レーム帝国で生きていく (ルクセウス)
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プロローグ
第1話
やあ。僕はユリウス。転生者さ。
え?「なんで転生者だってわかっているのか」だって?
そんなの神様転生したからに決まっているじゃないか。
なんでも、成人前に死んだ人に、特典をつけて別の世界に転生させてるんだとか。で、その特典っていうのは、転生する世界の生きやすさだとかそういうので増減する(自分で選べるかも含まれる)んだって。俺が転生する世界は、『マギ』の世界、転生特典はそれなりに多い方らしい。ラッキーだね。俺、マギ結構好きだったし。ちなみに、俺が1番好きなキャラはシェヘラザード様です。18巻第177夜の笑顔にやられました。尊すぎるんだよぉ!
あっ、俺がもらった特典は
・金属器をかなり上手く扱えるようにする(
・最初に産まれる年代は、マギ『シェヘラザード』が生きている時にする
・転生後に死んだ時、マギシステムがある間はマギの世界で記憶や特典を持ったまま転生できるようにする
・その時、必ずレームの首都で産まれるようにする
・言語の自動翻訳
というものだ。かなりギリギリだったけど、1つ目の特典がまずは金属器を手に入れなければどうにもならないのと、転生に期限を設けたことで、なんとかなった。
まぁ、そんな感じで産まれたんだけど、見た感じかなり高貴な家っぽい。なんかシャンデリアみたいなのがある。…落ちてきそうで、怖いなぁ。
俺、ユリウス、10歳!
この10年でわかったこと!
・名字はアレキウス
・両親は俺のことを道具としてしか見ていない
・この国既に腐ってる
・現在この国にはシェヘラザード様もティトスくんもいない
・政治の勉強難ちぃ!
・剣の稽古楽ちぃ!
ってくらいかな!いやーもう嫌になっちゃうよね!
ってことで家でしました。こっちは5年くらい前から脱走計画を立ててんだよ!ハハハ!
あっ、家出た後のこと考えてなかった…どうしよ…
とりあえずここから離れよ!
あっれぇ?なんで俺は森の中にいるのぉ?おかしいなぁ、ただ走ってただけなんだけどなぁ…
っとあそこに人影が!とりあえずここがどこか聞いてみよう!
って、あれはシェヘラザード様⁉︎なんかちっさいけど!えっえっどうしよう…
「そこにいるのは誰?」
き、気づかれたッ!
「えっと、ユリウス・アレキウスです!」
「そう、ユリウスはどうしてここに?」
「えーと、その、家出して、何も考えずに家から離れようとしてたら、いつの間にかここに…」
「ダメよ、家出なんかしちゃ。家の人、きっと心配しているわ」
「…確かにしているかもね。でも、それは俺のことをじゃない。政治の道具が無くなることをだ。要するに、俺のことを愛してなんかいないんだ。俺だけじゃない。この国の貴族はみんなそうさ、自分の子供を道具としてしか見ていない。それに、その子どものみんなは貼り付けたような笑顔でしか笑わないのさ。そんなの俺は嫌だ。絶対に変えてやる。…て言っても、今の俺にはそんな力はないから、どうにもできないんだけどね」
「そう…なら、5年経ってもまだその気持ちが変わらなかったら、ここに来ると良いわ」
「えっ?まぁ、わかったけど、どうして…」
「ふふ、あなたのことが気に入ったからよ」
「…ありがとう?」
「どういたしまして。あと、戻る気があるのなら早くした方が良いわ。次に家出するとき、警備が厳しくなっちゃうわよ?」
「あっ、それもそうだね。じゃあ、またね!」
「えぇ、またね」
はぁ、シェヘラザード様めっちゃかわいいんですけど。というか、さっき言ってた5年後のやつって金属器かな?それなら、それまでの5年は身体と剣の腕を鍛えるの頑張ろ。じゃなきゃ死んじゃうしね!
金属器のジンは前作のやつ流用
3,20,26,35,72
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第2話
俺ユリウス、15歳!
この5年でだいぶ強くなったと思います!剣の先生にだいぶ安定して勝てるようになったし!
ということで、脱走じゃあ!
まずは監視役の人を気絶させて、次に窓から外に出て、あとは塀をこえる、これで完了!あとは、シェヘラザード様がいた場所に…場所に…
どこだよ⁉︎前は適当に走って行ってついたからわかんねぇよ⁉︎しゃあない、とりあえず走るか!
な、なんとかついた…
まさかあんなに走ることになるとは…
と、とりあえず話しかけるか
「久しぶりだね!えーと、あれ?そういえば君なんて名前だっけ?」
「ふふ、本当に来てくれたのね。良いわ、教えてあげる。私はシェヘラザード、マギと呼ばれる存在よ」
「マギって?」
「王にふさわしいと思った人に力を与える者達のこと。世界で3人しかいないわ」
「えーと、力って?」
「見せた方が早いわね。えい!」
彼女がそんな掛け声とともに杖を振ると、城のようなものが出てきた。それは全て金ピカに光っていた。趣味悪いな
「これはダンジョン。これを攻略することで、力が手に入るわ。よかったわね、
この
「これを攻略すれば力が…どうすれば中に入れる?」
「あの光の幕みたいなのに触れれば良いのよ。じゃあ行くわよ!」
「え?シェヘラザードも来るの?てか、テンション高くない?」
「その、私も入るのは初めてなのよ。悪い?」
「いや、そんなことないさ!じゃあ、行くぞー!」
「おー‼︎」
そういや、なんか誤魔化された気がする…
あぁ、これがダンジョンに入るたび描写されていた
ハッ⁉︎
「やっと起きたわね。気分はどう?大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だ。それよりも、ここがダンジョン…?」
「そうみたいね。とりあえず進んでみましょう」
「あぁ、そうだな」
進んだ先には、自然の美しさの極致表したかのような景色が待っていた。木々が生い茂り、太陽が照りつけ、川がそれの光を反射している。
そして、その中心には、人狼という言葉が似合うものが立っていた。
「やあ、私は誠実と裁定の『ジン』マルコシアス。貴様はなぜ、私のダンジョンに?」
誠実?つまり、嘘をつくなということか…
「革命に必要な力を手に入れるためだ」
「革命?貴様はなぜ革命をしようとする?」
「そうだな…誰も本当に笑うことがない、そんな世の中が嫌だからだ」
「ふむ…では、力を手に入れたとして、どうやって革命をする?国の上層部を全て殺すか?」
〈下のは読まなくても大丈夫です〉
「それをするのは最終手段だ。大きな力というものはそれだけで旗印となる。それが特別な力なら、なおさらな。そんな(本当に国を変えてくれるかもしれない)力を持ったものが呼びかければ、本当に国を変えたいと思っている者達は、立ち上がってくれるはずだ。そんな風になれば、周りに流されるやつも立ち上がる。そうして、人数が増えれば協調圧力に負けたやつらも立ち上がる。そうやって、人が増えていけば、影響力が出てくる。…まぁ、こんなものただの理想だがな。実際、こうも上手く行くとは思えない。ほぼ確実にどこかで失敗するな。だが、力があればなんとかできる。人を守るのも、傷つけないように倒すのも、殺すのも。
だから力をくれ!マルコシアス!」
〈ここまで〉
「ほう…まさか正直にすべて話すとはな…」
「まぁ、誠実と裁定のジンって言ってたからな。正直に話した方がいいかなって」
「ふふ、まさかそんな理由で本当にすべて正直に話すものがあるか!気に入った!貴様を我が主と認めよう!」
「ありがとう!嬉しいよ!」
「よかったわね、ユリウス」
「ああ、シェヘラザード」
「では、この先へ進め。そうすれば扉がある。その扉の先に私の本体がいる。そこで力が貰えるだろう。ではな」
「あぁ、じゃあな」
そんな感じで力を貰った。なんていうか、もっとこう冒険的なのを求めてたんだけどなぁ。ベリアル形式かぁ。まぁ、力も貰えたしいっか。
高校生に政治とか革命とかそういう感じのものの詳しい話を求めないでください。無理です。まったくわかりません。
はい、マルコシアス以外は冒険形式です。なぜか1番初めに来ちゃっただけで、他のはちゃんと冒険します。
嘘です。もう1つ特殊な奴があります。
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第3話
主人公くんは、転生特典により正しい使い方へ誘導されてます。
うっ…俺はダンジョンを攻略できた…のか?
っと、シェヘラザードは…いたな。グッスリ眠っているな。とりあえず、自分で起きるまでは放っておくか。
で、マルコシアスがくれた力って言うのは…うわっ、なんだこれ⁉︎…使い方が…わかる?あっ、転生特典か…
とりあえず試してみるか。えーと、魔法陣的なのは…あ、師匠(剣の先生)に初めて勝った時に貰った剣(サーベル的なの)にあるな。
『力を貸してくれマルコシアス!』
その言葉と同時に炎を纏った氷柱が現れる。クッ、厨二の血が!
こ、今度は同じ言葉を念じてみると、同じく炎を纏った氷柱が現れた。
次は、鋭利な刃をイメージして念じてみるも、刃のような形になっただけで、そこまで鋭利なわけではなかった。
次は、もっとしっかりとしたイメージを持ってやってみる。今度は成功した。
つまり、イメージが具体的であれば成功するということか?
今度は、剣をしっかり見ながらそれを作ると念じてみると成功した。
なるほど…次は武器化魔装をしてみるか。
炎を纏った氷柱を発生させ、剣に纏わせて凝縮していく。だが、なかなか上手くいかない。これもイメージが大切なのかな?武器化魔装のイメージってなんだよ。魔装後の武器でもイメージすればいいの?
まぁ、とりあえずやってみるか。って言っても、魔装後の武器がまったくわかんないんですけどね。マルコシアスが持ってた武器になりそうなもの…爪か?よし、やってみるか。
爪…爪…爪…っと、できたぁ!
これは…炎を纏った氷の爪?そのままやんけぇ!いやでも、剣が無くなってるから成功…なのか?
(ユリウスよ…聞こえるか?)
この声は…
(私だ、マルコシアスだ。それが私の武器、『
それもそうか。それにしても、 かなり尖った性能だな…まぁ、良いけどさ!一極型ってロマンだよね!
「ユリウス?何をしているの?」
「ん?あぁ、シェヘラザードか。マルコシアスから貰った力の確認をしてるんだよ」
「そう、上手くいってる?」
「そこそこね」
「それは良かったわ」
「あっ、シェヘラザード、見ててなんか改善案があったりしたら教えてくれよ!」
「仕方ないわね。何もすることがないし、特別に手伝ってあげるわ」
「ありがとう!」
よし、次は全身魔装の…
ダンジョンを攻略して、1週間がたった。
この1週間で、金属器をかなり上手く使えるようになった。マルコシアスの能力は、氷柱を意識せずとも自然と形にできるようになったし、魔装も一瞬でできるようになった。それに、魔装した状態で飛び回ったり、その状態で能力を使えるようにもなったしな。
あとは、シェヘラザードともたくさん話をした。その中で、「シェヘラザードって呼ぶには長いよな」ってなって、愛称をつけることになったりもした。まぁ、あんま良いのが思い浮かばず、とりあえずシェーラになったのだが。
そんなことがあったりもしたが、ついに今日は革命を起こす日だ。もう少し特訓しても良いとは思うのだが、そんなことを言っていたら、それを言い訳にして革命を起こさない気がする。正直、革命を起こすのは怖い。だけど、これは誰かがやらなくちゃいけないんだ。だから、俺達は今日革命を起こす。
俺達はレーム帝国の首都レマーノの南広場に来ていた。ここからならレーム宮殿(城的なやつ)が見えるし、そこまでまっすぐと大きな道が通っている。ここでなら、効果的に革命を進められるだろう。
まずは、シェーラに声をレマーノ全域に届くようにする魔法と、俺の声に共感しやすくする魔法をかけてもらう。
『レマーノに住むみんな‼︎俺の話を聞いてくれ‼︎
俺は元老院の第一席、アレキウス家の長子、ユリウス・アレキウス‼︎
俺は今日ここで‼︎神より与えられた力を使い‼︎この国を変える‼︎
真にこの国を変えたいと願うものは俺に続け‼︎』
「誠実と裁定の精霊よ。汝に命ず。我が身に纏え我が身に宿れ。我が身を大いなる魔神と化せ…マルコシアス‼︎」
その言葉と共に俺は巨大な氷柱を宮殿の方に向け発生させる。
『我が力は欺瞞を凍らせ、焼却する‼︎貴様らが生き残れるとは思わないことだ‼︎』
別に大人が全員悪い人ってわけじゃないですよ?例えば剣の先生とかは普通に良い人でした。
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第4話
本当はアリババくん的なことをさせようかなとも思ったんだけど、正直全身魔装が完成してるやつに勝てるのっているかなって…
それに、煌帝国みたいな政治的な介入してくるのも、カシム的なのもいないし。もし仮にいたとしても、黒のジン一体程度なら、全身魔装で苦労なく倒せそうだからなぁ。
『革命はここに成った‼︎俺たちが国を変えたんだ‼︎これからこの国は、みんなが本当に笑えるような国になる‼︎いや、違うか…みんなでそんな国を作っていくんだ‼︎』
シェーラに魔法を使ってもらい、国民達に革命を成功したことを伝える。やはり多少の犠牲は出てしまったし、最終的に貴族や皇帝は殺さなければならなかった。しかし、これでこの国はきっと良い方へ向かってくれる。これで俺の役目は終わりだ。あとは将軍くらいの地位に落ち着いて…
「あなたまさか将軍くらいの地位になろうなんて考えてないでしょうね?」
「え?シェーラ、ダメかな?」
「ダメに決まってるでしょ!もうみんな、あなたが皇帝になると思ってるわよ!私もちゃんと支えてあげるから、ちゃんと皇帝になりなさい!」
「マジかぁ…」
マジかぁ…
そういうわけで、皇帝になった。
-1年目-
あぁ、クッソ忙しいなぁ!なんでこんなに問題があるんだよ!貴族ども不正しすぎだろ!最近では、マルコシアスの能力まで使って偽装を見破って時間短縮してんのに!てか、1年かけてやっと半分も終わってないっておかしくない⁉︎もういやぁ…
-2年目-
もうやだぁ!なんか問題増えてるぅ!なんでパルテビアさん攻めてくるのぉ!とりあえず増援送って…あぁ、クッソ!俺の金属器がどんなやつにでも一定の効果があるのだったら、速攻で行って、速攻で殲滅してくるのにぃ!
