理想の姉上を求めて三千里 (仮面ライダーゲイツ)
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僕の始まり
姉語り


side神

 

読者の皆さん、突然だが私は神である!

 

身体から要らない炭素が排出され、形成された髪では無い!

 

鉛筆、消しゴム、これら2つと共に授業を受けるのに必要な三種の神器とも言える、英語でペーパーの紙でも無い!

 

人に崇められ、願いを言われ、叶う様にと賽銭や供物を貴様等人間共に貢がせ、働かず、楽々な生活を送っている。

 

日本では八百万存在するとも考えられている神である。デデーン!!

 

どうだ!分かったか!?テンプレとなった二次小説特有の、私は神だ!、え、紙?みたいな事は言わせない!

 

どうだ!これが私のボケ殺しダァ!

 

、、、、え、そんな事思ってない?てか、五月蝿い?

 

早く本題に入れ駄女神?英語の発音下手ですね。プー、クスクス笑?

 

ゴーメーンーナーサーイ!駄女神とか言わないでぇー!私は宴会芸の女神じゃ無いの!普通に偉い神様なの!エリス様枠なの!

 

というか、別に英語苦手で何が悪い!いいだろ別に!

 

あぁ、すみません!ごめんなさい!本題に入るから行かないで〜!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、なら本題に入りたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はオウギが大好きだ!愛している!

 

、、、、、、、、、、、、、、、あれ?

 

皆さんどうしたんですか?黙たりして。

 

えっ、オウギって誰?団扇の親戚みたいなあおぐ扇?ですって?

 

あ!説明するのは忘れてた!すみません!m(__)m

 

私が言っているのはAQUAPLUSさんが発売した、うたわれるもの、というゲームの第2作目である、偽りの仮面とその続編である二人の白皇に登場する主人公ハクの仲間の一人である、なんでもできるクール系イケメンのオウギきゅんです!

 

オウギきゅんは凄いんですよ!シュタッ!と急に現れたと思ったら重要な情報を伝えると直ぐにまたシュタッ!って消える忍者みたいな事が出来ますし!

 

更に、頭もいい!姉であるノスリを導くために策を考えたり、ハクの政務を手伝っていたりして、ただ頭がいいだけでは無く、軍師みたいなことや、領地を治めるための知識もあるんですよ!

 

頭がいいなら、戦闘力は低いのでは?ですと?

 

フッフーン!そうですよね!頭がいいなら、腕っ節は弱いのでは?文武両道などはあり得ない、誰でもそう思いますよね!

 

でも、オウギきゅんは強いんですよ!物凄く!

 

得物は少し長い小太刀の二刀流で、素早い動きで敵を翻弄、撹乱し、背後から奇襲をする暗殺者みたいな戦い方をしているオウギきゅんなんですけど、真正面から戦っても十分強いんですよ!

 

ストーリー上でヤクトワルトさんと訓練で互角に戦っていたから間違い無いです!

 

ゲーム内での性能も、ハクの仲間達の中で1、2位を争う程の火力を持っていました!

 

最後に、オウギきゅんはとてもイケメンで、クールで、紳士的なんですよ!

 

いつもは切れ目を閉じていますが、それにより目の鋭さが無くなり優しそうな印象を与えますし、目を開いても鋭い目がとてもキリッとさはて凛々しくてカッコイイんです!

 

それに誰に対しても敬語で話し、一歩後ろから敬う様な態度で接するのですよ!?紳士的じゃ無いですか!?

 

家族である姉、ノスリにすら同じ対応をするのは、キャラ作りとかじゃ無くて、本物だと分かりますよね!

 

それに空気を読んで、思ったことを心の中にしまう優しさもあるんです!

 

ハクがオシュトルに成り代わっていることに気づいているけれども黙っていた節があるため、これはハクが強い意志でやっている事を邪魔しないために黙っていたんだと思うんですよ!

 

つ!ま!り!

 

オウギきゅん!最高!

 

 

だが、しかし!皆さんは気づいているのでしょうか?

 

これだけハイスペックイケメンであるオウギきゅんは、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

主人公じゃ無いんですよ!?あり得なく無いですか!?

 

完璧な主人公は面白くないとでも言うのですか!?

 

今更、イケメン&主人公が最強に近い力を持つ物語に需要はないと!?

 

読者がどうであろうと関係ない!私は、私は!

 

 

 

オウギきゅんが主人公の物語が見たい!!!

 

 

 

だが、うたわれるものの物語の世界ではオウギきゅんは主人公にはなれない。

 

あれは純粋な人間が主人公となる物語。

 

新人類(獣耳)であるオウギきゅんでは主人公にはなれない。

 

なら、どうするのか?

 

簡単な事だ。

 

オウギの性格と能力を成長の中で手に入る様な才能を植え付けた転生者をオウギきゅんが主人公になれそうな物語に転生させればいいのだ。

 

という事で既にせんの、、、ゴホン!転生特典を与えた魂が此処にあります。

 

あ、ちゃんと魂の本人にはちゃんと了承を貰ってありますよ。

 

私はあの水の女神とは違い優秀な女神なんですよ!

 

さてさて、転生オウギきゅんをどの物語に送るとしましょうかね?

 

どれどれ、ふむふむ、ほぉ。

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。

 

よし、決めた。

 

戦争が幾つも起き、戦う方法も剣と剣、槍や弓など魔法などの異能がない世界。

 

歩兵や騎兵などの兵達を率いて手柄が挙げやすく、成り上がりやすい。

 

更に、ヒロイン達が多い世界。これなら転生オウギきゅんも満足してくれるはず!

 

さあ!転生オウギきゅんよ!恋姫の世界に旅立つのです!

 

願わくば、オウギきゅんの活躍を期待していますよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「すみませんが、恋姫の無印であろうと、真恋姫であろうと、革命であろうとオウギらしく生きるのなら、僕は姉上か、主君の影として尽くし、僕自身は光の当たらないところで活躍するべきで、成り上がるとか、旗起こしするのもあり得ませんし、ハーレムを作るのもオウギらしくあり得ません。どうすれば活躍できるのですか?」

 

 

、、、、、、、、、、!?

 

た、確かに!これではオウギきゅんは主人公になれないのでは!?

 

というか、歴史に名すら残らないのでは!?しまった!ミスったー!?_| ̄|○

 

「ふふっ。貴方は僕の姉上と同じぐらいドジですね。見ていて面白くて堪りませんね。では、神様は放置するとして、これから始まるのは僕がどう乱世を生き残るかの物語。お楽しみにお願いしますね?」

 

 

「ん?僕の姉は誰だ?ですか?あぁ、そういえばまだ皆さんは知りませんでしたね?勿論、ノスリではありませんよ。」

 

「でも、どうしましょうか?ここで教えてしまうと楽しみが1つ無くなりますし、そうだヒントを差し上げます。」

 

「僕の姉上は、1人では何もできない駄目な人ですが、どこか放って置けないと思わせる雰囲気を持っていて、だれよりも人の為に行動できるのですが、どこかで必ずと言えるほど躓いて転んでしまうですが、必ず立ち上がる強い精神を持っている人なんですよ。ただ、」

 

「僕の理想の姉上はノスリです。ノスリは僕の力を頼って、色々面倒ごとを押し付けてくるのですがそれが嬉しく感じてしまうんですよね。なんか、自分は必要とされてる感じがして、でもこの姉上は、決して最初から僕には頼ろうとしないんです。」

 

「何事も自分一人で最初は挑んで、大事になってから僕に頼ってくるひどい姉上なんですよ。かんでも『私は、オウギのお姉ちゃんだからオウギに頼られるくらい強くならないといけないの!』だ、そうです。こんなの、僕が求めている事とは逆なんですよ!だから、僕は、姉上と同じ道を歩いて行くことは決してしない!」

 

「おっと、脱線しましたね。それで、皆さんは僕の姉上が誰か分かりましたか?」

 

「答え合わせは次の話で、、、、、、、、」



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母上は最強

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sideオウギ

 

というわけで少しドジな女神?神様?どちらかはどうでもいいですが、その人物により2回目の生を賜った転生者です。

 

 

突然ですが転生ものには3つの転生方法がありますよね?

 

1つ目は死ぬ前の状態やある人物として転生する方法ですが、これは転生というよりは転移と言うべきでしょうか?

 

母親のお腹の中で育ち、赤ん坊として産まれる訳ではなく、外から異物として世界に入り込むことから、自然の理から外れており輪廻転生にも反しているため、やはりこれは転移と言うべき方法でしょうね。

 

この方法では、突然世界にいないはずの人物が現れる訳なので、今まで生きてきた積み重ねである過去が無い為、色々話す事に矛盾が生じてしまう可能背が高い。

 

2つ目は赤ん坊から記憶がある状態で転生する方法です。

 

これは、授乳行為や下の世話を母親にしてもらう事により恥ずかしいと思う、いわば羞恥プレイを体験する事になる転生方法です。

 

僕の場合はこれら2つの方法では無く、3つ目の転生方法でした。

 

3つ目はある日突然、前世の記憶をふと思い出し、自分が転生したのであると自覚する方法です。

 

この3つ目の方法には上2つの方法とは違い、これかというデメリットが無いので僕はまだついている方のようです。

 

というわけで、ある日記憶を取り戻した僕ですが、まだ皆さんに自己紹介してませんでしたね。失礼しました。

 

では、改めまして、性は劉、名は岱、真名を扇子。歳は3歳です、若輩者のみではありますがよろしいお願い致します。

 

真名を預けてない人は劉岱(りゅうたい)と、真名を僕が預けた人は扇子ではなくオウギと呼んでください。

 

ん?扇子とオウギは同じだろ?ですか?

