逢魔時王と一人の歌姫の従者 (龍狐)
しおりを挟む

我が魔王と私の出会い

今日は9/13!!立花響ことビッキーの誕生日と言うことで、この小説を書きました!!


~???side~

 

 

 

突然だが、一言。

 

 

 

私は呪われている

 

 

 

何故最初にこんなことを言うか?そうですね…事の経緯を話しましょう。

 

 

私が中学一年生のとき、親友に進められて『ツヴァイウィング』と言う二人のボーカルユニットのライブに行きました。

 

私はその会場でその親友を待っていましたが、急に用事が出来たらしく、私一人でそのライブに行くことになりました。それで、私は席へと着き、ライブが始まった。

 

そして、ライブは最高潮まで達した。

私も、二人が歌う歌に、心を奪われたのだ。

 

そして、次の歌が始まろうとした、その時だった。

 

 

 

『ノイズだぁ――――――――ッ!!』

 

『逃げろぉ――――――――――ッ!!』

 

『誰か!!助けて!!』

 

 

 

突如、ライブ会場にノイズが大量に表れたのだ。

ノイズ……人類を死に追いやる認定特異災害。

空間からにじみ出るように突如発生し、人間のみを大群で襲撃し、触れた人間を自分もろとも炭素の塊に転換させ、発生から一定時間が経過すると自ら炭素化して自壊する特性を持つ化け物。

 

そして、逃げ惑う人々を追いかけ、捕まえては自らとともに人間を炭にして自らも崩れ落ちる。

地中からも、空からもノイズが押し寄せ、大量のノイズが炭になるとともにたくさんの人が炭になっていく。

 

そして、私は見た。

あの二人…ツヴァイウィングの二人が、謎の姿をして、ノイズを倒しているところを。

どうしてノイズを倒せるんだろう?ノイズには現代兵器は通用しない。だからノイズに会ったら逃げるしかない。

 

 

『チッ!!時限式はここまでかよ!』

 

 

私はあの時、すぐに逃げなければならない状況だったのに、逃げようとしなかった。

そして、私の足場が崩壊した。

 

 

私は足を怪我してしまった。

そして、それを見たノイズが私の方に向っていく。

 

だが、それを赤色の謎の姿をした人―――……そうだ、天羽奏(あもうかなで)だ。

その人がノイズを倒したんだ。

 

 

『走れ!!』

 

 

私は、怪我をした足でなんとかこの場を離れようとする。

そんな中、ノイズが針のような形状になって私に向かってくるが、それを天羽奏が止めてくれた。

でも、さっきまで優勢だった勢いが衰え、逆に劣勢になった。

 

天羽奏の装甲が徐々にはがされて行っていた。

そして、その一つが私の胸にささったのだ。私の胸から鮮血が飛び出る。

 

 

『おい、しっかりしろ!!生きるのを諦めるな!!』

 

 

天羽奏にそう言われた。

でも、この状態じゃもう無理だと思った。

 

 

『……一度だけ、思いっきり歌ってみたかったんだよな…』

 

『奏ッ!!まさか絶唱をッ!?』

 

『もう、これしかない……』

 

『奏ッ!!それだけは駄目!!』

 

 

あれを歌うとどうなるんだろうと思った。

でも、意識も朦朧としていた。そのときだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生きたいか?少女よ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如、そんな声が聞こえて来た。

どこから聞こえたんだろう?

でも、私のこの時の答えはただ一つ……

 

 

 

 

 

 

私だけじゃ、駄目……。他の皆も…助けて…あげて…

 

 

『ほう?それはどうしてだ?』

 

 

だって…私の趣味は……人助けだから…

 

 

『なるほど…いいだろう!!その頼み、聞いてやろう!!』

 

 

《祝福の刻!最高!最善!最大!最強王!逢魔時王!!》

 

 

その瞬間、薄れていく意識の中で目にしたノイズがすべて消えていた。

 

 

 

『『ッ!!?』』

 

 

あの二人も驚いていた。

一体…なにが起きたんだろうと。

 

そして…我が魔王(・・・・)は目の前に現れた。

 

 

その姿は黒と金色のライダーと赤色で書かれた人。

背中には時計の針のようなものがあり、マントを付けている人。

 

 

 

『少女よ…お前の望み、叶えてやる』

 

 

この人だ…。さっきの声の主は…。

そして、私はここで意識を失った。

 

 

 

そしてだが…ここからは我が魔王から聞いた、あの後のことである。

 

 

 

『貴様…何者だッ!?』

 

『どうやってノイズを…ッ!?』

 

『貴様らの質問には答えん。さて…残りの雑音を片づけなければな』

 

『何ッ!?』

 

 

風鳴翼(かざなりつばさ)が上空を見ると、そこには大量の空中型ノイズがいたらしい。

二人は武器を構えるが、そこは我が魔王がすべて片づけた。

 

 

『フンッ!!』

 

 

我が魔王が手をフラストノイズと言う種類のノイズに向かって拳を掲げると、そこから無数の赤黒いコウモリ型のエネルギーで、空から向かってくるノイズを倒した。

 

 

『何っ!?』

 

『あの数のノイズが一瞬で…ッ!!あ、危ない!!』

 

 

すると、我が魔王の後ろに、ギガノイズと言うデカいノイズが我が魔王を後ろから不意打ちしようとしたそうだ。

だが、我が魔王は自らの手に黄金のエネルギーを纏わせ、ノイズを一撃で葬った。

 

次に、大量の人型ノイズが我が魔王に襲いかかるが、そこに我が魔王が手をかざすと、一匹一匹のノイズに円錐状の赤い光を放ち、ロックオンした。

 

そして、我が魔王は【アームズウェポン】と言う物を出現させて、ポインターに向けて放ち、すべてのノイズを灰にした。

 

 

 

『……運があることを祈るぞ、少女よ……』

 

 

 

そして、我が魔王はその場から消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、私が目を覚ますと、そこは病室だった。

どうやら私は生きているらしい。そして、すぐに家族と私の親友が私のお見舞いにきた。

 

 

私は当時、皆に心配を掛けさせまいとリハビリを頑張った。

そして、なんとか退院することができ、学校に行ってあったのは…

 

 

―――迫害と言う名の地獄だった。

 

 

あの事件で私だけが生き残り、『人殺し』『何故お前だけが生き残った』『人でなし』とさまざまな罵倒を言われ続けた。

私のせいで、家族まで迫害を受けた。家には悪口や罵倒の書かれた紙が貼られ、窓ガラスが割れている。

私の味方は家族と親友だけだった。

 

 

でも、ある日……。突如お父さんがいなくなった。

もう、この環境に耐えられなかったのだろう。

そして家には私とお母さんとおばあちゃんだけになった。

 

 

そしてまたある日……私に何も言わず、私の親友が突如引っ越した。

どうして?どうして私に何にも言わずにどこかに行っちゃったの?

 

私の親友は、私がいじめられている中で、唯一私をかばってくれた人だった。

でも、その人ももういない。

 

 

そしてある日……。

 

 

家が燃やされた

 

 

犯人はやはり私に理不尽な恨みを持ったやつらの仕業だった。

そのせいで、お母さんとおばあちゃんは燃死した。

 

 

私が…なにをしたの……?

どうしてお父さんが出て行かなくちゃならないの?

どうして未来が引っ越しちゃったの?

どうしてお母さんとおばあちゃんが殺されちゃったの?

 

ワタシハナニモ、ナニモシテイナイノ二!!

 

 

 

私が気づくとそこは、路地裏だった。

そして、徐々に経緯を思いだしてきた。

 

 

私は、あの燃え盛る家の中の一階に当時いた。真夜中まで私服で起きていた。

水が飲みたかったからだ。そして、徐々に焦げ臭い匂いにしてきて、見るとそこは火事になっていた。

私はすぐに水をかけたけど、火の勢いは増すばかり。

 

 

『お母さん!!おばあちゃん!!』

 

 

私はすぐに声を上げるが、もう声は聞こえなかった。

燃えている場所は、一階のおばあちゃんの部屋と、その真上にあるお母さんの寝室が一番燃えていた。

そして私は確信した。『二人は死んだ』。

 

でも、変わりに別の方から声が聞こえた。

 

 

もう死んだかな?あの人殺し

 

きっと死んでるぜ。もし生きてたら俺達で袋叩きにすればいいだけだ

 

確かにそうね。人殺しに人権なんてものは存在しないんだから

 

おい、周りの家にだけは燃え移らないようにしとけよ!!

 

 

このとき、私は本気で死ぬと思った。

私はすぐにあの声の聞こえた方向と逆の方向に逃げた。

 

 

時間は真夜中。

こんな時間に歩いているような人はごく一部。

だから人とも出会わない。

 

そして、しばらく歩いてこの場所についた。

でも、この場所からも燃えている家から近い。

このままじゃ…

 

 

 

すると…

 

 

 

ウゥ――――――――!!!

 

 

 

 

警報が聞こえて来た。

これは、ノイズが出現する音だ。

 

 

その音とともに、周りの家の電気が付き、人々が滝のように逃げていく。それでも、私の家の火事なんて目になかっただろう。

 

 

そして、ノイズがその場所に現れた。

 

 

『うわぁ―――――――ッ!!』

 

『助けてぇ―――――ッ!!』

 

『いや、まだ死にたくない!!』

 

『嫌だぁ――――――ッ!!』

 

 

よく聞くと、あの声は私の家を燃やしたやつらの声だった。

もう炭にされたのか…でも、この時の私はその程度しか思っていなかった。だって、私ももうすぐで死ぬのだから。もう一歩の動けない。だから、ここで死ぬ。

 

私がそう思うと、ノイズも私に近づいてくる。

すぐに…二人のところに行けるんだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『少女よ…無事か?』

 

 

 

そして、そこに現れたのは、あの時私を助けてくれた人だった。

 

 

 

『あなたは…』

 

『少女よ…お前が助けようとしたもの達は、お前からすべてを奪った。これでもまだ、お前は人を助けようと思えるか?』

 

『ははは……思えるわけないじゃないですか…

 

『そうか…やはりか』

 

 

このときからだったかな…私のすべての価値観が変わったのは…。

人は醜い。家族の一人は家族を置いてどこかへと消えた。

私の元・親友は私に何も言わずどこかに引っ越して行った。

私の残った、大切な家族も殺された。

もう、私にはなにもなくなった…。

 

これ以上、私が失う物はなにもない。

そう、そして得るものも…。

 

 

『いいや、ある』

 

『…え?』

 

『私と共に来い。得るものがなくなったのなら、探せばいい。その場所を、私が造ってやる…』

 

『…私を…裏切りますか?』

 

『疑心暗鬼…その心も大事だ。安心しろ、裏切りはしない。お前は今、この場で生まれ変わった。さぁ…どうする?』

 

『…分かりました。最後に…あなたの名前は?』

 

 

 

 

 

最高最善の王、【オーマジオウ】だ

 

 

 

 

 

『…分かりました。あなたについていきます。我が魔王……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふわぁ~~…………悪い夢と良い夢を見ましたね」

 

 

私は今現在、我が魔王のもとで、従者としています。

今考えても、私は我が魔王のもとにいれて、今はとても幸せである。

私はいつも来ている黒服を着てマフラーをつけ、本を持って扉を開ける。

 

 

 

「おはようございます。我が魔王」

 

 

「ああ…(ひびき)か。俺はもう先に食べたぞ」

 

 

「分かりました。では、私も食べます」

 

 

我が魔王―――逢魔総悟(おうまそうご)は、私の主にして我が魔王。

最高にして、最善にして、最大にして、最強の王である。

 

 

「それじゃあ、俺は行ってくる」

 

「どこへ行かれるのですか?」

 

「買い出し」

 

「それでしたら、私が…」

 

「いや、いいさ。それじゃ、行ってくる」

 

 

そうして、我が魔王は出て行かれた。

 

 

「我が魔王は変身する前と後では違いすぎますね…」

 

 

さて、我が魔王がいない間に、私もできることをやらなければ。

これは私逢魔響(おうまひびき)と我が魔王の物語である。

 

 

ダレニモジャマハサセナイ…

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

キャラ設定

もしかしたら追加もあるかもしれませんので、そこらへんはお願いします。



逢魔総悟(おうまそうご)

 

前世の記憶があり、ひょんなことからオーマジオウの力を手に入れた青年。

顔は一目で見ればイケメンの部類に入る。

 

彼は原作を全く知らず、ただ神に【モブに厳しい世界】と言われて取りあえず生きていけるならいいや的な感じでオーマジオウの力を受け取った。

 

最初に変身したのがツヴァイウィングのあの事件のときで、響に問いかけたのはノリである。

 

この時に力を使ってみたときに、心の中では『……ちょっとやばい力もらっちゃったかな?』と思ったが深く考えないことにしている。

 

そして現在は、異次元に家を建てて、そこで響と共に暮らしている。

扉を出れば現実の世界で、異次元に入れるのは総悟と響だけである。

 

今作では、ライダーの力を複合して使えるようになっている。

 

性格は変身前は普通だが、変身すると本物の王の風格になる。

 

 

 

 

逢魔響(おうまひびき)

 

 

原作の主人公。

 

原作とは違い、親友である【小日向未来】が引っ越し、母親と祖母が迫害者によって殺されている。

そのため、立花の姓を捨てて、逢魔の姓になった。そして、自分と自分の家族を置いて姿を消した父親を恨んでいたりする。

 

そして、心が一度は壊れたが、総悟に今は絶対的な忠誠を誓っている。

その分依存も激しい。

 

彼女は総悟以外の人間を信用しておらず、他の人間を呼ぶときは『ゴミ○○号』などと蔑んだように呼んでしまっている。それほど彼への依存が強く、むしろヤンデレに近くなっていっている。(ただし、ちゃんと場合も考えるときもあり、『ゴm……○○』となる。)

 

それに他の人への対応が『黙れ』『うるさい』『ちょっと死んで?』などとひどい。

 

彼からオーマジオウの力の一部を受け取っており、その力でも戦える。

詳しく書くと

 

・生身で黄金のエネルギーを拳のみに纏い、ノイズを駆逐する

(ただし、一部だけなので体の一部にしか纏えない)

・逢魔降臨暦によるライダーの召喚

・シンフォギアを纏える(ライダーの力を上乗せできるがあまり使わない)

・オーロラカーテンの使用

・さらに、【仮面ライダーゲイツ】【仮面ライダーウォズ】へと変身することもできる。

 

ただし、ゲイツで使えるのは【ゲイツ】【ゲイツリバイブ】だけである。

ちなみに、リスクは完全になくなっている。

 

 

性格は原作では明るい子だが、今作では暗い性格である。

人を信用していないが、人助けはたまにしている。

そして原作では苦手や家事や勉強は完全にできている。(それこそ当時は偏差値80ほど。今はさらに上がっている可能性がある)

これもすべて総悟のためである。

 

そして、もはや彼女にとってノイズは眼中にはない。昔はノイズを死ぬほど憎んだが、彼としばらくいることによって、ノイズなどもはやどうでもよくなってきている。だが、見かけたら倒している。

 

そして、武術は総悟の召喚したライダーが師匠となり、武術は一応心得ている。

 

服装は完全にウォズ。

それに性格は総悟に対して完全にウォズ化している。

 

他の人にはグレ響の対応。

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

我が魔王は双翼と出会う/私は奴と出会う

彼―――逢魔総悟は現在買い出しの真っ最中である。

今の服装はフードを被っている状態なので誰も彼の顔を見れない。

 

 

「(ふぅ~~ようやく買い物が終わった…やっぱり響に手伝ってもらったほうがよかったかな…?)」

 

 

彼はこの世界に来る際、神から大量の金銭を受け取っているので、一生お金に困ることはない。しかも、今後も増え続ける仕様だ。

 

 

「(お金が貯まることはいいことなんだけど…貯まりすぎて金庫をまた買わないといけないんだよな…)」

 

 

総悟は必要な分だけお金を持って外に出ている。

異次元の家に行くにはオーロラカーテンが必須である。

 

 

「(なかったらすぐに取りにいけるし、できない状況だったら響に持ってきてくれればいい。だけど……なんか最近響の様子がおかしくなってきているような…)」

 

「(例えば、膝枕とか、耳掃除、添い寝…響に聞いても『我が魔王のためになら』ってしか言わないし…)」

 

 

総悟はあまり考えずに人ごみの中を歩く。

 

 

「(そう言えば、俺が変身した姿でノイズって言うやつ倒し終えた後、なんかあの時見た赤と青の女の子がうざいんだよな…毎回毎回俺を連れて行こうとするし……。でも、オーマジオウの力を舐めすぎているようにも見えるんだよな…もしくはただの諦められない性格なのか)

 

「(テレビとかでも、俺の存在が早くも漏れてるし、それにつけられた名前がアポカリプスって…。なんで『終末もの』『破滅もの』って意味になるんだよ)」

 

 

そして、しばらく歩くと総悟は一つの店を目にする。

 

 

「あ、そう言えばそろそろお昼だし、食べていこ」

 

 

そうして総悟は【ふらわー】と言うお店に入って行った。

総悟が入ると、店はほとんど満席で、カウンター席一つしか開いていなかった。

そして、おばちゃんが総悟に話しかけて来た。

 

 

「いらっしゃい。お一人さま?」

 

「はい」

 

「それじゃあ、あのカウンター席でもいい?」

 

「構わないですよ」

 

 

そうして、総悟は四人の女子高校生が座っている場所の隣に座った。

 

 

「ここ、いいかな?」

 

「あ、はい。構いませんよ。ふらわー、混んでますからね」

 

 

総悟の隣に座っているのは黒髪ショートで大きな白いリボンをつけている少女だ。

 

 

「ヒナ、お好み焼きできたよ」

 

「冷めないうちに食べましょう」

 

「ほらほら、早く早く」

 

「あ、そうだね」

 

 

そうして食事をする四人。

対して総悟は…

 

 

「(さて…生地が来るまでなにしていようか…。取りあえず、響にメールでもしておくか)」

 

 

そうして、総悟はスマホを取り出した。

 

 

『響、今何している?』

 

 

『我が魔王……。今洗濯物を乾かしている最中です』

 

 

『そうか…。そうだ。今日の昼飯は食ってくるから、お前だけで食べててくれ』

 

『……響?』

 

 

『どうしましたか?』

 

『いや、飯食ってくるから』

 

『畏まりました』

 

 

「(今の間はなんだったのだろうか…?)」

 

 

そんな総悟を置いて、お好み焼きの具材と生地が置かれる

 

 

「さて、今日はたくさん食うか」

 

 

そうして、食した後に、総悟は異次元世界の家へと帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~響side~

 

 

我が魔王が帰り、私が今度は出る番だ。

そして、現実の世界に出れば、私は周りから少々浮く。

それは何故か?それは、私はあの黒い服しか着ないからだ。

私は顔が見えないようにフードを被って町を歩く。

 

 

「さて、夕食前までに帰らないといけない……その間までなにをしているか…」

 

 

しばらく考え、ぶらぶらと散歩をすることにした。

 

 

…しばらく歩き、リディアン音楽院と言う場所の近くの公園まで来た。

そこのベンチに座ると、その隣の木の上で…

 

 

ニャァ~~ゴ…

 

 

猫の鳴き声が聞こえた。

上を見てみると、そこには猫が木の上から降りられなくなっていた。

…助けてあげよう。

 

私は、周りに誰もいないことを確認して、マフラーを猫に向けて飛ばす。

するとマフラーは猫に纏わりつき、その場から猫を私の手の中に移動させる。

 

 

ニャア~~

 

 

私は猫を地面に置いて、猫はその場から去って行った。

 

 

「……さて、次はどこへ行くか…」

 

 

もう帰るか?

