私、夕立(艦これの改二の見た目と口癖だけ)さん。今、インフィニット・ストラトスの世界にいるの。 (嘘つき魔神)
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第1章:クラス代表決定っぽい!
第0話:夕立さん、テレビの前で固まる。
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「あぁ~……疲れたっぽいぃ~……」
『私』、中学3年生の
私が受けた高校は、『IS学園』。『藍越学園』じゃないわ。それで、私は今必死にISの基礎知識やらを叩き込んでた。正直、『身体能力』良くても、記憶力は不安だったけど、物覚えがいい脳みそで助かった。それで、受験に行ったのだけど、意外とできた。分からなかったのは応用ぐらいで、基礎はバッチリだったから、これは、合格できるかもしれない。ちなみに、受けた理由は、単純に『偏差値が高い』から。それと、今や世界の中心になったISのことを学ぶのもいいかなという感じである。
IS、正式名称『インフィニット・ストラトス』。宇宙開発用のパワードスーツとして開発されたと聞いたけど、今の世論は、「ISは兵器、いいね?」である。まぁ、『白騎士事件』なんてものが起これば、不思議じゃないけど。簡単に言えば、日本に撃たれた約2000発ものミサイルを白騎士一機で全て撃墜、さらに捕縛に来た各国の軍艦やらを全て死者なしで無力化した……というのが白騎士事件の概要。その力を目の当たりにした政府は、『篠ノ之束』博士にコアを量産するよう要求、しかし、篠ノ之博士は467個のコアを作ったあとは、行方を眩ました。本人曰く、『お望み通り量産したからこれにてドロン!』とのこと。まぁ、こういうこともあって、ISコアはとても貴重になったの。
「ん、ついたっぽい」
あと、何故か喋ると語尾にぽいって付く、付かないときもあるけど、どうしましょう。
「ただいまぁ……お父さん?お母さん?」
家に帰ると家族がテレビの前で固まってた。ちなみに、家は女尊男卑の世の中ではそれなりに珍しい、両親の仲がよく、かつ互いに対等な立場である……それより、なんで固まってるのかしら?
「どうしたの2人と……も?」
そして、テレビを見て私も固まってた。テレビには、大きく、「世界初!男性操縦者の発見!」と写されていたのでした……
「お、お父さん、お母さん、これって?」
「……夢じゃないのは確かだな」
「は、はは……信じられないわね……」
こうして、家族3人でびっくりしてるのでした……
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「ふふ、我が作品よ……」
1人の眼鏡の男が笑う。狂気と狂喜をその顔に浮かべ……
つい書いちゃった。口調とかいろいろおかしいかもですが、よろしくお願いします。
白川夕立(しらかわゆうだち)
年齢:15歳
身長:162センチ
体重:52キロ
スリーサイズ:バスト83(Dカップ)、ウエスト59、ヒップ81(多くのデータと友人からの助言で出してます、違和感あったらごめんなさい)
概要:オリ主な夕立さん。身体能力がチートなせいで、小学生の体育の時に跳び箱に激突したりした模様。主人公が通うIS学園に受験した。なお、当人はもうちょっとウエストと体重を減らした方がいいかと悩んでいる模様。
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第1話:夕立さん、男性操縦者と友達になる。
感想、お気に入り登録、評価、ありがとうございます!
私、夕立さん、今、IS学園の教室にいるの。
例の男性操縦者騒動からしばらくして、IS学園入学の時が来た。そう、IS学園。例の男性操縦者君も来るって聞いた。まぁ、もういるけどね、凄まじい視線に晒されながら。
織斑一夏。かの有名な織斑千冬さんの弟(推論)みたい。顔はちょっと見えないけど、緊張してるのは分かる。だって、IS学園には、女子しかいないもの。そして、そんな私も彼に視線を向ける一人。というか、男子用の制服なんてあったんだ。急いで作ったのかな?
「はい、皆さんおはようございます!今日から1年1組の副担任になる、山田真耶です、よろしくお願いします!」
「よろしくお願いします」
「よろしくお願いしますっ!」
……あれ?返事少ない。アイサツされたら返さなきゃいけないと思うんだけど……いや、織斑君か。確かに、世界初の男性操縦者なんて、気になって仕方がないよね。
「うぅ、あ行の人から自己紹介お願いします」
あらあら、へこんじゃった。
それで、自己紹介を進めていって、今は件の男の子の番。
「えーと、織斑一夏です!」
うんうん、それで……
「……以上です!」
みんな揃ってずっこけた。いや、短いよ織斑君。もうちょっと話……そう……私も話すネタない。
「痛ってぇ!?何すんだよ千冬姉……アイタァ!」
「織斑先生だ。いいな」
……えと、織斑君、だっけ。御愁傷様……
「さて、諸君。私は、知っているかもしれんが、織斑千冬だ。私たちの仕事は、諸君ら弱冠15歳を16歳までに使いものになるようにすることだ。私たちの言うことには、『はい』か『YES』で答えろ」
「「「「「キャアァァァァァ!千冬お姉さまぁぁぁぁぁ!」」」」」
「私、千冬お姉さまのファンなんです!」
「千冬お姉さまのためなら死ねるっ!」
「千冬お姉さまに会いたくて、グンマーから来ました!」
「はぁ、私のクラスには馬鹿が集まる、いや、上が私のクラスに集中させているのか?」
「生徒に馬鹿はないと思うぞ千冬姉……」
そう織斑君が言った瞬間、織斑君の頭になにかが……出席簿?出席簿が出す音じゃないっぽい……
さて、あとは、織斑君と織斑先生が姉弟だって分かったり、どつき漫才みたいなことになってたりした。そして、今は休み時間。うーん、立ち込める濃厚な「抜け駆けするなよオーラ」がプンプンするっぽい。
「こんにちは、織斑君!」
私には関係ないけど。なんか、あちこちから「し、白川さん!?や、やられた!」とか、「なにあの金髪……ベージュ?て言うかめっちゃさらさら……」とか聞こえるけど。
「え、あぁ、こんにちは、えーと……」
「夕立、白川夕立っぽい!」
「白川さんか、俺は、織斑一夏、よろしくな!」
そう言って笑う。近くで見ると、結構織斑先生に似てる。
「……お、おい、一夏」
ふと声が聞こえる。そっちに顔を向けると、ポニーテールのTHE・サムライガールみたいな娘がいた。
「ん?……箒?箒か!久しぶりだなぁ!」
「う、うむ、久しぶりだな、一夏」
「……2人とも知り合いっぽい?」
あぁそうだと箒さんが肯定する。何でも、幼なじみなんですって。
「へぇ、そっかぁ、ねね!箒さん!」
「うん、何だ?」
「私、白川夕立!よろしくね!」
そう言って箒さんの手を持ってブンブン振る。そしたら、箒さん顔真っ赤にして慌て始めた。
「なんというか、白川さんは元気だなぁ……」
そう言って、織斑君が苦笑する。箒さんは顔真っ赤にしてる。そんなこんなだけど、楽しく過ごせそうと思いました!……あと、着席し損ねて、織斑先生に叩かれたっぽいぃ……
世界最強の体罰とか死ねるっ!
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第2話:夕立さん、ラッキースケベに遇う。
私、夕立さん、今、とても疲れてるの……
え、何を言っているのか分からない?じゃあ回想、どうぞ!
