Fate destroyer&creator (火桜 葵)
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プロローグ 私が死んだ日


え~と?4作目な訳ですが、ごめんなさい悪気はなかったんです!!
メインで書いてるやつに必要なので書いているのですが
何で必要なのかとか聞かないでくださいね?ネタバレになりますから。
メインの次には更新が速いと思われます。多分、多分ね?

それでは本編どうぞ!!


「ハァハァ、何でこんなことに!!」

 

私は追ってくる敵に自身の力を使い抵抗を試みるが何らかの影響か私の力が上手く発動しなかった。

 

「クソッ!!」

 

身体能力も落ちているのか走っているだけで息が切れる。

 

「クソックソックソォォ!!」

 

まだやり終えてないことだってあるのに!!

 

「グッ!!」

 

私の足にナイフのような鋭い何かが刺さる

足から血が漏れるが構うな、気にするな。

足を止めれば殺られる。

 

「ウッ」

 

口の中から鉄の味がする、少量だった物は徐々に量を帯びていき、遂には口から溢れだす程だった。

 

私の胸には剣が突き刺さっていた。

それすら構わず私は走っていく。

 

連続の発砲音

 

私の皮膚にかすり傷をつけていき、腕が射たれ、腹も射たれる。

それでも私は足を止めない。自分でも狂気の沙汰だと思う。

 

そして足を射たれた、とうとう私は動けなくなった。

それでも少しでも遠くへ逃げられるように這いずってでも進む。

後ろから私を嘲笑うような笑い声が聞こえる。

 

あいつらはわざと私を殺さないらしい。

本当に性格が良い奴等だ。

ぶっ殺してやりたい程だ。

 

だが、あともう少しだ、もう少しで私は助かる。

何処でも良い、扉に触れろ。

触れれば私の〝勝ちだ〟

 

後ろの奴等は痺れを切らしたのか私のことを銃で撃ち抜こうとしている。

昔は脅威でなかったものに射ぬかれ、殺されるのだ。

だが、もう遅い。

私は扉に触れ、そして私がもつ鍵を鍵穴に差し込む。

 

ガチャリ

 

その音がした瞬間、私の頭は弾けとび

 

鮮血を散らした。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

目を開けると空が見えた。

だが私はここでまた目を閉じたくなった。

 

明らかに青空ではない、赤く染まった空だった。

そしてやけに暑いような?空と見つめあっていた目を逸らし首を横に向けさせて周りを見てみる。

 

 

「はぁ~、何で私の人生こうなんだろうか?

〝転生〟してすぐにこうなるなんて。

もう少しマシな世界に転生したかった、はぁー

ひとまずここを動かなきゃ、おぉマジか動けないんですけど。何てこった最悪だぞ、こんな身体に生まれ変わるなんて。というか何だってこんなに周りは燃えてる訳?あぁ本当にツラい。

そしてこんなことになった原因のアイツ等は絶対に許さない、ぶっ殺してやる!!」

 

威勢の良いことを腹の底から吐き出すように叫ぶがその声は虚しく燃え盛る景色に溶け込んでいってしまった。

 

 

 

 

「何てこった、私の人生もう終わりなんですか?

始まって一日も経ってないんですけど??

 

足とかまったく動かないし、何コレ?骨でも折れてるの?

というか身体中どこもかしこも動かないんですけどーー!!

誰かーー助けておくれーー!!

この際、平行世界の私とかでも良いから助けてーー!!」

 

私が助けて助けて叫んでいると人影が見えた。

 

お!?まさか本当に助けが!!

 

何か慌ててこっちにきてるなぁ、少しづつ姿がハッキリと見えてきた。

 

オジさんだ、オジさんが居る。

ヨレヨレのスーツを着た、どこか哀愁漂うオジさんだ。

しかも赤い髪の男の子を抱えて走ってきてる。

オジさんの髪の毛は黒色、なるほど。

 

私は瞬時に理解した……

 

「人拐いだぁ!!誘拐犯だ!!お巡りさーーん!!ここです!!ここに変態がいまーーす!!ショタロリコンが居ます!!助けてー!!犯されるーー!!」

「ぶはっ!!き、君は失礼なことを言うね」

 

何か言ってるが私は聞こえない、変態には耳を貸さないのだ。

あぁ、それでも私の身体は動かない私はコレからどうなってしまうの!?

 

「私に酷いことするつもりなんでしょ!!エr!!むー!!むー!!」

 

コイツ!!まさか私の口を塞いできやがったぞ!

変態だ!!変態だぁ!!

 

あっ!こら人の身体にベタベタ触るんじゃないぞ!!

 

止めろぉ!!足を触るなぁ!!

うっわキモいぞこのオジさん!!

 

「骨が折れてるのか」

 

おっ?どうやら私の身体がボロボロなのが分かったらしい、そうだそうだ丁重に扱え。

 

と思えばいきなり脇に抱えられた、すいません怪我人何ですけど?

この扱いは酷くないですかね?

 

あっ、無視ですかそうですか。

 

そのまま連れ去られてしまう私なのであった。

いつか殴り倒してやるからな。このオジさん。

 

 




まぁ1話目ということで文字数は少ないですが、仕方ないよね!!


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1話 人は第一印象が大事だと思うわけよ

今回?短いよバカヤロー


 

 

目が覚めると病院のベットの上に居た

 

「あぁ、何でこんなところに居るんだっけ?」

 

記憶が混濁してるのか上手くここまでのことを思い出せない

 

「気にしても仕方ないか、ん?んん??あれ?あれれ?体が動かないぞ?」

 

良く良く見れば足は固定され、腕には点滴を刺され、何か体中にペタペタと電極みたいなのが貼られてる

麻酔が入れられているのか、体の節々の感覚が無くなっている

 

何これ?どういう状況?

 

「あぁ、そうですか。ありがとうございます」

 

話し声が聞こえるので横を見ると、ヨレヨレのスーツを着た男が居たのだけど、怪しさ満点だぞよ?