-3年目-
や、やっとパルテビアとの戦争が終わった…それ以外の問題も8割方終わったし…あとは、部下の使い方もわかってきた…これで効率が良くなったぞぉ。
-4年目-
シゴトスルタノシイ。シゴトフエルウレシイ。シゴトスルタノシイ。シゴト、シゴトシゴトシゴトシゴトシゴト…
「ユリウス、気晴らしにダンジョン攻略に行きましょう。働きづめ良くないわ」
「ゴトシゴト…ユリウス?…ハッ⁉︎俺は今までいったい何を…確かあれは、9割くらい終わったところでさらに隠れてた問題が…ウッ。そ、そうだな。ダンジョンに行こう。そうしよう。それが良い。うん」
「えぇ、そうするべきだわ(ダンジョンによっては数時間潜っただけで、外では数ヶ月過ぎてるものもあるってことは黙っとこ)」
-近場の森-
「ここら辺で良いわね。じゃあ、えい!」
その掛け声と共に、黄金に輝く宮殿が出てきた。…そういえば、これって金でできてんのかな?これを取って売れば、財政も楽に…
「それはやめた方がいいわ。これは金色に光っているだけで、本当に金なわけじゃないし、そもそもダンジョンを攻略したら消えちゃうんだから。もしそんなものを外国に売った日には、レームの信用は地に堕ちるわ」
「それもそうか。というか、なんで思っていることがわかるの?声に出てた?」
「だって、これでも4年間ずっと一緒にいたのよ?顔を見れば、何を考えてるかくらいわかるわよ」
「そっか!それで、このダンジョンには、どんなジンが眠っているんだ?」
「ここは…第26迷宮『ビム』ね。ここにはそこそこ強い力が眠っているみたいね」
「そうか。まぁ、とりあえず行くぞ!」
「オー!」
あっ、またこれか。アルマトランって話だけど、塔みたいなのあったりしないかな?って見えるわけないか。
ハッ!ここは…
「やっと目を覚ましたのね。というかあなた、前も起きるの私よりも遅かったよね」
「そうだね。なんでだろう?」
「さあ?私もわからないわ。それよりも早く先へ進みましょう」
「それもそうだな。じゃあ行くか!」
クッサ!何これマジクッサ!これは…腐敗臭?ってあれは死体か?あ、あそこにも。なんか動きそうだな…
「とりあえず、警戒しながら進もう。もしかしたら、あの死体が動き始めるかもしれないし、地面から出てくる可能性もある。あ、シェーラ。魔法であの死体を燃やせたりするか?」
「できるわよ、それくらい」
『
「あ、あと、臭いを誤魔化す魔法とかってない?」
「そんな魔法はないことはないけど、風を起こして臭いを飛ばすだけじゃダメ?」
「いや、全然それでいいよ!お願い、それ早く使って」
「仕方ないわね、『
あ、だいぶマシになった…
てか、アモンとかザガンみたいな感じっぽいな。ということは、ここは探索系?
よし!攻略じゃあ!
9割終わったところで、元の倍以上ある量の問題が出てきました。
あと、主人公くんは4年間、睡眠や食事などの生理的欲求以外で休んだことはありません。だから、家臣的にはダンジョンに行くと言われても「やっと休んでくれる。よかった」としか思われていません。どんだけ働いたんだよ…
あと、描写されていませんが、シェヘラザード様もちゃんと働いています。まぁ、こっちはちゃんと休憩を挟んでいましたが
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第5話
やっぱ動きやがったよこいつらぁ!
半分くらい燃やしたところで動き始めやがった。ていうかウザいなこいつら。切っても普通に動くし、なんか臭い汁みたいなの飛んでくるし!個体によっては内臓とか飛び出てて見たくないし!それに数も多い!
3K(臭い・キモい・数が多い)だよ!1番戦いたくない敵だよ!
あぁ、うぜぇ!
っと、よし、上はそれなりの高さがあるな!
「シェーラ!掴まれ!上から抜けるぞ!」
その掛け声と共に全身魔装をし、シェーラの手を掴む。そしてそのままゾンビどもの上を通り抜けて行く。
「よしよし、上手く行ってるな」
「そ、それよりもその、これって…(お姫様抱っこされてる)」
「ん?あぁ、ごめんな。でもこれが1番安定するんだ。我慢してくれ」
「いえ、別に嫌ってわけではないのだけれど…って前!前見て!」
「え?うわぁぁぁ⁉︎ざっけんなよ!なんで天井からも落ちてくるんだよ!…チッ、しゃーない。シェーラ!しっかり掴まってろよ。さらに加速するから!」
「…ハァハァ、ゾンビどもはもう追ってこないのか?なんか、地面も土みたいなのからレンガに変わってるし、それも関係してるのかな?」
「そうみたいね。…あっ!あそこに何か書いてあるわよ」
「おっ、本当だ。えーと、なになに?『汝の強さを示せ 悪霊を全て成仏させし時 おのずと道は開かれる』?…え?あいつら全部倒せってこと?」
「というよりもあなた、この文字が読めるの?」
「えっ、あ、あぁ、小さい頃に勉強の一環として習ってな」
「そう。私に隠し事をするのは少し気に入らないけど、今は許してあげるわ」
「…ごめんな。俺が皇帝をやめる時くらいになったら話すからさ。それまで、かなり待たせちゃうかもしれないけど、待ってくれないか?」
「仕方ないわね。あなたに言う覚悟ができるまで、待ってあげるわ」
「ありがとな」
「で、これどうするのよ。現実逃避もいいけど、そろそろ考えましょ」
「もうちょっと逃げてちゃダメ?」
「ダメ」
「そう…やっぱちまちまと削ってくしかないかなぁ」
「まぁ、それしかないわね。じゃあ、頑張りましょ!」
「あぁ!そうだな!」
−1時間後−
全然減らねぇ!ちょっとこいつら数多すぎじゃない!というか、俺が有効な攻撃を放てないのが辛い!切るだけじゃ死なないし、死体だから嘘なんてつかないからマルコシアスも使えないし!クッソォ、とりあえずだるまにして、あと、腕だけで動かれたりしてもキモいから、関節も切っとくか。大丈夫大丈夫、4年間働き続けるのに比べれば余裕余裕。
−3時間後−
8割くらい燃やしたかな?やっと目に見えて減ってきたよ。流石にちょっと疲れてきた…
−4時間後−
やっと全部倒しきれた。…おかわりきたりしないよね?
ってあれ?入り口の方に道ができてる?
「これは…どういうことだ?」
「おそらく地面の中にいたゾンビがいなくなったことで、地面が低くなったようね。ほら、あっちを見て。さっきの文字が書いてあったところが高くなっているわ」
「あ、本当だ。ということは、あっちに進めば良いのかな?」
「そうなのでしょうね。できれば、もうゾンビは出てこないでほしいわ」
「まったくだ」
今できた道を進むと、そこには大きな扉があった。それには、まるで押してくださいとでも言うような手形のようなものが2つあったが、両方とも右手のものだった。…ミスかな?いや、みんなで協力しろ的な感じなのはわかってるよ?でもさ、もし1人で迷い込んじゃたりした人はどうしろって言うんですかね?諦めろ?
…まぁ、俺たちは2人いるから良いんですけどね?
「シェーラ、これってどうやって開けるかわかる?」
「えーと、あ、マギとしての知識の中にあるわね。そこの手形に手を合わせた状態で、『開けゴマ』と言えば良いみたいね」
「そ、そうか。じゃあ、やるか!」
「せーの!」
「「開けゴマ!」」
ゆーてそこそこの強さとそこそこの教養とそこそこの運があればダンジョンってクリアできそうだよねっていう
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第6話
扉を開けた先には、街があった。
「これは…街⁉︎」
「いや、何初めて見たような反応しているのよ。マルコシアスの時も見たじゃない」
「いやー、それもそうなんだけどさ。やっぱこういうのはやっとかなきゃかなって」
「ちょっと何言ってるのかわからないわ」
「んー残念。というか、こういうの見ちゃうと探検してみたくならない?」
「…なりはするわ。でも、攻略を始めてもう5時間も経っているわ。ここで、探検を始めちゃうと、たぶん餓死することになるわよ?あなた、食べ物持ってきていないでしょ?」
「あっ…よし!攻略しよう!」
「ふふ、なら早く行きましょう」
「ああ!」
街の中を進んで行くと、特に何かあるわけでもなく宝物庫に着いた。
そして、その中へ入り、ジンの宿っている装飾品を探す。っとあったな。イヤリングか…とりあえず触ってみる。すると、そこから鷹のような頭を持ち、体には龍のような鱗が生えた人型のものが出てきた。
「俺は支配と雄弁のジン、ビム。まずは、おめでとうと言っておこう。よくここまで来れたものだ。あの数のゾンビと戦って生き残れるという継戦能力の高さは認めよう。だが、戦いとは長く戦えれば良いというものではない。瞬間的な強さも必要だ。
ということで、我が最強の眷属『ブニ』と戦ってもらおう。何、勝つ必要はない。俺に認められる戦いをすればいいのだ」
その言葉と同時にブニ(と思われるもの)が召喚される。それは、ドラゴンが白骨化したもののようで、ゲームなどではスカルドラゴンとでも呼ばれていそうな姿をしていた。
「では、はじ「ちょっと待ってくれ!」
「なんだ?」
「とりあえず、シェーラは安全なところに行かせてやってくれないか?強さを測るんだろ?なら、1人でやらなきゃ意味ないじゃないか」
「ちょ、ちょっと!あんなのと1人で戦うつもりなの⁉︎正気⁉︎」
「正気さ。たまには、俺1人の力で戦ってみたいんだ。…それに、シェーラに傷ついてほしくないしな」
「もう…」
「それで、ビム、ダメか?」
「…いいだろう。少し時間をやる。そのうちに離れると良い」
「よし、十分離れたな。では、もう何もないな?」
「あぁ、準備はもうできてるよ」
「では、始め!」
その言葉と同時に、巨大な尻尾が俺に迫ってくる。俺はそれを紙一重でかわし、ブニへと接近していく。もちろん、手などを使って迎撃してくるが、ギリギリでそれを避けていく。って危ねぇ!なんでお前中身スッカスカなのに毒のブレスみたいなのはけるんだよ⁉︎魔法か⁉︎魔法だな(納得)
そんなことがありつつも、なんとか近づいた俺は、ヤツの腕に攻撃を叩き込む。とりあえず、一本でも折っちまえばあとはこっちのもんだ。って硬ってぇ!え?なにこれ硬すぎない⁉︎カルシウム取りすぎじゃない⁉︎あ、魔法か…
これは…どうすれば良いんですかね?俺、これ以上の攻撃力を持ったもの持ってないよ?マルコシアスだってこういうのの相手をするのは苦手だし…
まぁ、とりあえず攻撃に当たらないように立ち回って、隙があれば殴ってくか!
っと、右手の振り下ろしか!避け…ってあいつ学びやがった⁉︎ギリギリで角度変えてきやがった!クソッ!これは避けきれねぇ!ッ‼︎
やるじゃねぇか、この骨野郎。結構痛かったぞ。まぁ、こういうこともやってくるってわかってんならやりようはある。大丈夫だ…あぁ、大丈夫大丈夫。俺ならやれるさ。ていうかイラついたからね。腕の一本くらいへし折ってやらないと気が済まないね。
来たなッ!今度は左手での薙ぎ払いか。とりあえずバックステップ。っと避けた俺を狙って突いてきたな。なら、まずは横に避ける。あ、無理して突いてきたから体勢を崩したな。チャンス!まずは腕をつたってヤツの背骨に登る!あとは斬りまくる!死ね!死ね!死ね!死ね!…あ、こいつもう死んでたわ。うん、骨になって動いてるヤツを生きてるとは言いたくないね。
「そこまで、もう十分だろう。貴様の強さはよくわかった。貴様を主と認めよう。ん?俺が入れる金属がないではないか。チッ、仕方ない。俺が宿っていたイヤリングを使うと良い。本当は、長年使っていたものとかの方がいいのだかな」
「あぁ、ありがとう」
「ユリウス!大丈夫だった⁉︎一回思いっきり当たってたけど…」
「大丈夫だよ、シェーラ」
「なら良いのだけど…」
「よし!帰るか!」
「…そうね。でも、念のため1週間は激しい運動をしないこと!」
「あぁ、わかったよ」
「…あ、ここにあるお宝って持って帰っていい?」
「いいぞ」
「よっしゃあ!これで財政問題が多少はマシになる!…あ、帰ったら仕事が…」
っと、今回も無事に近くに出れたな。
「じゃあ、帰るか!」
「えぇ、お仕事が待っているわ!」
「あー聞きたくない聞きたくない!」
宮殿に帰った後、3ヶ月分の仕事が溜まってたり、こんな長期間どこに行ってたんだと部下に叱られたことがあったかも。
言ってなかったけど、まだこれはプロローグ的な感じのものです。
本編は原作始まってからだから!
要するに、めっちゃ時間飛びます。
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第7話
ユリウスくん91歳(寿命後僅か) シェヘラザード様94歳(分身体に移動済み)
「なあシェーラ、1つ言いたいことがあるんだ」
「なに?ユリウス」
「みんな俺を働かせてすぎじゃない⁉︎なんでこんなヨボヨボになるまで働かされたの⁉︎おかしくない⁉︎」
「いやだって、それはあなたがなかなか次の皇帝を決めなかったからじゃない」
「だってさぁ!何故か皇帝なのに婚約とかそういうのもなかったから、子どもを作るなんてこともなかったし!どっかから養子を作っても絶対不満が出るし!どうしろって言うんだよ⁉︎」
「で私を皇帝代理兼最高司祭にした、と」
「そりゃあ、次を任せられるのはシェーラくらいしかいなかったからね。シェーラのこと、信用してるし」
「ならもっと早く決めればよかったじゃない」
「いやー、シェーラのためにも出来るだけ仕事を減らしとこうと思って…」
「そういうところよ。もう少し人を頼りなさい」
「ハハ、次があったら気をつけるよ。そういえば昔、ダンジョン攻略の時に皇帝を辞めたら話すって言ったことがあったよな」
「そんなこともあったわね。何?話してくれるの?」
「あぁ、皇帝を辞めてから少し経っちゃったけど、丁度いい機会だからな。…信じてもらえないかもしれけど、俺にはさ、実は前世の記憶があるんだ。まぁ、もう(マギの原作のこと以外)ほとんど覚えてないけどな」
「ふーん、そうだったの」
「あれ?反応薄くない?結構言うの緊張したんだよ?」
「だって、ユリウスはユリウスじゃない。たとえ前世の記憶があったとしても、私にとっては、それを含めてユリウスなのよ?」
「…ありがとな。そう言ってくれることも、今まで支えてくれたことも」
「ふふ、当たり前じゃない。あなたは私にとって特別な初めて選んだ人なのよ」
「本当にありがとな。…まぁ、なんでこんな話をしたのかって言うとさ、もしかしたら次も今世の記憶があるかもしれないからさ。もしよければ、待っていてくれないかな?」
「良いわよ、待っていてあげる。あなたが帰ってくるまで、この国を守ってあげる」
「ありがとな。…さっきから俺、ありがとうしか言ってないな」
「ふふ、そうね合言葉を決めましょう。もし姿が変わっていてもそれならわかるでしょ。そうね…『開けゴマ』なんてどうかしら?」
「ハハッ!いいな、それ!あぁ、もし来世も会うことができたら、その言葉を言うよ。まぁ、来世は皇帝とか貴族とかはもう勘弁だけどな。…そろそろみたいだ」
「そう…もう行ってしまうのね」
「そんな顔をするなよ。また会えるさ。またな、シェーラ…」
「またね、ユリウス…」
「あぁ…………愛して……いる…よ………シェーラ…」
あぁ、これが死ぬってことか…
…ハ⁉︎赤ちゃんプレイ⁉︎いやもうちょっと余韻に浸らせて⁉︎こちとら感動的な別れをしたばっかだよ⁉︎
───────────────────────
あぁ、これで4度目の転生か…
いやー、いろいろとあったね!皇帝になったり、商人になったり、職人になったり。まぁ、皇帝以外はそこまで凄かったわけじゃないからシェーラには会えなかったけど…
え?結婚したのか、だって?してないよ?いや、シェーラのことを愛してるのに、他の人と結婚とかするわけないじゃん。それに後継だって、商人のときは(経費削減のために)孤児とかを拾って育てて社員にしてたから、当主としての能力が1番高いやつに継がせたし、職人の時は普通に弟子に継がせたし。なんの問題もなかったからね!
