仮面ライダージオウ 〜この素晴らしい王者に祝福を!〜 (ハトラル変化)
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かわたれ時の空

ブレスオブザワイルドの方も同時にやっていますが、こちらも投稿したくなったので出しました。
しばらくはこちらがメインになります。

こう言った形で、私個人の気まぐれにより作品の投稿頻度の変動や新規投稿をする可能性がありますので、それでも大丈夫という方は、私の駄文をお楽しみ下さい。


「流石だ、我が魔王。……世界は救われた」

 

 静寂。

 人々の叫びは静まり、人々の涙は止まり、人々の嘆きは収まる。

 まるで、さっきまでの世界終焉の如き光景が、悪い夢だったかの様に。

 そこには、ただ2人。

 魔王として誕生した(オレ)と、そんな私を前に地に膝を付く、黒い外套に身を包んだ家臣の姿のみあった。

 

「改めて忠誠を誓おう。君はこの世界に君臨する……未来永劫に渡って」

 

 この世界の歴史を……ライダーの歴史を奪い、王として己の世界に君臨しようとしたスウォルツを俺が倒した事で、この世界の終焉は免れ、俺は最低最悪の魔王(オーマジオウ)としてこの世界に君臨する事となる。

 俺は、最高最善の魔王になりたかったのにな……。

 今にも、涙が出てきそうだ。

 ゲイツが死に、ツクヨミも消え、俺のせいでこの世界も……。

 

 しかし……、

 

「…………そうはならないよ」

「……何故だい? 最強王者になったというのに……」

 

 いや、だからこそ……

 

 

 

「……この時空を、私が破壊するから……」

「……え?」

 

 

 ————それが、お前のお前の選択か————

 

 ふと、どこからかそんな声が聞こえた。

 その声は、俺が変えようと必死に抗った未来。

 ゲイツ達が恨んだ、最悪の未来。

 かつて、最低最悪の魔王と称された、時の王者(未来のオレ)

 

 気がつくと、俺の目の前には玉座に座した時の王者が居た。

 

「王として、君臨する資格があるのだぞ? お前が、世界を救った」

 

「……違うよ」

 

 世界を救ったのは……

 ゲイツ達や……

 ツクヨミや……

 

 ライダー達みんなの力だ。

 

 

 ふと、おじさんやゲイツ達との思い出が、走馬灯のように脳裏に浮かぶ。

 一緒に朝食を食べて……

 時々ゲイツと喧嘩して……

 それをツクヨミとおじさんが止めて……

 

 

「……みんなのいない世界で……」

 

 

 おじさん……

 ウォズ……

 ツクヨミ……

 ゲイツ……

 

 

「……俺一人が王様になったって仕方ない……」

 

「覇道より……王道を取るか」

「ただ破壊するだけ?」

「創造の前に、破壊が必要だからな」

「だよね」

 

 ならば、俺の王道は一つ。

 

「……じゃあやり直(創造)させてもらう。世界を……作り直す」

 

「二度と……王にはなれんぞ?」

 

 なれるよ。

 

 

「なんか、いける気がする」

 

 

 時が、無機質に刻む音がする。

 

「……時計の針はさ、未来にしか進まない。グルっと一周して、元に戻った様に見えても……一秒先(みらい)に進んでるんだ」

「……フフフフハハハハハ! 面白かったぞ、自分(お前)に会えて」

 

「若き日の、私よ……」

 

 

 

 

 俺は両腕を組み、世界を破壊する。

 

 時流が乱雑し、

 空が割れ歪み、

 宇宙が……あらゆる概念が、形を無くして溶けていく。

 

 全てが混ざる。

 全てが分かれる。

 

 

 

 俺とウォズは、カタチの無い眩い奔流に飲まれていく……。



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re : キングダム2018

そうそう、ジオウ側とこのすば側でのパワーバランスが偏っている(主にジオウ)と思われますが、そこは今後の展開でフォローしていく予定ですので

ジオウ側は絶対しませんが、ひょっとしたらこのすば側の魔王軍の設定を、止むを得ず多少改変するかもしれません。
改変したらその時はタグの編集も行いますし、その改変も可能な限り最小限にいたします。


