機動戦士ガンダムUC【蒼き運命の改修機】 (604技術開発隊)
しおりを挟む

1.休暇と臨時出撃

本作において言える事はみっつだけ

アクトザク万歳!!!
EXAM万歳!!!
改修機万歳!!!

ネオジオンバンザーーーーイ ドーン

以上。

アクトザク リ・デザインについて

ほとんどアクトザクまんまです
ただし、EXAMシステム改が発動すると脱ぎます色々と
武器のブルパップガンが、四連装からそのままの口径のまま八連装に増えてます。
ヒートホークの先のあれがビームスピアになっています
ジオン脅威のメカニズムにより、このアクトザクは、ザクIスナイパーのビームスナイパーライフルを連射できます(EXAMシステム改発動時のみ)。
主な兵装は八連装ブルパップガン、改良ヒートホーク(柄の部分が結構長い、ビームハルバードになる、強い)二本、Iフィールドジェネレーター(脚部に一個ずつ装備)

アクトザク恒例のビームライフルはありません
ビームスナイパーライフル改装備予定なので


めちゃくちゃな機体で一年戦争終結付近の機体であるのにも関わらず、そのスペックはガンダムUCに劣らない

これに関して設定上深く浅い理由があるので、本編にて解説されるまで待ってください。


「折角の休暇だってのにさ、何用さ親父殿」

 

不機嫌そうに歩きながら喋る青年の横を歩く、ゴツい男…キャプテンもといジンネマンは、ただでさえ強面な面を更に強面にする

 

「すまなかったな、この作戦中のお前の休暇続行は反対じゃなかったんだが……マリーダがな……」

 

「ん?あいつがどうかしたのか?」

 

「お前がいないと駄目だ……とか言うんだ」

 

「おいおい……そりゃあ俺はあいつのバディだけどさ、俺がいなくてもあいつ十分強いだろ……」

 

ジンネマンは青年を生暖かい目で見るとこう言った

 

「マリーダを頼んだぞ」

 

「おいおい、俺だってあいつがいねぇと共鳴もできないんだぞ?頼まれなくてもあいつは俺がMS乗ってる間は一生バディだ」

 

どこかずれている気もするが、これがこの二人の通常会話なのだ。

ジンネマンは青年の父親的存在であり、青年はジンネマンの息子的存在だ

と言っても20代前半といった感じの青年をジンネマンは今現在息子的存在から義息子とクラスチェンジさせようとしている。

 

そんなと微塵も気づいちゃいない青年は、ジンネマンと共に母艦へと向かっていた。

 

「で?俺のアクトはどこに格納するんだ?これにはもう入らないだろ?」

 

「船外に張り付ける」

 

「は!?出撃んときどーすんだよ」

 

「お前はその中で待機だ」

 

「ちょっ…てことはインダストリアル7まで俺はアクトのコックピットの中なのか!?」

 

「………頑張れよ」

 

「おいおい……勘弁してくれ……マリーダのクシャトリヤのコックピットは広いし座席の材質も良いけど俺のは改修型だから異様にコックピット狭いし座席は固いしで最悪なんだぞ?」

 

「以前マリーダと二人乗りしていた時にはそんなこと言ってなかっただろ」

 

「マリーダに口止めされてたんだ……何か知らねぇが妙にプレッシャーかけてきて『このことはマスターには絶対話すな』って言われたからさ」

 

「………そうか」

 

「……もういいいや仕方ない……住めば都って言うしな、俺はもうアクトに乗って寝る」

 

青年が軽くジャンプするとふわりと浮き、MSのコックピットへと吸い込まれるように移動する。

 

「………そうか…マリーダが……」

 

========================

 

『ブルー、起きろ!!!』

 

「………何だよマリーダ……っておお!?」

 

気持ちよく寝ていて、同僚に通信で起こされたと思ったら真横を戦艦の主砲らしきビームが通りすぎた。

何なんだこれは!?

 

「おい、こりゃいったいどうした」

 

『ロンドベルだ…敵数6、アシが速いのが2』

 

「特務仕様が2ね……お前一人で大丈夫だろ」

 

敵の母艦を落とすなら俺が出ても良いが、この様子じゃ母艦は無視して逃げるつもりだろう。

ガランシェールは逃げ足が速いからな……

 

『ブルー、お前も出撃だ、ギルボア、固定ワイヤー解除』

 

『はいよ』

 

「おまっ!?お、おい親父!?」

 

『……押しきられてしまってな』

 

「何が押しきられてしまってな……だ!!!」

 

そうこうしているうちにアクトをガランシェールに固定していたワイヤーが解除される

仕方ないか……

 

「アクトザク リ・デザイン ブルー・ワイズマン 出撃」

 

もう仲間を死なせはしないさ

 

========================

データ

ブルー・ワイズマン

最年少MSパイロットになる(この記録はいまだ破られていない)

サイクロプス隊最後の生き残り(兄バーナード・ワイズマンをその時亡くしている)

ドズル・ザビとの面識があるが、その息女とは面識はない(ただし、息女がいたことは知っている)

以上によりガンダムタイプに親しい人を二人殺され、この頃からガンダムタイプを嫌悪するようになる

 

一年戦争後

 

放浪中にティターンズと接触ジェリドと友人になる

ジェリドガンダムタイプとの戦闘により死亡

 

ネオジオン抗争

 

所属部隊が不幸にもガンダムタイプと接触、機体不調によるメンテナンスにより出撃していなかったブルーを除き全滅……

ガンダムタイプと一騎討ちとなり、機体(ギラドーガカスタム)の30%を大破させながらもガンダムタイプを追い詰めるが、ガンダムタイプ離脱により終了

改良され戻ってきたガンダムタイプと戦闘し機体大破、生き延びるものの視力を無くす(以降、インターフェースを搭載した義眼をしている。MSのカメラとリンクしているらしく、脳に直接映像を送り込んでいる模様)

 

様々な功績によりネオジオン上層部より機体が支給さ(押し付けら)れる

上層部の荷物の押し付けにより支給されたアクトザク リ・デザインを見事に乗りこなして見せ、様々な部隊から声がかかるも、昔馴染みのキャプテンがいるらしいガランシェール隊配属を希望する

 

データベースからは以上……

========================

 

スタークジェガンニ機、ジェガン四機

VS

クシャトリヤ、アクトザク リ・デザイン

 