まぁ、そんな感じでいろいろとあってけど、今世はどんな家に産まれたのかな?見た感じかなり高価なものが置いてあるし、まぁ間違いなく貴族だとは思うけど。
……え?ムー?
金属器は王が死ぬとダンジョンに帰るらしいけど、死んだとかの判断はどうやってしてるのかな?作者くん的には、おそらく王のルフで判断してるんじゃないかなと。で、そのルフっていうのは、その人の記憶とかそういうので区別されてて、一般人は大いなる流れ(ルフ?)に帰った時に記憶とかが他の人と混ざるとか消えるとかして別物判定されるようになるから、ジンたちはダンジョンに帰るのかな?でも、ユリウスくんは特典でルフが直接他の人に宿るという設定なので、ジンたちは未だに剣とイヤリングに宿ってます。
つまり、シェーラさんはユリウスくんが記憶を持ってることをなんとなく察してる。
(言えない、金属器使いたいから無理矢理設定をひねり出したとか絶対に言えない!)
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本編
第8話
あっ、このアレキウス家は、ユリウスくんの弟の家系です。(設定不備に気づいて焦って設定を追加する作者の図)
俺、ムー・アレキウス、10歳!
この10年で常々思ってたことと言えば、ファナリスの身体能力マジヤベェなってことだ。なんでジャンプすると50メートルくらい跳べるの?おかしくない?物理法則って知ってる?てか、純血のファナリスってこれ以上にヤベェのか…うん、ファナリス兵団作ろう。戦力的にもそうだけど、そんなのを奴隷として富豪とか貴族に持たせときたくないっす。
あ、あとは最近妹が産まれました。いやー、めっちゃ可愛い。具体的に言うとシェーラの次くらいに可愛い。え?それあんま褒めてなくない、だって?いや、めっちゃ褒めてんじゃん。シェーラはもう神だから。殿堂入りだから。俺の中で、シェーラを超える奴が出ることなんてありえないから。
そんな感じでいろいろとあったりもしたけど、今日俺はシェーラと会うことになるらしい。なんでも、アレキウス家の者は10歳になるとシェーラに会うことになるのだとか。ラッキーラッキー、ユリウス時代の俺が理由な気もするけど、それでもラッキーだね。
とりあえず、あったらお疲れ様って言おう。うん、別に会えなくたって、シェーラの頑張りはわかったからね。あとは、ごめんとも言わなきゃね。ホントはもっと早く会いに行きたかったけど、待たせちゃったしね。
「ムー、そろそろだ。心の準備をしておけ」
「わかりました、父上」
っとそろそろだな。あー変に緊張してきた。会うの久しぶりだと思うとなんか急にね。
「行くぞ、ムー」
「わかりました、父上」
‘コンコン’
「失礼します、シェヘラザード様」
「失礼します」
「いらっしゃい、その子があなたの言っていたムー?」
「はい、この子が我がアレキウス家の長子、ムーでございます」
「僕はムー・アレキウスです。よろしくお願いします。シェ、シェヘラザード様」
あぶねぇ!父さんがいるのにシェーラって言いかけた。てか、シェヘラザード様って言うのめっちゃ違和感あるな…
「それではシェヘラザード様、私はこれで」
「えぇ、ありがとうね」
「失礼します」
あ、父さんが出て行ったな。これは…チャンスか?
「えーと、シェヘラザード様、父上は何故出ていかれたのですか?」
「それは、私があなたと2人きりで話たいと言ったからよ」
「ということは、ここには他の人は…」
「いないわね」
「そっか…そっかー…」
「どうかしたの?ムー」
「いや…その…えっと…久しぶりだな、シェーラ。確か合言葉は…『開けゴマ』だったか…?」
「えっ………ユリウス…なの?」
「まぁ、そうだな。なんていうか、ごめんな。こんなに待たせちゃって」
「…バカ、なんでもっと早く会いに来てくれなかったのよ…私、寂しかったんだからね…」
「本当にごめんな。シェーラはディラドー商会とロマン製の武器って知ってるか?」
「たしか130年くらい前に急成長した商会と、かなり優秀なのにどこか欠点があったりしたけど一部の将軍に人気のあった武器よね。それがなにか…ってまさか⁉︎」
「あぁ、そのどっちも俺が転生したとこでさ。なんとかシェーラと会えないかって頑張ったんだけど、流石に一般人じゃキツかった。あともうちょっとだった気がしないでもないけどさ」
「そう…まぁ、そういう理由なら、仕方がないから許してあげるわ」
「ありがとな。…あーダメだな。いろんなこと話したかったのに、いざ会ってみると何を話せばいいのかわかんねぇや。…あっ、そうだな、まずはお疲れ様。この国を守ってくれてありがとう」
「あなたとの約束だもの。守るに決まってるじゃない」
「あとは…ダメだな、こんなことも出てこないなんてな…
シェーラ、この150年でわかったんだ。俺は君を愛している。いや、君以外愛せないんだ。だから結婚してくれないか?」
「ダメよ」
「えぇ⁉︎なんで⁉︎」
「あなたねぇ…自分の肉体年齢を考えてみなさい」
「あっ…なら、5年くらい後なら?」
「その時はもちろんOKを出すわ。でも、プロポーズをするのなら、次はもっとロマンチックにしてよ。じゃなきゃOKしないわよ?というか、私でいいの?こんな見た目だけど中身は249歳なのよ?」
「それを言ったら、俺だって同じくらい年寄りさ。あと、すみません。次はもっとちゃんと考えてプロポーズします…」
「なら良いわ。あ、あと、今日からあなたには私の養子として一緒に暮らしてもらいます。今決めました。拒否権はありません」
「いや良いけどさ、アレキウス家から文句とかでない?」
「大丈夫よ。もし渋っても皇帝とか最高司祭の権力を使ってなんとかするから。それに、そんなことは起こらないと思うわ。だって、皇帝代理兼最高司祭の養子にしてもらえるのよ?」
「それもそうだな。なら大丈夫か」
「それじゃあ、今日から一緒に暮らしましょ」
「ああ!」
いやー感動的な再会ですね(白目)
さ、作品的にはすぐに再会したけど、本人達的には150年ぶりの再会だから!
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設定集(なお、本編に関わるとは言っていない)
2回目の転生 ディラドー商会
・レマーノで4・5番目に大きな商会。主人公くんが当主の時はマックスで6番目だった。つまり、だんだんと成長している。ちなみに主人公くんが継いだときは、レマーノに商会が100個あるのならその95番目くらいのところ(実際はもっと商会があるから、500番目とかそんくらい。要は主人公くんめっちゃ頑張った)
・社員は基本孤児を育てたやつら。経費削減のため。
・基本なんでも取り扱ってた。ただ、社員が拾ってきた孤児だったため、奴隷とかそういう系のはやめてた。それは今でも受け継がれてる。あと、主人公くんの知識チートが微妙に入った商品もある(基本娯楽品)でも、そんなにしっかりと覚えていたわけじゃないから、基本どこか間違ってる。例えば、トランプを作ったらカードが少ないとか。
・社員達は主人公くんのこと大好き。主人公くんもそれなり愛していた(シェーラに言った愛せるのはうんぬんは女として)現在は、主人公が拾ってきた孤児が拾ってきた孤児が運営しているけど、自分を拾った人達が主人公くんのことを褒めまくってたので半分信仰みたいな感じになってる。
・一般人や貴族からはかなり良い印象を持たれてる。一般人の理由は、娯楽を提供してくれてるってのもあるけど、1番は孤児がいなくなったから。逆に貴族は娯楽を提供してくれるってのが大きい。
奴隷商人とかからは嫌われてる。理由はもちろん、自分達が商品にする孤児を持ってかれてるから。
・78歳で死亡
3回目の転生 ロマン鍛冶屋
・規模的にはそんなに大きくない。数打ちなんかはせずに、依頼されてきたものだけを打つ。
・製作したものはかなりの出来だが、依頼で言われていないところに必ず欠点がある。決してワザとではない。それは、武器にある場合もあるし、値段(国家予算並み、みたいなの)とかそういうところに現れる場合もある。なお、完璧なもの(完璧なものと言わず、ちゃんと一つ一つ言っていく。「完璧なもの」と頼むと具体的に言えと返される)を頼むと「は?そんなの作れるわけないじゃん」と言われる。
・達人とかそういう人達に愛されてた。そういう人達をみて買いに来るが、使いこなせず「クソじゃねぇーか!」とクレームを入れてくるヤツもそれなりにいた。
・弟子の人数は3人。そいつらも欠点のあるやつしか作れない。後継者に選ばれなかったヤツらも、支店として他の都市で鍛冶屋をしている。
・主人公くん、50歳くらいで後を継がせ、隠居を始める。が、1人が寂しくなり、孤児を拾ってきて養子にしてた。商会の時とは違って、仕事とかとは全く関係なかったため、こっちの方がちゃんと愛してた。ちなみに、その養子の名前がマーデルなんてことがあったりなかったり…養子はパパ大好きっ子。具体的には、転生後でも、主人公くんが自然体で話してるのを10分くらい聞けば、もしかしたらパパなんじゃ?と疑えて、1時間聞けば、パパでしょ(確信)となるくらい大好き。なお、取り繕って話していても2時間で気づける。ヤンデレではない。
・遺産はそこそこ残した。4分の1は弟子に、残りは養子に行った。
・67歳で死亡
なお関わらないとも言っていない
正直(商人の頃の)マーデルってそんな悪いことやってないと思うの…
奴隷を愛してなかったのなんて商人としては当たり前だし、奴隷なのにそこそこの暮らしをさせてもらえてたんだから文句言う資格なんてないし…
投資詐欺についても、(マーデルはシンドバッドが目的だったけど)目障りな商会があれば潰れるように動くなんて商人としては普通だっただろうし…ていうか、あれは半分くらいはヴィッテルが悪い。もっと早く言ってればシンドバッドがなんとかしたかもしれないし、そもそもあんな怪しい話を受けるって商人失格じゃない?
まぁ、マーデルが好きな作者くんの偏った意見なんですけどね?
アンケートを実施しています。8話にも別のがあるので回答をしてもらえると助かります。
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第9話
そこは理解しといてください。コメントでなにか言われたって変えるつもりはありません。
まぁ、出てくるのはそれなりに先なはずですけど。
圧倒的キャラ崩壊に注意
正直書いてて誰だこれってなりました。
シェーラの養子になってから3年くらい経った。この3年間では、ファナリス兵団を作り始めたこと以外は特にこれと言ったことはなかった。
最近ではパルテビアのシンドバッドがダンジョンを攻略したという噂をよく聞くようになった。…うん、『シンドバッドの冒険』始まってるね…でもなぁ、シンドバッドの冒険の方はあんま読んでなかったしなぁ…原作の方はまだなんとなく覚えてるんだけど、シンドバッドの方はあんまりなぁ…まぁ、とりあえず放置安定かな?
あ、そういえば最近噂になったことはもう一つあるんだった。マリアデル商会という奴隷商の奴隷が、親のために尽くす子のように働きとても素晴らしいのだとか。で、そこの当主の名前はマーデルと言うのだとか。いやぁ、あの子がちゃんとやっていけてるようで良かったよ。それに、少しづつだけど、だんだんと奴隷たちの扱いも良くなっているから、そこら辺も感謝しないとね。
…え?マリアデル商会にファナリスが居るから交渉して来い…?
なんで⁉︎今までそんなことなかったじゃん!他の人とかが行ってたよね⁉︎…そろそろ働かせないといろいろと不味い?というかあなたが言い始めたことなんだから働け?…はい。
───────────────────────
はい、そんなこんなでやってきました『特別行政区 リア・ヴェニス島』…でかいね!あっ!あんなところに、
ハァハァ、なかなかに強敵だったぜ、リア・ヴェニス島。まさかここまで心惹かれるものがおおいとはな…だが!俺は勝ったぞ!やっと着いた!
