東方騒動匠 (素晴らしきヒッツカラルド)
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スポーン:博麗神社付近

 

 

 幻想郷、そこは様々な者が暮らす場所、そんな場所の森の中で一匹の猫が歩いていた。

 名前は『火焔猫燐』旧地獄の地霊殿で働く彼女は今博麗神社へと遊びに行く最中であった。

 しかしそんなお燐は奇妙な生物と遭遇してしまった。

 

 外見は主に緑色で、迷彩かまだら模様とも思えるようなデザインをしている長方形の生物、大きさは2メートル程あるだろう。

 見慣れない生物に興味を示したお燐は気になり近づこうとした時目が合ってしまった。

 

 

 「にゃーん」

 

 

 声をかけたがただ見つめるのみ、考えても仕方ないと思いお燐はその生物に近づくため歩き出すとその生物は後ずさる。

 頭の中で?が出てくるがお構いなしに近づくのだがどうしても相手は逃げてしまう、約16メートル程だろうか、二人の距離はそれ以上縮まる事は無い。

 

 そんな追いかけっこみたいにお燐と謎の生物が森の中で動いていると目的地である神社へと着いてしまった。 

 迫るお燐、逃げる謎生物、その時神社から一人の少女が出て来た。

 『博麗霊夢』この博麗神社の巫女さんである。

 その霊夢をお燐と謎生物が目でとらえる、霊夢も二人?を見る。

 

 

「ちょっとお燐このいk」

 

 

 謎生物を指さしながらお燐に話しかけた時謎生物は霊夢へ無音で忍び寄った、そして話し終える前に謎生物はシューという音を出しながら点滅し爆発してしまったのである。

 

 

 

 

 

 

 これが後に語られる匠異変の始まりであった――――――

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 霊夢は目を開けるとそこは見慣れた天井、そういつも寝ている布団の上だった、いったい何があったかを思い出す。

 そうだ、お燐と謎生物が神社に居て………、思い出している時外から騒がしい声が聞こえる。

 何事かと外へ出て見るとそこには抉れた地面の上で泣き叫ぶお燐の姿があった。

 

 

 「うわぁ~ん! 霊夢が跡形もなく爆死しちゃったよぉ!」

 

 

 そんな姿を見て霊夢は色々と困惑したのであった。

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 爆発事件から数日、特に変化はなかった。

 いつもの博麗神社、いつもの幻想郷、しかしあの生物は何だったのか未だに誰も知らない。

 事件の事も忘れかけていたそんな時再び霊夢の下にその謎生物が現れた。

 いったいいつ現れたのか、そしていつの間に背後に居たのか解らない、しかしその生物は今霊夢の後ろに居てシューという音と共に点滅している。

 境内の掃除をしている場合じゃない離れなきゃ、そう思った時にはもう遅い、目の前は真っ白になり気が付くとあの時と同じように自室の布団の上で目覚めたのであった。

 

 

 

 

 

 



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スポーン:紅魔館内部

 

 最近紅魔館で働く者の間で噂と言うか話題になっている事がある、それは緑色の化け物が夜な夜な館内をうろつくというものだ。

 その化け物自体は近づいても特に何かする訳でもなく本当にうろうろとしているだけらしい。

 

 そんな噂がメイド妖精等下っ端たちの間で広がったため原因を突き止めるべく紅魔館のメイド長である『十六夜咲夜』が調査を開始した。

 先ずはメイド妖精に話を聞いたのだが「長方形」「緑」「大きい」ぐらいしか分からなかった。

 次に自ら探す事に、しかし仕事もしないといけない為本格的に探す事は出来ずメイド妖精に見つけたら声をかける様に言いつける、しかし探し始めて数日間目撃情報はなかった。

 

 もう居なくなってしまったのかと思い始めたある日事件が起こる、それは大図書館の出入口である扉付近で爆発音がしたのだ。

 何事かと直ぐに駆けつける咲夜が見たのは無残にも破壊された廊下と扉であった。

 誰か目撃者は居ないか探すが居らずもしかしてトラップ魔法の暴発かと思い図書館に引き籠っている魔法使いである『パチュリー・ノーレッジ』に話を聞いたのだがそんな爆発するような事はしていないとの事だった。

 

 パチュリーと咲夜が大図書館で話している時何やら怒っている人物が割り込んで来た、それは普通の魔法使い『霧雨魔理沙』であった。

 

 

 「パチュリー! いくら無断で図書館へ入るからって爆発することは無いと思うぜ!」

 

 その言葉を聞いて二人は魔理沙に詳しく話を聞くことになった。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 魔理沙曰、本を借りようと扉に手をかけた瞬間後ろから爆発されて気が付いたら自身の部屋のベットの上で目覚めたらしい。

 しかしそんな事はしていないとパチュリーは言うし謎は深まるばかり、色々と話し合った結果怪しいのは最近紅魔館内で話題になっている緑色の化け物が原因ではないかとなった。

 

 話し合いの後魔理沙は咲夜と協力しその化け物を探す事に、そして探し始めて数時間後メイド妖精が咲夜へ見つけたとの報告が来たのだ。

 その情報を元に今は使われていない客室へと魔理沙と共に向かい扉の前まで来た。

 扉に耳を当て音を聞くが何も聞こえない、そんな事するより中に入ろうぜと魔理沙が不用意に扉を開け中を見た時、その化け物と目が合った。

 メイド妖精の話の通り長方形で緑で2メートル程の大きさの化け物が居たのである。

 その化け物は二人を見ながら近づいてくる、音もなく真っ直ぐと。

 

