ダンジョンに出会いと別れが在るのは間違っているだろうか (仁611)
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1話 後悔の連鎖

———俺のウチは世の中で言うマフィアと言う物だ、そんなウチの事が俺は死ぬほど大嫌いで仕方なかった…。

 

両親は日本人で祖父がロシア人のクオーターなんだが、俺は隔世遺伝らしく祖父の父で有った人に、要するに曾祖父さんと良く似ているらしい。

 

———髪はプラチナブロンドこの髪が嫌いだ

 

俺が今住む国は黒色〜焦茶ぐらいが9割以上で、俺と同じ人なんて見た事が無い。頭の固い学校の体育教師は地毛でも黒にしろだの、ここはお前の国じゃ無いだの頭のおかしい事を言う。

 

それに国民性は異物を受入れ難いのもまた事実である簡単に言えば臆病なのかな。

 

———瞳は灰色がかったブルーこの目は好きだ

 

俺に凄く優しかった祖母の目と同じ色、小さい頃は家が良く襲撃されるので、母と一緒に良く祖母の家に行っていた。

 

ある日を境に豹変する糞親父によって奪われた。その原因は他でも無い糞親父で、頭のネジが飛んでいる奴の嫁とW不倫をして、こちらは家族で買い物中の出来事だった…。

 

———あの日は少しだけ寒くて母の手を握り、買い物をしている中で糞親父は斜め前を歩いて居た

 

相手の屑が言うには「お前は俺の物を奪った、なら俺もお前の物を奪っても良い」巫山戯た話だ。

 

俺は当時8歳でまだまだ子供だ死というのがどの様な物かを理解している筈も無く、頭のネジが飛んでいる屑が背後から日本刀で母の首を斬り落とそうとして、首の骨で止まり母は俺の手を握ったまま崩れ落ちて行く、俺は意味が分からないまま母の血で出来た水溜りに落ちる日本刀を見ていた。

 

俺は日本刀を拾い重くて振れないそう思い奇声を上げ糞親父に何か言う、その屑の首の位置を狙い身体で押し込む様に突きを出した。

 

当時は身長差が大きく首では無く胸元に刺さる、子供とは言え全体重で突きを出せば、無防備に子供に警戒など無く刀の半分過ぎ程は刺さると、俺を見て膝を地面に付き前のめりに倒れ鍔のとこまで完全に刺さり込む、糞親父を見ると笑って「良くやった」8歳の子供に母がこの状態で言われて喜ぶ訳も無く、親父をこの日嫌いになった。

 

———俺が中学生の時に光を奪われた

 

俺はあの事件の感触が頭に残り、家にある護身用の日本刀でひたすら素振りを繰り返していた。

 

最初は振ることすらままならず10歳を過ぎる頃になって、やっとまともな素振りができる様になって来た、それから3年ひたすら本から学び型や足捌きなどを行なっていた、ある日それは突然だった…。

 

「おっお前は俺を、俺に母の仇として殺す為に、ひたすら刀の練習してるだろ」何て言う勝手な理由で振り向き様に、目元を一文字に斬り裂かれ瞳の3分の1以上が斬れ、痛みに耐えながら糞親父の言い分を意識朦朧と聞いて居ると、家政婦のおばさんによって救急車を呼ばれ一命は取り留めた。

 

曰く、日々成長して行き鋭くなる眼光に恐怖した

曰く、成長すれば俺は要らず殺される

曰く、俺は何も悪く無いお前が悪い

曰く、祖父(俺にとっての曾祖父さん)に似ている事が気に食わない。

 

いっそ清々しい程の屑である、俺は心底この男を嫌悪した妄想に等しい思い込みによって跡取りを失う、愚かな物だと今は本当に思うが当時は糞親父への怒りを勉強に向けた。

 

見えないから殆どのことが出来ないからこそ、数字や科学や医学などに興味を注ぎ、身体が鈍ると言う事で、家政婦の付き添いで1日2時間程木刀で素振りなどを毎日行った。

 

 

大学卒業して俺は自分の家を捨てて家を出た、家政婦の仲が一番良かったその人は、2番目の母だと思っていたので、辞める様に言うと「そうね」と言うと彼女も家政婦を辞め普通に主婦をすると言う。

 

それからも彼女とは連絡を取り合い、俺が結婚した時も式に呼び子供が出来た時は見せに行った…。

 

———俺の悪夢はまだ終わりでは無かった

 

俺の子供も3歳になり久しぶりに彼女に会いに、家族みんなで行き久しぶりの地元で、少し懐かしく感じて居たが急に嫌な予感がして居ると、急に周りで悲鳴が聞こえる。

 

俺達は悲鳴とは逆方向に逃げて行く、だが俺達の子供を抱える彼女も既に60代、嫁は盲目のおれを引っ張るがそこまで早く逃げられずに居ると「俺の跡取りを返せぇぇ」嫌と言う程聞いて来た屑の声、彼女は逃げてと言い息子を下ろすと、ブスッと言う音が背後から聞こえると俺の背中に彼女がぶつかりそのまま俺にも刀の刃が刺さる。

 

「全てお前が悪い、俺の物を返せ」

「意味の分からない事ぉゴフッ…言うなああああ!」

 

俺は刺さる刃を彼女から離れ抜き取る、彼女を貫く刀をゆっくり抜くと俺は彼女に謝った。

 

「巻き込んでごめん、死なないでくれ」

「私は年寄りよ…いずれは死ぬ、わゴホゴホ」

「クソクソ糞おおおお」

「ハハハハハッ苦しめ、ハハハハハッ」

 

俺は抜き取った刀を声のする場合に向かい、身体がぶつかるまで前進すると糞親父に衝突する。

 

「目の見えんお前が何が出来る」

 

声のする場所で口の位置を掴み、俺は渾身の一閃で首を狙うと刀に重みが伝わり肉を断つ感触が手に伝う。

 

「お前は俺から全て奪うのかああああゴホッ」

 

俺は叫びと共に骨を断つと温かい血の雨だろう、鉄臭い匂いが一帯を覆っている、俺は終わったと言う事で彼女と家族の元に向かおうと振り返り一歩を踏み出すが、上手く力が入らなく膝を着く。

 

「なあどこに居る◯◯さんは無事か、みんな無事なのか」

「ごめんなさい!ごめん、なさい彼女はもう息がない、わ」

「あああああああああああああ」

 

俺は叫び周りが騒然とする中、今までの後悔で満たされている己に嘆いた、何一つ護りたい者を守れず…。

俺は不幸しか生まないのかも知れないそう考えて居ると、思考が薄れて行くのを感じる…。

 

 

 

 

そこには蒼空が見える「何故………」俺は目が見えないからこそ、今の光景がおかしいのは直ぐに理解した。

 

俺は状況的には死んだのではと直ぐに思い至る、起き上がり周囲を見るがそこには蓮華(レンゲ)が一面に咲いている。地味な場所だなと思ってしまうが懐かしい。

 

『それはそうじゃろうて、お主の記憶から投影しておるのじゃ』

「誰だ!?」

 

振り向くとそこには、あご髭が胸元まで伸びたかなり高齢の男性が浮いて立っていた、自分で神なのだと言うのだろうか。

 

『お主には選択肢がある』

「選択ですか」

『落ち着いとるのぉ』

「盲目でしたから少しの事では動じません」

『そうであったな、ではこの中から選ぶのじゃ』

 

 

目の前に青白い炎が3つ現れると、その炎は何かが書かれた紙になって行く、その紙にはこう書いてあった。

 

一つ、地球での輪廻転生

魂は洗浄され記憶の全てを失う

希望する地域3つから抽選する

 

一つ、地球で己にもう一度一からやり直す

1番後悔した記憶のみが存在し残りは消える

家族以外は同じ事を全て行わないと後は運

 

一つ、異世界での転生する

記憶は保持が可能、身体的特徴以外は再構築

1つのみ能力として先天的に保持する

 

 

「1つ聞いていいですか?」

『なんじゃ』

「身体的特徴に盲目は含まれますか?」

『そうなるのぉ』

「なら何でも見れるようにして下さい」

『それは異世界へ行くと言う事かの』

 

俺の中で、前の2つは正直無かった記憶が無ければそれは、俺ではないのと同じでは無いか。2番目は論外だ…。

 

『できたぞ、年齢的に自我の目覚めがハッキリ言い切れる、4歳程から目覚めるからの、記憶は当然生まれて本人が認識出来て居る物は更にお主に付与される、才能等は運に寄るかのぉ』

「ありがとうございます」

『構わぬよこれはわしの仕事じゃ』

「それでも感謝しています」

『律儀な者よのぉ〜お主が幸福で有ればと願っておるぞ…。ではそろそろ行くがよい』

 

 

白く光り俺は目を瞑ると次に目を開くと、そこには大きなベットがある部屋に居た「うっっ」途端に一度に色々な出来事が、俺の脳に駆け巡ると俺は『ライト・フォン・セイント』と言うらしい。

 

父は武具店の店主をしている、母は主婦で元はLv4の冒険者だったそうだが、幼馴染の父と結婚して妊娠が分かると冒険者を引退。

 

神様が神格者だったので恩恵は残して、危険が降り掛かれば躊躇わず家族の為に力を使いなさい、そう言われたと母には聞いて居る。

 

 

俺は周囲を見渡すと変な文字が空中に浮いて居るのが見える、だが俺はこの世界の文字はまだ覚え始めらしく所々しか読めない。

周囲を見るとあらゆる所から文字が浮いてくるので、俺は頭を振って目を瞑り改めて周りを見ると文字は無くなって居た。

 

何かは分からないが、この世界には魔法が存在するのだから摩訶不思議な事など沢山有るだろう。下に降りると庭で香草を摘んでいる母が見えて、俺は無意識に外に出て行く…。

 

「おはよう母さん」

「あら今日はお寝坊さんねぇライト」

「少し変な夢を見た気がするんだ」

「そうなの?スッキリする紅茶を入れるから、顔を洗っていらっしゃい、一緒に納屋にある玉ねぎを1つお願い出来る?」

「うん、分かった」

 

俺は足早に裏庭に向かう、この辺では珍しい魔石で地下すの湧水を組み上げている、そこに桶を置き水を溜めて顔を洗う。地下から汲み上げているのでかなり冷たいが、周囲の家は井戸を使う。

 

母が元冒険者である為に普通の家より遥かに便利な物が多く、経済的にも裕福であるだろう。地下室には万が一モンスターに襲われたら逃げる場所まであると聞く、普段は武器なんかもあるので入る事を禁止されて居るのだが、本当に有るのか偶に思う。

 

俺の日課は勉強を行い母による鍛錬に書庫での読書、これはまだ字が読めないので読み聞かせだな。その後は家で家事の手伝いと父が昼食時の店番など、割と4歳児としてはしっかりして居たらしい。

 


 

 

それから月日は流れ2年が過ぎると【共通語】(コイネー)【神聖文字】(ヒエログリフ)なども覚え魔法に関してだとか、冒険者のイロハと言える内容や世界情勢に歴史、習慣や特性などもしっかり学んできた。

 

鍛錬も今では、大人顔負けだと言われるまで鍛錬が出来て居ると言われるが本気は出して居ない、流石に知識が前世の物で適切なピンク筋の付け方だとかを子供がやると、成長期の為に直ぐに回復するし身体が柔らかく柔軟な身体能力を身に付けたと思う。

 

そうやって毎日が、鍛錬に勉強それに手伝いそれをある程度大きくなるまで続ければ相当な遣い手に成れると思う、後は魔法が使えたら良かったのだが、流石にヒューマンには先天的には適正が無い。

 

 

———この世界も俺に優しくは無かった

 

ある日の昼過ぎ急に叫び声が町に響きわたると、守衛のおじさんが大声で野盗の集団が周囲の村を襲い、この辺で1番大きなこの町を最後に襲おうと町を囲んでいるらしく、若い守衛さんや非番の人などがどうにか矢を使い防衛しているらしく、ただ人数が多過ぎて持ち堪えられないと叫んでる。

 

こういう時には俺の家は、武器を貸し出すらしく成人男性に槍や片手剣に盾を貸し出しする為に、店の前には30人程の男性が集まって来て居た、女性でも力のあるドワーフのおばちゃん達は戦鎚を片手に教会に逃げ込んで行く。

 

この町の人口は300人程で戦闘が可能なのは、100人程度で高齢者や女性が半分以上居る上に残りは子供である。守衛も基本は15人しか居ないので、鍛錬を毎日行なっている人間は25人ぐらいだろう。

 

母は俺を書庫に連れて行き本棚の裏に有る隠し部屋に入ると、母は装備をすると大きなバックパックを俺に渡して、銀色に輝く短剣を石畳みの隙間に差し込んだ、石畳みは動き出し階段が現れた。

 

「母さんは盗賊退治に行って来るから地下の奥に部屋があるからそこに居なさい、決して父さんか私以外が呼ばない限り、出て来ては駄目よ?良い子に待って居て私が盗賊程度には負けないわ」

「分かった、気を付け」

「ええ!行ってくるわ」

 

俺のおでこにキスすると母は直ぐに本棚を戻して出て行った、地下室に入ると少しすると石畳みは元に戻り、奥にある部屋に入るとそこにはポーションが20個程と刀に戦斧に槍、非常食の干し肉に干したフルーツが有り、他にもソフトボールぐらいの輝く石これは多分魔石だろう、地図に手帳と分厚い白い高級そうな本が1冊とかなりの量のヴァリスが置いて有る。

 

俺は1人地図を見ながら干し肉を食べて居たが、時間が経つにつれ不安になって行く、気を紛らわそうと分厚い本を開き読み始める。

 

 

「想いが影響する魔法発言と魔導書…」

『さあ…始めようか』

 

俺は本を読み始めると夢中になって居た、魔導書に関する内容なので興味は凄く有る、どんどん読み進めて行き何故か顔の分からない誰かが、俺に話し掛ける。

 

『君にとっての魔法とは何だい』

「俺にとっての魔法は、奇跡を起こす鍵だ」

『君にとっての魔法はどんなもの』

「母さんの様に速く見えない知覚出来ない動き、父さんの様に賢く計画的で俺自身の後悔を払拭出来る熱い想い」

『我儘だね、それが全てかな』

「いいや、俺は後悔を積み上げ今ここに居る時間を超えたりその場に行けたら助けられた、それが可能な力が欲しい」

『余計に欲張りだよね』

『「ああ、でもそれが(キミ)だ」』

 

気が付くと俺は眠って居たらしくどれぐらい寝たのか父の懐中時計を見るとあれから4時間程経って居た、俺は本を読み直そうと本を開くがその本は表紙以外は全て白紙になって居た。

 

これは帰って来たらとんでも無く怒られると確信した、この本は魔導書だと直ぐに分かったからだ、本を机の上に戻して今魔法は使えるのか気になり頭の中で何か分かる物が無いか、考えていると頭の中には4つの言葉が浮かんで来た。

 

 

【地獄の炎】(インフェルノ)

【栄光の幸福】(グローリアフェリークス)

【夜の誘い】(ノックスオッフェーロ)

【時の門】(テンプスポルタ)

 

 

どんな魔法か想像でしか分からないから下手に使うととんでも無い事になるかも知れ無い。今がどんな状況か分からないのが凄く不安に苛まれる、野盗が攻めて来てから大体6時間程経っただろうか。

 

明日の朝になっても呼びに来なければ、一度確かめに出ようと俺は決めると、銀色の短剣を抱きしめながら干し肉を食べると緊張とストレスで精神的に疲れていた様で直ぐに眠くなって来た。

 

目覚めるとベッドの上と言う事もなく、バックパックを枕に眠って居た様で身体の節々が痛む、何かが有ったのかそれともまだ戦って居るのか、俺は知りたいその想いは悲惨な光景を見る事に…。

 

 

地下室から出る前に万が一野盗が居た場合を考え、刀を手に持ちポーションをポーチの中に4本とマジックポーションを1本入れて、バックパックにはそこに有る物を詰め込む、背負って見ると荷物の量と重みが違い過ぎてこのバックパックが魔導具で有るのではと思った。

 

全てを持ち地上に行こうと石畳みを開ける方法を探す、地上と同じく短剣が刺さりそうな隙間が有るので、短剣を差し込んで見ると石畳みが動き急いで短剣を抜き取ると地上に出る。

 

 

隠し部屋に出て女性様では有るがレッグホルスターを装備してポーションをその中に移す。机の上に有る物も全てバックパックに詰め込むと、バックパックは容量いっぱいまで入れて俺より遥かに大きい。

 

本棚を静かに動かして隙間から誰も居ない事を確認すると、書庫に出てから本棚を戻す。

 

書庫から廊下に人が居ないか確認して廊下に出る、廊下は両側がガラス張りで中庭と裏庭が見える作りになっている。

 

廊下に有る勝手口から出て裏庭の方に行くと、そこには町の小さな森と言われる本当に小さい森が有る、そこには家から直ぐの場所に父さんに手伝って貰って作った子供用のログハウスが有る。

 

 

ログハウスは下から見ても分からない様に作って有り父さんが言うには本気を出し過ぎたと言うほどに隠れ家的な作りになっている。

バックパックをログハウスに置くと梯子は近場の岩に有る穴の中に入れる、この穴も子供で無ければ入れない狭さで丁度良いと言う事で梯子を隠している。

 

足跡を落ち葉を慣らして消してから家の方に戻る、裏庭の方から先程出た勝手口から静かに入り、キッチンの方に向かうとそこには血塗れの父さんが倒れて居て焦る気持ちを抑えて周囲を確認しながら刀を鞘から抜き手に持ち近く。

 

3本の矢が刺さり目を背けたくなる様な状態だが、唇を噛みゆっくりと首元を触るが既に冷たく体は硬直している様だ、近くに有る膝掛けを父に掛けてから他の部屋も見に行くが、何も無く俺は店の方へ向かうと店は荒らされた様子も無くお金も商品もそのままであった。

 

俺は【小人族】(パルゥム)用の軽装のプレートアーマーの胸・脚・腰を装着してからロングコートの様なドレスアーマーを上から着込むが、流石パルゥム用で軽くて丈夫なミスリルの合金製だと父さんは言っていた事を思い出す。

 

刀は肩掛けすると小さな自分では抜けないし腰に挿すと床に付くので腰の背中面に横掛けするベルトを取り装着する。ドレスアーマーの内側に投擲ナイフを4本挿して歩みを進める。

 

 

店の前には数人程倒れて居るので、町の1人は脈を見て盗賊は首にナイフを刺して行く、町の中心で有る教会に建物の影に沿って向かって行くと、広場ほ酷い有り様だった。

 

 

バラバラの死体に、一刀両断された盗賊の死体確かめるまでも無く死んで居る、進んで行くと教会の入り口には女の子の磔の遺体が有るのが衣服を着ておらず、目には矢が刺さりお腹にはナイフが数本刺さって居ると言う人の所業とは思えない光景だった。

 

教会の周囲には町の男性達の遺体が多く最後まで守って居たのが伺える、教会の中は黒焦げになった女性の遺体が無数に有る。

 

焼けた遺体に目をやるが母の装備は無く、もしかするとなど思うが最早この光景に期待など出来ないと、涙を流すと視界を失うので泣くなと自分を奮い立て周囲を探す。

 

少しずつ町の人々より盗賊の死体が増えて行くのでナイフを刺しながら前へ進んで行くと、普段大きな門が有るが半分が吹き飛んで無くなって居たのだが、野盗の仕業にしては異常で有る。

 

門を出るとそこには明らかに装備が上等な死体が有る、レッグホルスターにはポーションが有り、武器も明らかに二級冒険者Lv3〜Lv4程度の内容で有る。

 

そして地面が抉れそこら中に血溜まりが有る場所には3人分の遺体が有る、1人は【黒妖精】(ダークエルフ)の両腕が無く片足にはナイフが刺さって居る、そのナイフは家の店に沢山有る物だ。

 

 

後の2人は互いに相手の急所を貫いていた…。

 

 

左手が無くて顔の左半分は焼けており至る所に切り傷が有るが、顔を見なくても誰かは直ぐに分かる………「母さん」

 

相手は魔法剣士なのか魔法石の多く付いた装備で、明らかに一級冒険者の装備だろう、母を横に移すが本当に酷い状態だった肩には矢が刺さっており、脚は刃物で貫かれた痕が数カ所。

 

母の最期は恐らく鬼神の如き戦いだったのだろう、とても動ける状態では無い、己の命と引き換えに俺を守ったのだ、もう良いだろうか俺は涙が頬を伝い大声で泣いた。

 

「ああああああああああああああああ」

 

何故冒険者がしかも二級以上が3人も俺は憎しみを噛み殺し相手の装備などを探る、レッグホルスターの中には一度だけ見たことのあるステイタスシーフと言う相手のステイタスを覗き見る物が有った。

 

俺はそれを取り相手をうつ伏せにして背中を出して見るが、やはり読み取れなかったその背中に薬を掛ける。

背中にはファミリアのエンブレムに名前やステイタスが浮かび上がりそれを読み取るイケロスファミリアのLv5の冒険者だった。

 

「必ずお前達を消してやる」

 

死体から全て奪い取ると、母の横に置き死体を引き摺って他の奴と同じ場所に集める、3人の死体から全て奪い取ってから俺は、母の双剣で有る1本の剣を手に【地獄の炎】(インフェルノ)と呟くそうすると構えて居た剣には赤黒い炎が纏わりつく。

 

近寄り死体に向かって両手で横薙ぎをすると、赤黒い炎が死体を斬り裂き地面は抉れ8M近い幅の炎の斬撃が飛ぶ、死体は胸元で半分になり赤黒い炎は黒炎に変わり燃え上がる。

 

双剣の片割れを探しながら町に戻り見つけると、家に双剣を置き再び母の元に行く途中で厩舎が有るのでそこに居る白い馬を連れて母の元へと向かう。

 

この白馬名前が【白王馬】(ペガサス)と言う鍛治師のおじさんの自慢の馬だ、凄く賢い事も有りこの名前で気性が温厚な雌で偶に餌をあげるのを手伝って居た。

 

俺はこの町のみんなとの思い出を想い涙を流しながら手綱を引いて歩く、母をペガサスに乗せる為に俺は彼女に話し掛ける。

 

「なあ……頼むよ母さんを乗せてくれ」

 

そう言うと母の横でペガサスは跪く、俺は堪らず彼女の顔を抱きしめ様と腕を広げて近くと、彼女は抱きしめ易い位置まで頭を下げて俺に黙って抱き締められる。

 

母を背中に乗せて俺は盗賊の冒険者で有った奴の荷物を、麻袋に入れて背負うとペガサスは立ち上がり横に付いて歩く、冒険者の死体を焼いた場所を見ると地面が焼けて黒くなって居る、そこに白い玉が転がっているので拾い上げる。

 

 

あの炎で燃えない物って何だよと思うが今は考えるのを辞めて母を家の庭に下ろしてから荷物を書庫の隠し部屋に置く。

父さんの血を拭き取り担ぎ足を引き摺るが、心で謝りながら母の横に寝かせる。

 

「父さんもっとずる賢い話を聞きたかったよ、いつも最後は必ず『ずる賢いのと汚いのは違う賢くなれ』って言ってたよな、忘れないように知識を拡げて行くから」

 

「母さん……俺はさ、前世があるが故にどこか臆病な態度が有ったかも知れ無い。そんな時でも母さんは笑顔で頭を撫でてくれたよな本当に救われたよ」

 

「2人の子供に産んでくれてありがとう」

 

俺は2人の額にキスをして、母の首からペンダントを外して2人の指輪を通して首に掛ける。

鍛冶場から持ってきた可燃性の鉱石を両親の横に広げて2人を乗せる、火を点けると青白い炎に包まれて2人は燃えて行く、俺は胸元の指輪とペンダントを握り目を瞑る…「愛してるよ」

 

 

町の中に有る遺体を、町人はモンスターの革を地面に引いてそこに乗せて行きペガサスに引いて貰う。皆が家族同士で並べてあげるが女性達は殆ど分からないけれど、分かる特徴を見つけて原形が無い遺体を各家にある布に包んで一緒にする。

 

最後の町人は教会に磔にされた女の子、将来は花屋に成りたいと言ってたのを良く聞いていた、定食屋さんの1人娘だ。

彼女には家に咲く花を添えてあげるてから家族の元に寝かせて綺麗な柄の布で包んであげた、既に夕暮れで俺も疲れていたがこのままで俺は寝られる程腐っていない。

 

人が綺麗に焼ける温度を出せる方法が鍛冶場の材料しか無いが町民全てを賄えない。俺は悩みに悩んで町の診療所で可燃性の薬品を全て集めて教会前に行くと、そこには馬車と商人のオランダ・グレーさんが跪き恐らく奥さんとお母さんだと思う遺体の手を握っている。

 

「グレーさん…」

「…ライ…ト…」

 

俺は膝付くと大泣きしながら知り得る限りの内容を話し、途中からはグレーさんに抱きしめられながら、途切れ途切れで伝えて親を葬いをした事まで述べ、皆を家族に合わせてあげたくて1人でこうして家族ごとに、一緒にしてあげていたと伝えると、グレーさんも一緒に泣いてありがとうと何度も何度も言ってきた。

 

鍛冶場の補充品で皆を葬い広場の噴水横に2人で腰掛けて居た。気付くと朝日が昇りグレーさんはこれからの事を話し始めた。この町はもう駄目だろうと話し大きな街に売れる物を売ると言う。

 

「俺もペガサスに馬車を引いて貰って一緒に行くよ。お店の物を売って身軽な宝石類に変えて貰う為に、それにおじさんよりは強いしさ」

「そうだな、何なら一緒に暮らすか?」

「ありがと、でも俺は強くなる為に冒険者になるよ。母さんの様に人を守り愛する人を助けられる、そんな男に成るって誓ったからさ」

「そうか、お前はあいつの息子らしいよ」

 

俺達はグレーさんが作ったサンドイッチを無理矢理食べてお互いに荷造りを始める。

 

1番大きな馬車で質の良いものをペガサスに引いて貰い、軽くて高価な物を極力箱に入れて行く、バックアップと奪い取った物から高級品だけ取り証拠らしい物を肩掛けバックに入れる。

 

旅に必要な物も積んでから重いけど高級そうな物は、地下にしまい込んで店を殆ど空っぽにして、家の中の金品は全て持ち出すと鍵をして簡易のお墓の側に鍵を埋める。

 

グレーさん曰く、この量はペガサス一頭では厳しいと他の馬も繋げてくれると残りの馬は厩舎から解放して行った。

 

 


 

あれから1週間、途中の村などで休みながら大きな街に向かうとやっとの思いでたどり着いた。商いはグレーさんが行なってくれてお礼に1割と言うと、逆にお礼をされ不思議な雰囲気もある優しいく包まれた様な思いが湧く指輪を貰う。

馬はもう荷物が少ないのでペガサスだけで良いとグレーさんに1頭譲り渡すとお互い元気でと言い振り返らずに別れて行った。

 

 

貰った指輪を指に通すとサイズが変わり俺の指にもピッタリはまる。御守りだよと言われていたので感謝を込めて「ありがとう」と言いながら厩舎のある宿に向かう。

 

食べ物をや飲み物を補充すると俺は街を出て南を目指す。途中の街で大き過ぎる馬車を、小さいもので弓矢の貫通を防ぐ革張りの馬車と物々交換をして貰う。

 

 

 

そんな旅を俺は12歳まで続けていた、6年もあの時から経っており俺は当初の目的地で有る【迷宮都市オラリオ】の近くまで来ている。

当然俺の身長は伸びており髪も伸び、髪色と目の色以外は母に良く似ておりエルフに間違われる事もしばしば。

 