 

すみませんが少し声のトーンに違いがあるのでできればオウギと呼んでくださると幸いです。

 

さて、僕が転生した恋姫という世界は、元はエロゲーです。

 

内容としては、三国志の世界を元にした世界で、劉備や曹操などの戦国武将たちがほとんど見目麗しい女性になった世界に迷い込んだ主人公、北郷 一刀 が武将たちと力を合わせて、乱世を息抜きながら、キャッキャ、ウフフ、するといった内容です。

 

ゲームとしては初代恋姫、真恋姫、革命の大雑把に3シリーズ出ており、アニメ化も第2期まで放送された大人気作品である恋姫ですが、僕がこれら4つのどれに転生したのかはわからないですが、まだ原作開始まで時間があるのは確実なのでじっくり確かめて生きたいですね。

 

それでは、僕がどんな環境で誕生したのか説明いたしますね。

 

私の親は片親で母上しかおらず、母上、姉上、僕の3人家族です。

 

母上は逞しい方で、女性でありながら男性以上の腕力と体力を持ち、男勝りと言うのか豪快な人でして、おっちょこちょいな姉上が大きな失敗をする度に、姉上に関節技を決めたり、背負い投げで家の近くの池に投げ入れる様な女性です。

 

さて、分かる人はここまでの情報で僕の姉上が誰だか分かるかもしれませんね。

 

まだ、分からないという人の為にもう少しだけこの話を続けますけれど我慢して下さい。

 

さて、僕達が住んでいる場所の名前は涿県(たくけん)と呼ばれる場所であり、綺麗な桃の花が咲き誇るという事で有名である。

 

そして、我が家には靖王伝家(せいおうでんか)と呼ばれる金色の両刃の剣がある。

 

そして、最後のこれが重要。

 

 

 

 

 

髪の色は桃色である!!!

 

はい、これで分かりましたね。

 

僕の姉上の名前は「とぉ!うかぁァァァァ〜〜〜〜!」

 

「ご、ごめんなさぁァァ〜〜いィィ〜!!!たすけてぇぇ!オウギィィ〜!!!」

 

「、、、、、、、、、、」

 

 

 

 

「アンタはようやっていつも!いつも!何かしら面倒ごとをしでかして!最後にはオウギに泣きつく!オウギの迷惑も考えるのと!落ち着いて行動しなさい!」

 

「だ、だって、村のみんなが熊に困ってるって聞いたからァァ〜」

 

「アンタにどうにかできるわけないでしょ!アンタが食われそうになった時、オウギが結局熊を倒したみたいじゃないか!最初から結果が分かってるんだから大人しくしてなさい!靖王伝家も勝手に持ち出して!マジいい加減にしないと殺すぞ!?」

 

「キャァァァァァーー!!!?」

 

バァゴン!!!という鈍い音が響くと音が消えた。

 

いや、ブルン!ブルン!ブルン!と何か振り回している音が聞こえるっ!?

 

次の瞬間、ビューン!と空気を切り裂いて姉上が湖に投擲された。

 

バッシャン!と水飛沫を上げながらブクブクブクと沈んで行き、浮いてこない姉上。

 

 

 

 

ん?浮いてこない?

 

 

 

「姉上ェェーー!!!?」

 

僕は全速力で走り出し、湖に飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ハァ、ハァ、ハァ、ハァ。

 

さ、流石母上。

 

内臓をえぐるように回転させながら放たれた拳は姉上の意識を刈り取り、両脚を腰と腕で押さえながら持ち、回転させながら遠心力を利用しての投擲はもはや英傑そのもの。

 

母上がいれば天下が取れますね。そうに違いありません。(錯乱

 

 

ハッ!もう姉上が誰か分かりましたよね?

 

母上が真名を思いっ切り叫んでいましたしね。

 

そうです。僕の姉上の名前は劉玄徳。真名を桃香。

 

未来の蜀の王であり、北郷 一刀教の教祖になる人です。

 

 

さて、こんな姉いりません。厄介ごとしか持ってこないじゃないですかぁ!?

 

もう、ノスリに似た人とかどうでもいいです!

 

優秀な姉を僕にください!

 

毎回、面倒ごとの後始末に追われて、まだ幼少期だというのに胃がぁ!胃が痛いんですヨォ!

 

今回なんか、碌な武器がないのに2メートル越えの熊を相手に素手ですよ!?

 

靖王伝家は僕には振るえない謎仕様ですし!オウギの二刀小太刀はまだ用意してませんから、グリザイヤのフルーツのyouG君みたいに枯れ枝を目に突き刺してから、首を蹴り砕きましたよ!?

 

神様のお陰で、ちゃんと身体を鍛えていれば最終的に原作オウギのスペックが手に入る様になっていて、普通の子供に比べて強いからどうにかなったんですよ!?

 

これ以上は本当に洒落にならないんですよ!?胃がやられるんですよ!

 

何より、もう母上がいつ姉上を殺してしまっても可笑しくないんですよ!?

 

もう。ヤダ。タスケテクダサイ。

 

 

 

 

 

 

その数日後、姉上は何故か洛陽の慮植という人の私塾に行くことになったらしく、洛陽へ向かいました。

 

なんだか、姉上は僕も一緒に連れて行きたい感じでしたが丁重にお断りを入れさせてもらいました。

 

だって、軍略や政治を教わっても使う機会が無いから慮植さんの私塾に行くぐらいならどっかの國に仕官した方がいい。

 

 

 

 

 

というのは建前で、胃をこれ以上傷めたく無いからです!

 

さらば厄介事(姉上)!おいでませ!平穏の日々(寂しい日々)!

 

ん?どうかしましたか母上?

 

えっ!?本音と建て前が逆になっているですか!?

 

それになんで泣いているんですか母上!?

 

ほらみて下さい!僕達を苦しめる原因(姉上)は居なくなりました!

 

これから数年は平和が続きますよ!今は喜びましょう!

 

それに慮植さんの私塾を卒業すると官僚への紹介状を書いてもらえるらしいですので、あのまま都の方で就職する可能性もあります!

 

そうすれば滅多に帰ってこれなくなります!

 

なのに、なんで泣いているんですか母上!?

 

えっ、お前にこんなに苦労をかけて居たなんて御免なさい、ですか?

 

でも、オウギ。アナタが居てくれたお陰で桃香を殺さずに済んだ?

 

 

、、、、、、、、、、、、、、、、

 

それはよかったです。それは本当によかったです。

 

あれ?母上どうしたんですかそのふた振りの刀は?

 

え、プレゼント?

 

これを持って見聞を広めるための旅に行って来なさいですか?

 

た、確かに僕はいつかは他の國へ旅をするつもりでしたけど、その前になんで僕が剣を二本も欲しいって知っているんですか母上!?

 

ちゃんとナックルガードも付いて居て、色合いも完全に僕が欲しかったオウギの軍刀だ。

 

これは誰にも話して居ないことなのにどうして?

 

え?森で毎日こんな形の木刀を二刀流で振り回して練習しているのは知っている?

 

商人達に他國の情勢を聞いていることも?

 

 

、、、、、、、、、、

 

 

 

感服です。御見逸れしました母上。

 

子供のことをよく見ているものなのですね親は。

 

 

 

 

 

 

こういうことで僕は旅に出ることになりました。

 

そういえば、路銀やこの軍刀はどうやって用意したんですか?

 

今まで僕が後始末で殺してきた熊や猪などの野獣を売って手に入れたお金を貯めてきた貯金?

 

まだまだ、あるから旅先で仕官しても仕送りはしなくていい?

 

姉上が就職したら、姉上からぼったくるので気にしないでと。

 

逞しい、我等が母上でした。

 




桃香に弟がいたら、こんな感じでドジで能力が無い桃香の後始末で母親と共に苦労しそうと思いました。

確か、アニメの方で桃香の母親は、桃香を池に投げ込んだ描写がありましたよね?


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どこに行きましょうか?

今回は感想で頂いたアイディアを盛り込んだ話になります。


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sideオウギ

 

「さて、結構急に旅に出ることになりましたが、どこに行って、何をしましょうか?」

 

母上に快く?送り出され村を出た僕ですが、ある程度歩いた後、足を止めてこれからのことについて考え、自分に自問自答しているのが現在。

 

さて、此処で恋姫において、各地がどんな感じに繁栄しており、どんな人物が治めているのかまとめてみようと思います。

 

まず、この国の首都である洛陽だ。此処には皇帝陛下や天子様達が住んでおり、各地から沢山の貢物が送られて、沢山の人が集まるところです。

 

しかし、優秀な人物が集まるわけではなく、宦官と言われる玉無しのオカマ擬きを中心に民を金を貢ぐ財布、いやゴミや石としか見ていない腐った人間共が蔓延っている魔境となっている為、人が増え繁栄していくより早い速度で人が死んでいき、麻薬、人攫い、奴隷売買といった闇が繁栄しています。

 

此処で安心して生きるには宦官が大将軍にコネを作るしかありませんが、はっきり言ってオウギが悪の味方をするわけにはいきません。

 

だからといって内部潜入して内から壊そうにも規模が大きすぎて無理と言えます。

 

という理由で洛陽に行くのは無しですね。

 

官位は一応貰っておけるなら欲しいが無理をしてでも欲しい訳ではない為、行くとしても最低限にしようと思います。

 

 

 

 

 

洛陽の次に繁栄していると思えるのは袁紹と袁術の袁家でしょうか?