いや、まだ早い。もう少し歩いていよう。

 

 

その場を去ろうとした―――

 

 

 

「ッ!!」

 

 

 

だが、私が振り向いたときに見てしまった。

そう、場所は公園から少し離れたところ…

 

 

そこには、四人の女子高生がいた。

だが、私はそのうちの一人に目が行った。

 

そう、そこに居たのは、私を置いて、どこかに引っ越して行った、あの【小日向未来】なのだから…

 

 

 

 

~未来side~

 

 

 

私は今、友達の【安藤創世】【寺島詩織】【坂場弓美】の三人と、さっきまでお好み焼き屋ふらわーでご飯を食べて、リディアンの寮に帰ろうとしていた…。

 

 

「ねぇ、あの人…こっち見ていない?」

 

 

そう、創世が言った。

よく見ると、公園のところで黒い服、黒いマフラー、黒い謎の本を持っている女の人がこちらを見ていた。……なんだろう。あの人を見ると、何故か懐かしい気がする…。

 

 

「あ、行っちゃった…」

 

 

そして、その場からあの人は去って行った。

 

 

「なんだったんだろうね」

 

「さぁ?でも、アニメみたいでいいんじゃない?」

 

「弓美さん…」

 

 

…なんだろう。この心の胸騒ぎ…?

 

 

 

 

 

~響side~

~ 夜 ~

 

 

「……もうこんな時間になってしまった…」

 

 

まさか、あいつをこんなところで見ることになるとは…。

 

 

今時間帯は夜。

そろそろ帰らなくてはならない。愛しの我が魔王が私のためにご飯を作って待っていてくれている。

 

そんな時…

 

 

 

ウゥ――――――――

 

 

 

「チッ…ノイズか…空気を読めクズども…」

 

 

せっかく今から家に帰ろうとしていたところだったのに、何故こんなときに…

 

 

仕方がない。

我が魔王には、メールで事の経緯を話しておこう。

 

 

………メールを終えた私はノイズが出現したと言う場所まで走る。

 

 

そして、たどり着いた場所が広い場所。

 

 

そこには大量のノイズがいた。

私は拳に黄金のエネルギーを纏わせてノイズに拳を振りかざす。

 

本来、人間がノイズに触れればその人間はそのノイズと共に炭化する。

だが、我が魔王の力を纏ったその一撃であれば…

 

 

バラバラ…

 

 

ノイズは、簡単に崩れ落ちる。

 

……何気に実戦で使うのは初めてだが、日々これでトレーニングをしているから問題はないだろう。

私は、懐から赤色のネックレス(・・・・・・・・)を取りだす。

そして、歌う。

 

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron」

 

 

その瞬間、私は姿を変える…。

 

この鎧の名は、【ガングニール】。

我が魔王のためだけの力!!

この力は元々、私の心臓部分にあった【聖遺物】と言うものの欠片があり、それを我が魔王が摘出しただけではなくペンダントとしてくれたものだ。

 

 

 

「さぁ、雑音ども…我が魔王のために、死ぬがいい!!」

 

 

 

そうして、私は右手の逢魔降臨暦を持ち、歌を歌いながら、雑音どもに拳を向ける…。

 

 

 

 

 

~???~

 

 

 

 

 

ここは、とある場所。

 

 

「ノイズの出現ポイントを絞り込めました!!」

 

「よくやった!!よし、翼、出現ポイントに向かってくれ!!」

 

「分かりまし「ちょっと待ってください!!ノイズの出現ポイントに、アウフヴァッヘン波形が検出されました!!」「なんだとッ!?」」

 

「解析します!!」

 

 

そして、しばらくすると、ある英語が出た。

 

 

 

GUNGNIR と…

 

 

 

「ガングニール…だとォッ!?」

 

「どうして奏のガングニールが…ッ!?」

 

「奏ちゃんは今治療室で眠っているはずよッ!?」

 

「映像を映します!!」

 

 

そうして、映し出されたのは、マフラーで口元を隠し、右手に本を持った黄色いギアを纏った少女。

 

 

「あの子が…」

 

「司令、今すぐに行きます」

 

「あ、ああ…任せたぞ…」

 

 

そしして、青髪の少女はその場から立ち去って行った。

 

 

「(どうして喪失したはずのガングニールをあの子が…?)」

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

「消え失せろ」

 

 

そうして私は周りのノイズどもを蹴散らす。

雑音ごとき、私には容易い。だが、決してこれを私の力だとは思ってはいけない。すべて、我が魔王の力であり、すべてを我が魔王のために使わなければいけない。

 

 

だが、いかんせん数が多すぎる。

ここは仕方がない。

 

 

私は逢魔降臨暦のページを開く。

 

 

(たたか)いに()えた戦闘(せんとう)化身(けしん)である(むらさき)大蛇(だいじゃ)よ…。すべての(てき)駆逐(くちく)せよ!!」

 

 

そうすると、逢魔降臨暦から一枚の紙が飛び出し、そこから紫の大蛇を模した戦士が現れた。

その名も【仮面ライダー王蛇】

 

 

『ここかぁ……祭りの場所はァッ!!』

 

 

そうして王蛇はべノサーベルを振り回してノイズを駆逐する。

(ここで、何故こんなに長ったらしい詠唱的なものをするのかの説明をしよう。

まず、響はオーマジオウの力の一部を受け取っている。

そのため、こんな詠唱をしないと、ライダーを長時間この世界の存在させることができないのだ。

だが、TVの攻撃シーンの一部を切り取るときはこんな詠唱しなくてもいいのである。)

 

 

「さて、後はこいつに任せ「Imyuteus amenohabakiri tron」?」

 

 

すると、急に歌が聞こえ、周りのノイズが炭となる。

そして、そこにいたのは私と同じギアを纏っている風鳴翼であった。

 

 

「なにそこで立ち止まっているの。死ぬわよ」

 

「あなたに言われる筋合いはない」

 

 

チッ、飛んだ邪魔者が来た…。しかもこいつは我が魔王を捕まえようとする不届きもの…。ここで一度完膚なきまでに心を折っておくか…?

 

 

そして、しばらくしてすべてのノイズを駆逐し終えた。

 

 

『まだ…まだヤり足りない…』

 

「お前はすぐに帰れ」

 

 

そうして王蛇を紙に戻して逢魔降臨暦のページに戻す。

そして、自衛隊やらの人たちがなにやらやっている。

 

 

「………さて、そろそろ帰「らせませんよ。あなたには私たちに着いてきてもらいます」……」

 

 

面倒くさい……。

そう思っていると、車から一人出て来た。

あの女は…ッ!!

 

 

 

「奏ッ!?どうしてここにいるの!?ちゃんと治療してなきゃダメでしょ!?」

 

「ああ、悪い翼…ちょっとおっさんに無理行ってここまで連れてきてもらったんだ…」

 

「どうして…?」

 

「なぁ……お前、もしかしてあの時の女の子なのか?」

 

 

天羽奏……!!どうしてこの女がここに…!!

 

 

「奏……どういうこと?」

 

「あの二年前のアタシたちのライブの事件…。お前、その生き残りじゃないのか?」

 

「っ!!」

 

「悪いな……こんなこと急にいっちまって。でも、分かってくれ。アタシはただ、お前に謝りたいだけなんだ。だから、アタシたちと一緒に来てくれないか…?」

 

よくも……よくも……

 

「え…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よくもノコノコと顔を出せたな!!私に呪いの言葉をかけた癖に!!!

 

 

「っ!!」

 

 

「なにもしなかった癖になにも分からない癖に、そんなことを言うなぁ!!」

 

 

そうして、私はこのギアを纏ったまま天羽奏に殴りかかった。

だが…

 

 

 

響よ……そこまでだ

 

 

―チッチッチッ―

―ジ、ジジジ、ジ……-

 

 

その瞬間、私以外の周りの時が止まった。それにより拳を止める。

これは…

 

 

 

『響よ……。帰りが遅いと思えば、まさかこんなところで油を売っていたとはな…』

 

「も、申し訳ありません…我が魔王…」

 

『では、帰るぞ』

 

「畏まりました」

 

 

そうして、我が魔王は金色のオーロラカーテンを出現させる。

入ろうとした、その瞬間…。

 

 

『そうだ……これは、プレゼントだ』

 

 

そうして、我が魔王がそう言うと、我が魔王は金色の球体を出現させ、それを天羽奏の体内に入れた。

 

 

「…なにをしたのですか?」

 

『あとで、分かる』

 

 

我が魔王がそう言うのだから深くは聞かないでおこう。

 

 

そうして、私と我が魔王がその場から消えた瞬間、時間も動き出した。

 

 

~三人称side~

 

 

「っ!!」

 

 

風鳴翼と天羽奏。そしてその大勢。

全員が、今なにが起こったのかを、すべて聞き、すべて見た。

 

 

「今のは…アポカリプスッ!?」

 

「まさか、あの子と、アポカリプスにはなにかつながりが…?」

 

「……」

 

「奏…?」

 

「呪いの…言葉……アタシは…そんなつもりで言ったんじゃ…」

 

「………っ!!それより奏!!アポカリプスになにかされたでしょ!!」

 

「そう言えば、奏さんの体に謎の球体を…」

 

「あ、ああ…アタシにも、まだわからない…」

 

「とにかく、桜井女史にメディカルチェックを受けてもらいましょう」

 

 

 

そうして、この組織の者たちも帰還した……。

 

 

 




響「祝え!!我が魔王がノイズを殲滅した瞬間を…!」

総悟「それ祝うことか?」

響「私にとっては祝うことなのです」

総悟「そうか…(よくわからん)」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

未来は捕まり/私はボコす

~後日 響side~

 

 

「……………」

 

 

私は今、すごく悩んでいた。

それは何故か。

 

 

そう…祝うことを忘れていた。

我が魔王があの場に現れていたのだ。だから祝わなければならなかったのに、あの時激情してしまい、祝うのをすっかり忘れていた(せいぜい後書き程度…いや、これはメタいですね)。これは我が魔王の従者としてのあるまじき失態…。今後は忘れないようにしなければ…。

 

え、天羽奏のこと?そんなことはどうでもいいですよ。あんなノコノコと私の前に顔を出すようなやつのことをいちいち考えていてもしょうがない。

 

よく考えれば、昨日は不幸なことばかりだった。小日向未来に会うわ、天羽奏に会うわ…。やはり私は呪われている…。

 

 

「さて……いちいち考えていても仕方ない。今日の買い出しに行こう」

 

 

我が魔王は今現在爆睡している。

私の朝は早い。場所は……リディアンの近くか。

あいつに会う可能性も、あの組織の連中と会う可能性もあるが、致し方ない。

 

 

「我が魔王のため…」

 

 

 

 

 

 

~三人称side~

 

 

 

場所はリディアン音楽院に行くための通学路。

その中に、四人の女子高校生がいた。そして、その一人――【小日向未来】は考えていた。

 

 

「(昨日のあの人のことが…何故か頭から離れられない…)」

 

「ヒナ、どうしたの?」

 

「なんかおかしいと思ったんだけど…」

 

「なにか、悩み事でもあるんですか?」

 

「ううん、なにもないよ…(皆に心配はかけられないしね…)」

 

「……あっ!!!」

 

 

すると、一人、【坂場弓美】が声を上げる。

 

 

「どうしたの?」

 

「あれ、昨日の人!!」

 

 

他三人が目を向けると、そこにはあの黒服で黒いマフラー、黒い本を持っている女の人がいた。

 

 

「あの人、なにしてるんだろう?」

 

 

すると、その人がこちらを見た。

そして、風でフードが少し揺れる。

 

 

「ッ!!」

 

 

それを見て、未来は驚いた顔をした。

そして、それと同時に女の人はその場から去って行った。

 

 

「待ってッ!!」

 

 

未来はすぐに彼女を追いかけるが、すでに彼女はいなかった

 

 

「ヒナ!どうしたの!?」

 

「あの人と知り合いなんですか?」

 

「急に走ってビックリしたよ!」

 

「………(もしかして……響なの…?)」

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

「(まさか、再び小日向未来に出会うとは…)」

 

 

買い物の最中にまたやつと出会った。

私はつくづく呪われている…。

 

 

「おい、そこの姉ちゃん。俺達と一緒に遊ばない?」

 

 

すると、男――ゴミ共が私に話しかけてきた。

今は朝、周りに人は少ない。それに、周りの人はこのゴミ共が怖いのかなにもしない

私はその場を立ち去ろうとする。

 

 

「おいおい、何無視してんだよ」

 

「俺達と一緒に遊ぼうぜ」

 

 

そうして私を囲うゴミども…。

 

 

「私から離れろ、ゴミ共」

 

「なんだとてめぇ!!」

 

 

そうしてこの沸点の低いゴミは私に殴りかかるが、私はそれを避けて腹に膝蹴りをくらわす。

 

 

「ゴハァ!!」

 

「なっ!!てめぇ!!」

 

 

そうして残りのゴミも私に襲いかかってくるが、私はすべてをボコした。

 

 

「つ、強ぇ…」

 

「ゴミ共が…」

 

 

周りの奴らが私に道を譲る。

全く…私は呪われているな

 

 

 

 

 

 

 

 

~お昼~

~私立リディアン音楽院~

~未来side~

 

 

 

「それでね、昨日こんなことがあったんだよ」

 

「へぇ~~それはすごいですね」

 

「アニメ見たいな展開!!」

 

「………」

 

 

今現在、私はいつもの四人で昼食を食べている。

だが、私はいつもより元気がなかった。

あの黒い服の人……間違いない、響だ

 

 

ってば…

 

 

でも、どうしてあそこに…やっぱり、あの時のことで…

 

 

ナってば…

 

 

それに、響の顔、とても暗かった…。もう昔の響じゃなかった…

 

 

ヒナってば!!

 

 

「うわぁっ!!」

 

 

私が隣を見ると、創世が私に話しかけていた。

 

 

「どうしたのヒナ?やっぱりなんだか様子が変だよ?」

 

「さっきっからボーッとして…」

 

「やっぱりなにか悩み事でもあるんですか?」

 

 

どうしようかな……。でも、こんなこと皆に話すわけにはいかないし…

するとだった。

 

 

―ガラッ―

 

 

教室の扉が開いた。そして、その扉から出て来た人物は、とてつもない人だった。

 

 

「嘘、あれって天羽奏じゃん!!」

 

「本当だ!!どうしてこのクラスに…!?」

 

 

その人は、有名ボーカルユニット、【ツヴァイウィング】の一人、天羽奏さんであった。

どうしてこのクラスに…?すると、奏さんは教室に入り、私の前に立った。それに、私も急なことで困惑してしまった。

 

 

「小日向…未来、で、合っているんだよな?」

 

「は、はい……」

 

「………放課後、話があるんだ。だから、放課後になったらアタシのところに来てくれ」

 

 

そうして、奏さんは私にそう言って教室を出て行った。

すると、三人からすごく質問が来た。

 

 

「ヒナ、ツヴァイウィングの天羽奏さんと知り合いなのッ!?」

 

「う、ううん……違うよ。話したの今のが初めてだもん…」

 

「でも、急に話しかけられるなんて…」

 

「アタシもアニメ展開ですごくビックリしたよッ!?」

 

 

その後、いろいろと質問され、放課後…。

天羽奏さんが教室の扉の端で私のことを待っていた。

 

 

「あの、待たせてすみません…」

 

「いや、いいんだ。呼んだのはアタシだからな。取りあえず、屋上まで行こう」

 

 

そうして、奏さんと一緒に歩く。帰ろうとしている周りの人たちの視線がすごく気になる。

そして、屋上についた。

 

 

「あの…私に話って、なんですか?」

 

「……詳しくはここでは話せないが、断片的に聞かせてもらうぜ」

 

「……?」

 

 

「……【響】って女の子に…聞き覚えはないか?」

 

「ッ!!」

 

 

私は困惑してしまった。どうして奏さんが響のことを知っているのッ!?

 

 

「その反応……やっぱり知っているんだな」

 

「どうして、奏さんが響のことを…」

 

「言ったろ?ここでは詳しくは話せないって」

 

「それじゃ納得できません!!」

 

「だから、言ったろ?ここでは(・・・・)って」

 

「え?」

 

 

すると、私の後ろで『ガチャン』と音がした。

 

 

「え…?」

 

 

後ろを見ると、そこにはツヴァイウィングの片翼【風鳴翼】さんと、黒いスーツを着た男性がいた。

そして……私はなんだかスゴイ手錠をされていた。

 

 

「エエェッ!?何これ!?」

 

「悪いな……。でも、これも仕方ないだ。我慢してくれよ」

 

「いきなりで申し訳ありませんが……ボクたちについてきてもらいます」

 

「急なことで申し訳ないが、どうか飲み込んではくれないだろうか…」

 

「え、あの、ちょ!!」

 

 

そうして、私は訳が分からぬまま、この人たちに連れて行かれた。

 

 

 

 

 

 

~しばらくして~

 

 

 

 

あの後、私は職員だけが使うエレベーターに乗せられて、すごい勢いで降下していって、そして、着けば…

 

 

「ようこそ!!特異災害機動部二課へ!!」

 

 

そして、凄く歓迎された。

 

 

「すみませんでした…」

 

 

そして黒スーツの男の人は私の手錠を外す。

 

 

「あの…なにがどうなっているのやら…」

 

「そこらへんは私が詳しく説明してあげるわよん♪」

 

「了子くん、俺もいることも忘れないでくれよ」

 

「分かってるわよ。さて、なにから話そうかしらね?」

 

「まず、ここどこですかッ!?」

 

「ここはね―――」

 

 

そして――【桜井了子】、了子さんが教えてくれたけど、ここは特異災害機動部二課と言う、ノイズに対策するための施設らしい。している内容は詳しくは言えないらしい。それに、ここは政府の機関だから一般人がやすやすと入れるところじゃないらしい…

 

 

「どうして私をそんな場所に連れて来たんですか!?」

 

「まぁ、場所も整ったことだし、順序よく話そうか」

 

「さて、まずだが…」

 

 

そうして話を進める赤いTシャツの体の大きい男の人、【風鳴弦十朗】さん。

そう言えば、奏さんがいないけど…話が進んでいいのかな?