えーと、ここがマリアデル商会であってるよね?まぁ、とりあえず入ってみるか…
「お待ちしておりました。私は当主の秘書をしているキールと申します。では、こちらへ。当主がお待ちです」
「あぁ、よろしく頼むよ」
‘コンコン’
「マーデル様、最高司祭様の使いの方をお連れしました」
「良いわ。入りなさい」
「失礼します。こちらです。では、私はこれで。何かありましたらお呼びください」
「ええ、ありがとうね、キール」
「では、失礼します」
「私は、最高司祭様の代理として交渉に参りました、ムー・アレキウスと申します。本日は、お忙しい中、時間を用意して頂き感謝します」
「いえいえ、最高司祭様の命令とあればいつでも。それにしても、とてもお若いですね?」
「ハハ、それは今回の交渉内容に理由がありまして…
…では、そちらが
「ええ、構いませんよ。…まだ時間がありますね。そうですね…せっかくなのでプライベートなお話でもしませんか?」
「プライベートな話…ですか…ああ、最高司祭様はあなたに感謝していましたよ。あなたのおかげで奴隷の扱いが良くなった、と」
「それは嬉しいですね…
…あら、もうこんな時間になってしまいましたね…最後につかぬことをお伺いしたいのですが、ロマニ(主人公くんの前世の名前)という名の鍛冶屋を知っていますか?」
「い、いえ、知りませんよ?」
「そうですか…実は、その人が私の育ての親なのですが、あなたの話し方があの人にとても、いえ、ほとんど同じと言えるほど似ていまして…そういえば、あなたは13歳らしいですね。あの人が死んでしまったのも13年前なんですよ。…いやー、すごい偶然ですね?」
「ほ、本当ですね…」
「本当に何も知りませんか?」
「………ゴメンね?流石に『前世の義父です』なんて言っても頭おかしい人だとしか思われないと思ったからさ…良く頑張ってるね、マーデル」
「…本当にお父さんなの?」
「俺がロマニだよ」
「会いたかったよぉ!わたし、わたし、とっても頑張ったんだよ…お父さんが奴隷の扱いをどうにかしようとしてたのは知ってたから、できるだけ良くしようと思って…」
「あぁ、本当に良く頑張ったね。ありがとうね」
「うん!お父さん!」
「じゃあ、俺はもう行くよ」
「…また来てくれる?」
「あぁ、また来るさ」
「またね、お父さん。」
「またな、マーデル。」
ほんと誰だこいつ。
正直、反省はしている。だが、後悔はしていない!(キリッ)
ダンジョン、カットして良い?あと4個とか書ける気がしないし、本編進めたいんだけど…
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第10話
最近、バルバッド国王のラシッド王が来た。内容自体は特にこれと言ったことのない普通の外交だったのだが、その中でラシッド王がぽろっと漏らした「ナーポリアで面白い少年がいた」という言葉が気になった。まぁ、別にファナリス関係でもなかったのでその場にいたわけじゃなかったし、そこまで気にしているわけじゃないんだけどね?おそらくシンドバッドのことなんだろうけど、だからといって何かできるわけでもないしなぁ?強いて言うなら殺しておくことくらい?でもなぁ、それをするとマグノシュタットの依代で詰むだろうし、シンドバッドの冒険をあんまし覚えてないのが怖いんだよなぁ…『実は世界救ってました!』とかあった日にはどうしようもないし…やっぱ放置しかないかなぁ?
そんなことを考えたりもした日から1ヶ月くらいが経った。ラシッド王が言っていたのは予想通りシンドバッドのことっぽいことがわかった。というのも、ナーポリアの円形劇場で
まぁ、シンドバッド云々はどうでもいい。さして重要なことじゃない。そう!重要なのは『雪に雷が反射して星のようだった』という部分だ‼︎
え?全然重要じゃなくない、だって?そんなわけないじゃん!重要も重要、最重要だよ!だってカッコいいじゃん!それに、ロマンチックなことできそうじゃない?プロポーズに使えそうじゃん…
り、理由なんてどうでも良い!とりあえず、保管されていた金属器の能力を確認しよう。マルコシアスの能力は…炎を纏った氷柱(以下『炎氷柱』)の作成と欺瞞を燃やして凍らせることか。で、ビムの方はっと…死体を操る…か。……ロマン…チック?
待って⁉︎これでどうやってロマンチックなことをやれって言うんだ!何?めっちゃちっさい炎氷柱でも作って空に散りばめれば良いの?
違うよ!俺がやりたいのは複数の金属器を組み合わせて、なんかカッコいいことがしたいんだよ!一つだけ使ってやるんじゃ意味ないんだよ!
いったいどうすれば………あっ!そうだ、ダンジョンに行こう。
足りないんなら増やせば良いんじゃん!
「ということでダンジョンに行きたいですけど、ダンジョン生やしてくれたりしませんか?シェヘラザード様」
「どういうことよ。急に来たと思ったら、ダンジョンを生やしてって…あと、シェヘラザード様はやめて。鳥肌が立ったわ」
「どういうことも何も、そういうことだよ。カッコいいことがしたい。それ以外に理由がいるかい⁉︎」
「いると思うわよ?というか歳を考えなさい歳を。あなた何歳だと思ってるの?」
「で、でも!何歳になったとしても精神はいつまでも男の子なんですぅ!」
「だから、その精神がジジイだって言ってんじゃない…ハァ、仕方ないわね。今回だけよ?」
「ありがとう、シェーラ!愛してる‼︎」
「でも、私は皇帝とかの仕事があってついていけないから、1人で行ってもらうことになるけどそれでもいい?」
「えっ…うん、まぁ、大丈夫だと思う」
「ハァ…ホントなんでこんな人のことを好きになっちゃったんでしょう…」
そんな感じで、ダンジョンに行けることになった。
「これは…第20迷宮 プラソンね。じゃあ、私は予定が詰まってるから行くわね」
「あぁ、ありがとう、シェーラ」
うーん、緊張するなぁ。初めてだね、1人で攻略っていうのは。まぁ、頑張ろう。落ち着いて、慎重にな。
神さま、ロマンチックなことができる力を持つジンがいるようにしておいてください!お願いします!何もしませんけど!
最近書こうとするやる気が起きません。
高評価とかしてくれるとやる気が起きる気がするんだけどなぁ(チラッチラッ)
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第11話
いやー、大迫力な冒険でしたね。それでいて感動的でもあるなんて…
え?そんな話知らない、だって?仕方ないなぁ、しょうがないから少しだけ話してあげるよ。そうだね、俺的にはこのダンジョンに眠っていた
ジン プルソンが(自分で奏でた)壮大な音楽と共に親指を立てながら金属に宿っていったところは涙無しではいられなかったね。え?絶対にそんなのなかっただろ、だって?…なぜバレたし。ハァ、本当はダンジョン内に何故か流れていた|音楽のリズムに合わせて進むダンジョン《クリプト・オブ・ネクロダンサーみたいな感じ》だった。リズムに合わなかった場合、トラップが作動したり、迷宮生物に攻撃しても何故かダメージが入らなかったりした。まぁ、最初の方は戸惑ったけど、慣れてきたら案外楽しかった。あと、宝物庫でプルソンにダンジョン内での行動の評価を言われた。ちなみに、「筋は良いね。あとは突然のことにも対処できるようになれば満点だよ。うん、合格だね」と言われた。…え?宝物庫に着いても宿ってくれないこともあんの⁉︎ま、まぁ、宿ってくれたんだしいいか…
それで、肝心な能力はっと。えーと?音を操れるのとその音を媒介にして多少精神に働きかけられる?…どうやったらカッコよく使えるの?何?プロポーズするときに精神に干渉して感動し易くでもすれば良いの?いやだよ、そんなことするの。
…仕方ない、なんとか使えそうなマルコシアスの能力を使ってできることを考えるか。うーん、とりあえず雪みたいな感じで降らせる?でもなぁ、炎を纏っちゃってるから、火の粉が降ってきてるみたいにしか見えないんだよなぁ。
…逆に氷の中に炎を入れることってできないのかな?炎の光が氷で反射して結構綺麗に見える気がするんだけど…そうだな、とりあえず試してみるか。…あっ、できた。案外簡単にできたな。てか綺麗だね。あとはこれをどれだけ小さくできるかだけど…おっ、これも結構簡単だな。大きさは…砂くらいでいいかな?よし!一回試してみるか。…うん、綺麗だけど痛いっていうか当たりまくって変な感じがするね。とりあえず量を減らしてみよ。…あー、これでもやっぱ当たるのが気になるなぁ。できるかわからないけど当たらないように降らせてみる?…おっ、できた。いいねいいね、綺麗だし、当たらないから気にならない。これならいい感じになるんじゃない?
…この氷を使って指輪とか作れたりしないかな?リングはどっかで作ってもらうとして、こう宝石の部分をこれでね?ダイヤモンドみたいな感じにしてさ。結構良さそうじゃない?…まぁ、まずはやらなくちゃ意味ないし、試してみるか。…むっず!何これ、全然上手くいかないんですけど!形自体はそれっぽくなるんだけど、全然美しくない…磨いてみる?どうやって?磨けるものなんて…あっ、プルソンの能力が使えたりしないかな?こう、振動とかを使ってさ。まっ、ダメでもともと、トライ&エラーだよ!…うーん、さっきよりは綺麗になった気もするけど、ほんのちょっとだけだからなぁ…まぁ、15歳になるまで1年以上あるし、コツコツと頑張っていくか!
…そういえば、氷の中に炎を入れたりできるんだし、炎だけとか氷だけとかってできないのかな?…無理っぽい?どう頑張っても絶対にほんの少しは残っちゃうし、マルコシアスの能力は氷と炎を同時に出す能力ってことなのかな?
まぁ、とりあえず帰るか!そういや今回はどんくらい時間がかかったんだろう?俺の体感では、ダンジョン内にいたのは3時間くらいだったけど、どんくらいズレがあんのかな?流石に年単位はやめてほしいなぁ…
作者は高評価されるとつい書いちゃうんだ☆
新作が書きたい症候群
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第12話
ついにこの日がきた。今日は、レーム全体で革命祭という祭りが行われている。名前の通り、俺たちが起こした革命が成功したことを祝う祭りなのだが、現在ではそんな理由などほとんど忘れて、騒ぎたいからやっているだけになっている。まぁ、そんな風になっていても、一応は革命が成功したことを祝っているのでそこはいいんだ。革命が俺たちが一緒に行動するようになった理由なんだし、そこらへんは考えないとね?
とりあえず、プロポーズする時間は決めてあるし、シェーラの予定が空いていることも確認した。場所ももう決めてあるし、指輪も納得いく物が用意できた。演出だって、今日までいっぱい練習して、無意識にでもやれるようになったはずだ。なのになんでこうも緊張するかなぁ!大丈夫大丈夫って自分を安心させようとしても、めっちゃ不安になってくるし!正直ダンジョンを攻略する時よりも緊張するんだけど。
よ、よし!もう一回確認しよう!まずは全身魔装してお姫様抱っこで予定の場所まで連れて行く。そしたらマルコシアスの能力で雪みたいにした氷で包んだ炎を降らせる。そしていろいろ言って、指輪を渡す。OKOK、イメトレ完了!…あぁ、不安になるぅ。
っと、時間だ。覚悟を決めろよ、俺。頑張れ!
「シェーラ、今の時間大丈夫?」
「えぇ、祭りでやらなきゃいけない仕事も全部終わったし、今日もう暇だけど…こんな時間にどうしたの?」
「とりあえず何も言わないで、俺と一緒に来てくれないか?」
「良いけど…どうしたの?」
「あとで話すからさ。じゃあ、行くよ!」
その言葉と共に全身魔装をする。そして、シェーラをお姫様抱っこする。
「えぇっ⁉︎な、何してるの⁉︎ユリウス!ちょ、ちょっと!」
俺は何も言わず空へと歩いて行く。
「ちょ、ちょっと⁉︎何か言ってよ‼︎」
「前にも一度だけこんなことがあったよな」
そう言いながらも俺は空中をゆったりとしたスピードで歩いていく。
「えっ?…うん、たしか、ビムのダンジョンのときだっけ?」
「あぁ、あの時はゾンビに追われていたりして、あんまりゆっくりできなかったけどさ」
「う、うん、あの時も急にこんなことするから驚いちゃって」
「嫌か?」
「ふふ、嫌なわけないじゃない」
「それは…嬉しいな。シェーラはいつも俺を気にしてくれていたよな。ビムに行った時も、働き詰めだった俺を心配したからだっただろ?」
「ふふ、どうだったかしらね?もう昔のことすぎて忘れちゃったわ」
「シェーラがそう言うんなら、そういうことにしとくよ。…感謝してる。ありがとな」
「どういたしまして」
「っと、見えて来たな」
「あの崖のこと?」
「秘密だよ。すぐわかるけどな」
「ふふ、なら教えてくれても良いじゃない」
「いや、こういうのは秘密にしといた方がそれっぽいだろ?っと、よし、シェーラ、下ろすよ?」
「ええ、大丈夫よ。それで、わざわざこんな…わぁ、綺麗だ。これは…雪?いえ、微かに光っている?これは…マルコシアスの能力?」
「おお、大正解だよ。よくわかったね」
「だってあなたが時々練習していたから…」
「あれ?見られてた?気をつけてたんだけどなー」
「ふふ、私をなめないことね。魔法ってすごいのよ?」
「あぁ、魔法か…そこまで考えてなかった。っと、この話はここまでにして…シェーラ、俺たちが初めて出会ったときを覚えてるか?」
「たしか、あなたが家出して来たんだっけ?それで、私がいた森にやってきたのよね」
「あぁ、そこで5年後にまた来てって言われてさ。それで5年後に行った時にマルコシアスのダンジョンを攻略したんだ。まぁ、あれを攻略って言うのかは謎だけどさ」
「ふふ、あの時のあなた、カッコよかったわよ?あなたが熱く語る姿、今でも思い出せるわ」
「そうやってまっすぐ言われると、ちょっと恥ずかしいな。えーと、それで、マルコシアスから貰った力を使って革命を起こしたんだ。その時もいろいろと支えてくれてさ。いや、その時だけじゃない。いつだってそうだ。シェーラが支えてくれたから俺はやってこれたんだと思う。そういう風に支えてもらって過ごしてるうちに、いつのまにか一緒にいるのが当たり前になってたんだ。…でも、違ってた。転生して、会えなくなってわかったんだ。一緒に入れることは当たり前じゃないんだって。
それでもさ!俺は少しでも長く一緒にいたい。これからも一緒に時間を重ねていきたい。
だから!俺と結婚してほしい!」
その言葉と共に結婚指輪を差し出す。頼む!お願いだ!受け取ってくれ‼︎
「……………はい!私をあなたの隣にいさせてください!」
あぁ、今まで生きてきてよかった。本当にそう思える。
いやー良い最終回でしたね。
え?違う?
あ、途中でユリウスって言ってるのはワザとです。
新作公開中!
原作:魔王様の街づくり!~最強のダンジョンは近代都市~
名前:魔王様の宗教づくり!
原作はなろうにあるやつです。
もしよかったら読んでみてください!面白いとは保証できないけど…
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第13話
ヤバイ、まったく話が思いつかない…
シェーラと結婚してからあと少しで1ヶ月が経つ。まぁ、結婚したと言っても、公的な何かをしたってわけじゃないから、気持ち的に結婚したってだけなんだけどね?そりゃあ、シェーラは皇帝兼最高司祭だからね。そんな人と結婚とか無理無理。それに、ユリウスだった時の俺とシェーラを題材にした恋物語の本が売れまくってるからね。国民達の中では、シェーラはユリウスのことを愛してるものだってことになってるからね。それなのに、(中身は同じだとしても)違うやつと結婚したとか発表したら暴動が起きますよ。
ま、まぁ、大事なのは精神的なことだから!他の人に認識されてなくても俺は良いから!悲しくなんてないから!それに、シェーラが指輪をつけててくれるだけで俺は満足だから!