 

豊富な兵力と兵糧、資金を有している為、戦争を行うには1番向いている勢力と言えます。

 

しかし、袁家は袁紹派と袁術派に分かれている為、力は半減しているとも言えるます。

 

人材も質より量という言葉が合うぐらい低スペックの武将が多い印象を受けます。

 

しかし、当主である袁紹と袁術はどちらとも能力はあるのに馬鹿な為、取り入るのは楽だというのと、給金がいいと言うメリットもありますが、やはり乱世を生き抜ける器では無いので仕えるのは無いのと、当主の座を奪うのも難しい為、無しですね。

 

 

 

 

 

次は涼州の馬騰と董卓ですが、現在地と反対方向であるのと、土地が痩せている為、貧しい上に他国からの侵略を受けやすい為、無しですね。

 

当主は優秀だというのに、残念です。

 

同じ理由で幽州の公孫瓚もダメです。

 

器用貧乏だし、何より、、姉上が将来的に来る可能性がある所だ。絶対に行くわけにはいかない!

 

姉上と一緒に戦場に立つ?、、、危なっかしい過ぎて想像するだけで胃が痛い!

 

姉上が振った剣が手からすっぽ抜けて、こちらに飛んで来るといった有り得ないことがあり得てしまうから本当に怖い!

 

 

 

 

姉上が来る可能性がある為に、平原、徐州、益州も無しですね!

 

徐州と益州も、当主が無能なのに孫乾やら、厳顔と言った有能な武将がいる為、僕が暗躍するのにはかなり苦労することになりますし。

 

本当、無能な人が暴走すると何かすると恐いですが、それを支えている有能な人は鍛えられてメンタル的に強くなっている為に厄介だと考える為、この2つも無しですね。

 

 

 

 

 

豫州の曹操の陣営は結構いい印象が強いですね。

 

完全実力主義な為、能力さえあればよっぽどの問題行動を起こさなければ能力に応じた地位と金銭などを貰うことができます。

 

更に、今は曹操、彼女は学生の身のため自分の信頼できる人物は夏侯惇と夏侯淵の2人のみの筈。

 

今から僕を売り込んでおけば重要視される筈です。

 

ですが、少々女癖が悪いのが球の傷ですね。

 

私は百合を本で楽しむぐらいの業の深さは持ち合わせていますが、実際に目の前でやられてしまうと、百合百合しい雰囲気で、少し居心地が悪くなるかもしれませんね?

 

という訳では、曹操の所は有りと言えますね。

 

 

 

 

さて、残りは名前もろくに思い出すことができないモブ陣営と、劉備陣営と孫堅陣営ですかね?

 

勿論!劉備陣営は有り得ません!

 

という訳では次に行きます!

 

 

 

 

 

それで、孫堅陣営は曹操陣営と同じで実力主義な為、一見居心地良く思えますが実は違い、完全に昔から支えてくれている人と、孫家の間に強く結びついている絆で成り立っている陣営の為、外部から入る隙はなく、もし陣営に入ることができたとしても壁ができてしまい、孤立する可能性が出て来るので、惜しいですが無しですね。

 

 

 

 

総合的に曹操陣営が1番だと思えますね。

 

後、何処か有りましたけ?

 

うーん、、、、、、、、、、。

 

 

「ちょいとそこのお前さん。少し聞きたいんだが、少しいいかい?」

 

考えている所に誰かが僕に話しかけてきたようだ。

 

「あ、はい。大丈夫ですよ。何か僕に御用でしょうか?」

 

話しかけきた人物は、痩せ型の中年男性でした。

 

僕と似た様な色の髪の毛に細目。

 

見たところ武具らしき物は身につけていない様だが、身体の肉付きが鍛えられた鋭い短剣の様に無駄な筋肉がない。

 

これは完全に、戦う為に鍛えられた身体だと分かる。

 

そして、この人物は、僕より強い。

 

僕が小太刀を抜くよりも早く、この人は僕を体術で取り押さえることが可能だろう。

 

だけれど、まぁ。戦うことにはならないと思いますが、早く離れるべきですね。

 

「いや、ねぇ。道を聞きたいんだけどなぁ。桃の花が綺麗に咲く村なんだけれども、知ってるか?小僧。」

 

「小僧呼ばわりですか。まぁ、貴方から見たら僕は未熟な小僧ですよね。村は知っていますよ。僕はその村から来たので、よければどうぞ。」

 

僕は村までの道が描かれた地図を投げ渡した。

 

トス!と片手でキャッチしたこの人は丸められている地図を開き、チラッと一通り目を通すと、元に戻して懐にしまう。

 

「ありがとうよ。しかし、いい地図だ。誰が描いた?」

 

「僕の自作ですが、お役に立てて何よりです。」

 

「ほう。小僧、お前若いのに良い仕事しやがる。お前は大成するぜ。」

 

「ありがとうございます。」

 

「それにしても記憶ってもんはあてにならねぇもんだなぁ。数年ぶりに村に顔出そうと思ったら、記憶と道が違うの何の。嫌だねぇ、歳を取るって事は。」

 

そこで、一間開けてこの御仁は再び話し始める。

 

「それで、小僧。お前さんはなんで考え事なんてこんな所でしてたんだ?俺でよかったら相談に乗るぜ。これでもあちこち回って来たからな。ただ長生きしているだけの爺いだがこれくらいの役にはたつぜ。」

 

「成る程。なら、お願いしても良いですか?」

 

「爺いの所は否定しないんだな。」

 

「ふふ、何のことでしょうか?」

 

「食えねぇ奴だな小僧。」

 

少し肩を落としているこの人の様子を僕は薄笑いしながら話を続けた。

 

僕はこの人にどこに行くのか迷っていること、仕官することも視野に入れていることを伝えた。

 

「成る程ねぇ。有名どころの陣営は粗方、分析済みって訳か。なら、小僧。お前さんはどの陣営が今の所いいと思ってんだ?」

 

「今の所は曹家が1番かと思っています。」

 

「曹家?あぁ、曹騰の所か。あそこのお嬢ちゃんは鬼才って噂されているらしいな。それに偉く別嬪さんらしいじゃねぇか?なんだ小僧?やっぱり仕えるならむさ苦しいオッサンより可愛い嬢ちゃんがいいってか?お前さん見かけによらずムッツリだねぇ〜。」

 

「違いますよ。茶化さないでください。ただ、昔から仕えた人がいる所は固い主従の絆で結ばれていることが多いので、新参者は入りづらい。更に土地が痩せていて、地理的に遠い所も除くと、曹家が1番だと思っただけです。」

 

冗談のキツイこの人を睨みながら答えると、手を振りながらまた茶化し始める。

 

「そんな怖い顔すんなよ。冗談が通じねぇ小僧だなぁ。」

 

そして、キリッと表情を引き締めてから話を続ける。

 

「さてと、俺の意見を言わせてもらうぜ。俺には曹騰の所の他にもう一つ候補があるぜ。」

 

「ほう、めぼしい陣営は粗方挙げたつもりでしたが、不覚です。それで、その陣営は何処なのですか?」

 

「自分の失敗も素直に認められるなんて、やっぱり小僧。お前は妙に冷静だな?見かけ通りの年齢じゃないって疑っちまうぜ。」

 

「遠回しに年寄り臭いって言いたいんですか?早く、教えて下さい。」

 

「わかったわかった。そう急かすなよ。俺が新たな候補としてあげるのは、荊州の劉表のとこだ。」

 

「劉表殿の陣営ですか?」

 

劉表、恋姫において名前も挙がった記憶が無いモブ武将。

 

治めていた土地の荊州はいつのまにか孫策が治めていたり、影が薄い印象しかないのが本音です。

 

ただ地理的には此処からは比較的に近い(曹家よりは僅かに遠い)為、向かうのは難しくない。

 

荊州自体は、海や川に面している為、魚や塩などが豊富に取れ、干物や塩が名産であった筈。

 

そして、荊州はかなり広く、劉表はその広い土地を1人で治めている為、かなり条件はいい。

 

それに荊州は漢の海運の中心を担っている為、土地の価値はかなり高い。

 

しかし、海や川の恩恵を多く受けている代償に、洪水の被害に遭いやすく、海からの潮風により一部の地域では作物が育ち難い。

 

あれ?そういえば劉表の陣営には孫家の様な有名な武将もいなかった筈だ。

 

更に劉表の2人の息子は無能であるらしく、ただ親の劉表の権力を振りかざしてやりたい放題であるらしい。

 

劉表も洛陽に勤めていた頃は優秀だったらしいが、今は立場に甘えて贅沢を尽くす無能に成り果てたらしい。

 

つまりは、劉表の代わりに荊州を治めたら、邪魔する有能な人物は居らず、民にも感謝される筈だ。

 

つまりは、あり中のありだ。

 

「盲点でした!有難うございます。」

 

「これくれぇならかまわねぇよ。」

 

「行き先が決まりましたので、先を急がせていただきます。最後に貴方の名を聞かせてもらっても?」

 

「あん?あー。ハァーー。仕方ねぇな。ゲンホウだ。覚えなくてもいいぞ。」

 

「それは真名では?貰えるなら貰いますが、僕は劉岱です。後、忘れません。」

 

「覚えておくき満々かよ。それでお前さんは真名教えないんだな。まぁ、俺が勝手に預けたんだからいいんだが。」

 

「えぇ、なので真名を貴方に預けるのは次会うときにでも。それでは失礼しますゲンホウさん。」

 

「おう、もう会わないことを祈るぜ小僧。」

 

そう一言ずつ交わしてから僕は荊州に向けて走り出した。

 

 

 

 

 

 

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sideゲンホウ

 

つったく。なんて面の皮が厚いやつだ。親の顔が見てみたいって、俺か。

 

立派に育って何よりだが、あいつの腰の小太刀。

 

あれ、俺が秘密の場所に隠してたやつだよな?

 

まさか、あいつ見つけて、ヤバイ!

 

小太刀と一緒に艶本も隠してたんだぞ!?

