戦姫絶唱シンフォギアFX 〜鏡界からの訪問者〜 (異次元)
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第1部OP

異次元です。前からやりたかったテイルズオブザレイズとノーザさんの作品である『戦姫絶唱シンフォギアFD』のコラボ小説です。ちなみにノーザさんから許可はもらっていますので、大丈夫です!それではOPをどうぞ!


テーマ曲『ミライリスト』GIRLFRIEND

 

 

シンフォギア装者達がアームドギアを手にする。

 

それと音楽に合わせてイクス、ミリーナ、コーキス、マークなど、テイルズメンバーが出てくる。

 

響と未来が食べ歩きを楽しんでいる。

 

ルドガーとエルが響達の世界で買い物を楽しんでいる。

 

ルドガーがトマトを手にし、エルに見せる。

 

エルが嫌そうな顔をする。

 

それをみて微笑むルドガー。

 

パンを焼くマリアとセネルとマルタ。

 

マルタの方は焦げている。

 

カイウスはマルタのパンに嫌そうな顔をする。

 

雨が降りしきる中、奏空が凛音に背を向け、濡れた状態でその場を去る。

 

凛音はそんな奏空を心配そうに見る。

 

マリアがオーラを纏い、アスベルが剣を構える。

 

神依化したスレイとクリスが同時に矢を放ち、二つの矢は正面衝突して爆発する。

 

爆発する中、エミル(ラタトスクモード)がロングソードで奏空に斬り掛かる。

 

奏空は受け止めて二人は斬り合い、躱しながら鍔迫り合いを繰り広げる。

 

調と切歌、ルークとジェイドは互いに武器を構える。

 

サビが始まる。

 

奏に似た謎の女性、マキュアが登場する。

 

翼と凛音とユーリとルカが駆け出す。

 

翼とルカがマキュアに斬り掛かるが、マキュアは槍で受け止める。

 

凛音の長刀がマキュアの槍と衝突し、さらにユーリはマキュアの槍と鍔迫り合いを繰り広げる。

 

雪音とルクスがマキュアに拳銃で銃撃し、弓で射抜こうとするが、マキュアは躱す。二人の援護を受けながらエミル(ラタトスクモード)とカイルが斬りかかるがマキュアは二人の剣を槍で弾く。

 

響の拳とマキュアの槍が衝突し、鍔迫り合いとなる。

 

セレナに似た謎の女性、ルーナが登場する。

 

マリア、調、切歌は驚く。奏空は歯軋りする。

 

シンク、コーキス、クラトス、アラン、イクス、調、切歌、マリア、奏空が駆け出す。

 

コーキスとシンクが飛び上がり、シンクは仮面に隠された目を大きく見開いた後、蹴りを放ち、コーキスは双刃で斬り掛かる。

 

ルーナ、シンクの蹴りを左腕の義手である拳で相殺し、コーキスの双刃は右手に持っている片手剣で受け止める。

 

イクスとアランとクラトスが駆け出してルーナに斬り掛かるが、ルーナは片手剣を横に薙ぎ払い三人を吹き飛ばす。

 

さらにルーナは調が放った無数の小型丸鋸を躱しながら、切歌には飛び上がると同時に斬り上げて切歌の大鎌の刃を弾く。

 

マリアとルーナが駆け出して短剣と片手剣が衝突し、鍔迫り合いとなる。

 

マリアとルーナは互いに後ろへ跳躍する。

 

マリアの背後から奏空が駆け出し、飛び上がってルーナに斬り掛かる。

 

響、翼、凛音、クリス、マリア、奏空、調、切歌、弦十郎、イクス、ミリーナ、コーキス、カーリャ(大)、マーク、アラン、フラン、ユーリ、フレン、シンク、クラトス、ルカ、イリア、スパーダ、ルドガー、エルが横一列に並ぶ。




イクスやミリーナ、コーキス達や響、奏空達が戦うオリジナル敵キャラクターのマキュアとルーナは後ほど明かします!


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設定・用語集(ネタバレ注意!!)

設定・用語集

 

新生救世軍

 

セールンド宰相ゲフィオンを「魔女」「ビフレストのスパイ」として討とうとする組織。その為、セールンド兵からは「犯罪者の集まり」と目の敵にされている。元々は、フリーセルとイクスとミリーナの幼馴染であるフィルことフィリップ・ビクエ・レストンが、世界の危機を救う及び世界の危機から来る不安による反乱勢力の一本化のために立ち上げた義勇軍である。初代リーダーはフリーセル、現在のリーダーはマーク。アスガルド帝国と敵対しており、今作ではザラム率いる新生パヴァリア光明結社とも敵対する。また、「昨日の敵は今日の友」ということでミリーナたちと協力関係となった。協力関係となった後は、味方第二部隊というポジションになり、原作の敵キャラなど、ミリーナたちに合流せずこちらに合流する加入キャラも出てきている。現時点でのメンバーはリーダーのフィリップとマークに、ゼロス、クラトス、アイゼン、シンク、ローエン、バルバトス、ヴィクトル、ダオス(常駐はしていない)、エルレインといった個性派揃いであり、それらを上手い具合にコントロールするマークの手腕は見事である。

 

 

 

レプリカ

 

「フォミクリー」と呼ばれる技術によって、被験者(オリジナル)から抜き出した情報を基にして作られた複製人間。生まれた時は赤ん坊同様歩き方すら知らないため、一から教育する必要がある。また、被験者の記憶もない。レプリカは生まれた時は赤ん坊同様歩き方すら知らないため、店のモノを勝手に盗って行ったり、何をしていいか分からずただぼ~っとしているだけのレプリカもいる。また、レプリカ情報を抜かれて亡くなった被験者の葬式に突如現れて大騒ぎになったり、記憶がなくて何も知らないことをいいことに奴隷のように扱っていた人もいる。最悪の場合、イライラの発散のために痛めつけるなどの暴行を行う者達もいる。しかし、皮肉なことに、ローレライ教団最高責任者である導師イオンが実はレプリカだったりもする。

 

 

 

リビングドール計画

 

アスガルド帝国の聖母メルクリアが「ビフレスト皇国復活」の為の一環である「魔鏡戦争で死亡したビフレスト国民の復活」という目的の為に進めている計画。内容は、「アニマを失って空っぽの人間に、魔鏡結晶に閉じ込められているイクスと後天的にリンクさせたナーザを通して死の砂嵐から取り出したアニムス粒子を利用して別のアニマを注入してキメラ結合させ、魂を持った人形を作る」というもの。具体的には被験者の心核を取り出して人工心核を入れ(初期のリビングドールにはこのプロセスはない)、そこにアニマを注入してキメラ結合する事で死者を蘇らせる。取り出した被験者の心核が破壊されてしまうと肉体も失われてしまう為、安全な場所で保管されているらしい。この計画には帝国側が具現化したり帝国に囚われた者の関係者である鏡映点や故人の死体が利用されている。実験の条件を整える際、アニマを何らかの手段で失わせるのが主な手段だが、アニマを消し去り切れなかった場合、感情が破壊される等の悪影響がある。計画の目的の本質は「魔鏡戦争でビフレストを滅ぼしたゲフィオン及びセールンド王国への復讐」で、「オリジナルのイクスを殺したビフレストへのゲフィオンの復讐」と根本的には同じ。しかし、イクスからは「それを反省して世界を救おうとした彼女と最初からエゴしかないメルクリアとは違う」と評されている(マークは「それも彼女(ゲフィオン)のエゴ」としているが)。復活させるのはビフレストの人間だけな点や、リビングドールのやり方の非道さを改善する気がない事から、ナーザとバルドはこの計画に否定的。今作ではマキュアやルーナも否定的な態度を示している。原作である『アビス』でホド戦争により故郷と家族を失った過去を持つガイは、この計画を「バカげてる」と静かな怒りを以て切り捨てている。『インフィニティ』のアランはこの非人道的な計画に激昂してミリーナ一行に味方している。今作ではアスガルド帝国はザラム率いる新生パヴァリア光明結社と手を組み、ナーザを復活させたことでこの計画を再開させる(但し、ミラージュプリズン編終章でアランとフランにより、イクスとナーザはリンクを切り離された)。翼やマリア、奏空はある理由からこの計画の全貌とメルクリアの目的を知り、激怒している。その為、イクス、ミリーナ達鏡士一行とフィリップ、マークら新生救世軍、S.O.N.G.の装者八人はこの計画を止める為に共に立ち向かうことになる。

 

 

 

精霊装

 

アスガルド帝国が有する技術。人間にティル・ナ・ノーグの精霊を纏わせる事が出来るが、かなり危険な技術。アステル曰く、『ゼスティリア』の神依と同じようなもので、いわば「武器と精霊との神依」。この力を使った攻撃は、リビングドールには効果が非常に大きい。ただ、精霊と融合する技術は元々ティル・ナ・ノーグには存在しておらず、セシリィ(シドニー)は、具現化した異世界の鏡映点が、大元となる技術・情報を提供したと推測している。強大な力を有するが、個人によって精霊装備ができる程の相性の良い精霊は異なり、相性の悪い精霊を精霊装で纏うと、身体に悪影響が出る。響達の世界で使った時、そのエネルギーはS.O.N.G.によると『エクスドライブ』並の出力である。現時点での精霊装の使い手はイクス(光の精霊アスカ)、ミリーナ(闇の精霊シャドウ)、アラン(炎の精霊サジット)、フラン(氷の精霊レオ)、スタン(炎の精霊イフリート)、リオン(地の精霊ノーム)、ヴェイグ(氷の精霊セルシウス)、ルミエル(光の精霊ヴィエルジェ)、ルクス(樹の精霊アリエス)、カイル(風の精霊シルフ)、ソフィ(光の精霊アスカ)、エミル(闇の精霊テネブラエ)、グラン(地の精霊リブラ)、イアン(闇の精霊ピスケ)、ベルベット(炎の精霊イフリート)、シング(雷の精霊ヴォルト)、エステル(水の精霊ウンディーネ)、レイン(雷の精霊タウラス)、ウインディ(水の精霊アクアリオン)、クレス(光の精霊オリジン)、ミント(風の精霊シルフ)、リアラ(水の精霊アクアリムス)、セイラ(聖の精霊ジェミニ)、サイリ(風の精霊キャンサード)、スレイ(炎の精霊イフリート)、ロゼ(風の精霊シルフ)、アリーシャ(闇の精霊シャドウ)、セレン(鋼の精霊スコルピオ)、アーロン(魔の精霊ボルグ)、ロイド(地の精霊ノーム)、コレット(光の精霊アスカ)、コハク(炎の精霊イフリート)の32人。



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登場人物
テイルズオブザレイズ


前から投稿したかったのでしました。また、イクス、ミリーナ、コーキスの服は3人共、フェアリーズレクイエム編の物を着ています。また、コーキスとマークはワイズマンにより、どれだけ主人と離れても行動出来るようになっています(鏡精のまま)。

