BLAZBLUE ~天・下・御・免~ (レティス)
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プロローグ

どーも、レティスです。久しぶりの投稿です。では、どうぞ!


「.......は?」

 

直人は目が覚めると、何もない真っ白な空間にいた。

 

「おいおい、なんだこれ...夢か?」

「夢ではないぞ、直人よ。」

 

どこからともなく声が聞こえると、直人の目の前に、白いローブを着た老人が現れる。

 

「夢じゃないって、まさか...」

「そうじゃ、...ワシが誤って、お主を死なせてしまったんじゃ...」

「え......」

「お主は先程の雷を見たじゃろう、」

「まあ確かに、家に帰ろうとしたら、突然俺の頭上に雷が落ちてきたな。」

「そう、それがワシのミスでお主に落としてしまったんじゃ。」

(Oh....なんてこった)

 

そう直人は呟いた。何の罪もないのに神に殺されたのが、直人には納得出来なかった。

 

「それで、俺はそのまま天国行きか?、それとも地獄行きか?」

 

直人はそう尋ねると、神はこう言った。

 

「どちらでもない、ワシの力でお主を別世界へ転生させる。」

「え?、転生?」

「うむ、」

 

なんと神は死なせたお詫びとして、別世界へ転生させることを約束した。すると、神はこう言った。

 

「お主よ、転生すると今の名前は使えなくなるぞ、だからお主は新しい名前を考えなければならぬのじゃ。」

「そうなのか、...」

 

直人は新しい名前を考える。転生先で今の名前が使えなくなるからだ。

 

「よし決めた、俺の名前はフォルド・ケンウェイだ」

「フォルドか、うむ、いい名前じゃ。」

 

直人はフォルドという名前に決めた。

 

「それで、どの世界に転生させられるんだ?」

「BLAZBLUEの世界じゃ。」

「....それで、能力とかは?」

「お主の能力と装備はこれじゃ。」

 

そう言って神はフォルドに3枚のカードを渡す。カードにはこう書かれていた。

 

能力:アサシンクリードのエツィオの身体能力、鷹の目、フリーランニング

武器:SIRENの焔薙

衣装:アサシンクリード3のコナーのローブ

すると、カードが手元から消えると、フォルドの体が光り、それが治まると、フォルドは、カードに書かれていた通り、コナーのローブを身につけていた。そして背中に焔薙を装備していた。

 

「なぜ焔薙?」

「そこは気にしたら負けじゃ。....ああ、そうそう、忘れるところだった。これを、」

 

神はそう言うと、あるものをフォルドに渡した。

 

「これは、戦極ドライバーとロックシード!?、何で!?」「お主の力になると思ったからじゃよ。」

 

渡されたのは、戦極ドライバーとロックシード4つだった。

 

「ありがとう、神様」

「うむ、では転生をするぞ」

 

そう言った瞬間、フォルドの足下が消えた。

 

「え!?、ちょ...」

 

こうして、フォルドの物語が始まった。



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始まり

前回のあらすじ 
神様のミスで死んでしまった直人が、フォルドと改名してBLAZBLUEの世界に転生した。 以上


「....うーん、...ここは」

 

転生したフォルドは、木々が生い茂る広場で目覚めた。

 

(...神様は意外に手荒な方法使うんだな...)

 

フォルドは呟きながら起き上がる。すると、俺の近くに小さなポーチがあった。

 

「ん?、何だこれ?」

 

フォルドはポーチを拾うと、ポーチに貼ってある紙を見る。

 

 ~フォルドよ、忘れるところじゃった。ポーチの中に通帳と移動手段になる物を入れておいた。では、別世界を楽しんでおくれ。~ by神様

 

「通帳と移動手段になる物?」

 

フォルドはポーチを開ける。中には通帳とロックビークル[サクラハリケーン]が入っていた。

(そういえば、通帳に預金がどれだけ入っているんだ?)

 

そう呟いてフォルドは通帳を確認する。そこにはとんでもない金額が書かれていた。

 

(ええええええ!?、90億円って何だよ!?、とんでもねぇよ!!)

 

その金額にフォルドは、心の中で突っ込んだ。否、そのぶっ飛んだ金額に突っ込むのは無理もない。何せ90億円を持っている人間がいると、普通なら経済が崩壊してもおかしくないからだ。

 

(さて、ロックビークルを起動させてみよう。)

 

フォルドはもう一つポーチに入っていたアイテム、ロックビークル[サクラハリケーン]を取り出して、起動させる。すると、錠前が巨大化、変形し、バイクになった。

 

「す、すげぇ...」

 

フォルドは思わず声を漏らす。

 

(取りあえず金と移動手段については万事OKだな。にしてもここはどこなんだ?)

 

そう呟いて、フォルドはサクラハリケーンを錠前モードに戻して、歩き出す。

 

しばらく歩いていると、中華街のようなところに来た。フォルドは取りあえず、街の電子掲示板を見る。すると、掲示板の右上部に第13階層都市[カグツチ]と書かれていた。フォルドはそれを見て、確信した。

 

「なるほど、ここがカグツチなのか。.....あ、そうだ、銀行で金を引き出さないと、」

 

フォルドは銀行へ向かう。  

2分後、必要最低限のお金を引き出した後、銀行を出た。

 

「さてと、...まず腹ごしらえを.....ん?」

 

飲食店を探そうとしていたフォルドだが、突然鉄バットを持った数十名の男達が、フォルドを囲んだ。どうやら暴徒達のようだ。暴徒達を見て怯えたのか、一般人達はその場から下がる。

 

「用件は何だ?」

 

フォルドは冷静に暴徒達に言う。

 

「お前を殺して金をいただく。それだけだ!」暴徒の1人が言うと、暴徒達は一斉にフォルドに襲いかかる。

 

「悪いけど、あんたらに殺される義務はない!」

 

そう言ってフォルドも、背中に背負っていた焔薙を抜刀する。

 

(いくらなんでも人殺しをしたら大騒ぎだ。...ここは峰打ちだな。)

 

フォルドは焔薙の刃と峰を逆にする。暴徒の一人がバットを振りかざすが、フォルドは容易に回避し、焔薙を暴徒の腹に叩きつける。その一撃で一人目の暴徒は倒れた。続いて二人の暴徒がバットを振るうが、フォルドはバットを受け止め、ドロックキックで二人の暴徒を吹き飛ばす。

 

戦いが始まって4分後、フォルドは全ての暴徒達を気絶させた。

 

「はぁ....時間の無駄だった。」

フォルドはそう言いながら焔薙を鞘に納める。

 




次回
フォルドの前に現れたカカ族の女の子、タオカカ。そして、謎の裂け目と共に怪物[インベス]が現れる。フォルド、ついに斬月に変身する。
次回[斬月降臨]


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斬月降臨

長らく待たせて申し訳ありません。

前回のあらすじ BLAZBLUEの世界に降り立ったフォルド。カグツチを見学していると暴徒達との喧嘩になり、返り討ちにした。以上


「ふぅー、食った食った。」

 

先ほどの戦闘の後、フォルドは飲食店で食事を済ませてストリートを歩いていた。

 

(何もないな、路地裏歩くか、)

 

フォルドは路地裏を歩くことにした。

その途中、フォルドは口笛を吹きながら歩いていたため、前を見ていなかった。そして、

 

「ニャウッ!!」

「うぉっ!?」

 

正面にいた人とぶつかってしまった。

 

「すみません、大丈夫ですか?」

 

フォルドは倒れている人に駆け寄って謝罪する。すると、倒れている人はこんなことを言った。

 

「お腹が空いたです…」

「え?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

2分後、フォルドは倒れていた人を連れて、近くにあった中華料理店に訪れた。倒れていた人は大量の料理を注文する。そして運ばれてきた料理を食べ始める。

ちなみに、先程食事を済ませたフォルドはメロンソーダだけを注文した。

 

「にしても、よく食べるな、お前。」

「お前じゃないニャス、タオニャス。」

 

フォルドが話しかけると、タオは食べながら自分の名前を言った。

タオの格好は、肌色のコートを纏っており、茶色のタイツとクリーム色のブーツを履いていて、常時フードを被っている。そして、猫の尻尾があり、フードに猫耳を覆う部分があることから、フォルドは彼女がネコ科の亜人族ということを知った。

「君は何しにここへ来たんだ?」

「タオは史上最高賞金首のらぐにゃを探す旅をしているニャス。」

 

らぐにゃ…もといラグナ=ザ=ブラッドエッジ それはこの世界の主人公である重犯罪者の人物である。その身にかれられた最高賞金と彼の持つ蒼の魔導書を求めて、幾人もの術者が彼に戦いを挑んでいるらしい。

すると、タオは

 

「らぐにゃは、こんな顔をしているニャス」

 

と言いながら、ラグナの顔が描かれた賞金首ポスターを取り出して、フォルドに見せる。

そのポスターを見たフォルドは口に含んだメロンソーダを噴き出しそうになった。

 

(こいつ、誰だよww)

 

その理由は、ポスターに描かれたラグナの顔と、その本人の顔が全く似てないからである。ポスターに描かれたラグナの顔は、もはや狂ったおっさんそのものだった。

 

「ところで、白フードの人はどうしてここにやってきたニャスか?」

「え?、…ああ、…何もやることがないから、成り行きでここにやってきたんだ。」

 

タオの質問に、フォルドはそう答える。さすがにフォルドは「転生してここにやってきた。」なんて言えなかった

 

その後、フォルドは会計を終えて、タオと共に店を出る。

 

「それじゃ、機会があったら、また会おう。」

「はいニャス。」

 

タオと別れた後、フォルドは再び広場にやってきた。

 

(どうしようかな、…生活費はだいたいあるし、どこかでバイトでもしようかな?)

 

フォルドはこの先、どう生活していこうか考えていた。 その時だった

突然、広場の中央にチャックが開くように謎の裂け目が現れた。裂け目の奥には、森のような背景があった。その裂け目を見て、近くにいた人々がざわめき始めた。その声に反応して、統制機構の兵士達も駆けつけた。

 

(まさか!、…)

 

フォルドの考えは的中した。

 

「グギャー!!、」

 

裂け目から、人間サイズで、ダンゴムシのような体格をして、それぞれ赤、青、緑のラインがある初級インベスが3体出てきた。

そして初級インベスの一体が近くにいた男性を攻撃した。男性は近くにあった木にぶつかり、気絶した。

その様子を見た人々は、恐怖し、逃げ出す。そして統制機構の兵士達は、剣や銃を構えて、初級インベス3体を攻撃する。

互角に張り合う兵士とインベス。しかし、裂け目から新たにインベスが現れる。

 

「グォーー!!」

 

それは、初級インベスのような人間大のダンゴムシではなく、全体が緑色で、両腕に巨大な爪を持ち、背中に3対の棘、そして、虎のような頭部をしたビャッコインベスが現れた。その後、裂け目は閉じた。

兵士の一人がビャッコインベスに向かって突撃する。しかし、ビャッコインベスは火球を吐いて、兵士をふきとばす。

 

(…使うしかないか…あれを…)

 

フォルドは戦極ドライバーを取りだし、腰に装着する。

次に、メロンのロックシードを取りだした。

 

「変身!」

 

フォルドはそう叫ぶと、ロックシードを解錠した。

 

『メロン』

 

すると、フォルドの頭上に、円型の裂け目が開き、そこから巨大なメロンが現れた。

フォルドは戦極ドライバーにメロンロックシードを装着すると、ロックシードを再びロックする。

 

『ROOK,ON!』

 

すると、戦極ドライバーから、ほら貝テイストの変身待機音が流れる。

その音に、人々や兵士達、インベスらがフォルドに視線を向ける。

そしてフォルドは戦極ドライバーに取り付けられたカッティングブレードを倒し、メロンロックシードのカバーを展開する。

 

『ソイヤッ!、メロンアームズ!、天・下・御・免!』

 

電子音が流れると同時に、フォルドの頭上にあった巨大メロンが落下、フォルドの頭部を覆う。それと同時にフォルドの体に白いライドウェアを纏う。一方、フォルドの頭部には、フェイスプレートに描かれていた斬月と同じ頭部を装着し、メロンの断面を模したパルプアイが装着される。

そして巨大メロンが展開し、鎧の形状になり、水飛沫のエフェクトの後、左手に、刃の付いた盾、メロンディフェンダーが装備され、フォルドはアーマードライダー斬月に変身した。

 

「グギャー!」

 

初級インベス3体が斬月に向かって、突撃してきた。

 

「さて、いっちょやるか!、」

 

斬月は戦極ドライバーの左腰に装備された無双セイバーを抜くと、突撃してきた初級インベス一体を斬りつける。

 

「グギャ!?、」

 

初級インベス一体は攻撃を食らって怯み、転倒する。続いて二体の初級インベスが斬月を囲み、それぞれ攻撃を仕掛ける。

 

「そこだ!」

 

しかし斬月は初級インベス二体が攻撃する前に、それぞれ無双セイバーとメロンディフェンダーを叩き込み、斬月の左にいた初級インベスにメロンディフェンダー先端部の刃を突き刺し、そのまま蹴り飛ばす。蹴り飛ばされた初級インベスは、ある程度の距離を転がると、爆散した。

二体の初級インベスは、再び斬月に突撃するが、斬月は二体の初級インベスの腹部に無双セイバーを叩き込む。

 

「グギャ!?、」

「グギャア!!」

 

二体の初級インベスは倒れ、爆散した。

 

「グオオオオ!!」

 

続いて、ビャッコインベスが斬月に駆けつけ、爪を降り下ろす。

 

「くっ!…」

 

斬月はメロンディフェンダーで防御するも、パワーが強かったために二歩後退した。ビャッコインベスは続いて左手の爪を降り下ろすが、斬月は攻撃を避ける。

 

「ここだ!」

 

そしてビャッコインベスに無双セイバーを叩き込む。

「グオオッ!?」

 

ビャッコインベスは攻撃を食らって転がるも、すぐに体制を建て直す。斬月はその間に無双セイバーの撃鉄を引き、数発分の弾丸を装填する。

ビャッコインベスは斬月に向かって火球を発射するも、斬月はメロンディフェンダーで火球を防御し、無双セイバーに装填された弾丸を全て発射する。

 

「グオオオ!!、」

 

ビャッコインベスは弾丸をまともに食らい、後退した。

 

(これで終わらせよう、)

 

斬月は無双セイバーを納めて、ビャッコインベスに背中を向けると、カッティングブレードを一回倒す。

 

『ソイヤッ!、メロン・スカッシュ!』

 

電子音と共に、右足にメロンの果汁を模したエネルギーを纏う。ビャッコインベスはチャンスと見て、斬月に向かって突撃する。

斬月はビャッコインベスが攻撃するタイミングを見て、エネルギーを溜めた右足で回し蹴りを繰り出す。

 

「おりゃああああ!!」

「グオオッ?」

 

回し蹴りを食らったビャッコインベスは五歩後退し、爆散した。

 

「はぁ…はぁ…」

 

フォルドは変身を解除する。

 




次回 インベスとの戦いの後、情報統制機構に指名手配となってしまったフォルド。逃げ切った後、最高賞金首の重犯罪者ラグナと偶然出会う。そんなフォルドを快く思わないラグナは、フォルドに戦いを申す。
次回「ラグナとの出会い、そして対決」


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ラグナとの出会い、そして対決 前編

前回のあらすじ
カカ族の女性、タオと出会い、再び広場に行くと、突然裂け目と共にインベスが現れた。フォルドは、アーマードライダー斬月に変身し、これを討伐する。
以上


「(どうしてこうなった…)」

 

インベスとの戦いの後と、フォルドは現在、情報統制機構の兵士に追われていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

5分前、インベス達を倒した後、フォルドは変身を解除して、メロンロックシードと戦極ドライバーを見つめる。

 

「(なんでこの世界にインベスやクラックが現れたんだ?、……もしかして、俺がロックシードと戦極ドライバーを持って転生したから、この世界が別世界と干渉したのか?…)」

 

フォルドは、ロックシードと戦極ドライバーを所持していることがインベスやクラックが現れる原因だと、心の中で自問自答する。しかし、時は待ってくれない。

 

「貴様!、ここで一体何をしている!?」

 

フォルドのもとに、情報統制機構の兵士が怒号を上げながらやってきた。

 

「え?、…あの…俺はさっきまでいた怪物と戦ってi「とぼけるな糞餓鬼!!」…え?…でも、あそこにいた兵士達はしっかり俺と怪物の戦いを見ていたはずです!」

 

そう言ってフォルドはその場で倒れている兵士達の方を向いた。しかし、兵士達の答えは、

 

「テメェがこの場にあの怪物を呼んだんだろうが!!」

「テメェがいなければこんなことなかったんだよ屑が!!」

「謝れ!!」

「*#♭£々★▲¥$!!!!」

「…why?」

 

完全にフォルドのせいにしようとする犯人妄想という答えだった。(しかも1人言葉になっていない)

 

「どうやら貴様がこの事件の犯人のようだな」

 

そう言って兵士はフォルドに向けて剣を構える。

 

「いやいやいや!、なんで被害妄想するの!?、しかも言葉にすらなってない人いるぞ!?」

「当然だ!、我々は世界のトップに君臨する情報統制機構だぞ!?、何をしようが我々の思うがままだ!!」

 

汚ねぇ……。フォルドは心の中でそう思った。

 

「とりあえず貴様には取り調べをしてもらう。捕らえろ!!」

「訳分かんねぇよ!!?」

 

兵士はフォルドを掴もうとする。

 

「訳分かんないやつに捕まる主義じゃねぇんだよ!!」

「うわっ!?」

 

フォルドは兵士の腕を振りほどくと、走りだす。

 

「奴を捕まえろ!!」

 

兵士達はフォルドを追いかける。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして現在、フォルドは神様からもらったマスターアサシン・エツィオの身体能力を活かして、屋根の上を移動する。

 

「はぁ…はぁ…逃げ切れたか?」

 

フォルドは後ろを向くと、兵士達が追いかけてきていないことを確認する。

どうやら逃げ切れたようだ。

「(何をどうしたら一日で俺が犯罪者に仕立て上げられるんだ?)」

 

「つ…疲れた…」

 

フォルドは近くにあったベンチに座り込んだ。

しばらくすると、誰かが歩いてきた。その男は、赤いジャケットに黒いズボンを着ており、腰にはセラミック製の剣を下げており、白髪にオッドアイで、キリッとした顔をしている。フォルドはチラッとその男を見て、誰なのかを理解した。そう、彼こそが、ラグナ=ザ=ブラッドエッジである。

ラグナはフォルドの隣に座ると、右手を見つめる。

フォルドも同じようにロックシードと戦極ドライバーを取り出して、見つめる。

するとラグナがフォルドに話しかけてきた。

 

「お前、ポスターに貼ってあったやつか?」

「え?、どういうことだ?」

「壁際や柱にお前を指名手配しているポスターが貼ってあった。」

「……そうか…」

 

どうやら情報統制機構はフォルドを指名手配としてポスターまで貼ったらしい。

 

「はぁ~、…やっぱりこれが原因か…。」

「?、それは?」

 

ラグナはロックシードと戦極ドライバーに目を向けた。

 

「これはロックシードという、果実の意思が込められた錠前だ。それで、こっちが戦極ドライバー、さっき言ったロックシードを組み合わせることによって、アーマードライダーという姿に変身できる。」

「どっかの特撮みたいだな。」

「ああ、…俺はさっきまでインベスと呼ばれる怪物と戦っていたんだけど、終わった後、統制機構の兵士達が何もかも俺のせいにしやがったんだよ。」

「まぁ、あいつらはクズばっかりだからな。」

「ああ、…ところで、ラグナ。」

「何で俺の名前を知ってるんだ?」

「いや、さっきタオって人が教えてくれたんだ。」

 

フォルドの話を聞いたラグナは、すぐに立ち上がって3歩下がり、怒りの表情を浮かべながら腰に下げている剣に手をかける。

 

「テメェも俺を狙っているのか!?」

「ちがう!、お前を殺そうなんて思ってない!」

「信じれないな、勝負しろ!!」

 

ラグナは剣を引き抜く。

 

「…………なんでこうなるんだよ…」

 

フォルドは仕方なく戦極ドライバーを装着する。

 

「変身!」

 

そして、メロンロックシードを開錠する。

 

『メロン』

 

フォルドの頭上に巨大メロンが現れる。続けてフォルドはロックシードを戦極ドライバーに装着させて、ロックした。

 

『ROOK,ON!』

 

そしてカッテングブレードを倒してロックシードのカバーを展開する。

 

『ソイヤ!、メロンアームズ!、天・下・御・免!』

 

フォルドは斬月に変身すると、メロンディフェンダーに黄緑色のグリップが付けられていることに気づいた。

 

「(なんだこれ?)」

 

斬月はそのグリップを起こすと、突如メロンディフェンダーが盾から刀身の太い片手剣に変形した。

 

「(なんだこれ…、原作にこんなのなかったぞ?)」

 

あまりの出来事に斬月は驚く。

 

「オイ、要件は済んだか?」

「…ああ、」

 

ラグナと斬月は、互いの剣を構える。




後編に続く。

メロンディフェンダーの設定
オリジナル機能として剣に変形できるようになりました。これは、とあるRPGにディフェンダーという剣があったからです。
それでは、次回お楽しみに


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ラグナとの出会い、そして対決 後編

おしらせです。負の凡才sとのコラボが決定しました!。
なので、レイチェルとフォルドが会話する話までいったら書こうと思います。
それでは後編、どうぞ!


