D story (Azzoo)
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プロローグ編
第1話「シロの誕生」


どーも。
この話は、タグにもある通り、謎の自己設定が多数存在します。例『フランが敬語』
それをご了承のうえ、読んでいただければ幸いです。
更新ペースは…まぁ、気長に待っていてください。出来上がり次第upするようにはします。はい。


フランドール・スカーレット(以後フラン)は埼玉の山の中、正丸峠の入り口にいた。自分がどこにいるのかはさっぱりわからない。

「・・・?」

「あれ?私…?紅魔館にいて…それで姉さんと話してて…。それで…?」

ふと、目を前にやると、ある1台の車があった。GT-R32.しかもフルチューンの。

「これは・・・?誰の?」

あたりを見回すが、そこには見慣れたアスファルトの道が続くだけで、誰もいない。

さっと、上も見てみる。青い空が、木の合間から見えている。GT-Rに乗ってみることにした。

「だけどいいなかなぁ・・。まぁいいか。私に乗れって言ってるように感じるし。」

エンジンをかける。とても野太い音が車内にわたる。

「いい音だ・・。よるしくね、GT-R。」

フランはとりあえず、正丸峠に行ってみることにした。

正丸峠は、2つのチームがひしめき合っている。チーム永遠亭(以後チーム亭)。チーム白玉楼(チーム楼)。どちらも、幻想郷からやってきた、八意永琳(以後えーりん)、蓬莱山輝夜(以後輝夜)、鈴仙・優曇華院・イナバ(以後鈴仙)、因幡てゐ(以後てゐ)≪以上チーム亭≫≪以降チーム楼≫西行寺幽々子(以後幽々子)、魂魄妖夢(以後みょん)である。

なぜ、この人たちは先に来ていたのか。それはとても単純なものである。

なにも、無縁塚の異変は、紫たちだけが知っていたわけではない。ただ、異変を知って住人がパニックを起こさないよう、隠ぺいしていただけだったのだ。しかし、知らせていたメンツもあった。四季映姫・ヤマザナドゥ(以後えーき)、幽々子の、つまり、幻想郷を上から見守るみぶんである。紫は2人にもし結界が壊れたとき用の、緊急避難場所を用意するように、たのんだ。そしてこの世界を見つけ、数日間管理し、ここが適切だと認識したのである。

つまり、この世界にやってきたのは、幽々子率いる、チーム楼が一番最初であった。

特に気にしていなかったフランはそのまま、移動を続けた。すると、上りの終わりの区間に、大きな建物が。ここが、チーム楼の事務所兼住居(以後事務兼)である。チーム亭の事務兼は、コースの終わりにある。

フランはそこに降りてみることにした。車を降りると、秋の冷たい風が体をつついた。そばには、みょんが立っていた。

み「何やって・・・!?フ、フラン!?なんでここに?」

フ「それはこっちが知りたいわ。」

しばらくの沈黙の後、幽々子がやってきた。

ゆ「あら、フランちゃん。あなたもここに来たのね。」

フ「はい。気が付いたらここにいて・・・。ここいいったいどこなんです?」

ゆ「ここは、埼玉県 飯能市にある、正丸峠。あなた、無一文だったら、しばらくここにすんでも、いいわよ?」

み「いいんですか!?」

ゆ「いいのよ、別に。」

フ「ありがとうございます!」

フランは、お金がないと生きていけないことも、自分には家がないことも、すべてわかっていた。だから、このように即決したのである・・・・・。

 




どうでしたか。はい。かなり自己設定が多いです。(重要なことなので(ry)
次も待っていただければ幸いでござんす。
後、アドバイスもコメント欄に書いていただければよかです。


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第2話「レインボーウイング」

前回、読んでいただいた方、ありがとうございました。
誤字脱字と、謎の自己設定をご了承のうえ、読んでいただければ幸いです。


住み始めてからというもの、フランは幽々子に様々なことを教えてもらった。その中でも、とっておきのものを紹介しよう。といっても、幽々子に教わった最後のことだが。

冒頭で言ったように、正丸では2つのチームが争いあっている。何か月か前、最後の大一番をやろうとえーりんがいってきたのだ。

え「じゃあ、ここの往路を一番速く走り抜けたものがここに残る。それでいいわね?」

ゆ「ええ。」

み「私にやらせてください!幽々子様!」

ゆ「だめよ、みょん。第一、あなたのZだって、まだ仕上がってないのよ?」

み「そっそれは・・・。」

フ「ばとる?」

ゆ「そうよ。ここを誰が一番速く走れるかを競うの。それの大一番。負ければここを潔く出でいかなければいけないのよ。」

フ「そんなぁ!」

ゆ「まぁ、おちついて。まだ負けと決まったわけじゃないのよ?それと、フランちゃんには隣に乗ってもらうわ。」

フ「いいんですか?」

ゆ「ええ。これが最後の私のここの走りになるか、味方としての走りになるか。どちにしても、あなたに教えられるのはこれで最後よ。よく見ておきなさい。」

フ「はい!」

ゆ「それじゃあ、はじめましょうか。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

案の定、結果は見えていた。幽々子が一番最初にやってきたということは、一番正丸峠を攻め込んでいるのも、また幽々子なのである。さらに、バトル内容では、チーム亭側は鈴仙セリカGT-FOUR、チーム楼側は幽々子スズキカプチーノと、コーナリング性能が高いカプチーノのほうが圧倒的に有利なのだ。

セリカを降りて、鈴仙はどこか、悲しげな表情を浮かべていた。

れ「ごめんなさい、師匠。わたし・・・。」

え「いいのよ、ある程度、結果は見えていたわ。だから、てゐと姫には荷物をまとめといてもらったわ。」

れ「私が負けるってわかってたんですか!?」

え「ええ。私は結果がはっきりしないと、むずむずするし、いい峠も見つけてあるわ。ここからそう遠くはないわ。だから安心して。」

鈴仙は言い返そうとしなかった。自分が負けたのは事実だからだ。覆そうとしても、代わるものではない。

いっぽう、チーム楼側。フランは圧巻してまったくなにも考えられなかった。

ゆ「大丈夫?」

フ「え?あ、はい。大丈夫です。」

ゆ「ふふふ。かわいいのね。これで私たちの勝ち。だから、」

フ「だから?」

ゆ「今からフランちゃんには、引っ越しをしてもらうわ。」

フ「え!?え?」

ゆ「あなたも、いつまでも家にいるようじゃ、成長しないから、ここに、(元チーム亭の事務兼)引っ越しして私たちに敵対する勢力となってもらう。そうすれば、もっとあなたのテクニックはすごいことになるわ。」

フ「・・・。わかりました。」

少しさみしい気もしたが、それが事実だ。それから2年間は、フランはたった一人でチーム楼に挑み続けた。

転機が訪れたのは、実に当然であった。住み始めてからというもの、フランは幽々子に様々なことを教えてもらった。その中でも、とっておきのものを紹介しよう。といっても、幽々子に教わった最後のことだが。

冒頭で言ったように、正丸では2つのチームが争いあっている。何か月か前、最後の大一番をやろうとえーりんがいってきたのだ。

え「じゃあ、ここの往路を一番速く走り抜けたものがここに残る。それでいいわね?」

ゆ「ええ。」

み「私にやらせてください!幽々子様!」

ゆ「だめよ、みょん。第一、あなたのZだって、まだ仕上がってないのよ?」

み「そっそれは・・・。」

フ「ばとる?」

ゆ「そうよ。ここを誰が一番速く走れるかを競うの。それの大一番。負ければここを潔く出でいかなければいけないのよ。」

フ「そんなぁ!」

ゆ「まぁ、おちついて。まだ負けと決まったわけじゃないのよ?それと、フランちゃんには隣に乗ってもらうわ。」

フ「いいんですか?」

ゆ「ええ。これが最後の私のここの走りになるか、味方としての走りになるか。どちにしても、あなたに教えられるのはこれで最後よ。よく見ておきなさい。」

フ「はい!」

ゆ「それじゃあ、はじめましょうか。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

案の定、結果は見えていた。幽々子が一番最初にやってきたということは、一番正丸峠を攻め込んでいるのも、また幽々子なのである。さらに、バトル内容では、チーム亭側は鈴仙セリカGT-FOUR、チーム楼側は幽々子スズキカプチーノと、コーナリング性能が高いカプチーノのほうが圧倒的に有利なのだ。

セリカを降りて、鈴仙はどこか、悲しげな表情を浮かべていた。

れ「ごめんなさい、師匠。わたし・・・。」

え「いいのよ、ある程度、結果は見えていたわ。だから、てゐと姫には荷物をまとめといてもらったわ。」

れ「私が負けるってわかってたんですか!?」

え「ええ。私は結果がはっきりしないと、むずむずするし、いい峠も見つけてあるわ。ここからそう遠くはないわ。だから安心して。」

鈴仙は言い返そうとしなかった。自分が負けたのは事実だからだ。覆そうとしても、代わるものではない。

いっぽう、チーム楼側。フランは圧巻してまったくなにも考えられなかった。

ゆ「大丈夫?」

フ「え?あ、はい。大丈夫です。」

ゆ「ふふふ。かわいいのね。これで私たちの勝ち。だから、」

フ「だから?」

ゆ「今からフランちゃんには、引っ越しをしてもらうわ。」

フ「え!?え?」

ゆ「あなたも、いつまでも家にいるようじゃ、成長しないから、ここに、(元チーム亭の事務兼)引っ越しして私たちに敵対する勢力となってもらう。そうすれば、もっとあなたのテクニックはすごいことになるわ。」

フ「・・・。わかりました。」

少しさみしい気もしたが、それが事実だ。それから2年間は、フランはたった一人でチーム楼に挑み続けた。

転機が訪れたのは、実に当然であった。それはフランが500年余り生きてきた中で、一番の天気であった…。 

 




今回、気づいた方もいるでしょうが、バトルシーンが大胆カットされております。これは、僕の表現力が足りないと判断したからです。
プロローグ編ですが、かなり続く予定です。それをご承知のうえ、次回も読んでいただければ幸いです。
評価、コメントお待ちしております。


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第3話「相棒」

どーもです。はい。
今回も、自己設定があります。今回はかなり強烈なので、注意してください。
書き忘れ↓
この作品は二次創作です。そういった表現がアレな方は戻ることを推奨いたします。

ちゃんと読んでね?

前回読んだ方々と、今回から読む方々も、これらを承知の上読んでいただけれると幸いです。


「これから、Dワールドという世界に行く。そして、散らばったみんなを取り戻す。それが、この世界の私の役目。」

レミが悟ったのは、目の前に光が入った瞬間であった。そして、光の中である能力にめざめる。

『未来を見通す能力』・・・まるで今そこにあるかのように、未来が見える。だが、それを変えることはできない。ただ、見えるだけ。見通すことさえも、世界に入ってしまえば、衰えていくだろう。

目が覚めると、見知らぬ町の、歩道の上だった。(とにかく、まずはお金を稼いで車を買う。集めるのは、そのあとだ!)

レミはアルバイトに没頭した。店員、ウエイター、工事のバイト、稼げるならなんでもやった。2年かかって、やっと1台の車にありつけた。中古のS2000。色はイエロー。宇都宮 50 れ 93-911 (やっと・・・。ありつけた。よし、次は相手を負かすほどのスピード、テクニック。)

れ「時間はかかるけど、やれるだけやってみよう!」

そういいながら、街を走っていると、ある文字が書かれていた。そこは、『東堂塾』だった。

「東堂塾って・・・プロDと戦った、あの・・・?」

思い切ってレミはその門をたたいてみた。塾生は少々戸惑いながらも、歓迎してくれた。それから、レミの塾生生活が始まった。昼はバイトで金稼ぎ、夜は塩那峠でテクニック稼ぎ。それが1日だった。

転機が訪れたのは、入門して、9か月が経過していた。

東「こいつが新しい塾生、秋静葉君だ。ロードスターに乗っている。」

塾内がざわめく。「またも女か。」というものもいれば、「どんなものか試してみたいなぁ」というものもいる。

静「悪いですけど、私は手加減できないんで。よろ。」

レ「静葉って・・・・?え?」

静葉が去る際、レミにこっそりこう言った。

静「後で会議室に来て。」

~その日の夕方~

静「あなた、レミリアね?」

レ「えっええ。それが?」

静「よかったー!あんたを探してたのよ!」

レ「もしかして、あなたも幻想郷のメンバーを集めにここに!?」

静「ええ!これからは2人で!」

レ「ええ!」

そして、それからまた時が過ぎて、数か月・・・。塾生生活に終わりが来る・・・

と「突然だが、君たちには交流戦をやってもらう。・・・・塾内でな。対決するメンバーを発表する。」

レ「(ゴクリ・・・。)」

静「(ゴクリ・・・。)」

と「まずはヒルクライム。酒井とレミ。」

酒井「はい。」

レ「はい。」

と「続いて、ダウンヒル。二宮と静葉。」

二宮「はい!」

静「はい。」

と「なお、対戦開始は今日の午後23:00から、明日の午前2:00までだ。なお、さっき言った4人は、今日の21:30から、一切のセッティングを禁止する。」

4人「はい。」

と「では、解散。」

レミと静葉は解散後、東堂のところに行って、こう言った。

レ&静「あの。東堂さん。この交流戦が終わったら、そのぉ・・。」

と「この塾を辞める。だろ?別にかまわんさ。あんたらがどこに行こうと、俺が縛る権利なんてないんだからな。」

~八方ヶ原 22:50~

二宮「よろしく。」

静葉「よろしく。」

まずはダウンヒル。そしてヒルクライムだ・・。

この後、レミと静葉は東堂塾を脱退し、一路いろは坂に入ったのであった・・・・・。

 




どうでしたか。
今回はかなり長くしました。なんで?
知 り ま せ ん わ か り ま せ ん
あ、ちなみに僕は蛮奇ちゃん大好きです。
 ネタばっかりじゃないんです。やればできる子なんです。あの子。
次回を待ってくれる人がいたら、うれしいです。
コメント、アドバイス待ってます。←重要


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第4話「ロータリー」

どーも。
いつも通り、いつも通り。
この作品は2次創作です。そして自己設定が含まれます。
以上をご了承のうえ、読んでください。
スーパー受験って疲れる。



咲夜が目覚めると、碓氷峠のC-121峠の、ギャラリーコーナーのところにいた。そばにプレハブ的な何かが建っていて、そばにはFC3Sが。

「誰のでしょうか…。」

いきなり、エンジンがかかり、大きな音に、咲夜はビビった。

「うわ!なに!?なにがおこった!?」

あたりを見回す。もちろん誰もいない。

「乗れ?乗れって言ってるのね?」

FCはそう答えなかったが、そう言ってる間隔がした。むろんキーは刺さっている。

「・・・。まっまぁ、そんなにゆうなら、乗ってみますか。」

ゆっくりとアクセルを入れる。とても独特なロータリーサウンドが車内に響く。

「すごい。この独特な音。私、これ好きかも…。じゃあこの音をもっと響かせるため、そしてあなたと出会った祝いをするため。」

「私、プロになるよ!」

「・・・・・・・・・・。」

咲夜は、答えないFCに話かけつづけた。苦しい時も、だ。

よって1年後、咲夜は国内A級ライセンスを取得することができた。≪ツカイミチハキマッテナイケドネ≫

戻ったときに、あることを思い付いた。

「このライセンスを使って、ショップでも開こう!」

ショップ。といってもいろいろあるが、咲夜は『自分と受講者が、ともに成長するようなショップ』を目指し、精進した。拠点は自分が一番初めに出会った、大きなプレハブ的な何か。

ショップを開いたのはいいが、なかなか人が集まらなかった。だが数日後、ショップにある人物が訪れる。それは以外にも、幻想郷の住人であった。リグルだった。

リ「あのー。」

咲「いらっしゃい。あなた、車は?」

リ「はい。外に置いてあります。」

リグルに案内された。彼女の愛車は、アルテッツァだった。出会いを聞くと、目覚めたすぐそこで車が捨てられる瞬間を見たのである。そして、かわいそうになって持ってきたという。

咲「んで、持ってきちゃってよかったの?」

リ「はい。なんかかわいそうだったので。」

咲「そんなんで車が手に入ったら、この世界で苦労しないわよ。」

咲夜は一瞬、嫌な顔をした。

リ「そんなことより、やるんですよね?入団テスト。」

咲「・・・・・・。わかったわ。だめだったら、容赦なくはじかせてもらうわ。」

リ「承知のうえです。」

咲夜は、そうでなくてもはじくつもりであった。(こんなやつに、車の運転ができるわけない。)と。

しかし、その常識は覆される。咲夜はテストの際、放った言葉がただ一つある。

「あんた、ほんとに初心者なの!?」

リグルの車を降りた、咲夜は思わず放心してしまった。

リ「だっ、大丈夫ですか?」

咲「ええ、大丈夫よ。すごかったわ。もちろん入団テストは合格よ。」

リ「はい!これからよろしくお願いします!」

それからしばらくは、ショップとしては活動できていた。

しかし、悲劇の始まりは、突然にやってくる。それは、『ムーンライトデビル』。そう、

レミリアの群馬進出であった・・・・・・・・。

プロローグ編FINAL 咲夜編に続く。

 




どうでしたか。
プロローグ編 FANAL とか書いてありますが、まとめて出すつもりです。
うp主は受験生。
コメント待ってます。


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第5話「??とFD」

どーも。
この作品は2次創作で、自己設定が含まれます。
あと、今回はあのお方のクロスーオーバー的です。許可は一応とってありますし、この話についての過去話(?)も、あとでうpする予定です。(少なくとも、プロローグが終わるまでには)
怒らないで見てください。
以上のことを承知の上で読んでいただければ幸いです。
まじでとってあるからね?許可。


魔理沙は、特に何も感じてはいなかった。無縁塚の異変を聞いた時も、だ。とにかく落ち着きを払い、誰にもばれないようにした。しかしそれはただの自己満足でしかなかった。

目覚めると、ある建物が見えた。赤城峠にある観光案内所だ。

魔「・・・・。とにかく、情報を聞き出さないとな。」

売店に向かって動き出そうとした瞬間、耳の奥で、なにか言葉が聞こえた。

魔「?」

???「・・・・めだ・・ぬす・・・だ・・・」

魔「なんだぜ?まぁいいか。」

???「う・・・・して・・・」

とりあえず、売店に入って現在位置だけ聞いてみた。

ここは、群馬県、前橋市富士見町にある、赤城峠だ。

魔「ここにあるFDは、誰のなんだ?まぁ、誰のでもいいけどな。んじゃ、死ぬまで借りてくとすっか。」

???「・・・・・よ・く・・ね」

魔「いい加減聞くが、おまえは誰なんだ?」

???「わ・・・ハ・・・こ・・F・・・に・・・つ・・・幽・・・・」

魔「!?幽霊?」

???「・・・・・・。」

魔「まぁいいか。」

???「よ・・・・し・・・ね。」

魔「ああ。」

魔理沙は赤城を下った。下る間、1台ともすれ違わなかった。こんな真昼間なのに、だ。

何も思わなかった魔理沙を、包んでいるこのFDには、とんでもない秘密があったのだ・・・・・。

魔理沙のFDについては、後日話すことにしよう。

魔「まずは、宿探しだ。それも、なるべく長く泊めてもらえるようにしないと。」

???「そ・・・だ・・・。」

魔理沙は、いいところを見つけた。看板に、『走りや御用達の宿発見!』と書いてあったのだ。その看板は、ある走り屋チームとの出会いでもあり、黒歴史の始まりでもあった。

魔「ちわ~・・・?」

レッドサンズメンバー1(以後RS1・2・3)「おっ?初心者か?」

RS2「初心者が来るとこじゃないんだけどな~。まぁ、好きにしろよ、どうせ表の看板を見てきたんだろ?」

魔「ああ、そうだが何か?」

RS2「・・・・。おまえ、車は?」

魔「FDだぜ。」

RS2「じゃあ、一度啓介さんに会ってみることだな。あの人はプロになってるけど、今はこっちにいるからな。」

魔「啓介?」

???「た・・・プロ・・・・D・・・ヒル・・・関・・・・名を・・・・おと・・・・よ。」

魔「プロDか。それなら私も聞いたことがある。」

魔「そいつにはいつ会えるんだ?」

RS3「そうだな、今日の22時にぐらいにでも、呼んでみるか。」

RS4「んで、初心者が何でここにいるんだ?ここら辺のやつらなら、ここがレッドサンズの寮であることぐらい知ってるはずだが。」

魔「ああ、それならな、私はこの世界に来たばかりなんだ。・・・・・・・・。幻想郷からな。」

RS5「ああ、それなら聞いたことあるぜ、たしかネットの中の世界だとか。」

魔「・・・・・・。だからなんだ。」

RS5「・・・。」

RS4「そういうことなら、話は早い。どうだ?俺と1戦やらないか?」

魔「ああ、よろこんでやらせてもらうぜ。」

RS4の搭乗車は、FDⅥ型だった。かなりいい勝負になるかと思いきや、決着はあっさりとつく。魔理沙の圧勝だった。

RS4「まじかよ・・・・。こんなにおまえって速かったのかよ…。とりあえず、名前を聞こうか。」

魔「霧雨魔理沙。みんな知ってると思うが、普通の魔法使いだ!≪使う場ないけどな。」

 




どうでしたか。
あのお方って言ってる時点で、8割方わかっちゃってますよね。
まぁ、いいです。
次回も読んでいただければ幸いです。
そうだ、2話連続投稿だった。次話もぜひ。
では。


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第6話「赤城の魔法使い」

どーも。
荒らしの方はおことわりです。
今回もあれです。リスペクト作品です。許可は取ってあります。←超重要
この作品は2次創作で、自己設定が含まれます。
以上をご承知のうえ、読んでいただければ幸いです。
RS=レッドサンズなので。よろ。


~その夜 赤城山 22;00~

啓介「あんたか、最近うちのチームに入りたいって言ってるやつは。」

魔「ああ、そうだぜ。」

啓介「・・・。いい感じだ。おまえなら、バトルしなくてもわかる。なんというか、兄貴から聞いた、昔の俺によく似てる。さいしょからそんなオーラを出してれば、うちのチームに入っても問題ないだろう。」

魔「それで?バトルはやんのか?」

啓介「ああ、むろんやらせてもらうぜ。俺の趣味の領域になっちまうけどな。」

~そしてバトルは始まった。誰もが予想していた啓介の勝利が覆された。~

啓介「速いな・・。予想はしていたが。」

魔「だろ?」

こうして、魔理沙のRS生活が始まった。

そして、RSに所属して2年後。思わぬ客が現れる。(RSメンバーには、魔理沙はマリと呼ばれている。)

RS2「マリ。おまえに手紙だ。なんか、おまえに親しい住人とか書いてあるが、ほんとか?」

魔「まぁ、読んでみないことにはわかんないさ。どれどれ~?」

???「・・・・?・!?・・は・・・・!」

魔「おまえにもわかるか。これは親しいなんてもんじゃねぇ。私の師匠からだ。」

RS2「は!?おまえに師匠いんのか!?んで、なんて書いてあるんだ?」

魔「・・・・。『魔理沙へ。RSにいてはいけない。おまえは、もっと違うチームにいるべきだ。3か月以内に、RSを出なさい。それでもいる場合は、私が直接行く。』だって。」

RS2「・・・・。そうか。出るのか?おまえ。」

魔「出るわけないだろ?言っとくが、ここは私の住居みたいなもんでだぜ?そう簡単に立ち退くかよ。」

RS2「・・・。そうだな。」

むろん、魔理沙は3か月間、RSを出ることはなかった。そして、手紙が送られてきた日からちょうど3か月後・・・・。

魅魔「ほんとに出ないとは、馬鹿な奴め。」

魔「なぜだぜ師匠?私がここにいちゃいけない理由でもあんのか?」

魅「・・・・。走っているうちに教えてやるよ。」

バトル中、魔理沙は魅魔に、こう教えられた。

~おまえはRSにいるうちは絶対に成長しない。どれだけ時を重ねようが、しょせん無駄だ。成長したかったら、チームでなく、フリー。そう『ワンダラー』として活動しろ。~と。

魔理沙は負けた。初めての敗北だった。そして、自分がいかに車に乗せられているか分かった。そして、魔理沙は泣いた。魅魔が窓越しにこう語った。

魅「強くなりたかったら、車を知るんだな。後、いろんな峠を回ってみること。よかったら、八方ヶ原に来ないか?」

魔「・・・・・。遠慮しときます…。師匠。」

魅「そうか。気が向いたら来い。じゃあな。」

そう言い残して、魅魔は去った。その後、魔理沙はRSを引退して、ワンダラー『FDの魔女』として活動した。RS後の活動もあってか、その名はすぐに広まった。

魔「RSのときバイトしといてよかったぜ。だいぶ金がたまってる。これでアパートが買えるな。」

???「で・・・・・しょ・・・?」

魔「おまえのしゃべり方もだいぶ聞こえるようになってきたぜ。あんとき言ってくれてあんがとな。」

???「お・・・・うよ・・・・。」

魔「んで、どこを借りようか…?」

今度は看板に惑わされず、ごく普通のアパートを借りた。

そして、1年後・・・・。彼女は引っ越してきたという、霊夢の知らせを受け、霊夢のもとへ向かったのであった。

プロローグ 霊夢編へ続く

 




どうでしたか。あの人の作品をみて、この作品を書こうと思いました。今では『師匠』と呼んでおります。あの人はもう、神です。
次回も読んでいただければ幸いです。では。
ほんとに許可取ったよ?あの人、「自分のネタならいくらでもどうぞ~」って言ってたし。
限度があるという人は、コメください。もう、荒れてもいいや。今日のニコ生で、ホンマに許可とるわ。


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第7話「私は霊夢。」

どーも。
前回、うpして、情報欄見てびっくりしました!ありがとうございます!
あと、お気に入り登録してくださった方も、ありがとうございます!感謝です!
(ゲフン
この作品は2次創作で、自己設定が含まれます。
以上を承知のうえ、読んでいただければ幸いです。
・・・。なんでだろう、なんか嫌な予感が。まぁいいべ。
ハクさんパワーパネェ。


私は、失敗を犯した。そのせいで、幻想郷のみんなには、迷惑をかけた。でも、なんだろう・・・。私が見たようには穴があって、それがだんだんと大きくなってきたように見えた・・・。まぁ、細かいことを気にしていたら負けだ。今は、目の前のことをかたずけないと…。

みると、眼下には町が広まっていた。むろん、見たことなどない。後ろを見ると、見覚えのあるような、ないような、そんな人が私を見つめていた。

霊夢「誰?」

千代「あ?(怒)誰ってあんた、私はあんたのおかーさんよ。」

霊「はい?」

千「・・・。まぁいっか。」

霊「いっか。じゃあ、聞くけど。ここどこ?」

千「そんなの知らないわよ。」

霊「・・・・。」

その後1か月ぐらいは、ほんと、何でこんな奴と一緒に暮らしてるんだろうと、何回思ったことか。でも、慣れというか、だんだん慣れてきた。しかも、この女、私にやたら指示してくるけど、それが速くなるためのことだってことも、わかった。守れば必ず速くなる。そして、この人が『本当に母』だってことも、紫が言ってた、『先代』だってことも、だ。

千「あんたは。またぼーっとしてる。まぁ、そんなもんかな。」

霊「なによ、そんなもんて。」

千「そうそう、ここについての情報がわかったのよ。」

霊「ほう、んでここはどこなの?」

千「神奈川県 小田原市にある、ターンパイクの一角らしいわ。」

霊「ふぅ~ん。」

ちなみに、私と千代の所持している車だが、むろんそこらへんに置いてあったものを麓の修理ショップにオーバーホールしてもらったものを使っている。私はロードスター(NA)、千代はシビック(EG6)だ。

突然、言い渡された。

「すみませんが、ここから移転していただけませんか?」

その後、私たちは、群馬県の安中榛名市にある、秋名峠の中腹の、博麗神社(仮)に引っ越しした。博麗神社と書いてある割には、かなり閑散としていた。引っ越しのかたずけが終わった時、魔理沙が来た。気が付くと、千代がいなくなっていた。

霊「・・・・?あれ?母さんは?」

魔「ん?おまえに母さんなんていたか?」

霊「いるわよ、あんたに親父さんがいるようにね。んで、1日前ぐらいまでいっしょだったんだけど・・。」

魔「1日ってお前・・(笑)ずいぶん前だな…(笑)」

霊「・・・・・。(汗)」

魔「んで?どうする?よければ案内するが?」

霊「ええ。たのむわ。」

その後1日、魔理沙に案内してもらい、群馬観光をした。

そして、魔理沙の誘いによって私は秋名峠を攻め始めた。毎日走るわけではなかったが、秋名を攻めに行くたびに、すごいギャラリーがわくまでになっていた。

・・・・。

この後は特に変わったことはなかった。・・・2年間は。

レミリアが進行してきたんだ・・・。

レ「霊夢。お願いがあるの。」

「私とバトルして、TRRDのメンバーになってくれない?」

 




どうでしたか。
千代についてわかんない人は、『東方 先代』で検索してください。
次回も読んでいただければ幸いです。では。
・・・。うん。なんとなくだけど、『あの人』の作品がほんとは元ネタだから。名前が出てくるのはしょうがないからね。


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GodWings誕生編
第8話「いろはのコンビ」


どーも。
今回も2次創作と自己設定が含まれております。
以上を承知の上、読んでください。
先代録見ました。やばい、超かっこいい。


いろは坂では、さまざまな出会いの連続であった。研究所の所長になっていた豊聡耳神子(以後太子)・静葉の妹、秋穣子(以後穣子)・研究所の受付、ミスティア・ローレライ。

(なぜ研究所にはいることになったのかは、考えてない(キラッ☆)

研究所に入ってから、何か月か経った後~そして時は動き出す~

太子のある言動から始まる。

 

レ(プロジェクトD かぁ~。)

 

太「いまからあなたの考えてること、当ててみましょうか~?」

 

レ「(゜Д゜)<なんですか!いきなり!?」

 

太「『プロDみたいなチームを作ってみたい。』でしょ?」

 

レ「・・・・・え?あってる…。」

 

太「ふふふ。プロDの功績表見てるんだもの。そりゃ、そう考えるでしょ。」

 

レ「ま、まぁそうですよね…。」

 

太「そんなあなたにプレゼントがあるから、ちょぉっとあとで来てくれる?」

 

レ「あ、はい。」

 

~PM22:00 所長室~

レ「なにがあるんです?」

 

太「今日の夕方のこと、覚えてるわよね?」

 

レ「はい。」

 

太「あなたにぴったりな計画があるの。ほら。」

 

レ「・・・・。はい!?」

 

そこにはこう書かれていた。

 

『計画 レミリア用 TRRD(チームレミリアレーシングドライバ-ズ)として、メンバーを収集後、チーム名をGod Wings(通称 GW)に変更。もともと幻想郷にいたメンバーを特定後、所定位置を我研究所に報告する。 各キャラが所属していると思われるもの→(以下略)』

レミは見せられた瞬間、戸惑った。これは自分が見てもいいものなのか、と。しかし太子は、レミがそれを言う前にこう言った。

太「これを見たからには、これ通りにやってもらうわ。」

 

レ「これ通りに・・・ですか。」

 

太「ええ。そのためにあなたの車をちょっとばかしいじらせt」

 

レ「エエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!!」

 

太「しょうがないじゃない。あなたもそう思ったんでしょ?『チームを作りたい』と。」

 

レ「え、ええ。そ、そ、そ、そうですね。」

 

太「そんなにショックだった?」

 

レ「もちろん。」

 

太「素直でよろしい。じゃあ、それ通りにやってね?」

 

レ「はい。」

 

レミは、ふと渡された紙の下のほうに目をやる。小さな文字で書かれていた。

『チームメンバー候補 須藤京一(栃木) 小柏カイ(栃木) 秋静葉(栃木) フランドール・スカーレット(埼玉) 十六夜咲夜(群馬) 霧雨魔理沙(群馬) 博麗霊夢(神奈川)』

レ(これを一つずつ回れってことか。骨が折れるなぁ、まったく。とりあえず、京一とカイは除外して、静葉。か。

~23:00 第2いろは坂スタート地点~

静「で?なによ、話って?」

 

レ「うん。実はチームを作ろうと思って。それで、あなたを誘おうと思ってね。」

 

静「いいわ。その話、乗ってあげる。だけど条件があるわ。」

 

レ(ゴクリ

 

静「私に2連勝しなさい。できなければ、チームには入らないわ。」

 

レ「・・・。わかった。」

 

静「じゃあ、始めましょうか。悪いけど、タイヤの交換はだめだから。」

 

レ「承知のうえよ。」

 

静葉は今まで見せたこともないような威圧をしながら、走った。残念ながら、レミはその威圧に耐えられず、2連敗をしてしまった。

 




どうでしたか。
霊夢のとこが(神奈川)になっているのは仕様です。
もうこれ小説じゃないね、原稿っぽいね。鍵かっこの前に名前ついてるし。
というか、もう原稿だよね?これ。
(ゲフン
次回も読んでいただければ幸いです。
↑x2,3なんでそう感じたかって?先代録見てみればわかるよ。字の数が半端じゃないもん。


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第9話「Godへの道」

どーも。
あれは伝説?(っあ、なんでもないです。
この作品は2次創作で、自己設定が含まれます。
誤字脱字には目をつぶってください。
以上のことを承知のうえ、読んでください。
前回、セリフのとこで行間あけたのきずきました?


レミはさほど落ち込んではいなかった。なぜかというと、チームメンバーは静葉がすべてではない。そのほかにもいるのだ。そう、心の中で言い続けた。

静葉に負けた次の日、レミリアは自分の巣を捨て、チームメンバーのスカウトへと旅立っていった。この日、最速といわれた(静葉×レミリア)のコンビは解散したのである。

ところ変わって、ここは正丸峠。フランの通り名である『レインボーロード』のもとに、ある噂が流れる。「ムーンライトデビルがやってくる。」フランはこれを聞いただけで、それがレミリアのことだと分かった。

 

フ「姉さんが・・。(なぜ・・・?・・・!まさか!とりかえしにくるたか!?)

 

フランはその日から、何かに取りつかれたように走りこんだ。寝る間も惜しんで走り続けた。そして・・・。

レ「やってきたわ。フラン。」

 

フ「『やってきたわ』じゃねーよ。なにしにきた?私に何をする気だ?」

 

レ「あなたをスカウトしに来たのよ。」

 

フ「スカウ・・・ト・・?」

 

レ「ええそうよ。私が作ったチームに参加してもらおうと思って。」

 

フ「そういうことなら、こうしよう。あんたが私に勝ったら、入ってやってもいい。」

 

レ「そういうと思ったわ。そっそくやりましょうか。」

 

 バトル中、レミリアはフランからあるものを必死に感じとろうとしていた。

その正体は、『神域』である。これは、選ばれた者にしか出ないもので、その効果は『バトル中にこれを出すことによって、自分に有利な展開になる』というものである。選ばれしものにはそのオーラが少しずつ出始めるというのをレミリアは知っていたのだ。

~そしてバトル後~

フ「ふぅ~。負けたぁ~。」

 

レ(さすがに向こうの地元ね。簡単にはいかなかったが、とりあえず勝ったし、いいか。)

 

フ「約束通り、姉さんについていくよ。よろしく。」

 

レ「ええ。よろしく。」

 

レ「次は・・・咲夜か。ここ3年以上ほったらかしにしたまんまだからね。また従ってもらうわ。咲夜。」

 

そう呟きながら、レミは関越道を碓井方面に進んでいた。

・・・碓氷峠 C-121プレハブ前 24:00・・・

咲「あら、お嬢様。どうさrハッ…!」

 

レ「私のほうから、通達は行ってるはずよ。まさか、『ない』なんてことは・」

 

咲「そ、そんなことあるわけないじゃないですか。ほら。」

 

レ「あ、あるのね。で?何を察したのよ。」

 

咲「察したというわけじゃないんですが…。それが、私にも心の準備というものが・・」

 

リ「咲夜さーん!ちょっと来てk・・・。あれ?d(ヒデブ!)

