白鷺家のお兄さん (面心立方格子)
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文化祭編まで
妹と僕の日常


息抜きさせてください........

リサ姉の弟問題すごかったですよね.....


皆さん、こんにちは!!!

僕は白鷺優希。現在大学1年生。あの有名女優白鷺千聖の兄だ!!

 

 

....までは、いいんだ。僕は何故だか知らないが、妹から嫌われている。ほんとなんでなんだ?.....ただただ辛いのである。

 

例えば朝

 

「んん.....朝、か。おはよう、千聖。」

「ふん。」

 

この通り何故か避けられている。怒っているのか?

 

「母さん、僕は何故千聖から嫌われているんだ?」

「さぁ.....何かしたんじゃない?」

おいテキトーだな。真面目に悩んでいるのだ。ほんとなんでだ.....?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

悩んでもあれなので、俺はファーストフード店のバイトに行った。ほら、大学生って、何かとお金使うじゃん?だから稼いでるのさ!!

 

「白鷺くん、今日も頑張ろうね♪」

「ああ、えっと.....名前なんだっけ?」

「松原花音だよぉ。忘れないでぇ。」

「あ、ごめんな。.....どうしても千聖以外の女子の名前は忘れやすいんだよなあ。」

「白鷺くん、それでキャンパスライフ送れてるの?」

「うーんとね、僕今のところ男子としかつるんでないから女性関係でそこまで悩んでないんだよなあ。」

「すごいね.....」

「まぁいいや。今日も頑張ろう、花音さん。」

「はい!!」

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませ、ご注文は何になさいますか?」

「あ、あの.....」

「どうかなさいましたか?」

 

これもよくある。女性客が来て、僕がレジで注文を聞くと、何故か皆固まる。それと同時に後ろから殺意のこもった視線がくる。ほんとなんでだろ?

 

「じゃ、じゃあ.....バーガーセットお願いします.....」

「はい、かしこまりました、ドリンクは何になさいますか?」

「ストロベリーで.....」

「かしこまりました、合計590円になります。レシートよろしかったでしょうか?」

「は、はい.......」

 

 

 

「いらっしゃいませ、ご注文は何になさいますか?」

「うーん、ポテトL3つ下さい!!」

 

.......え?

 

「おにいさん、どうしたのー?」

「は、初めてだ.....初めて、女性のお客さんで固まらなかった。ありがとう!!」

「え!?.....おにいさん、るんっ、てきたよ!!」

「るんっが何かはともかくありがとう!!えっと君は.....?」

「私?私は氷川日菜!!」

「氷川さんか、覚えておくよ、多分次会う時は忘れてるかもだけど。」

「あはは!!やっぱりおにいさん面白いね!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、バイトが終わったよ。」

「お疲れ様、白鷺くん。」

「花音さん、ありがとう.....そういえば花音さんって、千聖と仲良かったっけ?」

「はい、千聖ちゃんとはよくお茶してますよ.....それなのに忘れてたんですか?」

「.....申し訳ない。で、折り入って相談なんだが、僕は何故か千聖に嫌われているんだよ。なんか言ってなかったか?」

「そうですね....兄はタラシなのよ、とか言ってましたけど.....」

「たらし?僕が...おかしいな、口説いた覚えすらないのに。どちらかといえば千聖一筋なのに。」

「相変わらずのシスコンぶりですね.....」

 

おいおい花音さんや、相変わらずとはなんだ。妹を愛して何がいけないというんだね.....うん、世間からしたらおかしいか。

 

「なら.....帰りになんか買っていくか.....千聖、何が欲しいんだろ?」

「じゃあこれから一緒に探しにいきませんか?」

「頼む。色々教えてくれ。」

「.....なんか、白鷺さんって、弟って感じがしますね。」

「え?そうなの?」

「はい、少し頼りないというか、守ってあげたいなって感じがしますし。」

 

男なのに頼りないって言われるとなぁ.....少し傷つくね。

 

 

「じゃあ、行こっか。」

「はい。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ただいま。母さん、千聖いるか?」

「千聖は今日も仕事で遅いわよ。」

 

まじか、せっかく渡そうと思ったんだが.....

 

( ゚д゚)ハッ!部屋に置いておけばいいじゃん!!置き手紙と一緒に。

 

「千聖.....頼むからお兄ちゃんを避けないでくれよぉ.....」

 

 

 

 

 

 

その夜

 

はぁ.....今日も兄さんを避けてしまったわ.....ほんとに辛い。

避けてしまっているのは、嫉妬。私はこうやって女優をやって、皆からは「女優」としての白鷺千聖としか見られていない。それに仕事のせいで自分のしたいことも思いきりできない。だから、自由に生きている兄さんが羨ましいと同時に嫌悪してしまった。今思えばつまらないことだけど、謝れそうにないし.....ほんと、久々に兄さんに甘えたいわ.....

「あら、何かしら?これ?」

 

これは、恐らく兄さんの字.....これ、プレゼント?

 

「わあ.....可愛い髪飾りね。」

 

兄さんにこんなセンスがあったなんて.....さすがね。でも兄さんが選んだとは思えない.....誰かしら?また女の人かしら?

 

「それに勝手に部屋に入って....お説教が必要みたいね。」




どうも。
ラブライブ!作品を読んでくださってる方はこんにちは、知らない人は初めまして。面心立方格子です。現在、ラブライブの方を週五で投稿してます。
バンドリはラブライブ同様書いてみたかったので書きます。多分クオリティは高くないかもしれないので、そこら辺はごめんなさい。


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大人らしくなれば.....

youtubeとかを見た時に、総合力27万!?えぐっ、と思い自分のデータを見ると、あれ?29万7000あるやんってよくなります。自分の総合力忘れがちですよね.....


僕は今脳内会議をしている。

 

先日千聖にあげた髪飾りだが、千聖が付けていてくれて可愛くて死にそうだった。あの夜は眠れなかったね。なのに、千聖は未だ素っ気ない態度をとる。何が足りないんだ.......

 

そういえば先日、花音さんが弟っぽいみたいなことを言っていたな......

もしかして、兄、いや年上感がないから千聖は僕を嫌ったのか!?

千聖は結構大人びてるが、幼いところもある。そこが可愛い。じゃなくて、大人びてるからこそ、兄らしくない兄が嫌になったんだろう。

ならば、大人らしくなろうじゃないか.....その1歩目は.....

 

 

 

ブラックコーヒーを飲めるようになろう!!!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

というわけで、今羽沢珈琲店に来ている。ちょうど近くにあったから来てみたが、雰囲気は落ち着いているな。

 

「へいらっしゃーい!!何握りやしょーか!!」

 

.....うん?握る?ここ寿司出るのか?珈琲店なのに?

 

「じゃあ.....えんがわで。」

 

「イヴちゃん、うちカフェだから...っ」

 

ん?奥から可愛らしい、というか妹オーラ全開の子が来た。千聖には遠く及ばないが、可愛いな。

 

「すみません、寿司はここでは出ません。」

「あ、そうですか。ビックリしました。」

「はい.....1名様ですね?席にご案内します。」

 

 

 

「ご注文は何になさいますか?」

「ブラックコーヒーで。砂糖、ミルクはもちろん無しで。」

「ブラック飲めるんですね.....すごい。」

「初挑戦だけどね、大人らしくなりたいんで飲むよ。」

「確かに、ブラックコーヒー飲める人憧れます!!すごいですよね!!」

「うんうん!!なんか気が合いますね。君名前は?」

「えっと、羽沢つぐみです!!おにいさんは?」

「僕は白鷺優希。よろしくね。」

「もしかして、千聖さんのお兄さんですか?」

「妹を知ってたのか。」

「はい!!よく来てお茶してますよ。」

「そうか.....妹が世話になっています。では、ブラックコーヒーを持ってきて下さい。」

「はい、分かりました。」

 

 

.....あの子、お兄さんかお姉さんいるのかな?いなかったら天性の可愛さだな。まぁ千聖には及ばんが。

 

「お待たせしました!!ブラックコーヒーです!!」

「あれ?君はさっきの.....」

「あ!!自己紹介が遅れました!!私は若宮イヴと申す者です。押忍!!」

「僕は白鷺優希。よろしくね。」

「もしかして、チサトさんが言ってたお兄さんってあなたのことですか?」

「ん?千聖はどういう風に話していたんだ?」

「えっとぉ.....少し子供っぽいところがあるって言ってましたね!!」

 

 

.....やはりか。脳内会議してきて正解だったぜ。ならば今日子供っぽいを卒業してやるぜ!!

 

「若宮さん、俺がブラックコーヒーを飲んだという雄姿を千聖に伝えてくれ。今からその瞬間を見ていてくれ!!」

「おお!!その気迫、まさにブシドーですね!!」

「.....いざ!!!」

 

そして、僕はコーヒーを飲んだ。確かに苦いが、千聖に無視され続ける苦い日々に比べれば、なんてことない!!!

 

 

「ふぅ.....飲みきったぜ。」

「すごいです!!この店で1番苦いコーヒーを飲みきるなんて、やはりブシドーはすごいですね!!」

 

ブシドーって言うのが何かは知らんが、これで僕は勝った。千聖よ、お兄さんは、大人の階段を登ったぞ。

 

 

 

「コーヒーだけでいいんですか?」

「羽沢さん、ケーキとかはまたの機会(千聖と2人で行く時)の楽しみとして取っておくよ。また来るね。」

「はい!!ありがとうございました!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「チサトさん、チサトさん。」

「どうしたの?イヴちゃん?」

「昨日、ユーキさんが店に来て、ブラックコーヒーを飲んでましたよ。あの気迫.....まさにブシドーそのものでした!!!」

「兄さんが.....ふふっ、そうやって背伸びする所も可愛いわね♪」

「千聖ちゃんって、お兄さん好きなんだね。」

「ええ、自慢の兄よ。というか彩ちゃん?あなた同じ職場にいるでしょ?」

「えっ、いたっけ?.....あ!!ファーストフード店で働いてた!!シフト一緒になったことないんだ.....」

「そう、残念ね。兄さんと仕事出来ないのは残念ね。でも一緒に働ける環境にいるのは、羨ましいわ。」

 

 

(千聖さんをここまでにする優希さんって、どんな人なんでしょう?)

麻弥はふと気になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあなあ若宮さん、千聖何て言ってた?」

「はい!!背伸びしてるところも可愛らしいと言ってました!!!」

 

 

.....え?

「ウソダァ!!まじかよ!!馬鹿にされてるじゃねぇか。」

 

 

 

.....どうしたいいんだ?




オリ主は、結構頑張ってもらいます。
一応時系列は、5バンドが結成した後になります。ご理解を。


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デジタルな人間になれれば.....

少し時間があったので投稿します。


皆に考えて欲しい。現代を象徴するものはなんだ?

 

増税?いや、確かにそうだが象徴というには少し足りない。

 

平和?確かに世界レベルの戦争は起きてはいないが、各地で紛争は起きている。

 

そう.....現代は発展の時代なのだ!!!

そう、このテクノロジーやデジタル化等の流れに乗らなければいけない!!!僕は高校時代までそういうのに疎かった。携帯とか持ってなかったし、友達とネットで会話というのも無かった。

 

もしかしたら千聖は、この時代遅れな兄に呆れてしまったのかもしれない.....ならば!!!

 

 

僕も現代の流れにのる!!その1歩目として.......

 

 

ゲームを上手くなろう!!!!

 

 

ゲームというのにも理由がある。僕は先日とあるアニメでゲーム内で無双するキ〇トを見た。そして、その後の番組で、最近はゲームの強い人や上手い人がタイプになりつつあるという特集があった。だったら僕もゲーム技術を上げ、千聖に認められる人間になればいい!!!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

というわけで、今人気のNFOというゲームをやっていく。今僕は、メガネをかけてネカフェにいる。雰囲気から大事にしていくんだ。というか高校時代までは、ずっと度がないメガネかけてたけどね。

 

 

「とりあえず.....職業決めからか.....傭兵とか強そうだけど、初心者だからなぁ.....よし、とりあえずこの白魔法使いで行こう。」

 

何やら白魔道士は、回復と攻撃を兼ね備えている初心者向けの職業らしい。ただ、耐久は低く、物理攻撃は大打撃になるらしい。

 

『ようこそ、NFOの世界へ。まずチュートリアルをしましょう。』

 

へぇ....操作方法とか教えてくれるのか.....中々の親切設計。

 

 

その後、僕はチュートリアルを終え、クエスト選択画面に行った。

 

「まあ多分1番上におすすめとかが来るんだろうな。」

 

そして、僕は特に読むことも無く、クエストを選択した。.....そう、それがイベント最難関のクエストと知らずに。

 

 

 

『転送完了。これよりクエストを開始します。』

 

「へえ、いきなりボス戦かよ、強そうだな。」

 

僕は、魔法陣を張り、戦闘体勢に入った.....

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

現実

 

 

「ねえりんりーん、さっきから隣の人独り言うるさくない?」

「そうだね.....初心者.....なのかな?」

「そうかも。じゃあ、今日もイベント周回しよ!!!」

「うん、そうだね。じゃあ.....て、隣の人マルチでクエスト入ってるよ。」

「え!?.....知り合いいなさそうなのにマルチでやってるんだ。入ってみる?」

「.....あこちゃんが入るって言うなら。」

「面白そうだし、1回入ってみよーよ!!えっとぉ、『YU』だって!!」

 

「えっ......?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「なんだこいつ!!チュートリアルのやつより強え!!!これがホントに初めてのステージなのか!!!」

 

僕は内心驚いている。チュートリアルでは、モンスターは魔法1発で倒せたのに、10分経ってもまだHPが3分の1くらいしか減ってない!!!これが始まりなら最後らへんどうなるんだ!?

 

「MPもやべぇな。そうだ、なんかログインで貰ったポーション×30を全部使うか。1発も食らってないから多分魔力の補給さえすれば勝てるだろ。」

 

想像以上に相手が強かった為、ポーションを使用して持久戦に持ち込む。なんとなく頭が弱点ぽいので、ずっと狙ってる。

 

 

.....え?なんで分かるかって?そりゃあ、普段の千聖の家でたまにしか見せない子供らしい、いや可愛らしい仕草をを観察するのに比べたら、こんなモンスター如きの急所を見つけるくらい、石ころの中から宝石を見つけるくらい簡単だからな。.....気持ち悪いとか言わないでね。

 

 

「とりあえず、半分は削ったか。さてどうしたものか.....エリアを見渡す限り安全地帯とかないし、.....ん?誰かいないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえりんりん、あの人、初期装備、Lv1なのにボスとやりあえてるの、すごくない!?」

「うん、このイベント全体的にギミックがない分モンスターの能力が高いから.....デバフをかけれる道具か黒魔道士必須レベルの難しさなのに、互角にやりあえてるね.....」

 

 

 

「えっと、会話するためには.....チャットか!!!」

 

 

YU『あの、協力してもらっていいですか?これ1番簡単なクエストなのに時間がかかるので、この初心者をお助けください。』

聖堕天使あこ姫『え!?このイベで1番強いボスですよ!!!』

YU『え!?(・д・。)まじですか?』

RinRin『そうですよ(*・ω・)ノもしかして確認せずに入っちゃったんですか?』

YU『はい.....上にあるやつが簡単なのかなぁって.....僕ゲームするのこれが初めてですから.....色々分からなくて.....』

RinRin『( 'ω')ふぁっ 初めてで初期レベル初期装備で戦えるんですか!?(; ・`д・´)』

YU『うん...という訳で協力してくれませんか?』

聖堕天使あこ姫『いいですよ!!!あこの邪悪なる眷属の力で.....えっとぉ...』

RinRin『敵を焼き払うだよ。(´・ω・`)それはそうと、YUさん、私たちも魔道士ですから、物理戦は無理です。なので、私がデバフをかけますから、その間にあこちゃんと総攻撃を仕掛けてください。( *˙ω˙*)و グッ!一応強化アイテム置いときますんで。』

YU『了解です。』

 

 

 

そうして、僕達3人による討伐が始まった。というか、あの二人が加わった瞬間に相手がすぐ倒れたよ。ほんと、ガチ勢ってすごいな。

 

 

「それにしても、女の子なのにあそこまで強いなんて凄いなあ.....」

「ねえりんりん、飲み物取りに行こうよ!!!」

「あこちゃん.....走っちゃ.....」

 

 

『あっ.......』

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「まさか隣のルームにいたなんてね。」

「お兄さんの独り言聞こえてましたよ。」

「まじか、恥ずかしいなぁ.....一生婿にいけない。」

「それを言うなら、お嫁....なんですが。」

「ああ。自己紹介がまだだったね。僕は白鷺優希。」

「えっと.....ふっふっふっ、我が名は魔界の女王.....じゃなかった、宇田川あこです!!!」

「えっと.....」

「ん?どうかしたのかい?」

「いえ.....人と話すのが苦手で.....」

「そうなんだ.....安心して、僕は話すのが苦手でも話せるまでちゃんと待ってあげるから、ね。」

「はい.....ありがとう ...ございます。白金燐子.....です.....」

「宇田川さんに白金さんね、多分次会う頃には忘れてるかもだけど、よろしくね。」

「あの...白鷺って.....千聖さんの御家族ですか?」

「なんだ、妹のことを知ってたのか。僕は、千聖の兄だよ。こう見えて大学一年生だよ。」

「へぇ.....白鷺さんって、バンドとか興味ありますか!?」

「バンド.....高校時代に少しやってたけど.....もしかして君たちバンド組んでるの?」

「はい!!!Roseliaってバンド知ってますか?」

「いや、ごめんね.....僕最近の流行りとか有名人とか全然知らなくて.....」

「いえ!!.....気にする必要はないかと.....」

「Roselia...ね。記憶するよ。」

「これ!!上げます!!!」

「これはチケット.....ライブするの?」

「はい!!!是非見に来てください!!!」

 

 

意外と仲良くなれた。ゲームで知り合ったけど、リアルでもあんまり変わらないんだね。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「千聖、話があるんだけど.....」

「.....何?兄さん。」

 

ん?なんか怒ってらっしゃる。話に応じてくれただけ僕は心の中で涙を流している。

 

「なんかRoseliaってバンドのチケットもらってさ....ペアだから一緒に行かないか?」

「.....その日は仕事なの。他を当たって。」

「そうか、じゃあまた暇な時にでもどこか一緒に出かけようぜ。」

「.........」

 

 

 

 

 

 

 

「千聖は何で怒ってんだ?なんか触れちゃいけないことでも言ったっけ?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

千聖side

 

ああ!!もう煩わしい!!なんで兄さんの誘いを断ったのよ!!!私のバカ!!!

 

 

私は枕に顔をうずめながらベッドで悶えていた。

 

久々に兄さんと話せて本当に嬉しかった、やっぱり兄さんは優しい。抱きしめられたい.....でも兄さんったら

 

「もしかして.....私がバンドやってること知らないのかしら?」

 

ひとつ疑問がわいた。Roseliaって本当に有名なのに兄さんは知らない。おまけに兄さんは、テレビをほとんど見ない。.....たまにアニメを見てるけど。なら私たちパスパレすら知らないのかも.....

 

 

「でも、どうやって話したら.....」

 

しばらくの間、私は悶えて、いつの間にか疲れて寝ていた。翌朝、兄さんが潤った目でこっちを見てきた時は、可愛すぎてつい抱きしめそうになったが、いつもどうり冷たい反応をしてしまい、内心で自分を責めていた




少し、長くなりましたね.....
お気に入り登録&評価ありがとうございます!!!
☆4と☆1でしたね、まだまだ足りないと。これからも色々勉強して頑張っていきます。


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ハッピーハロウィン!!!!

ハロウィンの千聖さんの限定ボイスが可愛かったです。あとモカちゃんはモカちゃんらしいなーと思いました。



今日はハロウィン!!!

毎年千聖の仮装が見られるかもしれないから本当にいいよね。でも千聖って恥ずかしがりなのか僕には仮装を見せようとしないんだよね。

今から3年前だったかな。千聖が仮装する番組の観客席の抽選に当たったって千聖に言ったら「兄さんにみられるのは恥ずかしいからダメ!!!」って頬を赤くしながら食卓で怒ってたなぁ.....写真撮りたかったなぁ.....

 

だが今年は確実に見ることが出来る。どうやらこの街で仮装パレードというのがあるらしく、千聖も参加するらしい(若宮さん情報)。また、千聖の友達も参加すると聞いて涙が出そうになった。千聖に友達が出来たんだ.....てなったね。

 

というわけで見に行こう!!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はぁ.....」

 

「あれ?千聖ちゃん、イベント前なのになんで落ち込んでるの?」

 

「いえ.....もしかしたら兄さんが来てるのかなって思って。」

 

「え?別に見られたっていいじゃん?なんで?」

 

「兄さんに見られるのが恥ずかしいのよ!!!今年なんて、こんなに露出の多い衣装だし!!!」

 

「あはは.....でも仕方ありませんね。スタッフさんが皆揃ってサキュバスの衣装を着ろって言いましたし。」

 

「ほんとになんでなのかしら.....?イヴちゃんモデルやってるんだし着ればよかったのに。」

 

「いえ!!!千聖さんの方が悪女感があってとても似合ってますよ!!!」

 

「イヴちゃん?それって褒めてるの....?」

 

「ところで千聖ちゃんのお兄ちゃんってどんな人なの!?ずっと気になってたんだ!!!」

 

「そうね.....とても優しくて、かっこいい自慢の人よ。」

 

「すごいべた褒めだね.....」

 

「うーん、なんかるんって来ないなー。他には?」

 

「そうね.....少し気の弱いところもあって母性をくすぐるのよ。日菜ちゃんも会ったらわかると思うわ。」

 

 

「パスパレの皆さん、そろそろ時間ですので、お願いします。」

『はい!!』

 

そうして私たちはパレードの準備に入った。.....兄さん来てるのかしら。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

うわ、すごい人混みだなぁ。僕こういうのあんまり得意じゃないんだよなぁ.......

 

「僕も何かしら仮装してきたら良かった.....皆してるじゃん。」

うーんどうしようかな、まだスタートまで時間はあるけど.....

 

「やあ、兄さんじゃないか。久しぶりだね。」

 

「ん?.....薫か。お前成長したなぁ。元気だったか。」

 

「ああ、もちろんだとも。兄さんは千聖を見に来たのかい?」

 

「当たり前だろ。ハロウィン唯一の楽しみは、お菓子と千聖の仮装だからな。ほんとに普段の疲れが消し飛ぶよ。.....あれ?薫はなんでここに?」

 

「私もパレードに呼ばれてしまってね。ああ、この会場のお客さんの視線を奪うなんて....なんて罪なんだ。」

 

「そうか、なら薫の仮装も楽しみにしておくよ。で頼みなんだけど....」

 

「なんだい?」

 

「皆仮装してるじゃんか。僕は私服で来ちゃったんだよね.....だからさ、仮装する服とか欲しいんだよね。コーディネート頼めないかな?」

 

「そういや兄さんは昔からファッションセンス皆無だったね。分かった。力になろう。心強い助っ人も呼んでおくから、20分後、そこの服屋で会おう。」

 

「見ないうちに頼りがいのある人になったな、薫。」

 

 

 

 

 

20分後

ん?なんか薫の隣にギャル?か分からないけどめっちゃ陽キャパリピみたいな人がいる。

 

「リサ、紹介しよう。彼は白鷺優希。千聖のお兄さんさ。」

 

「へぇ、千聖にお兄さんいたんだ。あ、私は今井リサって言います。よろしくね!!」

 

「あっ...えっと、はい。」

 

僕こういうコミュ力高い人と接するの慣れてないんです.....頑張らないと。

 

「それにしても、千聖に似て本当に顔がいいねー。スタイルも文句なしだし!!」

 

「あ、ありがとうございます。あの...コーディネートやってもらえませんか?」

 

「うん、任せて!!とびっきりかっこいいのにしてあげるから!!」

 

「はは、こうなったリサは止まらないよ、頑張ってくれ、兄さん。」

 

 

 

「うん!!こんな感じじゃない!?」

 

「ああ.....とてもかっこいい狼じゃないか。」

 

「え?狼なの?めっちゃもこもこしてるとこあるんだけど.....」

 

なんか犬って言った方がいいような気もするけど.....やってもらったし文句とか言えないね。

 

「優希さん?でしたっけ。素材がいいから、こういうの着てもかっこいいですよ。今回は少し砕けた雰囲気の狼男にしたから、見方によっては可愛くも見せられるよ!!!」

 

あっ、そういうことね。それなら納得できる。でも僕男.....

 

「今井さん?でしたっけ。コーディネートありがとうございました。では僕は観客席に戻りますね。」

 

「分かったよ。勿体ないなぁ.....ねえねえ、私もパレード出るんだけど良かったら一緒に出ない?」

 

「.......え?」

 

一緒に出る?出会って1時間も経たないうちにこうなるのか.....?恐るべきコミュ力。

 

「今井さんにはお世話になったし.....そちらがしたいというなら喜んで参加させてもらいます。」

 

「お!!いいね!!じゃああそこに受付あるから言いに行ってね。」

 

というわけで仮装に参加することになった。でも気になるのが、ガールズバンド仮装パレード? girls?僕男なんだけど.......

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「.......」

 

「千聖!!!それすっげぇ可愛いなぁ!!!」

 

今僕の目の前に天使がいます。あぁ...生きててよかった.....目は合わしてくれないけど...

 

「えっと.....あなたが千聖ちゃんのお兄さんですか?」

 

「えっと君は?」

 

「えっとぉ.....まん丸お山に彩りを!Pastel*Palettesボーカル、丸山彩でーっす!!」

 

「ボーカルか。やっぱりボーカルって明るい人多いんだな.....」

 

「あれ?バンドの分析はじめちゃったけど....」

 

「ごめんなさい、彩ちゃん。兄さんはこういう所があるの。」

 

「じゃあ僕も自己紹介を。僕は白鷺優希。白鷺千聖の兄にあたる人間です。」

 

「あ、ご丁寧に.....お兄さんのことは普段千聖ちゃんから『彩ちゃん?』.....なんでもないです。」

 

「?」

 

今とんでもない殺意とんでなかった?

 

「あ、ユーキさん!!お元気でしたか!!」

 

「お、若宮さん。その仮装は.....何?」

 

「これですか!!雪女の衣装です!!日本の妖怪もとっても怖いですから!!」

 

へー、でも若宮さんに和服って案外似合ってるな。

 

「あー!!この前の店員さんだー!!!」

 

「あ!!えっと名前なんだっけ?ひ.....氷川さんだっけ?」

 

「そうだよーー!まさか千聖ちゃんのお兄さんって店員さんなんだ!!!」

 

「まさかあの時の子がこんな所にいるのが驚きだよ。」

 

『え?』

 

「え?えっと.....君たちがバンドだというのは分かったんだけど.....ごめんね、僕テレビとか見てないから千聖と、会ったことのある人間以外分からないんだ。」

 

「じゃあ自分も自己紹介をした方がいいですね。自分、大和麻弥といいます。趣味は機材に触れることです。」

 

「大和さんね.....それは.....犬?」

 

「はい。でもなんか動きずらいんですよね、これ。」

 

「確かに動きにくそうですね.....もしこけたり怪我したら抱えてあげるから安心してくださいね。」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

「.......兄さん?」

 

「うん、どうしたちさ.....」

 

あれ?拗ねてる?ちょっといじけてる千聖も可愛いなぁ。

「大丈夫だよ、千聖が怪我した時もちゃんと助けるからね。」

 

「.......」

 

「でも優希さんって男の人ですから、どう出るのでしょうか?」

 

「それは僕もまだ聞いてなくてね.....何するんだろ?」

 

『白鷺さん、そろそろ本番ですので、こちらに来てください。』

 

「はい、分かりました。じゃあ皆、また後でね。」

 

「はい!!頑張ってください!!」

 

 

 

 

 

「優希さん、かっこよかったなぁ.....」

 

「彩ちゃん?兄さんの魅力はあんなものじゃないわよ。」

 

「.....千聖ちゃんがそこまで言うなんて.....」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「皆さん!!ハロウィン楽しんでいますか!!」

 

『いえーーーーい!!!』

 

「今日は、最近人気沸騰中のガールズバンド達中心の仮装パレードが今宵開催されます!!思いっきり楽しんでください!!!」

 

「今回は夜の部です!!昼間、Poppin’PartyやAfterglow、そしてRoseliaのメンバーを中心にとても盛り上がりました!!そして夜は!!Pastel*Palettesとハロー、ハッピーワールド!の2バンドを中心にパレードが行われます!!そして、Roseliaの今井リサさんは、夜の部も参加しています!!!ではパレードの開幕です!!」

 

あ、パレード始まったよ。くそ.....パレードしてる千聖をビデオに収めたかったなぁ.....仮装した写真は手に入れたからいいんだが。というか花音さんいるじゃん。あの人もバンドやってたのか.....薫も演技口調になったとはいえ、やっぱり変わってないな。楽しそうじゃん。

ん?皆がお菓子をばらまいている?千聖が投げたやつほしかったなぁ。

 

 

「そして今回!!!特別ゲストが参加されました!!!知る人ぞ知るバンド「EXTRA」のメインキーボード、YUさんが参加されました!!!」

 

「え!?EXTRA!?」

 

「YUってあの.....」

 

ちょーーーーーー!!!!!!ハードル上げすぎ!!司会者さんわざとしただろ!!!バレるのは仕方ないとしても、ハードルは上げないでくれ!!!僕そこまで前にでるの得意じゃないから!!!

 

 

「大丈夫!!あたしもいるから!!!」

 

「よかった.....今井さんがいるならまだマシだな。」

 

 

 

 

 

『YUーーーー!!!!!』

 

「なんか可愛いな。」

 

「えっと.....トリックオアトリート?お菓子をくれないと.....これ本当にいうの...?.....皆をハロウィンの夜から返さないぞ。」

 

「きゃーーーーーーー!!!!!」

 

「うんうん!!!凄い人気だね!!」

 

「今井さん.....僕は緊張と恥ずかしさのあまり死にそうだ.....」

 

 

その後、お菓子をばらまいてすぐ帰った。今井さんと歩いたことにより、SNSで少し話題になったらしい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ふふっ、頼んでおいた通りね。」

 

本来なら最初に兄さんが出るはずだったけど、兄さんが頑張る、というかあたふたする所を見たかったからスタッフさんに頼んで順番を入れ替えてもらった。

 

「綺麗に撮れたわ....兄さん。でももう少しテンパってるところは見たかったわね。」

 

リサちゃんがいたからかもしれないけど、兄さんの緊張は少し解けていた。とは言え、イタズラが成功したのは嬉しかった。普段から兄さんには結構ドキドキさせられっぱなしたがら少しは兄さんもドキドキしてほしかった。....リサちゃんに靡かなかったのもあれだけど、緊張は少しはしてたから、意外な所を見れた。

 

「普段は立場が逆だから....今日くらいイタズラしてもいいわよね、兄さん?」




ハロウィンでしたね。出来ればもう少し早く投稿したかったのですが、何かと今日忙しくて、投稿するの遅れましたね。


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得意分野を出来れば......

みんなに聞こう。兄や姉がどうしてかっこよく見えるのか。僕はその答えを見つけた。

そう.....兄や姉は弟や妹が出来ないことや苦手なことが出来るからこそ尊敬され、好かれるのだ。千聖は運動が本当に苦手である。対する僕は千聖と対称的なのか運動が出来る方である。高校時代は、短距離5位、長距離8位とかなりの好成績を残していた。

.....少し運動して、できる所を見せれば、千聖もきっと見直してくれるだろう。

 

よし!!頑張ってやるぞ!!( *˙ω˙*)و グッ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「そういえば千聖ちゃん、来週体育大会だね。千聖ちゃん何出るの?」

「私は.....特殊ルールのリレーだったわ。なんでかしら.....?」

「あ、花女伝統のお客さんとかをメンバーに入れて探すリレーだよね?私もそれだったなぁ。」

「メンバーを揃えれると思って私と彩ちゃんにしたのかしら.....?でも私遅いし.....心配だわ。」

「でも、優希さん誘えばいいんじゃない?私もまだ優希さんとは話したいし。」

「兄さんと.......はぁ、誘いにくいわね。」

「え?じゃあ千聖ちゃん、優希さんとは私が走るけどいいの?」

「.......それはダメ。兄さんは渡さないわ。」

「う.....うん(凄い気迫だなぁ)」

「仕事も終わったし先に帰るわね。またね、彩ちゃん。」

「うん!!また明日!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

というわけで僕は近くの公園でスポーツウェアを着て、走っている。大学に入ってから運動する機会が減って意外と体力が落ちている。

 

「ふぅ.....もう10キロ走ったけど結構疲れるな.....涼しいのが救いだな。」

「あら?あなたどうして1人で走ってるの?」

「え?」

後ろから金髪ちゃんから話しかけられた。あれ?この人どこかで見たような.......

「こころん!!どうしたの?....ってこの前の仮装に出てたお兄さんじゃん!!!」

「ん?また増えた?」

なんか次は元気そうな女の子が入ってきた。知り合いなのかな....?

 

「話しているのもあれね。あなた、名前は?」

「僕?僕は白鷺優希だけど.......」

「ゆーきね!!とてもいい名前だわ!!一緒に走りましょ!!一緒に走った方がもっと楽しいわよ!!さあ!!あそこまで誰が1番でいけるか競走よ!!」

「わぁ、楽しそう!!お兄さん、負けないよ!!!」

「.......ついていけない...,」

 

この子達のノリはすごいなー。今井さんもそこそこだったけど、この2人は別次元である。しかも速!!身体能力すごいな、あの子達。

 

 

 

 

 

「ゆーきが1番ね!!すごいわ!!!」

「お兄さん、はぐみ達を抜いていくなんて凄いよ!!!」

「ぜぇ......ぜぇ.....すごすぎる。」

ほんとに死ぬかと思った。久々に全力疾走したよ。

.....ん?なんでそんなに足が速いか?それはな.....もし突然雨が降って千聖が傘を持っていない時、マッハで届けるためだ!!もしくはお弁当を忘れた時かな。中学時代に1度あったけどその時は

 

「.......ありがとう。けど、わざわざ学校に入ってこなくても.....」

説教混じりではあったが、照れながら感謝してくれたな。

 

 

「こころ!!はぐみ!!ここで何してたの!?」

「あら?美咲じゃない。美咲も一緒に走りましょ!!」

「いや走らないから.....すみません、2人がご迷惑をかけて。」

「え?.....気にしてないからいいよ。久々に走れて嬉しかったし。」

「そう言ってもらえるなら.......」

 

見たらわかる、この子苦労してるな。というか雰囲気が優しそう。

 

「それよりこころ、練習の休憩がてらどこかに行くのは辞めて。探しに行くのが結構しんどいから。」

「そういえばそうだったわね。はぐみ!!お家まで帰りましょ!!」

「そうだね、こころん!!じゃあ、お兄さんまたねー!!!」

「うん、また今度ね。」

 

 

 

 

 

「君、相当苦労しそうだね。」

「分かってくれてるだけで助かります.....」

「僕は白鷺優希。君は?」

「私?私は奥沢美咲です。えっとこころ達とは.....バンド仲間です。」

 

 

ん?バンド.....?

「もしかして、花音さんや薫がいるバンド?」

「そうです。というか2人を知ってるんですか?」

「ああ。薫は幼なじみだし、花音さんはバイト先が一緒だからね。」

 

見覚えあるなと思ったら仮装でめっちゃ派手に動いてたバンドだったことを今思い出した。

 

「あれ?奥沢さんだっけ?仮装のパレード出てたっけ?見てないんだけど。」

「私は着ぐるみですから....ほら、ミッシェルっているじゃないですか。あれの中身なんですよ、私。」

「ミッシェル.....?知らないな。マスコット?」

「こんな感じです。私の羊毛フェルトですけど。」

「へぇ.....凄い器用だね。今度教えてくれない?」

「別にいいですよ。作る仲間がいると楽しいですし。」

「あんまり警戒しないんだね。初対面なのに。」

「いえ.....こころたちのこともありますし.....なんか安心するんですよね。白鷺さんといると。」

 

 

「あら?何を口説いているのかしら?兄さん?」

「え?.....千聖!?」

「あ、白鷺先輩、こんにちは。」

「こんにちは、美咲ちゃん。うちの兄が迷惑かけてごめんなさいね。」

「いえ.....別に迷惑では.....」

「千聖、我が愛しの妹よ、僕はナンパなどはしていない。よく分からない金髪の子達と走ってたら奥沢さんと出会ったんだ。」

「それってこころちゃんね.....でも、説明になってないわよ、兄さん。それにこころちゃん達ともいつの間にか仲良くなってたのね.....」

「どうしよう、奥沢さん、千聖がめっちゃ怖いんだが。」

「私もこんな白鷺先輩初めて見ました。」

 

 

「これは説教が必要かしら?」

「......すみません。」

 

 

千聖と久々にまともに口を聞けた。.......それだけで幸せだ。

 

 

兄さんに説教とはいえ、まともに会話ができた.......今夜は眠れないわね。

 




新規のりみちゃんとはぐみちゃん見ました?.....めっちゃ可愛かったです。
今年のクリスマスイベントは、Roseliaですかね(イベントのバランス的に)。僕的には、今までの流れからして、パスパレが来て欲しかったのですが.......千聖ちゃんのクリスマス衣装見たいです。


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好みを探せば......

重大発表ってなんなんですかね。個人的に考えられるのは、RAS実装予告か、ペルソナみたいにコラボするかのどちらかかな、と思ってます。


僕には欠落していたところがあった。そう、相手の好みをかんがえることだ。タピオカとか僕にはよく分からないけど、時代や世代には好みや流行りの違いがある。僕はそれを見落としていた。

 

「といっても僕には女友達が少ないしなー、どうしたらいいのやら.......というか僕はSNSとかにも疎いし、難しいことだ.......」

 

とりあえず分かっていることは、千聖は犬が好きだということだ。だが僕は道端で会う犬には必ず吠えられる。ということは.......

 

「僕が犬から好かれる人間になれば、千聖ととも会話が弾むはず.......よし!!!」

 

 

とりあえずドッグカフェに行ってみよう。そしたら何かが見えるはず。

 

 

 

「兄さんまた訳の分からないこと言ってるわね.....暇なのかしら。」

「千聖、それを優希が聞いたら多分泣くわよ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ということでドッグカフェに来てはみたが、入口からいきなり窓越しに吠えられている。本当になんでなんだ......?

 

「いらっしゃいませ。1名様でしょうか。」

「はい、そうです.......」

なんか緊張するな.....相手が女性店員だと。

「では、お席に案内しますね。」

 

 

店裏

「ねえねえ、今店にすごいかっこいいメガネかけた人来たよ!!固まらずに良かったぁ.......」

「え!?どれとれ.....ほんとだ、美男だね。」

 

 

 

 

「ワン!!ワンワン!!!」

「ちょっ.....ズボン噛まないでよぉ.....なんでこうなるんだ.......」

 

入ったら入ったで本当に襲われています。もしかして、犬好きの千聖に嫌われてるからそれに連動して犬からも嫌われているのか!?(そんなことありません。)

 

「とりあえず注文を.......ちょ!!!メニュー持っていかないでくれー!!!」

 

そして、僕は僕のテーブルにあるメニューを持っていった犬を追いかけた。しかも速い。どこへ行くんだ.......

 

 

「それでさー、その時友希那がさー、ってあれ?犬がメニュー持ってきてるけど....」

「本当ですね.......どこのテーブルの物でしょうか。」

「あ、それ僕のところのメニューです.......って、今井さん?」

「あれ?優希じゃん。こういうことろにも来るんだね!というかメガネかけてるんだ。似合ってるよ♪」

 

メニューを追いかけていたら、ハロウィンの時僕をプロデュースしてくれた今井さんと.......水色のロングヘアの清楚感漂う人がいた。.......て、あれ?今井さん僕のこと下の名前で呼んでたけど、そんなに親しくなったっけ?恐るべしコミュ力。

 

「とりあえず返してもらっていいですか?」

「うん。はい、どうぞ!!」

「助かったぁ.....今井さんは動物に好かれてるんですね。」

「そうかなぁ?別に普通だと思うけど。」

 

今井リサは「フツウダトオモウケド」を唱えた。優希に大ダメージ!!

久々に千聖の無視よりは劣るけど、精神的にダメージを受けた。

「そんなぁ.....」

「ところで今井さん、この気の弱そうな人は誰ですか?」

「気の弱いかぁ.....あながち間違ってないよ。」

「えっと、この人は白鷺優希。千聖のお兄さんだよ。」

「白鷲さんの.......失礼しました、私、氷川紗夜と申します。白鷺さんとは同じ学校で同学年です。」

「え?千聖の.......いつも妹がお世話になっています。もしかして千聖の遅刻処理とかしていますか?」

「はい、仕事でよく遅れているのか比較的遅刻届けが多いですね。私は風紀委員を務めていますから、そういったことでよく関わっていますね。」

「やっぱりか。中学時代もそうだったけど何かしら風紀委員さんにはお世話になっているからなぁ.......」

「あれ?優希、アタシと会った時よりも打ち解けるの早いねー。」

「そうかな?千聖の話題だと僕は流暢に話せるようになるからだと思うけど.......」

「そうですね、共通の話題があると話は進みやすくなりますからね。」

「そういえば氷川さん、あなた妹いますか?」

「はい、日菜という妹がいます。テレビで見たんですか?」

「いや、僕はテレビには疎くてね.....この前のハロウィンイベントの時に会ったんだ。」

「そうですか.....日菜が何かご迷惑かけませんでしたか?」

「大丈夫ですよ、特に何も。元気でいいじゃないですか。」

「元気というか、自由ですから.....姉としては心配なんです。」

「その気持ち分かります。うちも妹は結構自分の中に悩みとか溜めてるんで心配なんですよ。それに周りから女優としてしか見られてないかとか。」

「お互い苦労してますね。」

「そうですね.....兄として妹を支えられるところがあるのは嬉しいです。千聖は何かと器用ですから.......」

「そういうところは日菜と似ていますね.....あの子は天才ですから。」

「そうなんですか?僕はそういう一面は見たことありませんけど。」

「じゃあひとつ質問させて下さい。あなたの妹が天才で、何においてもあなたより優れている時.....あなたは妹を受け入れることはできますか?あなたが努力して得たものを軽々と越えられたとしても.......」

「ちょ、紗夜。」

「そうですね.....別に僕は受け入れられますよ。たった1人の可愛い妹ですし。それに人には『らしさ』があるから、そこまで気にもしませんし。あと最後のことですけど、越えられたなら僕は追いついて追い抜くまで頑張りますよ。天才だからって言い訳はしたくないので。」

「.......あなたは強いですね。今井さん、この人はいい人ですね。」

「え!?紗夜もしかして、優希のこと試してたの!?」

「はい。今井さんがしばらく入れない話題を出してすみません。妹好きは分かっていましたが、下心がないか心配で。特に今井さんの容姿だとどうしても狙われやすそうなので。」

「そ、そうかなぁ.......」

「というか氷川さんも狙われやすいと思うよ。2人とも綺麗だし。」

「そういうことを言ってると怪しまれますよ。」

「そうだね.......て!!さっきから僕の足を噛むの辞めてくれない!?結構痛いんだよ!!!」

「あはは!!優希って懐くというより遊び相手と思われてるんじゃない。」

「え.......?」

「そうですね、嫌われているというよりかは同種と思われているのではありませんか?」

「氷川さんまで.....というか僕なんでここ来たんだっけ?」

 

結局何も掴めないまま終わっちゃった。現代の女の子って本当に難しいなぁ。.......千聖をお茶とかに誘ってみたらいいのかな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「て、いうことがあってさー、優希って面白いよね!!」

「そうなの.....兄さんはどこでも兄さんなのね.......というかまた自然に口説いていたのね。」

「え?また?どういうこと?」

「兄さんは恋愛に本当に疎くて、普通に見たら口説くことでも普通に言うのよ。だから、中学時代なんか皆口説かれた!!とか言っていたし。」

「あはは.......優希も大変だね。そういえば、今日優希と子犬が戯れてる動画撮ったんだけど、見る?」

「ええ、送ってくれるかしら?」

 

その後、私は部屋でその動画を見た。まさか私の大好きな人と動物がひとつの動画にいるなんて........目の保養になるわね。

 

 

「はぁ.......兄さん、可愛いわね。私も早く一緒に出かけたいわ.....」

 

でも、なかなか素直に言い出せそうにないし.....どうしよう......

 

 

 

 




ちょっとだけ深めに書いてみました。どうですかね?一応シリアスには入らないようにはしたんですが.......


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そうだ、誘おう

ハロハピCiRCLE放送局で、Roseliaの声優が出た途端にあっ、これコラボじゃんと察しました。リゼロかSAOかなと踏んでいましたが、まさかそうなるとは思いもしませんでした。もしかして、あの雪の結晶が伏線だったのかな.......


最近感じたことがある。私と兄さんの時間が少なすぎる!!どういうことかって?最近兄さんは何かと外に行っては他の女の子と友達になったり、さり気なく相談に乗ったりと.....私にはいつも事後報告ばっかり!!

 

兄さんとの時間が欲しい。でも、言い出すのがどことなく気まずい。どうすれば.......こういう時だけは日菜ちゃんの行動力を分けてもらいたいわ。

 

 

「あ、あの....兄さん、少しいいかしら?」

「ん?どうした、千聖?勉強か?」

「いえ......その.....」

「.......どうした?」

言い出せない.......今まで様々な舞台をこなしてきたのに。いいえ、勇気の出すのよ、私、たった一言「お茶しに行かない?」と言うだけ!!それだけよ!!

 

「その.....今度花音とお茶しに行くのだけれど、良かったら兄さんも一緒にどう?その.....兄さんも忙しそうだし。」

どうして上から目線になるのよ!!来て欲しいのこっちじゃない!?

 

「うーん、気持ちはありがたいけど、お茶しに行くのなら2人の方がいいんじゃないかな。千聖も花音さんも気を使う必要ないし。」

しかも兄さんはどうしてそこで紳士モードを発動するのよ!!もう!!.......そういう優しい所も好きだけど。

 

「その、花音が兄さんとお茶したいそうなの。バイトでどうしても先輩後輩を意識してて、あんまり打ち解けれてないんじゃないかなって。だから、この機会に仲を深めたら?」

ごめんなさい、花音.......今度ケーキかお茶をご馳走するわ。

 

「僕は別にそんなこと気にしてないんだけどなぁ.....でも人間関係があればバイトとかも行きやすいしなぁ.....分かった。いつ行くんだ?」

「よし!!!」

「え?」

「あっ.....なんでもないのよ!!なんでも!!」

「う、うん.....で日時はいつなんだ?」

「今週の土曜の昼間よ。午前中は仕事だから羽沢珈琲店で集合しましょ。」

「うん、分かった。なぁ.....花音さんは大丈夫なのか?」

「あっ.....兄さん、申し訳ないのだけれど花音の家まで迎えに行ってくれないかしら?1人じゃ迷うと思うし。」

「いいけど.....僕花音さんの家知らないんだ。」

「あとで携帯に送るわ。それ見て行ってね。」

「ほいほい、了解。」

 

 

やった.....!!ついに、ついに兄さんを誘えた!!二人きりで、と言えなかったのは残念だけれど、これも進歩よ。.....今日は眠れないわね。週末が楽しみだわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか千聖の方から誘ってくれるなんて。理由はともかく久々だ.......!!」

僕は非常に喜んでいる。花音さんとの親睦を深めるという目的だけど、千聖から直接誘いがきた。今日くらいは千聖に嫌われていないと自惚れてもいいんじゃないかな.......?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「さて.......花音さんの家を探すか。地図見てるんだけどあんまり分からないんだよなぁ。」

そう、千聖が電車の乗り換えが苦手なように、僕は路線図や地図を見て動くのが大の苦手である。方向音痴とかではないが、全く分からない。あんな複雑なのを見て動ける人ってすごいよね。

 

「ここ.....かな?あれ、でも表札に奥沢って書いてるけど.....」

どこなんだ?一体.......

「何やってるんですか?人の家の前で。」

「えっと.....奥沢さんだっけ?その.....花音さんの家を探していて。」

「え?.....ストーカーとかじゃないですよね?」

「違うよ!?えっとね.....千聖がお茶するから花音さんを連れてきてとのことで探してるんだけど。」

「あっ、そういう.....なら案内しましょうか。花音さんのところに行くのは慣れているので。」

「慣れてる.....?あっ、そうか。同じ花女だからか。」

「私、花音さんより年下なんですが.......」

「え?じゃあなんで.....?」

「前に言ったじゃないですか。バンドやってるって。花音さん、メンバーなんですよ。というか前は薫さんのことも言ってましたよね?自分で。」

「そうだったっけ?.....じゃあ案内してもらっていいかな?」

「本当に忘れやすいんですね.....はい、いいですよ。」

 

 

 

 

 

 

「ここですね。」

「ほんとだ、松原って書いてある。」

「あれ?美咲ちゃん?どうしてここに?」

「あっ、花音さん。白鷺さんが家が分からないって言うから連れてきたんです。」

「.......それよりもなんで美咲ちゃんが白鷺くんと知り合いになってるの?」

「あれ?言ってませんでしたっけ?この前勝手にどこかにいったこころとはぐみを探してる時に会ったんです。その時に少し話しまして。」

「あっ.....そうだったね。」

「では、私はこの辺で。お互い迷わないようにして下さいね。」

「大丈夫だよ、道は覚えたから。」

「地図をまともに読めない人に言われてもなぁ.....」

あの....さらっと心に来ること言わないでくれるかな!?結構気にしてるんだよ!!それ!!

 

 

「しゃあ、行こっか。白鷺くん。」

「あの、花音さん?そっちじゃないような.....」

「あれ?アプリだとこっちになってるんですが.....」

「ん?.....僕達どこにいるんだ?少なくともこっちじゃないよ。逆かと。」

「ふぇぇ.....どうしよう。」

「うん、本当にどうしよう。とりあえず動くとあれだしここで待とうか。」

「はい.....」

 

 

こうなったら千聖にお願いするしかないか.....

