高卒底辺社畜だけど家に双子のロリ狐VTuberが来た件wwwwww (孤高の牛)
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高卒底辺社畜だけど家に双子のロリ狐VTuberが来た件wwwwww

ルキロキロスとバーチャルなんたらの影響で始めた
後悔も反省も無い


1:底辺社畜

立ったら書く、ちな実話、というか現在進行形で起きてる話

 

2:名無しさん

草、建てる板間違えてんで~

SSならVIPかSS速報で、どうぞ

 

3:名無しボーイ

Heyメーンここは初めてかい?この板は主にVTuberを語るスレだゼ☆

 

4:名無しさん

>>3

相変わらず騒がしいやっちゃな…

 

5:底辺社畜

>>2

それが間違いでもないんだわ

 

6:名無しさん

ほーん、kwsk

 

7:名無しさん

はいはい釣り乙

 

8:名無しさん

推しが引退して狂ったか?

 

9:名無しさん

>>8

その話は俺に効くからやめーや

 

10:名無しさん

>>9

悲しいなあ

 

11:名無しボーイ

Heyメーン!そんな悲しい話より神楽めあちゃんの話でもしようぜ☆

 

12:名無しさん

>>11

確かにめあちゃんかわいいけどお前はまず落ち着けや

 

13:底辺社畜

>>11

めあちゃんかわいいよね

ってその話はまた今度として

>>6

今日の深夜1時頃に帰宅したらマンションの自室の目の前に双子の幼女がいたんだよ

んで近付いたら狐耳付いてるし寝てるし見覚えあるしで五度見くらいした訳

まあいくら事案不可避とはいえ見捨てる訳にも行かなかったから家入れてご飯食べさせてお風呂入ってもらって、俺の布団で寝てもらって

そんで朝こうしてスレ建てした

 

14:名無しさん

>>13

ちゃっかりめあちゃんかわいいに乗っかるなやw

しかし創作にしてもロマンあるわね、続けなさい

 

15:名無しさん

>>13

俺の布団……?おまわりさーーん!!

 

16:名無しボーイ

>>13

Heyメーン!Youもめあちゃん好きだったか!!仕方ない、そうとなれば同志のYOSIMIでちょっとくらい話聞いてやるぜ☆

 

17:名無しさん

面倒なの居着いて草

 

18:名無しさん

 

19:名無しさん

 

20:底辺社畜

 

 

 

 

 

「……俺の話に少しずつ食い付いて来たか」

 

 正直、バカな事をと言われるのは当たり前だろう。

 電子の向こう側にいるVTuberが目の前にいると言われて誰が信じるものか。

 俺だって話を聞く側だったら鼻で笑っていただろう。

 

 だが、鼻で笑える事態に今俺はいなかった。

 明らかにまずい状況だった。

 

「俺が23とはいえ幼女……しかも二人を一人暮らしの男の家にって……下手したら人生終わるんだけど……くっそれにしてもかわいいなこの子ら」

 

 状況は完全に詰み一歩手前、ながら俺の顔のにやけは止まらなかった。

 それもそのはずだろう……何せその二人は

 

21:名無しさん

草生やしてる暇あるなら写真の一つでもクレメンス

 

22:名無しさん

まあまずはそっからやな、それが無いなら解散するで

 

23:名無しさん

というか双子のロリ狐VTuberとか聞き覚えあるんだよなあ……

 

24:名無しさん

>>23

同志か、俺もそんな気したんや

……まさかね?

 

25:名無しボーイ

hahaha、meは聞き覚えしか無かったぜ…

 

26:底辺社畜

ほい、じゃあスヤスヤでワロタなかわいい二人な

これでhttps://m.imgur.com/1919114

 

27:名無しさん

ファッ!?

 

28:名無しさん

嘘やろ…嘘やろ…!?

 

29:名無しさん

コスプレなんてちゃちなもんじゃねえ……

 

30:名無しボーイ

え、本物!?

 

「ロキぃ……待ってぇ……」

 

「ルキちゃ~ん、早くしにゃいと置いてくむにゃむにゃ……」

 

「んんッ(抑えきれない尊さへの感情)」

 

 2018年秋にデビュー、2019年一世風靡し、同年8月に引退したルキロキチャンネルの流石乃ルキ&ロキ姉妹だったのだから――

 

 

 

 

 

「んー、今日は早く家に着けそうだな」

 

 ルキロキ姉妹を拾い、早丸一日弱。

 二人には遅くなるとは伝えてあるが、当時ファンだった俺からしたら絶対早く帰りたいと思うのは必然。

 二人と話せるんだと思うといつもは疲れ果て退廃していたこの人生という世界も何だか楽しく感じる。

 

 そもそもだが、VTuberが現実世界にいるというのは(極々一部の馬とかハイポーション馬を除き)有り得ない事象だ。

 しかもコスプレっ子なんてもんじゃない、完全にあの画面の中のそのままの姿でいるのだ。

 ファンなら生唾物の、一度は妄想せずにはいられないシチュエーションが目の前にあっては一秒間さえも無駄には出来ない。

 

 さあ、もうすぐ最寄り駅に電車が着く。

 

 降りたら猛ダッシュだ――と決意しながら、昨日の夜の事を思いだしていた。

 

 

 

 

 

 



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世知辛い人生の転機

~昨晩(日付今日) am1:00~

 