 

 

「あの…奏さんはどこに…?」

 

「奏か……今はちょっと、別の部屋にいる」

 

「そうですか…」

 

「では話を戻して、奏から聞いたと思うが、響と言う女の子の名前は知っているんだな?」

 

「っ!!どうしてあなたたちが響のことを知っているですかッ!?」

 

 

今までのことですっかり忘れてしまっていたけど、たぶん私をここへ連れて来た理由は響のこと…?

 

 

「実は先日、俺達は響くんに出会ったんだ」

 

「っ!本当ですかッ!?……実は、私も響に会ったんです」

 

「それは本当かッ!!……その時の響くんの服装は、全身黒であっていたか?」

 

「は、はい…」

 

「やはり、君の知っている響くんと、俺達の知っている響くんは、同じようだ…」

 

「弦十朗くん、取りあえず本題に入りましょう?」

 

「おっと、そうだったな。すまない。それでだ、立花響くんのことについて知っていることを聞かせてくれないか……?」

 

「…はい…」

 

 

とにかく、私は言うとおりにした。そうしないと話が進まないと思ったからだ。

 

私はこの人たちに話した。

響があのライブのことで迫害を受けたこと…

響のお父さんがどこかに行ってしまったこと…

そして、私は響に何も言えずに、引っ越してしまったこと。

 

 

「………私が知っているのは、ここまでです」

 

「………そうか。(と、なると…あのことは知らないのか…)未来くん……君は、立花響くんの家がもうないことを、知っているか?

 

「…………………え?」

 

 

私は、弦十朗さんの言っている意味が分からなかった。

響の家が…もうない…?一体どういうこと…?

 

 

「急なことで困惑するかもしれないけど、これは事実なの」

 

「僕たちも、これを知ったときは唖然としました…。響さんの家は、燃やされたんです。それで、その時家に居た響さんの親族も…」

 

「えっ!?」

 

「そしてその同時刻に、ノイズが出現して、響さんの家が燃やされた事件は大したニュースにならなかったのです」

 

「そんなことが……ッ!!」

 

 

そんな…私は、響の親友なのに、響のこと、守りたかったのに…大事なときに、私は傍にいなかった…!!

 

 

「そして、それから響さんは捜索願も出されず行方不明になり、二年が経ちました」

 

「それで、未来くん。俺達が君をここに連れて来たのは、君に響くんを説得してほしいんだ。もはや、彼女の心の傷は、もう治らないかもしれない。だが、俺達は今の彼女を助けてやりたんだ。だから、協力を願いたい…」

 

 

響が、そんなことになっていたんて…全く分からなかった、知らなかった!!ううん…もう知らなかったじゃすまされない…。それでも……!!

 

 

「分かりました…!!私、やります!!」

 

「っ!!協力、感謝する…!!」

 

「彼女が来たら、あなたを彼女のもとまで送る…そのときに頼む」

 

「はい!」

 

「……最後に、未来くん」

 

 

すると、弦十朗さんが私に言ってきた

 

 

「君はアポカリプスを知っているかい?」

 

「勿論知っています。最近現れた、ノイズを倒す謎のヒーローですよね?それがどうかしたんですか?」

 

「実は…響くんとアポカリプスには、なにかつながりがあるらしいんだ…」

 

「それって本当ですかッ!?」

 

 

アポカリプス……。『終末もの』『終焉もの』と言う意味があるが、それに等しい力を持っていると噂されているアポカリプス……。響がその人に関係している…?

 

 

「とにかく、これだけは言っておいた。どうか、よろしく頼む…」

 

 

そうして、私はそのまま寮に帰った。

 

響………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私に、呪いの言葉をかけた癖に!!

 

 

「アタシは……アタシは、そんなつもりで言ったんじゃ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいしいですか?我が魔王」

 

「ああ、うん。ありがとな響」

 

「いえいえ。我が魔王が喜んでくれるなら」

 

 

 

彼らの思いは、彼女に届くのだろうか………?

 

 




今の段階ではまだ、未来はシンフォギアのことは知りません。

未来は響を説得するために協力してくれというのが現状ですね。


修正点があったらよろしくお願いします!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

我が魔王と私は遭遇する。

~三人称side~

 

 

リディアンのある町の山。そこには、ノイズが現れていた。

そして、そこに魔王とその従者が降臨した。

 

 

「祝え!!究極の時の王者が、お前達を殲滅する瞬間を!!」

 

 

黒服の少女、【逢魔響】がそう言うと、金色のオーロラカーテンが出現し、そこから【オーマジオウ】が現れた。

 

 

『雑音ども…私が無に還してくれよう……』

 

 

そうして、オーマジオウは掌から衝撃波を発する。

その衝撃はを受け、その場にいたノイズは一瞬にして消え去って行った。

 

 

「さすがは我が魔王…」

 

『響よ。まだ安心している場合ではないぞ?』

 

「…?……そう言うことでしたか。私もまだまだですね」

 

 

そうして、二人の目に入ったのは、黄色い城型のノイズ。

そのノイズは、砲弾からノイズを発射して二人を攻撃する。

 

オーマジオウは自らをエネルギーの膜で覆い、自分の身を守る。

対して響もオーマジオウからもらいし力を手に纏い、迫りくる弾丸を弾く。

 

 

『響よ。このノイズ…お前が倒してみろ。私は周りの雑魚どもを倒す』

 

「かしこましました」

 

 

そうして、オーマジオウは小さいノイズたちの大量殲滅をする。

 

 

「我が魔王から科せられた命……やらないわけにはいかない」

 

 

そうして、響は歌を歌う。

 

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron」

 

 

そうして、響はガングニールを身に纏った。

 

 

「貴様は図体がデカイ……。だから、これでいかせてもらう」

 

 

そうして、響はある物を取り出し、【ボタン】を押す。

 

 

 

《ゲキトツロボッツ!!》

 

 

 

その音声と共に、ゲームエリアが展開され、【ロボットゲーマ】が宙を舞う。

 

 

「大変身」

 

 

そうして、響は【ゲキトツロボッツガシャット】を胸のペンダントに差し込む。

すると、ガシャットはペンダントに吸い込まれていくと同時に、ロボットゲーマが響のギアと合体する。

 

 

「……祝え!!ガングニールとロボットゲーマが、合体したこの瞬間を!!」

 

 

そう言うとともに城型のノイズはノイズを弾として響に発射する。

 

 

「甘い!」

 

 

響はそれを左手だけで弾く。

そして、響は足のブースターを使って勢いよく城型ノイズに向かって行き、左手のロボットアームで体制を崩した城型ノイズ。

 

 

「もういっちょ!!」

 

 

そうしてもう一度攻撃を喰らわせようとするが、そこにフラストノイズが現れ、響を攻撃しようとする。

 

 

『フンッ!!』

 

 

だが、それをオーマジオウが止め、フラストノイズは消え去った。

 

 

「我が魔王!!」

 

『響よ、まだまだだな』

 

「申し訳ありません!!お手数をおかけしました!!(守るはずの主君から守られるなんて…なんたる失態!!我が魔王の役に立つためには、もっと強くならねば!!)」

 

 

そうして、響はペンダントを掌で叩いた。

 

 

《GEKITOTSU CRITICAL STRIKE!!》

 

 

そうして、響は左腕のロケットパンチで城型ノイズを攻撃して接近し、ロボットアームで何度も追撃したことにより威力を高めたパンチを繰り出す。

 

 

「これは追加だ」

 

 

そうして、響は【マッスル化】【鋼鉄化】のエナジーアイテムを付与したロボットアームで攻撃した。

そして、ノイズは灰と化した。

 

 

「やりました……我が魔王…」

 

『よくやったな。響よ』

 

「滅相もないお言葉です」

 

『では、帰るとするか………と、その前に、まだあったな』

 

「?」

 

 

すると、その場所に車が何台も到着し、そこから大勢の人が来た。

そこには風鳴翼と、そして―――

 

 

 

 

響!!

 

 

 

「っ!!」

 

 

 

小日向未来であった。

未来の登場に響は一瞬驚いたが、すぐに落ち着いた表情になる。

 

 

「今更なんのようだ」

 

「お願い響!!私達と一緒に来て!無理なのはわかってる、だけど!「無理だと分かっているのなら、話しかけるな!!」っ!!響…」

 

「立花響!少しは親友の話を聞いてはやれないのかッ!?」

 

「親友……?どれだけ昔の話をしているんだ!!もうお前と私はもう、赤の他人だ!!」

 

「ッ!!」

 

 

未来の言葉をばっさりを切り捨てる響。

 

 

『貴様らがなにを言おうと無駄なことだ』

 

「っ!!アポカリプス…!!」

 

「アポカリプス……?我が魔王はそんな名ではない!」

 

『私の名は【オーマジオウ】…。生まれながらの、王だ』

 

「王…だと…?」

 

 

その言葉に周りは困惑する。

 

 

『貴様らは……愚かだ。何も分かろうとしない。お前達はその人間の愚かさが嫌と言うほどに出ている』

 

「なにッ!?」

 

『現に貴様らは、響がこうなるまでなにもしていなかった。響の元・親友とやらよ。お前は響と離れてから、なにもしていなかっただろう』

 

「そんなことはありませんッ!!だって、私は響に手紙を「手紙だと?そんなのは送られてきていない!!」ッ!?嘘っ!?」

 

 

未来の言った言葉をすぐに否定する響。

 

 

『やはりそうか…。お前達のその行動が、なんの罪もないこいつを、ここまでにした…。貴様等が言えることなど、なにもない!!』

 

 

そうして、オーマジオウは手を掲げた。

その瞬間、赤黒い霧が、マークを生成し、そこから戦士が現れた。

 

 

《ダークドライブ!!》

 

 

そこに現れたのは漆黒のドライブ。【仮面ライダーダークドライブ】

 

 

『行け…我が僕よ』

 

『OK Start our mission』

 

 

そうして、ダークドライブはブレードガンナーを持って、風鳴翼へと襲いかかる。

すぐにシンフォギアを纏った風鳴翼。

 

 

「攻撃が重い!」

 

「翼さん!!」

 

 

すぐに黒スーツの男性、【緒川慎次】が援護に向かった。緒川慎次は忍者の家系である。そのためスピードは常人よりずば抜けている。だが――

 

 

 

「グウッ!!」

 

 

「緒川さん!!いつの間に…!」

 

 

ダークドライブは、高速移動していた慎次のスピードを圧倒して慎次を攻撃していた。

元々、走力が100mを0.446秒で走ると言う高スペックなため、人間の慎次に追いつけたのだ。

 

 

『行くぞ、響よ……』

 

「分かりました、我が魔王」

 

 

「響、待って!!」

 

 

そんな未来の言葉を無視して、オーマジオウと響は金色のオーロラカーテンの中から姿を消した……。

 

 

 

 




今回の終わりで未来はシンフォギアのことを知ると言う設定です。
そしてBB――桜井さんからいろいろと聞かされると言う形です。

そして次回【XDが来る】


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

私は、平行世界の奴等と出会う

~響side~

 

 

これは、ある日の出来事。

 

 

「私に…調査ですか?我が魔王」

 

 

ある日、私は我が魔王にあることを調べてきて欲しいと言われた。

 

 

「ああ、実は、さっき時空に歪みが発生してな…」

 

「それは本当ですかッ!?我が魔王」

 

 

時空に歪み……これは本来あってはならないこと。ならば、それ相応のことが今起きようとしている前兆……。

 

 

「それで、お前にはこの時空の歪みの原因を調べてきてほしい」

 

「お任せください。我が魔王の使命……必ず成功させてみせます」

 

 

我が魔王からの直々の依頼……成功以外のことはない!!

 

私は、オーロラカーテンを出現させた――

 

 

「ああ、響、あとこれ…」

 

 

すると、我が魔王は私にある物を渡しました。

 

 

「これは……?」

 

「【ネオディエンドライバー・プロトタイプ】。護身用に持っとけ。ライダーの召喚やディエンドへの変身はできないが、銃としての機能は充分にある」

 

「ありがとうございます。我が魔王」

 

 

我が魔王にもらったこれは、大事にしなくてはならない…。

そうして、私はオーロラカーテンの中に入って行った……。

 

 

「……あれ、言っておけば良かったかな…?いや、でも今の響の精神状態じゃな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、外に出たはいいものの、まるでと言っていいほどに手がかりがない。

 

 

「時空の歪みを検出するのはオーロラカーテンでしか出来ない…(後、我が魔王も)どうすればいいか…」

 

 

私は、町中でそんなことを考えていた。

実際、やるとは言ったものの時空の歪みを調べて、その原因を探るなど至難の業……。

 

 

……にしても今は夏の時期だ。もう少し涼しい恰好をしたいが生憎私の服装はこれしかない。それに、これ以外を着る気はない。フードを被ればいいと思うだろうが、私は今気分がいいのでそんな暗い感じにはしない。それに、奴等にはすでにこの服装はばれているので今更フードを被っていても意味はない。(服装時点ですでに暗いですが?それにそれ今気づくことですかい? 響「お前は黙っていろ」)

 

 

……私は誰と喋っていたのだろうか?まぁ今はそんなことはどうでもいい。

今は……。

 

 

「……つけられているな……

 

 

途中から感じた誰かがついてきているような感じ。

もしかしてまた奴等か?

 

 

「……ついてきているのは分かっているぞ。姿を表せ」

 

 

私がそう言うと、物陰から誰かの声が聞こえた。

 

 

おいまじかよ!!ばれた!!

 

そんなはずはないわ!!だってあの立花響がこのくらいの追跡気づくはずが――

 

「…気づいているんだが?」

 

「「ッ!」」

 

 

声からして二人……。

そうして、物陰から出て来たのは案の定二人。

一人は猫耳の形をした長いピンク色の髪の女。

もう一人は小柄で銀髪の女。

ちなみにだが二人とも結構胸がデカイ。

 

まぁ、今はそんなことはどうでもいい。今はこいつらのことだ。

私は我が魔王からもらった【ネオディエンドライバー・プロトタイプ】を女二人に向ける。

 

 

「貴様ら、何者だ?」

 

「え、えっとだな…」

 

「わ、私達は、その…」

 

「とぼける気か?それにお前等は私の元の名字と名前を知っていた…。どういうことか説明してもらおうか」

 

「(おいどういうことだよ…この世界のバカ、私達の知っているバカとは全然違う…)」

 

「(これが本当に立花響なの……?それに、元の名字って…?)」

 

「話さないなら…少し強引な手を使うぞ?三秒数える。その間に言え。1・」

 

「おい無茶【バン!】ッ!?おいまだ一秒しか経ってねぇぞ!?」

 

「そんなことはどうでもいい。言わなかったお前等が悪い」

 

「(この世界の立花響……無茶苦茶ね…)」

 

 

そうして、この謎の女どもと話していると…

 

 

『『『『『ノイズだぁ――――――――ッ!!!』』』』』

 

 

警報音と共に、ノイズの発生したと言う証拠の声が鳴り響いた。

 

 

「ノイズだとッ!?」

 

「行かないと!!」

 

 

そうしてあの女二人はノイズの出現方向に向かって行った。

あいつ等はなにを考えているんだ……?仕方ない。私もあいつらにはいろいろと聞きたいことがある。助けてやるか…。

 

そうして、ノイズの居る場所に行くと…

 

 

「行くわよ、【クリス】!!」

 

「分かってるっての、【マリア】!!」

 

 

そうして、あの二人はペンダントを取り出した。あれはッ!

 

 

「Seilien coffin airget-lamh tron」

 

「Killter Ichaival tron」

 

 

そうして、あの女どもはシンフォギアを纏った…。まさかあいつ等、シンフォギア奏者だったとはな…

あの女どもはノイズを駆逐する。

 

 

「おい、お前も早くノイズを倒せ!!」

 

「数が多いから人手が必要なの!!」

 

「私に命令するな!!私に命令していいのは我が魔王だけだ!!」

 

 

だが、しかし、やらないと危険だ。あいつらが来ればすぐに逃げればいいだけ。

私にはまだやることがある。

 

 

「仕方ない……今回だけだ!!」

 

 

そうして、私は腰にベルトを巻く。

 

 

《ジクウドライバー!!》

 

 

「なんだそりゃッ!?」

 

「あなた、シンフォギアはッ!?」

 

「うるさいぞ」

 

 

私はあいつらの言葉を無視して、二つのウォッチを起動する。

 

 

《ゲイツ!!》

 

《ゲイツリバイブ・疾風!!》

 

 

そうして、ジクウドライバーにセットし、ベルトのロックを解除してベルトを360°回す。

 

 

《リバイ・リバイ・リバイ!リバイ・リバイ・リバイ!》

 

《リバイブ疾風!疾風!》

 

 

私は【仮面ライダーゲイツリバイブ疾風】に変身する。

 

 

「「はああぁぁぁぁあああああ!?」」

 

『祝え!巨悪を駆逐し、新たな未来へ我等を導くイル・サルバトーレ!

その名も仮面ライダーゲイツリバイブ!

真の救世主がこの地に降り立った瞬間である!』

 

「姿変わった上になんか意味わからないこと言ったぁ!!」

 

「なんなの…あれ…?」

 

『滅されよ、雑魚ども!』

 

 

そうして私は高速移動をしてノイズどもを大量に炭にする。

 

 

「速いッ!」

 

「なんつースピードだ!!」

 

『やかましい!!』

 

 

そうして私は【ジカンジャックロー・つめモード】のボタンを連続で押す。

 

 

《つめ連斬!!》

 

 

そうしてつめ型の青いエネルギーが無数に飛び交い、ノイズたちを倒す。

 

 

「あの数が、一瞬で……!!」

 

「おい、見ろマリア!!」

 

『?』

 

 

あの銀髪が指差した方向を見てみると、そこには普通のノイズとは違う、黒いノイズがいた。

 

 

「カルマノイズ……ッ!!」

 

「出てきやがったな…!!」

 

 

カルマノイズ?一体何なんだろうか?

