小さな森に花は咲く (空丘ルミィ)
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高校1年生編
0話:新しい友達


ドーモ、ドクシャ=サン。ソラオカルミィデス。

まずは前作品で出していたアンケートに解答していただき、誠にありがとうございます。総回答数51と大勢の方に回答をもらえてうれしい所存です。

今作品はアンケートの結果でPoppin'Partyに票が集まったのでPoppin'Partyの小説になります。そして4作目です

それでは本編へどうぞ!


 

 

 

 

 

 

 

 

4月23日

 

今日は花咲川学園の入学式だ。制服も花咲川のものになり、新しい学園生活が始まる。姉さんが通ってるの羽丘学園も今日が入学式らしいから生徒会に入っている姉さんは朝から羽丘に向かったから花咲川までは俺一人で行くことになっている。

 

【午前7時30分:疾透の自室】

 

疾透「制服よし、かばんよし、髪型よし・・・大丈夫だな。さて、昨日一度ここから花咲川学園までかかる時間も計算してるし今日の日程も確認済みだ。そろそろ行くか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【花咲川へ向かう道中】

 

疾透「うーん、今日は空が曇ってるな・・・天気予報では雨だなんてこと何も言ってなかったのに大丈夫なのか?」

 

??「天気予報では雨って言ってなかったけど大丈夫なのかな・・・?傘なんて持ってきてないしここからコンビニまで寄って傘を買ったとしても入学式まで間に合いそうにもないし・・・どうしよう・・・」

 

疾透「うん?」

 

??「あれ?」

 

まったく気が付かなかった。ずっと前を向いて歩いていたせいかいつの間にか隣にいた女の子のことが目に止まりすらしなかったのだから。

 

疾透「えっと・・・どうかした?ずっとスマホを見て唸ってたみたいだけど」

 

??「ええっ!?そんな顔してた…?めっちゃ恥ずかしい・・・」

 

疾透「うん」

 

??「い、今のは忘れて!!キミこそどうしたの?それにその制服・・・」

 

疾透「あ、俺は森睦疾透(もりちかはやと)って言うんだ。今日から花咲川学園に通うことになったんだよ」

 

??「森睦くんだね、私は牛込(うしごめ)りみっていうんだ。森睦くんと同じ花咲川学園に今日から通うんだー」

 

疾透「牛込さん、だね。俺のことは気軽に『疾透』って呼んでくれて構わないよ」

 

りみ「そう?じゃあ私のことも気軽に『りみ』って呼んでいいよ。よろしくね疾透くん」

 

疾透「こちらこそ、よろしくりみ。それよりも時間大丈夫?」

 

りみ「そ、そうだよ!そろそろ学校に入っておかなきゃ…!行こう、疾透くん!」

 

そうして俺たちは花咲川学園まで走っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【花咲川学園校舎前】

 

疾透「ぎ、ギリギリセーフ・・・」

 

りみ「うぅー、疲れたー…運動得意じゃないからもうちょっと体力つけた方がいいかも・・・」

 

??「本当にギリギリですね。この先大丈夫ですか?他の皆さんはすでに教室に入ってるので後は二人だけですよ」

 

疾透「そのネクタイの色・・・先輩ですか?すみません!」

 

りみ「本当にすみません!どこの教室が空いてますか?」

 

??「1ーAが2つ空席があるようなのでそこへ向かってください。早くしないと先生に怒られますよ」

 

疾透「本当にすみません!りみ、早く入ろう!」

 

りみ「は、疾透くん!?待って・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【1ーA】

 

疾透「つ、着いた・・・先輩に空いてる教室を聞いて正解だったね・・・」

 

りみ「う、うん・・・もう走れないよー…」

 

先生「入学式初日に遅刻寸前とは…この先大丈夫なのでしょうか。時間も押してるので早く席についてください」

 

疾透「えーっと空いてる席は・・・あそこの2つだけか」

 

りみ「そうみたいだね・・・早く座ろう?」

 

 

それから体育館に移動し入学式が始まった。学園長の挨拶や生徒会長のあいさつ、新入生代表の挨拶が終わり入学式は終わった。それから俺たちは体育館で待機し、これから1年お世話になるクラスメイトや先生のところに集まって教室に移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【1ーA】

 

入学式が終わった後のクラス分けで俺は1ーAで一年間勉強することになった。体育館ではクラス分けをしただけなので自己紹介をその日に済ませてしまおうと先生が言ったので教室に入ってから自己紹介することになった。

 

疾透「森睦疾透です。中学生のころからこっちに姉と一緒に引っ越して来てから近くの中学校に通い、ここを受験して今年入学しました。趣味は絵を書くことです。みなさん、よろしくお願いします」

 

とまあ簡単に自己紹介を済ませて席に戻る。それから20分ほどで他のクラスメイトの自己紹介が終わり、30分ほどクラスメイトと話す時間を先生が作ってくれたのでクラスメイトと話すことにした。

 

りみ「疾透くん、改めてよろしくね。」

 

疾透「こちらこそ。改めてよろしく、りみ」

 

とまあ、偶然にもりみと同じクラスに割り当てられた。りみも俺も少し驚いていたけど通学路で話していたような感じで普通に挨拶した。

 

??「やっほー!私は戸山香澄(とやまかすみ)だよ!よろしくねりみりん、もりりん!」

 

りみ「りみりんってもしかして私のこと・・・?よろしくね、香澄ちゃん」

 

疾透「もりりんって俺のことか・・・?よろしく、香澄」

 

香澄「うん、これから一年よろしくねー!」

 

疾透「(結構騒がしいけど、元気あふれる人だな・・・中学の時もこんな感じの人がいたから振り回されないようにしないと…)」

 

??「私は花園(はなぞの)たえって言うんだ。よろしくねりみ、疾透くん」

 

りみ「うん、よろしくねたえちゃん」

 

疾透「ああ、こちらこそよろしく。たえ」

 

たえ「うん、よろしくねー」

 

疾透「(なんか落ち着いたっていうよりはマイペースな感じだな・・・振り回されることはないだろうけどちょっと気を付けよう・・・)」

 

??「私は若宮(わかみや)イヴといいます!今年一年、皆さんと同じクラスで嬉しいです!リミさん、ハヤトさん、よろしくお願いします!」

 

りみ「よろしくね、イヴちゃん。」

 

疾透「よろしくな、イヴ」

 

イヴ「はい!一緒にブシドーを極めましょう!」

 

疾透「(綺麗な白髪で可愛い人だな。外国人と日本人のハーフなのか?元気が会って仲良くなれそうだ)」

 

??「はぐみは北沢(きたざわ)はぐみっていうんだよ!よろしくねはーくんとりーみん!」

 

りみ「りーみんって私のこと?よろしくねはぐみちゃん」

 

疾透「はーくんって俺のことか?よろしくなはぐみ」

 

はぐみ「うん!」

 

疾透「(香澄に似て元気いっぱいだな。どこかのクラブ活動とかで運動とかしてそうだから今度体力づくりに付き合ってほしいな・・・)」

 

??「私は山吹沙綾(やまぶきさあや)っていうんだ。よろしくねりみ、疾透くん。」

 

りみ「よろしくね、沙綾ちゃん」

 

疾透「よろしく、沙綾」

 

沙綾「ふふっ、仲良くしようね」

 

疾透「(すごく面倒見が良さそうで仲良くなれそうだな。・・・あれ?今『山吹』って名乗った?ちょっと気になるし聞いてみるか)なあ沙綾、沙綾の苗字って『山吹』って言ってたよね?」

 

沙綾「うん、そうだけどそれがどうかしたの?」

 

疾透「いや、気のせいかもしれないけど商店街にある『やまぶきベーカリー』ってもしかして」

 

沙綾「ああうん、そこ私の家だよ。実家がパン屋だから大抵の昼ご飯がパンだからね・・・」

 

疾透「やっぱりそうだったんだ、あそこのパンをいつも買っていくんだけどおいしくてつい買いすぎちゃうんだよね」

 

沙綾「あれ、疾透くんだったんだ?毎日うちのチョコチップパン買っていってるの」

 

疾透「そうだね、甘いものとパンが好きだから一緒になってるチョコチップパンをいつも買ってるんだけど」

 

沙綾「いつも買ってくれてありがとね。また今度おいでよ」

 

疾透「最近は姉さんが弁当を作ってくれてるからパンを買う機会は減るかもしれないけど偶に買いに来るよ」

 

香澄「それよりもりりん!さっきりみりんと『改めてよろしく』って言ってたけど何かあったの!?」

 

疾透「別に、通学路を歩いてたら偶々近くをりみが歩いてたから一緒に学園まで来ただけだよ。」

 

たえ「どんな事話してたの?」

 

りみ「ちょっと空の色が悪かったから天気のことについてとかだったかな。傘を買う時間もなさそうだったからそのまま一緒に走ってきちゃった」

 

沙綾「へえー、そんなことあったんだ。だから教室に入ってきたとき息切らしてたんだね」

 

疾透「運動部に入ってたわけじゃなかったから体力はあまりないからね。」

 

香澄「じゃあ何の部活に入ってたの?」

 

疾透「吹奏楽部だよ。といっても部員はそこまで多かったわけじゃないし俺もキーボードくらいしか弾けなかったし」

 

たえ「へー、キーボード弾けるんだ。私は一応ギターは弾けるんだけど」

 

沙綾「私も一応ドラムやってるよ。」

 

りみ「私はお姉ちゃんがギターをやってて、この間買ってもらったばかりだけどベースはできるかな・・・」

 

香澄「私は楽器を持ってないからみんなが羨ましいー!私も早く楽器やりたーい!」

 

疾透「そういってもそうそう見つからないんじゃないか?」

 

沙綾「あ、先生来たよ」

 

それから担任の先生がやってきて学級委員長を決めたりしてその日は下校することになった。学級委員長はなぜか俺がすることになった。他の人曰く『花咲川唯一の男子生徒だし頼りになりそう!』とか聞こえたので仕方なく引き受けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【花咲川学園校舎前】

 

疾透「(なんか今日一日でどっと疲れたような気がするな・・・いきなり学級委員長になるし・・・ん?あそこにいるのって)・・・有咲?」

 

有咲「あ?誰だ・・・って疾透かよ。担任かと思ったじゃん。私に何の用だ?」

 

疾透「いや、用ってほどじゃないんだけど入学式前に同じ教室にいただろ?なんか仲良くなれそうだし挨拶しておこうと思って。俺たちは別のクラスだけどこれから先学校で会うかもだし」

 

有咲「律儀だな疾透。ところで何の部活に入るか決めたのか?」

 

疾透「いや、まだ決めてないな。でもここで話すのもあれだし帰りながら話さないか?」

 

有咲「別にいいけど・・・」

 

香澄「もりりん、一緒に帰ろー!って隣の人誰?」

 

疾透「市ヶ谷有咲(いちがやありさ)っていって入学式前に同じ教室にいてちょっと話してた人だよ」

 

香澄「へー、よろしくね有咲!」

 

有咲「いきなり馴れ馴れしすぎだろ!・・・まあいいや、どうせこの後暇だろ?ちょっとうちに寄っていかないか?」

 

疾透「有咲の家に?いいのか?」

 

有咲「別に他の人に見せちゃいけないものなんてないしな。探し物とかあるならうちは質屋だし色んなものあるぞ」

 

香澄「質屋!?行きたい行きたい!」

 

疾透「俺も何かあったら持って帰りたいから着いていくかな」

 

有咲「オッケー、じゃあはぐれるなよー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【流星堂】

 

有咲「着いたぞ」

 

疾透「ここが有咲の家・・・いや、家というよりは倉だろ」

 

香澄「渋い!」

 

有咲「渋くて悪いかよ!いいから入るぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有咲「なんか持っていきたいものあったか?」

 

疾透「お、このキーボード絶版のやつじゃん。もう日本じゃ販売されてないレアものだな。香澄は何かいいもの・・・」

 

香澄「もりりん!ここにギターがあったよ!」

 

疾透「たしかこれって…『ランダムスター』っていうギターじゃなかったか?これも外国でしか売られてないやつだろ」

 

有咲「うちの婆ちゃんが仕入れたんだよ。珍しいギターの形だったからって」

 

香澄「有咲!このギターちょうだい!」

 

有咲「別に譲ってやってもいいけど、香澄ギターできるのか?」

 

香澄「全然?」

 

有咲「できねーのかよ!」

 

香澄「これから頑張る!」

 

疾透「香澄は言い出したら止まらない感じだしここは譲ってやるしかないな有咲」

 

有咲「しょうがねーな・・・ほら、これがランダムスターの代金でこれがキーボードの代金な」

 

こうして俺と香澄はギターとキーボードを譲ってもらった。律儀にケースもタダで譲ってもらった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【流星堂外】

 

香澄「それじゃあまた明日だねもりりん、有咲!」

 

有咲「うっかり落としてギター壊すんじゃねーぞー」

 

疾透「ありがとな有咲、いい掘り出し物が見つかったよ」

 

有咲「背中が痒くなるからお前らはさっさと帰れー!」

 

そう有咲に怒鳴られて俺たちは流星堂で別れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【流星堂からの帰り道】

 

疾透「いつぶりだろうな、こうしてキーボードに触れるのは。たしか・・・去年の6月以降触ってなかったな・・・あれ?りみ?」

 

りみ「あれ、疾透くん?確か早く学校から出たはずだよね?どうしてこんなところにいるの?」

 

疾透「ちょっと有咲のところで掘り出し物を漁ってな。これから帰るところだ」

 

りみ「有咲ちゃんのところで?何か譲ってもらったの?」

 

疾透「ちょっと外国製の高いキーボードだな。久しぶりに家で弾きたくなったから譲ってもらった」

 

りみ「そうなんだ。今度聞いてみたいなあ…」

 

疾透「別にそんな特段上手いわけじゃないけどな。っと、俺はここからこっち方向だな」

 

りみ「私はこっちだから今日はここまでだね。また明日学校でだね」

 

疾透「ああ、またなりみ」

 

そうして俺たちは分かれ道でそれぞれの帰路についた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後8時:森睦家リビング】

 

水夏「そういえば疾透、学校はどうだった?今日そっちも入学式だったんでしょ?」

 

疾透「花咲川は結構個性的な人が多かったけどすぐ仲良くなれたよ。入学式に行く途中にりみっていう女の子とであってすぐ仲良くなったし」

 

水夏「ふーん、思ったより普通に学校生活送れそうじゃん。ちょっと心配してたけど」

 

【オリキャラ紹介:森睦水夏(もりちかすいか)。疾透の2つ上の姉で羽丘学園に通っている。料理や裁縫がうまく、お弁当や小物などをよく作ってもらっている。羽丘では家庭科部に入っており後輩たちからも評判がいい】

 

疾透「姉さんの方はどうだったの?」

 

水夏「新入生の中には私たちがこっちに来てからよく遊んだ子がいたよ」

 

疾透「そっか、今度挨拶しに行った方がいいかもな」

 

水夏「そうしてくれた方があの子たちも安心するだろうから今度の休みに私の方から連絡を入れてあげるから挨拶に行ってあげて」

 

疾透「わかってる。それじゃあ姉さん、俺はもう寝るから」

 

水夏「ところで疾透。明日からは私も途中まで一緒に通えるけどどうするの?」

 

疾透「普通に一人で通うよ。お休み、姉さん」

 

水夏「お休み、疾透」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?とりあえずポピパメンバー全員を出せたので個人的なノルマを達成できたといったところでしたが()

入学式のイベントも簡潔に書きました。ちなみに主人公の疾透の入学試験の成績は学年次席です。あと数点の差で有咲ちゃんに主席を取られてしまいました(悲しい)やっぱ原作の学年主席はさすがなんやなぁ…あと何気に1期の時間軸から始めたのは初めてだったりします(小言)

それではここまで読んでいただきありがとうございました!


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1話:再開と再会

どうも、空丘ルミィです。

とりあえず先日まであったバンドリのハロウィンイベントお疲れさまでした。主は適当に走った結果とりあえず100000位以内には入れたのでまあ安心しました。ガチャの結果?聞かないで(切実)

とりあえず本編へゴー


 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月1日

 

花咲川での入学式から1週間が経ったある日の休日、俺は朝6時に珍しく早く起きていた。特に何もやることがないので自分の部屋で先日有咲から譲ってもらったキーボードを弄っていた。長い間倉に入れられていたにもかかわらず、有咲がメンテナンスしてたのか音色は安定していた。長い間キーボードを触っていなかったのでブランクは多少あるがそれでも昔演奏していた曲は半分くらい弾けていた。そんな時・・・

 

【午前10時:森睦家リビング】

 

水夏「ねえ疾透、今日暇?」

 

疾透「別に何もやることないけど」

 

水夏「それなら今日、この間言っていた羽丘の新入生たちに挨拶して来たら?今日も羽沢珈琲店にいるってさっき連絡貰ったんだけど」

 

疾透「それなら行ってくるか。1年ぶりだっけか・・・元気にしてるかな」

 

水夏「それなら早くご飯食べて行ってらっしゃい。私は受験勉強で忙しいけど連絡くらいは回してあげるから」

 

疾透「姉さん、厄介払いしてないか?」

 

水夏「そんなことないわよ。ほら早く行ってらっしゃい」

 

疾透「はいはい、それじゃあ行ってきますよっと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前10時30分:羽沢珈琲店】

 

(カランカラン)

 

イヴ「らっしゃっせ―!何を握りやしょうか!」

 

疾透「・・・イヴ?こんなところで何やってるんだ?」

 

イヴ「ハヤトさん!私はここでバイトをしているんです!」

 

疾透「一つ質問いいか?」

 

イヴ「はい、何でしょうか?」

 

疾透「ここって珈琲店だよな?」

 

イヴ「そうですよ?」

 

疾透「それなのにお客さんへの第一声が『らっしゃっせ―!何を握りやしょうか!』なのか疑問でしかないんだが・・・そこまで日本が好きなのか?」

 

イヴ「はい!私は日本が大好きです!ところで何か頼みますか?」

 

疾透「悪いけど今日は客としてじゃなくて人に会いに来たんだ。とりあえずつぐみを呼んでくれないか?」

 

イヴ「わかりました!ツグミさーん!」

 

つぐみ「イヴちゃん?あ、疾透くん!」

 

疾透「1年ぶりだなつぐみ。みんなはもう来てるのか?」

 

つぐみ「うん、みんな私の部屋で待ってるよ。」

 

疾透「さすが姉さん、人使いが荒い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【つぐみの部屋】

 

つぐみ「みんな、おまたせ!」

 

疾透「1年ぶりだな。蘭、モカ、ひまり、巴。」

 

蘭「うん、久しぶり疾透。元気にしてた?」

 

モカ「はやくんおひさー。」

 

ひまり「久しぶりー!羽丘の高等部に入らなかったって聞いた時は寂しかったよー!」

 

巴「久しぶりだな疾透!少しだけ髪を伸ばしたか?」

 

疾透「ああ、少しイメチェンって感じで気にならない程度に伸ばしてみたんだ。制服も変わるし心機一転してみようかなって」

 

蘭「いいじゃん、そういうの。」

 

疾透「蘭だって1年前に遊んでた時は今みたいに赤メッシュ入れてなかったよな?」

 

蘭「まあ・・・ね。色々あったからさ」

 

ひまり「そうそう聞いて疾透!私たち、バンド組んだの!」

 

疾透「バンド?それまたなんでだ」

 

モカ「えっとー、去年に蘭だけ別々のクラスになっちゃって蘭が不登校気味になっちゃってー」

 

つぐみ「それで『みんなで一緒にいたい!』って言ったら『バンドやろう!』って感じになって、そのままみんなでバンド組んだんだ。」

 

蘭「あの時はごめん、みんなに迷惑かけたし・・・」

 

巴「いいって蘭!こうしてまたみんなで集まれるんだしな!」

 

疾透「ふーん、バンドなあ・・・」

 

蘭「そういえば疾透、ずいぶんと大きい荷物だけど何持ってるの?」

 

疾透「ああこれ?キーボードだよ。クラスメイトじゃないけど、ちょっと知り合った人の家に入って譲ってもらったんだよ。」

 

ひまり「キーボード!?見たいみたい!」

 

疾透「あんまり乱暴にするなよ、結構レア物だからな」

 

つぐみ「えっと・・・あっ、これ外国製の高いキーボードだよ!いいなあ…」

 

疾透「まあ、去年一度引退したんだけど久しぶりにキーボードを弄りたくなってな。漁ってみたらこれが見つかったから譲ってもらったんだよ。まだブランクはあるけど一応まだいけるな」

 

蘭「ならさ、一回疾透の演奏聞いてみたいんだけど」

 

疾透「ソロでってことか?なら楽譜とかあるか?うっかり机の上に置き忘れてきてしまったんだ」

 

つぐみ「ならはいこれ。私たちで作った曲のキーボードのパートなんだけど」

 

疾透「いいのか?蘭たちが作った曲を弾いても」

 

蘭「聞きたいのはあたし達の方なんだし大丈夫だよ」

 

疾透「そうか?じゃあ遠慮なく・・・」

 

ーーーーーーー♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【数分後】

 

疾透「ふう…こんなものかな。見慣れない譜面だしブランクがあるからちょっとミスったけど」

 

つぐみ「それでも十分うまいよ!とてもブランクがあるなんて思えないよ!」

 

モカ「おー。つぐがはやくんの演奏をひまってるー」

 

疾透「ひまってるって何だ」

 

巴「多分、『褒めてる』ってことなんじゃないか?」

 

疾透「それならそう言ってくれればいいのに。モカの作った言葉(別名モカ語録)はわかりづらいからな。」

 

蘭「あたし達はわかるんだけど疾透は知らないからね。モカ、疾透がいるときはできるだけ疾透に分かるように言ってあげて」

 

モカ「善処しまーす」

 

疾透「さて、久しぶりに色々話したな・・・これからどうするか」

 

ひまり「疾透はバンド組んだりしないの?」

 

疾透「俺がバンドを組む?今は考えてないな・・・というか誘うとしても花咲川のメンバーがいいだろうけど、俺以外に男子生徒がいないからバンドのサポーターにならなってもいいだろうな」

 

つぐみ「そっか・・・なら、私たちのバンドのサポーターにならない?」

 

疾透「蘭たちのバンドのサポーターに?嬉しい話だけど今は辞退させてもらうよ」

 

ひまり「なんで!?」

 

疾透「まだ花咲川に入ってまもないし、まだ他のバンドの人だっているかもしれないしな。そこの辺をじっくり見てから考えたいんだ」

 

蘭「それもそうか。なんかごめん」

 

疾透「謝ることなんかないよ。俺だって蘭たちに久しぶりに会ってバンドをやってるって知ることができたし。さて、と。俺はそろそろ行こうかな」

 

モカ「えー?もう行っちゃうのー?」

 

疾透「ちょっとクラスメイトの家に行くんだよ。といってもまだ家の場所を知らないから待ち合わせすることになってるけど」

 

巴「それじゃあまたな!久しぶりに話せて楽しかったぜ!」

 

疾透「またな、みんな。」

 

こうして俺はつぐみの家を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後3時:コンビニ前】

 

りみ「あ、疾透くん!」

 

疾透「ごめんりみ。ちょっと1年ぶりに会った人たちと話してたら遅くなっちゃって」

 

りみ「ううん、大丈夫だよ。それよりも私の家でよかったの?」

 

疾透「今うちでは姉さんが試験勉強に集中してるからやめておいた方がいいかなって。姉さんは羽丘であそこは進学校だから早めに勉強する人が多いって聞いたし」

 

りみ「そうなんだ?今うちにはお姉ちゃんがいるんだけど大丈夫?」

 

疾透「別に大丈夫だよ」

 

りみ「それじゃあ行こう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【牛込家玄関】

 

りみ「ただいま、お姉ちゃん」

 

ゆり「おかえりーりみ。その人が入学式に会ったっていう?」

 

疾透「初めまして、俺は森睦疾透っていいます。入学式の時はりみと偶々であって学校まで一緒に行きました。あと、りみとは同じクラスです」

 

ゆり「よろしくね、疾透くん。私は牛込ゆり、花咲川学園の3年生だよ」

 

疾透「え、先輩だったんですか!?それも2つ上でうちの姉さんと同い年ですか・・・一つしか違わないって思ってました」

 

ゆり「よく言われるよ・・・入学式の時はりみのことありがとうね。」

 

りみ「お姉ちゃんはバンドに入ってるんだ。『Glitter*Green』ってバンドでギターボーカルなんだよ。」

 

疾透「へえ、ゆり先輩もギターボーカルなんですね。さっき会ってきた友達の一人がバンドのギターボーカルやってるって言ってましたし」

 

ゆり「疾透くんはバンドに入ってたりしないの?」

 

疾透「いえ、バンドはやってないですね。ただキーボードは弾けますよ。ただブランクはありますけど」

 

ゆり「なるほどね」

 

疾透「ただまあ部活で弾いてたので久しぶりに弾きたくなったんですよ」

 

りみ「もしかして、今持ってきてるそれってキーボード?」

 

疾透「そうだな。部屋に置いてても姉さんに弄られるだろうから持ち歩くことにしたんだ」

 

ゆり「部屋に楽譜あるけど何か弾いてみる?」

 

疾透「え、いいんですか?」

 

ゆり「一度疾透くんの音を聞いてみたいんだよね。Glitter*Greenにもキーボードの子はいるんだけど偶には違う人の音を聞きたいかなって」

 

疾透「それならぜひ弾いてみたいですね」

 

ゆり「それならはい、これ。」

 

疾透「ありがとうございます。ちょっと待ってください、少し楽譜を見ますから・・・ふむふむ、結構難しそうですね・・・ちょっと一度通してみますね」

 

疾透通し演奏中・・・

 

疾透「やっぱり結構難しいですね・・・譜面から色んな感じが読み取れますし・・・次は本番やってみます」

 

疾透本番演奏中・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

りみ「す、すごいよ!初めて見る譜面なのにここまで演奏できるなんて…!」

 

ゆり「すごいわね、疾透くん。いつか私たちにどうしたらここまでうまくなるのかアドバイスが欲しくなっちゃうわ」

 

疾透「俺はただ部活でピアノを弾いていただけですよ。ただ放課後も音楽室にこもっりまてピアノを弾くこともありましたし、人一倍練習していたことも上手くなった理由ですかね」

 

ゆり「何事も努力と練習かあ・・・そうだよね」

 

りみ「お姉ちゃん、この後ベースの練習に付き合ってもらってもいいかな?まだまだ私は半人前だから上手くなりたいから・・・」

 

疾透「姉妹で今から練習なら俺は帰るか」

 

ゆり「あ、疾透くんはいて大丈夫だよ。今度は私たちの音を聞いてほしいかな。」

 

疾透「んー、それならもう少しいることにします。他の楽器の音がどんなのか知りたいですし」

 

それから俺はりみとゆり先輩が奏でるベースとギターの音を聞いた。聞いてるうちに少しずつ眠気が来たみたいで、いつの間にか座っていたソファーで寝ていたらしい・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「ん・・・あれ?」

 

りみ「あ、やっと起きた。私たちが演奏してる間に寝ちゃってたんだよ?」

 

疾透「あー・・・悪い、音がよかったからそのまま寝てた・・・子供の時からずっと治ってない癖みたいなものだからな・・・」

 

りみ「気持ちはわかるけど、できることなら寝ずに聞いてほしかったかな・・・」

 

疾透「本当にごめん。ところで今の状況を簡潔に4文字で頼む」

 

りみ「膝枕だよ」

 

疾透「・・・ごめん、なんて?」

 

りみ「ひ、膝枕だよ・・・ソファーで気持ちよく寝ていたんだけど、頭が下向いてたから首が痛くなるかもって思って・・・」

 

疾透「・・・どおりで途中からソファーの綿のような触り心地から温かい感触だったわけか・・・今何時だ?」

 

りみ「よ、夜の7時だよ・・・」

 

疾透「7時!?すぐ家に帰らないと…それじゃあまた学校で!」

 

りみ「う、うん。また学校でね!」

 

そうして俺は足早にりみの家を出て家まで全速力で帰った

 

疾透out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

りみ&ゆりside

 

ゆり「りみ、夜ご飯できたよー・・・って疾透くん、もう帰っちゃった?」

 

りみ「うん、早く帰らないと明日学校だからって…」

 

ゆり「残念、疾透くんともっとお話ししたかったんだけどなあ・・・疾透くんが食べていくかもって3人分作っちゃった」

 

りみ「それ、明日の弁当のおかずじゃダメかな?たぶん私たちじゃ食べきれないだろうし・・・」

 

ゆり「そうしようか。ところでりみ、疾透くんのことどう思う?」

 

りみ「どうって・・・友達だよ?私のこと助けてくれるし、よく話しかけてくれるから」

 

ゆり「なるほどね。」

 

りみ「お姉ちゃん?」

 

ゆり「ううん、何でもないよ。早く済ませちゃおっか」

 

りみ「(お姉ちゃん・・・何が言いたいんだろう?)」

 

りみ&ゆりout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【森睦家】

 

疾透「ただいま、姉さん」

 

水夏「おかえり疾透。帰りが遅かったみたいだけど」

 

疾透「蘭たちと話した後、クラスメイトのところに遊びに行ってたんだ。久しぶりにキーボード演奏したりしたよ。そのクラスメイトはベースを演奏できるんだけど、気が付いたら寝ててさっき家を急いで出て走ってきたんだよ」

 

水夏「疾透にも楽器演奏仲間が増えたんだ。私はあまり楽器は演奏しないしちょっとうらやましいかも」

 

疾透「姉さんには家庭科部に仲いい人いるじゃん」

 

水夏「私の場合は知ってる人ばかりだから羨ましくなるの!なんか先を越された気分・・・」

 

疾透「姉さんの愚痴はもう聞きなれたから俺はもう寝るよ。お休み」

 

水夏「話はまだおわtt・・・もう行っちゃったか。さーてと私も寝ろうっと」

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

正直牛込姉妹の楽器の演奏を聴いた後は普通に帰るという方向にしたかったのですが、できるだけ文字数を増やしたかった(建前)のと甘い雰囲気にしたかったというのもあります(本音)りみちゃんは素直でかわいい子なのでついつい甘えさせたくなっちゃうんですよね(本音駄々洩れ)

ではここまで読んでいただきありがとうございました!


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2話:その小さな背中を押して

どうも、空丘ルミィです。

今日からバンドリで新しいイベントが来ますね。リサ姉と誰かが☆4ですけど相方さんは一体誰なんでしょうね?掛け合いの組み合わせは多いので誰が来るのか予想がつきません

では本編へどうぞ


 

 

 

 

 

 

 

6月7日

 

蘭たちAfterglowのメンバーと1年ぶりに会って一か月経った。あれから俺やりみは楽器の練習に励み、偶にりみの家にお邪魔して音も合わせたりした。その時はゆり先輩に立ち会ってもらって音がどれだけあってるかも聞いてもらってたりした。ただ音を奏でるだけで楽譜などはないため合わせることしかできなかったのは言うまでもない・・・

そして今日は休日だが登校日となっている。休日ということもあり授業は午前中だけとなっている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前9時:花咲川学園1ーA教室】

 

疾透「とりあえず1時限目が終わったか。休日だけあって授業の内容も割と緩かったし」

 

りみ「そうだね、学校が終わったら昼からベースを練習しないと・・・疾透くんも一緒にどう?」

 

疾透「あー、悪い。今日はちょっと図書室によって本借りろうかなって思ってるんだ。」

 

香澄「なになに!?りみりんともりりん、一緒に演奏してたの!?ずるい!私も混ぜて!」

 

疾透「香澄、今のやり取り聞いてなかったのか?俺は今日図書室に寄るからりみとは一緒には帰らないぞ」

 

たえ「じゃあ私はりみについていこっかな」

 

疾透「どうして今の流れでそうなるんだ」

 

りみ「私は別に大丈夫だよ?」

 

疾透「それならいいんだが・・・迷惑かけるなよ?」

 

香澄「大丈夫!ちょっと音を合わせるだけだから!」

 

イヴ「みなさん、そろそろ2時限目が始まりますよ!」

 

はぐみ「早く席について先生まとー!」

 

こうして2時限目が始まり、適当にノートを取ったりしてその日の授業は終わった・・・

 

疾透「それじゃありみ、俺は図書室に行くからここまでだな」

 

りみ「うん、またね疾透くん。時間があったら一緒に音合わせようね」

 

疾透「そのことなんだが、あと1人援軍を呼んでるから校門で待っててくれ。」

 

りみ「1人?うん、わかったよ。香澄ちゃんとたえちゃん、沙綾ちゃんたちと校門前で待てばいいんだよね?」

 

疾透「そうなるな」

 

香澄「それじゃあもりりん、また学校でね!」

 

疾透「気をつけて帰れよ」

 

こうして俺たちは一度学校で別れた・・・

 

疾透「さて…図書室に行くか。この時間ならあまり人はいなさそうだし気楽に探せるだろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【花咲川学園図書室】

 

疾透「えっと・・・お目当ての本はどこにあるか・・・としょしつにくるのははじめてだからどこに何があるのか知らないんだよな・・・」

 

??「あの・・・何かお探しですか・・・?」

 

声が聞こえたので聞こえた方に振り向いてみたら黒髪の先輩が椅子に座っていた

 

疾透「えっと、ちょっと本を借りたくて来たんですけど図書室には始めてくるのでどこにあるのかわからないんです」

 

??「本を・・・ですか・・・?あ、私は白金燐子(しろかねりんこ)っていいます・・・」

 

疾透「俺は森睦疾透っていいます。それで燐子先輩、譜面の作り方の本ってどこにありますか?」

 

燐子「譜面・・・ですか?何の楽器・・・なんですか?」

 

疾透「キーボードですね。この間友達からキーボードを譲ってもらったので、折角ですし何か譜面を作ってみたくて」

 

燐子「でも今私は忙しいので・・・少し待っていただけますか?」

 

疾透「すみません、忙しい中・・・」

 

燐子「いえ…大丈夫です・・・」

 

燐子先輩は携帯を取り出し、連絡を取った。しばらく経つと…

 

??「どうしましたか白金さん?私を呼ぶなんて珍しいですね」

 

燐子「えっと・・・疾透くんが譜面の作り方の本を探してるって言ってて…私は今作業をしてて忙しいので呼びました・・・」

 

??「わかりました。その疾透くんというのはどちらに?」

 

疾透「隣にいます・・・あれ?」

 

??「あら、あなたは・・・」

 

燐子「お二人とも・・・お知り合いですか?」

 

疾透「はい、入学式の時に少しだけですけど」

 

??「あの時以来顔を合わせたことがありませんでしたね。私は氷川紗夜(ひかわさよ)です。風紀委員をやっています」

 

疾透「俺は森睦疾透っていいます。今日はよろしくお願いします紗夜先輩」

 

紗夜「ところで、キーボードの譜面の作り方の本でしたね。では私に着いてきてください」

 

疾透「ありがとうございます紗夜先輩」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【図書室本棚前】

 

紗夜「こちらが譜面の作り方の本です。ちょうど一冊だけ借りられていなかったのでよかったですね。それにしても疾透くん、あなたはキーボードが弾けるんですか?」

 

疾透「昔の名残ですよ。今はブランクもなくなって普通に弾けますし」

 

紗夜「それなら、このあと少しだけ付き合っていただけませんか?」

 

疾透「別にいいですけど、どこかに行くんですか?」

 

紗夜「ええ、私たちは今バンドメンバーを募集しているんです。あとドラムとキーボードだけなんですが・・・未だに集まらないままなんです。」

 

疾透「だから、キーボードが弾ける俺の音を聞いてメンバーに誘いたい、と?」

 

紗夜「その通りです。もちろんあなたがよければ、ですが」

 

疾透「さっきも言いましたけど別に何もすることがないですからそれくらい付き合いますよ」

 

紗夜「すみません。それでは行きましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【図書室:入り口】

 

燐子「疾透くんと氷川さん・・・もうお帰りですか?」

 

疾透「はい、紗夜先輩に少し付き合ってほしいところがあるって言われたのでこれから行くところです。燐子先輩もどうですか?」

 

燐子「いいんですか・・・?」

 

紗夜「ええ、疾透くんの演奏するキーボードを聴くだけですが」

 

燐子「それなら・・・私もついていきます・・・」

 

疾透「というわけなので紗夜先輩、案内をお願いします」

 

紗夜「わかりました。ではついてきてください」

 

そう言って紗夜先輩と燐子先輩と俺は花咲川を後にした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ライブハウス兼カフェ『Ruby&Sapphire』】

 

【オリジナル設定:『Ruby&Sapphire』通称ルビサファ。春や秋が基本的なライブハウスとしての営業期間で学生から大人まで幅広く利用している。俺もたまにキーボードの練習の際に利用してる】

 

紗夜「湊さん、今井さん、連れてきました。」

 

友希那「ありがとう、紗夜。」

 

リサ「紗夜、ありがとね☆ところで二人の名前って?」

 

疾透「森睦疾透です。花咲川に今年入学して入学式の際に紗夜先輩に少しだけですがお世話になりました」

 

燐子「白金燐子・・・です。氷川さんとは同じ学年で学校では図書委員をしてます・・・」

 

友希那「私は湊友希那(みなとゆきな)、羽丘学園の2年生よ。」

 

リサ「もう友希那、もう少しリラックスできないの?ごめんね、疾透くんと燐子。アタシは今井(いまい)リサ。まだバンドメンバーはそろってないけど一応ベース担当なんだー」

 

紗夜「少し言い忘れていました、私はギター担当です。」

 

友希那「ところで、二人はドラムとキーボード、どっちを演奏できるのかしら?」

 

疾透「俺はキーボードですね、この間キーボードを譲ってもらって今は練習中の身といったところですが」

 

燐子「私は・・・家にピアノがあるのでキーボードなら・・・」

 

リサ「へえー、二人ともキーボードなんだ。ちょっと珍しいかも」

 

疾透「それで、俺たち一人一人の演奏を聴いてバンドに誘う、という感じですね?紗夜先輩から聞いた話だと」

 

友希那「なら早いわ。もうスタジオ予約は取ってあるから入りましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Ruby&Sapphireスタジオ】

 

友希那「さて、二人ともキーボードはあるのかしら?」

 

燐子「私は家でピアノを弾くだけなので・・・キーボードはありません…」

 

疾透「俺は一応持ってきてますので燐子先輩はこれで演奏して大丈夫ですよ。」

 

リサ「どれどれ?あ、これって外国製じゃん!しかも当時一番人気だったモデルの!」

 

紗夜「そうなんですか?私はよく知らないのですが」

 

疾透「これは有咲のところの蔵で見つけて譲ってもらったんですよ。ところで燐子先輩、順番はどうしましょうか?」

 

燐子「疾透くんからで・・・いいですよ」

 

疾透「それじゃあ先にやりますね。譜面とかあります?」

 

友希那「いえ、まだ私たちはバンドを組んでるわけじゃないから曲はないのよ。だから二人が演奏できそうな譜面を演奏してもらう形になるわね。」

 

燐子「私たちが演奏できそうなもの・・・ですか?疾透くん、何かできそうなのはありますか?」

 

疾透「うーん・・・あ、これなんてどうですか?」

 

燐子「これならなんとか行けそう・・・です・・・」

 

紗夜「曲は決まりましたか?」

 

疾透「はい、それでは俺から行きますね」

 

ーーーーーー♪

 

友希那「いい音といいリズムね」

 

リサ「だねー、アタシも聞き惚れちゃったよ」

 

紗夜「ええ、何度も練習してきた賜物ですね。次は白金さんですが・・・」

 

疾透「?どうかしましたか燐子先輩」

 

燐子「こんなにいい音聞くと…自信なくなっちゃいます・・・」

 

疾透「大丈夫ですよ燐子先輩、自分の音を信じてください。俺もこれまでに何度も演奏してきましたけど、他の人の演奏を聴くたびに自分の音が『小さい音だな』って思ったことはありましたし。俺が経験してきたことに比べたら俺が今奏でた音なんてちっぽけなものですよ」

 

燐子「でも・・・」

 

疾透「いいから、自分を信じてここにいる人たちに音を届けてあげてください。3人とも、燐子先輩の音を待ってるんです」

 

燐子「わかり・・・ました・・・」

 

ーーーーーーーー♪

 

友希那「これが燐子の奏でる音・・・」

 

リサ「へぇー・・・いいじゃん」

 

紗夜「ええ、まさか白金さんがこんな音楽を奏でることができたなんて」

 

疾透「いい演奏でした、燐子先輩。」

 

燐子「疾透くんの…おかげです。私は自分に自信がなかったので・・・疾透くん側あたしの背中を押してくれたから・・・」

 

疾透「これなら心配いらなさそうですね。それじゃ・・・」

 

友希那「疾透?何処に行こうというのかしら。まだどっちを誘うか決めきれてないのよ?」

 

疾透「それはわかっています。」

 

紗夜「ならなんでここを出て行こうとしているのですか?」

 

疾透「燐子先輩にふさわしい居場所が見つかった、そんな気がするんです。俺はここにいる人達に音を届けただけにすぎませんから。それに比べて燐子先輩の奏でた音は俺とは違ってライブハウスに来ているみんなに音を届けたんです。その証拠にほら、部屋の外を見てください」

 

そう言って俺が部屋の外を指さすと…そこにはライブハウスに練習しに来ていた人達が燐子先輩の奏でていた音を聞いていたようで、たくさんの人が集まっていた

 

疾透「燐子先輩、このお客さんたちを見てもそんな顔ができますか?」

 

そう、俺が言うまでは燐子先輩の顔は少しうつむいていた。多分、自分の音じゃバンドメンバーにふさわしくない・・・そう思っているような表情だった。

 

疾透「大丈夫です、燐子先輩なら。」

 

燐子「疾透くん・・・」

 

疾透「俺なら大丈夫です。友希那さん、リサさん、紗夜先輩。俺の演奏を聴いてくれてありがとうございました」

 

友希那「あなたとならもっといい音が奏でられると思っていたのに・・・残念ね。」

 

疾透「すみません、俺の独断で決めてしまって。」

 

リサ「いいって、疾透くんが気にすることじゃないよ。」

 

紗夜「そうですよ。私も湊さんに誘われたときはぎこちない感じだったので」

 

疾透「本当にすみません。それと、今日借りた本ですが読み終わったので返しますね。俺はこれで失礼します」

 

そう言って俺は燐子先輩に今日図書室で借りた本を返してスタジオを後にした

 

疾透out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友希那、リサ、紗夜、燐子side

 

 

友希那「・・・彼の音はいいものだったわ。それなのに自分から辞退するなんて…」

 

リサ「だね・・・アタシももっと聞きたかったんだけど」

 

紗夜「それよりも、私たちは言うことがありませんか?」

 

友希那「ええ、そうね紗夜。燐子」

 

燐子「友希那さん・・・?」

 

友希那「ようこそ、私たちのバンドへ」

 

友希那、リサ、紗夜、燐子out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透side

 

【Ruby&Sapphireから疾透の家への帰り道】

 

疾透「・・・情けないな、俺。自分でもわかってるはずなのに。」

 

りみ「・・・疾透くん?」

 

疾透「っ!?りみ・・・か。どうしたんだ」

 

りみ「さっき、香澄ちゃんたちが帰って私は夕食の買い出しの帰りなんだ。それよりも・・・『なんで泣いてるの』?」

 

そう、さっき燐子先輩が奏でた音に感動して俺は泣いていたんだ。こんな顔を燐子先輩たちに見せたくないという情けない理由でライブハウスを出てきていたんだから

 

疾透「・・・ちょっとな。悪いけど急いでるから今度また話そうな」

 

りみ「え?疾透くん?・・・行っちゃった。渡したいものと伝えたいことがあったのに・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後8時:森睦家】

 

水夏「あれ、疾透もう帰ってきてたんだ。・・・ってどうしたの?」

 

疾透「何でもない。お休み姉さん」

 

水夏「待って・・・ってもう行っちゃったか。疾透に言うことあったんだけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして俺は早めに布団に入って寝た。自分が情けなく思ったことを心に刻み込んで・・・

 

 

 




いかがだったでしょうか?

今回はRoseliaのドラマー、あこちゃんとキーボ―と担当の燐子ちゃんを同時に出さず主人公と燐子ちゃんの二人でRoseliaへどっちを勧誘するかのテストという感じにしてみました(ちなみにあこちゃんはこの後燐子ちゃんの誘いでRoseliaのメンバーになりました)ちょっと悲しいお話になっちゃいましたかね・・・

それではここまで読んでいただきありがとうございました


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3話:高い壁を乗り越えて

どうも、気が付いたら朝6時に目が覚めた空丘ルミィです

早起きするのは苦手ではないですが得意でもありませんがなぜか目が覚めていましたな、何を言ってるか自分でもよくわからねーが気が付いたら俺はPCの前に座っていた・・・

では本編へどうぞ


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの時疾透くんが泣いたような表情をしてから2週間が経ちました。実はあの日、私たちは有咲ちゃんの蔵で練習をしてバンド、『Poppin'Party』を組みました。バンドの名前は有咲ちゃんが付けてくれて、みんな嬉しそうでした。でも、あれから疾透くんは学校に来なくなってしまっていました・・・それどころか、休日でも疾透くんと会うことはありませんでした。私にはなにがあったのかはわかりません。他の同じ学年の友達に聞いてもみんな首を横に振りました。あんなに元気そうな疾透くんが学校に来なくなったなんてよほどの理由があったのかもしれません・・・今日にでも疾透くんの家を訪ねてみようと思いますけど、いざ行くとなると勇気がなくて前に踏み出せません・・・

 

6月26日

 

【午後12時:花咲川学園1ーA】

 

りみ「はぁー・・・」

 

たえ「りみ、大丈夫?疾透くんが来なくなってからずーっと上の空だけど」

 

りみ「お、おたえちゃん?私は大丈夫だよ?」

 

はぐみ「困ったことがあったらはぐみたちに相談してよ!はぐみたちはクラスメイトでしょ?」

 

りみ「じ、実は・・・」

 

りみ説明中・・・

 

 

 

 

 

 

はぐみ「なるほどー、はーくんに何があったのかわからないけど力になってあげたいんだー?」

 

りみ「うん・・・今日は行こう、って思っててもいざ行動するとなると勇気が出なくって…」

 

イヴ「たしかにハヤトさんは学校に来なくなるまでずっとキーボードを放課後に練習していて楽しそうでしたね。ハヤトさん、一体何があったんでしょうか・・・」

 

(ガラガラ・・・)

 

燐子「すみません・・・牛込さん、いませんか?」

 

りみ「燐子先輩?どうかしたんですか?」

 

燐子「少しお話が・・・したくて…大丈夫ですか?」

 

りみ「私は大丈夫ですけど・・・」

 

香澄「いいよりみりん!私たちのことは気にしないで!」

 

りみ「ごめんね、香澄ちゃん・・・」

 

燐子「ここで話すのもあれなので・・・屋上に行きませんか・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【花咲川学園屋上】

 

りみ「それで、お話って何ですか?」

 

燐子「えっと・・・疾透くん、最近学校に来ていないんですよね…?」

 

りみ「はい・・・2週間も前から来ていないんです。私には何があったのかわからなくて・・・」

 

燐子「それは多分・・・私のせいだと思います・・・」

 

りみ「燐子先輩の?どういうことですか?」

 

燐子「実は今日から2週間前、私はRoseliaのメンバーに入ったんです。その過程で、疾透くんは私の背中を押してくれました。その日は疾透くんと氷川さんと私の3人でライブハウスに行ったんです・・・そこで、キーボードと扱う私と疾透くんでRoseliaにはいれるかどうかのテストをして…疾透くんが先に演奏して、私が後に演奏することになったんです。でも私は疾透くんの演奏がうまくて『私なんかじゃみんなの足を引っ張っちゃうかも』って思ったんです。でもそんな時疾透くんは『自分を信じてここにいる人たちに音を届けてあげてください』って言ってくれて…私は演奏しました。演奏が終わってから私はRoseliaに入りました・・・でも」

 

りみ「でも・・・なんですか?」

 

燐子「疾透くん・・・自分からRoseliaに入ることを断ったんです・・・それで、私の演奏が終わった後ライブハウスを出て・・・それからのことはよくわからないんです・・・」

 

りみ「そんなことが・・・でも燐子先輩は悪くないですよ!それに私、あの後疾透くんと会ったんです。でも何も言ってくれなくて・・・私には何もできなかったんです・・・私はただ疾透くんの背中を私の視界から見えなくなるまで見ていただけだったので・・・」

 

燐子「こんなことを牛込さんに頼むのは違うかと思いますけど・・・疾透くんのこと、支えてあげてくれませんか・・・?」

 

りみ「が、頑張ります!」

 

燐子「長々とすみません…お話に付き合ってくれてありがとうございました・・・」

 

そう言って私と燐子は屋上を後にしました・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【放課後:1ーA】

 

りみ「(これからどうしよう…今日は疾透くんの家に行った方がいいよね・・・?)」

 

有咲「おーいりみ?何やってるんだ?練習に行くぞー」

 

りみ「ご、ごめんね有咲ちゃん。今日は私練習をお休みするよ・・・」

 

有咲「りみにしては珍しいな?深くは聞かねーけど明日は顔出せよー?」

 

りみ「ごめんね有咲ちゃん・・・それじゃあ私はここで・・・」

 

有咲「おう、気をつけて帰れよー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【花咲川学園校門前】

 

りみ「き、今日は疾透くんの家に行ってみよう・・・家の場所も知ってるし多分いるはず・・・うん、行こう!」

 

こうして私は疾透くんの家に向かって歩いて行きました・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【森睦家前】

 

りみ「(ここまで来たのはいいけど、一人で入るのは緊張するよ・・・!この間は疾透くんが一緒にいてくれたからだけど・・・)」

 

水夏「あれ、りみちゃん?どうしたのこんなところで」

 

りみ「す、水夏さん!?実は・・・」

 

りみ説明中・・・

 

水夏「はあ・・・疾透がごめんね。私にも口を利かないから困ってたんだよ・・・」

 

りみ「それであの・・・疾透くんにお会いできませんか?」

 

水夏「(この子なら多分疾透の心の鍵を開けてくれそうだし・・・やれるだけのことはやってもらっちゃう形になるけど、今はそれしかないか・・・)うん、とりあえず中に入ろうか。」

 

りみ「すみません、お邪魔します・・・」

 

 

 

 

 

 

【森睦家:リビング】

 

水夏「花咲川からここまで長かったでしょ?喉乾いてるだろうからお茶でもどう?」

 

りみ「すみません、いただいてもいいですか?」

 

水夏「別に気にしないでいいよ。私の世話焼きな性格だからさ」

 

りみ「それで水夏さん、疾透くんはどういう状況なんですか・・・?」

 

水夏「疾透、ずっと部屋に籠ってるのよ。ロクにご飯も食べないでずっと一人で部屋に籠ってるし・・・『鍵を開けて』って何回も頼んでるけど開けてくれないのよ」

 

りみ「そうですか・・・」

 

水夏「ごめんね、こっちの事情をペラペラとしゃべっちゃって。疾透のことお願いできる?」

 

りみ「私じゃ力になれないかもしれませんけど・・・が、頑張ります!」

 

水夏「こっちこそごめんね、疾透が迷惑をかけてるのに。こっちにはちょっと取りに来るものがあったから来ただけで、すぐに行かなきゃならないから後のことはお願い」

 

りみ「わ、わかりました!」

 

そう言って水夏さんは自分の家を後にしました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

りみ「は、疾透くん・・・?りみだよ、部屋の鍵、開けてくれないかな・・・?このままじゃ話すことすらできなくて私悲しいよ・・・お願い、鍵を開けて・・・」

 

疾透「(りみ・・・どうしてきたんだ。それに俺のことは誰にも話してないはず・・・いや、知る人はいたな。燐子先輩、あの時のこと話したんですね・・・)どうして」

 

りみ「疾透くん・・・?」

 

扉越しに疾透くんの声が聞こえた。2週間ぶりに聞けたクラスメイトの声が

 

疾透「どうしてここに来たんだ、りみ。」

 

りみ「どうしてって・・・疾透くんのことが心配で来たんだよ!燐子先輩に聞いたんだ、疾透くんがどうしてこうなってしまったのか・・・それを聞いたらいてもたってもいられなくなったんだよ!」

 

疾透「・・・俺は大丈夫だ、帰ってくれ」

 

りみ「嫌だよ!疾透くんは入学式の時に一人で学校に行っていた私に話しかけてくれた優しい人だもん!」

 

疾透「・・・どうしてそこまで俺に関わろうとするんだ。俺はただりみにきっかけを与えただけに過ぎない存在だ。」

 

りみ「疾透くん、どうしてそこまで自分を深く追い込むの?燐子先輩の奏でた音に嫉妬したから?」

 

疾透「・・・鍵を開ける、部屋に入ってくるなり好きにしてくれ」

 

そう言って疾透くんは部屋の鍵を開けてくれた。私はすぐ疾透くんの部屋に入った・・・

 

 

 

 

 

【疾透の部屋】

 

疾透「・・・どこまで話したか」

 

りみ「燐子先輩の奏でた音に嫉妬したんじゃないかって…」

 

疾透「嫉妬・・・か、今の俺にとってはその2文字がふさわしいだろうな。そうだな、これは嫉妬なんだろうな・・・ずっと誰かの背中を押していた。けど、みんな俺を追い越して次のステージに進んでいた。それが心残りだった。だから燐子先輩の音を聞いた時俺はライブハウスを飛び出して逃げたんだ。情けないよな・・・」

 

りみ「情けなくなんかないよ!みんな、疾透くんが背中を押してくれたから新しい一歩を踏み出せたんだよ!私だってそう、疾透くんが背中を押してくれたからみんなと話せるようになったし・・・」

 

疾透「・・・そうか、こんな俺でも・・・助けになれ・・・て・・・」

 

りみ「疾透くん!?・・・寝ちゃったんだ。水夏さんの話だとまともに寝てなかったみたいだったし、その疲れが出ちゃったのかな。・・・お姉ちゃんに連絡入れないと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《GYNE》

 

【プチ設定:GYNE(ガイン)。この小説内における携帯での連絡手段。現実でいうLINE。】

 

ゆり「どうしたのりみ?わざわざGYNEで連絡入れるなんて珍しいね」

 

りみ「ごめんね、お姉ちゃん。今日は疾透くんの家に泊まろうかなって・・・疾透くん、立ち直ったみたいだけど体調がよくないみたいだから今日だけでも隣にいてあげようかなって…」

 

ゆり「りみがいいなら大丈夫だよ。疾透くんの側にいてあげて」

 

りみ「ありがとう、お姉ちゃん。また明日」

 

《GYNE終了》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「(う・・・確か俺はずっと部屋に籠ってて…それで今日りみが来て…話をしてからそのまま気を失ってたんだったな・・・)」

 

りみ「あ、おはよう疾透くん。」

 

疾透「・・・りみか。今何時だ?」

 

りみ「もう夜の9時だよ。あの後、疾透くんが寝ちゃってから結構時間が経ったんだ」

 

疾透「・・・そうか。そんなに寝てたのか。ところでりみ」

 

りみ「何かな?」

 

疾透「何でパジャマ姿なんだ?」

 

りみ「えっと、今日は疾透くんの家に泊まることにしたんだ。お姉ちゃんにも連絡は入れてるし、水夏さんもいいって。」

 

疾透「姉さんとゆり先輩・・・結構仲いいんだな」

 

りみ「友達の家に泊まるのは初めてだけど、あまり緊張はしないかな。」

 

疾透「そうなのか?りみって結構緊張するタイプだって思ってたのに」

 

りみ「そ、それは・・・(疾透くんの家で止まるんだから緊張なんてどこかに行っちゃったからなんて言えない・・・)」

 

疾透「?どうしたんだりみ」

 

りみ「な、なんでもあらへんよ!それじゃあ私はもう寝るね!」

 

疾透「りみ?・・・もう行ったのか。行動するとなると早いな・・・俺でも布団に入って5分は寝つけないのに・・・お休み、りみ。」

 

そう言って俺は布団に入った。ちなみにりみは姉さんの部屋で寝ることになったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「(それにしてもりみ、ずいぶんと活動的になったな・・・入学式の時におどおどしてた雰囲気はどこかに行ったみたいだったし、俺の家に泊まりに来るまでになってたなんてな・・・なんなんだろうな、この感じ。今までに感じたことがない・・・いや、今は考えても仕方ないな。早く寝て明日に備えよう。みんなにも謝らないといけないしな・・・ただこのままじゃ寝れないから麦茶を飲んでから寝るか・・・)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【水夏の部屋】

 

水夏「りみちゃん、疾透はどうだった?」

 

りみ「はい、少しは持ち直したみたいです。私でも誰かの助けになれたのは・・・良かったです」

 

水夏「ありがとね、りみちゃん。疾透のことを救ってくれて。疾透、誰かの助けになった後はいつもああやって部屋に籠るのよ。多分今回もまた同じことだって思ってたけどまさかあそこまで傷が深くなるなんて…りみちゃんと疾透って似た者同士なのかもね。」

 

りみ「私と疾透くんが、ですか?そんなことは・・・」

 

水夏「疾透だって昔は人見知りしたり人に教えるなんてことはしなかったんだよ。でも本を読むことと絵を描くことは大好きで、『自分もあんな風になりたい』って気持ちがいつしか疾透を変えたみたい。今のりみちゃんを見てると昔の疾透を思い出すのよ」

 

りみ「疾透くん、そんなことがあったんですね・・・わかります。私も誰かのために何かをやりたいって思っても行動はできなかったので・・・すぐに行動できる疾透くんが羨ましいです・・・」

 

水夏「りみちゃん、あんな弟だけどこれからのことをよろしくね。多分これから何度も躓くことがあるかもしれないけど・・・りみちゃんなら疾透のこと、支えてくれるって思うから。」

 

りみ「わ、私ですか!?できるのかな・・・が、がんばります!」

 

水夏「ごめんね、疾透のことを任せる形になっちゃうけど・・・あとこれはゆりにも止められてたんだけどりみちゃんには言った方がいいかも・・・」

 

りみ「お姉ちゃんに止められていた・・・?どういうことですか?」

 

水夏「実は・・・私とゆり、正確には私とGlitter*Greenのメンバー全員が海外の大学を受験しようかなって話してて…まだ疾透には話してないんだけど」

 

りみ「えっ…?」

 

水夏「だから、もし海外の大学に受かったら私やゆりたちは日本にはいないかもしれない。それでも・・・疾透が心を開いてくれたりみちゃんだから伝えておこうかなって」

 

りみ「そう・・・ですか。すみません、もう寝ますね。明日も学校なので・・・」

 

水夏「ごめんね、なんか湿っぽくなっちゃって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「(今・・・姉さんはなんて言ったんだ?海外の大学を受験する?なんでそんな大事なことを隠してたんだよ・・・)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局俺はあまり寝付けないまま次の日の朝を迎えた・・・その日から学校にちゃんと通い、燐子先輩や紗夜先輩、クラスメイトや有咲たちに心配をかけたことを謝った。




いかがだったでしょうか?