っと、違う違う。結婚してもうすぐ1ヶ月だからさ、何か渡したいんだよね。装身具は既に貴族どもが渡したやつが大量にあるから、花束とかが良いのかな?…花束…花束ねぇ?花束と言ったら、やっぱりバラかな?…そういや、バラって数とかにも意味があるんだっけ?というかこの世界にも花言葉とかってあるのかな?…うん、とりあえず大きめの商会にでも行ってみるか!
あったよ!とりあえず買うか。
えーと、バラのページはっと。おっあったあった。えーとなになに…ふむふむ。なるほどね。この中なら「あなたの思いやり、励ましに感謝します」っていう意味の8本かな?もっと数増やせば良いのもあるけど、流石にプロポーズでもないのに、最初から99本とかはね…
っと、決まったんなら早速予約してくるか。当日でもいいけど、なかったりしたら嫌だしね。
−当日−
よし、準備OKだな。シェーラも仕事が終わったみたいだし、行くか!
「シェーラ、少しいいか?」
「えぇ、大丈夫よ。どうかしたの?」
「あぁ、今日で結婚して1ヶ月になるからな。今までの感謝も込めて、これを渡そうと思ってな。いつもありがとう」
「これは…バラが8本?たしか花言葉は『あなたの思いやり、励ましに感謝します』だったかしら?」
「あ、知ってたか…」
「これでも、200年以上生きているからね。そういうことを覚えたりもするわよ」
「え…俺も同じくらい生きてるはずなのに、今回用意しようとするまで知らなかったんだけど…」
「それはそうよ。あなたは男で、私は女でしょう?同性同士で話す内容は違うわ」
「…そういうもんなのかな?」
「そういうものよ」
「そうなのかな?…それでその、喜んでもらえたら嬉しいよ」
「ふふ、嬉しいに決まってるじゃない。あなたが私のためを思ってやってくれることならなんだって嬉しいわ。…それに、私だっていつも感謝しているのよ?そうね…ムー、少しかがんでもらえる?」
「え?わかったけど…」
言われた通りかがむとキスをされた。
え???????
え?
「ふふ、正真正銘のファーストキスよ。
…いつもありがとうね」
その時の彼女の笑顔は、ただひたすらに美しかった。
低評価の理由とか教えてもらえると助かります。できる限り直しますので。
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第14話
結婚してからだいたい10年経った。この10年で、ヴァサゴ,バルバトス,アンドロマリウスという3つのダンジョンを攻略した。…別に、シェーラに出してもらった訳じゃないよ?なぜかダンジョンがレマーノ周辺にできちゃったから、国民に被害が出ても困るし攻略したんだ。…まぁ、十中八九ジュダルがやったんだろうけど。
あぁ、そういえば最近バルバッドの王宮が燃えたらしい。あと、それが原因でラシッド王が死んでしまったのだとか。
普通なら、そこまで気にする必要のないことなのだが、生憎俺には原作の記憶がある。まぁ、すでに重要な部分以外は忘れてしまったが、ここは覚えている。たしか、アリババがバルバッドから出て行く原因だったはずだ。ということは、そろそろ原作も始まるんじゃないかな?
…まぁ、だからどうしたって話なんだけどね?そもそも原作からして、だいたいのキャラが生存してたはずだから、変える必要があんまりないんだよね。まぁ、シェーラには死んで欲しくないから、なんとか生きていたいと思わせられるよう頑張ってるけど。
なんやかんやあって、5年くらい経った。バルバッドでは革命だとか、煌の傘下に入れられたりだとかいろいろあったみたいだが、こっちでは特に何もなかった。強いてあげるとすれば、魔法道具を持った盗賊による被害が出てるってことかな。
ちなみに今日は
あっ、アリババくんが勝った!あの絶体絶命の状況から、諦めずに逆転するなんて凄いな!
それにしても
「珍しいな、シェーラが闘技場に来たいって言うなんて」
「少し気になる気配がしてね」
「ルフの導きってやつか?俺にはよくわかんないなぁ…」
「あなたと初めて会った時もしたのよ?」
「えっ⁉︎そうだったの⁉︎初めて聞いたよ⁉︎」
「まぁ、今初めて言ったからね」
「なんで言ってくれなかったの⁉︎」
「だって、わざわざ言うほどのことじゃないじゃない」
「たしかに…そう言われるとそうだな」
「この話はもう終わり!あの時あなたと会えたのが重要なのであって、それがルフの導きのおかげだろうとどうでもいいじゃない!」
「…それもそうだな。結果としてシェーラと会えたんだし、そんなのどうでもいいか」
「そういえば、あなたはよくここにくるのよね」
「まぁ、日頃から実戦をしとかないと体が鈍るからな。別にファナリス兵団のヤツらとやるのでもいいんだが、やっぱどっかで加減しちゃうからな。ここでなら、そういう加減とか無しでやれる。それに、多少やりすぎても大丈夫だしな」
「もう、あんまり無茶しないでよ?心配するんだから…」
「無茶はしないさ。それに、俺だって不安なんだ。もし何かあった時に、俺の力不足でシェーラを守れなかったらって」
「私だってマギよ?自分のことくらい、自分で守れるわ」
「わかってる…わかってるんだけどさ、それでも不安になっちまうんだ」
「仕方ないわね、守られてあげる。だから、そんな顔しないで?私は笑ってるあなたが好きなの。まぁ、どんなあなたも好きだけどね?」
「ハハ、ならシェーラも笑ってくれ。俺も笑ってるお前が好きだ。もちろん、どんなお前も好きだぜ?」
「ふふ、わかったわ」
「ありがとう、シェーラ」
ダメだ、全然これだってヤツが書けない…
現在の原作との差異
・原作より早く集め始めたのでファナリス兵団の人数が多い
・マドーライベントがないので、白龍は途中で別れてないし、モルジアナに告ってもいない。それに、アリババたちは白龍の闇に気づいていない。なお、白龍の復讐については原作通り。
・マスルールがいないので、シンドリアの戦力低下。マスルールがいない分だけでなく、全体的に少しずつ低下してる(マスルールとの特訓とかがないから)
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第15話
今日は闘技場に来ている。理由はもちろんアリババくんと戦うためだ。原作キャラですよ?そりゃあ、話したりしたいです。1週間前に来た時は、シェーラもいたので自重したけど、今日はしっかり仕事を終わらせて来ているので無問題だ。…流石にまだいるよね?
ということで、闘技場内に入ってきた。…俺が入ってくるだけでキャーキャー言うのやめない?いや、カッコつけて魅せる戦い方をした結果、レーム最高の剣士だとか言われてるのは知ってるよ?でもさ、ほぼ毎週来てるんだし、そろそろ慣れようよ。
っと、そんなことは置いといて、今日アリババくんは出るのかな?
…おっ、いたいた。というか、今日はトーナメント式か…このメンバーなら、アリババくんが優勝しそうだな。…うん、優勝したヤツにエキシビションマッチとして、戦いを仕掛けよう。ダイジョーブダイジョーブ、ちゃんと運営には言っとく。たぶん許可も出る。なんたって、レーム最高の剣士だからね!っと、アリババくんに持ち金全部…は後でシェーラに怒られるのが怖いから半分くらい賭けとこ。倍率は…あー、やっぱ低いなぁ。そりゃあ、なんだかんだで1週間生き残ってるんだし当たり前か…
よし!アリババくんが優勝したな。何歳になっても賭けってのは興奮するなぁ。っといけないいけない、早く行かないと終わっちゃう。えーと、今から下に降りてってやったら間に合わなさそうだな…ということで飛び降りるか!そっちの方がカッコ良さそうだし!トウッ‼︎
「やぁ、アリババくん。優勝おめでとう」
「あ、あなたは?」
「俺はレーム最高の剣士 ムー・アレキウス。今から君には俺と戦ってもらう。あぁ、安心してくれ。別に君が負けたからって優勝が取り消しになったりはしない。所謂エキシビションマッチってやつだ」
「えっ⁉︎えっ⁉︎」
「そうだな…俺に一太刀でも浴びせられたら、君の勝ちってことでどうだ?」
「…その言葉後悔すんなよ?速攻でケリをつけてやるぜ!」
「その伸びきった鼻を叩き折ってあげるよ」
『では試合開始ぃぃぃ‼︎』
おっ、煽った甲斐があったかな?早速突っ込んできてくれたよ。うんうん、素晴らしいスピードだ。けど、身体能力でファナリスと勝負しようって言うのはちょっと愚かなんじゃないかな?とりあえず、鍔迫り合いに持っていって、って受け流しの応用⁉︎…………そういやアリババくんってエリオハプトの剣術も習ってたね。ちょっと焦ったけど、まぁ問題ないかな。こちとら200年以上剣術やってるんでね。そういう技術への対処だって、何回もやってるんだよ。
「なかなか良かったよ、今の剣。だけど、まだまだだね。次はこっちから行くよ!」
「来い!」
まずは上段からの斬りはらい。このまま行っても受け流されるのはわかってるから、ファナリスの身体能力をフル活用して、無理矢理ギリギリで方向転換。おっ、驚いた顔をしてるね。このまま気絶させることもできるけど、流石にそれじゃ盛り上がらないから吹き飛ばすに留める。
「どうしたんだ?君の実力はその程度なのかい?」
「まだ、まだぁ!」
「そうそう、その調子だよ!」
…あれ?なんか調子に乗ってやられる悪役みたいになってない?大丈夫?…お、俺はアリババくんの全力を見ようとしてるだけだから。調子に乗ってるわけじゃないから。…大丈夫だよね?
っと、とりあえずそれは置いといて、今は剣を受けることに集中しよ。他の事を考えてて負けるとか、悲しいからね。
ってうわっ⁉︎急に鋭くなったなぁ。結構驚いたよ。まぁ、まだ余裕あるんだけどね?一回一回ちゃんと弾いてっと。おっ、隙ができたな。首を狙って。あぁ、やっぱ避けられたか。
「いいねいいね!もっと頑張るんだ!」
「オラァ!」
…そろそろかな?これ以上長引かせてもダレるだけだしね。やっぱ最後はカッコよく締めたいよね!ここは…超圧縮居合斬りかな。
説明しよう!超圧縮居合斬りとは、ファナリスの身体能力をフル活用して、納刀・抜刀を超高速で行う技のことだ!え?鞘ないしそもそも刀じゃないじゃん、だって?別に納刀・抜刀って言っても、実際は指で剣を抑えて、力を溜めた状態で、指を外して一気に抜き放つってだけだし。ただカッコつけてそう呼んでるだけで、特に名前に意味とかないし…
そ、そんなことはどうでもいいんだよ!重要なのはカッコいいかどうかだから!
っと、とりあえず、さっきみたいに隙を作らせて、攻撃する!こうすれば、アリババくんは後ろに跳ぶはずだ。良し!跳んだな!今回は避けられると思うなよ!
「必殺!超圧縮居合斬り!」
「なっ⁉︎」
「(カッコ)いい勝負だったよ、アリババくん」
ここで起き上がってくれたりしたら、超盛り上がるんだけどなぁ…あっ、やっぱダメか。まぁ、しゃーないしゃーない。すでに大歓声だし、これで満足しとくか。
ホントにナイスファイトだったよ!アリババくん!
主人公くん剣でこんなにイキッてるけど、アルバには普通に負ける。
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第16話
ご注意を
アリババくんと初めて戦ってから8ヶ月くらいが経った。この間、アリババくんに剣術を教えたり、ティトスをマグノシュタットに送ったりした。アリババくんに剣術を教えたのは、とりあえず主人公を鍛えておけば良い方向に行くっしょって言う安易な考えからだ。べ、別に、原作キャラと喋りたいとかいう下心はありませんよ?…ホントダヨ!
ティトスをマグノシュタットに送ったのは、魔法道具による被害が深刻になってきているからだ。で、その原因と思われるマグノシュタットに、調査員としてシェーラの分身体を送ったってわけだ。ティトスを見るとなんか引っかかるのは、原作キャラってことなのかな?今までもシェーラの分身体が男になったことはあったけど、こんな風に引っかかるのは初めてなんだよなぁ…あぁ、あと、シェーラが、最近ティトスのルフがよく荒れるって言ってた。なんでも、マルガって子と一緒に暮らし始めてから増え始めたのだとか。…まぁ、おそらくは、これからも生きていたいって思っちゃったんだろうなぁ…俺は良いと思うよ?シェーラにしわ寄せが来ないんなら。例えば、シェーラの代わりに来世のマギになるとか、そういうのじゃなければ。
…………………アッ‼︎思い…出した!そうじゃん、ティトスじゃん!ヤバイじゃん!えっ⁉︎もう女の子と暮らし始めてんの?ヤバくない?そろそろ戦争始まっちゃうじゃん!と、とりあえず、戦争回避のためにシェーラを説得しないと!
『…タットは、マグノシュタットの属州になりなさい』
ヤバイヤバイヤバイヤバイ!どうしよう、もう宣戦布告が始まっちゃってるよ⁉︎ど、どうしよう。とりあえず、シェーラを落ち着かせなきゃ!このまま、戦争になっちゃうのはガチでヤバイ!
「シェーラ、入るよ!」
「えっ⁉︎ムー⁉︎ちょ、ちょっと待って!」
「シェーラ、モガメット候と話しながらでいいから聞いて。子っていうのは、いずれ自立して、親離れするものなんだ。それは、どんな生き物だって変わらない。獣だって、鳥だって、もちろん人間だって。だからさ、許してやってあげないか?ティトスに自分の意思ができたっていうのなら、それを怒るんじゃなくて、祝ってあげようよ。それが、親の役目だと思うんだよ。ね、シェーラ」
「…冷静じゃなかったわ。ありがとう、ムー。お陰で落ち着いたわ」
『すみません、モガメット候。ティトスに何かあったと思って、少し冷静じゃなかったようです。ティトスについては、ティトスの意思に任せます。明日、遣いを送るので、それまでにどうするか決めておいてください』
「これで良い?」
「あぁ、話を聞いてくれてありがとう。俺にできることがあったら、なんでも言ってくれ」
「じゃあ、明日までにマグノシュタットに向かってね」
「えっ?」
「さっき、モガメット候に言ったじゃない。明日、遣いをおくるって。ここからマグノシュタットまで1日で行くなんて、ファナリスか金属器使いにしかできないわ。そうすると、適任なのはあなたくらいしかいないじゃない。だからよろしくね、ムー」
「…………ハイ」
えぇ………
主人公くんは子育て経験豊富だからね。10人くらいは育ててるからね!