 嗚呼、また深夜残業だ。

 いつもながら俺は虚無感に襲われていた。

 高校を卒業し早五年、冬には23歳になる若き青年こと俺だがこの五年何一つ現実世界に楽しかった思い出が見当たらない。

 高校時代は青春していたのに。

 辛い事が無かったかと言われたら嘘だ、順調だった部活が怪我で続けられなくなった時は泣いたし。

 それでも、周りの環境が良かった。

 だから俺は立ち直れたんだ。

 

 だが今はどうだ。

 

 会社からはボロ雑巾の如く扱われ、休日出勤+深夜残業は当たり前。

 週7、16時間労働の内何時間がサービス残業になってる事やら。

 それでも生きていく為には金が無いといけなかった。

 生きる為に生きる屍になるという矛盾を抱え、得た物は使う暇の余り無い金と退職願の出せない牢獄の様な会社という環境と、無駄に付いたスタミナとメンタル。

 

 すいません泣いて良いですか。

 

 しかしそんな俺にも趣味はある。

 アニメやVTuberである。

 

 アニメに関してはそれこそ週一本見れたらいい具合まで落ちてきているが、VTuberは別だ。

 生放送が主体になってきてはいるが途中からチラッと見ても大丈夫な放送が多く、それだけで癒しになる。

 

「……って言っても最近は流石に衰退してきてるかもな」

 

 2017年秋から冬に始まったとされるVTuberブーム。

 その当時から見てきた身としては『2022年夏』の今の状況は少しだけ寂しい。

 

 黎明期を支えた個人勢の引退、象徴的な企業の撤退……この界隈の山も谷も見てきた俺としても好きなVTuberの引退は何度も見送ってきたが最近は特に目立ってきている様にも思える。

 

 その中でも一番ショックだったのは、最推し且つガチ恋していた双子のロリ狐VTuberこと流石乃ルキ&ロキだった。

 

「引退したVTuberにまた会えたらなあ……なんて。叶う訳ねえよなあ……」

 

 個人勢ならふらっと帰ってくる事は珍しいながらも有り得ない話ではない。

 が、ルキロキの二人は完全に企業だった。

 企業の撤退、それは即ち永遠の別れを意味している。

 

 叶うなんてあるはずが無い。

 

「…………はい?」

 

 そう、マンションの俺の部屋その目の前にさっきまで思い出に耽っていた当の『ルキ&ロキ』を見つけるまでは――

 

 

 

 

 

114:底辺社畜

ってのが冒頭見つけるまでの心情を分かりやすくSSに仕上げたやつな

あとただいま、結構レス進んでて草

 

115:名無しさん

でたわね。

 

116:名無しさん

でたわね。

 

117:名無しボーイ

金本定期

はさておきHeyメーン!おかえり!今日はずっと件の写真が本物かどうかの考察してたぜ☆

 

118:名無しさん

総合スレに持ち込んだ時は流石にまずいと思ったがな

 

119:底辺社畜

>>118

ええ…

 

120:名無しボーイ

Heyメーン!心配するなYO!食いついてきたのは数人で他はガンスルーだったぜ!

 

121:名無しさん

>>120

正直2019年秋くらいにこの話題が上がってれば大騒ぎになってたやろなあとは思いました(小並感)

 

122:名無しさん

時代の流れを感じて悲しいなあ

 

123:名無しさん

まあVTuber最盛期のスレの流れ、ルキロキ最盛期の知名度を考慮したらその時なら……って感じだな

今や過去のVTuberとして知名度もVTuberリスナー全体や総合スレからしたら低いしそもそも釣りとしか思われてなさそうだったし

 

124:底辺社畜

長文解説サンガツ

やっぱりそうだよなあ……まあしゃーないわね

 

125:分析班

ところがどっこい解析分析が仕事の俺とリアルの同僚で解析したら加工の跡無し!このスレ自体最初に釣られた数人の民と総合スレで釣られた数人(俺含む)以外は総スカンだろうがここのスレに釣られてきた奴らは軽く祭りだったぞ

 

126:名無しさん

サンキュー分析ニキ

フォーエバー分析ニキ

 

127:名無しさん

ぶいちゅっばもまだまだ灯はあったんやなって……(感涙)

 

128:名無しボーイ

Heyメーン!それより写真と話の続きを聞かせてくれ!

 

129:底辺社畜

へいへい、それなら二人でお料理するルキロキ貼っとくからこれ見てちょい待ち

https://m.imgur.com/3342005

 

130:名無しさん

あ^~

 

131:名無しさん

かわよ

 

132:名無しさん

裏山死刑

 

133:名無しボーイ

Heyメーンこれは素晴らしいネ……

 

134:名無しさん

真偽はともかくかわいいので良しとします

 

135:分析班

早速五條、服部、清水谷、布施と分析しなくちゃ(使命感)

 

136:名無しさん

頑張れ♡頑張れ♡

 

 

 

 

 

~再び回想~

 

「幼女……幼女……!? しかも双子……だと……」

 

 状況を整理しよう。

 まずいつもと変わらず家(マンションの一室)に帰ってきたら何か俺の部屋の前に小さい女の子が二人寝ていた。

 まだ近付いてはいないがシルエットや寝息の声からして女の子なのはまず間違いない。

 近付けば事案……しかし近付かねば帰宅は不可能……

 

「それ以前にまあ見捨てられんわなあ……」

 

 なんで俺の部屋の前にいるのか知らんが、こうなった以上ほっとける程冷たい人間じゃない。

 取り敢えず中に入れないとな……

 

「だがなーんか見覚えのある様な……ってぇ!?」

 