 

 「おい! お前はなんn」

 

 

 近づいてくる化け物に身構えながら魔理沙が声をかけた時その化け物はシューという音と共に点滅し最後まで話す前に二人の目の前は真っ白になったのであった。

 

 

 

 



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スポーン:迷いの竹林周辺

 

 不老不死の少女『藤原妹紅』は最近迷いの竹林で奇妙な妖怪らしき者と遭遇する事がある。

 しかしそれは何時も遠くに居る事しか確認できず近づこうとも思わなかった、なぜなら新しく来た下級妖怪だろうと思っていたからだ。

 しかし遠くから見る限り何かする訳でもなくただその辺をウロウロと徘徊しているだけだった。

 

 流石に何回も目にしたためか興味が湧きその妖怪らしき者に近づく事にしたのだが間近で見ると大きい、約2メートル程の大きさの緑色の迷彩柄の長方形で音もなく歩いている。

 その生き物は近づいた妹紅をちらりと見ると興味がないのかまたその場をウロウロし始めた。

 

 

 「おい、お前は何者だ?」

 

 

 妹紅自身も相手が話せる相手だとは思ってもいないが声をかけてみた、しかし予想通り無視された。

 特にする事も無いのでその妖怪みたいな者を観察する事に、結果解ったのはどうも妖気や霊気といったものは感じられずそこらへんにいる獣と変わりがない事とこいつはただ単にウロウロするだけで特に害はない事、そして食事などは一切しない事が解ったのだ。

 

 この不思議生物を観察して数日、もう興味も無くなって来た時竹林の奥から見知った顔がこちらに歩いてきた。

 永遠亭に住む妖怪兎『鈴仙・優曇華院・イナバ』である。

 笑顔でこちらに手を振りながら近づいてくる彼女を妹紅は手を振り返事をするのだが一緒に居た謎生物は鈴仙を見つけるなり音もなく近づいて行くではないか。

 何をするのだろうと見つめる妹紅、鈴仙も不思議に思ったらしく歩くのをやめその謎生物を見つめる、しかしそれが駄目だった、鈴仙に近づいた謎生物はシューという音と共に点滅し爆発したのだから。

 

 爆発の土煙が収まるとそこには抉れた地面となぎ倒された竹が散乱しているだけで鈴仙も謎生物も居ない、妹紅は理解できずただその場から動かずあっけに取られていた。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 やっと理解出来た時にはもう遅い、鈴仙は爆発で跡形もなく消えている、即ちあの謎生物のせいでこの世から居なくなってしまったのだろう。

 なぜ私といた時は何もしなかったのか、なぜ鈴仙を狙ったのか、なぜ自爆してまでそんな事をしたのか、考えても考えても答えには至らなかった。

 突然の知り合いの死、妹紅も流石に涙を抑える事は出来ずその場で声を荒げる。

 どうして、どうしてと自分を責めるのだがそれに応えてくれる人はこの場には居ない。

 そうして泣いていると遠くから妹紅を呼ぶ声が聞こえる、誰だろうと赤くなった目で声のする方を見るとそこには元気に手を振る鈴仙の姿が飛び込んで来た。

 

 

 



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スポーン:妖怪の山周辺

 

 最近妖怪の山の住人の間で話題になっているマスコットがいる、正式な名前は解らないが『緑さん』『ブロック君』『先生』などと呼ばれているらしい。

 なんでも四角くてキモかわいいとの事だ。

 

 そのマスコットは今白狼天狗達に囲まれている、皆そのマスコットを撫でたり抱き付いたりして見ているとなんだか和む。

 マスコット自体は自身の体をされるがままで特にアクションを起こすことなく、しかしたまに近くの白狼天狗の顔をちらりと見るのだ。

 そんな空間が出来るのはここ最近多い、前は河童達に囲まれて何やら調べられていたり烏天狗に弄ばれていたりしている。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 妖怪の山の住人に愛されているマスコットの事を誰かから聞いて取材をするために伝統の幻想ブン屋『射命丸文』は山の中を歩いていた。

 最初は白狼天狗達の証言を元に山の麓に来たのだが何処に行ってもそのマスコットは見つからない、仕方がないのでまた後日探そうかと思った時そのマスコットを遠くの方に見つけた。

 これ幸いと飛んで近づくとそのマスコットは文を見つけるなり近付いてくる、その姿を上空で観察するのだが文の真下で見上げながらその場でグルグルと回り始めた。

 そのマスコットの容姿や行動を持っている手帳に書き記していく。

 聞き込みで聞いた通りの姿、しかし行動がどうもおかしい、その辺をウロウロするだけ、誰にも興味を示す事は無い、けど今は文を追いかけている。

 右に動けば付いてくるし左に動いても付いてくる、ぴったりと文の真下へと来るのであった。

 

 そんな可愛らしい姿を観察していると白狼天狗の一人『犬走椛』が何やらこちらに来るではないか。

 

 

 「わぁ~! 緑さ~ん!」

 

 

 椛は文に気付いていないらしくクルクルと真下で回っているマスコットに抱き着いたではないか、こんな椛を見たのは初めての文はニヤニヤしながら見下ろしていた。

 見た限りマスコットは見た目より柔らかそうだ、それを抱きしめ笑顔を振りまいている椛はとてもうれしそうだ。

 