二人は、剣を構えながら睨みあう。そして先に動いたのは、…

 

「うおおおおおお!!」

 

ラグナだ。ラグナは斬月に急接近し、ブラッドサイズを縦に振り下ろした。

 

「くっ!…」

 

斬月はメロンディフェンダーでパリングすると、ラグナにめがけて突きを放つも、弾かれてしまう。

 

「食らえ!」

「うおっ!?」

 

ラグナは渾身のパンチを斬月に食らわせ、吹き飛ばす。

斬月はすぐに体勢を整えると、ラグナにメロンディフェンダーを振るう。

 

「甘い!」

 

ラグナはブラッドサイズで攻撃をガードする。

 

「甘いのはお前の方だ!」

 

斬月は無双セイバーに手をかけると、引き抜くと同時にラグナに斬りつける。

 

「ぐあっ!?」

「もう一発!」

 

斬月は回転蹴りをお見舞いするも、ラグナに受け止められ、払われる。

 

「なあ、俺はあんたとは戦いたくないんだ、だから「ふざけんじゃねぇ!!、そんな危なっかしいもん振り回しといて、…えらそうにほざくんじゃねぇ!!」……」

 

ラグナは、斬月に怒号を言い放つと、ブラッドサイズに紫色のエネルギーを溜め始める。

 

「…ちっ!!」

 

斬月は、無双セイバーとメロンディフェンダーを連結させ、戦極ドライバーからメロンロックシードを取り外し、無双セイバーに付け直して、ロックする。

 

『ROOK,ON!、イチ、ジュウ、ヒャク、セン、マン!』

 

ナギナタモードの無双セイバーに黄緑色のエネルギーが溜まる。

 

「うおおおおらぁああ!!」

 

ラグナは、黒い獣のような衝撃波を放つ。

 

『メロン・チャージ!』

「せいやぁーーー!!」

 

斬月は×字の黄緑色の衝撃波を飛ばす。そして、お互いが放った衝撃波が激突し、大爆発を起こす。

 

「「はぁ…はぁ…」」

 

二人は息を切らしながら、まだ立っていた。  そのとき、ラグナの後ろ側にクラックが開いた。そしてそこから、青いボディに二つの角が生えたシカインベスが現れ、その後にクラックはすぐに閉じた。

「!!、ラグナ、後ろ!!」

「あ?」

 

斬月はラグナに呼び掛ける。ラグナが後ろを振り向いた瞬間、

 

「グオオッ!!」

「うわっ!!」

 

シカインベスの突進を食らって吹き飛ばされた。

 

「てめぇ!」

 

斬月はシカインベスに怒濤の連続攻撃を食らわせる。

 

「グギャア!?」

 

シカインベスは、斬月の攻撃を受けて転倒し、そのまま数センチ転がった。斬月は急いでラグナのもとに行く。

 

「大丈夫か?、ラグナ。」

「いててて、…何だアイツ…」

「あいつはインベスっていう、異世界の怪物だ。ちなみに別個体だけどさっき俺が戦った相手だ。」

 

そう言いながら斬月はラグナを起こす。すると、シカインベスが何かを見つけたかのように2人とは反対側へ走った。そしてシカインベスは落ちていた物を拾った。それは、何故か落ちていたイチゴのロックシードだった。ラグナには何のことなのか分かっていなかったが、斬月はそれを見て無双セイバーとメロンディフェンダーを構える。

そしてシカインベスはイチゴロックシードを額に当てる。すると、シカインベスの額に口みたいなものが開き、ロックシードを取り込んだ後に口を閉じた。

次の瞬間、突如シカインベスが赤青い炎に包まれ、巨大化した。その姿は、もはや鹿の原形を留めておらず、筋肉質な体格に、背中には一対の巨大な枝角をもった異形の姿に変貌した。

 

「これならどうだ!」

 

斬月は無双セイバーの撃鉄を引いて弾丸を装填し、それを全て撃ち出す。

 

「グオオオオオ!!!」

 

しかし、シカインベス強化体の頑丈な体に、弾丸は全く効いていなかった。

 

「(効いていない……なら!)」

 

斬月は、今度はシカインベス強化体に駆け寄り、連続攻撃を仕掛ける。だが

、シカインベス強化体はアクロバティックな動きで斬月の攻撃を全て避け、そして斬月にキックを入れる。

 

「ぐっ!…」

 

斬月はあまりのパワーに腹を抱えて怯む。だが、シカインベス強化体の攻撃はこれで終わらない。

 

「グオオオアアアアア!!!」

 

今度は拳に炎を纏わせて、そのまま斬月を殴った。

 

「うわあああああ!!、………ごはっ!!」

 

斬月は防御できずに食らってしまい、メロンディフェンダーを手離す。さらに壁にぶつかった衝撃で無双セイバーまで手離し、そのまま地面に落下した。

 

「おい、…大丈夫か!?、…くっ!」

 

ラグナは蒼の魔導書[ブレイブルー]を発動させようとする。しかし、斬月は立ち上がり、ラグナにこう言った。

 

「ここは俺にやらせてくれ。」

「無茶だ!、武器も失ったのにどうやって……「まだ手はあるさ。」……は?」

 

そう言うと斬月は、ホルダーから新たなロックシードを取りだし、開錠した。

 

『パパイア』

 

すると、斬月の頭上に巨大なパパイアが現れた。

斬月は、戦極ドライバーに装着していたメロンロックシードを取り外すと、今度はパパイアロックシードを戦極ドライバーに装着して、ロックした。

 

『ROOK,ON!』

 

ほら貝テイストの音声が鳴ると共に、メロンの鎧が弾け飛ぶように消滅した。そして斬月はカッティングブレードを倒し、ロックシードのカバーを展開する。

 

『ソイヤッ!、パパイアアームズ!、一・触・即・発!』

 

巨大パパイアが斬月の頭に落下すると、鎧の形に展開し、水飛沫のエフェクトと共に、パパイアを模した戦斧、パパイアハルバードが斬月の右手に現れた。

 

「よし、行くぞ!」

 

斬月は再びシカインベス強化体に急接近して、パパイアハルバードを振り下ろす。

 

「グギャアア!?」

 

すると、今度は大きく怯んで、二歩後退する。どうやら効いているようだ。

 

「ラグナ!」

「ああ!」

 

ラグナもシカインベス強化体に向かってジャンプして、左肩目掛けてブラッドサイズを振り下ろす。

 

「食らえ!!」

「グギャアア!!?」

 

ラグナの攻撃は致命傷となり、左肩の枝角が砕け散る。そしてシカインベス強化体は大きくバランスを崩し、転倒した。

 

「決めるぜ!!」

「これで終わりにしてやるぜ、このシカ野郎!!」

 

斬月はカッティングブレードを一回倒す。

 

『ソイヤッ!、パパイア・スカッシュ!』

 

そして、パパイアハルバードにエネルギーを溜めて巨大化させる。

 

一方、ラグナはブラッドサイズを鎌状に変形させる。

 

「「食らえ!!」」

 

ラグナと斬月の声は重なり、それと同じタイミングでシカインベス強化体にブラッドサイズとパパイアハルバードが振り下ろされた。

 

「グギャアアア!!」

 

シカインベス強化体は2つの攻撃を受けて苦しむ。さらに斬月はハルバードを手放した後、シカインベス強化体目掛けて無頼キックを放つ。

 

「これで、終わりだぁ!!」

「グギャアアアアア!!!」

 

無頼キックを受けたシカインベス強化体は、爆散した。

 

「……やったな」

「…ああ、」

 

二人は近寄り、ハイタッチする。そのとき、

 

「いたぞ!、指名手配中の犯罪者だ!」

 

統制機構の兵士達がやってきた。

 

「げっ!、…面倒だ。」

「さすがにもう走れねえよ…」

 

そう言って斬月はサクラハリケーンを取り出して、具体化させる。

 

「ちっ!、…なあ、お前の名前はなんだ?」

「俺はフォルドだ!、…ここは二手に別れるぞ、ラグナ、また後で会おう!」

「ああ!」

 

斬月はサクラハリケーンを加速させて統制機構の兵士達から逃げる。

フォルドは後ろを確認すると、統制機構の兵士達がバイクに乗って追いかけてきた。

 

「(くそ、…もっとスピードを…)」

 

フォルドはさらに加速する。すると、サクラハリケーンが突如桜吹雪と共に謎のエネルギーに包まれた。

 

「(な…なんだこれ!?)」

 

そして、バイクが浮き上がると共に、360°回転し始めた。

 

「(え!?、ちょっ、酔う!、酔うって!!)」

 

そしてフォルドの前に謎のゲートが開いた。

 

「う、うおおおおおおお!?」

 

フォルドは叫びながらそのゲートに突入していった。その後、フォルドが突入した後にゲートは閉じた。

 

「な、…消えただと!?」

「ちっ!、他の場所にまわれ!」

 

統制機構の兵士達は、フォルドを見失うと、別の場所でフォルドを探すことにした。

 




次回 サクラハリケーンのワープ機能でレイチェルのいる古城にやってきたフォルド。フォルドはレイチェルから自分がイレギュラーな存在であることを聞かされる。果たして、フォルドの決意は…
次回[自分自信を信じる力]


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自分自身を信じる力

今回は短めです。
前回のあらすじ フォルドが統制機構に犯罪者に仕立てあげられ、指名手配されてしまった。逃げた先で、ラグナと出会い、ちょっとのこので対決することに、…しかし再び、クラックとともにインベスが現れ、さらには強化体になってしまう。二人は力を合わせて、これを撃破。その後、フォルドはロックビークルで逃走する。すると突然、ワープ機能が作動し、どこかにワープしてしまう。
以上


とある暗闇の場所、そこにはバラが多く咲いている、時の流れから外れた古城があった。そしてバラがある庭園に一つの裂け目と共にバイクに乗った少年が現れた。

 

「うわああああ!!!」

 

フォルドだ。先程のワープでまだ叫んでいた。サクラハリケーンが地面につくと同時に、フォルドは正気を取り戻す。

 

「ハッ!、…ここは?…」

 

フォルドはサクラハリケーンを止めると、そこから降りて再び錠前モードに戻し、そして変身を解除する。

 

「……へぇ~、結構咲いてるな…」

 

フォルドはしゃがんでバラを眺める。…が、

 

「……う、うぷ…」

先程のワープの際の360°回転で酔ったのか、強烈な吐き気に見舞われる。

 

「お、おえええええええ…」

 

ついにフォルドは我慢できずにバラの上に嘔吐してしまった。

 

「(ああ、…これは絶対怒られるな…。)」

 

フォルドは、バラを2つくらい台無しにして、その場で四つん這いになる。すると、横から人の声がした。

 

「私の城で勝手に吐かないで下さる?」

「!?」

 

フォルドはすぐさま横に振り向くと、そこには黒い傘を差し、黒をベースに赤の十字ラインの入ったドレスで身に纏った金髪にツインテールの髪型をした女性がいた。

 

「あ、…すみません…。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その後、フォルドと謎の女性は、テーブルに置かれた椅子に座った。その際、高齢の執事が紅茶と茶菓子を運んできてくれた。

フォルドは焔薙を椅子にかけると、謎の女性に尋ねる。

 

「あの、…さっきはバラを台無しにしてしまってすみません。」

「…そんなことは構いません。名乗りがまだだったわね。私はレイチェル=アルカードよ。」

「俺はフォルド・ケンウェイです。」

 

二人は自分の名前を名乗った。

 

「…それよりも、あなたに聞きたいことがあるわ。」

「何ですか?」

 

するとレイチェルは、フォルドにこう質問した。

 

「あなた、…転生した者ね。」

「え?、…なんで知ってるんですか?」

 

突然の発言にフォルドは戸惑う。

 

「先程、空に一筋の光が流れていったわ。それがあなたの転生した証明ということを知ったのよ。」

 

なんとレイチェルは、フォルドが転生したことを分かっていたらしい。さらに、

 

「…それに、その刀と、あなたの持っているバックルと錠前もそうよ。」

 

レイチェルは焔薙だけでなく、フォルドが戦極ドライバーとロックシードを所持していることまでも知っていた。

フォルドは、とりあえずポケットから戦極ドライバーとロックシードを取り出して、レイチェルに見せる。すると、レイチェルはこう言った。

 

「やはりね…どれも別世界の物だわ…」

「つまりは何ですか?」

「あなたはこの世界にとってイレギュラーな存在なのよ、フォルド。」

「レイチェルさん…あなたは一体……」

「異世界を知る吸血鬼よ。」

 

レイチェルの言葉に、フォルドは黙りこむ。

 

「それに、そのフォルドという名前も、転生後の名前でしょ?」

 

フォルドは黙って頷く。すると、フォルドはこう言う。

 

「イレギュラーだから、ダメなのか?…」

「?」

「確かに俺はイレギュラーな存在だ。戦極ドライバーやロックシード、ましてやこの刀を所持していることが、世界のバランスを崩しかねないことだけは自覚している。…でも、たとえ俺がイレギュラーな存在であっても、俺は俺としてこの世界を生きる!、自分自信を信じる!、…異質なことが問題じゃない、…問題なのは今を生き抜くこと、それじゃないんですか!?」

 

フォルドはレイチェルにそう打ち明けた。するとレイチェルはクスクスと笑い、こう言った。

 

「そう、…ならその力に後悔をしないように生きなさいフォルド。あなた自信を信じて、…」

「はい!、…」

 

その後、フォルドは斬月に変身して、サクラハリケーンに乗り、スピードを上げてワープ機能を使用して、古城を後にした。

 

「今を生き抜く…この世界に果たして通用するのか、…見守ってあげましょうか…」

 

フォルドが去った後、レイチェルは一人でそう呟いた。




次回は負の凡才とのコラボ編です。それでも、本編に繋がります。
次回[幻想編パート1 異質な出会い]


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ノエルとの出会い

本当はコラボ編投稿でしたが、CT編終わるまで延長ということになりました。はい、
では、どうぞ
前回のあらすじ、フォルドはサクラハリケーンで古城へワープ。そこで吸血鬼の女性、レイチェルと出会い、フォルドがイレギュラーな存在ということを聞かされる。フォルドは今を生きることを決意した。たとえイレギュラーであっても、と…


サクラハリケーンで再びカグツチに戻どってきたフォルドは、変身を解除してサクラハリケーンを錠前モードに戻す。

 

「(そういえば俺指名手配されていたな……フード被るか)」

 

フォルドはローブについているフードを被り、商店街通りに出た。人は買い物客などで大勢いるが、統制機構の兵士たちも6人一組で怪しい者がいないかパトロールしている。

 

「(…なるべく群衆に紛れるか。もしばれたら大騒ぎになるしな。)」

 

フォルドは統制機構の兵士がフォルドとは反対の方向を向いた隙に群衆に紛れた。

 

そして4分後、なんとか兵士達にバレずに商店街通りを出ることができた。

「(はぁー…やっと出れた。…にしてもあちこちに俺を手配しているポスターがあるな。…地道に破っていくか。)」

 

フォルドは壁に貼ってある手配ポスターを見つけると、それを破る。しかし

 

「いたぞ、指定手配犯だ!!」

「やべっ!」

 

兵士達にバレてしまい、結局戦闘になってしまった。

 

「(さすがに闇雲にアレを使うのはまずい。格闘で…)」

 

フォルドは戦極ドライバーを使おうとしたが、一般人に向けて使用するのはさすがにまずいと思い、拳を握る。

兵士の一人がフォルドに剣を振るう。

 

「当たるかっ!」

 

フォルドは避けると、兵士の頭部を殴り、気絶させる。

続いて二人目の兵士が突撃してきた。しかしフォルドは押し返して回し蹴りを食らわせる。

 

「(きりがない……ん?)」

 

フォルドは近くにあった昇降機に目をつける。

 

「よし、逃げるか。」

 

フォルドは昇降機のロープを握ると、足元にあったスイッチを踏む。するとロープが巻き上がり、フォルドは建物の屋根の上へ一気に上昇した。

そしてフォルドは屋根の上をパルクールで駆け走る。

 

2分後、フォルドは兵士達から逃げ切って4階建ての建物の上にやってきた。

 

「(お、ちょうどわら束があるな。よし、飛び込むか。)」

 

そしてフォルドは、建物からイーグルダイブをした。凄い速さで下に落ちるフォルドはちょうど真下にあったわら束に落下した。その後、わらまみれになりながらわら束から出たが、

「…やばい、背中いった…」

 

フォルドはまだイーグルダイブに慣れてなかったのか、背中を打撲してしまった。そしてフォルドは壁にもたれた。すると、

 

「あの、大丈夫ですか?」

 

突然、青いポンチョを着た金髪の少女が話しかけて来た。

 

「背中を打撲した…」

 

フォルドは少女にそう答えた。

 

「大変!すぐにお医者さんに診てもらわないと、」

 

と言って少女はフォルドを立ち上がらせると、フォルドの肩を組んで病院まで運んだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

5分後、病院に到着してフォルドは打撲を医者に治療してもらった。その後に少女と病院を出た。

 

「そういえば君の名前は何だ?」

「私はノエル=ヴァーミリオンです。」

「そっか、俺はフォルド=ケンウェイだ。」

 

二人はお互いの名前を名乗った。するとフォルドは、ノエルに質問する。

 

「ところでその格好、一般人じゃないようだな。何か仕事してるのか?」

「あ、はい。情報統制機構のs「…なぬ?」…え?」

 

ノエルの言葉にフォルドは疑問の言葉を発す。

 

「俺、その組織に訳わからないことで指名手配されてるんだよ…。」

「え?そ…そうだったんですか!?」

「ポスターがあちこちに貼ってあるんだ。事実だ…。」

 

フォルドはノエルに、自身が統制機構に指名手配とされていることを話すと、それを聞いたノエルは驚きながら声を上げる。

 

「ちなみに…どういうことでそうなったん何ですか?」

「お前は裂け目から怪物が現れる話知ってるか?」

「あ、はい。」

「俺はそのときに怪物と戦った。だけどその後に統制機構の兵士たちが、怪物が現れたことを全て俺のせいにしやがったんだ。それで、今に至る。」

「なんてこと…」

 

フォルドは事情をノエルに説明した。すると、フォルドはノエルに頼み事を話す。

 

「ノエル、お前が統制機構に俺の指名手配を取り消しするように上司に交渉してきてくれないか?」

「えっ?」

「俺は裂け目から出現した怪物を倒しているし、裂け目や怪物を出現させたのは俺じゃない。それに俺はそんな極悪非道なことをする奴じゃないからな。」

「…分かりました。私が上司にそう伝えます。」

「悪いな。」

 

二人は会話をしている間に、宿屋のところに着いた。

 

「じゃあ俺はここの宿屋で泊まるから、また明日入り口で会おう。」

「はい。」

 

そう言ってフォルドは宿屋に入った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その夜、フォルドは戦極ドライバーを見つめていた。すると突然、戦極ドライバーが全く違う物に見えた。

それは全体が赤く、フェイスプレートとカッティングブレードがあった左右の部分には銀色のハンドルがあり、ロックシードをはめる下部にはグラスを模したポッドがあり、三ヶ所にストローみたいなパーツが取り付けられているバックルがあった。

 

「(な…何だ?…一体何が?)」

 

フォルドは一旦目を擦ってからもう一度それを見る。すると、謎のバックルを掴んでいた左手には見覚えのある戦極ドライバーがあった。どうやら錯覚のようだ。

 

「(錯覚かよ…にしても一体何なんだったんだ?あれは…)」

 

フォルドは疑問を抱きつつもベッドに横たわり、静かに眠った。




次回 ノエルの話から、指名手配を解くには決闘をしろという話を聞いたフォルド。
そして、柱しかない広場で待っていたのは、統制機構のジン=キサラギ。フォルドは彼と決闘することに…
次回「VSジン 氷結の刃」


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VSジン 氷結の刃

いや、本当に執筆は難しいと思っています。はい、
前回のあらすじ フォルドは指名手配を解こうとして背中を負傷した。そこで統制機構の少女であるノエルと出会い、フォルドは彼女に指名手配を解くように頼む。そしてその夜、フォルドは戦極ドライバーが別のバックルに変化する錯覚を見た。


翌日 宿屋から出たフォルドは昨夜に見た錯覚が気になり、戦極ドライバーを取り出して見つめる。するとまた戦極ドライバーが一瞬、錯覚で別のバックルに変化して再び元の戦極ドライバーに戻った。

 

「(またあの錯覚だ…本当に何なんだ?)」

 

フォルドは錯覚に疑惑を感じながらもノエルを待った。

30秒後、ノエルがフォルドの元へ到着した。

 

「あ、ノエル。昨日頼んだことは通じたか?」

 

フォルドはノエルに昨日のことを聞く。するとノエルは困った表情をして話した。

 

「フォ、フォルドさん…」

「どうした?そんな困った顔して…もしかして、要求は通じなかったか?」

「あの…少佐がフォルドさんと決闘したいって…」

「…why?」

 

フォルドはノエルが言った言葉に思わず首をかしげた。

 

その後フォルドはノエルについていった。着いた場所は柱しかない広場だった。

そしてフォルドの前にいたのは青が特徴の情報統制機構の軍服を纏い、左手に日本刀のような物を持っている男だった。

 

「貴様が指名手配を解けと楯突いた者か。」

「ああ。」

「…貴様の名は何だ?」

「フォルド=ケンウェイだ。」

「僕の名はジン=キサラギ。統制機構の少佐だ。」

「(少佐?…もしかしてあいつが俺に決闘を申し出たのか?…)」

 

フォルドは心の中で呟く。

 

「なあジン、俺が勝ったら指名手配を取り消すんだ。」

「僕が勝ったら?」

「裂け目やあの怪物のことなどを全て話す。」

「いいだろう。さぁ、始めるぞ障害。」

 

そう言ってジンは日本刀型のアークエネミー[氷剣・ユキアネサ]を鞘から抜く。

 

「絶対勝ってやる。」

 

フォルドも焔薙を鞘から抜く。

するとジンはフォルドに急接近してユキアネサを横に振る。

 

「くっ!」

 

フォルドは焔薙で攻撃を受け流すと、右足でジンをキックする。しかし

 

「無駄だ障害!」

 

ジンはキックをかわしてユキアネサの鞘をフォルドに叩きつける。

 

「がっ!?」

 

フォルドは右肩を強打して怯む。ジン

は突きを放って追い打ちをする。フォルドは後ろへバックして突きを間一髪避ける。

 

「これならどうだ。」

 

ジンはユキアネサを納刀すると、右手から氷の刃を形成させて、それをフォルドに向かって飛ばす。

 

「うおっ!?」

 

フォルドは驚きながらも氷の刃を焔薙で叩き斬る。

 

「こっちもやってやる!」

 

フォルドは焔薙を頭上に掲げる。すると焔薙の刀身に霊獣・木る伝の青い炎が纏われた。

 

「食らえ!」

 

フォルドは焔薙から剣圧を2つジンに向かって飛ばす。

剣圧はジンに当たると、爆風を上げてその辺りは煙で見えなくなる。

 

「す…すごい…」

 

観戦していたノエルは思わず声を漏ら

す。

 

「やったか?…」

 

フォルドは焔薙を構えて待つ。そのときだった。煙の中からジンが飛び出し、フォルドに渾身の突きを放つ。

 

「うぐっ!…」

 

フォルドは腹部にユキアネサを刺されてしまう。さらに刺されたところが突然凍りついた。

 

「くそっ!」

 

フォルドはユキアネサを焔薙で弾き、ジンを蹴り飛ばす。

「うっ!?」

 

ジンは蹴飛ばされて約1メートル後退した。

フォルドも傷口を左手で押さえる。

 

「(このままだと殺される…戦極ドライバーを使うか。)」

 

フォルドは焔薙を納刀する。そしてポケットから戦極ドライバーを取り出して腰に装着する。続いてメロンロックシードを取り出す。

 

「変身!」

 

フォルドは斬月に変身すると、メロンディフェンダーをブレードモードにしてジンに突撃する。

ジンはユキアネサで一撃をガードする。

 

「まだだ!」

 

フォルドはすぐさま無双セイバーを引き抜くと同時にジンを斬りつけようしたが、ジンは左手の鞘で無双セイバーをガードする。

 

「ちっ!…」

「無駄だ障害!」

 

ジンはユキアネサに冷気を纏わせてフォルドに振り下ろす。フォルドはメロンディフェンダーをシールドモードに変形させてガードする。すると、ジンの一撃を受けたメロンディフェンダーがユキアネサの冷気によって氷漬けにされた。

 

「なっ…凍った!?」

「甘い!」

 

ジンはさらに氷の刃を纏ったユキアネサをフォルドに叩きつける。

 

「くっ…うわあああああ!!」

 

フォルドはメロンディフェンダーでガードするも、氷漬けにされたメロンディフェンダーは衝撃で砕け散り、フォルドも吹き飛ばされて柱に衝突。その直後に柱が崩れてその辺りが煙で見えなくなる。

 

「終わったか…」

 

ジンは着地すると、ユキアネサを納刀する。

 

「フォルドさん…」

 

ノエルは心配そうにその様子を見る。

 

煙が晴れると、そこには斬月の姿があった。

 

「何?…」

 

ジンは再びユキアネサに手をかける。

 

「まだだ…まだ終わってないぞ!」

 

フォルドは叫ぶと、ホルダーから新たなロックシードを取り出して開錠する。

 

『アセロラ』

 

フォルドの頭上に巨大なアセロラが現れる。そしてメロンロックシードを取り外し、アセロラロックシードを装着してロックする。

 

『ロックオン』

 

次の瞬間メロンの鎧が粒子状に弾け飛ぶ。そしてフォルドはカッティングブレードを倒す。

 

『ソイヤッ!アセロラアームズ!百・発・百・中!』

 

巨大なアセロラがフォルドの頭上に落下する。

 

「やらせるものか!」

 

ジンはフォルドに急接近してユキアネサを振る。

フォルドは二歩後退する。すると、巨大アセロラがフォルドとジンの間をバウンドした。

 

「おらぁ!」

「うぐっ!…」

 

フォルドは右ストレートでジンの腹を殴って怯ませる。

巨大アセロラの下部が右肩アーマーに変形してフォルドの頭部を覆う。

そして残りの部分が鎧の形に変形し、水飛沫のエフェクトと共に、両腕に二挺拳銃型のアームズウェポン・アセロラ獅子砲が装備された。

 

「(今度は撃つ武器か…よし!)」

 

フォルドはアセロラ獅子砲を構えてジンに向けて連射する。

 

「くっ!…障害がほざくな!」

 

ジンは銃弾を全て弾くと、フォルドに急接近して連撃を繰り出す。フォルドはそれらを防ぐと、アセロラ獅子砲をジンの腹に突き出して銃弾を撃つ。

 

「そこだ!」

「ぐわあっ!」

 

銃弾をまともに受けたジンはそのまま吹き飛ばされる。

 

「これで終わりにしてやるぜ!」

 

フォルドはカッティングブレードを倒す。

 

『ソイヤッ!アセロラ・スカッシュ!』

 

フォルドはアセロラ獅子砲にシーサーの頭部を模した2つの赤いエネルギー弾を形成し、エネルギーを溜める。

 

