ロストメモリーレポート ((´・ω・))
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report1 『加賀』と言う私と『閣下』と言われる貴方

キリングマシーンっていいよねい


もし

 

この

 

記録を見ている人がいるのなら

 

もし

 

この

 

地獄を知るものがいるのなら

 

 

この

 

怪物を

 

許さないでください

 

 

 

これは

全てを終えた

 

 

私の最後の体験

狂った提督(皇帝)との最初から最後までを記録した

事実です。

 

 

 

 

 

 

最後に

 

 

こんな馬鹿な私を

許さないでください。

 

 

 

 

19■■■

 

全ての私の始まりはここだった

冷たく

暗く

深い深い

 

海の底

 

 

この時

私は

望んでしまった

もし、『次』があるなら。

 

もし『希望』があるのなら。

全てを滅ぼす悪魔が欲しい。

 

この時の私はどうかしていた。

今でこそ、この壊れていた世界の『システム』を知っているから分かった。

絶望は怨みに怨みは怨念に怨念は執念に執念は力を与え。

肉を与え。

絶望を

狂気を

闘争を

 

 

だが、私の『願望』が全ての歯車を壊した。

今であって今でないとき。

 

黒を主体とした軍服の男の幻影が

ささやいたあの日から

 

「おめでとう、貴女の悲願私が叶えさせてあげるよ、悪魔の契約ってやつかな、うん。じゃあね、大体七十年後ぐらいに会おう、愛しき人」

 

 

その影は私に何一つ言わせることもなく泡のように消え残っていたのはただ、海底に沈んでいた私だけだった。

 

 

 

20■■

 

 

始まりであり、終わりの始まり

今となってはこの日がどれほど美しかったのだろう。

なにも知らず

なにもわからず

 

そして、全てが初々しかった。

 

 

「航空母艦『加賀』です。貴方が私の提督「勝ったぞ電!!これ勝ったよ!!」「はわわわ」」

「あの?」

 

まだ、この頃はよくある白い服だった。

まだ、本性を出していなかった。

 

あの頃が恋しい。

 

「ヘーイテイトクー」

 

「ぽい?」

 

 

始めは本当に綺麗だった。

なにも

 

 

「大和、長門はそれぞれの艦隊で支援を頼む、取り敢えず敵の頭を叩くことだけに集中しろ」

 

 

あのときはまだ提督だったのに

 

 

あの怪物は

ある日牙を剥き出した

いや、違う

抑えられなくなった。

自分の本性と向き合おうとしていた。

 

「ケッコンカッコカリ?訳わかんねぇな、まぁなんか性能上がるらしいし全員分用意するか」

「提督・・・それはさすがに」

「でもさー加賀さん、いい加減限界も見えてきたし、『もっと進む』ならいい手だと思うよ」

「流石に、最初の一つだけは・・・」

「・・そうだなぁ、よし、じゃあ2-4を一人で突破したやつにやるか」

 

 

この時の私は馬鹿だった。

ただ、隣にいたい

傍を離れたくない。

これが全部あとの行動で最悪の選択になるなんて思ってもいなかった。

 

その後無数の艦娘が大量のバケツをかぶり、女神を持って何度も

何度も

何度も

気の狂うようなほどの攻勢がはじまった。

 

提督がまとめていた海域の地図があったため羅針盤無しで主力に最短で突入できたのはいいがどの艦も最終的には退却

 

 

いっそこのまま時間がたちすぎてしまえばいいと思った

誰もあの人の本性を知らなかったのがいけなかった。

そして

 

「・・・・・やりました」

 

無数の屍の山を踏み倒し、私は勝った。

あのときは何か狂っていた。

戦いに全てを費やした

もはやただの殺戮装置だった。

 

鮮明に覚えているあの地獄のような光景

無数の深海棲艦の血と肉で赤く染め上げた海

空をも黒く染め上げる無数の黒煙

全身を血で染め上げ、ただただ笑っていただけの私。

 