追記
新たに人物を追加しました。


イクス・ネーヴェ

 

「どんな困難が待ち受けようとも、全力でミリーナを……皆を守る!!」

 

性別:男

年齢:17歳

身長:180cm

体重:69kg

使用武器:剣(ペシュソード)

精霊装:アスカ(光)

声:花江夏樹

 

本作のテイルズオブザレイズ側の主人公。アスガルド帝国と手を組んだパヴァリア光明結社のザラムを討つために、ミリーナ、コーキスなど、多くの仲間達を連れて響達の世界に来た。響達S.O.N.G.との出会いを経て、響達が強くなる為に一役買うなどの成長を見せる。OPではコーキス達やマリア、奏空達と共にルーナと戦う。

 

術技

「魔神剣」「飛天翔駆」「裂燕迅」「白光拳」「瞬連塵」「虎牙破斬」「裂震虎砲」「翔覇瞬麟刹」「空破烈光塵」「洸牙衝」→「絶・洸牙衝」「守護方陣」→「守護鳳凰陣」「迅雷翔臨」→「神雷翔鳳臨」

 

魔鏡技

「緋閃鏡影刃」「煌叢鏡裂閃」「閃光鏡牙斬」「陽剣・至白刃」

 

 

 

ミリーナ・ヴァイス

 

「これまで以上に厳しい戦いになるかもしれないわね……でも、きっと大丈夫!イクスがいるもの!!」

 

性別:女

年齢:18歳

身長:162cm

体重:45kg

使用武器:鏡(シルバーミラー)

精霊装:シャドウ(闇)

声:照井春佳

 

本作のテイルズオブザレイズ側のヒロイン。イクスや仲間達と共に、アスガルド帝国と手を組んだパヴァリア光明結社のザラムを倒す為に、響達の世界へ来た。世話好きで響達とも仲良くなる。

 

術技

「ファーストエイド」「フォトン」「ピクシーサークル」「鏡陽」「ウィンドカッター」「レイ」「センティルレイ」「雪風」「シェルブレイズ」「舞神楽」「花霞」→「花霞・残紫」「ナイトメア」→「ダークネスメア」「ルミナスサークル」→「ルナティックフォース」

 

魔鏡技

「ルミナスレイズ」「幻夢断鏡闇」「静華鏡水陣」「月鏡・継黒陣」

 

 

 

コーキス

 

「世界を救う!ミリーナ様を守る!!マスターを守る!!」

 

性別:男

年齢:外見17歳

身長:168cm

体重:63kg

使用武器:双刃(シルビアシヴ)

声:内山昂輝

 

本作のテイルズオブザレイズ側のもう一人の主人公。イクスの鏡精。イクスを「マスター」と呼び慕う。ミリーナにも忠義を尽くしている。イクス、ミリーナ同様にパヴァリア光明結社のザラムを倒す為に響達の世界に来た。OPではイクス達やマリア、奏空達と共にルーナと戦う。

 

術技

「輪戟」「崩翼」「噛雷」「緋閃輪」「氷零針」「牙挑鎌」「旋駆薙刀」→「嵐舞薙刀」「斬霧流霊」→「海破流霊」

 

魔鏡技

「崩牙瞬零刃」「斬雷・幻魔衝」

 

 

 

カーリャ・ネヴァン

 

「目的の為なら、手段は選びません」

 

性別:女

年齢:??

身長:164cm

体重:52kg

使用武器:細剣

声:下田麻美

 

本作のテイルズオブザレイズ側のもう一人のヒロイン。ゲフィオンの鏡精で、ミリーナのカーリャとは別の存在。礼儀正しい性格。但し、食いしん坊であり、ミリーナのカーリャと似た一面も持つ。本編より前の時期に、ゲフィオンから自分の魂と記憶の一部を渡された状態で切り離されており、それ故に自身を「鏡精ではありません。鏡精であった者です」と称している。因みにミリーナのカーリャが成長すると彼女と同じ姿になるとの事。

 

術技

「瞬幻塵」「ミラージュピラー」「鏡転身」「鏡散虹破」「メディカルシェル」「鏡翔霧刃」「バーストビジョン」→「バーストミラージュ」

 

魔鏡技

「麗華鏡炎陣」「フェアリーズレクイエム」

 

 

 

マーク・グランプ

 

「イクス……あいつには、強くなってもらわなきゃいけねえ」

 

性別:男

年齢:外見23歳

身長:180cm

体重:69kg

使用武器:銃大剣

声:三浦祥郎

 

新生救世軍のリーダー。フィリップの鏡精。気の弱いフィリップを支える。今は新生救世軍の他のメンバー同様、イクスの仲間となっている。イクス達と同様、パヴァリア光明結社のザラムを倒す為に響達の世界に来た。自分と互角に張り合った枢木奏空に興味を抱く。そのリーダーとしての手腕は風鳴弦十郎からも一目置かれる程。

 

術技

「虎牙破斬」「獅子戦吼」「アサルトショット」「キャノンブレイド」「スパイラルシュート」「蒼突哭覇」「岩斬滅砕陣」→「裂空断界閃」

 

魔鏡技

「我流皇帝拳」「ファイナリティアレスト」

 

 

 

その他

 

カーリャ

 

「はじめまして、皆様。──私、ミリーナさまの鏡精の、カーリャだよ!」

 

性別:女

年齢:??

身長:28cm

体重:4kg(そのまま乗ると680g)

声:下地紫野

 

本作のテイルズオブザレイズの主要キャラで、ミリーナの鏡精。主人であるミリーナには勿論の事、イクスに対しても、一定の忠義は持ち合わせている。 只、リオンからは「カトンボ」呼ばわりされる、ジェイドには実験台にされる、アランやジュードからは疲れた際に「ただ飛んでるだけ」と言われるなど、扱いが若干酷い事もある。

 

 

 

フィリップ・ビクエ・レストン

 

「初めまして、S.O.N.G.の皆さん。僕はフィリップ。新生救世軍のリーダーだ」

 

性別:男

年齢:35歳

身長:??

体重:??

声:阿部敦

 

本作のテイルズオブザレイズの主要キャラの一人。鏡精であるマークの主。イクスとミリーナ(どちらも一人目)の幼馴染。現在はマークと共に新生救世軍のリーダーとして、イクス、ミリーナ一行と提携している。新生パヴァリア光明結社のリーダーであるザラムを倒す為に、S.O.N.G.の装者達にも協力する。鏡士としての技量は折り紙付きだが、魔鏡学の研究をしていると寝るのも食事するのも忘れる、金銭感覚が浮世離れしていると生活能力は皆無で、運動能力も低い(ゼロス曰く「ジーニアス並み」、奏空曰く「子供レベル」)とポンコツ。




全員分やると文字数オーバーになるので、シリーズ事に分けます。


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第1部 歌う防人の戦士達と鏡界からの英雄達
プロローグ


は〜、疲れた……。昨日の間に出そうと思いましたが、今日になりました。プロローグをどうぞ!

OP GIRLFRIEND『ミライリスト』


パヴァリア光明結社の統制局長アダム・ヴァイスハウプト。

 

彼は人間ではなく、完全な人形である為に、傲慢さが仇となり、倒された。

 

生き残りであるノーブルレッドも、風鳴訃堂にこき使われた上に切り捨てられ、響達に倒された。

 

これでパヴァリア光明結社は全滅したと誰もが思っていた。

 

しかし…

 

「くくく…。S.O.N.G.の装者達よ。しばらくの平和に浸かるがいい。すぐに私が壊してやろう。異世界からの支援組織と共に…」

 

謎の男の声が闇から発せられた…

 

 

 

 

 

 

 

ノーブルレッドや風鳴訃堂、シェム・ハとの一件が解決してから数日、世界は一旦の平穏を取り戻していた。しかし、それも束の間のことだと思い知らされたのが、今回のことだ。

 

ある日、看守が訃堂の牢屋を見たところ、彼の姿がもぬけの殻となっていた。監視カメラで調べても、カメラが壊されており、使い物にならなくなっていた。

 

「急に集まってもらって済まない。これから現在の状況を説明する」

 

S.O.N.G.本部の司令室に集まった、いつものメンバー。その顔はどれもが神妙なもので、ふざける余裕などないようにも感じた。

 

パヴァリア光明結社の生き残りであるノーブルレッドや風鳴訃堂、シェム・ハを打倒したことで終わりに導いたと思った矢先に、この事態なのだから、無理もないと言える。首謀者である風鳴訃堂が脱走したのもあるから緊張感が増す。

 

開始の宣言とともに、弦十郎の口から今回の事件の経緯が語られた。

 

「俺から伝えたから知っていると思うが、以前の神の件で首謀者である風鳴訃堂が何者かの手引きによって脱走した」

 

「あのクソジジイめ…。翼さんや小日向をあんな目にあわせただけじゃ飽き足らず、また何か企んでるな……」

 

「あんなことになるのだけは勘弁して欲しいわね……」

 

奏空の放った発言にマリアが同意する。ミラアルクの手引きにより、風鳴訃堂によって操り人形となった翼や響の友人である小日向未来がシェム・ハとして戦う羽目になった時は彼女達を救い出すのに苦労した。マリア、奏空、凛音は翼と戦い、立花はシェム・ハとなった未来と戦い、救出に成功したが、あんな目に会うのは真っ平御免が彼らの本音である。

 

「今回はまたパヴァリアの生き残りが関わっていると俺達は考えている」

 

アレを映してくれ、と弦十郎はオペレーターに声をかける。その意図を組んだオペレーターが、モニターにとある画像を映し出す。その画像に、驚きの声を漏らす装者たち。そこに映っていたのは、背の高い男とローブの人物3人が映し出されていた。 

 

「捕縛したパヴァリアの錬金術師の構成員によると、この背の高い男が俺達が行方を追っているザラム・レオンハルトだ。彼はパヴァリア光明結社の軍師を務めていたというらしい」

 

「軍師!?あの統制局長の!?」

 

「ああ。しかも魔力も統制局長アダム・ヴァイスハウプトと互角かそれ以上を有していると聞く。それだけでなく、彼は多くの組織と繋がっていることも分かった」

 

弦十郎の言葉に驚きを隠せない雪音を始め装者達八人は戦慄する。アダムでさえ苦戦したのに、ザラムはアダムと同じツングースカ級の威力を持つ程の魔力を持っている。さらに軍師を務めていたというなら、ただ力押しのアダムと違い、冷静な判断が下せるのだろう。そんな人物がまだ生きているのなら、S.O.N.G.にとって強敵と言えるだろう。

 

「せっかくパヴァリア光明結社が壊滅して、ノーブルレッドも倒して平和になったと思ったのに……」

 

「あんまりデスよ……」

 