 

このまま、戻ったらあいつに殺されちまう!

 

、、、、、、、、、やっぱり、帰るのは次の機会に

 

ガシ!と俺の肩を誰かが背後から強く掴んだ。

 

「やっと捕まえたわよゲンホウさん。さぁ、隠し部屋の物についてと、いきなり居なくなった事について、教えて貰いましょうか?」

 

ヤバイ、嫁が怖い。

 

「小僧!戻って来い!父さんを助け!、ゴフ!?」

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、



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劉表軍編
ただ仕官するのはつまらないですよね?


今回は少し短めです。

後、大事なお知らせがあります。

作者である私は、恋姫シリーズを一つもプレイしたことがありません。

なので、ストーリーがうたわれるものに近くなってしまいますが御容赦下さい。


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sideオウギ

 

「喰らいやがれ!」

 

野太い男性の切羽詰まった声と共にブンッ!と空気を割いて振るわれる大剣。

 

文字だけを見れば鋭い一撃を、熟練した武将が放ったかと見えるが、現実は違う。

 

大剣を振るった人物は標準的な身長に、どちらかといえば膨よかな体型で腹が出ているため、身体を動かすことに適しているとは思えない。

 

更に、大剣の大きさは刀身だけでも1.7メートル程。柄も含めれば2メートルを超える槍みたいな大剣だ。

 

大剣を振るった人物は1.6メートルから1.7メートル程の身長。

 

自分の身長より長く、片手剣より遥かに重い大剣を脂汗を流しながら僕に向かって必死に振ってくるが、腰が入っておらず、腕のみで振るわれ筋肉(よりも贅肉の方が多いようですが)任せの一撃は、遅く、鈍い一撃となって向かってくる。

 

刃物は別に当たっただけでは切れない。当ててから上から下に引くことで切ることができる。

 

この小太りの男はただ大剣を当てることだけを意識しているせいか、大剣を鈍器のようにふるっている。

 

そんな一撃を僕はかなり余裕を持って背後に後退することで回避する。

 

小太りの男が大剣を振るい、僕が回避する。この過程を数十程繰り返している。

 

回避できているから余裕なのですが、実のところやり難いです。

 

小太りの男の剣筋はブレにブレているため、真っ直ぐに飛んで来ず、振るった本人にすら分からない所に振るわれている。

 

その為、軌道を予測して楽に躱すという行為が出来ず、余裕を持って回避するしかない為、かなり厄介な相手だった。

 

もう少し、筋力があり、素早く大剣を振るうことができればもう少し苦戦したかもしれません。

 

まぁ、僕の得物である小太刀二本では大剣を受け止めることができないので回避するしか無いので厄介と感じてしまうだけなのですが、というか隙だらけなのでいつでも殺せ、、コホッ、コホ、、無力化できるのですが、ある理由から余裕を持って倒す必要があるのでもう少しだけ遊ぶことにします。

 

「クソッ!」ブルッ!ブン!

 

スタッ!と躱す僕。

 

「当たりやがれっ!」ブンッ!ブン!

 

スタッ!また躱す僕、ドン!おや?

 

背中に何か当たった音と感触がする。

 

どうやら壁に当たってしまった様ですね。

 

「はぁ!はぁ!はぁ!やっと、追い、詰めたぞ、狐野郎!」

 

「狐?ただ細目をしているだけですよ。見なくても余裕で躱せそうでしたので。」

 

壁を背にする僕に疲れた足取りでゆっくり近づいてくる小太りの男。

 

「テメェ!あぁ、もうどうでもいい!関係なくなるからな!狐野郎!これで終わりダァーー!」

 

これで決める!という感じのカッコイイ宣言をして、最後の力を振り絞って突撃を仕掛けてくる小太りの男。

 

大剣をピクピクと腕を震わせながら上段に構えて走って向かって来るが、あぁ、大剣が左右に揺れて危ない!といいますか大剣と一緒に身体もつられて左右に動きながら向かって来ている為、一直線に来れていないですね。

 

大剣がカッコイイからという理由だけで自分に選んだと眼に浮かぶ様に予想できる。

 

本来武器は自分の命を預ける唯一無比の相棒となる存在だが、自分に合わない武器は相棒では無く、敵になりゆる。

 

つまりは、自分の武器で死ぬことになる。

 

今まで、この男が生きて来れたのは戦場に立ったことがないか、自らが戦う必要がなかったからであろう。

 

つまり、コイツは、兵を率いて先頭に立つべき将であるのに、普段は権力を振りかざして威張り呆けているのに、戦場では安全な所にいたというのか?

 

そんなお前如きに、このオウギを打ち取れると思いやがるなよ?

 

「よっと」

 

「ふぇ?」

 

僕は大剣が当たる寸前に、男の脇をすり抜ける様に避け、ついでに足を掛けておくのを忘れない。

 

武士たる者、心はマグマの様に熱く、思考は絶対零度の様に冷静にが大切だ。

 

気持ちに振り回せるわけがないだろ?このオウギが。

 

「お、おっと、と、と!」

 

ドカン!と大剣が壁に突き刺さった。

 

「クソッ!この!この!このこのこのぉ!」

 

大剣は、その大きさと重さのせいか壁に深く突き刺さり、男の力だけでは抜けない様だ。

 

これ以上、戦う必要はない様ですし、これで決めます!

 

僕は、地面を蹴り跳び上がると、男の首筋に向かってかかと落としをした。勿論加減してだ。

 

オウギのスペックだと蹴り殺す可能背が高いので。

 

「ガッ!?」

 

首への強い衝撃に、意識を飛ばし倒れる男。

 

「劉琦兄上!?よくも!」

 

いや、よくもって、君。兄貴がやられそうなのに見て見ぬ振りしてましたよね。

 

証拠にやられてから飛び出してきてますし、凄い笑顔ですよ?

 

どうせ兄貴が倒せなかった僕を自分が倒したら後継者は自分で決まりだと思っている様ですが、貴方、得物が短剣って、女性の護身術ですか?見るからに素人丸出しですよね?

 

格好も動き辛そうな法衣を着てますし、貴方は文官ですよね?

 

文官で勝とうなんて、甘い。この時代にありませんがMAXコーヒーの様に甘い。

 

腰から小太刀を二振りとも抜き放ち、一撃目は下から上に上げる様に振り上げて短剣を天井に向かって弾く、そしてもう一振りの小太刀の峰で首トンを行う。

 

「かひゅう?」

 

と言い残し白目を向いて倒れる。

 

僕は辺りを見渡して、無事敵を無力化できたことを確認して玉座に座る人物に話し掛ける。

 

「これで仕官させもらっても大丈夫ですよね?劉表殿。」

 

「ニャムム。劉琦に劉琮、更には我が劉表軍の精鋭を無事無力化したニャムね。ニャムムム、いいぞ。劉岱、貴様を我が軍の将軍として歓迎するニャムよ。」

 

この特徴的な話し方をするのは劉表、最初に倒れた大剣の男は劉琦、短剣の男は劉琮。共に劉琮の息子である。

 

この二人の他に玉座の間には50人弱の兵士が倒れている。

 

全て僕が倒した奴らである。

 

何故、こんな状況になっているかというと、普通に仕官して一兵卒から成り上がるのは面倒なのと、賄賂がいるので、なら、忍び込んで劉表自身に力を見せつけて仕官しようと思ったからだ。

 

まぁ、処刑される可能性もあったが力を見せつければ、そんな恐れもないだろう。

 

さて、劉表軍に無事入ることができましたが、これからどうしましょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「劉岱、お前に兵を5千やるニャム。」

 

劉表がバカでよかった。といっても劉琦、劉琮は共に2万の軍を持っているので、比べるとかなり少ないですが、自分の兵があるのとないではかなり違う。

 

これからが楽しみです。

 

 

あと、劉表の見た目はデコポンポですよ。

 

 



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ちゃんとしたバトル回


すみません、失踪したわけでは無いので許してください!


sideオウギ

 

 

デコポン、、オホン、、、、

 

 

 

劉表殿に仕えることに成功し、五千の兵を気前よく(馬鹿なだけですが)預けて貰え、これにより僕はある程度纏まった給金を得られ、ある程度自由がきき、自由に動かせる人員を確保できたわけです。

 

これは大きな戦が起きない限り悠々自適に暮らせますね。

 

さて、ここからは当分この兵たちを鍛えることから始めないといけませんね。

 

見事に練度は低いですし、これでは兵隊というよりチンピラという方が適切に思えてきます。

 

 

まず、鍛える兵種を決めなければいけませんね。

 

お雑破に兵種は3種類しかありません。

 

歩兵、騎兵、弓兵の3種類です。

 

え、騎馬民族は馬に乗りながら弓を狙えるって?

 

確かに馬とともに産まれ、共に生きる生活をしているなら可能かもしれませんが、そんな器用な事チンピラ並みのこの兵士達に出来るわけないじゃないですか?