ちなみに主も一度今年の頭に同じようなことがあったので無理やり強引にねじ込んでみました。立ち直るのは大変だとは言いますが誰かの支えで乗り越えることはできます。自分一人で抱え込むのではなく、みんなでがんばればなんとかなるかと思います。今回はそんな感じを込めた回にしました。

それではここまでありがとうございました


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4話:彩りと試練

どうも、今日は目が覚めたら7時になっていた空丘ルミィです。

とりあえず今あってるイベントは適当に回っています(1日3回の時もあれば1日1回だけの時もあったりしますが)今更ですがとりあえずこんな風にマイペースな人生を送っています。つまり投稿ペースもマイペースです

では本編へどうぞ


 

 

 

 

 

 

 

 

7月25日

 

俺が立ち直ってから1か月が経った。俺が立ち直ってみんなに謝ったときは怒られたり叩かれたりと思っていたが、そんなことはなく温かい言葉で帰りを待ってくれていた。香澄なんかは大げさに涙を流したりもしていた。そして気が付けば夏休みに入っていた。こっちに来てから休みらしい休みはなかったが花咲川でたくさんの友達ができたからこれから3年は楽しい夏休みになる・・・だろう。で、俺は今どうしてるのかというと…

 

 

 

 

 

 

 

 

【花咲川学園校門前】

 

疾透「で、話したいことって何だイヴ?」

 

イヴ「じつは、言い忘れてたことがあったんです!私、アイドルになりました!」

 

・・・はい?今この人はなんとおっしゃいましたでしょうか?アイドルになりました?俺が学校に来てなかった2週間の間に何があったんだ?

 

イヴ「正確にはアイドルバンドというのですが、私はキーボード担当です!」

 

疾透「わかった、わかったから。で、それで本題は何だ?」

 

イヴ「はい!実はハヤトさんのことを皆さんにお話したら『学校で滅多に話さないからぜひ会いたい』とのことなので今日はご一緒にお茶でもどうかとお誘いしてる次第です!」

 

疾透「なるほどな、そういうことならお邪魔することにするよ。でもいいのか?」

 

イヴ「何がでしょうか?」

 

疾透「いや、アイドルバンドっていったら女の子ばかりのバンドだろ?そんなところに男の俺一人が混じるんだけど」

 

イヴ「大丈夫です!」

 

疾透「何が大丈夫なのかよくわからないが・・・とりあえず案内を頼む。場所までは知らないからな」

 

イヴ「わかりました!ではご案内します!」

 

イヴはそう言ってみんなが待ってるというカフェに案内してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【カフェ:『Ruby&Sapphire』】

 

疾透「ここは・・・この間来たところだな。といってもよくキーボードの練習の際に使わせてもらってるんだが」

 

イヴ「そうなんですか?あ、皆さんがいましたよハヤトさん!」

 

疾透「別にそんな急がなくても俺は逃げないから大丈夫だぞ」

 

イヴ「皆さん!ハヤトさんを連れてきました!」

 

??「ありがとうイヴちゃん。今日はみんなオフだから今日を逃したらいつこうしてみんなで集まれるのかわからないから本当に助かったわ」

 

疾透「あれ・・・?もしかして白鷺千聖(しらさぎちさと)さんじゃ?」

 

千聖「あら、私のことを知ってるのね。」

 

疾透「千聖さんを知らない人なんてそうそういませんよ。俺はこっちに来てからドラマとかを見始めたんですがたまに千聖さんが出てるドラマもありましたけどそれからずっと千聖さんが出てるドラマが好きになっていったので」

 

千聖「ふふっ、そう言ってもらえてうれしいわ」

 

疾透「忘れていました。俺の名前は森睦疾透っていいます。よろしくお願いします千聖さん」

 

千聖「あらためて、私は白鷺千聖よ。花咲川学園の2年生ね。」

 

疾透「ってことは・・・俺の先輩ってことですか。他の階に行くっていっても図書室ばかりだったので知りませんでした・・・」

 

千聖「学校ではごく普通の生徒だから番組やドラマだけじゃわからないことだってあるのよ。それだけでも知っておいた方がいいわ」

 

疾透「なるほど、勉強になります。」

 

??「じゃあ次はあたし!あたしは氷川日菜(ひかわひな)だよ!よろしくねちかくん!そして羽丘学園の2年生だよ!」

 

疾透「ちかくんって・・・別に呼び方は問題ないですけど。どうしてそんな呼び方に?」

 

日菜「だってるんって来たから!」

 

疾透「るんっ・・・ですか。俺にはその『るんっ』がどんなのか知らないですけど・・・それよりも日菜さんって蘭たちの先輩なんですね。」

 

日菜「あれ、蘭ちゃんたちを知ってるの?」

 

疾透「学校は違いましたけど、姉さんの紹介でよく遊んだんです。ただ中学3年生の時は受験シーズンだったので遊ぶ機会を減らしてたからこの間会って来たんですよ」

 

日菜「いいなー!あたしもいつかつぐちゃんたちと遊びたーい!」

 

疾透「日菜さんも羽丘だから遊べるときは遊べるじゃないですか・・・」

 

日菜「それもそうだね!」

 

疾透「あと、氷川って名字ってことはもしかして紗夜先輩の・・・」

 

日菜「あれ?おねーちゃんにも会ってたの?」

 

疾透「ついこの間花咲川の図書室でお世話になったんですよ。でも紗夜先輩が結構厳しめの人なんですが勉強にも少しだけ付き合ってもらってます」

 

日菜「あのおねーちゃんが他の人の勉強に付き合うようになったんだ?るんって来た!」

 

疾透「まあ、色々ありましたから。深くは聞かないでくれると助かります」

 

日菜「それじゃあこれからおねーちゃん共々よろしくね!」

 

疾透「はい、よろしくお願いします」

 

??「それじゃあ次はジブンですね。ジブンは大和麻弥(やまとまや)です。右から読んでも左から読んでも同じなので覚えやすいといえば覚えやすいですね」

 

疾透「なるほど・・・よろしくお願いします麻弥さん。」

 

麻弥「はい!よろしくお願いします疾透くん!ところで、イヴさんから聞きましたけどキーボードをやってるらしいですね。もしかして隣に置いてるケースがそれですか?」

 

疾透「そうですけど・・・見ます?」

 

麻弥「見たいです!」

 

疾透「それじゃあ・・・これなんですけど」

 

麻弥「おお!これはこっちでは売られなくなった海外製の超激レアキーボードじゃないですか!海外でもこれを作ったのはいいんですが生産するにあたっての素材が不足し始めて生産することが途中で止まってしまったとか・・・でも日本にいくつか売り出されて購入したかったけど数があまりにも少なかったため予約制になったとか。でもそれだけの価値箱にキーボードにはあってですね、キーボードの音だけでなくDJのスクラッチ音も奏でられるとか!これ一つで多くの音を奏でられる事から『Multi Musical』って名前が付けられたんですよ!気になるお値段はなんと・・・!」

 

千聖「麻弥ちゃん、疾透くんが少しばかり引いてるからその辺にしておいた方がいいんじゃないかしら?」

 

麻弥「はっ!す、すみません!ジブンは機材のことになると饒舌になっちゃって…」

 

疾透「別に大丈夫ですよ、俺だって好きなことについては長々と語っちゃうことがあるので」

 

麻弥「あはは・・・なんか似た者同士ですね、ジブンたちって」

 

疾透「そうなのかもしれませんね。これからよろしくお願いします麻弥さん。」

 

麻弥「はい!改めてよろしくお願いします疾透くん!」

 

??「最後は私だね。私は丸山彩(まるやまあや)だよ、花咲川学園の2年生だね」

 

疾透「千聖さんだけじゃなくて彩さんも先輩だったんですか、てっきり同じ年かと思ってました」

 

彩「えっ!?それってどういう意味!?」

 

千聖「普段の言動と性格が疾透くんに似てる、ということじゃないかしら。」

 

疾透「まあそういうことですね。」

 

彩「なんか納得いかない・・・」

 

疾透「そういえば彩さんって普段どんなことしてるんですか?」

 

彩「私?私はエゴサーチとか自撮りとかかな。見てみる?」

 

疾透「見せていただけるのなら・・・」

 

彩「それじゃあ・・・これだよ!」

 

疾透「えっと、これはここにいるみんなで撮った写真ですね。これは花屋さんでたくさんの花を並べてもらって撮ったもの・・・これはバイト先で友達と撮った写真・・・これは・・・」

 

彩「どう…かな?」

 

疾透「とても彩さんの個性が出たいい写真ばかりですね。俺は写真を撮ることは好きなんですが取られるのはどうも苦手で・・・昔から記念写真にも写ることを嫌ってたのでこういう趣味を持ってる人が羨ましいですね」

 

彩「疾透くんはどんな写真を撮るの?」

 

疾透「俺がよく撮るのは日常風景が多めですね。子犬を散歩させてる子供からゲームをしてるみんなの日常を取ったりと様々です。ただ最近はキーボードの演奏が楽しいので写真を撮ることは少なくなってしまいましたけど、偶に絵を描くことは変わらないのでキーボードを演奏しない日は絵を描いてます」

 

彩「絵を描いてるの!?見せて見せて!」

 

疾透「まあ動物とか人じゃないものを描いてますけどね。写真では人の日常風景を、絵では日常でよく使われてるものや動物とかがメインです」

 

彩「いいなぁー・・・」

 

疾透「『俺に絵を教えてもらいたい』って言いたそうな顔をしてますけど説明が苦手なんで残念ですけど絵のことなら他の人に聞いてください」

 

彩「うぅー・・・」

 

千聖「これで全員の自己紹介は終わりかしら?」

 

疾透「そういえば、ここに来るまでにイヴからアイドルバンドがどうのこうのって聞いたんですけど、みんなは何を演奏するんですか?」

 

彩「私はボーカルだから演奏はしないかな」

 

千聖「私はベースね」

 

日菜「あたしはギター!」

 

麻弥「ジブンはドラムですね」

 

イヴ「私はキーボードです!」

 

疾透「なるほど、みんなのイメージに合ったような感じがしますね。」

 

彩「本当!?嬉しい!」

 

千聖「せっかくの機会だし、疾透くんのキーボードの音も聞いてみたいわね。」

 

疾透「俺の、ですか?そんなにうまくないですよ」

 

千聖「みんな最初はそういうけど、そういう人ほど演奏はうまいのよ?」

 

疾透「・・・(何かうまく丸め込まれたような気がするな)いいですよ、演奏しましょう」

 

日菜「いいの!?やったー!」

 

疾透「ただここじゃ人が多いのでスタジオに入りましょうか。そこでなら静かに聞かせられるでしょうし」

 

イヴ「それじゃあ行きましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Ruby&Sapphire:スタジオ内】

 

疾透「えっと・・・何を演奏してほしいとか希望はありますか?できれば楽譜とかあったほうがいいんですけど」

 

イヴ「ではハヤトさん、こちらをお納めください!」

 

疾透「用意がいい・・・ってなんで持ってきてるんだ」

 

イヴ「ハヤトさんならキーボードを持ってくるだろうと思って持ってきてました!」

 

疾透「(なんというエスパーブシドー少女・・・海外おそるべし)それじゃあ少し借りますね。えっと・・・」

 

疾透楽譜確認中・・・

 

疾透「なるほど、アイドルバンドというだけあって華やかで元気があふれそうな譜面ですね。」

 

日菜「この短時間でこの譜面からそこまで感じ取ったの?すごーい!」

 

疾透「それじゃあ演奏しますね」

 

疾透演奏中…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千聖「驚いたわ・・・まさかこんなにうまい人がいるなんて。疾透くん、あなたはコンクールに出たことは?」

 

疾透「いえ、出てませんね。あまり目立つようなことは好きじゃありませんし、絵も趣味で書いてるだけで展示にも出したことはありません。」

 

千聖「そう、あなたならコンクールでも金賞は取れると思うのだけれど」

 

疾透「スキャンダルになることは間違いないと思うので面倒事はとことん避けたいんですよ」

 

千聖「残念ね、疾透くんが奏でる音をもっと聞きたいのだけど」

 

疾透「別に聞きたいなら今度奏でてほしいのがあるなら録音してファイルに変換して送りますよ」

 

彩「いいの!?」

 

疾透「別にそこまで困ることじゃないですし。それに聞いて喜んでくれるのなら俺も嬉しいですよ」

 

日菜「それじゃあさっそく頼んでいい?えっとねー、これとこれとー」

 

麻弥「日菜さん、そんなに多く頼むと疾透くんも困りますよ」

 

疾透「別に頼む分には問題ないですよ。できた音から送る感じにしますし。まあ多すぎるのは作る側も苦労するので最初のうちは5曲ほどでお願いします。慣れたらそのうち増やす方向で」

 

イヴ「ありがとうございます!そろそろスタジオから出る時間なのでそろそろ出ましょう!」

 

疾透「そうだな。そろそろ出るか」

 

こうして俺たちはスタジオを出て連絡先を交換して解散した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後5時:Ruby&Sapphireからの帰り道】

 

疾透「うーん・・・まだ時間があるな。夏休みに入ったしもうちょっとゆっくりしたいんだが・・・沙綾の所に寄っていくか。この時間なら仕事もないかもだし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【やまぶきベーカリー】

 

(カランカラン)

 

沙綾「いらっしゃい・・・あ、疾透くん。」

 

疾透「よ、沙綾。悪いけど今日は客じゃなくて遊びに来たんだ」

 

沙綾「ちょうどこっちも仕事が終わって今日は閉店だからね。何して遊ぶ?」

 

疾透「せっかくだし音を合わせてみないか?キーボードを持ってきてるんだけど」

 

沙綾「あー、ごめん。今ドラムは有咲のところに置いてるから音は合わせられないんだよね・・・」

 

疾透「それは残念だ」

 

沙綾「どうする?」

 

疾透「音を合わせるつもりで来たんだけど、合わせられないんじゃ遊びにならないな・・・」

 

沙綾「それじゃあ何か話す?」

 

疾透「それくらいしかないか・・・」

 

沙綾「それじゃあ・・・」

 

俺たちはPoppin'Partyの放課後や俺が今日会った人たちのこと。Poppin'Partyの夏休みの予定など・・・色んなことを話した。

 

 

 

 

 

 

 

疾透「そろそろいい時間だな、今日はもう帰るよ。ああ、残ってるパンをこれとこれとこれとこれを買って帰るよ」

 

沙綾「全部で760円だね」

 

疾透「ちょうどで」

 

沙綾「ありがとね。またのご来店をお待ちしてるよ!」

 

疾透「また今度な、沙綾」

 

俺はやまぶきベーカリーを後にした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後7時:やまぶきベーカリーからの帰り道】

 

疾透「ん?スマホに連絡・・・?相手は・・・りみ?」

 

《GYNE》

 

疾透「りみ、どうかしたか?」

 

りみ「この間、水夏さんから聞いたんだ。お姉ちゃんたち、海外の大学を受けるって…そのことをお姉ちゃんに聞いたらお姉ちゃんと喧嘩しちゃって・・・」

 

疾透「・・・その話なら俺も聞いた。盗み聞きしたことは悪かったって思ってる。俺もあの後姉さんと話したよ。姉さんは『今まで隠しててごめん。疾透に心配をかけたくなかった』って言ってた。俺も何度か迷惑をかけてきたし、許したよ。それで・・・喧嘩しただけじゃないんだろ?そうでもしなきゃ俺にこうして送ってないだろうからな」

 

りみ「・・・うん。今日、疾透くんの家に泊めてもらえないかな・・・?」

 

疾透「・・・今日だけじゃなくてもいいぞ。落ち着くまでうちにいていい。ただ、必ずゆり先輩と仲直りをすることだ。」

 

りみ「うん、うん・・・ごめんね・・・今疾透くんの家に荷物を持ってきてるから・・・」

 

疾透「ゆっくり来ていい。今日は姉さんが友達の家に止まってるから家には俺一人だけど」

 

りみ「それじゃあ、着いたら連絡入れるね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【数分後】

 

りみ「お、おじゃまするね・・・」

 

疾透「前来た時より片付いて何もないかもしれないけど落ち着くまでゆっくりしていってくれ」

 

りみ「うん、ごめんね疾透くん・・・」

 

疾透「謝るなって。俺だって昔はよく姉さんと喧嘩したからな。何もりみが悪いわけじゃない、かといってゆり先輩も悪くない。誰にでも隠したいことの一つや二つはあるし、心配をかけたくない気持ちもわかる。だからりみの家に戻ったときにはちゃんと仲直りするんだ」

 

りみ「うん、うん・・・!」

 

そう言ってりみは俺の胸の中で大粒の涙を流し、大きな声で泣いた。俺はりみの頭を撫でて慰めた。多分初めての姉妹喧嘩だったんだろう・・・どうすればいいのかは伝えた。後はりみがどうするのか…それはりみ次第だ。俺もできる限りのことはするが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

本編では(多分)りみちゃんとゆりさんの喧嘩はなかったと思ったので入れてみました。本作の主人公のである疾透の姉の水夏さんとりみちゃんの姉のゆりさんは受験シーズンなので受験といえば壁、壁といえば喧嘩(適当)にしてみました。ケンカイクナイ

それではここまで読んでいただきありがとうございました


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5話:気が付けば

どうも、話すことが(全略)な空丘ルミィです

投稿速度が速いような気がする?気のせいです(キリッ)主の頭のスペック?一応悪い方に入るのでは(適当)多分これから投稿ペースが遅くなるかもしれません(わからない)

では本編へどうぞ


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7月26日

 

りみがゆり先輩と喧嘩した日の夜が明けた。あの後は泣き疲れたのか、ソファで寝てしまった。ソファで寝かせるのは気が引けたので姉さんの部屋までおんぶしてそのまま寝かせた。りみを寝かせた後は完全に寝付くまで側にいてあげた。それからは俺も自分の部屋に行ってそのまま寝た。

 

【午前7時】

 

疾透「ん・・・もう朝か、もう一眠りしようと思ったけど寝てもしょうがないし起きて朝ご飯の準備でもしておくか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前8時】

 

りみ「疾透くん、おはよう」

 

疾透「りみ、おはよう。簡単な朝食しかできてないけど」

 

りみ「ううん、作ってくれただけでも嬉しいよ。昨日はごめんね・・・」

 

疾透「だから謝るなって。今日はとりあえずゆり先輩と何か話したらどうだ?」

 

りみ「う、うんそうしてみるよ・・・でも朝ご飯を食べてからでもいいかな?」

 

疾透「そうした方がいいかもな。それじゃ俺も朝ご飯にするか」

 

りみ「い、いただきます」

 

りみ&疾透食事中…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

りみ「ごちそうさま、おいしかったよ」

 

疾透「ありがとな。簡単なものしか作れなかったけど。」

 

りみ「ううん、いつもお姉ちゃんが作ってくれてたから新鮮な朝ごはんだったし・・・」

 

疾透「・・・そうか。ほらりみ、とりあえずゆり先輩と電話して今後どうしたいか話さないと」

 

りみ「う、うん・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(プルルルルル)

 

りみ「(お姉ちゃん・・・)」

 

(ガチャ)

 

ゆり「・・・りみ?」

 

りみ「お姉ちゃん・・・昨日はごめんなさい…私、お姉ちゃんのこと全く分かってなかった・・・隠し事をされただけであんなにひどいことを言って・・・」

 

ゆり「私も・・・りみに隠し事なんてするなんてひどいお姉ちゃんだよね。りみに何も言わずに海外の大学を受験しようなんて…」

 

りみ「そんなことないよ!お姉ちゃんは私の憧れだもん!私はお姉ちゃんに憧れてベースを始めようって思ったし、少しでもお姉ちゃんの力になりたかったから・・・」

 

ゆり「・・・そっか、りみは私のことをそんなふうに思ってくれてたんだ・・・私の方こそごめんね、りみ。私もりみのこと、まったくわかってなかった・・・りみが生まれてからずっと側にいてくれたのに…」

 

りみ「ごめんね、お姉ちゃん・・・今疾透くんの家で朝食を済ませたから今から帰・・・」

 

ゆり「ううん、まだりみに合わせる顔がないから『今はまだ』帰ってこなくて大丈夫だよ。ただ、遅くなりすぎてもいけないから今日帰ってくるにしても夕方までには帰ってきてね」

 

りみ「うん、わかったよお姉ちゃん。それじゃあまたね」

 

ゆり「・・・りみ」

 

りみ「お姉ちゃん?」

 

ゆり「ありがとう・・・」

 

(プツッ、ツーツーツー)

 

りみ「(私の方こそ…ありがとう、お姉ちゃん)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「りみ、どうだった?」

 

りみ「うん、お姉ちゃんと仲直りできたよ。ありがとう疾透くん」

 

疾透「俺は何もしてないけどな。りみが頑張った結果だよ。これからどうする?一度家に戻るか?」

 

りみ「今はまだ合わせる顔がないからって・・・今日の夕方には帰るつもりだよ」

 

疾透「そうか。それじゃあどこか行くか?このまま家にいてもいいんだけど退屈だろうしな・・・」

 

りみ「それじゃああそこなんてどうかな?」

 

そう言ってりみと一緒に向かったところは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前10時:ショッピングモール】

 

疾透「ここか、確かに時間を潰すにはもってこいだが誰かに出くわしそうだが」

 

りみ「気にしたら負けだよ?」

 

疾透「それじゃあどこに行く?ここって結構広いし回れる場所は多いからな・・・」

 

りみ「それじゃあ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「まあショッピングモールならここは定番だよな」

 

俺たちが向かったのは服屋だ。服は姉さんに買ってもらったばかりだったし、たまには自分で買うのもいいかなって思ってたしりみのチョイスに感謝だな。

 

りみ「めっちゃ服あるー!何買おう…?」

 

疾透「なあ、すごい今さらなんだけど・・・りみ」

 

りみ「何かな?」

 

疾透「もしかして、東京出身じゃなくて前は関西にいたとか?なんか関西の話し方が少しだけ混じってたし・・・」

 

りみ「えっ!?もしかして言ってた…?恥ずかしいー・・・」

 

疾透「いや、別に気にしてないけどな。そういう一面も新鮮でいいし、俺もたまにだけど向こうにいた時の話し方が出るし」

 

りみ「でも疾透くんが向こうにいた時の話し方って聞いたことがないような・・・」

 

疾透「まあ言うときはりみと同じで無意識に言うからな。学校でも普通に会話してたし向こうの言葉で話す機会なんてなかったし」

 

りみ「うぅー・・・」

 

??「あれ、りみと疾透さん?どうしたんですかこんなところで」

 

疾透「誰かと思ったら美咲か。」

 

彼女は奥沢美咲(おくさわみさき)。俺たちのクラスメイトであるはぐみのいるガールズバンド、「ハロー、ハッピーワールド!」のDJ・・・なのだが実際は商店街でバイトをしている着ぐるみ、ミッシェルの正体である。聞かれる前に言っておくけど、ハロハピと知り合ったのはついこの間はぐみに誘われてバンドの会議に半ば強制的に参加させられたからだ。メンバーは俺の一つ上の松原花音(まつばらかのん)先輩、クラスは違うけど学年は同じ弦巻(つるまき)こころ。羽丘学園2年の瀬田薫(せたかおる)さん、そして同じクラスの北沢はぐみ、そしてここにいる奥沢美咲(ミッシェル)の5人だ。連絡先も交換済である

 

りみ「美咲ちゃん、こんにちは。今日は一人?」

 

美咲「あー・・・実は花音さんと一緒に来たんですけど、花音さんは小柄なので人ごみに流されてですね・・・集合場所は決めてるんですけど」

 

疾透「それで案の定花音さんは迷って探している、と・・・」

 

そう、花音さんは極度の方向音痴で住宅街で迷ったりするほどである・・・偶に俺も花音さんの買い物に付き合ったりするのだが、気が付いた時にはいなくなってたりする。

ちなみになんで『花音さん』と呼んでいるのかというと、花音さんのお願いだったりする。先輩呼びはあまり慣れてなかったらしく、仕方なくさん付けで呼ぶことになった

 

疾透「で、花音さんと連絡は?」

 

美咲「あー・・・実はスマホの充電を忘れてたせいで充電が切れちゃってですね…連絡が取れないんです」

 

疾透「つまり花音さんと連絡が取れるのは俺かりみだけ・・・と」

 

美咲「そういうことですね・・・お願いしてもいいですか?」

 

疾透「別に大丈夫だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《GYNE》

 

疾透「花音さん、俺です。今どのあたりにいますか?」

 

花音「疾透くん?えっと、今は1階のファッションコーナーの前にいるよ」

 

疾透「1階のファッションコーナーの前ですね、わかりました。今から向かうのでそこで待っててください」

 

花音「ふぇぇ…ごめんね疾透くん・・・」

 

《GYNE終了》

 

 

 

 

 

 

 

 

美咲「それで疾透さん、花音さんはどこにいるって言ってたんですか?」

 

疾透「1階のファッションコーナーだって言ってた。どうせだし俺たちもついていくよ。迷われてまた探す羽目になると困るし。りみもそれでいいか?」

 

りみ「私は大丈夫だよ」

 

疾透「というわけだ。それじゃあ行くか」

 

美咲「花音さん、大丈夫でしょうか・・・」

 

美咲&りみ&疾透移動中…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ショッピングモール:1Fファッションコーナー】

 

美咲「えっと花音さんは・・・あ、いましたね。花音さーん!」

 

花音「美咲ちゃん・・・ごめんね・・・私からそっちに向かおうとしてたんだけど・・・」

 

美咲「一人でこっちに来たらまた迷いそうなのでこっちから迎えに来ました・・・また迷われると探さなきゃいけないので・・・」

 

花音「ふぇぇ…本当にごめんね・・・疾透くんとりみちゃんもごめんね、私を探すのに時間を使わせちゃって」

 

りみ「いえ、大丈夫です!買い物はまだ終わってませんけど、まだまだ時間はありますし」

 

疾透「せっかくなのでみんなで回りませんか?美咲のスマホの充電が切れてたからさっきは俺が連絡しましたし、また美咲と花音さんが一緒だとまた逸れた際に連絡が取れないので」

 

美咲「あー、確かにその方が良さそうですね・・・それじゃあどこに行きますか?」

 

りみ「さっき入り損ねちゃったし、2階の洋服コーナーでいいかな?」

 

美咲「じゃあまずはそこに行って考えましょうか」

 

こうして俺たちはさっき来た道を戻って2階の洋服コーナーに向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【2F:洋服コーナー】

 

美咲「せっかくですし、ここで服とか色々買っちゃいましょうか花音さん。」

 

花音「そうだね、美咲ちゃん。私もそろそろ新しい服を買いたかったし・・・」

 

疾透「それじゃあ各自買う服を決めて買ったら洋服コーナー前に集合ってことで」

 

りみ「うん!どんな服はあるのかな・・・めっちゃ楽しみー・・・」

 

それから俺たちは洋服コーナーでいくつか服を買った。その後は美咲と花音さんとショッピングモールの入り口で別れ、俺たちはそのあと少しだけショッピングモールのゲームセンターやりみが見たいと言っていた映画を見たりして楽しんだ・・・映画の内容は高校生の俺たちが見るには早そうなホラー映画だった。りみはホラー系が好きらしく、映画を見てる間も目を光らせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「りみってホラー映画もいけたのか…普段はおとなしいのにこういう時はすごい元気だよな・・・」

 

りみ「そんなに意外だった?私、小学生のころからホラー系は好きだったんだよ」

 

疾透「・・・ごめん、その感性にはついていけないかも。俺もホラーは苦手じゃないけど好きでもないからな・・・」

 

りみ「もしかして、嫌だった…?」

 

疾透「嫌なら映画はみないしな。それに俺にとっては面白かったからいいんだよ」

 

りみ「そう?よかったあ・・・」

 

疾透「って、もうこんな時間か。どうする?」

 

時間が気になったので腕時計を見ると、針は5時を回ろうとしていた

 

りみ「私は家に帰ろうかな・・・お姉ちゃんと仲直りもできたし、早く戻って安心させてあげないと」

 

疾透「そうか、それじゃあ家まで送るよ」

 

りみ「そ、そんな悪いよ!疾透くんは朝から起きてここまで付き合ってくれたんだし・・・」

 

疾透「そうはいってももう夕焼け空だしここからりみの家に戻るまでに暗くなるかもしれないだろ?夜道に女の子一人で帰すわけにはいかないしな」

 

りみ「それじゃあ・・・お願いしてもいいかな?」

 

疾透「ああ、それじゃありみの家まで送るよ」

 

そうして俺たちはりみの家まで一緒に行くことにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後5時20分:牛込家前】

 

疾透「そこまで遅くならなかったな」

 

りみ「うん、そうだね・・・あ、お姉ちゃん」

 

ゆり「りみ、昨日はごめんね。りみに痛い思いをさせちゃって…私はもう大丈夫だから心配しなくて大丈夫だよ。疾透くんもありがとうね」

 

疾透「いえ、俺は二人が仲直りできるようにちょっと手助けしただけですよ。それよりもりみは体冷えてるだろ?そろそろ家に入らないと風邪ひくぞ」

 

りみ「今日はありがとうね疾透くん。それじゃあまた今度」

 

疾透「ああ、またな」

 

そう言ってりみは家に戻った・・・

 

ゆり「ねえ、疾透くん。」

 

疾透「なんですか?ゆり先輩」

 

ゆり「りみのこと、ありがとう。最近りみ、疾透くんのことばっかり話してるのよ。あなたにならりみのこと、頼めるかも」

 

疾透「俺に頼める?一体何のことですか?」

 

ゆり「あら、先輩の私に隠し事なんて10年早いわよ?自分でも気が付いてるんでしょ?『りみのことが好き』だって。」

 

疾透「っ!?どうしてそれを・・・?」

 

ゆり「適当に言ったんだけどやっぱり図星かぁ。りみには伝えないの?」

 

疾透「・・・ないんです」

 

ゆり「ない?」

 

疾透「俺がりみに思いを伝える勇気がないんです・・・まだ俺とりみは会ってから3ヶ月ほどしか経っていませんし、りみが俺のことを好きだとか思ってるかもわからない。そんな状況で伝えても・・・」

 

ゆり「なら私が手伝おうか?」

 

疾透「いえ、これは俺が乗り越えなきゃいけないことなので俺一人で何とかします。」

 

ゆり「そっか、疾透くんがそう言うならそうしようかな。頑張ってね、疾透くん」

 

疾透「はい、ゆり先輩も勉強を頑張ってください。りみのために、そしてゆり先輩自身のために」

 

ゆり「ありがとね。もう今日は遅いから疾透くんも早く帰ったほうがいいよ」

 

疾透「ゆり先輩もお体に気をつけて。あとこのことはりみには内緒に・・・」

 

ゆり「わかってるよ。これは私じゃなくて疾透くん自身の課題だからね。ちゃんと自分で乗りこえてりみに思いを伝えること。これが私からの課題・・・ってことで」

 

疾透「ゆり先輩からの課題・・・ですか。頑張ります。また今度」

 

ゆり「またね、疾透くん」

 

そうして俺とゆり先輩は別れ、俺は自分の部屋に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「(さすがに言えないよな・・・それにまだりみに伝えるときじゃない。俺は・・・りみに事が好きなんだ。でも今伝えてもしりみが俺のことを好きじゃなかったら一生後悔することになる。だから・・・)待っててくれ、りみ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

今更ですがバンドリのイベントに巴姉さんとあこちゃんが喧嘩する(うろ覚え)イベントがあったのでそれも兼ねて入れてみました。イベント順位?忘れました(笑)それじゃあ本格的に回り始めたのってどのイベントからだって?今年のバレンタインイベントですが(キリッ)だってかのちゃん先輩がイベント対象ですもん、やるしかない(キリッ)

それではここまで読んでいただきありがとうございました


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6話:まだ知らない音を求めて

ルミィ「どうも、休む暇なんてねーよとルミィと」

香澄「やっほー読者のみんな!Poppin'Partyのギターボーカル、戸山香澄だよ!ギュイーン!」

ルミィ「この元気の良さ・・・見習いたいものよ」

香澄「元気になりたいの?それなら簡単だよ!」

ルミィ「ほう、簡単とな?してその方法とは」

香澄「お腹いっぱいにご飯を食べれば大丈夫!」

ルミィ「・・・ごめん、いつもお腹いっぱいに食ってるんだけど」

香澄「ええーっ!?」

ルミィ「いや、お腹いっぱい食べても疲れが残るんだから聞いてるんだけど・・・」

香澄「・・・逃げろーっ!」

ルミィ「ちょっ、おまっ!・・・逃げ足が速いな。追いついて後書きに出てもらわなければ(メタ)それじゃあ本編へどうぞ」


 

 

 

 

 

 

 

 

9月1日

 

りみとゆり先輩が仲直りして早1ヶ月・・・今日は二学期の始業式だ。ゆり先輩に言われてから今日までりみのことをずっと考えていた。俺はりみのことがたしかに好きだ・・・でも俺にりみに告白する勇気なんてない。結局夜もあまり眠れず、今日に限って寝坊しかけていた。

 

 

 

 

 

 

【1ーA】

 

疾透「ふわぁぁぁぁ・・・」

 

香澄「もりりん、寝不足?何時間寝たの?」

 

疾透「確か・・・6時間くらいだな・・・おかげで眠い・・・」

 

はぐみ「6時間!?ダメだよ!最低9時間は寝ないと!はぐみも昨日は12時間寝たもん!」

 

たえ「はぐみ、とっても元気だね。私なんて13時間寝たよ」

 

疾透「お前たち・・・寝すぎは体に毒だぞ」

 

沙綾「確かにね・・・私だって昨日は9時間寝たのに。りみは?」

 

りみ「えっと・・・確か10時間くらいかな。イヴちゃんは?」

 

イヴ「私も10時間です!武士は早寝早起きが大事なので!」

 

香澄「私は11時間寝たよ!」

 

疾透「お前たちは元気がよすぎだ・・・俺はちょっと寝るから始業式の時間になったら起こしてくれ・・・」

 

沙綾「うん。それじゃあ少しだけ休んでていいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後・・・

 

沙綾「疾透くん、起きて。もうすぐ始業式だよ」

 

疾透「んー・・・おはよう、沙綾。数分だけだったけど寝れてすっきりしたよ」

 

沙綾「それはよかった。もうみんな廊下に並んでるから疾透くんも早く並んでね」

 

疾透「ああ、わかってるよ。」

 

そうして俺は体育館にいって始業式に参加し、学園長や生徒会長のあいさつが終わって始業式は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【1ーA】

 

香澄「ところでもりりん、誕生日っていつ!?」

 

疾透「・・・(やっぱり誕生日の話題出したな・・・こうなるのはわかってたんだけど)どうしても言わなきゃだめか?」

 

香澄「ダメー!」

 

疾透「・・・月・・・日だよ」

 

香澄「何月何日!?」

 

疾透「だから、2月14日だよ!はぁ…面倒事になるから言いたくなかったんだが」

 

たえ「あれ?確か2月14日って…」

 

疾透「ああそうだよ・・・俺の誕生日はバレンタインデーだから毎年クラスメイトから山ほどチョコ貰ってるんだよ・・・おかげで家に戻ったら冷蔵庫の中が貰ったチョコでいっぱいになるからほとほと困ってるんだよ・・・こらそこの二人、ヒソヒソ話で俺に上げるチョコの話をするんじゃない」

 

はぐみ「はーくんなんでわかったの!?もしかしてエスパー!?」

 

イヴ「ハヤトさん、盗み聞きなんてブシのすることではありません!」

 

疾透「俺は武士じゃないしエスパーでもない。誕生日を聞いてまずチョコを作ろうとするのは普通だし、俺は花咲川で唯一の男子生徒だしな。だから一つ言っておこう。『悩みの種を増やさないでください(ダイナミック土下座)』」

 

はぐみ「えー!?はぐみも作りたいのにー!」

 

イヴ「私もツグミさんに手作りチョコの作り方を教わったので作りたかったのですが・・・」

 

疾透「あー、わかったわかった。作ってきてくれるのはありがたいんだがとりあえずあまり大きすぎないように頼むな。あまり大きすぎると冷蔵庫に入りきらないからな」

 

はぐみ「はーい!」

 

イヴ「ありがとうございますハヤトさん!」

 

疾透「というか、意気込むのはいいけどまだバレンタインには早すぎるからその時まで作るのは待っておけよ。特に今現在進行形で張り切ってるそこの2人」

 

香澄「え?誰誰!?」

 

たえ「どこにいるんだろう?」

 

疾透「お前たちだお前たち!!はあ・・・今年は一番胃が痛くなるバレンタインなのかもな・・・」

 

りみ・沙綾「「大丈夫?疾透くん」」

 

疾透「ああ、沙綾とりみがまともでよかったよ・・・」

 

こうして胃が痛くなりそうな誕生日になる予感が頭の中に遮りつつ始業式は無事(?)に終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前11時:花咲川学園校門前】

 

疾透「はあ・・・今年度は無事に過ごせるんだろうか・・・」

 

紗夜「どうかしましたか疾透くん?」

 

燐子「顔色・・・悪そうです・・・」

 

疾透「ああ、紗夜さんと燐子さん・・・実はカクカクシカジカウマウマタトバタトバ・・・」

 

紗夜「・・・そうですか。今年の誕生日は荒れそうですね・・・」

 

燐子「大丈夫…ですか・・・?」

 

疾透「俺の体は大丈夫ですけど精神が大丈夫じゃないですね・・・それよりどうかしたんですか?今日は燐子さん、図書委員の仕事は大丈夫なんですか?」

 

燐子「先輩たちがやってくれるというので・・・お言葉に甘えちゃいました・・・それより、この間はすみません…牛込さんにあの事を話しちゃいました・・・」

 

疾透「もう解決しましたし、あれはどう考えても俺のせいなので燐子さんは悪くないですよ。紗夜さんも何か俺に言いたいことがあるんですよね?」

 

紗夜「はい、その通りです。実は、私たちの主催ライブに疾透くんを招待しようかと思っています。」

 

疾透「俺を、ですか?別に時間はありますし大丈夫ですよ。その主催ライブの日はいつなんですか?」

 

紗夜「今日からちょうど1週間後ですね。今日は始業式なので学校に来なくてはいけませんでしたが、来週は休日ですし皆さんの予定も合うそうなのでその日になりました。」

 

疾透「なるほど・・・大丈夫ですよ。その日は予定を開けておきますので」

 

紗夜「では、これを。」

 

疾透「これは?」

 

紗夜「ライブのチケットです。これがなくてはライブ会場に入ることはできませんので。それと、このチケットの半券でライブが終わった後に私たちがいる楽屋に入ることができます」

 

疾透「ありがとうございます紗夜さん。」

 

紗夜「いえ、お礼を言われるようなことではありませんよ。当日を楽しみにしていてください。場所はライブハウスのSPACEという場所ですので間違えないでくださいね」

 

疾透「前日にでも視察に行くので大丈夫ですよ。ああそれと・・・バンド結成、おめでとうございます。ドラムの人も決まったんですね。」

 

紗夜「誰からの情報ですか?ドラムの人が入ったことは日菜以外に私は教えていませんが」

 

燐子「私は市ヶ谷さんに教えましたけど・・・」

 

疾透「情報源はその二人じゃなくて実はリサさんなんですよね…この間リサさんと日菜さんがうちに訪ねてきたのでその時にリサさんがポロっと喋ってました」

 

紗夜「今井さん・・・あなたという人は・・・まあいいでしょう。ドラムの人はあなたの1つ年下なのですぐに仲良くなれると思います。ですが・・・」

 

疾透「また何か問題が?」

 

紗夜「問題と呼んでいいのかわかりませんが・・・その子、カッコいい言葉と言って白金さんを除いて私たちにはわからない言葉を言うので・・・」

 

疾透「所謂中二病というやつですか・・・まあ気を付けておきますよ」

 

紗夜「それではお疲れさまでした。白金さん、行きますよ」

 

燐子「はい・・・それではまた・・・」

 

疾透「ライブに誘ってくれてありがとうございました。当日は絶対にそちらに向かいます」

 

こうして俺たちは別れ、俺は家に帰って水夏姉さんにこのことを話した。水夏姉さんも行きたかったようだがその日は都合が悪いらしく、俺一人でライブを見に行くことになった。りみや蘭たちも誘ったけど見事に都合が悪かったという・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9月8日

 

そして今日は紗夜さんに誘われたRoseliaの主催ライブの日だ。Roseliaのことは先週の始業式の帰りの際に紗夜さんからバンドの名前を聞いていたからだ。リサさんが言っていたのはドラムの子が入ったという情報だけでバンドの名前までは言われなかったからな・・・言い忘れていたのかあえて言わなかったのかは知らない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後12時:ライブハウスSPACE】

 

疾透「ここか・・・ロビーはあまり広くないけどきれいに掃除が行き届いてるしここなら楽しくライブができそうだし、偶にここで練習するのもいいかもな・・・」

 

??「おや、見ない顔だね。男性客なんて珍しい」

 

疾透「あなたは?他の店員さんが来てないあたりオーナーと見受けましたが」

 

??「人を見る目は大したものだね。あたしはこのライブハウスのオーナー、都築 詩船(つづき しふね)だよ。」

 

疾透「俺は森睦疾透っていいます。よろしくお願いしますオーナー。」

 

詩船「ところで、今日は何のようだい?今日は主催ライブの日なんだが」

 

疾透「実は・・・」

 

詩船「なるほどね、それなら開始までゆっくりしな。」

 

疾透「ありがとうございます。」

 

それから俺はオーナーと少しばかり話した・・・俺が演奏してるキーボードのことなどいろんなことを話した。そして・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後1時:SPACEステージ】

 

疾透「そろそろライブが始まる時間か・・・Roseliaの他にはどんなバンドが来てるんだ?」

 

 

そう俺が楽しみにしていると最初のバンドが入ってきた…すると現れたのは

 

疾透「香澄!?りみとたえや沙綾と有咲まで!?どういうことだ…?あいつら、俺には何も言わなかったよな・・・?」

 

香澄「今日はRoseliaの主催ライブに来てくれてありがとうございます!私たちはPoppin'Partyです!」

 

沙綾「こんなにお客さんがいるなんて演奏する私たちは嬉しいです!」

 

有咲「だから、今日はここにいる皆さんに楽しんでもらえるように頑張ります!」

 

たえ「それでは聞いてください」

 

りみ「『STAR BEAT!〜ホシノコドウ〜』!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「(あいつら・・・俺に黙ってこんなことしてたのか。水臭いんだよ・・・おい待て香澄、歌いながらこっちを見るんじゃない。たえ、お前もだ。はあ・・・ライブの時はしっかりしてると思ったら結局いつも通りなのな・・・)」

 

こうしてPoppin'Partyの演奏は終わり、次々とバンドの演奏が終わってライブは終わった。それにしても、紗夜さんたちはもちろん蘭たちもいたなんてな・・・言ってくれればよかったんだが。さて…俺はこのチケットを使って楽屋に行きたいところだが一回オーナーに話を通してから行くとするか。面倒事に巻き込まれたくないし

 

そうして俺はロビーにいるオーナーに話を通して楽屋に案内してもらった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【楽屋】

 

(コンコン)

 

香澄「はーい!誰かなー?鍵空いてるよー!」

 

(ガチャ・・・)

 

疾透「こんにちは・・・いや、もう夕方だしこんばんはだな。」

 

りみ「は、疾透くん!?どうしてここに!?」

 

紗夜「やっと来ましたか。もう来ないかと思いましたよ」

 

??「この人が紗夜さんが言っていた同じ学び舎に集いし同胞ですか?」

 

疾透「同じ・・・集いし・・・なんて?紗夜さん、この人がドラム担当の?」

 

??「はい!あこは宇田川(うだがわ)あこっていいます!Roseliaのドラマーです!」

 

疾透「俺は森睦疾透だ、よろしくなあこ。」

 

あこ「はい!よろしくお願いします疾透さん!」

 

疾透「ところで、宇田川って名字ってことは・・・」

 

巴「ああ、あこはアタシの妹だな。来年は羽丘の高等部に入るんだってよ」

 

疾透「姉妹でこうも似てないのか・・・なんか大変そうだな巴」

 

巴「そうか?アタシはいい妹だって思うけど」

 

疾透「ごめん、巴のその感性にはついていけない・・・それで紗夜さん、俺をここに呼んだ理由は?よく見るとパスパレとハロハピのメンバーまでいるみたいですが」

 

紗夜「大事なことを言い忘れていました。疾透くんはマネージャーに興味はありませんか?」

 

疾透「マネージャー、ですか?あの体育系の部活にいる人の類のですか?」

 

紗夜「ええ、そのマネージャーです。実は疾透くんが来る前に少しだけ話し合ったんです」

 

彩「といっても、私たちパスパレの場合はライブの時に手伝ってくれれば大丈夫なんだけど・・・」

 

蘭「疾透ってこっちに来て何年も経つけど、こういうのってやったことがないんでしょ?」

 

疾透「いや、確かにその通りなんだが・・・」

 

友希那「だから、私たちで話し合ってみたのよ。」

 

こころ「疾透が大丈夫なら、私たちのバンドのどれかのマネージャーになってほしいのよ!」

 

香澄「もちろん選ぶのは疾透くんの自由だし、複数のバンドのマネージャーになってもいいんだよ!」

 

疾透「そんなに簡単に決めてもいいんですか?俺はキーボード以外の楽器の知識はあまりないんですけど」

 

薫「構わないさ。マネージャーといっても楽器のメンテナンスをしないといけないと決まったわけじゃないからね。」

 

モカ「あたしたちのお手伝いをしてくれれば―それで万事オッケーって感じー」

 

疾透「んな適当な・・・で、決めるタイミングは?」

 

疾透以外の全員「「「「「今ここで決めて」」」」」

 

疾透「デスヨネー。(さて、どのバンドにするか・・・ハロハピはマーチング衣装で世界のみんなに笑顔を届けるのがモットーのバンド。Roseliaは音楽の頂点へ咲き誇る5輪の青薔薇をモチーフにした本格的バンド。Afterglowは幼馴染5人で結成されたガールズバンド。Poppin'Partyは花咲川の仲良しメンバーで結成されたバンド。パスパレは事務所発のアイドルバンド。)俺が選ぶのは・・・Poppin'Partyです。」

 

友希那「一応理由を聞いてもいいかしら?」

 

疾透「Poppin'Partyのメンバーには俺が花咲川に来てからとてもよくしてもらってます。それに・・・」

 

花音「それに?」

 

疾透「このバンドとなら俺はもっと頑張れる・・・そんな気がするんです」

 

友希那「そう・・・それがあなたの答えなのね。それなら私たちは何も言わないわ」

 

香澄「これからよろしくねもりりん!」

 

疾透「もうもりりん呼びは勘弁してくれ・・・そろそろ名前で呼んでくれ頼む」

 

香澄「そう?それじゃあ改めてよろしくね疾透くん!」

 

疾透「ああ、これからよろしくな。香澄、たえ、りみ、沙綾、有咲」

 

Poppin'Partyメンバー「「「「「よろしく!」」」」」

 

こうして俺はポピパのマネージャーになり、その日は解散した・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ルミィ「いかがだったでしょうか?」

香澄「いやー、疾透くんが私たちのバンドのマネージャーになってくれるなんて嬉しいよー!」

ルミィ「疾透くんは『このバンドとならもっと頑張れるような気がする』って言っていましたし、これからの成長に期待ですね」

香澄「うん!まずはお腹いっぱいにご飯を食べることから始めよう!」

ルミィ「本当に香澄ちゃんはご飯食べることでいっぱいだね・・・」

香澄「だってご飯はおいしいんだもん!」

ルミィ「ハイソウデスネー。それではここまで読んでいただきありがとうございました」


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7話:手助けという名の集合

ルミィ「どうも、今日のゲストは」

たえ「Poppin'Partyのギター、花園たえだよ」

ルミィ「ずいぶんとゆったりしたゲストですな。ちなみに一つ質問しても?」

たえ「何かな?」

ルミィ「おたえはウサギを買ってる時きましたが一体何羽飼っているんですか?」

たえ「20羽だよ」

ルミィ「・・・はい?今なんと?」

たえ「だから、20羽だよ?今ケージに入れて連れてきてるんだけど触ってみる?」

ルミィ「ちなみに何羽連れてきてるんです?」

たえ「え?全部だけど?」

ルミィ「・・・ぅゎぁぁぁぁぁぁ・・・(20羽のウサギに寄られる投稿主の図)」

たえ「あれ、連れてきすぎちゃったかな?それじゃあ本編に行っちゃおう」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然だが、みんなは学校といったら何が浮かぶだろうか?学園祭、体育祭、卒業式、始業式、夏休みなどたくさんあるだろう。俺はこの中でもない何かが浮かんでいる。そう、テスト期間だ。学生の本業は勉強と偉い人は言っただろう…といっても俺はテストの点数はそこそこ取れる普通の成績だ。頑張れば学年トップは取れるかもだが、あまり頑張りすぎても体に毒なので勉強は夜の9時までとしている。そんなある日の夜、俺に一本の電話が掛かってきた。

 

9月28日

 

【午後9時:疾透の部屋】

 

疾透「こんな遅くに誰だ・・・?有咲?もしもし、疾透だけど」

 

有咲「疾透か、悪いなこんな時間に。もしかして寝ろうとしてたか?」

 

疾透「いや、さっきまでテスト勉強してて今終わったところだ。別に何もすることがないから適当にキーボードでも演奏してみようと思ったんだけど、どうかしたか?」

 

有咲「疾透はまじめに勉強してるのな、いやそれはいいんだけど・・・」

 

疾透「そういえば有咲って入学試験をトップで合格したんだよな?それなのに俺に電話かけてくるのか?有咲もテスト勉強はしてるだろ?」

 

有咲「私は普通にやってるよ。でも問題は香澄のやつなんだよ。今日までバンド練習してて、明日からバンド練習を暫く休みにするって私が言ったんだよ。それで今どれくらいテスト勉強が進んでるか聞いてみたんだよ。そしたら香澄のやつ、なんて答えたと思う?」

 

疾透「あー、確かに俺は最近はテスト勉強で忙しくてポピパのマネージャーの仕事は放っておいたからな・・・で、香澄はなんて言ったんだ?」

 

有咲「『テストなんてやらなくても生きていけるんだよ!』とか言ってたんだよ!それで来週から3日間試験だろ?だから明後日にポピパメンバー全員強制参加の学習会を開くから疾透も来てくれって話だよ。お前、入学試験を学年次席で受かったんだろ?」

 

疾透「そういえばそんなことを話したな、俺でよかったら力になるよ。赤点を取ってバンド練習が厳かになったら困るしな」

 