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事は3分前、箒さん(聞いたら篠ノ之博士の妹さんなんだって)と一夏君(名前呼びでいいって言ってたから)と友達になって、喋ってたらチャイムがなったの。それで、遅れたらどうなるかを実演しました……私が。それから、織斑先生がこう言ったの。
『さて、1時間目だが、この時間では、クラス代表を決めようと思う。クラス代表は、クラスの顔となる。ただし、まだお前らは1年、実力はドングリの背比べだ。選出方法は、推薦とする。これは、自薦、他薦は問わない』
そう言ったら、「織斑君がいいと思います!」って声がたくさんあって、このまま一夏君に決まりそうだったんだけど……
『お待ちください!このような選出、認められませんわ!』
ここで待ったを掛けたのがセシリア・オルコットさん。まぁ、女尊男卑思考なのかなと思うぐらいだったんだけど……その後に、『サーカスを見に来たのではない』とか、『文化後進国にいるのさえ苦痛だ』とか言い始めて、それに腹をたてた一夏君が『イギリスだってメシマズだろ』と言い返して、そこから言い合いが始まって、それを見かねた織斑先生が……
『落ち着け、2人とも。オルコット、お前は織斑がクラス代表になるには実力不足だと思うのだな?なら簡単だ、ISで勝負すればいい、試合日は来週月曜日だ、いいな?』
って、言って、二人ともそれを了承して……問題はここから。なんと一夏君、ISについての基礎知識ゼロ。操縦時間もIS学園の入学テストのひとつ、『IS実技試験』でのみ。それで、一夏君を連れてアリーナの使用申請をしに行こうとしたんだけど……
『ゆ、夕立さん、すまない、一夏を借りていいだろうか?』
と凄い気迫を漂わせながら聞いてきて、つい了承しちゃった……それで、織斑先生にアリーナの使用許可を取りに行ったんだけど……
『悪いな、白川。織斑のためなんだろうが、無理だ。もう予定がパンパンでな……』
と却下されてしまいました……
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「はぁ……」
ついため息を吐いてしまう。もうアリーナが使えない以上、イメトレぐらいしかできないよね……でも、オルコットさんがそれくらいで倒せる相手じゃないだろうし……
セシリア・オルコットさん。イギリスの代表候補生なんだって。代表候補生ってことは、オリンピック選手みたいなものだろうし、かなりの鍛練をしてるはず……つまり、ただのカカシと元コマンドーの戦いみたいなもの、ただの蹂躙劇になるだろう……
「あ、着いたっぽい……」
そうこうしてる内に私の部屋に着いた。今期の1年生は、数が多いらしく、何人かは倉庫を掃除した狭い部屋で、一人部屋なの。ちなみに、一夏君と箒さんにはもう部屋番号は教えてあるの。
「はぁ、疲れた……シャワー浴びるっぽい……」
さっさと服を脱いでシャワールームに入る。そのままシャワーのノズルを捻る。暖かいお湯が私の体を滑っていく。
「はぁ~……」
シャワーが体を打つ、でも、決して痛くはない。とても心地よい。
(それにしても……)
結構一夏君って怒りっぽいのか沸点が低いのか。どっちにしても言い返したりは……いや、私も結構頭に来てたからなぁ……
「追い詰めたぞ!一夏ぁ!」
「ちょ、箒、待った!」
ん、何かしら?何だか私の部屋が……あ、鍵かけ忘れた……まぁ、いいか、侵入者さんの顔を拝むとしましょうか。
ノズルを捻って、お湯を止めて、体を拭いてからバスタオルを巻いて、侵入者さんと合間見えると……
「あれ?一夏君?箒さん?」
そこにいたのは、こっちを見て驚いた顔で固まる一夏君と、木刀を構えた箒さんでした……どういう状況?
ラッキースケベ、なのかな?
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第3話:夕立さん、夢を見る。
感想、お気に入り、誤字報告、ありがとうございます!
……転生特典の夕立の見た目と身体能力って、どんな方法でそうなるかは決まってないんですよ……えぇ、手段は問わないんですよ。
あ、そうそう、うちの小説で名前のあとに()←このかっこがついてたら、それは翻訳だったりします。誤字ではありません……
「はぁ~……」
私、夕立さん、今、ベッドに寝転んでるの。
さっきの2人には帰ってもらった。何があったかは知らないけど……とにかく私は寝たいのです……
「おやすみ……」
そう呟いて、まぶたを閉じるのでした……
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『……立?夕立?起きてる?』
うーん、誰っぽい……
『あ、起きた。おはよう』
……誰?ここどこ?不思議に思って立ち上がろうとすると、なんと、ついさっき私がいたところに私と瓜二つの誰かがいた。
『それはごめんね?僕の妹だっていうから、ついね?』
……誰?この娘……黒髪の三つ編み?私、知らない……
『あ、そうだ、僕は、時雨……っていうんだって、よろしくね?』
そこから夢は続いた。時雨ちゃんの他にも、白露ちゃんだったり、春雨ちゃんだったり。夢の中の私は、その中に普通に混じっていた……他に、大和さんだったり……それから、ここは隔離された施設のようなものだとも分かった。どこか、山の奥深くなのは分かるけど……それから、時がビデオの倍速みたいに進んでいって、ある晩になった。
『……夕立、起きてる?』
どこか、時雨ちゃんが切羽詰まった表情でそう聞く。そして、こう言った。
『夕立、僕は、この施設から出るよ……これ以上ここにいたら……殺されるから……さようなら……ごめんね……』
そう言って、時雨ちゃんは部屋から出ていった……その数分後、放送が聞こえた。
『みなさん、夜遅くに失礼します。今晩は、この施設から脱出しようとした、裏切り者がいます。今から、制裁を加えます……みんなを裏切ったらどうなるのか、よーく、聞いていてくださいね?』
そして、何かを動かす音が聞こえたあと……悲鳴が聞こえた。放送マイク越しに、助けを求め、痛みに苦しむ悲鳴が。そして、その声は……時雨ちゃんの声だった。
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「っ!」
思わず飛び起きる。あぁ、朝からとんでもない夢を見る。何でこんな夢を見るのか。いや、それよりも。
(……私は、あんなところも、時雨ちゃんなんて子も知らない……)
知らないのだ。あんなところ。私は、一人っ子で、妹はいないし、姉もいない。それに、誰も知らないところなのに、誰も私のことを白川さんとは呼ばなかった。まるで、そんな名字はないと言う風に。
「……私は、何なの……?」
お母様、お父様、私、白川夕立は、15歳にして、自らの正体に疑問を覚えることになりました。
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どこかも分からない、そこらにコンピューターが転がる部屋。そこに、彼女はいた。
「うーん、
不思議の国のアリスを思わせる格好に白衣を着たちぐはぐな服。彼女はそれをまるで、普段着のように着こなしている。
「そういえば、くーちゃんにアレを頼んでたっけ……えーと、あったあった。少し片付けようかな?」
そう言いながら彼女はある資料を取り出す。その資料には、100人を超える人数の顔写真や家族構成が貼ってあった。そして、もうひとつの紙の束には、同じく100人ほどの写真が貼ってあった。しかし、そこに貼ってある写真には、金髪だったり紫髪だったり、しかし、それを地毛であるかのように見せる美少女たちだった。
そして、その資料には、『艦娘計画』と書かれていた。
ちょっと伏線。艦娘計画……まさか、ISの世界に艦娘を現実に作ろうなんて人はいないでしょう。
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第4話:夕立さん達、試合映像を見る。
私、夕立さん、今、一夏君と箒さんと『IS試合映像保管室』に向かってるの。
IS試合映像保管室。簡単に言ってしまうと、今までのISの試合映像はCDとかになって保管されてて、この部屋で見ることができるの。つまり、強い人の試合映像を見て学ぼう!と言うわけだ。
「お、着いたっぽい。さぁ、入るっぽい!……ゲホッゲホッ!」
「ちょ、夕立さん、大丈夫か?」
「大丈夫っぽい……ここ、普段人来ないからあんまり掃除されてないみたい……」
それを聞いた一夏君が入ってきて、「こりゃひでぇ……」、箒さんは「埃まみれだな……」と。そもそも、映像を見るより、アリーナで訓練してる方が強くなったっていう実感が沸きやすいのかもしれない。だから、この部屋は滅多に使用されないのだろう。だが、裏を返せば私たちが貸しきり同然。
「とりあえず、オルコットさんの試合映像ないかしら?他に、何か見たいのがあったら、持ってきて。各自捜索、開始っぽい!」
「「おぉ!」」
とまぁ、色々探しに別れる。私が探すのは、オルコットさんの
「よし、こんなものかしら?」
結果発表。
・ブルー・ティアーズの試合映像数本
・モンドグロッソの試合映像十数本
ざっとこんなもの。モンドグロッソ映像はたくさん手に入ったが、ブルー・ティアーズの方が少ない。だが、あるだけいい。ない可能性もちょっとは考えていたから。これで、少しは対策が練れそう。対策があるのとないのとでは鎧があるかどうかぐらい違う。さ、2人と合流しましょ。
「おぉ、夕立さん!て、多ぉ!こんなにあるのかよ……」
「おぉ……こんなにあるのだな……」
「えっと、2人が持っているのは?」
「「千冬姉(千冬さん)の試合映像」」
……言いたくないけど、織斑先生の試合映像が参考になる気がしない……まぁ、いいか、視聴を開始しましょう!