装備はパルゥムの物から特注品の軽装で魔法も全て試して、自分に合う装備をしている。

 

【地獄の炎】(インフェルノ)は武器に付与出来る魔法

【栄光の幸福】(グローリアフェリークス)は身体付与で超高速移動に身体強化

【夜の誘い】(ノックスオッフェーロ)は影に潜る魔法

【時の門】(テンプスポルタ)は収納魔法で時間停止が掛かる大きさや品によって魔力量が違う、生物以外は負担が少ないが生き物は【魔力枯渇】(マインドダウン)を厩舎で一回起こしてる。

 

いまではペガサスに直接跨り旅をしている、魔法が有れば荷物は殆ど要らないので馬車は売り払い今では、かなり身軽に旅が出来る。

 

 

ようやく街が【迷宮都市オラリオ】の外壁が目の前に広がる。俺は鍛錬を毎日続けているが、冒険者のLvが3の奴には勝てないだろうから気を引き締めて行かないとな。

 

 

「本当に大きいな…」

 

俺は刀の鞘に手を触れ胸元の指輪達を握り締める。ペガサスの歩みを進めるとみんな馬車か歩きの様で、騎乗した者が居ないので凄く目立って居るが門の手前で降りて一緒に歩いて行く。

 

 

無事にオラリオに入る事が出来て、ペガサスに跨り街の中心部に向かって通称、冒険者通りを進むと【万神殿】(パンテオン)に辿り着いたので近くでペガサスに待つ様に言う。

 

内部は以外にも綺麗で奥に有るカウンターに居る女性に、話し掛けるとこちらを振り向くが、まだ十代半ば程の年齢のハーフエルフの子だったが気にせず要件を伝える。



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2話 入団試験とアーデ

「すみません、ファミリアを探してるのですが」

「お待たせしました、ファミリア募集のリストをご希望でしょうか?」

「ええ、お願いします」

「少々お待ち下さい」

 

彼女は丁寧に説明をしてくれる名前はエイナ・チュール(15)まだギルド1年目では有るが生真面目が影響して、仕事覚えは非常に良いとギルド内での評価は良いと後日談。

 

 

リストに有る上位のファミリアから周るつもりだが今は急いでいる。と言うのも今日がロキファミリアの入団試験を行うらしい、急いでペガサスに乗り地図に従い【黄昏の館】に向かう。

 

「すみませんここがロキファミリアですか?」

「え!ええそうっす」

「ありがとうございます」

「ちょっと待って下さいっす」

「駄目…ですか?」

「あのっすね、試験っすか?」

「はい、事前に予約とか要りました?」

「大丈夫っすけど、そうじゃないっす」

「では何故止めるんですか」

「馬から降りて下さいっす」

 

俺はその門番さんに従いペガサスから降りると、馬の厩舎は無く入って直ぐの場所に柱があるから、そこにつなぐ様に言われそれに従ってから場所を案内してもらいお礼を言って向かう。

 

そこには30名前後の集団がおり、如何にもな感じな雰囲気の者から駆け出し感が強い者まで様々だった。受付の様な場所で名前を記入して番号の書かれた布を渡されそれを腕に巻く。

 

どうやら1番最後だった見たいで、時間にギリギリ間に合ったらしいのだが今どう言う状況かいまいち理解していないが、言われた通りにすればいいかと気楽にに考えていた。

 

 

試験官らしい【小人族】(パルゥム)の人は恐らくかなり強いだろう佇まいもそうだが、動じない精神の持ち主だろう事が動きに顕著に滲み出ている、それに対して受験者は酷いと言える。

 

「酷いな…」

 

俺の呟きはこの場の喧騒に掻き消され、ダラダラ打ち合う剣戟に懸命な心を感じる事は無く、遂には俺の前の奴が終わると、どうぞと言われたので前に進んで行く。

 

「殺す気で来て欲しい」

 

俺は黙ってローブを脱ぎ捨て目の前に投げ出す、脇に挿している投擲ナイフを2本ずつ、ローブで見えない事を利用して投げる。投擲を剣で受ける音が響く前に【栄光の幸福】(グローリアフェリークス)魔法を使い背後に回ると、刀の鞘を下向きに抑えて居合い斬りを行う、ギリギリ躱され頬に赤い線が走ると、同時に右方向から殺気がビシビシ届く瞬間【地獄の炎】(インフェルノ)魔法を即座に展開して半歩下がって横薙ぎを行うと、そこに双剣を持ったアマゾネスが突進して来ていた。

 

俺は魔法を使ったにも関わらず押し負けて後方に軽く弾かれ距離が空いた瞬間に投擲を行う、光魔法の身体付与を魔力量を増やし限界まで上げて、投擲ないふを追って行き下段から斬り上げる。

 

アマゾネスは投擲を双剣で捌くと身体を捻り俺の斬り上げを紙一重で躱すとその瞬間、双剣で首元目掛け飛び込んで来るので鞘を腰から抜き脇腹目掛け横薙ぎをする、脇腹に当たり首の皮一枚斬られるが首は繋がって居る。

 

彼女は激怒して更に執拗にに迫って来る【夜の誘い】(ノックスオッフェーロ)を使い後方の【小人族】の影に入る、急に目の前の敵が居なくなって【小人族】の目の前で急停止。

 

その隙を影が2人共同一方向で繋がり彼女の背後に出現して首に刀を当ててから俺は口を開く。

 

「ロキファミリアって試験が殺す事なの?俺こんな物騒なファミリア辞めます、無しでお願いします…。では失礼しました」

 

俺は刀を鞘に収めて頭を下げて踵を返し門の方に向かうと、目の前にアマゾネスが回り込み俺の前で双剣を構える。

 

「何言ってんだテメエ!団長を殺そうとしてんのはテメエだろうが、頭沸いてんのか?」

「意味分かんないですよ…最初に殺す気で来いと言ったのはそこの【小人族】(パルゥム)さんですよ?」

「えっ」

 

そこにエルフの女性がやって来て、アマゾネスの頭に拳骨を落とすと頭を抑えて唸って居る。

 

「では失礼しました」

「待って来れないか」

「何でしょうか?」

「君はどこの冒険者だい?」

「言ってる意味が分からないのですが?」

「Lvはいくつだい?」

「ゼロですよ?その為に試験受けてるでしょ?」

 

 

結局はイマイチ噛み合わない会話に、嫌気がさして俺はもういいですかと言い、その場を離れようとペガサスに向かって歩いて行く。

 

 

「悪いが待って欲しい」

「まだ何か有りますか?試験は有料?」

「嫌、そうでは無いよ…ウチに入らないかい」

 

「だから、俺は試験で殺しを強要する様なファミリアに興味何て微塵も有りませんよ」

 

「すまない、あれは彼女の勘違いなんだ」

「どう言う事です?」

「彼女は僕が襲われて居ると勘違いしてね」

 

「そうですか、でもそれを謝るのは貴方ではいけないと思いますけど違いますか?」

 

「そう…だね」

 

「それを団員に注意したのが貴方では無く別の方、その上で何故か謝るべき人物はそれを放置、秩序も無い無法者の集まりは闇派閥と変わらないと思いますよ」

 

「黙れクソ野郎がぁああ!」

 

「本当に興味どころかギルドに報告する程に酷いとは、この街はこれで上位ファミリアですか…」

 

「そんなに死にたいなら殺してやるよ」

「どうぞ…」

「やめろ!」

 

パルゥムの制止を無視してアマゾネスは突っ込んで来ると、双剣を2本共突きの姿勢で近付いて来る、俺の目の前にパルゥムが強引に割込み双剣が彼の腹に突き刺さる。

 

「なっ何で」

「何で?お前は本当に屑だな」

 

俺はアマゾネスの腹を思い切り蹴り退けると、双剣を抜きハイポーションを彼に掛けもう1本を飲ませる。

 

「お前はファミリアを辞めるべきだ、自分の行いの意味が分からないのに力は有る何て、殺人鬼と変わらないからな。お前は自分の行いがファミリアに取ってどの様に見えてるかそれを分からず、事実を指摘された相手を逆上して刺殺しようとした。立派な殺人鬼の出来上がりだな…。

俺の母はお前見たいな自分勝手な奴に殺された、2番目に母だと思えた人も3番目の人も同じ様に、自分勝手な奴に殺された。

俺はそんなお前を殺したくて仕方ない、けどな感情に支配されて己の好きな様に行えばそれはただの快楽殺人だよ」

 

俺は屈んでパルゥムの人を背負うとエルフの女性に案内を頼み、医務室に運ぶと一応ベッドの上に降ろす。エルフの人は自分達の教育が足りず申し訳ないと言う。

 

「良いですよ、彼女【テルスキュア】の元人間ですよね。対人慣れした戦闘のアマゾネスと言えばおおよそ見当は付く」

「ああ、その通りだ」

「ならあなた方の教育は関係無いな」

「何故そう言える?」

 

「【テルスキュア】は同族の身内殺しを平気でさせる、そんな異常な場所で仲のいい人間を殺させ合わせる、そんな辛さをどうやって彼女は誤魔化したかだが、激情を殺意に変えたんだろうな」

 

「そう言う事か…」

 

「今回のは彼女には堪えるでしょうね、自分の家族(ファミリア)を殺し掛けたのだから過去を思い出す、だが前に進むには逃げても逃げても追いかけて来ますよ、それが生きると言う事」

 

「君は、大人だな」

「大人では無いですよ、子供では居られなかった、ただそれだけの事ですからね」

「世の中には理不尽が蔓延して居るな」

「癌と言うなの神ですよ」

「そうかもしれんな」

「では俺は宿に戻りますね、彼女に話があるなら7時過ぎてから【豊饒の女主人】で飯を食いに行くのでと言って下さい、最後のチャンスですから無理矢理では無く己の意思で来てくれれば良いですが」

 

 

俺は医務室を出てペガサスの元に向かい、厩舎が用意出来る宿を探す事にしてゆっくり街を見ながらペガサスと歩く。

 

「気分が悪いな…」

 

路地裏で【小人族】(パルゥム)の女の子がおっさんに巻き上げられて居る瞬間だった、今日は厄日だなと心でぼやく。【栄光の幸福】(グローリアフェリークス)を使い俺は一瞬でおっさんの首に刀を当てて金を奪おうとする腕をナイフで突き刺して捻る。

 

「あがああああああ」

「五月蝿えよ屑、お前見たいに救い様がないなら殺していいと思うんだが、どう思うよおっさん」

「やっ辞めて来れ命だけは…」

「なら金を奪って彼女が死んだらどうする」

「そっそれは、たかがサポーターが死んでも」

「あっそう…」

 

俺は二の句を与えずに腕のナイフに【地獄の炎】(インフェルノ)を使うと腕が黒い炎で包まれる、彼女を抱き上げてその場を離れると、彼女は若干衰弱して居るのが分かる。ペガサスの所に戻って彼女を乗せてあげると、近くにある串の肉を数本買うと彼女に手渡すと黙って受け取りかぶり付くと涙目になる。

 

「帰る場所は有るか?」

「ぅぅ…宿に泊まるとお金が…」

「宿は俺が払ってやるよ」

「でも」

「俺には家族が居ないんだ」

「リリも…」

「一緒だな、俺がお前のリリで良いのか?兄ちゃんになってやるよ!兄ちゃんには甘えるもんだろ?」

 

彼女はそのまま大声で泣きだしたので、俺は抱き寄せ頭を撫でてやると安心したのか寝息を立てて眠り始めた。そのままペガサスに乗り地図通りに行くと宿を見つけた。

 

ツインの部屋を取りペガサスを厩舎に連れて行き、食べ物を取り出し与えて顎を撫でる。「世の中どうなってんだろうな」俺はペガサスに独り言の様に話し掛けてから、宿の前にあるフレッシュジュースを2つ買い、じゃが丸くんなる物を一緒に買い宿の部屋に行きテーブル横の椅子に腰掛け、魔法の収納から本を出して懐中時計をテーブルに置き読み始めた。

 

 

あれから1時間程すると【小人族】(パルゥム)の女の子のリリが目を覚ますと、収納からジュースとじゃが丸くんをテーブルに上に置いて彼女の方を見て話し始める。

 

「起きたか?」

「え?」

 

彼女は周囲をキョロキョロして確かめる、少し不安そうなので一応俺が変質者では無い事を釘を刺す。12歳の少年が年下の少女を攫ってとかどう考えても俺に当てはまらないだろ?と伝える。

 

「食べながらで良いからさ、まず俺はライト・フォン・セイント呼び方はお兄ちゃんでも兄さんでも、何でも良いぞリリ」

 

「あっはい!お兄ちゃんリリはリリルカ・アーデです宜しくお願いします」

 

「リリはサポーターって言われてたが、何処かのファミリアに入って居るのか?」

 

「はい…リリはソーマファミリアですが」

 

「リリは自分の意思で入ったのか?年齢的には親がソーマってところかな?」

 

「そうです…【神酒】(ソーマ)に陶酔いえ依存していました。私の稼ぎを奪ってしまう程に」

 

「ソーマファミリアは、薬物依存の集団の様なものか、リリは自分の意思を無視されて入団させられた上、脱退には条件があるのか」

 

「ッはぃリリは…」

「今から行こうかソーマに」

「えっ!」

 

俺はリリを脇に抱えて宿を出る、ソーマファミリアのホーム前に辿り着くと門番が不審な目をこちらに向けて来る。俺は門番に構わずに中に入ろうと歩みを進めて行くと、門番が話し掛けて来る。

 

「止まれ貴様、何の用だ」

「この子がソーマ様に話しが有って来た」

「ん?【小人族】(パルゥム)の小娘か、それで貴様は」

「俺は、ギルドの使いだが」

「は?ギルドの使い?お前見たいなガキが」

「ガキねぇ〜年齢は関係無いでしょう」

「少し待っていろ」

 

その男が中に行くと少し経ってから、一緒にもう1人歩いてこちらに向かって来る。目の前で立ち止まるとこちらを一笑してから、リリの方をを見て話し始める。

 

「アーデ何の用だ、普段寄り付かない奴が」

【改宗】(コンバージョン)の許可を貰いに…」

「脱退金は用意したのか?」

「その話でギルドがソーマ様に確認があります」

「何の話しだ俺が伝える」

「貴方では駄目ですから」

「なっなら会わせられん」

 

「そうですかではソーマファミリアは現時点を保ち【神酒】(ソーマ)を全て回収、製造禁止、ファミリアの即時解体、団員達を扇動し他の冒険者への危害を行ったザニス・ルストラ身柄を拘束します」

 

「は?いや待て意味が」

「ん?ギルドで話しましょうか」

「そんな意味の分からない事で付いて行かん」

「では討伐クエストを発注致します」

「はあ!?まっ待て…分かった会わせよう」

「そうですか始めからそうして下されば良かったのに、二度手間になりますよ?」

「ああっそうだな付いて来い」

 

俺は父さんの言う『ずる賢く』をこんなに早く実践するとは思わなかったが、知識は力だとつくづく思う。

ザニスに連れられソーマファミリア主神ソーマの元に向かった、ソーマは畑を耕して居る最中だった。

 

「ソーマ様、アーデとギルドの遣いが来てます」

「お前が要件を聞けば良い…」

「それが、ファミリアの存続に関わる様です」

「そうか、聞こうか」

「ではザニスさんは席を外して頂きたい」

「ん!?それは護衛として出来ない」

「ここにはアーデさんが居ますよ?」

「サポーター如きには守れ無い」

「何から守るのですか?」

「………貴様からだ」

「では、この話はギルドでしますか?」

「!?分かった終わったら呼べ外に居る」

「ええ、盗み聞き何て馬鹿な真似しないで下さい」

 

渋い顔をしながらザニスはこの場から出て行った、近くに用意してあるベンチに腰掛けて話し始める。

 

「まず始めにリリルカ・アーデの改宗をして頂くこれは強制です。アーデさんに慰謝料として2億ヴァリス支払って頂きます」

 

「は?どう言う事だ」

 

「入団に関してのギルド規定には本人の意思で入団した者には干渉しませんが、強要されて入団した場合これは例外です。一般市民を強制的に労働させるのと同じですから、そしてそれらを行なった間の搾取された金額や時間の対価、精神的に負った傷等を踏まえたら安いぐらいです」

 

「そっそんな金はウチには無い」

 

「ではまず、改宗はして頂き慰謝料は2000万ヴァリスと神酒を全て差押えさせて頂きます」

 

「くっ分かった…」

 

「因みにですがザニスさんは横領していますから、彼を牢に閉じ込めた方がソーマ様も酒造りが捗ると思いますよ」

 

「そうしよう」

「では改宗をこの場でお願いします」後ろ向いて居ますのでお願いします」

「ああ」

 

そうして俺達は無事にリリの改宗が行えた上で、2000万をリリは手に入れて神酒を俺の収納に入れた。リリは終始俺の袖を握り震えて居たが、宿に向かって歩いて居る時は、既に涙が流れて居て下を向いたまま俺に手を引かれて居た。

 

宿に帰ってから少し今後を話そうと思い、2人で話し合いを行なって居るのだが、リリは俺のファミリアに入りたいと言って来たので、説明を始めた。

 

「リリ?俺はロキファミリアの試験を今日受けてな、そこで向こうは俺を呼び止めて来るが些か問題の奴が居て、そいつが俺に直接謝りに来ない限り、次を探さないと駄目なんだが」

 

「え?お兄ちゃんは、あんなにお強いのに冒険者では無いのですか?」

 

「強くは無いぞ、Lv3には負けてしまうだろうからな、【神の恩恵】(ファルナ)を受けるだけでも飛躍的に身体能力が上がるのであれば、それで勝てる様になるかもな?」

 

「あははっ普通はそれでも勝てないですからね」

「やっと、本当の笑顔が見られたな」

「———ッお兄ちゃんのバカ//」

「そんなに拗ねるなよ」

 

俺はリリの頭を撫でて優しく文句を言う。

6時半になったのでそろそろ【豊饒の女主人】に向かおうと思い準備する、リリにもお祝いだと言い向かう。

 

 

2人で豊饒の女主人に着くと、綺麗な容姿のエルフが案内してくれるのでテーブル席をお願いして、無表情に近い顔で目は口程に物を語るとは良く言ったものだと心底思った。

 

俺は収納から紙を取り出してから、エルフ語で『生きる事とは、己の行いと向き合う事、死ぬ事は容易いが自分を想ってくれた者や今尚も想って来れる者への裏切りだ、皆何かを苦しみまた悲しんで生きて行くのだから、どうしても足踏みばかりで進め無いのなら大切な人がこの先挫けた時に助けたいなら、お前が助けられる様に今を足掻いて生きろ、そうする事で可能性はゼロから下がる事は無い』そう書くと俺は、前世で子供に折ってあげた花の折り紙を作る事にした。

 

「お兄ちゃんは器用ですねぇ」

「リリもやって見るか?」

「はい!して見たいです」

 

俺は紙を2枚取り出すと一緒に鶴の折り紙を折って行く、その間リリはずっと嬉しそうに聞きながら折り鶴を作って行く。

そろそろ注文をと思い好き嫌いの有無を聴き注文の為に、先程のエルフの女性に頼む。

 

「お待たせしました」

 

「今日のオススメの肉と魚を1品ずつと、香草サラダとバケットに後は料理に合うお酒を1つ、それとフレッシュフルーツのジュースをお願いできますか?」

 

「かしこまりました少々「貴女がどの様な想いかは分かりませんが、少し前を向けたら良いですね…仕事終わりに開いて見て下さい」分かりました、少々お待ち下さい」

 

俺はエルフの女性に手渡す際に、手を添える様に渡し彼女の目を見て笑い掛ける。隣のリリは不機嫌そうに頬を膨らまして、コマシだの女の敵だのライトと言われて、ライトは悪口では無いからと茶々を入れる。

 

俺達はたわい無い会話をしながら、料理を取り分けて食事をして居ると入り口を他の客が見ながら騒めき、俺の客かなと思い入り口方向を見ると、ロキファミリアのメンバーが数人入って来て少し離れた場所の席に座り1人だけこちらに向かって歩いて来た。

 

「食事中にごめんなさい」

「ちゃんと来られた様で何よりだ」

「座って良いかしら?」

「ああ、構わないよ」

 

「リヴェリアに言われたわ、貴方は誰よりも私の事を理解してあの場で私を責めたと」

 

「そうか、アマゾネスで対人慣れして居ると考えたら大方の想像は付く【テルスキュア】生まれではと、そしてお前の年齢で親しい者を手に掛け正常で居られる訳が無い。

 

お前は激情と言う行為で己の行いへの不条理から目を逸らす事を精神を守る為、せざるを得なかったが時が過ぎた今も影響して居る、気持ちの高ぶりで周囲が見えず相手の言葉が、どの様な内容であっても是非など問わず己の闘争本能に任せる。

 

お前のブレーキは団長さんだろうな、でもなそれは他者に譲渡してはならない己の行動は常に己で決めろ俺からは以上だ」

 

「確かに貴方が1番理解してるのかも知れないわね…。自分の未熟さに呆れるばかりよ」

 

「呆れるなら間に合う、後悔しても取り返せないものがあるのを知って居るだろう?それを繰り返すな、知識と精神力これを養え」

 

「貴方は見た目に似合わず大人なのね」

 

「俺は大人では無い、子供のままでは居られなかった、ただそれだけだからなとエルフの女性にも同じ事を伝えたがな」

 

「そう、貴方はファミリアはどうするの?」

「他の者も呼んできて来れるか話がしたい」

「分かったわ」

 

彼女が席を立ち先程ロキファミリアのメンバーが座った席の方に向かい歩き出す「お兄ちゃんは沢山の人を救って居るんですね」俺はその問いに対し首を横に振った「救えなかった者の方が明らかに多い」俺がそう答えると、リリは俯き震える。

 

そんな彼女の頭に手を乗せて、優しく撫でると顔を上げて涙目でこちらを見て居る。

 

「でも、俺はリリを救えて本当に良かった」

 

俺が笑うと釣られて泣きながら笑う、彼女の頬の涙を拭うと再度頭を撫でて「だからお返しに沢山笑って居て欲しい」彼女は何度も頷いて笑って居る。

 

俺は手の届く範囲の者を救う為なら、悪魔にだって天使にだってなってやろうと、この笑顔にそう誓った。

 

ロキファミリアのメンバーがこちらの席の前まで来て呼んで来れて感謝すると【小人族】(パルゥム)の団長に言われてポーションの件もお礼を言われたが、あれは俺が煽ったからだと伝えた。

 

「それでだが、僕としては君には入団して欲しいと願って居るのだけれど、まだ間に合うだろうか?」

 

「俺はあれから特にファミリア探しはして居ないから、アマゾネスの子との件を、片付けてから考えるつもりだったから」

 

「そうか、それでどうだい?」

 

「この子リリルカ・アーデが一緒なら良いが、それが駄目なら他所に探すつもりで居る」

 

「その子は彼女かい?」

 

「この子は元ソーマファミリアでサポーターをしてた義理の妹だ、と言っても今日そう言う事になったが」

 

「そうかソーマか…分かった主神には僕の方から説明しよう、これから宜しく頼むと言う事で良いのかい?」

 

「ああ、こちらこそ宜しく頼むライト・フォン・セイントだがライトで構わない」

 

「おっお願いします…。リリはリリルカ・アーデですLv1のサポーターですがお願いします」

 

「僕はロキファミリア団長フィン・ディムナだこちらこそ宜しく」

 

「私は副団長のリヴェリア・リヨス・アールヴだリヴェリアで家名では呼ばないで貰えるか?」

 

「アイズ・ヴァレンシュタイン…です。アイズでいい」

 

「次は私〜私はティオナ・ヒリュテだよぉ〜宜しくライトにリリ」

 

「私は、このバカの双子の姉でティオネ・ヒリュテよ」

 

「あっあの、わっ私はレフィーヤ・ウィリディスです。宜しくお願いします!」

 

「ああ、宜しくな」

「お願いします」

 

「ねえねえ?妹に今日なったってどう言う事なの〜?」

 

「ああ、今日偶然にも路地裏で同じファミリアのメンバーに強請られて居てな、そこでリリの事情を知ってソーマに直に改宗を要求して来てから、今こうして晴れてリリは自由となった祝いだ」

 

「へぇ〜でも良く許して来れたね」

「そうね、あそこのファミリアは色々お金を請求すると聞くわ」

「そうだね、どうやったんだい?」

 

「ギルドで色々噂を聞いていたので、ソーマファミリアの他のファミリアへの蛮行を、ザニス前団長が扇動して居ると言う件でギルドの遣いだと言って中に案内して貰った。

 

その後はリリは2世で親が眷属で気付けば団員になっており、それは本人の意思を無視した行為である為、ギルドは介入に踏み切ったと伝えただけだ」

 

「凄いわね」

「よもやその様な方法で…」

「ん〜!リリにとってお兄ちゃんは英雄だね」

「———ッ//」

 

「まあ慰謝料もリリは貰ってるが、奪われた時間は戻らないからこれからは、笑って生きて欲しいものだよ」

 

「慰謝料を良く貰えたな」

 

「だって事実だから、ギルドに言えば恐らく軽くて酒の製造禁止、重くてファミリア解体の上に送還もしくは追放だよね?」

 

「ライトは凄いの?いくら貰ったの」

 

「2億要求をして、2000万だが神酒を俺が全て回収してきたからリリに3000万は払うつもりでいる」

 

「いえ!リリは脱退出来ただけで嬉しいですから、本当なら後数年は搾取されながら、お金を貯め無いと行けなかったですから」

 

「いや、俺は払うつもりだぞ…。神酒は神相手に売るつもりで居るからな、それに当分は市場にソーマが流れないからこそ、値打ちは高いから採算は十分に得られる、俺お金に困っては居ないしな」

 

「ソーマ酒を全て何て、何処に置いてるんだい?」

「隠してるとしか言いようが無いぞ?」

 

「ガレスと言うドワーフの最古参の幹部メンバーが酒好きでね、今度気が向けばお裾分けしてあげてやってくれないか?」

 

「その程度なら、一向に構わない」

「ロキに関してだが甘やかすなよ」

「リヴェリアがまた母親(ママ)してる〜」

「誰が母親(ママ)だ」

 

「あはは、でもロキは神酒に目が無いから気を付けて来れるかい?直ぐ飲み過ぎて次の日に二日酔いで予定が狂うからさ」

 

「覚えて置くよ」

 

そう言って皆で色々話して居ると、金髪金眼のアイズ・ヴァレンシュタインだったかと、目が合うがどこか昔の俺を見ている様な、気分になって複雑な感情が湧く。

 

帰り際に「お前が救うべきものは昔か?それとも今か?それをお前は考えろ…それがお前を強くする」そう言うと彼女は目を見開きこちらを振り返ったまま、ティオナにに連れて帰って行かれた。俺達もその後は真っ直ぐ宿に帰ると、お互い疲れからあっという間に眠っていた。



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3話 魔眼の適合率

———俺の転生は誤解が有ったらしい

 

俺は何でも見れるんだ目が有ればそれで良い何て、神様に転生特典を依頼した。

 

そう『何でも見れる』ここが凄く重要だ、夢で見た神様に言われたが転生の当日は規格外過ぎる能力で、見る所全てに情報が散乱していた為に、そのままでは情報過多で、人間として処理仕切れないと言う事だった。

 

その対象は脳のスペックを上げて行く事で、脳の負担が無くなると言う事だが、対応させる為に上げたスペックが脳だけは理論上は全知であると言えると…。

 

ガイアと言う外部ユニットにずっと繋がっている様な物だとか、当然生物は自意識と無意識が存在する、俺が欲してしまわない限りは無意識で情報が行き交う。

 