 

レ「あなたのショップの唯一のメンバー。リグル。こいつを倒したら、私のチームに入る。それでいいかしら?」

 

咲「いえ、ここは私と勝負してください。もし私が勝ったとしてもお嬢様のチームには入るつもりです。リグル!」

 

リ「はい!」

 

咲「あなたには一つ。やってもらうことがあるわ。」

 

リ「やってもらうこと…ですか。」

 

咲「あなたには、関東の峠を回ってもらう。群馬、栃木、埼玉、神奈川。全部回ってもらうわ。」

 

リ「はい。」

 

咲「これで準備は整った。始めましょう。」

 

レ「ええ。」

 

・・・・・・・・(安定のバトルカット)・・・・・・・・

レ「やっぱり速いわね。でも、あなたが言うなら、チームに入れるわ。よろしく。『市ルーバーインパクト』

 

咲「こちらこそ。『ムーンライトデビル』。

 

その後、レミは群馬の中心地、赤城と秋名に行き、霊夢と魔理沙にそれぞれ声をかけた。

「私のチーム、TRRDに入らない?」

 




どうでしたか。
設定:フランは、自らの身に危機を感じると性格が変わり、温厚な性格から、攻撃的な性格に代わる。危機が去るまで周りの人とは、一切口を利かない。
うん。いいよね?二次創作ではだいたいこんなもんだし。(まぁ、いいか。
次回も読んでいただければ幸いです。
次回は何年か後の話ですが、プロローグです。
後、更新ペースが下がり、本当に出来上がり次第上げる形となります。
気長に待っててください。失踪なんてしないからね?
―――やっぱり、1日ペースで・・・無理か。ごめん何でもない。―――


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第10話「R's Driver」

どーも。
この作品は、2次創作で自己設定があります。
そして、今回が初めての方。第1話から見ることをお勧めします。
あと、今回はバトルパートじゃないです。すまぬ。
以上のことをご了承のうえ、読んでください。
新しいPS3が来ました。
―――今、僕がニートだと思ってる方。いる?
い な い よ ね ?(威圧


・・・2年後。TRRDは、事務所を群馬県内に持ち、『幻想レーシング』と偽名を使って、自動車の修理や、走り屋たちの見学に行っていた。それは言わずもがな資金調達に過ぎない。資金が十分に達した現在。

――――――――止まっていた時が動き出す―――――――――

魔理沙は、工場の前の自分のFDの前で、呆然と立ち尽くしていた。

魔(ここ2年、変化はなかったが、なんかこう、胸がざわざわする――なぜだろう。絶対に変わりはしないという自分の殻を、今にも破り障りたい気分だ。)

 

フ「どうしたの?魔理沙。FDの前で立ち尽くしちゃって。もしかして、エンジンのこと、なんか考えてたの?」

 

魔「え?あ、いや、なんか、変な気分だと思ってな。それより、大丈夫なのか?お客の車直すんだろ?」

 

フ「休憩時間だよ。」

 

魔「お、そうか。」

 

フ「にしても、変じゃない?この車。魔理沙は拾ってきたっていうけど、絶対なんかあるって。」

 

魔「なんかって・・・。(汗)まぁ、あるのは確かだな。私が出かけようと思ったら、勝手にエンジンはつくし、な。」

 

フ「ちょっと、エンジンもっかい見てもいい?」

 

魔「・・・。まぁいいぜ。せいぜい、時間に遅れないようにしろよ。私はちょっと寝る。」

 

フ「寝るって・・・。まぁいいけど。どうせ今日も遠征でしょ?」

 

魔「たぶんな~~。(去り際に)」

 

――――――社長室――――

咲「失礼します、お嬢様。」

 

レ「あ、来たわね。咲夜。あなたに一つ断っておきたいことがあるの。」

 

咲「断っておきたいこと・・・ですか?」

 

レ「ええ。あなたは今、ロータリー関連の車を修理し、遠征時には魔理沙のFDのメカニックをしている。」

 

咲「そうですが。」

 

レ「その、メカニックとして、私の考える新チームに参加してほしいの。」

 

咲「新――チーム?」

 

レ「そうよ。今まで『TRRD』メンバーとして、あなたを去ったのはわかるわよね?その誘ったメンバーは新チーム。『God Wings』にそのまま受け継ぐわ。」

 

咲「新しいチーム・・・ですか。」

 

レ「ええ、新しいチームよ。」

 

咲「古いほうはどうされるんですか?」

 

レ「むろん、廃止よ。――――そろそろ来るころね。」

 

――――――――――来た。

 

霊「おっようございまぁぁぁぁす!」

 

レ「さすが霊夢ねぇ~。今、ちょうど9:30なんだけど。」

 

霊「ぎりぎり間に合ってるじゃない。」

 

レ「ぎりぎり間に合ってないわよ。ここの始業時間が9;00で、あなたに許したのは始業から30分『以内』のはずよ。」

 

霊「あるぇ~?おっかしいなぁ~?」

 

レ「・・・。まぁいいわ。あ、そうそう。」

 

霊「何?」

 

レ「あなたにちょっと、頼みたいことがあるの。――その、――――私とバトルしてほしいのよ。私の地元で――ね。」

 

霊「あんたの地元ってたしか、栃木の――いろはだったわね。」

 

レ「そうよ。あなたとは、一度立ち会ってみたかったし。チームに入るときに、あなたと魔理沙は試験を受けたもらわなかったし。」

 

霊「じゃあ、なんでこの場にいることができるのよ。」

 

レ「勘よ。」

 

霊「勘!?」

 

レ「私にはわかるの。あなたと魔理沙からはものすごいオーラが出てるの。」

 

咲(ルナティック出ていきてぇ~~~!)

 

レ「じゃあ、明日の午後22:00。第2いろは坂の終点で待ってるわ。――後、魔理沙とフランもきちんと連れてきてね?咲夜。」

 

咲「え?え?あ、はい。」

 

レ「それと―――――。ちょっときて、場所を変えるわ。あ、霊夢は持ち位置にきちんとついといてね。」

 

霊「へいへい。」

 

――――普段は使わない会議室 午前10:00――――――

レ「私の車。もしかしたら――――いえ、エンジンブロー『するわ』。」

 

咲「―――わかりました。では、私はキャリーカーでお嬢様の地元に。」

 

レ「ええ、たのむわ。」

 




どうでしたか。
1500文字ktkr。長いかったです。(自己心
まぁ、あれです。こっからですよ、こっから。
次回も読んでいただければ幸いです。
ざわ・・・ざわ・・・
▼なにもでなかった!
▼更新ペースが 毎日 から 2日に一回 になった!


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第11話「因縁」

どーも。

今回はあとがきなしにしたいので、ちょっと失礼。
設定:MR(マジオーラ)・・・研究所に所属している者が出せるオーラ。出すと目の色が変わり、バトル相手にプレッシャーを与える。
これ、ネーミングセンスがアレですよね?―――いいか。

この作品は2次創作で、自己設定↑があります。
後、この作品を見るのが初めての方は、第1話から読むことをお勧めします。
以上のことをご了承のうえ、読んでください。

ええ、更新ペース ▼2日に一回 とか言っときながら、毎日投稿。別に嘘はついt(つきました本当にごめんなさい。


―――――翌日 第2いろは坂終点地点 22:00――――――

霊「ここが・・・。でも、なんで第2いろはの終点地点なのよ?頂上のエネ○スでもよかったんじゃないの?」

 

レ「それが、私のたくらみよ。あなたと魔理沙には特別なオーラがある。そう言ったわね?」

 

霊「ええ。」

 

魔「ああ、話は霊夢から聞いてるぜ。」

 

レ「だから普通の試験ではダメなの。だから今回は『のぼりと下り両方』やってもらうわ。それも、『霊夢だけ』ね。」

 

霊「―――わかったわ。それともう一つ。」

 

レ「何?」

 

霊「なぜ第1いろは坂を走らないの?」

 

レ「見ればわかるでしょ?閉鎖されてるじゃない。きっとここら辺の走り屋が事故でも起こしたんでしょ。」

 

霊「理解したわ。始めましょう。」

 

レ「ええ。」

 

咲「それでは、カウント始めます!」

 

――――――あなたの実力、篤と見せてもらいましょうか。―――――

 

咲「5!4!3!2!1!GO!」

 

ドギャギャギャャャャャ・・・・

フ「咲夜。一つ聞いていい?」

 

咲「なんですか?」

 

フ「どうして、キャリーカーなんかで来てるの?」

 

咲「今にわかりますよ。」

 

―――――キャキャキャキャ・・・・・

 

――――――――そしてバトルカットDE☆SU――――――

――ヒルクライムバトル終了。頂上エネ○ス付近 22:03――――

霊「あんた先行でスタートだから、これくらいは妥当よね?」

 

レ「まぁ、そうね。差もそんなについてなかったし。じゃあ、下り。やりましょう。」

 

霊「ええ、そうね。」

 

レ「5.4.3.2.1.スタート。」

 

――――第2いろは坂33コーナーあたり(カイが拓海を抜いたとこ)

霊「クソッ、全然速い・・・まるで余裕なんてないわね…――――!ここ、ちょっと空いてる・・・行くしかない、いっけぇ!」

 

レ「――――フ」

 

霊「―――!だめだ、抜けない!どうすりゃいいのよ!」

 

―――第2いろは坂最終5連続ヘアピンあたり―――

霊「ここで一気にスピードを上げて抜き去る!やってやる!」

 

レ「あなたにそんなことはできないわ。MR(マジオーラ)出してる私を抜くことは絶対に不可能よ!」

 

霊「やってやる・・・やってやる・・・。そこだ!」

 

レ「しまっ!くっ!やられてたまるかぁ…絶対に最後の直線で――――!?」

 

霊「!!?何!?レミのS2000が・・落ちていく…。」

 

―――ゴール付近 22:10―――

―――――――――ボカン!

 

咲「来たわね…魔理沙、フラン、道を開けておいて。」

 

フ「何があったの・・?あ、霊夢だ。おかえりー。」

 

霊「ねぇ、咲夜。何か知ってるの?」

 

咲「ええ、お嬢様の車に寿命が来たの。ちょっと失礼。」

 

霊「え、ええ。」

 

――――ギュルルルルルルルルルルル・・・

フ「寿命って?」

 

霊「エンジンが逝ったのね。きっと。」

 

フ「・・・!」

 

―――ギュルルルルルル・・・

霊「あ、帰ってきた。」

 

レ「分かってはいたけど、やるとなるとやっぱり悔しいわね。・・・何よ、その顔。」

 

霊「別に?」

 

レ「はぁ・・・。早く戻りましょう。ちょっと頭痛くなってきたわ…。」

 

霊「おつかれさん。レミリア。」

 

レ「うー↓」

 

―――――幻想レーシング 午前3:00―――

咲「これで良し…と。お嬢様、張っておきましたよ。長期休業の張り紙。」

 

レ「ええ。さて・・・と。どうしようかしら。この・・」

―――――――――私の愛車・・・。――――

 



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第12話「けんかとバトル」

グロロロロォォォォォォ~ン どうもです。
この作品は2次創作で自己設定があります。
今回が初めてお方は、第1話から見ることをお勧めします。
ふぅ~喧嘩のシーンって熱くなるね。最近、起きるのがつらいです。←2の句を継ごうとしない人の例
お気に入りが3件を超えました。ありがとうございます。え?4件?1件自分で登録したんですよ。(泣)
以上をご了承のうえ、読んでください。
あと、眠い。


数日後――――幻想レーシングガレージ 15;30―――――――

フ「ねえ、魔理沙。ちょっと、いい?」

 

魔「ああ。いいが、今日は何を見るんだ?ここ数日、毎日私の車を見てるんだが。」

 

フ「いいでしょ?私、一応メカニックだし。」

 

魔「『霊夢の』だけどな。」

 

フ「むー。」

 

―――キュルルルルグロロォォォォォン

フ「・・・・。やっとわかった。こいつが変な理由。」

 

魔「・・・!で、なんだ?」

 

フ「この『カーナビ』だよ。」

 

魔「それは・・・。」

 

フ「どうする?このまま変なままでいるのか。それとも変な理由を取り除くか。」

 

魔「・・・・・・・。」

 

フ「わかった。じゃさっそ―――――(ガシッ)何・・・するの?」

 

魔「もし、おまえが私たちのためを思ってやってるんなら、大賛成だ。が、私は何も答えていない。というか、無言の抵抗を見せた。なら――――」

 

フ「・・・・・・(その場を立ち去る)」(あんたに許可はとらなくても、これはやるつもりだからな。魔理。)

 

――――――ガレージ 20:00――――――――

 

―――――キュルルルルグロロロォォォォォーーーン

 

魔「ん?なんだ?こんな夜中に・・・!まさか!」

 

――――――ドタドタドタ・・・

魔「おい!フラン!何やってる!」

 

フ「チッ!」

 

魔「クソッたれがぁぁぁぁぁ!(降りてきた勢いでフランを殴る)」

フ「・・・!あんたのた―――――」

 

魔「もしおまえがフリーのメカニックならいい!買い換えればいいんだからな!だが、お前は我、『幻想レーシング』の一人のメカニックだろうが!それn――――なんだ、その顔。ああ、そうか。いいぜ!なら決着はバトルでつけてやろうじゃねぇか!」

 

フ「望むところだ!」

 

―――――――――ガレージのそば ロビー――――――――

霊「ふぅ・・・・。眠れん」

 

レ「激しく同意。」

 

霊「そういえばさ、あんたのS2000。どうなったの?最近全然見かけないんだけど。」

 

レ「ああ、あれね。私がもともと所属していたチームに申請してみたら、新しいレーシングエンジン探してくれるって。」

 

レ「――――にしても、うるっさいわね・・・。目がさえるわ。」

 

霊「ええ。よく咲夜は寝てられるわね。」

 

レ「そりゃあ、そうでしょ。私と、フランと、咲夜は寮暮らしだから、衣服とかもやんなきゃいけないし。食事とかも半分ぐらいは咲夜が作ってるし。」

 

霊「それは・・・たしかに寝れるわねぇ。」

 

レ「そうね。あ、こっち来た。」

 

フ・魔「おい!レミ!明後日のの午前0:00。正丸峠でバトル!書いとけよ!(レミリアの近づけて言った)」

 

レ「ヒィィィィィ~~~~!!」

 

霊(かわいい~)

 

――――――――翌日 午後23:45 正丸峠―――――――

フ「グルルルルルルル・・・」

 

魔「グルルルルルルルルル・・・・・」

 

レ「はぁ・・・さっさと始めましょうよ。」

 

フ「待て。おい!魔理!」

 

魔「なんだ!」

 

フ「私が勝ったら取り外す!あんたが勝ったら取り外さない!それでいいな!」

 

魔「おう、それでいいぜ。やってやろうじゃねえか。」

 

レ「ちょっと、何のh(ヒデブ!)」

 

フ「黙ってとっととはじめろよ。」

 

レ「ヒィィィィィィィィ~~~~~」

 

霊「はいはい。とっとと始めるわよ~」

 

「5.4.3.2.1.GO.」

 




眠いのぉ~どうでしたかね。
おもしろいかね。そうかそうk(ガラパゴス!


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第13話「カーナビ改め、ハク」

どーも。
今回は、僕の表現力(笑)を使って書いた、バトルパートですよー
この作品は2次創作で、自己設定が含まれます。
今回が最初の方は、第1話と、『ハク。』を先に読むことを、お勧めします。
第1話『シロの誕生』のUA回数が100を超えました。ありがとうございます。
以上のことをご了承のうえ、読んでください
ハクの「・・・」がなくなるのはもうちょっと先です。あしからず。



霊「5.4.3.2.1.GO。」

 

―――――キャキャキャキャキャキャキャ・・・・

レ「うー↓。行った?」

 

霊「何してんのよ。(かわいい。)」

 

レ「さーて、話すわ。」

 

霊「は?」

 

レ「ほら、霊夢のテストはやったけど、魔理沙のテストはまだやってなかったじゃない?」

 

霊「まぁ、たしかに。」

 

レ「だから、いっそのことテストをこの場でやっちゃおうと思って。」

 

霊「フランに試験官をやってもらう・・と。面倒くさがりなだけじゃないの。」

 

レ「それを言わないで(泣)」

 

――――――――正丸峠 チーム楼事務兼付近――――――――

幽「あら、誰か上がってくるわね。」

 

妖「あれ、言ってなかったでしたっけ?今日はフランと、魔理沙のバトルをここでやるらしいんですよ。」

 

幽「ふーん。フランちゃんが・・・ねえ。」

 

妖「来ましたよ。」

 

ブロロロロロロロロォォォォォォォォォォォォォォォ――――ン

幽「いけないわね。」

 

妖「?なにがです?」

 

幽「フランちゃんに、焦りが見えるわ。勝ち急いでるように見えるもの。」

 

妖「私には、普通のじゃれてる感じに見えましたよ?」

 

幽「まだまだね。妖夢も。」

 

妖「・・・・。」

 

――――――?

フ「クッ。離れない。ぴったりとついてきてる。さすが、魔理。やるじゃない。」

 

魔「とらえてみせる。絶対に離されるもんか。自分がどんな立場だろうが、関係ない。まずは前のやつにプレッシャーをあたえ、隙ができたら――――抜く!」

 

フ「!」

 

魔「チッ、逃したか。まだ、まだいける。」

 

―――――――――――そして・・・カット―――――

―――――――正丸峠復路スタート地点―――――――

 

ドギャギャギャギャギャギャギャギャギャ・・・・

フ(ターンした。いいぜ。)

魔(おう。)

 

フ「速い――――なぜ?私がこんなにも速く走ろうとしても、ちょっとずつ・・ちょっとずつ・・・離れていく――――」

 

魔「いいか、フラン。私がこのFDと出会ったのは、運命だった。そう―――こいつともな。」

 

??「魔・・理沙。」

 

魔「ハハ。そうだろ?それからこいつに乗るのが楽しくなったんだ。地上にいるのが退屈になるぐらい・・・な。だから、FDのことは、誰よりも知ってる。」

 

――――――この『カーナビ』は、FDそのものなんだ…誰かに壊されようと、盗られようと・・・こいつとは切っても切られない存在なんだ―――――

 

??「あのー・・・私・・ちゃ・・ん・・とした・・名前・・あるん・・だ・・けど・・。」

 

魔「お?そうか。で?名前は?」

 

ハク「ハク・・って・・・いうよ・・よろしく・・・魔理沙・・。」

 

魔「おう!よろしくな!ハク!」

 

フ「くっ・・さらにペースが・・・上がった・・。くそぉぉぉぉ!」

 

―――――ガキン!

 

フ「!!?ぶつかった!?」

 

魔「?」

 

ハク「・・・?」

 

魔「いなくなった…私の・・・勝ちだ。」

 

フ「・・・・。負けた。だめだ。あんなペース・・私には・・・無理・・だ。」

 

―――――――――正丸峠往路スタート地点―――――

 

霊「帰ってきたわね。お帰り。魔理沙。」

 

魔「それより、フランの心配をしてやれよ…あいつ、車ぶつけてんだぜ?」

 

霊「――――そうね。」

 

フ(反応薄っ!) 

 



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第14話「酔いにご注意を」

どーも。
いやーすまんねえ。開けてしまって。いろいろ忙しいんですよ、こっちも。
これは、ワードで書いたやつを2つつなげて書いてるから、大変なんですよ。失踪したと思った?残念。
この作品は2次創作で自己設定が含まれます。
今回が最初の方は、第1話『から』見ることをお勧めします。
ご了承して読んでください。
今回は宴会(笑)パートです。


――――魔理沙VSフランから1日後―――――――

霊夢と魔理沙の正式採用を祝い、宴会もとい歓迎会が開かれていた―――――――

――――――――21;00 宴会場拓(ひら)――――――――

咲「それでは、魔理沙と霊夢の正式採用を祝ってーーー!かんぱーい!」

 

皆「かんぱーい!」

 

―――――――2時間後――――――

フ「zzzzzz・・・・・・」

 

レ「さて、フランが寝たところだし、そろそろ裏話かなんか聞かせてもらおうかね~?」

 

咲「そうでしゅねぇ~~~。なんかはなひぃなしゃいろぉ~。

魔「うわ、咲夜がデロンデロンに酔っぱらってる。」

 

霊「そりゃそうよ、咲夜はお酒に弱いもの。」

 

レ「速く話しなさいよー!」

 

魔「レミも何となく酔ってるし・・。」

 

レ「酔ってないよってない~。幻想郷に来る前にワインたくさん飲んでたから~」

 

霊「これはひどい。」

 

咲「おぃ!れいみゅ!」

 

霊「な、なに?」

 

咲「わつぃと勝負だ!くりゅまで勝負ぅだぁ~」

 

霊「い、いいけど、どこでやるの?」

 

咲「はい!2ちゅきゃぎょのうしゅいちょうげでぇ~まっちぇりゅわぁよぉ~(2日後の碓氷峠で待ってるわよ)」

 

霊「はいはい。2日後の碓氷峠ね。」

 

魔「聞き取れんのか?すごいな。」

 

霊「そりゃ、宴会毎年のようにやってたからね(笑)」

 

魔「それもそうだな―――――って、全員寝ちゃったし。」

 

霊「じゃあ、帰りましょうか。こいつら(笑)つれて。」

 

魔「そうだな・・・・入るかな。車に。」

 

霊「入るでしょ。」

 

――――――――――その後1日は看病に追われた2人だった――――

――――――宴会から2日後 午前11:30――――――

フ「ふぅ~。」

 

魔「よう、フラン。休憩か?」

 

フ「うんそうだよ。・・・・どうかしたの?」

 

魔「いや、咲夜どうなのかな~と思って。」

 

フ「咲夜?今頃寝てるんじゃない?寮で。」

 

魔「それなんだけどさ、知ってるか?今日、霊夢と咲夜でバトルすんだぜ?」

 

フ「え!?それ本当?」

 

魔「ああ、マジだぜ。気に何なら、霊夢に聞いてみな。」

 

フ「うん!今すぐ聞いてくる!」

 

魔(そんなに私のことが信用ならないのかよ~。)

 

――――――幻想レーシング(元)ガレージ横――――――

霊「ねえ?レミリア?私に言うことがあるんじゃない?」

 

レ「『看病してくれてありがとうございました』と、『付添してくれてありがとうございます』どっち?」

 

霊「どっちもよ。――――ん?フラン?」

 

フ「ねぇ、霊夢。今日咲夜とバトルするって本当!?」

 

霊「本当よ。」

 

レ・フ「!?」

 

レ「え、なにそれ。初耳なんだけど!?」

 

霊「言ってないもの。あんたの指示が忙しすぎて。」

 

レ「ちょっとデータ書き換えてくる!フランは咲夜起こしてきて!」

 

フ「了解!」

 

――タッタッタッタッタッタ・・・・・・

霊「行っちゃった。まぁ、私がやることといえば車の調整と、碓井の調査だけど。隙を見てやっておいてよかったわ~。――――ちょっと眠いから寝ようかな。」

 




こっからは本当にペースが不安定なので、空いたら気長に待っててくださいな。


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第15話「エースと罠」

どーも。
やったぜ。これでプロローグは終わりです。やったぜ。
この作品は2次創作で自己設定が含まれます。
あと、今回が初めての方は第1話から『順番に』読むことを推奨しますっていうか読んでください。
以上をご了承のうえ、読んでください。
やったぜ。


咲「う~ん。寝すぎたかなぁ~。頭が痛い…。」

 

フ「お~~~~い!咲夜~!起きて~~~!」

 

咲「フラ・・・ハッ!バトル!いけない!今日バトルだった!」

 

フ「気づいたんだ!はやく!」

 

咲「ええ!」

 

―――――碓氷峠ダウンヒルスタート地点 午後23:40―――――――

霊「来たのね。咲夜、大丈夫?」

 

レ「咲夜なら大丈夫よ。問題ないわ。さあ、さっさと始めましょう。」

 

咲「待ってください、お嬢様。現在は宴会から1日後の23:45.私が――――」

 

レ「あーはいはい。要するに、明日が今日になる午前0:00に始めろってことでしょ。」

 

咲「そういうことです。」

 

霊「酔ってたくせに細かいのね。」

 

咲「ええ(怒)。」

―――――――13分後――――――

レ「それじゃあ、車を準備して。始めるわよ。」

 

「(時計を見ながら)5!4!3!2!1!GO!」

 

GOカウントと同時に午前0時になる。

ギャギャギャギャギャギャ・・・・・

 

レ「ん?そういえばフランは?」

 

魔「置いてきたぜ。あいつ、咲夜の部屋で爆睡してたしな。」

 

レ「・・・。(困惑)」

 

 

――――――さて、見せてもらおうかしら、これから『God Wings』の石末となるダウンヒルエースの実力を――――

 

 

霊「後攻選んだのに・・・なんだろう、この見られている感じ…。嫌な感覚ね。」

 

咲「フフフ・・。私の罠にかかってしまえば、抜け出せるものは…いない。」

 

――――――C-121プレハブ付近―――――

 

リ「・・・?なんだろう。咲夜さんが帰ってきた?この独特なロータリーの感じ。」

 

――――――ライトが・・・見える。

 

霊「抜くといえば、ここぐらいなもんだ!いっけえ!」

 

咲「こんなとこで抜けるわけ・・・違う。ここじゃない。抜くポイントは…C-121の次のコーナー!」

 

霊「耐えた…ちょっと擦っちゃったけど、抜けた!」

 

咲「向こうが行けるならァ――。」

 

霊「何!?今まで感じたこともないようなプレッシャー…。つらい…走っているのが…辛すぎる…!」

 

・・・・・キャン!キュルキュルキュル・・・・

咲「くっ。スピン・・・か。」

 

霊「逃げ切った…。私の・・・勝ちだ。」

 

―――――――碓氷峠ダウンヒルスタート地点 午前0:15―――――

咲「ふぅ・・・。なんか、すっごい目が覚めたわ。」

 

霊「よかったじゃない。」

 

咲「あんがとさん。(ニコッ)」

 

霊「こちらこそ。(ニコッ)」

 

レ「さーて、帰りましょうか。」

 

皆「ええ。」

 

―――――10分後――――

リ「あれ、いない―――。咲夜さん。あなたはいったいどこへ行こうというの――――?」

 

――――――――1か月後 幻想レーシング(元)社長室――――――――

魔「なんだよ。急に呼び出して。」

 

霊「そうよ。」

 

レ「来たわね。エースたち。」

 

 

―――――これからは、あなたたちは、新チーム『God Wings』のダウンヒル・ヒルクライムエースとして、活躍してもらうわね。

 

 

――――博麗 霊夢 と 霧雨 魔理沙――――




どうでしたか。
そうですね。今回で終わりです。長いかったですよね。
すんません。
次回から、新章になります。お楽しみに。
あ、明日休みだから。ね?(威圧


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設定集

設定集です。第15話終了時点で分かっていることのみ書いています。


ここは、Dworld。頭文字Dや湾岸ミッドナイトといった、架空のアニメの舞台となった世界。

そこでは、あらゆる身体に対する影響(飲酒、風邪など。)に影響されず、安全運転ができた。

例えば、頭文字dで、文太がお酒を飲んでいるというのに、無事豆腐屋に帰ってこれることなどだ。それをいいことに、ここではあらゆる暴走行為が、許されている。ちなみに、自動車関係以外は現在の世界と変わらない。

 

博麗霊夢 搭乗者種 マツダ ロードスター (NA) 赤

チューニング(参考)頭文字Dストリートステージ(以後ストステ)Bコース

     地元 秋名 通り名『』・・・秋名峠は半分程度しか走ったことがないため、通り名はついていない。

     現在はGodWingsのダウンヒルエース。自分の走りに自信はあまりない。幻想郷とのつながりはあまり感じられない。だが、かなり速い。直感で走るため、勝つためならば、やれるところはとことんやる。

 

 

霧雨魔理沙 搭乗者種 マツダ FD3S 黄色

チューニング(参考)頭文字Dストステ Cコース

      地元 赤城 通り名『赤城の魔法使い』・・・『普通の魔法使い』より

      現在GodWingsのヒルクライムエース。車と出会ったのは『運命』と言い張る。FDにはなぜかカーナビがついており、そこにはハクが幽霊として住んで(?)いる。もともとRSに所属し、啓介を負かした存在として、かなり恐れられている。

 

 

レミリア・スカーレット 搭乗者種 ホンダ S2000 黄色

      地元 いろは坂 通り名『ムーンライトデビル』・・・S2000が黄色なのと、『スカーレットデビル』より

      現在はGodWingsを取り仕切る社長(的存在)。もともと所属していた研究所の所長である、太子から『幻想郷の住人の確認』を命じられている。性格は冷淡。だが、あわてるときはあわてる。バイトをしていたためか、かなり力持ち。

 

 

フランドール・スカーレット 搭乗者種 日産 GT-R32 白

チューニング(参考)頭文字Dストステ Cコース ホイール→ノーマル

      地元 正丸 通り名『レインボーウイング』・・・虹色の羽をときどき出していたことから。(キレたときは必ず出します。)

      現在はGodWingsロードスターのメカニック。幽々子の教えがあるため、基本的なことは完璧にこなす。何か嫌な殺気を感じたときは口をなるべく利かず、走りに集中する。居候の際、妖夢と喧嘩して、バトルで決めようとなったとき、ぶっちぎりで勝ったとか。

 

 

十六夜咲夜 搭乗者種 マツダ FC3C 白

チューニング(参考)頭文字Dストステ Dコース

      地元 碓井 通り名『シルバーインパクト』・・・地元のインパクトブルーの名と、咲夜のイメージカラー(だと思っている)シルバーをかけた。

      現在はGodWingsFDのメカニック。かなりのロータリー好き。なんと、国内A級ライセンスを持っているため、車に関しての知識はピカイチ。

      メイドから解放されたためか、かなりフリーダムに動き、ものすごいことを平気でやろうとする。ショップの名前は『Night Shop』。リグルには修行(?)に行かせているが、現時点では旅立ってはいない。

 

      

西行寺幽々子 搭乗者種 スズキ カプチーノ 赤

チューニング(参考)頭文字Dストステ Cコース

      地元 正丸 通り名『軽‘sドリフト』・・・言わずもがなドリフトでほとんどのコーナーをクリアしているため。

      Dワールドをに来ようと決めた張本人。ゆっくりな感じは変わらず、でも走りは超一流。滑りやすい正丸でも、逆にスピンを生かして走る。

 

 

魂魄妖夢 搭乗者種 日産 Z32 銀

      地元 正丸 通り名『走り屋修行中』

      Zが仕上がってないため、まだどれだけ走れるかはわからない。幽々子の世話に追われている。

 

 

八意永琳 搭乗者種 不明

      地元 不明 通り名『』

      まだわからないことが多い。だが、幻想郷時代以上に永遠亭組には力を入れているようだ。

 

 

鈴仙・優曇華院・イナバ 搭乗者種 トヨタ セリカGT-FOUR 白

チューニング(参考)頭文字Dストステ Aコース

      地元 不明 通り名『』

      師匠思いだが、あまり速くはない。

 

 

因幡てゐ・蓬莱山輝夜 すべて不明

 

 

秋静葉 搭乗者種 マツダ ロードスター(NA) 赤

      地元 いろは坂 通り名『いろはの神様』・・・種族が神様だったことと、キレるとものすごく速く、「いろはで最速を目指すなら倒さなければいけない存在」であったから。

      口調が甘いのはご愛嬌。レミリアとコンビで、『God And Wing』と呼ばれていた。

 

 

豊郷耳神子 搭乗者種 不明

      地元 いろは坂 通り名『』

      静葉、レミリアがいた研究所の所長。一応規律には従うが、甘いところもある。

 

 

秋穣子・・ミスティア・ローレライ すべて不明

 

 

リグル・ナイトバグ 搭乗者種 トヨタアルティツァ 緑

チューニング(参考)頭文字Dストステ Cコース

      地元 碓井 通り名『復活の虫けら』・・・もともと虫(の神様)で、現在も触角が残っているため。

      もともと咲夜が建てていたショップ唯一のメンバー。だが、店長(咲夜)がいなくなったため、実質解散した。咲夜に指令された峠周りは、まだ実現していない。

 

 

博麗千代 搭乗者種 ホンダ シビック(EG6) 赤

チューニング 無限ホイールのみ

      地元 ターンパイク(最終に確認されたため。)通り名『』

      もともと、霊夢の母親(?)だった人。現在、どこにいるかは不明。

 

 




チューニング(参考)=このチューニング(エアロ)を参考にして走っているということです。


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VS月の兎編
第16話「月の兎」


どーも。
今回はちょっと短いです。ごめんなさいね。
この作品は1次創作で、自己設定が含まれます。
今回が初めての方は必ず第1話と第2話を読んでください。状況が分からなくなる恐れがあります。
はい。短い理由?わからん。


――――動き出した、私の計画・・。もう、止めることなど、できはしない――――。

――――――『GodWings』誕生から1週間 サンドガレージ≪元幻想ガレージ≫

舎内の会議室 9:45――――――――

ここでは、次回の遠征相手について、話し合い(会議)が行われていた。

レ「で、今回の相手なんだけど。永遠亭。言わずもがな月のうさぎと戦うわ。・・・フランとは結構かかわりが深いわね。」

 

フ「何言ってんの~。私とかかわり深いのは白玉楼のほうだよ。」

 

レ「それもそうかもね。で、ステージのほうだけど。埼玉県の定峰峠よ。ほら、エースたちビデオ渡しとくから見といてね。」

 

レミリアがダブルエースに事前に撮っておいた、定峰峠のビデオを渡した。

魔「へいへい。」

 

霊「私の家にテレビがないんですがそれは。」

 

レ「知るか、んなこと。じゃあ、5日後。向こうに向かうから。」

 

咲・フ「はい。」

 

魔「ほいよ~。」

 

霊「ぐぬぬぬぬ。」

 

―――――――その日の夜 埼玉定峰―――――

 

鈴仙「師匠・・・行ってしまわれるんですか。姫様も一緒に。」

 

永琳「もちろんよ、姫様もそうしたいいんでしょう?」

 

輝夜「ええ。神奈川のほうは、なかなかいい技術があるみたいだし、私自身を立て直すにもとてもいい場所だと感じたから。」

 

てゐ「えーりん・・・。」

 

永「てゐ。ちょっと来てちょうだい。」

 

て「?」

 

――――――永遠亭(仮)ガレージ――――――――

ガレージには、永琳が事前に作った、プロカー(?)があった。

て「・・・!これって・・・。」

 

永「あなたに差し上げるわ。」

 

て「でもっ・・。これは師匠の・・・!」

 

永「いいの。たった今からあなたのなのよ?幻想郷にいたときはよくやったじゃない。」

 

て「・・・。(泣)」

 

永「ふふふ・・・。この車を頼むわ。てゐ。」

 

て「はい。(泣)」

てゐは涙をポロリポロリと流し始める。

 

永「頼んだわ。ふふふ・・・どうしたの?てゐ?」

 

て「・・・・・・・・。」

 

―――――――5日後 埼玉県定峰峠ダウンヒルスタート地点

レ「ふぅ・・・。やっとついた。」

 

咲「フランをスカウトするときに来てたんじゃないんですか?」

 

レ「アンマリダ。」

 

咲「じゃあ、挨拶行ってくるもので指示しといてくださいね。」

 

咲夜が、プラクティスの前のあいさつに行く。

 

咲「こんばんは~。」

 

鈴「はい。こんばんは。通達は来てますよ、プラクティスするんですよね?どうぞ。」

 

咲「では、さっそく。」

 

 

咲「やってきましたよ。」

 

レ「ええ、じゃあ早速やり始めましょう。霊夢。魔理沙。会議で言った通りよ。」

 

魔「あれだろ?60%が2本、80%が3本で、ラストに一回マジで走って終わりなんだろ?」

 

レ「そうだけど、ちゃんと道の状況とか、コーナーとか見てくるのよ。」

 

魔「へいへい。」

 

霊「承知のうえよ。」

 

・・・・・・・ギュルルルルルグオォォォォォォーーーーン

2台のエンジンが目覚めるようにかかる。

 

―――――FDの中

咲「じゃあ行きましょうか。」

 

魔「ええ。」

 

―――――――ロードスターの中

フ「じゃ。」

 

霊「うん。」

 

・・・・・・・グオオオオオオオオングォォォォォォォォォォォ―――――――

レミリアはそれを見送り、ポツリとつぶやく。

 

レ「さて、どんなもんかしらね。」

 

 

――――――――チーム『月の兎』さん―――――――




設定:てゐは今までの自分を離れ、自分を見直すと決めた。
どうでしたか。なんか納得いかんのお。シカタナイカ。
あ、明日も休みです。
ちなみに次はバトルパートです。


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第17話「4WDダウンキラー」

どーも。
うーん(汗)なんというか、マンネリっぽいものになりかかってる気がする。まあ、いいか。
この作品は1次創作で、自己設定が含まれます。ご了承のうえ、読んでください。
マンネリって何?



