との約束だ水中鬼は絶対にやらない」

 

「うん、パパがダメって言った事はしない」

 

「よし、なら俺達とバレー勝負しに行くか」

 

「うん!」

 

俺は葉月と調達の居る場所に向かった




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戦姫絶唱シンフォギアGX編
72話


「やー!葉月も行くの!!」

 

「良い加減辞めないか葉月?そろそろ怒るぞ?」

 

俺がそう言うが葉月は一向に離す気配がない

 

「お前が高校に行けるわけないだろ!」

 

プール掃除をして2日経った月曜日、葉月の小学校が創立記念日で休みなのだが俺や切歌達は普通に学校があるから葉月は1人になる。そう知ってから葉月はおよそ人間に出せる訳が無い力(こう言う時、葉月はネフィリム何だと実感する)で俺を引っ張って学校に行かせないもしくは自分も連れて行けと駄々を兼ねている。切歌と調は巻き込む訳にいかないので先に行かせた

 

「はぁ、こんな時にアリアでも居ればな」

 

「あの、お呼びでしょうか?湊様?」

 

俺がそう呟くと聞き覚えのある声が玄関から聞こえた

 

「アリア!?」

 

「お久しぶりです湊様」

 

そう言ってお辞儀をするアリア

 

「てかまた黙って来たのか?「今回は違うわ湊」ステラ、ナインお前らも来てたのか」

 

遅れてステラとナインも来た

 

「アリアお姉ちゃん!ナイン!」

 

「お!久しぶりじゃねえか葉月!」

 

「久しぶりですね葉月」

 

アリアとナインを見つけた途端に2人の元に向かう葉月

 

「良かった、これで学校に行ける」

 

「あんた学校に通ってんのね、それと…頼まれてたこれ完成したわ、言っとくけどまた前みたいなのにはならないでよ」

 

ステラはカバンの中に手を入れLiNKERに似た物を取り出す

 

「わかってる「湊殿お送りします」ありがとうございますレイネさん」

 

俺は葉月をナイン達に任せてレイネさんの車に乗り込みリディアンに向かった

 

「それで湊君朝切歌ちゃん達と一緒じゃなかったんだね」

 

リディアンに到着した俺は1限がプールの為カバンを持ったまま更衣室に向かい今はプールサイドに座り響達と話している

 

「ああ、アリア達が来てくれなかったら遅刻確定してたな」

 

「大変でしたね、そう言えば進路についての三者面談もう直ぐですわね」

 

進路か正直言ってシンフォギアを纏ってる以上S.O.N.G.(二課が再編された時に名前がSquad of Nexus Guardiansに変わった)に就職って形になるだろうけど流石に考えた方が良いのかもな

 

「ビッキーとミナの所は誰がくるの?」

 

「うーん、私の所はおばあちゃんかな?お父さん居ないし、お母さん日曜日も働いてるし」

 

「俺の所は誰も来ないんじゃ無いか?前にも言ったけど父さんも母さんももう亡くなってるし、孤児院での母親代わりだった人も去年亡くなってるからな」

 

俺は武装組織フィーネでの事は伏せて安藤達には孤児院で育ったと言っている

 

「湊のは特殊だけど響のは良くあるみたいだよ何処も忙しいって」

 

確かに特殊だが響のフォローをする時の未来が苦笑いをして居たのは何故だ?

 

「ふーん」

 

「優しいお婆様なのかしら?」

 

「じゃないとビッキーの成績じゃ」

 

「まっ説教の1つや2「とう!」冷たっ!」

 

俺達が話して居ると響がプールに飛び込みその水しぶきがかかる

 

「そんな事より泳ごうよ!今日の夜更かしに備えてお昼寝するならちょっと疲れたくらいが良くないかな?わお!自分で言ってて驚きのアイデアだね!「心配するな昼寝なんてしてたら俺が起こしてやる」おっお手柔らかに頼むね湊君」

 

響がそう言うと安藤達もプールに入って行く

 

「…空元気の癖に…」

 

(やっぱり、無理に話題を変えたからおかしいと思ったが、これは家族絡みで何かあったんだな)

 

そんな中、小声でそう言う未来の言葉が聞こえた。

 

次の授業で案の定居眠りをした響を先生の許可を得た俺が叩き起こしたのは言うまでもない




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73話

〜クリスside〜

 

「それで何であたしん家なんだ?湊の家でも良かったんじゃないか?」

 

夜集まるのは知ってた…でもあたしの部屋だなんて聞いてなかった

 

「まっ!そんなケチケチすんなよクリス」

 

「すみません、こんな時間に大勢で押しかけてしまいました」

 

「ロンドンとの時差は約8時間!」

 

「チャリティードッグフェスの中継を皆んなで楽しむにはこうするしかない訳でして、ミナの家も知らないので」

 

「わたくしまで来てしまいすみません」

 

アリア達は謝罪の意が見られるがナインに関しては開き直って居る気がするのは気のせいだと思いたい物だ

 

「どのみち湊の部屋はダメデスよ、あの葉月ちゃんまで追い出されたくらいデスから」

 

(それで葉月の奴あんないじけてんのか)

 

来てから何も食べない葉月が気になって居たがようやく理解した

 

「パパに嫌われた…」

 

「大丈夫だよ葉月ちゃん湊も嫌いになった訳じゃないから元気出して」

 

彼奴どんな風に追い出したんだよ

 

「まっ!頼れる先輩って事で!それにやっと自分の夢を追えるようになった翼さんのステージだよ?」

 

「皆んなで応援…しない訳にはいかないよな」

 

そう今日はやっと自分の夢を追えるようになった先輩のステージ皆んなで応援しない訳にはいかない

 

「そしてもう1人」

 

「マリア」

 

「歌姫のコラボユニット復活デス!!見れないなんて湊も残念デスね」

 

(見れない?どう言う事だ?)

 

あたしがそう思って居るとステージが始まった

 

〜クリスside out〜

 

「それで何かあったのか?」

 

今日は響達とマリアのステージを見る約束をして居たのだが俺はステラに引き止められて仕方なくテレビで録画をした

 

「これを見て」

 

ステラが開いたパソコンの中にはノイズと戦うアリアの動画が映し出されて居た

 

「このノイズがどうかしたのか?」

 

「ええ、このすぐ後よ」

 

ステラに言われた通り見て居ると信じられない事が起きた

 

「ギアが強制解除されてるのか!?」

 

アリアの剣がノイズの光線の様な攻撃を防いだ途端に粒子となって消えていった

 

「その通りよ、このノイズはアルカノイズと言うそうよ。そして、これを使って来るのがキャロル・マールス・ディーンハイムと言う錬金術師率いる戦闘集団よ」

 

そう言ってステラはキャロル・マールス・ディーンハイムの顔写真を見せる

 

「此奴が錬金術師か、それと日本に来た事に何の関係があるんだ?」

 

俺がそう聞くとステラは間を置いてこう言った

 

「私達が日本に来た最大の理由はこの事を貴方及びS.O.N.G.に伝える事、そしてもう一つが…近いうちにキャロル・マールス・ディーンハイム率いる戦闘集団が此処日本に来るわ、大体そうね…今日の夜くらいかしら?」

 

「はあ!?そしたら何であの2人は普通にしてんだ!?」

 

何気なく言ったステラにそう聞く

 

「知らないからよ、それにナインが何とか倒したけどアリアのギアは使えないままなのよ」

 

アリアのギアは使えないままなのか

 

「わかった、警戒しておく晩飯まだだったな、材料買って来るな」

 

「ええ、料理は任せるわ」

 

俺はアルカノイズの事と錬金術師の事を頭の片隅に入れて材料を買いに出かけた




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74話

「この匂い火事か!?」

 

何処からか焦げ臭い匂いが漂って居ると思い匂いの元を辿りその場に着くとマンションが燃えていた

 

「響?それにあそこに居る奴は誰だ?」

 

火事が起きた現場の近くに響と1人の少女が居る

 

(彼奴は!?)

 

「響!!」

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

物陰から少女の顔を確認した俺は聖詠をしてカマエルを纏い響を抱えて錬金術による攻撃を避ける

 

「外したか」

 

「湊君?何で」

 

地面に下ろされた響が俺にそう聞くが今はそれよりも目の前の敵だ

 

「キャロル・マールス・ディーンハイムだな」

 

「ああ、俺がそうだが?貴様何故俺の名前を知って…いやどうせ殺すんだ知る価値もないか」

 

キャロルは一瞬疑問に思ったが直ぐに切り替える

 

「貴様何故そこの男の様にシンフォギアを纏わない、闘おうとしない」

 

キャロルは攻撃をされたにも関わらずシンフォギアを纏わない響にそう問いかける

 

「戦うよりも、世界を壊す理由を教えてよ!」

 

響がそう聞くとキャロルはゆっくりと下に降りて来てこう言った

 

「理由を言えば受け入れるのか?」

 

「私は闘いたくない!」

 

「お前と違い闘ってでも手に入れたい真実が俺にはある!」

 

響の言葉にキャロルは強くそう言い張った

 

「闘う気がないなら、邪魔だから消えろ響」

 

「ほう、そっちの奴はよくわかって居るみたいだな」

 

「そんな…先ずはお互いに話し合って「話し合う必要なんて無い、彼奴は敵、敵は全て殺すそれだけだ」湊…君」

 

俺の言葉を聞いた響の声が震えて居る

 

「お前にできる事をやって見せろ」

 

そう言ったキャロルの足元に幾何学的な模様が浮かび上がる

 

「人助けの力で闘うのは嫌だよ」

 

「お前も人助けの力で殺されるくちなのか!!」

 

キャロルが苛立った声で叫び手を上にかざすと上空にも同じ模様が浮かんだ

 

「だって、さっきのキャロルちゃん泣いてた、それならその理由を「見られた、知られた、積み込まれた」え?」

 

「この感じ!逃げるぞ響!!」

 

俺は響の手を掴み強引に引っ張り至急キャロルから距離を取るが

 

「世界ごと…吹っ飛べ!!」

 

十分な距離を取る前にキャロルの錬金術が完成し眩い光に飲み込まれる

 

「うわあああ!」

 

「響!!」

 

衝撃の影響で手が離れた事により響は更に上空に吹き飛ばされる

 

(あれを使うしかないか)

 

俺は朝ステラから渡された注射器の中の液体を自分に投与する

 

「何!?」

 

自分の錬金術が突然消滅した事に驚くキャロル

 

「はぁ…はぁ…どうやら成功したみたいだな」

 

「貴様…まさか俺の錬金術をシンフォギアの力に変えたのか」

 

「冴えてるな…錬金術師」

 

ステラに渡されたのは外部のエネルギーを吸収してシンフォギアを無理矢理限定解除させる薬品、副作用として暴走の危険性が極めて高いが普段の何倍も出力が上昇する。もう1つがその分体力の消費が激しい事だ

 

「どうして世界を「父親に託された命題だ、お前にだってあるはずだ」え?お父さんに?」

 

「面倒臭い奴ですねー」

 

上に目線を向けると黒髪の少女が座っていた

 

「見てたのか性根の腐ったガリィらしい」

 

どうやらあの少女はガリィと言うらしい

 

「辞めて下さいよ、そう言う風にしたのはマスターでしょう?「くっちゃべってる暇があんのかよ」マスターどうやら向こうはまだ返すつもりはないみたいですよ」

 

「その様だな」

 

2人はそう言って俺の攻撃を避ける

 

「これならどうだ!!」

 

《紅炎華》

 

「ガリィ」

 

「はいは〜い、ガリィちゃんにお任せ」

 

ガリィは氷の障壁を作って炎を防ぐ

 

(ぐっ!こんな時に)

 

今の攻撃で錬金術のダメージもありカマエルが解除される

 

「どうやら手も尽きたらしい、出直すぞ」

 

「了解ー、ガリィ頑張りまーす」

 

ガリィは結晶を地面に投げしばらくするとガリィの姿が消えた

 

「次は闘え、でないとお前の何もかもをブチ砕けないからな」

 

そう言ってキャロルの姿も消える

 

「託された…私には…お父さんから貰ったものなんて…なに…も…」

 

「響!!しっかりしろ!響!」

 

俺は倒れた響に呼びかける

 

『湊君!迎えを送る!直ぐに響君を本部に連れてきてくれ!』

 

「わかった!」

 

俺は響を背負い迎えのヘリが着陸する場所に向かった




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75話

「退屈デース!!」

 

「病院食は…味が薄い」

 

「……」

 

検査入院の為に病院に来ている切歌と調がそう言う中俺はキャロルとの戦闘での事を考えていた

 

(強かった…手も足も出なかった。今回は向こうが引いてくれたから良かったが次は本気で向かって来るだろう、その時俺は2人を皆んなを守れるのか)

 

「み…湊!!」

 

「何だ切歌?」

 

「ご飯食べないデスか?」

 

切歌は全く手を付けて居ない俺の食事を指差してそう聞く

 

「ああ、食欲無くてな」

 

「そう言って前の出撃から何も食べてないよね?何かあったの?」

 

「何でもない…少し食べるか」

 

これ以上心配させるのも嫌なので俺はお盆の上にある病院食を食べた

 

〜切歌side〜

 

「よく寝てるデスね調」

 

「うん」

 

私と調は病院のベットで寝ている湊を見てそう言う

 

「この前の出撃の後から変だよね湊」

 

「そうデスね、夜も病院を抜け出してるみたいデスし」

 

湊は夜病院を抜け出して何処かに出かけて朝方に帰って来ている

 

「どこ行ってるんだろ?」

 

「そうデスね…そうデス!今晩湊を尾行して何処に行ってるか突き止めるデス!」

 

「私達が湊に気づかれない様に尾行出来るかな?」

 

そう言われると自信なくしちゃうデスね

 

「まあ気づかれたらその時はその時デスよ、今は私達がどれだけ心配してるかそこで寝てる幸せ者に分からせるのが先だと私は思うデス」

 

私はそう言って立ち上がる

 

「そうだね切ちゃん」

 

調も立ち上がり2人で湊の寝ているベットに入り抱きつく

 

「暖かいデスね」

 

「うん、湊がそばに居るってちゃんと実感できる」

 

そうして居るうちに私達にも眠気が来てそのまま寝る事にした

 

〜切歌side out〜

 

「ん〜!昼寝なんて結構久々にしたな…それで何で此奴らは俺のベットに居るんだ?」

 

俺が起きると右隣で切歌が、左隣で調が寝ていた。そして俺が寝た時は確かに此奴らは自分のベットに居たのを確認して居るので俺が寝た後に2人が俺のベットに入って来たんだろう

 

「湊様よろしいでしょうか?」

 

アリアがノックをした後扉越しでそう言う

 

「良いぞアリア」

 

「失礼します、すみませんもしかして起こしてしまいましたか?」

 

俺の隣で寝ている切歌と調を見て寝ていた俺を起こしてしまったのでは無いかと心配になったアリアがそう聞いてくる

 

「少し前から起きてたから大丈夫だ。それでどうかしたのか?」

 

「いえ、病院では退屈なのではと思い私一押しのアニメを持って来ました。良ければ是非見て下さい。余り長居をしてもいけませんしわたくしは失礼します」

 

アリアはそう言って数種類のアニメのDVDを置いて病室を出た

 

「まあ暇だし見てみるか」

 

俺はノートパソコンでアリアが置いて行ったアニメのDVD鑑賞を始めた




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76話

「ん、おはよう湊」

 

「ふぁ〜、おはようデス湊」

 

日も暮れて来た頃切歌と調が起きた

 

「おはよう切歌、調所でお前ら何で俺のベットで寝てんだ?」

 

「えっとデスね「湊正直に答えて、夜病院抜け出して何処に行ってるの?」ちょっ!?調!?えっと…あはは、本当は今日の夜尾行するつもりで居たデスよ」

 

切歌が苦笑いをしてそう言う

 

「気付いてたのか」

 

「最初に気付いたのは夜に調と飲み物を買いに行った時デス」

 

「うん、湊も誘おうと思ったんだけど居なくて、次の日に寝たフリしてたら湊が窓から病室を抜け出すのが見えた。まあ切ちゃんは本当に寝ちゃったけど」

 

そうだったのか

 

「心配かけたなら悪いな、実はステラ達と近くの廃墟で模擬戦してるんだ。夜だとこの辺り誰も来ないだろ?ならある程度大きな音を立てても大丈夫かなって思ってな」

 

「どうしてデス?」

 

「何がだ?」

 

俺は切歌のいきなりの質問を直ぐに理解出来なかった

 

「どうしてそこまでして強くなろうとするデス?」

 

「私も気になる、クリスさんとの蟠りも無くなったのにどうしてまた強くなろうとするの?」

 

そう言う事か

 

「キャロルとの戦闘で錬金術の力を知って実感した。今の俺じゃいざって時にお前達を守れないって、そう思ったら居ても立っても居られなくなって俺からステラ達に頼んだんだ」

 

「それって私達の為って事デス?」

 

切歌にそう聞かれて少し考える

 

「いや…お前達だけじゃない、響や未来それにクリス達、今はいないけどマリアだって守りたい、もうあの時みたいな…セレナの時みたいな気持ちになるのは嫌なんだ」

 

切歌と調はセレナが目の前で死んだ後の数日を知って居るからなのか何とも言えない表情を浮かべる

 

「湊の気持ちはよーくにわかったデス、その上で言わせて貰うデスけど…私達は守られるだけじゃ嫌デスよ」

 

「切ちゃんの言う通りだよ湊、私達だって湊をマリアを守りたい」

 

そう言った後、切歌と調は互いに自分の両手を俺の手に乗せながら

 

「「それに私達3人が力を合わせたら勝てない相手なんて何処にも居ない(デス)よ」」

 

2人は確証を持って居るかの様にそう言い放った

 

「そうだよな…そう言や退院て明日だったよな?」

 

「確かその筈デスよ?何でも司令がバーベキューパーティーをしてくれるそうデス!」

 

バーベキューかあのおっさんどっからそんな金出て来てんだか…もしかして

 

「アリア達も参加すんのか?」

 

「うん、アリアさん達の親睦会も含めてって言ってたし」

 

成る程、金の出所が分かった本当あの人アリアの事好きだな

 

「まあ担院して初日にバーベキュー何て食う奴も珍しいだろうがな」

 

「病院食は薄味ばかりだったから楽しみ」

 

「そうデスね調!」

 

その後は切歌と調の話に付き合わされた




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77話

〜調side〜

 

「マリアも翼さんも遅いデスね」

 

私達は今日飛行機で日本に来る翼さんとマリアを待って居る

 

「来た!翼さーん!マリアさーん!」

 

「マリア!こっちデス!!」

 

「マリアおばさーん!!」

 

こっちに向かって歩いて来る翼さんとマリアを見つけて響さんと切ちゃんが2人に向かって手を振り葉月ちゃんはマリアに向けて走って行く

 

「元気そうね葉月、貴方達も元気そうね切歌、調」

 

「うん!」

 

「突然デス!」

 

「マリアも元気そうで良かった」

 

ヘリで本部に向かって居る中で響さん達は翼さんと私達はマリアと話して居る

 

「そう言えば湊はどうしたの?」

 

「湊なら本部に居るデスよ、まあこう言うのに参加しないのは結構ある事デスから今更デスけどね」

 

「そうね」

 

マリアはそう言うと何処か心配した表情を浮かべて居た

 

〜調side out〜

 

「良いのかリーダー?こんな事してて?よっと」

 

「何時もの事だマリアが無事ならそれで良い、そこ!」

 

「甘いわ湊、こらナイン!湊相手にしてるのに流暢に話してんじゃ無い」

 

切歌達がマリアを迎えに行って居る中俺は本部の中でナインとステラの2人と模擬戦をして居る

 

「ふー、体も暖まってきたしそろそろ始めようぜリーダー!」

 

「そうね」

 

「だな」

 

〜Oath of moment gungnir tron〜

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

〜Crimson Glacier Fenrir tron〜

 

全員同時に聖詠をしてシンフォギア を纏いふたたび模擬戦を始めようとした時

 

『湊君、シンフォギアを纏った所済まないが響君達が到着した』

 

おっさんからそんな通信が入った

 

「わかった、また次の機会までお預けだな」

 

「そうみたいね」

 

仕方ないと割り切り俺とステラはシンフォギアを解除する

 

「あーあ、まだ全然足りねーのに」

 

ナインも文句を言いながらも渋々解除して模擬戦をして居た部屋を出た

 

「来たぞおっさん」

 

1度ステラとナインの2人と別れてから俺は中に入った

 

「来たか湊君」

 

「久しぶりね湊」

 

「ああ、元気そうで何よりだマリア」

 

俺とマリアは互いの無事を確認する

 

「久しいな雪音弟」

 

「ああ、久しぶりだな風鳴」

 

「これでシンフォギア装者勢揃い、と言う訳にはいかないな」

 

話によるとクリスのイチイバルと風鳴の天羽々斬のコアとなる聖遺物かけらが無事だがエネルギーをプロテクターとして固着させる機能が損なわれたらしい

 

「成る程な、要するにセレナのアガートラームや未来の神獣鏡、アリアのエアリアルと同じって事か」

 

「な!?彼女もなのか!?」

 

「ああ、ステラに聞いたアメリカのニューヨークシティにアルカノイズが出現した時にやられたってな」

 

「ステラさん?湊君誰それ?」

 

ああ、そう言やステラに会ったことあるの切歌と調と葉月の3人だけだったな

 

「その事についても俺から説明させて貰う、入って来てくれ」

 

おっさんがそう言うとステラ達が入って来た

 

「この子達はアメリカのグループClover'sのメンバーだ、事実上まともにシンフォギアを動かせるのが響君と湊君の2人では明らかに戦力不足、と言う事でアメリカから派遣されたと言うよりかはClover'sが我々S.O.N.G.に吸収されたと言った方が良いな」

 

「ステラ・リーシェンよ、よろしく」

 

「ナイン・フォレスティアだ!よろしく頼むな!」

 

「アリア・ツーヴェルクです。以後お見知り置きを」

 

おっさんの言葉に続く形でステラ達が挨拶をする

 

「少し良いか?お前らがS.O.N.G.に吸収されたのはわかった、だがその後は誰がお前達の代わりをするんだ?」

 

「scarletよ、アリス達が私達の抜けた穴を埋める話になったわ」

 

「scarletってお前彼奴らに任せて来たのか?」

 

scarlet俺がアメリカに滞在して居た時に面倒を見た対ノイズ専用グループの名前だ。だが俺が最後に見たときはアリアにも到底及ばなかった筈だが

 

「安心しろってリーダー!彼奴ら私達と互角に戦えるくらい強くなってるからさ!」

 

「そうよ、それに私がそんな事も見分けずに来ると思う?」

 

「それを聞いて納得した」

 

ステラに合格点を貰ったんだ相当強くなってるんだろうな彼奴ら

 

「では次に移ろう、湊君攻撃はするな」

 

「相手によるな」

 

おっさんの言葉にそう言って俺は切歌達とおっさんに着いて行った

 

〜ステラのプロフィール〜

 

名前:ステラ・リーシェン

 

歳:15歳

 

好きな物:聖遺物の研究(1度飲まず食わずで1日中熱中していた事もある)

 

嫌いな物:他人との付き合い(嫌いと言うより苦手)カエル

 

シンフォギア :フェンリル

 

武器:短剣




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78話

「それで俺にあんな事を言った理由は何だおっさん」

 

俺はおっさんに言われた意味が分からずにそう聞く

 

「ま、あたしはおっさんがああ言った理由わからなくもねぇがな」

 

『うんうん』

 

クリスがそう言うと響達も頷く

 

「湊君、君は相手によると言ったな?今回は相手が相手なんだ」

 

「何かは知らねえが此処に入ればわかる事だ」

 

俺は響達を押し除け中に入る

 

「成る程な、そう言う事か」

 

中に入るとキャロルに似た奴が居た

 

「あの…僕に何か付いてますか?」

 

「単刀直入に聞くぞ、お前はキャロルであってるのか?」

 

「いえ、僕はエルフナインです」

 

「そうか…悪いなあまりにもキャロルに似てたから警戒しただけだ」

 

俺がそう言うとエルフナインと名乗った相手はほっとため息を吐いた

 

「だが、キャロルと無関係ってわけでも無いだろ?」

 

「はい、貴方のおっしゃる通り僕はキャロルとは無関係ではありません。ですが、貴方や他のシンフォギア装者の皆さんを騙したりするつもりはありません」

 

エルフナインは真剣な表情でそう言う

 

「わかった、なら最後にこの質問に答えてもらおうか、お前とキャロルとの関係を」

 

「はい、僕はキャロルが肉体のスペアとして創造したホムンクルスのうちの1人です。貴方が似て居ると思うのも無理はありません」

 

ホムンクルス…そう言う事か

 

「わかった」

 

「あの…信じてくれるんですか?僕の話を」

 

エルフナインがおずおずとそう聞いてくる

 

「何だ?信じてもらえないと思って居たのか?」

 

「はい…実は少し」

 

エルフナインは俯き申し訳なさそうにそう答える

 

「そうか、もう良いだろお前ら」

 

俺がそう言うと扉の前で俺とエルフナインの話の内容を聞いていた響達が入って来る

 

「僕はキャロルに命じられるまま巨大装置の一部の開発に携わっていました。ある時アクセスしたデータベースよりこの装置が世界をバラバラにしてしまう物だと知ってしまい目論見を阻止するために逃げ出して来たのです」

 

「世界をバラバラにたぁ穏やかじゃねえな」

 

クリスの言葉を聞いてエルフナインは頷く

 

「それを可能とするのが錬金術です」

 

「少し良いかしら?アルカノイズも関係して居ると見て良いのかしら?」

 

「はい、アルカノイズはノイズのレシピを元に作られました。アルカノイズを見たのでご存知でしょうがシンフォギアを始めとする万物を分解する力は既にありその力を世界規模に拡大するのが建造途中の巨大装置チフォージュ・シャトーになります」

 

エルフナインはステラの質問を肯定した後そう続けた

 

「装置の建造に携わって居たと言う事は君もまた錬金術なのか?」

 

「はい、ですがキャロルの様に全ての知識や能力を統括して居るのでは無く限定して作られたに過ぎません。それに僕は装置の建造に必要な最低限の錬金術の知識をインストールされただけなのです」

 

インストールってどう言う事だ?

 

「インストールと言ったわね?」

 

マリアも俺と同じ所が気になったのかエルフナインにその質問をする

 

「必要な情報を知識として脳に転送複写する事です。残念ながら僕にインストールされた中に作戦の詳細はありません。ですが、世界解剖の装置チフォージュ・シャトーが完成間近だと言う事はわかります。お願いです!力を貸してください!その為にドヴェルグ=ダインの遺産を持ってここまで来たのです!」

 

「ドヴェルグ=ダインの遺産?」

 

「聞いた事がある、確か魔剣ダインスレイフだったか?」

 

俺の言葉を聞いてエルフナインは頷く

 

「はい、アルカノイズに…錬金術師キャロルの力に対抗しうる聖遺物それが魔剣ダインスレイフこれがその欠片です」

 

エルフナインは持っていた箱から黒い欠片を取り出す。あれって

 

「なあステラ、あの欠片俺がアメリカで回収した欠片に似てないか?」

 

「そう言われてみれば、確かにそうね」

 

「魔剣ダインスレイフの欠片を所持して居るのですか!?」

 

エルフナインが俺との距離を一気に詰めてそう聞いてくる

 

「ああ、ステラ確か持って来てたよな?」

 

「ええ、少し待ってて」

 

ステラはそう言って魔剣ダインスレイフの欠片と思われし聖遺物の欠片を取りに行く

 

「これよ」

 

ステラはエルフナインにその欠片を渡す

 

「間違いありません、これは魔剣ダインスレイフの欠片です」

 

エルフナインはそう言って俺にダインスレイフの欠片を返す

 

「これを何処で」

 

「アメリカで裏取引されてたのを偶然俺が回収したんだ」

 

俺の言葉を聞いてClover'sのメンバー意外が驚く

 

「裏取引ってお前」

 

「よく無事だったね湊君」

 

「デスね」

 

「そんな危険な事もしてたんだ」

 

「はぁ、貴方って本当に面倒事に巻き込まれるわね」

 

「あはは!違ねぇぜ!」

 

「まあわたくし達も無いわけではないですが」

 

「湊は異常ね、それこそ巻き込まれてない方が珍しいし」

 

「お前らな」

 

確かに思い出してみると色々と面倒事に巻き込まれてるが俺だって好きで巻き込まれてるわけじゃないんだがな

 

「すみません、もし宜しければその欠片も使わせて貰ってもよろしいでしょうか?」

 

「構わないわ、私も色々と調べてみたけど全然分からないもの貴方ならそれをどう使うかわかる。ならわかる人が持っている方が良いに決まってるわ、良いわよね湊?」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

「ありがとうございます」

 

エルフナインはそう言ってダインスレイフの欠片を受け取るとステラはエルフナインにどう使うかを聞きたいらしいので残り他は部屋の外に出た




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79話

「んー!美味しいデース」

 

「普通のご飯がこんなに美味しい何て、病院食を食べてからじゃないとわからない」

 

「そこまで言う事か?」

 

俺達はおっさん主催のバーベキューに参加して居る

 

「切歌、調貴方達お肉ばかりじゃ無くて野菜も食べなさい」

 

マリアがそう言って切歌と調の皿に野菜を乗せる

 

「そう言や、ステラとエルフナインの奴居ないな、アリア丁度良かった、ステラとエルフナインなんだが」

 

俺はステラを呼びに行った筈のアリアに聞く事にした

 

「ん、ステラさんなら声をかけたのですがエルフナインさんとお話したい事があるので後で向かうと言って居たのですが」

 

成る程な、彼奴聖遺物の事になると本当に他の事後回しだな

 

「ちょっと行ってくる」

 

「分かりました、皆さんにはわたくしから伝えておきます」

 

アリアにそう言って俺はステラとエルフナインの2人を呼びに行った

 

「そうですね…どうでしょう?」

 

「それも…どうかしら?」

 

歩いて居ると一つの部屋からステラとエルフナインの声が聞こえて来た

 

「お前ら、こんな所まで来て聖遺物の研究か?」

 

俺が扉を開け中に入ってそう聞く

 

「湊、悪いけど今手が離せないの、話すなら後にして」

 

「すみません湊さん、先程からこの調子で」

 

エルフナインが言うには何度か食事をしに行こうと言って居るのだがステラが中々辞めないらしい

 

「ほらステラ、一旦中断して先ずは飯食ってからにしろ」

 

俺はそう言ってステラからパソコンを取り上げる

 

「仕方ないわね」

 

ステラはそう言うと椅子から立ち上がり部屋を出た

 

「悪いなエルフナイン、彼奴に悪気はないんだ」

 

「大丈夫です、ステラさんに悪気がないのはあの目を見れば分かります。僕の方こそすみません」

 

「お前が謝る必要はねえだろ、それよりなんの話してたんだ?」

 

俺は部屋を出て響達の所に戻る途中ステラとエルフナインの話していた内容をエルフナインから教わって居た

 

「ほら、丁度食べ頃な肉があって良かったな」

 

俺はエルフナインにそう言って皿を渡す

 

「ありがとうございます」

 

「それにしてもシンフォギアの強化ね」

 

「はい、その事はステラさんも前から少し考えて居たらしいんです。ですがアルカノイズを見てからやはりシンフォギアの強化が必要なのではと思ったみたいです」

 

ステラの奴そんな事考えてたのか

 

「取り敢えず食べようぜ話はそこからだ」

 

「はい」

 

エルフナインは覚束ない箸の持ち方をする

 

「お前箸使うの初めてか?」

 

「すみません」

 

エルフナインは顔を赤くして謝る

 

「別に謝る事じゃないだろ、誰にでも初めての事はある。仕方ないほれ」

 

俺は箸で肉を掴みエルフナインの口に持っていく

 

「ありがとう…ございます」

 

エルフナインはそう言うとまた顔を赤くして口を開ける

 

「どうだ?」

 

「ん、とても美味しいです」

 

「そうか、どうした?」

 

そう言って俺も食べようとするとエルフナインがもじもじしながら俺を見てくる

 

「その…宜しければまた次の機会にでも箸の使い方を教えて貰えませんか?」

 

「なんだそんな事か、良いぞ取り敢えず後はこれでも使って食べてろ」

 

俺はそう言ってエルフナインにフォークを渡す

 

「ありがとうございます」

 

エルフナインも流石にフォークは使える様なので俺も食べる事にした

 

「あ!やっと見つけたデスよ湊!」

 

「急にいなくなったから驚いた」

 

俺とエルフナインの2人で食べて居ると少し向こうから切歌と調が向かって来た

 

「こんな隅っこで食べてないでこっちで食べるデス!」

 

「エルフナインも一緒に食べよ」

 

俺とエルフナインは切歌と調に手を引かれ響達の所に連れて行かれた




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80話

『聞こえるか湊君!!』

 

「なんだよおっさん」

 

俺と切歌と調の3人で帰って居るとおっさんからの通信が入った

 

『至急響君の応援に向かってくれ!こちらから緒川がマリア君と向かった!』

 

「マリアが!?ポイントは!?」

 

『代わりなさい!湊ポイントはC-28よ!』

 

ステラが苛立った声でそう言う

 

「ステラ!?ナインは!?」

 

『あの子なら別のポイントの対処に向かって居るわ!私はあんたに頼まれたあの件で手が離せないの!だから貴方が行くしかないの!』

 

ナインは別の場所の対処にあたってるのか

 

「わかった!場所も近い今から向かう!」

 

『ええ、くれぐれも今の状態で無茶は厳禁よ!』

 

「ああ!わかってる!悪い切歌、調」

 

「大丈夫デスよ」

 

「夕食のカレー作って待ってるね」

 

「ああ!」

 

俺は切歌と調にそう言って響の居る場所に向かった

 

「ミナ!?逃げるよ!」

 

「どうしたんだよ安藤!?」

 

もう直ぐ目的の場所に着くと言う所で安藤達が走って来た

 

「ノイズだよ!「そうか、お前ら先に行け、居ても邪魔になるだけだ」何言ってんのさ!?友達を置いて行けるわけないじゃん!」

 

「さっさと行きやがれ!!それとも此処で死にたいのか!!」

 

俺が大声でそう叫ぶと安藤達だけで無く響も身を縮こませる

 

「わかった、ほら行くよ響も創世達も行くよ」

 

「ちょっとヒナ!」

 

俺がそう言うと未来はそう言って安藤達を引っ張って行く

 

「さて、いっちょ始めますか」

 

〜Volar esperança Sandalphon tron〜

 

俺は聖詠を行いサンダルフォンを纏う

 

何か言われるのは理解して居たので予め通信は切ってある

 

「そんじゃ暴れんぞサンダルフォン!!」

 

《雷光》

 

俺は大剣に雷を溜めノイズにぶつける

 

「湊!!」

 

「マリア!そのガングニールって」

 

「ええ、立花響彼女の物よ」

 

それを何故マリアが纏って居るのかはわからないが響よりかはいくつもマシだろう

 

「貴方そのギアは「今は話してる暇はないぞマリア」その様ね」

 

俺とマリアはノイズを呼び出して居るであろうガリィを見つける

 

「ガリィ」

 

「へー、ガリィちゃんの名前覚えててくれたんだ。ガリィ感激」

 

「御託はいい!行くぞマリア!」

 

「わかってるわ!」

 

俺とマリアはガリィに向かって走って行く

 

「はあ!」

 

「おらあ!」

 

《雷斬》

 

俺とマリアはガリィの呼び出すアルカノイズにギアを分解されない様にしながら攻撃をする

 

「マリアそろそろ限界か?」

 

「ええ、そう見たいね」

 

時々ギアから火花が散ってると思ったらやっぱりそうか

 

「これで決める!はあー!!」

 

マリアは上空に飛びガリィに槍を突き付けようとするがガリィに止められる

 

「それでも!」

 

槍の一部が2つに分かれもう一度突く

 

「な!?」

 

ガリィの中央にはシールドの様なものがあった

 

「頭でも冷やせやー「させっかよ!!」チッ」

 

マリアが氷の餌食になる前に俺が割り込み氷を破壊する

 

「マリアもう限界だろ、下がってろ」

 

「わかったわ」

 

マリアはそう言って来た道を戻って行く

 

「もう、折角ガリィちゃんの相手を決めたのに…もうこうなったら貴方に相手をしてもらおうかしら?」

 

「望む所だ」

 

「いっただっきまーす!」

 

ガリィが氷の上を滑り俺に近づいてくる時にある事に気づく

 

「ペンダントが無い?」

 

「いまさらかよ!」

 

俺はガリィの氷を大剣で弾く

 

「ふー、これは1回引いたほうが良いかもね」

 

「逃すか!!」

 

もう少しでガリィに届くと言う所でガリィの氷に阻まれ俺が氷を砕き切る前に姿を消した




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81話

「ミナ…」

 

「何だよ「ごめん!」は?」

 

ガリィに逃げられシンフォギアを解除して帰ろうとすると安藤に謝られる

 

「雪音さんは私達を助けようとしてくれて居たんですよね?」

 

「別に気にするな、その…俺も悪かったな、危ない状態だったからってあんなきつい言い方しちまって」

 

「良いって!それにしてもビッキーと同じでミナもノイズと戦ってたなんてね」

 

此奴らは響の事情を知ってたのか

 

「怪我はないかしら?」

 

「ああ、俺の見た限り外傷はない。今はお前の手当てが先だマリア」

 

「ええ、君のガングニール「私のガングニールです!これは誰かを助けるための力!私の貰った!私のガングニールなんです!」……」

 

そう言って響はマリアの手にあるガングニールを奪い取っる

 

「響!お前な!「辞めなさい湊」マリア…わかった」

 

俺は響に掴みかかろうとするがマリアに止められる

 

「そうだ、ガングニールはお前の力だ!だから!目を背けるな!!」

 

マリアは力強くそう言って響の両肩を掴む

 

「帰りましょう湊」

 

「わかった、少し待ってくれマリア」

 

俺はマリアにそう言って響達の元に向かう

 

「響、1つだけ忠告しておこう、今のままじゃ何も守れないまま全てお失うぞ」

 

「何も守れないまま全てを…」

 

「ああ、じゃあな」

 

俺は響にそう言うとマリアのそばに戻り切歌達の待つマンションに帰った

 

「湊、貴方カマエルはどうしたの?」

 

「エルフナインとステラがシンフォギアの強化を試みる事になってな、俺がそのテストプレイの為に自分からカマエルを預けたんだ」

 

「そう、あまり長期戦は控えた方が良いわね」

 

(前回の段階で侵食はかなり進行して居たからあと使えるのは5時間が限界か、それまでに完成してくれれば良いんだがな)

 

「ああ、わかってる。此処だ着いたぞマリア」

 

話している内にマンションに着いた

 

「「ただいま」」

 

「お帰りデ!?マリア!!どうしたデスその怪我!?調!調ー!!」

 

出迎えた切歌がマリアが血を流している事に驚き調を呼びに行った

 

「忘れてたな」

 

「ええ、血は止まっているけど拭き取るのを忘れて居たわ」

 

しばらくすると切歌と調がタオルと事情を聞きに来た

 

「そうだったんだ、響さんのガングニールをマリアが」

 

「うーん、響さんらしくないデスね」

 

「そうだな、俺の予想じゃガングニールが響の歌に応えないか歌が歌えなくなったかのどっちかだな」

 

「ただいま!切歌お姉ちゃん!調お姉ちゃん!」

 

4人で話していると葉月が帰って来た

 

「お帰り葉月、調から聞いたぞスーパーまでおつかい行ってくれたんだろ。偉いぞ葉月」

 

「えへへ」

 

俺が葉月を褒めて撫でると嬉しそうに笑う

 

「ありがとう葉月ちゃん、これでサラダが出来る。直ぐにサラダ作るから晩ご飯はもう少し待ってて」

 

「ああ、わかった」

 

そう言って調は葉月が買って来たキャベツを持って台所に向かった




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82話

「パパ!これで良いの?」

 

「ああ、こんなもんだな「湊」マリア、切歌達もどうした?」

 

俺が毎週日曜の日課で(今日は葉月も一緒)マムのお墓の掃除をしているとマリア達が来た

 

「此処に来てする事と言えば決まってるデスよ」

 

「そうだな」

 

そう言ってさっきまで墓を拭いていた雑巾を洗いに行く

 

「綺麗にされてるわね、もしかして日曜日になる度に毎回来るの?」

 

「ああ、マムの居る場所は少しでも綺麗にしておきたいからな」

 

「全然気づかなかったデス」

 

「私も」

 

どうやら切歌と調にも気づかれていなかった様だ

 

「ごめんねマム遅くなっちゃった」

 

「マムの好きだった日本の味デス」

 

マリアが花を添えた後切歌が何故か醤油を添える

 

「調あの醤油に何の意味があるんだ?」

 

「私は反対したんだけど常識人の切ちゃんがどうしてもって」

 

まあ今は良いか、水刺すのも何だし

 

「マムと一緒に帰って来たフロンティアの一部や月遺跡に関するデータは各国機関が調査している真っ最中だって」

 

「みんなで一緒に研究して、みんなの為に役立てようとしてるデス!」

 

「ゆっくりだけど少しずつ世界は変わろうとしているみたい」

 

「だからもう少し待っててくれマム」

 

そう言ってマリアを見ると何処か難しい顔をしている

 

「マリア叔母さん?」

 

「何でもないわ…いえ、私も変わりたい。本当の意味で強くなりたい」

 

「それはマリアだけじゃないよ」

 

「私達だって一緒デス」

 

雨が降り出してもマリア達はそこに佇むだけだった

 

「ほら、そんなくらい顔するなよ。マムだってお前達のそんな顔見たいないだろうからさ」

 

そう言ってマリア達に1本ずつ傘を渡す

 

「「「ありがとう(デス)湊」」」

 

そう言ってマリア達は傘をさす

 

「昔のように叱ってくれないのね、大丈夫よマム答えは自分で探すわ」

 

「此処はマムの残してくれた世界デス!それに湊の言った通り私達の暗い顔なんてマムは見たくない筈デス」

 

「そうだよね、答えはある筈だもの。うっ!」バサッ

 

そこに強い風が吹いて調の使っていた傘が壊れる

 

「湊…」

 

ずぶ濡れになりながら俺の近くに来る

 

「わかったよ」

 

俺が傘の中に入れると調はぴったりと引っ付いて来る

 

「あ!ずるいデス調!!」

 

調が俺の傘に入って居る事に気付いた切歌がそう声を上げる

 

「傘が壊れちゃったから仕方ない」

 

「むむむー!!それなら!!」

 

切歌は傘をたたみ調と反対側に入って来る

 

「これでおあいこデス」

 

「お前自分のあるだろ」

 

「調だけ相合い傘なんてずる過ぎるデス!」

 

相合い傘……ああ成る程な

 

「また来るわマム、帰りましょう葉月」

 

「うん!」

 

マリアは葉月と2人で先に帰る

 

「おい待てよマリア!お前ら歩きにくいからどっちか離れろ!」

 

「「いや(デス)!!」」

 

此奴らは本当に

 

『……』

 

「!」

 

俺は聞き覚えのある声で何かを言われた気がしたので振り向くがそこには誰もいない

 

「「湊?」」

 

「いや、何でもない」

 

俺は切歌と調にそう言って歩き始めた

 

『これからも3人を支えてあげて下さい』

 

マムにそう言われた様な気がしながら俺は切歌と調の2人とマンションに帰った




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83話

「私ね、何かしら?敵の襲撃!?」

 

マンションに帰って居る途中マリアにおっさんから敵の襲撃の連絡が来た

 

「変われマリア!おっさん俺だ!」

 

『湊君!丁度良い!今すぐにポイントD-15に向かってくれ!』

 

前回の事もあってかポイントを知らせて来た

 

「ポイントD-15わかった!すぐに行く!」

 

『ああ!頼んだ!』

 

おっさんとの通話を終わらせてマリアに電話をして返す

 

「ポイントD-15、此処か結構離れてるな、でもサンダルフォンを使えば」

 

〜Volar esperança Sandalphon tron〜

 

俺は聖詠を行いサンダルフォンを纏う

 

「湊場所はわかってるの?」

 

「ああ、此処から2キロ先の廃墟だ」

 

《雷鳥》

 

俺はサンダルフォンの剣を上空に投げ出現した雷の鳥に乗りその廃墟に向かう

 

「あれか…」

 

「今邪魔されるのは困るのよねぇ」

 

サンダルフォンの剣を元に戻し響達の元に向かおうとすると後ろからそんな声が聞こえる

 

「ガリィ」

 

「ふふふ、せいかーい」

 

そこには不敵な笑みを浮かべるガリィが居た

 

「貴方の事マスターから聞いたわ、融合適合者って言うみたいね」

 

「だったらなんだよ」

 

「マスターの話じゃ侵食があるから使うのを拒むって聞いてたけど、そうでもないみたいね」

 

「期待に応えられず申し訳ないな」

 

そう言って剣を構える

 

「おっと、此処からは行かせないよ」

 

「それなら力尽くで通るまでだ!!」

 

《雷光》

 

「惜しい惜しい、早くしないとあの子達が死んじゃうよ〜」

 

「チッ!時間稼ぎが目的か、はあ!」ブンッ

 

「せいか〜い」キンッ

 

サンダルフォンの剣を手を氷の槍の様な形にして弾く

 

「そこ!」

 

「チッ!」

 

俺はガリィの隙を突いて響と未来の2人の居る場所に向かう

 

「響!未来!」

 

「「湊君(湊)!!」」

 

「お!マスターの言ってた面倒な相手だぞ!」

 

マスターって事は此奴もキャロルの仲間か

 

「それで、吹っ切れたか響」

 

「うん、もう迷わない行ってくるね未来」

 

「待ってる」

 

未来はそう言って後ろに下がる

 

「響キャロルの仲間はもう1人居る気を引き締めろ」

 

「うん!」

 

そう言って響は深呼吸をする

 

「GO!!」

 

「とりゃー!!」

 

響は地面を大きく蹴って赤髪の相手に向かって行く

 

(ガリィは彼処に居る、でもどうして自分で戦わない?)

 

「まあそんな事は今は良いか」

 

俺も剣を構え赤髪の相手に向かう

 

「来い来いへし折り甲斐があるぞ!」

 

(確かに響が押して居る、だが…彼奴のあの余裕はなんだ)

 

状況的には響が押して居るがあの赤髪の奴の余裕が気になる

 

「あれは!?」

 

柱の物陰に隠れるガリィが目に入ったので急いで響を止めに行く

 

「止まれ響!!」

 

「え!?」

 

響の攻撃はそのまま当たり水になる

 

「残念、それは水に映った幻」

 

響の下にはさっきの赤髪が居る

 

「間に合え!」

 

《雷鳥》

 

俺は雷鳥に飛び乗り響の元に急ぐが

 

「ああああ!!」

 

もう少しの所で間に合わず攻撃がペンダントに命中し上空に吹き飛ばされる

 

「くそ!」

 

上空に吹き飛ばされた響を受け止めガリィと赤髪の奴の居た場所を確認するが既に居なかった

 

「逃したか、大丈夫か…響…」

 

俺は響を見る。ギアが解除されたのはまだ分かるが

 

「何で何も着てねえんだよ!!」

 

「湊!見たら許さないよ!!」

 

いやいや!無理があるだろ未来さん!?

 

「一先ず降りて来て!いや、降りて来なさい!!」

 

「はい」

 

俺は未来に怒られるのを覚悟して未来の居る場所に降りた

 

案の定、俺は未来にこっ酷く叱られその上、切歌と調に連絡もされて誤解を解くのが大変だった




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84話

「悪いおっさん、俺の注意不足だ」

 

「湊君、君だけが悪いわけじゃ無い我々とて誰一人として彼女に気付かなかった」

 

サンダルフォンで響と未来を本部の潜水艦まで運び響は治療室に入り治療を受けて居る

 

「あの違和感の意味がやっとわかった。彼奴はガリィが居る事を理解して居てあの余裕があったんだ」

 

「終わったわよ彼女の治療」

 

そこに響の治療をして居たステラが来る

 

「外傷はあるものの人体には特に影響はないわ、強いて言えば彼女のメンタルの問題かしら?シンフォギアを使えなくなったって言う事実を受け入れられるかどうかね」

 

彼奴にはそれが1番辛いだろうな

 

「ステラ、エルフナインと共同で行ってるシンフォギア強化プロジェクトの方はどうなってる?」

 

「そうね、カマエルと同時進行してる天羽々斬とイチイバルも完成まで早くても1週間近くかかるわ」

 

まだ1週間近くかかるか

 

「わかった」

 

そう言って俺はその部屋を出る

 

(また助けられなかった…これじゃあ、あの時と…)

 

俺の頭の中にはネフィリムの起動実験の時のセレナが思い浮かぶ

 

「響とセレナは違う…それでも…」

 

守れなかった、その事実だけが俺の中にあった

 

「ただいま」

 

「お帰りデ…どうかしたデス湊?」

 

「何でもない、少し寝る」

 

マンションに帰って直ぐに自分の部屋に入る。心配そうな顔をして居る切歌に気づかずに

 

「……」

 

天井に手を伸ばした後

 

「少しは強くなれた…そう思ってたんだけどな…」

 

そう呟いた後目を瞑った

 

〜切歌side〜

 

「失礼するデス」

 

私はそう言って湊の部屋に入る

 

「よく寝てるデス「どうかしたの切ちゃん?」!?しっ調デスか脅かさないで下さいデス」

 

私が振り返るとそこには調が居た

 

「それが帰って来た時の湊の様子がどうも変でずっと気になってたデス」

 

何があったかはわからないけど湊の様子が明らかに変なのは分かった

 

「そう言えば、未来さんからのメールにこんな写真が」

 

「メールに写真デスか?こっこれは!?」

 

そこには裸の響さんを抱えている湊の姿が写って居た

 

「その事を湊に問い詰めるのは後回しデス、それって響さんまでクリスさん達と同じ状態になっちゃったって事デスよね?」

 

「多分そうなんだと思う、それも湊の目の前で」

 

やっぱり、と言う事は

 

「湊、セレナと響さんが重なっちゃってるデスかね?」

 

「そうだと思う『セレナの時と同じで何も出来なかった』そんな事考えてるんじゃないかな?何もできなかったのは私達なのに…」

 

「そうデスね」

 

ネフィリムの起動実験でセレナが動かなくなった時、湊はセレナを必死で助けようとしてた。でも…私達はそれを見てる事しか出来なかった

 

「切ちゃん、明日も学校だし私達も早く寝ないと」

 

「そうデスね、これ以上は湊の問題デスし私達に出来る事はないデスね」

 

湊の事が心配になりながらも私と調は自分の部屋に戻って寝る事にした

 

〜切歌side out〜




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85話

あれから1週間が過ぎたが未だに響は眠り続けたままだ

 

「それでお前達は俺に何をさせようって言うんだ?」

 

現在俺は切歌と調に連れられて本部の中を歩かされて居る

 

「湊に頼みたい事があるデス」

 

「私達がシンフォギアを使える様になるまでの時間を稼いで欲しい」

 

シンフォギアを使えるまでの時間稼ぎ?

 

「そもそもLiNKERでもない限りお前達は…あてがあるのか調?」

 

「うん、着いた」

 

調の目的地はメディカルルームだった

 

「此処にあるのか?」

 

「多分あると思うそれにメディカルルームはこの本部には2つある…だから湊にはそれが見つかるまでの時間稼ぎをお願いしたいの」

 

バレたら始末書程度じゃ済まないだろうな、なんせ無断でメディカルルームにあるLiNKERを持ちだす訳だからな

 

「仕方ないか、強化型のシンフォギアの完成までの時間稼ぎって事でおっさん達には話しておく」

 

「了解デス!」

 

「それじゃあお願いね湊」

 

切歌と調はメディカルルームに入って行く

 

「それじゃあこっちも始めるか」

 

『湊君聞こえるか?』

 

「聞こえてる、今から出る。それとあの2人メディカルルームからLiNKERを持ち出そうとしてるからそれだけは伝えとくぞ」

 

『ああ、後で始末書を書いてもらう』

 

良かったな始末書だけで済んだぞ

 

「強化型のシンフォギアは後どれくらいで完成する予定だ?」

 

潜水艦の出口まで走りながら稼ぐ時間を聞く

 

『そうだな、1時間いや、2時間もあれば充分だ』

 

2時間…アルカノイズも居るとなると結構キツイな

 

「それで俺は何処に向かえば良い」

 

『君にはミカを頼みたい』

 

ミカ確かこの間の赤髪か

 

「わかった」

 

そこで丁度出口に到着したので外に繋がる扉が見えた

 

〜Volar esperança Sandalphon tron〜

 

俺はシンフォギアを纏いミカの襲撃を受けて居る発電施設に向かった

 

「あれか」

 

目的の場所に到達すると自衛隊がノイズとの交戦を行なって居た

 

「お前らとっとと下がれ」

 

「ああ!全員撤退しろ!」

 

1人の男がそう言うと全員が撤退して行く

 

「さてと、お仕事を始めますか!」

 

《雷光》

 

雷を広範囲に拡散させて周囲のノイズを一掃する

 

「たく、どんだけ居るんだよ」

 

どれだけ倒しても倒しても一向に減らないノイズの数に思わず愚痴が溢れる

 

「お待たせ」

 

「真打の登場デス!」

 

「切歌!調!」

 

そこにLiNKERを発見した切歌と調が到着する

 

「結構掛かったな」

 

「えへへ、ちょっと手間取ったデスよ」

 

「でも間に合って良かった」

 

正直言ってギリギリだったけどな

 

「時間的に考えて予定なら後1時間と少し、それまで耐えるぞ」

 

「「了解(デス)」」

 

未だに現れないミカを警戒しながらノイズの討伐を再開する




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86話

「とりゃー!」

 

「切歌後ろから来るぞ!」

 

「デス!」

 

ミカの背後からの攻撃に何とか対処するが力の差がありその補助に回ろうとした調ごと吹き飛ばす

 

「じゃりんこ共に用はないぞ、私が用があるのはお前だぞ融合適合者」

 

「俺に何の用だ」

 

「マスターが厄介だって言ってた相手がどのくらい強いか確かめたいだけだぞ」

 

何だそんな事か

 

「あ痛たた…」

 

「簡単には行かせて貰えない」

 

少し遠くからそんな声が聞こえるどうやら無事の様だ

 

「ふふふ、じゃりんこ共…私は強いぞ「よそ見してんじゃねえよ!」おっと、心配しなくてもお前はちゃんと私が相手をするぞ」

 

「子供だと馬鹿にして」

 

「目に物見せてやるデスよ!」

 

そう言って切歌と調は2本目のLiNKERを取り出す彼奴らまさか!?

 

「お前ら今すぐ辞めろ!「そりゃ!」くっ!」

 

2本目のLiNKERを投与しようとする切歌と調を止めようとするがミカの攻撃で2人の所に行けない

 

「大丈夫デスよ湊」

 

「少し鼻血が出ただけ」

 

やっぱりオーバードーズになったか

 

「切り刻んでやるデス」

 

《対鎌・螺Pぅn痛ェる》

 

「一気に行く」

 

「たく、無茶しやがるよ本当に」

 

「お!お前達も面白くしてくれるのか!」

 

ミカは持っていた結晶体を投げつける

 

「「はあ(デス)!!」」

 

俺と切歌で結晶体を切り裂く

 

「お!」

 

ミカは今度は腕の穴から結晶体を飛ばしてくる結晶を避ける

 

「湊は力を溜めて、その間は私達が」

 

「時間を稼ぐデス」

 

「わかった、頼むぞお前ら」

 

「「うん(了解デス)」」

 

攻撃を切歌と調に任せて俺は大きな一撃をぶつける為の力を貯める

 

「ふ〜」

 

意識をサンダルフォンの剣に集中させる

 

《雷斬》

 

「はああ!」

 

「デス!」

 

力を溜めて居る間も切歌と調の攻撃は続く

 

《β式 巨円断》

 

「無駄だぞ」

 

ミカはシールドに似た何かを腕の穴から生成して防ぐ

 

「「今(デス)!!」」

 

「おう!」

 

俺は力を貯めるのを辞めてミカに突っ込む

 

「「「はああ!!」」」

 

3人で攻めるがそこで予想外の事態が起きる

 

「ドッカーン」ドーン

 

ミカの生成したシールドの様なものが爆発した

 

「このままじゃ何も変わらない」

 

「そんな、こんなに頑張って居るのに…どうしてデスか!こんなの嫌デス!変わりたいデス!」

 

「マスターが厄介者扱いした方はちょっと危なかったぞ、けどお前達はまあまあっだったぞ、でもそろそろ遊びは終わりだぞ」

 

ミカはそう言うと髪から炎が吹き出し一気に切歌との距離を詰めた

 

(動け、動いてくれ!)

 

俺はと言うとフィールドバックで体が動かなくなって地面に倒れて居る

 

「それじゃあバイなら」

 

ミカは切歌のイガリマのペンダントに結晶体をぶつけ響と同じ時の様に切歌のイガリマが破壊された

 

「「切歌(切ちゃん)!!」」

 

そこで俺のフィールドバックが動けるくらいにまで軽減されたので切歌に近づこうとするとミカからの攻撃が来た

 

「よそ見してると狙い撃ちだぞ」

 

「邪魔しないで!湊、切ちゃんを少しでも良いから遠くに移動させて」

 

「ああ」

 

俺は切歌を背負い少し遠くに移動させようとする

 

「ダメデス、調一緒に逃げるデス」

 

「嫌だ!この命は切ちゃんに救われた命だもの!だから切ちゃんの為に全部使う!」

 

「そう言う事なら俺も同じだ。俺はお前達が居たからお前達が支えてくれたから今の俺は此処に居る。俺も全部使ってやるよ」

 

「湊…うん、やろう」

 

「ああ」

 

時間稼ぎなんてもうどうでも良い今は兎に角

 

「「私達(俺達)で切ちゃん(切歌)を守る!」」

 

「始まるぞ!バラバラ解体ショー!!」

 

ミカの言葉を合図にアルカノイズ達が攻めてきた

 

「はあ!」

 

「はああ!」

 

2人ので切歌を守りながらアルカノイズと闘うが俺の方は兎も角調は限界も近い

 

「調!避けろ!」

 

「は!ぐっ!」

 

調はアルカノイズの攻撃を避けきれずペンダントに当たりシュルシャガナが破壊される

 

「くそ!」

 

「おっと!お前の相手は私だぞ!」

 

近くノイズを倒そうと調に近づこうとするがミカがその邪魔をする

 

「退け!」

 

「甘いぞ!」

 

俺は剣を振り下ろすがミカは結晶体を使ってそれを防ぐ

 

(またなのか…また俺は失うのか…もうあんな気持ちはしないって決めたのに…)

 

「もう良いか…」

 

「うん?」

 

「全て…全て終わらせる!俺の全力の絶唱で!!」

 

絶唱、それは最悪死に至るシンフォギアの諸刃の剣だがその力は膨大だ

 

「絶唱!?ダメデス!考え直すデス!湊!!」

 

「ダメ!!湊!!」

 

切歌と調の声が聞こえるが俺は構わず絶唱を歌い始める

 

「お!何だ!また面白くしてくれるのか!」

 

ミカは調に向かって居たアルカノイズの大半を俺の方に回すこれで少しは調が助かる可能性が出来た

 

(これが最後の歌になっても良い、それでこの2人が助かるなら俺はそれで満足だ)

 

〜ステラside〜

 

「何とか間に合ったわね」

 

「そうですね、後はクリスさん達に頼る他ありません」

 

私はエルフナインと話しながらモニターのある司令室に向かう

 

『終わらせる!俺の全力の絶唱で!!』

 

中に入ると湊のそんな声が聞こえた

 

「ちょっとどうなってんの!?何で彼奴が湊が絶唱を歌う始末になってんのよ!?湊!!聞こえてるの湊!!」

 

「無駄だステラ君、湊君はこちらからの回線を全て遮断して居る」

 

何よそれ…

 

「あのバカ…本当に自分の命を何だと思ってるのよ…残される側の事も考えなさいよ」

 

「ステラ君、サンダルフォンの絶唱はどの様な物なんだ」

 

「サンダルフォンの絶唱は簡単に言うと空間を断罪する事によってブラックホールを生み出すの」

 

私はサンダルフォンの絶唱の効果を簡単に説明する

 

「ブラックホール…何程、全て終わらせるとはそう言う事か」

 

「ええ、おそらく湊はあのミカってオートスコアラーをブラックホールに飲み込ませる事が目的よ」

 

「そうか」

 

風鳴司令は悔しそうな声でそう言う

 

「湊…」

 

私は湊の歌うサンダルフォンの絶唱をその場で聴いている事しか出来ない自分が情けなく思った

 

〜ステラside out〜




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87話

絶唱を歌って居る最中に身体が痛く、口内が血の味で満たされた。セレナもこんな体感をしたのか

 

「もう飽きたぞ」

 

「安心しろもう終わった」

 

絶唱を終えた後のサンダルフォンの剣は黄金の光を放っている

 

「お!そうか!」

 

「ああ」

 

俺は剣を構えてそう言う

 

「それじゃあバイなら」

 

ミカがアルカノイズを俺に向かわせる

 

「ふー、はああ!」

 

俺がノイズを切り裂いた部分に裂け目が出来る

 

「お?何だぞ?」

 

「まあ見てろよ面白い事になるから」

 

程なくすると俺に近づいて居たノイズ達が裂け目に吸い込まれていく

 

「お!これが面白い事か!」

 

「ああ、これはブラックホールって言ってな、それに飲み込まれら消滅しちまうんだ」

 

「お!確かに面白いぞ!でもお前が飲み込まれたらそれまでだぞ」

 

ミカはそう言って俺に攻撃を剣で受け流す

 

「お!まだ戦えるのか!!」

 

「無茶言うな、けっこう限界だ。だから…後は此奴らに任せる」

 

俺がそう言うとミサイルが飛んで来る

 

「たく、無茶しやがって」

 

「無事だったか雪音弟」

 

シンフォギアの強化を終えたクリスと風鳴が到着した

 

「後は任せろよ」

 

「ああ、頼むぞ」

 

「逃がさないぞ!」

 

ミカが俺を追いかけようとするが

 

「貴様の相手は私と雪音だ」

 

「そう言う事だ、湊お前は本部に戻って治療を受けろ」

 

「ああ、そうさせて貰う」

 

《雷鳥》

 

俺は雷鳥に乗り本部に向かった

 

「「湊!!」」

 

「良かった…無事だったんだな」

 

本部に向かって居ると服を着た切歌と調の2人と合流した

 

「全然良くないデス!こんなに傷だらけになって…心配する私達の気にもなりやがれデス!」

 

雷鳥から降りると直ぐに切歌が泣きながらしがみついてくる

 

「あのまま湊が死んじゃってたらきっと私も切ちゃんも弱い自分を責めちゃう、湊はそんな私達を望んでるの?」

 

「そんな訳ないだろ!俺はただ…」

 

「私達を助けたかっただけって言いたいんだよね?」

 

俺が言いたい事を調はわかって居た様だ

 

「湊、その気持ちは私も切ちゃんも凄く嬉しい、でもそれで湊が死んじゃったら私達には何の意味もないの」

 

「そうデスよ!湊が居て、調が居て、マリアや葉月ちゃん達が居る!誰が居なくなっても私は嫌デス!」

 

切歌…調…

 

「そうか…でもなそれを知っても俺はああしたと思う」

 

「どうしてデス!!「そのやり方しか知らないんだよ」え?」

 

「何かを守るには何かを捨てなければいけない、俺はそのやり方しか知らないんだ。だから俺はお前らのその気持ちを知っててもそうした」

 

今までがそうだった、セレナが…マムがそうだったから俺はそのやり方しか知らない自分が助かって誰か他の人も助けるそんな事が出来るのはバカで人助けを趣味にしてる響くらいだ

 

「そっか、じゃあこれから知っていこ」

 

「調…そうデスね、知らないならこれから知っていけば良いだけデスよね。これからはもうあんな事はしちゃダメデスよ」

 

「善処する」

 

《雷鳥》

 

「「今はそれで良いよ(デスよ)」」

 

切歌と調はそう言って雷鳥に乗り3人で本部に向かった

 

本部に着いてからステラからキツめの説教を喰らった




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88話

「全く、無茶をしてくれた物だ」

 

ステラからの説教が終わり司令室に着いて直ぐに言われた言葉がこれだった

 

「悪かったな」

 

「湊さん、これを」

 

エルフナインがカマエルのペンダントを渡してくる

 

「プロジェクトイグナイト、本当は貴方に試して貰う筈だったのですが状況が状況でしたのでクリスさん達にお願いしました」

 

「別に、気にしちゃいねぇよ。それよりも俺の予想が正しかったらあの2人には使えねえだろうな」

 

「と言いますと?」

 

「あの2人は響の暴走を見て暴走がどう言う物かは知っていても破壊衝動に駆られるまでの苦痛を知らない」

 

プロジェクトイグナイトは暴走の力を制御する事を前提として考えている。あの苦痛は1度も味わった事のない奴が耐え切れる物じゃない

 

『イグナイトモジュール、抜剣!』

 

モニター越しにクリスと風鳴がイグナイトモジュールを起動させる

 

「やっぱりこうなるか」

 

クリスと風鳴は暴走の衝動に飲み込まれ苦しみ始めた

 

「モジュールのコアとなるダインスレイフは伝承にある殺戮の魔剣、その呪いは誰もが心の奥にある闇を増幅させ人為的に暴走状態を引き起こします」

 

「それでも人の心と叡智が破壊衝動をねじ伏せる事が出来れば」

 

「シンフォギアはキャロルの錬金術に打ち勝てます」

 

最も今の2人にその余裕があるかどうかは別だがな

 

「おっさん俺が出る」

 

「俺としてはまだ安静にしてもらい所だが、それが適切かも知れないな」

 

おっさん的には出来れば行かせたくないのだろうがこのまま2人が衝動に駆られて暴走したらそれまでだ

 

「待ってください風鳴司令!彼は!湊はまだ絶唱の時のダメージが「大丈夫だマリア」湊貴方は何時もそうやって」

 

「心配しなくても大丈夫だって「待って湊君」響?」

 

司令室を出ようとした所で響に声をかけられる

 

「私も行く、もうギアも可能性も壊させやしない。だから「わかってるよ」え?」

 

「連れて行けば良いんだろ、それに今の彼奴らにはお前が必要だろうからな」

 

「ありがとう」

 

「待て、徒歩では間に合わないだろう、俺に考えがある」

 

俺と響は疑問を抱きながらもおっさんについて行った

 

「あの師匠これって」

 

「どう考えてもミサイルだよな」

 

俺と響が着いて行くとおっさんは大型ミサイルのある部屋に向かって居た

 

「まさかだと思うがこれに俺達が乗って行くとか無いだろうな?」

 

頼むハズレであってくれ!

 

「お!察しがいいな」

 

当たりかよ!?

 

「はぁ、仕方ないか上空にまでノイズが出たんだからな」

 

キャロルはクリスと風鳴のイグナイトモジュールが不発で終わったと知ると上空に大型ノイズを出現させ街を襲わせたのでその対処を含めて俺と響にミサイルでクリス達の元に向かわせるのだろう

 

「いやいや!!無茶ですって!?」

 

「ま、物は試しだな」

 

俺は1つのミサイルの上に乗る

 

「えっと、それじゃあ私はこれで」

 

若干ビビりながら響もミサイルの上に乗る

 

「それじゃあ頼んだぞ2人共!」

 

「「はい(おう)」」

 

俺と響がそう返事をすると潜水艦から俺たちの乗ったミサイルが飛ばされた




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89話

「おーい、響ー、生きてるか?」

 

ミサイルに乗りながら時々落ちそうになる響に声を掛ける

 

「なっ何とか」

 

「そうか、まだ大丈夫か」

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

「イグナイトモジュール、抜剣」

 

俺はミサイルの上でカマエルを纏いイグナイトモードを起動させる

 

「ちょっ!?湊君!?「何だ響?」あれ?案外平気そう?」

 

平然とイグナイトモジュールを纏い返事をする俺を響が不思議そうに見る。まあ、あのクリスと風鳴を見た後じゃその考えに至るのも仕方ないか

 

「確かに暴走の破壊衝動を押さえ込むのは難しい、でもな俺にはそれを乗り越えてでも守りたい物が守りたい奴らが居る。だからそんな衝動に駆られてる暇なんか俺にはねえんだ。それに俺はカマエルを信じてる。こんな楽でなしの俺とずっと一緒に居てくれたパートナーを、お前はどうなんだ響?」

 

「私は…」

 

俺がそう聞くと黙り込んだ響はガングニールを見つめて居た

 

「響」

 

「何?「もう着くからシンフォギア纏っとかないと死ぬぞ?」先に行ってよ!!」

 

〜Balwisyall nescell gungnir tron〜

 

響は急いで聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

「それじゃあ、響でかいの頼んだぞ」

 

「うん!うおおおお!」

 

響が叫びながらミサイルは大型ノイズに向かって行く

 

「さて、イグナイトモードの力見せて貰うぜエルフナイン!」

 

《紅蓮の銃口》

 

両腕のアームドギアを合わせ1つの銃口として熱光線をキャロルに向けて放つ

 

「チッ!厄介な奴まで来たか」

 

キャロルはそう言って攻撃を避ける

 

〜響side〜

 

「翼さん!クリスちゃん!」

 

「すまない、お陰で助かった」

 

「とんだ醜態を見せちまったけどよ、それで彼奴は誰なんだ」

 

クリスちゃんがイグナイトモードに移行した黒いカマエルを見てそう聞いてくる

 

「湊君とイグナイトモードに移行したカマエルです」

 

「なっ!?彼奴1回で成功させやがったのかよ!?」

 

クリスちゃんが驚くのも無理はない、正直私もあれには驚いた

 

「イグナイトモジュール、もう一度試してみましょう!」

 

「だが、今の私達では」

 

「未来が教えてくれたんです。自分はシンフォギアの力に救われたって、湊君が言ってたんです。暴走の破壊衝動を乗り越えてでも守りたいものが、守りたい人達が自分には居るって、私にも守りたいものが、守りたい人達が居ます!この力が本当に誰かを救う力なら、身に纏った私達の事もきっと救ってくれる筈!だから信じるんです!ダインスレイフの呪いを破るのは私達とシンフォギアだって!!」

 

私は湊君がカマエルの事を信じてると言った時もしかするとダインスレイフの呪いを破ったのは湊君だけの力じゃなくて湊君とカマエルの心の絆の強さだとそう思った

 

「何時も一緒だった天羽々斬」

 

「私を変えてくれたイチイバル」

 

「そしてガングニール!信じよう!胸の歌を!シンフォギアを!」

 

「は、このバカに乗せられたみたいでカッコつかないが、それに何時迄も弟に任せっぱなしじゃ姉として失格だかんな」

 

「もう1度行くぞ!」

 

翼さんの言葉に私とクリスちゃんも頷く

 

『イグナイトモジュール、抜剣!』

 

私達はイグナイトモードを起動させる

 

「ぐあああ!」

 

苦しい、暴走の時の破壊衝動が私をクリスちゃんを翼さんを塗り潰そうとする

 

(未来が教えてくれたんだ、力の因果を背負う覚悟を!そして湊君と同じ様に私にも守りたいものが、守りたい人達が居る!だからこの衝動に塗りつぶされてなる物か!!)

 

〜響side out〜

 

「どうやら向こうも成功させたみたいだな」

 

《豪炎天界》

 

そう言いながらも俺はキャロルに攻撃を仕掛ける

 

「その様だな」

 

キャロルは錬金術で対抗しながらそう答える

 

「此処からの敵は俺じゃなくて此奴らだ!」

 

そう言ってキャロルは建物の上に飛び複数のアルカノイズを出現させる

 

「全く、1人で突っ走りやがって」

 

「此処からは我々も力を合わせよう」

 

おっさんの話じゃアルカノイズの数は5000らしいが

 

「たかが5000!!」

 

「ああ、俺達にとっちゃ一瞬で方がつくぜ!」

 

俺達はノイズとの戦闘を開始した




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90話

『湊君、彼女が出現させたアルカノイズが数匹街に向かってしまった。そこのは響君達に任せて君は街に向かったアルカノイズの対処を頼む!』

 

「了解っと、そう言う訳だ後は頼んだぞ」

 

おっさんからの通信を終えて近くに居たクリスにそう言う

 

「ああ、しくじんじゃねえぞ湊」

 

「誰に言ってやがるお前こそしくじんじゃねえぞ」

 

そう言って俺は街に向かって行ったアルカノイズの対処に向かった

 

「これで最後っと、おっさん数はこれで全部か」

 

『ああ、今ので全部だ。響君達の方もたった今終わった』

 

そうか響達の方も終わったか

 

「わかった」

 

おっさんからその言葉を聞いて俺はシンフォギアを解除した

 

『後始末はこちらで行う今日の所はゆっくり休んでくれ』

 

「ああ、そうさせて貰う」

 

そう言って街を歩き始めた

 

「あ!パパ!」

 

「お兄さん!」

 

暫く歩いて居ると葉月と見覚えのある少女が走って来た

 

「葉月、今帰りか?」

 

「うん!ノイズが出たって言われて先生達とシェルターに避難してたの」

 

そう言やこの近くにシェルターがあったなそこに避難してたのか

 

「そうか、それでお前はまた迷子か?」

 

俺は葉月と一緒に居た少女、華にそう聞く

 

「ううん、今日は違うよ。葉月ちゃんと一緒にお家に帰る所」

 

「そうか、なら送ってやるよ」

 

「パパ、公園で華ちゃんと遊んでも良い?」

 

時間は3時過ぎまあ大丈夫な時間ではあるな

 

「葉月は俺が居るから良いとして華は1回帰れ、ノイズが出たんだお前の親も心配してるだろうからな」

 

「うん」

 

俺は一先ず葉月と華の2人を連れて華の家に向かった

 

「ママ!!」

 

「華!良かった無事で、貴方がまた華をありがとうございます」

 

一緒に居た俺がまた以前と同じ様に華を助けたと勘違いした華の母親は俺に頭を下げる

 

「いや、今回俺は何もしてません。実は妹が華と帰ってたから一緒に来ただけなんです。だから気にする必要はないですよ」

 

「そうでしたか、貴方が葉月ちゃんね。華から聞いてるわ」

 

華の母親は葉月の目線にまでしゃがみそう言う

 

「可笑しな偶然もあったものですね、華のよく話して居る葉月ちゃんが貴方の妹だったなんて」

 

「俺も驚きました。葉月がよく話す華ちゃんがあの時の華だったなんて」

 

葉月と華が2人で遊んで居るのを眺めながら俺は華母と話す

 

「あの子人見知りが激しいのに学校初日から友達が出来たって喜んで帰って来たんですよ。貴方の妹さんだったのなら人見知りなあの子が直ぐに友達になれたのもわかる気がします」

 

「そうですか」

 

葉月はナインやアリア達とすぐに打ち解けた所を見ると人見知りはしないのだろうが本当の所はどうなのかは俺は知らない

 

「これからもあの子がお世話になる事があるかも知れませんがその時はよろしくお願いします」

 

「こっちこそ、葉月が世話になるかもしれないんですからそこはお互い様ですよ。そろそろ帰るか、葉月!そろそろ帰るぞ!」

 

「うん!またね華ちゃん!」

 

「バイバイ葉月ちゃん!」

 

葉月はおれと華は母親と手を繋ぎながら互いが見えなくなるまで手を振っていた




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91話

「壊されたイガリマと」

 

「シュルシャガナも回収完了デス」

 

キャロルとの戦闘の翌日本部にて回収したイガリマとシュルシャガナが切歌と調の手に手渡された

 

「機能向上に加えイグナイトモジュールを組み込んでいます。それからアガートラーム、これは回収ではなくコンバーター部分を新造しました。一度神経パスを繋いで居るので身に纏える筈です」

 

故障していたセレナのアガートラームも修理が終わりマリアに手渡される

 

「それから湊さん、ステラさんからこれを渡す様にと」

 

「ありがとなエルフナイン」

 

エルフナインからステラの作ったワクチンを受け取る

 

「何デスかそれ?」

 

「ん?まあ簡単に言うとイグナイトモジュールより持続時間は短いけど一時的にイグナイトモジュールよりも強い力の得られるワクチンだな」

 

「それってキャロルちゃんと初めて戦闘になった時に使ってた?」

 

響の言葉にその時の事を知らない風鳴達からの視線が集まる

 

「ああ、外部の力をシンフォギアに吸収させて一時的にエクスドライブに近い力を得る事が出来るのがこのワクチンだ。キャロルとの初戦の時もこれを使って錬金術の力をシンフォギア に吸収した。まあ直ぐに動けなくなったがな」

 

「んー、それには暴走の可能性はあるのか?」

 

「ああ、実際俺はアメリカで暴走を起こして居る。その時はアリア達が3人がかりで止めてくれたみたいだがな」

 

「そうか、ならそれの取り入れは難しいな」

 

おっさんは可能であればこのワクチンの複製を試みようとしていたのか残念そうにそう言う

 

「貴方はそれを使って平気なの?」

 

「まだ確実とは言えないが暴走を起こしたのは初めて使った時の1回だけだ」

 

これまでに使用した回数は5回、5回中暴走を起こしたのは初めて使った時の1回だけだ

 

「それと未来さんの神獣鏡ですがまだ修繕の目処が付いていないのでもう少し待って頂きたいのですが」

 

「大丈夫だよエルフナインちゃん、ごめんね湊、もう少し待ってね」

 

未来は神獣鏡が直り次第俺のサンダルフォンを取り出すつもりなのだろうが

 

「未来、俺は今回の事が終わるまでサンダルフォンを手放すつもりはないぞ」

 

「どう言う事だ」

 

「そのままの意味だよ、サンダルフォンの存在はアルカノイズにもガリィ達にも有効なんだと思う。ガリィの奴が初めてペンダントが無いって知った時一瞬だが戸惑った表情を浮べて居た」

 

恐らくだが彼奴らやアルカノイズがシンフォギアを始めとする万物を分解するにはコアに接触し無ければならないのだろう。

 

「そう言う事か、だがそれでも俺は神獣鏡が直り次第取り除くべきだと思うが君がそう言うのならそれは止めない、何はともあれ新たな力の導入に伴い此処らで1つ特訓だ」

 

『特訓?』

 

(特訓か何をするんだ?)

 

俺は特訓の内容に疑問を抱きながらその場は解散となり帰宅した




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92話

「それで俺は特訓って言うから来たんだが?なんだこの状況は」

 

特訓の当日、政府保有のビーチで特訓をするらしいのだが来て早々に俺とステラを覗く全員が水着に着替え遊び始めた

 

「何って特訓だよ特訓!」

 

響はそう言うが、とても特訓をして居る様には見えない

 

「湊、私帰って良いかしら?」

 

「奇遇だなステラ俺も同じ考えだ」

 

俺とステラは置いた荷物を持って来た道を戻る

 

「ちょっと!?2人とも!まだ来たばかりだよ!?」

 

「立花響、貴方達のして居る事は特訓ではなくただ遊んで居るだけよ。私は帰らせてもらうわ」

 

そうだよな、遠泳をするならまだしも切歌と調に至っては砂で城を作り始めて居る。流石にあれを特訓とは思えない

 

「さてはステラお前泳げないから逃げる気だな」

 

ナインの指摘にステラは振り返る

 

「私が逃げる?冗談じゃ無いわ、こんな特訓でも何でもない事をする価値がないから帰るだけよ」

 

「ま、聖遺物の研究ばっかで体が鈍ってる所、私やアリアに見せられないもんな」

 

成る程、ナインの狙いはステラを挑発して自分達側に着かせる事か

 

「何ですって!!良いわよ!やってやろうじゃない!!」

 

「ちょろい」

 

ステラは完全にナインの挑発に乗り水着に着替えに向かう

 

「悪いが俺はパス…何だよ切歌、調離せよ」

 

帰ろうとする俺を切歌と調が止める

 

「まあまあ、偶にはこう言う息抜きも大切デスよ」

 

「帰ったら私も切ちゃんもちゃんとした特訓を受けるだから今日は目一杯遊ぶ」

 

「…ちょっと調それは初耳デス…」

 

「…こうでも言わないと湊帰っちゃうよ…」

 

小声で話す2人だが話してる内容がだだ漏れだぞ。と言うか

 

「お前らそれでちゃんと特訓受けた事あるか?後切歌、最近息抜きばっかしてたお前が言うな」

 

「「うっ」」

 

2人にも思うところがあるのか罰が悪そうな表情を浮かべる

 

「まっまあ湊君もう少ししたら始めるからさ」

 

「ほう」

 

俺はそう言って辺りを見渡す

 

「とてもそんな風には見えないが?」

 

浮き輪に乗り波に身を任せ流れるクリス、浜辺近くで遊ぶ未来とエルフナイン、新たな砂の城を作り始める切歌と調、溺れるステラを慌てて助けるナインとアリア最後の以外特訓をして居る様に思えない。と言うかステラの奴相変わらず金槌なのな、後ナインは慌てるくらいなら挑発するなよ

 

「あはは、おっかしいな〜」

 

響が目線を逸らしながらそう言う

 

「湊、貴方は着替えないの?」

 

「マリア、俺は帰る切歌と調のお守りは頼んだぞ」

 

「そう…」

 

俺がそう言うとマリアは少し考える

 

「実はこの後シンフォギア装者同士で模擬戦を行おうと思っていたのだけど「なら残る」そう、今はその英気を養って居るだけなのだから少しは楽しみなさい」

 

「ああ「リーダー!!ステラの奴マジでヤバイから手伝ってくれ!!」はぁ、彼奴は今行く!」

 

俺は溺れたステラを必死になって岸に運ぶナインの手伝いに向かった

 

〜響side〜

 

「あのマリアさん、湊君の事ありがとうございます」

 

正直言って私にはそんな言い訳が思いつかなかったからマリアさんが居なかったら多分湊君は本気で帰ってたと思う

 

「別に構わないわ、今のあの子には少しああ言った場所が必要だと思ったもの」

 

マリアさんはそう言って切歌ちゃんと調ちゃんの所に向かう

 

「響ー!」

 

「うん!今行くよ未来!」

 

私はそう言って未来の元に向かった

 

〜響side out〜

 

「うう」

 

「お、起きたかステラ」

 

俺が到着するなりナインは俺にステラの事を任せてアリアと遊びに行った

 

「湊…そっか、私溺れて…あの2人は?」

 

「彼奴らなら彼処だ」

 

俺はそう言ってナインとアリアの居る方を指す

 

「そう…あの2人は本当に私の知らない世界を見せてくれるわね」

 

「そうかもな、俺も切歌と調で同じ事思った事何度かあるな」

 

「そう、それで何時迄この状況で居るつもり?」

 

ステラの言うこの状況とは俺がステラを膝枕して居る状況の事だろう

 

「ステラが大丈夫そうなら直ぐにやめるが?」

 

「もう少し寝るわ」

 

ステラがそう言って暫くすると規則正しい寝息が聞こえ始めた




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93話

「はぁ、彼奴に期待した俺がバカだった。ナイン!アリア!俺達だけで特訓始めるぞ!」

 

全員が海から出ていよいよ特訓かと思って居るとビーチバレーを始めた。流石に耐えきれなくなりナインとアリアの2人を呼び膝の上で寝ているステラを起こし4人だけで特訓を始める事にした

 

「特訓って何すんだ?」

 

「そうだな…いつも通り模擬戦で良いんじゃないか?」

 

「そうね、お昼も近いし負けたら昼食の買い出しかしらね」

 

「そうですね」

 

特訓の内容も決まったので一先ず模擬戦の出来る森の中に移動する

 

「それで湊だけが使えるイグナイトモジュールだけど」

 

そうイグナイトモジュールを使えたのは俺と響、風鳴にクリスの4人だけだ。

 

「俺とお前ら3人での模擬戦にすれば良いだろ?俺も試しておきたい事があるしな」

 

「それではそうしましょうか」

 

〜Oath of moment gungnir tron〜

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

〜Crimson Glacier Fenrir tron〜

 

〜Màquina guanyadora vent aerial tron〜

 

模擬戦のルールも決まった所で全員が聖詠をしシンフォギアを纏う

 

「イグナイトモジュール、抜剣」

 

詠唱をして直ぐに俺はイグナイトモードを起動させる

 

「いつ見ても真っ黒なシンフォギアになるんだな」

 

「暴走の時ってシンフォギアの全体が真っ黒になってるじゃない?だから暴走を制御したイグナイトモジュールの色が黒いって私は考えてるんだけど」

 

まあそれが妥当だろうな

 

「それでリーダーが試しておきたい事って何なんだ?」

 

「まあ見てろよ、おっ!本当に出来た」

 

「成る程ね、貴方が試しておきたい事ってそれなのね」

 

俺が試しておきたかった事それはイグナイトモードになった時浮遊して居る小型銃のうちの4つがカマエルの背中に引っ付いて居るのでもしかしたら飛べるんじゃないかと思ったのでそれを試したかった

 

「まさかイグナイトモードになった事で飛行機能が搭載されるなんてな」

 

「ですが、これなら今まで苦戦して居た飛行能力を持ったノイズやアルカノイズへの対応が今まで以上に楽になりますね」

 

確かに今まで飛べなくて飛行が可能なノイズやアルカノイズに結構苦戦してたからな

 

「ま、大きな収穫はあったな」

 

「そうね、それじゃあ始めましょうか」

 

イグナイトモードの俺と通常モードのステラ達(現在のClover's)の模擬戦を始めた

 

「反則よその機能」

 

「ノイズよりやり辛いぜ、リーダー」

 

「そうですね」

 

結果ステラ達が惨敗した。まあイグナイトモードと通常モードじゃ力の差があり過ぎたって言うのも問題の1つなんだろうが1番厄介だったのが上空からの遠距離攻撃と自分達の中にナインの重力球以外に遠距離攻撃が出来ないからだろう彼奴らの攻撃殆ど来なかったし

 

「んじゃお前ら昼飯頼んだぞ」

 

「「「はーい」」」

 

約束通り負けたナイン達には昼飯をコンビニに買いに行って貰った

 

「あ!やっと見つけた!」

 

模擬戦が終わり森から出ると響達も休んでいた

 

「どうかしたのか?」

 

「どうかしたのかじゃねぇだろ、お前らが急に居なくなって全員で探してたってのによ」

 

そう言や誰にも森に入る事言ってなかったな

 

「それは悪かったな、森の中でちょっと模擬戦してた」

 

「模擬戦か、誰が勝ったんだ?」

 

風鳴がそう聞くとステラ達が一斉に俺を指さした

 

「ま、イグナイトモードの力の差と上空からの遠距離攻撃だろうな」

 

「上空?カマエルは飛行機能が搭載されて居たのか?」

 

「ああ、通常モードの時に浮遊する小型銃使ってただろ?そのうちの4つがカマエルの背中に引っ付いた事によって飛行機能が搭載されたらしい」

 

「そうか…雪音弟、今後上空のノイズやアルカノイズは任せる事が多くなると思うが構わないだろうか?」

 

「ああ、俺もそのつもりだ」

 

俺は風鳴にそう言ってパラソルの下に向かう

 

「あの、お隣よろしいでしょうか?」

 

「ん?別に良いぞエルフナイン」

 

俺がそう言うとエルフナインは俺の隣に座る

 

「あの、湊さんはこの特訓どう思いますか?」

 

「ま、正直言って遊んでるだけにしか見えないな、でも響とクリス、それと風鳴には多少なりとも必要かもな」

 

「そうですね、確かに響さん達には少し休息が必要かもしれませんね」

 

エルフナインはそう言って響達の方を見ていた




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94話

「皆さん、湊さん達のように特訓しなくて平気なんですか?」

 

「エルフナインの言う通りだぞお前ら」

 

流石に疑問に思ったエルフナインと俺で響にそう聞きに行く

 

「真面目だな〜、エルフナインちゃんも湊君も」

 

「暴走のメカニズムを応用したイグナイトモジュールは3段階のセーフティーにて制御される危険な機能でもあります」

 

「お前暴走がどんなのか忘れたわけじゃないよな響?」

 

「湊さんの言う通りです!だから自我を保つ特訓を」

 

エルフナインの言葉を遮る様に海の水が噴き出す

 

「夏の思い出作りは十分かしら?「随分と余裕そうじゃねえかガリィ」嫌々、貴方相手に余裕なんてかましてる暇無いですから」

 

カマエルを纏った俺の攻撃を水に溶けて避けそう言うガリィ

 

「何やってんだ響!クリス!さっさと終わらせるぞ!マリアお前はエルフナインと未来を連れて避難してろ!」

 

「「おう(うん)(わかったわ)!」」

 

〜Balwisyall nescell gungnir tron〜

 

〜Killter Ichaival tron〜

 

俺がそう言うと響とクリスも聖詠を行ってシンフォギアを纏いマリアはエルフナインと未来を連れて避難しに行く

 

「キャロルちゃんからの命令も無しに動いてるの?」

 

「さあねぇ」

 

ガリィは答える気がないらしくアルカノイズを出現させる

 

「くたばりやがれ!」

 

《紅炎華》

 

ある程度ノイズを倒した所でガリィが居ない事に気づく

 

「まさか!?響!クリス!彼奴の狙いは俺たちの足止めだ!」

 

「それじゃあオートスコアラーは今!」

 

「マリア達の方に向かったって事だな。イグナイトモジュール、抜剣!」

 

俺はイグナイトモードに移行し上空からガリィを追いかける事にした

 

「此処は任せた!」

 

「ああ!任せとけ!」

 

「湊君!未来をお願い!」

 

俺は響の言葉に頷きマリア達の方に向かう

 

「居た!」

 

「イグナイトモジュール、抜剣!」

 

俺がマリア達を発見するとのほぼ同時にマリアがアガートラームのイグナイトモードへの移行を試みるが

 

「ガアアア!」

 

イグナイトモードへの移行が失敗しアガートラームが暴走した

 

「エルフナイン!未来!」

 

「「湊(さん)」」

 

「お前らは響達と合流しろ、マリアは俺がなんとかする」

 

俺が2人の前に降りそう言うと未来が頷きエルフナインを連れて引き返して行った

 

「チッ!獣と落ちやがった」

 

俺が未来達と話して居る間も戦闘は続きガリィは暴走したマリアの攻撃を避けながらそう言う

 

「ガアアア!「それまでだマリア」ガアァァ」

 

俺はそう言って暴走しているマリアにステラの複製したAnti_LiNKERを打つとマリアのシンフォギアは解除されギアを解除した時のマリアの姿になる

 

「全く、ステラに貰っといて正解だったな」

 

「あらら、もう終わりなの?」

 

「悪いが此奴は終わりだ、代わりに俺が相手してやるよ」

 

そう言ってガリィに攻撃を仕掛ける

 

「まだやるか?」

 

戦闘は俺の一方的な物になり始めた為ガリィにそう聞く

 

「今回は引かせて貰うわ、たくハズレ装者にはガッカリだ」

 

ガリィはそう言うと結晶を地面に落とし消えた

 

「う…私は一体「気が付いたかマリア」湊…ダインスレイフの呪いに飲み込まれて暴走したのね私」

 

マリアは自分がどうなったのか思い出したらしい

 

「ああ、マリアお前は自分が何に負けたかわかるか?」

 

「わからないわ」

 

俺の質問にマリアはそう答える

 

「そうか、俺が聞きたいのはそれだけだ。先に言っておく、マリア今のお前じゃイグナイトモジュールは使えない」

 

俺はマリアにそう言ってその場を離れるとそのすれ違いで響達が来た




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95話

「パパー!!」

 

「来たか葉月」

 

夕方に一台の車から葉月が出て来る

 

「直接お会いするのは初めてですね雪音湊さん、僕は緒川慎次です」

 

「おっさんから聞いてるだろうが、雪音湊だ」

 

緒川慎次、おっさんから名前だけ聞いた事がある。確か風鳴のマネージャーだったか?

 

「悪いな連れて来て貰って」

 

「いえ、これから今回の事について話し合うんですが湊さんはどうしますか?」

 

「悪い俺は彼奴の相手で手一杯になりそうだ「パパ!早く!!」わかったよ!じゃあな」

 

俺は緒川にそう言って浜辺に向かう葉月の元に向かった

 

「冷た〜い!」

 

「水温も冷えて来てるんだから足だけだぞ」

 

「うん!」

 

葉月は足を海に浸けながら頷く

 

「全く、今日1日華の家で遊び倒してたってのに元気な奴だな」

 

葉月は昨日の夜から華の家に泊まりがけで遊びに行って今日1日中遊び倒した筈なのに何事も無いかの様にはしゃいで居る

 

「パパ!綺麗な貝見つけた!」

 

「そうか、そろそろ切歌達の所に行くか」

 

気づけば1時間近く経っており流石に1時間もすれば話し合いも終わってるだろう

 

「行くぞ葉月」

 

「うん!」

 

俺と葉月が切歌達の所に行こうとした時に電話が鳴る

 

「もしもし?『湊!オートスコアラーとアルカノイズが出たデス!葉月ちゃんと避難してるデス!』わかった、気を付けろよ」

 

俺はそう言い切歌との電話を切る

 

「葉月、切歌達はまだ話し合いの途中らしいから向こうのコンビニでアイスでも食べるか」

 

「食べる!」

 

「それじゃあ行くか」

 

「うん!」

 

一先ずこの場から離れる為に少し離れた場所にあるコンビニに向かう

 

「それでどうなったんだ?」

 

戦闘が終わったと言う連絡を切歌から受けて合流したので戦闘の結果を聞く

 

「マリアがイグナイトモードになってオートスコアラーを倒したデス!」

 

そうか、マリアはイグナイトモジュールを使えたのか

 

「湊、貴方の言いたい事が理解出来たわ。私は強さを求め過ぎて何処かで自分らしらを見失ってしまって居た。ダインスレイフの呪いはきっとそこに漬け込んだのね。だから貴方はあの時ああ言ったのね、今の私にはイグナイトモジュールは使えないと」

 

「そう言う事だ、取り敢えず…お疲れマリア」

 

「ええ、夕食はシチューをお願いね」

 

「わかってる」

 

そう言って台所に向かいマリアのリクエストであるシチューを作り始める

 

「マリアが元気になって本当に良かった」

 

「お陰で気持ち良く東京に帰れそうデスよ」

 

夕食も終わり外に出て浜辺で花火をして居ると切歌と調の話し声が聞こえる

 

「何にせよ、これで新しい戦力が増えたな」

 

「そうですね、あ」

 

話して居るとエルフナインの線香花火が落ちる

 

「おーい!クリス!!大丈夫そうか?」

 

「おーう!準備OKだ!」

 

俺がそう聞くとクリスは両手を挙げてそう返す

 

「何が始まるんですか?」

 

「まあ見てろよ」

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺はカマエルを纏いクリスの居た場所まで小型銃を飛ばし炎を出す

 

「おー!ターマヤー!」

 

「ターマヤー!」

 

「綺麗」

 

「あれが打ち上げ花火」

 

やっぱりエルフナインの奴打ち上げ花火見るの初めてか

 

「へへ、お前も偶には良い事思いつくじゃねえか」

 

「偶にはは余計だクリス」

 

俺は打ち上げ花火を見ながらクリスにそう言った

 

「おーい!何処まで行くんだよ響!」

 

俺が外で買い出しに行った響と未来を待って居ると此処を通り過ぎて行く響が見えたので呼び止める

 

「湊君…あはは、気づかなかったよ」

 

響はそう言って以前プールの授業の時に見せた作り笑いをする

 

「何かあったのか?」

 

「ううん、何でもない「ダウトだ」え?私嘘なんて」

 

「ならその無理な作り笑いを辞めろ」

 

俺がそう言うと響は俯いたまま何も答えなくなる

 

「本当はね湊君の言った通り何も無いって言うのは嘘だよ、でもまだ心の整理がついてなくて「なら良い」え?」

 

「心の整理も付いてない事を聞くなんて事しない、だからお前は話せると思ったら話せば良い」

 

「うん、ありがとう」

 

響はそう言ってマリア達の居る場所に向かった




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96話

「勉強会?」

 

「そうデス!」

 

特訓から数日、リディアン学院の期末テストを1週間後に控えた昼休み、久しぶりに3人で昼食を食べて居ると切歌からそんな事を言われる

 

「勉強会か、て事はお前ら以外にも誰かいるのか?」

 

「うん、クラスの友達と勉強会をしようって話になったんだけど」

 

「私も調もそこまで頭が良い訳じゃないデスからね、助っ人として湊を収集しようと思ってるデスよ」

 

助っ人か

 

「わかった、場所は何処だ?」

 

「えっとデスね、一様私達の住んでるマンションの近くのファミレスでしようって事になってるデスよ」

 

「そうか、響と未来にも声掛けてみるか」

 

「響さんと未来さんも誘うの?」

 

俺の呟きに調がそう返して来る

 

「響は未来が居るから大丈夫なんじゃないかと思うけど念のためだ」

 

「わかった、皆んなに伝えておくね」

 

「さて、それじゃあ腹ごなしに軽く走るデスかね」

 

「そうだな」

 

切歌の意見に賛成して調は教室に俺と切歌は軽く走りに行った

 

「へー、勉強会か」

 

「ああ、それで響も誘おうと思ったんだが彼奴何処行ったんだ?」

 

放課後響と未来にその話をしようとしたが響が居なかった

 

「響は今日用事があるって言って終わったら直ぐに帰っちゃったよ」

 

「そうか、それでお前はどうする未来?」

 

「うーん、折角誘ってくれたのに悪いんだけど私も今日は用事があるんだ」

 

「別に気にするなよ用事じゃ仕方ないからな、それじゃあ俺も帰るな」

 

俺は未来にそう言って教室を出た

 

「さて、此処で合ってるよな?「おーい!湊!!」待たせて悪いな」

 

切歌の呼ぶ声が聞こえたのでそっちに向かって行くと切歌と調の他に2人の少女が居た

 

「全然です」

 

「私達も今着いた所ですから」

 

謝る俺に切歌と調の友達がそう答える

 

「そうか、自己紹介がまだだったな。「雪音湊先輩ですよね?」ああ、そうだが何で知ってるんだ?」

 

「そりゃそうですよ!リディアン音楽院初の男子生徒雪音湊、その存在を知らない生徒はリディアン音楽院に居ないと思いますよ。あ、私神無月春香って言います」

 

「鳩木佳奈子です。よろしくお願いします雪音先輩」

 

成る程、赤髪のポニーテールが神無月で、茶色の短髪が鳩木か

 

「よろしくな神無月、鳩木」

 

「「よろしくお願いします」」

 

「それじゃあ自己紹介も終わった事デスし勉強会を始めるデス!」

 

「皆んなで赤点回避頑張ろう」

 

「おー!!」

 

切歌と調の言葉に便乗してそう言う神無月

 

「なあ鳩木、彼奴ら成績そんなにやばいのか?」

 

「はい、すみません雪音先輩」

 

小声で話す俺と鳩木だが謝るって事は結構ヤバイって事か

 

「雪音先輩じゃ3年の雪音クリスと混ざるだろうし湊で良いぞ、俺もそう言う堅苦しいの苦手だし」

 

「そうですか、では湊さんと」

 

「ああ、それで良い。お前らやる気を出すのは良いが先ずはノートと教科書を出せ、わからない所は教えてやるから一先ず勉強を始めろ」

 

切歌達は俺の言葉を聞いて勉強を始めた

 

「今日は此処までにするか」

 

「「「疲れた(デス)」」」

 

「あの…湊さん、此処なのですが」

 

勉強会は終わった筈なのだが鳩木が問題を聞いてくる

 

「此処か?此処はだな…って勉強会は終わりだぞ鳩木」

 

「はい、ですが予習も必要なので」

 

「真面目だな鳩木は、わかった俺のアドレス教えとくからわからない所があれば何時でも電話して来い」

 

「はい、それと折り合ってお願いがありまして」

 

鳩木のお願い?