 いつまでも見ているだけじゃどうにもならない、マスコットにずっと見られているのもどうかと思ったので地面に降りる事にしたのだがシューという音がマスコットから聞こえてきたかと思ったら点滅し目の前が真っ白になったのだ。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 はっと気が付いたら文は自室の布団の上だった、いったい何があったのだろと考えていると自室の扉がバンッと開き怒っている椛が目に入った。

 

 

 「見ましたよ貴女が下りてくるのを! なんで攻撃したんですか!」

 

 

 文は椛がいったい何を言っているのか理解できず首を傾げるのであった。

 

 

 

 

 

 



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スポーン:寺子屋内部

 

 寺子屋で教師を務めている『上白沢慧音』は頭を悩ませている、原因は数日前生徒の子供達が連れて来たペットだ。

 慧音自身も犬や猫ならば教育上快く寺子屋で飼育することを許可するのだが連れて来たペットは2メートル程の大きさでカクカクしている体に緑色の迷彩柄の見た事ない生物なのだ。

 連れて来た時は元居た場所に戻してこいと言ったのだが子供達の必死の懇願により折れたのであった。

 

 

 「はぁ… お前はいったい何なんだろうな…」

 

 

 自室でため息をついてペットに話しかけるがペット自身は気にすることなく部屋の中を動いている。

 最初このペットが来た時は必死に調べたのだがどの書物にも載っていないし人里に居る人物に聞いても誰も知らないと言うのだ。

 今はもう調べるのを諦めている、このペット別に何かする訳でもなくウロウロとするだけで何も食べないし排泄もしない、子供達からも愛されているためこうして夜は慧音の部屋で飼育している。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 ペットに話しかけた日から数日後やっとこのペットに名前が付いた、『ポチ』という犬につけるような名前になった。

 ポチは寺子屋の子供達以外からも親しまれ始めた、ペットなのだからと人里内ではあるが散歩をしたりした結果であろう。

 そんな日の夜いつもの様にポチと夜を過ごしていた慧音の元に妹紅が訪ねて来たのだが…

 

 

 「あぁ! 謎生物この野郎!」

 

 

 扉を開けてポチを見た瞬間妹紅は声を荒げあろうことかポチを殴り飛ばしたのだ。

 呆気にとられてただ見ていただけであったが妹紅の「大丈夫か?」の声で正気を取り戻しポチを探すのだがどこにもいない、ポチが居たであろう所に黒い砂の様なものがあるだけで本当に何処にもいないのだ。

 

 落ち着いて妹紅の話を聞くとポチは迷いの竹林で生活していた様だ、そして恐ろしい事になんと自爆するとの事。

 飼育し始めてまだ日が浅いとはいえほぼ四六時中一緒に過ごしてきた慧音にとってそれは信じられない事だった。

 この夜慧音と妹紅は朝までポチについて話しあったのだった。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 翌日早朝に妹紅は自宅へと帰って行き慧音も寺子屋の準備を始めたのだがそこで大変な事に気が付く、いきなりポチが居なくなった事を皆にどう言うか、子供だけなら何とでもなるが人里全体にはどう言えばいいか頭を抱えて悩んだ。

 

 悩んでても仕方ない、居なくなってしまったものはどうしようもないので適当に誤魔化すことに。

 さぁ子供達が来る時間だ、扉が開き子供達が入ってきたのだがそこには見慣れた奴も入ってきた。

 

 

 「先生ぇ、ポチ外でウロウロしてたから連れて来たよぉ」

 

 

 

 

 

 

 

 



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スポーン:地霊殿内部

 

 地霊殿の主人『古明地さとり』は困惑していた、なぜなら最近現れた変な奴の心を読む事が出来ないからである。

 神や妖怪、犬や猫でもわかるし霊でも読める、しかし変な奴は一切何を考えているのか解らない。

 しかし他のペット達とは良い関係らしく喧嘩などは起きていないしさとり自身にも害がないので放置することに、今更ペットが一匹増えた所で変わらないのだから。

 こうして割り切ってしまうとさとりは何時もの日常へと戻ったのだった。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 ある日さとりが廊下を歩いていると奥から奴がこちらに向かって来た、正確には逃げている様子。

 音もなく奴が通り過ぎた後ペットの猫がトテトテと奴を追っていったのだ、追いかけっこでもしているのかとさとりは何も思う事無く目的地へ行くのであった。

 

 あくる日またしても奴が廊下を一直線に動いている、今度は解る追われているのだと、なぜなら…

 

 

 「まてこの爆発生物!」

 

 

 ペットの一人?の『火焔猫燐』が声をあげながら追いかけているのだから。

 仕事の合間に遊ぶのはいい、しかし爆発生物とはなんだろうとお燐に聞こうとしたのだがもう居ないので諦める事に。

 

 そして数日後今度は地獄鴉の『霊烏路空』が奴を抱きかかえ何やら遊んでいる、奴も嫌がっているそぶりを見せていないので特に思う事も無いのだろう。

 奴が現れて約一週間、この様な光景も見慣れてきたさとりであった。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 いつもと変わらない日々を過ごし退屈していた時お空が一枚のチラシを持ってやって来た。

 そこには危険生物とデカデカと書かれ奴の絵が中央にある、これを何処で手に入れたのかお空に聞いても思い出せないらしく「うにゅ?」と言い心を読んでも解らなかった。

 仕方ないと思いつつチラシに書かれている事を読むことに、そこには奴は自爆する、神出鬼没である、複数いる可能性がある等々書かれていていた。

 自爆する、ここで思い出すお燐が言っていた爆発生物という単語、一度会っているのだろうと思い話を聞くため探す事に、話を聞かなければどうにも奴が危険生物だとは思えなかったからだ。