 

それに中途半端に鍛えて、どの兵種も満足にできなくなるよりは1つに絞った方が効率が良い。

 

さて、改めてですが僕が鍛える兵種は歩兵です。

 

キバと弓は、揃えるのも維持するのも大変ですからね、お金的な意味で。

 

新参者の僕ではまず予算が降りません。

 

その点歩兵は槍と鎧があれば最低限ですが戦える装備は揃いますから楽です。

 

と言っても、僕はそんな歩兵部隊を作るつもりはありません。

 

目指すのは軽装盾持ち兵です。

 

何故かこの恋姫の世界では盾はあまり重要視されてはいません。

 

どの国でも盾なんて配備していません。

 

最初はこの時代には盾という概念は無かったのかと心配になりましたが、地味だからだとかという理由で倉庫で埃をかぶって寝かされていただけでした。

 

それは劉表殿の倉庫にもかなり眠っており、劉表殿に相談したら『いいニャム。』の一言で五千人分用意出来ました。

 

まぁ、木の長方形の板に鉄板二枚を重ねて貼られていた簡易的な盾でしたけれど、武将以外の相手なら十分でしょう。

 

そして、何故軽装?と疑問を持つ人もいらっしゃると思いますがこれも全身鎧が用意出来ない以外の理由があります。

 

基本、僕は素早く動き敵を翻弄する戦い方をしているので、鎧が重過ぎて動きが鈍るのは困るので、孫呉の兵士と同じ様な皮鎧に、部分的な金属鎧にするのが僕の理想です。

 

まぁ、1番の理由としては僕が自由に使える肉か、、、ゴホン。

 

優秀な兵隊が欲しかったので、軽装盾持ち兵の部隊を作ります。

 

 

 

こんな感じで考えを纏めながら、預かった兵隊達が集合している筈である訓練場へ着くと、そこに待っていたのは、慣れない盾を持て余す兵士達だけでは無く、、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ。テメェか?馬鹿兄弟と近衛兵団をボコって入った奴ってのは?まだ、餓鬼じゃねぇか。」

 

丸太の様な四肢をした左眉を縦に裂くような古傷を持って、太刀を肩に担いだ大男であった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

おい、誰だ。恋姫世界にクロウを登場させたのは!?

 

『わ、た、し!』

 

脳内で僕を転生させた女神(笑笑)の満面の笑みで胸を張っているイメージが浮かんだ。

 

大体の原作改変はあの女神のせいと思うようにしようと思います。

 

「文聘将軍!?」「何故将軍が此処に!?」「鬼将軍の部隊の調練は明日の筈だ!」

 

僕の部隊の兵士がざわめき出した。

 

どうやらこちらの世界のクロウは文聘と言うらしい。

 

そういえば、コ◯エーさんの三国志ゲームでは劉表軍で1番武力が高い武将が文聘だった気がします。

 

因みに厳顔さんと同じぐらいですね。

 

てか、鬼将軍って、、、、、、、、、、

 

これは鬼教官という意味でいいのだろうか?

 

「これは将軍様でしたか。ご挨拶が遅れて申し訳ありません。僕は性は劉、名は岱と申します。訳あって、1将として劉表殿の傘下に参列させていただきました。若輩者ですがよろしくお願い申し上げます。」

 

頭を下げて自己紹介をする。

 

ぶっちゃけ、クロウさん滅茶苦茶強そうですね。

 

さっきからピリピリと殺気が肌を刺してきます。

 

今すぐにでも肩に担いでいる太刀を振り下ろしてきそうなんですが、戦いになってしまったらどうしましょうか?

 

「あー、そんかかしこまんなよ。身体が痒くなって仕方ねぇ。で、劉岱で良いんだっけか?俺は文聘。此処で武官を纏め役的なもんをやらせられてる。はぁ、めんどくせぇ。」

 

あらあらあら、やはり面倒事は嫌いで、命のやり取りを楽しみたいバトルジャンキーなのだろう。

 

「文聘将軍は今日はどうかなさったのですか?部下の話によると、文聘将軍の調練の予定はなかったようですが?」

 

「あん?あぁ、俺が来た理由か?それは、、、、、、、、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「劉琦に劉琮の馬鹿兄弟をボコった奴がどんな奴なのか見に来たのと、強い奴ならやり合おうとと思ってナァッ!」

 

直後、素早く両手持ちされた太刀が僕に向けて振り下ろされた。

 

文聘はどうやら力でゴリ押す戦いをするタイプの様で剣速はそこまで速くなかった為、こうなると予想していたので余裕で後退して回避できた。

 

しかし、次の瞬間唖然とする事になる。

 

僕が回避した事による、太刀は地面に強く叩きつけられ、ゴガン!と普通ではあり得ない音を響かせて、訓練場の地面を割り、衝撃で僕の身体を軽く浮かした。

 

「大した馬鹿力ですね。しかし、何故僕と戦うのですか?というのは無粋ですね。僕も武士の端くれ。強い人との戦いはなんと言いますか、心が踊りますね。」

 

そう言いながら腰から小太刀を二本とも引き抜き、両手で構える。

 

「へぇ、分かってんじゃねぇか。気に入ったぜ劉岱!さぁ、楽しもうぜ、この戦いをよォォ!」

 

猪の様に太刀を構えて突撃してくる姿は、劉琦とは違い本物の大猪が向かってくる様な迫力がある。

 

力だけでは無く、技量や経験もあるため回避し続けるのは難しいと分かるぐらいに文聘は強い。

 

という訳で、基本は小太刀での受け流しや、回避を主体として隙ができたら反撃を加えていく戦い方で行くとしますか。

 

あ、勿論受け流しは小太刀二本でやらないとダメですよ?

 

片腕だと確実に骨砕かれるので、、、、、、、、、

 

「せい」

 

振り下ろされる太刀の横側に小太刀の刃を滑らせる様に受け流し、そのまま文聘の腕と指を狙う。

 

回避されるとは分かっているので、今後武将人生に関わる所を狙う。

 

「甘めぇよ!」

 

文聘はそう言うと、僕の腹を蹴り上げてくる。

 

このまま、喰らえば最悪肋骨数本を蹴り砕かれ、この戦いの勝敗は殆ど決まってしまうだろう。

 

ダメージを最小限に抑え、文聘にもダメージを与えるために僕ができることはある。

 

「ハッ!」

 

僕は蹴り上げられた文聘の脚の膝辺りを横から蹴る。

 

「ガッ!?」

 

ゴキュッ!となんか生々しい音が響く。

 

僕の蹴りを喰らった文聘は残った片足でけんけんするかの様に後ろに後退して、痛そうに摩っている。

 

「痛ェなおい。普通に蹴られてする音じゃなかったぞ?どんな脚力してやがんだよ?」

 

「僕は昔、熊を蹴り殺したことがありますよ?」

 

「人辞めてんのか!?というか、どういう状況だそれ!?」

 

そりゃ、原作のオウギはNARU◯Oの世界の中忍者みたいに木々を飛び越え、崖を飛び越えながら進むことができていた、将来的には同じスペックまでなる筈の僕が人相手に蹴りを入れたら、そりゃ普通では考えられない音がしますよ。

 

寧ろ、喰らって痛そうにしているだけの文聘こそ人を辞めていると思いますが、、、、、、、、、、

 

「どういった経緯でそうなったか、今回は見逃しますが、次からは聞いたら、、、、、、、、、後悔させますよ?

 

「ア、ハイ」

 

後日、文聘からこの時の僕のことを聞くと、眼からハイライトが消え、黒いオーラが滲み出していた話だった。

 

さて、脱線はここまでにして、、、、、、、、、、

 

「脚の痛みは慣れた頃でしょう?時間もそこまである訳ではないので早く続きを始めましょうか?」

 

「そうだな!」

 

調子を確かめるかの様に一回剣を振ると剣を再び構えた。

 

どうやら僕の蹴りの影響は殆どもうないらしい。

 

僕は文聘よりも先に走り出した。

 

文聘にまた先手を譲ってしまえば、また勢いと馬鹿力の所為で受けに回ることになってしまい、僕の勝ち目がかなり薄くなってしまうからだ。

 

「お、今度はお前から来んのか?いいぜ!来いやァァ!」

 

ドッシリと城門の様に構える文聘は、いわば僕が乗り越えるべき壁だ。

 

僕に城門を砕く力は無い、だが、、、、、、、、、、

 

「僕に超えられない壁は、無い!否、有ってはならない!

 

僕は、オウギなのだから、、、、、、、、、、

 

こんな壁で躓いでいる場合では無い、まだ僕の人生は始まったばかりであり、文聘より高く越えなければならない壁はまだまだあるのだから、、、、、、、、、、

 

「オォッ!オォォォォーーーー!!!」

 

僕は全脚力を使って文聘の真上に飛び上がった。

 

文聘との体格差を埋め、確実に仕留める為には高い場所からの落下に生じる力を利用した攻撃しか無い。

 

これを躱されては負けてしまう。

 

しかし、文聘は、否クロウは、、、、、、、、、絶対に避けない!

 

クロウが相手の決死の覚悟を踏みにじっててまで、勝ちを選ぶ訳が無い!

 

「決死か小僧。いいぜ!受けてやる!テメェの覚悟確かに伝わった!あぁ、テメェは立派な武士だ、小僧!いや、劉岱ィィーー!!!」

 

予想通り文聘は構えたまま回避せず、迎え撃つ様だ。

 

僕は身体に回転をかけて剣戟を見切らせない様に動きを加える。

 

「「オォッ!オオォォォーーーー!!!」」

 

小太刀二本を平行に合わせる様に同時に振り下ろし、文聘は両手で太刀を構え下から上に斬りあげる。

 

お互いの剣が交差し、ガキンッ!と甲高い音が響く。

 

結果は即座に現れた。

 

「ガハッ!?」

 

ドサッ!と僕が背中から地面に落ちる音と共に、文聘の剣戟により斬られた胸の傷から少しばかり流血が流れ、地面を赤黒く染める。

 

そして、弾かれた僕の小太刀の片割れが地面に突き刺さる。

 

骨にまでは届いておらず、筋肉もそこまで深く切り裂かれていないが競り負けた事実に衝撃を受ける。

 

「グッ!?クハッ!ハハハハハ!やるじゃねぇか劉岱!」

 

文聘は僕の剣により斬られた左眼の傷を抑えている。

 

正確にはそこまで深い傷にはなっていない為、瞼を抑えている。

 

「なかなか、だったけどよ。俺の勝ちだ劉岱。」

 

笑いながらそう言っている文聘に向けて、薄笑いを向けて話す。

 

「クク、まだ勝負は終わってませんよ?文聘将軍。」

 

「只の文聘でいいってぇの。でもよ、劉岱?諦めが割りィぞ?誰がどう見たってこれは俺の勝ち」

 

文聘の言葉を遮る様に言葉を放つ。

 

「僕のもう一本の小太刀。一体何処に行ったのでしょうね?」

 

僕の言葉にハッと目を見開く文聘、ですが遅い。

 

グルグルと回転しながら小太刀か落下してくる。

 

そう、文聘の頭に向かって、今当たった。

 

「ガッ!?イテェ!?」

 

上手く峰の方を当てたので怪我は無いが、頭を片手で抑え蹲る文聘を尻目に、立ち上がる僕。

 

「皆さん。すみませんが、調練できる状態では無いので明日の同じ時間に集合という事で解散して下さい。」

 

僕の言葉を聞き、我先にとこの場から離れ出す兵達。

 

何故か、化け物を見る目で皆さんが見ていたのですがどうしてでしょう?