無意識で情報交換されると言うのは目・鼻・耳・舌・触覚、これら全てからも情報を受取る。

 

送受信は知覚と言う概念を逸脱していて、全ての五感に脳が有るのと同じでただ身体の筋力や関節と言う、その世界の概念からは出ないから安心しろだとか。

 

 

神様にただ心配されたのが見えない筈の物も見える事、死亡後の肉体を離れる魂、相手の全ての考え当然嘘など吐く事など不可能。

 

 

美の女神が持つ魂の輝きも見る事が出来るし、何かしら解決方法を見たいと思うとそれが分かってしまう。

 

見ると言う事は知ると言う事だと神様に言われ、必要以上に探究心を芽生えさせると、俺は神の様に人生が面白く無くなると釘を刺される事となった。

 

 

夢から覚めるとベットの上で横になっており、あの夢が『真実』で有るらしい。これは意外に厄介な能力では、前世では科学があるそれは全てが『原子・陽子・電子』で構成されてると知っていて、ついうっかり余計な事を考えてしまうと、それが見える。

 

俺は、全存在上で最高の検査機になってしまった訳だ、もう一度寝たら忘れないだ『不可能』無理か…。

 

 

今日はどうしようかな、まずはリリにまともな生活させる為に、衣食住だな。ロキファミリアで部屋貰える『住居完備』なら、生活に必要な物を買いに行くか。

 

起き上がってリリの方を見ると、既に着替え終わっている上にテーブルの上に出したままの本をリリが読んでいた。

 

 

「おはようリリ」

「おはようございます」

「元気そうで良かったよ」

 

「はい、こんなにも朝が楽しみなのは生まれて初めてで、ワクワクしてますよ」

 

「そうか、それは兄孝行な考えで嬉しいよ…。俺はそこの間仕切の向こうで着替えるから、読んでたら良いからな?」

 

「はい!」

 

「あっそうだ、決まり事が1つだけ有るぞ、これしたいとかお願い聞いてくれるかなって思ったら言えよ?駄目かどうかは俺が決める事ではじめから我儘だと決め付けて、俺の楽しみを奪うなよ」

 

「楽しみ、ですか?」

 

「ああ、兄としてお願い聞いたり、駄目って叱ったりかな?まあ他にも体験して行く上で、はじめて本当の兄妹の様に仲良くなって行くんだから、それも兄孝行だと思え」

 

「分かりました、リリがしっかりお兄ちゃんと言うものを、満喫させてあげましょう」

 

そう言うと身長は遥かに下では有るが、偉そうに胸を張る。俺は笑いリリを撫でる。今日の予定の買い物に行くって事を言うとウキウキし出して椅子の上で足をブラブラしてた、子供だなとこっそり笑う。

 

 

2人で出掛け流前に、少しだけペガサスの相手と飯をやら無いとと言うと、前回は殆ど分からないまま乗ったので乗りたいらしく買い物を一緒に連れて行く事にした。

 

「ペガサス挨拶してくれ」ペコ

「凄い凄い」バンバン

 

俺は腕を叩かれかなり痛かった、リリは恩恵が有るが俺には無い、鍛錬で痛みに慣れる事が有っても耐久値が上がる何てないからな。

 

「この子は雌で【白王馬】と書いてペガサスだ、凄く賢いと言う事で名前がそう付けられた。何か頼んでみろ」

 

「では、撫でさせて下さい」

 

リリが頼むとペガサスは頭をリリの前にまで下げて来た、その動きを見て目をキラキラさせてはしゃいで居る。

そんなリリを周りの小さな子が見ていて近寄って来るが、ある一定からは怖いのか立ち止まってしまう。俺は屈んで話し掛ける。

 

「大丈夫だよ、顔の方からおいで凄く賢いから」

「大丈夫?」

「ああ、お姉ちゃんも触ってるだろ?」

「うん、触ってみる」

「ペガサス屈んでくれないか?」

 

ペガサスは地面にに完全に屈むと、子供は大喜びで近所の人達に囲まれてると、見た目は完全に遊具の状態だ。そんな注目されてると見知った人が近付いて来る。

 

「ライト〜リリ〜ヤッホー」

「あら、奇遇ね」

「こんにち…わ?」

「なっ何をやってるんですか?」

 

「よう、昨日振りだな、買い物ついでに【白王馬】(ペガサス)の散歩だよ。まあ子供達が賢い馬だから、興味が有るみたいでな」

 

「あっみなさん、こんにちは」

「そうなのね、本当に大人しい子ね」

「触りたい……いい?」

「ペガサス触っていいか?」ペコペコ

「可愛い……頂戴?」

「あげられないが、同じファミリアだから、いつでも会えるだろ?」

「そっか……良かった」

「お前可愛いな」ナデナデ

 

俺は天然アイズをついつい撫でてしまうが、本人も撫でられるのは好きらしいのか嫌がらない。そうやって撫でて居ると隣から「なっなななっ」「ああそう言う事」俺はレフィーヤも同時に撫でると静かになって落ち着いて行くので、2人が満足するまで続けて居ると後ろから凄く不機嫌オーラを発するリリを感じる。

 

2人が終わると直ぐにリリを撫でると不機嫌が収まる「そんなにいいのぉ〜」とティオナが俺の手を自分の頭に乗せて、催促するので撫でるとやっぱりみんな撫で心地が違うなあと思った。

 

 

結局全員で買い物になって、ペガサスは綺麗な馬だからどうしても目立つらしく、一旦黄昏の館で昨日は門番してたラウル・ノールドと言う人に預けて出掛けた。

 

どうやら既に厩舎の建設依頼はしてくれて、朝から建築してくれているらしく、昼過ぎには完成予定だとからしいので、賢いなら離していても大丈夫だろうと言われたので、そうだなとなって預けた。

 

今は女性陣の服を見せられて品評会の様なやり取りをしている、なぜか偶に、リリと合わせてカラーを揃えたり、俺とアイズの髪色がいい感じにお似合いだとかで、ティオナがアイズとカップルコーデしたり、レフィーヤともしないとってなって、ペアルックさせられたりと俺はオモチャにされていた。

 

「結構買ったな?何でか俺までかなり買ったがな。それで他に行く場所は決まってるのか?」

 

「そろそろお昼にした方が良いわよ?」

「そうですね、混みますから」

「あっアイズさん荷物持ちましょうか?」

「うんん…ありがとう」

「ああ、俺が全員のを持つぞ?」

「お兄ちゃんお願いします」

「「「え?」」」

 

俺は自分とリリの荷物を収納魔法に入れると、他3名は呆然で1名(アイズ)は首を傾げると言う状況でやっと気付いた。

 

「収納魔法だよ」

「べっ便利ね」

「凄い〜欲しいなぁ」

「どれぐらい入るんですか?」

「分からないんだよ『およそ100立方M』大体100M角ぐらいかな」

「多過ぎですよっ」

「まあ生物入れたら【魔力枯渇】(マインドダウン)した事あるけどな、まあ結構昔だからな」

「生物入るんですか?」

「時間が進まないからな、死にそうな人が入れたら良いんだけど、試したことも無いし、一生なければ良いと思ってるからな」

「「「「そうね(そうだね)((はい))」」」」

「アイズには難しいか?」

「バカじゃない…と思う」

「本当に可愛いなあ〜癒される」ナデナデ

 

アイズの天然には癒されるのでついつい撫でてしまう、髪はサラサラで柔らかく頭は小さく丁度いい。

 

「んで、どこに食べに行くんだ?」

「花月亭と言う極東の料理が出るお店で、最近オープンしたばかりなお店があるわ」

「いいな、そこにするか」

 

みんなでワイワイ【花月亭】と言うお店に向かうと、そこは日本料理の料亭だった、中庭に紫色の桜に綺麗に整備して風情がある庭が最高に良かった。

 

俺はアイズの頭が気に入って、アイズを揶揄うついでに撫でて怒るリリを反対に座らせ撫でる。贅沢だな子供は娘も欲しいなと思ってしまうひと時だった。

 

食事は懐石料理で、少しどころか一般の客では無理な金額で一食で3500ヴァリスと言う、オラリオ内で下手をすれば100倍の値段設定だが、冒険者や商人など割と富裕層も多いので、やって行けそうではあるのが否定仕切れない。

 

 

食後は雑貨屋に・本屋・アクセサリーショップにも行くらしく、俺はアイズとリリに手を繋がれて歩く、理由は意味もなく撫で過ぎだとか言われたが、リリが言うには髪が乱れるし禿げたらどうすると言われた。

 

雑貨屋に行くと生活用品えお買ってかえろうと思い、俺も見ることにした、髪が長いので今はリヴェリアと同じ様なまとめ方だがもっと楽なの無いか見ていると、店員さんに女に間違えられてヒリュテ姉妹にニヤニヤされて、2人にチョップをお見舞いした。

 

髪をまともに結うのが出来るのは、レフィーヤらしくどんな結びが良いか相談してたら、アイズが「コレ…いい」と急に手に持つ淵がゴールドの花をイメージした、ワインレッドの宝石が入ったバレッタだったのだが、淵の色がシルバーの物をアイズは持っていて、お揃いにしたいらしく買う事にした。

 

他にもティーセットや鏡に魔石灯のスタンドライトが有ったので買うと、リリもスタンドライトが気になり同じのを買ってやる。

 

本屋で部屋の備え付け本棚を埋める程、本を買うのを見て4人がドン引きして居ると、アイズは見せてと言ってきたのだが、何かアイズの方が妹みたいになってる気がする。

 

 

アクセサリーショップでは、魔法石の付いたピアスを見て居ると、意外にもレフィーヤから食い付いて来て、どれぐらい効率がとか言い出して店員さんが引いていた。

 

 

「今日は凄く買ったな」

「そうかしら?」

「いつもはもっと買ってるよぉ〜」

「そうですね」

「うん」

「私は生まれて初めてこんなに買い物しましたし、お買い物は1人以外も初めてです」

 

俺はリリの頭を撫でてやると、無言でアイズが斜め前に来たので撫でてやる。俺は本当に今が幸せだなぁ〜」

レフィーヤにジト目をされ、ヒリュテ姉妹にまたもやニヤニヤされて居るが今回はまあいいかと思ってしまった。

 

余談ではあるがレフィーヤが撫でて貰えず怒っていると思い、夕食時にはアイズとレフィーヤを、両側に配置して撫でてやったら、最初は文句を言うが直ぐに大人しくなるのが面白いので、怒るたびにすると最後はもう諦めますと言われた。

 

 

夕食の紹介が終わって、やっとロキと話しを出来ると言う事で執務室に行くと、幹部の3人とヒリュテ姉妹にアイズとレフィーヤがいて、今後についての話し合いが行われるらしい。

 

「よお来たな〜ウチがロキファミリア主神のロキや、ほんでお土産ちょうだいやぁ〜ぎょうさん持ってるらしいやん、最初は肝心やで〜」

 

「まあ、確かにそうだなコレはリリを受け入れて来れた、礼だと思ってくれ…基本俺は厳しいから調子に乗らない方が良いと言う事だけは伝えて置くよ。

俺の名前はライト・フォン・セイントだ母はセリーナ・フォン・セイント【聖麗】(セイレイ)女神アルテミス様の元眷属です。既に他界していますが、よろしくお願いします」

 

「そうなんやなあ、懐かしい名前やな〜ほんまおもろい子見つけたなぁ〜」

 

「俺は因みに神と同じで嘘が分かる、何なら神の嘘も分かるから」

 

「いやぁ〜そこは嘘でええねんけどなぁ」

 

「それでこの子が家のリリルカ・アーデ義理の妹だ」

 

「初めましてロキ様」

「いやこいつに様は入らないから」

「えっでも」

「えらい失礼やなぁ〜ウチなんかした?」

「狼に変身してロキは何した?」

 

「嫌やああああああああああ!それはあかん言うたらあかん、ウチの人望が皮一枚の人望がぁ〜」

 

「ロキの人望は思ってるよりは有ると思うが?」

 

「えっそうなん?」

「俺が口を滑らさない限りな?」

「あかんクビやクビ!しお撒いとけぇ!」

「まあ冗談はその辺にしとけよ」

 

そう言って結局、碌な挨拶では無かったがガレスからも紹介されて、何とか話は先に進むと本題で有る今後についてだが、知識は正直無限に有るからダンジョンの知識は、この中で1番有ると言うとリヴェリアの耳がピクピクしていて、問題を適当に出して貰って回答して満足して貰った。

 

「では戦闘に関しては…「私が」そうかアイズが、そうだな技に関しては互いに研鑽出来るだろう」

 

「リリに関しては、サポーターと言うが戦闘は?」

「いえ、力が無く向いてないと」

 

「リリ、自分で可能性を摘み取るな、先輩は目の前に居るだろう?教えを請い試してから、その言葉は周りが判断する」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

皆が頷くとリリは深く頭を下げ、何とか打ち解けられ良かったと思う、これからは仲間で家族だ。守るべきモノが増えたが俺は嬉しく思い自然と笑うとロキが「魔性の笑顔は遺伝かあああ!」と言われ女性陣に目で訴えて回るとティオネ以外目を逸らされ、聞こうとすると『性別関係無く意識させる笑顔』と魔眼さんから返事を頂き苦笑いした。

 

その後は雑談をしてようやく【神の恩恵】(ファルナ)を受けられる事に、先に改宗のリリから行い力以外は概ね問題無くLv1の中間を越えたちょっと過ぎで、力はスキルの影響で伸びが悪いらしい。

 

《スキル》

【縁下力持】(アーテル・アシスト)

一定以上の重さから力に補正が掛かる為、重い物でも軽く持てる。

 

《魔法》

【シンダーエラ】

変身魔法、身体の大きさは変化しないが相手の身体能力を模倣する。

変身は、詠唱時のイメージに依存する

 

詠唱

【貴方の刻印は私のもの、私の刻印は私のもの】

解呪

【響く十二時のお告げ】

 

シンデレラ変身願望が有ったのだろう、彼女は己の理不尽を魔法にしたのか…。次は俺の番になり上着を脱いでうつ伏せに横になる。

 

 


ライト・フォン・セイント(12)

Lv1 ヒューマン

 

力:F340

耐:G219

器:E471

敏:F368

魔:SSS1500

魔眼:SSS

 

《魔法》

【想いの業】

『地獄の炎』装備付与のみ、力高補正

 

『栄光の幸福』身体付与のみ、敏超補正の上認識阻害

『夜の誘い』影に潜む事が出来る、潜む時間はレベル依存

『時の門』時間停止の収納を使用、魔力量依存で物により消費魔力変動

【】

【】

《スキル》

 

【英雄の神秘】

・早熟

・守りたい者の多さや想いに寄って効果は上昇

・運命分岐に関係をする

 

【心の枷】

・己の恨みを束縛

・恐怖剥奪、精神干渉不可

・自身の生命への執着が薄くなる


 

 

「ライたん…魔法1つで4種何てエルフや無いんやから、おかしいやんどうなってるん?何で発展アビリティが有るん?」

 

「ライたん………。そうだな普通は1枠に1つだがな、俺が欲張ったらこうなった。発展アビリティって言うか先天的に魔眼は有ったからなぁ、名称付けるなら【『真実の魔眼』】だな」

 

「まだ有るんやで、何でアビリティが最初から高いん?」

 

「それは『昔の人間で英雄と呼ばれる者は、研鑽を重ね己の限界を超えて行く、普通から数段は逸脱している為』だと思うよ」

 

「う〜ん、正直なぁ古代英雄の時代の事は、神も良く分かって無いんやで、それでもライたんの仮説は説得力があるなぁ」

 

「俺の場合は小さい頃に身体が成長期を迎える前から、鍛練を行なって自分の肉体を生物学的な観点から見ても、完璧に近い状態を作る努力をしてる」

 

「う〜ん。ライたん…何か言いにくい事有ったりするかぁ?ビシビシ来るんやぁ〜!トリックスター何て言われとったウチの感がなあ」

 

「ロキは良いか、俺はこの世界の輪廻外から来た魂で前世の記憶が存在する。だから実の母を2度亡くして、第2の母と思って居た人も亡くしてる。

俺がこの世界で母と父を亡くしたのは6歳だ、その後は1人で旅を今までしていたが、それが可能だったのは前世が有るが故に、俺の肉体と精神の年齢は違う為に、生きる術を考えられる精神のお陰だ」

 

「はぁぁぁ!マジかいなっ〜言うておもろそうやないかぁ」

 

「これも言うが俺は知りたい事なら何でも知れる、魔眼の副作用みたいなもんで、これは下手に疑問を持つと答えが出る、こんなに面白く無い事無いだろ。

今後は簡単に俺に疑問が発生する内容は控えてくれよ、本心まで分かる恐ろしい能力だからな、誰か仲間の命が掛かって居れば躊躇わないがな、そこは分かってくれよ」

 

「ウチかて答えが分かって問題を解くんは嫌や、そこは任せとってや〜てかライたんって神より全知なんやなぁ」

 

「まあそう言う事に成る、俺は存在と言う概念で1番の博学な存在だよ」

 

「何でそうなったかは知ってるんやろ?ほんま災難やったなあ」

「ああ、不運としか言いようが無い」

「これから宜しゅうなあ」

「此方こそ、獣◯好きのロキ」

「んがあああああ」

「子供はフェンリル」

「いやああああああ」

 

 

その後は部屋の案内をしてもらったのだが、どうやらティオネの件が団員に漏れて、俺が悪魔も恐れない奴見たいな扱いで、同室を恐れるので幹部と同じ個室が与えられた。

 

 

翌日、日の出前に中庭にある木々にロープを渡して、その上で飛び移りながらの鍛錬を行う。足元に意識せずに空中に浮かぶ木の葉を斬り刻む、肌に木の葉が触れない様に避けながらの斬撃。

 

薙を行えば更に舞ってそれは正に弾幕の雨の様な状態、それを日の出まで行うと精神が摩耗して、立ち止まってしまうと汗が溢れる。

 

日の出からは疲れた身体での精神統一、疲れで来る倦怠感や意識の緩慢を己の気持ちを穏やかに、自分の中に静寂な空間を瞑想する。

 

朝食の30分前までは、ひたすらに形稽古を組み合わせた素振り、日本人であるが故に勤勉で実直と形容出来る程にザ・日本人な自分。

 

この世界は恩恵に依存しているが、武や力は使い方次第では同じアビリティの数値でも勝敗は歴然、母は俺が歩き始めた頃には体幹を鍛える様に遊具を作り、棒切れで果物を叩かせていたと言う英才教育だとか。

 

剣術は1日にして成らず、確か武神がこの街に居ると聞いたが極東の武神が居れば嬉しいんだがなあ。鍛練を終わらせて着替えを持ち風呂に入ると、先に銀色の毛並みの狼人の若い団員が入っていた。

 

白狼か…。ロキに似合いの団員だな。

 

俺は自分のプラチナブロンドと言われる髪を洗う、この髪は曾祖父さんに似てるらしいが、実際はどんな人かあんま知らない。

 

信念を持った綺麗な狼の様だと聞かされて来たが、抽象的で具体性が無いから全然分からない。それでも母から貰った物だと思うと大切にしないとな、俺の命何て価値は無いが母の形見だと思いたい。

 

 

「お前が新人か、雑魚は家で乳でも飲んでろ」

 

「そうだがお前は絶対実力主義か…お前が俺をどう思うかは勝手だが自分の価値観いや、お前は弱い自分が許せないって所かな。

過去に失った事が有るなら守り方を知っているだろう、それなのに自分が許せないからと最も守れる方法を取らない何て、お前は過去に足踏みして周りが見えてないな」

 

「偉そうな餓鬼が殺されてぇのか」

 

「狭量だな…。今餓鬼と言ったがなら何故そのたかが餓鬼の言葉に苛ついている?」

 

「餓鬼だろうがムカつきゃ苛つくだろうが」

 

「まあ良いか、お前には答えを教えてやるお前の問題は答えでは無く自分を許せない事だ。答えは共に強くなり相乗効果的な力を生み出す事だ、お前は弱者弱者と言うが弱者は強者に勝てる、それは世の常だからな…。戦略・練度・知識・想い、これらの全てを持つ多は個より強くて当然何だよ」

 

「ちっ」

 

狼人の男は舌打ちして出て行った、人の心が分かるのは本当に厄介だな、その言葉の裏が分かってしまう何てな。

 

 

朝食の時にアイズとリリの横に座ったら、狼人はまた舌打ちして来たがほんと分かりやすい奴だな。食後にアイズが明日は鍛練を一緒にしたいらしい、リリはガレスによって戦鎚を教わっている、スキルの補正で重くても軽く持てる為、折角だからそれを活かしてみるかと成ったらしい。

 

今日は冒険者登録をしたら、ダンジョンに行こうと思っており昼食を屋台で適当に買って収納すると、【万神殿】で前回は色々とオラリオについて教えてくれた、エイナにでも担当は頼もうと思っている。

 

母が元冒険者の為色々知ってると言ってあるので、変に講習を受けず口頭で把握してるか数問だけ確認して許可を得て居る。

 

エイナは先輩に言われたらしい「冒険者は冒険をしてはならない」この言葉を繰り返し言うが「冒険者は無計画に冒険をしてはならないが、危機的状況では己が才覚が問われる場合がある事を、決して忘れるなかれ」だと俺は言った。

 

 

初ダンジョンだが、まずは小手調べのつもりだ自分の場数をどの程度ダンジョンで通用するかを知らない為に、死んでしまう何て言う詰まらない終わりだけは嫌だからな。

 

「意外と人が1階層にも居るんだな」

 

俺はゴブリン・コボルトの群れを歩きながら斬り払って行き、魔石をくり抜くが手応えを感じず、3階層そして6階層と更には10階層まで潜るが戦闘と言うものにはならず、ただの虐殺になってしまって居るのが現実である。

 

小竜インファントドラゴンを狙いに11階層と12階層の間で【怪物の宴】(モンスター・パーティー)をひたすら倒して居る。

 

パキパキ

 

遂にインファントドラゴンが出現したこれを倒したら昼にしよう、俺は投擲で目を狙うと、首を振って防ぐと尻尾を使い攻撃して来るが壁を蹴って躱す。

 

動きは尻尾以外は鈍重で油断をせず行けば狩れる、鱗の隙間を刀で斬り裂き続けると、体重が重い為徐々に姿勢が保てなくなり横向きに転ぶ、その勢いを利用して首を切断した。

 

う〜ん…。

 

何か単調だし動物的で弱いな、ブレスを吐くこと無く終わるとは思わなかった、ブレスを収納したかったのだが。

 

魔石とドロップを回収してから、壁に傷を入れて昼食を食べるが勿論油断はしない、投擲ナイフの箱を取り出してから食べ始めると、数体は襲って来るが投擲で捌く。

 

昼食が終わると先程のモンスターの魔石を回収してから12階層に向かう、幸いにも母のローブは深層までは対応出来る代物なので、このまま中層へ向かって帰りは走ろうと思って居る。

 

中層からは出現率が上昇して捌くのに時間が掛かるが、捌けなく成るのはまだまだ先だろう。ヘルハウンド通称【放火魔】(アスカビル)は火を吐く前に頭部を切断、アルミラージュは居合いで一掃すると遂には15階層に。

 

ライガーファングにワームとコウモリそしてLv1は死亡フラグと言われるミノタウロスとの戦闘だが、良い感じの鍛練であろう少し疲労が溜まるこの感じが生きてると感じる。

 

ひたすら狩って行くと気が付いたら広く大きな空間が目の前に広がっている。【嘆きの大壁】ここは17階層の「迷宮の孤王」(モンスターレックス)ゴライアスが居る広間だ。

 

周期は確認済みで丁度今日がその筈だが、そんなに都合良く居ないだろうと思い、18階層に向かい歩いていると壁面が割れる。

 

相手はLv4だ俺の基本アビリティは既にレベルアップ条件を満たしている、ただ勝てるかどうかだが結構厳しい戦いに成って欲しい。

 

俺はホルスターの中身を確認すると、投擲ナイフを増やす事にした。

「バキバキ」体の半分が見える中で、俺はゴライアスの足の腱を切り取りに行く…。

 

皮膚が硬く十分には腱を切れずに残りは腕だけ、俺に怒りを向け腕を壁ごと抜き取って来る、その時の壁の一部がこちらに飛んで来るが直撃したら、行動が不能もあり得るので全て避ける。

 

ゴライアスは俺に向かい拳を振り上げる【地獄の炎】を両手の全ての指に挟む投擲ナイフに付与、足の爪と指の間を狙うと投擲…。

 

回避の為に【栄光の幸福】でスピードを上げて、腕を回避すると腕に乗り顔の前まで翔け上がる、刀に【地獄の炎】を付与して目を奪う為顔面の元で横薙ぎの上目に突き刺す。

 

右目が燃えて居るのだが手で覆い消そうとする、【地獄の炎】は一度火が着くと消えない、それを理解したかは分からないが目を抉り出した「ヴオオオオオオオ」その目玉を俺に目掛け投げつけて来る。

 

俺はそれを両断した瞬間、悪寒が走り空気の振動を感じて下段斬り上げをしながら、後方に身体が勝手に動くが、判断がほんの一瞬遅れた為にゴライアスの張り手を右腕が受けてしまう。

 

腕がダラリとなって居るのだが気にしては負けると直感が言う、俺は左手に刀を持ち【栄光の幸福】【地獄の炎】を両方使い更に迫る拳を避ける。

 

ゴライアスは両足が【地獄の炎】にどんどん焼かれ踠きながら死闘を行なって来る。死を覚悟した相手は怖いものだだが俺に恐怖は無い、この程度乗り越えられずに何も守れない…。

 

ゴライアスの右腕の肘の内側を上段から袈裟斬り、その腕をゴライアスは俺ごと殴ろうとする、不恰好な体勢の相手など簡単に避けられる、拳を避けて手首を斬り上げる。

 

もはやゴライアスは両手両足が燃えており、足は膝までが既に崩壊を始めており、膝立ちで右腕は燃えた上に自分で殴り折れている。

 

残るは頭と手首の切れた火達磨の左腕、それでも右手は鞭として使える為に注意は怠らない。

 

後方に後退して行き距離を取る…。

 

鞘に納刀してポーションを飲むと右手は回復すると、違和感が無くなると俺は【夜の誘い】でゴライアス自身の影に入り足元に移動する。

 

【栄光の幸福】【地獄の炎】壁を駆け上がり俺を探すゴライアスの首を全力の横薙ぎで切り、骨に当たるとそのまま首を一周すると、筋肉を失い燃えながら首が折れる。

 

 

全力で斬り付けた為に刀の手入れが必要か、それに疲れた為一旦18階層に向かう事にした。近くの木陰で刀を自身で研ぎ油で拭い綺麗に拭き取ると、疲れから木陰で瞼を閉じる。

 



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4話 リュー・リオンとサンジョウノ・春姫

ガサガサ…

 

ガサガサ…

 

俺は、少しだけ離れた場所で人の気配と木が触れて音を立て近付いて来るのを感じる『豊饒の女主人の店員でエルフのリュー・リオン【疾風】Lv4主神アストレアの眷属、ギルドのブラックリストに記載…1年前にアストレアファミリア団員は闇派閥の【怪物進呈】(パス・パレード)により本人以外全滅。復讐者として関与の可能性が有る者を殺害』そうか。

 

誰だと思うとこう成るのか、冒険者では無いと言うことは墓参り『肯定』知らない振りは無理か、立ち上がり腰に刀を差す。

 

 

「こんにちわ、【豊饒の女主人】の店員さん」

「貴方は…」

 

「初めましてライト・フォン・セイントです。長いですからライトで良いですよ。ついでに貴女の疑問は、どうしてあの時あんな手紙をですかね?貴女の目は口程にモノを語っています、辛そうで見ていられなかったそれだけですよ」