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ピロリン

 

「あら?メッセージがきてる。って!?兄さん!?」

 

YU『千聖へ。道が分からず花音さんの家の前で右往左往しています。助けて。』

 

「はぁ.....兄さんがマップとか全く読めないの忘れてたわ。でもよく花音の家の前まで行けたわね。奇跡かしら?」

 

 

もしかして.....兄さんって花音よりも酷いのかしら。

 




前後編分けて書きます。次回は千聖さん回です。(アンケートでめっちゃ言われてました。)
あと、投稿ペースですが早める努力はします。が、毎日とかそこまでは期待しないでください。


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お茶会

Roseliaコラボは引きたいし、別のゲームでも推しが出たりと課金するお金が足りなくなります。


「まったく兄さんたら.......」

「すまんな、千聖。」

「ごめんね、千聖ちゃん。」

 

あの後私は駅から花音の家まで行って羽沢珈琲店に帰ってきた。本当に遠くて運動苦手な私からしたら久々に疲れたわ。

 

「ご注文は何にしますか?」

「そうね.....アイスコーヒーお願いするわ。」

「じゃあ私は紅茶で。」

「僕は.....この前の約束通りケーキとキリマンジャロ貰おうかな。」

「はい!!すぐお持ちしますのでお待ちください。」

 

 

「羽沢さん.....真面目だね。この前は砕けてたのに。」

「白鷺くん、ここに来たことあるの?」

「以前ね.....ブラックコーヒーを飲みに。」

「へぇ、白鷺くんブラックコーヒー飲めたんだ。」

「イヴちゃんがそういえば言っていたわね。結局何がしたかったの?」

「それは言えないね。」

「そう。ところで花音、あなたいつまで兄さんの手を握ってるの?」

「え.....あっ.......」

「まったく.....兄さんに触れていると安心するのは分かるけど、それは事が済むまでよ。」

 

私も昔はあんな風に兄さんによく手を繋いでもらってたわね。今でもたまに部屋に入って寝てるところにこっそり入ることはある。......あら?幼い時よりもひどくなってる?

 

 

 

 

「さてと.....なんか話すことないかなぁ。」

「そうね、私と花音なら学校とかバンドの話とかで盛り上がるのだけれど、兄さんは年齢が違うし.......」

「じ、じゃあ!!白鷺くんが入ってたバンドってどんな感じだったの?」

「僕が?うーんとね....自由な奴らの集まりだよ。僕たちのバンドは少し変わってて、目隠ししながら演奏したりとかくじ引きでどの楽器を担当するかとか、レパートリーの中からファンの人の投票でその曲を即興でやったりとか.....そんな感じだったよ。」

「す、すごいね.....こころちゃんたちでもそこまでしないよ。」

「確かにはちゃめちゃだったわね。私も何回か聞きに行ったのだけれど、凄かったわ。会場の人よりも楽しんでるって気持ちが伝わってきたのよ。しかもそれに裏打ちされた実力もあった。今パスパレをやってるからこそ兄さんたちの凄さが身に染みて分かるわ。」

「千聖、バンドやってるなら早く言ってくれよ。練習くらいならスコア見せてくれたらいつでも手伝ったのに。」

「兄さんは大学とかで忙しいでしょ?変に負担はかけたくないわ。」

 

兄さんと練習できるのは嬉しいのだけれど......自分のことは自分でやらないと。それに兄さんと合わせることになったら兄さんを意識しすぎてベースに集中できないわ。

 

「白鷺くんって、ベースやってたの?」

「いや、僕はキーボードだよ。何で?」

「千聖ちゃんがベースだったからそうなのかなぁって.....」

「あれはマネージャーが決めてたのよ。そういえば兄さん、マネージャーに喧嘩売ってたわね。」

「まさか千聖関連とは全く知らなかったけどね。バンドにやらせなんかを強要してるって聞いたからうちのグループ全員で叩きのめしに行ったよ。」

「叩きのめしにって.......」

「僕らも昔バンドをやっていた頃にいきなり時間変更とか言われたりしてね、1番最後だったのが1番最初になったりしたこともあったね。.......この話聞いてて面白い?」

「はい。白鷺くんがどんな感じだったのかなって。面白いですね。」

「というか花音さんよ、僕に敬語とか使わなくてもいいからね。むしろフレンドリーというか気楽に話してくれていいからね。」

「え?別に気を使ってはいないんだけど.....」

「そうなの?千聖からはそうk『兄さん!!ストップ!!ストップ!!』」

 

(千聖ちゃん、どうしたの?)

(兄さんを誘うのが恥ずかしくて.....その.....花音が少し気にしてるって言っちゃって.....)

(そういうことだったんだ.....別に気にしなくていいよ。白鷺くんと話せるのは嬉しいから。)

(ありがとう、花音。)

 

「ちょっと、お手洗い行ってくるね。」

 

 

 

 

 

「.....(気まずい)」

「あの.....兄さん.....」

「ん?どうした?千聖?」

「普段と兄さんと話せてないから.....その.....少し甘えさせてくれない?」

「.....何するんだ?」

「少し寝不足なの.....今日が楽しみだったから.....少し膝枕してくれる?」

「はは.....まぁいいよ。おいで、千聖。」

「うん.......」

 

そして私は兄さんに膝枕してもらった。気持ちいい.....兄さんの匂いがする.....これは危険だわ.........兄さんも撫でてくれてるし、これは癒しだわ.....

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どうしよう、めっちゃどきどきしてる。今俺の膝で天使がすうすうと可愛く寝ている。しかも気のせいか千聖の匂いもする。女の子っていい匂いがするって言ってたけど、それって香水とかの影響じゃないんだ.......

 

「あれ.....?千聖ちゃん、寝ちゃいました?」

「うん。少し寝不足なんだって。」

「そうなんだ.....ところで、白鷺くん。」

「どうかした?」

「その.....これからは優希くんって呼んでいいかな?その.....あんまり距離を感じたくないから.....いいかな?」

「別にいいよ。というか自由に呼んでくれて構わないよ。」

「あと.....千聖ちゃんは優希くんのこと嫌ってなんかいないから安心してね。」

「そうか.....普段は素っ気ない態度しか取ってくれなくてな。嫌ってるというか避けられてるというか。でも、たまにこうやって見せる1面が本当に可愛いんだ。それだけで心が癒されるよ。」

「私は普段千聖ちゃんに助けられっぱなしだから、こういう一面は知らなかったんです。」

「そうなのか?千聖も去年?だったかな。やっと自分を普通の女の子として見てくれる友達が出来たって母さんに喜んで言っててな。兄としては本当に一安心だよ。それが花音さんなのかな。」

「私も....こう引っ込み思案なところがあるから、千聖ちゃんが仲良くしてくれて本当に嬉しかったんです。」

「そうか.....これからも千聖をよろしく頼むよ。」

「はい、こちらこそ。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「んん.....」

私はふと目が覚めた。そこはもうすぐ沈みそうな夕焼けが綺麗に照らされていた。

 

.....え!?兄さんにおんぶしてもらってる!?.......恥ずかしいけど、兄さんの暖かさが伝わってくる.......もう少し寝たふりをしようかしら.....

 

「千聖、良かったな。花音さんみたいないい人が友達になってくれて。僕は安心したよ。千聖が僕を避けてる理由は分からないけど、これからも誇れる兄さんになれるように頑張るよ。それに、甘えたくなったらいつでも来ていいんだ。僕は千聖を嫌ったりなんかしないからな.......なんて独り言だから言えるけど面と向かったら言えないよな。」

 

兄さん.......今、私の心臓の鼓動が大きく感じる。どきどき.....しているのかしら。背中越しに伝わってないといいんだけど.......本当に嬉しい。こんな私のことを受け入れてくれるのだから.......

 

 

 

それはそれとして、少しはどきどきしなさいよ!?妹とはいえ、年頃の女の子の胸が押し付けられてるんだから躊躇うなりしなさいよ!!!この鈍感!!!

 




少し暖かい日常を書いてみたんですが.....どうですか?僕はこういうジャンルを書くのは初めてですから、何かおかしければ、ご意見、ご指摘してください。
今回は誤字脱字報告が少ないといいな.......


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花女体育大会 ①

少し時期的に遅いですが、体育大会やっていきます。前編は優希くんと羽丘メンバーの会になります。後編で千聖さん回をやります。
内容としては少し物足りないような.....


さて.....この日がやってきた。千聖を合法的にかつ堂々と撮影できるこの体育大会が!!!僕はこの日を待ちわびていた。運動が苦手な千聖が健気に頑張る姿は、僕が受験生の時に本当に力をくれたからね.....

 

「カメラ.....念の為にUSBメモリ、モバイルバッテリー、よりバッチリだ!!今日は撮りまくるぞ!!」

「あ、あの.....兄さん。」

「ん?どうした?千聖」

「あの.....出来ればカメラでは撮らないでもらえるかしら?」

「why?」

「恥ずかしいからよ!!兄さんには.....あんまりそういう所見て欲しくないから.....」

「大丈夫だ、千聖。どんな千聖でもかわ『だからそれがダメなの!!』なんでだよ!?」

「それで去年客席が妙に騒がしかったじゃない!!それが恥ずかしいの。」

「.........」

「分かったら見にこないでね.....どうしても来るならカメラ無しよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日は体育大会.....本当に憂鬱だわ。私、だいたい体育大会の種目決めの時に仕事でいないから、だいたい個人走か借り物競争になっている。今年も同じで、私は『借り人とリレー』という前代未聞の種目になっている。一応団体種目らしいのだけれど.....

 

「千聖ちゃん、今日は頑張ろうね!!」

「そうね.....兄さんが来なければいいのだけれど。」

「え?優希さん来ないの?普通に会うの楽しみだったのになー。」

「彩ちゃんは知らないでしょうけど、兄さんが来ると観客席が妙に騒がしくなるのよ。」

「そんなことあるんだ。なんで?」

「兄さんが千聖ーって叫ぶんだけど、そしたら客席のファンの人から『千聖ちゃんだるるぉ!?』みたいな感じで揉め事を起こすのよ。」

「あはは.....そういうことなんだ。」

「だから今年は少し心苦しかったけど来ないでって言ったの。.....兄さんの応援がないのは本当に悲しいのだけれど、また客席で騒ぎを起こして欲しくないし.....」

(あれ?千聖ちゃんってこんなにしおらしかったっけ?)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「来ちゃったけど.....どうしよう?」

大丈夫、千聖の関係者に見つからなければきっと大丈夫だよね.....

 

「あれ?おにーさんじゃん!!久しぶりだね!!!」

「本当ですね、白鷺さん、おはようございます。」

\(^o^)/フラグ回収早すぎでしょ。

「なんで2人共来てるの?学校大丈夫なの?」

「学校?今日は休んじゃった♪テヘッ」

「自分は誘われたんですけどね.....あはは。」

 

すごいなこの子。堂々と学校サボるって。

 

「というか、私が今日を休みにしたんだけどね。」

「え?そんなことできるの?」

「うん!!理事長さんに、花女の体育大会だから、羽丘の生徒は見に行こうよ!!って提案したら、『いいね!!じゃあ明日は休みにしよう!!』って承認してくれたんだ♪」

「凄いね.......」

「自分も最初聞いた時は同じ反応しました,.....」

もうついていけない.....それで休みになるってどんだけ自由なんだ.....

 

「だから色んなバンドの子が今日見に来てるんだよ!!」

「へぇ.....あ、因みに僕がいることは内緒ね。来るなって言われちゃったから。」

「おねーちゃんどこかなー?」

「話を聞いていない.....まぁいいか。大和さん......だっけ?取り敢えず座る場所探そうか。」

「そうですね.....ほかの皆さんにも会えたらいいですね。皆さん面白い人達なんですよ!!」

「そうなんだ、僕はパスパレとハロハピとRoselia以外は知らないからね。というかRoseliaはメンバー一部しか知らないんだ.....」

「じゃあ今日を機に話してみたらどうですか?」

「そうしようかな.....そっちの方がバレる可能性は低いからね。」

 

 

 

 

 

「ここら辺ですね。」

「あれ?優希じゃん。久しぶり!!」

「あ、今井さんおはようございます。隣は.....友希那ちゃん!?」

「あら、先輩じゃない。久しぶりね。」

「.....え!?友希那と優希って知り合いだったの!?」

「うん、僕がバンドしてた時によく会ってね。その時にちょっと色々練習したんだ。でも珍しいね。誰を見に来たの?」

「燐子と紗夜よ。他の人達も来てるけどみんな自分のバンドのメンバーを応援しに来たの。それと先輩.......」

「ん?どうしたの?」

「その....また顎を撫でてもらえるかしら?」

「まだその癖治ってなかったの.....?よしよし。」

「ふふっ.....もうしばらく続けなさい。」

「え?.....優希、どういうこと?これ。」

「あ、今井さんは知らないよね。昔友希那ちゃんが猫からの好感度が一向に上がらない時があって、猫と同じようなことをすれば分かるんじゃないかってことで顎の下あたりを撫でてあげてたんだ。そしたらなんか知らないけど気に入っちゃって.......」

「友希那を手懐けるなんて.....中々だね。」

「別に手懐けた訳じゃないんだけどな.....」

「それ気持ちよさそうですね!!!あこにもやって下さい!!」

「え?別にいいけど.....」

「確かに気持ちいいですね.....友希那さんの気持ちが分かるような分からないような.....」

「君たち前世は猫だったんじゃないかな。」

 

(ちっ、なんだあいつ。Roseliaのメンバーとイチャイチャしてやがる...)

(雷とかに打たれればいいのに.....)

 

ちよっと.....後ろから超不吉なことが聞こえてきたんですが.....

 

「薫は1人なのか?」

「ああ。こころ達はみんな花女だからね。私だけは1人羽丘なのさ。あぁ.....なんとも儚いね.....」

「いやちっとも儚くはないけど.....」

「花音が少し心配だけどね。あのお姫様は運動が苦手だからね。」

「それならうちの妹なんか大の苦手だからな。どっこいどっこいだと思うぞ。」

「りさちー、お姉ちゃんどこにいるの?」

「紗夜は....というかまだ入場も始まってないよ。」

「じゃあお姉ちゃん教室かな?行ってみよー!!」

「ストップ!!さすがに行くのはまずいよ。」

「そうかなー?顔を見に行くだけなんだしいいと思うんだけどなぁ....」

「とりあえず待っておこうか.....」

 

 

 

「そういえば大和さん、花女にこのバンドのメンバーってどれくらいいるの?」

「えっと.....ポピパは全員、パスパレは彩さんと千聖さんとイヴさんですね。Roseliaは氷川さんと白金さん、ハロハピは薫さんを除いた全員みたいですね。」

「意外と多いんだな。」

「そうですか.....?Afterglowは全員羽丘ですし、ここにいるだけでも.....6人はいますからね。」

「そんなもんなのか.......まあ千聖の頑張る姿が楽しみだ。」

「白鷺さん、顔が危ないですよ。」

「そうだねー、この顔はとてもというかブラコン全開だね。」

 

横で心に矢を突き刺してくる方々がいるが、まぁ気にはしない。ビデオを持ってこなかった以上、心のメモリに保存してやるぜ!!!




睡魔「睡魔に勝てるわけないだろ!!」
作者「馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前」みたいな日々を過ごしています。素材集めとかの周回してたらいつの間にか夜が明けるんですよね......


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花女体育大会②

夏限定の千聖さんと彩ちゃん欲しかったなぁ.....課金したのに出てこなかったんですよね。


花女の体育大会が始まって思ったことがある。皆運動能力凄いよ!?特に前に会った笑顔が眩しかった金髪ちゃんと少し犬のような可愛らしい雰囲気を出してた女の子も速い。1番驚きなのは、若宮さんのスタイルである。この前は特に気にしなかったけど、体操服だとやっぱり他の人に比べてダントツで目立つ。千聖の知り合いはハイスペックな人が多いな.....

 

「皆すごいな.....僕が高校生だった時はあんなにいなかったよ。」

「あの、白鷺さん。それはこころ達がおかしいだけであって、私たちがみんなああいう風では無いんですよ。」

「あれ?奥沢さん、花音さん?どうしてここに?」

「私が出るのはもう少し後ですから.....」

「実は、私もそうなんだ.....借り人とリレーっていう変わった種目に出るんだ.....」

「花音さん、見知らぬ人に話しかけられるの?バイトだったらあれだけど皆知らない人だよ。」

「それは.....ふぇぇぇ。美咲ちゃん、助けてぇ。」

「え?あたしですか?というかあたしも花音さんと同じ種目に出るんですけど.....」

「まぁもしもの時はここに来れば皆いるしね。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

"借り人とリレーに出場する選手は、第一召集所に集まってください。"

 

「憂鬱だわ.....」

「あはは.....あんまり下心のない人を選べるといいね.....」

「そうね.....異性なんて出たらおしまいだわ。」

「千聖ちゃんでもそう言うんだ.......」

「ふぇぇ.....ちゃんと話せるかな.....?」

「花音さん、だからバンドメンバーか白鷺さんに頼めばいけますよ。、」

「え.....?兄さんが来ているの?」

「はい、さっき召集所で湊さんの顎を撫でながら見てましたよ。」

(兄さん.....帰ったら説教ね。私も撫でられたいのに.....)

「でも良かったぁ。優希さんがいるなら異性でも安心だよ。」

「彩ちゃん?言ったでしょ?兄さんは渡さないわよ。」

「う.....うん。別に交際をする訳じゃないんだけどね.......」

「まぁ一応あたしと彩先輩は千聖先輩とは別チームですね。白鷺さんって速いんですか?」

「兄さんはかなり速いわよ。陸上部には入ってなかったけど、普通に短距離専門の選手には勝ってたわね.....私が見に行った時だけは。」

「じゃあ千聖先輩相手だと本気で走らなそうですね.....」

「どうして私たちも.....」

「話せるか.....不安です。」

「あら?紗夜ちゃん達も出るの?」

「ええ。どうやら風紀委員だから、大人の了承を得やすいと言われてなったのですが.....頼む時が恥ずかしいですね。」

「燐子ちゃん.....お互い頑張ろうね.....」

「はい.....松原さん.....」

「私たちも頑張ろうね、有咲。」

「おたえ.....あんま他の人に迷惑かけるなよ.....」

 

こう見ると、結構顔見知りなメンバーね。知らない人といるよりかはマシだけど.....

それにしても借り人とリレーってどういうことなのかしら?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

"さあ始まりました、花女伝統(オリジナル設定)の借り人とリレーです!!ルールはカンタンです!!まず借り人競走でお題の人を連れてきます。その後、その借りた人と借りられた人でリレーをします!!つまり!!勝てるかどうかは全く分かりません!!なお、走ることが含まれますので、あまりにも幼い子供やご高齢の方のお題は用意しておりません。なので観客席にいる人も安心してください。それと追加ルールとして、花女の生徒を借りるのは禁止とされています!!お忘れなく!!それでは始めます、よよーい、スタート!!"

 

「私のお題は何ですか?」

 

氷川紗夜のお題

身近で女子力が高い人

 

「これは.....今井さんですね。今井さん、一緒に来てくれますか?」

「おっけー♪どこ行くの?」

「こっちみたいです。」

 

 

奥沢美咲のお題

乗馬が得意な人

 

「乗馬.....?誰かできる人いますか?」

「乗馬なら私が適任のようだ、さあ美咲、エスコートしてくれ。」

「はいはい、とりあえず走って下さいね。」

 

 

松原花音のお題

寡黙な人

 

「え.....?寡黙な人?そんな人いたかなー?」

「なら、私を連れていきなさい、バンドメンバー以外とは全く話していないから。」

「じゃあ、お願いしますね.....」

「でもあと数分待って。先輩のなでなでが終わってからよ。」

「いや、今すぐ行けよ。」

「先輩も冷たいわね....」

 

 

白金燐子のお題

運動神経がいい人

 

「運動神経.....ですか。じゃあ.....あこちゃん、付いてきて。」

「うん!!任せて!!」

 

花園たえのお題

知識が豊かな人

 

「豊か.....大和さん、お願いします。」

「え!?自分ですか!?走るの心配ですね.....」

 

市ヶ谷有咲のお題

仕事のできる人

 

「それって.....誰だよ。そんなのいるのか.....?」

「有咲ー!!!まりなさんいるから一緒に行ってもらったら?」

「まりなさん来てんのか!?香澄、ナイスだ!!!まりなさん、一緒に来てください。」

「え?私?いいよ♪」

 

 

 

 

 

「皆結構スムーズにできているわね。」

「関心してる場合じゃないよ!!私たちの知り合いで残ってるの日菜ちゃんと優希さんだけだよ!!お題が外れたら大変だよ!!」

「大丈夫よ、彩ちゃん。日菜ちゃんも兄さんも基本的にはなんでもできるからどんなお題でも連れて行けるわ。」

「それは無茶ぶりだよ!!」

「それで、私たちのお題は.....?」

 

 

丸山彩のお題

元気そうな人

 

「来た!!日菜ちゃん、ついてきて!!!」

「え!?あたし!?じゃあ、おにーさん!!先に行くね!!」

「僕一人か....ある意味目立つな.....」

 

 

白鷺千聖のお題

大切な人

 

「なんで私だけこんな恋愛チックなのよ!?」

他の人は皆一般的なやつなのに、なんで私だけこんなカップルがやりそうなお題が出るのよ!?.....でもこれは幸運。兄さんは大切な人だから、合法的に兄さんをつれていける....それに手も繋げるしね.....

 

「兄さん!!」

「ち、千聖.....その、来ちゃったけど.....カメラはないよ。」

「それは後よ。とりあえずついてきて。」

「アッハイ。」

 

そして私は兄さんをつれて、リレーの準備地点に着いた。だけど.....男が兄さんだけなのよね.....変に女の人に身惚れられなければいいのだけれど.....




僕が基本的に①って書く時は、大体3話で完結します。
アンケート協力ありがとうございました。色々頑張ります。


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花女体育大会③

((;゚Д゚)) ....日間ランキングにのってる.....(書いてる時。)
たくさんのお気に入り登録&評価ありがとうございます!!すごい励みになります。

今回こそ、誤字脱字報告が少ないように.....(言い訳させてください、スマホ投稿で、文字を打っても遅いことにより、次の字を打ち込んで変なことになることが多いんですよ.....)


借り人が終わり、いよいよリレーとなった。伝統なのかOGさんや、地域の人、生徒の熱気が凄いわ。去年もこんな感じだったけれど、いざ出る側になるとやはり違って見えるのね。舞台に何度も立っているとはいえ、こういう形はあまり慣れていないから、緊張するわ。

 

「千聖?緊張してるのか?」

「ええ。スポーツ選手の凄さが改めてよく分かるわ。」

 

"それでは、メンバーが揃ったようなので、リレーの位置についてください。なお、1人男性の方がいるようですが、女の子相手に本気は出さないでください!!"

 

「だってさ.....氷川さん、走順的に君とあたるけど.....どうする?」

「遠慮なんていらないよ!!あたしたちが勝つしね!!」

「へぇ.....勝利宣言か。燃えることしてくれるねぇ。男として負けられないな。」

「兄さん、日菜ちゃん.....早く位置に行きなさい。」

「ははは.....日菜ちゃんと優希さんってなんか似てるね.....」

 

「そういえば、この種目ってどうやってメンバーが決められてるんだ?学年もバラバラだし。」

「陸上部みたいに走るのが速い人以外で人気がある程度ある事が条件だそうよ。私は去年出てないけれど.....」

「千聖がでてないってどゆこと?」

「えっと.....千聖ちゃんは去年目立つのが嫌ってことでこの種目を断ったんだ.....」

「なるほど.....確かにこのメンバーなら何とかなりそうだな.....僕は知らないけどみんな結構有名なんだろ?」

「そうなのかな.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

"各自用意が出来たようです!!走者と順番はあのようになっています!!皆さん、あちらのボードをご覧下さい!!!

 

 

最終種目 借り人とリレー

チームA

氷川紗夜、今井リサ、松原花音、湊友希那、花園たえ、大和麻弥、丸山彩、氷川日菜

 

チームB

奥沢美咲、瀬田薫、白金燐子、宇田川あこ、市ヶ谷有咲、月島まりな、白鷺千聖、白鷺優希

 

ルール

1人1周(200m)走る。第1走者のみ最初の直線はレーン内を走り、それ以降はレーンを無視して走っても良い。ただし、コースより内側に足が着いた場合、失格となる。またバトンを渡す際に、もし転んだりバトンを落としたとしても、今回のリレーでは落としたバトンを拾ってもバトンを渡したことにする。ただし、投げて渡すのは反則。

 

「最後のあれ、大丈夫なのか.....?ガバガバルールだな。」

 

「それでは、位置について.....よーい、ドン!!!」 パァン!!

 

「本領発揮です!!」

「ちょ、氷川さん速いってば!!」

 

美咲ちゃんが少し差をつけられているわね。といっても僅差。紗夜ちゃんがあそこまで速いのは意外だわ。やっぱり姉妹揃ってハイスペックね。

 

「今井さん、お願いします!!」

「おっけー♪リードは守ってみせるよ!!」

「はぁ.....薫さん、お願いします.....」

「任せてくれ、君の分を取り返してみせるさ!!」

 

薫は予想通りの速さね。でもリサちゃんも速い。薫は追いついたけど今は並んで走ってるわね。やっぱりバンドをやってると体力がつくのかしら.......

 

「花音、お願い!!」

「ふぇぇ.....頑張らないと.....」

「燐子!!君の全力を見せてくれ!!」

「は、はい.....できるだけ置いていかれないように.......」

 

あの二人は運動が苦手だからさっきまでよりは遅いわね。けど、花音は出来ないだけで体力はある。燐子ちゃんが徐々に置いていかれてるわ.....少しまずいわね。

 

「千聖、さっきから目がガチだな。」

「こういう学生もののオファーが来た時でもいいように見てるのよ。」

「ここでも仕事モードか.....肩の力抜いとけよ。」

 

「はぁ.....はぁ..お願いします.....」

「ええ。任せてちょうだい。これくらいなら追いつかれないわ。」

「あこちや.....ん.....」

「わ!!りんりん!!大丈夫!?あとはあこに任せて!!」

 

あこちゃんも本当に速いわね。友希那ちゃんが遅いのもあるけど、差をじりじりと詰めていってる.....これはありがたいわ。

 

 

「あとはお願い!!」

「お、おう.....じゃなかった、はい、任せてください。」

「はぁ.....はぁ.....」

「ナイスファイトです。私が追いつきます。」

 

たえちゃんが速い。このリレーは結構個人差が凄い組み合わせが多いわね。追いついたり、追い返したり。おかげでお客さんが大盛り上がりね。

 

「あとは頼みます、大和さん。」

「え!?自分そんなに速くないですよ.....」

「はぁ.....はぁ.....まりなさん....お願いします.....」

「任せなって♪これでも仕事で鍛えられているからね。」

 

まりなさんは大人の女性にしては結構速いほうね。麻弥ちゃんに追いついて抜かしていったわ。.....この後が私ね。

 

「千聖ちゃん、頑張ってね♪」

「はい、頑張ります!!」

「彩さん.....お願いします.....」

「うん、任せて麻弥ちゃん!!」

 

私は遅いけど彩ちゃんにはまだ追いつかれていない.....けれどしんどいわ。.....兄さんにはリードした状態で渡したい.....

 

「あっ.....」

右足がつってしまった。それもかなり痛い。.....走りきれるかしら.....

 

「よし、追いついた!!」

「.......大差はつけられないわよ。」

 

足をつっているとはいえ、皆に.....兄さんには迷惑をかけたくない.....

 

 

「はっ.....はっ.....きゃっ!!」

私はコケてしまった.....しかも兄さんの目の前で.....

「!!?千聖、大丈夫か!?」

「日菜ちゃん、お願い!!」

「おっけー!!絶対に勝つよ!!」

 

「.........」

「.....後は任せろ。兄さんがお前のカバーしてやるからな。」

「!?」

 

そう、私の体はバトンの受け渡しのところに入っていた.....兄さんは私が落としたバトンを拾って日菜ちゃんを追いかけた。今は一旦内側に行かなきゃ.......

 

「はわわ!?千聖さん大丈夫ですか!?」

「千聖ちゃん大丈夫!?」

「ええ....痛いけれど大丈夫よ。我慢できないレベルでは無いわ.....」

 

 

 

 

 

 

「千聖が頑張ったんだ.....絶対に追い抜いてみせる!!」

「そうこなくっちゃ!!おにーさん速いね!!」

 

僕と氷川さんは今半周を終えた。弦巻さんよりかはマシかもしれないが、やはり女子にしては速い。

 

"アンカーが大接戦を繰り広げています!!チームBのアンカーがあの差で追いつきました!!チームAも頑張れ!!"

 

僕は追いついた。氷川さんが速いとはいえ、千聖パワーでパワーアップした僕には絶対に勝てない。

 

 

"今ゴールしました!!勝者はチームB、大逆転です!!今年はとても白熱したリレーでした!!観客席からも大きな拍手と歓声が送られています!!"

 

「千聖 、保健室に行くぞ」

「....」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ここだな.....擦り傷で済んだが、これは痛そうだな.....」

兄さんは私を担いできて、手当をしてくれた。.....兄さんがこんなに近くに.....じゃなくて

「足もつってるの.....兄さん、ごめんなさい。」

「ん?何を謝ってるんだ?」

「いえ....私がこけてしまったから、兄さんに負担をかけて.....」

「なんだ、そんなことか.....気にするなよ。別に僕は何とも思っちゃいないさ。」

「え.....?」

「妹のことをカバーしたりするのは兄として当然の役割だからな。僕は、今日久々に千聖と同じこと出来て嬉しかったよ。責めると思った?」

「........うん。」

「はは、可愛いやつだな、千聖。僕はそんな小さなことで大好きな妹を責めるわけないだろ。」

 

.......兄さんはこうやっていつも私を包んでくれる。仕事で失敗した時も同じ風に話を聞いて、励ましてくれたり、怒ってくれたこともあった。でも、その説教は優しさがあった。パワハラみたいに使えないな、とかそういう態度も一切なかった。いつも私を1人の妹として見てくれている.....時々それが恨めしい時もあるのだけれど。

 

「.....兄さん?なんでスマホを向けているの?」

「いや、この状況で言うのもあれだが.....泣き顔の千聖も可愛いな。レアだし。」

「ふふ.....少しは場の空気を読みなさいよ.....バカ.....」

 

少しシスコンだけど、やっぱりいいわね.....

 

「じゃあ帰るか。足もあれだし.....またおんぶして帰るか。」

「自分で歩けるわよ.....うっ。」

「痛いなら無理をするなよ。僕がいるんだから、な。」

「....おねがいするわ。」

「うん。最初からそう言いなよ。」

 

 

 

 

 

「千聖ちゃん!?大丈夫!?」

「ええ。少し痛いけれど数日経てば治るわ。」

「良かったぁ.....」

「皆心配しすぎなのよ。大丈夫よ。」

「おんぶされててそれ言っても説得力ないけどな。」

「そうだね.....あはは.....」

「彩ちゃん?後で少しお話しましょ?」

「あぅ.....ごめんなさい.....」

「千聖は僕が背負って帰るから皆安心して。じゃあ、皆で帰ろうか。」

 

 

そうして、私たちは家路についた。.....とても恥ずかしいわ。まさか友達の前で自分がおんぶをされてるところを見るなんて....今の私、おそらく顔を赤くしているでしょうね.....兄さんにくっついていられていることと皆に見られていることの2つの原因で。

 

「ん?千聖、どうした?」

「その.....恥ずかしいわ。」

「ならお姫様抱っこで行くか?」

「.......今のままでいいわ。」

「そうか.....千聖の照れる顔も可愛いな。写真撮れないのが本当に残念だ、誰か撮ってくれない?スマホ貸すから。」

「じゃああたしが撮る!!貸して貸して!!!」

「ちょっと日菜ちゃん.....恥ずかしいわよ....」

 

その後、抵抗出来ないまま写真を撮られた。帰ってから兄さんを部屋に呼んでお話をした。.......私もこの泣きそうな可愛い顔を撮りたいわ.....

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「なんじゃ、こりゃ.....」

この前、氷川さんに携帯を貸したけど.....なんか連絡先が増えてる!!いつの間に入れたんだ!!

 

「トークアプリ、友達10人しかいなかったのに.....20人近く増えてる.....」

しかも全く知らない人も追加されてる.....不審者扱いされないかな.....




紗夜さんの「本領発揮です!!」は、協力ライブを紗夜さんをリーダーにしてやってる人は分かると思います。
最終回とかじゃないよ、雰囲気はそんな感じだけど。

リゼロコラボが楽しみですねー。スキルがどんなのになるかは気になります。もしクール、スコアアップスキルの燐子さんが星4だったらRoseliaクールが化けそうですね........


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不審者とかじゃないよ!!ほんとだよ!?

土曜日はすごかった....1日でお気に入り登録が58件で本当に驚きました。明日からはラブライブの方を描き始めるので、多分投稿頻度が少し遅くなります。


あれから一夜明け、千聖も歩けるくらいには治った。本当に良かったぁ.......

 

ピリピリ

 

「あれ?電話?誰だろう?もしもs『ねぇ、あんた誰?』ん?」

 

あれ?いきなり因縁つけられたんだけど.....なんで?

 

「えっと.....僕はただの一般的な大学生ですが『ならなんであたしの番号知ってるわけ?警察に言うけど』え!?ちょっと待って!!」

 

なんで?何故に警察に出されるんだ?というかかけてきたのそっちだよね!?なんで?

 

「とりあえず落ち着こう。とりあえず名前教えてくれる?」

「あんたには絶対に教えたくない。」

「じゃあ.....とりあえず話し合いたいから今日の昼に羽沢珈琲店に来てくれる?そこで少し話すよ。」

「なんか怪しい.....保護者同伴でもいい?」

「別にいいよ。保護者でも警察でも連れてきても。僕も清廉潔白を示したいしね。」

「分かった.....逃げないでよ。」

「((;゚Д゚))」

 

なんかこの子めっちゃ怖い。いきなりかけてきて圧力的だし、どうしよう.....

 

「どうしたの、兄さん。」

「千聖か.....なんか知らない人から電話がきて、いきなり因縁付けられたんだよね.....僕何かしたのかな.....」

「ちょっと見せて.....これ蘭ちゃんの番号ね。」

「蘭ちゃん?千聖の知り合い?」

「ええ。Afterglowのボーカル兼ギターの子よ。でもどうして兄さんの.....って、兄さん色んな子の連絡先入れてるじゃない?.....どういうことかしら?」

「え!?なんで千聖も怒ってるの!?うーん.....前に氷川さんに携帯貸した時に勝手に入れられてたからかな。」

「それね。なら私も行くわ。」

「いやいいよ。千聖には迷惑かけたくないし。」

「私のバンドのメンバーが原因なのだから、私が行くのは当然よ。.....それに兄さんがまた自然と口説くのを防ぎたいし.....」

「最後らへん聞こえなかったけど.....まぁ行こうか。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「いらっしゃいませ!!千聖さんと来たんですね。」

「うん、この前の約束通りケーキを食べにきたんだ.....」

「え?何かあったんですか?」

「ねぇつぐみちゃん、蘭ちゃんは来ているかしら?」

「はい。さっきお父さんと一緒に来ましたよ。最近仲も良くなってきたみたいで嬉しいですね!!」

「ならそこに案内してくれる?蘭ちゃんに用があるの。」

「はい.....もしかして優希さん、蘭ちゃんにプロポーズするんですか!?」

「違うよ!!ちょっと話し合いに行くだけだから.....」

「(蘭ちゃんと何か関係があるのかな.....ちょっと気になる。つ、付き合ってるとかじゃないよね!?)あ、あの、私も同席していいですか?」

「え....部外者は巻き込めないしな.....」

 

グイッ

 

「な、何?千聖?」

千聖の顔が近くに.....いい匂いだな、じゃなくて。

 

「(.....つい勢いでやったけど、兄さんの顔がこんな近くに.....かっこいい。兄さんの匂いがする.....じゃなくて!!)兄さん、つぐみちゃんも一緒にいてくれれば蘭ちゃんの誤解も解けやすいかもしれないわ。ここは同席してもらいましょ?(小声)」

「え?そうなの.....?」

「あの.....千聖さん?顔が赤いですけど.....」

「え!?.....べ、別になんでもないわよ。とりあえずつぐみちゃんも一緒に来てくれる?」

「はい!!」

 

 

 

 

 

 

「ど、どうも。」

「あんた.....思ってたのと違う。弱そう.....あれ?千聖先輩?なんでここに?」

「蘭ちゃん、少し話しましょうか。」

「はい.....(千聖先輩、なんか少し怖いな.....)」

「待ちたまえ、まずそこの男は誰だね。」

「あ、すみません。自己紹介が遅れてしまいました。僕は白鷺優希ともうします。ここにいる白鷺千聖の兄です。」

「ふむ.....どうやって娘の個人情報を手に入れたのか説明してもらおうか。」

 

やっぱり父親のほうは警戒心が凄いな。きっと娘さんのことが大切なんだろうな.....

 

「先日、というか昨日のことなんですが、僕が知り合いにスマホを貸した時に、その人が勝手に色んな人の連絡先を登録してまして.....僕も昨日の夜気づいたのですが.....何かしら対策を行わなかったことに関しては謝らさせてもらいます。すみませんでした。」

「その知り合いって誰?」

「日菜ちゃんよ。」

「日菜先輩ですか.....ちょっとかけてみますね。」

 

プルプル

 

「ん?蘭ちゃん?どうしたのー?」

「あの、日菜先輩、千聖先輩のお兄さんに連絡先教えました?」

「あれ?そのことはちゃんとメッセージで送ったんだけどなぁ.....安心してね!!おにーさんはいい人だから!!勝手に入れちゃったのは謝るけど.....別にタラシとかそこら辺の変な男じゃないから安心していいよ!!」

「メッセージ.....?あっ.....本当だ、送られてる。あの因みに、そのいい人ってどのくらいですか?」

「おねーちゃんが認めるくらいだよ!!」

「紗夜さんが.....それなら.....」

「じゃあ切るね!!今から仕事があるから!!」

「はい、ありがとうございました。」

 

 

 

「あの.....すみませんでした、勝手に疑って。」

「え?気にすることないよ、至って当然の反応をしてるんだし。僕なら問答無用でブロックするけどね。」

「兄さん.....それ大学でもやってるの?」

「いや、ちゃんと面識のある人ならokだけど、つてとかで来る人は基本的にはブロックしてるよ。」

「それじゃあ交友関係が広がらないわよ.....心配だわ。」

「ゴホン.....いいかね。」

「あっ、すみません。」

「とりあえず今回は娘の確認不足もありました、早とちりしてすみませんでした。」

「いやですから、娘さんは当然の反応をしたまでで全然悪くないですよ。」

「ですが.....ではお詫びに何かしますが、何がいいですか?」

「いや、そういうのもいらないですって。僕は別に不快な思いはしてませんし。」

「それだとこちらの気がすみません.....」

「だったら.......大学で何かアンケートをとる時とかに協力してくれませんか?それ以外特に思いつかなかったんですが.....」

「それくらいのことなら喜んで協力しよう。」

「ありがとうございます.....ところで君の名前は?」

「美竹蘭.....です。」

「こんなことがあったらこれ言うのもあれだけど.....よろしくね。」

「よろしく.....」

 

とりあえず一件落着ってことでいいのかな?

 

「良かったぁ、蘭ちゃんが付き合ってるのかと思っちゃったよ。」

「つぐみ!?いつからそこに?」

「ずっといたよ。気になってたし.....蘭ちゃんが変な事に巻き込まれてなくてよかったよ。」

「.....では私はここで失礼させてもらいます。」

「アッハイ。ご迷惑をおかけしました。」

「それはこちらのセリフだね.....君は見た目に反して誠実なのだね。」

「え!?」

「冗談だよ、では失礼させてもらう。」

 

そう言って美竹さんは帰っていった。.......丸く収まって良かった.....

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ガールズトーク

 

「つぐみって白鷺さんのこと知ってるの?」

「うん、たまに来てくれるんだ。初来店の時は、ブラックコーヒー飲んでたんだよ。大人びてたなぁ.....」

「兄さんは少し背伸びするところがあるからね。そこが少し可愛いのよ。」

「そうですか?大人らしくてかっこよかったですよ!!」

「へぇ.....華道とか分かるのかな?」

「少し位は知ってると思うわよ。やらせれば多分すぐ慣れるわ。」

「日菜先輩みたいですね.....」

「そういえば白鷺さんってピアノとかやってたんですか?指が綺麗だったので。」

「そうね、経験者よ。高校時代はキーボードもやってたし。」

「へぇ.....つぐみ、今度見てもらったら?」

「できるなら.....見てもらおうかな。」

「でもなんかひまりと意気投合しそう。モカとも少し雰囲気とか似てるし。」

「そうかな.....少し大人しいからひまりちゃんに引っ張られそうだよね。」

「兄さんは雰囲気にのるのが苦手な人だから.....多分落ち着いた人とかの方が合うわ。」

「じゃあモカだね。」

「でも、意外とコミュニケーションは取れるのよ。リサちゃんと仲良くなってたし。」

「リサさんと.....意外とすごいね。」

「ただ、少し問題があって.....女の人との関わりが極端に少なかったからどうしてもナンパに聞こえるようなセリフをサラッと言うのよね.....心配だわ。」

「千聖先輩って、お兄さん大好きなんですね。」

「え.....?べ、別にそんなんじゃないわよ!?.....でも兄さんのことは好きよ。慕っているもの。」

「お兄さんかぁ.....憧れるなあ.....」

「ん?皆揃って何話してるの?」

「な、なんでもないわよ!?さてと用も済んだし帰りましょうか。」

「そうだね、とりあえずさっき頼んでおいたケーキも食べたし、最後にコーヒー飲んでから帰ろうか。」

「はい、かしこまりました!!種類は何にしますか?」

「とりあえずキリマンジャロ。千聖は?」

「私はアイスコーヒーをお願いするわ。」

「はい!!すぐお持ちしますので少々お待ちください!!」

 

 

「ねぇ、白鷺さん、お願いがあるんだけど.....」

「ん?どうしたの?」

「......付き合ってよ。」

 

 

.....え?




一応この小説では、基本的に皆面識がある形で書くので、呼び方が多少不自然になるかもしれません.......そこはご了承を。


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省略は何かと誤解を招きやすいよね

イベントの千聖さん可愛すぎるだろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
彩ちゃんの扱いが本当に上手いなぁと思いました。しかも新規彩ちゃん&イヴちゃんも可愛いですね。
次回くらいには、パスパレ回書こうかな.....


「....ん?」

『蘭ちゃん!?』

 

(う、嘘でしょ!?蘭ちゃんが....兄さんに告白!?出会ったの今日なのに.....蘭ちゃんって意外と大胆なのかしら?)

 

付き合う?バンドとかの練習にってことかな?

 

「あの、美竹さん?僕確かにローテーションライブとかしてたからある程度は分かるんだけど、人に教えるとなるとキーボード以外自信がないんだ。」

「ううん、バンドのことじゃなくて.....その.....勉強に付き合って欲しいなって。」

「勉強?どうして?」

「そろそろテスト期間に入るんだけど.....私と、もう1人のメンバーが全然出来てなくて.....」

「それって他のメンバーで教え合いとか出来ないの?」

「今回のテスト範囲って、かなり広くてちょっと教えられる余裕がないんですよね.....」

「なるほど.....うーん、でもなー、再来週には花女もテストあるから千聖の面倒見ないといけないしなー。」

「ちょ、兄さん!?何言ってるの?」

「え!?それどんな感じなんですか?」

「まぁ大まかに言えば、千聖が学校に行けてない時に進んだ範囲で、分からないところを教えてるんだよ。(合法的に千聖の顔を間近で見られるのも良い、なんて口には出せないよね.....)」

「じゃあさ、今度皆で勉強会開きませんか?私たちと千聖さんの皆さんで!!」

「.....お願いできますか?」

「えっと.....6人同時って感じかな。まぁ出来なくはないけど.....僕たちの家じゃ6人はきついかな。」

「なら家で勉強しませんか?休日の夕方は店を閉めてるので、その時に来てやりませんか?」

「.....分かった、じゃあ明後日夜7時にここに集合しようか。」

「あ、ありがとう.....」

 

この子、でれると凄い可愛いな.....ギャップがあるから、かな。

 

「千聖?無言で足を踏まないでくれるかな?」

「なんの事かしら?私は普通に座ってるだけよ。」

「痛いって.....僕が何したって言うのさ。」

「.......このバカ。」

「僕は何もしてないんだけどなぁ.....」

「あはは.....」

「仲良いんですね.....」

 

 

(全く、兄さんったら.....でもやましい気持ちとか無しで見てるから兄さんには言いづらいのよね.....勉強会の時にさりげなくアプローチしてみようかしら?)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2日後

「ごめんなさい、兄さん、待たせたかしら?」

「別に待ってないよ。というか勉強会なのにそこまでオシャレして行く必要あるのか.....?」

「こういうのは身だしなみが大事なのよ。万が一ファンの人に会っても大丈夫なようにはしておくのよ。」

「そうか....似合ってるな、それ。」

「.....あ、ありがとう.....」

「じゃ、行こっか。ところでパスパレで勉強できない人いるの?」

「彩ちゃんね。パスパレじゃダントツでできないわ。」

「結構毒舌だな.....氷川さんは多分1位かな?」

「そうね、日菜ちゃんは、羽丘1位ね。授業とかはたまに抜け出してるみたいだけれど。」

「それって大丈夫なのかな.....」

「大丈夫でしょ。なにせ生徒会長ですもの。ところで兄さん、今回6人相手するのだけれど、上手くできるかしら?」

「僕もあんまり器用じゃないからな.....6人同時に相手できるかな.....?」

「期待してるわね、センセ♪」

「あんまりからかうなよ.....」

 

 

 

カランコロン

「やっほ、羽沢さん、来たよ。」

「いらっしゃいませ!!.....じゃなかった、どうぞ!!」

「ふふっ、仕事のスイッチが抜けてないわね。」

「はい.....ついくせで。」

「他の人は来てるの?」

「はい!!Afterglowは全員来てますよ!!」

「じゃ、皆が来る前に軽く自己紹介だけしておくか.....」

 

 

 

 

 

 

「つぐー、先生やってくれる人来たの〜?」

「うん、この人だよ。」

「え!?めちゃくちゃかっこいいじゃん!!!えっと....お名前なんて言うんですか!?」

「あ、うん.....僕は白鷺優希といいます.....えっと君は?」

「上原ひまりです!!つぐの幼なじみです!!あの...連絡先交換しませんか!?」

「えっ.....」

こういう時って、どうしたらよかったんだっけ?この子、今井さんと同じくらい勢いがあるな.....

 

「ひーちゃんノリノリだね〜。」

「ひまり、あんまり困らせちゃダメだよ。」

「あの勢いで勉強してくれたらいいよな。」

 

「えっと....他の2人は?」

「青葉モカで〜す。モカちゃんと呼んでくださ〜い。」

「宇田川巴だ。よろしくな!!」

「宇田川.....前にもそんな名字の人と会ったような.....」

「もしかしてあこのこと知ってるのか?」

「あこ...あのツインテールの子だよね。この前ネカフェで会ったんだ。」

「そうなのか.....じゃあ姉妹揃ってよろしくだな!!」

「うん、よろしくね。」

「それじゃあ始めましょうか?」

「はい!!それじゃあ、頑張ろう!!えいえいおー!!」

「おー。.....でいいのかな?」

「.....は、反応してくれた!!ありがとうございます!!!」

「え?逆に皆やらないんだ....」

「兄さんが特殊なだけよ。これはいわゆる押すなよ!!絶対に押すなよ!!と同じ原理よ。」

「そういうやつなの.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「この問題は、両辺の自然対数をとって、logy=√xlogxと式を変形させて、xで微分する。ここからは自力でいけそう?」

「はい!!教科書を見れば多分.....」

「分からなくなったら言ってね。また来るから。というか、すごいね。数Ⅱの微分なのに数Ⅲみたいなことしてるね。」

「あたし達の先生って、ちょっと変わってるから。こういうめんどくさい問題を入れたがるんだよね。」

「そうか...結構苦労してるんだな。」

「ここどうやればいいのかな?」

「これ?これは時制と助動詞の形を意識すればいいんだよ。この場合仮定法が使われてるからcanがcouldになってるんだよ。文全体を見て、どういう文法が使われてるかを見るのは大事だよ。」

「.....白鷺さんって勉強できるんですね。」

「そりゃあ千聖を教える立場にいる以上かっこ悪いところは見せたくないからね。」

「いいなぁ.....私もお兄さんがいたらなぁ.....」

「その気持ち分かるよ。千聖さんが羨ましいよね。」

「そうね.....何かとサポートしてもらっているからかなり感謝してるのよ。」

「それって本人に言わないんですか?」

「.....恥ずかしいのよ、本人と面と向かって言うのは。俳優さん達に告白のセリフを言うのは慣れているのだけれど、兄さん相手だと.....どうしても緊張してしまうの。」

「千聖先輩にもそういうできないことあるんですね〜。」

「兄さんのことは.....昔から尊敬してるし、好き.....だから....」

「.....なんか新鮮。千聖先輩が乙女になってる。」

「私もこういうの見るの初めて。千聖先輩、テレビとはまた違ったイメージあるんですね。」

「.....兄さんには内緒にしてね。」

「はい、分かりました。」

「お前ら勉強しろよ。」

「ごめんなさい、少し休憩してたの。」

「.....あんまり長くし過ぎるなよ。」

(千聖先輩に甘い.....)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「今日はありがとうございました!!」

『ありがとうございました!!』

「いえいえ、皆頑張ってたと思うよ。もし何か力になれることがあったら呼んでね。」

「はい!!また今度バンドの練習の時に来てください!!」

「時間があれば.....ね。」

 

 

 

 

 

 

 

「今日は捗ったか?」

「ええ。それなりに、ね。基礎はだいぶできるようになったわ。」

「そうか.....千聖も知り合いが増えたな。」

「そうかしら?」

「同年代の友達が増えてて.....なんか安心したよ。」

「私も結構心配してるのよ。兄さん、女の人との付き合いが下手そうだから。」

「気にしてること言うなよ.....」

「はぁ.....少し冷えるわね。手が悴むわ。」

「そうだな....手袋買ってきたらどうだ?」

「そういう所よ、兄さん。私が少し教えてあげるわ。」

「ん?どういうこと....だ?」

「こうやって手を繋いで.....冷えるのを防いであげるのよ。」

「そういうものなのか?」

「そうよ.....こういうさり気ない優しさが女の人との距離を縮めるひとつの方法よ。それが出来ないなら.....例えばカイロとかそういうのを渡してあげるとか。」

「難しいな.....」

「大丈夫よ、これから私が教えてあげるから.....これでフェアね。」

「は?」

「兄さんが私に勉強を教えるなら.....私は兄さんに女の人との付き合い方を教えてあげるわ。」

「そういうことか.....分かったよ。」

「ふふっ、素直でいいわね。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「成り行きとはいえ、兄さんの手を握ってしまった.....」

兄さんに付き合い方を教えるというのは、半分正解で半分嘘。兄さんに少しアプローチをかけたかった。嫌ってるという勘違いを正したい.....その取っ掛りを作っただけよ.....それにしても恥ずかしいわね.....

