五等分の花嫁:短編集 (Rufaly_2)
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妻は女優、娘は独占欲が強い

今回は一花編です


 

「お父さん暇〜」

「そうだな...」

父である風太郎は娘である一沙(いちさ)と家であるマンションで退屈そうにしていた。風太郎は学校の教師をしていて妻は女優をしている共働きの家族だ。当初働くつもりだったが妻が「貢ぐから働かなくてもいいよ!」と言った。流石に貢ぐことだけは避けたいという風太郎は働くことを選んだ。

「お母さんまだ帰ってこないの?」

「そうだな。じゃあお母さんに会いに行くか?」

「うん!」

車で約30分走らせて俺と一沙は妻が働くスタジオに来て、受付に話を通してもらって案内される。

「ここです」

「ありがとうございます」

案内された楽屋を開ける。

ん?ノックをしろ?知らんな。

「あの〜ノックをしてって風太郎?!」

「まぁ、うんすまんな一花」

そう俺の妻は女優である中野一花こと上杉一花だ。

ん?女優なのに普通に結婚報道とかいいのかって?そんなもの高校卒業と同時に報道した。

この事に関しては本人の意志だ。

付き合って当初の頃は本人は本気で世間に公にしようとしてた。本人曰く「私を狙ってくる輩とかいるから公にした」

うん。俺は必死に止めたよ。

しかしその結果マネージャーにも圧力を掛けた。マネージャーはやめろと言ったが一花が「じゃあ、女優辞めます!」と言って公になった。

その公になった4年後に結婚そして1年後には一人の娘を授かった。

現に今いるのがその娘の上杉一沙だ。

見た目は一花の幼い頃をコピーした感じだで顔は一花そのもの髪の色は俺と同じ黒で性格クールかつ冷静。しかし母親に似ているせいか独占欲が強い。この前なんてこうだった。

 

「お父さんお帰り!」

仕事場から帰って来て一沙が速攻で玄関に出迎えてくれる。

「ただいま」

一沙の後ろから一花も来る。

「お帰り風太郎」

「ただいま」

一花は俺に抱きつこうとするが一沙に止められる。

「お母さんはダメ」

「何でかな?」

「お母さんは夜いつもイチャイチャしてるでしょ?」

「それが何?」

「だからその間は私がお父さんとイチャイチャする」

「それは困るな〜。お父さんは私とイチャイチャしたいと思うよ?ねぇ、お父さん?」

無言の威圧。

「それはない。イチャイチャしたいのはこのお姉さんだよねお父さん?」

俺は娘に手を出すようなやつじゃないんだが...

そして母と娘の言い争いに俺も巻き込まれる。

 

とこのように独占欲が強いそれ故俺の遺伝子を受け継いでいるのか頭の回転が早い。

とても一花の子供かと思うぐらい。いや、俺の子か。

「すまんな急に来て」

「別にいいよ。さ、入って」

一花に案内されて楽屋に入る。そこには食べかけの弁当があった。おそらくこれからまた撮影か何かだと思う。

「大丈夫だよ。弁当食べたら帰る予定だから」

何で頭の中読んでるの?エスパーですか?

「帰ったら...ね?」

この後は大抵わかってる。一沙をらいはに預けてホテルに行くと思う。そこだったら人目を気にせずにヤれるからな。大抵ヤるときはそうしてるからな。仕方ないだろ女優だぞ。もし、家でやって喘ぎ声なんて出してみろ「あれ?女優の一花の声じゃね?」ってなるぞ。

「お母さんはまだ撮影してていいから。お父さんは私と二人きりになりたいと言ってる」

おーい。勝手に嘘をでっち上げるな。

「違うぞ」

「そうよ〜お父さんはお母さんと永遠にイチャイチャするって言ってたよ」

お前もお前で争ってんじゃねえよ。

今日も家の家族は平和です。

 

 




次回は二乃編です。
近い内に投稿いたします。


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妻はオーナーシェフ、娘は暴走機関車

今回は前回言った通り二乃編です。


 

「お父さん大好き!」

「わかったわかった」

そう言って俺は足にしがみついている娘を引き剥がす。どうして好意が暴走機関車に育ってしまったのだろう妻の影響なのかもしれない。以前も妻は暴走機関車だった。

その妻は今では収まってるいるのに今度は娘とは...