だが、ノイズはすべて倒す。それだけだ。

私はゲイツリバイブライドウォッチを180°回転させる。

 

 

《パワードタイム!!》

 

 

《リ・バ・イ・ブ剛烈!! 剛烈!!》

 

 

私は【ゲイツリバイブ剛烈】の姿になり、パワードのこを装備して黒いノイズに斬りかかる。

だが、そのノイズに攻撃は効いたものの、黒いノイズ――カルマノイズと呼ばれたノイズはその攻撃を防いだ。

 

 

『ッ!?』

 

「気を付けろ!!カルマノイズは普通のノイズとはワケが違う!!」

 

「私達も加勢するわ!!」

 

『必要ない』

 

 

私はゲイツリバイブライドウォッチをジカンジャックローにセットする。

 

 

《フィニッシュタイム!!》

 

 

《スーパーのこ切斬!!》

 

 

のこ型の赤いエネルギーをカルマノイズに向けて放った。

だが、カルマノイズはその攻撃を避け、その場を去って行ってしまった。

そして、その場で私は変身を解除した。

 

 

「逃げたか…」

 

「ねぇ、あなた…立花響よね…?」

 

 

すると、あの二人が話しかけて来た。

 

 

「私をその名字で呼ぶな」

 

「(本当にあいつなのか…?)」

 

「(一体、この世界の立花響になにが…?)」

 

 

すると今度は……。

 

 

「立花響ッ!?それに…シンフォギア!?」

 

「先輩!?」

 

「この世界の翼…?」

 

 

一体どういうことだ?状況がよく理解できない…。

それに、この世界とはどういう意味だ?……まさか……。

取りあえず、この場から一旦離れよう

 

私は、オーロラカーテンを出現させて、その場から離れた。

 

 

「き、消えたッ!?」

 

「一体なにがどうなっているのッ!?」

 

「お前達、一体なにものだ?」

 

 

そうして、しばらくしたあと二人は二課へと向かって行った……。

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

二課での真実

~響side~

 

 

あれから、私はオーロラカーテンで家に帰っていた。

そう言えば、あいつらに聞きそびれたが、結局あいつらはなんだったんだ?

 

まぁいい、また聞けばいいだけだ。それに、私が帰ったら、我が魔王が家にいなかった。

机に『用事が出来たのでちょっくら行ってくる』と言う書置きが置いてあったので、大丈夫であろう。

 

さて、状況確認と行こう。

まず、あの女どもは私のこと――しかも昔のことは知っていた。それにシンフォギアを纏っていた。となると、おそらくあいつら(二課)の関係者であろう。

 

だが、あの女(風鳴翼)あの女ども(雪音クリスとマリア・カデンツァヴナ・イヴ)のことは知らないような反応だった。

となると……考えられるのは……。

 

 

…………そういうことか!!我が魔王の言っていた時空の歪み。そしてあいつら……。

おそらく、あいつらが時空の歪みに必ず関係していると見ていいだろう。

 

そうと決まれば、早速情報収集をしなければ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~二課~

 

 

「はぁッ!?あいつの母親と祖母が死んでいるッ!?」

 

「そんなことが…ッ!?」

 

 

場所は変わり二課。ここでは銀髪の少女【雪音クリス】と桃髪の【マリア・カデンツァヴナ・イヴ】がその場にいた。彼女たちは【ギャランホルン】と言う完全聖遺物により平行世界から来た人物らしい。

 

 

「ああ……彼女……立花響くんとその家族は、ツヴァイウィングの事件で世間から迫害を受けた」

 

「そして、彼女の父親が失踪してしまいました」

 

「……そこまではアタシたちの世界でも同じだ」

 

「でも、私達の世界では立花響の家族は生きているわよッ!?」

 

「それだけじゃない…実は「私が、響の傍にいなかったから…」」

 

 

そこに、未来が入ってきた。

 

 

「小日向未来……ッ!!いなかったってどういうことッ!?」

 

「私は、ある日お父さんの仕事の都合で引っ越したの。それでも、手紙を書いて響に送っていた。でも……」

 

「手紙は彼女の元には届いていなかった…」

 

「…家がすでになかったから……」

 

「でも、それほどのことがあったんならお前だって知っているはずだろッ!?」

 

「実は、その時間帯にノイズが出現して、響さんの家が燃えたことはあまりニュースにはならなかったんです。そして、それがただのノイズ被害の二次災害として片づけられていました」

 

「それでね、私はその後、お父さんとお母さんに連絡したの。そしたら……」

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

『ついに……知ってしまったんだな……』

 

「え?どういうこと?」

 

『もう、知ってしまっているのなら、手紙のことも知ってしまっているんじゃないか?』

 

「そうッ!!どうして手紙が…!!」

 

『未来のお友達…響ちゃんの家がなくなったとニュースで聞いたとき、俺達はとても驚いた。そして、俺達は響ちゃんの家がすでにないことを必死で未来に隠したんだ』

 

「どうしてそんなことしたのッ!?」

 

『……もし、響ちゃんの家がすでになく、響ちゃんのお母さんとおばあちゃんが死んでいて、響ちゃんがもしかしたら死んでいるかもしれないとお前が知ったら、未来、お前はどうする?』

 

「それは…ッ!」

 

『未来。お前は絶対自分のことを責めるだろう。だから、俺達はそのことを隠していたんだ…』

 

「そんな気遣いいらない!!じゃあ…手紙のことも…」

 

『ああ。俺達の仕業だ。だが、勘違いしないでくれ、未来!俺達が未来の書いた手紙を隠したのは、響ちゃんの家が燃えたあとの話なんだ…』

 

「どういうこと……?」

 

『響ちゃんの家が燃やされるまで、ちゃんと手紙は出していたんだ!頼む未来、これは本当だ!信じてくれ……!!』

 

「……(ガチャン)」

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

「そんなことが…!でも、小日向未来のお父さんはちゃんと手紙は出していたんでしょ!?」

 

「ならどうしてあいつは手紙なんて来ていないなんて……!!」

 

「それを知って、調査してみたら、驚くべきことが分かったんです」

 

「……実は、当時の郵便局の配達員が手紙を処分していたんだ」

 

 

「「ッ!!!」」

 

 

弦十朗の言った言葉に驚く二人。

 

 

「なんでそんなこと…ッ!!」

 

「あの日、その配達員の男の家族がライブ会場におり、それで亡くなっているんだ」

 

「……おそらく、響くんが良い思いをするのを、よしとしなかったんだろう。だから、こんな行動を…」

 

「いくらなんでもやりすぎだろそれは!!」

 

「だから、あの立花響はあんなことに…」

 

「ちょっと待てよ。だったら、あいつのあの姿はなんなんだ?」

 

「それはだな…俺達も詳しくは分からないのだが―――」

 

 

そうして、二人にアポカリプス―――オーマジオウのことを知っていることだけ話した。

 

 

「……この世界にはそんなヤバい奴がいるのかよ…」

 

「私達の世界でも結構な敵がいたけど……たぶん、私達が戦った中でも一番強いかもしれないわ。時間停止に衝撃波…」

 

「そう、あの力がどこから来ているのかは全くの不明。それに大型ノイズや大量のノイズを一撃で倒すその力…すべてが謎なの」

 

「でも、この世界のあいつはそんな奴の従者ってことか…」

 

「ところで、話を変えるが、そちらの世界の響くんは、一体どうなんだ?」

 

「この世界のあいつとは真反対の性格だぜ」

 

 

そうしてクリスとマリアは自分の世界の立花響のことについて教えた。

 

 

「……そっちの世界の響は、そんなに明るいんだね……」

 

 

未来は自分が響の傍にいた世界のことを教えられ、暗くなってしまった。

 

 

「本当に、この世界の響ちゃんとは真反対の性格ね……。それで、本題に戻るけど、あなたたちはどうしてこの世界に来たの?」

 

「あ、忘れてた!!」

 

「私も……この世界の立花響のことが衝撃的すぎてすっかり忘れていたわ…」

 

「それで、アタシ等がここに来た理由はな…」

 

 

そうして、二人はこの世界にきた理由を話した。

本来の目的は、【カルマノイズ】を倒すこと。【カルマノイズ】とは、普通のノイズが黒くなり、人だけを炭素化してしまうノイズ。つまり、カルマノイズがいるかぎり犠牲者が増えてしまうのだ。

 

 

「そんなノイズがこの世界に…」

 

「永久に人を炭素化できる……それはとてつもない驚異ですよ…」

 

「さすがの私でも、どうすることもできないわ…」

 

「それで今、私達の世界の立花響が苦しんでいるの。もしかしたら、この世界に私達の世界の立花響を救う方法があるんじゃないかと思っているの」

 

「そうか……。わかった!俺達も、君たちに協力しよう!だから、君たちも俺達に協力してくれ」

 

「そんなのとっくに分かってるっての!」

 

「もちろん、やらせてもらうわ。…………ところで、この世界の翼が見当たらないのだけれど、どこにいるの?」

 

「ああ……翼は今、奏のところにいる…」

 

「ッ!!この世界の天羽奏は生きてるの!?」

 

「ど、どういうことだ…?」

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「なるほど……ここが……」

 

 

そして、ここはある場所。

その場所に、その男はいた。着ている服は金と黒が所々に施されている服。

そして黒く、淵が金色のフードを付けている。

 

 

「……変身」

 

 

《祝福の刻!最高!最善!最大!最強王!!逢魔時王!!》

 

 

そして、男は【オーマジオウ】と姿を変えた。

 

 

 

『この私が、直々に手を加えてやろう……』

 

 

 

そう言って、オーマジオウは、その場所から消えた。

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

我が魔王のいる場所

「取りあえず、アタシ等は元の世界に戻る」

 

「私達の世界の立花響も心配だし……」

 

「そうか。わかった。なにか分かったときはまた来てくれ」

 

「ああ……(天羽奏が、まさかあんな状態だなんてビックリしたぞ…)」

 

 

あの後、二人は奏に会いに行ったのだ。

 

 

―――――――――――――――――――――

 

「………」

 

「…なぁ、天羽奏……で、合ってるんだよな?」

 

「…(なんだか、元気がない…)」

 

「…?……あぁ、翼から聞いてるよ……平行世界から来た装者なんだろ?」

 

「ええ……。ねぇ、どうしたの?元気がないように見えるけど……」

 

「………アタシさ、わかんなくなっちまったんだ……」

 

「どういうこと?」

 

「アタシの一言を、あいつは呪いの言葉って言った。でも、アタシはそんなつもりで言ったんじゃない。本当に生きてほしかったんだ。……でも、そのせいで、あいつは一度すべてを失った………。まるで、昔のアタシのように……」

 

「……本当に、この世界とアタシたちの世界とじゃ違いが大きすぎるな…」

 

「……あんたらの世界って、どんなんだ?」

 

「……え、えっとだな……。………聞きたいか?」

 

「…(コク)」

 

 

奏は、ゆっくりと首を下げた。

 

 

「……分かった。アタシたちの世界ではな………」

 

 

そうして、クリスとマリアは自分たちの世界のことを奏に話した。

 

 

「……そうか。お前たちの世界じゃ、アタシは絶唱歌って死んでんのか……」

 

「ああ。そう聞いてる」

 

「………この世界のアタシも、死んだ方が良かったのかな…?」

 

「な、なに言ってるのよ!!」

 

「だって、生きて欲しいと言ったつもりの言葉が呪いの言葉に変わってた。力があるのに守れなかった。あいつが傷ついているのにも気づいていなかった……。アタシが、生きるのを諦めるなって言って、それでなにもしていなかった!」

 

「…………」

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「……この世界の天羽奏は、かなり落ち込んでいるわね……」

 

「そうだろうな……。生きろと言ったつもりの言葉が呪いの言葉だって言われたんだもんな……。あいつとは、本当に正反対だ……」

 

「とにかく、私達の世界に帰りましょう」

 

「……そうだな」

 

 

そうして、二人は自分たちの世界に一時帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お帰り!!クリスちゃん!!マリアさん!!

 

 

「「………は?」」

 

 

二人が帰った次の瞬間、寝込んでいるはずの【立花響】がいた。

 

 

「……え、なんで、お前ここにいんだ…?」

 

「治療室で寝てたはずじゃ……?」

 

「えぇ~と、実は……。……ってそんなことより!大変だよ二人とも!!すぐに来て!!」

 

「え、ちょ!」

 

 

そうして響に引っ張られる二人。

そして、響に連れて行かれるままになり、そして治療室に着いた。

 

 

「治療室……?」

 

「お前が本来いるべき場所だろ」

 

「そうじゃないんだって!!」

 

 

そうして三人が部屋に入ると……

 

 

「なッ!?」

 

「なんで……どうなっているの!?」

 

 

二人が見たもの、それは……。

 

 

「おお!!クリスくん、マリアくん、帰ってきたのか!!」

 

「クリスさん!!マリアさん!!」

 

「皆さん……!!!」

 

 

そこには、この世界の【風鳴弦十朗】と【緒川慎次】そして、錬金術師の【エルフナイン】がいた。

だが、二人が驚いたのは、三人がいることじゃなかった。

 

 

「先輩……ッ!!?」

 

「調、切歌……ッ!?」

 

 

そう、この世界の【風鳴翼】とこの世界の装者である【月読調】と【暁切歌】が治療室のベットで、病人の服装で寝ていたからだ。

 

 

「おい、これどうなってだよッ!?」

 

「なんで三人が…ッ!?」

 

「クリスさん、マリアさん。落ち着いて聞いてください。これはお二人がギャランホルンで平行世界に行ってからの話です………」

 

 

そうして、エルフナインは語った。二人がいない間になにが起きたかを………。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

~S.O.N.G.司令室~

 

 

「司令!!このS.O.N.G.内部に侵入者です!!」

 

「なんだとッ!?」

 

 

この時に、S.O.N.G.内部に侵入者が現れたのだ。

 

 

「叔父さま!!」

 

「翼、切歌くんに調くん!!ただちに侵入者の対処に向かってくれ!!」

 

「まさか先輩があんな状態になっている最中に侵入者が現れるなんて……空気読めデスよ侵入者!!」

 

「司令、侵入者は今どこに?」

 

「………ッ!!司令、侵入者の場所の特定が出来ました!!ッ!!この場所は!響ちゃんの寝ている治療室に向かっているようです!!」

 

「なんだとッ!?」

 

「侵入者の映像は?」

 

「……できました!!映像に映します!!」

 

 

そうして、映像に出たのは、正に王の風格を持つ、複眼に【ライダー】と赤で書かれている、金と黒の戦士だった。そう、【オーマジオウ】である。

 

 

「あんなに堂々と……ッ!!」

 

「侵入者を止めるのデスッ!!」

 

「治療室には未来さんもいる……。だから、私たちがやらないと…!!」

 

「頼んだぞ!!」

 

 

そうして、その場所に向かった三人の装者たち。

 

 

「待て侵入者!!」

 

「ここから先へは行かせないのデスッ!!」

 

「これ以上行くというなら、私達が相手になる」

 

『………お前達では、私を倒すことはできない……』

 

「ほう?それはどうかな?私達を甘く見るな!」

 

「アタシたちの力、見せてやるのデスッ!!」

 

「行こう、翼さん、切ちゃん」

 

 

そうして、三人は歌を歌う。

 

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

「Zeios igalima raizen tron」

 

「Various shul shagana tron」

 

 

そうして、三人はシンフォギアを纏った。

 

 

「さぁ、三対一だがどうする?」

 

「降参するなら今の内デス!!」

 

「私達を甘く見ないほうがいい……」

 

『言っただろう。お前達では私には勝てない……。それは、私が、生まれながらの王だからだ……』

 

「王?高ぶりか!!」

 

「王デスか?そんなの…………デデデデェスッ!!?景色が変わったのデスッ!」

 

「どういうこと……?」

 

 

《Stage select!!》

 

 

『あの場所では少々狭かったのでな……ここならお前等は思う存分戦えるだろう?』

 

「お前がこれをやったのかッ!?」

 

「調、いくデスよ!!」

 

「うん、切ちゃん!!」

 

「待て、暁、月読!!」

 

 

二人は翼の言葉の前よりもオーマジオウに攻撃した。

切歌は、鎌で。調は丸のこで。だが、オーマジオウはその場から動かずに、衝撃波を出し、二人を吹き飛ばした

 

 

「きゃあ!!」

 

「デェス!!」

 

「月読!!暁!!」

 

『その程度ではこの私には勝てない……』

 

「くッ!これを喰らえ!」

 

 

【蒼ノ一閃】

 

 

翼はアームドギアを巨大化させて蒼い斬撃を放った。

だが、オーマジオウはそれをエネルギーの膜で防いだ。

 

 

「なにッ!?」

 

「攻撃が、効かないのデスッ!」

 

「強い……ッ!!」

 

『その程度なのか?』

 

「言ってくれる………ッ!」

 

「まだまだデスッ!!」

 

「私たちはこの程度じゃない!!」

 

 

そして切歌と調はお互いのアームドギアを合体させた。

イガリマのワイヤーアンカーで対象を固定し、更にそのワイヤーでイガリマとシュルシャガナを繋ぐと共に挟撃態勢に入る。これにより、相手を確実に裁断する技、【禁殺邪輪 Zあ破刃エクLィプssSS】である。

 

対して翼はオーマジオウの影に小刀を打ち込み動きを封じる技、【影縫い】を使い、オーマジオウの動きを封じた。

 

 

『………』

 

「これで、終わりなのデスッ!!」

 

「翼さんの影縫いはそう簡単に破れない!」

 

「行けッ!!」

 

 

そうして、イガリマの刃の着いている丸のこが回転しながらオーマジオウを襲う。

 

 

『……元から、動くつもりなどない……』

 

 

オーマジオウがそう言うと、オーマジオウの周りから一つ一つが巨大な黄金のエネルギー弾が現れ、二人を襲う。

 

 

「危ない!!」

 

 

コントロールをしている調はそれを避けるも、すぐに自分たちの方を追ってきた。

 

 

「ホーミングッ!?」

 

「調ッ!!前!!」

 

「え!?きゃあ!!」

 

 

そして、前から来ているエネルギー弾に気づかずにエネルギー弾に当たってしまい、技は失敗に終わった。

この技は【仮面ライダーW】の【ルナ】の力を使ったのだ。

 

 

『さて……これは邪魔だな』

 

 

オーマジオウは自分の影に刺さっていた小刀を消滅させた。

 

 

「なにッ!?」

 

「アタシたちの技が……」

 

「防がれた……」

 

 

『……つまらないな。お前達の力はこの程度だったとは……』

 