有咲「そう言ってくれて助かる。私だけじゃ香澄の相手はしきれねーしな・・・」

 

疾透「それじゃあ明後日は何時にそっちに向かったらいい?」

 

有咲「そうだな、朝9時に来てくれ。たえが香澄と一緒に来るから疾透はりみと沙綾を連れてきてくれ。みんなに連絡はすでに回してあるからこっちに来たら連絡してくれ」

 

疾透「了解。それじゃあ明後日の朝9時だな。」

 

有咲「夜中に悪いな。それじゃあお休み」

 

疾透「おう、お休み有咲」

 

(プツッ)

 

疾透「はあ・・・つい勢いで請け負ったが俺は勉強を教えるのはどうも苦手なんだよな・・・なんか有咲には期待されてるし期待を裏切りたくないからとにかく頑張るか・・・そろそろ寝ろう」

 

そうして俺は明後日の勉強会に備えて少し早く布団に入って寝た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9月30日

 

【午前8時:疾透の部屋】

 

疾透「今日は有咲の所の蔵で勉強会か・・・教えることは苦手だけど何とかするしかないな。とりあえずお出かけの服に着替えて勉強道具・・・と、よし準備はできたな。それじゃあ姉さん、行ってきます」

 

水夏「あれ、こんな時間にどこか行くの?今日は休日だから休んでればいいのに」

 

疾透「これから有咲のところで勉強会なんだよ。」

 

水夏「あれ?疾透って入学試験を次席で合格したんだよね?なんでまた?」

 

疾透「ちょっと一人のクラスメイトが学生にあるまじき発言をしたんでちょっとこらs・・・勉強を教えに行ってくる」

 

水夏「そう、じゃあ私は家で試験勉強してるからいってらっしゃい」

 

疾透「行ってきます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前8時15分:牛込家前】

 

疾透「りみー、迎えに来たぞー」

 

(ガチャ)

 

りみ「疾透くん、おはよう。私は準備できてるからいこっか。」

 

疾透「ああ。後は沙綾を迎えにいって有咲のところに行くだけだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前8時20分:やまぶきベーカリー前】

 

疾透「沙綾、迎えに来たぞ」

 

(ガチャ・・・)

 

沙綾「おはよう疾透くん、りみ。ちょっと待っててね、今部屋から勉強道具持ってくるから」

 

疾透「そんなに急がなくても今から行けば15分くらい余裕があるぞ」

 

(1分後)

 

沙綾「お待たせ。それじゃあ有咲のところに行こうか」

 

りみ「勉強会なんて始めてから少し緊張しちゃうなぁ…」

 

疾透「知ってる人たちでやるから別に緊張することはないんじゃないか?」

 

りみ「それはそうだけど、いつもお姉ちゃんと一緒に勉強してたから・・・疾透くんは誰と勉強してたの?」

 

疾透「別に、俺一人で勉強してたぞ?姉さんとは学校も違ったし範囲も完全に別々だったからな。自分のペースで勉強してた」

 

沙綾「ずっと一人でやってたの?すごいなぁ・・・ってあれ?」

 

疾透「どうかしたか?」

 

沙綾「あそこに見えるのって…花音先輩と燐子先輩じゃない?」

 

りみ「本当だ。どうしたんだろう?」

 

疾透「花音さん、燐子さん、どうかしたんですか?」

 

花音「あ、疾透くんと沙綾ちゃんとりみちゃん・・・みんなも勉強会?」

 

沙綾「『みんなも』って・・・まさか花音先輩たちも?」

 

燐子「はい・・・実は私たちも市ヶ谷さんに誘われてこれから行くところなんです・・・」

 

沙綾「それじゃあ一緒に行きましょうか。」

 

花音「あ、ちょっと待って沙綾ちゃん。あと一人来るから・・・」

 

りみ「あと一人?」

 

燐子「もうすぐ・・・来ます・・・あ、氷川さん・・・こっちです・・・」

 

紗夜「白金さんたちは早いですね・・・あら、疾透くんと牛込さん、山吹さんではないですか。あなたたちも勉強会に?」

 

疾透「その口ぶりだと紗夜さんも有咲に誘われたんですね?」

 

紗夜「ええ。一緒に戸山さんの勉強を手伝ってほしいと頼まれていました。それでは時間も押しますしそろそろ行きましょう」

 

そう紗夜さんは言ってみんなで有咲のところに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前8時45分:流星堂前】

 

(ピンポーン)

 

有咲「ずいぶん早かったな・・・なんだ、松原さんたちと一緒に来たのかよ。てっきり別々に来ると思ってたんだけど」

 

疾透「沙綾がこっちに来る途中で花音さんと燐子さんを見つけたものだからどうせだしってことで一緒に来たんだよ」

 

有咲「おたえと香澄はもう来てるから早く入ってくれ。時間も押すだろーしな」

 

りみ「それじゃあお邪魔するね有咲ちゃん」

 

燐子「お邪魔・・・します・・・」

 

花音「有咲ちゃんの所の蔵、初めて入るなぁ・・・どんな感じなんだろう?」

 

有咲「松原さんが考えてることとは多分違うと思いますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前8時50分:流星堂蔵内】

 

たえ「あ、みんないらっしゃい。さっそくお茶にする?」

 

有咲「ここはお前の家じゃねー!というかここに集まった本当の意味忘れてんじゃねー!」

 

香澄「え!?みんなでお茶会するためじゃないの!?」

 

有咲「元々ここに集まったのは香澄の学力アップのためだー!だから香澄を呼んだんだろーが!」

 

香澄「そんな殺生なー!」

 

有咲「ここでお前が空か点を取ってバンド活動に支障が出たら武道館目指すどころじゃねーだろ!だから早く座って勉強の準備をしろ香澄ー!」

 

こうして有咲の騒がしい喧騒が蔵内に響き、勉強会・・・基(もとい)香澄の学力アップの会が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「香澄、この漢字の読み方違うぞ」

 

たえ「香澄、この四字熟語の意味違うよ?」

 

りみ「香澄ちゃん、この数式間違ってる・・・」

 

沙綾「香澄、この実験器具の名称違うよ」

 

有咲「香澄!この絵のタイトル全然ちげーぞ!」

 

紗夜「戸山さん、この料理の作り方の手順が違います」

 

燐子「戸山さん・・・この英文の翻訳が違います・・・」

 

花音「香澄ちゃん、この製作する手順が違うよ・・・」

 

香澄「ぃぃぃぃぃゃゃゃぁぁぁぁ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・とまあ。間違えては指摘され、その繰り返しが何度も続いて昼になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「はあ・・・やっと昼か・・・香澄、問題を間違えすぎだ・・・!教える俺たちの身にもなってくれ…!!」

 

香澄「(チーン)」

 

有咲「こりゃダメだな・・・午後からは香澄抜きで私たちの勉強をするか・・・香澄ばかりに構って私たちの勉強が全くできなかったし・・・でもまずは昼ご飯だな。」

 

沙綾「あはは・・・確かに香澄が間違えすぎて私たちの勉強にならなかったもんね・・・香澄はどうする?」

 

疾透「このままソファで寝かせてやるか。さすがに俺たちが無慈悲すぎた」

 

りみ「そうだね・・・ごめんね香澄ちゃん」

 

そう言ってりみは香澄をソファに寝かせて布団をかぶせてあげた

 

燐子「お腹・・・すきましたね・・・」

 

花音「どうしよう・・・私何も持ってきてなかった・・・」

 

疾透「なあ有咲、家のキッチン借りていいか?後食材も」

 

有咲「うちのキッチンを?別にいいけど、お前何か作れるのか?それにこの人数だぞ?」

 

疾透「この人数分のご飯を作るのは初めてだけどいつも作ってる料理の量を増やしただけだし大丈夫だ。」

 

沙綾「私も手伝おうか?妹や弟によくお弁当を作ってあげてるから少しは力になれると思うけど」

 

疾透「ありがとう沙綾、でも気持ちだけ受け取っておくよ。」

 

沙綾「そう?でも無理しないでね。」

 

疾透「ああ、ありがとな沙綾。それじゃあ家のキッチンと食材借りるぞ」

 

有咲「お、おう・・・それじゃあ頼む疾透。」

 

そう言って俺は有咲の家に入ってキッチンを借りてみんなの分の食事を作った。で、みんなの感想はというと…

 

たえ「これ、オッちゃんに食べさせてもいいかな?」

 

りみ「めーっちゃおいひいー!」

 

沙綾「本当、おいしいねこれ。今度レシピ教えてよ疾透くん。」

 

有咲「ま、まあまあだな・・・べ、別に私より料理がうまいってわけじゃねーからな!」

 

紗夜「疾透くんにこんなにおいしい料理が作れるなんて…驚きました。」

 

燐子「はい・・・とてもおいしいです・・・」

 

花音「うん、とてもおいしいよありがとう疾透くん。」

 

とまあ、とても好評価だった。約一名が連れてきていたウサギに食べさせようとしていたのでそれはさすがに止めに入った。だって中華だぞ?そんなの食べさせたら場合によってはとんでもないことになるからな。それから俺たちは個別でテスト勉強を始め、午前中からダウンしていた香澄は途中から参戦したものの結局はまた間違えたところを訂正するばかりで最終的にはまたダウンした。これ、本当に香澄の学力アップになったのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後5時】

 

疾透「とりあえず今日はここまで・・・だな。約一名がダウンして復活したと思ったらまたダウンしたりと対応に疲れた・・・」

 

有咲「だな・・・とりあえず香澄は起きるまでここに置いておくから疾透たちは帰ってていいぞ。」

 

たえ「それじゃあ私は残っていようかな」

 

有咲「さっきの会話聞いてねーだろ!」

 

たえ「ううん、聞いてたよ?今日は香澄と一緒に帰ろうかなって」

 

有咲「それならそうって先に言えよ!紛らわしいんだよおたえは!」

 

疾透「それじゃあ俺たちは先に失礼するぞ。お疲れ様有咲、たえ、香澄。」

 

有咲「おう、気をつけて帰れよー」

 

そう言って俺たちは流星堂を後にして各自帰路についた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後8時:疾透の部屋】

 

疾透「今日はどっと疲れたな・・・やばい、気力と体力が持ちそうにない・・・今日はもう寝ろう・・・」

 

(テロテロリン[GYNE通知の音])

 

疾透「(こんな時間に・・・誰だ…?悪いけど・・・今日はもう休むって返事して寝るから・・・また明日話そうって…送るか・・・お休み・・・)」

 

そして俺は布団に入り今日の勉強会での疲労が蓄積されてたせいか布団に入って数秒で寝た・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【一方、疾透にGYNEを送った人の部屋】

 

りみ「疾透くん・・・今日は疲れちゃったのかな?もうちょっと話したかったんだけど・・・明日話そうって言ってるんだし今日は私も寝ちゃおうかな・・・」




ルミィ「いかが・・・だったでしょうか・・・グフッ」

たえ「あ、やっと起きた。だいじょうぶ?」

ルミィ「20羽ものウサギに乗られて大丈夫な人が何処にいるんでしょうねぇ…まだあちこちが痛い・・・」

たえ「そんな主さんに、はいこれ。」

ルミィ「これはなんぞや?おたえさん」

たえ「絆創膏だよ?」

ルミィ「・・・それじゃあここまで読んでくれてありがとうございました。(なんかおたえの相手疲れるなぁ…)」


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8話:巻き込まれて泊まって

ルミィ「どうも、時間さえあれば投稿してますよとルミィと」

りみ「Poppin'Partyのベース担当の牛込りみです。ところでルミィさん、この前書きではどんなことを話すんですか?」

ルミィ「んーと、普通にしゃべるだけだね。」

りみ「え?それだけなんですか?」

ルミィ「うん、喋るだけだよ。」

りみ「えっと・・・誰かこのコーナーに来たんですか?」

ルミィ「前々回は香澄ちゃん、その前はおたえが来たね」

りみ「どんな事話してました?」

ルミィ「えっと・・・おたえはウサギを20羽連れてきたり、香澄ちゃんは元気が出る方法を言ってたね。ただ結局はどっちにも振り回されて散々だったけど」

りみ「えっと・・・ド、ドンマイ・・・なのかな?それじゃあ本編に行く・・・でいいんだよね?」


 

 

 

 

 

 

 

 

テスト勉強が終わってから1週間後、無事にテストは終わって数日後にテストが帰ってきた。ポピパメンバーはもちろん、ハロハピメンバーやパスパレのメンバーもなんとか(香澄は本当にギリギリの赤点ライン)点数を取れたのでバンドをしてるメンバーは全員赤点を回避できていた。今日はテストが帰ってきただけだったのでその日は授業もなく午前中に解散となった。その帰り…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10月6日

 

こころ「疾透―!」

 

はぐみ「はーくんー!」

 

疾透「誰かと思ったらはぐみとこころか。俺に何か用か?」

 

こころ「ええ!疾透、今日は私たちのバンドのお手伝いをしてくれないかしら?」

 

疾透「・・・いや、俺がポピパのマネージャーになったことは知ってるんだよな?なんで俺なんだ」

 

はぐみ「実はみーくん、風邪ひいちゃって学校に来てないんだって・・・みーくんがいないとバンド練習ができないんだよ!」

 

小言だが、みーくんとは奥沢美咲のことである。はぐみはバンドメンバーのことを呼びやすいように呼んでいるらしい。花音さんのことは『かのちゃん先輩』、薫さんのことは『薫くん』、こころのことは『こころん』という風に呼んでるらしい(美咲情報)それで、今日に限って美咲は風邪をひき学校を休んでいるのでバンドメンバーが5人そろわないので練習ができないらしいので俺を誘っている・・・というわけである。ちなみに今日はポピパの練習は休みなので今日は家に帰ってゆっくりしようと思っていた・・・んだが

 

疾透「別に今日はポピパの練習は休みだし、大丈夫だぞ。」

 

はぐみ「わーい!はーくんありがとー!」

 

こころ「それじゃあ行きましょう!」

 

疾透「(あ、まずい・・・美咲=ミッシェルってこいつらはわかってなかったからこのままいったとしてもやばいな・・・どこかでミッシェルに似たクマのぬいぐるみを借りないと…)」

 

こころ「どうしたの疾透?あたし達は先に行ってるわね!」

 

疾透「あ、ああ。俺もあとから追いつくから行ってていいぞ」

 

はぐみ「はーくんも早く来てねー!」

 

そう言ってはぐみと心はこころの家に先に向かった

 

疾透「・・・これからどうするか。安請け合いしてしまったか・・・俺は着ぐるみなんて持ってないし誰かに言った所で貸してくれるわけじゃあるまいし・・・」

 

(シュタッ)

 

黒服「森睦様、お困りのようでしたらこちらをどうぞ」

 

疾透「うわっ!?なんだ、黒服の人たちですか・・・」

 

【キャラ紹介:黒服の人たち。こころの家にいる何でもできる使用人達。こころや心の友達が困ったときは急に現れたりと神出鬼没である】

 

黒服「先ほどの会話をすべて聞いておりました。こちらをどうぞ」

 

疾透「はあ・・・ありがとうございます。」

 

黒服「それでは、ご健闘をお祈りします」

 

そう言って黒服の人たちは去っていった・・・

 

疾透「仕方ない、これを着てこころの家に行くか・・・」

 

黒服に渡されたのは・・・見た目は完全にミッシェルだがミッシェルとは違ってピンクの部分が青色だった。青ミッシェル・・・適当にクシェルとでも名付けておこう。どうせ今日だけだろうしな。さて・・・誰もいないのを確認して俺はクシェルに着替えてこころの家まで歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【弦巻邸】

 

(ピンポーン)

 

こころ「はーい!疾透かしら?今行くわね!」

 

(ガチャ・・・)

 

こころ「疾透―!よく来たわね・・・ってあら?あなたは誰かしら?」

 

クシェル(疾透)「ぼ、僕はクシェルって言うんだー。お友達の疾透くんに聞いたんだけど、ちょっと遅れてくるらしいから僕が代理で来たんだー(意外と涼しいけど動きにくい・・・!)」

 

こころ「クシェルね!いい名前じゃない!早く私の部屋に行くわよ!」

 

クシェル(疾透)「ま、待ってー、置いて行かないでー(動きづらくて思った方向に歩けない・・・!)」

 

 

 

 

 

 

 

【こころの部屋】

 

こころ「みんなー!待たせたわね!今日限りだけど新しい友達を連れてきたわ!疾透はちょっと遅れてくるらしいけど話してたら来るんじゃないかしら?クシェルー!早く入りましょう―!」

 

はぐみ「クシェルって何、こころん?」

 

こころ「見た目はミッシェルだけど、ピンクの部分が青いクマさんよ!みんなもすぐに仲良くなれると思うわ!あ、来たわね!早く入ってちょうだい!」

 

クシェル(疾透)「や、やあみんなー。クシェルだよー。今日は疾透くんが来るまでの間だけどみんなとお話に来たんだー(当の本人はこの中だけど・・・)」

 

はぐみ「本当に青いねクシェル!はぐみは北沢はぐみっていうんだ!」

 

クシェル(疾透)「わかってるよー。疾透くんからみんなのことは聞いてるからねー(当の本人はry)」

 

こころ「それじゃあさっそく話し合いましょう!今回の会議の話題は商店街のみんなにどんな風にして笑顔を届けるかよ!」

 

花音「商店街の人たちに笑顔を?」

 

薫「なるほど・・・儚い考えだよこころ。私はいいと思う」

 

クシェル(疾透)「商店街のみんなを笑顔にかー。(え!?いつからやるんだよそれ!!)ち、ちなみにいつやるのー?」

 

こころ「明後日よ!」

 

クシェル(疾透)「明後日かー。(うぉいちょっと待て!さっき今日限りとか言ってたのはどこに行った!まさか明後日もこのままなのか!?)」

 

花音「明後日かぁ…明後日は私が無理かなぁ…(あれ?さっきから疾透くんの声が聞こえるような・・・もしかしてクシェルの正体って・・・後で聞いてみようかな)」

 

こころ「そうなの?花音。」

 

花音「うん、ごめんねこころちゃん・・・ちなみにクシェルはその日は大丈夫なのかな?」

 

クシェル(疾透)「僕もその日は無理かなー…(適当に無理って言っておけば多分大丈夫だろうし美咲の風邪が治ったら美咲に任せないと…さすがにこのままはきつい)」

 

はぐみ「そっかー。かのちゃん先輩もクシェルもダメかー。じゃあいつにする?」

 

花音「4日後なら空いてるかな。みんなは?」

 

薫「私は大丈夫だよ」

 

こころ「あたしも大丈夫よ!」

 

はぐみ「はぐみもその日は部活とかが休みだから大丈夫!」

 

クシェル(疾透)「ごめんねー、その日も僕は無理なんだー。でも僕じゃなくてミッシェルじゃダメかなー?僕はそもそもメンバーじゃないし、参加しても意味はないんじゃないかなー?(これからポピパの練習が続くから忙しいんだよ…)」

 

こころ「そうね・・・ごめんなさいクシェル。ミッシェルが戻ってきたら伝えておくわ!」

 

クシェル(疾透)「ごめんねー。ミッシェルにも伝えておくよー(ふう…何とか逃げ切れたな・・・)」

 

こころ「それじゃあ商店街でのライブは4日後に決まったわ!今日は解散よ!」

 

こころがそう言うと花音さんを除いたメンバーは部屋から出て行った。で、部屋に残った花音さんとクシェル(疾透)はというと…

 

疾透「ふう・・・疲れた・・・」

 

花音「お疲れさま、疾透くん。ごめんねこんなことに巻き込んじゃって・・・」

 

疾透「ちなみにいつから気付いてました?」

 

花音「えっと、クシェル・・・疾透くんが『みんなのことは聞いてるから』って言った時からかなぁ…」

 

疾透「やっぱりその辺からでしたか。名前を出さなかったらバレてませんでしたし本当に助かりました花音さん」

 

花音「ううん、私は何もしてないよ?」

 

疾透「いえ、俺だとわかって日程をわざわざずらしてくれたんですよね?それだけでも本当に助かりました・・・あ、黒服さんたちはいますよね?」

 

黒服「私たちの気配に気づくとは…さすが森睦様です。ではクシェルはこちらでお預かりしておきますので後のことはおまかせください」

 

疾透「わざわざこんなものまで用意させてすいません。あと美咲は・・・」

 

黒服「奥沢様ならお薬を飲ませましたので明日には元気になっているでしょう。あと、ここでの会話は全て奥沢様に聞こえております。」

 

疾透「でしょうね・・・」

 

黒服「それでは失礼いたします、森睦様。こころ様は今ご主人様とお話をなさっているので帰るのならば今のうちかと・・・」

 

疾透「何から何までありがとうございます。花音さんはどうしますか?」

 

花音「私は美咲ちゃんのお見舞いに行こうかなって・・・疾透くんは?」

 

疾透「俺も暇ですし美咲のお見舞いに行こうかと思いますので一緒に行きますか?」

 

花音「いいの?」

 

疾透「それに、花音さんを一人で行かせると間違いなく迷いますし」

 

花音「ふぇぇぇ…ごめんね・・・」

 

疾透「これくらい大丈夫ですって。それじゃあ行きましょうか」

 

そう言って俺たちはこころの家を後にして美咲の家に足を進めた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後4時:美咲の家への道中】

 

花音「美咲ちゃん、大丈夫かな・・・疾透くんも大丈夫だった?」

 

疾透「めっちゃくちゃ動きづらかったです・・・しかも初めて着ぐるみ着たんで」

 

花音「だ、だよね・・・あんなの着て動きやすいっていう方が無理だし・・・」

 

疾透「あんなのをどこに隠し持って動いてるんですかね黒服の人たち。あれ?あそこにいるのって・・・りみ?たしかあの方向は美咲の家のはず・・・もしかしてりみもお見舞いに向かってる最中とかか?おーい、りみ!」

 

りみ「疾透くんと花音先輩?2人も美咲ちゃんのお見舞い?」

 

花音「『2人も』ってことはりみちゃんも美咲ちゃんのお見舞いに?」

 

りみ「うん。有咲ちゃんから聞いたんだ。美咲ちゃん、今日は風邪で学校を休んでるって…今日の帰りに有咲ちゃんから美咲ちゃんのテストの回答も預かってるし持っていってるんだ」

 

疾透「あー・・・有咲は盆栽の世話か。なるほどな」

 

花音「有咲ちゃん、盆栽の世話が好きだからね・・・あ、美咲ちゃんの家見えてきたよ」

 

疾透「やっぱり話しながら向かってると距離が短く感じるな・・・」

 

りみ「そうだね、美咲ちゃん大丈夫かな・・・」

 

(ピンポーン)

 

美咲「はーい・・・あれ、疾透さんと花音さん、それにりみ?どうしたんですかここまで?」

 

疾透「どうしたって、美咲のお見舞いだよ。途中まで花音さんと一緒に来たんだけどりみも見つけたからここまで一緒に来たんだよ。でも歩いてここまで来るなら元気そうだな、さすが黒服の人たち。さっき言っていたことは本当か」

 

りみ「え?疾透くん、何かあったの?」

 

疾透「それについてはカクカクシカジカガルパピコピコ・・・」

 

りみ「疾透くん・・・災難だったね・・・」

 

美咲「こんな時に風邪ひいてすみません…」

 

疾透「正直こうなるなんて思ってなかったからな・・・」

 

美咲「こんなところで立ち話もあれなんで入ってください・・・3人も玄関にいるなんて狭いですし」

 

疾透「それじゃお邪魔しますよっと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【美咲の部屋】

 

疾透「それで美咲、今日の話聞いてたよな?」

 

美咲「はい、確か4日後に商店街のみんなを笑顔にするとかでライブをするそうですね・・・すみません疾透さん、うちの3バカが苦労をかけました・・・」

 

ちなみにさっき美咲が言った3バカとはこころ、はぐみ、薫さんの3人である。この3人は美咲≠ミッシェルで見ているため3人はハロハピには6人のメンバーがいると思い込んでいるという。この状況を見た美咲は3人のことを『3バカ』と呼ぶようになった。

 

疾透「薫さんは普段はまじめな人なんだがこころとはぐみはなぁ…」

 

りみ「私ははぐみちゃんに巻き込まれることはあまりないけど・・・」

 

花音「私はいつも巻き込まれてるよ・・・」

 

疾透「・・・今人生で初めて人の苦労が分かった気がする」

 

美咲「今までどんな人生送ってきたんですか・・・」

 

とまあ、今日起きた出来事(事件)のことを改めて美咲に説明したり、普段の日常などの話をした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「さて、と。そろそろ俺は帰るかな。姉さんは今日友達の家に泊まって試験勉強会って言ってたし今家には誰もいないんだよ」

 

りみ「水夏さんは今お姉ちゃんのところだね。」

 

疾透「あれ、何でりみがそのことを知ってるんだ?」

 

りみ「私が返って来た時には水夏さんがうちにいたんだよ。だからみんなで勉強会かな・・・って」

 

疾透「あー、なるほどな・・・で、りみはどうするんだ?」

 

りみ「疾透くんさえよければ…だけど今日は疾透くんの家に泊まってもいいかな?」

 

疾透「俺の家に?」

 

りみ「うん、ダメ・・・かな?」

 

疾透「別にいいけど・・・でも今何も着替えとか持ってきてないだろ?一旦家に戻ってから着替えとかを持ってきた方がいいぞ。まだ5時なんだし風呂も入れてないからな。」

 

りみ「え?風呂までお世話になっちゃっていいの?」

 

疾透「いいんだよ。普段からポピパのメンバーには世話になりっぱなしなんだし、こういう時は甘えていいって」

 

りみ「それじゃあお言葉に甘えて・・・じゃあまた後でね。」

 

疾透「ああ、またな」

 

そう言って俺たちは花音さんとりみと一緒に美咲の家を出ろうとしたが、花音さんはもう少し岬の家にいるって言って俺たちは美咲たちと別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後5時30分:森睦家】

 

りみ「お、お邪魔します・・・」

 

疾透「この前来た時に近い状況だけどゆっくりしていいぞ」

 

りみ「う、うん・・・」

 

疾透「(やばい・・・改めて好きな人を家に泊めるのって初めてだからな・・・誘ったのはいいんだけどいざ話すとなると何も思いつかない・・・)」

 

りみ「あ、あの、疾透くん・・・」

 

疾透「なんだ?」

 

りみ「ここまで走ってきちゃって汗かいちゃったから・・・お風呂借りてもいいかな?」

 

疾透「あ、ああ。もうお風呂は沸いてるから大丈夫だ。風邪ひく前に入っておいた方がいいぞ。俺は部屋にいるからあがったら呼ぶなり部屋に入ってくるなりしてくれ」

 

りみ「来て早々ごめんね・・・それじゃあお風呂借りるね」

 

そう言ってりみは風呂場に入っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【数分後】

 

りみ「疾透くん、お風呂上がったよ」

 

疾透「ああ、りみか。それじゃあ俺も入r・・・」

 

りみ「疾透くん?どうしたの?」

 

疾透「いや・・・結構薄着なんだなって・・・」

 

りみ「ご、ごめんね!家では冬以外は風呂上りはいつも薄着で・・・!」

 

疾透「こ、こっちこそごめん・・・俺も風呂入ってくるよ」

 

りみ「う、うん。いってらっしゃい・・・」

 

そう言って俺は風呂場に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【数分後】

 

疾透「りみ、風呂上がった・・・ぞ・・・?」

 

りみ「すぅ・・・すぅ・・・」

 

疾透「もう寝てるのか。今日は朝早かったし眠かったんだな・・・仰向けでベッドに寝るのはいいんだけど毛布を被ってないし被せてあげるか・・・」

 

俺は押し入れに入っていた毛布を取ると床に敷いてある布団に寝てるりみに被せてあげた。

 

疾透「さて、少し早いけど俺も寝るか・・・ん?」

 

俺の服の袖が引っ張られていたので見てみると、りみが服の袖を掴んでいた・・・

 

疾透「掴んでる手を放してもいいんだが・・・そうするとりみが起きるだろうから仕方ないな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局俺はもう一つ床に敷いていた布団に入りりみの隣で寝た。途中からりみが俺の腕にしがみついていたものだからあまり眠れなかったのは言うまでもない・・・




ルミィ「いかがだったでしょうか?」

りみ「うぅー・・・疾透くんのお部屋に一緒に泊まってる・・・めっちゃ恥ずかしい・・・」

ルミィ「いいじゃないですか。お年頃の女の子がクラスメイトの家に泊まるなんて。私は社会人になってからお泊りするようになりましたし」

りみ「主さんは学生時代に仲のいい人はいなかったんですか?」

ルミィ「いたにはいたんですが、それでもほんの数名でしたし人脈は広くなかったですね。」

りみ「そうだったんですね・・・」

ルミィ「今では人脈が広がって多くの友人と遊んでるので感謝ですね。もちろんバンドリにも感謝してますよ」

りみ「それじゃあここまで読んでくれてありがとうございました!」


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9話:忘れられない1日

ルミィ「どうも、なんとなく最初の作品のような投稿ペースにしてみたいとルミィと」

沙綾「Poppin'Partyのドラム担当でやまぶきベーカリーの看板娘の山吹沙綾です」

ルミィ「やっと真面目なメンバーがこのコーナーにやってきてよかった・・・」

沙綾「ってことは香澄とおたえもこのコーナーに来たんですね。どうでしたか?」

ルミィ「いやー、二人ともいつも通りな感じだったので振り回されましたよわっはっは」

沙綾「あはは・・・香澄とおたえには私も振り回されてますからね・・・ところで一つ聞いてもいいですか?」

ルミィ「なんでしょうかい?」

沙綾「なんでこのコーナーを始めようって思ったの?」

ルミィ「あー・・・それはあれだよ。『他のアニメに触発されましてやりたいな』って思った所存だよ」

沙綾「ルミィさんも香澄と同じで影響受けやすいタイプなんですね」

ルミィ「よく言われます。それでは本編に行きましょうか」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

唐突だが、冬といったら何を思いつくだろうか?雪合戦、こたつと蜜柑のセット、季節限定のスイーツなどの食べ物を食べるなどいろいろあるだろう・・・だけど俺の場合は今上げた候補のどれにも当てはまらない。ちなみに今現在進行形で花咲川を含めほんの一部を除く学校は冬休みに入っている。今日はクリスマスイヴの前日なのでどこもクリスマスの準備で大忙しのようだ。でもそんなのはお構いなしのように大学を受験する生徒は今日が受験日なのだ。それは俺の姉、水夏姉さんにも当てはまる。今日と明日を使って受験は行われ、初日は学力での試験、2日目は面接試験とスケジュールが割り当てられている。今年は海外の大学を受験する人はそこそこいるらしいが、海外の大学は受験が終わって大体1か月半後に合否が大学のサイトでわかるためあまり浮かれる雰囲気ではない。今日は姉さんが朝から受験に行ってるため今日は家に俺一人だ。といっても明日も家には俺一人なんだけど・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

12月23日

 

【午前10時:森睦家】

 

疾透「今日はクリスマスイヴ前日なだけあってどこもクリスマスムードだな・・・まあ俺は今はそれどころじゃないんだけどな・・・姉さんとゆり先輩たちは受験だから大学に受かるかどうかで今後の俺の生活が変わるだろうし気が気じゃないんだよな・・・って悩んでも仕方ないし、今日はこの平和な一日を気楽に過ごすか」

 

(ピンポーン)

 

疾透「ん?今日はPoppin'Partyは練習休みだし誰も来るなんて連絡は入れてないし・・・こんな朝早くに誰が何の用なんだ?」

 

(ガチャ)

 

疾透「あれ?明日香?」

 

明日香「はい、私ですよ。一体誰が来るって思ってたんですか?」

 

疾透「いや、香澄とかたえとかの無茶ぶり軍団の誰かって思ってた」

 

さっき俺が言った無茶ぶり軍団とは…戸山香澄、花園たえ、弦巻こころ、北沢はぐみ、氷川日菜の5人を指している。この5人は個々で何かを思いつくとなぜか俺に頼みごとをしてきたり、俺の可否なしに付き合わされたりしているため5人の誰かがいない状況では『無茶ぶり軍団』と偶に呼んでいる。ちなみに今日俺の家に訪ねてきたのは戸山明日香(とやまあすか)だ。俺の一つ下で香澄の実の妹である。姉の香澄とは違ってしっかり者で、花咲川の中等部3年生。今年は羽丘の高等部を受験するらしく、年が明けてから受験に入るため今日は家で勉強しているはずなんだが・・・

 

疾透「今日はどうしたんだ?受験勉強が忙しいとかで今日も家にいるって思ってたんだけど」

 

明日香「私も家にいたかったんですけど・・・姉さんとたえさんが騒がしくて勉強どころじゃなかったので疾透さんの家に来たわけです」

 

疾透「あー・・・なるほどな、確かにあいつらがいたら勉強どころじゃないのはわかる。つまり、今日は俺のところで受験勉強をさせてほしい、と?」

 

明日香「そういうことですね。もちろんご迷惑じゃなければですけど」

 

疾透「迷惑だなんてとんでもない。むしろ今日は落ち着く1日を過ごしたかったから大歓迎だよ。」

 

明日香「押し入る感じになってしまってすみません、それじゃあお邪魔しますね」

 

そう言って俺は明日香をリビングまで案内した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明日香「疾透さん、こんな感じですけど答え合っててます?」

 

疾透「どれどれ・・・うん、大体合ってるな。ここの公式をもう少し詳しく書いたら点数はもう少し高くなるんじゃないのか?」

 

明日香「なるほど・・・採点する側のことも考慮して回答するんですね・・・さすが先輩」

 

疾透「これでも入学試験は学年次席なんだよ。この間のテストも有咲と同率1位だったし」

 

明日香「一体どれだけ勉強したらそうなるんですか?」

 

疾透「俺の場合はちゃんとノートにとってからどうすれば回答する側にとっての最適解なのか考えてあらためて新しいノートに書き留めてるな」

 

明日香「なるほど・・・」

 

疾透「そういえば明日はクリスマスイヴだけど香澄にプレゼントとか買ったのか?息抜き程度にショッピングモールまで買いに行かないか?また帰ってきてから勉強は見るからさ」

 

明日香「まだ買ってなかったですね・・・お願いしてもいいですか?」

 

疾透「それじゃあいくか。俺もあげないといけない人とかいるし」

 

明日香「誰にですか?」

 

疾透「Poppin'Partyメンバーと姉さんとゆり先輩と明日香の分・・・かな」

 

明日香「え、私にですか?世話になってるのは私の方なのでこういうのは私が上げる側じゃ・・・」

 

疾透「俺がプレゼントしてあげたいから買うんだよ。いいから遠慮するなって。それじゃあ行くぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後3時:ショッピングモール】

 

疾透「さて・・・どこから回るか・・・明日香は誰に買うんだ?」

 

明日香「私もお姉ちゃんたちと疾透さんの分ですね。ここに来る前に言ったと思いますけど」

 

疾透「こんなに素直で頑張り屋な妹、ウチに一人は欲しいものだな・・・」

 

明日香「それ、この間も市ヶ谷さんに言われましたよ・・・」

 

疾透「あー・・・有咲なら言いかねないな。さて、どこで何を買うか決めてるか?俺はすでに決めてるんだが」

 

明日香「私も決めてますね。これとこれとこれを・・・あ、疾透さんの分は内緒ですよ」

 

疾透「まあそうだよな。というかほぼほぼ一緒だな。内緒なのは俺が明日香にあげる分と明日香が俺にくれる分か。とりあえず俺たちの分以外はほぼ一緒だし一緒に買いに行くか」

 

明日香「そうしましょうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「どうだ?お目当てのものはあったか?」

 

明日香「はい、ちょうどありましたね。ギリギリあと一つだったので・・・」

 

疾透「こっちも明日香にプレゼントする分が一つだけ残ってたから何とか変えたよ・・・これから家に戻って受験勉強の再開だな」

 

明日香「はい、またよろしくお願いします疾透さん」

 

そう言って俺たちはショッピングモールを後にした。途中明日香の家によって明日香の部屋にプレゼントを置いてきて部屋に鍵をかけてから俺の家に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後5時:森睦家リビング】

 

疾透「言い忘れてたけど、今日と明日は姉さんはこっちに帰ってこないから帰りたいときに言ってくれれば送るぞ」

 

明日香「そういえば今日からでしたっけ、海外の大学の受験日って」

 

疾透「ああ。ゆり先輩も同じところを受けるっていうから明日まで近くのホテルで勉強とか面接練習とかするんだと。だから今日はゆっくり過ごしたかったんだよな」

 

明日香「あー、なるほど・・・良かったですね疾透さん。無茶ぶり軍団の誰かが来なくて」

 

疾透「本当だよ・・・いつもこんな日常ならいいんだけど」

 

明日香「あはは・・・ってもうこんな時間ですか。そろそろ帰らないと…」

 

疾透「そうか?もう少しいていいのに」

 

明日香「あまり長居してもあれですし、少しは落ち着いた空間がいいと思ったので今日は帰ります」

 

疾透「無理強いはよくないしな。じゃあ家まで送っていくよ」

 

明日香「わざわざすみません」

 

疾透「いいって」

 

そう言って俺は明日香を家まで送り届けたあと、俺は家に帰って寝た。明日はクリスマスイヴだし、香澄たちも家に来るから少しでも体を休めないと後々持たないし・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

12月24日

 

【午前10時:森睦家】

 

(ピンポーン)

 

疾透「よく来たなみんな」

 

香澄「やっほー疾透くん!」

 

たえ「遊びに来たよー」

 

りみ「お、お邪魔します・・・」

 

沙綾「ごめんね、こんな朝早くに」

 

有咲「おい香澄とおたえ!ここに来た目的忘れんじゃねーぞ!」

 

明日香「お姉ちゃんが騒がしくてすみません…」

 

疾透「むしろいつもの学校生活に比べたら今日はまだ静かな方だよ・・・」

 

こうして騒がしくなりそうなクリスマス前夜のパーティが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香澄「これおいしいー!毎日食べたい!」

 

有咲「毎日は言いすぎだ!せめて1か月に1回にしろ!」

 

疾透「別に今日はクリスマス前夜のパーティだし弁当に詰める分には作ってきてもいいぞ」

 

沙綾「え、いいの?」

 

疾透「いつも材料買ってくるの俺だし」

 

有咲「水夏さん・・・こんなに出来のいい弟うちにもほしいです・・・」

 

りみ「有咲ちゃん、それこの間も聞いたよ…?」

 

たえ「私はお兄さんに欲しいかも」

 

りみ「おたえちゃん、それ昨日も聞いた・・・」

 

明日香「なんというか・・・騒がしいですね、今日のパーティ」

 

疾透「わかってたことだけどこれはどうしようもならないからしょうがないな」

 

こうして他愛もない雑談をしてプレゼントをあげてから今日は解散・・・のはずだったのだが、りみは少しだけ俺と話がしたいと言って俺の家に残った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後7時:疾透の部屋】

 

疾透「それで、話って何だ?」

 

りみ「うん、水夏さんもお姉ちゃんも一緒の大学を受験してるんだよね?」

 

疾透「ああ、そうだな。で、どうしたんだ?」

 

りみ「私、いつもお姉ちゃんに頼りっきりだったんだ・・・ベースを始めたのもお姉ちゃんがギターをやってたからだし、ベースの練習にずっとお姉ちゃんは付き合ってくれた。でも・・・お姉ちゃんが海外に行ったら私はどうすればいいのかわからなくなって…」

 

疾透「・・・それは俺も同じ考えだよ。俺もずっと姉さんに頼りっきりだった。『いつか一人暮らしをしなきゃいけなくなる時が来る』って姉さんは俺に言って、炊事洗濯とかを俺に付きっきりで教えてくれた。いつしか姉さんは俺の目の前からいなくなって自分の道を歩むんだろうなって考えたら寝れなくなった時だってあった。それをこの間初めて知った。りみが俺のことを慰めに来てくれた時だ」

 

りみ「疾透くん・・・だからあの時リビングからこっちに歩いてくる音が聞こえたんだね・・・」

 

疾透「盗み聞きしたのは悪いと思ってる。でも・・・あの時知ったことはもう一つあったんだ。」

 

りみ「・・・何かな?」

 

疾透「俺はりみのことが好きだってことにだ。りみは落ち込んでる時の俺を放っておかずに俺のことを慰めに来てくれたことがすごい嬉しかったんだ。その時からだな・・・俺がりみのことを気になり始めたのは。それからりみがゆり先輩と喧嘩して俺の家に来たことだって会っただろ?昔の俺なら突き放して他のバンドメンバーのところに泊めていらだろうな。どうしてしなかったのかわかるか?」

 

りみ「どうして…?」

 

疾透「『りみのことを守りたい』そう思ったからだ。あの時泣いてたりみを見たら昔の自分を思い出したんだよ。昔はよく姉さんと喧嘩して友達の家に世話になってたっけか・・・だから俺はその時思ったんだよ。『もう俺のような目に誰もあわせたくない、もしあの時と同じ状況になった人がいたら絶対に居場所を守ってみせる』って。」

 

りみ「疾透くん・・・わ、私なんかでいいの?私は引っ込み思案で、みんなとは違う環境で育って…疾透くんに比べたらいいところなんてないんだよ?そんな私のこと・・・好きだって言ってくれるの?」

 

疾透「ああ、そうじゃなきゃこうして告白なんてしないさ。もともと俺は不器用でこんなことはできない人間だったんだ。それを変えてくれたのは姉さんでも今日ここに来てくれた他のメンバーでもない。りみなんだ。りみが納得するまで俺は言う。俺はりみのことを一番近くで守りたいんだ。りみの笑顔、りみの居場所、りみのかけがえのない日常・・・りみにとっての守りたいものを俺にとっても守りたいものにしたいんだ」

 

りみ「は、疾透くん・・・疾透くん・・・!わ、私も疾透くんのことがずっと好きだった!それなのに言い出す勇気が全然なくて、もしも疾透くんに好きな人がいたらどうしようかって思ってて…」

 

疾透「それは俺だって一緒だった。りみのことが好きだって気が付いた時は告白する勇気なんてなかったし、りみに好きな人がいたらどうしようかって思ったらどうしようもなかったよ。でも俺は今日勇気を出してりみにこうやって告白してる。りみ、こんな俺だけど・・・これからよろしくね」

 

りみ「うん、うん…!これからよろしくね、疾透くん!」

 

そう言ってりみはこれまでに見せたことがないくらいに眩しい笑顔を俺に見せてくれた。今日の天気は雪で、今はもう夜の8時だ。そんな時に外に見える雪景色なんかよりも今のりみは眩しくて優しい表情だ。俺がりみに告白してそれを受け入れてくれた時はあの時のように泣いてくるかとは思ったけどそんなことはなかった。それどころか俺に甘えてくるように抱き着いてきた。いきなりのことで少し驚いたが俺はそれを受け入れ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はりみの唇にキスをした。クリスマスイヴということもあり、今日は一生で一番忘れることがない1日になった。キスをしたあと、りみは持ってきてる荷物から着替えを出した。どうやらしばらくゆり先輩が家に帰ってこないから今日はうちに泊まる気満々だったようだ・・・(明日は一度帰るとも言っていた)今度ゆり先輩に会ったら報告しなきゃな。あとポピパのメンバーにも・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ルミィ「いかがだったかね?」

沙綾「クリスマスイヴに告白かぁ…ロマンチックなことをするね疾透くん」

ルミィ「中の人(主)はこういう展開にする予定だったらしいですが、どこまで話を長くするかを考えた末今回は告白回になったとか」

沙綾「あはは・・・主さんも大変だね。(ちょっとメタ入ってるけど気にしないでおいた方がいいかも)」

ルミィ「沙綾ちゃんはあの後何してたんですか?」

沙綾「あの後は家に帰って弟と妹にプレゼントをあげたよ。そういえば疾透くんはどんなプレゼントをりみにあげたの?」

ルミィ「それについては主人公の疾透氏からお手紙をもらっています。では読み上げますね」

ルミィ「疾透『形に残るものがいいだろうし、やっぱりネックレスだろうな。形はりみが使ってるベースをモデルにしたものだ、りみといったらベースだし、これなら喜んでくれると思ってた。ちなみにネックレスは自作だ。それと・・・告白を受け入れてくれたときにはキスもプレゼントの範囲だった』とのこと。」

沙綾「うわぁ…疾透くんってネックレスも作れるんだ・・・女子力高いね」

ルミィ「これも姉の水夏さんの影響らしいです(小声)」

沙綾「水夏さんも女子力高いですね・・・モテそうです」

ルミィ「書いてはいませんが、実は水夏さんは彼氏持ちだったりします」

沙綾「えっ!?そうだったの!?時間軸はいつ頃なんですか!?」

ルミィ「2学期が始まる前あたりですね。ずいぶんストレートな告白だったようで」

沙綾「すごいね・・・そろそろお開きにしたほうがいいんじゃない?」

ルミィ「そうしましょうか。それではここまで読んでくれてありがとうございました」


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10話:Xmas Party

ルミィ「どうも、投稿ペースが1日1話が基本になってきましたよとルミィと」

有咲「Poppin'Partyのキーボード担当、市ヶ谷有咲だ。つーかなんでこんなとこに呼んだんだ?私は帰って盆栽の世話しなきゃなんねーんだけど」

ルミィ「まあ、他のみんなは前書きで出てきたのに有咲ちゃんだけ出さないのもどうかなーっと思って」

有咲「ま、まあその理由なら断る理由がねーし・・・」

ルミィ「(チョロいですね)しかし猫を被ってないのは意外ですな」

有咲「お前かしたら私はどんなイメージなんだよ!!」

ルミィ「あ、いつもの有咲ちゃんだ」

有咲「う、うるせー!さっさと本編行くぞ!」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

りみに告白した次の日・・・今日はクリスマスだ。昨日も家の周りはクリスマスイヴでクリスマスムードだったが、今日はクリスマス当日なため昨日よりもっと盛り上がっている。つぐみの家ではクリスマス限定ケーキを食べることができたり、沙綾の所ではクリスマスパンを買って食べることもできるとクリスマスイヴの夜に連絡をもらっていた。今日もポピパのメンバーがうちに来て本格的なクリスマスパーティだ。他のメンバーにりみは『ちょっと遅れてくる』とか適当なことを言ってごまかしているのであまり驚きはしないだろうが・・・当の本人は少し恥ずかしがったりしている。何せ初めて着る衣装らしいからな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

12月25日

 

【午前9時30分:疾透の部屋】

 

りみ「ほ、本当にこの衣装を着てみんなの前に出るの…?めっちゃ恥ずかしい・・・」

 

疾透「恥ずかしいなんて今更だろ?ライブ衣装も似たようなものだし」

 

りみ「そうだけど、それとこれは別っていうか・・・」

 

(ピンポーン)

 

りみ「香澄ちゃんたち、もう来ちゃったの…?10時に来るとか言ってたのに…」

 

疾透「考えてみてくれ、香澄たちがきっちり時間通りに来るか?」

 

りみ「・・・ないね」

 

疾透「だろ?それじゃあ俺はリビングに出て香澄たちを家に入れるから合図したら出てきてくれ」

 

りみ「うん、わかったよ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【玄関】

 

疾透「いらっしゃい、みんな」

 

香澄「おっじゃましまーす!あっ、鶏肉のいい匂い!」

 

たえ「オッちゃん」連れてきたけどいいよね?」

 

疾透「ダメだ、一度家に戻ってから来い」

 

沙綾「さすがにウサギを家に連れてくるのはどうかと思うよおたえ」

 

有咲「だから言ったろー、ウサギを連れてくるのはダメじゃないかって」

 

明日香「またお世話になります・・・」

 

疾透「多分一番苦労してるのは有咲だな・・・まあこんなところで立ち話もあれだし早く上がれよ」

 

沙綾「そういえば疾透くん、りみは?りみはあの後ちょっとこっちに残ったんだよね?」

 

疾透「それについては後で説明するから」

 

有咲「後でちゃんと納得いくように説明しろよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前10時:リビング】

 

疾透「ちょっとご飯を食うのは待ってくれ、りみに連絡入れる」

 

有咲「わーったよ、早く戻って来いよ?」

 

疾透「連絡入れるだけだからすぐ済むぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《GYNE》

 

疾透「りみ、知っての通りみんなが来た。30分後に部屋から出てきてくれ」

 

りみ「うん、30分後だね。みんな驚くだろうなぁ…」

 

疾透「そうだな、みんなの驚く顔が楽しみだよ。それじゃあ30分後にまたな」

 

 

《GYNE終了》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有咲「りみ、なんだって?」

 

疾透「あと30分もしたら来るんだと。それまでは普通にしゃべるか」

 

香澄「えー!?早く食べたい―!」

 

疾透「もうちょっと待て、りみが来た時にりみが食べるのがなくなったら困るだろ?」

 

たえ「それもそっか。何から話す?」

 

疾透「みんなは帰ってから何してたんだ?」

 

明日香「私はお姉ちゃんにサンタコスを着せられてすごい写メとられました・・・」

 

たえ「私はオッちゃんにサンタ帽と服で着せかえして遊んでたよ」

 

有咲「私は盆栽が枯れないように蔵の中に入れたりしてたな、枯れたらまた買いなおさなきゃだし」

 

沙綾「私は妹と弟と一緒にプレゼント交換したよ。二人からもらったプレゼント、とても嬉しかったから後で見せるね」

 

有咲「で、疾透は何してたんだ?」

 

疾透「りみと一緒にちょっとお話してたよ。といってもあまり大したことじゃなかったけど」

 

有咲「ふーん・・・?珍しいな、疾透にしては。もうちょっとこう、世間話とかすると思ってたんだけど」

 

疾透「俺だってそんなニュースとかいつも見るわけじゃないし、キーボードを弄ってる時が多いからあまり話さなくていいだろうなって。と、そろそろ30分か。」

 

香澄「私、玄関で待ってるよ!」

 

たえ「私も玄関で待とうかな。沙綾と有咲はどうする?」

 

沙綾「私はここで待とうかな、どのみち会うわけだし」

 

有咲「私も沙綾と同じでここで待つぞー」

 

明日香「私も沙綾さんたちと同じで」

 

疾透「んじゃ香澄とたえが玄関に向かったところでご本人さんに来てもらうか」

 

有咲「は?今なんて言った?」

 

疾透「いやだから、りみご本人に来てもらおうかって」

 

明日香「え?意味が分からないんですけど・・・」

 

疾透「鈍すぎないか・・・?まあすぐわかるし。ちょっとりみに電話かける」

 

(プルルル・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【疾透の部屋】

 

りみ「あっ、疾透くんから合図のワン切り電話だ。そろそろ時間だし・・・みんな待ってるだろうなぁ…な、なんとかなる・・・よね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【リビング】

 

有咲「で、りみはいつ来るんだ?もうすぐ30分だぞ」

 

疾透「もうすぐだ、といっても本当にすぐなんだけど」

 

俺がそう言うと部屋のドアが開いてりみが出てきた

 

 

りみ「み、みんなおはよう・・・でいいのかな?」

 

沙綾「りみ、おはよう…ってなに、その格好?」

 

有咲「一瞬誰かって思ったじゃねーか!」

 

明日香「でもりみさん、とても似合ってますよ」

 

りみ「でもめっちゃ恥ずかしい・・・」

 

りみが着ていたのはサンタのコスチュームだ。なぜか水夏姉さんが受験に行く前日に買ってきていたのだという・・・その真意は不明なままだ

 

香澄「有咲の声が聞こえたけど何かあったのー?あ、りみりん!その格好すごく似合ってるよ!」

 

たえ「りみとオッちゃんを並べたら絵になるかな?」

 

有咲「で、なんでりみが疾透の家に私たちより早く来てたんだよ?」

 

りみ「そ、それは・・・」

 

疾透「別に隠すことじゃないだろ?」

 

りみ「それはそうだけど、恥ずかしいよ・・・」

 

有咲「で、何でりみがここに早く来てたんだ?」

 

疾透「有咲たちが帰った後、りみはうちに泊まったんだよ」

 

有咲「…は?りみが疾透の家に泊まった?」

 

疾透「んでもって、俺とりみは付き合うことになったんだ」

 

有咲「はあああああああ!?」

 

りみ「そ、そういう事だよ有咲ちゃん・・・」

 

沙綾「そっか、二人ともおめでとう。」

 

香澄「りみりんと疾透くん、おめでとうー!」

 

有咲「そういうことは早く言えよ!何かあったのかって思ったじゃねーか!」

 

疾透「何かあったっていう見解は正しいけどな。」

 

たえ「それで、どっちから告白したの?」

 

りみ「は、疾透くんからだよ・・・私から言うなんてめっちゃ恥ずかしくて…」

 

明日香「まあ、お二人ともおめでとうございます。クリスマスイヴに告白なんてロマンチックですね」

 

疾透「俺も言うのは少し恥ずかしかったけどな…まあこうして恋人同士になれて嬉しいって気持ちが今はあるから恥ずかしかったのはもうなくなってるけどな」

 

有咲「それでもりみが来る前に言えよ!」

 

疾透「りみがいないところで言っても有咲たちは信じてたか?」

 

有咲「・・・信じてねーな」

 

疾透「だろ?だからみんなの前で言った方がいいと思ったし、りみのサンタコスを見せれるしこの方が手っ取り早いってりみと相談した結果だよ」

 

有咲「これ以上言っても無駄だろーな…で、二人はしたのか?そ、その・・・」

 

明日香「キス・・・ですよね?」

 

疾透「まあ、な・・・りみがいきなり俺に抱き着いてきて、それを俺が受け入れてから少し時間を空けてから俺からキスした」

 

りみ「うぅー…あの時は恥ずかしかったよ・・・」

 

沙綾「それでりみ、今幸せ?」

 

りみ「うん!めーっちゃ幸せだよ!」

 

沙綾「そっか、よかったね。疾透くん、りみは引っ込み思案で少し恥ずかしがり屋だけどお願いね。」

 

疾透「言われなくても」

 

香澄「それよりお腹すいたー!早く食べようよー!お肉冷めちゃうー!」

 

疾透「おっと、それもそうだな。そろそろ食べるか」

 

俺たちは2人で用意していた料理をお腹いっぱいになるくらいに食べた。中でも香澄は今日のために夜ご飯を抜いていたらしく、二人分くらい食べていた・・・まあおいしそうの食べてたし作った側の俺たちとしては嬉しいんだけど、どこに置いていたのかたえのやつがウサギのオッちゃんを連れてきていくつかの料理を食べさせていた・・・おいウサギにそんなもの食べさせていいのか?とたえに聞いたら『オッちゃんは普通に食べれるよ?』と言っていたので返す言葉もなくなったのは言うまでもない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後4時:リビング】

 

香澄「そろそろやろうよ!」

 

たえ「何を?」

 

沙綾「プレゼントをあげる、だよね?有咲は?」

 

有咲「持ってこねーわけねーだろ!」

 