 

「何だ?」

 

「そのですね、湊さんのファンクラブを結成させて頂きたくて」

 

俺のファンクラブ?俺の聞き間違いか?

 

「悪い鳩木もう1度頼む」

 

「湊さんのファンクラブを結成したいんです」

 

どうやら聞き間違いじゃないらしい

 

「生徒会はその申請は受理したのか?」

 

クラブにはそのクラブの明確な活動内容を書いた申請書を提出し生徒会がそれを受理してもらわなければならないだが生徒会がファンクラブみたいな物を受理するように思えない

 

「はい、生徒会長と副会長も湊さんのファンクラブを影で結成しようとしていたらしいので、と言ってもこれを受理すれば正式な部として成り立つからでしょうが」

 

危ねぇ、生徒会長と副会長がそんな事企んでたなんて

 

「わかった、その代わり鳩木お前は定期的に活動内容を俺に報告しろ」

 

「分かりました。それと湊さんの迷惑にはならない様にします」

 

「ああ、そうしてくれ」

 

俺は定期的に鳩木が俺に主な活動内容を報告すると言う条件でファンクラブの結成を認めた(因みに会員番号の1番は切歌、2番は調だそうだ)




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97話

勉強会から数日、テストの1日目が終わり切歌達は鳩木の家で勉強会をすると言う事で俺はファミレスで勉強をして居ると1つ前のテーブルに見知った人物が座る

 

「お前響か?」

 

「湊君!?どうして此処に」

 

「俺は単に勉強だが?」

 

「ん?響の知り合いでも居るのか?」

 

俺がそう言うと1人の男性が振り返る

 

「……随分と歳の離れた兄…いや恋人か?」

 

此奴は前に父親は居ないと言って居たから兄か歳の離れた恋人なのかと思って居ると

 

「違うよ!お父さんだよ!!」

 

響はそう言って否定するが

 

「お前父親は居ないって言ってなかったか?」

 

「いやいや!そうだけど!恋人って!歳の差考えてよ!?」

 

「君、響の友達かい?」

 

俺と響がそう言い合って居ると響の父親はそう言って俺の席に来た

 

「はい、雪音湊です。響と同じリディアン音楽院に通っててクラスも同じです」

 

「そうか、良かったら相席どうだい?」

 

「それじゃあ、お言葉に甘えて」

 

そう言って俺は響の隣に座る

 

「前に月が落ちる落ちないの事件があっただろ」

 

フロンティア事変の事か

 

「あの時のニュース映像に映ってた女の子、そう言えば一瞬だけ君も映って居たね。その子がお前によく似ててな、以来お前の事が気になってな、もう1度やり直せないかって考えてたんだ」

 

「…やり直す…」

 

やり直す?どう言う事だ?

 

「あの…何かあったんですか?」

 

「そうか、君は知らないのか」

 

響の父親は話の内容が見えない俺に今に至るまでの経由を話した

 

(成る程な、要するに2年前のライブの後の響が1番辛い時にその状況に耐えきれずまだ中学の響達を捨てて逃げ出した臆病者って事か)

 

「勝手なのは分かってる、でもあの環境の中でやって行くのは俺には辛すぎたんだ。また皆んなで一緒に「テメェふざけてんじゃねえぞ!」どうしたんだい?」

 

思わず大声で怒鳴る

 

「此奴が!響が1番側に居て欲しい時に居てやらなくて今更父親ぶってんじゃねえよ!お前にわかんのか!自分が1番辛い時に一緒に居て欲しい時に家族が居なくなった辛さが!悲しみが!何も分かっちゃ居ねえだろ!」

 

「そうだよ…それに湊君の言う通り1番一緒に居て欲しい時に居なくなったのはお父さんじゃない…」

 

響の言葉を聞いて父親は一瞬表情を濁らせたが直ぐにそれは笑い顔に変わった

 

「やっぱ無理か、何とかなると思ったんだけどな、いい加減時間も経ってるし」

 

(此奴!!)

 

なんの悪びれも無くそう言った事に流石に頭に来て殴り掛かろうとする俺を響が止める

 

(本人が抑えてるんだ俺が何かするのは間違ってるな)

 

俺を止める響の手が震えて居る事に気付いた俺は殴り掛かろうとするのを辞めた

 

「覚えてるか響?どうしようもない事をどうにかやり過ごす魔法の言葉、小さい頃お父さんが教えただろ」

 

それを聞いた響が立ち上がるのと同時に俺も立ち上がる

 

「待ってくれ響「会計ならこれで済ませとけ、言っておくが今のお前が彼奴に会う資格は全くと言って良い程にない」そっそうか、済まないね」

 

少し睨みを聞かせてそう言うと響の父親はお礼を言って受け取る

 

「別に…」

 

俺はそう言って響の後を歩いて出た

 

「ごめんね湊君…そうだお金」

 

そう言って響は鞄を探る

 

「別に良い、お前が前にプールの授業で父親が居ないって言ってた意味がわかった」

 

「ありがとう…ねぇ、何であんな風に怒ってくれたの?」

 

響は立ち止まってそう聞いてくる

 

「俺がクリスを殺そうとしてた理由忘れたか?ま、彼奴はクリス以上に酷かったがな」

 

クリスにはちゃんとした謝罪の意が見られたが彼奴はそれどころか開き直って居た

 

「そう…だったね、湊君とクリスちゃんにも私と似た状況になってたんだよね」

 

「ああ、にしてもありがとな。お前が止めてくれなかったら俺彼奴の事殴ってた」

 

「あの…」

 

無意識のうちに俺は響の頭を撫でて居た

 

「悪い、葉月にやる感覚で遂な」

 

「ううん、別に嫌って訳じゃ無かったしむしろ…何でもない!…何考えてるんだろう私、昔お父さんにして貰ったみたいだったなんて…」

 

「彼奴にもそんな時があったんだな」

 

「え!?声に出てた!?」

 

気づいてなかったのかよ

 

「ああ、はっきりとな」

 

「あはは、ちょっと恥ずかしいなぁ、あのね…少しお願いがあるんだけど良いかな?」

 

響が頬を染めながらそう言う

 

「ま、俺にできる範囲ならな」

 

「そっそれじゃあ…ちょっとだけ向こう向いて動かないで居て」

 

「わかった」

 

そう言って俺は響に指示された方を向くと後ろから服を掴む感覚があった

 

「切歌ちゃんと調ちゃんに悪いなぁ」

 

「別に良いだろ、偶には貯めたのを出し切るのも大事だからな」

 

「うん…うん…」

 

俺がそう言うと響はその場で号泣しだした




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98話

「落ち着いたか?」

 

「うん…ごめんね、制服汚しちゃって」

 

「別に洗えば済む話だ。それに明日までには乾くだろ」

 

暫くすると響は落ち着き一先ず未来が待ってる2人の部屋まで送る事にした

 

「湊君あれって」

 

「切歌と調だな彼奴ら今日は鳩木の家で勉強会とか言ってたのにな」

 

そんな疑問を抱きながらも2人に近づく

 

「だー!苦いコーヒーを選んじゃったデスよ!「なら取り替えるか?」あっありがとうデス湊…湊!?何でこんな所に!?」

 

「それに響さんも珍しい組み合わせ…流石に響さんに手出ししたら未来さんに怒られるよ?」

 

俺も響に手出ししたら未来が怖そうだからしない

 

「ちっ違うよ!私はただ湊君に送って貰ってるだけで別にそう言うのじゃ…」

 

明らかに同様する響を見て切歌と調が鋭い目線を向けてくる

 

「まっ色々あってな、それでどれにするんだ?」

 

「まあ話は飲み物を飲みながらゆっくりするデス、ミルクティーでお願いするデス」

 

「ミルクティーな、ほれ」

 

俺はミルクティーを買って切歌に投げる

 

「おっとと、ありがとうデス。それで湊はどうして響さんと一緒に歩いて来たデス?」

 

「そう言えば湊はファミレスで勉強するんじゃ無かったっけ?」

 

「あはは、ちょっとナンパにあって…」

 

響が苦し紛れの嘘をつく

 

「響さんをナンパ…命知らずな奴も居たものデスね」

 

「同感、そんな事したら命が幾つあっても足りないのに」

 

お前らが未来の事をどう見てるかが分かったよ

 

「それで結局の所うわぁ!?」

 

切歌が再び問いかけようとした時に全員の携帯が鳴る

 

「「「司令(師匠)!!」」」

 

「何かあったのかステラ?」

 

それぞれ違う相手からの連絡だがそのまま続ける

 

『湊、そこの装者の数は?』

 

「俺と響、それから切歌と調の4人だ」

 

『たった今アルカノイズの反応を検知したわ、出現させて居るのはミカよ』

 

て事は今回の相手はミカか、エルフナインの話ではマリアがガリィを倒したから残りのオートスコアラーは3人、その内の1人はミカだが残りのオートスコアラーの容姿を俺は知らない

 

「わかった、場所は?」

 

『E-83にある地下80メートルの共同溝内部よ、近くにエントランスが見えるでしょ?そこから中に入ってアルカノイズの対処、可能ならばミカを撃ちなさい』

 

共同溝確か電気やガスなんかのライフラインをまとめて道路とかの地下に埋設するための設備だったな

 

「了解」

 

「きょうどうこう?」

 

「って何デス?」

 

俺がステラからの通信を切ると切歌と調がおっさんにそんな事を聞いて居る。共同溝って事は目的地は同じか

 

「後は着くまでに軽く説明してやるから行くぞ!」

 

「「了解(デス)」」

 

「よし、響お前は帰れ「私も行く!」今のお前が行っても足で跨いだ!良いから帰れ!」

 

俺は響にそう言って切歌と調に共同溝の事を説明しながらエントランスに向かう

 

「お前帰れって言っただろ」

 

「帰らない、私も戦う!」

 

「はぁ、良いが着いて来る以上俺の指示に従って貰うぞ」

 

〜Various shul shagana tron〜

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

〜Balwisyall nescell gungnir tron〜

 

俺は響にそう言って頷いたのを確認してから聖詠を行い共同溝に内部に入って行く

 

「おっ!来たな、悪いけど今はお前達の相手をして居る暇は「うおお!!」まだ全部言い終わって無いんだぞ!」

 

「戻れ響!!チッあのバカ」

 

俺の指示を聞かずに響はミカに突っ込んで行く

 

「ねぇ、響さん泣いてたけど私達と会う前に何があったの?」

 

「ああ、ちょっとファミレスで一悶着あってな、俺は響の支援に向かう!お前らはアルカノイズの対処をしろ!」

 

「「了解(デス)」」

 

アルカノイズを切歌と調に任せて響を追う

 

『湊あの子どうしたのよ!?これじゃあ共同溝の方が持たないわよ!』

 

「わかってる!さっきからずっと呼び戻そうともしてる!戻れ響!!」

 

「壊したのはお父さんの癖に!!お父さんの癖に!!」

 

(不味い彼奴やけになってやがる)

 

アルカノイズを倒して行く内に響の動きが止まる

 

「しょんぼり「良い加減にしろ!このバカがー!!」えー、これは流石に想定外だぞ」

 

まあ確かに想定外だわな、何せ目の前で自分の敵が仲間に思いっきり攻撃されたんだからな

 

「ちょっと頭冷やせ」

 

そう言って俺は響を切歌達の元に投げる

 

『何やってるの湊!!』

 

「今の彼奴にはあれが丁度良いんだ」

 

俺はそう言って通信を遮断する

 

「おっ!お前が相手してくれるのか!でも向こうは歌わないと死んじゃうぞ!」

 

「不味い!!逃げろ切歌!調!!」

 

俺の声に気づいた頃にはミカの片腕から放出された炎は切歌と響の目の前に迫って居たが調がそれを防ぐ

 

「今すぐ戻る!「大丈夫だから…湊は彼奴を!」わかった、無理はするなよイグナイトモジュール、抜剣」

 

俺はイグナイトモードに移行して炎を放出するミカ本体を攻撃する

 

「おっ!良いぞ良いぞ!ん?正論かもだけど…鼻につくぞ!」

 

独り言のような事を言ってミカは炎の威力を高める

 

「させっかよ!」

 

《紅蓮の銃口》

 

俺は調が防ぐ炎の間に割って入る

 

「おっ!中々やるな、でも今日は此処までだぞ」

 

その言葉を最後にミカはその場から姿を消した

 

「うっ、湊もっと優しくして欲しい」

 

「無茶した奴への罰だ、お前もだぞ切歌」

 

「う〜、今そこ触るのは反則デスよ」

 

ミカが姿を消した後共同溝から出て本部に向かい医務室にて切歌と調の治療を行なっている

 

「調が悪いんデス!」

 

「切ちゃんが無茶するからでしょ!」

 

「調が後先考えずに飛び出すからデス!」

 

「切ちゃんが私を足手まといに思ってるからでしょ!」

 

響の事が済んだと思ったら今度はお前らかよ

 

「なぁ調、お前は本当に切歌がお前を足手まといに思ってるってそう思うのか?」

 

「それは…」

 

「切歌、確かに後先考えずに飛び出した調も悪いかも知れない、でもお前が無茶した事を棚に上げてそれを言うのは間違って無いか?」

 

「うっ、確かにそうデス」

 

そう言って切歌と調は互いの顔を見ようとするが直ぐに互いから顔を逸らす

 

「お前らな…」

 

「わかってるデス、あの、調「ごめんね切ちゃん、今切ちゃんと話すと酷い事言っちゃいそうだから」そう…デスか」

 

「あの切歌ちゃん、調ちゃん」

 

3人で話して居ると響が入って来る

 

「起きたか響」

 

「うん、ついさっき「先に謝っとくぞ響」え?何…の事」パンッ

 

医務室の中に乾いた音が鳴り響いた

 

「響、俺は言ったよな?帰れって、今のお前が足手まといだって、それに俺の指示に従って貰う、そう言った時お前は頷いたよな?」

 

「うん…」

 

「それはまだ良い、俺が本当に腹が立ってるのは戦場に私情を持ち込んで1人で突っ走った挙句足手まといになった事だ!弱い癖に自分より格上の相手にそんな状態で勝てるわけないだろ!だから帰れって言ったんだ!こうなるのがわかってたから!」

 

「言い過ぎで「エルフナイン少し黙っててくれ俺は響と話してるんだ」はっはい」

 

「はっきりとこの際だから言わせて貰う、シンフォギアはお前の心を満たす為の道具じゃ無い!響…ガングニールがない事に気付かないか?」

 

俺がそう聞くと響はペンダントを探す

 

「無い」

 

「悪いがお前のガングニールは俺が持ってる」

 

「どう…して….」

 

「今のお前が持ってたら又いつ今回みたいな事が起こるかわかったもんじゃ無いからなしばらく預かる、ちょっと頭冷やせこのバカ。行くぞ切歌、調」

 

「「うん(わかったデス)」」

 

俺がそう言って医務室を出ると切歌と調も響の事を心配しながらも医務室を出る

 

「随分とキツイ言い方をしたものだな」

 

「聞いてたのかよ風鳴」

 

「ああ、盗み聞きはあまりしたく無かったがな。立花のガングニールは雪音弟が持つとして立花の穴は誰が埋めるんだ?」

 

風鳴が真剣な表情でそう聞いて来る

 

「俺が埋める、彼奴の1番必要な穴は誰にも埋められないだろうがな」

 

「確かにそうかも知れないな、伯父様には私から伝えておこう」

 

「ああ、頼む」

 

風鳴にそう言って俺達はマンションに帰った




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99話

〜切歌side〜

 

「うん、今から行くね」

 

マンションの部屋に帰って暫くするとリュックを背負い電話をして居る調が自分の部屋から出て来た

 

「何処に行くデスか調?」

 

「ごめんね切ちゃんに言ってなくて、切ちゃん今日から暫くの間佳奈子ちゃんの家にお泊まりに行って来るね」

 

「さいデスか…お泊まり!?ちょっと調どうしたデス急に!?」

 

あまりにも突然の事だったから思わず大声を出した

 

「切ちゃん私思うんだ、今切ちゃんと一緒に居たらさっきよりも酷い事言って今まで通りの私と切ちゃんに戻れないかなって、それなら暫く距離を置こうって」

 

「そうデスか…わかったデスお泊り楽しんで来て下さいデスよ調」

 

「うん、ありがとう切ちゃん。帰ったらまた一緒に出かけよう。湊も連れて」

 

「はいデス!いってらっしゃいデース!」

 

私は玄関先まで調を見送り中に入った

 

「さて、勉強の続きでもするデスか」

 

明日のテストの勉強を始めるが思ったように集中出来ない

 

「少し休憩するデスね、しら…そうでした調は今佳奈子の家でしたね」

 

何時も一緒に居る調が居ないそれだけで凄く不安になる

 

「もし…もし、ひぐっ、湊」

 

『いきなり電話して来たと思ったら泣いてるって何があったんだよ切歌』

 

結局不安になる一方で泣きながら湊に電話をかけた

 

「それが、ひぐっ、調が佳奈子の家にお泊まりに行って寂しいデスよ」

 

『子供かお前は…はぁ、ならこっちに来れば良いだろ』

 

「ありがとうデス」

 

『おう、早めに来いよ』

 

湊がそう言うと電話を切ると私は隣の湊の部屋に向かった

 

〜切歌side out〜

 

切歌からの電話を切って暫くするとインターホンが鳴る

 

「来たか切歌」

 

「お邪魔するデス」

 

そう言って切歌はリビングに向かう

 

「それにしても急な話だな、調が鳩木の家に泊まりに行くなんて」

 

俺はコップにジュースを注ぎそう言う

 

「ありがとうデス、何でも私と一緒に居たら酷い事言っちゃいそうなので暫く私と距離を置きたいらしいデス」

 

成る程な、調なりに考えた結果って事か

 

「それで、あんな広い空間に1人って凄い寂しく感じて」

 

「それで泣いて俺に電話をかけてきたと…本当子供だな」

 

「うう、だって寂しいものは寂しいデス」

 

ま、お前ら常に一緒に居るからな

 

「なら調が帰って来るまで俺の家に居るか?」

 

「良いんデスか!?」

 

「ああ、特別ダメな理由も無いしな。そろそろ夕飯の買い出しに行くがお前も来るか?」

 

「いや、私が此処に来た理由忘れたデスか?置いてくなんて考えが出るのがおかしいデスよ」

 

確かに言われてみればそうだな

 

「なら行くか」

 

「今日の夕飯は何デスか?」

 

「カレーかハンバーグで迷ってる」

 

夕飯のメニューを決めながら俺と切歌はスーパーに向かう




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100話

「こっこうデスか?」

 

「そんなもんだな」

 

夕食のメニューがカレーに決まり俺と切歌で夕食の準備をして居る

 

「ふー、料理って結構楽しい物デスね」

 

「そうかもな、それにしても急に料理を教えて欲しいなんてどうしたんだ?」

 

「前に調と湊が2人で料理してたのが少し恋人ぽくて羨ましかったんデスよ」

 

去年のクリスマスの時の事か

 

「それなら調に聞けば良かっただろ?」

 

「それが酷いんデスよ!それは私の特権って言って全然教えてくれないんデス!」

 

理由が無茶苦茶だな調の奴

 

「まあこの際俺が教えてやるよ」

 

「それは助かるデス、他の家事なら私にも出来るんデスけど料理はからっきし何で何時も調にばかり作って貰って悪い気がしてたんデスよ」

 

確かにマリアも作れない訳じゃ無いがマリアが遅くなる事もあると考えると必然的に先に家に居る切歌か調が作る必要があるからな

 

「調も今頃佳奈子の家で夕飯の準備の真っ最中デスかね?」

 

「流石にこの時間から作り始めるのは時間のかかる料理だからまだだろ」

 

「それもそうデスね」

 

俺と切歌がそう話して居る時、鳩木家では調が夕食を作って居た

 

「これで後は煮込んでルーを入れて出来上がりだな。それまではまた勉強をするぞ」

 

「そうデス湊、此処の問題を教えて欲しいデス」

 

「どれだ?」

 

俺と切歌はカレーを煮込んで居る間の勉強を始めた

 

〜調side〜

 

「くしゅん」

 

「どうしたの調ちゃん?」

 

「何だろ、誰かに噂されたのかな?…佳奈子ちゃんその緑の液体は何?」

 

「あ、これ?ゴーヤをミキサーで潰してみたんだけど美味しく出来たんだ「後は私に任せて佳奈子ちゃんはリビングに座って待ってて」うん、分かったよ。何か手伝える事があったら言ってね」

 

佳奈子ちゃんはそう言ってミキサーを置いてリビングに向かう

 

「う…これはゴーヤ以外にも絶対何か入ってる」

 

ミキサーの蓋を開けるとゴーヤの臭い以外にも甘い匂いがする

 

「まさか佳奈子ちゃんの料理が此処まで酷い何て、でもこの甘い匂いが何か気になるし…」

 

私は覚悟を決めてその液体をコップに注いで飲む

 

「!?ケホケホ、苦いのと甘いのの中に酸味があって…こんなの初めて…あの甘い臭いって蜂蜜だったんだ。酸味はみかんかな?」

 

若干涙目になりながらミキサーの蓋を閉じる

 

(これを美味しいって言う佳奈子ちゃんの味覚が心配になる)

 

「何でこんな事になったんだっけ?」

 

私は料理を作るまでに至る経由を思い返す

 

1、私が佳奈子の家に着く→2、勉強をして居ると佳奈子ちゃんのお父さんとお母さんが仕事の都合で今日は帰って来れないと佳奈子ちゃんに連絡が来た→3、何時もは料理の担当シェフが居るが今日はその人がお休みの為自分達で夕食を作る必要があると説明を受ける→4、調理を開始して佳奈子ちゃんの料理の腕が壊滅的だと知る(現在此処)うん、改めて理解するとどうすれば良いのかわからない

 

「取り敢えずこれは後でどうにかするとして…試しにもう一口」

 

興味本位で試しにもう一度飲んでみると今度は何の抵抗も無く飲めた。何だろ、美味しいって訳じゃ無いけど少し癖になる味だ

 

「兎に角また佳奈子ちゃんが手伝いたいみたいな事を言い出す前に完成させないと」

 

そうしないと私の寿命が縮む気がする。そんな感覚になりながら私は料理を再開し佳奈子ちゃんが手伝いに来る前に料理を完成させる事が出来た

 

「凄く美味しいよ調ちゃん」

 

「うん、ありがとう…そう言えばあのミキサーの中にゴーヤ以外にも何か入れた?」

 

「えっとね、蜂蜜とみかんだよ」

 

やっぱりその2つも入ってたんだ

 

「そっか…佳奈子ちゃん今のまままで料理の経験は?」

 

「えっと…小学校の家庭科で調理実習をして家でも試しに2、3回作ってみただけだよ」

 

(少しは料理の経験があるなら何でその3つを混ぜたんだろ?)

 

「でもね、ミキサーを使ってジュースを作るのは初めてでね!初めての割には上手に出来たと思うんだけどどうだった?」

 

「うん…美味しかったよ」

 

「良かった」

 

そう言って満面の笑みで食事をする佳奈子ちゃんを見てると正直微妙だったとは言えない私だった

 

「ん〜!今日は此処までにしない?」

 

「そうだね、ちょっと待って」

 

夜も遅くなったので勉強を終了させて携帯で湊にあるメールを送る

 

「お待たせ」

 

「ううん、それじゃあお休み調ちゃん」

 

「うん、お休み佳奈子ちゃん」

 

私は同じ布団の中で寝て居る佳奈子ちゃんにそう言って眠りに着いた

 

〜調side out〜

 

「湊、切歌貴方達明日も学校でしょ?そろそろ寝ないと起きれないわよ」

 

マリアにそう言われて時計を確認すると既に11時を過ぎていた

 

「もうこんな時間だったのか」

 

「全然気づかなかったデスね、あっ私お風呂まだだったデス」

 

「そう言や俺もまだだったな、ん?メール?相手は調か…は?」

 

俺は調から送られて来たメールの内容に目を凝らしてもう一度見る

 

『ゴーヤと蜂蜜とみかんの組み合わせって合うと思う?』

 

「何だその組み合わせ?」

 

「どうかしたの?…これは異様な組み合わせね」

 

マリアはその組み合わせは無いと言った表情をしてそう言う

 

「だよな…」

 

『合う訳ないだろ』

 

俺は調にそう返事を返して携帯を閉じた




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101話

「それで調と仲直りは出来そうか?」

 

『はい…何とか今日一緒に帰る約束と買い物の約束をして来たデスよ』

 

期末テスト最終日、切歌と電話越しにそんな話をする

 

「本当に良いのか?俺も居なくて?」

 

『湊が居てくれれば助かるデス、でもこれは私と調の2人で解決しなくちゃいけない問題デス、だから湊は待ってて下さい。私が調と2人で湊の元に帰るのを』

 

「わかった」

 

そう言って電話を切る

 

「切歌ちゃんと調ちゃん何て言ってた?」

 

自分のせいで喧嘩した2人を気にかけて居た響がそう聞いてくる

 

「何とか約束を取り付けただとさ、あの2人の事だちゃんと仲直りして帰ってくるだろうな」

 

「そうだよね…そう言えば今日は未来達とカラオケに行くつもり何だけど湊君はどうする?」

 

「遠慮しとく」

 

そう言って教室を出る

 

「ま、念のためにな」

 

俺は切歌と調の2人を見つけ尾行を始める

 

〜切歌side〜

 

「沢山買ったデスね、こうして2人で出かけるのも何だか凄く久しぶりに感じるデスね」

 

「そうだね、たった3日一緒に居なかっただけなのにね」

 

買い物を終え調と2人で湊の待ってるマンションに話しながら帰る

 

「調ちょっとそこの公園に寄ってかないデスか?」

 

「別に良いけどどうかしたの?」

 

私はこの間の事を謝る為に近くの公園に寄る事を提案すると調はその提案を受け入れてくれた

 

「調その…この間はごめんデスよ。でも決して私は調を足手まとい扱いになんて「うん、分かってるよ切ちゃん」え?」

 

「私も分かってた、切ちゃんが私を足手まといだなんて思ってないって、私もごめんねあんな事言っちゃって」

 

「もう過ぎた事デスから気にしてない!?何事デスか!?」

 

私と調が話して居ると大きな爆発音が聞こえた

 

「これって」

 

「彼奴の仕業デス、私達をいえ恐らく湊を焚きつけるつもりデス」

 

湊は良く私達と行動を共にして居るきっと彼奴はそれを見込んであんな事をして居るに違いないデス

 

「どうする切ちゃん此処には湊は…切歌ちゃんあれって」

 

「湊デス!」

 

そこにはイグナイトモードに移行して空を飛び移動する湊の姿があった。でもどうして…まさか私達が心配でずっと私達を着けてたデス?

 

「行こう切ちゃん「ちょっと待って欲しいデス」何?」

 

「この間の件デス、あれは調が大好きだからデスよ、それに皆んなが湊が私達を怒るのはそれだけ私や調を大切に思ってくれて居るからなんデス、いつか湊が言ってたデス怒られてる内はその人の事を大切に思って居るって、本当にどうでも良い人の事なんてそれこそ特別な理由がない限り怒らないデス」

 

私と調が勝手な事をしてマムに怒られた事があった。怒られた後湊が教えてくれたマムは私や調の事が大切だから怒るんだって

 

「そうだったんだ…私勝手に勘違いしてたんだね、ありがとう切ちゃん」

 

「それじゃあ湊と一緒にチャチャっと終わらせて今日はテストのお疲れ様会で豪華に行くデス」

 

「そうだね切ちゃん」

 

「「イグナイトモジュール、抜剣(デス)」」

 

私と調はイグナイトモジュールを起動させる

 

「後で湊にも皆んなにも謝るデスよ」

 

「うん、その為に強くなるんだ!」

 

私と調はイグナイトモードへの移行を成功させて湊の向かった神社に向かう

 

〜切歌side out〜




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102話

俺が神社に着くとミカの姿がいつもと違った

 

「お!来たぞ!来たぞ!当たりが来たぞ!ん?あのじゃりんこ共は一緒じゃないのか?」

 

「悪いな彼奴らは大事な用事の最中だ」

 

「ま、私はお前を焚きつければそれで良かったぞ」

 

やっぱり俺を焚きつける為にやってたのか

 

「今回はお前を潰すつもりで行くから覚悟するんだぞ!」

 

ミカがそう言って攻め込んで来る

 

「そう焦んなよ、せっかちな奴は損するだけだぞ!」

 

《紅炎華》

 

「そりゃ!こんなもんか?」

 

腕から生成したクリスタルを回転させて攻撃を防ぎながらそう言うミカに俺も追撃をする

 

「何のまだまだ始まったばかりだぞ」

 

《紅蓮の銃口》

 

「そりゃー!」

 

俺の攻撃に対しミカは自分の腕から炎を出して対抗する

 

「くっ!」

 

「こんなもんか?こっちはもっと出力を上げれるぞ!」

 

そう言ってミカは炎の出力を上げる

 

「湊一気に出力上げて!」

 

「調!わかった!」

 

《α式 百輪廻》

 

調がミカを攻撃して炎の出力が弱まった所で一気に出力を上げて押す

 

「おっと、流石にちょっと危なかったぞ」

 

「チッ!避けたか」

 

「湊支援に来たデス」

 

「遅れてごめん、でももう大丈夫」

 

此奴らが一緒に来たって事は本当に大丈夫なんだろうな

 

「お!じゃりんこ共も来たのか?また面白くなるぞ!」

 

「調は俺の合図があるまで支援、切歌は俺と積極的に攻めるぞ」

 

「「了解(デス)」」

 

調を支援に回させ俺と切歌でミカの攻撃を迎え撃つ

 

「それ!それ!それー!」

 

「そんな攻撃効くもんかデス」

 

ミカの飛ばすクリスタルを切歌がなぎ払う

 

「はあ!」

 

俺は炎をムチのように伸ばしミカに巻き付ける

 

「こんなんじゃ私の動きは止められないぞ!」

 

「一瞬でも止まれば上出来だ、切歌!」

 

「ナイスデス湊!」

 

《切・呪リeッTぉ》

 

切歌がアームドギアの刃を3つに分裂させブーメランの様にしてミカに飛ばす

 

「んー!はあ!」

 

ミカは力尽くで拘束して居たムチをちぎり切歌の攻撃をかわす

 

「外したデスか」

 

「そう簡単には終わらせられないのは分かってたが此処までとはな」

 

「もう手数が尽きたのか「私も居る」勿論忘れてないぞ!」

 

ミカはそう言って調に向かって炎を放つ

 

「調!こっちだ!」

 

「うん!」

 

《β式 獄糸乱舞》

 

調はヨーヨーの糸を俺が伸ばした炎のムチに絡め糸を縮めて攻撃をかわす

 

「ありがとう」

 

「気にすんな、そろそろ仕上げるぞ!」

 

「「了解(デス)」」

 

俺は切歌と調と別行動をして単独でミカに攻撃を仕掛ける

 

「闇雲に逃げてたらじり貧だぞ」

 

(闇雲に逃げてる訳じゃないけどな)

 

あれから少し経ち神社の周りにはミカの作り出した巨大なクリスタルが数本立って居る

 

「追い詰めたぞ」

 

「追い詰められたのはお前デス!」

 

ミカの作り出したクリスタルを蹴って現れた切歌は両肩から放つロープでミカを絡めとり、地面に固定し同時に切歌のアンカーを調のギアと接続する

 

「まさかこれを狙って!」

 

「今更気づいても遅いんだよ!」

 

俺はミカの作り出したクリスタルの上に乗る

 

「「これで終わり(デス)!」」

 

《禁殺邪輪 Zあ破刃エクLィプssSS》

 

「こっちの気も知らねえで」

 

「偶には指示に従ったらどうだ?」

 

無事ミカを倒した後切歌と調がおっさんとクリスから注意を受けている

 

「ずるいデスよ、湊だけ」

 

「同感」

 

切歌と調が説教を受けて居るのに俺が注意を受けない理由それは

 

「湊君にはこちらから対処に当たる様に指示を出したからな」

 

「そう言うこった」

 

俺がおっさんの指示に従って対処に当たったからだ

 

「独断が過ぎました」

 

「これからは気をつけるデス」

 

切歌と調がそう言うとおっさんとクリスは驚いた顔をする

 

「珍しくしおらしいな」

 

「私達が背伸びしないで出来るのは受け止めて受け入れる事」

 

「だからごめんなさいデス」

 

そう言って2人で頭を下げる

 

「ま、それがわかっただけでも進歩なんじゃないのか?」

 

「そうだな、今回の件だが君にも言える事だ。それは理解して居るな湊君」

 

「ぼちぼちだな。帰るぞ切歌、調」

 

「「うん(はいデス)」」

 

切歌と調はもう一度2人に頭を下げて走って俺の後を追って来た




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103話

「電力の優先供給地点になります」

 

テストが終わった翌日俺や切歌達は本部に集められて居た

 

「こんなにあるデスか」

 

「その中でも一際目立ってるのが」

 

「深淵の竜宮か」

 

俺がそう呟くとおっさんが頷く

 

「ああ、異端技術に関連した危険物や未解決品を封印した絶対禁句、我々にも詳細な情報が伏せられている拠点中の拠点」

 

「オートスコアラーがその位置を割り出して居たとなると」

 

「狙いはそこにある危険物」

 

「だったら簡単だ!先回りして迎え撃つだけの事」

 

「ああ、そうだな…狙われる場所が1つだけならな」

 

俺がそう言うとおっさんは第2の襲撃予測地点を明らかにした

 

「此処は!?」

 

「知ってるのか風鳴?」

 

「ああ」

 

俺がそう聞くと風鳴は頷く

 

「気になる出来事があったので調査部で独自に動いてみました。報告によりますと事故や事件による神社や祠の損害が頻発して居まして、いずれも霊的防衛機能を支えて居た琉脈、霊ラインのコントロールを担って居た要所になります」

 

「錬金術と霊ライン、敵の計画の一環と見て間違いないだろう」

 

「風鳴の屋敷にはかなめ石がある。狙われる道理はあると言う訳か」

 

響の抜けてる今が相手にとっての好機って事か

 

「なあ湊、あのバカにガングニールを返す訳には行かねえのかよ」

 

「安心しろ、今日返すつもりだが…響は検査入院もあってもう暫く戦闘に出すのは無理だろうな」

 

「ああ、まだ響君は出せない」

 

やっぱりか

 

「皆さん…キャロルの怨念を止めて下さい」

 

エルフナインの言葉に全員が頷く

 

「よし!チームを編成するぞ!」

 

チーム編成の結果、マリアと風鳴が風鳴の屋敷に、クリスそれから切歌に調が深淵の竜宮に向かう事になり俺は特に指示が出されなかったので

 

「此処が深淵の竜宮か」

 

先に深淵の竜宮に入り込んで居た

 

「結構広いんだな…ん?」

 

中に入って暫くすると向こうにキャロルの姿が見えた

 

「おっさん俺だ…」

 

『湊君どうかしたか?』

 

「深淵の竜宮にキャロルが侵入して来て居る」

 

『何だと!?此方でも確認した』

 

おっさんもセキュリティでキャロルと1人のオートスコアラーついでに俺の侵入も確認したらしい

 

『後で始末書を…嫌、今回ばかりは目を瞑ろうお陰で彼女達の侵入にいち早く気づけたんだからな』

 

「寛大な事で」

 

『今からクリス君達も向かわせる。湊君はそのまま追跡を続けてくれ』

 

「わかった」

 

俺はおっさんの言葉にそう返してキャロルの追跡を続ける

 

(キャロルの目的は世界の破壊、だとするなら此処にそれに類する聖遺物、或いは危険物が収納されて居るに違いないだろうな。待てよ、確かエルフナインがチフォージュ・シャトーは巨大装置だって言ってたな、不味いなら彼奴らの狙ってるのは!?)

 

「おっさん、ヤントラ・サルヴァスパって情報集積体が保管されてないか至急調べてくれ」

 

俺はキャロル達に気づかれないくらいの声でそう言う

 

『湊君何だそれは?』

 

『湊さん!もしそれが保管されて居るとしたら!』

 

エルフナインはヤントラ・サルヴァスパを知って居るのか

 

「エルフナイン説明頼む、兎に角直ぐに調べてくれ」

 

『ああ、わかった』

 

あれがキャロルの手に渡ったら完全にチフォージュ・シャトーが完成する

 

『湊君エルフナイン君から聞いた。それは此処に保管されて居る。今から場所のデータを「悪い向こうがそんな暇与えてくんないらしい」気づかれたか、クリス君達が到着するまで何としてでも耐えろ!』

 

「無茶が過ぎるぜおっさん」

 

そう言った俺の目の前にはキャロルとオートスコアラーが居る




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104話

「敵を前にして通信とは余裕そうだな雪音湊」

 

「冗談キツイぜお前と戦闘だってのに通信なんてやってらんねぇよ」

 

俺はキャロルにそう言って通信を切る

 

「レイアお前は例の物を探せ此奴は俺が相手をする」

 

「分かりました」

 

レイアと呼ばれたオートスコアラーはそう言って奥に進んで行く

 

「一様聞くがお前の狙いはヤントラ・サルヴァスパで間違いないか」

 

「だとしたらどうする?」

 

「絶対に止める!マムが残してくれたこの世界を破壊させてたまるか!」

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

「イグナイトモジュール、抜剣」

 

俺がカマエルを纏いイグナイトモードに移行するとキャロルもダウルダブラを纏う

 

「やはりお前は彼奴とは違うな、むしろ俺好みの性格をして居る」

 

「そりゃどうも、と言っても敵に言われてもあんま嬉しくないけどな!」

 

《紅炎華》

 

「ふっ!」

 

キャロルは俺の攻撃を弦の様な元を束ね盾を作り出し防ぐ

 

「これならどうだ!」

 

《紅蓮の銃口》

 

「こんなものか」

 

キャロルは錬金術を使って防ぎそのまま攻撃を仕掛けてくる

 

「まさかまだまだこっからだ」

 

「マスター」

 

俺がキャロルとの距離を取った所でオートスコアラーが杖を持って戻って来る

 

「良くやった、どうやらお前は此処までの様だな」

 

「あ?何を…根拠…に」

 

キャロルがその杖を起動させると目眩がした

 

「どうやら効いている様だな、良い事を教えてやろうこの杖はアステカの杖、個人によって違うが一定の周波数を出し相手を催眠状態にし自在に操れる完全聖遺物だ」

 

「催眠…状態…」

 

「ああ、これから俺達に協力して貰うぞ雪音湊」

 

薄れ行く意識の中で俺が最後に目にしたのはそう言って不適に笑うキャロルだった

 

〜エルフナインside〜

 

『此処だマスター』

 

『そうか、見張っていろ』

 

『了解』

 

「やられました、ヤントラ・サルヴァスパは二の次、キャロルの本当の狙いはアステカの杖を入手して湊さんを自分達の味方につける事だったなんて」

 

僕はセキュリティの映像に映るキャロルをヤントラ・サルヴァスパの保管されて居る場所に送る湊さんを見てそう言う

 

「エルフナイン君、アステカの杖とはどう言った物なんだ?」

 

「アステカの杖、個人に違いはありますが一定の周波数を出して相手を催眠状態にして自在に操る聖遺物です」

 

僕は風鳴司令の質問にそう答える

 

「成る程な、しかも今深淵の竜宮に向かったクリス君は兎も角、切歌君と調君に湊君を攻撃するなんて事は出来ない」

 

「それだけではありません、湊さんは何かと聖遺物にも詳しいです。恐らくキャロルは湊さんの知識を使ってチフォージュ・シャトーをより早く完成させるのが目的でしょう」

 

考えゆるキャロルの思惑を僕は風鳴司令に伝える

 

「状況は最悪だ、ヤントラ・サルヴァスパの位置データは既に湊君の端末に送られている。そして湊君は今彼女の言いなりだ。彼女の命令1つで強大な敵となってクリス君達の前に現れるだろう」

 

「そうですね、催眠を解くにはもう1度キャロルが湊さんにアステカの杖を使わなければなりませんし」

 

(アステカの杖の出す周波数は個人によって変わるそして催眠状態は同じ周波数の物でしか解けない。だからキャロルがもう1度湊さんにアステカの杖を使用すれば湊さんは元に戻る、でもキャロルが湊さんの催眠状態を解くとは思えない。どうか気をつけて下さいクリスさん、切歌さん、調さん)

 

僕は深淵の竜宮に向かったクリスさん達の無事を祈った

 

〜エルフナインside out〜

 

「湊!無事だったんだな!」

 

マスターとレイアを待って居ると見知らぬ女性が俺の名前を呼ぶ

 

「誰だお前?」

 

「何言ってるデスか湊、クリスさんデスよ」

 

「湊こんな時にそんな冗談は要らない」

 

そう言ってまた二人来るが此奴らも知らない

 

「んな事言われてもなぁ「どうかしたか湊」マスター、ヤントラ・サルヴァスパ見つかったんだな」

 

「ああ、客人か…もてなしてやれ湊、レイア」

 

「「了解」」

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺がカマエルを纏いレイアと共にマスターの前に立つとさっきまで俺の名前を呼んで居た3人が顔を歪める

 

「湊…お前」

 

「悪いが同名の人違いだ俺はお前ら全員と初対面だ」

 

「んな訳ねぇだろ!あたしはお前の姉貴なんだからよ!」

 

「妄想も大概にしやがれ、俺はお前を知らない分かるか?」

 

俺はそう言って白髪に銃口を向ける

 

「湊、お前の相手はあっちの2人だそいつはレイアが相手をする」

 

「わかった、て事でよろしくなチビ2人組」

 

「湊…本当に…本当にどうしちゃったんデスか!」

 

「私達がわからないの!」

 

未だに状況が理解し切れて居ないチビ2人

 

「お前達が誰かなんてどうでも良い、マスターの敵は全て討つ」

 

《豪炎天界》

 

「くっ!止めるデス湊!私は…私は湊と戦いたくなんかないデス!」

 

「お願い湊!目を覚まして!」

 

攻撃を避けるばかりで攻めてこない2人、そろそろ飽きて来たな

 

「はぁ、オートスコアラーの1人はこんな出来損ないに負けたのか、興醒めだ」

 

俺はそう言ってアルカノイズを出現させる

 

「湊テメエ!!「よそ見をして居る暇があるのか」くそ!」

 

「マスター、ヤントラ・サルヴァスパは無事なのか?」

 

「ああ」

 

そう聞くと防御壁を張って居るマスターが頷く

 

「湊に何をしたの!!」

 

《α式 百輪廻》

 

「はぁ…」

 

《紅炎華》

 

俺はため息を吐きながらマスターにたどり着く前に全て撃ち落とす

 

「さっさと目ぇ覚ましやがれこのバカ弟が!!」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

「マスター、ちょっと失礼するぞ」

 

レイアが追尾式の小型ミサイルを撃ち落として居る途中、防御壁が解除されるギリギリの所で俺はマスターを抱えて残った追尾式の小型ミサイルを避ける

 

「降ろせ湊!」

 

マスターがそう言って暴れたので直ぐに降ろす

 

「別に良いだろ、減るもんじゃねぇしよ」

 

「調…デスよ」

 

「私…ちゃん」

 

向こうのチビ2人が何かブツブツ話して居るのが聞こえるが声が小さくて殆ど聞こえない

 

「そう言やあのミサイル爆発しないな」

 

「ヒヒヒ、久方ぶりの聖遺物、その味は甘くとろけて癖になる」

 

俺がミサイルの飛んで行った方向を見ると

 

「嘘…」

 

「嘘デスよ…」

 

「嘘な物か…僕こそが真実の人!!ドクターウェル!!」

 

そこには変色した腕から聖遺物を体内に取り込む片腕の無いおっさんが居た




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105話

「だって、彼奴が居なくなればlinkerは」

 

「そうとも僕に何かあればlinkerは永遠に失われてしまうぞ!」

 

いきなり出て来てどんどん話を進めて行く男に流石に我慢出来なくなって来た

 

「マスター…彼奴見てるとなんかイライラするんだが殺して良いか」

 

「ダメだ、面倒事を増やすのは許可できん」

 

銃口を向けながら質問する俺にマスターはそう返す

 

「仕方ない、彼奴らで気晴らしでも…何だ?」

 

俺がチビ2人と再度戦闘を行おうとした時カマエルのギアが解除された

 

「歌が響いてない…チッ、どうするマスター?」

 

「そうだな…良い機会だ湊これを使いこなして見せろ」

 

マスターがそう言って異空間からある物を取り出した

 

「ファウストローブ:ダウルダブラ」

 

「違うな、そいつはファウストローブ:エクリプス起源がダウルダブラと同じな為に共鳴し合い同時に使用する事で本来以上の力を発揮出来る。俺がお前でも使える様にして置いた。お前には此奴を使いこなして貰う。カマエルはその辺りにでも捨てておけ」

 

「了解マスター」

 

俺はカマエルのペンダントを取り投げ捨て(それは黒髪がキャッチする)エクリプスを起動させる

 

「これがエクリプス」

 

「そいつで気晴らしとやらに行って来い」

 

「ならありがたく使わせて貰うぜマスター」

 

起源がダウルダブラと同じと言うだけあって武器は弦らしい

 

「そらよ!」

 

手始めに弦で槍を生成し金髪に突っ込む

 

「甘いデス!「反応が遅えよ」ぐっ!」

 

攻撃を避ける金髪に蹴りを入れると壁の辺りにまで吹っ飛ぶ

 

「切歌!テメエ!」

 

《MEGA DETH FUGA》

 

白髪は背部に形成した固定式射出器から大型ミサイルを2基発射した

 

「おっと、此奴は返すぜ!」

 

俺は弦をミサイルに巻き付け投げ返す

 

「嘘だろ!?」

 

「させない!」

 

《α式 百輪廻》

 

黒髪が無数の歯車を出してクリスに当たる前にミサイルを破壊する

 

「湊マスターからの指示だお前は下がれ」

 

「わかったよ、でも今の感じだとあの白髪かなり頭に血が登ってるみたいだな」

 

「ああ、直ぐに自滅してくれるだろう」

 

レイアはそう言って白髪の方に向かって行く

 

「まずまずと言った所だな、それはお前に預ける」

 

「あんがとよ、にしてもあんな無茶苦茶に撃ってたら当たるもんも当たらねぇな」

 

案の定流れ弾が味方の筈の黒髪に向かって行く

 

「頃合いだな、湊」

 

「了解マスター」

 

俺は地面に穴を開ける

 

「マスター!!」

 

俺は降下中に意識を失ったマスターを抱える

 

「拒絶反応か…マスターが起きるまでお前が抱えて居ろ」

 

「ああ、わかった」

 

レイアに言われた通り俺はマスターを抱えたまま降下を続けた

 

「は、俺は落ちて居たのか「良かったマスター気がついたんだな」湊…一先ず下ろしてくれ」

 

ある程度降下した所で止まり暫くするとマスターの目が覚めた

 

「レイアから聞いた、拒絶反応って言うらしいな。それとヤントラ・サルヴァスパだが」

 

俺はマスターの持って居たヤントラ・サルヴァスパが降下中に意識を失った時にマスターから手離してしまい紛失した事を話す

 

「そうか…お前が気に病む必要は無い、知って居るぞドクターウェル、フロンティア事変の関係者の1人そんなお前が何故此処に?」

 

「我が身かわいさの連中がフロンティア事変も僕の活躍もよってたかって無かった事にしてくれた人権も存在も失った僕は回収されたネフィリムの一部として放り込まれて居たのさ!」

 

ウェルは変色した腕をこちらに向けてそう言う

 

「それがネフィリムそう言う事か…ネフィリムには暴食って言う聖遺物を喰らって力を増大させる特性があるイチイバルのミサイルを喰らったのか」

 

「何を今更、貴方もフロンティア事変の関係者じゃないですか雪音湊さん」

 

俺がフロンティア事変の関係者?

 

「何の話だ」

 

「忘れたとは言わせませんよ?僕の片腕が無い理由それは貴方がカマエルで撃ったからなんですからね」

 

俺と此奴は面識があるのか?

 

「今はそんな事どうでも良いだろ、それにしても面白い男だ着いて来い」

 

「此処から僕を連れ出すつもりかい?だったら騒乱の只中に案内してくれ」

 

「騒乱の只中?」

 

「英雄の立つ所だ」

 

ウェルがそう言うとマスターは手を差し出す

 

「ネフィリムの左腕その力の詳細は追っ手を巻きつつ聞かせてもらおう」

 

マスターはウェルと握手を交わしながらそう言った

 

〜切歌side〜

 

「全く何なんだよ彼奴!!」

 

「落ち着くデスよクリスさん」

 

「一先ず司令と連絡を取らないと」

 

調の言葉で私達はモニタールームに向かう

 

『聞こえるかお前達』

 

「聞こえるデス」

 

「司令湊に何があったの?」

 

『実はな…』

 

司令から話された内容は湊が聖遺物で操られて居る事だった

 

「そんな!それじゃあ彼奴は!!」

 

『キャロルがもう1度アステカの杖を湊君に使わない限り元に戻らないと言う事だ』

 

「何なんだよ…彼奴が何やったって言うんだよ!!ちょっと前まで私が彼奴を苦しめて…今度は自分で自分を苦しめて…本当ふざ…けんなよ…」

 

クリスさんが泣きながら悔しそうにそう言う

 

「そのアステカの杖って何処にあるデスか?」

 

『アステカの杖は現在第4保管庫に保管されて居る』

 

第4保管庫…此処の直ぐ近くデスね

 

「ちょっくら取ってくるデス」

 

「切ちゃん私も」

 

そう言って私がモニタールームを出ると調もモニタールームから出て来た

 

「これがアステカの杖デスかね?」

 

「杖ならこっちにもあるよ切ちゃん」

 

「うーん、どっちデスかね…そうデス!調!!」

 

私はある事を試したくて調を呼ぶ

 

「何切ちゃん?「調ごめんデス」きゃ!」

 

私は謝って杖を調に使う

 

「調?」

 

「何切ちゃん?」

 

「うーんと…あ、調昨日の私のプリン食べたのって調デスか?」

 

私は試しに結局誰が食べたのかわからなかったプリンを食べたのは調なのか聞いてみる

 

「ううん、葉月ちゃんだよ、私が見た時には食べちゃってて、でも葉月ちゃんも切ちゃんに嫌われたく無いだろうから言えなかった」

 

ほーう、私のプリンを食べたのは葉月ちゃんだったデスか本物はこれですね

 

「ありがとうデス調」

 

「…あれ?私何してたんだろ?」

 

「ああ、調これがアステカの杖デスよ、今試しに調を催眠状態にして私の無くなったプリンの事聞いたので間違いないデス」

 

「そう何だ…切ちゃん葉月ちゃんの事怒らないであげてね」

 

「そんな程度じゃ怒らないデスよ」

 

私は調と一緒にアステカの杖を持ってモニタールームに戻った

 

「お前ら何やってたんだよ」

 

「切ちゃんにアステカの杖を使われてた」

 

「おま!?なんて事してんだよ!」

 

「ごっごめんなさいデスクリスさん…私も調もアステカの杖がどれか分からなくてつい試しに…」

 

私は正直にクリスさんに話す

 

「全く、そんでそんなもん持って来てどうするつもりなんだ?」

 

「司令に聞きたい事があるデス、前に数百億人に1人の確率で指紋が一致するなんて話を聞いた事があるんデスけど個人で違う周波数にも同じ事って言えるデスか?」

 

『確かに指紋に関して言えばそうかも知れないが…ん?指紋…それに個人によって違う周波数…まさか!切歌君アステカの杖をこちらに持って来れないか今から上層部に『アステカの杖なら持って出て良いわよ』何!?』

 

『深淵の竜宮を管理してるのはアリアのお父さんのオーグ・ツーヴェルクなの今の湊の現状を話したら余裕で許可が取れたわ』

 

うわぁ、案外あっさり許可が出たデスね

 

「ならそうさせて貰うデス」

 

その後も司令とクリスさんの話は続居た

 

〜切歌side out〜




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106話

「此処までよ!キャロル!ドクター!」

 

「さっきみたいには行くもんかデス!」

 

「だが既にシャトーに必要な最後のパーツは入手して居る」

 

マスターはそう言ってアルカノイズを出現させる

 

「子供に好かれる英雄ってのも悪く無いが「誰がお前なんか!それなら私には湊の方がよっぽど英雄に見えるデス!!」ヒハハ!彼奴の何処が英雄だ!」

 

「お前みたいなクソ野郎よりかはよっぽどマシデス!」

 

そう言ってシンフォギアを纏いアルカノイズとの戦闘に入る

 

「湊お前は出るなレイア」

 

「はい」

 

レイアは前に出て白髪の相手をしに向かう

 

「後は私と間もなく到着する妹で対処します」

 

「オートスコアラーの務めを」

 

「派手に果たして見せましょう」

 

レイアがそう言うとマスターはアルカノイズの時と違う小さな結晶を地面に落とす

 

「バハハイ」

 

「待ちやがれ!」

 

突っ込んで来る白髪をレイアが対処して居る内に何処かに転移させられた

 

「此処は…「チフォージュ・シャトーの内部だ」此処がチフォージュ・シャトーマスターそれで俺は何をすれば良いんだ?」

 

「お前の出番はもう少し先だ、ドクターウェル」

 

ウェルは中央の水晶のある装置にネフィリムの左腕を添える

 

「ワールドデストラクターシステムセットアップ、シャトーの全システムをオートドライブモードに固定。見たか!ネフィリムの左腕!僕と繋がった聖遺物は全て意のままに動くのだ!」

 

「オートスコアラーによって呪われた旋律は全て揃った、これで世界はバラバラに噛み砕かれる」

 

マスターがそう言うとウェルの動きが止まる 

 

「あ?世界を噛み砕く?」

 

「父親に託された名大だ…わかってるわ、だから世界をバラバラにするの!解剖し分析すれば万障の全てが理解できるわ」

 

マスターは子供の様な目をしてそう言う

 

「つまりは思考の英知、ならばレディはその地を持って何を求める?」

 

「何もしない、父親に託された名大とは世界を解き明かす事それ以上も以下もない」

 

「NO、レディーに夢はないのか?英雄とは悪なき夢を見、誰かに夢を見せる物!隠された物で満足してたらその天辺もたかがしれ「マスターの侮辱はそこまでにして貰おうかウェル」ぐっ!」

 

俺はエクリプスの弦で生成した槍でウェルの腹部を刺し蹴り飛ばす

 

「既にシャトーは起動し、世界分解のプログラムは自立制御されて居る。ご苦労だったなドクターウェル、世界の夜明けは俺と湊で出頭しよう」

 

そう言ってマスターがダウルダブラを振りかざすとそれが当たる前にウェルはシャトーの下層に落ちていった

 

「うっ、「大丈夫かマスター?」ああ、立ち止まれる物か計画の障害は例外なく排除するのだ」

 

胸を押さえながらそう言ってマスターは1つのビジョンを映す

 

「此奴を潰すのか?」

 

「ああ、お前には此処を潰して貰う」

 

マスターのビジョンには小さな潜水艦の様な物が映って居る

 

「それは?」

 

「彼奴らの本拠地だ。此処を潰せ」

 

なら俺の役割は敵の本拠地を潰すって事か

 

「ああ、了解だマスター」

 

「頼んだぞ」

 

マスターの言葉を聞いて俺はエクリプスを纏ったまま目的の場所に向かった




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107話

〜弦十郎side〜

 

「おかしい」

 

「何がですか司令?」

 

「キャロルは響君達の所に居るだが、湊君は何処に居る」

 

「そう言えば、見当たりませんね」

 

何だこの胸騒ぎはまるで驚異的な何かが此方に向かって来て居る様な

 

「ぐっ!どうした!」

 

突然の大きな揺れが船内を襲う

 

「これは!?大変です司令!湊君が此処を攻撃しています!」

 

「何!?」

 

そのモニターにはエクリプスを纏った湊君が映し出されて居た

 

「胸騒ぎの原因はこれか、俺が出る!「ダメです司令!司令が居なくなればそれこそ指揮系統が麻痺になります!」くっ!どうすれば、ぐあ!」

 

考える暇は与えないか

 

「指揮は私が取るわ。貴方は止めに行きなさい。聞こえるかしら?風鳴司令に代わって暫く私が指揮を取るわ!ナイン、アリア2人は至急あの子達の補助に向かいなさい!それから風鳴司令、時間は30分これ以上は本当に指揮系統が麻痺になるわ」

 

「ステラ君、済まない恩にきる」

 

「そう思うなら手遅れになる前に絶対に彼奴を止めなさい。ナイン!アリア!イグナイトモジュールの使用を許可するわ、思う存分暴れてやりなさい!」

 

『了解(はい)』

 

「ああ!そのつもりだ!」

 

俺は急いで潜水艦の出口に向かった

 

〜弦十郎side out〜

 

「はあ!」

 

俺が本部に3度目の攻撃を仕掛けると潜水艦の中から1人の男が出て来て攻撃を止める

 

「湊君、少しばかりおいたが過ぎるんじゃないか?」

 

「マスターの命だ此処を潰せと、シンフォギアも纏えない無能は引っ込んで居ろ」

 

「無能かどうかはこの拳で教えてやろう」

 

その男は拳を握り戦闘態勢に入る

 

「来ないのか、だったらこちらから行くぞ!」

 

「忠告を無視したんだ、後悔しても遅いぞ」

 

弦で槍を生成してその男に突っ込む

 

「はあ!」

 

「はあああ!」

 

槍を男は拳で殴りつける

 

「こんな物か!まだまだガッツが足りんぞ!」

 

「調子に乗るな!」

 

俺は槍を更に強く押し込む

 

「ふっ、はああ!」

 

「ぐっ!」

 

槍を受け流した男の攻撃を避けきれないので受け身を取る

 

「受け身を取ってこれか」

 

「やるな湊君、次はもっと早く行くぞ!」

 

男は宣言通り攻撃の速度を上げて来た

 

「くっ!」

 

「どうした!どうした!君の力はそんな物か!」

 

「そんな訳が…あるか!!」

 

そう言って槍で突くが体を横にずらし簡単に交わされる

 

「一撃の破壊力は大したもんだ。だが、それだけでは俺には勝てん!」

 

「わかって居る、だから」

 

「ぐっ!」

 

「大きな一撃を待っていた」

 

俺は男の腹部を槍で突き刺すが

 

「子供が頑張って居るんだ、大人が頑張らなくてどうする!」

 

「何!?」

 

男はそう言って俺の腕を掴み放り投げる

 

「中々良い勝負だったぞ湊君」

 

(悪いマスター、此処までらしい)

 

上空に投げ出され不安定な場所で避けれるはずも無くその男の攻撃をモロに受け気を失った




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108話

連続投稿


俺が次に目を覚ましたのはだだっ広い空間だった

 

「此処は…」

 

「君が壊そうとした潜水艦の中だ」

 

俺が呟くとさっきの男がそう言って入って来た

 

「そうか、何故殺さない俺はお前達の敵なんだぞ」

 

「そうかもな、だが敵だからと言って邪険にしてはいけない後に強力な味方になるかもしれないからな」

 

「俺がお前達の味方?馬鹿馬鹿しい「君は、確か響の友達だよね?」誰だお前」

 

すると今度は別の男が入って来た

 

「そう言えば前に会った時は自己紹介もしてなかったね、立花洸だ」

 

「立花洸…やはり知らないな人違いだろう」

 

「そうかい?此処まで似てる子中々居ないと思うけどね」

 

男はそう言ってまじまじと俺の顔を見てくる

 

「危険ですので離れて下さい」

 

「取り敢えず兄弟とかなら、君のあの時の言葉のお陰で色々と考えさせられて真剣に響と向き合おうと思えたとそう伝えて置いてくれ」

 

そう言ってその男は部屋を出て行った

 

「全く、人違いだって言ってんのに何なんだよ彼奴は」

 

そう言いながらも何故か自分の中には良かったとそう思ってる自分が居た

 

「たった今決着が着いた」

 

「聞くまでもない、マスターが負けるはずが無いからな「いや、辺り一帯を包む爆破に巻き込まれた後、キャロルの消息が不明だ」マスターが…」

 

俺がそう言って力無く倒れるとその男は俺の拘束を解いた

 

「湊君…」

 

「おいバカ今の彼奴はキャロル側なんだぞ」

 

そのに見知った奴が入って来た

 

「お前は」

 

「よお、ちいとばかし付き合って貰うぜ」

 

「わかっている」

 

俺は以前会った白髪の女に着いて行く

 

「こんな所に連れて来て何をするつもりだ」

 

「お前にはある実験に付き合って貰う、勿論拒否権はなしだ」

 

「元々そのつもりだ」

 

俺がそう言うと別の奴が杖を持って来る

 

「此奴の実験だ、先に言っとくぞお前はキャロルに操られて居る。お前は元々こっち側の人間なんだ」

 

「マスターが俺を操って居ただと!ふざけるな!そんな訳があるか!しかもよりによって俺がお前らの仲間だと!」

 

「やめなさい、今の貴方では此処にいる全員を相手には出来ない。貴方がそれを1番良くわかっている筈よ」

 

桃色の髪の女が白髪の胸ぐらを掴む俺にそう言う

 

「やるならさっさとやれ、俺はマスターを探さなきゃいけねぇんだ」

 

「待て、お前はキャロルを探すつもりなのか?」

 

「ああ、マスターは絶対に何処かで生きている」

 

俺はそう言ってその場に座る

 

「ま、早いに越した事はねぇな」

 

その後、順に杖を向けられるが特にこれと言っておかしな事が起きる訳じゃ無い

 

「はい、響が最後だよ」

 

「うん」

 

黒髪はそう言って茶髪の女に渡すそう言や響って名前確か

 

「なぁ、お前立花洸って奴知ってるか?」

 

「うん、私のお父さんだけど?」

 

「そいつに言っとけ人違いだって、何でも俺に似た奴に何か言われたお陰でお前と向き合えたとか言ってたからな」

 

「…うん」

 

少し間を置いてそう言った茶髪は俺に杖を向ける

 

「やっぱりダメか」

 

「これで終わりか?」

 

「いや、最後に1人残っている」

 

俺は言われるがままに着いて行くとそこにはマスターに似た奴が居た

 

「湊さん、良かった催眠状態が解けたんですね」

 

「ううん、まだ元に戻って無いんだ」

 

そいつはベットに横たわりながらそう言うとさっきの茶髪がそれを否定する

 

「此奴が最後で良いのか?」

 

「ああ、と言ってもお前を解放するのはもう暫く後の話になるだろうがな」

 

「どうでも良いが、さっさと済ませてくれ」

 

「はい…」

 

そう言って立ち上がろうとするが倒れそうになるそいつを何故か支えてしまった

 

「ありがとう…ございます」

 

「別に立ってする必要は無いだろ」

 

「そうですね」

 

そう言ってベットに座り杖を俺に向ける

 

「どうですか?」

 

「どうもしないが?」

 

「ダメだった様ですね」

 

そう言うと残念そうな表情を浮かべる

 

「結局何だったんだ彼奴らは」

 

結局何の実験だったのかは説明されず俺は拘束されて居た部屋に戻され用意された食事を済ませて直ぐに眠りに着こうとすると人の気配を感じた

 

「誰だ?」

 

俺がそう聞くと

 

「マスター!!」

 

マスターが黙って入って来た

 

「すまない…あまり記憶が無いんだ、マスターって言うって事は…お前は湊なんだな」

 

「何言ってんだよマスター…まさか記憶を使い過ぎてわからないのか!」

 

「ああ…此処に来たのも直感だったんだが当たったか」

 

マスターはそう言うと昼間に彼奴ら何俺に向かって使った杖を俺に向ける

 

「う、マスター…何を」

 

「すまない…俺には…まだ…やる事が…残って居る…だから早急に終わらせて貰うぞ」

 

マスターがそう言うが視界は徐々にぼやけて行った

 

「ん!?ぷはぁ!何やってんだよお前!!」

 

目が覚めると俺はキャロルにキスをされて居た

 

「戻ったか…」

 

そう言うとキャロルは俺にもう一度同じ事をする

 

「だから何やって!?そうか…俺お前に操られてたのか」

 

「俺がどうかしたのか?」

 

先程まで普通に話して居たキャロルは突然何もわからないと言う表情で俺を見る

 

「どうかしたかって、まあ良いお前の目的は何だ」

 

「彼処に連れて行ってくれ」

 

俺はキャロルをエルフナインの居る病室に運んだ

 

「キャロル…湊さん…」

 

「キャロル…それが俺の名前か」

 

エルフナインがキャロルの名前を呼ぶとキャロルはそう返す

 

「待て、お前さっきまで俺の事覚えてたよな!まさかお前!?」

 

「記憶障害…思い出の殆どを焼却したばっかりに」

 

やっぱり記憶障害なのか

 

「エルフナイン、起きたらキャロルの奴にキスをされてたんだがそれに何か意味があるのか?」

 

「本来…アステカの杖を使用されて居た人は…その間の記憶が無いんです。恐らく…キャロルは貴方が操られて居た間の…記憶を1度奪い…再び貴方に転送複写したんだと思います」

 

それで彼奴はもう1度俺に

 

「全てが断片的でかすみがかった様に輪郭が定まらない。俺は一体何者なのだ。目を閉じると瞼に浮かぶお前なら何か知っていると思い此処に来た」

 

「お前はもう1人の此奴だ」

 

少し辛そうに話すエルフナインに代わって俺がそう答えた

 

「俺がもう1人のお前なのか?」

 

「ええ、2人でパパの残した言葉を追いかけて来たんです」

 

「パパの言葉…そんな大切な事も俺は忘れて…教えてくれ!こうしている間にも俺はどんどん…」

 

キャロルがそう言った所でエルフナインが咳き込む

 

「大丈夫かエルフナイン」

 

「お前!」

 

「順を追うとね、一言では伝えきれないんです。僕の体もこんなだから」

 

エルフナインはキャロルを見ながらそう言う

 

「湊さん…僕は世界を守れるなら消えても良いと思ってました。でも、今は此処から消えたくありません」

 

「エルフナイン…俺もお前に消えて欲しくなんてねえよ!彼奴らだって!皆んなだってお前が元気になるのを待ってるんだ!だから…頑張ってくれ…彼奴らの歪んだ顔を見るなんて…もう…懲り懲りなんだよ」

 

俺はエルフナインの手を握りながらそう言う

 

「ならばもう一度2人で!」

 

キャロルはそう言ってエルフナインにキスをして居る間も俺はエルフナインの手を握って居た

 

「本当にもう大丈夫なのか?」

 

「はい、わ!」

 

暫くするとエルフナインはフラフラながらも立てるまで回復して居た

 

「ほら、無理すんなよ」

 

「ありがとうございます」

 

俺がエルフナインを支えると外から大勢の人の足音が聞こえる

 

「キャロルちゃん、それに湊君」

 

後ろから俺とキャロルを呼ぶ声が聞こえる

 

「僕は…エルフナインです」

 

「色々迷惑かけて悪いな響「「湊!!」」お前らも心配かけて悪かったな」

 

そう言って飛びついて来た切歌と調の2人を撫でる

 

「全く、世話のかかる弟だぜ」

 

「悪いなクリス」

 

「この貸しは高いぜ、まあそれは置いといて…お帰り湊」

 

「ああ、ただいまクリス」

 

俺がそう言うとクリスは俺の背中に体重を預けて来る

 

「良かった…本当に良かった」

 

薄れた声でそう言うクリス

 

(クリスの貸しは後にして取り敢えず当面は此奴らに時間を割いて過ごすか)

 

俺は泣きながら抱きつく切歌と調を見ながらそう考えた




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109話

「何の用だよおっさん」

 

リディアン学院の夏休みが始まって数日、俺はおっさんから本部に来るようにと指示が出たので本部に向かいおっさんに呼び出した理由を聞く

 

「神獣鏡の修理が完了したと言えばわかるか?」

 

「成る程、それで俺を呼び出したのかって事は未来も来てんだな」

 

「ああ、未来君は既に神獣鏡を纏ってトレーニングルームで待機してくれている」

 

そう言われた俺はおっさんにカマエルのペンダントとエクリプスを預け未来の居るトレーニングルームに向かう

 

「待たせて悪いな未来」

 

「ううん、私もついさっき来たばかりだから気にしないで」

 

未来はそう言って神獣鏡の武器の扇を構える

 

「響の反応を見た感じだとちょっと痛いみたいだけど大丈夫?」

 

「まあ、シンフォギアの力を生身の人間に向けて使うんだからな」

 

「ううん、響はガングニールを纏った状態だったけど暫く痛んだらしいから」

 

シンフォギアを纏った状態で受けても暫く痛むのか

 

「力加減とか出来そうか?」

 

「うーん、ちょっと難しいかな?」

 

未来は暫く考えた後そう答える

 

〜Volar esperança Sandalphon tron〜

 

(これなら生身で受けるよりか幾つかマシだろ)

 

未来の言葉を聞いて一様サンダルフォンを纏う

 

「それじゃあ行くね」

 

「ああ」

 

《閃光》

 

未来はアームドギアの扇を鏡のように展開し、複数のビームを同時に放ちその光が身体を包み込むが、かなりキツイこりゃ響が暫く痛んだって言うのも頷けるな

 

「未来まだ続けるのか?」

 

「響の時はもう少しの間してたけど」

 

光を浴び始め5分が経過してようやく光が止まった

 

「結構来るもんだな」

 

「大丈夫?立てそう?」

 

「少し休めば大丈夫だと思う」

 

俺はトレーニングルームの壁にもたれながらそう言う

 

「良かった」

 

『湊君、身体が痛んで居るだろうがメディカルチェックを行いたいゆっくりで良いメディカルルームまで向かって来てくれ』

 

トレーニングルームと回線を繋いだおっさんがそう言う

 

「ほら、捕まって」

 

「悪いな未来」

 

俺は礼を言って未来の手を掴み立ち上がる

 

「良いの、メディカルルームに着くまでの間、この写真について湊に洗いざらい吐いて貰うから」

 

未来は笑って携帯にある1つの画像を俺に見せるそこには

 

「それは…」

 

「うん、これは?」

 

そこには以前響の父親と会った後、俺の服を掴み号泣した響の画像が表示されて居た

 

「色々とあって…」

 

「私はその色々を知りたいんだ」

 

今の未来を一言で表すと…獣だ。顔は笑って居る様に見えるが内側に獲物(俺)を逃がさない様にかなり濃い殺気を向けて居るのが分かる

 

「響に聞いたらどうだ?」

 

「私は湊から聞きたいんだ」

 

「いや、響に「もしかしてだけど…私には言えない様な事を響にしたの?」そう言う訳じゃないんだが…話しても怒らないか?」

 

「うん…響におかしな事をしてなければね」

 

怖えよ、と言うか響に対する愛が重い

 

「メディカルルームに着いたな、そんじゃ俺はメディカルチェック受けてくる」

 

「うん、勿論教えてくれるまで帰さないからね」

 

「わっわかった」

 

俺は未来の言葉に頷いてメディカルチェックを受けに中に入った

 

結果、俺の身体を侵食してたサンダルフォンは跡形もなく消えて居たそして

 

「それじゃあ、湊の言う通り響を呼んで3人で話そっか」

 

「お、おう」

 

画像の件は響が発端なので未来に響を呼んで貰い話す事になった

 

「未来、話たい事って何?」

 

喫茶店に入り暫くすると響が来た

 

「うん、この画像について何だけど」

 

未来の見せた画像を見て響が顔を赤くする

 

「どうして未来が持ってるの!?あの時周りに誰も居なかったのに!?」

 

「実はね、新聞部の子が近くを通ったみたいでね。その時に写真を撮ったって言ってたから貰ったんだ」

 

うちの生徒が居たのか、全然気づかなかった

 

「それ私が湊君に頼んだんだ…実はお父さんに会った後で…」

 

「お父さんに?それで響、事情はわかったよ。湊もそれくらいじゃ怒ったりしないよ」

 

「そうだよな」

 

未来からの疑いが晴れた事により俺への殺気は抑えてくれた

 

「でも待って、何でその時響と湊は一緒に居たの?」

 

「私とお父さんの1つ前のテーブルに座ってたのがテスト勉強をしに来てた湊君何だ。あの時はありがとうね湊君、お父さんも湊君に言われてから真剣に私と向き合ってくれる様になったし」

 

「何かしたの?」

 

「それがね、お父さんが軽い気持ちでやり直したいって言った時湊君お父さんに色々言ったんだ。私の気持ちを考えろみたいな事言ってくれてさ」

 

「ふーん、その話も気になるなぁ」

 

今度はそこかだが

 

「そこに関しちゃお前も知ってるだろ」

 

「私が知って…クリスとの事?」

 

未来の質問に俺は頷く

 

「そっか、響と同じ様な経験を湊もしたんだもんね」

 

「ま、そう言う事だ。お前の考えてる様な事はない」

 

「そうだよ未来」

 

「うん、ごめんね変な誤解しちゃって、新聞部の子には私から事情を伝えておくよ」

 

そう言うと未来は携帯を使ってその友人にメールを打ち始めた

 

「いやー、まさか撮られてたなんてね」

 

「そうだな、それと悪いないきなり呼んだりして」

 

「ううん、元はと言えばあれは私が頼んだ事なんだもん当然だよ」

 

未来がメールを打つ中俺と響はそんなやりとりを交わした




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110話

「悪いなクリスいきなり押しかけて来て」

 

「気にすんなよ、ガス関係の修理点検じゃ仕方ねぇよ」

 

サンダルフォンを取り除いた翌日、マンション全体でガスが止められてガス関係の修理点検の為クリスに頼みガスが使えるようになる明日の昼までクリスの家で世話になる事になった

 

「楽しい筈の夏休みは何処へ」

 

「湊は夏休みの宿題が読書感想文だけになって葉月ちゃんも絵日記と算数を数ページになったから余裕なのは分かるデス。だけど、どうしてクリスさんも余裕何デスか?」

 

「良い機会だから教えてやる、こう見えて学校の成績は悪くないあたしだ」

 

クリスがそう言って学校の成績表を切歌と調に見せる

 

「嘘!?」

 

「ん」

 

調が驚くとそれにイラついたのか2人を睨むクリス

 

「いっ今言ったのは調デス!!」

 

「私を守ってくれる切ちゃんはどこ行っちゃったの」

 

「ちゃっちゃと宿題片付けろ!湊お前も何とか言ってやれ!!」

 

クリスがそう言って俺を見る

 

「そうだな…そう言や明日夏祭りだったな」

 

「「まさか!?」」

 

「良い考えだな、お前ら明日の夏祭りまでに半分終わらせねぇと夏祭りには連れてかねぇ。これで良いだろ湊」

 

「ああ、それなら此奴らも早く終わらせようとするだろう」

 

クリスが俺の案を理解して言ってくれたので俺はその案に同意する

 

「しっ調明日までに半分終わる様に全力で進めるデス!」

 

「夏祭りに行けないのは嫌だ」

 

「頑張って切歌お姉ちゃん!調お姉ちゃん!」

 

そう言って2人は問題を解くペースを上げ葉月はそれを応援し始めた

 

「あたし達は、これで1つ勝負するか」

 

「受けて立とう」

 

そう言ってクリスが取り出したスポーツゲームを始める

 

「そう言や罰ゲーム決めねぇとな」

 

「やっぱりありで行くのか」

 

「当たり前だ、何のリスクもねぇ勝負何て面白くねぇしな」  

 

別にそんな事ない気がするんだが

 

「そうだな…無難な所で負けた方が勝った方の言う事を何でも聞くってのでどうだ」

 

「決まりだな、勝負回数は3回先手は譲るぜ」

 

「良いのかなら」

 

俺はテニスを選択する

 

「とっ、そりゃ!」

 

「ふっ」

 

「ちょせえ!」

 

「甘い」

 

体の動きに合わせて画面のキャラクターが動く。1セット目は俺、2セット目はクリス、最終勝負の3セット目俺が後一歩の所に行くとクリスが、クリスが後一歩の所まで行くと俺が点を取りデュースが続いて居た

 

「あの〜、「今良い所だから邪魔すんな」さいデスか湊、そろそろお昼にしないデスかお腹空いたデスよ」

 

切歌にそう言われて時計を確認すると12時を過ぎて居た

 

「ならこれでテニスが終わるから昼何するか考えようぜ!」

 

「くそ〜!負けたか」

 

クリスが悔しそうにそう言う

 

「仕方ねぇ昼飯はあたしが奢ってやるよ」

 

クリスはそう言って自室に向かう

 

「それでどれくらい進んだんだ?」

 

そう言って俺は切歌と調の宿題がどの程度進んだか確認する

 

「あのね、切歌お姉ちゃんと調お姉ちゃんね、途中からパパとクリスお姉ちゃんばかり見てたよ」

 

「ちょ!?葉月ちゃん!!えっと…たはは、あまりにも白熱してたのでつい目が行っちゃったデスよ」

 

「でもかなり進んだ」

 

葉月からの情報提供があったが調の言う通りあと少しで半分の所まで来ていた

 

「あと少しって所か、この調子なら半分は超えそうだな」

 

「これが私達の真の実力デス「回答があってたらな」むー、ちょっとはカッコつけさせて下さいデスよ」

 

「当たり前だろ、ほらさっさとしないと置いてくぞ」

 

自室から出て来たクリスがそう言って玄関に向かう

 

「「待って(欲しいデスよ)クリスさん!!」」

 

「俺達も行くか」

 

「うん!」

 

切歌と調に続き俺と葉月もクリスの後を追った




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111話

「中々良い勝負だったが、どおやらあたしの勝ちみてぇだな」

 

クリスとのスポーツゲームの勝敗はクリスが2勝、俺が1勝でクリスが勝った

 

「ま、スポーツがスポーツだったがな」

 

「うるせえ!勝ちゃ良いんだよ勝ちゃ!」

 

昼を奢って貰った代わりに残りの2つをクリスがアーチェリーと射撃競技と言ういかにもクリスが得意そうなスポーツを選んで来た

 

「湊も頑張っては居たデスけど、圧倒的過ぎてもはや勝負にすらなってなかったデスね。調、まだ続けるデスか?」

 

途中から夏休みの宿題の半分が終わり観戦をして居た切歌が調にそう聞く

 

「出来た、湊チェックお願い」

 

「その言い方だと数学終わったのか?」

 

「うん、今さっき終わった」

 

調の言葉を聞いて進めた部分を見ていく

 

「俺が見た限り間違えてる所は無いな、よく頑張ったな」

 

「じー」

 

俺がそう言うと調はじっと俺を見て来る

 

「わかったよ」

 

「ん…」

 

調の意図を理解した俺は調の頭を撫でる

 

「上々…」

 

「う〜!調だけずるいデスよ!私も頑張ったじゃ無いデスか!」

 

「調とお前の努力の差だな」

 

「納得いかないデスよ!」

 

「それでクリス命令は何だ?」

 

尚も駄々をこねる切歌を無視してクリスに命令が何かを聞く

 

「そうだな、今日この後の家事はお前に任せたあたしはのんびりさせて貰うぜ」

 

クリスはそう言ってソファに寝転ぶ

 

「ああ、この後未来とバカ、エルフナインが泊まりに来るから料理は多めに作っとけよ」

 

「了解、取り敢えず買い出し行くか」

 

「葉月も行く!」

 

俺が買い出しに行く為に玄関に向かうと葉月も着いて来た

 

「それじゃあ2人で行くか」

 

「うん!」

 

俺と葉月は2人でスーパーに買い出しに出かけた

 

「あれって」

 

俺と葉月がスーパーから戻って居ると見覚えのある人物が居た

 

「えっと…あれがこっちで…こっちがそっちで…「何か探してるのかエルフナイン?」湊さん…実はクリスさんの家でお泊まりをする事になって響さんに地図を描いて貰ったのですが」

 

そう言ってエルフナインは響の描いた地図を見せる

 

「はぁ、これで辿り着いてたら奇跡だな、俺と葉月もクリスの家に向かう所だから案内してやるよ」

 

「すみません湊さん…僕皆さんに迷惑をかけてばかりですね。今も湊さんにご迷惑を…」

 

そう言ってエルフナインは沈んだ顔をする

 

「そんな事ないんじゃ無いか?プロジェクトイグナイト、そしてイグナイトモジュールどっちもお前が居なければ出来なかった技術だ。それに俺とステラじゃドヴェルグ=ダインの遺産、魔剣ダインスレイフをシンフォギアの強化に使おう何て思わなかったんだからな」

 

「湊さん」

 

「それにこんな事で迷惑だなんて俺は思わねぇよ。そんな事言ってたら切歌や響の方がよっぽど迷惑だ」

 

俺がそう言うとエルフナインは小さく笑う

 

「パパ、この人誰?」

 

「あの湊さん…僕の聞き間違えで無ければ今パパと呼ばれていませんでしたか?」

 

そう言えば葉月はエルフナインと会うのは初めてだったな

 

「葉月此奴はエルフナイン、俺の友達だ」

 

「雪音葉月!よろしくお姉ちゃん!」

 

「僕はエルフナインです。よろしくお願いします葉月さん」

 

此奴年下にまでさん付けするのか

 

「それで「その事はクリスの家で説明する」わかりました」

 

俺はエルフナインを連れてクリスの家に向かった

 

「「「ただいま(お邪魔します)」」」

 

「あ!エルフナインちゃん!良かった遅いからちょっと心配しちゃったよ」

 

クリスの家に入ると響が既に到着して居た

 

「響、お前よくこんなんで辿り着けると思ったな」

 

「あの湊さんあまり響さんを責めないで下さい」

 

「いいや、あたしもこのバカが悪いと思うな、大体この地図で辿り着けるとかどんな奇跡だよ」

 

クリスも俺と同じ事を思ったらしく地図を見てそう言う

 

「まあまあ、湊そろそろ晩ご飯の準備をするには良い時間だよね、手伝うよ」

 

「良いんだよ、今日の家事は全部彼奴がやってくれんだからよ」

 

「ま、そう言う事だ。未来は葉月と遊んでてやってくれて彼奴も久しぶりにお前と会えて嬉しそうだしな」

 

「うん、ありがとう湊「未来お姉ちゃん!!」うん、一緒に遊ぼう葉月ちゃん」

 

未来はそう言って葉月を連れて別の部屋に向かった




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112話

「あの…もう寝ましたか?」

 

「起きてるが何だ?」

 

夜切歌達も一緒に寝ると言ったがクリスに別室に連れて行かされた。まあ俺としては嬉しかったけどな、だがエルフナインが話したい事があるらしく俺はエルフナインと2人リビングで寝る事になった

 

「その…湊さんは錬金術が使えるんですか?」

 

「何だよ急に、使えねぇよ」

 

「そうですか…湊さん錬金術はどの様にして使って居るのか知って居ますか?」

 

エルフナインの質問に対して少し考える

 

「そう言や知らないな」

 

「錬金術は記憶を燃やす事によって使う事が出来ます。湊さん、思い出せない記憶などがありませんか?」

 

思い出せない記憶か…

 

「そう言や、まだ子供だったからなのかも知んないけど俺親の顔ってよく覚えてないんだよな」

 

「そうですか…何かに消去された。そんな感じゃないですか?」

 

「言われてみればそうかもな、なんかモヤがかかった感じで」

 

俺がそう言うとエルフナインは頷く

 

「間違いない様ですね。湊さん、貴方は錬金術が使えます」

 

「偶然だろ」

 

そもそも錬金術が使えるなら何故その記憶が俺には無い

 

「そうかも知れません、ですが試してみる価値はあると思うんです」

 

そう言ってエルフナインは立ち上がる

 

「うっ」

 

「お前何やってんだよ!?」

 

立ち上がったエルフナインは針を自分の指で刺す

 

「湊さん、願ってみて下さい。僕の傷が癒える様にと」

 

「わかったから一先ず絆創膏貼れ!」

 

俺は急いで絆創膏を探してエルフナインに貼る

 

「全く、もう少しマシなやり方は無いのかよ」

 

そう言った俺はエルフナインの傷が癒える様にと願った

 

「大丈夫です」

 

「そうか、って全然大丈夫じゃねぇだろ!燃えてるじゃねえか!」

 

「はい、ですが熱くはありません」

 

「は?熱く無い?」

 

俺は半信半疑でエルフナインの指の炎に触れたが確かに熱くなかった

 

「一体どうなってんだよ」

 

炎が消えるとエルフナインの指の傷が消えて居た

 

「今のでお分かり頂けましたね、貴方は錬金術が使えます。非常に珍しい治癒の錬金術を」

 

「治癒の錬金術」

 

「はい、治癒の錬金術は使える人は殆ど居無い錬金術です。今回の様に軽い怪我だけであれば少しの記憶でなんとかなるでしょう。ですが貴方は両親の顔が分からなくなって居ます。何か大きな方に力を使ったのでは?」

 

大きな事…身に覚えがないと言えば嘘になる

 

「今から話す事は他言無用で頼む」

 

「はい」

 

「今から7年前、俺はイギリスのとある武装組織がシュルシャガナを所持して居る事を知ってシュルシャガナの所有権を譲渡して貰う為にイギリスのその武装組織に向かったんだ」

 

話している内に俺はイギリスでの事を思い出して来た

 

「英国のその武装組織はシンフォギアを新たな軍事兵器として活用しようとして居たんだ」

 

「そんな、シンフォギアを軍事兵器に…」

 

俺の言葉を聞いてエルフナインは驚く

 

「ああ、そこにのは当時の俺と同年代の奴や切歌達と同年代の奴、下手すると俺や切歌達よりも年下の奴も居た。そして、そこではコスト削減の為食事は1日1回。それに加えて指示を聞かない奴は痛めつけられるなんて事が普通の場所だったんだよ」

 

あそこは地獄だ、毎日のように痛めつけられ泣き叫ぶ声、空腹で泣き叫ぶ声が辺り一体から聞こえて居た

 

「知りませんでした。調さんのシュルシャガナを所持する迄にそんな経由があったなんて」

 

「あの時は1番やばかったな、その武装組織はもう壊滅したがな」

 

そう言うとエルフナインは俺に近づいて来る

 

「ずみまぜん、ぼぐぞんなごどがあっだなんでじらなぐで」

 

エルフナインが泣きながら言う

 

「なんでお前が泣いてんだよ。それにさっきも言っただろ、その武装組織は壊滅したって」

 

「だっで、だっで!」

 

俺がそう言うがエルフナインは未だに泣いたまま俺に抱き付いている

 

「もう泣かなくて良い、だから寝ろエルフナイン」

 

「はい…」

 

俺がそう言って撫でるとエルフナインは安心したかの様に眠りに付いた




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113話

『まさかお前が治癒の錬金術を使えたとはな』

 

誰だ?