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第17話
ということでやってきました、マグノシュタット!
いや、まさかホントに来ることになるとは思わなかった…
別に、疲れたってわけじゃないよ?マグノシュタットの関所までは魔装でひとっ飛びだったし、そこからもそこまで距離があったわけじゃないし。それに、道だって案内の人がいたから迷ったりはしなかったし。
ま、まぁ、そんなことはいいんだよ!そう、大事なのはマグノシュタットに来たってこと。じゃあ、さっそくモガメット候のところへ!
「失礼する。レーム帝国 最高司祭様の代理として来た ムー・アレキウスだ。今日は時間を取ってもらい感謝する」
「礼には及ばん。それで、結論から言うが…」
「待ってくれ。できれば、本人の口から聞かせてくれないか?でなければ、報告するときに少々問題が起きる可能性があるのでな」
「了解した。ではティトス」
「はい。…ボクは、この国に残りたい。たった1年とちょっとしか生きてないけど、それでも、大切な人ができたんだ。だから、その人たちとずっと一緒に生きていきたい」
「…そうか、わかった。…1つだけ言わせてくれ。シェヘラザード様はお前を自分の子として愛していた。それだけは知っておいてくれ。では、私はこれで。…ティトス、残りの時間、悔いの残らないようにしろよ」
「待ってくれ、ムー!ここでなら、魔導の粋を集めれば、この体は生き長らえるらしいんだ!だから!学院を卒業したら、シェヘラザード様に会いに行ってもいいかな?」
「…もちろんだ!って、俺個人としては言いたいんだがな。そうなってくると、少々問題が出てくる。だから、それについても話さなければならない。モガメット候、時間に余裕は?」
「問題ない」
「…あっ、ティトス、少し席を外してくれないか?これから話す内容に、少々機密事項があってな」
「わかった。ありがとう、ムー」
「それで、話とはなんだね?」
「……ティトスのことだ。あの子とあの子が言っていた大切な人というのを、できるだけ円満に別れさせてやってほしい」
「…どういうことだ?」
「…体が大丈夫でも、あの子はもう生きられないんだ。あの子のルフがもう限界なんだ。長くても一月、短いとあと数日で崩壊してしまう。そうすれば、ティトスはルフへ還り、自我が消えてしまう。これはもう……どうにもできないんだ…」
「………そうか。わかった。できるだけ努力しよう」
「…感謝する。すまない」
「全ての魔導師は、私の息子同然だ。その子のためというのなら、私はなんだってしよう」
「本当にありがとう。では、私はもう行くよ。では、失礼する」
ハァ、ホントに嫌になるよ……なんとかできなかったのかな…
「ムー、さっきの話は本当なのか?」
「なっ⁉︎ティトス⁉︎まさか、聞いていたのか⁉︎」
「あぁ、聞いていたよ。そうか、そうなのか…」
「いや、その…」
「すまない、今は一人にさせてくれ…」
マジかぁ…
レームと戦争回避しても、煌帝国がいるから戦争は起きるんですよね。
ってことは、魔導師にたくさん犠牲がでて、そうするとモガメットは黒いジンを使うわけで。
とすると、ティトスに寿命関係教えとかないと、たぶんモガメットを救うために『最後の力』を使ってくれなくて、依代に白ルフが混ざらず、ソロモンの知恵が使えなくて詰むと思うんですよね。
だから、今回の話は仕方なかったんだ!途中からティトスに感情移入しちゃってなんとか生かせないかと考えたけど、やっぱ無理だったんだ!
最後の部分修正しました。
流石に他国の人間に、あと少しで皇帝(代理)が死ぬって情報を渡すのはヤバイからね!
ご指摘ありがとうございます。
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第18話
はい、ということで特に問題もなくレマーノに帰ってきました。
え?ティトスはどうした、だって?
そりゃあ置いてきましたよ。ああいう時は、ほっといた方がいい。追って話そうとしても、話が余計にややこしくなるだけだからね。
それに、ティトスはシェーラと通信できる魔法道具を持っている。だから、何か聞きたいことがあればシェーラに直接聞けるし、それができないのなら、ティトスの想いはその程度だったってことだ。というか、2人はちゃんと話しあった方がいいと思う。いや、マジで。上司と部下としてではなく、親子として。そうすれば、ティトスも気持ちの整理がつくんじゃないかなぁ…
あと、もう一つ理由を言うとすれば、煌帝国と戦争が始まりそうだったからだ。マグノシュタットが(レーム以外となら)どこと戦争しようとどうでもいいけど、在国中に戦争になって、レームに帰れなくなるとか嫌だからね。モガメット候のあの感じなら、何か策があるみたいだし、ティトスもたぶん大丈夫だろう。…大丈夫だよね?
報告を済ませてきました。
うん、やっぱティトスに話を聞かれたことを怒られました。で、罰として戦争に関わらないギリギリの位置でマグノシュタットと煌帝国の戦争の行方を見てこいと。…キツくない?たしかにファナリスは目も良いけど、それでも5キロくらいまでしかハッキリと見えないよ?えっ?それでも行くの?
マジかぁ…
ハァ、仕方ない。元はと言えば俺が原因なんだし、頑張るかぁ…
まぁ、それはそれとして、1人は暇だから、誰か連れて行こうかな?ファナリス兵団のヤツらは…ダメだな、戦闘してるとことか見たら、絶対突っ込んでく。うーん………あっ、そうだ!アリババくん連れてこ!なんか前にマグノシュタットに友達がいるとか言ってたし、ちょうど良いでしょ!…それに、アリババくんならレーム人じゃないし、たとえ問題を起こしたとしても、しらを切れるし…
「ということで、行くぞ、アリババくん!」
「チョッ⁉︎待って!どういうこと⁉︎ムーさん⁉︎」
「どういうことも何も、マグノシュタットに行くってだけだよ?いやー、マグノシュタットと煌帝国が戦争するみたいだからね。マグノシュタットに友達がいるんでしょ?もしかしたら、助けられるかもしれないよ?」
「ッ!……行きます。ちょっと待っててください。今から準備してきます」
「ん?あっ、焦らなくてもいいよ。まだ余裕あるし。別に今すぐ戦争が始まるってわけじゃないからね。そうだね…明日の昼出発するから、それまでに荷物をまとめたり、挨拶しといてね」
「わかりました!」
っと、俺も会いに行かないとね。もしかしたら、もう会えなくなっちゃうかもしれないんだから。
久しぶりに来たな、ここ。普段はあんまり行かないように、というか行くなって言われてるからね。…でも、今日は特別だ。だって、これで最後になっちゃうかもしれないんだから。最後くらい、直接シェーラと会いたいからね。
「久しぶり…で、いいのかな?それとも、さっきぶりかな?あぁ、無理はしないで。聞いてるだけでいいからさ。
今日は、別れを言いにきた。もしかしたら、もう会えないかもしれないからな。
今まで、本当にありがとう。俺は、シェーラがいたからやってこれた。シェーラには、感謝してもしきれないよ。
…ダメだな、言葉がでてこない。言おうと思ってたこといっぱいあったはずなんだけどなぁ…
………………別れたく…ないよ。いつまでも側にいてほしい。もっと話したいし、行きたい場所だってある。なのに…どうして……どうして……」
「…ユリ……ウス………愛し……て………いる…………わ……」
「ッ⁉︎…………俺も愛しているよ。……そろそろ行くよ。またな、シェーラ」
「……また………ね……」
俺は、シェーラの神殿から出て行く。これ以上ここにいると、出て行けなくなってしまう気がするから。
彼が出て行った後の神殿には、999本の青色に輝く薔薇が咲いていたという。
薔薇の花言葉
999本「何度生まれ変わってもあなたを愛する」
青色「神の祝福・奇跡」
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第19話
とうちゃーく!
ということで、戦争は始まってるかなぁ?
始まって…ないっぽいね!仕方ない、アリババくんと話でもして待つかぁ…
-1日目-
「アリババくん、友達のところに行きたいんなら、行っても良いよ?行けるのかは知らないけど」
「行きませんよ?ほら、ピンチのところに現れた方がカッコいいじゃないですか」
「ハハッ、それもそうだな!だけど、それをするのなら、多少は余裕を持って動いた方がいいぞ。間に合わないとヤバイからな」
「そうですね。なら、戦争が始まったら行くとします」
「ああ、そうするといい」
-2日目-
「始まらないっすねぇ。どのくらいに始まるかとかってわかってるんですか?」
「わかってたらこんなところで暇してたりはしないよ。まぁ、俺の予想としては明後日だと思うけどな」
「へー、どうしてそう思うんですか?」
「なんとなくだ!」
「えっ⁉︎」
「まぁ、嘘だけどな。ちゃんとした理由を言うよ。…交渉するとなると、煌帝国ならおそらく皇子か皇女が交渉人だろう。で、煌帝国の前皇帝が死んだのが半年前だ。皇帝が死んだとなれば、普通皇族は国へ帰るだろう。それで、皇族が煌帝国に集まるまでだいたい1ヶ月かかるだろう。そこから1ヶ月は葬式とか継承とか色々としなきゃ行けない。そして、軍での行軍となれば4ヶ月はかかる。それをもっと深く考えていくと明後日くらいになるんだよ。まぁ、あくまでもなんの滞りもなく行けばだけど」
「なるほど…じゃあ、あと少しですね」
「まぁ、俺は戦争が終わるまでここで見てなきゃ行けないんだけどな」
「ハハッ、頑張ってください」
- 5日目-
「始まらないですねー。もしかして、戦争なんて起きないんじゃないんですか?」
「最近の動きから、煌帝国がマグノシュタットを狙ってるのはわかってるんだ。それに、モガメット候の感じからして、煌帝国が攻めてきても徹底抗戦するだろう。だから、たぶん戦争は起きると思うんだけどなぁ…」
-10日目-
やっと始まったぁ!なんでこんなにズレてるの⁉︎アクシデントでも起きて、予想よりも長い時間かかったのかなぁ?
まぁ、始まったんならもういいや!アリババくんはもう行っちゃったし、本格的に暇だぁ!
ちなみに、現在はマグノシュタット側が有利です。
なにあの魔法道具、ヤバくない?なんかぶっといビームみたいなの出したよ?あっ、コードみたいなのが切られた。んー?あれ、マグノシュタット側のヤツじゃね?仲間割れかな?
あーでも、煌帝国側も少しずつだけど進んで行ってるなぁ。どうなるんだろ、これ?
ん?なんだあれ?砂の…巨人?うわっ⁉︎あれもビームみたいなの出してるし!ヤバくない?…あれ?でも、誰にも当たってなくない?威嚇射撃かな?それとも、ノーエイムなだけ?
あっ、砂の巨人が崩れた。煌帝国の兵士達だけ遠くに流されてく…どういう…あー、そう言うことね。煌帝国の兵士達の心を挫こうと。でもなぁ…煌帝国の兵士ってかなり忠誠心が高いヤツが多いからなぁ…それで本当に心が折れるかな?
あっ、煌帝国側の金属器使いが全身魔装した。これは…逆転あるかな?うわー、めっちゃガンガン進んでるよ。これはマグノシュタット、ヤバイかな?
あっ、アリババくんが全身魔装で飛び出した。ってことはあそこらへんにアラジンがいるのかな?
結構拮抗してんなぁ。このままだと、長期間続くことになんのかなぁ…
なんだあれ。マグノシュタットから黒いなんかが戦場に向かってる?
んー????なんかこっちにも向かってきてない?
テストが近く、勉強するので、再来週の土日まであんまり投稿できないかも。
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第20話
うーん、どうしよう。あきらかにレームを攻撃しようとしてるっぽいけど、現状ホントにそうだと言える証拠がないからなぁ…
…仕方ない、距離を維持しつつレーム領内に戻るか。それで、レーム領内に入ってきたら敵意ありってことで倒せばいいよね?
まぁ、とりあえず
レーム領内に入ったけどアイツらは……入ってきたね!よし!シェーラにもちゃんと許可もらったし倒すか!ということで、マルコシア…いや、アイツらあきらかに生物じゃないし、とりあえずバルバトスにしとくか。
「狩猟と高潔の精霊よ。汝に命ず。我が身に纏え 我が身に宿れ。我が身を大いなる魔神と化せ…
バルバトス!!!」
しゃあ!喰らえ!なんか悪魔っぽいの!超強力な衝撃波連打だぁ‼︎
正直今イライラしてんだよ!長くても5日だと思ってたから、連れてきたのアリババくん1人だったけど、10日も連続で同じ人と話し続けるなんて俺には無理だよ⁉︎ルフの瞳はあったけど、基本シェーラは働いてるから話せないし、なんかこう、別れの挨拶をした人と話すのって気不味くない?俺は気不味い。だからあんま話せなかったし…要するに暇だったんだよ!ていうか、そんなことはどうでもいい!とりあえず死ねぇ!
…あれ?案外簡単に斬り刻め…なんか再生してるぅ⁉︎
……………あー、たぶんこいつ原作に出てたな。ティトスを見た時みたいな感じがする。見た目的にたぶん敵側だろうな。となると、おそらくアルサーメンと関係ある。で、さっきなにかが集まってくる様に再生してたから、たぶんルフでできてるんじゃないかな?アルサーメンが関わってるルフとなると、まず間違いなく黒いルフだろうな。……あっ、思い出した。黒いジンか、こいつら。それなら、アンドロマリウスだな。アンドロマリウスには黒いルフを白いルフに戻す能力があるし、黒いルフでできたこいつらにはよく効くだろ。
「変革と独善の精霊よ。汝に命ず。我が身に纏え 我が身に宿れ。我が身を大いなる魔神と化せ…
アンドロマリウス!!!」
よし、終わった終わった。途中で黒いジンが追加で来たりもしたけど、特に苦労することもなく倒せた。まぁ、黒いジンを斬りつけて戻すだけだったしね。それくらい朝飯前ですよ。
……あれ?そういえばこれ、ヤバいのでは?マグノシュタットから黒いジンが出てきたってことは、ほぼ確実に
「シェーラ、ファナリス兵団をこっちに寄越してくれない?」
『もう送っているわ』
「え?」
『魔法で見ていたもの。あなたのことだから、どうせ本体を倒しに行くんでしょう?』
「…え?それなら俺、ここにいる必要なかったことない?」
『そんなことないわよ?現にあなたがそこにいなければ、さっきのヤツらに攻め込まれていたじゃない』
「たしかにそうなんだけど、なんかモヤモヤするなぁ…。ハァ、まぁ、行ってくるよ」
『ふふ、頑張ってね』
「あぁ、任せてくれ!」
あっ、ロゥロゥたちが来たな。
「団長!」
「よく来てくれた、お前たち」
「団長に呼ばれれば、何時何処にいたってすぐに駆けつけますよ!それで、俺たちはどうすれば?」
「お前たちには、マグノシュタットからくる敵の対処をしてもらう。ヤツらは、倒したところですぐに再生する。だから、国境にある結界を利用して、ヤツらが入ってこれないように戦ってくれ。4人1組で対処しろ。俺はヤツらの本体を叩きに行く。任せたぞ!」
「了解です!」
よし、行くか!