 

その日は文聘を放置して帰りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、次の日。

 

「ウィッス!《a》大将!《/b》おはよっす!」

 

何故か、文聘に懐かれました、、、、、、、、、、何故に?

 

あと真名を預かったのですが、やはり駆狼(クロウ)でした。

 

 

 

 



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反乱発生、、、、、、、、私は何もしていませんよ?ホントに

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

sideオウギ

 

 

 

さて、、、、、、、、、、戦闘を終えたら次の日戦った相手が僕を「大将!」って呼んでなんか配下になってくれた件について。

 

 

なんか僕について行けば面白いことがありそうだとが、これからもっと僕は強くなりそうだからどこまで強くなるか見届けてまた戦いたいから、死なない様に力になるといった動機で従ってくれる様ですね。

 

これで僕は、原作においてのベナウィの立ち位置を手に入れられた様ですね。

 

これで実質僕が動かせる兵力は、僕の盾持ち軽装歩兵5000に、クロウが率いる騎兵5000と、将が僕にクロウといった所ですね。

 

クロウの騎兵は歩兵としての訓練も積んである為、歩兵としての運用も出来るので、船による移動が他よりも多い荊州では歩兵として扱うのが主体になりそうですね。

 

 

 

 

さて、此処からは特に目立ったことが無く、部隊の調練やクロウとの鍛錬、軍略の勉強といったことしか行っていないまま、2年が過ぎ僕はこの世界においての男性の成人、18歳となった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

sideオウギ

 

 

 

「いやぁ〜、大将も遂に成人を迎えましたねぇ〜。めでたいめでたい!でも暇でしたねぇ、ここ数年。」

 

クロウが祝ってくれると共に、2年間の不満を呟く。

 

「祝いの言葉は確かに受け取りました。しかし、クロウ。そんな不謹慎なことを言うのではありません。我々兵士が暇という事は、平和という事、民にとってはそれが一番です。」

 

「でも、暇なもんは暇なんすよ〜」

 

「全く貴方という人は、、、、、、、、、、でももしかしたら僕達の出番があるかもしれませんよ?」

 

「お?マジですか大将?」

 

最近、近隣の袁術軍との衝突は無く、戦は起きてはいないが、劉表殿、劉琦に劉琮の兄弟達の悪政がこの2年で更に悪化しており、いつ民達の怒りが爆発するのかわからないという状態になっている。

 

このままなら、民達がいつしか反乱を起こし、僕達はその鎮圧に駆り出される事になると予想できる。

 

こんな感じで考え事をしていると、ガタガタガタガタ!と鎧を鳴らし、走って来る兵士の姿が見えてくる。

 

どうやら、急ぎの要件を伝えに来た様だ。

 

そして、必死な表情から大事のようですね。

 

「どうやら、暇な時間はもう終わりの様ですね。」

 

「劉岱様!文聘様!此処にいらっしゃいましたか!?急ぎの伝令の為、無礼をお許し下さい!」

 

ハア、ハア、ハアと息を切らしながら言葉を紡ぐ兵士は跪いて要件を話し始める。

 

「構いません。続けなさい。文聘も良いですね?」

 

「ウィッス。」

 

真名を許していない人がいる場合は真名では無く名前で呼ぶように気をつけている為、この場は文聘とクロウを呼ぶ。

 

「ハッ!ありがとうございます!では、伝令の内容を伝えさせていただきます!」

 

 

 

 

「数刻前、劉琮様が治める江陵の領地内にて、劉琮様が民の反乱に遭い討ち取られました!護衛に付いていた兵士2000も戻って来ていない為、既に、、、、、、。そして、反乱軍を率いているのは諸葛亮と龐統という者のようです!」

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、ファッ!?

 

 

エッ、何!?いきなりなんで三国志最強の知力を持つ幼女軍師2人を相手にしないと行けない状況に!?

 

2人揃えば天下獲れる(卓上では)軍師2人をどうやったらあの文官もどきの劉琮が怒りを買ったんですか!?

 

 

 

「なお、諸葛亮と龐統はあの水鏡と名高い司馬懿殿や、水鏡塾の他の塾生も反乱に参加しているようです!反乱軍は、名高い水鏡塾の者達の知略と劉琮様を討ち取った勢いにより、周りの集落や村、街の賛同者を加え続け、その数を今現在でも益々増しているようです!」

 

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、サボっていいですか?

 

 

水鏡塾全体を敵に回すとか、策略で勝てない事確定じゃ無いですか!?

 

それにこのままだと劉表殿の領地内の民衆全てが反乱に参加する可能性がありますよね!?

 

劉琮が治める江陵(こうりょう)、劉琦が治める江夏(こうか)にはそれぞれ兵数10000が配置されており、劉表殿が自ら治め、現在僕達がいる襄陽(じょうよう)では、僕、クロウが5000ずつ、劉表殿の兵士が10000配備されている。

 

つまり、現在の劉表軍の総兵力が40000程度という事になります。

 

それに対して、荊州の住民の数は3つの都市だけでも120万人は超えている。

 

つまり、このままでは兵力差で押しつぶされることなるのですが、反乱が広まるのはまだまだ時間がかかる筈だ。

 

理由としては、連絡手段のなさである。

 

この世界の連絡手段は手紙が、人からの又聞きしか無い。

 

この世界の一市民の識字率はかなり低い為、水鏡塾の生徒が手紙を書くしか手紙という手段は取れない。

 

又聞きの方も、いくら練度の低い劉表軍でも怪しい噂が流れ出したら直ぐに噂の元を確保する筈だろう。

 

つまり、今現在なら反乱の鎮圧は可能であろう。

 

しかし、このまま劉表殿にこの荊州を任せていると未来はほぼ無いに等しい。

 

なら、このまま反乱を手助けするべきでは無いだろうか?

 

幸い、僕とクロウは民の皆さんからは嫌われてはいない、むしろ劉表殿の代わりに荊州を収めて欲しいとも笑い話で言われていたぐらいだ。

 

つまり、このまま負けて捕まったとしても僕とクロウは殺されない可能性が高い。

 

なら、

 

(少し動いてみますか、、、、、、、、、、)

 

 

考えがまとまった為、伝令に来た兵士へ視線を戻す。

 

「状況は理解出来ました。それで、劉表殿はどういった対応をお取りになるつもりなのでしょうか?」

 

「ハッ!それについては運良く劉琦様が襄陽に赴いていた為、劉表様、劉琦様、劉岱様に文聘様で至急軍議を開きたいとのことです!用意は既に整っている為、あとお2人がいらっしゃるだけでいつでも始められます!」

 

「分かりました。直ぐ向かいましょう。案内お願いします。良いですか、文聘?」

 

「俺も全然大丈夫っすよ。」

 

「分かりました!では、軍議室に案内いたします。ついて来てください!」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

sideオウギ

 

 

さてさて、軍議が始まって半刻(一刻=2時間と考えて)が立ち、本来であれば軍議の全ての流れを伝えるべきと思いますが、劉表殿はニャムニャニャムといった語尾がうるさい上に、長ったらしく話すけれども内容をまとめますと、自分は兵を出さないからお前らでなんとかしろっていうだけでしたし。

 

劉琦も弟の仇を取るためにも俺に行かせろ!ってうるさいだけですし、というかチラチラこっち見るのはやめてください。

 

もう考えている事丸わかりですよ。

 

僕が仕官した際に負けたことをまだ根に持っているようですね。

 

だから、僕に手柄を与えたく無いという考えのようです。

 

 

そして、僕とクロウは劉琦に任せてもいいという考えなので、結果的に劉琦が自分の領地から5000の兵を率いて江陵の兵も合わせて13000で反乱軍を討伐する事になりましたね。

 

まぁ、これだけの兵を率いれば流石に今の兵力差で負けることはないと思うので、少し反乱軍の方に手助けがいるかもしれませんね。

 

 

 

 

「軍議中に失礼します!江陵の城が反乱軍に占領されたのことです!城にいた8000の兵士の内3000は戻らず!5000は江夏にて保護されました!」

 

 

手助けは要らないみたいですねぇ〜。もう水鏡塾って人外魔境の間違いじゃ無いんですかねぇ〜。

 

 

結局、劉琦は自分の領地から江陵から10000全て率いることになり、僕とクロウが2000ずつ率いて後詰をすることになりました。

 

この戦い勝てますかね?正直無理ゲーな気がして笑いが止まらないんですが?

 

 

あは、あはははははははは、、、、、はぁ〜。



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対峙する空望の少女に、昇り竜

ふぁもにか、さん。高評価ありがとうございます!

知らないうちにお気に入り登録数が3桁台に入りそうで驚いてます!

