鬼愛の剣刃 (Seli)
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壱話

※これは鬼滅の刃のオリ主チート?&ハーレムものです。
ご都合主義の展開もあり、原作崩壊している部分もあります。
苦手な方はブラウザバックをお願いします!


【春樹Side】

 

 

「・・・んん、ここは」

 

 俺はどうやら気を失っていたみたいだ。確か家で・・・をしてて眠たくなってきてそのまま眠ったはずなんだが、いてて。

 って俺はいったい何をしていたんだ? 靄がかかっている感じがして思い出そうとしても自分の名前と年齢、眠る直前の行動といた時代の年号以外思い出せない。

 どうして山の中にいるんだ? 周りは薄暗くて不気味だし。

 

「ケケケ。まさかこんなところに同族がいるとはの。ここは私の縄張りだ。大人しく出て行ってもらおうか。いや、ここは私のエサになってもらうのじゃ」

 

 考え事をしていると背後から声がしてそちらを見てみると、角が生えた女性?らしきものが見えた。

 ・・・・・・やべえな。目の前にいる此奴は何だ? ぱっと見、人に見えそうだが、肌の色茶色だし角が生えているから人間じゃねえぞ。

 それに同族って言ったか今? 俺は人間だぞ? 少なくともお前みたいに化け物なんかじゃないぞ! こういうやばそうな時は逃げるにかぎるぜ!

 

「なんじゃと!?」

 

 

 角人?がなんか声を出していたが気にせず、全力で逃げ出した。逃げる方向はこっちで問題ないはずだ。なんでか知らないが俺の直感がこちらに向かえといってるから間違いないはずだ!

 後ろを振り返らず全力で15分ぐらい走った。先ほどの木が茂っていた場所に比べて開けた場所に来たみたいで足を止めた。

 

「ふう、ここまで来れば安心か? それにしても何だったんだあの化け物は? それに全力疾走した割に全然体が疲れないし息切れもしてないんだが・・・」

 

 体力的にはまだまだ行けるって感じがするぞ? 俺ってこんなに体力あったっけか? それにだいぶ遠くまでの景色が見えるんだよなー 数百メートル先にある木の模様まではっきり見えるんだが・・・

 視力と体力がやたら向上してるな。もしかして寝てパワーアップとかしちゃったの? なにそれ、テンション上がるんだけど! これはどこまで出来るか確かめないと・・・!

 背後から殺気を感じ、その場にしゃがみ込んだ後、俺の近くにあった木が折れていた。

 木が折れた直後、先ほどの化け物の声が聞こえてきた。

 

「ちっ! 私の血鬼術を避けられるとはな。お主はいったい何者じゃ? ただの鬼ではないな」

 

「うおっ! 危ないな! 今のが当たっていたら人殺しになってたぞ! それに鬼ってお前は何を言っているんだ? 俺は鬼なんかじゃないぞ」

 

「お主は自分が何者か分かっておらぬのか? あのお方が生み出したのは間違いないはずじゃが・・・・ まあ、よい。私が人間を喰う時には邪魔になるから消えてもらうぞ!」

 

 

 は? 今なんて言ったこいつ・・・・

 俺が鬼で人間を喰う時に邪魔になるだと? こいつは人間を喰って殺してるってことか? おいおい、マジかよ・・・・

 鬼だとしたら間違いなく殺されるぞ。さっき逃げれたのは相手の隙をついて運がよかったからだ。2度も同じ手は通用しない。さて、どうするかな・・・・

 戦ったとしても即やられて喰われてバッドエンド直行コースだな。ちくしょう、八方ふさがりじゃねえか。

 

「いや、待てよ? さっきの感覚・・・ あれをもう一度できれば・・・」

俺は鬼?の攻撃に備え集中力を高め身構えた。

 

「何をごちゃごちゃ言っておる!? いい加減死んでもらうぞ! 血鬼術『真刃』!」

 

 鬼がそう叫びながら、腕を振ると長い爪の先から空気を切り裂く刃がこちらに向かって飛んできた。

 

「なんだと!? ぐはっ!」

 

 俺は驚いてしまい、鬼の技をくらってしまった。技が当たった個所は服が裂け、肌もきれてしまい血が出てきた。

 予想以上に痛いな。あの技の威力なら身体がバラバラになると思ったんだが、切り傷だけで済んでるってことは運が良かったのか?

 

 シュウウウウウウウウウウ

 

 という音が聞こえ、鬼がこちらを見て驚いていた。

 

「私の血鬼術を受けて、切り傷のみじゃと!? それにもう傷が再生しておる!? お主何者じゃ? その再生力は十二鬼月に匹敵するものぞ!」

 

 鬼の言葉を聞き傷の箇所を見てみると、傷が治りかけていた。どうやら俺は人間やめちまったらしいな・・・ 人間辞めたとしても殺されたくは無いから、この状況を打破するのが先決だな。って今がチャンスじゃん!

 思いっきり踏み込み鬼に近づき、力を貯めて鬼の顔面を殴った。

 

 その瞬間、グシャと音がして鬼の顔面が吹き飛び身体だけが残っていた・・・

 

「・・・嘘だろ? そこまで力入れてないんだけど。リアルスプラッタ状態を目の前でみるとか流石に吐きそうなんですが。うえっぷ、もう無理」

 

 俺は気持ち悪くなり、近くの茂みに移動してしゃがみ込み吐いた。数分してようやく落ち着いてきた。

 ふう、気持ちわるかったが鬼を倒せたから良しとするか。さて、これからどうするかな。

 今いる場所も分からないし、鬼という存在がいることと眠る直前の行動から俺がいた場所ってか世界は違うはずだ。

 何故かは分からないけど俺の感がそう言っている。まあ、ほとんど思い出すことができないんだけどな。

 いったいどういうことだ? どうしてこんなことになったのか・・・・

 何か理由があるにしても情報を集める為に動いた方が良さそうだな。鬼という存在にのことについても知りたいし、土地や時代についても調べたほうが良さそうだ。

 行動を開始しようとしたと時、背後から衝撃がきて吹き飛ばされた。

 勢いが強く木を何本か折り、大きな石にぶつかりようやく止まったがダメージがあり血を吐いてしまった。

 

 

「がはっ! いったい何が・・・?」

 

「許さぬ! 許さぬぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!よくも、私に傷をつけてくれたな!」

 

 俺は体を起こし考えた。鬼って奴は化け物か?頭が吹き飛んだはずなのにもう生えてきてやがるし、さすがに倒し方が分かんねえぞ・・・

 どうする? これ以上ダメージをもらうのはマズイし、流石に死ぬ気がする。

 何か方法はないのか? 武器みたいなものがあれば違うんだが・・・

 ん? 待てよ? さっきの鬼の血鬼術ってやつは俺でも使えるんじゃないのか?

 

「何を呆けておる! お主は絶対に私が喰うてやる! 血鬼術『真刃』!」

 

やばい! 考えてる暇は無いな! ええい、イチかバチかだ!

 

「血鬼術!」

 

 そう叫ぶと、辺りが突如光に包まれた。光が収まるまで目をつぶっていると鬼の緊迫している声が聞こえた。

 

 

「なんじゃと!? その刀で何をした、お主!? なぜ身体が再生できないのじゃ!? 身体が崩れていく。私はこんなところで死ぬはずでは! もっともっと・・・!」

 

 

 身の周りを確認してみると、3本の太刀が宙に浮き俺を守るようにしてグルグルとまわっていた。どうやらこの太刀が鬼の首を撥ねたみたいだな。俺の血鬼術って刀出すだけなのか?

 マジかよ・・・。血鬼術についても調べていかないとダメかぁ・・・

 

「ちくしょう。私はこんなはずじゃなかったのに。こんな・・・」

 

 倒した鬼からとても悲しい感じがしたので俺は近づき、鬼の頭を抱えて抱きしめた。

 

「何をしておるのじゃ・・?」

 

「ああ。お前から悲しい感じがした。とても後悔しておる匂いもな。死ぬぐらいは安心させてやりたいと思ったんだよ。何でか知らないけどな・・・」

 

「・・・・・お主は優しいんじゃな。こうやって誰かに抱きしめられて優しくされたのは久しぶりじゃ。私の最後の願いじゃ。お主の名前を教えてくれぬか」

 

「俺は優しくなんてない。名前は天羽 春樹だ。お前の名は何だ」

 

「流花じゃ・・・・・日が昇ったら外を出歩くのはやめるのじゃ。体が消滅するからの。それと、鬼舞辻無惨には気をつけるのじゃ。鬼をこの世に生み出している親玉じゃ。近いうちにお主と接触してくるはずじゃ。長生き・・・して・・・ね」

 

「ああ、どこまでできるか約束しよう」

 

 その言葉を聞き、流花という鬼は笑顔で消滅した。流花の次の世での生活は幸せなものになるといいな・・・

 さて、先ほどの忠告を守り、現状を調べる為に旅にでも行くとするか。

 花を集めてきて流花の墓を作り、俺は移動を開始するのだった。



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弐話

※これは鬼滅の刃のオリ主チート?&ハーレムものです。
ご都合主義の展開もあり、原作崩壊している部分もあります。
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<春樹Side>

 

 

流花との一件から旅を始め、400年近くの時がたった。え、時がたちすぎだって? 色々なことがありすぎてあっという間だったからしょうがないだろう!

400年の間に俺の身に起こったことについて話していきたいと思う。

 

 

 まず俺の身について話そう。俺は流花の言う通り鬼の身体になっていた.端から見たら人間にしか見えないんだけどな!鬼の身体について分かったことは、人間に比べ身体能力が高いということ。あとほぼ不死身ということだ。傷つけられたりしても時間がたてば傷は治ってしまう。

 ただ、デメリットもある。人間を食べたくなるという欲が出る点、日に当たるとすぐに体が溶けて消滅してしまう点、藤の花がある場所には嫌悪感が出て近づけないという点だ。

 

 この三点のデメリットは早急に克服する必要があった。人食べたくなる点に関しては、山で動植物を食べて人間と同じ物を食べ続け俺は人間だという自己暗示をかけ、

サバイバル生活を何十年かするこにより克服することができた。

 

 次に日に当たると体が消滅する点についてだが、こちらは400年かけて4時間だけ日中に行動出来るようになった。日に当たり、体が消滅しきる前に洞窟内に戻るという

ことをひたすら繰り返していたらここまで克服することができた。今でもこの訓練は続けている。決してドМになった訳ではない。生きる為に必要な事なのだ。

 

 藤の花がある場所に行けないという点については、人を食べないようにする自己暗示訓練のおかげで苦手では無くなったのでラッキーだった。

 

 まあ400年の特訓のおかげで弱点をだいぶ克服できたはずだ。日に当たる点についてはまだまだ対策が必要だが・・・

 

 弱点克服と同時に血鬼術の特訓と剣術や体術、格闘術の特訓も人を襲っていた鬼相手に行った。おかげで血鬼術は完ぺきに制御でき、剣術も旅の道中に出会った日の呼吸

というものを扱う剣士に習うことにより修得することができた。体術等は習った呼吸という方法を利用し我流で修得した。おかげで鬼に襲われても負けない強さを手に入れることができた。

 

 その剣士の修業が死ぬほどきつかったから当たり前なんだけどな・・・。鬼じゃなかったら間違いなく死んでたぞ。最初は俺のことを殺そうとしてたし、縁壱許すまじ!あ、縁壱というのはその剣士の名前な。継国縁壱という名前らしい。

 

 縁壱と助けた炭吉くん達はすごく優しかったなー。俺のことを鬼だと分かっても「貴方からはとても優しい匂いがしますし、私たちの命の恩人なので悪い人ではないです!」って言ってくれて

涙が出てきたよ。炭吉くんの奥さんの奈枝ちゃんもいい子だし、炭壱くんも無事生まれて良かったな。やっぱりああいう人達には幸せになってもらわないとな。

 

 それから縁壱の日の呼吸の技を炭吉くんが受け継いでいくと宣言し、縁壱は変なことを言っていたが殴って黙らせた。何だかんだで喜んでいたみたいだ。俺に受け継がせたかったみたいだが断った。俺は鬼だし、炭吉くんのような意思を持った人間が受け継いでいくべきだと

ずっと思っていたからだ。彼なら縁壱達の伝統を守ってくれるだろう。炭吉くんが弟子になった祝いに、首飾りをプレゼントした。血鬼術の刀の刃こぼれして欠けた部分から作ったものだ。

 

 効果はその身に着けた者の一族の安全を守るというもののはずだ。これで竈門家の者が寿命以外で命が尽きることはないはずだ。確証はないが、直感がそう言っている。

奈枝ちゃんは俺があげた首飾りを「ありがとうございます! 春樹様! こちらも受け継いでいきます!」と言ってくれて、嬉し泣きしてしまったのは秘密だ。

 

 炭吉くんのところで何年か過ごし、縁壱達と別れ再び旅を開始した。炭吉くん、奈枝ちゃん、炭壱くんも泣きながら見送ってくれた。ホント人が良すぎるよ君たち。炭吉くんの子孫と会うことがあれば何がなんでも守るとその時誓った。

 

 

 それから更に800年近くの時がたった。鬼の数が昔に比べだいぶ増えてきたみたいだ。俺の所にも目に数字が書いてあった鬼が襲って来たりもしたが全部返りうちにした。縁壱からもらった剣で首を切ると何でか知らないが鬼を殺せるんだよな。

 まあ、血鬼術の刀でも殺せるように特訓したけどな! 襲ってきた鬼を倒しながら旅をしていると、刀を持った人間も襲ってくるようになった。服の背中に滅って文字が入っていた。そんなの着て刀持ってたら物騒だよ?と思いながら返りうちにした。

殺さず相手の刀をへし折ってやってただけどな。途中から柱という人もいたけど同様にして追い返していた。鬼だと分かっていても人間に殺されそうになると涙が出てくるな。炭吉くん達という癒しに会いたい・・・

 

 

 次にめちゃくちゃパワハラしてそうな匂いのする鬼が俺のもとにやってきた。パワハラって言葉に記憶はないが、この鬼を見たとき一目でそう感じたのだ。なぜかは分からないけどな!

 その鬼が「貴様! どうやって私の呪いを解き日の光に当たることができるようになったのだ!? 貴様を喰らえば私は完全な存在になれる! これで私の悲願は達成される!」とか笑いながら言いだした。

パワハラ上司かと思ったら、厨二病だったよ・・・。厨二病という言葉もよく分からんが、此奴は不審者でヤバい奴に違いないので、日の呼吸を使い首を撥ねた。

 

「!? よくも私の首を撥ねたなぁぁぁぁぁぁぁ! 万死に値する!」

 

 うわぁ、首撥ねても死なないのかよ。死なない鬼とか初めてだぞ・・・。血鬼術も使って追い打ちかけてみよう・・・・・やっぱり、死なないか。

 

「貴様ぁぁぁぁぁ! この私の体に二度も傷をつけたなぁぁぁぁぁぁ! 許さぬぞ! この鬼舞辻無惨が貴様を絶対殺してやるからなぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 とりあえず気持ち悪かったので、体と一緒に遥か彼方に蹴飛ばしておいた。ふう、これで一安心だ。それにしても無惨って言ったかあの鬼? どこかで聞いたことがある気がするが・・・

 思い出せないので気にしても仕方ないな。よし、旅を再開しよう。俺は再び旅を再開した。

 あの一件から数か月がたち、俺はある山の中にいた。何でここにいるかって? 討ちもらした鬼がこの山に逃げ込んだからだ。右目に弐、左目に上弦と書かれた鬼で非常に気持ち悪い奴だった。何でかって? 

