もしもACfAの世界が特異点だったら... (山猫さん)
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プロローグ

照明の消えた部屋。

部屋に位置するテーブルには所狭しとモニターやキーボード、通信機器が置かれている。

 

そしてその部屋には2人ほど人がいる。

 

「まさか、お前が裏切るとはな...」

「......」

 

テーブルの前に置かれた椅子には女が手を上げて座っており、その背後に立つ男は女の背に拳銃の銃口を突きつけている。

 

「...ひとつ聞きたい」

「なんだ?」

「アンタは、人を滅ぼしたいと思った事はあるか?」

「...さてな」

 

男の問いに女はそう返す。 男はその答えにしばし思案した顔を見せた。

 

「どうした? この答えがそんなに気に入らないか?」

「...いや、そんな事はどうでもいい。 俺はアンタを殺したいから、人を滅ぼしたいからここにいる。 それだけだ」

 

男の言葉に女は短く溜息を吐く。 まるで何かを後悔するように。

 

「そうか...私は何処で間違えたんだかな...」

「アンタは間違えちゃいない。 俺とアンタが違っただけだ」

「...そうか」

 

再び場を静寂が支配する。 明かりのない部屋の中で男は意を決したように呟いた。

 

「じゃあな」

 

パンと音が鳴り、男の構えた拳銃の銃口からは硝煙が立ち昇る。 ゆっくりと女は床に倒れた。 男はそれを見る事なく部屋を立ち去った。

 

 

 

 

———————————————————

 

 

 

 

「特異点が見つかったって?」

 

フィニス・カルデアの司令室。

部屋の中央にはカルデアスが位置し、それは過去を映し出している。

 

「ああ。 それもとびっきりイレギュラーな物がねぇ」

 

室内にいるのは4人の男女。 白い服を着た少年の問いに、大人びた女性が答えた。

 

「現在僕たちが観測しているのは、特異点Fを含めて8つの特異点だ。 始めはそれだけだったんだけど、これまでにも小さな特異点が発生したことがあったろう?」

「そうですね」

 

茶色の髪の毛をした背の高い青年の問いかけには、薄ピンクの髪をした少女が答えている。

 

「その特異点なんだけど、今迄は過去に観測できただろう?」

「そうですが...まさか⁉︎」

 

 

 

「...今回は未来に観測されたのさ。 本来なら人理が焼却された、人類のいない未来に」

 

 

 

 

 

———————————————————

 

 

 

 

 

9人のリンクス(革命家)により、企業の罪(アサルトセル)は清算された。

 

 

その罪を清算させた9人のリンクスは、1人と獣を残して清算の生贄となった。

 

 

罪が消えた空は宇宙という新天地(フロンティア)を開き、罪を清算した者達は空の向こうを目指して躍進を続ける。

 

 

自らが汚染した大地を、空を見限り、新たな住処を目指す。

 

 

別段これは不思議なことではなかった。

 

 

罪を清算した者達に敵はなく、ただひたすらに利益を求め、人類の生存圏を広げるために。

 

 

そこに現れるは(いにしえ)の権力者から生み出されし【人類種の天敵】。

 

 

これは獣達の無益で無垢な願いの戦い。

 

 

 

 

A.D.████ 人理定礎値:█

 

亜種特異点:国家解体汚染領域【Answer】

 

 

 

 

 

汝、扇動者なりや?



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第1節

海上プラットフォーム上に作られた自治民主主権都市、【ラインアーク】。

いつもは静寂平穏が支配するこの海上都市で、今日は銃声が鳴り響いていた。

 

「いたぞ! こっちだー!」

「撃ってでも良い! とにかく奴を止めろ!」

「了解! ちっ、逃げるんじゃねぇ!」

 

武装した警備兵達に追いかけられているのは1人の男。

 

「なんで、俺が!」

 

現在彼は身に覚えのない罪状で追いかけられている。 その内容は、殺人。

 

「...自分を救ってくれた恩人を、どうして殺さなきゃいけないんだ⁉」

 

彼が殺したとされている人物、それは彼の恩人。

棄てられた彼を拾い上げ、彼がカラード所属の独立傭兵(リンクス)になってからも常に彼のオペレーターとして、毒を吐きながらも導いてくれた存在。

 

「一体何がどうなってる...」

 

第一にその恩人が死んだとされる時間には、彼はラインアークから出払っている。 そんな中で一体どうやってラインアークにいる恩人を殺せるのだろうか。

 

「とにかく逃げないと...」

 

彼はひたすら走り続ける。

途中で警備兵とかち合う事もあったが、なんとか制圧し格納庫まで辿り着いた。 幸いにもまだここには警備兵は来ていない。

彼は鎮座している自分のネクストに飛び乗った。

 

「AMS接続開始、神経同調率90%...よし、これな『いたぞ!』チッ!」

 

AMSの接続とほぼ同時に警備兵が侵入してくる。 彼はコクピットブロックを機体内に格納し、プライマルアーマーを起動させた。

 

『...不味いぞ! コジマだ!』

『汚染されるぞ! 退避! 退避ィー!』

 

警備兵は格納庫から退避したのを確認すると、彼は機体の左腕部に装備させたレーザーブレードを起動しシャッターを破壊する。

破壊されたシャッター口からはいつもと変わらぬ海が見えた。 それはまるで、総てがひっくり返った彼の心を嘲笑うかの様に見えた。

 

