俺がルカ!? (芝 ロク)
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1話

初投稿です。スマホからの投稿になります。
ほぼ原作沿い、拙い文章力でお見苦しいものになるかもしれませんが、せめてエタらないように頑張ります。よろしくお願いします。


青い空に青い海、潮の香りと身体に優しくふきつける風が心地いい、

昨日は酷い嵐だったけど今日は綺麗に晴れていい天気だ。

さっき船の上をなんだか見覚えのある白い竜が飛んで行ったが、そんなものは関係なく船は進んでいく

 

(初めての船旅だったけど、案外へいきなもんだな)

空を見上げて現実逃避をしている俺、青い帽子、青い服金髪青眼の小坊主、ドラクエモンスターズを知っている人ならご存知、主人公の片割れルカである。なぜ自分がルカになっているかはわからない、気づいたらオギャーと産まれてはや10年、神様なんてものには会った覚えがないし転生したいと願った覚えもない、まぁルカになってからもう10年も経つしもはや前世への未練もない、今重要なのは今から原作が始まるということだ。

 

(原作のことを考え出したらまた憂鬱になってきた。原作前からモンスターを育ててやるぜ!っと思っていたが、危ないからと親に止められてそれも出来ず、出来た事はモンスターの種類や生態、育て方を学んだくらいだ。)

 

「はぁ、こんなんでストーリークリアなんて出来んのかな」

本日何度目かになるため息をついていると船の奥の方から妹のイルの声が聞こえてきた。

 

「こらー! 船の中の食べ物つまみ食いしちゃ ダメって言ったでしょ!」

 

ドラゴスライムを追いかけて走っているイル、しかし飛んで移動するモンスターには流石に追いつけず足を止めてこちらに話しかけてくる

 

「まったくもー! あのコたちったら イタズラしてばっかり。 船旅にもそろそろ あきてきたのかな?」

 

モンスターたちに呆れているイル、走り回って疲れたのか少し息が切れている。

 

「お疲れさんイル、まぁずっと似たような景色だし退屈してるんじゃないかな」

 

「そうかなー あたしは船旅ってはじめてだし たのしくって退屈とは 思わないけど ・・・・ところで お兄ちゃん どうしたの?ボーっと 空なんか見ちゃって。」

 

「あっ! わかった! モンスターマスターのこと 考えてたんでしょ?」

 

現実逃避していたのを見られていたのか、そんなことを言ってくるイル、(モンスターマスターかぁ、確かにせっかくこの世界に転生したからには気にはなるけど・・・正直それどころじゃないんだよな、一応話し合わせておくか)

 

「おう! そのために今まで勉強してきたんだからな」

 

「へへ やっぱり! モンスターマスターになるのが お兄ちゃんの夢だもんね! 魔物と心を通わし 魔物とともに冒険する・・・。 いいよね〜 モンスターマスター。」

 

家族には当然転生だとかストーリークリアのためだとか言えるはずがないので、モンスターマスターになるためにモンスターの勉強をしたいと言っていた。

ちなみにモンスターマスターとは一言で言うなら「魔物たちの言葉を理解し、操ることができる人」のこと。お父さんが言うには完全に魔物と分かりあえるマスターはあまりいないらしい。

また、ただ魔物の言葉を理解できるだけでなく、魔物に好かれることが大切とのこと。

 

「ふふ、ルカは今まで相当勉強を頑張ってきたからなあ 父さんも期待してるぞ」

 

イルと話していると上半身裸のムキムキ髭面男が声をかけてきた。

 

今世のお父さんである。

 

「これから行く マルタの国で 父さんが 魔物達の牧場を開くのは 知っているよな? 牧場を手伝いながら 魔物のことをもっと勉強すればきっと 立派なマスターになれるだろうさ!」

 

「お父さん! 俺もう充分勉強したと思うんだけど」

 

「マルタにはルカが今まで見たことのない魔物もいる 確かに今のままでもマスターはやれるかも知れんが もっといろんな魔物と触れ合ってからでもいいと思うんだよ ルカが立派なマスターになりたいと思うなら余計にな」

 

そんな悠長なことは言ってられないんだが、お父さんに原作のことを言うわけにもいかないし、まぁ始まってしまえばこちらのものだろう。原作でもなんかそんな感じだった気がする。

 

「見えた! マルタの国が見えたぞー!」

船員の声が聞こえた! やっとマルタに到着するようだ。

 

「わっ! マルタの国に着くんだって! 見張り台に行ってみようよ お兄ちゃん!」

 

イルと一緒に見張り台に向かう、子供の身長では下からではよく見えなかったが見張り台に立つとよく見える

 

「あれがマルタ・・・ついに、原作が始まる」

 

 

 

 

 

 



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2話

話がなかなか進まない
一話の文字数ってこんなもんでいいんだろうか?
ちょこちょこ進めることになりそうですがお付き合いくだされば嬉しいです。


「それじゃ ふたりとも。 父さんと母さんは マルタ王のところへ アイサツに行ってくる。 この辺の土地は まだ慣れないことも多い。あぶないマネはせずに 留守番しているんだぞ。」