あの私はまさに提督の望んでいた姿だった。

私に心がなければ

ずっとあの人のとなりに

いれたのだろうか

 

 

「・・・お帰り、加賀」

 

帰ってくるとそこではもう

黒を主体とした軍服

鉤十字のネックレス

月と桜の装飾が施された刀。

 

 

怪物が本性を見せていた。

 

「夜、部屋まで来てくれ」

 

その言葉が

私にとっても

重大な選択だった。

 

当時はただ嬉しかった

そんな馬鹿な私を殴りたとすら思っている。

 

 

ちょうど月が部屋を照らす頃

あの人は先に覚悟を決めていた。

こんな恋に浮かれ、判断力もない馬鹿な私に

 

 

「ねぇ、加賀さん、こういうのはなんだけどさ。加賀さんは『俺の全て』を受け入れてくれる?」

 

声はどこか弱々しく

そして奥底にある狂気を感じさせた。

 

まるでこれからおかしなことを言うのかという感じだった。

でも、そんなものは知らない。

知れるはずもない。

 

「はい、私はあなたの全てを受け止めます」

 

これが全ての過ちだった。

 

「ありがとう、加賀さん」

 

その今にも壊れるような声が演技ではなく本心んであり

そして。

 

『狂帝』という彼を望んだ人が産み出した提督が

 

 

 

嗤いだした

 

 

 

これが私と提督の始まりであり、終わりだった。




この願いはきっとどす黒い物なのでしょう。

次回『怪物』と『狂帝』


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report2 『怪物』と『狂帝』

人の願いは叶える
え、人は誰かって?
うん。


あの選択は間違っていた。

私は、自分を騙してでも、許さないべきだった。

 

今だからこそ

理解できる。

 

『あいつに人並みの善意や悪意を持ってると思うな、あるのは凡人で居たいとする無気力と争いや妬み、復讐を己の悦と分かりきった本人だ』

 

 

あの人に人を助ける善意はない。

あの瞳の先に写っているのはその先で得られる無数の死という事実と狂気だけだった。

あの人にそれをする悪意という動機もまた、存在しない。

 

『当然』なのだ。

『子供が玩具で遊ぶように』

ただ

『どうでもいい生物』を『己の快楽のための玩具』にしているだけ。

あの人は口では『人の願いを叶えるしかできない哀れな奴隷』といっているが。

それは真実ではあるが『その人』が『人類』ではない。

当然と言えば当然だ。

 

『人』とは『人』でしかない。

そこらに散らばる『人間』まで『人』に出来るわけがない。

 

 

あの人の行動の全ては『なんとなく』と『犠牲が増える』の二つだけだ。

それが『狂帝』であれと言われた提督の決断。

 

本人はただ全てを終えたからのんびりと過ごしたい。

だが、『人間』は『昔の提督』を望んだ。

『奴隷』でしかない提督は『自分の願望』と『人間の願望』を持った。

どっちも叶える

それがあの人の全てだった。

 

だから『作った』

偽りであり真実の仮面を。

無にして有

陽にして陰

『提督』であり続ける『自分』と『願望』を叶える『自分』

簡単なことだった。

 

ただ自分を増やせばいい。

 

狂っている

壊れている

でも、喜んでいる。

 

それが『可能性』だからだ。

 

フィジカルなんてものをいくら鍛えても

同じような技をいくら鍛えても。

『目的』がなければ『不要』

 

でも知ってしまった。

 

『可能性』を

 

あの人に善悪は不必要だった。

そんなものは下らなかった。

 

ただ『己の感情』と『他人の願望』の為だけに動く装置。

自分さえよければそれでいい。

人間が万単位で死のうが

地球が滅びようが

人類が発展しようが

 

『自分の楽しみさえあればそれでいい』

 