 

「そうですか、少しだけ良いですか?」

 

「ええ、どうぞ警戒を解いて欲しいので刀を外します。どうぞ話す間は持っていて下さい」

 

「えっええ…貴方はどうして」

 

「俺は家族と町の人、俺の思い出の人々を全て奪われた過去があります、闇派閥の冒険者により。

 

6歳の時で俺の母はLv4で野盗が町を襲って来た、負けるなど思わないが母は俺を家にある地下に俺を隠し、戦ったんだがLv4が2人にLv5が1人だけ野盗では無く冒険者だった。

 

普通は戦わずにどうにかするLv差ですが、母は万が一の為に刺し違え野盗40人に冒険者3人を町の人々と一緒に倒した。

 

町は全滅したが、残した冒険者と互いに致命傷を与え有って死んでいたよ、俺にとって母は英雄です。

 

貴女に生きる葛藤に己がこの先どう生きたら良いのか、それに悩んだ先輩として少しだけアドバイスです。貴女は死んでは行けないんだ、当然だが生きる者はいずれ死ぬよ、だけど必死に生きて貴女を大切に思う者と共に幸せにならないと行けない。

 

それが最低限、貴女が絶対にしないと行けない事だ」

 

 

「———ッ!?私は多くを殺した……「それは戦争ですよ、相手が攻めて来て攻め返した、そこに善悪は存在しない」なぜ……貴方は………少し動かずにッ」

 

彼女は俺に近付き胸元に額を付け「——ッぅぅぅううッ」彼女の肩が小刻みに震えて泣いて居るのが分かる。優しく耳に掛かる髪を後ろに流して、頭を撫でると声を漏らして泣き出した…。

 

 

そのまま今までの事を嗚咽混じりで話し始める彼女、思い出を話すと俺の頭には相手の顔が浮かぶ、聞こえない筈の言葉が聞こえ俺も心が震える。彼女は幸せに楽しく何て資格が、そう思う事で自分を戒めて自分を苦しめて来た。

 

この世界は前世と今世の俺と、同じ思いをした人が多過ぎる…。生きる為に奪い奪われる、そんな事はどの世界でも多かれ少なかれ存在するのは当たり前、思想や対立これによって生まれる戦争。

 

だがそんな人の営みとも言える悪意なきモノとは別の、悪意で起こす殺戮や対立、それを行うのはこの世界では神である。

 

俺は守りたい、笑う人の笑顔を好きな人とただ添い遂げたい、大切な人と幸せに生きたい、そんな武力無き者の代わりに俺が戦ってやる。

 

 

 

———迷宮都市オラリオは世界で最も悪意が満ちている

 

俺がその悪意をねじ伏せてやる、まずは目の前のこの子を助けようと思う。俺は全ての話を聞き終わるが、未だにもたれ掛かる彼女を撫で続ける。

 

 

彼女は「ありがとう…ございます」と言い俺の撫でる手を取りゆっくりと下に降ろす。手を取ったまま離さずに居る彼女の言葉を待つ、数秒だろうか数分だろうか、分からない沈黙が解かれる。

 

「貴方に出会えて良かった、そんなに簡単に気持ちが前には進めないけれど、貴方の言葉は私を救ってくれました…」

 

「そうか、良かったです」

 

俺は彼女に笑い掛け頭をポンポンと軽く叩くと、ハンカチを出して彼女の目元を拭う。彼女が伏し目を上げてこちらを見て居るので、もう一度笑い掛けるてから言葉を紡ぐ。

 

「大丈夫ですよ、今も貴方は人に支えられて立って居ますから、立って居るなら後は進むだけです…。ゆっくりでも摺り足でも何でも良いんですから」ニコ

 

「———ッ//」

 

ん?『照れています』ああそう…。知らないで良い事ってあるんだけどなぁ〜まあ上手く制御して行かなくてわ。

 

「地上に戻るんですよね?ご一緒しても?」

「!?ッはい」

「では行きましょうか」

 

 

手は離してくれないので、そのまま走り出すが2人なので出会う敵は魔石ごと切るからか、あっと言う間に7階層だがようやく手を繋いだままの状態を認識した様で、地上までその手を胸元でニギニギしていて少し可笑しかった。

 

バベルを出た先で「また食べに行きますよ」そう言うと微かに微笑んで「お待ちしております」と頭を下げられるとそれに対して手を挙げてではと言い「万神殿」へ向かう。

 

 

俺はエイナを呼び付け個室に案内してもらうと、ブラックリストに関しての話しをしだす。エイナには昔アストレアファミリアに救われ調べたと言い、裏を取る必要の無い俺は相手が、どの様な行いを他に行っており討伐に、いかに正当性が存在するかを資料を作らせてから上司を呼ばせた。

 

上司も目を見開き情報を照らし合せて行く、今まで不明だった内容が整合性が有る上に、関与を内定寸前まで行っていた物が多い為に資料は十分に意味のある物だと言える。

 

その後ロイマンと言う太った男性エルフは、少し席を外すと関係者以外立入禁止のエリアに案内されて『ウラノスの祈祷の間』に来ているのだ。

 

「申し訳ない急にお連れして」

「構わないですよ【賢者】」

「———ッ!?」

「それとも【フェルズ】が良いですか?」

「んんっ…。なぜからの方がいいでしょう」

 

「俺は魔眼通称ですが【真実の瞳】が有ります。神の嘘すら暴けますから、それが情報の採取に役立つ」

 

「嘘はない様じゃな」

「ウラノス…」

「お主はロキファミリアで良いかの?」

「ええ、そうです」

「なぜ【疾風】の事を助ける」

「理由何て簡単です。助けたいから」

「面白い男じゃな」

「それは神の価値観で最高の褒め言葉ですね」

「そうじゃな、それでお主には頼みがある」

「Lv1の冒険者にですか?」

「お主の実力はLv3後半と言う所かの」

「武神でも無いのにお見事です」

「それで内容じゃが…」

 

「ツバメですか?」

「———ッ!?」

「いいですよメリットが有るでしょうし」

「メリットは報酬かの?」

「それもですが平和に向かう事です」

「お主はフェルズに似ておる」

「それは失礼ですよ彼に」

 

俺は今後も情報採取を依頼された、今回の報酬はリュー・リオンの名誉を回復それを願った。俺は手紙をエルフ語で書き【豊饒の女主人】に寄りリューさんに部屋で読む様に言って、手渡すと今日は帰りますと言い黄昏の館に帰った。

 

 

黄昏の館に帰るとリリが遅いと怒りリヴェリアにどこまで潜ったと聞かれ18階層だと言うと、お説教を受けるが丁度よく夕飯時で中断して夕食に向かった。

 

「お兄ちゃんには妹の心配に対して、償う必要があります」

 

これに対してなぜかアイズも頷いて話を聞く、いつからアイズは妹に同い年だがな…。食事中リリが怒りを俺にぶつけアイズは俺の手を頭に乗せて撫でる事を要求する。

 

 

結局は食後部屋に突撃して来てお風呂と寝る時以外は俺の部屋で女子会(アイズ・リリ・リヴェリア・レフィーヤ・ティオナ・ティオネ)が繰り広げられて、ステータス更新してもらう事が出来なかった。

 

 

 

翌日の朝

 

アイズと鍛練すると言う事だったから何するか聞くと「何しよう?」だぜオイオイ、流石だ天然アイズ。

 

俺が昨日した事を一緒に模擬戦形式でしようと提案して、木々にロープを渡して行くと、難なくロープの上で動いて居る事に関心した。模擬戦をロープの上でしたのは初めてだが、これはいい相当の修練が積めると思った。

 

1時間半程は模擬戦をひたすらすると、アイズも慣れない事の為か結構息が上がっており、ラストスパートと言う感じに攻めるとアイズは堪らず魔法を使い俺は叱った。

 

魔法では無く技で対処しろと言うとシュンとして、見えない耳と尻尾が項垂れる姿が連想させられた。その後瞑想のコツを教えると寝ると言う荒技をされまた叱る…頑張ったら頭を撫でてを繰り返す。

 

最後には地上で型に合わせ素振りをして、俺はアイズの悪い癖を見つけては指摘を繰り返し、誰が教えてるか分からない状態ではあるが実戦に近い模擬戦は大きいのでいいかと思った。

 

 

朝食の時は頑張ったご褒美にじゃが丸くんの小倉クリームを、収納から2つだけあげたらリリが、何で教える側がご褒美上げてるかを責められて、結局は幹部の女性プラスでリリとレフィーヤに甘い物を取り出してあげる。

 

リヴェリアが魔法の方に興味を出され今度その辺りの話を聞きたいと言われて、他者の見識と言う側面の話は面白いからいいかと言う事で、ゆっくりお茶をしながらならと言うとエルフ女性の集団が騒めき出し、俺がナンパしてる風に捉えられリリとレフィーヤに怒られる。

 

 

漸く解放されてロキの執務室に行くと、大笑いされて俺は皆にもロキを笑って貰おうと言うと、顔が引き吊り土下座で謝って来たので、話しを進めステータス更新を頼んだ。

 

 


 

 

ライト・フォン・セイント(12)

Lv1 ヒューマン>>UP>>Lv2

 

力:F340———>S999

耐:G219———>A867

器:E471———>SS1054

敏:F368———>S999

魔:SSS1500—>EX2030

魔眼:SSS

 

《魔法》

【想いの業】

『地獄の炎』装備付与のみ、力高補正

 

『栄光の幸福』身体付与のみ、敏超補正の上に認識を阻害する

『夜の誘い』影に潜む事が出来る、潜む時間はレベルに依存する

『時の門』時間停止の収納を使用、魔力量依存で物により消費魔力が変動する

【】

【】

《スキル》

 

【英雄の神秘】

・早熟

・守りたい者の多さや想いに寄って効果は上昇

・運命分岐に関係をする

 

【心の枷】

・己の恨みを束縛

・恐怖剥奪、精神干渉不可

・自身の生命への執着が薄くなる

 

【聖麗】

・笑顔によって相手の精神回復率が上昇

・異性に対してのみ適応

・笑顔の質で効果は上昇

・相手の好感度で相乗効果が起きる

 


 

 

「なっなっな———ッなんでやあああああああああああ」

 

「煩いロキ」

「はい、すみませんって違ぁぁぁう!」

「はあぁ〜ゴライアスと死闘」

「はああああ〜?アホなん?」

 

「そうでも無いが…俺がアホなら神の中身は空っぽだな」

 

「イヤイヤ冒険者登録行ってから初日にゴライアスって普通に考えて頭可笑しやろ…」

 

「んで、発展アビリティ『守護(守る相手が多い程、全アビリティ高上昇)武士(鍛練での【経験値】(エクセリア)上昇、相手のレアリティに寄って上昇)魅了(異性から好意を寄せられる、感度上昇)』ん〜武士で宜しく」

 

「はいはいっ分かったっちゅうに…。ほい、出来たでぇ!とんでもないもんばっかりで突っ込むん疲れるわ」

 

「嫌いい、自分でも悲しくなるからな」

「報告は行くんやろ?何て言うつもりなん?」

「【聖麗】の息子で」

「まあ無難やなぁ」

「じゃあ行くな」

「あんま無茶すると母親(ママ)に怒られるでぇ〜気い付けてなぁ」

 

俺はロキの執務室を出て【万神殿】に向かう…。道中は舐める様な視線をバベルの最上階から感じ、手紙を書いて投擲ナイフに結び魔導具と一緒に、屋上に向かって投擲すると無事屋上に刺さった。

 

俺は貴女の気持ち悪い視線辞めて下さい不愉快です。そう【神聖文字】(ヒエログリフ)で書くと己の能力を抑える魔導具を添えて投げた薄汚い神に…。

 

 

ギルドに着くと俺は昨日の魔石とドロップアイテムを換金する為に、全て取り出すと後方から伺う集団を感じる。換金額は67万1割以外を収納して持ち歩き路地裏に行く…。

 

「銀髪の餓鬼ちょっと待て」

「何だ?」

 

「お前は随分儲けてた見たいだが「なあ?普通に脳みそあるなら考えてみろ、高額収入の奴がお前より弱いか?」うるせぇクソガキてめえ程目立つ容姿でオラリオに有名な奴は居ねえ」

 

「オラリオに居ないなら外に居るだろう?お前は馬鹿か?」

 

「そっそんなのオラリオ外の奴ら何て、弱いモンスター相手にしてる奴は弱えに決まってんだろ!?」

 

「ふ〜ん…剣を向けたら死ぬと思えよ?それでも良いなら相手してやるよ、お前の言うオラリオ外の奴が弱いなら楽勝だろう」

 

「やるぞお前らぁ!?——ッ」

 

俺は居合いで相手の利き腕を切断して腕を踏む…。「んで?」と言うと頭が弱い他2名も向かって来て、1名両足と1名両腕を奪うと「それでどうする?」と言うと助けてくれと言われて切断したままで、ポーションを掛けると切断面に皮膚が出来る。

 

未だ理解が追いつかない片腕の奴が俺の背後から切り掛かり、もう一方の腕と両足を奪うとポーションを掛けて、バラバラの手足を集め【地獄の炎】で焼くと黒い炎が巻き上がり俺は口を開く。

 

「なあ?お前らどうやって生きるんだ?」

 

「ああっ…あああ、そうだテメエに慰謝料請求してやるよ」

 

「そっかそっか〜さっき俺がお前らの体の一部どうした?考えて見ろよ待ってやるから」

 

「消し炭に…」

「そうだな、んで更に俺を脅迫?死にたいの?」

「ちっ違う、頼む助けてくれ!?」

「それは絶望から?命の危機?」

「りっ両方だ」

 

「図々しいな、お前ら俺を殺そうとしてたんだろ?それが今は助けろとか舐めてんの世の中?お前ら俺の年齢の4倍ぐらいだよな?」

 

「関係ねえだろ今っ」

「何で頼む方が偉そうなの?」

「すっすまない、助けて」

「だから何で?」

「っそう人道的にだ」

 

「それお前が言う?人道的に言うならお前ら死罪だな?殺人未遂に恐喝と強盗か、しかも初犯って感じでは無い、人道的観点からお前ら生きる価値どころか、死んだ方が世の中の為だな」

 

「もういいか?俺は十分に優しい対応したと思うぞ忠告を1番始めにしただろ、剣を向けたら死ぬと思えよって」

 

俺は6万ちょいを置きその場を離れて、見えない場所から見ていると、腕の無い足だけの男が腕のみの男から、金を奪う為に顔面を蹴り始めたのだ…醜さがここまで来ると怖いな人として。

 

結局足が有る男は腕だけの男を蹴り殺してしまった、どちらも無い男は恐怖から失禁してしまい、足のみの男はどうやって持って帰るか考えておらず、結局は意味なく仲間を殺してしまう。

 

俺は逃げようとする奴を捕まえて【地獄の炎】で足を刺すとそいつは逃げて行った、死体を燃やしてから残りの奴にギルドで罪の告白をするなら連れて行くと言うと「ふざけるな」と言われて呆れて物が言えず【地獄の炎】腹部を刺す。

 

「何で俺がこんな事しないといけない…」

 

 

俺は自分のお金を拾いダイダロス通りに有る孤児院に行くと、先程のお金を食べ物などに使って来れと言うと、多いですよなど言われたのでそれなら子供の未来の為に使ってくれ、そう言うと笑顔で分かりましたと言い受け取った。

 

 

【万神殿】に用があるので再びギルドに行くと、エイナに声を掛けると警戒されて、何故警戒するか聞くと俺は気苦労する内容を持って来るとの事だった。

 

「正解だけどなLv2になった」

「ごめん、もう一回言って来れる?」

「Lv2にレベルアップしたって言ったんだ」

「そう…。えええええええ!?」

 

俺は周りから凄く注文されて、エイナの口を塞ぐと落ち着き出して真っ赤になっているので「騒ぐなよ?」と言うと頷くので手を離す。

 

「登録したのって昨日だけど、恩恵はいつ受けたのが初めてなの?」

 

「昨日だが?」

「意味が分からないわね」

「そうだな、でも事実だからな」

「Lvアップの要因は何なの?」

「叫ぶなよ?」

「そんな内容なのね?」

「18階層に昨日行って来た」

 

「昨日は確か情報通りなら、ゴライアスの再出現の周期よね?」

 

「そう言う事だ」

「もう良いわ、他には無いのかな?」

 

「まあ親が【聖麗】だからってのが早期のランクアップの要因かもな?小さな頃から英才教育だったから」

 

「そうなのね、撃破数はどれくらい?」

「そうだなあ?2000体程か?」

「は〜」

 

深いため息を突かれつつも質問の内容に答えて終わると疲れた顔してたから頭撫でて「すみません」そう言うと固まってしまうが、少し撫で続いてから今度差し入れでもしますね。

 

そう言うとギルドを後にして、気分転換に情報収集と街の散策をする事にした。街行く人々の会話や周囲の情報で気になる物を探しながら歩いて行く、基本的に女性が綺麗だったり可愛い人が多いのだが、男性は不細工が普通にいる…。

 

ふと目に付いたのは、アマゾネスの一団だが1人だけ着物姿の上に羽織を頭部の上から掛けて、顔が口元しか見えない様にしているが首に魔導具の様な物『位置情報を把握、取付けたイシュタルファミリア主神イシュタルのみが外す事が出来る』ふ〜ん…。

 

『集団は【戦闘娼婦】(バーベラ)色街の娼婦の上、魅了で逆らえない様に何名かされている。団長フリュネ・ジャミールLv4【男殺し】(アンドロクトノス)見た目から通称【ヒキガエル】と呼ばれている。

 

団長を筆頭にバーベラ達の多くは男を街で攫い種馬とする、団長に至っては相手を再起不能にする為に男殺しと言われる。

 

着物の少女はサンジョウノ・春姫(12)Lv1、人身売買にて買われる【狐人】(ルナール)娼婦でありながら未だ生娘。

 

特殊な魔法【ウチデノコヅチ】一時的にレベルを1つ昇華させる、これを使い対立女神を貶めレベル詐称だと、ギルドに訴え出た相手を逆に追い詰める。

 

サンジョウノ・春姫を更に利用しようと今は画策中、闇派閥イケロスとの繋がりがある』

 

 

屑だな…春姫は今まで誰に守ってもらった『アイシャ・ベルカ【麗傑】(アンティアネイラ)Lv3春姫の姉貴分で密かに守る』そうか、まともな奴も一応は居るんだな。

 

イシュタルファミリアに団長は『今現在、ファミリア本拠地【宮殿ベーレト・バビリ】地下の隠し部屋にて一般人男性を痛め付けている』行きますか、闇派閥の情報が欲しいからな〜

 

 

俺は準備を直ぐにして【栄光の幸福】を使い直ぐに、イシュタルファミリア団長フリュネの背後に到達すると【地獄の炎】を使い相手が気が付く前には、胴と頭は分離して壁際に転がると黒炎を上げて燃え尽きた。

 

一般男性は既に痙攣を起こし、死に掛けて居たがハイポーションを飲ませてから、返り血で真っ赤に成っているので木桶の水で洗い流してやるが、意識は朦朧としておりもしかするともうダメかもしれないが、男性を出口の用水路の階段に座らせる。

 

俺は先にアイシャに接触を試みる為に、場所を突き止めバベル付近に居るのが分かり、急いで彼女達の元へ行く。

 

「アイシャ・ベルカとサンジョウノ・春姫でいいか?」

 

「アンタは誰だい?」

 

アイシャは身構えるので手を挙げて話す、春姫も羽織から目元が見えるが、こんな子を娼婦にしたのかと正気を疑った。純粋の塊の様な目で人を疑わない、そんな心根の持ち主だ。

 

「俺はサンジョウノ・春姫、君を救う事に成るかは分からないが、君を解放しよう…間も無くお前達は恩恵を失うから、救いたい子を引き留めろ」

 

俺はゆっくり首輪に指を触れ収納する、何でも収納出来ることは分かって居たが、実際にすると己の能力に驚く。

 

「なっアンタは何もんだい?」

 

「俺はライト・フォン・セイントだ、出来たら言い触らさないで欲しいがな」

 

「あのライト様…どうして私を助けて下さるのですか?私は既に穢れた身です」

 

「お前は純粋だ、澄んだ湖畔の様な心をしている…それとお前はまだ生娘だからな?」

 

「えっでも既に?」

「お前には抱かれた記憶は有るのか?」

「えっえっ…無い…です//」

 

「お前は男の裸を見るだけで気絶する、だから客は娘を替えてしまう為に、お前は未だ生娘のままで済んでいる。後は恐らくそこのアイシャのお陰だろう」

 

「えっお待ち下さい…」

 

俺は踵を返し進むが腕を捕まれた「また…会えますか//」「ロキファミリアに来れば会える」そう言うと【栄光の幸福】で直ぐにその場を離れて行く、先程助けた男性を担ぎ【青の薬舗】に行き神ミアハに200万ヴァリスを渡し、足りなければロキファミリアに来てくれと言い名前だけ教えて消えた。

 

 

イシュタルファミリア本拠地に着くと、団員達が慌てて警戒態勢に入って居たが【夜の誘い】を使いイシュタルの側まで行き、俺は刀に【地獄の炎】を纏わせる。

 

「おい屑神イシュタル、お前は素直に答えて天界行きか?それとも存在の消滅どちらがいい」

 

「なっなんだ貴様は、どうやって入った…綺麗な髪だ我が物になれ」

 

俺は頬に触れられたが精神干渉は受けない、だからイシュタルの指を掴んでへし折った。

 

「がああああっなぜ」

 

「俺に魅了は効かない、例えそれがフレイアでもな…次は無い闇派閥との事話すのか?それと春姫を解放しろ」

 

「お前はあの小娘に惚れた口か?」

「馬鹿だなお前は…」

 

イシュタルは神威を解放した、精神干渉の類で俺には効かず何とも無い顔をすると焦り始める、神の力奪え無いか『天界送還を収納、使う事は人の身では不可能』構わないそれでこいつはどうなる『消滅はしないが、収納から出さない限り存在は無くなる』

 

「もう終わらせよう」

「まっ…」

 

俺はイシュタルを斬ると同時に収納を行うが、一気に【精神枯渇】(マインドダウン)を始めるので、俺は即座に有りったけのマジックポーションを飲み出す。

 

危うく精神崩壊起こしてしまう所だった、魔眼のスペックアップが無ければ廃人だったな、教えろよ魔眼さんよ。

 

俺は【精神枯渇】(マインドダウン)寸前の少しだけ残った状態では有るが、【青の薬舗】に魔法を使い移動。

 

「ミアハ様マジックポーション全部下さい」

「!?…。何があった?」

 

「マインドを空っぽを通過して回復しましたが、未だ頭が割れそうです、マインドポーション下さいお金は払うので」

 

「一先ず飲むと良い」

 

俺はあの後、店舗に有る8割を飲んでやっと頭痛が収まるのだが、金額は40万ヴァリスで20本も飲む羽目になったが、ミアハ様に感謝として10本余分に購入して、100万支払ったら多過ぎと言われるのだが、ミアハ様は直ぐ配り歩くので、これは受け取って団長を安心させてあげて下さい、そう伝え無理矢理では有るが受け取って貰った。

 

 

俺は一度バベルに寄って情報収集をすると既にイシュタルの件で騒然としていたので、俺はフェルズを呼び出し事と次第を報告して、裁きたいなら甘んじて受ける事を伝えたが、時には必要だと言う話になった。

 

バベルを出て昼食に【豊饒の女主人】に行こうと歩いていると、数分しない内に元イシュタルファミリアに囲まれいる。

 

「お礼参りか?」

「なっなわけないじゃ無い!お礼を言い来たのよ」

 

「お前が春姫に良くしてたから、それで良心は有ると判断して助けたんだよ、そんなに気にし無くていい」

 

「そっそんな訳に行かないでしょう」

 

「気にするな、イシュタルはもう何処にも存在しないから安心しろ」

 

「えっ天界送還してないのかい?」

「消滅させたよ」

「あのライト様…貴方の側に置いて頂けませんか」

「折角の自由、もっと好きに生きたらどうだ?」

「「「「「「私達もお願いします」」」」」」

「お願い出来ませんか?」

「少し用があるから1時間後に黄昏の館前に来い」

「聞くだけ聞いてやるよ」

「「「「「「ありがとうございます」」」」」」

 

 

俺はその場を離れ【豊饒の女主人】に昼食を食べに来たが、リューが不自然な程に挙動不審だ…。俺がそれを笑うと真っ赤になってジト目で脛を蹴られ、俺は唸って居たがミアさんに何が有ったかは知らないがありがとうそう言われて嬉しくなってニコニコしてると、リューがこちらを盗み見してるつもりなのか、割と分かりやすいポンコツ具合だな…。

 

結局は、ミアさんに戦力外宣告を受けて、俺の隣で耳まで真っ赤にして目も合わせてくれない。それでも自然体な感じの彼女はこれからは、自分の決めた事に向かって行きていけるかな

 

「リューさん?良かったですね」

「———ッ何が…ですか?//」

「なんか雰囲気が可愛くなったなぁって」

「///////」ガンッ!?