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「「「頭が痛い……」」」
私……夕立さん……今、頭痛に襲われてるの……
一気に視聴するものじゃなかったわ……お陰で頭が死にそうなぐらい痛い……
「だけど、これで対抗策は練れるっぽい!」
「そうだな、特殊兵装が分かったのは大きい」
例のCDを見て分かったのは、ブルー・ティアーズの特殊兵装がビット兵器であること、オルコットさんの戦い方は、オルコットさんとビット兵器合わせて、5対1での完璧な包囲網を敷くこと、織斑先生やモンドグロッソ出場者が人間を辞めていること。これぐらいね。
「よし、これで勝てるかもしれない!アリーナで訓練だ!」
「……織斑君、残念だけど、アリーナは使えないって」
「……なら、この色んな映像をまた見て、動きの分析になるかぁ」
「そうなるっぽい」
でも、こんな基本的なことでも、とても重要だと思う。それで少しは動きが身に付く。
「さぁ、みんなで明日から通いづめっぽい!」
「うし、頑張るぞ!」
「あぁ、目指せ、優勝!」
「「「おぉ!」」」
こうして、私たちは保管室に通いつめたり、箒さんと剣道をしたりして、月曜日に備えるのでした。
次回ぃ!セシリア&ブルー・ティアーズ戦じゃあ!
ようやく戦闘シーンが書けるってもんだぜぇ!
失礼、取り乱しました。
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第5話:一夏君、代表決定戦に出る。
私、夕立さん、今、一夏君の専用機を待ってるの。
私がアリーナの予約を取ろうとした時、その後で山田先生が来て、一夏君に専用機が渡されるってことを教えてくれたんだって。専用機が貰えるとは、とても羨ましい。だけど……
『試合開始3分前です、選手はピットに入り、最終準備を済ませてください』
「くぅ、遅い!いつまでかかるのだ!」
「落ち着けって箒、確かに遅れてるけど……」
「だからって試合開始3分前になっても来ないのはおかしいっぽい!」
そう、まだ届いていないのだ。このままでは、訓練機で戦うことになるかも……
「……しょうがない、こうなったら訓練機で……」
「お、織斑君、織斑君!大変です大変です!」
織斑君が訓練機で出ようと言おうとした時、山田先生が来た……本気で転ばないか心配になるっぽい……
「山田先生!?来たって、もしかして!?」
「落ち着け、馬鹿者」
「あ、千冬姉!これが落ち着いて……いってぇ!」
「織斑先生だ。ついさっきお前の専用機が届いた。落ち着けとは言ったが、少し急げ」
「はい!」
そう言って、織斑君が行こうとする……ごめんね、急げって言われてるのに。
「織斑君!」
「夕立さん、何だ?」
「頑張ってっぽい!」
「……おう!」
そう言って、織斑君はピットに走っていく。さて、今日までやれることはやった……対オルコットさん対策がうまくいけばいいけど。
「さて、アリーナに行きましょ。急がないと……」
織斑君がどれだけの腕前か、見せてもらいましょっぽい。
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「これが……俺の専用機……」
「あぁ、名は白式。まぁ、
千冬姉が何か言っているが、聞こえない。俺の視線はその鎮座する『白』に引き寄せられる。白というよりは灰色に近い。しかし、その色が自然に思える。俺は白式に乗り込んだ。まるで、手足のようだ。
「よし、初期設定開始だ」
そう言って、コンピューターに向き合った……山田先生が。
(……ついに始まるのか……)
そんなことを思う。だが、不思議と俺の心に緊張はなかった。色んな対策は立ててある。それに……
(ここで勝てなきゃ箒と夕立さんに申し訳立たねぇもんな……!)
2人には、今日まで色々手伝ってもらった。これはもう負けられない。
「一夏君、終わりました!」
どうやら初期設定が終わったらしい。そして……
『試合開始時間になりました。両者、アリーナに降りてきてください』
試合開始時間になったと言うアナウンスが鳴る。白式を駆り、カタパルトに立つ。すると、箒が話しかけてきた。
「お、おい、一夏」
「どうした?箒?」
「い、いや、頑張れよ……!」
「あぁ、もちろんだ!」
そして、扉が開き、俺は射出された。慌てることはなく、スラスターを軽く吹かして着地する。向こうを見ると、オルコットさんもISを纏って立っていた。
「あら、逃げずに来たのですね?まぁ、その度胸は認めますわ、しかし、あなたは惨めに地面に這いつくばる、これは変わりませんわ」
「そいつはどうも、だけど負ける気はないぜ」
「フフ、せいぜい虚勢を張っていることですわ……」
オルコットさんはそう言うが、俺だってこの日まで遊んでいた訳じゃない。箒の剣道指導のお陰かある程度昔の感覚が戻ってきた、夕立さんと試合映像を見まくって、対策を練ったり転用できそうな動きを分析したり……
『ただいまより、試合を開始します!レディ……』
アリーナが静かになる。オルコットさんはライフルを構え、俺は手持ちの剣を構える。
『ファイっ!』
その掛け声と共にオルコットさんのライフルが火を吹く。それを剣で弾くが……
(重い……!)
手がビリビリする。さすが専用機の武装と言ったところか。
「あら、結構な不意打ちのつもりだったのですが……」
「そいつは残念だったな……!」
「えぇ……しかし、これしきで終わっては面白くありませんもの……」
そう言うと、オルコットさんのISから何か……ビット兵器がパージされる。
「さぁ、ここからが本番ですわ!私のブルー・ティアーズが奏でるワルツで踊りなさい!」
戦闘描写行けんかったぁぁぁぁぁ!ごめんなさい!許して!何でもはしないけど許して!待って!アァァァァァ!
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第6話:一夏君、戦う。
お気に入り、感想、評価、ありがとうございます!
後、戦闘は基本三人称にしようと思います。
「さぁ、ここからが本番ですわ!私のブルー・ティアーズが奏でるワルツで踊りなさい!」
セシリアがそう告げると、ビット兵器、『ブルー・ティアーズ』がパージされ、一夏を狙い打つ。無論、一夏は無駄なダメージは受ける気はないので避け、そのまま距離を取る。
「私自身をお忘れですか!」
もちろんそれをセシリアが許す訳はなく、ライフル、『スターライトmk.Ⅱ』での追撃が行われるが、一夏はそれを軽く避ける。一夏は攻めではなく守りに入り、白式の一次移行を待つつもりらしい。だが……
(オルコットさんがそれを許さねえよな……!)
恐らく、セシリアも一夏の白式が一次移行も済んでいない機体なのは分かっている。故に、一次移行され、面倒くさいことになる前に、さっさと終わらせるつもりだろう。もっとも、一夏自身そうやすやすと終わる気はないが。
「また……いえ、今回で落として差し上げますわ!行きなさい!ティアーズ!」
セシリアがそう告げ、ビットの攻撃はますます鮮烈になる。早い動きで視界を振り、気を取られた隙にビームが叩き込まれる。一夏はすぐにでも逃れようとするが、ビットはそれを許さない。対セシリア対策も、白式が一次移行も済んでいない機体であることを考えると、もはや無駄である。白式の
(一夏君、頑張って……!)