 

「こんな顔、兄さんには見せられないわ.......」

おそらく、今の私はきっと顔を赤くしてるんでしょ........




※この2人は兄妹です。恋人とかではありません。

最近の26は結構優しいですよね、この流れでいくとリゼロコラボで来る曲は難しいんですかね。


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ライブ見に行ったよ

すみません、パスパレ回はもう少し後になりそうです.....お許しを。
今回は少し駄文になるかも.....

活動報告、感想のところでこういう回が欲しいという希望みたいなのを募集しています。何かあればコメント下さいね.....


「そういえば宇田川さんから貰ったチケット、明日だ。どうしようかなー。千聖には断られたし、パスパレメンバーは千聖曰く皆芸能人らしいから誘いにくいしな.....花音さんか、美竹さんたちのどっちかかな.....薫は忙しそうだし。」

以前薫に街中であったが、その時の女子の目線はすごかった.....何気なく喋ってたけど地味に殺意のあるのもあったし.....ライブハウスとかに2人で行ったら余計にやばそう。

 

「とりあえず美竹さんに電話してみるか.....」

 

ビロビロ

 

「あれ?白鷺さん?どうかしたの?」

「美竹さん、今日ライブ見に行くんだけど一緒に行かない?」

「ライブ....?ごめん、今日は皆と練習するから行けない。ところでどのバンドのライブ?」

「えっとね....Roselia。」

「湊さんのバンド.....」

「湊?もしかして友希那さんバンド組んでたの?」

「知らないの?Roseliaって結構有名だと思うけど。」

「うーん、僕最近のことには本当に疎くてさ.....」

「それ大丈夫なの?大学生とかってそういうのは逐一チェックしてると思ってたんだけど....」

「それは賑やかな人達だよ.....僕は大人しい方だから。」

「そうなんだ。」

「ごめんね、時間取って。じゃあね。」

「はい....今度あたし達のライブも見に来てください。湊さん達のバンドよりすごいと言わせてみせるから。」

「楽しみにしておくよ。じゃあね。」

 

 

「はぁ.....マジで誘う人がいない.....花音さんが最後の希望だよ.....」

 

 

 

「どうしたの?白鷺くん?」

「花音さん、今日ライブ見に行くんだけど一緒に行かない?」

「今日、ですか....ごめんね、今日はこころちゃんの家に行って次回のライブのパフォーマンスを考えないといけないんだ.....また今度の機会に誘ってね。」

「こっちこそ忙しい中ごめんね。」

 

終わった.....誰も来てくれないじゃん。これ受付で、「お連れの方はいますか?」とか聞かれて1人です、って答えなきゃいけないやつじゃん。恥ずかしい.....

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「どうしよう.....受付に行けない。」

 

僕は一応ライブ1時間前にライブハウスに来たが、案の定皆ペアで来ている。友希那さん達は人気があるんだなーと思うと同時に、あの曇りひとつない笑顔でペアチケットをくれた宇田川さんを少し恨む.....

 

「はぁ、あこちゃんを見に来たけど、六花が来れないって言ってたから.....ペアチケットなのに1人だよ.....どうしよう.....」

『あっ.......』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「なんかごめんね...」

「いえ、お互い1人でしたし、丁度良かったですよ.....」

「ねぇ、Roseliaってどういうバンドなの?」

「え!?知らないんですか!?」

「そんなに有名なの?皆同じ反応するからさ.....」

「そうなんですか。Roseliaは実力派バンドとして有名ですよ。FWFにも出場してましたし。」

「FWF?懐かしいなぁ。」

「FWFは知っててRoseliaを知らないんですね.....」

「僕もFWFには出場経験があるからね。へぇ、RoseliaはFWF出たことあるんだ.....楽しみだな。そうだ、楽屋行ってみない?」

「さすがに準備してると思いますから、私は行きません。」

「それもそうだね.....でもこの席ってかなりいい場所だよ、正面だしね。」

「そのチケット、当てたんですか?」

「当てた?違うよ、貰ったんだよ。」

「誰からですか。」

「えっと.....宇田川さんと白金さんから貰ったんだ。」

「あこちゃん知ってるんだ.....」

「前にネカフェで出会ってね.....無駄話もあれだし、席行こっか。」

「はい。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「こんにちは、Roseliaです。」

『わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!』

「すげぇ人気.....ステージに立つのは慣れてるけど、見る側になるとまた違ったことを感じるね。」

「あの.....私に話してるんですか?」

「ううん、独り言だよ。.....もしかして僕のこと怪しんでる?」

「はい。ちょっと馴れ馴れしいなって思ってます。」

「それに関しては不快な思いをさせたかな。ごめんなさい。....ん?そのバッジって。」

「これですか?EXTRAっていうバンドのエムブレムが入ってるやつですよ。知ってます?」

「知ってるも何も....ってライブ始まったな。また後で、ね。」

 

それにしても、友希那さんも変わったな....前よりも声が良くなっている。周りのレベルも決して劣っていない。というか、僕の面識のある人じゃん。もしかして知らないうちに知り合ってたんだ.....

 

「次で最後の曲です。聞いてください、Ringing Bloom」

 

それにしてもファンも凄い熱狂してるし、僕達のライブとはまた違った面白さがあっていいな。.....見る側も案外楽しい。

 

「どうですか?Roseliaが人気な理由が分かりましたか?」

「うん、よく分かったよ。そういえば自己紹介がまだだったね。僕は白鷺優希、.....EXTRAのキーボードだよ。」

「.....え?冗談ですよね?だってYUさんはもっと雰囲気が荒かったですし。」

「あのイメージが残ってるんだ.....じゃあRoseliaの待機部屋行こうか。その間に準備してくるよ。」

「?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「止まってください、関係者以外立ち入り禁止です。」

「.....これでいいかな?」

「それは.....どうぞ、お通りください。」

「何したんですか.....?」

「後で分かるよ。」

 

 

 

「やっほ、友希那さん達、ライブ良かったよ。」

「あれ?優希じゃん。その隣の子は.....」

「私、戸山香澄の妹の戸山明日香です。」

「あ、来てくれたんだ!!どうだった!?あこ達!?」

「うん、すごく良かったよ。」

「見る側も意外と楽しいね。」

「そう.....先輩、気休めはいらないわ。素直な感想をちょうだい。」

「え?本音なんだけどな.......キーボードの子は誰?」

「あ、私.....です.....」

「白金さんか、最後の曲、アドリブで少し変えただろ?あれ、改善する余地はある。アプリアプリ.....えっと.....さっきは多分こことここを合わせただろ.....でも曲調からしたら、もう一音くらい下げたこっちの方がいいんじゃないかな....?」

「あっ.....本当ですね。ありがとうございます。」

「さてと.....戸山さん、だったかな。僕がEXTRAのメンバーである証拠はこれで充分かな?」

「そ、それ!!YUさんのブレスレット!!」

「そそ。分かってくれた.....?」

「ご、ごめんなさい!!さっきまで失礼な態度取ってしまって。」

「大丈夫だよ、気にしてないし。」

「それにしても、先輩。私たちのライブに来たのは初めてね。どう?私は成長できていたかしら?」

「.....まあ、ね。前と声が変わってて嬉しかったよ。」ナデナデ

「ふふっ........///」

「湊さんって、あんな感じなんですか?」

「あこも驚いてるよ。だって友希那さんのこんなところ初めて見たもん!!」

「貴重.....です。」

「湊さん、この後反省会もあるのですから、そういうのは控えてください。」

「氷川さんはすごいね、あの音、すごく努力してるって伝わってきたよ。翔世もそんな感じだったなぁ.....」

「ありがとうございます。」

「優希ってバンドやってたんだよね?」

「うん、ハロウィンの時に大々的に言われちゃったけど。僕はキーボードだったよ。」

「そうね、先輩達のバンドは凄かったわ.....はっきり言って今の私たちでも対バンをすれば完敗するわ。」

「そんな大したことないよ。買い被りだよ。時間取ってごめんね。じゃあ僕はこの辺で。」

 

「わ、私も!!」

「そう、先輩、なでなでの続きはまた今度しなさい。」

「そっちかよ.....」

 

 

 

 

「あの.....今日家に来てくれませんか?色々お話を聞きたいので。」

「うーん、初対面の人の家に行くのもあれだしなぁ.....ちょっと待ってね。」

 

 

 

YU『千聖、今日少し帰るの遅くなるよ。』

千聖『あら?まさか、また、女の子に誘われたのかしら?いいご身分ね。』

 

.....怖いよ、文面だけでも冷や汗出そうだよ。(^ω^#)みたいな感じが浮かぶよ。というか僕は千聖大好きなんだから、そんな浮気性なことはしないよ.....こういうこと言ってるから怪しまれるのかな.....?

 

YU『まあ、ね。戸山明日香さんらしいんだけど.....』

千聖『明日香ちゃんね、ならいいわ。けど、最近兄さん、私にあんまり何もしてくれてないわよね。』

YU『遠回しに要求しないでくれよ.....高いものは無理だぞ。』

千聖『今度、パスパレの練習に来てちょうだい。それでいいわ。』

YU『分かった、それで手を打とう。』

 

 

「それじゃ行こっか。」

「はい!!」

さっきと雰囲気がガラッと変わったな。妹っぽいオーラ出てるけど、こっちの方が似合いそうだな.....




イベント初日に千聖さんゲットしましたけど、やっぱり可愛いですね。うん、可愛い。特訓後の雰囲気が少し花音さんに似てるようなと思ったのは僕だけでしょうか.....?


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話題でマウント取れると案外話せる

リゼロコラボのイラストがどんどん公開されていってますね。コラボがテスト期間と被ってるのが本当に恨めしいです。イベント周回があんまり出来ない.....
今回は2回分をまとめた感じですね。少し長くなりました。


「実はお姉ちゃんもバンドやってるんですよ。Poppin'Partyっていうバンドなんですけど、知ってます?」

「知らないんだ...僕最近の情報に本当に疎くてさ、千聖がバンドしてるのも最近知ったんだよ。」

「あっ、確かに白鷺だ....千聖先輩とはあんまり似てませんね。」

「よく言われるよ。千聖は社交性もあるからね。」

「あれ?でもステージの白鷺さんって雰囲気凄かったですよ。」

「あれはスイッチを入れてるだけだよ。普段は気弱な男子として生きてるよ。」

「へー、意外ですね.....あ、着きました。ここが家です。」

「うん....」

「どうしたんですか?」

「僕、異性の家に来るのこれが初めてなんだ.....ほら、僕のバンドメンバーって全員男だし。」

「そうなんですか?そんなに緊張する必要ないですよ。」

「そう言ってもらえるなら.....」

 

 

 

 

「ただいまー。」

「あっ!!あっちゃんお帰り!!.....え!?あっちゃんが男を連れてきてる!!」

「ちょっと、お姉ちゃん。そんな語弊のある言い方は辞めてよ。」

「あなたのお名前は!?」

「って、聞いてよ.....」

「僕は白鷺優希、白鷺千聖の兄だよ。」

「え!?千聖先輩の!?ということは年上.....ごめんなさい!!私、戸山香澄と言います!!」

「別にそんなに畏まらなくてもいいよ。さっきの砕けた感じでもいいよ。」

「ありがとうございます!!」

「じゃあ白鷺さん、部屋に案内します。」

「うん。」

「待って!!私も行く!!」

「別に来てもいいけど.....」

「仲がいい姉妹だね、えっと.....姉妹の立ち位置が逆のような気がしなくもないけど.....」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「それで?話したいことって何?」

「EXTRAの話を色々聞かせてください!!」

「因みに誰が好き?.....僕は除いてね。」

「私は、豪さんの大ファンなんです!!他人を自分たちの世界に引き込む歌声が大好きなんです!!」

「豪はやっぱり人気なんだね、あいつ女性ファンめちゃくちゃ多かったような気がする.....」

「プライベートはどんな感じなんですか?」

「ステージと殆ど変わらないよ。うるさくて、義理堅い奴だよ。面倒見が良かったしね.....学力は壊滅的だったけど。その度に僕が対策勉強させたっけ.....」

「へぇ、そうなんですか。」

「ねえねえあっちゃん、そのエキストラ?って何?」

「お姉ちゃん知らないの!?EXTRAは6人組のボーイズバンドで、未成年のアマチュアで初めてFWFを制覇し、しかもFWFの審査員にアンコールを言わせたことでも有名な伝説的なバンドだよ!!」

「おお!!あっちゃんがすごくキラキラしてる!!」

「あのアンコールは本当に不意打ちだったね.....皆で打ち上げの場所話しながら舞台裏に戻ってた時に言われたしね。」

「因みに白鷺さんはどの楽器やってたんですか?」

「僕はキーボードだよ。確か.....ライブだったら目隠ししながら演奏したり、キーボードに背中向けながら演奏とかもやったよ。」

「へぇ!!すごく面白そうですね!!あっ、そうだ!!私もバンドしてるんですけど、今度練習見に来てくれませんか!?」

「時間があればだけどね.....そんなにアドバイスはあげられないよ。」

「ありがとうございます!!」

「それで白鷺さん、豪さんの裏話みたいなのありますか?」

「裏話.....?」

「はい、ファンの間では知られていないこととか、噂になってることです。」

「そういう感じ.....うーん、豪の裏話....あっ、腹パン事件知ってる?」

「え?なんですかそれ?聞いたこともないです。」

「昔あったんだけどさ.....初めてのステージライブで僕達メンバーが全員緊張してた時に、しゃらくせぇって言って全員を腹パンし始めたんだよね。」

「えぇ.....」

「あれは痛かったなぁ.....そして豪が『どこだろうと関係ないだろう!!俺たちの存在を示すぞ!!』って言ってさ、腹パンすんなよって後でメンバーからめっちゃ言われてたけど、あいつの行動がメンバーの緊張感を抜いてさ。言動がおかしいところはあったけど、頼もしかったよ。」

「へぇ.....そんな感じが!!あっ後!!豪さんがファンから送られてきた誕生日プレゼントに全員分返事を書いたのって本当なんですか!?」

「うん、ライブの合間とか全部使って書いてたよ.....よっぽど疲れてたのか練習中に立ったまま寝たこともあったし。因みに戸山さんはプレゼント送ったの?」

「はい!!あんまり高いものは無理だったので、使いやすいシャーペンみたいなのをプレゼントしたんです。他のファンの人と被るのが嫌だったので。」

「シャーペン?....もしかしてこれ?」

「あ!!それです!!使ってくれてたんですか!?」

「うん、確か『ファンの人がくれたんだ!!俺シャーペン前に折っちゃったし、使いやすいからこれは大事に使うぜ!!』とか言ってたよ。あれ、戸山さんのプレゼントだったんだ。」

「はぁ.....幸せ.....」

「あの、戸山さん?妹さんはこんな感じなんですか?」

「うんん、あっちゃんはいつもしっかりしてるからこんな感じになるのは初めて見ました!!」

「さっきから気になってたんだけど.....その髪型は.....?猫なのか星なのかよく分からないけど.....」

「これは星ですよ!!猫って皆言うんですよね.....」

「戸山さんがバンドを始めたきっかけって何?」

「ホシノコドウを感じたからです!!あとは、みんなでキラキラドキドキしたいからです!!」

「うん、ごめん、よく分からなかった。キラキラドキドキは分かったけど、ホシノコドウは分からないよ。」

「お姉ちゃん独特なので.....すみません。」

「あはは.....じゃあ僕はそろそろ帰ろうかな。まだ豪についてなんか聞きたいことある?」

「あっ、最後に一つだけ聞かせてください!!倉庫に閉じ込められた時にドアを蹴破ったっていう噂が流れてるんですが.....あれって本当なんですか!?」

「倉庫.....あっ、あの時か。うん、でも豪1人じゃないよ。全員で蹴破ったんだ。あの時はライブが迫ってきてたから皆必死でね.....どう開けるかじゃなくてどう道を作るかって考えて出た答えがドアなんか壊せばいいって。あとで会場の人にめっちゃ怒られて、ドア修復させられたな.....」

「あれ事実だったんですね.....今日は色々話してくださってありがとうございました!!」

「いえいえ、僕が話せる話題をくれてありがとう。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ただい.....ま.....」

「お帰り、兄さん。少しお話しましょうか?私の部屋に来なさい。」

 

 

.......え?なんで怒ってるの?何があったんや。

 

「で?話とは?」

「パスパレの練習を見てもらうっていう話なのだけれど.....事務所の人が拒否しちゃって。兄さん、事務所のスカウト、頻繁に断ってるじゃない?」

「当たり前だろ、千聖を女優としてしか見てない人間のスカウトなんか受けないよ、絶対にね。」

「別に私は構わないのに.....それで皆で罰ゲームは何にするかを考えてたのだけれど.....」

「待って。罰ゲームって何?そもそも僕そんな悪いことしてないじゃん。」

「あら?夜に初対面の女性の家に連れられていったのだから充分問題よ。」

「その含みのある言い方は誤解を招きかねないから、辞めような。というかそれ芸能人とか俳優とかその類の人だけだろ?」

「いいえ、今日そのことをメンバーに話したら彩ちゃんが『そ、そそそれはダメだよ!!』って言っていたし、イヴちゃんなんか『これが夜這いというやつですね!!ユーキさんは平安貴族のようですね!!』といたい勘違いされてるわよ。」

「それは千聖が含みのある言い方をしたからじゃないのか...?」

「それでパスパレで話し合ったのよ。そんないけないお兄さんには....お仕置きしてあげないとね、って。」

「千聖、今は千聖の方がよっぽどおかしいこと言ってるからな。僕はSMプレイとかには興味ないからね。」

「おかしいわね.....前にファンの人からこう言ったら男の人は皆喜んで首輪つけるって聞いたのだけれど.....」

 

結果 妹は純真であった。すまない、純新無垢な妹にSMプレイと返答をして.....でもそのなんというか千聖って小悪魔な雰囲気はあるよね。

 

「話題がそれたわね.....それで罰ゲームを決めたのよ。それが『メンバーの言うことをひとつはなんでも聞くこと+今度王様ゲームをすること』よ。」

「ねぇ待って。僕そんなにパスパレメンバーと親しくなったっけ?丸山さんは分からないけど、大和さんとか明らかに親しくないよ。」

「違うわよ、これはメンバーと親しくなるための一貫よ。女性付き合いが苦手な兄さんが、様々な女の子と関わって少しは女心を分かってもらうためよ。(本当は兄さんにいうことを聞いて欲しかったなんて口が裂けても言えないわ.....寂しんだもの。)」

「うーん、でもスキャンダルとかにならないの?千聖はともかく、他のメンバーは同級生でもないし、先輩後輩の関係もそこまでないから.....色々面倒なことにならないかな?」

「(硬いわね.....やっぱり簡単には首を縦に振ってはくれないのね.....気にかけてくれてるのは嬉しいのだけれど.....)大丈夫よ。私たち、街中でもバレないから。普通にしていれば、日菜ちゃん以外はおそらく大丈夫よ。だから日菜ちゃんにはお願い事『皆で王様ゲームしようよ!!絶対るんっ、てくるよ!』を聞いておいたの。」

「.....逃げられない?」

「諦めなさい。皆には言っちゃったし、それにこのままだと兄さんがいつまで経っても軽い男って感じでレッテルをはられるわよ。」

「逃げ道ないじゃん.....分かったよ。その要求をのみます。」

「なら早速お願いするわね。今日は一緒のベッドで寝てちょうだい。」

「うん、却下。」

「どうして?」

「僕が寝相悪いのは知ってるでしょ?万が一千聖を殴ったりなんかしたら.....」

「大丈夫よ。私は気にしないから。」

「ええ.......」

「どうしても嫌なら、さっきのこと、皆に言うわよ。」

「千聖、まじで悪女になってる.....分かったよ、当たっても怒らないでくれよ。」

「ふふっ、最初からそう言えばいいのよ♪」

 

神様、今日は寝れないかもしれません.....明日ぶっ倒れないように。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

深夜

「やっと寝たわね.....」

 

兄さんが思った以上に起きていたので、少し甘い香りを嗅がせてあげたら、リラックスして寝ちゃった。.....本当に寝顔が可愛いわね.....

 

「昔は一緒に寝てくれて.....よく抱きしめてくれたのに....最近は冷たいわね。」

 

「んん.....千聖.....」

 

あら?寝言かしら?どんな夢を見ているのかしら.....

 

「千聖.....次はどれ乗る....?」

「ふふっ、私も遊園地に行ってる夢でも見ているのかしら。それにしても私がまるでお姉さんみたいね。」

 

ガシッ

 

「え!?兄さん!?」

 

そして寝相なのか、私は兄さんに抱きつかれた。身長差もそれなりにあるので、私の顔は兄さんの胸に包まれた。....温かい。

 

「兄さん.....私は一緒に観覧車に乗りたいわ.....ふたりきりで、ね♪.....寝てるしいいわよね?」

 

そして私は兄さんに抱きついて眠りについた。こうスキンシップがあるのは本当に久々.....明日どんな反応をするのかしら?

 

 

 

 

 

 

翌朝

「ん....ん....?ん?千聖?.....え!?」

 

やっぱり驚いている。もう少し反応を見てみようかしら.....

 

 

「ったく.....普段は大人びてるのにこういう時だけは甘えん坊だな.....可愛いな、この。」

 

兄さんは私の頭を撫でながらそう言っている.....どうしようかしら、多分顔が赤くなってると思うわ。

 

「最近は少し雰囲気も砕けてきたし.....パスパレの人には感謝しきれないな。最近構えてなくてごめんな.....僕も千聖と色々したいことはあるんだけどね.....まぁ寂しく思ってるのは僕だけかもしれないけどさ.....千聖が僕を避けてるのも少しはマシになったし.....兄さんとしては嬉しいよ。さてと、千聖を起こさないように降りるか.....」

 

ガチャ.....

 

「........恥ずかしいけど、嬉しい。複雑ね。」

 

その後、私は兄さんと目を合わせることが出来なかった。.......恥ずかしいけれど、また一緒に寝てもらおうかしら。

 




今週はあんまり投稿出来ませんでした.....来週も色々(というかテスト期間に入る)ので、投稿はできる限りしますね。


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彩ちゃんのトレーニング

バンドリはここから4ヶ月が勝負だと思います(要はホワイトデーまで)。リゼロコラボ、クリスマス限定、復刻クリスマス、新年ドリームフェスティバル、復刻新年限定、バレンタイン、復刻バレンタイン、ホワイトデー、復刻ホワイトデーと皆さんが欲しいキャラがたくさん出てきてスター不足とかが起こりそう。
僕はホワイトデー千聖さんを持っているので復刻ホワイトデーは引かないと思います。


「付き合ってください!!」

「だから省略して言うとそれ告白にしか聞こえないからね。」

「ち、違いますよ!!」

 

まず丸山さんのお願いからだそうだ。順番として丸山さん→若宮さん→大和さん→氷川さんだそうだ。千聖は一緒に寝るということで良かったらしい。....本当に心臓に悪かったよ。

 

「因みに私もいるから、彩ちゃん?くれぐれも2人の世界には入らないでね。」

「うん、分かってるよ!!というわけで.....私と千聖ちゃんの体作りに協力してください!!」

「それはいいんだけど.....それって今日だけでいい?」

「え!?私が満足するまでは一緒にやってください!!最近、ライブが多くなってよく疲れるんですよ。だから、ライブでも常に元気でやりたいので体力が欲しいんです。でも私、運動とか苦手なので誰かと一緒にやらないと続く気がしないんですよ.....」

「なら千聖とやればいいような.....あっ。」

「兄さん、まさか私が運動が苦手なこと忘れていたの?」

「(というかプライドもあるんじゃないの.....)まぁいいか。協力はするけど、そこまで厳しいことはしないよ。因みに僕はバンドやってた時には豪と翔世と一緒に毎日5km走ってたからそれなりに体力は付いたよ。同じことやりたい?」

「いえ....遠慮します。」

「そっか.....じゃあとりあえず軽く10分ランニングしようか。スピードは合わせるから無理しなくていいよ。」

「ありがとうございます!!千聖ちゃん、頑張ろうね!!」

「ええ。せめて普通の人くらいは体力を付けたいわね。それにしても彩ちゃんも考えたわね。」

「え?どういうこと?」

「一時的なものじゃなくて継続して兄さんを使えるお願いをしたことよ。私もそうしておけば良かったわ。」

「あ、ほんとだ。でも千聖ちゃんのお兄さんがどんな人かは気になったし、歳の近い男の子の友達は作っておきたいなぁって。」

「それもそうね。私も歳が近くて親しいのはパスパレの皆と、花音、薫、兄さんと妹くらいね。」

「準備出来た?それじゃ行こうか。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はぁ....はぁ.....」

「あれ?思った以上に体力がない.....2人とも大丈夫?」

「はぁ....はぁ.....疲れた.....わ.....」

「結構ジョギングレベルの速さなんだけどな.....ライブとか体力持つの?」

「彩ちゃんはステージに出ると真価を発揮するすのよ。」

「そ、そうなのかなぁ.....じゃあステージの外だとどうなの?」

「それは.....ねぇ。」

「ちょ、ちょっとはぐらかさないでよぉ!!」

「とにかく、しばらく続けない限りは成果とかは出にくいし、継続してみて。あと、ペースなんだけど喋れるくらいのスピードで走るのをオススメするよ。あと体力つけるのは.....」

 

 

 

 

「ここは?」

「ちょっとしたジムだよ。昔に僕達が筋トレをした場所でもあるんだよ。ここ外から見たら廃墟だけど、中身は立派だよ。前に僕達が地主と相談して土地の使用を認めてもらったんだ。」

「兄さんいつの間にそんなことをしていたのよ.....」

「あの頃は忙しかったから千聖と話す機会も少なくて.....本当に運動くらいしかリフレッシュできるものがなかったんだ.....」

「相変わらずの千聖ちゃん好きなんですね.....」

「器具は色々あるけど.....とりあえず腕立てとスクワットやろうか。」

「え!?2つともあんまり得意じゃないんです.....」

「苦手なのは仕方ないけど、体作りとかを考慮すれば、筋トレとかもいい習慣になるような気がするんだけどなぁ.....」

「とりあえずやってみましょ。その後継続するかは私たちで決めましょ。」

「そうだね、よぉし!!頑張るぞ!!」

 

 

 

 

 

「19、20.....1回終わるか。って大丈夫か?」

「もう....立てない....」

「私もしんどいわ。」

「大丈夫?その体力じゃ持久走とか大変じゃないの?特にライブとかと重なると結構しんどそう.....」

「普段は置いていかれてるよ......」

「まぁ継続すれば多分体力は付くよ。最近知ったけど、パスパレって凄い人気なんだね。」

「ええ、これも彩ちゃんのおかげね。」

「そ、そんなことないよ!!本当に皆がいてくれたおかげだよ。」

「仲が良いんだね.....僕は全く知らなかったけど。」

「そうかしら?雨の中手渡ししたことなんかネットで結構話題になっていたわよ。」

「あの時は必死だったから.....今思えば風邪引かなくて良かったなぁって思ってるよ。」

「僕達とは違う感じだったんだ。」

「そういえば、白鷺さんってバンドやってたんですよね?最初はどんな感じだったんですか?」

「僕達は今みたいにライブ出来た訳じゃないんだ。元々イベントの合間とか最後らへんの空き時間にライブさせてもらってたんだ、今みたいにライブをさせて貰えたわけじゃなかったんだよね。それもあってか、僕達はEXTRAってバンド名を付けたり、他のバンドの研究する癖が付いたりとか.....今思えば大変だったなぁ。」

「へぇ.....じゃあ私たちのライブ見た事ありますか!?」

「それが無いんだ.....誰かさんがチケットくれないから。」

「仕方ないでしょ、ライブ会場に兄さんがいたら恥ずかしくてまともに演奏できないからよ。」

「うーん.....じゃあ今度ライブに来てください!!千聖ちゃんの恥ずかしさの克服と私たちの演奏を聞いてもらいたいんです!!お願いします!!」

「ちょ!?頭下げないでよ。それに涙目にならないで!!別にそこまで深刻な話をしてる訳じゃあないんだし....それに目立ったりなんかしたら.....」

 

 

 

 

 

「おいあいつ、彩ちゃんに頭下げさせてるぞ。」

「うわ、アイドルなんだから許してやれよ、心せま。」

「サイテー。あいつ死んだ方がいいんじゃないの?」

「まじそれ。しかもこんな人気のない所で.....通報しよ。」

 

 

 

 

 

「ど、どどどどうしよう!?千聖ちゃん!?」

「これは面倒ね。とりあえず私は見えてないみたいだから良かったわ。」

「仕方ないか.....千聖、そっちに地下の抜け道あるからそっから抜けて家に帰っといてくれ。」

「ええ。彩ちゃんも兄さんも上手くやるのよ。それと彩ちゃん、」

「どうじだの!?千聖ちゃん?」

「兄さんにアプローチするのは自由だけれど.....一線は超えないでね♪」

「そんなこと絶対にしないよ!!」

 

 

 

「取り敢えず落ち着こうか.....ギュッ」

「あっ.....ごめんなさい。」

良かった.....昔千聖が泣いてた時はこうしてやってたな.....まさか高校生相手にも通用するとは思わなかったけど.....

 

「うん、落ち着けて良かったよ。取り敢えず通報されちゃったし.....警察には素直に話すよ。一応学生証は常に持ち歩いてるから身分証明はできるし、丸山さんもテンパらないようにね。」

「は.....はい。そういえばさっき地下とか言ってましたけどそれって何なんですか?」

「ああ、ここってボロいだろ?だからもし火事とかになっても逃げれるようにはしておこうって事で設置したんだ。こういうことにも使えるなんて.....」

「感心してる場合じゃないですよ!!あ、そうだ.....あの、私、優希さんって呼んでもいいですか?こういう時に言うのは少しおかしい気がするのですが.....」

「別に僕はあまりにも酷い言われ方以外なら気にしないから好きにどうぞ。」

「じゃあ.....よろしくね、優希くん!!」

「うん、よろしくね。.....さてと交番行って事情を話すとしますか。」

「うう.....緊張するよぉ。」

 

 




見ました?確定のガチャ。あこちゃんが97%ですって。あこちゃん欲しいのでまじでウェルカムですよ。というのもバンドリ始めた時の初めての10連で夏限定のあこちゃんを当てたので思い入れが少しあるんですよね。
投稿遅くなってすみません、周回(モンスト)や周回(バンドリ)や周回(スクフェス)やテスト勉強(理系)があって忙しかったんです。テスト終わって落ち着いたらまた投稿ペースを戻します


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まさかの再会&イヴちゃんのお願い

今回は2部構成で行きます、しばらく投稿してなかったので、少々長めになりますかな.....

久々なので、誤字脱字があれば報告お願いします。特に長いのでミスがあるかもしれないので.......


ああだこうだあって、僕達は今交番に来ている。丸山さんってそんなに有名だったんだ.....改めて思い知らされたね。

 

「ええと、本当にあなた達はそういう関係じゃないんですね?」

「ほ、本当ですよ!!」

「そうじゃなきゃ、こんなに堂々としてられませんよ。」

「ところで白鷺というのは.....」

「はぁ.....そうですよ、白鷺千聖の兄です。一応大学の生徒証見せておきますね。」

「はい.....特に怪しいところはありませんね。失礼しました、早とちりをしてしまい。」

「いえいえ、変なことにも巻き込まれずに済んだので良かったです。」

 

 

 

 

「散々だったね。後でクレープか何か奢ろうか?」

「え!?いいんですか!?あっ、でも.....食べると太っちゃうし。」

「大丈夫だよ、それくらいじゃ太らないよ、ライブしてれば自然と消費されるしね。」

「そうですか、じゃあ言葉に甘えて.....(というか後々に千聖ちゃんにばれたらどうなるかな.....)」

「(千聖にばれたら.......頬を膨らまして家に入れてくれないだろうなぁ.....また今度千聖にも買ってあげないとな.....)。ところで何味がいい?」

「えっと......とりあえずオススメのやつでお願いします!!この先のクレープ屋って可愛いクレープ出してて、SNS受けが本当に良いんですよ!!」

「分かった、それを買ってくるね。ちょっと待ってて。」

 

 

 

「いらっしゃ.....優希?」

「あれ?蒼生じゃん、なんでここに?お前北海道に行ってたはずじゃ。」

「ちょっと、久々に帰って来てな。妹オーラを貰いに来たんだ。」

「相変わらずのシスコンだな。」

「お前にだけは言われたくないがな.....」

「とりあえずクレープ1つ、えっと味は.....オススメので。」

「あいよ、後で俺も行くわ。」

「うん、久々に話そうか。連れはいるけどね.....」

 

 

 

 

「あ、優希さんありがとうございます!!えっと.....隣の人は?」

「え!?パスパレの彩ちゃんじゃねーか!!優希、いつの間にそんなコミュニティを....」

「お前は僕をどう思ってるんだ。ことの成り行きみたいな感じで会ったんだよ。」

「へぇ.....まあいいや。俺は白金蒼生。気軽にそーきとでも呼んでくれ。それはそうと.....後でサインくれよ!!」

「お前、今はプライベート中だろ。そういうのはライブ行って貰えよ。」

「それもそうか.....じゃあまた今度ライブにお邪魔させてもらうよ。」

「は、はい.....あれ?白金?もしかして燐子ちゃんと関係が.....」

「燐子を知ってるのか?俺の妹だよ。」

「へぇ.....燐子ちゃんと違って結構アクティブなんですね。」

「そうだな。まぁなんというか、兄妹が正反対なんだよな。後、俺はベースだったし、燐子はキーボードやってるらしいからな。」

「やっぱり.....ところで優希さんとはどういう関係なんですか?」

「僕達はバンド仲間だよ。」

「おいおい、俺たちは同士だろ?バンド仲間は合ってるが俺たちの仲を語る上では安すぎるだろ。」

「それは今どうだっていいだろ。とりあえず、彩ちゃんのお願いはこれで叶えたってことでいいかな?」

「あっ.....もし食べたりしたらその分の運動も付き合ってくださいね!!これで太ったりしたら.....優希さんのせいですからね!!」

「ちょっと理不尽.....まぁいいや。」

「よくないですよ!?」

「いいよ.....丸山さんがちゃんと果たせるまで僕が隣で支えてあげるよ。」

「下手くそなポエム口調だな、おい。」

「別に意識したわけじゃないんだけどな.....」

 

 

丸山彩の思考回路

僕が隣で支えてあげる.....隣.....支えてあげる.......果たせるまで.......結婚!?

 

「ちょ、速いですよ!!まだ仲も深まってませんし.....」

「あれ?どうしたの?」

「大して上手くもないセリフでこうなるのか....優希、ほんと、お前のその謎の女の子を落とすスキルはどっから出てくるんだよ。」

「スキルって.....ゲーム基準で話をしないでよ。」

 

その後、丸山さんを落ち着かせるのに1時間近くかかった。最近の女の子って現金主義みたいなこと聞いたけど.....意外とそうでもないんだね。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「今日はお世話になりました!!また今度一緒に走ってくださいね!!」

「うん、またね。」

 

 

 

「で、わざわざ戻ってきた理由は何?」

「これだよ。届いてないのか?」

「羽丘文化祭.....知らないよ。」

「羽丘っていうか、元々俺たちの地元だしさ、招待されたら行こうかなくらいは思ったわけだ。多分メンバー全員に届いてるはずだから後で確認しておいてくれ。」

「でもライブって普通の?」

「そうでもないみたいだぞ.....これとか。」

「ああ.....確かにそうだね。」

「ところで千聖ちゃんは元気か?」

「元気だよ、なんか最近口をなかなか聞いて貰えないけどね。」

「それは9割方お前のせいだろ。」

「多分そうだと思うんだけどさ.....何が原因なんだろう。」

「まぁ間違いなくお前の女性の交友関係が広がってることだろうな。(千聖ちゃんは優希のこと大好きだからなぁ.....嫉妬とかしてるんじゃねーのかな。)」

「そうなのかな.....でもこの前は女性との付き合い方を教えてくれるとか言ってくれたし。」

「まぁ頑張れ.....聞いてくれ、何回メッセージを送っても燐子がスタンプ以外返してくれないんだ.....なんでだ?」

「気軽にやりとり出来てるからいいじゃん。.....ん?燐子?僕その前ネカフェで会ったような.....」

「どんな様子だったんだ!?」

「近いよ....人と話すのがあんまり得意じゃないって自分でも言ってたよ。悪い子には見えないし、特に思い悩む必要ないんじゃないか。」

「そうかな.....まぁ、帰って話してみるか。じゃあ、またライブハウスで会おうぜ!!」

「練習か.....単位は取ってるから大丈夫かな.....うん、また今度。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一方その頃

「もしもし彩ちゃん?」

「どうしたの、千聖ちゃん?」

「さっきあなたのSNSを見たのだけれど.....あのクレープ、誰から貰ったのかしら?」

「.....え!?そ、それは.....」

「もしかして.....兄さんかしら?」

「うっ.....はい、あの後迷惑かけたからって奢ってもらったんだ。と、特にやましいことはないからね!?」

「全く.....兄さんは誰にでも甘いんだから.....」

「え?何か言った?」

「なんでもないわよ。気になったから確認しただけよ。」

「でもよく優希さんだって分かったね?」

「当たり前よ。写真を見れば兄さんが関わってるかどうかくらい簡単に分かるわ。」

「そ、それはすごいね.....」「あと彩ちゃん?いつから優希さん呼びになったのかしら?」

「え!?別にそれはいいじゃん!!」

「別にいいのだけれど.....兄さんったら.....」

「あ、でも慌ててた時に優希さんに抱きしめて貰った時は嬉しかったな。包まれた感じがして.....少しときめいたよ!!」

「抱きしめた?」

「あっ.....な、なんでもないよ!!た、ただの妄想だから!!」

「へぇ.....彩ちゃん?どういうことかはっきり説明してもらおうかしら?」

「うっ.....千聖ちゃんの『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』みたいなオーラが想像できるよ.....」

「じゃあ、ゆっくり、話しましょうか?」

「は、はい.......」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「さて、若宮さん、お願いって?しかも僕と千聖が絶対に必要って。」

「はい!!この前のユーキさんの迫力、まさに戦に臨む武士のようでした!!なので、今日はおふたりについてきて欲しい所があるんです!!」

「あの?イヴちゃん?私が必要なのは何故かしら?」

「ええと....チサトさん、子役の時に時代劇に出てましたよね?」

「え、ええ...」

「覚えてなさそうだな。」

「子供の頃は必死だったから....あんまり覚えてる余裕がなかったわ。」

「それで、今から来てもらう場所の人に男女1組を連れてこい!!って言われたんです!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、これね。」

「へぇ、最近はこんなのもやってるんだ。」

「はい!!そこでおふたりに演じて欲しいんです!!」

 

若宮さんが連れてきた場所は、時代劇の撮影でよく使われている建物が並んでいる場所だった。ネットで調べたら、ここでお金を払えば、自分も時代劇の主役になれて自分ならではの時代劇を作れるらしい。しかもそれを編集してくれて、完成したDVDをくれるらしい。最近はこんなこともできるようになったんだな......」

「おじいさんくさいわよ。まだ大学生でしょ。」

「まあね。でもこんなの知らなかったし。」

「兄さん、ニュースとかSNSを見てなかったからそれも無理はないわ。でも最低限くらいは知っておかないと集団の中でやっていけないわよ。」

「肝に銘じておかないとね......でも2人でこれをどう演じるの?」

「はい!!ストーリーとかセリフは全部作ってきました!!」

「すご.....すごく考えた跡がする。」

「イヴちゃん、兄さんを使えるからって張り切りすぎよ。」

「私自身、時代劇も出たかったんですけど.....私の親しい人が出てるのも見てみたいんです!!」

「分かったよ.......セリフ覚えるから待っててね。」

「はい!!その間、監督さんにも話してきますね!!」

「うん.....若宮さん、すごく張り切ってるな。」

「そうね、でも意外だわ。」

「ん?」

「まさか、本当に兄さんと舞台で共演することになるなんて.....夢みたいな話しね♪」

「千聖の足を引っ張らないくらいには頑張るよ。あんまり期待すんなよ?」

「心配いらないわ。兄さんならできるわ。それにしても.....長いわね。40分くらいあるのかしら?」

「ほんとだ、というか細か!!これ何日かけて作ったんだろ?」

「最近休憩中にノートに書いていたのはこれだったのね。」

「最近?ということは千聖が言う前から考えてたってことか。」

「ええ。イヴちゃんは自分も時代劇に出たいって言っていたし、きっと自分で展開も作りたかったのでしょうね。」

「そんな簡単に作れるのか.......」

「今から兄さんは役者になるの。自分を押し殺して役に徹してね♪」

「役に徹する、か。普段の千聖を見ているから難しいとしか思えないよ.....」

「心配いらないわよ、ライブしてる時と一緒よ。」

「そんなもの、なのか......分かった、やれるだけやるよ。」

「ええ、それじゃ衣装に着替えましょ。」

「セリフは覚えたのか?」

「大体わね、けれどイヴちゃんを喜ばせるなら多少のアドリブが必要ね。」

「それ、勝手にしていいのか?」

「それは分からないけれど.....そういう予想外があるからこそ楽しくもなるんじゃないのかしら?」

「へぇ.....千聖がそんなことを言うようになるなんてな。」

「パスパレの皆から学んだのよ。」

「ほんと、パスパレの皆さんには感謝だな。じゃ、着替えてくるよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの.....兄さん、何故黙っているのかしら.....?」

 

.....可愛い。え?何これ?天使かな?これは.....姫様というよりかは女剣士?少し動きやすそうな和服を着て、さらにポニーテールにしている千聖がいる。

 

「写真撮ってもいいよね?」

「だめよ.....恥ずかしいじゃない。」

「じゃあ、何としてでもこれ撮影した後にDVDを買わないと.....」

「それは辞めて!!恥ずかしいわ!!.......でも兄さんがどうしてもって言うなら.....」

「買うかは撮ってから決めるか.....それにしてもこの刀、結構重いな。千聖?振り回せるか?」

「出来ないことはないけれど、殺陣をやってる人達のように自由自在、手練手管に動かすのは無理ね。」

「まぁ.....見習い剣士だから大丈夫だと思うけどね.....」

「準備出来ましたか?」

「うん、若宮さん.....期待しててね。」

「はい!!楽しみにしています。では.....

 

 

 

 

 

レッツブシドー!!」

「そこはスタートとかじゃないんだ.....」

 




後編もあります。ドリフェスでしたが、最初の10連でクリスマスはぐみちゃん、20連目で商店街りみちゃん(3回目))が出ました。僕、りみちゃんと花音さんがやけに被るんですよね.......


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レッツブシドー!!

なんで英語の授業で動画編集ソフトが必要な課題がでるんですかね......
ちょっと来週は動画撮影&編集と課題研究があるのでこの小説を投稿できるか分かりません。


僕達は若宮さん主導の元、時代劇?らしきものを始めた。台本自体は難しくなく、とある町で働いていた女の子が暴漢に連れ去られたところをある剣士に助けられる。その後にその子は剣士になって救ってくれた1人の剣士を探す.......なんというか、若干の時代錯誤もあるような気がするんだよなぁ。だって町民って小刀は良くても帯刀するのは禁止されていたはずだから剣士になるっていうのも少し不思議だなぁ。

 

「こら、兄さん 」 ペチペチ

「ん?どうした千聖?」

「撮影、始まってるわよ.....大丈夫?」

うん、目の前で心配そうにこっちを至近距離で見つめている天使がいました。え?僕、千聖相手に木刀振り回すの?普通に気が引ける。

 

「いい?兄さん?今から私たちは役者。一旦自分を切り離して、役になりきるのよ。」

「分かってるよ、でもさ.....千聖相手に木刀振り回すの嫌なんだよね。」

「それは同じよ。兄さん相手に木刀なんかむけたくないし、私はこんな重いもの持てないわ。」

「千聖のやつは木刀に見せかけたやつだろ?それなら大丈夫じゃないのか?」

「それはそうだけれど.....まぁいいわ。始めましょ。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あ、あの!!名乗ってください!!あなたの名前は.....!?」

「拙者、名乗るほどの者でもございません。ただ通りかかった剣士、それだけです。ではご機嫌よう。」

「何故、見ず知らずの私を助けてくれたのですか!?」

「ただ通りかかっただけです。これ以上交わす言葉はないでしょう。ではお気をつけて。」

「待って.....!!」

 

はい、カットォ!!

 

「あの.....古語で話さなくて大丈夫だったんですか?」

「大丈夫、クライアントがそう希望してきたからね。古語でやれば見直した時に何言ってるか分からなくなるからね。」

「あ、そういう.....」

「チサトさん大丈夫ですか?」

「ええ、もちろんよ。ただ.....」

「ただ?」

「和服の兄さんもかっこいいなって.....見惚れてセリフを忘れるところだったわ。」

「大丈夫ですよ!!忘れてもアドリブすればどうにかなります!!」

「イヴちゃん、案外計算しているのね......」

 

 

 

「次のシーンは、ユーキさんとチサトさんが斬り合いをする場面です!!迫力があるのを見たいです!!」

「若宮さん.....そんな純真な目で見られても.....」

「兄さん、弱気になったら負けよ。やってみせる、それくらいの意気込みで行かないとダメよ。」

「でもさぁ.....千聖、殺陣とか絶対無理だろ。僕が本気を出したら最初の居合で倒せるしね。」

「そこは.....ご愛嬌?というやつでお願いします!!」

「イヴちゃん?多分意味が違うわよ.....」

「それじゃ入るよ。だけど、絶対にカメラは止めないから演じきってね!!」

「やけにハイテンションだな、監督。」

「3、2、1.....」

 

 

 

「む?そなたは.....いつかの娘ではないか。」

「やっと見つけました。あなたに憧れて剣士になりずっと探し続けていました。.....私を一緒に連れて行ってください!!そして.....あなたの弟子にしてください!!」

「否、そうすべきではない。お前は家に帰り母の手伝いをせよ。剣士は向かん。」

「そういくわけにはまいりません!!母上や兄上には話をつけてきました.....今更何も無く帰るわけにはいかないのです!!」

「口では無駄か.....ならば拙者と剣を交わせ。そして私を認めさせてみよ。さすれば、お前を連れていこう。」

「.....!!はい!!必ずや、あなたを.....」

「ふむ、その振る舞い、剣術の基礎は身についているみたいだな。.....来い。お前の刃で拙者を認めさせてみよ!!」

 

 

そこから僕達は殺陣のようなものをした。千聖、もう少し1つ1つの動きを丁寧にしないと.....隙だらけになるよ。かといって僕が手を出せばそれはそれで後々に死ぬほど後悔するだろうから出来ない。

 

「はぁ.....はぁ.....きゃっ!!」

「な、なんだおまえたちは!!」

「さっさと逃げるぞ!!こいつは高く売れる!!」

「なっ....!?くそ、そこをどけ!!」

「へへっ、兄ちゃんはそこでじっとみt「どけと言ってるんだよ!!」うがぁ!!」

そして僕は目の前に現れた暴漢を木刀で叩いた。これって過剰防衛にはならないよね.....?

 

「若宮さん、ついてきて。」

「は、はい!!」

 

 

「ふふっ、全部脚本通りだな、イヴちゃんよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「へへっ、あの白鷺千聖だぜ!!これは売れるだろ!!」

「うっ、離しなさい!!.....きゃっ!!」

「あまり暴れると撃つぞ。」

(兄さん.....助けて.....)

 

 

「ここにいたか、悪党共。」

「なっ、さっきの.....こっちに来てみろ!!妹を撃つぞ!!」

「女子に寄って集って拳銃向ける男がおるとは.....恥を知らんか、この

阿呆どもが。」

「な、なにを!!」

「言うたであろう。脅しを使うということは自分が弱いと言っているのと同じだということだ。」

「く、クソガキが!!」

「そこの御仁、これを持て。」

「えっ.....これは木刀!?」

「そなたを信じる。拙者の背中を守れ。」

「しょ.....承知!!」

「この、舐めたマネしやがって!!」

「拙者1人で来ると思っておるのか。よし、背後をつけ。」

「なに、誰も....痛!!」

 

僕はデマで相手の注意を引いた隙に懐に飛び込み木刀でハンドガンを相手の手から離させた。これで遠距離を心配する必要がなくなった。

 

「こ、この野郎!!」

「ふむ、そなたらも刀を.....受けて立つ!!」

「ふざけた口利きやがって!!」

「ふざけているのは貴様らだ。白鷺家の令嬢に手を出して、タダではすまんだろう。その前にそなたらに天誅を下す。」

 

カン!!カン!!