―――――――次の日。

昨日(今日)朝近くまでセッティング調整が続いたためか、ダブルエースは熟睡してしまった。

霊・魔「zzzzzzzzzzzzzzzz・・・・・」

 

フ「まったく。よく眠れるよね~。全然眠れない。」

 

咲「フランさんは爆睡していたので眠れないんですよね?」

 

フ「・・・。」

 

レ「というか、私たちもともと夜行性だし。」

 

フ「あ、うん。そ、そうだね。忘れてたわ。」

 

レ・咲「忘れてたの!?」

 

―――――永遠亭(仮) ガレージ――――――――――

 

て(抑えきれない悩み。でも、勝たなきゃいけない。か。それが現実なのかな。えーりん・・・。)

 

鈴「・・・てゐ?どうしたの?」

 

て「なんでもないよ・・。今日は・・・勝とうね、鈴仙。」

 

鈴「・・・・うん。」

 

――――――――定峰峠ダウンヒルスタート地点 午後22:00――――――

レ「じゃあ、ダウンヒルからスタートするってことで。」

 

鈴「うん。私が先行で。」

鈴仙はてゐのことを気にせず、むしろ、てゐのために勝とう。そう思っていた。

 

て「・・・・。(ため息)」

 

霊「さっさと始めましょう。」

 

レ「じゃあ、並べて。」

 

「5!4!3!2!1!GO!」

 

 

――――じゃあ、始めましょうか・・。真の戦いってもんを――――。

 

 

鈴仙は早速、あるものを使い始める。

・・・・・キュキュキュギュギュゥゥゥ

霊「・・・・?なぜかコーn・・・が!うわ!」

霊夢にはぼやけてコーナーが見える。それは鈴仙特有の凶器。『レッドアイ』のせいだった。

 

鈴「これで最後よ!」

 

霊「クソッっ・・・。――――ふぅ・・・。抜けたぁ…。」

ガードレールすれすれでコーナーを抜けるロードスター。鈴仙は不満であった。

 

鈴「ちっ。逃したか・・・・。」

 

霊「そんなことするのね…ここら辺の走り屋は・・・。いいわ。やってやろうじゃない。」

霊夢のロードスターは鈴仙のセリカの後ろにピタリとつけ、ヘッドライトを消した。さらに、霊夢自信も目を閉じていた。

 

鈴「ここらでブラインドとは…。ふん。舐められたものね。ここから先はかなり街灯がある・・・。あんたは消えてるつもりでしょうが、こっちはそっちが丸見えなんだよ!」

 

霊(鈴仙のやつ・・きっと私のこと馬鹿にしてるでしょうね。でも、こっちはこっちでちゃんと策がある。だてにエースの名を名乗ってるってわけじゃないことを見せてあげる)」

 

―――――ゴール付近

鈴「・・・!まだいる!なぜ・・・離れない!」

 

霊(よし。耐えきった。)「次は――――」

 

 

―――――こっちの番よ。

 

 

レ「それじゃあ、2本目!」

 

「5!4!3!2!1!GO!」

 

ドギャギャギャギャギャギャギャギャ・・・・・

スタートで轟音のなるロードスターの車内。霊夢の耳元に、はっきりとレミリアの声が聞こえてくる

レ「霊夢・・・。やれるわ、あなたなら。私と戦った後に言ったあのモットー。おぼえてるわよね?」

 

――――――あの時のことを頭に入れて2本目を走れば、必ず勝てるわ。

 

―――――VSレミリア いろは坂後

レ「ねえ、霊夢?私が何をモットーに走っているかわかる?」

 

霊「は、はあ?なんでそんなこときくわけ?」

 

レ「あなたも感じたでしょ?私からのプレッシャー。あれしてる時の走り方のことよ。」

 

霊「は、はあ。『なるべくぶつからないように走る』とか?」

 

レ「不正解。正解は、『車を犠牲にしても、速く走る』よ。」

 

霊「…!」

 

レ「フフ。あなたもそうしてみたら?」

 

 

キャキャキャ・・・ぐぉぉぉぉぉ――――ン

 

霊「さあ、スパートだ!」

 

鈴「・・・!振り切られる…でも、この先はきつい右コーナー。そんなスピードで曲がれるはずない!まさか・・・自爆に陥ってくれるとは…勝った。」

 

 

霊「あのモットー。少しぐらい無理をしたって、速いスピードで抜けられれば、結果的にはとても速い。つまりコーナーギリギリ曲がれきれなくても・・・」

 

・・・・ガン!

霊「ぶつけても、リズムを崩さずに走れば早い段階でちぎれる!」

 

右のバンパーを少しぶつけ、走り去るロードスターに続き、安全なスピードでセリカも続く。セリカが抜けたとき、もうロードスターの後ろ姿はなかった。

 

鈴「うそでしょ・・・。こんなに早くちぎられるなんて・・・・。」

 

 

―VS鈴仙(通り名 凶器のレッドアイズ) 勝利 勝因置き去り――――――

 




どうでしたか。
ワード二つだから、コピーするのにも一苦労というね。
なんという衝撃(何が
次回もぜひ読んでください。
次回はVSてゐです。


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第18話「大事な人」

どーも。
前回、休むって言い忘れてたので、上げます。
実はですね、僕の好きなキャラ、3人いるんですよ。そのうちの一人が、てゐなんですよ。
あ、はい。ごめんなさい。
この作品は1次創作で、自己設定が含まれます。
以上をご了承のうえ、読んでください。
てゐかわいい。


―――――埼玉県定峰峠 ヒルクライムスタート地点

RSメンバーから恐れられ、至高の存在として育った魔理沙にとって初めての試合。魔理沙は気合十分であった。 

魔「さーて。次は上り。私の出番だな!」

 

フ「頑張ってね!」

 

咲「FDの準備はできてるわ。」

 

魔「よし・・・・あとは相手の問題だな。」

 

フ「・・・?」

 

魔「みろよ。」

 

――――

鈴「ごめんね。てゐ。負けちゃったよ。」

 

て「言われなくてもわかってるよ。ただ・・・」

 

鈴「ただ?」

 

て「なんか・・・うまく言えないけど…。気持ちが落ち着かないんだ。」

 

魔理沙が割り込む。うずうずしていられなかったようだ。

魔「ま~だ気にしてんのか?永琳のこと。」

 

て「なぜ、それを!?」

 

魔「わかるさ。それぐらい、フランに聞けばいくらでもわかる。それと、お前が感じる大事な人がいなくなった悲しみもな。だが、それにばかり落ち込んでて、今のバトル。できんのか?」

(私は本気のバトル以外は望まない。それが私のモットーなんだ。絶対に中途半端な気持ちじゃ望ませないぜ。)

 

て「あんたに何がわかる?幻想郷時代からいろいろお世話になってたってことはわかるだろう。だが、大事な人がいなくなった悲しみまで分かるはずない。第一、あんたに大事な人なんていない。そうだろう?」

 

魔「ちょっと違うな。私は大事な人を失い『かけた』。そういうことだ。気持ちが落ち着いたら、いつでも言いに来な。いつでも始められっからよ。」

 

て「ううん。今すぐ始めよう。なんか、あんたと話して、すごく落ち着いた気分になった。」

 

魔「そう来なくっちゃな!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・

 

咲「カウント行きます!」

 

「5!4!3!2!1!GO!!」

 

 

――――――わかって見せる。あんたの言った真の意味ってやつを――――

 

 

魔「さーて、路面の悪い環境。それに相手は4WDのインプレッサと来たもんだ。どう攻めっかな…。」

 

て「なんか、とっても楽な感じ・・。楽しい。右足がうずくよ…いつでもフルブースとはかけられる。でも今は我慢。ラストの直線で引き離す…!」

 

魔「チッ。まったく、パワー馬鹿とはこのことだぜ。かなりやってあるな…。だが、こっちも負けてないぜ!」

 

ハク「う・・・ん。がん・・・・ばれ・・・!」

 

魔「おう!」

 

――――とあるギャラリーコナー―――――

 

モブ1「うおー!すげーな!」

モブ2「どっちもハイレベルなバトルしてやがるぜ!」

 

??「どうだい?魔法使いを見た感想は。」

 

??「何とも言えないねえ。何かが足りない。まだ覚醒してない感じだよ。」

 

??「やっぱり、あんたもそう感じるか。あたしもそうだよ。」

 

??「フッ」

 

グオオオォォォォォ――――ンキュル

 

魔「このコースのリズムは大体頭に入ってる。だから、向こうのリズムに合わせればいいんだ。」

 

て「まだついてくる・・・・?もしかしたら、私が思ってるより・・・速い?」

てゐは少しずつ、少しずつ、焦り始める。FDがものすごいペースでヘッドライトをぎらぎらさせているのだ。無理はないだろう。

 

魔「さーて、中盤セクション。ここらで抜ききってやる!」

 

て「・・・。ちょっとずつペースが上がってきてる…。でも、向こうは私のペース以上は上げられない。何せこの巨体だ。向こうもなかなか幅がある。だから、こんなところで――――」

 

魔「中盤セクションの終盤。わずかに道幅が開くところがある。私はそこを―――突く!」

魔理沙のFDが一気にペースを上げ、ギャラリーコーナーすれすれで間に入ってくる。

モブ3「あぶねえ~~!」

モブ4「あそこまでして勝ちたいのかよ!」

モブ5「馬鹿っ!ここでペースを上げなきゃ、上の直線でちぎられるに決まってんだろ!」

 

て「な!?外から!?でもな・・・こんなところで…抜かれはしない!」

 

魔「レミリアから教えてもらったペース配分的には、もっとも上がるところがここなんだ!抜いてやる・・・絶対にぬいてやる!!」

 

て「・・・!!壁が・・・・!」

 

―――――キュキュユキュ

ブレーキング勝負。負けたのはてゐだった。内心勝ちたいとは思っていても、本能がそれを受け付けなかったのだ。

 

魔「弱さが出たか。そんなら容赦なくちぎらせてもらうぜ!」

 

て「何このペース!まともについていけない!」

 

 

――――VSてゐ(通り名クリスタルラビット) 勝利 勝因ぶち抜き――――

 

 

――――ダウンヒルスタート地点 午後23;10――――――

て「ふ~ぅ。負けたぁ~。」

 

魔「お疲れ。てゐ。どうだ今の気分は?」

 

て「敵に言うのもあれだけど、すごく清々しい気分だよ。ありがとう。」

 

魔「おう!それはよかったな!」

 

て「うん!」

 

レ「じゃあ、そろそろ引き上げるわよ~。」

 

ブオオオオオオォォォォォォォォォォ―――――

鈴「どうしたの?清々しいなんて言っちゃって。」

 

て「いいじゃん。自分が感じたんだしさ。」

 




実はですね、この作品。動画にする予定だったんです。ですが、なかなか素材が集まらないし、ソフトも入れられないということで、急きょ小説として投稿することになったんです。
入れられない理由?僕がチキンだといえば代々わかるでしょ?
次回も読んでくださいね。


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VSもこけーね編
第19話「着火」


どーも。
遅くなったので、今回は18時の投稿です。
今回が初めての方。第1話か第16話から見ることを推奨します。世界観が分からなくなる可能性があります。
うん。そうだね。世界観を知ってもらうために、キャラ紹介上げときます。
この作品は1次創作で、多数の自己設定が含まれます。
以上をご了承のうえ、読んでください。


――――VS月の兎から7日後 サンドガレージ舎内―――

魔理沙はてゐのことを思っていた。天気が曇りがちだった。

魔(てゐ、うまくやってっかな。まあ、あの分なら問題ないんだろうけどな。)

 

レ「おっ、魔理沙。ちょうどいいところに来たわね。これ見て。」

レミリアが持っていた新聞を見せる。

 

魔「ん?どうした?これか?『明日の降水率 80%』!?」

 

レ「そうよ。明日は遠征の日だってのに。」

 

魔「そりゃ、まずいな、。雨の中で本気で走れるやつなんて、そうそういないと思うぜ。」

そこに霊夢が通りかかる。

 

霊「ん?何?明日雨なの?」

 

魔「お、霊夢。そうなんだぜ。明日と明後日は雨の可能性が高いらしいんだぜ。」

 

霊「ふーん。いいことじゃないの。新しいデータが取れることだし、ねえ?レミ?」

 

レ「あんたねえ・・・プラクティスの時だけ降るならまだしも、バトルの時も降水率高いのよ?そりゃあ不安にならないわけないじゃない。」

 

霊「う~ん。言われてみれば。」

 

魔「そういえばレミ、バトルの相手って基本的にどうやって決めてるんだ?」

 

レ「そうねえ。『基本的』にはこっちから申し込むって感じにしてるわ。でも、今回は違うの。」

 

魔「あっちから申し込まれたわけか。」

 

レ「ええ。これが証拠よ」

 

レミリアが持ってきた手紙は、毛筆で書かれたものだった。

 

魔「ほう、なかなかのもんじゃないか。

 

 

『 拝啓 GodWings社長 レミリア・スカーレット様。

     早春の候、貴社のますますのご清祥のことと思います。

     さて、こちらのもとに、もともと幻想郷にいた住人を探し、バトルを申し込んでいると聞きました。

     こちらには、チームもこけーねとして、『藤原妹紅』『上白沢慧音』

     チームR&Rとして、『河城にとり』『鍵山雛』がいます。

     ぜひバトルを申し込まれてください。10日後の八方ヶ原でまってます。

     詳しくはインターネットをご覧になってください。

                            敬具

     上白沢慧音                              』

 

 

れ「でもね、このチーム。よく調べてみると、レーシングチームなのよ。」

 

魔・霊「えっ!?」

 

レ「ここにはあまり詳しく書いてないからどっちが走るのかわからないし。それぞれ、もこけーねのドライバーは慧音、メカニックは妹紅。R&Rのドライバーが雛、メカニックがにとりってこともわかったんだけどね。」

 

魔「謎すぎ。怖すぎるぜ。」

 

レ「この手紙、表向きはかなり神聖なものだけど、よくよく調べると、相手にものすごくプレッシャーを与えるものなのよね。」

 

――――同時刻 栃木県八方ヶ原―――――――

慧音は、数日前に彼女の車であるNSXをスピンさせ、事故。全治2か月の負傷を負ってしまっていた。

 

け「いや、すまないね。妹紅。私があんな事故をしたばっかりに妹紅を走らせることになってしまって。」

 

も「いいんだよ、慧音。私は公道でやろうと決めたときにちょうどこんなチャンスが転がり込んできたんだ。むしろうれしいよ。」

 

け「なにその、『事故ってくれてありがとう』みたいな言い方。」

 

も「いいじゃないか(汗)」

 

け「で?どうなの?あんたの86のほうは。」

 

も「いい感じだよ。中古の拾いもんだっていうのに、エンジン積み替えだけでこんなに馬力出るもんなんだね。」

 

け「まあ、そのせいと私の事故でチームは絶賛閉鎖中だけどな。」

 

も「あはは。(汗)ところで慧音。もうちょっとだけ付き合ってくれないか?あとちょっとで覚醒しそうなんだ。」

 

け「いいよ。それじゃあ、行こうか。」

 

も「うん。」

・・・ブオオオオオオォォォォォォォォォォ――――ン

 

も「あとちょっとなんだ。あとちょっとで、着火しそうなんだ。この上がってくる感じ――――いける。」

 

ブゥワサッ!

 

も「来た!できた、よし!明後日のバトルはもらった!」

 

け「お、おい。雨が降ってきたぞ。妹紅。」

 

も「ふぅ~~。そろそろやめようか。慧音。明日遅くに来る予定なんだよな?そのGodWingsっていうチームは。」

 

け「ああ、そうだよ。妹紅が目覚めて、ますます楽しみになってきた。楽しんでやろうな!っててててて・・・・」

 

も「まずは、その傷を治すことのほうが先だよ。じゃあ、また病院まで送ってくよ。慧音。」

 

け「すまないね。妹紅。」



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第20話「雨のプラクティス」

どーも。
前回、指摘があったところを自分的に見直し、しっかり変わるように心掛けました。
しっかし、地文入れると、とても2ページじゃおさまらない。すぐに埋まったしまう。なので増量しますた。以上。
この作品は2次創作で、自己設定が含まれます。
今回初めて読む方は第1話か、第16話から読むことをお勧めします。
以上をご了承のうえ、読んでください。
なんという、1次と2次を間違えるとは。自分のネタが使われたと思った方。本当にごめんなさい!


閑散としたサンドガレージに、5人の人々が乗り込んでくる。それぞれ、レミリアは1号車(ロードスターのパーツ搭載車)、フランは2号車(FDのパーツ搭載車)、魔理沙はFD,霊夢はロードスター、咲夜はFCに乗り込む。

 

霊(さーて、行くわよ。)

 

ロードスターのエンジン音が響いたのとほぼ同時に他の車のエンジンもかかる。そして、ゆっくりとシャッターが上がり、夕暮れ前の紅くなりかけた空が広がる。

(栃木のほうは雨が降っているのだろう。)

 

そう誰しもが思いながら、ゆっくりと車を前に進める。この時、前話から、1日後の午後15;30分。今日はもこけーねとの対戦の日だ。

 

――――同時刻 栃木県八方ヶ原

 

け「どうだい?86の様子は」

 

慧音がそう話しかけると、妹紅が振り向かずに、

 

も「ああ、調子がいいよ。今日の夜が楽しみでしょうがない。」

 

け「そうか。わたしもそわそわしてる。」

 

会話はそれだけだった。それだけでもとても意味のあるものだが。

 

―――――――――栃木県八方ヶ原 午後21:00――――――

いつもは静寂につつまれているこの峠で、今日。何かが起こる。そんな空気がここを包み込もうとしていた。

 

フ「いつも以上にギャラリーがわいてるね。やっぱり、レーシングチームだからかな?」

 

フランは何となく、いつもと違う感覚を感じた。

 

フ(まあ、いいか。)

 

――――――――八方ヶ原往路スタート地点―――――――

 

フ・レ・魔・霊「!?」

 

皆驚愕するのも無理はない。なぜなら、ドライバーである慧音がギブスをしているのだ。

 

レ「え!?慧音。だいじょうぶなの?」

 

け「なーに。気にすることはないさ。私は今日は走らないから。走るのはこっち。」

 

慧音はそういいながら、妹紅を指さす。妹紅は不服そうな顔をしている。

 

も「私で悪かったな。まあ、これでもそれなりの知識を持ってるつもりだけどね。で?今日はどっちが私の相手をしてくれるの?」

 

レ「それは明日決めるわ。」

 

も「翌日急に飛び出して私をビビらせようってか。おもしろい。乗ってあげようじゃないか。」

 

妹紅を冷たい目で見た後、慧音のほうを向く。

レ「それより、プラクティス。やってもいいんでしょ?」

 

け「ああ、もちろん。」

 

 

その言葉を境に、GodWings側が動き始める。

 

レ「じゃあ、エースたち、よろしく。今日のプラクティスで走る方が決まるからね!」

そういうと、魔理沙と霊夢がうなずいて、それぞれの車に乗り込む。

 

ブオオオオオォォォォォォォォォォォォォーーーーーン

赤と黄の車が勢いよく飛び出していく。

フ「ねえ、姉さん?ちょっと、いい?」

 

レ「え?うん。」

 

フランはそう言いながら、レミリアを車に引きこむ。そして、上がってくる時に感じた、何か違う感じについて語りかける。

 

フ「ねえ?姉さん。なんか違くない?」

 

レ「違うって、何が?全然普通通りじゃない。」

 

フ「え!?なんで!?」

 

フランは言いながら、レミリアのうえに乗り上げる。

 

レ「え、な、何よ!?」

 

フ「だってさ?咲夜はFCで来るし、どっちか一台でやるって言ってたのに1号車2号車どっちも持ち出すし、きっと何か変だよ!」

 

レ「そんなことはないわ。フラン。両方持ち出したのは、魔理沙に希望を持たせるためよ。」

 

フ「魔理沙に…!」

 

フランはレミリアの顔をひん曲げようとかかる。

 

レ「ちょ、ちょっと!」

 

フ「あんたねえ・・・社長気取りでやってんじゃないよ!言い方が悪いのかもしれなかったかもしれないけども。確かに魔理沙は負けしか考えられないような顔してたよ!?でもさ、希望っていうぐらいなら、もっとパーツを積みなよ!私2号車の運転だったからまるっ遠見通しだよ!」

 

レ「わ、悪かったわ。」

 

ドアがガラッと開く。

フ・レ「!?」

 

霊「はい。そこまでー。フラン。セッティング見て。」

 

フ「う、うん。わかった。」

 

そういって、3人が外に出てくる。

 

魔「ん?なんかあったのか?霊夢。」

 

霊「ううん。なんでもないわ。それより、大丈夫?顔。」

 

魔「ああ、問題なくなったぜ。レーシングドライバーだってことで、ちょっとビビってたのは本当だけど、なんか。ほっとしたぜ。」

 

も「ほっとしたって、何がだよ?」

 

魔「も、妹紅。そ、それはだな…。」

 

も「ふん。まあいいか。」

 

もう一度魔理沙の顔が悪くなる。

霊「ほ、本当に大丈夫なの?」

 

魔「やっぱ、ダメだ。休んどく。霊夢、私がおびえててエースとしてどう思う?」

 

霊「別に。」

 

魔「じゃあ、言っておく。お前は『メカニックだから』とか、『86だから』とか思ってるかもしれない。だが、舐めない方がいい。絶対に何かあるぜ。100%出せるようにしといたほうがいい。」

 

霊「言われなくても、そのつもりよ。」

 




どうでしたか。
現在絶賛設定集執筆中です。
うーん最近忙しいし、どれぐらいに上げられるかはわかりません。
でも、35話行くまでには上げようかな。うん。
次回も読んでください!


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第21話「レインレーシングバトル」

アンデスどーも。
本編書き直しました。ドヤッ
なんというか、いい感じになってきました。楽しいです。
この作品は2次創作で、自己設定があります。(例 口調)
今回が初めての方は、『設定集』と、第16話をご覧になってください。
以上をご了承のうえ、読んでください。



――――――――翌日 午前10:00

VSもこけーね戦当日ということもあり、昨日以上にギャラリーが集まっている。…こんな朝から。

魔理沙はあのあと2号車で寝込み、今起きた。

魔「ふ~ぅ。よく寝たぜ。うーん。なんか、昨日は申し訳ないことしたな。どうせ今日は走るわけじゃないんだし、久々に裏方としての活躍か。・・・ん?」

 

フランが何か寝言を言っているようだ。

フ「むにゃ~。魔理沙―やったねー。」

 

魔「・・・フラン。ごめんな。」

 

魔理沙は申し訳なさそうに言い、再び眠りに付く。

 

――――――――同日 午後21:30 八方ヶ原

レ「さて。じゃあ早速、今日走るメンバーを発表するわ。―――――今日走るのは、霊夢よ。」

 

フランは放心した。(ロスタのメカニックだけど。)

 

フ「・・・。」

 

魔「フラン。ごめんな。」

 

フ「いいの。個人的なものだから。」

フランは魔理沙に微笑む。その微笑みは期待を裏切ることをわかっていたかのようだった。

 

霊「わかったわ。」

 

も「じゃあ、並べてスタートする感じで。」

 

レ「ええ。じゃあ、霊夢。」

 

霊夢がうなずく。2台の車が少しずつ移動し、看板の前で止まる。相変わらず雨が降り続いている。昨日よりは弱まっているようだ。

 

レ「それじゃあ、始めるわよ!」

 

「5!4!3!2!1!GO!」

 

2台がレミリアすれすれを通過し、1コーナーに入る。

 

霊(加速では負けてない。ならたぶんいける!)

 

霊夢の思惑どおり、1コーナーの勝負は霊夢が制した。

 

も「・・・!やっぱりだめか。」

 

第1セクションはテクニカルセクション。細かいコーナーが続くため、当然小回りの利くロードスターのほうが有利。

 

霊「うん。ちょっとずつだけど離れてってる。前のバトルよりは楽そうね。」

 

も「やっぱり離れてる。やっぱり伊達じゃ無いっぽいな。エースの名は。」(今は我慢だ…。3~4セクションで仕掛ける。)

 

第1から第2セクションに移る。今まで細かかったコーナー群が一気に広がる。さらに雨が降っているため、第1で使いすぎたグリップがじわじわと無くなっていくセクションだ。

霊夢もその一員だった。

 

霊「・・・!何!?」

 

も「フッ。かかったみたいだな!」

 

ここはレミリアのモットーは通じない。そのことが分かった霊夢だが、時すでに遅し。隣には86の特徴的なヘッドライトが光っていた。

 

霊「クッ!」(譲ってやるわ!でもすぐに抜き返す!)

 

も「フッフフ。面白いやつだよ、まったく。まあ、やれるだけやってみりゃいいさ。」

 

第2セクションに入る。VS智戦で智が86を抜き去ったスネークヘアピンがある。霊夢はそこで抜こうと考えていた。

 

 

――――1つ目。

 

霊(ここでなるべくスピードを稼いで…。)

 

 

――――2つ目。

 

霊「ここだ!」

も「甘い!甘いんだよぉ!」

霊(クソッ!)

 

 

――――3つ目4つ目

霊「抜けなかった。」

 

も「往路はもらったよ。」

 

霊「まだだ!まだ終わったわけじゃない!」

 

第3、第4セクション。霊夢はこれでもかと様々なところで仕掛けたが、ことごとく失敗した。まるでそれが完璧に見えているかのように。

 

 

―――――往路スタート地点

レ「霊夢。やれてるかしら。」

 

魔「大丈夫だと思うぜ。あいつなら、絶対に先頭走って帰ってくるさ。」

 

レ「そうしんじたいわ。」

 

 

――――――復路スタート地点

も「ターンだ!」(…!まだ張り付いてる…だと!?)

 

仕掛けて失敗したとはいっても、遅れているわけではない。ぴったりと張り付いたロードスターが目をぎらぎらさせていた。

 

2台同時のターン。両方から車がスピンし、折り重なって交差し、復路に入る。

 

も「復路って言ったって、何も変わりゃしない。ぜったにこのままゴールする!」

 

霊(タイヤは使い物にならないし、レミのモットーも使えば失敗する。やはりレーシングチームね。だけど!)




どうでしたか。
1500文字なのは僕が忙しいからです。以上。
次回もぜひ読んでください。
―――コメント、待ってます。


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第22話「鳳凰」

どーも。
今回は熱いです。指摘のあったバトル描写もかなり入れました。
この作品は2次創作で、自己設定が含まれます。
今回が最初の方は、設定集と本編すべて(第16話~)を読むことをお勧めします。
あと、今回は評価作品を兼ねています。詳しくは『活動報告』をご覧ください。
以上をご了承のうえ、読んでください。
評価よろしくお願いします。
だんだんお気に入りが増えていく―――皆さん本当にありがとうございます!UAが上がることにより、僕がもっともっといい作品を書きたくなるのです!


―――復路スタート地点

パイロンを中心に、2台がターンしていく。それをフランは黙ってみていた。

フ「・・・。」

 

咲「どうしんです?黙ってみていて―――」

突然、フランからポタッと涙が流れ、地面のアスファルトにしみこむ。

 

咲「!?」

 

フ「咲夜?よくわかんないんだ…。よくわかんないのに、なぜか涙が流れちゃうんだ。不思議だね。魔理沙が走ってても、同じことになるんだろうね、たぶん。」

 

さっきまで流れていた涙が話した途端、ピタッっと止まる。

咲「妹・・様」

 

フ「その呼び方、辞めてって言ってる。」

 

咲「あ、はい。」

 

 

―――復路の第1セクション

往路側では第4セクションにあたる。先ほどまではなんでもなかったはずのコーナー群がいきなりでっかく見える。上りだからだろうか。

も「離れ・・・ない!?」

 

霊「ふん。」

 

霊夢は、ものすごい目で、86を睨み、(抜かしてやる・・・・抜かしてやる・・・・)そんな目でぎらぎら86を睨んだ。別に、こうすれば隙が生まれるとかいうことではない。本能。エースとして勝利を果たすという本能なのだ。

 

しかし、妹紅とて決して負ける気持ちはない。勝つ。その言葉で、頭の中がいっぱいなのだ。だが、だ。

 

ロードスターが『目』を閉じる。

 

も「ふん。ブラインドアタックったってそうはいくもんか!」

 

霊(こんな初心者みたいな作戦じゃいけないのはわかってる。でもッ!)

 

霊夢も目を閉じる。ロードスターが張り付いていたから、妹紅にはその光景がはっきりと見えた。

 

も「目を…閉じた!?クソッ!動揺さたろうったって、そうはいくもんかよ!私は私のラインを行くだけ…それだけなんだよ!」

 

霊(感じるんだ…奴のオーラを…。)

 

も「クソッたれぇぇぇぇぇ!離れろ!何で食いついてんだよ!こうなったらぁ…!」

 

妹紅はロスタの圧力に耐えられなかった。迫る光のないリトラクタブルのライトに集中力を削られ、限界だった。そして我を忘れ、力の限り翼を飛ばす。

 

 

ブゥァサッ!

 

目を閉じた霊夢にも、そばにいたギャラリーたちにも、その光景ははっきりと理解できた。紅く、大きく、されど美しい。『鳳凰』と呼ばれる翼である。

 

鳳凰の存在に気付いた霊夢は、とっさにライトを照らし、その翼を目に焼き付ける。

 

霊「あれが・・・魔理沙の感じていたものだったのか…。」

 

鳳凰の付いた86は第2セクションの連続S字コーナーを一気に駆け降りる。今までついていけていたロードスターがズルズルとペースダウン…いや、86のすごいペースアップによって、その差はどんどんと開いていく。

 

霊(クッ・・・タイヤのせいじゃない。・・・。集中するんだ…。絶対に導いてくれるはずだ・・・。)

 

ロスタは再び『目』を閉じ、同時に霊夢も目を閉じた。

 

霊(集中・・・するんだ…。)

 

も「くそっ!まだついてきやがんのかよ!」

 

 

そのときであった。―――――

 

 

スッとロードスターのプレッシャーが消えた。当然、86のバックミラーにも、ギャラリーの目にも、見えるはずがない。それは本当に『消えてしまった』のだから。

 

も「…!」

 

モブ6「な・・・なんだ!?86の後には誰も走ってこないぞ!?」

モブ7「どっかで失速しちまったんじゃねえか!?」

 

 

―――――場所は復路の第3セクションに入る。

往路の際、駆け降りたスネークヘアピンを上る。1つ目のヘアピンですべてが決まってしまうようかのような、ストレートからの急なコーナー。

 

霊夢はぴったりと86の後ろにつけ、離れなかった。――突然、体の中から、熱いものを感じる。炎が上がってくる感覚だった。

 

霊(感じる…。ロードスターの中からら、ここだって。ここしか抜き場所はないって―――。)

 

 

――――スネークヘアピンの2つ目のコーナー。

1個目のヘアピンでミスればここも確実にミスる。

 

妹紅は我を忘れてしまっていたため、明らかにオーバースピードで1つ目を曲がっていた。だから、当然2つ目もアウトに膨らむ。

 

も「くっ!曲がれ!まがれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

霊(レーシングチームとはいえ、あなたはただのメカニックにすぎない。ましてや、右も左もわからない状態で練習と同じラインが描けるはずがない。)

 

ロードスターはインをしっかりつかみ、3つ目で86のインを付いた。当然妹紅にはわからない。

 

霊(私は・・・TRRDに入ってから、地元の秋名で練習を重ねた。雨の日も、風の日も。決して早くはないけれど、自分では満足なんだ。)

「一番速いのは私なんだ。いや――――私だッ!」

 

 

ブゥワサッ!

 

 

――――スネークヘアピンを過ぎ、しばしの直線の後、すぐに連続コーナーのあたり。

 

そばにいたギャラリーたちも、妹紅も、とてもびっくりした。突然現れたロスタが、『鳳凰』を見せたのだ。

 

も「!!!!!!!なぜあれを!」

 

霊「もらったからには遠慮はしない!一気に引き離してジ・エンドよ!」

 

も「向こうがブラインドできるなら!こっちだって!」

 

妹紅の86も『目』を閉じた。

 

霊「おもしろい!やってやろうじゃない!」

 

霊夢のロードスターも『目』を閉じた。

 

奇妙なことだ。どうじにライトを消す2台が争っている。我先にと急ぐさまは決してギャラリーには見えない。なぜならそれは、存在自体を消して走る。

 

 

『真のブラインドアタック』なのだから―――――

 

 

―――――往路スタート地点

魔「来たみたいだぜ。」

 

レ「ええ。」

 

ブオオオォォォォオン。

 

バトルは・・・終わった。霊夢の勝ちだった。

も「ふぅ・・・。速かったよ。・・・・おっと。」

妹紅がめまいでふらつく。

 

け「だ、大丈夫か!?妹紅。」

 

も「大丈夫だ。」

 

 

霊「ふぅ・・・。ふぅ・・・。」

 

レ「勝ったみたいね。お疲れ様。霊夢。」

 

霊「お疲れ。」

 

―――――その時、1台の車が駐車場に入ってくる。

 

魔「ん?あのレビン誰だ?」

 

霊「さあ?」

 

一人が下りてきて、レミリアに声をかける。

??「あのー。あなたがレミリアさんでいいんでしょうか?」

 

レ「ええ。そうだけど。あなたはいったい?」

 

??「私は――――」

 

 

―――――――――――大妖精です。



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VSFaily's編
第23話「Big Faily 前編」


どーも。
今回はめっちゃシリアスパートです(多分)あと、走行シーンはございません。以上。
この作品は2次創作で、自己設定が含まれます。
今回が初めての方は、設定集と本編を読んでください。
以上をご了承のうえ、読んでください。






前回までのあらすじ
VS妹紅戦で疲れ切った、妹紅、霊夢、その他のメンツの前に、大妖精が現れる。彼女は自身の過去を語り始めるが、それはあまりの悲しいストーリーだった。――――――


――――八方ヶ原 往路スタート地点の駐車場。

降りてきた人物が大妖精だと分かり、みんなが騒然とする。

大「私…。大妖精です。」

 

レ「え!?あの湖に住んでた…大妖精!?」

 

大「はい。そうですよ。」

 

も「やあ、大ちゃん。今日も来たんだ。」

 

魔「え?長い付き合いなのか?」

 

も「ああ。大ちゃんがなぜか突然来てね。それで相手してたんだよ。・・・・ここ・・・?」

 

大「半年ぐらいですね。」

 

霊「で、でもどうしてここに?」

 

大「その前に、ここに来た経緯を話しておきましょう。」

 

 

―――――1年前。私とチルノちゃんは、Faily’sというチームを組んでたんです。それで、地元・・・というか、最初についた場所である秋名でつるんでよく走っていたんです。それが・・・半年前。突然チルノちゃんに秋名山の頂上に来るように言われたんです。

 

 

『 大ちゃんへ。

      今日の21:45に秋名山に来てください。プレゼントを用意して待ってます。時間厳守だよ!