出来れば、話のストックを釣ろうかなぁって思ってましたが、あまりの嬉しさに1週間の間にまた投稿するかもしれません。


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sideオウギ

 

 

さて、さて。思いの外水鏡塾の生徒の皆様の知略が化物じみていたせいで、僕とクロウはただ傍観しているだけでいられるはずでしたが、劉琦と供に江陵へ進軍する事になった訳ですが、3日で用意出来るだけ用意した後、劉琦が先に5000の先行部隊を率い、残りを僕とクロウが残りの兵と、兵糧を運送して行くこととなった。

 

 

わざわざ、信用できない相手である僕に兵士の半分と、兵糧の大半を任せる程だ。

 

余程、手柄を僕に渡したく無い事がよくわかる。

 

劉琦に1日遅れで出立をした僕達でしたが、やはり兵糧を運送している分速度が遅い。

 

江陵まで普通に行軍すれば2日かからない筈が、5日もかかってしまった。

 

劉琦との行軍速度に4日ほどの差ができてしまった訳なのだが、

 

 

「それにしても大将。劉琦の坊ちゃんは大丈夫ですかねぇ?」

 

江陵の領内に入り、落とされた城にもうすぐ到着する道すがら、話しかけて来る。

 

「さぁ、僕には分かりかねますね。ただ、いくら水鏡塾の生徒が優秀とはいえ、率いる兵は2000程度、練度も低い。ならば、死ぬことは無いはず「伝令!」!?」

 

僕の言葉を遮るかの様に、城の方角からボロボロの鎧を纏った兵士、劉琦軍の兵士がゼハァッ!ゼハッ!と息を切らしながら走り、「伝令!伝令!」と叫び続けている。

 

フラグ建てたかな?

 

「大将!アイツは!?」

 

「劉琦軍の、それも先行した兵の1人でしょうね。全軍戦闘準備!」

 

僕は全軍に指示を出し、クロウと供に伝令の元に走り向かう。

 

「劉岱将軍!文聘将軍!至急の伝令になります!御無礼をお許しください!」

 

「構いません。早く内容を。」

 

「ハッ!」

 

 

「劉琦様が率いる我々先行軍は、2日前に敵城近くに到着し、陣を構築後、劉岱将軍方の到着をお待ちしていたのですが、反乱軍からの夜襲を受け、陣は焼き払われ、生き残り残った兵は反乱軍に首位を囲まれてしまったのが現状です!私はなんとか抜け出し、伝令として将軍方と合流する為に参った次第です!」

 

「そうですか、、、、、、、、、、」

 

流石水鏡塾。少ない兵士の数で夜襲を成功させるとは、、、

 

「大将どうしやすか?」

 

クロウが意見を聞いて来る、と言いますか考えを放棄し丸投げをして来る。

 

「見捨てる訳にはいきません。救出に向かいますよ。疲れているところすみませんが、案内お願いできますか?」

 

「は、はい!此方になります!」

 

そうやって、走り出す伝令兵。ついて行く為に走り始める我々。

 

そして、クロウにだけ聞こえる様に呟く。

 

「クロウ、いつでも突撃できる様に、、、、」

 

「ウィッス、」

 

笑顔で答えるクロウ。どうやら気づいている様だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この伝令が、、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

敵だということを、、、、、

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

sideオウギ

 

 

 

あれから、僕達は城から離れ、深い森の中を突き進んでいた。

 

森の木々により日光が遮られ、まだ日が高いというのに薄暗く視界が悪い。

 

足場も岩があちこちにある為悪く、苔が表面に生えている為とても滑りやすい。

 

それに、木々の合間を行軍している為、兵達が纏まることが出来ず襲撃に対応し辛くなっている。

 

やはり、この人は、、、、、、、、、、、、、、、、

 

「随分、森の奥に追い詰められている様ですね?後、どれくらいなのでしょうか?」

 

「も、もう少しで御座います!」

 

「はぁ、それにしても何で反乱軍はこんな森に追い詰めたのでしょうか?こんな場所では包囲しづらいですし、敵襲に対応もし辛い。こんな場所を選ぶ理由は何でしょうか?」

 

「な、何ででしょうか?わ、わたしには、わかり、かねます。」

 

おやおや、伝令を伝えていた時に比べて口調が硬くなってますね。

 

森を進んでいるせいで発生している汗にして量が多い。

 

緊張しているせいで息も荒い、何よりこの場所に連れて来た時点で黒確定だ。

 

もう付き合う必要はありませんね。

 

「おやおや、汗が酷いですね?急がせた僕が言うのは何ですが、少し休みにしましょうか?」

 

「い、いえ!いち早く、仲間を助けなくてはなりませんので、私は大丈夫に御座います!さぁ、急ぎましょう!」

 

クロウに目線を送る。

 

「いや、案内はもう要らねぇよ。ご苦労さん。」

 

前に進もうとする伝令兵の肩をクロウが掴み、引き留める。

 

「な、何を!?早く行かねば皆が!?」

 

「はぁ、演技はやめたらどうですか?」

 

「劉岱将軍、何を言っておられるのですか?文聘将軍も?」

 

「バレてますよ。ねぇ、裏切り者さん?

 

「ッ!?敵襲!敵、ゴハッ!?」

 

伝令兵が目を見開くと、森全体に響き渡りかの様な大声を上げる。

 

そのまま、森に逃れようとするが、クロウがすかさず首を刎ねる。

 

しかし、伝令兵の声に反応して、森の奥から鎧を纏う兵から服に斧や農具を持った反乱兵が次々、現れる。

 

「やはり、行方不明の兵の5000の中から幾らか反乱軍に参加している様ですね、、、、、、しかし、関係ありませんね、クロウ!」

 

「ウィッス!大将!どうしますか!?」

 

「向かい撃ちます。クロウは突貫して敵陣を崩して隙を作りなさい!」

 

「ウィッス!久々の戦だ!本気で行くぜ!オリャァーー!!?」

 

猪の様に、全速力で敵陣に突撃するクロウ。

 

近く敵は全て一太刀にて斬り捨て進み姿は、とても頼もしい。

 

「全軍、クロウに続きな、「ヤァアァァァァーー!!!」!?」

 

兵に指示を出している最中、頭上から自分より高い少女の声が響き渡った。

 

視線を頭上へ移すと、其処には、、、、、、、、、、

 

 

 

 

紫色の長髪を風に揺らし、自身の身長の2、3倍もの大斧を振り下しながら落ちて来る少女がいた。

 

「ッ!?全員退避!」

 

間に合う訳がないと分かりながらも兵に指示を出してから、その場から跳びのき、周りに生える木の枝へと着地する。

 

少女の斧が地面と衝突した時、ドッカーン!!!と人の身で起こしたとは思えない音を響かせ、地面を砕いた。

 

周囲に粉塵が舞い、周囲の地面を木々ごと揺らし、土塊が木の枝の上まで届いて来る。

 

「まさか、空からの奇襲とは恐れ入りました。そして、その威力。素直に認めましょう。敵ながらお見事です。さぞ、名のある武人なのでしょう。」

 

「ん?あなたもなかなか、だと思う。シャンの1撃を避けれる人、なかなかいない。」

 

「さて、歴然としていることですが、一応尋ねます。貴女は我等が君主、劉表殿に逆らう者ということでよろしいですか?」

 

「うん。シュリとヒナリから聞いた。劉表、皆んな苦しめてる。悪いやつ。みんなの為に、シャンは、たたかう。」

 

「この様子では降伏もしては貰えませんよね。はぁ〜。」

 

うん、ヤバイ。どう見ても目の前の少女はクロウと同じ腕力で叩き潰すタイプだ。

 

少女の短いリーチを補うことの出来る巨大な獲物。

 

これらの情報から分かることは、1撃でも剣を合わせたら詰む。

 

相性が悪い相手ですねぇ。できればクロウに任せたいところですけどそれは無理だ。

 

兵士は幾ら束になっても勝てない。

 

なら、僕が戦うしかありませんね。はぁ〜。

 

「全軍、此処は僕に任せてクロウの援護に向かいなさい。彼方にもかなりの使い手がいて、クロウが指示を出せない状況であるなら、守りの円陣を組み身を守ることを優先して下さい。では、行け!」

 

「「「「御意!!!」」」」

 

少女をスルーしてクロウの元を向かう兵士達。

 

少女はそれを気にせず、僕に視線を定めたまま地面に突き刺さったままの斧の柄を掴んでいる。

 

「兵達は簡単に通して頂けるのですね。」

 

「シャンだけがたたかってるわけじゃない。あっちには、セイ達がいるから、しんぱいない。」

 

「やはり、お仲間が率いているのですね。なら、尚更貴女を早く仕留めて、援護に向かうと致しましょう。」

 

そう言い放ち、腰から小太刀を二本両手で構える。

 

「僕の名は、性は劉、名は岱。劉表軍に将として末席を汚す者です。」

 

「シャンは、じゃなかった。性は徐、名は行。」

 

「では、徐行さん。貴女の命、貰い受けます!」

 

木から飛び降り、周りの木の幹を蹴り動きを複雑化させながら、徐行に向かう。

 

それに無言で地面から斧を引き抜き構え答える徐行。

 

此処にて、クロウ以来の強敵と死合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

sideクロウ

 

 

赤い残像を残し、神速の突きが俺の身体に向かって放たれる。

 

「チッ!」

 

舌打ちしながら、ギリギリ反応できる突きは躱し、残りは太刀と籠手、鎧で弾く。

 

お返しに大ぶりの横薙ぎを放ち、相手を背後に下がらせ、距離を作る。

 

「あぁ、本当に早ぇ突きだな女。テメェとはまだ少ししか殺し合ってねぇけど分かるぜ。お前は強い。」

 