「まだ…だ!」

 

ジンも右手に氷の刃を形成させる。

 

「いっけえええええ!!」

 

フォルドは2つのシーサー型のエネルギー弾を同時に発射した。

 

「くっ!!」

 

ジンも氷の刃を飛ばす。しかしパワーの違いで氷の刃は砕け散り、2つのエネルギー弾はジンに直撃して爆発する。

 

「ぐわああああ!!」

 

ジンは吹き飛ばされ、柱に激突した。

 

「はぁ…はぁ…」

 

フォルドは息を切らしながらジンに近づき、右手のアセロラ獅子砲を構える。

 

「どうやら俺の勝ちのようだけど…まだ戦うか?」

「くっ…ここまでか…」

 

フォルドはアセロラ獅子砲を下ろして変身を解除する。

 

「約束通り、俺の指名手配は解いてもらうぞ。」

「ふん。貴様の指名手配を何故解かなければならない?…殺したければ殺せ。」

 

ジンはそう言った。するとフォルドはこう言った。

 

「お前を殺して指名手配が解ける訳がない。俺は人殺しはしたくない。」

「何故だ?…」

「”真実は無く、許されぬ事などない”。お前が俺に挑んだ結果は全て自身に受け入れるんだ。死別して結果から逃れようとするんじゃない!」

 

フォルドはジンにそう言うと、その場から立ち去った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その翌日、フォルドは壁を見てみると指名手配のポスターが無くなっていたことに気がついた。

 

「(あいつ…分かってくれたのか。)」

 

フォルドは心の中でそう呟いた。

 




今回はアサクリの名言出ました。もし意味を間違っていたらごめんなさい。
次回 フォルドは偶然ラグナを見かけ、彼のもとを追う。そこは統制機構の支部だった。ラグナのところに追い付くと、そこには謎の剣士・ハクメンと戦うラグナの姿だった。
フォルドはラグナと共闘しようとするが…
次回 [侵入]


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侵入

今回ちょっと下手です。すみません。
前回のあらすじ フォルドは統制機構のジン=キサラギと決闘することになり、見事勝利して指名手配を解いたのだった。
以上


フォルドは昨日の決闘の後、指名手配がなくなったためにカグツチで何かおもしろいことがないか町中を周っている。

 

「(うーん…何もないな…)」

 

フォルドは結局広場に戻ってきた。するとフォルドは

 

「(ん?あれは…ラグナ?)」

 

フォルドは偶然ラグナを見かけた。ラグナは何かを憎んでいる表情をして歩き始めた。

 

「(何だろう…とりあえず追うか。)」

 

そう言ってフォルドはラグナを追う。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

5分後、到着した場所は統制機構市部だった。

 

「(でけぇな。ラグナは一体こんなところに何のよう何だ?)」

 

ラグナが中に入っていくのを見て、フォルドも中に入った。

中は聖堂のような白い空間。だが中には誰もいなかった。フォルドはバレないように柱の上を渡った。するとフォルドはラグナの前方にいた人物を目にした。それは昨日にフォルドと決闘した人物であるジン=キサラギであった。しかしどこかジンの様子がおかしい。その表情はフォルドと戦っていたときのように冷徹ではなく、まるでラグナに執着しているかのように不気味な笑みを浮かべている。

 

「(何だあの表情…明らかに怪しいぞ…)」

 

フォルドは柱の上で盗聴する。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「それにしても前と違ってずいぶん丈夫そうな腕じゃないか…もうこれじゃ斬れないかもねぇ。」

 

と言いながらジンはユキアネサを構え

る。

 

「てめぇ!!」

 

ラグナはジンの言葉に激昂し、ブラッドサイズを引き抜いてジンに振り下ろす。ジンはそれをガードする。

 

「ジン!」

「ははっ、兄さん。本物の兄さんだ!」

「てめえには聞かなきゃいけねぇことが山ほどある!だがその前に一発ぶったぎらせろ!」

「何度でも殺し合おうよ、兄さん!」

 

こうして二人は戦闘を開始した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その頃その様子を見ていたフォルドは考えていた。

 

「(兄さん?…つまりジンはラグナとは兄弟関係ってところか…でもジンが言っていたラグナの右腕って…どういうことだ?)」

 

フォルドが考えてる間にも衝突した音と共に戦闘が終わった。フォルドは再びそちらに視線を向ける。そこには大の字で倒れていたジンと、どこかへ行こうとするラグナの姿だった。どうやらラグナが勝ったようだ。

 

「(よし行くか。)」

 

フォルドもラグナの後を追う。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

途中フォルドはラグナがエレベーターで地下に降りたためにフォルドもエレベーターに乗る。

 

「(結構長いな…ラグナはこの地下で本当に何のようだ?)」

 

フォルドは心の中で呟く。そして着いた所は遺跡を翻弄とさせた場所だった。

 

「(ここは…遺跡か?いやそれよりも統制機構の支部に地下にこんなところがある方がおかしい…!?)」

 

突然どこかから殺陣の音が響いた。

 

「まさか!…」

 

フォルドは音のする方へ走り出した。

フォルドが着くと、そこにはラグナともう一人白い仮面を被った戦士が戦っていた。

フォルドはすぐさまラグナに近寄る。

 

「ラグナ!」

「お前フォルドか!?何でてめぇがこんなところに…」

「お前が何をしに行くのか気になってこっそり後をつけてきたんだ。」

「余計なことしやがって!…」

 

すると仮面を被った戦士がフォルドに話しかける。

「貴様…もしやイレギュラーだな?」

 

仮面を被った戦士はフォルドから何かを感じとったかのように問う。

 

「人の事を勝手にイレギュラー呼ばわりするな!俺にはフォルド=ケンウェイという名前がある。」

「そうか…我が名はハクメン…推して参る!」

 

ハクメンは自身の名前を名乗ると、刀を構えてフォルドに突撃してきた。

フォルドはハクメンの攻撃をかわすと、ハクメンを蹴り飛ばす。そしてポケットから戦極ドライバーを取り出す。するとまたあの錯覚が起こった。

 

「(今は迷ってる場合じゃない!)」

 

フォルドは錯覚での迷いを振り切って戦極ドライバーを装着し、メロンロックシードを取り出す。

 

「変身!」

 

フォルドは斬月に変身する。

 

「ラグナ、一緒に奴を「フォルド!お前は窯へ先に行け!」…は!?どういうことだ!?」

「いいから早くしろ!」

「代わりに教えてくれ。お前がここまで来た目的を。」

「ここにある窯をぶっ壊しに来た。それだけだ!」

「お前はどうするんだ!?」

「あのお面野郎をぶっ倒してから行く。」

「…死ぬなよ。」

 

フォルドはそう言うと窯のある方へ走り出した。

 

「行かせるか「よそ見すんじゃねぇ!」ぐっ!?」

 

ハクメンはフォルドを追おうとするもラグナに阻まれる。

 

「黒き者よ。貴様を滅してくれよう!」

「くたばるのは、テメェだ!」

 

ラグナは右腕を構える。すると、紫色のオーラが右手に集まり、右手が青く光り始めた。

 

「第666拘束機関解放、次元干渉虚数方陣展開!蒼の魔導書[ブレイブルー]、起動!…行くぞこのお面野郎が!!」

 

ラグナがブラッドサイズを構えてハクメンに突撃する。

 

その頃フォルドは窯がある場所にやってきた。

 

「(あれが窯か…いやな予感しかしないな……。)」

 

フォルドは窯に危険を察していると後ろから足音が聞こえてきた。

 

「誰だ!?」

 

フォルドは慌てて背後を見る

 

「ひゃっ!…」

 

フォルドの背後には青いポンチョを纏った金髪の少女がいた。少女はフォルドのいきなりの声で尻餅をつく。

フォルドは少女の顔を見てすぐに誰かなのか分かった。

 

「あれ?ノエル?」

「その声は…フォルドさん?」

 

ノエルだった。

 

「ってかお前、どうしてこんなところに?」

「いや、道に迷ったら偶然ここに…」

「うん…なぁ、ここさっきから危険な匂いが漂ってるな。」

「…はい。」

 

二人は会話していると、突然窯の一部が開いてそこから銀髪の少女が浮遊しながら地面に降り立った。

 

「起動、起動、起動、起動、全機能の正常作動を確認。ムラクモ起動します。」

 

銀髪の少女は機械的な言葉を喋ると、フォルド達に視線を向けた。

 




受験ある。orz 
次回 窯から出てきた少女 ν-13(ニュー・サーティーン)。フォルドとノエルは彼女のパワーに悪戦苦闘。駆けつけたラグナも、ニューの言葉で何かの戸惑いを見せる。そんな中、フォルドの中の記憶が覚醒。戦極ドライバーが錯覚で見たバックル・ゲネシスドライバーに変化する。そして…
次回 「真の力」


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真の力 前編

次回でCT編終わらせようと思います。
前回のあらすじ フォルドはラグナを追って、統制機構に侵入してそこでさまざまなことを知った。そしてその地下でノエルと再開。それと同時に窯が開き、そこから謎の少女が現れた。


「(何だコイツ…機械みたいな言葉を言ってるな…」

 

フォルドが心の中で呟いていると、銀髪の少女が二人に近づく。

 

「対象、照合。………エラー、対象の認識、不能。あなた、誰?」

 

銀髪の少女は機械的な口調で二人に質問する。

 

「自分の名前を?俺の名前はフォルド、フォルド=ケンウェイだ。」

 

フォルドは自身の名前を名乗る。すると横からノエルが割り込んできた。しかもノエルの瞳がおかしい。何かに操られてるようにフォルドは感じた。

 

「存在説明……次元境界接触用素体No.12。…対三輝神コアユニット……対象、状況説明を求む。」

ノエルが突然機械的な口調になって自身を名乗る。

 

「存在説明……次元境界接触用素体No.13。…対三輝神コアユニット”ニュー“。」

ニューと名乗った少女も自身を名乗る。

 

「(おいおい…二人して気味が悪いぞ…対三輝神コアユニット?次元境界接触用素体?…何もかも訳が分からない。)」

 

するとノエルとニューが互いの手を触れた。そこから緑色の電流が生じた。

 

「対象の存在は不適切。早急な自壊を勧告する。」

 

ニューが突然二人に警告を発した。

 

「ど…どういうことだよ!」

「勧告拒否。存続を勧告する。」

 

フォルドは慌てて反論した。ノエルも機械的な口調で反論した。

 

「対応検索……不正同一体及びイレギュラーとの接触を確認。対象、自壊を拒否。排除が適当。」

「「よって対象の殲滅を開始します。」」

 

ノエルとニューの声が重なって聞こえた。

 

「くそ、…あいつまで俺をイレギュラーって言うのかよ…」

 

フォルドはそう言うと、無双セイバーを引き抜いて弾丸を装填する。

ノエルはポンチョを脱ぎ捨てる。

 

「ベルヴェルグ!」

 

ノエルが叫ぶと、両手付近に魔法陣が展開してそこから二挺拳銃型アークエネミー[魔銃・ベルヴェルグ]が現れ、ノエルはそれを掴む。

一方ニューは背後から落下してきた剣を展開。ニューはパワードスーツのようなものを身に纏い、背中に八本の剣を召喚した。

そしてニューがノエルに向かって突撃した。ノエルは素早くニューに向けて弾丸を発射した。ニューに何発か命中するも、ニューが通過した際に一本の剣がノエルの頬を切り裂く。ノエルは構わず再び弾丸を撃つ。

 

「俺を忘れちゃ困る!」

 

フォルドもニューに向かって弾丸を発射する。

ニューはフォルドに標的を変えると、背後に回り込んで膝蹴りをかます。

 

「うおっ!?」

 

フォルドはメロンディフェンダーでガードするも力が桁違いなのか、左手から弾き飛ばされた。そしてすぐに右ストレートを受けて壁へ吹き飛ばされた。床に落ちたフォルドは立ち上がってホルダーから新たなロックシードを取り出す。

 

「だったらこれだ!」

 

フォルドはロックシードを開錠する。

 

『スイカ』

 

フォルドはメロンロックシードを取り外すと、スイカロックシードを装着してすぐにカッティングブレードを倒す。

 

『ロックオン! ソイヤッ!スイカアームズ!大玉・ビッグバン!』

 

メロンの鎧が消滅すると同時にフォルドの後ろに超巨大スイカが召喚された。フォルドは後ろへバク転してスイカに入り込む。

ニューはフォルドに突撃しようとするも、ノエルの射撃に阻まれる。

 

「行くぜ!」

『ヨロイモード』

 

フォルドの合図と共に超巨大スイカが変形し、人型のロボットになった。そして右手に薙刀型アームズウェポン・スイカ双刃刀を装備する。

「うおおおおお!!」

 

フォルドはニューに突撃し、スイカ双刃刀を振り下ろす。

ニューはよけると浮遊させている剣をフォルドに向かって3本飛ばす。

フォルドはスイカ双刃刀を回転させて剣を弾く。

 

「食らえ!」

 

フォルドは左手を操作して指からバルカンを発射する。ノエルもニューの背後を射撃する。

ニューはノエルに回し蹴りをかます。まともに食らったノエルは壁に激突。

 

「うっ…うう……」

 

ノエルはうめきを上げる。

 

「ノエル!…くっ!」

 

フォルドはノエルのもとへ駆けつけようとするも、ニューに妨害される。

 

「この野郎!」

 

フォルドはスイカ双刃刀でニューを切り裂くと、後ろへ下がる。

 

「終わらせるぜ!」

 

フォルドはカッティングブレードを倒す。

 

『ソイヤッ!スイカ・スカッシュ!』

 

フォルドはスイカのようま緑の拘束弾を放つ。

ニューは拘束弾を食らってその場から動けなくなる。

 

「せいやあああ!!」

 

スイカ双刃刀で横一閃に切り裂く。そして爆発が起こって煙が上がる。

フォルドはメロンアームズに戻ると、ノエルのもとに駆けつける。

 

「大丈夫か!?」

「は、はい…」

 

ノエルは戸惑いながらも返事をする。

 

「(やったか?)」

 

そのときだった。煙の中から突然一本の剣がフォルドに飛んできた。

 

「うわあああっ!」

 

フォルドは突然の出来事に防御できずに吹き飛ばされた。壁に激突したと同時に変身が解除された。

フォルドはすぐに立ち上がり、焔薙を引き抜こうとした。しかし

 

「ぐはっ!…」

 

数秒遅れてもう一本の剣がフォルドの腹部へと突き刺さる。

そして煙が晴れた。そこには傷を修復したニューの姿だった。

 

「う…嘘…だろ?…」

 

フォルドはそこで意識が途絶えた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「フォルドさん!」

 

ノエルはフォルドに呼び掛けるも、フォルドが口を開くことはなかった。

 

「イレギュラーの殲滅、完了…引き続き、不正同一体の殲滅を続行する。」

 

ニューがそう喋ると、ノエルに近づく。

ノエルは恐怖のあまり、ベルヴェルグを手放す。

 

「(これで…終わりなの?……)」

 

ノエルが心の中で虚しく呟いていると、ニューが四本の剣を振り下ろす。

 

が、それはある男によって弾かれた。

ラグナだ。ラグナは剣を弾き飛ばすとフォルドの方を見た。

 

「ちっ!…」

 

ラグナは舌打ちをした。するとニューが

 

「ラ~グナぁ!久しぶりだね。またニューを殺しに来てくれたの?」

 

突如ニューの口調と性格が激変。ラグナに対して感情豊かに喋り出した。

 

「殺しにじゃねぇ、壊しにだ。」

 

とラグナは言う。ニューは続けて言った。

 

「ニューにはラグナしかいないんだよ?」

「くっ……」

 

その言葉にラグナは戸惑いを見せる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「(あれ?…ここは…)」

 

フォルドは心の中にいた。

 

「(そうか…俺あのときに刺されて…)」

 

フォルドは自分が死んだかのように思っていた。すると

 

「(うっ…何だこの記憶は…)」

 

それは、フォルドが追憶の果てに忘れ去られていた記憶だった。

 

「(ここは…俺の家?…いや待て、俺の家は前に災害で街ごと吹き飛んだはずじゃ…)」

 

それは、フォルドが幼かった時の記憶だった。

そして記憶はその災害が起こった前日にまで飛んだ。

 

「(あれは…俺と、父さん?)」

 

フォルドは幼かった時代に父から言われた言葉を思い出す。

 

「!!」

 

そしてフォルドの意識はもとに戻り、フォルドは腹に刺さった剣に手をかける。

 

「まだだ…まだここで死ぬ訳にはいかない…」

 

フォルドは力を振り絞って剣を抜こうとする。

 

「う…うおおおおお!!」

 

そしてフォルドは剣を抜いた。その出来事に三人はフォルドの方に視線を向ける。

 

「俺は生きる!生きるために戦う!!」

 

フォルドは落ちていた戦極ドライバーとメロンロックシードを拾う。すると突然、戦極ドライバーが光り出した。そして光がおさまると、フォルドの左手には錯覚で見たバックル・ゲネシスドライバーを握っていた。メロンロックシードもゲネシスドライバーに共鳴してメロンエナジーロックシードにシフトした。フォルドはゲネシスドライバーを腰に装着した。

 

「変身!」

 

フォルドはメロンエナジーLSを開錠した。

 

『メロンエナジー』

 

電子音が鳴ると同時にフォルドの頭上に巨大な夕張メロンが出現した。

メロンエナジーLSをゲネシスドライバーに装着して、ロックする。

 

『ロック…オン!』

 

そして右側のハンドル・シーボルコンプレッサーを握って押し込む。

 

『ソーダ』

 

するとロックシードが展開し、コンプレッサーが戻ると同時にポッド部にオレンジ色の液体が炭酸の音を立てて溜まっていく。

 

『メロンエナジーアームズ』

 

電子音と共に巨大夕張メロンが回転しながら落下してフォルドの頭部を覆う。フォルドの体には一部が黒くなった白いライドウェアが纏われた。一方頭部には黒の装飾がされた斬月の頭部が装着され、炭酸飲料を模したオレンジ色のステアリングアイが装着される。

そして巨大夕張メロンが展開。弓道着を意識するように鎧の形状となり、水飛沫のエフェクトと共に赤がベースにストローを翻弄とさせた刃がついた弓矢型の武器・ソニックアローが装備された。

 

「フォルドさん…」

「…あいつ…」

 

ラグナとノエルは、その瞬間を見て思わず口を開く。

 

「イレギュラーの再稼働を確認、これより殲滅を実行する。」

 

ニューはまた機械的な口調で喋ると、ラグナに向かって

 

「ラグナ、ちょっと待ってて♪」

 

と言ってフォルドに突撃した。

 

「真の強さを見せてやる!」

 

フォルドはソニックアローを構えてそう言い放った。




後編に続く。


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真の力 後編

CT編最終回です。では、どうぞ。


フォルドはニューに向けて光矢を放つ。

ニューはそれをかわしてフォルドにタックルする。フォルドはタックルをかわし、ソニックアローの刃でニューをすれ違うと同時に斬った。

ニューは斬られて壁に激突するも、すぐに体勢を整えてフォルドに膝蹴りをかます。

 

「当たるかよ!」

 

フォルドはニューの後ろに回り込んで光矢を撃ち込む。

 

「食らえ!」

 

光矢を食らったニューは上へ吹き飛ばされた。そして浮遊させている全ての剣をフォルドに向ける。

一方フォルドはゲネシスドライバーからメロンエナジーLSを取り外し、ソニックアローに付け直してロックする。

 

『ロック…オン!』

 

そしてフォルドはソニックアローの弦を引いてエネルギーをチャージする。

 

「…滅べ。」

 

ニューはそう言って剣をフォルドに飛ばす。

 

『メロンエナジー!』

「いっけえええええ!!」

 

フォルドは巨大な光矢を放つ。

その光矢はニューが飛ばした剣を斬り刻んで行き、その後ニューに命中して爆発を起こす。

ニューはラグナのすぐ側に落下した。

 

「う~ん、負けちゃった~…まぁいいや♪」

「!?」

 

先程の攻撃を受けたにもかかわらずニューは剣を召喚してラグナに飛ばす。

 

「ちっ!!」

 

ラグナはブラッドサイズでガードする。続くように4本の剣が飛んできた。ラグナはブレイブルーを発動させようと右手を構える。しかし

 

「がはっ!?………」

 

突如一本の剣がニューの腹部ごとラグナを突き刺した。

 

「ラグナ!!」

 

フォルドはすぐにラグナのもとへ駆けつけようとしたが、ニューが召喚した剣が床を破壊してしまった。

 

「くそっ!…」

 

フォルドは仕方なく瓦礫の部分を渡ってラグナに辿りつこうとした。

 

「くっ…第666拘束機関解放…次元干渉虚数方陣展開……蒼の魔導書[ブレイブルー]…起動…がはっ!…」

 

ラグナは力を振り絞って蒼の魔導書[ブレイブルー]を発動させようとしたが、傷がひどいために発動できずに嘔血する。

 

「今はまだ無理だよ。でもね、もう少ししたら大丈夫。思いっきり暴れていいよ。」

 

ニューはラグナにそう言うと、床の端部分まで引き寄せる。

 

「…いいぜ…この世界を……壊してやるよ。」

 

ラグナが言い返すと、ニューは微笑んだ。

そして二人は窯の下へゆっくりと体を傾ける。

 

「(ラグナが…くそ!ここからもう間に合わない…)」

 

フォルドはこの距離からでは到底間に合わないと察し、その場で途方に暮れた。

 

 

「諦めないで!!!」

 

突然ノエルが落ちていくラグナのもとへ駆け出す。

ラグナはノエルの言葉に反応して左手を伸ばす。ノエルはラグナの手を掴む。そして次の瞬間、手と手の間から青い光が生じた。フォルドはその光景を見つめていた。

そしてニューはラグナに刺さっている剣が抜けると同時に窯の下へと一人で落ちていった。

フォルドは急いで渡り終えると、ノエルと共にラグナを床に引き上げる。

 

「はぁ…はぁ…」

 

フォルドは変身を解除してゲネシスドライバーとメロンエナジーLSを見つめる。すると一瞬光った後に戦極ドライバーとメロンロックシードに戻ってしまった。

 

「(なんであの時いきなり変化したんだ?俺の呼び掛けに答えて変化しても何か引っ掛かるな…)」

 

フォルドは悩みながらも再び斬月に変身し、サクラハリケーンを取り出す。

 

「フォルドさん。どこに行くんですか?」

 

ノエルがフォルドに声をかけた。

 

「街に戻って病院に行くよ。その後はいろいろと調べたいことがある。」

 

フォルドはそう言いながらサクラハリケーンをビークルモードにした。

 

「でも、その傷じゃ!」

「大丈夫だ。自分の身体は自分が一番知っているから。」

 

フォルドはサクラハリケーンに乗る。

 

「じゃあ。」

 

フォルドはサクラハリケーンのスピードを上げて、ワープした。




はい、こんな手短に終わらせてしまってすみません。受験が近かったので……

では次回は本当に凡才sとのコラボ話を投稿いたします。

次回もよろしくね!


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幻想編パート1 ~人形師と朱雀~

はい、今回は凡才sとのコラボ話です。一応前回と繋がっております。
では、どうぞ!