簡単な答えだった。

それ故に私は、あの人を誤解しきっていた。

あの人は純粋に

欲しいものは殺してでも奪い、全ての財をその傍らにおき

ただ美しい景色を眺めていたいだけ。

誰も理解できるはずがない。

狂っていて正常。

 

 

『諦めろ』

 

今思えばその言葉は私に無駄だと教えるわけではなかった。

本当に自分に素直な人だった。

ただ『離れてほしくないけど無抵抗なのは嫌』

実におかしい話だ。

 

素直に言えば良いのに自分の願いを持ちすぎてあぁもなるなんて。

 

だからこそ私は、許されない。

私は、『怪物』を中途半端に受け入れてしまった。

 

全て過ぎたことだからだろうか。

 

だからあのときは全て進んだ。

 

 

「加賀さん・・・抱き付かないでよ・・・もう終わったんだから」

 

あの戦いで全て終わらせばよかった。

でも私は、『許せなかった』

いや違う

 

『間違えた』

 

『ただ、独占したかった』

『誰も見たくなかった』

『綺麗なもの以外は全て無くせばいいと思った』

 

 

 

「そうなんだ、それが許さなかった君の決断か」

 

あの優しく冷たかった声

それは永遠の闘争を望んでしまった私への答え。

 

銀色の雨が黒の月を溶かし

 

『怪物』は本当の意味で目覚めた。

欲望が身を滅ぼす

 

 

それは誰がいったのだろうか。

 

 

 

「さいっこうに愉快な戦争だよ加賀さん!!、見て横の無数の残骸、死体に弱者、赤い血の雨がここまで綺麗なんだ!!ねぇ?ねぇ!?もっと殺し合おうよ!!この地獄を作り続けてさぁっ!」

 

 

 

「あーあ、もう何度虐殺したかなぁ10億ぐらいかなぁ~?あーサイコー!!次もそのまた次も殺戮のパーティーだぁ!!アハハハ」

 

 

「えーと今日で多分100億突破でーすパチパチパチぃ。そろそろ飽きてきたから別の殺しかたしようか、ね、か が さ ん ?」

 

 

 

あれはただの殺戮装置

ただただ、殺しを楽しみたいだけの怪物

 

それを望んでしまった私が悪かった。

でももう止まらない。

 

止めれない。

 

 

誰もが止めた。

『あの人』を知る全員が警告した。

どのループでも

どのタイミングでも

必ず誰かが忠告した。

 

でも。

始めたのは

進めてしまったのは

 

全て私だった

 

だから止まるわけにはいかない。

 

途中で逃げるなんて許されない。

 

 

絶望を乗り越える

 

 

それが希望であり

救いだと思い

 

 

 

私は絶対に

あの『怪物』を許さない。

 

いや。

 

 

『作った奴ら』を許せない。

ここからだっただろうか。

完全に狂い始めたのは




次回 暗い運命の輪の中で


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report3 暗い運命の輪の中で

名前の無い怪物は産まれた

それは
『狂気』だ。


あと
『使命を失った兵器』か。


先の見えない暗闇が視界を埋め尽くした

 

でも、私は見てしまった

 

『怪物』が『怪物』である理由を

 

知ってしまった。

 

『狂気』の果てを

 

 

何もかもを飲み干した。

 

『理性』

『正義』

『善悪』

『命』

『感情』

『衝動』

 

 

全てをくべ一つの炎にしたあの怪物に

私はあらゆるものを捨てて

 

救済を望んだ。

 

結果はどうだろうか

戦いに勝っても

一度だって目的は達成できなかった。

 

 

あの人は無敵だ

 

一個人で勝てるような存在じゃあない

 

だから考えを変えた。

 

 

「・・・本気かぁ・・・」

 

私が『彼女』にこんな形で頭を下げる日が来るとは思わなかった。

 

「えぇ、助かるわ五航戦」

 

 

誰かに頼るしかない私が悔しかった。

でも、それ以上にあの人を止めたかった。

 

 