(一夏、負けるな!)
箒と夕立は未だ一夏の勝利を信じている。だが、それを嘲笑うように、白式のSEは底をつきそうになる。
(くそっ!何もできずに負けるのかよ……!)
一夏は悔しかった。あれだけ対策を練ったりしても、セシリアが軽く本気を出しただけでこの様だ。このまま負けるのか?
(……いや、勝つんだよ!2人には、手伝ってもらっただろ!だから……)
「諦めるかぁ!」
しかし、一夏の叫び虚しく、ライフルの一撃が白式を穿つ。しかし、その瞬間、一夏の白式が白く光り出したのだった……!
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「うん……ここは?」
気づけば俺は、波打ち際にいた……アリーナは?ここどこだ?
「あなたが私の新しいマスターですか……」
「え?」
気づけば、俺しかいなかった浜辺に白いワンピースを着た女性が立っていた。だが、その雰囲気は普通の女性のものではない、鋭いものだった。だけど、俺は、似た雰囲気を持った女性を知っていた。
「千冬姉……?」
「……懐かしい名です。いえ、それより、あなたは何故力を求めるのですか?」
「千冬姉や色んな人を守りたい、かな……」
「そう、なら、行きなさい。あなたはここにいるべきではない……」
その人がそう言うと、俺の意識は薄れていった……
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(こ……これは……!?まさか、一次移行……!?)
白い光は徐々に薄れ、その中から白式が姿を表す。それは、名の通り、白であった。セシリアは動くことが出来ず、アリーナの観客も声を出すことはなかった。
そして、一夏は目を開く。そして、手を軽く振り、次に手に持つ刀を見つめる。幸いにも、一夏の頭にその刀の名前と、白式の
(『
そう気づいた一夏は、こう呟く。
「行くぜ……!」
それを聞いたセシリアは恐怖した。自分の知る『情けない男』とは似つかないその気迫に。
「……っ!ティアーズ!やりなさい!」
セシリアはビットを向かわせ、一夏を叩き落とそうとする。しかし……一夏は冷静に雪片弐型を振るい、1撃でティアーズを破壊した。これには、セシリアもアリーナの観客も驚愕した。いくらティアーズが試験段階のものとはいえ、1撃で破壊されるのはおかしい。
「くっ……!」
セシリアは思わず歯噛みする。
(焦ってはダメですわ、セシリア・オルコット……!たかが1つ落とされたところで狼狽えはしませんわ……!)
「そう!私はオルコット家当主、セシリア・オルコットですわ!」
自らを鼓舞するように声をあげ、セシリアはビットとスターライトmk.Ⅱを一夏に向け、一夏はその刃先をセシリアに向ける。
「「「「「……」」」」」
何も音は聞こえない。アリーナを静寂が支配する。その中。
一瞬早く動いたのはセシリアだった。ビットをすべて一夏に向かわせ、さらにスコープにも姿を捉える。
「
「……っ!」
そのままセシリアは一斉に攻撃を行うが、一夏は雪片弐型を回転しながら振るい、ビットをすべて叩き落とし、そのままセシリアに向かう。雪片弐型に光を纏わせ……
「……!落ちなさい織斑一夏ぁ!」
もはや冷静さを保てないセシリアはがむしゃらにライフルを撃つ。しかし、何発かは一夏に向かうも叩き落とされる。そして、一夏は光を纏った雪片弐型を振るう……そして、その刃先がセシリアを掠める。瞬間。
(なっ……!?何故こんなにSEが減って……!?)
セシリアのISのSEがあり得ない勢いで減る。すぐに反撃しようと腰に備え付けられたミサイルビットを撃つ。それは不意うち同然であり、一夏を叩き落とす。そして、一夏も驚愕することになった。
(なぁ!?勝手にSEが減るだけじゃなく、零落白夜を使った状態で攻撃で受けても恐ろしいくらい減るのかよ!?)
零落白夜は全SEを攻撃に回すという超攻撃特化の単一仕様能力なのだ。故に零落白夜中は無防備なのだ。一夏は零落白夜を切り、セシリアの追撃に備える。一夏のSEはもはや雀の涙、セシリアはあくまでかすっただけ。しかし、一夏はまだ諦めてはいなかった。
「何故あなたはここまで……強いのですか……?」
セシリアはそう聞く。
「……守りたいから、誰かに守られてばっかりはもう嫌だからな……それに、箒と夕立さんに今日まで手伝ってもらったんだ、勝てなきゃ申し訳がない」
「そう……ですか……」
セシリアはそう言って俯く。
「……織斑一夏、あなたは強いですわね……ですから-----本気で行かせてもらいますわ!」
そう言ってライフルを素早く構え、撃ち抜く。しかし、一夏はそれを弾き、一気に近づく。
「行くぜ……零落白夜……!」
そう言い、一夏は零落白夜を発動する。しかし、セシリアはそれを見越し、ミサイルを発射する。
一夏は零落白夜を振るい、ミサイルを叩き落とす。しかし、セシリアはもう距離を取った。そのままライフルを構え、狙撃しようとする。
(じゃあ、こうするだけだぁ!)
そのまま一夏はフォームを整え、『零落白夜を発動させたままの雪片弐型』をぶん投げる。それの対応に遅れたセシリアは腕に思いっきり受けてしまう。そして、一夏は殴り抜けようとISを急加速する。
(もらった……!)
しかし、セシリアがそう簡単にはやられるはずもない。
「……っ!『インターセプター』!」
近接武器を呼び出し、一夏を切り伏せようとする。だが、一夏はセシリアの予想を裏切った!