「...With Collar(首輪付き)、ストレイド、出るぞ!」

 

プライマルアーマーとして展開されたコジマ粒子を背部のスラスターへと収束圧縮し、限界で一気に解放する。 AMS操作により脚部スラスターが起動して浮遊していた機体は、解放されたコジマ粒子による凄まじいエネルギーによって、音速以上のスピードで格納庫を飛び出した。

 

 

向かう先のアテは、ただ1つ。 かつて自分が所属した組織の隠れ家だけだ。

 

 

 

 

 

———————————————————

 

 

 

 

 

地下空間に隠された広大な空間。

そこはアーマードコア・ネクストを格納できる密閉型ハンガーを5つ程装備しているが、現在そこに格納されたネクストはない。

そこには1人の男がいた。

 

「......」

 

彼はカーパルスで未来を託した存在によって死し、己の計画の成就を見た。 それからというもの地球の意思という、なんとも胡散臭い物に引っ張られ、その物が【座】とよぶ空間に彼は復活、言わば英霊と呼ばれる者の仲間入りを果たしてしまった。

そして【座】から地球の意思に呼び出されて召喚されたのは彼のいた世界、それも自分が死んでから1年も経っていない。

 

「...フィオナ・イェルネフェルトには彼に伝える様に言った。 彼ならきっと理解してくれるだろう」

 

彼自身も表では「アナトリア失陥の要因」と蔑む演技をしてたが、裏ではある意味恩人の様な存在であるその人物とは親交があった。 実際彼がその人物に依頼した時に彼の考えをすぐさま察したその人物は、自らの存在を使ってまで必要以上の事を成してくれた。

 

「さて、あの大馬鹿野郎に繋がるといいが...」

 

再びこの世界に呼び出された彼は、その理由を探るために着々と準備を整えていた。

 

 

 

 

 

——————————————————————————

 

 

 

 

 

 

―該当マスターを検索中......発見。適応番号48[藤丸立香]をマスターとして設定。

 

 

「未来へのレイシフト、か...」

 

レイシフトコフィンへと滑り込んだ彼、藤丸立香はそうひとり呟いた。

人理が焼却された未来から特異点が見つかり急遽レイシフトする事になったのだから、彼が困惑するのも無理はない。

第一にレイシフトは、存在証明を誤魔化して別の時間帯に霊基を送り込むという技術。 そのため未来にレイシフトをするのは初めての試みである。 それまでの歴史を観測しているなら理論上は可能とされているが、それも人理焼却により儘ならない。 はっきりいって不安しか生まれないだろう。 だが―

 

 

―アンサモンプログラム始動。霊子変換を開始します。

 

 

「何が、待っているんだろう...」

 

彼の心には高揚感があった。 彼が今まで巡ってきた特異点では様々なことがあった。 そこには出逢い、別れ、衝突、和解、友情、憎悪、親愛といった物や、英霊たちの在り方を感じ取れるだけの何かがあり、その度に自分の弱さを知り、また強さを知り、大きく成長出来たと彼は感じている。 故に彼は今回の未知なる特異点を、今まで以上に特別視していた。

 

 

ーレイシフトまで残り3...2...1...

 

 

「さあ、行こう」

 

 

ー0。 フューチャーオーダー、実証開始。

 

 

彼という存在は、未来へと送り込まれた。



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第2節

「そうか...そんな事が」

「えぇ。 最初は偽者かと思ったんだけど貴方に伝えてくれって、彼が言っていたから」

「多分、本当に彼自身だろうな...」

 

格納庫で1機のネクストがシャッターをぶち抜き、オーバーブーストで脱出を始めようとした頃、それと真反対に位置するオペレーティングルームでは1組の男女が会話をしていた。

 

「本当に?」

「生前の彼と裏で親交があったのは、俺たちとセレンとその弟子の首輪付き、そしてORCAのリンクス達だ。 それ以外だと...アスピナのマーシュ位だろう」

「それと大艦巨砲主義の社長さん、でしょ?」

「そうだな。 多分彼なら彼奴らにも—」

 

彼がそう呟いた瞬間、ポケットに入れてあった通信機から音が鳴る。

 

「どうしたの?」

「いや、案の定ってやつだ...おう、どうした?」

『どうもこうもない。 何が起きている?』

『いやぁ...流石のマーシュさんでもこれは予想できないねぇ』

「という事は、彼奴から連絡があったか」

 

画面に映ったのは、白毛のやたらフリーダムな天才アーキテクト【アブ=マーシュ】と、GA傘下の温泉企業、有澤重工の社長リンクス【有澤隆文】。

彼が口を開くと、途端に彼らは嘆息をついた。

 

「ともかく、事実確認を急ぎたい。 マーシュも有澤も特に彼奴から何か聞いたわけじゃないんだろう?」

『そうなんだよねぇ、僕んらのプライベートアドレスから連絡入れて【なんか蘇ったんだが...】の一言だけだし』

『ああ、儂の所もそう変わらん...と、なると奴のいる所まで行かねばなるまい』

 

マーシュは溜息をつき、有澤の眉間には軽く皺が寄る。

 