 2009年。俺は家族といちご狩りツアーに参加していた日に、事故でその家族を亡くした。

 生き残ったのは俺ともう一人の少年だけ。

 両親を亡くし、天涯孤独となった俺は近所の時計屋クジゴジ堂のおじさんに引き取られた。

 

 おじさんはいつも明るく接してくれて、俺が間違った事をしたら厳しく怒ってくれる。

 そんな、優しい人だった。

 

 

 

 

「おはようソウゴ君」

 

 寝間着で階段から降りて来た俺を、おじさんが朝ごはんを作って待っていた。

 

「おはよう……」

「急がないと学校遅刻しちゃうよ!」

「うん……」

 

 俺は未だに寝ぼけながら、トーストしたパンにバターを塗って嚙りつく。

 

 

 

 

 朝食を済まし、クジゴジ堂を後に学校へ向かう。

 自転車を押して狭い階段路を下る俺の横を、学校の柔道部員が朝練のランニングで通り抜ける。

 

「常磐!」

「おお」

「お前、進路指導で『王様になる!』なんて言ったんだってな」

「え? 当然だろ?」

 

 すると、列になってランニングしていた中で最後尾にいたゲイツが立ち止まり、いつも通り険しい顔をして俺の方に向いた。

 

「目を覚ましてやる」

「え?」

 

 そう言ったゲイツは俺の服の両肩を掴み、後ろに向かって俺を投げた。

 投げられた俺は180° 綺麗にひっくり返り、階段のスロープに背中を思いっきり強打した。痛い。

 

「い、痛たたた……」

「一本!」

 

 するとゲイツの後ろから丁度ツクヨミが通りかかった。

 

「もう、明光院君は乱暴なんだから」

「毎日これじゃあ、身がもたないよぉ〜……」

「お前のためを思っての事だ。感謝しろ」

 

 ツクヨミの庇いに便乗しようとするも、ゲイツが相変わらずの無愛想な返しをする。

 すると、ツクヨミがゲイツの胸ぐらを掴み……

 

「いい加減にしなさい! エイヤァ!!」

「何ィッ!?」

 

 ツクヨミに投げ飛ばされたゲイツは、これまた綺麗な180° を描いて宙返りし、俺の元いたスロープのところに背中を打ち付けた。

 

「……ウオッ……つ、強い……グァ……!」

 

 くの字になってうずくまり、腰を抑えて悶絶するゲイツを後に、俺に手を差し伸べるツクヨミ。

 

「大丈夫?」

「うん……ありがとう。……それにしても、今の技エクセレント! 王室のSPは、君達に頼んだツクヨミ! ゲイツ!」

 

 俺のその言葉を聞いたツクヨミは、何かを諦めたかの様に溜息を吐いてうなだれた。

 すると、そんな光景を後輩のオーラとウールが後ろから見ていた。2人で何か話しているようだが、突然オーラが腕時計を見ながら言った。

 

「私達、もう遅刻よ」

「「「「ええええええええ!?!?」」」」

 

 

 

 2018年の9月。

 夏休みも終わって、また平凡な日々が始まった。

 ……しかし、俺は薄々確信していた。

 この時から既に、俺の周りで異変が起きていた事を。

 

 

 

 

 ********

 

 

 

 

 今日一日の学校が終わり、俺は自転車を押してクジゴジ堂へ帰って行った。

 クジゴジ堂へ帰ると、おじさんがカウンターで接客をしていた。

 横にラジオらしき物が置いてある時点で、なんとなくどういった要件かが予測できてしまった。

 お客さんとのやりとりが終わったそうなので、俺はおじさんに話しかけた。

 