明日香「私もちゃんと持ってきてますので・・・はい、これはお姉ちゃんに。」

 

疾透「これは有咲に、これは沙綾に。これは・・・」

 

とまあこんな感じにみんなにクリスマスプレゼントを配った。中にはクリスマスプレゼントにしては高かったものや、なぜか季節外れだったものもあったりした・・・誰が持って来たのかは想像に任せよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後6時】

 

有咲「んじゃ私はもう帰るわ。2人の邪魔しちゃいけねーしな」

 

りみ「あ、有咲ちゃん!別にまだいて大丈夫だから・・・」

 

香澄「それじゃあ私も帰ろ~っと!」

 

りみ「香澄ちゃんまで!?」

 

たえ「私もウサギたちにサンタコスを着せないといけないから帰ろっかな」

 

りみ「おたえちゃんも!?」

 

沙綾「さっきお母さんから連絡来たから私も帰ろうかな。」

 

りみ「沙綾ちゃん!?」

 

明日香「お姉ちゃんが帰るなら私も帰りますね。」

 

りみ「明日香ちゃんも・・・!?」

 

疾透「みんながそう言うなら止めるのも野暮だしな。みんなの言葉に甘えるのもいいだろ」

 

りみ「でも・・・」

 

香澄「2人っきりのホワイトクリスマス、楽しんでねー!」

 

そう言って香澄たちはそれぞれの帰路についた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後7時:疾透の部屋】

 

疾透「なんとなく虚勢をはってみたけどやっぱり二人きりの時って緊張するな・・・」

 

りみ「う、うん・・・なんかみんなに丸め込まれたような感じがするね・・・」

 

疾透「なあ、それいつまで着てるつもりなんだ?」

 

りみ「えっと・・・今日はお姉ちゃんが帰ってくるから私が家に帰るまで・・・かな」

 

疾透「・・・そっか。俺は嬉しいな、その衣装を気に入ってくれたみたいで」

 

りみ「なら来年も来てみようかな…なんて」

 

疾透「今年は俺が頼んだみたいな感じだったし来年着るかどうかはりみに任せるよ」

 

りみ「それじゃあ来年も着ようかな・・・でも今のスタイルもキープしないと着れなくなっちゃうかもだから・・・」

 

疾透「あー…確かにな。りみはチョココロネが好きだし、甘いものは女の子の天敵っていうし今のスタイルをキープするならチョココロネは控えた方がいいかもな・・・」

 

りみ「でもチョココロネも食べたいし・・・」

 

疾透「まあ、りみがやりたいようにするのが一番だ。」

 

こんな感じの話をしてりみが帰るまで時間を潰した・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後8時】

 

りみ「もうこんな時間だね・・・そろそろお姉ちゃんが帰ってくるから私はそろそろ帰らないと…」

 

疾透「今日は水夏姉さん、ゆり先輩の家に泊まるって言ってたから今日も俺一人だな。」

 

りみ「大丈夫?」

 

疾透「まあ・・・姉さんたちが海外の大学に受かったら必然的に一人暮らしになるだろうし今のうちに慣らしておかないとだし大丈夫だ。りみも大丈夫か?ゆり先輩が海外の大学に受かったらりみも一人暮らしなんだろ?」

 

りみ「そうだね・・・でも料理とかは一通りできるし多分大丈夫だとは思うけど・・・」

 

疾透「俺でよければ料理とか教えるぞ。今後の生活に役立つだろうし」

 

りみ「それなら今度時間がある時にお願いしてもいいかな?」

 

疾透「ああ、それくらいならお安い御用だ。」

 

りみ「ありがとう、疾透くん。それじゃあまた今度・・・だね」

 

疾透「次は会うときは多分大晦日だな」

 

りみ「あ、疾透くん、ちょっといいかな?」

 

疾透「どうした、りみ?」

 

りみ「んっ…」

 

そう言ってりみは少し背伸びをしてキスしてきた・・・

 

疾透「・・・りみ」

 

りみ「えへへ、今度は大晦日…だね。それじゃあ疾透くん、またね」

 

疾透「そうだりみ、忘れ物だぞ」

 

りみ「忘れ物?今私が持ってるもので全部だけど・・・何かあったかな?」

 

りみは目を丸くして疾透が言った意味があまりわからなかったようだった。俺はさっき言った意味をりみにわからせるように・・・俺はりみにキスをした。

 

疾透「俺からりみへの特別なクリスマスプレゼント…だ」

 

りみ「・・・えへへ、それじゃあ・・・今度こそまたね」

 

疾透「ああ、また大晦日でな」

 

そう言ってりみは俺の家を出て自分の家に帰った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「さて・・・食器とかを片づけなきゃな・・・あいつら、テーブルとかをこんなに汚して・・・片づけるのは俺なんだけど」

 

結局、俺は風呂に入って寝るまで2時間半ほどかけて食器を洗ったりテーブルを濡れた雑巾で拭いたりと忙しかった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ルミィ「どうだったでしょうか?」

有咲「なあ…香澄とかが持って来たんだろ、季節外れのプレゼントって。何持って来たんだ?」

ルミィ「サボテンとか携帯できる除湿器とかですね。サボテンはおたえのプレゼントで、除湿器は香澄のプレゼントです。」

有咲「なんだ、香澄にしては普通じゃねーか。でも12月に除湿器っていらねーよな・・・あと一つ聞いてもいいか?」

ルミィ「なんでありましょう?」

有咲「主人公の名前、どうやって決めてるんだ?」

ルミィ「そこに突っ込むとは・・・まあ、ありきたりな名前だとひねりがないって思ったのでどうせなら一風変わった名前がいいかなって思いましたね。でも名字の方には結構悩まされてます」

有咲「そうなのか?結構あっさり決めてそうなんだけど」

ルミィ「いやー、それがタイトルに会うような名前にしようとひねったら10分くらい軽く使っちまいまして。あっはっは」

有咲「笑い事じゃねー!じゃあ聞きたいことも聞き終わったし終わるぞ!」

ルミィ「そうですね。ここまで読んでいただきありがとうございました」

有咲「ま、まあ・・・感想とか評価あったら喜ぶかもしれねーし・・・ベ、別にうれしくなんてねーからな!」


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11話:みんなで過ごす新しい日々の始まり

ルミィ「どうも、今回のゲストはこの方です」

ゆり「Glitter*Greenのギター&ボーカル担当の牛込ゆりです。今回はどうして私なんですか?」

ルミィ「いや、Poppin'Partyのメンバーは出きったので、今作品のヒロインであるりみちゃんのお姉ちゃんに出てもらおうかと思った所存です。」

ゆり「なるほど、たしかにそうですね。今作品は妹のりみがいるPoppin'Partyが主軸ですし」

ルミィ「そう考えるとお姉さんのゆりさんにも出てもらわないとなーんか後味が悪く感じるんですよね…」

ゆり「わかります…それじゃあ本編に行きましょうか」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は大晦日だ。1年の最後の日は大体の人は家族と過ごしたり、友人の家でゆっくりしたりと多種多様である。そんな中、俺は思い出にふけっていた。今年一年は色んな事があった。共学になった花咲川学園でたくさんの新しい友人と会うことができた。ある時は弁当のおかずを取り合ったりしてワイワイ賑わったり、放課後には屋上で先輩たちと今日何をしていたかなども話し合ったりした。時には落ち込んでみんなに迷惑をかけたこともあった。そんな中でも一人のクラスメイトが俺のことを励ましたりしてくれて立ち直ることができた。でもそのクラスメイトもある日お姉さんと喧嘩してうちに泊まりにきたりもした。そんなクラスメイトのことを放っておくこともできなかった俺はお姉さんとクラスメイトの仲介役を請け負ったりもした。今では普通に姉妹として接しているので俺としても一安心だ。そして今年のクリスマスイヴ、俺はそのクラスメイトに告白した。最初はその人に好きな人がいるかもしれないという考えが頭の中によぎり、告白する勇気はなかった。でもその人は俺に勇気をくれた。告白は成功し、俺たちは恋人になった。そして今俺たちはその恋人が所属するガールズバンドの住んでいる家に向かってる途中だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

12月31日

 

【午後1時:流星堂へ向かう道中】

 

疾透「しかし寒いな・・・冬っていってもまだ始まったばかりだろ?なんでこんなにも寒いんだよ・・・」

 

りみ「しょうがないよ、今日は一日中雪って言ってたし・・・疾透くん、手袋しても寒いの?」

 

疾透「俺は寒いのが好きじゃないんだよ・・・雪が降ってる時は一日中炬燵に籠ってるか一日中寝てるかの二択なんだし・・・寒っ」

 

りみ「もうすぐ有咲ちゃんの所の蔵だからもう少しの辛抱だよ。あそこは暖房も入ってるし外よりかは暖かいから・・・」

 

疾透「なありみ、ゆり先輩のことが心配か?」

 

りみ「ど、どうしてわかったの!?」

 

疾透「だって、ずっと思いつめたような顔してるからさ。心配なのはわかるけど、それは俺だって同じだ。姉さんもゆり先輩と同じ大学に行くかもしれないんだし、血のつながった姉のことを心配しない弟なんていないし、りみも心配してるんじゃないかって」

 

りみ「うん・・・お姉ちゃん、大丈夫かな…?」

 

疾透「ゆり先輩たちなら大丈夫だって。信じよう、ゆり先輩たちを」

 

りみ「うん・・・」

 

疾透「ほら、流星堂が見えてきたから一旦この話はおしまいだ。早く行くぞ」

 

りみ「は、疾透くん待って…!早く温かいところに行きたいのはわかるけどそのまま走ると転ぶよ?」

 

疾透「大丈夫だって、俺はテニス部に入ってるんだし反射神経は元からよかったんだからこんなことで転んだりしないよ。ほら、りみも早く行こう」

 

そう言って俺たちは手を握って流星堂まで歩いていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後1時30分:流星堂前】

 

(ピンポーン)

 

有咲「やっと来たか・・・お前たちで最後だから早く入れ!」

 

疾透「今日が今年最後だからって焦りすぎじゃないか有咲?もうちょっと普通に対応しないとこの先不安だぞ」

 

有咲「香澄たちでさえ12時に来たんだぞ!それをお前たちはー!」

 

疾透「はいはい、説教は後で受けるからとりあえず入れてくれ。寒くてたまらん」

 

有咲「ったく・・・香澄とおたえがいつもの調子だから疲れるんだよ・・・」

 

りみ「あはは・・・香澄ちゃんとおたえちゃんらしいね・・・」

 

有咲「とりあえず入ったら香澄とおたえを止めてくれ・・・」

 

疾透「わかってるよ」

 

そう言って俺たちは流星堂に入った。入って早々香澄が騒いでいるものだから俺が香澄のストッパーになったのは当然だった。今日は明日香は家族と過ごすというので今この場にはいない。まあ香澄を止めるのには一苦労なんだけどな・・・結局は物で釣って無理やり止めた。

 

香澄「ねえ疾透くん!一回私たちで音合わせてみない!?」

 

疾透「はい?」

 

たえ「だから、一度私たちで音合わせてみない?」

 

疾透「いやいやなんでそうなるんだ?というか俺はポピパのマネージャーだろ?最近は他の楽器の仕組みとかもわかってきたけどいきなりすぎないか?」

 

沙綾「ほら、疾透くんって私たちの面倒見てくれてるじゃん?偶にはやってみない?」

 

疾透「そうは言われてもな・・・今日はキーボード持ってきてないし、明日は朝早くから神社にお参りと初日の出を見に行くんだろ?大丈夫なのか?」

 

りみ「一回音を合わせるだけなら大丈夫だよ」

 

有咲「諦めろ疾透、5対1だ」

 

疾透「しょうがないな・・・で、俺はどれを使ったらいい?」

 

りみ「疾透くんがやりたいのでいいんじゃないかな?」

 

疾透「じゃあ・・・今回はドラムをやってみたいかな。」

 

沙綾「了解。じゃあ私は今回聞く側だね。なんだか新鮮だなぁ、いつも演奏する側だし」

 

疾透「まあ今この中で一番慣れてない楽器だし、少しでも勉強しないと」

 

まあこういう感じに、香澄が思いついたのは偶に俺が他の楽器を使って音を合わせることだ。その時はポピパの誰か一人が聞く側になるのでその時はアドバイスをもらったりもしているから非常に助かっている。ちなみに香澄の説明はとてもざっくりなのでその時はたえに助けてもらってる。こういう時のたえほど頼りになるのはないけど普段からその調子で頼む・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後11時45分】

 

疾透「もうすぐ今年も終わりか・・・なんだかんだで色々あったな。」

 

香澄「そうだね!入学式の時に疾透くんに出会って」

 

たえ「同じクラスで同じ時間を過ごして」

 

りみ「私は入学式の日の朝に疾透くんに出会って・・・」

 

沙綾「時には私がみんなに心配かけたこともあったっけ」

 

有咲「私だけ別のクラスだったけどそんなの関係なしに話したりしたな」

 

疾透「それから俺は紗夜さんからライブを見に来ないかって誘われて今はこうしてポピパのマネージャーやってるし」

 

香澄「みんなでクリスマスを楽しんだりもしたよね!」

 

りみ「それと、クリスマスイヴの日に疾透くんから私が告白を受けて・・・」

 

疾透「今俺とりみは恋人同士で」

 

たえ「練習の休憩の時にりみが疾透くんにベッタリくっついてたりしたよね」

 

有咲「だなー。あの時はめちゃくちゃ甘い雰囲気出してたから見てるこっちの方が恥ずかしかったけど」

 

りみ「あ、あれは忘れて!」

 

疾透「ま、今年一年はこのメンバーで過ごせて嬉しかったよ。っと・・・もうすぐだな、カウントダウンするか。6!」

 

有咲「5!」

 

沙綾「4!」

 

りみ「3!」

 

たえ「2!」

 

香澄「1!」

 

全員「「「「「「明けましておめでとうございます!今年も一年よろしくお願いします!」」」」」」

 

こうして新年をポピパのメンバーと迎えた。その後はみんなで有咲の婆ちゃん手打ちの年越しそばを食べ、みんなは寝た。俺はというと、みんなが雑談してる間に眠りこけてそのまま少し寝ていたため眠気が来ず、ずっと起きていた。

 

 

 

 

 

 

 

1月1日

 

【午前5時:流星堂】

 

疾透「おーいみんな、起きろー。みんなで初日の出見に行くんだろ?」

 

香澄「今何時―…?」

 

疾透「もう朝の5時だ。早く起きて出ないと初日の出が見れないぞ」

 

有咲「やっべー!もうそんな時間かよ!?急いで支度して出るぞ!」

 

たえ「おおー、有咲張り切ってるー」

 

沙綾「あはは、結局はみんないつも通りだね」

 

疾透「それがポピパのいいところだからな。」

 

りみ「それじゃあ支度していこっか」

 

そうりみが言って俺たちはしたくして初日の出が見れる神社まで歩いていった。昨日の夜には道に雪が積もっていたが、夜から雪かきをしていた人もいたらしく、ここ一体の道の雪はどけられていたため神社まではたいして苦はなく行けた。途中から寒くて動けないメンバーが出た時は仕方なくおんぶしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前5時30分:神社】

 

疾透「ギリギリっぽいな・・・まあみんなは着物を着る時間があったししょうがなかったけど約2名ほどマイペースで歩いてたからな・・・」

 

有咲「つーわけで香澄は新年早々で悪いけどトレーニングなー」

 

香澄「そんな殺生なー!新年あけて間もないから少しくらいゆっくりさせてよー!」

 

疾透「大丈夫だ香澄、1日3時間のランニングコースだから」

 

香澄「3時間でも苦行だよ!鬼!悪魔!人でなし!」

 

りみ「香澄ちゃん、大丈夫だよ。私だって何とか乗り越えれたから・・・」

 

沙綾「私は3日で終わったし大丈夫だって」

 

疾透「体力がついたと思ったらそこでトレーニングは終わりだから頑張った分だけ早く終わるぞ」

 

香澄「うー・・・頑張る!あっみんな!初日の出だよ!」

 

疾透「初めて見たけど初日の出ってこんなに明るいんだな・・・」

 

りみ「私はお姉ちゃんと一緒に去年見に行ったけど去年より明るいなぁ…」

 

疾透「そうなのか?」

 

りみ「うん。その時はまだ私は中学生だったから香澄ちゃんたちとは会ってないから二人だけだったよ。」

 

有咲「私はずっと蔵に籠りっぱなしだったからな」

 

香澄「私は明日香と一緒に炬燵で寝てた!」

 

たえ「私はウサギと一緒に炬燵で寝てたよ」

 

沙綾「私は弟と妹と一緒にトランプで遊んでたなぁ…」

 

疾透「お前ら・・・」

 

彩「あれ?疾透くんと香澄ちゃん?」

 

疾透「…ん?彩さんに千聖さん、それにイヴと麻弥さんに日菜さんまで。パスパレの皆さんも初日の出を見に?」

 

千聖「ええ。今年の新しい目標のゲン担ぎで初日の出を見に行こうってなったのよ。」

 

イヴ「私たちは大晦日と元旦はお休みをいただいていたので日本での初日の出を見たかったので皆さんをお誘いしました!」

 

麻弥「ジブンたちは日菜さんの家に泊まってからバスでここまで来ましたねやっぱり他の方も初日の出を見たかったのか雪かきをされていたみたいですし。」

 

日菜「うん、初日の出ってやっぱりるんってくるね!去年より明るーい!」

 

彩「え?日菜ちゃん去年も見に行ったの!?」

 

日菜「うん!おねーちゃんと一緒に!」

 

疾透「そういえばアイドルバンドを組んだのは去年のちょうど半ばくらいだって聞いたのでその時は暇だったんですね・・・よく紗夜さんを誘えましたね」

 

日菜「おねーちゃんも見たかったみたい!」

 

疾透「(紗夜さん・・・日菜さんに甘いですね。)」

 

千聖「それよりも、ずっと気になっていたのだけど疾透くんとりみちゃん、さっきからずっと手を繋いでないかしら?」

 

りみ「ふぇっ!?い、いつからだったっけ・・・」

 

疾透「確かこっちに着いてからだったな・・・りみがずっと手に自分の息をかけていて寒いんだろうなって俺が手を握ってそのままだったか」

 

日菜「もしかしてー、二人って付き合ってたりする―?」

 

麻弥「日菜さん!?いきなり何を言ってるんですか!?そんな当てずっぽうが当たってるわけ・・・」

 

りみ「は、はい・・・」

 

麻弥「えーっ!?」

 

日菜「あはは、やっぱりかー♪」

 

疾透「やっぱり日菜さんの洞察力はすごいですね。俺も見習った方がいいかもしれません」

 

イヴ「お二人とも、いつからお付き合いを始めたんですか?」

 

疾透「去年のクリスマスイヴ・・・まあほぼ1週間くらい前からだな。」

 

千聖「あら、とてもロマンチックなクリスマスイヴになったわね。2人とも、お幸せにね。」

 

りみ「あ、ありがとうございます・・・」

 

千聖「それじゃあ私たちはそろそろ帰るわね」

 

有咲「あれ、もう行っちゃうんですか?」

 

彩「今日は早くから日菜ちゃんに起こされて眠いんだよ・・・」

 

たえ「何時から起こされたんですか?」

 

彩「えっと・・・朝3時…」

 

疾透「…日菜さん」

 

日菜「テヘッ」

 

疾透「そこは照れるところじゃないです」

 

イヴ「それではこれで私たちはオサラバします!また学校でお会いしましょう!」

 

香澄「うん!彩先輩たちもまた学校で!」

 

そう言ってパスパレのみんなは神社を出て行った

 

疾透「なんだかんだでパスパレのみんなもいつも通りだな。これはたぶん他のバンドメンバーもいつも通りだろ」

 

有咲「いきなり変わったら普通に驚くからいつも通りの方が助かるんだけどな・・・」

 

疾透「まあなんだ、改めて今年もよろしくな」

 

ポピパメンバー「「「「「うん!(ああ!)」」」」」

 

こうして初日の出を見た俺たちは自分たちの家に戻ってポピパメンバーは朝早く起きたので眠気が来たので昼まで寝た。ただ俺は少し家の周りをランニングしてから寝ることにしたので少しだけ走った。途中他のバンドメンバーにも会って少しだけ話をしてその後は家に戻ってそのまま寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ルミィ「いかがだったでしょうか?」

ゆり「いいなあ初日の出。私たちは夜遅くまでテレビ見ててそのまま寝ちゃってて初日の出を結局見逃しちゃったよ・・・」

ルミィ「まぁいいじゃないですか。来年にでも見れば」

ゆり「それもそうですね。ところで主さん、一つ質問いいでしょうか?」

ルミィ「はいなんでしょう?」

ゆり「時間軸としてもうすぐりみたちは2年生になるけど、これからの内容はどうするんですか?」

ルミィ「いい質問ですね、ではお答えしましょう。『2年生編と1年生編はストーリーが繋がっています。』2年生編を書くとしたらアニメでいう2期というところですね。たぶんその時になったらゆりさんはもちろん主人公である疾透くんのお姉さんである水夏さんの出番は多分少なくなるかと・・・そこはすみません」

ゆり「いいんですよ、主さんが書きたい内容で。私の出番が減っちゃう可能性があるのは少し寂しいですけど、少しでも長く続けばそれだけ書く内容が増えるってことですよね?」

ルミィ「Exactly(その通りでございます)。それでは今回はこの辺で。ご感想、評価を心よりお待ちしております」


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12話:未来への旅立ち

ルミィ「どうも、朝に弱いですよルミィと」

水夏「ここ最近出番が少なかったですと森睦水夏です。」

ルミィ「すみませんね水夏さん、出番が少なすぎて・・・」

水夏「大丈夫ですよ。私をこの小説に出してくれただけでも嬉しいですから」

ルミィ「そう言ってもらえると嬉しいですね。前作は妹をオリキャラとして入れましたので今作では姉を入れたかったので水夏姉さんに今回は来てもらったわけです」

水夏「なるほど・・・主さんも大変なんですね」

ルミィ「ええ・・・本当に大変ですよ。それでは本編へ行きましょう」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・みんなは覚えているだろうか、俺が以前に言ったことを。今日は俺の誕生日・・・つまりバレンタインデーである。多分クラスメイトはおろか同じ学年の友人もチョコを持ってくるだろう…今年は去年の何倍だろうか・・・胃がキリキリしつつ今日の朝を迎えた。ちなみに大学の合格発表は今日の午後4時、つまりは放課後にはわかるという。さすがに自分たちで調べるのはちょっとばかり気が引けるので姉さんは俺に、ゆり先輩はりみに、という感じでGYNEを通じて教えてもらう感じになっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2月14日

 

【午前7時30分:森睦家リビング】

 

疾透「・・・」

 

水夏「なーにしょぼくれてるの疾透?」

 

疾透「姉さんだってわかってるだろ…今日は俺の誕生日なんだよ。今年はどれだけのチョコをもらうのか…」

 

水夏「去年は普通の中学校だったから量は少なかったけど・・・今年から通い始めた高校は元は女子高で今年から共学になったものの男子生徒は疾透一人だからね。私は今日は羽丘に顔を出すだけなんだけど、多分後輩たちからもらうんだろうなぁ…」

 

疾透「他人事だと思って・・・まあいいや、俺はもう行くから」

 

水夏「行ってらっしゃい、疾透」

 

そう姉さんに言って俺は家を出て学校へ足を進めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【通学路】

 

疾透「はぁー・・・」

 

有咲「ずいぶんと大きいため息だな、何かあったのか?」

 

疾透「そういえば有咲にはまだ言ってなかったか。今日は俺の誕生日なんだよ・・・」

 

有咲「それとこのため息に何の関係があるんだよ?」

 

疾透「有咲は今日が何の日か知ってるだろ?」

 

有咲「今日ってバレンタインデーだろ?それとこれに・・・あっ」

 

疾透「そうだよ・・・今日は少し出てくるのが遅れたから今頃クラスメイトは全員教室に入ってるだろうし…」

 

有咲「まあその・・・なんだ、ドンマイ。それと・・・こ、これ…」

 

疾透「これってもしかして・・・チョコか?」

 

有咲「け、けっしてお前のために作ったわけじゃねーからな!そこのところは勘違いすんじゃねー!」

 

そう言って有咲は花咲川までダッシュしていった

 

疾透「こんな時まで猫を被るのか有咲は・・・ま、いつもと変わらない日常だしこんなのが続けばいいんだけど…な。そろそろ俺も教室に行かないと。遅刻になりそうだし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前8時:花咲川学園1ーA】

 

疾透「みんな、おは・・・よ・・・う・・・?」

 

俺が教室に入ってきたとき真っ先に目に入ったのは・・・俺の机の上が謎の箱で埋め尽くされていた状況だった。やっぱり俺が予想してた通り、クラスメイトはおろか同学年の友達も持ってきていたみたいだった。

 

はぐみ「おはようはーくん!今日はすっごいね!机の上がチョコの箱でいっぱいだよ!」

 

イヴ「ハヤトさん、モテモテですね!」

 

たえ「おはよう疾透くん。今日は一段と暗い顔だね?」

 

香澄「こんな時でも笑顔笑顔!」

 

りみ「あはは・・・」

 

沙綾「疾透くん、言いたいことはわかるけど・・・とりあえずこれを何とかしよっか。」

 

疾透「ああ…とりあえず手伝ってくれ。今日は見る限り去年の5割増しだから少し大きめのトートバッグを持ってきておいてよかったよ・・・(あとで黒服の人たちを呼んで家に運んでもらおう)」

 

そうして午前中の授業は終わって昼食の時間となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後12時:花咲川学園屋上】

 

あれから俺はみんなに気づかれないように黒服の人たちを呼び、今日貰ったチョコを俺の家に運んでもらった。

 

疾透「はあ・・・今日はまさか去年の5割増しだったとは…食べる側も苦労するんだぞチョコは・・・」

 

燐子「ごめんなさい…」

 

疾透「燐子さんは悪くないですよ。ただチョコをくれたことには感謝してます。紗夜さんも彩さんも千聖さんも花音さんもありがとうございます」

 

紗夜「私は日菜に言われたので仕方なく・・・」

 

彩「私は偶に疾透くんにお世話になってるからそのお礼だよ!」

 

千聖「私は花音のことを助けてもらってたりしてたからそのお礼ね」

 

花音「私はハロハピのことを助けてもらってたりしたから・・・」

 

沙綾「疾透くん、先輩たちからも人気だね…」

 

疾透「今年のバレンタインは一番過酷なような気がする…」

 

りみ「私たちの学年だけでも多かったのに燐子先輩たちからももらうと相当な量だよね…」

 

疾透「暫くはチョコだけで生活できそうな量だ・・・香澄、本当にあれで自重してたのか?」

 

香澄「あっちゃんと私の分でああなったよ?」

 

疾透「やっぱりか…!」

 

たえ「私のはどうだった?」

 

疾透「たえにしてはちゃんと言われたことを守ってたな。でもお前たちは本当に自重したか?」

 

そう言って俺はこころとはぐみの方を見た

 

はぐみ「ごめんねはーくん、つい張り切りすぎちゃって…」

 

こころ「私は時間を忘れて作ってたらかなりの大きさになっていたわ!」

 

疾透「それでもこころのあのチョコはさすがに自重してほしかったが・・・」

 

こころが持ってきたチョコはなんと、等身大の自分をかたどったようなチョコだった・・・これにはさすがのクラスメイトも引いていた

 

疾透「頼むからお前たちは本当に『自重』の意味を広辞苑とかの辞書で調べてから頼むな・・・」

 

はぐみ「はーい!」

 

疾透「にしても意外だったのが有咲も作ってきてたことだな。それも朝一に会った時に渡されたし」

 

有咲「し、仕方ねーだろ!お前たちとはクラスが違うんだし・・・」

 

香澄「有咲―!抜け駆けはずるいよー!」

 

疾透「貰った中で2番目に大きかったお前が言えたことか!!」

 

こうして花咲川のバンドメンバーで過ごした騒がしい昼休みは終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【放課後:花咲川学園屋上】

 

疾透「・・・」

 

りみ「・・・」

 

俺たちはゆり先輩たちの試験結果を屋上で待っていた。

 

疾透「なんか俺たちのことじゃないのに緊張するな・・・」

 

りみ「そうだね・・・試験のことはお姉ちゃんからは何も聞いてないしそんなそぶりは見せなかったから大丈夫だとは思うんだけど・・・」

 

疾透「姉さんもそんな感じだったからな・・・勉強は人一倍頑張ってたみたいだけど内心は結構焦ってたんだろうな・・・ゆり先輩は俺のことを応援してくれたし、姉さん以上に心配だ・・・」

 

りみ「お姉ちゃんが疾透くんのことを心配?」

 

疾透「ゆり先輩は俺がりみのことが好きだってことに気が付いていたんだよな。あの日、りみを家に送ったときにゆり先輩に聞かれたんだよ」

 

りみ「お姉ちゃんがそんなことを・・・」

 

疾透「だからゆり先輩のことも心配なんだよ。いつ試験結果が伝えられるのか…他人事のようには思えないんだよ」

 

りみ「私も、水夏さんが疾透くんと合わせてくれた時は本当に感謝してたんだよ?私でも疾透くんのことを救えたんだなって…」

 

疾透「俺もりみとゆり先輩が喧嘩した時は少しじゃないくらいに焦ったよ。俺のことを救ってくれたりみが今度は窮地に立たせられて、今度は俺が助けてやらなきゃなって…そう思えたのはりみのおかげだ。ありがとう、りみ」

 

(テロテロリン♪)

 

疾透・りみ「「!!」」

 

来た。りみの方にはゆり先輩から、俺の方には水夏姉さんからこの間の試験結果が今来たんだ。そして俺たちは連絡の内容を『同時に』見た。結果は・・・

 

疾透「りみ・・・!」

 

りみ「疾透くん…!」

 

俺たちに伝えられたのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『みんなで合格できたよ!』という文字だった。

 

疾透「りみ・・・よかったな。ゆり先輩、無事に大学に受かって・・・!」

 

りみ「うん、うん…!本当に良かった…!お姉ちゃんたちが大学に受かって…!疾透くんもよかったね・・・グスッ」

 

疾透「ああ…!本当に…!」

 

りみ「でも今年でお姉ちゃんと離れ離れかぁ…これから一人で頑張らないと…」

 

疾透「一人じゃないだろ?りみにはPoppin'Partyのメンバーや俺がいる。りみは一人なんかじゃない。それに、離れ離れになってもゆり先輩たちとは心で繋がってるさ」

 

りみ「そっか・・・そうだよね…悲しんでちゃダメ・・・だよね。お姉ちゃんたちのこと、笑顔で送り出してあげないと…」

 

疾透「ああ、そうだな。ただ一人暮らしになることは変わりないし・・・これからのことを考えないと・・・」

 

りみ「それなら・・・一つ提案があるんだけど」

 

疾透「なんだ?」

 

りみ「あの…たまにそっちに泊まりに来てもいいかな…?」

 

疾透「・・・そんなのは俺に聞かなくても大丈夫だ。りみならそういうだろうと思ってたし、りみがこっちに来たいときに来ればいい。」

 

りみ「えへへ…ありがとう疾透くん。」

 

そうして俺たちは屋上を後にして帰路についた・・・帰り道ではあまり言葉を交わさずに手を繋いでりみを送っていった。りみの家の前にはゆり先輩がいて、俺たちは付き合うことになったことを教えた。ゆり先輩は涙を流して俺たちのことを祝福してくれた。ゆり先輩からの言葉を心に刻んで俺は自分の家に帰った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3月22日

 

今日は羽丘と花咲川での卒業式だ。3年生である水夏姉さんとゆり先輩は卒業し、来年度からは海外の大学に通うので寂しくなるけど、そんなことも言ってられない。卒業式が終わってからすぐに海外に向かわなければらないため、俺たちは空港までタクシーで一緒に向かった。そして今ポピパメンバーと俺は空港のロビーにいる。今日からしばらくの間はゆり先輩たちとはお別れだ。

 

疾透「それじゃあゆり先輩、姉さん。向こうでも頑張ってください」

 

ゆり「こんなにいい後輩を持てて私は嬉しかったよ。りみも今日まで一緒にいてくれてありがとね」

 

りみ「お姉ちゃんたちも、向こうで元気でね。偶にこっちで撮った写真を送るからね」

 

水夏「あはは、ありがとねりみちゃん。できの悪い弟かもしれないけどこれからよろしくお願いするね」

 

疾透「出来の悪いは余計だ姉さん。せっかくの旅立ちなのに雰囲気が壊れるだろ・・・」

 

水夏「あはは、ごめんって。私なりの気遣いのつもりだったんだけど」

 

香澄「水夏さん、ゆり先輩!卒業おめでとうございます!これ、私たちで作ったクッキーです!飛行機の中で食べてください!」

 

たえ「あと、私たちからポピパからは曲の贈り物です。向こうで聞いてください」

 

沙綾「たまに手紙とか送りますね。あとこれは私の家から持ってきたパンです。クッキーと一緒にどうぞ」

 

有咲「あとこれ・・・これまでに撮った写真を入れたアルバムです。偶にはこれを見てこっちで遊んだことを思い出してください」

 

ゆり「ふふっ、ありがとうみんな。」

 

(ピーピーピー)

 

水夏「ゆり、そろそろ時間だよ。」

 

ゆり「そっか、もうそんな時間かぁ…なんだか時間が過ぎるのが速く感じるなぁ…」

 

疾透「そうですね・・・でもこんな時間でも大切な思い出です。こっちのことは任せて向こうでも頑張ってください」

 

ゆり「うん、疾透くんもりみのことお願いね」

 

疾透「はい、りみのことは俺たちに任せてください。」

 

そう言って俺たちはゆり先輩たちが乗った飛行機が飛び立ってから見えなくなるまでずっと空を見上げていた。

 

疾透「行ってしまったな・・・」

 

有咲「だな・・・やっぱり一人でもいなくなると寂しく感じるな」

 

香澄「こんなところで落ち込むなんで私たちらしくないよ!ゆり先輩たちの分までキラキラドキドキしよう!」

 

たえ「香澄の言うとおりだよ。私たちにはまだ2年あるんだよ?」

 

沙綾「そうだね、まだ2年あるから卒業までにゆり先輩たちにまた会えるだろうから私たちも頑張らないと」

 

りみ「うん!」

 

来月から俺たちは新しい学年になって後輩たちも入ってくる。その時には今のクラスメイトとは違うクラスになるだろう。でも俺たちはクラスは離れても心は繋がっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また・・・みんなで輝こう。




ルミィ「いかがだったでしょうか?」

水夏「いよいよ疾透も2年生かぁ…どんな感じなんだろう?」

ルミィ「できるだけ頑張って長くできるように頑張るつもりです」

水夏「頑張ってね主さん!私も応援してるからさ!」

ルミィ「それではここまで読んでくれてありがとうございました!」


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高校2年生編
13話:みんなでまた輝こう


ルミィ「どうも、初めて2章構成な感じのこの作品を完結させようと意気込むルミィと」

彩「Pastel*Palettesのボーカル担当、丸山彩だよ!」

ルミィ「というわけで今回から2年生編が始まります、彩さんもいよいよ受験生ですね」

彩「そうだけど、アイドル活動も頑張らないと…」

ルミィ「あまり欲張るとかえって体に負担がかかるので気を付けた方がいいですよ」

彩「うーん…あ、主さん、一つ聞いてもいいですか?」

ルミィ「(聞かれるの何回目だろうか・・・)はい、なんでしょう?」

彩「なんで今頃私たちパスパレがこの前書きに出ることになったんですか?」

ルミィ「あー・・・主は小説を作りたての頃はこういうの思いつかなかったので最初は出せませんでした。」

彩「誰でも始めたてはどうすればいいかわかりませんからね・・・」

ルミィ「Exactly。では本編へ行きましょう」


 

 

 

 

 

 

 

ゆり先輩たちが海外の大学へ行ってから早1ヶ月が経ち、俺たちは進級して高校2年生になっていた。3年生だった先輩は卒業し、県外の大学や県内の大学に進学したり、高卒で就職したりと多種多様、十人十色である。今日は花咲川も羽丘も始業式兼入学式で新しいクラスの発表とか新しいクラスメイトとの会話、自己紹介などをしたりと始業式が始まるまでは自由だ。ちなみにその日の学校は午前中で終わりらしいので昼から部活動や生徒会に入っている人たちは昼から忙しいこともある。今は新しい学年になって学園に向かってる途中だ。

 

 

 

 

4月21日

 

【午前7時30分:牛込家前】

 

疾透「りみー、準備できたかー?」

 

りみ「も、もうちょっと待って疾透くん…!あと少しだから…!」

 

疾透「そんなんじゃポピパの縁の下の力持ちなんて言えないぞー」

 

(ガチャ)

 

りみ「ご、ごめんね疾透くん・・・今日から2年生だからネクタイの色を間違えちゃってさっき変えてきた所だったから・・・」

 

疾透「俺も間違えそうになったから大丈夫だ。そろそろ行こうりみ」

 

りみ「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【花咲川学園への通学路】

 

疾透「お、沙綾と有咲じゃないか。元気にしてたか?」

 

りみ「おはよう沙綾ちゃん、有咲ちゃん。」

 

沙綾「おはよう疾透くん、りみ。二人とも元気そうだね」

 

有咲「2人とも、ネクタイを間違えようとしてなかったよな?」

 

疾透「危うく間違えそうになったけど間違えてはないから大丈夫だ。でもりみが・・・」

 

りみ「うぅー・・・今日から2年生ってことを忘れてて一回間違えちゃったよ・・・」

 

沙綾「あはは・・・やっぱり誰かしらは間違えるよね・・・」

 

疾透「やっぱり学年が変わってもみんなはいつも通りだな。といっても約一名さっきからそわそわしっぱなしだけど」

 

有咲「そわそわなんかしてねーよ!」

 

疾透「いや俺は有咲がそわそわしてるとか一言も言ってないんだが」

 

りみ「有咲ちゃん・・・」

 

有咲「う、うっせ―!さっさと行くぞ!」

 

沙綾「はいはい、そろそろ行こうか。新しいクラスに誰がいるのか確認しておきたいし」

 

疾透「悪い、紗夜さんから呼び出しくらったからちょっと俺は先に行くぞ」

 

有咲「私もだ、つーことで後は二人で行ってくれ」

 

りみ「うん、また後でね。」

 

有咲「それじゃ行くぞ疾透」

 

疾透「とりあえず学園まで走るか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前7時45分:花咲川学園校舎前】

 

疾透「すみません紗夜さん、これでも走ってきたんですが・・・有咲が途中疲れちゃって」

 

有咲「私は部活に入ってるわけじゃねーから体力はねーんだよ…!」

 

紗夜「急に呼び出してすみません。お二人には入学式の時の新入生への挨拶をしてもらおうと思いまして呼び出しました」

 

疾透「俺と有咲が、ですか?」

 

燐子「はい…二人ともテストの成績がいいので・・・お二人は新入生の時は学年主席と学年次席だったので・・・」

 

有咲「あー、そんなことありましたね・・・」

 

紗夜「私たち3年生がやってもいいのですが、白金さんは生徒会長としての挨拶がありますし、私が言うと新入生の人たちが怖がってしまうかもしれませんので・・・二人は生徒会にも入っていますからこうして頼んでいるんです。」

 

疾透「なるほど…すみませんが俺は辞退させていただきます。こういうのは有咲の方が向いてると思うので」

 

有咲「ちょっ!?なんで私に押し付けてんだよ!お前もやれ!」

 

疾透「あがり症ってわけじゃないんだけど、あまり人前に出るのが苦手って言った方がいいかな・・・だから悪い有咲、頼む」

 

有咲「はあ・・・わかったよ。でも後で私が頼むことは手伝ってもらうからな!」

 

疾透「はいはい。ということです紗夜さん。」

 

紗夜「わかりました。市ヶ谷さん、では放課後に生徒会室に来てください。」

 

有咲「わかりました。それではまた放課後に」

 

燐子「よろしく・・・お願いします」

 

紗夜「ちなみに私たちはすでに新しいクラスの把握は終わってるので今のうちに済ませておいてください。私たちは校舎に入っておくので」

 

疾透「わかりました。有咲、とりあえず新しいクラスの確認をしておくか」

 

有咲「オッケー、さっさと確認するか。ちょうどりみたちも来たし。」

 

りみ「燐子先輩たちとのお話、終わった?」

 

疾透「ああ、ちょうど今な。じゃあ新しいクラスの確認をするか。香澄たちは待てなかったみたいでもう向こうに行ってるけど」

 

有咲「ったく・・・さっさと確認するぞ」

 

俺たちは新しいクラスのメンバーが書かれた掲示板を確認した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前8時:花咲川学園2F掲示板前】

 

疾透「もうみんな来てるな。美咲、こころ、はぐみ、イヴ、おはよう」

 

美咲「疾透さん、おはようございます。もうここにいるみんなは新しいクラスの確認しましたよ」

 

こころ「とってもワクワクしたわ!新しいクラスのみんなと話すのがとーっても楽しみね!」

 

はぐみ「はぐみもとても楽しみ!」

 

イヴ「はい!新しいクラスの人たちと新しい思い出を作るのも楽しみです!」

 

疾透「どれどれ・・・?俺のクラスは・・・っと・・・俺は2ーBだな。」

 

香澄「私は2ーAだよ!美咲ちゃんと一緒だ!」

 

有咲「私も2ーAだな。よろしく奥沢さん」

 

りみ「私は2ーBだよ。また疾透くんと同じクラスだね。こころちゃんと同じクラスかぁ…」

 

沙綾「私も2ーBだね。今年もよろしくね疾透くん、りみ。」

 

香澄「おたえは!?おたえはどのクラス!?」

 

たえ「えっと、2ーEだね。はぐみとイヴと同じクラスだよ」

 

香澄「おたえー・・・(泣)」

 

たえ「みんなもE組にする?」

 

有咲「できるか!」

 

たえ「クラスは違っても心は繋がってる、でしょ?」

 

沙綾「それじゃあ放課後、蔵に集まる?」

 

たえ「ごめん今日バイト」

 

疾透「おい・・・って俺も人のこと言えないな。今日はテニス部に顔を出さないと。大会も近いし練習しておかないと体が鈍っちゃいそうだしな。美咲はどうする?」

 

美咲「私も練習しようかなって思います。春休みは休みが多かったので体が鈍ってそうですし」

 

香澄「それじゃあまた放課後に蔵に集まろうよ!」

 

有咲「わり、今日は少し遅くなるわ。生徒会室に行かねーと…」

 

沙綾「じゃあ今日は自主練ってことにしようか。疾透くんも時間あったらでいいから」

 

疾透「了解。んじゃ新しい教室に入って話すか。また後でな」

 

香澄「うん!また後で!」

 

そう言って俺たちは新しい教室に入った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後12時:屋上】

 

疾透「一応大きめの弁当箱を持ってきておいて正解だったな。部活には顔を出す予定だったんだけどまさか3時間もフルに動くことになるなんて思わなかったし」

 

美咲「ですね。新部長は結構張り切ってますし振り回されないようにしないと…」

 

千聖「あら?疾透くんと美咲ちゃん。こんにちは」

 

疾透「千聖さん?それに彩さんと花音さんまで。」

 

彩「うぅー・・・」

 

美咲「ってどうしたんですか彩さん?元気なさそうな声を出して」

 

花音「実は・・・私と千聖ちゃん、燐子ちゃんと紗夜ちゃんは同じクラスだったんだけど、彩ちゃんだけ別のクラスになっちゃって…」

 

疾透「あー・・・そうだったんですか。去年は蘭だけ別のクラスになったとか聞いてましたけど今年はこっちで彩さんだけ別のクラスですか・・・」

 

彩「そうなんだよー…だからお昼になったら千聖ちゃんたちのクラスまで顔を出しに行かないといけなくなっちゃって…」

 

千聖「あら、去年も別のクラスで私のいるクラスまで来てたのはどこの誰かしら?」

 

疾透「・・・彩さん、去年も千聖さんのところに行ってたんですね・・・」

 

花音「お昼になったらすぐいなくなっちゃったと思ってたらそんなことしてたんだ・・・」

 

彩「だって、千聖ちゃんと別々のクラスだったから昼休みにならないと話せなかったんだもん…」

 

美咲「あはは・・・今年もまた彩さんは振り回されるんですね・・・」

 

千聖「それで二人とも、こんなところでどうしたのかしら?ほどんどの人はもう帰ってるけど」

 

疾透「俺と美咲はこれから部活動なんですよ。3時間くらい動きっぱなしになりますね・・・」

 

千聖「そういえば新人戦って来月だったかしら、早いのね」

 

疾透「そういう千聖さんは部活とかやってないんですか?」

 

千聖「私はイヴちゃんみたいに部活はしてないわよ。これでも忙しいから」

 

疾透「確か剣道部と茶道部の掛け持ちでしたっけ?」

 

花音「茶道部には私も入ってるけどイヴちゃんはのみこみが早いからすごいんだよね…」

 

美咲「あはは・・・って疾透さん、そろそろ行かないと」

 

疾透「もうそんな時間経ったのか。それじゃあ俺たちは部活に行きますね、もし時間があったら来てください」

 

彩「うん!今日はお仕事ないし時間があったら見に来るよ!」

 

そう彩さんが言って俺と美咲は屋上を後にしてテニスコートに向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後3時10分:テニスコート】

 

疾透「さて…と、手加減なしで行くぞ美咲」

 

美咲「望むところです。練習には来てませんでしたけどストリートでテニスしたんでその成果みせますよ」

 

疾透「俺もストリートで練習してな。じゃあ始めるぞ」

 

俺たちは春休み中も各自練習をして来月の大会に備えていた。今日はここに来るまでに話し合った結果、俺と美咲は練習の最後に練習試合をすることに決めていた。

 

疾透「ほっ…よっ…!あれから・・・うまくなったな美咲!」

 

美咲「疾透さん・・・こそ!去年始めたばかり・・・なのに・・・もうあたしに追いつく・・・ようになったなんて!」

 

疾透「部活が・・・休みでも・・・ストリートで練習…してたんだよ!よし、まず1セット目は貰った!」

 

美咲「やりますね疾透さん・・・でも次は取りますよ」

 

こうして俺たちは1セットを取ったり取られたりを繰り返し、最終的には俺が最終セットを取ってゲームセットとなった。途中から花咲川だけでなく羽丘のテニス部員が来たりして気が付けばテニスコートの周りは観戦でいっぱいだった。羽丘からはAfterglowの面々から花咲川にはいないバンドメンバーが来て新しいクラス等の話をしてその日は解散した。帰り際に美咲から『次は負けませんからね』と言われ、次に美咲と試合する時までに腕を磨いてストレートで勝てるように練習しようと思った。で、俺はというと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後4時50分:流星堂】

 

疾透「悪い、美咲との試合が長引いて・・・」

 

沙綾「シー。おたえ、さっきまでバイトだったから疲れてるんだよ」

 

疾透「そうか、起こすのも悪いし今日は解散・・・」

 

たえ「おはようー…」

 

疾透「あれ、起きたのか。もしかして起こしちゃったか?」

 

たえ「ううん、さっきから起きてたけど寝たふりしてたよ?」

 

疾透「・・・心配して損した。これからどうする?」

 

りみ「ちょっとお散歩しない?さっきまで音合わせしてて疲れちゃって…」

 

疾透「そうするか、さっき俺も美咲と試合してクタクタでな・・・」

 

香澄「それじゃあさっそく行こう!」

 

そう香澄が言うと俺たちは流星堂を出て適当にふらつくことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後5時20分:散歩道】

 

疾透「今年は結構クラスメイトががらりと変わったな、去年はクラスにバンドメンバーが多かったのに今年は大体半分くらいに減ったし」

 

沙綾「そうだねー、去年ははぐみとりみと香澄とおたえとりみりんとイヴがいたし・・・その時は有咲はいなかったけど」

 

有咲「うるせー!こっちは授業中も寂しかったんだぞ!」

 

りみ「有咲ちゃん、私たちとバンドを組んでからずっと放課後になったら私たちのクラスに来てたもんね・・・」

 

疾透「まあ今はもう慣れたけどな。ん?向こうに走ってる人がいるな・・・ってあの人、こっちに来てないか?」

 

??「はあ…はあ…すみません、あなたたちはPoppin'Partyさんでしょうか・・・?」

 

疾透「俺はマネージャーですけど、この5人はPoppin'Partyのメンバーですね。失礼だけど、名前を聞かせてもらえないか?ちなみに俺は森睦疾透だ」

 

??「あ、はい!私は朝日六花(あさひろっか)っていいます!最近オープンしたライブハウス『Galaxy』でバイトしてて、羽丘学園の高等部1年に今日入学しました!実はポピパの皆さんにお願いがあるんです!」

 

有咲「私たちにお願い?」

 

六花「はい!『Galaxy』のオープン記念ライブに出ていただけないでしょうか!!」

 

りみ「え…?」

 

ポピパメンバー「「「「「えーーーーーー!?」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ルミィ「いかがだったでしょうか?」

彩「私も行きたかったけど急に仕事入っちゃっていけなくなっちゃったんだよね…」

ルミィ「それは残念でしたね・・・ちなみにこの時の疾透くんはキーボードを持ち歩いており、六花ちゃんは疾透のことを知っていたのですぐ目に入ったのだとか」

彩「よく夕方なのに見つけられたね・・・それに気が付いた疾透くんも疾透くんだけど」

ルミィ「小言ですが、疾透くんの視力は両目ともAで、学校では度は入っていないですが黄緑色のハーフフレームメガネを、日常では黒のスクエアフレームメガネを使い分けています。視力は両方ともAです(大事なことなのでry)」

彩「私も変装でメガネをかけることはあるけどあれは少しだけ度を入れてるからなぁ…」

ルミィ「いいじゃないですか。ちなみに主もメガネをかけたりすることがあるんですよ」

彩「・・・ちなみに度は入ってるんですか?」

ルミィ「入ってませんが」

彩「・・・それじゃあここまで読んでくれてありがとうございましたー!(泣)」

ルミィ「(事実なんだけど泣くほどまでなのか・・・)」


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14話:新しい道しるべ

ルミィ「どうも、疲れなんて知りませんよとルミィと」

千聖「Pastel*Palettesのベース担当、白鷺千聖です。今回はよろしくお願いますね」

ルミィ「いやいや、こちらこそよろしくお願いします。」

千聖「そういえば主さん、初めての試みはどうでしょう?」

ルミィ「ああ、初めての二章構成のこの小説のことですか。苦労はしてますが結構楽しいですよ。」

千聖「そうですか?てっきり途中で投げ出すかもと思っていましたが」

ルミィ「途中で投げ出すなんてもったいないですし、主は『めんどくさいと感じたり、長ったらしい作業をもう一回ー』とかない限りは投げ出したりしませんね。やりだしたら一度はクリアなりやりきったしないと次のステップに進めませんし」

千聖「そうですね。なんか日菜ちゃん似てますね、主さん」

ルミィ「好きなキャラほど性格が似るとかよく言いますし」

千聖「本当に影響を受けやすいんですね・・・それでは本編へ行きましょう」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは今、とても驚いた状況になっている。始業式が終わってから部活動に顔を出してからポピパのメンバーのところに顔を出してから気分転換がてら散歩に出かけて朝日六花という女の子から「『Galaxy』のオープン記念ライブに出ていただけないでしょうか!!」などといきなり言われたら困惑するだろう。会ってから初日にライブに出てほしいなんてまずないと思っていい。で、今・・・

 

4月21日

 

【午後5時30分:散歩道】

 

六花「どう…でしょうか?」

 

疾透「・・・とりあえず日程を聞かせてください、まずはそこからです。」

 

六花「実は・・・今日この後すぐなんです。他にも3組出演はオッケーをもらいましたので、ポピパさんが最後だったんです。」

 

疾透「この後すぐ・・・ですか。みんなはどうs・・・」

 

香澄「やりたいやりたいやりたーい!ライブがやりたーい!」

 

たえ「香澄がやりたいなら私もやりたいかな」

 

りみ「他にどんなバンドが来るのか楽しみだし私も・・・」

 

沙綾「私も賛成かな。他のバンドのライブを見て今後の参考になるし」

 

有咲「わ、私は他のやつらがやりたいって言うなら・・・別にいいけどな」

 

疾透「とまあこんな感じなんで今日はよろしく。えっと・・・なんて呼べばいい?」

 

六花「名字でも名前でも呼びたいように呼んでもらって構いません!」

 

疾透「じゃあ六花で。六花、とりあえず俺たちは場所を知らないから案内頼んでいいか?」

 

六花「わかりました!ご案内します!ちなみに他のバンドの順番はもうすでに決まってるのでポピパさんは最後になります!」

 

有咲「最後かー…香澄、緊張してテンパるんじゃねーぞ?」

 

疾透「早く行くぞ、お客さんは待ってくれないからな」

 

そうして俺たちは六花の案内でライブハウス『Galaxy』に移動した。ちなみにポピパのメンバーは六花のことを『ロック』と呼んでいた。言い出したのは香澄で、『キラキラドキドキする!』だそうだ。俺的には『音楽っぽい呼び方』の方がしっくりくるんだが・・・香澄が言うんだからしょうがないな(諦)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ライブハウス『Galaxy』】

 

疾透「入口が狭かったけど中に入るとそんなに狭くは感じないな。むしろ広すぎるって感じがする」

 

六花「そう言ってもらえて嬉しいです!今一組目が演奏してるので時間まで待っててくださいね。」

 

有咲「今日はありがとなロック。いきなり誘われたときはどうなるかと思ったけど」

 

沙綾「ねえみんな、今演奏してるバンドの曲だけどさ・・・どこかで聞いたことない?」

 

りみ「そういえばそうかも・・・どこのバンドだったかな?」

 

たえ「うーん…私は覚えてないや」

 

香澄「私は知ってるよ!えーっと・・・どこだっけ?」

 

有咲「お前ら覚えてねーのかよ!私は覚えてるぞ!」

 

疾透「俺も覚えてるけどな。沙綾とりみはすぐバンドの名前は出ると思ったんだけど」

 

などと他愛もない話をしていたら1組目のバンドが終わって楽屋に入ってきた。入ってきたのは・・・

 

疾透「やっぱり蘭たちAfterglowだったか。『Scarlet sky』お疲れ様。」

 

蘭「あれ、疾透とポピパじゃん。疾透たちも来たんだ」

 

疾透「ああ、ちょっと散歩してたら六花に会って有咲以外が意気投合して参加することになったんだ。道中で千聖さんに連絡を入れたんだけど今日は仕事があるとかで参加できないって言ってたからあと二組か・・・」

 

モカ「今日もひーちゃんはつぐってスカってたねー」

 

ひまり「モカー!やめてよー!」

 

巴「まあこれもアタシたちのいつも通りだな。偶にお客さんが乗ってくれることはあるけど」

 