 

『忘れた訳じゃないだろう』

 

姿は見えないが俺は確かにこの声の主を知っているだが

 

『俺がどうしてお前の治癒の錬金術について知っているのか聞きたいんだろ』

 

そう言うとその声の主(キャロル)が俺の前に現れた

 

「どうしてお前がその事を」

 

「どうでも良いだろそんな事」

 

キャロルは興味がなさそうにそう答える

 

「大体お前は」

 

「今の俺は彼奴の記憶が作り出した幻に過ぎない、今お前と彼奴が一緒に眠る何て事に陥ったが為にお前とのパスが取れた」

 

エルフナインが作り出した幻

 

「単刀直入に言う…治癒の錬金術をあまり表に出すな。その力を表に出せば大勢の錬金術師がありとあらゆる手段を用いて貴様を手に入れようとするだろう。それこそお前と関わりの深い者を人質にしてでもな。俺がそうする様にな」

 

キャロルはそう言うと俺の意識は浮上していった

 

「夢か…ん?ああ、俺昨日あのまま寝ちまったのか」

 

翌日エルフナインが抱き付いた状態で寝てたので一瞬考えたが直ぐに理解し起き上がる

 

「ふぁ〜、おはよう…ございます湊さん…」

 

俺が起き上がるとエルフナインも目を擦りながら起きた

 

「悪いエルフナイン、起こしちまったか?」

 

「いえ、大丈夫です。何だか昨日は何時も以上によく眠れた気がします」

 

そう言ってエルフナインは立ち上がる

 

「そうか…なあ、夢の中でキャロルの奴に会ったんだが、彼奴治癒の錬金術をあまり表に出すなとか言ってたんだがどう思う」

 

「キャロルがそんな事を…他には何か言って居ませんでしたか?」

 

俺は夢でキャロルに言われた事を全てエルフナインに話す

 

「キャロルがそんな事を…確かにキャロルの言うように治癒の錬金術を表に出せば他の錬金術師がありとあらゆる方法を用いて湊さんを狙って来る可能性は十分に考えられる事ではありますね。どうしますか?僕としては皆さんに話して置いた方が良いと思うのですが」

 

「少なくともおっさんやシンフォギア装者には伝えた方が良いと思うが…「2人共早いね〜、何の話?」響…何処から聞いてた?」

 

俺はリビングに入って来る響にそう聞く

 

「湊君がエルフナインちゃんにキャロルちゃんの事を話してる所からかな?」

 

大方の話を聞かれたか

 

「なら大方の事態は理解出来てるだろ?」

 

「ん〜、殆ど何言ってるか聞こえなかったんだ。キャロルちゃんの名前が出て来たからそうなんじゃないかなって思ったんだけど」

 

此奴最初からそう言えよ

 

「湊君が錬金術を使えた何て」

 

俺は響に昨日の錬金術が使える事がわかった事と、夢でキャロルに話された内容を話した

 

「ああ、しかもエルフナインの話やキャロルの口ぶりから察するにかなり希少な錬金術なのは大体予想は付いた」

 

「治癒の錬金術にはまだ解明されて居ない部分が多くあるんです。その為、多くの錬金術師がその力を求め解明しようとしているのです」

 

そう言われるとキャロルの話にも信憑性が出て来るな…

 

「湊君この事を切歌ちゃんと調ちゃんは」

 

「知らない、俺も昨日エルフナインの傷を実際に治癒して初めて知ったからな」

 

響の質問に俺はそう答える

 

「ま!悩んでも仕方ないよ!よーし!張り切って朝ご飯作るぞー!」

 

「そう言やお前何で起きたんだ?」

 

俺はずっと気になってた事を響に聞く

 

「ん?喉乾いたな〜って思って」

 

「そうか、俺がやるからお前は座ってろ」

 

「は〜い」

 

響はそう言って椅子に座る

 

「あの…治癒の錬金術の事で聞けなかったのですが葉月さんが湊さんをパパと呼ぶ理由を教えて貰って無いのですが」

 

そう言や俺も忘れてた

 

「そうですか、葉月さんはネフィリムの分身体ですか」

 

「ああ、正直言って俺も彼奴が何で俺の事をパパ何て呼ぶのかわかってないんだ「パパ…」起きたか葉月」

 

俺がエルフナインと話して居ると葉月が起きて来た

 

「クリスお姉ちゃんにお布団全部取られた」

 

彼奴相変わらず寝相悪いのか

 

「大変だったな、もう直ぐ出来るから座って待ってろ」

 

「うん」

 

「葉月さん僕が一緒に行きます」

 

エルフナインはそう言うと覚束ない足取りで歩く葉月と手を繋ぎ椅子に座りに行った




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114話

「皆さんあっという間に見えなくなりましたね」

 

「そうだな」

 

夏祭りがある神社全員で向かいお参りを済ませた後1時間後に神社を抜けた所にある公園に集合にして俺は葉月とエルフナインの2人と屋台を回って居る

 

「パパ…ご飯」

 

「そうだな、なんか食べるか。どうしたエルフナイン?」

 

「いっいえ、何でもないです」

 

そう言いながらも時々その出店を見る

 

「やりたいなら素直に言え、葉月ちょっと寄り道するぞ」

 

「うん」

 

「ありがとうございます」

 

そう言ってエルフナインの見ていた金魚すくいに向かう

 

「3人分頼む」

 

「わかったわ湊」

 

金魚すくいの屋台の人が俺の名前を呼ぶので俺は顔を見た

 

「ステラ、お前いつの間に金魚すくいの屋台何て始めたんだ?」

 

「今日だけの臨時よ、ナインとアリアも2人してあそこでたこ焼きと焼きそばを売ってるわ」

 

ステラの指さした方を見ると確かにナインとアリアもたこ焼きと焼きそばを売っていた

 

「はい、3人分」

 

ステラはそう言って3つのポイと金魚を入れる小さいボールを俺に渡す

 

「ほれ、お前らの分だ」

 

エルフナインと葉月の2人に渡すとしゃがんで黙々と金魚をすくい始めた

 

「ありがとうパパ」

 

「約束通りちゃんと世話しろよ」

 

金魚すくいを終えた後、葉月が1匹持って帰りたいと言い出したのでちゃんと世話をすると言う条件で1匹専用の袋に入れてもらった

 

「ナイン、たこ焼き3つ頼む」

 

「了解だ、リーダー」

 

次にナインの屋台であるたこ焼きを買いに行った

 

「にしてもお前が食べ物屋って大丈夫なのか?」

 

「心配性だなリーダーは、これでも食べれるくらいにまでは成長したんだぜ」

 

そりゃ心配もするあの料理を客に出した上に金を取ってるんだとすると苦情が多発するだろう

 

「ま、騙されたと思って食ってみろよ」

 

(本当に騙して無いだろうな…)

 

ナインの料理を一度経験して居るからか中々口に運ぼうと思えない

 

「ナイン凄く美味しい!」

 

「美味しいですナインさん」

 

「みろリーダー!私だって成長したんだ!」

 

葉月とエルフナインがそう言って食べて居るので俺も1つ食べる

 

「ほんとだ旨い」

 

「そうだろ!」

 

正直言って以前のナインが酷過ぎたのだが、確かに料理の腕が上がって居る

 

「そんじゃ次アリアの所行くか」

 

「おう!楽しめよリーダー!」

 

そう言うナインを後ろに真正面にあるアリアの焼きそばを買いに行く

 

「随分と繁盛してるなアリア」

 

「湊様!はい!これも湊様が料理を教えて下さったお陰です」

 

アリアはナイン程酷い訳じゃ無かったが料理は得意な方では無いと自負していたのでアメリカに居る時に自分から俺に教えてほしいと言って来た

 

「焼きそば3つ頼むな」

 

「はい、少し待って下さい。直ぐに準備します」

 

アリアはそう言って焼きそばを作り出す

 

「お待たせしました。葉月ちゃん、熱いので気をつけて下さいね」

 

「うん!ありがとうアリアお姉ちゃん!」

 

焼きそばを受け取ると俺達は待ち合わせ場所である公園に向かう

 

「ん〜!やっぱりかき氷はいちごデスね」

 

「メロンも美味しいよ切ちゃん」

 

「本当デスか?ならちょっと貰って良いデスか調?」

 

公園に着くと既に切歌と調が居た

 

「早いなお前ら」

 

「お祭り用のお小遣い貰い忘れてた」

 

「悪い俺も完全に忘れてた」

 

なんか忘れてると思ったら夏祭り用の小遣い渡し忘れてた

 

「まあ、ちょっとでも見てこいよ」

 

そう言って切歌と調に夏祭り用の小遣いを渡す

 

「ううん、このまま待ってる」

 

「今から行っても直ぐに帰って来ないといけないデスしね、葉月ちゃんその金魚湊に買ってもらったデスか?」

 

「うん!」

 

「良かったデスね、後で金魚のご飯も買いに行くデス」

 

俺達は他愛ない話をしながら響と未来の2人を待った




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戦姫絶唱シンフォギア AXZ編
115話


〜切歌side〜

 

「揃ったか、ん?湊君はどうした?」

 

司令からの緊急収集を受けて集合した私達に司令がそう聞いて来る

 

「それが…」

 

「司令からの緊急収集があるほんの少し前に急用でバルベルデって国に向かったデスよ」

 

私と調がそう言うと司令は頷き何も言わずに話を進める為にモニターを映すとそこにはマリア達が映って居た

 

「先輩!」

 

「マリアそっちで何が起きてるの?」

 

モニターに映し出されたマリアに調がそう聞く

 

『翼のパパさんからの匿名でね、S.O.N.G.のエージェントとして魔法少女事変のバックグラウンドを探っていたの』

 

『私も知らされていなかったので、てっきり寂しくなったマリアが勝手に英国までついて来たとばかり』

 

『だから!そんな訳ないでしょ!!それより湊は居ないの?』

 

マリアがここに居ない湊の事を聞いて来る

 

「切歌君と調君の話によると俺が緊急収集を掛ける少し前にバルベルデに向かったそうだ」

 

『そう…』

 

司令がそう言うとマリアは浮かない顔をする

 

『マリアさんの調査そして、湊さんのある情報で1つの組織の名前が浮上して来ました。それがパヴァリア光明結社です』

 

「湊君のある情報だと?」

 

『はい、こちらを見て下さい』

 

緒川さんがそう言って1つの画像を映す

 

「これは!」

 

「知って居るのか?」

 

「忘れる訳ない、これは7年前湊が英国にシュルシャガナの所有権を譲渡して貰いに行った時の画像」

 

調はその時の事を思い出しながらそう言う

 

「チフォージュ・シャトー建造の為キャロルに支援をして居た組織だった様です」

 

映し出される画像の中に私と調が見覚えのあるマークがあった

 

「あのマーク見た事あるデスよ!」

 

「あれって確か」

 

『そうね、マムやドクターと通じFISを武装蜂起させた謎の組織。闇の奥底だわ。そして、7年前英国に居た時湊を苦しめた武装組織がこの組織の傘下だと言う事も調査でわかったわ』

 

湊を苦しめた武装組織が傘下だった組織デスか

 

『フロンティア事変と魔法少女事変の双方に関わって居た組織パヴァリア光明結社』

 

「これを機会に知られざる結社の実態に至る事ができるかも知れません」

 

『存在を窺わせつつも中々尻尾を掴ませて貰えなかったのですが。マリアさんからの情報そして湊君からの情報を元に調査部でも動いてみた所』

 

そう言って次に映し出された画像には私達の知っているアルカノイズが映って居た

 

『これが撮影されたのは正常不安な南米の軍事政権国家バルベルデです』

 

「バルベルデって」

 

「湊君が向かった国だ。装者達は現地合流後作戦行動に移って貰う。忙しくなるぞ!」

 

司令の言葉を聞いて私達はバルベルデに向かった

 

〜切歌side out〜

 

「此処がバルベルデか「湊!」マリア随分と早いな」

 

俺がバルベルデに到着して直ぐにマリアと風鳴の2人と合流する

 

「そうじゃないでしょ!どうして貴方1人で来てるのよ!」

 

「まあ落ち着けマリア、雪音弟此処からは立花達と合流してから行動をして貰う。お前の力も必要となるだろう勝手な行動は控えてくれ」

 

「わかった」

 

俺が風鳴にそう返すと緒川が俺の前に来た

 

「湊さん情報の提供助かりました」

 

「緒川か、気にする必要無い俺もお前からあのクソ共の上の組織の存在が分かったんだからな。それとマリア俺は1人じゃ無いぞ?現地で待ち合わせしてんだ。来たか」

 

そこに1機のヘリが到着する

 

「お待たせしました。scarletアリス・フローヴァただいま到着しました」

 

ヘリからは思った通りの人物scarletのリーダーアリスが降りて来てその場で敬礼をする

 

「これは俺が直接お前に頼んだんだ。そんなにかしこまらなくて良いぞ」

 

「いえ、任務は任務です!それに湊さんには色々とお世話になったので、それでそちらの方々は」

 

アリスがマリア達を見てそう聞いて来る

 

「マリア・カデンツァヴナ・イヴよ、宜しくアリス・フローヴァ」

 

「風鳴翼だ、宜しく頼むアリス」

 

「貴方がマリアさんでしたか!湊さんから話は常々聞いています」

 

アリスはそう言ってマリアの両腕を掴む

 

「貴方は湊と何処で知り合ったの?」

 

「すみません、その事はあまり話したく無くて」

 

マリアの質問に対してアリスは沈んだ表情を浮かべる

 

「俺とアリスはイギリスで初めて会ったこう言えばわかるか?」

 

「そう…ごめんなさい貴方も被害者だったのね」

 

「今は真面な生活を送れて居ますし、毎日が楽しいです…ですが、当時の事を考えると」

 

アリスはそう言うと少し震える。多分当時の事を思い出すんだろう

 

「アリス…キツイなら今からでもニューヨークに戻って良いんだぞ?」

 

「やっぱり湊さんは優しいですね…大丈夫です」

 

「そうか、無茶はするなよ」

 

「はい」

 

俺の言葉にそう返すアリスを確認した俺は響達の到着を待った




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116話

「パパ!パパ!」

 

「大丈夫だ、もう少しで良くなる」

 

作戦行動が終わり俺は負傷者の治療を行なっている

 

「ん…此処は」

 

「気がついたか「ご協力感謝します。後は我々が行いますので」別にお前らの為にやった訳じゃねぇよ」

 

そう言ってテントを出る

 

「お疲れ湊君」

 

「お前らの方が疲れてるだろ、俺は負傷者の治療なんだから」

 

「使ったのか錬金術」

 

クリスは俺が錬金術を使ったと思ってるらしい

 

「本当に一大事の人には使ったが殆どは応急処置だ」

 

「そうか、なら良いんだ」

 

クリスはほっとした表情を浮かべてそう言う

 

「湊さん、市街の巡回終わりました!」

 

「バッチリデース」

 

「乗って本部に戻るわよ」

 

マリアが運転して来た車の荷台から切歌とアリスがそう言う

 

「わかった「あの…」ん?何だ?」

 

後ろから袖を引っ張られたので振り返るとさっき治療した男の子供が居た

 

「これ…」

 

「あんがとな」

 

俺はその子の目線にまでしゃがみ飴玉を受け取る

 

「良かったね、湊君」

 

「ああ…」

 

俺は響の言葉を受け流す様に答える

 

「私達を苦しめたアルカノイズ、錬金術の断片が武器として軍事政権に渡っているなんて」

 

「シンフォギアを軍事兵器として投入しようとしていた組織の一部デスからやりかね無い事ではあったデスけど実際に目の当たりにするとキツイデス」

 

(やっぱり根っこを潰さないと駄目か…)

 

緒川から聞いた組織パヴァリア光明結社恐らくアルカノイズ今回の奴らに渡したのもその組織の奴らだろう

 

「湊…」

 

「どうした調」

 

俺が考え事に夢中になっていると調に声をかけられる

 

「今の湊の顔ちょっと怖いよ」

 

「まるであの時の湊にみたいデスよ」

 

「悪い、ちょっと考え事しててな」

 

その後も度々切歌と調から心配している目線は感じていたが俺の頭の中にあったのはパヴァリア光明結社を潰すのに必要な手順の事ばかりだった

 

「それでは何かありましたらまたご連絡下さい」

 

「ああ、ありがとなアリス助かった」

 

「いえ!それでは!」

 

そう言ってアリスはヘリに乗りアメリカに向けて出発した

 

「湊!司令がシャワー浴びて良いそうデスよ」

 

「シャワーか、なら浴びるか」

 

考え込んでも仕方ないので気晴らしにシャワーに向かう

 

「あ!湊君!クリスちゃんがまだ入ってるから待った方が良いよ」

 

「そうか、教えてくれてありがとな響」

 

「ううん!それじゃあ私先に師匠の所行くから」

 

響は手を振りながらおっさんの所に向かって行った

 

「随分と遅いんだな、まっそうなるのもわからなくは無いがな」

 

此奴が捕虜生活を送った現地だもんな

 

「湊…それもあるでもよ、バルベルデって言えばパパとママの2人が死んじまった近くの街だからな」

 

「そうか、俺その辺の記憶も曖昧だからな」

 

「本当に不便だな錬金術って、時には大事な記憶まで消しちまうんだからよ」

 

「ああ、そうかもな」

 

クリスと少し会話を交わして俺はシャワーを浴びに行った




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117話

「ん…誰だよこんな朝っぱらから…」

 

暫くの間本部に泊まる事になった翌日俺は着信音で目が覚めた

 

『あ!やっと出た!ヤッホー湊!!』

 

モニター越しに大声で話す奴なんて俺は1人しか知らない

 

「ルカ…何かわかったのか?てかミミはどうした」

 

『すみません湊、私はもう少し後にした方が良いと言ったのですが』

 

「ルカ…お前もう少し妹を見習え」

 

双子の姉妹ルカ・エルガルムとミミ・エルガルム、アリスと同じscarletのグループの情報部隊、scarletは情報を収集する情報部隊とノイズとの戦闘を主に行う戦闘部隊の2つの部隊に分かれているがルカとミミはscarletだけで無くグループ全体に情報の統括をしている

 

『それで、湊の欲しがってたパヴァリア光明結社の情報なんだけどね。私とミミちゃんと同じ錬金術師で構成された組織みたいだよ』

 

『その内で最近頻繁に動いて居るのはサンジェルマン、カリオストロ、プレラーティの3人の錬金術師です』

 

ミミがその3人の錬金術師の画像を表示する

 

「流石だ、ありがとな2人共」

 

『いえ、湊には英国で助けられてばかりでしたから』

 

『今度は私とミミちゃんが湊を助ける番なだけだよ』

 

「そうか、それじゃあな」

 

『『バイバーイ(それでは)』』

 

そう言ってルカとミミの方が通信を切る

 

(流石に伝えとくか)

 

流石に伝えておく必要があると思い俺はおっさんの居る司令室に向かった

 

「おっさん居るか?」

 

「ん?湊君、君から来るとは珍しいな」

 

「悪かったな、響達を呼んでくれパヴァリア光明結社の情報を掴んだ」

 

「何!?装者全員に告ぐ至急本部に急行しろ!繰り返す装者全員は至急本部に急行せよ!」

 

おっさんはそう響達にそう収集をかけてから緒川に連絡を取った

 

「師匠何があったんですか?もしかしてまたアルカノイズが!?」

 

「いや、実はパヴァリア光明結社の情報を湊君が掴んだらしい。相手の事だ響君達にも話しておいた方が良いと思ってな」

 

おっさんは響達に収集した訳を話す

 

『貴方一体何をしたの?私もその名前に行き着くまでに時間がかかったのだけど』

 

まあ、マリアが疑問に思うのも無理ないか

 

「俺はscarletの情報部隊の2人にパヴァリア光明結社の情報収集を依頼したんだ。いくつかわかった事がある。1つパヴァリア光明結社は錬金術師で構成された組織だと言う事、そしてもう1つ最近になって頻繁に動いている錬金術師の容姿とその名前がわかった」

 

そう言ってモニターに3人の錬金術師の画像を表示する

 

「右からサンジェルマン、カリオストロ、プレラーティこの3人の錬金術師が頻繁に動いているらしい。恐らくアルカノイズを彼奴らに渡したのは」

 

『この3人の錬金術師と言う事か』

 

「ああ、何せ此奴らが現在最後に向かったのはバルベルデらしいからな」

 

その事を踏まえた上で見るとこの3人が彼奴らにアルカノイズを渡した可能性もないとは言えない

 

「今後もそいつらには調査を続けて貰う何かわかったら直ぐに連絡も入れる様に言ってある」

 

『此方も引き続き調査を続け何か分かり次第報告します』

 

緒川はそう言って通信を切る

 

「おっさん、トレーニングルーム借りるぞ」

 

「ああ、構わない」

 

おっさんのその言葉を聞いて俺はトレーニングルームに向かった

 

〜クリスside〜

 

「はああ!!」

 

あたし達は今トレーニングルームでノイズとの戦闘シュミレーションをしている湊を見ている

 

「何だか今の湊君…怖い」

 

「そうだな…切歌君、調君、湊君が英国でシンフォギアの軍事兵器化を試みたと言う事は湊君から聞いている。だが詳細は伏せられていた。2人は何か知っているか?」

 

「そんなちゃちいもんじゃないデス」

 

「彼処は地獄、湊の話の内容を思い出したくもない」

 

2人は湊から詳細を聞いているのかそう言って拳を握る

 

「あの…僕お泊まりの時に少しだけ聞きました。他言は無用と言われたので黙っていたのですが、皆さんが今の湊さんに納得して頂けるのであれば」

 

エルフナインはそう言って湊から聞いた英国でのシンフォギアの軍事兵器化を試みた武装組織の内状を話した

 

「何だよ…それ…」

 

「酷い…」

 

「その武装組織は?」

 

「今は無くなったそうです。ですが、今回の相手はその武装組織が傘下だった組織です。湊さんがああなってしまうのも仕方がない事なのかも知れません」

 

「その実験で何千と言う人が犠牲になったらしいデス」

 

「湊から初めて聞いた時は私も切ちゃんもそれにマリアも信じられなかった。でも今回は、アルカノイズが武器として使われていた。だからシンフォギアを軍事兵器として利用しようとしたって言われても頷ける」

 

(彼奴は…どんだけ辛い経験をしてきてんだよ…あたしも…あたしも酷かった…けどよ…お前も酷えじゃねえか湊…あたしに裏切られて、武装組織の実験台にされて…なあ湊、お前はどんだけのもんを背負ってんだ)

 

あたしは戦闘シュミレーションのノイズを倒していく湊を見ながらそう考えた

 

〜クリスside out〜




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118話

「来たかミミ」

 

「はい、宜しくお願いします湊」

 

俺はまたも独断で任務を行いその為にステラ達を1度アメリカに戻し入れ違いでミミに俺の元に来てもらった

 

「あの…どうして私何ですか?姉さんの方が錬金術の腕も上なのに」

 

「確かにルカは全ての知識や能力を統括しているが、その分お前は水の錬金術がルカ以上に長けているだろそれに今回はあの3人の錬金術師の発見と追跡だ」

 

「成る程、わかりました。一先ず位置の特定から始めます」

 

ミミはそう言うと水滴を地面に垂らした

 

「…掛かりました。距離250m先に彼女達の反応を検知しました」

 

「距離250m…あれか…」

 

近くとそこには教会の窓に立つ3人の錬金術師が居た

 

「主だった軍事施設を探っても見つけられなかったけど…」

 

「S.O.N.G.を誘導して秘密の花園を暴き出す作戦は上手くいった訳だ」

 

「慌てふためいて自分達で案内してくれるなんて可愛い大統領だよ」

 

「…ミミあの3人で間違い無いか?…」

 

「…はい…」

 

俺達は物陰に隠れて相手の様子を伺う

 

「…湊少しずつ中の人が減っていっています…」

 

「…あの歌の影響なのか?…」

 

錬金術師が歌を歌い終わるのと同時に中の人が少しずつ減っているこれはあの歌が関係している可能性はある

 

「…待って下さい。1つも反応が減っていない部分もあります。恐らくあの歌はある一定の条件に合う人を消していく歌なのだと思います…」

 

成る程な、それなら減っていない部分があるのも頷ける

 

「行くぞ…」

 

「はい…」

 

俺は錬金術師が窓を降りたのを確認して中に入る

 

「お前は確か」

 

「君は…どうして此処に居る」

 

そこにはS.O.N.G.のオペレーターの藤尭が居た

 

「俺は錬金術師が此処に居る事を知って来たんだ」

 

「そうか、そこの子は」

 

「……」

 

藤尭の質問にミミは何も答えない

 

「此奴はミミ俺の協力者だ」

 

「わかった」

 

そう言って錬金術の降りて行った階段を降りて行く

 

「湊…あれを見て」

 

「あれは人?」

 

錬金術師が見ていたのは結晶の中に閉じ込められた人だった

 

プープープー!!

 

すると突然パソコンから大きな音が鳴る

 

「何やってんだよ!行くぞミミ」

 

「はい…」

 

「済まない」

 

藤尭はそう言って階段を上がって行く

 

「お前らさっさと下がれ!…ミミ念の為発信器を渡しておけ」

 

「分かりました…これを」

 

「ありがとう」

 

そう言って友里も暫く銃を乱射した後藤尭に続いて階段を上がる

 

「会って直ぐとはせっかちね」

 

「ん?ふっこんなにも早く会えるとはな」

 

そう言ってサンジェルマンは俺の元に来る

 

「貴方を探していたわ雪音湊…錬金術師の中でもごく僅かな治癒の錬金術を使う貴方を」

 

「俺を…成る程な、S.O.N.G.の誘導は俺を炙り出す為でもあったって事か、悪いが俺はお前の話に乗るつもりはないぞ」

 

「そうか、残念だ…生贄より誅殺されたエネルギーにアラミタマの概念を付与させる。お前が私の誘いを断らなければ無駄な犠牲を出さずに済んだのもを」

 

サンジェルマンがそう言うと大きな竜の様な生物が現れた

 

「さっきの奴らを人質としてでも私と一緒に来てもらおう」

 

「まさか!?」

 

俺は急いで教会の外に出る

 

「くっ!やられた」

 

「湊…さっきの人達は生きています、まだ急げば間に合います」

 

「そうか、ミミお前はそのまま藤尭達の反応を確認しろ!」

 

俺はミミを背負い藤尭達の運転する車に向かった

 

「動きが止まりました…」

 

て事は追い詰められてんのか

 

「ミミ、スピードを上げる振り落とされるなよ」

 

「はい…」

 

ミミはさっきまでより強く抱きつき俺はエクリプスを纏い走るスピードを上げた

 

「居た!はああ!!」ドンッ

 

俺が竜みたいな化け物に攻撃をぶつけるのと同時に何かが下で爆発した

 

「マリア!切歌!調!」

 

「湊!?何で此処に居るデス!?と言うか湊が背負ってるのは誰デス!」

 

「協力者だ、ミミ行けそうか?」

 

「…問題ありません」

 

ミミはそう言って水の鎧と槍を生成する

 

「まさかその子、貴方が調査を依頼したscarletの錬金術師?」

 

「ああ、話は後にして先ずは目の前の敵を叩くぞ!」

 

俺達は目の前の敵である化け物に攻撃を仕掛けた

 

〜ミミのプロフィール〜

 

名前:ミミ・エルガルム

 

歳:14歳

 

好きな物:大福

 

嫌いな物:scarletと湊以外の人(ただ単に人見知りが激しいだけ)

 

ファウストローブ: グレンデル

 

武器:槍




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119話

「やっと出て来たかシンフォギア、雪音湊…もう1度だけ聞こう嫌、我々と共に来い雪音湊」

 

「どう言う事」

 

「彼奴らの狙いは俺の治癒の錬金術だ。S.O.N.G.の誘導は俺を炙り出す為の罠だったんだ」

 

「そう言う事よ、聞かせなさい雪音湊…貴方の答えを」

 

サンジェルマンは俺を見下ろしながらそう聞いてくる

 

「そんなのお断りだ、あのクソ共が傘下だった組織の仲間入りなんて死んでもごめんだ!」

 

「つまり私達の話には乗らない、そう言うワケダ」

 

「ああ」

 

俺はプレラーティの言葉を肯定する

 

「今度は何を企んでいるのかしらパヴァリア光明結社」

 

「革命よ!紡ぐべき人の歴史の奪還こそが石連の本懐!」

 

サンジェルマンがそう言うと化物が俺達に向かって来た

 

「切歌、調お前達は藤尭と友里を守れ、ミミは切歌と調の補助、マリアは俺とあれを叩くぞ!」

 

「「「「了解(はい)」」」」

 

「はあ!」

 

「やあ!!」

 

マリアと俺が化物に斬り込むがダメージが入らない

 

「攻撃が効いてないデス」

 

「ん…」

 

切歌達に向かって行った化物をミミが槍で受け止める

 

「「ありがとう(ありがとデス)」」

 

「…ふっ」

 

切歌達が離れるとミミは化物を弾いて距離を取る

 

「だったらこれで動きを封じるワケダ」

 

プレラーティはそう言ってアルカノイズを出現させる

 

「湊下から来る!」

 

ミミの言葉を聞いて下を見ると地面にヒビが入って居た

 

「飛ぶぞマリア」

 

「ええ」

 

俺とマリアはあの化物が地面から出る少し前に飛んで交わそうととするが化物はそのまま上空に居る俺とマリアに向かって来た

 

「仕方ない、ミミ!」

 

「わかった…」

 

ミミは槍を化物に突き刺し下から凍らせて行く内に一瞬動きが止まった所で閉じている口を蹴り後退する

 

「下がれミミ!やれお前ら!」

 

俺はミミを下がらせ切歌と調に攻撃をさせる

 

「これで終わってくれれば良いがな」

 

攻撃による煙が晴れるがまた無傷だった

 

「全く、冗談キツイぜ」

 

「ノイズと同じ位相差なんとかデスか」

 

位相差障壁なちゃんと覚えとけよ切歌

 

「だとしたらシンフォギアの調律で位相差出来ていないとおかしい」

 

「ダメージを減殺させているのならそれを上回る一撃で!!」

 

《TORNADO†IMPACT》

 

マリアの攻撃は命中して化物が光だし消滅するのかと思いきや

 

「嘘だろ…」

 

化物は再生して再び動き出した。すると突然ミミが手を引っ張る

 

「湊…逃げた方が良いあれは危険」

 

「わかった、逃げるぞマリア」

 

〜Hellfire Chamael tron〜

 

俺はエクリプスを解除してカマエルを纏いマリアにそう言う

 

「分かったわ、三十六計が通じない相手には」

 

マリアは短剣を円状には浮かせて飛ばす

 

「この隙に」

 

「此奴も貰っとけ!!」

 

《紅炎華》

 

マリアの短剣に少し遅れたタイミングで届く様にして俺もマリア達と逃げる

 

「たく、何なんだよあれは!」

 

「不可逆である筈の摂理を覆すナチュラルな現象それが神の力…あれを完成させているなんて予想外」

 

走りながらミミがあの現象を軽く説明する

 

「全く、何処まで追って来るんだよ」

 

「蛇の様にしつこい」

 

「自在とてつもない蛇野郎デス」

 

上手い事言ってる場合じゃないぞお前ら

 

「湊!此奴を頼んだデス!」

 

「了解」

 

俺は切歌に投げられた藤尭を受け止める

 

「お前何かしたのか?」

 

「流石に何時迄も女の子に抱えられたままって訳にはいかないからな」

 

「そうか」

 

「湊…後20秒後にこの下を列車が通る」

 

ミミがそんな事を言い出す

 

「列車?」

 

「来たデスか飛ぶデスよ湊!」

 

そう言って切歌が崖から飛び降り調もそれに続く

 

「飛べって言われてもな…イグナイトモジュール、抜剣!」

 

カマエルのイグナイトモードには飛行機能があるんだが

 

「行くぞミミ」

 

「うん…」

 

俺がそう言うとミミは俺の背中に捕まる

 

「そんじゃ、俺達も行くぞ」

 

そう言って俺も飛び降り切歌と調が乗った列車に乗る

 

「ふ〜、カマエルに飛行機能があって良かった」

 

「ま、お前達があれに襲われた原因は俺だからな」

 

そう言って俺は切歌達が降りた列車の屋根に乗った




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120話

「観測任務より帰還しました」

 

「ご苦労だった」

 

「はぁ、やっぱり本部が1番だ安心出来る」

 

本部に到着した藤尭が心底安心した声でそう言う

 

「だが今夜はまだ眠れそうに無いぞ」

 

「ええ、死ぬ思いをして手に入れたデータサンプルも有りますしね」

 

「そう言付けても無敵の怪物の出現か、パヴァリア光明結社を表舞台に引きずり出せた物のが一筋縄ではいかないようだ」

 

「大丈夫」

 

「そうデス次があれば必ず…あ」

 

切歌がそう言った所である事に気づく

 

「ごめんなさい、linkerが十分に揃っていれば次の機会なんて幾らでも作れるのに…やっぱり僕にはレシピの解析は…」

 

目に見えて落ち込むエルフナインを切歌は慌ててフォローしようとする

 

「はぁ、エルフナインお前は責任を感じ過ぎだ。そんな直ぐに解析が出来るなんて誰も思っちゃいない。だからゆっくりで良いお前のペースで解析を進めろ。それに俺達はまだ諦めた訳じゃ無いんだからな」

 

「そうね、私達はまだ諦めて無いもの」

 

「ごめんなさいよりも応援が欲しい年頃なんデス」

 

「ごめんなさいより欲しい」

 

「そう」

 

マリアはそう言ってエルフナインを撫でる

 

「湊…」

 

「何だミミ」

 

「ん?湊君その子は」

 

おっさんはミミに会うのは初めてか

 

「湊君が言うには協力者だそうですが彼以外と話さないので」

 

「ミミ、挨拶くらいはしとけ」

 

「ん… ミミ・エルガルム、scarletの情報部隊所属の錬金術師」

 

俺がそう言うとミミは短いながらも挨拶をする

 

「思った通り湊にパヴァリア光明結社の情報を渡した子だったのね」

 

マリアがそう言うとミミは無言で頷く

 

「そんな貴方がどうして此処に」

 

「湊からの依頼、それで無ければscarletは誰1人として他国に協力なんてしない」

 

「一先ず此処に来た理由を教えろ」

 

俺がそう言うとミミは此処に来た理由を話す

 

「空港で人の反応が消えてる」

 

「空港か…おっさん調べてくれ」

 

「ああ、エスカロン空港にアルカノイズが出現している」

 

エスカロン空港か…距離も少しあるな

 

「行くぞミミ」

 

「うん…」

 

俺はミミを連れて司令室を出る

 

「私達も行くわ」

 

「まだlinkerの効力は効いてる」

 

「その間に倒せば済む話デス」

 

「わかった、おっさんヘリを一機飛ばしてくれ」

 

「おう、元よりそのつもりだ」

 

俺達はおっさんの用意したヘリに乗ってエスカロン空港に向かった

 

「随分とやってくれてるな」

 

ヘリからエスカロン空港を見るとそこには既にアルカノイズの大群が居た

 

「行くわよ」

 

「「了解(デス)」」

 

「俺達も行くぞミミ」

 

「うん…」

 

俺達はヘリから飛び降りる

 

「俺とミミはアルカノイズを、お前達はカリオストロとプレラーティの2人と交戦しろ」

 

「「「「了解(分かった)」」」」

 

マリア達が2人の近くに着地した後俺とミミもアルカノイズが固まって居る場所に着地する

 

「ミミ、マリア達のlinkerの効力は長く持たない一気に片付けて3人に加勢するぞ」

 

俺の言葉に無言で頷きミミはアルカノイズと交戦を始めた

 

『湊君!マリア君達のlinkerの効力がそろそろ切れる!加勢しろ!」

 

「わかった!ミミ後は任せた」

 

「うん、私も奥の手を使う」

 

ミミはそう言って複数の人型の水を生成する

 

「調」

 

「切ちゃんの思う所はお見通し」

 

「お前らそいつは俺に任せて行ってこい」

 

「湊…ありがとうデス、行くデスよ調!」

 

「うん」

 

切歌と調は航空機の離陸の補助に向かう

 

「あの2人でどうにかなると思ってるワケダ」

 

「ああ、あの2人ならやってくれる」

 

「でも、この2人をどうにか出来るかしら?」

 

「さあな、だが…勝機はこっちにあるみたいだぞ」

 

後ろからノイズの処理を終えたミミが攻撃を仕掛けた

 

「お待たせ」

 

「何そこまで待ってない」

 

人型の水は俺の見知った形に変形していた

 

「翼の天羽々斬、それにあれはクリスのイチイバルどう言う事」

 

「説明は後だ行くぞマリア!」

 

マリアも少し遅れてカリオストロに攻撃をする

 

「これで決める!!」

 

《HORIZON†CANNON》

 

マリアが最後の力を振り絞って放ったエネルギー光波はカリオストロ達に命中する

 

「はぁはぁ…」

 

マリア達のギアはlinkerの効力が切れた為解除される

 

「まだ戦えるのかよ…」

 

マリアの放った攻撃は確実にあの2人に命中した。でもあの2人は無傷の状態で俺達の前に現れた

 

「でも私達の中で戦えるのはもう」

 

そう現在此処に居る中で戦えるのは俺とミミだけになった

 

「おいでませ、無敵のヨナルベパストーネ」

 

カリオストロがそう言ってあの化物を呼び出す

 

「不味いな…」

 

「私達じゃ太刀打ちできない…何か来る」

 

ミミはそう言って空を見る

 

「うおおお!!」

 

ミミの見ていた方からそう叫びながら1人の少女が飛んで来て化物に拳をぶつける

 

「全く、彼奴は本当に無茶苦茶な奴だな」

 

「うん、でもそれが響さん」

 

「やっちゃえデス!!」

 

その少女、響は無敵である筈の化物を粉砕してカリオストロ達の前に立った

 

「だけど私は此処に居る!」

 

「そこまでだパヴァリア光明結社」

 

「こちとら虫の居所が悪くてなぁ、抵抗するなら容赦は出来無いからな」

 

響に少し遅れて風鳴とクリスも到着する

 

「生意気にー、踏んづけてやるわ!」

 

カリオストロがそう言った所でサンジェルマンが現れた

 

「フィーネの残種シンフォギア、だけどその力では人類を未来に解き放つ事は出来ない」

 

「フィーネを知っている、それに人類を解き放つって」

 

「んな事はどうでも良い」

 

サンジェルマン達に攻撃をしようとする俺をミミが氷で俺を拘束する

 

「何すんだよミミ!」

 

「あの人達に戦う意志がない…引くなら早く引いてこれ以上は私も抑えられない」

 

「そうさせて貰うわ」

 

そう言ってサンジェルマンはキャロルの使って居た結晶を地面に落とす

 

「待ちやがれ!」

 

俺はミミの拘束を解きサンジェルマン達に向かって炎を放つがそれが届く数秒前にサンジェルマン達は姿を消した

 

「逃したか」

 

「湊…気持ちはわかる、でも少し落ち着くべき」

 

「悪い頭に血が昇ってた」

 

そう言って俺はギアを解除する

 

「分かってくれたなら…良かった」

 

「ああ、本部に戻るか」

 

俺は響達と本部に戻り、マリアと風鳴は後日飛行機で日本に帰るそうなので響達と先に日本に帰った




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121話

「随分と荒れているな」

 

「風鳴…お前には関係ないだろ」

 

マリアと風鳴が戻って来たにも関わらずトレーニングルームでノイズとの戦闘シュミレーションをしていると風鳴が入ってくる

 

「そうだな…1つ手合わせ願おう、シュミレーションのノイズばかりでは体も鈍ってしまうだろうしな」

 

「丁度良いな、俺もそう思ってた所だ相手をして貰おう」

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

「雪音弟、私が勝った時にはもう無茶な戦いはよせ、暁や月読だけでは無い皆雪音弟の事を心配している」

 

「なら俺が勝ったらお前も彼奴らも俺に関わるな、放って置いてくれ。それと発信器も外して貰おうかおっさん」

 

俺は別室から見ているであろうおっさんにそう言う

 

『気付いていたか…良いだろう』

 

「いざ、押して参る!」

 

《風輪火斬》

 

2本のアームドギアの柄を繋ぎ合わせて双刃刀へと変形させ、炎を纏わせながら斬り掛かって来る

 

「甘いな風鳴」

 

「まだ行くぞ」

 

《千ノ落涙》

 

風鳴は、空間から大量の青いエネルギー剣を具現化して上空から落下させ広範囲を攻撃する

 

「受けて立つ」

 

《紅炎華》

 

俺は落下して来るエネルギー剣を迎え撃ちながら風鳴と距離を取る

 

「はああ!」

 

《蒼ノ一閃》

 

大型化させた大剣状のアームドギアを振るい、巨大な青いエネルギー刃を放つ

 

「此奴をお見舞いしてやんよ!」

 

《紅蓮の銃口》

 

俺はエネルギー刃を砕くが風鳴は届くギリギリの所で避ける

 

「やるな、雪音弟」

 

「そっちもな、さてあったまって来たしそろそろ本気で行くかお互い」

 

「ああ、そうだな」

 

「「イグナイトモジュール、抜剣」」

 

俺と風鳴は同時にイグナイトモジュールを起動させる

 

「今度はこっちから行くぞ!」

 

アームドギアから放出される炎を剣の形にして突っ込む

 

「良かろう!」

 

「はああ!」

 

「はあ!」キンッ

 

風鳴のアームドギアの剣と俺の剣の形に生成した炎がぶつかる

 

「くっ!」

 

やはり男と女では力の差があり風鳴が押される

 

「はああ!」

 

「ふっ!」

 

風鳴が空いてる手に2本目の剣を持ち攻撃して来るがそれを後ろに下がって交わす

 

「真打をくれてやろう!!」

 

《炎鳥極翔斬》

 

両手に携えた直剣のアームドギアから火炎を放出、青い火の鳥と化して突貫して来る

 

「中々良い攻撃だが…」

 

俺はそれを交わし上を取る

 

「まだ甘い」

 

「しまっ!」

 

《infinite flare》

 

浮遊する銃とアームドギアから同時に射出された炎が風鳴を包み込んだ後大きな爆発が起こる

 

「まだ続けるか?」

 

「いや、私の負けだ」

 

俺がそう聞くと風鳴はそう言って天羽々斬を解除する

 

「そうか、ちょっと待て」

 

「ん?どうかしたか雪音弟?」

 

俺が引き止めると風鳴は不思議そうに俺の方を向く

 

「その…何だ…ありがとな心配してくれて…そう言う事だじゃあな翼」

 

「!ああ、湊」

 

風鳴を翼と呼んだことに多少驚いていたが直ぐに笑みを浮かべトレーニングルームを出た




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122話

〜翼side〜

 

「すみません伯父様」

 

「翼トレーニングルームの映像を見てみろ」

 

私は伯父様にそう言われてトレーニングルームの映像を見る

 

「湊君の動きさっきよりも確実に良くなっている。勝負には負けたが、お前との勝負は決して無駄では無かった様だ」

 

「そうですか、マリア1つ聞かせてくれ確かにパヴァリア光明結社が7年前湊を苦しめた武装組織の上層部だったがどうもそれだけでは無い気がするのだが」

 

「そうね…貴方達なら話しても良いかしら、湊と私の妹セレナの事を」

 

マリアはそう言って湊とマリアの妹であるセレナと言う人物について話し始めた

 

〜翼side out〜

 

〜マリアside〜

 

「何処から話せば良いのかしらね」

 

「そのセレナって奴と湊の会った所からで頼む」

 

「そうね…それが良いわね、クリスが湊を拒絶した後あの子は行く頭なく彷徨って倒れた所をセレナが抱えて私やマムの所に連れて来たの。その時よ、私が湊と初めて会ったのは」

 

あの時の事は聡明に覚えている。セレナが血相を変えてまだ5歳の湊を抱えて来た時は本当に驚いた。衰弱もしていたし何より呼吸も困難な状態になっていたのだから

 

「暫くして湊は元気になったわ。でも食事は取らない、何があったのか聞いても何も答えないで頷いたり首を左右に振るだけ、私やセレナ、マムにも心を開かなかった。マムも物凄く悩んでいたわ、そんな中セレナはずっと湊に語りかけていたわ、『私は貴方の敵じゃ無い』そう言ってずっと湊から話すのを待ち続けた」

 

当時の私はセレナとは違ってマムを信じていない人と関わりたく無かったからセレナの事は気にかけていたが湊の事は眼中にすら無かった

 

「湊が来て1週間くらい経った頃ね、セレナと話す湊の声が聞こえて来たの。そしてあの日どうして彼処に倒れていたのかも」

 

私がそう言うとクリスは罰が悪い顔をする

 

「湊が全部話し終わった後セレナは涙を流しながら『辛かったね、悲しかったね、でも大丈夫此処には貴方を傷付ける人は居ない』そう言ったの。湊もそれを言われて今まで溜め込んでいた感情が限界に達したのね、セレナに抱きつきながら大泣きしていたわ。そこからよ、私やマムとも少しずつ話すようになっていったのは」

 

最初は本当に挨拶だけだった。でもそれが次第に日常的な会話などもする様になっていき笑う事も少し増えた

 

「湊がカマエルを見つけたのはセレナと会う少し前に足場が崩れて偶然見つけた遺跡だったそうよ。胸に響く不思議と安心させてくれる歌を頼りにしてカマエルを見つけたそうよ」

 

「通りでカマエルが発見されたと言う情報が何処の国のデータベースにも無い訳だ」

 

私の言葉を聞いて風鳴司令は納得して頷く

 

「湊はセレナを本当の姉のように慕っていたしセレナも湊の事を本当の弟の様に大切にして、まるで本当の姉弟の様だったわ、でもそんな時間も長くは続かなかった。7年前、セレナと湊はFIS施設で行われた起動実験で暴走したネフィリムを休眠させる為にセレナは絶唱を歌い休眠を成功させたの、でもそのダメージで動けなくなった。当時湊はネフィリムの攻撃を受けて気絶していた。次に湊が目を覚ましたのはセレナが絶唱を使って動けなくなった後、私も切歌も調もマムも急いでセレナの救助に向かったわ、でもセレナを必死で助けようとするあまり湊は気づかなかった火災による瓦礫の崩落に」

 

「まさか⁉︎」

 

切歌も調も当時の事を思い出しているのか表情が優れない、そしていち早く何があったのか理解したのは翼だった

 

「翼の考えている通りよ、瓦礫の崩落に気付いたセレナは最後の力を振り絞って湊を瓦礫の落ちない所まで押し出し瓦礫の崩落に巻き込まれそして、湊や私達の目の前で命を散らしたわ」

 

「あの時の湊は良く覚えてるデス」

 

「うん、今までに無いくらい凄い落ち込んで…」

 

「そんな時よ、さらに追い討ちをかける様に英国での事があったのは…以来湊は人が変わったかの様に強さを求めた。もう2度と何も失わない為に、守りたいものを全て守る為に」

 

私はセレナと湊との間にあった事を全て翼達に話した

 

「そんな事があったなんて」

 

「ああ、その直ぐ後に英国での事…とてもでは無いが我々が何か言える事は無いな」

 

「……」

 

各自が思い思いの反応をする

 

「湊はその全てをクリス、貴方を殺す事に向けていたの」

 

「そう…だったのか…クソ、何で彼奴がそんな目にばっかり…」

 

小声で何かを呟いたクリスの握る拳は震えていた

 

「風鳴司令、お願いがあります。暫く湊の少し好きにさせてあげて下さい」

 

「私からもお願いするデス」

 

「私達はどんな事でもする。だから湊の好きにさせてあげて」

 

私だけでなく切歌と調もそう言って風鳴司令に頭を下げる

 

「良いだろう、このまま暫く様子見と行こう」

 

その言葉を聞いて喜ぶ切歌と調、私も自然と笑みが溢れた

 

〜マリアside out〜




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123話

「戻ったか」

 

「わざわざお出迎えありがとうございます湊様」

 

「本当に大変だったわ。まさかミミ1人抜けただけで彼処まで情報部隊の支障になるなんて思っても見なかったわ」

 

翼との勝負から数時間後俺はステラ達の出迎えに来ていた

 

「にしてもリーダーこう言うのには参加しないんじゃ無かったのか?」

 

「今回は俺の都合でお前らをアメリカに送ったんだ。出迎えるのが常識だろ」

 

「それもそうね、それにそんな流暢に話してる暇は無いみたいよ」

 

「そうだな」

 

空港付近でのアルカノイズの出現が検知される

 

『聞こえるか湊君!』

 

「ああ、空港付近でアルカノイズの出現だろ。ステラ達とも合流した今から対処に向かう」

 

『了解した。それと新たに空間を封鎖するアルカノイズの存在が確認され響君とクリス君、翼の3名の映像が捉えられなくなった。そちらも警戒を怠るな』

 

「了解、行くぞ」

 

「「「了解」」」

 

〜Oath of moment gungnir tron〜

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

〜Crimson Glacier Fenrir tron〜

 

〜Màquina guanyadora vent aerial tron〜

 

俺達は聖詠を行いシンフォギアを纏ってアルカノイズの現れた場所に向かう

 

「そっちはどうだナイン」

 

「今終わったぜリーダー、ステラ!アリア!終わったか?」

 

「ええ、今終わったわ」

 

「何時もより少しばかり数が多い気もしましたが無事終われましたね」

 

「余裕をかましていると思わぬ見落としがあると言うワケダ」

 

声の方を向くとプレラーティが居た

 

「プレラーティ」

 

「あの方がパヴァリア光明結社の使わせた錬金術師何ですね」

 

「何だよ、ガキンチョ1人かそんじゃとっとと終わらせるか!」

 

そう言ってナインがプレラーティに向かって行く

 

「お前の相手は別に居ると言うワケダ」

 

プレラーティが放った結晶から出現したアルカノイズが辺り一帯を光で包む

 

「ん…此処は…」

 

次に目を開けるとそこには異空間が広がって居た

 

「さっきまで空港の近くに居たよな…」

 

「その筈ですが…」

 

「話している暇は与えてくれないみたいよ」

 

ステラが指を指す方を向くと大量のアルカノイズがこちらに向かって来ていた

 

「多いにも限度ってもんがあるだろ!」

 

そう言ってナインがアルカノイズにハンマーをぶつけるが何事も無かった様に修復する

 

「何だ!これ!」

 

「またあの蛇野郎みたいに神の力か!?」

 

『湊君大丈夫か!』

 

そこにおっさんから通信が入る

 

「おっさん何だよあれ!」

 

『そこではアルカノイズによる武装差障壁がプラクトルによって変化しインパクトによる調律が阻害されて居ます』

 

「調律が阻害…何程なそれでシンフォギアの質力が下がった様に感じるのか」

 

『はい』

 

俺の質問にエルフナインがそう答える

 

「どうすんだリーダー!私の攻撃で抜けないんじゃかなりキツイぞ!」

 

「エルフナイン響達は?」

 

『響さん達はイグナイトモードに移行して未だなお交戦中です』

 

イグナイトモードか成る程

 

「ナイン!ノーマルでダメならイグナイトモジュールを使え!」

 

「成る程な名案だリーダー!」

 

「私達も行くわよアリア」

 

「はい、ステラさん」

 

「「「「イグナイトモジュール、抜剣」」」」

 

イグナイトモードに移行して再び交戦をする

 

「たく!次から次へと!」

 

「キリがないわ!」

 

「はぁはぁ、そう…ですわね「アリア後ろから来るぞ!」はい!はあ!」

 

アリアは後ろからのノイズの攻撃に何とか対応するがそろそろ限界の様だ

 

「待てよ…此処は空間…空間であれば重力が…!ナイン!辺り一帯に重力球を張れ!」

 

「了解だリーダー!」

 

《Gravity Bomb》

 

ナインは俺が指示した通り重力球を辺り一帯に張る

 

「見えた!」

 

『それです!それを破壊して下さい!!』

 

「了解!全力で行くぞ!」

 

「「「おう(はい)(ええ)」」」

 

俺がそう言うとアリア達は俺の背中に手を合わせると3人のフォニックゲインが俺に集まってくる

 

「これすんのもニューヨークシティーへの隕石の落下の時以来だな」

 

「ええ、そうね」

 

「懐かしいですわね」

 

「お前らまだ倒してないんだから勝ちが決まったみたいな事言うなよ」

 

俺がそう言うと

 

「「「貴方(リーダー)(湊様)なら倒してくれるって(下さると)信じてるからよ(だ)(ですわ)」」」

 

そう言い放った

 

「たくお前らは…ま、俺もそのつもりだがな!」

 

《Chamael Megido》

 

俺はステラ達から収集したフォニックスゲインを1つの巨大な銃に装填し巨大な高熱エネルギー砲として発射しアルカノイズに命中する

 

「ぐっ!」

 

「湊様!あと少しです!耐えて下さい!」

 

「耐えろリーダー!此処が正念場だ!」

 

「私達のフォニックスゲインを託したのよ!勝ちなさい!」

 

「貫けー!!」

 

ステラ達の言葉に後押しされあの時の比にならないくらいのエネルギー砲が空間を作り出して居るアルカノイズを包む

 

「はぁ…はぁ…終わったのか?」

 

「少なくともあの空間は消滅したわ」

 

「お疲れ様です湊様」

 

「流石リーダーだぜ!」

 

ナインはそう言って俺の背中を叩く

 

「止めろよまだ身体中痛いんだ」

 

「んなもん直ぐ治るだろ!おっし!帰って飯にしよーぜステラ!アリア!」

 

「その様な訳には…レイネ、湊様を住んでいるマンションに運んであげて下さい」

 

「かしこまりました。湊殿、お手を」

 

「ありがとうございますレイネさん」

 

「いえ、これもお嬢様を助けて頂いた恩だと思っていて下さい」

 

俺はレイネさんの言葉に甘えマンションまで送って貰った




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124話

「やっぱり病院は暇だ…そして食事の味がしない」

 

俺は昨日の件でまたしても検査入院をすることになった

 

「この時間だと切歌達も学校だから本気でする事ないんだよな…」

 

そう呟いてボーとしてると俺の病室の扉が開かれる

 

「調子はどうだ湊君」

 

「おっさん、この通り異常もないのに病室から出れないって言うんだから暇で仕方ねぇよ」

 

「無茶しすぎるからよ」

 

「全くだ」

 

おっさんに続いてマリアと翼も入って来た

 

「前回の様に病室を抜け出さないよう今日から翼とマリア君が1日交代で見張って貰う事になった」

 

「そして初日である今日は私と切歌に調そして葉月の4人よ」

 

「そうか…心配しなくてもお前らが、特にマリアがいる時に抜け出さなねぇよ」

 

「そうか、戻るぞ翼」

 

「はい、ゆっくり休め湊」

 

そう言っておっさんと翼は病室を出た

 

「それにしても、貴方とこうして2人だけで話すのも随分と久しぶりね」

 

「そうだな、マリアは歌手活動で海外に行ってたもんな」

 

マリアと最後に2人で話をしたのは響がガングニールを使えなくなってマリアが纏っていた時だと思う

 

「そうね、それもあるけどこんな風にゆっくり2人で話すのもセレナが居た頃以来じゃないかしら?」

 

マリアにそう言われ記憶を探ると確かにセレナの居た頃以来マリアと今みたいにゆっくり話す時間何て無かった気がする

 

「湊、私や切歌達貴方の重りになって無いかしら?」

 

「何だ突然」

 

「今の私や切歌達はギアも纏えないお荷物、それは貴方に1番の重りになっているんじゃないかしら?」

 

「怒るぞマリア」

 

マリアの言葉に俺はそう返す

 

「俺があんなに無茶出来んのはお前らのおかげでもあるだろ、それに俺はお前らの事を重りに何て思った事一度も無いぞ、マリアが居て切歌が居て調が居て葉月が居て、本音を言うと此処にマムやセレナだって居て欲しい。でも、俺にとってマリアお前は切歌や調よりも大事なんだ」

 

「私があの子達よりも」

 

「だってお前はあの2人よりも俺の事を知ってくれてるだろ。今いる中で1番俺と付き合いが長いのは間違いなくマリアお前だ。俺1人じゃ切歌と調の2人を引っ張って行けない。今俺があんなに荒れてんのにおっさん達が何も言わないのってお前達がおっさんに頼んだってのもあるんだろ?」

 

俺の言葉を聞いてマリアは驚いた顔をする

 

「聞いてたの?」

 

「ああ、ありがとな彼奴らもそうだがお前にも本当に感謝してる。それに俺の知らない世界を1番見せてくれたのはセレナでもマムでもましてや彼奴らでも無いマリアお前だろ?お前になら身を委ねても良いそんな気がするんだ」

 

そう言ってベットに座るマリアにもたれる

 

「そう…何だがセレナの居た頃に戻ったみたいね」

 

「そうかもな…でもあの頃に戻るなんて事は出来ない。俺達は生きなきゃいけない俺達の為に命を散らしてくれたマムの為にも、そしてセレナの為にも」

 

「そうよね、貴方と話していると此処にセレナが居る様にそう感じるわ」

 

「そう…だな」

 

俺はそこで睡魔に襲われ眠りについた




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125話

〜マリアside〜

 

湊が眠って暫くすると私の携帯に電話がかかって来る。相手はステラ?

 

「どうかしたのステラ?」

 

『マリア、今貴方湊と居るのよね?発熱の症状は無いかしら?』

 

ステラにそう言われ湊の額に手を当てると確かに熱かった

 

「どう言う事ステラ?湊は少し前まで私と話してたのよ?」

 

『昨日の空間を封鎖するアルカノイズを倒したあれ実は1度アメリカでも使っているの、その時もその翌日に発熱の症状が出ていたからもしかしたらと思ったんだけど案の定出てたみたいね。体温計は近くにあるかしら?湊の体温を知りたいわ』

 

ステラにそう言われて体温計で湊の熱を測る

 

「38.7℃かなり高いわ」

 

『前が38.5℃だからあまり変わらないわね。原因はフォニックスゲインの残存よ。フォニックスゲインが体に残ったままの状態でそれを体外に放湿しようとして発熱の症状が出てるの』

 

「私に出来る事はあるかしら?」

 

『むしろ誰でも出来る事よ、風邪の時と同じ水分を多く取らせて沢山汗をかかせる。そして体を冷やさなければ大丈夫よ。夏で良かったわね、前なんて冬だったから大変だったわ』

 

確かに季節が夏だったから汗もかきやすいし、体を冷やす心配も殆ど無い

 

「わかったわ、ありがとうステラ」

 

『別に気にする事じゃ無いわ、それじゃあ切るわね』

 

そう言ってステラは電話を切る

 

「さて、先ずは飲み物ね「マリアさん」エルフナインどうかしたの?」

 

私が飲み物を買いに行こうとするとエルフナインがレジ袋を持って入って来た

 

「その、湊さんが熱を出したとステラさんに聞いたので飲み物を買って来たんですが。ご迷惑でしたでしょうか?」

 

「いいえ、助かったわエルフナインありがとう。湊少し起きれるかしら?」

 

私がそう言うと湊は目を開ける

 

「ん…何だマリア…何か体が怠いんだが…」

 

「ステラから聞いたわ、フォニックスゲインが体に残ってそれを放湿しようと発熱してるそうね」

 

私がそう言うと湊は怠みの原因が何か理解する

 

「そう言や…あん時もこんな感覚だったっけな…マリアこれ何買ったんだ?」

 

「それはナインさんが体に良いとおっしゃって居たすっぽん汁だった気がします」

 

「て事はエルフナインが持って来てくれたのか…取り敢えずすっぽん汁は無しでそれ以外を頼む」

 

湊はエルフナインに悪意が無い事を知っているので苦笑いでそう言ってエルフナインにすっぽん汁を渡す

 

「そうですか、あの…これは僕が個人的に選んでみたんですが」

 

エルフナインがそう言ってレジ袋から取り出したのはスポーツドリンクだった

 

「それが正解よエルフナイン。第一すっぽん汁何て高価な物良く買えたわね」

 

「アリアさんに好きに使っても良いと言われお財布を預かっているんです」

 

「それを聞いて納得した。アリアの渡した財布ならすっぽん汁何て高価な物も買えるはずだ」

 

湊の話では彼女の父親が対ノイズ専用グループの総司令官な上に母親は資産家だと聞いている。通りですっぽん汁何て高価な物を買える訳ね

 

「それで…その…お口に合うかわ分かりませんが…擦り下ろしたリンゴを持って来ました。良かったら食べて下さい!!」

 

エルフナインが顔を真っ赤にしてリンゴの入ったタッパを渡す。この状況だけ見ると確実に誤解されそうね

 

「ありがとうエルフナイン…所でその渡し方誰から聞いた?」

 

「えっと…ナインさんがこう言った渡し方をすれば喜ぶと思うと言っていたので…」

 

「そうか…彼奴退院したらしばくか、またエルフナインに可笑しな事吹き込みそうだ…」

 

湊のふとしたその呟きはエルフナインには聴こえていなかったようでエルフナインは受け取って貰えた事にホッとしていた

 

〜マリアside out〜

 

俺はエルフナインの持って来たリンゴの擦り下ろしを食べようとしているんだが

 

「……」じー

 

「エルフナイン…食べにくいんだが…」

 

「すっすいません!」

 

そう言って頭を下げるがいざ俺が食べようとするとまたじっと見てくるさっきからこれが何度か続いている

 

「……」じー

 

「ん…」

 

俺はエルフナインの見ている中リンゴの擦り下ろしを食べる

 

「その…どうでしょうか?」

 

「美味い、ありがとなエルフナイン」

 

「良かった…」

 

俺がそう言うとエルフナインはホッとする

 

「湊、体の具合はどうかしら?」

 

「まだちょっと頭痛とかあるけど何とかなるくらいだ」

 

「そうですか、僕はそろそろ本部に戻ります。お大事に湊さん」

 

「ああ、じゃあなエルフナイン」

 

俺がそう言うとエルフナインはもう1度頭を下げて病室を出て行った




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126話

あれから数日、俺は検査入院からは退院したがおっさんは俺をノイズと戦闘させるつもりはないらしく松城の避難誘導の協力を任された

 

「婆さん避難指示が出てる筈だろ?」

 

避難し遅れた人が居ないか探していると籠を背負ったお婆さんが居た

 

「そうじゃね、けどトマトの最後の収穫時期を迎えていてね」

 

「…なあそのトマトの収穫が終わったら此処から避難してくれるか?」

 

「そのつもりじゃよ、どうかしたのかい?」

 

「俺も手伝う、1人より2人でした方が早く終わるからな」

 

「ありがとうね、なら向こうのトマトをお願いしようかね」

 

俺は婆さんが指さした方のトマトの収穫をしに行った

 

「婆さん、向こうの終わったぞ」

 

「ありがとうね。やっぱり若い子が居るのと居ないのとじゃ偉く違うね」

 

「にしても色も形も良い物ばかりだな…」

 

トマトの収穫をしているとふとそんな言葉が出て来た。実際に色と言い形と言いスーパーで売っている物とは比べ物にならないくらい良い物ばかりだ

 

「切ちゃん前!」

 

聞き覚えのある声が聞こえた後見覚えのある人物が婆さんとぶつかる

 

「ごめんなさいデス!」

 

「いやいや、こっちこそすまないね」

 

「全く、ちゃんと前見ろよ切歌」

 

「何してるデスか湊?」

 

俺は切歌達に俺が婆さんと一緒に居る理由を話す

 

「それで湊はお婆さんのお手伝いを」

 

「本当に良くしてくれてるよ。あ、一つ食べるかい?」

 

「美味しそうデス!」

 

「美味しいよ、食べてごらん」

 

婆さんはそう言って切歌と調にトマトを1つずつ渡す

 

「あ〜ん…ん〜!美味しいデス!調も食べるデスよ!」

 

「いただきます」

 

そう言って調もトマトを食べる

 

「本当だ!近所のスーパーとは違う!」

 

「ほら、手伝って貰ったお礼だよ」

 

婆さんはそう言って俺にも切歌や調と同じ様にトマトを渡す

 

「それじゃあ…」

 

俺はトマトを口に運ぶ

 

「美味い」

 

「そうじゃろう、丹精込めて育てたトマトじゃからなぁ」

 

「あっあのねお母さん…「キャハーン」!!」

 

「みーつけた」

 

声のする方を向くとそこにはカリオストロが居た

 

「あらら、じゃ無い方いろいろ残念な三色団子ちゃん達か…それでも、治癒の子が居るのね」

 

「三…」

 

「色…」

 

「ぎにー!団子とはどう言う事デスか!!」

 

まあ三色団子に比べたら俺のはまだマシな方か

 

「見た感じよ怒った?でもがっかり団子三姉妹を相手にしてもねぇ。ねぇ、貴方もう1度考え直さないかしら?貴方が今直ぐ私達の味方に付くなら今回は何もせずに帰ってあげても良いわよ」

 

「何度聞かれても変わらない答えはNoだ」

 

「あら残念、それなら貴方以外の戦えるあの子達が来る前に片付けてあげちゃう!」

 

カリオストロはそう言ってアルカノイズを出現させる

 

「此処は俺が引き受けるマリアお前達は婆さんを連れて逃げろ!」

 

「わかったわ、気をつけて行くわよ切歌!調!」

 

マリアがそう言って婆さんを背負い切歌と調もそれに続いて走って行った

 

「あら、ギアを纏わないのね」

 

「ギアよりも手取り早いのがあるからな!」

 

俺はエクリプスを纏ってそう言う

 

「はあ!」

 

俺は弦をワイヤーの様に伸ばしアルカノイズを複数両断する

 

「今回は私も戦うのよ!」

 

カリオストロがそう言って青い球体飛ばすがそれは空からの攻撃に砕かれる

 

「クリス!」

 

「応援に来てやったぜ湊!」

 

ミサイルから降りたクリスがそう言って俺の隣に来る

 

「お前はアルカノイズをやれ彼奴は私がやる」

 

「ああ、なら俺は楽をさせてもらう!」

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

エクリプスを解除してカマエルを纏いアルカノイズの相手をする

 

「此奴で最後だな」

 

最後のアルカノイズを倒してクリス達と合流するとそこにカリオストロの姿はなかった




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127話

「それで…何でこうなるんだ?」

 

俺は現在ステラとナインそしてアリアのClover'sの監視が付いている

 

「あら?わからない貴方じゃ無いでしょ?」

 

「悪かったよ…勝手な事しちまって」

 

此奴らが俺を監視する理由それは極力俺にノイズとの戦闘させない為だろう

 

「わかってるなら良いわ、一先ずこの後は私達が貴方の事を徹底的に見張るから」

 

そう言ってステラはディスクに向き直る

 

「このまま何も無いと良いんですが」

 

「そうだな、何もなけりゃ俺が出る必要もない訳だからな」 

 

「そうも行かないみたいね、何かしら風鳴司令?」

 

そこにおっさんからステラに通信が入る

 

『ステラ君か、多数のアルカノイズを検知した場所は松城第3小学校から風鳴機関本部に進行中湊君以外直ちに響君達と合流してこれを迎え撃ってくれ』

 

「分かりました。聞いた通りよ行くわよナイン、アリア」

 

「「おう(分かりました)」」

 

「あんたは此処にいるのよ!もし出て来た…分かってるでしょうね?」

 

ステラがあらかじめ俺に此処から出るなと釘を刺す

 

「わかったから行ってこい」

 

俺がそう言うとステラ達は走って風鳴機関本部に向かった

 

「念の為にな」

 

俺はステラの作ったワクチンを持ちその場に待機する

 

〜響side〜

 

「待たせたわね」

 

「何、我々も今着いた所だ」

 

私達が着いて少しして到着したステラさんに翼さんがそう言う

 

「湊の奴は来ないんだな」

 

「リーダーは昼間の事があって出禁だとさ」

 

本来湊君はまだ病み上がりでノイズとの戦闘は極力避けた方が良いのかもしれない

 

「それにしても凄い数ですね」

 

「ああ、猶予はない刹那に薙ぎ払うぞ!」

 

「「「「「了解」」」」」

 

『イグナイトモジュール、抜剣』

 

私達は一斉にイグナイトモードに移行してノイズとの戦闘に取り掛かる

 

「はあ!」

 

「おらぁあ!」

 

私達は1度2人1組になりノイズを討伐する私のペアはナインちゃんだった

 

「推して参るは風鳴る翼!この羽ばたきは何人たりとも止められまい!!」

 

「乗らせて貰うわよ翼!」

 

《炎鳥極翔斬》

 

《氷獣天翔斬》

 

翼さんとステラさんの同時攻撃が相手に向かって行くが障壁を張ってやり過ごし翼さんとステラさんが吹き飛ばされた上にイグナイトモードが解除される

 

「「翼さん(ステラ)!」」

 

「まさか…ファウストローブ?」

 

そこにはファウストローブを纏った敵の姿があった

 

「よくも先輩を!!」

 

「許しません!!」

 

クリスちゃんもアリアちゃんも2人して相手に攻撃を仕掛けるけど

 

「嘘だろ…」

 

2人の攻撃は防がれクリスちゃんもアリアちゃんも壁にぶつけ慣れ翼さん達と同じ様にイグナイトモードが解除された

 

「「クリスちゃん(アリア)!!」」

 

私とナインちゃんが気を取られている内に私達に近づいて来たサンジェルマンさんが私達に銃を撃つ

 

「あれは!逃げろ響!!」

 

後ろに飛んだがナインちゃんそう言うので振り向くと打ち出された光は停滞してその場で爆発した

 

「はぁはぁ…」

 

爆発に巻き込まれた私もイグナイトモードが解除されて地面に倒れている

 

「ラピス・フィロソフィカスのファウストローブ、錬金技術の覇王、賢者の石と人は言う」

 

「その錬成にはチフォージュ・シャトーにて解析した世界構造のデータを利用、もとい応用させて貰ったワケダ」

 

「貴方達がその力で誰かを苦しめると言うのなら私は…」

 

「誰かを苦しめる?野外な、積年の大願は人類の解放世界のくびきから解き放つに他ならない」

 

「人類の解放…だったらちゃんと理由を聞かせてよ…それが誰かの為ならば私達きっと手を取り合える」

 

「手を取り合う?」

 

私がそう言うとサンジェルマンさんは聞き返すかの様にそう言う

 

「サンジェルマンさっさと…は!あの光!」

 

サンジェルマンさんと同じ方を向くと1人の男性が空に浮いて居た

 

〜響side out〜

 

「やっぱり俺が出ないとダメなんだな」

 

俺は空に浮かぶ大きな火の玉を見てそう呟きその場所まで急ぐ

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

「何だよこれ…」

 

そこには1人の裸の男がマリア達に向かって火の玉を放つ一歩手前だった

 

「良かった間に合った。イグナイトモジュール、抜剣」

 

俺はイグナイトモードに移行して空を飛びその男の放った火の玉を止めに行く

 

『無茶だ湊君!危険すぎる!今直ぐ戻るんだ!!』

 

「断る、せめてマリア達が逃げる時間だけでも稼ぐ!」

 

そう言って通信を遮断する

 

「ぐっ!」

 

(熱い…熱い…でも此処を耐え凌げば!)

 

俺はワクチンを打ちその火の玉を取り込む

 

「ふふふ、ふははは!ピタいちか、安いものだな!命の価値は「ふざけた事言ってんじゃねぇぞ。ど変態」ほう、生きていたか」

 

俺を見てど変態は面白い物を見た目をする

 

「悪いなお前の力を取り込ませてもらった」

 

「取り込んだか、成る程クレーターが出来てない理由はそれか…」

 

「人の命はお遊びで奪って良い程安いもんじゃねえんだぞ!」

 

「安いものさ、人の命なんてね」

 

ど変態はそれが当然だと言わんばかりの表情でそう言う

 

「さて、今度こそ消そうか。今度は耐え切れるかな?」

 

そう言ってさっきよりも大きな火の玉を生成する

 

「何度だって耐えてやる!俺の守りたい物を守る為に!」

 

「さらばだ、勇気と無謀を吐き違えた愚か者よ!!」

 

そう言って火の玉を落とす

 

「させっかよ!!」

 

《紅蓮の銃口》

 

俺は火の玉を押し返そうとするが

 

「確かによく耐えたと褒めてあげよう。だが此処までだ」

 

男の火の玉の威力に耐えきれずそのまま地面に激突して俺は意識を失った

 

〜切歌side〜

 

「ん!はぁはぁ…」

 

「切歌ちゃん!」

 

私が瓦礫を退けて体を出すと響さんが私を呼ぶ

 

「しっかりするデスよマリア」

 

「マリア」

 

「ん…生きてる…!湊はあの子は無事なの!!」

 

マリアが湊の事を探し始める

 

「何言ってるデスかマリア湊が居る訳「居るのよ翼を抱えている時確かに私はあの子が空を飛んで行くのをこの目で見たわ」でもそれが本当だとしたらどうして見つからないデス」

 

「分からないわ…」

 

マリアはそう言ってもう一度辺りを見渡す

 

「この匂い…血…まさか彼奴!?」

 

「クリスちゃん?」

 

クリスさんが走って行った方に私やマリア皆んなで着いて行く

 

「嘘だろ…」

 

「嘘…デスよねマリア」

 

そこには血溜まりを作って倒れる湊の姿があった

 

「まだ脈はある…微かだけど呼吸もしている…翼人工呼吸の仕方を知ってるかしら?」

 

「ああ、授業で噛む程度だが習っている」

 

「ならお願いやり方を教えて頂戴」

 

マリアがそう言うと翼さんはマリアに人工呼吸の仕方を教わって人工呼吸を始めた

 

「調、湊大丈夫デスよね?」

 

「わからない…でも信じなきゃ湊は大丈夫だって」

 

「そうデスね、ん…」

 

そこに司令達の指示で私達を救助しに来たヘリが到着して湊は東京の病院に搬送された

 

〜切歌side out〜




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128話

「ん…此処は…」

 

目を覚ますと知らない病室に居た

 

「身体が動かない…一体何がどうなって…」

 

立ち上がろうと体を動かすけど動けない

 

「兎に角此処が何処か知らないと…「湊!起きたデスか!」あの…貴方は一体」

 

「寝ぼけてるデスか?私デスよ」

 

「あの…誰かと勘違いされているのでは?僕は貴方とは初対面ですよ?」

 

「湊、良い加減にしないと怒るデスよ」

 

その少女は怒り気味にそう言う

 

「すみません…本当に…」パンッ

 

僕が言い切る前にその少女が思いっきり叩いて来た

 

「何するんですか!」

 

「こっちが聞きてぇデスよ!冗談にも限度ってもんがあるデスよ!」

 

「知らない物は知らないんです!もう出て行って下さい!僕は貴方と話したい事なんて全くありません!」

 

「後になって謝っても許さないデス!」

 

そう言ってその少女は出て行く

 

「失礼な人だった。絶対向こうが勘違いしてるだけなのに」

 

誰も居ない病室でそう呟く

 

「入るわよ湊」

 

「どうぞ」

 

そう言うと今度は桃色の髪をした女性が入って来た

 

「湊…私が誰かわかるかしら?」

 

「貴方が誰か…すみません。あの…何処かでお会いしているんですか?」

 

僕がそう言うとその女性は残念そうな顔をする

 

「落ち着いて聞いて、此処は東京のとある病院。そして診察の結果貴方は記憶喪失だと言う事がわかったわ」

 

「記憶喪失…」

 

「ええ、私はマリア・カデンツァヴナ・イヴ。貴方とは10年近い付き合いになるわ。名前はわかるかしら?」

 

「はい、何とか」

 

「そう、ありがとう。また明日来るわ。その時にある子達を紹介したいの。良いかしら?」

 

「はい、大丈夫です」

 

「ありがとう、それじゃあ明日また来るわね」

 

マリアさんはそう言って部屋を出て行った

 

〜切歌side〜

 

「全く湊は!心配して来てあげたのに何デスかあの態度は!」

 

「切ちゃんどうかしたの?随分と機嫌が悪いみたいだけど」

 

「聞いて下さいデスよ調!湊ってば酷いんデスよ!」

 

私は調に湊の病室での事を話す

 

「ねぇ切ちゃん、それってもしかして記憶喪失って奴じゃないかな?」

 

「ヘ?記憶喪失?」

 

私がそう聞くと調は無言で頷く

 

「はわわ!だとしたらやばいデスよ調!私さっき湊の事思いっきり叩いちゃったデスよ!」

 

「切ちゃん落ち着いて、今マリアが病院の先生に聞きに行ってる所だから」

 

「お待たせ調」

 

そこにマリアが戻ってくる

 

「まっマリア!湊が記憶喪失って本当デスか!?」

 

「落ち着きなさい切歌…恐らく本当よそれに湊が私や貴方達に嘘を吐く理由が無いもの」

 

「おっ終わったデス…」

 

「何があったの?」

 

目に見えて落ち込む私を見てマリアがそう聞いて来る

 

「実はデスね…少し前にその…湊と言い合いになって…思いっきり叩いちゃったデスよ」

 

私がそう言うとマリアはため息を吐く

 

「仕方ないわね、明日また来るとは伝えてあるからその時にでも謝りなさい」

 

「その今からじゃダメデスかね?」

 

「今はやめておきなさい、事情を知らなかったとはいえついさっき叩いた相手がまた来るのは貴方も嫌でしょ?」

 

「それは…そうデスけど…わかったデス、謝るのは明日にするデス」

 

「そうしなさい、帰るわよ切歌、調」

 

マリアにそう言われて私達は葉月ちゃんの待つマンションに帰った

 

〜切歌side out〜




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129話

「入っても良いかしら湊?」

 

「はい、大丈夫ですマリアさん」

 

昨日と違い多少動けるようになったので起き上がって読書をしているとマリアさんの声が聞こえたのでそう返す恐らく昨日言っていた人達を連れて来てくれたのだろう

 

「あの…昨日はその…」

 

「帰って来れませんか?貴方と話したい事なんて無いと昨日言った筈です」

 

そこには昨日の金髪の少女も居た

 

「待って、ほら切ちゃん」

 

「昨日は急に叩いてごめんデス、記憶喪失だって知らなくて…」

 

この人は僕が記憶喪失だって知らなかったんだ

 

「だとしたら余計に許したく無いですね、初対面の人の話も聞かずにその場の感情で人を叩く人と話したくなんてありません」

 

「本当にごめんデス…マリア私は外で待ってるデス」

 

そう言ってその少女は病室を出て行った

 

「それで、さっきの人を含めて全員が知り合いで良いんですか?」

 

「ええ、私の隣から1人ずつ名前と貴方との関係を話して貰うつもりよ」

 

マリアさんの隣からって事はさっき金髪だった子を引き止めた黒髪のツインテールの子か

 

「月読調、調で大丈夫。記憶喪失になる前もそう呼んでたし。それで私と湊の関係だよね?私と湊それとさっき病室を出て行った切ちゃんは3人で付き合ってる」

 

「付き合って居る…つまり恋人って事ですか?」

 

「うん、切ちゃんの事なんだけど…出来れば許してあげて欲しい、湊の記憶が急に無くなって気が動転しちゃって叩いちゃったんだと思うから」

 

恋人が急に記憶喪失になったんだから気が動転するのも確かに頷ける

 

「分かりました。僕も少し言い過ぎた気がします。後で僕も謝りたいので2人で話させて貰えますか?」

 

「うん、切ちゃんに話しておくね。マリア切ちゃんが少し心配だから先に出とくね」

 

そう言って調さんは病室を出て行った

 

「私は小日向未来って言うんだ。私の事も未来で良いよ。湊との関係か…私と湊は同じリディアン音楽院の生徒でクラスメイト。切歌ちゃんや調ちゃん達みたいに深い関係って訳じゃないけど響達が戻って来て無いから私が代わりに来たんだ」

 

「よろしくお願いします未来さん、それで響さん達とは一体」

 

「響って言うのは私の1番の親友の立花響って言う子の事だよ。他にもね、翼さんや湊のお姉さんのクリス、弦十郎さんにエルフナインちゃん今会えない中で湊と関わりが深い人達と言えばそれくらいかな?」

 

「えっと…未来さん僕のお姉さんのクリスさんでしたか?どうして会えないんですか?」

 

僕は気になった事を未来さんに聞く

 

「今少し忙しくてね、明後日には会えると思うよ」

 

「そうですか、ありがとうございます未来さん」

 

「うん、それじゃあマリアさん私はこれで」

 

「ええ、ありがとう」

 

「いえ、それじゃあお大事に湊」

 

そう言って未来さんは病室を出た

 

「あの…マリアさん、僕のお姉さんってどんな人何ですか?」

 

「明後日には会えるのよ、先にわかったら面白くないと思わない?」

 

「そうですね、どんな人何だろう」

 

僕は自分の姉の姿を思い浮かべる

 

「あまり期待し過ぎると会った時のギャップが酷いわよ」

 

「あはは…でも少し気になっちゃって」

 

「まあわからないでもないけどね、私もそろそろ行くわ」

 

マリアさんはそう言って扉に向かう

 

「はい、その…マリアさん…時々…時々で良いんですけど記憶喪失になる前の僕の話聞かせて貰っても良いですか?」

 

「ええ、それくらい大丈夫よ」

 

マリアさんはそう言って病室を出て行った

 

「失礼するデス」

 

暫くするとあの金髪の少女が病室に入って来た

 

「あの、さっきは僕も少し言いすぎました。調さんから聞きました。僕と調さんと貴方の3人で付き合っているって、突然恋人が記憶喪失になってしまったんですから動揺もしますよね。僕そうとも知らずに酷い事を言ってしまって、本当にすみません」

 

「大丈夫デスよ、私の方こそごめんデスよ動揺してたとはいえいきなり叩いて、名前言って無かったデスね。私は暁切歌デス、切歌で良いデスよ湊」

 

「はい、よろしくお願いします切歌さん」

 

僕がそう言うと切歌さんはホッとする

 

「ふ〜、良かったデスよ。このまま湊と仲直り出来なかったらどうしようかと思ってたデスよ」

 

「マリアさんにもお願いしたんですけど良かったら切歌さんも僕が記憶喪失になる前の事色々と教えてくれませんか?」

 

「おやすみ御用デス!それじゃあまた明日来るデス!」

 

切歌さんはそう言って病室を出て行った




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130話

あれから2日が経った

 

「行くデスよ湊!」

 

「分かりました」

 

退院する日が来てお世話になった病院に頭を下げていると迎えに来た切歌さんが僕を呼ぶ

 

「遅いわよ切歌、湊」

 

「すみません、僕がもたついてしまって。所でこれから何処に?」

 

「その話は向かいながら切歌に聞きなさい」

 

マリアさんはそう言って車を出す

 

「本部ですか?」

 

「そうデス、これから記憶喪失になる前に湊が所属して居たS.O.N.G.の本部に向かうデス」

 

S.O.N.G.…初めて聞く名前の筈なんだけど…何処か聞き覚えがある名前だ

 

「着いたわ、此処からはヘリで移動するわよ」

 

マンションの駐車場に車を止め屋上に移動してヘリに乗って本部のある潜水艦に向かった

 

「あれがその潜水艦ですか?」

 

「ええ、あそこに貴方のお姉さんを含めて小日向未来から聞いた人物が居るわ」

 

あそこに僕のお姉さんが…

 

途中切歌さんと別れマリアさんに着いて行き中に入る

 

「風鳴司令、湊を連れて来ました」

 

「ご苦労だったマリア君、S.O.N.G.へようこそ雪音湊君。俺は司令官の風鳴弦十郎だ」

 

「雪音湊です。よろしくお願いします」

 

僕はそう言って風鳴司令の手を取る

 

「さて、君は状況を何処まで理解している?」

 

「切歌さんとマリアさんからの話で僕がシンフォギア装者として此処に所属している事、此処に所属する前にあった出来事は聞いています。ですが此処に所属してからの事はまだ」

 

「そうか、まあその事は追々話そう先ずは彼女達に会おうか」

 

「彼女達?」

 

「ああ、君が守った少女達だ」

 

僕が守った少女達…

 

「此処に居るんですか?」

 

「ああ、俺はまだやる事がある。後の事は中の子達に聞いてくれ」

 

風鳴司令はそう言って来た道を戻って行った

 

「あの!風鳴司令に案内されて来た雪音湊です!」

 

『ちょっと待ってろよ』

 

そう声が聞こえてから扉が開く

 

「失礼します…「良かった!湊君元気になったんだね!!本当に心配したよ!」あの…「このバカ!おっさんに言われただろ!今の彼奴はあたしやお前の事を忘れてんだ!」ありがとうございます」

 

中に入るといきなり抱きつかれたから正直どうしようか迷ったけど別の人がその人を引き離してくれた

 

「気にすんなよ湊、あたしは雪音クリスお前の姉ちゃんだ」

 

この人が僕のお姉さん

 

「すみません、そんな大切な人の事も忘れてしまって」

 

「別に気にする必要なんかねぇよ。あたし達はお前のお陰で無事なんだからよ」

 

「ああ、お前が居なければ我々は此処に居なかっただろう。私は風鳴翼だ。」

 

「私は立花響!よろしくね!」

 

「はい、未来さんから話は聞いています。よろしくお願いします。翼さん、響さん、クリス姉さん」

 

僕はそう言って頭を下げる

 

「クリス姉さんか…何か小っ恥ずかしいな…」

 

「もしかしてクリスちゃん照れてる?」

 

「!?バカ!照れてねえよ!!」

 

クリス姉さんはそう言って響さんから顔をそらす

 

「湊さん、ご無事で何よりです。僕はエルフナインです」

 

「雪音湊です。よろしくお願いしますエルフナインさん。何をしているんですか?」

 

響さんに最後に1人会って置くべき人のいると案内され部屋の中に入るとエルフナインさんが居た

 

「実はウェル博士の置き土産ダイレクトフィードバックシステムの解析を行なって居るのですが中々進まなくて」

 

「あの…少し手伝わせて貰えますか?」

 

「そんな悪いですよ!湊さんにも御用が」

 

「それが…何もする事がなくて…ですからエルフナインさんのお力になれればと思ったんですが…」

 

「あの…それではお願いします」

 

「はい」

 

僕はエルフナインさんのダイレクトフィードバックシステムを解析する手伝いをはじめた




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131話

「湊帰るデスよ!」

 

エルフナインさんを手伝っていると切歌さんが来た

 

「はい、すみませんエルフナインさん。あまりお役に立てずに」

 

「いえ、湊さんのお陰でダイレクトフィードバックシステムの解析が大幅に向上しました。本当にありがとうございました」

 

「お役に立てた様で嬉しいです「湊!早くするデスよ!」分かりました。お邪魔しました」

 

そう言って僕は切歌さんに付いて行く

 

「此処が私達と湊の住んでるマンションデス!」

 

「此処って車を止めたマンションですよね?」

 

「ええ、貴方と私達は隣同士だから何か困った事があったらいつでも来なさい」

 

「はい、ありがとうございます」

 

そう言って僕は中に入る

 

「パパ!お帰り!!」

 

「えっと…ただいまで良いんでしょうか?」

 

中に入ると小学生くらいの女の子が走って来た

 

「君も此処に住んでるの?」

 

「うん!パパと一緒に住んでるの!!」

 

パパ…僕の事なのかな?

 

「ごめんね、ちょっとまた外に出てくるね」

 

「うん!いってらっしゃい!」

 

その子はそう言って玄関で手を振って居た

 

「早速来てしまってすいません」

 

「構わないわ私達も葉月の事を貴方に言い忘れていたもの」

 

さっきの子は葉月ちゃんって言うんだ

 

「その子は葉月ちゃんデスよ」

 

「元々捨て子だったのを湊が拾った。それからずっと湊が面倒を見てたから湊の事をパパって呼ぶ様になった」

 

それで葉月ちゃんは僕の事をパパって呼んだんだ

 

「分かりました「この際よ夕食も食べて帰って」ありがとうございます。それじゃあ僕は葉月ちゃんの事を呼んで来ます」

 

そう言って僕は葉月ちゃんを呼びに行った

 

〜切歌side〜

 

「お邪魔しました」

 

「バイバイ!切歌お姉ちゃん!」

 

「また明日デス」

 

葉月ちゃんと湊が帰った後私達は3人で話していた

 

「ちょっと…いえかなり寂しいデス」

 

「そうだね、私達と出会った時の事もその後あった事も全部忘れちゃってるもんね」

 

「仕方ないわよ、至近距離であんなとんでもない攻撃を受けて生きてるだけ良かったと思った方が良いわ」

 

私達は司令から湊の受けた相手の錬金術の威力がツングースカ級だと言われた時、私達は何の事か分からなかったデス。でもマリアだけがその破壊力を知っていたデス。でも、あれだけの大きな施設がひとたまりも無くなっている。その事が湊が至近距離で受けた一撃の重さを物語っている

 

「記憶喪失の治す方法なんてわかんないデスよ」

 

「何気ない事で戻ったりする事もあるかも知れないけどそれがなんなのか私達にはわからない」

 

「あれからエルフナインと少し意見を出し合ってみたの…湊の記憶喪失の原因それは間違いなく治癒の錬金術による物。現段階で2つの仮説があるわ、1つが治癒の錬金術の消費に使う新たな記憶を生み出す為大切な最低限の記憶のみを残しそれ以外の記憶は脳内に保管されていて記憶が治癒の錬金術の消費に適した量になった時その記憶を燃やして元の記憶をパズルのピースの様にはめ込むと言う仮説、2つ目は当たって欲しくないけど1番可能性が高い説、今までの記憶の殆どを燃やして生きながらえたと言う仮説」

 

確かに1つ目に比べたら2つ目の方が筋が通っているでも

 

「私は1つ目を信じたいデス」

 

「私も1つ目を信じる」

 

「私も1つ目を信じているわ、でも覚悟はして置いた方が良いと思うの、私も貴方達も」

 

マリアは真剣な表情でそう言って自分の部屋に向かった

 

〜切歌side out〜




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132話

「ん…おはようございます葉月ちゃん」

 

「おはようパパ!」

 

次の日僕はお腹の上に何かが乗った感覚で目が覚めると葉月ちゃんが乗っていた

 

「あの…起きるので降りてくれませんか?」

 

僕がそう言うと葉月ちゃんは降りてくれた

 

「パンとご飯どっちが良いですか?」

 

「ご飯!」

 

「分かりました」

 

僕は葉月ちゃんのご飯と自分のご飯とソーセージと目玉焼きを皿に盛る

 

「パパ行ってきます!!」

 

「車には気をつけて下さいね」

 

「はーい!」

 

マンションの昇降口まで葉月ちゃんを見送って僕は自分の部屋に戻る

 

「洗濯機が止まるまで1時間くらい時間があるからその間に部屋の掃除と朝ご飯の洗い物を終わらせて…はーい!」

 

予定を組んでいるとインターホンが鳴ったので玄関に向かう

 

「マリアさん?どうかしたんですか?」

 

「いえ、ただ困った事が無いか心配でね」

 

「ありがとうございます。昨日は夕食をご馳走になった上に心配までして頂いて、あ、今お茶入れますね」

 

そう言って僕は台所にお茶を入れに行く

 

「どうぞ」

 

「ありがとう、洗濯物が出来たみたいね手伝うわ」

 

「そんな!悪いですよ!お客さんにそんな!」

 

「私が手伝いたいの、ただお茶をご馳走になるだけって訳にはいかないもの」

 

マリアさんがそう言ってくれたのでその行為に甘えマリアさんに手伝って貰う事にした

 

「ありがとうございますマリアさん、お陰で早く済みました」

 

「気にしないで湊」

 

「あの…僕に何か出来る事があれば何時でも言って下さい」

 

「ならそうさせて貰うわね」

 

マリアさんはそう言って部屋に戻って行った

 

「パパ!ただいま!!」

 

「お帰りなさい葉月ちゃん、おやつにクッキー焼いたんですが食べますか?」

 

「うん!食べる!!」

 

「それじゃあ手を洗って来て下さい。僕はマリアさんにクッキーのお裾分けをして来ますので先に食べてて下さい」

 

そう言って葉月ちゃんは手を洗いに行って僕はマリアさんにクッキーのお裾分けに行った

 

「マリアさん、居ますか?」

 

「どうしたの湊?」

 

「これ今日のお礼にクッキーを作ったんです。良かったら切歌さん達と一緒に食べて下さい」

 

「ありがとう、ありがたく頂くわ」

 

マリアさんにクッキーを受け取って貰えて良かった

 

「これ葉月ちゃんが用意してくれたんですか?」

 

「うん!そうだよ!」

 

部屋に戻ると葉月ちゃんが僕の分と自分の分の牛乳を入れてくれていた

 

「ありがとうございます。凄く嬉しいです」

 

「えへへ、パパが褒めてくれた」

 

葉月ちゃんは嬉しそうな表情でそう言う

 

「パパ!このクッキー美味しい!」

 

「喜んで貰えて僕も嬉しいです。まだ沢山ありますしそんなに急いで食べなくても大丈夫ですよ」

 

そう言って僕は葉月ちゃんの口の周りに着いたクッキーのカスを拭き取る

 

「ありがとうパパ」

 

「どういたしまして、夕食は何が良いですか?」

 

「えっと…ハンバーグ!」

 

「ハンバーグですか、それじゃあ一緒にハンバーグの材料を買いに行きましょう」

 

「うん!」

 

僕と葉月ちゃんはそう言って2人で夕飯のハンバーグの材料の買い出しに向かった




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133話

「湊、ちょっと手伝って欲しい事があるデスよ」

 

「手伝って欲しい事ですか?」

 

僕は切歌さんにそう言われて本部のトレーニングルームに一緒に向かうとそこには調さんも居た

 

「こんな時に頼むのも悪い話デスけど私達と模擬戦をして欲しいデス」

 

「模擬戦ですか?ですがお2人は」

 

「良いの、私も切ちゃんもわかって言ってるから」

 

僕が何を言いたいか理解した調さんがそう答える

 

「分かりました、僕がお2人のお役に立てるのであれば引き受けます」

 

〜Various shul shagana tron〜

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

聖詠を同時に行いシンフォギアを纏う

 

「始めます」

 

そう言うと僕の周りにシュミレーション用のノイズが出現する

 

「行くデスよ調!」

 

「うん」

 

《切・呪リeッTぉ》

 

切歌さんがアームドギアの刃を3枚に分裂させ、ブーメランのように飛ばしてノイズを攻撃する

 

「湊の相手は私!」

 

「負けません!」

 

《α式 百輪廻》

 

《紅炎華》

 

調さんの攻撃に負けじと僕も対抗する

 

「シュルシャガナの刃は全てを切り開く無限軌道!目の前の障害も私達の明日も!」

 

《Δ式 艶殺アクセル》

 

「カマエルは炎は全てを焼き尽くす紅蓮の業火です!どの様な理不尽も世界の理も!」

 

《豪炎天界》

 

スカートを円状の刃に変形させ、体を回転させて周囲のノイズを倒して行く調さんに向けて攻撃をする

 

「まだ負けない!」

 

《γ式 卍火車》

 

ツインテール部分を伸縮可能なアームとして扱い、2枚の巨大鋸を投擲し攻撃を防ぐ

 

「くっ!」

 

「もう辞めましょうよ!これ以上は体が!切歌さん!!」

 

大型のノイズを倒そうとした所で攻撃が不発に終わり落下する切歌さんを受け止める

 

「大丈夫切ちゃん?」

 

「湊に受け止めて貰ったので何とか大丈夫デスよ調」

 

「調ちゃん!切歌ちゃん!」

 

そこに響さん達が入って来た

 

「linkerも無いのにどうして」

 

「私達がlinkerに頼らず戦えていれば湊が記憶喪失になる事も…あんな事にも…」

 

「すみません…僕が記憶喪失になったばかりに…」

 

「湊が悪い訳じゃ無い、linkerに頼らないと戦えない弱い私達がいけないの」

 

僕が謝ると調さんはそう言う

 

「私は大丈夫デス、それよりも湊続きをするデスよ」

 

「…わかりました。ですが少し時間を置きましょう。焦ってばかりいては大きな見落としがあるかも知れません」

 

「その必要は無いデス、linkerに頼らなくても良い様に適合係数を上げなきゃデス」

 

切歌さんはそう言って立ち上がる

 

「ダメだよこんな無茶!一歩間違ったら死んじゃうかもしれないんだよ!」

 

「経緯もよくわからままに十分な適合係数を物にした響さんにはわからない!「調さん」ごめん湊」

 

「調さんの気持ちもわからない訳ではありません。ですがその怒りを誰かにぶつけるのは間違っています」

 

僕がそう言うと調さんも立ち上がる

 

「うん…切ちゃん湊の言う通り少し休憩にしよう」

 

「そうデスね、今日のお弁当は何デスか?」

 

「昨日の夕食の時の唐揚げにそれから」

 

僕と切歌さん達はそう話しながらトレーニングルームを出た

 

〜マリアside〜

 

「全く彼奴らは湊まで巻き込みやがって」

 

「仕方ないわよ、何時かきっとlinkerは完成する。だけどその何時かを待ち続けるほど私達の盤面に余裕は無いわ。きっと湊もあの子達の過剰な無茶を抑える為に一緒になってしているのよ」

 

クリスの言葉に私はそう返す

 

「方法は有ります。linkerの完成を手繰り寄せる最後のピースを埋めるかも知れない方法が」

 

「最後のピース?」

 

私がそう聞くとエルフナインは頷く

 

「ウェル博士に手渡されたlinkerのレシピで唯一解析出来ていない部分、それはlinkerがシンフォギアを装者の脳のどの領域に接続し負荷を抑制しているかです。フィーネやFISの支援があったとはいえ1からlinkerを作り上げたウェル博士は色々は兎も角、本当に素晴らしい生科学者だったと言えます」

 

「素晴らしい…ゾッとしない話ね」

 

エルフナインの言葉に私はそう言わずにいられなかった

 

「あの…難しい話は早送りにして最後のピースの所まで飛ばしてよ」

 

「鍵はマリアさんの纏うアガートラーム、そして湊さんの纏うカマエルにあります」

 

「白銀の…私のギアに?それに湊のギアにも?」

 

私の言葉にエルフナインは頷く

 

「アガートラーム、特性の中にエネルギーベクトルの制御があります。対してカマエルには熱エネルギーのみの制御です。あの時マリアさん達が生きながらえたのは湊さんのその力の影響もあると考えて間違いありません。そして土壇場で度々見られた発光現象、脳とシンフォギアを行き来する電気信号がアガートラームの特性によって可視化それどころかギアからの負荷をも緩和したのでは無いかと僕は推論します。これまでずっと任務の合間に繰り返して来た訓練によってマリアさん達の適合係数は少しずつ上昇して来ました。恐らくはその結果だと思われます」

 

「それじゃあ私達の頑張りは無駄ではなかったのね」

 

「ええ、マリアさんの脳内に残された電気信号の痕跡を辿って行けば」

 

「linkerの作用している場所が解明する…だけどどうやって」

 

「それこそウェルの野郎に頭を下げない限りは」

 

クリスの言う通りウェルに頭を下げない限りは難しいかも知れない

 

「先日の湊さんの協力によって何とか物になった装置があります。ですが、それを設計したのは湊さんなので僕にどうしようも」

 

「ちょっと待って…湊が設計したの?」

 

「ご存知なかったのですか?」

 

エルフナインはそう言うと端末機から1つの情報を提示する

 

「これって湊君?」

 

「はい、ニューヨークシティのとある施設で開発された小型のホログラム通信機の設計、そしてそのプログラムを大半を受け持った人物それが」

 

「湊なのね?」

 

私の言葉にエルフナインは頷く

 

「彼奴もっとマシな顔は出来なかったのかよ」

 

「あはは、その辺りは湊君らしい気はするけどね」

 

「一先ずは湊さんが戻るのを待ちましょう」

 

湊が居なければ話が進まない事を知りその場は解散となった

 

〜マリアside out〜




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134話

「それで何で此処でお弁当を食べるデスか?」

 

「此処ってトレーニングルームだよね?」

 

「はい、少し待ってください」

 

そう言ってトレーニングルームの外から1つのフィールドを展開する

 

「どうですか?」

 

「綺麗」

 

「良い感じデス!」

 

良かった切歌さんも調さんも喜んでくれてる

 

「あれ?そう言えばトレーニングルームにこんなフィールドあったデスかね?」

 

「確かにこれまで市街地ばかりだったのに」

 

これまで市街地ばかりだったフィールドは今回花や草が生い茂っている

 

「実は、先日僕が風鳴司令に頼んで作らせて貰ったんです。少しでも皆さんに喜んで貰えればと思って」

 

「ありがとうデス!此処ならお弁当が何時もの倍美味しく食べられそうデス!」

 

「うん、それじゃあ食べよっか」

 

調さんがそう言って地面(床)に座る

 

「ん〜、美味しいデ〜ス」

 

「本当に美味しい」

 

「お口に合って良かったです」

 

そう言って一安心する。良かった美味しく出来て

 

「ん…風もあるんだ」

 

「気持ちいいデ〜ス」

 

「風が吹いた時の感覚、草や花の感触などにも拘りましたから。流石に摘む事は出来ませんが」

 

このフィールド自体は2日前に完成していたが花や草や感触などを確認もあったので本当の完成は昨日したばかりだ

 

「「ふぁ〜」」

 

切歌さんと調さんは寝転びながら2人同時にあくびをする

 

「少し休んではどうですか?」

 

「それじゃあ…」

 

「そのお言葉に甘えさせて貰うデス」

 

そう言って切歌さんと調さんは僕の膝の上に頭を置く

 

「「すぅ~、すぅ~」」

 

暫くすると切歌さんと調さんは規則正しい寝息を立て眠ってしまった

 

「どうすれば…」

 

「湊、エルフナインが呼んでいた。2人は私が預かろう」

 

そう言ってトレーニングルームに入って来たのは翼さんだった

 

「はい、ありがとうございます翼さん」

 

「何気にする事じゃ無い」

 

「それでも、ありがとうございます」

 

僕は翼さんにそう言ってから頭を下げてトレーニングルームを出てエルフナインさんの居る別のトレーニングルームに向かった

 

〜翼side〜

 

「それにしても…此処がトレーニングルームだとはな…」

 

私はそう言って辺りを見渡す

 

「「くしゅん!」」

 

2時間くらい経った頃だろうか?2つの可愛らしいクシャミが聞こえた

 

「ん…湊…?」

 

「私達寝ちゃったんデスね」

 

「済まない、私は湊では無い」

 

私がそう言うと暁と月読は目を擦り声の主を確認する

 

「ん…翼…さ…ん!?なっ何で私達翼さんに膝枕をされて居るデスか!?」

 

「ん…切ちゃんうるさい…翼さん…あれ?確か私達湊に…」

 

「ああ、湊がエルフナインに呼ばれて居たので私が交代したんだ」

 

「さいデスか」

 

「ん…私はもう少し寝れる…切ちゃんお願い…」すぅ~

 

月読はそう言って起きた暁の膝に自分の頭を乗せて再び眠りに着いた

 

「暁、私は上手く出来ていなかったのだろうか?」

 

「う〜ん、別にそう言う訳じゃ無いと思うデスよ、調の場合枕が変わると眠りが浅くなるらしいデスからそのせいだと思うデス。私は気持ち良かったですデスよ。翼さんの膝枕」

 

そうか、私が上手く出来ていなかった訳では無いのか

 

「そうか…では私は失礼する」

 

私はそう言ってトレーニングルームを後にした

 

〜翼side out〜




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135話

「お待たせしましたエルフナインさん。僕に何かご用ですか?」

 

「あの装置を使います。湊さんにはそのアシストをお願いしたいんです」

 

「…わかりました。あまり気は乗りませんが協力します」

 

僕はエルフナインさんにはそう言って装置の起動準備を始める

 

「エルフナインさん、何時でも起動出来ます」

 

そう言って中に入るとそこにはマリアさん達も居た

 

「ありがとうございます。付いて来て下さい」

 

マリアさん達はエルフナインに付いて行く

 

「これは」

 

「ウェル博士の置き土産ダイレクトフィールドバックシステムを錬金技術を応用して再現してみました。対象の脳内に電気信号化した他者の意識を割り込ませる事で観測を行います」

 

「つまりこれを使えば対象の頭の中を覗く事が出来ると言う事です。そして理論上それは可能です。ですがそれには大きなリスクが伴います」

 

「大きなリスク?」

 

僕の言葉に響さんはそう聞いて来る

 

「人の脳内は複雑に入り組んだ迷宮です。最悪の場合、観測者ごと被験者の意識は溶け合い廃人となる可能性も出て来ます。なので僕はあまりこの装置を使う事に賛成はしません」

 

「やるわ、ようやくlinkerの完成の目処が立ちそうなのに見逃す理由は無いでしょ?」

 

僕の言葉を聞いてマリアさんはそう言ってエルフナインさんを見る

 

「観測者…つまり貴方にもその危険は及ぶのね?」

 

「それが僕に出来る戦いです。僕と一緒に戦って下さいマリアさん!」

 

「ええ、一緒に戦いましょうエルフナイン」

 

エルフナインさんの言葉にマリアさんはそう返した

 

「すみません、本当であれば設計した張本人である僕が最初に使用しなければいけないのにマリアさんとエルフナインさんにお任せしてしまって」

 

「この装置の使用には被験者と観測者の2人が必要だもの、仕方ないわ。貴方は私とエルフナインが戻って来た時貴方は笑って迎えて頂戴」

 

マリアさんはそう言って僕に優しい笑みを浮かべる

 

「はい、準備は良いですか?」

 

「ええ、エルフナイン貴方が私の此処に入ってくるのね?「少し違います」そうなの?」

 

「ええ、仮想空間に複写したマリアさんの脳構造に接続した後、エルフナインさんとマリアさんの意識を共有すると言った方が正しいです」

 

僕はマリアさんの小さな間違いをそう訂正する

 

「了解」

 

「それでは始めます」

 

僕はマリアさんとエルフナインさんが頷いたのを確認して装置を起動させた

 

「友里さん後の事お願いします」

 

「ええ、任せておいて」

 

僕は友里さんにそう言って別室に向かう

 

「作って置いて良かった」

 

そこにはエルフナインさんの作った物とは違う形の装置を装着する

 

(僕も頑張って来ますマリアさん、エルフナインさん)

 

そう思いながら装置を起動させた

 

「此処は…」

 

そこには真っ暗な空間が広がっていた

 

『やっと来たか』

 

「はい」

 

その声と共に目の前に1人の人物が現れる

 

「やっと会えたな俺」

 

「ええ、ようやく会えましたね僕」

 

そこに現れたのは記憶喪失になる以前の僕だった

 

「それで…俺の所に来たって事は覚悟は決まったって事で良いんだな?」

 

「すみません、まだ少し怖いです」

 

「ま、俺が元に戻ればお前は消えるんだそう割り切れる話じゃ無いよな」

 

そう言って何処からとも無く椅子を取り出して座る

 

「あの…」

 

「はぁ、此処はお前の脳内でもあるんだぞ思えば出て来る」

 

そう言われて椅子を思い浮かべると本当に椅子が出て来た

 

「覚悟が決まってないならどうして此処に来た」

 

「今マリアさん達が頑張っています。なので僕も頑張らないとと思って勢いで来てしまいました」

 

僕がそう言うと真剣な表情でこう言われた

 

「お前とマリアの思いを同じにするな、マリアはお前よりも強い意志がある、対してお前はどうだ?マリアが頑張っているから僕も頑張る?ふざけるのも大概にしろ」

 

「すみません…でも…僕…1人じゃ…何もでぎない…がら…」

 

「泣くな鬱陶しい、今のお前は俺に縋っているだけだ違うか?」

 

僕は図星を突かれて何も言い返せなくなった。確かに僕は彼に縋っているだけだ

 

「悪いがそう言う事なら帰ってくれ、お前と話す事は何も無い「待って下さい!!」何だよ、まだなんかあんのか?」

 

「元に戻る為の記憶はとっくにある筈です!!なのに…どうして元に戻って皆さんを安心させてあげないんですか!!」

 

「それこそお前には関係ないだろ「あります…僕は貴方です!貴方の事は僕の事です!!」…ようやくらしくなったじゃねぇか」

 

彼はそう言って笑みを浮かべる

 

「良いだろう元に戻ってやる。だが、それはお前が彼奴らにちゃんと別れを言ってからだ。それまで俺は此処に居てやる。1つだけ言っておくぞ…悔いは残すなよ」

 

「…わかりました」

 

そこで僕の意識は浮上していった

 

「湊…湊さん!」

 

「ん…エルフナインさん…おはようございます…」

 

僕が目を覚ますとそこにはエルフナインさんが居た

 

「どうしてこんな事を…」

 

「僕の脳の中なら記憶喪失になる前の僕と話せるんじゃ無いかと思って作ったんです」

 

僕はエルフナインさんにこの装置を作った理由を話す

 

「記憶喪失になる前の湊さんと…それで結果は」

 

「成功です…エルフナインさん達の方はどうですか?」

 

「此方も成功です。マリアさん達がアルカノイズの対処に向かっています」

 

「そうですか」

 