 子供のみを襲うということを生き甲斐にしている女型の鬼だったからだ。見た目は美人に見えるのに完全に○○コン、〇〇〇コンじゃねーか・・・。逃げられた理由だがあのクソ鬼が、子供たちを守っていた女性を人質にとったからだ。

「私のことは良いですから子供たちをお願いします!」という彼女の言葉を聞き、子供たちを守るのに徹していたら血鬼術で逃げられてしまった。あの鬼の匂いは覚えたので、子供たちを安全な場所に避難させすぐに追うことが出来た。俺は急いで鬼の匂いのする方に向かっていると鬼と女性の会話が聞こえてくるのだった。

 

<春樹Side out>

 

 

 

 

<珠世side>

 

私は現在上弦の鬼に攫われていた。この鬼に襲われていた町の子供たちを守ろうとして代わりに捕まってしまった。

子供たちに関しては、あの強い男性が守ってくれるはずだろう。彼は鬼狩りの中でも相当な強者と感じた。それに私が大好きだったあの人に似ていた。だから、安心して子供たちのことを任せた。問題はこれからどうするかだ。十二鬼月に私はかなわないだろう。

 どうやら私もようやくあの人やあの子の所へ向かうことができそうですね。私は死を覚悟して鬼に話しかけた。

 

「私を人質にとってどうするつもりですか?」

 

「こんな所で逃れ者の珠世と会うことが出来るとはね。ここに逃げるために必要だっただけで、アンタはここで死んでもらうよ。それでアンタを殺した後にあの男も殺させてもらうよ」

 

「待って! あの人は関係ないでしょう! 奪うなら私の命だけにしなさい!」

 

 マズイ! 絶対に彼だけは死なせないようにしなければならない!

 

 

「ほほう。怪しいねぇ。どうしてあの男を庇うんだい? さっきの一件が初対面だろうに」

 

 私が動揺しているのがバレて、鬼が私に聞いてきた。

 

「それは・・・・・。貴女には関係ないことです」

 

「・・・さてはアンタが喰った旦那にでもそっくりだったとかかね」

 

「・・・!」

 

「おいおい何今更動揺して泣きそうになっているんだい。アンタは間違いなくこちら側だよ。それに良いことを教えてあげるよ。気配が人間でアンタは気づかなったかもしれないが、あの男は鬼だよ。今頃子供たちも喰われているかもしれないねぇ」

 

「そんな・・・!」

 

 私は彼が鬼だと聞いて頭が真っ白になった。子供たちを守っていたのは演技で、私が離れた瞬間食べるつもりだったの?

 あの人に似ている彼が鬼だとは思えなかった。どうしてこんなに世界は残酷なのだろうか・・・

 

 

 

「ははは! いい顔だよ、アンタ! 絶望に染まった泣き顔を見るのが大好物なのさ! アンタはここで死ぬのがお似合いさ!」

 

 みんな、ごめんなさい・・・

 私は心の中で助けれなかった子供達に謝った。

 

 

「じゃあね・・・・!」

 

 

 鬼が手を私の首にかけた。死を受け入れ目を瞑った。

 

 

「おい、その人を返してもらうぞ。無事でよかった」

 

 

 その瞬間、私は暖かい感触に包まれるのだった。

 

 

<珠世Side out>

 




ヒロインの一人が登場しました(*'ω'*)


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参話

※これは鬼滅の刃のオリ主チート?&ハーレムものです。
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<春樹Side>

 

「おい、その人を返してもらうぞ。無事でよかった」

 

 鬼の腕を切り飛ばし殺されそうになっていた女性を助け出し、抱きかかえ鬼から距離を取り話しかけた。

 

「すみません、貴女が助けた子供たちを安全な場所に避難させていた為、助けに来るのが遅くなりました。身体の方は大丈夫そうですね」

 

「は、はい。ありがとうございます」

 

 女性が顔を紅くして窮屈そうにしていたので、地面に下ろし彼女を背中に庇うようにして前にでた。

 

「俺の側から離れないでくださいね。貴女のことは絶対守りますんで」

 

「・・あ。は、はい」

 

 俺は鬼の方に顔を向けると物凄い顔で此方を睨んでいた。

 

「貴様ぁぁぁぁぁ! よくも私の腕を斬ったね! 鬼の癖に生意気な! 私が十二鬼月だと知っての狼藉か!」

 

「そんなん知るかよ。お前は、子供達と、この人を襲おうとした。それだけで斬る理由には充分だ」

 

「貴様分かっておらぬのか? 貴様が守ろうとしているの鬼だぞ!?」

 

「・・!」

 

 え、マジで? この人鬼なの? この人動揺してるから鬼なのかな? 全然鬼に見えないんだけど。優しすぎる匂いと人間の雰囲気しか感じないから人だと思ってたよ・・・。

 でもこの人からは、普通の鬼と違い人をどうにかしようってのが感じれないから良い人で間違いないはずだ。よし、俺は直感を信じるぞぉぉぉぉ!

 

「だからどうした? この人はお前達や俺を含めた鬼に比べて、天と地ほど差があり人間らしいよ。それだけで守る価値もあるし、子供達から先生を助けてって頼まれたからな。守りきらないと約束を破ることになってしまう」

 

「鬼が約束を守るだと!? 笑わせるな! 鬼は人を喰らい自分の欲のままに生きていくものだ! 貴様の言い分は鬼である身と矛盾しておる!」

 

「哀れだな。お前も鬼になる前は人だったろうに・・・・。鬼の流儀なんか知らねえよ。俺は守りたいと思ったものを守るだけだ」

 

「私を憐れむんじゃないよ! 珠世もろとも死んでしまいな! 血鬼術『遮月』!」

 

 

「遅いぞ。日の呼吸 壱の型 影日(かげび)

 

 技を使用し、鬼の首を撥ねた。鬼は首を撥ねられたことにまだ気付いていない。この技は、光が当たる場所内なら一瞬で移動し敵との距離を詰め切りつける技だ。

日が当たるところ(影がある場所)で使用したら本来の力を発揮する技で、月の光など日の光が当たる時以外に使うと4割ぐらい力が発揮されなくなるが、大抵の鬼を倒すに充分な技だ。

 

「・・! もう首を撥ねている。貴方はいったい・・・」

 

 背後で化け物を見るような感じで驚かれているような気がするな。やっぱり化け物じみてるかな? 縁壱に教わった型をひたすら鍛錬して鍛えただけなんだけどなぁ・・・

こんな綺麗な人に化け物とか言われたら、もう旅やめて家にひきこもろうかな・・・

 考え事をしていると、鬼が首を斬られたことに気づいたようだ。

 

「どうして私は首を斬られているんだい!? いったい何をした!? くっ、身体が再生できない。上弦の弐であるこの私が負けただと・・・

こんなはずではなかったのに・・・」

 

 鬼を悔しいのか後悔をしておりとても悲しそうな感じがした。鬼に近づいて行った。

 

「な!? 危険です! まだ近づいてはだめです! 完全に消滅するまで油断してはいけません!」

 

 女性が俺を心配して声をかけた。

 

「大丈夫だ」

 

 女性にそう答え、倒れている鬼に近づいてしゃがみ込んだ。

 

「何の用だい? もうすぐ死ぬ私を憐れんでいるのかい・・・ 同情はいらないよ」

 

「なぜ、悲しそうな眼をして後悔しているんだ? お前の心は悲しみで押しつぶされそうだ」

 

「・・・! アンタに何が分かるんだい? 家族と生きたい為に、鬼になり愛していた家族を喰い殺した私の気持ちが分かるっていうのかい!」

 

「・・・! そんな・・・」

貴女も私と・・・」

 

「・・・そうか。守ろうとしたものを自分で壊してしまったか。それが辛くて鬼として人を喰い続けた訳か・・・」

 

「そうさ。鬼として生き続ければ記憶は次第に薄れていき家族の記憶も無くなっていったってのに、アンタとそこにいる珠世のせいで苦い思い出を思い出しちまったよ」

 

「今のお前に聞きたい。お前はどうしたかったんだ?」

 

「私は・・・ ただ家族と生きたかった。みんなで笑って暮らしたかっただけさ・・・!」

 

「鬼になったとしてもそれを守れたのではないのか? それなのにお前は、逃げてしまいたくさんの関係ない人達の人生を狂わせた。自分と似ているというだけで

そこにいる女性まで巻き込んだ。この人とお前の違う点は、鬼ということを受け入れた上で人を守り生き続ける、人を襲い生き続ける行動をしたという対局的な生き方を

してきたということだ。この女性も同じように家族を殺したかもしれない。それでも前を向いて生きようとしているんだ。お前や俺と同じ鬼ではなく、この人は間違いなく

人だと思うよ」

 

「・・・ぐすっ」

 

「ははは。敵わないねぇ。私は悪人らしく逝くとするかね・・・! 何をしてるんだいアンタ」

 

 鬼の頭を抱きしめたことにより、鬼は驚いていた。

 

「黙ってきけ。お前は確かに許されないことをした。だけどな、お前はちゃんと後悔し反省している。次生まれてくる時はきっと幸せになれるはずだ。なんて言ったって俺の勘がそういっているからな!」

 

「・・・全く、なんなんだい、その根拠の自信はどこから来るんだい。アンタみたいな奴がいると私の人生も変わったのかね。こんな暖かいのは久しぶりだよ・・・。あのお方と戦っても絶対に死ぬんじゃないよ。

私の名は桔梗だ。最後にアンタの名を聞かせておくれ」

 

「桔梗、良い名だな。俺の名は天羽春樹だ」

 

「春樹か。アンタこそ良い名じゃないか。ありがとう、これで私も・・・・」

 

 桔梗は満足した顔で消滅した。

 

 それを見届け安心した瞬間、技の反動がきて倒れてしまった。

 

「大丈夫ですか!? しっかりしてください! お願い!」

 

 女性が泣きながら、かけよってきた。この人を守ることができたんだと安心し気を失った。

 

 

<春樹Side out>

 

 

 

 

 

 

 

<珠世Side>

 

 

 私は気を失った彼を屋敷に運び、いつの間にかできていた傷の手当と看病を行った。

 彼が気を失ってから三ヶ月もたった。ちゃんと呼吸し容態も安定している為死ぬことは無いが、ここまで目覚めないと不安になってくる。

 手当をしている時に、身体を調べたら私と同じ鬼という存在ということが分かった。ただ、彼は鬼舞辻の呪いを外しているし、鬼の体でも人に近い存在だ。

それに、鬼狩りと同じ刀を持っているのは何故なのだろうか? 知らないことばかりで、彼のことをもっと知りたいと思ってしまった。

 

「がらにもないですね。年端もいかない乙女じゃあるまいし、私は何を考えているのでしょうか」

 

 彼の言った言葉が頭の中から離れたことは一度もない。こんな私を鬼ではなく人と言ってくれたあの時の暖かさわ心の奥底に残っている。

彼の言葉のお蔭でちゃんと前を向いて歩いて生き続けようと誓いました。こうすることであの人とあの子も喜んでくれますよね。

 

「こんなおばさんを口説いているのかと思いましたよ、目覚めたら話を聞かないといけませんね、ふふっ。貴方が助けた子供達も待ってますよ。

もちろん私も待ってます。早く目を覚ましてくださいね」

 

 

 ニコリと笑い、彼の手を握り目を覚ますのを待ち続けた。

 更に二ヶ月がたった頃、彼が目覚めた時私は泣きながら抱きつくのだった。

 

 

 

 

<珠世Side out>

 



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肆話

※これは鬼滅の刃のオリ主チート?&ハーレムものです。
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<春樹Side>

 

「ううん、ここは・・・・・

げふっ!」

 

 目を覚ますとガシャンと音がして体に衝撃がきた。

 助けた女性が抱き着いてきたようだ。うん、柔らかい感触するし良い匂いするし非常にピンチだな!

 どうしてこんな状況になっているんでしょうか!?

 さすがに予想外すぎますね!

 頭の中で混乱していると

 

「良かった! 目を覚ましたのですね! 本当によかった! ぐすっ、貴方が気を失って五ヶ月もたっているのですよ」

 

 女性がそう言ってきたので俺は何とか平常心で会話するように心がけ返事をした。

 

「本当ですか? それはご心配をおかけしました。気を失った俺を運んでくれたんですね。ありがとうございます。貴女こそ大丈夫でしたか」

 

「そういえば自己紹介がまだでしたね。私は珠世といいます。珠世と呼んでくださいね。よろしくお願いします」

 

「あ、わざわざありがとうございます、珠世さん。俺は天羽 春樹っていいます。好きなように呼んでください。こちらこそよろしくお願いします」

 

「ふふっ、さんは要りませんよ。春樹さんですね。春樹さんのおかげで私や子供達も死なずに済みました。なんとお礼を申し上げたらいいか・・・

それに私を救っていただきありがとうございました。鬼になって年数がたちますけどようやく前を向いて歩いていけそうです」

 

 珠世さんはそう言いながら笑っていた。その笑顔が綺麗で見惚れていた。

 照れくさく、頬をかきながら

 

「いいえ、俺は守りたいものを守っただけにすぎません。お礼言われるほどでもないですが、珠世さんが綺麗な笑顔ができるようになったなら良かったかなと思ってます」

 

「そ、そうですか。そう言われると照れますね。こほん、春樹さんはどういう経緯で鬼になったのですか? 私は桔梗という鬼が言っていた理由と同じです。

家族を残し病気で死にたくなかった為、鬼となりました。結果は家族を喰い殺すことになってしまいましたが・・・」

 

 鬼になった経緯を話し泣いていた珠世さんの頭を優しく撫でながら

 

「辛いことを思い出させてしまい申し訳ないです。珠世さんの家族も貴女が前を向いて生き続けることを願っていると思います。俺からのお願いになってしまいますが、生き続けるように

してください。貴女は死んではいけない人だと思いますから」

 

「あ、ありがとうございます。そこまで言われると死ぬわけにいきませんね」

 

 珠世さんは顔を紅くして言った。熱でもあるのか? 体調悪いなら、確認したと方が良いか。

 

「お顔が紅いようですが、大丈夫でしょうか? 体調が悪いのでしたら俺の話はまたの機会にしますが・・・」

 

「・・・! いえ、大丈夫です。少し暑かっただけですから気にしないでください!」

 

 心配したらなぜが怒られたんですけど・・・

 顔が紅かったのは熱ではなくて、俺の何らかの行動に腹立てて怒ってたんですね。

 何が原因で怒っているか心当たりは無いが、謝っておかなくては!

 「珠世さんみいたいに綺麗な人に嫌われたら絶対立ち直れないからなー」

 

「き、綺麗って何を言っているんですか、貴方は!?

急に変なことを言わないでもらえますか!?」

 

「ひっ! 変なことを口にしてしまい、すみません。

その、さっき言ったことは思ったことがつい口にでてしまっただけなので気にしないでもらうと助かります」

 

「そ、そうですか。この人は無自覚なのでしょうか」

 

 珠世さんの声が小さくて後半部分が聞き取れなかったんですが・・・

 

「すみません、最後の方が聞き取りにくかったのでもう一度言ってもらえますか」

 

「気にしないでください。春樹さんが鬼になった経緯を教えていただいてもよろしいでしょうか」

 

 笑っているはずなのに怖いですよ、珠世さん?