そう言い放ち、相手を再び見据える。

 

全体的に白い、布地面積の少ない印象を受ける服装の、空色の髪をした女。

 

穂先が二又になっている槍を構え、神速の突きを連続で放つ強敵。

 

「貴殿も、なかなかにやる。私の突きを初見で防いだお人はなかなかおらぬよ。なぜ、貴殿程の武人が悪に手を貸しているのか不思議に思う。」

 

「悪りぃが劉表になんか従ってるつもりはねぇ。俺の大将はあの人だけだ。さて、続きをしようぜ。」

 

 

 

「性は文、名は聘だ。あの人の為にも、勝たせて貰うぜ!」

 

「受けて立とう文聘!性は趙、名は雲!常山の昇り竜とは私のことだ!我が神速の突き、受け切れるものなら受けるがいい!」

 

お互いに名乗りを上げ、再びぶつかり合う2人。

 

 

 

 

 

勝敗が定まるには、まだ時は早い。



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番外編〜張純(ベナウィ)
理想の主人を求め、既に1話目


息抜きのお試し番外編を投稿しました。

遅いですが、恋姫革命の魏をプレイし始めました。

ちょっと、描きたくなったので曹操軍と関わらせやすい設定の番外編を投稿しました。

架空の役職や、カップリングが存在しますので、了承の上でご覧下さい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

side曹操軍一同視点

 

 

 

ある日、我々の領地で貴重な書物である太平要術の書が3人組の盗賊に盗まれる事件が発生した。

 

華琳様は自ら兵を率い、賊を追跡。

 

後一歩で捉えることができるという所で、国境という壁に阻まれ取り逃がしてしまう。

 

直ぐ様、賊が逃げ延びた国の代表に軍を派遣する許可を貰おうとしたが当たり前に断られてしまった事はまだ、記憶にも新しい。

 

 

 

しかし、突然賊が逃げ延びた国の相、陳珪殿が隣の街にまで来ているから早く入れて欲しいと伝令を飛ばして来たのだ。

 

誰が考えても、賊の件だと分かるが、今更どうしたというのかという気持ちがある中、数日かけておもてなしの準備を整え、陳珪殿をお迎えしたのが先程。

 

よく手入れされたサラサラの蒼の髪の毛を腰まで伸ばし、艶のある肌。

 

見たものを虜にしてしまうような魔性の笑みを浮かべて、独特の雰囲気と容姿の似た少女を引き連れ現れた陳珪殿。

 

今回訪れた内容はやはり、逃げ延びた賊に関してのことであった。

 

この前は、陳珪殿の軍隊が責任を持って対処すると言っていたはずだが、精鋭の軍隊が少ないという理由から賊を討伐できず、その数も3人から数百から千までに増加したという事であった。

 

華琳様が逃したのだから、そちらで対処しろという陳珪殿に、そちらで対処すると言ったのだから、此方にはもう関係ないと断る華琳様。

 

話が中々進まないと判断した陳珪殿は、ここで切り札を1枚投入する。

 

 

 

華琳様と犬猿野良中である袁紹殿に増援を頼み用意があるという事を、、、、、、、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「、、、、、、いずれにしても、太平要術の書は取り戻すつもりなのでしょう?今なら、貴女達に優先的にさせてあげると言っているの、」

 

「、、、、、、貴女、国を売るつもり?

義にうるさい陶謙ならまだしも、袁紹は野心の塊よ?その提案を受け入れはするけれど、その後どうなるのか分からない貴女でもないはずでしょうに、」

 

「あら、それこそ他国のことなど陳留太守、曹操殿には関係ないことでしょうに、、それとも、、、、、、、、、、」

 

 

 

 

 

「先に買っておきたいのは貴女だったかしら?」

 

 

貴女の考えはお見通しよ。と言わんばかりの笑みを浮かべ話し続ける陳珪殿。

 

これが挑発である事はこの場に居る全て者、将だけでなく兵すら分かっている。

 

 

「、、、、、、、、、、」

 

 

いくらなんでもここまで分かりやすい挑発には、華琳様も乗る気は無いらしい。

 

微笑む陳珪殿を前にして、静かに表情を変える様子は無い。

 

 

「言ったでしょう?逃した賊を再び捉える機会をあげると、」

 

 

再び陳珪殿がこちらが仕方が無く譲歩してあげるのだ、という程で切り出し、

 

 

「助けてあげるのはこちらよ。」

 

 

素早く、こちらの台詞だと言わんばかりに返す華琳様。

 

 

「「、、、、、、、、、、」」

 

 

その会話を最後に、華琳様も陳珪殿も黙ったまま、視線をぶつけ合う。

 

チリチリと火花が弾けているようにも感じる雰囲気の中、時間がゆっくり流れ行き、、、、、、、、、、

 

 

「、、、、、、、、、、いいわ。同盟という形で、引き受けてあげる。」

 

 

折れたのは華琳様の方であった。

 

しかし、これは華琳様が陳珪殿に論破された、威圧に負けたという訳では決して無い。

 

仮にも、彼方は王に代わり、国を治める相。

 

対して華琳様は、ただ領地を借り受け、統治しているだけの太守。

 

この国において、力こそが全て。我々には力が足りなかっただけだ。

 

武力でも、資金力でも、国力でも無い。

 

地位という力が今回相手より低かっただけなのだ。

 

 

「でも、遠征にかかる費用は全てそちらで出してもらうわ。賊を千人も余分に討伐してあげるのだから、同然よね?」

 

「、、、、、、、、、、」

 

 

しかし、ただでは終わらない華琳様。

 

此方は無駄な戦いをするのだから、そちらは費用を賄えと当たり前の要求をする。

 

殆どの領主は、地位が上の者から要求された事に対しては条件や断る事が出来ないが、我等が主人、華琳様違う。

 

当たり前のことなのだから、当然に要求する。

 

 

「、、、、、、、、、、」

 

 

笑みが消えた陳珪殿。全てが自分の思い通りに進んだと思った矢先に、全額の費用負担が求められるとは流石に思っていなかった様だ。

 

少し考える時間を開けてから、、、、、、、、小さくほぅと息を吐く。

 

 

「えぇ、それで結構よ。」

 

 

と、再び笑みを浮かべて了承した。

 

 

「半月持たせなさい。それで、その賊は一人残らず駆逐してあげる。」

 

「準備に半年と言われて助かったわ。こちらも州内の根回しをもう少ししておきたいから、その時点で改めて遣いを送るわ。」

 

 

ここまでで、今回の会談は終わりのようだ。

 

その後、娘の陳登を紹介し直ぐここから出立した陳珪殿。

 

2人を見送り終えると、謁見の間に将を集め、軍議を早速開く華琳様。

 

 

「あのお方、、、、、、、どこまでが本心だったのでしょうか?いくら戦力が心許ないとは言え、他国の兵を自領に引き入れるなど、、、、、」

 

 

心配そうな表情を浮かべ、疑問を口にする柳琳。

 

 

「さあね。けれど、これで貸しを作っておくのも悪くはないでしょう。もちろん、向こうに良いようにされないように、色々と根回しは必要だけれど、、、、、、、まずは許昌ね。」

 

「許昌というと、まさか。」

 

 

秋蘭が考え込むと、直ぐに華琳様が誰に伝令を送ろうとしているのか思いつく。

 

 

「秋蘭が思った通りよ。門前将軍、張純殿に根回しをお願いする事になるわ。」

 

「琶那(ベナ)様の元に遣いを送るのですか!?でしたら、その役目は私にお任せいただけませんかお姉様!」

 

 

何時もの穏やかな雰囲気を吹き飛ばす勢いで立候補する柳琳。

 

 

「安心なさい。元々、貴女に頼むつもりだったわ。でも、今はゆっくり汗でも流してからでも遅くわないでしょう?ねぇ、栄華?」

 

「く、出遅れましたわ、、。何故、柳琳ばかりに良い所を、、。前だって、柳琳が、、、、、、」

 

 

爪を噛みながら、ブツブツつぶやき続けている栄華は華琳様の言葉が聞こえていないようだ。

 

 

「はぁ、またね。この娘はなんでこんなに拗らせてしまったのか、、、、、、。栄華!」

 

「は、はい!なんでしょうか華琳お姉様!」

 

「休みたいのだけど、準備はできているのかしら?」

 

「はい!お風呂も、寝床も、お食事の準備も整えて御座います!」

 

「ならば、今日の所は解散!柳琳は明日以降、準備が出来次第出立しなさい。」

 

「「「「「「ハッ!」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜一方その頃の許昌の執務室〜

 

 

 

「べ、ベナ。もう、おれは無理だ、、、、、、、。」

 

「北郷さん!私を置いていかないでください!私だけでは抑えきれない!」

 

「ベナ、お前に拾われたお陰で、生き延びた、、俺だから。お前に恩を返そうと、、、頑張ったんだぜ?でも、やっぱり俺は役立たずだったのかな?」

 

「北郷さん!いえ、貴方は役立たずではありません!貴方と居るととても楽しかったです!私に始めて親友ができたんだって思えました!だから私を置いていかないでください!」

 

「ベナ!」

 

「北郷さん!」

 

「すま、ん。やっぱり、もう無理〜、眠い、Zzz〜」

 

「北郷さん!起きてください!私だけではこの量の書類は処理出来ません!北郷さぁぁんーー!!!?」

 

 

翌日、処理済みの竹簡の山に埋もれた男性2人が、文官達に発見されたとか、されなかっただとか、、、、、、、、、、

 

 




ベナウィを本当は真名にしたかったんですが、感じにするのが難しかったのでベナにしました。

あと、柳琳と栄華、香風可愛い!


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