「えっリューさん?」

 

リューさんはテーブルに額を打ち付けてショートした様に「ぅぅぅぅ」ってずっと言ってるから「相手してくれないなら今日は帰ります」そう言うと起き上がって、こっちを見たかと思ったら目を逸らすので、頬っぺたを両手で押さえ笑い掛ける。

 

俺は一通りリューさんを弄って遊び終わると、ミアさんに今日は仕事終わりに、みんなで食事して下さいと言い余分に25万ほど払うとガキのくせに生意気だよと言われるも、男の子ですからと言うと、いい顔で笑ってアンタは将来が末恐ろしい何て言われる。

 

 

その後は真っ直ぐに帰らずに、屋台でじゃが丸くんをかなり買ってから黄昏の館に帰った…。問題を忘れて居たのだが帰るとアマゾネスと狐人が待って居て、無視して横を通り抜け様と試みるが捕まり、門番をして居たアナキティさんに、白い目で見られながら応接室に案内してロキに事情を説明すると、顔が引き吊って取り敢えず会ってから決めると言う。



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5話 師事と女難

今は元イシュタルファミリアのバーベラ抜きで話し合って居る、俺の問題児ぶりにリヴェリアが後でゆっくり話をしようと言い。ガレスは「お主はハーレムでも築くのか」そう言って笑うが、フィンは秩序が心配らしい、元娼婦で有る為に、団員の中にはそう言った目線で見ないとも言えない。

 

幸いな事にロキの趣向で女性が7割5分のファミリアだが、どうしたものかと悩んでいるらしい。

 

「ならルール決めたらいいだろう?例えばだが肉体的のみでの発散などを、ファミリア団員と行った場合除籍処分とか。但し恋愛を元に交際申請の上でファミリア外での行為は認める。

 

交際申請前で恋愛を元であった場合犯した行い次第で罰則を幹部審議にて決めるものとするとか…。

 

ファミリアホームでは、手を繋ぐなど過度な接触でないもので有れば交際申請の後で有れば、社会的モラルを前提で認める。

 

条文に無い内容でも著しくファミリアの秩序を崩壊又は、運営に支障をきたす場合は罰則若しくは除籍もあり得る。

 

こんな感じでどうかな?」

 

皆は俺の発言に関心するが知識に関しては全知だぞと言いたい。そして結論で元イシュタルファミリアのアマゾネスは、アイシャをリーダーとしてまとめて管理、当然だがファミリア外だからと言って、ファミリアの名誉を損なう行為は即刻で除籍と伝える。

 

エルフ集団との仲介はレフィーヤが担当する事になった、なんか可愛そうで申し訳ない…。春姫は無知なので教育はリヴェリアになって、春姫を含め一度に14名も増えた。

 

 

その後、ロキと2人でイシュタルについて今話して居る最中だ、当然では有るが俺が行った事はロキからすると同族殺しだ、それで重くなると思いきや。

 

「んで?イシュタルは何で送還されへんかったん?」

 

「送還を収納したから無の牢獄で、時が経たないから存在しないのと同じだ、本当の意味で死んだって事だな」

 

「ほんま怖いわぁ〜ウチ殺されたりせえへんよなぁ?」

 

「ちょっと駄女神で女好きで殺してたら、俺は人口の4割程を殺害しないといけなくなる」

 

「いやぁ〜なんや釈然とせえへんけどなぁ」

 

「本当の殺害方法も有るけどな、この方法は俺が収納から出せば天界に帰れる。もう一方は正真正銘の存在の焼却だな【地獄の炎】で神の核を焼いてしまう」

 

「それまじ嫌や、燃えて行く自分の手足を見ながら、消えて行く自分地獄の炎言う事は、己の罪の繰り返しを感じる刑や……もう悪い事せえへんから堪忍やああああ」

 

「いやしないから、何過去にハデスに何かされた?」

 

「んや何も?ジョークやでウチはライたんの判断でええ思うしなぁ〜神は自分勝手に人をおもちゃにしてきた存在や、それで天界返って終わり何て緩いやろ?まあもしかしたら望んで消えたい、思う神がおってもおかしないけどなあ」

 

「そうだな、神も十神十色だろうからなぁ〜俺からしたら神は単知単能が7割ぐらいだよな?知識は1点特化で能力も其れに呼応する内容だからな、不変不滅とか言うが不変では無いし…俺が居れば不滅ですら無いからなぁもう人間と変わらんな?」

 

俺達は最近は友達(男)の様な関係になって来てる気がする、俺の全知がある意味で叡智の神みたいな内容だし、前世での日本人の知識が神の価値観に酷似しているからかもな。

 

話終わるとイシュタルを収納したから、魔力の伸びが激しいかも知れないと思い、ステータス更新を頼んだ……。

 

 


 

 

ライト・フォン・セイント(12)

Lv2ヒューマン

 

力:H120

耐:I45

器:G227

敏:F319

魔:EX----

魔眼:SSS

武士:I

神秘:A(NEW)

 

《魔法》

 

【想いの業】

『地獄の炎』装備付与のみ、力高補正

『栄光の幸福』身体付与のみ、敏超補正・認識阻害

『夜の誘い』影に潜む・潜む時間はレベル依存

『時の門』時間停止の収納を使用

※神・精霊なども収納可能(NEW)

 

【】

【】

《スキル》

 

【英雄の神秘】

・早熟

・守りたい者の多さや想いに寄って効果は上昇

・運命分岐に関係をする

 

【心の枷】

・己の恨みを束縛

・恐怖剥奪、精神干渉不可

・自身の生命への執着が薄くなる

 

【聖麗】

・笑顔によって相手の精神回復率が上昇

・異性に対してのみ適応

・笑顔の質で効果は上昇

・相手の好感度で相乗効果が起きる

 

【無限の牢獄】

・神は術者に己の力を吸われて行く

・神性(昇華)が高まると権能を全て奪う

 


 

 

「な………」

「言いたい事は分かる」

「そうやな」

「何か俺は人を辞めて行ってるか?」

「近所付き合いはしたるわ」

 

 

 

俺達は2人で現実逃避していたが、神酒を出してお互い酌をしながら空笑いをしてこれからを悩むが、これは死にそうになった仲間を救う手に使えるから受け容れる方が良いだろう。

 

結局は神酒を3本空ける事になり俺は冒険者で、ロキは生身と変わらないという事で翌日にロキだけは、リヴェリアに怒られて居て可愛そうだから、今回は俺が悪いからもう許してやって欲しいと頼んだ。

 

 

———翌日の朝

 

俺は昨夜ロキと呑んでいて夕食に居なかった為に、アイズとリリに春姫が心配で寝不足と言う、俺は朝食で謝って今回は許されたのだが今後外泊は、ダンジョンやファミリア関係以外は駄目とか言われ、俺がプライベートで遊ぶとか駄目なのか聞くが、日帰りかファミリアのメンバーを連れて行けば良いと言われた。

 

 

昨日のイシュタルの時に情報って言ったが良く考えたら、関連性が分かれば情報など魔眼で引き出せば良かったと、見落として居た事に気が付くと今回の件を魔眼さんに聞こう…。

 

 

1つ、イシュタルファミリアは闇派閥に資金を一部提供して居た、それらのお金はクノッソスと言う擬似迷宮の建設費用

 

1つ、クノッソスはダイダロスによって、建設を始め今は子孫がダイダロスの手記の呪縛にて引き継いで行っている

 

1つ、クノッソスは現在は闇派閥の根城として使われて、イカロス・タナトス2つのファミリアが主力である

 

1つ、人造迷宮クノッソスはメレスの海底の大穴と、ダイダロス通りに入口が存在する

 

1つ、メレスの出入口はリヴァイアサンの骨で塞がれている、ダイダロス通りの出入口は最硬精製金属の扉で守っている

 

1つ、人造迷宮クノッソスの出入口の鍵はダイダロス・オーブと言われる魔導具で眼球に「D」と書かれた物で今は5つのみ

 

 

 

今分かっているのはこれぐらいだか…直ぐにでも一掃しに行きたいが今の俺では何も出来ない、もっと強くならないと大切なモノが指の間から溢れ落ちるだけだ。

 

俺は自分の無力を知っているからこそ、考えて最適解を見つけて行く事に全力を注ぐ、俺の全知が最も活用出来るのは相手の情報を先取り出来ること、戦力的に攻め込むには1級以上がもっといる。

 

 

 

自分の力をもっと効率的に上げる、それはオラリオに居る刀術を使う武神に『タケミカヅチと言う、非常に礼節を重んじる神物で、困窮しているファミリア主神』頼みに行くべきだと思い。

 

手土産には、タケミカヅチ様は神酒で良いとして、団員は以前みんなで行った場所【花月亭】に頼んで皿はこっちで用意した物に盛り付けて貰うか…。

 

途中でディアンケヒトファミリアでポーション類の補充を大量に済ませて、極東の袴に着替えてから向かうと、そこはぼろぼろの長屋が存在したので、本当に困窮している事が伺える。

 

 

「ごめん下さい〜い!」

「は〜い、少々お待ち下さ〜い」

 

パタパタと忙しなくやって来たのは、長髪のくノ一が着てそうな丈が短い極東の和装の女性が出て来た。

 

「お待たせしました、どの様なご用件でしょうか?」

 

「先ずは自己紹介させて頂きます。初めまして、ロキファミリアのライト・フォン・セイントと申します、急な訪問で申し訳ありません。本日はタケミカヅチ様にご相談をと思いまして、タケミカヅチ様はご在宅でしょうか?」

 

「あっあっ貴方がライト殿!春姫殿に伺って居た通りの綺麗な髪ですね…。これは失礼致しました、私はタケミカヅチファミリアのヤマト・命と申します。お礼をしたいと思っておりました、タケミカヅチ様は奥におります、狭い所ですが上がって行って下さい」

 

「ええ、ではお邪魔させて頂きます」

 

俺はヤマトに案内されるまま、奥にある囲炉裏のある純和風の居間に案内された、凄く落ち着く作りだなと思って居ると、奥の襖から1柱と団員達がこちらにやって来たので、俺は座ったまま頭を下げると団員達が頭を下げて来た。

 

「お主が…。俺がタケミカヅチファミリア主神のタケミカヅチだ、先ずは春姫を救ってくれた事に感謝する。ありがとう」

 

「「「ありがとうございます」」」

「気にしないで下さい、気まぐれですから」

「それでも感謝はしている」

「では気持ちは受け取ります」

「それで今日はどんな要件だ?」

「刀術の師事頂きたく参りました」

「それは、したいのは山々だが…」

「授業料としてこれぐらいは」

「そっそんなにか、受けよう」

「ゲンキンなひとですね」

「絵空事では飯は食えないからな」

 

俺は皆と話しをしながら土産を取り出し、タケミカヅチ様は若干請求されないかビビっていたが一緒に神酒を飲み、団員達には【花月亭】の食事を振る舞うと最初は高級料亭の食事と言うと、遠慮して居たが当分は食べられないものだ沢山食べておけと言う、タケミカヅチ様の一言で皆は幸せそうに食事を楽しんでいた。

 

 

翌日からは用事が無い限りは朝から昼までの稽古を、タケミカヅチ様自ら行なって来れるとの事、朝食も準備してくれるそうで今日はそれをロキに伝え無いとな…。

 

 

———己を武神を超える者に

 

 

それだけを思い俺はひたすら鍛練に励んだ、余談だがアイズは毎日俺に付いて来るので気が付けば、一緒にタケミカヅチ様に師事されて居たので、授業料を2倍払うとヤマトが受け取った瞬間から手が震え、どこに置いたらと言うので金庫をプレゼントした。

 

 

《1ヶ月目》

 

足回りの動きをひたすら極めさせられる、当然だが型の手直しもされた…。午後はアイズと下層で実践の確認をすると、情報の確認やオラリオの治安に関する内容を実際に見に行く。

丁度【神会】(デナトゥス)で俺の二つ名【剣麗】(ケンレイ)だそうな、母を意識してるとの事で少し嬉しい気持ちが湧く。

 

《3ヶ月目》

 

タケミカヅチ様にアビリティ抜きで1本を入れた、その晩のステータス更新でレベルアップと言う、どれだけあの人が強いかが分かる内容だった、タケミカヅチ様の剣は正に空気だった、捉えられぬ刃で彼が放てば気付けば首元を取られる。

 

《12ヶ月目》

 

アイズと俺は2人でひたすらお互いの技を磨いた、タケミカヅチ様曰く俺達は天賦の才があると言われるが慢心せずと、最近ではタケミカヅチ様の本気を30分は耐えられる様になって来て居る。

 

そんな日々を送りながらも充実した毎日だった、27階層に1人で来ていた時…。そこに現れたのは【アンフィス・バエナ】全長20Mの全身白い鱗の双頭竜だ。

 

鱗が邪魔で刃が通り難く水中に逃げては現れると言う、厄介な相手だったが無限の魔力を使い【巨蒼の滝】(グレートウォール)を上流で収納して下流で流すと言う荒技で、水の無い空間を作り戦った。

 

満身創痍で危うく腕を持って行かれる寸前で、討ち取る事に成功するのだが帰ってから2時間は正座させられ、アイズが用事なら他の者と行けと言う事らしい。

 

この夜更新すると遂にLv4になって居たが、最近アイズが俺の早い成長を一緒に戦える嬉しさと、自分の成長との差を悩んで居るので、俺はこれで共に戦場で戦って成長出来る。そう伝えると嬉しそうに笑って居たが、初めてあそこまで笑って居る姿を見た。

 

 

———【布都御魂】(ふつのみたま)

 

あれから2年程経ったある日の事、夢に出て来るのは不思議な色の日本刀で、柄巻きは白く刀身は焔で色が揺らめく刃、鍔には少し擦り切れた布が結び付けられヒラヒラと揺れ動く。

 

 

その日の稽古はタケミカヅチ様との模擬戦

 

 

互いに向き合い流れる様に打ち合う、木刀の打ち合う独特な響きと床を踏み締める際の音、今日は天気だからか太刀筋が気持ちいい。空気を斬る腕の感触が少しずつ減少して行く…。

 

タケミカヅチ様の目元がいつもより険しい、そう思って居ると今振り下ろす斬撃は当ててはならないと直感で感じ、軌道を紙一重で避けて貰える位置まで僅かに逸らす…。

 

タケミカヅチ様の握る木刀の切先は、刀で斬った跡の様に綺麗に斬れており腕の袖が刀傷の様になって居て、皮一枚切れて鮮血がポタポタと床に落ちる中で彼は震えて笑い出す。

 

「お主は本当に面白い男だな、生涯を賭して尚至ることの出来ない場所に、いやお前が研鑽した月日を入れても有り得んモノをよもや至ってしまうとわな」

 

 

人は皆、着物(布)を纏って雨が凌げられ(都)れば、畑を作り食を得ると己(御)が気持ち(魂)で全てを斬り開いて生きて行く。

 

タケミカヅチ様はヤマトの魔法はそれを体現した魔法だと言う、俺がしたのが正真正銘の【布都御魂】(ふつのみたま)である、そう言って大笑いをする。

 

 

 

俺はこの日Lv5に至ると、アイズが拗ねて口を利かないと言う無言の抗議をして来る。

タケミカヅチ様にはここが始まりであって頂きでは無いと言われ、この先は自分で見つけて魅せて来れ。

 

その言葉を持って師事はひと段落したと言われ、定期的に相手をしてもらうと言う約束をした。今までのお礼に俺は彼等の本拠地を密かにゴブニュファミリアに依頼して、日本庭園の屋敷(一般家庭の3倍程度)2000万ヴァリスをプレゼントすると、流石に貰えないと言われるのでならと言い【地獄の炎】を刀に纏うと、諦めて貰って来れた。

 

 

あれから3日経つが未だに口を利かないアイズに、どうしたものかと考えて居るとそこに来たのはティオネだった。

 

「まだ口を聞いてもらえないのかしら?いっそのこと抱き締めて頬にでもキスしてあげたら喜ぶんじゃ無いかしら?」

 

「それでいいのか?」

 

「いいんじゃない?」

 

適当過ぎるとは思うが女の子の気持ちが分かる訳もなく、魔眼で覗くのだけはしないと決めており、藁に縋って見るしか無いと思い俺は行動に出た。

 

 

「アイズ待って来れ」

「……」

 

俺はアイズの手を取って前は朝の鍛練をして居た、中庭の木々がある場所に向かうと振り向くと同時に引き寄せる。

腰に右手を添えて左手を頬に…。

 

頬に触れる唇が離れて腕の力を抜くと、頬の手以外を解放してしまうとアイズは涙目になって見上げると、俺を押して俺ごと転ぶと俺の胸元で耳まで真っ赤にして何かを言う。

 

「………ぃ」

「ん?」

「ず……ぃ」

「もう一回言ってくっ」

 

アイズは俺の顔の上に顔を近付ける…。

 

一瞬の出来事だったが、黙って言葉を待つとまた唇を合わせるそう何度も何度も何度も、それが終わると頬に額に瞼に俺の顔全ての場所に唇を這わせる。

 

「寂し…置いて行かれたく、無いから……一緒に居ないと苦しい、分かんない……でも、さっきまでの気持ち……今のでどうでも良いって思えて………ライトは置いて行かない、で」

 

俺は涙が溢れて居る彼女を抱き締めて、頭を撫でるとゆっくり耳元で言葉を紡ぐ「何処にも行かないし、アイズも行かせないよ」そう呟きまた撫でる。

 

アイズは結局ずっと父を連想して居たのだろう、強くなってみんなを守るそんな人に成れば、いつか誰かの為に居なくなる事を…。

 

朝食に成っても来ないからいつもの場所だろうと、ティオネとティオナが中庭にやって来た。だが2人は引き返して行くと俺はアイズを撫で続ける。

 

 

それから更に1週間、お風呂とトイレ以外はずっと付いて来る。初日は風呂すら俺を女風呂に連れて行こうとして、レフィーヤに止められる事でどうにかなった。

 

寝るときは俺が寝た頃に枕無しでやって来て、俺の腕を引っ張り出して枕にして反対の腕を背中にして寝始める。何故知ってるかそんなのは魔眼さんに聞くまでも無く寝たふりだ。

 

大好きなお父さんと寝てる、そんな感じで彼女は何の躊躇いも無く入って来る。そして今俺はリヴェリアの前で話をしている、ティオネが真横で正座して「何で私が」と言いながら。

 

ソファーの上でアイズは俺の腕を抱き締めながら、隣でリヴェリアの話しを聞くが何で怒られてるか分かって無い。

 

 

「と言う事でライトが言う内容で、間違い無いかティオネ?」

 

「ええ、言ったわよ!何がいけないの?どっから見てもアイズの気持ち何て直ぐに分かる、だから適切な内容でアドバイスしたのよ」

 

「そこは否定せん本人は分かって無い様だが、食堂でリリの頭を撫でただけで、ライトを無理矢理に自分に向け唇を奪う。これははっきり言って規律違反だ、仲のいい女友達として蒔いた種に水やりをきちんとしろ、放置したお陰でアイズは暴走している」

 

「分かったわ、どこまで教えたらいい」

「一応必要な事は知って置くべきだ」

 

「分かったわ…アマゾネスの価値観では無く一般的な内容で教えて置くわ」

 

「ああ、頼んだ…。でだお前達2人は交際していると言う事で良いのか?」

 

「交際?……結婚する」

「ん??まあそう言う事で、す?」

(これが責任ってやつだよな、誰が1番好きって聞かれたらアイズだけど、結婚出来るならしたいけど普通は俺がリードして交際では?)

 

「ライトの歯切れが悪いが、まあいい」

「すみません」

「交際申請は受けるが、罰はあるぞ朝食後の食器洗いを1週間2人で全員分する事だ、いいな?」

「「はい」」

 

 

何故か流れで交際するという事に、その後は修羅場だったリリがオコで春姫は錯乱で、リューさんは仕事中にどこで聞いたかホームに突撃して来て、ラウルさんを引きずりながらやって来た…。途中からレフィーヤが参戦して来て混沌としている。

 

ロキとフィンそれにリヴェリア一応ガレスも居る状態で話し合い。確かに均一に良好な仲だったとは思うけど、俺を弾き出して話し合ってるがどうやって話をまとめる。

 

———リリの証言

 

リリが言うには妹って言うのは建前に決まってる、一緒に居たいから一時的に収まっただけだと。

 

———春姫の証言

 

春姫は娼婦の肩書きを持つ女に夢を見せたのだから、このままでは一生独り身を貫きます。

 

———リューの証言

 

エルフは身持ちが堅い「ウッ」そんな女の手に触れ、頭を撫でるそれは貰う気が有るからです。私には…彼以外あり得ない。

 

———アイズの証言

 

ライトは私の…。

 

———レフィーヤの証言

 

何で呼ばれないんですか…。から始まり、アイズさんがライトさんと一緒になるなら私が付いて来るのは、これは当然ですがアイズを慕ってるんですから、男性では1番ライトさんが……好…マシです。

 

———ガレスの発言

 

この地方で特に重婚は問題ないじゃろ?全員貰えば誰も辛い思いをせんじゃろうに、どうしてこだわる?

 

———フィンの発言

 

ライト?【小人族】の知り合いで女の子居ないかい?(小声)

 

———リヴェリアの発言

 

私はいつ結婚出来るのだ、我が子の様に扱った子が交際だの結婚だの言って居ると言うのにどうして…。

 

———ロキの発言

 

ウチは認めんわ!?どうしてウチと言う国(ファミリア)の中でハーレム王国(ライトハーレム)の王(ライト)が誕生するのを指を咥えてみんといけんのやあああ

 

 

結局は昼頃から初めて夕食はティオネとティオナが運んで来れて、24時に成ってしまいフィンが俺に振ったので、俺は誰かが泣いて誰かが笑うなら誰とも結婚しないと言うと。

 

気が付けが全員が頷き、俺の前で結婚して下さいと言いに来るとアイズはそれを無視して抱きついて来て、混沌がこれ以上長引くんならライトへの恋愛禁止を出すとリヴェリアが言うとみんな涙目に…。

 

「はい…宜しくお願いします」

「「「「はい」」」」

「私が…1番」

 

ロキがリューさんにアストレア様を呼ぶから話をしろとの事、安全はロキが保証すると言い場所は俺がロキに教えた。

 

 

翌日の朝

 

俺はステータス更新をロキに頼んで行うと、案の定変なスキルが発現していて、俺は引き吊った顔でため息を吐く。

 

 


 

 

ライト・フォン・セイント(12)

Lv5ヒューマン

 

力:G276

耐:H109

器:E482

敏:F345

魔:EX----

魔眼:SSS

武士:D

神秘:S

耐異常:E

刀身:F

神性:C(NEW)

 

 

《魔法》

 

【想いの業】

『地獄の炎』装備付与のみ、力高補正

『栄光の幸福』身体付与のみ、敏超補正・認識阻害

『夜の誘い』影に潜む・潜む時間はレベル依存

『時の門』時間停止の収納を使用

※神・精霊なども収納可能

 

【】

【】

《スキル》

 

【英雄の神秘】

・早熟

・守りたい者の多さや想いに寄って効果は上昇

・運命分岐に関係をする

 

【心の枷】

・己の恨みを束縛

・恐怖剥奪、精神干渉不可

・自身の生命への執着が薄くなる

 

【聖麗】

・笑顔によって相手の精神回復率が上昇

・異性に対してのみ適応

・笑顔の質で効果は上昇

・相手の好感度で相乗効果が起きる

 

【無限の牢獄】

・神は術者に己の力を吸われて行く

・神性(昇華)が高まると権能を全て奪う

王権・豊穣・土星(イシュタル)

 

【想いの連鎖】(NEW)

・好意を持つ者が集まる事で全アビリティ上昇

・好意が好意を生む

※魅了では無い為に影響は個人差

・絆が深まる程に効果は上昇

※全員と良好でなければ効果は無い

 

 


 

 

俺は今どれぐらい人なんだろうか?もしかしてもう違うのか…。まあいいか護れる力が増えるなら、喜んで神にも悪魔にも成ってやるよ。

 

 

翌日にはベートが喧嘩売って来て、アイズに腹パンされて心が泣いていた、ベートも風呂場で話して以来は少し変わって来ていた、俺には言い方が悪いがアイズが原因なのは、一目瞭然であった為に仕方ないだろう。

 

朝食が済むとランクアップの身体を微調整の為に、下層で暴れるつもりで準備をしていると、門の辺りが騒々しいのだがアキさんが走ってこちらに来るのだが、どうやら俺にフェルズから手紙らしい。

 

神聖文字で書かれた手紙にはどうやらギルドでも、一部しか知らない内容の様だから直接話すから、戦闘の準備を済ませて5階層のD区画に急いで来てくれとの事だった。

 

 

俺は装備を最新の物で揃えて、最近新しくゴブニュで打って貰った刀【蓮華】(レンゲ)も腰に差す。丈の長いコートで母のローブのリメイク品で黒に金の刺繍、黒くて膝下まで有るブーツに白いパンツをブーツインして、紫桜の染物で作ったシャツを着て拳銃用ホルスターの様な投擲ナイフが左右対称に全8本装備している。

 

 

【栄光の幸福】を展開すると屋根を走り、白亜のバベルを目指す。そのまま冒険者を無視して壁を走り1階層まで行く、途中フェルズの気配を目に写すが話し掛けてしまうと、隠密行動の意味が無いので素通りして行くと待つ事数分でフェルズがやって来た。

 

「先程は驚かされましたよ…。よもや壁を走って居る人間が居るなんて思わないですから」

 

「普通は気が付かないから良いんだよ」

「では早速ですが、緊急冒険者依頼です…」

 

 

内容はどうやら10数年前にギルドは、知性と理性の有るモンスターを見つけて秘匿し、ダンジョン内での生活を支援しているらしい。そのモンスターを【異端児】(ゼノス)と呼んでいるらしいのだが、ダンジョン内で闇派閥らしき集団に追い回されて居るらしい、それらを排除と調査が依頼らしい。

 

俺はそれを受けると赤い布を腕に巻かれて、何か聞くと目印に使うとの事だった、ゼノスには腕に赤いバンダナを巻く者が協力者だと伝えると言っていた。

 

 

救援の要請があったのは27階層でリザードマンがリーダーでリドと言う情報を得ている。俺は魔眼で情報をどんどん取り寄せ探し出す。今は30層にある岩陰で奇襲を掛けるらしく、闇派閥の団員を追う様に通常モンスターのブラッド・サウルスが迫るそれを利用する腹積もりな様だ…。

 

俺は後方から【栄光の幸福】【地獄の炎】を使いブラットサウルスと後方の顔まで隠す怪しい集団を、横一閃で地獄の炎を飛ばす。

 

レベルが低い奴らはそれで炎に巻かれて行くが、残りは3名ではあるが俺は横一閃を行った時点で【夜の誘い】を発動して隠れている。

 

相手の情報だがイケロスファミリアとタナトスファミリアの団員である、流行る気持ちを押さえ機を狙う。

 

Lv5

イケロスファミリア団長

【暴蛮者】(ヘイザー)ディクス・ペルディクス

煙水晶のゴーグルをした

左眼が赤い屈強そうなヒューマン

 

Lv4

タナトスファミリア

【殺帝】(アラクニア)ヴァレッタ・グレーデ

桜色の髪に細身の女だが猟奇的な笑みを浮かべてる

 

Lv3

タナトスファミリア

【存在無】(ノーネスト)アグニ・ベリア

黒髪黒眼の長身の女で無表情

 

 

闇派閥の団員を狩る為に潜む、ゼノスに迫る刃をリドと思われるリザードマンが弾く、ゴーグル男が魔力を込める。

 

俺はその瞬間に投擲ナイフを投げて3人を狙う、長身の女を収納して闇に紛れる。

 

「フォベートール・ダイダロス」

 

ゴーグル男が魔法を使うと2人は逃走を図る、追いかけ様とするがゼノスが同士討ちを始めたので、全員の首の裏に手刀を打つ全員を収納してから俺は【栄光の幸福】で追い掛ける。

 

位置は分かって居るので見つからない距離を追う事に、18階層で奴らは見えない場所でダンジョン内から消えた。

その場所に行くと分からない様に施して有るが、魔眼が有ればそれぐらい普通に分かる、今回は情報が少ないので撤退するが必ず闇派閥を消してやると再度自分に誓う。

 

 



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6話 邂逅

———【異端児】(ゼノス)との邂逅

 

俺は【万神殿】(パンテオン)に向かいエイナにロイマンを呼ぶ様に言うと、直ぐにロイマンは俺を立入禁止エリアに連れて行く。

 

「久しぶりだなウラノス」

「そうだの随分大きくなったものだ」

 

俺は確かにこの2年で身長は173Cは有るが、細身で女に間違えられるのは今も同じだ、レベルも今では1級冒険者となり簡単に負けるつもりは毛程も無い。

 

「それでゼノス達は?」

「俺の魔法に退避させて居る」

「それで交信が出来ないのかな」

「フェルズの言う通りだ」

「闇派閥はどうじゃった」

 

「8名の内5名は死んだが1名は捕縛、2名の情報は提出書類に書くよ」

 

「捕縛した者はどの様な状態なんだ?」

 

「ナイフが足に刺さって居るが命に別状は無い、ただ魔法から出すと自害する恐れが高い、俺の知る内容ではタナトスファミリアLv3で【存在無】(ノーネスト)アグニ・ベリアと言う名前で長身で黒髪黒眼の女、中堅層の団員だな。

 

後は18階層に奴らが根城にする秘密の通路が有る様だな、最硬製錬金属の壁で破壊は難しい、こっからは俺の調査だが他にはメレンの海底の大穴とダイダロス通りの何処かに、恐らく同じ扉が有るのだろう」

 

「お主の情報は驚くの」

「だが攻めるには戦力が乏しい」

 

「ここからも俺の情報だがヘルメス様に、大神ゼウスに義孫を『最後の英雄』の者を13歳半で早く送り出せと伝えて来れ」

 

「最後の英雄だと」

「ああ、ゼウス神はそう思っている」

「お主は何処までも神物寄りの人間じゃの」

「ヘルメス様など俺からしたら赤子です」

「この手紙も一緒に願います」

「見ても構わんか?」

「言いましょうか?」

「頼む」

 

「大神ゼウスへ

 

人は神の道具に非ず己が慢心を悔いろ

孫に真実を話さないのは百歩譲ってい

いとして、死を偽装する前に何故今鍛

え無い…。文句があるなら手紙を出せ

【聖麗】の息子

ライト・フォン・セイント」

 

「はっははは!お主は神に成れるの」

「そうか?まあ、神友は多いからな」

【神会】(デナトゥス)に出てみんか」

「面白いならいいが?司会をしようか?」

「なら、手配するとしよう」

「ん、了解」

「フェルズ、後は任せるぞ」

 

俺達は祈祷の間から出ると、フェルズと話をしてゼノス達に少しだけ外を見せてから戻すと伝えると、是非頼むと言われて今回の報酬にとノームの貸金庫で3番目に大きな鍵を渡され、通信用の魔導具も一緒に手渡された「貴方は信頼出来る人物だ」と言われて俺は「アンタは世の中で唯一の信頼出来る骸骨だよ」と伝える。

 

 

俺はギルドを出て【豊饒の女主人】で昼食様に持ち帰り30人前を用意して貰える様に頼んで、カウンターに腰掛けるとシルさんが近寄って来るので、どうぞと言い飲み物を頼んだ。

 

「こんにちわライトさん」ニコ

「お母様ソックリですね」

「なっ何を…」

「豊饒の女主人」

「はぁ〜誰も知りませんよ」

「言いませんから」

「ありがとうございます」

「それでお話しは?」

「ええ、リューの事お願いします」

「ああ…分かったよ」

「ではこれ以上一緒だと怒られそうで」

 

ミアさんは厨房だから…。暖簾の向こうでこちらをチラ見する尖った耳が見える、そう言う事かと思い「そうだな」と言うとシルは厨房の手伝いに中に戻って行く。

 

少しだけ落ち着いて来たので、リューさんが側に来ると「手を少しだけ握って下さい」そう言うので握って笑い掛けると、今までで1番良い笑顔が返って来た。

 

ありがとうございますと言い、手を胸元に引き寄せて去って行くとシルさんに「良かったね」と言われて頷いて居た。あれリューさんってあんな可愛い感じだっけ?