 早く説明しろってことですね、分かりました。

 

「は、はい! 俺が鬼になってから500年の時が経つのですが・・・」

 

 俺はこの世界にきてからの事を珠世さんに全部話した。話した理由は、この人になら説明しても大丈夫だと思ったからだ。それに俺だけ理由を聞くのはフェアじゃないからな。

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・ってさっきまで思っていた奴をぶん殴りたい!

 説明していくごとに珠世さんの笑顔が怖くなっていくんですけど! プレッシャーも凄いですし!

 

「・・・・以上なんですが、珠世さん」

 

 

「春樹さん、貴方には世の中が今どういう状況であるかを詳しく説明さしあげて勉強してもらった方が良さそうですね。ちゃんと理解するのですよ」

 

「はい!」

 

 俺は珠世さんをこれ以上怒らせないように、正座して元気よく返事をするのだった・・・・

 

<春樹side out>

 

 

 

 

<珠世Side>

 

 春樹さんが私を助けて気を失い、目が覚めた日から200年近くの時がたった。今でもあの日のことを覚えている。あの日から、彼と関わるようになり私にとって彼はかけがいのない人になっていた。

しっかりしてる所より、抜けている部分のほうが目立ちますが・・・。彼が鬼舞辻や十二鬼月を接触して今まで生きてることに驚きましたし、戦闘して傷をを負わせたと聞いた時は開いた口が塞がりませんでした。

 パワハラじょうし?というよく分からない言葉を使ってましたが、逃げずに立ち向かうとか普通では考えられません。それに彼は鬼狩りに襲われて意気投合し技を習って仲良くなったそうです。彼はどこを目指して

いるのでしょうか。自分がどういう存在なのかを詳しく説明して理解させるのには苦労しました。今は鬼狩りの伝手をたどり、鬼舞辻を倒せるように修業しているみたいです。

 「珠世さん、新たに呼吸法を取得しましたよ!」と毎回報告してくれて、子供みたいな所もあり可愛らしいと思いついつい笑ってしまいます。元気にやっているみたいなので良かったですが、問題点が二つほどあります。

 一つ目ですが、彼について私に訪ねてくる女性が多い点です。男性より圧倒的に女性の方の割合が多いです。彼が困っている人を放っておけない性格だというのは分かりますが、女性に慕われすぎではないでしょうか?

 一体何をしたらそんなことになるのでしょうか? これは帰って来たらすぐに注意しなければなりませんね。

 次に二点目ですが、旅にでたら私の屋敷に帰ってくることが滅多にないことです。初めごろは、よく帰ってきてくれていたのですが、最近では文だけ送ってきて帰ってくることがほとんどありません。

顔を見せてくだされば愈史郎も喜ぶのに。愈史郎というのは私が鬼にした少年のことです。

 彼は不治の病にかかっており、私がちゃんと説明した上で鬼になりました。彼にとって春樹さんは、良い兄のような存在になっております。

帰ってこないことも注意しなければなりませんね。

 

「珠世様!」

 

おや? 愈史郎から呼ばれたみたいですね。

 

「どうしました、愈史郎」

 

「珠世様! おはようございます! 今日もお美しいです! 要件ですが、バカ兄貴から文が届いていましたよ。こちらをどうぞ。

アイツのことですからまたくだらないことに違いありません!」

 

「そうですか。愈史郎、春樹さんが当分帰ってこず寂しいからといってそんな言い方はいけませんよ」

 

「そんなことありません! アイツは珠世様を悲しませていますのでバカ兄貴で充分です!」

 

 愈史郎は私の気持ちを知ってこう言ってくれるのでとても優しい子です。ただ私と春樹さん以外には興味を示さないので、そこだけはどうにかしてほしいのですが・・・

 私は春樹さんの文を愈史郎から受け取り中身を確認した。始めは長々と挨拶が書いており、読み進めていき文の内容に驚いてしまった。

 

『鬼に襲われ目の前で両親を殺された姉妹を、鬼狩りと共に助けだし、鬼狩りより俺に懐いてしまい弟子にしてくれないと嫌だと言い、離れないので一緒に帰ります。愈史郎にも言っておいてください。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします』

 

 春樹さん、またですか。その姉妹は絶対貴方から離れないと思いますよ。鬼がいる所に人間の少女を連れて来るって発想にどうやったらなるのでしょうか?

 その時玄関の開く音がして

 

「珠世さん、愈史郎、ただいま戻りました」

 

「「お邪魔します」」

 

 三人の声がし、私と愈史郎はお帰りなさいと声をかけ、少女二人のことと愈史郎達についてどうするか頭を悩ませるのだった。

 

 

<珠世Side out>




珠世さんに教えられ、主人公は少し賢くなったようです。
次回は新たなヒロインが二人出てきます(*'ω'*)


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伍話

※これは鬼滅の刃のオリ主チート?&ハーレムものです。
ご都合主義の展開もあり、原作崩壊している部分もあります。
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<春樹Side>

 

 

 二人の少女を連れて珠世さんの隠れ屋敷に向かっていた。勝手なことをして怒られるからな? 一応珠世さんに文を送ったんだが・・・

 前みたいなことにならなければ良いが・・・

 数か月前に似たようなことがあり、苦労した時のことを思いだしていた。

 

 

 ある村に赴き、家族を鬼に殺され孤児になっていた錆兎という少年と真菰という少女が鬼に襲われていたのを助けだし、連れて帰った時もめちゃくちゃ怒られたからなー。

「春樹さん! 貴方の正体を子供たちが知ったらどうするんですか!? それに私たちは子供たちの大事な存在を奪った鬼という存在なのですよ?

命を助けるならまだ分かります。ですが引き取って面倒を見るという場合は違います。ただでさえ貴方は鬼舞辻から狙われている存在です。子供

たちの身に危険がせまりますよ? そんなことさせないから大丈夫だ? 貴方が身近なものを傷つけさせないように護りきるのは分かってます。

ただその度に貴方は無茶をするではありませんか! 貴方の心配する身にもなってください!」

 と怒られて珠世さんを泣かせてしまった。

 錆兎からは「男なら女の人を泣かせてはだめだ!」

 真菰からは「ああ、泣かせちゃった。春樹さんは悪い人だ。ほら、謝らないと」

 愈史郎からは「おい、バカ兄貴! 珠世様をよくも泣かせたな! 二度と帰ってくるんじゃない!

 三人から集中攻撃をくらった。いや、錆兎に真菰さん? 貴方たちを面倒見ることについて怒られてるんですよ? そこ分かってます?

それに、愈史郎は珠世さんのことが絡むと容赦ないですよね!? 言葉の棘がグサグサと刺さっていますよ?

 みんなから攻められたら泣きますよ・・・

 俺はすぐに謝り、友人の鱗滝左近次という鬼狩りの柱に錆兎と真菰を預けにいった。鱗滝さんは、俺の状態を知っている数少ない人物だ。

鼻が利くらしく、俺を一目で鬼と見破った。襲われるかと身構えたが、彼は襲ってこなかった。

「お前は鬼だが、とても優しい匂いがする。その体の大きさから人を喰ったことも無いだろう。害のない鬼を殺す必要はない」

 と言われ、天狗のお面をかぶっている変な人じゃなくて良かったと思い、彼には私の今までのどういう生活をおくってきたか話した。すると、

珠世さんと同様に怒られてしまった。解せぬ・・・・

 そこから仲良くなり今でも交流が続いている。錆兎と真菰を面倒見てもらっているだけでは悪いので、彼が引き取った孤児たちの面倒をみたり、

修業を一緒につけている。本来、そだて?と呼ばれる人物が修業して剣術を伝承していくらしいので鱗滝さんが教えるだけで充分のはずなんだが、

俺の剣術も参考になるらしく子供たちと稽古をしている。縁壱に死にかけながらも習ったぐらいで、後はほとんど独学ってか襲ってくる鬼や人間達と

自主鍛錬して身につけただけなんだけどな。

 鱗滝さんは『水の呼吸』という剣術の使い手だ。聞いた時は俺の知っている『日の呼吸』と違っていて驚いた。時代がたつにつれて呼吸法も進化していった

ということだろうか。

 出会って間もなくの頃、今ある呼吸法について尋ねたところ、炎・水・風・岩・雷の五系統が存在しており、ここから派生している他の流派もあると言われた。日の呼吸については

親方様なら何か分かるかもしれないが、私は知らないと言われた。どうやら彼が所属している鬼狩りの組織には日の呼吸法を扱う者はいないみたいだ。炭吉くん

と奈枝ちゃんの子孫はいないみたいだ。どこにいるのだろうか? 生きてさえいればその内会えるよな! 前向きにいこう!

 彼の所属している組織についても教えてもらった。『鬼殺隊』と呼ばれ、なんか凄い素材で作られた日輪刀と呼ばれる刀で人を襲う鬼を殺す組織で何百年も前から続いているそうだ。

親方様と呼ばれる人物がトップで、その下に柱と呼ばれる強者が何人もおり、その下に階級を分けて数百人の隊員がいるらしい。日輪刀でのみ鬼を殺すことができるそうだ。

縁壱からもらった刀も日論刀だったみたいだ。全然知らなかったんですけど・・・・。ん、、待てよ?

 鬼舞辻という鬼をこの刀で首を撥ねたが死ななかったことを伝えると、彼のお面がずれ落ちて顔が見えた。あら、意外と可愛らしく優しい表情してるのね。

 どうでも良いことを考えていたら、服を掴まれて更に怒られた・・・・何でだよ・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 とまあ、彼と出会ったばかりの頃のやり取りはこんな感じだったな。彼には色々と恩があるので、頼みごとを聞いた訳だ。錆兎と真菰の元気な姿が見れるから俺としては嬉しいんだけどな。

 それで、錆兎と真菰に土産でも買おうと特産品がある村を訪れて宿で休んでいたら鬼の気配がしたので、刀も持たず身一つで急いで向かうとその場所には家があった。ドアを蹴飛ばして中に入ると成人の男性と女性が

鬼に喰われており子供の姉妹が喰われそうになっていた。

「何じゃお主は? ぎゃぼっ」

 呑気に声をかけてきたので一瞬で距離を詰め、鬼を蹴飛ばし力を込めて顔面をぶん殴った。鬼は家の壁に穴をあけながら吹っ飛んでいき姉妹と鬼の距離を離すことに成功し、泣いている彼女達を安心させる為、頭を

撫でて笑顔で話かけた。

 

「助けに来るのが遅くなってしまい申し訳ない。君たちの両親を助けることが出来ずすまない。俺を恨んでくれてもかまわない。だが、鬼を倒すまでは俺の側から離れないようにしてくれ」

 

「「ぐすっ・・・お父さんとお母さんが」」

 

「すまない・・・。俺がいる限り君たちのことは絶対に護るから安心してくれ。血鬼術『護り刀』」

 

 姉妹を落ち着かせていると先ほどの鬼が戻ってきた。彼女たちは鬼が生きていることに恐怖し震えていた。

 

「貴様! よくもやってくれたな! お前を殺した後でそこの人間どもも喰ってやる」

 

「「ひっ!?」」

 

 彼女達を抱きしめ、顔を俺の体で隠し鬼を見えないようにして鬼に話しかけた。 

 

「それはできねえよ。お前はもう人を喰えない」

 

「!? なぜ、俺の頭が落ちている? 貴様の周りに浮いてある刀で何をした!? それに再生できないだと!?」

 

「血鬼術の効果だ。この刀は鬼狩りが持つ刀と同等の効果がある。この刀でお前の首を撥ねたんだよ。

お前はこの子たちの大事なものを壊した。その代償を払うことになっただけだ。死んで悔い改めろ」

 

「おのれえええええええええええええ!」

 

 鬼は消滅した。

 

「次に生まれるときは幸せになれるようにだけは願ってやる。鬼は倒したからもう大丈夫だ」

 

 鬼を倒し消滅したのを確認して少女達に話しかけた瞬間、背後から殺気を感じ振り向くと大きな鉄球が俺めがけて向かってきた。

 少女たちを抱え、攻撃が当たらない範囲まで移動した。

 

「今のを避けるか・・・・おお哀れな子供達よ、今鬼から救いだしてやる。私が来たことを後悔するのだな・・・南無阿弥陀仏」

 

 危ないな、おい! 下手したら子供たちが怪我してたぞ!

 とにかくこの子達に被害がいかないようにしないとまずいな。

 声がした方を睨み、少女達に被害がいかないように庇うように前に出て

 

「おいおい、ずいぶんなご挨拶だな。そんな鉄球を喰らったら間違いなく死ぬと思うんだが? 挨拶も無しに襲ってくるとは今までの柱に比べ容赦がないな、鬼狩りさんよ。ここで戦うことはこの姉妹を巻き込むことになると思うんだが、この姉妹を最悪殺しても良いってことか? もしそうなら、いくら人間だとしても容赦しねえぞ」

 

 俺は、攻撃してきた『南無阿弥陀仏』の文字が染め抜かれた羽織を着て鉄球を持っている巨漢に殺気を向けて対峙するのだった。

 



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陸話

※これは鬼滅の刃のオリ主チート?&ハーレムものです。
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<春樹Side>

 

 こんな所で鬼狩りと争う場合ではないんだが、この子達を守るためには仕方ないか。縁壱から貰った刀は宿に置いてきてしまったので呼吸は使えない。

血鬼術の護り刀でも呼吸を使えるがパワーが格段に上がる為、この人間を殺してしまう。さて、どうするか・・・・

俺が立ち去りこの鬼狩りに子供たちを預けるのが得策か。

 

「おい、鬼狩り。子供達をお前に渡す。なのでここでの戦闘は辞めにしないか? ここで争ってもお互いに良いことは無いだろう」

 

「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。鬼である貴様の言葉をみすみす信じるとでも?」

 

「信じてほしいんだけどな。俺の大事な者達を傷つけようとしない限り人間には手を出すつもりもない」

 

「根拠はあるのか? 鬼や子供はすぐ嘘をつく・・・」

 

「根拠か、そうだな。君たち、もう大丈夫だ。このお兄さんについて行き守ってもらうんだ。そこのお兄さんに頼めば親戚の所に連れていってくれる

はずだし、俺の側にいるより安全だ」

 

 少女達に話しかけ、鬼狩りの所に向かうように言い背を優しく押してあげた。俺の行動に鬼狩りは驚いていた。

 まあ、驚くだろうな。明らかにおかしい行動をしているからな。何にしても理不尽に奪われたこの姉妹が幸せになるよう手助けするのが一番だ。

 ん、なぜ少女達は俺から離れようとしないんだ?

 

「どうした二人とも?」

 

 訪ねてみると姉のほうが

 

「ぐすっ、嫌です。お兄さんがいないと私としのぶは鬼に殺されていました。私と妹の命を助けてくれた恩人です。貴方を殺そうとしたあの人に付いて行くのは嫌です」

 

 おいおい、まじかよ。まだ幼く目の前で両親を殺されて辛いだろうにここまでのことを言えるのか?