 

 屋敷の中を探し回っても居ないので外にでも死体を探しに行ったのだろうかと自室に戻る事にしたのだった。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 さとりが屋敷内でお燐を探している時屋敷の庭では複数の猫とお燐によって奴が壁に追い詰められている。

 

 忙しなく逃げようとオロオロしてその場で動き回る奴、じりじりと寄る猫達、逃げ場などない。

 

 

 「霊夢の仇だ! 悪く思うなよ!」

 

 

 

 

 



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スポーン:幻想郷の何処か

 

 幻想郷のある場所に数人が集まって会議をしていた、『博麗霊夢』『霧雨魔理沙』『十六夜咲夜』『藤原妹紅』『上白沢慧音』『古明地さとり』『火焔猫燐』そして幻想郷の創造から中心となって関わってきた『八雲紫』が例の生き物について話し合っている。

 ここに集まっている者達は少なからず1回は例の生き物に遭遇ないしは爆破されえている。

 

 皆は各々その生き物について知っている事を話すのだが危険という者も居れば無害という者もいる、纏まった認識にない様だ。

 しかしここでお燐が重要な情報を提示した、例の生き物はどうも猫が苦手らしい。

 猫ならば幽霊だろうか人型だろうが逃げる様だ、最初この情報を提示した時大半はそんな事と思っていたのだがさとりの目撃証言でそれは確信にいたった。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 そんな話し合いのなか一人八雲紫だけは扇子で口元を隠しただ皆の話を聞くだけなのだ、そんな姿に気が付いた霊夢は何か知っているのではないかと話しかけた。

 

 

 「ねぇ紫、あんた何か知っているんでしょ?」

 

 

 紫は霊夢から目を逸らす、やはり知っている様子だ。

 このやり取りを見て他の参加者からも紫へ説明するよう言明された、そこで紫は溜息を一つ吐いてから話始めた。

 

 

 「奴の名前は『クリーパー』別名『匠』と呼ばれている生き物よ、皆が話していた通りの奴よ。

 爆発はするわね、けど爆発する条件があるのよ… そこは皆で考えなさい。

 まぁ爆破されても死にはしないわ安心しなさい、それともう一つ… 奴は暗闇から生まれてくるわ。」

 

 

 名前が分かった、奴はクリーパーと言うらしい、そして暗闇から生まれる事も… けど何故この事を紫は知っているのか疑問に思った慧音はその事について問いただしたのだが紫ははぐらかすのみ、しかしその答えはさとりにより明かされたのだった。

 

 

 「貴女… あの子の発生条件を幻想郷に呼び寄せたのね、そしてひとしきり皆が困惑する姿を見てから元に戻すつもりが何が原因かそれが出来なくなったと………」

 

 

 またしても扇子で口元を隠し皆から目を逸らす紫、皆には見えないだろうが冷や汗が流れる。

 視線が痛い、そして逃げる様に紫はスキマへと逃げたのだった。

 

 残された者達は様々な反応を示したのだが犯人は逃げた後だ、どうしようもなかった。

 仕方がないのでその原因について話し始める事に。

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 スキマ空間で溜息を吐く、何とかなったと、しかし自宅に戻ろうと振り返った瞬間目の前には緑色の例の奴が居た。

 

 

 「あ… あらごきげんよう………」

 

 

 

 

 

 

 



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スポーン:幻想郷全域

 先の話し合いの数日後幻想郷全体で異変が起きた、例の『匠』が大量に現れたのである。

 地獄や地底に冥界に天界といったかかわりのある場所にも例外なく現れる匠に最初は皆困惑したのだが特に何かする訳でもなくその場をウロウロするだけで害はないので最初は放置されていた。

 しかし一部の者は追いかけまわされたり爆破されたりとたまったものではなかった、その為この異変の大本の原因である『八雲紫』に事態の収拾をさせるため探し回ったのだがどこにもいない。

 最初は逃げているのだと思っていたのだがひょんなことから紫を探している一人が八雲紫の式神である『八雲藍』に会うことが出来た、紫の所在を問い詰めたのだが藍から信じられない事を聞かされた。

 

 

 「紫様は今何処にもいないのです、スキマの中にも幻想郷にも……… 外の世界にもです…」

 

 

 

 八雲紫の失踪、これは幻想郷にとって重大な事である、今は藍が代わりに仕事をしているからいいもののこの状況が続くのは危険である。

 いつ紫の力が切れるか解らない現状、匠の事など比にならないぐらいヤバいが匠の事も何とかしなければならない。

 この事が幻想郷中に知れ渡るには時間はかからなかった。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 ある者は匠異変の解決に、またある者は八雲紫の捜索に動生きだしているのだが幻想郷の殆どの者は匠を受け入れ始めていた。

 現在人里では匠をペットにする事がブームになっている、寺子屋に居た個体のおかげだろう、抵抗もなく皆かわいがっている。

 

 妖怪の山では上手く共存し始め迷いの竹林では妹紅による駆除作業が行われている。

 魔法の森では特に何もされず太陽の畑では妖精達が匠と戯れていたりと何処にでも匠がいる状況だ。

 

 匠が現れた幻想郷であるが徐々に受け入れられている、すべてを受け入れるとはよく言ったものだ。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 幻想郷の何処かほの暗い場所に一人ほくそ笑む者がいた、誰も知らない、誰も来ない寂しい場所で。

 八雲紫の失踪に匠異変、そして念願かなって手に入れた神器、これらのおかげでこの者の悲願が達成されようとしていた。

 

 