 

牧場に到着して荷下ろしが済み、城に向かう準備を済ませた両親が俺とイルに留守番をいいつける。この後すぐに破ることになるが、そうしないと原作がどうなるかわからんししょうがない。

 

「うん。いってらっしゃい!」 「いってらっしゃい、気をつけてな」

元気な返事をするイルに遅れて、俺も両親を見送る。

 

「はっはっは 父さんの筋肉は伊達じゃないんだ 何があってもバッチリ母さんを守ってみせるさ」

 

「まぁ お父さんったら、 ふたりともいい子で留守番しているのよ」

お母さんは微笑みながらお父さんのムキムキの腕に自分の腕を絡める。

俺が言うのもなんだが、今世のお母さんは美人だ。服装こそ地味目の村人といった風だけど、とてもムキムキ髭面男と結婚するようには見えない。

両親は俺たちに留守番をいいつけると2人で城に向かって歩いて行った。

ふたりともいい歳していまだに新婚みたいなんだよなあ、・・いいことだとは思うが、城についてからもああだと心配だ。

 

「いや、今はそんな心配をしてる場合じゃないか・・」

 

「? 何か言った? お兄ちゃん。」

 

「なんでもないよ、イル。 それよりせっかく新しい牧場についたんだし 探検してみようよ」

 

「うん! 牧場の外に出なければ大丈夫だよね」

 

俺とイルはしばらく牧場の中を見て回った。

原作の時がどうだったかあまり覚えてはないけど、特に何か見つかることもなく時間だけが過ぎる。

(原作じゃ割とすぐに話が進んだ気がするけど、どうするんだっけ?

やっぱりゲームと現実は違うってことなのか、)

 

「お兄ちゃん! ちょっとこっち来てー!」

 

イルが何か見つけたみたいだ!

 

「お兄ちゃん! ねぇねぇこれ見てよ。」

 

そう言ってイルは牧場の外につながる道を指差した

 

「ね? ここから牧場の外に出て 島のまわりを 歩けるみたいなの。ねぇお兄ちゃん。 お父さんたちが 戻ってきたらみんなでこの島を探検してみない?」

 

思い出した!この道を進んでいかないといけないんだった。

でもお父さんたちを待ってたら原作通りに進まないかもしれない。

 

「いや、お父さんたちを待ってたら日が暮れるよ、大事な話しだろうし、戻ってくる頃にはお父さんたちも流石に疲れてるだろうし、今から2人で行こうよ」

 

「えっ! でもお父さんたちいい子で留守番してなさいって 言ってたし あぶないかもしれないよ」

 

イルは両親の言いつけを守ろうとしている。言いつけを破るのは俺だって心苦しいけど、急がないと原作通りになる保証がない。

俺がルカの時点でどうなるかわかったもんじゃないけど、せめて覚えてる範囲は原作通りにしたい。

 

「それなら、護衛としてスラッシュを連れて行けばいいよ!」

 

「うーん、それなら大丈夫かなぁ」

 

「大丈夫だって、スラッシュは優秀な牧場の番スライムだからな、なっ!スラッシュ!」

 

俺はイルの不安を押し切り、スラッシュを呼ぶ

スラッシュとは我らが牧場の番犬、ならぬ番スライムである。俺がルカとして産まれた時からの付き合いで、牧場の中でも古参の魔物らしい。

 

「話は聞いたぜルカ オレは優秀な、優秀な番スライムだからな 護衛なんて朝飯前だぜ」

 

やけに優秀なことを推してくるスラッシュ。煽てやすい性格でよかった

 

「その冒険心 オレにも 覚えがあるぜ・・。 この先からは 魔物のニオイがする! だから優秀な番スライムであるオレが ついて行ってやろう!」

 

「ついでに モンスターマスターのイロハを 教えてやるよ。 さあ 行くぞっ!」

 

    スラッシュが 仲間になった!



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3話

「くらえっ! ギガスラッシュ!!」

 

スラッシュのギガスラッシュ!!

目にも止まらぬ速さでパイナップルに顔のついたような魔物、デビルパインに接近しプルプルのスライムボディを振り抜くスラッシュ、デビルパインは一刀両断、断面から溢れる果汁を撒き散らして地に沈んだ。

 

「スラッシュ!すっごーい! お兄ちゃん、スラッシュってこんなに強かったんだね。 わたし 見直しちゃった!」

 

イルがスラッシュの戦いを見て歓声を上げる。

優秀なスライムだとおだてるように言ったが、事実スラッシュは強い。お父さんが若い時から共に苦難を乗り越えてきた彼は、その名に偽りなくギガスラッシュという大技を体得している戦士である。が、しかし

 

「おい、スラッシュ モンスターマスターのイロハはどうなったんだ?今のところわかったのは、スラッシュが強いってことだけなんだけど?」

 