「そうなると多分本拠地、だろうな...」

『『ビックボックスか?』』

「...いや、エーレンベルクの地下にもネクストを5機ほど密閉格納できる基地があったはずだ」

『じゃあ、どっちも行った方が良さげだねぇ』

『だが儂は仕事で動けんぞ』

「...マーシュは?」

『僕も試作ジェネレーターの最終調整があるから無理だねぇ...』

「...仕方ないか。 どこかの依頼ついでに見てこよう。 そうなるとエーレンベルクの方が先になりそうだ」

『そこはお前のセンスに任せよう、レイヴン』

『よろしくねぇ〜』

「ああ、わかっ—」

 

その瞬間、ラインアーク中を普段は聴くことのない、けたたましいサイレンが鳴り響いた。 彼は即座に只事でないと判断すると、即座に壁のインターホンの接続を入れた。

 

「こちらレイヴン! 一体何が起きた!」

『...ミスターレイヴン、上層部から貴方に首輪付きの追撃が命じられました。 即座に格納庫へいらして下さい』

 

 

 

 

———————————————————

 

 

 

 

 

「何だ、ここ...」

 

見渡す限り草木一本生えない荒野が広がっている。 立香がそう呟くのも無理はない。

 

「先輩、ここは...?」

「こんなん初めて見るぞ...本当に地球かよ?」

 

立香に話しかけるのはデミ・サーヴァントとなった後輩【マシュ・キリエライト】と、サーヴァント・セイバーの叛逆の騎士【モードレッド】。 荒野と言っても、明らかに地球では見られないような状況に困惑していた。

 

『聞こえるかい、立香くん!』

「ダウィンチちゃん! これっていったい...」

『こちらでも状況は確認しているけど、よくわからないんだ! 何かしらの化学物質による汚染の影響かもしれない!』

「...なるほど。 なら鎧は着けていた方が良さそうですね」

「そうだな、父上」

 

そう言って鎧をつけるのはかつて獅子王と称された、ロンの槍を持つ騎士王【アルトリア=ランサー】。 それに倣うようにモードレッドも鎧を着けた。

 

「しかしこんな状況じゃ情報も集められないな...」

 

そう、彼らの周囲は一面の荒野。 だが弓を持った一人の青年が彼方に見える建造物を見つけた。

 

「なあ、マスター...」

「どうしたんだ、アーラシュさん?」

「結構向こうなんだが、何か建造物が見えるぜ」

 

中東の英雄たるサーヴァント・アーチャーの【アーラシュ】の言葉に、彼らの間にどよめきが走った。

 

「本当かよ!?」

「ああ。かなり遠いんだが、塔みたいなのが2つ3つ見えるぜ」

「そこなら、何か手がかりが掴めるかもしれませんね!」

 

マシュの言う通り、そこには行ってみる価値があるだろう。 立香はそう判断すると、サーヴァント達に指示を出し始める。

 

「とにかく今は情報が欲しいし、行ってみるしかない。みんな、周辺警戒を怠らない様に! それとダヴィンチちゃん、汚染が薄い所をナビゲート出来る?」

「う~んと、ここをこうして...OKだよ、マスターく...!?」

 

通信ウィンドウに映っている女性、【レオナルド・ダ・ヴィンチ】が立香の問いにそう答えた瞬間、彼女の表情が即座に変わった。

 

「気をつけて! アーラシュの言う塔みたいなのの方から何かが向かってきている! それもとてつもない速度だ!」

 

彼らの接触はすぐそこまで来ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

———————————————————

 

 

 

 

 

 

 

「......」

 

その機体は凄まじい速度で空を駆けていく。 背中に搭載された大型スラスターからは、とめどなく圧縮された【疑似コジマ粒子】が吐き出され、ただでさえマッハを軽く越える速度が更に速められる。

 

「...あれか」

 

その機体の複眼カメラアイは、まるで前方を注視する様に細められる。 それは端から見れば人間味を覚えるだろう。 彼の目と連動して動くそれには、この時代ではお目にかかれない奇異な者達が映っている。

 

「...胡散臭いアレの言う通りなのは幾分か癪に触るな」

 

彼はそう呟くと、機体に減速をかけてその者達の前へと着地させた。 すると中心の少年を守るかの様に、大きな盾を持った少女が、特異な槍を持った騎馬騎士が、赤い剣を持った騎士が、弓に矢をつがえた青年がその前に立ち塞がり、彼に警戒心を剥き出しにする。 そんな行動に彼は別段臆する事なく口を開いた。

 

 

 

 

「君達が星見台の者達かね?」

 

 

 

 

 

これが彼らの始まりだ。



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第3節

目の前に現れたのは3m強の大きさを誇る、黒い人型機械...いや、その脚は関節が逆になっている。

両腕に大型のアサルトライフルを持ち、左腕外側には二股に分かれた機械を着け、背中にはこれまた特異な形をした何かが装着されている。

そして頭部にある特徴的なカメラアイは、まるでこちらを見定めるかの様に発光部が細められている。

 

「機械だと...?」

「ナニモンだ、テメェ」

 

アーラシュの驚いた様な呟きに、モードレッドの警戒した声が荒野に響く。

だが、その機械はその問いかけに応えない。

こちらを見定めるかの様に頭部のカメラアイの光が細められる。

まるで意志を持っているみたいだと、立香は感じた。

 