何と、セシリアをスルーし、雪片弐型を回収。そして、零落白夜を切り、セシリアを倒さんと距離を……詰めた。そして、こう呟く。
「篠ノ之流……『疾風』」
その勢いのまま突きの姿勢を取り、セシリアに肉薄する……ミサイルを忘れ。
「く、喰らいなさい!」
「し、しまっ……!」
そのまま一夏は撃墜され、一夏の敗北を告げるアナウンスは無情にも流れるのだった。
一夏君、大敗北。
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第7話:セシリアさん、思う。束さん、考える。
(……はぁ……)
今日、一夏と模擬戦を行ったセシリアは、シャワーを浴びていた。しかし、その心中は揺らいでいた。
今日の模擬戦相手であった織斑一夏。所詮、織斑の名を盾に威張り散らす小物だろうと思った。セシリアの周りには上流階級の男が多かった。ISには乗れないが、権力がある男達は威張り散らし、そして、母の築いた遺産を奪おうとした。彼もそうだろう、ISに乗れることを盾にする小物だと。
だが、どうだ。自分は代表候補生、誰よりも努力した、故に実力がある。そう思っていたセシリアだからこそ、一夏の異常な伸びに驚いた。たったの1週間ほど、それで自分を追い詰めるほどになった。この学園の下手なIS乗りより強いかもしれない。
(……しかし、何故あそこまで……)
だが、さっきも言ったがあの伸びは異常だ、まるで、ISに乗るために造られたような……
(はぁ……一夏さん……)
だが、今のセシリアには、どうでもよかった。自分の価値観をがらりと変えてしまった男の名、それはセシリアの心に深く刻み込まれたのだった……
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「ディ・モールト……ディ・モールトベネだよいっくん!ここまでのデータが取れるとは束さんも驚きだよ……」
『我輩は猫である~名前はまだない~』。ここに一人の女性がいる。その名は篠ノ之束。ISの産みの親にして、世界で唯一ISコアの製造方法を知るものである。彼女が眺めるのは白式のデータである。
「イギリス代表候補生……あぁ~……セ、セシ……何だっけ?ま、それはそれとして、なかなかのサンドバッグだったみたいだねぇ~♪お陰で白式のデータがたんまりだよ♪」
そのデータを眺め束はにっこり嗤う。そこに、一人の少女が声を掛けた。
「束様、少しよろしいでしょうか?」
「んん、くーちゃん、どうしたのぉ?」
「例の計画のデータが手に入りましたので……」
「おぉ、偉いぞぉくーちゃん!ほ~れ、よしよしよし♪」
「あっ、束様、ちょっと……」
そのまましばらく束はくーちゃんの髪質やリアクションを堪能したのだった。
「ふふ~ん♪さてさて、早速データを御開帳~♪……何、これ?」
「それが……実は、世間で知られているのは……この山火事があったと言うことで……そこで非人道的な計画があったかもしれないということだけだったんです……」
「……つまり、『艦娘計画』は世間には知られていない、そして、凡人どもには証拠は見つけられなかった……」
束は、モニターに写されたデータにかじりつく。しかし、世界に流通している艦娘計画に関係するデータは、どれだけ調べても山火事があった施設でそういうものがあったかもしれない、ということだけだ。
「うーん、被験者のデータはあれだけ?」
「はい、あれだけです。しかし、政府も知らない、と言うのは確実です」
「まぁ、ねぇ……」
こうして、2人は艦娘計画について頭を抱えるのだった……
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「ふふふ……『
ここは誰も分からないどこか。そこに、男が1人。そこで男は何かが組み上げられるのを見ていた。
「くくく……我が最高傑作にして最低の失敗作よ……お前はいつまで生きられるかな?『白露型4番艦:夕立』……」
そして、今はここにいない自らの『作品』に思いを馳せるのだった……
現在、艦娘計画について分かっていること。
・100人ほどの被験者がいる。
・政府は艦娘計画について知らない。
・『白露型4番艦:夕立』という『作品』がある。
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第8話:夕立さん、久しぶりに喋る(メメタァ!)。
私、夕立さん、今、パーティーに参加してるの。
「それでは、織斑君のクラス代表就任を記念して……」
「「「「「乾杯!」」」」」
「か、乾杯?」
そう、このパーティーは一夏君のクラス代表就任記念パーティー。今日は1年全クラスが入り交じっての合同パーティー。
「うおっ、一夏。この料理うまいぞ!」
「箒はどっから料理を持ってきたんだ……?あれ、夕立さんは?」
「む、確かに姿が見えないな……あとこれはバイキングのコーナーからだ」
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まぁ、その様子は外からお送りしてるけど。私、外の景色を見ながら持ってきた料理を食べてるの。バイキング形式……方式だったかしら?まぁ、いいか。
「あ……白川さん……」
「んー?あ、オルコットさんっぽい、どうしたの?」
「え、えぇと……け、景色でも見ながら食べようかと……相席、よろしいでしょうか?」
「どうぞっぽい」
うーん、オルコットさん、こういうパーティー苦手なのかな?まぁ、私もこうやって外で食べてるけど。
「……白川さんは……」
「ん?」
「織斑さんのことをどう思っているのですか……?」
……何を言っているの、この人。え、一夏君?
「うーん……友達かな……というか、何でそんなことを?」
「え、そ、それはぁ……そのぉ……」
そのまま答えを待つ。しかし、返答はない。
「オルコットさん?」
「え、あ、えっと……お、織斑さんとどうやったら仲直りできるかなーと……」
ふーん、それなら話は早いっぽい……
「それじゃ、オルコットさん、ついてくるっぽい!」
「え、し、白川さん!?ちょ、どこに!?」
さあ、いざ行かん!一夏君の元へ!
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「む、あそこにいるのは……」
「え?あ、夕立さんと……オルコットさん?」
ついさっきまでいなかったはずの夕立さんとオルコットさんがこっちに歩いてきていた。いや、オルコットさんは夕立さんに手を引かれてるのか。
「ほら、オルコットさん、言いたいことははっきり、ね?」
「……え、えっと……」
そのまま答えを待つ。しばらくして。
「お、織斑さん、それに、クラスの皆さん、あのような発言、誠に申し訳ございませんでした……!」
そう言って、オルコットさんは頭を下げる。
「うーん、まぁ、ほとんど気にしてないし……」
「正直、あの戦い見たらね……」
「あ、あら?」
「みんな特に気にしてないって、俺こそすまない、俺も、あの時頭に結構血が昇ってたからな……本当にごめん!」
そう言って、俺も頭を下げる。
「あ、あの……」
「え、何だ?」
「そ、その……お互いに名前で呼び会いませんか?」
「え、じゃあ……セシリア、でいいのか?」
「は、はい!一夏さん!」
うわー、なんかセシリア、嬉しそう……
「うーん、私も名前で読んでいいっぽい?」
「はい、夕立さん!」
「ふむ、では私もそう呼ばせてもらおう」
こうして、俺たちはこの後のパーティーを楽しんだのだった……
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「ふふ、来たわよ日本……待ってなさい、一夏!」
その頃、ある飛行機に乗った少女がIS学園に近づいていることに、誰も気づくことはない……
すやぁ……
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第1章の夕立さんシリーズのまとめ
セシリア・オルコット:原作チョロイン枠。イギリスの代表候補生。最新話で一夏と和解した。専用機は『
艦娘計画:本作の裏の設定。何やらきな臭い臭いがぷんぷんする計画。少なく見積もっても100人以上の犠牲者がいるらしい。これを行った人物曰く、『白露型4番艦・夕立』という作品があるらしい。
眼鏡の男:『白露型4番艦・夕立』という作品があることを明かした人。なんかヤバイ。
織斑千冬:世界最強のIS乗り、そして一夏の姉、そしてIS学園の教師。教師としては見習いレベル。ISを素手で壊すとか、意外と私生活はだらしないとか、色んな噂がある。篠ノ之束とは親友らしい……
白騎士事件:皆さん恐らくお馴染みインフィニット・ストラトスの世界が歪む原因となった事件。日本に向けて撃たれた数多くのミサイルを全て撃墜し、その後捕縛に現れた軍艦や戦闘機を死者0人で無力化、ISの高い能力を見せつけた。
篠ノ之束:ISの制作者であり、世界で唯一ISコアの製造方法を知る人。当人曰く、『細胞レベルでオーバースペック』。『天災』と言われるのは、人格が破綻しているからという噂がある。
篠ノ之流:篠ノ之家に伝わる剣術。一夏が使おうとした『疾風』など、多くの技が実戦に使う技となっている。ただし、細胞レベルでオーバースペックを名乗る篠ノ之束がISを発表、その結果篠ノ之家は一家離散してしまう。
とりあえず登場したキャラや書きたいことは書いた。それだけです。
いつもお気に入り登録、評価ありがとうございます!
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第2章:クラス代表対抗戦っぽい!
第9話:夕立さん、驚く。
私、
「ねえねえ、織斑君。2組に転校生が来るんだって、知ってる?」
「いや、初めて聞いたな……この時期に転校生……?」
「私を危ぶんでの転校ならもう遅いですし……」
「何か、トラブルの臭いがぷんぷんするっぽい……」
「夕立さんに同意だな」
うーん、この時期に転校生……やっぱりトラブルの臭いが……
「まぁ、それはいいのよ!織斑君、今度クラス代表対抗戦があるんだけど、その優勝景品知ってる?」
「いや、知らない、夕立さん達は知ってるか?」
「あー……確か、デザートフリーパスっぽい」
「そう!そして、専用機持ちは1組と4組だけ……つぅまぁりぃ!我らが手にフリーパスがあるってことよぉ!」
「「「「「うおぉぉぉぉぉ!」」」」」
その時!