 

ん?ありゃ?アイツどっかで見たことがあるぞ?

 

「あぁ!!」

 

思い出した、アイツは誘拐犯の

 

「ッ!?ちょ、ちょっと黙ろうか!?」

 

ヨレヨレ誘拐犯はそれはもうとてつもないスピードで瞬時に移動して私の口をふさいだ

 

「んー!?んーー!!」

 

離せよバカヤロー

 

周りの子供が見てるぞ、ほら、お前が誘拐した赤毛の男の子だって見てるぞ

 

これ、セクハラだかんね?

殴るぞこのヤロー、あと、お前に触られると何か分からないけど気持ちが悪いんだよ。離れろよ

 

というか、私は体中包帯グルグル巻きの重症者だからね?

 

 

ようやく、やっと察したのか私の口から手を離す不審者

 

「ありえないわ、何?人の口を塞いで馬鹿ですかぁ?アホタレがー」

 

「それは、ごめん」

 

素直に謝ってくる、不審犯罪誘拐人ウ〇コタレ

 

「まぁ、良いですけど~。それで?何の用です?多分ですけどそこの赤毛の子にも用があるんでしょ?」

 

まぁ、適当な予想だけど

二人ともここに居るってことはそうだと思うけど

 

「ははっ、君は頭が良いね。そうなんだ二人に話がある」

 

当たったわ

 

「何?」

 

「それで何です?」

 

ヨレヨレはその口を開き、こう言った

 

 

「僕のところに来ないかい?」

 

「………ふぁ??」

 

え?え??あ?うん??どーゆーこーとー?

 

私の頭は混乱していた、だっていきなりお前たちを誘拐する宣言をするとか思わないでしょ

私も思わなかった

 

私がうんうん唸っている間に赤毛の子は話が終わったようで私だけが取り残されていた

 

「それで、君はどうする」

 

 

「え、あ、う、うぅ」

 

ど、どうすれば……

 

私の頭は完全にショートしてた

 

不幸の連続のせいか、イレギュラーなことばかり起きたせいか

 

とにかく私の頭は正常な判断をくだせなかった

 

このときちゃんとした判断が出来ていれば、あんなことにはならなかったかもしれない

 

「いきましゅ」

 

 

最悪だ、最悪な判断だ

 

ここから私の物語が今、始まる

 

 

 



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2話 1日

 

私はヨレヨレスーツ誘拐犯もとい、衛宮 切嗣という男に引き取られた

 

その際に新しい名を貰ったのだが、何故、何故に衛宮という日本語ではなく、明らかに横文字の名前なのだ

 

私と同じく引き取られた赤髪の子は衛宮 士郎という名前を貰っていた

 

それで本題の私の名前なのだが

ミズキスフィール・フォン・アインツベルンというものになった

 

なったけどさぁ、養子として入れたのかと思っていたらそういう感じになってしまった

戸籍上は衛宮表記らしいが、保護者としてみたいな感じっぽい

一応衛宮家の養子ですけど、貴女はアインツベルン家の子ですよ~、と言われているようなものだ

 

まぁ、なんというか公の場では衛宮 水樹 として生きていくが、本名はミズキスフィール・フォン・アインツベルンだからなみたいな感じなんだろう

 

何を言っているのか分からないって?

大丈夫、私もイマイチ把握できてません

 

「つまり、私の本名はミズキスフィール・フォン・アインツベルンだってことですか?」

 

「うん、まぁそういうことかな」

 

そう答える誘拐犯、張り倒してやろうか

というか何故そんな憂いを込めた顔をするキモイぞ、少しは自重しろ

 

「というか、何で貴女が私の本名を知ってる訳ですか?」

 

「このペンダントに書いてたからね」

 

「はい?ペンダント?」

 

ペンダントなど、身に付けていただろうか?

いや、気づいていないだけで本当はつけていかもしれない

実際は分からないけど

 

「少し見せてくれませんか?」

 

「あぁ、これだよ」

 

それはペンダントというには少し大きすぎるのでは無かろうか

 

どうやら開閉式になっているようなので開けてみると

そこには何やら赤い石の塊のような、欠片のようなものが入っていた

 

「なんだこれ?」

 

「それは僕にも分かりかねるよ」

 

「別に貴方に聞いてないので」

 

「辛辣すぎやしないかい!?」

 

これが普通の反応だろう

全然知らないオジサンにどう対応しろというのだ

 

会って3日もたってないだろうし

 

「それで、貴方はあのとき………いえ、やっぱり何でもないです」

 

何故、あの火災の場に一人で居たのかと聞こうと思ったが、少々面倒なことになりそうな予感がしたので、聞くのはやめにした

 

「そうかい、さてそろそろ飯でも食べるとしようか」

 

飯、コイツの言う食料は1つのものを指す

 

それは……

 

「今日もハンバーガーかよ。何時か死んじゃうぞジイさん」

 

そう、ジャンクフード。ハンバーガーである

 

まぁ私は美味しいから気にしないんだけどね

 

包みからハンバーガーを半分だけ出して、口の中に運び。そのまま噛りついてモグモグと食べる

 

美味である

 

「まぁまぁ、落ち着いて。どうせ今はこれしか食べる物は無いんだし、ハンバーガー食っとけ義兄よ」

 

因みに士郎は私の義兄になった

 

ふむ、黒髪の和風の服を着た見た目中年男と赤髪のショタ、そして自分で言うのも何だが、銀髪、赤眼の美幼女

 

怪しすぎる、事案発生と言われても仕方ない状況になっている

 

「それにそんなに気になるなら義兄よ、貴様が飯を作ればよろしい。そうだろう?」

 

「それだっ!!名案だよ、そうだな俺がすれば良いんだ」

 

その後もハンバーガーを食べながら何かブツブツ言っていた

 