『...君達が星見台の者たちか?』

「喋った⁉」

 

くぐもった声調からスピーカーからの音声と判断できるが、いきなり音声を出されると驚くものだ。

 

『あー...すまない。 これでいいかね?』

 

人型機械は両手に装備したアサルトライフルをどこかに仕舞うと光に包まれる。

眩んだ目が徐々に感覚を取り戻すと、そこには1人の青年が立っていた。

 

「こちら初見となる。 サーヴァント・アジテーター(扇動者)、マクシミリアン=テルミドールだ」

 

その青年は更にこちらの度肝を抜く事を言ってのけた。

 

「サーヴァントだと⁉」

「驚かせてすまないね。 私は君たちの言うところの『はぐれ』、と言うやつだ。 この世界に戻って来てから、その理由を探しているんだが...こんな汚染された場所じゃなんだ、安全なところへ案内しようか」

「汚染の事も知ってるんですか?」

「ああ。 ここにいるとそろそろコジマの雨雲がやってくる。 移動するなら早めの決断を頼むよ」

 

今ここにいても情報は集まらないだろう、立香はそう判断するとカルデアへと連絡を繋ぐ。

 

「ダウィンチちゃん」

『...あ、ああ。 なんだい?』

「僕は彼に着いて行っても良いと思うんだけど、どう?」

『そうだね...何しろ今までのレイシフトとは違って今回は情報が無いから、そういう物は1つでも欲しい。 私は良いと思うよ』

「わかった」

 

ダウィンチとの連絡を終えると、立香は待っているテルミドールへと相対する。

 

「僕達は貴方の言う通り、フィニス・カルデアの実働部隊です。 過去からこの時代の歪みを取り除くために来ました」

「なるほど、故に星見台か。 では改めて自己紹介といこう。 この時代における最大最悪の反動組織【ORCA旅団】の首魁にして、リンクス管理機構【カラード】のランク1、オッツダルヴァことマクシミリアン=テルミドールだ。 よろしく頼むよ」

 

 

 

 

 

———————————————————

 

 

 

 

 

『やっぱりあんたが追撃に来たか...』

「...彼女を殺したのはお前なのか?」

 

衛星軌道掃射砲【エーレンベルク】からおよそ20km離れた海上。

【ストレイド】と名付けられた黒いネクストと、【ホワイト・グリント】と名付けられた白いネクストが一触即発の雰囲気の中、互いに向き合っていた。

 

『......』

「答えろ、首輪付き。 俺はお前が彼女を殺したとは思えんから、今こうして聞いているんだ」

『...別段答えようが答えまいが、俺を連れていくんだろう?』

「......」

『A・M・S、全接続。 出力全最大!』

「っ! A・M・S、全接続!」

 

ストレイドはその右手に持ったアサルトライフルをホワイト・グリントへ向ける。 セーフティは既に解除されている。

 

『あんたと敵対する事が悪手だとしても、こればっかりは譲れない。 犯した覚えの無い罪を被せられる事は特にな!』

「やはりか...くっ!」

 

ストレイドがホワイト・グリントから高速で離れつつアサルトライフルを発砲する。

ホワイト・グリントはそれをクイックブーストで躱し、ストレイドに足止めしようと背部に装備された分裂ミサイルを発射するが、ストレイドは海水面ギリギリへと降下し、吹き上がる水飛沫を利用してミサイルの信管を狂わせる。

 

「やるようになった! だがな...」

 

レイヴンはそれを先読みし、ホワイト・グリントを素早くストレイドの前に滑り込ませ、両腕のライフルを発射する。

するとストレイドは後ろ向きにクイックブーストをし、右背部に装備された大型ミサイルをホワイト・グリントへ撃ち込んだ。

大型ミサイルはホワイト・グリントへ到達する前に一度バラけると、内側から大量の小型ミサイルを吐き出す。

 

『喰らえっ!』

「甘い!」

 

レイヴンはホワイト・グリントをクイックブーストでミサイルの前に出す。

狙うは最短距離、小型ミサイル程度では機体を傷つける事はあっても、その前に展開されるプライマルアーマーを減衰させる程の威力はない。

彼我の距離を一気に詰める。

小型ミサイルはホワイト・グリントを傷つける事はできずに破壊されていく。

 

『それを待っていた!』

 

だがストレイドは左腕に装備された補助腕を動かし、新たな武器を装備する。

かつてレイレナード社によって研究された【補助腕】構想。

機構的には問題はないが、それ以前にA・M・Sによる直接操作感覚が狂うため出来損ないとして廃案となった代物を、寸分の狂いもなく首輪付きは使ってみせた。

そして左手に握られたのは、いつの時代でも、どんな場所でも、誰が持とうと、変態武器と呼ばれるゲテモノ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、とっつきブレード(パイルバンカー)である。



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第4節

「凄いですね...」

「ああ、まるで秘密基地だ」

 

テルミドールに先導され立香達が踏み入れたのは、先程アーラシュが言っていた『塔の様な建造物』の地下。

そこには巨大な格納庫と様々な弾薬や工廠、そしてこの場所全体を守るための管制防衛施設が複合した軍事基地。

 