エルフナインさんの言葉を聞いて安心する中あの人から言われた言葉が頭から離れない

 

『悔いは残すなよ』

 

「あれはどう言う事なんだろう?」

 

「どうかしましたか?」

 

「何でもないです」

 

そう言って僕はその部屋を出た




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136話

「すみません、また手伝って貰ってしまって」

 

「大丈夫です。マリアさん達に今日はエルフナインさんのラボに泊まる事は伝えていますから、それにしても賢者の石の対抗策ですか」

 

「はい、それが見つかれば希望が見えて来る筈です」

 

賢者の石に対抗する手段、やっぱり簡単には見つからない

 

「この中にはその資料はありませんね」

 

「2人共、異端技術に関する資料らしい資料はかき集めて来たつもりだ、他にも何か必要な物があったら何でも言って欲しい」

 

「はい…ありが…わ!「無茶は良くないですよエルフナインさん」ありがとうございます湊さん」

 

僕は資料を取りに行く途中で倒れそうになるエルフナインさんを支える

 

「こんを詰めすぎちゃいないか?」

 

「大丈夫…です。それにキャロルから貰った体です。2人で1人だから2人分頑張らないと」

 

「その為に僕が居るんです。だから1人で背負い込まないで今は少し体を休めて下さい。3時間の交代で互いに仮眠を取りましょう。無茶をして響さん達を心配させたら本末転倒ですよ」

 

「そうですね、わかりました。3時間の交代で仮眠を取りましょう」

 

「そうすると良い、湊君も無茶はするなよ」

 

風鳴司令がラボを出る時にある事を思い出した

 

「はい、あ!風鳴司令、明日皆さんにお話したい事があります。宜しければ時間を頂けないか聞いて頂いても大丈夫でしょうか?」

 

「ああ、そのくらい大丈夫だ」

 

風鳴司令はそう言ってラボを出た

 

「湊さん、マリアさん達に話したい事と言うのはやはり」

 

「はい、皆さんにきちんとお別れを言いたいんです。短い間でしたが皆さんには本当にお世話になりましたから、エルフナインさん先に仮眠を取って下さい。僕は後で大丈夫です」

 

「はい、それでは先に仮眠を取らせて頂きます」

 

エルフナインさんはそう言ってベットで眠る

 

「世界を1つの大きな命と見立てて作られた賢者の石…これに対抗するならそれと同等かそれに近い…これは…」

 

そのページには響さんの顔写真と小さな石の様な物の写真が貼られてある下にその詳細が書かれてあった

 

「融合症例第一号の体内より生成され、体外にまで迫り出したガーベッジ…これならいけるかも知れません。他にもこう言った事例が無いか調べないと…あった、融合症例第二号…え?僕?」

 

次のページには響さんのページと同じ様に僕の事も書かれていた

 

「融合症例第二号の体内からも同じ様に生成され、体外にまで迫り出したガーベッジ…響さんのガーベッジと僕のガーベッジこれは両方とも1人の人間と言う小さな命から生み出された。言わば賢者の石の正反対の力…可能性が見えて来た。他の事例は…ないですか」

 

その次のページは別の事が書かれていた

 

「他の国の事例も調べないと」

 

僕はパソコンを使い他の国にも同じ様な事例が存在するのか確かめ始めた

 

〜エルフナインside〜

 

「ん…ふぁ〜、時間は…6時!?すみま…せん…」

 

僕が向かうと机で眠る湊さんの姿があった

 

「これは…凄い」

 

そこには賢者の石に対抗し得る資料の詳細を手書きで納めパソコンには他の国での同じ事例を調べている内に寝落ちしてしまった様でそのページが開かれたままになっている

 

「此処までの事をたった数時間で…お疲れ様です湊さん…後は僕に任せて下さい。その前に湊さんをベットに運ばないと」

 

そう思い行動を起こしたのは良いが湊さんを持ち上げる事ができない

 

「弦十郎さんお願いしたい事があるんですが」

 

「どうしたエルフナイン君?」

 

「実は僕ついさっき起きたばかりで湊さんが机で寝てしまって、僕のベットに運ぶのを手伝って貰えませんか?」

 

「ああ、構わないぞ」

 

「ありがとうございます。それから湊さんが昨晩の内に賢者の石に対抗する手段を発見しました」

 

「そうか、一先ずラボに向かおう話は歩きながら聞こう」

 

そう言って弦十郎さんとラボに向かい湊さんをベットに運んで貰った後僕は湊さんのパソコンを借りて続きを調べた

 

〜エルフナインside out〜




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137話

〜エルフナインside〜

 

あの後、弦十郎さんに皆さんを集めて貰いましたが湊さんは遅くまで調べていた疲れがあるからなのかまだ眠っていた為そのままにした

 

「これは?」

 

「以前ガングニールと融合し言わば生態核融合炉と化していた響さんより錬成されたガーベッジです」

 

マリアさんの質問に僕はそう答える

 

「まあ!あの時の瘡蓋?」

 

「とは言えあの物質にさしたる力は無かったと聞いていたが?」

 

「世界を1つの大きな命と見立てて作られた賢者の石に対してこのガーベッジは響さんという1人の小さな命より生み出されています。今回立案するシンフォギア強化計画ではガーベッジが備える真逆の特性をぶつける事で賢者の石の力を相殺する狙いがあります。この事に一早く気が付いたのが今ラボで眠っている湊さんです」

 

「つまりは対消滅バリアコーティング」

 

藤尭さんの言葉に僕は頷く

 

「あ、それで昨日の夜湊からメールが来てたデスか」

 

「切ちゃんにも?私にも来てたよ?」

 

「貴方達にも?私にもよ」

 

マリアさん達から気になる言葉が聞こえて来た

 

「そのメールの内容をお伺いしても良いでしょうか?」

 

「良いデスよ?えっとデスね」

 

切歌さん達の話では武装組織フィーネの時のサンダルフォンのガーベッジを用意出来るかという内容でした

 

「間違いありません。湊さんはその時点で既にこの考えに至っています。僕が話している内容も湊さんのメモを読み上げている状態に近いので…ですがそれをどの様にしてシンフォギア強化に持って行くかの所で悩んでいる内に眠ってしまったみたいです。ですが錬金思想の基本である。マクロコスモスとミクロコスモスの照応に導き出された回答です」

 

僕が話すが切歌さんと調さんは話が難しいのか良くわかっていない

 

「皆さん…おはようございます…」

 

そこに目を擦りながら湊さんが起きて来た

 

〜エルフナインside out〜

 

「ん…ふぁ〜、おはようございます…エルフナインさん?」

 

僕が起きると確かに僕が寝落ちしたラボの中にあるベットなのだがエルフナインさんが居ない

 

「調べた内容を纏めた紙がない…もしかして皆さんに説明をしているんでしょうか?」

 

夜の内に調べた内容を書き記して置いた紙がなくなっている事に気づきエルフナインさんも居ないので響さん達にその説明をしていると考えてラボの研究する部屋に向かう

 

『導き出された回答です』

 

ドア越しに話している内容が聞こえたので間違いないと確信して中に入る

 

「皆さん…おはようございます…」

 

「湊君よく眠れたか?」

 

「はい…それで何処まで話しましたか?」

 

まだ若干働いてない頭だがエルフナインさんからの話を聞いている間に完全に目が覚めた

 

「何度聞いてもわからないデス」

 

「湊はわかったの?」

 

「このガーベッジを錬金技術によるアプローチによって未解析物質の正体を《マイナス位相の賢者の石》と言う仮説を立てたと言う事であってますかエルフナインさん?」

 

「はい」

 

「教えるデスよ!湊!!」

 

エルフナインさんと話していると切歌さんが服を引っ張る

 

「えっと、切歌さん数学でプラスとマイナスのかけ算をするとどうなりますか?」

 

「プラスとマイナスの掛け算デスか?ん〜」

 

僕がそう言うと切歌さんは考え込む

 

「プラスとマイナスのかけ算ではプラスはマイナスになるよ切ちゃん」

 

「ありがとうデス調、それがどう関係して来るデスか?」

 

「そのプラスの所に賢者の石をマイナスの所にこのガーベッジが《マイナス位相の賢者の石》と置き換えてみて下さい」

 

僕がそう言うと切歌さんも調さんも話が理解出来たらしい

 

「わかったデス!ありがとうデス湊」

 

「私もわかった、ありがとう湊」

 

「これくらい大丈夫です。それでそのガーベッジの名前は…」

 

僕がそう聞くとマリアさん達も考え始めるがクリス姉さんだけは名前が決まってたらしい

 

「その物質何処ぞのバカの中から出たってんだから、さしずね愚者の石って所だな」

 

「愚者とは酷いよクリスちゃん」

 

「うん、成る程賢者の石に対する愚者の石か」

 

「まさかの師匠まで!?」

 

風鳴司令まで愚者の石と言う名前に賛成する

 

「皆さんもう少し考えてあげましょうよ。流石に愚者は酷いですよ」

 

「良かった、味方が居てくれたよ」

 

「なら湊お前ならどんな名前を付けるんだ?」

 

クリス姉さんにそう言われて僕も考えるけど

 

「えっと…すみません愚者の石で」

 

「そんな!?」

 

「ですが愚者はタロットカードの正位置の意味で可能性と言う意味があります。賢者の石に対抗する可能性として僕は愚者の石と名付けたいんですが」

 

少し遅いフォローを入れる

 

「なんだ可能性だったんだ。良かった悪い意味じゃなくて、クリスちゃんもそうだよね?」

 

「嫌、あたしは別の!?あっあたしもだよ」

 

隣に居るクリス姉さんが余計な事を言いそうだったので響さんに気づかれない様に足を踏んだ

 

「そっそれでその石は何処に?」

 

「一通りの調査を終えた後、無用不要なサンプルとして深淵の竜宮に保管されていたのですが」

 

友里さんがそう言うとクリス姉さんは難しい顔をして居た




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138話

「それで話って何だよ?」

 

「えっと…僕の記憶に関してです。明日午前0時丁度に僕は元の記憶を取り戻します」

 

「元の記憶って事は記憶喪失になる前の湊に戻るって事デスね!」

 

僕は切歌さんの言葉に頷く

 

「待って、それじゃあ貴方はどうなるの?」

 

「先日マリアさん達がlinkerの件でダイレクトフィールドバックシステムを搭載した装置を使い脳内の観測を行っている際僕も自分の脳内を観測しそして記憶を失う前の僕との接触に成功しました。彼の話では今の僕の記憶は錬金術の代償として燃やされるそうです」

 

「そんな…何とかならないの?」

 

響さんの言葉に僕は首を左右に振る

 

「残念ですが、僕の役割は錬金術の代償となる記憶を集める事です、なのでいつかこうなる事は僕もわかっていました。なので今日は皆さんにきちんとお別れをしたくて」

 

「それで我々を集めるよう伯父様に、事情は理解した。だがそうなると研究して内容はどうなるんだ?」

 

「研究した内容は知識記憶に分類されきっかけがあれば思い出せます。この体は僕のものであって彼のものでもあります。ですから僕がした研究も彼の知識記憶に保存されていて資料され見れば思い出せます」

 

翼さんの言葉に対して僕はそう返した

 

「皆さん短い間でしたが本当にありがとうございました。本音を言うともっと皆さんと過ごしていたかったです…沢山の事をしたかったです…お別れなんてしたくありません…すみません…こんなつもりじゃ…無かったん…ですけど…」

 

泣きながらそう言う僕にマリアさんが近寄って来る

 

「確かに明日の朝には貴方はこの数日の事を何も覚えていないかも知れない。でも私は…いえ、私達は覚えているわ。貴方と過ごした時間を、貴方が成し遂げた事を、私達は忘れない」

 

「そうだよ湊君、私達はこれからも友達だよ」

 

「此奴らの言う通りだ。お前の事は忘れねぇよ。なんなら彼奴に言ってやるよ。記憶がないお前の方が断然良かったってな」

 

「ああ、我々はお前の事を決して忘れはしない」

 

「私や調が湊を忘れるなんてありえないデスよ」

 

「湊は湊、今もこの先も私と切ちゃんの大切な人忘れたりなんてしない」

 

「僕も忘れません貴方と言う優しい人を」

 

マリアさんと同じ様にして響さん達も僕を囲むように集まる

 

「皆さん…僕も忘れたくありません!ずっと覚えていたいです!」

 

僕はマリアさん達が居る事も忘れて大声で泣いた

 

「すみません、もう大丈夫です」

 

僕はそう言って涙を拭う

 

「そうだ!明日は学校も無いし本部に泊まろうよ!最後の夜なんだし思う存分遊ぼうよ!」

 

「それは名案デスね響さん!皆で思う存分遊んで最後の思い出を残すデス!」

 

「悪いですよ!僕の為にそんな…」

 

僕がそう言うとマリアさんが頭に手を置いて優しく撫でる

 

「僕の為なんかじゃ無いわ」

 

「湊だからだよ」

 

「そう言うこった、言っとくが一度ああ言い出したあのバカを止めんのは苦労するぞ」

 

「ああ、それに皆お前との最後の時間を楽しみたいんだ」

 

「沢山遊びましょう湊さん」

 

「はい!」

 

そこからはトランプにボードゲーム色々と遊び時間は23時に差し掛かった

 

「ん〜!そろそろ寝よっか」

 

「はい…」

 

現在居るのは僕が作り上げたダイレクトフィールドバックシステムの装置を置いている部屋で響さん達は床に僕は装置が固定されているベットに横になっている

 

「まだ怖い?」

 

「はい…まだ少しだけ、ですが大丈夫です皆さんから沢山の思い出を貰いました。これはぼくの一生の宝物です」

 

「そう、お休み湊」

 

「お休みなさいマリアさん」

 

そう言うとマリアさんは部屋の明かりを消し僕は装置を起動させた

 

「ん…「もう良いのか?」はい、大丈夫です」

 

「そうか」

 

以前と同じ真っ暗な空間だが今度は彼の姿が最初からはっきりと見えた

 

「行くのか?」

 

「はい、あの…皆さんの事よろしくお願いします」

 

「ああ、任しておけ」

 

そう言って彼は歩き始め僕も歩き始める

 

「お前の分も全力で生きる。お前の記憶無駄にはしない」

 

すれ違い際に彼はそう言って姿を消した

 

「最後まで伝えられなかったですね。僕の気持ち」

 

(マリアさん、大好きでした)

 

その思いを胸に抱きながら僕の記憶は消去されていった




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139話

「朝か…」

 

俺が起きると周りには響達が寝ていた

 

「ん…湊…」

 

「悪い起こしちまったか調?」

 

俺がそう呼ぶと調は暫く動かなかった

 

「ううん、大丈夫どこ行くの?」

 

「顔洗ってから朝飯の準備、そういや何で俺本部に居るんだ?あの変態野郎の火の玉みたいなの受けてから今までの記憶が無いんだが…」

 

「私が説明するね」

 

俺は調の話を聞きながらシャワールームに向かう

 

「記憶喪失ねぇ」

 

「うん、その間も私や切ちゃん、マリアと葉月ちゃんと一緒に居るのが多かった」

 

そりゃそうなるよな、3人は隣同士だし葉月に至っては一緒に住んでるんだもんな

 

「そうか、悪かったな心配かけちまって」

 

そう言って俺は調の頭を撫でる

 

「ん…今は別のが欲しい」

 

「別のってやっぱあれか?」

 

「うん」

 

調はそう言って目を瞑っている間に俺はその場を後にする

 

「酷い、ちょっと期待したのに」

 

暫くすると調が後ろから追いかけて来た

 

「期待したのかよ。此処は本部だぞ?そんな事するわけないだろ」

 

「なら今日は私と切ちゃん湊の所に泊まる」

 

「はぁ、わかった夜一回だけだからな」

 

「やった」

 

調は小さくガッツポーズをしてから朝食の準備をする為に俺と一度マンションに帰った

 

「待ってろ直ぐ用意するから」

 

「うん」

 

調にリビングで待って貰い朝食の準備を始めた

 

(本部で寝てる響達にはサンドイッチで良いだろ…調にはあれで良いか)

 

メニューが決まってのでパンをトースターに入れる

 

「出来たぞ調」

 

「ありがとう湊」

 

食パンにバターを塗りながら調がお礼を言う

 

「今更だろ、礼なんていらねぇよ」

 

「それでもだよ」もぐもぐ

 

調はそう言って食パンを食べ始めた

 

「パパ?」

 

「おはよう葉月」

 

「パパ!パパ!」

 

俺がそう言うと葉月は泣きながら抱きついて来た

 

「悪いな寂しい想いさせて」

 

そう言って葉月の頭を撫でる

 

「パパ葉月もご飯」

 

「ああ、今準備してやるから待ってろ」

 

そう言って俺は葉月の分のパンをトースターに入れて葉月の相手をした

 

「そんじゃ俺はおっさん達の所に持って行くから調と葉月は切歌達に持って行ってくれ」

 

「「わかった(うん)」」

 

本部に着いて俺はおっさん達に調と葉月はサンドイッチを持って行く

 

「おーす、居るかおっさん?」

 

「おはよう湊君、俺をそう呼ぶと言う事は記憶が戻ったんだな?」

 

「ああ、後これは朝食だ時間がある時に食ってくれ」

 

「ありがたく頂こう、藤尭!友里!朝食にするぞ」

 

おっさんがそう言うと藤尭と友里はディスクを離れバスケットの中のサンドイッチに手をつける

 

「なら俺は切歌達の所に行くからな」

 

俺はそう言って司令室を出る

 

「お前ら、起きたか」

 

「おはよう湊」

 

「ほはおうでふみなほ」

 

俺が全員が寝ていた部屋に向かうと切歌と翼が起きてサンドイッチを食べていた

 

「切ちゃん行儀が悪いよ」

 

「ん…おはようデス湊」

 

「ああ、おはよう切歌、翼」

 

元に戻った事を調から聞いているのか2人は特に驚いた様子はない

 

「ふぁ〜、おはよう湊君」

 

「ん〜!おはよう湊」

 

「おはよう湊」

 

あの後暫くしてエルフナインも起き響達が最後に起きた

 

「お前らが最後だぞ、顔洗って来い」

 

俺がそう言うと3人は顔を洗いにシャワールームに向かう

 

『ちゃんと歩けよバカ』

 

『だらしないわよ立花響』

 

『クリスちゃんもマリアさんも厳しいよぉ〜』

 

外からそんな会話が聞こえた




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140話

「こんなんで本当に見つかるんだろうな」

 

「彼処をあんな風にしたお前が言うなよクリス。そっちはどうだ切歌、調?」

 

深淵の竜宮はレイアとの戦闘時のダメージで圧壊、その残骸が海底に横たわっておりそこから引き上げた泥の中から発信器でガーベッジを探しているが全く反応しない

 

「全然デス」

 

「私も」

 

切歌と調同様で反応が無いらしい

 

「うわぁ!!」

 

「どうした!!アルカノイズ!?」

 

男の叫び声が聞こえた方に向かうとそこにはアルカノイズが居た

 

「どうなってんだおっさん!!」

 

『恐らくこちらの動きに合わせて来たのだろう早急に避難指示及び対処に掛かってくれ』

 

「「「「了解」」」」

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

〜Various shul shagana tron〜

 

~Killter Ichaival tron~

 

聖詠を行いシンフォギアを纏ったクリスと切歌と調のアルカノイズの対処、エクリプスを纏った俺は軍人の避難指示の2つに分かれて行動する

 

「此処は任せてお前らは落ち着いて避難しろ!「任せろなんて気軽に言って良いのかしら?」悪いが気軽に言えるほど強く無いんでな!」

 

そう言ってカリオストロの光線を弦で巨大な盾を生成して防いでいるうちに全員避難する

 

「あら残念」

 

「そう何度もやられてたまるかよ」

 

「そこデス!」

 

カリオストロの不意を突いて切歌がアームドギアの鎌を振るう

 

「甘いわよ」

 

カリオストロは切歌の攻撃を避け縦に光線を放ち切歌を受け止めに行ったクリスごと吹き飛ばす

 

「切ちゃん!」

 

「ダインスレイブを抜剣出来ないシンフォギアなんてちょろ過ぎるワケダ」

 

切歌の元に向かおうとした調もプレラーティに吹き飛ばされる

 

『湊君!何とか切歌君と調君のユニゾンを発動させる時間を稼げ!』

 

「つってもよ!」

 

「あらあらお話をする余裕なんてあげないわよ」

 

そう言ってカリオストロが光線を放つスピードを速くする

 

「くっ!「おらぁあ!」クリス…一瞬耐えろ!」

 

「おうよ!」

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺は銃を乱射しながら突っ込んで来たクリスにそう言ってカリオストロから距離を取りエクリプスを解除してカマエルを纏う

 

「イグナイトモジュール抜剣!」

 

俺はイグナイトモジュールに移行してカリオストロに向かって行く

 

「飛べクリス!」

 

「おう!」

 

《紅蓮の銃口》

 

俺がそう言うとクリスは横に飛び俺がカリオストロの水の壁を蒸発させた所でクリスはアームドギアを矢に変え放つがカリオストロはそれを避ける。だが目的は当てる事じゃない

 

「いっちょやらかすデスよ調」

 

「うん、切ちゃん」

 

切歌を調のもとに向かわせる事が目的だ

 

「こっちもやるぞ湊!」

 

「ああ!」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

《紅炎華》

 

クリスのミサイルに合わせて炎の矢を飛ばす

 

「プレラーティ!」

 

カリオストロはプレラーティの事を気にしながら俺とクリスの攻撃を避ける

 

「湊ぶちかますぞ!」

 

「ああ!とっておきをお見舞いしてやるぜ」

 

《Dual Magnum》

 

クリスと俺のアームドギアを組み合わせ大きな火炎銃を生成して熱光線を放つ

 

「私達も」

 

「とっておきをくれてやるデス!」

 

《禁合β式・Zあ破刃惨無uうNN》

 

調のアームドギアのヨーヨーを切歌のアームドギアの鎌の柄の先に接続し、巨大な刃が付いた車輪状に変化させ、回転させながらプレラーティに突進して行く

 

「ぐっ!」

 

「くっ!」

 

プレラーティとカリオストロは俺達の攻撃に障壁を張って耐えていたがプレラーティに限界が来て海に放り投げられる

 

「此処までにしてあげるわ」

 

カリオストロはそう言ってプレラーティを連れて姿を消した

 

「ふぅ〜、ぶっつけ本番だったが上手くいったな」

 

「ああ」

 

俺とクリスはそう言って互いの拳をぶつけた




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141話

「湊!!ちょっと来て下さ〜い!!」

 

翌日ガーベッジの捜索の続きをしていると切歌に呼ばれる

 

「何だ切歌」

 

「これが愚者の石で間違いないデスか?」

 

そう言って切歌が手に持っていたのは間違いなくガーベッジだった

 

「ああ、合ってるぞ。所で調は何で顔に泥なんて着けてるんだ?」

 

「切ちゃんにやられた」

 

「はぁ、これで拭け」

 

そう言って調にタオルを渡す

 

「エルフナイン!ガーベッジが見つかったぞ!!」

 

「見せて下さ〜い!うわぁああ!」バシャンッ

 

うわぁ、エルフナインの奴顔から突っ込んでいったな

 

「大丈夫かエルフナイン?」

 

「はい」

 

そう言ってエルフナインは俺の手を取って立ち上がる

 

「そうですこれが賢者の石に対抗する僕たちの切り札愚者の石です」

 

「すっかり愚者の石で定着しちゃったね」

 

自分のガーベッジが愚者の石と呼ばれる事に凹む響だが普段の行いが招いた名前なんだから受け止めろ

 

「そういや俺のガーベッジの名前はどうなってるんだ?」

 

「湊さんのは雷の石と切歌さんと調さんから案がありましたのでそう呼ぶ事になりました」

 

雷の石か、愚者の石よりかまだマシな方だな

 

「一先ず本部に戻るとしよう」

 

「そうね、帰るわよ」

 

マリアのその声で全員本部に戻って行った

 

「らあ!」

 

本部に戻った俺はおっさんから許可を貰い早速トレーニングルームを使っていた

 

「やってるな湊」

 

「翼?お前らまでどうした?」

 

そこに翼を含む装者全員が集まっていた。話を聞く限り此処に収集したのはおっさんらしい

 

「数が増えてんな…全員離脱しろ一気に方を付けるぞクリス」

 

「了解!」

 

《Dual Magnum》

 

俺とクリスのアームドギアを組み合わせ大きな火炎銃を生成して熱光線を放ちながら回転して辺りのノイズを一気に片付ける

 

「ふぅ〜、こんなもんかもな」

 

「ああ、やっと出て来たか」

 

「今回は特別に俺が訓練をつけてやる遠慮は要らんぞ!」

 

遠慮は要らないのか

 

「その言葉後悔させてやるぜおっさん!」

 

《紅蓮の銃口》

 

そう言って俺は全力でおっさんに攻撃をする

 

「はああ!中々良い攻撃だだが一撃で仕留めないと次の攻撃が来るぞ!」

 

おっさんは殴って軌道を変えた後俺にそう言う

 

「そんな事は百も承知だ」

 

「師匠怠惰をお願いします!」

 

そう言って響がおっさんに向かって行く

 

「うわぁ、あれ本当に人間かよ」

 

俺はクリスと別れ切歌と調の2人と合流しておっさんの動きを観察している

 

「数をばら撒いても重ねなければ積み上がらない!心と意を合わせろ!爆心!!」

 

おっさんが思いっきり地面に足を打ち付け地面を割って攻撃をしてくる

 

「逃げんぞお前ら」

 

「「うわぁああ!」」

 

俺は避けたが切歌と調は避けきれずおっさんの攻撃を喰らう

 

「何やってんだか彼奴ら」

 

「さて残るは君だけだな湊君」

 

そう言って俺の目の前までおっさんが歩いてくる

 

「そうみたいだな、なあ面倒だしこれで終わらしても良いか?」

 

「ああ、思いっきり来い!」

 

「そんじゃ遠慮なく」

 

《lost ignition》

 

ギアが赤い炎の鳥に形を変えておっさんに向かって行く。カマエルの奥の手これを使うとギアが強制的に解除されるが威力はカマエルのどの技よりも強く1,000度近い高温に晒される流石のおっさんも無事では済まないと思っていたが

 

「ふぅ〜、危ない危ない」

 

おっさんのシャツに焦げ跡が残っただけで平然と立っていた

 

「たく、おっさん本当に人間かよ」

 

俺は地面に倒れながらそう聞く

 

「ああ、俺はそのつもりだ」

 

おっさんはそう言ってトレーニングルームを出て行った




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142話

「なあ、何処に行くんだよ?」

 

おっさんとの特訓の後暫くして俺はクリスと翼に行き先を伝えられず車に乗せられたのでクリスに行き先を聞く

 

「お前覚えてるかソーニャの事?」

 

「ソーニャ…何となく覚えてる」

 

ソーニャの事は本当に何となくしか覚えていないでも父さんや母さんよりかは確実に覚えている

 

「そうか、今からソーニャとその弟のステファンに会いに行く」

 

「俺が行く必要があるのか?」

 

「お前が居なくなったって知った後私と同じくらい心配してたからな。ソーニャに顔くらい合わせとけ」

 

「わかった」

 

クリスはバルベルデでソーニャに会っているらしいが良い形での再会とは言えないらしく複雑そうな顔をする

 

「今日の夕方の便で帰るんだ、でもその前にこの事を伝えたかった」

 

「ああ」

 

ソーニャとステファンの2人と合流し喫茶店で話をする

 

「なあソーニャ、俺は居なかったんだがバルベルデで何があったんだ?」

 

「良い湊…私が話すよ」

 

クリスがそう言って俺にバルベルデであった事を話した

 

「成る程な、お前は義足を着ける為に日本に来たのか」

 

「うん、術後の経過も良いからすぐにリハビリを始められるって」

 

「そうか」

 

ステファンの言葉にクリスはそう返す

 

「内戦のない国ってのをもう少し見て見たかったけど、姉ちゃんの帰りを待っている子達も多いからさ」

 

「彼女は雪音そして湊のご両親の意志を継ぎ、家や家族を失った子供達を支援しているそうだ」

 

「え?」

 

クリスは驚いた顔でソーニャを見てクリスが何か言おうとした時爆発が起こる

 

「取り込み中だぞ!」

 

「アルカノイズ」

 

「ソーニャお前はそいつを連れて避難しろ!」

 

俺がそう言うとソーニャは頷いてステファンの車椅子を押してその場を離れて行く

 

~Killter Ichaival tron~

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

〜Hellfire Chamael tron〜

 

「クリス後ろから来るぞ!」

 

「はあ!」

 

クリスへの背後からの攻撃は翼と俺で迎え撃つ

 

「雪音!湊!建物に敵を近づけさせるな逃げ遅れた人達がまだ!」

 

「「わかってる!」」

 

《紅炎華》

 

クリスの弾の軌道に合わせて攻撃をする

 

「!?ちょこまかと!」

 

クリスと俺の後ろに現れたカリオストロに攻撃をしようとしたクリスは手を止める

 

「口調程悪い子じゃないのね…片方はそうじゃないみたいだけど」

 

「はあ!」

 

腕の銃口から出る炎で剣を生成してカリオストロを攻撃する

 

「ちょこまかと鬱陶しい!」

 

《紅蓮の銃口》

 

「待て湊!そっちには!」

 

「そう逃げ遅れた人達が居る」

 

「わかってるよそれくらい」

 

俺はカリオストロに向き直り貯めた炎を一気に放出する

 

「チッ!外したか、ぐっ!」

 

「「湊!!」」

 

一瞬の隙を突かれカリオストロの攻撃を受ける

 

「嫌いじゃないけど殺しちゃお」

 

カリオストロが俺に向かって来る途中短剣が地面に突き刺さる

 

「大丈夫湊君!!」

 

「ああ、何とかな」

 

響の言葉にそう返して立ち上がる

 

「済まない暁、月読」

 

「偶には私達だって」

 

「そうデス!此処からが逆転劇デス!」

 

「そうね、逆転劇は此処からよね!!」

 

カリオストロはそう言ってあの時の空間を閉鎖するノイズ出現させる結晶を響と切歌、調と翼、俺に向かって投げる

 

「チッ!1人であのデカブツ共をやんなきゃいけねぇのかよ」

 

前はナイン達が居たから何とかなっただが今此処に居るのは俺だけ

 

「死ぬ気で行った方が良いかもな…イグナイトモジュール抜剣」

 

イグナイトモードに移行した後その呟きが聞こえていたのか大量のアルカノイズが向かって来る

 

「喰らえ!」

 

《豪炎天界》

 

アルカノイズは何とか対処出来ているが以前の様に見えないアルカノイズを発見するのは困難だ

 

「次から次にキリが無い」

 

『急げ湊君!後数十分でイグナイトモジュールの効果が切れる!』

 

「んな事言われてもよ!」

 

1人に対してノイズの数があっていないしまだあのデカブツを見つけていない

 

「仕方ない直感で行くか…そこだ!!」

 

俺が直感でデカブツに向けて攻撃を放つと運良くデカブツに当り姿が見えた

 

「居場所が分かればこっちのもんだ!」

 

《infinite flare》

 

浮遊する銃とアームドギアから同時に射出された炎がデカブツを包み込んだ後大きな爆発が起こる

 

「はぁはぁ…何とかなった…な」

 

俺はその場に仰向けに倒れ込む

 

「しっかりするデスよ湊!!」

 

「悪いな切歌」

 

「今はそんなの言いっこ無しだよ湊」

 

「残りのノイズは我々が引き受けよう」

 

俺は翼の言葉に頷き意識を失った




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143話

「ん…マリア」

 

「気が付いたのね湊」

 

次に俺が目を覚ましたのは自室のベッドの上だった

 

「俺どのくらい気失ってた?」

 

「軽く1時間くらいは気を失っていたわ」

 

1時間か結構気失ってたんだな

 

「悪いな心配かけて…カマエルは?」

 

「メンテナンスが必要になるくらいの損傷があったからエルフナインに渡しておいたわ」

 

流石に今日は無茶しすぎたか…そもそも彼奴の攻撃を受けたにも関わらずメンテナンス無しで使えてたのがおかしかったんだ

 

「仕方ない…」

 

俺は小型のホログラム通信機を使ってあるミミに連絡を取る

 

「ミミ俺だ」

 

『ん…湊どうかした?』

 

「悪いミミ寝てたか?」

 

通信を取ったミミは寝起きなのか目を擦っていた

 

『大丈夫、寝かけてただけ』

 

「そうか、カマエルがメンテナンスが必要になるくらい損傷してて暫く使えない。あれを出来れば明日の朝に俺の住むマンションの部屋に着く様に送ってくれ、これが俺の住むマンションの住所と部屋の番号だ」

 

『わかった…明日の朝に着く様に手配する』

 

「ああ、忙しい中悪いな」

 

『それは言いっこ無し、ステラ達も明日日本に帰る予定、その時に持っていって貰う』

 

「わかった」

 

俺はそう言って通信を切る

 

「それは?」

 

ミミとの通信を切るとマリアがホログラム通信機をまじまじと見てそう聞いてくる

 

「俺がアメリカのニューヨークシティで作った小型のホログラム通信機だ。登録したホログラム通信機同士で通信出来るんだ」

 

「そう…非常時の通信用として3つ用意して貰えないかしら?」

 

「別に良いが3つとなると少なくとも1週間近くは掛かるがそれでも良いか?」

 

「ええ、構わないわ」

 

「わかった、「「湊!!」」お前らも心配かけて悪かったな」

 

俺とマリアの話す声が聞こえたのか切歌と調が部屋に入って来る

 

「もう大丈夫なんデスか?」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

「良かった、夕飯食べられそう?食べられそうなら温めて来るけど?」

 

「貰うよ、丁度腹も減ってたしな」

 

「わかった」

 

調はそう言って俺の晩飯を温めに行った

 

「本当に心配したのデスよ。1時間も目を覚まさないデスから」

 

「流石にあのデカブツを単独で倒すのは無茶だったみたいだからな、お陰でカマエルも使えないし散々だ」

 

「暫くは大人しくしてなさい。そう言えば貴方があの子に頼んだあれって何なの?」

 

「それは来てからのお楽しみだ。少なくとも俺が大人しくしてる事はなくなるな」

 

「一体何を頼んだデスか?」

 

ん〜、まあアリア達になら言っても良いだろ

 

「完全聖遺物魔剣レーヴァテインだ」

 

「完全聖遺物…魔剣レーヴァテイン」

 

「まさかそんなとんでもを生身で扱うつもりデスか?」

 

「そうなるな、大丈夫だってちょっと体がおかしくなるだけだから」

 

「何処が大丈夫なのよ」

 

「全然信用できないデス」

 

何だよ信じてくれても良いじゃねえかよ

 

「話して貰えるかしら?その完全聖遺物の事を詳しく」

 

「ああ、良いぞ「何の話?」調、丁度良い後で同じ説明するのも面倒だお前も聞いとけ」

 

「わかった」

 

調はそう言ってお盆を俺に渡して座る

 

「魔剣レーヴァテイン、別名血塗られた魔剣そう言われる由来はレーヴァテインの所有者の周りの人達が大量の血を流して死んでいる事件が多発したからだ」

 

「血塗られた魔剣…そんな危険な物なら深淵の竜宮に保管されててもおかしくない代物じゃ無い」

 

「そう普通ならな、レーヴァテインは所有者を吸血鬼にし、所有者に人を殺せと1週間頭の中がその言葉で埋め尽くされる。大量の血を流して死んでいた人は全員」

 

「魔剣によって所有者が狂わされた為に起きた事件そう言う事ね?」

 

マリアの言葉に俺は頷く

 

「そんな危険な物やっぱり持ってない方が良い」

 

「そうデスよ!」

 

「大丈夫だ、逆にそれに耐え切ればレーヴァテインはその後自由に使える様になる。俺は既にそれに耐え切っている。だから心配しなくても大丈夫だ。そうでもなきゃお前らが居るのにそんな危険物持って来させねぇよ」

 

俺はそう言って切歌と調を落ち着かせる

 

「つまりレーヴァテインは貴方を所有者として認めているそう言う事ね?」

 

「ああ、その解釈で合ってる」

 

「わかったわ、もう遅いわね帰るわよ切歌、調」

 

「「おやすみ(デス)湊」」

 

「おやすみ切歌、調、マリア」

 

俺は自分の部屋に帰る3人にそう言ってから再び眠りに着いた




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144話

〜ステラside〜

 

「風鳴司令ステラ・リーシェン、ナイン・フォレスティア、アリア・ツーヴェルクただいま戻りました」

 

アメリカからS.O.N.G.本部に帰還した私達は風鳴司令の前に並びアリアがそう言う

 

「戻ったか3人共、体の容体は大丈夫か?」

 

「大丈夫よ。それで湊は何処に居るの?」

 

ミミから預かった完全聖遺物を湊に渡す為に湊の居場所を聞く

 

「湊君ならエルフナイン君のラボに用事があると言っていたから恐らくはそこに居るだろう」

 

「そう、行くわよナイン、アリア」

 

「「はい(おう)」」

 

私達は司令室を出て湊の居るエルフナインのラボに向かう

 

「皆さん戻られていたんですね」

 

「丁度良かったわエルフナイン今から湊に渡す物があるから貴方のラボに向かおうと思っていたの」

 

「そうでしたか、ステラさんも僕のラボに行くのは初めてでしたね。案内します」

 

「助かるわ」

 

エルフナインの行為に甘えラボまで案内してもらう事にした

 

「へぇ、此処が貴方のラボなのね」

 

「はい、湊さんステラさん達がお渡ししたい物があるそうです」

 

『わかった』

 

湊の声が聞こえた数秒後扉は開かれ中から湊が出て来た

 

〜ステラside out〜

 

「悪いなわざわざ持って来てもらって」

 

「別に構わないわ、それで中身は何なの?私もナインもそれにアリアもその中の聖遺物が何かミミから聞いてないのよ」

 

「彼奴言ってないのかよ、まあお前らなら良いだろ」

 

俺はそう言って布に包まれたレーヴァテインを取り出す

 

「それは?」

 

「完全聖遺物、魔剣レーヴァテインだカマエルが使えなくなったからミミに頼んだんだ。まさか中が何か説明もしないとは思わなかったがな」

 

彼奴とことん信用してない奴の前じゃ無口だな

 

「魔剣レーヴァテイン…聞いた事があります。所有者を吸血鬼にしてしまう完全聖遺物ですよね?」

 

「ああ、用はそれだけか?なら俺はまだやる事がある」

 

「湊さん、僕に何か出来る事はありますか?」

 

「手伝ってくれるのかエルフナイン?」

 

俺の質問にエルフナインは頷く

 

「ありがとな、ならパーツの組み合わせを頼む俺はプログラムの方で手に一杯なりそうだ」

 

「分かりました」

 

エルフナインはそう言ってパーツの組み合わせを始める

 

「私達に出来ることはなさそうね」

 

「悪いな、お前達の手が必要になった時は頼む」

 

「ええ、行くわよ2人共これ以上邪魔をするのは悪いわ」

 

「はい、失礼します湊様」

 

「じゃあなリーダー」

 

ステラ達はそう言ってラボを出て行く

 

「湊さんこれは何を作っているんですか?」

 

「ん?前に米国で作った小型ホログラム通信機だ。マリアに3つ作ってくれないかって頼まれてな」

 

「そうでしたか。あの…このパーツは」

 

「この紙にパーツの組み合わせ方が書いてるからそれを参考に組み合わせてくれ」

 

俺はエルフナインにパーツの組み合わせ方を書いた紙を渡す

 

「ありがとうございます。えっと…これがこうで…此処がこうなって」

 

「大丈夫そうか?」

 

「はい、とても分かりやすいです」

 

「なら良かった」

 

エルフナインにそう言った俺は再びパソコンに向き直る

 

「湊!お昼にするデス!」

 

「引っ張るな切歌、それにまだ半分しか終わってない。動作のテストなんかもあるからプログラムは今日中に仕上げたいんだ」

 

「息抜きも大丈夫だよ湊君!お仕事は一旦中断してお昼食べよう。調ちゃんがお弁当作って来てくれてるよ!」

 

「後から行くから先に行っててくれ」

 

「何でも良いから一旦辞めるデス!」

 

そう言って切歌がパソコンの電源を切る

 

「切歌お前!?」

 

「わっ私何かいけない事しちゃったデスか!?」

 

「データは…良かった保存されてた」

 

今までのが全部消えてたら打ち直す時間も必要になってたな

 

「あのね切歌ちゃん、パソコンって急に電源切っちゃうと最悪壊れたりする事もあるらしいよ?」

 

「そうだったデスか!?みっ湊パソコンは無事デスか!?」

 

「ああ、何とかな…仕方ない残りは午後からにして昼にするか」

 

「それが良いデスよ!調やマリア達をあんまり待たせても悪いデスし早速食堂に出発デース!」

 

(全く調子の良い奴だ)

 

俺はそう思いながら切歌の後を着いて行った




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145話

「よし、これでプログラム制作は終了。後はパーツを組み合わせてインストールさせたあと動作のテストをするだけだ」

 

「すみません、あまりお役に立てず」

 

その日の夕方にプログラム制作は終了したのだがパーツの組み合わせがまだ1つしか終わっていない

 

「1日で1つそれだけ出来れば上等だ。しかもお前はそれを初めて作ったんだぞ?だから役に立って無かったなんて言うなよ」

 

「湊さん…はい!」

 

俺がそう言うとエルフナインは笑って頷いた

 

「湊帰るデスよ!」

 

「ああ、またなエルフナイン」

 

「はい!また明日!」

 

切歌に呼ばれた俺はエルフナインにそう言ってラボを出てマンションには帰った

 

「ん…そう言えばユニゾンの方はどうだ?」

 

俺の部屋でマリア達と夕食を食べている時俺がそう聞くと調の手が止まる

 

「上手く行ってないんだな調」

 

「うん…切ちゃんは誰とでもちゃんと出来てる… 湊だってクリスさんとのユニゾンがある…それなのに…私だけ」

 

そこまで悩んでいたのか

 

「悪いな気づいてやれなくて」

 

「ううん…ごちそうさま、切ちゃん先に部屋に戻ってるね」

 

調はそう言って席を立つ

 

「そうデスか、あんまり思いつめちゃダメデスよ!」

 

「うん」

 

調はそう言って無理な作り笑顔を浮かべて帰って行った

 

「調お姉ちゃんお腹空いて無かったのかな?」

 

「そうかもな、葉月まだお腹空いてるなら調の分食べて良いぞ」

 

「わーい!」

 

葉月は嬉しそうに調が残した夕食を食べ始めた

 

「調が最近あまり元気が無いのはわかってたデス。でも…それがユニゾンの事だったなんて思ってなかったデスよ」

 

「そうね…でもこれは調が自分で乗り越えなきゃいけない問題。私達が手を貸したら意味がない。だから暫くは様子を見るしかないかもしれないわね」

 

「そうだな、マリアの言う通りかも知れないな」

 

「私は調が困っているのなら出来れば手伝ってあげたい所デスけどね…」

 

俺も出来れば手伝ってやりたい…だが

 

「切歌さっきも言ったが「わかってるデスよ湊」そうか、なら良いんだ」

 

「ごちそうさまデス!マリア私も先に部屋に戻ってるデス」

 

「ええ、私も湊と少し話したら直ぐに帰るわ」

 

マリアの言葉に切歌は頷いて自分の部屋に戻って行った

 

「それで小型ホログラム通信機の事なのだけど」

 

「ああ、1つは完成した。全部終わってから動作テストを行う。それが終わり次第マリアに渡す残りの2つを切歌と調の2人に渡す」

 

「思ったより早いのね?私は本当に1週間くらいかかるんじゃないかと思っていたのだけど」

 

「テストで初めてわかる不具合が起こる可能性もある。その事を考えた上で俺は1週間くらいかかるって言ったんだ」

 

「そう、わかったわ。それじゃあお休み湊、葉月」

 

「ああ、おやすみマリア」

 

「マリア叔母さんおやすみなさい!」

 

マリアはそう言って部屋に帰って行った




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146話

翌日流石にそろそろ学校に行っとかないと成績は兎も角首席日数が不味いので学校に向かう支度をしていると未来からメールが来た

 

「えっと…彼奴言い忘れてたのかよ」

 

未来のメールによると響が言い忘れてた体育があると言う連絡だった

 

「響らしいと言えばそれまでなんだが」

 

「湊!一緒に学校行くデス!」

 

「わかったからちょっと待ってくれ!」

 

俺は玄関に居る切歌と調に向かってそう言う

 

「そんじゃ気をつけろよ葉月」

 

「うん!」

 

リディアン学院と葉月の小学校との分かれ道で葉月と別れて久しぶりにリディアン学院に登校する

 

「おはよう湊君」

 

「おはよう響、お前俺に何か言う事ないか?」

 

「たはは、ごめんねすっかり忘れてたよ」

 

響は苦笑いを浮かべながらそう言う

 

「聞いたミナ!ビッキー!今日転校生来るんだって!しかも3人も!」

 

「へぇ、結構珍しい時期に転校してくるね。どんな子なの?」

 

転校生か…男子なら良いんだがな

 

「さっき職員室に行くところ見たけどさ!3人の内の2人は黒髪のポニーテールとオレンジ髪のショートボブで…」

 

黒髪のポニーテールにオレンジ髪のショートボブ…転校生って案外俺や響の身近なやつなのかもな

 

「なあ、あと1人紫髪のストレートの奴居なかったか?」

 

「あれ?ミナ詳しいね?」

 

転校生って彼奴らかよ本当に身近なやつだったな

 

「皆さん!今日は転校生を紹介します2人共入って来て」

 

小倉先生の言葉を聞いて入って来た転校生は俺の予想通りの人物だった

 

「ステラ・リーシェンよ」

 

「アリア・ツーヴェルクです。よろしくお願いします」

 

ステラ達はそう言って頭を下げる

 

「この子達はアメリカからの帰国子女です。皆さん仲良くして下さいね。ステラさん、アリアさん空いてる好きな席に座って下さい。それではホームルームを始めます」

 

小倉先生はステラ達が座るとホームルームを始めた

 

「まさかお前達が転校生してくるとはな。特にお前はな」

 

「私とアリアは話しても良いと言ったわ、別に隠す事でもないもの。でもナインが貴方を驚かせるんだって聞かなかったのよ」

 

何ともナインらしい理由だな

 

「それに私は別に学校なんて通わなくても大丈夫なのよ。だけど心配じゃないナインが人様に迷惑をかけたらって思うと、それにアリアだってシンフォギア装者になってからまともに学校なんて通ってなかったんだもの。それもあって私も此処に通う事になったのよ。貴方が居るって事もあるけどね」

 

「そうかよ、にしても良いのかお前は」

 

アリアは既にクラスに溶け込んでいるがステラは微妙に浮いている

 

「良いのよああ言うのはあの子達に任せておいて、それより少し話したい事があるわ教室を出ましょう」

 

俺は頷いてステラに付いて行った

 

〜アリアside〜

 

「おーいステラ!なあアリア、ステラの奴どこ行ったんだ?」

 

「いえ、わたくしもステラさんが居ない事に今気づいたので」

 

「…何だよせっかく隣のクラスから来てやったのによ」

 

わたくしがそう言うとナインさんは小声でそう呟く

 

「そういやリーダーもこのクラス何だよな?」

 

「はい、そうなのですがステラさん同様わたくしが話している間に居なくなってしまって」

 

わたくしがそう言うとナインさんは肩を落とす

 

「ま、良いやアリア昼は4人で食べようぜ良いだろ!」

 

「えっと…わたくしは良いのですがステラさんと湊様が何と仰るか」

 

「頼む!アリアこの通り!」

 

ナインさんはそう言って頭を下げる

 

「分かりました。わたくしからステラさんと湊様にお話ししておきますわ。ナインさんもそろそろ教室にもどられては如何ですか?」

 

「隣のクラスだし大丈夫だって!」

 

「ですが…もう始業のチャイムが鳴りますよ?」

 

わたくしがそう言うとナインさんは教室の時計を見た

 

「やべ!早く戻んなきゃ!アリア昼の事頼んだぞ!」

 

ナインさんはそう言って教室を出て行きそれと同じタイミングでステラさんと湊様が帰って来た

 

〜アリアside out〜




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147話

「あの湊様少しよろしいでしょうか?」

 

「何だアリア?」

 

二限が終わって直ぐにアリアが俺の席に来た

 

「先程ナインさんがいらっしてお昼をご一緒にどうかと聞かれたのですが湊様もステラさんもいらっしゃらずどうしますか?」

 

「そうだな…良いんじゃないか?別に断る理由もないし」

 

「分かりました。ナインさんにそう伝えておきます」

 

そう言ってアリアは自分の席に戻って行った

 

「ミナ!お昼一緒に食べよ!」

 

「悪い今日は先約がある」

 

「アリアさん達と食べるんだよね?私達も一緒で良いかな?」

 

まあナインの事だ人数が増えるのは別に気にしないだろ

 

「良いと思うぞ?彼奴賑やかなの好きだし」

 

そう言って響達を連れてナインとアリアが待ち合わせた場所に向かう

 

「お!おせーぞリーダー!!」

 

「悪いナイン、それとちょっとばかし賑やかになるが構わないか?」

 

「おう!飯は大勢で食った方が美味いからな!」

 

俺が思った通りナインは即答しアリアとステラが居る場所に案内してくれた

 

「ねえミナ、あの人誰?」

 

響と未来は知ってるが安藤達は知らなくて当然か

 

「ナイン自己紹介ぐらいしろ」

 

「わかったよリーダー、あたしはナイン・フォレスティアだ。気軽にナインで良いぜ」

 

ナインの自己紹介の後安藤達も自己紹介をした後ステラ達の待っている場所に向かう

 

「遅いわよナイン!」

 

「悪いってステラ、ちょっと人が増えてよ」

 

俺達が着くとステラとアリアは先に食べ始めていた

 

「へぇーアリア達って皆アメリカから来てたんだ」

 

「ああ、あっちでも基本変わんなかったけどな」

 

「やはり日本のアニメは素晴らしいですね」

 

「他にもオススメはあるんですよ!」

 

ナインは既に安藤達と打ち解け自然に話せて居るこうなるとステラが余計に浮くな

 

「お前も行ってこればどうだ?」

 

「良いわよ別に、はぁ…ユニゾンの事について少し話そうと思ってたのだけどこの状況じゃ無理そうね」

 

ユニゾンの事話そうとしてたのかちょっと悪い事した気になるな

 

「そう言えばステラとミナって雰囲気って言うのかな?ちょっと似てるよね?」

 

「私と湊が?それは貴方の偏見よ私と湊は似てないわ」

 

「私もそう思います。雪音さんと同じような少し壁を感じます」

 

壁か確かにステラ無意識に他人と壁を作る事多いかもな

 

「それは貴方の考え私は別に壁なんて作ってないわ、人との関わりは最低限で押さえたいだけ。湊私は先に教室に帰るわ」

 

ステラはそう言って教室に戻って行った

 

「えっとミナ私達ステラに何かしたのかな?」

 

「別に彼奴はあんな奴だ。今頃やり過ぎたとか思って凹んでるんじゃないか?」

 

安藤の質問に俺はそう返す

 

「だな」

 

「ええ、ステラさんは本当は優しい方ですから」

 

正直に言うと安藤の俺とステラが似ていると言う発言はあながち間違いじゃないと俺は思っている。彼奴も俺と同じで不器用なだけで普通の女の子なんだからな

 

「ま、気長に待ってやってくれ。その内彼奴も慣れてくるからさ!」

 

「ナインの言う通りだ。その内彼奴とも普通に話せるだろ」

 

俺とナインがそう言うと安藤達は頷き再び話し始めた




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148話

ステラ達がリディアンに転校生して来て数日が経った

 

「調君は翼のリードでも合わせられずか」

 

本部のトレーニングルームで切歌と響、調と翼のユニゾンの特訓が行われているのだが調と翼のペアで調が翼に合わせられていない

 

「仕方ない、おっさん俺が出る」

 

「ん?エルフナイン君の話では君のカマエルはまだメンテナンスの途中だと聞いているが?」

 

「俺には別のがあるからな」

 

俺はおっさんにそう言って調達の居るトレーニングルームに入る

 

「苦戦してるみたいだな調」

 

「微力ながらお手伝いさせて頂きますよ」

 

「湊…それに緒川さん?」

 

俺が中に入って調と話していると隣には緒川が居た

 

「その技前は飛騨南郡の流れを汲んでいる力を合わせなければ緒川さんは影すら捉えられないぞ」

 

「湊も来たって事は完全聖遺物を使うの?」

 

「ああ、これだけ言っとくが…単独で何とか出来るほど俺もレーヴァテインも甘くはないぞ」

 

俺はレーヴァテインを構えてそう言う

 

「それが血塗られた魔剣…レーヴァテイン」

 

「どっちにする緒川?」

 

「そうですね…では僕は翼さんを湊さんは調さんをお願いします」

 

そう言って緒川は翼に向き合う

 

「ん…」

 

「来いよ調」

 

《γ式 卍火車》

 

俺のその言葉を合図に調がツインテール部分を伸縮可能なアームとして扱い2枚の巨大鋸を投擲し俺に向かって来る

 

「はあ!」

 

俺はレーヴァテインを使ってその攻撃を弾き一気に調と距離を詰める

 

「くっ!これなら!!」

 

《α式 百輪廻》

 

「一手遅い」

 

《炎帝》

 

俺はレーヴァテインを地面に突き立て地面から炎の壁を作り出し調の攻撃を防ぐ

 

「どうしたもう手が尽きたのか?」

 

「まだ!」

 

《非常Σ式 禁月輪》

 

距離を取ったにもかかわらず自分から距離を詰めて来る調普段ならこんな事はしないだろうが今は自分だけ上手くいっていない事に焦っているので自ら自分の不利になる状況を作り出している

 

「はあ!」

 

「ぐあっ!」ドンッ

 

レーヴァテインはその円状の刃を砕き調をビルまで吹き飛ばす

 

「うっ…」

 

調は何とか立ち上がるが既にフラフラな状態だ

 

「まだ続けるか調?」

 

「まだ続ける!」

 

《裏γ式 滅多卍切》

 

さっきは2枚だった巨大鋸を4枚に増やし再度突進して来る

 

「最初から思ってたんだけどよ…視野が狭過ぎんだよ」

 

「くっ!やあ!!」

 

《α式 百輪廻》

 

調は最早ヤケになり最後の抵抗として複数の歯車を飛ばす

 

「ダメデス調!今そっちに飛ばすのは!!」

 

「うっ!」

 

複数の歯車の内の1つが翼と戦闘をして居た緒川を切り裂くが

 

「ど偉い事故デス…は!」

 

緒川からは血は出ずその代わりに煙が出て緒川は丸太に変わった

 

「思わず空蟬を使ってしまいました」

 

緒川は調の後ろでそう言う

 

「力はあります。あとはその使い方です」

 

「今のは使い方を間違ったな」

 

俺と緒川がそう言うと調は地面に膝を付く

 

「調ちゃん!」

 

「調大丈夫デスか!」

 

「うん、大丈夫だよ切ちゃん」

 

「良かったデス」

 

そう言って話す調の事を翼は何処か難しい顔をして見ていた




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149話

〜調side〜

 

「埼玉県の調神社?そこに何かあるの?」

 

特訓の直後私達は車で埼玉県の調神社と言う神社に向かっている

 

『多くの神社は霊ライン上にありその神社も例外じゃありません。更に神出ずる門伝承があるとすれば』

 

「つまり指しての筋を探る事で逆転の一手を打とうとしてる訳ね」

 

「つーか、特訓の直後だってのに元気だな」

 

切ちゃんは特訓の直後でお腹が空いているのか沢山お菓子を食べている

 

「調も食べるデスか?」

 

「ありがとう切ちゃん、でも私はお腹空いてないから切ちゃんが食べて」

 

「そうデスか」

 

私がそう言うと切ちゃんはそのお菓子を自分の口に運ぶ

 

(どうして…)

 

私がそう思うのは調神社に向かう少し前の事

 

「マリア頼まれてたの出来たぞ」

 

「そう、間に合ったのね」

 

湊はそう言ってマリアに小さな時計に似た何かを渡す

 

「湊、マリアに渡した物は何デスか?」

 

「小型のホログラム通信機だ。今の所は3人分ユニゾンのペアの片方に持って貰う」

 

湊はそう言って残りの2つを取り出す

 

「1つは切歌もう1つは…」

 

私だと心の中で思っていたでも

 

「翼お前が持っていてくれ」

 

そう言って湊は翼さんに渡す

 

「月読で無くて良いのか?」

 

「俺が良いって言ってんだお前が持ってれば良い」

 

「わかった」

 

そう言って翼さんは湊から小型のホログラム通信機を受け取る

 

「湊!!」

 

「何だ調?」

 

私は湊が翼さんに渡した意図が分からず湊本人に聞きに行った

 

「どうして私じゃ無くて翼のさんなの!」

 

「どうしてって…お前が持ってても意味がないそう思ったからだ」

 

「納得「良い加減にしろ、お前が納得いくいかないかなんてどうでも良い」…」

 

私は湊の言葉を聞いて動けなくなった

 

「もう済んだか?俺も忙しいんだ」

 

「湊のバカ!!」

 

私はそう言って湊に背を向けて走った

 

「しら…調!!」

 

「何切ちゃん?」

 

「どうしたデスか調?なんか元気ない様デスけどノコギリじゃないから車酔いデスか?」

 

「ううん、何でもない」

 

私はそう言って窓の外を見るとバイクに乗る翼さんと一瞬目が合った

 

〜調side out〜

 

「ウサギさんが一杯!!」

 

「あんまりはしゃぎ過ぎたら迷子になるぞ」

 

調神社に先に着いた俺と葉月は調神社の中で切歌達の到着を待って居た

 

「ちょっとキツく言い過ぎたかもな」

 

「パパ?」

 

調が走って行く時に泣いていた時の事を考えていると葉月が下から俺の顔を覗いていた

 

「何でもない…誰だ!!」

 

「おやおや、驚かせてしまいましたか」

 

そこには1人の老人が居た

 

「話は伺っています。私は此処の宮寺です。話では女性は7人居ると聞いていたのですが」

 

「残りの6人は後から来る俺が早く来ただけだ」

 

「そうですか、所で貴方は氷川神社群と言うのをご存知ですかな?」

 

氷川神社群か

 

「確か大宮を中心とする氷川神社、中氷川神社、女氷川神社に調神社、宗像神社、越谷の久伊豆神社が鏡写しのオリオン座になってるって奴だろ?だがそれはあくまで噂だったはずだが」

 

「実はそうでも無いんですよ」

 

宮寺はそう言って寺の中に案内してくれた

 

「早速ご覧になりますか?」

 

「いや、残りが来てからで良い」

 

「そうですか、それではごゆっくりなさっていてください」

 

宮寺はそう言ってその部屋を出て行った




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150話

「これはオリオン座?」

 

「正しくは此処調神社を含む周辺7つの氷川神社により描かれた鏡写しのオリオン座とでも言いましょうか。受け継がれる伝承において鼓星の神門、この門より神の力がいずるとされています」

 

宮司は此処に受け継がれる伝承の話を聞かせてくれた

 

「憶測と推論に過ぎないか、それでもパヴァリア光明結社の狙いと合致する部分は多く無視はできない」

 

「そうかもな」

 

「神いずる門」ぐ〜

 

真剣な空気の中に不適切な音が鳴る

 

「響お前」

 

「けたたましいのデス」

 

「私は至って真面目なのですが私の中に獣が居ましてですね」

 

「では晩ご飯の支度をしましょうか。私の焼いたキッシュは絶品ですぞ「待ってくれ」どうかなさいましたか?」

 

晩ご飯の支度をしようと立ち上がる宮司を引き止める

 

「世話になるだけじゃ悪いからな晩飯は俺が作る。勝手だがある程度資料は見させてもらったからな」

 

「そうですか、それではお願いしましょうか。此処にある古文書、全て目を通すにはお腹いっぱいにして元気でいないといけませんからね。台所に案内しましょう」

 

「ああ、頼む葉月邪魔しちゃ悪いからお前も来い」

 

俺がそう言うと隅の方でぬいぐるみで遊んでいた葉月はそのぬいぐるみを置いて俺と宮寺の後を付いて来る

 

「その子を見ていると孫を思い出しますよ」

 

「孫をか?」

 

「ええ、本当にそっくりですよ。その子とは違って髪は茶色でしたが、丁度貴方の1つ下ですよ」

 

俺の1つ下で茶髪かなんか鳩木に似てるけどまさかな

 

「昔は娘がよく連れて遊びに来てくれていたんですけどね。それはもう目に入れても痛く無い程で」

 

宮司は懐かしむ顔でその孫の事を話す

 

「此処が台所です。すみませんね、孫の話を聞いて頂いてしまって」

 

「いや、なぁその孫の名前って鳩木佳奈子って名前か」

 

宮司が時々孫の名前だろうか佳奈子って呼んでたのが気になってそう聞いてみる

 

「ええ、そうですが…もしや佳奈子のご友人ですか?」

 

「ああ、鳩木は俺の学校の後輩だ」

 

「そうでしたか、いやはや佳奈子のご友人が訪ねて来て下さるとは。今後とも孫の事をよろしくお願いします」

 

宮司はそう言って頭を下げる

 

「鳩木なら俺の右隣に座ってた切歌とその隣に座ってた調の2人の方が詳しいぞなんせ同じクラスだからな」

 

「そうですか、では晩ご飯の時にでも最近の孫の事を聞かせて頂います。私は2つ隣の部屋に居ますのでそれでは」

 

そう言って宮司は歩いて行った

 

「さて始めるか」

 

「葉月も頑張る!」

 

葉月はそう言って冷蔵庫の中身を確認する

 

「玉ねぎ、人参、ミンチ…これだけあればハンバーグが作れるな」

 

「ハンバーグ!パパ葉月ハンバーグが食べたい!!」

 

「ならハンバーグにするか、葉月玉ねぎの皮剥いてくれ」

 

「うん!」

 

葉月は頷いて玉ねぎの皮を剥き始めた

 

「出来たし切歌でも呼ぶか」

 

『何デスか湊?』

 

「切歌晩飯出来たから運ぶの手伝え」

 

『了解デス!響さんと一緒に向かうデス!』

 

切歌はそう言って電話を切った

 

「葉月お前は宮司を呼んで来い」

 

「わかった!」

 

俺がそう言うと葉月は宮司の居る2つ隣の部屋に向かって行った




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151話

その夜俺は眠れないので神社の中を散歩しながら考え事をしていた

 

(神社所蔵の古文書からいくつか情報は得られた。パヴァリア光明結社が霊ラインを利用した計画を進めているとすれば、対抗手段となるのは以前キャロルとの戦闘の時に翼の話していた要石と言う霊石か)

 

「神の力…あんなのを彼奴らに使わせる訳にはいかない。だがどうすれば…」

 

考えても考えても答えは出ない

 

「やけになっても何も解決しない…神社の外に出るか」

 

神社の中だとその事ばかり考えそうなので神社から少し離れたコンビニに向かう

 

「何処に行くんだ湊」

 

神社の階段を降りた所に居た翼にそう聞かれる

 

「翼…少し出て来る夜明けまでには戻る」

 

「そうか…私も同行して良いだろうか?」

 

「別に良いぞ」

 

俺は特に断る理由がある訳でも無いので了承する

 

「ありがとう、乗れ湊」

 

翼はバイクの椅子を1人分空けてそう言う

 

「ならそうさせて貰う」

 

「ああ、しっかり捕まって居ろ湊」

 

翼はそう言ってバイクを走らせた

 

「ん?どう言うつもりだよコンビニ通り過ぎてんぞ?」

 

「ああ、わかっているお前と少し話したくてな」

 

その後数分走った先にあるファミレスで俺と翼は話をしている

 

「何だよ話したい事って」

 

「月読の件だ。彼女は心に壁を作っている。私はそう感じているのだがそれは私の思い違いだろうか?」

 

翼は確証があるかのように俺にそう聞いてくる

 

「作ってるだろうな…調は彼奴は人との接し方を知らないからな。それだけじゃ無い、切歌が誰とでも出来てる。その焦りもあって視野も狭くなって1人で強くなるしか無いそう考えているんだろうな。恐らくその壁が原因で連携によるフォニックゲインの引き上げに失敗している理由だろうな」

 

「そうか…やはり同じだ。かつて奏を失った時の私と…」

 

翼が何を言っているかはわからないが何処か自分を重ねているように見える

 

「翼わかってるかもしれないが…あまり調の事を勘違いしてやらないで欲しいんだ。彼奴の壁はただ相手を隔てるだけじゃない、相手を思っているからこその距離感なんだ。そして何よりそれは調なりの優しさなんだ。それに調自身が気付けてないだけで俺は何度もそれこそ数えきれないくらい彼奴の優しさに救われた」

 

セレナの時もそうだ俺の事を思って俺と距離を置いてくれた。切歌の時も彼奴は切歌を傷つけない為にと切歌の事を思って距離を置いた。彼奴が距離を置いた時は必ず誰かの為を思っていた。それはそう簡単に出来る事じゃ無い。相手の事を思っていたとしても距離を置く事によってその関係が壊れてしまう事だってある。調はその事をわかった上で時に俺や切歌から距離を置いている

 

「そうか、それが月読の優しさか」

 

「ああ…どうやら話すのは此処までの様だ」

 

そこにミミからのメッセージが届いた。内容はプレラーティがファウストローブを纏い新川越バイパスを北走していると言う物だった

 

「どういう事だ?」

 

「プレラーティが新川越バイパス道路を北走しているらしい」

 

「何!?伯父様翼です!」

 

翼がおっさんに連絡を取り今話した事を伝える

 

「分かりました。行くぞ湊!」

 

「わかった」

 

俺と翼は急いでファミレスを出て再びバイクに乗りプレラーティが北走している新川越バイパスに向かった

 

「「調(月読)!」」

 

「翼さん…湊」

 

「高軌道を誇るのはお前1人では無いぞ」

 

「そう言う事だ翼もう良い」

 

俺はホログラム通信機からレーヴァテインを取り出し翼のバイクから飛び降りる

 

「「湊!!」」

 

俺の突然の行動に驚く調と翼だが直ぐにその心配も消える

 

「羽がどう言う事だ「レーヴァテインは所有者を吸血鬼にするんだ此処まで言えばお前なら理解出来るだろ」吸血鬼…成る程そういう事か湊上空からの支援を頼む」

 

「ああ、わかった!」

 

翼の言葉に頷きプレラーティの上を取る

 

「何を企みどこへ向かう!」

 

「お呼びでないワケダ!!」

 

炎で翼と調を撒こうとしそれを交わされたプレラーティはガードレールを壊し隣の道路に移動する

 

「おいおい、逆走なんてすんじゃねえよ」

 

そう言ってプレラーティに向けてレーヴァテインを振るう

 

「チッ!面倒臭いワケダ!!」

 

プレラーティは防御壁を張って防ぎ切れると思ったらしいが予想以上にレーヴァテインの力が強く一瞬で防御壁が壊れる

 

「翼俺が時間を稼ぐ!その間にお前は調とのユニゾンを完成させろ!!」

 

「ああ!」

 

俺の言葉に翼はそう返し調との距離を詰める

 

「サンジェルマンに伝えなきゃならない事がある!だからこんな所で終われないワケダ!!」

 

そう言ってプレラーティは炎を俺に向けて飛ばす

 

(おかしい…今まで戦って来たが此奴はもっと冷静な奴だった筈だ。それがこの変わり様仲間同士で何かあったか)

 

「ふっ、お前はこの先暫く追って来れないワケダ」

 

プレラーティはトンネルの中に差し掛かり翼と調がそれを追う

 

「仕方ない、トンネルの出口で待ち伏せするか」

 

俺はトンネルの出口でプレラーティを待ち伏せする事にした




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152話

〜翼side〜

 

「ユニゾンだ月読!!イグナイトとのダブルブーストマニューバで捲り上げるぞ!!」

 

「ユニゾンは出来ません…」

 

私の言葉に月読はそう返す

 

「切ちゃんは…やれてる。誰と組んでも、でも私は切ちゃんとじゃなきゃ!人との接し方を知らない私は1人で強くなるしかないです!」

 

「心に壁を持っているのだな月読は」

 

「壁…」

 

私がそう言うと月読は小声でそう呟く

 

「私もかつて亡き友を思いこれ以上失うものかと誓った心が壁となり目を塞いだ事がある」

 

「天羽奏さんとの」

 

月読の言葉と同時にトンネルに差し掛かった

 

「湊が言っていたぞ月読の壁は誰かを隔てるだけの壁ではない、相手を思ってこその距離感だと」

 

「相手を思ってこその距離感…」

 

「それだけでは無い、それは月読なりの優しさなのだとそして月読が気付いていないだけで自分がその優しさに数え切れない程助けて貰ったと!」

 

「湊……」

 

月読は震えた声で湊の名前を呼ぶと腕で顔を拭う

 

「優しいのは私じゃ無く湊や翼さん周りの皆です。だからこうして気遣ってくれて…私は皆んなの優しさに応えたい!」

 

「ごちゃつくな!いい加減付き纏うのは辞めるワケダ!!」

 

プレラーティはトンネル内で炎を放ち私と月読はその爆風に巻き込まれる

 

「やるぞ月読!!」

 

「はい!」

 

「「イグナイトモジュール抜剣!!」」

 

イグナイトモジュールに移行した私と月詠は爆風の中トンネルの外を目指した

 

〜翼side out〜

 

「そろそろだな…」

 

俺がトンネルの上から見下ろしていると爆風の直後プレラーティがトンネルから出て来た

 

「ぐうの音も「はああ!!」何!?ぐあっ!」

 

プレラーティはトンネルの上からの襲撃に対応出来ず投げ出されそうになるがなんとか耐える

 

「くっ!忌々しいワケダ」

 

「そりゃどうも「「湊!!」」お前らも来たかさっきの爆風は流石にやばいと思ったんだがな」

 

爆風の中から翼と調が姿を現した

 

「湊!月読!このまま行くと住宅地に出るその前に仕留めるぞ」

 

「「ああ(了解)」」

 

翼と調がプレラーティの軌道を左右から封じる

 

「神の力そんな物は作らせない!」

 

「それは此方も同じなワケダ!!」

 

プレラーティはそう言ってけん玉の上に立ち水を生成する

 

「宴どもには激流がお似合いなワケダ!!」

 

「翼!調!離脱しろ!」

 

《翔炎斬》

 

無数の斬撃を飛ばしプレラーティに錬金術を使う暇を作らせない様にする

 

「くっ!鬱陶しいワケダ!!」

 

「調!翼!あの瓦礫を使え!」

 

俺がそう言うと調と翼はその言葉の意味を理解して瓦礫の山を駆け上がりプレラーティの上を取る

 

「うああ!」

 

プレラーティはけん玉の持ち手をぶつけ2人の軌道を変える

 

「駆け抜けるぞ月読!」

 

「はい!」

 

《風月ノ疾双》

 

翼の《騎刃ノ一閃》によるブレードを展開した状態のバイクに、後方から調の《非常Σ式 禁月輪》のホイールが変形した巨大な二輪が接続し、チャリオットとして構築、地上を疾走しプレラーティに突撃して行く

 

「アダムは危険だとサンジェルマンに伝えなきゃならないワケダ!!」

 

(アダムは危険か…俺達に有利な情報が入るかも知れないな)

 

俺は翼と調のユニゾンによる攻撃とぶつかるプレラーティを助けるべく攻撃がぶつかり合う中に突っ込んで行く

 

「サンジェルマン!サンジェルマーン!!」

 

「サンジェルマンに会いたいんだろ!会わせてやる!」

 

そう言ってプレラーティを抱え上空に飛ぶ

 

「お前…どうして…」

 

「助けたかか?勘違いするな俺達の知らない情報が聞き出せると思っただけだ」

 

そう言ってプレラーティを下ろす

 

「湊どうして…どうしてそいつを助けたの!!」

 

「待て月読…湊何か気がかりなる事があるんだな?」

 

翼の言葉に俺は頷く

 

「アダムは危険だとお前はそう言ったな?」

 

「ああ…彼奴は危険なワケダ」

 

俺の言葉をプレラーティは肯定する

 

「お前の知っている事を話せ。そうすればサンジェルマンの所までは連れて行ってやろう。ただし少しでも嘘の情報を混ぜてみろ…その場で殺す」

 

俺の殺気を目の当たりにしてプレラーティが少し震える

 

「先ずはその殺気をしまうのが先なワケダ」

 

「ああ」

 

俺はプレラーティに言われるまま殺気をしまう

 

「アダムは最初から私もカリオストロもそしてサンジェルマンの命も全て計画遂行の勘定に入ってたワケダ。そして彼奴はこうも言っていた人形の見た夢にこそ神の力はと恐らく彼奴は人形の見た夢にこそ神の力は宿ると言いたいワケダ」

 

人形の見た夢か…

 

「それはオートスコアラーって事で良いのか?」

 

「ああ、オートスコアラーティキその役割は記録された星図情報から、儀式に定められた座相で天地のオリオン座が照応するタイミングを測る事と言うワケダ。そして、神いずる門から得られる膨大なエネルギーに自身が備える恋乙女の概念を付与させることで、アダムに対して盲目的に動く、神に匹敵する兵器と至る事と言うワケダ」

 

プレラーティは案の定俺達の知らない情報を提供してくれた

 

「大方の話は理解出来た。約束だサンジェルマンの所までは連れて行ってやろう」

 

「その必要は無いワケダ、お前達が行けば逆にサンジェルマンを刺激しかねないワケダ「待て此奴を持って行け」これは?」

 

「治癒の錬金術の術式を埋め込んであるそいつを使えば一度だけお前も治癒の錬金術が使える」

 

プレラーティはそれを受け取ると無言で頭を下げてけん玉に乗ってサンジェルマンの元に向かって行った

 

「良かったのだろうか…敵を逃してしまって」

 

「さあな…1つ言えるのは今の彼奴の敵と俺達の最終的な敵は同じって事くらいだな」

 

翼の問いかけに俺はそう返す

 

「湊…その…バカだなんて言ってごめん…」

 

「気にするな…俺も悪かったんだ。悪かったな調」

 

「もう良い…湊が居てくれればそれで」

 

そう言って調は俺にぴったりと引っ付いて来る

 

「さて立花達も心配している事だ戻るとしよう」

 

「ああ「翼さーん!」その必要は無くなったな」

 

「そうだな、此処だ立花!!」

 

翼はそう言ってヘリで俺達の方に向かって来る響達に向けて手を上げた




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153話

〜プレラーティside〜

 

「やあプレラーティ」

 

私がサンジェルマンの元に向かっていると1番会いたく無い男に出会った

 

「アダム」

 

「やれやれ、やはりシンフォギアも大した事がないね。僕が直々に手を下さないといけない訳なんだからね!」

 

アダムはそう言って斬撃を飛ばす

 

「くっ!一体なんの用なワケダ!」

 

「言ったろ?計画には君達の命も勘定に含まれているとだから困るんだよね生きていられると!」

 

何とか交わすがそれも時間の問題いずれ限界が来る

 

「ぐっ!」

 

「そろそろ限界のようだね」

 

体力の限界に達しアダムの錬金術の攻撃を受けてしまう

 

(サンジェルマン…済まないワケダ)

 

私は死を覚悟し抵抗を辞めアダムの攻撃を受けた

 

「此処は…「プレラーティ」カリオストロ…そうか俺は死んだワケダ」

 

私が目を覚ますとそこには死んだカリオストロが居た

 

「違うわ、此処は米国のニューヨークシティにある研究所よ」

 

「米国のニューヨークシティ…だが確かに俺はアダムの錬金術の攻撃で…」

 

「此処に来たって事は貴方も彼から治癒の錬金術の術式を埋め込んだ結晶を貰ったのね」

 

カリオストロに言われた通り確かに私はあの男から治癒の錬金術の術式を埋め込んだ結晶を貰った

 

「私はあれを使っていないワケダ」

 

「そうよね、でもそれは生命反応が一定の数値を切った時に自動発動する様に設定されてたみたいよ。私の時もそうだったしね」

 

つまり彼奴は私にその事を話さなかったワケダ

 

『やっと来た!ヤッホー!プレラーティさん!』

 

部屋中に場違いな声が鳴り響く

 

「誰なワケダ!」

 

「大丈夫よプレラーティ、彼女達は私達の味方」

 

カリオストロはそう言うがどうにも信じがたいワケダ

 

『あー!もしかして信じられないって顔してるの!!酷い!』

 

『姉さん少し黙ってて…気分はどうプレラーティ』

 

今度は変わって落ち着きのある声が聞こえる

 

「存外悪く無い…私達をこんな所に連れて来てどうするつもりなワケダ!」

 

『それについては近々湊が来る…だからその時に話す…今は体を休める』

 

「了解、それにしても流石治癒の錬金術ね傷があっという間に塞がるわ」

 

カリオストロが言うように彼奴の治癒の錬金術の術式が使用されているからかアダムから受けた傷は直ぐに塞がっていた

 

「カリオストロお前はいつ此処に来たワケダ」

 

「そうねぇ、ほんの数日前かしらね」

 

数日前…カリオストロが死んだのも数日前どうやら彼奴は私やカリオストロを何かに利用しようとしているワケダ

 

「今頃アダムの奴が俺がシンフォギアにやられたとサンジェルマンに伝えているワケダ」

 

「そうね『湊と連絡が取れました…繋ぎますか?』繋いで頂戴」

 

カリオストロがそう言うとモニターにあの男の姿が映し出された

 

「お前は鼻から私を此処に送るつもりだったワケダ」

 

『カリオストロの奴から聞いたのか』

 

「それであーし達に何をさせようって言うの」

 

カリオストロの問いかけに彼奴はこう答えた

 

『お前達アダムの奴に一泡履かせてやろうと思わないか?』

 

「彼奴に一泡?面白い提案ね、でもどうするの?正直言ってあーし達じゃ彼奴に手も足も出ないわよ」

 

『そんな事は百も承知だ。お前達に特にプレラーティお前には死なれちゃ困ったからな』

 

「私にどう言うワケダ」

 

『とある遺跡に古代の錬金術師が残した字があってなどうしても読めない部分が多数あった』

 

遺跡に古代の錬金術師が残した文字

 

『その前の石碑の文字から考えて、恐らく神殺しに関する物が封印されている可能性が非常に高い』

 

神殺しに関する物…成る程意図が読めて来たワケダ

 

「お前は私にその解読をしろとそう言いたいワケダ」

 

『ああ、そのティキってオートスコアラーに神の力が宿ろうと神殺しの聖遺物があれば何とかなるだろ』

 

「それならプレラーティだけを連れてこれば良かったじゃないあーしは?」

 

『お前はもしもの時の保険だ。明後日には俺もそっちに着く。それまでに体調は万全にしておけ』

 

彼奴はそう言って通信を切りモニターの映像が消える

 

〜プレラーティside out〜




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154話

「失礼しました」

 

俺がそう言って職員室を出ると響達が居た

 

「どうしたんだよ響?」

 

「いや、偶然聞こえたんデスけど休学ってどう言う事デス?」

 

此奴らに聞かれたのか

 

「ちょっと用事で2、3日米国に行く事になった」

 

「米国に?どうして?」

 

「此処じゃ話せない内容だな」

 

俺がそう言うとクリスが俺の近くに来る

 

「…聖遺物関係か?」

 

「…ああ」

 

「…成る程な、お前ら3人には話せない内容だ。悪いが外れてくれ」

 

クリスがそう言うと安藤達は不服そうにしながら何処かへ向かって行った

 

「それじゃあ話してもらおうか学校を休学してまでお前が米国に渡る程の聖遺物関係の事を」

 

あの後本部に移動した俺達はおっさん達の目の前で話をさせられる事になった

 

「遺跡の調査だ。一つ言える事は神殺しに関する聖遺物又は何かヒントになる物がそこにある事だ」

 

「神殺しか確かに行く価値はあるかも知れないな、だが君が行く必要があるのか?」

 

「おっさん達は前にあってるよなミミ・エルガルム、そしてそいつの姉のルカ・エルガルム此奴らが誰とでも動いてくれれば遺跡の調査も進みが良いんだがな」

 

俺はそう言って苦笑いをする

 

「何か問題があるのか?」

 

「ミミとルカはシンフォギアの軍事兵器化の被害者なの、湊が行けば動くけどそれ以外の人だと無理でしょうね。うちの司令でも無理だもの」

 

ステラが肩を竦めてそう言う

 

「根拠はあるのか?」

 

「根拠はある。遺跡には3つのルートがある。直線に進んだ最奥の部屋にレーヴァテイン、左に進んだ最奥の部屋にミミのファウストローブ:グレンデルとルカのファウストローブ: イフリート、そして右なんだがこっちが問題なんだアルカノイズがうろついて居る」

 

「アルカノイズが!?」

 

「ああ、更に奥に進むに連れて古代文字が多くなって来た上最奥の部屋に入る扉に書かれている文字が古代の錬金術師が残したものだ」

 

俺の言葉を聞いて話について来れなかった響と調と切歌以外難しい顔をする

 

「あの…話に全く着いていけないんだけど」

 

「右に同じく」

 

「私もデス」

 

「悪いがこれ以上に簡単な説明の仕方を俺は知らないから付いて来れないなら聞き流してくれれば大丈夫だ。元々お前達には難しい話だったんだからな」

 

俺がそう言うと切歌と調はあからさまに不機嫌な表情を浮かべる

 

「その古代文字の解析は?」

 

「ミミ達がやってるみたいだが確証がない以上試す以外に道はないだろうな」

 

正直言ってプレラーティが居るからそこまで心配はしていないが此奴らはプレラーティが米国に居る事自体を知らない

 

「そんな訳だ俺は米国に行って可能なら遺跡から神殺しの情報或いはなんらかの聖遺物を持ち帰るつもりだった」

 

「そうか、今は神殺しの情報が少しでも欲しい確たる物があれば此方としても動きやすくなる」

 

「それは俺も同じだ。用意もある今日は帰らせて貰う」

 

俺はそう言って米国に向かう準備をしにマンションに帰った




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155話

「着いた「みーなーとー!!」彼奴が出迎えかよ」

 

アメリカのニューヨークに着いて搭乗口を出ると大声で俺の名前を呼び走って来る女性の姿が見えた

 

「久しぶり湊!!元気だった!会えてすっごく嬉しいよ!あ!もうミミ達も待ってるから早く行こう!そうしよう!」

 

俺の意見を一切聞かず俺の手を引っ張りミミ達の居る場所に連れて行って居るのはルカ・エルガルム、ミミの姉なのだがミミとは真逆の性格をしており恐らく俺がこの世で1番苦手な奴だ。これを何の悪気もなくやっているので余計にタチが悪い

 

「ルカ少し落ちつ「姉さん…少し落ち着く…」ミミ、良かった来てくれて」

 

ミミが俺を引っ張るルカを止めてそう言う

 

「ええ!何で何で!?私はただ湊に喜んで貰おうとしてるだけなのに!」

 

「姉さんはやり方が強引…湊あの人達も直ぐに着く」

 

彼奴らももう来るのか

 

「わかった」

 

俺はミミの言葉に頷き彼奴らが待つ場所に向かった

 

「悪い遅くなった」

 

「我々もつい先程着いたワケダ」

 

そこには軽く変装したプレラーティとカリオストロが居た

 

「それであーし達を何処に連れて行こうって言うのかしら?」

 

「今日はもう遅い出発は明日の8時それまではオーグツーヴェルク、つまりアメリカの対ノイズ用グループの総司令官が手配したホテルに宿泊する。詳細はそこで話す」

 

俺の言葉にプレラーティ所カリオストロは頷いた

 

「此処が明日からお前達が俺達と行って貰う遺跡だ」

 

「此処に神殺しのヒントがあると言うワケダ」

 

「前にも言ったがあくまで可能性が高いだけで確証は無い、がそれが事実であれば神の力に対してこれ以上の対抗策は無い」

 

現在オーグさんの手配してくれたホテルの一角で明日向かう遺跡について話している

 

「あーしは保険なのよね?」

 

「保険のつもりだったが、カマエルが使えない以上お前には後方からの支援をして貰う」

 

俺の言葉にカリオストロは頷く

 

「プレラーティは基本的に戦闘は避けて解読に専念しろ。解読が完了し次第神殺しの資料又は聖遺物を回収する」

 

「戦闘…と言う事はそこには何かがいると言うワケダ」

 

「ああ、信じ難い事にアルカノイズがうろついている」

 

普通の遺跡ならばそこに立て篭もって調査すれば済むだがアルカノイズが居るともなれば話は変わって来る

 

「アルカノイズが居る以上錬金術師が関係している事は間違い無いワケダ」

 

「そうね、私達がノイズのレシピを元に作ったアルカノイズも資料にあったものだしね」

 

「その為のお前達だ。以前アダムが破壊した風鳴機関にも多くの神殺しのデータがあったらしいしな」

 

そしてそれこそが神殺しの存在を大きく表している証拠ともなった

 

「これで遺跡の情報は全てだ。何か質問はあるか?」

 

俺がそう聞くとカリオストロとプレラーティは首を左右に振る

 

「なら明日8時にはホテルの入り口に集合しておけ」

 

俺はそう言って自分の使う部屋に向かった




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156話

「此処がその遺跡だ」

 

「入口が塞がれてるけどどうやって中に入るの?」

 

そうその遺跡の入り口は無数の水晶が邪魔をしてとても人が通れる道ではない

 

「ミミ、ルカ」

 

ミミとルカは頷き水晶に手をかざすと水晶で塞がっていた道が開き中に入るスペースが出来た

 

「何やってる入るぞ」

 

俺は未だに中に入ろうとしないカリオストロとプレラーティにそう言う

 

「あれはどう言うワケダ」

 

「あの水晶か?あれはミミとルカの2人が作った水晶だ昨日も言ったが中にはアルカノイズが居る。無駄な犠牲者を出さない為だ」

 

「意外と他人の事を考えてるのね」

 

カリオストロが意外そうな顔をしてそう言う

 

「何かあれば俺に責任が向くからな、ならあらかじめ誰も入れないようにすれば良いだけの話だ」

 

「成る程ね、この分かれ道を右に行くのね」

 

「ああ、この先にはアルカノイズが居る全員ファウストローブを纏え」

 

俺がそう言うとミミ達はファウストローブを纏い俺もレーヴァテインを取り出す

 

「へぇ、便利そうな機械ね」

 

カリオストロは小型のホログラム通信機を見てそう言う

 

「確かに便利と言えば便利だな、話すのはこのくらいにしてさっさと行くぞ」

 

「この先に神殺しに関する何かがあるワケダ」

 

「ああ」

 

俺はプレラーティの言葉に頷きミミとルカと俺の3人を先頭に奥に進んで行く

 

「おっと早速お出ましだ」

 

歩いてほんの数分でアルカノイズが出現した

 

〜プレラーティside〜

 

「彼奴の言ってる事どう思う」

 

「7割が事実なワケダ。確かに神殺しに纏わる壁画が多く描かれている」

 

確かに此処になら神殺しに関する何かがあってもおかしくないワケダ

 

「それにしてもあの子達も凄いわねアルカノイズをバンバン倒して行くわ。あーしのフォローもあまり必要ないしね」

 

「そう言う訳でもないワケダ」

 

「それもそうね!」

 

カリオストロが私達の後ろに現れたアルカノイズを倒す

 

「これだけ厳重に守ってるのに何もありませんでしたじゃ割りに合わないわね」

 

「プレラーティ此処だ」

 

彼奴はそう言って文字を指差す

 

「確かに古いものなワケダ」

 

「いけそうか?」

 

「この程度時間を稼いでくれれば楽勝なワケダ」

 

「そうか」

 

そう言ってアルカノイズと向き合う

 

(全く掴めないワケダ。此奴の意図が、何故此奴は少し前まで敵だった私やカリオストロを信用出来るワケダ。何が此奴を信じさせるワケダ)

 

考えても考えても此奴の意図が掴めない…

 

「どうかしたプレラーティ?」

 

「どうもしないワケダ…成る程そう言う事なワケダ」

 

その壁画の文字の解読に成功した私はそう言って笑みを浮かべる

 

「何かわかったのか?」

 

「此処にあった聖遺物と完全聖遺物を此処にかざすと開く仕組みになって居るワケダ」

 

「成る程な、ミミ!ルカ!こっちに来い!」

 

彼奴がそう言うと2人はアルカノイズとの戦闘を中断し彼奴の後ろに行く

 

《炎帝》

 

彼奴は炎を壁を作り出しアルカノイズが此方に近づけないようにする

 

「ミミは槍をルカは大剣を此処にかざせ」

 

そう言うと2人は言われるがままにファウストローブの武器である槍と大剣をかざしその上に彼奴もレーヴァテインをかざす

 

「開いたかそろそろあの壁も無くなる飛び込むぞ!」

 

私とカリオストロは彼奴に言われるがままに開いた扉の中に飛び込んだ

 

〜プレラーティside out〜

 

開いた扉の中に入ると別の道とは比べものにならない程の部屋だった

 

「此処に神殺しに関する何かがあるのか…一先ず手分けして探すぞ」

 

「「うん(はーい!)」」

 

俺がそう言うとミミとルカは2人で部屋の探索を始めた

 

「これは…」

 

「何かわかったのかプレラーティ」

 

それまで壁画の文字の解読をしていたプレラーティが何かを発見して声を上げた

 

「今から約2000年前にも1度神の力がこの世に君臨しているワケダ。この遺跡の最奥に奉納されている聖遺物そして完全聖遺物は全て神殺しの力を宿しているワケダ」

 

「ねえプレラーティ!これってそうじゃない?」

 

カリオストロも何かを発見したらしくプレラーティを呼ぶ

 

「間違いないワケダ、これが此処に奉納されている完全聖遺物スルトの剣」

 

「でもこれ全然抜けないのよね」

 

カリオストロは地面に突き刺さるスルトの剣を何度か抜こうとしたのかそう言う

 

「それに関する事も壁画にあったワケダ。スルトの剣は純粋な心の持ち主のみが使う事を許され欲がある者には使えなく例え抜く事が出来たとしてもスルトの剣の狂気に取り込まれ死ぬまでその剣を振るわされるワケダ」

 

純粋な心の持ち主か…

 

「ミミ!ルカ!お前らも来い!」

 

俺がそう言うとミミとルカは探索を中断して俺の元に来る

 

「どうしたの湊?」

 

「それが神殺しの大剣?」

 

ミミの質問に俺は頷く

 

「スルトの剣…その名前は聞いた事がある」

 

「だよね!小さい頃パパから聞いたよね!神を両断する大剣だって!」

 

「神を両断するか…プレラーティ他の情報はあったか?」

 

「ああ、お前の治癒の錬金術に関する記述もあったワケダ。治癒の錬金術それは神を宿す者に与えられた力、その力は正しく使えば多くの者を癒し、誤って使えば世界を破滅に導く事の出来る物だと記されていたワケダ」

 

神を宿す者に与えられた力か…

 

「ん〜!抜けない…」

 

「あ!次私!私!」

 

向こうではスルトの剣を抜こうとカリオストロに続きミミが挑戦したが抜けなかった為ルカが挑戦するらしい

 

「やった!抜けた!抜けたよ湊!」

 

「抜けたか…は?抜いたのかお前?」

 

「うん!何かこう手に馴染む感じがある!」

 

(此奴が純粋な心の持ち主ね…)

 

プレラーティの話では欲がある者はその狂気に取り込まれるらしいのだがルカからはそう言った物が一切感じられないいつも通りのルカだ。つまり此奴は純粋な心の持ち主と言う事になる

 

「剣も抜けたし地上に出るぞ」

 

「でも扉の向こうにはアルカノイズが居るのよ?あーし達が入った時間からして対処出来る数を超えてると思うけど?」

 

「それに関しては問題ないワケダ。あれは扉の持ち手の蛇の認識で現れると言う記述もあったワケダ」

 

なら外に出たらまたアルカノイズが出て来るって事だよな?