つぐみ「それでも『偶に』だから・・・」

 

疾透「お前たちも苦労してるんだな・・・新しい学年になったんだから少し落ち着いてるかなって思ったんだけどやっぱりいつも通りだな」

 

蘭「モカが落ち着くなんてあると思う?」

 

疾透「ないな。」

 

蘭「でしょ?」

 

モカ「蘭―?それってどういう意味ー?」

 

沙綾「モカらしいってことだよ。ってあれ?またこの曲は聞いたことあるんだけど・・・」

 

りみ「本当だね、しかもこの曲って…」

 

疾透「今度はあいつらなのか・・・」

 

香澄「誰誰!?」

 

疾透「なあ有咲・・・」

 

有咲「そうだな疾透。とりあえず言っとくか。」

 

疾透・有咲「「いい加減に覚えろ!!」」

 

香澄「わー!疾透くんと有咲が怒ったー!」

 

などと言ってると演奏が終わって楽屋に走ってくる音がしたので俺はドアから離れた。そして入ってきたのは・・・

 

こころ「六花!終わったわよ!お客さんを笑顔にしてきたわ!・・・ってあら?」

 

疾透「おうこころおかえり。『えがおのオーケストラっ!』お疲れ様」

 

はぐみ「どうしたのこころん?わっ!(ドンッ)わー!はーくんとかーくんだ!」

 

香澄「こころんとはぐーだ!こころんたちも来てたんだね!」

 

こころ「ええ!六花に誘われたのよ!」

 

薫「私たちがこころの家にいた時に突如現れたんだよ。ああ、とても儚い出会いだったね・・・」

 

疾透「ところで花音さんと美s・・・ミッシェルはどこにいったんだ?」

 

こころ「あら?さっきまで隣にいたのに二人ともどこに行ったのかしら?」

 

疾透「しょうがないな・・・香澄たちはまだ出番じゃないし話したいこともあるだろうから俺が探してくるよ」

 

たえ「いってらっしゃーい」

 

そう言って俺は楽屋を後にして花音さんと美咲を探しに行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「一体どこに行ったんだ美咲と花音さん・・・っていっても大体のところはわかるんだけどな、多分あそこだろ」

 

そう言って俺が向かったところは・・・

 

 

 

 

 

 

【男女共通更衣室】

 

疾透「やっぱりここだったか。美咲、花音さん。こころ達が探してたので楽屋に早く向かった方がいいかと」

 

美咲「あれ、よくここがわかりましたね疾透さん。」

 

花音「疾透くんが来てるってことは沙綾ちゃんたちも来てるってこと?」

 

疾透「そうですね、今頃は楽屋で香澄たちとおしゃべりしてるんじゃないでしょうか。んでもって有咲がめちゃくちゃ苦労してるのが目に浮かぶ」

 

美咲「あー・・・確かにこころとはぐみと戸山さんがいるので騒がしいんでしょうね・・・」

 

疾透「というわけで楽屋にいってこころ達のお喋りを止めてくれると助かる。」

 

美咲「もちろんそのつもりですよ」

 

花音「疾透くんはどうするの?」

 

疾透「俺も楽屋に戻りますよ。やることないんで」

 

俺たちは楽屋へ戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【楽屋】

 

疾透「ただいま」

 

りみ「おかえり疾透くん。私たちの出番はもうすぐだよ」

 

疾透「つまり今3組目が歌ってるところなのか。というかこの曲・・・」

 

沙綾「うん、あの曲だよね。つぐみたちのAfterglowからはぐみたちの『ハロー、ハッピーワールド!』と来たら・・・やっぱりこう来るよねって思ってたけど」

 

有咲「今日はとことん会うなー・・・私も今日放課後に疾透たちのテニスの練習試合を見てたんだけどいつの間にか隣にいたし」

 

疾透「俺は試合に集中してたし、あの後は無心で話しかけてたんだけどまたこうして会うことになるなんてな」

 

とかなんとか話してたら演奏が終わって楽屋に入ってきたのは・・・

 

リサ「あれ、疾透くんと香澄たちじゃん。」

 

疾透「どうもリサさん。2時間ぶりですね」

 

あこ「あ、疾透さんだ!今日の練習試合、とてもカッコよかったです!」

 

疾透「はは、ありがとうなあこ。といってもテニスを始めてまだ2年目なんだけど」

 

紗夜「そうだとしても、1年であそこまで上達する人はいないですよ。疾透さんの努力の賜物です」

 

疾透「ありがとうございます紗夜さん。でもまだ練習を重ねないと・・・それにポピパの練習にも顔を出さないといけないので両立はなかなか難しいですね。」

 

友希那「そうだとしても、あなたの技術面に関しての飲み込みの早さは折り紙付きよ。今からでも勧誘したいわ」

 

疾透「すみませんが、その勧誘には乗れません」

 

友希那「わかってるわ、言ってみただけよ。」

 

香澄「あっ、そろそろ出番だよ!それじゃあ行ってくるね疾透くん!」

 

疾透「ああ、いってらっしゃい。頑張って来いよ」

 

そう言って香澄たちは楽屋を出てステージに行った・・・

 

紗夜「そういえば疾透さん、新しいクラスはどうでしたか?」

 

疾透「俺はりみと沙綾、こころが同じクラスですね。結構がらりと変わりました。」

 

燐子「それと・・・風の噂で知りましたけど疾透くんと牛込さんって…付き合い始めたんですよね…?」

 

あこ「本当ですか疾透さん!?」

 

疾透「誰が広めたのかだいたい予想はつきますけどその通りですよ。そういえばまだここにいるメンバーには言ってませんでしたね。といっても約数名すぐに言いふらしそうなのがいるんで言わなかっただけなんですけど」

 

はぐみ「えーっ!?そうなの!?」

 

美咲「そういえばあたしもそれ聞きましたよ。まあうちにはこころとはぐみがいるので言うのはやめてましたけど」

 

花音「いつから付き合い始めたの?」

 

疾透「去年の末ですね。クリスマスイヴだったんで忘れることなんてできないですよ」

 

ひまり「疾透ってロマンチックなことするねー!おめでとう!」

 

つぐみ「偶にでもいいのでうちに二人で来た時はカップル割にしますのでその時は来てくださいね。」

 

疾透「なんか改めて言われるとなんか恥ずかしいな・・・」

 

モカ「おやー?照れてるー?」

 

蘭「モカ、からかうと今度ファーストフード店に一緒に行ったときに頼むハンバーガーの個数減らすから」

 

モカ「蘭がそう言うならやめよう―っと」

 

疾透「こういう時の蘭って頼もしいよな・・・って、りみたちの演奏終わったみたいだぞ。」

 

俺がそういうと楽屋のドアが開いた

 

六花「Roseliaさん、Afterglowさん、ハロー、ハッピーワールドさん!ステージにどうぞ!皆さんでお客さんにご挨拶をお願いします!」

 

こころ「もうそんな時間なの?それじゃあみんな行くわよ!」

 

はぐみ「うん!それじゃあまた後でねー!」

 

そう言って他のバンドメンバーはステージに向かった。

 

六花「疾透さんはどうしますか?」

 

疾透「俺も舞台袖に行くよ。」

 

六花「わかりました!案内しますね!」

 

疾透「ああ、頼む。」

 

そう言って六花は俺を舞台袖に案内してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【スタジオ内:舞台袖に続く通路】

 

疾透「・・・(誰かに見られているな。もしかしてこの間みんなに内緒で路上でキーボードを演奏してた時にでも見られてたか?後でちょっと聞いてみるか)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【『Galaxy』ステージ】

 

香澄「今日はとても楽しかったです!急にこのライブに誘われたときはどうしようかと思いましたけど、こんなにたくさんのお客さんがいてとても嬉しかったです!」

 

友希那「私たちのライブ、楽しんでもらえたかしら?」

 

蘭「あたし達もここで演奏できたこと、嬉しかったよ。」

 

こころ「みーんなとってもいい笑顔ね!素敵だわ!」

 

紗夜「ここで、私たちRoseliaからお知らせがあります。」

 

友希那「今度、私たちRoseliaが主催のライブをすることにしたわ。日程はまだ決まってないけれど、見に来てくれたら嬉しいわ」

 

香澄「私たちからもお知らせがあるよ!」

 

有咲「(香澄!?お知らせがあるなんて聞いてねーぞ!?)」

 

疾透「(嫌な予感しかしないんだけど・・・聞くだけ聞いてみるか)」

 

香澄「私たち、主催ライブをすることにしました!日程はまだ決まってませんが、時間がある人はぜひお越しください!」

 

疾透・有咲「「(やっぱりかー!)」」

 

六花「(Roseliaさんだけじゃなくてポピパさんまで主催ライブのお知らせですか!?)」

 

こころ「それじゃあ今日は・・・」

 

香澄「ありがとうございましたー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【『Galaxy』外】

 

疾透「香澄お前な・・・よくあんなこと思いついたものだな。」

 

香澄「だって一回やってみたかったから!」

 

有咲「だからっていって相談もなしに言うんじゃねー!」

 

りみ「主催ライブをするならセトリも考えないと…新曲も作らなきゃいけないね・・・」

 

沙綾「今日はもう遅いから明日から考えようか。今日はお疲れ様」

 

たえ「お疲れさま。」

 

疾透「悪い、ちょっと連絡はいったからみんなは先帰ってていいぞ」

 

香澄「それじゃあまた学校でねー!」

 

そう言って香澄たちはそれぞれの帰路についた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「ちょっとした演技だったけど香澄たちは気にする素振りを見せなかったな。さて・・・そろそろ出てきたらどうなんだ?そこにいるのはわかってるんだ」

 

俺がそういうと、路地裏から猫耳のヘッドホンをつけた少女が来た

 

??「あら、私に気付くなんていいSense(センス)ね。」

 

疾透「あれだけ俺のことを見てたら気づかない方が不自然だしな。とりあえず何の用か聞こう」

 

??「私の名前はチュチュよ。今私は最高のバンドを組むために最高のメンバーを集めているところなの。この間あなたの路上での演奏を聞いたわ。あなた、とても高い技術を持ってるわね」

 

疾透「そいつはどうも。で、最高のバンドを組むための最高のメンバーを募集してるって言ってましたね。今日はその勧誘ですか?」

 

チュチュ「ええ、その通りよ。ハヤト、私がプロデュースするバンドのメンバーになりなさい!」

 

疾透「お誘い、ありがとうございます。」

 

チュチュ「それじゃあ・・・」

 

疾透「すみませんが、その話は受けることができません。」

 

チュチュ「どうしてよ!?」

 

疾透「それじゃあ一つ質問します。『チュチュにとっての最高のバンド』って何なんだ?」

 

チュチュ「何って…それは世界最高の音楽を奏でるためよ!」

 

疾透「やっぱりそういう回答でしたか。ならなおさらその話は受けることができませんね。音楽に大切なのは『奏でる』だけじゃ足りません。『どうやってお客さんを楽しませるか』が大事なんです。それを分かってないのなら何度誘っても無駄ですよ。それじゃあ俺はこれで失礼しますね」

 

チュチュ「ちょっと!まだ話は・・・!どうしてなのよ!どうして私の言いたいことが理解できないのよ!」

 

(ドガァとごみ箱を蹴る音)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「『世界最高の音楽を奏でるため』・・・か。あいつらに言ったらなんて言うんだろうな・・・まあ今度聞いてみるだけでもしてやるか。ちょっと小耳に挟んだけど足りないのはキーボードとギターか・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

さっきチュチュが言ってたことを思い出して俺は家に帰った

 

 

 

 

 

 

 




ルミィ「いかがだったでしょうか?」

千聖「あら、RASのDJ担当のチュチュちゃんも出てきたのね。てっきり出てこなかったと思ったのだけれど」

ルミィ「せっかくなので出しました。一応時間軸としてはSeason2なので出すにはちょうど良かった時期だったので」

千聖「なるほどね。確かにRASも出てきたし出すにはちょうど良かったしいいんじゃないかしら」

ルミィ「パスパレが今回誰一人として出なかったのも本編が大きく関係してますからね。」

千聖「この時は仕事が入ってたから仕方ないわ・・・」

ルミィ「さて、この後の展開はどうなるんでしょうね?」

千聖「ふふ、どうなるのか楽しみだわ。それじゃあここまで読んでくれてありがとう。」


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15話:色んな意味で苦悩

ルミィ「ども、最近の悩みはちょっとだけガチャ運がないですよとルミィと」

日菜「Pastel*Palettesのギター担当、氷川日菜だよ!」

ルミィ「というわけで久しぶりに元気なゲストですはい」

日菜「ところで主さん、一ついい?」

ルミィ「なんでござんしょ」

日菜「どうして疾透くんはテニス部に入ったのー?りみちゃんとお付き合いしてるんだし帰宅部かなーって思ったんだけど」

ルミィ「主が昔卓球をしてた名残ですね。花咲川には卓球部がないので仕方なくテニス部に入ることになりました」

日菜「へー、るんってくる理由だね!それはあ本編へゴ―!」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然Galaxyのライブにポピパが参加してから1週間ほど経った。あのあとチュチュという女の子に誘われた際に少しの隙を突かれてなぜか連絡先が交換されていて、ちょくちょく『早く答えを聞かせなさい!』などと催促に近い感じで連絡が来ている。こういうタイプの人は返事するのもめんどくさいので既読スルーしてるが、電話がかかってきたこともあった。1週間ほど返事すらしていなかったのでさすがに少しだけ話した結果『来月に一緒に音を合わせるわよ!』と半ば強制参加させられる形になったので渋々行かないといけなくなった…ちなみにこの1週間と少しの間、Roseliaの主催ライブにポピパの面々は参加したが、友希那さんの言葉に香澄たちは言葉を失くし、主催ライブに対する緊張でいっぱいになっていた。それは俺も同じで、チュチュという女の子から勧誘されてから少しづつどんなバンドになるのかという考えが頭の中に浮かび、ポピパの練習の時にも考えていたら当たり前のように心配されたりした。それで今日は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月2日

 

【昼休み:花咲川学園中庭】

 

香澄「うーん・・・」

 

りみ「うーん…うん?」

 

沙綾「あはは・・・」

 

有咲「いや…無理じゃね?」

 

疾透「少しは頭をひねったほうがいいって言ったんだけどこれはひねるというよりぶっ飛んでるな」

 

香澄がスケッチブックに書いていたのは、ポピパのメンバーが空を飛んでいる・・・ように見える絵だった。去年から香澄は絵が下手だったので①年で上手くなっていただろうという考えはどこか行った。

 

香澄「飛ぼうよ!」

 

有咲「できるか!!ライブハウス内で飛ぶとかぜってー無理!」

 

たえ「そうかな?私はいいと思うんだけど」

 

疾透「そもそも天井がそこまで高くないんだ、飛ぶとしても少しジャンプする程度に抑えないとライブとしてどうなんだ?」

 

りみ「そうだよ香澄ちゃん、私たちは普通の高校生なんだし・・・」

 

香澄「うーん…」

 

などと唸っていると・・・

 

こころ「かっすみー!」

 

2階の自分のクラスから飛び降りてこちらに側転で向かってこころがやってきた。本当にお前の運動神経どうなってんの…

 

こころ「やっほー!」

 

香澄「こころん!」

 

こころ「どうしたの?さっきからずーっとしかめっ面。全然笑顔じゃないわ!」

 

香澄・たえ「「はっ!」」

 

有咲「…」

 

こころ「あら、どうしたのこれ?香澄が書いたのかしら?」

 

香澄「うん!」

 

こころ「ふむふむ・・・なるほど分かったわ!ちょっと待っててちょうだい!」

 

そういってこころは校舎内に走っていった・・・数分後

 

香澄・こころ「「ハッピー!ラッキー!スマイルー・・・イェーイ!」」

 

疾透「・・・」

 

美咲「あのー・・・うちのこころが迷惑をかけてる最中・・・といいますか」

 

疾透「いや…現在進行形で迷惑かけてるところだ・・・」

 

美咲「あれ、何やってるの?」

 

りみ「えっと、空を飛ぶ練習?」

 

美咲「は?」

 

疾透「まあそんな反応だよなー・・・」

 

たえ「ライブはイメージトレーニングが大事・・・行ってきます」

 

沙綾・りみ「「行ってらっしゃい」」

 

有咲「アホが増えた・・・」

 

疾透「それで美咲、こころはなんて言ったんだ?」

 

美咲「えっと・・・」

 

こころ「私たち、近いうちにライブをするわ!といっても主催ライブじゃないから規模は小さい物よ」

 

美咲「とまあ・・・こんな感じでして。こころはクシェルにも来てほしいなーって言ってました」

 

疾透「(おいいいいいいい!?なんで俺巻き込まれんのおおおお!!)」

 

りみ「(あっ…)」

 

沙綾「クシェルって何?」

 

美咲「まあ…ハロハピの第二のマスコットって言った方が速いですかね。去年話し合いに来てから見てませんけど」

 

有咲「へー、新しいマスコットがいるのか。メンバーじゃねーんだな」

 

美咲「これ以上メンバーが増えたらあたしの胃が持たないので助かってますけどね・・・ははは」

 

疾透「あまり増えすぎるとただのマーチングに見られるだろうからな(あんなのに入ったら美咲の言った通り胃が壊れそうだし)」

 

美咲「(というわけで疾透さん、放課後はこころの家にお願いします)」

 

疾透「(わかってるわかってる…)」

 

りみ「(疾透くん、頑張ってね・・・)」

 

疾透「(結局は巻き込まれる側だからな・・・心配してくれてありがとうりみ)」

 

美咲「さて、と。こころ、ポピパのみんなの邪魔をしちゃいけないから撤収―」

 

こころ「香澄ー!みんな!ライブするから待っててねー!」

 

香澄「うん!楽しみにしてるよ!」

 

とまあ、こんな感じでハロハピメンバーはポピパメンバーに今度ライブをすると言って校舎に戻っていった。こころを連れて行く美咲は一度こっちに顔だけ向けて『黒服の人たちも放課後に来るように呼んでるので放課後に一度校舎裏まで来てください』と口パクされたので放課後は一度校舎裏まで行くことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【放課後:花咲川校舎裏】

 

疾透「はぁ…まさかまたこれを着ることになるなんてな・・・」

 

美咲「あれからあたしがちゃんと話し合いに参加しましたからね・・・なんで今回は疾透さん・・・クシェルを呼んだんでしょう?」

 

疾透「俺にもよくわからん…さっさと着替えてこころの家に行こう・・・」

 

美咲「ですね・・・」

 

俺たちはミッシェルとクシェルに着替えてこころの家まで歩いていった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【こころの家:こころの部屋】

 

こころ「やっとみんな集まったわね!今日はライブについての話し合いよ!」

 

花音「ふぇぇぇー・・・ライブやるの…?」

 

はぐみ「さんせー!いつやるの!?はぐみは早くやりたいよー!」

 

薫「はぐみ、あまり焦ってもダメさ。ポピパの子猫ちゃんに笑顔を届けるライブだから向こうと連絡が取れないことにはどうしようもないよ」

 

はぐみ「そっかー」

 

クシェル(疾透)「それに、どんなライブをするのか決めないとダメじゃないかなー?こっちからライブをするのなら曲と場所が必要でしょー?」

 

ミッシェル(美咲)「そうだよー。まずは場所の確保をしないと―」

 

こころ「場所ならもう決めてるわ!船の上よ!」

 

クシェル(疾透)「なるほどー、船の上かー(ちょっと待てえええ!なんで船の上でライブするんだよ!!)」

 

はぐみ「面白そう!やろうよこころん!」

 

こころ「ええ!やりましょう!」

 

クシェル(疾透)「それでこころー?後ろに書いてある絵は何なのかなー?(ちょっと待て、あの絵見たことあるぞ…!おいまさか)」

 

こころ「いいところに目が付いたわねクシェル!あたし達ー、2曲目は空を飛ぶの!」

 

薫「・・・すまないこころ、もう一度言ってくれないか?」

 

こころ「あたし達、空を飛ぶの!」

 

薫「そうか・・・飛ぶのか・・・」

 

ミッシェル(美咲)「待ってこころ!薫さんは飛ぶのが苦手だから・・・」

 

薫「だがそれでポピパの子猫ちゃんが笑顔になれるのなら・・・私は喜んでこの身をささげよう…」

 

クシェル(疾透)「そ、そこまでしなくていいんじゃないかなー?(おいおい待ってくれまさか本当にやるつもりなのか!?いやこころたちのことだ、絶対にやる!!)花音さんも何か・・・」

 

花音「うん・・・やろう!」

 

クシェル(疾透)&ミッシェル(美咲)「「(ええええええええ!!)ちょっと待って考え直して花音さん!空飛ぶんだよ!?」」

 

花音「うん・・・でも頑張ろう!」

 

クシェル(疾透)「(花音さああああん!?)」

 

こころ「ところで、疾透がいないけどどこに行ったのかしら?このライブには疾透がいないと成功しないわ・・・」

 

クシェル(疾透)「は、疾透くんかー。呼んでくるよー(ちょっと待て!!俺もこれに巻き込まれんのかよ!!)」

 

はぐみ「行ってらっしゃーい!」

 

数分後・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「クシェルとかいうのに呼ばれてきたけど・・・俺も必要なんだって?」

 

こころ「ええ!疾透にはこの衣装を着てライブを手伝ってもらうわ!」

 

そう言ってこころが出したのは・・・漫画とかでよく見る怪盗が着てる服だった。まさかこれを生きてるうちに着ることになるなんてな・・・

 

疾透「これを着て演奏してくれってことか?」

 

こころ「いいえ違うわ!疾透にやってもらいたいのは・・・(ゴニョゴニョゴニョ・・・)」

 

疾透「はあああああああ!?それを俺にやれって!?とんでもない無茶ぶりだな!?」

 

こころ「ならりみたち、Poppin'Partyの笑顔は諦めるしかないわね?」

 

疾透「(ぐっ・・・!りみと付き合ってることをこんな形で使われるなんて…しょうがない、一肌脱ぐか・・・)・・・わかったよ、やればいいんだろやれば!」

 

こころ「いい返事ね!疾透、さっそく香澄たちに連絡を入れてちょうだい!」

 

疾透「わかったよ・・・帰ったら連絡入れるから」

 

こころ「それじゃあ今日は解散よ!みんなお疲れさま!」

 

そういってみんなは部屋を出て行った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【こころの家からの帰り道】

 

 

 

 

疾透「はあああああ・・・疲れた・・・」

 

美咲「疾透さん…ごめんなさい、こんなのに巻き込んじゃって…」

 

疾透「こころだからしょうがないけど、次は絶対に断らないと俺の胃が死ぬ…」

 

花音「ふぇぇぇ…疾透くんごめんね・・・」

 

疾透「もう絶対こういうことに巻き込まれたくないです・・・さて、と。香澄たちに連絡回さないと…」

 

美咲「なんかすいません疾透さん・・・」

 

疾透「慣れたくないけど慣らさないとどうにもならないからな・・・」

 

そう言って俺はポピパメンバーにいつが空いてるか連絡を取って、3日後の夜なら空いてるって連絡が来た。

 

疾透「3日後なら空いてるってよ。こころ達に連絡を頼んだ。」

 

美咲「了解。それじゃあ3日後にまた」

 

疾透「ああ…」

 

そう言って俺たちは別れ、家に戻った後は速攻で寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月5日

 

【午後7時:駅前】

 

香澄「疾透くん、どうしたんだろう?駅前に集合って言われたのに肝心の疾透くん本人が来てないよ?」

 

たえ「そういえば電車にも乗ってなかったね」

 

りみ「疾透くん、どこに行ったんだろう…?」

 

沙綾「空いてる日にちだけ聞いて疾透くんが来ないってことはなかったからさすがに来るんじゃない?」

 

有咲「あれ?なんか向こうから船が来るんだけど・・・って目の前に止まったぞ?」

 

黒服の人たち「Poppin'Partyの皆様、ようこそお越しくださいました。」

 

香澄「あっ、黒服の人たちだ!この船は何ですか!?」

 

黒服の人たち「こころ様の船、『スマイル号』です。」

 

たえ「おー、これがこころの船なんだー」

 

有咲「何感心してんだ!まさか・・・今日のライブってここでするのか!?」

 

黒服の人たち「それではご案内します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【スマイル号:メインホール】

 

香澄「とりあえずここまで案内されたけど何が起きるんだろう?黒服さん、何か・・・」

 

(バチン!)

 

こころ・はぐみ「「lady's&girls!」」

 

ミッシェル(美咲)「ようこそスマイル号へ―」

 

こころ「『ゴーカ!ごーかい!ファントムシーフ!』さあ出番よ怪盗さん!あなたにとっての大事なものを盗んで来てちょうだい!」

 

(バチンと証明が落ちる)

 

??「きゃっ!?」

 

(明かりがつく)

 

有咲「な、なんなんだ一体…みんな無事か!?」

 

沙綾「私は大丈夫…」

 

香澄「私もなんともないよ!」

 

たえ「オッちゃんも私もちゃんといるよ。ところでりみは?」

 

有咲「は?ってまさかさっきの停電でりみが連れていかれたのか!?こうしちゃいられねー!早くりみを助けに行くぞ!」

 

こころ「制限時間はこの曲が終わるまでよ!それじゃあ始めましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【1分後:スマイル号甲板】

 

有咲「はあ、はあ…とりあえず追いついたな・・・お前!りみを返せ!」

 

怪盗(疾透)「そんなにこの娘が大事か?ならば取り返してみせろ」

 

有咲「言われなくても!お前たち!あいつを囲め!」

 

香澄「サー!イエッサー!」

 

怪盗(疾透)「(お前はどこの軍人だどこの)ほう・・・4人がかりで私を捕らえれるとでも?」

 

有咲「当たり前だ!お前ら、一斉に飛びかかるぞ!」

 

たえ「怪盗さん、覚悟ー」

 

(ドンッ)

 

有咲「いったー!?お前らどこ見てんだよ!」

 

沙綾「おかしいなぁ・・・私はちゃんと怪盗めがけて向かっていったんだけど・・・綺麗に頭をごっつんこしちゃったね・・・いたた」

 

有咲「おい怪盗!どこに行った!」

 

怪盗(疾透)「私はここだ。残念ながら捕まえることはできなかったみたいだな」

 

有咲「まだ制限時間まで問題ねー、さっさと追いついて捕まえるから待ってろ!」

 

怪盗(疾透)「フッ、だが次にいるところまでは時間がかかるだろう・・・メインホールにて待つ。そこで勝負といこう」

 

有咲「おい待て・・・!逃げ足はえーな・・・」

 

沙綾「それよりもりみとさっきの怪盗、メインホールだったっけ。早くいかないと…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【メインホール】

 

有咲「やっと…追いついた・・・!」

 

香澄「怪盗さん!りみを返して!」

 

怪盗(疾透)「そう焦ることはない。一つゲームといこう、それで私に勝てば返してやろう。だが勝てなかったら…」

 

たえ「勝てなかったら?」

 

怪盗(疾透)「そうだな・・・この娘の心をいただくとしよう。」

 

沙綾「心って…どういうこと?」

 

怪盗(疾透)「さて、どういうことだろうな・・・?ではそろそろゲームを始めようか。」

 

有咲「一体どんなゲームだよ・・・」

 

怪盗(疾透)「ルールは簡単。私が今欲しいものを一人ずつ挙げ、一つでも正解したら返してやろう」

 

香澄「え?それだけでいいの?」

 

怪盗(疾透)「さて、答えることができるかな?」

 

香澄「答えれるよ!怪盗さんが今欲しいのはりみりんの心だよ!」

 

怪盗(疾透)「もしやさっき言ったものが欲しいものだと思ったか?浅はかなり。」

 

たえ「じゃあ…ウサギさん?」

 

怪盗(疾透)「それも違う。さて・・・あとの二人はどう答えるのかね?」

 

沙綾「有咲・・・わかる?」

 

有咲「まったくわかんねー…せめてあいつの正体がわかれば…」

 

沙綾「うーん・・・ちょっと揺さぶりかけてみるから間違えたら有咲お願い。それじゃあ次は私だよ。私からの答えは『音楽』だよ」

 

怪盗(疾透)「(さすが沙綾だな。俺の正体に気が付き始めてるか・・・)近いが正解には至らん」

 

沙綾「そっか・・・じゃあ有咲、あとはお願い」

 

有咲「お、おう・・・(やべぇ、まったく思いつかねー・・・どうすりゃいいんだよ・・・)」

 

沙綾「(有咲、多分あの怪盗の正体は疾透くんだよ。)」

 

有咲「(はぁ!?何言ってんだよ!)」

 

沙綾「(さっき、音楽って言葉に近い答えって言ったでしょ?最近の疾透くん、元気ないじゃん。この間チラッと携帯の画面見たけど、どうやらバンドに誘われているみたい。それで居場所に困ってるんじゃない?だから多分答えは『居場所』なんじゃない?)」

 

有咲「(なるほどな・・・当たってなかったら今度沙綾の所のパン、タダで貰うからな?)」

 

沙綾「(それでいいよ。買ってくれるのならうれしいし)」

 

怪盗(疾透)「さて…相談は終わりか?そろそろ答えてもらおうか。私の今一番欲しいものは何だ?」

 

有咲「・・・場所」

 

怪盗(疾透)「はっきり答えてもらわないと不正解にするぞ?」

 

有咲「だーうっせー!答えりゃいいんだろ!『居場所』だ!」

 

怪盗(疾透)「・・・正解だ娘よ。では約束通りこの娘は返そう。ではさらばだ」

 

有咲「おい待て!・・・ってもう行っちまったな・・・逃げ足が速えー・・・ってそんなことよりもだ!」

 

香澄「りみりん!大丈夫!?」

 

りみ「私は大丈夫。でもさっきの人・・・」

 

沙綾「りみもさっきの人、誰だかわかったみたいだね」

 

りみ「うん。疾透くん…だよね?」

 

沙綾「うん、多分そうだよ。それにしても結構動いたね・・・疲れちゃった。」

 

香澄「私も―!」

 

黒服「左様でございますか。ではこちらを」

 

有咲「うわぁ!?どっから湧いて出たんですか!」

 

黒服「こころ様より、『一緒に夜ご飯でも食べましょう!』と伝言を預かっております」

 

香澄「ご飯!?食べます食べます!」

 

香澄たちは食堂へ向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【食堂】

 

香澄「ごっはん、ごっはん!」

 

疾透「お疲れさん」

 

たえ「え?疾透くん?なんでここにいるの?」

 

疾透「なんでって、今日はずっととは言わないけど一緒にいただろ?」

 

香澄「もしかしてあの怪盗の正体って疾透くん!?」

 

疾透「今更か」

 

りみ「疾透くん、お疲れ様・・・」

 

疾透「りみもすまないな、こんなことに巻き込んで・・・」

 

りみ「ううん、大丈夫だよ。(お姫様抱っこされてたのは恥ずかしかったよ・・・!)」

 

有咲「ったく、一言言えっての・・・」

 

疾透「悪い、どうやったらお前たちを笑顔にできるのかずっと話し合ってたんだ。」

 

沙綾「確かにそれは隠したくもなるよね…」

 

とまあ、今日このライブに至るまでの話をした。この間美咲が言っていたクシェルの正体が俺だと知ったときはさすがに驚いていた。その帰り道・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後9時:帰り道】

 

疾透「・・・いつまで俯いてるんだりみ。だからさっきは悪かったって…」

 

とまあ、さっき『スマイル号』でやったことがとても恥ずかしかったみたいで、こんな調子で覗き込もうとするとそっぽを向いたりしている。

 

りみ「うぅー・・・めっちゃ恥ずかしかったよ・・・」

 

疾透「・・・本当に悪い。まさかそんなに顔を赤くするまで恥ずかしかったなんて…」

 

りみ「・・・」

 

疾透「…(き、気まずい・・・!)」

 

りみ「疾透くん・・・?」

 

疾透「な、何かなりみ・・・?」

 

りみ「・・・私だけ恥ずかしい思いするのは不公平だよね?」

 

疾透「・・・何が言いたいんだ?」

 

りみ「・・・疾透くん、ちょっと屈んでくれないかな?疾透くんの方が少し身長が高いから届かなくて・・・」

 

疾透「俺の顔に何かついてるか?・・・こんな感じでどうだ?」

 

りみ「そのままそのまま…えいっ!」

 

りみがそう言うと…俺の唇にキスをしてきた。

 

疾透「っ!」

 

りみ「えへへ、これでおあいこ・・・だね」

 

疾透「りみって本当に不意打ちが得意だよな…」

 

りみ「疾透くんもそういう割には不意打ち得意だよね?」

 

疾透「不意打ちされるのは苦手なんだよ・・・まあ、されてばっかりじゃ悔しいし」

 

そう言って俺はりみにお返しするように抱きしめながらキスをした

 

りみ「んっ・・・えへへ、不意打ちってわかってても疾透くんとキスするのめっちゃ嬉しい・・・」

 

疾透「・・・俺もだ。っと、今日はここまでだな。また学校でな、りみ」

 

りみ「うん、また学校でね。疾透くん」

 

そう言って俺たちは別れてそれぞれの帰路についた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ルミィ「いかがだったでしょうか?」

日菜「いつあたしたちの出番あるんだろうねー?」

ルミィ「出したいのは山々なんですが、どうも出すタイミングがですね・・・」

日菜「早く出さないとそろそろハロウィンだしいたずらしちゃうぞー?」

ルミィ「日菜ちゃんにいたずらされるなら本望です(キリッ」

日菜「じゃあ今から主さんにいたずらする内容考えよーっと!どんなのがいいかなー?」

ルミィ「それでは日菜さんにいたずらされる前に・・・ここまで読んでいただきありがとうございました。」

P.S久しぶりに長々と書きました(テヘペロ)


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16話:選択と試み

ルミィ「どうも、前話は張り切りすぎて7000文字オーバーしましたよとルミィと」

麻弥「どうも、Pastel*Palettesのドラム担当、大和麻弥です!最初の作品ではヒロインを担当させていただきました!」

ルミィ「いやぁ…昨日は本当に疲れましたね」

麻弥「7000文字オーバーでしたっけ?本当に長い時間お疲れ様です」

ルミィ「裏話をすると、実はあそこまで長くなる予定はなかったらしいです。」

麻弥「そうなんですか?」

ルミィ「はい、怪盗役として疾透くんにするつもりではあったんですが、セリフを考えながら書いた結果あそこまで長くなりました」

麻弥「そういえば下書きはないんでしたっけ?」

ルミィ「『ない』のではなく『使わない』と言った方が正しいですね。」

麻弥「どうしてやらないんですか?」

ルミィ「本人曰く『失くした時の対処ができない』だそうです」

麻弥「あはは・・・確かにそうですね。それじゃあ本編に行きましょうか」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハロハピのライブと呼んでいいのか豪華客船での一連の出来事があってから日にちが経った。今日は休日、特に何もすることがなくて暇を持て余している。ポピパは練習があるらしいが、有咲から『最近は私たちのために頑張ってくれてるから今日は休め!』と連絡があったから今日は家でゆっくりしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月9日

 

【午前9時:疾透の部屋】

 

疾透「あー、今日は久しぶりの平和な一日だな・・・この間はこころの提案に巻き込まれてとんでもないことになったし、その前だって色んなことあったしな・・・偶にはこういう一日もいい・・・」

 

(ピンポーン)

 

疾透「・・・ん?誰か来たのか?こんな朝早くに・・・」

 

(ピンポーンピンポーンピンポーン)

 

疾透「あー五月蠅いな・・・一体誰なんだ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

(ガチャ)

 

疾透「こんな朝早くに誰ですか・・・って日菜さん?」

 

日菜「疾透くんおっはよー!」

 

疾透「今日は休日だっていうのにこんな時間から何の用なんですか?」

 

日菜「えっとねー、今日は仕事もなくて疾透くんと一緒に何かしたいなーって!」

 

疾透「何かって言っても特に俺の家には何もありませんよ?」

 

日菜「じゃあ散歩に行こう!」

 

疾透「えっと・・・俺に拒否権というものは」

 

日菜「ないよ?」

 

疾透「デスヨネー(さらば俺の平和な一日・・・)」

 

こうして俺の平和な一日は日菜さんによって変えられ、忙しい一日となった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【散歩道】

 

日菜「そういえば疾透くん、最近りみちゃんとはどう?」

 

疾透「どうって、何事もなく順調に付き合ってますよ。まあこの間ちょっとしたハプニングに巻き込まれたんですけどね・・・あはは」

 

日菜「それってどんなの?」

 

疾透「話すと長くなりますけど、カクカクシカジカクラゲクラゲ・・・」

 

日菜「へー、そんなことあったんだ。あ、それでね疾透くん!」

 

疾透「何です?」

 

日菜「今度、私たちがライブに出るから見に来てよ!」

 

疾透「・・・はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事は数日前に遡る・・・

 

5月7日

 

【事務所】

 

彩「ごめんみんな!バイトが長引いちゃって…」

 

千聖「そんなに走ってこなくても今日は仕事はないから大丈夫よ?それよりも、髪がぼさぼさになってるから早くこっちにいらっしゃい、とかしてあげるから」

 

彩「え!?そんなに髪乱れてる!?」

 

麻弥「彩さん、バイトお疲れ様です。」

 

彩「みんな、差し入れ持って来たからみんなで食べよう!」

 

イヴ「ありがとうございますアヤさん!かたじけないです!」

 

彩「それで千聖ちゃん、話って何?」

 

日菜「ふっふっふー…」

 

イヴ「ではこちらを刮目してください!」

 

彩「これって…『World idol Festival』!?これに出れるの!?」

 

千聖「ええ、先日これに出てみないかってオファーが来たのよ。大きなライブイベントの、ね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今に至る・・・

 

日菜「ってことがあってねー♪」

 

疾透「なるほど・・・で、そのライブイベントに見に来てほしいと?」

 

日菜「うん!」

 

疾透「ちなみにいつなんです?」

 

日菜「ちょうど来週だね!」

 

疾透「んー…まだいけるって決まったわけじゃないので前日に連絡入れますね。あとこのことはポピパのメンバーには・・・」

 

日菜「まだ言ってないよ。だから有咲ちゃんたちに伝えるかどうかは疾透くん次第かなー」

 

疾透「わかりました。それじゃあ後でこのことは伝えておきますね。」

 

日菜「オッケー!それじゃああたしはここで!」

 

疾透「・・・はい?」

 

日菜「ごめんね、おねーちゃんから連絡来て今から帰らないと…」

 

疾透「そうですか。それじゃあここでお別れですね。」

 

日菜「まったねー!」

 

そう言って日菜さんはスキップしながら家に戻っていった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「パスパレのライブイベント・・・なぁ…」

 

俺はまだ悩んでいた。結局ハロハピのあの事件からずっとチュチュという子にバンドに誘われて、少しずつ興味がわいていた。何せバンドなんて組んだこともないし、路上で演奏する程度のものだったからな・・・みんなで演奏することなんてポピパのみんなと音を合わせる程度だったし、少しの期間だけなら入ってもいいかも…って思ってきた。などと考えていると…

 

チュチュ「あら、ハヤトじゃない。あれから考えはまとまったかしら?」

 

疾透「…誰かと思ったらチュチュか。」

 

チュチュ「どうかしら?私がプロデュースするバンドのメンバーになる気は」

 

疾透「ちょっとさっきまでそのことについて考えていてな。まあ…ちょっとだけなら顔を出していいっては思ってる。それと、一つ質問いいか?」

 

チュチュ「何かしら?」

 

疾透「今足りないパートは何だ?」

 

チュチュ「あれからメンバーを勧誘して、後はギターだけかしら。ハヤト、あなたギターはできる?」

 

疾透「ちょっと他のバンドのマネージャーをやってて、そこで少しだけど音を合わせたりとかしてたな。まだ感覚を掴んだだけでそこまでうまくはないけどな」

 

チュチュ「そう、ならなおさら来てもらおうかしら。最初は誰にでも慣れは必要だから、ギターと私がプロデュースするバンドのことを知ってもらいたいものね。それじゃあ今から行きましょうか」

 

疾透「今から、か?」

 

チュチュ「早くバンドを組んで本格的な練習を重ねてライブをしたいのよ。」

 

疾透「まあ、その気持ちはわかるが・・・」

 

チュチュ「それじゃあ早く行きましょう。時間も押してるし」

 

チュチュがそう言って俺はチュチュについていった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【アパート】

 

チュチュ「みんな、新しいMember候補を連れてきたわよ。」

 

疾透「どうも、森睦疾透です。チュチュに連れられてここに来ました」

 

??「あなたがチュチュ様が言ってたハヤトさんですね!私はパレオと言います!」

 

疾透「パレオ・・・か、担当パートは何だ?」

 

パレオ「私はキーボード担当です!昔からキーボードを演奏してたので!」

 

疾透「なるほどな。」

 

??「次は私だな。私は佐藤(さとう)ますき、ドラムを担当させてもらっている」

 

疾透「佐藤・・・ますき・・・?もしかしてますきか?」

 

ますき「ああ…ってまさか疾透か?何年ぶりだ?」

 

疾透「確か…4年ぶりだったか。」

 

チュチュ「あら、あなたたち知り合いなの?」

 

疾透「まあ、こっちに引っ越してくる前にできた友達だよ。ただ中学からは別々だったし本当に久しぶりだな。」

 

ますき「あれからお前はどうしてたんだ?」

 

疾透「普通に吹奏楽部でピアノを演奏してたよ。で、今はこことは別のバンドのマネージャーをしてる。」

 

ますき「なんというか、疾透も変わったな。前までは『面倒事は嫌だ』とかで勉強とかを見るのは嫌がってたのに」

 

疾透「まあ、色々あってな。」

 

ますき「ちなみに私はドラム担当だ。元からこういう打楽器は好きだったからこういうのがあって助かった」

 

疾透「まあ、改めてよろしくな」

 

??「最後は私だな。私は和奏(わかな)レイ、担当パートはベースとボーカルだ」

 

疾透「ベース兼ボーカル・・・?珍しいな。俺が見てきたバンドはボーカルだけとかギター兼ボーカルとかいたんだけど」

 

レイ「ギターは幼馴染がやっていてね、ミュージックスクールでは一度私がベースを使って一緒に演奏したこともあって、それからずっとベースの技術を磨いてきたんだ」

 

疾透「へぇ…まあ歌うこと自体は難しくないしいいのかもな。よろしく、レイ。」

 

レイ「ああ、こちらこそよろしく疾透」

 

チュチュ「自己紹介は終わったみたいね。それじゃあまずはハヤトがこっちにいるときの名前でもきめようかしら」

 

疾透「『こっちにいるときの名前』?」

 

チュチュ「ええ。マスキは『マスキング』、レイは『レイヤ』。パレオはそのままパレオって呼んでるわ。ハヤトはそうね・・・『ハヤブサ』なんてどうかしら?」

 

疾透「ハヤブサ…ね。別にいいよ、呼びたいように呼んでもらって。ただ日常で出くわした時は普通に下の名前で呼んでくれると助かる。」

 

チュチュ「それじゃあ、よろしくハヤブサ。後は・・・あなたのギターの腕前を見せてもらおうかしら。」

 

疾透「俺はギターを持ってないからここにあったりは・・・しないか?」

 

チュチュ「あるわよ。ここは私のアパート兼練習場所だから一通り楽器はあるわよ」

 

疾透「そうなのか、それじゃあギターを借りるけど・・・」

 

チュチュ「ハヤブサなら・・・このギターがいいかしら。」

 

チュチュが持って来たのは、紺色のギターだった。

 

疾透「こんな色のギターまであるのか。というかここにはどのくらい楽器があるんだ?」

 

チュチュ「一応ギターとベースは2つずつかしら。後はひとつずつね」

 

疾透「そんなにあって費用とか大丈夫なのか・・・?」

 

チュチュ「私は飛び級でこっちの高校に来てるのよ。特待生とかでその分優遇されてるから学費はカットされてるわね」

 

疾透「飛び級って…つまりチュチュは俺より年下なのか。」

 

チュチュ「そ、そんなのはどうでもいいでしょ!早くハヤブサのギターの腕前を見せなさい!」

 

疾透「はいはい、言われなくても見せますよ。ちょっとチューニングをして…よし、こんな感じな音で大丈夫かな。それじゃあ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「まだギターを使わせてもらってから経験が浅いからな・・・これくらいのことしかできないけど」

 

チュチュ「・・・いわ」

 

疾透「え?」

 

チュチュ「ハヤブサ、あなたとてもすごいわ!まだ始めて時間が浅いって思えないくらいね!これなら私がプロデュースするバンドのメンバーになってほしいわ!」

 

疾透「はあ・・・なるほど、ありがとうございます。ただ、返事は保留させてください。やっぱりまだ決断ができないんです。俺はマネージャーもやってますし、こっちでバンドの練習もするとなると相当大変なスケジュールになりますし、向こうのバンドは日程は決まってませんが主催ライブをするって言ってたので、そっちも考えないといけませんし・・・」

 

チュチュ「そう、なら時間がある時にこっちに来てくれて構わないわ。」

 

疾透「すみません、そうしてくれると助かります。ところで、バンド名って決まってるんですか?俺を仮メンバーに換算するとして、これで5人ですし」

 

チュチュ「そうね・・・『RAISE A SUILEN』なんてどうかしら?」

 

疾透「『RAISE A SUILEN』・・・ですか。いいかもしれませんね。ただ俺が来るのは本当に偶になるのでその時はどうするんです?」

 

チュチュ「その時はハヤブサを除いたメンバーでやるから大丈夫よ。ハヤブサはハヤブサのやりたいようにすればいいわ」

 

疾透「すみません、練習に来る時間帯が曖昧になってしまって。今日はこれからどうしますか?」

 

チュチュ「そうね…今日は解散しましょうか。今日はハヤブサのギターの技量を見せてもらうことが目的だったのだから」

 

疾透「そうですか、それじゃあ今日は失礼します」

 

チュチュ「あらそう?今日はお疲れさま。今度練習に来る時までに腕を上げておきなさい!いずれRAISE A SUILENのリードギターになってもらうわよ!」

 

疾透「前向きに検討しておきますね、それじゃあお疲れさまでした」

 

そうして俺はRAISE A SUILENの練習場を後にした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【帰り道】

 

疾透「はあ・・・なんだか安請け合いしてしまったか?俺はポピパのマネージャーで忙しいのに…こうなると体力をもっとつけなきゃいけないし、RAISE A SUILENもPoppin'Partyも両立しなきゃいけないしな・・・さて、バイトの給料も随分たまってきたしギターを買った方がいいかもな。っと、『江戸川楽器店』か。ここならいいギターとかありそうだし買った方がいいかもな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【江戸川楽器店】

 

疾透「えっと・・・俺に合いそうなのは・・・」

 

麻弥「何かお探しですか?」

 

疾透「あれ、麻弥さん?麻弥さんこそどうしてここに?」

 

麻弥「日菜さんから『るんってくる新しいピック買ってきて!』って連絡が来て今ここでピックを探してるんです。そういう疾透さんだってここに顔を出すなんて珍しいですね」

 

疾透「まあ、ちょっと成り行きで今日結成されたバンドに顔を出すことになって、そこでギターを担当することになってギターを探しに来たんです。といってもまだ返事は出してないので仮メンバーですけど」

 

麻弥「なるほど・・・市ヶ谷さんから聞きましたけどPoppin'Partyのマネージャーになってるんでしたね。だからマネージャーとバンド練習の両立をすることになったんですね・・・」

 

疾透「はい、そういう事です・・・」

 

麻弥「ギターっていってもその人の性格とかで変わるのでそこは疾透さんに合ったようなギターがいいですね」

 

疾透「といっても、俺に似合うようなギターなんて俺一人じゃ・・・あっ」

 

麻弥「どうしたんですか?」

 

疾透「麻弥さん、一緒にギター探しに付き合っていただけませんか?麻弥さんってスタジオミュージシャンだったんですよね?ならギターとかに詳しいんじゃないですか?」

 

麻弥「おお!それならお任せください!」

 

こうして俺は楽器店で麻弥さんからギター選びの基本をレクチャーしてもらって、少し時間をかけてからギターとギターケースを購入した。ギターのカラーは水色で、ちょうど隣にあった隼(はやぶさ)がモチーフとなったストラップがあったのでギターケースに付けた。さすがにギターケースだけだと誰のかわからなくなるし、RAISE A SUILENで付けられた俺のバンド内での呼び方が少し気にいったっていうのもあった。

 

疾透「今日はありがとうございました麻弥さん。わざわざギター選びに付き合ってもらって。」

 

麻弥「いえ、ジブンもお目当てのものが買えたのでよかったです!それじゃあジブンはそろそろ帰りますね、お疲れさまでした!」

 

そう言って俺たちは別れてそれぞれの帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局俺はパスパレのライブを見に行くことはなく、RAISE A SUILENの練習に付き合っていた。あれから俺は『Ruby&Sapphire』でギターの練習をしていたりして、RAISE A SUILENのメンバーからも評判がよくなっていた。

…だが本当にこのまま俺はRAISE A SUILENのメンバーになってもいいのだろうか?まだ他のメンバーには俺がりみと付き合っていることは教えてない。俺はポピパのマネージャーとしてPoppin'Partyの主催ライブを考えないといけないんだ・・・ここで俺がますき達のバンドに入ったらそれはポピパのマネージャーをやめなきゃいけなくなる。俺は・・・どうすればいいんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 




ルミィ「いかがだったでしょうか」

麻弥「今回はポピパメンバーが誰一人として出てきませんでしたね…」

ルミィ「偶にはこういうのもいいかと思いまして。それにRASのメンバーに勧誘されたまま話を進めるのもどうかと思いました。」

麻弥「疾透さんは他の楽器も演奏したりしてますからね。それと一つ驚いたことがあります」

ルミィ「なんでしょうか?」

麻弥「疾透くんとますきさんが小学生時代に会っていたことです。」

ルミィ「これも元はそんな設定にする気はなかったんですが、一人だけでも疾透くんのことを知っている人がいた方がいいかなって思ったんです」

麻弥「なるほど・・・」

ルミィ「それではここまで読んでいただきありがとうございました」


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17話:艱難辛苦

ルミィ「どうも、気が付いたらPCの前に座っていましたよとルミィと」

イヴ「Pastel*Palettesの若宮イヴです!ハグハグハグー!」

ルミィ「おっと…」

イヴ「はっ、ついいつもの勢いでハグしてしまいました!」

ルミィ「私ならいつでも24時間ウェルカムです(キリッ)」

イヴ「ありがとうございます!いつもはチサトさんに止められるのですが・・・」

ルミィ「まあ、こういう前書きの時はフリーダムなのがいいところですね。」

イヴ「はい!それではホンペンへ参りましょう!」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺がRASの練習に顔を出してさらに日が経った。Poppin'Partyのメンバーには『ちょっと用事がある』って言って誤魔化してはいるけど、それでも4日に1日はRASの練習に顔を出している。沙綾やりみはあまり深く聞かないで助かってるけど、香澄やたえはしつこく聞いてくるから有咲が毎回止めにかかってくれなければ口が滑って喋っていただろう…本当に有咲には助けられてばかりだから今度何か奢ってやるか・・・

それで今は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6月10日

 

【午後12時:花咲川学園2ーB】

 

疾透「ふうー・・・今日の授業はなかなかハードだったな・・・まさか1時限目から小テストが連続で続くなんて…まあ数日後には帰ってくるし、赤点だったときとかの追試がないから苦にはならないんだけど」

 

りみ「そうだね…香澄ちゃんたち大丈夫かな・・・?」

 

沙綾「時間がある時に疾透くんが勉強を教えてくれたみたいだし大丈夫なんじゃない?」

 

こころ「それなら香澄は大丈夫ね!そろそろお昼にしましょう!」

 

疾透「そうだな…お腹が減ったからそろそろ昼ご飯を食べに行くか。場所はいつもの屋上でいいよな?」

 

りみ「うん。誰か誘う?」

 

疾透「いつものメンバーばかりじゃ話すことが決まってるし偶には誰か別の人を誘うか。」

 

沙綾「それ賛成!誰を誘う?」

 

疾透「うーん…あの人とあの人、あとはあの人なんてどうだ?」

 

りみ「確かにそのメンバーなら話がいろいろできそうだからいいかも…」

 

沙綾「それじゃあ連絡まわそっか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【花咲川学園屋上】

 

美咲「どうも、疾透さん。皆さん連れてきましたよ」

 

疾透「ありがとな美咲。偶には別のメンバーで食べようかってこっちで話してたから」

 

花音「誘ってくれてありがとう疾透くん。このメンバーで昼食ってなんか新鮮だね」

 

彩「そうだね。私と花音ちゃんはよく一緒に食べるけど疾透くんやりみちゃんたちとはあまり食べないからなぁ…」

 

りみ「それじゃあ早く昼食を済ませちゃおっか。」

 

少年少女食事中…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「ごちそうさま」

 

沙綾「今日も自分で作ってきたんだね疾透くん」

 

疾透「一人暮らしにも結構慣れてきたからな。りみは最近どうだ?」

 

りみ「偶に失敗しちゃう時もあるけど、最近はうまく作れてるよ。」

 

疾透「そうか、今度俺の分を作ってもらいたいな。逆に俺がりみの分を作ってみるってことで」

 

美咲「2人とも本当に仲いいよね。」

 

疾透「まあ付き合ってるわけだし、偶にりみがお菓子とか作ってきてくれたりするしな。おかげでポピパのメンバーはりみの作ったお菓子を好評してるし俺も食べてておいしいって思うし、ありがとうりみ」

 

りみ「また今度新しいお菓子に挑戦しようかなって…」

 

花音「りみちゃん、本当に甘いものが好きなんだね。」

 

彩「花咲川は疾透くん以外女の子だし、女の子は甘いものが好きだからね。」

 

疾透「いや俺も普通に甘いもの好きですけど。偶に沙綾の所でチョコチップパン買ってますし、偶にRASの練習にだって…」

 

りみ「えっ?」

 

疾透「(ああああ!俺の馬鹿あああ!なんで自分から暴露してるんだよ!!)」

 

沙綾「疾透くん、RASって何?」

 

疾透「はあ…まあ隠しておく意味もないし言うよ。俺は偶にRAISE A SUILENってバンドの練習に顔を出してるんだよ。」

 

彩「いつから?」

 

疾透「大体1ヶ月くらい前ですね。ただバンドに誘われたのはGalaxyでのライブが終わった後だったか」

 

りみ「あれ?もしかしてその時って…」

 

疾透「ああ、あの時は悪かった。携帯を見たのはただの演技で、心配をかけたくなかったからみんなを先に帰したんだよ・・・」

 

沙綾「一言言ってくれたらよかったのに。それで・・・RAISE A SUILENだっけ?そこに入ることにしたの?」

 