「ここが我々ORCA旅団のもう1つの基地、『エーレンベルク地下基地』だ」

「ん? もう1つという事は、まだあるのか?」

「旧GA社本社、『ビッグボックス』だ。 今はどうなっているか分からんがな」

 

テルミドールはそう言うと、人数分の飲み物を持ってくる。

 

「飲むと良い。 地下水脈から汲み上げて浄水してあるから、汚染については問題ない」

「あ、ありがとうございます」

「ふぅ...温かいですね」

 

テルミドールが持ってきたのはホットココアだった。

ひと息つく事が出来た立香は、改めてテルミドールに問題を切り出す。

 

「テルミドールさん、ここってどういう世界なんですか?」

「ふむ...簡潔に言えば、『国が解体された』世界だな」

「えっ?」

「国が国の役割を果たせなくなった結果、企業が国を解体した。 ここはそういう世界だ」

『ちょ、ちょっと待ってくれ! 【国が解体された】だって⁉︎』

「ほぅ、珍しい幽霊がいたものだ」

『幽霊⁉︎』

「あ、すいません。 これ、カルデアからの通信です」

 

通信ウィンドウに映るダウィンチが、テルミドールの言葉に白目を剥く。

だが立香もそう変わらない。

 

「...この世界はどういう過程があって、この様な道を辿ったんですか?」

「まあ話せば長くなるが...」

 

そうテルミドールは話を始めた。

 

 

———————————————————

 

 

始まりは、君達が来た時間からもう少し未来の事だ。

 

人口爆発による、食糧およびエネルギー資源の慢性的な不足などによって統治能力の低下した国家に対し、新しい秩序の構築を目指す巨大企業グループによって引き起こされた、企業対国家の全面戦争が発生した。

 

これが【国家解体戦争】だ。

 

企業側の一方的な奇襲によって始まった、人類史上に類を見ない大規模クーデターは、短期間の内に企業側の圧倒的な勝利によって決着した。


これにより、国家はその統治能力を完全に失い、以後の世界は企業による統治、すなわち企業による繁栄(パックス・エコノミカ)がなされることとなった。

 

 

そしてこの世界における環境汚染の原因が、その数年後に起きた【リンクス戦争】とコジマ兵器システムだ。

 

コジマ兵器システムとは、今から数十年前にコジマ博士によって発見された特殊な粒子、【コジマ粒子】から作り出された最悪の兵器群の事だ。

 

コジマ粒子は他に類を見ない程の強力な安置・還流能力を持つ。

 

そのため、これらが利用された兵器は既存の兵器とは一線を画す性能を持つようになった。

 

各企業はそれを様々な特色溢れるロマン兵器にも利用したため、【変態の素】と呼ばれることもあったが...まあ、それはいいだろう。

 

これだけ言えば夢の様な物質だが、コジマ粒子は非常に強い毒性を持っており、前述した強力な安置能力によって長期間土壌や大気に残留する。

 

つまり長期間の環境汚染を引き起こす訳だ。

 

そして【リンクス戦争】...まあこれは【GAアメリカ社】と【GAヨーロッパ社】の対立から発生した、2つに分かれた企業群の【オーメル社側】と【アクアビット社側】による大戦争、と覚えてくれれば良い。

 

国家解体戦争より長引いたこの戦争は、各企業の弱体化とコジマ兵器における最強の個人戦力【アーマードコア・ネクスト】のパイロット達【リンクス】の危険視を招いた。

 

最終的には【オーメル社】が傭兵として活動していたリンクス2名を雇って、【アクアビット社】と【レイレナード社】を強襲して壊滅させた事により、【リンクス戦争】は終結した。

 

長期化した戦争により汚染された地上、という結果を残して。

 

 

———————————————————

 

 

「...とまあ、こんな感じだ」

「......」

 

テルミドールの話に、立香達は絶句するしかなかった。

明らかに今までの辿って来た特異点とは一線を画す程の衝撃。

自分たちの未来が辿る行く末の一本が、この様な結末を辿るとは思っていなかった。

 

『ちょっと待って、じゃあ地上はほとんど...そのコジマ粒子、だっけ?に汚染されたって言うのかい?』

「大まかに言って4分の3以上だろうな。 地上に人はほとんど住んではいないし、更に言うと汚染は未だに拡がりつつある」

「え...?」

「では、その事について今の時代を交えて話そうか」

 

 

———————————————————

 

 

【リンクス戦争】後に企業は自ら汚染した地上を見限り、高度8,000m付近に正常な生活空間を見い出した。

 

それが現在、一般人が生活をしている航空プラットフォーム【クレイドル】だ。

 

【クレイドル】は地上のコジマ発電施設【アルテリア】から送られた莫大な電力によって、コジマ汚染のない清潔な空を飛んでいる。

 

だが、これがどう言うことか分かるか?

 

コジマ汚染の影響から逃げるために、コジマ粒子を利用すると言う矛盾が生まれている。

 

つまりは根本的な解決にはなっておらず、いずれコジマ汚染は空高くまで到達し、人類は死に至る。

 

なら宇宙に逃げれば良い?