 

「はぁ.....はぁ....」

「どうした?二人がかりで勝てぬのか?」

「ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「血迷ったか。とどめをさす。」

「がぁ.....」

「ぐっ.....」

 

 

 

 

 

「今までの無礼お許し頂きたい。そなたはあの白鷺家の御令嬢であったのか。」

「.......ええ?」

「おしえてもらっていないのか。.....白鷺家といえば1級品の刀を作り出す名家ではないか。拙者のこの『天神霧雨刀』もその家で作られたものだ。」

「(もしかしてアドリブ.......)左様でしたか。父はいつも山の小屋に籠っています故、仕事までは存じておりませんでした。ですが、これも何かの縁。どうか、その倅である私に、剣の道を教えてください。」

「.......よかろう。共に旅に出よう。先程の御仁、我が背中を守ったこと感謝する.....消えてしまったか。」

「先程のあの方ですか?」

「そう。女子でありながら中々見事な立ち振る舞いであった。また会えることを願って旅をしようではないか。」

「はい、私もお礼を言わねばなりません。」

 

 

 

 

 

「はい、かっとぉぉぉぉぉ!!!すっっっごく良かったよ!!」

「随分と予想外の展開になりましたがね。」

「あれ演出だったのかしら?」

「うん、一瞬ガチだと思ったけど若宮さんや監督が全然驚いていなかったから多分そうだろうなって。」

「じゃあイヴちゃんに背中を任せたのは?」

「僕の気まぐれ。若宮さん、時代劇とかに出たいって言ってたからさ。僕からの.....なんて言えばいいんだ?サプライズ?みたいなもの。出番は少なかったけどね.....」

「あの時は驚きました!!まさかユーキさんが木刀を渡してきたので!!でも雰囲気に入って一瞬だけ本物の武士になれて面白かったです。ありがとうございました!!」

「気にすることないよ.....良かったぁ、これで怒られたらどうしようかと思った。」

「それにしてもあの適応の早さ、アドリブ能力、アクションをこなせる身体能力、惜しいなぁ。君、俳優にならないか?」

「遠慮します。僕は前に出るのが苦手なので.....」

「そうか.....じゃあ気がのったら声をかけてくれ。私はね、これでも口が利く方だからね。」

「そうなんですか.....それじゃ。」

「今日はお世話になりました。イヴちゃんも一緒に帰りましょ。」

「はい!!カントクさん、ありがとうございました!!」

「いえいえ、今日はパスパレの二人も見れたし、新たな才能の種も見つけたからね。お代はタダでいいよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ルンルン♪」

「若宮さん、ハイテンションだね。」

「そうですね、早く帰って見るのが楽しみです!!」

「そうね、イヴちゃんがどんな感じで出てきたかは気になるわね。」

「うぅ.....そこは恥ずかしいです.....」

「大丈夫だよ、特に変なところなかったし。」

「そうでしょうか.......でも瞑想をして自分の悪い所を見なければなりません!!」

「瞑想は心を無にするやつだったような.....まぁいいか。」

「では!!家がこっちなのでここでお別れですね!!では!!」

「ええ、また明日ね。」

 

 

 

 

 

「ところで兄さん?」

「ん?何?ちさ.....」

 

なんだろう、このただならぬ殺気。というかさっきの時代劇でそれを出せば少しはビビらせれたような.....

 

「彩ちゃんのSNSにこんなのがあったのよ。」

「ああ、クレープ。これがどうかしたの?」

「兄さん?彩ちゃんに奢ったのね?」

「あ.....うん。」

「なぜ交番に行く下りからこうなったのかしら?」

「しゃ、謝礼ですよ。別にやましいことは.......」

「今まで私に何かを奢ってくれたこと、あったかしら?こんな女子高校生らしい何かを、ごく何も無い帰り道で、可愛いクレープのようなものを。」

「えっと、ひとつくらいは.....」

「無かったのよ。」

「さいですか.....」

「それともうひとつ問題なのよ。さっきのは後で奢ってもらうとして、彩ちゃんを抱きしめた、これはどういうことかしら?」

「あ、いや、あれは、その.....」

「問答無用ね、帰って私を抱きしめながら寝なさい。」

「それはこの前しt「それが出来ないなら1週間は無視するわよ」喜んでします。是非、今夜に。」

「最初からこうすればいいのよ。」

 

 

(私も彩ちゃんのように危なっかしいくて少しほっておけないところがあれば.....もっと兄さんも色々してくれるのかしら.....兄さんの愛が足りないわ.....今夜充電しないと.....)

(怖いけど.....膨れてる千聖も可愛いな.....もっと千聖も甘えてくれたらな.....僕ってそんなに頼りないのかな.....?)




まりなさんってあの人1週間でどれくらい仕事してるんだろう.....絶対労基に引っかかるような気が.....


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兄妹デート 準備編

久々の千聖さん回(多分数話)書きます。麻弥ちゃんはこれの後になるとおもいます
いつも通り誤字脱字があればよろしくお願いします。


「兄さん.....少しいいかしら.....?」

「ん?どうしたの?千聖。」

 

今、千聖がドアからこっちを少し覗く形で入ってきた。なんか少し目が潤ってるし.....可愛い。なんというか.....うん。周りにキラキラオーラがある。

 

「明日、暇かしら?」

「明日.....うん、特に般教もないし大丈夫だよ。どうかしたの?」

「実は.....その.....新しいカフェが出来たのよ。それで行きたいのだけれど.....3駅先でね、迷いそうなの。だから.....一緒についてきてくれないかしら?」

「別にいいけど.....花音さんとかも来るの?」

「花音は用事があるから来れないのよ。」

「そう.....じゃあ僕と2人?いいの?」

「兄さんと.....2人で行きたいのよ.....2人きりで。恥ずかしいから言わせないでよ.......」

「あぁ.....ごめん.....じゃあ明日の夕方に行こうか。僕も一応レポート作らなきゃいけないしね。」

「.....!!ええ!!楽しみにしてるわね♪」

「うん、僕も楽しみだよ。」

 

 

 

 

 

「よし!!!」

今日初めて.....この2年間で初めて自分から兄さんに2人きりでのお出かけの約束が出来た.....長かった、これをするのにどれだけ頭の中でデモンストレーションしたことか.....明日は、とびっきりオシャレをしていかないとね.....兄さんを、惚れさせてみせるわ!!(今更)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌朝

「あれ?千聖仕事?」

「ええ、でも午前中だけよ。だから午後に商店街で会いましょ。」

「うん、分かった。」

「じゃあ、行ってくるわね♪」ダキッ

「ん.....!?千聖どうしたの!?」

「こうやって軽いスキンシップをしたら仕事とかが上手くいくってテレビであったのよ.....だから試したの。」

「あ、ああ.......」

 

(やばいやばい、千聖がこんなに近くに.....久しぶりだなぁ、こんなにも清々しい気持ちになるのは。)

(彩ちゃんに対抗してやってみたのだけれど.....恥ずかしい。兄さんに赤面した顔を見られるのね.....でも、暖かい。出来ればずっとこうしていたい。)

 

「あのー、千聖?これは本当にとても嬉しいんだけど、あれこれ3分くらい経ってるよ。」

「あら、やりすぎたかしら.....じゃあ改めて、行ってくるわね♡」

「うん、いってらっしゃい。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「じゃあ彩ちゃん、よろしくお願いするわね。」

「珍しいね、千聖ちゃんが私にお願いなんて。」

「今日という日を作るのに時間と労力を使いすぎて.....肝心のコーディネートを考えてなかったのよ。どうしよう.....」

「でも、優希さんならどんな千聖ちゃんでも可愛いって言ってくれると思うんだけどなぁ....」

「ダメよ。兄さんに心の底から可愛いと思わせたいの。最近何かと兄さんは別の人と関わることも多いし.....」

「うっ.....なんかごめんね。」

「別にいいのよ。だから.....こういう少ない機会を本当に大事にしたいの。だから彩ちゃん、よろしくね♪」

「うん、任せて!!絶対に千聖ちゃんを可愛くするからね!!」

「心強いわ。それで.....兄さんにはさりげなく気づかせたいから、あんまり目立つもの以外でお願いするわね」

「頑張ってみるよ.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

時を同じくして

 

「ふぅっ.....とりあえずレポート完成かな。後は保存してっと.....あっ.....,千聖とお出かけするけど.....服どうしよう.....さすがにジャージとかだと千聖に失礼だしなぁ.....どうしたものか.......」

 

あっ、そうだ。今井さんに頼めばなんとかしてくれるかも。

 

ピロピロ

 

「ん?どうしたの?優希。」

「あの.....今井さんでよろしいですよね?」

「なーに硬くなってんの♪そうだよ。」

「あの.....折り入ってお願いしたいことがあるのですが.....」

「なになに?」

「今日千聖とお出かけするのですが.....服が全くなくてとても千聖を迎えられるような服がないんです。だからお力添えしてもらえないかと思うのですが.....」

「そっかぁ.....行ってあげたいんだけどさぁ、今練習の合間なんだ。だから午前中にならきついかな。」

「そうか.....ごめんね。」

「待ちなさい、先輩ね?」

「え?友希那さん!?」

「リサが必要なのね.....分かったわ。リサ、行ってきなさい。」

「ちょっと湊さん!?今井さんが抜けると練習が止まります。それはいけません。」

「そうかしら?何かと詰めてやっていたから少しくらいいいのではないかしら?特に夜も練習しているリサにも息抜きがあってもいいと思うわ。」

「ですが.......」

 

 

仕方ない.....こうなったら.....

 

「.....氷川さん、だよね?だったら条件を出すよ。」

「条件?すみませんがお金などはなしですよ。」

「僕はそんな人じゃないよ.....今井さんを今日借りれるなら、そうしたい。その代わり後日、僕達と合同練習をする、それならどうかな?」

「僕達.....それは誰ですか?」

「僕、蒼生の2人。もし見つかれば翔世も連れて君たちの練習を見るんだけど.....それじゃだめかな.....」

「それならいいわ。リサの不足も補えるでしょうし、私たちにもメリットがある。」

「待ってください、湊さん。白鷺さんはともかく他の2人が分かりません。」

「蒼兄は.....私の兄.....です。ベースがすごく上手いん.....です。」

「因みに翔世はギター。それに僕達はくじ引きライブもしてたし、君たち以上に練習してたから、基本どの楽器でもいけるよ。」

「そうですか.....なら.....」

「交渉成立、ね。リサ、先輩のところに行ってきて構わないわ。」

「う、うん!!じゃあ今から1時間後に服屋でね!!」

「服屋ってどこ?」

「え?.....ショッピングモールのところだよ。来れる?」

「ショッピングモール.....あ、あそこか。うん、多分。」

「じゃあ集合ね!!迷ったら連絡して♪迎えに行くから。」

「うん、分かったよ。」

 

 

ピッ

 

「先輩の演奏がまた見られるのね.....楽しみだわ。」

「優希ってそんなにすごいの?」

「先輩は、メンバーの中で本番中ただの1度もリズムを崩したことやミスしたことが1度もないの。多少のズレもなく.....正確さはずば抜けてすごかったわ。」

「経験者.....なんですか?」

「いいえ。先輩は初心者よ。でも2年間、ひたすら打ち込んでうまくなったのよ。私もよく練習風景を見ていたのだけれど、あの集中力は紗夜と少し似ていたわ。」

「そうなんですか.....」

「雑談はここまでよ。練習に戻りましょう。」

「友希那さんに言わせるなんて.....あこ、練習が楽しみになってきたよ!!」

「そうだね.....蒼兄の演奏姿、見るのは久しぶり.....かな.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1時間後

「ごめーん、待った?」

「いいえ。時間よりも10分早いし、助かるよ。」

「それじゃ行こっか♪」

「うん、そうだね。」

 

あれ?今井さん前会った時よりも.....なんか雰囲気が柔らかい?というか.....服、着こなせてるなー。僕は絶対無理。

 

「うーん、.....アウトかな?」

「.....え?」

「ほら、女の子のこと褒めなきゃ。私もちょっと考えてこれ着たんだけどね.....どう思う?」

「うーん.....前に会った時よりもこっちの雰囲気の方がいいかな。なんというか.....落ち着いた雰囲気とかあるし。僕はこっちの方が話しやすいかな。」

「うーん.....悪くないけど、途中から自分のことになってるよ。そういう時はね、似合ってるよって言うか、僕は~系は言わない方がいいよ。あとは女の子に言わせちゃダメだよ♪」

「そうなんだ.....ありがとう。」

「うんうん♪素直でよろしい!!じゃ、行こっか。」

「うん。.....で、服屋ってどこ?」

「優希って案外知らないんだね.....案内してあげようか?」

「そうだね.....お願いしてもいいですか?」

「うん!!でも.....午後から用事あるんでしょ?だったら.....」

 

 

その後、僕は今井さんに若干連れ回されて、コーディネートしてもらった。お礼でパフェ奢ったら、とても嬉しそうな顔で食べてたよ。千聖もそうだけど、大人っぽいとかはっちゃけてる人のこういう面を見ると.....なんか落ち着くよね。




皆さん見ましたか?千聖さんですよ、千聖さんですよ!!!!これはもうやるしかありませんよね!!ロリ千聖さんだったら、もう1人の星4は薫さん?になるのかな.....?ハロハピイベント来たばっかなのに大丈夫かな.....?花音さんもいいな.......


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兄妹デート 本番

そう、こういうのを書きたかった......今回のイベントは編成がある程度整ってるので周回が楽です。
字数が6000字に突入.....許してね。


お昼

 

とうとう本番だ.....約2年ぶりの.....千聖とのお出かけ。場所は3駅先だけど.....頑張らないと。

 

「そろそろお昼.....か。千聖、商店街とは言ってたけどどこなんだろう?」

「お待たせ....兄さん。」

「特に待ってないよ.....ちさ.....」

「どうかしたのかしら?」

 

.....ん?千聖、着こなし上手すぎじゃないんですかね?僕は服の種類とかは全く分からないけど.....なんというか、僕の好きな色.....白色を中心にした感じで、かつ清楚感がすごく漂っている。

( ゚д゚)ハッ!今井さんに言われたとおり褒めないと.....

 

「あの.....どうかしたの?」

「千聖があまりにも綺麗で見とれてたんだよ.....すごく似合ってるよ。」

「ふふっ、ありがと♪」

「そのポーチって.......」

「ええ、兄さんが2年前にくれたものよ。今でも大切に使わせてもらってるわ。」

「それは嬉しいね.....じゃ、行こっか。えっと.....駅ってどっちだっけ?」

「ぱっとしないわね.....まぁいいわ。行きましょ。」

「うん、そうだね。今日は僕の奢りね。」

「あら、普段よりも気が利くのね。」

 

 

 

 

 

 

「とりあえず及第点かな?」

「ちょっとリサちゃん、本当に尾行するの?」

「当たり前じゃん♪優希と千聖のプライベートとか気になるし、ちゃんと優希がリード出来てるかも確認したいしね♪」

「そうかなぁ.....でも、優希さん、ちゃんと千聖ちゃんの服褒めてたね。頑張った甲斐があったなぁ。」

「あれ彩がコーディネートしたの?」

「うん、まぁほとんど千聖ちゃんが着たものにちょっとアクセとか追加したくらいだけどね。」

「やるじゃん♪」

「でも、私服の優希さんも似合うよね。私の時は運動用の服だったから分からなかったよ.....」

「あれ、アタシがコーディネートしたんだけどね♪」

「へぇ.....また今度いい感じのやつ教えてね!!」

「うん、いいよ♪じゃ、行こっか。」

「うん.....見つかりませんように.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「こっちかしら?」

「千聖、それ本当に別方面だよ。こっち。」

「本当に、電車だけは苦手だわ.....」

「昔からそうだしね。今は僕がいるから大丈夫だよ。」

「そうね、地図を使わなければ兄さんは頼りになるわね。」

「さらっと馬鹿にされたような.....」

「そういえば兄さん、その服どこで買ったの?」

「これ?さっき買ったんだ。ちよっと友人のアドバイス貰ってね.....さすがにちゃんとしないと千聖に失礼だろ?」

「ふふっ、そう思ってくれてるのは本当にありがたいわね。兄さんも少しは分かったのじゃないかしら?」

「色々勉強したからね。(主にリサさんの講義みたいなものだけど.....)」

「こうして話すのは随分と久しぶりのような気がするわね。」

「そうかもね.....僕も久々に千聖と二人きりで行くしね。あとは変に騒ぎがおきなければいいけどね。」

「それもそうね、それじゃ、乗りましょうか。」

「だから、それ逆の方面だよ.....」

「あら.....本当ね。」

 

 

「優希、やるじゃん♪」

「そうだね。ちゃんと千聖ちゃんを車道とは逆側を歩かせてたもんね。」

「ああいうのはポイント高いしね♪」

「優希さん、こう見るとやっぱり千聖ちゃんのお兄さんなんだなって思うよね?」

「うんうん♪」

「それにしても.....千聖ちゃん、電車苦手なんだ。知らなかった.....」

「なんか会話がぎこちないなぁ.....慣れてないのかな?」

「あんまり話すとバレやすいしね.....」

「あ、そっか。というか彩もアイドルだからばれるんじゃないの?」

「私はあんまり気づかれないんだ.....」

「まぁでも行くとこ行くとこで騒がれないからいいじゃん♪」

「それはありがたいんだよね...でも気づいて欲しいから少し複雑なんだよ。」

「そうなんだ、どうする?同じ電車乗る?」

「うん、行こ!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

電車内

 

「休日にしては空いてるわね。」

「まぁ混んでないから痴漢とか心配する必要ないから安心だよ。.....あれ?千聖、ネイルなんかしてたっけ?」

「これ?今日仕事でそういうのがあったのよ。(間違っても兄さんを魅せる為に彩ちゃんにお願いしたなんて言えないわ.....)」

「なんか意外だな.....千聖がこうやって着飾ってるのは。これは写真撮って収めないとね.....電車降りた後だけどね。」

「恥ずかしいわ.....あ、兄さん。今度また芝居の相手してくれない?」

「いいよ、今度の台本はどんな感じなの?」

「帰ったら見せるわ。」

 

 

 

 

「ここ.....かな?」

「ええ、着いたわ。じゃ、入りましょうか.....」

「ん?どうしたの?」

「いえ.....なんでもないわ。行きましょ。」

 

 

「バレたかな.....?」

「まだ大丈夫だよ。じゃ、中入る?」

「そうだね。」

 

 

 

「いらっしゃいませ。2名様でよろしいですか?」

「はい、お願いします。」

「では、席に案内しますね。」

「はい。」

「あの.....後で一緒に写真撮ってくれませんか?」

「写真、ですか?今はお断りさせてもらいますね.....」

「そうですか.....」

 

「ふふっ、顔が良いと苦労するわね♪」

「普段の千聖の気持ちがなんとなく分かるよ。さて.....何頼む?」

「そうね、じゃあこの期間限定のパフェ頼もうかしら。」

「じゃあ僕はアイスコーヒーといちごパフェ頼むか。」

「兄さん、やっぱり甘いもの好きね。」

「そうかな.....?そんな気が.....しなくもない。チョコレートは苦手だけどね.....」

「変なの。そういえば、最近バンドの人達と交流してるの?」

「うん、なんか皆今戻ってきてるんだよね。ちょっとした催しがあるからね。」

「それじゃ、兄さんはまたライブするの?」

「うん。またチケットあげるから聞きに来てね。」

「ええ、勉強させてもらうわ。」

「千聖はベースだしなぁ.....蒼生に教わる?」

「いいえ、私は兄さんに教わるわ。」

「僕メインはキーボードなんだけどね.....」

「兄さんが1番私の癖とか見抜くのが上手いから、私にとってはベストなコーチなのよ。」

「伊達に十数年家族やってるからね。それくらいは分かるよ。」

「頼りになるわね♪じゃ、食べましょうか。」

「そうだね.....あ、美味い。」

「一口くれないかしら?」

「うん、いいよ。はい、あーん。」

「.....確かに美味しいわね。じゃあ私のも一口あげるわね♪」

「うん、頂くよ.....うん、こっちも美味しいね。.....というか、これって.....間接キス、なのかな。」

「あっ.....」

「.....恥ずかしいね。」

「何も気にせずにやってたわ。でも、そうね.....じゃあ兄さんの初めては、直接ではないけど、私が貰ったことになるわね♪」

「その理屈だと、千聖の初めてを僕が貰ったことになるけどね。」

「別に構わないわ。むしろ.....初めてが兄さんでよかった.....」

「ん?何か言った?」

「べ、別に何にもないわよ!?」

「そう.....じゃあもう一口いる?」

「.....貰うわ。」

 

 

 

「うんうん、初々しいね♪」

「兄妹だよね.....カップルにしか見えないよ!!」

「むしろ千聖はこっち狙ってたんじゃないかな?」

「それはそうだけど.....でも、見てて嬉しいよね。」

「そうだね。でも千聖のこんな初々しいところは新鮮だね。尾行してきた甲斐があったよ♪」

「それは同じかな.....こういう千聖ちゃんも新鮮.....」

 

 

 

「それでは、今からイベントを始めます!!皆さん、こぞって参加してください!!」

「イベント?何だろう.....」

「今回のイベントは.....ポッキーゲームと、告白ゲームです!!ポッキーゲームは最後まで出来たらクリア、告白ゲームは2人1組で5回、つまり合計10回告白を言い合ってリタイアと判定されなければクリアです!!」

「.......え?」

「イベントの2つをどちらも制覇した方には.....豪華商品があります!!」

「あれって.....僕のライブパーカーじゃん!!!」

「そう!!EXTRAのYUさんのライブパーカーです!!これは本人ご愛用で4thライブでファンに向かって誤って投げたものです!!ちなみにこれは私がゲットしました!!」

「あれ、そんなに価値あるの.....どうする?千聖.....って顔赤いよ!?大丈夫!?」

「べ、別に問題ないわ.....参加しましょ!!兄さんのパーカー、欲し.....取り戻しましょ!!」

「そ、そうだね.....」

 

 

 

 

 

 

 

「あの、挑戦します!!」

「はい!!では、どうぞ!!」

「千聖、大丈夫?一応有名人だから広まったら.....まずくない?」

「大丈夫よ、気にしないわ。」

「それでは、ポッキーゲームからです!!どうぞ!!」

「.....行くよ。」

 

カリカリ....

 

(ち、近い。.....兄さんの顔が.....目の前に。で、でも。、これで.....念願の兄さんからのキスが貰える.....直接の。やっぱり寝顔もいいけど、こうやって正面向いたらかっこいいわね.....)

 

 

チュッ

「.......クリアしました!!!!第一チャレンジ、突破です!!」

「千聖.....大丈夫?」

「だ.....大丈夫よ。(は、恥ずかしい.....ここからまだあるのよね.....)」

「では、第2回戦始めます!!愛してるゲーム、スタート。」

 

 

「先攻.....どっちからする?」

「私から.....行くわ。(さっきの仕返しよ。絶対に兄さんに恥ずかしいって思わせてやる!!!)」

 

ニギッ

 

「ん?どうしたの手を握って.....」

「温かい.....やっぱりあなたの手は温かい.....愛しています、これからもその温かい手で私を守ってくださいね.....」

(か、可愛い.....)

「クリアです!!では、後攻の方、どうぞ!!!」

(千聖、そっちが本気なら.....僕も本気で行くからな!!!)

 

ドンッ!

 

「え.....」

「全く.....お前は可愛いな。愛してるぜ。これからも....お前は俺の隣にだけいてくれよ。」

(.......兄さんのバカ!!!これあと4回も来るのよね.....リタイアしそうだわ。)

 

「...........」

「えっと.....大丈夫?」

「ええ.....まだいけるわ!!」

「それでは、続行です!!!」

 

 

 

 

 

「リサちゃん.....すごいことになってるね。」

「優希、あんなキザなセリフ言えたんだ.....今度アタシもやってもらおうかな.....」

「私もやって欲しいな.....それはともかくまだ気づかれていないね。」

「ほんとだ。意外と溶け込んでる.....」

「ブラックコーヒーが欲しいなぁ.....リサちゃん、買ってくるね。」

「うん。.....それにしても千聖、顔赤いねぇ.....優希もすごいね♪」

 

 

「これで、最後です!!ではどうぞ!!!」

(もう耐えられない.....でもこれで最後...本気で行くわよ!!)

ダキッ

「ちょ.....」

「あなたが好き....好きでたまらない。.....一生離さないからね♪」

(まさか耳元でやってくるって.....千聖、ガチすぎるよ。)

「.....クリアです!!では、最後です!!どうぞ!!!」

(やばい、ネタ切れ.....どうしよう.....こうなったら.....)

「あの.....キーボード借りていいですか?あそこにあるやつなんですけど.....」

「え?別にいいですけど.....」

 

「僕は不器用で損する質でしてね.....それでも君が何度も僕を助けてくれた.....君に巡り会えた、それが僕にとっての.....恥ずかしいから、これを聞いてくれ。僕の想い.....聞いて欲しいんだ。」

 

~♪

 

「え、これって.....」

「僕の想い.....届いたかな。今はこれだけしか出来ない。いつか君に直接想いを告げるから.....それまで待っててね。必ず、君に見合う人間になってみせるからさ.....」

「....はい!!ずっと待ってるわね!!」

「.....クリアです!!!!全部クリアしました!!でも、あなたって.....」

「うん、僕はこのパーカーの元持ち主だよ.....」

「.....ですよね!?あの曲って.....」

「『淡恋』.....僕達が作った恋愛の歌ですよ。淡い恋っていう安易な発想ですけどね.....」

「それでは、約束通り、景品、お渡し.....じゃなくてお返ししますね!!!」

「いや.....返すよ、君に。でも....一応これをつけてね。」

「.....サイン!?ほ、本当にいいんですか!?」

「僕が投げたのはあれサプライズでさ.....結構色んな人からしたらどうだ?って言われてたからさ。だからあげます。」

「あ、ありがとうございます!!!」

「じゃ、帰るか。」

「ええ.....」

 

 

 

 

「リサちゃん.....」

「彩、これはブラックコーヒー必須だよね。でもいいなぁ.....私も今度一緒に行こっかな。」

「わ、私も!!」

「じゃ、気づかれない内に帰ろっか。」

「そうだね.....いいもの見れてよかったよ。」

「ピュアな千聖.....大胆な優希.....動画撮ったからこれは保存だね♪」

「でも心配しなくてよかったね。」

「え?どういうこと?」

「千聖ちゃんもそうだったけど.....ああやって素直に想いを伝えられてるから.....心配して損したよ。」

「それはそうかな.....私も優希がちゃんとリード出来てるかは心配だけど.....上手くいったしめでたしめでたしかな。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「なんか.....ごめんな。」

「いいえ.....気にする必要ないわ。むしろファンに対して100点の対応ね。」

「今日は色々あったな.....疲れた。」

「私もよ.....八割方あのイベントだけれど。」

「そうだね....そうだ、千聖、今回の僕は何点だった?千聖の目から見て。」

「そういうの聞くのはナンセンスよ.....そうね.....」

 

 

 

 

「満点よ。私は今日兄さんと半日、本当に濃い時間を過ごせた。イベントでは色々あったけど.....楽しかったわよ♪また行きましょ♪」

 

千聖が夕陽で照らされてるから...より可愛く見えるな。白い服だから周りの光に溶け込みやすくなってるし.....すごいな。

 

「僕も今日は楽しかったよ。千聖、誘ってくれてありがと。最後の方は本当に恥ずかしいことばっかりだったけど.....千聖とこうやって過ごすのも楽しかったよ。」

「お互い同じ想いね。.....それじゃ、行きましょ。」

「手、繋ぐんだ.....」

「いいでしょ?今くらい、甘えさせてよ。素直になれる少ない機会なんだから.....」

「.....うん。」

 

 

そうして僕達兄妹のデートは終わった。なんか後ろから視線感じてたけど.....まぁいいか。今はこの幸せな時間に浸ろう.....




兄妹とは思えない感じになったような.....でも、たまにはこういうのも悪くないかな、と思ってます。


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羽丘でエールwith麻弥ちゃん

うーん.....クリスマスつぐを引きにいくべきか、それとも新年ドリームフェスティバルを待つか.......悩みどころです。(お金が今あまりないのと、僕のお年玉は何故か知らない間に家計の足しになっているので悩んでいます。)
因みにモカちゃんは去年引きました。去年、20連目でクリスマスモカとソラモヨウのモカちゃんが同時に出た時は驚きました。僕のデータは、モカちゃんと花音さんがよく出るんですよね(推しが出ないのは世の常。というか物欲センサー)。可愛いからオッケーなんですが。


大和さんのお願いってなんだろう.....機材いじりが好きとか言ってたけど、僕はそういうのは全く詳しくないんだよなぁ.......

 

「あ、白鷺さん、おはようございます。」

 

「大和さん、おはよう。ところで、お願いって何?」

 

「それが.....あまりいいものが思いつかなくて.....今はすごく充実してますし彩さんみたいに太ったって........じゃなかった、体型を気にしてる訳でもありませんし.....どうしたらいいんでしょうか?」

 

「いや、僕に言われてもなぁ.....」

 

「やはり機材のことを抜くと難しいですねぇ.....」

 

「気を遣わせてるのかな?それだったらごめんね。」

 

「あっ、いえいえ!!気にしないでください。どうしましょうか.....あっ!!」

 

「何か思いついたの?」

 

「ちょっと変わったことなんですけど...」

 

「別にいいよ。死んでとか以外は。」

 

「さすがにしませんよ.....一度学校に来て頂けませんか?」

 

「学校に?何で?」

 

「前にイヴさんが『ユーキさんは俳優の才能があります!!!』って言ってましたので、ちょっと見たいなぁと。」

 

「ああ、そういう.....いいよ。」

 

「じゃあ、羽丘に行きますか。道案内はします。」

 

「うん、お願い。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あぁ.....なんて儚いんだ.....」

 

「え?薫?」

 

「あ、話してませんでしたね、実は薫さんと自分は演劇部に入ってるんですよ。」

 

「へぇ.....それで、あれは?」

 

「あれは薫さんが今度の文化祭でクラスでの演劇の練習をしているんですよ。」

 

「あれ、明らかに素だよね?あれが台本なの?」

 

「分かりません.....自分と薫さんは別のクラスですから.....」

 

「大和さんのクラスは何をするの?」

 

「学校で隠れんぼするみたいなんです.....日菜さんが『どうせなら、教室じゃなくて学校ごと使おうよー!!そっちの方が絶対にるんっ、て来るよ!!』ってことできまりました。」

 

「あの子、そんなに権限あるんだ.....ま前も学校休みにしてたし。」

 

「因みに、湊さん達のクラスはメイド喫茶やるみたいなんです。皆さんすごいノリノリでしたね。」

 

「じゃあそのクラスは近寄らないようにしよう.......」

 

「行かないんですか?」

 

「行かないも何も.....絶対騒がしいじゃん。僕、ライブ以外だとそういう所は苦手なんだよね.....」

 

「ああ、そういう.....じゃあ、自分のお願いというのは.....演技を見せて欲しいのと、各クラスの知ってる人のところに行って軽く応援してあげてください。」

 

「大和さん優しいなぁ.....ということは、僕は薫に何か言えばいいの?」

 

「そういうことですね。」

 

 

 

 

 

 

「薫、何してるの?」

 

「おや、兄さんじゃないか。今私は悲劇の主人公になっているんだ.....」

 

「悲劇?」

 

「ああ、今度演じる劇が、変わった台本でね。ある女性が重い病を持った男性に恋心を持って.....その恋が実る前に彼がこの世を旅立つという話なんだ。」

 

「へぇ、いわゆる感動系、か。薫は.....その女性役をやるの?」

 

「いや、私は男性の方を演じるのさ。」

 

「重い病持ってるのに儚いって.....元気だな。」

 

「まぁ、そういうものさ。どうせなら、兄さんが相手をしてくれないか?あのお姫様のお兄さんなんだ。これくらいなら上手く演じれるだろう?」

 

「性別逆転してないか.....じゃあさ、僕がその男性の役をするから、薫は主役やりなよ。そしたら言う側が分かるから、言われる側も自然と上手くできるんじゃないか?」

 

「なるほど.....それは素晴らしい提案だね、では、やろうか。」

 

 

演技中です。少しお待ちください。

 

 

「大和さん、どうだった?」

 

「白鷺さん、上手いですね。」

 

「ふふっ、さすがは兄さんだ。千聖が尊敬するだけある。」

 

「そうかな.....」

 

「じゃあ、次行きましょうか。こっちです。」

 

「大和さんは、クラスでどの役割にいるの?」

 

「自分は受付です。一応アイドルですので.....外に出て騒ぎが起きるのは苦手なんです.....」

 

「むしろ受付に人がたかる方が大丈夫じゃないような気がするんだけどな.......」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あ、おにーさんじゃん!!どうしてここに?」

 

「自分が連れてきました。皆さんに応援を、ということで。」

 

「ああ.....麻弥ちゃん、ありがと!!じゃあ......麻弥ちゃん抱きしめてみて!!!」

 

........え?

 

「ひ、日菜さん!?」

 

「僕は別にいいんだけど.....大和さん大丈夫.....?」

 

「ちょ、ちょっと待ってください!!何でですか!?」

 

「えー、だって麻弥ちゃん大人しいし.....麻弥ちゃんのそういうトキメキしたところ見てみたいんだよねぇ......あすなろ抱きとか。」

 

「えええ!?」

 

「ここ殺風景だしさ.....おにーさんとかが何かしたら多分この停滞感止められるんだよねぇ.....」

 

「....分かりました。白鷺さん、お願いします!!」

 

「ええ.....まぁいいか。こう.....やるのかな?」

 

『きゃーーーーー!!!!』

 

「待って、あの人かっこよすぎじゃない!?もうやる気出てきた!!」

 

「ああいうの見たら疲れが飛ぶ.....よし、さっさとやっちゃおう!!」

 

「私もしてもらえないかな.....?」

 

「ね!!!上手くいったでしょ!!」

 

「し、白鷺さん....耳に吐息が.....」

 

「あ、ごめん.....お疲れ。肩、重くなかった?」

 

「そこは大丈夫です.....あぁ、そこ本当に今凝ってるんですよ。」

 

「そうかな?これ柔らかいけどな.....ドラムやってるからかな?」

 

「もう慣れてるのでそれはないと思うんですが.....何かと道具を運んだ時にこうなるんですよね.....」

 

「お疲れ.....」

 

「あ、あともう数分揉んでくれませんか?気持ちよかったので。」

 

「いいよ.....千聖以来だな、誰かの肩を揉むの。」

 

「千聖さんにお願いされたんですか?」

 

「まぁ、そうかな。今から少し前のことなんだけどさ.....」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『今日は重い道具を持ったから、少し肩が凝ったわ。それに少し眠いわね.....』

 

『お疲れ。何持ったの?』

 

『パンパンのリュックよ.....肩、ほぐしてくれない?』

 

『うん、いいよ。おいで。』

 

『ああ、気持ちいいわね。その勢いで膝枕もお願いね♪』

 

『はいはい。なんか甘えん坊だな.....』

 

『次からは自発的に揉んでね♪こういうのを察せないとダメよ。特に兄さんの場合は告白を練習だと勘違いしたこともあったし.....』

 

『あれはたまたまだよ.....ほら、膝枕。』

 

『ふふっ、兄さんが近くにいるわ♪』

 

『どうしたの?普段より甘えて。』

 

『久々に兄さんに甘えたいなぁって.....ダメかしら?』

 

『別にいいよ.....僕が特別な用事がない限りはおいで。』

 

『ええ。お願いするわね。』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ということがあって.....」

 

「へぇ....そんな千聖さん想像出来ませんね.....」

 

「ええー!!千聖ちゃん見てみたい!!今度家に泊まりに行くね!!お姉ちゃんも一緒で!!!」

 

「氷川さんも.....どうして?」

 

「お姉ちゃん、おにーさんに練習相手になって欲しいんだって。」

 

「僕はメインはギターじゃないんだけどな.....」

 

「そうなのー?まぁいいや。今度イヴちゃん見てあげてね!!」

 

「若宮さん、キーボードなんだ.....どおりで指が綺麗だったのか。うん、いいよ。事務所が拒否らなきゃね。」

 

「大丈夫!!あたしが説得するから!!」

 

「あはは.....では、次のクラス行きますか。」

 

「他のクラス、誰がいるの?」

 

「今井さんと湊さんがいます。おそらく店の装飾してるかと。」

 

「ああ.....行こうか。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここです、結構進んでますね.....」

 

「大和さんって、メイド服とか着たことあるの?仕事上でだけどね。」

 

「自分は無いですね.....千聖さんは着たことあるんですか?」

 

「ないんだよね.....見てみたいんだけどさ。」

 

ザワザワ

 

「ん?何か騒がしい.....」

 

「あれ?優希じゃん。どうしてここに?」

 

「えっと.....自分が連れてきました。準備頑張ってる人に応援してあげて欲しいっていうことで。」

 

「麻弥は優しいね♪それで、見てみたい....?アタシのメイド服。」

 

「今は遠慮しておくよ。自信があるなら文化祭行った時に見るから.....」

 

「でも、優希さん騒がしいの苦手って.....」

 

「(さすがにあんなにキラキラした目で見られて無理とか言えないよ.....恐らく僕をからかってるんだろうけどさ.....)」

 

「(白鷺さんって.....押しに弱いんですね.....)」

 

「そっかー。そうだね!!友希那も着るし!!楽しみにしててね!!」

 

「友希那さんも着るんだ.....というかよく認めたね。」

 

「最初は拒否してたんだけどさぁ....友希那に優希のことちらつかせたら1発で了承してくれたんだ。」

 

「え?なぜに.....」

 

「さぁ、でも『先輩が来るなら成長した私を見せたい。』とか言ってたけどね。」

 

「ああ、あれか。」

 

「ん?あれ?」

 

「あれっていうのは.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『友希那ちゃんって、文化祭とか行かないのか?』

 

『興味がないわ。不参加よ。そういう時間があるなら練習するわ。』

 

『だってよ、優希。なんか言ってやれよ!!』

 

『え?豪が言えよ.....』

 

『ダメだ。友希那ちゃんは、お前のいうことしか聞いてくれないからさ。』

 

『それは豪が勢い強すぎる状態で友希那ちゃんに話したからだろ?少し抑えたら良かったのに.....』

 

『だー!!うっせ!!いいから頼む!!このままだと友希那ちゃんバンド組む可能性減っていくぞ!!!』

 

『分かったよ.......友希那さん?』

 

『何かしら?先輩。』

 

『えっとさ。学校の催しはさ.....本番行かなくても準備くらい行ったらどうかな?』

 

『先輩.....私はそれは時間の無駄だと思ってるの。』

 

『それはそういう見方しかしてないからね。視点を変えてみるんだよ。そういう一般的な物の中に歌を作るヒントが案外隠れてるものだよ。だからさ.....最初から否定するのもいいけど、行って価値を見出してくるのもいいんじゃないかな?』

 

『それも.....そうかしら。分かったわ、少しずつ頑張ってみるわ。』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「って言った時があったんだ。」

 

「あー、どおりで友希那が真面目に来てたんだ。」

 

「へぇ.....白鷺さんすごいですね.....」

 

「まぁ、僕は一応アドバイスしただけだからね。それが友希那さんに当てはまっただけだよ。」

 

「あ、あの!!!」

 

「うん?どうしたの?」

 

「これ.....食べて下さい!!プレゼントです!!」

 

「これは....クッキー?」

 

「あ、それクラスで出す食べ物のひとつなんだ。作ったのは、アタシだよ♪」

 

「そうなんだ.....大和さん、あげるよ。」

 

「ええっ!?自分はいいですよ!!白鷺さんが食べてください!!」

 

「いや、僕はどの道本番ここ来るし.....そもそもこうやって回ってきてるのも大和さんが皆を思ってのことだから、ここは今日のMVPにあげるよ。なんか貰い物あげるみたいな感じであれだけどさ.....今井さん、別にいいかな?」

 

「うん、いいよー。本番食べて驚かせたいし、それに麻弥に何もないのもあれだしね♪」

 

「うう.....じゃあ有難く....おいしいです!!」

 

「でしょ!!麻弥受付だったよね?また作って持っていくよ!!」

 

「本当ですか!!ありがとうございます!!」

 

「それにしても優希も気が利くねぇ.....」

 

「帰りまた何か奢ってあげるけどさ.....僕遊びにいくこと殆どないからバイトしてもお金の使い道がないんだよね.....千聖へのプレゼントとか、それくらいしか。だからこれくらいの出費があった方がいいかなって。」

 

「ちゃんとお兄さんしてるんだね。」

 

「まあね。千聖の誇れるお兄さんでいたいからね。」

 

「多分さっきのやつは、千聖的にもポイント高いんじゃない?」

 

「あはは.....そうだといいな.....」




前に別の作品でやったんですが、会話文に隙間を作ってみました。こっちの方が読みやすいですか?空白があるから想像以上に長く感じる.......
タグ増やしました。それはそれとして、誤字脱字あったら報告お願いします!!


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羽丘エール後編with麻弥ちゃん

新年に何か欲しいですよね.....例えば無料10連とか。ガチャ率が高いのか低いのかよく分からないですし.......


「そういえば、白鷺さんってAfterglowの人達と会ったことありますか?」

 

「えっと.......誰がいたっけ?」

 

「あれ?美竹さんと宇田川さんと会ったことないんですか?」

 

「あ、会ったことあるよ。前にテスト勉強したし.....」

 

「へぇ、そうなんですか。じゃあそっちも見に行きますか?」

 

「なんか案内させてごめんね。」

 

「いえいえ気にしないでください。こんなこと言ったらあれですけど.......今度流星さんと会わせてくれませんか?あの人のドラム、もう1回生で聞きたいんです!!」

 

「流星?あ、そっか。大和さんドラムだっけ。でも大和さんもドラム上手いんじゃないの?」

 

「いえいえ!!自分とは桁違いですよ!!」

 

「まぁ確かに桁違いといえば桁違いかな。あいつはお昼ご飯がうまい棒だから、そういう意味ではおかしいよね。でも技術力なら今のガールズバンドの子達と同じくらいと思うんだけど.....」

 

「そうですか?多分白鷺さんはずっといたからそう感じると思うんですよ.....自分もあんなにドラム叩き続けるのは不可能ですよ。あれすごかったですよ!!」

 

「ああ.....あれか。あれね、くじ引き外れてたらホントにやばかったんだ。流星に当たったから良かったけどそれ以外だったら間違いなくどこかで間違えたかな。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここですね。皆さんいるといいのですが.......」

 

「あれ?麻弥先輩じゃないですか、一体なん...ああ!!!千聖先輩のお兄さん!!久しぶりです!!!」

 

「あ、うん.....久しぶり。」

 

「はい!!!.......あの、どうして目を反らすんですか?」

 

「いや.....あの.....とりあえず制服のボタン閉めようよ。下着、見えてるよ。」

 

「え.....?ああ!!!ホントだ!!すみませぇぇん!!」

 

「ひーちゃん、お色気作戦しっぱ~い。」

 

「たく.....気をつけろよ。」

 

「ところで何であんな服装だったの?」

 

「うちの出し物がさ.....ちょっと特殊で。」

 

「特殊?何をするつもりなの?」

 

「ちょっとしたゲームですよ~。女性をお菓子で誘惑したり、男性をひーちゃんが誘惑したりと.....それに耐えられるかってやつですよ~。」

 

「それって大丈夫なの.....?絶対にトラブル起きるよ。」

 

「それが体育の先生が監視するから大丈夫なんだってさ。よく許可おりたよな!!」

 

「巴は女の子を落とすのが仕事でしょ?」

 

「それは.....大丈夫なのかな.......」

 

「なんなら優希さんもやりませんか!?多分優希さんなら多分ほとんどの人ならイチコロですよ!!!」

 

「僕が大学生って知ってる?」

 

「あはは.....でも日菜さんが許可を出してるってことは多分大丈夫だと思います。」

 

「まぁ大人の監視があるなら....僕は絶対に当日行かないけど。」

 

「来てくださいよ~。当日はどSな蘭も見られますよ~。」

 

「ちょっとモカ.....あれはやらないって.......」

 

「それかどんなのかは知らないけど.....とりあえず顔を出すくらいにはしておくよ。中には絶対に入らないけどね。入ったら.....後々の千聖が怖いしね.....」

 

「千聖さん、そんなに怖いんですか?」

 

「なんというか.....殺気がすごいんだよね。この前も丸山さんの件で色々やられたから。」

 

「お兄さんはお兄さんで苦労してるんですね.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

夕方

 

「今日はなんかごめんね、案内だけで半日近く潰れるとは....」

 

「別に気にしないでください。自分がやりたいと思ってやったことですし.....あ、これ招待券です。当日千聖さんと来てください!!」

 

「あ、まじか.......大和さん、将来結婚しよう。」

 

「はい!!.....え?えぇぇぇぇぇぇ!?」

 

「あ、違った。.....ごめん、ギャグ漫画とかでよくこういうくだりがあったから自然と出てしまった.....気にしないでね。」

 

「はい....ビックリしました。」

 

「全く.....ストーカーなんて質が悪いんじゃないかな?」

 

「ん?.....流星!?お前帰ってきたのか!?」

 

「うん....わざわざ沖縄から帰ってきたよ。久しぶりだね、優希。」

 

「ところでそこに横たわっている人は.....?」

 

「え?優希のストーカーではないの?じゃあそこの.....誰かは知らないけどこの人のストーカーか。優希、ここにいてくれる?ちょっと行ってくるから。」

 

「ああ。行ってこい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで.......」

 

「あ、自己紹介がまだだったかな....ボクは松原流星。妹とドラムとメンバーとうまい棒が大好きなただの大学生だよ。」

 

「ですよね!?自分もドラムやってるんですけど、すごく尊敬してます!!!」

 

「そうなの.....それはありがと。」

 

「相変わらず抑揚がないというか.....気だるげだな。ステージじゃ全然違うのに。よくここまで来れたな.....」

 

「ほんと、沖縄で道案内してくれなかったら間違いなく空港に行けなかったよ。というかステージとのギャップが一番大きいのは君でしょ.......」

 

「ところでどうして戻ってきたんですか?松原さんに会いに来たんですか?」

 

「花音を知ってるのか.....妹がお世話になってます。というのもなんかライブがあるからって豪が言うからさ.....しかも絶対に来いって。何をするのやら....優希、今まで何人メンバーに会った?」

 

「お前で2人目だ。蒼生が1番最初に帰ってきた。」

 

「ああ.....あいつそういうのに敏感だしね.....」

 

「そうだ.....流星、大和さんお前の大ファンなんだし何かあげたらどうだ?お近づきみたいなのも含めて.....」

 

「お近づき.....別にいいけど、大和さん?だっけ、ドラムやってるんだよね?」

 

「は、はい!!あんまり上手じゃないんですけど.....」

 

「そうなの.....?じゃあ.....これでいいかな?手元にこれくらいしかなかったから.....気に召さなかったらごめんね。」

 

「これは.......腕輪?」

 

「うん、昔というか.....ボクがまだステージに出ることが怖かった時にさ、これをはめてよく挑んだんだ。これ自体は優希と豪が選んだらしくてね、ボクも結構驚いたけど嬉しかったよ。」

 

「そ、そんな思い出が詰まってるものを受け取れませんよ!?」

 

「そうかな....?緊張しなくなってからはこれ全然使ってなかったから、もし緊張とかするなら付けてもいいかなって。効果はボクが保障するから心配しないで。」

 

「.....では、ありがとうございます!!次のライブで付けるので見てください!!!」

 

「うん.....時間があればね。」

 

「では自分、今から収録があるので行きますね、今日はありがとうございました!!!」

 

「うん、今日は案内してくれてありがと。」

 

「えっと.....じゃあ。 サクサクサクサク」

 

「挨拶下手くそかよお前。というかさらっとうまい棒食ってんじゃねえよ。」

 

「ボク全然友達いなかったからこういう時どうしたらいいか分かんないんだよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

白鷺家

 

「ねぇ.....兄さん.....今日麻弥ちゃんと.....」

 

「ん?大和さん?うん、羽丘の文化祭の案内してもらったよ。それがどうかしたの?」

 

「そこじゃないのよ.....麻弥ちゃんにあすなろ抱きしたって本当のことかしら?」

 

「....え?」

 

そう、僕は初めて自分が置かれている状況を理解した。ちょっと待ってよ.....

 

「あれは氷川さんに頼まれたからやったことで.....僕からやったことじゃないよ!?」

 

「そこが問題じゃないのよ。しばらく麻弥ちゃんを離さなかったことと.....それをさらっと実行したことに関してよ。」

 

「別にそこまで気にすることなのかな.....?千聖だってよく寝てる時に僕を抱き枕代わりにすることが多かったけど....それと一緒じゃないの?」

 

「全然違うわよ.....全く、まだお説教が必要かしら?それとも.....私しか見られないように調教しようかしら♪」

 

「千聖.......勘弁してください.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

松原家

 

「ねぇねぇお兄ちゃん。」

 

「どうしたの.....花音。」

 

「これ.....どういうこと?」

 

「これ.....あ、大学の調査を依頼した時に記念撮影ってことで。」

 

「そうじゃないよ.....どうして肩に手を回してるの?ねぇなんで?」

 

「これは.....多分要求されたからかな?なんでだろう.....」

 

「お兄ちゃん約束したよね?家族以外とは不必要な接触はしないって。これアウトだよ.....ねぇ何で?」

 

「.........あっ。」

 

「もう!!お兄ちゃんのバカ!!しばらくは無視するからね!!!」

 

「はぁ.....ボクのモチベが一瞬で下がったよ。優希なんかこれが日常茶飯事なんだからすごいよな.....」




ちょっと遅くなりましたが、無事にUA50000とお気に入り登録500件を達成できました!!息抜きのつもりで書いてたのでとても驚いています。投稿ペースはイマイチかもしれませんが、これからも頑張ります!!


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保護者?会議

今週が忙しすぎて、ゲームあんまりしていないのに月~金までの合計睡眠時間が11時間くらいでした。そのせいか、もうひとつの方の小説の誤字が本当に酷かったです.....主人公の名前間違えるなよ.....


「というわけで、保護者会議を開始します。」

 

「わぁーー!!!」

 

「.....ボクは帰って寝たいんだけど サクサク」

 

「これはなんなんだね.....?」

 

「まあまあ、ちょっとした歓談ですよ。」

 

 

そう、僕達は今保護者?会議を開いている。これは僕達が始めた「妹について語ろうの会」をちょっと変えたものである。元々は僕達が妹への愛やストーリーを語るところであったが、友希那ちゃんのお父さんが入ってから少し変わった。

そして今回のメンバーは、

 

白鷺千聖の兄、白鷺優希

 

白金燐子の兄、白金蒼生

 

松原花音の兄、松原流星

 

美竹蘭のお父さん

 

湊友希那のお父さん

 

となっている。だいぶ濃いメンツだな.....