「異議ありっ!その情報……古いわよ……」
「「「「「何……だと……?」」」」」
「え、まさか……」
声の聞こえた方を見ると、ツインテールの子がこっちを見てる。
「ふふ、久しぶね、
「……り、
「え、もしかして、また一夏君のお知り合いっぽい?」
なんというか、一夏君知り合い多いっぽい……いや、当人のコミュ力もあると思うけど……
「にしても、カッコつけてたけど、似合ってないぞ?」
「ありゃ、やっぱり?」
「あぁ、似合ってないぞ
「あはは、そうですか~……え?」
あ、凰さんの後ろに修羅が……
「た、たはは~……ど、どうも、
「織斑先生だ、後、もうすぐSHRが始まる、遅れたくなければ急ぐんだな」
「えっ、げっ!?もうこんな時間!?あぁ、もう、一夏!後でね!」
そう言って、凰さんは行ってしまった。
「さぁ、お前らも早く座るんだな」
そう言われると、みんな座った。さて、あの人については後で聞くとして、授業に集中しないとね……
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「さぁ、一夏」
「この人との関係性……」
「「教えてもら
「私も気になるっぽーい」
さて、授業が終わって、お昼ご飯っぽい。
「うーん、セカンド幼なじみ?」
「まぁ、端的に言えばそうなるわね」
「そういえば、朝に専用機持ちが1組と4組だけって言うのが古いって言ってたけど……まさかっぽい?」
「ふふ、
あぁ、やっぱり。まぁ……
「我らがフリーパスがぁぁぁぁぁ!」
「「「「「いやぁぁぁぁぁ!」」」」」
みんなの叫び声の方に驚いたけど。
どうしよう……夕立の転生設定が死に設定になってる……どうしよう……
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お詫びです!&第10話:鈴さん、見る。
えぇ、どうも、皆さん、I am yukkuriです。この度、転生要素が死に設定になっていることに気づき、急遽、タグや、転生を思わせる描写を削除しました。
みなさんの中には、転生要素があったからお気に入りしたのに!という方もいらっしゃるでしょう、その方がお気に入り解除することについて、私は何も言いません。突然の設定変更、誠に申し訳ございません。あ、それと、今後、章が変わるごとに、登場人物や、専用機の名前に、またルビを振ることにしました。
それでは、ちょっと進める本編です。
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私、鈴さん、今、廊下を歩いてるの。え、どうしてって?
それは……一夏が私との約束を忘れてたのよ!いや、少し頭冷えた今なら、回りくどい言い方した私もちょっとって思ったけど、それより告白が忘れられてたことの方が悲しい……あいつ、鈍感なのに女たらしの気があるし……
「はぁ……」
結局、どっちかが折れるか、なのよね……でも、今は少し現実逃避のための散歩ね。
「あなた、誰っぽい……!」
「ん?」
ふと、遠くから、夕立の声が聞こえてきた(ちなみに、食堂で全員互いに名前呼びし合うことにした)。
(えーと、隠れられそうなところは……あったけど相手の顔が見えないわね……)
せっかくなので盗み聞きさせてもらうことにした。私だって、面白そうなことには興味あるわよ?
「おいおい、夕立。そんな悲しいことを言うなよ、俺たちは親子だろう?」
「違う!私のお父さんは、あなたじゃないっぽい!」
(親子……?でも、夕立は否定してる?)
うーん、分からない……
「ふふふ……まぁいいか。俺はお前に贈り物をしに来たんだ……」
「え、一体……ぐふっ!」
(え、夕立の悲鳴?一体何が……)
そのまま顔を覗かせると……壁に押し付けられる夕立と、黒い何かを夕立の腹に押し付ける眼鏡の男がいた。助けなきゃ。そう思っているのに、動けない。行くなと頭が叫ぶ、見るな、知らなければ無関係でいれると。
「うぐ、があぁぁぁぁぁ!?」
(う、あ……)
なのに、私の体はどうにも動かなかった。金縛りにでもあったみたいに……
「うぐぅ……ふぅ、はぁ……!」
「ふふ、いい気味だな……贈り物はこれだけだ、じゃあな、我が
そう言って、眼鏡の男は立ち去ってしまった、それと同時に私の体も動くようになった。
(……ゆ、夕立は?)
ふと夕立に目をやると、倒れていた。
「ほ、保健室……連れていかなきゃ……!」
そして、私は夕立を担いで保健室に押し掛けるのだった……
本当に申し訳ございません……
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第11話:夕立さん、ISの授業を見る。
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「ふふふ……アイツを殺すための準備は1つ終わりだ……」
ここはどこか。暗く、恐ろしい雰囲気を醸し出すそこに、眼鏡の男がいた。
「黒鉄は……ソロモンの悪夢も……あの織斑千冬にさえ手を出せん……篠ノ之束も然り……だ……」
そう言って、顔を歪に歪める。その顔には、何があったかは分からないが、大きい火傷の跡があった……そして、男はおもむろに火傷の跡をかきむしり始めた。
「あぁ、何で俺がこんなまどろっこしいことを……!アイツラさえいなければ……俺はとっくにアイツを始末していた!」
そう言い、頭を机に打ち付け、そして、ふと思い出したように言う。
「そういえば、ドイツが面白そうなことをしていたか……ふふ、害獣駆除は専門家に任せるのが一番か……」
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私、夕立さん、今、グラウンドにいるの。昨日、何があったかはほとんど覚えていないんだけど……
「おい、白川。何をボーッとしている。」
「え、あ、ごめんなさい!」
うう、怒られたっぽい……
「さて、今日はISの実演、それを織斑とオルコットに行ってもらう」
「え、俺?何でまた……」
「……まぁ、あれだ、色々あるんだ……」
「アッハイ」
色々……政府絡みかな……
(……昨日、何があったの……?)
そういえば、今日は頭痛が酷い。朝ごはんもあんまり食べれなかったし……
「--……-川……白川!」
「ふぇっ!?」
「全く、またさっきからボーッとしてからに……お前、熱でもあるんじゃないか?」
「い、いや……特には……」
「そうか、なら授業に集中するんだな」
「はい!」
また怒られたっぽい……変な考え事多いのがダメだよね……うん、切り替えないとね。
「さて、セシリア、織斑。早速だがISを展開してもらう」
「「はい!」」
そして、2人はISを展開しようとする。そして、一瞬早かったのはセシリアだった。少し遅れて一夏も展開した。
「オルコット、0・87秒、織斑、1・53秒、織斑、ISを0・9秒以下で展開できるようになれ、オルコットも0・8秒以下を目安にしろ」
「「は、はい!」」
「さぁ、次だ。武装の展開」
「「はい!」」
2人はそう言って、武装を展開しようとする。今度は一夏の方が早かった。セシリアがほんのちょっと遅れて展開を終える……ライフルが一夏の方向いてるけど。
「……オルコット、そのポーズはどうにかならんか」
「えっ、あぁ、これをしないとうまくイメージができなくて……」
「ならせめてライフルの射線上に人がいないようにしろ」
「は、はい」
「織斑、0・73秒、素人にしては上出来だ」
……そういえば、織斑先生、ISもタイマーも使わず測定してるっぽい……さすがブリュンヒルデと言うべきなのか……
「さて、セシリア、近接武器を出せ」
「は、はい……」
あれ、今明らかに声が……そして、展開しようとしてるけど、苦戦してるみたいで、結局、「インターセプター!」と叫びながら出した。
「遅い、9・67秒、実戦……といってもここでは模擬戦とかぐらいだが、それでも相手は待ってくれないぞ」
「……はい……」
どうやらセシリアさんにも苦手なものはあるみたい。そういえば、
「さぁ、最後だ。2人とも、飛べ、新しい指示は上で出す」
それを聞いた2人は、飛んでいった。でも、やっぱりセシリアの方がちょっと早いかなぁ……それに追従する一夏もなかなかだけど。
「よし!2人とも、そこから降りて、地上10センチで止めろ!」
おぉ、織斑先生が声が張り上げてる、ほんの少しでそれぐらいまで行ったってことだよね?