アクトが持っていた八連装ブルパップガンをこちらに飛んで来るジェガンに乱射し、分散させ、無印ジェガンはマリーダに任せて俺は特務を捌くことにする。

 

特務仕様は追加スラスターや散弾バズ等々……少々手の込んだ改修機で、それ相応のパイロットも要求される。

ひとまず散弾バズは俺には通用しない(ビーム散弾なんだこれが)ので、撃ってきてもスルーする……スルーだけに。

 

ゴホン……八連装ブルパップガンは基本飾りで、俺の十八番は近接戦闘だ。

ブルパップガンはひとまず脚に片付けて、腰に装備していた改良ヒートホークを手にする

どこら辺が改良なのか……

 

まず柄が長いのでビームサーベルよりもリーチがある

小型ブースターが設けられている

 

まず一機、ただのザクだとナメているのか油断していたところを高速で接近、ブースターを起動、改良ヒートホークを横に凪ぎ払う

当然その特務仕様はそのまま真っ二つ…パイロットは知らんが蒸発したんだろ。

 

そして一機、今度は中々のやり手で改良ヒートホークのリーチギリギリで戦っている。

 

さて、ここで改良ヒートホーク最後の改良点を発表しよう

 

「残念だったな!!!こいつは突きも可能なんだよ!!!」

 

ヒートホークの柄の先端(石突きとは逆の端な)からビームの刃が形成され、そのまま特務のコックピットを串刺しにする

え、テンションが高い?

こう……テンションを高くしていないと気分が悪くなるんだ。

改良ヒートホーク、別名ビームハルバード……これを使う度に思い出す…兄の最期……ガンダムを撃破し、姿形が無くなってしまった兄の……

 

『ブルー、戻るぞ』

 

「あ、ああ……」

 

いつの間にかマリーダのクシャトリヤにアクトの腕を引っ張られるようにしてガランシェールに帰艦していた。

 

「……すまんな」

 

『いや、私が無理を言ってお前を戦わせているんだ……謝らないでくれ』

 

「いや、親父にお前のことを任せられた以上これは改善しないとマズイ」

 

『マスターから……任された?』

 

「あ?ああ、何かな」

 

『そ、そうか………ふふふ』

 

「………寝るか『わかっている、お前のことだから到着したら起こせとでも言うんだろう?』……まぁな」

 

何故か最近見透かされてる感じが凄い……

腹減ったと思ったらアイスクリーム持って登場するし(何故アイス?)

視線を感じて振り向いたらいつも三歩後ろにいるし……

 

奇妙なことに俺より遅く寝ているのに俺より早く起きているらしい

何があいつをそうさせているんだ?

いつ寝てもいつ起きても、俺より遅く、俺より早くらしい……

何かな…気になるな……何であいつは俺が寝た時間を知ってるんだ?

午後五時に寝て午後十一時に起きて、知り合いに聞いたらその時間頃マリーダの姿を見たやつは一人もいなかった

が、俺が来る少し前に見たと言うやつが数人いた。

本人に聞いたらすんなりとその頃寝ていたと言った。

 

なんだかな………………もういいや眠い



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2.マリーダとブルー

『滅び行く者たちに……』

ミーシャ……

『何て言うかさ、俺はあいつと戦わないといけない気がするんだ……アルにこいつを渡してくれ、俺の自慢の弟なんだからできるだろ?』

バーナード兄さん……

『いつか、否、もうすぐ戦争は終わりを迎える』
『ああ、我々の負けだよ』

………隊長

『どうだ!!こいつが量産されたあかつきには連邦なぞ敵ではない!!!そう思わないか?』

………

『ティターンズとして、果たすべきことは果たす!!!それが俺の信条だ』

……

『おいおいブルー、お前ついてねぇなぁ……この作戦成功すりゃあ出世モンなのによ~』
『おいおい、可哀想だからやめとけって』
『ははは、なぁに出世したら俺達からお前のことも話しといてやるから心配すんなって』
『げっ俺もかよ……』

………

『     』ザッザーザッ

…………………………
………………………
……………………
…………………
………………
……………
…………
………
……



「夢か………重いしキツいし暑いしなんだこれ?」

 

コックピットで寝ていた

これはわかる

でもなんで……

 

「おいマリーダ、何寝てんだ……おいマリーダ、何寝てんだ」

『マリーダオキロマリーダオキロ』

「………」

 

突然だが俺は目が見えない、両目義眼だ。

そんな俺が何故物があたかも見えているように振る舞えるのか……

全てはこいつ、EXAMシステム改のおかげである。

人工知能と位置付けされているこいつは、端末ロボット【ハロ】とアクトのシステムを往き来できるらしく、俺のサポートをしてくれている。

特に俺と行動を共にしているハロ(今後はエグザム)のカメラで視覚を取り戻せるのは大助かり。

ちなみにアクトのカメラともリンクできる

 

「おい、いい加減起きろ……元々狭いのが更に狭いし暑いしで最悪だしかもお前ちょっと重……おい!?コックピットの中で暴れんじゃねぇ!!!」

『ブルー オンナゴコロワカッテナイ』

「そう言うお前わかるのかよ!?」

『エグザムユウシュウエグザムユウシュウ ワカル』

「そりゃお前が元々人間だったからだろ!?」

『ウッ……ナンノコトダカ……』

 

EXAMシステム改……元は人間である。

しかも女性……本体はとっくに消えてなくなってるらしい。

おもっくるしい話を突然されてムカッときた俺がエグザムを思いっきり地面に叩きつけたことは記憶に新しくはないが古くもない。

確かプロジェクトが始動する前のEXAMシステムも人間だったらしいのだが、そいつは目が覚めていて死んでなければどこかにいるらしい。

 

「てかおいマリーダ、インダストリアル7に到着したのか?え?まだ?おい、じゃあなぜここにお前がいる………は?余裕ができたからアクトを艦に戻した?ばっかおまえだったらなんでこんなところにずっといるんだよ………おい今のは流石に俺の唯一の自慢の地獄耳でも聞き取れんぞ」

 

正直こいつの言っていることの大半が理解できない

“お前がいると私は強くなれる”って……それ逆じゃないか?