 

「この会も随分久しぶりだね。おかげで話したいことがたくさんだよ。」

 

「湊さん、お久しぶりです!!元気でしたか?」

 

「もちろん、蒼生くんも相変わらずだね。」

 

「.......寝たい。」

 

「ところでこの会合はなんなんですか?」

 

「まぁ、私たち妹や娘を持つもの達でちょっとした情報交換とか色々するんですよ。特にうちの娘はあんまりそういうことを話しませんから少し心配なんですよ。」

 

「それはうちも同じです。華道のことは話しますが、あんまりプライベートは話してくれませんから.....幼なじみの子達がいるということは安心ですがね。」

 

「じゃあ始めましょうか.....誰から話します?」

 

「.....ボクからでいいかな?この前さ.....沖縄の大学でちょっとした心理学のアンケートとった時にさ.....なんか女性にツーショット求められて、しかも肩に腕を回した状態でって言われてさ.....」

 

「お前本当に肉食系の人に絡まれるよな。」

 

「ほんと、勘弁して欲しいよ.....それでさ、先日その写真が大学の同じ学科の人から送られきて.....それを花音に見られたんだ。」

 

「あっ(察し)」

 

「おかげでしばらくは口を聞いてくれないんだって.....ボクどうしよう.....花音に会って話すの楽しみだったのにさ.....」

 

「それはよくあるよな.....僕なんかそれが日常茶飯事だし。」

 

「優希と一緒にしないでよ.....優希の場合は自分からいってるじゃん。」

 

「そうか?たまたまだと思うけどな.....」

 

「千聖ちゃんって、お前への独占欲だけは凄いからな.....気をつけろよ、ヤンデレとかになったら怖いからな.....」

 

「それはないでしょ.....僕は千聖一筋だし。」

 

「でもいいよなー、そんなやりとりがあって。燐子なんかなんか知らないけど話してくれないんだよ。」

 

「それは蒼生のチャラチャラした性格とか雰囲気かダメなんじゃないか?」

 

「そうかなー?昔は蒼兄って言ってよく話しかけてくれたんだけどなぁ.....」

 

「じゃあその無反応の時のやりとりってどんな感じ?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「なぁ燐子、これ北海道のおみやげ、熊のぬいぐるみだ。ごめんな、俺女心とか無いからどういうのがいいか分かんなかったんだ.....」

 

「(か、可愛い.....今度トップ画にしようかな.....)」

 

「どうかな.......燐子?」

 

「(蒼兄ってモテるから.....あっちでナンパとかしたりされたりしてないよね....?」

 

「あの.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「うーん」

 

「それは妹さんの性格からした行動じゃないかな?別に嫌われてるとは思えないけど.....」

 

「え!?本当か!?」

 

「蒼生から聞いた限りで判断すればね。というか蒼生ってそういうお土産買うんだ.....意外。」

 

「愛する妹の為だからな。それくらいなんてことない。」

 

「さて.....真打が残ったね。優希は何かあった.....?」

 

「僕か.....最近一番驚いたのは.....千聖がお風呂に誘ってきたことかな.....」

 

「.......は?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「兄さん、今から風呂なのだけれど一緒に入りましょう?」

 

「.....え?何かの台本?」

 

「違うわよ。今から一緒にお風呂入りましょ♪背中流してね。」

 

「千聖.....そういうことやってると外で出るから辞めとけよ。」

 

「あら?私が今までプライベートのことがばれたことあったかしら?」

 

「ない.....けど。」

 

「なら良いじゃない?他の人に身体を洗って貰った方がいいかなと思ったのよ。(妹でもいいのだけれど.....やっぱり兄さんね。兄さんを間近で.....ありのままの兄さんを見られる.....私も見られるけどそれは些末なこと。むしろ兄さんがそういうのに耐性があるのかも知りたいしね.....)」

 

「.......千聖と風呂に入れるのは嬉しいけど.....異性、しかも大学生とはいるという響きが危ないし.....外で万が一出た場合のことを考えて辞めておくよ。何より僕が落ち着いてお風呂に入れないよ.....」

 

「.....仕方ないわね。そう言われたら折れるしかないじゃない.....なら今度、私の髪を櫛でといてね。それならいいかしら?」

 

「それくらいならいいよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ってことがあったんだ。」

 

「あれ?お前と千聖ちゃんっていつも何かしらあったはずだけど.....千聖ちゃん、いつの間にか肉食系になってないか?」

 

「でも.....優希も堕ちてないんだし.....結果オーライだね。」

 

「甘えてくれるのは本当に嬉しいんだけどさ.....最近はアウトギリギリもしくはアウトなことが多いんだよね。」

 

「まぁいいじゃん、嫌われてるわけじゃないしさ。」

 

「そうだね.....でもちょっとしたことは多いでしょ?」

 

「まぁね.....湊さんはどうですか?」

 

「私の番か。まずは君たちにはお礼を言わなきゃいけないかな。2人は知らないかもしれないがあれから友希那はバンドを組んでね、少しずつ変わったんだよ。私たちが作った曲を演奏した時は驚いたしね、色々私のことで友希那には苦しい思いさせたからね.....その間、君たちが色々してくれたのは本当に感謝しかないよ。」

 

「へー、友希那ちゃんバンド結成したんだ。流星知ってた?」

 

「ううん、だってボク達その頃色んな地方いってライブしてたじゃん。だからここら辺の事情は知らないよ。でもまぁ.....あの優希にべったりだった友希那ちゃんも成長したねぇ.....」

 

「ほんとな。優希、お前いい仕事したじゃん。」

 

「僕は何もしてないよ.....。でもこの前友希那さんのバンドメンバーと会ったけど、皆凄かったよ。ライブ行ってさ、ライブも見る側も面白いなって学んだよ。」

 

「そういや、俺たちってあんまり見る側になったことないよな。」

 

「そりゃあボクたちはやる側だったしさ。それにチケットとか買うお金が無かったしね。」

 

「ならこれ、どうですか?娘から渡して欲しいと頼まれまして.....」

 

「これは.....美竹さんのバンド?」

 

「というか、3枚あるんですね?何でですか?」

 

「娘からは『白鷺さんに渡して。もし白鷺さんのバンドメンバーがいたらその人たちにも来て欲しいから』と言われまして。なので3枚持ってきました。」

 

「美竹さんは行かないんですか?」

 

「生憎その日は公開華道教室という日本文化に触れようという趣旨のイベントがありまして。娘には荷が重いだろうから私が参加しました。」

 

「ははっ、それは娘さんのライブがあるからというのもあったんじゃないですか?」

 

「湊さんの言う通りでもあります。娘とは色々ありましたし.....今はバンドを応援してますよ。」

 

「この前はうちの娘のバンドと対バンして頂きありがとうございました。」

 

「それはこちらこそ.....私たちは何も関わっていませんがね、はは。」

 

「なぁ.....これ何て読むんだ、アフター.....?」

 

「そうだった.....蒼生って英語が極端に苦手だったんだ。でもそれ中学レベルだぞ。」

 

「アフターグロウだよ。日本語で夕焼け。」

 

「夕焼け.....?なんか思い出でもあるのか?」

 

「僕が知ってるわけないでしょ.....」

 

「それもそうか.....」

 

「娘たちのバンドは幼なじみで結成しているようで、私は幼いころの彼女たちも知っていますしね。あの子たちが成長したと考えるとなんというか.....思うところがありますな。」

 

「それはそうですね。そういえば優希くん。」

 

「はい、なんですか?」

 

「いつ娘と結婚する予定なんだい?」

 

「.......は?」

 

「出たよ。」

 

「うん.....始まったね。友希那ちゃんのあれ。」

 

「あの.....何度も言いますがそれは友希那さんの妄想で.....」

 

「そうかな?友希那はもう君と結婚する気でいるけどね。私は勿論OKだよ。君みたいな人に娘は任したいしね。何より友希那を最初に見つけて手を差し伸べたのは優希くんだしね。」

 

「あのだから.....それは嬉しいんですけど買い被りで多分何かの間違いですよ。」

 

「まぁ.....あの子ならそう言うだろうな。」

 

「友希那ちゃんの優希へのアタックはある意味恒例行事だしね.....まぁボクは見てて楽しかったけど。」

 

「お前らなぁ.....止めろよ。」

 

「まぁいいか。またゆっくり考えてくれ。友希那もきっとアタックするだろうし。」

 

「.....考えておきます。」

 

「さて.....そろそろ終わりにしますか。また今度集まって話したりなかった分を話しますか。」

 

「そうだね.....たまにはこんな時間も良いですな。」

 

「ええ、私もそう思いますよ。あ、そうだ。よければ連絡先交換しませんか?私たち大人同士で色々話せそうですし。」

 

「そうですな。えっとこれですね.....」

 




さて.....そろそろ来るかな、クリスマス復刻。 今のイベントのひまりちゃんも可愛いですね。

感想、ご意見、誤字脱字報告、リクエスト、あればお願いします!


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メリークリスマス!!

そう、僕はクリぼっちです.....なので、頑張って書きます。
つぐ、当たるといいなぁ.....ちょっとgdgdになってるかもしれません....


「イベント?何かあるの?」

 

「ええ。本当はクリスマスには仕事なんか入れて欲しくなかったのだけれど、事務所が組んだ以上やるしかないでしょ。クリスマスに特別イベントをやるんですって。」

 

「この前のハロウィンみたいな感じ?」

 

「それとは少し違うわ。今回はライブやるみたいなのよ。勿論私たち以外にもハロハピもライブするとは言ってたわね.....」

 

「へぇ、なんかそういうのが流行ってるんだな。」

 

「そうみたいね。兄さんはどうするの?」

 

「のびのび過ごしとくよ。母さん達も同期や同級生と遊びに行くみたいだからどのみち1人だしね。でも.....珍しいね、千聖がいないクリスマスって。」

 

「本当よ。毎年この日は開けてるのに.....兄さんと2人きりでいられる数少ない時間だから........」

 

「そのイベントって一般の人でも行けるの?」

 

「それが.....今回のイベントは事前販売しか無いから入れないのよ。本当にどうなってるのかしら.....」

 

「それなら仕方ないか.....もしメンバーの皆と一緒に食べに行くとかだったら連絡入れてね。晩御飯とか用意しなきゃいけないし。」

 

「分かったわ.....ところで兄さんはどうするの?バンドの人達と過ごすの?」

 

「うーん.....あいつら妹いるしなぁ.....流星も花音さんのライブ見に行くらしいから多分あれだし.....あれ?ぼっち?」

 

「はぁ.....ちゃんと交友関係広げておかないとこういう時苦労するわよ。まぁいいわ.....とりあえずそのイベントは夕方~夜なのだけれど準備とかもあるからどのみち朝から行かなきゃ行けないの。だから.....これ久々ね.....朝起こしにきてくれない?」

 

「.....随分と久々だね、それ。いいよ、じゃあ朝6時には起こしに行くよ。」

 

「お願いするわ。ちゃんと何かしらプレゼントは用意するから楽しみにしておいてね♪」

 

「うん.....千聖と一緒に過ごせる時間が一番良かったんだけどね.....」

 

「それは私も同じよ。パスパレの皆といれるのも楽しいのだけれど.....やっぱり兄さんと一緒にいられる時間が一番幸せよ.....私だって叶うならその時間が欲しいわ。」

 

「お互い同じみたいだね....じゃあ千聖は仕事頑張ってね。僕は.....少しぶらりぶらりしておくよ。」

 

「分かったわ.....くれぐれも他の女の子とイチャイチャするような真似だけはしないでね.....約束よ。」

 

「会って話し位はするけどイチャイチャはしないよ.....」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日 クリスマス

 

「千聖.....6時だよ.....」

 

「.........」

 

「え?あれやらないと起きないの.....?仕方ないか....千聖、起きて。ナデナデ」

 

「ふふっ.....くすぐったいわ.....おはよう兄さん♪」

 

「これやって欲しかったの.....?」

 

「懐かしくなったのよ。さて着替えるけど.....見る?」

 

「見るわけないでしょ、じゃあご飯出来てるから準備出来たら降りてきて食べてね。」

 

「分かったわ。....あれ?兄さんどこか出かけるの?」

 

「まぁちょっとね。プレゼント買いに行かないといけないからね。ここ最近色々(主にパスパレ)があったから大学のレポートとか出来てなくてさ.....昨日まででなんとか片付けたんだよ。だから買いに行く時間なくてさ.....だからプレゼントはお互いその時まで内緒ということで。」

 

「そうね.....サプライズ性があってもいいもの。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「とは言ったものの何を買えばいいんだ.....去年までは何かと実用的な道具とかプレゼントしてたけどもうレパートリーないしな.....どうすれば.....」

 

( ゚д゚)ハッ!こういう時は.....

 

ピロピロ

 

「はい!!白鷺先輩!!どうしたんですか!?」

 

僕は上原さんに電話をかけた。今井さんに頼るつもりだったけど、前のハロウィンの件といい、デートの時といい、何かと助けて貰ってたからさすがに頼りっぱなしっていうのも悪いから今回は上原さんに頼んだというわけである。.....誰に話してるんだ、僕は.....。

 

「上原さん、おはよう。少し相談があってさ....」

 

「え!?私にですか!?何だろう.....」

 

「えっとね......今時の女の子が喜ぶものとかさ、無いかな?」

 

「え!?もしかして白鷺先輩、彼女さんが出来たんですか!?」

 

「違うよ。千聖にプレゼント買わなきゃいけないから、どうしようか悩んでるんだよ。千聖が好きそうなものは大方プレゼントしちゃってるからもうネタがないんだよね。だからアドバイス貰いながら一緒に探したいんだけど....ダメかな?」

 

「なるほどぉ.....じゃあじゃあ、そのプレゼント探しを兼ねて、お昼からデートしませんか!?私たちもパーティーがあるんですけど夜からなのでお昼が暇で.....どうですか!?」

 

「デート.....?まぁでもこの流れ前もあったしな.....分かったよ、よろしくね、上原さん。」

 

「はい!! あれ.....?そういえば千聖先輩は何かあるんですか?」

 

「千聖は今日ライブがあるらしくてさ。ハロハピとは違うみたいだけどクリスマスライブだってさ。」

 

「じゃ、じゃあ!!それってめちゃくちゃ責任重大じゃないですか!?」

 

「そうなるのかな.....でも、信じてるよ。」

 

「うぅ.....プレッシャーかけないでくださいよぉ....でも、分かりました!!この仕事引き受けます!!でも.....助っ人連れてきていいですか?私一人はプレッシャーに潰されそうなので.....」

 

「うん、お願いします。」

 

 

そういえば今、千聖何してるんだろうな?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

千聖side

 

「ねぇ皆、少し聞いて欲しいのだけれど.....」

 

「どうしたんですか?千聖さん?珍しいですね.....」

 

「皆兄さんは分かるでしょ?それで.....今日の夜というか、ライブの後にちょっとだけ時間があるのだけれど....私服か、この.....やけに露出が酷い衣装、どっちがいいのかしら.....」

 

「うーん.....優希さんならこの衣装の方が喜ぶかもね。」

 

「そうですね、チサトさんはその衣装の方が大人の魅力が溢れててステキですよ!!!」

 

「自分は千聖さんの好きにすればいいかと.....」

 

「うーん、あたしは今の方が良いかなぁ.....そっちの方がるんって来るし。」

 

「じゃあ.....これにするわ。それともうひとつ.....プレゼント、何がいいかしら?」

 

「.......え?」

 

「実は.......兄さんにプレゼントを渡す予定なのだけれど何がいいか分からないのよ.....兄さんは基本的に何でも喜んでくれるのだけれど、心から喜んで欲しいのよ。だから.....何がいいかなって。」

 

「それは千聖ちゃんが一番分かってるような気がするんだけどなぁ.....」

 

「じゃあじゃあ、千聖ちゃんの手作りの料理が良いんじゃないかな!?」

 

「日菜ちゃん、それ調理する所があるの?」

 

「羽丘にあるじゃん!!」

 

「え!?でも今日ライブのイベントがあるんですよ!!」

 

「えー、だってリハーサルは昨日たくさんやったじゃん、だから朝くらい自由でいいじゃん!!ちょっとマネージャーさんに話してくる!!」

 

「あっ、ちょっと日菜ちゃん!?....いったわね。」

 

「さすがヒナさん!!果断ですね。」

 

「あはは.....ある意味いつもの日菜さんでしたね......」

 

「でも何作るの.....?」

 

「そうね.....何にしようかしら?」

 

「もし料理が思いつかないなら、軽く物を作るのもいいと思いますよ。そっちの方が持ってくれるでしょうし。」

 

「それも考えておくわ.....ありがとう、皆。」

 

「気になくてもいいよ!!私たちは仲間だしね!!」

 

「そうです!!同じ所に集いし同士です!!これくらいは武士として当然です!!」

 

「それに白鷺さんには何かとお世話になってますしね....自分たちも力になります!!」

 

「許可降りたよー。じゃ、行こ!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

優希side

 

「ごめんね、少し待ったかな?」

 

「いえいえ!!私たちも今来たところです!!」

 

「なぁひまりちゃん、こいつ.....誰?」

 

「えー、有咲知らないの?この前体育祭で速かった人だよ。」

 

「あー、あの日菜先輩に追いついてた奴か.....」

 

「自己紹介、しておいた方がいいかな。僕は白鷺優希。知っての通り白鷺千聖の兄です。.....君は?」

 

「あたし?あたしは市ヶ谷有咲。一応ポピパのキーボードやってる。」

 

「へぇ、キーボードか。なら同じだね。」

 

「あんたもキーボードやってんの?まぁ手が綺麗だしそうだな。」

 

「....珍しい。有咲が素を出すなんて.....。」

 

「いや、この人にはもう別に気を遣う必要ないかなって。千聖先輩のお兄さんだし、この人気が弱そうだし。」

 

「素?どゆこと?」

 

「有咲は基本的に初対面の人には猫かぶりな態度とるんですよ!!」

 

「へぇ...まぁいいや。今日はよろしくね。」

 

「あたし服選ぶセンスないけど.....というかリサさん呼ばないのかよ。」

 

「だってー、リサ先輩ばっか頼るのもダメじゃん。」

 

「とにかく.....こいつの服とプレゼント選ぶでいいんだよな?」

 

「そうだよ。有咲はプレゼントをお願い!!私は白鷺先輩の服を選ぶから!!」

 

「あいよ。でもそれって白鷺さんがいないとダメじゃねぇのか。」

 

「はっ!!それもそうか.....ならさっと着飾らないとね!!」

 

「ちょ、上原さん離して。腕が苦しいです.....というか爪刺さってる。」

 

「あ!!す、すみません.....」

 

「ふーん....」

 

「え?何か変かな....?」

 

「いや、てっきり胸の話するかと思ってたから意外で。」

 

「胸?ああ.....無意識だし特に気にしてなかったよ。爪痕ついたけどね.....」

 

「それは.....どんまい。」

 

 

 

 

約2時間後

 

 

「これでいいかな!?」

 

「まあ、これならちょっとはマシになったんじゃないか?」

 

「これは....七分丈?ちょっと冷えるね.....」

 

「オシャレは我慢も必要ですよ!!私たちだって冬なのに露出の多い服着ますし!!」

 

「まずそれはクラブハウスでしょ?野外ライブならともかく.....」

 

「うちは香澄の思いつきでやってるんで.....たまに野外ライブにもなるんですよ。」

 

「そっちはそっちで苦労してるんだね.....野外ライブか、懐かしいな。」

 

「何かあったんですか?」

 

「ライブ前にさ、皆で四つ葉のクローバー探ししてさ。結局見つからなかったから、ライブしてる途中に『皆で四つ葉のクローバー探そうぜ!!』ってやったんだ。僕達もそれに交じってさ。結構見に来てくれた人から色々意見とか貰えてさ。あれはいい経験だったな。ライブ途中で中断したからマネージャーからは結構怒られたけどね。来てくれた人からは好評だったんだ。」

 

「結構めちゃくちゃやるんだな.....」

 

「まぁうちのバンドは自由が売りだからね。」

 

「じゃあ、プレゼント買いに行きましょう!!えいえいおー!!」

 

「おー.....あれ?また?」

 

「おー.....やべ、遅れた。」

 

「や、やってくれた.....感動だよー!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

千聖side

 

「さて....何作ろうかしら?」

 

「マスコットみたいなのはどうかな!?そういう携帯というかストラップ的な物だったら付けてくれるし。」

 

「ミッシェルは!?それならるんってくるよ!!」

 

「こういうの初めてだから.....何作ろうかしら?」

 

「だったらさ.......」

 

「それ、いいですね!!」

 

「はい!!気持ちが伝わると思います!!」

 

「裁縫とかはあまりやったことはないけれど....やるわ。」

 

「じゃあ私たちは材料持ってこようよ!!」

 

「なら、彩さんと自分で材料調達、イヴさんは千聖そんのサポート、日菜さんは一応の為絆創膏持ってきてください。」

 

「分かったわ。麻弥ちゃんはやっぱりこういう時頼りになるわね。」

 

「いえいえ、演劇部でやってることと同じですよ。」

 

「でも実際に麻弥ちゃんいるから演劇部も準備とかはスムーズなんだよ!!この前薫くんと麻弥ちゃん見に行った時に麻弥ちゃん指揮取ってたし、役割分担もすごく上手かったよ!!」

 

「ふへへ.....あんまり褒めないでくださいよぉ....」

 

「じゃあ、麻弥ちゃん行こう!!」

 

「はい!!えっと.....財布財布.....」

 

「後でそのお金はちゃんと払うわ。」

 

「いえいえ、これくらい気にしないでください。皆でやる訳ですし....」

 

「そうですね!!これこそ!!敵に塩を送る、ですね!!」

 

「絶対意味違うよ、イヴちゃん.....」

 

「ねえねえ早くやろうよー!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「さて.....今日は2人ともありがとう。色々お世話になりました。」

 

「気にしないでくださいよ!!この前の勉強を教えてくれたお返しということで!!」

 

「あたしはほとんど何もしてないけどな.....そういえば、白鷺さんバンドしてるって聞いたけど、バンドの名前何なんだ?」

 

「EXTRAだよ。まぁ1部ではめっちゃ知名度高いけど.....」

 

「EXTRA!?ということは兄貴が所属してるのって.....」

 

「兄貴?もしかして、紅蓮のこと?やっぱりそうだったのか.....」

 

「え!?誰ですか!?その紅蓮っていう人。」

 

「市ヶ谷紅蓮.....僕達EXTRAのピンチヒッターで僕達のマネージャーをやってくれた人だよ。僕らの誰かが風邪とかで倒れた時は代役として出てくれたり.....たまに6人でライブやったこともあるよ。僕らってさ、まぁ事務所とかに所属してなかったから、書類とかは自分たちで全部やりくりしたんだ。で、会場の交渉とか支払いとかは全部紅蓮がやってくれたんだ。メインはベースだけどね....全部出来るからあいつは化け物だよ。」

 

「へー.....兄貴がお世話になりました。」

 

「いえいえこちらこそ.....もしかして市ヶ谷さんって生徒会入ってる?」

 

「はい、それがどうしたんだ.....?」

 

「紅蓮も生徒会、しかも生徒会長やってたから、意外と兄妹揃ってやってるんだって思ってさ。」.

 

「へぇ.....やっぱりお兄ちゃん持ってるって羨ましいですよね!!」

 

「そう、皆思ってくれたら嬉しいよね.....千聖ってさ、時々つんってしてるから.....話せない時とかは結構傷つくんだ。」

 

「シスコンじゃねえか。まぁうちの兄貴も似てるところあるんだけどさ....」

 

「紅蓮は妹大好きマンだからね。さて.....冷えるし、ここらで解散しますか?」

 

「.....あーーっ!!パーティー始まっちゃう!!」

 

「まじか!!ひまりちゃんダッシュ!!あたしも香澄に蔵開けとけって言われてたから急がないと!!」

 

「うん!!行こう!!じゃあ白鷺先輩、頑張ってください!!」

 

「いっちゃった.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして夜

 

「ただいま.....兄さん、いるかしら?」

 

「千聖、お帰り。ライブお疲れ様。」

 

「ええ、ありがとう。」

 

「晩御飯用意出来てるから一緒に食べようか。」

 

「ええ、そうね。」

 

ん?なんかよそよそしいな.....何か隠してるのか?

 

「今日のライブね、大好評だったのよ。衣装というのもあったのだけれど.....ステージのライトアップが綺麗で、とても感動したわ。こういう舞台でやらせてもらってるんだって。」

 

「それほど千聖達が愛されてるからだよ。見に行きたかった.....」

 

「ごめんなさい、今回は事前販売だったし、兄さんには隠しておけって事務所に言われたのよ。」

 

「え?なぜ?」

 

「その.....兄さんが来ると今度は観客席で騒ぎが起きるからって。パスパレを見てもらうためにも兄さんが来るのはいけないって.....」

 

「まぁそれはあっちの勝手なやつだからいいや.....じゃ、後で僕の部屋に来てね。そこでプレゼント交換しよう。」

 

「ええ、分かったわ。ちょっと準備に時間がかかるかもしれないけれど...待っててね。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ち、千聖.....その格好は.....?」

 

「ど、どうかしら?ファンの方からは大好評だったわ.....」

 

今目の前で天使がサンタ風の衣装を着ている。冬なのに腕とかへそとか足とか露出してるけど寒くないのか....?

 

「うん、とても似合ってるよ。千聖の魅力も出てるしね。」

 

「.....!!ありがとう!!じゃあプレゼント渡すわね。」

 

「これは.....キーホルダー?」

 

「ええ、私の手作りよ。と言っても作ったのは今日の朝なのだけれど.....」

 

「あれ?ライブのリハーサルはどうしたの?」

 

「あの後日菜ちゃんがマネージャーさんを説得してライブ前を開けてくれたのよ。その時に作ったのよ。少しぎこちないけど.....携帯してくれたら.....嬉しいな、なんて.....え!?なんで泣いてるの!?」

 

「いや.....あまりにも嬉しくて。そうか.....手作りなのか。嬉しいよ!!ありがとう!!ちゃんと携帯するよ!!」

 

そのキーホルダーは少しぎこちないハートの形をしている。キーホルダーというか.....ちょっとした手芸品をストラップにした感じ、かな。じゃあ僕も.....

 

「僕は手作りとかじゃないけど.....貰ってくれたら嬉しいよ。」

 

「これは.....メガネ?」

 

「作業用だよ。ブルーライトとかもカットするし、暗いところでも見やすい仕様になってるんだって。千聖さ、結構夜遅くまで台本読み込んだりしてるから心配でさ.....だから少しだけでも力になれたらなってことで選んだんだ。」

 

「そう.....ありがとう。大切に使わせてもらうわ!!」

 

さてと、プレゼント交換もしたし.....

 

「千聖、そろそろ右手の手袋外しなよ。何隠してるの?」

 

「.....やっぱり兄さんには誤魔化しが効かないみたいね.....」

 

「やっぱり....妙に庇ってるなとは思ったけど.....これだけ怪我してるんだ.....」

 

「裁縫している時に針が何度か刺さるというかちょっとかすったりして.....傷が出来たのよ。でも気にしないで、痛くはないから....ひゃ!!」

 

「やっぱり染みてるね.....ちゃんと消毒し直すから手を貸して。」

 

 

 

 

 

 

 

「これでよしっと。でも.....これでベースを引いたのか?」

 

「ええ、少し痛かったけれどなんとか耐えたわ.....」

 

「千聖.....あんまりこういうことは言いたくないけど、仕事を優先してね。僕へのプレゼントは千聖が気持ちを込めてくれたら嬉しいからさ.....ライブとかがある時にこんな感じでリスクを負ってほしくないんだ.....ファンの人も、僕も輝いてる千聖を見たいしね。怪我を我慢しながらっていうのは僕が許せない.....エゴかもしれないけどこうなると予測したら辞めてね。」

 

「ごめんなさい....でも.....」

 

「でも?」

 

「兄さんには.....心から喜んで欲しかったの。私は演技は器用でも自分の気持ちを伝えるのは不器用だから.....こうやって形にしたの。それに.....今日くらいは『みんなの』白鷺千聖じゃなくて『白鷺優希の』白鷺千聖でいたいもの。兄さんとの時間が一番幸せだから....だからリスクを冒したことはごめんなさい、でもわかって欲しいの。.....私はこういう日にこうやってやらないと気持ちが伝えられないから.....」

 

「千聖.....次からは気をつけてね。でもこのプレゼント、本当に嬉しいよ。ありがとう、千聖サンタさん!!」

 

「ええ.....喜んでもらえて良かったわ.....」

 

「何泣いてるんだよ。おいで。ありがとう千聖.....本当に嬉しかったよ.....」 ダキッ

 

 

(兄さん....暖かい。さっきまで染みてた傷が痛くない.....それに緊張も無くなってる.....ありがとう、兄さん。今日は兄さんに喜んでもらえて嬉しかった.....今こうやって私を包んでくれて嬉しい.....私にはもったいないくらいのプレゼントだわ.....)

 

 

 




遅くなりました....皆さんはクリスマス楽しんでますか?僕は宿題とか仕事とかで忙しいです....。街中がカップルとかで溢れかえってて道の邪魔だと殺意をおぼえたときもあります.....


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HAPPY NEW YEAR!!

新年明けましておめでとうございます。

毎年おみくじ引いてるんですけど、毎年同じ中吉なんですよね。大吉がでたことないんです....

今年最初です....誤字脱字が少ないように(見直してるけど気づかない時がある)


「さてと.....兄さん、お参り行きましょ♪」

 

「千聖はりきってるね....僕は人混みに行くのが憂鬱で仕方がないよ。」

 

「それは皆新年の始まりにご利益をお願いする習慣があるからよ。それに.....私も色々とお願いしたいし.....」

 

「色々お願い?」

 

「それは.....どうだっていいでしょ。それより、どう?この振袖?似合っているかしら?」

 

今千聖は、赤を基調とした多少黄色が混じっている振袖を着ている。あれかな?一見紅葉みたいな感じがする.....でも似合ってるなぁ.....

 

「とても似合ってるよ。千聖の雰囲気に合ってるんじゃないかな?」

 

「そうかしら.....えへへ、ありがとう。それじゃ行きましょうか。彩ちゃん達とも約束しているの。」

 

「へぇ、パスパレで行くの?」

 

「ええ、今日は生憎番組の収録も皆無いし丁度良かったの。」

 

「それは良かったね.....じゃあ行こうか。」

 

 

 

(この色にしたのは理由があるのだけれど.....兄さんは気づくかしら?)

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

神社

 

「凄い人ね.....」

 

「千聖が見つかって騒ぎにならないのを祈るだけだよ。」

 

「大丈夫よ、いざって時は兄さんがいるし。ほら、離れるから手、繋ぐわよ。」 ギュッ

 

「こんなに絡めなくても.....大丈夫だよ。迷ってもちゃんと探しに行くから。」

 

「ふふっ、頼もしいわね。あれは.....彩ちゃんかしら?」

 

「どれ.....うん、そうみたいだね。慌ててる。」

 

 

「あわわ.....どうしよう、久しぶりにお参り来たけど人が凄いよ!!千聖ちゃん達どこにいるのかな.....?」

 

「丸山さん?とりあえず.....こっち行くよ。」

 

「.....え?あ!!優希さん!!ありがとうございます!!」

 

 

 

 

 

 

「そんなにくっつかなくても.....」

 

「全く.....彩ちゃんもすっかり兄さんの虜ね。」

 

「これ単に離れないようにとの過剰な行動じゃないかな....?」

 

「とりあえず.....迷わないように。優希さんにくっついておけば.....ドジってもなんとかしてくれる、はず.....」

 

「ほら。」

 

「そうみたいね.....でも、それだけ信頼されてるのだから良かったじゃない。」

 

「なんで僕の足を踏んでるのかな.....千聖。」

 

「さぁ、ゆっくり考えてみたらいいんじゃないかしら?」

 

「怖いよ.....別に今は恋人繋ぎしてる訳だし.....それに人が多いからそうすると転ぶからね。」

 

 

 

 

「あれ!!彩ちゃんと千聖ちゃんとおにーさんじゃん!!やっほー!!」

 

「日菜ちゃん!?というか.....皆ここにいたんだ。」

 

「はい!!ヒナさんがスペースを作ってくれたおかげで助かりました!!!」

 

「そうですね.....まさか景品屋の的を全命中させてある意味ここに空間作りましたもんね.....」

 

「すごいね.....」

 

「あれ?おにーさんは着物来てこなかったの?」

 

「うん、僕は必要ないかなって。」

 

「じゃあさ!!この振袖どうかな!?」

 

「氷川さんは.....水色、か。うん、イメージと合ってて似合ってると思うよ。」

 

「うんうん!!じゃあ他の皆は!?」

 

「ひ、日菜ちゃん.....恥ずかしいよ.....」

 

「皆元が良いからやっぱりより一層輝いて見えるよ。というかさ.....固まったらバレるよね?」

 

「そうかなぁ.....この前イヴちゃんと歩いてたけど特に気づかれなかったけどなぁ.....」

 

「丸山さんは普段は髪下ろしてるからね.....」

 

「優希さんはどっちがいいですか?」

 

「どっちも良いと思うけどな.....千聖は個人的には髪を結ぶ事がほとんど無いから丸山さん見てると髪型でイメージ変わるんだって思うよ。というか.....今日は皆髪下ろして来てるんだ.....」

 

「バレないための方法です!!これぞ、隠れ身の術ですね!!」

 

「合ってるような合ってないような.....」

 

「そういえばおにーさん『日菜ちゃん?少し話しましょうか?』え?どうしたの?」

 

 

「(さっきからおにーさんおにーさんって呼んでるけど.....それ、私の専売特許よ。)」

 

「(え?それってそんなに大事?)」

 

「(ええ大事よ。この世で兄さんと呼べるのは私と妹だけよ.....)」

 

「(うーんでもなー.....あ!!)」

 

「今度から優希って呼んでもいい!?」

 

「急すぎるね.....」

 

「ちょっと日菜ちゃん!?」

 

「千聖、どうしたの?そんなに慌てて。」

 

「い、いえ.....別になんでもないわ。」

 

「えっと....その返事だけど別にいいよ....ただ、僕のバンド仲間や男友達の前では呼ばないでね.....芸能人とってなると色々危ないし。」

 

「じゃあ!!優希はあたしのこと日菜ちゃんって呼んでね!!」

 

「日菜ちゃんか.....日菜、じゃだめかな?」

 

「あー、別にそれでもいいよー。今はね.....」

 

「(ねぇねぇ麻弥ちゃん、これって.....)」

 

「(はい、日菜さんが白鷺さんを経由して千聖さんをいじってますね....まぁでも日菜さんですし一線は越えないでしょう....)」

 

「(うん、逆に何かあると不安だよね.....まぁ千聖ちゃんも分かってると思うけど.....)」

 

(^ω^)ニコニコ....

 

「あの.....さっきより踏む力増してません?」

 

「踏む?なんの事かしら?」

 

「いやだからその足.....とりあえず離して。賽銭行くから。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「皆は何をお願いするの?」

 

「私は今年こそはとちるのを少なくしたいなぁって.....後はパスパレの皆で色々なことをしたいな。」

 

「でも、そっちの方が彩ちゃんらしいし、ファンの人もそれを期待してるわよ。」

 

「それは複雑かも.....」

 

「あたしはおねーちゃんともっと遊びたいなー。」

 

「氷川さんか.....あの人ストイックそうだし大丈夫なの?」

 

「でも最近はおねーちゃんも柔らかくなったよ!!」

 

「私は去年よりもブシドーを身につけられますようにとお願いします!!」

 

「大丈夫だよ、多分時代劇見たらだいぶわかると思うよ。」

 

「ユーキさん!!ブシドーはもっと奥深いですよ!!」

 

「あ、うん(どう返したらいいんだ.....)」

 

「自分はもっと機材を触らせてくれる仕事が欲しいですね。」

 

「あっ、大和さんそういえば好きだったね。」

 

「白鷺さんがもしライブをするならその機材の調整や準備はお任せ下さい!!」

 

「そうか.....大和さん紅蓮と相性いいかもね。」

 

「紅蓮?どなたですか?」

 

「うちのマネージャ兼アシスタント兼ライブ演出考案者だよ。機材に詳しいかはともかく機械の修理とかそういうのはとても得意なんだよ.....合宿で語らせた時は夜が明けたっけな.....」

 

「それは凄い方ですね。でも、是非会ってみたいです!!」

 

「....千聖は?」

 

「私も一緒よ。パスパレの皆と一杯仕事やライブができるようにと、兄さんともっと一緒にいられる時間が欲しいなって.....」

 

「まぁ確かに最近増えたけど少ないもんな.....」

 

(ねぇ、あれだけデートしたりしてるのに足りないの?)

 

(でも気持ちは分かるなー。あたしもおねーちゃんといる時間があっても足りないと思うし。)

 

(これは相思相愛というやつですね!!)

 

(合ってますね.....でも白鷺さんがいると千聖さんも子供らしいところが出ますよね。)

 

「じゃ、皆でお願いしようか。」

 

(今年こそは.....)

 

(今年こそは.....)

 

((千聖(兄さん)ともっといい事がありますように.....!!!))

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あれから皆と別れて、

 

「ちょっと買いたいものあるからここで待ってて。」

 

「ええ、早めにしてね。」

 

兄さん、どこかに行ったわね.....何買いにいくのかしら.....?

 

「ねーねーお母さん、このりんご飴おいしいよ!!」

 

「ふふっ、喜んでもらって何よりね。」

 

.....懐かしいわね。昔兄さんとはぐれて泣いた時に、兄さんが必死に探してくれて.....泣き止んで貰えるようにりんご飴買ってきてくれたのよね.....あの時の思い出があるから今日の振袖は赤色メインにしたのだけれど.....結局気づかず終いね。

 

「ふっ、おまたせ。千聖。これ、どうぞ。」

 

「これは.....お守り?」

 

「うん、千聖も沢山の縁に恵まれたし.....今年もそういうことがあるといいなってことで縁結びのお守り。一応僕とお揃いだけどね。」

 

縁結び....おそろい.....え!?ということは.....兄さんは私と結ばれたいということ!?

 

「.....兄さん?縁結びの意味分かってる?」

 

「え?色んな縁に恵まれるとかそういうのじゃないの?」

 

「そうじゃないわよ.....もういいわ。」

 

「まぁ、もしそれが男女の縁だとしてもいいかな。僕は千聖のこと好きだし、千聖や僕に縁があればお母さんも喜ぶしね。」

 

全く.....そういうことをさらっと言うから怖いのよ.....

 

「それともうひとつ.....これ。」

 

「これは.....りんご飴?」

 

「懐かしいだろ。昔のこと覚えてる?」

 

「ええ。覚えているわよ。」

 

「それ以来全く来れなくてさ.....今日やっと来れたからあの時の思い出として.....千聖にあげるよ。なんかお兄さんやれてる感じとかするしね。」

 

「そういうことを言うからダメなのよ.....でも、ありがとう。」

 

「今日の振袖が赤色っていうのは.....」

 

「よく察したわね.....そうよ、あの時兄さんが助けてくれた.....その事を思い出して今日の色にしたの。黄色は分かる?」

 

「その時の袋を包んでた紐の色だろ?」

 

「ふふっ、よく覚えられたわね。」

 

「あの頃から何年かたってるけど.....千聖は変わらないな。」

 

「それは兄さんもよ。いつまでたっても.......」

 

「ん?」

 

「な、なんでもないわ。じゃあ帰りましょ。今日は人混みに行ったから足が疲れたわ。」

 

「急に甘えん坊になったな.....ほら、おいで。おんぶするから。」

 

「ええ、ありがとう。」




お気に入り登録や評価をしてくださってありがとうございます。あんまりこっちの方は更新スピードが速いとは言えませんが.....書ける時は書いて投稿します。あと出来れば.....感想とか意見をください。


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妹と遊園地

アンケートどんどん投票してください。皆さんの意見とか聞きたいですし.....
いつもどおり誤字脱字があればご報告お願いします。


「このチケットは....?」

 

「この前ライブの帰りに遊園地のオーナーさんがくれたのよ。これペアチケットだし一緒に行かないかしら?」

 

「千聖に凄いファンがいるんだね.....喜んで行かせてもらうよ。」

 

「そうこなくっちゃ。じゃあ行きましょうか。」

 

「え?今日なの?」

 

「そのつもりよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

遊園地

 

「頼むから変な奴らに絡まれませんように....千聖が。」

 

「そこは兄さんが守ってくれるから心配はいらないわ。」

 

「それを追い払うのが嫌だからだよ。僕はそんなに力ないから暴漢と戦えるほど勇気もないしね。」

 

「頼りないわね.....そういうところも可愛いのだけれど。じゃあ、どれから乗る?」

 

「うーん....じゃあ、ジェットコースター乗る?」

 

「いいわね。じゃあ行きましょ。」

 

「結構並ぶね。」

 

「そうね、意外と長いわね。ところで兄さん.....なんで私の手を握ってるの?」

 

「いや、なんとなくだよ.....はぐれるのとか嫌だし。」

 

「今日は立場が逆ね.....別に大丈夫よ。」

 

「そうかな....ちょっとこっち寄って。」

 

「え?....どうかしたの?」

 

「いや、後ろの人が千聖のスカートの中身を撮影しようとしたからね....こっちに来てよ。」

 

「そういうのは通報しないの?」

 

「通報したい気持ちはあるけどここテーマパークだし.....こういうところで警察沙汰になるのはごめんだからね。」

 

「なるほどね.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「気持ち良かったわね!!あれ?....兄さん?」

 

「ジェットコースターすげぇ.....死にそう。」

 

「慣れてないの?」

 

「こういうのはどうしても苦手だからね.....」

 

「よくそれで乗ろうとか提案したわね....じゃあ次はコーヒーカップ行きましょう♪」

 

「千聖はノリノリだね.....」

 

「当然よ、兄さんと2人きりで遊園地なんて初めてだもの。楽しまなきゃ損よ。」

 

「僕は千聖が喜んでくれるならそれで充分だよ.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうかしら?少しは落ち着いたかしら?」

 

「うん、千聖と向き合ってると元気出るよ.....久しく見てなかったからね、千聖の笑顔。」

 

「.........恥ずかしいこと言わないでよ。(どうしよう.....今絶対顔赤いわよね!ダメよ白鷺千聖!!.....兄さんの前でみっともない顔は.....)」

 

「そ、そうかな.....ごめん。」

 

「ねーねーお母さん、ああいうのを青春って言うの?」

 

「こら、今いい感じなんだからだまってなさい。」

 

 

((は、恥ずかしい.....))

 

 

 

 

「じゃあ、今からクレープ買ってくるからここで待っててね♪」

 

「うん、お金渡したから二人分お願いね。」

 

「分かったわ。」

 

 

それにしても、無邪気な千聖を見るのも悪くないな.....出来ればあの眩しい笑顔を写真におさめたいけど....嫌がるしなぁ.....でもこうやって2人で何かをしたら距離も縮まるのかな?僕は千聖のことは大好きだけどあっちはどうか分からないしな....好きでいてくれたら嬉しいけどね。

 

「ねえねえそこの優男さん、ちょっといいですか?」

 

「えっと.....僕のことですか?」

 

「はい!!お兄さん1人ですか?良かったら私たちと回りませんか?」

 

「え?.....いえ、遠慮しておきます。」

 

「どうしてー?もしかして恥ずかしいのー?」

 

「遠慮しなくてもお姉さん達がたのしませてあげるから♡」

 

.....こういうのを逆ナンって言うの?まさかこんな状況に出くわすことになるとはね.....参ったな、僕はこういう押しに弱いから断るのとか出来ないんだよなぁ.....そして千聖に怒られるという無限ループ。

 

「買ってきたわ.....あなた達はどなたかしら?」

 

「あんたこそ誰?」

 

「この人は私の彼氏ですが?私の彼氏に手を出すとはあなた達もいい度胸をお持ちですね.....お帰り頂けますか.....?」

 

「ちょっと!!いきなり調子のらないでくれる!?」

 

「調子にのる.....それはあなた達でしょ?私の大事な彼氏をたぶらかすならもっとちゃんと清楚な格好で来るべきね.....あなた達みたいなちゃらんぽらんにはこの人は絶対におとせないわよ.....分かったら立ち去りなさい.....これは警告よ....(╬^∀^)」

 

「怖.....彼女持ちか。別のところ行きましょ。」

 

 

「ふぅ怖かった...千聖、ありがとう。」

 

「気にする必要ないわ。兄さんが押しに弱いくらい知ってるし....何より私は女優よ。」

 

「咄嗟に彼氏とか言い出した時は驚いたよ。普通に兄とか言ってくれてもいいのに。ちゃらんぽらんはさすがにね.....」

 

「そしたら公にブラコンだとばれるからよ。」

 

「それじゃあ彼氏もまずくないかな....?」

 

「そこはその人達を追い払う為の咄嗟のアドリブということで大丈夫よ。ちゃんと調べたら血族だって分かるしね。」

 

「それもそうだね。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「そういえば兄さんは最近服を意識するようになったの?今日もやけに着飾ってるし。」

 

「まあね。千聖の知り合いに出会ってまぁ色々教えられたからね。今まで蒼生が服とか髪型をかなり気にしていたのがあいつの癖とかじゃなくてこういうことだったんだって今になって分かったよ。」

 

「リサちゃん達が教えてるみたいね.....でもそうやって少しずつ意識が変わってくれているのはひとつの成長ね。」

 

「そうだね.....ちょっと御手洗行ってくるからここで待ってて。」

 

「ええ、行ってらっしゃい。」

 

 

 

 

 

男子トイレにて

 

「空いてて良かった。あれだけ人混みがあっても案外空いてるもんなんだね。」

 

「なぁ、さっきの奴ら見たか?」

 

「あれやばいよな?動画企画か知らないけど手当り次第に女の人ナンパしてるしさ。あいつら色々やばいよな。」

 

「まぁそこら辺は補正かかるからアイツらの行動は炎上はしないだろうけどさ。列に割り込んでやるとか正気の沙汰じゃねえ。」

 

 

 

「ふぅん....やばい、千聖1人にしちゃった。.....久々にこれ、使うか。」

 

 

 

 

 

 

 

「えー、というわけで今からあの子を口説きに行きまーす!!そこのお嬢さん!!」

 

「何かしら....?」

 

「今俺らちょっとした企画やってんだけど、一緒に遊ばない?」

 

「遠慮させてもらうわ。そもそもあなた達は誰かしら?」

 

「いや、俺らちょっとした動画投稿者っす。この前も渋谷でハロウィン動画やってました!!というか.....白鷺千聖じゃん!!」

 

「今更.....それで何かしら?」

 

「見ましたー!!?こんな遊園地で女優に巡り会えました!!これはいいねが多いに違いない!!ほら、一緒に来て!!」

 

「ちょっと!?離しなさいよ!!」

 

「そう言わずに!!じゃないと.....あんたのデマ、SNSに流すよ。それに、動画の中で企画を邪魔してる演出も作れるからあんたの人生終わるよ?それでもいいのー?」

 

「.........」

 

「じゃあこっちに『おい待てよクソ野郎』あ!?」

 

ライブver.の優希「その子、嫌がってるだろ。離してやれよ。」

 

「うっせ!!男には用は無いんだよ!!」

 

「お前らに無くても俺にはあんだよ。そこの嬢ちゃん困らせてまで売れたいのか、このカスが。」

 

「あー、今カスとか言ったー!!テーマパークに不良がいまーす!!」

 

「お前ら1回脳外科行ってこい。どんな思考回路してんだ.....言っとくけど今後ろでこの一部始終撮ってるからな。」

 

「.....え!?」

 

「当たり前だろ?なんの仕込みもなくこんなことするわけないだろ。いい加減その子を離せよ。無理なら.....力ずくだ。生憎後ろにいるスタッフさんに許可は貰ってるんでな。遠慮なくぶちこんでやるぜ。」

 

「ひ!?に、逃げるぞ!!」

 

「逃げんなボゲ!!フタエノキワミであの世に送ってやるよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

10数分後

 

「ふぅ、やっと片付いた。スタッフさん、後はお任せします。ブラックリストに載せるなりなんなりしてください。」

 

「は、はい....」

 

「行くぞ、千聖。」

 

「え、ええ.....」

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ、死ぬかと思ったよ。」

 

「兄さん.....どうしてライブの時に使ってるアイコンタクトと髪止め使ってるのよ。」

 

「暴力沙汰とか思われたくないしね.....何よりこっちの方が何かと強気で言えるし。」

 

「そう.....でも、ありがとう。助かったわ♪」

 

「妹を守るくらい当然だよ。千聖も僕を助けてくれた訳だし....これでチャラだね。」

 

「....ねぇ、兄さん。」

 

「ん?どうしたの?」

 

「もし兄さんは.....私が妹じゃなかったら.....大切にしてくれたかしら?」

 

「....どうした?急に。」

 

「最近不安なのよ。兄さんは色んな子達と絡んだりして.....私は妹だから大事にされてるだけで妹じゃなかったら.....どうなんだろうって。」

 

「それは答えるのが難しいね。僕と千聖が兄妹じゃなかったらまず千聖と会えるかすら分からないし.....でも、確実なことは僕と千聖が知り合ってある程度仲良くなってたら.....僕は千聖に惚れてるだろうね。猫かぶりじゃない時の千聖を知ったとしても同じだと思うよ。」

 

「そう.....かしら?」

 

「うん、それにさ、妹だからこそ.....より一層大切に思えるんだよ。だからそんな疑問持つ必要ないよ。もしそういう心配?というかそういう思いさせてるなら.....ごめんね。」

 

「.......ありがとう。」

 

「今日はやけに素直だね。」

 

「さっき兄さんが勇気を出して助けてくれたのが....すごくかっこよくて....まだ混乱してるのよ。」

 

.......ドサッ

 

「ちょ!?兄さん!?なんで気絶しかけてるの!?」

 

「千聖がかっこいいって.....泣けるよ。」

 

「もう....私だって普段から可愛いって言われて.....こんな感じで恥ずかしいのよ.....少しは分かった?鈍感さん。」

 

「だめだ.....尊すぎて歩けない....」

 

「どういう現象よ.....お母さん呼んで車で来てもらうわ。」




正月ドリフェス引くべきか.....とりあえず10連して新規ドリフェス限美咲は出ました。とりあえず新規の千聖が出るまでは貯めますかね.....