あ、セシリアさんが降りてきた。
「オルコット、10・6センチ、まぁ、上出来だ……ん?なっ、総員退避!」
それを聞いてみんな後ろに下がる、少しして、白い彗星が落ちてきた。そして、そこに倒れる一夏には、是非ともこう言いたい。
「ヤムチャ……しやがって……」
「……織斑ぁ、誰が地面にキスしろと言ったぁ……?」
「ご、ごめんなさい……」
「罰として、この大穴はお前が塞げ、いいな?」
「はい……」
こうして、授業が終わり、放課後になるのでした……
あの後めちゃくちゃ手伝った(メンバー・箒、セシリア、鈴、夕立)。
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第12話:夕立さん、試合を見る。
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「……どうしてこうなったっぽい?」
「……さぁ?」
私、夕立さん、今、アリーナで試合が始まるのを待ってるの……一夏VS鈴の。どうしてこうなった?
遡ること3日前……
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『一夏……あの時の落とし前、まだつけてもらってないわよね?』
『……は、はい』
『クラス代表対抗戦、あるわよね?そこでしっかり、屈辱ある敗北で落とし前つけてもらうわ!』
『な、こっちだって負ける気はないぞ!』
『もちろん、ここで負けますなんてあんたが言うなんて思わないわ……だから、一つ、賭けよ』
『……賭け?』
『えぇ、一夏、あんたが負けたら今度の休み、買い物に付き合ってもらうわよ!』
『……言ってくれりゃ普通に行くのに。まぁ、どっちにしても負ける気はない!』
『上等!』
-------------------------------------------
「……鈴、か……確か、中国代表候補生だったな、セシリア?」
「えぇ、そうですわ、中国も第三世代機が完成したとのことですし……一筋縄では行かないでしょうね」
「あ、来たっぽい」
そうこうしている内に、ISを纏った二人がアリーナに入ってくる。一夏のは、白を基調とした白式、対する鈴の方は、マゼンタピンクの機体、
『……ついに決着の日が来たわね……覚悟はできた?叩きのめされる、ね』
『生憎勝つっていう方しか持ってないな』
『上等……』
……スピーカー越しにも分かる、お互いガチだ……
『お待たせいたしました、皆さん!今日、この第一アリーナで、最強のクラス代表が決まるのです!この熱さ満点の決戦のファーストを飾るカードは!もう出てきてるけれど1組クラス代表……織斑ぁ、一夏ぁ!』
「「「「「うぉぉぉぉぉ!」」」」」
「頑張れ織斑君!」
「負けるなぁ!」
『熱さ満点の声援です!対する2組クラス代表は……凰、鈴音!』
「頑張って鈴さーん!」
「1組が何だー!やっちゃえー!」
『いやー、初っぱなからいい声援ですねぇ、ねぇ、織斑先生!あ、言い忘れてましたけど、今回特別……何だっけ、ゲスト?まぁ、織斑千冬先生に来てもらってまーす!』
『……何故忘れる……』
「「「「「きゃあぁぁぁぁぁ!」」」」」
「千冬お姉さまー!」
「千冬お姉さまに会いたくて北海道から来ましたー!」
『うーん、何かメインの2人より声援大きい気が……まぁ、いいや、ただいみゃより、あ、ただいまより、1組対2組の試合を行います!』
-------------------------------------------
戦いを告げる言霊、その一言は否応なしにアリーナに意識を向けさせ、沸き立った観客席を静寂に包む。その渦中の2人が思うことはさほど変わらない。絶対勝つ……互いにその思いを持ち、決戦を待つ。その遥か彼方、悪意に包まれた黒が動き出したことも知らず……
『レッディィ……ファァーイト!』
火蓋は今、落とされた。
ホントに許してください!何でもはしませんけど助けて!
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第13話:一夏君、鈴さん、戦う……
戦いの火蓋は落とされ、一夏と鈴は互いのISの武器を握り、スラスターを吹かす。そのままアリーナ中央で互いの武器をぶつけ合う。
「重い……!」
「馬力が違うわよ……!そらっ!」
その一言と共に鈴はもう片方の武器……双剣、
「ぐぅ……!」
「ふふ、どうする一夏……?ご自慢の零落白夜も使えなきゃ意味無しよ……」
そう煽る鈴だったが、その実、一夏のISの高い馬力、近接戦は中国代表候補生の中でもトップクラスに位置する自分と切りすさび合うその実力に舌を巻いていた。
(もうちょっとやりあってもいいけど……まぁ、いいわ、とっておき、見せてやるわ!)
そう決心した鈴は、一夏を蹴りで吹き飛ばし、距離を取る。もちろん、近接戦しかできない一夏は鈴を追おうとし……
「……衝撃砲。中国で開発されていると聞きましたが、もう完成しているとは……」
「衝撃砲?何だそれは?」
「衝撃砲は、空気を圧縮、その圧力で砲身、砲弾を形成、文字通り不可視の弾丸として相手に襲いかかるのです」
「空○砲か?」
「簡単に言えば。あと、空気を圧縮して砲身を形成しているので、360度、
「全方位攻撃可能……おまけに見えない……厄介極まりないな」
「えぇ、そうですわ……ところで、夕立さんは?」
「……あれ、いない」
セシリアと箒は互いに首を傾げながらも、目の前の試合に集中するのだった。
------------------------------------------
「……迷ったっぽーい……」
その二人の話題であった夕立は、絶賛迷子中だった。途中尿意を催しトイレに向かうまではよかった。しかし、うっかり道を間違え、そこら辺をうろうろしている途中なのだ。
「……ん?ここ、音がしてる?」
ふと、彼女の耳に何か音が聞こえる。その部屋は、『整備・保管室』と書かれていた。ちょっと見てみようと思い立った夕立は、ドアを4回ノックし、そのまま部屋に入った。
「……わぁ」
そこの部屋は、まさしく圧巻と言える。所狭しとISが飾られ、アームによってパーツが付けられたり、修理されていたりする。その部屋の隅、青い髪の少女が座っているのが見える。恐らくは彼女が作業していたのかと納得する夕立。すると、青髪少女はいきなり振り向き、互いに目が合う。
「……誰?」
その問いにこう答える。
「えっと、白川夕立、よろしくね!」
「……うん」
しかし、返ってきた反応は色好いものではなかった。しかし、彼女の後ろにある打鉄に似たISを見た夕立は、それの製作がうまく行っていないから落ち込んでいるのだろうかとあたりをつける。
「あなたは?」
「……
夕立の問いに一瞬躊躇い答える簪、そんな彼女に夕立は禁句を言ってしまう。
「そっか、よろしく、更識さん!」
「……その名前で呼ばないで……」
その禁句を聞いた簪は、途端に眉をひそめそう言う。
「……どうして?お姉さんでもいるの?」
これは説明しないとダメそうだと察した簪は、一から説明するのだった……
------------------------------------------
「そらっ!」
「……くぅ!」
二人が話をしている頃、アリーナのボルテージは最高潮に達していた。一夏は鈴の衝撃砲のトリック、鈴の癖から着弾地点を見いだし、対して鈴は衝撃砲にもう攻撃は期待せず、近づかれたら双天牙月で迎え撃つスタイルに切り替え、何とか保たせている。
「くっそ、やっぱ使わせるべきじゃなかったわね……!」
悔しげにそう告げる鈴、しかし、両方のISはSE残りわずか、それを見た両名は、一夏は突きの構え、鈴は双天牙月を薙刀状に組み合わせ、互いに次の一撃で決着を着けんとする。
「行くぞ鈴……」
「……来なさいよ一夏」
両方の武器を握る手に力が入り、いざ決着と踏み出しかけた時、熱い空気に水をかけるように、ハイパーセンサーでも一瞬でしか捉えられなかった赤い光がアリーナへ落ちる。それを見た二人は構えを解き、それを疑問に思う観客がざわめいたその瞬間土煙がアリーナを包む。状況を理解できない観客を嘲笑うように煙は去り、その攻撃の下手人を見せる。