まだパヴァリア光明結社の生き残りがいることに調と切歌は思わず愚痴る。だが仕方のないことだ。ザラムが訃堂を脱獄させ、しかも彼がパヴァリア光明結社のメンバーである為にパヴァリアとの戦いが続くとなると誰もが調と切歌のような気持ちになる。

 

「彼が何を目的として動いているのか不明であり、どこにいるのかも判らない。だが、風鳴訃堂を脱獄させ、パヴァリア光明結社の一員である彼は間違いなく我々S.O.N.G.の敵だと言っていいだろう。世界各地を転々と転移しているため接敵する可能性は限りなく低いと思うが、万が一彼と遭遇した場合は、全力で被害を食い止めてほしい。困難だとは思うが、無力化と確保が最上だな」

 

「その意見には賛成だけど……」

 

「やりきれないな……」

 

弦十郎の意見に凛音と奏空は溜息混じりの発言をする。

 

「しかし、異端技術である錬金術師をこのまま放置して置くわけにもいかない。我々は防人である故に、錬金術師は必ず捕まえなければならぬ」

 

と翼の一言で気を引き締めることになった。しかし、この時彼らは気付かなかった。

 

このローブの3人の悪意に……。

 

 

 

 

 

 

 

その一方、異世界、ティルナ・ノーグでの仮想島では……

 

「さて、帝国への対抗策も考えたし、次は…」

 

白髪に褐色肌の青年、イクス。彼は魔鏡結晶に囚われていたが、コーキス、ミリーナ達の活躍で助け出された。その後、ミリーナと同時に精霊装を習得しさらに一時、妖精の姿に戻っていたコーキスがまた大きくなって仲間入りを果たし、今は新年を迎えている。ところが…。

 

バタバタバタ…

 

ガチャン(コーキスが扉を開ける)

 

「マスター!大変だ!」

 

イクスの部屋に入ってきた青年はイクスと同じ黒を中心として、胸が剥き出しになっている服を纏い、銀色の靴を履いており、何よりトレードマークの眼帯を左目につけている。一見、人間に見えるがその正体はイクスの鏡精である。

 

「コーキス!どうしたんだ?」

 

自分を慕う鏡精の只事ではない様子にイクスは尋ねるが、

 

「とにかく来てくれ!!」

 

「え!?ちょっと!?」

 

コーキスはイクスを部屋の外へ連れ出す。コーキスがイクスを連れてきた場所にはミリーナやアラン、フランにユーリなど、鏡映点の英雄達が全員集まっていた。更には、

 

「えっ!?フィルにマーク!?」

 

フィリップ、マーク率いる新生救世軍も全員集まっていた。

 

「よう、イクスにミリーナにみんな」

 

「久しぶりだね、イクスにミリーナ。それに鏡映点のみんな」

 

「フィルにマーク!久しぶりね」

 

久し振りの再会に喜ぶイクス達。するとアランが口を開く。

 

「今回の一件、新生救世軍のメンバー総出ということは…」

 

「こりゃ、只事じゃねぇな」

 

とユーリはこれから起こる事態に警戒する。

 

「フィルにマーク!何があった!?」

 

「これを見てくれ!」

 

フィリップはイクス達をケリュケイオンに連れていき、ある映像を見せる。

 

「!! これは…!」

 

『くくく…。素晴らしい…。全て私の物にする…』

 

黒の長髪に黒のローブを纏った男がイクス達の世界を見て、そう発していた。

 

「こいつは…」

 

「かなり、やばそう……」

 

アランとフランはこの男に警戒心を顕にする。

 

「誰だこの男?」

 

コーキスは疑問に思う。すると……。

 

「それについては……」

 

「俺から説明するぜ」

 

ジェイドと彼が帝国のスパイとして送り込んだデクスが現れる。

 

「貴方は!」

 

「デクス!」

 

エミルとマルタはデクスに警戒する。

 

「待て!デクスは俺達の仲間だ!手を出すな!」

 

そういったのは天地戦争の英雄ディムロスだ。

 

「味方?」

 

「どういうこと?」

 

エミルとマルタは疑問に思うが、

 

「それは私から話しましょう」

 

とジェイドが口を開く。そしてジェイドはデクスと知り合い、今までの経緯を語る。

 

「そういうことなら今は納得するけど……」

 

「手ぇ出したら承知しねえぞ」

 

一応、エミル(ラタトスクモード)とマルタは納得したが、まだ警戒心が残っていた。デクスはそんな二人に気に留めず、本題へ移る。

 

「じゃあ言うぜ。アスガルド帝国のデミトリアスと接触を図ろうとした際に、その男がデミトリアスと何かを話していたぜ。会話の内容からパヴァリア光明結社のザラム・レオンハルトということが分かった。どうやら異世界からの秘密結社のリーダーらしいぜ」

 

「パヴァリア光明結社ねぇ……」

 

「どんな連中なんだ?」

 

デクスの説明にユーリはぼやき、ロイドは疑問を出す。

 

「錬金術師だけで構成された秘密結社らしいぜ」

 

そのデクスの説明に

 

「錬金術師ですって!?」

 

リフィルが驚きの声を上げる。

 

「そうだ。話を戻すけど、ザラムはアスガルド帝国の助けを借りて、自分達の世界でリビングドール計画をやろうとしてるって」

 

「!! 何だと!?」

 

「本当なのか!?」

 

アランとルクスが驚きの声を上げる。特にアランにとってリビングドール計画は到底許せる物ではなかった。その為にアランはイクス、ミリーナ達に味方していた。

 

「どうすりゃいいんだよ!?」

 

とルークが叫ぶ。すると、

 

「私に考えがあります」

 

と声が。イクス達はその声に振り向く。

 

「ワイズマンさん!」

 

とエリーゼが叫ぶ。

 

「奴らの本拠地であるパヴァリア光明結社は潰れているので、彼を直接倒すしかありません。その上、彼らは人間を塵に変える怪物を使役します」

 

「は!?そんな相手じゃ俺ら不利じゃねーか!!」

 

ワイズマンの説明にヒスイが反駁する。

 

「ご心配なく。今から貴方達がその怪物に触られたり、攻撃を受けたりして塵にされないように、儀式を行います。この場所に立って下さい」

 

全員が言われた場所に立つ。

 

「では始めます」

 

数分後……

 

 

 

「はい、これで大丈夫です」

 

「本当だろうな?塵にしないようにしたのは」

 

とアランは疑うが、今更疑っても仕方ないので、本題に移る。

 

「それで、その連中は今どこの世界にいるんだ?」

 

「今から仮想島とケリュケイオンごとその世界に転送します。転送後、仮想島とケリュケイオンはその世界の人には、見えないようにします」

 

「それなら安心だな!」

 

「また、貴方達の攻撃がその怪物に効くように施しました。これで大丈夫です」

 

ワイズマンの言葉に、イクス、ミリーナ一行とフィリップ、マーク率いる新生救世軍は安心する。

 

「後、これらをS.O.N.G.という組織に渡してください。必ず役に立ちますよ」

 

「S.O.N.G.?」

 

アランが疑問に思う。

 

「何だ、その組織?」

 

ユーリも疑問を口にするが、

 

「行けば、分かります」

 

というワイズマンの言葉に今は何も言わなかった。

 

そしてワイズマンが具現化したのは……

 

「何だこれは?」

 

「黒い破片?」

 

「それになんか銃みたいな物もある」

 

「とは言え、持っとくか」

 

イクス達は結局持つことになった。

 

「ではいってらっしゃいませ」

 

ゴゴゴゴゴ…

 

「ザラム・レオンハルト…。何者かは知らないが、俺達の世界に手は出させない!」

 

「その意気よ、イクス!」

 

こうして、イクス、ミリーナ一行とフィリップ、マーク率いる新生救世軍の連合軍は自分達の世界を守る為に、ザラム達パヴァリア光明結社生き残りの魔の手から守る為に新たなる戦いへ足を踏み入れるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きらーん

 

「ん?」

 

「どうしたの響?」

 

「な、何でもないよ未来」

 

何かを感じた響だが、考えないことにして歩き出す。鏡界からの戦士達と歌いながら戦う防人達の出会いは間もなく…。




ED 高垣彩陽『Rebirth-day』

キャスト

立花響:悠木碧
風鳴翼:水樹奈々
風鳴凛音:早見沙織
雪音クリス:高垣彩陽
マリア・カデンツァヴナ・イヴ:日笠陽子
枢木奏空:下野紘
暁切歌:茅野愛衣
月読調:南條愛乃
小日向未来:井口裕香
風鳴弦十郎:石川英郎

イクス・ネーヴェ:花江夏樹
ミリーナ・ヴァイス:照井春佳
コーキス:内山昂輝
マーク・グランプ:三浦祥朗
フィリップ・ビクエ・レストン:阿部敦
アラン・ソード:斉藤壮馬
フラン・レイピア:種田梨沙
ユーリ・ローウェル:鳥海浩輔
ロイド・アーヴィング:小西克幸
エミル・キャスタニエ、ラタトスク:下野紘
マルタ・ルアルディ:釘宮理恵
ルーク・フォン・ファブレ:鈴木千尋
ジェイド・カーティス:子安武人
リフィル・セイジ:冬馬由美
ヒスイ・ハーツ:松風雅也
エリーゼ・ルタス:堀中優希
ルクス・アーチャー:松岡禎丞
ディムロス:置鮎龍太郎
デクス:陶山章央

ザラム・レオンハルト:山寺宏一

両サイドの締めが駆け足になってしまいました。彼らの口調もこれで合っていると思います。多分……
次回も頑張ります。


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第1話 歌う防人の戦士達の世界に現れし英雄達

第1話です!殆どテイルズサイドなのでシンフォギアサイドの出番は殆どありません。

OP GIRLFRIEND『ミライリスト』


ワイズマンの能力により、仮想島とケリュケイオンはパヴァリア光明結社のザラムがいると思われる世界に転移した。

 

「ここが、ザラム達がいる世界…」

 

イクスは驚いている。他の人達も新たな世界に驚いている。

 

「随分、にぎやかね」

 

「でも、なんか楽しそうだな!」

 

『皆さん、聞こえますか?』

 

ワイズマンの声が響き渡る。返事を返したのはヒューバートだ。

 

「聞こえますよ」

 

『良かった…。成功のようですね』

 

ワープが上手くいったことに安心するワイズマン。別世界に行くと言っても何が起きるか判らないために、一安心だ。

 

『あと、この世界に適応する為の服を具現化しました。外に出るときはこの服を使ってください』

 

ワイズマンはその世界の人がよく着る服を具現化する。

 

「そうだな。このままの格好じゃ目立っちまうな」

 

「そうね。買い出しの時は目立たないように、着替えて行こう」

 

「そうだな」

 

アラン、フラン、アスベルは納得する。しかし、ここである人に問題が……

 