「なに?」

 

『貴様ら程度では、私には届かないと言っている』

 

「貴様……ッ!!暁、月読!!イグナイトモジュールだ!!」

 

「イグナイトをッ!?」

 

「…確かに、あれじゃないとあいつには勝てないかもしれない……」

 

『ほう?その通常の形態より、さらに上があるのか?ならば見せてみよ』

 

「いいだろう……。イグナイトモジュール、抜剣ッ!!」

 

 

そうして、三人のシンフォギアが黒が基準の姿になった。

 

 

『ほう……確かに、さっきよりは幾分かは力が上がってはいるが……所詮その程度か!!』

 

「あまり私達の力を舐めるな!」

 

 

そうして翼は両手に構えたアームドギアから火炎を放出し、自身を青い火の鳥と化してオーマジオウに突進する、【炎鳥極翔斬】を放った。

 

 

「この翼は、そう簡単には止められないぞ!!」

 

『………つまらなすぎる……』

 

 

オーマジオウは手を掲げると、そこから紅蓮の不死鳥型のエネルギーを翼に向けて放った。

これは【仮面ライダービルド】の【フェニックスボトル】の力を使った技である。

 

 

「なにッ!?ぐあああああぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「先輩!!」

 

「イグナイトの技も……!!」

 

『どうした?貴様らは来ないのか?』

 

「くっ!!行くデスよ調!!」

 

「うん、切ちゃん!!」

 

 

そうして切歌は2本の鎌を合わせ高枝切りばさみのような形状にして、相手を挟み切る【双斬・死nデRぇラ】を。

調は禁月輪の状態で両手に持ったヨーヨー型のアームドギアを巨大化させて三つの巨大な刃で移動しつつ攻撃を行う技、【β式 大三巨輪】を、オーマジオウに放った。

 

これもイグナイトモジュールになっているため、威力も格段に上がってはいるのだが、それもオーマジオウの前では無力だった。

 

 

『挟み撃ちか……だが無意味だ!!』

 

 

そうしてオーマジオウはライダーズクレストを召喚した。

そこから、ライダーたちが召喚され、二人の攻撃を防いだ。

 

 

「デデデデェス!?」

 

「なに…?」

 

「なんだ…あれは……?」

 

 

オーマジオウが召喚したライダー。それは……

 

 

《キングフォーム!!》

 

《ダークキバ!!》

 

《エターナル!!》

 

 

一人目はミサイルの直撃や200tの衝撃にも耐える【仮面ライダーブレイド・キングフォーム】

二人目は核爆発にすら無傷で耐えるほどの防御力をさらに超えた存在【仮面ライダーダークキバ】

三人目はあらゆる攻撃をシャットアウトするマントを持つ、【仮面ライダーエターナル】

 

 

 

『さぁ……私の僕に、勝ってみせよ……』

 

 

そうして、絶望的な第二ラウンドが始まった。

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

絶望的な力の前に

前回、原作世界に出現したオーマジオウ。

そしてそれに対抗する三人の装者。

オーマジオウが召喚した三人の仮面ライダー。

 

どうなるかっ!?

 

 

 

~司令室~

 

 

「翼さん、切歌ちゃん、調ちゃんが侵入者と対峙しました!」

 

「……あの侵入者、目に【ライダー】って書かれてません?」

 

「まぁ、確かにそうですが、今はそんなところではありませんよ」

 

「あの侵入者……一体何者なのだろうか……?」

 

 

そうして、弦十朗は目の前のモニターに目を向ける。

唐突に表れた謎の存在。それに困惑していた。そして……。

 

 

「ッ!?景色が変わった………ッ!?」

 

「なんだとッ!?どういうことだッ!?」

 

 

突如、景色が変わったのだ。

 

 

『あの場所では少々狭かったのでな……ここならお前等は思う存分戦えるだろう?』

 

 

「あの侵入者がやったのか……?」

 

「景色が変わったのと同時に、三人の装者と侵入者の場所のポイントが移動されています!!」

 

「空間移動……!?」

 

「そんなことが出来るなんて……ボクやキャロルと同じような錬金術!?」

 

 

 

そうして、時間が進むにつれて、装者たちと圧倒的な差を見せつけるオーマジオウ。

 

 

 

「装者たちの攻撃が効いていない…!?」

 

「あの侵入者から感じられるエネルギーは、もはやシンフォギアとは違う別のなにか……エネルギーだけでも翼さんたちを超えています!!」

 

「差が……歴然すぎる……!!」

 

 

そうして、画面の奥の装者たちがイグナイトモジュールへと姿を変えるも、すべて無駄に終わっている。

 

 

「イグナイトでも……!!」

 

「一体、奴は何者なんだ……ッ!?」

 

 

そうして、召喚されるライダー。

 

 

「なんだ、あれは……ッ!?」

 

「召喚術!?」

 

「それに、イグナイトの技を防いだ……ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『行け』

 

 

そうして、三人の仮面ライダーは動いた。

 

 

【風鳴翼VS仮面ライダーブレイド・キングフォーム】

 

【暁切歌VS仮面ライダーエターナル】

 

【月読調VS仮面ライダーダークキバ】

 

 

の勝負となり、圧倒的になる。

 

 

 

そうして、最初は剣同士の戦いを見ていこう。

 

 

「はあぁッ!!」

 

『………』

 

 

翼はブレイドに何度も攻撃をするが、ブレイドには傷一つついていなかった。

 

 

『………』

 

 

そして、ブレイドは動いた。

ブレイドは単体ラウズを使い、【マッハジャガー】の力を使って高速化し、翼の後ろに立って翼を【ブレイラウザー】に【スラッシュ】【サンダー】のカードを読み込ませた。

 

 

《LIGHTNING SLASH》

 

 

電撃を纏った攻撃を翼に当てた。

 

 

「グハァ!!」

 

 

その一撃で、イグナイトモジュールは解除された。

 

 

 

 

 

そして、死神と死神の戦いを見て行こう。

 

 

『さぁ、死神のパーティータイムだ!!』

 

「死神はアタシの特権デス!!真似するなデス!」

 

 

そう言いながらも【エターナルエッジ】とアームドギアの鎌が打ち合う音が響き渡る。

そして、エターナルは一本の水色のメモリをエターナルエッジに差し込んだ。

 

 

《ICEAGE MAXIMUM DRIVE!!》

 

 

そして、エターナルエッジの刀身が凍りつき、エターナルエッジを振るうと氷の斬撃が切歌を襲う。

 

 

「デェスッ!?」

 

 

そうして、その斬撃がアームドギアと手に当たり、そこから凍りつく。

 

 

「て、手が凍ってしまったのデス!!」

 

『死ねぇ!!』

 

 

《ETERNAL MAXIMUM DRIVE!!》

 

 

エターナルメモリをエターナルエッジに差し込む。

そしてエターナルは切歌の元へと走り、エネルギーを足先に集中させ、∞の軌跡を描く跳び回し蹴りを切歌に喰らわした。

 

 

 

「デェェェス!!」

 

 

 

そうして、イグナイトモジュールも解除された。

 

 

『さぁ……地獄を楽しみな!!』

 

 

 

 

 

最後に、黒き者同士の戦いを見よう。

 

 

 

「フンっ!」

 

『…………』

 

 

調は丸のこでダークキバを攻撃しているが、ダークキバにはダメージは入っていない。

 

 

『その程度か』

 

「ッ!!……どういうこと?」

 

『多少力が上がっただけでは、ファンガイアのキングである俺には勝てない』

 

「バカにして!!」

 

 

そうして調はヘッドギアの左右のホルダーから巨大な2枚の回転鋸を放つ技、【γ式・卍火車】をダークキバに向けて放った。だが、ダークキバはそれを握りつぶした。

 

 

「ッ!?」

 

『つまらない。これで終わりだ……』

 

 

《ウェイクアップ・1》

 

 

ダークキバはフエッスルを使い、拳にエネルギーを溜めると、空へと飛び、遥か上空からストレートパンチを繰り出した。調はそれでイグナイトモジュールを解除された。

 

 

 

『お前達では私達には勝てない……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、ぐう……」

 

「あ、アタシたちでは……」

 

「こいつに…勝てない……」

 

 

三人は、倒れながらも目の前の敵、【オーマジオウ】に目を向けていた。

 

 

『言っただろう。お前達では、私には勝てないと……』

 

「き、貴様は一体……何者なのだ……!?」

 

『私の名か?いいだろう。私の名は【オーマジオウ】。最高最善の、王だ……』

 

「王……正しく、その名の通りの強さ……」

 

「あなたは一体、なにが目的なの……ッ!?」

 

『貴様らが知る必要はない……何故なら、貴様らが寝ている間に、すべて終わるからな……』

 

「それは、どういう意味デスか……?」

 

『しばらく、眠っているがいい』

 

 

そうして、オーマジオウはベルトの両側を押した。

 

 

《ドライブの刻!!》

 

 

《フルスロットル!!》

 

 

 

そうして、三人の周りを黄金のエネルギーで生成された車がぐるぐると回る。

 

 

「なんだ…!?」

 

「なにかがグルグルと回っているのデス!!」

 

「まずい…囲まれた………」

 

 

そうして、オーマジオウがその場から()()()

オーマジオウはジャンプし、車型エネルギーの壁面を蹴って中点の三人に何十発もの蹴りを三人に浴びせた。

 

 

「「「うぁああああああああああ!!」」」

 

 

そうして、三人のシンフォギアは完全に解除された。

 

 

 

『…………』

 

 

 

オーマジオウは再び歩みを進めた………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待て……!!」

 

 

だが、それを止める者がいた。

 

 

『……貴様は、何者だ?只者ではないことは分かる……』

 

「なぁに、ただお前が倒した彼女たちの保護者さ」

 

 

そういい赤いTシャツを脱ぎ捨て拳を構える大男、【風鳴弦十朗】。

 

 

「お前の目的、聞かせてもらうぞ」

 

『出来るものならやってみるがいい』

 

 

そうして、再び景色が変わった。

今度は動きやすいようにかなにもない草原に変わった。

 

 

「景色が……!!どうやっているかは知らんが、異端技術だということは分かる……」

 

『異端技術……ハッ、この私を聖遺物などと一緒にするな』

 

「……では……行くぞ!!」

 

 

そうして、弦十朗は高速でオーマジオウの元に行き、拳を当てた。だが、オーマジオウには効いていなかった。

 

 

「何っ!?」

 

『良い一撃だ……。だが、その程度では私には勝てん』

 

 

オーマジオウは拳にエネルギーを溜めてその拳で弦十朗の腹に拳を当てた。

その衝撃で弦十朗は口から吐血し、遠くにまで吹き飛ばされる。

 

 

「ガハァ………ッ!!」

 

『貴様は確かに強い。だが、所詮はその程度。私には勝てない……。行け』

 

 

オーマジオウがそう言うと、弦十朗の周りにいくつものライダーズクレストが現れる。

 

 

「これは……ッ!!」

 

『貴様は確かに強い……だが、見込がない。簡単に言えば……()()()()

 

 

その瞬間、ライダーたちがキック態勢で現れる。

 

 

【仮面ライダーオーズ・ガタキリバコンボ】

 

【仮面ライダーゴースト・グレイトフル魂】

 

【仮面ライダークローズ・クローズエボルフォーム】

 

 

「な……ッ!!」

 

 

《スキャニングチャージ!!》

 

《グレイトフル オメガドライブ!!》

 

《マッスルギャラクシーフィニッシュ!!》

 

 

『『『ハアアアアアアァァァァァァァァァァァ!!!』』』

 

 

50人全ての分身体が一斉に同時に放つ跳び蹴りを放つ【ガタキリバキック】

15の偉人を召喚して主にライダーキックを繰り出す【オメガドライブ グレイトフル】

クローズとエボルのオーラを纏ったキックを放つ【マッスルギャラクシーフィニッシュ】

 

 

合計で68人分のライダーキックが生身の弦十朗は喰らってしまった。

 

 

 

「グアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァ!!!!」

 

 

 

そうして、景色が戻ると、弦十朗は大怪我のまま気絶していた。

 

 

 

『……私ほどではないが、お前は強い。褒美だ』

 

 

 

すると、オーマジオウは黄金のエネルギーの球体を出現させると、それを弦十朗の体に取り込ませた。

すると弦十朗の怪我は完璧に治っていた。

 

 

『これで、お前が起きれば後は何もない……』

 

 

そうして、オーマジオウは歩みを進めた……。

 

――――――――――――――――――――

 

 

~司令室~

 

 

「司令が……やられた……ッ!!?」

 

「嘘でしょ……あの司令が……!!?」

 

 

司令室では、さきほどの戦いを見ていた者たちが驚愕の声を上げていた。

 

 

「司令が倒させるなんて………これでは僕でも倒せそうにありません……!」

 

「だったら、このまま侵入者……オーマジオウって言うやつの侵入をこのまま指を咥えてみていろって言うのッ!?」

 

「でも、どうすれば……!!」

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

そうして、治療室の扉の前。

 

 

『………ここか』

 

 

だが、治療室の扉には当然のようにロックがかかっていた。

 

 

『この程度の施錠で私を止められるなど、大間違いだ……』

 

 

オーマジオウは扉を壊さず、()()()()()()()

そしてそこには寝込んでいる立花響と、この世界の小日向未来がいた。

 

 

「ひ、響には手を出させない!!」

 

『貴様に用はない』

 

 

オーマジオウは未来に向けて掌を向けると、その一瞬で未来の時間は止まった。

 

 

『さて……』

 

 

そうしてオーマジオウは寝込んでいる響に近づく。

 

 

『……なるほど、そういうことか。私の世界の響と、この世界の響の感覚がリンクしている……。ならば、そのリンクを断ち切ればいい………』

 

 

オーマジオウは響に黄金のエネルギーを流し込んだ。

そうした後にしばらくすると、響の顔色が良くなった上に、穏やかになった。

 

 

『これで、この世界に用はない……』

 

 

そうして、オーマジオウはその場から姿を消した。

 

 

 




そう言えば、68人分のライダーキックって書いたけど、オーマジオウって2068年の仮面ライダーだった。

スゴイ偶然になってた。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

原作世界と並行世界

こんかいはかなり短いです。


~回想終了~

 

 

「嘘だろ……オーマジオウ…!?」

 

「なんでそいつが私達の世界にいるのよ…!!」

 

「なんだッ!?二人とも、何か知っているのか!?」

 

「ええ、実は……」

 

 

そうして、二人はオーマジオウのことをを話した。

 

 

「平行世界の存在…!?」

 

「平行世界の存在がどうしてボクたちの世界に…ッ!?」

 

「それに、どうやって響さんを治したのかも謎です」

 

「ああ。現にこいつはオーマジオウの力で治ったんだろ?」

 

 

そうしてクリスは響のことを親指で差した。

 

 

「うん……でも、どうしてワザワザそんなこと……?」

 

「……?そう言えば……さっきから気になってたんだけど、小日向未来は?」

 

「そう言えば、いないな…どこ行ったんだ?」

 

「……ここに居ます……」

 

 

そうしてエルフナインがカーテンを開けた。

そしてそこには……。

 

 

「はぁッ!?」

 

「どうなってんだこりゃっ!?」

 

 

そこには、時間が止まった状態の未来がいた。

 

 

「あれから未来さん、ずっとこのままなんです」

 

「いろいろ調べてみたんですけど、まったく分からなくて……」

 

「クリスくんにマリアくんは何か知らないか?」

 

「たぶん、あちらの世界での情報によると、たぶん時間が止まっている状態ね……」

 

「確か、オーマジオウってやつは時間も操ることができるっていうから、強ち間違いじゃねぇかもな」

 

「時間を止める……っ!?じゃあ未来くんはずっとこのままなのかっ!?」

 

「……いえ、時間を止めれるのなら動かすこともできるはず……もう一度平行世界に行ってオーマジオウに直接頼むしかないわね」

 

「そうか……俺達には何もできない。頼んだぞ、二人とも……」

 

「あの~~、だったら私も「響さんは駄目です。さっき回復したばかりなんですから」うぅ~~」

 

「とにかく、私達はもう一度平行世界にブ―――――ッ!!ブ――――――ッ!!この音はッ!?」

 

 

突如、大きな音が治療室に響いた。

 

 

「アルカ・ノイズ……!!」

 

「またはぐれ錬金術師かっ!?」

 

「まずいぞ……とにかく、アタシとマリアで行くしかない!!」

 

「ええ、とにかく、一度司令室に戻りましょう!!」

 

 

そうして司令室に戻った一同。

 

 

「クリスさん、マリアさん!!戻ったんですか!!」

 

「口を動かす前にまず手を動かして!!」

 

 

司令室でアルカ・ノイズの出現場所を探っているこの世界のあおいと朔也。

そうして………。

 

 

「出現ポイント、絞り込めました!!」

 

「映像に映します!」

 

 

そうして映ったのはアルカ・ノイズとそれを操る錬金術師。

 

 

「錬金術師の野郎……!!」

 

「すぐに行くわよ!!」

 

 

そうして二人が司令室を出ようとした瞬間

 

 

「ッ!?司令!!アルカ・ノイズ出現ポイントに一般人が!!」

 

「なんだとォ!?」

 

 

そうして映像に映ったのは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そしてその少女を見て二人は固まった。

 

 

「なんであんなところに一般人が……ッ!?」

 

「ていうか、なにあの服装…?」

 

「そんなことはどうでもいいでしょ!!二人ともすぐに……って二人とも、どうしたのよッ!?」

 

「二人とも、どうしたんだッ!?」

 

「クリスちゃん?マリアさん?」

 

 

皆が呼びかけるが二人は固まったままだった。

そして、映像に映っているアルカ・ノイズが少女を攻撃していた。

 

 

「ッ!!」

 

 

それに驚く一同だったが、すぐにその不安は取り除かれた。

 

 

「な、何っ!?」

 

 

なんと、少女はアルカ・ノイズを倒していたのだ。

そして少女の手には『ヤリ』と書かれた黄緑色の槍を持っていた。

 

 

「アルカ・ノイズが………ッ!?」

 

「シンフォギアじゃないのに…!」

 

「「あり、えない……」」

 

「え?」

 

 

そうして、映像の少女は、懐からペンダントを取り出した。

 

 

「なにっ!?」

 

「シ、シンフォギアっ!?」

 

「なんであの子が持っているのッ!?」

 

 

そう、少女が取り出したのはシンフォギアのペンダント。

 

 

「「ありえない………」」

 

「二人とも、なにがありえないんだ?」

 

「「なんで………―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『Balwisyall Nescell gungnir tron…』

 

 