「……何、あれ……?」
一人の少女がそう溢す。それは悪意に満ちたような黒だった。赤いモノアイが不気味に輝き、生を感じさせない異質な雰囲気は歪さを感じさせる。そして、赤いモノアイを観客席に向き……
「……っ!みんな、逃げろ!」
一夏がそう大声で叫ぶと同時に凝縮された赤い光が遮断シールドを貫き、雨などから観客を守る屋根が爆発し、その欠片が凶器へ変わった。
「きゃあぁぁぁぁぁ!」
一人の少女が叫び、恐怖は伝染し、多くの生徒が出口へ殺到するも、扉はびくともしない。そこにパニックに陥った生徒をさらに絶望へ招くアナウンスが流れる。
『第一アリーナの遮断シールドLVが4になりました。また、避難完了したものとし、アリーナの出入り口を全てロックします』
「なっ!?まだ避難できてないぞ!?」
「嘘よ、何でこんなことに!?」
そして、二人もまたパニックに陥りかけた時、無線が入る。
『ふ、二人とも、大丈夫ですか!?』
「や、山田先生!どうなってるんですか?」
『そ、それが、私たちにも……今、分かっているのは、IS学園のセキュリティシステムが誰かに掌握されていることと、アリーナに謎のISがいることしか……』
『山田先生、どうしま……う!?管……室の扉も……ません!』
『え、冗……よ……織……一……退…………』
「え、山田先生、千冬姉!?嘘だろ、通信が切れた!」
「……それじゃ、私たちは、二人だけであの黒いISを相手しろって?」
その言葉に答えるように赤のモノアイは二人を見据え、その目を期待と殺意で満たしてゆく。二人は、やるしかないと覚悟を決めるのだった……
……い、意欲が……
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第14話:夕立さん、行く。
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「……そんなことが、ごめんね?」
「……いい、こっちこそごめん、初対面なのにいきなり怒って……」
襲撃より数分前。簪と夕立は微妙な雰囲気に包まれながら話していた。
「……でも、何で一人で組み上げてるの?」
ふと、夕立は彼女の話を聞いていて不思議に思ったことを聞く。簪には姉がいると言うのだが、その姉が優秀で、無能でいろと言われ、そんな姉を越えるべく一人でISを組み上げていると。
「……お姉ちゃんは一人でやったから……だから私も一人でやらなきゃいけない……!」
簪は拳を握りしめ、そう言う。
「……確かに、お姉ちゃんもそうなら自分もっていう気持ちは分かるけど……でも、誰かと一緒にやって、見返すのはダメなの?」
「……それは、人手は欲しいわよ……でも、お姉ちゃんもそうなんだ……一人でやらなきゃ意味がない……」
「でも……」
夕立が何かを言いかけた時、わずかな爆発音を二人の耳がとらえる。
「……今の、何っぽい?」
「……分からない、ちょっとごめん」
そう言って簪は、連絡用無線に向かい、そして、顔をしかめる。
「……繋がらない……先生、先生?」
「どうしたの?」
「通信が繋がらない……今までこんなことなかったのに……」
「うーん、直接聞いてみるっぽい?」
「うん……」
そう言って、夕立は扉を開けようとするが……
「あれ、開かないっぽい!?何で!?」
「え、嘘……!」
そのまま二人はパニックに陥る。そこで、アナウンスが流れる。
『ただいま、第一アリーナにて問題が発生、生徒の皆様の安全を確保するため、電子ロックを掛けられる扉は全てロックします』
「……冗談でしょ……」
「開かないって……一夏は!?鈴は!?」
「……一夏?そういえば……今日はクラス代表対抗戦……アリーナで何があったの?」
「……こうなったら……やるしかないっぽい……!」
「ちょっと何する気……!」
その言葉を無視し、夕立は打鉄を纏う。そして、整備・保管室の扉をコールした刀、
「よし、これで出れるっぽい!」
「……何やってるのよ……」
その行動に頭を抱える簪。しかし、もうここまで来たら付き合うかと彼女も自らの専用機、
「それが簪さんの専用機?」
「うん……武装とかはまだできてないけど、駆動系とかはできてるから動くには動くわ」
「そっか、どうしよう?」
「……アリーナの扉も開かないかも、私はアリーナに行って、生徒の救助するわ」
「……なら、私も行く」
「いや、白川さんはここに居て」
「……ここまでやっておいて、放る気はないっぽい」
それを聞いた簪は、一つため息を吐き、首を振り、夕立に向き合う。
「……なら、好きにして、私を手伝うもよし、アリーナで何かをするもよし」
それを聞いた夕立は打鉄を待機形態にし、走り出す。それを見た簪も、アリーナの観客席に向け走り出す。
互いに行くべき場所に向け、走り出す。
なんか微妙なラストに……
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第15話:夕立さん、突入する。
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「くそ……!何発も無遠慮に撃ちまくりやがって!」
「ほんとよ!一発かすればこっちは終わりなのに……!」
夕立が走り出したぐらいの時、一夏と鈴の二人は謎のモノアイISを相手取っていた。アリーナはボロボロで、観客席もレーザーの焦げ跡がつき、遮断シールドさえ貫通する威力のモノアイレーザーを警戒する二人は迂闊に近づけず、ジリジリ消耗していた。
「鈴、その薙刀、投げてくれるか?うまくいけば引っ掛かってくれるかも知れない……」
「……OK、乗るわ」
短く言葉を交わした二人は頷き合い、鈴は双天牙月をぶん投げる。動くものに反応するのか、モノアイは投げられた物に反応し、レーザーのチャージを始まる。そのままレーザーを撃ち、爆発が起きる。それと同時に煙が巻き上がる。モノアイはそのまま立ちすくんでおり、一夏はこのまま討たんと煙の中を駆けてゆく。
「……くらえっ!」
小さくそう呟き、零落白夜を叩き込もうとするが……
「ぐあっ!?」
なんと、通常のISではあり得ない挙動……
「一夏っ!?何、あの挙動!?人間が乗ってるなんて思え……な、い……」
そこで、鈴はある結論にたどり着く。
「……嘘よ、無人機?でも、そんな技術、完成してるなんて……?」
そう呟く鈴。しかし、ほんのわずかな隙さえ逃さんとモノアイISは鈴に照準を合わせ、チャージを開始、そのまま発射される。しかし、さすが代表候補生と言うべきか、華麗に回避する。そこで復帰した一夏がモノアイISに零落白夜を放ち、モノアイISに突き刺す。
「っし!」
確かに、一夏は手応えを感じ、今もなお、雪片弐型はモノアイISに突き刺さっている。SEが無くなるのは時間の問題と思われるが……そのままモノアイを一夏を見下ろすように向ける。
「なっ……」
確かな手応えを感じた、そして現状最高火力の武装が当たった、なのに何故倒れない?
「くそっ!」
そのままバックステップをし、距離を取る。
「何よアイツ!零落白夜も効かないって!」
「……何かそういう対策でもしてるのか?」
鈴の叫びと一夏の疑問を無視し、再び赤モノアイは二人を捉える。そして、光が放たれ、二人はそれを避ける。さっきからこれの繰り返しであり、更に、教師陣からの救援もない。徐々に二人の気力は削られていく。
「……ん?何だ、この声?」
「……声?」
ふと、声が聞こえ、二人の意識がそちらに向く。そして……
「……ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!」
掛け声と共に落ちてきた銀が幹竹割りの如くモノアイの頭に刀を打ち込む。その正体は……
「……っ!?夕立!?」
夕立であった。
最近は仮面ライダービルドの主題歌、Be The Oneばっかり聞いてますね……
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