「ただいま〜って...あー!フー君は私の物よ二愛(にあ)!」

妻の名前は中野二乃こと上杉二乃。

俺が家庭教師をした時の元教え子。

「だって私のお父さんだもん!」

「私の夫でもあるんだけど!いいからフー君を返しなさい!」

で、今二乃と口論しているのは二乃に瓜二つの娘の二愛だ。俺と二乃の大切な娘なんだが...

「ダメ!お母さんはいつもお父さんとイチャイチャしてるからダメ!」

「大人はいいんです!」

とこのように毎日子供じみたケンカする。

本当に俺と同じ年齢なのかと疑うレベルだぞ。

「お前ら落ち着け」

俺が二人にそう問いかけても...

「「黙ってて!」」

「はい...」

とこのように返り討ちにあう。

そして言い争いが終わるのを待つ。これが俺にとっては日課となってしまっていた。恐いものだな。

 

二愛が布団で寝て二人きりの時間が訪れた。

「やっと二人きりで話せる。もう二愛ったら我慢強いにもほどがあるわよ」

「そう言うなよ。可愛い娘だろ?」

「可愛いけど...フー君の娘でもあるわよ。性格まで誰に似たのやら」

いや、性格はおもいっきり二乃似だと思うがな。

「それよりほら...」

そう言って二乃は頭をナデナデしてほしいアピールをする。分かりやすくて助かるよ。

「えへへ...」

二乃は頭をナデナデしてもらってご機嫌のようだ。

「お疲れさん」

「フー君のお陰で明日頑張る!」

「そうかオーナーシェフだっけ?」

「うん!」

二乃の職業はホテルのオーナーシェフだ。

高校卒業と同時にフランスに留学して様々な料理について学ぶ。その後ホテルでのシェフを職にする。そして半年も経たずに若くしてオーナーシェフとなった。その後俺と結婚。翌年に二愛を授かる。改めてみると経歴凄いな...

それと二愛と二乃が何故言い争いをすることについてだが...

 

*回想

 

先週だった。

「フー君大好き!愛してる!」

「俺も愛してる」

二愛の前でどうどうと俺と二乃はイチャイチャする。

二愛はなんかプルプルも怒り震えている。

「二愛どうした?」

「お父さん私も愛してる!」

「えっ?!」

「に、二愛?!」

「だからお母さんより私を愛してよ!」

とわけわからんことを突然と言い出した。

「あのね二愛。お父さんは勿論二愛のことも愛してるわよ」

「けどお母さんを一番愛してるんじゃないの?」

返す言葉がない。

「まぁ、お母さんを愛してるかな」

「フー君...好き!好き!好き!もう大好き!」

すまん二愛。お母さんには逆らえないんだ。

「だったらお母さんよりも私を一番愛してるようにするもん!!」

そしてここから二愛が暴走機関車化としたのであった。

 

*回想終了

 

「それでね...って聞いてる?」

「ああ...聞いてる聞いてる」

「嘘だ。何か考え事をしてたでしょ?」

「してないしてない」

「嘘つき私がさっきから呼んでも反応しなかったもん」

「なんて呼んでた?」

「セックスしよって」

「ブー!!」

俺は飲んでいたお茶を吐き出した。そうだ二乃も二乃で暴走機関車なんだった。

「フー君汚い」

「誰のせいだと思ってんだ」

とこんなやり取りが続く。

「寝ている姿は可愛いのにな」

俺は寝室で吐息を立てて寝ている二愛の方に目を向ける。

「そうね...」

「お母さん...お父さんは渡さない...ムニャムニャ...」

「夢でもやってんのかよ」

「わ、笑わないでよ!」

思わず笑ってしまった。

「悪い悪い」

我が子を見守りつつ俺達も寝る準備に取りかかる。

今日も家の家族は平常運転です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回は三玖編です。お楽しみに


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妻は喫茶店オーナー、娘は甘えん坊

今回は三玖編です。



「ただいま」

住んでいるマンション6階の玄関のドアをガチャと開ける。

ドタドタと奥から足音が聞こえる。

「「お帰りなさい!」」

妻と娘が玄関に来て俺を出迎えに来てくれる。

娘は俺に抱きついてきた。

「はは。ただいま三緒、三玖」

抱きついてきた三緒をよっと抱っこする。

後ろから三玖がムスッとした顔で俺を見てきた。後でしてやろう...