 

「はいよ!お待ちどうさん」

「ありがとうございます」

「アンタは大物に成るだろうさ」

「小物で良いですよ護れさえするなら」

「アンタは本当に良い男だね」

「間に合ってます」

 

そう言って笑うと背中を「バシーンッ」と叩かれてあっ耐久値が上がるなとか考えて居ると「生意気言ってんじゃないよ」そう言われて俺はまた来ますと言いリューさんに手を挙げると、胸元で小さく手を振り返す。

 

「あんなリューは初めてだよ」

 

その声を背に俺は屋根を伝って外壁を飛び越え、【栄光の幸福】を唱えセオロの密林に向かう。

 

着くのに15分程掛かると、これでも50K有るんだし早いか、そう思いながら俺は彼等を【時の門】から出してあげると、全員の頬を叩いて起こすと混乱して身構える者ばかりだった。

 

「起きたかな?」

「ここはどこだ?」

 

「お前がリド か?俺はフェルズから聞いてるか知らないが、冒険者のライト・フォン・セイントって言うんだが、ここはダンジョンの有る迷宮都市オラリオから東に50K有る、セオロの密林って場所だよ」

 

「「「「「外なの(か)」」」」

「ああ、帰る前に見せたくてな」

「「「これが空」」」「「これが太陽」」

 

感動して泣き出す者や嬉しさで惚ける者、みんなそれぞれで思う所があるだろうから俺が周りを警戒する。

 

「周囲に人は居ないが一応何かあれば、また魔法で俺がお前らを回収するからな?」

 

「ありがとう」

「気にするな、気まぐれだ」

「今度は別の仲間も連れて来てやるよ」

「「「「感謝(する)(します)」」」」

「昼飯用意してるから食えよ」

 

俺は収納からどれだけ食うか分からないから、30人前を6人に対し出そうとすると、多過ぎと途中で言われどれだけ食べるか知らないからなと、伝えると確かに我々も人間がどれだけ食べるかを知らないと言う話になって、結局は同じくらいの体格だと変わらない様だ。

 

「それとライっち?俺達が怖く無いのか?」

「ん?何で…」

「モンスターだろ?」

「俺達はお前らからしたらモンスターだろ」

「まあ、見方に寄るがそうだな」

 

「そう言う事だよ、俺の中でモンスターって言うのは、理性を欠いてただ本能的に相手を傷つけそれを楽しむ奴だよ。だからお前達の種族の数に比べたら、俺達人類は本当にモンスターが多いよ」

 

「凄い考えだが正論だな」

 

「本能で傷付けるのは動物、それを楽しむのはモンスターだ」

 

「その考えが出来るライっちは凄いなぁ〜」

 

「これでも俺は人類で1番賢いと自負するからな」

 

少しゆっくり寛ぎ数名は木の上に登って、森を一緒に少し歩いてから【時の門】を使うと感謝を再度されてダンジョンに向かった。20階層のとある一角で周囲を確かめてから、彼等を出して解散する時にまた会おうと言い握手してからその場を離れる。

 

 

俺は20階層から18階層へ到着すると少し考え事が有り、中央水晶の下で腰掛けた。

 

———『最後の英雄』

 

ゼウスの事を知ったのは偶然だった、ヘルメス様の事を調べて居るとゼウスの名が出て来た。

 

過去に三大クエストの最後『黒龍』討伐に敗れ壊滅状態だったと聞く、ここは有名だがその後オラリオで責任を取らされ2大派閥だったヘラ・ゼウスは追放された。

 

追放されたゼウス達がどこに居るか、考え無かったな大神ゼウスと言われるぐらいの神物だ、タダで転ぶ訳無いだろう…そこで「最後の英雄」足り得る者を見つける。

 

純粋さと真っ直ぐなその心を小さな子供に、英雄譚を聞かせ純粋な少年はゼウスに寄って、英雄に憧れる純粋でどこまでも優しい少年が出来上がる。

 

ゼウスの死の偽装は最後に必要何だな、彼に失う辛さ守れない己の弱さで現実を知る。彼が取る行動は純粋で真っ直ぐである、答えは憧れの英雄になる為に迷宮都市オラリオに行く。

 

大神ゼウスならぬ大罪ゼウスはこうして、人の根幹である部分に神の力を使わずに介入した。小さな少年の背中に己の責任と言う罪を背負わせて、でも少年は感謝するだろう育ててくれてありがとうと。

 

俺の魔眼がハッキリそう言う、内面を取り払えば親が居ない子を育てると偶然にも、英雄への道へと進むと言う正に神界最新英雄譚の完成だろう。彼はそれが出来る真っ直ぐさが存在する、弱いのは自分が悪い…なら頑張るしか無い、それを貫き通す事が出来る人間、それはもう才能と言っていいレベルだろう。

 

人を惹きつける輝きで正道の英雄、俺はお前の運命すら飲み込んでやるよ、英雄何て居なくてもいい守れる力を手に入れて、守りたい者を全力で守ってやる。それが最後の英雄で有ろうと守る為に力を借りてでも、運命を引寄せてやろう。

 

 

———|『闇派閥』《イヴィルス

 

彼等の望みそれは『迷宮都市オラリオの終末』それが成し得てしまう事は、世界の混沌が訪れると言う事だ。

 

1000年より前の時代の再来を渇望していて、確かにその時代は人同士の争いではなく、モンスターとの生存を賭けた戦いを繰り広げて居たが、今の時代よりも明らかに人類の統率力は低下している。

 

下手をすれば人類が絶滅する未来もあり得る

 

必ず止めてやる為に他に必要な事を考えていると、遭遇したゴーグル男には兄がいるらしい、その兄は俺と同じ神秘の発展アビリティ持ちで【呪術士】(へクサー)で不治の傷を作る武器を作り出して居ると言う事だが、これは本当に危険な代物だ…。

 

 

俺はこの武器の情報を紙に書き出して行く、対策はディアンケヒトファミリアの団員【戦場の聖女】(デア・セイント)に秘薬の製造依頼をする必要が有る。

 

必要な材料に調合法など全て書き記すと、ギルドでロイマンにフェルズ宛の手紙と製法、これらを早急に備蓄する様に指示をする。

 

 

 

———守る事への重圧

 

俺は神に近付いて居ても所詮は人間、神でも悪魔にでもなるがそんなに容易く無い、この世界には精霊は居て……

 

『クロッゾ一族は精霊の血を受けて力を得た』精霊に力を借りられないか、場所はオラリオから西に100K程行った場所に、火山が有るがその火口近くにある…『ヒヒイロカネ』の鉱石の側に【火精霊】(サラマンダー)が居るのか。

 

性格はお調子者で有るが寂しがり屋か、力を貸して来れる『肯定、精霊はモンスターを恐れる為にオラリオの終末は不本意』そうかなら駄目もとで試すか。

 

 

俺は火精霊の護符がある手袋など全身分購入した、これでもヤバイだろうなぁ〜火山の火口付近だから有り得ない温度だろう、最悪装備なら【地獄の炎】を纏うかな。

 

もうすぐ3時か夕飯には間に合わないかも知れない、また怒られるのかよと心で愚痴って見るが、急いで帰れる様に俺は|【栄光の幸福】を高出力で展開すると、人間を辞めた気分になる程に光のオーラが全身を纏い駆け出す。

 

 

無事に23分で辿り着くと火口を覗き見る、そこは正に人が想像する地獄絵図の様相で、淵から落ちた石が溶岩に落下すると、石が燃えて沈んで行く。

 

五感をどんどん上げて行くと暑さで目眩が起きるが耐える、微かに聞こえる歌声を音の反響で位置を特定する。

 

そこを目指し跳躍で溶岩の上にある…。溶岩の上を走れるんだけど熱伝道より速く動くからか『足を実際は触れて居ない、光は基本的に一直線に進む為に空を翔ける事も可能』今更だな。

 

ヒヒイロカネらしき岩の上には真紅の髪の超絶美少女を発見した。

 

俺が迫って来るのには気付いて居ないのか歌を唄い続ける、俺が目の前に急に出現してたので、驚いてしまい仰け反って落下しそうになる手を取った。

 

「ごめん熱いから上で話せない?」

「え!?あっはい」

「少し我慢して」

 

俺はそう言うと、彼女をお姫様抱っこをし速度を抑えて上に出る事に、状況を分かって居ない彼女は未だに驚いた顔のままである。

 

「ごめん急に現れてさ」

「あっうんん……人………だよね?」

「そのさ、凄く間が有ったのは何?」

「ごめん!神かなって一瞬思って」

「何で?」『神性が高い』

「雰囲気がかな?」

 

俺は自己紹介の前にどうして来たのかを簡潔に説明した、こんな人間の問題を彼女達精霊に頼るのは、間違ってるかも知れないけれどそれでも同じ星で生きて居る。

 

「それで俺は自分の手の中にある存在を、守りたいそう思って君に会いに来た……血を分けて貰うのに対価がいるのなら言って欲しい、俺は守る為なら神にでも悪魔にでもなるつもりで来たから、俺に可能な物なら差し出すよ」

 

「ならさ…一つになって欲しい……私は、もう1人で居たくないの」

 

「俺は君を1人にはしないよ、こっちにおいで…」

 

俺は彼女の手を取り引寄せ頭を撫でると、彼女は今までの精生(人生)を涙声で話し始めた、彼女の想いが俺の肩を焔で焼いて行く。

 

「私の名前は火精霊ピュラリス…貴方の名前は?」

 

「俺の名前はライト・フォン・セイントだ宜しくな!ピュラリス」

 

「ライトと共に生きて行くよ…貴方が消える時は一緒だよ」

 

「ああ、君を1人にしないから安心してくれピュラリス」

 

彼女は俺の顔を両手で包み込んだ、瞼を閉じた彼女の顔が近付くと唇を触れさせる、俺はその瞬間に喉と肺が焼ける感覚に襲われる。全身を焔が巡り生きたまま火炙りされてる様だ。

 

俺は気を失って居たのか辺りを見渡すが、ピュラリスはもう居ないけれど彼女の温もりを感じる。

 

(ピュラリスこれからは一緒だよ)

(ええ一緒)

 

彼女の優しい声が耳元で聞こえて来る、視界に写った俺の神の毛先が真紅に染まっている、他に変化が無いかを見た目で判断して行くと、肘から肩を通り鎖骨付近で折り返す様に心臓に向かう、焔を彷彿させる模様が右半身に刻まれている。

 

俺は魔眼にヒヒイロカネを持ち帰って大丈夫か確認すると、問題無いみたいなので火口に降りて感じたのは暖かいだった…俺本当に人では無いなと思ってしまう。

 

ヒヒイロカネに手を当て収納をすると、かなり大きな穴がそこに出来てしまうと、溶岩は穴に向かって流れて行くその様を側で見ていると、異常に落ち着くのでこれは彼女の影響だろうか。

 

 

 

俺が帰る頃には陽が沈み、ギリギリ夕飯の直前で「セーフ」とか思って普通に席に着くが、みんな目を見開いてこちらを見て来る。

 

「どうした?何か有ったか?」

「どうしたのよそれ?」

「???」

「髪とか…後、貴方…男よね?」

 

髪は確かにと思ったが、今更なのに男かを確認されるなど失礼極まりない、胸元も股も確認したが男であるのだが、分からないので首を傾げて聞いてみようとすると。

 

「何んなんや〜首傾げで「グッ」と来るんはアイズたんだけやと思っとったのに、ウチもうあかん病気やぁ〜」

 

「嫌、女が男に「グッ」と来る何て、正常以外の何でも無いだろ?」

 

「凄い〜ねえティオネ綺麗だよねぇ」

「悔しいけれどそうね」

「嫌変わらんだろ?」

「あんた本気で言てるなら刺されるわ、女に」

「誰か鏡無いか?」

「あの…私、持って…ます」

 

なぜかレフィーヤが会った当初の様なよそよそしい態度だが、手鏡を借りて俺は自分の顔を見る…。

 

元々線は細かったがピュラリスを連想させる顔付きと、まつ毛も真紅色で化粧してるみたいな見た目で、肌が綺麗になって眼の色が青い灰色だったのが、瞳孔は紅く眼の色が筋の様に赤色が混じり淵は完全に紅だった。

 

なぜ『火精霊の特質は、熱量・力・再生』はい再生ですね、でもこの雰囲気ピュラリスだよね『肯定』一歩間違えば女『可能』えっ!

 

「はあああああああ!?」

 

夕飯はロキの執務室に持って幹部全員と、レフィーヤに俺と言う状況で摂っている。勿論どうしてこうなったのか話す為で、レフィーヤは俺が女性ぽいのが嬉しいのか目が輝いている、アイズは心配なのかくっ付いて離れない。

 

「んで?何を今度はやったんや?」

「何だ俺が何時も何かしてる様な言い方」

「イヤ!?してるやろ」

 

「「「「「そう(だね)(ね)(だよ)(じゃの)(だな)」」」」」

 

「それで何が有ったのかな?」

「そうね」「そうだね」

「キリキリ吐きいやぁ」

「精霊と融合?」

「「「「「は?」」」」

「精霊と融合?」

 

 

今日もまた混沌とした会議が行われ、俺は1人にするのは危険と判断して必ず誰かと一緒に行動する事だそうだ。俺は一旦ステータス更新を行うと言う事で、上着を脱ごうとする

 

「あっごめん」

 

なぜか男性であるフィンが謝って来て、何とも言えない複雑な気持ちで心は涙した。俺が脱ぐとアイズが近寄って模様を触る。

 

「凄く綺麗…だね」

「ああ、ピュラリスの模様は綺麗だ」

「ピュラリス?」

「精霊の子の名前だよ」

 

ピシッと空気に音は鳴らないが、アイズは固まり動くと何も言わずに出て行く、少ししたら悲鳴と共に春姫が涙目で連れて来られる。

アイズは春姫に俺が余所の女の子とずっと一緒だったと言うと、春姫はもう私は必要無いですか何て、涙目で聞かれてきちんと説目をすると、一応は理解したが納得はして居ないと顔に書いてある。

 

結局はうつ伏せ時は手を握り一緒にずっと付いて回る事になった。かなり疲れたが女性に成れるとか正直想像出来ない。先程のステータス更新では魔法が増えて発展アビリティも増えて居た。

 

 


 

 

ライト・フォン・セイント(14)

Lv5ヒューマン?

 

力:G276>E461

耐:H109>F385

器:E482>C688

敏:F345>D523

魔:EX----

魔眼:SSS

武士:D>C

神秘:S

耐異常:E>D

刀身:F>E

神性:C>B

再生:SSS(NEW)

 

《魔法》

 

【想いの業】

『地獄の炎』装備付与のみ、力高補正

『栄光の幸福』身体付与のみ、敏超補正・認識阻害

『夜の誘い』影に潜む・潜む時間はレベル依存

『時の門』時間停止の収納を使用

※神・精霊なども収納可能

 

【焔の息吹】(イグニートアニマ)(NEW)

・付与魔法

・温度を自由に操れる

・焔の形は意思通りに動かせる

 

【】

《スキル》

 

【英雄の神秘】

・早熟

・守りたい者の多さや想いに寄って効果は上昇

・運命分岐に関係をする

 

【心の枷】

・己の恨みを束縛

・恐怖剥奪、精神干渉不可

・自身の生命への執着が薄くなる

 

【聖麗】

・笑顔によって相手の精神回復率が上昇

・異性に対してのみ適応

・笑顔の質で効果は上昇

・相手の好感度で相乗効果が起きる

 

【無限の牢獄】

・神は術者に己の力を吸われて行く

・神性(昇華)が高まると権能を全て奪う

王権・豊穣・土星(イシュタル)

 

【想いの連鎖】(NEW)

・好意を持つ者が集まる事で全アビリティ上昇

・好意が好意を生む

※魅了では無い為に影響は個人差

・絆が深まる程に効果は上昇

※全員と良好でなければ効果は無い

 

 


 

 

翌日の朝

 

俺は何時もの様に起きてから、着替えるそれが済むとアイズを起こすと言う日常の風景、俺が居なくなって寒くなった為か布団の中で丸まって居る。俺のベットに猫が居るみたいだな。

 

起きて髪を結ってから顔を洗い、昨日男湯に入った時の事を思い出していた、男性団員がそそくさと出て行くのを見て、昨日のステータス更新のフィンと同じで泣きそうになった。

 

アイズの準備が済むまでは1人でストレッチから始める、身体の柔らかさはアビリティに載らないし、【神の恩恵】(ファルナ)は結構いい加減である。

 

前世には当たり前に有った健康志向とか理論は、この世界には無いのだが仕方ないのかも知れない、魔法などと言う摩訶不思議が存在しているのだからな。

 

医神や薬神などが居るのに人間の未知の物が多い、医術が魔法で解決するからだろうかな、病気の範囲も気にはなる『病気の殆どは延命として恩恵を授ける場合が多い』そうか中世だな知識がないのを恥ずかしく無いのだろうか?

 

気が付くとアイズは俺が何時もしてるストレッチを、言われた通りに行なっている。柔らかさは大きなアドバンテージに成るので、小さな頃からやって居る事だが皆に教えると興味深々だった。

 

ロープの上での模擬戦は最早2人共に達人の域で、どんなに動いても落ちる事も見る事も無い。このロープは毎日張り替え位置を変えるのだが、今では時間をずらして先にベートが使うのでいつも任せているのだ、最初はコッソリ見て俺達の動きが良くなって居るのが気になった様で、気が付くとやり始めて居た。

 

瞑想をついでとばかりに教えると何も言わずに聞き、自分自身で考えてやり続けている、彼は強く成る事には正直な人だとうっかり笑ってしまうと、回し蹴りが飛んで来て大変な思いをした。

 

 

 

最近は俺が合気道の技でガレスを捌く姿を見て、教えを請いに来たのには正直驚いた。アイズはかなり俺色に染まりお互いに目を閉じ、途中型を変える瞬間を言うと互いに動きが分かる。

 

一度幹部の前でやるとティオナに大道芸だと言われ、ティオナにも同じ事をやらせてコテンパンにすると、ロキ御用達の極東の土下座をして来て、先程の極致は先見の明を手に入れる事だと教える。

 

相手の呼吸に筋肉の動き足の位置に間合い全て把握すると、スペックが1つ上ぐらいではカスリもしない。

 

ティオナには力の勉強と言うより実践型講習をして、ティオネには体幹を鍛え柔軟で止まない剣戟を教えた。

 

レフィーヤにはロープの上でベートに追われながら、乗算の問題を暗算で解かせながら質問を少しずつ間隔を詰めてする。

 

 

Lv4のラウルさん達には練度と指揮の上昇を図る為に、1対6で相手をしてボコボコにしながら無駄を省き、互いにカバー出来るように指揮の気持ちを考えろと言った。

 

Lv1〜3は基礎を教え周囲を見て直感を養う為に、修練場に障害物を大量に置き見えない敵の察知して、対応までの改善を行った。

 

最後にその障害物有りでLv6対Lv5の模擬戦争を行い、指揮の甘さや鍛練への怠惰、更に練度の低さを執拗に突きプライドをズタボロにして行った。

 

速いと思う相手は速さを奪い火力が高いなら攻撃させなければいい、耐久値が高いなら生きられなくすれば良い。耐久値に呼吸は関係無いから周囲から空気を奪うと言う鬼の様な行い。

 

フィンが俺を見ると数日間は顔が引き吊って居たか、俺が生物の欠点である内容をひたすら言い聞かせると、気が付くと対人ファミリアの様に練度が上がり、軍隊ばりの罵声が響くそんな光景を本館から苦笑いを浮かべたロキが見ていた。

 

 


 

あれから半年が過ぎて俺達Lv5の集団はバロールを討伐にやって来た、一応安全を考慮してLv6の3人も一緒で、ラウルさん達がサポーターをして来れている。

 

連携はティオネとベート牽制しながら削る、俺とアイズで遊撃しながら高ダメージを与える。ティオナは相手の力を利用して攻撃兼防御を担当すると言う布陣で行く。

 

 

バロール1体とフォモールが100体は居るが、5人共に背中を守り輪を作って回転しながら進む事で、常に攻撃を行い攻撃は最大の防御を実践して、俺達の止まない攻撃にフォモールでは相手にならない。

 

フォモールが残り3分の1程に成る頃には、バロールが暴れてフォモールごと薙ぎ払って行くので、俺達はその間互いにカバーして回復と休憩を取りながら移動して、バロールの怒りゲージを上げさせる。

 

全員息が整うと最早フォモールが数体だけで、投擲を脳天に見舞い終わらせる。全員で取り決めた役割を行い俺達はバロールと死闘を繰り広げる、ティオナの消耗が激しいので時たま俺が捌いて回復させる。

 

最終局面は全員総攻撃でどこに攻撃して来ても、それを捌ける技術はある為にここで決めに行く、勿論倒し切れなければ誰かがかなりダメージを受ける。

 

【栄光の幸福】【焔の息吹】で流れ星の様に炎が尾を引き、アイズはエアリエルを展開すると残り3名は両手両足を行動不能まで追いやって居た、バロールの周りを2人で回ると炎の竜巻の様になりる。

 

アイズは逃げる様に上昇しながらバロールを斬り付けてリルラファーガを上昇気流を生みながら深く斬り上げる。

 

俺はその風を追う様に刀を差し込み炎を流し込むと肉が焼ける匂いがする「グオオオオ」バロールの咆哮が内部から聞こえるが、俺はもっと魔力を上げて火柱の様な竜巻が完成する。

 

落下して来るアイズを回収してみんなの元で回復を行う、天井部分は溶岩に成りボトボトと落ちて来る、火が消えてそこには魔石とドロップアイテムのみが残って居た。

 

「やった〜勝ったよぉ〜」

「帰ってお風呂に入りたいわ」

「気を抜くんじゃねえ!バカゾネス」

「良いじゃん少しだけだし、フィン達居るし」

「フィン、帰ろうか?」

「お疲れ様、本当に強くなったね」

「そうだな火力ではお前には敵わんよ」

「俺は遠距離向いて無いから」

「互いに向き不向きがじゃの」

「では帰ろうか」

 

俺達はラウルさん達とサポーターを代わり、魔石回収を行なって上を目指す。少人数で移動は速いが往復すると1泊は確実に成るので、途中面倒で全員収納してから上に一気に魔法で上がったが、ロキに恩恵が消えて凄く心配したと怒られた。

 

 

今回のプチ遠征ではLv5のメンバーは全員Lv6に上がって、次回はLv4メンバープラスレフィーヤでウダイオス を倒しに行く。

 

今回は発展アビリティが普通の物では有ったが、ロキは大喜びでいたので理由を聞くと、魔導書が作れるらしいからだとか。

 

 


 

 

ライト・フォン・セイント(14)

Lv5ヒューマン>>up>>Lv6

 

力:B785>S926

耐:C642>A812

器:S974>SS1168

敏:S913>SS1045

魔:EX----

魔眼:SSS

武士:C>B

神秘:S

耐異常:D

刀身:E>D

神性:B>A

再生:SSS

魔導:G(NEW)

 

《魔法》

 

【想いの業】

『地獄の炎』装備付与のみ、力高補正

『栄光の幸福』身体付与のみ、敏超補正・認識阻害

『夜の誘い』影に潜む・潜む時間はレベル依存

『時の門』時間停止の収納を使用

※神・精霊なども収納可能

 

【焔の息吹】(イグニートアニマ)

・付与魔法

・温度を自由に操れる

・焔の形は意思通りに動かせる

 

【】

《スキル》

 

【英雄の神秘】

・早熟

・守りたい者の多さや想いに寄って効果は上昇

・運命分岐に関係をする

 

【心の枷】

・己の恨みを束縛

・恐怖剥奪、精神干渉不可

・自身の生命への執着が薄くなる

 

【聖麗】

・笑顔によって相手の精神回復率が上昇

・異性に対してのみ適応

・笑顔の質で効果は上昇

・相手の好感度で相乗効果が起きる

 

【無限の牢獄】

・神は術者に己の力を吸われて行く

・神性(昇華)が高まると権能を全て奪う

王権・豊穣・土星(イシュタル)

 

【想いの連鎖】

・好意を持つ者が集まる事で全アビリティ上昇

・好意が好意を生む

※魅了では無い為に影響は個人差

・絆が深まる程に効果は上昇

※全員と良好でなければ効果は無い

 

 


 

 

この日アイズはホクホク顔でじゃが丸くんを食べて居て、夜は嬉しいのかやたらと頭撫でを要求されて寝付くまで撫で続ける事に成った。

 

 



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7話 屋敷と太陽神

俺はフェルズから受け取ったノームの貸金庫用の鍵を持って、貸金庫に向かって居るが、3番目に大きいって言うのは知っているがどれぐらいなのだろうか?