                         チルノより          』

 

 

大「あ、チルノちゃんからだ。どうしたんだろう・・・。」

 

チ『あ、もしもし?大ちゃん?手紙行った?』

 

大「うん。来たよ?で、プレゼントってな―――」

 

チ『ううん。それは来てからの お 楽 し み だよ!』

 

大「えっ。」

 

チ『じゃーねー!』(プツッ

 

大「チルノちゃん・・・。絶対なんかある…。」

 

 

―――――あのとき、薄々気づいてはいたんですが…。なんか、プレゼントで頭がいっぱいで・・。とにかく、行ってみようって決心して…。行ってみたんです。それがあんなことになるなんて――――。

 

 

――――――半年前 21:40 秋名山 頂上―――――

大「時間厳守とか言っといて…。チルノちゃん来てないし…。」

 

――――ブオォォォォォォ―――ン、ブオォォォォォォォォン

 

 

――――5分前に行って、1分たったころかな。急に、レビン独特の4-AG+ターボの甲高いエンジン音が聞こえて。一発でチルノちゃんだってわかりましたよ。――――

 

 

大「この音…。チルノちゃんのレビンの音だ…。今から行けばギリギリ…ん?」

 

 

――――ギリギリ。その言葉がなぜか私の頭をぐるぐるして…。締め付けられるように痛かったです。もしかしたら――――

 

 

大(何?なんなの?この感覚。ギリギリなんて普通の言葉じゃない!何で私を締め付けるの!?)

 

 

――――そして。チルノちゃんが到着。

―――――――秋名山 頂上 21;44――――――

 

チ「おまたせ。――――大丈夫?大ちゃん。」

 

大「うん。大丈夫だよ。それより、どうしたの?急に私絵を呼び出したりなんかして。」

 

チ「うん。それなんだけど。はい。これ。」

 

 

―――――ふと、チルノちゃんが私に一つのキーを差し出したんです。それは、チルノちゃんのレビンのキーでした。―――――

 

 

大「え!?これ!?」

 

チ「うん。そうだよ。これが大ちゃんへのプレゼント。」

 

 

――――――それを言われたとたん。私は動けなくなりました。やっぱりそうなんだ。――――

 

 

大「チルノちゃん・・・。まさか…?」

 

チ「うん。お察しの通りだよ。私はここを離れて茨城に行こうと思うんだ。私は速くなりたい。幻想郷で言っていたように、最強…いや、最速になりたいんだ。だからね、Faily’sはいったん解散して、また―――」

 

大「で、でも。チルノちゃんこれからどうやって帰るの?」

 

チ「うん。それなんだけどね。奥を見てみなよ。」

 

大「奥?」

 

 

――――――奥には、白いDC2のインテグラが置いてあったんです。それも、だいぶチューニングしてあるようで。きっと、もう何度も茨城に行ってるようでした。―――

 

 

大「…!」

 

チ「だからね。大ちゃん。さよならしなくちゃならないんだ。」

 

 

―――――チルノちゃんが歩いていく。インテに向かって歩いてく。何とかしなくちゃって思って。別れたくないって思って、必死にチルノちゃんの前に立ちはだかったんです。

 

 

大「でもっ!私と離れる理由にはならないでしょ?だったら私も行かせてよ。」

 

チ「だめだよ。」

 

大「!?」

 

チ「車見たら、茨城言ったってことはわかりはず。そこで言われたんだ。『最速めざすならば今のものはすべて捨てなさい。』って。」

 

大「そんなの…。」

 

チ「『言いがかり』なんかじゃないよ。大ちゃん。その人はね、東京から来て、親を捨ててストリートに入ったんだって。」

 

 

―――――そう言って、私を押しのけ――――

 

 

チ「じゃあね、大ちゃん。」

(バタン

 

 

――――――せめて、最後ぐらいは。いえ、本気でチルノちゃんを止める気でした。前に出て、カースタントのように止めてやろうって思ったんです。ほんとはそんなことできるはずもないのに。―――――――――

 

 

大(とにかく、止める!絶対止めて、何とかしてやる!考え直してもらうんだ!)

 

 

―――――――キーを入れてエンジンをかける。チルノちゃんがいじっていじって、完璧と言われたエンジン音が鳴る。それだけで、本当に号泣しそうでした。――――――――

 




次回予告
チルノにさよなら宣告された大妖精。はたしてチルノを止めることができるのか!
そして大妖精が来た理由とは!?
明日は、ちょっと休ませてください。
お願いします。
明後日休みだから。その時にもうちょっと長めのを上げるから。ね?


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第24話「BigFaily 後編」

前回までのあらすじ。
突然現れた大妖精。そして悲しいストーリーを話す。
以上。


―――そりゃ、つるんで走るっていうぐらいだから、チルノちゃんの横にも何度も乗せてもらってますよ。だから、レビンの特性も大体わかってました。大体、ね。―――――

 

 

大「クッ。横と運転じゃまるで、わけが違うけど…。チルノちゃん。待って。お願い!」

 

チ「大ちゃん。私だって本当は、離れたくないよ。ずっと大ちゃんのそばにいて、一緒に走っていたい。だけどね。人には必ず、地元を離れなきゃいけない日が来る。それがどんな理由だろうと、自分が成長できるならば潔く去らなければならないと私は思うよ。それが今なんだよ。大ちゃん。」

 

 

――――――スケートリンク前を過ぎたあたりから、だんだんペースを上げてきました。苦しかったですよ。今すぐにでも泣きたい。この世から去ってしまいたいとさえ思いました。でも、わかったんです。チルノちゃんは本当に最速になりたかったんだって。今までと離れて、最速の名を受けて帰ってくるって。そう信じて、私は中間あたりのストレートでペースを落としたんです。そして、――――

 

 

大「・・・。うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

――――思いっきり叫ぶように号泣しました。―――――

 

 

チ「ごめんね。大ちゃん。さよなら。(泣)」

 

 

―――――次の日。私はここに来たんです。チルノちゃんが最速になるのなら、私もその友にふさわしい走りをしなくちゃって。そう思ったんです。――――――

 

 

大「これが、ここに来るまでの経緯です。」

 

魔・レ・霊「・・・。」

 

も「そうだったな。大ちゃんは悲しい過去を背負って戦ってるんだったな。」

 

大「ええ。」

 

霊「それで。どうしてここに?」

 

大「それが―――」

 

皆が息をのむ。

 

大「GodWingsの方とバトルさせていただきたくて来ました。」

 

予想外ではないだろうが、みんな驚く。

レ「え!?」

 

魔「え!?まじかよ!」

 

大「本当ですよ。たしか、幻想郷にいた住人を確認に回ってるんですよね?」

 

レ「え、ええ。そうだけど。」

 

大「だったら、私は幻想郷の住人だから、バトルする権利あるわけですよ。」

 

レ「はあ・・・うん。そ、そうね。」

 

大「あ、やっぱり、事前予約しといたほうがよかったですかね?」

 

レ「そ、そんなことないわよ。で、希望とか、ある?」

 

大「特にないです。」

 

レ「じゃあ、ちょっと待ってて。」

 

大「あ、はい。」

 

 

レミリアは1号車からおもむろにトランシーバーを取り出し、それを復路スタート地点にいる咲夜につなぐ。

レ「あ、咲夜聞こえる?」

 

咲『プーザジャ――プツッ  あ、聞こえますよ。どうかなさったんですか?』

 

レ「ちょっといい?」

 

レミリアは、咲夜にさっき話された大妖精のことを話し、こう伝える。

 

レ「で、バトルしてほしいの。大妖精と。」

 

咲『はい!?』

 

レ「だってあなた、FC持ってきてるわよね?」

 

咲『え、あ、はい。そうですが。』

 

レ「だったら、バトルしない理由なんてないじゃない。」

 

咲『でもm―――』

 

レ「魔理沙は体調悪いみたいだし。第一、相手はレビンなのよ?FDでやったら弱い者いじめみたいじゃない。じゃ、よろしく。」

 

咲『え、ちょプツッ』

 

レ「と、いうわけだから。大ちゃん。咲夜が相手するわ。」

 

大「はい。わかりました。」

 

大妖精が了解すると、レビンに乗り込むと、エンジンをかける。

グオオオォオォン シュン

今まで白だったレビンのボンネットが、いきなりカーボンに代わる。

 

皆(!!??)

 

クロ大妖精(以下黒大)「じゃ、行ってくるよ。レミの姉さん。」

 

レ「え、ええ。」

 

レビンは一回ターンすると、勢いよく飛び出していった。

 

魔「な、なんだったんだ!?あの格好、あの色、どう考えても大妖精じゃなかったぞ!?」

 

も「ああなるんだよ、大ちゃんは。本気になると色を変えてくるんだ。でも、基本的には変わりはしないさ。」

 

魔「なるほど、フランとはちょっと違うな…。」

 

 

――――――八方ヶ原 復路スタート地点 ――――――

雨が止み、曇りの空になった。路面は少々濡れ油断できないような感じを醸し出している。

先ほど連絡を受けた大妖精が向かってきた。その前顔は、怒っているかのようだった。

大妖精がレビンから降りる。しかしそれは、別の何かのようだった。真っ黒の髪。妖精じゃないようなダークな服。しかし、顔ですぐわかった。

 

咲「あなたが…大妖精…?」

 

黒大「ああ、そうだよ。あなたと勝負するから…。いわゆる、コスチュームチェンジってやつかな。」

 

フ「そ、そんな風にはとても見えないよ・・・・。なんか、すっごい存在感。」

 

黒大「そうかな?」

 

咲「じゃあ、始めましょう。で、カウントは誰がやる?」

 

フ「私がやろう。」

 

咲「それはだめですよ。だって、あなたには同乗してもらわないといけないんですし。」

 

フ「あ、そっか。」

 

黒大「誰かカウントしてくれる~?」

 

黒大妖精が、ギャラリーに呼びかける。ふと、誰かが手を挙げ、こっちに来る。

 

黒大「あんたがやってくれるのか。じゃあ、よろしくね。」

 

A「はい。じゃあ、並べてください!」

 

その合図とともに、レビンはターンし、FCはエンジンがかかる。

A「カウント行きます!」

 

 

「5!4!3!2!1!GO!!」

 

 

その合図とともに、FCとレビンは勢いよく飛び出す。

 

咲(私だって…伊達にドライバーやってたわけじゃない。)

 

 

―――見せてあげましょう。かつて碓井最速といわれたドライバーのテクニックを―――

 

 

黒大「最初は、連続コーナー。プラクティスであんたはセッティングに専念してたみたいだな。セッティング聞くだけでどれだけコースを把握できるか試させてもらう。」

 

第1セクションの連続コーナー群は、基本的には小回りの利くレビンのほうが有利のはずだが、何かが違った。

 

大妖精は何度もバトルを積んでるため、車の特性をある程度把握しているつもりだった。だが違う。いつもならほんの少しずつはなれるはずのFCが、逆に射程圏内にいるのだ。ギラギラと光るライト。しかし、焦る様子は全くなかった。

 

黒大(フン。GodWingsといえど、その程度でプレッシャーをかけたつもりなのか。)

 

咲「こいつ…あんまりやらないわね。」

 

フ「え…そうなの?」

 

咲「そうですよ。かなり勝ち急ぐ焦りが見えるし、しかもラインが踊ってる。これは、なるべく速くバトルを終わらせた方がよさそう。」

(次の第2セクションのS字を過ぎて、急に道幅が広くなるところで仕掛ける。どれだけ耐えられるかしら?)

相変わらず、FCとレビンは密着している。コーナーで離れようもんなら、ストレートで返す。

FCが一向に離れないのに、大妖精はいらだち始めていた。そもそも、このレビンはチルノからもらったものだ。だから。

 

黒大「何で…離れない?クッ。思ったより速い相手なんてこれまでいくらでも経験してきたじゃない!でも…。いや、だからこそ負けられない。チルノに会って勝つまでは誰にも負けられないんだ!」

 

問題の場所に入る。FCがペースを思いっきり上げ、仕掛ける。レビンはそれに合わせ、ペースを上げる・・・かと思いきや、譲った。負けを認めたのだ。その少し前。黒大妖精にははっきりとチルノの声が聞こえた。

 

チ『大ちゃん…?』

 

黒大「!?チルノちゃん?」

 

チ『勝ち急いじゃダメ。ゆっくりとマイペースで。でも、ラストにしっかりと上げてくる。そんな大ちゃんが私は――――』

 

大妖精のレビンが元に戻る。正気を取り戻したのだろうか。

大「ごめんね…チルノちゃん。私…間違ってたよ。」

 

そうして、バトルの決着があっさりつく結果となったのだ。

 




次回予告
レビンvsFCはレビンの負けで幕を閉じる。そして新たな時代を歩み始める大妖精だった。
しかし……ここでロードスターに異変が……


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第24,5話「とあるエンジンノック」

今回は小編ですが、一応話は進みます。
明日からは、長期休業(~2・17)なので、それが終わりましたら、活動報告のほうでご報告させていただきます。
UA数1000を超えました。本当にありがとうございます!
この作品は2次創作で、自己設定が含まれます。
今回が初めての方は設定集と本編を読むことをお勧めします。
以上をご了承のうえ、読んでください。
あとちょっとで25話です。やったね。


大妖精がペースを落としたのちは、特にバトルに動きはなかった。

(というかバトルじゃなくなってる)

 

―――――八方ヶ原 往路スタート地点駐車場―――――

大「私の…負けです。恐れ入りました。」

 

咲「あなた、後ろから見ると、結構走りが甘いわよ。」

 

大「やっぱりそういうのわかっちゃいますよね…。さすがGodWingsです。」

 

大妖精はうつむき、こう言う。

大「あの、良ければなんですけど…。」

 

レ「ん?どうしたの?」

 

大「一緒に群馬まで付き合ってもいいですか?来たはいいけど、帰れなくなっちゃって。」

 

も「え、ずっとここにいるんじゃ?」

 

大「変わったんです。上には上がいるんだから、自分をやれるところまで鍛えぬく。限界決めるのはいけないことなんですけど…とにかく、地元に戻りたくなったんです。」

 

も「わかったよ。いままで、ありがとう。大ちゃん。」

 

大「はい!」

 

レ「じゃあ、帰るわよー!」

 

その合図で、GodWings側が動き始める。一斉に車に乗り、それぞれのタイミングで駐車場を出る。

 

大(ありがとう、これまでの自分。)

 

大妖精は、心でそう言い、半年の黒い自分に別れを告げた。

 

――――――サンドレーシングガレージ―――――――

 

レ「ん・なにか、手紙が届いてるわね。車からも見えたけど。」

 

咲「そうですね。誰からでしょう。」

 

咲夜が手紙を開けた途端、仰天した顔をする。

咲「え!?これって…挑戦状って書いてありますよ!?」

 

レ「え!?ちょっと貸して!」

 

咲夜がレミリアに手紙を渡し、レミリアが中を読む。

 

 

『 挑戦状 GodWings フランドール・スカーレット様

     明日 午後20:00 秋名湖秋名峠をつなぐ道路秋名湖側にて待つ。

                                   チルノ 』

 

 

レ「これって…フランにじゃないの。」

 

フ「ん?私に?って…これって、チルノからじゃない。あの⑨が私にバトルか…。いいわ。じゃあ、ちょっと走ってくるよ、姉さん。」

 

レ「大丈夫なの?確かにチルノは確かなそう腕だけど…。遠征から帰ってきたばかりなんだし、あんまり無理しないでね。」

 

フ「わかってるよ。じゃあ。」

 

そういうと、フランはGT-Rに乗り込み、再びエンジンをかける。あの時(奪(ry)授かったときからはかなり太くなったエンジン音がなる。

 

ゆっくりとサンドガレージを後にするGT-Rを後目に、レミリアはガレージのシャッターを閉め、長い遠征の膜を閉じたのであった。

 

――――――――同時刻 秋名山 中腹―――――

遠征から帰ってきた霊夢は、そのまま朝の練習に入っていた。下方から入りヒルクライム、頂上でターンしてダウンヒル、という練習だ。しかし…今日は違った。

 

中盤のストレートで、軽いエンジンノックが起こった。幸い、霊夢がすぐにそれに気づき、エンジンを止めた。

 

霊「エンジンノックか。まあ、私も経験してないわけではないし。軽く応急処置して、終わりにしましょうか。このエンジン2代目だけど、だいぶ使ってるし。」

 

そういって、応急処置(エンジンを少し数時間ばかり冷やす)をして、博麗神社(仮)に帰る途中だった。ふと、白のGT-Rが横を過ぎる。それはフランのだと、すぐに分かった。

 

フ「!?霊夢が車を押して帰ってる!?」

 

のちにこれはGodWings史上かなり重要な事件になるとは、この時誰も気づいてはいなかった。―――



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第25話「ブラックコントロール」

この作品は2次創作です。

前回までのあらすじ。
チルノからの挑戦状。そして霊夢のエンジンノック現象。
これはただ事ではないことだ。
だが、それでもバトルをしようとするチームがある。GodWings.走り屋のプライドなのだうろか…?
今夜は忙しくなりそうだぜ!


――――次の日。フランは戦前の前に一眠りしていた。

そして、霊夢と魔理沙は、前日のロードスターのエンジンノックの本格修復にかかっていた。

魔「まったく、派手にやったな。結構金属が…いてっ。」

 

霊「そう?前回もこんなもんじゃなかった?」

 

魔「そんな前のこと、ぜんぜん覚えてないぜ。なにせ・・・もう何年前の話だと思ってんだ?」

 

霊「すまんすまん。」

 

そう愚痴をたたきながら、まずはエンジンルームの掃除、その後は―――まあいろいろ。

一方咲夜は、自宅に無事戻った大妖精に昨日のことを連絡していた。(番号?タ○ン○ージで調べたんじゃないかな?)

 

咲「(プチッ)あ、大ちゃん?」

 

大『はい。どうしたんですか?いきなり。』

 

咲「うん。それなんだけど、チルノがここにいるらしいのよ。」

 

大『え!?ほんとですか?』

 

咲「うん、そうなんだよ。昨日ガレージのほうに帰ってきたら手紙が置いてあってね。それが、チルノからの挑戦状だったの。」

 

大『チルノちゃんから挑戦状・・・・。それ、いつなんです?私も行ってみたいんです。』

 

咲「別にいいけど・・。今日の午後20;00。秋名湖秋名峠連絡道秋名湖側だって。来るのはいいけど・・。何かできるかどうかはわからないわよ?」

 

大『いいんです。チルノちゃんが見れるならそれで。』

 

咲「はあ…。まあ、頑張ってね。」

 

大『はい。(プツッ)』

 

咲「はあ…。今の聞いた?魔理沙。」

 

ふと背後には、今まで修復作業をしていたはずの霊夢と魔理沙がいた。

魔「ああ、聞いたぜ。なんでも行きゃあいいってもんでもないと思うけどなー。」

 

霊「じゃあ、私も行こうかしら。」

 

魔「はあ?おまえのロスタ。まだ治ってないじゃんかよ!」

 

霊夢が急いでロスタノ持ち場に戻った。

霊「だから速く治そうって言ったでしょー!ほーら!」

 

魔「お、おう。」

 

それからわずか2時間ほどで作業は完了した。霊夢は疲れ切って寝た。魔理沙も同じく。

レミリア?寝てますよ、さっきから。

 

咲「襲うんだったらご自由に。」

 

おお、怖い怖い。

 

 

――――――午後19;30 秋名湖―――――

フランは30分も前に秋名湖に入った。コースの感じをつかむためだ。ついでに霊夢も付き添いでいた。

フ「なんか、不自然だね。」

 

霊「なにが?」

 

フ「だってさ、いつもプラクティスの時は霊夢が運転席にいるじゃん?」

 

霊「あ、まあ確かに。」

 

フ「だけどさ、今は私がいるじゃん。」

 

霊「あのねえ…。これはあなたの勝負。あなたが運転席にいるのは当たり前じゃない。」

 

フ「そ、そうだよね。」

 

そう言いながら、フランはGT-Rを軽妙な手つきで動かす。

 

霊(こいつがかの埼玉で最強と言われたレインボーウイングか…。激しい。すごく息苦しいプレシャーがかかってる・・。)

 

むろん、フランはオーラは放っていない。だが、霊夢がそう言ってるのだからそうなのだろう。

 

―――――――秋名湖 午後19;55―――――

フ「来たね。」

 

霊「ええ。」

 

道路の向こうから、白のインテと、白のレビンが来る。むろん大妖精とチルノだ。

 

ボロロロロロロロキュッ

 

中から2人が下りる。

チ「ふう・・。久しぶりだったね。2人でツーリングなんて。」

 

大「・・・うん。そうだね。」

 

チ「・・・?どうしたの大ちゃん?」

 

大「な、何でもないよ(汗)」

 

チ「さて…。そっちの準備はできてるね?フランちゃん。」

 

チルノの目つきが変わる。走り屋の目つきだ。

大「・・・!」

 

フ「もちろん。さっさと始めようよ。」

 

チ「じゃあ、この秋名湖を3周して、速かった方の勝ちってことで。」

 

フ「うん。そうだね。」

 

霊「じゃあ、始めるわよー!」

 

連絡道路から出て、秋名湖のコースに2台の車が並ぶ。

 

 

「5!4!3!2!1!GO!」

 

 

ギュウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンブロオオオォォォォォォォォォォォォン

 

 

2台が飛び出す。

最初は緩やかな連続コーナー。有利な方といえば、インテグラだろうか。GT-Rよりは軽い。

しかし、先頭を取ったのはGT-Rであった。理由は言わなくてもわかるはず。

 

フ「フッ。先行できたなら、あとはブッチだね。速攻で終わらせてあげるよ。」

 

チ「フフフッ。最後に笑うのはこっちの方だよ。フ ラ ン ちゃん。」

 

コーナーを抜けると、ちょっと長い直線。そのあとに唯一のヘアピンコーナーがある。

相変わらずの一驚大勢だが、ちょっとずつフランの心境に変化が現れる。

 

フ「・・・!なんか狙ってる?…怖いよ…。そのヘッドライト。」

 

チ「フフッ。なんといかすごいね。そのごっついボディ。それを操るドライバーの繊細さ。でも完璧じゃない。隙が見える。」

 

ヘアピンに入る。GT-Rは減速するが、インテは減速しない。

フ「!?なぜ減速しない!?」

 

チ「私はわかったんだよ。あなたの弱点。それはコースの幅を十分に使いきれてないことだ!」

 

フ「クッ。譲るしかない…!」

 

インテがアウトからGT-Rをぶち抜く。

フ「でも…!見てろ!」

 

フランがアクセルを全開に開ける。でも、追いつけない。その理由は明白だ。ヘアピンあとは3つの連続コーナー。決してアクセルを全開にしたところで、抜ける幅もない。

 

チ「無駄だということがまだわからないのか。馬鹿はどっちなんだい?フフッ。」

 

フ「…!よしわかった。遠慮しないぜ!」

 

2週目に入る。

ここに入って、GT-Rの動きに変化が現れる。

 

フ「私は…焦っていた。勝たなければ。そうとばかり思っていた。だが今は違う。前と同じフランドールと思うなよ!チルノ!」

 

チ「ちょっとずつペースが速まってる。それでこそフランちゃんだ。こっちも遠慮しないよ!」

 

 

―――――スタート地点 旅館前―――――

大「あの…。霊夢さん?」

 

霊「ん?どうした大ちゃん?」

 

大「私と一戦お願いしてもいいですか?」

 

霊「別にいいけど。どこがいい?」

 

大「秋名でいいです。」

 

霊「分かったわ。じゃあ移動して、フランたちが終わったらこっちも始めましょう。」

 

大「はい。」

 

そういうやり取りに振り向かず、GT―RVSインテグラのバトルは続く。

フランとチルノは抜きつぬかれつのデットヒートを繰り広げていた。

 

フ「ここだっ!」

フランが最初の連続コーナーで前に出る。

 

チ「こっちだって!」

チルノも負けじとヘアピンで前に出る。

 

フ・チ「なんて楽しいバトル…。でも、負けたくない!」

 

そして、3周が過ぎ…。決着がついた。勝者はフランだった。最後の緩やかなコーナーで前に出たのだ。それにチルノは落ち着いて対処したが間に合わなかった。というのが決着だった。

フ「フ~。勝ったあ~!」

 

チ「負けちゃった。でも後悔はしてないよ!ありがとうフランちゃん!」

 

フ「こっちこそ!」

 

チ「あれ?でも大ちゃんいないよ?」

 

フ「霊夢たちどこ行ったんだろう…。たぶん秋名の峠じゃない?」

 

チ「そうかもね。行ってみようよ!」

 

フ「うん!」




次回予告
次回は大妖精VS霊夢。
はたして霊夢は100%の力を発揮できるのか!?


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憎しみの雷編
第26話「狂気」


前回までのあらすじ
チルノVSフランが終わり、続いて大妖精VS霊夢。
が、本当にできるのだろうか・・・・。


―――――――秋名山 午後20;10――――――――

ダウンヒルのスタート地点。大妖精と霊夢がいる。バトルの準備をしているようだ。そこに、先ほどバトルを終えたチルノとフランが来る。

霊「あら、お疲れ様。で、バトルどうだった?」

 

フ「勝ったよ。もちろん。」

 

チ「負けちゃったよ…。大ちゃん。」

 

大「大丈夫だよ、チルノちゃん。あとは私に任せて。必ず取り返してくるから。」

 

2人がそれぞれ自分の車に乗り込む。ふと、その時だった。

ブロロロロロロロロローーーーーーーン

黄色いシビックが通る。その車はどこかのデモカーなのか相当ボディチューニングされていた。

 

霊「!」

 

霊夢が無意識にアクセルを全開にする。

 

大(え!?ちょっと霊夢さん!!)

 

大妖精がそう思い、アクセルを踏んだ時はもう遅い。もうそこに、ロードスターの姿はなかった。

霊(しょうがない…じゃない。勝手に動いちゃったんだもの…。大ちゃん。バトルはまた今度にしましょう。)

 

??「フフフ…。あなたの実力試させてもらうわよ。霊夢さん。」

 

そういう。

第1コーナーから第1ヘアピンまでのコーナー付近はかなりスピードが乗る。そこで並んだ、黄色のシビックと赤のロードスター。

 

霊(クッ!外見からも見えたけど、あいつは間違いなくレーシング仕様ね…。スピードののり方が段違いだわ。)

 

??(向こうは県外遠征しようとはいえ、所詮はただのストリートチーム。私たちとはまるでわけが違う!)

 

霊(クソッ!まだ伸びるのか…!?)

 

第1ヘアピンに突入する。ここで、シビックが前に出る。アウト側からコースインしたロードスターで、先ほどの区間で並んでいたわけだから、当然インに入る余裕などない。

 

??(もらい!)

 

霊(クッ!絶対抜き返してやる!)

 

続いて、第2ヘアピンからの連続コーナー区間。ここで、シビックの強さが出る。

シビックは立ち上がり重視のセッティングなのか、コーナーを120㎞前後で出て、そこからさらに加速していく。今の秋名の走り屋の中ではかの86をも超えるペース配分だった。

 

霊(チッ!どんどん離れていく…!食いつけない!)

 

??(フフッフフフッどんどん離れてく…。あなたはこんなものだったっけ?博麗霊夢。)

 

霊夢は諦めたわけではない。まだチャンスはある…。そう信じていた。

 

第3、第4ヘアピン。ここで離れれば絶対に追いつけなくなる。

そう悟った霊夢は第3ヘアピンに自分が

(もう無理!)と思ったスピードでコーナーに突っ込む。その時の霊夢は正気ではなかった。なにせ、このように序盤からじわじわ来る利き方で負けようとして阿多バトルなんて体験したことがなかったからだ。

 

霊(ここを125キロぐらいで…抜けた!まだ余地はある!まだ抜けるはず!)

 

そう思った霊夢だが、今までとはわけが違う。いつもは安全領域で抜けてるコーナーだ。高速域で抜けられるはずもなく、ガードレールにロスタのボディをこすり付けて走る。そうするしかなかったのだ。勝つためには。

 

??(そこまで無理するか…。じゃあこっちもそれ相応の対応をさせてもらうよ。)

 

第4ヘアピンを抜ける。ここでも直線が速い(仕様の)シビックが立ち上がりを見せる。

霊(くそっ!!何で、何でくつけないのよ!)

 

誰も助けてくれない走る密室で、霊夢はほぼ極限状態にあった。――――その時。

 

 

ビチッ

 

 

霊「な、何!?!!バッテリー切れ!?なんで!?なんで今なのよ?!」

 

??(ロスタが遠ざかっていく…。ついに諦めたのか。フン。まあいい。勘弁してあげるよ。)

 

霊「走れ!!走れ――――――!!!」

 

一瞬、バッテリーが元に戻り、再び走り始めるロスタ。だが、それはほんの一瞬だけであった。

 

霊「何故っ・・・・。」

 

霊夢はこの時敗北を決したのであった。

といっても、バッテリーが上がっているのだ。帰れない。

―――ふとその時。一台の車が止まった。大妖精のレビンだった。あの時からずっと追いかけていたのだった。

大「霊夢さん…。大丈夫ですか?」

 

霊「だめよ…。バッテリーあがっちゃって。電気ちょっと貸してくれる?」

 

大「いいですよ。」

 

そういうと、レビンのボンネットを開き、電気ケーブルをつなぐ。バッテリーを充電するのだ。

霊「あのね…、大ちゃん。必要最低限でいいからね。」

 

大「分かってます。そんなに貸しませんよ。」

 

霊「フッ。さすがね。」

 

―――――――次の日。

霊夢はおぼつかない足取りでロードスターのもとに向かう。

 

――――ふと、ボンネットに手を触れる。湯気(っぽいもの)が出ていたからだ。

霊「あつっ!!!!何…これ。クっソ熱いじゃない!」

 

そう、霊夢のロードスターにはかなり前から異変が起こっていたのだ。

 

 

原因は…『鳳凰』だった。あの技は、エンジンルーム内の温度を急上昇させ、一時的にエンジンの機能を向上させるものだったのだ。妹紅は前日に強弱を調整できるまでになっていたからよかったものの、霊夢はあのバトルが一番最初に出したのだ。当然調整など利くわけがない。

 

 

霊「…。あなたに無理はさせないわ。今日はバスで行くから、ゆっくり休むといいわ。」

 

そういうと、麓にあるバス停目指して、歩き始めた。

ロードスターのボンネットには飽和となって出てきた水滴で覆い尽くされていた。

 

――――3時間後(ぐらい)サンドレーシングガレージ――――――

霊「おはようございま~す。」

 

レ「何言ってるの!?もう午前11:30よ!?いったい…何があったの!?」

 

霊「いや、今日はバスで来た。そう言えば大体わかるでしょ?」

 

レ「全然。っていうかあんた元気なそうよ?今日は安静にしてる?」

 

霊「いや、いつも通りにやって。こうなってる理由はフランに言えば大体わかるはずだから。」

 

レ「え、ええ。わかったわ。今日はなるべく緩やかなのにしとくわ。」

 

霊「ええ。頼む。」

 

レ「ええ。じゃあ、持ち場に。」

 

霊「うん。」

 

そういうと、歩くのが何とかという歩き方で、持ち場に向かう。――――

レ「ねえ!霊夢。今日はもう、休みでいいわ。」

 

霊「えっ…。でも…。」

 

レ「いいの。減給なんてしないから。ね?家まで送っていくから。」

 

霊「わ、わかったわよ。そんなに言うならよろしく頼むわ。」

 

そういうと、レミリアは霊夢を支えながら、S2000のもとに向かう。

レ「あなたのこんな姿見たことなかったから…。いつも元気で。明るい霊夢が見たいの。ね?」

 

霊「べ、別に気にすることなんてないわよ?まあ確かに3時間ぐらいかかっちゃったけど…。でも、別にどうってことないわよ。」

 

レ「強がらないの。」

 

霊「ヘイヘイ。」

 

そういいながら、レミリアは秋名へと向かう。霊夢の元気な顔を見るために。

―――――午後0;00 秋名山 博麗神社(仮)―――――

レ「じゃあ今日はゆっくり休んで。明日また来てね。」

 

霊「うん。」

 

ブオオオォォォォォォォオオオオン

レミリアのS2000を見ながら霊夢が言う。

 

霊「さて・・・・。寝るか・・・・。」

 

 




次回予告
体調を崩した霊夢。それを知らない魔理沙。
そして…。ロードスターに悲劇が訪れる。


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第27話「限界」

この作品は2次創作作品です。

前回までのあらすじ。
初めて負けた霊夢は、落ち込み体調を崩す。それを知らない魔理沙は霊夢に無茶を押しかける。
死へのカウントダウンが始まった…。


――――博麗神社(仮) 午後18:30 ―――――

突然、魔理沙から電話がかかった。(携帯電話)

トゥルルルルルルルルルル・・・・(ガチャ

 

霊「何よ、魔理沙。今眠いのよ。」

 

魔『そういえばお前。今日来てなかったな。どうかしたのか?』

 

霊「どうかしたから今まで寝てたんでしょうが!で?要件は何?速く簡潔に言ってちょうだい」

 

魔『じゃあ簡潔に言わせてもらうぜ。今日お前を赤城に誘おうと思ってたが、今日来てなかったから心配になって電話かけた。もし来てくれるなら今日午後21:00に赤城山の頂上で待ってる。以上。(プツッ)』

 

霊夢は突然起き上がるなり神社から出る。朝ロードスターから上げってた煙は、夜には消えてなくなっていた。

 

霊「行けそうね。」

 

そういと、霊夢はロスタに乗り込む。

ブロロロロォォォォォオォォォォォォ―――ン

 

霊「できる…はず。」

 

そういうと、車を赤城方向に走らせる。

 

その音は悲しみさえ覚えたいわばロードスターの

――――嘆きだった―――――――

 

 

――――――――――赤城山頂上 午後21;05――――――――

魔「ほんとに来たとは。ま、遅刻してくるところを見ると、本当にどうかしてたみたいだな。霊夢。」

 

霊「はあ…。なにも、今やらなくてもいいんじゃないかって思うんだけど…。」

 

魔「いや、今日でなきゃダメなんだ。」

 

霊「は、はあ…。で、誰か来るの?」

 

魔「来るんだぜ…。今日。」

 

 

―――奴の通り名は、B・Oだ。Black Organizationだぜ。――――

 

 

霊「誰なのよ、それ。」

 

魔「次期にわかるさ。―――ほら来たぜ。」

 

向こうから黒のGTR32がやってくる。そして、そこら辺から歓声が沸く。

モブ7「わー!ボーさんかっこいいー!」

モブ8「きゃー!こっち向いて―!」

 

魔「ほら、あいつだぜ。」

 

霊「あんなの、どこにでもいそうなGT-Rじゃない。しかもニスモチューンってところも、また。」

 

魔「はあ…。もう私は知らないぜ。私がお前とバトルさせるために呼んだんだからな。」

 

霊「は!?何故にっ!?ということは私はどっちにしても周りから批判を受けることになってたじゃない!!」

 

魔「おまえが来たんだからそれはないぜ。」

 

霊「魔理沙…てめぇ…。あとで絞めてやる。」

 

魔「ひうぅぅぅぅぅごめんなさいいぃぃぃぃぃぃ!!!!」

 

霊「だがしかし許されない。」

 

魔「ううううぅぅぅぅぅー☆」

 

霊「おいなんだ今の星マーク(怒)」

 

そんなくだらないやり取りをしている間に、GT-Rは凱旋走行を終え、頂上に着いた。

モブ10「降りてきたぞ!」

ガチャッ

 

霊「ってあれは…ぬえじゃない!正体不明のぬえじゃない!」

 

ぬえがこっちに来る。

ぬえ「おやおや、これは博麗の巫女さんじゃないか。お久しぶりなのかな?」

 

霊「突っ込みどころがいっぱいあるけど…。一つだけ聞かせてもらうわ。」

 

ぬ「なに?」

 

霊「あんたはなぜこんなにも好かれているの?」

 

ぬ「そんなことか。私はね、魔法使いがいなくなった隙を見てここの最速の座を奪ったのさ。その狙いどころを見て誰かがB・Oとか言い出したのさ。」

 

霊(聞けば聞くほどむかつくいい方してくるわね…。)

 

ぬ「ちょっとそっちの車見てもいいかい?」

 

霊「あ、ええ。見てもいいわよ。」

 

ぬえは霊夢に許可を取り、ロードスターに近づく……。しかし、すぐに止まる。

ぬ「霊夢?これ本当に君の車なんだね?」

 

霊「そうだけど…。どうかしたの?」

 

ぬ「フ。君はこんなにも車を大事にしないような人じゃないと思うんだが。」

 

霊「!」

 

ぬ「しいて言わせてもらうと、私と勝負するような状態じゃないってことさ。」

 

霊「!!」

 

ぬ「一目で見てわかったよ。車に相当無理をかけてるみたいだね。悲鳴が伝わってくる。」

 

霊「あんたに…何がわかるのよ!」

 

ぬ「分かるよ。私のGT-Rだって、こいつの悲鳴を聞きつけて私が代わりに運転しているだけの話。」

 

霊「あんたねえ・・・・・・・!」

 

ぬ「そういうことさ。私とバトルがしたかったら、ちゃんと手入れをした状態でもう一回やろう。それじゃあな。」

 

ぬえは諦め顔で霊夢に微笑み、GT-Rのほうに向かう。

 

霊(そこまで馬鹿にされるなんて…。)

 

霊夢も諦めた顔でロスタに乗り込む。

魔「お、おい霊夢!」

 

霊夢が魔理沙を睨む。

魔「ヒッ!」

 

GT-Rのエンジンがかかると同時に、ロスタのエンジンがかかる。

霊(・・・。勝つ。)

 

GT-Rが案内所を出た時だった。いきなりロスタが急発進する。

 

ぬ「ふ~ん。無理にでも戦おうってか。いいよ、着いてきなよ。けつにつけるもんならね!!」

 

GT-Rの甲高い音が赤城の山にこだまする。

モブ11「な、なんだ!?」

 

バトルが始まる。2台とも本気のエンジン音を響かせ、戦闘態勢に入る。

ぬ(私のニスモチューン。やられかけのリトラクタブルになど負けるはずがないんだ!!)