これには流石の誘拐犯も苦笑

どうしようか、などと漏らす始末

しるか自分でどうにかしろってんだい

 

 

「それにしても旨いわ」

 

▲▼▲▼

 

 

 

 

最近、何やら騒がしい小娘が来だしていた

どうやら怖ーーいお兄さんの総締めの娘らしい

 

関わらないようにしようと思った

 

最近、他に変わったことはオジサンが何処かに出かけることが多くなったことだ

 

そのときは決まって、ヨレヨレのスーツを着て、少しの荷物を持って出ていっている

最低でも2日は帰ってこないので、その間は二人でご飯食べたりして生活してる

 

義兄とは距離感がある、まぁそれくらいの方が私的にはちょうどいいので、無闇に近づこうとはしない

 

 

さて、今日はどうしようか

 

 

 

 

 



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3話 観察という名目のストーカー

それなりに長い、かな?
いつもよりは長いかも


 

「さて、覚悟は良いか」

 

「当たり前ですよ、さぁ始めましょう」

 

もう既に覚悟は出来ている

ここで負けても言い訳はしないだろう

 

「フハ、フハハハハッ!!良いではないか始めるとしようぞ」

 

 

今ここに、真剣勝負が始まった

 

カチャカチャカチャ

 

カチャカチャカチャ

 

「ぜい、ほっ、はっ。ぬわぁ!?ずる!!ズルいぞ!?そんな技を使って!!」

 

「フハハハハッ!!まだまだだなぁ?」

 

「姑息な真似をしやがって。と、油断したところをドーーン!!」

 

「なにぃ!?そちらこそ姑息な真似を!!」

 

声を荒らげ叫ぶが、その顔はとても楽しそうな顔である

 

「勝てばよろしいなのだよ、ふっはっはっはー!!」

 

そして上手く極った此方の少女も大きく笑い声をあげてとても楽しそうな顔をしている

 

家庭用テレビ戦闘ゲームで遊ぶ銀髪の少女と金髪の男

 

端から見れば仲の良い兄妹もしくは従兄弟に見える?

かもしれない

 

「ぐぬぬぬ」

 

なかなか事が上手く進まず唸る男

 

「スマァァァッシュッ!!」

 

「なッ!?ま、負けただと。この我が、えぇい!!もう一度だ!!」

 

「ふふふ、懲りないなぁ王様も。良いだろう良いだろう!!何度でも受けてたつぞ!!」

 

「嘗めた真似を、これが其処らの雑種ならば許されぬ行為だが、良いであろう。他ならぬ友であるお前だ許してやろうではないか」

 

「負けた癖に」

 

ポツリと少女、改めミズキがそう溢す

 

「えぇい黙れ!!これから我が勝てば良い。そうであろう?」

 

「はいはいそうですね王様。慢心してるから負けるんだよ」

 

「なに?戯けたことを、慢心せずして何が王かッ!」

 

いや、別に慢心しなくても良いだろう

そもそも、さっきの勝負は明らかに慢心してなかったじゃん

全力だったじゃん

 

「まだ、やる?」

 

「当たり前だ!!」

 

ひたすらににこやかな顔を浮かべるこの2人

 

どちらも人ではない存在だ

 

銀髪の少女、ミズキスフィール・フォン・アインツベルン兼 衛宮 水樹

 

ホムンクルスであり、聖杯の入れ物の存在だ

 

そして金髪の赤眼の男は、かのウルクの王

ギルガメッシュ領事書の主人公

ギルガメッシュである

 

神と人の間に産まれた存在である

 

そも、何故このような有り得ることのない事が起きているのか

 

何故にギルガメッシュ王が現代に生き、ゲームなんてことをしているのか

それを知るには数年前に遡ることになる

 

▲▼▲▼

 

保護者であった切嗣が身体の限界からか死んで一年が経った

 

士郎と私はあの家に二人で住むことになった

オジサンが死んでからあのうるさい娘が家に居着くようになった

オジサンの次は士郎かと、思った私は呆れたがこう思うのも仕方ないことだと思う

 

 

プラプラとこうして町を歩くのが最近の日課になった

こうしてみると冬木は色々変なところが多い

 

仏教的な神社があるかと思えば、嫌な雰囲気のする協会とかあるし

 

神社のところには人なら楽々殺せそうな程に強そうな教師が居る

 

あとは生理的に無理な、何というか焼き払いたい洋館とか

 

あぁ、あとは教会の神父かは知らないけど物凄く辛い麻婆豆腐がある店に入っていき平然と食って店から出る

という奇行をする頭のおかしいやつを見かけた

オジサンと同じ嫌な感じがしたから、あの人もロリコンかショタコンの類いとか何だろうと思って近づいてはないけど

 

 

士郎は最近ワカメ頭の何かと仲良くしてるっぽい

何かこの前会ったときにおちょくってきたから腹に思いっきり回し蹴りを入れておいた

 

何か苦しんでいたけど、今度はお前の玉を潰すからなと言ったら次からは大人しくなった

 

何か気持ちが悪くなったのでもう一度、今度は飛び蹴りを喰らわしておいた

 

そうしたら、何で!?みたいな顔をしてたので更にスクリューアッパーを決めてやった

 

ゴパッ!!みたいな音がなって脳震盪起こして倒れたみたい

 

軽症だったのでセーフ

今度は茹でてみようと思う

 

 

 

 

それで、今一番気になってるのが私服がクソダサい金髪の男だ

別に恋とか異性とかそういうのじゃない

 

不思議な感じがしたのだ、オジサンとかのロリショタコンの気配をただ寄せて起きながら、如何にも只者ではない空気が出ているのだ

神性とか、そういう類いだと思うけど

 

神がこんな何もないところに遊びに来たりするのか

そう思って神だとは思ってないけど

 

もっと先の世界に行くだろうし

そもそも、私服がクソダサい神とか居るのか

 

居るかも知れないけど

居たかも知れないけど

 