でも

なぜ

なんで

 

 

「目の付け所はいいんじゃないか?うん、危うく死にかけたわ」

 

なんでそこに私がいるの。

 

 

 

また勝てなかった。

 

希望なんて無い

でも止まれば終わりだ。

 

刃は届いた

あと一歩

 

踏み込みたい

 

でも

 

もうここまで来れる人はどこにもいない。

唯一の希望だった男も

 

「ん?あいつを止める?やめとけやめとけ、あいつは魚みたいなやつだ」

 

一番の理解者だからこそ

理解して干渉はしてくれなかった。

 

 

 

 

この終わりの無い世界で

何をすれば勝てるのだろうか。

 

絶望しかなかった。

 

でも

止まりはできない。

 

私は勝って

何もかもを

終わらせなくてはならなかった

 

 

『艦娘』?

下らない

 

『人類』?

もう興味はないわ

 

ただあの遠い『黒い月』を手に納める

それしか考えない

 

二度と手を離したくない。

あの人が怪物?

えぇ、怪物を演じるしかない狂人ね

 

だから。

『演じさせる奴』を全員消せば救える

 

そう思った私が馬鹿だった

 

 

 

もう、あれは『演じる怪物』じゃなかった。

遅すぎた

 

あの人は『果て』を見た。

あんなものを見て平気でいられるはずがなかった。

 

確実に狂う

あれはそういうものだった。

 

『艦娘』と『深海棲艦』そして『妖精』

全てのシステムを真相を

見てしまった。

 

 

だから狂気を飲み干した『怪物』になった。

別におかしくはなかった。

 

今のあの人も尽きることの無い殺意と狂気と絶望を飲み干してあの人になった。

仮面をかぶり

名を変え

逃げるように全てを捨てた。

 

 

逃げれるなら逃げる。

最後に勝てば良いだけ

 

だってあの人の後ろにはなにもなかった。

だからこそ

あの選択はいけなかった

 

 

 

そこからはもう、何もかもが嫌だった。

私は自分が嫌になった。

だから逃げ続けた。

 

そして挑み続けた

『贖罪』だからだろうか

 

もう、見てほしくない

こんな『誇り』も『名誉』も『正義』もないただの『怪物』を

 

 

 

 

でも、それでも、光もあった

『怪物』であるからこそ見つかった。

 

 

『艦娘』という存在を

 

 

そして全てを決める最後の戦いに

 

 

私は勝てなかった。

 

 

今や世界は無くなった。

血より赤い空

もはや色なのかすらわからない液体で埋まった海

無数の肉や骨、鉄で出来上がった大地

 

温度は感じない

風もない

臭いもない

 

もう

無理だった。

 

諦めればよかった。

 

 

だから「許さないで」




■■■■■■■■■■■■


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-1話  血戦準備

加賀改二まだぁ


ここはどこでしょうか。

真っ暗な海の底にしてはどことなく、温かく

とてもあの時と一緒とは思えない世界。

 

私はあの時

 

 

 

世界が暗転した。

なにがなんだか解らなかった。

加賀さん、提督、皆は大丈夫でしょうか。

 

 

「そんな貴方の要望に答えるための白夜コールセンターいぇーいぱちぱちぃ」

 

「提督!?」

 

いつも見ていた黒を主体としたドイツ系の子達と似た服装、髪は何故か白く長いものになっているが、どう見てもそれは提督だった。

 

 

「えぇと、赤城の知りたいことは今の世界だね、オーケー、ステータスオープン!!・・・・ちがった。スクリーンオープン!!」

 

指をならし、瞬間私の視界は現実を否定したがった。

 

血のように赤い海

どす黒い雷雲で染まった空

真っ赤に血で染まって笑う提督

四肢を切断され地面に半分めり込んでいる加賀さん。

 

そして無数の艦娘や深海棲艦の死体の山。

 

「・・・いったいこれは」

 

「あぁ、一般的にありそうな回答をありがとう、これは俺という人間の本性だ、加賀さんが独占したがってたから人類含め皆殺しにしてたった二人の世界にした。簡単だろ、強大な人類はたった一つの小さな愛に敗れ、滅び去る弱者だったというわけだ、笑いが込み上げてくるよ、まぁこの俺は笑えないな、まぁなんだ、俺の本性を見抜けなかったお前らが悪いよ」

 

俺は笑えない?