疾透「いや、入るかどうかは検討中だ。入るにしてもポピパのマネージャーはやめること必至だろうしな・・・でも昔馴染が入ってるバンドだし、支えてあげたいんだけど・・・ポピパにはりみもいる。だから今俺はそこで悩んでるんだ」

 

花音「ふぇぇぇ・・・疾透くん大変そう・・・」

 

疾透「実際大変ですよ・・・とことん練習に付き合ってほしいって言われたときは4時間くらいぶっ通しで演奏したりするな・・・」

 

彩「疾透くんのRAISE A SUILENでの担当パートって何?」

 

疾透「ギターですよ。ちなみにボーカルはベースの人がしてるので」

 

たえ「ねえ、それって誰?」

 

疾透「ああ、レイって言って・・・ってたえ、お前いつからそこにいた!?」

 

たえ「え、さっきだけど?それとさっき、レイって言った?」

 

疾透「ああ、言ったけど・・・それがどうしたんだ?」

 

たえ「もしかして、本名って和奏レイじゃない?」

 

疾透「ああ、そうも言ってたな。」

 

たえ「そっか、レイってこっちに戻ってきてたんだ。」

 

疾透「ん?たえってレイのこと知ってるのか?」

 

たえ「うん、ちょっとミュージックスクールで一緒の時があって、その時に話したんだよ。」

 

疾透「なるほど、そんな事があったのか。」

 

たえ「それじゃあまたねー」

 

そういうとたえは屋上から出ていった

 

疾透「はあ…本当にたえは学園内じゃ神出鬼没だな。えっと・・・どこまで話したか」

 

彩「えっと、昔馴染がいたってところだね。」

 

疾透「ああ、ますきっていって、ドラム担当なんだよな。小学6年生の時にちょっと話して仲良くなったのはいいけどこっちに引っ越す際に別れちゃってな。で、この間久しぶりに会ったけど元気そうだったから何よりだよ」

 

花音「ドラムかあ…今度教えてもらう事ってできるかな?」

 

疾透「いや、ますきも俺と一緒で説明は下手な部類に入るから教えてもらうことはたぶんないと思います」

 

花音「そっかぁ…」

 

(ピロピロリン)

 

疾透「ん?ごめん、ちょっと失礼するぞ」

 

りみ「もしかしてRASの人?」

 

疾透「まあそんな感じだ」

 

沙綾「私たちはもう少しお話してるから大丈夫だよ」

 

疾透「悪いな沙綾」

 

そう言って俺は屋上を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《GYNE》

 

疾透「それで、話って何だチュチュ?」

 

チュチュ「ハヤブサ、今度のデビューライブだけどあなたに出てほしいのよ。」

 

疾透「もうデビューライブなのか?日にちはもう決まってるのか?」

 

チュチュ「ええ。8月21日とそこそこ遠いけど、その日は他のみんなも大丈夫って言ってたから後はハヤブサ次第といったところかしら」

 

疾透「まあ、その日なら大丈夫そうだな。何か急なことに巻き込まれなければ、だけど・・・その時にでもメンバーになるかどうかの返事をする感じでいいか?一応MCでもそのように言ってくれると助かる」

 

チュチュ「OK。それじゃあ今日は暇かしら?」

 

疾透「まあ今日は暇だな。そっちにギター持ってくればいいんだな?」

 

チュチュ「Exactly。それじゃあ放課後にまた会いましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【放課後】

 

りみ「疾透くん、この後時間ある?ポピパのみんなでお買い物に行こうって話になってるんだけど・・・」

 

疾透「あー、悪い。今日は予定あるんだ。」

 

沙綾「もしかしてRASの練習とか?」

 

疾透「そんな感じだ。今度のデビューライブに出てほしいとかでその話し合いだ」

 

沙綾「そっか。それじゃあまた今度みんなの時間が空いた時にでも買い物しよっか。」

 

疾透「悪いな、あとこのことは・・・」

 

りみ「みんなには秘密、だよね?大丈夫だよ」

 

疾透「何から何まですまないなりみ…」

 

そう言って俺は教室を後にしてRASのメンバーが待ってる『Ruby&Sapphire』に向かった。りみたちはできるだけ香澄たちにGalaxyで練習するって言ってたので多分しばらくは大丈夫…だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後4時30分:『Ruby&Sapphire』スタジオ内】

 

チュチュ「やっと来たわね、ハヤブサ!」

 

疾透「これでも急いできた方なんだけど」

 

パレオ「チュチュ様、これで全員揃いました!」

 

チュチュ「さて、本題に入るわよ。今度デビューライブをすることになったわ!といっても他の主催ライブに入れてもらう形だから演奏できるのは1曲だけだけど」

 

ますき「1曲だけ演奏できるだけでも構わない。」

 

レイ「ますきの言うとおりだ。曲は『R・I・O・T』しかないがそれで行くしかないだろう」

 

チュチュ「そうね、まだ私たちはバンドとしては成り立っていないから一曲だけ作れれば上等よ!」

 

疾透「まあ・・・チュチュの言う通り俺はまだ仮メンバーですし。ライブが終わるまでに答えは出しておきますよ」

 

チュチュ「さて、それじゃあ練習するわよ!」

 

RAS練習中…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュチュ「そろそろ時間かしら。今日は解散よ!」

 

疾透「お疲れさまでした。」

 

ますき「なんだ、今日は帰る準備が速いな疾透」

 

疾透「ちょっと待ち合わせしててな。ここの練習が終わったら友達の家に泊まることになってるんだ。てなわけで俺は早めに失礼する」

 

チュチュ「お疲れさま、ハヤブサ。また今度ね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後6時:牛込家前】

 

疾透「りみ、泊まりに来たぞー」

 

(ガチャ・・・)

 

りみ「いらっしゃい疾透くん。といっても何もないけど・・・」

 

疾透「うちよりは物はある方だろ、こんなところで話すものあれだし上がるぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【りみの部屋】

 

りみ「疾透くん、私の部屋に入るのって久しぶりだよね?」

 

疾透「ああ、ここに入るのはGalaxyでのライブが終わったとき以来か。」

 

りみ「それで疾透くん、RASの練習はどうだった?」

 

疾透「RASなぁ…Roseliaに負けないくらい本格的なバンドだし、多分RASに入ったらポピパには・・・」

 

りみ「そっかぁ…そうなったら疾透くんと話せる機会が減っちゃうね…まだ決めきれないの?」

 

疾透「ああ…まだ決めかねてるよ。俺は今居場所に悩んでるんだ。この間ハロハピの時に『今一番欲しいもの』って問題出しただろ?あれはそのまま俺の心情を問いに出したんだ。俺の居場所はどっちなんだろうな・・・って」

 

りみ「それは疾透くんが決めることだから、疾透くんが決めたことなら私は何も言わないよ。たとえ疾透くんと別々のバンドになっちゃっても・・・」

 

疾透「りみ…もしかして、俺と離れ離れになるのが怖いのか?」

 

りみ「えっ?何で・・・そう思ったの?」

 

疾透「りみって寂しそうなときは顔が俯くからな。今そうして俯くってことはそう思ってるってことだ」

 

りみ「…疾透くんってなんでもお見通しだよね。」

 

疾透「付き合い始めてもうすぐ半年だからな。大体のことはわかってる」

 

りみ「うん・・・あたりだよ疾透くん。お姉ちゃんだけじゃなくて疾透くんも遠くに行っちゃうとって思うと…」

 

疾透「…本当は俺はどうすればいいのかわからないんだ。でも、今度のデビューライブには答えを出すつもりだからぜひ見に来てほしい。俺にとってもデビューライブだからりみたちにも聞いてほしいんだ」

 

りみ「いつなの?」

 

疾透「8月21日だな。結構先だけど」

 

りみ「後でみんなに連絡回してみるよ。でも疾透くんがメンバーってことは・・・」

 

疾透「ああ、できるだけ沙綾とりみと俺だけの秘密ってことにしておいてくれると助かる。」

 

りみ「うん、できるだけ隠しておくよ。…ねえ疾透くん」

 

疾透「今日は一緒に布団で寝たい、だろ?」

 

りみ「う、うん・・・」

 

疾透「しょうがないな・・・ほらりみ、こっちに」

 

そう言ってりみは俺がが入ってる布団の隣で寝転んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

りみ「そういえばお姉ちゃんと水夏さん、向こうでもうまくいってるみたい。」

 

疾透「そうか、俺もたまに姉さんと連絡とったりしてるけど写真とかしか送られてこないから何が言いたいのかわからないんだよ・・・ゆり先輩はちゃんと返してくれるのに」

 

りみ「あはは、水夏さんも相変わらずみたいだね・・・ねえ疾透くん、今って楽しい?」

 

疾透「今が?楽しいぞ。」

 

りみ「そうじゃなくて・・・『バンドとマネージャーの両立が楽しいの?』ってことだよ」

 

疾透「…正直なところ分からないんだ。さっきも言ったけど、俺の居場所はどっちなのかわからないんだ。Poppin'PartyなのかRAISE A SUILENなのか・・・俺には両方なんて選ぶことはできない・・・」

 

りみ「…」

 

疾透「…」

 

りみ「…疾透くん」

 

はやと「なんだ?りみ…」

 

俺がりみの名前を呼んで何かを言おうとする前にりみはキスをしてきた

 

りみ「私は・・・大丈夫だから。疾透くんの人生に私が口を出すなんて野暮だと思うし、疾透くんがそうしたいなら私は何も言わないよ。だから…」

 

疾透「…はは、こんなに可愛い彼女に慰めてもらうなんて少し自分が情けないって思うよ。ありがとなりみ」

 

りみ「疾透くんの悩みは私の悩みみたいなものだし、疾透くんも迷ってる時は私たちのこと頼ってほしいな。私たちはポピパの仲間なんだから・・・」

 

疾透「ああ、本当に道に迷った時は頼らせてもらうよ、その時はよろしくな。それじゃあもう遅いし今日は寝るか」

 

りみ「うん、お休み。疾透くん」

 

そう言って俺たちは寝息を立てて寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「(…俺は本当にどうすればいいんだ。去年みたいに姉さんに相談に乗れないし、りみたちに心配をかけたくないし・・・考えるだけ悩みは増えていくばかりだし今日はもう寝ろう。明日も学校だし制服は持ってきてるけど寝坊は体に悪いしな)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ルミィ「いかがだったでしょうか?」

イヴ「ハヤトさんのRASでの名前、かっこいいです!どうしてこの名前にしたんですか?」

ルミィ「それについては主より手紙を預かっております。
『はやとという名前は普通は隼の文字を使うことが多いらしい→森という文字が名字に入っているので森といえば鳥がよく羽を休めるところ→隼は鳥である→隼はかっこいい→ならRASでの名前をハヤブサにしよう』ということらしいです」

イヴ「なるほど!主さんは連想するのがうまいですね!」

ルミィ「よくクイズゲームで連想のジャンルを選ぶんですが、2つ目のヒントには回答していることが多いのだとか。直感で選んだりしていますが普通に正解しているとも言ってましたね。」

イヴ「まさに主さんもハヤブサですね!」

ルミィ「それではここまで読んでいただきありがとうございました」


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18話:心情と予定

ルミィ「やっぱり毎日投稿にしようかと考えているルミィと」

友希那「Roseliaのボーカルを担当している湊友希那よ。」

ルミィ「というわけで今回からRoseliaメンバーがこの前書きのコーナーに来ることになりました」

友希那「ルミィさん、『今回から』ということは他のみんなも出たのかしら?」

ルミィ「Exactly。」

友希那「そう。ちなみにここではどんなことを話すのかしら?」

ルミィ「ただ駄弁るだけです」

友希那「・・・本編に行くわよ」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから俺もPoppin'Partyも何事もなく、ただただ普通にバンド活動に勤しんで主催ライブの日にち等を考えたりした。香澄はあいかわらず俺がいないときは俺のことを心配していたが、りみと沙綾が何とか香澄を落ち着かせていてくれたみたいだ。たえはこの間俺たちが話していたことを香澄に喋ることはなかった。天然で忘れていたのか、俺のことを心配して言わなかったのか、俺にはわからない…今日は1学期の終業式で、明日から羽丘と花咲川は夏休みに入る。まあこれからも俺は4日に1日程度でRASの練習に顔を出すんだろうが・・・そうも言ってられないのが現実だ。そろそろ本格的にPoppin'Partyの主催ライブのことを考えないと、他のバンドもいつライブに参加できるのかわからない。そして今俺たちは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7月21日

 

【午後1時:流星堂】

 

有咲「で、いつ主催ライブの日にするんだ?できるだけ多くのバンドに来てほしいから日程を決めておかねーとやばいんじゃねーか?」

 

疾透「だな。夏休み中に予定がないってわけがないし、やるにしても夏休みが終わってからがいいだろうな。」

 

有咲「それに、できるなら知った顔がいるバンドがいいしな。Afterglow、Pastel*Palettes、ハローハッピーワールド、Roseliaの4組を誘うのがいいだろうな。」

 

疾透「それなら俺から休みの日とかを聞いてみるよ。みんなの休日が一致した日を主催ライブの日にする…っていうのはどうだ?」

 

沙綾「うん、それが良さそうだね。それじゃあ日程は疾透くんに任せるとして・・・」

 

香澄「私たちはセットリストを考えないと!」

 

たえ「でもまだこれから局はいくつか作れるかもしれないからセトリはもう少し後にしたほうがいいんじゃない?」

 

香澄「それもそっか!じゃあ今から曲を作ろう!」

 

有咲「お前、今の話聞いてなかったのか!?今すぐに作るなんてできねーからまずは曲のコンセプトを考えろよ!」

 

疾透「はあ…結局はまた曲作りなのか…こりゃセトリがいつ出来上がるのか不安だな・・・」

 

りみ「あはは・・・結局はいつも通りだね・・・」

 

(ピロピロリン)

 

有咲「ん?誰かのケータイに連絡来たな。私のじゃねーぞ」

 

香澄「私のでもないよ?」

 

りみ「私でもないよ。」

 

沙綾「私の…じゃないみたいだね。」

 

たえ「もちろん私のでもないよ。じゃあ後は・・・」

 

疾透「俺の、だな。ちょっと待っててくれ」

 

そう言って俺は流星堂の外へ移動した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《GYNE》

 

疾透「こんな時に連絡を入れてくるなんて珍しいなチュチュ」

 

チュチュ「ハヤブサ、ちょっといいかしら?」

 

疾透「どうかしたのか?」

 

チュチュ「マスキングの予定がちょっとだけずれてしまって、8月21日のデビューライブがずれちゃったのよ。だからそのことで報告しておこうと思ったからこうして連絡したの」

 

ちなみにマスキングとは、チュチュがますきに付けたバンドネームである。パレオとチュチュは本名を聞いてなかったので俺はそのまま呼んでいる。

 

疾透「そうなのか。ちなみにいつになったんだ?」

 

チュチュ「9月23日よ。ちなみにハヤブサはその日は大丈夫かしら?」

 

疾透「学校はあるけどそっちには間に合うと思うから大丈夫だ。」

 

チュチュ「OK。それじゃあデビューライブの日は9月23日で最終決定よ。ハヤブサも体調を崩さないようにしなさいね」

 

疾透「わざわざありがとなチュチュ。あと聞かれる前に言っておくけど悪いが今日はそっちに向かえない。」

 

チュチュ「わかったわ。無理に理由を作ってこなくていいからそっちでやりたいことに専念しなさい。」

 

疾透「悪いな。こっちはもう夏休みに入ったから時間は結構作れると思うからその時はこっちから連絡入れるよ」

 

チュチュ「OK。それじゃあまた練習で会いましょう」

 

《GYNE終了》

 

チュチュとのGYNEが終わった後、俺は流星堂に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【流星堂】

 

疾透「悪い、ちょっと長引いちゃって…って何してるんだ」

 

有咲「疾透、ちょうどいいところに戻ってきたな。香澄をどうにかしてくれ・・・」

 

香澄「疾透くん!この歌詞どう!?」

 

疾透「俺がいない数分の間によくこんな歌詞書けたな・・・相談はしたのか?」

 

香澄「ううん!してないよ!」

 

疾透「…香澄?」

 

香澄「何かな?」

 

疾透「今度からみんなにどんな歌詞にするか相談しながら書こうな?確かに歌詞としては申し分ないのかもしれない、でも何の相談もなしに書くとみんなが混乱するからこれからはみんなで書こうな?」

 

香澄「は、はーい・・・」

 

有咲「疾透すげー・・・香澄の扱い慣れてねーか?」

 

疾透「俺のクラスにも一人香澄に似たやつがいるしな。あと羽丘にも一人だけ似たような人いるし・・・」

 

沙綾「あー、確かにこころは香澄に似てるし疾透くんって何かあったらこころに何か頼まれるしね…」

 

りみ「だから香澄ちゃんの扱いに慣れてるんだね・・・」

 

たえ「もしかして疾透くんって香澄の調教師?」

 

疾透「違うしどこでそんな言葉を覚えたんだたえ」

 

たえ「うーん…バラエティ番組とかだったかな?」

 

疾透「こっちではそんなハードなバラエティ放送してるのかよ・・・俺はクイズ番組しか見ないんだけど」

 

有咲「で、さっきは何の連絡だったんだ?」

 

疾透「ちょっと手伝ってほしいことがあって、時間がある時にでも手伝ってほしいってことだったよ。別に有咲たちが心配するようなことじゃないから大丈夫だ」

 

有咲「そうか?ならいいんだけどよ・・・」

 

りみ「(疾透くん、もしかしてRASの人からの連絡だったのかな?)」

 

沙綾「(多分ね。何事もなかったらいいんだけど・・・)」

 

疾透「(ああ、そんな感じだ。今度のライブの日がずれて9月23日に延期になったんだよ)」

 

りみ「(そっかぁ…)」

 

沙綾「それより、今日は何の楽器を演奏してみるの?昨日はベースだったよね?」

 

疾透「そうだったな。昨日はベースで一昨日はドラムだったから・・・今日はギターにするかな。」

 

たえ「じゃあこれ使う?」

 

疾透「いや、大丈夫だ。バイト代がたまったからこの間ギターを買って最近は家で練習したりしてるからな。今日も持ってきてるぞ」

 

香澄「もしかしてそれ!?見せて見せて!」

 

疾透「変に躓いたりして壊すなよ?」

 

香澄「大丈夫大丈夫!ギターの扱いには慣れてるから!」

 

有咲「私が見張ってるから大丈夫だから安心してていいぞー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香澄「はい!ありがとう疾透くん!すっごいキラキラドキドキしたよ!」

 

疾透「そうか。じゃあ今日の音合わせといこう。曲は何にする?」

 

沙綾「『キズナミュージック』でどう?」

 

りみ「それにしよっか。じゃあ・・・」

 

少年少女演奏中…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「ふう…こんな感じだな。」

 

りみ「疾透くんすごいよ!何度かみんなで合わせたことはあったけど、今回はすっごい合ってた!」

 

香澄「うんうん!疾透くんはギターをあまり使わなかったけど、すっごい練習したのがわかるよ!」

 

有咲「だな。私も今日のは今までよりも合ってた感じがするしな。疾透、ものすごい練習したんだな。」

 

疾透「まあな。努力はいくらしても困らないし、いざという時のために動けないとマネージャーとしては当然だからな。」

 

沙綾「本当にこういうときの疾透くんって頼もしいよね。疾透くんがマネージャーでよかったよ。(疾透くん、RASで結構演奏してるんだね・・・いつかは追い越されちゃうのかな)」

 

たえ「(でも疾透くん、なんだか苦しそう。もしかして、RASとポピパで迷ってるのかな?)」

 

疾透「それで、夏休みの間はどうするんだ?あまり無茶して熱中症で倒れたりしないために1週間に2日くらい休みを設けるか?」

 

香澄「さんせ―!」

 

有咲「それは別にいいんだけどよ、宿題は早めに済ませろよ?バンドも大事だけど学業も大事だからな」

 

疾透「そう考えると1週間に2日じゃ宿題が終わるか不安だな・・・1日おきに流星堂とうちで交代制で宿題とバンド活動にするか?」

 

沙綾「バランス的にはそれがいいかもね。早く終わればバンドの方に顔を出せるから」

 

疾透「ちなみに言っておくと、俺はもう夏休みの宿題の3分の1は終わってるぞ。」

 

有咲「早っ!?何でもうそんなに終わってんだよ!」

 

疾透「なんでって、授業と授業の合間の時間とか昼時間を使って進めてたからな。後々にめんどくさい宿題だけ残して追いつめられるっていうのも嫌だし」

 

りみ「だから最近昼休みとかは一人だけ教室に残って弁当を食べてたんだね。」

 

疾透「まあな。夏休みが終わったらまた一緒に昼ご飯を食べよう」

 

沙綾「うん、約束だよ」

 

疾透「ああ。(約束…か。ますきとの約束…どうすればいいんだ。一緒にバンドを組んで約束を破りたくない。でも…)」

 

りみ「疾透くん?思いつめたような顔してるけど大丈夫?」

 

疾透「あ、ああ…大丈夫だ。」

 

たえ「ねえ、それよりも時間大丈夫?もうこんな時間だよ?」

 

有咲「げっ、もうこんな時間なのか・・・結構頑張ったな。今日はもう解散するか…」

 

俺たちはケータイを見て時間を確認した。気が付いたらアナログ時計は7時を回ろうとしていた

 

疾透「まずいな…そろそろ夕食の材料を買って帰らないと売り切れるかもしれない」

 

沙綾「私もパンの材料とか夕食のおかずとかを買って帰らないと…りみはどうするの?」

 

りみ「私は少し買い置きしてるからしばらくは買わなくて大丈夫かな。」

 

疾透「そうか。じゃあこの後買い出しに付き合ってくれないか沙綾?」

 

沙綾「オッケー。それじゃあ帰りに寄っていこうか。それじゃあみんな、またね」

 

そう沙綾が言うと俺たちは流星堂で別れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後7時15分:ショッピングモール】

 

沙綾「RASの練習とマネージャーの仕事で両立して疲れてるはずなのに買い物に付き合ってくれてごめんね疾透くん」

 

疾透「いいって。バンドとマネージャーの両立はしたことなかったし、新しい体験ができてるんだ。だけど・・・」

 

沙綾「やっぱり、この間のハロハピでのことを気にしてるんだね?」

 

疾透「ああ…やっぱり不安なんだよ。両立をいざやってみるとなると結構難しいし、俺にとっての居場所はどっちなのかって…」

 

沙綾「このことはりみりんにも話してるの?」

 

疾透「ああ、先月りみの家に泊まった際にな。やっぱりりみにも心配されたよ…」

 

沙綾「りみりん、誰に対しても心配だからね。この間私もりみりんに心配されちゃって…」

 

疾透「りみと沙綾と有咲は色んな意味で心配してるんだな・・・こんなこと有咲に言ったらなんて言われるか・・・沙綾」

 

沙綾「わかってる。りみりんも私もなんとか平然を装ってるけどいつ心配されるか・・・」

 

疾透「その時は俺からちゃんと説明するよ。でもあまり平然を装ってると逆に見抜かれるから注意しておけよ?」

 

沙綾「うん、わかってる。わかってるけど・・・実はバンドを組んだ時もみんなに心配されちゃったんだよ。」

 

疾透「それって、沙綾のお母さんが倒れた時のことか?」

 

沙綾「うん。お母さん、お店のことで張り切りすぎちゃって、過労で倒れちゃったことがあったんだよ。その時は病院に走っていって香澄たちに心配されちゃったなぁ…今は何とか店を切り盛りしてくれてるんだけど今度いつ倒れるかわからないし・・・」

 

疾透「その時は俺も手伝うぞ、沙綾一人に負担をさせたくないからな。沙綾まで倒れられると香澄たちはとても心配しそうだしな」

 

沙綾「あはは、それじゃあその時はお願いしようかな。」

 

疾透「困ったときは頼ってくれ。それが仲間ってものだろ?」

 

沙綾「うん。疾透くんも困ったら私たちをドンドン頼ってね?」

 

疾透「ああ。どうしても前へ進めなかった時は頼るよ。っと、そろそろレジが空くな。沙綾の分を先に会計を済ませていいぞ。俺が買ったのは量が多いし」

 

沙綾「それじゃあそうするね」

 

俺たちはレジで会計を済ませてショッピングモールを出た…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【帰り道】

 

沙綾「今日は買い物に付き合ってくれてありがとね疾透くん。おまけに荷物まで持ってもらっちゃって」

 

疾透「いつもエコバッグを持ってきてるからこれくらいはお安い御用だよ。まあ俺が買った荷物の方が多すぎるんだけど・・・」

 

沙綾「本当にこういうときの男の子って頼もしいよね。腕っぷしがあるし、体力もあるもん」

 

疾透「男が女に体力面で負けるなんてシャレにならないからな。テニス部にも顔を出してるし実質3つも請け負ってることになるな・・・いや、生徒会にも入ってるから4つも請け負ってることになるのか…」

 

沙綾「そんなにやってて疲れたりしない?」

 

疾透「疲れることもあるけど、やっぱり達成感があるからそこまで苦にはならないかな。テニスをしてて、誰かと競いあうっていうのが楽しいんだよ。」

 

沙綾「そういえば高校総体で全国8位まで行ったんだっけ。たった1年であそこまで上達するなんてすごいなあ…」

 

疾透「努力の賜物だよ。っと、そろそろ沙綾の家だな。」

 

沙綾「本当にありがとうね。それじゃあまた明日」

 

疾透「ああ、また明日流星堂でな」

 

そう言って俺は持ってた荷物を沙綾に渡して俺も自分の荷物を持って家に帰った…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ルミィ「いかがだったでしょうか?」

友希那「疾透くん、学校でもPoppin'Partyでも苦労してるのね。それにRASの練習にも顔を出してるんでしょう?」

ルミィ「そうですね、主もゲーム三刀流プレイとかするらしいですよ」

友希那「『ゲーム三刀流』って何かしら?」

ルミィ「一人で3つのゲーム機を同時にプレイすることです。いつの間にか身についたらしいですね」

友希那「そんな器用なことをして体が追い付くのかしら」

ルミィ「追いつくらしいです」

友希那「・・・本当に主って何者なのかしら」

ルミィ「ただの人間ですよ。それじゃあここまで読んでくれてありがとうございました」


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19話:迫られる決断

ルミィ「どうも、気が付いたら(ry)とルミィと」

紗夜「Roseliaのギター担当、氷川紗夜です。どうして今日は私がこんなところに・・・」

ルミィ「友希那さんに前回出ていただいたので友希那さんの支えである紗夜さんをお呼びしたわけです」

紗夜「なるほど・・・ところでルミィさん。風紀を乱すようなことをしてないですよね?」

ルミィ「大丈夫です、インドア派の私に風紀を乱すようなことは万が一にもありえませんから」

紗夜「それを聞いて安心しました。それでは本編へ行きましょう」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから俺はRASのライブの練習とポピパの主催ライブのセトリなどを考えたりと多忙な日々を送っている。1日おきにRASの練習→ポピパの主催ライブの計画→夏休みの宿題→RASの練習とわずか4日でループするスケジュールだ。体への負担が大きいけど、こっちの方がバンドの方も学業の方もバランスが取れていつもと変わらない感じがしていい・・・んだが、いつものように香澄が宿題を放り出して遊びに行っていると明日香から報告があったため、スケジュールをRASの練習→夏休みの宿題→ポピパの主催ライブの計画→夏休みの宿題→休日→RASの練習と、結局は6日でループするスケジュールに変更された。明日香は香澄と違ってしっかり者だからこういうときほどしっかりしてる人には助けられるな…それで今日はというと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8月1日

 

明日香「すいません疾透さん…あこがどうしても行きたいところがあるからって付き合ってもらって・・・」

 

疾透「まあ、あこが楽しそうな顔をしてるからいいけど…一つ気になることがあるんだが」

 

明日香「そうですね。私も言いたいことがあるんです。」

 

疾透・明日香「「何で日菜さんが付いてきてるんですか?」」

 

日菜「だっておねーちゃんはRoseliaの個人練習にいってて家にはあたし一人だったし、今日は仕事ないし暇だったんだもーん!」

 

疾透「だからといって偶然見つけた俺たちについてくるのはどうなんでしょうね?」

 

日菜「だって疾透くん達と一緒にいたらるんってくるもん!」

 

明日香「どうします?疾透さん」

 

疾透「こうなったら紗夜さんでも止めるのは至難だし・・・しょうがないからこのまま日菜さんも連れていくか。」

 

あこ「疾透さんも日菜ちんも何してるのー?早く行こうよ!」

 

疾透「はいはい。」

 

こうして俺の滅多にない夏休みの休日は平和ではなく振り回される一日になった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【東京ビッグ〇イト】

 

あこ「すっごーいNFOのアバターやモンスターの格好をした人たちがいっぱーい!」

 

明日香「あこ、NFOが好きなのでこのイベントには絶対に行きたいとかで私が誘われたんです。燐子さんとかもいるんですけど、生徒会の仕事が立て込んでるとかで今日は来られなかったそうです。」

 

疾透「で、俺はそのとばっちりを受けたと…それで明日香、一つ気になったんだが」

 

明日香「奇遇ですね、私も一つ気になりました」

 

明日香・疾透「「何で日菜さんが真っ先にいなくなるんですか」」

 

そう、日菜さんはここに入った直後に『るんって来た!』って言って勝手になくなっていた。人混みの中に突っ走っていったので俺たちはただ日菜さんが人混みに入っていくのを見ていた…

 

あこ「あー!あれは超激強ボスのスターロード・ビーストだー!再現率もすごくてかっこいい!」

 

明日香「疾透さん、あこ…どうします?」

 

疾透「少ししたらこっちに戻ってくるだろうから適当にフラつくか。」

 

明日香「ですね。」

 

俺と明日香は適当にその辺をふらついて時間を潰すことにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「・・・なあ明日香。」

 

明日香「・・・はい疾透さん」

 

疾透・明日香「「また人増えてるんだけどなんでこうなってるの?」」

 

あれから少し時間を潰すために会場を適当に歩いていたら花咲川で生徒会の仕事をしてるはずの燐子さんや、燐子さんの手伝いをしていたらしいひまりも来て遭遇したため4人に増えた。あこと日菜さん?察してくれ…

 

ひまり「疾透くんも来てたんだね!」

 

疾透「そういうひまりこそ。まあ俺はあこの連れの明日香に頼まれてきたんだけどな…燐子さんもこんにちは」

 

燐子「こんにちは・・・疾透くん・・・」

 

疾透「こういうところに来るなんて珍しいですね、人混みは嫌いだとか紗夜さんに聞いたんですけど」

 

燐子「今日はNFOのキャラやモンスターのコスプレをした人がたくさん集まってグッズとか衣装の販売をするんですよ。私とあこちゃんは最初期からNFOをプレイしていて、このイベントをずっと心待ちにしていたんです。私とあこちゃんはNFOはやっててもグッズとかはほとんど持っていなくて早く買いたいなーとは思ってはいたんですが学校が忙しくて行けなかったので今年は偶然にも夏休み中にあってよかったです」

 

疾透「燐子さん、本当にNFOが好きなんですね…俺も最近復帰したんですけどすごく助かってます」

 

明日香「え?疾透さんNFOをやってたんですか?」

 

疾透「といっても数年ぶりにログインしたから勘を取り戻すのに7時間丸々使ったけどな・・・」

 

燐子「この間あこちゃんと一緒にやりましたけど・・・とても楽しかったです・・・疾透さんはNFO内でも結構有名だったので・・・」

 

ひまり「え?疾透くんってNFOでそんな有名だったの!?」

 

疾透「有名ってほどじゃないけどな。ただコツコツと一人で経験値を積んで高ランカーになってから至る所の低ランカーに手伝いに行ったらなんか『始まりの風』とかNFO内で勝手に呼ばれたな…中3になってから忙しくなったんでついこの間まで放置してました。」

 

明日香「疾透くんってやりはじめると忙しかったりめんどくさいと感じたりしない限り途中で作業とか投げ出したりしない感じですよね」

 

疾透「まあな。」

 

ひまり「ってあれ?燐子先輩はどこに行ったんですか?」

 

疾透「…ゑ?」

 

ひまりにそう言われて周りを見渡してみると…燐子さんは足早にあこのところに向かって行ってたみたいだ…

 

明日香「向こうは向こうで盛り上がってるみたいですし私たちは適当に見て回りましょうか」

 

疾透「まあ本当に俺たちは連れてこられた側だしな・・・特にやることがないし」

 

そう言って俺たちはまた適当にふらつくことにした。途中あこからGYNEで『あこたちはりんりんと日菜ちんと一緒に帰るので大丈夫です!』と送られてきたので向こうは心配しなくてよさそうだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【通路】

 

ひまり「ね、気になることがあるんだけど」

 

疾透「奇遇だな、俺もだ」

 

明日香「そうですね。もうこの展開には慣れたんですけど」

 

疾透・明日香「「また人が増えてるんだけど」」

 

そう、またまた適当にふらついているとりみと薫さんの二人組に会っていた。

 

薫「やあ、子猫ちゃんたち。こんなところで会うなんて奇遇だね」

 

疾透「薫さんこそ、こういうところは無縁だって思ってたんですけど」

 

薫「いや、私はここの隣にあるショッピングモールで買い物をしていたんだ。そこでりみちゃんに出会って今に至るというわけだよ」

 

疾透「(なあひまり、羽丘って結構フリーダムすぎないか?)」

 

ひまり「(そんなことないと思うよ?花咲川だって結構フリーダムじゃない?)」

 

疾透「(あー、確かにそう言われると納得だな。香澄とかこころとかはぐみとかたえがいるし)」

 

ひまり「(でも羽丘だってモカとか日菜先輩とか薫先輩とかあこちゃんとかもいるし…そう考えると羽丘もフリーダムかな?)」

 

りみ「ひまりちゃん?疾透くんと何の話してるの?」

 

疾透「別に、羽丘も花咲川もフリーダムってことだよ。自由すぎて逆にやることが・・・」

 

(ピロピロリン)

 

疾透「なんだ、間が悪いな…ちょっと席を外すぞ」

 

薫「ああ、行っておいで。私たちはここで待っているよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《GYNE》

 

チュチュ「ハヤブサ、今日は時間あるかしら?」

 

疾透「(あると言えば嘘になるけど、別にないって言ってもな…)別に何もないけど」

 

チュチュ「そう。ちょっと話したいことがあるから今からこっちに来れないかしら?」

 

疾透「別に構わないけど」

 

チュチュ「OK。今どこにいるのかは知らないけど、できるだけ早く来てちょうだい」

 

疾透「わかった。それと、一人だけ連れてくるけどいいか?」

 

チュチュ「それはPoppin'PartyのMemberかしら?」

 

疾透「ああ。ちょっと引っ込み思案だけど、まだRASの仮メンバーだってことは教えたけどどんな人がメンバーなのかは教えてないしこの際紹介しようって思って」

 

チュチュ「別に構わないわ。それじゃあ早く来なさい!」

 

疾透「はいはい。」

 

チュチュ「『はい』は1回で十分よ!」

 

《GYNE終了》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「悪い、ちょっと話が長引いてた。あと俺はここまでだな」

 

りみ「どこかに行くの?」

 

疾透「ああ、ちょっとな。」

 

ひまり「私もついていく!」

 

疾透「悪いな、連れて行くのはりみだ。」

 

りみ「え、私?(疾透くん、もしかしてRASの人たちの所?)」

 

疾透「(ああ、そういうことだ。まだメンバーが誰なのか紹介してないし、この際りみのことも紹介しておこうかなって思って。)」

 

りみ「(そういう事ならついていくよ。)ごめんねみんな、私は疾透くんと一緒に行くよ」

 

薫「そうかい?それじゃあ私たちとはお別れか。こっちはこっちで楽しんでいるから気にしなくて大丈夫だよ」

 

疾透「すみません、それじゃあ俺たちはこれで。」

 

明日香「ここまで付き合ってくれてありがとうございました疾透さん。それじゃあまた今度」

 

そう言って俺たちは別れて、俺はりみと一緒にRASの練習の場所に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【アパート】

 

チュチュ「Welcome、ハヤブサ。そして隣にいる子がPoppin'PartyのMemberね?」

 

りみ「は、はい!私は牛込りみっていいます!Poppin'Partyというバンドのベースを担当しています!」

 

チュチュ「リミね。私はRAISE A SUILENのDJ担当でありRAISE A SUILENのプロデューサーのチュチュよ。ハヤブサ…ハヤトの年下だからリミは私より年上ね。それより、こんなところで立ち話もあれだから入りなさい」

 

りみ「お、お邪魔します・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「ますき、レイ、パレオ。こんにちはだな」

 

ますき「ああ、こんな時間に呼び出して悪いな疾透。」

 

レイ「疾透は何で呼ばれたのかわからないのか?」

 

疾透「ああ、俺の急に呼ばれただけで内容はまだ何も聞いてないな」

 

パレオ「それより気になったのですが、隣の子は誰ですか?」

 

りみ「は、初めまして!私は牛込りみっていいます!」

 

レイ「キミがりみちゃんか。疾透が最近『りみが~』とか話してるからどんな子かとは思ったけど可愛いね」

 

りみ「か、かわっ…!?」

 

疾透「レイ、あまりりみを揶揄うんじゃない。顔を赤くしちゃっただろ」

 

レイ「揶揄ったつもりじゃないんだが、そう見えてしまったのならすまない。りみちゃんもごめんね」

 

りみ「い、いえ・・・大丈夫です・・・」

 

チュチュ「さて、本題に入るわよ。今日は1か月後に控えたライブのことについての話し合いよ!」

 

疾透「セトリは『R・I・O・T』だけだけど、ライブの衣装も考えないとか?」

 

チュチュ「今から用意するにしても時間が足りない可能性が高いわ。衣装はその時に考えましょう。最悪近くのショッピングモールで買えば済むし」

 

疾透「それなら最終的にはそっちで済ませるとして・・・問題が一つだけあるな」

 

りみ「何かあったかな?」

 

疾透「いや、チュチュたちには関係ないことなのかもしれないけど、今年は日菜さん、何か企んでる感じがするんだよ。あの人は羽丘の生徒会長だろ?だから何か起こしそうで…」

 

りみ「あはは…疾透くんって日菜先輩によく巻き込まれたりするからね・・・」

 

疾透「でもライブの日が9月23日で最終決定だからもう延長もできないし…あとは日菜さん次第だよ本当に」

 

りみ「あはは・・・」

 

パレオ「あの、ハヤブサさん、一つ聞いてもよろしいでしょうか?」

 

疾透「なんだ?」

 

パレオ「お二人は付き合ってらっしゃるんですか?」

 

チュチュ「パレオ?何根も葉もないことを聞いているのかしら?それにハヤブサにこんな可愛い子が彼女なわk・・・」

 

疾透「いや、事実だけど?」

 

チュチュ「そうそう、事実…ってなんで今まで隠していたのよ!!」

 

疾透「いやそんなことを一回も聞かれなかったし、りみもここに初めて連れてきたんだしな。」

 

チュチュ「それは確かにそうだけど・・・それならそうって早めに言いなさいよ!はぁ…こんなんじゃ先が思いやられるわね・・・」

 

疾透「別に俺とりみが付き合ってるからっていってもそんな毎日一緒にいるわけじゃないしデートだってそこまで行ってるわけでもないからな。行って月に1回くらいだし、現にこれまでにここに練習しに来た時に支障が出たことなんてあったか?」

 

チュチュ「…ない、わね」

 

疾透「そうだろ?それに今は今度のライブでどういう風に演奏するかを決めてるんだろ?」

 

ますき「そうだな、今一番の問題はそれだ。まだどういう方向性のバンドなのかもまだ決まってない。ロックバンドとかが今の私たちにはぴったりだろうが・・・」

 

疾透「それじゃあロックバンドって方針で今後の練習に取り入れてみるか」

 

チュチュ「そうね、今日は練習じゃなくて今後の方針の話し合いだから今日はひとまず解散かしら。」

 

疾透「お疲れ様。」

 

そう言って俺たちはアパートを後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後6時:帰り道】

 

りみ「疾透くん」

 

疾透「なんだ?りみ」

 

りみ「疾透くん、RASのみんなの時と一緒にいるときもなんか生き生きとしてない?」

 

疾透「まあ、楽しいことは事実だし・・・でもポピパのみんなといるときの方が楽しいけどな。」

 

りみ「本当?」

 

疾透「楽しくないって嘘を言うメリットなんてどこにもないしな。それに、ポピパの方が楽しいって証拠は今ここにあるからな」

 

りみ「?何かあったかな・・・?」

 

疾透「それは、りみのことだ。俺がりみのことが嫌いならポピパのマネージャーの仕事を請け負わずに一人でずっとキーボードを弄ってただろうからな。りみは俺にとって一番の宝物だよ。宝物だからこそ…俺はりみのことを大事に思ってる。ますきやチュチュには悪いけど・・・今度のライブが俺にとって最初で最後のライブになるだろう。居場所が増えたのはよかったけど・・・やっぱり俺にとっての一番の居場所はポピパなんだ。RASのみんなは俺に優しくしてくれた。でも…」

 

りみ「疾透くん…」

 

疾透「なんか湿っぽい話になったな…とりあえず、今度のライブが終わってから俺はちゃんとチュチュに伝えるつもりだよ。だから安心してくれ、りみ」

 

りみ「・・・うん、私は疾透くんを信じるよ。じゃあ・・・また今度ね」

 

疾透「ああ、またなりみ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「(やっぱり、俺の居場所はポピパなんだ…それを教えてくれたのはりみだ。俺も覚悟を決めないといけないな・・・今度のライブのことも、ポピパの主催ライブのことも・・・)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ルミィ「いかがだったでしょうか」

紗夜「疾透くん、私たちの知らないところで苦労しているのね・・・」

ルミィ「井の中の蛙、といったところですかね」

紗夜「ええ、悔しいですがそういう事ですね。ルミィさんはそういう事になったことはないのですか?」

ルミィ「私も一時期は井の中の蛙状態でしたが、今はそんなこともなく普通に過ごしていますよ。」

紗夜「そうですか、それなら安心ですね。」

ルミィ「『何事もほどほどに』とはよくいいますから。それではここまで読んでいただきありがとうございます」


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20話:思いつきは突然に

ルミィ「はい、1日バンドリをサボっただけでフルコンを逃がしてしまうルミィと」

リサ「Roseliaのベース担当、今井リサだよー☆大丈夫なの?」

ルミィ「なにがでしょう?」

リサ「いや、1日サボっただけでフルコン逃がすって相当勘が落ちたりしてないかなーって」

ルミィ「心配無用です。1日サボったとしても勘を取り戻すのは結構早いので」

リサ「へぇー。どのくらいで取り戻せるの?」

ルミィ「大体3回ほどしたら勘を取り戻せますね」

リサ「早くない?」

ルミィ「まあ勘を取り戻すのは時間をそんなにかけないのである意味助かってます」

リサ「あはは…それはすごいね…それじゃあ本編にいこっか」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからRASでもポピパでも何事なく夏休みを過ごし、なんとか香澄の夏休みの宿題を片付けてバンド練習に力を注いで新しい曲もいくつかできた。RASはロックバンドに力を入れるため結構ハードな練習が続いたけどポピパの練習に比べたらそこまで疲れることはなかった。それでも疲れは残るから家に帰ったらすぐに布団に入り寝たりした。そんなこんなで夏休みは終わり、2学期が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9月1日

 

【午前8時:牛込家前】

 

疾透「おはようりみ。今日は寝坊しなかったんだな」

 

りみ「2学期の最初から寝坊なんてしないよ・・・」

 

疾透「それもそうか。俺たちは夏休み中でも朝早く起きて宿題をしていたんだよな。それにしても香澄は・・・」

 

りみ「あはは・・・でも間に合ってよかったね。」

 

疾透「早く終わらせないと主催ライブの話し合いも何もなくなるからな・・・そろそろ行くか」

 

りみ「うん!今日は他のみんなは別々で学校に行くみたいだから二人きり・・・だね」

 

疾透「…だな。といってもクラスは一緒だしそこまで寂しくないだろ」

 

りみ「それはそうかもしれないけど・・・いつもは沙綾ちゃんや有咲ちゃんが一緒だから久しぶりだなぁ…って」

 

疾透「それもそうか。…ん?」

 

(ピロピロリン)

 

疾透「ちょっと携帯を確認するぞ。多分沙綾あたりだろうし・・・」

 

りみ「うん、大丈夫だよ」

 

 

 

 

 

《GYNE》

 

沙綾「おはよう、疾透くん。今日から新学期だね。1学期は私や有咲が一緒だったからりみりんと二人で投稿する機会があまりなかったし、今日は私と有咲で一緒に学校に通うから今日は二人きりで大丈夫だよ。疾透くん、頑張ってね」

 

疾透「(…なんか気を遣わせたかな。)」

 

《GYNE終了》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

りみ「なんだったの?」

 

疾透「沙綾が俺たちに気を遣って二人で登校して大丈夫だって言ってた。沙綾はこういう時はお姉ちゃんモードになるんだな・・・」

 

りみ「Poppin'Partyでも縁の下の力持ちだし、こういう時も気遣ってくれるんだね沙綾ちゃん・・・」

 

疾透「まあお言葉に甘えていくか。でもそろそろ急がないと遅刻確定だな・・・少し走るかりみ」

 

りみ「は、疾透くん!?まだ間に合う…」

 

りみが言いきる前に俺はりみの手を握って学校まで走っていった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前8時30分:花咲川学園校舎前】

 

疾透「ん?何か人だかりができてるな・・・」

 

りみ「本当だね、何かあったのかな…?」

 

疾透「りみは一人で教室に行っててくれ。たぶん紗夜さんと燐子さんもいるだろうし、こういうのは生徒会の役目だろうしな」

 

りみ「それじゃあ先に行ってるね。疾透くん、また教室で」

 

疾透「ああ。また教室でな」

 

そう言ってりみは校舎内に入っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「さて…それじゃあこっちの問題を片付けるか。ちょっと通りますよ・・・っと。」

 

紗夜「あら?疾透さんじゃないですか。まだ時間はあったから大丈夫だったのですが…」

 

疾透「俺も生徒会の一員なので学園での問題は解決させないとですし。それで、この集まりは何なんですか?」

 

燐子「えっと・・・その…」

 

日菜「あ、疾透くんだ!ヤッホー!」

 

疾透「え?日菜さん?日菜さんがどうして花咲川に来てるんですか?」

 

日菜「ちょっと燐子ちゃんとおねーちゃんに言いたいことがあってきたんだー!疾透くんも来たしそろそろ本題に行くよ!」

 

燐子「本題…ですか?」

 

疾透「(紗夜さん、なんだか嫌な予感しかしないんですけど)」

 

紗夜「(奇遇ですね、私もそう思います・・・)それで日菜、話って何かしら?」

 

日菜「おねーちゃん、燐子ちゃん、疾透くん!羽丘と花咲川で合同文化祭、しようよ!」

 

燐子「え…」

 

紗夜「・・・え?」

 

疾透「ええええええええええええ!?」

 

・・・というわけで、日菜さんの思い付きで急遽羽丘と花咲川で合同文化祭をすることになった。その場で日程も決まって、9月22日と23日の二日間で行われることになった。確かRASのライブの日も23日・・・まずいな。3週間も準備期間があるとはいえ、急に日程が決まったからストップとか延長はもちろんできない。その後体育館で緊急集会を開き、合同文化祭の日程と決定を伝えると、何割かの生徒は俺と同じように叫び、残りの生徒は嬉しかったのか歓喜の声を上げていたりした。そして俺はというと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【昼休み:2ーB】

 

疾透「はぁぁぁぁぁ…」

 

俺は机に突っ伏していた

 

りみ「疾透くん・・・大丈夫?」

 

疾透「これが大丈夫に見えるか・・・?新学期早々校舎前で日菜さんが合同文化祭を思いつくなんて…しかもRASのライブの日と2日目が被ってるし・・・」

 

沙綾「あー…確かに今月の23日だっけ?しかもいきなり決まったんだっけ。」

 

疾透「そうだよ・・・しかも相手は日菜さんだぞ?日菜さん相手に常識は通じないし・・・はぁぁぁぁ…」

 

こころ「疾透?そんなに落ち込んでたら笑顔になんてなれないわよ?」

 

疾透「ツッコむ気力がねぇ…」

 

(ガラガラ)

 

有咲「悪い、疾透いるか?」

 

 

 

疾透「ここにいるぞ有咲・・・」

 

俺は机に突っ伏したまま手を上に上げた

 

有咲「・・・なあ、疾透のやつ大丈夫なのか?なんかいつもより気力なくねーか?」

 

りみ「疾透くんにも事情はあるんだよ・・・」

 

有咲「あー…深くは聞かないでおくけど、日菜さんが呼んでるからこいつ連れて行くぞ」

 

疾透「引っ張られるのは勘弁だからとりあえず行くか…って日菜さんが呼んでた?」

 

有咲「ああ、疾透に話があるってよ。だからとりあえず連れて来てって言ってたからこうして呼んでんだよ」

 

疾透「まーた日菜さんかよ・・・今日何回目だ・・・」

 

そう俺は愚痴を言いながら俺と有咲は生徒会室まで移動した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【生徒会室】

 

有咲「日菜さん、疾透を連れてきました」

 

日菜「有咲ちゃん、お疲れさま!もう大丈夫だよ!」

 

有咲「それじゃあ私はこれで失礼しますね。」

 

有咲は生徒会室を出て行った・・・

 

疾透「…それで日菜さん、俺に用って何ですか?」

 

日菜「疾透くんってバンドとしては演奏やったことないんでしょ?この際、学園祭で演奏してみたら?」

 

疾透「(そういえばまだ日菜さんには俺がRASの仮メンバーだって伝えてなかったな・・・日菜さんの前では伏せるか)確かにバンド演奏はまだしたことはないですね。」

 

日菜「ふーん…?疾透くん、学園祭限りのバンドを組んでみない!?」

 

疾透「・・・はい?俺がバンドを?いやいや何かの冗談ですよね?それに羽丘も花咲川も俺を除いて女の子しかいないじゃないですか。そんな状況でバンドを組んでも違和感しか持たれませんよ」

 

日菜「疾透くんは羽丘でも人気だし大丈夫大丈夫!みんな応援してくれるよ!」

 

疾透「はあ…まあやってみる分にはいいですけどやるなら22日でお願いします。俺にも事情はあるので」

 

日菜「ふーん?わかった!」

 

疾透「それで日菜さん、メンバーは決まってるんですか?」

 

日菜「ううん?まだ決まってないよ?」

 

疾透「・・・どうするんですか。メンバーもいないんじゃバンドも何もないですよ」

 

日菜「だから、疾透くんが『この人とやってみたい!』ってメンバーに声をかけてくれればいいよ!ちなみにみんなにはこのことは伝達済みだから大丈夫だよ!あと疾透くん、何の楽器ができるの?」

 

疾透「使えるのはギターとキーボードですかね。それ以外はまだ経験が浅いので。」

 

日菜「それじゃあ後は頑張ってねー!あ、あと疾透くんはボーカルって決まってるからそっちも頑張ってね!ちなみにパスパレのメンバーも誘えるから!ばいばーい!」

 

そう言って日菜さんは生徒会室からスキップしながら出て行った

 

疾透「本当に日菜さん、思いついたらとんでもないことになるな・・・さて、俺もメンバーを探しに行かないと…さて、誰を誘うか・・・俺がどっちの楽器を使うかで決まるようなものだし、こういう時はスマホに入れてるアプリで・・・」

 

俺は判断アプリ『Judge』を開いて『キーボードとギター、どっちを演奏するべきか』と入力した。結果は…ギターと出た。

 

疾透「ギター・・・か。ただボーカル兼ギター担当っていってもギターを演奏できるわけだから一応蘭も候補に入れておくか・・・ただ俺がボーカル担当だからボーカル単担当組の友希那さん、彩さん、こころは候補から除外。残りはギターとキーボード、ベースとドラムか・・・誰にするか・・・」

 

(ピロピロリン♪)

 

疾透「日菜さんから?えっと…」

 

日菜「『あ、メンバーはできるだけ今日中に決めておいてね!』」

 

疾透「・・・今日中とかこれはまたデカい目標だな・・・できるだけ別々のメンバーがいいだろうし」

 

俺は生徒会室を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【2ーB】

 

疾透「ただいま」

 

りみ「疾透くん、話って何だったの?」

 

疾透「文化祭初日に俺がボーカル兼ギターでその日限りのバンドで演奏することになったんだ。だから今日中にベースとキーボード、ドラムとギターを集めないといけなくて・・・」

 

沙綾「へえ、疾透くんがボーカルの文化祭限定バンドかぁ…Memberは疾透くんが募集するの?」

 

疾透「ああ、できるだけパスパレとRoselia、ハロハピとAfterglowから一人ずつ引き抜く感じだな。ポピパが候補にないのは主催ライブの準備で忙しいっていうのが理由だから…まあ何人かは候補がいるから一応声はかけてあるよ。ちなみに当然のようにこっちにも誘う候補はいるからな」

 

りみ「それって誰?」

 

疾透「まずはベース担当として千聖さん、ドラム担当であこだな。キーボードに…DJで美咲、ギターは蘭だな。で、ギターボーカルが俺の5人だ。」

 

沙綾「なんか珍しい組み合わせだね。何か理由はあるの?」

 

疾透「どうせだし滅多にない組み合わせってことで誘ってみた。日菜さんがすでに伝達済みって言ってたから後は返事がもらえるかどうかだな。」

 

こころ「返事が来るといいわね!ちなみに私や彩が候補にないのは何でかしら?」

 

疾透「今回は俺がメインボーカルを担当するわけだし、バンドのメインボーカル担当組は悪いけど誘えないんだ。そこはすまない」

 

こころ「いいえ、大丈夫よ!当日を楽しみにしてるわね!」

 

そんなこんなで昼休みが終わり、午後の授業も全部終わって放課後になった。ちなみに他のメンバーには他のメンバーのことは伝えてない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【放課後】

 

(ピロピロリン)

 

疾透「お、いいタイミングで連絡が来たな。で、返事は・・・」

 

《GYNE》

 

千聖「いいわ、疾透くんと一度音を合わせてみたいって思ってたのよ。」

 

蘭「疾透からこんなことに誘ってくるなんて珍しいね。いいよ、やる」

 

あこ「やりますやります!疾透さんと一緒に演奏できるなんて嬉しいです!」

 

美咲「あたしを誘うなんて疾透さんも結構物好きですね。いいですよ」

 

疾透「ありがとう。それじゃあ一度顔合わせってことで今日この後ファミレスに集合でどうだ?」

 

千聖「今日は仕事がないから大丈夫よ」

 

蘭「あたしも大丈夫」

 

あこ「あこも大丈夫です!」

 

美咲「あたしも大丈夫ですよ。」

 

疾透「了解。それじゃあこの後ファミレスに集合だな。」

 

《GYNE終了》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ファミレス:『Emerald』】

 