「そんな顔するなよ三玖後でしてあげるから」

「ホントに?」

三玖が上目使いで見てくる。なにこの生き物。天使かよ。

「あ、ああ」

三玖はくるりと回って...

「楽しみにしてるね」と笑顔で言ってリビングに戻っていった。これは夫婦の営みをするという意味だ。大抵こうなると三玖の機嫌を取るためにはこれしかなかった。以前にも戦国武将とかやってみたが効果はなかった。今日は長い夜になりそうだな。

抱っこしていた三緒を下ろしてリビングに入る。そこで目にしたのは...

「フータローご飯出来てるから」

三玖は腰ちょっと上まで伸びた髪をポニーテールにして言った。料理をするときはいつもポニーテールだ。しかし料理を止めると同時にポニーテールを止める。

机の上に広げられた料理だった。時間は既に7時を回っていた。

どの料理も三玖が全て作った手作り料理だ。こう見えても三玖は今、昔お袋がやっていた上杉家の喫茶店の2代目オーナーをやっている。

俺は一旦寝室に入ってスーツから私服に着替える。

着替え終わると既に席に着いている三玖と三緒が俺を待っていた。料理は家族全員で食べた方が美味しいからな。

いただきますをして料理を口に運ぶ。

うん。美味い。

当時のダークマターとは言えないが石コロッケを作ったやつとは思えない。

 

____________________

 

 

その後お風呂の時間がやってきた。

「三緒。ママと入りましょうね」

「やだ。パパと入る」

「フータローお願いできる?」

「ああ」

俺は二言で了承したあと寝室からパジャマを取ってきた。

風呂の湯船に浸かるとたちまち三緒が俺に抱きついてきた。

「三緒は甘えん坊だな」

「......」

三緒は黙りを決め込んだ。

こう見えて三緒は引っ込み思案で、自信がない。しかし俺に似て頭がよい。

「三緒ね。大きくなったらパパと結婚するの!」

娘には一回は言われたい言葉が出てきた。

「はは。それは楽しみだ」

「ダメ。パパは私のもの」

三玖が風呂のドアを開けて入ってきた。バスタオルを巻いてって入る気満々かよ。

その後三玖と三緒の親子喧嘩をしばらく見させられたフータローであった。

まぁ、幸せならなんでもいい。

 

 

 




次回は四葉編です


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妻はインストラクター、娘は元気一杯

最近嵐の曲をよく聞くようになってきた(どうでもいい)
はい。四葉編です。
五月編が終わったら短編集を次々と投稿していく予定です


 

休日の明くる朝目をそっと目を覚ます。

カーテンの隙間から太陽の陽射しがまるで俺を照らすかのように入ってくる。

するとドタドタと足音が聞こえる。

「お父さん起きた!」

バターンと勢いよく寝室のドアが開く。

「あー!風太郎やっと起きた!」

「四葉二日酔いなんだ!まだ寝かせてくれ!」

コイツは中野四葉こと上杉四葉。

中野家五つ子ご姉妹の四女であり16年前に京都にて俺を冤罪に陥れかけられたところを助けてもらったことがある。まぁ、今思えばその事があったお陰で今の俺がいる。正直言えば感謝しきれないほどの恩がある。

「何言ってるの?今日は私のイントラクターの仕事に着いてくるって言ってたじゃないのよ〜」

「そう言えば二日酔いで言ったような...」

そう、妻は今イントラクターの資格を持っている。体育専門だが...しかし人望が高い。夫の俺としては誇らしい妻だと思う。

「お父さん言ってたよ」

この子は娘の風叶。

俺と四葉の一人娘。四葉をまるまる小さくした感じで、優しい目に悪め...可愛いらしいリボンが目立つ。俺に似て頭もいいが四葉に似てお人好しの性格もある。

そして来年にはお姉ちゃんになる。

「まじか」

 

____________________

 

 