「「なんで平行世界の立花響(あいつ)が、この世界にいるのよ(んだよ)!!??」」

 

 

「「「「「「え……えええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!!!???」」」」」」

 

 

そして、モニターに映っていたのは、ヤリと書かれた槍を持ち、逢魔降臨暦と言う本を持っていてマフラーで口元を隠している以外は立花響そのものだったのだ。

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

平行世界と原作世界の響

前回、原作世界に現れた【平行世界の響】。

平行世界の響は原作世界の錬金術師とアルカ・ノイズを倒すところから始まる。

 

 

「……」

 

 

逢魔響は拳のバンカーを伸ばして縮ませる。その勢いで大量のアルカ・ノイズを倒す。

だが、一体のアルカ・ノイズが響に触れると、その部分からシンフォギアが消滅していっている。

 

 

「ッ!!」

 

 

響はそれをすぐに【ジカンデスピア】でその部分を切って消滅を防いだ。

 

 

「ハハハハハ!!アルカ・ノイズの分解能力の味はどうだッ!?」

 

「分解…そういうことか。なら、これの方がいいか」

 

 

響は逢魔降臨歴から一枚の紙を取り出す。すると、その紙が【ベートーベンゴーストアイコン】へと変わる。

 

 

「ここは歌ではなく音楽で相手をしよう」

 

 

そうして、アイコンのボタンを押してシンフォギアのペンダントに吸収させる。

するとそこから【ベートーベンゴースト】が現れる。

 

 

「な、なんだッ!!?」

 

「来い、ベートーベン!」

 

 

そして、ベートーベンゴーストが響にかぶさる。

 

 

《曲名!運命!ジャジャジャジャーン!》

 

 

響は【ガングニール・ベートーベン魂】へと姿を変えた。

 

 

「はん!!パーカーを被っただけでなにも変わらない!!」

 

 

錬金術師は響にアルカ・ノイズを向かわせる。

だが、平行世界の響のことを知らない、いや、知っているはずがないため、この錬金術師は負けることになる。

 

突如、響の周りに音符が現れる。

そしてそれをアルカ・ノイズへと向けて飛ばす。

 

 

「そんなものでなにができる!」

 

 

錬金術師はそう叫ぶが、意味はない。

なにせ、その音符に当たった瞬間にアルカ・ノイズは赤い霧へと霧散したのだから。

 

 

「……へ?」

 

 

錬金術師の間抜けな声が聞こえた。

錬金術師はすぐに体制を立て直し、巨大なアルカ・ノイズを召喚した。

 

 

「こ、これが俺の切り札だ!!これで消えるがいいシンフォギア装者!!」

 

 

巨大アルカ・ノイズは響へと向かっていく。

だが、響は顔色一つ変えずに行動に移した。

 

 

「……消えろ」

 

 

響は空高くジャンプすると、【ジカンデスピア】のタッチパネル全体をスワイプする。

 

 

《カマシスギ フィニッシュタイム‼》

 

 

ジカンデスピアの鎌の部分にエネルギーが纏われる。

そしてそれを振るうと黄緑色のエネルギーの斬撃がアルカ・ノイズを襲い、アルカ・ノイズは真っ二つになった。

 

 

「は……嘘…だろ…?」

 

「嘘じゃない。さっさと現実を見ろ」

 

「こ、ここは一時退散だ!!」

 

 

そうして錬金術師はエネルギーを足に纏って自らの足を速くしてその場から逃げようとするが、響はそうはいかなかった。

響は再び逢魔降臨歴から一枚の紙を取り出した。それが【ツインブレイカー】に変わり、ギアのバンカーの代わりに装備される。

 

 

《ロック!!》《バイク‼》

 

 

【ロックフルボトル】と【バイクフルボトル】をセットする。

そしてそれを撃つと、バイク型のエネルギーが後ろに鎖をつけて錬金術師を追う。

そしてバイクが錬金術師の周りを徘徊し、錬金術師を鎖でぐるぐる巻きにする。

 

 

「な、なんだッ!!!?」

 

「おとなしくしろ。そしたら痛い目見ないで済むぞ」

 

「ひ、ひぃいいい!」

 

 

そして、その時に響と錬金術師の上からヘリが降りてきた。

 

 

「おい!」

 

「そこまでよ!!」

 

「ちょっと待って‼」

 

「……この世界の私か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、逢魔響はS.O.N.Gへとこの世界の装者とともに向かった。

 

 

「ようこそ、Squad of Nexus Guardians、通称S.「御託はいい。さっさと要件を言え」……」

 

 

この世界の弦十郎の言葉を断ち切った平行世界の響。

 

 

「ちょ、まだ師匠が喋ってる途中なのに‼」

 

「………」

 

「無視かよ」

 

「少しくらい喋ったらどう?」

 

「で、要件はある程度分かるが……大方なぜ私がこの世界にいるのかだろう?」

 

「「(また無視……)」」

 

「ま、まぁそんなとこだ。響く「馴れ馴れしいぞ」……」

 

「こ、この世界の響さんと平行世界の響さんとでは性格が正反対なんですね……」

 

「誰だ、このガキは?」

 

「ガキッ!!?」

 

 

平行世界の響にガキと言われショックを受けるエルフナイン。

 

 

「ちょ!!この子には【エルフナイン】ちゃんって言うちゃんとした名前があるんだよ‼」

 

「ちょ、平行世界の響ちゃん…もう少し穏やかに「うるさい化粧女」化粧女ッ!?」

 

 

この世界の【友里あおい】が平行世界の響に話すが、平行世界の響はあおいのことを【化粧女】と呼んだ。

 

 

「け、化粧なんて女性だったら誰だってするじゃない‼」

 

「まぁ確かにそうだが、私はしてない」

 

「あの…平行世界の響ちゃん。なんでそんなに不機嫌「お前はどっか行っていろ。生理的に無理だ」生理的にッ!?」

 

 

【藤尭朔也】が止めに入るが、『生理的に無理』といわれる始末。

 

 

「俺の…俺のどこが生理的に無理なんだよ…」

 

「あなた、時々変なこと考えてるからじゃないの?」

 

「平行世界の響さんは僕たちの知る響さんとは全く違うんですね…」

 

「そんなことはどうでもいいだろ。それで、私がこの世界に来た理由だが、あの黒いノイズのことを教えろ」

 

「カルマノイズのことか」

 

「ああ。あのノイズ、普通のノイズとは違った。どうしてなのかを知りにきた」

 

「…わかった。あのノイズは―――」

 

 

原作世界の弦十郎はカルマノイズのことを話した。

 

 

「なるほどな。それでお前らは私たちの世界に…知りたいことは分かった。さらばだ」

 

 

そうして響はオーロラカーテンを出現させようとする。

だが、

 

 

「ちょっと待って‼」

 

「…?なんだ、この世界の私」

 

 

そう、原作世界の響だ。

 

 

「実は、オーマジオウって人が、未来のことを止めて言っちゃったの‼お願い、元に戻して‼」

 

「(我が魔王が?そんなミスを?…何か意図的なものを感じる)は?なんであいつなんかのために……」

 

「未来は私の大事な親友なの‼」

 

「……わかった。やってやる」

 

 

そして、その場から響が消えた。

それに驚いた皆だったが、響はただ単に超高速移動しただけなのだが、この世界の住人からすれば、十分に驚くべきことである。

 

 

~治療室~

 

 

「……見事に時間が止まっているな」

 

 

逢魔響は治療室にやってきたが、そこで目にしたのは時間が止まっている未来と怪我をしている三人。

 

 

「この世界の風鳴翼か……あいつ自身を助ける感じで不本意だが、こいつらも治してやるか」

 

 

響は黄金のエネルギーを三人の取り込ませると、怪我が嘘のように消えた。

 

 

「さて、最後は」

 

 

響は未来にエネルギーを送ると、未来は動き出した。

 

 

「響は私が守……あれ?響?」

 

「………」

 

 

どうやら言葉を発している途中で止められたらしい。

 

 

「響、どうしたの?それにその恰好、いつもの響じゃない…」

 

「お前の知ってる私じゃないからな」

 

「え?」

 

 

そして、この世界の響たちが治療室に入ってきた。

 

 

「未来ぅ―――――――ッ!!」

 

「えっ、響が二人ッ!?」

 

 

響は未来に抱き着く。

同時に、寝ていた三人も起きていた。そして今の状態に驚いていた。

 

 

「立花が二人……ッ!!?」

 

「げげぇ―――‼響先輩が二人いるのデス‼」

 

「でも、服装が違う…?」

 

「おお、三人とも、起きたか‼」

 

 

弦十郎やエルフナインが三人が起きたことに喜んでいた。

そして……

 

 

「これでいいか?」

 

「あの…響なんだよね…?」

 

「平行世界のな」

 

「私たちの知っている立花じゃないが……これも平行世界だからか?」

 

「もういいだろ。私はもう行く」

 

 

そうして、響はオーロラカーテンを出現させた。

 

 

「な、なんだこれはッ!?」

 

「じゃあな」

 

 

響はオーロラカーテンの中に入る。

 

 

「あ、ちょっと待ってよ!」

 

 

だが、原作世界の響もオーロラカーテンの中に入っていった。

 

 

「ちょ、響‼」

 

「何やってんだあのバカは‼」

 

「たぶん、この先は平行世界……立花響を連れて帰らなきゃ…」

 

「では、私たちも行くぞ‼」

 

「はい、デェス‼」

 

「行こう!」

 

 

「おい、待て!」

 

 

弦十郎の静止を聞かずに五人もオーロラカーテンの中に入っていった。

それと同時に、オーロラカーテンも消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ここが、平行世界」

 

 

クリスたちは逢魔響のいる世界へと着いていた。

その場所は、住宅街だったが、この場所だけ、何もなく、草があるだけだった。

 

 

「なんでここだけ…?」

 

「あ、響先輩デス‼」

 

「この世界のバカもいるな」

 

 

五人は二人の響のいるところに向かった。

だが、二人がいるところを見て、五人は固まった。

それは、原作世界の響も同じだった。

 

 

「これ……どういうこと…?」

 

「……来たんだ。でも、静かにしてて。二人が眠ってるから……」

 

 

そこにあったのは、響の母親と祖母の名前が刻まれた墓標だった。

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

平行世界の事情を知った響たち 

久しぶりなので、今回もかなり短いです。


前回、逢魔響の世界に来た原作世界の響たちは響の母親と祖母の墓標がその場にあったことに驚愕した。

 

 

 

「あれから、今日で二年……二人は元気にしてるかな?」

 

 

 

響はいつものトゲのある言葉づかいではなく、一人の女の子と同じようなしゃべり方だった。

 

 

「お母さんと…おばあちゃんの名前が…どうして…?」

 

「この世界の立花の親族はもう……」

 

「でも、どうして…?」

 

「響さんが元気がないのは、これのせいだったのデスね…」

 

「………」

 

「…………」

 

 

翼たちは目の前の衝撃に口を動かすだけ。

マリアとクリスは事情を知っているために何も言えなかった。

 

 

「………殺された」

 

「…え?」

 

「私のお母さんと、おばあちゃんは…あのゴミどものせいで……!!」

 

「それって……――」

 

 

その時……

 

 

 

―ザッ……―

 

 

 

誰かの足音が聞こえた。

そして全員が後ろを振り向くと、そこには以外な人物がいた。

 

 

「つ、翼が二人…ッ!?それに……」

 

「わ、私が二人……ッ!!?」

 

 

この世界の【天羽奏】と【風鳴翼】だった。

この世界の響は二人を忌々しげに睨みつける。

 

『どうしてここにきた』と言いそうになったが、響は奏の持っている一つのものに目が留まった。

奏の手には花束があった。

 

 

「か、奏と、この世界の、私…!」

 

「貴様ら…何をしに来たッ!!」

 

 

響は周りの驚愕を無視して叫ぶ。

ここには墓が二つ。そして天羽奏の手には花束。

何をしに来たのかは容易に想像できたが、響はそれを許そうとはしない。

 

 

「……墓参りだ」

 

 

この世界の翼が小さな、力のない声で言う。

 

 

「墓参りだとッ!?ふざけるな!」

 

 

響は怒りの籠った声を叫び、奏に近づいたと思いきや、花束を無理やり奪い、黄金のエネルギーでそれを消滅させた。

 

 

「ちょッ!?」

 

「な、なにやってんだよお前ッ!?」

 

 

平行世界の装者たちはもちろん、この世界の翼と奏も驚く。

 

 

「二年前のあの日……あのライブの日。あそこで何があったのかを、私は知っている。あんなことをしなければ、たくさんの人が犠牲になることも!あのクズどもから迫害を受けることも!あいつがいなくなることも!お母さんとお祖母ちゃんが死ぬこともなかった!!全部お前らのせいだ!!」

 

「「ッ!!」」

 

「そんなやつらが墓参り……?笑わせるなッ!!助けようと思うなら今まで何をしていた?何もしていないクセに!なにもしなかったクセに!力があると分かった途端に目の色を変えてくるようなお前らに、助けを求めても助けようとしなかったやつが、人の命を思っていいわけがない!!!」

 

 

「……………」(ダッ)

 

「奏ッ!!!」

 

 

響が叫び終えた後、奏は涙目になりながらその場を去った。

そしてそれを追いかけるこの世界の翼。

 

 

「どうして……?どうしてそんなこと言うの?」

 

「は?」

 

 

そこで、反論したのは平行世界の響だった。

 

 

「確かに、私もあの二年間、つらい思い、悲しい思いもたくさんした。でも、死んじゃった奏さんの言葉で、私は今も生きてる。皆と楽しい毎日を送れてるのに……」

 

「それはお前らの世界の事情だろ。私の世界と一緒にするな「でもっ!!」?」

 

「人の命を思っていいわけがない?そんなことないよッ!!誰だって、命を大切に思ってるんだよッ!!」

 

「そうだっ!!大切に思っちゃいけねぇ命なんてねぇよ!」

 

「そうだぞ!誰だって命を大切に思っている!」

 

「そうよ!だから、この世界の天羽奏の行動だって、あなたを守るためなのよッ!?」

 

「そうデスッ!あの人だって、命を大切に思っているのデスッ!」

 

「うん。だから、この世界の響さんも、二人の気持ちを分かってあげて……」

 

 

平行世界の装者たちは一斉に響に言う。

だが、響の反応は……。

 

 

「じゃあ……」

 

「え?」

 

「じゃあ、私の家を燃やした奴らは?」

 

「え…?」

 

「私の家を燃やした奴ら。私のお母さんとおばあちゃんを殺した奴ら。私を殺そうとしたやつらは、私たちの命を大事に思ってるの?そんなわけないよね?」

 

「そ、それは……」

 

 

「………『もう死んだかな?あの人殺し』」

 

「え……?」

 

「『きっと死んでるぜ。もし生きていたら俺たちで袋叩きにすればいいだけだ』」

 

「な、なにを言ってるんだ…?」

 

「『確かにそうね。人殺しに人権なんてものは存在しないんだから』」

 

「ま、まさか……」

 

「『おい、周りの家にだけは燃え移らないようにしとけよ!』……だったなぁ…」

 

「そ、それって…」

 

 

「……察ししてるやつの通りだよ。忘れたくても忘れられない、あの日の出来事……こんなこと言うやつらを、救う価値はあるの?」

 

「そ、それは…」

 

「まぁ、結果的に言えば、そのあとノイズが現れてそいつら全員死んだけど……私も変わったなぁ。あなたを見ていると昔の私そっくり。でも……あの日のことで私の考えは180°変わった。人なんて救う価値のないただのゴミだと。そして、唯一信用できるのは我が魔王のみ……。では聞こう。家族を失った辛さ。それがわかるか?平行世界の私…?」

 

「…………」

 

「分からないだろ?そりゃそうさ。家族を失った点については、最初に会ったお前ら二人は、よくわかっているんじゃないか?」

 

 

「「ッ!!」」

 

 

確かに、【雪音クリス】は幼いころに両親を、【マリア・カデンツァヴナ・イヴ】は小さいころに妹を失っている。血のつながった家族を失った辛さは、実質この二人が一番経験している。

 

 

「なんで……知ってるんだよ……」

 

「それは、あなたには一度も話して、いえ、この世界の人間は知らないはずなのに…どうして……。……まさか」

 

「……猫耳は察したか。我が魔王にかかれば、世界が違かろうと情報はすべて知れる」

 

「猫耳ってのは不服だけど……それなら辻褄は会う…」

 

「……もうここら辺でいいだろ?さっさと帰ってもらヴヴ――――――――――ッ!!ヴヴッ―――――――――ッ!!

 

 

 

響がオーロラカーテンを出そうとした瞬間、ノイズの発生音が鳴る。

それに響が舌打ちをすると、すぐにその場所に向かっていく。

 

 

「あ、ちょっと待って!!」

 

 

そして、それを平行世界の響たちは追っていくのであった。

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

カルマノイズ

約一年ぶりの投稿…!皆さまお待たせいたしました!


期待の7000文字越えと予想外の出来事の連発!
それでは、どうぞ!


場所は先ほどとは違う町。しばらく歩けば海がある外陸。

私は爆音が響いたところにすぐさま向かった。

 

向かう途中に逃げる人々。

そりゃああれだけの爆発だ。混乱しないわけがない。

 

 

 

「一体、何が起こっているんだ…!?」

 

 

 

こんなことは私も予想がつかない。

いつも通りにノイズが出現したのならこんなに慌てることはないだろう。

 

だが、今回に関しては何やらいやな予感がした。

 

 

 

「なッ……!!」

 

 

 

そして、()()を見て私は言葉を失った。

 

 

 

何故なら、そこには大量の()()()()()()がいたからだ。

見た目は多種多様。今まで倒した雑魚ノイズの姿をしたカルマノイズたち。

 

 

なんでこいつらが!?

あの世界の情報じゃカルマノイズは一世界に一体だけしか出なかったらしいじゃないか!!

 

 

 

「カルマノイズ……!面倒な…!……?」

 

 

 

そのとき、何やら聞き覚えのある声――否、歌が聞こえた。

 

 

この声は私にとって不快でしかないこの歌。

これは…!

 

 

 

「ハァ!」

 

「タァ!」

 

 

 

私の目に、天羽奏と風鳴翼が映った。

風鳴の方はこの世界の方だろう。

 

 

 

「クソっ!こいつら強すぎる!」

 

「このままでは…!」

 

 

「仕方がない奴らだ…」

 

 

私は【ビヨンドライバー】を取り出した。

ドライバーを腰に取り付け、【ウォズミライドウォッチ】を起動させる。

 

 

ウォズ!