これは設定ですが、優希くんはライブモードになると一人称が僕→俺になり、言動が強めになります。(簡単に言うとクレヨンしんちゃんの上尾先生みたいな感じです。....伝わるかな?)


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千聖の手作りお菓子

親戚の家で、バンドリしてたらスマホを取られ、ガチャを引かれ、新規ドリフェス限美咲が被り.....色々大変でした。そこは被らないでくれよ....
今回は流れが逆と言えばいいかな.....

というかこの小説、呼び方とか全然統一出来てないじゃん.....気をつけます。


そう.....私は悩んでいる。私は.....女の子らしいことがあまり得意じゃないということ。これは前々から悩んでいた。私は兄さんにバレンタインの時以外クッキーとか作って渡したことがない。バレンタインも毎年あまり上手くいってなく、兄さんの「美味しいよ!!」がとても申し訳なく聞こえるくらいの出来.....。そして、兄さんがあまり女の子達と関わりが無かったからこそ、そこまで重く考えなくて良かったことだったけれど、今兄さんは女子力が高い子達(リサちゃんやひまりちゃん、彩ちゃん、つぐみちゃんetc)と知り合ってしまった.....。

 

 

これは緊急事態ね。せめて他人に見せて恥ずかしくないくらいまでは身につけなくちゃ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ふーん、それでアタシは何を教えればいいの?」

 

「そうね、クッキーとか手ごろなお菓子を作れればそれで今は満足だから.....そういう基本的な所からお願いしていいかしら?」

 

「オッケー♪でも千聖忙しくないの?最近はパスパレとか映画とか色々やってるし...彩もパスパレ以外にもバラエティとかで忙しいって言ってたし.....そういう時間はあるの?」

 

「問題ないわ。私は彩ちゃんよりも芸能界入りが早いし、そこらへんのスケジュール管理は万全よ。毎年、12月25日と1月1日と2月14日と3月14日と9月9日は開けているのよ。」

 

「へぇ.....クリスマス、お正月、バレンタイン、ホワイトデー.......あと一つは何?」

 

「兄さんの誕生日よ。この日だけは何があっても絶対に空けるようにはしているの。」

 

「さすがだね.....自分の誕生日は空けてないの?」

 

「基本的には空けてないわ。仕事が終わった後の....兄さんの手紙とプレゼントが本当に楽しみなの。なんというか....その日だけはそれを楽しみに仕事を頑張ってる気がするわ。」

 

「そうなんだー。でも優希の誕生日知れたのはラッキーかな。今度プレゼント渡して一緒に驚かそう♪」

 

「そうね、でもそのサプライズは私が計画していいかしら?」

 

「勿論!!それで少し話がそれたけど.....アタシは千聖にお菓子作りの基本とかそういうのを教えればいいんだよね?」

 

「ええ、せめて人並みにはね。あまり学ぶ機会が無いから丁寧に教えてね。」

 

「任せて!!これでも教えるのは結構得意だから!!」

 

 

(しまった.....会話が弾んで兄さんの誕生日教えちゃった.....)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一方その頃

 

「あの、友希那さん、そろそろ離れてくれないかな?」

 

「つれないわね、こうやって体を寄せあって温め合うというのも悪くないものよ。近い将来はこれが日常になるわけだし。」

 

「え?いつの間に確定してるの?とりあえず離して.....僕これからバイト.....」

 

「そう.....ごめんなさい、では離すわ。」

 

「でもこの前友希那さん聞いたよ、『好意を向けられるのは苦手ね。音楽に集中したいの。』って。僕にこうやって接してくれるのは良いのだけれど、それだと音楽に集中出来ないのでは.....?」

 

「.....これは例外よ。それにあなたはこれから私の旦那になるというのに、私が旦那とこういうことをしたことが無いという事実の方が気になって余計集中出来ないわ。」

 

「だから何で僕が友希那さんの夫になる予定になってるんだよ.....はぁ......というか僕が千聖一筋って知ってるよね?」

 

(リサがいたら.....何かしら言われそうね.....)

 

「あれ?聞いてない.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あ、いらっしゃい!!」

 

「ええ、お邪魔させて頂くわ。」

 

「じゃあお菓子作る準備してくるからちょっと待っててね♪」

 

「悪いわよ、私も手伝うわ。」

 

「大丈夫だよ、好きでやってるしね♪それにお客さん働かすのはなんか気が引けるしねー。」

 

「どちらかと言えば私が頼んだのだけれど.....分かったわ、ご好意に甘えるわ。」

 

「うんうん、そうでないとね!!」

 

 

 

 

お菓子作り中

 

 

 

「えっと.....リサちゃん?白っぽくなるってどのくらいなの?」

 

「もう少し混ぜてもいいよ!!まぁそういう色具合は経験しとかないと分かんないよね。」

 

「ええ、難しいわ。リサちゃんは凄いわね。」

 

「そうかなー?でも千聖も器用だからすぐできるようになるよ!!」

 

「頑張ってみるわ。」

 

今私はとりあえず動物の形を模したクッキーを作っている。殆どリサちゃんの手助けを借りながらだけど.....

 

 

 

 

「こうやってパーツ毎に作ってくっつけるのね。」

 

「うん!!型とかにはめて作るのもいいけど凹凸とか付けるならこっちの方がいいかなーって。どうせ作るなら可愛い方がいいでしょ?」

 

「それは勿論ね。」

 

「でもさー、千聖って少し紗夜と似てるよねー。」

 

「紗夜ちゃんと?どういう所が?」

 

「さっきもgとか正確に測ろうとしてたし、前に紗夜のお菓子作り見た時あったんだけどなんか似てるなって。それにさっきの白っぽくってところを聞いてくるところも似てたよ。」

 

「そうね.....経験が無いとどうしても感覚というよりかはレシピ通りに正確に作ろうと思ってしまうのよ。私も今は役を演じる時に私ならって事とかを入れるようにはしてるけど.....」

 

「確かに最近の千聖が演じる役ってすごい馴染んでるよねー。」

 

「昔は台本通りに、ただ情景に合うようにって考えて演じてたから恥ずかしいわ。お菓子作りもそれと似ているのかしら?」

 

「うーん、そうかもね。アタシもいきなり演劇とか演じようってなったら多分慌てるし、多分台本通りにってなりそう。」

 

「ふふっ、こうやってリサちゃんとお話するのは初めてね♪」

 

「そうだね、アタシも千聖とこうやって話すのは初めてか...。でも緊張しないんだよねー。結構緊張するかなって思ってたけど。」

 

「素直な感想ね。でも砕けて接してくれる方がありがたいわ。」

 

「そうなんだ....じゃあ千聖も今度買い物一緒に行かない?もっと知りたいしね♪」

 

「ええ、楽しみにしているわ♪そろそろかしら.....?」

 

「30分だね、じゃあ生地取ろうか。」

 

冷やした生地をオーブンで焼く.....聞くだけだとシンプルだけどここに至るまでが結構大変だったわ.....リサちゃんやひまりちゃんは普段からこれをしているのね....プロフェッショナルね。

 

 

「.........」プルプル

 

「緊張したら失敗するよ♪練習する?これ余ってるし。」

 

「ええ、お願いするわ。」

 

今私は仕上げ.....ミルクチョコレートで目のところを書く.....失敗は絶対に出来ない。

 

「本番とかに強いと思ってたけど、なんか意外。」

 

「ただの友達や、彩ちゃんみたいに親しい友人ならそこまで緊張しないのよ。勿論失敗はしたくないけれど.....不思議と安心感があるのよ。兄さんに渡すと考えたら緊張で震えるわ。」

 

「え?一番優希とかが失敗しても一番気にしないと思うんだけど.....むしろ日菜とか相手にする方が緊張するような.....」

 

「妹に渡すならともかく、相手は兄さん。兄さんには絶対においしいというか綺麗に出来た物を渡したいの......」

 

そう、失敗は出来ない....やるのよ白鷺千聖、舞台を乗り越えたのだからこれくらい.......

 

「い、いくわ。」

 

 

 

 

 

 

「おー!!上手く出来たじゃん!!じゃあこれ少し冷やすから待っててね♪」

 

「はぁ.....戦い抜いたわ。」

 

これを造作もなくやっていく女子高校生はすごいわ.....人並みに出来たらと思っていたけれど考えが甘かったわね。けど今日私は『ある程度』や『こんな感じ』といった感覚と出会えた。それは人によって違うけれど自分ならではのおいしいお菓子を作れる.....女優としていい物を学べたわ。....あれ?趣旨こんなんだったかしら?

 

「で、千聖?お菓子作りどうだった?」

 

「そうね....まだ少ししかしていないから結論を出すのは難しいのだけれど.....まだ足りないわね。経験が無いわ。だからこれからも機会があれば挑戦してみるわ。その時は味見してね♪」

 

「うん!!いいよ!!アタシに聞いてくれたらいつでも力になるし、ひまりとかもきっと親身に教えてくれるよ!!.....それはさておき1つお願いがあるんだけど.....」

 

「そうね、何かしら見返りがないと不公平ね、何かしら?」

 

「いや、見返りというわけじゃないんだけど.....前々からお願いしたかったんだ。優希のライブ、録画とかあったら欲しいんだ。」

 

「ええ、いいけれど.....どうして?兄さんはベースじゃないわよ。」

 

「ううん、それ見てみて今のRoseliaに足りない物を探したいんだ.....友希那にもお願いしたんだけど『先輩のライブ?それは生で見るのが1番よ。場の雰囲気は録画では味わえないもの。』って言って見せてくれなんだ。」

 

「おそらくそれは.....生を知っているからこそ動画で先に知って欲しくないのかもしれないわね。先に生で、肌で感じて欲しいのよ、多分だけど.....」

 

「そうなのかなー。じゃあライブがあったらチケットお願い出来ないかな?」

 

「それは直接兄さんにお願いしたらいいじゃないかしら?」

 

「お願いしたいんだけどさー.....この前優希との話をしたら友希那がなんか感じが変だったし.....それに優希も忙しいだろうからお願いしにくいんだ.....。」

 

 

(まぁ、確かに友希那ちゃんは兄さん大好きだし....リサちゃんと進展があると困る、とか考えてるのかしら?兄さんは.....確かに忙しそうね。何かとプライベートが多かったから最近はレポートに追われてるし.....)

 

 

「.....分かったわ。ペアチケットお願いしてみるわね。」

 

「ありがとう!!千聖!!」

 

「別にお礼を言われる程でもないわ。今日はお菓子作りを1から丁寧に教えてくれたもの。」

 

「あれくらい普通だよ♪じゃあ、また一緒に作ろうね!!」

 

「ええ、じゃあお邪魔するわ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「兄さん....その、ちょっといいかしら?」

 

「ん?どうしたの、千聖?」

 

「こ、これ.....パンダのクッキー.....作ってみたの。良かったら.....たべて.....」

 

「どうしたの?顔が赤いけど、熱あるの?それに最後の方、声小さかったし。」

 

ああ、緊張してしまう、今までこんなことあった?俳優相手にも一切動じないのに.....こうなったら

 

「これ.....私の手作りクッキーなんだ。食べてくれたら.....嬉しいな。味の感想はまた今度聞かせてね.....♡」

 

私は少し目を潤わして上目遣いでこう言った。いつもこうやって演じて誤魔化してるけど.....いつになったら素で渡せるのかしら.....

 

「!?.....うん!!ありがたく頂くよ!!でもとりあえず晩御飯もうすぐだから感想は今日の夜にね。」

 

こういう子供っぽいところも可愛いのよね......兄さんが犬だったら絶対に甘やかしそうね、私。

 

「ええ、楽しみにしてるわね♪」

 

次の課題は.......兄さんに緊張せずに話しかけること......これは難題ね。




千聖さんってお菓子作りとかってどうなんですかね....?この二次創作ではあまり得意ではないという位置づけはするのですが.....何かと器用だから出来そう.....絵を書くのは苦手なのにね。クッキー作りは普段僕がする時にやってる方法を参考に書いてます。おかしい所がないといいのですが.....

優希くんの誕生日は9月9日という設定を出すのは多分これが初めてだと思います。もしそうじゃなかったら.....後で訂正します。


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バイト先で知り合いが客としていると気まづいよね

ちょっとした日常回......こっちももっと投稿しないと.....


「いらっしゃいませー。」

 

皆は覚えておいでだろうか。僕がファーストフード店でバイトをしていたという設定を。でも最近気になることがある。店に来る人に知り合いが多すぎる!!最新何かとバンドの人達と仲良くなってからと言う物の、知り合いが意外と多くてびっくりする。そう.....

 

 

「ねーねー優希、ポテトまだー?」

 

「ちょっと日菜、ここにいては迷惑よ.....すみません、白鷺さん。」

 

こんな風に。

 

「いえいえ、今の時間帯は空いてますのでそこまでですよ。ポテトはもう少し待ってください。」

 

「なんかよそよそしくてるんって来ないなー。彩ちゃんならいつも面白い反応するのに。」

 

「丸山さんは何かと緊張しがちですからある意味店内の名物になってますね。」

 

「それで白鷺さん.....何故レジを1人で2つ担当しているのですか?」

 

「え?皆休憩に行ってるから代わりに2つやっているんですよ。この時間帯は殆ど人が来ないから大体この時間帯は僕だけです。」

 

「そうなんですか.....まぁそれで成り立っているのだからいいのかしら.......」

 

「まぁその分僕の時給上げて貰ってますからWinWinですよ。」

 

「今日彩ちゃん来るのー?」

 

「丸山さんは.....うん、今日の夕方からですね。」

 

 

ピロリピロリ

 

「あ、ポテト出来た。」

 

「はやくはやくー!!.....少ないよー!!!」

 

「これはLにしては少なくないですか.....?」

 

「いえ、この量で合ってますよ。おそらく他の店員が氷川さんたちに贔屓にしているだけかと......」

 

「そうだったのですか.....」

 

.......え?何でそんな悲しげな目をしているんですか?氷川さん、あなたそういうキャラじゃないでしょ?というかポテトどれだけ好きなんだ.....

 

「ねえねえ優希、増やしてよー!!」

 

「さすがにそれは.....追加料金払うなら。」

 

「では200円増やすのでM分増やしてください。」

 

「ここはラーメン屋ですか.....というか200円ならSサイズの値段ですよ。」

 

「そうですか.....ならSでお願いします。」

 

「分かりました、Sと同じ分追加しますね。」

 

「すみません、我儘を聞いてもらって。」

 

 

いやいや氷川さん、あの表情は絶対に狙ってたよね?普段クールな人がしおらしくなるとなんか魅力出る.....のかな。千聖も僕から見たら可愛いだけど世間じゃクールみたいな感じのイメージがあるみたいだし.....1回しおらしい千聖、見てみたいなぁ.....

 

 

「ねえねえ優希、人来ないなら一緒に食べない!?」

 

「日菜、いえお客様、私は仕事中ですので.....」

 

「ちょっと待ってください白鷺さん、今日菜と呼びましたよね?」

 

「え?それは日菜が僕に『ストップ!!ストーップ!!』むぐっ.....」

 

ジーッ

 

(隠すことでもないのに.....)

 

(おねーちゃんには言わない方がいいよ。おねーちゃん風紀委員だから男女交際とかそういう雰囲気醸し出すのあんまり好きじゃないんだよ...,)

 

(でも日菜が僕を優希って呼んでも何でもなかったじゃん)

 

妹のこと大切に思ってるんだなぁ.....その気持ちホントよく分かるよ。

 

「ゔゔん.....よろしいですか?」

 

「は、はい.....」

 

「白鷺さん、あなたが日菜のことをどう呼ぶかはあなたの自由ですから構わないのですが、日菜だけ呼んで私だけ呼ばれないのは少し不公平だと思います。」

 

「そっち!?」

 

「そのそっちがどういう意味かは知りませんが.....とにかく、日菜と呼ぶなら私も氷川さんではなく、紗夜と呼んでください。」

 

「ううん.....分かりました、でもまだ丁寧語は抜けないと思いますよ、紗夜。」

 

「はい、それはそちらのペースで構いません。」

 

あれかな?前に妹にコンプレックスを感じてるとか言ってたけど.....それが原因で今回のようなことしたのかな.....僕も幼い頃、千聖は皆から千聖ちゃんって呼ばれてたけど、僕は大人たちから白鷺くんって呼ばれてたかな.....当時は特に気にしなかったけどよくあの時に闇堕ちしなかったな.....僕。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3時間後

 

「あわ、あわわ優希さん助けてください!!」

 

「丸山さん何したの......ああ、というかよくトレイ割ったね。」

 

「割ったわけじゃないですよ!?割れたんです!!ど、どどどうしよう!!」

 

「うんまぁとりあえず処理はしようか。やっとくから丸山さんはレジ頼むよ。」

 

「え!?ありがとうございます!!」

 

丸山さん、バイト結構歴があるけどこういうドジはあんまり減らないのかな.....というかガラスコップとかならともかく、トレイ割るミスを見るのは初めてだな。逆にすごいよ.....

 

 

 

 

「お待たせ、次は気をつけてね。」

 

「は、はい......ごめんなさい。」

 

「彩ちゃん何したのー?」

 

「裏でトレイ割ったんですよ。」

 

「トレイ!?ガラスコップとかじゃなくて!?」

 

「う、うん....というか優希さんも気軽にばらさないでくださいよー!!」

 

「そうなの.....なんかごめん。」

 

「でもバイトでも彩ちゃんは彩ちゃんだねー。」

 

「そ、そんなことないよ!!これでも優希さんよりは先輩だよ!!」

 

「うん、バイト歴だけは丸山さんの方が上だね。」

 

 

 

 

「それで、あぁ.....とても儚かったんだよ。」

 

「意味がまるで分からないわ、薫。」

 

「いらっしゃ.......」

 

「あら?兄さんじゃない?今の時間バイトだったの?」

 

ど、どうしよう....愛する妹が客で来た。隣に丸山さん.....斜め前に日菜....この状況で家と同じ反応は出来ない。し、仕方ない.....頑張ろう。(とっくにバレてます。)

 

「はい、ところでお客様、ご注文は何になさいますか?お二人纏めて伺います。」

 

(あら.......?家と違うわね.....もしかしてバレまいとしているのかしら.....ふふっ、面白いわね。普段ドキドキさせられてるぶんのお返し、ここでしようかしら.....)

 

※この人もとっくにバレてます。

 

「薫はどうするの?」

 

「私は特に小腹は空いていないから、紅茶を頼むよ。」

 

「お客様、申し訳ありませんがお客様が想像している紅茶は当店ではご提供出来ません。」

 

「そうかい、ならオレンジジュースでも頼むよ。」

 

「はい、では合わせてお伺いします。」

 

「ねえねえお兄ちゃん♪」

 

「おに.....ご注文は何になさいますか?」

 

おのれ千聖.....家での反応が出来ないことを分かってて普段より可愛く甘えてきてる.....というか家でもこれがいい。というか、こんな上目遣いで注文頼む人いる.....?現在、目の前で愛しき妹が両肘をメニューの上に置いて僕を上目遣いで見つめています.....さすが女優。因みに今の千聖は、帽子とメガネをかけていて変装状態なので、分かるのは1部の人だけ。

 

「おすすめって何があるのかしら?」

 

「おすすめは.....現在お客様が肘置きにしているメニュー表に乗っています。そちらを見てお選びください。」

 

「あら?教えてくれないのね.....」

 

なんでシュンとするんですか.....なんか僕が悪いみたいな感じになってるけど.....

 

「じゃあ.....このバーガーセットを頼みます。」

 

「畏まりました。合計580円になります。」

 

「あ、あと.....」

 

「追加のご注文でしょうか?」

 

「ええ、.....私の手をあっためてください♪そして、私にとびっきりの笑顔をください♪」

 

.........え?

 

「少し手が冷えてしまって.....お兄ちゃん♪寒いのでお願いします♪」

 

どうしよう.....まさかこんな合法的に至近距離千聖を見つめながら手を握れることが出来るなんて.......でも恥ずかしい。それにもしこれをプライスレスでやれば.....店員の対応が良いってことでお客さんも増えるかな.....

 

「ん?どうかしましたか?」

 

首傾げて可愛い顔を向けないでください撫でたくなるから.....下心はなし。ちゃんと店員としてサービスを....

 

「はい.....これでよろしいでしょうか?」 ニコッ

 

「!?......はい、ありがとうございます♪」

 

「ではご注文が出来次第お持ちしますので席でお待ちください。」

 

危なかった.....危うく素が出るところだった.....

 

 

 

「ち、千聖ちゃんすごいね....優希さんをここまでいじるなんて.....」

 

「でも面白かったよねー。優希も頑張って店員さんやってたし!!彩ちゃんもやってみたら!?」

 

「わ、私は.....緊張して言葉が出ないかも.....」

 

「そうかもねー。」

 

「そこは少しはフォローしてよぉ.....あれ?千聖ちゃんは?」

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたんだい、千聖。そんなに顔を赤くして。」

 

「いえ、なんでもないのよ。(からかうつもりが....やられたわ。あんなに可愛い兄さんの笑顔を間近で....危うく鼻血が出てくるところだったわ。あ....写真撮っておけば良かった.......)」

 

「まぁ大体想像できるよ。兄さんの笑顔が素晴らしくて返り討ちにされた、というところかな?」

 

「あなた.....こういうところは本当に鋭いのね。」

 

「私は兄さんや千聖の幼なじみだからね。それくらい分かるさ。」

 

「薫.....兄さん呼びは私の専売特許よ。」

 

「それくらいいいじゃないか。私も10数年兄さんには世話になっているからね。」

 

「はぁ.....せめて優希って呼べばいいのに。」

 

「優希、か。その響きも悪くない.....でも、兄さんの方がしっくり来るみたいだ。あぁ.....儚い。」

 

「儚くはないわよ.....ゆっくり変えていきなさい。」




イニシャルが何故フルコン出来ないんだ.......手が凍えているからだろうか.....


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アクセサリィ....

お気に入り登録してくださっているのに中々投稿出来なくて申し訳ないです....



「いらっしゃいませ.....千聖先輩?珍しいですね。」

 

「えっと.....沙綾ちゃんで合ってるわよね?」

 

「はい、合ってますよ。そういえば私たちこうやって会ったことありませんでしたっけ?」

 

「そうね、私はまだ沙綾ちゃんとあこちゃんのお姉さんと全く関わりが無いのよ。」

 

「巴と会ったことないんですか?商店街じゃ結構有名ですよ?」

 

「毎年夏祭りで太鼓を叩いているのは知っているのだけれど....見たことないのよ。何故かいつも収録と被って。」

 

「それは大変ですね.....」

 

「それはそうと、今日はお願いがあって来たのよ。」

 

「殆ど対面ない私に、ですか?それは.....」

 

「私ってこう、女優だから普通の女の子みたいにおしゃれとかそういう時間があまりないのよ.....そのせいかファッションならともかく、アクセサリーとか何がいいか全く分からなくて.....それで色々相談していく中で着いたのが沙綾ちゃんなのよ。」

 

「私にですか?それどういうルートですか?」

 

「えっと.....花音→彩ちゃん(仕事のため対応出来ず)→ひまりちゃん(ライブ前の為あまり遊べない)→有咲ちゃん→沙綾ちゃん、というルートで来たの。」

 

「....どういう頼み方したんですか?」

 

「私はあまり口で言われてもよく分からないから実際に一緒に来て見て欲しいって頼んだのよ。」

 

「リサ先輩とかはどうだったんですか?」

 

「リサちゃんは友希那ちゃんを連れて遊びに行くって言ってたから誘いにくかったのよ。」

 

「でもよく分かりましたよね?私があと少しで店番終わるって。」

 

「有咲ちゃんに教えられたのよ。でもタイミングは恵まれたわね。」

 

「じゃあ少し準備してくるので少し待ってもらえますか?」

 

「ええ、一緒に来てくれるのね、ありがとう♪」

 

「いえいえ、私も偶にはこうやって他人のアクセを選ぶとかやってみたいですし。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「千聖先輩って、私より小さかったんですね.....てっきり同じか高いと思ってました。」

 

「身長は有咲ちゃんと同じくらいよ、でもどうして私は背が高く思われるのかしら....?」

 

「雰囲気じゃないですか?やっぱり大人っぽい雰囲気がある人って背が高いイメージありますし。」

 

「そうかしら.....?だから沙綾ちゃんも高く見えるのかしら?」

 

「私が?そうですか?」

 

「ええ、さっき弟さん達をなだめてるところを見てね、少し思ったわ。」

 

「あれ、見てたんですか.....恥ずかしい。」

 

「いいえ、立派にお姉さんをやっていて凄いなと思っただけよ。私は兄がいるからそういうことをされる側にいるのよ。」

 

「.....え!?千聖先輩お兄さんいたんですか!?」

 

「皆その反応ね.....そうよ、優しくてかっこいい自慢の兄よ。沙綾ちゃんは会ったことある.....?」

 

「白鷺、ですよね.....?ううん、会ったこと無いですね。お店に来たこともありませんでしたし.....」

 

「でもそのキーホルダーってEXTRAの物でしょ?」

 

「やっぱり知ってますか?私もこのバンド大好きだったんですよ。あの人たちのライブは元気が貰えるから好きなんです。私もそんなふうになれたらなって.....」

 

「そのキーボードの人、私の兄よ。」

 

「.....え?YUさんが.....千聖先輩のお兄さん!?」

 

「普段はもっと大人しい人よ。これは本人曰くライブモードらしいのよ。」

 

「へぇ.....知らなかった。この人たち、本名が未だに知らない人が多くて有名なんですよ。FWFに出場しているのに珍しいですよね。」

 

「兄さんはあんまり社交的じゃないからあんまり名前を見られるのは嫌でしょうね.....」

 

「今度、会わせてもらってもいいですか?」

 

「それは.....兄さんに聞いてみないと分からないわ。でもこの前香澄ちゃんとも会ったとは言ってたし.....その時にバンドの練習見てくれって言われたって言っていたからその内会えるわ。もし会いたいなら.....これ、私の電話番号だから仕事の時以外なら兄さんのことを教えるわ。」

 

「ありがとうございます!!offのYUさん、どんな感じなんだろう.....」

 

「因みに沙綾ちゃんは誰が好きなの?」

 

「同じドラムのSSさんも好きですけど.....1番はYUさんですね、vocalのGOさんを、グループを支えているっていう印象が凄くて.....尊敬してるんです。」

 

「そう、それは兄さんも喜ぶと思うわ。(あれ?またライバルが増えている.....?)」

 

「とか言ってる間につきましたね、千聖先輩はどんな感じがいいんですか?」

 

「そうね.....アバウトかもしれないけれど、私の雰囲気と合う、というかアクセサリーだけが目立たない感じがいいわ。」

 

「なるほど.....じゃあヘアアクセと他にも何か選ぶって感じでいいですか?千聖先輩に似合いそうなのを思いついたので。」

 

「沙綾ちゃん、急に本気になったわね.....」

 

「勿論ですよ♪こうやって他人のアクセにアドバイスするのは随分と久々ですし、楽しいんですよ!!」

 

「そうなの.....意外とアクティブなのね。」

 

「そうですか?私からしたら.....ちょっと失礼かもですけど千聖先輩がこうやって人に頼むのも意外ですよ。結構なんでも自分でこなせそうですし。」

 

「私にも至らないところはあるわよ。それにこうすることでコミュニティが広がるというのも最近学んだのよ。」

 

「やっぱりそういうことって気になるんですね.....」

 

「ええ、私も一応女子高校生だもの.....そういう気持ちくらいはあるわよ。」

 

「でも今日千聖先輩とこうやって話せてますし私も嬉しいですよ。じゃあ選びますか!!ついてきてください、色々付けながら試しますから!!」

 

「ええ、お願いするわね♪」

 

 

 

 

 

 

 

「千聖先輩、このアクセとかどうですか?」

 

「赤色?.....似合うかしら?」

 

「良いと思いますよ!!変に目立ってませんし、後はこのリボンとかもいいかな.....」

 

「これ.....?こうかしら?」

 

「千聖先輩.....リボン似合いますね。可愛らしいですよ♪」

 

「そうかしら....確かに柔らかさが出たわね。他には何がオススメかしら?」

 

「そうですね.....千聖先輩って髪を括る時に何使ってますか?」

 

「いつもはこの黒色のヘアゴム使っているわ。」

 

「うーん.....それも凛としてて良いんですけど.....これはどうですか?」

 

「これは私には少し派手ね.....」

 

「そうですか?じゃあ.....これの薄い色はどうですか?」

 

「これなら.....あまり目立たないし良いわね。じゃあさっき選んだリボンと髪留め、このヘアゴムを買うわ。」

 

「じゃあ店の外で待ってますね!!」

 

「ええ、ちょっと待っててね。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「今日は本当にありがとう♪助かったわ。」

 

「いえいえ、こちらこそいい仕事をさせてもらいました!!....あのそのお礼と言ったらなんですけど、相談したいことがあるんですよ.....」

 

「相談?私で解決できることなら聞くわ。」

 

「さっき千聖先輩、お兄さんがいるって言ってたじゃないですか.....やっぱり弟とか妹って兄や姉から早く卒業したいんですか.....?」

 

「それはどういう?」

 

「私も純と沙南がいるので....時々思うんですよ。いつくらいから弟や妹が姉離れするのかなって。あんまり関わりすぎてうざがられるのは嫌なので.....」

 

「そうね.....私はまだ兄さん離れはしていないわ。」

 

「意外です.....」

 

「そうでしょうね、世間での私のイメージは結構大人びてるみたいだから。兄さんは私の足りないことを何でも分かってるのよ.....こうやって長年女優をしているけれど兄さんは色々指摘してくれて.....褒めてもくれるし叱ってもくれる。どうしても周りから期待をかけられることがあってプレッシャーを感じた時も兄さんは私のことを受け止めてくれて緊張とかをほぐしてくれたこともあったわ.....やっぱり妹や弟にとっては兄や姉がよっぽどのクズ人間じゃない限りは心の中での目標になることが多いわよ。一概にそうとは決められないのだけれど.....でも店番しながら弟や妹の面倒を見ている沙綾ちゃんは立派よ。今日がある意味初めてあなたのことを詳しくしったのだけれどあの一部分を見たら分かったわ。きっと弟さんや妹さんは大きくなった時に沙綾ちゃんのことを改めて尊敬すると思うわ。」

 

「そ、そうですか....」

 

「だから今はまだ姉離れは考えなくても大丈夫よ、それに離れても決して尊敬しなくなったって訳じゃないからちゃんといつも通り過ごせばいいと思うわ。」

 

「相談にのっていただきありがとうございました。心がだいぶ軽くなりました。」

 

「別にいいのよ、また何かあったら相談してね♪力になれる限りなってあげるから、先輩とか気にせずに気軽にね♪」

 

「はい、ありがとうございます!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「と、いうことがあったのよ。沙綾ちゃんって偉いわね。」

 

「そうだね、というか僕が尊敬されてるとか意外だよ。てっきり流星だと思ってたよ。」

 

「それで.....何か言うことがあると思うのだけれど.....」

 

「何か?何だろう.....あっ!!アクセサリーか!!なんか雰囲気違うと思ったらそれだったのか.......」

 

「兄さん.....言われなくても気づいて欲しかったのよ,.....」

 

「ご、ごめん!!千聖が自然に付けてたから雰囲気の違いは分かったけど気づけなかったよ。」

 

「もう....兄さんのバカ!!」

 

「うっ....さっきの話聞いたら兄離れとか起こりそう.....病んじゃうかも。」




千聖さんのリボンはダウンロード画面の時の千聖さんが付けている髪飾りつけてるあれみたいな感じです(あそこをなんて言うのか分かりません.....)

いよいよ最期のセンター試験ですね(来年は共通テストとかに改名するとか.....)
読者さんの中に受験生がいるかは分かりませんがベストを尽くせるよう頑張ってください!!マークミスみたいなケアレスからおこることには注意してくださいね.....


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ハロハピwithリーダーの帰還

新しいイベント始まりましたね。周回しようと思ったら星2が2人もいるという.....久々のリサ姉の星4ですね。じゃあバレンタインは誰が出るんだ.....千聖ちゃん来て欲しいなぁ.....あと可能性があるのはつぐと紗夜さんのペアとか.....
そろそろロキのカバーが来てもいいような.....個人的にはRoseliaかRASに「Brave Shine」をカバーして欲しいです。


「ではご同行願います。」

 

「えっと.....あなた達はどなたですか?」

 

「失礼しました、私たちはこういう者です。」

 

「弦巻家.....えっと弦巻さんって.....」

 

「こころお嬢様のことです。覚えていらっしゃいますか?」

 

「えっと.....あの元気な金髪の子ですよね?」

 

「はい、その通りでございます。そしてお嬢様から優希様をお家へ招待するよう言われました。」

 

「えっと....どうして僕?」

 

「以前お嬢様が優希様とお会いした時に面白かったと言われていまして、そしてまた会いたいわね、と仰ってましたのでお連れしにきました。」

 

「それって本人が誘うのはないの.....?」

 

「優希様がどこにおられるかわかりませんので。何せ作者の投稿スピードが遅く、優希様の日常回も最近は減りましたし....」

 

「それは.....色々あるからね。千聖の日常回を見たい人もいるし.....というかめたいよ。」

 

「というわけで最近少なくなった優希様の日常回を確保しにきたのです。」

 

「だからめたいってば.....まぁいいか。弦巻さんの家ってどこにあるの?」

 

「ご案内致します。どうぞ乗ってください。」

 

「うわぁ.....細長い車。お金持ちでよく見るやつだ。」

 

 

「では弦巻家までご案内します。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

弦巻家

 

「で、でっかぁ.....」

 

「大丈夫ですよ、私たちも最初同じ反応しましたから。」

 

「あれ?奥沢さん?なんでここに?」

 

「こころに呼ばれたので。でも白鷺さんが来るのは聞いてないですよ。」

 

「え?じゃあ僕なんで来たの.....」

 

「さぁ.......作者の投稿スピードが遅いからじゃないですか?」

 

「奥沢さんまでめたいよ。それはともかく....弦巻さんって普段からこんな感じなの?」

 

「こころは突発的ですよ。こうやって突然呼ばれるのも今に始まった話じゃありませんし。」

 

「そうなんだ.....」

 

 

「ゆーき!!よく来たわね!!」

 

「うん、来たよ。相変わらず元気だなぁ.....それで僕はなんで呼ばれたの?」

 

「笑顔になることをするのよ!!」

 

「いやだから何をするの.....?」

 

「そうねぇ....何しようかしら?」

 

「ええ.....」

 

「白鷺さん、これがハロハピの普通なので慣れてくださいね。」

 

「私も最初はちょっと驚いたかな.....」

 

これが弦巻さんの日常.....すげぇな。というか弦巻さんめっちゃ笑顔ですやん。輝いて見えるよ....というか奥沢さんめっちゃ苦労しそう。

 

「じゃあ路上ライブしましょ!!」

 

「うん!!いいね!!」

 

「あはは.....相変わらずお姫様の発想には驚かされるよ。」

 

「でも路上ライブってちゃんと許可貰わないといけないんじゃ.....」

 

「白鷺さん、こころに普通は通用しませんよ。私たち現に何回か路上ライブしてますし。」

 

「ええ.....」

 

「折角だからゆーきも一緒にやりましょ!!」

 

「僕も?それはいいんだけどさ.....君たちガールズバンドだよね?」

 

「?それがどうかしたのかしら?」

 

「いや、僕男だからさ.....混じると不味いよね?」

 

「そうかしら?きっとたくさんの人が見てくれるわよ!!」

 

「色んな意味で見られそうで怖いよ.....」

 

「確かに優希くん目立つかもね.....」

 

「あれ?反対とかじゃないの?」

 

「私たち色々ありすぎたんで今更異性がバンドに入ることも何とも思わなくなったんですよ。」

 

「奥沢さん達観しすぎじゃないかな?」

 

「達観じゃなくて慣れたんですよ。私も着ぐるみきてDJやってますし。」

 

「そういえばそうだったね.....で、このバンドのキーボードの人って誰?」

 

「キーボード?はぐみたちのバンドにキーボードの人はいないよ?」

 

「あ、そうなの.....」

 

「そういえば兄さんはキーボードだったね。こころ、兄さんのキーボードはとても上手いからきっとたくさんの人を笑顔にできるはずさ。」

 

「そうね!!じゃあ私たちと一緒にやりましょ!!」

 

「まぁいいか....分かったよ、参加はするけど、曲は何を弾くの?」

 

「私たちの曲分かりますか?」

 

「うん、分からない。」

 

「そりゃそうですよね.....カバー曲とかもあるんですけど、それは分かりますか?」

 

「何をするかによるけどやった事ある曲なら大抵いけるよ。」

 

「本当ですか.....じゃあ曲の幅増えるかも。」

 

「ただDJがいるなら曲自体は少し狭まるかもね。」

 

「そこら辺は大丈夫です、慣れたので。」

 

「そういえば花音さん、流星と揉めたの?」

 

「はい.....お兄ちゃんのいかがわしい画像を見つけて.....」

 

「ある程度は許してあげなよ。流星ってどうしても肉食系の人によく絡まれやすいから。」

 

「よく.....?ということはお兄ちゃんは他の人とも.....」

 

あっ、やっちまった。ごめん流星。今度会ったらうまい棒20本くらい奢るよ.......

 

「でも流星もある程度は関わらないようにはしてるから許してあげてね。」

 

「それなら.......そういえば優希さん、またライブするって本当なんですか?」

 

「ん?あぁ.....本当だよ。まだメンバーが戻ってないけどね。流星から聞いたのか?」

 

「お兄ちゃんが新しいスティックを買ってたからそうかなって.....」

 

「あいつやたらそういう道具に拘りあるからなぁ.....ライブある毎にスティック変えてたし。」

 

「でも比較的新しいスティックは貰ってるんですよ、だから結構助かってます。」

 

「じゃあ行きましょ!!」

 

「じゃあ....また後で話そうか。」

 

「そうですね.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

路上にて

 

「本当にやるんだ.....というかなんで僕は女装させられてるの!?」

 

「すみません、優希様、男が入っているとなるとお嬢様のバンド活動において多少の問題が発生するため、このような手段を取らせていただきました。出来は完璧ですのでご心配は無用です。」

 

「いや、そういうことじゃなくて.....絶対に豪とは会いませんように.....」

 

「ははっ、兄さんが可憐なお姫様に変身しているじゃないか。今度、是非とも私と舞台を共にしようじゃないか。」

 

「絶対やだ.....恥ずかしい。」

 

「それにしても可愛いね.....スタイルも顔もいいし....同じ女の子として妬いちゃうかな....?」

 

「あの、花音さん?僕は男ですが.....?」

 

「花音、ゆーきはどこ行ったのかしら?」

 

「ほんとだ、どこ行ったの?」

 

「白鷺さんは私たちに合わせて今は女の子に変身してるんだよ。優子ちゃんに。」

 

(ちょっと奥沢さん!?合ってるけど色々やばいよ.....)

 

(大丈夫ですよ。私の正体がバレたこともありませんし.....それにぱっと見ても女の子にしか見えませんよ。)

 

「そうなの.....ゆーきはすごいわね!!ゆーこに変身したのね!!」

 

「うんうん!!変身できるなんて凄いよ!!」

 

....え?バレてない?というか謎の設定生まれたんだけど.....

 

「じゃあやろうか。おく.....ミッシェル、なんの曲やるの?」

 

「あっ、はい。えっと.....『ラストダンス』と『ドラマツルギー』をやります。いけますか?」

 

「曲自体は知ってるからいけるよ。」

 

「それは良かったです.....」

 

そうして僕達は路上ライブを始めた。というか弦巻さん滑舌いいんだな.....歌詞1回も間違えてないし、他のメンバーも突然やると決まったのに弾けてるし、練習してたのかな?

 

 

そして運命が残酷なのか最悪の瞬間が来てしまった.....

 

「よおお嬢ちゃん!!めっちゃ歌上手いじゃん!!俺も一緒に歌いたいんだが.....いいか!?」

 

「いいわよ!!一緒に楽しみましょ!!」

 

「いよっしゃあ!!」

 

なんでよりによって僕たちのバンドのリーダー、豪がいるんだよ!?タイミングが最悪だ.....お願いします、バレませんように。

 

 

 

ライブ後

 

「今日はとても楽しかったわね!!」

 

「うんうん!!なんかキーボードが入って普段と雰囲気も変わったしね!!」

 

「ん?このキーボードの子は今日入ったのか?」

 

え?まさかばれていないのか.....そうだった。豪はとてつもない馬鹿だった。しかも黒服さん達本気だったし.....なんとか乗り越えれるかも?

 

「あんた可愛いな.....名前なんて言うんだ!?」

 

「えっと.....白木優子と申します♪」

 

「白木さんか.....よろしくな!!」

 

よし!!ばれてない!!

 

「あはは.....優希くんも大変だね.....」

 

「でもよく出来てますよね、このままバレずに終わればいいんですが....」

 

「美咲ちゃん、そうやってフラグを立てたらダメだよ?」

 

「花音さんフラグって知ってたんですね.....」

 

「お兄ちゃんがよく使ってるからね。」

 

「記念だし撮っとくか。」

 

....え?こいつどさくさに僕の黒歴史作るつもりですか?携帯壊すよ?

 

パシャッ

 

「ありがとな!!」

 

「......」

 

「じゃあ楽しかったぜ!!お嬢ちゃん!!」

 

「ええ!!また一緒に歌いましょ!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「そういえば白鷺さん、さっきSNSでこんな写真挙げられてましたよ?」

 

「え?.....『ハロハピに新星!?正確なキーボード!?』うっそだろ.....」

 

「良かったですね、7人目のハロハピですよ。」

 

「奥沢さん.....なんかこの状況楽しんでない?」

 

「そうですか?自分と同じ境遇にいるからですかね?」

 

「ええ.....」

 

「ねえねえ白鷺くん、また女装してくれないかな.....?写真撮り忘れたんだ.....」

 

「花音さん.....俺の心のライフはもう0だよ。」

 

「じゃあ今日はありがとうございました。私はこっちですので。」

 

「うん、ライブ自体は楽しかったよ。」

 

「じゃあね。」

 

 

 

 

 

白鷺家

 

「兄さん.....これは何かしら?」

 

「なんで千聖が持ってるの!?」

 

「豪さんから送られてきたのよ。」

 

あの野郎!!知らない振りしてやりやがった!!しかもよりにもよって千聖に送り付けるとは.....今度会ったらあいつに無茶ぶりさせてやる.....

 

「それに関してはね.....ほら、ハロハピってガールズバンドじゃん?僕が入ると色々問題あるでしょ?だから黒服さんにこうさせられたんだ.....」

 

「そう.....でも可愛いわね。これ、なりきれてるわよ。」

 

「.....え?」

 

「これ彩ちゃんに見せたら気づくかしら?」

 

「ちょっと!?拡散はダメ!!絶対にだめ!!」

 

「でももう兄さんのバンドメンバーにはバレてるわよ。」

 

「お、終わりました.....」

 

絶対次のライブで女装させられる.....もう一度あれになるのはさすがに.....

 

「別にこれで兄さんを嫌いになることは無いから大丈夫よ。」

 

「そ、それは良かったよ.....」

 

「でもいいわね....優子お姉ちゃん、悪くないわね♪」

 

「ちょっと....弄んでませんか?」

 

「そんなことないわよ、優子お姉ちゃん♪」

 

「うっ.....もうお婿にいけない。」

 

「大丈夫よ、私が一生一緒にいてあげるから♪」

 

「それだと千聖の人生を束縛することになるからさ.....嬉しいけど申し訳ないかな。」

 

「もう.....そこは素直に喜んでくれてもいいのに....」

 

「ん?何か言った?」

 

「べ、別になんでもないわよ!?このネタはまた今度ね。」

 

「このいじりを続けるつもりなの.....」

 

「明日、私たちと王様ゲームするわよ♪覚えておいてね。」

 

 

まじか....氷川さん、どんな命令するんだろう.....




RASを登場させるタイミングが難しいです。そろそろ登場してもらおうかなぁとは思ってます。薫さんの口調難しい.....

今回出した楽曲は

『ラストダンス』 Eve

『ドラマツルギー』 Eve
です。

もし間違っていたらご指摘お願いします。



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納豆嫌い克服同盟

パスパレ王様ゲームは次の回にしようと思います。今回はバンドリのプロフィールを見てたら思いついた回を作りました。
改めて二次創作の口調の難しさを感じています。他の作者さんの書き方には学ぶことが色々ありますね....
バンドリの驚異の帰宅部率。半分近くが帰宅部。驚きましたね。


「醤油はどこにあるのかしら?」

 

今私はお母さんからお使いを頼まれたのでスーパーで材料と調味料を買っています。食材は直ぐに見つかったのだけれど調味料がどこにあるかが分からない。どこにあるのかしら.....

 

「それにしても食材多いわね.....子供が3人いると結構大変なのね。」

 

この前ライブでファンとの握手会があったのだけれど、ファンの方から『千聖ちゃんって買い物してたり家事してたら人妻感すごいよね!!』と言われた。人妻というのがいまいち想像がつかないのだけれど.....お母さんっぽいってことかしら?兄さんもそう思って甘えてくれたらなぁ.....精一杯甘やかして日々を疲れが取れるようにしてあげたいのに.....膝枕とか添い寝とか背中流してあげるとか.......

 

「.....あったわ。意外と近くにあったのね。」

 

「あれ!?千聖先輩じゃないですか!?こんにちは!!」

 

「あら、香澄ちゃん、こんにちは。香澄ちゃんも買い物?」

 

「はい!!家で寝転んでたらあっちゃんから『お姉ちゃん暇ならお使いいってきてよ。』って言われて。でもお使いってドキドキしませんか!?」

 

「そうかしら....でも非日常みたいな雰囲気も無くはないから確かにドキドキするわね。」

 

「はい!!千聖先輩.....納豆食べられるんですか!?」

 

「これは兄さんと妹が食べるのよ。それに私は納豆嫌いだもの。」

 

「へぇ...千聖先輩も苦手な食べ物あるんですね!!私も納豆だけはダメで.....」

 

「私は食べられないというよりかは苦手で.....」

 

「あのネバネバしたところとかあんまり好きじゃないんですよね。」

 

「それは分かるわ。あとは匂いがあるところかしら?」

 

「それもです!!やっぱり苦手ですよね!!」

 

「苦手なものはあっていいのよ。」

 

「まぁそうだね、ちゃんと克服もしないとね。」

 

「それは.....って兄さん!?」

 

「お菓子買いに来たら見かけてさ.....お使い?」

 

「ええ、お母さんにお願いされたのよ。」

 

「そうか.....じゃあ2人とも、納豆嫌い、克服する?」

 

「え!?い、嫌ですよ!!」

 

「そうよ兄さん、私たち『納豆嫌い同盟』は納豆は食べないわ。」

 

「納豆嫌い同盟!?なんかかっこいいですね!!」

 

「そんな組織あるのか.....納豆は発酵食品だし、体にもいいから食べた方がいいんだけどなぁ.....それに今のうちに克服しないと、戸山さんはともかく.....千聖はバラエティとかで食べさせられることもあるかもだから少しは食べられないとね。」

 

「大丈夫よ、その仕事は断固として断るわ。」

 

「そんな自信満々に言わなくても.....」

 

「私も食べません!!」

 

「お姉ちゃん騒いだらダメだよ。」

 

「あっちゃんいつ来たの!?」

 

「お姉ちゃんをお使いに行かせてから全然帰ってこないから見に来たんだよ。お姉ちゃんもそろそろ納豆食べられるようにしないと。」

 

「じゃあ戸山さん、千聖、一旦僕達の家においで。そこで少しは食べられるようにしよう。」

 

「家でやるのね.....逃げ場が無いわ。」

 

「お姉ちゃんも一緒に行こう。(やった!!優希さんの家!!EXTRAのメンバーの私生活が見られる!!出来ればライブ衣装とか楽器も見たいなぁ.....)」

 

「うう.....こればっかりは自信ないよぅ....」

 

「じゃあ行こうか。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「さてと.....どうしようかな?」

 

「そうですね.....いきなりというのもあれですよね。」

 

「やっぱり匂いとか?」

 

「そうね、なぜ醤油や味噌はないのに納豆は匂いがあるのよ。」

 

「そう言われてもなぁ.....あんまり無理強いをさせるのも良くないし。」

 

「そうですよ!!苦手な食べ物があったっていいじゃないですか!?」

 

「お姉ちゃん、それだと将来納豆食べることになった時に苦労するよ。」

 

「うぅ.....それは恥ずかしいかも。」

 

(こういうのはしたくないんだけどなぁ.....)

 

「千聖、もし納豆嫌いを克服出来たらさ....その、何か言うこと1つ聞くよ。可能な範囲でね。」

 

「え?兄さんを好きに.....」

 

「それって私もありますか!?」

 

「まず戸山さんとは殆ど関わりが無いからお願いすることないよね?」

 

「あっちゃんに色々聞きました!!今度バンドの練習見てください!!有咲がキーボードやってるんですよ!!」

 

「有咲?あぁ.....上原さんの友達の。」

 

あの子、千聖と身長同じくらいだったのになんで小さく感じるんだろう.....子供っぽさがあるからかな.....?