ということで四葉が仕事をしている場所に車で来たわけだが。

「「「お疲れ様です!!四葉先生!!」」」

「おっはよー!」

四葉が物凄く慕われていることを知った。

四葉を慕っている人はほとんどが女性で、男性は慕っているかは惚れている気がする。ほら、嫌らしい視線をしてる。

「先生その人は誰ですか?!」

一人の男性がワナワナとした常態で聞いてくる。

「私の夫の上杉風太郎だよ!」

四葉はドストレートに答える。

「?!」

「あ、どうも夫の上杉風太郎です」

とりあえずペコリと挨拶をする。

顔を上げると四葉を慕っている女性が俺の方をまじまじと見つめてくる。

「な、何でしょうか?」

「四葉先生の旦那さんって...超イケメン!!」

「はっ?」

思わず拍子抜けな声を出してしまった。

「お父さん〜」

風叶が俺のズボンの裾をひっぱる。

「なにこの可愛い子!まさか四葉先生の子?!」

「まじ?!」

「名前なんていうの?」

女性からこの年で質問攻めにあっていたらは普通は泣くだろう...しかし風叶は違う。

「上杉風叶5才です!」

「「「可愛い...」」」

風叶の可愛いさには男性も女性もメロメロだろう。だって...

「お兄ちゃんたちもお母さんのせいとさんたちなの?」

「あ、ああ。そうだよ」

「じゃあ、風叶のお友達ってことだね!」

「ええ...」

「ダメ?」ウルウル

「ダメじゃないぞ!お友達だぞ!」

「やったぁ!風叶のお友達!」

ちなみに何故風叶がこの人たちをお友達と言うのかは四葉が「風叶のお友達はお母さんのお友達でもあってお母さんのお友達は風叶のお友達だよ」とわけのわからん。事をこの前教えていたから。ほら...

「風叶ちゃん!走らない?!」

「風叶ちゃん!こっちで競争しない?!」

「風叶ちゃん!あっちで筋トレしない?!」

おい。風叶に何させるつもりだ。コラ。

そう言って風叶は四葉の生徒に連れられてグランドで走っている。元気が一杯でなによりだよ。

「風叶連れてきてよかったね」

「すっかり馴染んでるよ」

「風太郎の子だからだよ」

そう言って四葉は俺の口にキスをした。そのところを先ほどまで風叶と走っていた赤面した四葉の生徒たちがまじまじと見つめてくる。

その後四葉のあだ名が「四葉先生」から「四葉姐さん」となるとこになるとは知るよしもなかった。



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妻は教師、娘は食欲旺盛

今回は五月編です。


 

「お疲れ様です」

「「「お疲れ様でした!!」」」

午後4時職員室を出て溜め息を付く。

どうして今時の高校生はすぐに下ネタに走るのだろう...やはり思春期が原因か?

「溜め息吐いてどうしたんですか?」

横を見ると一人の女性が立っていた。

「五...中野先生ですか」

「なんですか!その残念そうな顔は!」

俺はそんな残念そうな顔をした覚えはないんだが...

「それより早く行きましょう」

はいはいと答えて教師用の玄関から出て車に乗る。五月も遅れてやってくる。

ちらりと横を見る、なんとも美人なんだ。沈みかかっている太陽が照らし出している。

「なんですか?上杉君いや、風太郎」

ニコッとした笑みはまるで女神みたいだった。

さて、自己紹介が遅れたな俺の名前は上杉風太郎。母校である旭高校で教師をしている。そしてこの隣にいる女性は上杉五月。俺の妻で世にも珍しい五つ子姉妹の末っ子でもある。今は同じ母校である高校で教師をしている。しかも俺が担任で五月は副担というなんとも仕組まれているだろとツッコミたくなるような組み合わせだ。さらに学校の都合上名前は旧姓「中野と名乗っている。

 

____________________

 

 