 

霊(・・・・・・・!)

 

赤城第1ヘアピンからの、車をゆする低速セクション。ここは、理屈で言えばロードスターのほうが有利だろうが、霊夢は赤城のくだりを一度も走ったことがない。だから真相は誰にもわからないのだ。

 

ロスタがすぐさまGT-Rの後ろに付き、射程圏内に収める。

 

ぬ(フフッやっぱりエースだね。ましてや今はものすごく怒ってる。だからそんなに無理をした運転ができるんだ。だけどね、このセクションはおそらく赤城峠で一番タイヤを食うセクション。そんなんだと、あとあと持たないよ。)

 

霊(勝たなきゃ…!絶対に…!)

 

ぬ(まあ、譲ってやるよ。)

 

GT-Rがスッとロスタをかわし、ロスタは一気に前に出る。

霊(勝つ…。)

 

ロスタは、連続ヘアピンコーナーをちょっとふらつきながらも、完璧なラインどりで駆け抜ける。初めてとは思えないラインどりだが、ぬえは冷静だった。

 

ぬ(今まで、地元じゃないコースでも、勝ち続けてきたやつだ。それくらいで来て当然だ!)

 

低速セクションを抜け、高速セクションに入る。

ぬ(速いと思うけど、もうお遊びはおしまいにしようか。決めさせてもらうよ。)

 

GT-Rは抜こうとする。だが、抜けない。ロスタが幅寄せをしてくるのだ。

モブ12「なんてやつだ!」

モブ13「そこまでして勝ちたいのか!卑怯な奴め!」

 

ギャラリーからブーングが沸く。だが霊夢はきづかない。というか、一言もしゃべらず、思わず、ただただロスタを操り、勝つことだけを祈っていた。

 

霊(……………!)

 

ぬ(ふ~ん。そこまでして勝ちたいんだ。それじゃ、こっちもそうさせてもらうよ。)

 

8番ヘアピン前。GT-Rがロスタに追突した。GT-Rのフロントと、ロスタのバックがつぶれる。

モブ14「なっ!」

モブ15「ボーさんが…キレた!!?」

 

ぬ(どうせつぶれるボロいロスタなんかに、綺麗さなんていらないんだよ!!)

 

霊(…!)

 

ヘアピンに入る。ロスタは事故らなかったものの、結局抜かれてしまった。

霊(抜き返す…!)

 

ここからはS字コーナーが続く。

キレたぬえはものすごく速い。霊夢のような赤城初心者がとうていたどり着けないようなラインを取る。それにロスタはぴったりと合わる。だが、じわじわとその差は広がっていく。

 

霊(追いつけぇ…!)

 

だがしかし、追いつけない。なにせ、FRと4WDの差だ。いくらチューニングしたところで、初心者が到底たどり着けるようなところじゃない。

 

連続S字を過ぎ、だらだら続くヘアピンセクションに入る。

 

最初の連続ヘアピンを過ぎたころ、GT-Rは完全に見えなくなった。それでも霊夢は必死に追いつこうとする。もはやその顔は、いつもの顔ではない。狂気に満ちた顔であった。

 

霊(クソッタレ!オイツケエエエエエエエ!!!!!)

 

そう思った瞬間であった。

ボキュン!

霊「!」

 

ロスタがエンジンブローした。ロードスターがめまいをしたかのように回り、路肩に止まる。

霊(私…!私…!)

 

 

――霊夢は…絶望した。自分の愚かさに。自分が取り返しのつかないことをしてしまったことに。―――




次回予告
ブローという名の死。車の死を乗り越えて強くなれると誰かが言う。
ブローは新たなスタートなのだ。


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第28話「デモカー」

前回までのあらすじ。
ブローの名のもとに、新しい出会いがあるものだ。
以上。
(要するに前回までの本編を見直してくださいということ。


 

―――私は…何をやっていたんだ…ろう。―――

 

 

落ち込む霊夢。その額からは涙がこぼれぽたぽたとロードスターに零れ落ちる。ボンネットからは、エンジンブローのせいからか、煙が上がっている。

 

霊「何で…あなたの声が聞こえなかったんだろう…私。走りに行くってだけで馬鹿みたいにあなたを乗り回しちゃって。ほんと……。」

 

――――その時。霊夢のうるんだ眼に何筋もの光が差し込む。そちらの方を見る。涙のせいでよくわからないが、大きなレッカー車らしき車が見える。

 

??「ブローぐらいで泣くなんて。ほんと、ネガティブな考え方なんだから。もっとポジティブに考えなさいよ。」

 

霊「誰――?」

 

??「わざわざここまで来たのよ。あなたを迎えにね。とにかく、やれることやっちゃいましょう。」

 

霊「う…うん。」

 

そう霊夢がうなずく。

うるんだ目がスッと乾く。

 

霊「か、母さん!?」

 

千「あれ?気づいてなったの?」

 

そういう会話をしながらも、作業を進める2人。

作業が終わり、レッカー車に乗り込む。そして動き出す。

霊「ねえ―――母さん?」

 

千「ん?どうしたの?」

 

霊「今までどこにいたの?」

 

千「今から向かうところよ。」

 

霊「そっか―――。」

 

千「あんた。自分のせいだと思ってる?」

 

霊「う―うん。」

 

千「大当たりよ。でも半分不正解。」

 

霊「?」

 

千「あんたのロードスター。だいぶ型落ちなの。だから仕方がなかった。ということよ。」

 

霊「仕方ない―――か。」

 

それからは2人は一言もしゃべらなかった。

 

――――目的地 午後21:30――――

 

目的地に着く。そこはある工場だった。

??「おかえりなさい。で、どう?」

 

千「うん。やっぱり落ち込んでるみたいね。」

 

??「そっか。まあ仕方ないね。」

 

霊夢が下りる。

霊「母さんその人――あなたもしかして蘇我屠自古?」

 

屠「そうだよ。すごく落ち込んでるみたいね。こっちへ来て、ちょっと落ち着こう。」

 

霊「うん。」

 

霊夢と屠自己はガレージに横付している部屋に向かう。

 

千代はロードスターを見ながら、

千「また、こいつをどうしようってのかね。屠自古ちゃん。」

と嘆く。

 

一方の霊夢と屠自古は部屋に入り、話し始める。

霊「…。」

 

屠「まずは、ここにいる理由でも話しておこう。私はここで――」

 

霊「どうせ、修理やらなんやらでしょ?」

 

屠「そういうと思ったよ。違うんだな。私は、レーシングモデルカー。つまり、各ショップのデモカーを専門で扱ってる。」

 

霊「!?そんなんで商売成り立つもんなの?」

 

屠「成り立つもんなのよ、これが。」

 

霊「ねえ・・。一つ聞いていい?」

 

屠「何?」

 

霊「ロードスターのエンジンブローの原因、わかるだけ教えてくれる?」

 

屠「そうだね…。一目見ただけじゃ…。わからないこともあるだろうけど…。なんていうか…。うん。『鳳凰』が原因だね、たぶんだけど。」

 

霊「それ…知ってるの?」

 

屠「もちろん。私は妹紅や慧音とも仲は良い方なんだ。うちのお得意さんだし。」

 

霊「あいつらの地元って、たしか栃木じゃなかったっけ?」

 

屠「それは違うね。たしかに本拠地は栃木にあるんだろうけど、あいつらは各地を転々としているんだ。もちろんここを訪れたときだってある。そうだね―――関係といえば、『ここにレースでつぶれかかっているエンジンはないか』とか聞いてきたのが始まりだったな。」

 

霊「!!」

 

屠「フフ。驚くのも無理はない。デモカー専門だから、どんなエンジン扱っててもおかしくはないさ。」

 

霊「ここに来たってことは…。私のロードスターも?」

 

屠「もちろんそのつもりだけど。あなたにはちょっとテストというか、練習をしてもらいたいんだ。」

 

霊「練習?」

 

屠「ああ。うちでロードスターを改良している間、あなたにはうちのデモカーを使ってもらう。かなりパワーアップする予定だから、それを扱いきれなくても、駄目なんだ。あなたには最高の状態で今後のバトルに臨んでもらいたいんだ。」

 

霊「ここの―――デモカー?」

 

屠「ああ、着いてきて。」

 

屠自古に連れられ、第2ガレージに向かう。

 

そこで霊夢は唖然とした。昨日負けたシビックがあるのだ。

霊「え!?これって…。」

 

屠「そうさ。ちょうどデータ採ってる時に、あなたたちがいたから、足しにしたものさ。それで、急についてこなくなったから、何かあると思って、19:30ぐらいには千代さんを赤城の麓にスタンバイさせておいたのさ。」

 

霊「!!」

 

霊「それで…。いつから使ってもいいの?」

 

屠「もろん、今からだよ。ほら、これがキーだよ。」

 

屠自古の手元から、霊夢の手元にキーがわたる。

 

それを持ち、霊夢がシビックに乗り込み、エンジンをかける。

 

屠「あんたのロードスターもそれぐらいにするつもりでいるから、ちゃんと慣れておきなよ。それじゃ、行ってきな。」

 

霊夢がうなずく。そして、ガレージを出る。

 

霊(この感覚…。すごい。しっかりしたパワーチューンになってる。これなら奴に―――ぬえにも勝てると思う。)

 

そう思いながら、霊夢は帰路に就くのであった。

 

一方の屠自古は第1工場にいた。

屠「さーて、さっそく修理…といいたいところだけど。」

 

千「だけど?」

 

屠「今日はもう終わりにして、明日こいつをある場所に移動させる。」

 

千「どこに?」

 

屠「鳳凰が原因と言ったらわかる?」

 

千「全然。」

 

屠「はあ…。まあ明日明かすさ。今日はもう終わりにしようよ。」

 

千「うん。」

 

そういうと、千代と屠自古は、第1、第2ガレージの端にあるスイッチを押す。すると、ガレージのシャッターが下がるのだった。

 

――――翌日 7:30 博麗神社(仮)―――――

霊「さて…。行こうか、新たな相棒さん。」

 

そういうと、霊夢はサンドガレージに向かう。

 

――――午前9:15 サンドガレージ―――――

霊「おはようさん。レミリアさん。」

 

レ「おはようってどうしたの?今日は妙に早いじゃない。」

 

霊「速いって…。それでも遅れてるんだけだけどね。」

 

レ「あはは。(汗)それで、昨日はどうだった?」

 

霊「昨日は散々だった、とだけ言っておくわ。」

 

レ「ふーん。寝たの?」

 

霊「寝てるわけないでしょ。散々だったっていうぐらいなんだから。」

 

レ「あ、そっか。じゃあ持ち場について。」

 

霊「わかった。」

 

レミリアが社長室に入ると、電話が鳴っていた。

レ(あーはいはい今出ますよー。)

 

ガチャッ

 

レ「もしもし?どちらさま?」

 

文『射命丸ですが、レミリアさんですかな?』

 

レ「そうですが。で、ブン屋。何か用?」

 

文『寝ぼけてるんですか?バトルの申し込みですよ?』

 

レ「あ、うん。そうだったね。うん。昨日は霊夢のことが心配で全然眠れなかったのよ。」

 

文『なんか変なk』

 

レ「バトル申込み拒否すんぞコラ!(激怒)」

 

文『すみませんでした。』

 

レ「よろしい。で、バトルはどこでやるの?」

 

文『土坂でお願いします。』

 

レ「はいはい。土坂ね。」

 

文『ちょっといいですか?霊夢さん呼んでもらえます?ぬえさんが話したいって。』

 

レ「ぬえが?まあいいけど。」

 

 

――――数十分後――――

霊「もしもし、ブン屋?はやくぬえ出しなさい。」

 

文『ちょっと待っててくださいね。』

 

ぬ『よう。霊夢さん。』

 

霊「ムカつくいい方してないで、はやく要件言いなさい。」

 

ぬ『へいへい。今度のバトル、土坂でやるってことは聞いてるね?』

 

霊「ええ。レミから聞いてるわ。」

 

ぬ『そこの復路なんでけど、私と再戦してもらいたいんだ。』

 

文『え!?何いってるんですか!?復路は椛のはずですよ!?』

 

ぬ『椛のやつから連絡入って、『取材入っちゃったからいけなくなった』って。』

 

文『椛の野郎…。』

 

ぬ『言っとくけど、私はあれがバトルだとは思ってないから。あんた、あの時赤城走るの初めてだったんでしょ?』

 

霊「そうだけど。あ、あと私、乗り換えたから。」

 

ぬ『まじか。何にに乗り換えたんだ?』

 

霊「ひ み つ 。(ガチャッ」

 




次回予告
ぬえという名の壁。だがそれを乗り越えようとするから強くなるのだ。
車を乗り換えた今。もう怖くない。
上りだろうと下りだろうと、勝たなきゃいけないことには変わりないんだから―――。


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第29話「代車の仮面をかぶった怪物」

前回までのあらすじ
ぬえからの電話。挑戦状。乗り換えの報告。
ねじまがった運命は、自分で引き戻すしか方法はないのさ…。


―――― 埼玉県某所 フリー新聞記者クラブ事務所―――――

ぬ「チッ。切っちゃったよ。」

 

文「そりゃあ、仕方がないですね。って、切られちゃだめですよ!まだ予定の一つも話してないのに!」

 

ぬ「じゃあもっかいかけなおせばいいじゃないかよ。」

 

再び事務所の電話が鳴る。

(ガチャッ

レ『いや、すまなかったね。切っちゃって。』

 

文「ふぅ~。よかった。かけなおしてくれて。」

 

レ『とりあえず、日にちと時刻指定だけ言ってちょうだい。そしたらすぐ切るから。』

 

文「2日後に19:30でお願いします。」

 

レ『ということはバトルは3日後ね、わかったわ。』

 

(ガチッ

――――――群馬県某所 サンドガレージ会議室 17:00――――

レ「今回の相手は埼玉記者クラブらしいところよ。」

 

魔「記者・・・クラブ?」

 

レ「そうなのよ。ま、一応走ってはいるみたいだし、相手してあげなさい。」

 

魔「そういわれてもな~。」

 

レ「今回の相手だけど、射命丸と封獣よ。」

 

フ「ぬえちゃんか~。記者としてやってるの?」

 

霊「それには私が答えるわ。一言でいうと、私に因縁つけてきた、ということよ。」

 

フ「因縁?」

 

霊「そうよ。つけるのは・・・私の方なんだけどね。」

 

咲「何かあったの?」

 

霊「ええ。実は昨日・・・車をブローさせちゃったの。」

 

咲「え!?」

 

フ「それほんと!?」

 

魔「そうか…。私が誘ったばっかりに…。」

 

霊「別に魔理沙が謝ることなんてないわ。むしろお礼を言いたいぐらいよ。」

 

レ「そういえば、霊夢はどうするの?ダウンヒル代表として出られるの?」

 

霊「もちろん出られるわよ。代車で出るけどね。」

 

レ「代車?」

 

霊「そうか、皆にはまだ話してなかったわね。じゃあ、会議が終わったらガレージに来て。その代車ってやつを見せてあげるから。」

 

レ「まあ・・・。いいわ。じゃあ、今すぐ見に行きましょう。伝えることは、あと時刻ぐらいだから。」

 

魔「お、おう。で、いつなんだ?」

 

レ「明日よ。」

 

魔「え!?」

 

フ「え!?それほんと!?」

レミリアの言葉に動揺を隠せない魔理沙とフラン。

 

レ「冗談よ、冗談。明後日よ。」

 

咲「あんまり変わってない気が…。」

 

レ「しょ、しょうがないじゃない。むこうがそう言ってたんだし。」(震え

 

魔「ま、仕方ないって言われればそうだな。」

 

フ「速く見に行きたい!」

 

レ「そうね、じゃあ早速案内しなさい。霊夢。」

 

霊「案内しなくてもわかるでしょうが…。」

 

―――――サンドガレージ 工場内――――

その姿を見た4人は驚愕した。それは明らかにディーラーで手に入るようなものではなかったかからだ。

霊「さーて、これが私の代車よ。質問は一人1つまでだからね!」

 

咲「え…?これが代車?」

 

魔「まったく理解できないんだぜ…。」

 

霊「そうに決まってるじゃない。今までダウンヒルエースだった私がわざわざノーマルしか売ってないディーラーに頭下げて『直してくださいお願いします』なんて言う?最悪、『ここまでやられちゃうと手の付けようがありません。』っていわれてつぶされる可能性だってあるのに。」

 

魔「ま、それもそうだな。」

 

レ「ねえ…。霊夢。」

 

霊「うん?どうしたのレミ。」

 

レ「これってどこかのデモカーじゃない?私もブローしたS2000の改修のためによく秋名に行くんだけど、最近よく見かけるようになったのよ。このシビック。」

 

霊「勘が鋭いわね…。大当たりよ。これは・・・えっと、『屠自古レーシングモデラー』だった気がするわ。『ちょっと治るまでこれ乗ってろ』って言われたのよ。」

 

フ「ねえ?霊夢。このシビックちょっと見てもいい?」

 

霊「別にかまわないわよ。」

 

フランがジャッキを持ち、シビックの下に回る。

フ「どれどれ~。」

 

今までペンライトをまわし回っていたが、その動きがぴたりととまり、下から出てくる。

フ「霊夢。この車使うと、たぶん私いらない人になっちゃうな。」

 

霊「そんだけやってあるの?」

 

フ「うん。おそらく、この状態だとエンジンも相当やりこんでるみたいだね。セッティングもロードスターのときとは比べ物にならないぐらい霊夢に合ってるものだよ。今日乗ってきてるなら、わかるでしょ?」

 

霊「う…うん。まあ、ロスタの時よりも乗りやすいっちゃあ乗りやすかったわね。」

 

霊夢は顔をくもらせながらも、自分の意見を正直に話す。

 

レ「と、とにかく。専業のフランがそう言うなら、今度のバトルは出られそうね。」

 

全員がうなずく。

そういうと、チーム全員が解散。それぞれ明後日の準備に入るのであった。

 

―――――2日後 サンドガレージ―――――

ギギギギギギギギギギギギギギギギギ・・・・・・

ゆっくりとガレージのシャッターが開く。

 

霊(さて・・・復讐しにいきましょう。あの憎きぬえに。)

 

―――――裁きの雷を・・・!

 

ブオン!ブオン!

ブオオオオオオォォォォォォォォォォォー―――ン

 

霊夢は2回ふかし、ゆっくりとガレージを出る。

後続もそれに続く。

 

――――――土坂への道中 関越道―――――

レ「ねえ?咲夜。」

 

咲「なんですか?お水なら、はら。」

 

レ「あいっかわらず人使いが荒いわね…。まあ、もらっとくけど。」

 

(ゴクッ

レ「zzzzzzzzz・・・・・・・」

 

咲「おやすみなさい、お嬢様。」

(ひどっ)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

魔「なんだろうな・・・妙だ・・・・。変な感じがする…。昨日までは何ともおなかったはずなのにな…。」

 

―――――――土坂 往路スタート地点 p.m.19:35――――――

スタート地点をふさぐように、2台の車があった。エボⅢとGT-R32だった。

文「ったく~。遅いですね~。」

 

ぬ「せっかちだね、あんたも。」

 

文「おっ、来ましたよ~!お~い!」

 

ぬ「あんまり出しゃばらないでくれよ、はずかしい。」

 




次回予告
進んだ道はもう戻れない。後戻りはできないんだ…!
次回ついに因縁戦。霊夢VSぬえ!









リハビリ会なんでこれくらいで勘弁してくださいくださいお願いします


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第30話「憎しみの雷・裁きの雷」

前回までのあらすじ
プラクティスに入る。
今回が霊夢の節目だと分かり、張り切るメンバーと霊夢。
そんな中魔理沙は不安を抱えるのである。


―――――次の日。 土坂近くのコンビニ 午前6:00―――――

皆熟睡し、寝息が車を支配する。

ふと、誰かが車を覗き込む。

??「う~ん。寝てるのはいい顔だ。本気になった顔が怖いけどね。」

 

魔「ん・・・。誰・・・なんだ・・・?」

 

よっこらしょでおきあがった魔理沙の寝ぼけた目には人の顔は映らなかった。

魔「・・・・・・?」

 

またよっこらしょで眠る。

??「フフフ…。魔理沙。今日は楽しい夜にしような。フフフ。」

 

―――――夕方。 同場所。 午後6:00――――

あたりは暗くなり始め、夕焼けがまぶしい。

駐車場は、今日は走り屋たまり場になっていた。話題はもちろんGodWingsVS埼玉フリー記者クラブのことだ。

 

モブ12「なあなあ。今日のバトル・・。」

モブ15「ここのヒルクライムはきっと『魔法使い』と『走りの文』だろうな。」

モブ16「当たり前だろ!もう一人のやつは・・・たぶん今日は来ないだろうな。」

モブ17「そういえばダウンヒルはどうなるのかな?」

モブ18「公表されてないから・・・。やらないか、やるとしても椛か…。」

モブ17「椛か…。『記者の椛』だからなあ…。絶対来るって…ことはないだろうなあ…。」

モブ18「そうだな。」

 

――――― 一方の土坂スタート地点 ―――――

レ「ここらへんの走り屋…。ずいぶん団結力が高いみたいね。さっきネットで見たんだけど、どうも新聞を市役所前に掲載してるみたいだから、みんなそれを見に行ってるみたいなのよ。」

魔「ふ~ん。」

 

フ「どうりでコンビニにいたときうるさいと思ったよ。」

 

レ「寝れたの?」

 

フ「一応、5時間ぐらいは。」

 

レ「十分じゃない。」

 

―――――土坂復路スタート地点 午後9:00――――――

ぬ「じゃあまずはこっちからだね。」

 

霊「ぬえ…。」

 

ぬ「なんだい?」

 

霊「前回は、ごめんなさい。むりやりバトルに誘ったりして。」

 

ぬ「フッ。いいんだよ、あれはもともと私が仕掛けたバトルだし。今回も、あんたは乗り換えてる。今回は正々堂々やろうじゃないか。」

 

霊「のぞむところよ。」

 

霊(ムカつく…。)

 

整列が終わり、いよいよ始まる。

霊(フゥゥゥゥゥ。さて、あなたに手伝ってもらうわ。)

 

――――やつに裁きの雷を。――――

咲「カウント行きます!」

「5!4!3!2!1!GO!」

 

2台が順に走り出す。ぬえが先行、霊夢が後攻だ。

 

霊(あの時とは違う…。それを見せるだけ…!)

 

ぬ(実力はわかってる。だから、それ以上で走ってレア全然問題ない…。ダウンヒルは…ね。)

 

最初の複雑なコーナー付近で、一気に前に出るシビック。スパートをかけたのだ。それをぬえは自滅と判断。あっさりと前に出した。

ぬ(ここでの出しゃばりは、あとあと響いてくるってことを、実力で示せばいいんだ。)

 

だがしかし。シビックは離れる。自分の手元から、1m、また1mと、離れる。

ぬ(……!ヒルクライムで決着つけようってか!?おもしろいじゃないか。やれるもんなら…やってみろよ!)

 

先ほどまで何かを探るようなペースだったGT-Rが急変し、ツメに行く。

霊(やはり乗ってきたわね…。だがもう遅い。あなたが許してしまったことで、もうすでに決着はついてるのよ。)

 

ぬ(くそっ!FFに4WDがヒルクライムでついていけないなんて、こんな屈辱的なこと、あってたまるもんか!)

 

ぬえが限界までペースを上げる。

次のセクション。連続コーナーが続き、進む方向が変わる。

 

どんどんくる連続コーナーに、ぬえの精神は押しつぶされつつあった。だがそこに一つの希望がうまれる。ダウンヒルである。ここは諦め、ダウンヒルで一気にペースを上げるというのだった。それ以外に選択肢はない。

 

ぬ(フン・・・・フン・・・・勝つ!勝って帰ってやる!)

 

霊(ったく、あきらめが悪いわね。だったら、このセクションでけりをつけてやろうじゃないの。)

全力で逃げる霊夢と、必死に追うぬえ。

 

実力×車の能力が完全に重なるとき、真の速さが出るのだという。霊夢がまさにその状態だ。自分に99%あった車に、適度な集中力。前しか見ない姿勢。

ぬえはどうだろうか。集中力はいいだろう。ものすごいものだ。だが、車があってないない。赤城統一できたのは、おそらく周りが弱かったのだろう。

 

つまり何が言いたいかというと、差の付き方が激しいということだ。

 

どんどん離れていく怪物シビック。それを見て、集中力が一時的に切れる。それでまたおいてかれる。

 

そう、これはバトルの殻をかぶった、何かだったのだ。

 

―――ダウンヒルスタート地点(トンネル前)―――――

 

モブ12「来たぞ!…ってあれ?シビックしか来ないぞ!?」

モブ20「どうしたんだろう…。」

モブ21「来たぞ!!」

モブ22「なんか…。すごい熱気は伝わってくるのに…なんていうか…なあ?」

モブ23「お、おう。」

 

 

―――埼玉の走り屋たちには、そうとう衝撃だったみたいだ。ぬえは赤城の時と同じく、かなり速い栃木から来た走り屋として知られていた。

 

 

―――連続ヘアピン(オイル流してたとこ)――――

 

モブ23「ウソだろ!!??あのぬえさんが…こんなにちぎられてるなんて…。」

モブ24「信じられねえぜ…。」

モブ23「ああ……。」

 

 

―――周辺の走り屋たちには優しく、よく教えていたそうだ。こんなぬえが必死になってもついていけないのだ。落胆するのも無理はない。

こうしてついた埼玉ダウンヒル決戦は、今後受け継がれることになるだろう。

 

―――往路スタート地点 午後10:00―――――――――――

文「さて…。ひと段落したことですし、こちらも始めましょうよ。」

 

魔「あ?ああ。」

 

文「どうしたんです?元気ないですね。」

 

魔「……。」

 

魔(FDの調子がおかしい。どう考えても変だ。やめるべきだと思うが、やめるわけにはいけない。だってこれが霊夢にとっての節目なんだからな。)

 

ハク(…………………………………。)

 

フ「カウント行くよ!」

「5!4!3!2!1!GO!!」




次回予告
ハクと魔理沙。この関係が動き出す今。
VS走りの文。
そう、これは魔理沙にとっても節目なのだ。










字数が減ってるのは自分でも気づいてます。
戻していきたいです。
明日休みだがな。


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第30,5話「ハクの彼氏」

前回でのあらすじ
VS文戦開始。
魔理沙のFDは勝てるのか。


「5!4!3!2!1!GO!!」

 

アクセルを踏む2人。バトルスタート。

2台とも1コーナーを抜ける。

だが、異変が起こる。

魔「!?ギアが・・・入らねえ!」

 

ギアが3足までしか入らないのだ。

1コーナーを抜け、2コーナー。どんどん離れるエボⅢ。

魔「くっそ!入れよ!」

 

拒むように4足に入れても3足に戻る。

文「あや?どうしましたのかな?まあ、ちぎらせてもらいますよ。」

 

みるみるうちにFDとエボⅢの間が開いていく。

魔「何故っ!何故なんだ!入れ!入れよぉぉぉぉぉ!」

 

必死にコントロールしようとする魔理沙だが、制御しきれていない。

ハク「……………………魔理・・沙。まって。」

 

魔「!!」

キュルルルウウゥウゥ

突然FDがスピンする。ここはもともとプロD戦でまかれたオイルのど真ん中だった。

魔「くそ!こんな・・・・こんな・・・。」

 

モブ24「おい!大丈夫か!」

モブ25「無線で連絡しろ!」

モブ26「了解だ!」

 

そうして数分後…。エボが下りてくる。

文「ふぅ…。勝ちましたよ。魔理沙さん。」

 

魔「おまえ…。これで、この状態でお前が勝ったって言い張れるのか?」

 

文「勝ったって言って何が悪いんです?」

 

魔「ふ…。いつまでも馬鹿だな…。お前。」

 

文「そんなに言うならもう一戦やってあげてもいいですよ。」

 

魔「ったく…。そう来なきゃな。言わせてもらうが…。」

 

魔理沙の目つきが豹変した。鬼のような眼だ。

魔「貴様らのような埼玉の走り屋には、死んでも負けないからな。」

 

文「あなた…。なにか誤解してませんか?私は何もやってませんよ?」

 

魔「んなこたわかったんだよ。」

 

そういうと、魔理沙はFDに乗り、泣き始めた。

??「ちょっと!」

 

FDの外に人影があった。

魔「誰だ?」

 

ハク「私だよ!ハクだよ!」

 

魔「ああなんだハクか。って!ええ!」

 

魔理沙は驚き、外に出る。

魔「お、お前は・・・本当にハクなのか?」

 

ハク「そうだよ。私はハク。天野ハクだよ。」

 

魔「本当の姿・・・か。なあ、一つだけ聞いていいか?」

 

ハク「・・・うん。」

 

魔「なんでカーナビの中にいたんだ?」

 

ハク「それは今は言えないよ。それじゃあ、明日の夜にまた会おう。」

 

ハクがスッと消える。

魔「あっ…。」

 

すると、魔理沙はまたションボリした表情を浮かべ、FDに戻っていった…。

 

 

―――――土坂頂上 午前3:00――――――

夜が明けない真夜中。

朝日が未だ昇らぬ土坂に幽霊がやってきた。そっとFDに近づく幽霊。

??「よう。あんたが魔理沙か。」

 

魔「待ってたぜ。で、あんたはいったいどこの誰なんだ。」

 

??「俺か?俺はな、ハクの彼氏だ。」

 

魔「は!?」

 

「そうだな、本名は地霊 針助だ。」

 

魔「あんたが…彼氏?車がないようだが?」

 

針「車は下に置いてある。そこにハクもいる。」

 

魔「わかった。それじゃ、下に行くわ。」

 

針「おう。じゃあ下で待ってるぜ。」(スッ

 

針助の姿が見えなくなる。

魔「それじゃ、行くか。」

 

そういうと、魔理沙はFDに乗り込み、復路のスタート地点を目指す。

 

 

―――――――土坂 復路スタート地点 午前 3:10―――――――――――

ハク「来たね。」

 

針「ああ。」

 

ボロロロロロロロロロロロロロロ(バタン

魔「来てやったぜ。で?ハク。私をどうするつもりだ。」

 

ハク「私は…あなたをどうするとかそういうつもりはないよ。ただ針助君と勝負してほしい。それだけだよ。」

 

魔「なるほど。で、針助の車。FDなのな。」

 

針「おお、そうだぜ。こいつはハクにいろいろやってもらってできた車だ。で、走り込みに行ったその日にハクは死んだ。だから、俺は思ったんだ。俺が赤城にいたせいだ。とな。」

 

魔「で、あんたも自殺した、と。」

 

針「大体正解だぜ。さっそくはじめよう。我々には時間がない。夜が明ければ我々の姿は見えなくなる。そうなると当然車も運転できなくなるわけだ。」

 

魔「おう。さっそくはじめよう。」

 

そうすると、魔理沙のFDが思いっきりターンして、針助のFDに合わせる。

ハク「それじゃあ、カウント行くわよー。」

 

「5.4.3.2.1.Go。」

 

2台並んだFDがハクの横ぎりぎりを通り抜ける。

ハク「なんというか…。不思議な感じ。昔彼氏だった針助君と今相棒になっている魔理沙。バトルするなんて。」

 




次回予告
VS針助スタート。
FDVSFDの先に待つものとは。そしてハクがカーナビにいた理由とは。
第31話「純白のFD」








ハーフにしたのは察してください。
あと、休日中はこっちが忙しいのでお休みです。


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第31話「白いハク 黄色い魔理沙」

前回までのあらすじ
VS針助戦開幕。
そして針助は、ハクのことについて語り始める。


「5.4.3.2.1.GO.」

 

2台がすり抜ける。

針(さて、まずは後ろから走りの把握からだ。どれだけやれるかわからせてもらう。話はそれからだ。)

 

魔(問題なのはあいつがどれだけやるか・・・か。)

 

もくもくとバトルを進める2台のFD。

第1セクションから第2セクションにかけて、上りが続く。さらにちょこまかと連続のコーナーが続くため、コースを覚えていなければ、確実に1つミスが出る。

針助はもちろん初見のコースで、コースを覚えてなどいない。だが、事前にプラクティスした魔理沙のペースについてくる。魔理沙はそれに怖さどころか、親しみさえ感じた。

 