お前の(人工と言えど)NT能力と俺の(自前の)NT(笑)能力の共鳴でEXAM発動できるわけだし……勿論俺の殺意に反応して発動することもできるがあれは最早暴走状態ってやつだしな

とどのつまりNT(笑)能力と化物改修されたアクト以外俺にはなんの強みもないわけで、ファンネルやらなんやらあるマリーダは鬼強なわけだ

 

『ワタシガイルゾ』

 

あ~はいはいオペレーター(笑)は黙ってましょうね……

ついでによく傷口を抉られたり行動がお見通しだったり……

 

【少しダイジェストで回想してみようか】

 

「ブルー、良い匂いがするな」

 

「くっ、出発前にこっそり食べたハンバーガーの匂いがまだ取れてなかったのか!?」

 

「ブルー、暖かいな」

 

「くっ、聞いた事があるぞ……手やら何やらが暖かい人間は心が酷く冷たかったり荒んでいるそうだ……くっ、自覚はあったが現実をつきつけられるとは……」

 

「ブルー、これをやる……じゃあな」

 

「こ、これはハー○ンダ○ツ!?な、なるほど…聞いたことがあるぞ!?これは倍返しを期待してるのか!?」

『ジュウシンガヤキキレルマデウチツヅケテヤル!!!バイガエシダ!!!!』

 

「ブルー、散歩でもしないか」

 

「くっ、俺は明日早いんだぞ…」ボソッ

 

「ブルー、眠れないんだが…」

 

「くっ、だから明日は早いんだよ…」コモリウター

 

「ブルー、これはどう使えばいいんだ?」

 

「………何故に今更携帯端末を?知ってるだろ?……これをこうして……」

ン?コレオレトオナジセンモンショクヨウジャナイカ…シカモオレトオナジキシュ

 

「ブルー、お前は赤と青どっちが好き……やはり青か」

 

「……おま……どっちかって言ったら確かに青だが…藍色?薄紫だな……好きなのは……それがどうかしたのか?」

 

※OVAのエピソード1、マリーダと主人公sのおいかけっこを見てみよう

※マリーダのノーマルスーツも確認しておこうか

 

「ブルー」

 

「どうした」

 

「何でもない呼んでみただけだ」

 

「は?なんだそれ……アホなことしてないで親父んとこに行っとけ」

 

「今日はもう行った……」

 

「そうかい……俺は今戦闘用のエグザム装備を造ってるんだから邪魔すんなよ~」

 

「おかしい……マスターはああ言えばブルーもイチコロだと」ブツブツ

 

「地獄耳でも聞き取れないものは聞き取れないぞ~?」

 

「ブルー」

 

「どうした?まさかまた呼んでみただけだとか言わないだろうな?」

 

「否、健康診断のお知らせだそうだ……行け」

 

「おう……って何故に?」

 

「行け」

 

「………お、おう」

 

【回想終了】

 

………こんな具合で俺に対する態度が妙だ

健康診断の結果?

………………鉄分が足りないだとかこうとか

マリーダにも結果きかれたなそういや……一応悪い結果だったんでそれなりに結果伝えたら殴られた

意味がわからん……

 

『おい、お二人さん……そろそろ到着だ、ブリッジに集まれ』

 

「あいよ」

 

さて、箱……どんなものなのやら

休暇中の仕事なんだ、つまらんものだったら怒るぞ




エグザム

藍色に近い深青のハロ
カメラセンサーや、各所が赤い
(上2つはEXAMを意識したものか?)

流暢に喋ったりはしません、そんなことしたらハロじゃなくなるので

システムの中の人は色々達観しているようです
EXAM発動による機能はこの人と関係がなくなっています
なので中の人は精々主人公の専属オペレーター程度です


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3.青年と少年、ハロとエグザム

「何だ?ドズルに娘いた……ああ、いたなぁそういや………はははそうかそうか、てかこの艦にいたのか!ははははは」

ドズルとは俺が士官学校にいたときに世話になったオッサンで、なんと校長だ。
それを知らずにこのオッサンいちいち変な人だなと思って卒業式まで過ごしていたのは秘密だ。
え?何で知らなかったのかって?
そりゃお前、早く兄さんと戦いたかったもんだからそんなのにかまけてなかったんだよ
これでも全成績オールSSだぜ?
は?似合わない?……俺も思ってる


「さて、そうこうしてマリーダと……あ~……誰だったっけ?」

 

「……姫様だ」

 

「そうそう姫様姫様……を探しに出たわけだが……どんな容姿なんだ?」

 

「写真があっただろ」

 

「ああ……ふむふむ」

 

写真を確認しつつ近くにある電子端末をエグザムでクラッキングする

目的は監視カメラ……ついでに記録も見ておくとしよう

…………お、いた

 

「居たぜ~……てかこの少年誰よ」

 

カメラのログに写っていたのはその姫様とやらとエグザムに似た……恐らくハロを抱えた少年の二人

護衛にしては若い気がするが……まぁ俺もこの頃はギラ・ドーガで暴れてたしな。

 

「いや……知らないな」

 

「てことは即席の案内役ってこったな………こりゃいよいよ姫様ってやつのやろうとしてることが明確になってきたな」

 

恐らく箱の受け渡し阻止か……まぁ、そのくらい親父も知ってるだろうからこうして俺達を寄越したんだろうな

………ん?何だこのログ

ロンドベルの幕僚?

ビストの奴………ロンドベルの動向を探っているのか

 

「おいマリーダ、こいつは胡散臭くなってきたぞ……周囲に注意するよう親父に伝えといてくれ……ギラ・ズールのやつにもな」

 

「わかった…………マスター、マリーダです」

 

さて、姫様んところに行くかな……

さっさと箱持って帰って休暇を再開させたいんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

========================

 

「マリーダ……」

 

「姫様」

 

「へぇ」

 

場所はコロニービルダーのリフト付近

俺とマリーダは早速姫様ってやつを待ち伏せすることにした

で、見事やってきた姫様ってやつとその案内人と対峙してるわけなんだが……

 

「ん………似てないな」

 

はっきり言ってドズルに似てない

これはあいつの奥さんの方だな

ドズルの遺伝子が貧弱貧弱だったのか……

 

「姫様、帰りましょう」

 

説得はマリーダがしている

俺はとりあえず案内人のやっていることが気になっている

 

「手を」

 

案内人がハロをこちらに転がすと姫様の手を取りリフトの下降ボタンを押す

 

「……………!?」

 

突然ハロから大音量でブザーが鳴る

 

「今だっ」

 

案内人と姫様が下降するリフトから足場へと移動する

こりゃあ…………なかなかにやるな

 

「マリーダ」

 

「ああ」

 

マリーダと俺の身体能力は人のそれではない

マリーダは強化されているし俺はアクトを乗りこなすために色々やっている。

リフトは結構下降したが、それでも足場まで跳ぶ事くらい楽勝だ

 