「俺のは眼帯が…」

 

コーキスである。鏡精であるので左目に眼帯が付いている。

 

「付けたままでいいんじゃないか?」

 

そう言い出すのはアランだ。

 

「何でだよ?」

 

コーキスは疑問に思う。

 

「外したらオッドアイになるだろ。むしろオッドアイの方が目立つって。それに比べたら眼帯なんてどっかの痛いコスプレって思われるだろ」

 

「コスプレって…。まあ、そりゃあそうだけど…」

 

アランの意見にある「痛いコスプレ」に少々傷つくコーキス。しかしアランの言うとおり、逆にオッドアイは稀なので、目立つことになりかねない。

 

「そうだな。オッドアイなんて珍しいし」

 

「外して行くのはやめる方がいいわ」

 

アランの意見にフランとルクスが賛同する。

 

「分かったよ」

 

これにより、コーキスは眼帯を外さないが、服は着替えることにした。

 

『皆さん、後、ガルをこの世界の金に替えました。』

 

「じゃあ、これで買い出しに出られるぜ!」

 

「買い出しは誰が行く?」

 

そう聞くキールにイクスが立候補する。

 

「俺が行くよ。体を動かさなきゃならないし、何よりこの世界のことを知りたいからね」

 

「イクスが行くなら私も行くわ」

 

「俺も行きます!」

 

イクスに続いてミリーナ、コーキスも行くと言い出す。さらに……

 

「俺も行くわ」

 

「私も!」

 

アランとフランも行くことになり、その後、他の人達にも聞いた所、エミルやマルタ、ロイド、コレット、アリーシャも行くことになった。

 

『言い忘れていましたが、この世界では武器を持っていると捕まりますので、魔鏡通信とリンクするようにしておきました。そうすれば、何があったとしても、魔鏡通信から武器や服装を変更することができます』

 

「サンキュー、ワイズマン」

 

アランはワイズマンにお礼を言う。

 

「それじゃ、行きましょう」

 

ミリーナのその一言で、イクス、ミリーナ、コーキス、アラン、フラン、エミルやマルタ、ロイド、コレット、アリーシャは転移門から目立たない場所に行く。

 

 

 

人気のない場所にワープしたイクス、ミリーナ、コーキス達。そこから買い出しの為に人の多い場所に出る。因みにカーリャは表にでると面倒なので今回は留守番だ。

 

「うわあ~〜!すっげえな〜!」

 

初めて見る光景にコーキスは興奮している。

 

「ああ。こんなの初めて見るぜ!」

 

アランも興奮している。

 

「みんな、まずは買い出しだ」

 

「そうね。買い出しが終わったら見て回るのもいいわね」

 

イクスとミリーナの意見に賛同し、分かれて買い出しに行く。

 

数時間後……。

 

「ねえイクス。この服屋さんに入ってもいい?」

 

「ああ、いいよ。コーキスは?」

 

「俺も行きます、マスター。」

 

イクスとミリーナとコーキスの3人は服屋に入る。すると……

 

「あ、あの、僕はもう大丈夫ですからっ」

 

「えぇ~~~」

 

と言う声が。3人はその声に振り向くと女性の団体、その一人がこれでもかと言わんばかりに彼女に着せようとする服を持っている。金髪の子はツインテールの黒髪の子と協力して、まだ着せる服を集め、お目付役らしき二人の少女達はその光景を困ったように見ている。また二人の少年少女は一歩引いて微笑ましく見ており、青色の髪と桃色の髪の女性二人は保護者のように笑っている。

 

3人は遠くから見て、思わず微笑んでいた。

 

「楽しそうだな、マスター……」

 

「ああ……。その為にも早くザラムを倒さないとな」

 

「そうね、イクスなら出来るわ!」

 

「ありがとう、ミリーナ。そろそろ行くか。アラン達も待っているし」

 

「ああ!」

 

3人は服屋を出た。

 

イクス達は気付かなかった。

 

後に、ともに戦う仲間となることを。

 

 

 

「みんな、お待たせ〜!」

 

「やっと来たか」

 

「ロイド様、どうしたのですか?」

 

イクス達3人が来たのはインターネットカフェという所だ。アラン達からすごい情報が入ったから来てくれと魔鏡通信が来たので、イクス達3人はそこで、買い出しの残りの面子全員と合流した。

 

「これ見てみろよ!」

 

ロイドはそういってパソコンに映る画面をイクス達に見せる。

 

「何だこれ?月が欠けたり、テロがあったりだなんて……」

 

「それだけじゃないわ。パヴァリア光明結社が壊滅したという情報まである」

 

「情報から見るとこのアダム・ヴァイスハウプトがこの結社のリーダーだったらしいぜ」

 

イクス、ミリーナの疑問にアランが答える。

 

「それに、ノーブルレッドっていうパヴァリア光明結社の生き残りの組織があったらしいわ」

 

フランが、そう付け足す。

 

「因みに潜入調査中のイアンから貰った情報だけど、その生き残りを支援してたの風鳴機関だって」

 

「風鳴機関?何だそれ?」

 

アランの説明にコーキスが疑問を抱く。

 

「日本を守るための一族が建てた組織だ。前大戦時に旧陸軍が組織した特務室だって。S.O.N.G.という世界を守る組織を支援してたらしい」

 

「国を守る立場でありながらそんな連中に手を貸していたってのか!?」

 

「何よそれ!やってる事がアスガルド帝国と変わらないじゃない!」

 

イアンから手にした情報を説明するアランにロイドが驚きの声を上げ、マルタは憤慨する。

 

「なんと非道なことを……」

 

「こんな事って……」

 

アリーシャとコレットもショックを隠しきれない。

 

「はっ!だから人間はろくでもないんだ!」

 

エミル(ラタトスクモード)は怒りと呆れの混じった発言をする。

 

「こんなの、ユーリ様が見たら怒るな……」

 

コーキスの言葉に沈黙する。ユーリは権力を笠に着る連中を嫌っており、殺害も辞さない面も持っている。これを知ったらどんな行動に走るか、容易に想像出来る。

 

「とりあえず、データは撮れたし、次はどうす……」

 

アランが言いかけたその時、

 

ドカーン!!!

 

なにか大きな爆発音が鳴り響く。

 

「「「!!?」」」

 

イクス達はすぐに音のした方を見る。黒煙が上がり、少しずつ騒ぎ声が聞こえ出す。

 

「何だ今の爆発音!?」

 

「行ってみましょう!!」

 

イクス達はその爆発音があった所に駆け出す。

 

 

 

一方……

 

「「了解!」」

 

八人はすぐさま連絡を受け、一斉に出る。話し相手は同一人物だった。因みに今の返事は翼とマリアだ。

 

『都内で謎の爆発事故が起きたっ、原因は不明だが、かなり火の周りが早いっ。我々の出動要請が来たっ、すまないが休みは返上してくれ』

 

「了解しましたっ!」

 

「チッ、しかたねぇな」

 

「がんばるデスよ調っ!」

 

「うんっ!」

 

「奏空、私達も行きましょうっ!」

 

「ああっ!」

 

そう言って、彼らも走り出す。

 

彼らの出会いの時は、そう遠くない……。




ED 高垣彩陽『Rebirth-day』

キャスト

立花響:悠木碧
風鳴翼:水樹奈々
風鳴凛音:早見沙織
雪音クリス:高垣彩陽
マリア・カデンツァヴナ・イヴ:日笠陽子
枢木奏空:下野紘
暁切歌:茅野愛衣
月読調:南條愛乃
小日向未来:井口裕香
エルフナイン:久野美咲
風鳴弦十郎:石川英郎

イクス・ネーヴェ:花江夏樹
ミリーナ・ヴァイス:照井春佳
コーキス:内山昂輝
アラン・ソード:斉藤壮馬
フラン・レイピア:種田梨沙
ロイド・アーヴィング:小西克幸
エミル・キャスタニエ、ラタトスク:下野紘
マルタ・ルアルディ:釘宮理恵
ルクス・アーチャー:松岡禎丞
アスベル・ラント:櫻井孝宏
ヒューバート・オズウェル:水島大宙
キール・ツァイベル:保志総一朗
コレット・ブルーネル:水樹奈々
アリーシャ・ディフダ:茅野愛衣


キャスト書くのすごい大変……。次回も頑張ります。


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第2話 戦士達と英雄達の序曲

第2話です。イクス達は救護活動と避難活動の手伝いをするので、まだS.O.N.G.とは会いません。

OP GIRLFRIEND『ミライリスト』


「大丈夫ですかっ、急いで外に避難してくださいっ」

 

近くにいる大人達に声をかけつつ、避難活動を協力するイクス達。ホテルという建物から、多くの人達が悲鳴を上げて出てくる中、炎の勢いが早く、混乱が目立つが、ホテルの人や、救護活動を手伝う人も居て、イクス達は指示を出したり、手を貸したりしている。

 

「イクス!ジュードとルカとアニーにも連絡を入れた!アイツ等もすぐそこまで来てるって!」

 

「すずとしいなさんもすぐに来るわ!」

 

「分かった!俺達は救護活動と避難活動を協力するぞ!」

 

「分かったわ!」

 

「任せてくれ!マスター!」

 

「分かっている!」

 

アランとフランの発言にイクスは頷き、買い出しの仲間に指示して救護活動と避難活動に協力する。アランはジュードとルカとアニーに救護活動の増援を、フランはすずとしいなに逃げ遅れた人達の救出の増援を頼んでいたのだ。

 

「治癒魔術が使えないのは痛いわね……」

 

「仕方ねえ。この世界でそんなもの使ってバレたら、異端技術って疑われちまう」

 

コレットの苦言をロイドが諭す。

 

「それでも、僕達にできることをやるしかないんだ!急ごう!マルタ!」

 

「分かったわ!」

 

エミルとマルタも全力で事に当たる。そこへ……

 

「みんな!」

 

「遅くなってごめん!」

 

「お待たせしました!」

 

アランから緊急連絡を受けたジュード、ルカ、アニーの3人が現場に到着する。因みに3人ともいつもの服ではなく、一般人がよく着る服を纏っている。更に……

 

「遅くなりました!」

 

「待たせたね!」

 

すずとしいなも現場に到着した。この二人も3人と同様に一般人がよく着る服を纏っている。

 

「よし!すずとしいなは出来るだけ術を使わずに逃げ遅れた人を救出してくれ!ジュードとルカとアニーは怪我人の処置を頼む!俺達は避難活動の手伝いに行く!」

 

イクスは冷静に指示を出す。全員頷き、持ち場につく。

 

 

 

司令室は、謎の火災による被害を検査していた。

 

「スプリンクラーなどの火災装置が何者かにハッキングされ、機能停止している模様。さらに連絡網にも何者かの痕跡あり、救援は後れると予測されます」

 

「何者かのハッキングだと?」

 