フォルドは、サクラハリケーンのワープ機能を使って街へ戻ろうとした。しかし、ゲートを越えた先は森がある未開の地だった。

 

「(あれ?おかしいな…ここはカグツチ…じゃないよな?ましてやヘルヘイムでもない。…とりあえず歩くか。)」

 

フォルドはサクラハリケーンを錠前モードに戻すと、知らない森の中を歩くことにした。すると

 

「ギヒヒヒヒッ、アレ?外来人か?」

「ギヒヒヒヒッ、だったら潰そうぜ!!」

「よ、妖怪!?」

 

突然二体の人型の妖怪がフォルドに立ち塞がった。フォルドは無双セイバーとメロンディフェンダーを構える。

 

「ギヒヒッ!!」

妖怪の一体がフォルドに殴りかかろうとした。

 

「ハッ!食らえ!」

「グアッ!?」

 

フォルドは素早く攻撃をかわし、メロンディフェンダーの左端についている刃を叩きつけた。

 

「コノヤロー!!」

 

もう一体もフォルドに殴りかかる。フォルドはメロンディフェンダーで防ぎ、無双セイバーの撃鉄を引いて弾丸を装填して妖怪を押し飛ばす。

 

「そこだ!」

「ギャアアア!!」

 

フォルドは装填した弾丸を全発射する。弾丸は全て妖怪に命中する。

 

「ヒィイイイイ!!!」

「に、逃げろおおおおお!!!」

 

恐怖したのか、妖怪二体は逃げていった。

「ふぅーー……」

 

フォルドは、無双セイバーを納めると、変身を解除する。

 

「さて、どうするか……」

 

フォルドは再び歩き出そうとした。すると突然、どこからかジェット噴射のような音がした。フォルドは音のする右側へ視線を向ける。そこにはヒヒイロカネのように赤いカブトムシがフォルドの方を見ていた。

 

「何だあれ?」

 

フォルドが近づこうとすると、赤いカブトムシはどこかへ飛んでいってしまった。

 

「(とりあえず追ってみ…うっ!…)」

 

フォルドが赤いカブトムシを追おうとしたが、ニューとの戦いで負った傷やゲネシスドライバー使用後の影響で意識がもうろうとなった。

「うっ……くそ……」

 

フォルドは耐えられず、そのまま地面に倒れてしまった。

 

「グギャアア!!」

「グギャ!」

 

そしてフォルドの近くに、青いラインのある二体の初級インベスが現れ、フォルドに襲いかかろうとした、その時だった。

 

「戦操[ドールズウォー]」

「炎弾[フレアショット]」

 

突然二つの声と共に、一体には大量の人形が突撃し、もう一体には炎の弾丸が命中した。

 

「グギャアア!?」

「グギャ!?」

 

そして初級インベス二体は爆散した。その後、二人の少年少女がやってきた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「……ん?」

 

フォルドが目を覚ますと、そこは誰かの家だった。しかも棚のあちこちに人形が置いてあった。

 

「(まずいな…俺もしや魔女に拾われたのか?とりあえず俺の所持品…あそこにあった。」

 

フォルドはベッドから起き上がると、ハンガーに掛けてあるアサシンローブを身に付ける。すると

 

「お、どうやら起きたようだな。」

「!?」

 

突然フォルドと同年齢の少年が現れた。その声に反応したフォルドは焔薙を抜刀して木る伝の炎を纏わせる。

 

「おい待て待て待て!俺はお前と戦う気はない!」

「信用できないな…うっ…」

 

まだ傷が癒えていないためか、フォルドはその場で立て膝をつく。

 

「おい大丈夫か!?」

「うっ……」

 

フォルドは仕方なく焔薙を納刀する。少年はフォルドをベッドまで運ぶ。

そして扉から薬を持ってきた少女がやってきた。

そしてフォルドは再び傷を治療してもらった。

 

「いきなり攻撃を仕掛けようとしてすまなかった。」

「いいっていいって。」

 

フォルドが少年に謝罪する。

 

「まったく、私の家を壊すつもり?」

「悪かった…ところで、名前は何だ?」

「私はアリス・マーガトロイドよ。」

「俺は赤井 鉋だ。」

 

二人が自身の名前を名乗る。

 

「そうか、俺はフォルド・ケンウェイだ。よろしくな。」

 

フォルドも自身の名前を名乗った。

 




次回 鉋はフォルドに友人達を紹介するために3人で博麗神社にやってきた。そこで会話をしている途中、インベスが出現。フォルドは鉋たちと共闘する。
次回[幻想編パート2 ~神社と友人とインベス~ ]


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幻想編パート2 ~神社と友人とインベス~ 前編

本当に描写が難しい……。
前回のあらすじ フォルドは幻想郷に迷い込むと、そこで2体の妖怪と戦闘。フォルドはそこで見た赤いカブトムシを追おうとするも傷が原因でその場で倒れてしまう。フォルドが再び目覚めると、そこは誰かの家だった。そしてそこで鉋とアリスに出会うのだった。

以上。


「ってことはその焔薙も戦極ドライバーも神様からもらったのか!?」

「そういうことだ。」

 

フォルドは鉋とアリスの三人で会話していると、鉋が自身の所持品に視線を向けたので見せた。もちろん戦極ドライバーとロックシードも見せた。

 

「斬月のベルトかぁ、しかも見たこともないロックシードまであるな。」

「ああ、俺も鎧武は知ってるし斬月は俺が気に入ってるライダーだけど、パパイヤとアセロラのロックシードは原作にはなかったからな。」

「早苗が見たら大はしゃぎしそうね。」

 

すると鉋はこんなことを言った。

 

「そうだフォルド、俺の友達にお前を紹介したいから博麗神社へ行こうぜ。」

「ああ、分かった。」

 

出発の前にアリスが作った昼食を食べ終わった後に外へ出た。

鉋とアリスは赤と緑がベースのバイクに乗る。フォルドはサクラハリケーンをビークルモードにしてそれに乗る。

 

「鉋、俺は博麗神社までの道のり知らないから道案内を頼む。空飛ぶのは無しだぜ。」

「OK。よし出発!」

 

鉋とフォルドはお互いの乗っているバイクのアクセルを踏み込む。

 

その頃博麗神社では、鉋の友人の一人である鈍が鉋達の到着を待っていた。

 

「んー。あいつら遅いな、まだイチャイチャしてんのか?」

 

鈍が呟いていると、エンジン音と共にバイクに乗った鉋とアリスの姿が見えた。

「(やっと来た……ん?あいつ誰だ?)」

 

2秒遅れてサクラハリケーンに乗ったフォルドの姿も見えた。

 

 

「ここか?」

「ええ、ここが博麗神社よ。」

 

アリスがフォルドに言う。フォルドは鉋に質問する。

 

「鉋って友人何人いたんだ?」

「3人だけど、最近になってできた友人もいるからな。」

「そうか。」

 

フォルドは納得しながらサクラハリケーンを錠前モードに戻す。

3人が神社の鳥居を通過すると、鈍が駆けつけた。

 

「おーい。」

「すまねぇ。ちょっと遅くなった。」

「俺はてっきり家でイチャイチャしてたんかと。」

「なっ!?…」

「///…」

 

鈍の言葉に鉋は慌てふためき、アリスは赤面する。

 

「(この二人は同居してたのか…)」

 

フォルドは額に汗を流した。

 

「ところでお前は誰なんだ?」

「ああ、俺はフォルド・ケンウェイだ。」

「俺は沢田 鈍だ。」

 

フォルドと鈍は自身の名前を名乗る。

 

「それにしてもその衣装アサ○リ3か。」

「気にするな。」

 

鈍はフォルドの衣装を見て言う。

 

「とりあえず話は中に入ってからだ。入ってくれ。」

「ああ。」

 

鈍に言われてフォルドは神社の中に入った。鉋とアリスも中に入る。

 

中は思ったより綺麗だった。和室の中央にはちゃぶ台が置いてある。そこには魔女みたいな格好をした金髪の少女、青と白の巫女服を纏った緑髪の少女、そして鉋の友人と思われる男子2人が座っていた。

 

「あら、鉋とアリスが来た…ってあんた誰?」

 

和室の向こうからやってきた赤と白の巫女服を纏った少女がやってきてフォルドに視線を向ける。

 

「俺はフォルド・ケンウェイだ。」

 

フォルドは自身の名前を名乗る。

 

「そうか。俺は沢田 鈍だ。」

 

フォルドの隣にいた鈍は自身の名前を名乗った。

 

「僕は矢坂 銓です。」

「私は霧雨魔理沙だぜ!」

「私は博麗霊夢。この神社の巫女よ。」

「……霧崎 針だ。」

「私は東風谷早苗と申します。」

 

残る5人も自身の名前を名乗る。すると魔理沙はフォルドに言う。

 

「その格好…ってことはお前幻想入りしたのか。」

「幻想入り…まぁそういうことになるな。」

「どこから見てもアサ○リの世界からしか思いつかないよ。」

 

銓はフォルドの着ている衣装を見て言った。今度は針が壁に立ててある刀を見て言った。

 

「その刀はどう見ても焔薙だろ。」

「あ、本当だ。」

「まさか堕辰子の首を斬り落としに…」

「これ以上はやめろ。」

 

鈍が言おうとしたところをフォルドが止めた。

 

「あ、財布の中にお金がたくさんあるじゃないの。」

「!?」

 

霊夢が勝手にショルダーバッグの中から財布を取り出して中身を見ていた。

 

「人の財布漁るのやめてくれないか?」

「うそ!?銀行に89億も預けてるの!?」

 

霊夢は今度はフォルドの通帳を見て大はしゃぎした。

 

「………」

 

フォルドは真っ黒いオーラを纏いながら霊夢に近寄る。

 

「そうそう、お賽銭箱は表側にa「ちぇいさぁあああああ!!」グベッ!?……」

 

霊夢が言い切る前にフォルドは某学園都市第3位並の回し蹴りを霊夢の脇腹に食らわせる。直後に霊夢は泡を吹いて倒れ、そのまま気絶した。フォルドはその後財布と通帳を回収した。

「「「「「「「(怖っ…)」」」」」」」

 

7人は一部始終を見て心の中でハモった。

 

「おや?」

 

早苗はフォルドのポケットから落ちた物を拾った。

 

「これは戦極ドライバーですか。しかもこのフェイスプレートは斬月のものですね。」

 

早苗が戦極ドライバーを見て言った。

 

「鎧武のベルト!?」

「ってことは、ロックシードはあるんだよな?」

「あるよ。」

 

フォルドはそう答えてロックシードを取り出す。

 

「やっぱり斬月のものは感度がいいです…ん?」

 

早苗はパパイアとアセロラのロックシードを見て一時フリーズした。

 

「これは全く見たことがないですね。」

「パパイアとアセロラのロックシードは無いはずじゃ…」

 

銓は2つのロックシードを見て疑問の表情を浮かべる。

 

「ああ、それは神様が斬月の派生形態を考えて用意してくれたんだ。」

「!?」

 

鉋はフォルドに質問する。

 

「お前ってどっから来たんだ?」

「BLAZBLUEの世界だ。」

 

フォルドはそう言った。

 

「っと言っても俺BLAZBLUEの知識全く知らないんだよ…」

「じゃあフォルド、これ読むんだぜ。」

 

魔理沙はフォルドにライトノベル[BLAZBLUE フェイズシフト]を差し出す。

 

「どうも。」

 

フォルドは魔理沙にお礼を言う。

 

「これは紫の奴がやかましいな。」

 

針はそう呟いた。すると外の方からチャックが開くような音がした。

 

「まさか…」

 

フォルドは戦極ドライバー、ロックシードを手に取るとすぐに外に出た。

 

「あ、おい!」

「俺達も行くぞ!」

 

鉋達も後に続く。

 

「ほら霊夢、行くよ。」

「ぶくぶく……」

 

アリスはまだ気絶している霊夢を背負っていく。

 

 

「ちっ!やっぱりかよ。」

 

神社の外には大量の初級インベスがいた。

 

「多いな…」

「皆、ちょっと下がってろ。」

 

フォルドは鉋達に言うと戦極ドライバーを装着した。次にポケットからメロンロックシードを取り出す。

 

「変身!」

 

フォルドは斬月に変身するとメロンディフェンダーをブレードモードに変形させる。

 

「ここから先は俺のターンだ!」

 

フォルドは初級インベスの群れに突撃した。

 




受験あるので終わったら執筆します。
後編に続く。


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幻想編パート2 ~神社と友人とインベス~ 後編

描写難しい…………

ではどうぞ!


フォルドが初級インベスの一体にメロンディフェンダーを振る。

 

「グギャ!」

 

初級インベスの一体は攻撃を受けて爆散した。

今度は5体の初級インベスがフォルドに襲いかかる。

 

「うおっ!?」

 

フォルドは急いでメロンディフェンダーをシールドモードにしてガードするが数の多さでのけぞる。

 

「くそ、数が多い!」

 

フォルドが軽い愚痴を言っていると、

 

「炎符【炎劇乱舞】」

「騎士【ドールオブラウンドテーブル】」

「虎符【草月激斬】」

「魔符【スターダストレヴァリエ】」

 

その声と同時に大量の弾幕が初級インベス達に命中した。

そして初級インベスの群れは爆散していった。

 

「す…すげぇ。」

 

フォルドはつい言葉を漏らす。

 

「おい、まだ来るぞ!」

 

鈍がそう言った次の瞬間、裂け目からシカインベス、コウモリインベス、セイリュウインベスなどの上級インベス達が現れた。

 

「なんでこんなにインベスが出るんだよ!?」

 

フォルドは愚痴を言いながらもシカインベスを攻撃するも、横からセイリュウインベスがタックルしてきた。

 

「がっ!?」

 

フォルドはそのまま食らって転がるもすぐに体勢を立て直す。

 

「この野郎!」

 

フォルドはセイリュウインベスに無双セイバーを叩きつける。しかし…

 

「硬っ!!?」

 

セイリュウインベスの硬い甲殻は伊達ではなく、フォルドは右手を痛めてしまった。

 

「弾幕はパワーだぜ! 恋符【マスタースパーク】」

「恋符【エボリューションスパーク】」

 

魔理沙と銓はそれぞれ巨大なレーザーを放つ。しかしセイリュウインベスはまともに食らったにもかかわらず、まだ動いていた。

 

「なっ!?」

「砲撃を食らってまだ動いてる…」

 

魔理沙と銓は呆然とする。

 

「青龍の力は俺が上だ! 青符【青空白夜】」

 

今度は針が青いレーザーと白い弾幕を同時発射する。

 

「グオァアアア!?」

 

セイリュウインベスは針を食らい、大きく怯んだ。

 

「これなら!」

 

フォルドはすかさずパパイアロックシードに切り替えてカッティングする。

 

『パパイアアームズ!一・触・即・発!』

 

フォルドはパパイアアームズになると、そのまま二回カッティングする。

 

『ソイヤッ!パパイア・オーレ!』

「おらぁああああ!!」

 

フォルドはパパイアバルディッシュをハンマー投げのように振り回すと、セイリュウインベス目がけて投げ飛ばす。

 

「グオォ!?」

 

セイリュウインベスはそれをまともに受けてついに爆散した。

 

「残すはあいつだけか。」

 

最後に残ったのはグリフォンを連想させるライオンインベスの強化体だった。

 

「ガオオオオオオッ!」

 

ライオンインベスは雄叫びを上げる。

 

「獅子には獅子だ。」

 

フォルドは続いてアセロラロックシードに切り替える。

 

『アセロラアームズ!百・発・百・中!』

 

フォルドはアセロラアームズにチェンジした。

 

「ガオオオオオッ!!」

 

ライオンインベスはフォルド達に急接近すると、爪を振り下ろす。フォルド達はなんとかよける。

ライオンインベスの爪は鳥居を切り裂いた。

 

「私の神社を壊すんじゃないわよ!! 霊符【夢想封印】」

「私も行きます! 祈願【商売繁盛守り】」

 

ようやく気絶から覚めた霊夢は神社を壊すライオンインベスにブチ切れてお札型の弾幕を放つ。早苗もこれに続く。

 

「ガアアアアッ!?」

 

ライオンインベスは大量の弾幕を受けて吹き飛ばされた。

 

「終わりだ!」

 

フォルドはカッティングしてからアセロラ獅子砲の撃鉄を引く。

 

『ソイヤッ!アセロラスカッシュ!』

「生まれてきた地獄に帰るがいい。」

 

フォルドはそう言ってシーサー型のエネルギー弾を連射した。

 

「ガアアアアアアア!!?」

 

ライオンインベスは爆散した。

 

「フィニッシュ…っと。」

 

フォルドはそう言いながら変身を解除した。

 

「はぁー…まさかインベスが幻想郷に現れるなんてな。」

「本当。紫は何をしているのよ…。」

「幻想郷を支配してる人…みたいな?」

「言うならばスキマ妖怪よ。紫は境界を操る能力を持っているわ。」

 

アリスはフォルドにそう答えた。

 

「つまり紫は用がある人を境界の力で幻想郷に呼ぶってことか?」

「その通り。」

「(だとしたらさっきのインベスの大量発生以外思い浮かばないな…。)」

フォルドは紫がインベスの件で自分を呼んだのだと考えた。すると霊夢が近づいてきた。

 

「フォルド。」

「ん?どうs「ちぇいさああああああ!!」フタエノキワミ、アッーーー!!」

 

フォルドは○之助の必殺技みたいな断末魔を上げながら吹っ飛んだ。

 

「お前何すんだーー!?」

「さっきの仕返しよ。あとそれから、鳥居の修理代。」

「いや、俺じゃねぇだろ!!」

「ああ?……………(怒)」 

「………………orz(泣けるぜ…。)」

 

結局このあと、フォルドは鳥居の修理代を払うことになりました。

 

その頃、幻想郷の境では紫がその一部始終を見ていた。

 

「フォルド…ね。あの子ならきっと異変を止めることができるかもしれないわね…ふふふ。」

 

と微笑む紫。

 

「お久しぶりといったところかしら?」

 

突然レイチェルが瞬間移動でやってきた。

 

「あら、レイチェルさんじゃないの。」

「紫、こっち側の世界からはもう一人送るわ。」

「もう一人って…あなたが前に紹介した蒼の坊やのこと?」

「あの黒幕はこっちの世界、ましてやそちらの世界のものでないからよ。フォルドはあの怪物をインベスと呼んでいたわ。」

 

レイチェルがそう言うと、紫は納得した表情で頷く。

 

「じゃあ私はまたやることがあるから。」

 

そう言ってレイチェルはどこかへワープした。

 

「さて…ん?」

 

紫はある場所をズームして見る。そこは博麗神社の屋根の上。

そこには赤いカブトムシのような姿をしたライダー・仮面ライダーカブトの姿があった。

 




次回 夜にフォルドは仮面ライダーカブトに変身した男と出会う。そして鉋に自身の過去を語る。そして翌日、何故かラグナと再会したフォルド達と共に、出現したインベスに立ち向かう。
次回 [幻想編パート3 ~フォルドの過去、来る蒼~]


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幻想編パート3 ~フォルドの過去、来る蒼~

前回のあらすじ 鉋の友人たちと出会い、神社付近に現れたインベスを倒す。一方、八雲紫はレイチェル=アルカードと対面した。そして紫はモニターで仮面ライダーカブトの姿を目にした。
以上


フォルドはその深夜、森の崖で月を眺めていた。すると

 

「グギャア!!」

「インベスか。」

 

五体の初級インベスが現れた。

 

「五体か、これくらいなら。」

 

フォルドは焔薙を抜こうとした。そのときだった。

 

「グギャアア!?」

 

突然初級インベスの一体が何者かの攻撃を食らって爆散した。

 

「(鉋か!?いや、弾幕の痕跡がない。一体誰が?)」

 

そうしてる内に4体の初級インベスは爆散した。炎が消えると、そこには仮面ライダーカブトがいた。

 

「(カブト!?どうして幻想郷に!?)」

「フォルド=ケンウェイ……いや、平山 直人だったか。」

「!?何で俺の名前を……?」

 

フォルドはカブトに問いかける。するとカブトはこう言った。

 

「お前の父、晃和はお前と同じように転生して生きている。」

「何で親父の事を知ってるんだ!?」

 

カブトはフォルドもとい直人の父、晃和が生きていることを話した。

 

「そのうちに会えるだろう…。」

「待て!何で俺のことや親父のことを知ってるんだ!?答えろ!!」

 

フォルドは問いかけようとするが、カブトはクロックアップでどこかへ行ってしまった。

 

「(はぁ…考えるのは後だな。)」

 

フォルドは家に戻ろうとした。

 

「一体どういうことなんだ?」

「鉋か…。」

 

鉋がやってきた。どうやら盗み聞きをしていたらしい。

 

「お前転生する前に何があったんだ?」

「………」

 

フォルドは黙って岩に座り込む。

 

「転生する10年前、俺が小学三年の頃だ。俺の住んでいた町に隕石が落ちた。それで俺の両親が死んだ。」

「!?」

 

フォルドの言葉に鉋は仰天する。フォルドはさらに続ける。

 

「両親だけじゃない。友人、親戚、町の人々もだ。はっきり言うならば、町そのものが物言わぬ塊になった。」

「そ、そんなことが…。」

 

鉋は悲しそうな表情になった。

 

「あの一件での生存者は俺だけだったらしい。その後は大阪の学校に転校した。それからはいじめが絶えなかったし、マスコミもうるさかった。」

 

フォルドは立ち上がると、再び月を眺めながら言った。

 

「世界には恵まれているやつと恵まれていないやつがいる。お前らは恵まれているとはいえ、俺は違うな。」

「なぁ、お前の父親が転生したってことは何だ?」

「さぁ…俺も訳が分からない……まぁ今更過去のこと後悔したって遅いし、いつまでもそんなことに気を囚われてはいけないしな。」

「そうか。」

 

そしてフォルドと鉋はアリスの家に戻った。戻った時にはアリスが入り口前で待っていたらしく、叱られた。

 

 

そして翌日 

 

「全く…あの時は本当に心配したんだからね!」

「「はい…。」」

 

フォルド、鉋、アリスの三人は気分転換も兼ねて散歩をしていた。

すると上の方から男の声がした。

 

「うおおおおおおおお!?」

 

そして近くの茂みに落下した。

 

「「「!!?」」」

 

三人は突然の出来事にフリーズした。

 

「あの、大丈夫ですk……って」

 

フォルドは恐る恐る声をかけながら落下した男を見る。

その男は、赤いジャケットと黒いズボンを纏い、腰には大剣・ブラッドサイズ、そしてオッドアイに銀髪と、フォルドが知る人物だった。

 

「ラグナ!?」

 

フォルドはつい声を上げる。

 

「いってぇー…ってフォルド!?」

 

ラグナも声を上げる。

 

「何でお前がここにいるんだ!?…ってここ何処だよ!?」

「まぁ、ロックビークルを使ってワープしようとしたらここに来てしまったんだ。」

 

すると鉋はラグナを見てこう言った。

 

「あれマジでラグナじゃん!」

「ん?…フォルド、あいつは誰だ?」

 

ラグナは鉋とアリスを見てフォルドに問う。

 

「ああ、俺がここに来たとk「大変だ鉋!アリス!フォルド!」魔理沙!?どうかしたか?」

フォルドが説明しようとしたときに突然魔理沙が銓を箒に乗せて駆けつけた。

 

「人里の近くに昨日とはでかさがハンパねえ怪物が現れたんだぜ!!」

 

魔理沙は慌てて説明する。

 

「銓、鈍は?」

「鈍は霊夢と一緒にあのインベスを食い止めてるけど、力不足で押されてるよ!」

 

銓は鈍と霊夢が苦戦していることを話す。すると銓はラグナを見て

 

「って何でこんなところにラグナが?…」

「話は後だ!」

 

フォルドが言う。フォルドはラグナにこう言った。

 

「ラグナ、話はまた後にする。ついてきてくれ。」

「……ちっ!分かったよ。」

 

ラグナは舌打ちをしながらも了承した。

そして七人は鈍達の元へ急いだ。

 

一方里近くの広場では鈍と霊夢が巨大な亀の姿に尻尾が蛇になっているゲンブインベス強化体と交戦していた。

 

「弾幕が効いていない!?」

「クソッ!硬すぎだろ!!」

 

ゲンブインベス強化体のその異常な防御力は霊夢や鈍が放つ弾幕を次々と弾いていく。さらに厄介なのは尻尾の蛇である。蛇が放つ拡散するブレスが二人の攻撃を妨害するのだ。

すると亀が口を開き、鈍に向かって光弾を吐いた。

 

「やべっ…!?」

 

光弾の弾速は速く、鈍に直撃…しようとしたそのとき。

突如飛んできた盾が光弾を弾いたのだ。

 

「おい、大丈夫か!?」

 

フォルド達がついに合流したのだ。フォルドはメロンディフェンダーをキャッチすると、ブレードモードにして無双セイバーに合体させる。そしてメロンロックシードを装着してロックする。

 

『ロックオン!イチ・ジュウ・ヒャク・セン・マン!メロン・チャージ!』

「せいやぁあああ!」

 

フォルドは四つの衝撃波を飛ばす。しかしその頑丈な甲殻がまたもや衝撃波を弾く。

 

「炎剣【咎人燃やしの炎上十字】」

 

鉋はスペカから炎剣による斬撃を繰り出す。

 