 

「ならこれで本部まで移動すれば良い」

 

「だよね!湊!」

 

ルカは俺に飛びつきキャロル達が使っていた結晶を地面に落とす

 

「あーし達も連れてって貰うわね」

 

「うん…貴方も」

 

「わかっているワケダ」

 

カリオストロとプレラーティはミミと転移するらしい

 

「わかったからちょっと離れろ」

 

「えー!良いじゃん!」

 

ルカは俺から離れるつもりは無くそのまま転移した




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157話

「ん?通信?」

 

遺跡を出た俺達はミミを本部に残してオーグさんの用意した専用のシャトルで日本に向かっていると通信機に通信が入った。チャンネルは切歌に渡した物だった

 

「どうした切歌?『湊君!良かった出てくれて!』響?なんでお前がそれを」

 

持っているんだと言おうとすると響によって理解させられる

 

『それが…切歌ちゃんが…私を守る為に絶唱を…』

 

響の話では神の力を宿したティキの一撃を切歌が絶唱を使って受け止めたらしい

 

「あのバカ…わかった直ぐに向かう」

 

俺はそう言って席を立つ

 

「ルカ」

 

「はーい!気をつけてね湊」

 

ルカはそう言って結晶を地面に落とす

 

「ああ、わかってる」

 

「あーしらはどうすれば良いのかしら?」

 

「お前達は当初の予定通りで行け俺は先に行く」

 

俺がカリオストロ達にそう言ったのと同時に俺は転移させられた

 

「湊君…」

 

「やっと出て来たか雪音湊」

 

上空でそう言って俺を見下ろすアダムを無視して俺は倒れている切歌に近づく

 

「たく、無茶しやがって」

 

「たはは…返す言葉もねぇデスよ」

 

俺は掠れたそう言う切歌の傷を治す

 

「これで一安心だな…さて随分とやってくれたみたいだな」

 

「手を出すな雪音湊、彼奴は私が「どけサンジェルマン」雪音湊…貴様は一体」

 

俺から出ている尋常じゃない殺気に当てられサンジェルマンが声を震わせるが今はどうでも良い

 

「覚悟は出来たんだろうな」

 

「なんの覚悟だい?」

 

「勿論…死ぬ覚悟だよ!!」

 

俺は背中に翼を生やしアダムに突っ込んで行く

 

「やれやれ、無駄だと言うのに」

 

アダムがそう言うとティキがアダムの前に出て光線を放つ

 

「なあアダム、神殺しって知ってるか?」

 

「何!?」

 

無傷な上に簡単に神の力を切り裂いた俺を見てアダムは驚きの声を上げる

 

「神殺しの力…ばかな!保管させている施設は全て破壊した筈だ!」

 

「残念だが全部は破壊されてないんだよな!」

 

アダムに対してそう言って俺は再びアダムにレーヴァテインを向けた

 

〜響side〜

 

「凄い…切歌ちゃんが絶唱まで使って受け止めた攻撃をあんな簡単に」

 

「あれが神殺し…神をも砕く力…何だ!」

 

サンジェルマンさんが空を見上げたので私も空を見上げると2つの人影が空から降って来ていた

 

「もう始めちゃってるのね」

 

「気が早いワケダ」

 

「カリオストロ…プレラーティ…」

 

そこにはクリスちゃんとマリアさんが倒した筈のカリオストロさん、あの時湊君が見逃したプレラーティさんが居た

 

「何故お前達が此処に…お前達は死んだと…」

 

「そうね…正直言ってあの子が居なかったらあーしは死んでたかもしれないわね」

 

「私も彼奴が居なければ今此処に立っていないワケダ」

 

そう言って2人はアダムと戦う湊君を見上げる

 

「彼が…雪音湊がお前達を助けたのか」

 

「ええ、それにしても彼奴に勝ち目は無いでしょうね、人の中で唯一触れてはいけない物に触れたんだもの」

 

「ああ、勝負の結果は目に見えているワケダ」

 

「人の中で唯一触れてはいけない物?」

 

私はそれが何かわからずそう呟く

 

「知らないなら教えてあげるわ。人の中で唯一触れてはいけない物それは」

 

「大切な物を傷つけられ怒りが頂点に至った時の感情、あの男は触れてしまったワケダ彼奴の逆鱗に」

 

私の呟きに答えるかのようにカリオストロさんとプレラーティさんはそう言った

 

『響君!事態は急を要するかもしれない。一度切歌君を連れて本部に戻れ!』

 

「分かりました師匠」

 

私はアダムと戦う湊君を見た後切歌ちゃんを連れて本部に向かった

 

〜響side out〜




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158話

〜弦十郎side〜

 

「司令!此方に向かって来る飛行物体を確認しました!」

 

「モニター出ます」

 

そこには此方に向かってくる一機のシャトルが映し出された

 

「あれは…確かお父様のシャトルだった気がするのですが」

 

「そうよね?あれを操縦出来るの湊くらいの筈なんだけど…風鳴司令少し失礼するわね」

 

「ん?構わないが一体何をするつもりだ?」

 

ステラ君はそう言ってそのシャトルに無線による通信を行った

 

『はいはーい!此方ルカちゃんでーす!司令?それともミミちゃん?』

 

通信に応じたのはルカと名乗る女性だった

 

「ルカ?貴方どうしてそこに居るの?」

 

『あ!その声ステラちゃん!?久しぶり!!元気だった!?』

 

「元気よ、一先ず不時着しなさい話はそれからよ」

 

『はーい!』

 

その通信が切れるとそのシャトルは降下を始め潜水艦の隣で止まった

 

「ステラちゃーん!!」スリスリ

 

「離れてルカ、暑苦しいわ」

 

「もう照れちゃって可愛いなぁ」

 

「照れてないから、辞めなさい」

 

シャトルから出て来た少女はステラ君を見つけると途端にステラ君に飛び付いた

 

「もー!せっかく神殺しの情報を湊から預かって来たのに!」

 

「そんな大事な事は早く言いなさい!!」

 

そう言って怒鳴るステラ君を見てその少女はその場に座り込む

 

「まあまあ、ルカの奴も悪気があったわけじゃ無いんだからよ」

 

「そうですステラさん、ですので少し落ち着いて下さい」

 

「わかってるわよ、全くそれで神殺しの情報を持って来たのよね?早く見せなさい」

 

少しキツイ物言いにも関わらずその少女は神殺しの情報について話し始めた

 

「これが湊と行った遺跡の全てだよ!」

 

「そう、貴方はスルトの剣を持って湊に加勢しに行きなさい。私達も行きたい所だけど私達じゃどうにもならなさそうなの」

 

「はーい!行って来まーす!」

 

その少女はそう言って本部を出て行った

 

「大丈夫なのかよ彼奴…」

 

「あれがあの子の素よ、それにあれでもいざって時にはかなり頼りになる子よ」

 

クリス君の心配する物言いに対してステラ君はそう返した

 

「師匠ただいま戻りました」

 

「ご苦労だった響君、切歌君の容体は?」

 

「湊君の治癒の錬金術で何とか傷は治ったみたいです」

 

またしても彼に錬金術を使わせてしまったか

 

「ん…湊…そうデス!あ痛ぁ」

 

切歌君が目を覚まし少し慌てた口調でそう言うと頭を抑える

 

「無理しちゃダメだよ切ちゃん、今は少しでも休んで」

 

「ありがとうデス調、それであれからどうなったデス?」

 

「切ちゃんモニターを見て」

 

「モニターデスか?凄いデス」

 

モニターにはあのアダムを圧倒している湊君の姿が映し出されている

 

「流石神殺しって言うだけはあるな」

 

「ああ、ん?彼女は先程の…」

 

そこにはステラ君に言われ湊君の加勢しに行ったルカ君の姿があった

 

〜弦十郎side out〜

 

「くっ!」

 

「はあ!」

 

「避けろ雪音湊!」

 

サンジェルマンの声が聞こえると後ろから銃弾が飛んで来る

 

「あっぶねぇ」

 

「彼奴はお前1人では倒せない相手なワケダ」

 

「そうそう、あーし達とも協力しなきゃ」

 

「我々と共にアダムを撃ってくれ雪音湊」

 

サンジェルマンがそう言って手を差し出して来る

 

「足手まといになるようなら切り捨てるからな」

 

「ああ、それで良い」

 

サンジェルマンはそう言ってファウストローブの武器の銃で空中に足場を作りティキの元に向かう為の足場を作った

 

「行け!」

 

「あーし達が彼奴を食い止めるわ」

 

「お前は構わずティキを倒す事に集中すれば良いワケダ」

 

カリオストロとプレラーティが2人がかりでアダムに攻撃を仕掛ける

 

「なら使わせて貰うぜ!」

 

俺はサンジェルマンの作った足場を利用し空中に居るティキに向かって行く

 

「させはしない好きに!僕だけなんだよ触れて良いのはティキのあちこちに」

 

「きめえんだよクソ野郎が!」

 

アダムがティキを守る様に俺に錬金術で攻撃をするが俺はその攻撃を防ぎ地面に着地する

 

「ですが局長、ご自慢の黄金錬成はいかが致しましたか?」

 

「あーし達に手心を加える必要もないのにどうしてあの馬鹿みたいな火力をかいちょうしないのかしら?」

 

「大方天からの霊ラインチャージはお前からしても予定外だった。その為門の開放に消耗し黄金錬成させるだけの力が無いのが丸わかりなワケダ」

 

いつまで経ってもあの高火力の火の玉が来ないと思ってたがそう言う事か

 

「はあ!」

 

サンジェルマンが発射した銃からは青い竜の様な物が現れた

 

「ふっ」

 

アダムはそれを帽子を飛ばして防ぐ

 

「まだまだー!」

 

そこにカリオストロが打撃を叩き込もうとするがそれは受け止められる

 

「どうしたもう終わりか?」

 

「んな訳ないだろが!」

 

俺はカリオストロの攻撃を防いでいる手を切る

 

「今だ雪音湊!ティキが完全に神の力に至る前に!」

 

「わかって…」

 

俺はティキの元に向かおうとした所で可笑しな点に気がつく

 

「お前その腕…」

 

アダムの腕からはまるで機械の様に電気が散って居た




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159話

「錬金術師を統べるパヴァリア光明結社の局長が…人形だと」

 

「人形だと!!」

 

アダムがそう言うとティキの光が強くなっていく

 

「光が…生まれる!」

 

「何が生まれるって言うんだ」

 

光は次第に治まっていきさっきまでティキがいた場所には怪物が居た

 

「何があったんだサンジェルマン」

 

「完成してしまったんだ神の力が…」

 

「こうなるとあーしやプレラーティでも難しいわね」

 

「鍵を握るのはお前と仲間の錬金術師が使う剣2つだけだ」

 

こうなるとルカにも早く来て貰わないとな

 

「とーりゃー!!」

 

遠くからそんな叫び声と共に1人の少女が大剣を怪物に振るった

 

「はぁ、全く彼奴は」

 

俺はアダムに攻撃を防がれ落下して行くルカを受け止めに行く

 

「大丈夫かルカ?」

 

「うん!大丈夫だよ湊!」

 

ルカはそう言ってスルトの剣をアダムに構える

 

「見せしめようか、完成した神の力…ディバインウェポンの恐怖を!」

 

アダムがそう言うと怪物は肩から光線を飛ばして辺りを焼き払う

 

「人でなしサンジェルマンはそう呼び続けていたね。何度も僕を…そうとも人でなしさ僕は何しろ人ですらないのだから」

 

「アダム・ヴァイスハウプト貴様は一体」

 

サンジェルマンがそう問いかけるとアダムは地面に降りて来た

 

「僕は作られた彼らの代行者として」

 

「作られただと…」

 

「ああ、だけど廃棄されたのさ試作体のまま完璧過ぎると言う理不尽極まる理由をつけられて」

 

確かに理不尽極まり無い理由だだが

 

「有り得ない、完全が不完全に劣るなど「ふざけた事言ってんじゃねえぞ」何処がふざけていると言うんだい?ふざけているのは完全過ぎると言う理不尽極まり無い理由を付けて廃棄した彼らじゃないか」

 

「確かにあんたが廃棄された理由には同情するよ…でもな、それでも誰かの命を奪って良い事にはならねぇだろうが!」

 

「僕は歪みを正すだけだよ。完全が不完全を滑る事でね!!」

 

「させるか!「何をするつもりだ雪音湊!!」あれを止める!またあんなの撃たれてみろそれこそこの辺り一帯が焼き払われる!そんな事になれば俺もお前達も終わりだ!倒せる見込みのある俺が行くのが妥当だろ!」

 

俺はサンジェルマンにそう言って怪物に向かって行く

 

「やらせないよ!「とりゃー!」くっ!」

 

「貴方の相手は私だよ?やっちゃえ湊!!」

 

「ああ!」

 

俺はアダムを足止めするルカにそう言う

 

「はあ!」

 

倒すまではいかなかったが今の攻撃で完全に軌道が変わったが

 

「あぁああ!!」

 

怪物の振り下ろす腕が直撃し吹き飛ばされた先にあったビルの鉄骨に右腕が刺さった

 

「雪音湊!!」

 

「どって…事…ねぇよ…このくらい…」

 

俺は出血する右腕を治癒の錬金術で治してそう答える

 

「難儀だな…血液まではまだ少し時間がかかりそうだ」

 

「湊君!」

 

「響…お前どうして」

 

俺がサンジェルマンにそう言うと響が走って来た

 

「ガングニールにも神殺しの力があるってわかった。だから私も戦いに来た!」

 

ガングニールにも神殺しの力が…

 

「お前ら10分…いや5分もあればいけるだから頼む少しだけ時間を稼いでくれ」

 

俺は右腕を治しながら響達に頭を下げてそう言う

 

「うん、任せて湊君」

 

「我々も時間を稼ごう。お前は完全に腕を治せ」

 

「そう言う事」

 

「だが遅ければ私達が彼奴を倒してしまうワケダ」

 

「ああ、お前達が彼奴を倒す前に行ってやるよ」

 

俺がそう言うと響達はアダムと怪物に向かって行った




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160話

「もう大丈夫そうだ」

 

さっまで感覚の無かった右腕は回復し戦闘も可能となったのでサンジェルマン達の元に向かう

 

「待たせたサンジェルマン」

 

「ああ、雪音湊次の指示を頼む」

 

俺がサンジェルマン達の元に行くとサンジェルマンは俺にそう言う

 

「お前になら我々の全てを掛けても構わないと言うワケダ」

 

「あーしも同じよ」

 

「お前ら…カリオストロ、プレラーティ響の支援を頼む一瞬でも良いあのデカブツに隙を作れ。サンジェルマンお前は俺とルカとでアダムを足止めする。響お前はカリオストロとプレラーティの作った隙を見逃すな彼奴に重いのを打ち込め」

 

『了解』

 

そう言って響はデカブツに向かって行った

 

「やっと得心した。あの時無理筋な黄金錬成、あれはシンフォギアに向けた物では無く局長にとって不都合な真実を葬り去る為だったのね」

 

「言った筈なんだけどな探し過ぎると」

 

アダムはそう言って俺達に向かって来る

 

「やはりあの時の君を確実に仕留めるべきだった様だね、雪音湊…君は危険すぎる!」

 

「そいつは悪いな俺にはまだやり残した事が山の様にあったんでね!」

 

アダムが腕を抜き武器として扱う

 

「後退しろ雪音湊!」

 

「ああ」

 

後ろからのサンジェルマンの銃による攻撃をギリギリで交わしアダムに確実に命中させる

 

「今だ行け雪音湊!」

 

サンジェルマンの言葉を聞いて俺はアダムの上を取り怪物と化したティキに向かって行く

 

「乗り過ぎだ調子に「行かせないよ〜!」くっ!」

 

「やっちゃえ湊!」

 

俺はルカの声に応えるように翼を生やす

 

「捕まれ響」

 

「うん!」

 

響はそう言って俺の手を取る

 

「打ち込んで来い!」

 

俺はそう言って響をティキに向かって投げる

 

「うおお!」

 

「アダムを困らせるな!!」

 

そう言って響を握り潰そうと左腕を響に伸ばす

 

「させるかよ」

 

「あああ!」

 

俺が左手を斬り落とすのと同時に響が右腕を破壊する

 

「これでどうだ」

 

ティキは直ぐに両腕へのダメージを無かった事にしようとしたが無かった事にはならずその場で叫ぶ

 

「効いてる。これなら」

 

「ああ、行ける。しっかり捕まってろよ響」

 

「うん」

 

俺は響を背中に乗せてティキの攻撃を交わす

 

「響胸の水晶を狙え水晶の中のティキを破壊すればあの怪物も消える筈だ」

 

「わかった」

 

響はそう言って俺から飛び降り腕をドリルの様にして突っ込む

 

「ハグだよティキ、さあ飛び込んでおいで神の力を手放して!」

 

「アダム「相手が悪かったな」あああ!」

 

アダムはティキが破壊されるのを恐れ自分の元に向かわせるがその途中に俺がティキの入っていた水晶を破壊する

 

「ふ〜、何とかなったね」

 

「ああ」

 

俺は響の言葉に頷きティキが落ちて行った場所を見る

 

「新世界の雛形へと!!」

 

アダムがそう言うと小さな光の粒がアダムに向かって行くが

 

「どう言う事だ?」

 

何故かその光は俺と響の周りに集まって来て居た

 

「ねえ湊君…何これ?」

 

「わからないが…ぐっ!あああ!!」

 

突然胸に激しい痛みがこみ上げて来た

 

「どうしたの!?ねえ湊く…」

 

響が俺の名前を呼びかけるが俺の意識は段々遠のいていった

 

〜プレラーティside〜

 

「何が起こったワケダ」

 

私が目を覚ますとそこには2つの大きなさなぎの様な物があった

 

「宿せ無い筈…汚れなき魂でなければ神の力を」

 

「生まれながらに原罪を背負った人類に宿る事など「一概にそうとは言い切れ無いワケダ」プレラーティ目が覚めたの」

 

私はサンジェルマンの言葉に頷く

 

「それでどちらが彼奴…雪音湊なワケダ」

 

「プレラーティ貴方どうしてその事を」

 

「彼奴と行った遺跡の壁画にこう書かれてあったワケダ。神に与えられし力治癒の錬金術、その力を持つ者にも神は宿ると」

 

私はサンジェルマンに壁画に書かれてあった治癒の錬金術の内容を少し話す

 

「そんな事が…雪音湊は左、右が立花響」

 

「そうか…全く面倒なワケダ」

 

そう言って私は武器を手に取る

 

「もしもーし!あ!ステラちゃん!わかった!」

 

ルカはそう言うと走って私達の元に来る

 

「プレラーティ!あれを攻撃するのはちょっと待って、暫く様子を見る事になったから本部に来て欲しいって!」

 

本部にだと

 

「断る、此方にメリットが無いワケダ」

 

「え〜、良いじゃんプレラーティ!」

 

「プレラーティ向こうも恐らく同じだろう。今は情報の共有が必要だルカだったか?彼方が本当に害が無いか確認を取りたい。連絡を取ってくれ」

 

「わかった。えっと…これだったかな?」

 

ルカは腕の小型通信機を使い連絡を取る

 

「あ!ステラちゃん?私!それでね、サンジェルマンが本当に害が無いか確認したいんだって!うん!直ぐそこに居るよ!」

 

通信機器に映し出されて居たのは1人の女性だった

 

『貴方がサンジェルマンね、ステラ・リーシェンよ』

 

「ああ、私がサンジェルマンで合っている。さて、我々を受け入れる理由を聞かせて貰おうか」

 

『それについては俺から話そう』

 

先程とは打って変わり男性が映し出される

 

『俺はS.O.N.G.司令官風鳴弦十郎だ』

 

「何故我々を受け入れる」

 

『此方としても情報が余りにも少なすぎる。君達が知る神の力に関する情報、我々が知る神の力に関する情報を共有したい。勿論君達の誰1人にも危害は加え無いと約束しよう』

 

男の言葉を聞いてサンジェルマンは難しい顔で考える

 

「良いだろう、だが少しでも危害を加えた場合この話は無かった事にする。良いな?」

 

『ああ、元よりそのつもりだ』

 

男はそう言って通信を切る

 

「良かったのサンジェルマン、彼奴らの話を信じて」

 

「ああ、何方も情報が少ないのは同じだ。嘘をつく理由が無い。プレラーティは此処に残って何か変化があれば私に知らせてくれ」

 

私がサンジェルマンの言葉に頷くと2人はルカとS.O.N.G.の本部に向かって言った

 

〜プレラーティside out〜




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161話

〜マリアside〜

 

「この中に湊が…そして立花響が」

 

あれから2日が経った立花響と湊のさなぎは日を追うごとに成長している

 

「無論此方でも打開策を試したがどれも失敗に終わっているワケダ。最悪神殺しの力を使えば破壊も可能だろうがその場合、立花響は助かる可能性はまだあるだが、雪音湊彼奴は神をその身に宿している故に迂闊に手を出せば彼奴自身を殺しかねないワケダ」

 

「そう…くっ!何故あの子ばかりがこんな目に」

 

何も出来ない自分が情け無い…腹立たしい…頭の中に浮かぶのはそんな事ばかりだ。

 

「だが彼奴だからこそ向こう側、米国も最後のカードを切る事が未だに出来ない状況下にあるワケダ」

 

「そうね、それが1番の救いね」

 

確かに米国は湊に大きな恩義がある事は知っている。ステラ達Clover'sそしてミミ・エルガルム率いるscarletこの2つを大きく成長させたのは湊だ。だからこそ米国側も反応兵器と言う最終カードを切る事を躊躇っている何よりアリア・ツーヴェルク彼女の父が米国側の首脳陣に待ったをかけている事も大きい。そして迂闊に手を出して湊が死んでしまえばClover'sはまだしもscarletは確実に米国から出るだろう。そしてその中には米国の情報収集部門に功績を残しているミミ・エルガルム、ルカ・エルガルムの2名も含まれている

 

(でも米国以外は違う、その内米国だけでは抑えきれなくなる。その前に何としてでも湊をそして立花響を助け出さないと)

 

私が考えを固めた時小さな破片が上から落ちて来た

 

「これは…「チッ!もう目覚めたワケダ」あれは…まさか風鳴司令!」

 

『此方でも確認した。君達は至急その場を離れろ。虫の悪い話だが湊君と響君は第二種特異災害と認定された』

 

「待って下さい風鳴司令!あの中には湊が!!」

 

『ああ勿論だ。だが既に自衛隊がそちらに向かった』

 

「分かりました。プレラーティ一度引くわよ」

 

「元よりそのつもりなワケダ」

 

プレラーティはそう言って何処かに向かって行く

 

「死なないで湊」

 

そう言って私も切歌と調の2人と合流しに向かう

 

〜マリアside out〜

 

「ん…此処は…」

 

真っ暗な景色だけがあたり一面を覆っている中に一筋の光が見える

 

「これは!」

 

そこには俺と1つのさなぎに向けられる戦車があった

 

(何だか知らねえがやられてばっかじゃいられねえよな!)

 

そう思っていると予想外の事が起こる

 

「何だよこれ…」

 

視界が光に包まれたと思ったら目の前にあった戦車はボロボロになっていた

 

「一体どうなってるんだ」

 

俺の困惑に答えるかのようにそれの手が映し出された

 

「これって…俺なのか?だがどう見てもこれは人の手じゃ無い」

 

俺の腕には鱗が付いており指は3本でとてもじゃないが人間の手じゃない

 

「何が起きてるんだ…何だ!?」

 

さなぎがあった場所から大きな叫び声が聞こえたので見てみると人に近い化け物が居た

 

「何なんだよあれ…マリア?」

 

その化け物の前にはマリア達が居た

 

「あれってまさか!?」

 

化け物がマリア達に向けて光線を放ったのを見た俺はとっさに自分の体を動かす様な動作を取ると景色が移り変わりその化け物の目の前まで移動した

 

「何でも良い撃て!」

 

するとさっきの同じ様に視界が光に包まれた

 

「マリア達は!?良かった無事か」

 

振り返るとマリア達は無事だったが驚きを隠せない表情をしていた

 

「何かあったのかマリア?」

 

俺がそう言うとマリアは更に驚く

 

「ま、今は良いか…さてお前の相手は俺だぜ化け物」

 

この時の俺は気付いていなかった自分が竜の姿になっている事に。そしてあの化け物が誰なのか




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162話

〜マリアside〜

 

「大丈夫デスかマリア」

 

「ええ、平気よ切歌でも一体どうして」

 

立花響の攻撃が私に向かっている事に気付いた時には直撃してもおかしくない距離だった。だがそれは湊によって防がれ彼女は湊が相手をしている。だが立花響同様に今の湊も自我は失っている筈なのにどうして…それに

 

『何かあったのかマリア?』

 

あの時、直接脳内に聞こえたあの声は確実に湊だった。

 

「何かあったのかマリア?」

 

「少し気になる事があって…プレラーティ今の湊は立花響同様に自我を失っているのよね?」

 

「本来ならばその筈なワケダ、だが彼奴の行動を見て一概にそうも言い切れなくなった。可能性は2つ、1つは単なる偶然で守るように見えただけ。もう1つは何らかの影響によって自我が保たれ意図的に助けたの2択なワケダ」

 

私と湊との距離はあったにも関わらず偶然で片付けるにはタイミングが良すぎる。それにもう1つあの時聞こえた湊の声、意図的に助けたのであればあの時だけ聞こえるのはおかしい

 

「試すだけの価値はある。翼私を湊の所まで連れて行って」

 

「何を考えているマリア」

 

「そうデスよ!今の湊は響さんと同じなんデスよ!?」

 

「そうね、でもあの声が湊だったとしたら試す価値はある」

 

「声?私達には何も聞こえなかったけど?」

 

調の言葉に切歌も頷くあの声は私にしか聞こえていないのはわかっていた。だからこそ私しか湊の自我が保たれている事の証明ができない

 

「お願い翼」

 

「マリア…わかった、だが危険だと見なしたら即座に対処を行うこれが条件だ」

 

「ありがとう翼」

 

私は翼に礼を言って走る私の考えが間違っていなければ湊は自我を保っている

 

〜マリアside out〜

 

『グガアア!!』

 

「ちっ!大人しくしやがれ!」

 

そう言って俺は化け物を縛り付ける

 

「にしても尻尾まであるとは本気でどうなったんだろうな俺の体?」

 

それとは裏腹に尻尾は更に化け物を縛り付ける力を強くする

 

『湊!!』

 

聞き覚えのある声が聞こえたので俺は化け物を投げ飛ばし声のした方を向く

 

「マリア」

 

『湊!私の声が聞こえる?聞こえたなら尻尾を地面に1回打ち付けて』

 

俺はマリアに言われた通り地面に尻尾を地面に1回打ち付ける

 

『聞こえてるのね?よく聞きなさい。貴方が戦っているのは立花響彼女よ』

 

あの化け物が響…通りで響が見当たらない訳だ

 

『やっぱり声は聞こえないのね…』

 

声…あの時のマリアには俺の声が聞こえて驚いてたのか

 

『湊よく聞きなさい、立花響の動きを封じて私達じゃ力の差があり過ぎて長く持たないの。でも貴方なら…いえ、貴方にしか出来ないの。お願い私達に力を貸して』

 

(力を貸してか、そんなの答えは決まってる)

 

俺はそれに答えるかのようにマリアを掴み響が放つ光線を避け切歌達の元に送る

 

『ありがとう湊』

 

俺はマリアの言葉に頷き響の動きを封じに行く




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163話

『ガアアア!』

 

俺はマリアに言われた通り響を縛り上げ動きを封じる

 

「くそ!落ち着け響!」

 

響は俺の拘束を必死に解こうと暴れ回り時々光線も撃っている

 

「落ち着けって言ってんだろが!!」

 

腹が立った俺は思わず響を地面に叩きつける

 

「やべ、死んじまったか?」

 

『避けなさい湊!!』

 

マリアの声が聞こえたと思うと後ろから赤い液体が入った何かが俺と響、正確には響に向かって飛んで来ていた

 

「あれってAnti_LiNKERか?」

 

響に刺さった液体はAnti_LiNKERに似た液体だった

 

『湊!聞こえるかしら?』

 

「ああ、聞こえるぞマリア」

 

俺はマリアの目線に合わせる

 

『本当に湊デスか?』

 

『じ〜……』

 

切歌と調はそう言って俺をじっと見る

 

(信じてないのかよ此奴、なら)

 

俺はじっと見る切歌と調を食べようと大きな口を開ける

 

『ちょ!?私達を食べても美味しくないデスよ!』

 

『マリアこれ湊じゃない!湊は私達にこんな事しない!!』

 

そうは言われても俺なんだが

 

『はぁ、遊ぶのはそれくらいにしなさい湊』

 

「やっぱり遊んでたのバレてたのか」

 

俺は思わずそう言ってマリアに目線を戻す

 

『たくよ、お前今の状況分かってんのか?』

 

『まあそう言うな雪音、湊お前の協力のお陰で立花を予定より早く抑えられた感謝する』

 

俺は翼の言葉を聞いて首を左右に振る。それにAnti_LiNKERを使ったとは言え響を確実に助けるにはやっぱり彼奴の協力が必要になるな

 

そう考えた俺は恐らく彼奴が居るであろう1番後ろのトラックに向かう

 

(邪魔するぞ)

 

俺は心の中で謝罪をしそのトラックの中に居る1人の少女に目を向けてる

 

『湊…』

 

(やっぱりおっさんも響を助けられるのは此奴だけって思ってたんだな)

 

案の定そこには俺の目的の人物が居た

 

『湊…お願い私を響の所に連れて行って。私も響を助けたい』

 

未来は真剣な表情で俺の目を見てそう言う

 

「わかった、連れてってやるよ」

 

『ありがとう湊。ふふ』

 

すると未来何突然笑い出した

 

「どうかしたのか?」

 

『ううん、何でもない…それじゃあよろしくね湊』

 

湊はそう言って背に乗る

 

「この貸しはデカいぞ未来」

 

『うん、分かってるよ湊』

 

未来はまるで俺が言いたい事を理解しているかのようにそう言った

 

『響!!』

 

未来が大声で響の名前を呼ぶと響の動きが止まった

 

『湊そのままギリギリまで響に近づいて』

 

俺は動きの止まった響に少しずつ近づきやがて未来が化け物となった響に触れられるくらいまで近づいた

 

『今日は響の誕生日何だよなのに…なのに響が居ないなんておかしいよ』

 

え?今日響の誕生日だったのか…全然知らなかった。それにしても響の奴未来の声が聞こえた途端暴れるの辞めるって、まあ…考えても仕方ないか

 

(響の胸の中央部分が異様に光ってる…此処に響が居るのか?)

 

未来が響に話しかけてから時々胸の中央部分が光ってるのが目に入るのでそこに亀裂を入れてみる

 

『この先に響が居るの湊?』

 

俺は正直言ってわからないので首を傾げる

 

『私ねこの先に響が居ると思うの…だからちょっと行ってくるね?』

 

未来はそう言ってその亀裂から中に入って行った

 

〜未来side〜

 

「やっぱり居た」

 

湊が入れた亀裂を進んでいくとそこに響の姿はあった

 

「響…」

 

「未来…」

 

響は私の顔を見るなり驚いた表情を浮かべる

 

「どうして未来が」

 

「響を迎えに来たんだよ。帰ろう響、皆の所に」

 

「うん、やっぱり暖かいな未来は」

 

響は私に抱き付きながらそう言う

 

「響…お誕生日おめでとう」

 

「うん、ありがとう未来」

 

響がそう言うと辺りは眩しい光に包まれた

 

〜未来side out〜

 

未来が入って5分程すると化け物となった響の体全体に亀裂が入りさっき光ってた中央部分からは気を失っている響と響を抱えた未来が現れた

 

(成功したんだな)

 

俺は響を抱える未来をまた背に乗せ未来が乗っていたトラックに向かった




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164話

『ん…此処は…』

 

『響!良かった目が覚めたんだ!』

 

トラックの近くの地面に響を寝かせていると響が目を覚ます

 

『未来…翼さんに皆それに…たはは、私まだ夢見てるのかな?目の前に竜が居るよ…』

 

今響の目の前に居るのは竜か…ん?竜?それに今響の目の前に居るのは俺だよな?つまり俺は今

 

『湊気付いてなかったの?』

 

未来にそう言われた俺はトラックのバックミラーで自分の顔を確認した

 

「本気かよ…」

 

その姿は竜そのものだった

 

『あれ?未来今あの竜に向かって湊君の名前呼ばなかった?』

 

『うん、あれ湊だよ』

 

『嘘!?全然見えない!?』

 

俺自身このバックミラーに写ってるのを俺だなんて思いたくない

 

『本当に湊君なの?』

 

「俺も信じたくねぇよバカ」

 

『でも…何となくだけど湊君だってわかるよ。何だろこの歌…』

 

響がそう言うので俺も耳をすましてみると確かに声が聞こえた。この声って…

 

「彼奴ら…何するつもりだんだ」

 

その声の主は空に登って行くサンジェルマン達だった

 

『湊さん司令からこれを預かっています』

 

緒川がトラックの中から出て来てAnti_LiNKERを取り出す

 

「何のつもりだ緒川」

 

俺は警戒して緒川にそう聞く

 

『エルフナインさん曰くディバインウェポンもヨナルベパストーリどちらもエネルギーを纏い固着させたものだそうなんです。それはまるでシンフォギアのように。そして今回響さんに打ったのはエルフナインさんの作成したAnti_LiNKERです。結果はご覧の通り…如何しますか湊さん』

 

エルフナインの予想は正しかった確かにディバインウェポンもヨナルベパストーリもエネルギーの様なものを纏っていた。そして何より今回はAnti_LiNKERを使って響を助けて見せた。試してみる可能性はある俺は緒川の持つAnti_LiNKERを凝視する

 

『試すんですね?』

 

緒川の言葉に俺は頷く

 

『わかりました』

 

緒川はそう言って俺にAnti_LiNKERを打つ

 

「力が抜けていく…何だ?」

 

俺の体から力が抜けていくのと同時にあの時の光が1つの結晶となって俺の前に現れた

 

「これは…」

 

その結晶は黄金の輝きを放っていて俺がそれを掴むのと同時に意識は浮上して行った

 

「み…湊君!」

 

「ん…響…元に戻ったって事は成功なんだな…緒川」

 

「はい、ご無事で何よりです」

 

俺が緒川を見てそう言うと緒川は笑ってそう言う

 

「湊さん…これを」

 

「これは…」

 

「修理が終わったカマエルです。先日湊さんがエルフナインさんに渡したレーヴァテインの破片を埋め込んでいるそうです」

 

ああ…そういやエルフナインに渡してたな

 

「わかった、ありがとな緒川」

 

俺はそう言ってマリアに通信を取る

 

『湊!良かったわ元に戻ったのね!』

 

「ああ、色々心配かけたな。今から響と2人でお前らと合流する」

 

『ええ、わかったわ』

 

俺はそう言ってマリアとの通信を切る

 

「突っ立ってないで行くぞ響!」

 

「うん、行ってくるね未来」

 

「うん…パーティーの準備をして待ってるね響」

 

未来の言葉に頷き走って行く響の後を俺は追いかけた




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165話

「やってるな、俺も始めるか」

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺が響達の元に到着すると既に戦闘は始まっていた

 

「悪い遅れた!」

 

《紅炎華》

 

俺は翼が対処するアルカノイズを一掃してそう言う

 

「来たか湊」

 

「ああ、こりゃ久しぶりに腕がなる!後退しろ翼!」

 

「わかった」

 

俺がそう言うと翼は後ろのアルカノイズの対処に向かう

 

「吹き飛べ!」

 

《紅蓮の銃口》

 

俺はアルカノイズの対処をしながらアダムの隙を窺う

 

「そこ!」

 

「くっ!」

 

響に攻撃が集中している隙を突きアダムに向けて攻撃する

 

「無駄な事を」

 

「さて、それはどうだか」

 

「うおお!」

 

俺がアダムの注意を引きつけてる内に響は体勢を立て直しアダムに殴り掛かる

 

「やったデスか?」

 

「まだだろうな、なんせ相手は統制局長だそう簡単に終わらせてはくれないだろうな」

 

響の攻撃が命中する直前に後ろに飛んで交わした俺は切歌にそう言う

 

「やっぱりか…」

 

土煙が晴れアダムの居た場所には失った筈の左腕で響の拳を受け止め放り投げるアダムの姿があった

 

「そうさ、力を失っているのさ僕は…だから保っていられないのさ、僕は…僕の完成された美形を!!」

 

そう言ったアダムから高質力のエネルギーが発せられ次第にアダムの姿が変わっていった

 

「知られたくなかった人形だと…見せたくなかったこんな姿を…だけどもう頭に角をいただくしか無いじゃ無いか!僕だって同じさ負けられないのは!」

 

そう言ってアダムは自らが出現させたアルカノイズを倒していく

 

「また化け物のお出ましかよ」

 

「化け物には化け物をだな」

 

俺はあの黄金の結晶を砕く

 

「湊…貴方何を…」

 

「まさかその光は!させるものか!」

 

アダムは俺に向かって来るが後一歩の所で俺の姿が竜に変わった

 

「やっぱり神の力を結晶化さてたんだな」

 

「貴様…貴様!!」

 

アダムは怒りを俺にぶつけるように向かって来る

 

「おっと、そんなんじゃ当たるもんも当たらねえぞ局長さんよ」

 

「ほざけ〜!!」

 

アダムの拳を交わし尻尾を巻きつけ放り投げる

 

「此処は俺が引き受ける!あまり長くは持たない!何とかアダムを打開する手立てを導き出せ!」

 

「わかった、ありがとう湊君」

 

響の言葉を聞いた俺はアダムを飛ばした方に向かう

 

「図に乗るな人間風情が!」

 

俺とアダムは互いに力をぶつけ合いう

 

「くっ!」

 

「はあ!」

 

力負けした俺はアダムに投げ飛ばされ瓦礫の下敷きになってしまう

 

「何をするつもりだったんだろうね…サンジェルマンのスペルキャスター!!」

 

サンジェルマンのファウストローブの武器である銃を砕きファウストローブを形成するエネルギーを響に向けて放つ

 

「させるか!」

 

「湊君!!」

 

俺は何とか瓦礫を払い除け最高速度で響に向けて放たれたエネルギーを受け止める

 

「くっ!」

 

受け止めながらも徐々に後ろに押される

 

「諦めないで湊君!」

 

「踏ん張りやがれ湊!」

 

「耐えろ湊!」

 

「耐えなさい湊!」

 

「踏ん張るデス湊!」

 

「湊なら出来る!だから頑張って!」

 

(お前ら…)

 

響達も後ろで俺を支えてくれている

 

「無駄な悪足掻きを」

 

(今俺の後ろには切歌に調それにマリア、そして俺を受け入れてくれた仲間、守りたい奴らが立ってるんだ…そんな所でやられてたまるか!!)

 

心の中でそう決意した時、響達の絶唱の声と共に青白い光が俺を包んだ

 

〜エルフナインside〜

 

「これは…絶唱!?」

 

「無茶だ!フォニックゲイン由来のエネルギーじゃ「待ってください!これは…」どうなっているんだ…」

 

響さん達の絶唱でファウストローブのを形成するエネルギーを取り込んでいっているそしてその力の殆どがフォニックゲインに近いエネルギーに変換されて取り込まれている

 

「まさか湊さんの体から出ているあの青白い光の影響でしょうか?何にしてもこれはまたと無いチャンスです!フォニックゲインに近いエネルギー以外の負荷はバイパスを繋いでダインスレイブに肩代わり!触媒として焼却させます!」

 

「でも可能なのか!?」

 

「可能にするそれが銃後の守りよ!」

 

「しのごの言う余裕も無さそうだ!」

 

友里さんと藤尭さんと僕とで本部のバックアップによるコンバートシステムを確立させる

 

「コンバートシステム確立しました!響さん!!」

 

『バリアコーティング・リリース!!』

 

響さんの叫び声と共に竜と化した湊さん以外が暴走の時の様な禍々しいオーラに包まれた

 

〜エルフナインside out〜




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166話

「くっ!」

 

あの青白い光に包まれてから何故か力が湧いて来る

 

「何をしようと」

 

「抜剣!ラストイグニッション」

 

響達の黒い姿に亀裂が入る

 

「程がある悪足掻きに、受け入れよ完全を!!」

 

そう言って巨大な火の玉を俺達に向けて落とす

 

「補って来た錬金術でいつか完全に届く為に超えるために!」

 

「だとしても!」

 

響の声と共にミサイルがアダムに向けて飛んで行く

 

「生意気に人類如きが!!」

 

迫って来るアダムの腕を翼とマリアが切り裂く

 

「ギアが軋む、悲鳴を上げている」

 

「このノリ筋は長くは持たない」

 

「引き上げたのか出力を」

 

腕を修復したアダムを調が拘束する

 

「詰まる所…」

 

「一気に決めれば問題無いのデス!」

 

「エクスドライブじゃ無くても!」

 

調と切歌がアダムの動きを封じてクリスの巨大なミサイルをアダムに命中させる

 

「片付けるぞ響」

 

「了解!」

 

響は俺から飛び降り片腕をドリル状にして上空からアダムに向かって突進して行くが

 

「ぐあ!」

 

突然威力を失いそのまま落下する

 

「動けないようだな神殺し…終わりだ!」

 

俺は響の前に降りアダムの攻撃を止める

 

「何?」

 

「ふぅ〜、そう簡単に切り札はやらせないぜ」

 

「忌々しい、何度僕の邪魔をすれば気が済むんだ!!」

 

攻撃を止めた俺にアダムが向かって来る

 

「前にも言っただろ何度だって耐えてやるって、それと同じだ!お前が俺の大事な物を奪おうとするなら何度だって立ち上がってやる!何度だって戦ってやる!もう誰にも俺の大事な物を壊させない!」

 

「良いってもんじゃ無いぞ!破茶滅茶するも!」

 

「だったら!」

 

響は足からブーメランを飛ばす

 

「響お前」

 

「話は後、やるよ湊君!」

 

「わかってる!」

 

響はもう一度俺に乗りアダムとの距離を一気に詰める

 

「否定させないこの僕を誰にも!」

 

そう言うとアダムの切り裂かれた腕が形を変える

 

「皆のアームドギアを!」

 

今度は調の禁月輪全員の技を使えるのか。だがそれも繋ぐ力なのかもな

 

「してる場合じゃ無いんだこんなのをこんな所で」

 

「やらせるか!」

 

俺はブレスで響に伸びるアダムの腕を破壊して押さえつける

 

「やれ響!!」

 

「うん!」

 

響はガングニールが解除された状態で走って来る

 

「Balwisyall nescell gungnir tron!!」

 

聖詠を行いガングニールを纏う響だがガングニールのカラーはオレンジから金色に変わっていた

 

「黄金錬成だと!錬金術でも無い者が!」

 

「湊君避けて!」

 

「ああ!だが俺もでかいのお見舞いしてやらねぇとな!」

 

俺は最大威力のブレスを使ってアダムを宙に浮かせるのと同時に竜の姿から元の姿に戻される

 

「大丈夫か湊!」

 

「ああ、何とかな」

 

響がアダムを遥か上空に突き上げ撃破したのを確認してから翼が俺の元に来る

 

「無茶が過ぎるデスよ!」

 

「同意、でも無事で良かった」

 

「お前らもな…ん?これは…」

 

俺の手にはまたあの金色の結晶が握られていた

 

「湊それは…」

 

「恐らく神の力を結晶化させた物ださっきもこれのおかげで竜の姿になれたわけだからな」

 

「て事はそれを使えばまたあの姿になれるって事だよな?」

 

「俺の予想が当たってればな…なあ今更なんだが…あの高さから落ちたら流石にヤバイんじゃ無いか?」

 

そこで全員がようやく響が力を使い果たし自然落下している事に気づく

 

「おいあのバカ気絶してんじゃ無いだろうな!?」

 

「あの高さからじゃ流石の響さんでも助からないデスよ!」

 

「だが我々ではどうする事も」

 

(仕方ないまだ身体中が痛いが)

 

〜Hellfire Chamael tron〜

 

俺はカマエルを纏い落下する響をアームドギアから出る炎を縄の様にして巻き付け引き寄せた

 

「これで一安心だな」

 

「ああ、本部に戻るぞ」

 

翼の言葉に全員頷き俺が響を背負う形で本部に向かった




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167話

「湊早くしないと間に合わないデスよ?」

 

「ほら持ってけ」

 

そう言って俺は響の誕生日プレゼントを切歌に渡す。これから響の誕生日パーティーをするそうなのだが俺にだけ他にやる事が出来た為俺は行かない事にした。

 

「まさかあの神の力の結晶を解析なんて話が来るとは思わなかったものね。誕生日パーティーに参加する時間も惜しく感じるのもわからなくは無いけど」

 

そうこれは各国からの依頼でとても断れるものじゃない、しかも俺個人への依頼と言う事でS.O.N.G.への協力は難しくなった。しかも期限が1週間後それなのに誕生日パーティーになんて参加してられるか

 

「響さんもきっと待ってるだから少しでも行ってあげて」

 

「パパ…行かないの?じゃあ…葉月も行かない」

 

そう言って葉月も俺の隣に座る

 

「も〜!葉月ちゃんまで湊と一緒になっちゃったデスよ!」

 

「行くならお前らで行ってこい。俺は忙しい」

 

実際問題帰って来てからパソコンとずっと睨めっこ状態だからな

 

「それになんで湊個人への依頼なんデスか!それこそ司令達への依頼になる筈デス!」

 

「そう言えば切歌とそれから調も知らなかったわね…湊は米国では名の知れた学者なのよ。貴方と私と翼が使ってる小型通信機の設計とプログラム作成の両方に携わっているの。だから個人への依頼が来ても特別おかしな話ではないわ」

 

そういやマリアは知ってるんだったな

 

「そう言う訳だ、響には謝っておいてくれ…誰だこんな時に」

 

そう言って小型通信機のモニターを映し出す

 

『湊か?マリア達はまだ居るだろうか?』

 

切歌達が遅い事を心配した翼が通信を取ってきたらしい

 

「悪い翼、今から向かわせる」

 

『向かわせる?湊は来ないのか?』

 

「ああ、やる事があるからな」

 

『やる事か…少し聞かせてもらっても構わないだろうか?』

 

まあ話すくらいなら良いだろう

 

『成る程あの結晶の解析か、しかも1週間と言う期限つき』

 

「ああ、正直言って行っても良いって考えはあるんだがそれだとかなり棍を詰める必要が出て来る」

 

流石に寝る間を惜しんでやるのは辛過ぎるから避けたいてのが本音だ

 

『難しい話だな…しかしながら棍を詰め過ぎるのが良くないのもまた事実…』

 

翼は顎に手を当てて考える

 

『翼さん?誰と話してるんですか?あ!湊君!早くおいでよ!もう始めちゃうよ?』

 

そこに響が俺が来る事を前提で話を進める

 

「待て響!「わかったデス!湊は何が何でも私が連れて行くデス!」おい切歌!お前勝手な事『うん!待ってるね!』待て響!!」

 

俺の言葉を聞く前に切歌は通信を切った

 

「切歌お前…」

 

「さ!出発デス!」

 

「遅れるのは不味い」

 

「諦めなさい湊…車を出すわ」

 

俺は切歌と調に両腕を引っ張られ玄関に連れて行かれる

 

「はぁ…わかった行けば良いんだろ」

 

「最初から素直にそう言うデス」

 

お前が何が何でも連れて行くなんて言うから行く羽目になったんだろ

 

「たく…仕方ない明日から棍を詰めてやるか」

 

「ヘ?どうしてデスか?」

 

「切ちゃん聞いてなかったの?湊に依頼された結晶の解析1週間でしないとダメなんだよ?」

 

調の言葉を聞いた切歌の汗が止まらない

 

「あの…もしかして物凄く大変な事だったデスか?」

 

「ああ、かなり大変だろうな…何せまだ分かっていない部分が殆どだからな」

 

「ごめんなさいデス湊…そうとは知らずに私…」

 

切歌が申し訳なさそうにして謝る

 

「着く前にそう言われてもな…今度から人の話はちゃんと聞こうな?」

 

「はいデス」

 

まあ息抜きだと思って行くか




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168話

〜響side〜

 

「それじゃあ改めて」

 

『ハッピーバースデー(デス)!!』

 

未来の言葉に続いて皆がクラッカーを鳴らす

 

「17歳のお誕生日おめでとう響」

 

「あはは、ありがとう。とんだ誕生日だったよ。でも皆のお陰でこうしてお祝い出来た事が何より嬉しい」

 

「まあまあ、堅苦しいのは無しデスよ。主役はこちらデス」

 

そう言って切歌ちゃんが私を席に案内する

 

「凄〜い!どうしたのこの料理!!」

 

「はい、調が頑張ってくれました」

 

「違う!私はほんの少し手伝っただけで…殆ど湊が…それに湊はまだ奥で作ってる」

 

この机の上にもかなりの数の料理が並んでるけどまだ作ってるなんて

 

「月読と湊が作り立花がたいらげる。さすれば後片付けは私が「止めろ翼キッチンが地獄になる」湊、だが私を見縊ってもらってわ!」

 

そこに最後の料理を完成させた湊君が台所から出て来た

 

〜響side out〜

 

「こんなもんだな」

 

俺は完成したパエリアを持ってキッチンを出る

 

「さすれば後片付けは私が「止めろ翼キッチンが地獄になる」湊、だが私を見縊って貰っては」

 

「ほう…ハンバーグから木炭を生成した奴がよく言えたな」

 

料理の準備の最中ハンバーグを作ってる筈が翼だけ途中から木炭を作り出した時は流石に目を疑った

 

「な!?違うあれはただ少し間違えただけだ!その気になれば」

 

「喧嘩しないのほら」

 

そう言ってマリアがトマトを翼の口に運ぶ

 

「ん…くっ!負けを認めるしかないのか、こんな美味しいものを私は…だがしかし月読ならばまだしも男性である湊に負けるのは…」

 

ぶつぶつと何かを呟く翼の肩にマリアは手を置く

 

「諦めなさい翼。それに調の料理の師匠は湊よ?」

 

「マリア、だが私が引き下がる道理など」

 

「よく分からないが響達は既に食べ始めてるぞ?」

 

「は!マリア我々も行くぞ!」

 

翼はそう言って料理を取りに行った

 

「心配して来て正解だったみたいだな」

 

夕食後後片付けをする翼が気になりキッチンに向かうと洗い物が塔のように積み重なっていた

 

「どうだ!私にも後片付けくらい」

 

翼がそう言った途端に膝が当たり食器が崩れ落ちる

 

「危ねぇ!ふぅ〜、何とか割れずに済んだ」

 

「すっすまない湊」

 

「はぁ…見本見せてやるからちゃんと見とけよ」

 

そう言って俺は翼の隣に立ち見本を見せる

 

「ありがとう湊助かった」

 

「気にするな「その…後片付けが終わったばかりなのだが少し良いだろうか?」何だよ」

 

「その…卵焼き程度なら私にも出来ると思うのだがどうだろうか?」

 

卵焼きか…確かに初心者でも大丈夫そうな料理ではあるな調も最初は卵焼きだったし

 

「別に良いが俺が教えるんだ手は抜かないぞ?」

 

「ああ、望む所だ」

 

こうして俺は翼の卵焼きを教える事になった

 

〜マリアside〜

 

「何してるのつば…クリス貴方何をしているのよ?」

 

後片付けが終わっても良い頃なのにも関わらず翼が戻らないのでキッチンに向かうとキッチンの扉の前にクリスが居た

 

「静かにしろ気付かれるだろ…」

 

「どうしたのよ…あれは翼と湊?」

 

キッチンには翼と湊という珍しい組み合わせがあった

 

「こっこうか?」

 

「最初よりか幾らかマシになったな。後は残りの卵を空いてる方に入れて巻けば完成だ。だが此処が卵焼きの難しい所だ。焦げ付かない様にゆっくりかつ慎重に巻けよ」

 

「あっああ」

 

翼は真剣な表情で卵を巻いていく

 

「クリス卵焼きって彼処まで真剣にしなくても出来る物じゃないの?」

 

「あれを見ろ」

 

クリスの目線を辿ると大量に積み重なった黒い物体があった

 

「クリス…あれは卵焼きなのよね?」

 

「ああ…」

 

クリスはそう言って翼と湊を見る

 

「こっこれで良いのか?」

 

「ん…少しばかり焦げてはいるがまあ食えない程じゃない最初よりかは大分マシになった」

 

「そっそうか」

 

「さて、失敗作を片付けるぞ」

 

「ああ」

 

翼はそう言ってビニール袋に入れようとするのを湊が止める

 

「何をするつもりだ翼」

 

「卵焼きの処理を「捨てるなんて考えが舐めてる!ちゃんと食え!」な!?待て早まるな湊!」

 

「戻るかマリア…」

 

「ええ…そうね」

 

私とクリスはキッチンで湊に失敗した卵焼きを持って迫られる翼を後ろに私とクリスはその場を後にした

 

〜マリアside out〜




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169話

「やっと…終わった…」

 

響の誕生日から数日食事以外ずっとパソコンと睨めっこし続けてようやく解析が終わった

 

「データの転送も済んだ…て言うか眠すぎてベッドに行く気にすらならない…もう良いや此処で寝よう」

 

流石に根を詰め過ぎたのかベッドに行く気力もない為机に突っ伏して寝る事にした

 

〜切歌side〜

 

「ん〜!よく寝たデ〜ス!ありゃ、葉月ちゃんから電話が来てるデス」

 

私は起きて着替えに手を掛けながら葉月ちゃんに電話を掛ける

 

『切歌お姉ちゃん!?』

 

「どうしたデスか葉月ちゃん?」

 

『パパが!パパが!』

 

電話越しで葉月ちゃんが慌てているのが分かる

 

「落ち着くデスよ葉月ちゃん湊がどうかしたデスか?」

 

『パパがお部屋で倒れてるの』

 

ほぇ〜、湊が部屋で倒れてるデスか…え?

 

「はっ葉月ちゃん!?それ本当デスか!?」

 

『うん…切歌お姉ちゃん…葉月どうしたら良いの…』

 

葉月ちゃんは今にも泣き出しそうな声でそう言う

 

「今から調と一緒にそっちに行くデス。だからそれまで湊を見てて欲しいデス」

 

『うん…早く来てね…』

 

葉月ちゃんとの電話を切った後私は調が起きてると思いリビングに向かったけど調は居なかった

 

「調!居るデスか!居たら返事をして欲しいデス!」

 

「ん…どうしたの切ちゃん…随分と早起きだけど…」

 

そう言いながら調の部屋の扉を叩いていると今起きたばかりでふらふらした調が部屋から出て来た

 

「一大事デスよ!湊が部屋で倒れちゃってるらしいデス!」

 

「…ちょっと顔洗って来るから待ってて」

 

調はそう言って洗面所に顔を洗いに行った

 

「38.7℃すごい熱、切ちゃんは葉月ちゃんと一緒に薬とスポーツドリンクを買いに行って来て、私は湊のお粥を作るから」

 

「了解デス!行くデスよ葉月ちゃん」

 

「うん…行って来ますパパ…」

 

葉月ちゃんは湊を心配そうに見ながらそう言って買い物に行く

 

「葉月ちゃんお菓子も買って帰るデス!」

 

「ううん…いらない…」

 

薬も買い終わりスポーツドリンクのついでにお菓子も買おうと思ってお菓子売り場に行ったけど葉月ちゃんはまだ元気がない

 

「さいデスか…葉月ちゃんは本当に湊が大好きなんデスね」

 

「うん…「あれ?切歌ちゃんに葉月ちゃんどうしたの?」未来お姉ちゃん…響お姉ちゃん…」

 

「私達は湊が熱出しちゃってその薬とスポーツドリンクを買いに来たんデス。響さん達もお買い物デスか?」

 

「そうだよ。あ、それで葉月ちゃん元気ないんだ」

 

「そう何デスよ。ずっとこの調子で」

 

そう言えば湊がこんな風に病気になったのっていつ以来デスかね?随分と前だと思うデス

 

「葉月ちゃん…湊が元気になって葉月ちゃんがそんなだと湊きっと悲しむと思うよ?だって葉月ちゃんの笑ってる顔見ると湊凄く嬉しそうにしてるもん。それに湊なら大丈夫だよだからね?」

 

「うん…」

 

「それじゃあ葉月ちゃんお菓子選んで帰るデス!」

 

「うん!」

 

未来さんにそう言われて葉月ちゃんも少し元気になった様でいつもの葉月ちゃんに戻りつつある

 

「あ、私達も良いかな?やっぱり心配だし」

 

「ありがとうデス響さん。でもその気持ちだけ湊に伝えておくデス「切歌お姉ちゃん!」決まったデスね。それじゃあ帰るデス!」

 

「うん!」

 

そう言って私と葉月ちゃんは家に帰った

 

〜切歌side out〜




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170話

「ん…此処って…俺の部屋か?「起きたんだ湊」調?何があったんだ?」

 

確か俺は解析も転送も終わって机で寝て…どうやってベッドに行ったんだ?その辺りを覚えていない

 

「今朝葉月ちゃんから部屋で湊が倒れてるって切ちゃんに電話があったから来てみたら湊風邪で倒れちゃってたんだよ?」

 

「風邪か…流石に根を詰め過ぎたのかもな」

 

響の誕生日の次の日から食事の時以外不眠不休でパソコンと睨めっこしてたからな

 

「湊頑張るのは良いけど程々にね?葉月ちゃんすごく心配してたから。お粥作ったけど食べれそう?」

 

「ああ」

 

「それじゃあ温めて持って来るね」

 

調はそう言って部屋を出て行った

 

「うわぁ、服が寝汗でびしょ濡れだ。気持ち悪いし着替えるか」

 

「お待たせ、どうしたの湊?」

 

シャツを脱いだ所で調が帰って来た

 

「いや、服が寝汗でびしょ濡れになってて気持ち悪いから着替えようかと思ってな」

 

「そう…そのまま着替えてもまた直ぐびしょ濡れになるからタオル持って来るね」

 

「ああ、ありがとうな調」

 

俺は同じ服を着て調が持って来たお粥を食べ始めた

 

「湊痛かったら言ってね」

 

「ああ、悪いな調」

 

タオルを持って来てくれた調はそのついでに背中を拭いてくれるらしいのだが暫くしても一向にタオルの感覚が来ない

 

「おい調?」

 

「あ、ごめんそれじゃあ始めるね」

 

調がそう言うとようやくタオルの感覚が背中に来た

 

「どう?痛くない?」

 

「別に痛くはないな」

 

「良かった…前もするね」

 

調は何を考えたか知らないが後ろから抱きつく様にして俺の体を拭き始めた

 

「調流石に自分でやれるから離れてくれないか?」

 

「ダメ湊は大人しくしてる」

 

「はぁ、切歌に見られても知らないぞ?」

 

「ばれなきゃ平気」

 

調はそう言うがさっき切歌の話をしたのがいけなかったのか

 

「ただいまデ〜ス!って何やってるデスか調!!」

 

切歌が葉月を連れて買い物から戻って来た

 

「何って湊の体の汗を拭いてるだけだよ」

 

「そうじゃないデス!湊も湊ので何で調を止めないデス!」

 

「俺は離れろって言ったんだが調が離れないんだ」

 

事実俺は離れるように言ったが離れないのは調だ

 

「むう〜、後は私がやるデス!調だけ何てズルいデス!」

 

「ダメ、私がやる」

 

「お前ら…どうでも良いからとっとと出てけ!」

 

俺が大声でそう言うと切歌と調は大急ぎで部屋を出て行った

 

「パパ…」

 

「悪い葉月ダンスから服出してくれないか?」

 

「うん!わかった!」

 

俺がそう言うと葉月は俺のタンスから服を出して来てくれた

 

〜調side〜

 

「ちょっとやり過ぎたかも」

 

「そうデスね、最近は結晶の解析なんかで湊と話す時間もあまり無かったので焦っちゃったのかもしれないデスね」

 

湊が頑張ってるのは見てれば分かるんだけど私達との時間が減りつつあるのは流石に

 

「もしかしてこれが倦怠期って言うのかな?」

 

「倦怠期デス?」

 

「うん、相手の事を飽きや慣れから、嫌に感じてしまう状態の事だって」

 

「そっそんな!?わっ私達には飽きたって事デスか!?」

 

私の言葉に切ちゃんは驚いた声を上げる

 

「どっどうするデス調!?」

 

「大丈夫私に良い案がある。今日はマリアも帰って来ないし丁度良い」

 

「何デスと!?調私にも教えて欲しいデス!」

 

「うん、良いよ切ちゃん」

 

私は切ちゃんに私達の考えた案を話す

 

「お〜!流石調デス!早速準備に取り掛かるデス!」

 

「うん、切ちゃん」

 

私と切ちゃんは私の考えた案の実行に必要な物を手分けして集め始めた

 

〜調side out〜

 




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171話

「パパ本当に大丈夫?」

 

「ああ、大丈夫だ。それに俺のせいでお前が風邪ひくのも嫌だからな」

 

「うん…おやすみパパ」

 

葉月は寂しそうな表情で俺の部屋を出て行く。少し悪い事をした気になるが俺のせいで彼奴が風邪をひくのが嫌だと言うのも事実。

 

(そういやあの2人今日はやけに大人しくしてたが…まさかな)

 

そう思い俺は目を瞑る

 

「今…調」

 

「…切ちゃん」

 

暫くすると小声で話しながら俺の部屋に入り近づいて来る2人組が居る。まあ声の時点で誰かはわかってるが

 

「お前ら…何処から持って来たんだ?」

 

「「湊起きてたんだ(デスか)」」

 

俺の目線の先には何故かナース服の切歌と調が居た

 

「アリアさんに聞いたら何も疑わずに貸してくれた」

 

「デス」

 

成る程、さては此奴らアリアの優しさに揚げ足をとったな

 

「まあそれは良い、だが何故ナース服なんだ?」

 

「そりゃ相手は病人デスからね。それならこっちはナースで決まりデス!」

 

「私も同じ…それに最近は湊と一緒の時間がだんだん減って来てたからもしかして倦怠期なんじゃないかなって思って」

 

倦怠期…成る程な、確かに最近は2人と話す時間が減って来てたのも事実。それで俺がお前らへの気持ちが冷めて来たって感じたのか。これは俺に非があるな

 

「悪いな、不安にさせて。だが俺は別にお前らに飽きたなんて思ってないし、それにお前らの事がその…好きだって事も変わってないぞ」

 

俺が2人から目を晒してそう言うと切歌は俺が目を晒した右隣に調は左隣に入って来る

 

「ちょっと狭いデスね」

 

「当たり前だ1人用のベッドに3人並んで寝てるんだからな」

 

「でも引っ付けば暖かいよ切ちゃん」

 

「そうデスね、湊…さっきの本当デスか?」

 

さっきのって俺がお前らの事が好きだって事が変わってないって事か

 

「ああ、そうでもなきゃ夜部屋に来た奴と同じベッドで寝るなんて事しないからな」

 

「えへへ、そうデスね。でも私は少し不安デス…」

 

「うん…湊は優しいから絶対に誰か他にも湊の事を好きになる人は居る。その人が私や切ちゃんよりも可愛い人だったらって考えると」

 

「そうデスね、口では幾らでも言えるデス。なので…湊が私達の事が好きだって言う証拠を見せて欲しいデス」

 

そう言って切歌と調は目を閉じた

 

「お前らな…わかったよ」

 

その意図に気付いた俺は目を閉じる2人にキスをした

 

「これで良いんだろ」

 

「「湊…もっとして欲しい(デス)」」

 

「はぁ、仕方ない元はと言えばお前らを不安にさせた俺が原因なんだとことん付き合ってやるよ」

 

その後俺は切歌は調が満足するまで付き合った

 

「それで俺の風邪が治ったと思うと次はお前らか?」

 

「「返す言葉も無い(デス)」」

 

翌日俺の風邪が治ったと思うと今度は切歌と調が風邪をひいた大方俺の風邪が移ったんだろう

 

「たく、今お粥作って来るから大人しくしてろよ」

 

俺はそう言って俺の部屋を出て台所に向かった




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172話

〜切歌side〜

 

「ねえ切ちゃん」

 

「何デスか調?」

 

湊の風邪が治った次の日今度は私達が湊の風邪を貰って湊のベッドで寝ていると調が話しかけて来た

 

「良かったね湊が私達の事嫌になった訳じゃ無くて」

 

「そうデスね、昨日も風邪を引いてるのに私達の我がままにも付き合ってくれたデスしね」

 

昨日は途中から調も私も調子に乗りすぎてそのまま一緒に寝たのが不味かったデスね。でも湊の気持ちがちゃんと知れて嬉しかったデス

 

「それだけじゃ無い。湊私の分の通信機も作ってくれてた」

 

「いつ知ったデスか?」

 

「昨日切ちゃんと葉月ちゃんが薬を買いに行ってる時湊の机の上の隅の方に置いてあったのを偶然見つけた」

 

そう言って調は私と色違いのピンク色の通信機を取り出す

 

「何時もそう、湊は私達の事を心配してくれて、大切に思ってくれて、助けてくれてる」

 

「そうデスね、そうじゃ無ければ小型のホログラム通信機なんて渡さないデス。こんな身近に湊が私達の事を大切に思ってるってヒントがあったデスね」

 

今思えばあの時も湊は身を挺して私達を守ってくれたデス。それに一緒に居られる時間は確かに減ったデスけど湊の気持ちは変わってなかったデスね

 

「お前らお粥持って来たぞ食えそうか?」

 

「起き上がるのも一苦労、と言う事で湊食べさせて」

 

「まあ別に良いが、ほら」

 

湊はそう言って調にお粥を食べさせる

 

「ん…美味しい」

 

「そうか「湊…そのデスね」何だ切歌お前もか?」

 

湊の言葉に私は頷く

 

「なら調の次だな「湊…」わかってる次行くぞ」

 

「うん…」

 

そう言って湊は調の分が無くなるまで調に食べさせ続けた

 

「次は切歌だな」

 

「あ〜ん…ん〜美味しいデス、こんな美味しいお粥を食べれるなら風邪をひくのも良いかも知れないデスね」

 

「馬鹿な事言ってないでさっさと治せ。そういや調お前俺の机の上に置いてた通信機取ったか?」

 

私にお粥を食べさせながら湊は調にさっきの通信機の事を聞く

 

「うん、もしかしてダメだった?」

 

「嫌別に良いぞ。丁度良い風邪が治ったらテストをするから協力してくれ」

 

「うん、貸し1つね」

 

調は頷いてからそう言う

 

「ああ、わかった。俺にできる範囲でなら何でもしてやる」

 

「むっ、そう言われると考えさせられる」

 

「湊手が止まってるデスよ」

 

「ああ、悪いな切歌」

 

調と話して私にお粥を食べさせる手が止まる湊にそう言うと湊は一言謝ってまた私にお粥を食べさせた

 

〜切歌side out〜

 

「それじゃあ俺はリビングに居るから何かあったら呼んでくれ」

 

「「うん(はいデス)」」

 

俺がそう言うと切歌と調は目を瞑り眠り始めた

 

「パパ…おはよう」

 

「起きたか葉月今朝ご飯準備するからな。後切歌と調が風邪で寝てるから静かにな?」

 

「うん…葉月ね卵とベーコンが良い」

 

「卵とベーコンなちょっと待ってろ」

 

俺は葉月にそう言って卵とベーコンを焼き始めた




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173話

翌日には切歌と調の風邪も治り久しぶりに3人で学校に行く事になった

 

「いやー!この3人で学校に行くのも久しぶりデスね!」

 

「うん、湊は休学って事で家に篭って結晶の解析してたから」

 

「そう考えると出席日数が気になるな」

 

そう言って玄関を出ようとすると後ろから制服を引っ張られる

 

「どうした葉月?学校の準備はどうした?」

 

「パパ、先生が今日は学校お休みって言ってた」

 

俺の質問に葉月はそう答える

 

「そうか…どうするかな、アリア達も学校だから前みたいに頼めないし葉月を学校に連れて行くわけにもいかないしな。困った、葉月1人で留守番できるか?」

 

俺の質問に葉月は首を左右に振る。そりゃそうだよな

 

「仕方ない、切歌が久しぶりに3人で学校に行けるからって早めに行こうとしてて正解だったな」

 

そう言って俺は華に電話を掛ける

 

「華か?俺だ」

 

『どうしたのお兄さん?』

 

「ああ、実はな俺が学校から帰るまでの間お前の家に葉月を預けたいんだが母親は居るか?」

 

『お母さんはお仕事だよ?でもねお婆ちゃんが来てくれたんだ!』

 

華はお婆ちゃんに会えるのがよっぽど嬉しいのか元気にそう言う

 

「なあ、お前のお婆ちゃんに葉月の面倒も頼めないか聞いて貰っても良いか?」

 

『わかったちょっと待ってて』

 

華はそう言ってお婆ちゃんに聞きに行く

 

『お電話変わりました華の母です』

 

暫くすると華ではなく華の母の声が聞こえた

 

『それで葉月ちゃんなんですがまだ時間もあるので今から葉月ちゃんを迎えに行きます』

 

「すみません、ありがとうございます」

 

俺はそう言って電話を切る

 

「葉月もう少ししたら華の母親が来るからその間は家で留守番しててくれ。1人は寂しいかも知れないがそこは我慢してくれ」

 

「うん…葉月頑張る」

 

葉月は若干寂しそうな顔をしてそう言う

 

「それじゃあ俺達は行くぞ切歌、調」

 

「「うん(はいデス)葉月ちゃん行って来るね(デス)」」

 

俺達は葉月にそう言って家を出る

 

「大丈夫かな葉月ちゃん?」

 

「そろそろ華の母親が着いててもおかしく無いし大丈夫だろ」

 

「そうデスね、あ!前方に響さん発見デス!響さーん!!」

 

切歌はそう言って走って行く

 

「あ!切歌ちゃんそれに湊君と調ちゃんもおはよう!」

 

「おはようデス!」

 

「おはよう響」

 

「響さんおはよう」

 

響は居るがいつも響の隣に居る筈の彼奴が居ない

 

「なあ未来はどうしたんだ?」

 

「未来は今日は用事があるって先に学校に行ったんだ。お陰で今日はいつもより遅い登校になっちゃったよ。それにしても珍しいね湊君達がこんな時間に登校なんて、てっきりもっと早く登校してると思ってたよ」

 

「まあ色々とあってな、やべあと10分でホームルーム始まるぞ!」

 

「うわぁ!本当だ急げ〜!!」

 

俺達は急いで校舎に入り響は靴を履き替えた後そのまま走って教室に向かおうとしたが先生に見つかり結局急いだにも関わらず響はホームルームに間に合わなかった




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174話

「ミナ!お昼食べよ!」

 

「おう、なんだ?いつにも増して量が少ないななんかあんのか?」

 

俺は弁当箱のサイズが明らかに小さくなっていた安藤にそう聞く心なしか全員がそうな気がする

 

「あれ?ビッキーから聞いてないの?」

 

「何を?」

 

「今日は午後から調理実習があるので皆さんお昼はあまり食べないんです」

 

「響前の家庭科の授業で湊に伝えるようにって言われてなかった?」

 

未来にそう言われて響は記憶を探ると冷や汗をかき始めた

 

「あ〜、大体分かったいつも通り響の伝え忘れか」

 

「たはは、ごめんね湊君すっかり忘れてたよ」

 

響が苦笑いでそう言う

 

「はぁ、響は響って事だな」

 

「ビッキー流石にこれはダメじゃ無いかな?」

 

「もう響は、それじゃあ組み合わせも」

 

「ああ、知らない」

 

俺がそう言うと暫くの沈黙が訪れる

 

「立花響…貴方…」

 

「流石のわたくしもこればかりは」

 

「あはは…本当にごめん湊君!!」

 

響が両手を合わせて謝る

 

「まあ元々期待はしてなかったから気にするな響」

 

「そっか…あれ?私酷い事言われて無いかな?」

 

「気のせいだ響」

 

「そっそうだよね〜」

 

だが保護者の未来が忘れるのは意外だった

 

「それで調理実習って何するんだ?」

 

「確か今日の課題は自由だったよね?」

 

「ええ、本来今日は材料を持ち合って作る予定だった筈ですが」

 

「その筈だけど湊何かある?」

 

未来にそう言われて俺はホログラム通信機の中を確認する

 

「何かあったか?「その必要は無いわ」どう言う事だステラ?」

 

「貴方は私とアリアと同じ班だから食材は全てアリアが用意したわ」

 

「全て今朝取り寄せた新鮮な野菜ばかりですよ湊様!」

 

「そっそうか…」

 

アリアが用意したって事はそれなりに高価なものなんだろうがそれを今朝取り寄せたってやっぱりアリアも普通じゃ無いな

 

「野菜だけでなく牛肉に豚肉など色々な物も取り寄せました」

 

ヤバイな下手すりゃ俺らの班だけ別の意味で異様な料理が出来そうだ

 

「まあお前らなら気兼ねなくやれそうだから良いけどな」

 

「あんたならそう言うと思ったわ。まあ私もあんたの方が気兼ねなくやれて良いけどね」

 

俺がそう言うとステラも顔を赤くしてそう言う

 

「わたくしも湊様とご一緒出来て嬉しいです。では私達も何を作るか此処で決めてしまいましょうか」

 

「ああ、そうだなってどうしたんだお前ら?」

 

俺とステラとアリアの3人で話していると響達がじっとこっちを見ていた

 

「いや、こんなにも暦の長さが出る物なんだと思って」

 

「そうですね、ステラさんにいつもある壁のような物を雪音さんに感じませんし」

 

「そうだね、ステラさんも今みたいな感じで話せればクラスでも馴染めるんだろうけど」

 

「別に興味もないから良いのだけど、ほらさっさと決めるわよ」

 

「そうだな」

 

そこから調理実習で何を作るか考えた結果1人一品好きな料理を作ると言う事になった




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175話

「おーい!葉月!」

 

「パパ!!」

 

放課後、俺は葉月を華の家に迎えに行くと既に外に出ていた葉月が俺目掛けて走って来た

 

「遅くなって悪いな、どうもありがとうございます。華だけでも大変でしたでしょうに葉月までお世話になってしまって」

 

「聞いてよお兄さん!お婆ちゃんずっと葉月ちゃんと遊んでばかりで華と遊んでくれないの!!」

 

俺が華のお婆さんにお礼を言うと華は大声で俺にそう言った

 

「あら?お父さんにしては随分と若いわね?その制服もリディアン学院の制服にそっくりだわ」

 

そりゃリディアン学院の男子用の制服だから似てて当たり前だ

 

「葉月ちゃんとお礼言え」

 

「うん!華ちゃんのお婆ちゃんありがとう」

 

「また遊びにおいでね」

 

「バイバイ葉月ちゃん!」

 

「バイバイ華ちゃん!」

 

公園から出ても暫くの間葉月は華と婆さんに向けて手を振っていた

 

「それでねお婆ちゃんと華ちゃんとでお買い物に行ってね!それでね!」

 

「そうか、良かったな葉月」

 

「うん!すっごく楽しかった!後ね犬さんや猫さんも一杯居てね!」

 

俺は帰りながら葉月の今日会った話を聞いている。相当楽しかったのか満面の笑みを浮かべる

 

「パパ葉月のお話つまらない?」

 

「ん?別にそんな事ないけどどうした急に?」

 

「さっきから葉月ばっかりでパパ全然お話してくれないから」

 

成る程な

 

「悪いな葉月、それで可愛い犬か猫は居たか?」

 

「うん…パパおんぶ」

 

葉月は目を擦りながら何とか寝ないように歩いていたがそろそろ限界か

 

「葉月眠いなら無理しなくて良いぞ?ほら」

 

俺がそう言ってしゃがみ葉月を背負う

 

「す〜、す〜」

 

「本当に楽しかったんだな葉月」

 

俺は葉月を背負いながらそう呟く。そう言えば最後に葉月と出掛けたのって夏休みの夏祭り以来何処にも出掛けてないな…2人で出かけた事もあまり無いし。そう思うと葉月との時間って本当に少ないんだと実感する

 

「今度の休みは葉月と2人で出かけるか切歌と調は鳩木達と出かけるみたいだし」

 

今日切歌から聞いた話だが今度の休み切歌と調は鳩木と神無月の4人で出かけるらしいし俺も葉月を連れて何処かに行くか。何処が良いんだ?遊園地…身長的に乗りたいのに乗れなかった時のショックもでかいしかと言ってこの近くじゃな…明日葉月と2人で考えてみるか

 

「葉月そろそろ着くから一旦起きろ」

 

「ん…パパ…」

 

俺はそう言って葉月を起こそうとするが全く起きる気配がない

 

「ほら葉月」

 

「パパ…大好き」

 

此奴夢の中まで俺と一緒にいるのかよ。いや夢に見る程俺との時間が少なかったのかもな

 

「全く、仕方ない奴だな」

 

そう言って愚痴を溢すが周りから見ると優しい表情そのものだったらしい



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176話

「それじゃあ行って来るデス!」

 

「行って来るね湊」

 

「おう、気を付けてな」

 

数日後切歌と調は予定通り鳩木達と遊びに行った。急遽泊まりがけで遊びに行く事になったらしく今日は帰って来ないらしい

 

「そんじゃ俺らも行くか葉月」

 

「うん!遊園地楽しみ!」

 

切歌達が出かけて暫くして俺達も葉月の要望で行く事にした遊園地に向かう

 

「パパ!早く!!」

 

「わかってる、ほら走ると人にぶつかるし迷子になるぞ」

 

そう言って走り出そうとする葉月の手を取る

 

「ごめんなさい」

 

「そんなしょげんな、んで何か乗りたいのあったのか?」

 

「うん!パパ葉月あれ乗りたい!」

 

葉月の目線の先にはコーヒーカップがあった

 

「コーヒーカップか良いぞ、外で待っててやるから行ってこいよ」

 

「パパも一緒に乗ろ」

 

別にコーヒーカップが嫌って訳じゃ無いが昔切歌に死ぬ程回されてそれが結構トラウマになってるから正直言ってあまり乗りたく無い

 

「わかった、ほら乗るんだろ?」

 

「うん!」

 

俺と葉月はコーヒーカップに乗り込み少しすると回転し始めた

 

「動いた!」

 

「そうだな、そんでもって此処を回すと」

 

「わあ!早い!パパ葉月も!葉月もやる!」

 

「良いが、あんまり回し過ぎると気分が悪くなるから回し過ぎるなよ?」

 

「うん!それ!」

 

葉月は頷いた後コーヒーカップの回転速度を上げ始めた

 

「う…まだクラクラする」

 

「パパ大丈夫?」

 

あの後葉月がコーヒーカップを思いっきり回し出し俺はベンチでダウンしている

 

「ああ、何とかな次何処行きたい?」

 

「えっと…葉月次はあれが良い!」

 

次に俺と葉月が向かったのはお化け屋敷

 

「パパ…此処真っ暗…」

 

「それがお化け屋敷の醍醐味だからな」

 

お化け屋敷に入ってから葉月がぴったり引っ付いて離れない

 

「葉月歩きにくいんだが」

 

「!!」フルフルッ

 

俺が手を離せと言うのがわかっていたのか葉月は首を左右に振って嫌がる

 

「お前も地獄につれてってやろうか〜!」

 

「!!」

 

お化けが出て来た途端に葉月は目を瞑り力一杯俺の腕に抱き付く

 

「葉月痛いんだが…」

 

葉月は元はネフィリムだ。ネフィリムに力一杯抱き付かれているのだから痛くない訳がないしかし

 

「パパ…パパ…」

 

葉月は怖さのあまり力加減が出来なくなってしまっている

 

(このままじゃ俺の腕が持たない仕方ない辞退しよう)

 

「葉月お化け屋敷は辞めて別のに行こうぜな?」

 

「うん…」

 

これ以上は俺の腕が持たないと確信し俺と葉月はお化け屋敷を辞退して別のに向かう

 

「わあ!綺麗!!」

 

「あんま暴れんな葉月」

 

あれからジェットコースターにメリーゴーランド色々と乗り尽くし最後に観覧車に乗っている

 

「悪いな葉月あまりこういう時間作ってやれなくて」

 

「ううん、すっごく楽しかったよ!ありがとうパパ!」

 

葉月はそう言って俺に飛びつく

 

「パパまた一緒に来ようね?」

 

「ああ、今度は切歌と調も一緒にな」

 

「うん!」

 

そう言った葉月の顔は俺が今まで観て来た中で1番の笑顔だった




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177話

〜調side〜

 

「私と切ちゃんが湊を好きになったきっかけ」

 

「デスか?」

 

佳奈子ちゃんの家でのお泊まり会の日の夜突然春香ちゃんがそんな事を言い出した

 

「うん!だって湊先輩って見た目結構怖いから気になっちゃってさ」

 

「私はそうは思わないけど。湊さんを好きになった経緯は気になるかな」

 

そう言われて私と切ちゃんはお互いに顔を合わせる

 

「どうするデス調?」

 

「う〜ん…出来れば恥ずかしいから言いたく無いけど」

 

そう言って私は佳奈子ちゃんと春香ちゃんの顔を見ると2人は目を輝かせていた

 

「話そうか切ちゃん」

 

「そうデスね、別に隠す事じゃ無いデスし。良いデスよそれじゃあ最初は調デスね。私より先に湊を好きになったのは調デス」

 

切ちゃんがそう言うと2人は私を見る

 

「えっと…確かまだ切ちゃんと私がまだ湊に会ったばかりの頃だったかな?」

 

私は当時の事を思い出しながら話す

 

「その日私風邪で寝込んじゃってて、夜になって急に熱が上がって来たんだ。体が動かなくて、助けを呼ぼうにも声も出なかったから切ちゃんが起きて来るまでこのままなのかなってそう思ってたら扉の開く音が聞こえて気がついたら湊が隣で私の看病をしてくれてたんだ」

 

あの時は気がつくと湊が隣で椅子に座ってたから本当に驚いた

 

「その時の私には春香ちゃんと同じで湊は少し怖かったからちょっと嫌だったどちらかと言うとマリアかマムの方が良かったとすら感じた」

 

「調それは流石に看病してくれた湊に失礼デス」

 

「わかってるよ切ちゃんだから言葉には出してない。でも不思議と湊が側に居てくれると安心出来た」

 

それに湊はあの時の私の質問にもこう答えてくれた

 

『どうして?貴方は私の事が嫌いな筈』

 

『別に、家族を助けるのに理由なんて要らないだろ。何か食べるか?お粥でも作って来るが?』

 

『納得いかない…お粥は貰う』

 

『そうか、別に納得しなくても良いぞ俺が勝手にしてる事だしな』

 

あの時の湊はそう言ってお粥を用意してくれただけでなく私の汗を拭き取ったり、冷えピタを取り替えてくれたり、飲み物を持って来てくれたりと色々としてくれた。その時に気づいたこの人は不器用なんだと、心配してくれてるのはずっと前から変わらないんだろうけど、それを他人に知られるのは避けて、影で私と切ちゃん他の人を助けてくれていたんだと

 

「しら…調!!」

 

「どうしたの切ちゃん?」

 

私がその時の思い出にふけっていると切ちゃんが私の目の前で呼んでる事にようやく気づいた

 

「調が急に話さなくなったんで心配してたデスよ…それでその時に何があったデスか?」

 

「えっと…それは私だけの思い出にしておきたいから秘密、でもその事がきっかけで私は湊の事が気になり始めた」

 

「へー、私達は湊先輩の事は切歌ちゃんと調ちゃんから聞いてたから知ってたけど何も知らずに会った人が聞いたら意外に思うかも」

 

「そうだね、でも私は湊さんが面倒見の良い人だって言うのはわかってた。勉強会の後もメールとか電話でわからない問題を教えて貰う事結構あったから」

 

そうだったんだその辺は湊に直接聞こう

 

「それじゃあ次は切ちゃんの番だよ?」

 

「私デスか?う〜んそうデスね…」

 

切ちゃんはそう言って腕を組みながらその時の記憶を探った

 

〜調side out〜

 

〜切歌side〜

 

私は調に言われて私が湊を好きになったきっかけを思い出そうとしているけど中々思い出せない

 

「あ、思い出したデス…でもこれを言うのは結構恥ずかしいデスね…」

 

私が湊を好きになったきっかけそれは本当に些細な事だった

 

「えっとデスね…私が湊を気になり始めたきっかけが私が他の子と喧嘩しちゃって孤児院の外に飛び出しちゃった時デス」

 

私達は佳奈子と春香にはあの施設での事は孤児院での事って話してシンフォギアの事については一切話していない

 

「その時の私は調にも話さずに飛び出して走っている間に道に迷って帰れなくなっちゃったんデス。それに加えて雨まで降り出して途方に暮れてる時に湊が私を見つけてくれたんデス」

 

「湊が切ちゃんを?」

 

私は調の言葉に頷く

 

「それでそれで!」

 

「ちょっ!?そんな急かさないで欲しいデスよ…えっとデスね、その時私は湊と少し話したんデスよ」

 

私はその時の湊との話を思い出す

 

『何デスか…言っとくデスけど私は戻るつもりはないデスよ』

 

『別に俺はお前が戻らなかろうと気にしない。だがお前が戻らないとマムとマリアとセレナが心配するんだ。ちょっとは付き合ってやるだが絶対に戻ってもらう。何があったんだ?』

 

普段とは違う湊の優しい問いかけに当時の私はあった事を話した

 

『そうか、それで喧嘩になって飛び出して迷子になった上に雨まで降り出して途方に暮れてたって訳か』

 

『はいデス…それで出来れば仲直りしてまたお話ししたいデス…』

 

『なら話は簡単だ。謝れば良い、意外だろうが俺にお前を探すように頼んできたのはお前が喧嘩した相手だぞ?』

 

『え?』

 

『そいつもちょっと言い過ぎたってわかったみたいでな、だが自分が外に出るわけにもいかない。そこで外に出ても何も言われない俺にお前を探すように頼んできたんだ』

 

『そうだったデスか…探しに来てくれてありがとうデスでも帰り道がわからないデス』

 

『俺が覚えてるから付いて来い』

 

そう言って私の手を取って連れ帰ってくれたその手は私の手よりも大きくて調とは違った安心感があったデス。その時に私は本当の湊を知った気がした。いつもは厳しそうにしてるけど本当は優しい人なんだって、私達の事をちゃんと見てくれて心配してくれているんだってそう思えた

 

「きり…切ちゃん!」

 

「どうしたデスか調?」

 

「切ちゃんが私と同じ反応するからだよ」

 

そうだったデスか

 

「それで何があったの?」

 

「えっと…それは調と同じで秘密デスよ。私だけの思い出にしておきたいデスからね」

 

「えー!2人とも秘密なんてつまんないよ!!」

 

「春香ちゃん人には言いたくない事もあるんだしあんまり聞き過ぎるのは良くないよ。もう夜も遅いしそろそろ寝よう」

 

佳奈子がそう言って春香を説得する

 

「佳奈子は気にならないの!」

 

「それは気になるけどそれを聞こうとし過ぎるのは少し違うと思うの」

 

「む〜!はぁ、佳奈子がそう言うんじゃ仕方ないや…あ!私お風呂まだだった!直ぐに入って来るから皆は先に寝てて良いよ!」

 

春香はそう言って着替えを持ってお風呂に向かって行った

 

〜切歌side out〜




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178話

「それで俺達のクラス文化祭の出し物なんだが…全部却下!」

 

『えー!?』

 

葉月と遊園地に行ってから数日が経ち文化祭の出し物を決めているんだがその案が最悪だった

 

《雪音湊の執事喫茶》

 

《雪音湊と王様ゲーム》

 

《雪音湊とお化け屋敷》

 

「お前らは揃いも揃ってアホなのか!大体こんな事して誰が喜ぶんだよ!」

 

「切歌ちゃんと調ちゃんなら喜ぶと思うよ湊」

 

俺の言葉に未来がそう返す。確かにあの2人なら喜ぶかも知れないが

 

「彼奴ら2人だけが喜んでもダメだろ」

 

「私も雪音君に執事姿で接客してくれたら嬉しいかな、それによく一緒に居る立花さん達は兎も角さ雪音君とあまり関わりのない女子は結構喰いつくって断言出来るよ」

 

そりゃ喰いつくかも知れないが

 

「大体執事喫茶が何で俺限定なんだ!女子が男装でもすりゃ済む話だろ!しかも今出てる案全部俺限定ってお前ら全員ふざけてんのか!」

 

「まあまあ、湊君少し落ち着い「お前は黙ってろこのバカ!」たはは、こりゃ想像以上にご立腹だよ。どうする未来?」

 

「う〜ん…切歌ちゃんと調ちゃんには最初のお客さんって事で許可は貰ってるけど本人の意思を無視してする訳にもいかないしなぁ」

 

未来が何かを呟きながら考え込むそれ以前に

 

「何で誰1人として止めない!特にステラとアリアお前らが居てどうしてこうなる!」

 

「だから言ったじゃないアリア、後々になって矛先が向いたらどうするのって」

 

「えっと…皆さんがとても必死に考えていたのでダメだとは言えず…すみません湊様」

 

必死に考えてこれか…此奴らの頭の中どうなってんだよ

 

「小倉先生ダメだよなこんな変な企画」

 

「え?えっと…ごめんなさい!雪音君の執事喫茶を提案したの私なの!」

 

小倉先生がそう言って謝罪する。何やってんだよこの先生

 

「はあ、仕方ない」

 

「じゃあ!「俺文化祭当日は休むから別のにしてくれ」えー!?文化祭来ないの!?」

 

「当たり前だ「でも雪音君の出席日数的に考えてこれ以上休むのはちょっと…」そうだった、どうするか…あ」

 

どうするか考えていると今朝の掲示板に貼られている紙の事を思い出した

 

「小倉先生、クラスじゃなくて人数を集めて出し物をするのも可って掲示板にはあったけどまだ大丈夫だったよな?」

 

「まだ大丈夫だった筈よ?確か締め切りは明後日だった筈だから」

 

よし、後は人数だけだ

 

「その人数って?」

 

「えっと…確か5人だったかしら?」

 

「5人か…よし、お前ら採決を取るがその前に、俺は文化祭当日にクラスとは別で出し物をしようと考えている。そこでだ明後日の締め切りまでに5人数が集まらなければお前らの案を受け入れよう」

 

俺がそう言うとクラスが騒がしくなる

 

「話は最後まで聞け、ただし人数が集まった場合俺はクラスの出し物じゃなくそっちに参加する」

 

「つまり5人集まったら雪音君は私達のクラスの出し物には参加しないって事?」

 

「ああ、幸い他クラス他学年から集めてはいけないなんて事は無かった筈だからな。だからお前らももしもの時を想定して真面めな案を出しといた方が良いと思う。んじゃ採決を取るから全員机に顔を伏せろ」

 

俺がそう言うとクラス全員が机に顔を伏せる

 

「それじゃあ俺達のクラスは《雪音湊の執事喫茶》で決まりだがあくまでこれは仮だ。明後日までに人数が集まった場合はお前らで考えてくれ」

 

それがそう言うとの同時に授業終了のチャイムが鳴りホームルームが始まった

 

「それで当てはあるのかしら?」

 

ホームルームも終わり放課後早速切歌と調に話に行こうとするとステラに止められる

 

「ああ、切歌と調を誘う。お前らはどうする」

 

「私は参加するわ、元はと言えば私が止めなかった事にも責任がある訳だし」

 

「それならわたくしも参加します。湊様と何かするのはClover'sの頃以来ですし」

 

「これで3人後は切歌と調だな「いや、4人だぜリーダー」ナインかどうした?」

 

突然そう言われて振り返るとそこにはナインが居た

 

「ステラとアリアがやるんだ当然あたしもやるぜリーダー」

 

「ありがとなナイン。これで後は切歌と調どちらかが参加してくれればいけるな」

 

「彼女達が貴方の誘いを断るとは思えないわね。何か見返りは要求されるでしょうけど」

 

「かもな、取り敢えず切歌と調の所に行ってくる」

 

俺はステラ達にそう言って切歌と調の教室に向かって話すと2人共難なく了承してくれた上に鳩木と神無月も参加してくれるらしくその日の内に申請用紙を提出して俺は執事喫茶をしなくて済んだ




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179話

「リーダー助けてくれ!!」

 

「何だ?どうしたんだよナイン」

 

翌日出し物を決める為に空き教室を借りる許可を貰いそこに向かっているとナインが何かに怯えながら俺の後ろに隠れる

 

「そんなに逃げないで下さいナインさん」

 

「そうよ何も逃げる必要無いじゃない」

 

ステラとアリアがナインが逃げる原因となった物を手に持って現れる

 

「なあ、大方予想は付いてるが何があったんだ」

 

「湊様それが…」

 

アリアが言うには出し物の衣装合わせをしていたがナインに今アリアの持っているフリル付きのドレスを着せようとした所逃亡したそうだ

 

「良いんだよあたしは!そんなんじゃなくてもっと普通ので!」

 

「わたくしはこれが普通なのですが」

 

「そうね、一般的に普通の服ね」

 

「取り敢えず此処じゃ邪魔になるから空き教室に行くぞ」

 

俺の言葉で空き教室に向かう道中もナインは俺の後ろに付いて来る状態が続いた

 

「それにしてもナインさんはどうしてこの服は嫌なんデスか?」

 

「確かにナインさんすごく似合いそうなのに」

 

空き教室前で切歌達と合流後教室の中に入り切歌と調がナインにそう聞く

 

「あたしって結構サバサバしてるだろ?小学生の時試しにそんな感じの服着て学校に行ったんだけどよ。周りの男子に似合わねえって笑われてな、それ以来それに似た服は着てねえんだ。あたしも実際似合わねえって思ってるしよ」

 

「ふ〜ん、俺はそうは思わないけどな。実際に着てみりゃそうでもないんじゃねえか?」

 

「リ…リーダーがそう言うなら一回だけ」

 

そう言ってナインはアリアが設置したカーテンを閉めて着替える

 

「そう言えば湊は衣装どうするデス?」

 

「衣装か…正直言って俺は面倒だから接客するつもりはないからな…」

 

「それは無理ですね、湊先輩はこの出し物の看板になるでしょうから客寄せパンダにでもなって貰わないと「ちょっと失礼だよ春香ちゃん」なら佳奈子ならどうするの?」

 

「えっと…そう私達が目立つ衣装でお客さんを集めるとか」

 

ナイスアイデアだ鳩木

 

「確かにそれに…ナイン終わってるわよね?開けるわよ」

 

「まっ待てステラ!まだ心の準備が「えい!焦れったい!開けるわよ!!」…どっどうだリーダー…やっぱり変だよな?」

 

ナインが頬を染めてそう言う

 

「別に変じゃないだろ」

 

「そうデスよ!すっごく綺麗デス!」

 

「うん、でも後もう一手間あったらもっと良くなる」

 

そう言うと調は何処からともなく黄色のリボンを取り出しナインに付ける

 

「リボン付けるならついでに髪もいじっちゃお」

 

「そうね、あのリボンに似合うのはやっぱり三つ編みかしら?」

 

「待てステラあたしは服をちょっと着るだけでそこまでするなんて聞いてねえぞ!」

 

そう言って再び逃亡するナインをステラとアリアが追いかけて行った

 

「さてあの3人は放っておいて衣装だったなお前ら何か考えてきたか?」

 

「そう言えば気になってたんですけど湊先輩結局出し物って何なんですか?」

 

「出し物は無難に喫茶店だ。今日はそのメニューと衣装を決めようと思ってる。ナイン達は既に決まってるらしいし後はお前らだけだ」

 

俺がそう言うと鳩木がある事に気付く

 

「湊さんの衣装は決まっているんですか?」

 

「ああ、不本意だが調が既に作っててな」

 

昨日調に聞くとうちのクラスで執事喫茶をするかも知れないと言う話を聞いた調が半分作っていたので、それを着ないわけにもいかず諦めて着る事にした

 

「切歌と調は置いといて鳩木と神無月は着てみたい服とかあるか?」

 

「はい!私メイド服着てみたい!」

 

「私はさっきフォレスティア先輩の着ていたドレスの様な衣装が着てみたいです」

 

成る程この2人は着てみたい衣装は決まっていると

 

「それじゃあ最後に切歌と調はどうだ?」

 

「「勿論メイド服(デス)!」」

 

此奴らもメイド服かよそうなると

 

「鳩木悪いがドレスは無しになりそうだ。実はステラとアリアもメイド服らしくてな、2人だけドレスってのも変に思われるだろう悪いな」

 

「いえ、仕方ないですよ。私もメイド服は着てみたかったですし」

 

「そうか、なら決まりだな残りは明日考えるから後はこの空き教室を出なければ好きにしてくれてて構わない」

 

「「「「分かりました(わかった)(了解デス)」」」」

 

俺がそう言うと切歌達は4人で話し始め俺は逃亡したナインを連れ戻して来るアリアとステラをまった




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180話

「お帰りなさいませデスお嬢様」

 

「お帰りなさいませお嬢様」

 

文化祭当日俺は接客が面倒なので厨房に入ろうとした所で切歌と調に止められ無理矢理ホールに立たされ次に厨房に入ろうとした鳩木を何故か調が必死に止めていた

 

「先輩一緒に写真良いですか?」

 

俺を先輩って呼ぶって事は1年か

 

「別に良いが、神無月写真頼む」

 

「はいはい!それじゃあいきますよ!」

 

そう言って神無月はカメラを受け取り写真を撮る

 

「ありがとうございます」

 

「それじゃあ…では此方に」

 

「はっはい」

 

俺が言って焦り気味の女子生徒を席に案内する

 

「お帰りなさいま「パパ!」ぐっ!葉月お前何で居るんだよ!?」

 

次の客が入って来たと思うと腹に強い衝撃が来たので視線を下ろすとそこには葉月が居た

 

「葉月さん…待って下さい…」

 

少し遅れて葉月と来たエルフナインが到着する

 

「エルフナインお前まで取り敢えず座れ」

 

「はい」

 

俺は息を切らすエルフナインと俺に引っ付く葉月を席に案内して座らせる

 

「湊誰か知り合いが来たデスか?あ!葉月ちゃんにエルフナインデス!いらっしゃいデス」

 

「切歌お姉ちゃん可愛い!」

 

「すごくお似合いです切歌さん」

 

「えへへ、そうデスか?」

 

葉月とエルフナインに褒められて照れる切歌それよりも

 

「切歌オーダー取りに来たんだろ」

 

「そっそうだったデス!ご注文はお決まりデスか?」

 

俺は接客を切歌に任せて別の客の方に向かう

 

「ヤッホーミナ!」

 

「来たよ湊君!うわぁ、凄いお客さん」

 

俺を呼ぶ声が聞こえたと思うとそこにはいつもの5人組が居た

 

「あたしが行くよリーダー」

 

「悪いな」

 

「良いって、お帰りなさいませお嬢様方」

 

俺の代わりにナインが響達の接客に向かう

 

「それじゃあ私達は休憩に行くね」

 

「調!早くしないと時間が無くなっちゃうデスよ!」

 

「うん」

 

暫くして切歌と調が休憩に向かい調の代わりにアリアが厨房に入った

 

「湊これ彼処に運んで」

 

「了解」

 

俺は厨房のステラに言われたテーブルに料理を運ぶ

 

「お待たせしました」

 

「ふーん、似合ってるわね雪音君」

 

「会長それに副会長までまだ居たんですね」

 

テーブルに座っていたのは会長と副会長この2人は開店当時からずっと居るがクラスの方は大丈夫なのだろうか?