 怪我とか無いかと顔を近づけてみると……その二人は紛れも無く先程まで思いだしていた今はなき俺の最推しVTuberのルキとロキに酷似……いや、間違いなく二人だった。

 

「コ、コスプレなんてもんじゃねえよこんなのッ……!! まるで『あの姿のまま』いるとしか考えられねえ……何がどうなって……いやそれより正体を探るのは後回しだ、今はとにかく中に入れてあげないと」

 

 混乱しながらも奇跡的に当初の目的を思い出し、起こさない様に一人ずつお姫様抱っこの要領で中に入れたんだが結構声出してたかもって後から青ざめたり誰にも聞かれてなくて安堵したりしたのは別の話。

 

 

 

 

 

142:底辺社畜

……っと、長くなるから一応区切っておくぞ

 

143:名無しさん

最初の困惑が草

 

144:名無しさん

お姫様抱っこは通報しても良き?

 

145:名無しさん

処す?処す?

 

146:名無しさん

何故俺にはこんな出会いも創作能力も無いのか…ダメだ絶望しそう

 

147:底辺社畜

助けてウィザード

 

148:名無しボーイ

シャバドゥビタッチヘンシーンwwwwwwシャバドゥビタッチヘンシーンwwwwww

 

149:名無しさん

なんだこの流れ…




文法は2019年に置いてきた(2022年の住民並感)


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ご都合主義は主人公の特権

名無しボーイ
ウザい喋り方のコテハン
VTuberファン歴は2017年夏からの大ベテラン
特に好きなVTuberは神楽めあ


「おーい、大丈夫かー?」

 

 ただスヤスヤしてるだけとはいえ心配なもんは心配である、あんまり起こすのも可哀想だとは思うが仕方の無い事と思うより無い。

 

「……ほぇ?」

 

「ふわわ……良く寝た~」

 

 身体を優しく叩いてみると、ルキの方は状況をイマイチ理解出来ていない感じに、ロキの方は状況なんてお構い無しに快眠からお目覚めしていた。

 

「あ、おはようございます」

 

「…………うぇっ!? ここどこっ!?」

 

「あ、おはよ~ございま~す」

 

 あ、そこコミュ障とか言わないここ五年まともに人と話してなかったんだから仕方ないだろこんなコントじみても。

 

 それはさておき二人らしい個性が寝起きそうそう見られて非常に眼福です。

 

「えーっと、なんというか俺の部屋の前で寝てたから見過ごす訳にも行かず部屋に入れた……のが現状になります……はい」

 

「え!? あ、あなたの部屋!? えっと、確か私達遭難してフラフラ歩いてたら疲れたし眠くなったから寝ちゃって……うぅ、とにかくありがとう……」

 

「おに~さん、ありがとう」

 

「ふ、二人が無事で良かった……あと変質者呼ばわりされなくて良かった……」

 

 ホッと胸を撫で下ろす。

 一応早速ゆっくりと話を出来る機会を得られたのは大きい。

 

 さて、核心に迫るか……

 

 

 

 

 

175:名無しさん

非常に二人らしいかわいさ

 

176:名無しさん

かわe

 

177:名無しさん

サラっと五年間リアルで人とのプライベートな接触無かった事書いてて悲しいなあ

 

178:分析班

というか騒ぎにならなくて良かったな……これ姿が姿なだけに外に出る時対策無いと混乱起こすぞ

 

179:底辺社畜

その辺はなんかこっちに適応した姿には一応なれるらしいから問題無いって言ってた

寝たり疲労が日常生活に支障が出るくらい溜まると元に戻るらしいが

 

180:名無しさん

うーんこのご都合主義

でも嫌いじゃないよ

 

181:底辺社畜

でも信頼置ける人間にはそのモードでも変わらず『あの姿』に見えるらしいよ

俺は一晩で認定された

 

182:名無しさん

ずるいぞ

 

183:名無しさん

一晩でなれるなら俺達にもなれるのでは?

 

184:名無しボーイ

HAHAHA、多分第一救助者の特権ネ……

 

185:名無しさん

世知辛いのじゃ……

 

186:名無しさん

のじゃおじィ!のじゃおじ欠乏症なんだよこっちはよォ!

 

187:分析班

のじゃおじ欠乏兄貴は落ち着いて

 

 

 

 

 

 

「……私達がVTuberのルキちゃんと」

 

「ロキちゃんなんじゃないかー、って?」

 

「そうだ……まあ助けて早々に聞くのは失礼なんじゃないかとは思ってるけど、その、姿が完璧に……俺が応援してた頃にそっくりというか、そのまま画面から出てきたみたいな姿だから……気になって」

 

 他人様のプライベートには踏み込むなとは良く言われる事だが、我慢出来なかった。

 あと建前としてそのままの姿は危ないんじゃないかって事もあるから……いや勿論建前だけど本音でもあるんだが、建前であり本音でありやっぱり若干建前みたいな?