「いくぞマリーダ」

 

「」コクリ

 

危なげなく足場へと着地し、全力でダッシュする

追い詰めるものの二人は更に上へ向かうリフトに乗り込み移動し始めたので仕方がなく

 

「マリーダロケットゴーーー」ヒョイッ

 

マリーダを上へぶん投げた

無駄にキリッとした無表情のまま飛んでいくマリーダは少しツボに入った……

が、マリーダが突然落ちてきたので笑うこともできずに受け止めることになった……

 

「マリーダおも……否、何でもない」

 

ギルボア殿から聞いたが女性に体重、歳、体格の話はタブーなんだとか……

つまりマリーダに女性の心芽生えてるってことで嬉しいことこの上ないが……如何せん重いモノは重いのだ

マリーダも俺からしてみればそりゃ軽いさ

それでも高いところから落ちてきたら………重い

 

「てか降りろ……腕が痺れてきたぞ」

 

マリーダに話しかけつつ親父への報告を忘れない

 

「マリーダ、一旦戻るぞ」

【ヒメギミ ホカク ナラズ シジヲ マツ】

 

「わかった」

 

『そうか……マリーダを艦に戻して警戒をさせることにする……先のお前の報告も気になるからな』

「ほら、キビキビ歩く!!」

【リョウカイ デ オレハ ?】

 

「マスターに何と言えば……」トボトボ

 

『お前は私と来てもらう……中央ポート付近で待っているぞ』

「俺が何とかしてやるから気にすんな」

【リョウカイ マリーダガ オチコンデイル ヤサシク セッシテヤレヨ?】

 

「でも……」トボトボ

 

『わかっている、マリーダに責任はない。それは艦でも言っている筈だ……この仕事が終わったらマリーダも休暇に連れて行ってやってくれ』

「さ、これが終わったら俺と休暇だ……休暇は良いもんだ」

【オーケー アウト】

 

「お前と休暇……」ニヘラ

 

「お、おう……」

 

何これ……




毎回『何これ……』で終わっている気がしなくもない……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4 宿命と暴走する運命

今回は中盤が交渉シーンな為に会話が多い
そしていつの間にか40越えてたお気に入り数……意外
最近コメントが一気に2通(両方誤字脱字のお知らせでしたが)来たものでして何事かと思ったらの出来事でした

ありがとうございます!


「親父…………どう思う?」

 

ビスト財団が交渉場所を中央ポートからコロニービルダーに変更してきた。

怪しすぎる匂いがプンプンだが……

これも仕事だしな………てか、くどいかもしれないが俺は絶賛休暇中だぜ?

現在進行形で有給が消費されてってるんだよマヂで……

 

「そうだな………間違いなく姫様はコロニービルダーだろう」

 

そう会話しながら俺と親父の二人はコロニービルダーへと向かっている。

信用があるのかどうなのか?

護衛は俺一人で十分だと言って親父一人で合流ポイントまで来たらしい。

強化人間改としてはまぁ………当然?って胸を張るべきか……エグザムの支援もあるから一人じゃないと言うべきなのか………

え?ざっくりと今とんでもないカミングアウトしなかったかって?

……………え?した?

 

「………最近マリーダはどうだ?」

 

「え?あ?あぁ………まぁ?人並みのこう……少女っぽくなってるな……何か最近お洒落とかも気にしてるっぽいしな………で?どうした?」

 

「いや………何でもない」

 

「おいおい、水臭いぞ親父……息子をもう少し頼ってくれてもいいんだぞ?」

 

「……………お前の鈍臭さに磨きがかかってる……それだけだ」

 

「…………は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【機動戦士ガンダムUC】チャチャチャチャ~

 

エレベーターの扉が開く

すると向こう側にビスト財団の当主と護衛と思わしき人物が立っていた。

 

「御当主自ら出迎えとは………恐縮ですな」

 

「…………」ピキーン

 

警戒を怠ってはいけない……ここからは俺も少々気張らなければならない

ニュータイプの力(研究者共はプレッシャーと呼んでいたが……)で辺りを重圧する

 

「そちらも随分優秀な護衛をお連れのようだ……」

 

俺も意外と器用なんでプレッシャーを指定した人物に掛けない事だってできる。

この場のビスト財団の当主、その護衛、親父にはプレッシャーを掛けていない。

 

「この交渉、我々にとって重要なものですからな………これくらいは当然です」スッ

 

親父にプレッシャーを止めろと合図される。

……………疲れた

 

「…………案内します、ついてきてください」

 

「交渉場所で何か飲み物出ますかね?」

 

「お出ししましょう……」

 

案外ビスト財団の当主いいやつかもしんない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼▽▼▽▼▽▼▽▽▽▽▽▽▼▼

「鍵………ですか。箱そのものでなく、鍵だけを引き渡すと?」

 

「ご不満かな」

 

「不満というより、わかりません。そもそも私らは、その箱とやらがどういうものなのかも知らんのですから。解放すれば連邦を転覆させるといわれるラプラスの箱。それを隠し持つが故にビスト財団の栄華はあった。美術品のコロニー移送を行う公益法人というのは表向きの話でしょう。実際には………」

 

「あなた方の上層部が、箱の価値を認めた。それであなたのような腕利きをここへ寄越した」

 

「鼻先にぶら下げられた餌には、食いつかずにはいられないのが我々の現状です。それがもし毒入りだったりすれば、上はさぞかしがっかりするでしょうな」

 

「キャプテンは、ニュータイプの存在を信じておられるかな」

 

「……………」チュー

 

「……………」

 

「戦場にいれば、そうとしか説明できない力を感じたことはありますが………現に私の護衛も特殊です」

 

「……………」チュー

 

「……………」

 

「力……身をもって感じた者ならではの言葉だ………宇宙に出た人類は、その広大な空間に適応するためにあらゆる潜在能力を開花させ、他社と誤解なくわかり合えるようになる。………かつてジオン・ダイクンが提唱したニュータイプ論は、人の革新、無限の可能性………まさしく力をうたったものだった」

 

「…………」チュー

 

「…………」

 

「一年戦争に勝利して以来、連邦は常にその見えない力に脅かされてきたといっていい。地球に住む特権階級を告発する力、棄民たるスペースノイドに目覚めよと呼びかける力………百年近く続いていた連邦の支配体制を覆しかねない力…………その見えない力との戦いに、連邦はこの数十年明け暮れてきた」