 

そうもいかない理由が、企業達にはあった。

 

それが企業達の罪であり、全ての元凶となった【アサルト・セル】だ。

 

かつて宇宙開発競争を繰り広げていた企業達は、相手の開発を妨害するために、地上から宇宙へ上がる物体を攻撃する衛生兵器を軌道上に打ち上げた。

 

その総称が【アサルト・セル】。

 

その結果、軌道上は【アサルト・セル】で埋め尽くされ、人類は自ら宇宙進出への道を閉ざしてしまった。

 

分かるか?

 

企業達は【国家解体戦争】と【リンクス戦争】を行うことで、無辜の民達へその事実を隠蔽した。

 

それを白日の下へと晒し、その罪を精算させようとした企業があった。

 

それがかつて私が所属していた企業、【レイレナード社】だ。

 

【レイレナード社】の思惑は【リンクス戦争】によって潰えたが、その意思は消えることはなかった。

 

それが我々、最大最悪の反動勢力【ORCA旅団】というわけだ。

 

 

———————————————————

 

 

沈黙が場を支配する。

再びテルミドールが話した事は、彼らの気力を削ぐには十分過ぎた。

 

『じゃ、じゃあ企業は自らの罪を隠蔽するために、国家解体戦争を起こしたって言うのかい⁉︎』

「そう考えれば辻褄があう。 第一にレイレナードが設立された理由は【アサルト・セルの全破壊】だったからな』

『っ...それと君はテロリスト...だったのかい?』

「ふむ...どちらかと言えば【革命家】だろうな。 でないと座に導かれる理由がつかない」

『なるほど...あくまでも君はその名の通り、扇動者(アジテーター)でしかないと』

「そういうことだ」

 

そう言うとテルミドールは自分のカップに口を付け、顔をしかめる。

 

「やはり銀翁やメルツェルの様にはいかんな...」

 

カップを机に戻し、右手を見る。

 

「...私は1人迎えてくる。 君達はこのままくつろいで貰って構わない」

 

テルミドールはそのまま席を立つと、外へと歩いて行った。

 

 

 

 

———————————————————

 

 

 

 

「っ...!」

『チッ...!』

 

始まりから既に長い時間が経つ中、ストレイドとホワイト・グリントは未だに雌雄をつけられずにいた。

ストレイドが奥の手として持っている射突ブレードは、ホワイト・グリントの二段クイックブースト回避の前には役に立たなかった。

当てられたのは不意をつけた最初の一回のみ、しかしそれもレイヴンの見せた超反応の前に小さなダメージしか与えられなかった。

 

既にミサイルの残弾は無く、残るのは互いの右手に握られたアサルトライフル1マガジン分。

しかしAP(アーマー・ポイント)が低かろうと、それを削るには実弾兵器軽減のプライマル・アーマーを破る必要がある。

互いにダメージを与える手段を持たないまま、状況は千日手へと突入する。

 

ホワイト・グリントが右手を動かすと同時に、クイックブーストで右へとズレようとする。

が、そこへ何処からともなくホワイト・グリントとストレイドにミサイルが叩きつけられた。

 

「何っ...」

『ぐぅっ...』

 

そしてそこへ黒い機体が飛び込んできた。

 

『そこまでだ、アナトリアの傭兵に首輪付き。 これ以上エーレンベルクの近くでドンパチするのは止して貰おう』

 

追う者(ホワイト・グリント)追われる者(ストレイド)の戦いに、【祝福なき者(アンサング)】が介入する。



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マクシミリアン・テルミドール

アンケートの結果、マテリアルを載せることになりました。
アンケートへのご参加、ありがとうございます。



...実は1番最初に書いたのはマテリアルだったりする。


【概要】

 

クラス:扇動者(アジテーター)

性別:男性

出典:国家解体戦争・企業統治史,ORCA事変史

地域:不明(アナトリア?)

属性:中立・中庸

好きなもの:ORCA旅団の戦友達

嫌いなもの:オーメル・サイエンス社、甘過ぎる食べ物

天敵:アナトリアの傭兵

cv:諏訪部順一

 

「こちら初見となる。

マクシミリアン・テルミドールだ。

人類の為になるのなら、せいぜい足掻いてみせるさ」

 

 

 

【能力】

 

強化外骨格兵器と化したネクスト、アンサングを纏う。近中距離における機動戦を得意としており、アサルトライフル、レーザーバズーカ、プラズマキャノン、ミサイルなど多種多彩な攻撃手段を持つ。

 

 

『ステータス』

 

筋力 B

耐久 D

敏捷 EX

魔力 E

幸運 B

宝具 A

 

リンクスであり、魔術なんぞ知らない科学の世界で生きてきたため魔力はほぼ無いに等しい。ただしアンサングを纏っているため筋力は高水準、敏捷に至ってはEXと規格外である...重量過多?ナニソレオイシノ?

