「『シャミ子が悪いのよ(ミカン×シャミ子)』?」 (ポテチ096)
しおりを挟む
「『シャミ子が悪いのよ(ミカン×シャミ子)』?」
シャミ子「こんにちは、ミカンさん」
ミカン「よく来てくれたわね、いらっしゃい。さ、上がって上がって」
シャミ子「お邪魔します」
ミカン「今、飲み物持ってくるわね。アイスティーでいいかしら?」
シャミ子「はい」
ミカン「ちょっと待っててね~」
ミカン(よし、自然な流れで飲み物を進めることができたわ)
ミカン(あとはこの柑橘系由来の怪しいお薬をアイスティーに混ぜれば……)
シャミ子「それにしても珍しいですね、ミカンさんが柑橘系ジュース以外の飲み物を勧めるなんて」
ミカン(ギクッ!!)
ミカン「こ、このアイスティーは柑橘系の味なの」
シャミ子「なるほど、それなら納得です」
ミカン「とにかく飲んでみて。味には自信あるから」
シャミ子「それでは遠慮なく……あ、ほのかに柑橘系の味がして美味しいです」
ミカン(よし、飲んだ!後は効いてくるまで時間稼ぎをするだけね)
ミカン「でしょ?」
シャミ子「これ、ミカンさんが作ったんですか?」
ミカン「そうよ」
シャミ子「凄いです!良かったらレシピ教えて下さい」
ミカン「構わないけど後でもいいかしら?先に話したいことがあるの」
シャミ子「話したいこと?」
ミカン「ええ、大切な話よ」
シャミ子「どんな話なんでしょう。なんだか胸がドキドキしてきました」
ミカン(薬が効いてきたのかしら?いえ、ただ緊張してるだけかもしれないし、焦りは禁物ね)
ミカン「前に二人で映画館に行ったのをおぼえてる?」
シャミ子「もちろんです。あの時はとっても楽しかったですね」
ミカン「そうね。じゃ、その後の桃の様子も覚えてる?」
シャミ子「はい。表面上はいつも通りでしたけど、どこか寂しそうだったのをよくおぼえてます」
ミカン「寂しそう、か。シャミ子にはそう見えたのね」
シャミ子「ミカンさんは違ったんですか?」
ミカン「私には桃が嫉妬してるように見えたわ」
シャミ子「嫉妬……」
ミカン「自分を置いて楽しそうに遊んでいる私たちを見て、つい暗い感情を抱いてしまったんでしょう。シャミ子はそんな経験したことない?」
シャミ子「……」
ミカン「その表情は思い当たる節がありそうね」
シャミ子「はい」
ミカン「きっとあの時の桃もそんな気持ちだったと思うわ」
シャミ子「桃には悪いことをしてしまいました。反省しなくては」
ミカン「その素直なところがシャミ子のいいところね。いい子、いい子」
シャミ子「と、突然、頭をなでるなー!!あ、でも気持ちいい。ふわふわする~」
ミカン(どうやら完全に薬の効果が出ているようね)ニヤリ
シャミ子「ミカンさん、撫でるの上手です」
ミカン「ありがとう。シャミ子が満足するまで、好きなだけしてあげるわよ」
シャミ子「えへへ、ありがとうございます」
ミカン(可愛い……っと、いけないいけない。目的を見失ってはダメ、平静を保つのよミカン)
ミカン「ちなみにね、シャミ子」
シャミ子「はい」
ミカン「私も他人に嫉妬することがあるのよ」
シャミ子「そうなんですか」
ミカン「好きな子が、自分より他の人と仲良くしてるのを見た時とかね」
シャミ子「それは辛そうです。というかサラッと重大なこと言いませんでした!?」
ミカン「?」
シャミ子「ミカンさん、誰か好きな人がいるんですか?知りませんでした」
ミカン「ええ、いるわ」
シャミ子「ち、ちなみに誰なのか聞いても?」
ミカン「いいわよ。私が好きなのはね」
シャミ子(ドキドキ)
ミカン「桃よ」
シャミ子「へっ?」
ミカン「昔、一緒に戦っていた頃からずっと好きだったの」
シャミ子「そうだったんですか。衝撃の事実です」
ミカン「久々に会えた時は、喜びの余り変な態度を取っちゃうくらい嬉しかったわ」
シャミ子「確かにあの時のミカンさんは妙にツンデレちっくな振る舞いをしてて、不自然さが溢れ出てました」
ミカン「あ、あれは恥ずかしいから忘れてっ!!こ、こほん。話を戻すわね」