風鳴弦十郎は眉をゆがめ、映像を見る。巨大モニターはいまも異常な早さで燃えている建物が見える。

 

「何者かの、人為的な災害・・・にしても、なにが目的だ?」

 

この事態を起こした者は、まるで誰かが起こした人為的なものと言わんばかりに、足跡を残している。そう報告を受け考えつつ、今は救助が最優先と判断し、切り捨てた。

 

「俺たちの仕事は人の安否だ。現在の被害現場の状態は!?」

 

「ホテル従業員が対応している模様、建物内部にはスキャン・・・って」

 

「どうしたっ!?」

 

モニターに映るのは、二人の生体反応が動き回っていた。

 

「響くん達はっ!?」

 

「いまだ外で待機中、いま現場ですッ」

 

「なんだとっ!?」

 

連携したその動きに驚愕しながらも、弦十郎は迷わずに指示を出す。

 

「何者であろうと、放っておく訳にはいくまい。響くん!」

 

『はい師匠!』

 

 

 

 

ホテル内部

 

「大丈夫?」

 

「あたし達がいるから、もう大丈夫だよ」

 

すずとしいなは最後の一人を救助していた。そして脱出しようとする。

 

しかし、猛火が邪魔で上手く進めない。

 

しかし……

 

「『魔神剣』!!」

 

その声と共に瓦礫が砕かれる。アラン・ソードだ。すずとしいなは脱出し、全員救出に成功した。イクス達はその後、応急処置を終えた後、その場を急いで離れた。自分達の存在を知られたくなかったからである。

 

しかし、司令室にはこの一部始終を見られていたことに気付かなかった。

 

 

 

ある場所……

 

「シンフォギア……。鏡士……。止められるかな、私を……」

 

その声と共に、闇に消えた。




ED 高垣彩陽『Rebirth-day』

キャスト

イクス・ネーヴェ:花江夏樹
ミリーナ・ヴァイス:照井春佳
コーキス:内山昂輝
アラン・ソード:斉藤壮馬
フラン・レイピア:種田梨沙
ロイド・アーヴィング:小西克幸
コレット・ブルーネル:水樹奈々
エミル・キャスタニエ:下野紘
マルタ・ルアルディ:釘宮理恵
アリーシャ・ディフダ:茅野愛衣
ジュード・マティス:代永翼
ルカ・ミルダ:木村亜希子
アニー・バース:矢島晶子
藤林すず:川田妙子
藤林しいな:岡村明美

立花響:悠木碧
風鳴弦十郎:石川英郎
藤尭朔也:赤羽根健治
友里あおい:瀬戸麻沙美

ザラム・レオンハルト:飛田展男


次回はあの将軍を出します!頑張ります!


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第3話 異世界から現れし謎の組織

第3話です。ネタバレでミラージュプリズン編のラスボスが、登場します!響達とイクス達の邂逅はまだ先です!

OP GIRLFRIEND『ミライリスト』


イクス達が救護活動と避難活動を手伝っている頃、超常災害対策機動部タスクフォース『S.O.N.G.』から緊急の連絡が入った。内容はあるホテルに火災が発生した為、避難要請をしてくれのこと。八人はすぐに駆け出した。途中でヘリに合流して乗り込んで現場に向かったのだ。到着後、二人一組で救助活動と被害状況の確認を任された。逃げ遅れた人を救出していると、違う場所に生態反応が確認された。しかし、別の二人組が助け出したという信じられない情報が入ったのだ。逃げ遅れた人達の救出を終え、八人は例の二人を探したがすでに現場から立ち去った後だった。さらに、怪我人をよく見てみると、混乱した状況の割には応急処置が手慣れている。話を聞くと、銀髪の少年と黒髪の少年、茶髪の女性が手当してくれたとの事。適切に手当した跡からかなりの手練であるために不審に思う八人だが、被害状況の確認を怠る訳にもいかないので、持ち場に戻る。すると、奏空が助けた少年は泣きながら姉に抱き付き、姉はあやすように頭を撫でた。その光景を見ていた奏空はいつかの自分と重ねていた。

 

「なぁに?やっぱり貴方も撫でて貰いたい?」

 

「ち、違うっ!そんなこと思ってないっ!」

 

その奏空の様子を見ていた凛音に言われて慌てて否定すると、凛音はクスクスと笑い、奏空はソッポを向く。

 

ヒュッ

 

何かが横切ったように空を切った。奏空はバッと振り向くが誰もいない。

 

「どうしたの………?」

 

「………いやなんでも………」

 

ないと言おうとしたその時、彼の目はある場所に着目した。不自然に開いた施設の扉を………。凛音も気が付いたのかそこに注目する。

 

「………あそこ………気にならない?」

 

「………行ってみましょう」

 

奏空と凛音は同意してその施設の中へと入って行った。

 

しかし、後ろには何者かがこっそりと尾行していたことには気付いていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その施設は植物が生い茂り、大木があった。植物博物館なのだろう。地面にパンフレットやら紙コップやらが落ちてあった。ここから火災現場までは遠くない。火事に気付いて観客が逃げたんだろう。その証拠に誰もいなかった。

 

「ここに一体何が「待って。」奏空?」

 

「何かいる」

 

奏空の言葉に凛音も感じ取ったのだろうか表情が険しくなる。周りを見回していたその時、

 

ドスン

 

何かが落ちた音がした………。

音がした方を見るとそこには忘れたくても忘れられない存在がいた。『アルカノイズ』である。二人はいつの間にか背中合わせの形になり、アルカノイズの群れに囲まれる。しかし今の体勢は互いの背中を守るようなポジションになっていた。

 

それぞれ長刀と大剣を取り出すと、アルカノイズは動き出す。アルカノイズは攻撃を仕掛けるが、凛音と奏空は次々と殲滅させる。彼に弾丸が迫ってくるが、難なく避けて大剣を向けると合わさっていた剣が飛び出した。

 

『Sword Taktstock』

 

五本の剣は数体のノイズを斬り裂いて爆散した。また凛音も長刀を仕舞うと、逆立ちとともに脚部のビームブレイドを展開して横回転する。

 

『逆羅刹・弐式』

 

これにより、アルカノイズは次々と殲滅する。

 

「どうだっ!!」

 

「お見事!!」

 

しかしそう言っているが数は一向に減らない。二人の行動範囲が狭くなったとき………。

 

「凛音っ!!」

 

彼の腕の装甲が光り出す。

 

「伏せろっ!!」

 

装甲から細いレーザーが出現し、そのまま斬るように回転する。光が止むとノイズ達は一つ残らず消えていた。

 

「大丈夫、奏空?」

 

「ああ。何ともない」

 

この技は出力が馬鹿でかいので一度きりしか使えない。初めから使わなかったのは囲まれるのを見計らって一網打尽にする為だった。凛音は奏空を労っているその時……。

 

「ほう、これがアルカノイズにシンフォギアか。この世界にも面白いものがあるんだな」

 

突如第三者の声がした。二人はすぐに身構える。声からして男だろうか?その男は大木の陰から現れた。褐色がかった肌に肩に掛かる長さを持つ銀髪の青年だ。銀色の前髪は右目に掛かりそうな程の長さだ。黒を几帳とした服を纏い、頭に黒いはちまきみたいな物を巻いている。左腕の鏡みたいな物は黒色であり、右腕をよく見てみると銀色に輝く義手だった。

 

「何者だっ!?」

 

凛音が尋ねると、青年は、

 

「枢木奏空だな?」

 

と凛音の尋問を無視して聞いてきた。奏空は

 

「ああ、そうだが?」

 

と答えると、

 

「ならば丁度いい、俺の目的に貴様は邪魔な存在だ。今ここで俺の手で息の根を止めてやる!!」

 

青年はそう言って腰から片手剣を引き抜き、奏空に駆け出して片手剣を振るった。防ごうとするがそれは凄まじい速さで襲い掛かってきた。その片手剣は胴、小手と的確に狙ってくる。途中から片手剣を上に投げ上げると、奏空の腹部に義手である拳が決まり、奏空は吹き飛ばされる。

 

『白光拳』

 

「ぐはっ!?」

 

「奏空っ!?」

 

「ふん……」

 

青年は落ちてくる片手剣を義手である右手で柄をキャッチすると、飛び上がり、奏空の近くにある地面に片手剣を叩きつける。

 

『洸牙衝』

 

すると、衝撃波が発生し、奏空は吹き飛ばされ、大木に激突して倒れ込み、気絶する。

 

「が………は………」

 

「そんな………生身で圧倒だなんてっ!?」

 

「この程度か……」

 

青年は見下す態度を取り、凛音は驚く。生身でシンフォギア装者を圧倒出来るのは人外レベルの戦闘力を持つS.O.N.G.の司令であり、彼女の叔父の風鳴弦十郎だけだ。なのに体格が普通の彼にこんなことが出来るなんて………。

 

「だが、今ので奴は戦えない。とどめを刺してやる」

 

青年はそう言って片手剣を両手に持ち、構える。凛音は奏空を守るように刀を青年に向ける。すると、青年に無数の光の矢が飛んできて青年は躱す。

 

「間に合ったか!」

 

放ったのは雪音クリスだ。後ろから響、翼、マリア、調、切歌が現れる。

 

「凛音さん!奏空くん!」

 

「二人とも無事か!?」

 

「奏空!凛音!大丈夫!?」

 

「間に合った……!」

 

「大丈夫デスか!?奏空!!」

 

「みんな!!」

 

援軍が来たことで安心する凛音。六人は青年に戦闘態勢に入るが……。

 

「分が悪いな……。今は退くとしよう」

 

青年は片手剣を腰に仕舞うと、水が入った小瓶を取り出す。テレポートジェムだ。

 

「それはっ!?」

 

「テレポートジェム!?」

 

「なんでお前がそれ持ってやがる!?」

 

響、マリア、クリスが驚く。青年は答えない。

 

「待てっ!お前は一体何者だっ!!」

 

凛音は奏空を抱いたまま、再び青年に尋ねる。すると青年は答える。

 

「……パヴァリア光明結社を支援する組織、アスガルド帝国の将軍、ナーザだ」

 

青年、もといナーザはそう言ってテレポートジェムを地面に叩きつける。すると召喚陣が現れて彼は消えた。

 

「う、う〜ん……」

 

「っ!奏空!!大丈夫!?」

 

「あ、ああ……」

 

奏空が目覚めて凛音は奏空の安否を確認する。その後、二人は六人と合流して話し合う。

 

「アスガルド帝国……?」

 

「何デスか?それ……?」

 

「分からねえ……」

 

「パヴァリアと手を組んだと言うことね……」

 

「何れにしても放置できないな……」

 

少女達が話し合ってると……。

 

「っ!誰だ!?」

 

「何者っ!?」

 

翼と凛音は気配を感じ、その先に向けて刃を向けるが、いなかった。

 