ということで、気配を消してその男を観察していた

多分、相手は此方に気付いてる可能性は大なのだが

何も接触がないし、何もないので観察を続行していた

 

▲▼▲▼

 

数日経ったのだが、町で見掛けるとホイホイと着いていくようになってしまった

 

何というか、う~む

餌付けされた動物みたいだ、というかストーカー

 

違う違う、これは観察、観察だから決してストーカーなのでは

 

というか帰りが遅いと士郎に言われて少しの間は外出禁止と言われてしまった

一応、今の家の持ち主というか家主というか柱的な存在は士郎なので、私は逆らえない

 

ご飯が無くなるのは正直言って死活問題

別に私が作れない訳ではないけど、厨房は奴の縄張りなので立ち入れない

 

カップラーメンなんて食べた日には説教タイムが始まる

ので食べれはしない

 

 

何でこんなにぐだぐだ考えてるかと言うと、暇

本当に暇なんだ

 

することなくて

 

テレビは何も面白いものがないし、ということなので

今まで貯めてきたお金でテレビゲームを買った

 

昔のレトロゲームもこれはこれで面白い

今が、現代なのでレトロじゃないけど

 

昔のゲームは本当に高い、本体は勿論ソフトだけでも高額だった

暇をするよりは良いし、他に何かを買う予定もないので別に良いんだけど

 

「ただいま~」

 

あっ、やっば

 

「ただいまって、居るんじゃないか。だったら、へん、じ、を……」

 

ドサッと手に持っていた食材達を落とす士郎

 

「お、お前。それは」

 

「あ、あの、これは」

 

「な、何故、これが」

 

これはどういう感情なんだ

 

「無理を承知で頼むッ!!後でやらせてくれッ!!」

 

綺麗な土下座で此方へゲームをやらせてくれと懇願する士郎

 

やはり士郎も男の子ということなのか

 

「良いだろう、やらせてあげようではないか」

 

「本当か!?」

 

「良いよ、けど……」

 

「けど??」

 

「外出の許可を「良いだろう」即決だね」

 

やはり中学生でもゲームの魅力には抗えないということなのか

 

「さてと、ゲームも良いけど飯を作らないとな」

 

お前が、いや、いいや

 

「今日のご飯なに~」

 

「今日はな………」

 

▲▼▲▼

 

 

 

さてさて、外出許可も出たことだし今日も今日とて町を闊歩することにする

 

 

 



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4話 魔術……そして金髪ショタ

出来映えはクソです


な、何ということだっ!!

金髪私服ダサ男が、金髪ショタっ子になっていた

 

 

「どういう、原理なのだ!?いや、魔法的な何か?」

 

あの嫌らしい雰囲気を間違える筈がない

 

「はふぅ、取り敢えず帰ろ。この事についてはまた今度考えることにしよ」

 

少し異常な出来事に頭を痛ませながら帰路につくことにした

 

 

そんなことがあった今日の朝である

 

 

「水樹、何してるんだ?」

 

「魔術の練習~、今日は強化魔術やってる~」

 

「強化?」

 

「気にしないで~」

 

「晩御飯までには戻れよ?」

 

「分かってる~」

 

士郎は魔術の存在は知っている、魔術回路も開かれてる

けど、詳しくは知らない一般人と変わらないようなもの

 

オジサンに昔、色々と教えてもらった

魔術のこと、自分が何者であるかや、聖杯戦争のことまで

 

今思えば、金髪私服ダサ男もサーヴァントだったりするのかも?

 

「まさかな」

 

頭に思い浮かんだバカみたいな考えを放り出して

強化魔術を使う

 

オジサンは聖杯戦争は一定の周期で行われると言ってたけど、イレギュラーが無いとは言いきれない

聖杯戦争でなくても、もしかしたら魔術を使う場面が現れるかもしれない

 

そんなときの為の、応急処置のようなものだけど鍛練を続ける

 

「………ふ~」

 

強化魔術を終えて次の魔術を使う

 

次の魔術は今のところ私が一番得意とするもの。それは【投影魔術】

 

この魔術に関してはオジサンは、役にたたない魔術だと言っていた

 

少しでも気が紛れば、ゴミのようなものを投影してしまう

上手く出来たとしても、少しの間しか形を成せない

 

そのために誰も使うことのない魔術だ

 

私が投影するのは、何て変哲もない果物ナイフ

これくらいなら、片手間でも投影出来るようになった

 

更に次々と投影していく

 

刃物なら

包丁、ノコギリ、ナイフ、短剣、長剣、刀などと

刃物以外なら

弓、拳銃、魔本、巨大ハサミ、鎖

 

色々と投影していく、土蔵の中は投影したもので一杯で足の踏み場も無くなっていた

 

「ふぅ、流石にこれだけ投影すれば疲れる。最後に少しだけして止めるかな」

 

私は1つの短剣を手に取る、そして魔術を行使して

形を変えさせる

 

短剣は徐々に形を変えて、そのまま鎖になってしまった

 

「よし、こっちも順調かな。ソレじゃあこっちはっと」

 

地に片手をついて魔術を行使する。先程の魔術より多くの魔術回路を使う。

 

頬から地に着けている右腕に流れ落ちるように青白い光を発する線のようなものが走る

 

少し時間が経つと、地面が盛り上がり、土が形だけのものの剣になる

 

「こっちも順調かな、ヅッ痛ッ」

 

右腕が燃えるように引き裂かれるように痛む

 

「ぐ、ぐぅうぅうぅぅぅッ」

 

地に顔を伏せて右腕を掴んで悶える

 

 

「………あの、何かスマン」

 

入り口の方から声が聞こえる

 

ま、まさか

 

「あの、これは違うッ!?グゥゥッ」

 

「邪魔したな」

 

「あっ、ちょっと待ってぇっ!!」

 

私の声は無情にも消え去っていく

勘違いしてるその男も、背中を遠くさせている

 

 

「ち、違うのにぃ」

 