 この子は思ったより強いんだな。妹の方はまだ立ち直れてないってのに、流石はお姉ちゃんだ!

 よし、鬼狩りは俺の行動を観察しいつでも動けるような状態だな。少し姉妹と話をしよう。

 姉の頭を撫でながら

 

「君は強い子だな。良かったら君達の名前を教えてくれないか? 俺の名前は天羽春樹だ」

 

「春樹さん・・・・・私の名前は胡蝶カナエです。ほらしのぶも挨拶して」

 

「ぐすっ。妹のしのぶよ」

 

 姉はのんびりほわほわタイプで、妹はやんちゃできかんぼうって感じだな。

 

「カナエにしのぶか。二人とも良い名をご両親に付けられたんだな。カナエ、しのぶ。そこのお兄さんが先ほど言ったように、俺は君たちの両親を殺した鬼と呼ばれる存在だ。

人間であるお兄さんに付いていくべきだと思うんだが?」

 

「貴方が鬼だとしても私達を助けてくださいました! その事実は間違いありません!」

 

「そうよ! 私と姉さんを助けてくれたのには変わりないわ!」

 

「そうか。もしカナエとしのぶを後で襲って食べる為に騙していたとしたらどうするんだ? 鬼はそういう卑劣な手を平気で使うぞ・・・・」

 

「「貴方はそんなことしない人です(よ)!」」

 

「もし春樹さんが私達姉妹を連れて行ってくれないというなら私としのぶが勝手について行きます! ねえ、しのぶ?」

 

「もちろんよ、姉さん。どこまでもついていってやるわ!」

 

 はははははははははは! どこまでもついていってやるだってよ。

 ったく、どうしてここまで俺のことを信じれるのかね・・・。こういう頑固な物言いをするところは錆兎達にそっくりだ。

 珠世さんに怒られるかもしれないが仕方ない。

 

「カナエ、しのぶ。君達の気持ちには負けた。さて、鬼狩りよ。提案があるのだが・・・・」

 

 胡蝶姉妹の気持ちに押し負け、この姉妹を引き取る為に鬼狩りと交渉するのだった。

 

 

 

 

<カナエSide>

 

 あの恐ろしい夜から数日がたった。私としのぶは現在、春樹さんと一緒に歩いていた。彼は鬼から私たちを守ってくれた命の恩人だ。彼は「両親を守れずすまなかった。俺をいくら恨んでも構わない」と言い後悔

して悲しそうな顔をしていた謝った後、悲鳴嶼さんと交渉し、私達を引き取って面倒を見てくれるようになった。私としのぶの命を助けてくれただけではなく、わがままも聞いてもらい両親の葬儀の準備もしてくれて

埋葬もしてくれた。彼には感謝してもしきれないし、なんと優しい人なのだろう。鬼だと言っていたがとても信じれない。

 しのぶも彼にはとても感謝しており懐いており、楽しそうに話をしている。ちょっとモヤモヤした感じがしたが楽しそうなので良しとしよう。いったい何の話をしているのだろうか?

 妹に変なことを言ってないか調べるだけよ。もし、変な事を言っていたら注意しなきゃ! ええ、それだけよ。

 

「ねえ、どこに向かってるの? 行先聞いてないんだけど」

 

「俺の知り合いの屋敷だ。そちらに当分帰っていないから帰ろうかと思ってな。カナエとしのぶのことも紹介しないといけないしな。珠世さんに向けて縁吉に文を送ってもらっているが・・・・

はたして大丈夫なのだろうか?」

 

「ふーん。珠世さんて誰? それと、えんよし? って人も」

 

「ああ、珠世さんは俺がめちゃくちゃ世話になった人で、優しくて綺麗な女性だからしのぶ達も気にいると思うぞ? 縁吉は・・・って痛いな! どうして蹴ったんだ?」

 

「別に・・・・」

 

「あらあらまあまあ。しのぶったら可愛いわね。珠世さんって人にヤキモチやいているんですよ。私もしのぶと同じでヤキモチやいてしまいました。珠世さんという方は、

春樹さんの奥さんか恋人ですか?」

 

「ね、姉さん! 何を言っているの!?」

 

 しのぶは顔を真っ赤にして可愛いわね。春樹さんに奥さんか恋人がいるのか気になってチラチラと見ている。かくいう私も気になっていたので直接聞いてみた。もし彼に恋人が奥さんがいたら間違いなく私たちは

邪魔になってしまうだろうから・・・・・。彼の言葉を待っていたら頭を撫でる感触がした。

 

「珠世さんは、そんなんじゃねえよ。俺に恋人や奥さんはいない。鬼に襲われ、人間に襲われてって生活ばかりで日中はあまり外に出られなかったし

そういうの考える余裕が今までなかったからな。それに俺が相手だったら珠世さんに失礼だろう」

 

「貴方はいつから鬼だったのですか?」

 

「500年ぐらい前からかな。その時から旅にでながらこういう生活を送っている。ってどうしたんだしのぶ?」

 

 彼がそういった瞬間、しのぶは春樹さんに抱きついていた

 

「貴方はそんな生活で辛くなかったの? 貴方が優しいってのは分かるわ。どうしてそんなに辛い目にあわないといけないのよ! こんなの間違えているわ・・・」

 

 私も春樹さんに泣きながら抱きついていた。

 

「そうです。そんなの余りに辛すぎます。鬼や人間からも襲われて、500年近くもそんな生活を続けているなんて・・・」

 

「・・・ありがとな、‭二人とも。辛いこと以上に幸せなことがたくさんあったんだぜ。こんな俺でも仲良くなってくれる人達がいたし、カナエやしのぶにも出あえた。だいぶ昔に会った親友や珠世さん達のおかげで

こんな俺でも守れる命があると分かったしな。だから。お前たちが悲しい顔をする必要は無いんだ。ほら、笑わないとせっかくの可愛い顔が台無しだぞ?」

 

「ぐすっ、うるさいわよ! 私と姉さんがいる限り退屈はさせないしアンタを幸せにしてあげる! 分かった!?」

 

「うふふ。なんだか婚姻の約束みたいね。春樹さんが義弟になるのかしら?」

 

「姉さん! ちゃかさないで!」

 

「あらあら。早く行きましょう。春樹さん」

 

「こらっ! 姉さん! 待ちなさい!」

 

 私は春樹さんの手を引っ張り駆け出した。しのぶが怒りながら私達を追ってくる。

 

「ったく、元気な姉妹だ」

 

 春樹さんは私たちを見ながら笑っている。

 うん、彼には笑顔が一番ね。

 彼に笑顔を返し、彼の側で生き続け笑顔にさせようと誓い、後ろの可愛い妹から笑いながら逃げるのだった。

 



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漆話

※これは鬼滅の刃のオリ主チート?&ハーレムものです。 
ご都合主義の展開もあり、原作崩壊している部分もあります。
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<しのぶSide>

 

 私が、姉さん達を走って追いかけ続けるとあっという間に目的地に着いた。

 私と姉さんは疲れ呼吸を整えていた。彼は全然疲れておらず、息も乱れてなかったので訪ねてみた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ。どうして貴方は全然疲れてないのよ」

 

「はぁ、はぁ、はぁ。そうね。私も疲れちゃったわ。春樹さんはどうして元気なの?」

 

「伊達に体鍛えてないからな。鬼とやり合うには体力や力が必要だったし、昔その友達にやたらしごかれたんだよ。アイツマジで容赦なかったからな・・・

だいたい鬼に鬼を狩る為の技を習わせるとか正気じゃないだろう」

 

 春樹さんはと遠い目をしてぶつぶつ言っていた。いったいどんな鍛え方をしたのだろうか?

 やっぱり彼は強いみたいね。彼になら頼めるわ。おそらく姉さんだと言えないだろうから。

 

「そ、そうなの。ねえ、お願いがあるんだけどいいかしら?」

 

「しのぶ、急にどうしたの?」

 

「頼みごとってどうした?」

 

「鬼狩りの方法を教えて欲しいの。私と姉さんに。鬼の頸を斬る方法を教えて。貴方は鬼のことについて誰よりも知っているはずだわ。だから教えて」

 

 私がそう言った瞬間、春樹さんから凄い威圧感が私に向けて放たれた。全身から汗が出てきて、あの優しい人と同一人物だとは考えられない。

 彼が初めて怖いと思い、涙も出てきた。姉さんも同様で驚き震えている。

 

「俺はお前達を鬼狩りにする為に助けた訳ではない。俺が引き取ったのは、お前たちが幸せな人生を歩むようにする為だ。お前たちは好きな男の人を見つけ普通の娘として幸せに生きるべきだ。両親もそれを望んでいるはずだし、危ない道を進ませたら顔向けできない。

それに鬼という存在は悲しい生き物だ。お前たちのように、両親や恋人、愛する人を殺され鬼になってしまったものがほとんどだ。確かに人を殺しているから鬼が悪い部分もある。だが、身近な者が殺されたからと鬼が全部悪いと決めつけて復讐心に囚われて殺すのだけはダメだ。復讐の連鎖が続いていくだけだ。鬼とはいえ元人間だ。鬼狩りをするということは人殺しをしていると理解した上で、鬼狩りになるというのか、しのぶ?」

 

「わ、わたしは・・・・」

 

 彼は全て背負った上で鬼狩りをしてきたんだ。いや、鬼ですら助けようとしてきたのだろう。それでもダメな事ばかりで、心が折れてもおかしくないはずなのに。

何も知らないあかの他人の私達の幸せを願ってくれてるからこそ、厳しく言ってくれているのがよく分かる。これで私の気持ちは間違ってないって分かったわ。私は勇気を振り絞り言った。

 

「確かに父さん、母さんが目の前で殺されて復讐をする為に鬼を倒す方法を学びたいと思っていた気持ちが少しはあったわ。でも一番大きかった理由は、貴方と一緒に戦いたいからよ!

 私が力をつけて鬼を倒せるようになれば、その分貴方が鬼を倒す回数が減って、悲しい思いをする機会が減るじゃない! 自分だけ背負ってるんじゃないわよ! 私や姉さんにもアンタの背負っているものを背負わせなさいよ! それが家族ってものでしょ!?」

 

 私は泣きながら思いきり気持ちをぶちまけた。すると、姉さんも私に続いて

 

「春樹さん、私もしのぶと同じ気持ちです。私も強くなって貴方を支えられるようになりたい。私達を引き取ってくださったので春樹さんはもう家族です。家族は辛いことがあったらお互いに助け合います。

 だから、貴方を助けることができるようにする為に、人間や鬼を救うことができるようになる為に鬼狩りの方法を教えてください。お願いします」

 

 姉さんはそういい頭を下げた。私も慌てて頭を下げた。少しして威圧感が無くなった。

 

「はあ、分かった。いじわるして悪かった。ただ問題点がある。カナエ、お前は優しすぎるし、しのぶは筋力が足りず鬼の頸を斬るのが難しいだろう。鬼狩りになったとしてお前たちの死ぬ確率は普通に人より高くなる」

 

「「そんな!?」」

 

 私と姉さんは驚き固まってしまった。

 

「最後まで聞け。俺の修業についてくれば死なない術を叩きこんでやるが厳しいぞ。 覚悟はあるか?」

 

「はい!」

 

「もちろんよ!」 

 

 私と姉さんは元気よく返事をした。すると、小さな鳥が春樹さんの頭の傘の中から姿を現した。

 

「ちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅん」

 

 上面が緑色で、目の周りが白い鳥が彼の肩に止まった。

 

「いい返事だ。っと、ようやく姿を現したのか、縁吉(えんきち)?」

 

「ちゅ、ちゅん。ご主人が取り込み中だったからね。邪魔しちゃ悪いかなと思って。ってか、またなのご主人? 毎回、子供達を拾ってきすぎだよ。珠世さんがまたですかって頭抱えてたよ?」

 

「マジかよ。説得できるかな? 珠世さん、怒ると怖いんだよなー。助けてくれよ、縁吉(えんきち)

 

 

「ご主人の自業自得だと思うよ? 二人が僕らの会話に驚いて固まってるよ?」

 

 驚きすぎて開いた口が塞がらなかったわ。え、鳥が喋ってるの? 声も姿もすごく可愛いんだけど喋るの!?

 姉さんの方を見てみると目をキラキラさせながら、

 

「かわいい~! 春樹さん、その子はなんなの?」

 

「ああ、紹介しないとな。じゃーん、手乗りメジロだ! ちなみに元気な男の子だぞ」

 

「ちゅ、ちゅ、ちゅん! 初めまして。僕はメジロの縁吉(えんきち)だよ。ご主人に助けられたから一緒に旅しているんだ! よろしくね、カナエにしのぶ」

 

 春樹さんがえんきちと呼ばれるメジロを手に乗せて芸をしながら、メジロが自己紹介した。

 姉さんが瞬時に近づきメジロを抱きしめてした。

 

「かわいい~! よろしくね、縁吉くん! 私は胡蝶カナエよ。ホント可愛いわ!」

 

「く、苦しいよ~、カナエ」

 

 姉さんを止めないと! この子が嫌がってるわ! 私が決して抱きたいとかじゃないんだからね!

 私は姉さんから、縁吉を奪取した。

 

「姉さん! 縁吉(えんきち)が嫌がっているでしょ! 大丈夫?」

 

「ああ~! しのぶがとった! 返してよ」

 

「ありがとう、しのぶ。助かったよ」

 

「駄目よ。この子が嫌がっているじゃない。私は姉さんの妹の胡蝶しのぶよ、よろしく」

 

 可愛すぎるわ、この子! けど、春樹さんのだから返さないと。今はね。ここで春樹さんと生活していくのだからいつでも縁吉と触れ合う機会はあるはずよ!

 春樹さんに縁吉(えんきち)を返そうとしていると、彼の背後にある屋敷の玄関が開き女性の声が聞こえた。

 

「久しぶりに顔を見せましたね、春樹さん? それにいつまで玄関で話しているのでしょうか?」

 

 声を聴いた瞬間、彼は顔色を真っ青にして汗をだらだらと流しはじめた。瞬きした次の瞬間彼は

 

「すみませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 土下座して謝っていた。彼が低い姿勢になった為、女性の姿が見えた。誰もが見惚れるほど綺麗な人だった。

 その人を見た瞬間、春樹さんのことが一気にムカついてきたので、彼の背中を蹴った。

 

「って痛いよ!? しのぶはどうして俺のことを蹴るんだ!? それにどうして怒ってるんだ?」

 

「むっ。別に。ただムカついたから蹴っただけよ」

 

「もう反抗期なの!?」

 

「あらあら。春樹さん、この綺麗な方をちゃんと紹介してくださいね?」

 

 姉さんもどうやら同じ気持ちみたいね。彼のことを笑顔でつねってるわ。

 

「カナエさん? つねらないでいただけると助かるのですが、ひえっ! 笑顔がこわいですよ?」

 

「ふふふ。そんなことありませんよー」

 

 綺麗な女性も、ものすごい威圧感を彼に向けながら

 

「はぁ。またですか、春樹さん。詳しい話は中でしましょう。お二人も長旅で疲れたでしょう。さあ、中にどうぞ」

 

「は、はい・・・・・」

 

 彼はうなだれながら中に入った。

 

「ご主人って女性関係になるとホントダメだよね・・・。これからどうなることやら。行くよ、カナエ、しのぶ」

 

「は~い」

 

「え、ええ」

 

 縁吉(えんきち)が悲しい生き物を見る目をしながら彼を見て言った。

 私達は急いで後を追うのだった。




 今回は主人公の相棒(ペット)を出しました(*'ω'*)
 メジロはかわいいと思います。
 名前の由来は分かる人は分かるかなと思います!
 はたして彼らはこれからどうなっていくのだろうか。


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捌話

※これは鬼滅の刃のオリ主チート?&ハーレムものです。 
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<春樹Side>

 

 

 俺は、カナエとしのぶのことについて珠世さんに説明した。何でか先ほどまで珠世さん、カナエ、しのぶの三人がやたら機嫌が悪くなっていたのだが説明して時間がたつにつれて機嫌が悪いのは無くなった。

ふう、助かった。あのまんまだと俺が間違いなく死んでいた気がするからな! いやぁ、よかった、よかった。愈史郎がいて助かったよ。カナエとしのぶは愈史郎に家事を習っており、この居間では俺、珠世さん、縁吉

しかいない。カナエとしのぶがいたら空気に耐えられなかったよ、間違いなく。愈史郎には会った瞬間「珠世さんをまた悲しませたな、貴様はぁぁぁぁ!!」って蹴られたけどな。かわいい弟みたいいなものなので良しと

しよう。うん、うん。平和が一番だ。

 

「はあ、だからダメなんだよ、ご主人は。女心ってのを勉強するべきだと思うよ?」

 

 いつに間にか俺の肩に乗っていた縁吉が呆れながら言った。

 む、生意気なメジロだな。ご主人様に逆らうとは言い度胸だ。俺は人の気持ちには敏感なんだぞ?