車を止めてシートベルトを外して外に出る。

「早く行きましょう。待ってますよ」

「そうだな」

やって来たのは俺の家の近くにある幼稚園だ。

駐車場から約数十歩歩いて門を開ける。

「あ、お父さん、お母さん!」

タッタッタとこちらに一人の女の子が走ってくる。五月に似てセンスの欠片も...センスのあるヘアピンを着けていてる。

「あ、お父さんとお母さんですか!いつもお迎えご苦労様です!」

「こちらこそいつも五美(いつみ)がお世話になってます」

まぁ、俺はいつもというほどじゃないがな。大抵は五月が来ている。

今俺の足の裾を引っ張っているのは俺と五月と娘である。名前は上杉五美。母親の五月に似て敬語かつ俺と五月がキスをしようとした途端「不純です!」と言う。それ故凄く食欲旺盛。それに俺と同じく頭がいい。

「いえいえ。五美ちゃんいつもお利口で助かってますよ」

そう言えばまえに五月が五美のこと話してくれてたな。

『今日ね先生から「五月ちゃんには助かってますよ。いつも先頭に立って物事を済ませて、年下の子の面倒とかみてくれて」って言ってて。もう嬉しくて...』

その時の五月の笑みがニタァとしてて不覚にもブバァと飲んでいていたお茶を吐き出してしまった。

「そうですか...」

「お父さん、お母さん早く帰ろー!」

「あ、ああ。では、また。よろしくお願いいたします」

俺は五美に手を引っ張られながら幼稚園を後にする。

 

____________________

 

 

日が沈み月が出てきて、俺たちは夜ご飯にしたんだが...

「「いただきまーす!!」」

二人とも食欲旺盛すぎる。五月に至ってはご飯7杯もおかわりをするようになっている。五美は5杯という信じられない光景を目の当たりにしているのだが...日常茶飯事なので気にしないようにしているが...こう毎日こうもたくさんご飯を使ってしまっては白米が心もとい。

「お前らあんまり白米おかわりしすぎるなよ。じゃないと...」

「「ん?」」

二人ともリスみたいに頬に食べ物を摘めている。

「これからはご飯おかわり2杯までにするように」

二人は青ざめた顔をしていた。頬に摘めているご飯を飲み込み抗議する。

「お父さんそれはダメです!ねぇお母さん!」

「勿論です!でないと餓死してしまいます!」

ねー!と二人顔を揃えて言う。

というか2杯で餓死するってお前の胃袋はブラックホールか?

とまあなんとか抗議して説得は出来た。

ご飯を食べ終え、テレビを見終え、風呂に入り五美はカーペットの上でスヤスヤと寝てしまった。

五月は五美を抱っこして布団の上まで連れていき、毛布を掛け、リビングに戻ってきた。

「全くお前ら親子は食欲旺盛なんだろうな」

「仕方ありません。お腹が満腹にならないんですから...」

満腹にならないってどういうことだ?とうとう腹の中にブラックホールでも買い始めたか?

しかし、ここで「太るぞ」と言ったら逆戻り効果となってしまう。

「ですが、風太郎の言うとおりご飯はこれから2杯にしますね」

「そ、そうか」

「その代わり...」

「え...」

五月はソファーに座っていた風太郎を押し倒し腰の上に股がった。

「風太郎を食べます」

そう言って五月は大胆にもキスをし、舌を絡ませてきた。

「なら、食べてみろ」

その後二人はお互いに甘いものをいただきました。しかしトイレと言って起きてきた五美にバレて中途半端な形で終わったことは本人たちも知るよしもなかった




次回から曲のタイトルを使ったタイトルになります


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Love so sweet

「Love so sweet」の意味は甘い恋という意味です。
アーティストは嵐です。


 

もうすぐ高校生活も終盤となった。

2月14日バレンタインデー。

去年フータローに直接渡すはずだった手作りチョコは渡す前にフータローが食べちゃって渡せなかった。そのままにしておいた私もいけないんだけどね。

二乃は既に用意もしてた。今年は二乃に頼らずに一人で作るつもり。

二乃「もうすぐバレンタインデーね。フー君喜んでこれるわよね...きっと。」

三玖「そ、そうだね。」

二乃「あんたは渡さないの?三玖。」

三玖「渡す!」

二乃「なら、また去年と同じように手伝っ...」

三玖「こ、今年は自分でやる!」

去年と比べたら三玖は料理も少しは上達していた。

二乃「でもいいの?また、ドクロマークが出てきても?」

三玖「今度は大丈夫!!」

二乃は「はぁ」と溜め息をついた

二乃「まぁ、あんたの勝手にすればいいわ。」

三玖「二乃...」

[newpage]