また、クローズプランをイレギュラーなく成功させているので幸運もなかなか。

宝具は言わずもがな例のアレである。

 

 

 

『スキル』

 

・クラススキル

《大衆扇動 A》

人々の先端で矢面に立ち続けたアジテーターの専用スキル。

自身へのダメージ1.5倍、味方全体の攻撃力が1.5倍。

 

還流する粒子の防護壁(プライマル・アーマー) B+》

ネクストが最強の戦力と言われる所以。

高確率で自身へのダメージを軽減、低確率でコジマ汚染を付与。

 

A・M・S(アレゴリー・マニュピレイト・システム) A》

ネクストに搭乗するリンクス達の身体に付けられた神経接続金属端子。 より直感的な操作を可能にし、機体を自らの手足の様に動かせる。

毎ターン自分の持つステータスの内、ランダムで2つを1段階上昇。

 

 

・保有スキル

《カリスマ A+》

ORCA旅団を率い、彼自身が可能性と称した存在を仲間に引き入れたテルミドールにカリスマがあるのは自明の理。

3ターンの間、味方全体に攻撃力アップを付与。

 

QB(クイック・ブースト) EX》

コジマ粒子を圧縮解放し推力として利用する。

1ターンの間自分に回避を付与、Q攻撃で得たクリティカルスターをランダムに増やす。

 

停滞(ステイシス) B》

もう1つの愛機、ステイシスが能力となったもの。

ランダムに敵1体のチャージを減らし自身のNPを増やす。

 

 

『カード』

Quick 2枚 Arts 2枚 Buster 1枚

 

 

【宝具】

 

高貴なる者たちよ、(To noble,)汚れた地上へようこそ(Welcome to the Earth)

 

ランク:A++

種別:対軍宝具

レンジ:周囲半径100m

最大捕捉:レンジ内全て

 

ORCA旅団の理念が宝具となったもの。

自らの世界との繋がりを利用し、固有結界から汚染された世界(ACfAの世界)と僚機を再現、共に攻撃を行い最後にアサルトアーマーを叩き込む。

敵全体に必中多段ヒットの大ダメージ、自分の防御力が1ターンダウン。自分以外の敵味方全体にやけど、コジマ汚染を付与。(回避可)

 

 

 

状態異常【コジマ汚染】

そこに存在する事で長期間残留するコジマ粒子。 それは汚染対象の環境や人体に想像もつかない悪影響を引き起こす。

1ターンの最後に残りHPの1/10のダメージを受ける。 2ターン経過後、ターン開始時に確率で回復する。 弱体解除で回復可能。




こんなとこですかね。

アナトリアの傭兵や首輪付きのマテリアルも順次投稿予定。


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レイヴン

アナトリアの傭兵ことレイヴンさんのマテリアルです。

本編より先に書き上がったからね。 しょうがないね。


【概要】

 

クラス:ライダー

性別:男性

出典:国家解体戦争・企業統治史,ORCA事変史

地域:不明

属性:中立・中庸

好きなもの:フィオナの手料理

嫌いなもの:無駄な闘争

天敵:—

 

「俺たちは傭兵だ。

好きな様に生き、理不尽に死ぬ。 まあ、そう簡単に死んでやるつもりはないがな」

 

 

 

【能力】

 

アスピナ機関の天才アーキテクト、アブ=マーシュが設計開発を主導した中量二脚型ネクスト、『ホワイト・グリント』を駆る。

この機体には特殊な変形機構が搭載されており、オーバーブースト時において空気抵抗を軽減し最大速度と加速度の上昇が図られている。

武装は両腕にバトルライフルとアサルトライフル、背部に分裂ミサイルを採用、近中距離における射撃機動戦を最も得意とする。

 

 

『ステータス』

 

筋力 B

耐久 C

敏捷 EX

魔力 E

幸運 B

宝具 A

 

リンクスになる以前から傭兵として戦場に出ており、その時から最強と称される腕前を持つ。

その後に発生したリンクス戦争において、コロニー・アナトリア所属のリンクスとして参加し多大な戦果を残すが、最後にその存在を危うんだ企業連によって所属していたアナトリアを失った。

アナトリア壊滅後、オペレーターを担当していた恋人、フィオナ=イェルネフェルトと共に反企業民主自治組織『ラインアーク』へ身を寄せ、カラードランク9のリンクス【Unknown】として活動していた。

 

 

『スキル』

 

・クラススキル

《騎乗 EX》

ライダークラスの専用スキル。

リンクスである彼は、ネクストの中でもトップクラスのじゃじゃ馬である【ホワイト・グリント】を手足の様に扱える技能を持つ。

自身のQカード性能をアップ。

 

還流する粒子の防護壁(プライマル・アーマー) A》

ネクストが最強と言われる所以。

高確率で自身へのダメージを軽減。 低確率でコジマ汚染付与。

 

A・M・S(アレゴリー・マニュピレイト・システム) C++++》

ネクストに搭乗するリンクス達の身体に付けられた神経接続金属端子。 より直感的な操作を可能にし、機体を自らの手足の様に動かせる。

彼自身は適性は低いが、持ち前の操縦技術とベテランの勘でAクラスを遥かに上回る能力を一時的に引き出す。

毎ターン自分の持つステータスの内、ランダムで1つを1〜3段階上昇。

 

 

・保有スキル

《ホルスの眼 B》

ホルスの眼をモチーフにして作られたエンブレムは、今は亡き戦友との友情の証。

3ターンの間、自身のクリティカル性能を大幅にアップ、回避を付与。

 

QB(クイック・ブースト)EX》

コジマ粒子を圧縮解放し推力として利用する。1ターンの間自分に回避を付与、Q攻撃で得たクリティカルスターをランダムに増やす。

 

偉大なりし無敗の数字(ナンバー・オブ・ナインボール) A++》

傭兵達において【9】という数字は伝説。 これはリンクス達においても同じであり、戦場に畏怖と尊敬をもたらす。

味方の攻撃力、防御力、クリティカル性能をアップ、スターを大量獲得。 敵全体の防御力をダウン、スタンを確率で付与。

 