「ゴオオオオオオッ!!」

甲殻に少しヒビが入ったが四回の斬撃で炎剣は消滅してしまった。

 

「ゴオオオオオオオオッ!!」

「キシャアアアアアアッ!!」

 

ゲンブインベス強化体は2つの顔から光弾と拡散ブレスを同時に発射した。

 

「ああ、くそ!…がはっ!!」

 

フォルドは皮肉にも射線近くにいたために拡散ブレスでメロンディフェンダーが手元から弾き飛び、続く光弾で地面に叩きつけられた。

 

「この野郎!!……ぐわぁ!!」

 

ラグナはブラッドサイズを降り下ろすも弾かれてしまい、前足を降り下ろされて吹き飛んだ。

 

「くっ!」

 

銓は甲羅のような盾を前に構えてガードする。

 

「くそ!…第666拘束機関解放、次元干渉虚数方陣展開、蒼の魔導書[ブレイブルー]起動!」

 

ラグナはブレイブルーを起動すると、ゲンブインベス強化体に突撃する。

 

「食らいやがれ!」

「ゴオオオオオッ!?」

 

そして渾身のアッパーカットを腹部に食らわせる。

 

「青符【荒ぶる龍に願いの雨を】」

「奇跡【白昼の客星】」

 

突然ゲンブインベス強化体に大量の弾幕と龍が直撃した。

 

「すまない。遅くなった。」

 

針と早苗も合流した。

 

「よし、倍返しと行くか!」

 

フォルドはそう言って立ち上がると、スイカロックシードを装置してカッティングする。

『ソイヤッ!スイカアームズ!大玉・ビッグバン!』

 

フォルドは後ろに出現した

 

「はあっ!」

 

フォルドはバク転して巨大スイカの中に入る。

 

『ヨロイモード』

 

そして人型ロボットに変形した。

 

「ここから先は俺たちのターンだぜ!」

 

そう言ってフォルドはゲンブインベス強化体に斬りかかる。

 

「食らえ!」

「ゴオオオオオッ!?」

 

スイカ双刃刀で繰り出される斬撃がゲンブインベス強化体の硬い甲殻を物ともせずに切り裂く。

 

「キシャアアアアア!!」

 

ここで蛇の頭がフォルドに噛みつこうとする。

「食らうかよ!!てりゃああ!!」

「キシャアア!?」

 

フォルドは双刃刀を回転させて蛇の頭を弾いてから頭を斬り落とした。

斬り落とされた蛇の頭は地面に落ちた直後に爆散した。

 

「すげぇ。」

「あいつあんな力まで持ってたのかよ…。」

「(か、かっこいい。)」

 

上から鉋、ラグナ、早苗の順にフォルドの無双する姿を見た感想である。

 

「俺たちもやるぞ! 野生【野獣咆哮】 」

「分かった! 炎槍【雨槍炎会】」

 

鉋は炎槍の雨を降らせ、鈍は雄叫びを上げて大量のレーザーを放つ。

 

「ゴオオオオオッ!!」

ゲンブインベス強化体は大量の弾幕を前に退く。しかしもちろんこれでは終わらない。

 

「夢符【封魔陣】」

「咒詛【首吊り蓬菜人形】」

「デッドスパイク!」

 

霊夢、アリス、ラグナの三人がそれぞれお札、レーザー、獣のような衝撃波を飛ばしてゲンブインベス強化体を打ち上げる。

 

「うおおおお!!」

 

ラグナはさらにブラッドサイズを鎌状に変形させて甲殻を切り裂く。

 

「ゴオオオオッ!?」

 

ゲンブインベスは仰向けのまま地面に落下した。そして甲殻に大きな亀裂が入った。

 

「今だフォルド!」

「OK!Lets party!!」

 

フォルドは某合衆国大統領みたいな台詞を言うと、カッティングする。

 

『ソイヤッ!スイカ・スカッシュ!』

 

フォルドは緑の拘束弾をゲンブインベス強化体に当てて、ジャンプする。

 

「これで終わりだ!!」

 

フォルドは双刃刀を振り回して甲殻を切り刻んでいく。

 

「せいやああああ!!」

「ゴオオオオオッ!!」

 

そして最後の一閃でゲンブインベス強化体は飛び散るスイカのエフェクトと共に爆散した。

 

「フィニッシュ。」

 

フォルドは着地して変身を解除する。そして9人の元へ駆けつける。

 

「助かったぜフォルド。」

「あんな巨大な敵を相手にするなんて本当にすごいぞ。」

「フォルドさん。さっきの巨大ロボかっこよかったです。」

 

魔理沙と鈍と早苗がフォルドに言う。

 

「どうも。」

 

フォルドはお礼を言う。

 

「なあフォルド、さっきのこと後で話せよ。」

「分かった。」

 

フォルドはラグナに説明することを了承した。

 

「とりあえず一旦神社に行かないか?疲れたし。」

「そうね。私の神社で休憩するわよ。」

 

霊夢がそう言う。10人はそのまま博麗神社に戻る。

 

 

 

バチーーン!

 

しかしフォルド達の行動は雷が落ちたことにより止められた。

 

「!?…今のは?…。」

 

フォルドは雷が落ちた場所を確認する。煙が徐々に晴れていく。

そこには本来この世界にはいないはずの青年、異界ジェノサイダーもとい須田恭也の姿があった。

 

「なぁ…あれって。」

「SIRENの主人公じゃね?…」

 

鉋と鈍が呟いている中、フォルドは何かを見てすかさず戦極ドライバーを装着した。

そう、恭也の腰にはフォルドと同じ戦極ドライバーが装着されており、赤黒いフェイスプレートが取り付けられていた。

そして右手には血のように赤いオレンジ・ブラッドオレンジロックシードが握られていた。

 

「変身…。」

 

恭也はロックシードを開錠した。

 

『ブラッドオレンジ』

 

ドスの強い音声と共に頭上に赤いオレンジが現れた。続いて戦極ドライバーに装着してロックする。

 

『ロックオン!』

 

すると、エレキギター調の変身待機音が流れる。そしてカッティングする。

 

『ブラッドオレンジアームズ…邪ノ道・オンステージ』

 

音声と共に赤いオレンジが頭を覆う。体には紺色のライドウェアを纏う。頭には一部が赤い伊達政宗を模した頭部を装着し、赤いパルプアイが装着される。そして赤いオレンジが鎧状に展開。水飛沫エフェクトと共に右手に赤い大橙丸・大紅丸を装備された。

その名は、武神鎧武。

 




次回 武神鎧武の戦闘力はもはやチートどころではなかった。フォルドは仲間たちと協力して武神鎧武を倒そうとする。しかし…
次回[幻想編パート4 ~どうあがいても、絶望~]


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幻想編パート4 ~どうあがいても、絶望~

投稿遅れてすみません。ちなみに今回の話には、アニメやゲームなどの引用がありますが、元ネタ紹介は割愛させていただきますので、ご了承ください。
では、どうぞ!


「何が何だか分からないよ…。」

 

銓はつい愚痴を漏らす。

 

「我が名は武神鎧武、天下を取るものだ。この幻想郷の天下もいただく!」

 

武神鎧武は名乗る。フォルドはそれを聞いて

 

「なるほど、幻想郷にインベスが出た元凶は全てあいつか…。」

「その通り。そして須田と言う男は我の人間体としての姿だ。」

 

武神鎧武はそう答えた。

 

「こんな日常茶飯事で平和な世界をお前はぶっ壊す気か!?」

「はっ、ほざくなゴミクズ共が…そんな汚れた世など不要だ!…天下を取るのはこの俺だ!!」

 

鉋が反発するも武神鎧武はフォルド達を屑呼ばわりして無双セイバーを引き抜く。

 

「そんなことは俺達がさせない!…変身!」

 

フォルドは斬月に変身すると、メロンディフェンダーをブレードモードに変形させて武神鎧武に振る。

 

「甘い!」

「うっ!…」

 

武神鎧武は大紅丸で攻撃を弾き、フォルドを蹴り飛ばす。

 

「だったらこれだ!」

 

蹴り飛ばされたフォルドは起き上がると、無双セイバーを抜いて撃鉄を引き、弾丸を装填して撃つ。

しかし武神鎧武は弾丸を物ともせずにフォルドに接近する。

 

「ふんっ!」

「うわぁ!!」

 

そして武神鎧武は無双セイバーでフォルドを吹き飛ばした。

「フォルド!!」

「うっ…」

 

フォルドは立ち上がろうとするも桁違いのダメージを食らってなかなか立ち上がれない。武神鎧武は徐々に近づいてくる。

 

「炎弾【フレアショット】」

「咒符【上海人形】」

「霊符【夢想封印・集】」

「虎符【草月激斬】」

 

四人は武神鎧武に弾幕を放つ。しかし

 

「ふん…。 反射【ベクトルコントローラー】」

 

武神鎧武はスペカを発動して鉋達の弾幕をはね返した。

 

「うわあああっ!!」

「きゃあああ!!」

「ぐはっ……!!」

「ああああっ!!」

 

四人は攻撃を反射されてそのまま吹き飛ばされた。

「くそっ!!」

 

フォルドはなんとか立ち上がると、アセロラアームズに切り替えて連射する。

 

「無駄だ!」

 

武神鎧武は無双セイバーと大紅丸を合体させてナギナタモードにすると、それを回して銃弾を防ぐ。

 

「私にまかせるんだぜ!」

 

魔理沙が箒で上昇すると、銓と共に弾幕を放つ構えをする。

 

「恋符【マスタースパーク】」

「恋符【エボリューションスパーク】」

 

二人は巨大なレーザーを放つ。一方武神鎧武は空いた右手で超巨大な暗黒玉を形成している。二人は砲撃しているために気づいていない。

 

「まずい、避けろ!!」

フォルドは魔理沙と銓に呼び掛けるが時すでに遅く

 

「闇に沈め! 闇葬【デアボリックエミッション】」

 

武神鎧武は巨大な暗黒玉を放った。暗黒玉は極太レーザーをかきけしていき、二人に命中して爆発した。その後に魔理沙と銓が地面に叩きつけられた。

 

「ふん…無駄な抵抗を「てめえええええ!!」甘い!!」

 

怒りに燃えた針は青龍刀を降り下ろすも、やはり防がれる。

 

「食らえ落武者野郎が!!」

 

ラグナもブラッドサイズを降り下ろす。武神鎧武は武器を分裂させてガードする。

 

「開海【モーゼの奇跡】」

 

そして早苗が武神鎧武の頭上に瞬間移動して特殊なエネルギーを纏わせた扇で兜割りをしようとする。

 

「鋼符【フルメタルアルケミスト】」

「っ!?…きゃああっ!!」

 

武神鎧武は巨大な鉄の柱を形成して早苗を弾き飛ばす。

 

「はあっ!!」

「ぐはっ!…」

「うおっ!?」

 

そして針とラグナを弾き、吹き飛ばす。続いて無双セイバーの撃鉄を引いて弾丸を装填した後、銓に銃口を向けて全発撃つ。弾丸はビームとなって一発目が銓をよろめかせる。残りの三発が銓の腹部に命中し、吹き飛ばす。

 

「…弱い、弱すぎる。これでは研磨にもならぬ…もういい。死ね!」

 

武神鎧武は無双セイバーを納刀して大紅丸を左手で逆手持ちすると、カッティングブレードを一回倒す。

『ブラッドオレンジ・スカッシュ!』

 

武神鎧武は高く跳ぶと、10体に分身する。

 

「でりゃああああああ!!!」

 

分身した武神鎧武はそれぞれのターゲットに跳び蹴りを放った。

 

「うわあああああ!!」

 

フォルドは跳び蹴りを食らって吹き飛ばされた。鉋達も同じ攻撃を食らって吹き飛ばされた。

 

「くっ!!…」

 

しかしラグナはブラッドサイズでガードして何とか耐え抜いた。

 

「何…?」

「なめるなよ…第666拘束機関解放、次元干渉虚数方陣展開、蒼の魔導書[ブレイブルー]起動!!」

 

ラグナはブレイブルーを起動させると

武神鎧武に斬りかかる。

 

「くっ…何故黒き獣がここに…」

 

武神鎧武はラグナの攻撃を受け止めてから後ろに退く。

 

「突撃【神風特攻隊の末路】」

 

武神鎧武は零戦型の炎を20発ラグナに降らせる。

 

「はああああああ!!」

 

ラグナはブラッドサイズを鎌状に展開させて全てはね返した。ラグナはフォルド達にこう言った。

 

「おいお前ら!こんな落武者野郎にくたばるんじゃねぇ!!」

 

ラグナの激励を聞いたフォルド達は立ち上がる。

 

「ああ…そうだなラグナ!」

 

フォルドはカッティングする。

 

『ソイヤッ!アセロラ・スカッシュ!』

 

フォルドはシーサー型のエネルギー弾を撃つ。

 

「ちっ…!!」

 

武神鎧武は難なくこれを避ける。

 

「幻想郷をお前の手に堕ちてたまるか!」

「そうよ!幻想郷はあなただけのものじゃない!!」

 

鉋とアリスはそれぞれ狙撃銃と人形を構える。

 

「ラストスペル 朱雀【朱雀渋式】!!」

「ラストスペル 魔操【リターンイナニメトネス】!!」

 

二人はラストスペルを発動させて強力な弾幕を撃った。

 

「ぬっ!!…」

 

武神鎧武は押されながらもこれをガードする。

 

「この世界は平和を望んでいるだ!!」

「あんたみたいに力を望んでいるんじゃないわ!!全ての平和よ!」

 

鈍と霊夢もスペカを構える。

 

「ラストスペル 白虎【白虎昴揚】!!」

「ラストスペル 神霊【夢想封印 瞬】!!」

 

鈍と霊夢も強力な弾幕を放つ。

 

「ふんっ!!」

 

武神鎧武はこれをかき消した。

 

「そんな世界のルールなど滅却してくれよう!!ラストスペル 邪聖剣【ネクロマンサー】!!」

 

武神鎧武は巨大な黒いレーザーを大紅丸から放つ。

 

「ラストスペル 玄武【玄武防壁】!!」

 

ここで銓がラストスペルを発動させて亀の甲羅みたいなバリアを張る。

 

「たしかにお前の言う通り、力のない世界は無力かもしれない。」

「けど、武力の他にもっと別の力があるんだぜ!!」

 

魔理沙が箒で上昇してミニ八卦炉を構える。

 

「ラストスペル 魔砲【ファイナルスパーク】!!」

 

マスタースパークよりも極太のレーザーが放たれた。

 

「ぐっ…!!?」

 

武神鎧武は耐えきれずレーザーを食らい、吹き飛ばされた。

 

「武神鎧武。何故俺達が倒れても倒れても立ち上がるか、分かるか?」

「そう、お互いが助け合い、励まし合い、力を合わせる。それこそが武力よりも大切な力、友情です!!」

針と早苗もラストスペルを発動する。

 

「ラストスペル 青龍【青龍一閃】!!」

「ラストスペル 大奇跡【八坂の神風】!!」

「ぬっ!?………ぐおおおおっ!!」

 

針と早苗が放った弾幕を食らい、ついに武神鎧武が吹き飛ばされた。

 

「まだ終わりじゃねぇぞ!!」

 

ラグナは武神鎧武を掴んで殴り飛ばす。

 

「ぬっ…!!」

 

武神鎧武はすぐに立ち上がるも、ラグナが追い討ちを仕掛ける。

 

「ブラックオンスロート!!」

 

ラグナはブラッドサイズを鎌状に変形させて斬りつける。武神鎧武は無双セイバーと大紅丸でガードするも、一部は防ぎ切れずに斬撃を食らう。

 

「おらあああああああ!!」

「くっ………!」

 

そして右手を黒い獣に変化させて突き出す。

 

「フォルド!!」

「ああ!」

 

フォルドはメロンアームズに戻ると、カッティングした。

 

『ソイヤッ!メロン・スカッシュ!』

「せいやぁあああああ!!」

 

フォルドはメロンの果汁エフェクトを纏うと、武神鎧武に向けて無頼キックを放った。勝利が近づいた…しかし

 

「…!?」

 

突然、無頼キックが当たる直前で届かなかった。

 

「(何故だ?…何故直前で止まった?)」

 

フォルドとラグナは武神鎧武の横に写った文字を見た。そこにはこう書かれていた。

 

[Immortal Object]

 

「なっ…!?」

「た…倒せねぇだと…?」

 

その様子は鉋達も見ていた。

 

「システム的不死…?」

「…嘘だろ?」

「……」

「なんでSAOのシステムが…」

 

システム的不死をもつ武神鎧武に絶望していた。ここで武神鎧武は言った。

 

「はははは。どうやら落武者は、貴様らの方だったな!」

「くそ!……がはっ!」

「うおっ!?」

 

フォルドとラグナは武神鎧武の斬撃を受けて吹き飛ばされた。

 

「さて、そろそろ終わりにしよう。」

 

武神鎧武は浮遊した。

 

「OVER DRIVE」

「なっ…!?」

 

なんと武神鎧武はOVERDRIVEまでも持っていた。

 

「遺産【エデンの果実】!!」

 

次の瞬間、武神鎧武の背後に巨大な光球が形成された。それと同時に多角形のような黄色いフィールドが展開された。

 

「食らうがいい。愚かな虫ケラ共!!

 

そして武神鎧武は光球と共にフォルド達に突撃した。

 

 

 

 

二分後、いつの間にか変身が解除されたフォルドは目を覚ます。

 

「……ああ…」

 

そこには、重傷を負った鉋達の姿だった。特に魔理沙はひどく、全身から出血している。それどころか彼女の宝物であるミニ八卦炉はOVERDRIVEを食らって灰化しており、箒は今なお燃え続けている。

 

「はははははははは!!…私の勝ちだな。」

 

武神鎧武がフォルドに近づく。

 

「………」

 

フォルドはショックのあまり言葉が出なかった。

 

「死ぬがいい。」

 

武神鎧武はフォルドに大紅丸を降り下ろした………はずだった。

 

「ぐおおおおおっ!?」

 

しかし何者かに放たれた衝撃波によって武神鎧武は五歩退いた。

 

「ぐっ……誰だ?」

「俺の息子を殺しては困るな。」

 

すると、背後から白いローブを纏い、右手に日本刀を持った男性がやってきた。男性はフォルドに視線を向けると、こう言った。

 

「久しぶりだ、直人。」

「お…親父!!」

 

その正体は、フォルドもとい直人の父・平山 晃和だった。

 




次回 フォルド(直人)は父・晃和と再開した。晃和はカブトに、フォルドは斬月・真に変身する。二人は武神鎧武と決着をつける。
次回[幻想編パート5 ~親子と友情と…~]


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幻想編パート5 ~親子と友情と…~

今回はコラボ編最終回です。ではどうぞ
前回のあらすじ 突如現れた武神鎧武、その圧倒的戦力にフォルド達は苦戦を強いられる。そんな中、ラグナの激励を受けてフォルド達は反撃する。しかし武神鎧武はシステム的不死を利用してフォルドのキックを防御。OVER DRIVEでフォルド達を瀕死に追い詰める。そのとき突然、フォルドもとい直人の父・晃和が現れた。


フォルドは立ち上がると、すぐさま晃和にかけ寄る。

 

「親父はあの隕石で死んだはずじゃ…」

「確かに俺は一度死んだ。だが神様が慈悲を理由に俺を神として転生させた。そして俺は今ここにいる。」

 

晃和はそう言った。すると晃和は倒れている鉋達に目を向けた。

 

「直人、あの子達は?」

「俺の友人達だ。」

 

フォルドが答えると、晃和が左手で光を形成して鉋達に照射した。

すると、癒しの光が鉋達の傷を癒したのだ。

 

「うっ…うう…」

「鉋!!」

 

うめきながら体を起こす鉋へフォルドは駆け寄る。

 

「フォルド…一体何が…?」

「ああ、俺の親父が助けにきてくれた。」

 

フォルドは鉋にそう説明する。

 

「ふん、神が何だろうと天下を取るのはこの私だ!!」

「世界の天下は誰の物でもない。」

 

そう言って晃和は右手を頭上に上げる。すると赤いカブトムシ・カブトゼクターが飛来した。晃和は右手でカブトゼクターを掴んだ。

 

「なっ…武神カブト!?」

 

武神鎧武はそれに驚く。

 

「変身。」

 

晃和は腰に装着されたベルトにカブトゼクターを装填した。

 

『HENSHIN』

 

電子音と共に晃和の体がヒヒイロノカネで作られたマスクドアーマーで覆われた。晃和は続いてカブトゼクターのホーンを上げる。するとチャージ音と電流と共に白いマスクドアーマーが少し押し出された。

 

「キャストオフ。」

 

晃和はカブトゼクターのホーンを反対側に倒す。

 

『Cast Off!』

 

電子音と共にマスクドアーマーが360度に弾き飛び、赤いライダーアーマーが露出する。そして頭部のカブトホーンが起き上がる。

 

『Change Beetle!』

 

仮面ライダーカブトに変身した晃和はカブトクナイガン・クナイモードを構える。

 

「何故だ!?…武神カブトは我が始末したはずだ!!」

「あの世界とこの世界は違う。俺が変身しているのは別のカブトだ。」

 

晃和はベルト右側にあるスラップスイッチをタッチする。

 

『Clock Up!』

 

次の瞬間、タキオン粒子によって晃和が高速移動で見えなくなった。晃和はクナイで切りかかる。しかし武神鎧武にはシステム的不死があるために通用しない…はずだった。

 

「ぐああああっ!?」

 

しかし晃和の斬撃はしっかりと武神鎧武に命中していた。晃和はさらに斬撃を繰り出す。

 

『Clock Over』

 

時間切れによって晃和の姿が目視できるようになった。武神鎧武は怯みながら言った。

 

「くっ…システム的不死が発動しないだと…?」

「神に造り物は通用しないぞ。」

 

ここでフォルドが

「親父、助太刀するぞ!!」

 

と言いながら既に変化したゲネシスドライバーを装着してメロンエナジーLSを装填した後にシーボルコンプレッサーを押す。

 

『ソーダァ…メロンエナジーアームズ』

 

斬月・真に変身したフォルドはソニックアローを武神鎧武に向けて光矢を連射する。

 

「くっ…!」

 

武神鎧武は光矢を防ぐと、無双セイバーと大紅丸を合体させて衝撃波を飛ばす。

 

「はあっ!!」

 

しかし晃和が衝撃波をかき消して武神鎧武に接近して斬りかかる。

武神鎧武はガードの体制に入るが

 

「させるか!!」

 

フォルドが放った光矢で大きくバランスを崩してしまった。

 

「はあああっ!」

「ぬおおっ!?」

 

晃和の攻撃でナギナタモードにした無双セイバーが破壊され、武神鎧武も吹き飛ばされた。

 

「直人。一気にたたみかけるぞ。」

「ああ!」

 

晃和は左手を頭上に上げる。すると手元にハイパーゼクターが現れた。晃和はハイパーゼクターを掴むとベルト左側にセットした。

 

「ハイパーキャストオフ。」

 

そしてハイパーゼクターのホーンを倒す。

 

『Hyper Cast Off!』

 

電子音と共に電流が流れ、カブトのアーマーが一新された。

 

『Change HyperBeetle!』

 

カブト・ハイパーフォームにチェンジした晃和は武神鎧武に渾身のアッパーカットを叩き込む。

 

「ぐおおおおっ!!」

 

武神鎧武はそのまま上空へ打ち上げられた。

 

「とどめだ!」

 

フォルドはそう言うと、シーボルコンプレッサーを一回押し込む。

 

『ソーダァ…メロンエナジースカッシュ!』

 

一方、晃和はハイパーゼクターのボタンをプッシュしてからホーンを倒す。

 

『マキシマムライダーパワー』

 

続いてカブトゼクターの3つのボタンを順番通りに押してから一旦ホーンを元に戻し、その後に再び展開した。

『1,2,3 ライダーキック!』

 

フォルドは晃和と共に高くジャンプする。

 

「「うおおおおおおお!!」」

 

そして親子二人で武神鎧武にライダーキックを放った。

 

「ぐわああああああああああ!!!」

 

ライダーキックを受けた武神鎧武はついに爆散した。

二人はそのまま着地し、変身を解除した。

 

「直人、…今の名前はフォルドだったか。」

「親父…。」

 