【プチ設定紹介:『Emerald』エメラルド。様々な学生がテスト勉強や話し合いでよく集まるファミレス。大きさはごく普通だが、結構人気がある。】

 

疾透「お、みんなきたな。こっちだこっち」

 

千聖「こんにちは疾透くん。」

 

蘭「疾透、今日はお疲れ様・・・」

 

あこ「あこを誘ってくれてとても嬉しいです!」

 

美咲「まああたしはミッシェルとして当日参加ってことですけど・・・」

 

疾透「いや、美咲は普通にミッシェルじゃなくて美咲として出てもらうぞ?」

 

美咲「え?いやいや冗談ですよね?」

 

疾透「いや、普通に冗談抜きだ。」

 

美咲「えぇ…」

 

千聖「それで、今日は顔合わせっていうことで集まったけどこのメンバーでやるのね。珍しいメンバーね、疾透くんはどうしてこのメンバーでやりたいって思ったの?」

 

疾透「まあ、俺だって他のメンバーの状況把握とかしてましたし、知った顔でやるよりはこういうのもいいかなって思って。他にも組み合わせの候補はあったんですけどこのメンバーがいいかなっても思いました。」

 

蘭「ちなみにどんな組み合わせか聞いてもいい?」

 

疾透「ベースがリサさん、ドラムが花音さん、ギターは蘭、キーボードがイヴの組み合わせ。ギターが日菜さん、ドラムがあこ、ベースが千聖さん、キーボードが燐子さんの二組が候補だったな」

 

あこ「なんでさーやのいるポピパは候補にないの?」

 

疾透「今度ポピパは主催ライブで忙しいからポピパメンバーは今回除外した。あと、友希那さんと彩さん、こころも候補から外れている。理由は俺がメインボーカル兼ギター担当だからバンドでのメインボーカル担当は今回は誘えなかったんだ」

 

蘭「そうなんだ。」

 

疾透「それに、同じバンドメンバーを誘ってもいつもと何ら変わらないだろ?だから別々にバンドメンバーを誘うことにしたんだよ。後、日にちは初日の22日で決めてある。」

 

あこ「わかりました!」

 

疾透「といっても蘭や千聖、美咲は曲作りに慣れてるのは知ってるが今から曲を作るってなると難易度高いけど既存の曲をカバーして歌うの持ってのもな・・・どうするべきか」

 

千聖「なら、いっそのことみんなで新しい曲を作ってみないかしら?」

 

蘭「いいですね、文化祭限定のバンドだし曲とか作ってみたいかも」

 

あこ「歌詞とかはどうするんですか?」

 

美咲「みんなでそれぞれ作ってきて、それをあたしたちに合うように改良するとかどうですか?」

 

疾透「それが良さそうだな。誰か一人に負担をさせるのはよくないし、学園祭限りの即席バンドだ。」

 

千聖「それじゃあ、それぞれ歌詞を作って次集合する時にみんなで歌詞にしましょうか」

 

疾透「それがいいですね。千聖さん、次のオフはいつですか?」

 

千聖「ちょうど来週ね。休憩時間や家での時間を作って必ずいい歌詞を書くわ」

 

疾透「あまり無理をしないでくださいね。」

 

千聖「ええ、わかってるわ。」

 

疾透「それじゃあ今日は解散にしますか。今日は集まってくれてありがとうございます」

 

蘭「お疲れさま、早く家に帰って歌詞を考えないと…モカとひまりには秘密にしないと」

 

あこ「あこも頑張るぞー!りんりんを驚かしたいから秘密裏に作らなきゃ!」

 

美咲「こころ達3バカに察されないようにしないとですね・・・」

 

千聖「ところで疾透くん、日菜ちゃんには今日集まったメンバーのことは教えているのかしら?」

 

疾透「いえ、教えていないですね。千聖さんも日菜さんとイヴには気をつけてください」

 

千聖「ええ、最低限に気をつけておくわ」

 

疾透「それじゃあ、今度こそ解散で。文化祭の準備もあるだろうから体調管理に気を付けてくれ」

 

そう言って俺たちは解散した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「(初めてのバンド活動か・・・改めて思うと初めての試みだし楽しみだな。でもRASのこともあるし、今度の文化祭初日はRASのみんなも誘ってみるか。2日目は俺がRASのライブのこともあるしな・・・後は『文化祭には生徒が招待して外部の人間も楽しめないと!』って日菜さんが言ってたしな。さて…歌詞も考えないとな。とりあえず1週間後に集合するまでに歌詞の候補も考えないと)」




ルミィ「いかがだったでしょうか?」

リサ「羽丘と花咲川で合同文化祭かー。ヒナだし思いつきそうではあったんだよね…」

ルミィ「本当に日菜さんの行動力には頭が上がりませんね…あの行動力、少しは見習いたいものです」

リサ「あはは、ヒナの行動力を見習いたいなんて物好きだねー☆」

ルミィ「一度興味が沸くとそのシリーズをやりこむまでやることもありますからね。ドラ〇エとかのRPGがメインですが」

リサ「ゲームっていったらRPGだよねやっぱり。アタシもこの間あこと協力型のRPGやったんだけど楽しくてアタシもつられて買っちゃったんだよね」

ルミィ「やっぱり誰かと一緒にやると影響を受けやすいですよね。それではここまで読んでいただきありがとうございました」


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21話:Various colors

ルミィ「どうも、やっぱり以前のようなペースになったことがいつものように感じるルミィと」

あこ「ふっふっふー…生命の理を超えてババーンと舞い降りた聖堕天使、あこ姫!2作目の英雄にもなったのだー!」

ルミィ「今日も元気なゲストさんですね。」

あこ「あこは聖堕天使だからね!これくらい元気じゃないと!」

ルミィ「そうですね、元気なのがあこちゃんの取り柄ですから」

あこ「はい!それじゃあ本編に行きましょう!」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合同文化祭で歌うサプライズバンドを結成してから早1週間が経った。りみや沙綾たちには当日の楽しみってことで隠している。今日は放課後にファミレスに集合してそれぞれが考えてきた歌詞を公開して俺たちに合うような歌詞に仕上げる感じだ。一応みんなの進捗はGYNEのグループチャットで連絡しあってるから特に問題はなく感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【昼休み:屋上】

 

疾透「んー、みんな歌詞はとりあえずできてるみたいだな。今日はみんなで集まれるし連絡回しておくか」

 

りみ「もしかして、合同文化祭で歌うバンドのこと?」

 

疾透「ああ。みんな結構頑張ってるからな。俺だってメインボーカルとギターをやるんだし頑張らないと」

 

沙綾「ねえ、誰を誘ったの?」

 

疾透「それは当日でのお楽しみってやつだ、今知っても楽しみが減っちゃうだろ?」

 

沙綾「あはは、確かにそれはそうだね。それじゃあこの話はおしまいにしよっか。それで疾透くん、RASの練習はどう?」

 

疾透「別に何事もなく練習に励んでるよ。一応RASのメンバーも文化祭に招待しておいたからその時にでも会えるだろ」

 

りみ「そっかぁ、よかったぁ…でも大丈夫なの?RASの練習、ポピパのマネージャー、文化祭で歌うバンドの計画…一人三役なんだよね?」

 

疾透「別に今に始まったことじゃないし、体力もそれなりについてきたしこれくらい大丈夫だよ。」

 

沙綾「そっか、疾透くんがそう言うなら大丈夫そうだね。でも無理はしないようにね?」

 

疾透「ああ、最低限気を付けて頑張るよ。それと、今日は文化祭バンドのメンバーで集まるから今日はそっちには来れないから」

 

沙綾「了解、それじゃあこっちはこっちで主催ライブのセトリとか新しい曲を考えておくからこっちは心配しなくていいよ」

 

疾透「わかった。そっちの進捗もちょくちょく送ってくれると助かる」

 

りみ「そっちも頑張ってね。」

 

疾透「ああ。」

 

俺たちはそれからポピパの最近の進捗などを話して昼休みを過ごした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【放課後:2ーB】

 

疾透「さて…と、そろそろ行くか」

 

香澄「はーやーとーくーん!一緒に帰ろうよー!」

 

疾透「悪いな、今日はちょっとそっちには行けないんだ。ちょっとこっちの事情があって」

 

香澄「なになに!?私たちに秘密なんてなしだよ!?」

 

たえ「そうだよ疾透くん。私たちに秘密なんて何か変なこと考えてたりしない?」

 

疾透「そんなにやましいことじゃない。ちょっと予定があるんだよ。というわけで有咲、こいつらのことは頼んだ」

 

有咲「わかってるよ、それじゃあおたえと香澄はこっちなー」

 

香澄「有咲の意地悪―!」

 

たえ「あれー」

 

疾透「じゃ・・・俺はこれで。また休日明けに学校でな」

 

りみ「うん、またね。」

 

そう言って俺は学校を後にした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後4時45分:ファミレス『Emerald』】

 

疾透「千聖さんたちは…っと」

 

千聖「こっちよ、疾透くん。もうみんな来てるわ。先週とは真逆の展開ね」

 

疾透「俺たちの学年には騒がしいのが何人かいるので巻き込まれてたんで…すみません」

 

蘭「香澄とかこころとかいるからね…そろそろ本題に入ろうよ」

 

あこ「そうですよー!あこたち、頑張って歌詞を書いてきたんです!」

 

美咲「とりあえずこっちに来てください疾透さん。こっちに来ないと話ができないので」

 

疾透「ああ、悪い悪い。それじゃあみんな、歌詞を見せてくれ。」

 

俺たちはそれぞれが歌詞を書いてきたノートを鞄から取り出してテーブルに広げた

 

疾透「ふむふむ…なるほどな。あこはもう少し難解な歌詞になると思ったけどそんなことはなくてよかった。」

 

あこ「あこだっていつもカッコいい言葉ばかり言ってるわけじゃないんだよ!」

 

千聖「でもよかったわね。あこちゃんにしかわからない言葉を並べられると燐子ちゃんを呼ぶしかないもの・・・」

 

美咲「あはは・・・そうなるとサプライズバンドも何もないですからね・・・ところでこのことを知っててここにいないメンバーって日菜さんだけですか?」

 

疾透「ああ。日菜さんがうっかり言い洩らす可能性もあるだろうけど、大丈夫だろう。…多分。あと、サプライズってことだから初日のステージが全部終わってから演奏する形らしい。」

 

蘭「そっか、そうじゃないとサプライズの意味がないしね。」

 

千聖「それじゃあ、みんなの歌詞を見せ合って歌詞にしましょうか。」

 

こうして俺たちはそれぞれが歌詞を書いてきたノートを見せ合って何とかその日のうちに曲は完成した。

 

疾透「ふう…結構時間かかったな。あとは音合わせか・・・みんな、明日から2日間時間はあるか?」

 

千聖「私は午後からなら大丈夫よ」

 

あこ「あこは両方とも大丈夫です!」

 

蘭「あたしも千聖さんと同じで午後からなら大丈夫だよ」

 

美咲「私はあこさんと同じで二日ともフリーですね」

 

疾透「了解。それじゃあ明日と明後日は『Ruby&Sapphire』に昼の1時に集合でいいか?」

 

千聖「ええ、それでいいわ。」

 

蘭「あのさ疾透、サプライズだけどバンドって事は何か名前があったほうがよくない?」

 

美咲「あ、確かにそうですね。バンド名どうします?」

 

あこ「あこたちにピッタリな名前をお願いします疾透さん!」

 

疾透「結局俺が考えるのかよ・・・まあいいか、こういうのは慣れっこだし。でも今から考えるとみんなが帰る時間が遅くなるし今日は解散ってことにするか。あと、今日できた歌詞は俺のノートにまとめて曲名とバンド名を明日発表する感じでいいか?」

 

千聖「ええ、それで構わないわ。私たちを誘ってくれたのは疾透くんだし、このバンドのリーダーは疾透くんが適任ね。」

 

疾透「あまりリーダーって言えるほど胸は張れないかもしれないですけど・・・頑張ります」

 

蘭「それじゃあ今日は解散だね」

 

疾透「今日はお疲れさま、また明日だな」

 

そう言って今日は解散し、それぞれの帰路についた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9月9日

 

今日は午後から『Ruby&Sapphire』に集まって歌詞に合った音を合わせる日だ。このメンバーで音を合わせるのは初めてだから最初は苦戦するかもしれないけど、多分このメンバーならいい音を奏でることができるだろう。俺はあの後家に帰ってから曲名とバンド名を考え、気が付いたら時計の針が10時を回っていたのでそのまま寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前10時30分:疾透の部屋】

 

疾透「あー、久しぶりの平和な一日だ・・・いつも香澄とかこころに振り回されてばっかりだからこういう休みはいいよな・・・まあ昼からみんなで集まって音合わせだけどあのメンバーなら振り回されないだろうし」

 

(ピロピロリン)

 

疾透「こんな時間からGYNE?って言ってもこの時間にしてくるのってあの人しかいないしな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《GYNE》

 

チュチュ「Good morningハヤブサ。」

 

疾透「やっぱりチュチュか。こんな時間に連絡を入れるってことはRASの練習ってことだよな?」

 

チュチュ「Exactly、その通りよ。今日は時間あるかしら?」

 

疾透「悪い、文化祭まで残り2週間しかないからこっちは結構忙しいんだ。まだこっちで一時的に組んだバンドの音合わせもしてないし、明日と明後日はバンドの音合わせで忙しいからそっちには顔を出せそうにない。」

 

チュチュ「そう。わかったわ。でも文化祭初日が終わったらリハも兼ねて泊まり込みで練習よ!」

 

疾透「はいはいっと。でもただ練習に来ないだけじゃ勘も鈍るだろうから家の方で練習はしておくぞ」

 

チュチュ「そうしなさい!学園祭でのバンド演奏もそうだけどRASでの演奏でやらかしたら怒るわよ!」

 

《GYNE終了》

 

 

 

 

 

疾透「チュチュにも困ったな・・・こりゃ1バンドに一人は騒がしい人いるぞ・・・まあやることないしちょっと美咲のところに行って時間を潰すか?あこも今日と明日はフリーって言ってたし。あこを拾っていこう」

 

俺は自分の家を出て一度あこの家に行ってからあこと一緒に美咲の家に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前11時:奥沢家前】

 

(ピンポーン)

 

美咲「はいはーい、今出ますよー」

 

(ガチャ)

 

美咲「あれ、疾透さんとあこさんじゃないですか。どうしたんですかこんな時間に」

 

疾透「どうせあのまま家にいても暇だったし、あこがオンラインゲームをして遅れる可能性があったからあこも拾ってきた」

 

あこ「あこは文化祭の準備期間はNFOはやってませんから大丈夫です!」

 

疾透「ならいいけどな」

 

美咲「ここで立ち話もあれなので入ります?」

 

疾透「最近寒くなってきたからな・・・あがるよ」

 

あこ「おじゃましまーす!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【美咲の部屋】

 

美咲「こんなものしかありませんけど・・・」

 

そう言って美咲が持って来たのはお茶と茶菓子だった

 

疾透「出してくれるだけでも嬉しいぞ、でもそろそろ昼ご飯だけど大丈夫か?」

 

美咲「わかってますよ。だから少しだけ持ってきたんです」

 

あこ「わー!ありがとうみさきん!いっただきまーす!」

 

疾透「おいあこ、俺の分も残しておいてくれ…そんなにホイホイ放り込むと喉につまるぞ」

 

あこ「大丈夫です疾透さん!こんなことで喉に…ゲホゲホっ!」

 

疾透「あー、言わんこっちゃない…ほらあこ、お茶」

 

あこ「(ゴクゴク・・・)あーおいしかった!」

 

疾透「ほとんど残ってないな・・・まああこがおいしそうに食べてたからそれだけでもお腹いっぱいだよ」

 

美咲「それならいいんですけど・・・お昼どうします?もうすぐ昼なんですけど」

 

疾透「美咲、何か野菜とかあるか?」

 

美咲「あ、はいありますよ。もしかして疾透さんが作ってくれるんですか?」

 

疾透「いつも自分で作って自分で食べるかりみと一緒に食べるかしかしてなかったからな。偶にはこういうのもいいだろうって思って」

 

美咲「それじゃあお言葉に甘えますね」

 

あこ「疾透さんの料理楽しみー!」

 

疾透「はいはい、それじゃあ待っててくれ」

 

 

 

それから俺は美咲の家のキッチンを借りて軽く野菜炒めや軽いおかずを作った。思いのほか美咲とあこからは好評だったので今度また時間がある時に作ってあげよう・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後12時30分:美咲の部屋】

 

疾透「ん?千聖さんと蘭から連絡だ。『仕事が終わったから今から集まりましょうか』『今日のバイト終わったから今から集まって早く練習しようよ』だって。それじゃあ行くか」

 

あこ「はーい!」

 

美咲「はいはい、それじゃあ行きますか。」

 

俺たちは『Ruby&Sapphire』に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後1時:『Ruby&Sapphire』】

 

千聖「こんにちは、疾透くん。今日は早かったわね」

 

疾透「ちょっと朝から暇だったんであこを連れてさっきまで美咲の家にいたので早く感じるんだと思います。そういう千聖さんだって蘭と一緒に来るなんて珍しいですね」

 

蘭「こっちに来るときに千聖さんを見かけたから一緒に行こうってことになったんだよ。それより早く入ろうよ」

 

美咲「そうですね、時間は待ってくれないので早く音を合わせて完成に近づきましょう」

 

あこ「早くみんなと音を合わせたいよー!」

 

俺たちはスタジオに入って機材のセッティングをして練習に取り掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【スタジオ内】

 

疾透「さて、練習を始める前に一つ言っておかないとな。この曲とバンド名のことだ。」

 

千聖「どんな曲名とバンド名になったのかしら?」

 

疾透「曲名は『Connected beat』、バンド名は『Various colors』でどうだ?」

 

蘭「曲名の訳は『繋がる鼓動』、バンド名の訳は『様々な色彩』・・・うん、いいじゃん。」

 

あこ「とってもかっこいい曲名とバンド名ですね!疾透さん、ありがとうございます!」

 

疾透「前からいろんなバンドを見てきたし、今回集まったメンバーはみんな違うバンドのメンバーだ。」

 

美咲「なるほど、観察眼がすごいですね・・・」

 

疾透「さて、さっそく音合わせしてみるか。準備はいいか?」

 

千聖「いつでもいいわ」

 

蘭「あたしも準備できてるよ」

 

あこ「あこも大丈夫です!」

 

美咲「本当に素の自分でDJやれるんですね・・・ありがとうございます疾透さん」

 

疾透「それじゃあ行くぞ、1・2・3・GO!」

 

―――――――――――♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2時間後

 

疾透「なかなかいい感じだな。初めて音を合わせたにしてはリズムがいいし、各パートのバランスもとれてる。たった2時間でこれだけ合わせることができるなんて」

 

蘭「そうだね、しかもこのメンバーは一緒に話してることが多いわけでもないし」

 

あこ「はい!あこはいつもおねーちゃんや日菜ちんと話すことが多いですし」

 

千聖「私も花音や薫とよく話すから新鮮でいいわ。」

 

美咲「あたしも最近は大和さんと話すようになりましけどそこまで人脈が広いってわけじゃないのでこの機会に人脈を増やした方がいいかもしれませんね」

 

疾透「まだ2時間あるし少し休憩するか、千聖さんと蘭はバイトと仕事が終わった直後だし、あまり無茶してもいけないし」

 

千聖「そうね。文化祭まであまり時間がないけれど焦りすぎてもだめだからいったん休憩を挟みましょうか。」

 

俺たちは一度休憩を挟み、1時間後に音合わせを再開したが千聖さんのベースの調子が悪いと聞いてから軽めにメンテナンスをしたが今度は蘭のギターの弦が切れたりとハプニングが起きてその日は解散となった。

 

千聖「ごめんなさいね、みんな。みんなに隠れて一人で練習をしていたのだけど、ベースの調子が悪くなっていたことに気が付いていなかったわ・・・」

 

蘭「それを言うならあたしもですよ。あたしも千聖さんと同じで一人で練習してたんだけど弦が切れかけていたなんて…」

 

あこ「あこは練習したかったんですけどおねーちゃんや日菜ちんと一緒に出掛けることが多かったし、家でもおねーちゃんがいてなかなか叩けなかったんです・・・」

 

美咲「あたしはそもそもDJセットなんて持ち歩けませんでしたし…あまり使わなかったのでメンテも何もなかったんですけどこれはしょうがないですね・・・続きは明日にしましょうか。」

 

疾透「ああ、明日も午後から同じ時間にここに集合でいいか?ただ今日の昼前みたいに一度美咲の家にあこを連れて行くのは時間がかかるだろうし今日は美咲とあこはうちに泊まっていかないか?俺は一人暮らしだし、2人くらい増える分には問題ない」

 

あこ「いいんですか?やったー!さっそくおねーちゃんに連絡しよう!」

 

美咲「あたしもいいんですか?でもあたしも一人暮らしなのであたしの家でもいいんですけど」

 

疾透「うちは去年まで水夏姉さんがいたし、そう遠慮することはないぞ。」

 

美咲「ならお言葉に甘えちゃっていいですか?」

 

疾透「ああ、大丈夫だ。それじゃあ千聖さん、蘭。また明日」

 

蘭「うん、また明日。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言って俺たちは別れ、美咲とあこは俺と一緒に俺の家に、千聖さんと蘭は途中まで一緒に帰ったのだとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ルミィ「いかがだったでs・・・」

あこ「わーい!疾透さんの家だー!(ゴロゴロ)」

ルミィ「さっそく寛いでいますね・・・なんでしょう、2作目のデジャヴを感じます(メタ)」

あこ「細かいことは気にしたら負けですよ?」

ルミィ「まさかあこちゃんに私の十八番を言われるとは…ぐぬぬ、何か負けたような気分だ・・・」

あこ「それじゃあ今回はあこの勝ち?」

ルミィ「そういう事にしておきましょうか。」

あこ「それじゃあ勝者の命令・・・って言うんだっけ?」

ルミィ「ちょっと待ってどこでそんな言葉を・・・?」

あこ「NFOはモンスターとの戦闘だけじゃなくて週1限定でプレイヤー同士で対戦できるんだー!それで負けた方は付き合ってほしいクエストを手伝ってもらってるんだよね」

ルミィ「なるほど、それで勝者命令とは?」

あこ「あこの膝枕で寝てください!」

ルミィ「喜んで(zzz・・・)」

あこ「もう寝てる!?えっと・・・それじゃあここまで読んでくれてありがとうございました!」


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22話:今はこの時を楽しんで

ルミィ「どうも、疲れなんて(ry)なルミィと」

燐子「Roseliaのキーボード担当…白金燐子…です…」

ルミィ「今日はお淑やかで物静かなゲストですね。」

燐子「私は目立つのが苦手なので・・・ルミィさんはどうですか・・・?」

ルミィ「目立つのが苦手、というわけではないですがあまり目立ちすぎるのは苦手ですね。」

燐子「そう…なんですか?なんだか・・・似てますね・・・」

ルミィ「そのようですね。それでは本編へ参りましょう」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから俺は週に1度だけ学園祭で演奏するバンドメンバーと練習を重ねたりポピパのメンバーと主催ライブの計画を立てたり、RASのメンバーと23日のライブに向けて練習したりと演奏三昧な日々を送った。なんとか学園祭で演奏する曲の音合わせは終わり、音楽は完成した。だがポピパの主催ライブのセトリは決まったが、パスパレだけ参加スケジュールが合わず未だに日程は不明なままとなっている。RASはすでに音を合わせ終わって後は本番に向けて体調を整えるだけだ。そして今日は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9月22日

 

【午前8時:羽丘学園への通学路】

 

疾透「なんだかんだでもう文化祭かぁ…早かったような遅かったような・・・」

 

りみ「そうだね…疾透くんは3組のバンドを行き来してたから早く感じるのかも…」

 

疾透「にしても、ポピパも2日目に花咲川でライブするなんてなぁ…しかも提案したのはりみなんだろ?」

 

りみ「うん、いつもは香澄ちゃんや有咲ちゃんに任せっぱなしだから私も何かやってみたくて…」

 

疾透「なるほどな、確かにそれはいい案だ。ただ…」

 

りみ「うん、わかってるよ疾透くん。疾透くんはRASのライブを控えてるから私たちのライブは見れないんだよね?大丈夫だよ疾透くん。私は一人じゃない、ポピパのみんなが一緒にいるからどんなことだって乗り越えられるよ。それに…今日は文化祭でデート…だからね」

 

そう、今日は羽丘で文化祭の日だ。日菜さんが気を遣ってくれたのか、俺の明日の予定を把握しているのかは知らないが、初日は羽丘で、2日目は花咲川での文化祭となっている。去年の文化祭はまだ俺たちが付き合ってなかったし、偶々別々の時間でクラスの露店を担当していたので今年の文化祭は一緒に回ることができる。それも兼ねて、今日は文化祭デートということになっている。

 

疾透「ただ俺は午後から抜けて俺のバンドのメンバーと集合してステージで演奏する形になるからそれまでは一緒に楽しめるからな。」

 

りみ「うん!」

 

そう言って俺たちは足早に羽丘学園への道を歩いていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【羽丘学園:校舎前】

 

疾透「おはよう、巴。今日はこっちで仕事なのか。」

 

巴「まあ、な。蘭は校舎の見回りだし、モカは蘭の付き添い。つぐとひまりは教室でろ店の店員だしアタシはこうして来る人来る人の確認だよ。今日は一人か?」

 

りみ「おはよう巴ちゃん。」

 

巴「お、りみも一緒か!珍しいな、疾透がりみと一緒に来るなんて。」

 

疾透「まあこれには色々事情があってな。それより、確認頼む」

 

巴「ああ…よし、これで二人とも大丈夫だ!羽丘での文化祭、存分に楽しんでこいよ!」

 

疾透「ああ。それじゃあ行くかりみ」

 

りみ「うん!巴ちゃん、またね」

 

俺たちは巴に一礼して校舎内に入っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【羽丘学園:玄関】

 

疾透「さて…と、巴からもらったパンプレットによると友希那さんたちがいる3ーAでは喫茶店、日菜さんのいる3ーBではプラネタリウム。つぐみとひまりがいる2ーAでは露店、薫さんがいる3ーCではカフェ。あこたちがいる1ーAは休憩所らしいな…どうする?」

 

りみ「薫さんがいる3ーCに行こう!」

 

疾透「(だよなぁ…)それじゃあまずは薫さんのいる3ーCからだな」

 

りみ&疾透移動中…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【3ーC】

 

薫「おや、りみちゃんと疾透じゃないか。私のところに来るとはなかなかいい目を持っているじゃないか」

 

疾透「はいはい、とりあえずコーヒーとクッキーをお願いします薫さん。りみはどうする?」

 

りみ「私は・・・この、薫さんスマイルで!」

 

疾透「(なんでそんなものあるん??)」

 

薫「おや、私のスマイルか・・・儚いスマイルと満面のスマイル、どっちをご所望かい?」

 

りみ「それじゃあ・・・儚いスマイルでお願いします!」

 

疾透「(さっきから何を言ってるんだ・・・俺にはわからん、誰か解説プリーズ)」

 

薫「では行こう・・・(ニコッ)」

 

りみ「!!(・・・キュゥ)」

 

疾透「(やっぱりこうなるのか…)コーヒーとクッキー、ごちそうさまでした。それじゃあお代はここに置いておきますね」

 

薫「また来るといい、子猫ちゃんと子犬くん」

 

疾透「はいはい…」

 

そう言って俺はりみをおんぶして3ーCを後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「りみ、そろそろ目を覚ましてくれ」

 

りみ「・・・あれ?疾透くん?薫さんはどこ?」

 

疾透「さっき薫さんの教室を後にしたから話すなら今度に頼む…また気を失われると俺が困る・・・」

 

りみ「・・・ごめんね疾透くん。次はどこに行く?」

 

疾透「今いるところは3年生のフロアだから次は友希那さんのところに行くか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【3ーA】

 

友希那「あら、疾透とりみじゃない。」

 

疾透「友希那さんとリサさん、おはようございます。」

 

りみ「お、おはようございます!」

 

リサ「あはは、そんなにかしこまらなくていいのに。今日は花咲川の生徒はお客さん側だけどかしこまれるとくすぐったいからね」

 

疾透「そう言われてもリサさんたちは年上ですしかしこまるなって言われる方が無理ですかね・・・」

 

友希那「リサはみんなに優しすぎるのよ。疾透の言うことはもっともだわ」

 

疾透「友希那さんの言うことはもっともですが、みんなに優しいのがリサさんのいいところなのでそういうのは普通にいいと思いますよ」

 

りみ「私も、私たちポピパや蘭ちゃんたちに優しいリサさんのこと、尊敬していますから・・・私もいつかリサさんみたいな人になりたいです。」

 

リサ「あはは、ありがとね2人とも。はい、これがメニューだよ。決まったら呼んでね♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「喫茶店ってだけあってすごいメニューの数だな・・・パフェからタルトまでスイーツが多めの喫茶店か。りみはどうする?」

 

りみ「わ、私はこのフルーツ多乗せタルトで…」

 

疾透「じゃあ俺はこの旬のフルーツ多めのパフェにするか。リサさん。」

 

リサ「フルーツ多乗せタルトと旬のフルーツ多めパフェだね。友希那―!」

 

友希那「もうできてるわ。」

 

疾透「(早っ!?)」

 

リサ「はい。二人ともゆっくりしていってねー♪」

 

りみ「想像してたよりすごくフルーツが盛られてるね・・・」

 

疾透「だな…こっちも結構フルーツが入ってるし…というかりみ、他のテーブルを見てみろ」

 

りみ「え?」

 

りみと俺は他のテーブルを見た。他の人は気が付いてないようだが、俺たちは気づいていた。どうやら、俺たちの分だけフルーツを多めに入れてくれてたみたいだ…しかもリサさんはこっちを見て笑顔だし。もしかしなくても俺たちのこと、日菜さんに聞いたなリサさん…

 

疾透「…」

 

りみ「は、疾透くん?」

 

疾透「(日菜さん、あとでお話しましょうか)」

 

そんなこんなで俺たちはリサさんのサービスでフルーツが多めに乗っていたスーツを食べてリサさんたちの露店を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃・・・

 

【3ーB】

 

日菜「!?」

 

麻弥「どうしたんですか日菜さん?」

 

日菜「ううん、なんでもないよ麻弥ちゃん!(なんだろう、すごい悪意を感じる・・・)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【3年生フロア:廊下】

 

疾透「さて…ちょっと3ーBに寄ってもいいか?」

 

りみ「麻弥さんたちがいるプラネタリウムだよね?もう行っちゃうの?」

 

疾透「まあ、甘いもの食べたからちょっと休憩に…な。」

 

りみ「そっかあ、いいよ。行こうよ疾透くん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【3ーB】

 

麻弥「あ、疾透くんとりみさん!今日は来てくれてありがとうございます!」

 

疾透「どうも麻弥さん。ところで日菜さんは?」

 

麻弥「日菜さんならここにいますよ」

 

麻弥さんがそう言うと机の下に隠れていたであろう日菜さんが出てきた。

 

日菜「あ!疾透くんとりみちゃんだ!」

 

りみ「日菜さん、こんにちは」

 

疾透「どうも、日菜さん。」

 

日菜「それで疾透くん、あたしに何か用なの?」

 

疾透「ちょっと聞きますけど、リサさんに俺とりみの事話しましたか?」

 

日菜「うん、話したよ?」

 

疾透「やっぱりですか。日菜さん、ちょっと俺とお話しませんか?大丈夫ですよ、すぐに終わりますから(ニッコリ)」

 

日菜「え、え?疾透くん、目が笑ってないよ…?」

 

疾透「麻弥さん、少しだけ日菜さんを借りますね。すぐに終わるからりみもそこで待っててくれ」

 

麻弥・りみ「「え?わかりました(え?わかったよ、すぐに戻ってきてね?)」」

 

俺は日菜さんの制服の首根っこを掴んで隣の空き教室に入って日菜さんを少しお話をした。日菜さんは顔が青ざめて反省はしたみたいだ。これに懲りたら軽く誰かに喋ることを控えてほしいものだな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「ただいま戻りました。日菜さんをお返ししますね。あとプラネタリウムを二人分で」

 

麻弥「何を話してたんですか?」

 

疾透「ちょっと軽く注意をですね。まあ今日のステージ発表があるまではこの調子なので」

 

りみ「あはは・・・疾透くんも大変だね・・・」

 

麻弥「何か日菜さんが迷惑をかけたみたいですね・・・お二人の料金はジブンからの謝礼ってことでタダにしておきますよ」

 

りみ「え、いいんですか?」

 

麻弥「いいんですよ。先輩からの奢りってことにしておいてください」

 

疾透「はあ…ならお言葉に甘えておきます。」

 

麻弥「それでは楽しんできてください!」

 

俺たちはプラネタリウムを鑑賞し、プラネタリウムが終わった後は二人で感想を言いあってとても楽しめた。それからひまりたちがいる2ーAやあこたちがいる1ーAに足を運んで色んなことをしゃべったりした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後3時:廊下】

 

(ピロピロリン)

 

疾透「ん?携帯に連絡?りみ、ちょっと待っててくれ」

 

りみ「うん、わかったよ。ロックちゃんのところで待ってるね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《GYNE》

 

千聖「みんな、そろそろ時間よ。体育倉庫に集まりましょうか。私はイヴちゃんをたえちゃんと合流させてから向かうわ」

 

蘭「もうそんな時間なんですね。適当に理由をつけてモカと別れて合流します」

 

美咲「あたしも花音さんを市ヶ谷さんと合流させてからそっちに向かいます」

 

あこ「あこも明日香とロックにカッコいい理由をつけて向かいます!」

 

疾透「わかりました。俺はりみを香澄たちと合流させてからそっちに向かいます」

 

《GYNE終了》

 

 

 

 

 

 

疾透「りみ、悪いけど俺は行かなきゃならないから香澄たちを隣に教室に呼んでるから香澄たちと体育館まで一緒に来てくれ」

 

りみ「うん。疾透くんも頑張ってね!」

 

疾透「それじゃあ行ってくる。」

 

俺はりみと別れ、他のバンドメンバーに見つからないように注意を払って体育倉庫に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【体育倉庫】

 

疾透「いよいよ本番か・・・練習期間は短かったけど精一杯のことはやれた。あとは俺たちにできることをやるだけだ」

 

千聖「そうね。私たちは即席のバンドだったけどみんなとは仲良く練習に励めたし」

 

蘭「それに、このメンバーじゃなきゃ奏でられなかった音を作ることができた」

 

あこ「あこもです!こんなにかっこいい音を奏でたことはありませんでした!」

 

美咲「ですね。美竹さん風に言うなら『あたし達のいつも通り』なのかもしれませんね。」

 

疾透「そうだな。あ、日菜さんがステージに上がったぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【体育館:ステージ】

 

日菜「みんなー!羽丘学園のステージでの披露、楽しめたかなー?」

 

香澄たち「「「「はーい!!」」」」

 

日菜「それじゃあ、ここまで楽しんでくれたみんなに一つビッグサプライズだよ!麻弥ちゃん!照明オフ!」

 

(バチン!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【体育館:観客席】

 

香澄「うわっ!?なになに!?」

 

たえ「うわぁー、真っ暗だー」

 

有咲「一体何が起きるんだよ!?まさかまたこの間のように誰かさらわれるのか!?」

 

リサ「ヒナのことだから何か企んでるとは思ってたけど今度は何なんだろうね?」

 

花音「ふぇぇぇ…何が起こるんだろう…」

 

モカ「ひーちゃん、つぐ―。二人は知ってるー?」

 

つぐみ「ううん、知らないよ。ひまりちゃんは?」

 

ひまり「私も知らないよー…」

 

(パッ!)

 

こころ「明かりがついたわ!あら?あそこにいるのって…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【体育館:ステージ】

 

疾透「羽丘学園と花咲川学園のみなさん、そして招待を受けてきてくれたお客様、こんにちは。花咲川学園高等部2年、ギター兼メインボーカルの森睦疾透です」

 

千聖「花咲川学園高等部3年、ベース担当の白鷺千聖です」

 

あこ「羽丘学園高等部1年、ドラム担当の宇田川あこです!」

 

美咲「花咲川学園高等部2年、DJ担当の奥沢美咲です」

 

蘭「羽丘学園高等部2年、ギター担当の美竹蘭です」

 

疾透「俺たちは」

 

全員「「「「「『Various colors』です!」」」」」

 

疾透「驚いている方もいらっしゃると思いますが、俺たちは羽丘学園生徒会長の氷川日菜さんに頼まれ、今日はサプライズライブをすることになりました。」

 

千聖「私たちは疾透くんから声をかけられ、今日のためにバンドを組むことになったんです。」

 

あこ「最初はみんな驚きましたけど、すぐに意気投合して今日のためにひたすら努力を重ねました!」

 

美咲「今日限りのバンド演奏ですけど、楽しんでくれたら嬉しいです」

 

蘭「それじゃあ・・・聞いてください。」

 

疾透「『Connected beat』!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香澄「えーっ!?疾透くんこんなことしてたの!?ずるいずるい!」

 

有咲「りみと沙綾はこのこと知ってたのか?」

 

沙綾「うん。疾透くんに言われてこのことは黙ってたんだ。きっとみんなが知ったら心配するだろうからって」

 

つぐみ「疾透くんがメインボーカルなんだね。でもいくつかのパートに分かれてるみたいだから各パートでみんなが歌うんだね。なんだか私たちみたい」

 

巴「だな。というかこの曲、誰か知ってるか?」

 

友希那「いいえ、私は知らないわ。初めて聞く曲よ」

 

リサ「友希那でも聞いたことないんだ。それじゃあこれって…」

 

花音「多分、疾透くん達が作った曲だよ。」

 

こころ「いいわね!みんなとーってもいい笑顔よ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【演奏終了後】

 

疾透「今日は俺たちの演奏を聴いていただき、ありがとうございました」

 

千聖「急なことで驚いた方も多いと思いますが、いかがだったでしょうか?」

 

あこ「みなさーん!あこたちの演奏、どうでしたかー!?」

 

(パチパチパチ・・・)

 

蘭「皆さん、ありがとうございます。」

 

美咲「これであたし達、『Various colors』の演奏は終わりです。今日はサプライズバンド演奏を聞いていただき・・・」

 

全員「ありがとうございました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【体育倉庫】

 

疾透「終わったな・・・みんな楽しんでくれてよかったよ」

 

千聖「ええ、私たちが出てきたときに驚いたみんなの顔が見れてよかったわ」

 

あこ「はい!あこもおねーちゃんにカッコいいところを見せることができてよかったです!」

 

美咲「あたしもミッシェルとしてのあたしじゃなくて奥沢美咲として演奏できてよかったです」

 

蘭「偶にはこういうのも悪くはないね、今日はありがとう。」

 

(ピロリン)

 

疾透「あ、悪い。俺のだ。急で悪いけど行かなきゃいけなくなったところがあるから俺は行くぞ」

 

蘭「・・・そう。お疲れさま、疾透。香澄たちには言ってあるの?」

 

疾透「いや、伝えてるのはりみと沙綾だけだ。とりあえず俺は行くぞ」

 

あこ「お疲れ様です疾透さん!」

 

俺は体育倉庫を後にしてRASのみんなが待つアパートへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから俺たちRAISE A SUILENのメンバーは夜通し『R・I・O・T』を練習して、完璧と言えるくらいに音を合わせてみんなでアパートに泊まった。明日は文化祭を途中で抜けてRASのデビューライブだ。そしてチュチュに俺の数か月間に考えた答えを出す日でもある。俺がチュチュに出す答えは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ルミィ「いかがだったでしょうか」

燐子「疾透くん・・・演奏と歌、とてもうまかったです・・・」

ルミィ「疾透くんはポピパのみんなに内緒でカラオケに行ってひたすら練習していたのでその成果を十分に出せた、という感じですね」

燐子「そういえば…歌詞がありませんでしたけど・・・」

ルミィ「それはあれです。『主に歌詞を作る能力は皆無』と解釈してください」

燐子「わかり・・・ました・・・」

ルミィ「それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました」


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23話:出した答え

どうも、ネタが若干尽きてきたルミィです。

え、今回ゲストがなんでいないかって?・・・だって一応メインバンドのメンバー全員出し切りましたし、少しは落ち着かないとですし。こう毎日1話のペースで書くと結構考える側も疲れますからね・・・

それでは本編へどうぞ








 

 

 

 

 

 

 

 

 

9月23日

 

今日は花咲川での文化祭、そしてRASとしての俺のデビューライブの日だ。俺たち2ーBはお好み焼きを作ることになっている。りみとこころは客引きで、沙綾は接客、俺はお好み焼きを作る役だ。一応りみと沙綾には今日の俺の予定を伝えてあるし、その時になったら沙綾が俺と役目を交代し、こころは接客に移る形になる。りみ一人で客引きができるのかと最初は不安だったが、自分から『客引きをやりたい』なんて言ったりみは初めてだった。引っ込み思案だった性格を変えたいのか、俺たちの負担を減らしたかったのか…その言葉の真意をりみは教えてくれなかった。香澄たちのことは有咲たちが何とかしてくれるから大丈夫…だろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【2ーB】

 

りみ「おはよう、疾透くん。今日は頑張ろうね」

 

疾透「ああ、今日は俺たちが接客側だ。羽丘の生徒や招待客を楽しませないと」

 

沙綾「ごめんね疾透くん。今日は疾透くんに任せる形になっちゃって…今日は後でRASのライブの準備もあるのに」

 

疾透「別に大丈夫だよ。一人暮らしになってからいろんな料理に手を出し始めたし、沙綾たちに作ってあげたこともあっただろ?」

 

沙綾「あの時はごめんね・・・香澄たちがお好み焼きを好きだなんて知らなかったから8人分のお好み焼きの材料がなくなって…」

 

疾透「あの時は本当にな・・・香澄たちが帰った後はまたお好み焼きの材料を買いに行ったよ・・・しかも10人分の」

 

りみ「でも、疾透くんの作ってくれたお好み焼き、とてもおいしかったよ?」

 

疾透「そう言ってくれると作った側としても嬉しいよ。」

 

こころ「さあ疾透!疾透のお好み焼きでお客さんたちを笑顔にしましょう!」

 

疾透「ある問題児が数人分を買っていかなきゃな・・・材料だって無限じゃないんだし」

 

沙綾「あはは・・・モカには厳しく言っておくから」

 

疾透「ああ、頼む。」

 

りみ「そろそろだね、私は客引きに行ってくるよ」

 

こころ「ええ!りみ、行きましょう!」

 

沙綾「私はここで接客だからしばらくは教室から出れないからまた後でね」

 

疾透「こころ、あまりりみを振り回すんじゃないぞ」

 

俺たちは別れ、それぞれの役割についた。ちなみに露店っていっても店員さんと話すことはできるので暇を持て余すことはない…だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前8時:2ーB】

 

麻弥「おはようございます疾透くん!」

 

疾透「おはようございます麻弥さん。今日は明日香と一緒なんですね」

 

明日香「大和先輩が私と一緒に回りたいってお誘いに来たので断るのもあれなので一緒に回ることにしたんです」

 

疾透「これを機に明日香の人脈を広げるのもいいかもな。いつもはポピパのメンバーとかあこばかりとしか話さないだろ?」

 

明日香「確かに考えてみればそうですね。大和先輩たちは今年で卒業しちゃうので今のうちに先輩たちとお話しておきたいですね」

 

麻弥「ジブンなら空いてる時間はいつでも歓迎ですよ。機材の話から猫の話などたくさん話すことはありますから!」

 

疾透「明日香・・・麻弥さんがヒートアップするのって機材の話だけじゃないのか…今知ったんだけど」

 

明日香「そうみたいですね・・・あ、お好み焼き二パックお願いします」

 

疾透「はい、もうできてるから持って行ってくれ。他のみんなにもよろしくな。」

 

麻弥「はい!それではまた!」

 

明日香「あこたちにもこの店のこと教えてきますね」

 

そう言って明日香たちは教室を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【数分後】

 

モカ「おはよーはやくーん」

 

蘭「おはよう、疾透。」

 

沙綾「あ、モカたちじゃん。おはよう」

 

疾透「Afterglowメンバー勢ぞろいでお出ましか。こりゃ作るのが苦労しそうだな・・・」

 

つぐみ「そんなに張り切らなくても大丈夫だよ?一回り大きいのを2つくらいで大丈夫だから・・・」

 

疾透「あー、みんなで分けて食べるのか。それならそれでいいか」

 

ひまり「あ、あとカロリーは控えめで・・・」

 

沙綾「あ、もしかしてひまり…太って」

 

ひまり「言わないで!」

 

疾透「なるほど、コンビニスイーツを食べすぎt」

 

ひまり「だーかーらー!言わないでー!私が一番わかってるから!」

 

巴「とまあ…こんな感じなんだよな…疾透、できるか?」

 

疾透「出来なくはないかもしれないけど・・・難易度高めだなこりゃ…やれるだけやってみるよ」

 

蘭「ありがと、疾透。」

 

俺はできるだけカロリーを控えめにしたお好み焼きを作るとパックに入れて蘭たちに渡した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後12時:2ーB】

 

沙綾「疾透くん、お疲れさま。昼休憩だから私たちも一度休憩しよっか。」

 

疾透「そうするか…あー、あと3時間か…」

 

沙綾「あと2時間30分くらいしたら準備を始めて大丈夫だよ。」

 

疾透「悪いな。一応確認だけどライブが始まる時間は・・・」

 

沙綾「午後6時から、だったよね?疾透くん達は7時からだったっけ?」

 

疾透「ちゃんと覚えててくれたんだな」

 

沙綾「私は物事のスケジュールは何度も確認するタイプだからね。」

 

疾透「まあ俺も結構注意深いからな。」

 

沙綾「疾透くん・・・頑張ってね」

 

疾透「あ、ああ…」

 

ん?なんだ、今の沙綾の区切ったような間は…もしかして沙綾、不安なのか?俺が遠くに行ってしまいそうだって…そんな感じなのか?そういえば去年バンドを組む前には沙綾のお母さんが倒れたらしいし・・・あんな思いはしたくないって感じだな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後2時30分:2ーB】

 

疾透「さて・・・とそろそろ時間か・・・」

 

沙綾「そうだね、あとのことは私たちに任せて行ってらっしゃい。香澄たちにはうまく誤魔化しておくから」

 

疾透「悪いな・・・それじゃあ行ってくる。」

 

沙綾「私たちも学園祭が終わったらすぐにそっちに行くからね」

 

疾透「楽しみにしててくれ」

 

そう言って俺は教室を後にした。学園長にはすでに説明済みなので香澄たちに見つからなければ大丈夫…なはずだ。そんな心配はなく、無事に誰にも見つかることなく俺は花咲川学園から出ることができた。まずはアパートに向かって今日演奏する『R・I・O・T』の最終調整だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後5時:アパート】

 

疾透「さて…もうそろそろ向かわないと集合時間に間に合わないな」

 

チュチュ「そうね。デビューライブ当日に遅刻するなんてありえないわ。」

 

ますき「まあ、私たちなら大丈夫だろう。ここまでの道のりは長かったが」

 

パレオ「私たちにとってはこれが初めてのライブです!昨日のハヤトさんの学園祭で見せてくれたライブに負けないくらいに音を届けますよ!」

 

レイ「ああ、それにこのライブが終わってから疾透の答えを聞くことになるんだ。」

 

チュチュ「そうね…ハヤブサの答えが何であれ、私たちはそれを受け入れるのよ」

 

疾透「それじゃあ・・・行くか」

 

そう言って俺たちはライブハウス『Ruby&Sapphire』へと足を進める。その道中で俺はある人に連絡を取り、ライブが終わった後に来てもらう形になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後6時30分:Ruby&Sapphireステージ裏】

 

疾透「いよいよ本番か・・・このバンドが終わったら俺たちだ」

 

チュチュ「そうね…」

 

疾透「なんだチュチュ、緊張してるのか?」

 

チュチュ「してるわけないでしょ!!それは藪からステッィクよ!」

 

疾透「それを言うなら『藪から棒』だが・・・それくらい言えるなら緊張も何もないか」

 

チュチュ「ふん!このチュチュ様をからかうなんて1億年早いのよ!」

 

疾透「・・・っと、終わったみたいだな。」

 

パレオ「それでは参りましょうチュチュ様!」

 

俺たちはステージへと足を進める。これが終わったら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後6時50分:Ruby&Sapphireステージ前】

 

香澄「りみりん、沙綾?この後何があるの?」

 

沙綾「それは見てからのお楽しみだよ香澄」

 

友希那「それにしても、私たちまで呼ぶなんてよほど次のバンドがうまいという事なのかしら…」

 

紗夜「山吹さんの話によると、『みんなで聞いてほしいバンドがある』とのことなので・・・」

 

蘭「ひまりたちは何か聞いてない?」

 

ひまり「えっと、『RAISE A SUILEN』ってバンド名くらいかな。」

 

美咲「花音さんは疾透さんから何か聞いてないんですか?」

 

花音「私も何も聞いてないんだ…ごめんね美咲ちゃん」

 

千聖「私も疾透くんからは何も聞かされていないのよね」

 

イヴ「はい、これから何が起こるのでしょうか?」

 

(バチン!)