「おじさん、ただいま」

「あーお帰り、ソウゴ君」

「今のお客さん?」

「うんー、昔使ってたラジオを直して欲しいって。……まあウチねー、時計屋なんだけどねえー」

 

 若干ヤケクソっぽい感じの棒読みに聞こえる。

 それもそうだ。このクジゴジ堂にくるお客さんの大半は、最近は殆どが時計じゃなくて他の物の修理のために来ている。

 

「相変わらず大変だね」

「フフッ…………ソウゴ君」

「何?」

 

 おじさんが何かを隠す様に手を背後に組み、尋ねてきた。

 

「受験、どうするんだっけ?」

「え? やらないよ? 王様になるって言ってるでしょ」

「だよねー王様だよねーハハッ。……やっぱりーソウゴ君は発想が違うなぁ」

 

 そう言いながらおじさんがゴミ箱に捨てたのは、ゼミからの「入試直前特別講習」という薄い冊子だった。

 そう、登校の時に柔道部員も言っていた様に、俺は高校を卒業した後はすぐ王様になるつもりだ。

 夢や絵空事、ましてや冗談でもない。俺は本気で王様になりたいと思っている。

 本当に王様になれる確証があるわけではない。

 

 けれど、なんだか本当に王様になれる気がする。

 

 完全に直感だけど、そういう気がするんだ。

 まるで以前、一度王様にでもなったかの様な確信があった。

 

 俺は私服に着替えて自転車に乗り、表に出る。

 いつも通り道路へ出るためにスロープ付きの階段を登る。

 すると、スロープのところに黒いローブを纏った怪しい男がいた。

 俺が自転車を押す道を塞ぐ様にこちらに向くと、男は言った。

 

「おめでとう」

「……は?」

「この本の新たなる1ページによれば、今日は君にとって特別な一日となる。……ただし、道行く車には気をつけた方がいい」

「はあ……」

 

 一体誰だろう、この男は? 

 俺に何の用だろうか。「俺にとって特別な一日」って、一体……。

 そんな事を考えると、触れてもいないのに突然、自転車のベルが鳴る。

 自転車のベルに気を取られた俺は、我に戻って顔を上げて前を向く。

 ……すると、そこにいた筈の黒い男が消えていた。

 

「……え!?」

 

 俺は慌てて自転車を押し、階段を駆け登る。

 しかし道路に出たものの、男の姿は見当たらない。

 

 ふと足下を見ると、そこには黒い何かが落ちていた。

 

「……何だ、これ?」

 

 俺はその黒い物体を手にし、ジーッと見つめた。

 するとその物体が突然、眩く発光した。

 いきなりの事に驚いた俺は、思わずそれをどこかへ投げてしまった。

 

「さっきからなんなんだよ、一体……」

 立て続けに不思議な事が起こるため、俺はしばらく呆然としていた。

 

 

 ……ここが、車の通る車道だという事を忘れて。

 背後から大きなクラクションの音が聞こえた。

 

 その時、俺は今下で男から聞かされた事を思い出す。

 "道行く車には気をつけた方がいい"

 振り向くと、その時車は俺の目の前まで来ていて……! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこまでが、俺の最後の記憶。

 そこから先に何があったのかは全く覚えておらず、気付いたら俺は、この真っ暗な謎の空間に佇んでいた。

 

「……ここ、どこ?」

 

 俺は辺りを見回し、この非現実的な現状を必死に把握しようとしていると、

 

「常磐ソウゴさん、ようこそ死後の世界へ。あなたはつい先程、不幸にも亡くなりました」

 

 俺の背後で、白い椅子に座った女性が俺にそう告げた。

 

「……へ?」

 

 俺は突然の事にさらに混乱した。

 振り向くとこの何も無い真っ暗な空間に一人、まるで修道士の様な服装の銀髪の女性が優美に座していた。

 

「えっ……死んだって、どういう……」

「はい……短い人生でしたが、あなたの生は終わってしまったのです」

「……え、ええええええ!?!?」



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