 

今の収納内は結構充実しているのだ、それも旅に出て2ヶ月目の時に一度自分の町に母が好きだった花と、父が好きなお酒を持って行こうと寄ったら、未だに誰も町に住んで居なくて全てそのままだった。

 

実家のお墓をきちんとした石碑を手作りして、花とお酒を備えてから家の中に入って、残りの物を全て収納して行った。母の好きな本や父の秘蔵の煙草など、思い出の品も全て確認して収納した。

 

 

ここまでは所持金と金品だけで恐らく現金7億ヴァリスと、宝石が大小有っておおよそ2億相当で魔導具は15点程、残っていた重くて運べない物(武器・鉱石・ドロップアイテム)それら全て回収して、書庫の隠し部屋の母の装備品全てを回収してから、地下室の物に手を付けたのだが…。

 

地下室の奥の部屋に銀の短剣を差し込む場所がある事に気が付き、俺は刺してレバーの様に下げた。

 

そのまだ奥に部屋がありそこは金庫だった、お店の売上や母の冒険者時代の財産がそこにはあった、お金より持って来やすい宝石類が傷が入らない様に梱包したまま置いてあった…。

 

全てを収納してから自分の部屋で寝たが、母の手帳を見て俺はこの町を離れてから始めて泣いた。

 

あそこに有った母の財産は自分の魔導具製作者(マジックメイカー)としての才能で未来に産まれて来る子供(オレ)の為に、頑張って溜め込んでいたものだ。

 

俺は母の愛を感じ手帳を抱きしめ泣き疲れると眠っていた、翌朝になって俺は将来家を知らない奴に荒らされるのが嫌で、家ごと収納をしたのだが当時は今の様に魔力も無いので、魔力が枯渇して安全の為に馬車に乗り方向だけ伝えて眠った。

 

 

———ノームの貸金庫

 

大きさは8畳程の金庫を開けて中身にドン引きである、大量の魔法石に宝石に魔導具と目算では有るがヴァリスは5億程あり、魔導書は3冊あるのだが俺は、恐らく資産は30億ぐらい持っている事になる。

 

個人で家に住もうかと思ってしまう程に、お金の使い道が分からないのだがどうしよう。鍵をノームのおじさんに渡しその場を離れると、途中でレフィーヤに捕まった。

 

「捜しましたよ!独り行動禁止です」

「そう言えばそうだったな」

「どこ行ってたんですか?」

「ノームの貸金庫」

「何しにですか?何か預けたんですか?」

「クエスト報酬を受け取りに」

「ん?そんなに有ったんですか?」

「ああ、目算で現金5億かな?」

「え!?」

「俺は別にお金には困って無いんだがな」

「……えええええええ」

「どうした?」

 

俺は急に叫び出すから何が有ったか聞くと、さっきのお金の件だったらしいが、時間差あり過ぎだと言うと恥ずかしそうにするから何でだと思うと、どうやら貯金は最高で500万ヴァリスらしく、杖はファミリア購入なのだとかで、金額の大きさにビックリし過ぎたらしい。

 

「家でも買って住めたらいいんだけどな」

 

「そうですね、ファミリアで住むのが決まりみたいな感じですもんね」

 

「やっぱりそうなのか?」

「聞いて見ますか?」

「今から聞きに行くか」

 

その後は早朝ダンジョンの帰りのリリに会うと、撫でて欲しそうで撫でると先程の話になって早く行こうと手をグイグイ引っ張る。

 

門の所でウロウロするリューさんが居てどうしたか聞くと、どうやら今日は休みらしくシルさんが会いに行って来いだとか、そのまま黄昏の館に入って行くと、春姫を見つけアイズに捕まり結局全員集合に成った。

 

「んで?家の件やて?」

「そうだがやっぱりダメだよな」

「そんな決まりはないで?」

 

「良いのかよ?接する機会が減るし、ファミリアとの関係性が気薄に成るとかな」

 

「ライたん基本この子らとばっかりやん?」

「まあ確かにそうだが」

「それに近くに住んだらええやん?」

 

「なら家を見つけるけどやっぱ無しとかは無理だぞ?いいか?」

 

「んん…まあええんちゃう?」

「相変わらず適当だな?」

「定期的には会いに行くからかまへんて」

「偶にだぞ?」

「はいはい分かったちゅうに」

 

俺達は10人ぐらい住める家を探す事にして、全員でギルドに向かう事にした、エイナがメンバーを見て畏るが気にするなと言うが、そんなの無理ですって言われた。

 

「さっき言った内容の家ってあるか?」

「普通無いですよ?10人住める家何て」

「やっぱりファミリア様の物件に成るか?」

「ええ!まあ個人ですから税金は半額ですが」

「何か問題か?」

「皆さんは…恋人ですか?」

「うん……そう、だよ?」

「違います!婚約してます」

 

アイズの返事をリリの爆弾でギルドは大騒ぎ、物件は個室で探す事になったが最初からそうして欲しかった。

 

候補は2件で1件が元アストレアファミリアの物件、リュー的には他の人に買われるくらいならと言うが…。

 

もう一軒が本命で庭が真ん中でロの字の変わった造りだが、オラリオの密集した中で、人目を気にせず居られるなら良いかと思った。

 

実際に見れるとの事で見に行く事になって、外観はいい感じで周囲の柵は高めで中を覗けない作り、塀もしっかりした白を基調とした石の塀で、門は大きめの馬車が通れるとからしいがファミリア用だよ?

 

入って直ぐは馬車が通れる幅の石張りの道で屋敷に向かって一直線で、噴水を中心に石張りの道が一周している。緑が多い庭で前のファミリアはエルフの方ばかりだったらしい。

 

「外観は白亜の宮殿だな…」

「清潔感がありますね」

「私もそう思います」

「うん…いいと、思う」

「リリも外周りは良いですね」

「ライト様が一緒ならどこでも嬉しいです」

 

内部に入るとかなり綺麗な状態だ、キッチンも魔石製品が一通り有るし、上下水も魔石製の設備らしいがお風呂はシャワーしか無く、改装の必要がありそうだ、各部屋は15部屋有るのだが内1部屋は執務室様の作りで1部屋は書庫の作り、1部屋だけ20畳有る部屋が有って他の個室は全部12畳程で、LDK(リビングダイニングキッチン)は35畳のかなりの広さでキッチンはアイランドキッチンで結構大きい。

 

トイレは全部で4箇所で倉庫は15畳も有るし応接室も有って申し分無い上に、ここが1億7千万でとどめに中庭には大木の紫桜が中央に有る

よ言う。

 

「異議は有るか?」

「いえ無いですがお金は?」

「ああ俺お金の使い方に困ってたから」

「私も聞いて驚きましたよ」

「私も……出す?」

 

「嫌、いいよ俺はこの家10個以上は買えるからさ、宝の持ち腐れでさあ〜だから家具も全て買うしさ風呂も改装するからな?」

 

「ライトと…入る」

「いや俺は良いけど」

「「「「////」」」」

 

その後ギルドで購入すると伝えて、一括で払うとギルド職員も目を見開いて居た。契約書を記入しているとアイズが入籍はと聞いて来たので、その勢いで入籍まで済ませるとみんながやたら積極的になり。

ゴブニュファミリアに向かう途中路地裏で、キスをアイズが不意打ちで行ったのが切っ掛けでなし崩しなのか、全員にするのだがリューとレフィーヤがキスをしてからポンコツになった。

 

ゴブニュファミリアに着いて現地を見に来て貰うと、明日から工事で2日は見て余分で1日と言う事で3日で完成させる契約を交わす。

 

皆は直ぐに引っ越したいらしく、アイズのにエアリエルで全部屋のホコリを飛ばす。黄昏の館に行きロキに報告すると見に行きたいらしいので、全員の荷物を回収してから向かった。

 

「すっすごない?誰が出したん?」

「俺だが?」

「そんなに収入あったんか?」

 

「いや…ファミリア入る前から25億は持ってるからな、それにこの前個人でクエスト受けて5億入ったから家買おうってなったんだよ」

 

「「「「は!?」」」」

 

「そのリアクションレフィーヤと同じだからな、クエスト自体初だから相場を知らないんだが多いのか?」

 

「貴方と言う人は、多いとかの次元では無いですよ」

 

「まあウラノスの依頼だからな」

「「「「は!?」」」」

「驚き過ぎだからな」

 

「イヤイヤ普通驚くわ、ライたんはウラノスと知り合いなん?」

 

「まあ、リューの件をキチンとさせるぐらいにはな」

 

「ライたんって大物なん?」

 

「どうだろな?後はフレイアには会ったこと無いが釘は刺してる」

 

「ウチの子は優秀やった…」

 

その後は俺の顔がどの程度通用するか聞かれて、答えられる範囲で答えた。俺が次の【神会】に出ると言うと大騒ぎになり、ロキは楽しみにするらしい。

 

 

各部屋に私物を置くのだが、部屋割りを決めて居ないのでどうするか相談中、1番大きな個室は俺に決定していると言うので、その両サイドは辞めた方がいいと言う意見が出て、なぜか聞くとリリがイチャイチャを聞くのはちょっとと言う。

 

後は役割だが料理は春姫とレフィーヤで、掃除はアイズとリューにしてリリは雑務(予定把握、消耗品確認)俺が買い出しという。

 

防犯面が心配なので何か魔導具を考えて置こう、カメラ的なのとブザーに守衛が居たら良いけど…。麻痺系の防犯付けるかでも耐性持ちだったら困るなぁ〜

 

 

———結婚指輪

 

 

俺達はもう夫婦だがそれらしい事を何もしてやれて居ない、そこで全員がお揃いの指輪を買いに行く事にするとみんな喜んでくれている。出来るなら特別な物がいい。

 

 

魔導具店にやって来て居るのだが、魔導具だと俺が作れる気がしていけない。一応みんなで見て居るが、俺が持つ魔導具の方が凄いものが多い気がする。

 

結果から言うと俺が作る事にした【ヒヒイロカネ】を使い指輪を作る事に決めた、母の手記を頼りに必要な物を用意して、目指すは肩代わり出来る指輪を創る。

 

ヒヒイロカネは魔力注入しながら3500度無いと加工出来ない、世界を探せど俺以外もしかすると加工出来ないのでは?魔法石は紫の濃い色でワインレッドと言うべき色だ、ヒヒイロカネを腕に焔を纏ってインゴットぐらいの大きさを切り出す。

 

それらを全員の指のサイズで作った石灰石の棒に、キラキラと凄まじいオーラを感じながら麺の様に細長くして、石の棒に巻きつけての焔を強め輪っかにする。

 

金属のヘラで指輪の表面に焔の模様を入れる、魔法石が取り付けられる台座部分も作り、魔法石を発展アビリティの刀身を使い切って行き嵌め込む。指輪の内側に【神聖文字】で言葉を綴る『俺と共に』刻み込むと俺は自分の血を指輪に掛ける、ここで神秘の神の力の模倣とも言える【魔導具製作者】(マジックメイカー)、魔導書を創る魔法への干渉を【魔導】【神秘】2つの力で可能にする。

 

———再生の焔

 

俺にしか無い力を入れて【ヒヒイロカネ】の特性魔力蓄積を使い、無限の魔力で全ての指輪を満たす。望むのは俺と言う半神への干渉を行う事、言うなら魔導器を創り出す血と魔力を糧に傷を我のモノに。

 

指輪は全部で11個も創ったのだ、1つは俺様に我にが元にと言う願いを込めて創った物…。

 

出来てるか『肯定、血を肉体と誤認させ概念に干渉してます』良かったぁ〜1つはピュラリスの指輪で残る3つはどうしても、渡したい相手が居れば渡すつもりの物、1つはリヴェリアに渡す。

 

 

俺はそのまま他にも創る事にした、フェルズが作った中に【眼昌】(オルクス)と言う魔導具が有る、遠方との映像と音声の通信を行うと言う内容である。

 

それを改良して映像を記録する魔導具を創った、後アンフィス・バエナには【ミスト】と言う魔法無効の霧を出す、それを理論のみで再現したのだ、他には感電させて気絶させるこれは化学の分野を存分に発揮している。

 

警備が心配だったのでかなり煩い不法侵入者が入るとアラームが鳴る物・ミスリル製の科学の結晶と魔法を混合した、ハイブリッドな自動の守護機械を作った。

 

屋敷の塀の上に魔石灯を四方に設置して、それを基点に魔力の網を箱の様に展開する。そこに小人族程のサイズから侵入者だと判断すると守護を開始する。

 

 

無事全ての魔導具を作り終えると、5時頃で皆を呼んで指輪を渡すのと、家具を買っていないので今から買いに行くついでに外食をする。

 

「指輪ですか……嬉しいです」

「あっありがとうございます」

「リリの宝物ですね」

「この様な物を頂けるなんて」

「付けて…欲しい」

「勿論ですよ」

 

俺は皆に指輪を嵌めてから額にキスをする、レフィーヤはアワワって動揺してリューは真っ赤になって眼を逸らす。

 

リリは笑顔で春姫は涙目で微笑む、そしてアイズは直ぐに唇を重ねて来て、ずるいとなって全員共に唇にキスをした。

 

 

皆で家具をワイワイと騒がしく買いに行くのだが、綺麗どころを集めましたと言わんばかりの面子である。嫉妬に羨望と殺気が飛び交うのだが気持ちは分かる。

 

俺の部屋はベットが店で1番大きな物を買う事に、一緒に寝るのに誰かが仲間はずれは良くないとリリが言って、ソファーもテーブルも大きな物になった。

 

各自の家具は割と皆個性が有ったのだが、1番は春姫だったが極東出身の為に畳の空間が欲しいとかで、設置型の畳を置く事にした。

 

 

夕食は【火蜂亭】で摂ることにした…。ここは何でも蜂蜜酒が美味しいとかでリリがオススメして来て、お酒呑むんだと言う話をすると見た目だけで判断しないで下さいと言われた。

 

「美味しいですね〜私はこう言う所は【豊饒の女主人】以外は行った事無いですよ」

 

「私も無いですね」

「私も……無い」

「リリはお洒落なお店が無いですよ」

「私は実家から捨てられて…」

「春姫、今度からは色々行こう」

 

俺は春姫の頭を撫でると照れているのが可愛くて、撫で続けるとアイズが反対の腕を頭に乗せるので撫でてやる。この後は全員にする事になったが、食事の終盤…。

 

 

「おうおい、テメェ見てぇなヒョロヒョロのカマ野郎が随分いい気になってんな〜綺麗どころを侍らせてるとは羨ましいぜ、テメェの口で言い包めて俺強いぜぇ〜何て言ってんのか?強い冒険者に付いて行ってレベル上げたのか、そもそも虚偽の申請か知らねぇが調子に乗んじゃねえぞ!?」

 

「何だお前は?馬鹿なのか?」

 

俺が他のメンバーを制止してから話を聞く、相手はどうやらアポロンファミリアのLv2らしいが、Lv6が2人も居るメンバーで良く喧嘩売ったものだ…。

 

「口だけは達者だねぇ〜じゃねぇとこんなカマ野郎に女が寄ってこねぇか、ぎゃはははは」

 

「それで何の用なんだ?」

 

「聞いて無かったのかよ?頭も悪りぃらしいなあ〜調子に乗んなって言ってんだよ」

 

「ああ分かった」

 

「ぎゃははは!ダセェ奴だなぁ〜んなら女は置いて帰れや」

 

「は?何言ってんだ…」

「女をっ!?」

 

俺は肩に手を当て収納して席に座り直すと、そいつの連れが騒ぎ出したので適当に受け答えをする。

 

「なっアイツを何処にやった?」

「お前に関係あるのか?」

「同じファミリアだ」

「それで?」

「テメェが殺したんだろうが」

「はぁ〜だったとしたら何?」

「分かってんのかぁ〜ウチに喧嘩売るって事」

「それがどうした?」

「死ねやぁ〜」

 

相手は刃物を出し斬り掛かって来たので、肩掴み収納すると更に騒めくと、残りの華美な装飾をした奴以外が斬り掛かって来たので、全員収納してから席に座り直すと、背後から殴り掛かって来たので頭突きで拳を砕く。

 

「グガアアアアア!?」

「はぁ〜」

 

俺は深い溜息をしてそいつも収納して、店主に其奴らの支払いを俺が済ませて領収書を切って貰う。座り直すと皆がどうするか聞いて来たので、落とし前をきっちりと付けて貰うよと言うとリリが程々にと言われて頷く。

 

みんなと家に帰ると家具を配置してから少しだけ出て来るから、先にお風呂に入って置いてくれたら良いと伝え、アポロンファミリアに向かって歩く事十数分で門の前に着く。

 

「アポロンを呼べ」

「なっ不敬だぞ!」

「不敬って言葉の意味知ってるか?」

「くっ死にたく無いなら帰れ」

「そっくりそのまま返すわ」

「調子に乗んじゃねぇ〜」

 

俺はまた収納をしてそのまま中に入って行くと、髪で目元が殆ど見えない団員を捕まえると、アポロンの部屋を聞くと案外直ぐ教えてくれたので礼を言ってから向かうと部屋をノックする。

 

「入れ開いている」

「邪魔するぞ」

 

「きっ貴様はライト・フォン・セイント…。なっ何の用だ?」

 

「何の用だは無いだろう」

「どっどう言う意味だ!?」

「俺に嘘は意味ない、不愉快だ」

「ッ———」

「何の用だ?」

「お前が欲しい、私の物になれ」

「馬鹿過ぎる…」

「なっ貴様、神の俺に向かってっ」

 

「最後にいい事教えてやるよ、神も死ぬんだよ神だから偉い訳じゃねえんだよ、敬われる行いをして初めて神足り得る。お前は何をした?人攫いに近い脅迫で眷属を増やして、ゴミが…」

 

俺は抜刀するとアポロンは神威を発して笑う、それを無視して近付くと顔色が悪くなって行き、【神の力】を行使しようとしたが既に頭部を斬り落とし送還を収納で捕まえる。

 

「マジでクズだったな…慰謝料ぐらいは貰うかな」

 

部屋にある金庫を収納してから他に貴重な物がないか、調べて見たのだが何も無い、後は部屋にあるセンスの欠片も無い品々だ…。収納した団員はどうするかな〜面倒だから今度37階層の【白宮殿】(ホワイトパレス )で落として行くか。

 

その帰りにフェルズにアポロンの脅迫を肯定した内容を、出来立ての魔導具の映像を見せると溜息付いて納得しており。消滅扱いするそうだがどうやら消滅扱いは俺の所為で出来たらしい…。

家に帰って行く途中で甘味やじゃが丸くんを購入して帰路についた。

 

「ただいま〜」

「お帰りなさいませ」

「お帰りなさい…ライトさん」

「みんなはどうした?寝たのか?」

 

「いいえ、皆さんで帰りを待って女子会なる物をしてましたよ」

 

「リューが参加とは意外だな?」

「さっ流石に家族になったのです」

「そうか良い子だな」

 

俺がぐっと引寄せて頭を撫でると、足の力が抜けて俺に持たれ掛かって来るので、大丈夫か聞いて見るがまだ慣れない為に腰が抜けたらしく、そう言う見た目とは違って可愛い所が可愛いよな

 

春姫がうるうると涙目でこちらを見るので、引寄せて耳にキスをするとピクピク反応するので甘噛みすると、艶めかしい声を上げて腰を抜かしてしまい、2人を抱き上げて連れて行った。

 

その後は春姫の反応でみんなが何か有ったと言い出し、結局は春姫が自供してずるいよ言う事で、アイズが俺を寝室に引き摺って行くのにみんなが付いて来る形に成って、一緒にベットの上でみんなが甘えて来るので、まあ男ですから朝までコースです。



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8話 アストレア

今朝はみんなまだ起きて居ないので、俺は一人で黄昏の館に向かったのだが、何かみんなどことなく元気が無い。どうしたのかをアイシャさんが居たので聞くと原因は俺だった…。

 

 

アイズ・ヴァレンシュタイン

無表情に近いと感じるがじゃが丸くんを食べる姿が可愛い、天然系の超美少女な鈍感な子。

 

 

レフィーヤ・ウィルディス

エルフなのに価値観はヒューマン寄りで、接しやすい上に礼儀正しいく真面目、ちょっとアイズ愛に溢れて居るがそれも愛嬌!

 

 

サンジョウノ・春姫

優しく夢見がちな箱入りお嬢様、綺麗な見た目で中身が可愛いと言う正に特性のトッピング盛り盛りの女の子。

 

 

リリルカ・アーデ

小人族と言う特性があるので時たま見せる女の顔、ギャップ有りで賢く気立てが良くしっかり屋さん。

 

 

このメンバーが別宅で生活し始めて会う回数が減った事で、男性団員のモチベーションが下がった。ティオナとティオネそれにリヴェリアも寂しい様で、女性団員はこの3人の影響から微妙な空気。

 

俺はそれを聞くと毎日は駄目でも週1程度泊まりに来たらと、リヴェリア達に伝えると遠慮がちにリヴェリアは感謝した。

 

リヴェリアだけに最後呼び止めて、作った指輪をお揃いになってしまうがリヴェリアを守るからと手渡す。リヴェリアは固まり手の平から指輪を落とし俺は落下する指輪を受け止め、反応しないので右手の指に勝手だが嵌めさせて貰う。

 

俺はずっと付けて居て欲しいと伝えてから、彼女の元を去ると後方でエルフの女性陣が騒ぎ始めたが、俺は構わずにロキの執務室に向かうと、丁度ロキが部屋から出て来たので声を掛ける。

 

「丁度良かった、ステータス更新頼めない」

 

「ん?後でええか〜アストレアがもう直ぐ着くらしいからなあ!門まで出迎える予定やで」

 

「!?何でこっちに知らせ無かったんだ」

「リューが身構えるやろ」

「そう言う機転は流石だな」

「まあウチかて長生きやからなあ」

「年の功って奴か」

 

俺も一緒にアストレア様を待つ事にする為に、先程来た道を戻ると顔が真っ赤になったリヴェリアと目が合うと、顔を手で覆い首をブンブンと横に振っている。

 

「どしたんや家の母親(ママ)は?」

 

「さあな『口説かれたと思っている』俺には心当たりは…」

 

「何やねんその微妙な感じわ!?」

「イヤ…俺が余計な事したかもなぁ」

「まあ後で聞いたるわ」

「あははは、遠慮願いたい」

「気になって寝られへんやん」

「ロキが寝られないとか無いだろ」

「面白いから聞きたいんや〜」

 

ロキは遂に本音はダダ漏れで言って来る、そうこうして居ると門に辿り着くと、ラウルさんが門で待機して居たので、話しながら一緒に待つ事にした。

 

 

 

数分後に羽帽子を被った男性と青い髪の女性が、ローブを被る神物と馬車でこちらに向かって来る。

 

『羽帽子の男性はヘルメス、青髪はアスフィ・アル・アンドロメダ、ローブを被る神物はアストレア』

 

 

ヘルメス

商業・旅人・伝令の神だ、ゼウスの子で末っ子と言う生い立ちに聡明だった為か、ゼウスの伝令などを行なって大層可愛がられた。

 

 

アスフィ・アル・アンドロメダ

西に有る某国の姫君でヘルメスファミリア団長、ヘルメス神の奔放さに苦労する苦労人、【万能者】(ペルセウス)と言う二つ名持ちの【魔導具製作者】(マジックメイカー)で有名

 

 

アストレア

正義の神格で正義を天秤ではかる、別名『星乙女』とも言われる慈悲深い神格の持ち主

 

 

彼女が馬車から降りて来てこちらに歩み寄って来る、ヘルメス様とアスフィさんは後ろに控えている。俺はロキの斜め後ろに立って彼女達のやり取りを黙って見守る。

 

「アストレア久しぶりやな、元気にしとったか〜」

 

「久しぶりねロキ、貴女は相変わらずと言う感じなのかしら?」

 

「そうやなぁ、ウチはあれから何も変わって無いでぇ〜」

 

「その子が、ヘルメスの言っていた変わった子供で、リューを救って来れた子なのかしら…」

 

「ん?まあそうやなぁ」

 

「お初にお目に掛かります。【剣麗】ライト・フォン・セイントと申します、リューは救った訳では有りませんよ…ただ残された者の先輩として、己が葛藤との向き合い方の助言をしただけです」

 

「それを救うと言うのでは?」

 

「リューが抱える問題は決して軽くは無い、彼女を救ったのは間違いなくアストレアファミリアの団員達のリューへの思いです」

 

「そう…ね」

「宜しければ我が家にご招待します」

「喜んで伺わせて貰うわ」

 

「ヘルメス様も宜しければ、当然アスフィさんは御一緒で結構ですよ。アスフィさんは苦労人ですから、偶には主神の困る姿を見て頂きたいと思って居ます」

 

「あはは、お手柔らかに頼むよ」

「私は楽しませて頂きます」

「では馬車のままで結構ですから」

「そんなに大きいのかい?」

「見て頂ければ分かります」

 

俺達は馬車にみんなで乗り込んで向かう、近いので直ぐに着くと俺は魔導具で門を自動で開く。アスフィさんの表情が興味深々と言う感じで、物作りの職人の様な雰囲気を出している。

 

馬車を脇に止めて馬を厩舎に連れて行く、それを済ませて皆を案内して行くとゴブニュファミリアの団員達が、追加で依頼した屋敷の修繕を行なっており、挨拶をしてから玄関ホールに入る。

 

「ようこそ我が家に」

「あれライたんあれは何や?」

「あれは守護する魔導具ですよ」

「何や面白い物ん作るなあ」

「興味深いですね…」

 

俺は簡単に魔導具の説明をアスフィさんとロキに行って居ると、そこに偶然現れたのがリューだった。

 

「あっ…アストレア様」

「久しぶりねリュー」

 

リューは彼女の元に駆け寄り頭を下げた、正義を司るアストレアファミリアの団員が復讐などに駆られるなど、それが理由らしいがアストレア様は俺と同じく戦争に善悪など存在しない。

 

彼女達が互いの思いを話し合う間に、俺はヘルメス様達に挨拶をして居た。居間に案内するとロキが、ウチの家具よりいいやんなどと言い出して、うるさく騒いで居たのでリリに相手を頼んだ。

 

「では自己紹介が遅くなりました、【剣麗】ライト・フォン・セイントです、諜報に関してはヘルメスファミリアより優れていると自負して居ます」

 

「面白い自己紹介だね、俺はヘルメスファミリア主神のヘルメスさ、知ってるとは思うが、商人と旅人に伝令を司る神だよ」

 

「初めまして、ヘルメスファミリア団長のアスフィ・アル・アンドロメダと申します」

 

「ヘルメス様は末っ子体質の非常に強いお方、お父様にさぞかし甘やかされて育ったのでしょう、何しろ大神ゼウス様ですから」

 

「良く知ってるねそんな事を、俺の事を調べても詰まらないでしょうにね」

 

「そうですか?フレイヤ様にもいい顔して正に八方美人の鏡です、神々の伝令役などと言われる訳ですね。殺傷石を依頼したイシュタルが居なくなって困ったのでは?」

 

「なっ……。確かに君の情報収集の能力は素晴らしいよ、どうだいヘルメスファミリアに来ないかい?」

 

「どうして思っても居ない嘘を言うのですか?それは処世術で言うところでは悪手ですよ?」

 

「いやぁ〜ここまでとは思わなかったよ、ゼウスが気にする訳だね」

 

「アスフィさんがもしヘルメス様に嫌気がさしたら言って下さい、即刻解放させて上げますし団員の未来も守りますよ」

 

「では今直ぐお願い出来ますか?」

「あはは…冗談、だよね?ねえ…だよ、ね?」

 

「本当に困ったら言って下さい、恩とか売らないですから安心して下さい、手助けぐらいは無料でしますよ?ヘルメスファミリアの代わりはこのオラリオには居ませんから、ヘルメス様の代わりぐらい俺がしますからね」

 

「イヤイヤ!?辞めてね…本当にごめんなさい今度からは真面目に働きます」

 

「また嘘付きましたね」

「イヤ!?本気だからね」

「これも嘘ですか」

「ぐああああ」

 

「まあ冗談はこの辺で、改宗の話を「冗談に成ってないから」本気で冗談はこの辺で、困ったら言って下さい。馬車馬の様に働かせる方法何て幾らでもあるので」

 

「よろしくお願いします」

「こちらこそ宜しくお願いします」

「無視しないで…」

 

俺はヘルメス様を揶揄いながら朝食を、皆にも振舞っている。アストレア様には話をこの後ロキと3人でしようと提案した。次いでとばかりに殺傷石を買い取ってあげる事に、あんな物は狐人からしたら有ってはならない物だ。