魔「なんだろう…この感覚。妙だな。ハクが抜けて、おそらくこのFDも2,3割は遅くなってる。だからついてきたってそれほど苦じゃないんだ。でも・・変だな。」

 

針{いいか…。よく聞け。これはお前の脳に直接話しかけている。}

 

魔{…!!おまえ…そんなことできんのか?}

 

針{そりゃ、俺だって幽霊だからな。お前に取りつきさえすれば、そんなことも可能だな。}

 

魔{……!!}

 

針{で、ハクがカーナビだった理由。それはな…。}

 

 

――――――やつとは、ずいぶん前に出会った。

 

 

―――――何か普通なのに、魅力を感じる奴だったんだ。

 

 

―――――――俺はその時かられっきとした走り屋だったからかな。やつも走り屋になりたいって言ったんだ。

 

 

―――――その時ちょうど、やつの両親が死んだ。

 

 

――――――そして、少したってから、奴はなんと俺と同じFDを買ってきたんだ。

 

 

―――――――正直その時、びっくりしたんだ。

 

 

―――――――そして、ある日だ。俺は赤城山にハクがいるってことで、麓でスタンバイしてたんだ。…もちろん、付き合うためにな。これだけ長い期間一緒にいて、付き合ってないってのもあれだったし。

 

 

―――――その時、一台の車が上がっていった。車種は…たしかFDだったな。

 

 

―――――――そんでその後、奴は死んだ。崖から落ちて、検視の結果、即死だったそうだ。

 

 

――――――で、その知らせを翌日に聞いて、思いっきり泣いた。叫ぶように。

 

 

―――――その日の夜だった。突然、奴が現れて、こういったんだ。

 

 

――――「ねえ、針助君。」

 

―――――「な、なんだよ。いきなり。」

 

―――――「私、死んだのはわかるよね?」

 

―――――「あ、ああ。」

 

―――――「私のもとに来たいとは思わないの?」

 

―――――「は!!?」

 

―――――「だって、麓にいたんでしょ?あの時。」

 

―――――「な、何でそれを?」

 

―――――「幽霊になったんだよ、それぐらい当たり前じゃん。」

 

―――――「………。」

 

―――――「いい返事を待ってるよ。」

 

―――――――その後は…。わかるよな?俺はその日のうちに自殺した。

 

 

――――――俺は現実より、ハクを選んだんだ。

 

 

 

――――――本題に入ろうか。

 

 

 

―――――俺が幽霊となるとき、ハクがついてきてこう言ったんだ。

 

 

――――――「ねえ、ちょっとお願いがあるんだけど。」

 

――――――「なんだよ。」

 

―――――「私を生き返らせてくれる?」

 

――――――「は!?」

 

―――――「私、何かに取りついて、そこで生きようと思うんだ。それで、針助君には、取りつくところを見ててもらいたいんだ。というか、手伝ってほしい。」

 

――――――「そんなことで俺を誘ったのか!?」

 

――――――「そうだよ。(ニコッ)」

 

―――――「ま、しょうがねえか。で、ターゲットはもう決めてあんのか?」

 

――――――「あるよ。ほら、あそこの私のお姉ちゃんのFD。あそこに今夜中に取りつきたいんだ。」

――――「こ、今夜中…。わ、わかった。やるぞ。ほら。」

 

――――――「うん。」

 

 

―――――――それで、奴の姉。ハルのFDにあったカーナビに取りついたってわけだ。

 

 

魔{そ、そうだったのか…。}

 

針{どうだ?少しはあいつのことわかった気がするだろ?}

 

魔{ま、まあな。}

 

針(なら、行けるはずだ。)

 

針{このまま、下ってって、麓で折り返して、スタート地点に折り返すぞ。}

 

魔{おう。}

 

その後は、FDVSFDのバトルが続いた。抜きつ抜かれつのデットヒート。

3時30分くらいまで続いた。

 

―――――――午前3:34 土坂復路スタート地点―――――

ハク「どうだった?魔理沙。私のこと、少しはわかった?」

 

魔「ああ…。お前のこと、少しはわかった気がするぜ。ありがとな。針助。」

 

針「いいんだよ。ほら、手をつなげよ。」

 

ハク・魔「は?なにいってんの?」

 

針「ほら。」

 

いやいやながらも、2人が手をつなぐ。

すると、2人光り始める。

 

魔「な、なんだ、これ!?」

 

ハク「針助君何かしたの!?」

 

針「別に。」

 

数十秒すると、光るのが収まりその中から、一人の人物が出てきた。

それは、魔理沙でも、ハクでもなかった。

白っぽい魔女帽子に、銀髪の髪。ワンピースのうえに、前掛け。

それはまるで、ハクと魔理沙を足して2で割ったかのようだった。

 

白魔理「な、なんだ、これ!?なんか…。パワーが2倍になった気がするぜ!」

 

その瞬間、バッっとなって、白魔理が2つに分裂した。

魔「な、なんだったんだ?」

 

ハク「なんか…魔理沙と同じ景色が見えた気がする…。」

 

魔「あ、ああ。それじゃあ、今日もよろしくな。ハク。」

 

ハク「うん。」

 

するとハクの体はなくなり、魔理沙の黄色いFDに吸い込まれる。

そして魔理沙がFDに乗り込む。

朝が来る。山の外線には赤い光がかかっていた。

 




次回予告
朝が明け、昼が来て、夜が来る。
また来るVS文。
だが、もう前とは違う。
それを、見せる。









明日は卒業式でいろいろとあれなのでお休みします。


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第32話「白魔理沙」

前回までのあらすじ
知られざるハクの過去を知った魔理沙。
そして、白魔理沙の正体とは!?


魔理沙は朝の3:45ぐらいに就寝したためか、昼間に飯で起きた以外はほとんど寝ていた。

それを不安に思ったメンバーたちが、動き始める。(ただのおしゃべり)

―――土坂頂上 午後16:00―――――――

レ「なんか、魔理沙すごい寝てない?」

 

霊「そう?あー…。でも、まあ、そういわれてみれば、そうかもね。昼に起きたとき以外は、寝てるもんね。」

 

レ「フランたちも、ね。」

 

霊「まあ、朝聞いた話だと、フランは早朝に一回、目が覚めてそれからしばらく眠れなかったそうなのよ。」

 

レ「あーだからかな。おそらく咲夜も同じ理由かと―――」

 

霊「咲夜は日常の疲れでしょjk。」

 

レ「言われてみればそうかもね。(笑)」

 

――――そして、夜が来る。明かりのない夜中が。

 

―――――土坂頂上 午後19:30―――――

文「わざわざ1日伸ばしてくれるなんて、さすがですね。」

 

レ「皮肉っぽい。」

 

フ「文さん、ぬえちゃんに似てウザくなってきてる気がする。」

 

咲「というかウザい。」

 

霊「おっ、そうだな。」

 

文「あやややや…。」

 

魔「なにしてんだ?文。さっさと車並べて始めようぜ。」

 

レ「妙に乗り気ね。昨日とは大違いなんだから。」

 

魔「そりゃ、そうだな。だって今の私は昨日の私とは違う。それを今からお前らに見せてやるよ。」

 

ハク「そうだね。」

 

止まっていた2台の自動車。FDとエボⅢがそれぞれ往路のスタート地点を目指す。FDからは何かが漂っているようだった。

 

――――――土坂 往路スタート地点 午後19:45――――――

魔「どっちが先行にするんだ?」

 

文「また私が先行でもいいですかね?」

 

魔「分かった。」

 

咲「それじゃあ、カウント行きます!」

 

「5!4!3!2!1!Go!!」

 

ドギャギャギャギャギャギャギャギャ………

 

文(さーて、頂上での自信のほうを拝見させていただきますよ。)

 

魔「ハク。あの時の融合、あれやるぞ!」

 

ハク「は!?あれって、私が実体化しないとできないんだよ!?針助君だっていないんだし…。」

 

魔「ごちゃごちゃ言ってても仕方ないだろ。今はバトルなんだから、勝たなきゃ終わんないぞ!?」

 

ハク「分かった。魔理沙がそこまで言うなら、私やれるだけやってみるよ!」

 

魔「そう来なくっちゃ!それじゃ、行くぞ!」

 

ハク「うん!!」

 

FDが光り始める。

文「え!?何が起きてるんです!!?」

 

モブ30「なんかひかり始めたぞ!?」

モブ31「いったい何が起きてるんだ!?」

 

そして…光の中からは、白いFDが現れた。

白魔「そうだ!やればできるじゃないか。」

 

(そ、そうだね・・。できたね。)

 

白魔「それじゃ、いくぞ!」

 

文(…!ペースが…上がってる!?)

 

前回、エボⅢにどんどんと離されたポイント。今度はFDが差を詰めている。

文「な、何が起こってるんです!?」

 

白魔「文。ペースが乱れてるぜ!そんなんじゃあ、私には絶対に勝てないぜ!」

 

FDがスッとエボの前に出る。

文「な!?」

 

白魔「これで…チェックメイトだ!」

 

文(まだだ・・。まだ私は諦めない!)

 

エボは必死に隙を探しに行くが、FDには一切の隙さえもなかった。

アウトインアウトのしっかり取れた自信のあるラインどり。アクセルに迷いがない。踏むところは踏んで、ドンピシャのブレーキタイミング。

 

文(クッ…!どれだけ隙がなかろうと、私は絶対にあきらめるもんか!抜くポイントはいくらでもある!それを見極めていけばいいだけの話なんだ!)

 

白魔「文のやつ…。まだあきらめてないな。もうちょっとペースを上げてちぎるか。」

 

(わかった。)

 

さらにFDのペースがグンと上がる。

文(くそっ!なんで追いつけないの!)

 

――――――土坂頂上――――――

ブロロロロロロロオオオオオオン

 

レ「来たわ。」

 

霊「ええ。」

 

2人の目の前を、白いFDが通過する。

レ・霊「え!?何今の!?」

 

霊「ねえ、レミ。これって、魔理沙とブン屋のバトルよね?」

 

レ「え、ええ。そうよ。」

 

霊「何で白いFDが混ざってるのよ?!」

 

レ「知らないわよ!ちょ、ちょっと咲夜に聞いてみる。」

 

レミリアは1号車の中からトランシーバーを取り出し、咲夜につなぐ。

レ「ね、ねえ咲夜?」

 

咲『なんですか?』

 

レ「あなたがカウントした時、FDは何色だった?」

 

咲『もちろん、黄色でしたよ。』

 

レ「こっちでは白いFDが通り過ぎてったんだけど。」

 

咲『え!?それほんとですか!?』

 

レ「ほんとじゃなかったらなんでわざわざトランシーバーなんかにかけてるのよ。」

 

咲『と、とにかく、そちらに向かいます!』

 

レ「わかったわ。」

 

咲夜は急いでFCに乗り込み、頂上を目指す。後ろにはフランが寝ている。

 

咲(まだフラン寝てるし・・。ま、まあ起こさなきゃいいべ。)

 

咲夜はFCを飛ばす。

 

フ「むにゃむにゃ…。あ、咲夜おはよ~。」

 

咲(なぜ今起きるんだ~!!)「お、おはようございま~す。」

 

フ「あの。疑問が二つあるんだけど。」

 

咲(今聞くな!あとだ!後で聞け!)「なんですか?」

 

フ「まず一つ目に。今何時?」

 

咲(あ?知るか!)「だいたい8時ぐらいですかね。」

 

フ「じゃあ二つ目。なんで今動いてるの?」

 

咲「ちょっと頂上のお嬢様から連絡がありまして。」

 

フ「ふ~ん。どんな?」

 

咲「詳しくは、頂上で話しますよ。」

 

フ「分かった。」

――――――土坂頂上 午後20:03――――――

咲夜とフランが頂上に帰ってくると、魔理沙が帰ってきていた。バトルは決着がついていたのだ。

レミリアと霊夢が魔理沙に詰め寄っていた。

 

レ「ねえ!魔理沙!あなたちゃんとバトルしてたわよね!?あ、咲夜!」

 

魔「な、なあ助けてくれよ咲夜。なんか変なこと聞いてくるんだ…。怖くて仕方がないんだぜ!」

 

咲「助けてくれと言われても・・。私はカウントした時のことしか知らないし…。」

 

霊「そうよ!だいいち―――」

 

魔「あーもう!わかった!私の口からちゃんと説明する!だから落ち着け!」

 

レ「お、おう。」

 

フ「・・・・・・?」

 

魔「白いFDに乗ってたのは私だ。それはな・・。この、」

 

魔理沙がFDのボンネットを開く。

 

魔「このエンジンに取りついている幽霊、ハクと融合した姿が、お前らの見た、白いFDだったってわけさ。」

 

霊「取りついている…幽霊!?」

 

魔「そうさ。」

 

フ「なるほど…。これですべて合点がいった。」

 

魔「…フラン?」

 

フ「魔理沙。そのFDって、この世界に来てからずっと乗ってるんだよね?」

 

魔「ま、まあな。」

 

フ「私と魔理沙でバトルしてた時、どんどんあり得ないほどにペースが上がっていったんだ。それはおそらく、このハクちゃって子と魔理沙が融合仕掛けてたんだよ・・。わかりやすく言うと…そうだなぁ、気が高まるとか、同じこと思ってるっていうか?とにかく、そんな感じだったんだよ。」

 

魔「なるほどな…。」

 

ハク「ふ~ん。」

 

霊「だ、誰!?」

 

ハク「私だよ。今魔理沙にご紹介を預かりました、ハクでございます。」

 

ハクが実体化して現れる。

レ「あんたが…魔理沙の言うハクってやつなのね?」

 

ハク「そうですよ。」

 

フ「ふ~ん。あなたがそうなのね?」

 

ハク「あなた、ずいぶんと私のこと詳しく言ってくれるね?」

 

フ「それはどうも。」

 

ハク「とにかく。これからも、私は魔理沙のFDにいるつもりだから。以後お見知りおきを。」

 

ハクが再び、幽霊となってFDに吸い込まれる。

レ「さて、帰りましょうか。着いたら休暇を取りましょう。そうね…2週間でいいかしら?」

 

フ「わかった!」

 

咲「賛成です!」

 




次回予告
休暇中はバッサリカット。
次回からは新たなステージへ…!






今回からだいぶ戻ってきた気がします。
これからも更新続けていくつもりなんでよろしくお願いします。


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設定集2&用語集

ネタバレ祭りですので。
お気軽にどうぞ。


用語集

 

Dワールド

→架空世界。車の暴走行為のみ規制がかなり緩くなっている。でから、走り屋文化が盛ん。我々の世界で言えば、『頭文字D』や、『湾岸ミッドナイト』といった、架空のアニメの舞台となった。規制が緩い理由として、この世界の住人は、飲酒や天候に左右されないとても安全な運転ができることがあげられる。ちなみに、幻想郷住人が移住してきたときには、プロジェクトD解散から3か月。啓介と拓海がプロのレーサーとなり、国内で活躍し始めたころ。

 

事務所兼住居(第1話より)

→事務所とは、チームの中心となり、活動の拠点となる場所のこと。住居と一緒なのは言わなくともわかるはず。

 

ギャラリーのプレハブ的な何か(第4話、第9話、第15話より)

→事務兼とおんなじイメージ。違うところといえば、事務所を改造して、ショップにしたところ。

 

RS

→赤城レッドサンズの略

 

TRRD

→チームレミリアレーシングドライバーズの略

 

GodWings

→プロジェクトDと同じ遠征チーム。本拠地は群馬。主旨は、幻想郷にいた住人の所在を確認することだが、このDワールドの環境に慣れ、主に車に乗っているのが大体だと考えられる。だから、ついでに倒しておこうというものだ。ちなみに、バトルはGodWingsから、対戦予定者に手紙を送る。所在の確認のほうは、基本的にレミリアがインターネットで行う。

 

幻想レーシング

→レミリアがTRRD時代に建てた、いわゆる車両修理工場的な。走り屋に有名となった群馬県に備わる。一般車両の修理、納車はもちろん、チューニングパーツの販売、設置も行う。(委託販売のもの。)人気はそこそこ。後のサンドレーシング

 

サンドレーシング

→GodWingsが使う、ガレージの名前。サンドガレージともいわれる。幻想時代と比べ、客足が滞ってしまったため、サンド(砂漠)ガレージ・レーシングと名付けられた。

 

八雲紫の憂鬱

→八雲紫が、幻想郷からDワールドに移住させる際、能力に差をつけたことの名称。幻想郷時代のことをはっきりと覚えている者もいれば、記憶さえもないものもいる。能力が全く使えないものもいれば、そんなに差支えなく使えるものもいる。しかし、結果的には調和して±0になると、紫は主張する。

 

 

設定集2

 

チーム月の兎 本拠地 定峰

鈴仙・優曇華院・イナバ 搭乗者種 トヨタ セリカGT-FOUR 白

チューニング(参考)頭文字Dスぺステ Aコース

      地元 定峰 通り名『凶器のレッドアイズ』・・・本編より、目を紅くして相手の視界を鈍らせるため

      『八雲紫の憂鬱』により、能力が残ってしまった一人。しかし、彼女自身はそれが気に入り、攻めるときは必ず能力を使うといわれる。いわゆる、厳しくしたけど結果的にはいい方向に向かってる、てきな。てゐのことだが、妹っぽく見ている。(全然違うけど。)

 

因幡てゐ 搭乗者種 スバルインプレッサ (GD8) 白

チューニング(参考)頭文字Dスぺステ Dコース

      地元 定峰 通り名『クリスタルラビット』・・・言わずもがな兎だから。チーム名の起点になった人。

      2次創作なんかでは、う詐欺師とか、お姉さんっぽいキャラで描かれることが多いが、こちらは正反対。ちょっとぐらいじゃへこたれないが、気持ちが不安定になると、正直に泣く。泣き虫じゃないよ!幻想郷時代の反省を生かし、おとなしくかつ大胆な走りをする。パワーには頼り(たくない)だそうです。

 

八意永琳・蓬莱山輝夜 搭乗者種 不明 

      地元 不明(神奈川エリア)

 

チームもこけーね

 

藤原妹紅 搭乗者種 トヨタスプリンタートレノ 赤

      地元 不定期 通り名『紅の86』

      現在はもこけーねの公道担当。

86の名にふさわしい、理論のはいつた走りをする。レース現場ではメカニックとして活躍しているため、車の知識は(結構)豊富。86を選んだ理由は、中古屋で一目ぼれした。だそうです。(本当は頭○○○の藤○とかけてます。はい。ごめんさい)

 

上白沢慧音 搭乗者種 ホンダNSX(N1) 青

      地元 不定期 通り名『』

      チームのレーシングドライバーだが、現在負傷中。

 

ドライバーになった理由→妹紅だけなんかクールな感じで、嫌だったから。自分も目立ちたかったから。

      あくまで妹紅の相棒的存在。

 

チームR&R

 

河城にとり・鍵山雛 すべて不明

 

チームFaily’s

 

大妖精 搭乗者種 トヨタカローラレビン(AE86) 白

      地元 不明(たぶん秋名) 通り名『ブラックフェアリー』・・・チルノへの愛情(愛とは言ってない)が膨らみ、腫れついた結果、ものすごい嫉妬妖精になってしまったから。

      チルノに解散を迫られ、拒否したものの、結局解散という、ものすごい過去を持つ。嫉妬(愛情)の力で覚醒し、自分の車のボンネットを自身の気分に応じて変えるという派生技をもつ。

 

チルノ 搭乗者種 ホンダインテグラ 白

      地元 筑波 通り名『氷精』・・・茨城では、クールな振る舞いをしているから。

      Faily’s解散の原因。茨城ではかなり満足な練習ができているんだとか、いないんだとか。ちなみに愛車は筑波でコーチをしている人の師匠が作った車。

 

チーム埼玉フリー新聞記者

 

射命丸文 搭乗者種 三菱ランサーエボリューションⅢ 黒

      地元 土坂 通り名『走りの文』

      地元では、公式新聞記者をやろうとしたが、やむなくフリーのライターに。だが、彼女はあまり取材とかはしていないようだ。やることは専ら走り込み。唯一の取材といえば、ハクがこの世界に来たことを取材したぐらいだ。

 

犬走椛 搭乗者種 トヨタカローラレビン(AE85)

     地元 土坂・間瀬 通り名『85クライマー』『記者の椛』

     こちらは記者としてきちんと活動している。だが、昔は走り屋を総なめしたもすごく恐ろしい存在だとしている。バトル時は遠征取材のため不在。

 

姫海道はたて 搭乗者種 スバルインプレッサ (GC8)グレー

     地元 土坂・間瀬 通り名『白の付添』・・・昔、椛の隣にいて、椛のナビゲートをしていた。

     現在は、間瀬で主に活動しているため、ほとんど出ていない。あんまり速くはない。

 

その他

 

封獣ぬえ 搭乗者種 日産GT-R32 黒

     地元 不定期 通り名『死の宣告』

     ここでは明らかなDQNとして書かれている。どうやら、命蓮寺といろいろ関係があるようだが…?

 




ちょっと、明日と明後日は休みます。


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VS命蓮寺混合チーム
第33話「不安」


前回までのあらすじ
VS文・ぬえ戦から1週間後
ある人物たちは、次回のバトルについて悩んでいた―――。


―――――8日後 栃木県某所 ―――――

 

走り屋1「なぁ、ここにも来るんだってな?ゴッドウイングス。」

走り屋2「ああ。なんか、すごい情報は入ったんだけど、前回のバトルでアザーカーが乱入してきたらしいぜ。」

走り屋3「それまじかよ!」

走り屋2「だって公式のHPに乗ってたんだぜ。ウソなわけないだろ。」

走り屋3「それもそうだな。」

 

??「今の聞いたかい?」

 

??「ああ、奇妙なこともあるもんだなぁ。」

 

??「それより、さ。ゴッドウイングスから手紙が来たんだ。」

 

??「それ、ほんとかい!?」

 

??「本当だよ。ほら、ここに手紙があるんだ。」

 

『 拝啓 命蓮寺仮拠点 様へ

     ようやく草木もえいづる季節となりました。

     さて、今回はバトルのお知らせをおも仕上げます。こちらの詳細については、HPを作ってあるので、そちらをご覧ください。

     良い返事をお待ちしております。

     では、都合がよければ1週間後に命蓮寺(仮拠点)前駐車場にてお待ちください。

敬具

               GodWings代表取締役  レミリア・スカーレット  』

 

??「フ~ン、なかなか礼儀正しいもんじゃないか。なあ、星ちゃん?」

 

星「そうだね。見る限りはかなり礼儀正しいな。ナズー。」

 

ナ「ところで…。相談なんだが。」

 

星「どうした?」

 

ナ「聖が捕まったらしい。」

 

星「はぁ…。って!それって相当まずいんじゃ…。」

 

ナ「そうでしょ?本当はうちは聖がダウンヒルで、星ちゃんがヒルクライムなはずだったんだけど…。聖の罪状は、1か月と反省車両の製作らしい。」

 

星「またうちのガレージに車が増えるのか…。」

 

ナ「はぁ…。うちに命蓮寺システムなんて変なものがなければなぁ…。」

 

星「そうだね。それよりさ、ナズーが出るってことはできないの?」

 

ナ「それも考えてみたんだけど…。どうも最近はギャランの調子が特に悪くて…。おそらく、いま走り出せば確実に逝って、私も牢屋逝きさ。」

 

星「それは非常にまずい…。小傘も今はいないし。」

 

ナ「でしょ?だから私が出られる可能性は低いんじゃないかな。」

 

星「じゃあ誰が―――」

 

 

??「あ、あのっ!」

 

 

ナ「ん?君は…ムラサ?」

 

ム「そうです。私。村紗水蜜です。」

 

ナ「ああ、そういえば聖が、幻想郷時代に特に悪いことしたやつは、リスポーンするって言ってたっけな。」

 

ム「そうなんですよ!だから私、秋田からわざわざここまで来たんですよ!?」

 

ナ「おお、それは疲れたな。ところでさ、ムラサ。」

 

ム「はい?」

 

ナ「何でここまで来たんだ?」

 

ム「もちろん…車ですよ?」

 

ナ「見せてもらってもいいか?」

 

ム「いいですけど…。」

 

ナ「行くよ、星ちゃん。」

 

星「うん。」

 

2人は席を立ち、お会計を済ませ、外に出る。

そして、ムラサの車を見た2人は唖然とした。ムラサの車S14だった。

 

ナ「ね、ねえムラサ。これって…ほんとにムラサのだよね…。」

 

ム「そうですよ♪」

 

ナ「まじかよ…。」

 

星「いいんじゃない?今度のb―――」

 

ナ「ば、馬鹿っ!言うんじゃない!

ム「なんです?」

 

ナ「はぁ…。ここまで行ったら、言うしかないか。とにかく、寺院までついてきて。事情はそこで説明するから。」

 

ム「分かりました。」

 

そうすると、3人はそれぞれの車に乗り、一路、命蓮寺に向かう。

 

―――――妙蓮寺寺院 午後16:45――――

ム「で、話ってなんですか?」

 

ナ「あのね…。ムラサ。私たちは来週、あるチームとバトルしなければならないんだ。」

 

ム「あるチーム?」

 

ナ「GodWingsと言って…聞いたことない?幻想郷時代に住人だった人物を倒しに行ってるんだけど。」

 

ム「へ~。そういうチームがあるんですか。」

 

ナ「それでね、単刀直入に言おう。君のそのS14を貸してもらいたい。あと、命蓮寺グループにも所属してもらいたいんだ。」

 

ム「っていうか、そんなチームとどうするってんです?第一、S14を走らせる場所がないですし、あったとしても私がやった方がいいんじゃ…。」

 

ナ「あんたねぇ…。場所はここ。もみじライン。もしあなたがやったとして、それで負けなしの霊夢を倒せるとでも?相手は初見とはいえ、あなたも全然走ってないじゃない。確実に2セクに入る前にちぎられるよ?」

 

ム「そんなにすごい人なんですか!?」

 

ナ「そうよ。だって1日プラクティス後に翌日にバトルなのよ?そうとうなもんじゃんか。」

 

ム「わ、わかりました…。そういうことなら協力します。私の車はナズさんに貸しますし、その命蓮寺グループってのにも入ります。それでバトルに勝てるってんなら私は協力しますよ。」

 

ナ「わかった。ありがとう。それじゃ、さっそく使わせてもらうよ。」

 

ム「はい。これキーです。」

 

ナ「もい。それじゃ、行ってくる。」

 

ブロロロロロロ…グオオオォォォォォォォォォォォォォーーーーン

 

ム「はぁ…。勝てるかな…。」

 

星「大丈夫なんじゃないかな。ナズなら。」

 

ム「星さん?」

 

星「あいつと私と聖は同期なんだけどさ。ナズは人一倍走り込みを頑張ってたんだ。たぶん今まで捕まった中で、回数が一番多いんだと思う。だから、ここのコーナーの角度とか、どうやってはいればいいとか、そういうのは一番知ってるんだ。」

 

ム「あのー、星さん。その『捕まる』ってどういう意味なんですか?」

 

星「ああ、そうか。ムラサにはまだここのシステムについて話してなかったね。」

 

ム「システム?」

 

星「ここには、なんでも外の世界と同じ刑罰のシステムがあるらしいんだ。例えば、事故を起こして、起こした側が何か月刑務所に入るとか、そういうことらしい。まぁ、こっちではムショに入ることを『修行し直し』って言うらしい。ムラサが目を覚ました時秋田にいた理由も恐らくそうなんじゃないかな。」

 

ム「へ~。そんなシステムがあるんですか。」

 

星「ま、正直そのシステムが役立ってるとは私は思ってないけどね。」

 

――――――同時刻 サンドガレージ 舎内―――――

レ『さて、今から作業再開よ。みんな持ち場についてね。』

 

魔「はぁ~。今日は深夜営業か。なんかかったるいな~。」

 

霊「でもさ、なんも作業とかしないよりはましじゃない?いつもより時間は確実に少ないわけだし。」

 

魔「それもそうだな。」




次回予告
GodWingsという名の脅威。
それに命蓮寺グループはどう立ち向かうのか!
そして、ついにレミリアのS2000が…復活す!






次回はちょっと小ネタを挟むので半話進みます。
字数もかなり少なめです。


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番外編「レミリアの納車」

今回は…タイトルの通り番外編です。
時系列は前話の翌日です。


――――サンドガレージ 社長室―――――

レミリアは電話とにらめっこしていた。

レ(まだかな~連絡。そろそろ来るって言ってたな~私のS2000。レーシングエンジン積むって言ってたからきっと屠自古のとこかなきっと。あ~待ちどおしい!)

 

咲(すごい…オーラ的なのがバンバン出てる…。やだ…かっこいい…。)

 

テュルルルルルル・・・・・

 

レ「来たっ!」

 

ガチャッ

 

レ「もしもし?」

 

ナ『あんたがレミリアさんかな?ナズーリンだけど。』

 

レ「ああ、なずー。どうしたの?手紙の返事?」

 

ナ『そうだよ。じゃあ来週のここで待ってるから。』

 

レ「ええ、じゃあ。」

 

ガチャッ

 

レ「はぁ~・・・・。なんで来ないのかな~。」

 

咲「違ったんですか。」

 

レ「大当たり。なんか眠くなってきた~。ちょっと寝ようかな。」

 

テュルルルルルル・・・・・

 

レ「また来たっ!」

 

ガチャッ

 

レ「もしもし…。」

 

屠「もしもし。レミリアさんかい?あんたのお偉いさんに頼まれてたS2000.出来上がったよ。取りに来てね。待ってるから。」

 

レ「ええ!今すぐにでも取りに行くわ!」

 

咲(よかった…。こんどはあってたみたい…。)

 

レ「咲夜!すぐに車の用意をして!出るわよ!」

 

咲「はい!^^」

 

そうすると、咲夜とレミリアは、社長室を出て、ガレージへと向かった。

レ「ちょっとガレージ開けるわよ、魔理沙。」

 

魔「なんだ?どっかいくのか?」

 

レ「フフフ♪秘密よ♪」

 

魔「?」

 

霊「うーん。もしかして、Sん“-!んー!」

 

咲「わかっちゃだめよ。霊夢。」

 

霊「ん“-!」

 

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ・・・・・

 

レ「それじゃ、出して、咲夜♪」

 

咲「はい!」

 

ブロロロロロロロロロロ……

 

霊「はぁ…はぁ…。」

 

魔「大丈夫か?それと、お前は何を思い付いたんだ?」

 

霊「いや~ね?ほら、最近ガレージに置いてあったS2000見かけないからさ?それにあの浮かれよう。どうかんがえても、あれはS2000が完成したとかじゃないかな~とさ。」

 

魔「納得だぜ。なんかそんな気がしてきたな。今のあいつが浮かれるときなんてそんなぐらいしかないからな。」

 

霊「そうよね。」

 

―――――FCの中――――

レ「ふ~ん♪ふふ~ん♪」

 

咲(すごい上機嫌…珍しい…。)

 

―――――屠自古レーシング 午後13:30――――――

レ「来たわよ(^-^)屠自古^^」

 

屠「妙に上機嫌だな…。逆に気持ち悪い…。」

 

咲「そ、それより、速く見せてくださる?」

 

屠「あ、ああ。これだよ。」

 

そういうと、ガレージの中にある車にかかっているカバーを外す。

レ「うわぁー!これが私の新しいS2000かぁー!」

 

屠「うーん、なんか調子狂うなぁ。」

 

咲「ま、まぁ勘弁してやってくださいな。こんな時しかこんなことできる時間ないんですし。」

 

屠「ま、それもそうだな。」

 

レ「♪」

 

屠「それじゃ、ほら。これがこいつのキーだよ。」

 

レ「ありがと♪」

 

すると早速レミリアはS2000に乗り込み、エンジンをかける。

ブロロロロォォォォォォォーーーン

レ「フフ♪いい音♪」

 

咲(いつものお嬢様よりかなり扱い辛い・・・・。)

 

レ「ねぇ、咲夜。今日私と走ってくれない?」

 

咲「一緒に…ですか!?」

 

レ「そうよ♪さっそくこいつの性能を試してみたくなったの♪」

 

咲「は、はぁ…。私は別にかまいませんけど。で、でももうちょっと慣れてからのほうがよいのでは?」

 

レ「そんなこと知ってるわよ。でも、それでもいち早くこいつを試してみたいの♪だからお願い、ね?」

 

レミリアは渾身のお願い顔で咲夜を見つめる。

レ「ね?」

 

咲(か、かわええ!こ、これはもう認めざるを得ないッ…!)