 

 

ウォッチをスロットに装填する。

もう一度ウォッチのボタンを押す。

 

 

アクション!

 

 

ウォッチのカバーが開く。

 

 

そして、レバーを倒す。

 

 

投影! フューチャータイム!

 

 

スゴイ!ジダイ!ミライ!

 

 

仮面ライダーウォズ! ウォズ!

 

 

 

私は仮面ライダーウォズに変身して、ジカンデスピアのヤリモードにしてカルマノイズを灰へと還す。

こいつら、案外弱い

 

 

「誰だッ!?」

 

「オーマジオウの仲間か!?」

 

『うるさいなぁ。さっさとこいつらを倒せ!』

 

「その声、立花か…!」

 

「………ッ!」

 

 

あの赤髪が唇を噛んで、悔しそうにしているが、今はどうでもいい。

私はジカンデスピアのタッチパネルをスワイプする。

 

 

 

爆裂DEランス!

 

 

 

槍の先端にエネルギーが溜まり、それを突き出すことで一直線にカルマノイズを灰へと化した。

 

 

『ふゥ…』

 

「……すげぇ」

 

「あれだけのノイズが、たった一瞬で…」

 

『いいや、まだだ』

 

 

私が違う方向を見ると、そこからまた別のカルマノイズがやってきた。

そして、先ほどと違うところは…

 

 

「さっきのヤツ等より、一回り大きい…」

 

 

先ほどのカルマノイズより、大きさが違った。大きさが違うだけかと思われるが、

大抵が、大きさ=ほぼの確立で硬さに比例している。

 

 

「あのノイズ…先ほどのカルマノイズとは大分違うぞ…」

 

「あぁ。気をつけなきゃな」

 

 

 

 

「あっ!おい待て!」

 

「一人では危険だ!」

 

『うるさい!』

 

 

私はウォッチを取り換える。

 

 

シノビ!アクション!

 

フューチャーリングシノビ!シノビ!

 

 

ヒューチャーリングシノビに変身し、影分身をする

 

 

「増えた!」

 

 

私たちは一斉に周りのカルマノイズを『カマモード』で斬り伏せる。

 

本体の私が一気に大きいカルマノイズの中でも特にデカいカルマノイズへと詰め寄り…

 

 

忍法!時間縛りの術!

 

 

分身とともに斬撃を生み出しともにカルマノイズへと攻撃をした。

当たりはしたが、効いている様子はない。

 

 

「あれだけの連続攻撃でまだダメなのか…!?」

 

 

まぁその通りだと思っておこう。

固すぎるだろあれ。

 

 

『だったら次はこれだ!』

 

 

クイズ!アクション!

 

フューチャーリングクイズ!クイズ!

 

 

今度はヒューチャーリングクイズへと変身し、レバーを開いて閉じる。

 

 

不可思議マジック!

 

 

大量の?マークが出現し、カルマノイズを捕縛する。

そして、そのマークがそのまま大爆発を起こし、辺り一面に爆風が巻き起こる。

 

 

「うぐゥゥ…!」

 

「うぅうう…!」

 

『……………』

 

 

 

これでどうだ?

……だが、その考えは虚しかった。

 

 

「おいおい嘘だろ…!?」

 

「あれだけの爆発で…!」

 

『チッ』

 

 

まだ、生きていた。いい加減炭になればよいものを。

だが、効いている様子はある。あと一撃か二撃当たりを食らわせればいけそうだ。

 

 

 

キカイ!アクション!

 

フューチャーリングキカイ!キカイ!

 

 

 

ヒューチャーリングキカイに変身し、レバーを再び開けて閉じる。

 

 

フルメタルブレーク!

 

 

その瞬間、周りの電柱から電流が流れ、それが一つの塊となり、カルマノイズに雷のように直撃する。

 

 

『これで、どうだ…?』

 

 

砂ぼこりが晴れた。

そこには…

 

 

「まだ、倒れねぇのか!?」

 

 

まだ、そこにはカルマノイズは健在だった。

だが、確実に弱っている。あと一撃だ。

 

 

『これで、終わりだ!』

 

 

私はジカンデスピアのタッチパネルをスワイプして、エネルギーを溜める。

そのとき…

 

 

「はぁああああああああ!!!」

 

 

何度も聞いたことのある。聞き覚えのある声がした。

これは、()()()だ。

 

その声とともに、カルマノイズが爆発した。

煙が晴れると、やはり…

 

 

「大丈夫ですか!?」

 

「カルマノイズは倒せたようだ」

 

「バカでけぇカルマノイズだったのに、案外楽勝だったな」

 

「でも、弱ってたというのもあるわ」

 

「でも倒せてよかったのデス!」

 

「そうだね、切ちゃん」

 

 

あちらの世界の装者だ。

 

 

「あの…そちらのキカイと顔に書いてある方は…」

 

『…余計なことを…』

 

「その声、この世界の立花か!?」

 

「一体全体なんなんだよその恰好!?」

 

『我が魔王から授かりし最高の一品だ』

 

「……世界が違うと性格も違う…」

 

「こっちの響さんもおかしいデスけど、こっちの響さんはもっとおかしいのデス!」

 

『うるさい』

 

 

全くこいつらは…。何故こんな地獄絵図を体現しているような状況でこんなことが…

 

 

『とにかく、私は他のカルマノイズを倒す「待って!」なんだ?』

 

 

私を止めたのは…別の世界の私か?

 

 

『なんだ?』

 

「一緒に協力して、カルマノイズを倒そうよ!」

 

『は?協力?お前等がいなくとも、私と我が魔王で…否。我が魔王だけでカルマノイズごとき一掃できる。だが、今我が魔王はいない。だからこそ、私がやらなくてはならないのだ。それに、お前等じゃカルマノイズ一体を相手にするのも大分苦労するだろう』

 

「そんなの、やってみなくては「いや待て、この世界の私」どうしたんだ?」

 

「立花の言う通り、カルマノイズは強力だ、油断しない方が賢明だ」

 

「……ッ確かに、そうだ」

 

 

現に、風鳴は私がここに来るときにカルマノイズと戦っていたから分かっているはずだ。カルマノイズ一体一体の強さを。

 

 

『それに、私一人でカルマノイズは倒せる。充分だ。お前らはお得意の人助けでもしてろ』

 

 

そうして私は体から電磁波をだして、近くに会った車の屋根に乗り、それを操って別の方向へと向かっていくのであった。

 

 

「あ、ちょっと待って!!………」

 

「ここの立花は、難しいな…」

 

「あぁ。これもすべて、私が、弱いせいだ」

 

「翼のせいじゃねぇよ。アタシだって悪いさ。アタシのせいで、あいつは…」

 

「嘆いているところ悪いけど、今はカルマノイズの相手をするのが先よ。どうして、カルマノイズがこんなに大量発生を…」

 

「カルマノイズのバーゲンセールだなんて、全く喜べないのデス…!」

 

「どうしてこんなことが…」

 

「今は考えても仕方ねぇ!とにかく今は―――って、どうしたんだ?」

 

 

「クリスちゃん……。実は、ここって……」

 

 

「あぁ。そうだったな……。立花にとって、苦い記憶がある場所だったな…」

 

「……この世界の私も、私と同じような境遇だったんですよね……。ってことは、つまり―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『はぁッ!』

 

 

私は車の屋根に乗りながら、カルマノイズが発生している現場へと急行していた。

一体、どこからこんな大量のカルマノイズが…だが、今考えていても仕方ない。

 

 

シノビ!アクション!

 

ヒューチャーリングシノビ!シノビ!

 

 

私は再びヒューチャーリングシノビになり、分身の術を使う。

10人当たりに増えた私たちは、ここらへとあふれたカルマノイズの群れに突入する。

最初に迫りくるのは人型のカルマノイズとカエル、オタマジャクシ、ナメクジ型のカルマノイズの大群。あのノイズにはこれと言った特徴はないため、突撃などの特攻だけが得意な雑魚。

 

斬撃だけで充分だ。

私の分身たちは迫りくるカルマノイズを斬り伏せる。縦に、横に、斜めに、ただそれだけの単純作業で充分だ。

だが、これだけならまだいい方だ。例えば―――

 

 

『飛んでいるヤツが、面倒くさい』

 

 

空を飛ぶカルマノイズが、厄介極まりない。

斬撃を飛ばすにしても、一体に当たるかどうか。これでは消極的だ。もっと、確実な広範囲の技は…

 

 

『変身』

 

 

クイズ!アクション!

 

フューチャーリングクイズ!クイズ!

 

 

私はフューチャーリングクイズに変身し、上にいるカルマノイズどもに問題を出す。

 

 

『問題。お前たちは、私に倒される。○か、×か?』

 

 

クイズの能力は相手に問題を出し、その回答が間違っているか無回答だったら問答無用で雷を喰らわすという能力。それに、ノイズには意思疎通能力がない。つまり…

 

その瞬間、空を飛ぶカルマノイズたちに、一斉に雷が降り注ぎ、灰へと化した。

 

このように、広範囲かつ一撃で倒せる。

さて、次は…

 

 

ツエスギ!

 

 

ジカンデスピアをツエモードにして、構える。

私の目の前にいるのは、ダチョウ型、タコ型のノイズ。

 

ダチョウ型は粘液を吐いてきて、タコ型は音に敏感だ。

だからこそ、ツエが最適だ。あいつらは近づく―――つまり接近戦だとこちらが不利になる。

もし仮に近づけばダチョウ型の吐く粘液をに体を絡めとられる。

そして、音に敏感なタコ型には近づいただけで先制攻撃をされる。だからこそ、遠距離攻撃が必須なのだ。

 

ジカンデスピアのタッチパネルをスワイプする。

 

 

不可思議マジック!

 

 

ジカンデスピアを構える。

私の周りに無数の緑色の球体型エネルギーが溜まり、それを弾丸として発射する。

 

図体だけでかいノイズだ。避けることもできず直撃し、灰と化す。

そして…

 

私は違う方向に向きなおる。

そこには大量のカルマノイズの群れ。―――本当にこいつらはゴキブリか?倒しても倒しても湧いてくる。キリがない。

私はドライバーのレバーを開閉する。

 

 

クイズショックブレーク!

 

 

その瞬間、カルマノイズたちを四角形の箱が閉じ込める。

この技は敵を不可思議な空間に閉じ込めて選択を迫り、解答を間違えた相手を爆破する技だ。

 

先ほども言った通り、ノイズには意思疎通能力はない。

つまり、爆発だ。

 

―――箱が、爆発する。とてつもない轟音、爆音、そして衝撃波に私を除いたすべてのものが、半径5M当たりだろうか?その範囲のものがすべて吹き飛んだ。

 

 

 

『…………』

 

 

 

通常状態に戻ったそのとき、またか。私は目の前に迫りくるカルマノイズの群れを見てそうため息をついた。

一体、こいつらはどこから湧いてくるのだろうか?我が魔王から聞いている【バビロニアの宝物庫】からではないことは確かだ。あれからは普通のノイズしか生まれない。

 

では、カルマノイズはどこから生まれている?

それがわからないことには、話は進まない。そして、この状況からも抜け出せない。

だが、かといってあのカルマノイズたちを無視できる現状ではない。どうにかして、この状況を―――

 

 

 

 

「うわぁあああああああ!!!」

 

 

 

―――ッ!?

だが、そんな私の考えは遠くから聞こえた声によってかき消された。

まだ誰か避難できていないヤツがいる!あのまま死なれても目覚めが悪い!私はカルマノイズたちを無視し、無理やり通り抜け、その声が聞こえた方向へと向かっていく。

 

走って走って走って。

そして、人影が見えてきた。ここからではよく見えないが、デカいカルマノイズたちに追いかけられているのは分かる。私はすぐにレバーを開閉する。

 

 

 

タイムエクスプロージョン!

 

 

 

高く飛び、キックの姿勢を取る。

脚にエネルギーが溜まり、斜めに急降下する。それをそのままカルマノイズへとぶち込み、爆発しながら灰へと化していった。

 

そして、私はそのまま追いかけられていた人へ向き直る。

 

 

『おいお前、大丈夫……か…!?』

 

 

その瞬間、私の時は止まった。

否、動けなくなったと言ったほうが正しいだろうか。脳が、体が、すべてが停止した。

 

なにせ、こいつは…この男は…ッッ!!!

 

 

 

「あ、ありがとう……助かったよ」

 

 

 

私の元・父親、【立花洸】……!!

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

「たぁ!」

 

「はぁ!!」

 

「せいッ!」

 

「たぁああ!!」

 

「デェス!!」

 

「えいッ!」

 

 

場所と時間は変わり、原作世界とこの世界の装者が、一斉にカルマノイズと戦っていた。

響は自分の武器である拳をカルマノイズへと叩き込む。そのカルマノイズは衝撃で後ろに下がるが、それだけだ。

 

 

「やっぱり、あまり効いてません!」

 

「すべてのノイズがカルマノイズ…!私たちすべてが出払わなければ、今すぐにでもやられていただろう!」

 

「だけど、この数は反則すぎんだろ!!」

 

 

そう言いながらも攻撃する皆だが、今のところ皆で協力してようやく2~3体倒せた程度だ。

それだけでも、皆の体力は限界に近くなっていた。

 

 

「数が…多すぎる」

 

「このままじゃぁジリ貧だな。どうする、翼?」

 

「このまま闘い続ける!それが私の使命だから」

 

「あぁそうだな。アタシたちがしっかりしなきゃな!」

 

 

そういい、この世界の二人の装者も、すかさずカルマノイズを攻撃する。

 

 

「…………」

 

翼は、攻撃しながらも奏のことを心配していた。奏は先ほどまで響に言われたことが心にダメージを与えていた。だが、今は一体だけでも危険なカルマノイズが大量発生している。そんな心配はする暇もないのだが、どうにも気がかりだった。

 

 

「ていやぁ!!」

 

 

事実、奏は先ほどとは違い、必死になって闘い続けている。

それでも、翼は心配になる。カルマノイズの特性の一つであるカルマノイズ自体が、人に破壊衝動を植え付ける『呪い』を持っているということ。この呪いと、奏の情緒不安定さがリンクしあい、奏自身が危険な状態にならないか、心配になってしまう。

 

 

「翼ァ!集中しろッ!」

 

「うんッ!」

 

 

だが、そんな心配も長くは続かず、その考えを一旦頭の奥にしまい、戦闘を続けるのであった。

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

『立花洸…!』

 

「ッ!?な、なぜ俺の名前を!?」

 

 

 

響は、こんなところで再開してしまった元・父親。【立花洸】を仮面越しに睨みつける。

自分たちを捨てて逃げた男。あれだけ信用していたのに、あれだけ頼りにしていたのに。どうして、どうして、どうして、どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして―――。

 

あのとき、ずっと頭の中で連呼していた言葉を、出来事を、響は忘れていはいない。

否、忘れることのできない、悪夢の一つなのだから。

 

 

「なんで、俺のこと知って…!?」

 

『――――――』

 

 

響は、レバーを開き、ウォッチを取り外して、変身を解除した。

そして、フードをゆっくりと、ゆっくりと下ろした。響の素顔が露わになる。

 

 

 

「ひ、響……ッ!!!???」

 

 

 

素顔を見た洸が、言葉を失う。

それは、ただ単なる驚愕からだけではない。もちろん、自分が捨ててしまったはずの娘と再会したことへの驚きと、そんな娘がノイズを倒していたこともある。

だが、一番の驚愕は表情。洸の知っている響の顔は、いつも笑顔だった。どんなときにも、笑顔を絶やさなかった。悲しむ顔をするのも、珍しいほどに。

 

だが、今の響の顔は、一言でいえば黒い。それは物理的にではなく、洸の幻覚だ。

簡単に言おう。今の響の顔は憎しみで歪められている。ただただ、目の前の男に憎悪を顔でぶつけている。

 

 

「……なんで、お前がここに…!」

 

「……響には、関係ないさ」

 

「……ッ!!」

 

 

響はその言葉で怒りと言う感情に飲み込まれそうになるが、今はそんなことすべきではないと、感情のダムを無理やり抑え込む。

 

そして洸も、口ぶりも変わっている娘に、自分が逃げた後に一体なにがあったのか。洸に知る由はない。

なにせ、あの火事はなかったことにされている。あのときノイズが出ていることへの影響の方が大きかったからだ。ノイズと迫害者の家族の家の火事。メディアがどちらを取るかは聞かなくても見ればわかるだろう。

 

 

「じゃあな」

 

「ま、待ってくれ!」

 

「あ?なんだ」

 

「俺を―――シェルターまで送ってくれないか?」

 

「……は?」

 

 

――この男は何を言っている?

響は頭で理解できない。否、理解したくない。

 

 

「俺がここに居ても邪魔なだけだから、せめてシェルターに「ふざけるなッ!」ッ!」

 

 

洸の言葉に、響は怒声で返答をした。

先ほどあれほど押しこんでいたダムが、決壊したのだ。

 

 

「またそうやって!自分だけ助かろうとしているのか!」

 

「違う!俺はただ、戦うお前の邪魔にならないようにと…!」

 

「それでも助かろうとしているのは同じことだ!それに、お前なんか邪魔じゃない!いざとなったらノイズごと撃ち抜いてやる…!」

 

「響…ッ」

 

 

豹変した響の姿に、洸は言葉を失うしかなかった。

昔の、自分が知っている娘なら、こんな暴言を言うはずがなかった。一体、自分がいなくなって、どれほどの苦痛を響は受けたのか、知る由もない。

 

 

「もうお前なんて私の家族じゃない!私の血のつながった人たちはもう死んだ!お前は赤の他人だぁ!!」

 

「ッ!」

 

 

その言葉が、トドメになった。

洸は元々ついていた尻もちをさらにへこませ、地面に手をつき、顔を地面に向けていた。

そしてなにより、突如聞かされた自分の家族の死亡報告に、心がやられてしまった。

 

 

「…………」

 

「…………」

 

 

響は洸に背を向ける。

そこから漂うのは焦燥感と、埋まることのないであろう(みぞ)

 

 

「私はもう行く。助かりたければ勝手に助かっていろ」

 

 

響は、懐から一回り大きなウォッチを取り出し、回して、ボタンを押した。

 

 

 

ギンガ!

 

 

ウォッチをセットし、レバーを閉じる。

 

 

投影!ファイナリータイム!

 

 

ギンギンギラギラギャラクシー!宇宙の彼方のファンタジー!

 

 

ウォズギンガファイナリー!ファイナリー!