 「ククク……… 悲願の計画は今実行される……… さぁ下剋上の始まりだ!」

 

 

 狂気の笑みで一人言い放つと神器を徐に胸に押し当てた、その神器は胸の中へと入り込んでいく。

 完全に同化した時その者の体から禍々しい気が垂れ流されていた、もう後戻りはできない。

 皆が皆各々の時間を過ごしている幻想郷であったがこれから起こる大事件を知る者はこの者一人しかいなかった。

 

 

 

 

 

 



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スポーン:人間の里全域

 

 その日人里は阿鼻叫喚の地獄と化した。

 

 

 

 匠に慣れた人間達は自身のペットとして飼育する者も多くいた、食事も排泄もしないし鳴く事もないのでとても飼いやすかったからだ。

 そんな匠にも注意しなければならない事があると初めに飼育し始めた寺子屋の教師『上白沢慧音』はいう、なんでも爆発するかもしれないと。

 しかし人々はそんな姿を見た事ないしそんな予兆すら見せない匠にあまり危機感を持つことが出来なかった、その為か夜の間に現れた野良匠を人里から追い出す事も無くそこそこの数が人里に居座る事になる。

 

 そんなある日の夕方いつもと同じように匠を散歩させる人や野良匠を囲んで遊ぶ子供達、何時もの見慣れた光景が一瞬にして終わりを告げた。

 今まで何事にも興味を示さなかった匠達が突如として近くの人に一直線に向かっていったかと思うとシューという音と共に点滅し爆発し始めたのだ。

 男も女も子供も老人も匠の近くに居た人は被害にあった、爆発は建物や樹木を破壊し道は抉れ見るも無残な姿に変えていく。

 そしてその被害は日が落ち暗くなっていくにつれ広がっていく、里の者は逃げるが何処に行っても匠は居る。

 まだ家が無事で寝床があった者はその場所で目を覚ますことが出来たのだがそれ以外の者は里の中で目を覚ます事は無かった、妖怪の山や魔法の森、冥界に地底と皆バラバラな場所で目を覚ます事に、運が悪いものは目を覚ました瞬間下級妖怪の餌食になる者や人の体では耐え切れない場所の為命を落とす者もいた。

 

 未曾有の事態がおきている人里では未だに匠が暗闇から現れては人を襲う、そんな中慧音等力ある者は必死になり匠を殺していくのだが如何せん数が多い。

 奴は暗闇からやってくる、音も無くやってくる、気が付いた時にはもう遅い、貴方の後ろに居るのだから…

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 夜が明け日が昇る、朝日に照らされた人里はもう見るも無残な光景が広がっていた。

 そんな中なんとか人里の中に居た者達は大切な人がいない事に気が付く、妻が夫が子供が恋人が仲間が家族が…、あれだけの事があったのだもう助かってはいまいと諦める者や泣き始める者、皆絶望した表情だ。

 慧音も手を握り締め涙を浮かべる、その固く握りしめた手からは血が流れていた。

 守れなかった、力がありながら里の人々を守れなかったと………

 しかし悲しんでいても仕方がない、未だに建物の影等明かりが無い所からは匠が現れる、まだこの異変は始まったばかりだと言わんばかりに匠は襲い掛かってくるのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 



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スポーン:無縁塚全域

 

 人里での事件が起こる数日前無縁塚である異変が起きていた、しかしこんな所に来る者等ほとんどおらず気づく者は居なかった。

 

 無数の墓から人ならざる者が這い出てくる、肉がある者やそれすらなく骨だけの者、所謂ゾンビにスケルトンだ。

 しかし普通のアンデットとは見た目が違った、その者達は体がおかしい、皆四角いのだ、先に現れていた匠と相まって禍々しい場所になってしまっている。

 

 そんな無縁塚を不気味に頬を吊り上げ見下ろす者が一人、満足そうに頷くとフハハと笑い声をあげた。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 人里の事件が起きる日の昼、無縁塚ではゾンビやスケルトンが溢れんばかりに増えていた、もう墓の数より多い数が。

 そんな場所の中心に大きな穴が出来ていた、深く、深く、地獄の底まで繫がっているのではないかと思われるぐらい深い穴が。

 

 

 「さぁ現れよ! 地獄の底より! 下剋上を果たす為に!!」

 

 

 穴に向け声をはりあげる者が、するとその穴から黒い煙を纏う黄色の化け物や白くデカい化け物達があふれ出てくる。

 そんな時一部のスケルトンに異変が起きた、真っ白だったはずの骨が真っ黒になり身長が伸びたのだ。

 地上には匠にゾンビにスケルトン、空には白や黄色い化け物がひしめき合っている。

 

 日が傾き夕方と呼ばれる時間帯に入る頃化け物達を呼び寄せた張本人は周りを見渡すと己の力を解放させた。

 体から何とも言えない力を出しながらその者の能力を発動させる、しかし本人は納得していない様で懐から何か薬が入った瓶を取り出しそれを飲み込んだ、すると先ほどから出していた力とはまた違ったものが体から出ている。

 それは何やら渦巻いて力強さを感じさせる。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 その頃博麗神社では一人の外来人が来ていた、なんでも気が付いたら幻想郷に来ていたらしい。

 そんな彼を見つけたのは『博麗霊夢』である、霊夢は初めその者を見た時匠を想像してしまった、なぜならその者の体も匠と同じく四角いのだ。

 この時期、匠異変の最中に現れた人物に何かあるのではと神社へ招いたのだ。

 