私はその言葉に引っ掛かり、問いを変えた

 

「では、貴方は誰ですか」

「ふむふむほむほむ、ワタシが誰かねぇ。考えたこともないや、俺はその場その場で仮面を作る、いちいち考えたこともないな」

「なら、この場の仮面はそれということでは」

 

当たったのだろうか、ほんの少し唇が笑ったように見えた。

 

「・・・そうだなぁ、じゃああれだ、うん。いやうん、思い出したわ、泣きの一回を作ってやろうと言う数少ない善意のわしじゃ、うん俺はそれでいいか」

 

「泣きの一回?」

「あぁ、なんかもーだるいから全部しゃべるわ」

 

 

「始まりはお前らが転移装置で俺を拉致したのが始まり、そこで俺は歴史を変えてみたいと思って転移装置を悪用、時間逆行装置を妖精さんと一緒に開発、一回目の世界では人類は深海棲艦に勝った、まぁ、生存者はわしひとりじゃがな。」

 

「そこでやり直しをするために逆行装置でその日まで逆行、もう一回作り直して更に既存の兵装意外にもいろんな武器を製作、二回目も無事、勝利、でも、そっから一波乱あって、わしは世界の根底までたどり着いたは良いけど死亡、加賀さんが逆行装置で転移」

 

「三回目は今までにいなかった艦娘たちも回収できて大勝利、でだ、確かここで加賀さんにぶっ殺されて、また逆行」

 

「四回目からはもう目も当てられないわしと加賀さんの殺し合い、わしは真理を知ったから加賀さんのためだけの世界を目指して。加賀さんは壊れた暴走した機関車のようなわしを止めるために、まぁ、自分で引いた引き金がまさか核兵器のスイッチとは思うまい」

 

「まあそっから数十回繰り返して今あれネ」

 

「つまり、神にでもなったつもりで」

「いぇーす、不完全だけどあれは人の言葉で表すなら神だよ、ゴッド」

 

なにかが見えてきた気がした。

 

「・・・提督ですか」

 

「ふふっふははっ、ウハハハ、えぇ?あぁうん、正解」

 

その声には今まで違って狂った感じがなくただただ、優しさと冷徹さだけをかんじた。

 

「あぁそうさ、俺は俺だよ、うんわしと言う男はどうも演技が下手らしいっぽい」

 

 

「あぁうんそうだ、そうだよ赤城さん、ふふっ」

 

 

瞳は常に闇を捉えながらもその立ち振舞いに何一つ、間違いはなかった。

故に問う必要があった。

 

「提督はなぜ、この場に」

 

体が急に海に投げ出され朦朧としていく意識の中それだけは聞かねばならなかったそれが勝利だと確信し

 

「・・・あぁ、もう意識がなくなるのであろう、黙ってよい、そのまま意識を落とし、深淵を目指せ、そして俺はなぜこの場にいるか、か。答えは至極全うよ、俺は貴様の幻影だ、今の貴様には何が見えている、貴様の『救うべき者』はなんだ!!」

 

私には今

 

「・・・加賀さんが・・・・見えます」

 

「そうか、なら、この我が道を示そう、と、言いたいが所詮幻影、できるのはここまでだ・・・だが、その決意を胸に秘めさせ、その意思を鎧として纏い、誇りは絶対に捨てるな、貴様の持つその『意思』こそが道だ!!」

 

 

そう言い終わるとあの人は泡沫になり、私は鈍い光を出す星を見ていた。

小さな星に手を当てるとそこには

 

とても小さな

世界がありました。

 

 

「・・・よぉ、赤城さん、ここに来たってことは届いたのか」

「提督」

 

今までと違い服は綺麗に整っているがまるで覇気がない。

 

「取り敢えず自分を見ろ・・・稽古はその後だ」

 

自分?