 

 

「ご主人、考えていることがまる分かりだよ。だいたい、ご主人が人の気持ちに敏感ならさっきみたいな状態にはならないよ? それに珠世さんを爆発させるような火種をまき散らさないと思うんだ。

うん、これ以上の説教は又にしよう。それでどうするの? カナエとしのぶは屋敷で面倒みるの? 善逸や伊之助が帰ってきたらうるさいよ? 真菰と錆兎と蜜璃は大丈夫だろうけど、いや大丈夫じゃないな。

真菰と蜜璃が帰って来た時に鉢合わせたら、カナエとしのぶの方が大変になる」

 

「そうですね。それには同感です。歳が近いあの子達は仲良くなれるでしょう。ある一点を除いてですが・・・。その一点がだいぶ問題なのですけどね。私と一緒であの子達は苦労しそうですね。一義さんと添い遂げた

蔦子さんが羨ましいですね・・・」

 

 珠世さんはジト目で俺を見ながら言った。後半は声が小さくて聞き取れなかった。

 

「どういうことだ? 真菰と蜜璃とは歳も近いしすぐに仲良くなれるんじゃないのか?」

 

「ご主人鈍感すぎるよ。ご主人が鈍感じゃなかったら、別人になっちゃうから仕方ないよね。で、本題に入るけどカナエとしのぶはご主人が直々に稽古するつもりなの?」

 

「なんか腹立つ言い方だな。まぁ、いい。そのつもりだぞ。あの二人に教えることに適している育手が知り合いにいないし俺以外から習うつもりはなさそうだ」

 

「大丈夫なのですか? 春樹さんの修業って容赦なかったですよね?」

 

「確かに。ご主人の稽古で、蜜璃、善逸、伊之助の三人の時は初め大泣きして、時がたつにつれて目が死んでいったからね。カナエとしのぶには優しくしてあげたら?」

 

「それはダメだ」

 

「なぜなのでしょうか?」

 

珠世さんが疑問に思い、尋ねた。

 

「そうですね。まず、カナエは優しすぎる。優しさを出すにしても時と場合がある。俺の場合は、半日日光に当たること以外では殺されないから余裕があるし今まで修羅場をくぐりぬけているからすぐに切り替えができるんだよ。

カナエの場合は恐らくそれができず殺される可能性が高い。しのぶに関しては力が弱く鬼の頸をきれない。それに怒りに身を任せ周りが見えなくなり鬼に隙をつかれ殺されるのがおちだ。だから、二人には徹底的に厳しくする。なに、

善逸達も何だかんだで乗り越えたんだ。アイツらも大丈夫なはずだ」

 

「それなら尚更、あの姉妹を戦いから遠ざけて普通の娘として生活できるようにしたら良いんじゃないでしょうか?」

 

「僕もそう思うよ、ご主人」

 

「俺もそう思っていたんですけどね。鬼狩りになって、俺が戦わなくて済むようにして護りたいって言われたんだよ。珠世さん達と同じこと言うもんだから驚きましたよ。復讐心より俺を助けたいという気持ちが強かったので修業をつける

ことにしました。全く、俺は良い人や子供たちの出会いに恵まれているな」

 

「・・・・そうですね。とてもいい子達ですね。分かりました。何かあったら相談するようにしてください。それと、こちらに顔を出す頻度を増やしてください。私や愈史郎も貴方の顔を見れる機会が少なくなり寂しいんですから。あと、女性を

助けるなとは言いませんが、勘違いさせるようなことは辞めてくださいね? 分かりましたか?」

 

 あれ? 優しかったのに、最後の二言を言う時はめちゃくちゃ怖いんですけど! 怒っている匂いがするし、これは逆らわない方が身の為な気がする!

 

「は、はい! 約束します!」

 

「ご主人・・・」

 

 縁吉が悲しそうな目で俺を見てくる。そんな目で俺を見るんじゃないよ!

 

「春樹さん、珠世さん、ご飯が出来ましたよ~」

 

 ご飯ができたらしく、カナエが呼びに来た。

 

「ありがとう、カナエさん。それではご飯にしましょうか、春樹さん、縁吉さん」

 

「お腹減ったから早くいこうよ、ご主人!」

 

「ええ」

 

 俺たちはご飯を食べに移動するのだった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 カナエとしのぶを引き取ってから二ヶ月の時がたった。

 俺の屋敷に連れてきており、そこで修業をしている。今は庭で二人とも木刀で素振り1000回をしている。

 

「「はぁ、はぁ、はぁ」」

 

 

「カナエは刀を振るスピードが落ちてるぞ! しのぶは肩が下がっている!」

 

「「はい!」」

 

「教えた振り方でやらないと何百本か追加するぞ!」

 

「「はい!」」

 

 二人を指導していると、玄関の方から賑やかな声が聞こえてきた。やれやれ帰ってきたみたいだな。

 

「カナエ、しのぶ。もう100本素振りしたら休憩な」

 

「「は、はい!!」

 

 二人に指示を出し、その場から離れ玄関に向かった。

 

「い~や~! 絶対帰ったら殺されるから俺! 兄貴に容赦ない稽古つけられて殺されると思うので!」

 

「おい、うるせぇぞ、紋逸! ひゃっほー! 春樹と久しぶりに戦えるぜ!」

 

「善逸だよ! いい加減俺の名前覚えろよな、このバカ猪! どうして兄貴や蔦子さん達の名前だけはちゃんと覚えて言えるんだよ・・・」

 

「あら、お帰りなさい。善逸くん、伊之助くん。長旅で疲れたでしょ?」

 

「おう、蔦子! 久しぶりだな!」

 

「蔦子さん、お久しぶりです。無事に帰ってきました、善逸です」

 

「急に気持ち悪いな、お前」

 

「うるさいわ!」

 

「ふふふ、相変わらず仲が良いわね。春樹さんや一義さんも喜ぶわよ。あら? あれは・・・」

 

「おーい! みんな~!」

 

「蜜璃ちゃんもお帰りなさい。三人とも帰ってくるのが重なるなんてね。今日はご馳走にしなくちゃ」

 

「み、蜜璃さん!? お、お久しぶりでしゅ。今日もお美しい。俺と結婚してください」

 

「おう、甘露煮! てめえも元気そうだな!」

 

「蔦子さん、ただいま! わぁ、蔦子さんの料理美味しいから楽しみ! 春樹さんは中で何してるの? 善逸くん、ごめんね! 将来結婚する人は春樹さんって決めているの! 伊之助くん、私の名前は甘露寺だよ!」

 

「ちくしょー! 蜜璃さんも兄貴狙いかよ! どうして兄貴ばかりモテるんだよ!」

 

「何!? 蔦子、今夜はご馳走なのか? ひゃっほーい!」」

 

「あらあら。三人とも仲が良いわね。もちろんご馳走よ。それと善逸くん、蜜璃ちゃん、春樹さんを尋ねに来る女性がまた増えていたわよ。やっぱり春樹さんはモテるのねー」

 

「むっ。それは本当なの? 春樹さんに話を聞かないと!」

 

「殺す、殺す、殺す。兄貴は絶対殺す」

 

 

 俺は気配を消して善逸の頭を掴んだ。

 

「へえ、誰を殺すんだ、善逸? 俺はそんな物騒なことを言う子に育てた覚えがないんだが」

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! ご、ごめんなさいぃぃぃぃぃぃ! 冗談ですってば! 俺が兄貴に対してそんなこと思うわけないだろう!?」

 

 善逸と呼ばれる少年は涙を流しながら謝っていた。

 

「まったく、お前という奴は。桑島さんも修業から逃げ出すって頭を抱えてたぞ。それを反省させる為に俺のとこへ送り返したんだろうけどな。今回引き取った子達と一緒に見てやるからな。それと、伊之助、蜜璃はお帰り。

長旅ご苦労様。修業しながらも色々と頑張っているみたいだな。俺も数年は屋敷でゆっくりするつもりだ。お前たちもゆっくりするといい」

 

「マジか! 春樹も残るなら俺も残るぜ! 俺と戦ってくれよ!」

 

「ただいま、春樹さん! そうなの!? 春樹さんがいるなら私も残るわ! 蔦子さんに料理習いたいってのもあるし!」

 

「いいやぁぁぁぁぁぁぁ! 兄貴の稽古受けるぐらいなら、じいちゃんの稽古の方が全然マシだぁぁぁぁぁ! ってか兄貴の修業受けてる奴らがいるのかよぉぉぉ! そいつらも化け物だぁぁぁぁぁ! がふっ」

 

 あまりにうるさいので、善逸を殴って黙らせた。

 ったく、此奴の場合、耳が良いんだから音を聞けばかわいい女の子が屋敷に二人増えてるって分かるだろうに。まだまだ修行が足りないな。

 

「ふふふ。蜜璃ちゃん、カナエちゃん、しのぶちゃんには家事のやり方を色々と教えてあげるわね。春樹さん、私は昼ご飯の準備しますね」

 

「善逸うるさいから黙れ。ああ、よろしくな、蔦子。それといつも家事してくれてありがとな。一義と蔦子のおかげですごく助かってるよ」

 

「いえいえ。私こそ命と弟を救っていただきありがとうございました。おかげで一義さんと一緒にこの屋敷の方々と楽しく過ごせてますから幸せです。それでは、失礼します」

 

「「???」」

 

「こっちこそありがとな。って置いてきぼりにしてすまないな、伊之助、蜜璃。お前たちに紹介したい子達がいるんだ。ついてこい」

 

「お、おう!」

 

「は、はい!」

 

 俺は気絶させた善逸を抱え、伊之助、蜜璃と共にカナエ達がいる庭へと向かうのだった。



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玖話

※これは鬼滅の刃のオリ主チート?&ハーレムものです。 
ご都合主義の展開もあり、原作&キャラ崩壊している部分もあります。
苦手な方はブラウザバックをお願いします。


<春樹Side>

 

 俺は現在、伊之助と善逸と共に正座している。どうしてこうなったのだろうか? 目の前には般若がいる。そう、カナエ、しのぶ、蜜璃の三人だ。

ニコニコ笑顔なのに三人とも怖いですよ? 伊之助は俺を助けようと?してくれたがダメで、

「「「伊之助くんは黙ってて」」

と三人に言われ完全に意気消沈している。こんな伊之助も珍しいな。善逸は三人から発せられる音が怖いのか、

「ちくしょう。どうして兄貴ばかり・・・。ってか三人から聞こえる音がめちゃくちゃ怖いよ」

と血の涙を流し震えながら正座している。いや、お前まで正座する必要無いからね? 何でか知らないけど怒られてるの俺だけだよ?

 

「あのー、三人とも。可愛い顔が台無しですよ? それと紹介がまだだっただろ?」

 

「むー、春樹さんがまた女の子拾ってきてるし」

 

「蜜璃さん!? 勘違いされるようなこと言わないでもらえますかね!?」

 

「あらあら。随分と仲がよろしいんですね~」

 

「いまのやり取り見てどうしてそうなるの!?」

 

「アンタね! この可愛い子は誰なのよ!?」

 

「しのぶさん、自己紹介させようとしたら正座を強要したんだよね? もう忘れたんですかね!?」

 

 ホント女の子が集まれば姦しいって言われるけど、変な方向にむかっている気がするんですが・・・

 ってかこの年頃の女の子たちは難しいって聞くし、何を考えてるか分かりにくいし、蔦子に教えてもらおう。

 知らないうちに傷つけて、大嫌い!って言われた時には立ち直れねえからな。うん、善逸達に言われても立ち直れないや。その勢いで鬼を滅ぼしてきそうだわ・・・

 

「ご主人、だから言ったのに。全くダメダメだね」

 

「うるせぇ。焼き鳥にするぞ」

 

「ちゅ、ちゅ!?」

 

 いつの間にか俺の頭に乗って呆れていた縁吉を脅すと、怖かったのか善逸の頭に避難した。

 女の子三人衆は、自己紹介し始めていたので様子を伺った。

 すぐに誰とでも仲良くしようとするのは蜜璃の良い点だな。

 

 

「可愛いって照れるなー。貴方たちも可愛いと思うよ! 私は甘露寺蜜璃だよ! 春樹さんが親と知り合いで面倒みてもらっているんだ! 貴方たちの名前を教えてくれるかな?」

 

「私は胡蝶カナエです。こちらは妹のしのぶよ。よろしくね、甘露寺さん」

 

「胡蝶しのぶよ、よろしく」

 

「うん! カナエちゃんに、しのぶちゃんだね! 二人はどうして春樹さんの所に来たの?」

 

「それは・・・」

 

 しのぶが理由を言いづらそうにしているとカナエが代わりに答えた。

 

「両親を鬼に殺されて、私達も殺されかけた所を春樹さんに救われたの」

 

 蜜璃は目に涙を溜めて二人に抱き着いた。

 

「うわぁ~ん! 辛かったね、二人とも! 私もカナエちゃん達のこと助けるから何かあったら何でも相談して!」

 

 カナエとしのぶは驚いて固まっていたが、お礼を言った。

 

「「ありがとう、甘露寺さん。これからよろしくね」」

 

「うん、よろしくね! 私歳が近い同性の友達って少ないから凄く嬉しい!」

 

 どうやら仲良くできそうだな。縁吉、伊之助、善逸はもらい泣きしている。

 

「ちゅ、良かったね。蜜璃、カナエ、しのぶ」

 

「うん、よかっだ~」

 

「ちくしょう、目に染みるぜ」

 

 善逸や伊之助も優しい子達だな。

 

「さて、ほら善逸、伊之助も挨拶するんだ」

 

「俺は嘴平 伊之助だ!」

 

「我妻善逸です」

 