そこには涙目で右腕を抑えたままの少女基私が居たのであった

 

 

 





あの、今回は許してください
モチベというか何というか


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5話 死ぬかもしれない

さて、この状況、私はどうするべきか

 

時は幾つも経ち、何年も経った

士郎は高校生になった、私も一応高校生ではある

だけど私の成長は小学生程で止まったまま

 

それもそうだ所詮この身体は偽りの人形体なのだから

これ以上大きくなることは求めていないのだろう

 

そんな少しシリアスな気持ちになって現実から目を反らしては居るが、とうとう見つかってしまった

 

金髪に見つかってしまった

私は大変怯えて、はいないのだが

 

何しろ金髪は私の調査の末に分かったが、人間の域に居るものではない

 

オジサンから聞いた、士郎には伝えられていない

世界の、オジサンの魔術師である真実で、何故に士郎のような 〝心が壊れていた〟人が生まれてしまったのか

 

一重に言えば、全ては【聖杯戦争】というものが巻き起こした汚くて醜い世界の真実だ

 

この男は、かの英雄王ギルガメッシュ。何かのコードネームなのかは知らないが、神父がどこかしらで言っていた

英雄王と

 

英雄王、そんなのは歴史上一人しか居ない、英雄の中の英雄。王の中の王それが

ギルガメッシュ王だ

数多の財宝を手にし、世界の全ては俺の物だと豪語するほど

神と人間の間に産まれた存在

その性格は傲慢で暴力的、と知っていた

少年期はまた別らしいのだが

 

さてさて、そんな王が自分のことをコソコソと嗅ぎ回っていた人間を許してくれるものなのか?

 

答えは否だ、否である

 

つまりはこのままでは私は、コロコロされてしまう

 

逃げれるか?否だ

反撃出来るか?否だ

対話は可能か?否だ

 

どうすればいい……

 

「おい」

 

とうとう声をかけてきた

 

「何故、我が目前まで足を運んでやったというのに、何も言わん」

 

ど、どういうこと?

 

「殺さないんですか?」

 

「何?殺す、だと?ハハッ、フハハハハハハッ!!そうだな、常の事なら分からぬが、今の我は気分が良い、しかもその様子。雑種にしては……いや、人形か?まぁどちらでもよい。随分と嗅ぎ回り、我のことを調べたようだな?」

 

私の身体のことまで分かるのか

 

これは、やはり本物か………

 

「やっぱり、全部知られていたか」

 

「当たり前だ、戯けが。コソコソと、気付かぬワケが無かろう」

 

まぁそうだな

気がつかれているなら、隠さないでいい

私は自分が聞きたいことを、気になっていたことを聞く

 

「貴方は、いつかの聖杯戦争に参加したサーヴァント、その様子を見れば受肉している様子」

 

それはサーヴァントなのか否か、サーヴァントなら何故、受肉をしているのか

 

「ほほぉ?そこまで知っているか、なら我の名も知っているのではないか?」

 

間違うな、ここで選択を誤る

足は少しばかりか震えているし、手には不快感を感じる程の汗で濡れている

でも、私は自分の考えを、確固とした覚悟で言う

 

 

「英雄の王 ギルガメッシュ王では……」

 

「フハハハハハハッ!!良い良いぞ!!実に良い、まさか我の真名を言い当てるとはなぁ!!ここまで良く嗅ぎ回った物よ……さて、どこで気付いた」

 

突然笑い声を上げたと思えば、急に私を射殺さん程の目で見てくる

 

ふぁー!!ふぁー!!死ぬ、死んじゃうわぁ~っ!!

 

「いや、普通に聞いていた言いますか、何というか……」

 

「まどろっこしい!!ハッキリせぬかッ!!」

 

死にたくがない為にベラベラと、全て正直に話してしまった

オジサン怒るだろうなぁ

 

「ほう、なるほど。奇妙な縁もあったものだな、良い。ならば着いてこい」

 

「どういう……」

 

「我が着いてこいと言うのだから着いてこないか!!早くしろ」

 

「は、はい!!」

 

 

トコトコとギルガメッシュ王の後ろを歩いて着いていく

 

死ぬかもしれない

 

 



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6話 その後

久しぶりの投稿となります

すいませんお待たせしました


 

痛む足をというより、全身を引き摺りながら自宅の戸を開ける

 

「うぁぁっ。た‥だいまぁ‥‥」

 

家へと入った途端に、漸く安心できる場所に帰ってきたからか玄関で倒れこむ

痛む自身の体へ更に激痛が走り、倒れ込まなきゃ良かったと内心涙目で後悔する

 

「おぉ、おかえりぃぃいっ!?ど、どうしたんだそんなにボロボロで!?」

「う‥おぉう。しろぉう。大丈夫、ちょっとハシャギすぎただけだから‥‥お風呂沸いてる?」

「あ、あぁ。一応沸かしてるけど」

「先に入ってもいい?」

「どうぞどうぞ」

「あり~……」

 

身体中痛くて、ここからもう動きたくない。そんな気だるい気持ちをどうにか圧し殺して 風呂場へと足を運ぶ

イタタタ……っ

 

「どうしたんだ……本当に」

 

△▼△▼

 

「あー、気に入ってたのにボロボロだぁ……くっそぉ、あの神父ぅ…今度こそはボコボコに負かしてやるっ。イタッ‥!あぁ~っ、青タン出来てる‥‥これは当分痛みそう……。はぁ~」

 

んぁ!?下着まで……!?