 

 と自問自答していたが二人はキョトンとはしていたが不快な表情はせず、何か二人で一言二言相談したのか耳打ち合いこちらに姿勢を戻した。

 

「まあ……この姿で隠しても無駄よね。そうよ……一年も活動出来ずに終わっちゃったけど」

 

「やっぱり……そうだったのか」

 

 喜びを爆発させそうになったが、ルキちゃんがバツの悪い感じで目を逸らしているのを見て、思い留まる。

 ロキちゃんを見ても、いつも見ていた雰囲気とは違いシュンとしていた事から、今でも未練や後悔があるのかもなと悟り敢えて気付かないフリを貫こうと思った。

 

 まあ……あれだけ順風満帆だった活動を、一応最後に晴れ舞台があったとはいえ一年とやれずに引退という形になってしまったらそりゃ後悔や後ろめたさもあるんじゃないかな……

 

 だから、一ファンだった俺がして良い事じゃないかもしれないけど。

 

「え……?」

 

「ふぇ……?」

 

「少なくとも……少なくとも俺はルキちゃん、ロキちゃん、二人の事忘れた事は無かったしもう会えないとしてもずっと応援してた。だからね、俺の前では後ろめたさなんて感じなくても良いんだよ……大丈夫だよ」

 

 月並みだしファンを代表して偉そうにみたいに言われても仕方ないけど、ほんの少しでも、気休め程度にでも、なるんだとしたらなんと思われたって構わない。

 それくらい俺は二人の事が大好きだし救われてきたんだから。

 

「…………ありがとう」

 

「お兄さん……優しいんだね……」

 

 二人は泣きながらもそうやってお礼を言ってくれて、他のファンに罪悪感を覚えながらもギュッと抱き締めていた。

 

 あーでも自分でやってて何だがしんみりとした空気はあまり好きじゃないんだよな……

 特に女の子の涙には弱過ぎるというか、そう、かわいい女の子には笑顔が一番! ってな!

 

「……でもまあ、しばらくはこのままでいっか……」

 

 とはいえ強引に引き剥せるでもなく、この後30分くらい抱き締め続け頭を撫でていた事を報告しておく。

 

 

 

 

 

 

192:名無しさん

泣いた

 

193:名無しさん

俺だって今でも応援してるんやで……

 

194:名無しさん

文豪

これになら釣られたって構わんわ

 

195:名無しボーイ

Heyメーン!それよりお風呂シーンの描写は無いのかい☆

 

196:底辺社畜

ノンフィクションなんでそんなラブコメのラッキースケベなんてありません(威風堂々)

 

197:名無しさん

もうノンフィクションで良いよ俺は信じる

 

198:分析班

じゃあ俺も信じるけど写真は定期的に上げ続けろ

 

199:名無しさん

寧ろ信じるか否かよりそっちの方がメインだし

 

200:名無しさん

そうだよ(本音)

 

201:底辺社畜

お前ら現金だなあ!?

まあ見てくれてるお礼にまた上げてやるから待っとけ!

 

202:名無しさん

やったぜ。

 

203:名無しさん

 

204:名無しボーイ

待ってるZE☆

 

 

 

 

 

「ふう……」

 

 パソコンを閉め一息付く。

 正直勢いだけで建ててしまったスレッドだがほとんど創作と思われてるのは都合がいい。

 まとめにされたとしても良いところが十五年くらい前に流行ったオカルト板の名作止まりだろう。

 

「まあ、寧ろ狙いはそこだが」

 

 廃れゆくVTuber界隈。

 多くの人間に希望を与えてきたこの界隈がこのまま無くなるのなんて寂しいじゃないか。

 だから少しでも思い出してもらえたら……なんて。

 

 

 因みに許可は取りました、どうやったかは秘密。



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久々の外出Ⅰ

やっとしっかり二人出せた


268:底辺社畜

今日は月六日の貴重な休みの日です

 

269:名無しさん

乗っけから社会の闇を垣間見せてくるな

 

270:名無しさん

年間休み72日…最低ラインは105日…恐ろしいねぇ…

 

271:名無しさん

ひえっ…

 

272:底辺社畜

二人の為に服買いに一年振りのプライベート外出となります

 

273:名無しさん

デートktkr

 

274:名無しさん

それは良いがプライベート外出一年振りに闇

 

275:分析班

二人の為にもそんな会社辞めてどうぞ

 

 

 

 

 

「うっし、二人とも服買いに行くぞ」

 

 思い立ったが吉日、とは良く言ったものだ。

 月六休みの連休週ともなる今週は二人とお出かけ三昧するのだ。

 普段なら出たくもない外だが今日は随分と身体が軽い、それもこれも二人のお陰なのかもしれない。

 

「お洋服!? やったー!」

 

「お兄さんとお出かけ~♪」

 

 うん、あのまだ住み始めてから三日目なんですがね……この子達には警戒心というものは無いのか?

 というか成り行きで自然と住んでるけど全く面識の無い若い男の家にいて何にも感じないのか……とか、本来もっと早く聞いておくべきだった事もあるし……それもそうだがそもそもこの子達どこからどうやって来たのとかVTuberの話もしてみたい。

 俺にもう少し時間さえあればゆっくり話せたんだろうけど、底辺社会人の辛いとこだなこれは。

 

 クローゼットに仕舞われていたちょっとお洒落な服を身に纏い、二人の準備を待つ。

 

「おまたせー!」

 

「って言ってもそんなにする事無いんだけどね~」

 

「ちょっとロキー! そーいうのは雰囲気が大事なのよ雰囲気が!」

 

「うんうん、二人ともかわいいよ! それじゃ行こうか」

 

「やだもー! かわいいなんて~! やっぱりトップアイドルなあたしなら当然だけど言われるとまた別の嬉しみがあるのよねー!」

 

「……私もちょっと嬉しいかも。てへへ~」

 

 ……一度は憧れたよな、こういう『推し』とのデート。

 それが今目の前にあるってマジすか……いやもうさっきの難しい事今考えたら絶対罰当たるってくらい幸せ過ぎてもう語彙力が無いよね。

 にじさんじのあなたの街に来る~みたいなヤツだったり、ニコニコ超会議のバーチャルYouTuBARみたいなニコニコ動画で中継もあったそれに実際行った人間なら似た高揚感が味わえたんじゃないだろうか、きっとタイプ的にはそれだ。

 

 だが俺はそれを遥かに超えているであろう高揚感と緊張感に溢れている。

 棚から牡丹餅なこのシチュエーション……絶対失敗出来ねえじゃん……何か知らないけど今好かれてるみたいだし?