 

「クラスの手伝いに行かなくて良いんですか?」

 

「ええ、私も理沙も生徒会の仕事で文化祭当日まで準備が大変だったんだから初日は任せろってクラスの皆に言ってもらえたのよ」

 

俺の質問に対して会長はそう答えて副会長は頷く

 

「湊!いつまでもくっちゃべってないで早く次の料理を運びなさい!!」

 

「やべステラの奴結構キレてるな。わかった!「待ちなさい」何ですか会長」

 

俺はステラの怒鳴り声に焦り次の料理を運びに行こうとすると会長に止められる

 

「明日の休憩時間にでもうちのクラスにいらっしゃい。それとお会計お願い出来るかしら執事さん」

 

「かしこまりました…」

 

俺は会長からクラスの出し物の割引券を受け取り会計を済ませると会長達は喫茶店を出て行った




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181話

「湊先輩ステラ先輩が20分だけ休憩とっても良いそうですよ。出来れば店から出ないで欲しいだそうです」

 

「ステラの奴休憩中にも関わらず俺で客を集めるつもりだな、そういやナインの奴はどうした?」

 

「ナイン先輩なら休憩に行ったきり中々戻ってこないので湊先輩に伝えるように行ってからステラ先輩が探しにいきました」

 

彼奴の事だ休憩の時間も忘れて遊び呆けてるんだろうやっぱりアリアかステラに一緒に行かせるべきだったな

 

「て事は今厨房はアリアだけか…俺も厨房に入るステラに戻り次第来るように伝えてくれ」

 

「了解です湊先輩」

 

神無月はそう言って注文を取りに行った

 

「アリア大丈夫そうか?」

 

「湊様「アリア先輩パンケーキ2つお願いします」はい、ただいまこの調子で」

 

息つく暇もないか

 

「湊さんオムライスと月ウサギのカレーもお願いします」

 

「わかった、やるぞアリア」

 

「はい湊様!」

 

アリアはパンケーキ俺はオムライスをカレーを作り始める

 

「神無月カレーとオムライス運べ」

 

「鳩木さんパンケーキが出来ました」

 

「「了解です(分かりました)」」

 

そう言って神無月と鳩木は料理を注文した席に運ぶ

 

「全くあんたは!時間通りに戻って来なさい!」

 

「だってよお」

 

「子供じゃ無いんだからだっても何も無いの!ほら切り替えてさっさと持ち場に着く!」

 

「へぇーい」

 

ステラに首の根っこを掴まれて戻って来たナインはステラに言われた通り切り替えて接客を始める

 

「悪いわね湊、あのバカのせいで厨房任せる事になって今代わるわ」

 

「了解、神無月に聞いたが店に居た方が良いんだよな」

 

「ええ、その方が客の足取りも減らないだろうしね」

 

「やっぱりそれが狙いかわかった」

 

俺はそう言って厨房を出る

 

「おーい!ミナ!!」

 

彼奴らまだ居たのかよ

 

「お前らまだ居たのかよ、クラスの方は大丈夫なのか?」

 

「私達今日は午前中と午後に少しだけだからね。それにしても凄いお客さんだね」

 

「男子が珍しいんだろうな。2日目がどうなるかは分からないがな。そういや結局クラスの出し物って何になったんだ?」

 

俺は人数が集まってからクラスの出し物に一切関与していないのでクラスが何の出し物をしているのか知らない

 

「お化け屋敷だよ、此処ほど人は来てなかったけど」

 

「お化け屋敷じゃ仕方ないな。その出来によって人が集まるかどうか変わってくるからな」

 

「出来はそこそこのつもりなんだけどなぁ」

 

「湊先輩、ステラ先輩が腹ごしらえしとけだそうです」

 

響達と話していると神無月がテーブルにカレーを持って来る

 

「うわあ!美味しそう!」ぐ〜

 

俺がカレーを食べてると響の腹がなる

 

「ビッキーさっき食べてたじゃん」

 

「たはは、見てたらお腹空いて来ちゃって、すいませーん!」

 

響は俺のカレーを見てて自分も食べたくなったのか店員を呼ぶ

 

「ご馳走様、そろそろだな俺は仕事に戻る」

 

「あ!湊君カレー頼んでおいて」

 

「わかった」

 

俺は響にそう言って仕事に戻る

 

「1日目終了!!」

 

「ん〜!やっと終わったデスか」

 

文化祭の1日目終了の合図と共に切歌と神無月が伸びをしてそう言う

 

「疲れたけど楽しかったね調ちゃん」

 

「そうだね、湊何処行くの?」

 

「俺は試しに自分のクラスのお化け屋敷を見に行くつもりだがお前も来るか?」

 

俺がそう聞くと調は頷く

 

「あ!私も行くデス!」

 

「そうだな3人で行くか」

 

俺がそう言うと調は不機嫌そうな顔をする

 

「どうしたんだよ調」

 

「別に…せっかく湊と2人だけの時間が出来たと思ったのに」

 

調の機嫌が悪いのは気になるが、気にしても仕方ないので俺達は響達のお化け屋敷に向かった




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182話

「ん〜!これで2日目も終了デス!」

 

「お疲れ切ちゃん」

 

文化祭の2日目が終了し後片付けも終わった店の中で切歌と調が椅子に座りながら話す

 

「リーダー!この後打ち上げでもしようぜ!」

 

「良いかもな、この際此処でするか。先生に許可でも取りゃ済む話だしよ」

 

「打ち上げ?何デスかそれ?花火でも打ち上げるデスか?」

 

ナインの提案を受け入れた所で切歌が話に入ってくる

 

「はぁ、お前それ学校が許可すると思ってるのかよ」

 

切歌の発言に俺は呆れてため息を吐く

 

「打ち上げってのは簡単に言うとお疲れ様会みたいなもんだ」

 

「おー!良い考えデスね!私は賛成デス!」

 

「どうしたの切ちゃん?」

 

「調!実はデスね!」

 

切歌の話を聞いた調も打ち上げをする事に賛成し鳩木と神無月も賛成した事で打ち上げをする事は確定したので俺は先生に出し物の店の使用許可を貰いに行く

 

「先生の話じゃ後片付けさえきちんとすれば良いらしい。この際だ保健室で預かって貰ってた葉月も連れて来た」

 

「やったデス!それじゃあ乾杯の挨拶は湊にお願いするデス!」

 

切歌はそう言って人数分のコップにジュースを注ぐ

 

「俺がやるのかよ」

 

俺はてっきり言い出したナインがすると思っていたんだがな

 

「当然でしょ、此処に居る人はみんなあんたに誘われて来たんだから」

 

「そうだぜリーダー」

 

まあ確かにそうかもな

 

「そんじゃ…全員2日間俺の我儘に付き合ってくれてありがとな、乾杯」

 

『乾杯!!』

 

俺の言葉で打ち上げ開始された

 

「美味しい!湊先輩料理出来たんですね!」

 

「失礼だよ春香ちゃん…でも本当に美味しい」

 

「そうか、まだまだあるからどんどん食べろよ」

 

「「はーい!」」

 

俺がそう言うと鳩木と神無月は黙々と料理を食べ始める

 

「皆楽しそうね」

 

「あれ?小倉先生どうかしたデスか?」

 

「私達も職員室で打ち上げをしようって話になったの。その買い出しに行こうとしたら楽しそうな声が聞こえて来てついね」

 

て事は先生達も打ち上げするのか

 

「ねぇ湊、先生達も一緒じゃダメかな?」

 

「俺も丁度考えてた、先生良かったら一緒にどうですか?」

 

「でも悪いわよ、貴方達の打ち上げなんだから」

 

先生はそう言って遠慮するが

 

「全然構わないですよ!ね!佳奈子!」

 

「はい、私も構いません」

 

「ま、別に反対する理由も無いしね」

 

「あたしもかまわねぇぜ!人数は多い方が良いしな!」

 

「そうですね、わたくしも問題ありませんわ」

 

神無月や鳩木達も特に問題ないらしい

 

「そう?それじゃあお言葉に甘えさせて貰おうかしら?待ってて今からコンビニで飲み物買って来るから」

 

「先生出来ればお酒は」

 

「大丈夫よ、残ってる先生は皆車で来てる先生ばかりだからお酒は飲まないわ」

 

なら大丈夫そうだな

 

「良かったら雪音君達も来る?飲み物くらいしか買ってあげられないけど」

 

「本当デスか!行くデス!調も行くデスよ!」

 

「うん…良いんですか?」

 

「勿論よそれじゃあいきましょう暁さん月読さん」

 

そう言って先生は切歌と調を連れて学校近くのコンビニに向かった

 

「それじゃあ私達は職員室の先生達に伝えて来ます!行こう佳奈子」

 

「待って春香ちゃん!」

 

そして鳩木は職員室の先生達を呼びに行く神無月を追いかけて行った

 

「ナインは葉月の事頼むアリア、ステラ俺達は追加の料理を作るぞ」

 

「「「おう(わかったわ)(分かりました)」」」

 

俺とステラとアリアは先生達も参加するので追加の料理を作り始めた

 

「ごめんなさいね雪音君、私達の分まで作って貰っちゃって」

 

「いえ、それにしても全員寝ましたね」

 

先生が打ち上げに参加して数時間後、小倉先生を除く先生は全て帰宅し、俺を除く全員が寝てしまっていた

 

「ふふ」

 

「どうかしましたか?」

 

「ごめんなさい、雪音君が優しそうな表情をするから少し意外で」

 

まあ別に学校でする必要もないからしないだけだが

 

「今毛布を持って来るわね」

 

そう言って小倉先生は校舎に向かって行った




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戦姫絶唱シンフォギア XV編
183話


文化祭から数ヶ月、学校が終わった後俺は切歌達とクリスの誕生日プレゼントを選ぶ為にショッピングモールに向かっていた

 

「それにしても響さんも大変デスね居残りテストだなんて」

 

「ま、彼奴が試験をすっぽかしたんだから自業自得だがな」

 

本来は響達も来る予定だったが響が一昨日の音楽の試験の時に迷い猫を助けていて試験をすっぽかしたのが原因で居残り試験を受ける羽目になってしまい響は今日その居残り試験に未来を付き合わせ安藤達も響の居残り試験が終わるまで待つそうなので俺を含む切歌、調、葉月の4人で選ぶ事になった

 

「響さんらしい」

 

「そうだな、すっぽかした理由が特に彼奴らしいな」

 

そうこうしている内にショッピングモールに着いた

 

「それじゃあまた後でデス」

 

「ああ、行くぞ葉月」

 

「うん!」

 

俺達は1度別れ暫くの間別々に見て回り合流するまでに見つからなかったら合流してから選ぶ事になった

 

「パパ!葉月これにする!」

 

「スノードームか、良いんじゃないか?」

 

彼奴も小学生が選んだ誕生日プレゼントに文句は言わないだろう

 

「葉月は決まったとして後は俺か「何やってんだよお前?」ん?クリスかただの買い物だが?そう言うお前はどうしたんだ?」

 

「あたしは偶々お前らを見つけたから声かけただけだ。「クリスお姉ちゃん!」何だそれ買ってもらうのか?良かったな」

 

クリスはそう言って葉月の頭を撫でる

 

「んじゃあたしは行くからまたな」

 

「ああ」

 

クリスの言葉に俺はそう返した

 

「中々決まらないもんだな…一旦集まるか」

 

「パパお菓子買って!」

 

「後で夕飯の買い物にも行くからその時な」

 

俺がそう言うと葉月は頷きお菓子を戻しに行った

 

「後決まってないのは俺と切歌か」

 

「湊のお姉さんであるクリスさんへの誕生日プレゼント中々難しいデス」

 

これ以上悩んでても時間の無駄だし仕方ないか

 

「湊毛糸玉なんて買ってどうするデスか?」

 

「手編みでマフラーを作るんだよ」

 

幸いまだクリスの誕生日までそれなりに日にちがあるし何とかなるだろ

 

「湊の手編みのマフラー…私も欲しい」

 

「私も欲しいデス!」

 

「葉月も!」

 

「同時に4つも作れるわけないだろ」

 

1つでもそれなりに時間がかかる上に平日は学校まであるんだ3人分も作ってられるか

 

「パパ…ダメなの?」

 

「手編みのマフラーは時間がかかるんだよ。手袋でも良いなら何とかなるが」

 

俺がそう言うと葉月は目を輝かせる

 

「手袋でも良いのか?」

 

「うん!」

 

どうやら葉月は手袋でも良いらしい

 

「なら毛糸玉選んで来いそれで作ってやるから」

 

「それじゃあ私達も選びに行こっか切ちゃん」

 

「そうデスね湊私達も手袋で大丈夫デスから作って欲しいデス」

 

「わかったからさっさと選んで来い」

 

俺がそう言うと切歌達は自分の好きな色の毛糸を選びに行った

 

「いやぁ、結構遅くなっちゃったね」

 

「そうだな」

 

あの後切歌も誕生日プレゼントが決まり帰宅しているが外はもう夜になっていた

 

「早く帰って晩ご飯を作るデスよ!」ドンッ

 

突然爆発音が聞こえた

 

「何だ!?」

 

「何処かで何か事故でもあったのかな?」

 

「パパ…怖い…」

 

「大丈夫だ落ち着け葉月…おっさん?」

 

俺が葉月を落ち着かせているとおっさんから通信が入る

 

「さっきの何だよおっさん!」

 

『それについては此方で話す。今そこに誰かいるか?』

 

「此処には俺と切歌と調と葉月の4人だ」

 

おっさんの問いかけに俺はそう答える

 

『そうか、たった今マリア君がそちらに向かった。君達はマリア君と合流した後至急本部に向かってくれ』

 

「わかった、切歌、調、葉月、一先ずマリアと合流するぞ」

 

「「「了解(デス)(うん)」」」

 

俺はマリアと連絡を取って合流地点に向かった




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184話

「大型船舶に偽造したS.O.N.G.の研究施設にて事故が発生した」

 

「海上の研究施設デスか?」

 

切歌の質問におっさんは頷く

 

「ちょっと待て、海上って事は地上では扱えない様な代物を扱っていたって事なのか?」

 

「ああ、そこでは先端で回収したオートスコアラーの残骸を調査して居たんだ」

 

おっさんの言葉を聞いて俺は1つの考えに至った

 

「オートスコアラー…先端でって事はティキか」

 

「ああ、知っていたか」

 

おっさんの言葉に俺は頷く

 

「破壊されたアンティキティラの歯車とオートスコアラーの構造物からパヴァリア光明結社ひいてはアダム・ヴァイスハウプトの目的を探る為の解析が行われていたの」

 

「先程の爆発は機密に眠る最深部に触れたが為のセーフティーとも考えられますが」

 

「湊さんはオートスコアラーティキの情報はご存知ですか?」

 

俺はエルフナインにプレラーティに聞いた事を全て話した

 

「成る程、湊さんの仰った通りティキと呼ばれたあのオートスコアラーには惑星の運行を観測し、記録したデータを元に様々な現象を割り出す機能があったようです」

 

「これは南極大陸?」

 

エルフナインの映し出した大陸は南極大陸だった

 

「爆発の直前最後にサルベージしたデータは南極の位置指定を示す座標でした」

 

「此処は南極大陸でも有数の湖ヴォストーク湖、付近に位置するのはロシアの観測基地となります」

 

「湊、湖なんて何処にあるデスか?」

 

友里の湖と言う言葉を疑問に切歌が俺に聞いてくる

 

「今お前が見てる雪景色の殆どがヴォストーク湖だ。要するにあの氷の下に湖があるって感じだな」

 

「ほえ〜、あの氷の下に湖デスか。とても信じられないデス」

 

切歌は信じられないと言う表情でモニターを見る

 

「ま、地球の環境は一定じゃ無いからな」

 

「そうですね、湊さんの仰る通り地球の環境は一定ではなく度々大きな変化を見せてきました。特に近年はその変動は著しく極間の氷の多くが失われています」

 

「まさか氷の下から何かが出てきたって訳じゃ無いよな?」

 

「そのまさかよ」

 

友里はクリスの言葉を肯定する

 

「先日ヴォストーク観測基地の近くで発見されたのがこの氷漬けのサソリです」

 

「照合の結果数千年前の中東周辺に存在していた種と判明」

 

「何故そんなものが南極に」

 

「額面通りに受け止めるとすれば正史文明期に何らかの方法で中東より持ち込まれたのではないでしょうか?」

 

額面通りに受け止めるとそうなる。それより俺はもう一つの話が気になる所だがな

 

「気になるのはこれだけではありません。情報部は堕胎後に湊さんの指示で動いてくれたscarletのミミ・エルガルムさん、ルカ・エルガルムさん2人の錬金術師と共に地下へと潜った残党摘発に努めさらなる調査を進めて来ました」

 

「得られた情報によるとアダムは占有した神の力によって遂げようとした目的があったようだな」

 

「その目的とは一体」

 

翼は息を飲んでおっさんにそう聞く

 

「この星の支配者になる為、時の彼方より浮上する棺を破壊」

 

「待ってくれ、南極のサソリに時の彼方より浮上する棺付合する点があっていかにも罠って感じがするんだが」

 

「ああ、次の作戦は南極での調査活動だ。出所に結社残党が絡む以上湊君の言うようにこの情報自体が罠という可能性は十分にある作戦開始までの1週間各員は準備を怠らないで欲しい」

 

『了解(デス)』

 

おっさんの言葉で今日は解散となった




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185話

あれから1週間、俺達はヘリで南極に向かっている

 

『総員棺の浮上に備えるんだ』

 

おっさんの言葉を聞いてマリア達が立ち上がり扉を開ける

 

「寒〜!何処の誰だよ!南半球は夏真っ盛りだなんて言ってたのは!!」

 

「でっデ〜ス!」

 

響の問いかけに切歌が手を上げる

 

「全く、夏でも寒い場所は寒いに決まってんだろ。俺は先に行くからな」

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

そう言って俺はマリア達より先にヘリから飛び降り聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

『湊さん避けて下さい!』

 

「わかってる!イグナイトモジュール、抜剣」

 

俺はイグナイトモードに移行して赤と黒が混ざった様な光線を交わすとその光線は程なくして止まり棺が姿を表す

 

「随分なお出迎えだな、しっかしあれが棺とはな」

 

姿を表した棺はとても一般的に知られてる棺とは程遠い見かけをしていた。

 

「先走り過ぎデスよ湊」

 

「本当、ちょっと焦った」

 

後からヘリを降りた切歌と調が俺の隣でそう言う

 

「全く、貴方はそうやっていつもいつも無茶をする」

 

「悪いなマリア、にしても響の力と互角か」

 

「それでも私達の中の誰1人として気持ちでは負けていない!」

 

そう言うと再び棺の怪物が光線を放つ

 

「甘えんだよ!」

 

《紅蓮の銃口》

 

マリア達は散り散りに飛んで交わし俺は迎え撃ち相殺する

 

「避けなさい湊!」

 

マリアの言葉に反応して反射的に後ろに下がるとそこに氷の結晶に似た何かが現れ辺りに緑の炎を出現させる

 

「何なんだよあのデタラメは!どうする」

 

「どうもこうも止めるしか無いじゃない!」

 

そう言ってマリアは後ろの観測基地を見る

 

「旋回しつつ距離を詰めろ!観測基地には近づけさせるな!「言われなくとも!」待て湊!!」

 

俺は翼の制止を無視して棺の怪物に向かって行く

 

「私達も行くデスよ調!」

 

「うん、切ちゃん」

 

そう言って切歌と調もついて来る

 

「これでも喰らうデス!」

 

「はあ!」

 

「此奴も持ってけ!!」

 

《切・呪リeッTぉ》

 

《α式 百輪廻》

 

《紅炎華》

 

攻撃を上に飛んで交わす棺の怪物だが響に地面に打ち付けられる

 

「そら!」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

クリスが内蔵の多連装射出器から追尾式の小型ミサイルを一斉に発射する

 

「今なら」

 

俺は動きが止まったと思い込み煙の上がる中接近して追撃を行おうとしたがそれがいけなかった

 

「な!?此奴今のが効いてないのか!?」

 

「逃げろ湊!!」

 

翼にそう言われ距離を取ろうとするが間に合うはずもなく俺は棺の怪物に観測基地の付近まで吹き飛ばされて気を失った

 

〜切歌side〜

 

「邪魔デス!」

 

「どいて!」

 

《非常Σ式 禁月輪》

 

湊が吹き飛ばされ後、棺が作り出したトゲが姿を変えた雑魚を切り刻みながら私と調はあの棺の化け物に向けて突き進んで行く

 

「下がれ暁!月読!」

 

《千ノ落涙》

 

「翼さんの言う通り一度下がろう切ちゃん」

 

「わかったデスよ」

 

調の言う通りに後ろに下がる

 

「後は任せなさい切歌」

 

「任せたデスよマリア、響さん」

 

私はすれ違ったマリアと響さんにそう言う

 

「切ちゃん湊は大丈夫かな?」

 

「きっと大丈夫デスよ調。それより今はあの棺を倒すのが先デス」

 

そう言いながらも湊が心配になり観測基地のある方角を見る

 

「マリア!響さん!」

 

調が慌てて2人の名前を呼びながら向かって行く方には倒れている響さんとマリアが居た

 

「2人共しっかりするデスよ!」

 

「来るぞ!」

 

「間に合え!!」

 

クリスさんが私達を守る形で前に出てリフレクターを使う

 

「ぐっ!!」

 

「耐えろ雪音!!」

 

「わかってる!だけど…もう持たねえ!」

 

クリスさんがそう言ったのと同時にリフレクターは破られた

 

〜切歌side out〜

 

「痛…流石に効いたな…彼奴らは!!」

 

俺が棺の怪物の方を見ると薄らと氷の結晶に包まれるクリスのギアが見えた

 

(わかってた筈なのに、俺1人じゃ足止めすら出来ない事くらい…また何も出来ないのか…また失うのか…俺は…)

 

自分の無気力感に浸って居ると2人の男性が観測基地の中から出て来た

 

「お前正気か!?」

 

「正気だよ、それに女の子がこんな寒い所でお腹を冷やしたら大変だろ!」

 

男の1人がそう言って照明弾を撃ち上げる

 

(そんな理由で自らの命を危険に晒すのか…全く…何処にでも居るもんなんだな馬鹿は…でも)

 

案の定棺の怪物は進行を停止してこちらに向かって光線を放つ

 

「シンフォギアも纏えない奴に守られてる様じゃ俺もまだまだなのかもな」

 

そう呟き結晶を砕く

 

「やっぱりこうなったじゃねえか!何だ!?」

 

放たれた光線が観測基地に当たる前に迎え撃ち相殺する

 

「何が起きたんだ…「何でも良い早く逃げるぞ!」ああ」

 

照明弾を撃った男性は不思議に思いながらも観測基地の中に戻って行く

 

「それじゃあ俺も行くか」

 

俺はそう言って棺の怪物が見える方角に向かって行った




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186話

連続投稿


「皆が居るんだ!」

 

響がそう言って氷を砕き脱出するのと同時にクリスが棺の怪物にミサイルを飛ばす

 

「そんなにヒーローになりたいのか?」

 

「そうだ!戦場に立つのは立花1人では無い!」

 

「皆…ねえ、あれって…」

 

響は俺に気づいたのか知らないが此方を見て青ざめる

 

「待たせたな」

 

「湊!無事で良かったデス!」

 

「行けるか湊」

 

翼の問いかけに頷く

 

「そうか、お前は棺を抑えろ!小物は我々が対処する!」

 

「了解!!」

 

俺はそう言って棺の怪物のトゲが姿を変えた雑魚を一掃して棺の怪物に向かって行く

 

「さっきはよくもやってくれたな、これはほんのお返しだ」

 

俺は尻尾を棺の怪物に巻きつけ持ち上げ地面に打ち付ける

 

「そう何度も同じ失敗をしてたまるかよ!」

 

打ち付けられたと同時に光線を放つ棺の怪物にブレスで対抗し威力を殺す

 

「もういっちょ!」

 

光線を放ち終えた棺に向けてもう一度ブレスを放ち腕を1つ破壊した所で一度距離を取る

 

「あのバカ!」

 

響が女性を助けた隙を突いて棺の怪物が響に向けて光線を放とうとしていた

 

「やらせるかよ!」

 

俺は体当たりをして棺のバランスを崩す

 

「湊君!今です急いでS.O.N.G.指定の避難ポイントまで」

 

響がそう言って女性に避難するように促し女性が避難しようとした時に放たれた光線を響がぶん殴る

 

「雑魚はすっこんでろ!」

 

俺は響に向かって来ていた雑魚を叩き落とす

 

「ぐっ!湊君はその人を避難ポイントに」

 

「わかった!直ぐに戻る」

 

俺は女性を掴みS.O.N.G.指定の避難ポイントに向かった

 

「どけ響俺が受け止める!」

 

俺が戻ると円形のなって響に向かう棺の怪物の姿があった

 

「ぐっ!」

 

俺は棺の怪物に押されながらも何とか受け止め棺の怪物は停止する直前に俺を腕で湖の中に押し込んだ

 

(吹き飛びやがれ!)

 

湖の中で沈んでいく棺の怪物を上空に打ち上げる

 

(限界か…)

 

そこで神の力に限界が来て元の人の姿に戻る

 

「はぁ…はぁ…」

 

「湊君!良かった無事で」

 

打ち上げられた棺の怪物が落下して来ている中響が俺の手を持って引き上げる

 

「んな事よりあれを何とかするのが先だ」

 

「そうね、狙うべきは喉元の破損箇所ギアの全エネルギーを一斉収束」

 

「決戦機能を動く対象に!?」

 

外したら後が無いのはマリアだって理解しているその上でそう言うのなら

 

「マリア動かなければ確実に仕留められるか?」

 

「ええ、確実に仕留めて見せるわ」

 

「わかった」

 

〜Hellfire Chamael tron〜

 

俺はそう言ってカマエルを纏う

 

「チャンスは1回だ。これを使えばしばらくの間ギアは纏えない。良いな確実に一撃で仕留めろ」

 

「狙いをつけるのはスナイパーの役目だタイミングはあたしが取る」

 

俺の言葉にクリスがそう答える

 

「外すんじゃねえぞクリス」

 

「誰に言ってんだよ」

 

「念の為だ、言っとくが外しでもしたらただじゃおかねぇからな。イグナイトモジュール、抜剣」

 

俺はイグナイトモードに移行したカマエルの銃口を棺の怪物に向ける

 

「わかってるよ、そのくらい」

 

「なら問題ない」

 

そう言って俺は上空に向かって行く

 

「吹き飛びやがれ!!」

 

《lost ignition》

 

俺はカマエルの全力で棺の怪物の周りの雑魚を一掃すると同時にギアが解除される

 

「お疲れ様です湊さん」

 

「助かった緒川」

 

「いえ、このまま本部に向かいます」

 

緒川にそう言われた俺は頷き本部に向かった

 

「全く、またとんでもない無茶をしてくれたものだ」

 

「悪かった。今回ばかりは反省してる」

 

「ん…君に言われると切歌君達の時より違和感を感じるな」

 

決めた今後おっさんには絶対に言わねえ

 

「湊さんカマエルですが破損状態からして恐らくメンテナンスが必要かと」

 

「だろうな、頼むエルフナイン」

 

「任せてください」

 

エルフナインはカマエルを受け取ると早速ラボにメンテナンスに向かった




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187話

南極からの帰還している途中、米国が南極で回収した遺骸の護衛にS.O.N.G.を付けるよう交渉をする為米国に寄っていた

 

「そこを何とか」

 

「何度言われても変わらない答えはNOだ」

 

何度もおっさんが米国に遺骸にS.O.N.G.を付けるように要求するが米国側は首を縦に振らない

 

「たく、邪魔するぞおっさん!」

 

俺はおっさんが米国と交渉して居る部屋に入る

 

「湊君、今は大事な話を「こっこれは湊氏!一体どのような案件で!」ん…どうやら俺が交渉するより君が交渉した方が優位に立てそうだな」

 

「ああ、先の反応兵器の件、そしてお前達が南極で回収した遺骸の護衛にS.O.N.G.を付かせない理由を教えろ、事と次第によっては今後ミミ達にそちら側への情報提供を停止する必要がある可能性も出てくる」

 

「そっそれは…反応兵器の件については我々の任意なしに行われた事が故に我々も対処が仕切れず…遺骸につきましても米国新型空母トーマス・ホイットモアの護衛に他国であるS.O.N.G.に付かせる訳にもいかず」

 

おっさんが交渉をしていた時とは打って変わり米国側は歯切れが悪い

 

「そうか…なら遺骸を狙ってお前達の言う空母トーマス・ホイットモアを襲撃されたとしてもミミ達は動かせないな。此方の申し出を無碍にするんだ。お前達は自分達で何とかするとそう言いたいのならば好きにすると良い。お前達も知っている通りミミ達scarletは俺の指示が無い限り動く事はない。どうする此方の申し出を受け生き延びるか、それとも申し出を無碍にして死を待つだけの時間を過ごすか。何方を選ぼうと俺は構わない」

 

「待って下さい!それではこちら側の被害が!」

 

「そうだなお前達の被害は深刻なものになるだろうな、だが…此方は1度申し出をしそちらが断っている。これ以上S.O.N.G.がお前達を助ける義理はない。ただし…此方の申し出を受けると言うのなら命の保証はしてやろうもう一度言うぞ俺達S.O.N.G.いや、俺及びS.O.N.G.の遺骸への護衛を申し出を受けるか、それとも受けないかどうするんだ?」

 

俺がそう言うと米国側は押し黙り上層部と話し合いを行う

 

「大変失礼しました。湊氏是非この話受理させて頂います。ですが米国新空母トーマス・ホイットモアは米国の上層部の一部の者しか知りません。此処はどうか少数の者で編成をして貰えないでしょうか?」

 

米国側の話に俺は少し考える

 

「良いだろう、S.O.N.G.から俺を含め3名。他国の協力者3名で編成を行う。ノイズの数も分からない警戒するに越したことはないだろう。その代わり腕は一流の者を集めよう」

 

「はい、それで構いません」

 

「作戦開始時刻は2日後○八○○。他国の者にはこちらから伝えておく」

 

「分かりました」

 

米国側はそう言って通信を切る

 

「これで良いんだろおっさん」

 

「ああ、助かった湊君」

 

「S.O.N.G.からは俺と切歌と調。他国の装者は俺が収集する」

 

「わかった、切歌君と調君には俺から伝えておく。君は装者の収集を頼む」

 

「了解」

 

おっさんにそう言って俺はある3人の装者に収集を掛けた




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188話

「そろそろ着く頃か」

 

米国との交渉を行った翌日、俺は米国エスカロン空港にて召集に応じた3人の装者の到着を待っていた

 

「申し訳ありません湊様少々遅れてしまいました」

 

「遅れたとは言え5秒だ気にする必要は無い」

 

「いえ、戦場では5秒の遅刻も戦況を大きく変化させます。ドイツ特異災害特殊部隊一班所属フィリア・オリマス到着致しました」

 

フィリアはその場で敬礼を行いそう言う

 

「そこまで畏まる必要は無いんだが」

 

「いえ、これも任務の一環ですので、それにしてもあの2人は全く弛んでいる。今度ドイツに来た時にでも一から叩き直してやろうか」

 

「程々にしろよフィリア、噂をすれば到着か」

 

フィリアが来て10分くらい経った頃残りの2人が到着した

 

「お前達何をしている!!5分以上の遅刻など弛んでるにも程がある!!」

 

「うう、フィリアちゃんが怖いよルネちゃん」

 

「ごめんなさいフィリア、ルーシアは悪くないの私が寝過ごしてしまって」

 

「ルネちゃんは悪くないよ!私が機内食を食べすぎちゃってルネちゃんはずっと私の看病してくれてたんだから!悪いのは私だよ!」

 

「貴様らがどれだけ弛んでるかが良く分かった」

 

ルルネとルーシアの到着後宿泊施設の一角でフィリアがため息を吐きながらそう言う

 

「お前らは相変わらずだな、イタリアとフランスは大丈夫なのかよ」

 

「えへへ、それに関しては問題ないよ!あ!イタリア特異災害特殊部隊アスタルテ所属ルーシア・フィリス到着しました」

 

「フランス特異災害特殊部隊アルビオン所属ルルネ・ルーカス到着しました」

 

ルルネとルーシアはかなり遅い到着報告を行う

 

「貴様らは本当に湊様、我々と共に米国空母トーマス・ホイットモアの護衛をするS.O.N.G.と言う組織を拝見させて頂きたいのですが宜しいでしょうか?」

 

「S.O.N.G.にか?今日は空母トーマス・ホイットモアでの配置の確認が終わり次第好きに過ごして貰おうと思っていたんだが」

 

「いえ、湊様が所属する組織なのです。さぞかし強者が揃っていると思い興味があります」

 

強者ね…1名人外が居るが流石に急に部外者を連れて行くわけにも…いや、切歌と調の2人と顔合わせくらいはさせておいても良いだろう

 

「わかった、配置の確認が済み次第案内しよう」

 

「あ!私も気になる!!」

 

「湊の所属する組織か、私も気になる」

 

「お前ら全員かよ、まあ1人も3人も変わんないか」

 

そう言って配置の確認を済ませてS.O.N.G.本部のある潜水艦に向かった

 

〜フィリア・オリマス&ルーシア・フィリス&ルルネ・ルーカス プロフィール〜

 

名前:フィリア・オリマス

 

年:16歳

 

好きなもの:日本食 戦闘映画

 

嫌いなもの: 玉ねぎ ピーマン

 

シンフォギア:黒のイチイバル

 

武器:弓

 

名前:ルーシア・フィリス

 

年:13歳

 

好きなもの:ルルネ パスタ

 

嫌いなもの: ゴーヤ 蜂

 

シンフォギア:サンダルフォン

 

武器:剣

 

名前:ルルネ・ルーカス

 

年:14歳

 

好きなもの:ルーシア エクレア

 

嫌いなもの: パプリカ 暗闇

 

シンフォギア: トリアイナ

 

武器:槍




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189話

「此処がS.O.N.G.の本部ですか」

 

「ああ、邪魔するぞおっさん」

 

俺はそう言っておっさんの居る部屋に入る

 

「戻ったか湊君、隣に居るのが君が収集した装者達か」

 

「ああ、此奴が俺の所属する組織S.O.N.G.の司令官だ」

 

「そうでしたか。ドイツ特異災害特殊部隊一班所属フィリア・オリマスです」

 

「イタリア特異災害特殊部隊アスタルテ所属ルーシア・フィリスです」

 

「フランス特異災害特殊部隊アルビオン所属ルルネ・ルーカスです」

 

「俺は風鳴弦十郎だ。湊君から聞いて居るだろうがS.O.N.G.の司令官をして居る。それで何か用か?」

 

俺はおっさんにフィリア達が此処に来た理由を話す

 

「成る程、此方の実力の見定めか一先ずトレーニングルームに切歌君と調君を呼び出すとしよう」

 

「ああ、頼んだ」

 

おっさんはそう言って切歌と調に収集をかけ俺達はトレーニングルームに向かった

 

「何デスか湊?司令からトレーニングルームで湊が待ってるって聞いたデスけど?」

 

「私達に何か用?」

 

「ああ、今回協力して空母トーマス・ホイットモアの護衛をする他国の装者がお前達の実力を知りたいらしい」

 

トレーニングルームの前で切歌と調を待って居ると2人が来た

 

「ほ〜う、私達の実力デスか。良いでしょう受けて立つデス!」

 

「私も湊が集めた装者がどんな人か気になる」

 

「決まりだな彼奴らは先に中に入って待ってくれてる俺達も入るぞ」

 

そう言って俺は切歌と調と中に入る

 

「ようやく来たか暁切歌、月読調」

 

「貴方達が湊が集めた装者?」

 

「そうだよ!」

 

調の質問にルルネはそう返す

 

「御託はいらない早急に始めるぞ」

 

「むっ!なんかやな感じデス」

 

切歌はそう言って不機嫌な表情を浮かべる

 

〜Volta desig sandalphon tron〜

 

〜Corb ullal Ichaival tron〜

 

〜Mort administració toriaina tron〜

 

〜Various shul shagana tron〜

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺達は一斉に聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

「そのギアは…クリスさんと同じ…」

 

「それにもう一つは湊と同じギアデスよ!?」

 

切歌と調はルーシアとフィリアのシンフォギアを見て驚く

 

「ルーシア、ルルネ先行しろ私は湊様を撃つ」

 

「「うん!湊は任せたよフィリア(ちゃん)」」

 

そう言ってルーシアは切歌にルルネは調に向かって行く

 

「勝負です湊様」

 

「来いよフィリア何処まで成長したか見てやるよ」

 

《叢雨》

 

フィリアが天に向けて1本の矢を放つと上空から無数の矢が降り注ぐ

 

「甘え!」

 

《紅炎華》

 

「まだです!」

 

《五月雨》

 

今度はフィリアの周りに無数の矢が出現する

 

「そう来るか、だったら!」

 

「はあ!」

 

俺はアームドギアから出るの炎を剣の形に生成して向かって来る俺にフィリアは矢を一斉に放つ

 

「良い攻撃だがまだ甘い!」

 

俺は矢を交わしながらフィリアに向かって行く

 

「そう簡単にはいきませんか、ですがそれでこそ湊様です!」

 

「お前もかなり腕を上げてるな!」

 

矢で剣の軌道を変えながら隙を狙うフィリアに対し俺は隙を作らない様に気を付けながらフィリアに攻撃を続ける

 

〜切歌side〜

 

「とりゃ!」

 

「デス!」

 

私はアームドギアの鎌で剣を防ぐ

 

「どうしてそのギアを!」

 

「イタリアの司令が湊のサンダルフォンの破片からペンダントを作ってくれたんだ!」

 

それって湊のサンダルフォンの破片が他国に出回って居るって事デスか

 

「話していて良いのかな?」

 

《雷鳴》

 

剣からから放たれた雷をなんとかギリギリの所で避ける

 

「うわぁ!あっ危なかったデ〜ス」

 

「むぅ…外れちゃった」

 

ルーシアと言われた人はそう言ってまた剣を構える

 

「切ちゃんこの人達強い」

 

「デスね、これは私達も協力しないと勝てないかもデスね」

 

「うん、そうだね」

 

私は調と背中を合わせながらそう話す

 

「作戦会議は終わったかな?」

 

「ちょっと連携がうまくいく様になっただけで勝てるくらい私達は甘くないよ」

 

《雷鳥》

 

《水槍》

 

私達は左右からの挟み撃ちの攻撃を上に飛んで交わす

 

「いっちょデカイのお見舞いするデスよ調!」

 

「うん、切ちゃん」

 

《禁合β式・Zあ破刃惨無uうNN》

 

私と調は空中で体制を整えて調のアームドギアを私のアームドギアの柄の先に接続して巨大な刃が付いた車輪状に変化させ回転させながら突進する

 

「私達も行くよルーシア!」

 

「うん!ルネちゃん!」

 

《双刹ノ雷渦》

 

槍を回転させ出現させた巨大な渦潮に雷を纏わせその雷を纏わせた渦潮を私達に向ける

 

「負けねえデスよ!」

 

「私達のやって来た事全部ぶつける」

 

「私達だって負けないよ!」

 

「最大出力!」

 

私達も相手も今出来る全力を出し切る

 

「「はああ!!」」

 

「くっ!もう限界…」

 

向こうは限界が近いのか渦潮の威力が弱まって居る

 

「ルネちゃん!う…私もちょっと不味いかな?」

 

「もう無理…」

 

渦潮が完全に消えて私達の攻撃が2人に直撃する

 

「はぁはぁ、やったデスね…調」

 

「うん…でも私達もギリギリだった。湊の応援に行くのは無理そうかな」

 

「デスね…後は任せたデスよ湊」

 

私達はそう言って床に座り込み湊とあのイチイバルの装者の戦闘が終わるのを待った

 

〜切歌side out〜

 

「やはりまだ勝てませんでしたか」

 

「腕はそれなりに上がって居るみたいだが、間合いが悪かったな」

 

切歌達の戦闘が終わり暫く経ち距離を取りきれなくなったフィリアの喉にアームドギアを向け俺が勝った

 

「それにしても流石湊様が所属している組織、思った通り強者が揃っていますね」

 

「そうか?ま、あの2人が組めば右に出る奴はそうそう居ないだろうな」

 

「そうですか、私もまだまだ精進が必要ですね」

 

「精進するのは良いがあまり無茶をしすぎるなよ」

 

「心得ております。それでは私はルルネとルーシアの2人と敗因を見直すのでこれで失礼します」

 

フィリアはそう言って2人を連れて本部を出た




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190話

「作戦開始時刻まで5分を切ったが持ち場には着いてるか?」

 

俺は作戦開始時刻まで5分前になったので此処に居る切歌達以外に最終確認を行う

 

『はい、大丈夫です湊様』

 

『こっちも大丈夫だよ〜』

 

俺の問いかけにフィリアとルーミアが答える

 

「時刻○八○○。作戦開始!」

 

『了解!!』

 

そう言うと全員ギアを纏いアルカノイズの警戒を行う

 

「私達はあっちに居なくて大丈夫何デスか?」

 

「大丈夫だろ、フィリア達に任せておけば」

 

『湊!アルカノイズのお出ましだよ!』

 

ルルネのホログラムにはアルカノイズが映し出された

 

「そんじゃ俺達も行くか」

 

「「うん(デス)」」

 

〜Various shul shagana tron〜

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺達は聖詠を行い切歌と調のペアと俺の二手に分かれる

 

「お前らさっさと引け」

 

「はい!全員引くぞ!これ以上は湊氏の邪魔になる!」

 

そう言って全員空母内部に避難して行く

 

「ふぅ、こんなもんだな」

 

『湊様、おかしな動きを取る少女を見つけました。追跡を行いますか?』

 

アルカノイズを粗方片付けるとフィリアからそんな通信が入る

 

「いや、錬金術師だった場合も考えて俺が追跡する」

 

『承知しました。その少女はイガリマとシュルシャガナの装者が担当して居る区画に向かいました』

 

「わかった、お前達はアルカノイズの対処を優先に考えて行動してくれ」

 

『はい、くれぐれもご注意を』

 

そう言ってフィリアは通信を切った

 

「あれか…」

 

切歌と調がアルカノイズの対処をして居る区画の近くにアタッシュケースを持った犬か猫か分からない耳の少女が居た

 

「物は試しって事で」

 

《紅炎華》

 

俺はその少女に攻撃する

 

「ふっ!」

 

少女は軽々とその攻撃を交わす間違いなさそうだな

 

「パヴァリアの残党の錬金術師だな」

 

「だったら何でありますか」

 

「悪いが…死んでもらう。イグナイトモジュール、抜剣」

 

俺はイグナイトモードに移行し錬金術師との距離を詰める

 

「アタッチ「遅えよ」かは!」

 

俺はその少女が行動を起こす前に接近し銃の先端で腹を殴る

 

「たく、パヴァリアにはロリコンでも居たのかよ。まあどうでも良いけどな」

 

そう言って俺はその少女が飛ばされた方に向かう

 

「くっ!」

 

「「湊!」」

 

俺が少女を吹き飛ばした場所に着くとそこには切歌と調も居た

 

「湊あれって…」

 

「ああ、パヴァリアの残党だ」

 

「わたくしめが相手であります」

 

そう言ってその少女は空母に空いた亀裂から中に入って行く

 

「やらいでか、デース!!」

 

「行くぞ調」

 

「うん、所で湊…女の子にこんな高い場所から飛び降りさせるの?」

 

そう言って調は俺を見る

 

「わかったよ」

 

俺は調を抱え空母の亀裂から中に入る




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191話

「たく、こんな所に逃げやがって」

 

俺はそう言ってカマエルを解除する

 

「どうしたの湊?」

 

「こんな狭い場所じゃ思うように戦えないからな、此奴を使う」

 

そう言って俺はレーヴァテインを手に持つ

 

「何処から」

 

「小型ホログラム通信機だ。お前らのには無いが俺のには一定の数をデータとして保管して持ち運べるようにしてある」

 

「便利…」

 

「かもな、にしても切歌の奴も見当たらないな」

 

この感じからすると切歌は別のルートに向かったのか

 

「ん?どうやら別のが見つかったみたいだぞ」

 

「鬼ごっこならシュルシャガナで!」

 

そう言って調はさっきの錬金術師を追いかける

 

「きゃー!」

 

「アタッチメント!打ち抜くであります!」

 

「させるかよ!」

 

アルカノイズの攻撃を受けた調に追撃を行う錬金術師の攻撃を受け止める

 

「調!切歌と合流して来い!」

 

「わかった、出来るだけ早く戻って来る」

 

調はそう言って切歌を探しに行った

 

「随分と余裕そうでありますね」

 

「ガキ1人相手に出来なくてどうすんだよ」

 

「小さいからって甘く見て居たら痛い目を見るであります!」

 

そう言って錬金術師はアルカノイズを俺に向かわせる

 

「邪魔だ」

 

俺はそのアルカノイズを一瞬で倒して錬金術師に近く

 

「何者でありますかシンフォギアも纏わずにアルカノイズを倒すなんて」

 

「別にどうでも良いだろ…早くしないと死ぬぞ」

 

《翔炎斬》

 

俺は無数の斬撃を錬金術師に飛ばす

 

「甘いであります」

 

「甘いのはお前だ」

 

《β式 獄糸乱舞》

 

そこに調が到着して錬金術師をヨーヨーの糸で相手を包囲する

 

「切歌はどうした?」

 

「後で合流する」

 

切歌は後で合流するのか

 

「とっとと合流して片付けるぞ」

 

「うん」

 

《α式 百輪廻》

 

《翔炎斬》

 

錬金術師は後退しながら俺と調の攻撃を交わして行く

 

「調!湊!」

 

切歌と合流すると調はヨーヨーを巨大化させて投げる

 

「そんな大雑把な攻撃、当たるわけが!」

 

「動きを止めれば当たるよな!」

 

俺は錬金術師を斬りつけながらそう言う

 

「くっ!」

 

「今だやれ切歌!調!」

 

「デス!」

 

切歌は調の巨大化したヨーヨーと自分のアームドギアの鎌を1つの武器にして放った物を調が操作する

 

「「湊!!」」

 

「了解!」

 

「まさかこれを狙って!」

 

俺は調が操作する物が当たる直前に避け確実に錬金術師に直撃させる

 

「やったね切ちゃん!」

 

「湊!今夜はハンバーグなのデス!」

 

「やってない!!」

 

瓦礫の下から出て来た錬金術師は此方を睨んでそう言う

 

「任務遂行を優先にして此方が加減してたのであります!…撤退でありますか、そんな簡単に…」

 

いきなり錬金術師がそんな事を言い出す

 

「ガンス、帰投であります」

 

「させっか!」

 

俺は錬金術師が見慣れた結晶を地面に落とし転移される前に仕留めようとしたが間に合わず錬金術師は姿を消した

 

「取り敢えず勝てた?」

 

「少なくともあの気味悪いミイラは守れたのデス」

 

「チッ!みたいだな、全員アルカノイズを殲滅し終え次第本部に急行しろ」

 

『了解』

 

俺はフィリア達にそう言って切歌と調の2人と本部に戻った




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192話

〜調side〜

 

「久々のライブだよ!?翼さんの凱旋公演だよ!?このままじゃ間に合わないよ!!」

 

米国の空母トーマス・ホイットモアの護衛から数日、私達は響さん達と翼さんの凱旋公演に向かって居た。けど道路が混雑しててとてもじゃ無いけどライブには間に合いそうにない

 

「どうしようもないだろ!道路が混雑してんだから」

 

「マリアも湊も急に来られなくなるなんて…」

 

「付いてない時は何処までもダメダメなのデス。葉月ちゃんも湊と一緒に行っちゃったデスし」

 

マリアと湊は当日になって急用が入って葉月ちゃんも湊に付いて行った為、翼さんのライブには行けないらしいから行けなかった3人の分まで目一杯楽しみたかったんだけど

 

「あれ?調ちょっとこれ見て欲しいデス」

 

「何切ちゃん?」

 

私は切ちゃんが見ている湊の作った通信機を見る

 

「湊の通信の反応がライブ会場近くにあるデス」

 

「本当だ…もしかして急な用事って翼さんの護衛?」

 

「かも知れないデスけど湊がそんな依頼を受けるデスかね?それにそれなら私達にも教えてくれる筈デス。なのに私達には何も言ってくれて無いデスよ?」

 

確かに、翼さんの護衛なら私達にも話してくれて一緒に翼さんのライブに行けた筈それじゃあどうして湊は

 

「何か私達に言えない事情があるデスかね?」

 

「分からない、一先ず私達はこの渋滞を抜けないとライブ会場には行けない」

 

「気が遠くなるデス」

 

切ちゃんは窓から顔を覗かせライブ会場を見た

 

〜調side out〜

 

「悪い少しの間此奴を頼むぞ緒川」

 

「ええ、葉月さん此方です」

 

「いってきます!パパ!」

 

「おう気をつけてな」

 

緒川はそう言って葉月を連れて行く

 

「さて、どうだ人数の方は?」

 

『ざっと900人は集まったかと』

 

葉月が見えなくなった所で俺はフィリアに通信を取る

 

「900?全員で800ちょいじゃなかったか?」

 

『はい、湊様からの収集だと聞くと皆翌日には集まってくれました。その他にも自ら協力を申し出て下さった装者も多数居ます』

 

「そうか、助かった悪いな米国での事があったばかりなのに」

 

俺はそう言ってフィリアに謝る

 

『いえ、編成は如何致しますか?』

 

「そうだな…班は1班200人の班を4つ作れ1班から3班はもしもの時に備えていつでも出撃可能にしておけ4班だが観客の避難誘導を優先し避難誘導が済み次第アルカノイズの討伐に参加してもらう。1班のリーダーはフィリア、2班のリーダーはルーシア、3班のリーダーはルルネ4班のリーダーはアリスだ。何か質問はあるか?」

 

『問題ありません。では1班は遠距離のアーチャーや銃をメインに編成、2班3班は近距離の剣や槍をメインに、4班は近距離と遠距離の複合型で編成致します』

 

「ああ、そうしてくれ」

 

『それでは我々は編成に移ります』

 

フィリアはそう言って通信を切った




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193話

「湊様!」

 

「来たか、全員配置に着け!俺も配置に着く」

 

フィリアが俺の言葉を聞いて頷き通信を切ると俺はレーヴァテインを持ってステージ上空にアルカノイズが多数出現して居た

 

「始めるぞレーヴァテイン」

 

そう言って俺はアルカノイズに向かって行く

 

〜マリアside〜

 

ステージ上空にアルカノイズが出現して慌てふためく人達だがそれも次の瞬間にアルカノイズは倒されそこに1人の少年が現れた。あれは…

 

「うろたえるな人間、我はレヴィ吸血鬼の王だ」

 

そう言って背中の羽を広げてレヴィと名乗る少年だが私には湊にしか見えない

 

「マリアどう言う事だ」

 

「私だってわからないわよ」

 

「これより我の指示に従って貰う、従わないと言うのならやむをえないその場で殺す」

 

湊は観客に殺気を放ちながらそう言う

 

「ただし、我の指示に従うと言うのなら貴様らの命は我及び我が眷属達が保証しよう。我とて無意味に人を処分するのは気がひけるのだ。何せ人の血は絶品なのでな」

 

湊はそう言うとステージ近くから大勢の装者が現れる

 

「翼あれって」

 

「ああ、湊の仲間だろう」

 

そこには以前共闘した事もあるアリス・フローヴァの姿もあったので湊の仲間で間違い無いだろう

 

「さあ選べ人間、我の指示に従い生き延びるかそれとも我に逆らいその場で命を散らすか。次が来たか、この戦闘が終わるまでに答えを見出し迅速に行動せよ。安全地帯までは我が眷属の内の数名が案内する」

 

そう言って湊は現れたアルカノイズを倒しに行く

 

「マリア我々も行くぞ」

 

「ええ、やりましょう翼」

 

〜Seilien coffin airget-lamh tron〜

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

私と翼は聖詠を行いシンフォギアを纏いアルカノイズとの戦闘に向かう

 

〜マリアside out〜

 

「どけ邪魔だ!」

 

「俺が先だ!」

 

人だかりが集まる中にノイズが向かって行く

 

「貴様ら何をしている!そんなに死にたいなら今此処で殺してやろうか!」

 

俺が怒鳴る様にそう言うと言い合って居た男達は何も言わなくなった

 

「先も言った通り貴様らの命は我々が保証する。「すみません!」何だ…」

 

そこに居たのは華の母親だった

 

「娘が…娘が見当たらないんです!どうか娘を!」

 

「その者の特徴は?」

 

「白のカーデガンにピンク色バックを持っています。名前は華です」

 

知ってる

 

「その者は我が責任を持って貴様の元に連れて行こう。今は避難を優先にしろ」

 

「はい…お願いします」

 

華の母親はそう言ってアリスについて行った

 

「きゃー!」

 

「この声…」

 

俺が聞き覚えのある声の方に向かうとそこには華を取り囲んだアルカノイズが居た

 

「させっかよ!」

 

俺は華を囲むアルカノイズを倒し華に近づく

 

「大丈夫か?」

 

「お兄さん?」

 

「此処は危険です早く避難を」

 

緒川は俺を見る華の手を引き出口に向かって行った

 

「あはは!恐れよ!落ちよ!うちが来たぜ!此処からが始まり守備良くやってみせるぜ」

 

上空からそんな声が聞こえるので向かってみると1人の少女が居た

 

「うちの標的はお前だぜ風鳴翼!」

 

「パヴァリアの残党「翼!」湊、演技は終わりで良いのか?」

 

「ああ、犠牲者は今の所ゼロだ」

 

俺の言葉に翼は無言で頷く

 

「歌を血で汚すな!」

 

「大人しく弄らせて貰えると助かるぜ」

 

「戯れるな「離脱しろ翼!」はあ!」

 

翼は俺の言葉を無視して少女に攻撃を続ける

 

「待て翼!チッ!邪魔なんだよ!!」

 

俺は俺をその少女の元に向かわせないかの様に現れたアルカノイズを倒すがその時には既に遅かった

 

「貴様!!」

 

そこには血溜まりを作り倒れる女性と怒りに任せた翼が居た

 

「たく、ちょっと寝てろ」

 

「うっ!」

 

そう言って俺は翼を気絶させる

 

「そろそろ尻尾を巻かせて貰うぜ」

 

少女がそう言って指を鳴らすとアルカノイズが一斉に降下して会場全体を破壊し尽くした

 

「目が覚めたか翼」

 

「湊…錬金術師は!」

 

翼の言葉に俺は首を左右に振ると翼は逃げられた事を理解した

 

「犠牲者は湊のお陰で翼の前で亡くなった彼女1人だけ」

 

「そうか…」

 

翼はそう言うと浮かない表情をして居た




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194話

ライブの翌日俺は東京の空港に来ていた

 

「にしても急な話だったな」

 

俺が空港に来る事になった理由はライブの後のフランスからの通信が切っ掛けだった

 

「悪いおっさん通信だ。フランスから?」

 

俺はおっさん以外に席を外して貰い通信をモニターに繋げる

 

『やあ久しぶりだね湊君』

 

「本当にな、最後に会ったのはもう7年も前か?と言うか今何時だと思ってるんだよ。時差を考えろ」

 

俺がそう言うと苦笑いを浮かべる

 

『僕もそうしたかったんだがね、どうしても今連絡がしたいって言ってきてね『るる♪ご主人会いたかった』あはは、それでそちらの方は?』

 

「湊君の所属するS.O.N.G.の司令官を務めて居る風鳴弦十郎と言います」

 

『これはご丁寧に、フランス特異災害特殊部隊総司令官のユノア・リ・アヴァロンです』

 

そう言っておっさんとユノアは会釈を交わす

 

「それでルナが一体どうしたんだ?」

 

『ルナちゃんの観測任務及び此方での検査も無事終了、健康面に関しても異常が見られない。散々縛って来たんだそろそろ彼女の好きにさせてあげても良いと思ってね。そしてら第一声に君に合わせろと来た物だ。フランスに居る間よっぽど君に会いたかったんだろうね』

 

『るる、ルナ頑張った。ご主人のご褒美が欲しい』

 

ルナは尻尾を揺らしながらそう言う

 

『あはは!だそうだよ湊君、君はどうするんだい?僕達としてはルナちゃんを失えば大きな戦力ダウンになるから避けたいが僕は彼女の意思を尊重してあげたいと思って居るかな』

 

「たく、分かった来いよルナ俺達の所に」

 

『るる、今すぐ行く』

 

『君ならそう言うだろうと思って旅客機を予約済みだよ。これまで会えなかったご主人に甘えさせて貰いなさい』

 

『るる♪』

 

ルナはそう言うと走って出て行った

 

「悪いなユノア」

 

『いや、君がシンフォギアの軍事兵器化の実験を止めてくれた事で多くの装者が救出され世界各国に行き渡りノイズやアルカノイズに対応出来ている。そしてそれは我がフランスも例外では無い。幸いにもルナちゃん以外にも君が此方に向かわせてくれた装者も居る。それにルナちゃんの事情を知ってるから故に早く君に合わせてあげたいと言う気持ちは以前からあったんだ』

 

俺の謝罪にユノアはそう返す

 

「今から向かうとなると12時間後だから明日の午前10時って所か」

 

『だろうね、それじゃあルナちゃんの事は君に任せるよ』

 

「ああ、わかった」

 

俺がそう言うとユノアは通信を切った

 

「来たか」

 

暫くすると深く帽子をかぶった黒髪の少女が此方に向かって来るのが見えた

 

「やっと会えたご主人」

 

「久しぶりだなルナ」

 

俺を見つけた途端に飛び付いて来たルナを軽く撫でてから空港を出た

 

〜ルナのプロフィール〜

 

名前:ルナ・ガルフェルド

 

年:13歳

 

好きなもの:魚、湊

 

嫌いなもの:ニンニク、玉ねぎ




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195話

「…!ガルル!!ご主人アルカノイズ」

 

「面倒だが行くしか無いか、案内頼む」

 

「るる」

 

俺がそう言うとルナはアルカノイズの居る方角に向かって行く

 

「彼奴らか」

 

アルカノイズを出現させて居たのは昨日の錬金術師と米国で戦闘した錬金術師だった

 

「ルナ」

 

「いつでも大丈夫」

 

ルナはそう言って通信機から剣と鞘を取り出す

 

「よし、行け…」

 

「るる…」

 

ルナは静かに桃色髪の錬金術師に近づいて行く

 

「俺も行きますか」

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺は聖詠を行いルナの動きがバレない様に大きく立ち回る

 

「おいそこの奴らとっとと逃げろ」

 

「ありがてえ、テメエらとっとと引き上げるぞ」

 

俺がそう言うと男達はバイクのスピードを上げて走って行った

 

「のこのこ1人で来やがったぜ」

 

「…!!如何やら2人の様であります」

 

「ご主人に良い所見せれると思ったのに」

 

錬金術師はルナの動きを察知して後ろに飛ぶ

 

「次は外さない」

 

「わたくしもそう易々とはいかないであります」

 

「役者は揃ったぜ」

 

「そうでも無いようだぞ」

 

~Killter Ichaival tron~

 

〜Balwisyall nescell gungnir tron〜

 

上空へのヘリの到着と同時に響とクリスがギアを纏って降りて来た

 

「応援に来てやったぜ湊!」

 

「こっちは任せて湊君はあの子を安全な所に!」

 

あの子ってルナの事か

 

「彼奴は俺の仲間だ。そう易々とやられねぇよ」

 

俺はそう言ってルナが戦闘をして居る桃色髪の錬金術師の方に向かう

 

「まだ行けそうかルナ」

 

「るる…このくらい余裕」

 

「そうか」

 

俺はそう言ってカマエルを解除してレーヴァテインを取り出す

 

「ルナ隙を見てこの発信器をあの錬金術師に付けろ」

 

俺がそう言うとルナは無言で頷く

 

「一先ず撤退を「させるかよ!」アタッチメント」

 

「遅えんだよ!」

 

俺は錬金術師の攻撃を加速して交わし懐に入る

 

「しまっ!」

 

《炎柱》

 

俺が錬金術師を切り裂くと地面から火柱が上がり錬金術師を包み込む

 

「エルザ!」

 

「よそ見してんじゃねぇよ!」

 

クリスがそう言って別の錬金術師に銃を乱射する

 

「ぐっ!」

 

地面に倒れた錬金術師は何とか逃げようとアタッシュケースに手を伸ばすが俺がそのアタッシュケースを拾う

 

「此奴の中身は知らねぇが後でこじ開けりゃ済む話だ」

 

俺はそう言って錬金術師に剣を向ける

 

「恨むなら無力な自分を恨め」

 

「止めろ!!」

 

クリスの攻撃を避けきり血走った目で真正面から俺に突っ込んで来て剣が当たるギリギリの所でエルザと呼ばれた錬金術師を連れて上空に飛んでいく

 

「待ちやがれ!「大丈夫だクリス」チッ!今回はそれで満足しとくか」

 

「そうしろ「ご主人、作動完了」わかった」

 

俺はルナの言葉を聞いて発信器の反応を確認する

 

「まだアジトには着いてないか…反応が一定になり次第そこを襲撃する今の内に体を休めておけ」

 

「るる…ご主人おんぶ」

 

「はいはい」

 

俺がルナを背負うと僅か数秒で眠りについた

 

「何なんだよ此奴」

 

「ねぇ、湊君の事ご主人って言ってたけどどう言う事?」

 

『その事については俺から話そう3人共一先ず本部に戻って来てくれ』

 

「「「了解」」」

 

俺はおっさんの言葉にそう返し手配されたヘリで本部に向かった




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196話

〜響side〜

 

「それで師匠あの子は一体」

 

本部に戻り湊君は回収したアタッシュケースの中身の確認を行うそうなので私とクリスちゃんは師匠に話を聞きに行く事にした

 

「彼女の事は俺も昨日湊君から聞いたばかりだ。名前はルナ、名付け親は湊君だそうだ。フランスの特異災害組織に所属しノイズやアルカノイズと戦って居た獣人の少女だ」

 

「司令獣人とは一体」

 

「フランスで多く目撃されているその名の通り獣の姿をした人間だ」

 

マリアさんの質問に師匠はそう答える

 

「でも獣の耳も尻尾も無かったですよ?」

 

「耳は恐らくあの深く被った帽子の下に隠れているんだろう。フランスでの通信には俺も立ち会ったがその時は耳も尻尾もあった。話を戻そう、ルナ君は君達も薄々察しては居るだろうがシンフォギアの軍事兵器化の被害者だ。被害者になった経由も全て湊君から話は聞いている。彼女は親に売買されたらしい実験の道具として」

 

私は師匠の言葉に耳を疑った。それはクリスちゃん達も一緒だった

 

「売買って…彼奴は少なくともバカやチビ2人よりも年下だろう!」

 

「ああ、俺も同じ事を思ったが…事実だ。湊君が初めて会った時はこの世の全てに打ちのめされ絶望しているようなそれは酷い表情をして居たらしい」

 

私もお父さんが家を出て行った時は辛かった悲しかった。でもあの子の辛さや悲しみは私には想像もできない

 

「湊?そう、風鳴司令アタッシュケースの中身がわかったそうです」

 

「そうか、モニターに接続する」

 

師匠の言葉でモニターにキャリーケースの中身が映し出された

 

〜響side out〜

 

「これがキャリーケースの中身だ」

 

『湊それってケチャップ?』

 

『この時期にバーベキューパーティーでもするつもりデスか?』

 

此奴らにはこれがケチャップに見えるのか

 

「これは全血清剤だ」

 

『全血清剤か、西部輸血昨今ではあまりお目に掛からなくなっている代物だな』

 

「ああ、だが俺がそれ以上に気になったのはその種類だな。RHソイル式140万人に1人の希血だと言う事がわかった。ルナどうかしたか?」

 

俺がおっさんと通信をして居ると寝て居たルナが起きて来た

 

「ご主人…これうるさい…」

 

そう言ってルナが持って来たのは発信器の端末だった

 

「後の話はマリアにデータを送るからそれを確認してくれ俺は急用が出来た」

 

『待て湊…』

 

俺はおっさんが何かを言い切る前に通信を切り向こうからの一切の通信を遮断する

 

「彼処が彼奴らのアジト」

 

「るる、間違いない昼間の2人の匂いがする」

 

俺とルナは発信器の反応から錬金術師のアジトを割り出しその付近に来ていた

 

「よし、攻め込むぞ」

 

「るる」

 

俺は通信機からレーヴァテインを取り出す

 

「悪いが容赦なくいかせて貰うぞ」

 

《翔炎斬》

 

斬撃を飛ばした先の施設が爆発した事により昼間の錬金術師の内の1人が出て来る

 

「どうしてアジトの場所が!」

 

「悪いがエルザって奴に発信器を付けさせて貰ってたんだ。早速だが死んでもらうぞ。お前にもあのエルザって錬金術師にも」

 

「そんな事はうちがさせないぜ!せめてヴァネッサが戻って来るまでは!」

 

そう言って錬金術師は腕を巨大化させて突っ込んで来る

 

「ルナお前は昼間のエルザって奴を頼む」

 

「るる「行かせないぜ!」攻撃が単調」

 

ルナはそう言って錬金術師を踏み台にして高く飛ぶ

 

「しまっ!「テメェの相手は俺だ」ぐっ!」

 

錬金術師はルナを追いかけようとするが俺の攻撃が来る為ルナを追いかけようにも追いかけられない

 

「るる、ご主人回収完了」

 

そう言ったルナは此処に来なかったエルザを連れて来た

 

「ミラアルクわたくしに構わず逃げるであります」

 

「エルザ何言って!「よそ見してて良いのか?」ちくしょー!!」

 

ミラアルクと呼ばれた錬金術師は最後の抵抗をするかの様に力任せな突進をして来た

 

「ルナも言ってたが動きが単調過ぎてつまらないな」

 

「かは!」ドンッ

 

ミラアルクは吹き飛ばされた場所にあった岩に激突し石の下敷きになる

 

「拍子抜けだな「お願いであります…わたくしはどんな事でもするであります…なのでミラアルクだけは…」ミラアルクだったか?お前にチャンスをやる。明日の19時までにお前達の輸血を行なっているRHソイル式を全て俺に渡せ。そうすれば今回は見逃し此奴も返してやろう。ただしその際に少しでも変な動きをしてみろ…此奴の命は無いと思え。行くぞルナ」

 

「るる」

 

「待ち…やがれ…」

 

俺は後ろから微かに聞こえるミラアルクの声を無視して来た道を戻った




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197話

「ただいま」

 

「パパお帰り!」

 

俺がルナにエルザを任せ一度マンションに戻ると葉月が走って来た

 

「お前だけか葉月?」

 

「うん、調お姉ちゃんも切歌お姉ちゃんもマリア叔母さんもまだ」

 

葉月は寂しそうな表情でそう言う

 

「そうか、なあ葉月今日は俺別の所に泊まるんだがお前も来るか?」

 

「行く!」

 

「なら着替え用意して来い」

 

俺がそう言うと葉月は着替えを取りに自分の部屋に向かって行った

 

「あれ?湊戻ってたデスか」

 

葉月を待って居ると切歌達が帰って来た

 

「いや、まだこれから行く場所がある「パパお着替え用意したよ!」なら行くか。ルナの奴も待ってるからな」

 

「湊もしかして何処かに泊まって来るの?」

 

「ああ、そのつもりだ」

 

「そう、葉月も連れて行くって事はあまり危なくは無いんだろうけど気をつけなさい」

 

「ああ、わかってる」

 

「いってきます!!」

 

俺と葉月は切歌達と別れルナの待つホテルの前に向かった

 

「パパルナお姉ちゃんってどんな人?」

 

「そうだな、優しい奴だぞ。獣人って言うあまり知られていない種族だがな。葉月あれがルナだ」

 

俺がそう言うと葉月はルナが気になるのかルナに向けて走って行った

 

「わたくしを拘束しないでありますか?」

 

俺達は4人で部屋を使う事にしたのだが拘束されない事に疑問を抱いたエルザが俺にそう聞く

 

「今の貴方くらいご主人なら物の数分で捕まえれる。監視は続けるから問題ない」

 

「そう言う事だ」

 

「パパ!お散歩したい!」

 

「ルナそいつの監視は暫く任せる」

 

「るる、任された」

 

俺はルナにそう言ってエルザの監視をルナに任せて葉月と散歩に出かけた

 

〜ルナside〜

 

「わからないであります…」

 

「何が?」

 

「敵であるわたくしを拘束もしないで放置する思考がであります」

 

エルザはそう言ってご主人の出て行った扉を不思議に見る

 

「ご主人は自由を奪われる事がどれだけ辛いか知ってるから拘束はしない。かつて自分がその辛さを経験してるから」

 

「自由を奪われる辛さでありますか?」

 

エルザの問いかけに私は頷く

 

「あれでもご主人は抑えてる。本当ならご主人はパヴァリアの残党だとしても憎い筈だから」

 

「わたくし達だけでなくパヴァリア光明結社その物が憎いと言う訳でありますか?」

 

「るる、私もご主人もパヴァリアの傘下が行ったシンフォギアの軍事兵器化実験の被害者」

 

私がそう言うとエルザはその実験内容を知っているからかは知らないけど表情は優れてない

 

「英国で行われたあの酷い実験でありますか」

 

「るる、私は5歳の時親にその実験のモルモットとして売買された。そこでご主人と初めて会った。ご主人は私にまた誰かを信じる気持ちを思い出させてくれた。人の温もりを教えてくれた。私を見捨てないと約束してくれた。だから私はご主人の為に戦うし、ご主人を傷付けるなら例え同族である貴方でも許すつもりはない」

 

「貴方にとっての彼奴はわたくしにとってのミラアルクやヴァネッサの様な物でありますね」

 

エルザはそう言って優しい表情を浮かべる

 

「るる」

 

「わたくしはもう眠りに着くであります」

 

エルザはそう言ってベットの中に潜り眠りに着いた

 

〜ルナside out〜




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198話

「それじゃあ頼んだぞ」

 

「るる、ご主人も気をつけて」

 

俺はルナにそう言ってエルザを連れてミラアルクとの待ち合わせ場所に向かう。そして約束の時刻を5分過ぎた頃

 

「待たせたぜ、約束だエルザを返して貰うぜ」

 

「待て、その前にRHソイル式を渡して貰おうか話はそれからだ」

 

俺がそう言うとミラアルクはアタッシュケースから輸血パックを取り出す

 

「此奴が今うちらが持ってるRHソイル式の全部だぜ」

 

「確かに受け取った」

 

俺はそう言ってエルザをミラアルクの元に向かわせる

 

「すまないでありますミラアルク」

 

「良いって事だぜエルザ、そんじゃうちらはこの辺りで「デス!!」チッ!テメエ最初からうちらを仕留めるって魂胆だったのかよ!」

 

「切歌!?調!?」

 

そこに到着した切歌と調の攻撃をミラアルクは交わしてアルカノイズを出現させる

 

「湊ギアも完全聖遺物を使わないで敵と居るなんて湊らしくない」

 

「…元々戦う気はなかったからな…仕方ないか。ルナ戦闘を始める合流しろ」

 

『るる』

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺はルナに俺達と合流する様に指示を出してから俺はカマエルを纏う

 

「私達はアルカノイズを湊は錬金術師を」

 

「ガツンとどでかいのを決めてやるデス!」

 

「わかった!「ご主人」来たか行くぞルナ」

 

俺はアルカノイズを切歌と調に任せてミラアルクとエルザを追いかける

 

〜エルザside〜

 

「やられたぜ。こっちを油断させて2人まとめて仕留めようって魂胆だったのか」

 

「それは違うでありますミラアルク、あの2人が来た時に彼奴の表情を確認したでありますが少し困惑していたであります」

 

わたくしを抱えながらビルを転々とするミラアルクにわたくしはそう言う

 

「それにそうであればわたくしにHRソイル式の輸血パックは渡さないであります」

 

「エルザ…向こうはそうでもないみたいだぜ」

 

ミラアルクの視線の先にはわたくし達を追いかけて来る彼奴らの姿があった

 

「そうでありますね、あれは…」

 

獣人の手に握られていたのはわたくしのアタッシュケースだった

 

「…やっぱりわからないであります」

 

捕らえた敵であるわたくしを拘束もしないその上今度は一度奪ったわたくしのアタッシュケースを持って来ている。本当に彼奴の思考がわからないであります

 

「はぁはぁ、そろそろ逃げるのもキツくなって来たぜ」

 

「ミラアルク…隙を見てわたくしもアタッシュケースを取り返して加勢するであります」

 

「ああ、頼りにしてるぜエルザ」

 

「ガンス」

 

わたくしはミラアルクにそう言って次のビルで足を止めて貰った

 

〜エルザside out〜

 

「たく、ちょこまか逃げ回りやがって」

 

俺はそう言ってミラアルク達が足を止めたビルに降りる

 

「うちらにはうちらのやり方があるんだぜ」

 

ミラアルクはそう言って腕を巨大化させて突進して来る

 

「学習しない奴だな…何だ?」

 

突如辺りの電気が消えた

 

「ご主人何か来る」

 

「わかってる!」

 

俺とルナは向かって来るワイヤーの付いた腕を交わす

 

「付近一帯のシステムをダウンさせました。早くしないと病院には命に関わる人も少なくないでしょうね」

 

そう言いながら1人の女性がビルの上に降りて来る

 

「来てくれたのかヴァネッサ!3人が揃った今最大実力で…」

 

そう言い切ろうとした所でミラアルクが膝をつく

 

「それはまた次の機会に、消耗の激しいミラアルクちゃんとエルザちゃんに無理はさせられません。ねえ坊や達、私と取引をしない?そのアタッシュケースそれとRHソイル式をエルザちゃん達に渡すなら今回は引いてあげても良いわよ?」

 

「別に引いて来れなくても良いぞ?俺としてもお前達に聞きたい事が山程あるからな、と言いたい所だが今回はこっちの奴がしゃしゃり出たせいで戦闘になったんだ。アタッシュケースは返してやる」

 

俺はそう言ってルナからアタッシュケースを受け取りエルザに渡すとエルザは即座に中身を確認する

 

「確かに受け取ったであります。中にも不審な物は入っていないであります」

 

「出来ればRHソイル式も返して欲しい所ではあるけどそれは高望みね。私達はノーブルレットきっとまたお目に掛かりましょう」

 

ヴァネッサはそう言って見慣れた結晶を地面に落として姿を消した

 

「切歌、調悪い逃げられた」

 

『湊丁度良かったです!こっちを手伝って欲しいデスよ!』

 

「わかった直ぐ今戻る」

 

俺はそう言って切歌達と別れた病院に向かった




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199話

「新たな敵パヴァリア光明結社の残党ノーブルレットか、その狙いは一体」

 

翌日俺達は本部で作戦会議を行なっていた

 

「彼奴らが持ってるRHソイル式の全血清剤は俺が全て回収したが渡してる張本人を何とかしない限りRHソイル式の全血清剤は彼奴らの手に渡るだろうな」

 

「ちょっと待ってくれ、彼女達のRHソイル式の全血清剤は君が回収したのか?」

 

「ああ、話して無かったな」

 

俺は一昨日エルザを拐い返す条件として所持するRHソイル式の全血清剤を全て渡す様に指示した事をおっさん達に話した

 

「えっと…それじゃあ昨日のあれは…」

 

「ただエルザと引き換えにミラアルクの奴にRHソイル式の全血清剤を渡して貰ってた所にお前達が乱入、無駄な戦闘を行ったってだけだな」

 

俺がそう言うと切歌と調は罰の悪い顔をする

 

「確かに湊君の言った通りだ。君が向かったアジトの方はどうなっていた?」

 

「俺にバレた後移動したんだろうな、今朝ルナに行って貰ったら誰も居なかったらしい」

 

まあ発信器は付いたままだから何処に居るかは見当が付いてるが

 

「しっかし残党相手にこうも苦戦を強いられるとは思っても見なかったな」

 

確かにサンジェルマン達の方が確実に強かったが切歌達はそれでも苦戦を強いられている

 

「確かに、幹部級3人の方がよっぽど強かったなのに何故」

 

「なりふり構わないやり方に惑わされただけデスとも」

 

「だよね、サンジェルマンさん達の思いが宿ったこのギアで負けるなんてあり得ない「だと良いがな」え?」

 

「響…力を過信し過ぎるのはよせ、例えサンジェルマン達の思いが宿って居たとしても、それを使うお前が弱ければ宝の持ち腐れだ」

 

そう言って俺が歩き出すと翼も歩き出した

 

「ちょっと2人共何処に行くの」

 

「鍛錬場だ。相手がてれんてくだを用いるのならそれを突き崩すだけの技を磨けば良いだけの事」

 

「帰るんだ。此処に居ても何の意味がないからな」

 

そう言って翼は訓練場に俺はマンションに戻った

 

「ただいま」

 

「ご主人遅かった」

 

「パパお帰り!!」

 

俺が帰るとぐったりして居るルナと引き換えに元気な葉月が居た

 

「悪いなルナ、葉月の世話任せて」

 

「るる、ご主人に膝枕して貰った上に撫でて貰ってるから問題ない。それに私も動くのは好きだから」

 

午前授業になった葉月が学校から帰って来るのは昼過ぎそれからずっと葉月の相手をしてくれて居た

 

「ルナお姉ちゃん遊ぼう!」

 

「るる♪」

 

葉月がそう言うとルナは立ち上がる

 

「ルナ晩ご飯何が良い?」

 

「ハンバーグ、ご主人のハンバーグは絶品「ルナお姉ちゃん早く!」今行く」

 

ルナはそう言って葉月の部屋に向かって行った

 

「そうだすっかり忘れてた」

 

俺は昨日連絡しようと思って忘れてたユノアに通信を繋ぐ

 

『やあ、珍しいね湊君から通信を繋ぐなんてどうかしたのかい?』

 

「RHソイル式の全血清剤が手に入ったからそっちに送ろうと思って居るんだがまだ必要か?」

 

『ああ、しかし君には本当に頭が上がらないね。確かにRHソイル式は人間では稀血だが獣人では特別そうでは無いからね』

 

そうRHソイル式は人間では確かに稀血ではあるが獣人の中では特別稀血と言う訳では無い、その為治療や点滴を行う為にもRHソイル式がどうしても必要になる。俺がミラアルクにRHソイル式を条件にエルザを返すと言ったのもそこが大きい

 

『早速輸送便を君のマンションの屋上に飛ばそう。他に何か僕に出来ることはないかな?』

 

出来る事か…だったら

 

「なら、もしもの時俺達S.O.N.Gの後ろ盾になってくれ」

 

『わかった。君達に何かあった場合は僕達フランスがS.O.N.Gの後ろ盾になろう。これで良いかな?』

 

ユノアはそう言って俺に1枚の用紙を見せる

 

「ああ、ありがとなユノア」

 

『何これくらい構わないさ、それじゃあ明日の朝ルナちゃんに手渡そう』

 

「わかった、ルナにもその事を伝えておく」

 

俺はそう言ってユノアとの通信を切った




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200話

「行くぞルナ…」

 

「るる「パパ?ルナお姉ちゃん?」ご主人葉月が起きた」

 

ミラアルクとエルザに仕掛けた発信器が一点に集まったのでそこに向かおうとすると葉月が起きて来た

 

「葉月、俺とルナはこれから大事な用事がある。此処で待って居てくれ」

 

「葉月も行く…」

 

葉月はそう言うが戦場に葉月を連れて行く訳にはいかない

 

「ご主人私は此処に残るだからご主人だけで行って」

 

「ルナ…葉月ルナが居れば我慢出来るか?」

 

「うん…パパ早く帰って来てね…」

 

俺は葉月の言葉に頷き発信器が反応する場所に向かった

 

「彼処か…あれは…」

 

俺が発信器が反応する場所に着くと既に響達が来て居た

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺はカマエルを纏いエルザ達の捜索を始める

 

「見つけた…」

 

エルザ達の捜索を始めて直ぐに岩場からエルザ達が降りて来たが何かを始めようとして居る

 

「行くぜ!!」

 

ミラアルクがそう言うと上空に複数の立方体が出現し響達を囲う様にして落下して行く

 

「させっかよ!!」

 

「此奴も持ってけ…」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

《紅炎華》

 

俺はクリスとは別の立方体に攻撃するがまるで効いて居ない

 

「そう…アレカシイ」

 

ヴァネッサの言葉で立方体が一斉に落ち響達を覆い尽くすと宙に浮き巨大なピラミッドになった

 

「名称ダイダロスの真髄を此処に怪物が蠢くは迷宮、神話や伝承果ては天田の創作物による石像認識にはそうあるかしと引き起こした事象の改変、哲学兵装」

 

「怪物と蔑まれたわたくしめら3人が生成する全長38万kを超える迷宮は捕らえた獲物を逃がさないであります」

 

「それだけじゃないんだぜ!!」

 

ヴァネッサ達が力を込めるとピラミッドが光出す。そろそろやるか

 

「上手く作動してくれよ…」

 

俺はエルザとミラアルクの発信器に電流を流す

 

「くっ!何でありますか…体が痺れて…」

 

「エルザ!?こっちも…何なんだぜ「如何やら効いてるみたいだな」お前は!うちらに何をしやがった!!」

 

「発信器を取り付けさせて貰った。その発信器は1日もすれば皮膚に張り付いて俺が解除をする以外に取り外し方法は無いって代物だ」

 

俺がそう言うとエルザは俺が自分を捕らえた理由を理解したらしい

 

「まさかわたくしを捕らえ1日稼いだ理由はわたくし達の発信器を確実に取り付ける為に」

 

「察しが良いな」

 

俺がそう言って電流の強さを上げる

 

「エルザちゃん!」

 

「大丈夫であります…」

 

エルザの片膝が地面に付くとピラミッドの形が一瞬歪む。どうやらかなり意識を集中させる必要があるみたいだな。それが分かれば

 

「そらよ!!」

 

《紅炎華》

 

俺はミラアルクに向けて無数の炎の矢を放つ

 

「はぁはぁ…これくらいどって事無いぜ」

 

そう言いながらもミラアルクは苦しそうな表情を浮かべる

 

「いつまで持つか気になる所だな、イグナイトモジュール抜剣」

 

俺はカマエルをイグナイトモードに移行させる

 

「仕方ないわね、エルザちゃんミラアルクちゃん辛いだろうけど最大質力で迷宮ごと吹き飛ばすわよ」

 

「「ああ(ガンス)」」

 

「俺の攻撃がお前達に届くのが先か、お前達がピラミッドの迷宮を吹き飛ばすのが先かだな」

 

俺も上空に飛んでヴァネッサに向けてカマエルの最大質力を放つ準備をする

 

「後少しだぜ…」

 

「この威力なら…「一足遅かったみたいだな…」ぐっ!エルザちゃんとミラアルクちゃんの努力は無駄にはしない!」

 

ヴァネッサはそう言って俺の攻撃を受けながらも力を込め続けピラミッドを爆発させるのと同時に吹き飛ばされる

 

「如何なった…「だとしても!!」如何やら無事の様だな」

 

土煙が晴れるとそこには黄金のバリアフィールドに身を包む響が居た

 

「無事だった様だなお前ら」

 

「湊来てたなら助けてくれても良かったじゃ無いデスか」

 

「悪いな、此処からは俺も参戦する」

 

切歌の言葉に俺はそう返しギアを解除してレーヴァテインを取り出す

 

「お前達は行けそうか?」

 

「ちっとばかしキツそうだな」

 

「ああ此処は立花と湊に任せよう」

 

「そうね」

 

マリア達はそう言ってギアを解除する

 

「さて、やれるか響」

 

「勿論!!」

 

響はそう言ってミラアルクに向けて突っ込んで行く

 

「なら俺の相手は必然的に」

 

「わたくしになると言う訳であります!!」

 

そう言ってエルザは俺の後ろを取り攻撃を仕掛けてくる

 

「甘え」

 

「わたくしだって!「そこに居ると危ないぞ」な!」ドンッ

 

エルザの下で設置した爆弾が爆発する

 

「これは煙幕弾「それだけじゃないんだよな」3人…」

 

煙が晴れたエルザには俺が3人に見えてるだろうな

 

「まさか幻覚を見せる効果もあったでありますか…ですがこんな所で諦める訳にはいかないであります!!」

 

エルザは別の尻尾を接続させて自身の身を包み回転させながら向かって来る

 

「前にも言わなかったか?動きが単調だって!!」

 

俺はエルザを包む尻尾の先端ごと叩き切りエルザを吹き飛ばし追撃を行う

 

「体勢を…」

 

エルザは何とか体勢を立て直そうとするが

 

「これまでだな」

 

《炎柱》

 

エルザを切り裂くと地面から火柱が上がりエルザを包み込んだ

 

「俺に負けてから何も学習してなかったんだな…お前」

 

「エルザー!!」

 

ヴァネッサに響を任せたのかミラアルクがエルザを呼びながら突っ込んでくる

 

「来ては…ダメであります…ミラアルク…」

 

「何言って…やがる…」

 

エルザにそう言われてミラアルクは初めて自分の羽が斬り落とされて居る事に気づく

 

「お前も全くと言って良いほど成長してないな」

 

俺はそう言ってミラアルクの喉元に剣を向ける

 

『辞めろ湊君、現時刻をもって装者全員の作戦行動を中止とする。日本政府からの通達だ』

 

日本政府からの通達か

 

「俺は作戦行動で来た訳じゃないんだが?」

 

『日本政府からの指示だ。特に君には必ず来る様にとの事だ』

 

それだと響達は来なくて良いみたいな言い方だな

 

「わかった」

 

俺はレーヴァテインを小型通信機に仕舞う

 

「エルザちゃん!!ミラアルクちゃん!!」

 

「すまないであります…ヴァネッサ」

 

「うちもすまないぜ」

 

駆けつけたヴァネッサは謝罪をするエルザとミラアルクを抱えて飛んで行った




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201話

「まさか本当に…」

 

「本部が制圧されるなんて」

 

「たく、何で俺まで」

 

ヴァネッサ達が去った後俺達は本部にて日本政府の代表と会っていた

 

「制圧とは不躾な言葉を知らないのか」

 

「護国災害保険法第6条、日本政府は日本国内におけるあらゆる特異災害に対して優先的に介入する事ができるだったか?」

 

おっさんがそう言うと男は一枚の用紙を取り出す

 

「そうだ、我々が日本政府の代表としてS.O.N.G.に査察を申し込んでいる。威力による制圧と同じに扱ってもらっては困る。世論がザワッとしてしまうから本当に困る」

 

俺にはどう見ても同じに見えるんだが

 

「国連直轄の特殊部隊が野放しに威力行使出来るのはあらかじめその詳細を開示し日本政府に認可されて居る部分が大きい違うかな?」

 

「違わないだが、故に我々は前年に正式な手続きの元…」

 

おっさんの話を男は止める

 

「先程見させて貰った武装、開示資料にて見かけた事がないのだが「それはおかしな話だな」何?」

 

「その資料は俺が日本政府に開示した筈だが?なんならその証拠もある」

 

俺はモニターにその開示資料を映し出す

 

「ふん!ガキの資料に目を通す程我々も暇では無いのでね」

 

「だが資料を作成しそちらに開示したのもまた事実。お前らの勝手な解釈に巻き込まないでくれ」

 

俺がそう言うと男は苛立った顔で俺に詰め寄って来る

 

「良いかよく聞けよガキ…」

 

「悪いなテメエらのバカげた行動で獲物を仕留め損なってムシャクシャしてんだ。それよりお前らが俺に言いたい要件を早く話せ」

 

俺はそう言って男にレーヴァテインを突きつける

 

「そうか貴様が雪音湊か…何故我々日本政府に神の力の結晶体の情報を提示しない」

 

そんな事もわからないのか

 

「何故か?そんなの俺が日本政府を信用して無いからに決まってんだろ。俺の解析した情報は俺が信用してる国にしか渡さない事にして居る。それにお前はさっきこう言わなかったか?ガキの資料に目を通す程暇では無いと」

 

「チッ!まあ良い、後ろ暗座を抱えて無ければ素直に査察を受け入れて貰いましょうか?」

 

「…良いだろうただし条件がある。装者の自由とギアコンバーターの急行許可今は戦場故不測の事態の備えくらいはさせて貰う」

 

おっさんは少し考えた後代表男にそう言う

 

「折り合いの付け所か…ただしあの不明武装に関しては認可が下りるまで使用禁止とさせて貰おう」

 

「勝手にしろ」

 

「では勝手を開始する。雪音湊我々と共に来て貰おうか」

 

男はそう言って俺の元に来る

 

「俺は弱い相手にのこのこ付いて行くアホじゃ無い。指示に従わせたければ権力では無く実力で俺を納得でもさせれば如何だ?」

 

男は実力で勝てない事を理解しているのかその後は何も言わずに査察を開始した




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202話

「一部を除く関係者に特別警戒待機って」

 

「物は言いようって奴だ、とどのつまりは査察の邪魔をするなって事だろ」

 

「ますます持って気に入らない。それにしても湊があの男にレーヴァテインを向けた時は流石に冷や汗をかいたわ」

 

マリアはそう言って隣にいる俺を見る

 

「日本政府の代表だから本気で殺す訳じゃ無いけどな」

 

「その言い方だとそうじゃ無ければ殺してるって事だよね」

 

響は苦笑いをしてそう言う

 

「だがそれが正式な申し入れであるならば私達に拒否権がないのも文民統制の側策だ」

 

「休息を取るのは悪い事じゃないだろうけど」

 

「だからってはしゃぐ様なお気楽物は此処には誰一人居ないのデス」

 

ならお前が手に持ってる冬旅行の本は何なんだろうな

 

「それじゃあ切ちゃんその冬旅行の本は?」

 

調も同じ事を思ったのか切歌にそう聞く

 

「これはデスね…そう偶々そこにあったんデスよ。決して最近湊と出かけられたなくて調に隠れて湊と2人だけで出掛けようだなんて…」

 

切歌…必死に誤魔化そうとしてるつもりなんだろうが思ってる事だだ漏れだぞ

 

「切ちゃん…抜け駆け禁止」

 

「そう言うなら調だって!!この間私を置いて2人だけで出掛けてたじゃ無いデスか!」

 

「!?あれはただの買い物で他意は…」

 

ああ、この間切歌を置いて買い物に行った時の話か

 

「ほんとにただの買い物だぞ?帰りにゲーセンにちょっと寄っただけで」

 

「湊それ言っちゃ」

 

「ほら!調だけ湊とゲームセンターに行くなんてずるいデスよ!私には何も言わずに出掛けたデス!!」

 

そこから切歌と調が言い合いを始めた

 

「えっと…あ!エルフナインちゃんはお休みはいつも何してるの?」

 

「お休みの日は気晴らししてます。少し前までならダイレクトフィードバックシステムを応用して脳領域の思い出を記録された電気信号と見立てる事で「わあ!今は辞めて止めて辞めて止めて!それは気晴らしじゃなくて割としっかり目のお仕事だよ多分!あれ?でも少し前までならって」はい、最近は葉月さんとお買い物に行ったりお散歩をしたりしています」

 

前に休みの日に本部に来た時にエルフナインがかなりしっかり目の仕事をしてたから葉月と出掛ける事を勧めたんだがそれはまだ続いてるらしい

 

「それじゃあ明日も葉月ちゃんと?」

 

「いえ、葉月さんにはまだ連絡もしてませんし湊さんが以前おっしゃっていた一般人でも扱える対ノイズ用の武器の作成のお手伝いをしようと思って居るのですが大丈夫でしょうか?」

 

「エルフナイン、それも気晴らしとは少し違う気がするんだが…まあ俺も人の事は言えないがな。俺も同じ事考えてたし」

 

「待ちなさい湊、一般人でも扱える対ノイズ用の武器ってどう言う事?」

 

俺とエルフナインだけで話が進みそうだったのかマリアが説明を求める

 

「湊さんが4年前より開発に勤しんで居た位相差障壁をプログラムに寄って変換させた武器なのですが中々進んで居なかったそう何です。そこで僕は錬金術を組み込む事を提案したんです」

 

マリアとクリスは何とか理解出来たみたいだが切歌と調と響は理解が追いついていない

 

「今はエルフナインの提案のお陰である程度形になったって段階だな」

 

「僕はただ提案をしただけで何もお手伝いは出来なくて」

 

「これまで中々進まなかった物がある程度形になったんだ。協力してくれてるだけで充分だ」

 

「はい!それでレパートリーは?」

 

俺はデータをパソコンに送り表示する

 

「今の所は槍と剣、短剣の3つだ。拳銃ってのも考えたんだがそれだと弾丸に変わる何かが必要となる。そうなるとその分コストが高くなる」

 

「確かにそうですね…位相差障壁その物をぶつけると言う訳にはいかないんですか?」

 

「位相差障壁その物をぶつけるか…それは考えた事なかったな…少し試してみる価値はありそうだな…」

 

「あの…僕に出来る事があるならいつでも言って下さい。僕での良ければ力を貸します「あの〜お2人共」何ですか響さん?」

 

響が苦笑いをしながら俺とエルフナインを見る

 

「それも気晴らしとは少し違う気がするだけど…」

 

「そういや気晴らしの話だったな…この話はまた今度だな。彼奴らに聞かれるのも釈迦だ」

 

「そうね、そんな物の存在があんな奴らに知られれば何をして来るか分からないものね」

 

「だったら暇つぶしに打ってつけな奴にくっ付いて休日過ごしな」

 

クリスがそう言うと全員が響を見る

 

「ええ!?打ってつけって私!?」

 

「お前以上の適任者は居ないと思うぞ?」

 

「えへへ、そうかな…あれ?私今褒められたのかな?」

 

本当に響って馬鹿なんだな

 

「ああ褒めてるぞ響」

 

「良かった!」

 

本当に扱いやすい奴だな

 

「今日はこの辺りで解散にしましょう」

 

「そうだな」

 

暫く雑談をした後解散となり俺達はマンションに帰った




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203話

翌日俺はルナに街の案内を頼まれたので町を案内をし今はファミレスに来て居る。その際切歌と調も一緒に行くと言って居たがルナがそれを拒否した

 

「ん…ご主人これ凄く美味しい」

 

「そうか「パパ〜!」葉月お前こんな所で何してんだ?」

 

俺の元に走って来たのは響やエルフナイン達と遊びに行ってる葉月だった

 

「葉月ちゃん!急に走っちゃ危ないよ。あ!湊君!それで葉月ちゃん走って行ったんだ」

 

「何をして居る立花、湊?どうしたんだこんな所で?それに一緒に居るのは」

 

「翼は直接会うのは初めてだな。ルナ挨拶しろ」

 

俺がそう言うとルナはパンケーキを食べるの手を止める

 

「るる、ルナよろしく」

 

「風鳴翼だよろしく頼むルナ」

 

ルナと翼はそう言って互いに握手を交わす

 

「それで湊はどうしてルナちゃんと?切歌ちゃんと調ちゃんは一緒じゃ無いの?」

 

「ああ、ルナに街の案内頼まれたんだ。切歌と調も一緒に行くって言ってたんだがルナが断ってな、俺だけで案内する事になったんだ」

 

俺は響達と相席をする事にして響とエルフナインと葉月がパンケーキを食べ終えるのを待って居る

 

「にしても意外だな。今の翼なら剣の技を磨くと思ったんだがな」

 

「私もそのつもりだったのだが、鍛錬場の使用は控える様にと言われたのを思い出してな。そんな時に立花からの申し出があったので私もその申し出を受けたんだ」

 

鍛錬場まで使えないのか

 

「葉月口の周りが生クリームだらけだぞ、誰も取ったりしないから落ち着いて食え」

 

そう言って俺は葉月の口周りに付いた生クリームを拭き取る

 

「ほら響もだよ」

 

「ありがとう未来、今度はどこ行こっかな…そうだ湊君も一緒に行こうよ!」

 

「俺は別に良いが、ルナは大丈夫か?」

 

「るる、大丈夫」

 

ルナは俺の言葉に頷いてそう返す

 

「エルフナインちゃんもう良いかな?」

 

「はい、大丈夫です」

 

「ルナちゃんも大丈夫?」

 

「るる、大丈夫」

 

次に俺達は服を見に来て居てエルフナインとルナが試着をして居る

 

「エルフナインちゃん似合ってるよ!翼さんもそう思いますよね!」

 

「ああ、よく似合って居る」

 

「ルナちゃんも似合ってるね、湊はどう思う?」

 

「そこで俺に振るのか?」

 

未来にそう聞かれるので俺もルナの服装を見る。

 

「ご主人どう?」

 

「似合ってると思うぞルナ」

 

「るる♪ご主人にそう言って貰えると嬉しい」

 

ルナは嬉しそうに笑ってそう言う

 

「ほらエルフナインちゃんきっと湊君もほめてくれるよ」

 

「ひっ響さん湊さんには…」

 

響はそう言ってエルフナインを更衣室から引っ張り出す

 

「ど…どうでしょうか?」

 

「似合ってるんじゃないか?」

 

「そうですか…」

 

エルフナインはそう言うとほっと安心した顔をする

 

「それじゃあ次は葉月ちゃんと湊の番だね」

 

「うん!パパが一緒に選んでくれたの!」

 

そう俺と葉月は一緒に選び何故か俺の分は葉月が選んだ

 

「湊君開けても良いかな?」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

俺がそう言うと響は試着室のカーテンを開ける

 

「パパかっこいい!!」

 

「ああ、よく似合って居る」

 

「葉月ちゃんセンスあるね」

 

「いやぁ、人って服装1つで此処まで変わる物なんだね」

 

響の発言は兎も角別に悪い訳じゃないらしい

 

「どうかしたかエルフナイン?」

 

「いっいえ、とてもお似合いでしたので…」

 

「エルフナインちゃん…もしかして湊君に見惚れてた?」

 

「はい…少し…」

 

エルフナインはそう言って顔を赤くする。見惚れてたのは否定しないんだな

 

「それじゃあ次行こう!!」

 

会計を済ませた後響はそう言って歩き出した




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204話

〜響side〜

 

「ねえ響何がどうなってるの?」

 

「おっかしいな、最近しょげてる翼さんを一緒に盛り上げるつもりだったのに」

 

「湊は湊で何かに熱中してるし」

 

服を選び終えた後カラオケに来たのは良かったんだけど翼さんはまだしょげたままな上湊君はパソコンと睨めっこをして居る

 

「済まない、突然予定が空いたが故立花の申し出を受けてはみたが、私に余裕がないのだろうな。今は歌を楽しむよりも防人の技前を磨くべきだと心が早る。焦るのだ」

 

「翼さん…」

 

「あの日以来震えが止まらない。弱き人を守れなかった自分の無力さに、全ては自分のせいなのだと…湊が仲間を集めてくれていなければもっと多くの犠牲者が出ていただろう」

 

「かも知れないな」

 

そこに今までパソコンと睨めっこしていた湊君はパソコンを閉じて翼さんの目を見てそう言った

 

〜響side out〜

 

「湊…」

 

「確かにお前とマリアだけじゃあ犠牲者を1人になんて出来なかっただろうな。だがそれでもお前に助けられた奴も居る。それと響流石に勝手過ぎるんじゃないか?」

 

「え?そうかな?「そうだよ!響は勝手過ぎるよ!!」何もそんな言い方しなくても」

 

俺の言葉を肯定するかの様に未来がそう言う

 

「ちょっと待てどうして2人が…」

 

翼が2人を止めようとするが響も未来も言い合いが止まらない

 

「翼さんの事私にも相談してくれたって良かったじゃない!それにもっと別の方法だって!」

 

「私だって私なりに考えて」

 

まだわからないのかこのバカは

 

「お前なりにじゃない!俺は翼の事も考えたのかって聞いてんだ!!」

 

「そうだよ!響の言い方だと翼さんの事全然考えてないよ!!」

 

「それじゃあ2人は翼さんの気持ちがわかるの!!「少なくともご主人はわかってると思う」ルナちゃん?」

 

響の言葉にルナがそう返す

 

「シンフォギアの軍事兵器化実験、その犠牲者は私とご主人の知ってる中でも2万人以上の犠牲者が出ている。少なくともご主人は貴方以上に翼さんの気持ちがわかってると思う。それ以外にもご主人は「ルナそれ以上は言うな」わかった」

 

俺がそう言うとルナは話すのを辞めた

 

「私もわかるよ、だって私ずっと自分がライブに誘ったせいで大好きな人を危険な目に合わせたと後悔して来た。それからずっと危険な目に合わせて居る自分を許さずに居るんだよ」

 

「シンフォギアの軍事兵器化実験の事だけじゃない。セレナが死んだあの時もっと俺に力があればって…ネフィリムの攻撃を受けて気絶しなければって…ずっと自分を許さずに居るってのは俺も未来と一緒だ…」

 

「…ごめんて言葉ずっと隠して来た…それがきっとその人の事を困らせてしまうと分かっていたから…」

 

「未来…湊君…」

 

響が何か言おうとした時に響の携帯が鳴る

 

「響です。翼さんとエルフナインちゃんそれから湊君も一緒です。どちら様ですか!?」

 

電話の相手に響がそう問いかける

 

「代われ響、湊です。査察官の方ですね?」

 

『はい、第32区域にアルカノイズの反応を検知現在当該箇所より最も近くに位置するSG-01とSG-03は直ちに現場へと急行し対処を駆逐せよ』

 

俺は何もしなくて要するに俺はじっとしてろって事か

 

「分かりました。2人にそう伝えます」

 

俺はそう言って電話を切った

 

「湊状況は!?」

 

「この近くにアルカノイズが出たらしい。響と翼は現場に急行だ。俺には何の指示も出てないし未来とエルフナインと葉月を連れて安全な場所に避難する。ルナお前はアルカノイズを出現させて居る錬金術師を探せ」

 

「わかった、未来…また後で」

 

「うん…響も気をつけてね」

 

「るる、了解ご主人」

 

そう言って響と翼はアルカノイズを倒しにルナはアルカノイズを出現させて居る錬金術師を探しに、俺達は安全な場所に避難しに向かった




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205話

「湊安全な場所に避難するのは良いけど何処に」

 

「俺に考えがある。人目に着きやすい場所では出来ない事だ。この辺りで良いか…」

 

俺は未来とエルフナインと葉月の3人を連れて路地裏に入り廃ビルの中に入る

 

「葉月少しだけで良い目を瞑ってろ」

 

「うん…」

 

俺がそう言うと葉月は目を瞑りそのタイミングで俺は未来に向き直る

 

「未来何でも良い目を閉じて小さな動物を思い浮かべろ。それが終わったら直ぐに鞄に隠れろ」

 

「何をするつもり?」

 

「一先ずは俺の指示に従ってくれ、俺の予想が正しければこれは誘導で狙われてるのはお前とエルフナインだ」

 

恐らく彼奴らの狙いはS.O.N.G.の錬金術によるバックアップスタッフであるエルフナインか神の力の依代と仮説されて居る未来のどちらか或いは両方だ

 

「わかった、湊を信じる」

 

「ありがとな未来」

 

俺が礼を言うと未来は目を瞑り俺は未来の手を握る

 

「湊さん一体何を「訳は後で話す。だから今は話しかけないでくれ」はい…」

 

俺がそう言うとエルフナインは何も話さなくなった

 

(未来が思い描いて居るのは猫か…)

 

俺は未来の手を握りながらそんな事を考える

 

「もう目を開けて大丈夫だぞ葉月」

 

「うん…猫さんだ!」

 

葉月はそう言って俺の目の前に居た猫を抱きしめる

 

「葉月、此処からなら家も近いお前は先に家に帰ってろ。俺も直ぐに帰る」

 

「うん…パパ猫さん連れて帰っても良い?」

 

「ああ、それと葉月未来の奴鞄忘れて帰っちまったみたいなんだ。だから俺より先に未来に会ったら渡しといてくれ」

 

「わかった」

 

俺がそう言うと葉月は未来の鞄を手に待ち猫を抱えてマンションに走って行った

 