 

 

 

響は【仮面ライダーウォズ・ギンガファイナリー】へと、姿を変えた。

そして、最後に偶然助けた()()()()を見る。

 

 

 

『………………』

 

 

 

響は―――ウォズは何も言わず、その場から姿を消した。

 

 

 




次回。【悪意と呪いと負の連鎖】


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

出来すぎたストーリー

 どうも、ここでは一年ぶりですね。

 一年ぶりの逢魔時王、お楽しみに!


「はぁあああ!!」

 

 

 王の従者――逢魔響はギアを纏って周りのカルマノイズたちを蹴散らしていく。

 本来の装者であれば苦戦は免れないカルマノイズ。それを普通のノイズのように蹴散らしていく様は、正に圧巻と言える。

 

 

「一匹いたら三十匹いる…、まるで貴様らゴキブリだな!」

 

 

 目の前のカルマノイズたちを罵倒しながら、響は逢魔降臨歴を取り出し、そこから一つの【メモリ】が飛び出した。

 

 

FANG(ファング)

 

 

 獣のフォルムをした見た目――【ファングメモリ】が飛び出し、自動的にメモリに変形する。そして、首と胸の間にあるギアのコンバーターに刺さり、中に入っていく。

 

 すると響のギアが変化し、元の黄色を基準とした、刺々しいフォルムへと変化する。

 

 

「貴様ら全員、これで切り刻む」

 

 

 両腕のバンカーから【アームファング】を生やし、突進する。

 そのままカルマノイズたちを巻き添えにし、一瞬にして一直線に大量の灰の山を生んだ。

 

 

「まだだ」

 

 

 バンカーについている刃を取り外し、投擲する。

 ブーメランのように回転するショルダーファングは、カルマノイズたちを一網打尽にして、響の元へと戻る。

 

 

「とりあえず、ここら一帯のカルマノイズたちは消し炭に出来たが…まだだ。こんなので終わりなはずがない」

 

 

 理由は分からないが、カルマノイズが大量発生している。これは異常以外の何物でもなく、異常中の異常だ。

 いや、カルマノイズの出現自体イレギュラーだが、今回はおかしすぎる。

 

 

「――何者かの、作為か?」

 

 

 これしか思い浮かばない。だが、一体誰が?

 

 

「―――いや、考えていても仕方ない」

 

 

 考えたところで、浮かばないものは浮かんでこない。

 ならば、今は現状の打破を最優先すべきだ。

 

 

「何者が行ったか知らないが…私と、我が魔王の世界を侵略したこと、必ず後悔させてやる…!」

 

 

 そんな時、少し遠くから何やら激しい音が聞こえてくる。

 銃声や、切り刻む特有の音。戦闘音だ。

 

 

「この音は……とりあえず、行くか」

 

 

 響がそこに駆けつけると、そこには六人の装者たちがいた。平行世界の装者たちだ。あのときから全く状況が一変していない。

 だがしかし、カルマノイズ一体一体がかなりの力量を持っているがために、かなり苦戦していた。それも仕方のないことだ。カルマノイズを一撃で倒せる、【逢魔響】が異常なのだから。

 

 

「あいつら…まだ無駄なことを」

 

 

 これ以上見ていても、この先の生産性なんて皆無だ。響は【ドラゴンフルボトル】を取り出し、中の成分を活性化させる。

 拳に蒼い炎のエネルギーを纏い、一直線に突き進む。蒼炎の竜が生まれ、カルマノイズたちを一瞬で焼き尽くした。

 

 

「『私』…ッ!」

 

「何やっている。これ以上お前らがいるところで、焼け石に水だ。さっさと失せろ」

 

「そういう訳にはいかない。確かに私たちの力ではこの状況を打破するのは困難を極めるだろう。だがしかし、目の前で襲われている無辜の民たちを前に、黙っているわけにはいかない!」

 

 

 翼の力のある声に、響は舌打ちをする。気に食わないが、理に適っているし、適材適所と言う奴だ。彼女等にはそれをさせた方がいいと響は判断する。

 

 

「だったらさっき言った通り人助けでもしていろ。適材適所だ」

 

「―――悔しいが、今はそうするしかねぇな」

 

「そうね。一人でも多くの人たちを助けましょう!」

 

「ムカつきますが、人の命が優先デス!」

 

「ここはこっちの響さんに任せて、私たちは―――って、響さん?」

 

 

 その方針で決まりかけていたところを、あちらの世界の響が前に出てきた。

 

 

「ごめん。こっちの私――悪いんだけど、言ってること全然分からない」

 

「―――ハッ?」

 

 

 頭が、思考が硬直する。この(バカ)は一体なにを言っているのだと、頭をフル回転させるが、どうしても答えにたどり着くことができない。二回目だぞ?一回目は了承していたのに、なんだこいつの頭は?

 結果、狂人の戯言だと言う結論を無理やりつけて、無視してその場を立ち去ろうとするが、

 

 

「待って!」

 

「なんだ?お前に構ってる暇なんてない!二回目だぞ!?今のを聞いて分からなかったのか?私はカルマノイズどもを駆逐する!お前らは残っているヤツ等を助ける!これでいいはずだろ?」

 

「もちろん!だけど、私が言っているのはそうじゃないの!」

 

「だったら、なんだって言うんだ?」

 

「―――お願いだから、もっと人を頼ってってこと。今の『私』の言葉は、とても悲しい。あれって、『命令』でしょ?『命令』じゃなくて、私たちを『頼って』!」

 

「この状況で説教かッ!?どれだけ頭お花畑なんだお前は!」

 

 

 本当に、行動優先の状況で口を動かすなんて、どうかしている。

 それに、彼女を見ていると昔の自分と重ねてしまい、頭痛が鳴り止まなくなる。捨てた過去の自分を否が応でも思い出してしまうから。

 

 

「聞く価値もない!『命令』でもいいだろ!お前らは『人命』が最優先なんだろ!?だったらそれ(使命)に従え!私はもう行く」

 

 

 今は緊急事態。狂人の戯言などに耳を貸してやる暇などない。

 響は逢魔降臨歴を取り出し、詠唱を略称してライダーたちを召喚する。

 

 

『――――』

 

『――――』

 

『――――』

 

 

 蜂を模った黄色の仮面ライダー、【仮面ライダーザビー】

 蠍を模った紫色の仮面ライダー、【仮面ライダーサソード】

 蜻蛉(トンボ)を模った仮面ライダー、【仮面ライダードレイク】

 

 

「行けッ!」

 

 

 響が命令を下すと、三人のライダーは一斉に『クロックアップ』してその場から消え去った。

 その瞬間、遠くから轟音が響いてくる。戦争が始まった証拠だ。響は自分も加わろうと、足を動かした瞬間。

 

 

「待って!」

 

「なんだ!もう聞く価値も―――」

 

「向こうで、奏さんとこっちの翼さんも戦ってる。お願い!そっちにいって、二人と一緒に戦って!」

 

「――ッ!!どこまでおこがましいんだお前は!?私にアイツらを助けてやる義理も義務もない!あいつらが私を見捨てたように、今度は私があいつらを見捨てる番だ!」

 

 

 怒りのまま、昔の辛い思いをしていた自分を助けてくれなかった対象を、憎悪し、嫌悪し、厭悪(えんお)し、羞悪(しゅうお)したその心の奥底に眠ったどす黒い感情を一気に爆発させる。

 自分が手を下すつもりなどない。自分達がやって、後悔したその方法で、苦しめばいい―――!

 

 怨嗟が連鎖していく。

 

 

「それでも!今困っている人を見捨てる理由にはならないよ!」

 

「なる!なるに決まっている!お前は自分のような奴を誰一人として増やしたくないとかいう考えの奴か!?それ自体には賛成してやる!」

 

「だったら!「だが、あいつらは私にとって増やすべきやつらだ!」

 

「―――ッ!」

 

 

「苦しめばいい…後悔するといい…悩まされるといい!あいつらが本当に二年前の罪に思い悩んでいるのなら、それがあいつらにとっての贖罪だ!」

 

「そんなこと…そんなことダメだよ!」

 

「うるさい!お前の言葉なんてもう聞いてやるものか!私は今度こそ行く!」

 

「待ってよ!」

 

 

 だが、響は『響』の言葉に耳を傾けず、空の彼方へと消えていき、その方向から轟音が響いてくる。

 

 

「――――」

 

「立花。気持ちは分からなくはないが、今は人々の安全を最優先しよう。この世界の立花も、助けられる命を助けないほど、愚鈍ではないはずだ」

 

「―――でも」

 

「なーにちんたらしてんだ!今はアタシ等に出来ることをするだけだ!」

 

「うん…」

 

 

 響は元気のない返事をしながらも、今やるべきことを頭に叩き込み、戦場を駆けるのだった。

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

―――突然の出来事だった。

 響に辛辣な言葉をかけられ、涙目で外を走る奏に、その奏を大声で叫んで追う翼。

 

 彼女の心に渦巻いた感情は、『怒り』と『後悔』だ。

 『後悔』はもちろん、助けたつもりの人物は、本当は全然助かっておらず、むしろ自分の言葉が彼女を地獄の奥底へと叩き落した元凶であることへの後悔だ。

 そして『怒り』は、響に向けられたものではなく、自分に向けたものだ。

 

 かつて彼女はノイズによって家族を殺され、復讐に燃えた復讐鬼。

 だがしかし、とある戦場で助けた自衛官の言葉から、自分達の歌は誰かを勇気付け、救うことができると気付いた。

 復讐のためだけではなく、人々をノイズから護るために歌うことを決意し、翼と共にツヴァイウィングを結成した。

 

 そして誓った。もう自分のような犠牲者を増やしたくないと。

 だがこの体たらく。かつて自分が体験した地獄と絶望を、他でもない自分の手で、自分の言葉で、一人の幼気(いたいけ)な少女を自分がかつて堕ちた場所に突き落としてしまった。

 

 これを『後悔』しないなんていられない、こんな不甲斐ない自分に『怒り』を向けないなんてことは出来ない。ただただ、自分の無力さを痛感しただけだ。

 

 

「本当に、アタシって…!」

 

 

 そんなときだった。

 突如、地面が爆発を起こす。そこから現れたのは、大量の黒いノイズの大群だった。

 

 その影響で、逃げ惑う人々。

 

 

「なんだ、あのノイズたち…!?」

 

「分からない。でも、今は無辜の民たちを救うのが先決!」

 

「あぁ!」

 

 

 

――Croitzal ronzell Gungnir zizzl

 

 

 

 奏は聖唱を唄い、翼も後に続いてシンフォギアを纏う。

 

 

「逃げろ!」

 

 

 そう叫び、奏はアームドギアである槍を振るって黒いノイズ―――カルマノイズへと攻撃する、が、無傷。全くの無傷だ。

 

 

「なに…ッ!?」

 

 

 そのまま逆に反撃され、奏は吹っ飛びコンクリに激突して悶える。

 

 

「奏ッ!」

 

「アタシは…大丈夫だ!今はとりあえず、逃げ遅れてる人たちを安全なところに誘導するぞ!」

 

 

 まずは人命救助が優先だ。

 カルマノイズたちの攻撃を退けながら、二人は人々を遠くへと逃がす。

 

 そして、それらが終わった後には、とっくに二人はかなり疲弊していた。

 当然だろう。強力な力を持つカルマノイズたちを相手に、人命を救助するのだ。かなり精神を摩耗するに決まっている。

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…!!」

 

 

 そして、そんな奏の元に、一匹のカルマノイズが迫る。

 

 

「奏!」

 

「くッ!」

 

 

 槍を使って、ガードしようとした。―――そのときだった。

 

 

ライダーシューティング!

 

 

 青い光弾が奏の後ろから発射され、カルマノイズに直撃して、そのカルマノイズは灰へと還った。

 何事かと二人がその方向を見ると、そこには()()()()()()()()()()()()()()()がいた。

 

 

「あれは…!」

 

「ってことは、あいつが近くに…!?」

 

 

 驚愕している合間にも、複数のカルマノイズたちが空気を読まずに襲ってくる。

 が、突如として高速で動く黄色と紫の残像が迸り、カルマノイズたちを一掃した。

 

 そこには、黄色の蜂のようなライダーと、紫色の蠍のようなライダーが、姿を現した。

 

 

「なぁあんたら!あいつはどこにいるんだ!?」

 

 

 援軍が来た。これだけでも喜ばしいところだ。だが、肝心の少女の姿がどこに見当たらない。

 

 

『――――』

 

「おい聞いて―――!」

 

 

 そのとき、空中に飛行型のノイズが大量に棘状になってこちらに飛来してきた。武器を構える二人だったが、それも一瞬の出来事。

 灰色の残像が二人の間を通りすぎ、空中に跳ぶ。

 

 大量の赤い円錐が飛行型ノイズに突き刺さり、灰色の残像が通り過ぎる度にカルマノイズたちが灰へと還っていく。

 

 

「――――」

 

 

 そこには、灰色のアーマーに、胸の部分に紅く光る宝玉を携えた、茶髪の少女――響がいた。

 響は【ファイズ・アクセルフォーム】のアーマーを纏い、カルマノイズを一気に殲滅していた。

 

 

「お前等、何をさぼっている。―――なんだ、お前等か」

 

 

 二人を見た途端、響の表情が怨嗟のものに変化する。

 その表情を見る度に、二人の心は自分の不甲斐なさで絞めつけられていく。

 

 

「お前等も、こいつらと戦ってるのか?」

 

「あぁ、アタシ等がやらなきゃいけないことだ」

 

「ハッ、やらなきゃいけないことか…。私からの失敗で学んだことか?」

 

「―――ッ!」

 

 

 容赦のない、辛辣な言葉で奏の心を蝕んでいく響。

 そこに翼が反論したいような表情をするも、非が自分達にあったワケだから、言おうにも言えなかった。

 

 

「違う!これは……アタシが、最初から、やらなきゃ、いけない、こと、で……」

 

「最初から?だったらなんで私の時はそれをしなかったの?理解に苦しむなァ!?」

 

 

 顔を怒りで変形させて、奏に迫る響。もう奏はなにも言えず、ただ押し黙るだけだった。

 

 

「……まぁいい。ここへはお前等を追い詰めるために来たわけじゃない。ノイズどもを殲滅するために来ただけだ。おいお前等、さっさとここを―――」

 

 

 そのときだった。

 突如、空が漆黒の雲で包まれた。なにかと思い、空を見渡す三人。

 

――そして、一筋の紫色のレーザーが、雲の奥から降り注ぐ。行き先は―――ライダーたちの方だった。

 ザビーたちな成す術なくレーザーに直撃し、黄金の粒子となって消え去った。

 

 

「ザビー!サソード!ドレイク!な、なんだ!?」

 

 

 三人のライダーたちをいとも簡単に消滅させた謎の攻撃に警戒しながら、響たちは頭上を見上げる。

 そして、そこから出てきたのは、巨大な蛇だ。

 

 

「――蛇?いや、違う。あれは……龍?」

 

 

 見た目は蛇。だがその巨大さは龍としか言いようがないほどの巨体だった。

 紫色の、巨大な蛇。

 

 

 そしてその名は―――とある世界で、こう『設定』されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

世界蛇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――と。

 

 

 

 

 

 

 




 今年はここで終わりです。
 自分でも、なんだか段々と雑になってきているなぁと思っている今日この頃。

 あと、ダイレクトメッセージで、世界蛇の攻撃とかってなんですかって言うことで募集しています。
 単純にそこら辺作者が無知で、どう表現すればいいのか分からないのが現状。なので、誰か教えてください。

――では、また来年に。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

計画破棄※未完成

 今回は、未完成の状態で投稿して、継ぎ足し式でやっていきます。

 理由?そんなの決まってるじゃないですか。

 ただでさえシンフォギアXDのデータが行方不明になって意気消沈してしばらくシンフォギアに触れたくないのにプラスして、就職試験のための面接練習で忙しくてバイトもあって、そして月末にテストがあるからですよ。
 今思う、何故就職試験の月とビッキーの誕生日が同じ月なんだろう。それもすべてカイザのせいだ(違う)。


 【ウロボロス】のトップである少女、【ベアトリーチェ】は激昂する。本当はこんなことなんてしたくなかった。長年の計画を放棄するような愚行を、犯したくはなかった。だが、せざるを得なかった。

 何故なら、そんな計画すら台無しにしてしまうような存在が、とある一つの平衡世界(せかい)で確認されたからだ。

 

 

最高最善最大最強の魔王:オーマジオウ

 

 

 その存在を知り、その力を確認()ったときは軽く絶望した。なんだあれは、強すぎる。最初は楽観視していた。大量のノイズの群れを、ただ手をかざした際に発した衝撃波だけで消失させたことには驚いたが、当時は所詮その程度かと思っていた。

 

 だが、その考えもすぐさま覆ることになる。

 

 きっかけは【カルマノイズ】をけしかけた際のことだ。当時ベアトリーチェはオーマジオウのことをまだ甘く見ていたため、一体だけけしかけ、様子を見た。 

 するとどうだろう。カルマノイズは、オーマジオウによって他の雑魚(ノイズ)どもと同じように一掃された。

 

 これを見たときには、息を飲んだ。オーマジオウ本人は他とは違うノイズを少し気にしていたが、所詮はその程度の認識だった。

 この瞬間が、ベアトリーチェがオーマジオウに対しての警戒度を上げた瞬間だった。

 

 

 

 今度はカルマノイズを街中に放ってみた。特に意味なんてない、強いて言うなら八つ当たりだ。オーマジオウに対する怒りを、なんの罪もない一般市民にぶつけている。ただそれだけの出来事。

 

 そんなとき、一人の少女が、本からオーマジオウに似た謎の戦士を二人召喚した。一人は後ろ髪がボサボサした金色のウザイ奴。もう一人はゴテゴテの黄金鎧の騎士だ。分からないと思うが【ハイパームテキ】と【キングフォーム】のことである。

 

 彼ら二人はカルマノイズ相手になんの苦戦もすることなく――むしろカルマノイズが可哀そうなくらいにボコボコにしていた。そして弱ってるカルマノイズ相手に連続して必殺技を撃ってくるのだから笑えない。

 

 この時、彼女の中の危険な存在にランクインを果たした瞬間だった。

 

 

 なお、彼女はこの際“女の子の日”でイライラしていたため、カルマノイズの存在に気付いていなかった

 すぐに敵を斃せるようなチートライダーをけしかけたのも、それが理由だ。

 

 

 結果、ベアトリーチェは知った。ヤバイ。この世界ヤバイ。今まで数多の平衡世界を滅ぼしてきた彼女でさえも、この事実には固唾を飲むしかない。オーマジオウに正面切って相手するとか、例外(ギャグ)でもなければ斃せない。

 

 

 ベアトリーチェは考える。



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。