「気のせい……?」

 

響の声は闇に掻き消された……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ!!ナーザ将軍が復活するなんて!!」

 

イクス達の仲間でアランの仲間の一人、イアンは凛音と奏空を尾行した所、ナーザがいる場面に遭遇し、目撃していた。奏空がやられ、凛音とナーザが刃を交えようとした為に加勢しようとしたが、他の仲間が来たことで安心した。しかし、ナーザの復活は予想外だった。翼と凛音に気取られる前にその場を離れた。

 

「急ぎイクスやミリーナ、アランに伝えないと……!!」

 

イアンは夜の闇を駆け抜け、仮想島に繋ぐ、人気のない転送陣に入っていった。




ED 高垣彩陽『Rebirth-day』

キャスト

立花響:悠木碧
風鳴翼:水樹奈々
風鳴凛音:早見沙織
雪音クリス:高垣彩陽
マリア・カデンツァヴナ・イヴ:日笠陽子
枢木奏空:下野紘
暁切歌:茅野愛衣
月読調:南條愛乃

イアン・ダガー:上村祐翔

ナーザ:花江夏樹


はい!ナーザ将軍初登場です!これでもミラージュプリズン編ではラスボスなので、奏空を圧倒しました。しかし、1対6はいくらナーザでも、多勢に無勢ですからね…。因みに原作ではナーザ将軍は『洸牙衝』は使えないようですが、作品を面白くする為に復活した時に使えるようになったという設定となっています。次回も頑張ります。


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第4話 烈風強襲 前編

いや〜遅くなりました。中々案が浮かばなかった。こいつ出すのに。第4話です。今回はあの体術使いが登場します。

OP GIRLFRIEND『ミライリスト』


ホテルでの一件やS.O.N.G.の前に現れた謎の青年、ナーザとの一件の後、響達は本部へ帰還した。あのナーザと言う男。生身でギアを纏っている人間を簡単に圧倒して気絶まで追いやった人物。彼が名乗ったアスガルド帝国はパヴァリア光明結社を支援する組織であり、彼はアスガルド帝国の将軍だという。本当ならば彼は強敵であるのは間違いないだろう。先程奏空は検査を受けていたが、問題無かったので今は本部で会議に参加している。しかし、会議は難航した。理由はナーザの事である。彼が所属しているアスガルド帝国はエルフナインが調べてもヒットすることはなかった。また彼の発言からナーザやアスガルド帝国が異世界からの敵勢力ではないかという事。

 

「異世界か……」

 

「未だに信じられない……」

 

奏空と凛音はそう話す。また、奏空は、ナーザは自分を目的の邪魔な存在とも言っていた。だが、奏空には知らない人物であるナーザから警戒される要素が分からない。

 

結局、会議は分からないことが多く残ったまま、終了した。その後、8人はマリア、奏空、調、切歌4人の育て親であるナスターシャ教授の墓参りのために供え物を買いに来ていた。また、小日向未来やエルフナインも一緒だ。

 

ナスターシャ教授はマリア達にとって親のような存在だ。しかし、フロンティア事変の時に死亡している。自分達が起こしたフロンティア事変の後、彼女の亡骸は、国連調査団によって宇宙に漂うフロンティアの残骸から何かしらの異端技術と共に回収された。その後、少しばかりトラブルが発生するも、世界を救った彼女を大切に思う二課の装者達である響、翼、凛音、クリスの四人の奮闘や最後まで生きるのを諦めなかった国連のスペースシャトルの操縦士達の健闘によって事なきを得ている。この時、マリア、奏空、調、切歌はまだ服役中だった為に手錠をしたまま、見届けていた。無事にナスターシャの遺体が助かった際は四人とも涙を流しながら、喜んだ。

 

その後、四人は墓を立て、弔っている。例えテロ紛いな事になってしまっても、彼らにとってナスターシャは母親の様な存在だ。

 

今日は命日である為、小日向とエルフナインを含め、10人で供え物を買っていた。

 

「マムが好きな日本の味デース」

 

切歌が持っているのは醤油だ。ナスターシャは醤油を好んでいたので、奏空も賛成した。花も買うなどして買い物を済ませた10人。

 

「これだけ買えばマムも喜ぶわ」

 

マリアはそう言う。

 

「それじゃ、母さんの所へ……」

 

奏空がそう言いかけたその時、

 

「見つけたよ、終わりの巫女」

 

と話しかける人が後ろから聞こえた。10人が振り向くと、緑の髪を逆立て、黒の服を纏い、鳥の嘴のような仮面を付けている細見の人がいた。体型からして少年の様である。

 

「貴方、誰なの?」

 

調が聞くと、少年は

 

「僕はシンク。テロリストのリーダーの墓参りなんて、憐れだね」

 

と名乗り、暴言を吐く。マリアは

 

「マムを侮辱するな!!」

 

と激怒し、奏空も

 

「お前!!マムに謝れ!!」

 

と激怒する。シンクは二人の怒りを受け流し、奏空に言う。

 

「ぎゃあぎゃあ五月蝿いんだよ茶髪の坊や。勇者ごっこは家でやれば?」

 

シンクは奏空を煽る。当然奏空は

 

「黙れ!!」

 

と激昂し、凛音とクリスも

 

「貴方ねえ……!!」

 

「てめえ!言っていいことと悪いことがあるだろうが!!」

 

と怒りを顕にする。響、翼、調、切歌は勿論、未来、エルフナインも珍しく怒りを顕にする。シンクは

 

「あはは、何怒ってるの。怒りたいのこっちなんだけど」

 

とさらに煽り、

 

「丁度いい。恨みを晴らさせてもらうよ!傲慢なフィーネサマと配下の屑共!!」

 

シンクから放たれる凄まじい殺意に寒気をする10人。翼は

 

「貴様……!マリア達を殺すつもりか!?」

 

と聞くと、シンクは

 

「当たり前でしょ」

 

と答える。シンクは戦闘態勢に入っている。響達は唱を落とす。

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron………」

 

「Imyuteus amenohabakiri tron………」

 

「Imyuteus amenomurkumo tron………」

 

「Killter Ichaival tron………」

 

「Seilien coffin airget-lamh tron………」

 

「close core balmunk tron………」

 

「Various shul shagana tron………」

 

「Zeios igalima raizen tron………」

 

次の瞬間8人は白い光に包まれる。響は黄色のシンフォギア『ガングニール』を、翼は蒼のシンフォギア『天羽々斬』を、凛音は薄紫のシンフォギア『天叢雲』を、クリスは赤のシンフォギア『イチイバル』を、マリアは白銀のシンフォギア『アガートラーム』を、奏空は黒のシンフォギア『バルムンク』を、調は桃色のシンフォギア『シュルシャガナ』を、切歌は緑のシンフォギア『イガリマ』をそれぞれ纏った。響以外は全員アームドギアを取り出して戦闘態勢に入り、武器の先をシンクに向ける。しかし、シンクは何とも思っていない様で、

 

「殺してやる、傲慢な終わりの巫女サマと屑の配下達……!」

 

と殺意を持って響達に襲いかかった。




ED 高垣彩陽『Rebirth-day』

キャスト

立花響:悠木碧
風鳴翼:水樹奈々
風鳴凛音:早見沙織
雪音クリス:高垣彩陽
マリア・カデンツァヴナ・イヴ:日笠陽子
枢木奏空:下野紘
暁切歌:茅野愛衣
月読調:南條愛乃
小日向未来:井口裕香
エルフナイン:久野美咲

シンク:大谷育江


シンクはこの回は敵として響達に襲いかかりますが、彼はマリア、奏空、調、切歌を殺す為に襲います。後に彼も響達の味方として、パヴァリア光明結社と戦います。


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第5話 烈風強襲 後編

続きです。初の戦闘シーン。上手く描けたか不安ですが、頑張りました。

OP GIRLFRIEND『ミライリスト』


同時刻。二課仮設本部内はアラートが鳴り響く。

 

「状況は!?」

 

「シンフォギアのアウフヴァッヘン波形をキャッチ!これは、全てのシンフォギアです……!」

 

「何!?どういうことだ!?」

 

「戦闘区域特定!モニターに映します!」

 

中央のモニターに映ったのは、8人のシンフォギア装者が1人の少年と対峙している映像だった。

 

「彼以外に仲間はいるか?」

 

「いえ、1人しか確認できません」

 

「翼!何があった!?」

 

弦十郎は翼に通信を入れる。

 

『ナスターシャ教授の墓参りの供え物を買いに来ていた時にその少年が私達に襲ってきました。その少年はマリア達元フィーネを憎んでいるようで、説得も通じず、マリア達を殺そうと襲ってきたのでやむを得ず……』

 

翼の説明に考え込む弦十郎。

 

「(一人だけだと?何故マリア君達を恨む?)」

 

『司令、どうしますか?』

 

「……その少年をこの戦闘で拘束する。マリア君達に恨みがあるのなら、話を聞く必要がある」

 

『分かりました!』

 

「(……持ってくれよみんな)」

 

弦十郎はマリア達を信じていないわけではない。今回自分達に喧嘩を売った相手は少年の様に見える。だが、見たこともない術を使い、しかも元フィーネのマリア達4人を強く憎悪し、殺そうと襲いかかっている。さらに響達元二課の4人をも同罪という理由で襲っている。マリア達はフロンティア事変での一件で恨まれていると思い、それがこんな結果になってしまった。そんな状態でマリア達が戦えるのだろうか?