 

「…………」チュー

 

「…………」

 

「一方では公的な研究機関も作られたが、あれはニュータイプの持つ兵器的側面のみを人工的に強化するマッド・サイエンティストの実験場だった」

 

「……………あぁ、そちらのマーサとアルベルトのアホには世話になったよ……ガエルさん、これおかわり」

 

「…………」スッ

 

「…………そうか……君が……最早これも運命と捉えるべきか………グリプス戦役という内乱……そして、二度にわたるネオ・ジオン戦争。行き過ぎた弾圧が招いた軍閣の台頭は、連邦を大いに疲弊させたが、最終的な勝利を約束する強い味方が彼らにはあった…………おわかりかな?」

 

「時間………ですか」

 

「左様。常に結果だけを求める大衆は、明確な定義を持たず可能性しか示さないニュータイプに飽きた。その呼び名はいつしか破壊王と同義になって、誤解なくわかり合える人というジオン・ダイクンの懸念からもっとも遠い存在とされてしまった……………ラプラスの箱には未来を変える力がある。いや、本来あるべきだった未来を取り戻す力というべきか………ただし、誰にでも扱えるわけではない。あれは使い方を誤れば、世界を滅ぼしてしまうものだ」

 

「だからまず鍵を渡して試そうと?」

 

「もしも、あなた方がひとつ事にこだわる主義者なら、箱はその中身を明かすことはないだろう」

 

「ひとつ事とは?」

 

「…………………ジオンの再興」

 

突如建物全体を振動が襲う

 

「「「「…………!」」」」

 

「…………………!?……ロンド・ベルです。既にコロニー内で戦端が開かれているとのことです」

 

「軍との連絡は?」

 

「………我々は、はめられたと……いうことですかな?」

「…………」ガチヤッ

 

「…………」ガチヤッ

「あなた方が追跡されたのではと言いたいところだが………水掛け論だな」

 

「彼女を返していただく」

 

「最初からそのつもりだ。あの方は、私の屋敷で保護している」

 

「人が人を信じるのは本当に難しい。残念です……ご当主」

 

「同感だ、キャプテン」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【機動戦士ガンダムUC】チャ~ラ~ラ~ラ~

 

「………………」バキィッッ

 

「ぐあっ」ゴトッ

 

ブルーは行く手を阻む特殊部隊をその銃撃をかわしつつ次々と意識を刈り取っていく

エグザムは今回も特に戦う必要もなく、ブルーの眼となり、サポートをしていた。

 

「……………」クルッバシッ

 

「うぐっ」ドカッ

 

その手にした銃は飾りなのか………一度も使うことなくエレベーターへとたどり着いた。

 

 

 

 

 

 

「……………親父、この先に一人何かがいる」

 

「………」

 

二人の先にいたのは……

 

「……?また君か……」

 

そう、ブルーのそう古くない記憶の中にある少年である。

 

「………」バンバンバンッ

 

ジンネマンは黙ったままエレベーターのスイッチを手にした銃で撃ち破壊した。

 

「急ぐぞ」

 

「……………OK」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼▲▼△▼△▽▲▼△▽▲▼△▽

「ガンダム…………!?」

 

間違いない……マリーダから流れてくるこの感覚……

…………!?マリーダが危ない。

 

「親父、マリーダが危ない。アクトを遠隔起動させる」

 

「…………承諾する」

 

エグザムからEXAMシステムへ

EXAMシステムからアクトのメーンシステムへ

アクト起動………こちらの指定ポイントまで移動を開始

 

「ガンダム………」ギリッ

 

マリーダから恐怖の感情が流れてきている

また俺から……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼△▽▲▼△▽▲▼△▽▲▼

クシャトリヤの四枚羽根と呼ばれる由縁であるショルダーバインダーがガンダムのビームサーベルに切り裂かれる。

これだけでも…………運命を狂わせ暴走させるに足り得ることだった………

 

 

 

 

 

「また……………俺から何かを奪うつもりか!!!ガンダム!」ブワッ

 

戦闘空域にいる全ての人間が感じ取った大きな重圧、そして確かな殺気

誰もが理解していた

いや、理解せざるをえなかったのかもしれない

その殺気が………今現在進行形で先程のガンダムタイプと似た変形を行っているザクタイプから発せられていること

殺気はガンダムのパイロットではなく、ガンダムそのものに向けられている。

 

そのザクはまるで苦しむかのように頭をその大きな手で抱え、大きな体をのけぞらせていた。

知る人こそ知る…………これがEXAMシステム改の暴走……『ヒューマンズデストロイ』……スペースノイド、アースノイド、人種を問わずその阻むもの全てを葬り去る膨大な力はパイロットすら狩り取ってしまう。

 

ザクの装甲が次々と剥がれ、いや、パージされていき、その本性を現す。

紅く光るラインの入った蒼い機体、そしてパージされた装甲がその周囲を不規則に公転し、各所のスラスターからは紅い炎に見える粒子が舞っている。

この機体こそ………かつて勝利を深く望んだ嘗てのジオンですら封印し、その存在すら消し去ろうとした『暴走する運命』と呼ばれる機体……

 

アクトザク・リ・デザイン……



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4.蒼き死神と赤い亡霊

会話中UCガンダムとアクトが壮絶な鬼ごっこをしてると考えてください

主人公のバトルシーンは何故かエンディングテーマがよく似合う……


「に、逃げろっ!!!」ジタバタ

 

「アルベルトさん、ここは危険です」

 

「関係ない!!!あれは………あれは死神だ…殺される!」

 

「………死神?」

 

「第一次ネオ・ジオン戦争で開発され、そのパイロットすら殺す性能、謎の暴走により死神と呼ばれたMS、MS-ACRD……ユニコーンでも敵わない…………っ、ここに遭遇時用データがある……」

 

オペレーターが渡されたデータを開く

 

「MS-11RD……アクトザク リ・デザイン…………地球連邦軍が寄越してきたMS-11の改修機であり初めて試験的にMCA構造を採用したMS……そしてこのMSの最大の特徴、EXAMシステム改。パイロットの意思に反応し機動力、ジェネレーター機能の上昇を可能とするシステムでこの3つにより完璧なMSが完成……と思われたが試験を大々的に行うもシステム暴走によりパイロットが死亡……性能以前に危険性を重んじた軍上層部により軍事倉庫の奥深く封印され、二度と表に出てこないだろうとされたMS」