 

『カード』

Quick 3枚 Arts 1枚 Buster 1枚

 

 

 

【宝具】

前人未到の白き閃光(ホワイト・グリント)

 

ランク:A

種別:対軍宝具

レンジ:周囲半径100m

最大捕捉:レンジ内全て

 

彼の機体そのものの力が宝具となったもの。クイックブーストを使用する機動射撃で敵を集め、最後にアサルトアーマーで爆破する。

敵全体に必中多段ヒットの大ダメージ、自分の防御力が1ターンダウン。自分以外の敵味方全体にコジマ汚染を付与。(回避可)




性能的にはどうなんだろ。
クリティカルぶっ壊れみたいな?


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有澤隆文

昨日のはいったい...
高評価をくれた皆さん、ありがとうございます。

今回はマテリアルを更新。
というわけで有澤重工の社長リンクス、有澤隆文です。

もちろん本編にも出るよ?


【概要】

クラス:シールダー

性別:男性

出典:国家解体戦争・企業統治史,ORCA事変史

地域:不明

属性:中立・中庸

好きなもの:温泉巡り

嫌いなもの:アクアビットとかトーラスとかの変態兵器

天敵:アクアビットマン

cv:浦山迅

 

「有澤重工43代目社長、有澤隆文だ。

正面からいかせてもらおう。 それしか能がないが、すべてを焼き尽くすだけだ」

 

 

【能力】

 

有澤重工社製新標準機を改良を施した、重量タンク脚型ネクスト【雷電】を駆る。

この機体の特徴は何と言っても、その両背を占有する超大型グレネードキャノン【OIGAMI】であり、機体の両腕もグレネードキャノンの武器腕となっている。

また有澤重工御得意の強固な装甲の最新型を採用している。

この装甲は実弾兵器に対して強力な防御性能を誇る上に、有澤重工の不得手としていたエネルギー兵器をも克服したものであり、はっきり言ってやばい。

 

 

 

『ステータス』

筋力 B

耐久 EX

敏捷 C

魔力 D

幸運 B

宝具 B+

 

有澤重工43代目社長にして、カラードランク16のリンクス。 その立場上影武者ではないかと噂されているが、れっきとしたご本人。

ここ数年売上が減少していた有澤重工の経営状態を、まるっと復活させるほどの経営手腕を持ち、その聡明さとカリスマ性からこの時代における最も優秀な経営者と呼ばれる。

またリンクスとしての腕も非常に高く、ここ最近ではBFFが新たに建造したAFを、グレネードキャノンしか武装を持たない愛機【雷電】で崩壊させるなど、レイヴンと同レベルの伝説を今なお作り上げる超人。

 

 

 

『スキル』

 

・クラススキル

強固装甲(アーマー・オブ・アリサワ) EX》

彼だけが持つ専用スキル。

【雷電】の装甲が全ての攻撃に対して強固過ぎる故に作られた。

全ての攻撃に対して、自身の受けるダメージを半減。

 

還流する粒子の防護壁(プライマル・アーマー)C》

ネクストが最強と言われる所以。

元々有澤重工はコジマ技術に対して不得手であり、完成度も低いためランクが低い。

高確率で自身へのダメージを軽減。 低確率でコジマ汚染付与。

 

A・M・S(アレゴリー・マニュピレイト・システム)B+》

ネクストに搭乗するリンクス達の身体に付けられた神経接続金属端子。 より直感的な操作を可能にし、機体を自らの手足の様に動かせる。

毎ターン確率で自身の持つステータスの内、ランダムで1つを1~2段階上昇。

 

・保有スキル

《カリスマ B+》

彼の持つ経営眼とその主導性から持つ。

3ターンの間、味方の攻撃力をアップ。

 

強固装甲実弾主義(ガチタニズム) A++》

彼の『力こそ全て』という考え方の結晶。強固な装甲を実現するタンク脚は何よりも勝るというもの。

3ターンの間、自身のバスター性能を大幅にアップ。敵全体の宝具性能をダウン。

 

人導く人の紋章(有澤重工社章) A》

彼が率いる有澤重工。

それを表す社章は古くから連綿と受け継がれ、そして今なお社員を導く人の在りようを示す。

3ターンの間、味方全体に弱体無効、バスター性能アップ、防御力アップを付与。

 

 

『カード』

Quick 1枚 Arts 1枚 Buster 3枚

 

 

【宝具】

 

極式-社長砲(OIGAMI-Ⅱ)

 

ランク:B+++++

種別:対AF、対城宝具

レンジ:OIGAMI-Ⅱの最大射程

最大捕捉:1(爆発巻き込みアリ)

 

有澤重工謹製の最新型グレネードキャノン【OIGAMI-Ⅱ】に装備を変更し、砲撃する。 またしばらくの間、背部装備を【OIGAMI-Ⅱ】に変更。

3ターンの間自身のバスター性能アップし、敵全体に防御力ダウンを付与。その後、敵全体に非常に強力な攻撃。




描いてから気づいたけど、これはやばい。



(´神`)<ガッチターン


追記
間違っている点を指摘されたので、その部分を訂正。


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