バレンタインデーまで後2日

まずは近くのスーパーで材料を買ってくる。一応今年はガトーショコラを作るつもり。

三玖「材料はと...」

明○ミルクチョコレートと卵、後はグラニュー糖、明○北海道バター食塩不使用、薄力粉、砂糖は家にあるからいいとして、問題なのは型用の明○北海道バター食塩不使用は昨日届いたとして。チョコレートとバターだけは買っておく。

三玖「フータローに喜んで貰えるように作らなきゃ。」

材料を買って帰路に着く。

*****

ガトーショコラに作り方は...

まず下準備をする。

そのあとは生地を作り、そこに下準備で溶かしたチョコレートとバターを入れる。

次は別のボウルでメレンゲを作る。

生地にチョコレートとバターを入れたところにメレンゲを3分の1を入れ泡立てる。

三玖「ここまでちゃんと出来るてる。」

自分でもここまで出来るとは思わなかった。

メレンゲを入れたところに残りのメレンゲを入れさっくり混ぜ合わせる。

出来上がった生地を型に流し入れ、180℃のオーブンで40〜45分焼く。結構長い。

焼き終わったら生地の中央に竹ぐしを刺して、何もついてなければ焼き上がり。

三玖「よかった。何も着いていない。」

後はバレンタインデーで渡すだけ。あ、ちゃんと手渡しで...

[newpage]

そしてバレンタインデー当日家にフータローを呼んでチョコを上げた。二乃はバイトの時に渡したらしい。店長にもけど義理チョコだったらしい。

風太郎「三玖、今日は家庭教師の日じゃないぞ。」

そう言っておきながら顔が少しニヤついている。バレンタインって事を知っているに決まってる。

三玖「いいからいいから。」

三玖は風太郎を炬燵に入らせて待ってるように言った。

そして冷蔵庫から手作りのガトーショコラを渡した。

三玖「た、食べてみて...」

風太郎「美味しそうだ。」

風太郎は三玖が用意したフォークでチョコを口に運んだ。

風太郎「うん。美味い。」

三玖「ホント!」

風太郎「ああ。一人で作ったのか?」

三玖「う、うん。」

風太郎は三玖の頭を撫でた。

 

風太郎「俺のためにチョコを作ってくれてありがとう。」

三玖嬉しさで顔が真っ赤になっていた。しかし三玖は決めていた。告白すると。

けど顔を風太郎から背けてしまった。

風太郎「三玖こっちを向いてくれ。」

三玖「今向いたらフータローに笑われちゃうから向きたくない。」

風太郎「三玖...俺からは渡すものはないが言いたい事はある。」

三玖「フータロー...」

風太郎「好きだ。」

三玖は風太郎の告白に驚きを隠せなかった。

三玖「えっ...ほ、ホント!?」

風太郎「ホントだ!!男に二言はない!」

三玖は嬉しさのあまりに風太郎に抱きついた。

 

風太郎「三玖...苦しい。」

三玖「ご、ごめん!」

三玖は体を起こし風太郎の横に座った。

三玖「いつから好きだったの?」

風太郎「去年三玖達のおじいちゃんの旅館で最後にお前だとわかったときからだよ。そこから気付いた。俺は三玖が好きだと。」

三玖「フータロー...キスどうだった?」

風太郎「キスって...あれ三玖だったのか?!」

三玖「えっ...知らなかったの?」

風太郎「す、すまん!三玖だとは知らず...」

三玖「フータローなんてもう知らない!!」

三玖はそっぽを向いた。けど向いたのは顔を見せられないほどだったからだ。

けどバレンタインデーに三玖と風太郎は甘い恋で結ばれた。これは生涯変わらないであろう。

 




次回も曲タイトルです。


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One Love

[One Love]の意味は「一途の愛」と言う意味らしいです。


 