 

「……………では何故封印されたMSがここに?」

 

「第二次ネオ・ジオン戦争後期……軍事倉庫からとあるMSが運び出され、そして管制室から通信が途切れた……破壊された倉庫のMSの残骸の中にMS-11RDのモノは見つからなかった……そしてその時アナハイムで治療中のテストパイロットが行方不明となったが……」

 

「奪取された……と?」

 

「っ………と、とにかく!ユニコーンが奴の気を引いている間に逃げるべきだ!ユニコーンは只の鍵、問題はない!」

 

【遭遇時対応用データ】

 

アクトザク リ・デザイン

 

MS-11の改修機

MCA構造で改修され、機動性の上昇、内蔵ジェネレーターの巨大化を実現

MS-11は元々その機動性により操縦が難しく、リミッターをつけた状態での運用を余儀なくされていたが、この更なる機動性の上昇もこのMSの危険性を上げた。

 

EXAMシステム改

EXAMシステムとはニュータイプを殲滅するためのシステムであり、大まかな仕様はNT-Dと変わらない

が、NT-Dとは違い自由に操作することができず、又ニュータイプの波動、又はそれに準ずるものを感知した際に強制的に発動するので危険である。

EXAMが発動した際、パイロットの意思はすでにないものとされる。

が、これを改良したものがEXAMシステム改である

EXAMシステムとは違い、パイロットの強い意思があれば発動の際もパイロットによる操作が可能であり、発動条件もパイロットの意思による発動が可能となる。

想定されていなかった機能としては

 

1.発動によりパージされた装甲が機体の周囲を公転し、又その装甲からIフィールドの発生が確認されている。

これによりパージされた装甲は簡単なビットシールドとなる。

 

2.ミノフスキー粒子の高濃度生成

上記の装甲の公転の高速化によりミノフスキー粒子が高濃度で発生する模様

尚、高速公転中の装甲のリングの中はメガ粒子砲

「み、ミノフスキー粒子急激にじょ、上昇!?ビーム兵器、通信、使用不可能!」

 

「何!?」

 

見れば異様なMSの周りを不規則に公転していた装甲が今は土星のリングのように規則正しく、かつ高速で公転していた。

あれはMSなのか………誰もがそう思い、自らの死を覚悟した時、数機のMSが飛び込み、異様なMSを拘束した。

 

一機は赤いカラーリングのMS、他の数機は一機紫っぽいのと後は通常カラーのギラ・ズールだった。

 

「あ…………も、もうおしまいだ……」

 

突然アルベルトが膝を折る

 

「し、シナンジュだ、赤い彗星の再来だ………な、何故こんなところに………」

 

絶望するアルベルトを他所に突然振動が艦を襲う

 

『聞こえるかね』

 

お肌の触れ合い回線……その声の主は……

 

『貴艦の信号弾を確認した、私はネオ・ジオンのフル・フロンタルだ』

 

「シャアの声だ……」ボソッ

 

「攻撃中の敵機、聞こえるか……ただちに攻撃を中止せよ。本艦は、ミネバ・ザビを捕虜にしている」

 

「「「「「!?」」」」」」

 

『………………映像は確認した、要求を聞こう』

 

「連邦宇宙軍特殊作戦群エコーズの、ダグザ・マックール中佐だ。攻撃を中止して、速やかに撤退願いたい。そうすれば、ここにいるミネバ・ザビの安全は保証する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【機動戦士ガンダムUC】

 

『いいだろう、考える時間、一時間待とう。賢明なる判断を期待する』

 

元の形に戻ったユニコーンはアーガマに帰艦した。

しかし、その寸前フル・フロンタル、彼はこう言った

『要求が通らないのであればこの拘束している獣を放ち、貴艦は撃沈する』

と、言外に断ればこのデータの続きの

 

リングの中はメガ粒子砲となっており、リングの大きさで威力が変わる

 

つまりあのMSのよりも大きいリングから放射されるメガ粒子砲を浴びることになると、そう言っているのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

私の目は盲目のあの鳥に、捧げ

私の大きな体は全てを破壊する津波の盾となる

争う者達を憎むべきではない

争いを憎むのです

争う者達は自身のするべきことを遂行しているだけ

滅びゆくもののため、私は争う者達全てを受け入れる

そして私は英雄に狩られる

争う者達は争いを憎まずお互いを憎み、そしていつしか私を憎んだ

私の願いを死神に託し虚へ行く

私のたったひとつの願い

アルビオンと呼ばれし巨人の望み

サイクロプスと呼ばれし巨人の望み

 

滅びゆくもののために私は憎まれ続けることを望む……




最後のあれは交互になってます

ユニコーンのタペストリーに対抗したかった。
それだけなのですがそれだけじゃ面白くないので
サイクロプス隊の基地の近くの教会に置いてあった本からの引用ってことにしてあります
何か………見えません?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

5.解き放たれる想いの宙

ガンダムと交戦した私とクシャトリアはマスターに回収された

 

まただ………ブルーから何も感じとれない……

ブルーからは悲しみしか流れてこない………話しかけても……返事はない。

 

………ブルーから聞いた話に出てくる優しい人は皆話の最後に死んでいった。

ガンダムに殺されたと言っていた。

あの時のブルーの顔は今も私の脳裏に焼き付いて忘れられない……

ブルーにあんな顔をさせるガンダム……ガンダムは敵だ………

 

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

ブルー、サイクロプスのアレ、覚えてるか?

 

え?兄さん、勿論覚えてるにきまってんじゃん。

………毎晩毎晩ミーシャの酒飲みに付き合ってるんだから嫌でも覚えるさ

…………それで?

言いたいことはまぁ、大体検討はついてるけど…何?

 

流石俺の自慢の弟だな!

 

はぁ………もしも俺がやられても、ガンダムのパイロットは恨むな……だろ?

………善処する

 

ははは、そもそも俺が負けるわけないじゃん!

……………じゃ、行ってくる

 

おう!

…………………嘘下手すぎ……たった一人の肉親としては心配貴方の将来が心配ですよ兄さん……

帰ってきたら嘘つくときの癖を直すことにしよっかな。

そもそもガンダムのパイロット諸々って………争う者達を憎まず争いを憎めってやつ………兄さんらしいかな。

 

【それから迎えが来るまで………兄さんが帰ってくることはなかった】

 

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

大佐

 

何だね

 

何故俺を軍に?

 

ふむ……………逆に聞いても良いか?