晃和がフォルドに近づく。

 

「母さんも、街の皆も天国からお前を見守っているぞ。」

「え…?」

「あの隕石事故の後にお前を心配していたぞ。」

「………」

「よく耐え抜いたな。そして…大きくなったな息子よ。」

「…親父…。」

 

フォルドは涙を流した。晃和は鉋達の方に向かって言った。

 

「君達にも感謝しないといけないな…ありがとう。」

「あ、はい。」

「友情というものはとても大切だ。どんな危険でも、友と呼べる者と協力するんだ。決して踏みにじってはならない。」

 

ラグナ以外の8人も涙をこぼす。晃和は続いてラグナの方を向いた。

 

「ラグナ君だったか。」

「んだよ…」

 

ラグナは口を荒くして返事する。

 

「君のいた世界に戻さないといけないな。」

 

そう言うと、晃和は左手で銀色のカーテンを形成した。その先にはカグツチの街が映っていた。

 

「この先を通れば、元の街に戻れる。」

 

そして晃和はフォルドに近づいてフォルドの右肩を軽く叩く。

 

「いつかまた会おう。強くなれ、直人。」

「…ああ!…」

 

晃和はそう言い残すと、再びハイパーカブトに変身してハイパーゼクターのスイッチを押す。

 

『Hyper Clock Up!』

 

電子音と共にカブテクターが展開され、光の翼を形成した。そしてタキオン粒子のエネルギーを纏う。

晃和は最後にフォルドに向けてサムズアップすると、そのままどこかへワープしていった。

 

「ありがとう…親父。」

 

フォルドは右手で涙を拭き取ると、そう呟いた。

 

「はぁ~、あのおっさん面倒なこと言いやがって…」

 

ラグナはどこか切ない顔を浮かべながらもそう愚痴を言う。そしてフォルドに

 

「先行ってるぜ。」

 

と言ってから銀色のカーテンを通ってカグツチに戻っていった。

 

 

 

その頃、この様子を見ていた紫は感動のあまりにハンカチで涙を拭き取っていた。

 

「私も驚いたわ。あの男がフォルドの父親だったなんて…」

 

ここでレイチェルが紫の元にやってきた。

 

「ええ…それよりもこれで私の異変は解決ね。」

「後のことは私自身がなんとかするわ。」

 

紫とレイチェルが話しているとき、突然黒いスーツを着て、ハットを被った緑髪の男・ハザマもとい、ユウキ=テルミがやってきた。

 

「よぅ、クソBBAにクソ吸血鬼じゃねぇか!!」

 

テルミはヤンキーみたいな口調で言う。

 

「テルミ…?」

「あら、あなたがこんなところにやってくるなんて思いもしなかったわ。」

 

紫は平然とした表情で言う。

 

「ラグナちゃんはともかく噂のメロン野郎のことを聞いてやってきたんだよウーヒャッヒャッヒャッ!!!」

 

テルミはそう言いながら高笑いする。

「あなたじゃ坊やは倒せないわよ。」

「あ?」

「あなたも見たでしょ、あのカブトムシの男よ。あの男には神の力が宿っているわ。」

「それを受け継ぐフォルドを、あなたが倒せる訳がないわ。それにあのベルトには大きな力を秘めているわよ。」

 

紫とレイチェルはそう反論した。しかしテルミは再び高笑いするとこう言った。

 

「それがどうした!!?生憎こっちも対策は練っているんだよ。これを見な!!」

 

テルミはポケットからあるものを取り出す。

それはフォルドと同じゲネシスドライバーとさくらんぼの絵が描かれたチェリーエナジーLSだった。

それを見たレイチェルは問う。

 

「テルミ、それをどこで?」

「くくくくく…ヒャァハハハハハハハ!!」

 

テルミは何も答えずただ高笑いしながら去っていった。

 

「…紫、またどこかで。」

「ええ…。」

 

レイチェルはテルミの持っていたドライバーとエナジーロックシードを危惧し、ワープしていった。

 

 

「それじゃこれでお別れだな。」

 

フォルドは鉋達との別れをしていた。

 

「フォルド…それじゃあ、さよ「待て鉋。」…え?」

 

鉋が別れのあいさつをしようとした時、突然フォルドが止めた。そしてこう言った。

 

「俺はさよならは言わない。」

「…そう言うことか。」

 

鉋も理解したようで、フォルドと声を合わせて言った。

 

「「また会おう。」」

 

そしてフォルドは鉋にある物を渡す。それは朱雀が描かれたロックシードだった。

 

「え?これってロックシード!?どうして…?」

「お守りだよ。」

 

そう言ってフォルドは笑顔を見せて銀色のカーテンを通過していった。

銀色のカーテンはフォルドが通っていった直後に消滅した。

 

「(よし、頑張るか!)」

 

そう呟いてフォルドはカグツチの街を歩いていった。

 

 

 

その夜、広場に一人の男が舞い降りた。男は深夜のように黒いコートを着ており、背中に二本の剣を背負っていた。

 

「全く、神様も手荒なことをするんだな…」

 

男は愚痴をこぼしながらも立ち上がる。腰には戦極ドライバーを装着していた。

 

「直人、中学のときのケリはまだついてないぞ。」

 

と言いながら右手のロックシードを開錠した。

 

『オレンジ』

 




はい、コラボ編終了です。次回からCS編スタートです。
次回 フォルドは突然、謎の忍者・シシガミ=バングと遭遇。バングはフォルドを悪と見て決闘を申すも、その最中にインベスが出現した。
次回[弟子入り…?]


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オリ主やその他設定

遅くなってすみません。今回は設定です。


フォルド=ケンウェイ(平山 直人[ヒラヤマ ナオト])/仮面ライダー斬月(斬月・真)

 

本作のオリジナル主人公で、アーマードライダー斬月に変身する青年。

ある日、神様のミスで死んでしまい、BLAZBLUEの世界に転生することになった。

服装はアサシンクリード3のコナーのローブ。武器はSIRENの焔薙を使用する。

そして神様からもらった戦極ドライバーで斬月に変身する。

クールな性格ではあるが、所々間抜けた部分がある。レイチェルに[イレギュラー]と言われるも、それでも歩み続けることを彼は決意した。

ニューとの戦いで瀕死の状態になるも、幼き日の記憶が蘇ったと同時に変化したゲネシスドライバーとメロンエナジーLSを使って斬月・真に変身し、起死回生の一撃を叩き込んで勝利する。

フォルドは過去に隕石の落下で両親を失っており(それどころか住んでいた町ごと吹き飛んだ)、その後は虐めやマスコミが絶えなかったとのこと。それ以来は他人との接触を避けようと思っていたが、コラボ編で神となって転生した父・晃和と再開後は改心し、積極的にいこうと決意した。

 

斬月について

 

本作では2つオリジナルのアームズが登場。

 

メロンアームズ

原作にも登場した基本形態だが、本作ではメロンディフェンダーが剣に変形できたり、無双セイバーと合体できる。

 

パパイヤアームズ

パパイヤロックシードを使用して変身するパパイヤの鎧を装備した斬月のパワー・防御力重視形態。変身音声は『パパイヤアームズ!一・触・即・発!』

アームズウェポンは斧槍型のパパイヤハルバード。

 

アセロラアームズ

アセロラの鎧を装備したスピード・射撃重視形態。変身音声は『アセロラアームズ!百・発・百・中!』

アームズウェポンは拳銃型のアセロラ獅子砲。龍玄とは違い、二挺拳銃である。

 

スイカアームズ

原作と同じ。

 

メロンエナジーアームズ(斬月・真)

ニューとの戦いで瀕死状態になったとき、閉ざしていた過去を思い出したことによって変化したゲネシスドライバーとメロンエナジーロックシードで変身する。

こちらも原作と同じである。

 

必殺技

無頼キック(共通)

果汁エフェクトを纏ってキックを放つ。跳び蹴りverと回し蹴りverがある。

 

ナギナタ無双スライサー(メロン)

鎧武が放つものと同じ。

 

ハルバードチョッパー(パパイヤ)

巨大化させたハルバードを標的に降り下ろす。また、シーソーの間隔で上昇してから無頼キックを放つパターンもある。

 

シーサーブラスト(アセロラ)

獅子型のエネルギー弾を連射する。

 

スイカ大風車(スイカ)

原作と同じ。

 

ソニックボレー(メロンエナジー)

こちらも原作と同じ。

 

それではおまけです。

新世代ライダーについて

本作では主にブレイブルーのキャラが

変身する。この証拠としてコラボ編5でハザマがゲネシスドライバーとチェリーエナジーLSを見せている。

なお、シグルドの変身者がハザマである理由はこちらである。↓

・戦闘スタイルが荒々しい。

・シドと同じく被っているハットがトレードマーク。

・本性がかなり非道。

 

という理由である。

 




設定は近々追加していきます。


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弟子入り…?

またかなり遅くなりました。お久しぶりの投稿です


あれから数日が経ち、フォルドはのんびり街を歩いていた。

 

「(この世界にも大分慣れてきたな…。)」

 

そう呟きながらフォルドは商店街に入った。途中、店を見るのも飽きたために路地裏を歩く。フォルドはここから空を見渡せる場所に行こうとしたそのときだった。

 

「そこのお主、待つでござるー!!」

 

フォルドはその声を聞いて途端に振り向く。そこには緑色の忍者着を身に纏い、赤いスカーフを首に巻き、背中に巨大な五寸釘を背負った男が立っていた。男はフォルドのことをかなり警戒している。

 

「…あんた誰?」

 

フォルドは首をかしげて男に言った。

 

「見つけたでござるよ悪党フォルド・ケンウェイ!!お主の犯行、お天道様が許してもこのバング様が許さん!!」

 

バングと名乗った男は熱血漢な口調で言う。

 

「待て待て待て待て…いつから俺がそんな悪党になったのかが分からない…」

「とぼけるのもそこまでにするでござる!これを見るでござる!!」

 

と言ってバングが取りだしたものは、フォルドの指名手配ポスターである。それも大分古いものであった。

 

「(まだ持ってる奴らがいたのか…。)」

 

フォルドは額に汗をに2滴流してバングにこう説明する。

 

「あの…俺は既に指名手配を解かれたんだ。それに俺は怪物と戦ってi「言い訳は聞かぬでござる!!」…oh…。」

バングはフォルドの説明に一切耳を貸そうとはしなかった。

 

「カグツチの愛と平和を護る男[シシガミ=バング]、ここに見参!!」

「(滅茶苦茶だ…どちらにしろ戦うしかないか。)」

 

フォルドは仕方なく拳を構える。

 

「でりゃあああああ!!」

 

バングが物凄いスピードで接近し、フォルドに右ストレートを叩き込んできた。

 

「うぐっ…!?」

 

フォルドはガードするも、予想以上に一撃が重かったために少し後退した。

 

「もう一発!!」

 

バングはさらに拳をフォルドに叩き込もうとする。

 

「二度も食らうか!」

 

フォルドはバングの拳を掴んで回し蹴りを喰らわせる。

 

「甘いでござる!!」

 

バングは右手でフォルドの回し蹴りを受け止めると、膝蹴りを叩き込む。

 

「ぐああああっ!?」

 

フォルドは強烈な一撃を喰らって吹っ飛ばされた。その際に路地裏から家一戸分の空き地に出ており、吹っ飛ばされたフォルドは木箱の山に激突した。バングはすぐさま空き地に移動してその様子を見ていた。

 

「…いってえ…。」

 

フォルドは起き上がると、服についた木片を払う。

 

「どうでござるか!?まいったか!!?」

 

バングは高笑いしながらフォルドに言った。

 

「まだだ、まだ終わってねぇ!」

 

フォルドはバングに急接近して右ストレートを叩き込む。バングはガードするも、フォルドは左手でジャブを連発する。

 

「ぬおっ!?」

「でりゃああああ!!」

 

フォルドはそのままアッパーカットを繰り出してバングを打ち上げ、そして両手を前に突き出してバングを吹っ飛ばす。

 

「うおおおおおおっ!?」

 

バングは耐えきれずに吹き飛ばされ、壁に激突した。

 

「くっ…悪党としてはなかなかやるな…。」

「だから俺は悪党じゃない!!」

 

フォルドは悪党と呼ばれることに反論した。

 

「だが、拙者には敵わぬでござるよ!!」

 

そう言ってバングは背中の巨大な五寸釘を構える。

 

「はぁ…俺は悪党じゃないって言ってるだろ!!」

 

ついにキレたフォルドは焔薙を抜刀する。

お互いが武器を構えて睨み合いをしてるその時、突然二人の間にジッパー状の裂け目[クラック]が開いた。

 

「な…何でござるか!?」

「…くそ、こんな時にか!!」

 

バングがクラックの出現に謎目いている中、フォルドの予感は的中した。

 

『グギャアア!!』

『キキッーー!!』

 

クラックから6体の初級インベスと蝙蝠をベースに赤い甲殻に覆われたコウモリインベスが現れた。

 

「フォ、フォルド殿!!この者達は一体…!?」

「俺が言っていた怪物だ!!」

 

フォルドはバングにそう答えると、焔薙を納刀して戦極ドライバーを装着する。そしてメロンロックシードを取り出す。

 

「変身!!」

 

フォルドは叫ぶと、メロンLSを開錠して戦極ドライバーにセットする。そしてカッティングブレードを倒してカバーを展開する。

 

『ソイヤッ!メロンアームズ!天・下・御・免!』

 

フォルドは斬月に変身してメロンディフェンダーをブレードモードにする。

 

「ここからは俺達のフェイズだ!」

 

フォルドはそう言うと、一体の初級インベスに向かって突撃する。

「応!!」

 

バングもフォルドに続く。

 

「うおおおおおっ!!」

 

フォルドはメロンディフェンダーで一体目の初級インベスを斬りつけると、すぐさま二体目の初級インベスに無双セイバーを叩き込む。

 

『グギャアア!?』

「喰らうでござる!!」

 

バングの方も善戦しており、五十五寸釘を初級インベスに叩きつけている。

 

「うおおおおおおお!!」

 

バングは五十五寸釘に力を溜めている。

 

『ロックオン!イチ、ジュウ、ヒャク、セン、マン! メロンチャージ!』

「微塵切りにしてやるぜ!」

 

フォルドはナギナタモードの無双セイバーにメロンLSを装着してエネルギーを溜めている。

 

「どりゃああああああ!!」

「せいやぁあああああ!!」

『『グギャアアア!?』』

 

バングとフォルドの一撃が決まり、初級インベスは全て爆散した。

 

『キキッーー!!』

 

コウモリインベスがフォルドに滑空攻撃を仕掛けてきた。

 

「うわっ!?」

 

フォルドは不意打ちを受けて吹き飛ばされた。それと同時にメロンディフェンダーが手元から離れた。

 

「フォルド殿!?…貴様!!不意打ちとは許さん!!」

 

バングは五十五寸釘でコウモリインベスに攻撃するも、軽々とかわされた。

 

『キキッー!!』

「うわあああああっ!?」

 

コウモリインベスの連撃を喰らって吹っ飛ばされた。

 

「くっ…この野郎!」

 

フォルドはメロンLSを外すと、アセロラLSに切り替えた。

 

『アセロラアームズ!百・発・百・中!』

 

アセロラアームズに換装したフォルドはアセロラ獅子砲を連射する。

 

『キキッ!?』

 

コウモリインベスは銃弾を受けて怯む。

 

「一気に決めるぜ!!」

 

フォルドはカッティングを1回行ってから獅子砲の撃鉄を引く。

 

『ソイヤッ!アセロラ・スカッシュ!』

「喰らえ!!」

 

フォルドはシーサー型のエネルギー弾を連射した。

 

『キキッー!!』

 

しかしコウモリインベスは飛行能力を生かしてエネルギー弾を避けた。

 

『キキキキッーーーー!!!!』

「う、うわああああっ!!?」

 

そしてコウモリインベスはフォルドに超音波を放つ。それを喰らったフォルドはアセロラ獅子砲を手放して耳を塞ぐ。

 

「でりゃあああああああ!!」

『キキッ!?』

 

突然コウモリインベスの背後からバングが飛び上がってきた。そして五十五寸釘で思いきりコウモリインベスを地面に叩き落とした。

 

「よし、これなら…。」

フォルドは無双セイバーを引き抜くと、そこにアセロラLSを装着した。

 

『ロックオン!イチ、ジュウ、ヒャク! アセロラチャージ!』

「せいやぁああああああ!!」

『キキッーー!?』

 

無双セイバーから放ったエネルギーがアセロラ状になり、そこから赤い光線が撃ち出された。これを喰らったコウモリインベスは爆散した。

 

「はぁ…はぁ…。」

 

フォルドは変身を解除してその場で座り込んだ。

 

「しかし、お主も見事な武勇であった。」

 

バングはフォルドに近づきながら言った。

 

「俺はあの怪物と戦っているんだ。それ以外にもだがな。」

「すまんかった!てっきり拙者は平和を脅かす悪党かと思っていた!」

「もし俺が悪党だったら、さっき現れた怪物は倒さないって。」

 

フォルドはそう言って立つ。

 

「よし決めた!!今日からお主は拙者の1番弟子だ!!」

「…はい?」

 

バングの言葉を聞いてまた首をかしげた。

 

「1番弟子、拙者のおごりで飯を食いに行くでござるよ。拙者のおごりだ!」

「あ…ありがとうございます。」

 

フォルドは苦笑いしながらも感謝した。

 

 

 

その頃、ジン=キサラギは遺跡みたいな場所を歩いていた。すると

 

「ん?…何だこれは?」

 

ジンはすぐ近くに落ちていたものを拾った。それはジューサーを模した赤いバックル・ゲネシスドライバーとレモンが描かれたレモンエナジーLSだった

 




次回 ゲネシスドライバーとレモンエナジーLSを拾ったジン。フォルドはテラスで空を眺めているときに偶然ジンと出会う。そして対決の最中、ジンはゲネシスドライバーとレモンエナジーLSを使って変身した。
次回[冷気纏う公爵]


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冷気纏う公爵

前回のあらすじ フォルドは謎の忍者シシガミ=バングと出会い、悪党と間違われて戦いとなった。その途中にインベスが現れ、フォルドはバングと共にこれを撃破。バングはフォルドに謝罪し、そして勝手に1番弟子と決めつけたのだった。
以上


「…にしても昨日はめちゃくちゃだったな。」

 

フォルドはカグツチの端側にあるテラスで空を眺めていた。フォルドは昨日シシガミ=バングという男と出会い、彼から悪党と誤解されたのだ。その後はいろいろとあって何とか誤解を解くことができたのだ。

 

「(もしインベスが現れなかったら、今ごろ俺は追いかけ回されてるだろうな…。)」

 

フォルドはモヤモヤした気持ちでため息をつく。その時だった

 

「!?」

 

突然、フォルドに向かって氷のつぶてが飛んできた。フォルドはすぐさま焔薙を抜刀してつぶてを弾き落とす。その際、フォルドの視界に一人の男性の姿が映った。それは青い士官服を身に纏い、左手にアークエネミー[ユキアネサ]を持った男、ジン=キサラギだった。

 

「お前は…前に戦ったやつ!」

「フォルド=ケンウェイ…ここにいたか。」

「一体何しに来たんだ?…前回のリベンジか!?」

 

フォルドはジンに問う。するとジンはこう答えた。

 

「僕の目的の邪魔だ…ここで消してやる!」

 

ジンはそう言ってユキアネサを抜刀する。

 

「生憎ここで死ぬのはごめんだ!」

 

フォルドは焔薙に木る伝を纏わせると、ジンに向けて構える。

 

「うおおおおおおお!!」

 

フォルドはダッシュでジンに駆けつけ、焔薙を振るう。

 

「ふん!」

「くっ…!」

 

ジンは焔薙を弾くと、鞘でフォルドの脇腹を殴った。

フォルドは脇腹を殴られたと同時に後ろで吹き飛ばされた。

 

「(前より強くなってる…ここは変身だな。)」

 

フォルドは焔薙を納刀すると、戦極ドライバーを取り出して腰に装着した。そしてメロンLSを取り出す。

 

「変身!」

 

フォルドは斬月に変身すると、メロンディフェンダーをブレードモードにして無双セイバーを抜く。

 

「ここからは俺のフェイズだぜ!」

 

フォルドはジンに接近して連撃を繰り出す。

 

「甘い!」

 

ジンはフォルドの連撃を止めると、氷柱を作り出してフォルドを打ち上げる。

 

「うわっ!?」

 

フォルドは打ち上げられてメロンディフェンダーを手放すも、無双セイバーの弾を装填してジンに撃ち出す。

しかしジンはユキアネサを高速で振って弾を全て弾く。

 

「くそ…だったら。」

 

フォルドは着地すると、メロンLSを一旦外す。すると戦極ドライバーが光出し、ゲネシスドライバーに変化した。そして同じく変化したメロンエナジーLSを装置してシーボルコンプレッサーを押してカバーを展開する。

 

『ソーダァ…メロンエナジーアームズ』

 

斬月・真に変身したフォルドはソニックアローを構える。するとジンが

 

「なるほど、使用方は分かった。」

「?」

 

ジンが言った言葉にフォルドは謎めく。ジンはユキアネサを納刀するとある物を取り出した。

 

「(ゲネシスドライバー!?)」

 

それはフォルドと同じゲネシスドライバーだった。ジンはドライバーを腰に装着すると、続いてレモンエナジーLSを取り出す。

 

「お前、それを何処で!?」

「…変身。」

 

フォルドの質問を無視してジンはロックシードを開錠した。

 

『レモンエナジー』

 

テクノ系の音声が鳴ると同時にジンの頭上に巨大なレモンが現れた。

ジンはレモンエナジーLSをゲネシスドライバーに装着する。

 

『ロック…オン』

 

そしてシーボルコンプレッサーを押してカバーを展開した。

 

『ソーダァ…』

 

ポッド部にはレモンのような黄色いエネルギーが溜まっていく。

 

『レモンエナジーアームズ ファイトパワー!ファイトパワー!ファイファイファイファイファファファファ、ファイ!』

 

ラップ調の音声と同時に巨大レモンが底部をマントのような形状に展開してジンの頭部を覆う。それと同時にジンの体をロイヤルブルーのライドウェアが身を包んだ。ジンの頭部には冠と騎士の兜をモチーフとした頭部が装着され、その上からヘッドホンを付けたような後頭部と共にレモンの断面を模したステアリングアイが装着された。

そして胸部と右肩アーマーが展開。右手にソニックアローが装備され、ジンはアーマードライダー・デュークに変身した。

 

「……なんだと?」

「さぁ、ここが貴様の墓場だ!」

 

ジンは早速、光矢をフォルドに向けて放つ。

フォルドはローリングで光矢をかわし、ソニックアローを振りかざす。ジンはこれを防ぐ。

 

「もう一度言うぞ、それを何処で手に入れたんだ!?」

「貴様には関係ないことだ。知っても今ここで貴様を殺すのだからな!」

 

ジンはフォルドを押し出すと、ソニックアローで二度斬りつけた。

 

「ぐはっ…!!」

 

フォルドはその場で怯んでしまった。それもそのはず、デュークは新世代ライダーの中では最も高性能であり、ジンの経験値を合わせるとその戦闘力はかなり高い。

 

「まだだ!!」

 

フォルドは立ち上がると、突きを放つも弾かれてしまう。

 

「食らえ!!」

 

ジンはフォルドの下半身を氷で固定する。そして至近距離からソニックアローを連射した。

 

「ぐあああああっ!!」

 

ゼロ距離から撃たれたフォルドは吹き飛ばされ、フェンスのところまで転がった。フェンスの先は奈落の底、落ちたらひとたまりもない。

ジンはとどめを刺そうとソニックアローにレモンエナジーLSを装着する。

 

『ロック…オン』

 

ジンは弦を引いてエネルギーを溜める。

 

「ぐっ……うっ…動け……。」

 

フォルドは立ち上がり、避けようとするもダメージでなかなか体が動かない。

 

「死ね!」

 

そしてジンはソニックアローの弦を離した。

 

『レモンエナジー』

 

ジンのソニックアローから黄色い光矢が放たれ、それがフォルドに命中した瞬間、炸裂して多段の爆発が起こった。これをまともに食らったフォルドはフェンスを吹き飛ばして落下した。

 

