主人公は連れていかれる (逆傘)
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主人公は連れていかれる
連載小説のネタが思いつかず、こちらに逃げてきました。
衝動的に書いたので、続きの希望があったら書くかも…
◇鶴丸視点◇
ここはいわゆるブラック本丸。前の審神者はそれはひどい人だった。夜伽や暴力は当たり前、比較的レア度が低い刀たちには代わりはいくらでもいると言い、使い捨てにまでした。
その審神者は自分が呪われることを恐れ、急に姿をくらました。皆、行き場のない怒りに包まれた。それは大きな癪気となり、本丸をつつんだ。
一期一振は気が触れ、散らばった弟達をなにかをブツブツと呟きながらかき集めている。他の刀剣達も同じように悲しんだり、狂ったりしてしまった。
今剣は目を覚まさない岩融の側で彼に話しかけ続ける。彼は瀕死で、死ぬことは無いが起きてくることはもうないだろう。そんな彼に目を覚まして欲しいと何度も話しかける今剣。
「おきてくださいいわとおし…ぼくはまだいわとおしにかたぐるまをしてもらっていません…もうあのひどいさにわはもういませんから…またおきてぼくのあたまをなでてください…ねぇ…いわとおし…」
消え入るような声で目覚めることの無い彼に話しかけ続ける今剣。それを見ていられなくて、その部屋をあとにしようとした。その時、今剣がふいに話しかけてきた。
「ねぇ…どうしてこんなことになったのでしょうか…ぼくたちがなにかわるいことでもしたのてでしょうか…」
俺はそれに答えられなくて、下唇を噛み締めてただ下を向くことしか出来なかった。
その後、気まずくなって足早にあの部屋を出た。ふと隣を見やると、左文字兄弟がいた。夜伽を毎晩させられ、壊れてしまった宗三左文字、ろくに怪我も治して貰えず毎日出陣させられ、ボロボロの小夜左文字、その傍らには、前の人の審神者のお気に入りということであまり手を出されなかった江雪左文字が2人にすがりつきながら泣いている。
俺はまだよかった。江雪と同じであの審神者に気に入られていた。目立ったような傷は無い。でもあの審神者に対する怒りは他の刀剣たちよりも大きいと思う。
政府はこの本丸に新しい審神者を入れた。中々の刀剣たちが揃っているから手放したくなかったのだろう。しかし、それが刀剣たちに受け入れられるはずもなく、次々と審神者は切り倒されていく。
また懲りずに政府は審神者を入れるようだ。もう38人目だぞ…そうしてでも欲しいのか?無駄とわかっているはずなのに。でももういい。もう疲れた…次の審神者も一期一振か燭台切か和泉守に切られて終わりだろう…
そう思った次の日から、事態は急激に変化していった。
◇???視点◇
「あー!もうあのクソ親父!私に内緒でなんてことしてくれたんだ!」
どうもこんにちは!私は神立 鈴。こうだち すずって読むの。今私は大変ご立腹なんです!あんのクソ親父が…遊ぶ金欲しさに私を政府に売りやがった…絶対許さねぇ…今度あいつが使う食器全部1回トイレの水につけてから乾燥させてご飯よそって食べさせてやろ…まぁ帰れる保障なんてないんだけど…兄貴もどうやら私を政府に売ることに賛同したらしい。あいつには積年の恨みがある。アルゼンチンバックブリーカーとジャーマンスープレックスを決めてやる…
黒服『すいません少し話を…』
「あ?今どう血祭りに上げてやろうか考えてるんだよ話しかけんな肛門に大根突っ込むぞ」
黒服『スンマセンッシタ』
「でけぇのは図体だけか?そんなムキムキの体は飾りか?かかってこいよできるもんならなぁ!その」
既に5人ほどいた黒服達はボコボコにした。2人ほど意識がないけど大丈夫でしょ。
黒服『お話だけでも聞いて頂きたいのですが…』
「あっはーい」
黒服『やけに素直!さっきまでの般若のような顔は一体…』
「そんで?私どこに連れていかれるの?」
黒服『この国で1番癪気が多い本丸の方に引き継ぎをして頂きたく…』
きた。ブラック本丸だ。夢小説とかで見たわそんなん。まさかリアルで私がブラック本丸行くと思わなかったけどね。
「はぁ…あのクソ親父にどんくらい金渡したの…」
黒服『三階建てくらいの一軒家が5つ建つくらいですかね』
そんなに金貰ってたの?私が欲しいわその金!
「…その本丸に行くから2つお願い聞いてくれない?いや聞いてくれないなら力でごり押すけど」
黒服『お望みどうりに!!』
勢いがいい。
「なに。簡単なことだよ。私の母に[あなたの旦那様は花町に毎晩遊びに行っております。ちなみにお気に入りの子はピンク・レースってお店のリオンちゃんです。]って言っといて。」
この話暴露するくらい別にいいでしょ。死んだな、親父。
黒服『承りました。それでは本丸の方に転送致します。転送先には案内役のこんのすけがおりますので分からないことはその者にお聞きになってください。』
すっごい丁寧だなこのムキムキ。さて、私が行く本丸は果たしてどんなものなんだろうか…
「ここ…かな?いやいやこんな真っ黒だとは思わんかったわ!」
溢れんばかりの癪気に叫ぶことしか出来なかった。
ネタ…ネタくれぇ…
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