 

ええ、どうぞ………

 

何故君はそんなにザクタイプのMSに拘るのかそれを聞きたい。

君には最新型のMSを預けても良いのだが?

 

……………俺に兄がいたことは御存知の筈です。

 

ああ、知っている

 

兄は………ザクでガンダムタイプを大破させたんです

 

ほう……?

 

流石に俺じゃ無理ですからスペックを上げた機体ですけど………俺は兄に追い付きたいんです。

俺があの時戦えていればきっと兄が死ぬことはなかったんですから……

 

そうか……………

 

…………今となってはもう叶いもしない望みなんですがね。

………………俺はもう戦場の星すら見えない

 

……………連邦の軍事倉庫から奪取した機体を君に預けよう。

確かアレもザクタイプの筈だ……

 

は、はあ?

 

もう一度アナハイムへと向かう。

君に新しい眼を作ることにしよう

 

新しい…………眼…

 

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

………………おい、お前

 

………………

 

お前だよお前……何やってんだお前

 

………………

 

そこで湿気た面したお前だよ

 

………………

 

はぁ………ちょっとこいや

 

…………………!?

 

アナハイムめ………まだこんなのを残していやがったのか。

……………てっきり俺で最後だと思ったんだがな

 

…………………

 

ま、ついてこい…………別にお前がいなくなってもアナハイムはその事実を隠すだろうから問題ないさ。

 

…………………

 

さて………どうすっかな……

 

…………………

 

お、そうだ………親父んとこつれてくかな

はは、こりゃぶん殴られるな

 

…………………

 

ブルー、コノサキハチジュウ、アクトタイキチュウ

 

……………………!?

 

はは、驚いたか?

こいつ、俺の新しい眼。

 

……………………新しい眼?

 

お?やっと口を開いたなこやつめ……………………俺の前の眼は潰れちまってね。

たははは、参ったよ………ガンダムに手ひどくやられちまってね。

 

………………ガンダム……

 

そ、愛機のギラ・ドーガがバラバラになっちまった

 

……………お前は……

 

ん?

 

…………無事………だったのか?

 

ま、そうだな。

俺はそう簡単に死なねぇよ

 

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▽▲

思えばブルーは不思議な人間だった

地下深い研究室に閉じ込められていた私を見つけ連れ出してくれたのはあいつだ。

初めて私を見たときあいつは私に『湿気た面したお前』と言った

そしてこの間私に『最近いい顔をするようになったな』と言ってくれた

何か変わったのだろうか………私は

 

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

基本ガンダムと言うだけであいつがあそこまで暴れることはない。

それがEXAMを暴走させてまで暴れている理由はマリーダがやられかけていたからだろう。

あいつの過去を知る人間は限られている。

マリーダもあまり深くは聞いていないらしい。

ブルー………早く戻ってマリーダを安心させてやってくれ。

 

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

「………………時間だ」

 

フロンタルがアーガマへ返事を問う

 

返事の代わりに出撃してきたユニコーン、その機体の手にしたビームマグナムの狙いは間違いなく複数のMSにギリギリ拘束されたMS一機に付けられていた。

 

「…………貴艦は撃沈する」

 

MSの拘束が解かれる。

その瞬間、藍色の輝きがMSを呑み込んだ。

輝きに触れたギラ・ズールの爆発と共に光が弾ける……

 

『ガンダム………コロス』

 

この世の運命は更に狂い始める。

正すことは最早叶わない……




ちょっと原作が改編されてます

忙しすぎて粗雑になってます……面目ない


あと明日位にガンダムや戦争のなかったifのバレンタイン編を書くつもりですはい


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

MS-11RD【通常】データ

MS-11の改修機

【MS-11】(資料がなかったので手書き)

 

【挿絵表示】

 

 

一年戦争終盤に開発されるも終戦により戦場に出ることがなかった機体。

連邦の小隊とこの機体が交戦したという話もあるが定かではない。

ジェネレーターの強化によりジオンのザクタイプで初めてビーム系兵器の使用が可能となった機体であり、改修によりジェネレーターが更に強化されたMS-11RDでは以下の兵器が使用される

 

【ビームハルバード】

柄が長いヒートホークに見えるが、先端部分がビームピックになっておりスピアとしても使用できる。

ビームピックはビームサーベルにもなるが、収束率が低下し貫通力が無くなるのであまり使用されない。

 

尚ビームライフルとしても使用できるとかできないとか………

 

【ビームナイフ】

ビームダガーよりも少し長い格闘戦用ビーム兵器

 

【ビームスパイク】

MSがMSを蹴ると丁度当たる部分に仕込まれたビーム兵器

両足に四つずつある

 

【スラッシャー】

使い捨てのビームブーメラン

サザビーのアレに似ているが別である。

 

 

格闘戦用兵器が多いのはパイロットが格闘戦が得意だからという理由があるが、別のパイロットが乗るとしたらとんでもなく癖が強いMSである。

ただ機動性が高いので格闘戦に持ち込みやすい。

 

MS-11は機動性高く、パイロットの安全性に難があるのでリミッターが設けられている。

MS-11RDではリミッターを取り外し、更に機動性を強化している。

 

まずMCA構造を試験的な意味も踏まえ導入し、機体のコンピュータを全てアーマーやフレームに埋め込み機体を軽くした。

その後ジェネレーターを大きくする等したがそれでも機体は軽く、機動性が格段に上がった。

 

【MCA構造】

(マルチプル・コントラクション・アーマー)

サイコフレームの応用フレームを使用した構造

理論上ではアーマーとコンピュータを兼ね備えたフレームにより機動性が上がるとなっていたが、予想を遥かに上回った結果(乗りこなせるパイロットがいない)によりMCA構造の理論は破棄されている。

 

MS-11RDの強化装甲(チョバムアーマー)は二重構造になっており、二層目にはサイコフレームが使用されている。

 

ミノフスキークラフトが利用されており、大気圏内で長時間飛ぶことが可能となっているが、なくてもお察しの通り長時間飛べないだけで短時間なら飛べる。

 

追記

【実弾兵器】

 

【ナイフ】

凄いMS用のナイフ。

それ以上でもそれ以下でもない。

 

【八連装ブルパップガン】

砲身自体が弾倉となっているので、弾切れの際は砲身ごと取り替える。

 

以下の兵器は殆ど大気圏内でしか意味をなさない物となる。

 