 

 

ザバァと自身の体に桶で汲んだお湯をかける

擦り傷や切り傷に少々染みるが我慢して、

 

「あぁぁあっ、気持ちいぃ~。この時の為に生きてるって思えるぅ~ 」

 

お湯に浸かってるとジリジリと体が痛むのと同時に

何も考えずにボーと出来る

 

「着替え置いとくぞ~?」

「んぁ?あんがとしろぉ~」

 

風呂場の戸に人の影が見えると、どうやら着替えを持ってきてくれた士郎のようだった

正直、一応女性な私が風呂に入っているのにドカドカと入ってくるのもどうかと思うし……多分下着も一緒に持ってきてるだろうから そこらへんも少しどうかと思う

 

「あんまり浸かりすぎるなよ?逆上せるぞ~」

「わかってるとも~、うぃー」

「本当に仕方ないなぁ……晩御飯出来てるから、風呂から出たら食うぞー」

 

ご飯だと?ふむふむ、善きかな善きかな。先程までの愚行は許してやろうではないか~

 

「うぇー?なにー?今日のご飯なにー?」

「秘密だ」

「えぇ!?…おぅっ!いつつつっ」

 

秘密なんて勿体ぶるから大声を出してしまった

体も痛むと言うもの……痛いなぁホントに…骨折れたりしてないこれ?

あいつらは大丈夫だとか、軽傷だとか…死ねマジで死ね

 

「本当に大丈夫か?」

「あぁ、うん。一応大丈夫だよ…怪我しちゃってそれが染みるだけ~」

「ん、そうか。あとで一応手当てするからな」

「うぃーす……行ったかな、あぁ~疲れたぁ。なんだよぉ、まさか教会に行ったら魔術について教えられたり戦闘させられたりするなんて思わないじゃんか……それにしても聖杯戦争、か。興味がないわけでもないんだけど……令呪が出るか出ないかで、最悪他の人から奪い取るとか物騒なこと言ってたな」

 

どこか体だけじゃなく、胃も頭も痛くなった気がする

 

「考えるの止めよ。ご飯食べて今日は寝よ」

 

 

 



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7話 戦争の幕開け

皆様、お元気でしたか?
更新がなかった?すみません、書く気力が湧いてきませんでした
そんなときにUBWを観ました。少しだけ湧いたので書きました
原作突入です


 

「ふむ……暫く、か」

「私も出来るならば、来たくはなかったんですが……これが出ては仕方ないでしょ」

 

これ、と右手の甲に突然と現れた水脹れのようなアザを、その神父に見せる。

教会の片隅に居座る金髪の男は、これは存外面白いというようにニヤリと口許を吊り上げクツクツと笑う。

その様子に少女は嫌なものを見たと、男の様子とは逆に目元を細める。

 

「まぁ、良いだろう。来なければ回収する……それだけだ。既に準備は整っている。こっちだ」

「分かってますよ……。って、王様もついてくるんですか?」

「当たり前だ。どれ、我の下僕がどのような者を呼び出すか……暇潰しにはなるであろう?」

「この金ピカ誰が下僕だよ。別にいいですけど……来てくれるなら強いのが良いなぁ。神はお断りだけど」

 

少しながら、ゆっくりとした足取りで少女は教会の地下へと歩いていくのだった。

 

 

△▼△▼

 

 

街の住民が寝静まる、暗い夜のなか

1つの学園のグランドで赤い閃光と青い閃光が駆ける。

 

閃光同士がぶつかると共に金属音を高らかに鳴らし、周囲の空気に振動を鳴らす。

 

運悪く、それに遭遇するは一人の青年。

閃光同士は動きを止め、青い閃光は閃光の元へと駆けていく。

 

青年は心臓を一突き、絶命した……筈であった。

青年は生き、自身の家へと帰るのだった。

 

 

△▼△▼

 

 

 

迫り来る朱槍を弾き返す。

まさか、力を出してないとはいえランサーの槍を弾く程のサーヴァントとは……。

そろそろ止めに入るとしようかな?

 

 

ランサーとセイバーらしきサーヴァントが斬り間をしている、その最中に堂々と姿を見せ大きく叫ぶ。

 

「ランサー!終わり!」

 

「チッ、なんだ……もう終わりか?漸く興が乗ってきたってぇときによぉ?」

「うるさいランサー、私はマスター貴方はサーヴァント

一応この関係は壊さないよう言ったでしょ?」

「へいへい、わかりましたよー」

 

軽口を言いながらも自身の槍を下げたところを見てからセイバー?の方を向く。

恐らく、アサシンやそこらのクラスには出来ない所業であろうし残っているクラスから察するにセイバーであることは間違ってないとは思う。

 

「何者だ。ランサーのマスターか?」

「如何にも、私はランサーのマスターですよ。セイバーさん?あぁ、もう私たちに敵対の意思はないです。なのでそれを下げてもらってもいいですか?」

「私が何故セイバーだと、そう思ったのかは今は置いておくとしましょう」

「ありがたい。さて、お話をしましょう。それでも良いよね?士郎?」

「…なにがなんだか……」

「そこらへんも説明するから。とりあえず、その汚い服を片付けて家の中へ入りましょうか」

 

 

 

 

 

△▼△▼

 

 

 

 

 

「それで……どういうことなのか説明してくれないか?」

「おー、無知な士郎君に一から説明してあげようじゃないか。まずそこの金髪の女性と青タイツ男……ランサー黙ってて」

「は、はぁ……」

「まぁ、そこの槍兵は置いておいて。今、冬木では戦争が起きているのです」

「戦争って、そんなバカな…」

「本当の戦争って訳じゃないけどね。形式を分かりやすく説明するために戦争と呼称してるだけ……戦闘力を考えれば戦争どころか…って話なんだけど。まずはこの二人の話から……OK?」

「お、おーけー……」

 

「よろしい。まずは私の横に居るのがランサー、槍を扱う人ね。

それで士郎の横に居るのが多分セイバー。

こっちはランサーと違って剣を扱う人かな。

他にも五つのクラスがあって、順番にセイバー、ランサー、アーチャーの三騎士

この3つのクラスは大体が戦闘力が高いクラスね。そして次に、キャスター、アサシン、ライダー、バーサーカーの四騎士

三騎士よりは少し戦闘力が劣るクラス。

例外なのがバーサーカーで、理性がなくなって狂暴になるかわりに絶大な攻撃力を得てる。だからもし会うことがあれば気をつけて」

 

「まてまてまてまて…そもそもそのクラスってなんなんだ?ライダーとかアサシンとか言われても……」

「んー、私も詳しいことはわからないんだけど7つのクラスが揃ったとき戦争が始まる……最後に残った一組が優勝。優勝商品は願いが叶う聖杯ってわけさ」

 

「なんでも願いが叶う聖杯だって?」

「信じられないのは分かるよ。因みにそれを辞退することも出来るけど……オススメはしないかな?