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第21話
「バルバトスで黒いジンを粉々にして消滅させる〜」ってやつを読んだ記憶がある人は注意してください。
…おかしくない?なんでマグノシュタットに近づけば近づくほど黒いジンが減ってくの?こういうのって、近づくほど増えていくもんじゃないの?レームの近くにいた時は6体出て来たのに、さっきは1体だけだったよ?別に、数が減った分だけ強くなったってわけでもないし。
……あっ、依り代出てきた。なるほどね、あれを守るためにこっちへの攻撃が弱まったってわけか。
…って、ヤベェじゃん!依り代が出てきたってことは、あとちょっとで
やっと着いた!とりあえずは状況把握だ。って、煌の連中いるじゃん。まぁ、戦争してたんだから当たり前っちゃ当たり前か。っと、それは置いといて…
「アリババくん!あれはいったいなんなんだ⁉︎」
「えっ⁉︎ムーさん、なんでここに⁉︎」
「あの黒いヤツがレームに攻撃してきたからだ!それで、あれはいったいなんなんだ⁉︎」
「えーと、とりあえずあれを壊さないと世界がヤバいんです!あの上にいるヤツが降りてきたら、世界が滅んじゃうらしくって!」
「ふむ、あれを壊せばいいんだな!了解した!」
「あっ、えっと、気をつけてください!アイツ、スッゲー硬い防壁を張ってるんすよ!」
「なるほど、ありがとう、アリババくん!」
いやー、知ってること聞くって変な感じするよね。でも、ここで一応聞いとかないと、なんでアイツ知ってんだってなっちゃうからね。理由作りは大切。っと、いけないいけない。煌の連中とも話しとかないと。えーと、煌なら…
「おい!練 紅炎!」
「お前は…ムー・アレキウスか!」
「非常に癪だが、協力してやる!感謝しろ!」
「アイツっ‼︎炎兄に対してあんなっ‼︎」
「感謝はせん!協力するなら、とっととしろ!」
「わかっている!お前の方こそ、ぼさっとしてるんじゃないぞ!」
あぁ言われたし、早速倒していくかなぁ。てかヤベェな。黒いジン、ぱっと見、千体くらいいるじゃん。あー、極大魔法撃ちてぇ…。でもなぁ、それしちゃうと、
…あっ、アラジンいるじゃん。それなら、なんの問題もないな。空を晴れさせれば、太陽の光で魔力回復できるし。
「そこの魔導師っぽい子!あの雲を吹き飛ばすことはできるか?」
「えっ⁉︎僕⁉︎たぶんできると思うけど…」
「なら良い!」
よーし、極大魔法ブッパするぞぉ。ふへへへへ…
「変革と独善の精霊よ。汝が王に力を集わせ、闇を晴らす大いなる閃光をもたらせ!!!
極大魔法『
極大魔法によって現れた小さな太陽の光が黒いジン達を包み込んでいく。光に包み込まれたジンは、だんだんと浄化されていき、白いルフに戻っていく。それは、俺の周辺に留まらず、500メートルくらい離れていた、依り代の周りにいたものにまで及んだ。
ふー、気持ちぃぃぃぃぃぃぃぃぃ‼︎
千体くらいいたのの、8割くらいを浄化できた。いやー、やっぱ気持ち良いね、めっちゃいるのを一気に消し去るの。っと、魔力回復しないと。
「魔導師の少年!雲を吹き飛ばしてくれ!」
「……あっ!はい!わかったよ!」
よし、アラジンが雲を消し飛ばしてくれた。これで1分くらい待てば、もう一回極大魔法を撃てるかな?
よーし、頑張るぞぉ!
そういや、魔装中の格好を言ってなかった。
・バルバトス…原作通り
・マルコシアス…魔装『ブァレフォール』をもっと獣っぽくした感じ
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第22話
すみません、星0評価にテストでの赤点がかさなって、心が死んでました。
よーし、
あっ、アリババくんと紅炎の野郎が同時に極大魔法を撃とうとしてる。えーと、あぁ、魔法って同系統のを同時に使うと強くなるんだっけ。それを極大魔法でやろうとしてるのかな?
おっ、アリババくんが依り代に極大魔法を叩き込んだ。んー、でも防壁の方はビクともしてないな。このままだと、先にアリババくんの魔力が切れそ…あっ、紅炎の極大魔法で出てきた炎の龍が、アリババくんの極大魔法で出てきた巨人の剣と合体した!何あれカッケェ!剣が龍の顔みたいになってる!
…合体技か。ありだな。
あっ!依り代の防壁にヒビが入ってる!良いぞー!頑張れー!
あー、防壁割れずに終わっちゃった…。まぁ、依り代と
…ハッ⁉︎あんだけヒビがはいってるのなら、バルバトスでもう一押しすれば割れるのでは?……よし、やってみるか。
ということで魔装しました。よーし、やってやるぞぉ!
「狩猟と高潔の精霊よ。汝が王に力を集わせ、全てを貫く大いなる衝撃をもたらせ!!!
極大魔法『
かってぇ⁉︎なんつー硬さだよ!例えるなら、コンクリートを素手で殴ってるみたいだ!まぁ、今の俺なら、コンクリートくらい素手でも余裕でぶっ壊せるけど。ていうか、アリババくん、こんな硬いのにヒビ入れたのかよ⁉︎凄いな!俺も負けてられないぜ!ウォォォォォオ‼︎
「ラッシャァァァア‼︎」
割れタァ!ヨッシャァ!これで後は攻めるだ……け……?あれ?なんか、黒いジン達が依り代に集まってる?というか、なんだあの手は?火山の火を消してる?それだけじゃない、さっきまで燃え続けていた極大魔法の炎も消している?どうやって?てか、なんか人型みたいになってるんだけど。まぁ、人型っていっても、クから始まってフで終わりそうな名前の神話に出てきそうなヤツだけど……。第二形態か何かですか?……ん?アイツの手が触れた地面の周りの木が枯れてる?
「あいつを街から離さなきゃ‼︎‼︎」
「どうしたのアラジン⁉︎」
「お願いだ‼︎あいつの手の平に触れられたら…炎でもなんでも木も鳥も、マグノシュタットの街の人たちも…ルフを奪われて死んでしまうんだよ‼︎‼︎」
「なんだって⁉︎それは雲の上のあいつのことじゃなかったのかよ⁉︎」
あっ、そういう…
そうだよね。さっきまで思いっきり繋がってたもんね。そりゃあ、能力とかをコピーできるんなら、コピーするに決まってるよね。
マジかぁ………
ガチで第二形態かよ……
第一形態は防御重視だったから、第二形態は攻撃重視です!とかやめてよ。いや、マジで。俺、攻撃特化か一部のヤツへの特攻系の金属器しか持ってないから、攻撃され始めるとすっごく脆いからね。
ホントやめてよ?
前回に引き続き魔装時の格好(ついでに出てきてないのも一緒にやっちゃお)
・アンドロマリウス…映画『サマーウォーズ』に出てくるラブマシーンの第二形態的なヤツの顔面部分がムーになった感じ。
・ビム…魔装『バアル』と魔装『ベリアル』を足して二で割った感じ。
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第23話
本作の依り代(人型)は、原作のよりも小さくなっています。原作より黒いジンをたくさん倒したり、防壁を割ったりしたからね。
まぁ、何はともあれ戦わないと生き残れないからね。(ルフを奪われて死ぬとか明らかにヤバそうだから)まずは死なないことを念頭において頑張るぞぉ!…それはそれとして、顔がたくさんの触手みたいなのでできてるとか、見れば見るほど○トゥル○神話に出てきそうだな。
よし!じゃあ行く…ちょっ⁉︎お前それはダメじゃない⁉︎たしかに、
あっ、アリババくんが突っ込んだ。って、アリババの方を向いた⁉︎まさかさっきのはブラフ?…なるほど、先程までとは違って、知能があるみたいだな。うん、無闇に突っ込むのはやめよう。
とりあえず、アリババくんには悪いけど観察に徹させてもらうか。相手のことを知らなきゃ対策を立てられないからね。っと、ついでに魔装をアンドロマリウスに変えて
あっ、アリババくんの攻撃が防がれた。え?さっき割ったばっかの防壁また張りやがった?ふざけんな。
って、アリババくんが叩き飛ばされた⁉︎…って、今度は紅炎のやつが突っ込んだか。アイツはこういう時に焦って突っ込むような男じゃないと思うし、何かあるのか?とりあえず、何が起こっても対応できる位置はいるか。
というか、腕の動きが速いな。魔装してるヤツと同じくらいの速度のヤツが大量にあるってかなりキツイな。うん、できるだけ近づかないように戦おう。
あっ、普通に掴まれた。って、腕は切れた?アリババくんの攻撃は防がれたのに?さっきとの違いって何かあるか…?攻撃したところが、手か腕かだけだな…。もしかして、手でしか防壁を張れないのか?…うん、試してみないことにはわからないな。…てか、アイツの手に触れられると、魔装剥がされるのか。ヤバいな。
っと、そろそろ働くか。って、煌の皇女が怒りに任せて攻撃しに行きやがった。あっ、でも攻撃が良い感じに効いてる。んー、やっぱ手でしか防壁を張れないみたいだな。腹には思いっきり攻撃が入ってる。これはもう確定だと考えていいだろうな。まぁ、見てれば誰でもわかるだろうけど。
「手だ‼︎あいつが『防壁』を張るのも ルフを奪う攻撃をするのも手の平だけだ‼︎他の場所を攻撃すれば効いている…。一気に倒す‼︎‼︎みんな力を貸しておくれ‼︎‼︎」
ほら、アラジンもわかってたし、みんなもわかってたでしょ。
「闇雲に動くな。紅明!おまえが指揮をとれ!」
「承知しました 転送します。紅覇、紅玉、白瑛殿、アレキウス殿‼︎」
「「「はい‼︎‼︎」」」
「今回だけだからな!」
ホントに今回だけだよ?緊急事態だから、指揮下に入ってやるだけだからね?へぇ、この光の枠の中に入ると攻撃しやすい位置に転送してくれるのか。っと、いけないいけない。煌のヤツらも戦ってるし、俺も働かないと。
「変革と独善の精霊よ。汝が王に力を集わせ、闇を晴らす大いなる閃光をもたらせ!!!
極大魔法『
なっ⁉︎効いてない⁉︎どうしてだよ⁉︎黒いルフでできてんだろ⁉︎とっとと白いルフに変換され…あっ、まさかアイツ、白いルフに変わった瞬間に吸収して黒いルフに塗り替えてんのか?なにそれ、頭おかしいんじゃないの?
っと、極大魔法がさらに2つ追加で撃たれたな。これなら!
やったk…っとあぶねぇ!フラグを立てるとこだったぜ…
「や…やったかっ…⁉︎」
アリババくぅん⁉︎これは生き残ってますね。間違いない。
「う…海からルフを奪い取って…大きくなってる‼︎‼︎」
「こいつ、でかくなったぞ⁉︎」
「海からルフを奪ったんだ!あいつは、この世界のあらゆるものからルフを奪って強くなれるんだ‼︎」
「そんなのに…勝てるのかよ…⁉︎僕らはもう極大魔法も撃てない…『魔装』も…ギリギリだ…‼︎」
ヤベェな。絶体絶命じゃん。魔装については、まだ余裕があるけど、極大魔法は俺も撃てないよ。どうすれば…
「勝てるはずだ…。『アルマトラン』の時みたいに、今度もきっと…。『アルマトラン』でも同じことが起きたんだ。今の『依り代』とは形が全然違ってたけど…なぜだろう?
とにかくその時はソロモン王と、『ジン』になった72人の『眷属』たちが『依り代』を次々とやっつけたんだ。
だからここにいるみんなが力を合わせれば…きっとまたあいつを倒せるはずさ‼︎‼︎」
そう……だな…。ポジティブに考えよう。なんとかなるさ!
ッ⁉︎アイツ、さらに速くなってやがる⁉︎アラジンとその近くにいた煌のヤツが地面に叩きつけられた⁉︎
ッ⁉︎こっちに来やがったよ⁉︎クッソ⁉︎速ぇ⁉︎迎撃が間に合わねぇ⁉︎全方向から来るんじゃねぇよ!あっ…
痛ってぇぇぇぇ!下半身に触れられたか。神経が直接空気に触れるって痛いっすね。
っと、どうなっ…ヤベェ⁉︎半分以上やられてるじゃん!
あっ、アイツ黒の神を堕とそうとしてやがる。どうにかしないと。ッ⁉︎足が⁉︎クソッ!アリババくん、頼む!止めてくれ!
あぁ、ダメだ、堕とされる…。止められない…。
「「「やめ…やめろぉぉぉぉ‼︎‼︎」」」
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第24話
すみません、作者の技量ではこれが限界です。
「
雷撃ッ⁉︎いったい誰がッ⁉︎
「シンドバッドさん‼︎⁉︎」
本当なのか、アリババくん⁉︎ということは、ヤツの後ろに控えるあの軍勢は七海連合の金属器使い達か‼︎金属器使いは…ふむ、ぱっと見シンドバッドを入れて5人か。眷属もそれぞれ1人づつと。ありがてぇ…
それにしても、カッコいい登場の仕方しやがって。…絶対タイミング計ってただろ。
あっ、眷属達が同化した。俺はもう動けないから、俺の分まで頑張ってね!
「いつまでサボっている、ムー・アレキウス」
「ん?あぁ、練 紅炎か。いやー、どこからどう見ても戦闘不能じゃん?だから、サボってるってわけじゃないんだよ?」
「それなら治してやる。だからとっととお前も戦いに行け」
「あ、マジで?助かる」
「感謝しろ」
「感謝はしないさ。それより、お前だけサボったりするなよ?」
「そんなことするわけないだろう」
うん、紅炎って案外話しやすいわ。
まぁ、足も治してもらったし、働きに行きますか!っと、その前に、アンドロマリウスが効かなかったし、バルバトスに変えてから行くか。
よし、準備完了!じゃあ行くか!