「湊さん先程のは一体…」

 

「少し待ってくれエルフナイン」

 

俺はそう言って自分の見た目をある人物に変える

 

「これは…」

 

「どうだエルフナインどっからどう見ても未来だろ」

 

「はい…ですが…」

 

「わかってる、どうしてこんな事が出来るのかだろ?これは切歌達にも言ってないんだ。あまり他言無用で頼むぞ」

 

俺がそう言うとエルフナインは頷く

 

「シンフォギア の軍事兵器化実験の事は前に話したよな?」

 

「はい、英国で行われた実験でしたよね?」

 

「当時そこでは同時進行で生物兵器を生み出そうとしてたんだ」

 

俺の言葉にエルフナインは驚く

 

「そんな…生物兵器だなんて…」

 

「その生物兵器の実験体となったのが俺だ。当時はあくまで生物兵器を生み出すのが目的だったからこんな形で現れるなんて思っても見なかっただろうな。その実験で俺が手にしたのは自分及び自分の親しい人の姿を自由に変えられるって言う微妙な物だったんだがな。だがそいつらはそれだけじゃ飽き足らず2度目の実験を行ったその結果。本当の生物兵器が出来ちまったんだよ」

 

「と言いますと?」

 

「全ての聖遺物に適合しその力を自在に操れる人間だ」

 

俺の言葉にエルフナインは先程よりも驚いた顔をする

 

「そんな…全ての聖遺物に適合してその力を自在に操るなんて…」

 

「信じ難い話だろうが事実だ。お前は不思議に思わなかったのか?いくらキャロルが男でも使えるようにしたとは言えどうしてあんなにもすんなり適合して纏えたのか?」

 

「それじゃあカマエルのイグナイトモジュールの負担が少ないのも!」

 

「ああ、俺がダインスレイヴに干渉してその力を抑えて居たんだ」

 

俺がそう言うとエルフナインは納得した顔をする

 

「分かりました。それより未来さんはいつ元に戻るんですか?」

 

「誰かがあれを未来だと気づき始めたら元の姿に戻る」

 

「そうですか…「見つけたぜ!」逃げましょうみな…未来さん!」

 

「お…うん、エルフナインちゃん」

 

俺は一瞬いつもの様に変えそうとしたが見た目が未来なのを思い出してそう言い直してエルフナインとミラアルクから逃げる

 

「それ」

 

「ちっ!煙幕弾か面倒だぜ」

 

俺は逃げてる途中で煙幕弾を使ってミラアルクの視界を塞ぎより遠くに逃げる

 

「わあ!」

 

「エルフナインちゃん大丈夫?「エルフナインってのはそっちの鈍臭い奴だろ?それでもちょこまかと逃げ回ってくれたもんだぜ」友達には手を出させない」

 

逃げてる途中にエルフナインが転んでしまいそれに気を取られて居るうちに追い付かれた

 

「ダメです「クフフ、こうも簡単にお前を本部の外に連れ出せるとはな」何で貴方が…」

 

ミラアルクの来た後ろの物陰から出て来たのは昨日の日本政府代理で本部に来た奴だった

 

「確保を命じられたのはエルフナインただ1人…さてあんたの扱いをうち1人じゃ決めあぐねるぜ…ヴァネッサ?」

 

ミラアルクはそう言って此処に居ないヴァネッサと話し始める。さて未来ならこう言う時は

 

「逃げてエルフナインちゃん」

 

「未来さんいけません」

 

「ああ…了解したぜ、悪く思わないで欲しいぜ」

 

ミラアルクはそう言って爪を伸ばす

 

「未来さん逃げて下さい!!」

 

エルフナインがそう言った途端にミラアルクは隣に居た男の首の動脈を切って辺り一帯に血が舞う。

 

(さて…俺は血は見慣れてるが一般人である未来は一体どんな反応を見せるんだ?取り敢えず気絶したフリでもしてりゃ良いのか?俺が初めて血を見た時は確か…ああ…気絶したフリしてれば良いのか)

 

色々考えた結果その考えに至った俺は地面に倒れ気絶したフリを暫くして居ると誰かに持ち上げられる感覚があったのでそのまま気絶したフリを続けた




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206話

「帰ったぜエルザ」

 

「戻ったでありますか!?ミラアルク今すぐそいつから離れるであります!」

 

流石に獣人にはバレるか…

 

「何言ってんだぜエルザ此奴に何が出来るって「これでもかミラアルク」テメエは!!」

 

俺は自分の容姿を元に戻しそう言うとミラアルクは俺を投げ捨てる

 

「いつの間に!」

 

「最初からだ「何だ騒がしいな…」何で…何でテメエがこんな所に居やがる!!」

 

俺は奥から帰って来た男に対してそう言う

 

「あ?テメエは…クハハ!良いね最高だね!!これぞ感動の再会って奴かよおい!テメエもそう思わねえか湊よお」

 

「ちっとも思わねえよ!!」

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺はそう言って聖詠を行い男に突っ込んで行く

 

「やれやれ…学習しない奴には本当に苦労させられるぜ」

 

男はそう言って左の義手で俺を殴るとカマエルが解除される

 

「かは…」

 

「おいおい、忘れちゃ居ねえか?俺の義手には聖遺物を無力化する特殊な義手だってことをよお」

 

「忘れっかよ… アラン・リヴィアス、シンフォギア軍事兵器化実験の立案者そして俺を生物兵器に仕立て上げたクソ学者の事を…」

 

髪を掴みながらそう聞くアランに俺はそう返す

 

「チッ!此奴はもう一度教える必要があるな…どちらが上かって事をな!「辞めるであります」あ?」

 

「彼は手違いとは言え神の力を有する者には間違いが無いであります。丁重に扱う必要があるであります」

 

「そうは言ってもエルザの嬢ちゃんよ此奴はこんくらいしねぇと大人しくしないんだよな」

 

アランはそう言って俺を地面に押さえ込む

 

「その事も問題ないであります。こんな事もあろうかと密かに入手したこれがあるであります」

 

エルザはそう言って一本の杖を取り出す

 

「アステカの杖…だがそいつは確か…」

 

「米国に渡した筈って言いたいんだろ、けど残念米国に着く前にうちらノーブルレットが強奪したんだぜ」

 

ミラアルクがそう言うとエルザがアステカの杖を持って俺に近づいて来る

 

「悪く思わないで欲しいであります」

 

エルザはそう言ってアステカの杖を起動させた

 

〜未来side〜

 

(どうなるんだろう私…)

 

「猫さん遊ぼう」

 

私は湊に猫の姿にさせられそのまま葉月ちゃんに湊の住んでるマンションに連れて行かれた

 

『葉月ちゃん私だよ!』

 

私は何度もそう言うが葉月ちゃんはその事に気づいてくれない。でもそれも仕方ない事なのかもしれない、私は話してるつもりでも葉月ちゃんには猫の鳴き声にしか聞こえて無いんだから

 

「あ!帰ってたデスか葉月ちゃん!アルカノイズに襲われなかったデスか?」

 

「切歌お姉ちゃん!調お姉ちゃん!」

 

そこに切歌ちゃん達が湊の部屋に入って来た

 

「可愛い…その子連れて帰って来たの?」

 

「うん!パパが良いって言ってくれたの!」

 

「そうデスか…う〜ん、どこと無く未来さんに似てる気がするデスけど気のせいデスよね」

 

切歌ちゃんがそう言うので私は切歌ちゃんに近く

 

『切歌ちゃん気付いて私だよ!』

 

「どうしたデスか?もしかしてお腹空いてるデスか?待って下さいデス今ミルクを持って来るデス」

 

切歌ちゃんはそう言って冷蔵庫にある牛乳を温めに行った

 

「あれ?葉月ちゃんこの鞄誰の?」

 

「未来お姉ちゃんのだよ忘れて帰っちゃったんだって」

 

「そう何だ…あ、響さんから何回も電話が来てる」

 

そう言って調ちゃんは鞄から私の携帯を取り出す

 

(響私の事心配してくれて何度も掛けてくれてるんだ…)

 

そう思った途端に私は嬉しい気持ちで一杯になった

 

「お待たせデス、熱いので気をつけて下さいデス」

 

切歌ちゃんがそう言って温めた牛乳を持って来てくれた

 

(私ずっとこのままなのかな?せめて響が拾ってくれてれば)

 

私がそう思って居るとまた誰か入って来た

 

「帰ったデスかルナ」

 

「るる…ただいま」

 

ルナちゃんは入って来るとじっと私を見つめた後ゆっくりと持ち上げて私の匂いを嗅ぎ始めた

 

「この匂い間違いない未来さん」

 

ルナちゃんがそう言うと私は体の芯から暖かくなって行く感覚に包まれた

 

「調!私とうとうおかしくなっちゃったデスか!?」

 

「猫が未来さんになった」

 

「あれ?猫さん?どこ行ったの!」

 

切歌ちゃんと調ちゃんは猫が私になった事に驚きトイレに行って居た葉月ちゃんは姿の見えなくなった猫を探す

 

「ルナちゃんどうしてわかったの?」

 

「姿が変わろうとその人の匂いは変わらない。それで未来さんご主人は?」

 

ルナちゃんは私に湊の居場所を聞いて来る

 

「えっと…ごめんね、ルナちゃん私は葉月ちゃんと一緒に此処に来たから湊と最後にあったのはもう30分以上も前の事なんだ」

 

「そう」

 

私がそう言うとルナちゃんは自分の部屋に向かって行った

 

「調ちゃん響に連絡しても良いかな?」

 

「大丈夫デスよ」

 

切歌ちゃんがそう言ってくれたので私は響に電話を掛ける

 

『もしもし未来!?良かった無事だったんだね!!』

 

電話をすると響は直ぐに電話に出た

 

「大丈夫だよ響ごめんね中々電話に出れなくて」

 

『ううん大丈夫だよ。それにしても良かった。未来が無事なんだったら湊君もエルフナインちゃんも葉月ちゃんも無事なんだ』

 

「葉月ちゃんは私と一緒だから無事だけどエルフナインちゃんと湊は一緒じゃないよ?」

 

私が響と話して居るとルナちゃんが血相を変えて部屋から出て来た

 

「どうかしたデスかルナ?」

 

「ご主人の通信機に繋がらない…今までこんな事無かったのに」

 

「そんな…それじゃあ…ダメ電話も繋がらない」

 

切歌ちゃん達のその言葉を聞いて私の中にある考えが浮かんだ

 

「響…少し話したい事があるの良いかな?」

 

『何未来?』

 

「あのね…」

 

私は湊の言ってた事を響に話した

 

『そんな未来とエルフナインちゃんを狙ったなんて…』

 

「うん…私もそう思ってたでもエルフナインちゃんはまだ見つかってないんだよね?」

 

『うん…そうなんだ…』

 

だったら湊の言ってた事にも信憑性が出て来る

 

「未来さん電話変わって」

 

「ルナちゃん?」

 

私が響と話して居るとルナちゃんは沈んだ表情をしてそう言って来る

 

「響さん少し話したい事がある…だから本部に皆を集めて貰って」

 

ルナちゃんはそう言うと電話を切る

 

「ルナちゃん私も行って良いかな?」

 

「構わない、未来さんも少なからず関わってる。事実を知る権利は未来さんにもある」

 

「ありがとうルナちゃん」

 

ルナちゃんはそう言うと私や切歌ちゃん達とS.O.N.G.の本部に向かった

 

〜未来side out〜




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207話

〜ルナside〜

 

「本当に良かったよ未来!!」

 

「もう響ってばさっきも電話で話したでしょ」

 

無事を喜び抱きしめる響さんに未来さんがそう言う

 

「それで話したい事って?」

 

「ご主人の事…貴方達はシンフォギアの軍事兵器化実験についてどこまで知ってる?」

 

私は此処に居る人達全員にそう聞く

 

「7年前に湊君を苦しめた実験だって事は知ってるがそれ以上の事はな」

 

「そう…同時進行で行われた生物兵器を生み出す実験については聞いてる?」

 

私がそう聞くと全員が首を左右に振る

 

「ご主人は話してないんだ…なら先にこれだけは言っておく。生物兵器を生み出す実験を受けたのはご主人」

 

「生物兵器と言ったな、メディカルチェックでは彼の体は至って正常だったが」

 

「普通の方法じゃわからない」

 

「ならどうすればわかるんだよ!」

 

私の言葉にクリスさんはそう聞いて来る

 

「ご主人が生物兵器として身につけたのは2つ、1つは自分及び自分の親しい人の姿を自由に変えられる。これに関しては未来さんも体感した筈」

 

「うん、私も湊に猫に変えられちゃったしね」

 

私がそう聞くと未来さんは頷いてそう言う

 

「でもそれなら生物兵器としては何の役にも立たない筈。どうして隠す必要があるの?」

 

「もう一つに問題があるって事か?」

 

「るる、もう一つは本当に兵器になってもおかしくない。全ての聖遺物に適合、その力を自由に操る事が出来る」

 

私がそう言うと全員が驚く

 

「全ての聖遺物に適合…でもそんな事が可能なんですか師匠?」

 

「理論上は不可能に近い、だがマリア君の様なダブルコントラクトも実在する。確実に不可能と言う訳ではないだろう」

 

響さんの質問に風鳴司令はそう答える

 

「少し良いか?ならば湊は何故我々にその事を話さない?反応を見るからに暁や月読、マリアも知らなかったのだろう?」

 

「ええ…」

 

「簡単な話、怪物…化物…貴方達にそう言われるのが怖かった。そう思われないか心配だった」

 

私がそう言うと切歌は私に詰め寄って来た

 

「そんな事言う訳無いデスし思う訳ないデス!」

 

「今のは冗談…本当は心配させなく無かったんだと思う。ご主人は優しい。だから自分のせいで貴方達のうちの誰かに責任を感じさせたく無かった。ただそれだけ」

 

「それじゃあ…私に責任を感じさせない為に…湊は…」

 

調はそう言って震える

 

「調…」

 

「それじゃあダメデスよ調。湊は調に責任を感じて欲しく無いから黙ってたのに調がそんな顔してちゃダメじゃないデスか」

 

「切ちゃん…うん、そうだね」

 

「デス」

 

切歌がそう言って手を握ると調はそう言って笑った

 

〜ルナside out〜




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208話

〜エルザside〜

 

「ん…貴方は…」

 

アステカの杖を使用して間もなく彼が目を覚ました

 

「目が覚めたでありますか?」

 

「はい、マスターそれで此処は…」

 

「此処はわたくし達ノーブルレットのアジトであります。貴方はオートスコアラー個体名は湊であります」

 

わたくは彼に嘘の情報を教える

 

「湊…それが名前ですか?」

 

「ガンス、わたくしはエルザであります」

 

「エルザ…覚えました。それで何をすれば良いんでしょうか?」

 

「その事も踏まえて話すのでついて来るであります」

 

わたくしがそう言って湊は何も言わずについて来る

 

「ミラアルク、ヴァネッサ彼が起きたであります」

 

「…マスター話をする前に少し修正を行いたいのですがよろしいでしょうか?」

 

「修正でありますか?一体何の」

 

わたくしがそう聞くと湊は真っ直ぐシェムハの腕輪の力を押さえて居る装置に向かった

 

「この装置のシステムにエラーが発生しています。これではシェムハの腕輪に力が逆流、シェムハの腕輪の破損が予想されます」

 

「そうなのでありますかヴァネッサ?」

 

「そうなのよね」

 

ヴァネッサもお手上げらしく肩をすくめる

 

「修正は可能でありますか?」

 

「はい、少し待って頂ければ直ぐにでも」

 

わたくしはその言葉を聞いてヴァネッサに確認をする

 

「では早急にお願いするであります」

 

「はい、マスター」

 

彼はそう言って作業にシステムの修正に取り掛かる

 

「システムの修正完了しました。マスター」

 

「そうでありますか、ヴァネッサ」

 

わたくしがそう言うとヴァネッサは頷いて装置を起動させる

 

「システム無事に起動よ」

 

「助かったであります」

 

「いえ、マスターのご指示ですので…自己紹介がまだでした。自分は湊、オートスコアラーです」

 

彼はそう言って深々を頭を下げる

 

「どう言う事だぜエルザ…此奴はオートスコアラーじゃ無いんだぜ」

 

「わたくしが彼に嘘の情報を教えて居るであります」

 

ミラアルクの質問にわたくしはそう答える

 

「私はヴァネッサよ」

 

「うちはミラアルクだぜ」

 

「ヴァネッサもミラアルクもわたくしの仲間であります。2人の指示にも基本的に従うであります」

 

「かしこまりましたマスター」

 

わたくしがそう言うと彼はそう言った

 

「よおエルザの嬢ちゃんそいつ起きたんだってな」

 

「マスターこの方は」

 

「アラン・リヴィアスわたくし達ノーブルレットのバックアップをしてくれて居るであります」

 

わたくしがそう言うと彼は軽い会釈をする

 

「貴方の仕事は明日の朝始まる予定であります。それまではゆっくり休み万全の状態を保つであります」

 

わたくしは彼を部屋に案内した後そう言って部屋を出た

 

〜エルザside out〜




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209話

〜エルフナインside〜

 

「あ…まさか此処は!!「お帰りなさいませご主人様」貴方は!!」

 

僕が目を覚ますとそこには初めて見る男性とミラアルクが居た

 

「あはは!日本に来たのなら一度やってみたかったんだぜ!!」

 

「おいおい、あんま怖がらせんじゃねえぞミラアルクの嬢ちゃん」

 

「ほほはチフォージュ・シャトー」

 

僕がそう言うとミラアルクは僕を投げ飛ばす

 

「ミラアルクの嬢ちゃん客人はもうちょい丁寧に扱えよ」

 

「昨日彼奴をボコボコにしてたお前に言われても説得力ないぜ。ま、次からはそうさせて貰うぜ」

 

男性とミラアルクはそう言って僕に向き直る

 

(考えなきゃ今何が起きてるのかを、此処に連れて来られるまでに何が起きたのかを)

 

僕は確か未来さんに姿を変えた湊さんと逃げていてそれで…

 

「そうだ未来さん…未来さんはどこに居るんですか!!」

 

「あ?その未来って奴が誰かは知らねえがお前と一緒にいた奴なら」

 

「ああ、此処に居るぜ」

 

ミラアルクはそう言ってビジョンを映し出すとそこには湊さんとエルザが話している映像が映し出された

 

「湊さん!!」

 

「用済みと判断されたあの野郎と違って彼奴は生きてるぜ。最も彼奴はお前の事を覚えてないだろうがな」

 

「どう言う事ですか」

 

僕は男性にそう聞く

 

「うちらが強奪したアステカの杖で彼奴を催眠状態にして操って居るんだぜ。今はエルザをマスターだと判断して居るみたいだぜ」

 

「そんなアステカの杖を湊さんに…まさか貴方達はバラルの呪詛から解き放たれた湊さんを使って」

 

「そのまさかだぜ、それにやって貰う事はお前にもあるんだぜ」

 

ミラアルクは僕の言葉を肯定してそう言う

 

「今はお前が使ってるキャロルの体を使って起動して欲しいものがあるんだ。勿論拒否権はねえぜ」

 

「キャロルの…まさかチフォージュ・シャトーを!?それは無理です!!例え起動出来たとしてヤントラ・サルヴァスパもネフィリムの左腕も失われた今自在に制御する事は絶対に!!まさか湊さんの力を使って!!」

 

「確かに彼奴の力を使えばどって事ないだろうがお前に起動して欲しいのは別のものだ」

 

別のもの…でも僕にはキャロルの体を使って起動させれるのはチフォージュ・シャトーくらいしか

 

「お前に起動させて欲しいのは此奴だぜ」

 

男性がそう言って指を鳴らすと照明が点灯し棒の後ろが照らされる

 

「まるで何かのジェネレーター…あ!こっこれは!」

 

そこには沢山の破損した人形が入ったケースが並べられていた

 

「貴方達は一体何を企んで…あ!」

 

僕は後ろから迫って来るミラアルクに気づかず首を締め付けられるのと同時に何かが流れ込んで来た所で僕の意識は途絶えた

 

〜エルフナインside out〜




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210話

〜エルザside〜

 

「湊準備は出来て居るでありますか?」

 

「はいマスター、いつでも大丈夫です」

 

湊はそう言って頷く

 

『エルザこっちの準備は完了したぜ』

 

「ガンス、それではこちらも始めるであります」

 

湊にその場に仰向けで待機して貰いわたくしは外から装置を起動させる

 

「これは!!ミラアルク聞こえるでありますか!!」

 

『聞こえてるぜエルザ!!何が起こってるんだぜ』

 

「制御が不能!腕輪から抽出されるエネルギーが抑えられないであります!!このままでは此処もただじゃ済まないであります!!」

 

こうなったら仕方ないでありますね

 

『何をする気何だぜエルザ!!』

 

「わからないであります!でも何かしないと!」

 

わたくしがそう言うと強い光が天に向かって行った

 

〜エルザside out〜

 

〜切歌side〜

 

私達がヘリでマリア達と合流しようと向かって居ると司令からの指示で別の場所に向かって居るとそこに居た大きな怪物が私達目掛けて光線を撃つ

 

「くっ!敵は大雑下に崩しヘリで迫れる間合いには限りがある」

 

「それでも此処まで来られたら」

 

「十分デス!」

 

〜Various shul shagana tron〜

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

〜Balwisyall nescell gungnir tron〜

 

そう言って私達は聖詠をルナは通信機から剣を取り出してヘリから飛び降りる

 

「この匂い…ご主人…」

 

「待って下さいデスルナ!あれは湊何デスか!?」

 

私はルナの言葉に思わずそう聞き返す。でもあの姿何度か見た事のある湊の竜の姿にそっくりデス

 

「くっ!相手は湊か」

 

「そんな…辞めてよ湊君!!」

 

響さんがそう言って湊に呼びかけるけどそんな響さんを無視して湊は尻尾を振り下ろす

 

「湊私達がわからないの!?」

 

「目を覚ますデス湊!!」

 

「ご主人!!」

 

私達の呼び声にも答えてくれない

 

「仕方ない、こうなったら我々で湊を倒して目を覚まさせる他あるまい。先ずは距離を取りつつの威力偵察だ!!行けるな!!」

 

「「はい(デス)!」」

 

私と調は頷いて湊と距離を取りながら攻撃する

 

「デス!はぁはぁ」

 

あれから10分以上戦闘を続けて居るデスけど大きさの割に素早くて未だに大きな一撃は与えられていない

 

「これでどうデス!!」

 

《断突・怒Rぁ苦ゅラ》

 

私は空中でアームドギアを脚部に装着しエネルギーを纏わせて肩部の小型ブースターを噴射して湊の左手を打ち抜くけど直ぐにその攻撃を無かった事にして私を掴み投げ飛ばす

 

「「「「切ちゃん(暁)(切歌ちゃん)(切歌)!!」」」」

 

そこで私に狙いを定めた湊が両腕で私を握り潰そうとする

 

「湊…目を覚ます…デス…」

 

私は今にも意識を失いそうになりながらそう言う

 

「はぁぁあ!」

 

そこに響さんが来て私を掴む腕を破壊する

 

「大丈夫切歌ちゃん!」

 

「大丈夫デス…響さん逃げるデス!!」

 

「は!ぐあぁぁ!!」

 

湊は尻尾で響さんを巻きつけきつく縛り上げる

 

「ガルルル」

 

「辞めるデス湊!!」

 

私はそう言うけど湊は至近距離で響さんに向けてブレスを使う

 

「「「「響さん(立花)!!」」」」

 

湊はギアが解除された響さんに向かって再びブレスを使おうとする

 

「させっかー!!」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

《HORIZON†CANNON》

 

そこにマリアとクリスさんが到着して湊のブレスを防ぐ

 

「大丈夫か!」

 

「切り札たる立花を失えばそれだけ遅れを取ることとなる此処は撤退し体勢を立て直さなければ」

 

私達は翼さんの言う通り湊との戦闘を中断して響さんを連れて本部に戻った

 

〜切歌side out〜




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211話

〜エルフナインside〜

 

「おいお主いつまでそうしておるつもりじゃ」

 

意識が途切れて暫くすると何処からか僕を呼ぶ声が聞こえた

 

「ようやく気が付きおったか」

 

そこには初めて見る女性の姿があった

 

「貴方は…それに此処は…」

 

「うむ、此処はお主の心の中じゃ訳あって童はお主の意識とパスを通じて話をしておる」

 

その女性は僕の顔を真っ直ぐ見てそう言う

 

「貴方は一体…」

 

「何時期向こうで会える童は白竜、名は琥珀じゃでわの」

 

「待って下さい!!」

 

その言葉を無視して僕の意識は浮上して行った

 

「くっ!」

 

意識を取り戻した僕は急いで攻撃を交わす

 

「此奴!!」

 

「気付いて居たでありますか!!」

 

「はぁはぁ…」

 

「あら?自分が原因で世界にあだなしてしまった以上生きて居るのが辛く無いかしら?」

 

そう言われて僕は立ち上がる

 

「確かに昔の僕ならば世界を守る為に消えて良いとすら思って居ました…だけどこの体は大切な人からの預かり物です。今は此処から消えたくありません!!」

 

「そう…だけどそれは聞けない相談だわ」

 

そう言って錬金術師は僕に迫って来る

 

(どうすれば…だけど僕では…)

 

「次は外さないわ」

 

「誰か!!」

 

僕がそう叫んだ後、何かがぶつかり合う鈍い音が聞こえたので恐る恐る目を開ける

 

「ソードブレイカーその一振りを貴方が剣と思うなら」

 

「ファラ…」

 

そこには僕を守るファラの姿があった

 

「しっかりするであります「先手必勝派手に行く」くっ!!」

 

「あはは!ちゃぶ台をひっくり返すのはいつだって最強の私なんだぞ!!」

 

「マスター今のうちに」

 

装置からミカ、ガリィ、レイアの3人も出て来て僕はガリィに抱えられて居る

 

「貴方は炉心に連結されて居た廃棄個体の…」

 

「スクラップにスペアボディ?呼び方は色々あるけれど再起動してくれたからにはやれるだけの事はやりますわよ」

 

「マスターの様でマスターでない、少しマスターぽい誰かだけど、マスターのために働くのが私達の使命なんだぞ!」

 

「その身に蓄えられた残存メモリーをエネルギーに利用しようと目論んだ様でしょうがそうは参りません」

 

「さてマスター今後の指示を頼むこのまま地味に脱出するも良し、無論派手に逆襲するのもマスターの自由です」

 

1番確実なのが弦十郎さんや皆さんと合流する事でも

 

「だったらやりたい事があります!!『お主こっちじゃ』この声は…2つ先の扉の部屋に入って下さい!」

 

僕は直接脳内に語りかけて来る何かに導かれる様にそう言ってその部屋に入ると僕の心の中で会った人物が居た

 

「ようやく来よったかエルフナインよ」

 

「どうして僕の名前を貴方は一体…」

 

「気になるのも無理はなかろう。童は主人、お主らに分かる様に説明するならば雪音湊に宿る神と言った方が分かりやすかろう」

 

その人は何食わぬ顔でそう言う

 

「湊さんに宿る神…どうしてそんな方が此処に…」

 

「訳は後で話す故、今はお主の仲間と連絡を取るのを先決にするのじゃ」

 

「分かりました」

 

そう言って僕はその部屋に合った通信機を使って弦十郎さん達への通信を始めた

 

〜エルフナインside out〜




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212話

〜エルフナインside〜

 

僕が本部への専用回線にアクセスして数分後モニターに映像が映し出された

 

『わはぁ!!』

 

モニター越しに藤尭さんの驚いた声が聞こえる

 

「すみません僕です」

 

僕はモニターを凝視するガリィとレイアを両手で退けてモニターに顔を映す

 

『エルフナイン君!』

 

「通信を行った以上捕捉される恐れがある為要点だけ手短に、現在地はチフォージュ・シャトー内部僕と湊さんは此処に居ます」

 

僕がそう言うと本部に居る皆さんから安堵の声が聞こえる

 

「これからオートスコアラー達そしてある方の助けを借りて湊さんの救出に向かいます」

 

『ある方?他に誰か居るのか?』

 

「はい、信じ難い事に湊さんに宿る神が人の姿と化して実体化しています」

 

そう言うと弦十郎さんは難しい顔をする

 

『エルフナイン君、その人物はそこに居るのか?』

 

「はい、ミカ琥珀さんと見張りを交代で行って来て下さい」

 

「わかったんだぞ!」

 

そう言ってミカは琥珀さんと見張りを交代しに向かった

 

「何用じゃエルフナインよ?」

 

「貴方は湊さんに宿る神その事に間違いはありませんか?」

 

僕は琥珀さんにそう聞く

 

「成る程のう、向こうが信じてないとそう言う訳じゃな」

 

「はい、琥珀さんにも立ち会って貰いたいんです」

 

「仕方ないのう、じゃが早々に信じる事の出来ない話である事もまた事実じゃ童も立ち会おう」

 

そう言って琥珀さんも立ち会いに応じてくれた

 

〜エルフナインside out〜

 

〜マリアside〜

 

暫くするとエルフナインが1人の女性を連れて来た

 

『この方が湊さんに宿る神白竜の琥珀さんです』

 

『してお主らは童が主人の中に眠る神だと信じられんとそう言いたいのか?』

 

「そうね、何の信憑性もなく信じられる程私達はお人好しじゃないわ」

 

私がそう言うと琥珀と呼ばれた女性はモニターを凝視する

 

『成る程のう、道理で信じられん訳じゃ。いやはや主人と関わりの深いお主らが相手だったとは』

 

その女性はそう言って笑みを零す。彼女が言っているのは私と切歌と調の事だろうが私達は彼女と初対面の筈

 

『何じゃ?童は主人の中に居たんじゃぞ?お主らの事を知って居ても何の不思議もないと思うがのう』

 

「なら幾つか質問に答えて貰うわ。貴方はずっと湊の中に居たのよね?それなら湊がクリスに拒絶されたのはいつか答えなさい」

 

その日付は私とセレナとマム以外知らない、だがずっと湊の中に居たのなら知っている筈

 

『何じゃそんな事か?主人の誕生日の丁度1週間前じゃ。なんならお主らの知らない事…まあそちは知っておるじゃろう、のうルナよ?主人が英国で受けたシンフォギア軍事兵器化の立案者、主人を生物兵器にした張本人の名も全てのう』

 

そう言われたルナは警戒を解いて話す

 

「警戒する必要は無い…私はあの人に名前を言って居ないなのにあの人は私の名前を当てて見せたこれ以上ない証拠」

 

「そうね…でもどうして湊の中にいる貴方が…」

 

『うむ、神は1人につき一体しかその身に宿せん。元々主人の中に居た童なのじゃが面目ない事にシェムハに主人の体から追い出されてしまってのう』

 

彼女は申し訳なさそうにそう言う

 

「…わかった、貴方を信じるわ」

 

『そうか、して他の者達はどうするつもりじゃ?』

 

そう言って切歌達も考える

 

『そうか、信じてくれるんじゃな。ではエルフナインよ童は見張りに戻る故に失礼するぞ』

 

彼女はそう言ってモニターから姿を消した

 

〜マリアside out〜

 

〜エルフナインside〜

 

「皆さんが納得してくれた所で続きを話します。神そのものへと完成して居ない今ならまだ間に合います」

 

『君が!?無茶だ「そう無茶です!!」ん!?』

 

僕が強い口調でそう言うと弦十郎さんは驚いた顔をする

 

「だから!応援をお願いします!!此処は敵の只中ですどうしたって危険が伴います『此方も先程の戦闘で湊君の攻撃を受けて響君が負傷している』そんな…この局面で響さんを、湊さんは現在アステカの杖で操られて居ます。「マスター」応援が来るまで何とか持ち堪えます!」

 

僕はそう言って通信を切る

 

「地味に窮地…今度は先程の様に不意はつけないかと…」

 

「此処は私とレイアに、ガリィはマスターのエスコートをお願いするわ」

 

2人はそう言って錬金術の攻撃を受け止める

 

「任せて、目的地までの道は此処に叩き込んでるから」

 

「ミカとそこの貴方も一緒に」

 

「そこの奴は兎も角お前が付いていれば私もファラも憂いは無い」

 

「元気印の役割は心得てるぞ!」

 

「マスター!」

 

ガリィはそう言って僕の手を掴み次の目的地に向かう

 

「貴方も」

 

「わかっておる、この道は塞ぐそちらも童やエルフナインとの合流は難しくなろうがそれでも構わんのじゃな?」

 

「「ええ(ああ)」」

 

「そうか、お主らの健闘を祈る」

 

ファラとレイアのその言葉を聞いて琥珀さんも僕達の元に向かって来た

 

〜エルフナインside out〜




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213話

〜エルフナインside〜

 

「先程道を塞ぐと言って居ましたが一体どうやって…」

 

「まあ見ておれ、お主も手伝うのじゃガリィ」

 

「はいはーい♪」

 

ガリィはそう言って琥珀さんの元に向かう

 

「時間が有ればもう少し手の込んだ策が出来るじゃろうがこんなもんじゃろう」

 

「そうね、マスター此方に」

 

ガリィが出口に氷の壁を作り出しその出口に爆薬を設置して僕達はエレベーターで目的の階に向かう

 

「ファラとレイアならきっと大丈夫ですよね?」

 

「不足は色々ありますが全力を尽くしてます。だからマスターも全力で信じてあげて下さいな。それに此方には神白竜と言う奥の手もあるんですから」

 

「はい…琥珀さん一体何を…」

 

「童は童に出来る事をして居るだけじゃ、不味いのもう追い着いて来よったか…」

 

琥珀さんがそう言うと目的の階まであと少しの所でエレベーターが止まり扉に凹みが入る

 

「待たせたな、お仕置きの時間だぜ!!何だ!」

 

「エルフナインその煙を吸うでないぞ」

 

琥珀さんは1つの煙幕弾を使用した後僕にそう言うので僕は煙を吸わない様にしてガリィと外に出る

 

「行かせないぜ!」

 

「お前の相手は最強の私だぞ!」

 

「ミカ!」

 

ミカは僕達に向かって来た錬金術師を押さえつける

 

「マスターを頼んだぞ、そんな楽しい任務本当は私がしたいけどこんな手じゃマスターの手を引く事は出来ないから残念だぞ」

 

「ミカ…」

 

「わかってる、あんたの分まで私達に任せて」

 

「童も直ぐに追いつく故に先に行っておれ」

 

琥珀さんがそう言うとガリィは僕を連れて先に進む

 

「ミカ!だけどかっこいいですミカのその手大好きです!」

 

僕はそう言ってガリィと目的地に向かった

 

〜エルフナインside out〜

 

〜琥珀side〜

 

「褒められたぞ!照れくさいぞ!」

 

「廃棄個体が舐めてくれるぜ」

 

ミカを投げ飛ばした錬金術師はそう言う

 

「童の事も忘れてもらってわ困るのじゃ」

 

「何だ!?」

 

錬金術師は突然光った童に目を向ける

 

「お前は!!」

 

「お主はミカと協力をし時間を稼ぐのじゃ」

 

童はそう言ってエルフナイン達の後を追う

 

〜琥珀side out〜

 

〜エルフナインside〜

 

「済まぬお主ら」

 

「琥珀さんミカは」

 

「まだダメになってはおらんであろうが時間の問題じゃろうな、童が協力者を置いては来たがそれは一時的な物、時間が経てば自然と消滅してしまう」

 

琥珀さんはそう言って振り返りミカが錬金術師を足止めして居る部屋を見る

 

「彼処です」

 

「彼処に湊さんが「そこの貴方マスターを頼んだわ!」何を!」

 

湊さんの居る部屋の近くに差し掛かった時突然ガリィが琥珀さんに僕を投げるとガリィがミサイルで吹き飛ばされる

 

「ガリィ!!僕を守る為に…」

 

「嫌ですよマスター性根の腐った私がそんな事する訳ないじゃないですか」

 

「でも!!」

 

「もっと凛として下さいまし私達のマスターはいつだってそうだったじゃないですか…」

 

(ガリィの言うマスターはキャロルの事でも僕は…)

 

「手じゃ余るから足で失礼しちゃいます」

 

「如何やら童が出る以外他に手が無い様じゃのう」

 

そう言って琥珀さんが僕の前に立つ

 

「エルザ、ヴァネッサそいつかなりの強いぜ」

 

「さっきの局長も彼女が出現させた物でありますか…ヴァネッサわたくしとミラアルクで彼女を足止めするであります。その間に彼奴を」

 

「わかったわ」

 

「さて、出番じゃぞ」

 

琥珀さんはそう言って銃を取り出す

 

「エルフナインお主いつまでそうして居るつもりじゃ!まさかとは思うが彼奴らの犠牲を無駄にするつもりでは無いじゃろうな!!」

 

「じゃあ僕は皆の為に何を…」

 

「貴方に出来る事はもはや1つ!」

 

「皆の為に僕は!!」

 

僕は無我夢中で障壁を展開して空間からダウルダブラを取り出す

 

「やっと目覚めよったか…」

 

薄れゆく意識の中琥珀さんのその言葉が聞こえた

 

〜エルフナインside out〜




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214話

〜琥珀side〜

 

「この土壇場に出鱈目な奇跡を」

 

「奇跡だと?冗談じゃ無い俺は奇跡の殺戮者だ!!」

 

ダウルダブラを纏ったキャロルがそう言う

 

「思えば…不要無用と切り捨て来た者に救われてばかりだな…ありが「似合わない事に浸らせないぜ!!」無駄だ」

 

キャロルはそう言って障壁を展開して錬金術師の攻撃を防ぐ

 

「声音を模した訳で無くあれは」

 

「再誕したキャロルでありますか!?」

 

「ようやく目覚めよったかキャロルよ」

 

「ふん、貴様1人でも何とかなった物を…さて、俺の干渉に踏み込んできたのだそれなりの覚悟はあってだろうな」

 

キャロルがそう言うと錬金術師達は一斉に攻めて来る

 

「お主が目覚めよったんじゃ童も本気で行くとしようかのう」

 

「後は任せたぞ」

 

「任された」

 

童は銃を構えてそう言う

 

「そんな物で俺に傷を付けれると思って居たのか」

 

「はぁぁあ「童を忘れてもらっては困るぞ」チッ!邪魔だぜ!」

 

錬金術はそう言って標的を童に変える

 

「相手が悪いぜ」

 

そう言って錬金術師は童との距離を詰めて来る

 

「お主それで本気ではなかろうな?童はまだ4割程度しか実力を発揮しておらんぞ」

 

「くっ!!」

 

詰め寄った事で攻撃が避けられなくなった錬金術師は一度下がる

 

「全く、期待してそんじゃのうこれでは童が出るまでも無いのう」

 

童は3つの結晶を投げ地面に落ちるとそこからとある3人組が姿を現す

 

「キャロルよ、如何やら彼奴らお主や童が手を下すまでも無い様じゃぞ」

 

「その様だな」

 

童の言葉にキャロルが同意する

 

「はぁはぁ、なかなかやってくれるぜ」

 

「ですが此処までであります」

 

「その程度倒せて同然じゃ、さてそろそろ見せてやろうかのう。童の神の力…ディバインウェポンを」

 

童は拳銃に力を込める

 

「お姉ちゃんも出し惜しみしてらんない!!」

 

銃の乱射と共に飛んで来る複数のミサイルをキャロルと共に障壁を張って防ぎ土煙が晴れると共に攻撃をする

 

「流石たった1人で世界と敵対しただけの事はあります」

 

「もう1人も強いぜ」

 

錬金術師3人は何とか攻撃から身を守るが童とキャロル2人の同時攻撃を受けたからかかなり疲れが溜まって来て居る

 

「ふっ」

 

「ふぁ〜、退屈じゃのう」

 

キャロルが2人の逃げ道を塞ぐ中童は銃を撃ち残り1人の動きを封じる

 

「その退屈も直に終わる」

 

キャロルはそう言うと上空に高密度な重力子の塊を生成する

 

「そうじゃのう、童も負けてはおれんの」

 

童は中央に神の力を球体状に集めつつ上昇する

 

「不味いぜヴァネッサ」

 

「そうね…片方は超重力、もう片方は何かはわからないけど危ない匂いはするわね」

 

「悔やむなら童達を敵に回したお主ら自身を恨むが良い」

 

童のその言葉が引き金となってキャロルの重力子の塊と童の神の力の集合体が同時に投下される

 

「少々やり過ぎてしまったかのう?」

 

「破壊力が仇にだが逃すものか….何だ…正論をだが聞いてやる」

 

「そこに居るのかエルフナインよ」

 

童がそう言うとキャロルは立ち止まる

 

「ああ、何だまだあるのか!これは俺の体だお前を助けた訳ではない礼など不要…それでも彼奴らには手向けてやってくれないか?きっとそれは悪党が口にするには不似合いな言葉だ「そうでもなかろう」何?」

 

「たとえ悪党であれ善人であれ感謝の言葉は誰でも口にしよる。少なくともお主に言われれば彼奴らも喜ぶであろうと童は思うが?」

 

童がそう言うとキャロルは乾いた笑みを浮かべる

 

「ああ…お前達…ありがとう、行くぞこの先に彼奴が居るのだろう」

 

「そうじゃのう…待つのじゃキャロル…あの中に誰か居る」

 

「何?」

 

「如何やら踏ん張り所はこの先の様じゃ」

 

そう言って扉を開けるとそこには

 

「何だお前ら、此処は関係者以外立ち入り禁止だぞ。まっ、お前らが何をしに来たかは大体の予想は着くがな」

 

「此処で来よったかアラン・リヴィアス」

 

アラン・リヴィアス、童の思った通りの人物が居た

 

〜琥珀side out〜




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215話

〜琥珀side〜

 

「どうでも良いたかが錬金術師1人程度造作もない」

 

「待つんじゃキャロルよ彼奴には聖遺物は一切効かぬ全て左の義手で無力化されてしまうんじゃ」

 

「ならば錬金術を駆使して倒せば済む話だ」

 

キャロルはそう言ってダウルダブラを解除する

 

「たく、面倒だな…世界を敵に回した錬金術師キャロルが相手だなんてな」

 

「キャロルよお主は錬金術による支援を頼む、彼奴は童が仕留める」

 

「俺にも戦わせろ、彼奴のお陰で不完全燃焼なんだ」

 

キャロルはそう言って童の隣に並ぶ

 

「勘違いしてるみたいだが俺もれっきとした錬金術師なんだよな」

 

アランはそう言って炎と水を同時に錬成する

 

「パヴァリア光明結社に所属しておる時点でそれは想定済みじゃ」

 

童とキャロルは2人して横に飛んで避ける

 

「俺と同じ同時階差か」

 

「一撃であの威力と言うのも侮れんな」

 

「おいおい、この程度かよキャロル・マールス・ディーンハイム」

 

アランはそう言うと今度は風の斬撃を飛ばして来る

 

「お前は手を出すな、彼奴は俺がやる」

 

「わかった、童は主人を救出する手立てを探す」

 

童がそう言うとキャロルは頷きアランに向き直った

 

〜琥珀side out〜

 

〜キャロルside〜

 

「おら!」

 

「ふっ」

 

俺は男の攻撃を障壁で防ぐ

 

「久しぶりだな、此処まで倒し甲斐のある相手は」

 

「奇遇だな俺も同じ気分だ」

 

一瞬でも気を抜くと此方がやられる。恐らく向こうも同じ気持ちなのだろう互いに気を抜けない緊迫感に襲われる

 

「此処までやって勝てなかったら悔いはねえ」

 

男はそう言って黄金を錬成する

 

「黄金錬成、俺も全力で答えないとな」

 

俺は先程と同じ様に上空に高密度な重力子の塊を錬成する

 

「……!!」

 

彼奴が何か言って居るがそれは俺には聞こえない

 

「そらよ!!」

 

「はあ!!」

 

男の錬金術と俺の錬金術がぶつかり合い僅差で俺の錬金術の威力が勝ち壁に大穴を開けてシャトーの外に飛ばされて行く

 

「片付いたか」

 

「お主!童が障壁を張ったから良かった物の、もう少し遅ければ此処ごと吹き飛ばす事態になっておったぞ!!」

 

「それより救出の手立ては見つかったのか!」

 

「それよりで済ませて良い限度を明らかに超えておろうが!!」

 

確かに此処を吹き飛ばして彼奴が死んでしまっては此処に来た意味もなくなるな

 

「それで救出の手立ては見つかったのか?」

 

「それが全く思い付かなくてのう」

 

此奴は本当に神なのか?

 

「…此処はお主の作ったチフォージュ・シャトーそしてチフォージュ・シャトーはその気になれば世界すらも解剖出来るんじゃったな?」

 

「確かにそうだが…そう言う事か、ならS.O.N.G.の暇そうな手を借りるとしよう」

 

「それが良いじゃろうな、そうと決まれば彼方に通信を繋ぐとするかのう」

 

そう言うと彼奴はS.O.N.G.の連中に通信を始めた

 

〜キャロルside out〜




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216話

〜マリアside〜

 

「ヘリの発艦準備は完了ですいつでも」

 

「ああ…だが」

 

風鳴司令が何かを言おうとした時にモニターに映像が映し出される彼女は

 

「その姿は」

 

『久しいな、と言っても俺はお前達の事は見ていたがな』

 

「本当にキャロル・マールス・ディーンハイムなのか?一体どうやって」

 

そう彼女は行方不明になって居た筈その彼女がどうして

 

『脳内ストレージをおかしな機械で観測して居た奴が居てだな、そいつが拾い集めた思い出の断片をコピペの繰り返しで強度ある擬似人格と錬金術的に再構築しただけだ』

 

「だけなんだ…」

 

「コピペ、最先端な錬金術デスね」

 

確かに最先端な錬金術ではあるがそれ以上に気になる事がある

 

「エルフナイン君はどうなって居る?」

 

そう1番気になるのはエルフナイン自身の安否

 

『安心しろ今の主人格はこの俺だが必要で有れば彼奴に譲る事も不可能ではない。エルフナインだっての頼みだ脱出までの駄賃に雪音湊を奪還する…その為にお前達の暇な手を貸して貰うぞ』

 

風鳴司令の問いかけにキャロルはそう答えた

 

「湊の神…確か白竜だったかしら?彼女はどうしたの?」

 

『彼奴なら通信が繋がったと同時にやりたい事があると言って何処かに向かって行った。全く自分の主人なのだから自分で助け出せば良いものの』

 

それで彼女はそこに居ないのね

 

「その物言いに物言いなのだが…」

 

「私達に手伝える事なの?」

 

内容によっては私達では何も出来ない物があるのでそう聞くとキャロルはモニターに別の映像を映す

 

「これを破壊して貰う」

 

「な!?それが出来れば私らも「出来る」!!」

 

キャロルはクリスが言い切る前に出来ると言う

 

『此処はチフォージュ・シャトーその気になれば世界すら解剖可能なワルドデストラクター。残された猶予に全てをかける必要がある。お前達は神の力シェムハの破壊を、そして俺達は力の器たる依り代の少年を救い出す2段に構えるぞ』

 

キャロルはそう言うと作戦の詳細を話し始めた

 

『古来より人は世界のあり方に神を感じ、しばしば両者を同一の物と奉ってきた。その概念にメスを入れるチフォージュ・シャトーで有れば攻略も可能だ』

 

「これも一種の哲学兵装、ですが今のシャトーにそれだけの質力を賄う事は『無理であろうな』やはりそうですか」

 

『だがチフォージュ・シャトーは様々な聖遺物が複合するメガストラクチャー、で有れば他に動かす手段は想像に難くなかろう』

 

キャロルにそう言われた私達にはそれが何か直ぐに理解出来た

 

「フォニックゲインだな?」

 

『想定外の運用故に動作の保証は出来かねるが』

 

「やれる、やってみせる!」

 

「あの頃より強くなった私達を見せつけてやるデスよ」

 

『決まりだな、ではあのデカブツは任せたぞ』

 

キャロルはそう言って通信を切った

 

〜マリアside out〜

 

〜未来side〜

 

「お主…起きんかお主」

 

私は誰かに揺さぶられる感覚で目を覚ますとそこには見知らぬ人が居た

 

「あの貴方は…」

 

「うむ、童は白竜名は琥珀じゃ、主人に眠る神…お主にも雪音湊と言った方が分かりやすかろう。今日此処にきたのは他でもないお主に頼みたいことがあるんじゃ」

 

「私に?」

 

琥珀さんは私の言葉に頷き頼みたい事の内容を話してくれた

 

「私に…私に出来るでしょうか?」

 

「お主なら大丈夫じゃ、今はお主にしか出来ん頼りにしておるぞ小日向未来よ」

 

「はい!」

 

私はそう言って琥珀さんに頷いた

 

〜未来side out〜




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217話

〜未来side〜

 

「行くぞ小日向未来」

 

「はい」

 

私がそう言うと琥珀さんは小さな光の塊になって私を包み込む

 

『これでいつでも大丈夫じゃ、胸元に黄金の結晶体があるじゃろう。そいつを砕くのじゃさすればお主も主人と同じく神に至れる』

 

「わかりました」

 

私は人気のない場所に行って琥珀さんの言う胸元にある黄金の結晶を砕く

 

「これが私…「そうじゃ小日向未来よ」琥珀さん、此処は」

 

「此処はお主の心の中じゃあまり長くは持たんやもしれん急ぐぞ」

 

琥珀さんの言葉に頷き私は空を飛び琥珀さんの案内の元チフォージュ・シャトーに向かった

 

「あれって…」

 

「絶唱か…また無茶な事をしよる…不味い気づかれよったあのままでは直撃は免れられんぞ」

 

「どうすれば…」

 

「ブレスを吐くんじゃ、イメージが大事じゃぞ」

 

そう言われて私達はイメージする

 

(竜のブレス… 弓美なら得意そうなんだけど…)

 

そうは考えても今出来るのは私だけ私は私にイメージ出来るブレスをイメージした

 

「成功じゃ小日向未来」

 

琥珀さんがそう言うと翼さん達に向けて放たれた光線は消えて居て変わりに此方を見る翼さん達が目に映った

 

「小日向未来、主人が神の力の完成に至る前に早く」

 

「はい」

 

私はそう言って神の力によって湊が姿を変えた神に向かった

 

〜未来side out〜

 

〜翼side〜

 

「シェムハの防衛反応が…」

 

「チフォージュ・シャトーを動かす前に気取られるなんて」

 

そして我々に向かいブレスを吐きあと少しで届く所で何かに相殺される

 

「何だ!あれは!?」

 

「竜…それにあれは湊の竜に似て居る」

 

そこには湊の竜とは若干違う部分はあれど湊の竜と良く似た竜が居た

 

「おかしいデスよ!だって湊あっちに居るデスよ!?」

 

「もしかして…待って切ちゃん、もう1人響さんと湊以外にもあと1人神の力を宿せる人が居る」

 

月読がそう言うと全員があれが誰か理解する

 

「まさかあれは小日向だと言うのか!?」

 

「でもよお!未来の奴は神の力を宿してない筈だろ!?一体どうやったんだよ!」

 

「まさか!!湊に宿る神白竜、彼女は小日向未来の所に!?」

 

「何デスと!?」

 

「でもだとすると私達を助けてくれた事にも繋がる」

 

確かに月読の意見は最もだが

 

「何だ!?」

 

我々が思考を巡らして居ると何か眩い光に飲み込まれる

 

「これは…」

 

「エクスドライブ…」

 

光が晴れる頃には我々全員のギアはエクスドライブに至って居た

 

「何だか知らないデスけどこれはチャンスデス」

 

「うん、これなら何とかなるかもしれない」

 

「ああ、行くぞ!!」

 

待って居ろ湊、お前を必ず助けて見せる

 

〜翼side out〜




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218話

〜未来side〜

 

「小日向未来よ左に旋回して避けよ」

 

「はい」

 

私は琥珀さんの指示の元湊の攻撃を避ける

 

「不味いの…そう長くは持たんぞ。時期に効力が切れて人の姿に戻ってしまう」

 

何度も何度も攻撃をして傷をつけるが神の力の影響でその傷が全て無かった事にされる。これがずっと続いてる

 

『未来さん!』

 

『お待たせデス!』

 

「切歌ちゃん!調ちゃん!」

 

私が湊の動きを止めて居るとそこに切歌ちゃんと調ちゃんが来た

 

『こっからは私達の番デス』

 

『未来さんは下がって』

 

「ありがとう、切歌ちゃん調ちゃん」

 

私はそう言って翼さん達の近くにまで下がる

 

「済まぬ限界じゃ小日向未来」

 

琥珀さんがそう言うと同時に私は元の姿に戻り隣には琥珀さんが倒れて居た

 

「小日向!!」

 

「翼さん」

 

翼さんが私の所に来る

 

「無事か小日向」

 

「はい」

 

「そうか、此処は危険だ今すぐに離れろ」

 

私は倒れて居る琥珀さんを背負い走る

 

「未来さん!此方です!」

 

「はい!」

 

暫く走ると緒川さんが居たので私は緒川さんと本部に向かった

 

〜未来side out〜

 

〜翼side〜

 

「ふっ!」

 

私は無数の斬撃を飛ばして湊の動きを止めると雪音とマリアが湊に向けて光線を発射し湊に命中する

 

「雪音!マリア!」

 

湊は神の力でその傷を無かった事にして雪音とマリア目掛けてブレスを吐く

 

「はあ!」

 

《蒼ノ一閃》

 

私は大型化させた大剣状のアームドギアを振るい、巨大な青いエネルギー刃を放ちダメージを与えるがそれすらも無かった事にされる

 

「くっ!やはり立花抜きでは何だ!?」

 

上空に向けて放った光線の先で何かが爆発して落下湊目掛けて落下して行く立花の姿があった

 

「立花の援護だ!命を盾とし希望をさきもれ!」

 

「行くわよ皆!」

 

私とマリアに続き、雪音に暁に月読を続く

 

〜翼side out〜

 

〜響side〜

 

「翼さん!!」

 

「振り返るな!行け立花!」

 

私を守って湊君のブレスに飛ばされた翼さんがそう言う

 

「切歌ちゃん!調ちゃん!」

 

「湊を頼んだデスよ響さん!」

 

「お願い湊を助けて」

 

私の代わりに湊君に掴まれ投げ飛ばされた切歌ちゃんが尻尾で地面に叩きつけられた調ちゃんがそう言う

 

「マリアさん!」

 

「行きなさい立花響!」

 

翼さんと同じで湊君のブレスに飛ばされたマリアさんがそう言う

 

「行ってこいバカ!!」

 

「うん!」

 

湊君の攻撃を避け切れ無かった私を助けてくれたクリスちゃんがそう言う。皆のお陰、皆の助けがあって私は湊君の直ぐそこにまで辿り着いた

 

「はあ!」

 

私は湊君のブレスに飲み込まれたけどアマルガムを使って何とか防ぐ

 

「湊君!手を!!」

 

私がそう言うとその声が聞こえたのか湊君は人の姿に戻って手を取る

 

「良かった「遺憾である」え?ぐあ!」

 

湊君はそう言うと私のガングニールの右腕のギアを破壊する

 

「我が名はシェムハ、人が仰ぎぬるこの星の神が我と覚えよ」

 

そう言うと湊君は私を地面に投げつける

 

「湊…君…」

 

「よきかな人の生き汚さ100万の夜を超えて尚地に満ち満ちて居ようとは」

 

そう言って湊君は私の破壊したガングニールの破片を右腕の皮膚に近づけると破片は取り込まれ湊君の右腕が私のガングニールの腕の形になった

 

「よしなさい湊!貴方にそんな物言い似合わない!!」

 

「後は忌々しき月の…ぐっ!まだ…取り込めて無かったと言うのか…」

 

突然苦しみ出した湊君

 

「どうしたの!?「今直ぐ…逃げろ…響…お前達も…」何言ってるの湊君一緒にうわ!」

 

私が湊君に近づくと翼さんが湊君を上空に連れて行く

 

「先輩!?」

 

「どうして翼さん?」

 

「全てはこの国の為に」

 

そう言った翼さんの目にはおかしな模様が浮かび上がって居た

 

《乱れ影縫い》

 

「ただ無念で制圧するなんて」

 

「らしく無いばら撒き…およ?」

 

気が付くと私達は動きを封じられて居た

 

「動きを封じて…」

 

「翼さん!」

 

「私はこの国の防人なのだ!」

 

翼さんがそう言って何処かに向かって暫くすると私達は動ける様になった

 

「翼さん…あれは…」

 

私達が翼さん達の飛んで行った方を見て居ると何かがゆっくりと降下して来て居た

 

「これは…」

 

「メモリーチップ?」

 

ゆっくりと降下して来て居たのは1つのメモリーチップだった

 

「一体何が…」

 

『エルフナイン君の保護に成功した。全員至急本部に戻れ響君には暫くの間謹慎とする。未来君も此方に来て居る』

 

本部からの通信を聞いて私達は本部に向かった

 

〜響side out〜




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219話

〜未来side〜

 

「ん…此処は…」

 

「琥珀さん良かった目が覚めたんですね」

 

本部に着いて数分後ずっと気を失って居た琥珀さんが目を覚ました

 

「小日向未来か…此処は何処じゃ?」

 

「此処は湊君の所属するS.O.N.G.の本部だ。俺はS.O.N.G.司令官の風鳴弦十郎だ」

 

そこに弦十郎さんが来て此処が何処か説明する

 

「そうじゃったか…!主人はどうなったんじゃ!!」

 

「湊君はシェムハとして完成してしまい翼と共に何処かに飛び去ってしまった」

 

「そうか…」

 

弦十郎さんの言葉を聞いて琥珀さんは沈んだ表情を浮かべる

 

「早速で悪いが話を聞かせてもらっても構わないか?」

 

「うむ、分かっておる」

 

琥珀さんは切り替えそう言って響達の居る部屋に向かった

 

「直接会うのは初めてじゃのう、童は白竜名を琥珀と申す」

 

琥珀さんはそう言って響達に自己紹介をする

 

「立花響です。それで…湊君が通信さんと飛び去る前に私達に逃げるように言って来たんですが」

 

「そうか…恐らく理由は2つ、お主らは生物兵器実験で主人が手に入れた力のは知っておろう」

 

琥珀さんがそう聞くと響達は頷く

 

「その1つに全ての聖遺物に適合、その力を自由に操る事が出来る力、シェムハの腕輪は幸いにも聖遺物の1つじゃ、主人はその力によって干渉しシェムハの腕輪による身体の取り込みを遅めたんじゃろう。そしてもう1つ、錬金術師供が使ったアステカの杖によって生まれた主人のもう1つの人格の存在じゃ。1人ならば他愛無いじゃろうが2人同時となると少々時間を要してしまうものじゃ。それも重なって主人が話せる時間が出来たのじゃろう」

 

琥珀さんは考えられる理由を私達に話してくれた

 

「琥珀さんの予想は当たって居ると思います。湊さんの抜剣による負担が軽減されて居る理由、それは湊さんがその力を使いダインスレイヴに干渉して負担を減らして居たそうです」

 

「そうか」

 

エルフナインちゃんの言葉に弦十郎さんはそう言う

 

「立花響よ、童の勝手な都合でお主の親友を危険な戦場に向かわせてしまった事本当に申し訳ない」

 

琥珀さんはそう言って響に頭を下げる

 

「あっ頭を上げてくださいよ」

 

「いや、下手をすればお主は親友を失って居たかも知れんのじゃ。それだけで童が頭を下げる必要がある」

 

そう言ってもう一度響に頭を下げる

 

「そう言えばお主らは主人が去った後何かが落ちて来たんじゃったな?」

 

「はい、ですがパスワードが必要な様で」

 

「パスワードじゃな?童ならば分かるやもしれん見せては貰えぬか?」

 

「はい、それは構いませんが」

 

エルフナインちゃんがそう言うと琥珀さんはパスワードを入力する

 

「成功じゃ」

 

「ありがとうございます。それでいったい何が?」

 

「うむ、どうやらこのメモリーチップには4年掛けて主人が作り出した対ノイズ用の武器そしてこれは立花響お主に託す為の物じゃろう」

 

そう言って琥珀さんは1つの剣を表示する

 

「これは?」

 

「これは聖遺物の特性を譲渡出来る剣じゃ、そしてこれを使えばガングニールの神殺しの力の譲渡も可能であろう。全く我が主人ながらとんでもない物を作り上げるのう」

 

琥珀さんの言葉に響達は驚く

 

「じゃあそれが完成すれば!」

 

「うむ、主人を助け出す糸口が見えてくるじゃろう」

 

「弦十郎さん早速作成を試みてみます」

 

「童も手伝おう」

 

琥珀さんはそう言ってエルフナインちゃんとラボに向かって行った

 

〜未来side out〜




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220話

〜翼side〜

 

「湊…」

 

「否、我が国にふさわしき神の力である」

 

私がお爺様に案内された場所には湊の姿があった

 

「ダイレクトフィードバックシステムによる精神制御は間も無く完成する。その時こそ次世代抑止力の誕生よ」

 

「しかし櫻井女史亡き今どうやって新たなシンフォギアを」

 

「シンフォギアに有らずカマエルのファウストローブよ、だがそれを作った者も今は何処ぞで果ててしまっておるがな」

 

お爺様はそう言って不敵な笑みを浮かべる

 

「お爺様あのオートスコアラーは」

 

「あれは此奴の中に眠る異物を引き摺り出す為の物よ」

 

湊の中に眠る異物…一体なんだと言うのだ

 

「それよりも翼、何故連中にとどめを刺さなんだ?」

 

「そっそれは…」

 

「まあ良い、だが迷うなその様に脆弱な心ではやがては折れてしまう。護国の為に鬼となれ、歌では世界を救えぬのだ!!」

 

「はい…」

 

お爺様の言葉に私は何も言い返せなかった

 

〜翼side out〜

 

「出しやがれ〜!!」

 

真っ暗な空間の中俺はそう叫ぶ

 

「不敬で有る。人間風情が我にその様な物言いをするでない」

 

「だまれ!!俺をこんな所に閉じ込めて俺の体を好き勝手に使いやがって!!」

 

シェムハは俺を完全に取り込むのは無理だと悟り俺を牢獄に閉じ込めて俺の人格を押し殺して居る

 

「遺憾である。これはもはや我の体」

 

「んな事があってたまるか!!俺の体は俺の物だ!!」

 

「あの…僕はどうなるんでしょうか?」

 

そこにさっきまで蚊帳の外だったアステカの杖で生まれた俺がシェムハにそう聞く

 

「貴様は異質な存在、故に出て行って貰う」

 

シェムハはそう言って手を探すとアステカの杖で生まれた俺は消えた

 

「何をした」

 

「愚問で有る。この体から出て行って貰った。ただそれだけの事」

 

「なら俺を出て行かせれば良かったんじゃねえか、その方がお前もやり易いだろう」

 

「そうかも知れぬな、だが貴様が居なくなればこの体の維持もままならぬ、故に我は貴様をこの体から追い出さぬ」

 

シェムハはそう言って俺の前から姿を消した

 

〜エルザside〜

 

「奴らが派手にやり合ってる今こそうちらのターンだぜ」

 

「どうするでありますか?」

 

ヴァネッサは部屋に入ると直ぐに何かの装置に向かう

 

「神の力の管理者権限を此方に移し替えるの私達を簡単に切り捨てた風鳴訃堂には相応の報いを受けてもらわないとね」

 

そう言うヴァネッサを他所に私は隅に置かれているオートスコアラーが気になった

 

「よしこれでダイレクトフィールドバックシステムを」

 

ヴァネッサがそう言うとシェムハが目を覚ます

 

「何を!」

 

シェムハがわたくし達に向けた光線は1つの障壁に塞がれた

 

「間に合いましたかマスター…」

 

「!!まさか…湊でありますか?」

 

「大丈夫エルザちゃん、ミラアルクちゃん」

 

わたくし達を守る障壁の元にヴァネッサが来てそう言う

 

「大丈夫であります」

 

「うちも問題ないぜ」

 

わたくし達の安全を確認したヴァネッサはほっとする

 

「ヴァネッサ様!!」

 

湊がもう一度障壁を作り出そうとしたが間に合わなかった

 

「僕がほんの一瞬隙を作ります。マスターとミラアルク様はその間に逃げて下さい!」

 

「…分かったんだぜ」

 

ミラアルクは少し間を置いてそう言う

 

「湊…」

 

「マスターを守るのはオートスコアラー即ち僕の務めです」

 

「エルザ早くするぜ!」

 

「わかっているであります」

 

わたくしは急いでミラアルクの後を追いかけた

 

〜エルザside out〜




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221話

〜エルザside〜

 

「エルザ一先ずチフォージュ・シャトーに避難するぜ」

 

「了解であります。誰でありますか!」

 

わたくしがミラアルクとチフォージュ・シャトーに向かって居ると近くの茂みが揺れる

 

「その声…エルザの嬢ちゃんか…」

 

「アラン!どうしたでありますか!」

 

そこにはボロボロになったアランが居た

 

「何があったんだぜ!」

 

「悪いな…キャロルの野郎と一戦交えたんだが…この有り様でな」

 

「喋るんじゃねえぜ」

 

ミラアルクはそう言ってアランを担ぐ

 

「ヴァネッサはどうした…」

 

わたくし達はそう聞かれて立ち止まる

 

「ヴァネッサは…「エルザちゃん、ミラアルクちゃん」ヴァネッサ!どうして此処に」

 

「私だけじゃないわ」

 

「マスターもミラアルク様も無事で良かったです」

 

「湊…無事だったでありますね。ですがその姿は「勿論、我の力である」シェムハ…」

 

そこに現れたのはシェムハだった

 

「心配をかけてごめんねエルザちゃんミラアルクちゃん、でもお姉ちゃんは大丈夫よ」

 

「此方も異常はありません。強いて言えば人形の頃よりも動き易いと言うくらいでしょうか」

 

人形の頃よりも?

 

「どう言う事でありますか?」

 

「そうねその事を話さないとね」

 

そう言ってヴァネッサはあった事を全て話してくれたであります

 

「ヴァネッサは完全に怪物になってしまったそれって…」

 

「まさかヴァネッサはもう人間には戻れないって事なのか」

 

「愚問である。完成させるとはそう言う事だ」

 

そんな…

 

「ヴァネッサはそれで良いのでありますか?」

 

「そうね…人に戻れないのは残念だけどエルザちゃんとミラアルクちゃんが無事ならお姉ちゃんはそれで満足です」

 

「んでもって、お前はオートスコアラーを完全つまり人になったって解釈で良いのか?」

 

「はい」

 

アランの言葉に湊は笑ってそう答える

 

「後悔は無いでありますか?」

 

「後悔ですか…人形はいつか壊れてしまいマスターを守れなくなってしまいます。ですが人になれれば今まで以上にマスターを守れます。なので後悔はありません」

 

湊はわたくしの目を見てそう言う

 

「マスターは僕が人になるのは嫌でしたか?」

 

「…その質問は卑怯であります」

 

「どうかしましたかマスター?」

 

湊はそう言ってわたくしの顔を覗く

 

「何でもないであります」

 

「我はこれから向かう場所がある。貴様らにはその間にある物を持って来て貰う」

 

シェムハは湊とヴァネッサ以外のわたくし達を見てそう言う

 

「ミラアルクちゃん達だけじゃ不安だわ、お姉ちゃんも行きます」

 

「構わん、だがしかし貴様は1番重要な存在だ。我と来て貰う」

 

シェムハがそう言うと湊はわたくしを見る

 

「ヴァネッサが居るのでわたくしは大丈夫であります。湊はシェムハの指示に従って欲しいであります」

 

「分かりましたマスター」

 

「何をしている行くぞ」

 

そう言われると湊はシェムハと共に何処かに向かいわたくし達はシェムハに指示された物を取りに向かった

 

〜エルザside out〜




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222話

〜マリアside〜

 

「あれは…」

 

天に登る赤い光と共に巨大な何かが私達の前に現れその上にはシェムハと1人の少年が居た

 

「不敬で有る。道具風情が我を使役しようとは」

 

「道具?僕たちの事を」

 

「焦ったい。道具の用いる不完全な言語では全てを伝えるのもままならない」

 

「仕方ないですよ。それがバラルの呪詛なんですから」

 

「ああ、そうであったな」

 

そう言うとシェムハは光の球体を飛ばす

 

〜Seilien coffin airget-lamh tron〜

 

「此処は私に任せて司令達は容疑者とパパさんを」

 

私はアガートラームを纏いバリアを張り攻撃を防ぎそう言ってシェムハの元に向かう

 

「申し付けた通りに行動する様に」

 

「わかってますシェムハ様」

 

少年はそう言って翼達を追いかけようとする

 

「行かせない!!」

 

「すみません、行かせてもらいます」

 

私は短剣を伸ばして止めようとするがその少年はいとも簡単に交わして翼達を追いかける

 

「消失なり、我を相手に気を取られるとは」

 

「くっ!」

 

私は短剣でシェムハの攻撃を防ぎ反撃する

 

「消失なり、この身を傷付けまいとは矛盾思考に刃が鈍っておるぞ」

 

(今はシェムハが使っているとは言えあれは湊の体そう易々と傷付けられない)

 

「図るにあたわず全力で来い」

 

そう言って幾何学的な模様を浮かべた後そこから放つ光線を避けると地面が銀色に変わった

 

(無事で居なさいよ翼)

 

私はその思いを頭の片隅に浮かべてシェムハとの戦闘を続けた

 

〜マリアside out〜

 

〜翼side〜

 

「それで逃げてるつもりですか?」

 

「緒川さんお父様を頼みます!」

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

私は緒川さんにお父様を預けて聖詠を行い天羽々斬を纏う

 

「翼!」

 

「私は大丈夫です!伯父様はお爺様を!」

 

私がそう言うと伯父様はお爺様を連れて行く

 

「貴様は一体何者だ!」

 

その少年は私の言葉を無視して亜空間から見覚えのあるファウストローブを取り出す

 

「それは!湊のエクリプス!」

 

「そうですね、確かにこれはもう1人の僕の物ですね」

 

もう1人の僕?

 

「どう言う事だ!」

 

そう聞くが少年は無言でエクリプスを纏う

 

「仕方ない、話はベットで聞かせて貰おう!」

 

《千ノ落涙》

 

私の攻撃を障壁を張り防ぎ錬金術で炎と風を錬成する

 

「ふっ!はあ!」キンッ

 

「終わりですか?」

 

「何!?ぐあ!」

 

錬金術による攻撃を交わし剣で突きを入れるがそれを見透かして居たかの様に弦で防ぎ私の足に巻き付け投げ飛ばし樹木にぶつける

 

「湊撤退でありますよ」

 

「分かりましたマスター」

 

私に次の攻撃をしようとして居た時、ノーブルレッドの錬金術師が到着しそう言う

 

「待て…」

 

そこで私の意識は途絶えた

 

「つば…翼!!」

 

「マリア…」

 

「何があったの?」

 

次に私が目を覚ますとそこにはマリアが居た

 

「マリア…敵に湊が居た」

 

「!?どう言う事かしら?」

 

「ノーブルレッドの錬金術師があの少年の事を湊と呼んでいたんだ」

 

「そう…一先ず本部に戻りましょう話は後よ。立てるかしら?」

 

「ああ」

 

そう言ったマリアの手を掴み立ち上がり本部に向かった

 

〜翼side out〜




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223話

〜ヴァネッサside〜

 

私達はユグドラシルの内部にてシェムハと共に居る

 

「面白かろう我を拘束せしめた戒めより我の断片を逆流させて居る我は言葉であり故に全てを統治する」

 

「これもまたシェムハの力」

 

そう言った私は完全な怪物となった時のことを思い出して居た

 

「「はぁはぁ…」」

 

私と湊君はあの時確実に殺された現代に解き放たれた懲罰の存在にそれなのに生きて居た

 

「遺憾よな、我が力片手の何分1にも満たんとは」

 

「大丈夫ですかヴァネッサ様!」

 

「ええ…湊君!どうしたのその姿!?」

 

そこには先程とは違い彼を少し幼くした様な容姿をしてた湊君が居た

 

「姿ですか?これは…まるで」

 

「まるで本物の人の手とでも?ああそうさな、歪な形であったお前達を完全な人、完全な怪物へと完成させたのは我の力のひとつまみよ」

 

「完全と完成…つまり以前に聞いた人に戻ると言うヴァネッサ様の願いは叶わないと言う事ですか!」

 

「愚問で有る、完成させるとはそう言う事だ」

 

シェムハがそう言うと湊君は明確な敵意を向けて向かって行く

 

「良いのよ湊君、怪物は淘汰何処までも異物に…」

 

「ヴァネッサ様…」

 

「気鬱たる、ならば我に遣えよこの星の孤独も阻害も全て我が根絶やしにしてくれるわ」

 

そう言われて私はシェムハを見上げる

 

「神よ…」

 

そして私の独断でシェムハに仕える事を決めそこにエルザちゃん達まで巻き込んでしまった

 

「ヴァネッサが神と仰ぐのであれば私もミラアルク、そして湊も従うであります」

 

「僕もマスターに言われる以前に僕自身がそうしたいのでヴァネッサ様のお力になりたいです」

 

「腐れ縁て奴だろうな俺も付き合うぜヴァネッサ」

 

「ありがとう」

 

エルザちゃんと湊君、アランにそう言われて笑みが溢れる

 

「所でシェムハ様はどの様にしてヴァネッサ様の孤独や疎外感を拭うのですか?」

 

「しれた事、この星のあり方を5000年前の形に戻すのだ」

 

「5000年前?そいつは正史文明ぞっこんきだぜ?」

 

「申し付けた物はどうなって居る?」

 

シェムハにそう言われてエルザちゃんがシェムハにそれを手渡すとそれは発光した

 

「傾聴せよ、これより使命を授けてしんぜよう」

 

「使命ですか?」

 

「ああ、貴様には此処に残って貰うぞアラン・リヴィアス」

 

シェムハはアランを見てそう言う

 

「ああ、了解だ」

 

「貴様らには鹿児島県の種子島にある宇宙センターにある月の探査ロケットの破壊を命ずる」

 

そう言われた私達は早速月の探査ロケットを破壊しに種子島に向かった

 

〜ヴァネッサside out〜




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224話

〜マリアside〜

 

「ノーブルレッドに新たな戦力しかもそれが湊君かも知れないか」

 

「はい、ノーブルレッドに居た錬金術師が確かにあの少年を湊と呼んで居ました」

 

私達は昨夜の少年がノーブルレッドの錬金術師に湊と呼ばれて居たと言う事を翼から話してもらって居る

 

「風鳴司令昨夜の映像データを見せて貰っても構いませんか?」

 

「ああ、構わない」

 

風鳴司令はそう言ってモニターに映像データを流す

 

「マリアどうかしたデスか?」

 

「昨日のあの少年何処かで見覚えがあったの。でも私が見たのはほんの数分でも映像であれば…あれは…止めてください!」

 

私はその少年がどうして見覚えがあるのかを理解した

 

「マリア思い出したの?」

 

「ええ、あれは間違いなく湊よ。今から8年も前の姿の」

 

私の言葉を聞いて全員が驚きを隠せない顔をする

 

「8年前の湊の姿、それは本当なのかマリア!」

 

「ええ…でもどうして…」

 

「翼よお主はこう言ったなシェムハの力を制御しようとしてあった施設には1つのオートスコアラーがあったと?」

 

琥珀は何かわかった事があるのか翼にそう聞く

 

「ああ、確かにお爺様が言うには湊の中にある異物を引き摺り出すための物だそうなのだが」

 

「間違いない様じゃのう」

 

「何かわかったのね琥珀」

 

「うむ、あれは確かに主人に似てはおるが主人では無い。あれはアステカの杖で操られた主人の人格をシェムハがそのオートスコアラーに移した物であろう」

 

あれがオートスコアラー…

 

「待って琥珀、だがあれはどう見ても人の身だったぞ」

 

「恐らくシェムハの力であろう。神とは言えその力は神々によって違う物じゃ、恐らくシェムハの力の中に不完全な物を完全な形に変える力でも持っておるのじゃろう」

 

「つまりシェムハはオートスコアラーのままでは不完全な為に完全な人に変えたと言う事か」

 

「あくまで予想じゃ」

 

琥珀はそう言うが1つ疑問に思う所がある

 

「でもそれなら湊の姿に似せたのは何故」

 

「ま、あやつの趣味かも知れんのう。そこ迄は分からん」

 

そこは1番大事なのだと思うのだけど

 

「じゃが、今は目の前の事を片付けるのが先であろう。のう風鳴司令よ」

 

「ああ、現在本部は鹿児島県の種子島に向かって航行中」

 

「種子島だ!?」

 

「ああ、目的地は種子島宇宙センターになる」

 

目的地を聞いて私達に1つの考えが浮かぶ

 

「先だって風鳴亭付近に出現した巨大構造物ユグドラシルと呼応するかの様に月遺跡からシグナルが発信されて居るのが確認できました」

 

「つまり私達に」

 

「月遺跡の調査に行けと言うのデスか!?」

 

「検討段階ではそう言った話もありました。ですが今回月に向かうのは特別に編成された米国特殊部隊となります」

 

切歌と調の質問に緒川さんがそう答える

 

「確かにあのユグドラシルを放っては置けないものね」

 

「だからってこうも簡単に都合をつけられる物なのか探査ロケットって」

 

(米国特殊部隊…まさかね)

 

私は今此処に居ない3人の顔が思い浮かんだ

 

『Mr. 八紘の置き土産だよ』

 

「お父様の?」

 

モニターに映し出された映像の人物に対して翼がそう聞く

 

「判断と対応には感謝に耐えませんオーグ・ツゥーヴェルクさん」

 

『先の反応兵器発射による国際社会からの非難を交わせたのはMr.八紘が提案した日米の協調姿勢による所が大きいからね。その象徴であった月ロケットを活用する事にどうもこうもあるものかと言うのが上の意見でね。此方としては娘がお世話になっているS.O.N.G.そして彼の役に立てればと言う所が大きいかな』

 

ツゥーヴェルクそして娘この2つのキーワードで私は確信した

 

「失礼します。もしや貴方はアリア・ツゥーヴェルクさんのお父上ですか?」

 

『ああそうだともマリア・カデンツァヴナ・イヴ君』

 

私の言葉にモニターの人物はそう答えた

 

「え!?アリアさんのお父さんだったデスか!?」

 

「それじゃあ、月に向かう特別編成された米国特殊部隊って」

 

『そうともウチの娘のClover'sそしてミミ君の所属するscarlet、この2つのグループの代表者4名さ』

 

調の言葉にオーグ・ツゥーヴェルクさんはそう返す

 

「んん!では警護の日時は手筈通りに」

 

『ああ、よろしく頼むよ』

 

そう言って通信は切れた

 

「諸君らの任務は3日後に発射が迫る月遺跡探査ロケットの警護である。敵の襲撃は十分に予想される。各員準備を怠るなよ」

 

風鳴司令の言葉でその場は解散となった

 

〜マリアside out〜




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225話

〜切歌side〜

 

「発射予定時刻まであと24時間。引き続き警戒に当たります」

 

調はそう言って通信を切る

 

「それにしても近くで見るとでっかいデスね〜」

 

「内緒だけどちょっとだけ月に行けるかもと期待しちゃった」

 

「私もデス!およ?」

 

急に当たりが暗くなったので上を見上げると

 

「「デ〜ス(え〜)!!」」

 

上空に巨大なアルカノイズが居た

 

『アルカノイズの反応を検知』

 

『装者各員は施設防衛に当たってください』

 

「切ちゃん行こう」

 

「デス!」

 

〜Various shul shagana tron〜

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

私と調はシンフォギアを纏いアルカノイズを倒していく

 

「デス?」

 

突然私の体に玄の様なものが巻かれる

 

「切ちゃん上!」

 

「上デスか?ってうわぁ!」

 

玄の先にはマリアの話していた昔の姿をした湊が私に玄を巻きつけておりそれに気づいた私を振り回す

 

「湊お遊びは無しで行くであります」

 

「はい、マスター」ドンッ

 

そう言って湊は私を地面に叩きつける

 

「大丈夫切ちゃん?」

 

「あ痛ぁ、何とか大丈夫デス」

 

「マスターは予定通りロケットの破壊に専念して下さい」

 

「ガンス、此処は任せるであります」

 

そう言ってエルザはロケットに向かって行く

 

「させないデス!「貴方達の相手は僕です」湊…やっぱりちょっと気が引けるデス」

 

「でもあれは湊の様で湊じゃない私達も遠慮する必要は無い」

 

「そうかもデスけど「来るよ切ちゃん」わかってるデスよ調」

 

私と調は地面を切り裂きながら向かって来る玄を交わす

 

「マスターの邪魔はさせない」

 

「強い」

 

「これでも喰らうデス!」

 

《切・呪リeッTぉ》

 

私はアームドギアの刃を3枚に分裂させ、ブーメランのように飛ばす

 

「こんなの!」

 

湊は障壁を左右に張ってそれを防ぐと私と調に向けて玄を飛ばして拘束する

 

「しまった!」

 

「ぎにー!はぁはぁ、頑丈に拘束されているデス」

 

私と調は地面に倒れながら拘束している玄を千切ろうとするけど頑丈に拘束されていて千切れない

 

「湊後はわたくしが引き受けるであります。なのでロケットの破壊をお願いするであります」

 

「分かりましたマスター」

 

そう言って湊は上空で巨大な火を錬成する

 

「今の貴方達であればわたくしでも」

 

そう言ってエルザが私達に近づいて来る

 

「大ピンチデス」

 

「うん…何?」

 

「デス?」

 

そこに小さな爆弾が転がって来て爆破する

 

「これは!?」

 

エルザはそう言って後ろに飛ぶ

 

「「ケホケホ」」

 

「大丈夫?」

 

その声は私達がよく聞く声だった

 

「「ルナ(デス)!!」」

 

「応援に来た、でも…ロケットは無理そう」ドンッ

 

ルナにそう言われて上を見上げると既に火の玉は投下されロケットに直撃していた

 

「応援に来てくれただけでも助かるデスよ」

 

「うん、ありがとう」

 

「るる♪」

 

私達がお礼を言うとルナが笑ってそう言う

 

「ですが此方の目的は達成されたであります」

 

「どうするんですかマスター?」

 

「勿論此処で倒すであります!」

 

エルザはそう言ってルナに向かって行く

 

「はい、マスター」

 

「そう簡単に行くもんかデス!」

 

《対鎌・螺Pぅn痛ェる》

 

私は2本のアームドギアを合体させ、三日月型の刃を左右に備える大型の鎌を形成する

 

「はあ!」

 

《α式 百輪廻》

 

調のアームドギアから大量に射出された小型鋸を障壁を張って防ぐ

 

「せや〜!」

 

私は障壁の貼られていない場所から攻撃すると湊はそれに気付いて後ろに飛んで交わす

 

「直ぐに終わらせてマスターの手助けに行く!」

 

湊はそう言うと上空に巨大な球状のプラズマを錬成する

 

「そんな物当たらなければ!デス?」

 

「何!?」

 

地面を見ると私達の足が地面から盛り上がった土に埋まっていた

 

「それくらいの対策はして当然です」

 

「あわわ!今度こそ本当のピンチデスよ調!」

 

「今度はルナも来れない」

 

「さよなら!」

 

そう言って湊は球状のプラズマを私達に落とす

 

「調一か八かデス」

 

「うん切ちゃん」

 

私達は一か八かでアマルガムの発動を試す

 

「そのギアは!「貴方の相手は私」くっ!」

 

「制限が解除された」

 

「アマルガムデス!!」

 

私達はアマルガムの発動に成功した

 

「どれだけ強くなろうと関係ない!」

 

そう言って湊は炎と風を錬成する

 

「調一気に決めるデスよ!」

 

「うんやろう切ちゃん」

 

《ポリフィルム鋏恋夢》

 

私達はその攻撃を避けて巨大なトラばさみで湊を捕えて内部の刃が球体ごと回転し湊を切り裂いていく

 

「湊!!」

 

「行かせない」

 

危険に思ったエルザが湊を助けに行こうとするがルナがそれを止め地面に激突し爆発する

 

「やったデスか?」

 

「多分…は!」

 

「嘘デスよ…」

 

そこには私達と同じ様に黄金のバリアフィールドを展開する湊とエクリプスが居た

 

「まだ戦える!!」

 

「その必要はないぜ湊」

 

「そうよ湊君、月遺跡への探査ロケット破壊と言う此方の目的は既に達成されています」

 

「マスター!!」

 

湊はルナに向かって玄を飛ばしエルザを自分達の元に向かう隙を作る

 

「助かったであります」

 

「当然の事をしただけですよマスター」

 

エルザが自分達の元に辿り着くと1つの結晶を取り出すと

 

「そいつを使えば貴様達の喉元に喰らいつけるのだろ、この命に変えても湊は必ず!!」

 

翼さんが湊達目掛けて剣を振るってそう言う

 

「翼さんを1人ぼっちにさせるな!!」

 

響さんのその言葉に答える様に私と調も皆で翼さんの元に向かった

 

〜切歌side out〜




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226話

〜エルザside〜

 

「マ…マスター!!」

 

「ん…此処は「マスター!!」どっどうしたでありますか湊」

 

わたくしは目を覚ますといきなり泣きながら抱きつかれ思わず顔を染める

 

「ひっ一先ず状況の説明をお願いするであります」

 

「はい、此処は月遺跡です。シンフォギア装者を巻き込んだ想定を越える転送不可が原因でミラアルク様やヴァネッサ様と別々の場所に飛ばされてしまいました。僕とマスターは運良く一緒の場所に転送されました」

 

「そうでありますか、一先ずヴァネッサとミラアルクを探すであります」

 

「そうしたいんですが…」

 

そう言って湊は扉の隙間から外を見る

 

「あれは?」

 

そこにはいつか南極で見た生き物が居た

 

「恐らく月遺跡の内部に侵入した物を排除する生き物だと思います。此処に出現したのはマスターが気絶している内に倒しておきました」

 

「そうでありますか、ありがとうでございます」

 

そう言ってわたくしは湊にお礼を言う

 

「一体一体は大した事はありませんがその分数が多いので囲まれる危険性があります」

 

「そうでありますか、ですが此処にずっと居る訳にもいかないであります。一先ずは此処から出てミラアルク達を探すであります」

 

「分かりましたマスター」

 

わたくしと湊はそう言って外に出てヴァネッサとミラアルクを探す事にした

 

「マスターそっちに行きました!」

 

「はあ!」

 

湊にそう言われて敵を倒すが湊の言う通り数が多い

 

「誰!!」

 

1つの先の部屋から聞き覚えのある声が聞こえたこの声は

 

「ヴァネッサでありますか!」

 

「エルザちゃん!湊君!無事だったのね!」

 

「はい、ヴァネッサ様も無事で何よりです」

 

ヴァネッサはわたくしと湊を見つけると此方に向かって来る

 

「ヴァネッサ様ミラアルク様は」

 

「ミラアルクちゃんはまだ見てないの。敵の数も多いわ3人で探しましょう」

 

「いえ、ヴァネッサ様はマスターと此処に居て下さい。ミラアルク様は僕が見つけて来ます」

 

「そう、わかったわ湊君。無茶はしないでね」

 

ヴァネッサの言葉に頷くと湊はミラアルクを探しに向かって行く

 

「ヴァネッサミラアルクは大丈夫でしょうか?」

 

「大丈夫よエルザちゃん湊君ならミラアルクちゃんを見つけて一緒に来るわ」

 

「そうでありますね」

 

私とヴァネッサはそう言ってミラアルクと湊の戻りを待った

 

〜エルザside out〜

 

〜調side〜

 

「月遺跡にやって来たのが私達で良かった」

 

「こんなのが居るんじゃ特殊部隊ではきっと相手にはならなかったデス。調あれを見るデス!」

 

切ちゃんの指差す方には黄金のエクリプスを纏う湊が居た

 

「やっぱりあれはアマルガムだったんだ」

 

「でも此方に気付いていないのであればチャンスデス」

 

「うん」

 

私と切ちゃんは湊に向かって行く

 

「はあ!」

 

「デス!」

 

《α式 百輪廻》

 

《切・呪リeッTぉ》

 

私と切ちゃんは同時に湊に攻撃する

 

「シンフォギア装者!今は貴方達の相手をしてる時間は無いんです!」

 

湊はそう言って私達の攻撃を避けて先に進む

 

「逃がさない」

 

《β式 獄糸乱舞》

 

「邪魔!!」

 

湊は炎を錬成して私の糸を焼き尽くす

 

「行かせないデス!「どいて!!」デ〜ス」

 

湊は切ちゃんに玄を巻きつけて後ろに投げ飛ばす

 

「これ以上邪魔しないで!」

 

そう言って湊は氷で道を塞ぐ

 

「切ちゃん大丈夫?」

 

「大丈夫デス、湊はどこ行ったデスか!」

 

「あの氷で道を塞がれちゃった」

 

「なら別の道から湊を追いかけるデス!」

 

私と切ちゃんは別の道から湊を追いかける事にして氷の向こうに出れそうな道を探しに向かった

 

〜調side out〜




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227話

「ミラアルク様!」

 

「湊無事だったんだぜ」

 

僕は部屋の前の物陰で身を隠すミラアルク様を見つける

 

「はい、ミラアルク様もご無事で何よりです。マスターとヴァネッサ様は既に合流していますそこに向かいましょう」

 

「いや、どうやらS.O.N.G.にシェムハの狙いがバレたみたいだぜ」

 

シェムハ様の狙いつまり目的が月遺跡の破壊だと言う事がバレたと言う事ですか

 

「どうするつもりですか?」

 

「勿論此処で潰すぜ」

 

「分かりました。僕もご協力します」

 

「頼りにしてるぜ湊」

 

ミラアルク様はそう言ってその部屋に入って行く

 

「へ〜、流石はS.O.N.G.あっさり詳らかにしてくれるもんだぜ」

 

「ですが、月遺跡の破壊はさせません」

 

「ノーブルレッド!それに湊も!」

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

〜Seilien coffin airget-lamh tron〜

 

僕とミラアルク様が攻撃を仕掛けると装者達もシンフォギアを纏う

 

「くっ!この威力やはりあれはアマルガム」

 

「まさかファウストローブにアマルガムが搭載されて居たなんてね」

 

そう言って僕とミラアルク様の攻撃に対処しながら装者達は話す

 

『現在月からの帰還手段を検討している。必ず助けるから持ち堪え…』

 

「持ち堪えろ?今からの準備で月に到達するにはどれくらいかかる?1週間と1ヶ月か?怪物と違って人間は!」

 

「水が無ければ3日と持たない」

 

そう言って僕とミラアルク様は通信を行っている石碑を破壊する

 

「だけどそれは貴方達も同じ事!!」

 

「僕達はあらかじめ水を用意しています!所持していないのは月遺跡に向かうのがわかっていなかった貴方達だけ!!」

 

僕は白銀のギアを纏う装者の攻撃を障壁を張って防ぎそう言う

 

「はあ!」

 

《DIVINE†CALIBER》

 

蛇腹剣で十字を切るモーションの後、左腕ユニットを爪状に変形させてから突き出すと無数の十字架状のエネルギーに襲われ動きを封じられる

 

「これで決める!」

 

「動きを封じた程度でどうにかなると?」

 

僕は水と炎を錬成して白銀のギアを纏う装者を攻撃する

 

「くっ!錬金術厄介ね」

 

「マリア!「お前の相手はうちだぜ!」くっ!」

 

別の装者はミラアルク様に力負けしそうになり後ろに下がる

 

「こっからはうちと湊のタッグマッチだぜ、行くぜ湊」

 

僕はミラアルク様の言葉に頷き玄を地面に放つ

 

「翼下よ!」

 

「何!?ぐあ!」

 

白銀のギアを纏う装者は咄嗟の判断で交わしたが青いギアを纏う装者は地面から出て来た弦に捕まる

 

「ミラアルク様」

 

「わかってるぜ!」

 

ミラアルク様は白銀のギアを纏う装者の背後を取り腕を巨大化させて動きを封じる

 

「あれは!」

 

「アダム・ヴァイスハウプトも使って居た」

 

「そう…黄金錬成だぜ!」

 

そう言ってミラアルク様は白銀のギアを纏う装者を地面に叩きつける

 

「ミラアルク様早急に離脱して下さい!」

 

「了解だぜ!」

 

そう言ってミラアルク様は僕の隣に飛んで来る

 

「これだけの威力幾らシンフォギア装者と言えどただでは済まない」

 

「例え動けたとしてもうちらの敵じゃ無いぜ」

 

そう言って投下した火の玉は2人の装者に直撃した




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228話

〜エルフナインside〜

 

「翼!マリア君!!」

 

弦十郎さんが呼びかけるが返答がない

 

「通信遮断されています。恐らく先程の攻撃は通信を行っている石碑の破壊を目的とした物だったのかと思われます」

 

「ファウストローブのアマルガムが予想以上に強力だったようですね」

 

まさかファウストローブにアマルガムが搭載されていたとは予想外でした

 

「ユグドラシルの稼働を確認、地球中心隔壁に向かって進行中!」

 

「皆の頑張りでバラルの呪詛は死守できているのにどうしてユグドラシルが…司令外部より通信です!」

 

「繋げマリア君達かもしれん!」

 

弦十郎さんにそう言われて友里さんはモニターには予想外の人物が映し出された

 

「貴方は!!」

 

『よお、久々って程じゃねえなエルフナイン』

 

そこにはノーブルレッド1人アラン・リヴィアスが映し出されていた

 

「エルフナイン君彼は?」

 

「ノーブルレッドのバックアップをしている錬金術師です。そんな貴方がどうして…」

 

『俺と協力してシェムハの奴を撃って欲しい』

 

彼の言葉に僕達は驚く

 

「ノーブルレッドはシェムハの遣いになったんじゃなかったのか?」

 

『遣いだ?けっふざけんなも大概にしやがれ。彼奴は最初からヴァネッサ達も纏めて月遺跡を破壊するつもりだったんだ』

 

「月遺跡の破壊だと!?」

 

『ああ、彼奴はシンフォギア装者がヴァネッサ達と月遺跡に向かう事は予想できてたんだ。んでもって最後には月遺跡もろとも吹き飛ばす予定だったんだ』

 

アランさんは淡々と話す

 

「司令どちらへ!」

 

「装者が不在の今あの神話丘の頂上に対抗「待って下さい」ん?」

 

僕は何処かに向かおうとする弦十郎さんを止める

 

「対抗するってどうするつもりですか?僕に考えがあります。切り札はチフォージュ・シャトーに備えられた世界分解機能を限定的に再現し応用した錬金術です」

 

「確かにキャロルは言っていたそれで神に対抗できるとして、まさか君は響君に代わって友達殺し『いや、それは俺がやってやる』何?」

 

『俺と彼奴は友達って物じゃねえしどちらかっ言うと敵対関係だからな。それに加えてエルフナインお前は友達をその手で殺さずに済む』

 

「確かにそうですが…」

 

『なら決まりだ、俺は神を敵に回す覚悟はとっくに出来てるぜ。お前はどうだエルフナイン?』

 

アランさんは真剣な表情で僕にそう聞く

 

「僕も…僕も出来ています!僕も湊さんを助けたいです!!」

 

『良い返事だエルフナイン、そんじゃ待ってるな」

 

アランさんはそう言って通信を切った

 

〜エルフナインsideout〜




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229話

〜アランside〜

 

「来たか」

 

「はい」

 

俺が合流地点で待っているとエルフナインが来た

 

「行くぞ」

 

「待って下さい、貴方はどの様にしてシェムハの撃破を」

 

「アルスマグナを使う」

 

「アルスマグナ!?ですがあの錬金術は使用者も少ないとても高度な錬金術です一体どうやって」

 

エルフナインの言う通りアルスマグナは一般的な錬金術師には扱えない錬金術だが

 

「おいおい、俺はこれでもパヴァリア光明結社元幹部だぞ?そんくらいの事はやってみせる」

 

「パヴァリア光明結社の元幹部…わかりました貴方を信じます」

 

エルフナインはそう言うと俺とシェムハの居るユグドラシルに向かった

 

「高鳴りが抑えきれぬ、あはそうさな人間共はこう言う時に歌の一つでも口ずさむのであったな。ん?果ての荒野に2人立つ者が居ようとは」

 

ユグドラシルの上に立つシェムハはそう言って降りて来る

 

「あまりの怖さに腰が抜けそうです。ですが…あの時湊さんは逃げなかっただから僕も逃げたくありません。それに…今の僕は1人じゃありません!」

 

エルフナインは俺を見てそう言う

 

「向こう水が我に逆らうどんつくがまだ居ようとは」

 

「僕もそう思います…それでも俺の錬金術を舐めてくれるな!」

 

「俺も今回ばかりは手抜き無しで行くぜ」

 

キャロルがダウルダブラを取り出すと同時に俺は胸の深紅色に煌く結晶を砕く

 

(貴様が俺に頼るとはな)

 

(アルスマグナはお前の管轄だろうが、後は上手くやってくれよ)

 

(誰に言ってやがる)

 

その声と共に俺の意思は沈んで行った

 

〜アランside out〜

 

〜キャロルside〜

 

「ん?貴様は…はは!まさか貴様とこの様な再会をするとはな」

 

俺の姿では無く隣のアランとか言う男を見てシェムハはそう言う

 

「知り合いか…誰だ!」

 

俺が隣を見るとそこには明らかに別のましてや人間でも無い悪魔の様な男が居た

 

「よおシェムハ、ざっと5000年ぶりか」

 

「そうさな、そのくらいの月日は流れておろうなルシフェルよ」

 

シェムハはその悪魔の様な男をルシフェルと呼びそう返す

 

「なんだキャロルその顔は」

 

「どうして俺の名前を知っている」

 

「んな事はどうでも良いだろ…今は彼奴を倒す事だけを考えろ」

 

そんな中そいつはそう言ってどこからとも無く剣を取り出す

 

「久しいな、5000年前我を死に追い詰めたその剣を見るのも」

 

「どうしたキャロル。構えろ」

 

「ああ…そう言う事か」

 

俺はそこである結論に至る

 

(アラン・リヴィアスに眠る何者かか)

 

その結論に至った俺はシェムハに弦を球体状にして飛ばしユグドラシルに向けて移動する

 

「鎖骨だぞ、どこを狙っている…!!悪く無い考えだ我ではなく直接ユグドラシル種間を狙うとは」

 

そう言ってシェムハは俺とルシフェルについて来た

 

〜キャロルside out〜




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230話

〜キャロルside〜

 

「ふっ!」

 

「はあ!」

 

俺に向かって振るった光剣をルシフェルは剣で受け止める

 

「この感覚まるで5000年前に戻った様よな」

 

「ああ、全くその通りだな!「離脱しろ!」ふっ!」

 

俺はルシフェルが離脱すると弦を球体状にして飛ばす

 

「ばら撒けば交わせぬとでも踏んだかなれど人の技では打ち落とせぬ!!」

 

そう言ってシェムハはダメージを無力化し光の球体を飛ばす

 

「ぐは!」

 

障壁を張るも攻撃を防ぎ切れず地面に落とされる

 

「無意味だ。だがそれ以上に…目障りだ!!」

 

「ふっ!やれキャロル」

 

「ああ、そうさせて貰う!!」

 

俺はばら撒いた弦を使いシェムハを拘束する

 

「動けぬ、鉄砲に緊縛するか」

 

「恐るべきは埒外の物理法則によるダメージの無効化、だが拘束に対してはどうだ!アルカヘスタ!!」

 

俺がそう言うと拘束されたシェムハの周りに錬金術の術式が展開される

 

「人の概念などとうに解析済み。ならばそれ以外の不純物を神と定めて分解まで、俺の錬金術を舐めてくれるな!」

 

「だが言うほどに簡単を為すには膨大なエネルギーが必要な筈一体何処から」

 

「ああ、だろうなだが本命はこれじゃ無い「アルスマグナ」始まったか」

 

俺はアルスマグナを唱えた人物に目をやる

 

「成る程、アルスマグナは貴様の得意な錬金術であったな…だが!」

 

次の瞬間に辺り一帯を強い衝撃波が襲い俺も巻き込まれた

 

「一体何が…は!」

 

そこにはカマエルを纏うシェムハの姿があった

 

「これが何か貴様なら分かるであろう」

 

「それは…幻獣鏡の破片…まさか幻獣鏡の魔が払いで俺の錬金術を!」

 

「ああ、この男は面白い力を持っておってな。全ての聖遺物に適合するらしい。その力を使って幻獣鏡の破片を取り込み一時的にその力を使役したまでよ」

 

想定外の彼奴の力に俺は言葉を失った

 

「止めは刺さずに捨て置いてやろう。神に肉薄した褒美だ。星の命が改造される様を特等の席にてごろうじろ。さて、今一度始めようかルシフェルよ。5000年前の神々の闘いの続きを!」

 

「受けて立とう」

 

シェムハはそう言ってルシフェルの元に向かって行く

 

「くっ!さっさと帰ってきやがれシンフォギア!!」

 

俺はシェムハとルシフェルが戦う中そう叫んだ

 

〜キャロルside out〜

 

〜ルシフェルside〜

 

「ふっ!」

 

「はあ!」

 

俺はシェムハの光剣を剣で受け流す

 

「ああ、この高ぶり以前貴様はこう言ったな我と戦う事が楽しいと」

 

「そんな事も言ったかもな!」

 

確かに俺は5000年前シェムハにそう言った

 

「貴様のその気持ち今の我であれば少しは理解出来るぞ、好敵手がここまで良い物だとはな。だがしかしユグドラシルはもう抑えられまい」

 

「どう言う意味だ…何だ!!」

 

俺がユグドラシルを見るとユグドラシルは天に向かって突き進んでいた

 

「何をした!」

 

「知れた事よ、ユグドラシルをオートモードに移行しただけの事、これで我は何も気にする事無く貴様との戦いを楽しめると言う訳だ!!」

 

そう言ってシェムハは俺に向かって来る

 

「ユグドラシルのオートモードなど5000年前には持ち合わせていなかった筈だ!」

 

「そうさな、だが人と同じで我も進化は続けていると言う事だ」

 

(こうなるとこの星がユグドラシルに包まれるのも時間の問題だ。何としてでもそれは阻止する)

 

そう考えながら俺はシェムハとの戦いを続けた

 

〜ルシフェルside out〜




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231話

「見つけたデス湊!!」

 

「ミラアルクって言う錬金術師も」

 

「チッ!見つかっちまったか「此処まで来ればあと少しですのでミラアルク様はマスター達と合流してください」ああ、わかったぜ」

 

ミラアルク様はそう言って飛んで行く

 

「行かせない!「それはこっちも同じ!」くっ!」

 

「そう易々とは追わせてくれそうにないデスね」

 

「それなら倒すだけ!」

 

《α式 百輪廻》

 

ピンク色のギアを纏う装者はそう言って無数の歯車を飛ばす

 

「ふっ!」

 

「でりゃ〜!」

 

無数の歯車を障壁を張って守ると緑のギアを纏う装者が障壁の無い所から攻撃して来た

 

「甘い」

 

「デス!何デスと!?うわぁ〜!」

 

弦を貼って鎌の攻撃を防ぎそのまま鎌に弦を巻きつけ投げ飛ばす

 

「大丈夫切ちゃん?」

 

「大丈夫デス、調!!」

 

ピンク色のギアを纏う装者は緑のギアを纏う装者を心配して作った隙を逃さず炎と氷を同時に錬成して攻撃する

 

「はぁぁあ!」

 

「ふっ!」

 

そこに背後からの攻撃があったので交わし攻撃した相手を確認する

 

「生きていましたか」

 

そこにはついさっきミラアルク様と戦った2人の装者が居た

 

「大丈夫か月読、暁」

 

「大丈夫かしら切歌、調」

 

「「マリア(翼さん)!!」」

 

2人は後ろの装者の無事を確認した後此方に向き直ると突然壁に大きな穴が開きそこから赤いギアを纏う装者と橙色のギアを纏う装者そしてヴァネッサ様達が出て来た

 

「「ヴァネッサ…「マスター!ミラアルク様!」湊!!」」

 

「ご無事でしたか」

 

僕がそう聞くとマスターとミラアルク様は頷く

 

「良かったです、ヴァネッサ様!!」

 

赤いギアを纏う装者の一撃で月遺跡に穴が開きヴァネッサ様が遺跡の外に放り出される前に弦をヴァネッサ様に巻きつける

 

「くっ!!」

 

「湊君…離しなさいでないと貴方まで!!」

 

「お断り…ます」

 

そう言ってヴァネッサ様を引っ張り続ける

 

「そろそろ…「「わたくしも居るであります(うちも居るぜ)」」マスター、ミラアルク様」

 

「クリスちゃん何とかならないの!?」

 

「動き回るから狙い難いんだよ!」

 

赤いギアを纏う装者がそう言うと橙色のギアを纏う装者はこっちに向かって来る

 

「私も手伝う」

 

そう言われてマスターを見るとマスターは頷く

 

「敵の手を借りるのは不本意ではあります…ですが今はそうも言ってられないのでお願いします」

 

「うん!」

 

そう言うとその装者はヴァネッサ様へと伸びる弦を引っ張る

 

「何とかなったでありますね」

 

「間一髪だったぜ」

 

何とかヴァネッサ様を助けたマスターとミラアルク様はそう言う

 

「無事で良かったですヴァネッサ様」

 

「ええ…どうして助けたの?」

 

ヴァネッサ様は赤いギアを纏っていた装者にそう聞く

 

「助けた訳じゃねえ、ただ本当に今より此処より先に進もうと願うのなら尚の事帰る場所ってのが大切なんだと伝えたかった。あたしは考えすぎるからきっとまた迷ったりするかもしれない。だけど帰る場所があるから立ち止まって先に進んで行ける。それはあんただって同じだろ」

 

「ヴァネッサ…」

 

「もう辞めるであります…心まで怪物にしない為にも」

 

「うちも弱さを言い訳に自分の心を殺すのは沢山だぜ」

 

「帰る場所…私の家族」

 

ヴァネッサ様はそう言ってマスターとミラアルク様を抱きしめる

 

「湊君…私達はまだ出会ったばかりかも知れない。でも貴方も私の家族なの」

 

「ヴァネッサ様…」

 

僕がヴァネッサ様に近づくとマスター達と同じ様にヴァネッサ様は僕を抱きしめた




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232話

「だが…茶番は終わり此処までだ」

 

ヴァネッサ様はそう言って飛ぶ

 

「ヴァネッサ様?」

 

「忌々しきネットワークジャマーは手ずから葬らせて貰う」

 

「まさかシェムハか!?」

 

石板で囲われた場所に映った男性がそう聞く

 

「この者を完全怪物と完成させた際に我の一部を滑り込ませていたのだ」

 

「やはりヴァネッサ様の治りが遅いと思ったらヴァネッサ様に細工をしていたのですか」

 

「くっ!た…頼む神殺し…その拳でシェムハを撃て」

 

ヴァネッサ様は苦しみながらそう言う

 

「そんな事をしたらヴァネッサさんまで「アルスマグナ!!」湊君何を!?」

 

「アルスマグナ…対処を封印する錬金術、これを使ってシェムハの一部を封印すれば」

 

「待て!その錬金術が失敗すれば「そんなの分かってます!でも…神殺しがシェムハを撃たない以上こうするしか無いじゃないですか!」…」

 

僕がそう言うとその男性は黙り込む

 

「遺憾よな、その程度の力で我の一部を封印するなどと世迷言を…!」

 

「僕は心もこの体も何もかも貰ってばかりです。こうでもしないとマスターやヴァネッサ様達に何も返せないんです!!」

 

「貴様その力はまさか!ぐっ!」

 

「これで終わりです」

 

そう言って力を込めるとヴァネッサ様は元に戻ったけど僕はその場に倒れる

 

『湊君(湊)!!』

 

マスター達の他に装者達の足音も聞こえる

 

「湊君!本当に…無茶をして…」

 

「ヴァネッサ様…良かったです元に戻って」

 

「お前こうなる事が分かってたのか」

 

「はい…ですが少し休めば元どおりに動けるようになるかと」

 

そう言った僕は目を閉じた

 

〜エルザside〜

 

「ヴァネッサ湊は」

 

「大丈夫よエルザちゃん、今は眠っているだけ」

 

ヴァネッサにそう言われてわたくしはほっとする

 

「エンキ貴方はあの錬金術が失敗すればどうなるか知っていた教えてあの錬金術が失敗すればどうなっていたの?」

 

「アルスマグナ、あの錬金術が失敗していればその少年の血管は破裂即死していただろう」

 

湊はヴァネッサにそんな危険な錬金術を

 

「その子を此方に連れて来て貰えないだろうか?」

 

「ええ…」

 

ヴァネッサは疑いながらもエンキに言われた通り湊を連れて行く

 

「間違いない…彼は元オートスコアラーじゃないか?」

 

「どうしてその事を…」

 

「それは俺の知り合いが5000年前に作ったオートスコアラーだからだ」

 

あのオートスコアラーを5000年前に

 

「シェムハが力がどうとか言ってやがったがその事も関係してんのか?」

 

「ああ、そのオートスコアラーは元々この月遺跡の持ち主アテネが作り出したオートスコアラーだ」

 

アテネ…何処かで聞いた気が…

 

「思い出したであります!アテネその名前を少し前に湊が眠りながら口にしていた名前であります」

 

「そうか、そのオートスコアラーはアテネを守護する為に作られた物だったんだがその力に目をつけたシェムハはアテネからそのオートスコアラーを奪い自分に絶対服従な道具として使おうとしたんだ」

 

「その力って何なんですか?」

 

「全ての錬金術を無限に扱える力だ。アテネ自身その様な形で完成するとは思ってもいなかったみたいだがな、だがそれにいち早く気が付いたアテネはシェムハに悪用されない為に俺のオリジナルにそのオートスコアラーの封印を頼んできたんだ。今その記憶を彼にインストールした」

 

全ての錬金術を無限に扱える力でありますか…

 

「ん…エンキ様お久しぶりです」

 

湊は目を覚ますとそう言ってエンキに頭を下げる

 

「ああ、アテネから聞いているんだが月遺跡にはネットワークジャマーバラルの呪詛以外にも特殊な機能があると聞いているんだがそれは何なんだ?」

 

「はい、地球への転移術式です」

 

その言葉を聞いてわたくし達は驚く

 

「地球への転移術式だと!?」

 

「はい、月遺跡は元々アテネ様が地球を観測する為に建てた物です。その為地球への転移術式作ったのです」

 

青いギアを纏う装者の言葉に湊は淡々とそう返すと警報音が鳴る

 

「エンキ様これは!」

 

「間違いない!このままではシェムハと再生…この様にな」

 

そこにはエンキでは無く別の女性が映し出される彼女は!