 

弦十郎は事が大きくならないのを願うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り、響達は未来とエルフナインに避難を促し、二人は逃げる。シンクは二人に興味が無く、マリア、奏空、調、切歌の4人に言う。

 

「ここを、お前たち4人の墓場にしてやるよ!邪魔するなら他の4人も同じだ!」

 

シンクは地を蹴り、ある程度の距離に迫った所で先制攻撃を仕掛ける。

 

「喰らえ!」

 

シンクは響達の上空に雷の剣を落とす。響達は落ちてくる前に散開して回避する。

 

『サンダーブレード』

 

しかし、かなりの威力である為に、落ちた所は黒焦げになっていた。しかし、怯むシンフォギア装者達ではない。凛音はシンクの動きを封じる為に小刀を投げつけるが、シンクは手刀で叩き落とす。更にシンクは凛音の上空に雷の剣を落とす。

 

『サンダーブレード』

 

しかし、落ちてくる前にクリスがエネルギーリフレクターを展開し、凛音を守る。サンダーブレードはエネルギーリフレクターに跳ね飛ばされる。

 

「大丈夫か、凛音!?」

 

「ええ、助かったわ。クリス!」

 

凛音は上空に飛び上がり上段の構えで刀を振り下ろした。しかし、至近距離であるにも関わらず、シンクは躱して後ろに跳躍する。マリアはこれを見逃さず、アームドギアである短剣を左腕部ユニットの肘部側から装甲内部に再び納刀するように接続し、左腕部ユニットが多数の光り輝くフィンを有する射撃形態へと変形してシンクに向ける。掌部を変形させ形成した砲身から高出力のエネルギー光波を迸らせる。

 

『HORIZON†CANNON』

 

高出力のエネルギー光波に、跳躍していたシンクは避けられないと判断し、自身の目の前に魔法陣を張り、盾にして防ぎ、着地する。マリアはシンクに問う。

 

「まさか貴方、私達と相討ちでもするつもり!?」

 

その問いに、シンクは

 

「相討ち上等だね!死ね!!」

 

と叫び、雷の剣を連続で落とす。

 

『サンダーブレード』

 

しかし、奏空は連続で落ちてくる雷の剣を躱しながら叫ぶ。

 

「冗談じゃない!!俺達は死ぬわけにはいかない!!死ねないんだあああああ!!」

 

叫びながら、勢いよく大剣をシンクに斬りつける。シンクは目の前に魔法陣を張り、大剣を防ぐ。

 

シンクは一旦後ろに跳躍すると、地を蹴って奏空に接近し、奏空の目の前で着地して、ジャンプして空中回し蹴りを繰り出す。態勢を整えていない奏空は防ぐ事も避ける事も出来ず、シンクの空中回し蹴りを左頬に受けてしまう。

 

「はあっ!!」

 

「がっ!?」

 

空中回し蹴りをしたシンクは着地して宙返りし、追撃に飛び膝蹴りを加え、最後は奏空の腹部を蹴り、奏空をふっとばす。

 

「ふっ!!はっ!!」

 

「ぐぅっ!ぐはっ!」

 

ふっとばされた奏空は壁に激突して倒れ込む。

 

「奏空!」

 

と凛音は叫ぶ。

 

「こいつ!接近戦も出来んのかよ!?」

 

とクリスは驚く。しかも体術で、大剣を使う奏空を圧倒しているので翼やマリアも驚きを隠しきれない。

 

しかし、シンクは翼に狙いを変えて飛びかかる。シンクは翼の目の前にまで接近すると、右足を軸にして左足にオーラを纏い後ろ回し蹴りを放つ。翼は刀で防ぐが、シンクは逆立ちの要領で右足にオーラを纏い蹴りを放つ。翼はこれも防ぐが、鈍器で殴られる様な感覚であり、苦しそうに顔を歪める。しかし、シンクが逆立ちを終えて翼に背を向けて着地した所を狙い、翼は刀を振るうが、シンクは予想していた様に後ろバク転で躱す。しかし、翼は自分の後ろに回ったシンクに振り向きざまに斬りかかるが、シンクは腕にオーラを纏って刀を受け止めて弾くと、宙返りしながら翼に蹴りを放つ。翼はこれを防ぐ。翼はシンクに斬りかかるがシンクは跳躍して宙返りで躱し、翼は振り向きざまに斬りかかるも読んでいたように後ろ宙返りで躱す。

 

するとマリアが短剣でシンクに斬りかかるが、シンクは躱してバク宙で、マリアの背後を取る。マリアは振り向きざまに左腕の篭手から引き抜いた短剣を周辺に展開・放出する高範囲攻撃を放つ。

 

『INFINITE†CRIME』

 

しかし、シンクはこれを全て躱しながらマリアに接近し、左手の掌底でマリアの動きを止め、両手で気を集束させマリアの腹部に当てて吹き飛ばす。

 

「ふんっ!!」

 

『双撞掌底破』

 

「がはっ!?」

 

「マリア!?」

 

いくら戦闘経験が豊富なマリアでも、かなりの威力を持つこの技は耐えきれず、壁に激突して倒れ込む。

 

「マリア!?」

 

「このっ!!」

 

調と切歌がシンクに飛びかかる。調はヘッドギアの左右のホルダーから巨大な2枚の回転鋸を放ち、切歌は鎌の刃部分を分裂させブーメランのように投擲して左右から挟撃する。

 

『γ式・卍火車』

 

『切・呪りeッTぉ』

 

しかし、シンクはこれも素早く回避して二人に接近し、風で二人を巻き上げる。

 

「はあっ!!」

 

『タービュランス』

 

「くううううっ!!」

 

「あああああっ!!」

 

巻き上げられた二人をシンクは見逃さず、闇魔法陣を張り放つ。

 

「こいつはどうだい?」

 

『グラヴィティ』

 

巻き上げられた二人はいきなり無重力に押さえつけられたように地面に叩きつけられる。

 

「調ちゃん!切歌ちゃん!」

 

響の悲鳴が聞こえる。元フィーネ組の4人はフラフラになりながらも立ち上がる。

 

「ハァ、ハァ、ハァ……」

 

「ゼェ、ゼェ……」

 

「くっ……」

 

「つ、強いデス……」

 

「ふん、弱すぎる。楽にしてやるよ」

 

シンクはとどめを刺そうとするが、響がシンクに飛びかかる。しかし、シンクは響の腕を掴むと振り回してクリスに投げつける。二人はぶつかって吹き飛ばされる。翼と凛音が左右から飛びかかるがシンクは逆立ちと共に回転蹴りを放って二人を吹き飛ばす。そして……、

 

「魔鏡技!!」

 

『魔鏡技』

 

左足での鋭い蹴りを4連続で放つ。

 

「隙だらけだよ!」

 

そこから放たれた風で竜巻を形成してマリア、奏空、調、切歌を飲み込んだ。

 

「そこだ!」

 

右足に力を込めて、マリア、奏空、調、切歌の4人に一瞬で迫りながらの蹴りの一閃で竜巻ごと4人を切り裂いた。

 

「裂空瞬閃舞!!」

 

『裂空瞬閃舞』

 

4人は吹き飛ばされ、壁に叩きつけられて気絶する。

 

「マリアっ!?」

 

「奏空っ!?」

 

翼と凛音は驚く。4人があっさりとやられるとは思っていなかったからだ。

 

「はああああっ!!」

 

今度は響が跳躍して落下を利用して右の鉄拳をシンクに放つ。シンクは跳躍して躱す。

 

そこからは響とシンクの激しい体術の応酬となる。響が拳を放てばシンクは拳にオーラを纏って迎え撃ち、蹴りを放つと回避して蹴りを放つなど、激しい一騎打ちとなる。

 

しかし、シンクは響の右の鉄拳を受け止めると蹴りで弾いて響の態勢を崩す。響は立て直そうとするがシンクは素早い動きで響を翻弄し、振り向きざまに蹴りを放って吹き飛ばし、響は吹き飛ばされて倒れ込む。

 

「やらせない!!」

 

凛音はシンクの背後から斬りかかる。シンクはしゃがんで躱し、飛び上がってバク宙の要領で壁を蹴って凛音に急接近すると、防御していた凛音の刀を踏みつけるように蹴り、さらに空中後ろ回し蹴りを放つ。凛音は防ぐが、かなりの威力である為に後ろに下がる。しかし、石に躓いて態勢を崩しそうになる。それを見逃すシンクではない。

 

「貰った!!」

 

シンクは飛び上がり、手刀で貫こうとするが、

 

「やらせるかよ!!」

 

クリスが光の矢で応戦する。

 

『QUEEN's INFERNO』

 

空中にいたため、その内の一本がシンクの左腕を掠め、シンクは痛みに顔を歪めて態勢を崩しそうになるが自力で立て直して着地して凛音に蹴りを放つが凛音は刀で防ぐ。

 

そこへ響がシンクにタックルを仕掛け、シンクはタックルをまともに受けるが、蹴りで強引に引き離し、また響と体術での応酬となる。

 

「ッ!?」

 

すると、シンクは反撃に出ようとした瞬間、体が動かなくなる。動こうにも動けない状態でいた。

 

『影縫い』

 

敵の影に小刀を打ち込み動きを封じる。放ったのは翼だ。シンクの動きが速かった為に打ち込む隙がなく、苦労したがやっと打ち込めた。

 

「喰らええええええっ!!」

 

クリスは弩弓に変形させたアームドギアからクラスター弾としての性質を持った大型矢を放つ。

 

『GIGA ZEPPELIN』

 

その矢は影縫いで動けないシンクに当たる。さらに、翼と凛音は追撃を加える。凛音は後ろ腰にある二つの柄を引き抜くとビーム刃が飛び出しシンクへ投げ付け、すぐさま二刀に持ち替えると翼同様刀身が割れて紫の光が漏れ出す。そしてそのまま交差した。

 

『紫電・四刃烈風』

 

「ぐああああああっ!?」

 

真っ二つとはいかないがシンクはかなりのダメージを負う。さらに翼は炎を纏った剣を翼と見立てて飛翔し、同じく炎を纏った脚部ブレードを高速回転させつつ対象を両断する。

 

『羅刹零ノ型』

 

「あああああっ!?」

 

両断とはいかなかったがシンクはその威力で宙に舞う。そこへ響がシンクにライダーキックの要領で蹴りを放つ。

 

「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

シンクは防ごうとするが、防ぎ切れずまともに喰らい、地面に叩きつけられる。

 

「どう…し…て…」

 

それはシンクの敗北を意味する発言だった。

 

 

 

 

 

「くっ……お前らみたいな……小娘共に……」

 

シンクは片膝を付いていた。しかし、まだ動けるようだ。

 

「シンク君……どうして、マリアさん達を……」

 

響はシンクに近づくが、シンクは響の手を払う。

 

「お前たち甘ちゃん共に言う義理はないね。僕達の事情も知らない癖に」

 

シンクは響を拒絶する。

 

「そんなことない!話せば分かるよ!戦う必要なんか……」

 

響がそう言いかけた時、

 

「五月蝿いんだよ、偽善者」

 

シンクはそう言う。

 

「お前みたいな偽善者の御託は聞きたくないね!!」

 

と怒鳴りつける。シンクは立ち上がり、

 

「次は殺す!!」

 

そう言って跳躍して立ち去った。

 

 

 

 

 

後に残された響達はマリア達の所へ行った。二課の職員によって回収されて運び込まれたマリアに奏空、調に切歌はメディカルルームでのチェックを受けた。幸い、シンクとの戦闘で衝撃を体に受けはしたが大した傷はなかったので、少しのあいだ休んだ。

 

しかし、響にはシンクの発言が頭から離れることは無かった。




ED 高垣彩陽『Rebirth-day』

キャスト

立花響:悠木碧
風鳴翼:水樹奈々
風鳴凛音:早見沙織
雪音クリス:高垣彩陽
マリア・カデンツァヴナ・イヴ:日笠陽子
枢木奏空:下野紘
暁切歌:茅野愛衣
月読調:南條愛乃

シンク:大谷育江


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第6話 攫われた鏡士と騎士 前編

第6話です。先にネタバレになります。奏空がある事件に巻き込まれます。

OP GIRLFRIEND『ミライリスト』


響達がナーザと交戦した日……。

 