 伊之助は元気によく挨拶し、善逸は恥ずかしいのか照れながら挨拶した。

 

「伊之助と善逸は、まだ10歳になったばかりだ。カナエ達の方がお姉さんになるから仲良くしてやってくれ」

 

「そうなんだよ! 善逸君も伊之助君も可愛い弟なんだよ! だから、カナエちゃんもしのぶちゃんもすぐに仲良くなれるわ!」

 

「え、ええ。そうね」

 

「ふふふ」

 

「みんな~ ご飯できたわよー!」

 

「ご飯!? 急がなくちゃ!」

 

「おっ、飯だ! 行くぞ、紋逸!」

 

「あっ、おい待てよ! 蜜璃さんと伊之助が先に行くといつも食べすぎてほとんどおかずが残ってないんだからな!」」

 

 蔦子から呼ばれると蜜璃、伊之助、善逸は急いで食卓に向かっていき、その勢いにカナエとしのぶは目をぱちくりとさせている。

 

「すごいわね~」

 

「え、ええ」

 

「いい奴ばかりなんだよ。ちなみにあいつ等は俺と並ぶくらいお人好しだぞ。どうだ、やっていけそうか?」

 

「そうですね。いい人ばかりで楽しくやっていけそうです」

 

「そうね、退屈はしなさそうだわ」

 

「しのぶは相変わらず素直じゃないわね~。ちょっと、春樹さん!?」

 

「姉さん! って急になにするの貴方は!?」

 

 俺はカナエとしのぶの手を取り

 

「良いから、急ぐぞ! 蜜璃と伊之助は大食いだから早くいかないと飯が無くなるぞ!」

 

 笑顔で引っ張っていくのだった。

 

 

<春樹Side out>

 

 

<善逸Side>

 

 みなさん、初めまして善逸です。俺たちが屋敷に帰ってきて半年がたちました。兄貴の修業のおかげで何百回も死にかけています。現在休憩中で、一義さんの隣で休憩しています。

 暇なので、屋敷にいる人を紹介していきたいと思います。まずは、俺についてだ。

 名前は我妻善逸で歳は十歳だ。俺は五歳の時に親に捨てられ孤独の身になり、親の借金を押し付けられていた。

 けれど、兄貴が俺を拾ってくれて親の借金を代わりに返済してくれたんだ。その関係で借金関係には気をつけるようにしている。変な女に貢ぎそうになったけど兄貴のおかげで貢かずに済んだので助かった。

 

 兄貴を初めて見た時、俺は耳が良いからすぐに鬼だと分かった。兄貴からは泣きたくなるほど優しい音がしたんだ。この人なら付いていっても大丈夫だと思ったんだ。

 修業を受けるにつれて後悔したけどな。

 兄貴の知り合いの雷の呼吸の育手のじいちゃんに預けられて技の修業することがほとんどなんだけどどっちもめちゃくちゃ厳しいんだ。

 でも、俺のことを見限らず、離れずに面倒をみてくれているから二人とも大好きなんだ。

 俺のダメな部分を知っても受け入れてくれたんだ。ただ修業が厳しすぎるのだけは嫌だけどね。

 

 あと、兄貴は女の子にモテすぎるのだけは絶対に許さねぇけどな! 珠世さん、蜜璃さん、カナエさん、しのぶさんは間違いなく兄貴のことが好きだ。

 だって音聞いたら兄貴と接する時だけ違うんだもん! あんな綺麗な人や可愛い人達に好かれているってのに全然気づかないってどうなの!? くそがっ! ホントうらやましいよ! 見てるこっちからしたらヤキモキするから、言おうかなって思った時があったんだけど、伊之助のバカが「好きならはっきり言えばいいじゃねぇか。おーい、春樹、ぐはっ」って言ったら死なない程度に袋叩きにあっていた。

 それを見た瞬間、絶対に兄貴関係であの人達をいじらないと決めたんだ。だって殺されたくないもん・・・

 とりあえず、兄貴のことはおいておこう。俺の話に戻るけど、雷の呼吸を現在取得中だ。一から六の型までがあるんだけど五の型まで取得ずみだ。俺には才能がなくてじいちゃんの教えでは一の型しかできなかったんだけど、兄貴の地獄の稽古のおかげで一の型以外もできるようになったんだ。

 兄貴は人に適している呼吸法を教えるのが常人離れしているらしい。前にどうしてそんな教えるのが上手いのか聞いてみたら、昔、親友に死ぬほど技術を叩きこまれたって死んだ魚のような眼をしてたから深く追求するのはやめておいた。

 今回帰ってきた理由は、六の型がなかなか修得できないのと、俺と一緒に修業している兄弟子との関係が上手くいってないからじいちゃんが心配して、兄貴の所に帰るように言ったんだと思う。

 まあ、他にも何か理由がありそうな気がするけど、深く詮索するのはやめとこう。絶対痛い目にあう気がする。

 俺の紹介はこの辺で終わろうかと思う。次に俺と同い年の伊之助について紹介しようかと思ったんだけど、

 

「善逸! 休憩は終わりだ! 伊之助と交代しろ!」

 

「分かったよ、兄貴!」

 

 どうやら兄貴に呼ばれたようだ。頑張って死にかけないようにしよう。うん、絶対に。兄貴と打ち合うのすんごく嫌だけど! ホント嫌だけど!

 俺は伊之助と交代して修業を再び開始するのだった。

 

 

<善逸Side out>




 すみません。日曜日に行われる鬼滅の刃のイベントに行く為に、次の更新は先になりますm(__)m


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拾話

※これは鬼滅の刃のオリ主チート?&ハーレムものです。 
ご都合主義の展開もあり、原作&キャラ崩壊している部分もあります。
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鬼の宴も終わり無事に帰ってきたので久々の更新です。
鬼滅の宴は感動したし、最高でした!
あんな良いものを見せてくださった方々に感謝です。


<伊之助Side>

 

 俺の名前は、嘴平伊之助だ。田逸の代わりに休憩している。次は俺について紹介ってやつ?をしていくぜ!

 俺は赤ん坊の頃に捨てられていて猪に育てられていた所を、春樹に保護されて面倒をずっとみてくれている。言葉や読み書き、人の生活について叩きこまれたんだぜ。

それに、強くなる為に剣術も教えてくれたんだぜ。修業が厳しすぎて痛い思いとかたくさんしたけどな! 春樹は鬼だが色んな人間を助け家にいる奴も増えたんだ!

俺、刃逸、さばうさぎ、もこも、蔦子、一義、甘露煮、カナエ、しのぶの順番にな。春樹達といるとほわほわする機会が多く、これが何なのかよく分からないが、悪い気はしない。それより、春樹を倒せるくらい強くなっておかないとな! アイツを負かすのが俺の目標だ!剣術や体術とかまだまだだが、だんだん強くなっているのは分かるぜ!

早く獣の呼吸を極めないとな! この呼吸法は、春樹の教えを聞いて俺が独自に考えだした呼吸法だ! これでいつかアイツを倒してみせるぜ! 鈍逸の奴とは引き分けたりして完全に倒せてないからそれからだけどな!

 

 

「伊之助! 休憩終わって、善逸と組手な。蜜璃、カナエ、しのぶの三人は休憩しながら此奴らの戦いを見学しておけ

 

「「「は、はい!!」」」

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁ! 絶対死ぬよ!? ただでさえ兄貴と打ち合ってボロボロよ? 優しくしてくれよ! それに筋力バカの伊之助と組手とか鬼かアンタは!?」

 

「よっしゃあ! 何言ってんだ、団逸? 春樹は鬼だぞ?」

 

「そうだったね! 本物の鬼ってこと忘れてたよちくしょう!」

 

「善逸、伊之助の組手の後に俺と木刀で打ち合いな」

 

「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

「なっ、ずるいぞ紋逸! 春樹! 俺とも戦いやがれ!」

 

「ああ、はいはい。後で相手してやるから、まずは善逸と組手な」

 

「いやっほー! 約束だからな! 指きりだ!」

 

「はいはい。ゆびきったら針千本のーます、ゆびきった。これでいいか?」

 

「おう! さあ、やるぞ、寛逸!」

 

「善逸だっての! もういい、やけだ! 日頃の恨みを発散してやる!」

 

「うるせぇ! 善逸! 早くやるぞ!」

 

「だから善逸・・・ん!? 今ちゃんと名前呼んだよね!? ねぇ!?」

 

「くらえ、残逸!」

 

「また戻ってるぅぅぅぅぅぅ! ってその威力くらったら死んじゃうからぁぁぁぁぁ! 嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 俺は春樹と指切りをして、後の楽しみにわくわくしながら紋逸と組手を行うのだった。

 

 

<伊之助Side out>

 

 

<蜜璃Side> 

 

 私の名前は甘露寺蜜璃で、年齢は14歳です。私は今、カナエちゃんとしのぶちゃんと休憩しながら善逸くんたちの組手を見学している。春樹さんが二人の近くで見ているんだけど的確に指示をだしている。あの人はすごいなー。

この屋敷には人がたくさんいます。春樹さんが屋敷の主で私の初恋の人です。きゃっ、恥ずかしいわ!彼に出会って私に向けて言われた言葉を始め、一緒に生活していくうちに彼の人となりを知っていってより好きになっていったんだと思う。

 次は、富岡一義さんです。彼は刀鍛冶の里の出身で、奥さんである蔦子さんと結婚し婿入りした人だ。蔦子さんと蔦子さんの弟が鬼に殺されそうな所を春樹さんに助けられた恩があり、彼のサポートを夫婦二人でしているそうです。

 春樹さんも「一義が打った刀じゃないと戦えないし、こいつ以上の腕を持つのはなかなかいないぞ」と言ってました。そのぐらい腕がすごいらしいです。ひょっとこのお面を被ってるって変な所もあるけど、とても優しい人で仕事が休みの時は

私たちの面倒を見てくれるお兄ちゃんのような人です。

 一義さんの奥さんの蔦子さんですが、この屋敷の家事をしながら私たちの面倒を見てくれている優しいお姉ちゃんです。

 次は私と歳が近い子供たちについてだけど、まず私と同じ歳の胡蝶カナエちゃんだ。彼女はとてもおっとりして優しくて可愛い女の子なの!それに私に初めてできた同い年の友達なの! 鬼に両親を目の前で殺されて、カナエちゃん達も殺されそう

だった所を春樹さんが助けたらしいの。それを聞いてすごく悲しかったし私は家族が生きているからまだ恵まれてるんだと思ったし、春樹さんのように誰かを助けれる人になりたいとより強く思ったわ!

 妹のしのぶちゃんは一歳下の13歳で、男勝りでしっかりしてる子ね。カナエちゃんがあんなだから必然的にあんな性格になったんだと思うけど。春樹さん、私、カナエちゃん、善逸くん、伊之助くんの四人はほとんどしのぶちゃんに怒られているわ。

怒ったらしのぶちゃんってすんごく怖いのよ! 

 でも、怒るばかりじゃなく、優しくしてくれる時もあってすんごくかわいくて素敵なの!

 善逸くんや伊之助くんは小さいときに春樹さんが拾ってきた個人的な孤児で、私の弟みたいな子達なの!

 ここにいる子供達はみんな春樹さんのことが大好きなの! こんなに色々な人と仲良く出来て嬉しいし幸せだわー!

 私はここにいる人たちが誰も欠けないように願っているの! それに誰もが強くなって守りたいって気持ちがあるからみんな春樹さんの修業についていっているんだと思うわ。うん、私たちが強くなれば春樹さんが戦わなくてすむようになるから頑張るの!

 

「ねぇ、甘露寺さん。春樹さんってなんであんなに強いの?」

 

「善逸くん、伊之助くんも十分強いと思ったけど全然歯がたってないわねー」

 

 しのぶちゃんが私の質問をしてカナエちゃんはのんびりと観戦しているが彼の強さが気になるようだ。

 

「うん、強いよー。鬼には種類があるってのは聞いたよね?」

 

「ええ、鬼舞辻無惨をトップに鬼という化け物の集団で、鬼舞辻直属の部下十二鬼月という鬼がいて、上弦六匹、下弦六匹の鬼に分かれており、下弦の六が一番弱く、上弦の一が確か強いのよね?」

 

「そうだよー。さすがしのぶちゃんだね! それで珠世さんから聞いた話なんだけど、十二鬼を何度も倒してるんだってー! それに鬼の技を使ってないのと、春樹さんが一番得意とする呼吸法を使うとこも見たことないからまだまだ上があるんじゃないのかな?」

 

「すえ恐ろしいわね・・・」

 

「そんなこと無いと思うわよ、しのぶ。春樹さんは今まで生きていく為に強くなったんじゃないのかしら?」

 

「そうだよー。今でも春樹さん、日の当たるところに出れるように隠れて特訓してるんだよ? いっつも死にかけて一義さんや善逸くん達や私が運んでるけど」

 

「どうして、そんな無茶するのよ・・・ 鬼は日に当たると体が消滅するんでしょ!? あいつまでいなくなったら私は・・・」」

 

「うん、そうね・・・ あの人にはあまり無理して欲しくないわ」

 

「それには・・・」

 

 カナエちゃんとしのぶちゃんが泣きそうな顔をしていた。ちゃんとした理由があるのを伝えようとしていたら、ボロボロな伊之助くんと善逸くんがいつの間にかこちらに近づいて言った。

 

「それは兄貴がバカすぎるほど優しいからですよ。みんなで弁当作って持って行って、外でのんびり遊びたいらしいですよ。ようは俺達の為です」

 

「おう! 春樹とは故郷の山で一緒に遊ぼうって約束したんだぜ!」

 

「そうだよ。私たちがいるからあの人は無茶しちゃうんだよ・・・。私達女の子ともね、遠出して大きい商店がある場所に連れてってやりたいなーっって言ってたんだよ。今は朝の時間だけで、体が消滅するから

全然遊べないなって困った顔しながら言っていた時もあったんだよ。優しすぎなんだよ、あの人は。だからこそ、私や善逸くん、伊之助くんは強くなって春樹さんを助けたいんだよ。カナエちゃん、しのぶちゃんは

どうするの?」

 

「よし、紋逸! 春樹が傷薬とかを取って戻ってくるまで組手しようぜ!」

 

「あのなー。兄貴に休んでろって言われただろ? 怒られるぞって言ってもお前は聞かないだろうから付き合ってやるよ。仕方なくなんだからな!」

 

「なんだお前気持ち悪いやつだな・・・」

 

「上等だ、この猪頭! 表でろぉぉぉぉ!」

 

 善逸くん、伊之助くんはまた組手に戻ったようだ。春樹さんはいつものところに物を取りに行っているのだろう。ホント素敵な人よね! もう一度しのぶちゃん達の方を見てみると覚悟を決めた顔をして

 

「しのぶ、私達も素振りに戻りましょう。蜜璃ちゃん、私達は修業を再開するわね」

 

「そうね、姉さん。甘露寺さん、ありがとう」

 

「いえいえー。私も一緒に素振りするね!」

 

 

 私たちは休憩を辞めて修業を再開した。その後戻って来た春樹さんに五人ともこっぴどく叱られた。

 修業の日々はあっという間で一年の時がたつのだった・・・・。

 

 

<蜜璃Side out>

 

 

 

 



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拾壱話

※これは鬼滅の刃のオリ主チート?&ハーレムものです。 
ご都合主義の展開もあり、原作&キャラ崩壊している部分もあります。
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<???Side>