 

咲「分かりました。それじゃあ、秋名でいいですかね?」

 

レ「ええ♪8時ぐらいにね♪それじゃ♪」

 

レミリアはS2000を動かし、工場を後にした。

 

咲「じゃあ、私も行きますね。屠自古さん。ありがとうございました。」

 

屠「ああ。またなんかあったら呼んでくれ。」

 

咲「ええ、では。」

 

そういうと、咲夜も立ち去った。

それを見送り、屠自古はこうつぶやく。

 

屠「カリスマの御嬢さんには、あんなのは似合わないな…。」

と。




明日はお休みです。


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第34話「ナズとレミとあの車」

前回までのあらすじ
前回は番外編なのでカット。


――――4日後 命蓮寺前駐車場 ――――

ナ「ふぅ…。いよいよ明日か。」

 

星「そうだね。調整のほうはどうだい?ナズ。」

 

ナ「うん。かなりいい感じだな。あとは…私のテクニックが、あいつらに通用するかどうか…か。」

 

星「そうだな。」

 

ム「あのっ!ナズさんと星さん。頑張ってください!」

 

ナ「ああ、ありがとう。」

 

星「限界まで寄ってくるよ。ムラサ。」

 

ム「はい!」

 

そうムラサが言うと、なずと星はそれぞれの車に乗り込む。

ナ「それじゃ、もう一本走ったら今日は終わりにするかな。」

 

星「あんまり前日にやりすぎてもあれだからね。」

 

ム「はい!いってらしゃい!お茶入れて待ってますね!」

 

ゆっくりとS14とエボⅦが動き出す。

ブロロロロロロロロ・・・・・・ッン

 

??「いいな。こんな感じで隠れながら元私がいた場所を眺めるってのも。」

 

??「あれ?来てたの?懐かしいじゃん。お久ぶり。」

 

??「おお。ってお前、確か捕まったんじゃなかったっけ?」

 

??「いやだよ、あんなところにずっといるなんてさ。それより、何でそれを知ってるの?」

 

??「いや、だってさ、捕まってたらお前、こんなところにいないだろ。」

 

??「あはは。それもそうだね。」

 

―――――同時刻 サンドガレージ ―――――

霊「ふぅ…。これでよしっと。」

 

魔「なんだ?もう整備終わりか?」

 

霊「あのね、私のメカニックのフランが先々週あんなこと言ってて、そんなことはないってオーナーが言う?考えてみたんだけど、このセット、どこにでも合う、万能セットだったのよ。」

 

魔「それはフラグだろ。どうかんがえても。」

 

フ「そんなことないと思うけどな。」

 

魔「ゲッ。フラン。いたんだ。」

 

フ「そりゃ、こんなでかいとはいえよく響くガレージで私の名前出されたら、気づかないはずないでしょ。」

 

魔「おまえ…。」

 

フ「んでさ、霊夢。セットのことなんだけど。」

 

霊「セットがどうかしたの?フラン。」

 

フ「うん。万能セットって言ったじゃん?あれ、私がたまにいじってるんだ。」

 

霊「え!?」

 

フ「だからさ、万能っていうのはおそらく私がいじってるからだと思ってるんだよねぇ。」

 

霊「いやいやいや!!そういう意味じゃなくて!え!?何!?何かっ手にいじってるの!?」

 

フ「え、いやだって、私霊夢のメカニックだし。あ、でもさ、最初のセットは記録してあるよ。ほら。」

 

フランから、霊夢に今までのセッティング変更が事細かに書かれた紙がわたる。

 

霊「ふ~ん。あんた、だいぶいじってるわね?」

 

フ「こんなことがきっとあると思って、きちんと書いておいたのさ。」

 

霊「そうね…。たとえば、これ。私が土坂走ったときのセット。これなんか、再現できるの?」

 

フ「やろうと思えば、いつでもできるよ。」

 

霊「分かったわ。」

 

フ「やる?」

 

霊「結構です。」

 

フ「…。」

 

こうして、時は流れていった。

そして、バトル当日。

 

――――――バトル当日 サンドレーシング 午後16:00――――――

 

日の入りの時間が遅くなり、空には太陽がまだ顔を出している。

さて、こちらはサンドレーシングのガレージ。

ずらっとならんだ4台の精鋭部隊。

シビック、FD、サポート車1号、2号。

いま、ガレージのシャッターがゆっくりと開き、順々に走り出す4台。

今から向かうのは、栃木県にある、もみじライン。

かつてセブンスターリーフがはびこっていたこの地で向かい打つのは幻想郷の空に星蓮船を浮かべ、異変を起こした命連寺メンバー。

さて、勝敗はいかに。

 

――――――命連寺(仮)前駐車場 午後20:00―――――

子ナズ「上がってきますよ!GodWingsです!」

 

ナ「そうか…。」

 

星「ついに来たね。」

 

ム「そうですね…。」

 

ナ(昨日はよく寝たし。だいぶ攻略もうまくいってる。こっちには負ける要素なんて一つもないんだ…。)

 

 

――――勝てるものなら勝ってみな!GodWings!!―――――

 

 

――――――午後20:05―――――――

フ「ふ~!やっとついた~!」

 

咲「なんか、今回はずいぶんかかりましたね。お嬢様。」

 

レ「あんたねぇ…。ごはん食べたらそりゃ遅くなるでしょ。それじゃ、エースの2人はいつも通り慣らしに入って。それと…霊夢?今回もあんたは別のとこの車使ってるんだから、くれぐれも大切に使ってちょうだいね?」

 

霊「分かってるわよ。」

 

エースの二人とメカニックはそれぞれ車に乗り込み、もみじラインを攻め始める。

ふと、なずがレミリアに近づく。挨拶に来たのだ。

 

ナ「やあ、レミリアさん。許可もなしに攻め始めるとは、良い度胸してるじゃないか。」

 

レ「ええ、こんにちは。あら、許可ならもうとってあるじゃない。電話で。」

 

ナ(言い返せない…!)「それでなんだけど、君たちのチームに2つ聞きたいことがあるんだ。」

 

レ「なにかしら?」

 

ナ「まず一つ目。さっきあんたは霊夢に、『別のとこの車』って言ってたけど、あれはどういう意味なんだい?」

 

レ「実はね、霊夢はもともととロードスターに乗ってたんだけど、今は修理に出してるの。」

 

ナ「修理?」

 

レ「エンジンブローって言ったらわかってくれるかしら?」

 

ナ「納得。じゃあ二つ目。前回のバトルで、白いFDが乱入してきたらしいけど、あれは結局どうなったの?」

 

レ「あの白いFDにはおかえりいただいて、もう一度仕切りなおしてバトルしたわ。HPに乗せてあるのはその時のタイムよ。」

 

ナ「ふ~ん。いろいろとありがとう。」

 

レ「じゃあこっちからも一ついいかしら?」

 

ナ「なんだい?」

 

レ「あなたたちのところってたしか聖がいたはずよね?どうしたの?」

 

ナ「聖なら今経営ミスで今ムショにいるわ。」

 

レ「ふ~ん。わかったわ。いろいろありがとう。明日は良いバトルにしましょうね。」

 

ナ「ああ。」

 




次回予告
いよいよVSナズ戦が始まる…!


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第35話「私にできること」

前回までのあらすじ
プラクティスでつかんだ感覚を、本番で生かす。
これ、常識な。


――――翌日 午前4:30 命連寺(仮)前駐車場―――――

いつも通りレミリアは、プラクティスを4時に切り上げ、皆が眠るころだった。

 

魔「ふぅ~。私もそろそろ眠るか。」

そういって、魔理沙が後ろのシートに移動しようとする時だった。ふと、魔理沙の肩をたたく者がいた。

 

トントン

 

魔「誰だぜ?」

 

針「俺だよ、俺。」

 

魔「ああ、なんだお前か。何の用ぜ?」

 

針「別にどうってことないけどさ、ちょっとハクとうまくいってるか確認しに来ただけだ。」

 

魔「ああ…。その話か。ま、うまくいってるよ。ここ最近は土坂のようなこともないし。やっぱ、ハクが調子いいとFDの調子もかなりいいんだ。」

 

針「そうか…。やはりハクはこのFDと同化していってるのか。」

 

魔「そういえばさ、針助。お前とハクがどうやって幽霊になったのはわかったんだが、どうしてこの世界にやってきたんだ?」

 

針「すまんが…それは俺にもわからないんだ。気が付いたら土坂の頂上付近にいてな…。わけもわからず8年一緒にいたら偶然あんたらがやってきたってわけさ。」

 

魔「なるほどな。じゃ、私は寝るからよ。」

 

針「おお、おやすみ。」

 

そういうと、魔理沙は後部座席に入り、布団をかぶって寝た。

 

―――――このやり取りを、誰かが見ていた。

 

―――――――同日 午後17:00―――――

フ「んー!よく寝た。」

 

咲「寝すぎですよ…。今何時だと思ってるんですか…。」

 

フ「いや~さ?私実は、みんなが寝た後、ちょっと霊夢のシビック借りて何本か走ってたんだよ。」

 

霊「だから私が2号車で寝てたのか!この野郎め…!」

 

フ「ご、ごめん。ゆ、許してくれる…よね?」

 

霊「許さん。レミ。もう一本走ってくるわ。フランは助手席に乗って。本気で行くわよ。」

 

レ「ええ。お願いするわ。」

 

フ(な、なんだ…。よかった。)

 

魔「ふぅ…。やっと目が覚めてきたな…。3時ぐらいに起きたのに何であんなに眠かったんだろう…。」

 

フ「あ、魔理沙おh(無理やり霊夢に助手席に突っ込まれる)」

 

霊「あら、魔理沙おはよう。ちょっと待っててね。」

 

魔「ちょ、ちょっと霊夢?どうなって―――」

バタン!ブロロロロロロロロォォォォォォォォォォォ―――

 

咲「おはよう魔理沙。」

 

魔「おはようだぜ。霊夢はどうしたんだぜ?」

 

レ「現在フラン処刑中。」

 

魔「ああなるほど。じゃあ私も、1本走ってこようかな。ハクをちょっと鳴らしておかないといけないしな。」

 

ハク「うん。そうだね。」

 

レ「ええ。いってらっしゃい。」

 

魔理沙がFDに乗り込み、もみじラインに消える。

それを見送り、レミリアがポツリとつぶやく。

 

レ「なんか…勇ましくなったじゃない。」

 

咲「え?」

 

レ「この計画を始めたばっかりのころは、まだ2人ともおぼつかなかったけど、土坂の県があって以降は、真剣に取り組むようになったと思ったのよ。さ、咲夜。私たちもセットとかの準備しましょ。もしかしたらがあるかもしれないからね。」

 

咲「あ、はい。」

 

――――午後21:00―――――

レ「さて…。そろそろ始めましょうか。」

 

ナ「ああ。そういえば、先攻後攻はどうやってきめてるんだい?」

 

レ「相手側にいつも任せてるわ。ダウンヒルは…誰がやるのかしら?」

 

ナ「私がやる。先攻で行かせてもらうよ。」

 

レ「分かったわ。それじゃ、2人とも車並べて!」

 

霊夢となずがうなずく。そしてそれぞれの車に乗り込み、車を順に並べる。

 

ナ(問題は、私のテクがこいつらにどれぐらい通用するか。ま、気楽にいけば大丈夫だろう。)

 

霊(相手はS14か…。(ため息)さて、見せてもらうわよ。なず。)

 

咲「カウント行きます!」

 

「5!4!3!2!1!!GO!!!」

 

ギュルルルル!グオオオォォォォォォォォーーーーン

 

レ「ねえ、フラン。一つ聞いていいかしら?」

 

フ「何?」

 

レ「あれからセットは変えたの?」

 

フ「全然。」

 

レ「ふ~ん。」

 

 

もみじラインの第1セクション。最初の連続コーナーを抜ければ、中速セクションが続く。

 

霊(さて…始まったわね。まずは向こうがどれだけやるか。先攻を選んだからには、それだけの自信があるってことよね。その自信。見せて頂戴ね。)

 

ナ(ふぅ…。相手が誰だろうと、所詮は人間。ある程度考えてることはこっちも読めてるんだ。)

 

ナズは比較的落ち着いていた。弱さを出さぬよう、慎重にもなっていた。

1ヘアを抜けると2連続でコーナーが来る。ここらへんは、この峠で最初のすべりポイントだ。うまくコントロールしないと、簡単に減速する。

 

2台とも、ここらは簡単にクリア。

 

その次。すぐに2ヘアが来る。さっきのコーナーで油断していると、ここで減速する。

 

2人とも、ここの楽々とクリアしていく。

 

霊(さすがに早いわね…。ミスればたぶん速攻でおいてかれる。とにかく今は我慢よ。今日の、フランを隣に乗せたときのペースにするのはまだ早い。)

 

ナ(食いついてくる…か。予想はしてたけど、さすがにちょっときついかな…。)

 

モブ32「すげぇ!」

モブ33「すごいな!2人ともすげぇ突込みだ!」

モブ34「しかも立ち上がりもうまい!」

 

ナ((ため息)とにかく、今は落ち着くんだ。まだ始まったばかりじゃないか。)

 

2台は、しばしの直線の後、3連続コーナー。そしてこのコース最長のストレートがある。

そして順々にバトルは進んでいく。

直線を過ぎ、またも連続コーナー。大きく回った後、テクニカルセクションに入る。

 

ナ(ここからテクニカルセクションか…。(チラッっとバックミラーを見る。)(ため息)まだ来ないか…。なら、来る場所はあそこしかないな。)

 

霊(この先の側溝があるセクションでぶち抜いて終わりにする。)

 

車体を滑らせながらも、すいすいと抜けていく2台。

霊(!!)

 

ふと、シビックのライトが消える。そして、霊夢自身も目を閉じる。妹紅戦でやったあのブラインドアタックと同じだ。

 

ナ(な!?むちゃ言うな!こんなところでブラインドアタックなんて…死にたいのか!)

 

テクニカルセクションの最後のコーナーはセクションを高速で抜けると、一番きついコーナーだ。

難なく抜ける2台。そして側溝のあるセクションに入る。

 

霊(まだだ…。まだ早い。仕掛けるのは2本目の側溝。)

 

ナ(くっ…。集中力が下がったのか…!?だいぶラインがぶれてきた…!)

 

霊(ふらついた…ならここで!!)

 

コーナーに入った瞬間、ナズのS14がアウトにグラッとなる。

ナ(な…!)

 

霊「ここだ!」

 

シビックのほうを見る。すると、溝またぎをしている。ということはライトを消しながら溝またぎをしていたということになる。

 

ナ(な…!)「なんだってあんな派生技を!!」

 

霊「一気にペースを上げて終わらせてやる!」

 

ナ「ペースが上がった!?逃げ切らせるもんか!」

 

シビックのペース上がったのに対応して、S14のペースも上がる。

ナ「向こうだって所詮は同じ車なんだ!向こうが行けるならこっちが行けないなんてことは絶対ないはずなんだ!」

 

霊(食いついてくる…?ってことは向こうもペースアップしてるのか…。)「まったく往生際が悪いわね!」

 

ナ(く…!なんてペースだ!)

 

―――――あるギャラリーコーナー…の向こう岸にある茂み―――――

??「ねぇ、そろそろ来るみたいだよ、ぬえちゃん。」

 

ぬ「あ・ああ。」

 

ブオオォオオォオン…ブロロロロォォォォォォーーン

 

??「あぁ…ナズちゃん抜かれちゃってるね…。」

 

ぬ「なぁ、小傘。そんなにギャラリーみたいに騒いで大丈夫なのか?」

 

子「ああ、大丈夫だよ。私はどうせ、捕まる身なんだし。」

 

ぬ「へ?」

 

子「私ね…。昨日とか見て思ったんだ。星さんとか、ナズちゃんは、自分にできることを最大限やってる。だからさ、私も今できることきちんとやってまたこの地で光を浴びられたらいいな…ってさ。」

 

ぬ「光…か。」

 

子「何?どうかした?」

 

ぬ「いや、なんでもない。そろそろ私は帰る。」

 

子「え!?もう帰っちゃうの!?」

 

ぬ「………。」(バタン

 

―――――バトルはいよいよ、佳境に入る。

 

側溝のセクションを抜けると、ずっと続く高速セクション。たまに入るコーナーで減速しないように気を付けないと、ここで決着がつく可能性もある。

 

シビックとS14はかなりのハイペースでこのセクションに入る。

コーナーも相当なスピードで抜ける。

そうなってくると、心配なのがタイヤだ。

 

だいぶハイペースで来てるから、タイヤがかなりきつくなってきている。当然グリップは効かない。

 

ナ(クッ…。タイヤがやばい…のか?)

 

霊(まだだ…まだ食いついてくる。ならラストの2回の折り返しでバックミラーから消す!)

 

ちょっとペースが上がる。

 

霊(あなたがこのペースについてこれなければ私の勝ち。ついてこれればあなたの勝ちよ!)

 

ナ(ペースが…クソッ。クソッたれぇぇぇぇぇ!やれる!やってやるぞぉぉぉぉ!)

 

相当絞り出したS14がシビックに並ぶ。そしてすぐにコーナーが迫る。

霊(ここでサイドバイサイドか…。面白いじゃない!)

 

ナ(…………!)

 

一瞬、並んだ2台そしてコーナーがすぐに来る。

シビックが耐え切れず、膨らむ。そしてS14を少し押し出す。

ドン

 

ナ(!)

 

S14はそのまま押し出されスピン。

今ここに終止符が打たれたのであった。

 




次回予告
次回はVS星。
ハクと魔理沙との融合が再び…!(かもしれない)

今話でフランちゃんが霊夢の処刑に対して余裕だった理由
フ「幽々子さんの同情なんか毎日のことだから。余裕でしょJK」


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第36話「全開走行(意味深)」

前回までのあらすじ
前回、バトルに負けて落ち込むナズーリン。
そして、星の浮かない表情のわけとは。


 

 

―――…。負けた、か。―――

 

 

スピンしたS14から降りたナズーリンがポツリとつぶやく。

ナ「……。(ため息)私…。もう一度やりたいな…。今度は、私のギャランで。」

 

―――――命連寺(仮)前駐車場 午後21:15―――――――

2台が戻ってくる。

フ「あ、二人とも帰ってきた!」

 

2台がそれぞれの陣地で停車する。

ム「お帰りなさいです。なんだか、うかない表情ですね。」

 

ナ「ああ。なんか、鮮やかすぎて何も言えないんだ。なにもかも。」

 

星「鮮やか?」

 

ナ「星ちゃんも、あいつらの後ろを走ってればすぐにわかるさ。昨日のプラクティスで相当のことをこのコースから学び取ってる。恐ろしいよ。私は少し寺院で座禅でも組んでるから、後は任せたよ。星ちゃん。」

 

星「うん。わかった。」

 

そういうと、ナズーリンはとぼとぼとした足取りで寺院のほうへ向かう。

その後姿には、哀愁さえ感じられた。

星「恐ろしい…か。」

 

ム「どうかしたんですか?」

 

星「いや?でも、一つだけ私にも引っかかることがあるんだ。」

 

ム「引っかかること?」

 

星「昨日私、興奮して眠れなかったんだ。それで、少しだけ走っとこうと思ってさ、エボのほうに向かったんだ。すると、…。」

 

ム「すると?」

 

星「ここからは大声禁止だよ?」

 

ム「わかりました。」

 

星「魔理沙が幽霊らしき何かと話していたんだ。」

 

ム「!!!」

 

星(言っといてよかった…。)

「だからさ、幽霊が取りついていたやつと戦うってのもなぁ…。ってさ。」

 

ム「それは違いますよ。」

 

星「どういう意味?」

 

ム「相手が誰だろうと、全力で相手するだけじゃないじゃないですか。」

 

星「それそうだな…。やれるだけやってみる。いや、私にできることを全力でやる。」

 

ム「その意気です。」

 

 

―――――GodWings側

フ「お帰り!霊夢。」

 

霊「ただいま。フラン。後、なんかごめんなさい。」

 

フ「私なんか霊夢に謝られるようなことしたっけ?」

 

霊「セットのことなんだけど、全然気にする余裕なかったわ。」

 

フ「ああ、なるほど。」

 

魔「それだけ速いやつってことなのか?」

 

霊「詳しいこと言うとまた違ってくるけど、大体あってるわ。」

 

魔「分かった。私もそれなりの覚悟で臨ませてもらうぜ。」

 

霊「その意気よ。」

 

魔「これに、ハクのこともあるんだ。こう思うと、うずうずしてきた…!なあ、レミ。もう下行っててもてもいいか?」

 

レ「ええ。いいけど…。まだバトルの予定時間までかなりあるわよ?」

 

魔「いいんだ。どうせ、やることはハクのアップぐらいだし。だからいいだろ?」

 

レ「なら…いいけど。」

 

魔「よし、行くか!」

 

キュルルルルルルグオオオォォォォォぉぉぉぉぉ――――ン!!!!!

FDのエンジンが勢いよくかかる。

ハク「もうバトル?わかった。じゃあ行こう!魔理沙。」

 

魔「おう!」

 

咲「ちょーーーっとまって。」

 

魔「なんだぜ?咲夜。」

 

咲「どうせ行くなら私もつれてって。」

 

魔「別にいいが…。下まで飛ばすぜ?」

 

咲「別にかまわないわ。フランが霊夢の助手席にいて余裕だったように、私もそうしたいの。」

 

魔「お前も私の助手席には何度も乗ってるし、別にそこに対抗心持たなくてもいいんじゃないかなーと思うんだけどな。ま、咲夜にはカウントもやってもらうし、良いだろう。速く乗んな。」

 

咲「ええ。じゃあお願い。」

 

咲夜が助手席に乗り込む。

ハク「ああ、私の席が…。」

 

魔「別にいいじゃねぇか。」

 

咲「ごめんなさいね。(汗)」」

ハク「魔理沙。」

 

魔「なんだぜ?」

 

ハク「まじで本気で飛ばして。そうじゃないと私怒るから。」

 

咲(あ、この人絶対キレてる。)

 

魔「了解だぜハク。じゃあ咲夜、くれぐれも舌をかまないように身構えとけよ?」

 

咲「(ため息)わかったわ。」

 

ブおおおおおおおおおオォォォォォォォォォォォォォン

星「お、あっちも出てるみたいだな。私ももう出ようかな。」

 

ム「もう出るんですか?」

 

星「ああ。」

 

そうつぶやきながら、星はエボのほうに向かう。

ム「星さん。」

 

星「なに?」

 

ム「頑張ってください!」

 

星「言われなくともそのつもりだよ。」

 

エボに乗り込み、エンジンをかけ、GodWings側に近づく。

星「ねぇ、レミリアさん?」

 

レ「どうしたの?」

 

星「バトルを少し早めてくれないか?」

 

レ「そうはいっても…いいの?」

 

星「こっちは準備万端だよ。」

 

レ「(ため息)わかったわ。今行った魔理沙には連絡入れとくから。」

 

星「あんがとさん。」

 

ブロッブロロロオオオォォォォォォォォォーーーーー

レ「(ため息)バトル…か。私もなんかやってみたくなったわ…。」

 

フ「何?姉さんバトルしたいの?」

 

レ「なんかさ、ほら、私って管理する場じゃない?だからさ、こうやって走り屋を管理する場になるわけじゃない。」

 

フ「まぁ、そうだね。」

 

レ「こうやってみると、昔、私が走り屋側だったころの気持ちを思い出すなぁってさ。」

 

フ「ふ~ん。」

 

―――― 一方その頃FDの中では

咲(あ…あれ?私…なんか動けない…!こんなもんだっけ?あれ…?)

「ね、ねえ魔理沙。」

 

魔「なんだぜ?」

 

咲「あんた魔法使えないわよね?」

 

魔「そんな当たり前なこと全開走行中に聞かないでほしいぜ。」

 

咲(やべぇ…。恐ろしすぎて震えが止まらん…。やべぇよ…やべぇよ…。)

 

―――――――もみじライン上りスタート地点 午後21:21――――

咲「はぁ…。はぁ…。」

 

魔「大丈夫か?」

 

咲「大丈夫なわけn…あ…やべぇ…ちょ…やばぁ…もう…逝ったー(チーン)」

 

魔「咲夜!?」

 

咲「zzzzzzzzzzzz・・・・」

 

魔「なんだねてるのか…。起きろー夜ですよー。」

 

咲「ヘベシッ!あ、あれ?私確か…上で…って魔理沙?私なんでこんなとこにいるの?私確かk(ヘブシ!」

 

魔「あー危ねえ危ねえ。あそこにいたころの記憶が戻りかけてたぜ。」

 

咲「あ、ああ魔理沙。うっ…ちょっとまだ気持ち悪い…。」

 

魔「おおう。少し休んでな。」

 

―――――――10分後

魔「咲夜―。起きろー。」

 

咲「ん・ああ、魔理沙おはよう。」

 

魔「気分のほうはどうだ?」

 

咲「まだ眠い…。でも、大丈夫。」

 

魔「分かったぜ。」

 

星「じゃあカウントできるんだね?」

 

咲「あれ?星ちゃん。どうしてここに?事情は魔理沙から聞いて。」

 

魔「お前が眠ってから2分ぐらいたって、こいつが来たんだよ。」

 

咲「ってことはバトルは私待ち?」

 

星「そういうことになるね。」

 

咲夜は恥ずかしそうにして、急いで道の真ん中に向かう。

咲「それじゃあ、バトル始めるわよー!」

 

魔(何事もなかったかのように言いやがったぞこいつ。)

 

バトルする2人も急いでそれぞれの車に乗り込み、発車の準備をする。

咲「カウント行きます!」

 

「5!4!3!2!1!GO!!」




次回予告
VS星戦開幕。
このバトルで、どれほど星の走りはGodWingsに通用するのか…。

前回からの今回で詐欺してしまって申し訳ございませんでした


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第38話「1本目」

前回までのあらすじ
いよいよVS星戦スタート。
とにかくやるしかない…そんな意気込みでバトルに挑む星であった。






更新遅れて申し訳ありません。
ちょっと遠征で横浜に行ってました。
当日も、旅行でいません。明日も更新できないと思いますがご容赦ください。


 

 

「5!4!3!2!1!GO!!」

 

 

魔理沙が後攻、星が先行でバトルがスタートする。

勢いよくスタートし、すぐにコーナーに入る。開幕1秒でコーナーに入り、それからはだらだらと続く中速区間が続く。

 

星(私にできることは…何かわからないけど、全力で仕事をこなす。それだけだ。)

 

魔(さーて、まずは観察だ。)

 

ハク「ねぇ、魔理沙。」

 

魔「なんだぜ?」

 

ハク「私は…どうすればいい?」

 

魔「そうだな。融合にはまだ早い。2本目まで待ってくれないか?」

 

ハク「分かった。」

 

中速区間を進む2台。時々、緩いヘアピンカーブで足を取られそうになるが、すぐに取り戻し、追いつく。いわゆる膠着状態だった。

 

モブ37「のぼりもすげぇ!ほとんど互角だぜ!」

モブ38「ああ!」

 

魔(ちょっと近づいてもすぐ離される…ちょっと離されてもすぐ追いつく…もしかして、むこう、私を待ってるのか?)

 

星(なんというか…ふしぎだな。あっちは必ずこっちより上のはずなのに…。)

 

そう思いながらも、2人は距離を保つ。離す、食いつくを繰り返しながら。

 

――――――どこかのギャラリーの向こう側の茂みの中

ブロローーンブローン

 

小「あの二人…。星ちゃんがFDに食いつかれてるのはなぜか気に食わない。FD…。なにか企んでる…。」

 

小傘は、ふと隣を見る。しかしぬえの姿はない。

小「あ、そっか。ぬえちゃん帰っちゃったんだ。それじゃ、私も帰ろうかな。元私がいるべき場所に。」

 

そういうと、小傘は茂みから飛び降りる。

 

モブ39「お、おい。あれって…。」

モブ40「捕まってるはずの小傘じゃねぇか!?」

 

っそう、慌てふためくモブたちを睨みながら、小傘は愛車のもとに付く。

それは、盗んできた、相当チューンされつくしたBIZZだった。

 

小「なんか…楽しいんだよな。走ることが、最速に快楽なんてないんだって、教えられた気がするよ。」

 

側溝のあるセクションに入る。ここらへんは、のぼりではかなり道幅が狭く感じられる。

星「どういうつもりか知らないけど、向こうが仕掛けないならこっちから仕掛けて終わらせてもらうよ!」

 

エボのペースが上がる。

魔「さすが…エボだな。加速のしようが鋭い。だったら、こっちも少しづつ上げていくか。」

 

FDのペースも上がる。

2台とも、容赦なく溝またぎを使い、素速くコーナーを抜ける。

 

モブ41「うおー!どっちもうめーな!」

 

星「さて…こっからは私が得意であり、苦手であるセクション。ここをどう攻略してくるか…だな。」

側溝セクションを抜けると、すぐ最長のストレート。そのご、短い連続コーナーがある。

 

ストレートでスピードを出しすぎると、その後のコーナーに対応できなくなるし、かといって、コーナーにビビッてストレートでアクセルを抜くと、直線で決着がつく。

 

だが星と魔理沙は、それを考えることもせず、ストレートでアクセルを踏む。

星(ついてくる…か。ということは向こうもおんなじことを考えてるってことか。そりゃ、そうだよな。だってこんなに並行したバトルで、手を抜くなんてことできないもん。)

 

魔(…。速ぇ・・な。さすがエボ…だ。)

 

ハク「魔理沙・・・?」

 

魔「ん?どうした?」

 

ハク「大丈夫?」

 

魔「私は別にどうということはないぜ。ただ…」

 

ハク「ただ?」

 

魔「ただエボ強いってことに浸ってた。それだけだ。」

 

ハク「なるほど…。」

 

そろそろストレートが終わる。エボが少しずつ減速していく。

魔(減速してる…。だったら詰める!)

 

星(減速してこない…!なぜ…!?)

 

どんどん差が詰まる。そして、エボのテールランプにFDのライトが重なる。

そしてすぐ、連続コーナー。

魔「…?エボが…消え…うわ!間に合え!!」

 

魔理沙は精一杯ハンドルを切る。減速してないため、ドアンダー。

 

魔(クッ…!)

 

ハク(……。)

 

道の路肩の盛土に、少しかする。

星(ふぅ…向こうが少しミスってくれたおかげで、何とかなりそうだ。)

 

魔(このまま離されて…たまるか!)

 

魔理沙が意地でアクセルを踏み続ける。

2回の折り返し付近で、なんとかFDが追いつく。

魔(なんとか…追いつけた。)

 

ここで1本目が終了。

 

両者が一度スピードを落とし、両者側に向かう。一度セットアップして、もう一度バトルするのだ。

ブロロロロロロロ・・・・・・・・・

フ「あ、帰ってきた。」

 

咲「お帰りなさい。さっそくガスを足すわね。」

 

魔「おう。頼むぜ。」

 

ハク「ねぇ…魔理沙。」

 

魔「なんだぜ…?ぶわっ!!」

 

ハクが実体化して魔理沙に本気でかかる。

魔理沙から少し鼻血が少し出る。

フ「え…ハクちゃん?」

 

魔「な…なに?」

 

ハク「あんたねぇ…。集中しなさいよ…。針助君から言われたはずでしょ…?私はFDと同化してるって…。」

 

魔理沙がヌクッっと起き上がり、そのまま蹴りだし、ハクをビンタする。

魔「お前…。」

 

レ「あんたたち…!」

 

魔「レミ…。」

 

レ「いい?魔理沙。2本目、あなたは後攻。しかも5秒ハンデで行くわ。」

 

魔「…!」

 

レ「感情的になるのは、バトル後にして頂戴。それと、ハクさん。」

 

ハク「何?」

 

レ「あなたはFDに吸い込まれるだろうけど、バトル中は一切魔理沙に手を貸さないように。会話もダメよ。」

 

魔「お前…。私を試しているのか…?」

 

レ「当然よ。」

 

魔「分かった。咲夜。とっとと足してくれ。」

 

咲「もう終わったわ。」

 

魔「分かったぜ。あんがと。」

 

そういうと、魔理沙は速攻でFDに乗り込み、ターンして下を目指した。

頂上にハクは取り残されたままだった。

レ「あなたはいかないの?」

 

ハク「ええ。私もまだ、完全にFDになったわけじゃないですから。」

 

――――命連寺側。

ム「お疲れ様です。星さん。はいこれ。お水です。」

 

星「おう。ありがと。ってあれ、ナズ。座禅はどうした?」

 

ナ「ああ、座禅?なんか今日は気持ちが落ち着かないんだ。浮き沈みを繰り返していてね。どうもひとつにまとまらないんだ。(ガス足しながら)」

 

星「そうか。さて、行くか。」

 

ナ「もう行くのかい?速いね。」

 

星「気持ちはまだ続いてるんだ。バトルはまだ続いてる。」

 

ナ「星ちゃんが望むなら、止めはしないさ。輝ける場なんて、そうないからね。」

 

ナズがガス足しを止めると、星はさっさとエボに乗り込み、下を目指した。

――――――もみじライン上りスタート地点 午後21:35――――

 

咲「2本目!カウント行きます!」

 

―――――見せてやる…私のヒルクライム!!!!!!

 




次回予告
魔理沙の全開ヒルクライム。
どのような決着がつくのか。


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第39話「私=FD FD=私」

前回までのあらすじ
レミリアから出されたあまりに無茶すぎるお題。
5秒差のマージンを覆せるか。


魔「ストップ!」

 

咲「何よ?」

 

魔「エボを先に行かせてくれ。私はその5秒後に出る。」

 

咲「(ため息)わかったわ。それじゃあ、カウント行きます!」

 

 

「5!4!3!2!1!スタート!!」

 

 

先にエボが出る。

「続いて5!4!3!2!1!GO!!」

 

続いて、FDが飛び出す。

魔(1本目でうすうす気づいてはいたが…こいつ、速い。ハンデをやると、それが地味によくわかる。赤城のころはすべてが慣れで把握できてたんだ…。集中しろ…。前を見ることだけに意識を置くんだ。)

 

後ろのFDのペースはすさまじかった。

滑りやすい路面でさえも、いとも簡単に乗りこなす。

 

魔理沙はこの時、遠征の厳しさを痛感していた。

 

遠征とはつまり、アウェーで向こうの地元のやつに勝つこと。幻想レーシング時代とは全くわけが違う。あのころは、まだ群馬県内だったから、いつでも走りに行ける。そんな軽い気分だった。でも、今は違う。1日のプラクティスでそのコースのすべてを学ばなきゃならない。自分はそれをバトルに生かし切れていない。なら…なら。生かせばいい。路面の状況、タイヤの状態。そのすべてを、こいつ(FD)にささげる。ハクがそうであるように、私もそうじゃなきゃならない、

 

と。

 

あいからず、FDは突っ走る。コーナーも、直線も、魔理沙はほとんどアクセルを離さなかった。ブレーキをするときは、アクセルをちょん踏みする。魔理沙にはそれが、FDに負担がかかることもわかっていた。痛いほどわかっていた。だが、それはやめられない。なぜなら、前に自分がいるから。相手のペースに合わせていた自分がいるから。

 

魔(とにかく…集中だ…。)

 

星(まだ追ってこない…ってことは…私のほうが速いのか?)

 

バトルはいつの間にか、側溝のあるセクションに入る。

エボは側溝を使わずとも、インをしっかり詰める。FDは側溝を容赦なく使い、怒涛の走りを見せる。

 

魔(そうだ…この感じ。だんだんエボが近づくのが手に取るようにわかる。)

 

 

――――これは、きついことなのかもしれない。

 

 

―――――だけど、同時に楽しいんだ。

 

 

―――FDから伝わるこの感覚。

 

 

―――――こいつがいかに走りたがっていたかが、ほんとにわかる。

 

 

―――……!石!

 

 

魔「くっ!」

 

降ってきた石で、一時的にFDのペースが崩れる。

 

だが、それはほんの一瞬だった。すぐに取り戻す。さらに、その前よりペースが上がる。

魔理沙は決して焦ってなどいなかった。FDに従うだけ。やりたいことをやらせる、やってあげる。それだけ。決してそれ以上でも、それ以下でもない。

 

星(来てる…バックミラーには見られないけど…FDから出る、すさまじいほどのプレッシャーが、私にはわかる!)

 

麓では6秒差だったのが、側溝セクションの終わりには、2秒差まで詰められていた。

魔(3本目はない…あるなら、潔く負けてやるよ…。負けないがな!)

 

ストレートに入る。

星(来るか…来るなら早く来い!)

 

星はどこかからくるプレッシャーが怖くてたまらなかった。だから、ストレートはアクセルべた踏みだった。加速しすぎたまま、コーナーに入る。

星(しまった!)

 

思ってももう遅い。コーナーを抜けたころには、もうだいぶ減速してしまっていた。

一方FDは、こちらもまたアクセルべた踏みだった、が、コーナーの前で、全力ブレーキング。するりとコーナーを抜ける。

 

抜けた先には…エボのテールランプがいた。

魔(とらえたっ!)

 

――――さーて、こっからは遠慮は無しだ。一気にけりをつける!

星(来たっ!なら!)

 

星は少し楽になったのか、少しずつペースを戻し始める。

――だが、

 

もう手遅れだった。FDがもうスペードでするりと横を抜け、そのままコーナーに入る。

明らかにFDのほうはオーバースピードだった。

星(そんなスピードで行けるはずない!)

 

魔(行ける…いあや、行ってやる!)

――――今の私は、FDそのものなんだっ!

ビカッ!

星(うっ!)

 

突然のフラッシュに、エボの体制が乱れる。

星(………!)