 

「? どうしたの?」

 

「あ、いや、その……緊張してましてね……ほら、話した通り俺って二人がVTuberの中で一番好きだったしさ」

 

「うんうん、ビックリしたけど嬉しかったな~」

 

「まじまじと言われたの、初めてだったしね……」

 

 結果、取り敢えずお付き合いの経験なんて無い俺は見栄なんて張れませんでした。

 

 許せ……

 

「ま、まあそんな訳だからちょっと頼りないかもしれないけどよろしくな、あはは……」

 

「ふふんっ、だったらこのあたしに――」

 

「でもルキちゃん男の人とお付き合いした事無いよね? 私もだけど~」

 

「うっ、うぐぐ……」

 

 良いなこのやり取り……ルキちゃんとロキちゃんがいるんだなって感じの、動画で見たままというかリアルでもやっぱり仲良しなんだなって分かると微笑ましいなあ……と思いつつ、今後この二人ともっと一緒に過ごしたい、そう強く思いこの時一つ大きな決断を俺はするのだった。

 

 

 

 

 

「さあて着いたぞ」

 

 バスに揺られて十数分、チンケな住宅街からちょっと賑やかな街中。

 地元で一番デカいショッピングモールにやってきた。

 まあ服なんて何が何だかさっぱりだし色んな店がある方が良いだろうみたいな安直な考えだ。

 

「久々にこっちの世界のショッピングモール来たけどやっぱり大きいわね!」

 

「走り回りたくなるよね~」

 

「ロキ? それは流石にやめなさいよ?」

 

 でも二人がはしゃいでるし、悪くない選択には……なったかもな。

 

「それより、たくさん買い物するなら先に食事しない? ちょっと早いけどさ」

 

「あ、さんせーい! 私中華食べたい!」

 

「私はお兄さんが勧めるなら何でも良いかな~」

 

「うっし、それじゃ中華にするか! 良い店知ってるから二人とも気に入るぞ~」

 

 いや、良い選択になったな。

 俺は良く出前に取る店がここに入ってる事を覚えていたのを心の底から感謝するのだった。



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久々の外出Ⅱ

ルキロキの引退を笑って見送れなかった
笑え…笑えよ…(矢車)

※:主人公は聞き逃している為実際スレに書き込んでる時には存在しない文章


「ふう~美味しかったわ!」

 

「中華なんて久々だったねー」

 

 俺の目論見通り二人に好評だった中華料理にガッツポーズしながら店を出る。

 流石俺の贔屓の店なだけあって綺麗、素早い、美味しいで良い事づくめだった。

 

 二人の笑顔が見られて俺も御満悦なのだ。

 

 唯一の誤算と言ったら、その店の料理長が一年前まで絶対出前取ったら運んできてたバイト君だった事だが……見なくなったと思ったらいつの間に。

 軽く会釈されたんだが君そんな才能持ってたのかと困惑を隠せなかった。

 

「満足そうで良かったよ、本当は何か俺が作れたらって気持ちはあったんだけど料理なんてからっきしで……」

 

「だいじょーぶ、そういうのはルキちゃんが得意だから~、一緒にお勉強すれば良いよ」

 

「そうね! 私はアイドルに置いても家事に置いても頂点に立つ女だからその辺は任せなさい!」

 

「あはは、そりゃ助かるな……ちょっと待て、ルキちゃんの手料理がいただけるだと……!?」

 

 男なら誰しもが憧れる『かわいい女の子の手料理』。

 スレの方にはルキロキのエプロン姿を載せたがあの時はあくまでちょっとしたお手伝いをしてもらったに過ぎなかった。

 

 という訳でここでルキちゃんの手料理がいただけるルートが確立する予想は無かったんだがまさかの了承。

 願ったり叶ったりな展開だがあれか、俺が今まで二人を信仰し世知辛い世の中を生き抜いてきた負の貯金、不運の散財か?

 

 確かに人は不幸の分だけ幸せになるチャンスが与えられているとは言うがそんな世迷いごと信じちゃいなかった、いなかったのだがここまで立て続けに良い事が起こるとなまじ世迷いごととも言えなくなってくる。

 

 簡潔に言えば『生きていて良かった』ってとこだ。

 

 しかしそれを思えば尚更、何で俺にこんなに懐いているのかが謎過ぎるのだが……

 

「そんなに嬉しかった?」

 

「もちろん!! ルキちゃんの手料理を食べられるなんて夢みたいだ……ありがとう神様、今までこの世界の神様なんて恨んだ事しか無かったけど今日この日を持って俺はそれをやめようじゃないか!!」

 

「良かったね~ルキちゃん」

 

「ふ、ふふん! そこまで楽しみにされちゃったら気合い入れまくるしかないじゃない! ふふん! 嫁力に置いても頂点に立って白馬の王子様に迎えてもらう私の実力、とくと見なさいな!」

 

「……わー、ルキちゃんが本気モードになってる……」

 

 まあそんな事はさておきドヤ顔ルキちゃんと半目ドン引きロキちゃんがかわいすぎる件。

 今は多分俺が幸せになる事に置いて頂点に立ってると思う。

 

 

 

 

308:底辺社畜

はい、ここまで服買う前までの流れね

 

309:名無しさん

二人がかわいすぎる件

 

310:名無しさん

ルキちゃんの手料理…良いなあ…羨ましいなあ…

 

311:名無しボーイ

Heyメーン!仮面ライダーネタをルキちゃんが知ってるのは意外だったネ!