どんなに伝えたくても伝わらなかった。

時には素直にはなれなかった。

けど高校を卒業と同時に伝えることにした。

「フータロー...好き。」

泣いた季節もある。けどフータローがいたからこそ越えられた。

「えーっと...友達としてだよな?」

「違うよ。異性としてだよ。」

「けど、俺とお前は教師と生徒だ...告白は嬉しいが付き合うことは...」

「生徒とか教師とか関係ない!私は本気でフータローの事が好きなの。」

「三玖...」

「フータローがいれば私はどんな事も諦めよい!!」

「三玖...わかった。付き合おう。」

「フータロー...」

 

あのときから五年も経った。

私とフータローは結婚する。私達の幸せはやがて大きな愛になっていく。

「新郎入場。」

フータローが入場した後に私も入場をする。皆が参列している。お父さんの姿はないけど。らいはちゃんにフータローの義お父さん...フータローのバイト先の店長。フータローと関わっている色んな人達が参列していた。

「新婦入場。」

いよいよ私が入場する時が来た。フータローのタキシード姿は更にフータローをカッコよくさせている。

私とフータローが入場が完了した。そして式が本格的に始まる。

「あなたは新郎を、病める時も健やかなる時も、富める時も貧しき時も、夫として愛し敬い慈しむことを誓いますか?」

「はい。」

「それでは指輪の交換を行います。」

指輪の交換をする。

そして誓いのキスをする。

フータローがベールを上げる。顔が近くて今にも緊張しすぎて死にそうなぐらいに。

「フータロー緊張してるの?」

勿論私も緊張している。

「思い出して五年前のあの日を...初めてじゃないでしょ?」

そう私とフータローのキスは5年前のおじいちゃんの旅館に泊まりに行った時に皆で五月の姿になっていた。けどフータローは見分ける事が出来なかったけど...最後の日に私を見分ける事ができた。皆で写真を撮って帰ろうとしたけど。もう一度見分けてほしかったから私はフータローにキスをしようとしたけど転んだ拍子にキスをしてしまった。告白した後フータローは拍子抜けしてた。

そして私たちはキスをした...

[newpage]

初夜

結婚式が終わり私とフータローは初夜を迎える。

「フータロー...」

「三玖...」

私達は朝までお互いの体を愛し合った。

気がつけば初夜が終わっていた。

かけがえのないフータローとの出会いが私達五姉妹を変えた。

どんな時も支えてくれたフータローは今日から正確には昨日から私の旦那様となった。

「フータロー覚えてる?」

「何をだ?」

「雨の中フータローが...」

「ホントに悪かったって。」

私とフータローが付き合って数日経った頃にデートをすることになった。けど物凄い雨だった。皆にはやめた方がいいって言われたけど私は行った。けどフータローは来なかった。何時間も待ったけど一向に来なかった。私が帰ろうとした瞬間にフータローは来た。その時は泣き出しそうだった。

その時フータローは物凄く謝ってくれたのを覚えている。フータロー曰くらいはちゃんが風を引いて看病していたらしい。その結果がこれだったフータローらしい。

「今でも悪いと思っている。」

「けどあの後に二人で...」

「やめてくれ...」

私がびしょびしょで濡れていたから近くのホテルでシャワーを浴びた。ホテルと言っても普通のホテルじゃなくてL○○Eホテルだった。シャワーを浴びたあとに物凄く愛し合った。お互い初めてだっため色々と時間はかかった。そのあと服が乾くまでずっと愛し合っていた。幸い妊娠はしなかった。

「お互い初めてだったよね。」

「三玖があんな顔をするとは思わなかった。」

そう言ってフータローはスマホを見せた。

「なっ?!」

これに関しては恥ずかしすぎるので言えないけど...ヤラシイ自分だということは確かだ。

「撮ってたの?」

「あまりにも可愛かったもので...」

「フータロー!!」

フータローは悪い悪いと言ってるけど私は本気で怒ってるつもりだった。

「三玖...」

「フータロー...」

フータローが私にしてくる一つ一つの好意は物凄く愛しかった。

「フータロー愛してる。」

フータローの頬にキスをした。

「俺もだ三玖。」

そしてまた二人の世界に入ったいった。

この一途の愛を100年先も誓おうと思う。

フータローにとっては私の全て、私にとってフータローは私の全て。

世界中にただ一人私を選んでくれたフータロー...心から愛してる。



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