「うわああああああああああああぁぁぁぁぁぁ…!!!」

 

フォルドは深い奈落の底へと落ちていった。ジンはそれを見届けると、変身を解除した。

 

「これで邪魔者が一人減った…クククク…」

 

ジンはそう呟くと、不気味な笑みを浮かべてどこかへと立ち去った。

 

 




次回 デュークに変身したジンに敗北し、カグツチの下にある町に落下したフォルド。目覚めたときには何処かの家だった。そこでライチという女医とその助手と出会う。さらにタオカカと再開。話をしていると外の方でインベスが発生。フォルドが変身しようとすると、助手である青年が止める。そして彼が取り出したのは、戦極ドライバーだった。
次回[地下町、二人目の転生者]


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地下町、二人目の転生者 前編

前回のあらすじ フォルドはジンの急襲を受けて斬月に変身。しかし、ドライバーの使い方を知ったジンはアーマードライダーデュークに変身した。
その圧倒的な力にフォルドは奈落の底へと叩き落とされた。
以上


暗転した視界の中、フォルドは足音を聞いて目を開いた。

 

「……うっ…うう……。」

 

フォルドは痛みを堪えながら体を起こし、包帯を巻かれた傷口のところを押さえる。既に治療されているらしく、フォルドが目覚めた場所は誰かの家だった。そして奥には男女二人が何か話していた。フォルドは起き上がろうとしたが

 

「うっ……!?」

 

まだ完全には癒えていなかった。

 

「あ、まだ動いちゃだめです!リンファ、鎮痛剤持ってきて!!」

「あ、はい!」

 

向こうにいた一人の青年がフォルドのうめき声を聞いて慌ててフォルドの方へ駆けつけた。そして後にリンファと呼ばれた少女が水と鎮痛剤を持ってきた。

「…すまない。」

 

フォルドは謝ると、渡された鎮痛剤を飲んだ。

ちょうどその時に向こうのドアが開き、そこから一人の女性がやってきた。その女性はグラマラスな体格に赤いチャイナドレスを身に纏い、眼鏡をかけている。

 

「あら、目覚めたようね。傷の具合はどう?」

「ああ…多少はまだ痛みます」

 

フォルドは女性にそう返事をした。

 

「ところで貴方の名前は?」

「…フォルド=ケンウェイです。」

 

フォルドは自分の名前を名乗る。

 

「私はライチ=フェイ=リンよ。」

「私はリンファといいます!」

「僕はシュン=アカツキです。」

 

ライチ、リンファ、シュンも自身の名前を名乗った。

 

「ライチさん、その頭の上にいるパンダは何ですか?」

「この子はラオチュウよ。」

「(え?ピカt…おっと、それ以上いけないな。)」

 

変なことを呟きながらも納得したフォルド。

 

「よろしく…ところで俺はどうしてここに?」

「私が歩いてたときに貴方が倒れていたからこの家まで運んだのよ。」

「そうですか。」

 

ライチの答えにフォルドはとりあえず納得した。

 

「にしても僕も驚きました。」

「何が?」

「あの高さから落ちてなおもよくご無事でいたことがですよ。」

「うん…。」

 

フォルドは少し暗そうな表情で返事をした。先程フォルドはデュークに変身したジンに負けてここに落ちてきたのだからである。

 

「あ、すみません。」

 

フォルドの気持ちを暗くしてしまったシュンは謝罪する。

 

「いいよいいよ、気にすんなって。」

 

フォルドは明るい表情になって返事をした。そのとき

 

「ヤッホー、乳の人~!」

「あれ?…タオ?」

 

突然ドアを開けてタオがやってきた。そしてタオは後ろからライチの胸を揉み始めた。

 

「コラ、タオ!!//」

「おお~、さすが乳の人、いつもでっかいニャス!」

 

ライチは恥ずかしそうに言うがタオは構わず揉み続ける。フォルドはその様子を見て一つ気になる点を見つけた。

 

「(タオも胸がでかいけどな)」

 

そう、タオの胸もライチと同じくらいの巨乳であったことである。

 

「タオ、離れて、もう!!」

 

ライチは強引にタオを引き離した。するとタオはフォルドを見ると

 

「おお~、白フードの人ニャス。傷は治ったニャスか?」

「いや、まだ治t「ダ~イブニャス!!」イダダダダダダダッ!!何すんだお前は!!?」

 

フォルドはタオにのしかかられたために怒号を発する。するとライチがタオを掴む。

 

「やめなさいタオ!この人はまだ傷が治ってないの!ゆっくり休ませないと。」

「は~い。」

 

タオはフォルドの側に近づくとこう言った。

 

「タオはいい人と同じように一緒にいたいニャス!」

「(もしかしてラグナもここに運ばれてたのか?)」

「看病して早く白フードの人と一緒に

遊びたいニャス!」

「そうか…。」

 

タオはそう言うとはしゃぎながら小さく走り回る。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

3日後、フォルドは歩けるくらいまで傷が治ったが、それでもまだ痛みがひいた訳ではない。

テーブルにはフォルド、シュン、リンファ、ライチ、タオの五人が座っていた。ライチが紅茶を五人分のカップに注いで、レモン一切れを五人分添えた。

 

「はい、どうぞ。」

「ありがとうございます。」

 

フォルドはさっそくレモンティーの入ったカップを持つ。しかし突然、フォルドの脳にジンとの戦いがフラッシュバックしてきたのだ。その瞬間フォルドはすぐさまカップから手を離し、頭を押さえてぶるぶる震え始めた。

 

「フォルドさん…?」

「どうしたんですか?」

「フォルド君、何かあったの?」

「ん?どうしたニャスか?」

 

四人はフォルドの様子を見た。フォルドはジン=キサラギに怯えているのだ。それはデュークのモチーフといえるレモンを見てもフォルドには同じ恐怖だと感じ取ってしまうのだ。

フォルドはしばらくして震えるのをやめると、顔を上げる。

 

「すみません…レモンは無理です…。」

「ああ、そうなのね。」

 

フォルドはレモンが苦手になってしまったのだ。

 

ティータイムの後、フォルド達は家の外に出た。

 

「ここはどこなんだ?」

「ここはタオの村ニャス。」

「え?」

 

フォルドは謎めいた。

 

「ここはタオの出身地でもあるカカ族の村なのよ。この世界が魔素で覆われてからはこの村の上に階層都市が出来て、空が遮られたのよ。」

「だから昼夜問わずこんなに暗いのか。」

 

フォルドはそんなことを言う。

 

「ば、化け物ーー!!」

「「「「「!?」」」」」

 

突然悲鳴が聞こえたのだ。フォルドは鷹の目で悲鳴が聞こえた場所を探る。

 

「あっちだ!」

 

フォルド達は急いで示した場所へ向かった。そこには

 

『『グギャアア!!』』

『ゴアアアアア!!』

「インベス!」

 

そこには初級インベス二体と龍を模したセイリュウインベスがいた。

フォルドは戦極ドライバーとメロンロックシードを取り出すが、傷がまだ完治していないためにその場でひざまづく。

 

「無茶です!その身体で戦ってはダメです!」

「でも…俺がやらないと…。」

 

シュンの制止を受けても、変身しようとするフォルド。するとシュンは

「ここは僕に任せて下さい。」

「え?」

 

シュンは前に出た。

 

「シュン!?」

「シュンさんダメですよ!」

「パーカーの人?」

 

シュンはポケットからある物を取り出した。フォルドはそれを見て驚いた。

 

「戦極ドライバー!?」

 

それは、フォルドと同じ戦極ドライバーだった。シュンは緑色のフェイスプレートがある戦極ドライバーを装着すると、ブドウロックシードを取り出す。

 

「変身!」

 

シュンは叫ぶと、ブドウLSを開錠した。

 

『ブドウ』

 

するとシュンの頭上に巨大ぶどうが現れた。シュンはブドウLSを戦極ドライバーに装着させると、再び閉錠した。

 

『ロックオン!』

 

するとドライバーから銅鑼と二胡による中華風の待機音が鳴る。そしてカッティングブレードを倒してカバーを展開した。

 

『ハイ~!ブドウアームズ!龍・砲・ハッ・ハッ・ハッ!』

 

その瞬間巨大ぶどうが落下してシュンの頭を覆う。それと同時にシュンの身体に緑色の中華風ライドウェアが纏われた。頭にはフェイスプレートに描かれている中華の兜みたいな頭部が装着され、その上から複眼である龍眼が装着される。

そして巨大ぶどうが鎧の形に展開して、水飛沫のエフェクトと共にアームズウェポン・ブドウ龍砲が装備され、シュンはアーマードライダー龍玄に変身した。

 




後編に続く。
遅くなってすみません。


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地下町、二人目の転生者 後編

後編です。
今回はさらに斬月のオリジナルアームズが登場します。
では、どうぞ!!


「ハッ!」

 

シュンはブドウ龍砲で一体目の初級インベスに向かって銃弾を連射した。

 

「グギャアアア!?」

 

一体目の初級インベスは銃弾を受けて後退した。

 

『グギャアアア!!』

『ゴアアアアア!!』

 

今度は二体目の初級インベスとセイリュウインベスがシュンに迫る。

シュンはカッティングブレードを一回倒した後にブドウ龍砲の撃鉄を引く。

 

『ハイ~! ブドウ・スカッシュ!』

 

音声の後にブドウ龍砲の銃口にぶどうの粒を模した紫色のエネルギーが溜まっていく。エネルギーが最大まで溜まったところでシュンはトリガーを引いた。その瞬間、竜の形をしたエネルギー弾が発射され、二体の初級インベスを撃ち抜いた。

 

『『グギャアア!?』』

 

二体の初級インベスは抵抗も出来ずに爆散した。

 

『ゴアアアアア!!』

 

セイリュウインベスはシュンに接近して右手の爪を振り下ろす。

シュンは転がって攻撃を避け、セイリュウインベスに銃弾を放つ。しかし、セイリュウインベスの硬い甲殻は銃弾をいとも簡単に弾いてしまった。

 

『ゴアアアアア!!』

 

セイリュウインベスは口から炎を吐いてシュンを攻撃する。

 

「っ!?…うわあああ!?」

 

シュンは回避するも避けきれずに一発の炎を食らって吹き飛ばされた。それと同時に手元からブドウ龍砲が離れてしまった。

「シュン!」

「大丈夫かシュン!?」

「っ…大丈夫です。」

 

シュンは起き上がると、別のロックシードを取り出して開錠する。

 

『キウイ』

 

ブドウの鎧が弾けると、シュンの頭上に巨大キウイが出現した。そしてブドウロックシードを外して代わりにキウイロックシードを装着した後にカッティングブレードを倒してカバーを展開した。

 

『ハイ~! キウイアームズ! 撃・輪・セイ・ヤッ・ハッ!』

 

シュンはキウイアームズに換装すると、アームズウェポンのキウイ撃輪を構えてセイリュウインベスに向かって突撃した。

 

「うおおおおおお!!」

 

シュンはキウイ撃輪を振り回してセイリュウインベスを攻撃するが、やはり弾かれてしまう。

 

『ゴアアアアッ!!』

 

セイリュウインベスが爪を振りかざしてきた。シュンは攻撃を受け流そうとしたが、戦い慣れていないために二歩後退してしまう。

 

四人はシュンの戦いを見ていた。シュンが押されているのだ。

 

「……ん?」

 

フォルドはふと横を見ると、壁のところに一つだけヘルヘイムの実がなっていた。

フォルドは戦極ドライバーを着けてから実をもぎ取る。すると実がドライバーの力で変化し、ヤシの実を模したココナッツロックシードにシフトした。そして突然、シュンのところに向かおうとした。

 

「フォルド君!?」

 

ライチはフォルドを止めた。

 

「無茶よ!まだ傷は治ってないのに!」

「傷なんて関係ない!…早くシュンを助けないと!」

「でも、無理をしたら…!」

「そうニャスよ!傷に障るニャスよ!」

 

リンファとタオもフォルドを止めようとするが

 

「あの状況を見て分かるだろ!このままじゃシュンがやられるぞ!!」

 

フォルドの言葉を聞いて三人は再びシュンを見る。

 

「うわあああああ!!」

 

シュンはセイリュウインベスの炎を連続で食らっていた。フォルドの言う通り、このままだとシュンが危ない。

 

「俺はこんな状況…放っとけない!!」

 

フォルドはそう言うと、メロンLSを取り出す。

 

「変身!」

 

そして戦極ドライバーに装着させて閉錠し、カッティングブレードを倒してカバーを展開した。

 

『ソイヤッ! メロンアームズ!天・下・御・免!』

「さぁ、俺のターンだぜ!」

 

フォルドは無双セイバーを引き抜くと、セイリュウインベスに斬りかかる。

 

『ゴアアアッ!?』

 

セイリュウインベスは突然の斬撃を食らって怯んだ。

 

「フォルドさん…何故!?」

「俺はピンチの人を手助けする、それだけだ!」

フォルドはシュンにそう答える。セイリュウインベスは二人に向かって炎を吐いた。。フォルドはメロンディフェンダーで炎をガードした。

 

「速攻で決めるぞ!」

「はい!」

 

フォルドはそう言うと、メロンロックシードを外して先程手にした新たなロックシードを開錠する。

 

『ココナッツ』

 

メロンの鎧が弾けると、フォルドの頭上に巨大ココナッツが現れた。フォルドはドライバーにココナッツLSを装着させてロックした。

 

『ロックオン!』

 

そしてカッティングブレードを倒し、カバーを展開した。

 

『ソイヤッ! ココナッツアームズ! 雲・煙・飛・動!』

 

すると巨大ココナッツが上部のところを翼のような形に展開して落下し、フォルドの頭部を覆う。そして鎧の形状に展開し、背中の翼も折り畳まれて、フォルドはココナッツアームズに換装した。

 

「おお、光線剣か…よし行くぜ!!」

 

フォルドはそう言うと、二本の光線剣型アームズウェポン・ココナッツビームソードを構えてセイリュウインベスを斬りつける。

 

『ゴアアアッ!?』

 

そのビーム刃はセイリュウインベスの硬い甲殻を容易に焼き斬った。

 

「とりゃあああ!!」

 

シュンは焼き斬られた傷口を狙ってセイリュウインベスを攻撃した。

 

『ゴアアアアアアッ!?』

 

セイリュウインベスは怯むがすぐ立ち上がってフォルドに向かって炎を吐く。

 

「当たるかよ!!」

 

フォルドは翼を展開させて飛翔した。空を飛び回って炎を避けていく。

 

「仕留めるぞ!」

「分かりました!」

 

シュンは二回カッティングする。

 

『ハイ~! キウイ・オーレ!』

「せいゃああああ!!」

 

シュンはキウイ撃輪を振るってエネルギー刃を飛ばした。

 

『ゴアアアアアッ!?』

 

セイリュウインベスはそれを食らって大きく怯む。

 

「その首、削いでやる!」

 

フォルドは一回カッティングした。

 

『ソイヤッ! ココナッツ・スカッシュ!』

 

フォルドは翼に推進力を上げさせると、その状態で回転してセイリュウインベスに接近した。

 

「うおらぁああああああ!!」

 

フォルドはビームソードでセイリュウインベスの首を斬り裂いた。

 

『ゴアアアアアアアア!?』

 

首を斬り裂かれたセイリュウインベスはついに爆散した。

 

二人は変身を解除した。

 

「助けてくれてありがとうございます。」

「はは、いいってことよ。」

 

フォルドは歩き出すと、傷が悪化したのか、その場でうずくまる。シュンはフォルドの体を支える。

 

「だから無茶したらダメって言ったじゃないですか!」

「ごめんごめん。」

 

フォルドはシュンに支えられながら歩き、その後5人で家に戻った。

 




次回 カグツチの繁華街に戻ってきたフォルド。その頃、繁華街ではタケルという青年をリーダーにしたダンスチームが広場のステージで踊っていた。その途中にインベスが乱入。フォルドが変身して戦っていると、タケルが戦極ドライバーとバナナロックシードを取り出した。
次回[騎士の舞踏会]


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騎士の舞踏会

前回のあらすじ
フォルドは地下町でライチ、リンファ、シュンと出会い、さらにタオカカと再開する。デュークに変身したジンに対するトラウマを抱きながらも治療生活を過ごすが、町にインベスが出現した。そこへシュンが龍玄に変身して戦闘するも、苦戦してしまう。フォルドは傷を押さえて斬月に変身してインベスを討伐した。

はい、レティスです。長くなってすみません。ちなみに今回の話はショッカー研究員さんとのコラボ話の前日談の要素を含んでいます。


数日後、フォルドの傷は完全に癒えた。五人は外に出ると、ライチが言った。

 

「それじゃあ私達も戻りましょうか。」

「あれ?ライチさん、ここじゃないんでしたか?」

「いえ、ここはレンタルしただけよ。私が活動している場所はカグツチのオリエントタウンよ。」

「あ、そうですか。」

 

ライチの活動場所はどうやらカグツチのオリエントタウンだったらしい。そしてフォルドが傷を負って運ばれた家は借りたものであったのだ。

 

「とりあえず俺は先に行ってます。じゃあ後でな、シュン。」

「はい。また後で会いましょう。」

 

フォルドはサクラハリケーンをビークルモードにした後に乗り、そのまま加速させてワープし、カグツチの繁華街部に戻った。

「よし、行きますか。」

 

フォルドはサクラハリケーンを錠前に戻して歩き出そうとした時

 

「ん?あれ何だ?」

 

フォルドはすぐそばに落ちてある物に気付き、それを拾う。

 

「これは…!」

 

落ちていた物の正体…それはケータッチだった。ディケイドとは違い本体の左右のカラーは黒く、少し幅が長い。ケータッチには既に専用カードが差し込まれており、カード上部には『DECRUSHER COMPLETE』と書かれており、カード左側にもコンプリートフォームとなったディクラッシャーの頭部が描かれている。そしてカードにはディケイドを除いたクウガから鎧武までの平成ライダーのマークが描かれている。これを見たフォルドはある人物を思い出した。

 

「…真央。」

 

そう、フォルドは前に別世界の幻想郷で真央という青年と出会った。最初は財布の問題で揉めていたが、突然現れたインベスを相手に共闘したのがきっかけに仲が良くなったのだ。

 

「(またあそこに行けたら届けてみるか。)」

 

フォルドはそう呟くとケータッチをポーチに入れて歩き出した。

 

 

 

 

歩いて5分後、商店街に差し掛かったフォルド。するとフォルドは三人の男性が広場に向かっているのを見た。フォルドはその三人の男性の話を盗聴する。

 

「おい、もうすぐダンスイベント始まるぞ!」

「マジか!?広場に急がねぇと!」

「行くぞ!!近くで観れなくなるぞ!」

 

と三人の男性は広場へと走っていった。

 

「(広場?…ダンスイベント?……行ってみるか。)」

 

フォルドも広場に向かうことにした。

 

 

 

フォルドが広場に着くと、既に広場には大勢の人がおり、設置されたステージには男性7人のグループが踊っている。7人の男性達はかなりスタイリッシュに踊っている。

フォルドはふと看板を見る。どうやらステージで踊っているダンスチームの名は[パラディン・ナイツ]らしく、メンバーはリーダーのタケル=ニシザキ他男性6人の構成だそうだ。

 

「(原作の鎧武っぽくなってきたな。)」

フォルドが呟いた次の瞬間

 

『『グギャアアア!!!』』

『ギシャーー!』

 

ステージの右側にクラックが開き、そこから20体の初級インベスと1体のカミキリインベスが現れた。

それを見た観客達は逃げ始めた。タケル達もステージ左側に後退する。

 

「こんなときにインベスかよ!?」

 

フォルドはすかさず戦極ドライバーを腰に装着してメロンロックシードを取り出した。

 

「変身!!」

 

フォルドは斬月に変身すると無双セイバーを引き抜く。

 

「さぁ、ここからは俺のフェイズだ!」

 

フォルドはそう言うと一体目の初級インベスを斬りつけてからメロンディフェンダーの両端の刃で殴り付けて1体目を倒す。そこから2体目、3体目と次々にインベスを倒していく。

「よし、あいつを狙うか!」

 

10体の初級インベスを倒した後、フォルドばカミキリインベスに狙いをつけて走り出す。

 

『ギシャアアアア!!』

 

カミキリインベスは触手を伸ばして鞭のようにフォルドに向けて振るった。

 

「うわっ!?」

 

フォルドはガードするが咄嗟の判断だったためにメロンディフェンダーが手元から弾き飛んでしまった。

 

『『グギャアアア!』』

「ああ、くそっ…!」

 

初級インベスの群れがフォルドを攻撃きてきた。フォルドは数の多さに対処し切れなかった。すると、どこからか声がした。

 

「仕方ないな…どうやら手助けが必要なようだな。」

 

フォルドは声のする方向へ視線を向けた。そこには赤いフェイスプレートが付いた戦極ドライバーを装着したタケルの姿があった。そしてタケルの右手にはバナナが描かれたバナナロックシードが手元にあった。

 

「変身。」

 

タケルはバナナLSを開錠した。

 

『バナナ』

 

するとタケルの頭上に巨大バナナが出現した。続いてバナナLSを戦極ドライバーに装着してロックする。

 

『ロックオン!』

 

するとドライバーからトランペットによるファンファーレの待機音が鳴る。そしてカッティングブレードを倒してカバーを展開した。

 

『カモン! バナナアームズ!』

 

その瞬間巨大バナナがタケルの頭を覆う。それと同時にタケルの身体に赤と銀の西洋風ライドウェアが纏われた。

 

「えー!?バナナ!?バナ…バナナ!!?」

「バナナ?もしかして完j…」

「バロンだ!!」

 

ダンスチームの一人とフォルドの言った言葉をタケルはそう訂正した。

タケルの頭にはフェイスプレートに描かれている西洋風の兜みたいな頭部が装着され、その上からバナナの角が付けられた後頭部と共に複眼であるバーンサイトが装着される。

 

『Knight of spear!』

 

そして音声と共に巨大バナナが鎧の形に展開して、水飛沫のエフェクトと共にアームズウェポン・バナスピアーが装備され、タケルはアーマードライダーバロンに変身した。

 

「え、新しいライダー!?」

 

フォルドはその姿を見て驚く。

 

「ハッ!」

 

タケルはステージから飛び降りると同時に二体の初級インベスを攻撃した。

 

『『グギャ!?』』

 

初級インベス二体はそのまま吹き飛びされた。

 

「雑魚は任せろ。お前はあいつを倒せ!」

「分かった。」

「こっちだ!」

 

タケルは叫んで10体の初級インベスを別方向に誘導させる。

一方フォルドは斬月・真に変身し直すと、キミキリインベスに向けて光矢を放つ。

 

『ギシャ!?』

 

その威力にカミキリインベスは怯んだ。しかしカミキリインベスはすぐ体勢を立て直して触手による攻撃を行う。

フォルドは1回ハンドルをプッシュする。

 

『ソーダァ…メロンエナジー・スカッシュ!』

 

フォルドはソニックアローから衝撃波を飛ばして触手を切断した。

一方タケルは初級インベスの群れを相手に善戦しており、難なくインベスを倒していく。そして残り3体となったところで1回カッティングした。

 

『カモン! バナナ・スカッシュ!』

 

タケルはバナスピアーにバナナのエフェクトを纏わせて3体を貫いた後に薙ぎ払った。

 

『『『グギャアア!?』』』

 

そして3体の初級インベスはそのまま爆散した。

 

「よし、こっちも決めるか。」

 

フォルドはメロンエナジーLSをソニックアローに装着してから弦を引いてエネルギーを溜める。そして狙いをつけて弦を離した。

 

「いけぇえええ!!」

『メロンエナジー』

『ギシャアアア!?』

 

カミキリインベスは光矢を食らった後、爆散した。

 

「終わったな。」

「ふぅ…。」

 

二人は変身を解除した。するとタケルはフォルドに近づく。

「おいお前、名前は何だ?」

「ん?俺はフォルド=ケンウェイだ。」

「そうか、俺はタケル=ニシザキだ。」

 

二人はお互いの名前を言った。

 

「お前はどうしてドライバーを持ってるんだ?」

「護身用だ。この世界は弱肉強食がルールになっているからな。その環境の中でダンスをやっていくのも一苦労なんだ。」

「そうか。」

 

タケルはフォルドにそう言った。

 

「おーい、リーダー!」

 