手の甲にある令呪、それがマスターの証なんだけど教会に行けば貰ってくれる。

サーヴァントはどうなるかは知らないけど、多分あの神父のことだろうから自分が使うかもしくはってとこかな」

 

「サーヴァントってのはなんなんだ?」

「さっきも言ったけど7つのクラスに割り振られた英雄の死んだ霊を模したなにか?私にはサッパリわからないけど」

「曖昧だな……それでオススメしないってのはなんでなんだ?」

「んーそれはだね。一度マスターになった魔術使い魔術師ならどっかに持ってかれても不思議じゃないよ。珍しいからね」

「うぅっ……それって最後はやっぱり」

「死ぬだろうねぇー。てなことでオススメはしないよ。あっ、この話は他の人に話しちゃダメだよ?守秘義務だってさ、あと戦いがあるのは日が落ちたあと一般人に知られちゃいけないからね。令呪の説明もするけどついてこれる?」

「あ、あぁなんとか」

「この令呪はサーヴァントを使役するための拘束具みたいなもの。2度だけ何でも言うことを聞かせられる。自害しろとかね?だから言うことを渋々聞いてくれるわけ。ねー?ランサー?」

「うっせぇ。なんでこんなマスター引き当てちまったんだか」

「文句ばっかり言ってると硬いチーズ投げつけるぞ」

「それは俺じゃねぇぞ!?嫌な記憶思い出しちまったじゃねぇかよ……」

「ぶふっ!!ま、まぁこんな感じ。もっと詳しいこと聞きたいなら明日の夜、教会に連れていってあげるよ。私の知り合いも居るし」

「あぁっ!?あそこにまた行くってのかよ!?俺は御免だねパスだパス!」

「いや、着いてこないと他のやつとバッタリしたら死ぬんですけど。私」

「まだ召喚されてないやつだっているだろうが」

「それもそうか。まだ始まらないかな?でもそろそろだから用心をしとくに越したことはないですよランサー?」

「あいあい、分かったよ」

 

「ということで明日は教会に行くぞ士郎。警戒はしとけよ?昼でも襲ってくるバカは居るかもしれないし」

「あぁ、なんとなく理解はした」

 

「それは良かった。なら私はもう寝るからオヤスミー。あっ、セイバーの寝床もあるからねー?男性か女性か分からなかったから私よりは遠く、士郎の近くの部屋にしておいたよ?」

「ありがたい。これはすみません」

「いえいえー、しかしこんなに可愛い人なら私の近くでも……スケベランサーからのセコムとして。いやだめか、士郎のサーヴァントだしな。ちょっと残念、もう一度オヤスミー。また明日ー」

「あぁおやすみ」

 

 

 



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8話 戦闘 弓兵!!

2日連続ぅ!!




 

「さて…と、ランサー行くよ」

「なんだ嬢ちゃん?寝るんじゃなかったのか?」

「ハハッ、こんな時間に私が寝るわけないでしょ?

アーチャー陣営にちょっかいをかけにいく」

「ご熱心なこった。俺は手を出しちゃいけねぇんだろ?」

 

「ランサー、よくわかってるじゃん。

今回に関しては私がやりたいんだよね。あの魔術……私と同じな気がする」

 

「嬢ちゃんと同じだと?まさか」

「まぁ、本当にそうか確証はないけど。このまま放っておくと士郎にもどんな影響が来るかわかったもんじゃない。アイツにはまだ生きててもらわなきゃいけないし」

 

ニヤニヤとした顔でこっちを見てくるランサー。

なんだこら、やんのかこら

 

「どうした?まさか……コレか?」

「違うわボケ、ボケランサー。色欲魔かお前は……普通に士郎が居ないと食い扶持がない。死ぬ」

 

「胃袋捕まれてるってわけか。今回は俺の出番はなさそうだな。アーチャーとやり合うってぇのはいいんだがよ?居場所は分かってんのか?」

 

「バカにしないでくれる?そんなのとっくに分かってるに決まってるでしょ。

アーチャーの後方にいたツインテールの人、確かにアイツは遠坂の娘だった」

「つまり……本拠地を目の前から攻めるってぇことかぁ?」

「そんなのはお嫌い?ランサー?」

「ハハハハッ!!冗談抜かせ……大好きだよ!」

 

 

△▼△▼

 

 

「揃ってもないのに、いきなりランサーから仕掛けてくるとは思ってもみなかったわ」

「油断が過ぎるのではないか?」

「分かってるわよそんなこと。ちょっと油断して……呼び鈴?誰よこんな時間に」

「気を付けろ凛」

「分かってる……」

 

 

△▼△▼

 

呼び鈴を何度か鳴らすものの、誰も出てこない。

留守かもしくは間違ったか?

いや、でも遠坂の屋敷はここであってるはず……引っ越し、はないか。まだ人が住んでるように見えるし……。

 

『おっと、漸くだぜ?マスター』

 

「やっとか…」

 

「はいー、どちら様でしょうか?」

 

出てきたのは先程見た少女……ビンゴだ。

若干の焦りと警戒心、あとは驚愕?

私の姿を見てからかな?