 

「それではアストレア様、少しだけお付き合い下さい」

 

「ええ構いませんよ」

「ウチはいるん?」

「俺の主神でしょう?」

「ライたん殆ど自分が神みたいな存在やん?」

「どの様な神に当たるのかしら?」

「そうやなぁ叡智と裁定者やねぇ」

「随分と大きく出るのね」

 

「ライたんにとってウチら神は、単知単能らしいからなあぁ〜その上に神は不変不滅やない言うんやでぇ」

 

「単知単能はまあ認めるわ、不変不滅はどうなのかしら?」

 

「不変とは変わる事のない事、貴方達神は気持ちが変動して行くのだからそれは不変では無い、不滅と言うのも俺がいる限りそれも無い」

 

「それはどう言う意味かしら?」

「簡単ですよ俺は神を消滅させられる」

「そんな事が…それで裁定者ですか」

 

「安心して下さい俺は、誰彼構わず消したりしないですから」

 

「そこは疑って居ません、その様な子にリューは寄り添う様な事は無いでしょう」

 

「リューを信頼しているのですね、人にも自分にも厳しいですから少しだけ緩くして欲しいです、特に自分に厳しいですから」

 

「ライたん本題に入ろかぁ〜リューの事やろうからなぁ」

 

「リューとは既に籍を入れて居ます」

「は?聞いて無いで?」

「言って無いからな?」

「ん?まあええか…?」

 

「そこで彼女の【改宗】(コンバージョン)を認めて頂きたいと思って居ます」

 

「良いわよ」

「ありがとうございます」

「いつか来ると思って居たわ」

 

「これでも叡智と主神に言われる程には何でも知っているつもりですが、返事が非常に早かったですね」

 

「彼女には幸せに成ってほしいから」

 

「彼女が幸せだと思える様に、一緒に頑張って行きます」

 

「リューを宜しくお願いするわ」

「己の信念に誓って」

「ありがとう」

 

俺達は話を付けて居間に戻ると、ヘルメス様が頬に痣を作って床で伸びている…。理由は春姫に言い寄ろうとしてアスフィさんに殴られたらしい。俺はヘルメス様を起こして問うことに

 

「永遠の消滅か天界送還か四股の消失どれが良いですか?」

 

「イヤイヤ!?物騒だなあぁ〜ちょっと人妻もいいかな〜とね」

 

「では永遠の消滅で行きましょう【地獄の炎】これが何か分かりますか?」

 

「いやぁ〜ちょっと悪戯しただけだよ?」

 

「すみません…。セイントさんスパッとお願い出来ますか?」

 

俺は刀を振りかぶって寸前で収納すると「ひぃぃぃ!?」とヘルメス様が目を瞑ってビビって居るのをニヤニヤ見ている。

 

「ライたんほんまいい性格してるわ」

「少しは懲りましたか?」

「もっ勿論だとも…」

「貴女の眷属は人…なのよね?」

「今のところはなぁ〜」

 

その後はアストレア様にアイズ達を紹介して、1週間程我が家に滞在してから戻ると言う事で、ステータス更新でレベルアップしたリューが護衛として守る事になった。

 

 

 

———『青の薬舗』

 

リューが改宗出来て数日経ったある日の事だった、『青の薬舗』でミアハ様と世間話をしていると、入り口が壊れそうな勢いで入ってきた奴を見るとそこには腹がダボダボの神が居た。

 

「おい貧乏人今月分をッ!?」

 

俺は客が居るのに横柄な態度のその神の顔面を掴み、扉を開けて外に捨てた。その横に居た眷属の子が顔を引き吊らせて居たが、その行為を黙って見ているのだ気を使う必要は無い。

 

「ごめんミアハ様客が居るのにあの態度、俺を馬鹿にしてる様な物だから許せなくてな」

 

「構わん事実あれは、店を構える者がやる行動では無い」

 

あいつは『ディアンケヒト、医神でミアハの父にして息子の才覚と女性人気を妬んでいる』小さい男だな。

 

「何をするんだぁぁぁ!?」

 

ディアンケヒトが扉を壊して入って来た、俺はその行動に呆れてモノが言えない。商売出来ない様にしてしまおうか…。

 

「で?何か用か…」

「貴様何処の眷属だぁ!?」

「それ今関係有るのか?」

 

「有るわぁ、貴様のファミリアに【戦争遊戯】(ウォーゲーム)を申し込んでやる」

 

「俺が主神は認めさせるから良いぞ受けてやる、神ミアハ聞いて居たよな?それで何を賭けるんだ?」

 

「ああ聞いて居たとも」

 

「主神に許可が容易に取れるなど零細ファミリアか、では貴様のファミリアのオラリオ追放だな」

 

「その要求ではディアンケヒトには、俺の要求を何でも聞いてもらうぐらいで無いと釣り合わないぞ?」

 

「ええい!?構わん…」

「ミアハ様聞いた内容をお忘れ無く」

「ああ勿論だとも」

 

「ではディアンケヒトまた【神会】(デナトゥス)で会いましょうか」

 

「なっ貴様が来るのでは無いだろうが」

「俺も行きますよ?」

「どう言う事だ!?」

「俺を知らないのか?」

「アミッド…知っているのか」

「はい……【剣麗】です」

「なっなっなに〜」

 

「ミアハ様!また来ます、ナァーザも邪魔してごめんなぁ〜」

 

「うんん、また来て」

「待っているぞ」

「まっ待たんかああああ」

 

俺はその足で黄昏の館に向かい、ロキに報告すると俺と嫁だけで良いだろうと言う話に成って、負ける事は無いから安心しろと言って家に帰る事にした。



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9話

 

 

俺は急遽で開催される【神会】(デナトゥス)の前に黄昏の館でステータス更新を済ませに来て居る。前回頼んだ時はアストレア様の事ですっかり忘れていた。

 

「また変な事になってるんやろ?」

「さあな、俺にも分からん」

 

 


 

ライト・フォン・セイント(15)

Lv6-半神半人

 

力:C611>B720

耐:D534>C661

器:B728>A839

敏:C651>B748

魔:EX----

魔眼:SSS

武士:B>A

神秘:S>SS

耐異常:C>B

刀身:C>B

神性:S>SS

再生:SSS

魔導:F>E

権能:S(NEW)

 

《魔法》

 

【想いの業】

『地獄の炎』装備付与のみ、力高補正

『栄光の幸福』身体付与のみ、敏超補正・認識阻害

『夜の誘い』影に潜む・潜む時間はレベル依存

『時の門』時間停止の収納を使用

※神・精霊なども収納可能

 

【焔の息吹】(イグニートアニマ)

・付与魔法

・温度を自由に操れる

・焔の形は意思通りに動かせる

 

【】

《スキル》

 

【英雄の神秘】

・早熟

・守りたい者の多さや想いに寄って効果は上昇

・運命分岐に関係をする

 

【心の枷】

・己の恨みを束縛

・恐怖剥奪、精神干渉不可

・自身の生命への執着が薄くなる

 

【聖麗】

・笑顔によって相手の精神回復率が上昇

・異性に対してのみ適応

・笑顔の質で効果は上昇

・相手の好感度で相乗効果が起きる

 

【無限の牢獄】

・神は術者に己の力を吸われて行く

・神性(昇華)が高まると権能を全て奪う

王権・豊穣・土星(イシュタル)

芸術・予知・治療(アポロン)(NEW)

 

【想いの連鎖】

・好意を持つ者が集まる事で全アビリティ上昇

・好意が好意を生む

※魅了では無い為に影響は個人差

・絆が深まる程に効果は上昇

※全員と良好でなければ効果は無い

 

 


 

 

「ライたん、もうご近所付き合い必要やな」

「別に神に成りたく無いんだけど」

「仕方無いやん」

「今考えても仕方無いか…」

「ほな【神会】行こか〜」

 

どうやらこのままでは遠く無い未来で神になるだろうが、眷属のままで居られるのだろうか?アイズ達には何て言えば良いのだろうか。

 

 

 

———【神会】(デナトゥス)

 

俺が居るからザワザワ騒がしいが、今日は俺が進行役だから好きにするかな、先ずはロキに紹介して貰ってから始めるのが無難だろう。何処で聞いたのかフレイヤが居る。

 

「お初ですね神フレイヤ」

「あら指輪は感謝して居るのよ」

 

「その節はどうも、余り変態行為するとみんなに気持ち悪いおばさんだと思われますよ?」

 

「ぎゃはははは!?ライたん最高」バンバン

 

ロキはテーブルを叩き大笑いして、他に居る女神達は笑いを堪えて居るが、フレイヤアンチな物は堪え切れて居ない。

 

「酷いわね、女性に向かって」

 

「確かに豊穣とは、大地を豊かにして人の繁栄を促すので勿論子孫繁栄も含む、だからこそ男を侍らす事は繁栄を意味に含むと言う解釈でしょう、そう言う意味で言えば貴女は豊穣の女神と言えます」

 

「ぎゃはははは!?絶対裏があるやろ」

 

「そうですよ!繁栄するなら女性が男侍らせてどうする?いきなり子供は産まれないのですよ…ただの尻軽女ですね正当性どころか神格を疑う様な女神だな、繁栄するなら男が女を侍らせればもっと良いに決まってる、なぜか何て聞かないですよね?妊娠から出産までの間に次を孕ませる男が産まないから出来る」

 

「ど正論やなぁ〜」

「そっそうね…貴方はなぜ今回神会に?」

「今聞きます?」

 

「まあ良いですよ、ウラノスのお爺さんに頼まれたからですよ、俺はハッキリ言ってかなり異端でしょう?ここに居る神を全員消滅させる何て楽勝ですよ?証拠なら存在するでしょうイシュタルにアポロンって言う余りにも屑神が、ここは下界ですよ誰の世界で好き勝手してるか考えた事有りますか?」

 

「「「「「「神が創った世界」」」」」」

「なら誰かもう一つ創って来れ?」

「「「「「「…………………」」」」」」

「お前ら本当は知らないだろ?どうやって神が出来たのかを知ってる奴居るか?俺は言わば全てを知ってる全知全能が聞いて呆れるよ」

 

「いい加減にしろ!?誰かつまみ出せ」

「「「「「「————ッ」」」」」」

 

俺はその女神を収納したが何て言う神『神ティアマト、混沌を好む女神』印象悪い神だなぁ〜他の神は俺が何をしたのか分からないと言った感じだろう。

 

「別に今ので、消滅させたりはしないけどさ誰か知ってるか?」

 

「貴方は知って居るのよね?」

「ああ知ってる」

「教えてくれない?」

「人だよ」

「「「「「「は?」」」」」

「ぷっ!人って無いだろ」

「なんで?」

「そんな力が無い」

「力ってなんだ?」

「そんなの簡単だろ超越する能力」

「お前らの何処にある?」

【神の力】(アルカナム)だろ」

「では神が所持する世界の数はいくつ有る」

「ん?1つで並行世界、並行宇宙が存在する」

「ではそれは誰が管理する?」

 

沈黙する神々達だが誰も答えられない、知らないからだが教えるか悩むなぁ〜神らしい神何て殆ど知らないと言うか居ないのか?

 

「教えるのやめるわ」

「なぜ教えてくれないの?」

 

「人で有る奴を力が無いなどと言い、何も知らないと来たでは何故知らないか、教えられて居ないからだよ【超越存在】(デウスデア)と言われて全知全能だとか笑わせるよ」

 

「うるせぇ!?」

 

俺は2柱分の神威をダダ漏れにする、皆が下を向くと口を開く。

 

「ディアンケヒト、お前は神である事を傲って居るが、医神で有るからには病気の子を何故助けない」

 

「わっ分からん病気を治せん」

 

「何処が全知全能だ?神は単知単能だと思うがな、それでも何とかしようとする人間には未知の力が存在する。己の足りない知識を増やそうとする、力が無ければ鍛練するなど努力する」

 

「確かに古代英雄は神に匹敵しとった」

「それと何故その者は神威が使えるのだ」

「そもそも神威って何だ?知ってるか?」

「「「「「「知らん(ないわ)」」」」」」

 

「威圧は人間で可能だ、では神威は?可能何だがな理論的ににはな。ただ誰もが知らないだけだ、神の誕生を知らないのと同じ」

 

 

どんどん神のテンションが低くなるので、俺は切り替える事にしたのでディアマトを取り出し、席に着かせたが放心状態なので権能の治療を使って見たが凄いな…。ザ・神だな!?ザワザワするがロキに締めて貰った。

 

 

「ほなこの辺で【戦争遊戯】についてやぁ」

「そこのデブが俺に喧嘩売ったんだよ」

 

俺はディアンケヒトを指差して言うとかなりビビって居る。まあさっきのを見ればビビるか…。

 

「これはミアハが実際に現場をみとったんやて?」

「ああ、私の店で申し込んでいたからな」

「俺達には追放を要求で俺はお前に何でもだな?」

「あっああ、そうだが…」

「歯切れが悪いやっちゃな」

「辞めたいのか?」

「出来れば…」

 

「なら3つだけ今から言うが、それを飲めば辞めてやるよ?強制はしないからな?【戦争遊戯】で勝てば幾らでも言えるからな?」

 

「言って見てくれ」

 

俺は指を1本立てて口を開く…。

 

———【1】

 

ミアハ神の借金を全額返済した事にする事

 

———【2】

 

アミッド・テアサナーレのロキファミリアへの改宗

 

———【3】

 

俺のファミリアを侮辱したんだ、全員の前で土下座しろこれはロキも含まれるからな?

 

 

 

俺が言い終わると顔色はハッキリ言って最悪だな、お気に入りの団員を引き抜かれるとなればかなりの痛手だ。俺が返事を待つと俺達の前にやって来たので権能【予知】を使う…。

 

 

「申し訳有りませんでした」

 

この神が選んだのは【戦争遊戯】の回避だ、最悪自分が天界送還もあり得るからだろうな。ロキは大笑いで肩を叩く喧嘩売る相手を間違ったなぁ〜何て言ってから更に爆弾投下しやがった…。

 

 

「ライたん半神やからなぁ〜【猛者】でももう敵わんやろなあ」

 

「おい!ロキ面倒が増えるだろ?」

「「「「「「どっどう言う事だ」」」」」

「そのまんまやん?」

「半神半人の半神か?」

「それ以外無いやろ?」

 

今回の神会は酷い物だったが、注目度がかなりやばいな。その後はディアンケヒトはロキに連れられ黄昏の館に向かう。俺の元にはミアハ様が向かって来る。

 

「良かったのか?頼みを私などに使って…」

 

「貴方が誰でも平等に、お節介を焼く様な神だからですよ」

 

俺が最高の笑顔で笑うと数名の女神が見ていて「さすが【聖麗】の息子ね」何て言うけど流石って何だよ『その笑顔は親子で精霊の様だと言う意味です』はぁ〜

 

俺は【神会】が終わると多くの神に自己紹介されて、媚を売られ俺に嘘は通用しないと言うと顔が引き吊って何処かに消えて行った。

 

ミアハ様にはもう様付けは半神だから、もう良いだろうと言われたので分かったと言うと、笑顔で感謝されるとナァーザに報告を一緒に来て来れないか聞かれたので了承する。

 

 

途中で我が家に寄ってアイズ達と一緒に【青の薬舗】に向かって居ると、ディアンケヒトとロキにリヴェリアが一緒に歩いて居たので話し掛けると、ディアンケヒトが俺達に近寄らないで居る。

 

「ビビり過ぎだから、性格悪いが腕はいいんだからもっと真面目に頑張れよ?そうしたら本当に敬ってやるから」

 

「ああ、自分の行いを今心から恥じてる」

「そうだな…神か人かは関係ないからな」

「そうだな本当に済まなかった」

「ミアハにも言ってやって来れないか?」

「ミアハ済まない」

「もう良い、私も貴方の腕は尊敬して居る」

 

俺達は【青の薬舗】に着くとロキ達との別れ際に家にアミッドを連れて来て来れと伝えた。店内に入るとナァーザは眠そうな顔でカウンターに座って居るのでミアハにどうぞと言う。

 

「ナァーザ実はな…借金が無くなったのだ」

「ん?……!?」

 

「あ〜【戦争遊戯】するのが嫌ならって事で、俺が交換条件を3つ出してな、その1つがミアハの借金だ」

 

「!?なっ何で……」

 

「眷属1人に神1柱で良く頑張ったと思う、半神からの贈り物だよ」

 

「「「「「半神!?」」」」」

「そうだ半神半人だ」

「あの寿命は…有るんですか?」

 

俺は魔眼に聞いてみた『2000年程』みんなが神になる方法は『2つ有ります、1つは器の昇華・2つ目は貴方との子を宿す事で半神に胎児の影響で成れます』望めばだな。

 

「寿命は今で2000年だな」

「ずっと…一緒が…いい」

 

アイズは捨てられた子犬の様な目でこちらを見る、他の子を見ても同じ様にこちらを見て居る。

 

「お主は愛されておるな」

「羨ましいですね」

 

ミアハとナァーザにそう言われて俺は可能性は家で話すと言うと、皆が一様に頷くので1人ずつ頭を撫でる。その後はミアハ達は早めに人員を増やすべきだと言うと、なかなか難しいと言われる。

 

アポロンの元眷属が居ないのか魔眼に聞いて見たら『現在7名が未所属』だと返答が有ったので、それをミアハに言うとその時…。

 

後ろの扉が開く予感がして振り向くと、2人の女の子が入って来たので何処かで見た事が有ると思うと、元アポロンファミリアの団員で執務室を聞いた子だった。

 

「君達元アポロンファミリアの子だろ?」

「貴方はあの時の…」

 

「ああ、君は『カサンドラ・イリオン予知夢の子、ダフネ・ラウロス』予知夢が見れるんだね」

 

「なっ何で?」

「あれは妄想でしょ?」

「呪いで皆に信じて貰えないだけだよ」

「そう何ですか!?」

「君は何故ここに?」

 

「ここには叡智の半神が未来を照らすって夢で見て…」

 

「俺の事だな、凄いね君は」

「そんな事は」

「あれ妄想じゃ無かったの?」

「あれはアポロンの呪いだよ」

「どう言う意味ですか?」

 

「アポロンに恩恵を授かる事で、君は予知夢を授かる事が出来る運命だったけどさ呪いで、誰にも理解されず信じて貰えない」

 

「それじゃあ」

「今は知ってる人居るでしょう?」

「あっはい!?それが未来を照らす」

「ミアハファミリアとか良いんじゃ無い?」

「「えっどう言う?」」

「良い神様だよ、俺が保証しよう」

「「是非」」

「どうかなミアハ?」

「私としては願ったりだが」

「「お願いします」」

「頼むよ2人を俺が保証したんだから」

「そうだな…お主は…ああ任せなさい」

「「宜しくお願いします」」

「良かったな、信頼出来る人が居て」

「はい、ありがとうございます//」

 

 

俺は最高の笑顔と一緒に頭を撫でて「友達も大切にしろよ」そう言うと真っ赤な顔で頷くので再び撫でると、リリが俺の手を掴んでいつまで撫でるんですかと怒られて悪いと謝った。

 

 

俺達はそろそろ帰ろうと言い出ようと、3人と1柱にお礼を言われ後ろを振り向き手を挙げる。帰り道ではみんなが凄く不機嫌で、家の扉を開けて入ると皆に揉みくちゃにされ、甘えさせタイムになりみんなベタベタして居間で寛いで居ると、どうやらロキが来たらしく門まで迎えに行く。

 

「悪いなロキ主神を顎で使って」

「そう言う事が言えるんやなぁ〜」

「建前だがな」

「それ言わんでええやん!?」

「冗談だよ」

「んで?アミッドちゃんはどないするん?」

 

「ここの一室で薬品の精製と研究をして貰おうかと思っててな?今より多くを救う為には、俺の知識と薬学に精通したアミッドが欲しくてな!印象は悪いかも知れないが宜しくな」

 

「いえ…ディアンケヒト様が性格悪いのは、ファミリアでは割と皆の周知の事実ですからお気になさら無いで下さい」

 

「どうしても嫌なら、1年後には改宗したければロキに俺が頼むよ」

 

「貴方がその…最低でなければ大丈夫かと」

「そうかでは皆は知ってるのかな?」

 

【小人族】(パルゥム)の方と【狐人】(ルナール)の方は分からないですが、アイズさんにレフィーヤさんと【疾風】リオンさんですよね?」

 

俺はリリと春姫に一応リューも呼ぶと結局は全員来たが、ロキがアイズに抱き着こうとして肘が顎に入って気を失った…。俺はアミッドに気にしなくて良いと言うと苦笑いでハイと答えた。

 

全員で自己紹介を済ませたがロキが気を失って居るので、夕飯は食べて行くと良いと言うと、ここがホームだと思ったらしい。黄昏の館が定員一杯だったのかと言われ、ここは俺達の個人の家だと伝えると意味が理解できて居ないので正確な名前を伝えた。

 

 

アイズ・フォン・セイント

リュー・フォン・セイント

リリルカ・フォン・セイント

春姫・フォン・セイント

レフィーヤ・フォン・セイント

 

再び紹介をし直すと驚き過ぎて動きを失ったので、頬を指で突く事で再起動すると、意味を噛み締めたのか理解して来れた。冗談でアミッドも入るかと聞くと茹でダコの様に真っ赤にる。その間に俺はリューさんに脛を蹴られ唸って居た。

 

結局ロキが起きると神酒を出して欲しいと言われ出してやると、酔い潰れて眠ってしまったので今日は泊める事にした。ロキがホームに帰らないなら説明が大変だと言う事で、アミッドも客室に案内してあげたら家具の品質に感動して居た。

 

 

俺は皆にロキの事を伝えにホームに行ってくるから、警備のスイッチを入れておく事を伝えた。向かう途中で怪しい奴を2人程見つけ回収すると、女神ティアマトの差し金だった様だ。

 

 

黄昏の館に着くとリヴェリアがロキを探して居たらしいので、我が家に居ると伝えに向かうと、リヴェリアを発見して話し掛けると凄く挙動不審だが、前回が誤解のままだしな…。

 

急用では無いが泊まりに来るか聞くと真っ赤な顔で頷くので、ティオナとティオネも一緒に誘ってやって欲しいと言うと、凄く複雑そうな顔を一瞬したが女の顔は見て無い事にする。

 

屋敷の防犯用魔導具に反応しない為の片割れを彼女達に渡すと、俺は我が家に怪しい奴を寄越した神に、挨拶に行って帰るから少しだけ遅くなるから宜しくと伝えると、真面目な顔で頷いてくれた。

 

 

 

———ティアマトファミリア

 

俺は夜は暗殺向きな【夜の誘い】を使いティアマトの背後に立って抜刀する。首に刃を当ててから話し掛ける。

 

「お前って馬鹿なのか?」

「貴様【剣麗】どうやって」

「そこじゃ無いよなぁ馬鹿なのか?」

「神を馬鹿にしおって!?」

「はぁ〜〜でっ何で刺客を?」

「貴様が危険だからだ」

「あのさ…危険な奴一杯居るよな?」

「お前が1番!?」

 

俺は刃を少しだけ皮膚に食い込ませると、ティアマトは静かになったので更に話をする。

 

「刺客を向けるなら死ぬ覚悟は有るよな?」

「まっ待て!?」

 

「俺が1番って言ったけどさ、その前の1番は殺したのか?」

 

「お前だけだ…」

「未知に対する恐怖か?」

「その様なモノは無い、異端だからだ」

「そっかなら人からしたら神は異端だな」

 

「なっ!?たっ確かにそうだが、我々とお前では違うぞ」

 

「何が違うか言ってみろ」

「神か人の異端かだ…」

「この屑が、マジ聞くんじゃ無かった」

「なっ!?待てええええ」

 

俺はティアマトの首を落とす…。俺は悪魔なんだろうかと神を殺す度に自分に聞いてしまう。収納し終わると叫び声で眷属が中に入って来るが、【夜の誘い】で誰にも気付かれずに屋敷を出て行く。

 

 

 

気分が優れなくて1人で外壁の上に座って月を眺める。俺が幸せになって良いのだろうか、こんなに俺の手は汚れてるのに…。悪魔に成るって辛いなぁ〜

 

俺の判断が本当は間違えだった何て、普通に有り得そうだからな。誰か教えて来れよ『人であれ神であれ選択が存在するならば、どれを選択して正解だったと決めるのは、判断する者次第で有る』

 

俺は家に向かって屋根を飛びながら向かう、視界に入ったのは最大賭博場(カジノ)エルドラド・リゾートの裏口辺りで、年若い町娘が無理矢理連れて行かれているところだった。

 

俺は直ぐに方向転換して収納から真っ黒なローブを羽織り、仮面を付けると攫おうとする2人の男を手刀で眠らせる。彼女は何が起きたか分かって居ない為に一先ずこの場合を離れる。

 

外壁の上で俺は仮面を外して彼女に素顔を見せる事にした。安心して貰う事が先決で有ると思い、ゆっくり優しく話し掛ける。

 

「どうして攫われて居たのかな?」

「あの…貴方は?」

 

「俺はロキファミリアの【剣麗】ライト・フォン・セイントです」

 

「あの有名な!?」

 

「どの様に有名なのかは気になるけど、何で連れて行かれて居たのかな?」

 

「父がカジノで負けてそれで……私を」

 

そのカジノで行われていたのは『詐欺の類です、他の客も加担しており彼女が初めから目的です』そうか、屑が多いなあ〜俺は彼女に家に帰るのは危険だと伝えて、我が家に連れて帰る事にすると、緊張の糸が切れて尻餅を着くとポロポロと泣き出した。

 

頭を撫でて「もう大丈夫だから、俺がどうにかするよ」そう言うと彼女はもう涙が止まらない状態に成ってしまい、俺はローブを彼女に掛けると、泣き止むまで背中を子供にする様にトントンと優しく叩く。

 

家に連れて帰るとリヴェリアが迎えて来れて、彼女の顔が涙で濡れていたので、何も言わずに居間に連れて行く…。リヴェリアはリリと春姫に任せてティオネと一緒にこちらに来る。

 

「襲撃者の件は終わったのだが…。エルドラド・リゾートの裏で無理矢理連れて行かれていてな、それで彼女を助けた所で彼女に聞くとなどうやら父がカジノで負け、彼女を取り上げたらしいが。

 

俺の能力で調べたのだが本当は彼女が欲しくて父親は嵌められて騙し取った様なんだよ」

 

リヴェリアとティオネは渋い顔をしているが、俺はこの後どうするかを続いて話して行く。一先ずはギルドに伝え最悪ガネーシャだと言うと、リヴェリアはロキを起こそうか言ってきたので、今回は俺個人の方がいいだろうと伝える。

 

 

———祈祷の間

 

俺は先程入手したばかりの情報をウラノスとフェルズに伝えて、この後どう対処するかを決めて居るのだが、決めてに欠けるらしくて突入出来ないらしいので更に情報を提供する。

 

もう一つの情報としてカジノの経営者で有るテリー・セルバンティスは偽物だと言う事、本名はテッドと言い娯楽都市サントリオ・ベガからオラリオに向かって居た本人が死んでいた所を利用して、サントリオ・ベガの監査を賄賂ですり抜けて居た。

 

これは娯楽都市サントリオ・ベガの落ち度で、今後もカジノを続けるのなら介入と、今回被害に合った者への慰謝料として、お金を相当額請求すべきだと伝えた。

 

 

俺は翌日のガネーシャの捜査にて取り逃がししない様に、念を押すと俺は家に帰る事にした。今回は俺のお陰なのかは分からないが、これ以上被害が出無くて良かったと思う。



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