するとチームの一人がタケルを呼んだ。タケルは反応すると

 

「邪魔したな。」

 

と言ってチームの元へと戻った。

 

「(俺を含めて3人目だな…けどまだ増えそうだな。)」

 

フォルドはそう呟いてその場を立ち去った。

 




次回 パルクールの練習をしていたフォルド。そこへ謎の青年がフォルドを襲った。その正体はフォルドの中学時代の喧嘩相手であるコウキこと風城刀麻であった。刀麻はアーマードライダー鎧武に変身し、フォルドと対決する。
次回[闇夜の鎧武者]


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闇夜の鎧武者

1か月も投稿してませんでした。本当にすみません。
前回のあらすじ フォルドはカグツチに戻ると、道中で真央のケータッチを拾う。そして人々の話を聞き、広場でやっているダンスイベントに行く。そのイベント中にインベスが乱入。フォルドが戦う中、ダンスチームのリーダーのタケルがアーマードライダーバロンに変身。彼と協力してインベスを一掃した。
以上


「よし、やるぞ。」

 

その夜、フォルドはパルクールの練習をするために公園にやってきた。

 

「はぁ!とぉ、ほっ!」

 

フォルドは滑り台やブランコ、鉄棒などを用いてひたすら走り、跳び、登る。だが、途中のところでつまづいてしまう。

 

「いててて…うーん、もうちょっと工夫してやろう。」

 

それから30分後もの時間を費やして練習し、フォルドに眠気が出てきた。

 

「ふぁあああ……そろそろやめるか。」

 

フォルドは気のそばに立ててある愛刀・焔薙を背負ってホテルに向かおうとしたその時

 

「おらあああああああ!!!」

 

突然フォルドの上から謎の青年が黒い剣を片手に奇襲してきた。

 

「!?」

 

フォルドはすぐさま回避して、追い討ちを仕掛けようとする青年の剣を焔薙で受け止める。

 

「もう一発!!」

「うおっ!?」

 

しかし、青年は背中に背負っていた白い剣を引き抜いて振り下ろした。フォルドは受け止めきれずそのままのけぞった。

 

「ちっ…!」

 

フォルドは焔薙に木る伝を宿らせると、青年に向かって衝撃波を三発放つ…

が、青年は左手に持った白い剣を回転させて衝撃波を全て弾いた。すると青年はこう言った。

 

「ったく…こんな程度かよ、直人。」

「刀麻…やっぱりお前か!」

 

フォルドは青年の正体もとい風城刀麻の名を呼んだ。容姿は黒いコート【コート・オブ・ミッドナイト】に黒い剣【エリュシデータ】と白い剣【ダークリパルサー】を装備していることから、刀麻はSAOのキリトの格好であることが分かった。

 

「今の俺の名前はコウキ=ブラックバーンだよ。」

「それなら俺にもフォルド=ケンウェイって名前がある。」

 

二人は続いて自分の今の名前を名乗った。

 

「関係ねぇな。それより中学時代の決着はまだついてねぇんだよ。ちょいと面貸せや。」

 

コウキはヤンキー口調でフォルドに喧嘩を申す。これを聞いたフォルドはこう言った。

「…断る。」

「は?」

「喧嘩したのはあくまで昔の話だ。今の俺は平穏な道を歩みたいんだよ。こんな血ヘド吐くような行為よりはよっぽどマシな方だ。」

 

フォルドはそう言って焔薙を納刀しながらここから立ち去ろうとする…が、コウキはこう言った。

 

「はっ、平穏な道だと?てめぇがか!?隕石で家族も友人も何もかも失って、人類から敵視されて生き恥生まれ恥をさらしてきたてめぇがか!?…いい加減学べよ外道がぁ、てめぇは全てにおいて力ねぇ肉片だとな!!!」

「っ、刀麻ぁあああああ!!」

 

コウキの嘲笑うかのような挑発に乗ったフォルドは激昂し、すぐさま戦極ドライバーとメロンロックシードを取り出し、ドライバーを腰に装着してメロンLSを開錠し、カッティングブレードを倒す。

 

『ソイヤッ!メロンアームズ!天・下・御・免!』

 

フォルドが斬月に変身すると

 

「はは、そうこなくちゃな。」

 

コウキもポケットから戦極ドライバーを取り出して腰に装着した。フェイスプレートは黄色、つまり鎧武のベルトである。

続いてオレンジロックシードを取り出して開錠する。

 

『オレンジ』

 

するとコウキの頭上に巨大オレンジが現れた。コウキはオレンジロックシードを装着した。

 

『ロックオン!』

 

コウキのドライバーからほら貝テイストの音声が流れる。そしてコウキはカッティングブレードを倒した。

 

『ソイヤッ!オレンジアームズ!花道オンステージ!』

 

音声と共に巨大オレンジがコウキの頭部を覆い、コウキの身体に紺色の和風ライドウェアが纏われた。コウキの頭にはフェイスプレートに描かれている鎧武の頭部が装着され、その上からオレンジの断面を模したパルプアイが装着された。そして巨大オレンジは鎧の形に展開して、水飛沫のエフェクトと共にアームズウェポン・大橙丸が装備され、コウキはアーマードライダー鎧武に変身した。

 

「始めようぜ、喧嘩をよぉ。」

 

コウキはそういうと、大橙丸を構えて走り出す。

 

「うおおおおお!!」

 

フォルドもメロンディフェンダーをブレードモードに変形させて突撃する。

 

「おらっ!」

「でぇええい!」

 

フォルドは姿勢を低くして斬りかかり、コウキはジャンプしながら大橙丸を横に振るう。お互いが初撃を避けると、コウキがフォルドに再び大橙丸を振り下ろす。

 

「くっ!」

「甘ぇよ!!」

 

フォルドはメロンディフェンダーでガードするが、コウキはさらに右手で無双セイバーを握って抜刀と同時にフォルドを斬ろうとする。

 

「二度も食らうか!」

「ちっ…!」

 

フォルドも無双セイバーを抜刀してコウキの攻撃を防いだ。

 

「せあああああ!」

「ぐわっ!?」

 

フォルドはメロンディフェンダーでコウキを斬りつけると、すぐさまバックステップをして後退する。

コウキはフォルドの一撃を食らって怯むが、すぐ立ち上がった。

 

「この野郎!!」

 

コウキは無双セイバーの撃鉄を引いて弾丸を装填する。フォルドもメロンディフェンダーをシールドモードにしてからリロードを行った。

 

「食らえ!!」

 

コウキは弾丸を撃つが、フォルドはメロンディフェンダーでガードして弾を防ぐ。

 

「お返しだ!」

 

フォルドも弾丸を発射するが、コウキも大橙丸を回転させて弾丸を防いだ。

 

「そこだ!!」

 

コウキは残り一発の弾丸を発射する。

 

「(おいおい、こんな状態で俺に食らう訳ないだろ。)」

 

フォルドはメロンディフェンダーを構えてそう呟いた。しかし弾丸は湾曲してフォルドの背中に命中した。

 

「うおっ!?」

 

予想外のダメージにフォルドは怯んだ。

 

「終わらせてやるぜ!」

 

コウキは無双セイバーと大橙丸を合体させてドライバーに装着してあるオレンジLSを取り外して無双セイバーに装着した。

 

「そうはさせるかよ!」

 

フォルドも無双セイバーとブレードモードにしたメロンディフェンダーを合体させてメロンLSを装着させる。

 

『『ロックオン! イチ ジュウ ヒャク セン マン!』』

『オレンジチャージ!』

『メロンチャージ!』

「「せいやぁあああああ!!」」

 

お互い4発の衝撃波を放った。衝撃波が衝突して爆風が生じ、その辺りが見えなくなる。

 

「(やったか?)」

 

煙が晴れると、そこにコウキの姿はなかった。

 

「…逃げたか。」

 

フォルドは変身を解除すると、渋々とホテルに向かった。

 

 

 

その頃コウキは誰もいない広場へ行って変身を解除した。

 

「(はぁ…はぁ…すげぇ力だなこれ。)」

 

コウキはオレンジロックシードを見つめてそう呟く。

 

「(おっと、そういえばまだこれらを試してなかったな。)」

 

コウキはさらにポケットからパイン、イチゴ、アケビのロックシードを取り出した。

 

 

 




次回 フォルドはインベスの群れと戦っている女性・マコトを見つけ、彼女と共にインベスを一掃する。その後、二人と一緒にデートをすることに…
次回[リス科の亜人]


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リス科の亜人

まさか1か月もかかるとは…orz
すみませんまた遅くなりました。
前回のあらすじ フォルドはパルクールの練習をしていると、突然謎の青年に襲われる。その正体はフォルドの中学時代の喧嘩相手であるコウキ=ブラックバーンこと風城刀麻であった。コウキはアーマードライダー鎧武に変身してフォルドと戦闘。そして途中で撤退した。以上


コウキこと風城刀麻との戦いの翌日、フォルドはいつものように街をぶらぶら歩いていた。

 

「(刀麻…いつかあいつとは本当のケリをつけないとな…!)」

 

あの戦闘で苛立ったのか、フォルドはそう心の中で呟きながら拳を握りしめる。その時、右の方角から衝撃音が響いた。

 

「!?…行ってみるか!」

 

フォルドはその現場までパルクールで建物の上を移動した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

フォルドが現場に辿り着くと、そこには20体の初級インベスに囲まれた女性がいた。

みた

女性の容姿は露出度の高いオレンジ色のコスチュームに十字型のトンファー、そしてリスの耳と尻尾が生えているリス科の亜人である。

亜人は普通の人間と比較して高い能力を持つため、インベスとも互角の戦闘ができる。

しかし亜人とはいえ、インベスに傷口をつけられるとそれと同時にヘルヘイムの種子が入り込み、傷口からヘルヘイムの植物が芽生えて最終的にはヘルヘイムの植物で身体を覆い尽くされてしまうのだ。

フォルドはこの状況を見てすぐに戦極ドライバーとメロンLSを取り出した。

 

「変身!」

 

フォルドは斬月に変身すると、無双セイバーを抜いて建物から飛び降りた。

 

「はあああああああ!!」

 

フォルドは着地と同時に初級インベス1体を斬りつける。

 

『グギャッ!?』

斬りつけられた初級インベスは爆散した。フォルドが立ち上がると、先程戦っていた女性が話しかける。

 

「あんた、誰?」

「話は後だ。こいつらを片付けるぞ!」

 

フォルドはそう答えると、初級インベスの群れに突撃し、2体目、3体目を次々と倒していく。

 

「何だか分からないけど…やるぞ!!」

 

女性も二回跳ねると、初級インベスに向かって急接近する。

 

 

「うおりゃああああ!!」

『グギャッ!?』

 

女性はトンファーを付けた手で初級インベスを思いきりぶん殴った。

殴られた初級インベスは吹き飛ばされ、背後にあったドラム缶に衝突して爆発した。

 

「はっ、てやぁ!」

 

一方フォルドも初級インベスを次々と倒していく。

 

「一気に仕留める!」

 

フォルドはメロンディフェンダーを投げ捨てると、一回カッティングを行う。

 

『ソイヤッ! メロン・スカッシュ!』

「せいはぁあああ!!」

 

フォルドは緑色のエネルギーを纏った無双セイバーで初級インベス達を斬りつけた。

 

『『グギャアアア!?』』

 

初級インベス達は斬撃を食らって爆散した。

フォルドは女性の方を見ると、残り一体のインベスと戦っていた。すると女性の背後にクラックが現れ、その奥からシカインベスが迫ってきている。

「まずい!!」

 

フォルドは咄嗟に無双セイバーの弾丸をリロードして、女性の背後から不意打ちを仕掛けようとするシカインベスに向けて発砲した。

 

『グオッ!?』

 

フォルドは無双セイバーをホルスターに戻すとメロンLSを取り外し、ココナッツLSをドライバーに装着してカッティングした。

 

『ソイヤッ! ココナッツアームズ!雲・煙・飛・動!』

 

フォルドはココナッツアームズに換装すると、二本のココナッツビームソードでシカインベスに斬撃を入れていく。

 

「食らえ!!」

『グオオッ!?』

 

そしてフォルドはカッティングを二回行う。

『ソイヤッ! ココナッツ・オーレ!』

 

音声と共にビームソードの刀身に白いエネルギーが纏われた。

 

「せいはぁあああ!!」

 

フォルドはそのまま×字を描くように振り下ろし、衝撃波を飛ばした。

 

『グオオオオッ!?』

 

シカインベスは衝撃波によって体を斬り裂かれて爆散した。

 

一方、女性も初級インベスにジャブ、ストレートを叩き込んでいる。そして初級インベスが攻撃で怯むと、女性は何かの構えをとる。すると女性の右手にエネルギーが収束された。

 

「コメットキャノン!!」

 

女性はそのエネルギー弾を初級インベスに投げつけた。

 

『グギャ!?』

 

初級インベスはエネルギー弾を食らうと、爆散した。

 

「終わった。」

 

フォルドは変身を解除すると、女性に近づく。女性もフォルドの方に視線を向ける。

 

「怪我はないか?」

「ん?大丈夫大丈夫。」

「そうか。俺はフォルド=ケンウェイだ。」

「あたしはマコト=ナナヤ。」

 

お互いが自分の名前を名乗る。マコトはドラム缶に置いてある黒いベレー帽を被り、黒いポンチョを纏う。フォルドはベレー帽とポンチョを見て言った。

 

「その格好…もしかして君は統制機構の?」

「うん、そうだよ。」

「…ってことはノエルと同じか。」

「!? ノエルのこと知ってるの!?」

「ああ…前に出会ったことがある。」

「……よく見たらあんた、前に指名手配されていたやつね。」

 

フォルドの言葉に何故か驚くマコト。するとマコトはこう言った。

 

「もし、ノエルを傷つけるようなことをしたら…」

「俺はそんなことはしない。ノエルは初対面にもかかわらず俺を助けてくれたんだ。それを仇で返すような真似は絶対にしないさ。」

「そっか。じゃあ何m」

 

ぐぅ~~…

 

マコトが何か喋ろうとした途端、マコトの腹から大きな音が鳴った。

 

「あ、そういえばまだ昼飯済ませてなかった…。」

どうやらマコトはインベスとの戦いからまだ食事をとっていなかったらしい。フォルドは微笑ましい顔で言った。

 

「俺がいい店に連れてってやるよ。」

「え?いいの!?ありがとう!」

「(話が早い奴だな…。)」

 

マコトの反応に多少苦笑いをするフォルド。

フォルドはポケットからサクラハリケーンを取り出してビークルモードにする。

 

「うわ~!すっごいバイクだね!」

「そ、そうか…?」

 

サクラハリケーンを見て興奮するマコト。フォルドはほんの少し照れる。

 

「後ろに乗って。」

「うん♪」

 

フォルドがそう言うと、マコトはフォルドの後ろからバイクに乗った。その瞬間、フォルドの背中に柔らかい感覚がのしかかる。

「(む、胸が…。)」

 

フォルドは背中にのしかかるマコトの胸に少し顔を赤くしながらサクラハリケーンを発進させて飲食店を目指した。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

3分後、フォルドがおすすめする飲食店に到着してマコトは唐揚げ定食とマロンパフェを注文し、フォルドはメロンソーダのみを注文する。そして注文したメニューが運ばれてくると、マコトは唐揚げ定食を食べ始めた。フォルドはその様子を見ながらメロンソーダを飲む。

 

「(飯おごったのタオ以来だな…。)」

 

フォルドは転生したばかりの出来事を思い出す。

 

 

「ふは~、満腹満腹。」

 

マコトは食事を終えると、手を膝に置いて深々と椅子にもたれる。フォルドはマコトに尋ねる。

 

「なぁマコト。」

「何?」

「どこか寄りたい所はあるか?」

「じゃあファッション店で。」

「分かった。」

 

フォルドはマコトの要望でファッション店をまわることにした。

 

 

カグツチのファッション店は5割が中華専門、2割が和風専門、3割が洋風専門であり、中華のイメージがあるカグツチでは多くの人が中華服を着用している。

二人はいろいろな店をまわった。途中の店ではフォルドがパンダ耳のカチューシャをつけて恥ずかしがり、マコトはそれを見てクスクスと笑った。

そして二人は最後にアクセサリーショップに入り、ネックレスやブレスレット等を見ていた。

 

「あ、これ可愛い!」

「ん?」

 

マコトが興味津々で見ていたものは、ピンク色のコスモスを型どったネックレスであった。型の縁は金で塗装されており、中央にはトパーズがはめられている。

 

「う~ん、高いな~…。」

 

マコトは値段の方を見るとガッカリした。それはコスモスのネックレスの値段がざっと2000万であったからである。いくら彼女が統制機構であろうと、この額はとても買えそうにない。するとフォルドは

 

「俺が買ってあげようか?」

 

とマコトに問いかける。

 

「え!?いや、別にいいよ!そんな高いものをわざわざ買わなくても…」

「お前がこれを気になってたからね。俺は親切にお前にプレゼントするだけさ。」

 

フォルドはそう言うとネックレスを持ってレジに行き、会計を済ませるとそのネックレスをマコトに渡した。

 

 

店を出ると、マコトはネックレスを首につけてからフォルドに言った。

 

「ありがとう!」

「…どういたしまして。」

 

マコトのお礼にフォルドも返事をした。

 

「それじゃ、あたしは帰るね。」

「ああ、分かった。」

「フォルド。」

「どうした?」

 

フォルドは頭に?を浮かべると、マコトはフォルドにこう言った。

 

「また今度一緒にショッピングしようね!」

「分かった、楽しみにしてるぜ。」

 

二人は約束を交わすと、マコトは統制機構市部へと帰っていった。

 

「(こんな体験は多分初めてだな。)」

 

フォルドはそう呟くと、その場から去った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その頃、アルカード城ではレイチェルがお茶をしていた。レイチェルは何やら誰かを待っているような雰囲気であった。

 

「やあレイチェル嬢。」

「……来たわね、サガラ。」

 

そこに現れたのは、本来BLAZBLUEの世界には存在しない別世界からやってきたサガラだった。




次回の話は短くなりそうです。
次回 アルカード城に現れたサガラ。彼はヘルヘイムがこの世界にも侵攻を開始したことを告げる。
レイチェルと会話する中、サガラは2つのロックシードを造り出す。
次回『侵される世界、反撃の準備』


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侵される世界、反撃の準備

テストなんて糞食らえだorz
前回のあらすじ フォルドはインベスの群れと戦っている女性・マコトを発見。加勢してインベス達を倒すと、フォルドはマコトとデートすることになった。無事にデートを終えて友情を芽生えたフォルド。
そのころ、レイチェルのいるアルカード城にサガラがやってきた。
以上


サガラはレイチェルに近づく。その際自身の身体をホログラム化させてからまた実体化させ、DJ服から民族衣装へと服装を変えた。

その様子を見たレイチェルの執事はすぐさま戦闘態勢をとる。

 

「ヴァルケンハイン、彼はお客よ。」

 

レイチェルがそう言うと、ヴァルケンハインと呼ばれた老執事はすぐに戦闘態勢を解く。

 

「すまないわね、私の執事は常に警戒心が強いのよ。」

「いや、気にすることはないさ。俺の世界でも大体こんな感じだからな。」

 

サガラがレイチェルと向かい合うように椅子に座ると、ヴァルケンハインがサガラの分の紅茶をテーブルに置いた。

 

「どうも。」

 

サガラはヴァルケンハインに礼を言うと、再びレイチェルの方に視線を向ける。

 

「そろそろ本題に入ろうかしら。サガラ、用件は何?」

 

レイチェルは用件についてサガラに質問した。

 

「お前は最近、クラックが増大するのを見るだろ?簡単に言えば、この世界にもヘルヘイムが本格的に侵食を始めたってことだ。」

「そう…やはりあの子が来てからクラックの出現率が強まったのね。」

「フォルド=ケンウェイ…いや、平山直人のことか。」

「そうよ。」

 

レイチェルがそう答えるとサガラはうなずきながら、テーブルに置かれているフルーツバスケットからメロンを手に取り、そのまま右手人差し指でメロンを持ちながら左手でクルクルとメロンを回す。そしてサガラはメロンに謎のエネルギーを送ると、メロンは多面体へと変形した。

「…となると、お前は“クロノス”のことも知ってるよな?」

「ええ、フォルドの父親のことね。三ヶ月前に会ったわ。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

三ヶ月前、レイチェルはフォルドの父・クロノスこと平山晃和のいる天界にやってきた。彼女はしばらく歩くと、クロノスがいる場所にたどり着いた。

 

「あなたがフォルドの父親?」

「そうだが?」

 

クロノスは振り返りながら返事をした。前にフォルドを助けた時と同じ白いローブ姿であり、その背中には刀が背負われている。

 

「あなた、前に紫が管理する幻想郷に侵入したわよね?」

「ああ…息子の危険と武神鎧武の出現を見て、神様が地上への出撃を許可してくれたんだ。」

「どういうこと?」

「今の俺は、神様に仕える者ということだ。」

 

クロノスはレイチェルに自身が神の使いであることを伝えた。

 

「フォルドのことを大事に思ってるのね。」

「ああ。フォルドは俺のたった一人の息子だからな。精一杯見守ってやりたい。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「と言っていたわ。」

「あいつは本当に自分の息子を心配し過ぎなんだよな。」

 

とサガラはそう言いながら多面体となったメロンを上に飛ばす。するとまた変形してサガラの手元に落下した。その手には鎧武のものとは違い、色が黄緑色でメロンをモチーフとしたカチドキロックシードが握られていた。

サガラはロックシードをテーブルに置くと今度はオレンジを手に取り、両手で包んでエネルギーを送り、メロン同様オレンジを多面体にさせる。

 

「サガラ、そのインベスが魔素を取り込んだりはしないわよね?」

「ああ…前はな。」

「……?」

「これを見ろ。」

 

レイチェルはサガラの奇妙な発言に首をかしげる。サガラは右手を横に軽く払うと、目の前にウィンドウが現れ、そこに映像が流れる。

 

「フォルドがちょうど幻想郷に行っているときだ。」

 

その映像は黒い霧状の魔素に三体の初級インベスが入り込むものであった。

この魔素は人間にとって有害なものではあるが、微量なら取り込んでも問題はない。しかしそれが高濃度であると、魔素中毒を引き起こすのである。三体の初級インベスは高濃度下の魔素の中に入った。

 

『『『ギギギッ…。』』』

 

すると、三体の初級インベスは身体が黒くなり、両腕の爪が肥大化した。

 

『『『グギャアアアアア!!』』』

 

 

「…インベスが魔素を取り込んで強化した…?」

「ああ、こうなったインベスはさらに術まで扱うことが可能らしい。俺はこいつらを[魔素インベス]って呼んでいるぜ。」

 

レイチェルは多少ながらもインベスが魔素を取り込んで魔素インベスとして強化する映像を見て驚いた。

 

「情報は、こんなところだ。」

 

そう言うとサガラはまた両手で多面体のオレンジを包んでエネルギーを送る。すると、鎧武と同じものであるカチドキロックシードに変化した。

サガラは2つ目のカチドキLSをテーブルに置くと、席を立つ。

 

「待って。最後に聞かせて。」

「何だ?」

「…貴方は…何者……?」

 

レイチェルは表情を固くして質問した。サガラは笑んだ表情でこう答えた。

 

「俺は…戦いの行方を見ている存在……たたそれだけだ。」

 

そう言うと、サガラは透明になって消えた。

 

「(戦いの行方…ね…。)」

 

レイチェルは呟くと、カップの中に淹れられた紅茶に写った様子を見る。

そこには巨大な人形と新たなアーマードライダーに苦戦するフォルドの姿があった。

 

 




ロックシード詳細
カチドキロックシード(メロンver)
番号:KLS-02
鎧武のカチドキロックシードと同型だが、こちらはメロンをモチーフとしており、オレンジ色の部分は全て黄緑色に塗り替えられている。詳しい詳細は後に明かされる。

次回 フォルドは咎追いの少年・カルルと出会い、何故か戦うことに。
カルルは戦極ドライバーとドングリロックシードを用いてアーマードライダー・グリドンに変身して、アークエネミーに生体を組み込まれた姉・ エイダと共にフォルドを圧倒する。
二対一という戦況の中、シュンが駆けつける。
次回[自動人形【オートマトン】]


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