 

「兄さん?今何を考えていたのかしら?」

 

「市ヶ谷さんのことを思い出してさ.....」

 

「あら?兄さんって有咲ちゃんと会ったことあるの?」

 

「うん、あるよ(クリスマス回参照).。結構毒舌だったけどね。」

 

「へぇ.....有咲ちゃんが素を見せるのね。」

 

「それはともかく.....まずは匂いから慣れようか。」

 

「そうですね、いきなり食べるのはあれですし。」

 

「あの、戸山さん(妹)って妹だよね?」

 

「明日香って呼んでください。お姉ちゃんと混ざってややこしくなるので。」

 

「ごめんね、明日香さんでいいかな?」

 

「そこら辺は自由でいいですよ、特に気にはしないので。」

 

「うん。分かったよ。ちょっと取ってくるから待ってて。」

 

 

 

 

 

 

 

「千聖先輩のお兄さんって優しそうですね!!」

 

「優しそうというよりかはライブの時以外は気が弱いのよ。」

 

「そのギャップがいいんですよ!!改めてファンになりました!!」

 

「それは兄さんに言ってあげて。そういえば明日香ちゃん?であってるかしら?たえちゃんのお兄さんもEXTRAのメンバーよ。」

 

「え?誰ですか.....?」

 

「Shoという名前でやっていたはずだけれど.......」

 

「Shoさんなんですか!?」

 

「ええ.....兄さんが来たわ。香澄ちゃん、生き残るわよ。」

 

「分かりました!!千聖先輩!!」

 

「ただの克服なのに大袈裟な.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「.....やっぱり抵抗をおぼえるわね。」

 

「そうですね.....この匂い苦手なんですよ.....」

 

「まぁ別に好きになれとは言わないからさ.....せめて食べられるくらいにはなっておかないとね。」

 

「それもそうですよね.....」

 

「でもそうね......食べられないのはさすがに子供ね。」

 

「そうですけど.....あっちゃん!!納豆っていつ食べるの!?」

 

「うーん.....例えばさ、大学に行ってサークルとかに入るとするでしょ?その時にさ、旅行とか行って朝ごはんに納豆出てきて自分だけ食べなかったら....なんか恥ずかしいでしょ?」

 

「うっ.....!!そ、それはそうだけど.....」

 

「まぁあくまで食べられる方が外に出た時になんとかなるからね.....一応チャレンジはしようよ。」

 

「.......分かりましたぁ....自信ないよぅ.....」

 

「じゃあ、食べてみようか。....2人とも箸を持たないんだね。」

 

「苦手ですからね.....これは仕方ないような。」

 

「じゃあ.....食べさせるか。明日香さんは、戸山さんをよろしくね。」

 

「分かりました。お姉ちゃん.....あーん。」

 

「あ、あっちゃん無理だよぅ.......」

 

「千聖、口開けて。あーん。」

 

(に、兄さんのあーん.....これはいけないわ、卑怯よ!!病みつきになってしまいそう.....納豆じゃなかったら。そ、それに兄さんが出してるから食べないと.....で、でも恥ずかしい!!)

 

「千聖?なんで顔を赤くしてるの?(それになんでか目線だけくる.....可愛いなぁ。)」

 

「ちょっと熱くなっただけよ。気にしないで。(間違っても兄さんが近くてドキドキしてたなんて言えないわ.......)」

 

「頑張って、千聖。」

 

「うっ.....あ、あーん.....」

 

「うん.....よく食べられました!!」ナデナデ

 

「ええ、よく、頑張ったわ............////」

 

(うん、

「お姉ちゃんもよく出来たね。」

 

「あっちゃんも頭撫でて!!」

 

「えぇ.....もう、1回だけだよ。」ナデナデ

 

「えへへ.....」

 

(私もああいう風に素直に喜べたらなぁ....)

 

(明日香さんは撫で方にコツとかあるのかなあ.....)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「またこういう機会を作らないとね。」

 

「え!?またやるんですか!?」

 

「いや、それは分からないけど....こういう風にしないと絶対に克服する機会とかって生まれそうにないし。」

 

「でも....今日はいい機会でした。YUさん、今回は聞けませんでしたけど、また今度EXTRAの話を聞かせてくださいね!!」

 

「うん、約束するよ。今度練習風景見る?」

 

「ぜ、是非!!」

 

「そう、じゃあ2人とも気をつけて帰ってね。」

 

「はい!!.....ところで千聖先輩は?」

 

「あぁ.....多分台本を読んでるんだと思うよ。次の舞台も近いからね。」

 

「お兄さんはサポートとかしてるんですか?」

 

「うん、これでも兄だからね。妹の力にもなってあげたいし....」

 

「優しいですね!!じゃあ行きます!!今日はありがとうございました!!」

 

「うん、またね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて.....何をお願いしようかしら.....」

 

「あんまりお高いのは無理だよ。」

 

「分かってるわよ.....そうね、じゃあ。」

 

「ん?何?」

 

「一旦保留ということでいいかしら?また思いついたらお願いするわ。」

 

「分かった。忘れないようにメモしておくよ。」

 

「ところで兄さん?」

 

「ん?どうしたの?」

 

「明日日菜ちゃん主催の王様ゲームがあるから、ちゃんと正装していってね♪」

 

「正装?氷川家はそんなにお金持ちなの?」

 

「そういう意味じゃなくて.....間違えてもジャージで行くってことは辞めてね.....今だってジャージだし。」

 

「あっ.....そっか。」

 

「それと.....私たちの仕事上、朝から行くから誰かに頼るのは不可能よ。.....頑張ってね♪」

 

「ちょ、千聖は助けてくれないの?」

 

「日菜ちゃんから『優希がどんな服着てくるか楽しみだから千聖ちゃんはアドバイスとかしたらダメだよ!!』って言われてるの。」

 

「.......まじか。」




たくさんの投票ありがとうございました!!
以前少し方針を変えて、優希くん側がメインの回と千聖さんがメインの回を交互に作るようにしました。
投稿日時に関しては可能な限り早くはしますが多分週三うpが限界だと思います。リアルも忙しいのでどうしても書く時間が土曜日しかないんですよね。


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パスパレ☆王様ゲーム

さてと.....いろいろ書かないとダメですね。(羽丘の文化祭もありますし.....)
バレンタインイベント、日菜ちゃんと麻弥ちゃんでしたね。どっちも可愛いと思います。ですが.....僕の狙いは星3の千聖さんですよ!!可愛いじゃないですかぁ.....ガルパPASSで2000スター貰えました。継続効果すごいですね.....


朝 氷川家にて

 

「お邪魔するわね、紗夜ちゃん。」

 

「紗夜さん、お邪魔します.....」

 

「はい、事情は日菜から大体聞きました。白鷺さんも大変ですね。」

 

「はい.....」

 

「 その服、結構似合ってますよ。白鷺さんの雰囲気に合っていると思います。」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

「では外で話すのもあれですし.....日菜の部屋まで案内しますね。入ってください。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「千聖ちゃん、優希、いらっしゃい!!!」

 

「お邪魔するわね、日菜ちゃん。」

 

「これ、一応家で食べてくれたらと思って作ってきたよ。」

 

「これは.....カップケーキ!?優希こんなの作れたの!?」

 

「レシピ見ながらだけどね.....慣れないことはやるもんじゃないね。」

 

「私も手伝ったのよ。お店に特にいいものがなかったから作ったの。」

 

「へぇ.....後でおねーちゃんと食べよっと!!.....うーん。」

 

「どうしたの?日菜ちゃん?僕何か変?」

 

「うーん.....意外と纏まっててるんって来ないよ。もっと奇抜なファッションしてくると思ったんだけどねぇ.....」

 

「僕はファッションセンスは初心者以下のレベルだけど自分に合う服は分かるよ。」

 

「それはレベルがある程度あるような.....」

 

「日菜ちゃん!!お邪魔します!!」

 

「ここがヒナさんのお家ですね!!」

 

「お、お邪魔します。」

 

「皆いらっしゃい!!!じゃあ早速やろうか!!」

 

『おー!!』

 

「皆勢いがすごいな.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「最初の王様は?」

 

「自分みたいですね。じゃあ.....2番の人が、下から人数分お水を貰って来てください。ちょっと空気が乾燥気味なので.....」

 

「2番は私ね。じゃあ行ってくるわ。紗夜ちゃんに聞けば分かるかしら?」

 

「おねーちゃんはギターの練習してるからあたしが一緒に行くよ。」

 

「お願いするわ。」

 

 

 

 

 

「そういえば優希さんってバンドやってた時にアイドルの人とかと会ったことありましたか?」

 

「アイドル.....僕、千聖以外の女性の名前はすぐ忘れるから覚えてないかな.....あっ。」

 

「だ、誰か思い出しましたか?」

 

「えっと.....翔世の大ファンみたいな人いたなぁ.....あゆみさん、だったかな。」

 

「え!?あゆみさんと会ったんですか!?」

 

「うん、僕は話してないけどね。」

 

「その翔世って人はどんな人なんですか?」

 

「花園翔世、うちのメインギターでめちゃめちゃ努力家なんだ。恐らく僕らの中じゃ一番努力してたよ。」

 

「へぇ.....でもあゆみさん、優希さんのバンドのファンだったんだ。今度、ライブに招待とかしてもらえたりとかしますか?」

 

「機会があればね。その時はもしかしたらステージから名前呼ぶこともあるよ。」

 

「えええ!?そ、それは恥ずかしいですよ....」

 

「まぁ雑談はさておき.....そろそろ続きをやらないとね。」

 

「千聖ちゃんたち戻ってきてませんよ?」

 

「あ、もうすぐ戻ってくるから。足音でなんとなく分かったよ。」

 

「そ、そうなんですか....」

 

「.......なんかごめん。下らない話をしたね。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時は進み

 

「次の王様は?」

 

「あ、あたしだ!!」

 

(ひ、日菜ちゃんどんな命令するのかな.....?)

 

 

「じゃあ、優希が1番の人に壁ドンから告白して!!キザなセリフでね!!」

 

「え?僕は名指しなの?」

 

「うん!!だってそっちの方がるんって来るじゃん♪」

 

「はぁ.....で、1番は?」

 

「わ、私よ.....」

 

「千聖か.....緊張するなぁ....」

 

「わ、私も恥ずかしいわよ.....はやくやりましょ。」

 

 

 

 

 

ドンッ

 

「.......!!」

 

「千聖.....ずっと俺の隣にいろよ。約束、だからな。」

 

「.......////」

 

((は、恥ずかしい.....けど))

 

(赤面している千聖も.....可愛いなぁ。)

 

(ちょっと強気な兄さんも.....かっこいいわね。流れもあるし.....ちょっとくらいいいわよね.....?)

 

ガシッ

 

「え?千聖?」

 

「兄さん.....いえ、優希。私にその誓いの口付けを.....して.....」

 

(千聖.....本気だ。これは僕も.....応えないといけないのかな.....)

 

 

「うんうん!!いいね!!」

 

「契約を形にする.....ブシドーの精神ですね!!」

 

「あ、あわわ......」

 

 

「だ、だめだよぉぉぉぉ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

「彩ちゃん止めなくても良かったのにぃ.....」

 

「だ、だって目の前であんなこと始めたら止めるよ!!」

 

「千聖さんも本気でしたね。急に大胆になってましたし。」

 

(家のノリでやったのかな.....これは反省しないと、千聖の迷惑にもなるし。)

 

(に、兄さんの顔があんな近くに.....吐息も伝わった。.....しばらくは落ち着けそうにないわね.....)

 

「でもさすがチサトさん、こういうことにも手を抜かないのは素晴らしいです!!」

 

「じゃあ続きやるけど.....千聖ちゃんいける?」

 

「え、えぇ.....いけるわよ。」

 

「僕も一応.....」

 

「じゃあ、続行!!」

 

 

 

 

 

 

「次は私ね。」

 

「ち、千聖ちゃんが王様....」

 

「彩ちゃん?どうかしたのかしら?」

 

「い、いえ.....何も。」

 

「ねぇ日菜ちゃん、千聖ってあんな感じなの?」

 

「あれは彩ちゃんをからかってるんだよ。彩ちゃんよくとちるからねぇ.....でも面白いよ!!」

 

「全然嬉しくないし、聞こえてるよ!!」

 

「僕もテレビで少し見たけど.....あれは確かに愛されると思うよ。」

 

「で、でも噛むのは直したいかな.....」

 

「MCとか大丈夫なの?」

 

「彩ちゃん、MCやったら大体噛むよ。」

 

「まぁ経験積まないと緊張するよね.....」

 

「うぅ.....その優しさが辛い。」

 

「ところで千聖さんは何を命令するんですか?」

 

「じゃあ.....4番の人が5番の人に秘密を暴露してちょうだい。」

 

「5番は僕だけど.....4番は?」

 

というかさっきから僕が当たる確率高すぎじゃないかな?今のところ100%だよ。

 

「よ、4番は自分です.....」

 

「大和さん、話せる秘密ある?」

 

「あ、あるにはあるんですが.....は、恥ずかしくて.....」

 

「まぁ.....話せる範囲でいいよ。」

 

「でしたら....この前ファンの人と会ったのですが.....」

 

「ですが?」

 

「その時.....うっかりいつもの癖で『ふへへっ』って言っちゃって.....ファンの人は喜んでくれたのですがとても恥ずかしくて.....」

 

「それってアイドルとして恥ずかしいってこと?」

 

「はい.....そうなんです。」

 

「で、でも麻弥ちゃんの個性を間近で見ることが出来たからファンの人はきっと嬉しく思ってくれてるから気にする必要ないよ!!」

 

「そうね、ファンの人からしたら100%の対応をして貰えたのだからそこまで恥ずかしがる必要は無いわよ。でも癖が出てしまうのは確かに危ないわね.....」

 

「そうなんですよ!!だから恥ずかしかったんです!!」

 

「でも、それも麻弥ちゃんの個性だし.....あたしは良いと思うけどなぁ.....仰々しいよりかはずっとるんってくるし。」

 

「で、でも.....」

 

「なら両方使えればいいです!!そうすれば、マヤさんは二刀流、無敵ですね!!」

 

「じゃあ.....頑張ってみます。」

 

「じゃあお悩み相談みたいなのも終わったし.....続きをやろうか。あとどれくらいやる?」

 

「全員が1回は王様になるまではやろうよ!!」

 

「そうだね.....次の王様は?」

 

「私だ!!じゃあ.....」

 

(彩ちゃん、どんなお願いをするのかしら.....?)

 

「優希さん!!今日の収録で噛まなかったら服買ってください!!」

 

「.....え!?また指名!?」

 

「えっと.....その、頑張った自分にご褒美を、というか.....」

 

「素直に兄さんと出かけた『千聖ちゃん!?ストップ!!』?」

 

(そんなの、恥ずかしくて面と向かって言えないよ.....それに変な誤解を生むよ!!)

 

(.....彩ちゃん?兄さんに惚れた要素なんかあった?)

 

(惚れたとかじゃなくて.....いや、.今度イヴちゃんと一緒にモデルの仕事やることになって自分らしさがテーマで、それで優希さんに見て欲しいなって。やっぱり異性の意見とか欲しいし、気軽に聞けるのが優希さんくらいしかいないから.....)

 

(そういうことね.....ならいいわ。)

 

「いいけど....あんまり買いすぎるのは辞めてね.....20万とかは。」

 

「そ、そんなに買いませんよ!!」

 

「というか20万も使えるんですか!?」

 

「僕って一応週5でバイトしてるし、よく1人でレジやらされることがあるから時給とかそれなりにくれるし、千聖にプレゼントとか買う時以外お金なんて使わないから。」

 

「大学のご友人さん達とご飯とか遊びにいくとかはないんですか?」

 

「僕、高校の時は豪達と絡んでたから目立ってたけど、バンドやってる人がいないし僕基本的にずっと本読んでるから皆話しかけてこないんだ。」

 

「なんか.....すみません。」

 

「気にすることないよ。僕が話しかけれればいいんだけどね.....」

 

「じゃあ続きをしましょ。次の王様は....」

 

 

「ねぇ千聖ちゃん、もうお昼だしご飯食べない?」

 

「お昼.....もうそんな時間なのね。じゃあこれを最後にして一旦区切りましょ。」

 

「次の王様は....またあたしじゃん!!」

 

「日菜ちゃん、運がいいわね。」

 

「じゃあじゃあ優希!!」

 

「もう番号が意味を成してないよ.....」

 

「今日の番組に参加してね!!」

 

「.......え?」

 

「そこでイヴちゃんのお願い聞いてあげてね!!」

 

「いや、どういうこと.....?」

 

「テレビに出演し終わったら全てが分かるわ。」




誤字修正ありがとうございました。最近あまり投稿出来ていないのが本当に申し訳ないです.....リクエストとかあったら下さいね。感想とか評価も欲しいです。ぐだってしまったかなぁ...


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テレビ!?テレビだよ!!

最近はあんまりテレビ見なくなりましたね.....何かと習い事とか仕事やらで時間が無くなりますし。とあるアニメ番組もそれを理由に放送を休日の夕方に変えてましたね。少し、短い.....です。


テレビに出る....?

 

「え?どういうこと?」

 

「じゃあ行こう!!ゴーゴー!!」

 

「ちょっと!?どこ連れていくのさ!!」

 

 

 

 

 

「日菜ちゃん、上手くやったわね。」

 

「うん、でもバレなくて良かったぁ.....」

 

「彩ちゃんはテレビってこと忘れてたんじゃないかしら?」

 

「うっ!!そ、それは....ゲームに集中してたからついつい隠しカメラがあるのを忘れてたよ。」

 

「でも!!そっちのアヤさんの方が自然でしたよ!!」

 

「そうですね、ジブンもバレないか不安でした。」

 

「じゃあ行きましょうか.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ところで日菜ちゃん?何するの?」

 

「『パスパレの日常』っていうのを撮っててさ、それをする為に王様ゲームをしたんだ!!」

 

 

「いや、僕はなぜ.....?」

 

「優希がいた方がるんっ♪ってするかなって.....それに優希にはちゃんとした役割もあるし!!」

 

「それは何?」

 

「イヴちゃんにキーボードを教えて、ある課題をクリアしてもらうの!!」

 

「え?それプロの人呼ぼうよ。そっちの方が絶対にいいってば。」

 

「それが番組の条件でさー、知り合いでっていう縛りがあったんだ。最初はつぐちゃんに頼もうとしたんだけど『て、テレビ!?私絶対に無理!!』って断ったんだ。」

 

「じゃあ僕m『優希に拒否権は無いよ。だって千聖ちゃんが許可したし。』(´・ω・`)」

 

逃げ場なしじゃん.....僕目立つのは嫌いなのに。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

司会「えっと....この人がゲストさんなんですね?」

 

「うん、そうだよ!!」

 

「白鷺優希です。よろしくお願いします。」

 

司会「それじゃあ早速課題を見せましょう!!これです!!」

 

課題

 

2時間以内にある曲のサビを覚えて表現する。その際、今までのライブにおける『若宮イヴ』とは別物の感じを出す。

 

 

「.....は?何この課題.....」

 

司会「ではやっていただきましょう!!」

 

ちょっと待って!!これどう見たっておかしいよね!?僕である必要皆無じゃん!!

 

 

 

 

 

別室にて

 

「じゃあよろしくね.....若宮さん。」

 

「はい!!よろしくお願いします!!ユーキさん!!」

 

「それで課題曲って何?」

 

「えっと.....『淡恋』っていう曲です!!」

 

「それ僕らの曲じゃん!!しかもサビ長いよ.....」

 

「でも課題は乗り越えてみせます!!それこそブシドーです!!」

 

「分かった.....教えるから頑張って覚えてね。耳コピで行く?それとも横で教えようか?」

 

「じゃあ横でお願いします!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スタジオ

 

「イヴちゃん頑張ってるね!!.....千聖ちゃん?」

 

「それにしても距離が近いわね。」

 

「いいなー、あたしもおねーちゃんとああいうのやりたい!!」

 

「でも淡恋ってどういう曲なんですか?」

 

「あれは兄さんが中心に作ったラブソングみたいなものよ。曲調は落ち着いていて....女性のファンがライブで何度も声を上げた曲よ。」

 

「す、すごいね.....でも何でこの曲?」

 

「さぁ.....分からないわ。でも日菜ちゃんもよく考えたわね。」

 

「でしょでしょ!?こういうの1回やって見たかったんだ!!それに優希もどうするか気になるしね!!」

 

「優希さんが楽器を弾くところは初めて.....かな。」

 

「兄さんはかっこいいわよ。少し気が弱いかもしれないけどあのEXTRA、個性だらけのバンドの集団でいつもみんなを支え続けたのよ。これくらいならやってくれるわ。」

 

「そうですね....ライブ、1度見たことありましたけど優希さんが土台みたいな感じがしましたね。」

 

「でも羨ましいわ。私も次はこういう課題を課されたいわ。」

 

「でもさっき一緒に王様ゲームしたじゃん!!」

 

「それはそれ、これはこれよ。それにパスパレで成長した私も見て欲しいし。」

 

「でも千聖さんのライブは見たことあるんじゃないですか?」

 

「それが無いのよ.....生で見たことは。兄さん、驚く程に運が悪いからまずライブチケットの抽選に当たらないのよ。」

 

「じゃあ今度、招待してあげようよ!!」

 

「お願いするわ、彩ちゃん、日菜ちゃん。」

 

「どうしてあたし達なの?」

 

「私がその話をすると事務所の方が反対するのよ。でも彩ちゃんや日菜ちゃんみたいな行動力を持った人なら通せるかもしれないもの。」

 

「反対されるの?」

 

「ええ、兄さんというか兄さんのバンドは1回うちの事務所に喧嘩を売ったから。」

 

「じ、事務所に喧嘩.....す、凄いね。」

 

司会「ところであの白鷺優希さんという人はどんな人なんですか?」

 

「優しいお兄さんです♪」

 

「そうね、兄として尊敬できる人間です。私も色々大事なことを教えてくれましたから。」

 

「男の子の中ではとてもるんっ♪ってする人だよ!!」

 

「そうですね、自分も大人しいですが声をかけて下さいますし、優しい人ですよ。」

 

司会「信頼されてますねー。では練習はどんな感じになっているのでしょうか!?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「もう少し落ち着いて.....」

 

「は、はい.....」

 

「そう、その調子、少し遅めに.....」

 

「む、難しいですね.....」

 

「長いからね。でも覚えはいいよ。この調子なら10分くらいは猶予ができるんじゃないかな。」

 

「でもさっき聴かせてくれたのとはまだ遠いです。何が足りないんでしょうか.....」

 

「やってる間に分かるよ。じゃあ続けようか.....」

 

 

 

 

 

 

1時間40分後

 

「.....出来ました!!」

 

「うん、今のなら皆を納得させられるよ。よく頑張ったね。」

 

「はい!!ですが.....まだ何か足りないんです。」

 

「何か足りない....?」

 

「はい。でも何かが分からなくて.....」

 

「.....アドバイス、いる?」

 

コクッ

 

「うん、じゃあ教えようか.....多分それは君の知らない分野だからだよ。」

 

「知らない.....?」

 

「僕の知る限り君は『もういちど ルミナス』くらいしか普段の曲調と違ったものをやったことないでしょ?いや、『Stay Alive』と『奏』もかな?だから普段とは違う感じでやらないとだめだってこと。今君がやるべきは『お客さんを楽しませるアイドル、若宮イヴ』じゃなくて『自分の世界に引き込む若宮イヴ』でらなければいけないんだ。この曲は僕達みたいな学生の淡い一部分を想像して作ったんだ。だからさ、君が描く世界にみんなを連れていくんだ.....そういうつもりで弾いたらいいんじゃないかな?大丈夫だよ、僕の主観混じるけど.....色々な側面を求められるモデルの君なら出来ると思うよ。頑張って。僕がついてるから。」

 

「.....はい!!頑張ってきます!!見ていてくださいね!!」

 

「うん、頑張ってね。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

司会「イヴちゃん、弾く前だけど緊張してる?」

 

「いいえ!!今は早く演奏したくてドキドキしています!!」

 

司会「随分と自信があるね!!それではやってもらいましょう!!」

 

 

(演奏中)

 

「す、すごい。イヴちゃんの雰囲気が変わってる....」

 

「なんかシュワーンって感じだよね?」

 

「え?そ、そうなんですか.....でも、普段のステージのイヴさんとは少し違いますね....」

 

(イヴちゃんに新たな一面を生ませた.....兄さん、やるじゃない。でも、それなら私がやりたかったなぁ.....兄さんと二人きり、2時間も一緒のことができる。.....イヴちゃんが羨ましいわ。)

 

 

「あ、ありがとうございました!!」

 

『わぁぁぁぁぁぁ!!!!』

 

 

「これは課題クリア....でいいかしら?」

 

司会『そうですね。文句なしのクリアです!!』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

帰り道

 

「兄さん、お疲れ様。」

 

「本当に疲れたよ。まさか朝から撮られてたり、いきなり番組に無茶ぶりされるし.....」

 

「ふふっ、これで少しは私の苦労も分かってくれたかしら?」

 

「身に染みて分かったよ。」

 

「だから家では甘えさせてね♪夜の相手をしてくれてもいいのよ♪」

 

「なんか危ない匂いがするから辞めておくよ.....でもそうだね。甘えたかったらいつでもおいで。前から言ってるけどね.....」

 

「ふふっ、今日は素直ね。じゃあ早速.....」

 

「腕にくっつかれると歩きにくいんだけど.....まぁいいか。特別だからな。こういうの外でやると色々とやばそうだし.....」

 

「その時は説明すればいいだけよ。」

 

「それもそうか.....」

 

「あ、そういえば兄さん。」

 

「ん?どうしたの?」

 

「今日テレビに出たから.....これから度々オファーが来る可能性があるわよ。演奏とか私たちの出てる番組で役をやらされたりとか....」

 

「うっ.....出来れば来ないで欲しいなぁ....千聖と何かするやつならウェルカムだけど。」




そろそろ高校の私立入試ですかね.....受験生の人が読んでるかは分かりませんが頑張ってください。息抜き程度にこの二次創作を読んで頂ければ幸いです。(というか息抜きは絶対にしましょうね。運動とか。)

誤字脱字、評価、感想お願いします!!


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少女たちのバレンタイン

バレンタインですね。あちらこちらでカップルがうようよいます。でも知ってます?バレンタインでチョコレート渡す習慣あるの日本くらいですよ?まぁこの理由は、サンタクロースが赤いのと少し似てます。(あれは世界共通みたいなところありますけど....)


「さて、始めましょう。」

 

「おおー!!」

 

「そういえば薫は来てないの?」

 

「薫は自分の分を貰うのが忙しいからというのと、もし薫から貰うと羽丘の薫ファンから色々恨まれるから心配だ、って薫が言ってたのよ。」

 

「そっか、薫凄いもんね.....」

 

「リサ....私は料理出来ないのよ。」

 

「じゃあ友希那は今まで優希にあげたことなかったの?」

 

「いつもは.....といっても2回だけだけれど、市販のものを選んでいたの.....先輩に不味いものは食べさせたくないから。愛情を注げなかったのは本当に悔しかったわ。」

 

「でも....優希さんってどんなのが好きなのかな?」

 

「うーん、まずチョコいけるのかな?」

 

今ここに集まっているのは、私、友希那ちゃん、リサちゃん、彩ちゃん、ひまりちゃん。かなり女子力が高くて、兄さんにお世話になった人が集まっている。そして私がいるのは....

 

 

「じゃあ始めるわよ『白鷺優希セミナー』、これで兄さんを知ってね。」

 

「私はある程度知っているわ。」

 

そう、リサちゃん達に作り方を教えてもらうことと、私が兄さんの情報を教えることで契約が成立した。リサちゃん達にも兄さんの魅力は知っていて欲しい......

 

「まずは端的にね、白鷺優希(しらさぎゆうき)、大学生で高校時代はバンド『EXTRA』のメインキーボードを務めていたわ。スペックはある意味私とは反対で、運動は出来る方で、子供っぽさがどこかあるの。それが母性をくすぐるから可愛いのだけれど.....基本的には子供舌なのだけれど.....チョコレートは苦手なの。食べられないわけではないのだけれど.....」

 

「え!?じゃあ千聖ちゃんは今まで何をあげていたの?」

 

「基本的にはお菓子よ、クッキーとか。さっきも言った通り兄さんは子供舌だからお菓子は基本的に全部好きよ。でも友希那ちゃんと同じでお菓子作りは苦手だから、気持ちは込めたいから毎年手作りはあげているのだけれど.....とても申し訳ないレベルなの。」

 

「仕方ないよ!!お菓子作りとかはやっぱり経験がものを言うし。私も慣れるまでは苦労したなぁ.....」

 

「じゃあどんなのをあげようかな.....リサ先輩、どんなの作りますか?」

 

「うーん.....クッキーでもいいんだけどそれだと特別さが無くなるし.....どうしようかな?」

 

「じゃあ皆違うものを作るのはどうかな!?それだったら優希さんも色々な味を楽しめるし.....それぞれ想いを込めて!!」

 

「それいいじゃん!!」

 

「チョコが苦手ってビターが苦手とかそういうのじゃなくてチョコ全般が嫌いなの?」

 

「そうね.....甘いのならまだいけると思うわ。兄さん曰く、小学生の時に食べたチョコレートが苦くて無理ってところからチョコレートが嫌いになったって言ってたし.....」

 

「ならホワイトチョコならいけるかも.....あたしはそれでいこうかな?」

 

「リサ先輩がホワイトチョコなら.....私はいちごチョコでいきます!!あれならチョコレートの抵抗も少なそうですし!!」

 

「友希那はどうする...?」

 

「そうね...私は手の込んだことは向かないからシンプルにクッキーを作りたいわ。リサ、手伝ってちょうだい。」

 

「勿論♪でも友希那も頑張るんだよ。」

 

「勿論よ、手を抜くつもりは無いわ。」

 

「凄いわね.....ステージと同じ気迫ね。」

 

「千聖ちゃんはどうするつもりなの?」

 

「私は.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

現在、私たちはそれぞれの家で作業をしている。私と彩ちゃんは彩ちゃんの家、リサちゃんと友希那ちゃんはリサちゃんの家、ひまりちゃんはつぐみちゃんと一緒に作ってるらしい.....つぐみちゃんはお父さんへの日々のお礼として作ってるらしい。本当にちゃんとしてるわね。私たちは一応グループ通話をすることでもし分からない時に意見交換出来るようにしてある.....大丈夫よね?

 

「友希那、大丈....って、なんでお湯にバター溶かしてるの!?」

 

「あら?湯煎とはこういうものじゃないの?」

 

「お湯に溶かすんじゃなくて、お湯で溶かすんだよ。それだとバター水だよ.....」

 

「そうなの.....でもお湯に付けずにどうやって溶かすの?」

 

「溶かすというよりかは柔らかくするの方が適切かなぁ.....えっと....こうやってボウルをお湯の入ったボウルに入れるでしょ....それで....」

 

「なるほど、そうやってやるのね。分かったわ。」

 

「また分からなかったら聞いてねー。」

 

「友希那、心配だなぁ.....」

 

「でも友希那さんってこういうのにも手を抜かなそうだから大丈夫だと思いますよ!!」

 

「でも心配でさ.....ひまりはどこまで進んでるの?」

 

「結構順調ですよ!!今コーティングチョコレートでいちごをコーティング出来たから、完成はもうすぐですよ!!」

 

「へー、ところでつぐみは何作ってるの?」

 

「つぐはチョコレートケーキを作ってますよ!!すごい張り切ってますよ!!」

 

「ひまりちゃん!!恥ずかしいよ.....」

 

「すごく手が込んでいるわね、感心するわ。」

 

「そうですか?ありがとうございます!!でもお父さんを美味しいって言わせたいので頑張らないと.....」

 

「ふふふっ、つぐみちゃんのお父さんもきっと幸せね。でもやっぱり難しいわね.....泡の状態がどれくらいならいいのかしら?」

 

「まだじゃないかな?もう少し待ったら多分いい感じになると思うよ!!でも別にそこまで問題じゃないよ。千聖ちゃん、練習したことあるの?」

 

「いえ、前にリサちゃんに教えてもらっただけよ。だから自分の感覚がいいかどうかが分からないの。彩ちゃんのサポートには感謝しているわ。」

 

「ち、千聖ちゃんに褒められた!!えへへ....」

 

(彩ちゃんは本当にこういう場面でも活躍出来るのね.....私も負けていられないわ。)

 

「そういえば友希那ちゃんと兄さんってどういう出会い方をしたの?」

 

「あたしもそれ、気になるなー。優希ってそんなに積極的じゃなさそうだし。」

 

「確かに.....どんな感じだったの?」

 

「そうね.....教えてあげるわ。あれはRoseliaを組むよりもかなり前の話なのだけれど.....」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「......こんな感じかな。」

 

(この時間に1人で練習....?技術的にはあまり褒められるレベルではないけれど.....打ち込んでいるのが分かるわ。)

 

「....あっ!!時間じゃん!!早く出ないと....わぁ!!」

 

「....何かしら?」

 

「ご、ごめんなさい!!だからせめて延滞料金だけは勘弁してください....」

 

「延滞料金?なんの話かしら?」

 

「.....え?次ここを使う人ですよね....?」

 

「ええ、そうよ。もう少しさっきの続きを聞かせてくれるかしら?」

 

「続き.....下手だけどいいんですか?」

 

「構わないわ。色々言いたいこともあるし.....」

 

「じゃ、じゃあ.....」

 

(.....あれ?何かしら、この感じ.....)

 

「ど、どうですか.....?」

 

「あなた.....さっきのぎこちなさが嘘のような演奏をするわね。」

 

「え?そうですか?ただ単に間違えたところを直そうとしただけなんだけど....」

 

「それでも全体のミスを1発で直すのはかなりすごい事よ。あなたは...?」

 

「僕は白鷺優希.....君は?」

 

「私は湊友希那。1部では孤高の歌姫なんて呼ばれているわ。」

 

「孤高の歌姫.....ごめん、聞いたことないよ。」

 

「別に構わないわ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「.....え!?最初は友希那の方が立場が上だったの!?」

 

「それは意外だわ。てっきり最初から兄さんが上にいたと思っていたわ.....。」

 

「でも友希那さんって白鷺先輩には弱いって以前あこちゃんが言ってたのは....?」

 

「それも聞きたいの.....?」

 

「うんうん!!すごく気になる!!」

 

「あの後ライブハウスで何度か先輩のライブを見たの。その時かしら....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「よっしゃあああ!!いくぞぉぉぉ!!」

 

(このバンド.....いっけんふざけた雰囲気でやっているけれど.....技術は確か。とくにあのキーボード....前にあった白鷺さん?に似ているわね.....一度話してみたくなるメンバーね。)

 

 

 

 

 

 

「ん?どうした、紅蓮。」

 

「いや、お前たちに会いたいという女の子が来たからどうするかって.....孤高の歌姫だぞ。」

 

「孤高の歌姫?何だそりゃ?」

 

「聞いたことないね。サクサク」

 

「あれだろ?歌唱力がめっちゃ高い人だろ?有名だぜ。」

 

「俺とどっちが上だ!?」

 

「間違いなくあっちだな。」

 

(´・ω・`)

 

「とりあえず通そう.....追い返すのも可哀想だし。」

 

 

 

 

「失礼するわ.....あなた達の今回のライブ、練習時間はどれくらいだったの?」

 

「練習時間?.....どれくらいだ?」

 

「さぁ.....軽く4ヶ月近くはやったと思うよ。なにせ8曲もやることになったんだし。」

 

「なるほど.....。!!あなた、ここのバンドにいたのね。」

 

「うん、久しぶり.....」

 

「え!?優希お前知り合いだったのか!?」

 

「そうみたい.....ねえねえ

 

「何かしら....?」

 

「唐突で申し訳ないんだけど....一緒にバンド、やらない?」

 

「え!?俺クビになるの!?」

 

「違うよ....ツインボーカル?っていうのやってみたいし....何より。」

 

「.....何かしら?」

 

「以前に練習した時あったでしょ?その時さ.....声が悲しそうだなって。1人でやろうが皆でやろうがそれは個人の自由だから一概にとっちが良いかなんていうことは決められないけど.....君は誰かと一緒にやったほうが絶対にいいと思うんだ。」

 

「....そんな曖昧な理由で私を誘うの?」

 

「言われてるな、優希。」

 

「うっ.....じゃあ君は何故孤高の歌姫としてライブをしてるの?」

 

「.....あなた達には関係ないでしょ。」

 

「1人で閉ざしたら誰も開けてくれないよ。」

 

「.....え?」

 

「君のことを見るに何か復讐というか.....何か感情にかられてるように見えるんだ。その気持ちが君である為に必要かもしれない。だから一度、一度でいいからそれを抜きにしてライブしてみない?本気だけど楽しい.....歌うことだけに集中できることを.....」

 

「.....あなたはおかしなことを言うわね。でもあなた達と私は釣り合わないわ。」

 

「だったら釣り合えばいいんだね?」

 

「そう.....え?」

 

「歌姫さんよ、俺たちがそんな不釣り合いって理由だけで折れるとは思わない方がいいぜ。こいつら、そう言われたら追いついて追い抜くまで必死こいて練習するからな。」

 

「豪はもう少し技術を身につけなよ。」

 

「うっ.....うるせ!!今いいこといっていい感じにしたところだろうが!!」

 

「うるさい、黙って。サクサク」

 

「.....なんか悪い。」

 

(歌うことだけ....どういうことかしら....?私はいつも歌うことだけに集中してるというのに.....)

 

 

「分からないなら、一緒にやろうよ。そしたら何か見えてくるよ。」

 

「分かったわ.....一度試すわ。それで合わなかったら.....抜けさせてもらうわ。」

 

「勿論、それは自由にどうぞ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ということがあって、先輩のバンドに仮加入したの。」

 

「優希らしいなー。でも友希那に手を差し伸べたのは凄いよね...。」

 

「あの時あの経験をしたから....リサやみんなの言葉を受け止められたのだと思うわ。でもそれと同時にあのレベルにしないとって必死になって結局前と同じだったわ.....それにリサは私のことをずっと隣で支えてくれているのよ。何も考える必要は無いわ。私にはあなたが必要なの。」

 

「友希那.....」

 

「それで、その後は?」

 

「あの後、今のRoseliaとは違って先輩たちは練習して.....私が許せるレベルになって.....超えていったの。私の歌で引っ張るはずが先輩たちの演奏で輝かされたのだから....白鷺さんは分かるでしょ?」

 

「ええ、豪さんとのツインボーカルは凄かったわ。会場の人がライブが終わっても席を離れなかったのだから。」

 

「その後、私はまた自分の歌を磨くためにグループを抜けたの.....そしてリサ達と組むことになったの。」

 

「そんなことがあったんだぁ.....そろそろ時間だね。友希那、味見してみて♪」

 

「ええ.....美味しいわ。これを本当に私が作ったの?」

 

「あたしも手伝ったけど.....友希那が殆ど自分でやったから胸張っていいよ!!」

 

「リサ.....やったわ!!」ニギッ

 

「うんうん!!よく頑張ったね!!」

 

「私たちも.....そろそろかしら。」

 

「うん!!千聖ちゃん、味見してみよう!!」

 

「ええ.....いい出来ね。これなら兄さんも....」

 

「じゃあ皆出来たみたいだし、渡しにいこう!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「えっと....どうしたの?千聖、それにみんなも.....」

 

「兄さん.....今日が何の日か分かる?」

 

「今日.....あぁ、ふんどしの日でしょ?」

 

「合ってるけど違うわよ.....ふんどしであると同時にバレンタインよ。」

 

「というわけで皆で作ったんだ!!」

 

「じゃあまずはあたしと友希那から....あたしたちの気持ち、込めて作ったよ♪美味しく食べてね!!」

 

「先輩.....今回はリサの手伝いがあったとはいえちゃんと自力で作ったわ.....受け取ってくれるかしら.....?」

 

「うん....ありがとう。ホワイトチョコとクッキーか.....ありがたく頂くよ。」

 

「次は私がいきます!!白鷺先輩、ハッピーバレンタイン!!これ、いちごチョコです!!チョコが苦手でも美味しく食べられると思いますよ!!どうぞ、私の気持ちです!!」

 

「うん.....こんなチョコもあるんだ....初めて見たよ。」

 

「また食べたら感想下さいね!!」

 

「うん、約束するよ。」

 

「次は私と彩ちゃんね....」

 

「じゃあ私から。優希さん、いつもお世話になってます!!その感謝とこれからもよろしくってことで....どうぞ!!」

 

「これは?」

 

「ブラウニーっていうんですよ。聞いたことないですか?」

 

「名前は聞いたことあるけど.....こんなんだったんだ。」

 

「はい!!結構自信作なんです!!だからおいしいと思いますよ!!チョコレート多めですけど.....」

 

「食べてみないことには分からないからね.....ありがとう。」

 

「最後は私ね.....あれ?皆どこに.....?」

 

「皆、グッジョブみたいなことして帰っていったよ。何でだろ?」

 

 

 

一方裏側

 

「やっぱり千聖は優希と1対1で渡さないとねー。」

 

「良かった....千聖ちゃんには申し訳ないけどこっちの方が優希さん喜ぶだろうし....」

 

「千聖さんも想いを伝えられそうですしね!!」

 

「しっ、静かに.....」

 

 

 

 

 

「兄さん.....いつもありがとう。私を1人の人間として見てくれて....そして私の我儘も聞いてくれて....兄さんのことは大切に思っているのよ。とても大切に.....これは私の気持ちを形にした、と言えばいいのかしら....?兄さんのチョコレート嫌いは知っていたけど許してちょうだい....はい...///」

 

そして私は....ハート型のチョコレートとキャンディを渡した。キャンディは彩ちゃんに教えてもらって作った.....やっぱりこうやって正面から気持ちを伝えるのは.....役でもない限り緊張するわね。

 

 

「千聖.....ありがとう!!嬉しいよ.....ちゃんと食べるからね.....」

 

「ええ、みんなの分もちゃんと食べてね。」

 

「勿論だよ.....こんなに気持ちのこもったものを渡してもらえるのは嬉しいよ.....それに千聖、このキャンディ.....」

 

「兄さん、小さい頃から好きだったでしょ?だから作ったのよ。結構自信をもって勧められるわ。」

 

「本当にありがとう.....」

 

「何泣いているのよ.....こっちも安心して涙が出てくるわ.....。」

 

ありがとう.....兄さん。これからも私のことをだいじにしてね.....

 




全員分書ければ良かったのですが.....小説の進み具合を考慮した時に親しいメンバーに限定した方がいいかなと思い書きました。(EXTRAもまだ全員妹が判明していないので書けませんでした.....)
リサさんはアプリでは紗夜さんと共同制作して自信作と言っていましたが、この二次創作では友希那さんと作ってもらいました。悪しからず。


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千聖のスポーツ体験

DJってあれどうやってるんですか.....?着ぐるみ着たままやる美咲もすごいなと思います...。RASもそろそろ登場してもらおうかな。千聖さんの人脈の広さには本当に感心します。


仕事後

 

「日菜ちゃんは紗夜ちゃんを誘う時、どういう風にしてるの?」

 

「うーん、おねーちゃんを誘う理由は沢山あるからいつも『おねーちゃん、一緒に!!』みたいな感じだよ。最近は一緒にすることも増えたし嬉しいよ!!」

 

「誘う理由が沢山なのは羨ましいわね。」

 

「そうかなー?でも優希って誘ったらやってくれるからいいじゃん。そっちの方がるんっ♪って来るし。」

 

「ほら、私は運動が苦手だから.....」

 

「そっか、千聖ちゃん運動得意じゃなかったっけ?」

 

「ええ、おかげでそのジャンルで兄さんを誘えないのよ...。」

 

「だったら何か始めたら?」

 

「そうね.....何がいいかしら?」

 

「うーん.....じゃあテニスは?」

 

「テニス?」

 

「うん、前におねーちゃんもやったって話してたし、美咲ちゃんやひまりちゃん、リサちーもやってるし。それに体力もいりそうだから。」

 

「テニス...やってみるわ。(でも誰を誘おうかしら?)」

 

「じゃあ今度の週末に皆でやろうよ!!あたし、おねーちゃんと一緒に行くから!!じゃあね!!」

 

「ちょっと日菜ちゃん.....行ったわね。でもどうしようかしら....?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

週末

 

「やっほー!!」

 

「すみません.....また日菜がご迷惑を...」

 

「気にしないで、今回は私からお願いしたことだから。」

 

「そうでしたか、奥沢さんも一緒に来たのですか?」

 

「はい、というか先日帰り際に日菜さんとばったり会って流れで決まったというか.....こころで慣れているのでいいんですけど.....」

 

「それはすみません.....日菜には後でちゃんと言っておきます。」

 

「そこまで気にしてないんですけどね....」

 

「じゃあ行こうよ!!」

 

「えっと.....私は何をすれば?」

 

「あたしはテニス初心者だから.....教えてくれるかしら?」

 

「それなら.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

テニス場

 

「じゃあ始めましょうか.....千聖さん、こう握った方が力入りやすいですよ。あ、でも不慣れなら最初はボールを打つ感覚から覚えた方がいいのでイースタングリップの方をお勧めします。」

 

「ラケットの持ち方って何種類くらいあるの?」

 

「そうですね、主流の持ち方は4種類くらいですよ。でもやっていくうちに自分に合う握り方はみつかると思います。」

 

「へぇ...詳しいわね。」

 

「あたしも用語に関しては最近知りましたよ。先輩からはこうとしか教えられてなかったので。」

 

「それにしても.....なんで私のウェアのスカートがこんなに短いの...?」

 

そう、それだけは本当に気がかりで、どうしてここが貸してくれるウェアはスカートしかないの!?美咲ちゃんは違和感ないけど、私は恥ずかしい!!こんなのを兄さんに見られたら.....多分生きていけないわ。紗夜ちゃんもとても気にしてたし.....日菜ちゃんは『おねーちゃんとお揃い!!』って嬉しそうだったわね.....。それに今私と紗夜ちゃんは髪を結んでいるから、余計に肌の露出面積が多い。この情報、誰得なのかしら.....?