 

 

 私は布団から身体を起こし、窓から外を眺めていた。うん、今日も良い日和だね。小鳥のさえずりも聞こえるし良い天気だ。

 

「おはようございます。体調の方は大丈夫ですか?」

 

「うん、大丈夫だよ。ありがとう。今日はいい天気だね」

 

「そうですね。小鳥も鳴いているようですし、おや?」

 

 私に話しかけて体を支えてくれているのは妻だ。彼女には大変な思いをさせることが多いから、とても感謝している。私の最大の目標にも協力してくれているし、

妻以外にもたくさんの剣士たちが協力してくれている。

 

 

「ちゅ、ちゅん! ちゅ、ちゅ!」

 

 妻は何かを気にしているようで、彼女に尋ねた。それにしても小鳥の鳴き声が近くから聞こえるね・・・

 

「どうしたんだい?」

 

「いえ、それが・・・」

 

「ちゅん! 相変わらずの様だね、鬼狩りの当主さん。あまねさんも元気そうでなによりだ」

 

「どうも。そちらこそお元気そうで良かったです」

 

 この声は・・・ なるほど。私の挨拶の返事に彼を送ってきた訳だね。

 

「これは失礼、縁吉。春樹さんからの返答を伝えに来てくれたのかい?」

 

「そうだよ。相変わらず産屋敷家はご主人の勧誘を諦めないね」

 

「当然だよ。彼は鬼殺隊に変革をもたらしてくれる希望の光なんだ。鬼舞辻無惨を追い詰めた鬼殺隊初代最強の日の呼吸の使い手の親友であり後継者である彼ならね。私の先祖である初代党首とも知り合いで、彼を鬼殺隊に入れることが人間

達の勝利になると、受け継がれてきたからね。しつこくても勧誘するつもりだよ」

 

「残念ながらご主人は正式な後継者ではないよ。後継者は別にいるよ、教える気はないけどね。それにまだ、鬼狩りになるつもりは無いようだよ」

 

「ふむ、まだね。なかなか意地悪なようだ」

 

「おい、ふざけるなよ。ご主人はその正式な後継者達に被害が及ばないようにそうしているんだ。あくまでも間違えるなよ? ご主人を侮辱することだけは絶対に許さない」

 

「怒らせてしまってすまない。ただこちらの事情もあるんだよ。だからこそ、彼には鬼殺隊に来てもらいたいんだ」

 

「鬼を殺すことのみに執着している鬼殺隊に入るのは断るそうだよ、ご主人は。

 彼は、鬼ですらかわいそうな生き物と思い救いたいと常に願い行動しているんだよ。その考えをご主人は変えないはずだよ」

 

「そうだね。そういう剣士達もいる。だけどね、全部が全部そういう訳では無いんだよ。色々な考えを持っている剣士たちがいることも分かってほしいし、私の目標はただ一つ、鬼舞辻無惨を倒すことだ」

 

「ちゅ、ちゅん。そんなことご主人は分かっているよ。分かった上で断ると言っているんだよ」

 

「そんな!? どうしてなのですか!?」

 

「あまね、大丈夫だよ。鬼殺隊の信念が崩れてしまうからかい? 鬼である彼が入ったら」

 

「そこは気にしてないよ。ただ面倒を見なければならない者達がいるから、その責任を放置したくないそうだよ。それに然るべき時がきたら必ず入隊すると言っていた。これが今回の返答だよ、ちゅん!」

 

「そうか! ありがとう」

 

「良かったですね」

 

「まだ伝言があるよ。ご主人が鍛えた三人の女の子が今回鬼殺隊の最終選別を受ける。名は胡蝶カナエ、胡蝶しのぶ、甘露寺蜜璃という名だ。三人が鬼殺隊に入ったらよろしく頼むと言っていたよ。それとこれを渡せって頼まれたんだ。

 これは、ご主人がある人と協力して作った薬だよ。君の体の調子を良くして、病気が少し改善されるはずだよ。以上が今回の伝言だよ。カナエ、しのぶ、蜜璃のことをよろしく頼むよ。それじゃあね」

 

 そういうと、彼の使いであるメジロは飛び立った。隣にいる妻が嬉しそうに私に話しかけてくる。

 

「良かったですね」

 

「ああ、そうだね。もったいないほど彼は優しすぎるね。さて、彼が鍛えた子達が入ってくるみたいだしこれからは忙しくなるね」

 

「ええ、そうですね」

 

 彼の薬を飲むと体の調子がすごくよくなり、私たちは彼に感謝して最終選別を楽しみに待つのだった。

 

 

<耀哉Side out>

 

 

 

 

 

<春樹Side>

 

 俺は、珠世さんの所に伊之助、桑島さんの所に善逸を再び預け、蜜璃・カナエ・しのぶと共に狭霧山に来ていた。伊之助と善逸を預けたのは更に鍛えてもらい知識を付けさす為だ。どこに向かっているのか気になったみたいで、しのぶが尋ねた。

 

「兄さん、一体どこに向かっているんですか?」

 

「ああ、鬼狩りの育手である知り合いのとこだ。名前は鱗滝さんって言う名で水の呼吸の使い手だ。お前たちともう一人姉弟子が今回の最終選別を受けるんだよ。鱗滝さんから最終選別の会場である藤襲山に連れていってくれと頼まれたからな。今そいつを迎えに行っている。お前たちにも紹介してなかっただろう?」

 

「そうなの・・・ また女の子なのね・・・」

 

 しのぶは俺の返答に暗い顔をしていた。うーん、真菰とならすぐ仲良くなれるはずなんだけどな。ってか、しのぶがいつの間にか俺のことを兄さんと呼ぶようになった。呼ばれたときは嬉しすぎて隠れて泣いたしまったな・・・

 カナエの方もだいぶ慣れたみたいで、蜜璃という親友もできたみたいで表情がだいぶ柔らかくなっている。まあ、三人とも鬼狩りの最終選別で緊張しているみたいだが・・・

 一義や蔦子、善逸や伊之助達とも兄弟のように仲良くなってくれているみたいで良かったよ。この子達を助けることができてよかった。生きて欲しい為に修業を厳しくさせすぎてしまったが、みんな付いてきてくれて良かった。

鬼殺隊に入っても、すぐに上の階級に上がって行くだろう。あと、数年したら善逸や伊之助も試験を受けさすつもりだ。

 俺はまだ鬼狩りになるつもりはない。絶対に鬼狩りにならなければならない時があると勘が言っているからな。

 外れた試しは無いので信じてその時を待っている。鬼が鬼狩りになるとかどんな笑い話だよ!って思うけどな。それに俺が入隊することによってまちがいなく問題が発生するからな。その辺りの事を考えてないのか産屋敷一族はやたら鬼殺隊に勧誘

してくるからな。それに鬼殺隊の連中にも俺や珠世さんが何度か襲われたことがあるし忘れたとは言わせんぞ、産屋敷一族め! 鬼狩りより怒った珠世さんやしのぶ達の方が凄く怖いけどな!

 

「あらあら、なんか失礼なこと考えてないかしら?」

 

「兄さん?」

 

「二人とも急にどうしたのー?」

 

「い、いえ。何でもありません」

 

こわっ! どうして俺の考えを読めるのかな!? 「俺の心の癒しは蜜璃ちゃんだけだよ!」

 

「に・い・さ・ん?」

 

「あらあらー」

 

「は、春樹さん!? 急にそんなこと言われると恥ずかしいわ!」

 

ん? もしかしなくても声にでてたみたいですね!

 

「わ、悪い。つい本音が・・・・じゃなくて、もうすぐ着くぞ。あそこに見えるのが鱗滝さんの家なんだが・・・・ぐはっ」

 

 俺は話をごまかすために、見えてきた鱗滝さん家の方を見ていると一人の人影が高速で俺の腹にダイブしてきた。

 

「兄さん!?」

 

「「春樹さん!?」」

 

「もう! 迎えに来るのが遅いよー。お兄ちゃん。待ちくたびれたんだよ?」

 

「ごほっ、ごほ。いきなり飛び込んでくるなよ。ビックリするだろ? それと悪かったな。錆兎や義勇は任務が休みの時に遊びに来たりして会ってたが、お前とは久しぶりだな真菰」

 

 腹に飛び込んできた人物は、しのぶ達の姉弟子にあたる水色が入っているキツネのお面を頭に付けた真菰という名の少女だった。

 その瞬間、背後から凄い威圧感を感じ、俺はどう切り抜けるか頭を抱えるのだった・・・



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拾弐話

※これは鬼滅の刃のオリ主チート?&ハーレムものです。 
ご都合主義の展開もあり、原作&キャラ崩壊している部分もあります。
苦手な方はブラウザバックをお願いします。



<しのぶSide>

 

 私は最終選別の試験に向かいながら、姉さんと甘露寺さんと作戦会議を行っていた。

 

「ちょっとあの子、兄さんにくっつきすぎじゃないかしら」

 

「そうねー。私もおぶられるとかしたことないのに」

 

「良いなー真菰ちゃん。うらやましいよぉ。しのぶちゃん、なんかいつもより怖くない? カナエちゃん」

 

「そうねー。大好きな春樹さんが取られるって心配で動揺しているんじゃないのかしら?」

 

「い、いったい何をいっているのかしら、姉さんは。わ、私が兄さんを取られるくらいで動揺する訳ないじゃない!」

 

 姉さんの言葉が的を得ていて、少し動揺しかけたがバレないように表に出さないようにしたから大丈夫なはずよ! ええ、顔が熱いけれどきっと大丈夫よ。それよりあの真菰という子よ! 兄さんのべったりしすぎじゃないかしら?

私たちだってあんなにべったりしたことないのに・・・・。兄さんも兄さんよ! ここは外なのよ? 少しは自重しなさいよ! それにあの子の育手の鱗滝さんも注意しなさいよ! 微笑ましそうに笑顔で見送るのはダメじゃないかしら?

弟子が恥をかかないようにするべきだと思うのよ。

 でも大元の原因は、兄さんがだらしないことに原因があると思うの。あんなに好意を寄せられていてから気づかないものなの? 珠世さん、姉さん、甘露寺さんは間違いなく兄さんに恋しているはずよ。私? 私も当然その中の一人よ。

 ただ、兄さんのまえだと素直になれずついつい怒ってしまうから間違いなく嫌われているはずよ・・・。そんなの当然よね。姉さんや甘露寺さんの方が女の子らしくて可愛いもんね。ええ、そうよ。こんなガサツな女って恋人とか奥さんにするのもごめんって言われて逃げられるわよね。こんな私は独り身で生涯を終えるのが全うよね・・・。ぐすっ。

 

「しのぶちゃんがなんか怖いよ、カナエちゃん~」

 

「あらあら。こんなしのぶも可愛いわね」

 

「おい、お前等何してるんだ? しのぶが一人でぶつぶつ言っていて怖いんだけど」

 

「しのぶちゃんって変わってて面白いから、お兄ちゃんと同じだねー」

 

「俺が変人ってことですかね、真菰さん!?」

 

「むっ。春樹さんが真菰ちゃんと仲良くしているからしのぶちゃんがああなってしまったんじゃないのかな?」

 

「そうねー。真菰ちゃんと春樹さんと仲いいからしのぶがヤキモチやいてああなったのよ。二人はどういう関係なの?」

 

 

「「兄妹だな(よ)」」

 

「「へ?」」

 

「だから兄妹みたいなものだな」

 

「恋人とかじゃないの?」

 

「お兄ちゃんとして仲が良いだけだよねー」

 

「妹みたいなもので、昔からこういうことしていたからな。それに真菰は恋とかそういうのうといし興味ないからなー」

 

「そうだねー。そういうのはよく分かんないからねー。好きな人が出来るとしても、お兄ちゃんを異性として好きになることはないかなー」

 

「そうだよね! そんなことがあったら俺もびっくりだわ! だいたいこんな鬼を好きになるもの好きなんかいないだろ」

 

「お兄ちゃん、今言っちゃだめだよ・・・。苦労するね、三人とも。あっ、珠世さん入れたら四人か」

 

「すんごい冷たい目で見るの辞めてもらいますか・・・・ね? うん、俺がやらかしたみたいですね。とりあえず試験会場に着いたので、蜜璃さん、カナエさん殺気を放つのはやめてもらえませんかね?

しのぶの奴はまだぶつぶつ言っているな。おーい、しのぶ! 試験会場に着いたぞー。おーい」

 

「ああいう無自覚な所が春樹さんの悪いところよね。しのぶがうらやましいわ」

 

「しのぶちゃんいいなぁー」

 

 ん? 何か周りが騒がしいわね。いったい何を騒いでいるのかしら? え、どうして兄さんの顔が近くにあるの・・・・・・って兄さん!?

 私は一瞬で顔に熱が溜まり、現状を把握できてなかった。どうして兄さんが顔を近づけているの? まさか、みんなの前で告白するつもりなの?! そんな、いやよ! 告白は夜に二人きりの時が良いわ!

 そこで甘く囁きながら「俺の妻になって一緒に生きていこう」って言われて、「はい♪末永くよろしくお願いします、あなた!」って言うのが夢なのよ! それで結婚して春樹さんと幸せな家庭を築いて子供をたくさん産んで、大家族を作っていくのよ・・・・・・って何を考えているの私はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

 

「おい、ホントに大丈夫かしのぶ? 熱でもあるんじゃないのか? ちょっとおでこかしてみろ。うーん、熱はないみたいだな。体調悪いのか? どうして俺の足を蹴るんですかね?! お二人とも! 真菰の奴なんかいつの間にかいなくなってやがるし!」

 

「しのぶに変な事をしていたので蹴りました」

 

「しのぶちゃんにそんなことしちゃダメなんだよ!」

 

 もう煩いわね。結婚して二十年後までの生活を考えていたっていうのに・・・・兄さんの顔が近い!?

 

「きゃあぁぁぁ! な、何してるのよ貴方はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

「なんでぇぇぇぇぇ!?」

 

「しのぶ!?」

 

「しのぶちゃん!?」

 

 

 私は兄さんをとっさに投げ飛ばし、全速力で駆け出した。顔の熱さは最終選別の説明を受けるまでおさまることはなかった・・・

 

 

<しのぶSide out>

 

 

 

 

 

 

<カナエSide>

 

最終選別の説明を受け試験が始まってすぐにしのぶと蜜璃ちゃんに話しかけた。

 

「蜜璃ちゃん、しのぶ。絶対に生きてまた会いましょう」

 

「ええ、姉さんも甘露寺さんも気をつけて」

 

「うん、カナエちゃん、しのぶちゃんも絶対に死なないでね!」

 

 私は二人と別れ試験を開始し、ずいぶんな時がたち辺りは夜になっていた。

 私たちは今鬼殺隊に入る為に最終選別試験を受けている。この最終選別試験とは、鬼の嫌いな藤の花に囲まれている藤襲山の中で七日七晩生き残らなければならない。しかも藤襲山には十数匹の鬼が囚われている為、鬼と戦いながら生き残らねばならない。

修練もきつかったが、試験ですら死ぬ確率が高い厳しい試験だ。鬼殺隊とはそれほどまでに過酷な所なの。私は鬼殺隊に入り春樹さんやたくさんの人や鬼を救いたいという思いがある。

 それに春樹さんに救ってもらった命を無駄にはしないわ! 警戒しながら移動していると、鬼が現れた。

 

「っ!」

 

「へへへ。久しぶりの人間でしかも女だ! たまんねぇぜ!」

 

 男型の鬼は私に向かって襲ってきた。大丈夫よ、カナエ。修業でたくさん習ったでしょう。私ならできるはず!