 

「シェムハ…」

 

「やはりアテネの作ったオートスコアラーであったか。万謝するぞ人間、1年前のあの日刹那に人が1つに繋がった事で我は蘇りねがらにかからの浮上を果たせた」

 

「1年前…は!月の落下を止める為に世界中の人類がAppleに繋がれたから!じゃあふその地のあの歌は一体!」

 

「形を変えて現代に残る統一言語の断片、その成れの果てだ」

 

白銀のギアを纏う装者の言葉にシェムハはそう返した

 

「人は1つに繋がらないのではなく」

 

「繋がってはいけなかった」

 

「だが真実を知った所でお前達は月遺跡ごと吹き飛ばされる定めだ」

 

シェムハはそう言って姿を消す

 

「このままじゃ地球に帰還どころか宇宙の藻屑だぞ!」

 

「ギアをギアを纏うデスよ!「皆様此方です!!」何があるデスか!」

 

「地球への転移術式を組み込んである装置です!」

 

湊がそう言うとわたくし達は湊に着いて行った

 

「行き止まりだぜ!?」

 

そう言うミラアルクを他所に湊が壁に手をかざすと壁が開き道が現れた

 

「此処なの?」

 

「はい!時期に作動します!」

 

そう言って湊は転移術式を作動させるとわたくし達が使用する結晶の様な感覚に囚われる

 

「湊!急ぐであります!!」

 

「はい!」

 

わたくしがそう言うと湊は走って何とか転移する前にわたくし達と合流しわたくし達は地球に転移した

 

〜エルザside out〜




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233話

「転移完了しました」

 

程なくして地球への転移が完了する

 

「此処が地球なの?」

 

「はい、ユグドラシルにより原型が多少失われてはいますが」

 

そう言って僕は歩き出す

 

「あそこに誰か居るデス!」

 

「あれは!!」

 

少し歩いた先に見覚えのある姿をした人が倒れていたので近寄る

 

「やはりルシフェル様…ルシフェル様!!ルシフェル様!!」

 

「ん…ああ…テメエは…そうか…アテネの奴の人形か」

 

「はい、何が起こったのですか?」

 

「シェムハの奴が呪われた力を持つ拳を使って来やがってな…この様だ」

 

呪われた力を持つ拳…

 

「でも響さんは此処に居るデスよ!」

 

「ああ、それに呪われた力を持つ拳は立花以外には…」

 

「…ある!あの時私のガングニールの拳を砕いて取り込んでいた!」

 

「まさかそん時のがまだ残ってたってのか!?」

 

どうやら装者の方は原因を知ってるみたいだけど

 

「今は傷の手当てが先です」

 

「悪い…神殺しの一撃を受けてこの体の維持も…難しいんだ…それよりもキャロルとか言う奴の方が気になる」

 

「キャロルちゃんとエルフナインちゃんも一緒だったの!?」

 

「エルフナインって方は知らねえがキャロルはこの先に居る…お前達の身に纏うそれは聖遺物か?」

 

ルシフェル様が装者達にそう聞く

 

「はい、シンフォギアです」

 

「お前の纏うそれも…」

 

「これはファウストローブです。シンフォギアと原理は少し違いますが聖遺物である事には変わりありません」

 

「そう…か…シンフォギアってのを纏う奴は…俺のそばに来てくれ…」

 

ルシフェル様がそう言うと装者達はルシフェル様な側に近寄る

 

「何をするつもりなの?」

 

「俺に残るエネルギーをお前達に託す…頼む…俺の代わりにシェムハを撃って…くれ…」

 

「はい、ルシフェル様」

 

「この星の未来…頼んだぞ…」

 

ルシフェル様が涙を流してそう言うと眩い光に包まれた後別の姿に変わる

 

「アラン!!」

 

「ん…ああ、ヴァネッサか…嬢ちゃん達も無事だったんだな」

 

アラン様が僕達を見てそう言う

 

「彼奴は…ルシフェルの奴はどうなった…」

 

「ルシフェル様は粒子となって消えました。恐らく神殺しの一撃を受けた時点で既に危険な状態だったのでしょう。もう少し早ければ助かったのかも知れませんが」

 

「そうか…」

 

アラン様は少し残念そうな声でそう言う

 

「湊君私達はアランと月遺跡から転移された施設に避難して居るわ」

 

「悔しいが今のうちらじゃシェムハに太刀打ちは出来ないぜ」

 

「ですが湊ならきっと出来るでありますよ。わたくし達はわたくし達に出来る精一杯の事をするであります」

 

「はい、マスター達もお気をつけて」

 

僕がそう言うとマスター達は転移された施設に向けて歩いて行った

 

「湊君…」

 

「貴方達と共に戦うなんて不本意です。ですがルシフェル様の犠牲を無駄にしない為にも、そして何より僕の事を信じて下さっているマスター達の為にも貴方達と共にシェムハを撃ちます」

 

「うん、行こう皆!」

 

橙色のギアを纏う装者達に続き僕はシェムハの元に向かった




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234話

〜響side〜

 

「響!!」

 

「未来!?どうして此処に」

 

私達がキャロルちゃんの居る場所に向かっていると未来が神獣鏡を纏って来る

 

「弦十郎さんから神獣鏡の使用の許可が降りたの、私も戦うよ響」

 

「うん、一緒に戦おう未来」

 

そう言って私達は再びキャロルちゃんの居る場所に走る

 

「キャロルちゃんとエルフナインちゃんなんだよね?」

 

「ああ、そこの奴の事も聞きたいが色々は後回しだ」

 

キャロルちゃんの目線の先にはカマエルのファウストローブを纏う湊君が居た

 

「湊君」

 

「呪われた力神殺し我の依代たる友の前に何とする」

 

「誰かを困らせる誰かが居るのなら私は止めるこの拳で!」

 

「俺達8人が揃った今なら神の力を覆せる、神獣鏡を纏う装者は後方にて隙を狙いカマエルのファウストローブを解け行くぞ!」

 

キャロルちゃんの言葉に頷き私達はシェムハに向かって行った

 

「アテネ様…貴方のお力お借りします。はあ!」

 

キャロルちゃんの錬金術がシェムハの障壁に防がれる中に湊君は武器を槍と盾に変え槍を投げる

 

「くっ!声を重ねて力をましたか…!」

 

障壁が破られキャロルちゃんの錬金術がシェムハに命中して直ぐに湊君の投げた槍がシェムハに向かって行くが槍はシェムハによって弾かれる

 

「アイギス」

 

「そう、あらゆる邪悪、災厄を払う魔除けの能力を持つアテネ様のアイギスであればあの人を傷つけずに助けられる!」

 

「だが!まさか…」

 

シェムハはダメージの無力化をしようとしたが失敗に終わる

 

「不条理の執行に無力化されない」

 

「これなら行ける!」

 

そう言ってマリアさんと切歌ちゃんと調ちゃんが同時に攻撃する

 

「はぁぁあ!」

 

「ふっ」

 

翼さんの攻撃をシェムハは光剣で受け止める

 

「一度離脱しろ!」

 

「ああ!」

 

翼さんがシェムハから離れるとキャロルちゃんは弦でシェムハを拘束する

 

「ふっ」

 

翼さんが斬りかかろうとするとシェムハは笑い光を放つ

 

「まさか神獣鏡の輝きを!」

 

「こっちが神殺しのであれば向こうはシンフォギア殺しなのデス」

 

「そんな話はどうでも良いので闘ってください」

 

神獣鏡の輝きに驚く切歌ちゃんと調ちゃんに対して湊君はそう言う

 

「「はぁぁあ!」」

 

マリアさんと湊君がシェムハに同時に攻撃するとシェムハの障壁は破れる

 

「本当に効いてやがるこれってエクスドライブの力なのか?」

 

「違うだけどまるで位相差障壁を突破するかのように」

 

すると赤い光が天に向かって伸びそこからシェムハが姿を現す

 

「湊を依代とするシェムハは」

 

「此処からが本気みたいデスよ」

 

「我が欲したのは権利や力などではない、その先にある未来だ!」

 

シェムハはそう言って無数の生き物を生み出す

 

「我らであっても独立した個を備える以上擦過して激突するそれでは完全なる存在とは言えぬ神とはちゃんちゃら、故に我はこの実験場にてこの統合を試み夢と見た」

 

「はあ!」

 

シェムハの撃った光線を湊君は盾を巨大化させて防ぐ

 

「皆!ぐあ!」

 

「誰もが痛みに傷つき、分かり合えぬ夜に涙しない未来の為に」

 

「湊君!!」

 

「もう遅いたった今この依代は我を受け入れた!」

 

「そんな!?「そんなのは嘘!!」え?」

 

そう言ったのは私への攻撃を打ち破った湊君だった

 

「あの人がシェムハ貴方を受け入れる事は絶対にない!心の牢獄に閉じ込め無理矢理体の自由を奪っている貴方を受け入れるなんて!」

 

そう言って湊君はシェムハに向かって行く

 

「彼奴が抑えてる今が好機だ!」

 

『オーバーブレイブ!!』

 

私達も7人の力を重ねてシェムハに向かって行く

 

「未来を!!「呪われた拳でお前は俺を殺すのか」は!」

 

一瞬湊君の姿になりそう言うシェムハの姿に一瞬力が緩むでも

 

「あの子はそんな事は言わない!!」

 

「そうデス!」

 

「湊ならこんな時はきっと」

 

「「「自分を殺してでも敵を撃て!!」」」

 

マリアさん達3人の言葉に後押しされ私はシェムハに向かって拳を撃ち込む

 

「ふっ」

 

攻撃が当たる直前にシェムハが笑うと私達の前に現れたのはユグドラシルだった

 

「ぐあ!」

 

シェムハは私達の後ろに回り込んで私達にカマエルの炎を放つ

 

「どうして…」

 

「此奴の力を借りたまでよ、便利よのう自由に姿を変えられると言うのは」

 

まさか湊君の力を使ってユグドラシルを自分に見えるように

 

「無粋に足掻く、だが責めて散り際は白銀に煌くが良い!」

 

「ふっ!」

 

シェムハの光線が当たる直前湊君が私達の前に出て盾を巨大化させる

 

「アイギスか、だが乱発叶わぬこの力にいつ迄耐えられるか」

 

「湊君…「僕はただアテネ様からの遺言を守っているだけです」遺言…」

 

「人は守る価値のある生き物だと、そして自分の命はとうに尽きるので僕に守って欲しいとそう仰いました!信じて下さいアイギスを!その思いがアイギスの力をより強くします!」

 

思いが強くする…

 

「皆!」

 

私が呼びかけると皆は頷く

 

「たく…しゃあねえな」

 

「ああ、だが立花らしい」

 

「ええ…本当に」

 

「そうデスよ」

 

「うん」

 

「全く、お前は」

 

皆はそう言って立ち上がる

 

「響」

 

「未来…うん」

 

私の隣に来た未来が私の手を繋ぐ

 

(もう直ぐ皆で助けに行く、だから待っててね湊君)

 

〜響side out〜




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235話

「くっ!」

 

「良くやったと褒めてやろうだが…此処までだ」

 

シェムハはそう言って威力を上げる

 

「ん?まだ我に逆らおうとする者が居たとは…いや人ではなく神か」

 

シェムハは攻撃を辞め上空から飛んでくる光を避ける

 

「お主ら!」

 

そう言って1人の女性が空から降りてくる

 

「琥珀さん!」

 

「うむ、遅くなって済まんのうさっきようやくこれが完成した所じゃ」

 

琥珀と呼ばれた女性はそう言って一本の剣を取り出す

 

「まさかこの剣が!」

 

「そのまさかじゃ、お主は早くこれに神殺しの力を譲渡せよ。翼お主とクリスそしてマリアはシェムハの足止めを頼む。キャロルは童の合図があり次第シェムハを拘束してくれ、アイギスを使うお主も翼達と共に行ってくれると助かるのじゃ」

 

「…わかりました」

 

僕は少し考えてからそう言ってシェムハに向かって行く

 

〜切歌side〜

 

「良い切ちゃん?」

 

「大丈夫デス!」

 

私と調は神殺しの力が譲渡された剣を2人で持っている

 

「あの…私達は」

 

「どうするのデスか?」

 

私と調は琥珀さんに何も言われなかった事が気になりそう聞く

 

「ああ、そうじゃったのうお主ら2人には主人の奪還をして貰う」

 

「「奪還?」」

 

「そうじゃ「琥珀さん神殺しの譲渡終わりました」うむ、済まぬがお主も翼達と共にシェムハの足止めを頼む」

 

響さんはそう言うと翼さん達の元に向かって行った

 

「さて、確かに神殺しは強力な力じゃ。主人とてただでは済まぬであろう」

 

「それじゃあ…」

 

「もう湊は助からないって事デスか?」

 

「話は最後まで聞かんか、お主ら2人には主人への思いを譲渡して貰う」

 

私達の思い?

 

「それが湊の奪還とどう関係して来るデスか?」

 

「確かに神殺しの力は呪われた力かも知れん、じゃが…人の思いは呪いすらも塗り替える。童は一度その奇跡に立ち会っている」

 

琥珀さんは懐かしそうにそう言う

 

「お主ら2人の主人への思いは呪い如きに捻じ伏せられる柔な物なのか?」

 

「そんな事ないデス!」

 

「湊に対する思いなら私は切ちゃんにだって負けない」

 

「私だって調に負けない自信があるデスよ!」

 

私と調はそう言って睨み合う

 

「あはは!そうかそうか、じゃがそれだけの思いがあるのであれば大丈夫じゃろう、主人の事頼んだぞ」

 

「「はい(デス)」」

 

笑ってそう言う琥珀さんに私と調は頷く

 

「おっと…急に重くなったデスね」

 

「うん…剣の刃も大きくなってる」

 

このくらいあれば大丈夫デスかね?

 

「それじゃあちゃっちゃと湊を連れて帰るデスか」

 

「行こう切ちゃん」

 

そう言って調とシェムハに向かって行く

 

「完成したか、キャロルよ今じゃ」

 

「ああ、確実に仕留めて来い」

 

キャロルがそう言ってシェムハを拘束する

 

「そう何度も同じ手は通じぬ、!」

 

「そいつは囮だ本命は」

 

「ふっ!」

 

キャロルがそう言うと湊が錬金術を発動させる

 

「これは…重力で我の動きを封じたかだが!」

 

シェムハは神獣鏡の光を私達に向けて放つ

 

「小日向未来よお主の出番じゃ」

 

「はい!はあ!」

 

それに未来さんが神獣鏡の光をぶつける

 

「くっ!」

 

「「「はぁぁあ!!」」」

 

私と調の後ろに続く形で響さんがシェムハに向かう

 

「切歌、調」

 

「これ以上湊の声で喋らないで!」

 

「お前みたいな奴にそんな声で呼ばれても全然嬉しくないデス!」

 

「チッ!はあ!」

 

シェムハは無駄だと分かると直ぐに光剣で私達を迎え撃つ

 

「わかっているのか!その剣で貫けばこの男も!」

 

「バラルの呪詛が消えた今隔たりなく繋がれるのは神様だけじゃない!人と人も隔たりなく繋がれる筈!」

 

「私と切ちゃんの思いが湊に届くと信じて!湊を閉じ込める牢獄を砕くと信じて!」

 

「貫くデス!」

 

私と調が持つ剣は光剣を切り裂きシェムハに突き刺さる

 

「ぐっ!ああああ!」

 

私達の持つ剣がシェムハを貫いた後響さんがシェムハに神殺しの拳を打ち付ける

 

「やったね切ちゃん」

 

「湊の奪還見事に成功デスね調」

 

剣を手放した私と調には私達の大好きな湊の姿があった

 

〜切歌side out〜




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236話

『湊!!』

 

「ん?気のせいか?切歌と調の声がした気がするんだが」

 

俺がシェムハに閉じ込められた牢獄に居ると何故か切歌と調の声が聞こえた気がした

 

『気のせいじゃないデスよ』

 

『私達は此処に居る』

 

少しすると牢獄の前に切歌と調が剣を持って現れる

 

「お前ら…」

 

「助けに来たデスよ」

 

「帰ろう皆の所に」

 

2人はそう言って剣で牢獄を壊す

 

「ああ、帰るか彼奴らの所に」

 

俺が切歌と調に差し伸べられた手を取ると俺の意思は浮上して行った

 

「ん…」

 

目を覚ますとテントに居た

 

「此処は…「目が覚めたか」おっさんつう事は此処はS.O.N.G.のテントって事か」

 

俺がそう言うとおっさんは頷く

 

「この揺れは」

 

「大変です司令!惑星環境の改変速度元に戻って!」

 

「状況の報告をお願いします」

 

惑星…改造速度…思い出した!

 

「何処へ行くつもりだ」

 

「決まってんだろ!彼奴らの所だ!」

 

「無茶だ、まだ体も本調子じゃないだろうに」

 

「無茶だとしても見てるだけなんて出来っかよ!」

 

俺はそう言って止めるおっさんを無視して切歌達の所に向かう

 

「さあ行くぞカマエル」

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺はそう言って聖詠を行い切歌達の居るユグドラシルに向かった

 

〜翼side〜

 

「目視にて状況を確認」

 

「本部シェムハは倒れてもユグドラシルはまだ生きている」

 

『何だと!?』

 

私は伯父様にユグドラシルがまだ生きている事を伝える

 

『此方からはつい先程湊君がそちらに向かった』

 

「待って下さい伯父様!湊はまだ万全の状態では無いのでは!?」

 

『ああ、俺もそう言った。だが見てるだけは出来なかった様だ』

 

私の質問に伯父様はそう答える

 

『先行したユグドラシルをメインシャフトと仮定中枢部を破壊して惑星環境の解剖を喰い止めるのだ!』

 

「行くぞ何とかなる」

 

「クリスちゃん」

 

雪音は立花の肩に手を置きそう言う

 

「中枢を叩いて砕くそれで各地のユグドラシルも機能を停止する筈」

 

「行くわよ!」

 

私達は立花を先頭にユグドラシル内部に侵入中枢を目指し降下する

 

「洒落臭いのが端首揃えて!」

 

「だけど今のコンディションでは」

 

下降を続けて行くとシェムハの作り出した生き物が無数に存在していた

 

「もたもたしてたらこの地球は!」

 

「知らない星に作り変えられちゃうのデス!」

 

「だったらその前に中枢にたどり着けば良いだけの事!」

 

すると上空から聞き覚えのある声と見覚えのある赤いギアが急降下して行きその生き物を破壊する

 

「あのギアはまさか!」

 

「間違いないデスよ」

 

「やっぱり私達が困ってたらいつも助けに来てくれる」

 

月読がそう言うとその人物は私達に顔を向ける

 

「悪い遅くなった」

 

『湊(君)!!』

 

そこにはカマエルを纏う湊の姿があった

 

「もう大丈夫なの?」

 

「何とかな、普通に戦えるくらいにまでは回復してる」

 

立花の問いかけに湊はそう答える

 

「この先の中枢部を壊した所で他のユグドラシルのいずれかが完成機能を獲得して稼働は止められない」

 

「つまり新たなメインシャフトが完成しそれがどれだか分からなくなるのか」

 

「ああ」

 

雪音の言葉を湊は肯定する

 

『皆さん!』

 

「エルフナイン?どうかしたの?」

 

そこにエルフナインからの通信が入る

 

『その先のユグドラシルを破壊した所で新たなメインシャフトが完成する事は湊さんから聞きましたか?』

 

「ああ、今その説明を受けた所だ」

 

『そうですか、では此処がメインシャフトと仮定できる今中枢をフォニックゲインで制御し全ての薪を爆破し同時伐採するしかありません!』

 

「フォニックゲインで?だが私達は1度チフォージュ・シャトーの起動にも失敗して」

 

そう私達はチフォージュ・シャトーの起動に失敗して居る

 

『だからこそキャロルは湊さんを救おうとしたんです。七つの惑星と七つの音階、そしてそれを1つに束ねる八つ目の惑星と八つ目の音階世界を調和する音の波動こそが統一言語8人の歌が揃って踏み込める神の摂理、世界を知れと言うパパからの命題に対する僕とキャロルなりの回答です!』

 

「八つの調和」

 

(それであの時キャロルはああ言ったのか)

 

私はキャロルの言っていた事の意味を理解した

 

「私達とキャロル8人の共闘がシェムハの埒外物理を突破したのはそう言う事だったのか」

 

『はい』

 

「話は理解出来たな、あと少しで中枢部にたどり着く筈だ。準備は良いな」

 

湊の言葉に私達は頷き中枢部を目指した

 

〜翼side out〜

 

「此処が中枢部みたいだな」

 

「うん、皆信じよう胸の歌を」

 

「私も響と皆と一緒に」

 

響と未来の言葉に全員が頷き歌を歌う

 

「これが私達の」

 

『絶唱だ〜!!』

 

俺達のその言葉に反応するかの様に中央の球体が爆発する寸前に全員ユグドラシルの出口に向かって飛び立つ

 

「ぐっ!」

 

「このままじゃギアが!」

 

「待ちそうに無いのデス!」

 

全員のギアから火花が散り損傷もある本当に待ちそうにない

 

「全員残ってるフォニックゲインを俺に回せ!」

 

「何をするつもりだ!」

 

俺の突然の言葉に翼がそう聞く

 

「カマエルの最大火力を出せば何とかユグドラシルの出口までたどり着けるかも知れない!」

 

「待ちなさい!そんな事をすれば貴方は!」

 

「ああ、ただじゃ済まないだろうな。だがこのままじゃ此処で全員!」

 

俺の言葉にマリアは言葉を詰まらせる

 

「分かった…」

 

そう言ってクリスが俺の肩に手を置く

 

「クリスちゃん?」

 

「お前ももたもたしてねえで此奴にフォニックゲインを分やがれ」

 

「うっうん」

 

響に続き切歌に調に翼に未来が俺にフォニックゲインを送る

 

「マリア」

 

「わかっているわ」

 

俺がそう言うとマリアも観念して俺にフォニックゲインを送る

 

「もうこのサイズで精一杯か」

 

銃のサイズはステラ達との時の半分くらいのサイズだった

 

「全員振り落とされるんじゃねえぞ!」

 

《Chamael Megido》

 

俺はカマエルの最大火力を放つ

 

「くっ!あと…少し…」

 

ユグドラシルの出口も見えて来た所でカマエルの火力が落ちて行く

 

「踏ん張れ湊!」

 

「わかってる!おいマジかよ!」

 

そこに爆破するユグドラシルの中から人の様な何か向かって来る

 

「まさかあれは!」

 

「シェムハなのかよ!」

 

「しゃあねえ!」

 

俺はカマエルの炎をクリス達に巻きつける

 

「まさかお前!!」

 

「そら!!」

 

俺はユグドラシルの出口目掛けて響達全員を放り投げる

 

「くっ!限界か…」

 

そこでカマエルが解除され俺はシェムハと思われる人影に捕まった

 

『答えよ何故1つに溶け合う事を拒むのか?』

 

「シェムハなのか?」

 

俺がそう聞くとその女性は頷く

 

「確かにお前の言った誰もが痛みに傷つき、分かり合えぬ夜に涙しない未来、そんな未来が来れば良いかも知れないな」

 

『なら「だがな」何?』

 

「だが簡単に分かり合えないからこそ誰かを思い大切にする事が出来る。誰かを好きになる事が出来る。人は過ちを犯すもの、だけど人はその過ちから学びやり直す事も出来る」

 

『その過ちによってまた未来に悲しみ苦しむ事になってもか?』

 

「ああ、人は傷付け合いながらも自分の足で前に進んで行ける。神の知らない光で歴史を未来を作って行ける。人にはそれだけの可能性が眠っていると俺は信じている」

 

俺がそう言うとシェムハは小さく笑う

 

『ならば責務を果たせよ、お前がそして彼女達がこれからの未来を司るのだ』

 

そう言うとシェムハの姿は段々と薄れて行き遂には見えなくなった

 

「湊…湊君!!」

 

「起きるデスよ湊!!」

 

「起きて湊!!」

 

「お前らうるさい…」

 

俺は泣きながら俺を呼ぶ響達3人にそう言う

 

「湊…本当に良かったデス!!」

 

「切ちゃん大袈裟…でも…無いね」

 

切歌と調はそう言って地面に寝転がる俺に抱きつく

 

「良かった…本当に」

 

響もそう言って涙を拭う

 

「たく、またとんでも無い無茶しやがって」

 

「今回ばかりは流石に肝が冷えたわ」

 

「ああ、だが無事で何よりだ」

 

「そうですね、ほら響いつ迄もそこに居たらダメだよ」

 

未来がそう言うと響はその手を掴む

 

「私達は先に風鳴司令の所に向かうわ、湊達も早く来るのよ」

 

「ああ」

 

俺はマリアにそう返して登る太陽を眺めた




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237話

「そこに居るんだろノーブルレッド」

 

シェムハを撃破した翌日俺はエルザとミラアルクに付けた発信器でノーブルレッドの居場所を特定した

 

「何か用かしら?」

 

「米国からの通達だ」

 

俺はそう言って出て来たヴァネッサに一枚の紙を渡す

 

「どう言うつもりかしら?」

 

そこには米国で裁かれる筈だったヴァネッサ達の今後は俺に一任すると書かれてあった

 

「見たまんまだ」

 

「そう、皆移動するわよ」

 

ヴァネッサがそう言うと中からエルザとミラアルクが出て来る

 

「どうしたでありますかヴァネッサ?貴方は」

 

「どうしたんだぜ、テメエうちらに何の様だ!」

 

俺を見たエルザとミラアルクは警戒する

 

「私達の今後が決まったわ」

 

そう言ってヴァネッサはエルザとミラアルクにもその紙を見せる

 

「そう言う事か」

 

「わたくし達をどうするつもりでありますか?」

 

「それをこれから話す所だ。お前達特にヴァネッサには俺の実験に付き合ってもらう」

 

俺がそう言うとエルザとミラアルクは表情を曇らせ俯く

 

「その実験って何かしら?」

 

「怪物を人に戻すワクチンの調合だ」

 

俺がそう言うと2人は俯いていた顔を上げる

 

「怪物を人に戻すワクチンでありますか?」

 

「ああ、効力は薄いがお前達2人程度なら人に戻せるくらいのワクチンは完成している」

 

「うちらを人間に…でもそんな事をしてもお前に何のメリットも」

 

「メリットはある俺の願いの1つに繋がる」

 

ミラアルクの言葉に俺はそう返す

 

「貴方の願い?」

 

「ああ、こう言っちゃ何だが世界にはヴァネッサみたいに完全な怪物に変えられちまったやつがごまんと居る。俺はそう言った奴らを全員とは言わないだが1人でも多く救いたいんだ」

 

俺が知ってる中でも完全な怪物に変えられた奴は数え切れないほど居た。そしてそう言った奴に限って人に戻る事を元の暮らしに戻る事を願い望んでいた

 

「わかったわ、でも条件があるわ。エルザちゃんとミラアルクちゃんを先に人間に戻してあげて」

 

「わかった、早速行くぞ」

 

「ええ」

 

そう言って俺達はもう1人の俺とアランの奴を待った

 

「此処だ」

 

「あの…本当にマスター特にミラアルク様を人間に戻せるのですか?」

 

「ああ、今まで数人を人間に戻した事がある」

 

もう1人の俺の問いかけに俺はそう返す

 

「んでお前は何で名前になったんだ。俺が居るんだ湊って訳にもいかないだろ」

 

「はい、モアです。マスターの出身国フランスで月と言う意味を持つそうです」

 

「そうか、よろしくなモア」

 

「はい」

 

俺がそう言うとモアは笑ってそう返す

 

「これに入るでありますか?」

 

「ああ」

 

中には液体の入った人1人入れる装置がある

 

「あの液体がうちらを人間に」

 

「そうだ、早速始めるぞ」

 

俺がそう言うとエルザとミラアルクは衣類を脱ぎ中に入る

 

「不思議と悪くない感覚だぜ」

 

「それ所か何処か心地良いであります」

 

「そう、初めて頂戴」

 

俺はヴァネッサにそう言われて装置を起動する

 

〜エルザside〜

 

「うっ…うぁああ!」

 

「ミラアルク!うっ…」

 

隣で叫ぶミラアルクを見ようとすると本来尻尾のあった部分に違和感を感じる

 

『エルザちゃん!ミラアルクちゃん!』

 

『落ち着けヴァネッサ、怪物になりかけた奴を人の方に戻すんだ辛いのは当然だ』

 

叫ぶヴァネッサをアランがそう言って落ち着かせる

 

『終わったぞ』

 

彼のその言葉を聞いてわたくしとミラアルクは外に出て用意されたタオルで体を拭いていると

 

「ミラアルク…」

 

「どうしたんだぜ…エルザそれ…」

 

「はい、わたくしの尻尾であります。アタッチメントではなく本物の…」

 

「て事はうちも…」

 

ミラアルクはそう言って腕に力を入れるとまだ微妙にあの感覚があるらしい

 

「戻ったか」

 

「エルザちゃん!ミラアルクちゃん!」

 

「「ヴァネッサ!」」

 

部屋を出ると彼とヴァネッサが待っていた

 

「体に異常はないか?」

 

「ガンス」

 

「うちも異常はないぜ」

 

彼の質問にわたくしとミラアルクはそう返す

 

「良かった、2人とも人に戻れたのね」

 

「いえ、ミラアルクはまだ微妙にあの感覚が残っているらしいであります」

 

「ああ、でも気になる程じゃないんだぜ」

 

わたくしとミラアルクがそう言うとヴァネッサは彼を見る

 

「どう言う事かしら?」

 

「薬と同じで個人差がある。エルザとミラアルクの違いはそれだ」

 

「そう…ならもう一度今と同じ物を受ければ」

 

「ああ、ミラアルクも人間に戻れるだろうな」

 

ヴァネッサにそう言うと彼は何処かに向かって行った

 

〜エルザside out〜




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238話

「ただいま」

 

「「「お帰り(デス)パパ(湊)(ご主人)!」」」

 

エルザ達と一度別れ家に帰ると切歌と葉月とルナの3人が出迎える

 

「悪い俺また直ぐに出なきゃいけないから晩飯はいらない」

 

「パパ…葉月も行って良い?」

 

葉月にそう言われて少し考える。

 

「わかった、良いぞ葉月。着替え持って来い」

 

「うん!」

 

俺がそう言うと葉月は自分の部屋に着替えを取りに行った

 

「ご主人私も行きたい」

 

「ああ、別に良いぞ」

 

「湊私も良いデスか?」

 

「悪い切歌お前は辞めておいてくれ今回会う奴の1人に葉月の顔見知りの奴が居るから連れてくだけなんだ。ルナはもしもの時の為だ」

 

「そうデスか、わかったデス。調には私から伝えておくデス」

 

「ああ、悪いが頼む「パパ!準備出来た!」よし行くか」

 

「「うん(るる)」」

 

俺と葉月とルナはそう言ってヴァネッサ達の居る施設に向かう

 

「パパ此処なの?」

 

「ああ、入るぞお前ら」

 

俺はそう言って中に入る

 

「来たのね、その子は?」

 

「パパ…この姉さん誰?」

 

「此奴はヴァネッサだ」

 

葉月はそう言うと恐る恐るヴァネッサに近づく

 

「怖がらなくても大丈夫よ」

 

ヴァネッサはそう言って葉月の頭を撫でる

 

「ご主人…説明」

 

「ああ、お前には話とかないとな」

 

俺はルナにヴァネッサ達の事を米国が俺に一任した事を伝える

 

「そう…それでご主人はあの人達を…わかった」

 

「悪いな話すのが遅れて」

 

俺はそう言ってルナを撫でる

 

「うちらを忘れてないか?」

 

「忘れるかよ」

 

「エルザお姉ちゃん!!」

 

葉月はエルザを見つけるとそっちに走って行く

 

「貴方は…彼が連れて来たでありますか」

 

「エルザちゃんその子の事知ってるの?」

 

「ガンス、わたくしが彼に捕らえられている時に面識があるであります」

 

ヴァネッサの問いかけにエルザはそう返す

 

「さて、アランの奴は何処だ?」

 

「あ?俺に何か用か?」

 

「ああ、お前に関係する事だ」

 

俺はルナとヴァネッサとアランだけ残し他は席を外して貰った

 

「ほーん、英国がね」

 

「ああ、生物兵器を作り出せるだけの技術と腕それを英国で役立てて欲しいとの事だ」

 

正直言って俺はこの話に何か裏があるんじゃないかと思っている

 

「何か裏があるんじゃないかしら?」

 

「俺もそう思う。だがあくまで決めんのはお前だ」

 

「そうかよ、俺は行かねえぜ。あんな所に行ってもまた新しい生物兵器を作れだのなんだの言われるだけだろうからな」

 

「そうか、お前はどう思うルナ?」

 

ルナがフランスで行ってた観測任務それは英国の動きを観測する任務だったルナなら今の英国がアランをどう使うか大体予想出来るだろう

 

「多分アランの言う通りになると思う」

 

「そうか、わかった。英国には俺から断りを入れておくそんでお前は今後どうするつもりだ?」

 

俺はアランに今後どうするかを聞く

 

「どうすっかな…いっその事香港にでも帰って…」

 

アランはそう言って考える

 

「ならこっちにS.O.N.G.に来るか?」

 

「あ?S.O.N.G.に来るかだ?」

 

「ああ、お前の腕なら技術スタッフとしても十分に通用するだろ」

 

俺がそう言うとアランは考える

 

「技術スタッフか…そっちが良いならその話乗らせてもらうぜ」

 

「わかった明日おっさんに聞いてみる。そろそろ夕飯か」

 

俺はアランにそう言って立ち上がり夕飯を作り始めた




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239話

「おっさんちょっと良いか?」

 

翌日の朝俺は早速おっさんに通信を繋げた

 

『何だ湊君?』

 

「ノーブルレッドの件だ」

 

『ああ、確か君の判断に一任されたんだったな?』

 

「そうだ、それで物は相談なんだがアランの奴をそっちで技術スタッフとして雇えないか?」

 

俺は直球でおっさんにそう聞く

 

『君の言うアランと言うのはノーブルレッドのバッグアップをして居たアラン・リヴィアスの事か?』

 

おっさんの言葉に俺は頷く

 

「生物兵器を作り出せるだけの技術と腕があるんだ。技術スタッフとしては申し分ないだろ、何よりエルフナインだけに負担をかける訳にはいかないからな」

 

『確かに君の言う通りエルフナイン君だけに負担をかける訳にはいかないからな、その事は俺と湊君を除く装者全員で話し合って決める。君は今ノーブルレッドと居るのか?』

 

「ああ、ある実験に付き合って貰ってる」

 

『そうか…結果は後日君から伝えて貰う』

 

「了解」

 

俺はそう言っておっさんとの通信を切る

 

「ん…おはようご主人…」

 

「起きたかルナ、もう直ぐ出来るから待ってろ」

 

俺がそう言うとルナは椅子に座って朝食を待つ

 

「出来たぞ」

 

「るる」ジュルリ

 

ルナは朝食のハムと目玉焼きを見て舌舐めずりをする

 

「パパ!おはよう!!」

 

俺とルナが朝食を食べていると葉月が起きて来る

 

「おはよう葉月朝食持ってくるから座って待ってろ」

 

「うん!」

 

俺はそう言って葉月が座ったのを確認してから葉月の朝食を取りに行った

 

「そういや葉月エルフナインと遊ぶ約束して無いのか?」

 

「エルフナインと一緒にお散歩に行こうって約束してるんだ」

 

どうやらエルフナインと葉月との散歩は未だに続いているらしい

 

「おはようございます」

 

「起きたかモア、ほら朝食だ」

 

「ありがとうございます」もぐもぐ

 

俺が起きて来たモアに朝食を渡すとお礼を言って食べ始める

 

「お前はどうするつもりだ?」

 

「ん…マスターとミラアルク様のお2人と遊ぼうと思ったのですがこの辺りの事はあまり知らず」

 

まあ、知らなくて当然か

 

「俺が案内してやろうか?ま、もっと適任者が居るがな」

 

「何方ですか?」

 

「立花響、あの橙色のギアの装者だ」

 

彼奴なら例え元敵であっても街の案内であれば喜んでしてくれるだろう

 

「そうですか「おはようであります」おはようございますマスター」

 

「おはようエルザ」

 

モアと話しているとエルザが起きて来た

 

「街の案内でありますか。わたくしめも同行しても宜しいでしょうか?」

 

「別に良いぞ、朝一の用事も済んでるしな」

 

俺がそう言うとルナに袖を引っ張られる

 

「ご主人ゲームセンターって言うのに行ってみたい」

 

「ゲーセンか、ならある程度案内出来たら行くか」

 

「るる♪」

 

俺がそう言うとルナは嬉しそうに頷いた




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240話

「んで、お前らは何処か行きたい場所でもあったのか?」

 

暫くしてミラアルクも起きて来たのでエルザとミラアルクの2人にそう聞く

 

「うちはそうだな…服だな」

 

「わたくしもミラアルク同様に服を見ようと思っていたであります」

 

俺の質問にエルザとミラアルクはそう答える

 

「お前ら2人は服か、お前はどうなんだモア?」

 

「そうですね…特に何もマスターやミラアルク様とお出かけ出来るだけで充分ですから」

 

無いのかよ

 

「そんじゃショッピングモールにでも行くか、おいルナもう良いだろ」

 

「後5分…」

 

おれの膝の上に乗ってるルナがそう言うがこれって段々長くなる奴だよな

 

「お前いつもこんななのか?」

 

「いつもだ、ほらルナ皆を待たせてるぞ」

 

「るる」

 

俺がそう言うとルナは俺の膝から降りて外に向かって行く

 

「此処がショッピングモールか」

 

「広いであります」

 

「マスター、人が沢山居ます!」

 

初めてショッピングモールに来た3人が各自思い思いの反応をする

 

「此処で逸れたら最後中々見つからないから逸れるなよ」

 

「ガンス」

 

「了解だぜ、と言っても1人既に逸れそうな奴が居るけどな」

 

そう言ってミラアルクの見ている所を見ると人混みに紛れてモアが押し流されて行っていた

 

「マスター!!」

 

「はぁ、先が思いやられるな。待ってろモア」

 

俺達はそう言ってモアを追いかけて行く

 

「はぁはぁ、すみません早速ご迷惑を」

 

「まあ、あの人混みの中じゃ身動きは取れなさそうだったし気にすんな」

 

モアを追いかけて数分やっとの思いでモアを人混みから引っ張り出し今はエルザ達3人の服を見に来ている

 

「ご主人どう?」

 

「似合ってるんじゃ無いか?」

 

試着室のカーテンを開けたルナにそう言う

 

「む…次着て来る」

 

ルナは不機嫌そうな表情でそう言うとカーテンを閉めて次の服に着替える

 

「うちは終わったぜ」

 

「わたくしも終わったであります」

 

そこに服の会計を終えたエルザとミラアルクが来る

 

「今度こそ…ご主人!」

 

それと同時にルナが勢い良くカーテンを開ける

 

「良いんじゃ無いか?似合ってるぞ」

 

「るる♪これにする」

 

そう言って今度は嬉しそうな表情に変化してカーテンを閉める

 

「さて、今度はお前の番だぜ」

 

「モア一緒に選ぶであります」

 

「はい、マスター」

 

そう言ってエルザとミラアルクはモアの服を見に行った

 

「ご主人お待たせ」

 

「んじゃ会計済ませて彼奴ら待つぞ」

 

「ご主人は買わないの?」

 

「俺か?どうすっかな…」

 

ルナに聞かれて悩んでいると

 

「あれ?湊とルナちゃん?」

 

「ん?未来か」

 

名前を呼ばれた方を見るとそこには未来と響が居た

 

「珍しいね、2人だけなんて」

 

「ああ、と言っても今居ないだけだがな」

 

「ありがとうございますマスター」

 

「それはわたくしではなく彼に言うべきでありますよ」

 

未来と響の2人と話して居るとエルザ達が出て来る

 

「あれ?確かノーブルレッドの」

 

「お前は!」

 

ミラアルクは響を見た途端戦闘態勢に入る

 

「待てミラアルク、ただ会っただけだ」

 

「チッ!行こうぜエルザ」

 

「ガンス」

 

そう言ってミラアルクはエルザとモアを連れて何処かに行く

 

「おい待てよお前ら」

 

「待ってご主人!」

 

俺とルナはミラアルク達の後に着いて行った

 

「何処に行くつもりだよ」

 

俺はモアを引き止めてそう聞く

 

「うちは彼奴らと馴れ合うつもりは無いぜ。正直言ってお前とも」

 

「俺は馴れ合えなんて言うつもりは無い。ただ、偶々会っただけであれはどうかと思うぞ」

 

「ミラアルクわたくしも今のはどうかと思うであります」

 

俺の意見にエルザも賛成する

 

「うっわかってるぜ、んで次は何処に行くんだぜ?」

 

「ああ、次はな「「ぐ〜」」…」

 

俺がゲーセンに向かうと言おうとした所でエルザとミラアルクのお腹が鳴る

 

「取り敢えず昼にするか」

 

「「ああ(ガンス)」」

 

エルザとミラアルクは顔を赤くしながらもそう言って頷いた




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241話

「少し良いかしら?」

 

ショッピングモールから帰り夕食も食べ終えた後そんな声と共に俺の使ってる部屋がノックされた

 

「良いぞ」

 

俺がそう言うと俺の部屋をノックしたヴァネッサが入ってくる

 

「何の用だ?」

 

「エルザちゃんとミラアルクちゃんの事よ。ありがとう貴方のお陰で2人共は元の人間の姿に戻る事が出来つつあるわ」

 

「エルザの方はもう大丈夫だろ。後はミラアルクだな、明日には元の人間の姿に戻るだろう。つうかエルザの奴が早すぎんだよ、初っ端で人間の姿に戻る何て今までなかったからな」

 

まああそこまで小さい奴も初めてだったから恐らくは身長なんかも関わって来るんだろうな

 

「アランの件はどうなっているの?」

 

「今朝連絡を取った。俺を抜きに装者達と話し合うそうだ」

 

「そう、こう言うのもおかしな話だけど…私はもっと早く貴方や彼女達に出会いたかった。少なくともパヴァリア光明結社で怪物として扱われたあの時よりも真面な生き方を出来ただろうしアランも生物兵器をあんなに造らなくて済んだ」

 

ん?彼奴が生物兵器を造らずに済んだ?

 

「どう言う事だ?」

 

「アランは私達を元の人間の姿に戻す為に生物兵器を造っていたの、素直に謝れない彼の代わりに謝罪するわ。本当にごめんなさい」

 

ヴァネッサがそう言って頭を下げる

 

「頭を上げろヴァネッサ、こう言っちゃなんだが…俺もこの力にこれまで何度も助けて貰った。そのお陰で生物兵器だって事に悩んで苦しんでいる奴らを救えている。俺みたいな奴でも誰かの役に立てている」

 

そう言って俺はヴァネッサに通信機の写真を見せる

 

「これは…」

 

「今まで俺が助けた元生物兵器だった奴らだ。毎年こうやって1枚は写真が送られて来る」

 

「そう…見せて貰っても良いかしら?」

 

ヴァネッサの言葉に俺は頷き通信機の写真を部屋に一面に映し出す

 

「こんなにも…沢山…」

 

「ああ、これだけの人間が悩み苦しんでいたんだ」

 

「私達が馬鹿みたいね、神の力の還元で人の姿に戻ろうだなんて」

 

ヴァネッサはそう言って涙を流す

 

「そうでも無いだろ、お前達の考えは確かに良い物とは考え難いだがそれも1つの手段として間違っているとは一概には言えない」

 

「ありがとう、そう言って貰えるだけでも救われるわ」

 

ヴァネッサがそう言うと俺の部屋の扉が開かれる

 

「パパ!一緒に寝よ!」

 

「ご主人一緒に寝る」

 

そう言ってパジャマに着替えたルナと葉月が入って来た

 

「ああ、別に良いぞ断る理由も無いしな」

 

「それじゃあ私はエルザちゃん達の所に戻るわね」

 

ヴァネッサがそう言って立ち上がり部屋を出ようとすると葉月がそれを引き止める

 

「お姉ちゃんも一緒に」

 

「…仕方ないわね、貴方が寝るまでよ」

 

「うん!」

 

ヴァネッサがそう言うと葉月は嬉しそうに笑う

 

「やっと寝たわね」

 

「ああ、そうみたいだな」

 

葉月が布団に入って数分やっと葉月が寝てくれた所でヴァネッサはまた立ち上がる

 

「それじゃあ今度こそ私はエルザちゃん達の所に戻るわね」

 

「ああ、葉月が悪かったな」

 

「良いわよ、お姉ちゃんとして当然の事をしただけだもの」

 

ヴァネッサはそう言って笑い部屋を出て行った




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242話

〜響side〜

 

「全員集まった様だな」

 

「師匠こんな朝早くからどうしたんですか?」

 

湊君とノーブルレッドの2人が一緒に居た所を見た翌日私達は師匠に本部に呼ばれた

 

「ノーブルレッドの事だ。米国はノーブルレッドの事を全て湊君に一任すると言う話で纏まったそうだ」

 

その事をマリアさん達も知らなかったのか師匠の言葉を聞いて驚く

 

「あ!それで昨日湊君ノーブルレッドの人達と居たんだ」

 

「お前はそれを見て何も思わなかったのか」

 

クリスちゃんが呆れた声でそう言う

 

「だって本の2、3分の事だったから話なんて聞けなかったし」

 

「確かに私と響の顔を見た途端ノーブルレッドの1人が何処かに向かって行ったもんね」

 

私に補足をする様に未来がそう言う

 

「それで伯父様その事がどうかしたのですか?」

 

「ああ、ノーブルレッドのバックアップをしていたアラン・リヴィアス彼を我々S.O.N.G.に技術スタッフとして移転させないかと言う話を湊君から持ちかけられた」

 

師匠の言葉を聞いて皆の表情が強張る

 

「んなもん却下に決まってんだまろ!」

 

「そうね、敵であったノーブルレッドのバックアップを担っていた人物の手を借りる必要がある程余裕が無い訳じゃないのもの」

 

「ああ、確かに今はそうだ。だがこの先錬金術によるバックアップスタッフそれがエルフナイン君だけでは対処の出来ない事態が出て来るかもしれない。何よりエルフナイン君だけに負担をかけるのはどうなのかと言うのが湊君の意見だ」

 

確かにエルフナインちゃんだけに負担をかけちゃうのは良くないのかも

 

「そうかもしれないデスけど!」

 

「ルナと琥珀から聞いたあの人が湊を生物兵器に変えたって!私達はそんな人を信じられない!」

 

「伯父様失礼ながら私も月読や暁と同じ意見です」

 

「そうか…響君とエルフナイン君どう思う?」

 

後答えてないのは私とエルフナインちゃんだけになって師匠は私とエルフナインちゃんにそう聞く

 

「私は…私は構わないと思います。確かに湊君を苦しめたのはその人なのかも知れません。でもその人はシェムハとの戦闘にキャロルちゃんと参加してくれたんですよね。そんな人が本当に悪い人だとは私は思えません」

 

「僕も響さんと同じです。恐らくあの人が居なければアルスマグナを使い神の力を効力を一時的に抑える事は出来ませんでした」

 

「そうか…各員は明日迄にもう一度考えを纏めて来てくれ、話はこれで終わりだ」

 

師匠のその言葉で私達は本部を後にした

 

〜響side out〜

 

〜切歌side〜

 

「全く湊は何を考えてるんデスかね!」

 

「切ちゃんお行儀が悪いよ」

 

司令の話の後私達はファミレスでお昼を食べている

 

「マリアもそう思うデスよね!」

 

「そうね、でも風鳴司令や湊の言い分もわからない訳ではないわ」

 

「この際湊の所に直接乗り込む」

 

調はそう言って湊に電話をかける

 

「湊?今何処に居るの?うん…うん、わかった今から行くね。湊が来るなら来ても良いだって、その代わりノーブルレッドの人達に手を出さないのが条件だって」

 

う〜ん、流石に攻撃しちゃうかも知れないデスね

 

「それと切ちゃん攻撃なんてしたら今後家に入れないだって」

 

「絶対に攻撃しないデス!」

 

「決まりね行きましょう」

 

私達はマリアの言葉に頷き調に湊の居る場所まで案内して貰った

 

〜切歌side out〜




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243話

「来たかお前ら」

 

「ええ、早速だけど入れて貰うわよ」

 

「ああ、もう一度釘刺しとくが攻撃するなよ切歌」

 

「しないデスよ!湊の家に入らないなんて絶対に嫌デス!」

 

俺があらかじめもう一度釘を刺すと切歌はそう言う

 

「ん…ん!!」

 

「ミラアルクお前…」

 

俺がマリア達を連れて中に入ると机の上に置いてあったおにぎりがいくつか減っていた

 

「うっうちは食べてないぜ…」

 

嘘つくならもう少し分かり難い嘘をつけ何より

 

「そんな事言ってお前口元に米粒ついてんぞ」

 

「うっ…」

 

俺がそう言うとミラアルクは罰が悪そうな顔をする

 

「てかそいつら何しに来たんだぜ?」

 

「話を誤魔化そうとしてんのがバレバレだがまあ良い、アランの奴の事だ」

 

「そうか、アランなら下に居るぜ」

 

「わかった、それと食べんのは良いがエルザ達の分も残しとけよ」

 

「了解だぜ…」

 

俺はそう言って下に降りて行く

 

「おい居るかアラン」

 

『おお、居るぞ』

 

中からアランの声が聞こえて来たので俺は部屋に入る

 

「んで… S.O.N.G.の連中が俺に何の様だ?」

 

「正直に答えなさい。貴方は何のつもりなの」

 

「そうデス!湊を苦しめた人なんて信じられなくて押しかけたデス!」

 

やっぱ此奴らはルナや琥珀の奴から聞いてるか

 

「それに関しちゃヴァネッサから昨日聞いたお前らも知らない理由がある」

 

「ヴァネッサから…ておいお前まさか!!」

 

アランは俺が何を話そうか理解して俺を止めようとする

 

「て訳だ」

 

「くそったれが…」

 

俺を止めようとするアランの攻撃を尽く交わしマリア達に真実を伝える

 

「そう….ノーブルレッド彼女達を怪物から元の人間に戻す手段を探す為に貴方は」

 

「似てるデスよ」

 

「うん、フロンティア事変の時の私達に似てる」

 

そうあの時の此奴は似ていたんだ武装組織フィーネとして世界を救おうとしていて間違った道を進んだ俺達に

 

「アラン・リヴィアス彼女達は元に戻るの?」

 

「俺に聞くな、それは嬢ちゃん達を元の人の姿に戻した此奴に聞け」

 

アランはそう言って俺を指す

 

「元に戻したの?」

 

「ああ…俺の目的は完全に完成した怪物を元に戻す事だ。そうすれば俺も元の人の姿に戻れるかも知れないからな」

 

「けっ、んな事言ってよ」

 

「何の事だ?」

 

「此奴が俺達の事を引き受けた本当の理由ってのがよ」

 

アランは俺がヴァネッサ達の事を引き受けた理由をマリア達に話した

 

「そう…そんなに大勢の子供達が完全と怪物に完成させられているのね」

 

「ああ…俺が言うのも何だが生物兵器の開発は他国でも数多く行われている。今こうしているうちにもその数は増えてるかもな」

 

アランの発言は正直言って正しい、今も何処かで生物兵器が生まれているかも知れない。それは本拠地を潰さない限り幾らでも増え続ける

 

「少なくとも此奴には嬢ちゃん達を元の人の姿に戻して貰ったんだ。それ相応の事はするつもりだ。勿論気に喰わなければ俺を受け入れる必要はねぇ、そん時は俺は香港に帰るだけだ」

 

アランはマリア達の心の内を探る様にそう言う

 

「わかったわ、この件は明日また司令達と話し合うつもりなのその時に貴方がどうなるのか決まるわ」

 

「そうかよ」

 

アランは興味も無さそうにそう言って機械に向き直る

 

「お前昼も食わないでするつもりか?流石に死ぬぞ」

 

「冗談じゃねえぜ」

 

アランはそう言って部屋を出て行く

 

「俺達も行くぞ」

 

「「「ええ(うん)(デス)」」」

 

アランが部屋を出た後俺達もアランに続いて部屋を出た




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244話

昼食を食べた後俺とエルザ達とで模擬戦を始めようとしている

 

「始めんぞ」

 

「「ああ(ガンス)」」

 

俺がそう言うとミラアルクはレーヴァテインをエルザは短剣を構える

 

〜Granzizel bilfen gungnir tron〜

 

「嘘デスよ…」

 

「でもあの聖詠あのギア…」

 

「間違いない私のガングニールの物でも色は違うどうなっているの?」

 

俺はマリア達の言葉を無視して槍を構える。マリア達の言った通り聖詠もギアもマリアと同じなんだが色だけは黒から赤に変わっていた

 

「「はぁぁあ!」」

 

2人は同時に俺に攻撃する

 

「よっと、ミラアルクまだレーヴァテインの力に振り回されてるぞ。エルザはもうちょい攻めて来い」

 

「ガンス」

 

「にしても流石完全聖遺物、威力は半端ねえが扱いが難しいぜ」

 

「わたくしのは扱いはさほど難しく無いでありますが威力が難点であります」

 

エルザとミラアルクは自分達の扱う武器を見てそう言う

 

「何だもう来ないのか?だったらこっちから行くぞ」

 

《HORIZON†SPEAR》

 

エルザとミラアルクが全く攻めて来ないので俺は槍の刀身を展開して形成した砲身部から、高出力のエネルギービームを放つ

 

「避けるぜエルザ」

 

ミラアルクはそう言ってエルザを連れて空を飛ぶ

 

「助かったであります」

 

「気にする事ないぜ、おっと」

 

俺がもう一度エネルギービームを放つがミラアルクはそれを交わす

 

「それにはだいぶ慣れて来たみたいだな」

 

「へへ、伊達にヴァンパイアもどきはやってないぜ」

 

俺の言葉に地上に降りたミラアルクがそう返す

 

「はあ!」

 

「ふっ!」

 

俺はエルザの短剣を槍で受け流す

 

「貰ったぜ!」

 

俺の後ろからミラアルクがレーヴァテインを振るう

 

「成る程考えたな、でも…まだ甘い」

 

俺が体を斜めにずらすと俺に攻撃をしていたエルザがミラアルクに突っ込む形になる

 

「痛つつ」

 

「大丈夫でありますかミラアルク」

 

「ああ、大丈…エルザ後ろ後ろ!!」

 

「え?」

 

ミラアルクに言われ俺の居る方を見てエルザはようやく俺の攻撃が直撃する事を理解した

 

「終わりだな」ドンッ

 

俺がそう言うのと同時にミラアルク達に攻撃を当たり土煙が上がる

 

「「うう…」」

 

土煙が晴れるとそこにはエルザとミラアルクが気絶して倒れていた。それを確認すると俺はガングニールを解除しエルザとミラアルクを抱えて別の部屋に運ぶ

 

「エルザちゃん!ミラアルクちゃん!」

 

「落ち着けヴァネッサ時期に目を覚ます」

 

「そう…良かった」

 

俺がそう言うとヴァネッサは心底安心した表情を浮かべる

 

「湊どうして貴方がガングニールを」

 

エルザ達の事をヴァネッサに任せて部屋を出るとマリアにそう聞かれる

 

「覚えてるか?シェムハが響のガングニールの腕を破壊して取り込んだ事…」

 

「まさか!!」

 

そう言うとマリアは俺が言いたい事を理解してくれた

 

「そのまさかだ。あの時の事で俺はガングニールを纏えるようになったんだ」

 

「そう…貴方がガングニールを纏える理由は理解したわ。でもどうして私と聖詠が同じなの?」

 

「そこまでは分からないが、何か理由があるのかもな」

 

「そうね、あのガングニールは元々私のガングニールだったて言うのも関係しているのかも知れないわね」

 

「そうだな、今は考えても仕方がない。彼奴らの所に戻るぞ」

 

「ええ」

 

俺とマリアはそう言って切歌達の所に向かった




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245話

「来たかマリア君、後ろの彼らは」

 

「彼らの立ち合いの元話をした方が良いと判断し着いて来てもらいました」

 

翌日俺らはノーブルレッドの5人(葉月はルナと家で待ってもらっている)を連れて本部に向かった

 

「マリア彼らは…」

 

「良いの翼、それに今の彼らの事は湊に一任されているわ何かあれば湊がすぐに対処してくれるわ」

 

ノーブルレッドを見て険しい顔をする翼にマリアはそう言う

 

「お久しぶりですアランさん」

 

「ああ、そっちも無事だったかエルフナイン」

 

アランがそう言うとエルフナインはうなずく

 

「全員集まったな、では昨日の1日考えた結果を聞こう」

 

「あたしは変わんねえぜ」

 

「私もです伯父様」

 

「そうか、マリア君達はどうだ?」

 

おっさんはそう言うとマリア達に目線を向ける

 

「昨日アラン・リヴィアス彼の研究資料を拝見させて貰いましたその上で私は敵対するつもりが無いのであれば受け入れても良いと思っています」

 

「私もマリアに賛成デス」

 

「私も、それに湊が別に気にして無いなら別に良いかなって思った」

 

おっさんはマリア達の言葉に頷きまだ答えを出していない響達に目線を向ける

 

「私は昨日言った通りシェムハとの戦いにキャロルちゃんと一緒に戦ってくれたアランさんが本当に悪い人だなんて思えません。だから構わないと思ってます」

 

「僕も同じです」

 

響とエルフナインがそう言った事で答えは決まった

 

「そうか、決まった。アラン・リヴィアス君を我々S.O.N.G.のバックアップスタッフとして受け入れよう」

 

「ああ、嬢ちゃん達を元に戻してくれた礼は返すつもりだ」

 

「あの…嬢ちゃん達って一体…」

 

「わたくし達の事であります」

 

響の問いかけにエルザがそう答える

 

「ノーブルレッドの事を一任された湊は彼女達のような怪物を普通の人間に戻すワクチンを作成する為の実験に付き合って貰っているそうなの」

 

「生物兵器を人間にですか」

 

「だが彼の言葉から察するに既に完成しているん様に感じるのだが?」

 

「ええ、でも湊の話では完全に怪物と完成していなければ元に戻せるらしいのだけど、ヴァネッサ・ディオダティ彼女の様に完成に怪物と完成させられた人を元に戻せる程の強力なワクチンはまだ未完成だそうなの」

 

「つまりそいつを元の人間に戻せれば湊も元に戻せるかも知んねえって事か」

 

クリスの言葉にマリアは頷く

 

「次の話に移ろう、昨日とある施設内からガングニールの反応を検知したのだ」

 

とある施設…ガングニール…あ

 

「悪いおっさん、それ俺だ」

 

「確かに君ならガングニールを用いる事でガングニールの使用は可能だろうが以前シェムハが神獣鏡の力を使用した際は神獣鏡の反応は検知されなかったぞ?」

 

「だろうな、響お前シェムハの奴にガングニールの腕が破壊されたのは覚えてるか?」

 

俺が響にそう聞くと響は頷く

 

「うん、でもあれってガングニールの破片を取り込んだみたいに見えたんだよね」

 

「響お前のそれは見間違いじゃない、シェムハはあの時の確実に俺の体にガングニールを取り込んでいた」

 

「ならば君は融合適合者と言う事になるのか?」

 

俺はおっさんにそう聞かれて1つのペンダントを取り出す

 

「これがそのガングニールの破片から作り出されたペンダントだだから恐らく浸食は無いとは思うだが念には念を入れて後でメディカルチャックを頼みたい」

 

「ああ、わかった。この際だメディカルチェックには響君達にも立ち会ってもらおう」

 

「別に良いぞ」

 

「では早速メディカルチェックに移ろう」

 

おっさんにそう言われ全員メディカルルームに移動する

 

「メディカルチェックの結果が出た。結果湊君の体には何の異常も無い」

 

「恐らく湊さんは全ての聖遺物に適合しているので響さんの目にはガングニールを取り込んだ様に見えたのでしょう。ですが実際は取り込んだのではなくギアの展開が行われただけだと予想されます」

 

メディカルチェックの結果を見たエルフナインがそう言う

 

「多分エルフナインの言う通りなんだろうな、だが気になる点が幾つかあるんだ」

 

「気になる点?」

 

「ああ、1つ聖詠がマリアのガングニールと同じ事、もう1つがメインカラーは変わっていた物のアームドギアもマリアと同じだった事だ」

 

この2つが俺が気になっている点だった

 

「響君のガングニールが元々マリア君の物であったと言うのは考えられないのか?」

 

「それも考えた、だがそれなら何故響は今まで通り何だ?」

 

「確かにその考えが正しいのであれば立花のアームドギアも変わる筈なのに何故…」

 

俺の言葉に翼達も疑問に思い始める

 

「むっ難しい事は後にしましょうよ」

 

「まっ考えても分からない物は分からないしな「湊さん少し良いでしょうか?」何だエルフナイン?」

 

「あの…俺に少し付き合え」

 

俺がそう聞くとエルフナインが雰囲気が変わる

 

「用があるのはエルフナインじゃ無くてお前かキャロル」

 

「ああ、そうだ」

 

キャロルに聞くとそう言って頷く

 

「おっさんトレーニングルーム1つ借りるぞ」

 

「ああ、わかった」

 

おっさんがそう言うと俺とキャロルはトレーニングルームに向かった




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246話

「それで俺に何の用だキャロル」

 

「ふん、俺がお前への用など分かりきっているだろ」

 

確かにエルフナインなら兎も角キャロルが俺に用の時点で内容は分かっている

 

「お前が負ければ此方の条件を呑んでもらおう…何だ?…そんな事決まっているだろう…ならお前はこのままで良いのか?…決まりだな」

 

キャロルはそう言ってダウルダブラを纏う

 

「たく、条件くらい教えてくれても良いだろ」

 

「どのちみお前が負ければ拒否権なく条件を呑まなければならない知る必要もないだろう」

 

「そうかよ」

 

〜Granzizel bilfen gungnir tron〜

 

そう言って俺はガングニールを纏う

 

「はあ!」

 

《HORIZON†SPEAR》

 

「ふっ」

 

俺は槍の刀身を展開して形成した砲身部から、高出力のエネルギービームを放つとキャロルは障壁を張って防ぐ

 

(やっぱ一撃じゃ無理か)

 

「来ないのか?なら…此方から行かせて貰う!」

 

そう言ってキャロルは炎と水を錬成する

 

「よっと」

 

俺はそれを横に飛んで交わしてキャロルに向かって行く

 

「はあ!」

 

俺がキャロルを槍で突くとキャロルは槍に弦を巻きつけ槍を投げ飛ばす

 

「俺の勝ちだ」

 

キャロルはそう言って炎を錬成し攻撃する

 

「さてそれはどうかな?」

 

「何?何だと!」

 

俺はキャロルの錬成した炎をイガリマの鎌で切り裂く

 

「どうなっているんだ」

 

「困惑するのも仕方ないな、全ての聖遺物に適合、その力を自由に操る事が出来る力その力でイガリマの欠片で武器を展開させたんだ。最も武器が限界だがな!」

 

《切・呪リeッTぉ》

 

俺は鎌の刃を3枚に分裂させ、ブーメランのように飛ばす

 

「ふっ」

 

キャロルはそれを障壁を張って防ぐ

 

「これならどうだ!」

 

《対鎌・螺Pぅn痛ェる》

 

「それを待っていたアルカヘスタ」

 

キャロルがそう言うと第四元素を同時に錬成する

 

「1つだけなら対応できても4つ同時ならどうだ!」

 

「くっ!」

 

俺は武器をイチイバルに変えリフレクターを試す事にする

 

(間に合ってくれ!!)

 

俺はそう願いイチイバルのリフレクターを使う

 

「はあ!」

 

俺がリフレクターを使ったのと殆ど同じくらいにキャロルはアルカヘスタを完全させる

 

「どうだ」

 

「はぁ…はぁ…」

 

俺は何とか耐えきったが立っていられるのがやっとだった

 

「ギブアップだキャロル。俺の負けだ」

 

俺はその場に仰向けで寝転ぶ

 

「勝負あったな…おい!」

 

キャロルがそう言うと急いで俺に近づいて来る足音が聞こえた

 

「湊さん!!大丈夫ですか!!」

 

「大丈夫だエルフナイン」

 

「良かった、僕のせいで湊さんに何かあったらどうしようかと」

 

エルフナインはそう言って胸を撫で下ろす

 

「それで要件って何だ?」

 

「そっそれは…その…」

 

俺がそう聞くと何故かエルフナインが顔を赤くする

 

「えっと…きゃっキャロル!?待って下さい!自分で言うので!はぁ…すう…はぁ」

 

そう言ってからエルフナインは深呼吸をする

 

「では言います」

 

「おう」

 

「湊さん…その僕と…付き合って下さい!!」

 

その言葉を聞いて俺は言葉を失った

 

「……は?」

 

『え〜!?』

 

トレーニングルームの外からモニターで観ている響達と俺の言葉が合致した




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247話

「エルフナイン何かに付き合ってくれってそう言う事だよな!?」

 

「えっと…そうじゃなくて…その…」

 

そう言うとエルフナインは顔を赤くして否定する

 

「きゃっキャロル!?待って…焦ったい!もう観てられん!」

 

「キャロルお前何するつもりだ!」

 

「煩いお前は黙っていろ!」

 

キャロルはそう怒鳴る様にそう言って俺に近づいて押し倒す

 

「約束通り条件を呑んで貰うぞ」

 

「待て待て!それ以前に俺は付き合ってる奴が居るんだぞ!」

 

「それがどうした、奪われなくなければ此処に来れば良い話だ」ドンッ

 

キャロルがそう言うとトレーニングルームの扉が壊される

 

「何やってるデスか湊!!」

 

「切ちゃん必死すぎ…」

 

そこにはイガリマの鎌を振り下ろす切歌と調が居た

 

「お前はこの状況で俺がどうこうすると思ってんのか!?」

 

「ふん、だが来るのが遅かったな…何を言ってる此処まで引き下がるのか…はぁ、全くお前は…」

 

キャロルはそう言って俺から降りる

 

「覚えておけお前に想いを寄せているのはそこの2人だけで無い事をな…ふぅ、すっすみません湊さん!こんな事になってしまって」

 

「別にお前が謝る事じゃ無いだろ」

 

「それで…その…明日お買い物に付き合って貰っても良いでしょうか?」

 

「それくらい別に良いぞ」

 

恐らく買い物だけでは無いのだろうが俺はそう答える

 

「えっと…それじゃあ明日9時に公園でお待ちしています」

 

「待って…湊今日もマンションには帰らない?」

 

「ああ、後2、3日はあそこにいるつもりだが?」

 

俺がそう言うと調は頷く

 

「今日エルフナインとお泊まりしたいから湊の部屋借りて良いかな?」

 

「別に良いが俺が帰るまでにちゃんと片付けとけよ」

 

俺は調が頷くのを確認してトレーニングルームを出た

 

「お前ら昼食のついでに晩飯の買い物に行くが一緒に来るか?」

 

「「行く!」」

 

俺が葉月とルナの居るトレーニングルームに向かいそう聞くと2人はそう言う

 

「んじゃ行くか、忘れる所だった」

 

そう言って俺はマリアに通信を繋ぐ

 

『どうかしたのかしら?』

 

「俺らは今から昼食のついでに晩飯の買い物に行くがお前らはどうすんだ?」

 

『そうね…私達はもう少し此処に居るわ、アランは風鳴司令が頼みたい事があるから此処に止まるそうよ』

 

「わかった、じゃあな」

 

俺はそう言ってマリアとの通信を切る

 

「それで何か食べたい物はあるか?」

 

「葉月ハンバーグが食べたい!」

 

「ご主人カレーが良い」

 

2人共食べたいのがバラバラだな

 

「そんじゃフードコートに行くか。そこからハンバーグもカレーも食べれるだろ」

 

「「(うん(るる)」」

 

目的も決まったので俺達はフードコートのあるショッピングモールに向かった




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248話

〜エルフナインside〜

 

「今日も調のご飯は美味しいデ〜ス」

 

「ありがとう切ちゃん」

 

僕は切歌さん達とお泊まりする事になって今は一緒に夕食を食べている

 

「あの…良かったんですか?泊めて頂いて?」

 

「うん、エルフナインに聞きたいこともあったし」

 

調さんが僕に聞きたい事ってやっぱり

 

「湊さんの事…ですよね」

 

「うん、エルフナインはいつ頃から湊が好きだったの?」

 

調さんにそう聞かれて少し考える

 

「初めは憧れでした」

 

「憧れデスか?」

 

「はい、湊さんの様に強くて優しいそんな人になりたいと」

 

そう僕が湊さんに最初に抱いた感情は憧れだった。

 

「そっか…憧れか…」

 

「えへへ、私と同じデスね」

 

「切歌さんも何ですか?」

 

「そうデスよ、私も湊みたいに強くて優しい人になれたらなって最初は湊に憧れてたデス」

 

切歌さんはその時の事を思い出しながらそう言う

 

「湊さんの事を好きだって事に気づいたのは夏休みにクリスさんのお家にお泊まりに行った時のお祭りです。シンフォギアの軍事兵器化実験の時の話を聞いて泣きながら謝る僕の事を優しく撫でてくれて、それが不思議と安心させてくれて…心地良くて…お祭りの時も僕に合わせてくれて…」

 

それからはふと湊さんの事が気になったり、気づけば湊さんを目で追ったりしていた

 

「そっか…でも今日のキャロルの言い方から考えてエルフナインは湊にそれを言うつもりはなかったんだよね?どうして?」

 

「それは…湊さんは切歌さんと調さんのことが好きで…切歌さんと調さんも湊さんの事が好き、それなのに僕の気持ちを伝えてもきっと湊さんに迷惑になるんだけなんじゃ無いかと思うと中々伝えられなくて…」

 

多分キャロルはいつ迄も諦めきれずうじうじしてる僕が観て居られなくなって今回のような行動に出たんだ

 

「エルフナイン…多分湊は迷惑だなんて思ったりしないと思う」

 

「そうデスよ、それに湊も嬉しい筈デス!」

 

「そうでしょうか?」

 

確かに誰かから好意を向けられていると言う事はそれだけ自分の事を大切に思ってる人が居ると言う事に繋がる。

 

「それにエルフナインはこのままで良いんデスか?自分の気持ちを押し殺したままで後悔はしないデスか?」

 

「それは…」

 

その質問に僕は答えられなかった。それはきっと後悔してしまう事を僕自身が1番わかっていたから

 

「エルフナインはもう少し我儘になっても良いと思う」

 

「そうデスよ!私と調なんてしょっちゅう湊を我儘に付き合わせてるデスよ」

 

「あはは…」

 

それを聞いて僕は苦笑いを浮かべる

 

「分かりました。明日湊さんに伝えてみます僕の気持ちを」

 

「うん、でもその前に…」

 

「そうデスね調」

 

夕食を食べ終えた切歌さんと調さんはそう言って立ち上がる

 

「明日のデートに来て行く服の準備」

 

「この際だから思いっきり気合を入れて湊にエルフナインを意識してもらうデスよ!」

 

「えっと……」

 

デート…改めてそう言われると…

 

『はぁ…まったくお前は…』

 

「そう言われてもですね…やはり恥ずかしいと言うか…」

 

『お前はあの男に想いを伝えると決めたのだろう、ならばその程度の事乗り越えられずに居てどうする』

 

キャロルにそう言われて僕は覚悟を決める

 

「分かりました。よろしくお願いします切歌さん調さん!」

 

「「任せて(任せるデス)」」

 

僕はそう言って切歌さんと調さんの用意する服を幾つか着て明日の準備をした

 

〜エルフナインside out〜




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249話

「そろそろか…あれって…」

 

俺がエルフナインと約束した時間の10分前に公園に着くと既にエルフナインが待っていた

 

「悪いエルフナイン待たせたな」

 

「いえ…僕も今来た所です」

 

エルフナインはそう言って少し震えるまさかな

 

「お前何時から此処に居た?正直に言ってみろ」

 

「えっと…すみません8時30分頃から」

 

約束の30分前から居たのかよ、いくら何でも早く来すぎだろ

 

「そういやその服似合ってんな」

 

「ありがとうございます。これは昨晩切歌さんと調さんから頂いた服なんです」

 

どっかで見た事あると思ったらあいつらの服だったのかどうりで見た事ある訳だ

 

「ちょっと待てエルフナイン」

 

「はい?どうかしましたか?」

 

「後ろ髪乱れてるぞ、これでよし」

 

「ありがとうございます湊さん」

 

「別に気にする事じゃ無いだろ、そんじゃ行くか」

 

「はい」

 

そう言って俺とエルフナインはショッピングモールに向かって歩き始めた

 

「その…どうでしょうか?」

 

「俺は1つ前の服の方が似合ってると思うぞ」

 

「そうですか、ではそちらにします」

 

エルフナインが買いたい物それはまだ持っていない春先の服だった

 

(つうか彼奴ら何してんだよ、まあ大体予想は付くが)

 

「お待たせしました。どうかしましたか?湊さん?」

 

「いや、何でもない」

 

俺はそう言って服の会計を済ませたエルフナインと外に出る

 

『調!どうデスか?』

 

『似合ってるよ切ちゃん!』

 

『えへへ、あれ?大変デス調!湊とエルフナインが移動するデスよ!』

 

『本当だ、取り敢えずこの服の会計を済ませてから切ちゃんは尾行を続けて』

 

『了解デス!』

 

後ろからそんな話し声が聞こえるが俺は気にせずエルフナインと次の目的地に向かう

 

「これで買いたい物は全部か?」

 

「はい、ありがとうございます湊さんお陰で早く済みました」

 

エルフナインの買いたい物も買い終わりファミレスで昼食を食べながら話す

 

「それで午後からはどうするんだ?」

 

「そうですね…湊さんは何処か行きたい場所はありますか?」

 

行きたい場所か、そう聞かれると特に無いな

 

「仕方ないゲーセンにでも行くか」

 

「ゲームセンターですか、僕も興味はあったのですが人が多くあまり行く機会も無かったので1度行ってみたいと思っていたんです」

 

「決まりだな」

 

「はい、すみません少しお手洗いに」

 

エルフナインはそう言って席を外す

 

「んで、お前らどこまで着いて来る気だ切歌、調?」

 

俺は後ろの席に座る2人組にそう聞く

 

「なっ何の事デスか?」

 

「私達はただのお客さん貴方の言う切歌と調なんて人は知らない」

 

若干調だけじゃ気づかないがあからさまに動揺する切歌が居るせいでバレバレだ

 

「そうか」

 

俺はそう言って切歌に電話をかける

 

「あ、私の携帯デスね」

 

「切ちゃん…」

 

「あ…」

 

後ろから聞こえる携帯の音と切ちゃん確定だ

 

「お前らまだ続けるか?」

 

「えっと…えへへ、いつ頃から気付いてたデスか?」

 

「服屋の辺りだな、お前ら尾行じゃなくて普通に自分達の買い物してるし」

 

服屋の後の雑貨屋でもそうだが普通に声聞こえてたから流石に気付く

 

「切ちゃんバレちゃったなら尾行は終わり私達は大人しく帰ろう」

 

「む〜、仕方ないデスね」

 

調の言葉に切歌は不機嫌な表情を浮かべながらも同意した

 

「お待たせしました」

 

「戻ったか、そんじゃ行くか」

 

「はい」

 

暫くするとエルフナインが戻って来たので会計を済ませゲーセンに向かった




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250話

あれからゲームセンターに向かい最後にエルフナインが俺と一緒に行きたい場所があるそうなのでそこに向かう

 

「彼処です」

 

「彼処ってただ噴水があるだけだぞ?」

 

「はい、あの昨日キャロルが言ったこと覚えていますか?」

 

昨日キャロルが言った事かそれってやっぱり

 

「俺の事が好きなのは切歌と調だけじゃ無いって奴か?」

 

「そうです」

 

キャロルの言った言葉の意味は大体理解できている。ただ俺が現実逃避してるだけだ

 

「今その言葉の真実を伝えます。…僕は…僕は湊さんの事が好きです。昨日も言いましたがもう一度言います。僕と付き合って下さい!!」

 

「悪いエルフナイン、俺はお前とは付き合えない」

 

「そうですよね…湊さんは切歌さんと調さんの事が好きなんですから…こんな事言われても迷惑…ですよね」

 

エルフナインは声を震わしながらそう言う

 

「何言ってんだ馬鹿かお前、迷惑だなんて思うかよ」

 

「迷惑じゃ無いんですか?」

 

「迷惑な訳あるかよ、誰かから好意を持たれてるって事はそれだけ俺の事を大事に思ってくれてる人が居るって事だろ。それなのに迷惑だなんて思わねぇよ」

 

何より俺も経験した事だからわかるが誰かに自分の思いを伝えるのはとても怖い事だ。その事がきっかけで亀裂が入る事だってあるかも知れない。エルフナインもそれなりの覚悟を持って俺に気持ちを伝えてくれたんだ。それを迷惑だなんて思うのはおかしな話だ

 

「俺はお前と付き合う事は出来ねえよ。俺のお前への好きってのは多分お前のとはまた違った物なんだからよ」

 

「え?湊さんが僕の事を?」

 

「ああ、仲間として友達として大好きだ。それこそ切歌や調と同じくらい大切な存在だ」

 

そう言って俺はエルフナインを撫でる

 

「お前の事だから俺は優しいと強いとか思ってんだろうな」

 

「はい、強くて優しくて僕もいつか湊さんの様になれればと思っています」

 

「エルフナイン俺は強くなんて無い、そして優しくも無い」

 

「俺は今ある大切な物を守るので手一杯なんだ。だからそれを失わない為に今の俺にできる最善の手で戦い続けてるだけだ。誰にでもできる事をやってるだけで俺は別に強くは無い。そして俺は優しくも無い全部俺が良かれと思ってやってるお節介だ」

 

優しさとお節介は根本的な部分が違う

 

「だから俺はお前が思ってる程強くもそして優しくも無い」

 

「そうですかーあの最後にお願いをしても良いですか?」

 

「ああ、何…だ」

 

俺がエルフナインの方を向くとエルフナインに頬にキスをされた

 

「湊さん今日は楽しかったです。また今日みたいに2人でお出かけに連れて行って貰っても良いでしょうか?」

 

「ああ、どんと来いエルフナイン」

 

「はい!」

 

そう言ったエルフナインの表情は今まで見て来た中で一番良い表情をしていた




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251話

「体に異常はないか?」

 

「ええ…これで私も怪物じゃなくなったのね」

 

あれから10年経ち漸く完全と完成させられた怪物を人に戻すワクチンが完成した

 

「「「ヴァネッサ(様)!!」」」

 

「エルザちゃん、ミラアルクちゃん、モア君お姉ちゃんはもう大丈夫よ」

 

俺とヴァネッサの話を聞いていたのかエルザ達が中に入ってヴァネッサに飛びつく

 

「ああ…これで他者に蔑まれ淘汰される人達が少なくなる。助かったヴァネッサ、お前の協力が無かったら完成までまだかかってた。さてこっからどう生きるかはお前達の自由だ好きに生きろ」

 

「その事何だけどエルザちゃん達と色々話し合ったの」

 

て事は答えは出てるって事か

 

「んじゃ準備が出来次第此処を出ろ…何だお前ら」

 

俺がそう言って外に出ようとするとヴァネッサ達が俺の前に立つ

 

「ええ…決まったわ、私達は貴方の従者になる事にしたの」

 

「は?俺の従者?」

 

一体どう言う事だ?

 

「わたくし達は貴方に助けられてばかりであります。今こうして普通の生活をおくれているのは貴方がわたくし達を元の人の姿に戻してくれたからであります」

 

「こう言っちゃなんだが敵対してる時何度もお前に殺されるんじゃないかって思ったぜ、でもお前はうちらを殺さなかった。それ所かうちらに新しい居場所を与えてくれた。なのにうちらはお前に1度も感謝の意も示した事はないぜ」

 

「ですので貴方の従者となり貴方のお役に立ちたいのです」

 

エルザに続いてミラアルクとモアがそう言う

 

「わかった、そんじゃ早速で悪いが」

 

俺はワクチンの入ったアタッシュケースと小型のホログラム通信機をヴァネッサ達に渡す

 

「その中にはヴァネッサに使ったワクチンが入っているお前達には各国に向かい完全と怪物に完成してしまった人達を元に戻せ。その通信機は俺への報告の為のものだ。ワクチンが足りなくなった時はこれを使って通信をして来い。直ぐに新しいワクチンを転送する」

 

「それは1人で1国を回れと言いたいの?」

 

「いや、2つに分かれて貰う。エルザとモア、ヴァネッサとミラアルクの2グループだ」

 

俺がそう言うとヴァネッサ達は頷く

 

「日本を出るのは明後日、エルザとモアには10時のカナダ行き、ヴァネッサとミラアルクは13時の香港行きだ」

 

「「ガンス(はい)」」

 

「「わかったわ(了解だぜ)」」

 

俺はヴァネッサ達にそう言うとマンションに帰る

 

「あ、お父さんお帰り今日は早いんだ」

 

「ああ、帰ってたか葉月」

 

俺が帰ると既に葉月が帰って来ていた

 

「彼奴らはまだ何だな」

 

「うん、だからこそ出来る事もある」

 

葉月はそう言って俺の膝に頭を乗せる

 

「こうして甘えるのはお姉ちゃん達の前じゃ恥ずかしくなっちゃったし」

 

「そうか」

 

俺はそう言って葉月の頭を撫でる

 

「しっかしデカくなったなお前」

 

「もう10年も経つんだから大きくもなるよ」

 

葉月は高校に上がってからあの時と比べ物にならない程成長している

 

「まあ、最近の調お姉ちゃんは目がちょっと怖いけど」

 

「俺には何も出来ないな」

 

まあ原因は本当に理不尽な理由なんだろうがな

 

「晩飯作るから手伝え」

 

「は〜い」

 

そう言って俺は葉月と晩飯を作り始めた




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252話

「ただいまデ〜ス」

 

俺と葉月で晩飯を作っていると切歌が帰って来た

 

「切歌お姉ちゃんお帰り」

 

「帰ったか切歌、調はどうした?」

 

「まだちょっと寄るところがあるらしいデスだから先に帰って来たデスよ。今日の夕飯は何デスか?」

 

切歌はそう言ってリビングに向かう

 

「お〜!!御馳走デス!!今日は何か特別な日デスか?」

 

「切歌お姉ちゃん覚えてないの?」

 

「デス?」

 

切歌が腑抜けた声でそう言う

 

「今日は何月何日だ?」

 

これで分からなかったら流石にヤバイぞ

 

「えっと…6月15日デス」

 

「その日に何があったか覚えてない?」

 

「う〜ん…何かあったデスかね?」

 

そう言って切歌は思考を巡らせるこれを無自覚でやってんだからな

 

「…お父さんどうしてこんな人と…」

 

「…言うな葉月、俺も見てられない…」

 

俺と葉月は切歌に聞こえない声でそう言ってため息を吐く

 

「ただいま!!」

 

「帰ったか調、それ買ってて遅くなったのか」

 

帰って来た調はケーキを持って居た。調は今日の事覚えてたか

 

「どうしたの切ちゃん?」

 

調が未だに考え込んでる切歌にそう聞く

 

「あ、お帰りデス調実は今日何か特別な日らしいんデスけどそれが何か思い出せないんデスよ」

 

「切ちゃん…」

 

切歌の言葉を聞いて調も呆れる

 

「切ちゃんそれが思い出せないならこの御馳走は食べられないよ?」

 

「何デスと!?そっそれは困るデス!」

 

俺もなんとか言ってやりたいが

 

「晩飯にするか葉月、調」

 

「「うん」」

 

「湊!?」

 

こればかりは忘れてた此奴が悪いから何も出来ない

 

「凄い御馳走食べれない切ちゃんが可愛そうなくらい」

 

「そう思うなら食べさせて欲しいデスよ」

 

「思い出したらね」

 

「む〜」

 

調が帰って来てから10分近く経った切歌は未だに思い出せないで居る

 

「葉月ちゃんからも何か言って欲しいデスよ」

 

「いや、忘れてる切歌お姉ちゃんが悪いんだから」

 

葉月も今回の事は許せないらしい

 

「全然思い出せないデ〜ス」

 

「はぁ、もう良いとっとと食え」

 

「ありがとうデス!!」

 

そう言って切歌は調の隣に座る

 

「切ちゃん…結婚記念日が何月何日か覚えてる?」

 

「結婚記念日デスか……は!」

 

如何やら今になって思い出したらしい

 

「そうデス!結婚記念日デスよ!!」

 

「はぁ、今思い出したんだ切歌お姉ちゃん…」

 

切歌の言葉に葉月もため息を吐いてそう言う

 

「えっと…」

 

「忘れてた切ちゃんは放って置いて、はい湊」

 

「んじゃ俺からも」

 

「ありがとう湊」

 

「俺の方こそありがとう調」

 

そう言って互いにプレゼントを開ける

 

「腕時計か…大事に使わして貰う」

 

「私も大切にする」

 

調はそう言って俺のプレゼントの中身のネックレスを暫く見つめた後箱の中に仕舞う

 

「ほれ葉月、何処ぞのバカに渡す予定だったんだがお前が使って良いぞ」

 

「ありがとうお父さん、切歌お姉ちゃんは本当に反省した方が良いと思うよ」

 

葉月はそう言うと自分の部屋に向かって行った

 

「本当にごめんデス湊…」

 

「湊、切ちゃんも反省してるみたいだしそろそろ良いんじゃない?」

 

「そうだな、ほれ」

 

俺は本当の切歌用のプレゼントを目の前に置く

 

「これって…」

 

「次やったら湊を私だけの物にするからね切ちゃん」

 

「うっ、了解デス」

 

「たくお前は、まあ正直言って俺も昨日思い出したんだがな…」

 

「湊も酷い、私はずっと覚えてたのに」

 

そうは言うが誕生日なら毎年ずっとやるから覚えてるが結婚記念日は去年始めたばっかだからあんま意識無いんだよな。去年とか俺と切歌が2人して忘れてて調に2時間近く説教されたし

 

「まあ、これからも宜しくって事で」

 

「うん、宜しくね湊…切ちゃん」

 

「宜しくデス湊…調」

 

これから先何があったとしても3人居ればなんとかなるだろとそう思いながら俺は2人にそう言った




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