憐れな機械の夢の続き (It–dash)
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憐れな機械の夢の続き

初投稿です


「全く、だから来るなと言ったのだ」

「これも運命さ、甘んじて受け入れようじゃないか」

そう言って野原に横たわるモノ、その顔は、自分が今にも機能停止しそうだと言うのに涼しいものだ。

その横に立つユリアスはあの日のことを思い出していた。

 

《1年前》

 

彼は数々の闘争を経ても満足することはなかった。

昂ることもあった、楽しめる戦いもあった。だが、

高揚こそすれど、満たされることはなかった。

だからなのかもしれない、彼は気まぐれを起こした。いつかの機械の国、あそこに行ってみよう、と、

ヴァンパイア故に大した苦労をすることもなくその国には辿り着いた。

「おや、久しぶりだね、憐れな吸血鬼じゃないか」

全く、これはついているのかいないのか、まさか1人目からこいつに出会うとはな。

「あの時に壊れると思っていたのだが、随分と長生きなものだな?」

「まぁね、私もまさかここまで生きれるとは思わなかったよ、君たちのおかげだ」

「私は好きにしただけだ」

「相変わらずだね君は、ところで、こんな所に何の用かな? 今は君の求めるような闘争はここには無いだろう?」

そうだ、私はなぜここに足を運んだのだろうか、

「・・・・フン」

「全く、その分では私とのやり取りも忘れているのだろうな。悲しいものだな」

私を何だと思っているのだ、そんな些細なやり取り長い年月を生きる私が一々覚えてるはずないだろう。

「相変わらずなやつだ、私は約束を果たしに来てくれたのかとドキドキしたと言うのに」

「表情一つ変えないやつのセリフとは思えんがね」

「本当さ、よくみてくれ、ほら、頬か緩んでらだろう?」

「くだらん」

そんな変化、気づくわけないだろうに、しかし、

約束か、・・・・知らんな

「本当に忘れてるようだなぁ、それでは紳士とは言えないな?」

「・・・・・・」

「全く、仕方が無いな、教えてあげよう、

私は君にこう言ったんだ、『私は君のことが

好きなんだよ、いつかまた会えた時は、その時は・・・』」

そうか、その時はくだらん戯言だと、一蹴し、気にも止めなかったものだが、なるほど、本気だったと言うわけか。

「憐れだな、またあるかもわからないと言うのにそんなことを言うとわな」

「勿論、後悔をしたこともあったさ、だかな、ユリアス、だからこそ私は今日も生きてる、そう思うんだよ、勿論、テトラやエンネア達も私を大事にしてくれている、だが、何よりも生きたいと思えたのは

ユリアス・フォルモンド 君にもう一度会いたいと思ったからさ。」

「フン、やはり憐れだな」

「お互い様と言うやつさ、フフッ」




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