言われるまま鏡のように綺麗な海面に顔を近づけると

 

 

「・・・これが私?」

「あぁ、改二さ、いや戊だっけか・・・細かいがまぁいい、時間が許すなら数ヵ月ぐらいふにふにしたいが、残念だけど無いようだ、俺の魂が摩りきれる・・・流石に、俺を殺しても俺が死んだらなんの意味もないしな」

 

「提督?これはいったい」

 

「休憩終了、黙って戦闘体勢をとれ」

「あの、その前にこの状況は」

「うっさい!!簡単にまとめるぞ返事はいらんし、俺は今からこの刀でテメェをバラバラにする、数百回は死ぬだろうが必ず避けろ、そして何でもいいから俺を半殺しにしろ!!いいな!!」

 

そう言いながら二本の軍刀で的確に腕や足を切り飛ばしてきた、だが、心臓を貫かれるとまた私は五体満足でその場にいた。

 

「まずなぁ、お前ら弱すぎだわ、艦娘って存在にこだわりすぎだからこうなるんだよ、ったく、まぁこんな愚痴は勝った後の俺に聞け・・・」

 

「で、この状況か、あぁ、そうだな、泣きの一回をくれてやろうと思っただけだ、いや違うな、俺は俺なんだよ、まず俺は俺だけど俺じゃない、簡単に言えば貴様の見た光景の俺は俺だ、だがなぁ、魂が一個とは限らん、じゃあお前は誰だって?あぁ、俺は貴様らで言う空母棲姫だな」

 

「え、お前がじゃと?あぁそうさ、俺は結局『白夜』でしかない、じゃあ『白夜』いこーる『わし』じゃ、つまり他人が『白夜たるもの』いこーる『わし』にもなる、わからんくていいぞ、俺もわからん」

 

 

「まぁなんだ、空母棲姫ははじめはただの深海棲艦でした、あるループでそれが気ずれただけじゃ、ただ『加賀』の魂をねじ込んで、『捨てた自分』を押し付けられた哀れな船さ、ほぼこじつけだよ、『白夜』を押し付けたから、私が『白夜』だってさ、まじうけるんですけどー」

 

「じゃあ、『白夜』の話をしようか。常勝無敗の怪物、混沌の根源、狂喜の皇帝、あーだこーだいわれている演技者な怪物のワタシですがね、倒せない訳じゃないんですよ、えぇ、『白夜』を演じなければただのめちゃくちゃフィジカルお化けなだけですから、で、今はどうなっているか?えぇ」

 

 

「不完全な『神』ですって奥さん、いやぁねぇ、ほんと。神になるとかそんなの『白夜』じゃないんですけどぉ」

 

 

「じゃあ今、『白夜』じゃないなら、『無敗』で『不死』でもないと、えぇ、神を引きずり下ろすのはいつでも人間ですよ」

 

「その時間はいつかだって?さぁ、もうすぐだと思いますね、ワタシは」

 

「だからこうおもった、一パーセントでも勝率をあげるために艦隊の皆さんに強くなってもらいマショーってね」

 

「だから言えるのはひとつ、時間の許す限り力を得るがいい、俺には限界はあるが、俺の手の内を読むのには損はなかろう、そしてこれを終えたら今度は加賀さんの体験をしてもらう、数千数万数億の敵を沈め、咆哮するがいい、そして、全てが終わりし時、それが貴様に課せた『提督』の最初で最後の任務だ」

 

 

 

■■■■■■■■■■■■




次回から?
もう前回の時点でまとめ終わったし、加賀改二までもう進まないし、うん


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