 

有咲「うわ、またかよ!?今年で何回照明が消えるのを目にすればいいん・・・だ・・・?」

 

照明が付いた直後、香澄たちが目にしたのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ステージ】

 

疾透「どうも初めまして、RAISE A SUILENです。」

 

チュチュ「私たちはまだ結成されてすぐのバンドだけど、本格的な練習をして今ここにいるわ!私はDJ担当のチュチュよ!」

 

ますき「私はドラム担当、佐藤ますきだ。このバンドではマスキングなんて呼ばれている」

 

パレオ「私はパレオといいます!担当パートはキーボードで、ここにいるメンバーでは一番の若輩者です!」

 

レイ「私は和奏レイだ。RASではベースとメインボーカルを担当している。バンドではレイヤと呼ばれている」

 

疾透「そして俺がRASのリードギター、森睦疾透です。このバンドではハヤブサと言われています。だけど俺はまだ正確には仮メンバーで、今日のライブで答えを出します。それでは聞いてください・・・」

 

RASメンバー「「「「「『R・I・O・T』」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有咲「おいまさか…疾透が言っていた用事って…」

 

りみ「みんなに当日まで隠しておいてほしいって疾透くんが・・・」

 

有咲「私たちに黙ってこんなことしてたのかよ・・・」

 

香澄「でも・・・いい音出てるよ有咲。疾透くんのこれまでに積んできた努力の結晶がキラキラドキドキしてる」

 

りみ「(疾透くん…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「ありがとうございました」

 

チュチュ「もっとたくさんの音を奏でたいところだけど、私たちには今これしかないわ。私たちが本格的に動く時…私たちの全力の音楽を見せてあげるわ!それじゃあ行くわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後7時30分:Ruby&Sapphire外】

 

RASの演奏が終わり、Poppin'PartyとRAISE A SUILENメンバー全員が外に集まっていて、もちろん呼んだのは俺だ。Roseliaやパスパレのみんなは先に帰っていた

 

有咲「で、大事な話って何だ?」

 

疾透「大事な話っていうのは他でもない、今後の俺の方針についてだ。俺はポピパのマネージャーとRAISE A SUILENのリードギターをやりながら答えをずっと探していたんだ。」

 

香澄「答えって?」

 

疾透「『どっちのバンドに俺がいるのか』だ。両方のバンドにいるなんて俺にはできない。だから俺は二つのバンドの活動をしながらずっと考えていた」

 

チュチュ「ハヤト、聞かせなさいあなたの答えを」

 

疾透「俺の居場所は・・・やっぱりPoppin'Partyなんだ。短い間だったけど、チュチュたちと演奏できたことは本当にうれしかった。でも・・・」

 

チュチュ「そう…ハヤトがたどりついたのはそれなのね。ハヤトがいてくれたからこそRAISE A SUILENはここまでたどり着いた。私たちRAISE A SUILENは解s・・・」

 

疾透「でも俺は、チュチュたちの居場所を失くさせたくないんだ。だから俺はここにある人を呼んでいる」

 

りみ「ある人…?」

 

疾透「出てきてくれ」

 

??「は、はい!」

 

外に出てきたのは・・・

 

香澄「ロック!?」

 

そう、俺が連絡を取ったのは朝日六花だった。俺はRAISE A SUILENの練習とポピパのマネージャーをやりながらみんなに秘密で六花にギターを教えていたんだ。体への負担は大きかったが、六花は技術ののみこみが早く、気が付けば俺よりもギターの技術は上になっていた。そんな六花を見込んで、俺は六花に『俺はポピパのマネージャーになる。だから俺の代わりにRASに入ってチュチュたちのことを支えてあげてほしい』と頼んでいたのだ。

 

六花「わ、私は朝日六花といいます!疾透さんにギターを教えてもらって、疾透さんから詳しい事情を聴きました!」

 

チュチュ「もしかして・・・ハヤト、あなた」

 

疾透「正確はあまりしっかりしてないけど、六花は俺が認めた後輩だ。ギターの技術は俺よりもしっかりしてるし、俺がいなくても六花ならRASに空いた穴を埋めることができるだろうと思ってな。」

 

チュチュ「私たちの音楽はとても厳しいわよ?」

 

六花「承知の上です!」

 

チュチュ「そう、ならついてきなさい六花。あなたは今日からRAISE A SUILENのリードギターよ!」

 

六花「は、はい!頑張ります!」

 

チュチュ「そうと決まればこれから練習よ!新しい曲が浮かびそうだから今度のライブは六花に出てもらうわ!」

 

六花「ええっ!?これからいきなり練習ですか!?」

 

六花がそういうとチュチュは六花の手を引っ張ってRASの練習場であるアパートに走っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「・・・行ったな。というわけだみんな、今まで隠していてすまなかった」

 

有咲「ちょっ!?頭を軽々しく下げるんじゃねーよ!まるでこっちが悪いみたいじゃねーか!」

 

香澄「そうだよ疾透くん!頭を上げてよ!」

 

たえ「疾透くん、私たちに隠し事をした罰を受けてもらおっかな。」

 

りみ「お、おたえちゃん!?疾透くんに罰なんて…」

 

たえ「大丈夫だよりみりん。疾透くんにとっては軽いものだから」

 

沙綾「おたえ、どんな罰なの?」

 

たえ「うーん…私たちの目の前で疾透くんとりみりんがキス・・・とかかな」

 

有咲・疾透「「ぶっ!?」」

 

有咲「はあああ!?いきなり何言ってるんだよおたえ!!いやりみと疾透が付き合ってるのは知ってるけどな・・・何も今私たちの目の前でキ、キスなんて・・・」

 

りみ「そ、そうだよおたえちゃん!みんなの前でキスなんてめっちゃ恥ずかしい・・・!」

 

たえ「できないの?」

 

疾透「お前ら・・・そんなこと、俺らがいるときに言えないようにした方がいいか?」

 

香澄「え?どういう意味?」

 

疾透「こういう意味だよ」

 

俺はそういうと、りみを抱き寄せてキスをした。もちろん、他のポピパメンバーの目の前で。

 

香澄「わ、わわわ…!」

 

たえ「おおー、大胆」

 

有咲「わ、私たちの目の前で本当にするかよ…!!もう少し場所を考えろ!」

 

沙綾「見せつけてくれるね、疾透くんとりみ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「・・・これでもまだそんなこと言えるか?」

 

たえ「さすがにこれだけ見せつけられたら何も言うことはないかな。それより疾透くん、りみりんは大丈夫?」

 

疾透「え?」

 

俺はりみの顔を見ると、りみは目をまわして顔を真っ赤にしていた。

 

疾透「…やりすぎたか。いきなりだったからな・・・よ・・・っと」

 

俺はりみをおんぶした

 

疾透「さすがにこんな状態では家まで帰るのは至難だろうしな・・・今日は俺の家に泊めるよ」

 

沙綾「うん、そうした方がいいかもね・・・それじゃあまた今度ね疾透くん」

 

疾透「ああ、またな。」

 

俺たちはそれぞれの帰路についた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから俺は家にりみをおんぶして帰った。少し時間が経った後俺の家でりみは目を覚まし、事の経緯をりみに説明した後、りみは恥ずかしがりながらも俺に抱き着き、先ほどのお返しするようにキスをしてきた。そしてりみは俺に言う。『おかえり』って。俺は『ただいま』と返す。俺に居場所を与えてくれた恋人は今俺の隣で優しく微笑む。この恩を返すために俺は決意をする。そのためにも・・・

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか。

やっとRAS編(のようなもの)が終わり、物語はクライマックスへと移行します。どのようなクライマックスになるのか楽しみに待っていてください。

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました


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24話:未来への誓い

どうも、昨日は頭痛でぶっ倒れてたルミィです。

過労だったのかただの頭痛だったのかはわかりませんがおかげで機能の更新を逃がしてしまいました…皆さんも体調管理にお気をつけて…

それでは本編へどうぞ


 

 

 

 

 

 

 

 

RASのデビューライブが終わり、日にちがさらに経った。あれからRAISE A SUILENもうまくいってるようで、六花の笑顔の写真がチュチュを通じてGYNEで送られてくることもあった。新曲も何曲かできたらしく、今度のライブで歌ってくれるという。それからといいうものは、ポピパを始め、AfterglowやRoseliaも新曲が出来上がったらしいので主催ライブで一番に歌うという。俺はというと、ポピパのマネージャーを続けている。偶に時間がある時は週1のペースで別のバンドに顔を出すようにしている。その時はポピパのメンバーに前もって連絡を入れておくようにしたのでその時は香澄たちも気兼ねなく練習に集中できるので少しは成長できる…だろう。そして冬休みに入ろうとしてた時、一つの連絡が来た。連絡をくれたのは彩さんで、クリスマスイヴの日はパスパレのみんなはオフらしいのでその時くらいしかみんなでオフの時がないらしいので他のバンドにその日の予定を聞いてみたところ・・・

 

Afterglow『うん、大丈夫だよ。その日は予定空けておくから』

 

Roselia『ええ、特に予定はないわ。』

 

ハロハピ『大丈夫よ!問題ないわ!』

 

RAS『Fine、その日は空いてるわ』

 

という感じに、ものの見事に全バンドがOKを取れたので、クリスマスイヴにポピパの主催ライブを行う形になった。(ちなみに、RASのことはポピパのみんなには伝えてない)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

12月23日

 

【午後2時:流星堂】

 

疾透「明日は主催ライブの日か…セットリストも新曲ばかりだけど俺も一生懸命サポートするからみんなはお客さんを楽しませることに専念してくれ」

 

香澄「うん!お客さんにも明日香にもキラキラドキドキしてもらおう!」

 

たえ「オッちゃんも連れてきてもいいかな?」

 

りみ「お姉ちゃん、今年は家に戻ってくるって言ってたし明日のライブは見に来てくれるって」

 

沙綾「うちもお母さんとお父さん、弟と妹も来てくれるって」

 

有咲「私の所も婆ちゃんが来るって。無理しなくてもいいんだけどな・・・」

 

疾透「うちの姉さんは向こうで勉強するとかでこっちには帰ってこれないらしいから主催ライブまでは俺一人で家にいることになるな」

 

香澄「それじゃあ今から疾透くんの家に泊まろう!」

 

有咲「おい!?なんで今の流れでそうなるんだよ!!いくら疾透が家に一人だからって…」

 

疾透「どうせ帰っても『Ruby&Sapphire』に連絡とるだけだから大丈夫だぞ。」

 

沙綾「え、いいの?他にやることがあったりしないの?」

 

疾透「宿題も結構終わってるし、宿題は空いた時間にでも終わらせるから大丈夫だ。」

 

有咲「だから宿題を済ませるのが速すぎんだろ!去年もクリスマス前には大体終わってたよな!?」

 

疾透「まあ、な。それよりみんなは何時くらいに来るんだ?」

 

ポピパメンバー「「「「「午後6時くらい」」」」」

 

疾透「了解、それじゃあ俺は帰ってお泊りの準備をしておくから着いたら連絡を入れてくれ」

 

りみ「うん。」

 

それから俺は流星堂を後にして、家に戻り布団を姉さんの部屋に3つ、俺の部屋に2つ敷いた。それからほどなくして香澄たちが来て、主催ライブ前日のお泊り会が始まった。枕投げ、思い出話、人〇ゲーム、ツイ〇ターゲームなどで盛り上がった。一番最後のやつだけはたえと沙綾を除く全員が声にならない悲鳴を上げていたのでさすがに途中でやめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

12月24日

 

今日はポピパの主催ライブの日だ。参加バンドはPoppin'Party、Afterglow、Pastel*Palettes、Roselia、ハローハッピーワールド、RAISE A SUILENの6組だ。俺は準備で午前中から『Ruby&Sapphire』で準備のため早くから向かわなければならないため、ポピパのメンバーの最終調整は聞くことができないけどライブで聞くこともできるしそこは心配はしなくていいだろうから俺は俺のやるべきことをするだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前10時:『Ruby&Sapphire』スタジオ内】

 

疾透「悪いな琳禰(りんね)、クリスマスで他の所のバイトで忙しいっていうのにライブの準備に付き合ってもらって」

 

琳禰「大丈夫だって。私だってここでバイトしてるんだし、私だってバンドやってるんだからお手伝いするのは当たり前だよ」

 

【オリキャラ紹介:桐碕琳禰(きりさきりんね)。1学期の半ばに花咲川学園の高等部2年へ転入してきた転校生。りみや沙綾と同じクラスで、誰とでもすぐ打ち解けられる底なしの明るさの持ち主。こっちに来てからは羽丘と花咲川にいる学生とバンドを組んでいる。バンド名は『Eagle wind』(イーグルウィンド)で、始まりは俺がギターを演奏できることを教えたら『ギターを教えてほしい』と頼まれたので教えたら持ち前のセンスの良さですぐに技術を身に着けた。バンドではギター兼メインボーカル。他のメンバーも『Ruby&Sapphire』でバイトしている。メンバー構成は羽丘から2人、花咲川から3人だ】

 

疾透「今日は他のメンバーもこっちでバイトなのか?」

 

琳禰「うん、もうすぐステージのセッティングが終わってこっちに戻ってくるころだと思うけど・・・あ、来たね。結佳(ゆうか)、玲南(れな)、宥(ゆう)、遙(はるか)。」

 

結佳「おはよう、疾透くん。今日はよろしくね」

 

玲南「おっはよーございます!疾透先輩!」

 

宥「うちの玲南が朝早くからうるさくてすみません…」

 

遙「まあ楽しければ万事オッケーってことでー」

 

【まとめてオリキャラ紹介:風見結佳(かざみゆうか)。羽丘学園の高等部2年に通ってる同い年で蘭たちと同じクラス。『Eagle wind』のベース担当。落ち着いた性格で何事にも冷静沈着に対応する。

結佳の左隣にいるのは羽崎玲南(はざきれな)。花咲川学園高等部1年生で、『明るさが取り柄ですから!』と言うだけのことはある元気いっぱいな後輩。バンドではドラム担当。元気がよすぎて前に走りすぎてはバンドメンバーにストップをかけられている。

玲南の右隣で呆れてるのは羽崎宥(はざきゆう)。玲南の姉で花咲川学園の高等部2年で、クラスは琳禰とは違い美咲と同じクラス。バンドではキーボード担当でリーダー。元気がいい玲南とは対照的で落ち着いた性格。バンドの歌詞を書くことが多く、結成して半年で2曲も作ることができたのは宥のおかげだとか。

最後に、結佳の後ろで玲南の頭を撫でているのは白兎奈遙(しらとなはるか)さん。羽丘学園の高等部3年生で、バンドではリードギター担当。おっとりした性格で楽観的な先輩。最初は『一番年上だからリーダーに』とか言われたらしいが、結佳が『夕の方がしっかりしてるから宥がリーダーがいい』と言ったらしく、遙さんも『いーんじゃない?』と言ったらしいから流れでそうなったのだとか。】

 

疾透「しっかし、よくみんなでこの時間に合わせられたな。」

 

玲南「疾透先輩がいるバンドのマネージャーの初めての主催ライブだと聞いたので無理矢理スケジュールを合わせました!」

 

疾透「…玲南?」

 

玲南「はい?」

 

疾透「今度からはちゃんと話し合おうな?」

 

宥「とまあ、玲南がオーナーに持ち掛けてこうなってるんです・・・」

 

遙「でも、みんなでこうして集まれるからいっかなーって」

 

疾透「やっぱり遙さんの考えることはわからないです・・・」

 

(ガチャ)

 

香澄「おっはよー!疾透くん!あ、玲南ちゃんと宥さん!」

 

蘭「それに、白兎奈先輩と結佳じゃん。今日はこっちでバイトなんだね」

 

結佳「まあ、玲南がオーナーに掛け合って今日はこっちでバイトすることになったんです…」

 

彩「疾透くん、今日はよろしくね!」

 

疾透「今日は主催ライブに参加してくれてありがとうございます、彩さん。」

 

友希那「今年最後のライブになるだろうから私たちの全力で今年を締めくくるわよ」

 

遙「がんばってねー」

 

こころ「今日はみんなでお客さんを笑顔にするわよ!」

 

玲南「弦巻先輩、全力ガッツで全力ファイトです!」

 

ちなみにチュチュたちは少し遅れてやってくるという。

 

疾透「それじゃあ、順番を決めるか。Poppin'Partyは最初に1曲してから他のバンドが終わってからもう1曲やる感じで、他のバンドは…」

 

順番はポピパ→ハロハピ→パスパレ→Afterglow→Roselia→RAS→ポピパという順番になった。

 

疾透「じゃあ、他のみんなは楽屋でゆっくりしててくれ。こっちでまだ話し合うことがあるからそれが終わったら合流するよ。」

 

香澄「オッケー!それじゃあまた後でねー!」

 

香澄たち5組のバンドは楽屋に足を進めた

 

 

 

 

疾透「じゃあ、照明とかの順番はここにあるから、あとは…」

 

結佳「後はここをこうする感じでいいんじゃないかな?ここもこんな感じで・・・」

 

玲南「ここはこうでここをこうでババーンって感じでどうでしょう?」

 

疾透「他のバンドに合うように照明を照らさないとな…ここは…」

 

そんなこんなで、『Eagle wind』のメンバーと照明のリストを更新したりしているうちに・・・

 

チュチュ「おはよう、疾透」

 

疾透「チュチュ、おはよう。もうみんな楽屋に入ってるぞ」

 

チュチュ「わかったわ」

 

琳禰「疾透くんも楽屋に入っていて大丈夫だよ。こっちは私たちで何とかするから」

 

疾透「いいのか?なら言葉に甘えるけど」

 

チュチュ「疾透、楽屋まで案内しなさい!私たちはここでライブをしたことがないからわからないのよ!」

 

疾透「そこまで大きな声を出さなくても案内するからちゃんとついてきてくれ」

 

そう言って俺はロビーを後にしてチュチュたちRAISE A SUILENを楽屋に案内した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【楽屋】

 

疾透「おまたせ、みんな。」

 

りみ「疾透くん、話し合いは終わったの?」

 

疾透「話し合いは終わったけど、後のことは琳禰たちがやってくれるからってこっちに来た。あとここではライブをしたことがないってバンドがいたから案内も兼ねて」

 

有咲「誰だ?蘭ちゃん、どこか知ってるか?」

 

蘭「ううん、あたしたちはここはあまり使わないからそういうのは知らないんだけど・・・疾透、どんなバンドなの?」

 

疾透「百聞は一見にしかずってな。それじゃあ入ってきてくれ」

 

チュチュ「Hello everyone。」

 

六花「こ、こんにちは皆さん!」

 

香澄「ロック―!?」

 

疾透「とまあ、今日の特別ゲストのRAISE A SUILENだ。」

 

有咲「だからこういうことは先に言えよ!!」

 

六花「あ、それは私が言ったんです。『ポピパの皆さんを驚かせたい』って…」

 

たえ「ロックがそう言うなら仕方ないよ有咲」

 

有咲「仕方なくねー!!」

 

とまあ、有咲が俺やら六花やらに説教に近いことを言ってきたが六花の詳しい説明で納得したのか静まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後3時】

 

疾透「そろそろポピパの出番だな、準備はいいか?」

 

香澄「うん!私たちはオッケーだよ!」

 

疾透「じゃあステージに向かってくれ、後の段取りは有咲に説明してあるから有咲の言葉に従って行動してくれ」

 

沙綾「了解。それじゃあ有咲、お願いね」

 

有咲「お、おう・・・」

 

俺はポピパをステージの裏まで案内した後、楽屋に戻った。RASのメンバーはロビーに行っていて楽屋にはいなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モカ「ねーはやくん。有咲から聞いたんだけどRASのメンバーにならなかったんだってー?」

 

疾透「有咲…俺には隠し事どうのこうの言ってるのに人には軽く話すのかよ…まあそうだな、俺はRASのメンバー加入を断ったのは事実だよ。」

 

友希那「なぜ断ったの?学園祭であんなにすごい演奏ができたのに」

 

疾透「まあ、色々あってですね。深くは聞かないでくれると助かります」

 

日菜「ふーん?色々…ね?」

 

疾透「日菜さんが考えてることとは9割9分違いますから」

 

などと話してるとポピパの演奏が終わり、順番に演奏が終わってクリスマスイヴらしい主催ライブは終わった。最後なんて海外から姉さんが送ってきたサンタコスチュームをポピパメンバーが着て『Dreamers Go!』を演奏した。姉さん、どれだけサンタコスチュームが見たいんだよ・・・そんなに見たいなら自分で着ればいいのに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【楽屋】

 

疾透「みんな、お疲れ様。ポピパのメンバーに関しては初めての主催ライブもお疲れさまだな」

 

香澄「疲れたー!早く帰ってあっちゃんに今日のライブの感想を聞いてもらおうっと!」

 

たえ「私もおっちゃんたちに聞いてみようっと」

 

沙綾「私も今日は家族で感想とかを聞き明かしたいなー」

 

有咲「私も婆ちゃんに聞いてみるか・・・」

 

りみ「私もあとでお姉ちゃんに感想を聞こうかな。」

 

蘭「あたしもお父さんに感想聞こうかな・・・」

 

そんなこんなで、今日は他のメンバーは家族やら友人に感想を聞こうなどと話して、今日は解散となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

りみ「疾透くん、話したいことって何?」

 

疾透「まあ、ちょっと待ってくれ。一人呼んでる人がいるから・・・っと。そんなことを言ってたら来たな。入ってきて丈夫ですよ」

 

(ガチャ・・・)

 

ゆり「こんばんは。りみ、疾透くん」

 

りみ「お姉ちゃん?疾透くん、呼んだ人ってお姉ちゃんなの?」

 

疾透「まあな。ゆり先輩にも聞いてほしくて」

 

ゆり「私に聞いてほしいってことは大事な話なの?」

 

疾透「そうですね、それでは本題に入ります。」

 

ゆり先輩とりみは息をのんで俺の話に耳を傾けた。俺が二人に聞いてほしかったのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

疾透「ゆり先輩、りみを・・・俺の嫁にください」

 

ゆり「疾透くん、それって…りみと結婚したい、ってこと?」

 

疾透「…はい。俺はりみの隣でずっと支えてきました。時にはRASの練習に顔を出したりして練習風景に立ち会ってくれたり、学園祭で一緒に回ってくれたりもしました。りみは俺にとって、俺に居場所を与えてくれた恩人なんです。そんなりみだからこそ…俺はりみの隣でこれからの人生を歩んでいきたいんです。まだ俺たちは高校生なので学生結婚なんて俺たちにはできないかもしれませんけど・・・俺に居場所を与えてくれたりみへの俺なりの恩返しなんです。」

 

ゆり「…そう、それが疾透くんが言いたかったことなのね。それじゃあ今度は・・・りみに聞こうかな」

 

りみ「わ、私に?」

 

ゆり「りみは疾透くんの今の言葉、どう思ってるの?」

 

りみ「わ、私は…疾透くんと同じ気持ちだよ。引っ込み思案だった私を変えてくれたのは疾透くんで、私とお姉ちゃんが喧嘩した時も疾透くんは誰よりも私たちのことを心配してくれた。私が変われたのはお姉ちゃんと疾透くんのおかげ…だから…わ、私も疾透くんとずっと一緒にいたい!」

 

ゆり「…そっか、それがりみの答えなんだね。疾透くん。」

 

疾透「はい」

 

ゆり「りみのこと、お願いね。まだりみは引っ込み思案な性格は変わってないけど、これから何度も壁にぶつかっていくかもしれない。でも疾透くんならりみのことを任せられるから」

 

疾透「はい。ゆり先輩の言葉、肝に銘じておきます。」

 

ゆり「りみ。」

 

りみ「お姉ちゃん・・・」

 

ゆり「疾透くんとのこれからの人生、楽しんでね。つらい時でも笑顔を忘れなければ大丈夫だから」

 

りみ「…うん!お姉ちゃん!」

 

ゆり「それじゃあ私からの話はこれでおしまい。それじゃあ二人とも、幸せにね」

 

そういってゆり先輩は楽屋を後にして、少し時間が経った後俺たちも『Ruby&Sapphire』を後にした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【森睦家:リビング】

 

あの後、ゆり先輩たちGlitter*Greenは家で感想会をすると連絡が入ったので俺とりみは俺の家で話をしてからりみを一旦家に帰すことにした。

 

疾透「…今年は色んなことがあったよな。初日の出を見に行ったり、ハロハピに巻き込まれたり…」

 

りみ「疾透くんがRASの練習に行くようになってなかなかスケジュールが合わなかったときとか文化祭を一緒に回ったりしたよね。」

 

疾透「そういえばりみ、去年のこと覚えてるか?」

 

りみ「うん、去年のクリスマスイヴのことだよね?覚えてるよ。疾透くんから告白されて・・・」

 

疾透「それから俺たちは恋人になって、今日までずっと一緒に同じ時間を過ごした。りみと一緒にいた時間はとても幸せな時間だよ。りみ…」

 

りみ「疾透くん?」

 

疾透「改めて言わせてほしい。りみ…俺と…結婚してくれないか?」

 

りみ「うん…うん・・・!私も疾透くんとこれからの人生を一緒にいたい!」

 

疾透「りみ…」

 

りみ「疾透くん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは見つめ合って、誓いのキスをする。そう遠くない未来に俺たちは結婚して二人で同じ人生を歩むために。りみと恋人になってからずっと考えていた、俺がりみに出したかった答えがこれだ。りみが俺に居場所を与えてくれたように、今度は俺がりみの新しい居場所を作る番だ。りみと一緒ならどんなことも乗りこえていける・・・そんな思いを胸に秘めて俺は誓う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺はりみとずっと一緒にいる。これから先、俺たちにいくつもの困難や試練が待っているかもしれない。でも俺たちは諦めず目の前のことに立ち向かって乗り越える』

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

え?バンドシーンの描写がなかったって?…気にするな!気にしたら負けぞ(適当)

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました


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最終話:小さな森に花は咲く

ルミィ「どうも、休んだ分は連続投稿で埋めますよとルミィと」

香澄「やっほー!戸山香澄だよ!」

たえ「やっほー、花園たえだよ」

りみ「う、牛込りみです・・・」

沙綾「山吹沙綾です、今回もよろしくお願いします」

有咲「い。市ヶ谷有咲だ・・・ベ、別にうれしくなんてねーからな!」

ルミィ「とまあ、ポピパメンバー勢揃いです。」

沙綾「もう最終話かぁ…早いね。」

りみ「そうだね、沙綾ちゃん。もう少し時間がかかるって思ってたんだけど・・・」

ルミィ「これも投稿ペースが速かったからですね。体調も特に崩れることなく投稿できて主も喜んでいます」

有咲「でも本当にはえーよな・・・」

香澄「うん!これも主さんの投稿ペースのおかげだよ!」

たえ「そうだね。主さんお疲れ様」

ルミィ「(まだ終わってないんだけどなぁ…)まあそれはさておき」

全員「「「本編どうぞ!」」」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリスマスイヴに行ったポピパの主催ライブが終わって2年経った。あの日の約束を果たし、高校を卒業してすぐに俺とりみは結婚して夫婦となった。水夏姉さんたちは短期大学に通っていたため、卒業と同時に東京に帰ってきて俺とりみの結婚式に参列してくれた。主催ライブに来てくれたバンドメンバーやゆり先輩、たくさんの人たちが来てくれた。香澄は大げさに涙を流し、ゆり先輩は嬉し涙を流して俺たちのことを祝福してくれていた。ひまりはあいかわらず感動ものに弱く、香澄と同じで大げさに涙を流したりした。姉さんは海外の大学で一緒の寮に住んでいた彼氏と結婚していたと聞いた時は驚いたけど、『姉さんのことだから割り切ろう』と思ったため素直に祝福した。水夏姉さんたちは結婚したといっても彼氏は親元を離れて水夏姉さんの家・・・つまり森睦家に住むとも言っていたので俺とりみはゆりさんの家の方で一緒に住むことになった。ちなみにゆりさんの家は名義がゆりさんの名前なのだが、りみは俺と結婚して『森睦りみ』と名前を変えているため多少だがややこしくなっている(ゆりさんは未婚なため名前はそのまま)

 

それから数か月が経ち、俺はある場所にいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6月7日

 

【午後2時:江戸川病院】

 

疾透「…」

 

ゆり「疾透くん、そんなに焦ってちゃ私も心配になるから一旦落ち着こう?」

 

疾透「そうは言っても・・・りみは今精いっぱい頑張っているのに俺はここでじっとしていることしかできないなんて…」

 

ゆり「でも疾透くん達が今まで頑張ってたおかげで今私は新しい命の誕生をこの目にすることができるんだよ。」

 

ゆりさんが言ったこと・・・それは、今りみが必死に俺たちの子供を産もうと頑張っているところだ。時は昨日まで遡って…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6月6日

 

【午後3時:牛込家リビング】

 

疾透「りみ、大丈夫か?そんなに無理しないで家事は俺に任せて・・・」

 

りみ「ううん、大丈夫だよ疾透くん。」

 

疾透「でも、ただでさえりみはいつもより家事を頑張ってるし、何よりりみのお腹に新しい命が宿ってからもうすぐ1年になるだろ?」

 

りみ「だからこそだよ。私たちの子供が産まれたら私はしばらく家事ができないし、今できることを・・・っ!」

 

疾透「りみ!?ゆりさん!りみが・・・!」

 

ゆり「りみ、しっかりして!疾透くん、救急車を呼んで!」

 

疾透「はい!りみ、しっかりしてくれ!俺が近くにいるから・・・」

 

りみ「は、疾透・・・くん・・・私は大丈夫…だから・・・っ!」

 

疾透「無理に喋らなくていい!今救急車を呼んでるから今は耐えてくれ・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今に戻る…

 

6月7日

 

【午後2時30分:病院ロビー】

 

疾透「あの時、俺がりみのかわりに家事をしていればりみは倒れずにこんなにつらい痛みを背負わずに済んだのに…」

 

ゆり「りみは昔も今もやりたいことがあったら全力で取り組む性格だからね…今この時もりみは全力で頑張ってる。」

 

疾透「…そうですね。今の俺にできることはりみに顔を合わせた時に笑顔で迎えることなので」

 

ゆり「そうそう。りみは私の妹で疾透くんは弟のようなものだから心配になるのは当たり前だからね」

 

疾透「・・・そうですね。ゆりさんは俺にとっては二人目のお姉さんみたいなものなので心配されるのは嬉しいですね。」

 

ゆり「こういう時はお姉さんに甘えてもいいんだよ?」

 

疾透「今はやめておきます。りみが今頑張ってるのに俺だけゆりさんに甘えるってのはなんかりみに悪いですし」

 

ゆり「そっか。そういうところ、疾透くんは変わらないよね」

 

疾透「ゆりさんこそ。」

 

(ガラガラ・・・)

 

疾透「あ、ドクター…りみは」

 

ドクター「百聞は一見にしかずです。あなたたちの目で確認してください」

 

ゆり「はい。疾透くん、りみのところに行こうか」

 

疾透「はい」

 

俺とゆりさんはりみがいる病室に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後3時:りみの病室】

 

疾透「りみ、入るぞ。」

 

りみ「疾透くん?大丈夫だよ」

 

(ガラガラ・・・)

 

ゆり「りみ、大丈夫?」

 

りみ「うん、大丈夫だよお姉ちゃん。その証拠に・・・ほら」

 

りみの隣には、産まれたばかりの子供がスヤスヤ眠っていた。それも、二人。

 

疾透「よかった…本当に・・・」

 

そう言って俺は肩の荷が下りたのか、無意識に力が抜けて床に座り込んでいた

 

ゆり「疾透くん、大丈夫?」

 

疾透「ちょっと力が抜けただけですから大丈夫です。ゆりさんもこれからはお姉さんですね」

 

ゆり「そうだね、この年で妹を持てるなんて幸せだよ」

 

疾透「…ゆりさんって俺と2つしか違いませんよね」

 

ゆり「細かいことは気にしたら負けだよ疾透くん?」

 

りみ「疾透くん、この子たちの名前、どうしよっか?」

 

疾透「そうだな…少し考えさせてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【数分後】

 

疾透「よし、決まった。こっちの子は…でどうだ?」

 

りみ「うん、それじゃあこの子の名前は…でどうかな?」

 

ゆり「うん、いいんじゃないかな。」

 

疾透「それじゃあ二人の名前はこれで決まりだ。りみは疲れてるだろうから退院するまでゆっくり寝ててくれ。時間がある時にこっちに来るからそんなに寂しくはないだろうけど…」

 

りみ「私は大丈夫だよ。疾透くんとお姉ちゃんが会いに来てくれるだけでも私は嬉しい…から・・・」

 

疾透「りみ?」

 

りみ「(スゥ・・・スゥ・・・)」

 

ゆり「寝ちゃったね、りみ。これまでで一番疲れたみたいだからね…」

 

疾透「寝ちゃいましたね。さて…これからどうしますか?」

 

ゆり「りみと疾透くんたちの子供を起こしちゃ悪いから一旦帰ろっか。」

 

疾透「そうしますか。りみ、また今度な。」

 

そう言って俺はりみの額にキスをして病室を後にした。それからは仕事の休みを使ってりみと俺たちの子供に会いにいったりした。ゆりさんもモデルの仕事が忙しくてあまり時間は作れなかったみたいだけど、それでも休みの日はりみのお見舞いに一緒に行ったりした。それから数年後・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6月10日

 

【午前10時:牛込家リビング】

 

疾透「今日の仕事は終わり…っと」

 

(クイックイッ)

 

疾透「ん?」

 

??「パパ…だっこ…お願いなのです」

 

疾透「おお、稚夏(ちなつ)か。だっこか?よしよし・・・(ヒョイッ)」

 

稚夏「(パァァ)えへへ・・・」

 

【オリキャラ紹介:この子は森睦稚夏(もりちかちなつ)。俺とりみの間に産まれた双子の妹だ。髪の色は黒で、瞳の色は赤色。りみに似て引っ込み思案だが、俺にも似て物事には興味津々。口癖は『~なのです』(りみと一緒にTU〇AYAで借りてきた某艦隊アニメのDVDのキャラのセリフに影響された)好きな色は黄色。】

 

疾透「稚夏、お姉ちゃんはどうしたんだ?」

 

稚夏「お姉ちゃんならママのところ…なのです」

 

(ガチャ・・・)

 

りみ「疾透くん、おはよう。」

 

稚夏「ママ…嬰奈(えな)おはようなのです」

 

嬰奈「パパ…稚夏…おはよう…」

 

【オリキャラ紹介:この子は森睦嬰奈(もりちかえな)。俺とりみの間に産まれた双子の姉だ。髪の色は稚夏と同じで黒で、瞳は青色。恥ずかしがり屋と思われがちだが、実際はコミュニケーションをとるのがうまく、有咲たちポピパのメンバーと顔を合わせた時もすぐに仲良くなった。口癖とかは特にない。好きな色は水色】

 

りみ「稚夏ちゃん、起きていなくなったらと思ったら疾透くんのところに行ってたんだね」

 

疾透「ああ。俺の方は仕事っていっても昨日の残りを片付けただけだったから特に苦も無く今日は休みだしゆっくりしようかなって思ってたから」

 

嬰奈「パパ…今日はお出かけしないの…?」

 

疾透「別に特別何かをするってこともないしな…さてどうするか」

 

稚夏「それなら・・・お出かけしたい…なのです」

 

りみ「2人もこう言ってるし今日はどこかにお出かけしない?お姉ちゃんは今日も仕事だけど・・・」

 

疾透「んー…確かにこうして家でのんびりしてもいつものことだしな…どこか行くか」

 

俺たちは車を出して出かけることにした。話す時間も計算して水夏姉さんが働いているパスパレの事務所と流星堂の2か所に行くことにした。ちなみに稚夏と嬰奈のことを知ってるのは水夏姉さんとゆりさん、りみと俺だけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後12時:アイドル事務所】

 

(ピンポーン)

 

彩「あ、疾透くんとりみちゃん!こんにちは!今日はどうしたの?」

 

疾透「昨日の分の仕事が終わったから今日はどこかに出かけようってことになって、久しぶりにここに来たくなったんだ」

 

りみ「こんにちは、彩さん。今日はパスパレの皆さんはオフなんですね」

 

彩「うん、今日はみんなオフなんだけどみんなで集まろうってことになって今日はみんなで休憩室にいるよ。私は水夏さんから連絡をもらってりみちゃんたちのお出迎えなんだけど・・・」

 

(クイクイッ)

 

彩「疾透くんかりみちゃん、私の袖を引っ張ったりしてないよね?」

 

疾透「この年になって年が近い人の袖は引っ張らないですよ・・・嬰奈じゃないですか?」

 

彩「嬰奈ちゃんって誰?」

 

りみ「私と疾透くんの子供ですよ」

 

彩「ええっ!?そんなこと水夏さんからも聞いてないよ!?」

 

疾透「まあ、水夏姉さんは滅多に家族のことはしゃべりませんからね。」

 

嬰奈「彩お姉ちゃん…だっこ」

 

疾透「嬰奈もこう言ってますし、だっこしてあげたらどうですか?」

 

彩「え、いいの?」

 

りみ「嬰奈ちゃんは誰とでもすぐに仲良くなれるので大丈夫ですよ」

 

彩「そうなんだ?それじゃあ・・・(ヒョイッ)」

 

嬰奈「えへへ・・・」

 

疾透「嬰奈も喜んでるし、休憩室まで案内をお願いできますか?」

 

彩「うん!みんなには今日来ることは言ってあるの?」

 

りみ「いえ、言ってないですね。だからサプライズ訪問ってことになっちゃいました」

 

彩「みんなの驚く顔が楽しみだなぁ…それじゃあ行こう!」

 

彩さんは嬰奈をだっこしてややスキップ気味に休憩室に俺たちを案内した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【休憩室】

 

彩「みんな、ただいま!」

 

千聖「あら彩ちゃん、ご機嫌ね。どうしたの?」

 

日菜「あー!彩ちゃんが子供をだっこしてるー!ってあれ?彩ちゃんって子供はいなかったはずだよね?誰の子供なの?」

 

彩「えへへ、それはねー…」

 

疾透「こんにちは。日菜さん、千聖さん、イヴ、麻弥さん」

 

日菜「あーっ!疾透くんだ!りみちゃんも一緒なんだね!」

 

りみ「日菜さん、水夏義姉さんがお世話になってます・・・」

 

イヴ「リミさん、お久しぶりです!」

 

りみ「イヴちゃん、久しぶりだね。元気にしてた?」

 

イヴ「はい!みなさんでアイドル活動を続けています!」

 

麻弥「ところで、彩さんが抱っこしている子とりみさんがおんぶしている子って疾透くん達のお子さんですか?」

 

疾透「はい。ここ2年の間は嬰奈と稚夏のお世話で家から出られなかったので今日は稚夏と嬰奈の紹介も兼ねて来たんです」

 

千聖「ふふ、可愛いわね。お持ち帰りしたいくらいよ」

 

疾透「それはさすがに勘弁してください、嬰奈だったら1週間くらい千聖さんと一緒にいかねないんで」

 

千聖「冗談よ」

 

稚夏「パパ…お姉ちゃんたちと遊んで…いい?」

 

疾透「ああ、行っておいで。」

 

そういって稚夏は日菜さんたちのところにトコトコ歩いていった。日菜さんたちは稚夏と嬰奈が可愛くて日菜さんたちが子供の時を着ていたらしい服をどこからか持ってきて稚夏と嬰奈にプレゼントしてくれた。あと、嬰奈はパスパレの大ファンで彩さんたちと集合写真を撮ったときは満面の笑みだった。稚夏は千聖さんが持ってきた子供用のパスパレのライブ衣装を着たところ、とても喜んでいた。千聖さんは喜んでいる顔を見れて満足したのか、これもまたプレゼントしてくれた(プレゼントしてもらったのは千聖さんがライブの時に着ている衣装の子供用)。衣装は水夏姉さんが作ってくれてるらしく、2日あれば作れるのだとか。ちなみに嬰奈も日菜さんが着ているライブ衣装の子供用をプレゼントしてもらった。それから俺たちはここ2年の間のパスパレの活動内容や俺たちの生活等を話した後は事務所を後にして流星堂へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【流星堂】

 

(ピンポーン)

 

有咲「こんな時間に誰だ?」

 

疾透「よ、有咲。」

 

りみ「有咲ちゃん、こんにちは」

 

有咲「なんだ、りみと疾透か・・・ってはああああ!?何でうちに来てんだよ!」

 

疾透「話すと長くなるからとりあえず中に入れてくれ、もうみんな来てるんだろ?」

 

有咲「私はそんなこと送ってないんだけど」

 

疾透「律儀にも沙綾が今日の予定を送ってくれてな、さっき事務所に行ってきてその寄り道ってところだ」

 

有咲「沙綾―!?…まあ上がれよ。」

 

りみ「ごめんね有咲ちゃん、連絡もなしに来ちゃって…」

 

有咲「別にりみが謝ることじゃねーだろ?いつものことだしな…で、りみと疾透の後ろにいる子は誰だ?」

 

疾透「それについては後で説明するからとりあえず入れてくれ・・・暑くてたまらない」

 

俺たちは流星堂に入った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有咲「疾透たちを連れてきたぞー」

 

疾透「香澄、沙綾、たえ。こんにちはだな」

 

香澄「疾透くん!久しぶりー!2年も会えなかったから寂しかったよー!」

 

沙綾「りみりんも久しぶりだね。2年ぶりだっけ?りみりんがいないポピパは寂しかったよ」

 

りみ「ごめんね香澄ちゃん、おたえちゃん、沙綾ちゃん。こっちにも事情があって…」

 

たえ「それって、りみりんと疾透くんの後ろにいる子のこと?」

 

疾透「まあな。」

 

有咲「で、その子たちは誰だ?まさか疾透たちの子供だなんて言わねーよな?」

 

疾透「するどいな。その通りだ」

 

有咲「そうか、疾透とりみの子供か・・・ってはああああ!?」

 

稚夏「(ビクビク)」

 

疾透「有咲、あまり声を出すから稚夏がびっくりしてるだろ。もう少し声を抑えられないのか?」

 

有咲「はあ…そういうことは早く言えって…ツッコむのも苦労するんだよ・・・」

 

嬰奈「パパ、ママ…お姉ちゃんたちと遊んできてもいい…?」

 

稚夏「私も…お姉ちゃんたちと遊びたい…なのです」

 

りみ「行ってらっしゃい。このお姉ちゃんたちは私たちの高校生時代からの親友だから安心していいよ」

 

嬰奈・稚夏「「行ってきます・・・」」

 

それから嬰奈と稚夏はポピパメンバーと遊んだ。トランプやU〇Oなどの簡単なゲームばかりだったが、稚夏も嬰奈も勝ち負けよりは俺やりみ、ゆりさんといった家族でしかやらなかったのを他の人と遊べたことが何よりもうれしかったのだろうか終始笑顔で遊んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「はは、嬰奈も稚夏も楽しそうだな。ここに連れてきてよかったよ」

 

りみ「そうだね。嬰奈ちゃんも稚夏ちゃんも薫さんたちのところに連れて行ったことがあったけど前よりは人見知りしなくなったしよかったぁ・・・」

 

疾透「だな。人見知りは人それぞれだから稚夏と嬰奈もりみの人脈もあって人見知りじゃなくなったしこれはりみに感謝しないとな。俺だったら多分どうしようもなかったかもだし」

 

りみ「でも、私の引っ込み思案がなくなったのも疾透くんのおかげだから…ありがとう、疾透くん。」

 

疾透「俺は特に何もしてないけどな」

 

りみ「ううん、してたよ。私が嬰奈ちゃんと千夏ちゃんを身ごもったときも、疾透くんは私の手を握ってずっと励ましてくれたし、二人を産むときになっても疾透くんは部屋の外でずっと私のことを心配してくれてたのがとても嬉しかったんだ。」

 

疾透「あの時はりみが痛がってるのが見てられなかったんだ。俺がずっと近くにいるわけにもいかなかったしな・・・俺はりみの夫だけど、偶に弱気になることだってあるんだよ」

 

りみ「でも、弱気になることが全部ダメじゃないよ。私は疾透くんと出会った時は弱気なままだったし・・・」

 

疾透「そうだな。りみとこうして結婚してこんなに可愛い双子も産まれたんだ。今以上に幸せだって感じたことはないくらいに」

 

りみ「私も、疾透くんと結婚して本当に幸せだと感じてるよ。こんなにかっこいい旦那さんがいて・・・」

 

疾透「りみにそう言ってもらえるなんて俺も嬉しいよ。りみだって以前は引っ込み思案だったけど今はそんなことはなくて俺にとっては最高の妻だよ。」

 

りみ「ふふっ、ありがとう疾透くん。」

 

疾透「(りみ、久しぶりにみんなに見せつけるか?)」

 

りみ「(ええっ!?そ、それは恥ずかしいよ…!)」

 

疾透「(はは、やっぱりこういう時は恥ずかしいんだな)」

 

りみ「(うぅ…疾透くんもみんながいる前では意地悪だよ・・・)」

 

香澄「2人して何をこそこそ話してるのー?」

 

疾透「まあ、思い出話をちょっとな。・・・りみ?」

 

りみ「疾透くん・・・えいっ!」

 

そう言ってりみは俺にキスをしてきた。それも、嬰奈や稚夏、他のポピパメンバーが見ている前で。

 

香澄「わ、わわわ…!りみりん大胆!」

 

たえ「RASのライブが終わった時とは逆の立場だねー」

 

沙綾「ふふ、見せつけてくれるよね2人とも。」

 

有咲「な、ななななな…!私たちの目の前で何やってるんだよ!」

 

嬰奈・稚夏「「ラブラブ・・・」」

 

疾透「…ったく、りみは不意打ちがうまくなったよな。本当に変わったなりみは」

 

りみ「ふふっ、そういう疾透くんだって変わったよ?でも、疾透くんはどれだけ変わっても疾透くんだから・・・ありがとう、疾透くん」

 

疾透「俺の方こそ、ありがとなりみ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちの出会いは最初は小さなことだって思ってた。出会った時は引っ込み思案で少し頼りないところとかがあったりとか思ったりもした。俺はそんなりみに惹かれ、今はこうして同じ人生を歩んでいる。

俺は小さな森にすむ小人のような存在だった。それを変えてくれたのは今俺の隣で笑顔を見せてくれるりみ。りみは俺にとっては小さな森に咲き誇る花畑のような存在だ。りみにとっての居場所は俺の居場所も同じだ。だから俺もこの笑顔に答えるように誓う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺に居場所をくれた人の居場所を守り続ける』と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「小さな森に花は咲く」fin




ルミィ「いかがだったでしょうか」

香澄「感動した―!」

たえ「そうだね、とても感動したよ」

有咲「お前ら、『感動した』って言えばいいやって思ってねーよな?」

香澄「(ギクッ)」

有咲「香澄ー?」

りみ「あはは・・・香澄ちゃんらしいね」

沙綾「だね。これも『ポピパらしい』からいいけど」

有咲「ま、まあポピパのみんなといるのが楽しいし・・・」

りみ「私も、香澄ちゃんたちとバンドを組めて本当に良かったよ。」

香澄「私も―!」

沙綾「そういえばルミィさん、初めての2章構成はどうでしたか?」

ルミィ「とてもやりがいを感じましたね。今後の作品でもまた思いつき次第2章構成にしてみようかと思います。それでは…」

全員「「「「「「ご読了、ありがとうございました!次回作を楽しみにしててください!」」」」」」

ルミィ「あ、活動報告にちょっとした計画を立ててるのでよければそっちもよければどうぞ」


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番外編:日常での甘い香りはイベント要素満載




りみりん誕生日おめでとう!今回は誕生日会です!本編で語られなかった意外な一面が見られる…かもしれません。






(今回は本編で語られなかった高校3年生が時間軸になっています)







 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3月22日

 

【森睦家リビング】

 

疾透「えっと…みんな集まったかな。いきなり呼んでごめん」

 

香澄「だいじょうぶだよ疾透くん!卒業式も終わったんだしみんなに会いたかったんだもん!」

 

たえ「えっと…なんで呼ばれたんだっけ?」

 

有咲「ちょ!おま!なんで忘れてんだよ!明日はりみの誕生日だろ!」

 

沙綾「でもよかったよね…ゆり先輩が今月中だけだけど帰ってきてくれて…そうじゃなきゃこうしてりみりん抜きで集まれないから・・・」

 

疾透「だな。それにみんな高校を卒業して18歳にもなったんだしお酒も飲めるようになったから誕生日会も兼ねて飲み会にしようと思うんだけどみんなはどう思う?」

 

有咲「ま、まあいいんじゃねーか?でも私たちだけでは買いにいけねーんじゃね?」

 

疾透「まあそうなんだけど、水夏姉さんがこの間の俺の誕生日に大量のお酒を贈ってきたんだよ…何も今じゃなくていいんだけどな…」

 

沙綾「あー…水夏さんならやりそうだよね…というかよく贈ってきたね…」

 

疾透「手紙に『疾透、誕生日おめでとう!今日から疾透もお酒が飲めるようになったからといってもあまり高すぎるのもダメだからそこそこ控えめなやつを送ったからりみちゃんたちと飲んじゃえば?あ、私のことは心配しないでいいよ!P.S もし誕生日会をすることがあれば誕生日会の様子を撮ってほしいかな♪』って書いてたんだよ…というか俺の誕生日の日はまだりみが18歳の誕生日を迎えてないから飲み会も何もないのにな…」

 

香澄「さすが水夏さん!まるでエスパーだね!」

 

たえ「おー、水夏さんはエスパーだったのかな?スプーン曲げとか物を浮かしたりとかできたりしないかな?」

 

疾透「いや無理だから」

 

沙綾「それじゃあこれから材料とかを買わないとだね。今から行く?」

 

疾透「早いに越したことはないし行った方がいいかもな。それじゃあ行くか」

 

有咲「ちょまま!お前ら早すぎんだろ!置いていくんじゃねー!」

 

俺たちは買い物をしにショッピングモールに向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後3時:ショッピングモール】

 

疾透「こんなもの…かな。重くないか?有咲、香澄」

 

有咲「お、重いに決まってるだろ…!誰だじゃんけんで荷物持ちを決めようって言ったの…!」

 

たえ「あ、私だった。」

 

有咲「何で言い出しっぺのおたえが負けないんだよ…!しかも一抜けしてたし…!お前らもなんとか言えって…!」

 

たえ・疾透「「なんとか」」

 

有咲「そういうのじゃねー…!か、香澄は重たくねーのか・・・?」

 

香澄「ううん?重くないよ?」

 

有咲「なんでそんなに平気なんだよ…!?」

 

香澄「私だって買い物をするときいつも荷物を持ってたから自然と力がついちゃった!」

 

有咲「なんでそうなったんだよ…!だ、誰かいい加減変わってくれ…!腕がつる…!」

 

疾透「しょうがないな、俺が持つよ。よっ…と、意外と重いなこれ」

 

有咲「はあ!?めちゃくちゃ重たいんだぞそれ!?何でそんな平気そうな顔してるんだよ!」

 

疾透「いやだって俺は一人暮らしだしな。買いだめしておかないといざという時のために対応できないし。」

 

有咲「…」

 

沙綾「有咲?」

 

有咲「だ―!早く帰るぞお前ら!明日の用意するぞ!」

 

香澄「有咲―!待ってよー!」

 

有咲はそう言うと足早にショッピングモールを後にした。俺たちも有咲についていくようにショッピングモールを後にした…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の家に戻った後はりみを除いたポピパメンバーと俺で明日の誕生日パーティのための準備を始めた。有咲とたえでリビングの飾り付けを、香澄と沙綾と俺で料理を担当した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3月23日

 

今日はりみの誕生日だ。昨日作った料理は新しく買った大きい冷蔵庫に入れておいたので温めが必要なものはレンジで温めておいて、刺身などはポピパメンバーが来た時に出すようにするだけだからそっちは楽だ。俺の家には今沙綾がいて色々と手伝ってくれている。

 

【午後12時40分:森睦家リビング】

 

沙綾「疾透くん、これはここでいいかな?」

 

疾透「うん、なかなかいいんじゃないか?そろそろりみたちも来る頃だろうし準備しておくか」

 

沙綾「了解。りみの驚く顔が楽しみだね」

 

疾透「だな。去年は色々あって誕生日パーティができなかったし」

 

(ピンポーン)

 

疾透「噂をすればなんとやら、だな。行くか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【森睦家玄関】

 

りみ「お、お邪魔します…」

 

(パァン!)

 

りみ「きゃあ!」

 

香澄「りみりん、誕生日おめでとー!」

 

たえ「おめでとー」

 

沙綾「おめでとう、りみりん!」

 

有咲「お、おめでとう…」

 

疾透「おめでとう、りみ。」

 

りみ「み、みんな・・・ありがとう…」

 

疾透「まだ泣くには早いだろ?ほら、今日の主役はりみなんだからもっとしっかりしないと」

 

りみ「う、うん…ありがとう、みんな!」

 

そう言ってりみは俺の手を握ってリビングまで一緒に行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【リビング】

 

疾透「それじゃあみんな、グラスは持ったか?」

 

香澄「大丈夫!」

 

たえ「私も準備オッケーだよ」

 

沙綾「ふふ、有咲緊張してる?」

 

有咲「ベ、別にそんなんじゃ・・・あーもう!早くやるぞ!」

 

疾透「はいはい。それじゃあ今日はPoppin'Partyのベース担当、牛込りみの誕生日を祝って・・・」

 

 

 

 

全員「「「「「「カンパーイ!」」」」」」

 

 

 

こうして、りみの誕生日パーティが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

りみ「このチョココロネ、めーっちゃおいひい―!もしかして手作り?」

 

疾透「あー…うん。手作りだよ。沙綾に手伝ってもらったけどな…」

 

沙綾「それでも十分うまかったよ?これなら疾透くんもパン屋さんになれるんじゃないかな?」

 

香澄「疾透くん、パン屋さんになるの!?」

 

疾透「いやならないよ。」

 

たえ「なんで?」

 

疾透「いやなんでも何もまだじっくり考えられるんだしな」

 

有咲「疾透ならなれるんじゃね?」

 

りみ「この刺身は誰がおろしたの?」

 

香澄「それは私だよりみりんー」

 

りみ「香澄ちゃんがおろしたの!?」

 

沙綾「でも香澄がやったのっておろしただけじゃないんだよね。市場で買ってきた魚をそのままおろしたんだから」

 

香澄「えへへー、私頑張ったよー」

 

たえ「かしゅみー、よく頑張ったねー(ナデナデ)」

 

香澄「えへへー、もっと褒めておたえー」

 

疾透「・・・なあ、この二人もう酔ってないか?」

 

たえ「しょんなことないよー?次のお酒まだー?」

 

有咲「しょれならここにあるぞー?おたえ、飲み比べしないかー?」

 

たえ「いいよー、勝負―」

 

疾透「有咲も酔ってないか!?」

 

沙綾「そうだねー、ありしゃも酔ってるねー」

 

りみ「沙綾ちゃんまで!?み、みんな落ち着いて―!」

 

沙綾「りみりーん、疾透くーん」

 

りみ「さ、沙綾ちゃん?」

 

沙綾「2人はいつ結婚するのー?」

 

りみ「さ、沙綾ちゃん!?何言ってるの!?(た、確かに去年の主催ライブの日にプロポーズされたけど…!)」

 

沙綾「りみりーん?いつー?」

 

りみ「(は、疾透くん…助けて…!)」

 

香澄「疾透くーん、私と飲み比べしようよー!」

 

疾透「香澄、お前はもうちょっと落ち着け!もうチューハイ5缶目だろ!?」

 

たえ「それ、私も混ぜてー?私はまだまだいけるよー。」

 

疾透「ってたえもかよ!?有咲はどうしたんだ!?」

 

たえ「有咲ならあそこで伸びてるよー?」

 

たえが指をさした先には、ソファーの上で寝転がっている有咲がいた

 

有咲「も、もう飲めねぇー…ヒック」

 

疾透「(ま、まずいな…この中でまじめな方の有咲もダウンしてるしあっちではりみも沙綾に巻き込まれてるし…これはまずいな…)…ごめん!香澄、たえ、沙綾!」

 

ゴンッ、ゴンッ、ゴンッ!

 

香澄「あぅ―…(バタリ)」

 

たえ「うぅーん…(バタリ)」

 

沙綾「うーん…(パタリ)」

 

 

 

 

 

 

疾透「はあ…はあ…ちょっと荒っぽかったけど…こうするしか止める方法がないんだ…すまない」

 

りみ「あ、ありがとう疾透くん・・・私じゃどうしようもなくて…」

 

疾透「さすがに俺でもあの二人を相手にするのは無理だったからな…大丈夫か、りみ?」

 

りみ「う、うん…でもさっきの拳骨は痛そうだね…」

 

疾透「まあ全力だったしな…りみはお酒は飲んだのか?」

 

りみ「ち、ちょこっとだけ・・・チューハイ1缶だけだけど…」

 

疾透「それくらいがちょうどいいだろうし控えめにした方がいいかもな。っと、そろそろあいつらが起きるころだろうし水道水をかけて起こしてあげるか。りみも手伝ってくれ」

 

りみ「う、うん…(大丈夫かな、有咲ちゃんたち・・・)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(バシャァ!)

 

香澄「冷たーい!」

 

たえ「お冷だー」

 

沙綾「あ、あれ…?私何してたんだろう…?」

 

有咲「あ、頭がいてー…疾透、私たちは何してたんだ?」

 

疾透「お前たち4人は酒を飲みすぎて倒れてたんだよ(たえと香澄と沙綾は俺が無理やり止めたんだけど…)」

 

沙綾「そっか…ごめんね。りみりん、疾透くん」

 

りみ「だ、大丈夫だよ沙綾ちゃん…もう落ち着いたから・・・」

 

有咲「…その割にはさっきからチューハイを飲んでねーか?それ何缶目だりみ?」

 

りみ「え?3缶目だよ?」

 

有咲「なんともねー…よな…?」

 

りみ「うん、大丈夫だよ?」

 

有咲「よ、よかった・・・りみが倒れたら誕生日パーティも何もなくなるからな…でもあんまり無理すんじゃねーぞ?」

 

りみ「心配してくれてありがとう有咲ちゃん。」

 

有咲「ベ、別にそんなんじゃ・・・」

 

香澄「有咲、照れてるー?」

 

有咲「照れてねー!」

 

それから有咲が弄られ続けパーティは盛り上がった(?)、有咲たちは帰っていった。りみはお腹がいっぱいじゃなかったのか家に残った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾透「ふう…とりあえず騒がしいのは帰ったな…りみ、大丈夫か?」

 

りみ「らいじょうぶだよ疾透く~ん。」

 

疾透「…え?」

 

りみの顔は赤かった。恥ずかしい思いをしたというわけでもなく、ただただ赤かった。何かの違和感を抱えながら周りを見るとそこには…片づけた後の机の上に転がっている何缶ものチューハイの缶だった

 

疾透「1、2、3…りみ、何缶飲んだ?」

 

りみ「何缶ってー、全部だよー?(ヒック)」

 

疾透「全部…?(待て、思い出せ俺…香澄たちが帰る前に空き缶は全部処理して机の上に残っていたのは9缶だったはずだ…もしかして)9缶全部飲んだのか…?」

 

りみ「うんー、全部飲んじゃったー…ねー疾透くーん…」

 

疾透「な、何かなりみ…?」

 

りみ「私たちってもう大人でしょー?もうそろそろ結婚について考えてもいいんひゃないかにゃー?」

 

疾透「た、確かに去年のクリスマスイヴにプロポーズしたけど…!もうちょっと待っても・・・」

 

りみ「だーめー。ここで断るのならー…こうしちゃうよー?」

 

え、ちょっと待ってりみさん高校は卒業したけどそういうのは早いっていうかどうしてそんなこと知ってるんですか誰に教わったんですかお願いしますそれだけは勘弁してくださいお願いです有咲さんたち戻ってきてくださいこのままj…

 

疾透「ぁぁぁぁぁぁぁ………!」

 

 

 

この後何が起きたかは読者の想像にお任せしますby作者

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日、森睦家から一人の男性の悲鳴が上がった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 








こんな誕生日会を書いてみたかった 後悔はしてない だってりみりんの誕生日は現実の卒業式の時期とあまり変わらないんだもの 書くしかないじゃない 





ルミィ


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