「いやー わるいわるい 敵を見ちまうとつい 番スライムとしての血が騒いでな だけどルカ、お前は今まであれだけ勉強を頑張ったんだ。モンスターマスターのイロハって言ったが 後は魔物をスカウトして仲間にして 指示の出し方を実際にやってみるくらいだぜ、 見ての通りここらの魔物なら楽勝だから さっさとスカウトしちまおうぜ!」

 

そう言ってスラッシュが辺りを見渡すと、魔物が一匹もいない静かな砂浜が広がっていた。

そりゃ同じ魔物が一刀両断されるところを見たら、逃げるのが普通である。

 

「おい、スラッシュ どこに魔物がいるんだ?」

 

俺は呆れながらスラッシュに問いかける

青いプルプルの身体に冷や汗?を流しながらゆっくり俺から目を晒すスラッシュ。

 

「あー いや みんな今から ランチタイムだったかな? ははっ」

 

ボソッとイルが呟く

「見直して損しちゃった。」

 

「うぐっ! いや、もっと奥まで行けばまだ魔物がいるかもしれない、奥の方から魔物のニオイもしてるしな! さっ 行こうぜ!」

 

確かに強いがどこか間抜けているスライムである。

スラッシュが示す砂浜の先には洞穴が見える。原作通りに行けばこの先に聖竜ミラクレアがいるはずだ。今ならまだ引き返せるが・・・

 

「どうしたの、お兄ちゃん?」

 

立ち止まっている俺を心配したのか、不安そうな表情でイルが俺の顔を覗き込んでくる。

 

「いや、なんでもないよ 行こうか」

 

このまま行けば、俺はミラクレアから伝説の卵を託される。そうなればミラクレアが封印した《狭間の闇》から目をつけられるのは明らかだ。原作では封印は緩んできており、闇の復活は時間の問題だという、封印に力を使ったミラクレアが闇に勝てるとは限らない。生き残るためには、ストーリークリアのためには、卵を授かり闇と戦わなくてはならないだろう。俺は闇との戦いを思いながら洞穴に向かって足を進めた。

 

 

洞穴に入るとすぐに開けた場所に出た、どうやら行き止まりのようだ。

奥の方から日の光がのぞいている、洞穴の壁には俺たちが通るには小さな穴が空いている。

 

「この洞穴はここで行き止まりかな わたしたちじゃこの穴の向こうには 行けなそうだし・・・」

 

「オレなら通れそうだな 行って見てきてやろうか? ・・ん? なんだかこの穴の向こうから 強い魔物のニオイがするぞ!」

 

そう言ってスラッシュが警戒の態勢をとると、ゆっくりと長い首を持ち上げたドラゴンと壁の穴越しに目があった。聖竜ミラクレアだ!!

 

「キャーーーーッッ!!」

イルが驚きのあまりにのけぞり尻もちをついた

 

「お・・お兄ちゃんっ 今の見たっ!? なにアレ!? お・・大きな目に見えたけど・・・。 いったい この島には なにがいるの・・?」

 

怯えと驚きが混じったような様子のイル

辺りを警戒する様に洞穴の中を見回している

 

「イル、ルカ あいつはやばい 強いなんてもんじゃない! はやく牧場に戻るぞ!」

 

慌てたように俺たちに牧場に帰るように言うスラッシュ、だがここで帰ってしまうと伝説の卵を授かることができない。

 

「スラッシュ、あの魔物がその気なら今頃洞穴ごと潰されているだろうし、今から牧場に戻ったって同じことだよ・・。それに今あいつと目があったんだ、もしかしたら俺たちになにか伝えたいことがあるのかもしれない。」

 

「ルカ! そんなこと言ってる場合じゃない本当にあいつはやばいんだ! オレにはよくわかる、オレじゃ手も足も出ないってことがな!」

 

「ねぇ! 2人ともっ! あれ見て・・ これ、もしかしてあの大きな魔物のところに繋がってるんじゃないかな・・?」

 

俺とスラッシュに割って入ったイルが指さした場所には、洞穴の外に続く縄梯子があった。

 

「おい!イルっ! お前まで行くなんて言うんじゃないだろうな!」

 

「・・・わたし、びっくりしたし今もちょっと怖いけど、あの目はあまり怖くなかったから・・きっとわるいこじゃないと思うの! それに、少し悲しそうな目をしてるような気がした。 ほんとうに伝えたいことがあるなら聞いてあげたい・・。」

 

俺は原作からミラクレアが危険な魔物ではないと知っているが、目を一瞬見ただけで魔物の感情をくめるイルは、俺よりもよほどモンスターマスターにふさわしいのかもしれない。

 

「俺からも頼むよ、スラッシュ 今あいつのところに行かなきゃいけない、そんな気がするんだ。」

 

「うぐっっうーっ・・・ 確かに、あいつはやばいが 敵意は感じなかった。 ・・・っっ わかった! オレは優秀な牧場の番スライムだ!最後までお前たちの冒険に付き合ってやる! ただしオレが危ないと感じたらすぐにオレを盾にして逃げるんだ。 それが出来ないならいかせられない。」

 

「ありがとう、スラッシュ」

 

さぁミラクレアに会いに行こう!



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