 

「あっ、これは失礼します。ここは遠坂さまのご自宅で間違いないですか?」

「えぇ、間違ってないわよ。こんな夜更けになんのご用事?」

「実はここに住んでいる、赤い男の人に用事がありまして……」

 

「ッ!?……なんのことかしら、家には私だけで一人暮らしなのだけど」

「あれぇ?おかしいですねぇ。ここだと思ったのですが……実はというとその方に先程うちの──ランサー──がお世話になったようですので……ねぇ?アーチャーのマスターさん?」

「チッ!……アーチャー!」

「貴様、何者だ」

 

遠坂さんと私の間に割り入って来るように現れたアーチャー……やはりどこかと面影があるような。

 

「何者、さっきも説明した通りランサーのマスターですが、今回はアーチャーさんと一騎討ちが臨みたく」

「アーチャーと一騎討ち?あんたバカじゃないの?ただの人間がサーヴァントに勝てるわけ……そもそもランサーはどうしたってのよ」

「ランサーならそこらへんをブラブラさせてます。というより勝手にどこかにいってしまいましたよ」

「サーヴァントもなしで、サーヴァント相手に一騎討ちって……」

「私は出来るからやるだけです。出来ないなら来てないですよ」

 

「その愚直な心意気には感心しない……だが良いだろう。1つ私も付き合ってやろう」

「あ、アーチャー!?」

「なに、少し遊んでやるだけさ」

「遊んでやるっていう表現は些かあれだけど……場所を変えましょう。ここじゃ思う存分戦えないですし?」

「あぁ、良いだろう」

「あぁっ!もうっ!……終わったら説教だからね!!」

「これは手厳しい。それじゃあ行くとするか」

「ありがたい。話の分かる英霊で良かった。それじゃあこっちに……」

 

 

△▼△▼

 

「公園……か。特に怪しさもなさそうだな」

「まぁそれなりに。それじゃあやりますかね、先行はこちらが頂いても?」

「構わんよ」

 

余裕ぶった顔して、少し苛立ちがきますけど……最初は小手調べですかね。

 

思いっきり足を地面へと踏みつける。

アーチャーには反応なし。

それで構わない、あと3秒 3、2、1

 

「これが手の内かね?」

 

アーチャー目掛けて地から飛び出た鎖をいとも容易く斬り伏せる。

 

 

「やっぱりだめか。それじゃあここからは少し本気で……投影開始!」

 

右手の方へ青い光が粒子のように集まり形をなしていく。

そうして出来上がったのは黒い1つの直剣。

 

「なに!?」

「不意をついたと思ったけど……やっぱりダメか。それじゃあいくぞ!」

「……ッ!」

 

アーチャーは無言のままだが私の剣を真っ向から受け止める。

アーチャーの白黒の双剣と私の黒い直剣

質の良さで言えばあちらの方が上……だけど負けてられないね

 

「このままやって、どっちが先に折れると思います?気になりませんか?」

「抜かせっ!」

 

体格の差、押し負けられ後退する

 

「貴様……何者だ」

「だからランサーのマスターだと」

「そんなものを聞いているのではない……いや、今は関係ないか」

「そうそう。いまは全力でっ!セイッ!」

「フンッ!」

 

 

また私の剣とアーチャーの剣が正面からぶつかり合う。高く金属音を鳴らして何度も打ち合い……その末に私の持つ剣から嫌な音が聞こえる。

思わず後ろへと下がってしまう。

 

「……おっと」

「どうしたのかね。もしやそれが限界とは言わないだろう?」

「当たり前でしょ。まだまだいくよっ!」

 

新たに剣を投影する。持っていた剣はアーチャーへと投擲するもののこれも簡単に避けられる。

その油断が命取りだぞアーチャー!

 

両目を見開き、アーチャーの持つ双剣を凝視する。

視えた、魔力の流れと1つの目。

 

目を更に睨みつける。するとアーチャーの持つ双剣が爆ぜ爆散する。

 

「なにっ!?その瞳……もしや魔眼かッ!!」

「あーたーりー!ほら次の武器を投影しないと追い詰められちゃうぞ!」

 

武器を持たないアーチャーへ対し攻撃を仕掛ける。見事に全て避けられているが……ちょこまかと!

 

「ちょこざいなっ」

「その程度かっ!」

 

アーチャーの新たに投影しなおした双剣に剣を打ち砕かれ、怯んだ私の腹に蹴りを入れてくる。

そのまま後ろへ吹っ飛ばされる……大丈夫かなこれ体もつ?

 

「どうした、これで終わりか」

「冗談……こんなとこで終わるわけないでしょ。聞きたいこともある……し……。無理……限界……ぐふっ」

「倒れたか……今のうちに止めを…」

「ちょっと待ちな」

 

「貴様は……ランサー」

「よぉ、さっきぶりだな」

 

△▼△▼

 

 

「う……うーん。どこだここ…」

「んぁ?おっ、嬢ちゃん。やっとお目覚めか?」

「ランサー?いてて、あれ確かなんで……負けたのか。くぅっもう少し体のスペックが良ければっ!!アインツベルンにクレーム入れてやろうかなぁ!」

「そうカッカすんなって。アーチャーの野郎は消えちまったよ。いまは家の中だ。どうだ?立てそうか?」

「ランサーにしては優しいね。キモチワルッ!!」

「喧嘩売ってんのか?」

「いくらで買い取ってくれますか?」

「今なら無料で買い取ってやるよ」

「ごめんなさい。煽りすぎました」

「しっかし。見事に嬢ちゃんのと同じ……てぇわけでもなさそうだなぁ」

「私も同系統の使えるけど、別物っぽいね

私だけが使えると思ってたけどどうやら違うみたいだし、英霊だし昔の祖先とかが使ってたみたいなオチでしょ多分」

「……今日はもう寝んだろ?」

「あぁーうん。寝るかな……襲うなよ」

「誰がお前みたいなの襲うか!……たく、俺は部屋から出させてもらう」

「おうおう。出てけ出てけ」

「可愛くねぇマスターだなぁ!」

「おやすみランサー」

「……あぁ、おやすみ」

 

 

 



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