 話を聞いた限り彼はネザーゲートと呼ばれる門を潜ってきたのだと、それ以外は解らないらしい、しかし何か先ほどから彼は周りを見渡していた。

 気になりそこのところも聞いてみると周りが四角くないのが気になるらしい、四角と聞いて思い出すのは最近現れた匠の事である、その事も聞いてみるとなんと彼の世界の住人らしい。

 

 一通り話を聞いた後彼は一人呟いた、その言葉を霊夢は聞き逃さなかった。

 

 

 「何で喋れてるんだろう………」

 

 

 

 

 

 

 



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スポーン:守矢神社付近

 

 四角い外来人の話を聞いた『博麗霊夢』は直ぐに皆を集めようとしたのだが外は匠が闊歩しているため彼だけを置いて行く訳にはいかない、いつもなら鬼やらなんやらが居るのだが異変の為各自動いている。

 そこで癪ではあるが安全な場所という事で戦力が集中している妖怪の山、そこで人間を匿える守矢神社に連れて行く事に。

 

 いざ守矢神社に着いたら予想外にも住人全員居たのだ、『八坂神奈子』『洩矢諏訪子』に『東風谷早苗』の三人である。

 挨拶も早々に彼を置いて主要な、戦力になりそうな今動ける人物を集めに行った霊夢、そして協力すると言って早苗も外へ飛び出していった。

 

 二人が出て行った後彼と神二人は色々話をした、何故この様な事が起きたのか、なぜ彼がこの世界に来たのか等を。

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 二人が出て行って直ぐに人が集まりだした、距離が近いからだろう妖怪の山の主要人物にその護衛が、次に紅魔館組に魔法の森の住人とどんどん集まって来た。

 

 それから数時間経って出て行った二人が戻って来た時には守矢神社内が狭く感じる程に集まっていた。

 

 

 「ここに集まってもらったのは先に話した通り匠異変に関する事よ」

 

 

 そう言って霊夢が話始めた、そして話を進めている内に各自の被害状況が露になっていった、特に被害が大きいのは人間の里の様だ。

 こうして被害を聞いて行くに連れもうこの異変はただの異変ではないと結論され皆一丸となって対処する事に決まった。

 

 

 「もう何回も死に戻りは嫌だもの、さっさと解決しましょ! それと皆気になっていると思うけど彼はこの異変の… 匠についてこの幻想郷で一番詳しい人物よ」

 

 

 そうやって紹介された外来人の四角い人間を集まった皆が見る、見られた彼はとりあえず先の神二人に話した話と自身の世界に居る敵について話し始めた。

 話の途中いろいろな人物から質問をされるが彼が答えれる、分かっている範囲でその都度返答した。

 そして誰が聞いたのか解らないが彼がこちらに来る前に向こうの世界で何か変わった事は無いか聞いた時思いもよらぬ答えが返って来た。

 彼が良く交易に行くという村に見慣れない村人が1~2日前に現れたという、特徴を詳しく聞くとどうも『八雲紫』としか言えない感じなのだ。

 彼はその見慣れない村人がやたら自分に近寄ってきてフンフン言うからうっとおしかったという話なのだがその話を聞いて『八雲藍』は涙を流して喜んだという。

 

 こうして対策や原因について話し合っている時警備を任されていた白狼天狗の一人が血相を変えて部屋に入ってきた。

 

 

 「大変です! 化け物の集団が攻めてきました!!」

 

 

 

 



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番外:Minecraftの村

 

 私はどれくらい眠っていたんだろう………

 目が覚めた時目にした光景は何もかも四角かった………

 

 

 

 先ず私がした事は自身の能力が使えるかどうかの確認、上手くいかない、何か誰かに阻害されているような感じ… 簡潔に言うと能力に鍵をかけられた感じ。

 次に自身の容姿の確認、元の姿ならよかったのだが嫌な予感が的中した、この世界の理に従うがごとし四角い体、しかし幸いな事に服装までは変わってなかった… 四角いけど………

 

 それらの確認が済むと周りを再度見渡した、辺りに何かないか… 見つけた、あれはたぶん集落だろう、そこへ向かう事にしよう…

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 集落に着いたら人が居た、正確には人みたいな者が、皆髪は無く鼻が長いし四角い。

 男女の区別がつかない見た目なのだが服装が、正確には色が違う、とりあえず話しかけてみる事にしたのだがここで不思議な事が起きた。

 

 

 「フゥン、ハァンフフゥン」

 

 

 ご機嫌用、ここは何処かしらと言ったつもりなのだが口から出たのはよくわからない言葉だった。

 村人も同じ言葉でハァン等と言っているが理解できない、仕方がないのでとりあえずこの世界がなんであるか解るまでこの村に勝手に厄介になる事にした。

 

 それからいったいどれだけ時間がたったのだろうか、もう日は傾き始めている。

 今日は何処で寝ようかと考えている時人が来た、周りに居る人モドキより人らしい四角い人が。

 その人は人モドキと何やらにらめっこをしている、それが終わるとまた違う奴とにらめっこ、何が目的でしているか解らないがジッと見ているとその人が来た。

 話が通じるのではないかとの思い出で話しかけるが無視されてしまった、しかしこの人は人モドキの時より長く見つめてくる。

 しかしそれも終わり去ろうとする、ここで何か感じ取りその人にすがるように近づき話しかける、しかしフゥンとかハァンとかしか言えないので相手に伝わらない。

 こうしてその日は終わったのだった。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 次の日またしてもあの人が来た、それを見つけると近づいてまたしても話すが昨日とは違って何か邪魔者を見るような目で見つめてくる、しかしここで自身の事を言わなければと何を根拠に思ったのか解らないが必死に伝えようとする。