現在は…眷属の人達が頑張ってるみたいだな。ていうかアイツ、球体の時と同じように、体全体を覆うように防壁を張ってやがる。まぁ、球体の時のよりは脆いみたいだけど。眷属の人達の攻撃だけでヒビ入ってるし。
…よし!もう一回割ったろ。あの脆さなら、極大魔法を使わないでも破れそうだし。
ということで、行くぜぇ!
……なんの苦労もなく割れました。
あっ、あれはイグナティウス殿。レームからも援軍を寄越してくれたのか。
「ムー、シェヘラザード様からの伝言だ。『あとは任せた』だそうだ」
「そうですか…。イグナティウス殿、ありがとうございます」
ッ⁉︎
…そうか、シェーラ、それが君の選択なんだね。………泣いたりなんかしないさ。あぁ、泣いてなんかない。だって、それはきっと、シェーラの選択を否定することだから。
一気に決める‼︎
「「「「「「「「極大魔法‼︎」」」」」」」」
その声と共に13個の八芒星が現れる。そこを起点に巨大な八芒星が作り上げられていく。そして、出来上がった八芒星の中央には、シンドバッドが立っていた。
「極大魔法
『
八芒星から巨大な雷撃が放たれる。その威力は、先程シンドバッドが現れた時に放ったものとは比べものにならず、100倍以上の大きさだった。そして、その雷撃が依り代へと襲いかかる。雷撃に触れた瞬間 依り代は粉々になり、あたり一帯の海は蒸発した。
全力で撃ったぞ…。13人の金属器使いが極大魔法を放ったんだ。これで倒せない敵がいてたまるか!それに……シェーラの最期の魔力が届かないなんて許せない。
なっ⁉︎やめろ!再生するな!やめてくれ!シェーラの犠牲を無駄にしないでくれ!頼む!やめろぉぉぉぉお‼︎
………動か……ない?どういうことだ?なんで苦悩しているような姿で止まり続けているんだ?
あっ、なんかアラジン達が話してる。
ふむふむ…なるほど、つまり、あれの核になっているモガメットのルフを、一粒だけ混ざった白いルフが引き止めていて、依り代が弱ってきたことで押しとどめられるようになった、と。それで、今からアラジンがモガメットを引き戻しに行くらしい。
「ソロモンの知恵‼︎‼︎」
前回入れ忘れたヤツ
・プルソン…原作通り。実は原作に出てきてたやつ。原作では、今回の話に出てきたイグナティウスってヤツが魔装してる。レームにいる鼻の長いお爺さん。魔装姿は人魚みたいなの。原作20巻121ページ左上
・ヴァサゴ…原作通り。実はこいつも出てきてる。原作では、エリオハプト王国 国王が魔装する。魔装姿は半分黒で半分白の天使みたいなやつ。原作20巻112ページ1番右
本作では、2人とも他のジンのダンジョンを攻略して、それを魔装をしてる設定です。
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第25話
「ムー団長ー‼︎‼︎団長ーっ‼︎」
「てててて転送魔法陣でっ‼︎本国から…」
「おおお送られてきてっ‼︎」
「お前らには国境付近の守備を任せていたはずだろう?落ち着け、何が送られてきたって?」
ここは覚えている。新しいマギとしてティトスが送られてきた場面だ。…見たくないなんて思う俺がいるなんてな。見ることさえしなければ、もしかしたらシェーラが転生したかもしれないと思えるなんて……。いつからこんな女々しくなったのかな。
…………覚悟、決めなきゃな。
「──────えっ⁉︎」
「ふふっ、これからもよろしくね、ムー」
なんで、なんでなんでなんでなんで…。なんで、シェーラがここに?……もしかして、ティトスじゃなくてシェーラが転生した?マジで?
………なんか、恥ずかしくなってきた。いや、シェーラが生きていてくれるのはすごく嬉しいんだけど、その、さっきまで覚悟だとか泣かないようにしてたのが、なんていうか、その、ちょっと……。
…えっと、まぁ、とりあえず……
「これからも全力で仕えさせていただきます、シェヘラザード様」
「むっ……ムー、レームに帰ったら説教です」
「えっ⁉︎」
「あぁ、後、そこにいるマルガという子はレームで預からせてもらいます」
「えっと…ティトスお兄ちゃん……なの?」
「ティトスの親の様なものです。まぁ、親らしいことをしてあげられていたかはわかりませんが」
「そう…。その、ティトスお兄ちゃんは?」
「その、ティトスは……もう…」
「そっか……そう…なんだ……」
「ごめんなさい…」
───────────────────────
あれから2ヶ月が経った。
その間に、マグノシュタットの扱いについてや、個人的に練 紅炎に会いに行ったりでいろいろとあったりもしたが、最近ではアラジンがアルマトランに関して話す会談についての仕事で忙しい。まぁ、それでも2ヶ月前よりはだいぶ仕事が少なくなってきたのだが。
それで今日は、シェーラに呼び出されている。理由はまだ伝えられていないが、仕事に関してではないらしい。いったいなんなんだ…?
「失礼します、シェヘラザード様」
「どうぞ、ムー」
「それで、今日どうして呼び出したんだ?」
「今日はあなたにお願いがあってね。聞いてくれる、ムー?いえ、ユリウス?」
「ユリウスとして?まぁ、俺にできることならやるが…」
「そう、ありがとうね、ユリウス」
「それで、俺はいったい何をすれば…」
「子どもを作りましょう」
「えっ?………すまない、聞き間違えた様だ。もう一回言ってくれないか?」
「だから、子どもを作りましょうと言っているのよ」
「……………いやいやいや!妊娠中どうするんだよ!シェーラがやらなきゃいけない仕事とかたくさんあるし、1ヶ月後には会談だってあるんだよ⁉︎」
「それなら問題ないわ。分身体を使えばいいもの」
「ッ……たしかに…。というか、なんで急にそんなことを言い出したんだ?」
「私は2ヶ月前に死んで生まれ変わったわ」
「あぁ、そうだな」
「その結果、今の私の体は私の肉と骨から作った分身体じゃなくなった。普通の人と同じ体になったの。それに、レームも安定してきたでしょ?だから、もう我慢しなくてもいっかなって…」
「できた子どもはどうするんだ?対外的には、シェーラは結婚してないことになってるんだ。そのシェーラに子どもができたなんて、周りが黙っちゃいないぞ」
「私の分身体ということにするわ。それなら問題ないでしょ?…さっきからなんで産まない方向に持っていこうとするの?………もしかして……私と子どもを作るの…いや?」
「そんなわけないだろ‼︎ただ、その…覚悟が決まらなかったんだ。でも、もう大丈夫だ。今、覚悟が決まったよ。作ろうか、子ども」
「ええ!」
最後のは許して。こうでもしないと、作者がハッピーエンドだと思う方に持って行けなくて、書けなくなりそうだから…
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第26話
さてさてやってきました会談会場!まぁ、今日は俺たち ファナリス兵団は主役じゃないんだけどね。あくまで主役は煌とシンドリアだから。俺たちは、練 紅炎の個人的な友人として参加するだけだから。だから、同盟関係に問題があったりはしないんだよ。いいね?
えっ?シェーラとの子作りはどうなったんだ、だって?
い、言わせんなよ恥ずかしい。まぁ、一つ言えることがあるとすれば、今日来るシェーラは分身体だってことかな!
あっ、そういえば、会談の会場には金属器を持ってけないらしいんだよね。まぁ、ファナリスの身体能力があれば基本的に大丈夫だとは思うけど、一応金属器になっていない剣を持ってきた。というのも、シンドリアがヤンバラを連れて来るみたいだからね。ヤンバラの気功剣を素手で受けるのは流石にキツイから、隠しておいた前世での最高傑作を持ってきました。そう、前世でのコネをフル活用して素材を用意した人生最後の一本。お値段にすると、小さな国なら一つくらい建てれそうな額になるやつ。そこが欠点判定されたっぽくって、剣自体には欠点がない、シンプルに硬くて鋭いを極めた剣。
いやー、作っておいてよかった。少しでも転生した時の助けになればいいなって思って作ったけど、正解だったね。…まぁ、自分の全てを注ぎ込んだものを作りたいって気持ちが少しはあったりもしたんだけどね。
え?なんでそんなのがあるのに今まで使ってなかったんだ、だって?いや、使ってはいたよ?ただ、生物由来の素材が使ってあるから金属器にならなかっただけで。まぁ、短剣でもない剣を二本も持ってくとか、頭のおかしいやつ認定を受けかねなくって、たまにしか持ち出さなかったってのもあるけど。
ま、まぁ!そんなことはいいんだよ!今重要なのは、アラジンが話すアルマトランについてだから!いやー楽しみだなぁ。どんな話をするんだろう。まぁ、覚えてないだけで、マンガで読んだことはあるんだろうけど。
っと、着いたな。じゃあ、金属器を預けて会場に入るか。
───────────────────────
原作22巻のファナリス兵団が入ってくるところから24巻の最後までほとんど一緒なのでカット。
───────────────────────
ふむ…なかなか面白い話だったな。
ま、まぁ、それは良いんだよ。それで、停戦協定か…。うん、とりあえず相談だな。
「いかがなさいますか、シェヘラザード様」
「そうね…私は「それは名案だ」
シンドバッドか…。あの顔、絶対ヤバいこと考えてるよ。というかアイツなんなんだろうね、ホント。時々、これから起こることを知ってるんじゃないかって行動するからね。お前ホントにこの世界の人間?俺と同じ、転生者だったりしない?
…ほーら、またヤバいことしたぁ。なんでアルサーメンを利用して煌帝国を追い詰めて、戦力を下げつつ内政にまで踏み込むなんて発想が出てくるの?
うわぁ、シンドバッドか練 紅炎、どっちが世界の王としてふさわしいか言い合ってるよ。あっ、アリババくんが紅炎に突っ込んでった。勇気あるなぁ。
……?違う木の匂い?それも、切られてから何年も経ったようなものの?この島には木造の建物はなかったはずだが…。上か……⁉︎
「あれは…煌帝国のマギ⁉︎」
『⁉︎』
「あーあ、バレちまったか。もっと派手に登場して驚かせてやろうと思ってたのに。まぁ、そこそこ驚いてたし、それでよしとするか!久しぶりだなアラジン!えらく退屈な話だったが、やっと俺も仲間に入れてくれるんだろ?面白くなってきそうだなぁ!」
マズイな…。金属器がない状態だと、大規模な魔法を使われると対処しきれない。
幸い、今はアラジン達に興味があるみたいだし、すぐに魔法を撃ってくるってことはないと思うが…。
ん?兵達が入ってきた?……なっ⁉︎練 玉艶が殺された⁉︎………平常心平常心。落ち着いて行動することが大切だ。何やろうが、焦ってたら失敗するぞ。………よし、落ち着いた。とりあえずは、煌帝国の動きを見よう。それからでも遅くない筈だ。
あっ、煌帝国の話が終わりそ…
ッ⁉︎黒い…雷…?眩しッ⁉︎
なんとも…ない……のか?シェーラは…無事そうだな。
「シェヘラザード様、大丈夫ですか?」
「えぇ、問題ないわ、ムー。狙ったのは周りの海だったようだしね」
「しかし、これではこの会談も…」
「そうね。私達も、アラジンに協定参加の意思だけ言って帰りましょう」
「了解です」
白龍が玉艶を殺したと聞いた時、アラジン達は原作以上に混乱してます。白龍が母親憎んでることしらないからね。あと、大聖母がいなかったんで、地味にオルバ達がいなかったり。
3年後までレームの出番ないんだよな…。どうしよう?
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第27話
国際同盟ができて3年が経った。今ではほとんど、というか、現在確認できる国はレーム以外 全て国際同盟に入った。その結果、国際同盟の4つの法律が世界のルールになった。その内容って言うのが、
・奴隷制の廃止
・兵役制の廃止
・国家間の移住の自由
・世界統一貨幣の制定 だった。
これには国際同盟に参加していないレームでも影響を受けざるを得なかった。というのも、兵を減らさなければ「攻めてくるんじゃないか」と、まともに貿易してくれなかったし、奴隷を減らさなければ「奴隷なんてものが未だにいる国が作ったものなど信用できない」と、足元を見られたからだ。だから、まずは兵を減らした。その結果 浮いた軍事費で奴隷を解放した。それを少しづつ繰り返していき、最終的に兵は国の治安を維持するのに必要な分まで減らし、奴隷は全員解放した。まぁ、奴隷を解放したって言っても、ほとんどの人は奴隷の時の職場に再就職したけどな。これも、奴隷の扱いを良くしてくれた、マーデルのおかげだな。あっ、兵士達にはもちろん、新しい就職先を用意しといたよ。
まぁ、奴隷や兵のことを置いといても、他国からはあまりいい風には見られてない。これは、仕方ないことでもある。国際同盟に入っている国は運営負担金を払わなければ貿易できないところを、レームはそれを払わずに貿易をしているんだからな。その代わりと言ってはなんだが、レームは貿易品にはバカ高い関税がかけられてるんだけどな。まぁ、相手が得してる部分だけを見て文句を言うのが人間だからな。『隣の芝生は青く見える』ってヤツだ。
政治的な話はここら辺にしといてプライベートな話に行こうか。
まぁ、やっぱり一番はシェーラとの子どもが生まれたことかな。で、その子のことについてなんだけど、うーん、なんて言うか、ティトスの記憶を持ってるみたいなんだよね。その所為かはわからないけど、成長が速いんだ。今は実際には2歳のはずなのに、見た目的には10歳くらいにしか見えないんだよ。それに、容姿もティトスにそっくりなんだ。だから、初めは別の名前があったんだけど、最近はティトスと呼んでいる。
最近のティトスは、もっぱらレームで保護していたマルガちゃんのところに行っている。最初に再会した時のマルガちゃんの喜びようはすごくって、それまでは なんでティトスの記憶を持ってるのかとか考えてたけど、それだけでもういいかなって。これが知らないヤツの記憶とかなら別だけど、ティトスならよっぽどのことがない限り大丈夫だろうし。
あぁ、でも、2人目は理由がある程度わかるまではやめておこうってことになっている。せめて誰の記憶を持って生まれるのかわからないと怖くて仕方がないからね。これでレームに恨みを持ってるヤツでも生まれてきたらしゃれにならないからね。
他に言わなきゃいけないことは……ないな!この3年、国内では移民問題なんかが起きるわ、国際同盟は入れ入れとうるさいわ。その所為で、ほぼずっと働いてたからなぁ…。まっ、そんな感じで、あんまりプライベートな時間ってのがなかったんだよね。……少しでも問題が減ってくれると嬉しいなぁ。
誰かアリババがシンドバッドと同じ村に同時期に生まれて、一緒に冒険する2次創作を書いて。
え?その時のパルテビアに金髪がいる筈がない?
……頑張れ‼︎
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