【サイクロプス】

大気圏内でしか意味をなさない質量で相手を叩き潰すハンマー(鉄球ではなく金槌)の格闘戦用兵器

これを軽々振り回す辺りMS-11RDの馬力の凄まじさを感じられる。

尚これを運搬する専用の“大型”戦闘機がある。

 

【アルビオン】

MS-11RDのパイロット自身の設計した格闘戦用のシールド

が、本来の使い方はされることはなく最早シールドではなく兵器である。

 

~別用途~

このシールドは異様に分厚く、更に前面にはスパイクが取り付けられている。

パイロットは巧みにMS-11RDで相手MSを足払いし倒すと、そのままこのシールドで…………

 

以上が通常のMS-11RDのデータとなる。

情報を観測次第追記する。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

機動学園ガンダム【蒼い運命の糸】

ふ、作者のザク愛をナメるでない

ちなみにこれは時間軸の歪んだ物語です


「兄さん起きろ~」

 

サッとカーテンを開けると窓から人工太陽の光がさしこむ

兄さんは相も変わらず二度寝をきめこもうとしている。

 

「兄さん………ハァ……アレックスさんとクリスさんが来てるよ……今日大事な日なんだろ?」

 

アレックスさんとクリスさんは兄さんの女友達。

幼馴染みで病弱なフレディさん(知り合いからはFZって呼ばれてるらしい)の御見舞いに行くらしい。

 

今日は世ではバレンタインらしい。

想い人にチョコを渡すって日らしいけど最近はお世話になった人に渡す日でもあるらしい。

俺には関係ないな。

今日は学校があるし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

「やあやあお早うブルー君!」

「………お早う、ブルー」

「うぇ~い……今日も元気でいこうぜ!」

 

「おはよう、ギラ、マリーダ、アクト」

 

学校にて教室に入ると真っ先に挨拶してくるのはこの三人。

クラスの奴から聞くには三人共人気女子らしい。

いや、わからんな。

腐れ縁で仲良くしているとも言える俺が言うのだから間違いない。

元気過ぎる緑色と青紫のショートカットヘアーの運動バカ達と無口で後ろから何か着いてくるマリーダ。

わからん……何が良いんだ。

 

「あら、ブルー様ではありませんか?ふふ、今日も素敵ですこと……」

 

そして極めつけはコイツ。

クシャトリア…………すんごいフワフワした………御嬢様ってやつ?

まぁ、実際問題御嬢様なんだけどさ……

いや、わからんな………何故クラスメイト達は心臓の小さい生物をあっさりと射殺せそうな視線を向けるのか……

 

「お早う、ブルーさん」

「お早うです」

「お早うございます」

 

上からバナージ、ユニコーンさん、オード……いや、それはバナージとの間での名前で……ああ、ミネバさんね。

 

「よう、相変わらず仲良さそうだなお前ら」

 

「そんなこと……イテテテテテ…」

「………」

「………」

 

「お暑いことで………」

 

二人に間接技をきめられたままバナージは自分の席へと歩いて行った。

 

「お、フロンタル教頭だ」

 

フロンタル教頭は校庭でシナンジュ先生に何か渡されてきた。

成程……バレンタインか。

 

「眠い………だがしかし……寝るとジンネマン先生やべーからな……」

 

さっさとマリーダ君を安心させろーとか言って授業中俺を指名しまくる先生。

正直苦手だ…………が、THE親父って感じでいい先生でもある。

確か奥さんと娘さんがいる。

それを知ったとき成程それでか!と、納得したのは俺だけではないはず。

 

…………兄さんは何してるかね……

 

 

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

「フレディ、ほらこれ……」

 

バーナードは持ってきた鞄から本を数冊取り出すと、少女に見せた

 

「わぁ……」

 

少女は目を輝かせ黄緑色のロングヘアーを揺らす

 

「これさ、前続きが読みたいって言ってたしさ?」

 

「本当に?ありがとう………」

 

少なくともこの二人の空間にキラキラしたナニかが浮かんでいるのは気のせいだろう。

 

 

 

 

 

 

「…………クリス、あたしたち何やってるの?」

「敵に塩を送ってるのよ……」

「な、何かキラキラしてるし………」

「………少女マンガの読みすぎよ」

 

 

 

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

「…………リディ」

 

「ん?どうした?」

 

「…………これ」

 

「?」

 

「………今日はバレ「リディ!!ハッピーバレンタイン!!!イェーーーイ!」ムゥ」

 

「お、おう……」

 

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

「何か騒がしいな………」

 

「そりゃ今日はバレンタインデーだもんね~!」

「てなわけであたしたちからもハッピーバレンタイン!」

「できれば私のを最後に食べてくれると嬉しいのですが………」

 

「え?あ、ああ………」

 

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

「シローさん」チュッ

 

「アイナ!?これは………!?」

 

「ハッピーバレンタインですよ」

 

「……………ば、ば……」

 

「シローさん?」

 

「倍っ返しだーーーっ!!!」ギューー

 

「シローさんたら………」ポッ

 

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

「………、お前たちらしいと言うか何と言うか……」

 

アクトからはエグザム型チョコ……何げに再現率高い

ギラからは何故かグレネード……みたいなチョコ

クシャトリアのは………ファンネル?

 

「個性的と言ってしまえばそれでおしまいだが………うん、ありがとう」

 

「作ったかいがあったぜ!」

「苦労したしな!」

「くっ……メッセージカードを巧みに回避とは……やりますわねブルー様」

 

「………ほれ、もう授業だから席につけよ」

 

「うわ、本当……」

「数学ダルいぜ~……」

「ふふ、負けませんわよ?」

 

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

「相も変わらず指名されまくる一日であった……………ん?何だマリーダ」

 

「…………………ジンネマン先生が、帰宅中に渡すと良いと言っていた。だから今渡す」

 

「…………おう」

 

中は………

 

「チョコアイス……あ、溶けてる」

 

箱の中には時間の経過により溶けて液状になってしまったカップアイス(チョコ)が入っていた。

ジンネマン先生……中身を聞いていなかったんですね。

 

「…………」シュン

 

おい、そんな俺にしかわからない範囲で悲しそうな顔をするな………

 

「ハァ…………そこのアイス屋台に行くぞ。奢ってやる」

 

「ほ、本当か?」キラキラキラ

 

「あ、ああ………ま、良いだろ」

 

ハッピーバレンタインってやつだしな………




遅くなって申し訳ない。
次回はガッツリ戦闘回のつもりです


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。