 しかしまたしても何処かへ行ってしまう、もう駄目なのかしらと思っていた時その人は村はずれに何やら四角い物を立て始めた。

 そしてその四角に火打石らしきものを翳すと禍々しいものが現れた。

 もうこの人しかいない、そう思い自身の制限された能力を禍々しい物に使用したのだった。

 

 

 



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スポーン:香霖堂内

 

 妖怪の山全域で勃発した化け物と幻想郷の住人の戦の少し前、香霖堂の店主『森近霖之助』は目の前にある奇妙なアイテムに悪戦苦闘していた。

 このアイテムは丁度匠が確認された日にたまたま商品補充の為無縁塚に赴いた時発見した物だ、いくつかの書類らしきものが挟まれたファイル数種と紫と黒で色分けされたよくわからない四角い物。

 霖之助は己の能力を使い調べたのだが解ったのは名称だけ、『Forge』『mods』『saves』という名称のファイルと『鍵のかかったチェスト』だ。

 何故用途が判明しないのか疑問に思いつつも自身の能力が通じないこのアイテムを持って帰る事にした。

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 アイテムを入手してから数日間どうにかして用途が解るようにならないか色々試したのだがやはり名称だけしかわからない、ファイルの中身を読んでみようとしても文章にならない文字列で読めないしチェストを開けようとあの手この手を試すがうんともすんとも開かない。

 そんな悪戦苦闘している霖之助を名無しの本読み妖怪はやはり本を読みながらたまにちらりと視線を向けるだけだった。

 

 そして時が流れて『八雲紫』が失踪したその時、やはり懲りずにアイテムの用途を四苦八苦しながら解明していたのだかふと自身の能力が少しだが通った事を確認できた。

 ファイルの方は『指定場所に順番に導入する』、チェストの方は『指定場所』とだけわかった。

 しかし未だにチェストは開く事は無くファイルの中身は読めない、しかし自身の能力が少しだけだろうが通用したのであればどうにかすれば用途の全容が解るのではないかと引き続き作業に入ったのだった。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 そして戦の少し前に戻る。

 今までこのアイテムに付きっきりだったため外の様子など把握してなかった霖之助だった。

 しかしその成果が表れたのか、はたまた他の要因があってかどんなに手を尽くすも空かなかったチェストが開いたのだ。

 ガッツポーズを掲げ喜び、そしてゆっくりとチェストを開けるのだが中身は空っぽだった、用途も未だに指定場所とだけしかわからない。

 ファイルの方の用途に従うなら入れればいいのだろうが順番にというのが引っかかる、そして順番を調べるためまたしても作業にかかる。

 

 しかしそれ以上何も進展しない、仕方がないので危険だがファイルを入れてみる事に、手に取ったのはForge、次にmods、最後にsavesを順に入れた。

 入れ終えてチェストを閉める、すると目には見えない何かがこの空間を、幻想郷全てを包み込んだのだった。

 

 

 



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スポーン:妖怪の山付近

 

 今この場所は一方的な暴力により支配されかけている………

 

 

 

 ある者は火球に、またある者は爆発によってその数を減らしていく。

 

 

 

 後に残るのはその者の体の一部と思われる物だけである………

 

 

 

 

 

 

 化け物の襲撃の知らせを聞いた守矢神社に集まった者達は即座に動き外に出た、そして見た光景は周りを覆いつくさんとする四角いモンスター達であった。

 初めは皆苦戦するだろうと予想したのだが蓋を開けてみればどうって事は無い、相手が弱いのか、はたまた幻想郷の者達が強いのか一方的な展開で開戦されたのだった。

 

 ただノロノロと向かってくるゾンビ、白狼天狗達から逃げるスケルトン、爆発する前に上空から駆逐されていくクリーパー、仲間の弾に当たって自滅するガストに炎の弾を吐き出すだけのブレイズ。

 

 あらかた駆除したであろう、かかった時間は1時間も経っていなかった。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 そんな虐殺を一人離れた所で見ていたのは今回の異変の首謀者、天邪鬼『鬼人正邪』である。

 こんなはずでは、下剋上が等と悔しそうに顔を歪めただ見つめるのみ、今彼女の企みは瓦解したのであった。

 

 もうあらかた倒されてしまった化け物達を見て自身は逃げる事にした、幸いまだ正邪が元凶だとは思われていない様子だ。

 妖怪の山に背を向けて動き出そうとした時、誰の弾幕か解らないが流れ弾を背中にくらってしまった。

 ピチューンという音と共に光となって消えた正邪の跡には禍々しく光る赤い粉が落ちていた。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 妖怪の山での戦いが終わりひと段落した時ある異変を皆が感じていた、あれだけ向かって来た敵が今は最初に匠に会った時の様に無関心になりその辺をウロウロするだけになったのだ。

 初めは恐る恐る匠に近づいて行ったのだが本当に最初の時と同じ反応をするのだ。

 皆頭をひねったが無差別に襲う事をしなくなったので良しとする事に、しかしまた襲ってくるかもしれないのである程度は警戒をする事に話し合いで決まった。

 

 今回の一番厄介な部分は何とかなったがまだ敵は湧いている、異変完全解決とはいかなかった。

 目先の危機は去った事で集まった大半の者達は各自自身の戻る場所へ帰って行った、しかし異変解決を目指す者達は新たに話し合いを始める、四角い外来人を含めて。

 