 

「すぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。 全集中 花の呼吸 肆の型 紅羽衣。来世は貴方が幸せな生活を貴方が歩んでいけますかように」

 

 私は憐れみながら技を使い鬼の頸をはねた。紅羽衣は、下から上にかけて捻れる特殊な軌道をした斬撃で、刃の軌跡が羽衣のように見える技だ。

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁ!」

 

 首を撥ねた鬼は、悲鳴を上げながら消滅した。

 

「よしっ。私の技でも通用するわね! 頑張って生き延びないと。しのぶ達は大丈夫かしら・・・」

 

 私はしのぶ達を心配しながらも、試験に臨み次々と鬼を倒していくのだった。

 

 

<カナエSide out>




今回から始めてみます。好評のようなら続けます.


春樹「うーん。どうしてしのぶに投げられたんだろう?」

縁吉「ちゅ、ちゅん! ご主人が鈍感だからだよ」

春樹「鈍感? しのぶに熱があるか測っていただけだぞ?」

縁吉「ちゅー、ちゅん。だからダメなんだよ、ご主人は」

珠世「春樹さん、女性は驚いてしまい私にした時にああいうことはやらないように注意しましたよね? またですか?」

春樹「珠世さん!? いえ、あれは忘れたわけではなくてですね。ってかどうしてここに!?」

珠世「女性の扱いについてあちらでじっくりとお話しましょうね。さぁ、行きますよ」

春樹「た、珠世さん!? ちょっと待って! 腕引っ張らないで! 正座して長時間の説教はいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

縁吉「ちゅん(ダメだ、こりゃ)。気を取りなおしてここで大正コソコソ噂話! 珠世さんは説教と言いながらもご主人と二人きりになれて内心嬉しくてたまらないそうで、柔らかいニコニコ笑顔になっているぞ。ただご主人には怒ると笑顔になると思われて怖がられており、それを愈史郎から聞いた時は一週間ほど寝込んだそうだよ」

珠世「縁吉さん? 春樹さんへの説教が終わったのでごはんにしますよー」

縁吉「ちゅん!? 分かりました、珠世さん。次回、第拾参話 カナエたちの最終選別試験の行方はどうなるのか!? 春樹が試験会場に付いてきた理由は何なのか?」

 つづく。 


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拾参話

※これは鬼滅の刃のオリ主チート?&ハーレムものです。 
ご都合主義の展開もあり、原作&キャラ崩壊している部分もあります。
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<春樹Side>

 

 俺は、藤襲山の最終選別の開始場所に来ていた。

 

 んー、カナエ達は大丈夫かな? 蜜璃は大丈夫だと思うが、カナエとしのぶは心配だ。十二鬼月の上弦と戦っても生き残れるくらいの強さにはしたから大丈夫だと思いたいが・・・

いや、あの子達をちゃんと信じよう。帰ってきたら、蔦子に手伝ってもらいご馳走をいっぱい作ってやろう。蜜璃は特に喜ぶな。親御さんから面倒見るのを頼まれているからしっかり育ててあげないと。

カナエ、しのぶも幸せになれるようにしてあげないといけないしな。まさか、鬼狩りになりたいって言いだすとは思わなかったが。

 考えごとをしていると、鬼狩りの当主と奥さんが話しかけてきた。最終選別の説明する時に俺の気配に気づいていたみたいだし当然か。

 

 

「こうして会うのは初めてだね、天羽春樹。私は鬼殺隊当主 産屋敷輝哉だよ。よろしくね」

 

「初めまして。産屋敷あまねと申します」

 

「これはご丁寧にどうも。天羽春樹だ。今代の産屋敷家当主に会うのは初めてだな。先代の党首によく似ている」

 

「君はどのくらい生きているんだい? それにここは藤の花だらけなのに君の体は大丈夫なのかい?」

 

「1000年近くぐらいか? あまりにも長い年月を生きてきたから途中から数えるのを辞めた。藤の花はとうの昔に克服した。日の元も八時間ちかくなら歩けるようになった。戦闘で呼吸や血鬼術を使った場合はどんどん短くなるけどな」

 

「なるほど。君を無惨が欲しがる訳だ。君という存在は鬼殺隊にも欲しいところだね」

 

「ああ、あの首を撥ねても死ななかった鬼のことか。あれ以来アイツの部下とかに付きまとわれて鬱陶しくて気持ち悪いんだが・・・。鬼狩りの件についてはこの間縁吉を向かわせて断ると言ったはずだが?」

 

「・・・・・ちょっと待ってくれるかい? 頭が追い付いていないんだが、誰の頸を撥ねたって言ったのかい?」

 

「珠世さんも同じ反応してたな。だから鬼舞辻無惨の頸を日輪刀で撥ねたんだよ。それでも死ななかった鬼だし、付きまとわれてるから未だに記憶に残っている」

 

「そんな!? それでは無惨を倒せないということですか?」

 

「落ち着きなさい、あまね。私も動揺してしまっているが君に確認したい。どうしてそんなに落ち着いているのかい? それによく今まで生きてこれたね。鬼なら無惨の呪いもあるだろうに」

 

 

「呪いはすぐに解除できたぞ? 無惨の奴もそれを言ったら口をあんぐりと開けていたからな。いや、倒し方はだいたい予想がついているからな。ある剣士によって死ぬほど鍛えられたからな。それに最近では鱗滝さんや桑島さんにも呼吸法叩きこまれたしな。それの応用で子供達それぞれ合う呼吸法も編み出して教えたよ。血鬼術は反動がでかいから余程の時しか使わないからな」

 

 

「君には驚かされるね。鬼舞辻の倒し方を教えてくれないかい?」

 

「今の鬼狩りでは無理だな。必要な条件が揃っていない」

 

「!? 今の柱達は歴代最強の鬼殺隊初代に並ぶぐらいの実力があるのに?」

 

「ああ、あいつらに比べれば足元に及ばないだろう。俺を殺しにきて返り打ちに遭うようならな。初代の鬼殺隊ははっきり言うが鬼に並ぶ化け物集団だぞ。俺が言えた義理ではないけどな」

 

「そんな・・・どうすればいいの?」

 

「あまね・・・。すまない、私もどうして良いか分からない」

 

 二人は俺の言葉を聞いて落ち込んでしまった。

 

「顔を上げろ。鬼舞辻を倒す条件がそろう時が必ずくるはずだ。俺の感がそう言っている。血鬼術なのかよく分からないが、俺の感が外れた試しは無い。その時が来たら俺も鬼狩りの組織に入る。だから、当主様はそれまで鬼殺隊を強くしていけ。俺が鍛えた子供達も入ってくるから戦力は上がるはずだ。ただ、鬼殺隊内では、贔屓しろとは言わないが子供たちのことを頼む。それが守られる限り、俺が将来鬼殺隊に入ることを約束しよう」

 

「分かった、約束するよ。私の可愛い剣士たちだからね」

 

「ありがとうございます」

 

「ああ。どうやら来て正解みたいだったな。全集中 水の呼吸 漆の型 雫波紋突き!」

 

 俺は一義が打ってくれた二刀のうちの一つの刀身が黒色の日輪刀を抜き技を飛んできた毬に向かって放った。するとその毬は裂けて落ちた。輝哉とあまねさんは驚いて何が起きたのか分からず固まっていた。とっさに二人を庇うようにして前に出て叫んだ。

 

「俺の後ろから動くなよ! 良いな!? 鬼の襲撃だ」

 

 ただよってくる鬼の匂いは一匹だけだな。

 

「どうして鬼がここに来れるんだい!?」

 

「藤の花だってありますのに」

 

「どうやら藤の花の耐性を付与された異能の鬼みたいだな」

 

「そんな!? 試験を受けている子達に被害が出てしまいます」

 

「鬼舞辻はその段階までいっていたのか・・・」

 

「落ち着け。だから俺がここにいるんだ。こういう感は当たって欲しくなかったんだが、仕方ないか。鬼舞辻は恐らく実験段階だろう。藤の花を克服するにはある条件が必要だ。その条件を満たさない限り克服できることはない。おそらく長時間はもたない捨て駒か何かだろう。今からその鬼を倒す。俺から絶対離れるな、二人とも」

 

「はい」

 

「分かったよ」

 

 二人がそういうと毬を持った少女の鬼が現れた。

 

「キャハハハハ! 私の毬を防ぐとはやるのぉ。あのお方のいう通りじゃ。この山に花札のような首飾りを付けている鬼に会うとはのぅ」

 

 鬼舞辻はこんな少女まで鬼にしてやがるのか。それにこの子の匂いは、藤の花をの成分を埋めこまれているのか? 今は濃い鬼舞辻の血のおかげで生きているがそれがきれたら・・・・ちっ。

 

「おいおい、ずいぶんなご挨拶だな。カナエたちが試験中だというのに邪魔するのは良くないだろう」

 

「キャハハハ。ここには人間がたくさんおるのう。この十二鬼月である私のエサになってもらうぞ!」

 

 鬼はそう言いこちらにたくさんの毬を投げてきて凄い爆発音が山に響くのだった・・・・・

 

 

<春樹Side out>

 

 

 

<蜜璃Side>

 

 今の爆発音は何かしら? 試験会場の入り口の方から聞こえた気がするんだけど・・・・うん、気にしても仕方ないよね! 私は生きて春樹さん、カナエちゃん、しのぶちゃん、善逸くん達と再会するんだから! 

善逸くんたちも「絶対死なないでくださいよぉぉぉぉぉ!」、「絶対死ぬんじゃねぇぞ!」って凄く心配しながら見送ってくれたもんね! 一義さんや蔦子さんも待ってくれてるし絶対帰らなくちゃ!

 

 

「見つけたぞ、人間! 童の餌になってもらうぞ!」

 

「すぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。全集中 恋の呼吸 壱の型 初恋のわななき」

 

「何じゃ!? その刀と斬撃は!? いつの間にか体が切れておるじゃとぉぉぉぉ!?」

 

「この呼吸法は、春樹さんと鬼殺隊の煉獄さんのアドバイスを受けて私自信が生み出した呼吸なの。この型は、大きな踏み込みから目にも止まらない程の速さで連続で切りつける技。あまりに速すぎて貴方は斬られたことには気づかないわ」

 

 

「おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

 

 私は一瞬で鬼の体を切り刻み、鬼の体は消滅した。ふう、春樹さんと煉獄さんに習ったことがちゃんといかせているわね! 技も鬼に通用しているし、大丈夫だわ!

 

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、誰か助けてぇぇぇぇぇぇぇ」

 

 叫び声が近くから聞こえ、私はすぐに声が聞こえた方向に向かった。するとそこには、鬼に食べられそうになっていた試験生がいた。私は瞬時に飛び出し技を放った。私と同時に三つの人影も飛び出してきて

 

「恋の呼吸 参の型 恋猫しぐれ!」

 

「花の呼吸 陸ノ型 渦桃!」

 

「蟲の呼吸 蝶ノ舞 戯れ!」

 

「水の呼吸 壱ノ型 水面斬り!」

 

 私以外にも鬼に向かって技を放った人物がいた。その顔ぶれは良く知っていた。鬼は四つの技を受けて吹き飛んだ。

 

「みんな、無事でよかったわ!」

 

「姉さん達も無事でよかった」

 

「蜜璃ちゃん、しのぶ、真菰ちゃんも無事ね・・・」

 

「うん・・・! 避けて、みんな!」

 

 私は真菰ちゃんの言葉を聞いて殺気を感じ、襲われていた女の子を抱えその場からすぐに飛んだ。みんなも同様にしてその場から離れた瞬間斬撃がいた場所に飛んできた。

 

 

「やれやれせっかく人間食べれる機会だったのに、よくも邪魔してくれたねー。朱紗丸と共にあのお方から花札のような首飾りをした鬼を殺して来いって送られてきたらなかなか出会わないから人を食べたら出てきてくれるかなぁって思っていたのに」

 

 

 斬撃が飛んできた方向を見るとそこには先ほど吹き飛ばした青年の鬼がおり、薙刀のような物を持って話していた。

 

 

「何ですって!? 兄さんを殺すですって? そんなことさせないわ!」

 

「んー、お兄ちゃんは殺させないしそんなこというのは面白くないなー」

 

「春樹さんが狙われているの? それにあの鬼の強さは・・・それにあの眼・・・」

 

「大丈夫! あの鬼は強さが全然違うけど、カナエちゃん、しのぶちゃん、真菰ちゃん、私でみんなで協力すれば大丈夫よ! 貴女は早く逃げて!」

 

「は、はい。私では足手まといになりそうですね。助けていただきありがとうございました。どうかご無事で!」

 

 私は鬼に襲われていた女の子を逃がし、鬼と対峙した。春樹さんを絶対に殺させないわ! 私たちはあの人を助ける為に今まで修業してきたの! 絶対に負けない!

 カナエちゃん達も気合を入れた眼をして鬼と対峙していた。

 

「ククククク。随分と面白いことをいうね。君たちは春樹の育てた子供たちのようだ。君たちを殺せばアイツに会えるね。もと十二鬼月である俺を倒すことができたら褒めてあげるよ!」

 

 片目に下伍と書かれその部分に傷があった鬼はそういい、私達の方に向かってきて私達も立ち向かい大きな音が山内に響きわたるのだった・・・

 

 

<蜜璃Side out>

  

 




あとがき

 第二弾です。


蜜璃「今回は私達が担当よ!」


カナエ「みんなよろしくねー」


しのぶ「姉さん!? もっとしっかりして!」


カナエ「蜜璃ちゃん~。しのぶが怖いわ」


蜜璃「しのぶちゃん! 可愛い顔が台無しだよ!」


しのぶ「甘露寺さん、貴方までいったい何を言っているのかしら? だいたい貴女と姉さんはいつもいつも・・・・・」


カナエ「もう、しのぶ! そんなだと春樹さんに嫌われるわよ?」


しのぶ「な!? に、兄さんは関係ないでしょ!? それに私は兄さんにどう思われようが・・・・ぐすっ。やっぱりこんないつも怒っていて眉間にしわを寄せて可愛くないない女の子なんか兄さんも嫌いよね・・・」


蜜璃「きゅん! しのぶちゃんたら可愛いわ!」


カナエ「しのぶはかわいいもの~。だから大丈夫よ!」


しのぶ「ちょ、甘露寺さん!? 急に抱き着かないで!」


カナエ「ここで大正コソコソ噂話! しのぶは春樹さんのことを私達に聞いてしっかり調査して好かれる為に兄さん呼びにしたのよ。春樹さんはそう呼ばれ喜んで私達に手作りの首飾り贈ってくれたの。しのぶは部屋にいる時はそれを外していつも見つめてニコニコしていて可愛いのー」


しのぶ「姉さんはいったい何を言っているのかしら!?」


蜜璃「次回 第拾肆話 春樹さんや私たちは鬼との戦闘でどうなるのか!? そして無事に試験を終え鬼殺隊に入隊することはできるのだろうか?」


 つづく。 


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