 

312:名無しさん

思ったけどそんな事より手料理いただけるのがイッチだけってのが悔しいです…

 

313:名無しさん

我々は羨ましい姿を見届けられるだけでも幸せなのかもしれない…

 

314:底辺社畜

ちゃんと感想書くから許して

 

315:矢車想

社畜ゥ…お前は良いよなぁ…

 

315:底辺社畜

矢車さん湧いてて草

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっ洋服~おっ洋服~」

 

「ご機嫌だなルキちゃん」

 

「そりゃそうよ! なんてったって地球でのお買い物は三年ぶりよ! テンション上がらない訳無いじゃない!」

 

「実は私も結構嬉しかったりするのです」

 

 やっぱり女の子は誰でもファッションに多少なりともは興味があるのか、ルキちゃんのみならずロキちゃんもルンルン気分で歩いていた、かわいい。

 

「あ、この服かわいい~! これも良いわね!」

 

「ちょっと待ってよルキちゃ~ん」

 

 外見相応というべきかきゃいきゃいとはしゃぐ二人。

 まあかわいいんだけどね? こう、拾った側からしてみると心配で仕方ないというか保護者の責任というか、過保護な兄みたいな気持ちになってしまうというか。

 複雑な心配性な兄心が芽生えるからちょっと心配……いやめちゃくちゃ心配になってきたぞ……

 

「二人とも迷子にならない様になー! あ、あとはしゃぎすぎて転んじゃダメだぞ! それと知らない人には着いていかない様に! えーっと後は……ええい俺が着いていくからちょっとストップしてくれーー!!」

 

※「はーい、全く心配性ね……」

 

※「お兄さんに心配されて嬉しい癖に~」

 

※「なっ……べ、別にそんな事……」

 

「おーいどうした~? ……はー疲れた」

 

「な、何でも無いわよ! ほら行きましょ行きましょ!」

 

※「……つくづく思うけど、お姉ちゃんがここまでちょろいなんて」

 

「ロキちゃんも早く行くよ~……ってルキちゃん? その、腕にくっつき過ぎでは? ルキちゃん?」

 

「これは……アレよ! 所謂虫除けよ!」

 

「俺はキンチョールか虫コナーズか!!」

 

 はしゃぐ二人の会話を聞き逃したと思ったらルキちゃんに腕を絡まれた、いやくっつくのは良いんだけどその……ねえ……

 ルキちゃんには巨とか大程でないにせよ意外と中はある二つの……あ、ダメだ意識したら殺される……

 

 俺は天国と地獄の狭間で煩悩と戦いながらショッピングをしたのだった……



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その代償が笑顔ならば

分析班
写真や映像解析、分析の達人
どこぞの大企業で働いているらしい良く分からないが凄い奴


379:底辺社畜

帰ってきて早々の更新でした(満面の笑み)

 

380:名無しさん

これは許されない

 

381:名無しさん

ルキちゃんの胸……意外とあるのか……

 

382:名無しさん

世の中どうしてこんな不平等なのか…

 

383:分析班

それより肝心のどうしてイッチにだけ極端に友好的なのかに付いては聞けたのか?

 

384:底辺社畜

>>383

帰ってから切り出してみた

案外あっさり聞けたんだけど…嬉しかったけどかなり恥ずかしかったし何か複雑な気持ちになったというか…

取り敢えずルキちゃんの手料理待つ間に書いてくわ

 

385:名無しさん

やっぱコイツはっ倒して良いか?

 

 

 

 

「ただいま~、それにしてもこんなにお金使ったの久々だわ」

 

「えっと……ただいま、で良いのかしら。沢山お金使わせてごめんね……?」

 

「ん、ただいまで良いよ。あとお金は無駄にあるからこれくらいへーきへーき、気にしないで良いぜ」

 

「お兄さん優しい~」

 

「……ありがとう、ならその好意に甘えるわ」

 

 結局二人で合計十万くらいか……それくらい服買ってて女の子の恐ろしさを身を持って感じました。

 

 まあルキちゃんとロキちゃんにお金使うんだと思えばもっと出せるけどな。

 二人への投げ銭総計金額に比べたら安いもんよ。

 

「ふっ……良いって事よ。まあそれはさておきなんだけど」

 

「ん、どうしたの?」

 

「いや……二人と出会ってからずっと気になってたんだが、なんで二人って俺にこんなに心開いてくれるのかなって。俺がファンとはいえ初対面だしさ」

 

「あ~、そう言えば話してなかったね~」

 

「……ロ、ロキ? もしかしてあの事話すの?」

 

「だっていつかは話すつもりだったんでしょ~?」

 

「うぅ……でも恥ずかしいわよ……」

 

「ルキちゃんいつもは引くくらい堂々としてるのに……はぁ……お礼、言いたいんじゃないの? ……私も言いたいから……ダメ?」

 

「うぐっ……わ、分かったわよ……」

 

 何となくでいきなり切り出してみたが、話を聞くに何か俺にお礼? とか何とかちょっと良く分からないんだが……俺、もしかして二人と前どっかで会ってる?