 『八雲紫』の救出をどうするか、その後紫の能力だけで幻想郷を元に戻せるか等話し合う、そんな話し合いの中彼は異変に気が付いていた、この世界が徐々に彼の世界の理に侵食されていく事に………

 

 



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スポーン:魔法の森の端

 

 四角い外来人の彼はあの戦いの後博麗神社に帰っていた、『博麗霊夢』は『八雲紫』救出の為未だに動き回っているのだが彼自身は特にする事は無く暇していたのだった。

 そんな時博麗神社に現れたのは普通の魔法使い『霧雨魔理沙』であった。

 魔理沙自身も今回の異変解決に乗りきだったのだがそれより彼が気になっていた様だ、そんなわけで魔理沙は彼を自身が住んでいる魔法の森に連れて行く事に、観光という名目で連れ出したのだ。

 他愛もない話をしながら目的地へ到着した、しかし森に来てから何か体がおかしい、そんな彼の様子を見て魔理沙はこの森の事を話す、化け物茸が放つ瘴気について。

 

 そんな物もあるのかと彼は思いつつ森から一旦出る事に、すると先ほどまでの体の異変がなくなり通常通りに。

 何気なく森を見ていた彼だったが不意に木に向かってパンチし始めた、それを面白がって魔理沙は見ていたのだが驚きの光景が現れた、それは殴っていた木が崩れる事無くそのパンチしていた場所だけなくなったのである。

 これはどういうことか彼に問いただすのだが彼は首を傾げ魔理沙を見るだけだ、それから彼は残りの木を全部殴って回収すると四角い物を何処からともなく取り出し地面に置き次々にいろいろな物を作り出す。

 スコップにツルハシに斧と全て木材で出来たツールを作ると地面を掘り始めた、この光景に魔理沙はただ見る事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 数十分後、そこにはそこそこの大きさの家が出来ていた。

 四角いブロックで出来たその家は周りの風景とは全く合っていない、何処かへんてこなのだ、例えるなら3Dグラフィックゲームに2Dドットゲームのオブジェクトがある様な感覚だ。

 すべてを見ていた魔理沙であったが本当によくわからない、どうしてこの様な事になったのか、この様な現象が起きているのか。

 

 とりあえず彼はここで暮らすらしく霊夢にその趣旨を伝えてくれと頼まれた、分かったと言い魔理沙は博麗神社へ向かうが頭の中は先ほどの不思議な光景で埋め尽くされていた。

 

 魔理沙が去った後彼はいつもの様に地面を掘り資源を回収しに行く、そこで彼は気が付いた、地面の下が自身が暮らしている世界と何ら変わりがない事を。

 そんな事を思いながら満足するまで資源を回収して地上へ戻るとそこは見慣れた四角い世界が広がっていたのであった。

 いつの間に元の世界に戻ったのか疑問に思っていると空から魔理沙らしき声が聞こえてきた、彼は見上げるとそこには彼と同じ四角い魔理沙が居たのである。

 

 

 

 



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スポーン:人間の里近く

 『上白沢慧音』は困惑していた、先の事件で里は崩壊し残された人々で復興していたのだが朝起きたら世界がブロックになっていた。

 自身の姿を恐る恐る確認する… やはりあの四角い外来人と同じ四角い体になっていた、これは異変だと思い部屋を出て通りに出るといつも見ている人はだれ一人いない、いるのは禿げた鼻がデカい人みたいな生き物だけだ。

 どうなってしまったんだと心の中で思う、昨日は特に変わった事は無かったはずだ、しかし目の前にいる人みたいな生き物、何やらフゥンフゥン言っている。

 

 流石に理解が追い付かずとりあえずもう一回寝る事にした慧音だった…

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 昼頃再び目を覚ますとやはり何も変わっていない、ブロックの世界だ。

 仕方がないので里の復興の為働く事にした、今日は近くの森から木を持ってくる、普通なら大人数でやる作業だが半分妖怪の身なのでそこは問題は無い。

 そうこうしていると指定の場所に到着した、いつも通り木を伐採しようとしたのだが何故か一部分しか取れない、そう1ブロック分しか取れないのだ。

 疑問に思いつつも木を伐採している時気が付く、採取した木材が何処にもない事に、周りを見渡しても落ちていない、原因を解明するため注意して木を採取する、すると取れた一ブロック分の木はポコッという音と共に体に吸収されたではないか、驚きで固まってしまう。

 

 それからいくつかの木を伐採して同じことが起こったのでこれはブロックの世界になった事の弊害だろうと結論付けた、しかし吸収されたブロックは何処に行ったのか、体の中にあるとしたら今一体どれだけ吸収したのか怖くなる、確認の為己の体を見るが見た目は変わっていな、ならばと意識を体の中に向けると急に目の前に先ほどまで取っていた木のブロックが表示された。

 

 

 「なんなんだこれは………」

 

 

 体に異変は無い、しかし目の前には自身の体が見えるし枠に囲まれた所に木のブロックもある、いろいろ試そうと他に試すがその光景を出し入れするぐらいしか出来なかった。

 いったいどうすればこの木が取れるのか試した結果意識すれば手に持つことが出来る。

 ならばと木を地面に置く、置ける、では回収は? 出来る… 何となくわかってきた、この見えている物はポーチの中身的な物なのだろう、この枠一杯までは体の中に収納できる様だ。

 木の他にも土や草、そこらへんにある石なんかも回収できる。

 便利な能力を得たと思う反面何か恐ろしい事になった予感が頭によぎるのであった。

 

 



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