ミカン「これからしばらく大好きな桃としばらく一緒に居られるって思ってたのに、現実はそうはいかなかった。何故だかわかるかしら?」
シャミ子「えーっと、ひょっとして私のせいでしょうか?」
ミカン「正解」
シャミ子「ううっ、ごめんなさい」
ミカン「ああっ、そんな謝らないで。責めるような感じになっちゃったけど、別にシャミ子を恨んだりしてないわ」
シャミ子「本当ですか?怒りに任せて、私をまぞく茶柱にしたりしませんか?」
ミカン「茶柱?……なんのことかわからないけど、そんなことする気ないわよ」
シャミ子「よかった~」
ミカン「桃が友達と仲良くするのを咎める気なんてないもの」
ミカン「でもね、シャミ子。頭ではそう考えていても、私抜きで二人が仲良くしているのを見ると、私の意思とは関係なく嫉妬心がわき出てきちゃうのよ」
シャミ子「ミカンさん……」
ミカン「今は大丈夫だけど、いつかこの感情をコントロールできなくなる時がくるかもしれない。そうなった時、自分が何をするのか想像もできないわ」
ミカン「そこで私はどうすればそれを避けることができるのか考えたの。そして熟考の末に出た答えが『シャミ子を私のモノにする』だったの」
シャミ子「えっ?はっ?今なんて?」
ミカン「あら、聞こえなかったかしら?シャミ子を私のモノにすると言ったのよ」
シャミ子「聞こえてましたけど、唐突過ぎて聞き間違いだと思いました!!」
ミカン「驚かせてしまってごめんなさいね。じゃ、そういうことだから」
シャミ子「そういうことって言われても……ちょ、ちょっとミカンさん、近い、近いです!!」
ミカン「嫌なの?それなら払いのければいいんじゃないかしら?」
シャミ子「もちろんそうしま……」
シャミ子(あれ?なんか腕に力が入らない。それにミカンさんを見てると心臓がバクバクする)
シャミ子(私、どうしちゃったの?)
ミカン(ふふ、困惑してるようね。心配しないでシャミ子、それは薬のせいよ)
ミカン(ま、せっかく上手くいってるのにわざわざネタばらしはしないけど)
ミカン「抵抗しない、ってことは受け入れてくれるのね?」
シャミ子「ち、ちが……」
ミカン「シャミ子が悪いのよ?いつも見せつけるように桃と仲良くしてるから」
シャミ子「み、ミカンさん。やめ……」
ミカン「そんなに緊張しないで。私に全て任せなさい」
…
……
………
桃「『そしてシャミ子はミカンに身を委ね、めくるめく快楽の世界へと……』……リリスさん、これは何なのかな?」
リリス(inごせん像)「お、落ち着け桃。未だかつてないほどに膨れ上がった魔力を抑えるのじゃ」
桃「良ちゃんからリリスさんと協力して書いた小説の感想を求められたから読んでみたら、知り合いがモデルの官能小説だったんですよ?落ち着けると思いますか?」
リリス「でも良い出来じゃったろ?」
桃「そういう問題じゃない。というか反省してませんね?」
リリス「ひ、表現の自由というものは憲法で保証されていてだな……」
桃「封印されているまぞくには適用されませーん」ガシッ
リリス「な、何をするつもりじゃ!?」
桃「空で反省して下さい!」ポイー
リリス「シャミコタスケテー」
桃「まったくリリスさんったら。こんなのをミカンが読んだら一体どうなることやら……あれ、なんか水が顔に。おかしいな、さっきまで晴れていたんだけど」
桃の頭上だけに局所発生した雷雲「コンニチワ-」
桃「あっ(察し)」
桃「そ、そういえば家を出る前にミカンが『今日は良子ちゃんとお出かけする約束してるの』って言ってた気が」
その頃のミカンと良子
良子「どうでしょうかミカンさん。良ければ感想を聞かせてもらえませんか?」
ミカン「えっ?えっ?これ何??私とシャミ子がこんな破廉恥なこと!!」
ミカン「で、でも意外とありなのかしら?そうなのかしら??あー、ドキドキして心拍数が!!」
頑張れミカン、自分が登場するエロ小説を読んでも動揺しない心の強い魔法少女になるんだ
終
目次 感想へのリンク しおりを挟む