 いやだが俺にそんな記憶は無いぞ……あったとしたら間違いなくテンション爆上がりしてただろうけどそんな思い出が全く無いんだし。

 

 デビュー前に会ってたら記憶から抜け落ちててもおかしくないけどまさかな……

 

「もしかしてどっかで会った事あったっけ? 全く覚えてないけど」

 

「う~ん、確かに覚えてなくても仕方ないよね~、だって私達がデビューする前の……今から五年も前の話だからね」

 

「ごねっ、五年前~!?」

 

 ってそのまさかだったんだが。

 しかも五年前ともなれば2017年、俺もまだうら若き十八歳の時の話だ。

 そんな前に二人に会ってた……五年前に。五年前?

 

 いや待てよ、五年前って言ったら確か……

 

「そ、そうよ……やっぱり覚えてないのね。あの時……あなたに助けてもらったの。変な人に絡まれてたのを、相手が大人数なのにあなたは助けてくれた」

 

 …………思い出した。

 

 五年前の春、高校三年生に進学した俺は何もかも順風満帆に過ごしてたんだ。

 

 

 

 

「いやー今日も絶好調絶好調! これなら今年の夏はいただきだな!」

 

 部活もラストスパートに差し掛かり俄然気合いの入ってた時期ともあり今の俺とは大分違ってあの時は輝いていたのを今でも覚えている。

 

「た、たすけて……」

 

 そんな脳天気に笑っていると不意に声がした様に聞こえた。

 勿論気のせいかもしれないとも思ったが辺りを見渡していると一瞬だが路地裏に連れていかれる小さい女の子二人組くらいと男……最低でも二人以上いるのが見えた。

 

 あー、こりゃ誘拐だろうな……なんて思いながら関わったら大事な時期に怪我とかするなあ、とか溜め息付きながらもやっぱり見ちゃった以上見過ごす事なんて出来ず。

 

「あのー……何か声聞こえたんですけど。なーにやられてるんですかね?」

 

 持ち前の脚力で即座に追い付き、路地裏を覗き込み様に言い放つ。

 

「あ? なんだテメェ……」

 

 で、見たものと言えば強姦直前の顔まで筋肉ダルマな刃牙のキャラっぽいやべー奴と取り巻き五人くらい。

 

 ヤバいと思ったよね、うん。

 間違いなく死んだと思った。

 

 それでもこんなの見たら引き返せる訳が無い。

 

「強姦魔だああああああ!!!」

 

 取り敢えず大きな声を出して突撃。

 もうヤケである。

 確かにここで引き返せば変わらない日常が過ごせる、だが心の中に後悔がいつまでも残る。

 そんな生き方俺は望んじゃいなかった。

 たとえ無謀でも自分の夢が犠牲になろうとも、無我夢中だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ……こ、ここは……」

 

 次に覚えてるのは目が覚めると白い天井があった事だった。

 身体中が痛い、動かす事もままならない。

 

 少し落ち着いたところで医者から話を聞いた。

 どうやら俺は六人から袋叩きにされながらも全員倒したらしい、あのバキバキマッチョに関してはフルスイング金的蹴りで殺ったらしい。

 自分でやっといてアレだが自分の金を思わず抑えたね、いくら犯罪者でもあの痛みだけは分かち合わずにはいられなかった。

 

 ……まあここまでなら無茶した青春話、そう終わらせられるだろうな。

 

 

「あの時の子達、だったのか……」

 

「うん……でも逃げろって言われて、顔だけは見れたんだけど怖くて、必死で逃げたからそれ以外何も分からなくて……だから会えたらずっと言おうって思ってたの……助けてくれてありがとう……!」

 

「私からもなんだけど……私も怖かったから……お兄さん、助けてくれてありがとう!」

 

「……うん、こちらこそ。ルキちゃんとロキちゃんを助けられたならそれ以上に嬉しい事は……無いよ」

 

 その時俺が自然に笑えてたかは分からない。

 ただ、目の前の二人が笑顔だったのが救いかもしれない。

 

 

414:名無しさん

……イッチ、まさかお前

 

415:名無しボーイ

>>414

Heyメーン、野暮な事に突っ込むのは無しだZE☆

 

416:底辺社畜

勢い余って野暮な事書いたわスマンスマンw

それよりあの時の金的の話思い出してゾッとしたわwwwwww

 

417:名無しさん

タンスの角にぶつけて死んだ時は死ぬかと思ったわ

 

418:名無しさん

>>417

成仏しろ

 

419:名無しさん

>>417

幽霊民定期

 

420:名無しさん

>>417

生きてるのか死んでるのかはっきりしろ



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好きな子の手料理ってだけで美味しく感じるよねって話

久々に生き返ったので初投稿です




「あれ、寝てたの?」

 

 ソファで横になってたらいつの間にか寝てたらしい、エプロンを付けたルキちゃんが上からひょっこり俺の顔を見ていた。

 うん、かわいいね!