 

光の先には…誰もいなかった。もうFDは2つ目の折り返しに入っていた。

 

―――――もみじライン頂上 午後21:45――――

ひっそりと静まり返った駐車場に、FDのロータリー音が響く。

フ「あ、帰ってきたよ!」

 

ハク「・・・・。」

 

レ「あなたも、すぐにわかるわ。魔理沙の本気の顔。」

 

ハク「本気の顔なら今まで何度も見たことありますよ。今日は魔理沙一人で走っているから、あの人なりに新鮮なことがあったんでしょうね。」

 

FDが駐車場に入る。すると、ハクの姿が薄くなりやがて消え、FDに吸い込まれる。

ハク「お帰り、魔理沙。」

 

魔「おいおい、お帰りを言うのはこっちの方だぜ。」

 

ハク「魔理沙…。私…」

 

魔「いいのさ。お前もどうせレミに言ってたんだろ?おまえがいなかったせいで私には新鮮なことだったって。」

 

ハク「ちぇ。なんでばれちゃうかな。」

 

魔「なんだかんだでもう3年だぜ?それぐらいわかんなきゃしょうがないだろ。」

 

魔理沙はFDを停め、外に出る。

魔「うわっ!?」

 

魔理沙の体がグラッとゆらぐ。あのハイペースで集中していたのが3分も続いたのだ。体力の消耗も激しい。

すかさずレミリアが支えに向かう。

レ「おかえり。大丈夫?」

 

魔「あ、ああ。大丈夫だ。だがちょっとくらくらする…。」

 

レ「そうね…。じゃあ帰りのFDの運転は咲夜に任せなさい。あなたは1号車に乗ってゆっくり休んでなさい。」

 

魔「ほんとなら断るとこだが…。ま、事故ってもハクに申し訳ないからな。了解だ。」

 

魔理沙がとぼとぼと1号車に向かう。

エンジンつけっぱのFDのヘッドライトが、それをギラギラと照らしていた。

霊「あれ?なんか忘れてるような気が…。」

 

レ「気のせいじゃん?それより咲夜は?」

 

フ「下じゃないの?」

 

魔「下だと思うぜ。」

 

レ「しょうがない…。霊夢。私を乗せて下に咲夜を取りに行くわよ。」

 

フ(あ、絶対強がってるわ、これ。)



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VSMRS編
第40話「アリマリ☆」


前回までのあらすじ
どう考えても死亡フラグなんだよなぁ…あの発言。
(前話参照


全開同乗走行に乗ったレミリアがその後2日ほどずっとガレージの隅っこでシビックを見ながらガタガタ震えてたのは言うまでもない。

 

その後1週間の休みが入った。

 

―――――1週間後。サンドレーシングガレージ 社長室――――――

レ「ふぅ…。なんかすごく落ち着いた気がするわ。」

 

咲「そりゃ、あのあと怖すぎて一般車通り過ぎるだけで震えて運転できずに結局ムラサにお願いして1号車運転してもらったんですもんね。」

 

レ「あの時はほんとに見えるものすべてが怖かったから仕方ないの。」

 

トゥルルルルルルルルルルルルルルル……

 

レ「ん?電話?」

 

ガチャッ

 

レ「もしもし?」

 

??「もしもし?魔理沙いる?」

 

レ「その声…聞いたことある…。アリス?」

 

ア「よくわかったわね。やっぱりわかっちゃう?」

 

レ「当たり前でしょ。あんた、あの時かなり魔理沙みて興奮して叫んでたじゃない。あの声、2度と忘れることなんてないわよ。で?」

 

ア「魔理沙はいる?」

 

レ「もちろんいるけど…電話には出ないわよ?」

 

ア「何故っ!?」

 

レ「だって、あなたと魔理沙を合わせたら、長電話になるうえに、一方的に―――」

 

ガチャッ

 

レ「切りやがったわね…まったく。」

 

咲「誰からの電話だったんですか?」

 

レ「(ため息)アリスよ。」

 

咲「そのアリスが次回の対戦相手ってことは?」

 

レ「ちょっと調べてみるわ…。」

 

―――――数十分後――――

レ「あったあった。えっと…チームMRS。通称…魔理沙好きの集まりぃ!?」

 

咲「は?」

 

レ「チームメンバー。アリス、パチュリー、魅魔…。これ、全員魔理沙に関係ある人物ばっかりじゃない!」

 

咲「前回メンタル鍛えといて本当によかったですね…。」

 

レ「本当よ…。今回はかなりあれそうね…。」

 

コンコン

 

レ「はい?どうぞ。」

 

ガチャッ

魔「入るぜ、レミ。」

 

レ「あら、魔理沙。どうかしたの?」

 

魔「どうしたのじゃないぜ。なんか騒ぎ声が聞こえた方向に向かったらここだったんだぜ。」

 

レ「ああ…そういうこと。そうね…魔理沙には先に話しておかないといけないわね…。」

 

トゥルルルルルルルルルルルルルル

レ(さっきと同じ番号……まさか!?)

「魔理沙!とにかくこの部屋から出て!」

 

魔「は!?」

 

レ「いいから!!」

 

魔「お、おう。」

 

魔理沙が部屋から出て瞬間に、電話が鳴りやむ。

レ「………。魔理沙。入ってもいいわよ。」

 

魔「なんだったんだ…?」

 

レ「あれ、次回のバトル相手。MRSって言うチームなんだけど…。わかる?」

 

魔「全然。」

 

レ「それがね…ん?」

 

トゥルルルルルルルルルルルルルル……

レ「いい?この部屋から出ないでおいてね?」

 

魔「おう。」

 

ガチャッ

 

ア『魔理沙いる?すぐそばに。』

 

レ「ええ、いるわよ。」

 

ア『変わって。』

 

レ「わかった。」

 

魔『変わったぜ。』

 

ア『ああ…魔理沙…。やっと会えた…。すぐ会いに行くからね。待ってて。』

 

魔「…は?」

 

ガチャッ

 

魔「おい…レミ…なんか寒気がしてきた…隠れさせてくれ・・・・。」

 

レ「了解。咲夜。隣に案内して。」

 

咲「了解です。魔理沙。こっちよ。」

 

魔「できるだ…け…。ん?」

 

ドタドタドタドタドタドタドタドタドタ…

魔「やばい!急げ!!」

 

咲「さっさと行け!」

 

咲夜が魔理沙を隣の部屋に蹴っ飛ばすと同時にアリスが入る。

ア「まーりさ!は…いない?」

 

レ「あんたに驚いて今出てったわよ?というかあんた・・。なんでここにいるのよ…。」

 

ア「会いに来た(率直)」

 

レ「もはやあんたが狂気に満ちてるとしか言いようがないわね…。ささ、とっとと出てってよ。」

 

ア「へいへい。」

 

アリスがとぼとぼ部屋を出る。ドアが閉まった瞬間に魔理沙が出てくる。

魔理沙は何も言う気にならなかった。

レ「魔理沙…?大丈夫?」

 

魔「全然大丈夫じゃないぜ。」

 

ア(え…?魔理沙?)

 

またアリスが部屋の戸に手をかける。すると魔理沙がすぐ部屋に入る。

ガチャッ

レ「あら、アリスまだいたの?」

 

ア「い、いや、あなた今…魔理沙って…。」

 

レ「は?だからいるわけないでしょ?」

 

ア「う~ん(汗)聞き間違いじゃないと思うんだけどなぁ…。」

 

そういいながら、アリスは部屋を出る。そして、魔理沙が戻る。

魔「あー怖かった。」

 

するとまた部屋の戸がガチャッとなり、魔理沙がサッと隠れる。

アリスが少し会話し、不思議そうに帰り、部屋をでると同時に魔理沙が戻る。

アリスがフェイントを入れても、それは魔理沙に全く通用しなかった。

そして100回前後繰り返したところで、アリスが震えだし、急いで帰ったそうだ。

魔「おー怖かった。」

 

レ「ねぇ…魔理沙。アリスと何かあったの?」

 

魔「いや~な?私とアリスって同じ魔法の森に住んでたじゃん?」

 

レ「うん。」

 

魔「それが理由。」

 

レ「うわぁないわーあの子」

 

魔「だろ?」

 

レ「ま、いいわ。そのうち、正式に申し込むから。」

 

魔「バトルの日が怖いぜ…。」

 

レ「ほんとよね。」

 




次回予告
絶対に免れない運命…。
アリスVS魔理沙…。
とにかく、やるしかないんだ・・。






アリマリにしたのは勢いです。
次回からまじめにやります。はい。


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第41話「迷走」

前回までのあらすじ
アリスは帰った。そしていよいよ、バトルの交渉へと乗り出すレミリア。


その後1日。レミリアは何とかMRSとのバトル交渉にこぎつけ、3日後。塩那峠にてバトルすることになった。

――――翌日 13:30 サンドレーシング 会議室 ――――――

レ「それじゃ、会議始めるわ。今回の相手はMRSよ。」

 

霊「え?MRSって、トヨタの?」

 

レ「違うわよ。――魔理沙?説明できる?」

 

魔「無理。」

 

レ「OK。じゃあ私から説明しよう。まずはチームメンバーから。アリス、パチュリー、魅魔。」

 

魔「へ?師匠もいるのか?」

 

レ「ええ、そうよ。場所は塩那峠。今回も、栃木ね。」

 

霊「メンバーの変更とかは?」

 

レ「そんなもんないわよ。」

 

霊「おい」

 

レ「じゃあ、バトルは4日後。解散。」

 

咲「あの、」

 

レ「ん?何?咲夜。」

 

咲「このくだりいらなくないですか?」

 

レ「ではここで、メンバー全員に一瞬で今までの情報をすべて伝える方法を考えよ、ただし決して周りに知られてはならない。」

 

咲「そんな方法すぐに思いつくわけないじゃないですか。」

 

レ「ではこの方法で決定。解散。」

 

そういうと、メンバーたちは会議室を去る。

レミリアは大きくため息をつく。

レ「故郷に帰ってみようかな…。」

 

そう呟く。

レ(私に求められるものは…指揮力…。あの人なら…)

 

哀愁漂うレミリアの姿を、咲夜は見つめずに作業に取り掛かった。

レミリアは一人、栃木の研究所へと向かう。

 

――――――午後14:25 栃木某所研究所―――――

 

レミリアは、もともと自分がいつも停めていたところに自分の車を止め、正面玄関から、研究所の中に入る。

ドアが開くと、そこには、受付のミスチーがいた。

ミ「あの…ここは関係者以外立ち入り…ってレミリアさん!?どうしたんですか?」

 

レ「やぁ、ミス。お久しぶり。」

 

ミ「その言い方やめてください。」

 

レ「ところで、所長に合わせてくれる?」

 

ミ「いいですけど…認めてくれるかわからないですよ?」

 

レ「いいのよ。認めてくれないなら帰るだけだし。」

 

ミ「一応、相談してみますね。」

 

―――――十数分後――――

ミ「やっぱり駄目ですって。」

 

レ「分かったわ…。」

 

ミ「何かあったんですか?私でよければ相手になりますよ?」

 

レ「いや、いいのよ。ひょっこりとここにきてしまった私が悪いんだから。」

 

ミ「は、はぁ…。」

 

レ「じゃあね。ミス。」

 

ミ「だからその言い方やめてください。」

 

レミリアが手を振りながら、正面玄関から出ていく。

レ(ダメ…か。ま、わかってはいたけど…。)

 

そういいながら、駐車場に向かう。駐車場には、ついこの前帰ってきたS2000があった。

あのころとは違い、エアロはついてない。

レ(いろは…か。)

 

レミリアはとりあえずいろは坂でも攻めてみることにした。

――――第2いろはスタート地点 エネ○ス前――――

 

太(あなたが悩んでいるのなら…解決してあげるわ。でもね…あなたはもうここの子じゃないの…。)

 

ブロオオオオオオオオォォォォォォ-----

太「いいわ・・そんなに教えてほしければ、バトルで身に着けるといいわ。ま、最初からそのつもりだけどね。」

 

そう呟くと、エンジンをかけ、ふかし始める。

レ(前に誰かいる…。まさかあの茶色のワンエイティ…!所長じゃないの!!?)

 

太(試してあげる…今のあなたをね。)

 

S2000が横を通り過ぎると、180SXが発進する。

もちろんすぐには追いつかないが、太子用に特別チューンされた180SXだ。

第2や、第1いろはで数少ないヘアピンから立ち上がって数秒のアクセルできっちりと加速できるような仕上がりになっている。なにせこの太子は所長だ。所員には負けたことがない。

レ「さ~て、どう出る?所長。」

 

太(……!)

 

太子が集中モードに入る。こうすると、太子は誰とも話さなくなる。

レ(やはりそう来るか…。ならっ!)

 

レミリアも集中する。

 

 

―――――バトルの結果はレミリアにはわかっていた。

 

 

―――もとより、自分の師匠ともいうべき相手だ。

 

 

―――――それなりの覚悟も自分には出来ていない。

 

 

――――だから、負けるのは当然…なはずだった。

 

 

――――だが、違った。

 

 

―――――どんなに 抜けるポイントでも、

 

 

―――――どんなに、ミスをしても、

 

 

―――――抜いてこない。

 

 

そうこうしていううちに、いろは坂の分岐点に来てしまった。

すかさずウインカーを光らせるS2000。

すると、2台共に路肩に停まる。

そして、車から2人が出てくる。

レ「所長…お久しぶりです。」

 

太「あなた…悩んでるんですってね。ミスチーから聞いたわ。走ってても、迷いがビンビンと伝わってくる。」

 

レ「所長…。」

 

太「確かに私にこの所を任された身だけど…そこまで悩むことじゃないのよ。」

 

レ「へ?」

 

太「私は、ただ確認してほしい。それだけよ。」

 

レ「そこは別に悩んでいるところではないんです。私が悩んでるのは、リーダーとしての悩みなんです。」

 

太「リーダーとしての…?ま、まぁとりあえず場所を変えましょう。」

 

レ「は、はい。」

 

レミリアと太子は場所を近くのカフェに変え、再び話始める。

レ「で、さっきの続きなんですけど…。最近、私から一歩引いて活動してるように思えてくるんです。」

 

太「はぁ…。まあ、それくらいは、誰でも感じる域よね。」

 

レ「それでです。それで悩んで来たんです。」

 

太「そうね…それぐらいなら、私にもアドバイスできそうね。」

 

レ「は、はぁ…。」

 

太「耐えなさい。」

 

レ「へ?」

 

太「みんな、そうなのよ。離れていくのが怖い。そう言ってくるのよ。そこで一歩耐えれば、きっといいチームになると思うわ。」

 

レ「は、はい。」

 

太「と。いうことよ。あとは自分でじっくりと考えるといいわ。お会計は私がやっといてあげるから。」

 

そういいながら、太子は去る。

レ((ため息)一歩先…か。)

 

それから、レミリアは閉店まで考えた。

 

 

―――――自分がいるべき場所とは。

 

 

―――――自分がやるべきこととは。

 

 

―――――自分の居場所とは。

 

 

―――――チームのために何をすればよいのか。

 

 

―――――すべてをまとめて考えた結果が、これ。

 

――――――――私はメンバーでもなければ、リーダーでもない。

 

 

―――――――今のメンバーは、皆初心者なんだ。

 

 

――――――――私が個別に指導してあげなければ、生き残っていけない。

 

 

―――――独自でなければ負ける。

 

――――――そう結論を出し、

――――――― 一人、サンドガレージに向かうのであった。

 




次回予告
次回からは、いよいよ敵地に乗り込む。
そして、いつもより多めのプラクティスをこなす。
――――なぜ多いのかって?
それもレミリアが教えてくれるさ…






更新遅れてすみません、ほんと。
スカイプも始めましたし、1日、目を休めるために昨日はパソコン触ってませんし、
明日も手伝いに行かなきゃならないので更新は無理です。
もしかしたら、こんなことが今後多くなる可能性があるので、ご理解の方お願いします。


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第42話「やり直しと魔女の儀式」

前回までのあらすじ
考えがまとまれば即実行。
こうしなければ、達成できないことだってあるんだ…。


――――――サンドレーシングガレージ 午後22:10―――――

 

レミリアは帰ってきた。このチームを変えるために。

 

シャッターが開きっぱなしのガレージの中に入る。

 

車を降り、閑散としたガレージを見つめるレミリア。メンバーたちは、練習に行っていて、いないようだ。

 

レ「このチームを変える…か。」

 

そう呟くと、舎内のほうに向かっていく。

これからチームのメニューを考えるのだ。

バトルまでの期限は、あと2日。

 

時間はあまりに少ないが、レミリアには迷いなどなかった。

 

―――――翌日 サンドレーシング 会議室 午前9:00――――

この時、メンバー全員が会議室に集められた。

メンバーたちはわけもわからず困惑していた。

 

そこに、メンバーのリーダーである、レミリアがやってくる。そのレミリアの目は曇りなき綺麗な目だった。

 

レ「みなさんおはよう。」

 

魔「おはよう…なんだけどさ。」

 

レ「どうかしたの?」

 

魔「なんだってここに集めたんだぜ?」

 

霊「そうよ…。」

 

フ「まったく意味が分からないよ。」

 

レ「そうね。ここに集めた意味について話すわ。さっそくだけど、昨日いなかったことを謝るわ。ごめんなさい。」

 

魔「は、はぁ。」

 

レ「昨日は自分のことについて悩んでたの。そして、一つの結論にたどり着いたわ。」

 

そして、メンバーはその一言に驚愕した。

レ「今日限りで、私はこのチームのリーダーを辞めるわ。」

 

霊・フ・咲・魔「はぁ?リーダーを辞めるぅ?!」

 

魔「そ、それって…!?」

 

レ「言葉の通りよ。リーダーを辞めるの。それと、咲夜とフラン。あなたたちも、メカニックを辞めてもらうわ。」

 

フ「まったく意味が分からないよ…。」

 

レ「そうね…言い方を変えると、『メカニック限定で活動するのは禁止』ってことよ。」

 

咲「メカニック…限・・定…?」

 

レ「そうよ。あなたたちにも、きちんと走ってもらうわ。もちろん、公式戦でもね。」

 

魔「それで…?私たちは?」

 

レ「あなたたちには、抽象的なところに集中してもらうわ。」

 

魔「抽象的?」

 

霊「それって?」

 

レ「そこらへんはまだ決まってないわ。あとあと決めていくつもりよ。」

 

魔「は、はぁ。」

 

レ「とにかく、今日の車の整備はあなたたち『だけで』やってもらうから。さ、取りあえず行った行った。」

 

魔「は、はあ。」

 

困惑しながら、部屋を出るエース2人。

そして・・・・

 

レ「残った2人には、これから走り込みをしてもらうわ。コースは…秋名と赤城を交代交替でやってもらうわ。そして、今日の設定タイムは、秋名が3分20秒、赤城が2分40秒よ。このタイムを切ったら帰ってきてもいいわ。」

 

フ「は、はぁ。」

 

咲「乗ってくのは愛車でいいんですか?」

 

レ「ええ。それじゃあ行ってらっしゃい。」

 

フ「ちょっと待って。姉さんは何かするの?」

 

レ「私?私はエースたちのお☆手☆伝☆い☆よ。」

 

咲(うわぁ。)

 

フ「それじゃ、行こう咲夜。」

 

咲「あ、はい。」

 

それから1時間。エースたちはメカニック作業に少しずつ慣れてきたころ。

咲夜とフランは秋名でのタイムアタックを終え、赤城でのTAに取り掛かっていた。

2人とも相当詰んだようで、疲れていた。

 

そして、赤城の頂上で休んでいた。

 

フ「ふ~ぅ。ほんとに秋名では詰んだね。」

 

咲「そうですね。」

 

そういいながら、フランのGT-Rはスタート地点に付く。

フ「さ、とっとと終わらせて速く戻ろう」

 

咲「(うなずく)5,4,3,2,1、GO..」

 

飛び出していく、白のGT-R。

 

咲(今までは…見てるだけだったから、何でもないように思えてたけど…。いざやってみるとなると、かなり体力的にきつい…。最初に決めようとしても侵入の仕方とかが中途半端で結局つぶれるし…あとあとやろうとしても、最初の疲れがあとあとで来て、集中できない…。これほど難しいことを、うちのエースたちは簡単にこなしていたのか…。それにペース配分も考えないといけないから、頭も使う。きつい…。)

 

そういいながら、頂上の案内店で買ったソフトクリームを舐める。

タイムは自己計測。麓の駐車場のところについた時点でストップウォッチを押し、頂上まで上がってくるというものだ。

 

―――――40分後―――――

フ「ふぅ…。やっと終わった。こっちは2,3本走っただけで終わった。」

 

咲「じゃ、帰りますか。」

 

フ「そうだね。」

 

――――サンドレーシング ガレージ――――

魔「えっと…。これをこうして…こうか。」

 

レ「そうそう。」

 

魔「よっしゃ。終わったぜ。」

 

霊「こっちも終わったわ。」

 

レ「じゃあ、そろそろ休憩しましょうか。」

 

そこに、フランのGT-Rと咲夜のFCが帰ってくる。

フ「姉さん帰ってきたよ~。」

 

レ「あら、フラン、咲夜、お帰り。ちょうど休憩しようと思ってたのよ。2人もどうぞ。さ、魔理沙と霊夢は車どかして。」

 

霊「(ため息)はいはい。」

 

こうして、1日が終わっていった。体力的に疲れたのか、夕方には全員へとへとだった。

 

そして、夜のプラクティスでメンバーは、レミリアの行っていた意味がわかっていた。

メカニックだった咲夜とフランは、データのさらに意味が分かるようになり、エースの霊夢と魔理沙は路面の状態や、車の状態が少しずつ分かるようになっていた。

 

改めてレミリアの偉大さに感激した1日だった。

 

そして翌日…。いよいよ遠征に行く日。

 

メンバー全員が勝ちたいと思って臨めば、それほど大きい自信はないだろう。

 

―――――サンドレーシングガレージ 午後15:30―――――

4月後半の暖かい日差しがかかるこのころ。

 

ガレージのシャッターが上がり、4台の車たちが塩那目指して走り出した。

シビック、FD、サポート車2台。

これから始まる、展開を誰も知るわけがなかった。―――

 

―――――――塩那峠頂上 駐車場午後19:50――――

モブメンバー1「上がってきます!ゴッドウイングスです!」

 

パチェ「ついに来たわね…レミ。楽しみにしてたわ…。この夜を。」

 

ア「バトルは明日だけど?」

 

パ「い、いいのよ!会えればそれでいいんだから!」

 

魅「それより2人とも、やることはわかってるな?」

 

??「仮にも魔女だったんだし、頼むわよ。」

 

パ「そ、それぐらいわかるわよ。やればいいんでしょ、やれば。」

 

ア「それよりさ、何で母さんたちが出ないのさ。」

 

魅「だって…魔理沙に会うのなんか恥ずかしい…というかもう八方ヶ原が地元だって言っちゃってるし。」

 

??「私もねぇ~。会いたいのはやまやまだけど、明日予定あるし…。」

 

ア「どーせ誰かとデートでしょ?」

 

??「それ以上いけない。」

 

モブメンバー2「そろそろ来ますよ!」

 

魅「それじゃ、そろそろ行くわ。」

 

??「それじゃあね。アリス。」

 

ア「はぁ…。ま、やるしかないんじゃない?パチェ。」

 

パ「それもそうね。ま、やれるだけやってみるわ。」

 

そういうと、2人ともに愛車に乗り込み、塩那峠を下る。

 

モブメンバー2「なぁ?そういえば2人は何をやってるんだ?」

モブメンバー3「ありゃ?おまえ知らないのか?あれはなんでも魔女の儀式って言われてるんだ。」

モブメンバー2「魔女の…儀式?」

モブメンバー4「さ、そろそろ俺たちも行こうぜ。」

モブメンバー2・3「お、おう。」

 

そういうと、モブメンバーたちも引き上げる。

GodWingsが駐車場に来たときは、まさにもぬけの殻だった。

レ「ふぅ…。あれ?誰もいない…?」

 

咲「誰も…いないですね。えっと…MRSのメンバーも?いないんですかね?」

 

フ「私の目が正しければ…そうだね。」

 

魔「なんか、舐められてる感じだぜ…。」

 

霊「とにかく!やるしかない。でしょ?レミ。」

 

レ「そ、そうね。それじゃ、いつものよろしく。」

 

メンバー全員がうなずくと、メカニックは担当の車に乗り込む。

エースは自分の愛車に乗り込み、魔理沙、霊夢の順に走り出す。

 

ア「こっちは準備できたわ。パチェ。」

 

パ『ええ。こっちもよ。』

 

ア「おっと、先に出るわね。」

 

パ『ええ、見せてあげましょう。』

 

 

―――塩那(ここ)の恐ろしさをね――――




次回予告
魔女の2人、アリスとパチェ。
そして魔女の儀式とは一体……。







はい。更新できないかもとか言ってすみませんでした。


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第42,5話「魔女の儀式」

半話進みました。
字数もかなり減ってます。
もしかしたら、明日は更新できないかもしれません。


ア(あとちょっとで…プラクティスの赤いロードスターが来る…。5・4・3・2・1…。)

 

「来たっ!…!?ロスタじゃない…。ま、いっか。とにかく行くわ!」

 

そう思う瞬間、アリスはとっさにエボⅣのライトを光らせ、動き出す。

霊(…?誰か追ってくる・・?パッシング…どうすっかな…。ま、セット出しのためには悪いことではないわね。いいわ。付き合ってあげる。)

 

霊夢は、今までアクセルのふみが75%のを、100%にして、飛ばす。

その状況は、魔理沙もまた同じだった。

 

パ(私がついていけるかなんて知ったこっちゃない。私は魔理沙と走れればそれでいい。)

魔(追ってくる・・?あのライトの形…。180SXか。無茶だってことに気付いてないようだな。いいぜ。その勝負乗った。)

 

 

―――まずは…。ダウンヒルから見て行こう。

ロスタVSエボⅣ。

 

一見見ると、エボⅣのほうが断然有利に見えるのだが、それは同時スタートでの話。

今回はある意味でのハンデ戦とでも言える。ある程度までの距離まで近づければエボⅣの勝ち。このままの距離ならシビックの勝ち。

 

霊(ハンデ戦か…。むこうの車種まではわかんないけど、そうとう出てるわね…。ま、だいぶプラクティスも終わりのころに近づいてるわけだし、このコースもだいぶわかってきた。飛ばしても全然視界は悪くならない…!)

 

ア(な…!速い!まともについていけるようなスピードじゃない!仕方がないわね…。このエボのパワーに頼らざるを得ない!)

 

 

―――勝負は2ヘアで決まる。

アリスの集中力がついに切れ、スピンしてしまったのだ…。

 

ア(まさか、私がこの儀式で負けを喫するなんてね…。まったく、タフじゃないの。霊夢。)

 

 

――――続いて、ヒルクライム。

FDVS180SX

 

こちらは…ダウンヒルより速く決着がつく。

いままで隠していた融合を魔理沙が出し、一気に引き離したのだ。

パ(クッ・・!何故負けた…!?仕掛けるのが遅かったか…!?…ま、いい。とにかくアリスと合流して、上にいけないとね。)

 

―――――10分後 塩那峠頂上――――

魔「お、来たみたいだぜ。あいつだ。つい10分前に私たちを追ってきたやつはよ。」

頂上の駐車場に180SXとエボⅣがつく。

 

そして、二つの人影が姿を見せる。

 

パ「お久しぶりね、レミ。何年ぶりかしら?」

 

レ「さあね。そんなことはどうでもいいの。説明してもらえるかしら?プラクティス中に割り込んでむりやりバトルした理由。」

 

パ「言い方が悪いのが癪に障るけど、いいわ。あなたの可愛いメンバーさんを巻き込んだ理由。ここではね、プラクティスがある日には必ず、魔女が現れるの。」

 

フ「ま、魔女?」

 

パ「その魔女はとても速くて、絶対に追いつけない。すぐにちぎられて、ゲームセットっていうシチュエーションだったんだけどね。」

 

レ「何故それを、申し込みの時に言わなかった?」

 

パ「そんなこと、決まってるじゃない。言ったところで、決して来なくなるわけじゃないし、死亡事故も多々報告されているわ。本音を言うと、あなたたちがどれだけやるか知りたかった。それだけよ。」

 

レ「分かったわ。説明ありがとう。さっさと帰ってくれるかしら?紫の魔女さん。」

 

パ「はいはい分かりましたよ。それじゃ、また明日、ここで会いましょう。月明かりの吸血鬼さん。」

 

そういうと、2人は愛車に乗り、その場を立ち去った。

 

――――翌日 午前2:30―――――

 

この時間にプラクティスは終了し、メンバー全員が寝床に付いた。

 

―――30分後。

 

皆は眠れずにいた。勝ちたい。その思いが強すぎて、興奮してしまっているのだ。

 

―――FDの車内。

静かにエンジンがかかり、ハクが現れる。

ハク「ねぇ…魔理沙。」

 

魔「なんだ?」

 

ハク「眠れないの?」

 

魔「んなこと、見りゃわかるだろ。」

 

ハク「ほかのみんなも眠れないみたいだね…。」

 

魔「ああ。」

 

 

―――なんで眠れないんだろうな…。

 

 

――――たぶん皆は勝ちたくて勝ちたくて…。仕方ないんだと思う。

 

 

―――――だけど…。私は違う。

 

 

――――なんか…。気持ちがざらつくんだ…。

 

 

魔「私には何かが違って見えるんだ…。」

 



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第43話「パペットマスター」

前回までのあらすじ。
魔女の儀式は、その地方ならではのものだ。
こんなことは、本来ではありえない。だが、そこが魔女と人間の違いなのだと思う。











この話は、動画化の活動報告をする前に書いていたものです。
これからは、更新が超スローペースになります。首を長くしてお待ちいただけると、幸いです。


――――翌日 午後21:00 塩那峠頂上―――――

魔理沙は結局、昨日の夜感じたざらつきが何かわからなかった。

だが、アリスを見ると、すごくざらつきが激しくなった。

 

魔理沙は今、FDの中で気持ちを落ち着かせてる。

魔「まだざらついてる…。」

 

ハク「何を血迷ってるのさ。」

 

魔「やらなきゃいけないことはわかってるんだ…。」

 

ハク「やるしかない。そうでしょ?だったら全力でやってやろうじゃん。」

 

魔「ああ・・・・。やってやるさ。」

 

そういった魔理沙は、FDの中から出る。

霊「あ、魔理沙。どう?少しはましになった?」

 

魔「あぁ。少し…な。」

 

霊「やっぱり完全になおらない…か。」

 

魔「ま、でもやる気は出てきたから大丈夫だ。行けるぜ、レミ。」

 

レ「ええ。じゃあ行かせるわ。」

 

魔「じゃ、行ってくるぜ。」

 

霊「勝ってきなさいよ?」

 

魔「当たり前だろ♪」

 

FDに乗り、走り出す魔理沙。下にはいつも通り咲夜がいる。

FDが駐車場を出ると、レミリアがMRS側に行こうとする・・・が。

もうアリスのエボⅣの姿はなかった。

 

レ(あ…れ…?おかしいな…。)

 

――――塩那峠 ヒルクライムスタート地点―――――

2台のフロントライトがスタート地点に来る。

咲「お、魔理沙が来た。」

 

フ「あれ?もう1台来るよ?あれってアリス?」

 

咲「そうですね。」

 

FDとエボⅣが、進行方向に一度向かい、ターンして戻ってくる。

そして、咲夜とフランがいるところでぴたりと止まる。

魔理沙がFDから顔を乗り出して、咲夜に話す。

魔「なぁ…咲夜。」

 

咲「何?」

 

魔「さっきから気になってたんだが…。アリスから何か出てないか?」

 

咲「え?特に何も出てないけど・・・・。」

 

魔「そうか…。」

 

そういうと、魔理沙はFDから降りるそぶりを見せ、再び乗り込む。

すると、アリスも同じようなそぶりを見せる。それを見た魔理沙は、顔色が変わった。

 

魔(フッ。そういうことか。やっとわかったぜ。この気持ち悪さの意味。)

「いいぜ。咲夜。始めても。」

 

咲「え、ええ。それじゃ、カウント行きます!」

 

「5!4!3!2!1!GO!!」

 

エボⅣ先行、FD後追いでバトルが始まる。

 

勢いよくスタートした2台は、軽いコーナーをいくつか抜ける。

迷いがないFDの動きにも、アリスは動じなかった。せっかくの魔理沙とのバトルなんだから、私の本気絵おきちんと見せてあげないとね。そんな走りだった。

 

ハク「さすがにエボだね。結構速い。」

 

魔「そうか?私はそういう風に見えないけどな。」

 

ハク「どういうこと?」

 

魔「じきにわかるさ。こいつの『本当の姿が』な。」

 

ハク「……?」

 

2台は一つ目の折り返しに入る。

1つ前のコーナーを抜けたところから減速していった魔理沙に対し、アリスはコーナー前35M前ほどで急にブレーキをかける。

 

魔(あいつの走り方は…あんなもんじゃない。私とは紙一重の違いで、コナー出てすぐにブレーキかけるのが私で、10Mほどでブレーキかけるのがアリスだったはずだ。…ま、そんなことばかり気にしててもらちが明かないんだけどな。)

 

折り返しヘアピンの後は、中速セクションが3段目まで続く。

魔「ハク。じきに見えるといったが、もう見えてくるぜ。」

 

ハク「え?」

 

魔「次の折り返し、そしてそこからは岸壁から目を離すなよ。」

 

ハク「う、うん。」

 

中速セクションでアクセル全開にするFD。中間でエボが体制を崩し、その隙をついてFDが前に出る。

 

魔(さて…前に出れたのはいいが、問題はここからだ。とにかくもっと離しておこう。)

 

アクセル全開でコーナーをひょいひょいと抜けるFD。そして、2つ目の折り返しに入る。

ハク「ここから…?」

 

魔「ハク。融合できるか?」

 

ハク「いいけど…どうして?もう前に出てるよ?」

 

魔「私と同じ視線で見た方が分かりやすいし、もっと離しておきたいからな。」

 

ハク「う、うん。」

 

そう会話を交わすと、FDが光りはじめ、光の中から白いFDが現れる。

白魔「さて、攻めるか!」

(う、うん。)

 

アクセルを踏みこむ。当然前にぐんぐんと進む。

あっという間に3つ目の折り返しポイントに付く。エボがぴったりと張り付いている。

すると、折り返しのポイントの岸壁に、本来エボの中にいるべきアリスがいたのだ。

 

白魔(!!)

「分かっただろ?あいつはアリスじゃない。おそらくあいつの人形。蓬莱か上海だろう。」

 

(…え!?あれって…人形が操ってるの!?)

「そうとしか考えられまい。」

 

(た、たしかにそうだけど…。)

 

すると、アリスにも魔理沙の姿が見えたのか、折り返しの後、ブーストをかけたようにエボを加速させた。

白魔「やはり来たか…。だが、そっちの動きは想定済みだ!!」

 

FDが加速する。白いFDの加速はすさまじい。なにせ、VS文戦で体制を崩した文を速攻で置いてきぼりにしたほどだから。

 

――――3つ目の折り返しの岸壁。

パ「まったく。あなたも大胆なこと考えるわね。」

 

ア「当然よ。魔理沙と直接バトルだなんて、私にはまだ不向きだもの。」

 

パ「不向き?あなた、魔理沙を愛してたんじゃないの?」

 

ア「当然魔理沙のことは好きよ。実力でまだ追いつかないって面もあるし、私はこっち側のほうが速く走れるのよ。」

 

パ「ふーん。不思議なものね。実際に走るより、いいタイム出るなんて。」

 

ア「だから私はこう呼ばれるのよ。」

 

 

―――――『パペットマスター』ってね。

 

 

バトルはいよいよ終盤に入る。

スパートをかけたエボのペースに合わせて、FDも加速する。

 

当然、アリス(上海)のほうは人形のため、マスター以上のことはできないし、指示以上のことには対処しようがない。

 

アリスには、前を走るFDの姿は見えていた。だが、それ以上アリスはペースを上げなかった。

 

攻めて魔理沙とは正々堂々バトルしたい。私がこのエボに乗ってることがばれたって、それで魔理沙は降りて文句を言うような人じゃない。だから、私は私なりにやれることをやる。それがこのバトルで見出す、私なりの見解だから。

 

バトルはそのまま決着がついた。エボは永遠とFDの後ろをつけていた。

 

それで、アリスは満足だったのだろうか。正々堂々バトルするとは、どういうことなのか。はっきりとけりをつけたい魔理沙は、頂上に戻ってきた魔理沙に喝を入れる。

魔「アリス…。お前にとって正々堂々とはなんだ?」

 

ア「もちろん。こういうことよ。私は私にしかできないことをやる。それが私がこの世界でやる目的みたいなものなのだから。」

 

魔「ふーん。」

 

なぜか納得してしまった。

冷静に考えると、そうだ。私自身の考えを押し付けることはよくない。

むしろ、いろんな人のことを聞くことで、良いドライバーになれる。

そう理解したからだ。



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