「ナーザがいた!?」

 

イクス達は驚く。

 

「ああ。夕べ黒髪の女と茶髪の男尾行したんだけど、間違いない」

 

イアンはそう言う。

 

「またナーザ将軍と戦うのか……」

 

ルクスはボヤく。ナーザ将軍の強さはアランがやっと倒せた程の強さだ。また戦わねばならないというのは精神的にきつい。

 

「まあ、向こうが何考えてるのか分からないから今は余り出しゃばらない方がいいね」

 

そう言うのはミトスだ。

 

「そういえば、ミリーナはどうしたの?」

 

フランが聞く。

 

「ミリーナなら大樹の木を撮りに行ったよ」

 

イクスは答える。

 

「そう。分かった。帰ったらまた料理を一緒にやろうと思ったのに……」

 

フランは不満を露わにする。

 

「まあ、帰ったらでいいだろ。アランはどうした?」

 

チェスターが聞く。

 

「アランは本を買いに行ったよ。なんか欲しい本があったって」

 

ルクスが答える。

 

「欲しい本?」

 

ルークが疑問に思う。

 

「どんな本かは知らないけど」

 

ルクスが付け足す。

 

「へえ、帰ったら僕も読みたいな」

 

ライフィセットは言う。

 

しかし、気付かなかった。

 

この後、大変な事になると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ある大樹に一人の少年が向かっていた。S.O.N.G.に所属し、唯一の男性シンフォギア装者の枢木奏空である。今は青を几帳としたS.O.N.G.の隊員服を纏い、黒のネクタイを付けていた。

 

「さて、例の大樹はどこだ……?」

 

シンクとの一戦による傷が癒えたある日、奏空は司令である風鳴弦十郎から一つの任務を受けていた。それは突然現れた謎の大樹を調べて欲しいとの事だった。

 

本当ならば凛音やマリアら他の装者が同行する予定だったが、他の七人は任務で手放せないため弦十郎は待つように指示していたが、奏空は一人で大丈夫と言い、単独で向かうことになった。

 

「これが司令の言っていた謎の大樹……」

 

奏空が調べていると、

 

「うう……」

 

と言う声が

 

「!?大丈夫か!?」

 

奏空が介抱しようとするが、金髪の男が奏空の後ろから現れ、

 

「フィーネの騎士だな?」

 

と言う。奏空はその声に振り向いて

 

「お前、誰だ?」

 

そう聞いた次の瞬間、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前が真っ暗となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには、奏空のバルムンクのギアペンダントとスマホ、通信機が散乱していた。また奏空は気づいていなかったが、妖精が倒れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響達七人は任務を終えて、S.O.N.G.の本部である潜水艦に帰ってきた。時間は午後10時である。

 

「師匠!只今戻りました!」

 

立花響は大声でいう。しかし、

 

「響君達か。奏空君を見かけなかったか?」

 

弦十郎は聞く。

 

「え!?奏空まだ帰ってきてないの!?」

 

驚いているのは、奏空の義姉の風鳴凛音だ。義弟がまだ帰ってきてないのであれば驚く。

 

「ああ。時間を過ぎても連絡が来ないから、通信などを入れているが、反応がない」

 

厳しい顔をする弦十郎。

 

「任務に手こずってるデスか……?」

 

切歌は疑問を口にするが、

 

「まさか、任務先で何かあったんじゃ……」

 

と調が不安を口にする。

 

「ちょ、冗談はやめろよ!」

 

とクリスも不安を隠しきれていない。マリアは

 

「何も起きなければいいのだけれど……」

 

任務先から帰って来ない騎士に不安を口にする。凛音もまた、大切な家族が任務から帰ってきてないため、不安を隠しきれていない。

 

「何れにしても、今日はもう遅い。すまないが明日、奏空君の行方を探すとしよう」

 

「分かりました」

 

弦十郎もまた不安を隠しきれていないが明日探すことにして、翼も受け入れた。




ED 高垣彩陽『Rebirth-day』

キャスト

立花響:悠木碧
風鳴翼:水樹奈々
風鳴凛音:早見沙織
雪音クリス:高垣彩陽
マリア・カデンツァヴナ・イヴ:日笠陽子
枢木奏空:下野紘
暁切歌:茅野愛衣
月読調:南條愛乃
風鳴弦十郎:石川英郎

イクス・ネーヴェ:花江夏樹
フラン・レイピア:種田梨沙
ルクス・アーチャー:松岡禎丞
ルーク・フォン・ファブレ:鈴木千尋
ミトス・ユグドラシル:高山みなみ
チェスター・バークライト:伊藤健太郎
ライフィセット:浅倉杏美
イアン・ダガー:上村祐翔

ダオス:森川智之


奏空君が巻き添えでまさかのダオス様に攫われてしまいました。G編の凛音の様な事態になってしまい、響達は奏空を救い出せるか?アランは『テイルズオブジインフィニティ』のオリジナル主人公です。攫われ役にしました。次回も頑張ります。


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第7話 攫われた鏡士と騎士 後編

お久しぶりです!遅くなってすみません!現実でも色々やるべきことがありまして、気がついたらもう2019年も終わりに……。それでは最新話、どうぞ!

OP GIRLFRIEND『ミライリスト』


テイルズオブザレイズside

 

次の日……。

 

イクス達はミリーナ、アランの救出に向かうが、途中でカーリャを見つける。また謎のペンダントを見つけるが、カーリャはミリーナの物ではないと言う。

 

カーリャの金髪のイケメンという言葉からコンウェイにより、ダオスの名前が浮上。ミリーナとアランを攫ったのはダオスであることが判明。事態を受け、世界樹に来ていたエミル、ジーニアス、ミトス、シンクは直接ダオス城に向かう。イクス達はダオス城に向かう。

 

そして……

 

「うう……。ここは?」

 

「気がついたのか!?ミリーナ!」

 

イクスはミリーナに言う。アランも居合わせていた。

 

「ええ、私は大丈夫よ」

 

ミリーナはそう言うが、するとイクスがふらつき、アランが支える。

 

「みんな、私の為に……。ごめんなさい……」

 

と謝るミリーナ。コンウェイは

 

「そうだね。君は軽はずみな行動を取ったことで無関係な人も巻き込んだから」

 

とキツイことを放つ。

 

「無関係な人?」

 

ロンドリーネが聞くと、

 

「コイツのことだろ」

 

エミル(ラタトスクモード)ら四人が現れる。シンクの腕にはイクス達にとって知らない茶髪の青年がいたのだ。隊員のような服を纏っている。

 

「裏から入ったら牢屋にいたから念の為に助けたんだ」

 

とジーニアスが言う。ミリーナは

 

「彼は一体……?」

 

と聞く。

 

「ああ。彼もダオスに攫われてここに来たらしいよ」

 

ミトスはそう答える。

 

「気を失ってるみたいだからいまからマークに連絡するよ。誰か運んで」

 

シンクの言葉に

 

「じゃあ、俺が運ぶよ」

 

とアランがその少年を背負う。シンクはマークに魔鏡通信を繋げる。

 

そして、シンクの指示でマーク達救世軍が乗るケリュケイオンはダオス城に寄せて、イクス、ミリーナ、アラン達はダオス城から脱出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮想島……

 

「枢木奏空?」

 

「それがこの少年の名前らしいよ」

 

イクス、ミリーナ達が仮想島に戻り、ミリーナとアランの体力が回復した頃、イクス達はその少年の服のポケットなどを調べて漸く名前を知った。また、彼の服装から何処かの組織に所属しているということも突き止めた。因みに今会話しているのはカーリャ・Nとミトスだ。

 

すると……

 

「ぐううううっ!!??あああああああああっ!!??」

 

という悲鳴が辺りに響き渡る。

 

その声を聞いたイクス達は只事ではないと今奏空が治療を受けている部屋に入る。

 

「ジュード!ルカ!アニー!何があった!?」

 

「分からない!突然悲鳴をあげて、また倒れたんだ!」

 

すると、

 

「まさか、デスピル病!?」

 

「なんだそれ?」

 

シングの言葉にアランが疑問に思い、聞く。

 

「ゼロムっていう魔物がスピリアに寄生する事で様々な症状を引き起こしちまう病気だ!最悪の場合は、スピルーンを壊され、命を落としちまうやばいモンだ!!」

 

疑問に答えたのはヒスイだ。

 

「どうすれば治療できるの!?」

 

ミリーナは焦るように聞く。自分の軽薄な行動で無関係な人間を巻き込み、病に苦しませたのを自分の罪と思っているからだ。

 

「ソーマによるスピルリンクしかない」

 

とシングが答える。しかし、ソーマ使い用に開発されたスピルリンク魔鏡はソーマ使いを含め、4人までしか入れない。

 

そして、今回は何が起きるか分からない為に、ソーマ使い5人(シング、コハク、ヒスイ、ベリル、クンツァイト)を含む計20人が奏空の心に入ることになった。尚、リチアの許可もあり、クンツァイトも行くことになった。

 

無関係な人を巻き込んだこともあるからか、ミリーナは無論参加を表明。それ以外は救世軍のメンバーも含めて話し合った結果、こうなった。

 

シング率いるAチーム

シング、イクス、ミリーナ、コーキス

 

コハク率いるBチーム

コハク、カーリャ・N、アラン、フラン

 

ヒスイ率いるCチーム

ヒスイ、ロイド、エミル、ルーク

 

ベリル率いるDチーム

ベリル、クレス、スタン、ユーリ

 

クンツァイト率いるEチーム

クンツァイト、ジーニアス、ミトス、シンク

 

カーリャ・Nはミリーナを守るために参加を表明。救世軍からは嘗て彼に喧嘩を売ったシンクが行くことに。

 

「それじゃ、行くぞ!」

 

シングの声で、イクス達は気を引き締めて奏空のスピリアに突入した。




ED 高垣彩陽『Rebirth-day』

キャスト

イクス・ネーヴェ:花江夏樹
ミリーナ・ヴァイス:照井春佳
コーキス:内山昂輝
カーリャ・N:下田麻美
カーリャ:下地紫野
アラン・ソード:斉藤壮馬
コンウェイ・タウ:野島健児
ロンドリーネ・E・エッフェンベルグ:喜多村英梨
エミル・キャスタニエ、ラタトスク:下野紘
ジーニアス・セイジ:折笠愛
ミトス・ユグドラシル:高山みなみ
シンク:大谷育江
ジュード・マティス:代永翼
シング・メテオライト:柿原徹也
ヒスイ・ハーツ:松風雅也

枢木奏空:下野紘

奏空はミリーナ、アランを救出したイクス達に救出されましたが、今度はデスピル病にかかりました。彼に潜むゼロムはどういう奴になるかそれは次回にまわします。


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