 

「おう、ごめんごめん」

 

「ご飯出来たから早く来てよね!」

 

「マジか、目ェ覚めたわ」

 

「……現金ね」

 

「そりゃ好きな子に作ってもらえたら嬉しいに決まってるじゃん?」

 

「なっ……そ、そういう事は軽々しく言わないの!」

 

 いや確かにからかったのは確かだけど一応本気なんだからな……とは言えず。

 そもそもガチ恋してたとはいえ相手はバーチャルな存在だと割り切った上でのガチ恋だった訳で、確かにあの当時俺の全てはルキちゃんロキちゃんだったがそれが本当の意味での恋か否かは正直全く分からない。

 

「ルキちゃ~ん、まだー?」

 

「わわっ、ちょ、ちょっと待ちなさい!」

 

「もしかしてルキちゃん、お兄さんとイチャイチャしてるのー? ずるいなー」

 

「あはは、ごめん今行くよ」

 

※「……私だってお兄さんと二人で話したいんだもん」

 

「え? 何か言ったか?」

 

「何でもないよー」

 

 まずいついルキちゃんとイチャイチャしてたらなんかロキちゃんが不機嫌そうな顔し出したぞ、完全に一人蚊帳の外なのが嫌だったんだろうなあ……

 

「ロキちゃんも後で、てか食事しながら色々話そうぜ! そんな顔せずに、ね?」

 

※「うー、お兄さん鈍感なんだから……」

 

「……あれ?」

 

 おかしいな……表情が変わらないんだが?

 これはあれか? 俺の見当違いなのか?

 しかしそうなると点で原因が分からぬ、流石に聞くのは気が引けるから取り敢えず分からない風に誤魔化しといた。

 後悔と反省しか無い。

 

 

 因みにメニューはお手製の肉じゃがと味噌汁と焼き魚と白米でした。

 嫁力半端ねえ……

 

 

 

508:名無しさん

>完全に一人蚊帳の外なのが嫌だったんだろうなあ……

>おかしいな……表情が変わらないんだが?

三流ラブコメの主人公並のガバやめろ

 

509:名無しさん

>>508

ほんと草

今でも分かってなさそう

 

510:底辺社畜

わりぃ……全くわかんねえや

あとルキちゃんの手料理は神、はっきりわかんだね

 

511:名無しボーイ

>>510

Heyメーン、自ら嫉妬の炎に焼かれに行くのは自殺行為だZE☆

 

512:分析班

>>510

やってしまったね、君は

 

513:名無しさん

>>510

羨ましいんだよボケェ!!

 

514:底辺社畜

やだ怖い…やめてください…後で写真アップするから…

 

515:分析班

よし許す

 

516:名無しさん

分析班ニキ現金過ぎて草草の草

…まあルキちゃんのエプロン姿も添えてくれたら許す

 

517:名無しさん

ロキちゃんも添えろ

 

518:底辺社畜

お前らほんと面白いな

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日、昨日散々スレでルキロキの写真をアップした俺は貴重な連休二日目もルキロキの二人と出掛ける事にした。

 これから暫く連休も無ければ朝早くに仕事して夜中に帰ってくるだけの地獄、二人と顔を合わせる時間さえもまともにある事が貴重になってしまう。

 一応、一応ではあるが懐かれてる存在として、それ以前にファンの一人として二人を全力で笑顔にしたいと思うのは当然だろう。

 

 という事で行きたい場所を聞いてみた訳だが……

 

「じゃあ、あたしアニメイトに行きたいわ!」

 

「私もさんせ~」

 

「あ、アニメイトとはまた何とも意外な……」

 

 ロキちゃんならまだしもルキちゃんからアニメイトなんて言葉が出るとは……そういう趣味あったっけか?

 

「ちょっと今のVTuberグッズも見たいなって思ってね。あたし達が活動してた頃にいたVTuberさんもまだ残ってる人もいるだろうし……コラボしてくれたVTuberさんとか特に今どうしてるか気になるのよ」

 

「私は久々にアニメグッズ見たい気持ちもあったり~?」

 

「うん、ロキちゃんはでしょうね……ルキちゃんの意見も確かに納得」

 

 なるほどなあ、確かに引退してから三年近くも経てば界隈も大きく変わるもんなあ……特にVTuber界隈は今でこそそこまでだが全盛期時は良くも悪くも情勢は月単位で変わってたし。

 そもそも二人にとっては三年も経ってる訳だからそりゃあ気になっても仕方ないって話か。

 だから手始めにグッズで今の情勢を見たいっていうのは理解出来た、若干違う要素もありそうだが……ならやる事は分かってるよな、俺よ。

 

「よし……ならまずは行くか、アニメイト」

 

「ほ、ほんと!?」

 

「んで帰ってきたら今流行りのVTuberとか、気になったVTuber見てみようぜ」

 

 そういう事なら断るなんて出来ない、まあ何にせよこの二日間は二人にとことんまで付き合うって決めたし断るつもりは毛頭無かったけどな。

 

「じゃあまずは……」

 

「……も後で見にいこーよ~」

 

「良いわね!」

 

 何はともあれ楽しそうで良かった。

 

 ……栄枯必衰、栄えたものは必ず衰える。

 それは古代文明以外にも言える話だ。

 流行りなんてその最たるもの、特にネットの流行り廃りなんて月単位、VTuberもそうだ。

 あのVTuberが人気出たと思ったら同じ月に違うとこからまた人気が出たりデビューしたり、勢いがあったと思った少し後にはもう引退してたり。

 

 そんなネットに生きるVTuber文化だからこそ今の衰退もどこか仕方ないという気持ちで見ていた節があった。

 

 でも。

 

 今の二人を見たらやっぱりあの盛り上がっていた数年前が恋しくて。

 だから、より一層後悔しない様にこの界隈を見ていきたい。

 

 そんな気持ちにさせてくれた二人に感謝したいと、心から思った。



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