 

「そうですか?ウェアならそれくらいですよ、私も長さはそれくらいですし。それにこれしかここは置いてないみたいですしね.....現に紗夜先輩や日菜さんも着てますね。」

 

「紗夜ちゃんも着る時に『風紀委員の私がこんな短いのを履いたら.....』とか言ってたわよ。美咲ちゃんは自前?」

 

「はい、一応テニス部ですから。じゃあ喋ってるだけでもあれですし早速ラリーから始めませんか?」

 

「それもそうね...初心者だから下手かもしれないけどお願いします。」

 

「そんなに畏まらなくてもいいですよ。私後輩ですし。」

 

「後輩だからといって教えてくれる人には敬意を払わないわけにはいかないのよ。」

 

「そうですか.....じゃあゆっくりやりましょう。隣のコートほど本気じゃなくていいですよ。」

 

「.....え?」

 

「日菜、やはり凄いわね。」

 

「おねーちゃんも凄いよ!!今でラリー何往復だっけ?」

 

「さぁ、もう40往復くらいはしてるわよ。」

 

 

 

「す、凄いわね.....」

 

「紗夜先輩に関しては以前やった時にぼろ負けしました。やっぱりあの姉妹凄いですよね...。」

 

「千聖ちゃん、後でダブルスやろうよ!!おねーちゃん&あたしvs千聖ちゃん&美咲ちゃんで!!」

 

「それだと明らかに実力が固まってますよ。以前紗夜先輩にぼろ負けしたので初心者の千聖さんと私じゃ話になりませんよ。」

 

「えー?別に勝ち負けは気にしないのに....」

 

「日菜、ならお互いぐっぱで分かれましょう。そうすれば片方に実力が固まるということもないでしょうし。」

 

「うーん、おねーちゃんが言うならそうする!!お別れ.....」

 

「じゃあ私たちもやりましょうか。」

 

「緊張しかしないわ....」

 

「日菜さんも勝ち負けは気にしないと言ってますし、楽しくやりましょうよ。」

 

「それもそうね.....(この3人とやったら体力つきそうね.....)」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「じゃあ始めよう!!」

 

「白鷺さん、よろしくお願いします。」

 

「ええ、こちらこそ.....多分殆ど力になれないわよ。」

 

「そこは気にしなくても構いませんよ、別に勝ち負けを競っている訳ではありませんし.....日菜とこうやって一緒のことをするのも随分と久しい気もしますし.....今日は肩の力を抜いて楽しみましょう。」

 

「それもそうね。.....私が前衛なのね.....」

 

「はい、そちらの方がサポートがしやすいので。それに攻める時は私も前に行きますよ。ずっとその場で打っても白鷺さんに負担がかかりますから。」

 

「ありがとう。全力を尽くすわ。初心者なりに。」

 

「じゃあ、いきますよ。ふんっ!!」

 

「きゃっ!!」

 

「白鷺さん、ボールに怯えてはいけませんよ。」

 

「美咲ちゃんの迫力凄いわね.....それにボールの存在感....」

 

「さすがにやりすぎましたね.....すみません。」

 

「ロブですか.....白鷺さん、おそらく取れるので思いっきり打ってください。」

 

「.....え!?えい!!!」

 

「読めてたよ!!それ!!」

 

「やはりそこにいましたね....はぁ!!」

 

「.....相変わらず速いなぁ.....」

 

「先制点です、白鷺さん。ナイススマッシュです。」

 

「そ、そうかしら....(当たってくれてよかったわ.....)」

 

「でも紗夜先輩、どうやって千聖さんの打つ方向を予想したんですか?」

 

「いえ、先程のラリーを見た時にいつも対角に打ってましたからおそらくそうだろうと.....」

 

「よく見ているわね。」

 

「やっぱりおねーちゃん凄いよ!!」

 

「あなたもスマッシュを軽々と返していたでしょ.....」

 

 

その後、試合が白熱し、私も疲れていたけれど体を動かし続けた。全員サーブが出来るようにと4セットでやったことで結果は引き分け。改めて紗夜ちゃんと日菜ちゃん、そしてそれについていく美咲ちゃんの体力の凄さを知ったわ。でも意外と疲れって後から来るのね.....。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「千聖ちゃん、おつかれー!!はい!!お水!!」

 

「ええ、ありがとう、それにしても疲れたわ。日菜ちゃんは疲れていないの?」

 

「うーん、運動したから疲れたけどそこまでかな。おねーちゃんとテニスしてたらそういうの忘れちゃった!!」

 

「そうね、意外と熱中したものね。でも私も試合の間はあまり疲れを感じなかったわ。」

 

「そうなんだ。今度パスパレよ皆でまたテニスしに来ようよ!!」

 

「イヴちゃんと日菜ちゃんが無双するイメージが思い浮かぶわ.....。」

 

「イヴちゃんってどれくらい運動出来るんだろ?」

 

「でもクラブを3つ掛け持ちしてその上でモデルとアイドルを両立させているのだから間違いなく凄いわよ。」

 

「だよねー。ところでさ、優希の高校生時代ってどんな感じだったの?」

 

「兄さん?そうね.....キーボードの練習に打ち込んでいたわよ。最初は下手だったけど1年経ったくらいから本当に上手くなったわ。元々兄さんが入ってるバンドメンバーのうち、経験者が3人いたから相当頑張っていたと思うわ。」

 

「へぇ、それおねーちゃんと少し似てるかも。」

 

「そうかもしれないわね...兄さんは才能はあったけど本当に努力して開花した人だからその点では紗夜ちゃんと似ているわね。」

 

「でも優希って全然千聖ちゃんと似てないよね。揉めたこととかないの?」

 

「揉める.....?会話では常に私がマウントを取っていたからそういった言い合いは無かったわね。」

 

「そうなんだ.....また今度会って聞いてみよ!!あ、千聖ちゃん!!文化祭、優希を連れて絶対に来てね!!」

 

「ええ、行かせてもらうわ。」

 

「おねーちゃん!!」ダキッ

 

「ちょっと日菜くっつかないで。暑いわ。」

 

「あはは....相変わらず仲良いですね。大丈夫でしたか?後半私たちが熱中したからついていくの必死だったとか.....。」

 

「そうね、でも意外と疲れは感じなかったわ。また機会があったらやりたいわね。いい運動になったし。」

 

「なんかすみません、気を遣わせて.....あ、そういえば千聖さん。」

 

「どうしたの?」

 

「花音さんが最近よそよそしいんですが、何か知りませんか?」

 

「花音が?さぁ.....流星さんが何かやらかしたとかじゃないかしら?」

 

「流星?誰ですか?」

 

「花音のお兄さんよ、兄さんとバンド組んでた人なの。」

 

「へぇ、花音さんお兄さんいたんだ.....でも、気にはなりますので今度聞いてみますね。相談にのってくれてありがとうございました。」

 

「いえいえ気にしないで.....それよりさっきから外が騒がしいのだけれど.....何かあったのかしら?」

 

「あれ、日菜さんと千聖さんのファンみたいですよ。今は紗夜先輩に一括で説教されてますけど。さっき終わってその余波だと思います。」

 

「え....?紗夜ちゃんが?」

 

「はい、『ここは公共の施設で今はプライベートなのだからまず邪魔になるところに集まらないこと、それからちゃんと外で声をかけてください!!』って。怒られてた人も少し嬉しそうでしたね.....。多分日菜さんのことを考えて動いたと思いますよ。」

 

「紗夜ちゃんもやっぱり日菜ちゃんが大切なのね。でも紗夜ちゃんの性格からすると本当に迷惑だから怒ったのかもしれないわね...。」

 

「とりあえずまた騒がしくなる前に着替えませんか?」

 

「そうね、行きましょ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はぁ....疲れました。」

 

「紗夜ちゃん、さっきはありがとう。」

 

「白鷺さん.....いえ、あれはことの成り行きでして.....」

 

「え?どういう事?」

 

「いえ、日菜が先程私に『千聖ちゃんもるんっ♪ってするよね!!』って大きな声で言ったものですからそれを周りのファンの方が聞いてしまって.....ああやって集まったものですから、少し事態を収拾したんです。」

 

「でもおねーちゃん凄いよね!!最初は反論した人を最終的には正座させて全員黙らせたし!!」

 

「日菜ちゃん.....芸能人としての自覚が足りないようね.....。」

 

「それに日菜、白鷺さんに迷惑をかけないで。」

 

「うー.....ごめんなさい。」

 

「私はいいわ。結果的に事態は収まったのだし。じゃあ帰りましょうか?」

 

「あれ?美咲ちゃんどこいったの?」

 

「さっき出たところをこころちゃんに捕まってライブする為にミッシェルになりにいったわ。」

 

「奥沢さんも大変ですね.....。」

 

「ねえねえ帰りにポテト食べに行こうよ!!すぐそこにあるし!!」

 

「帰ってすぐ晩御飯を食べるのだから間食はダメよ。」

 

「ええー!?ひとつくらいならいいじゃん!!それにお腹すいて動けないよー。」

 

「.....仕方ないわね、L1つだけよ。」

 

(L?結構食べるわね.....。)

 

「白鷺さんはどうしますか?」

 

「そうね.....ご一緒するわ。こういうことやってみたかったのよ。」

 

「じゃあすぐ行こ!!ゴーゴー!!」

 

「日菜、走っては.....私たちも行きましょう。」

 

「ええ、ところで紗夜ちゃんは普段どのくらいポテト食べてるの?」

 

「私は別に.....日菜の付き添いのようなものです。」

 

「ふふっ、そういうことにしておくわ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

白鷺家

 

「千聖、僕と千聖宛になんか来てたよ。」

 

「もしかしてこの前のテレビのファンレターかしら?」

 

「住所知られてるの?それはそれで怖いんだけど....しかもこれ、羽丘からの手紙だよ。」

 

「羽丘?何かしら....?」

 

 

 

白鷺優希様、白鷺千聖様

いつもお世話になっています!!羽沢つぐみです。今回はお願いしたいことがあります。羽丘の体育館で私たちAfterglowと千聖さんを含む特別バンド、そして白鷺優希さんもいるEXTRAで特別バンド祭をやろう!!ということが日菜先輩によって提案されたのでこの依頼を受けてくれるかということでこれを送らしてもらいました。なので日にちの都合があって参加してもいいと言って貰えるならその旨を私羽沢つぐみか日菜先輩にお返事ください!!

 

待ってるよー!!

 

羽丘高校生徒会 氷川日菜、羽沢つぐみ

 

「これ蒼生が言ってたやつか.....千聖は?」

 

「羽丘の文化祭よね、予定は空いているからいけるわ。でも即席バンド.....もしかして花音もこれを見たのかしら?」

 

「だから花音さん少しよそよそしかったのか....で、受ける?」

 

「どんなものかは分からないけれど.....新しい私と出会えるかもしれないし成長するかもしれないから参加するわ。兄さんは?」

 

「豪も含め皆帰ってきてるから参加しないわけにはいかないしね.....出るよ。また練習しないと.....」

 

「また兄さんの演奏が見れるのね.....楽しみね。」

 

「千聖の生演奏は初めてかな....楽しみだね。即席だから頑張らないとね。」




個人的にTrySailの『Youthful Dreamer』(電波教師の第1クールのOP)をパスパレがカバーしたらいいなぁと思ってます。
紗夜さんと日菜ちゃんのハイタッチは良いですよね.....。
今まで投稿出来てなかったので2つ投稿しました。
誤字脱字報告、感想、評価、ご意見お願いします!!


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裏方の登場

300年だ...お久しぶりです。長いテスト期間から解放されました!!
ウイルスの影響すごいですね.....戦争より死者を出しますもんね、パンデミックって。


「やっと.....やっと帰ってこれた!!有咲が恋しいなぁ.....」

 

どうも、市ヶ谷紅蓮です。今回は優希は後半まで出ないらしい....

それはともかく、帰ってこれた!!久々にあいつらとまたバカをするか.....有咲と過ごすか、楽しみで仕方がない。

 

(でもそういえば豪からセトリ聞いとかないとな.....あいつらどうせローテーションするから分かっとかないと.....)

 

「もしもし、豪。今回のライブ、曲何するの?」

 

「とりあえず5曲かな。羽丘側の要請だとそのくらいの時間ライブしろってさ。で、ライブなんだが .....いつも通りローテーションとクジで曲を決めようと思ってる。いけるか?」

 

「曲の数によるが.....問題ない。僕を誰だと思ってるんだよ。」

 

「へへ、そうだな.....じゃあメールで今回の候補曲送るわ。頼んだ。」

 

 

 

 

「多いな.....これはまた苦労しそうだよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

市ヶ谷家

 

「ただいまー、有咲!!」

 

「兄貴!?ちょおま、離れろ!!」

 

「ありさー、愛いやつめー。」

 

「ちょ、今客来てるんだから離れろよ!!」

 

「あれ?有咲が男の人に抱かれてる。」

 

「ちょ、おたえ!!誤解を生む発言はすんなよ!!」

 

「あれ?君有咲の友達?」

 

「はい。」

 

「ちょ.....とりあえず皆呼んでくるから大人しくしてろよ。」

 

 

 

 

「それギター?もしかしてバンドやってるの?」

 

「はい、お兄さんはどこかで見たことがあるような.....」

 

「気のせいじゃないかな?僕は君と会ったことないし。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「じゃ、紹介する。私の兄、市ヶ谷紅蓮だ。」

 

「どうも、いつも有咲がお世話になっています。」

 

「有咲お兄さんいたんだ!!」

 

「ちょっと意外かも.....」

 

「確かに。有咲って一人っ子って感じするし。」

 

「そ、そうか....?」

 

「ところで君たちは?見たところバンドをやってるとお見受けしたけど。」

 

「私、バンド組んだんだよ。Poppin’Partyっていうバンドなんだけどさ。」

 

「ポッピン.....噂は聞いたことあるよ。結構元気をくれるライブをするって。まさか有咲がバンドを.....いや、友達を作るとは....成長したな、有咲。」

 

「.......」

 

「あれ?有咲が大人しい.....」

 

「お兄さんだから落ち着くんじゃないかな?私もお姉ちゃんがいるから分かるなー。」

 

「じゃあ演奏、見せてくれないかな?」

 

「あの、すみません!!」

 

「ん?何?」

 

「白鷺優希さんって知ってますか!?」

 

「優希?知ってるけど....いきなりどうしたの?」

 

「優希さん知ってたら.....呼んでくれませんか?私たちのライブ、はやく見せたいんです!!」

 

「おい、香澄、あんまり兄貴をパシるんじゃねーぞ。」

 

「だって有咲だって優希さんに練習見てもらいたいでしょ!?同じキーボードだし!!」

 

「そりゃあ.....上手くなる分には見て欲しいけど.....」

 

「いいですよね!?」

 

「とりあえず電話するよ.....だめだったらごめんね。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「悪いな、わざわざ来てもらって。」

 

「いやいいよ。いつか行くつもりだったし.....でも紅蓮、お前帰ってきたばっかで疲れてないのか?」

 

「お前らのPAをする方がよっぽど骨が折れるよ。 」

 

「それは悪かったな.....」

 

「それじゃあ聞いてください!!」

 

「なるほど.....音楽を楽しんでいる。」

 

「確かに、少し僕達に似てないかな?」

 

「どうだろうな.....僕達は全員で楽しむことをメインにしてるけど、このバンドは『私たちは楽しんでいる!!』ということを全面にしてやっている。中々いいんじゃないか?」

 

「そうだね.....ところで紅蓮、文化祭の件、聞いた?」

 

「聞いた。さっき豪から候補曲送ってもらったけど.....多いな、これ。過去にやってるやつもあるからそこまで苦にはならないけどまぁしんどい。」

 

「悪いな、いつもやってもらって。」

 

「その分支えがいがあるから構わねぇよ。」

 

「ねえどうだった!?」

 

「そうだな.....技術的にはまだ荒削りな部分があるのはまた後で磨くとして.....ライブの雰囲気自体はいいと思うぞ。味が出ていて。」

 

「それで、兄貴はどれが1番惜しかったと思う?」

 

「荒削りだな。少し稚拙な部分がある。それだとミスを雰囲気で隠してると指摘する輩も出るかもしれないからな....まずはミスをなくす、だな。途中テンポが少し乱れたしな。」

 

「市ヶ谷さん、さっきミスしたーって雰囲気出したでしょ?あれアドリブをしたの?」

 

「いや、ただ単にミスっただけだけど....何かあんのか?」

 

「そのアドリブの方が合ってるよ。スコア見てないからどうとも言えないけどさっきのあの部分はあの音でいいよ。」

 

「お、おう....」

 

「.....あっ、思い出した。市ヶ谷紅蓮ってEXTRAの.....」

 

「マネージャ兼アシスタント兼ライブ演出考案、まぁバンドのPAは僕がやってるよ。こいつらいつも羽目を外すから大変でな.....」

 

「そうなんですか!!」

 

「僕もEXTRAのキーボードだけどね.....あっメイン抜けてた。」

 

「じゃあ私のお兄ちゃんも知ってますよね?」

 

「なんだっけ.....苗字。」

 

「花園です。」

 

「翔世か。確かにギター....いいよな、兄妹揃って同じ楽器って。」

 

「僕は全部出来るから関係ないけどな。」

 

「紅蓮は器用すぎるんだよ。まぁそれはともかく.....翔世がどうしたの?」

 

「お兄ちゃん、まだ帰ってきてないんですけど、知らないですか?」

 

「さぁ.....あいつそういうの見るの遅いからなぁ.....」

 

「そうだな、ライブの事が頭にあって練習に没頭してると思う。」

 

「そうですか.....」

 

「でも.....身長高くないか?翔世そんなに高くないぞ、身長。」

 

「お兄ちゃんはおっちゃんと同じですから。」

 

「.......おっちゃん?」

 

「兄貴、ちょっと。」

 

(おたえが天然ってことは.....おたえのお兄さんも天然なのか.....?)

 

(いや、あいつは天然よりかはただの努力家だからな......)

 

(あと有咲.....そのかがみ方は危ないからやめろよ.....)

 

(.....!!兄貴の....)

 

「変態!!」

 

「いた!!圧倒的理不尽!!」

 

 

 

「ご覧の通り、紅蓮は地雷を踏み抜くのが得意技だ。」

 

「あらら.....」

 

「そういえば、白鷺さんのライブっていつやるんですか!?」

 

「ライブ.....やるけど内緒かな。」

 

「ええー!!教えてくれないんですか!?」

 

「教えないというよりかは教えられないんだよね.....主催者が黙っとけってこと言ってるし。」

 

「それなら仕方ないか.....」

 

「なら演奏見せて貰えませんか?その、どれくらいなのか見てみたくて.....」

 

「演奏、か。いいけど.....紅蓮、いけるか?」

 

「いいよ。で、何やるの?」

 

「この子達の曲やろうか.......じゃあさっきので。」

 

「了解、でも2人か.....」

 

「じゃあ僕がキーボード.....紅蓮がベースやるか。」

 

「じゃあ戸山さんとドラムの人、協力してくれる?」

 

「分かりました!!」

 

「緊張するなぁ......EXTRAの人達と演奏。」

 

「気にする必要ないよ。普通にやってくれれば。」

 

 

 

 

「す、すごい....」

 

「私勢いでアドリブしちゃった!!」

 

「それをカバーして自然にするなんて....兄貴やっぱりすげえな。」

 

「すげぇというか.....」

 

「僕達はカバーの時以外は絶対アドリブするからね。だからライブによって同じ曲なのに全然違うっていうのがあるんだよ。」

 

「やっぱりYUさん凄いですね!!」

 

「えっと君は.....」

 

「山吹沙綾です!!前にEXTRAのライブ見て元気貰ったんです!!」

 

「ああ、千聖が言ってた僕に会いたい人って君のことだったのか.....」

 

「はい!!あの、ステージでみんなを支えるところとか本当に憧れてて.....」

 

「そうだな、個性の塊みたいなうちのバンドでステージであそこまで安定してるのは優希くらいだもんな。」

 

「君もPAやってるんだからそれに当てはまるでしょ?」

 

「そうかもな.....」

 

 

 

 

 

「今日はありがとうございました!!」

 

「うん、途中参加だったけどありがとう。」

 

「じゃあ有咲、俺は優希と少し散歩してくるからお楽しみは夜まで待ってろよ。」

 

「はぁ!?べ、別に楽しみには.....」

 

「有咲照れてる。」

 

「うっせー!!いいから帰れ!!」

 

「じゃあね有咲ちゃん。」

 

「おう、りみ。またな。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「にしても、またあのメンバーでライブする機会があるとはな....」

 

「また騒がしくなるな。大阪、どうだった?」

 

「中々刺激がたくさんあったよ。見たことも無いことばっかだしな。」

 

「前に言ってた英検1級はどうだった?」

 

「一応合格したよ。海外の人と話せるようにはな。」

 

「お前らしいな.....じゃあm『ちょっと待ちなさい!!』.....え?」

 

「君は.....誰?」




ちょっと短いですが感覚取り戻そうとしてるので許してください。.....学校の体育の補講が消滅したので1回2作品どっちも毎日投稿やってみようかな.....
久々なので誤字脱字報告、お気に入り、評価、感想お願いします!!


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え?誰?

RASのメンバーに登場してもらいます。やっとかな....
千聖さんがメインの二次創作が増えて嬉しいです。もっと増えないかなぁ.....
まさかの2バンド実装決定.....RASだけでも相当騒がれてたのにその上を行ったのか.....ガチャがすごそう(小並感)

誤字脱字報告、お願いします!!あとRASのメンバーでどこかおかしいところがあったら教えてください!!アニメしか判断材料がなくて不安なので.....


「えっと.....君は?」

 

「Chu^2よ。あなた達を貰いにきたのよ。」

 

「.......貰いに来た?紅蓮、お前口説いたのか?」

 

「僕が有咲以外に興味を持つと思ってるの?」

 

「そりゃそうか。じゃあ何しに来たの?」

 

「馬鹿にしてるの?私はあなた達をプロデュースしに来たのよ!!」

 

「プロデュース.....あっ、思い出した。君前も来たよね?」

 

「え?僕たち活動してる時に来たの?」

 

「いや、僕個人に来たんだよ。なんか才能があるとか何とかで.....」

 

「それでもアポ取らずに来るのはまずいんじゃないかな....?」

 

「うっ....それは申し訳ないわ。あなた達の電話番号なんて知らないのよ。」

 

「逆に知ってたら引くね。それはともかく.....要件は?」

 

「あなた達EXTRAをプロデュースしにきたのよ!!」

 

「チュチュ.....あった。あれ?君RASに所属してるんだ。」

 

「それとこれとは話が別よ。あなた達のような人材、放っておく方がおかしいわ。それに.....あなた達のリーダーの妹がバンドにいるのよ。だからあなた達のバンドの実力はよくわかっているわ。だからこそ私の最強の音楽を奏れば最強のバンドになれる!!」

 

「豪の妹.....和奏っていう人がいるのか。」

 

「それはともかく.....僕達は最強なんて興味ないからお断りするよ。僕達は僕達の音で皆を楽しませる。それだけだよ。」

 

「.....以前も同じようなことを言ってた人がいたわ!!あのRoseliaというバンドの」

 

「Roseliaって友希那さんのバンドだよな?」

 

「もしかして僕達と同じこと言ったのかな?ねえねえ、なんて言ってた?」

 

「『私たちは私たちの音楽でトップを目指す』なんて言ってたのよ!!」

 

「へぇ.....友希那ちゃんも成長したんだね.....因みにだけどその子、かつて僕達のバンドに入ってた時期があったんだ。」

 

「だからああ答えたのね.....まぁいいわ。そこの弱そうなの」

 

「え?僕....」

 

「今日の夜、あなたの家に行かせてもらうわ。」

 

「ちょ!?」

 

「行っちゃったね.....どんまい、優希。」

 

「千聖に怒られる.....」

 

「ど、どんまい.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時を同じくして千聖side

 

「彩ちゃん?あれって.....」

 

「うん。れおなちゃんだよね?なんで毎回最前列のセンターにいるんだろ....?」

 

「彩ちゃんの大ファンなのよ。よかったじゃない。」

 

「嬉しいけど.....どうして昼間からいるの!?ライブ夜からだよ!?」

 

「場所取りじゃないかしら?最近のファンの人は凄いわね。」

 

「うんうん.....って心配だよ!!なんかずっと待たせるのも申し訳ないよね.....」

 

「じゃあ少し話して来るわ。」

 

 

 

 

 

「あの....ライブは夜からよ。」

 

「はい、知ってます!!」

 

「凄いわね....。」

 

「あと今日はチュチュ様から千聖様について行くように言われてるんです!!」

 

「私に?何かあったかしら.....?」

 

「白鷺優希っていう人をプロデュースすると伺ってます。」

 

「兄さんを.....(本当なら追い返してもおかしくないけれどその子も来るのなら可哀想ね.....)分かったわ。今日は私の家に来るのね。」

 

「はい!!でも幸せですぅ.....あの千聖様の家に行けるなんて.....」

 

「ふふっ、随分と嬉しそうね。でも兄さんを知らないの?」

 

「いえ、ライブの映像はチュチュ様から見せてもらいました.....とても上手いと思います!!今度1回一緒に演奏してみたいです!!」

 

(兄さん.....未知の人からも好かれているのね....ライバルがどんどん増えていくわね.....れおなちゃんに関してそういう感情はないと思うけれど.....)

 

「ところでれおなちゃん?ライブまで時間があるから1回楽屋裏に来る?」

 

「え!?いいんですか!?.......いやいや、離れた間に彩様を1番近くで見られる特等席が.....うぅ、悩みますぅ.....」

 

「ふふっ、冗談よ。簡単に楽屋に入れたら他のファンの方々に失礼だからね。」

 

「それもそうですね!!ところでライブ後どこに行けばいいんですか?」

 

「そうね.....色々後処理もあるから少し遅くなるけれど.....かなり遅くなるわよ。それでもいい?」

 

「はい!!チュチュ様からは許可は取ってます!!」

 

「分かったわ。じゃあライブ会場の入口で待っていてくれるかしら?私が迎えに行くわ。」

 

「はい!!ところで、今日の彩様はどんな感じですか!?」

 

「そうね、最近は割と緊張することが少なくなったわよ。こんな時間から来てたから彩ちゃん、あなたのこと心配してたわよ。」

 

「あ、彩様が私の心配を!?し、幸せですぅ.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ライブが終わり夜

 

「お待たせしたわね。」

 

「はい!!でも.....眠いですね.....」

 

(ふふっ、やっぱり中学生らしいところはあるのね.....それにしても、れおなちゃんは身長が高いわね。羨ましいわ.....)

 

「今日も最前列で応援してたものね。彩ちゃんも嬉しそうにしてたわよ。自分のファンがこうやってしてくれるのを。」

 

「そうですか?ファンとしては当然の行為かと....ところで白鷺優希っていう人はどんな感じなんですか?」

 

「少なくともライブのような少し荒い感じはしないわよ。気が弱いというか優しい雰囲気を持ってるわよ。少しそのギャップで驚くかもね。EXTRAの中ではファンの人は結構多かったわよ。」

 

「やっぱりそうなんですね。私もライブ直接行きたかったです.....存在を知るのが少し遅かったです。千聖様は何回か行ったことがあるのですか?」

 

「ええ。兄さんにはバレないようにこっそりとね.....まだパスパレを結成する前のことだけれど、私は女優という肩書き上普通に行くことが出来ないのよ。」

 

「それもそうですよね.....」

 

「ところで....れおなちゃんの学校では髪を染めるのが許可されているの?ライブの時はモノクロにしていたし....」

 

「そこら辺は厳しいことは言われてませんね。」

 

「そうなの.....RASの練習ってやっぱり厳しいのかしら?」

 

「厳しいというよりかは楽しいです!!チュチュ様も見てくださいますし、皆さん練習にも付き合ってくれるんですよ!!」

 

「いい関係ね。私たちは最初は本当に紆余曲折があったから.....」

 

「でもその後持ち直したんだからすごいじゃないですか!!!でもあれは事務所の方々が強制したと聞いていますよ。」

 

「そこまで知っているのね.....ん?ソースは?」

 

「どこかのプロの方々がそれを告発したんですよ!!中々世間の声は変わりませんでしたが、それでもライブをしていくうちにその汚名を晴らしたんですから凄いです!!」

 

「そうやって言ってくれるのは本当に嬉しいわね。さて、もう少しで着くわよ。」

 

「はい!!」

 

「あれは.....兄さんね?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時を同じくして優希side

 

「本当に来たんだ.....」

 

「あたりまえでしょ!?簡単に諦めるわけないじゃない!!パレオは.....来てないのね。」

 

「パレオ?もしかして1人じゃないの?(え?ちょっと待って、1人じゃなかったらもしかして.....説得するまで帰ってくれないタイプ!?)」

 

「心配しなくても話をしたらちゃんと帰るわよ。そこまでデリカシーのない人間に見える?」

 

「アポ無しで来たあたり全力でやってるなって。」

 

「あれは悪かったわよ.....」

 

「チュチュ様ーー!!!」

 

「パレオ、遅かったわね.....ちゃんと千聖白鷺についてきたのね。よくやったわ。」

 

「ありがとうございますぅ!!チュチュ様!!」

 

「兄さん.....これどういうこと?」

 

「なんか僕達をプロデュースしたいんだって。断ったら来ちゃったんだ。」

 

「そうなの.....でもここに来たのは別件じゃないのかしら?」

 

「とりあえず家に入ってから話そうか。外に置いておくのも迷惑だし。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はい、お茶。」

 

「ありがとうごさいます!!」

 

「パレオ。」

 

「はい、チュチュ様!!ジャーキーです。」

 

「す、凄いわね.....」

 

「ジャーキー好きなんだ。うちには無いけど。」

 

「べつにいいわよ。さてと.....今回は半ば強制気味だったとはいえ話し合いに応じてくれて感謝するわ。」

 

「べつにいいよ。ちゃんとアポ取ってるし。」

 

「今回はあなた達に.....羽丘の文化祭について詳細を伝えに来たの。」

 

「文化祭?どうしてあなたが.....」

 

「今回は日菜氷川の要求に応じたまでよ。合同バンドを作ることでEXTRAを呼び出すこと、そしてそこから生まれるperformanceでRoseliaを圧倒するのよ!!」

 

「ん?これ対バンじゃないよね?」

 

「勿論よ。でも今回は最強の音楽でRoseliaを潰すことじゃない。最強の音楽でRoseliaよりも観客を熱狂させるのが目的よ。どう?文化祭の趣旨とも合うでしょ?」

 

「ということは今回は日菜ちゃんの提案に協力したのね?」

 

「そう。そして今回その合同バンドをプロデュースするのが私よ!!」

 

「へぇ.....でもいいじゃん。それって紅蓮に対する1種の挑戦?」

 

「それもそうね。私のプロデュースの方があいつのプロデュースより優れているのを見せてやるのよ!!」

 

「凄いです!!チュチュ様!!」

 

「それでこれが今回の合同バンドの一覧よ。」

 

 

羽丘高校文化祭 バンドイベント出演者リスト

 

1日目 出演バンド

 

Afterglow、Roselia、EXTRA

 

合同バンド①

和奏レイ、松原花音、白鷺千聖、花園たえ、白金燐子

 

 

2日目 出演バンド

 

RAISE A SUILEN、EXTRA

 

合同バンド②

美竹蘭、松原花音、白鷺千聖、花園たえ、市ヶ谷有咲

 

「え!?Roselia!?」

 

「ちょっと待って。あなたはRoseliaを嫌っていなかったかしら?」

 

「それとこれは別よ。それに....私のプロデュースが凄いことをRoseliaに思い知らせるのよ!!潰す訳では無い.....観客の熱狂度で彼女たちを超えるのよ!!これなら私も見に来る人達もWinWinの関係になるでしょ?」

 

「さすがチュチュ様です!!はい、ジャーキーのおかわりです!!」

 

「なるほど.....私たちの苦労が過ごそうね。それに日菜ちゃんもRoseliaのことは言ってなかったわね.....」

 

「Afterglowは羽丘だから確定していたけれど、Roseliaは確定していなかったから伝えていなかっただけよ。ところでEXTRAは.....2日連続で出られる?」

 

「出来るってわかってるから入れたんでしょ?勿論受けるよ。久々のライブだから皆張り切ってるし。」

 

「契約成立ね。ところで千聖白鷺の方はどうかしら?」

 

「元々羽丘の文化祭のところはスケジュールを開けていたから大丈夫よ。それはいいのだけれど.....練習時間はちゃんとあるのかしら?」

 

「勿論よ。あなた達には充分すぎるくらいの環境と練習時間をあげるわ。そこで思いっきり練習してもらうわ。因みにあなたの事務所には話はつけたわ。勿論ただというわけには行かなかったから『文化祭への参加とその練習』を取材してもらうことで折り合いをつけたわ。あなたに意見を聞かずに決めてしまったのは申し訳ないけれど.....事務所側はそれで納得したわ。」

 

「なるほどね.....それなら仕事も両立する形になるわ。分かったわ。その仕事、受けます。」

 

「YES!!そうこなくては面白くないわ!!」

 

「チュチュ様!!私、優希様と演奏がしたいです!!」

 

「いいわ、パレオ!!今日は遅いから明日思いっきりやってきなさい!!」

 

「はい!!ありがとうございます!!チュチュ様!!」

 

「よ、よろしく.....」

 

「.........」

 

(ちょ、なんで手の甲をつまむの?)

 

(兄さん、最近女性に対する意識が薄まってきたんじゃないかしら?)

 

(そ、それはないよ!!)

 

(そうかしら.....?実の妹と1度も練習した事ないのに他の女の子とは練習してる.....どういうことかしら?)

 

(それは都合が.....分かったよ。また今度どこかで練習しよ。お客さんも来てるから今は.....ね?)

 

(最初からそうすればいいのよ.....全く、兄さんの魅力が伝わるのは嬉しいけれど何か複雑ね.....)

 

「仲いいわね、あなた達.....」

 

「そうですね!!チュチュ様!!」




注意
この二次創作におけるRASはアニメのような状態でいるとは限りません。つまり多少崩壊する可能性があります。
優希くんをキーボードにしたのは正解だったかもしれません。意外と話を繋げられる....れおなちゃんが高校生だったら紗夜さんから指導受けそう.....

この二次創作はシリアスはありません。従ってちゆちゃんのプロデュースの方向もこうなりました。


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ひな祭り♪

3周年記念も星4選択チケット付の有償10連ガチャ来て欲しいなぁ.....
千聖さん?ひな人形の衣装に憧れているんですか?叶えましょう。
紗夜さんの着物姿とかありましたよね、あれ綺麗ですよね。
誤字脱字報告お願いします。


ひな祭り

今でこそちらし寿司やひなあられを食べたり、女の子が着物を着たりというイメージが強いが、元々は中国の文化とか色々諸説があるが、今のような明るいイメージはあまりなく人形を海や川に流すことで自身にかかる災いを祓うというのが元々の上巳の節句、いわゆるひな祭りの意義である。

 

「なるほど....ひな祭りってこういう意味もあったのね。」

 

「そういえばそろそろひな祭りだね、千聖ちゃん。」

 

「そうね.....でもあまり実感がわかないわ。」

 

「そうかな.....?私は昔お兄ちゃんに『花音は着物とか似合いそう』って言ってくれてお母さんが着物を着せてくれた時があったんだ。」

 

「へぇ.....そんなことがあったのね。私はその頃には子役として練習をしていたかしら。」

 

「なんか....ごめんね。」

 

「別に気にする必要はないわ。でもその小さかった頃の花音の写真、見てみたいわね。今とあまり変わっていないのかしら?」

 

「ふぇぇ.....恥ずかしくて見せられないよぉ....」

 

「でも、1度でいいからひな人形のような衣装、着てみたいわ。少しだけ憧れがあるもの。」

 

「.....うん、そうだね。」

 

「花音?のどうかしたのかしら?」

 

「あっ、うんうん。何でもないよ.....。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

バイト 休憩部屋

 

「ということがあったんだ.....。」

 

「なるほど、確かに千聖は子役云々で忙しかったからそういう機会には確かに恵まれなかったな.....そうか。」

 

「だからどうにかしてあげたいなって。」

 

「うん.....ならサプライズみたいにする?」

 

「え?」

 

「千聖が憧れているって言うなら.....兄である僕が何もしない訳にはいかないからね。だったら千聖にはバレないようにこっそりと、ね。」

 

「うん.....それすごいいいアイディアだよ!!やろう!!」

 

「うん、じゃあ今度1回見に行こうか。僕にもいくつかやらなきゃいけないことがあるからね。」

 

「じゃあ今度着物を選びに行く時に一緒に行かない?薫さんから聞いたけど優希くんってファッションセンスというか服を選ぶセンスがないって聞いたから.....」

 

「うっ.....いやそのそれは.....妹の好みが分からないわけではなくて.....単に服がないだけで.....」

 

「ふふっ、じゃあそういうことにしておくね。」

 

「なんか花音さんが一瞬千聖の雰囲気を纏ったような.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

千聖に着物を着てもらうためには.....まず着物を用意しなきゃいけない.....その次に着物の着付けとかをどうするか。最近はそういうのを省略して簡単に着ることが出来る着物が開発というか生み出されてるらしい。けどせっかく千聖に着てもらうんだからどちらかといえば豪華にしておきたいな.....その為の貯金だし。

 

「どうしたらいいんだろうか.....ネットで調べるのが1番かな。」

 

「あんた、道端で何やってるの。」

 

「あれ?美竹さん?こんにちは....?」

 

「こんにちは。ところで何か悩んでるの?」

 

「うん.....色々とね。」

 

「.....あたしで良かったら何か相談乗るけど。」

 

「ほんと!?じゃあさ.....着物の着付けってどうしたらいいんだろ?」

 

「着物.....それなら少しは力になれそう。1回家に来て。そこで教えてあげるから。」

 

「そうか....ありがとう!!美竹さん。」

 

(こう見ると.....笑顔が少し子供っぽいな。白鷺先輩はこういうところが好きなのかな.....)

 

 

 

 

美竹家

 

「なるほど.....上巳の節句の着付け、か。」

 

「はい、という訳でお力添えしていただけませんか.....?」

 

「ふむ.....分かった。着付けなら私に任せなさい。1から教えてあげよう。ただ.....」

 

「ただ?」

 

「ひな祭りで.....ということは十二単で合っているか?」

 

「はい.....ひな人形の衣装ってそうかなって思ったので。」

 

「なら着付けは2人は必要だな。それに女性だから女性がやった方が良いだろう。君が先程言っていた協力してくれているご友人は女性か?」

 

「はい。そうですが.....」

 

「ならその子を呼んではくれないか?その子と蘭にやってもらった方がいいだろう。」

 

「分かりました....ちょっと電話しますね....。」

 

(それにしても....この子は凄いな。大体の男は私を怖がるのだが.....以前交流があったとはいえ随分と落ち着いている。しかも着付けの対象が女性であるにも関わらず来た....単なる怖がり知らずなのか?)

 

「君は随分と落ち着いているが.....以前に経験でもあるのか?」

 

「経験?....まぁ怒った時の千聖は本当に怖いですし、バンド時代に倉庫に閉じ込められたり急にハンドガン持ってる人が襲ってきたりしたこともありましたからあまり緊張しなくなったと思います。」

 

「君は一体どういう人生を歩んできたんだ.....?」

 

「さっきの電話ですけど、承諾してくれました。今日は予定が合わないから明日ならいいか?と聞いてます。」

 

「うむ、そこはそちらのご都合に合わせます、と伝えてくれるか?」

 

「はい.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「じゃあ僕は着物選びか.....何にしようかな?」

 

「あら、優希じゃない!!あなたも着物を見に来たの?」

 

「えっと......弦巻さん、だっけ?君も?」

 

「ええ!!今日は薫が着る物を見に来たのよ!!」

 

「薫が?ひな祭りで?」

 

「いいえ、演劇で着るものよ!!」

 

「こんな高いの着るの?凄いな薫.....」

 

「ところで優希は?」

 

「ひな祭りで千聖が着るものだよ。十二単で何かないかなぁって....」

 

「それならとびっきりいいものを用意して、千聖を笑顔にしてあげましょう!!」

 

 

あれ?後ろで黒服の人が何かしている.....あれは一体何だ?まぁどうでもいいか

 

「さすがに用意してもらうのは申し訳ないし.....僕も自分の目で見て選びたいから.....一緒に探そう?」

 

「あら?それもいい考えね!!分かったわ!!じゃあ一緒に選びましょう!!」

 

「うん、ありがとう。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一方その頃

 

「ねえねえ千聖ちゃん、コレ見て!!」

 

「どうしたの彩ちゃん?.....これは凄いわね。」

 

「だよね!?紗夜ちゃんは凄いなぁ....こんなにも着物が似合って。」

 

「これ以前にあった百人一首の時のものね。彩ちゃん、あれから古典の点数は伸びたかしら?」

 

「え.....そ、それはなんというか.....」

 

「ふふっ、苦手ではないしにしろまだ時間がかかりそうね。」

 

「うん.....ところで千聖ちゃんはひな祭りの日、仕事あるの?」

 

「無いわよ。それに着物の取材はイヴちゃんが引き受けてくれたの。」

 

「じゃあ千聖ちゃんは優希さんと過ごすの?」

 

「そうなりそうね。でも申し訳ないわ。私は特に着物を着る予定もないし。」

 

「でもいいなぁ千聖ちゃんは.....そうやって見てくれる人がいて。」

 

「そうかしら?なら彩ちゃんもSNSでは大人気じゃない?」

 

「それとこれは話が違うよ!?」

 

「それもそうね.....なら彩ちゃんも家に来る?兄さんが色々用意してくれるらしいし。」

 

「え?でも千聖ちゃんと優希さんの間に行くのは気が引けるなぁ.....」

 

「勿論私たちの間に入るのなら容赦はしないけれどでも一緒に楽しむくらいはいいでしょ?」

 

「千聖ちゃん....一瞬怖かったしアイドルがしない顔をしてたよ。」

 

「何か言ったかしら?」

 

「う、ううん.....楽しみにしてるね!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そしてひな祭り当日

 

「さてと....一通りひな祭りの食べ物は用意出来たな。」

 

「随分と用意周到だね....」

 

「そりゃあ千聖の為ですから。これくらいは当然ですよ。」

 

「それで....当日はどう動いたらいいのかな....?」

 

「軽く説明すると、夕方くらいに美竹さんの花音さんで千聖さんの着付けをしてもらう。おそらく結構時間かかると思うから僕はその間に料理の準備をしておくよ。」

 

「うん、任せて♪」

 

「分かった。」

 

「あたしも何かしたいわ!!」

 

「じゃあ弦巻さんは.....いい感じに千聖を誘導してもらおうかな。」

 

「ゆうどう?千聖を連れてくればいいのね!!」

 

「おそらく千聖のことだから休みの日はお誘いがない限り外には行かないこともあるから弦巻さんがいい感じに千聖を家の外に連れて行ってくれればうれしいよ。」

 

「分かったわ!!」

 

「じゃあ.....作戦実行。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ひな祭り当日

 

「千聖、薫が呼んでいたわよ!!私たちと一緒に楽しいことしましょ!!」

 

「薫が私を....何か嫌な予感がするのだけれど.....」

 

「そうかしら?薫が何か劇をやるみたいなの!!だから千聖にも協力して欲しいって!!」

 

「薫だけなら断るけど.....こころちゃんに頼まれたら断れないわね。分かったわ、行くけれど夕方には帰らしてもらうわよ。」

 

「ええ!!勿論よ!!」

 

 

「よし、千聖が家から出たな。じゃあ美竹さんに預かってもらってた十二単を取りに行くか.....」

 

「うん....千聖ちゃん、気づいてないかな....?」

 

「大丈夫。僕の今までの取り組みも全くバレてないよ。花音さんがよそよそしいっていうのは聞いたけど。」

 

「ふぇぇ....ごめんね。」

 

「大丈夫。別の理由だからって言っておいたから。ところで花音さんは着付け、お願いするよ。」

 

「うん、蘭ちゃんから教えてもらったから大丈夫だよ。今度優希くんが何か着物着る時に手伝うよ。」

 

「それはありがたい。じゃあ行こうか。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

夕方

「千聖、今日は無理を言ってすまなかったね。兄さんとの時間を奪って。」

 

「ええ、でもこころちゃんのお願いだもの。断れないわ。」

 

「ふふっ、お姫様はやはり優しい心の持ち主だ。」

 

「あなた以外にね。ところで薫.....兄さん、何かあったのかしら?やけに裏で色々やってるみたいだけれど。」

 

「いや、それは知らないな。そんなに不安かい?」

 

「兄さんのことで分からないことがあるのが嫌なの。兄さんのことは何でも知っておきたいのよ。」

 

「大丈夫さ。兄さんはきっと千聖の為に何かをしてくれているさ。」

 

「そうだといいのだけれど.....」

 

「では私はここで失礼させてもらうよ。」

 

「ええ、さようなら。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ただい....ま?」

 

「千聖ちゃん、一緒に来て!!」(`・ω・´)ふんすっ!

 

「え!?か、花音!?」

 

 

 

 

 

「これは....十二単?どうして....」

 

「じゃあ着付けするから、千聖ちゃんは大人しくしててね。」

 

「え、ええ.....」

 

「それにしてもどうして.....」

 

「白鷺先輩(兄)が白鷺先輩(妹)がこういう着物を着ることに少し憧れているなら着させてあげたいって言ってこれを用意したんです。結構高いと思ったんですけど余裕で買ってましたよ。」

 

「そ、そうなの....」

 

「それで女性の着付けということであたしと松原さんでやってるんです。」

 

「なるほど....じゃあ兄さんは.....?」

 

「今はちらし寿司とか晩御飯の用意をしているみたいです。あっ動かないでください。」

 

「ふぅん(最近妙にこそこそしてると思ってたらこういうことだったのね.....)。でもいつも思うのだけれどどうして隠すのかしら?」

 

「千聖ちゃんを喜ばせたいからだと思うよ。優希くん、バイトとかも含めてずっと千聖ちゃんのこと考えてるから。」

 

「ふふっ.....嬉しいわね。」

 

「髪は.....纏めないでいいかな。」

 

「じゃあ....終わったから優希くんのところに行っていいよ。」

 

「ありがとう....花音、蘭ちゃん。」

 

 

「....妙に歩きなれてますね。」

 

「千聖ちゃん女優だからこういう衣装を着る機会でもあったのかな.....?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ね、ねぇ兄さん.....ど、どうかしら?」

 

「うん.....予想通り似合ってるよ。凛とした雰囲気が素敵だよ。」

 

「ふふっ、ありがとう。」

 

「その言葉は後で協力してくれた花音さんや美竹さん親子、弦巻さんにも言ってあげてね。」

 

「やっぱりそうだったのね.....少し怪しいと思ったわ。」

 

「バレてたかな.....まぁいいや。でも本当に似合うよね.....凄いよ。」

 

「そうかしら....?嬉しいわね。」

 

「どう?十二単を着てみた感想は」

 

「そうね.....とても綺麗で嬉しいわ。まさか本当にこんな衣装を仕事以外で着ることが出来るなんて.....ありがとう!!」

 

「うんうん.....良かったぁ.....」

 

「え?なんで泣いているの....?」

 

「千聖が気に入ってくれて良かったよ.....ほっとした。」

 

「ふふっ、大袈裟なんだから.....」

 

 

 

「千聖ちゃん、本当に嬉しそうだね♪」

 

「はい、あたしも白鷺先輩のあそこまで眩しい笑顔を見るのは初めてですし.....」

 

「でも、綺麗だなぁ.....」

 

「あたしも豪華な衣装は着たことないです。」

 

「松原さんは着たことありますか?」

 

「あれほど豪華じゃないけど....子供の頃お母さんに着せてもらったことはあるんだ。」

 

「その写真とかはあるんですか?」

 

「恥ずかしくて見せられないよぅ.....」

 

 

 

 

「じゃあご飯食べようか?」

 

「ええ。汚れないようにしないとね.....」




あれ?これ花音さんが以前書いたよそよそしいという様子の伏線回収にもなってる.....?(無茶ぶり)
ひな祭りに関しては一応間違いがないか調べはしたので何か誤解があれば教えてください。少し冗長でしたかね....


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千聖さんのお悩み

改めて確認したらバンドリにおいて千聖さんって蘭ちゃんや友希那さんとは関わりが無かったのか.....久々の千聖さん回です。千聖さんが、和食なのか洋食かまでは分かりませんでした.....


「そういえば彩ちゃん、あれから進歩はあった?」

 

「うん、優希さんとは1回も会ってないけど、でも続けてたらちゃんと目標の体重まで減らせたんだ!!これで身体測定でも安心だよ♪」

 

「ええ.....彩ちゃん、本当に羨ましいわ。色んなところが育って.....」

 

「....え?そ、そうかなぁ?でも千聖ちゃんだってまだ成長期にいるはずだよ!!だから大学生になったら伸びるんじゃないかな.....?」

 

「あら?それは遠回しの挑発と取っていいかしら?」

 

「ち、違うよ!?でもどうして気にするの....?太ったとかじゃないし。」

 

「彩ちゃんは地雷を踏む天才ね。」

 

「え?また不味かったかな.....でも、いつもと雰囲気が違うけどどうしたの?」

 

「茶番はここまでにして.....実はね.....」

 

 

 

「ええーーーーーー!!!!太った!?」

 

「声がでかいわよ.....」

 

「ご、ごめん。因みにどれくらい.....?」

 

「ほんの100g程なのだけれど.....」

 

「そ、それならそこまで気にする必要ないんじゃないかな?見た目も全然変わってないし。」

 

「違うのよ。前まで維持していた体重が兄さんに一番印象良く見える体重なのよ。」

 

「優希さんそんなことまで気づくの?」

 

「ええ、じゃないと今日の朝ごはんが急にカロリーに気をつけたものに変わらないわよ。兄さん、私を傷つけまいと言わずにそういう見えないところで色々してくれてるから.....気持ちは嬉しいのだけれど複雑だわ。」

 

「普段何食べてるの.....」

 

「おかずの量は大して変わっていなかったのだけれど普段お母さんが炊いた残りのご飯を私と兄さんで分けるの。それがいつも半分ずつで.....私にとってはちょっと多めだったのよ。それで今日見たら、少し減っていてその代わり主菜が増えていて.....少し制限されていたの。」

 

「でも千聖ちゃんならすぐ痩せられるんじゃないかな?今の話を聞く限りただ無理して食べていたようにも思えるし.....」

 

「それがね.....人間という生き物は恐ろしいことに慣れるのよ。」

 

「あっ.....」

 

「というわけで彩ちゃんに相談しているの。」

 

「うーん.....私もダイエットとかにはあまり詳しくないから上手くアドバイス出来ないかな.....リサちゃんに相談してみたら?」

 

「リサちゃんね.....確かに聞いてみる価値はあるわ。彩ちゃん、ありがとう。」

 

「うん、千聖ちゃんも頑張って痩せてね♪」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「痩せる、かー。難しいよね.....」

 

「ええ、どうしたらいいのかしら.....?そしてそのカロリーがどうしたらほかの部分に行くのかしら?」

 

「ん?今別の目的が聞こえたような.....」

 

「ええ、ダイエットもひとつの目的なのだけれど.....どうしたらリサちゃんやひまりちゃん、彩ちゃんや花音のような女の子らしい体型になれるのかしら.....?」

 

「千聖も充分に女の子らしいと思うけどなー。どうして?」

 

「兄さんを振り向かせたいのよ。別に卑しい意味で言っている訳ではないのだけれど.....兄さんの脳内は私=可愛い妹という風に変換されていて私=大人の女性とは見てくれないのよ.....。」

 

「でも確かに、お兄さんから見た妹ってそういう感じだよねー。優希も千聖のこと溺愛してるし。」

 

「そうなの....だから兄さんに1人の女性として見て欲しいのと.....兄さんから見て一番いい印象を与える体重に戻したいの。ああ見えて変化には本当に気づくから.....」

 

「あれ?千聖ちゃんとりさちーじゃん。どうしたの?」

 

「あら、日菜ちゃん。少しダイエットの話をしてたのよ。」

 

「え?千聖ちゃん太ったの?全然変わってないように見えるけど.....」

 

「ええ、ほんの100g程だけれど.....兄さんにも気づかれたしどうしようか悩んでいるのよ.....」

 

「ダイエットするのってそんなに難しい。あたしはすぐ痩せれるよ。」

 

「じょ、女子の敵ー!」

 

「羨ましいわ。あんなにポテトを食べているのにどうして発育がいいのかしら.....」

 

「そんなに気にするー?じゃあ優希に直接聞いてみようよー。」

 

「え!?兄さんを呼ぶの!?」

 

「えー、ダメ?」

 

「ダメよ、絶対にダメ。兄さんにはバレているとはいえ直接言うことは絶対に出来ないわ。もし言ったら兄さん、私に気を遣いすぎて倒れそうだから.....いいわね?」

 

「あはは、シスコンがすごい所で出るね。」

 

「だから.....どうしたらいいのか.....」

 

「じゃあ一緒に遊ぼうよ!!」

 

「遊ぶ.....?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「じゃあ一緒にやろう!!」

 

「これは.....?」

 

「ダンスゲームじゃない?多分これなら運動とか意識しなくてもいいし。」

 

「それに千聖ちゃんは多分運動量が少ないから動いたらすぐ元に戻るよ!!」

 

「いえ、それはいいのだけれど.....リサちゃんも日菜ちゃんもどうしてそんなに足を出してるの?」

 

「それを言うなら千聖もだけど.....運動する服がいつもダンス部で使ってるウェアだから自然と半袖半ズボンになったのかな?まぁそんないやらしい人も居ないし大丈夫だよ♪」

 

「そう.....なら.....」

 

「ち、千聖?どうしてあたしを見るの....?」

 

「リサちゃん、どうしたらそんな.....兄さんを誘惑出来そうね。」

 

「え!?べ、別に優希を誘惑するつもりはさらさらないけど.....」

 

「ねえねえ早くやろうよー!!あと30秒だよ、選択画面!!」

 

「勝手に始めていたのね.....分かったわ、やるわ。」

 

「あたし最初見とくから頑張ってね♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

「やったー!!EXCだよ!!」

 

「はぁ.....よくそんなに動けるわね.....」

 

「やっぱり最初から高難易度は厳しかった?」

 

「当たり前よ.....というかこれ凄いわね。ステップ以外にもパフォーマンスの基本も見せてくれるなんて。」

 

「まぁステップだけでも凄いけど足だけだったら少し物足りないから上半身もステップに合わせて動かせば躍動感とか出るしリズムに乗れるからいいと思うよ!!」

 

「日菜ちゃんが簡単に痩せれるって言ってた理由のひとつが分かった気がするわ.....。」

 

「じゃああたしもやろうかな。ダンス部だからヒナには負けないよ!!」

 

「りさちー一緒にやろう!!千聖ちゃんも休憩したら戻ってきてね!!」

 

「ええ、そうするわ。」

 

 

 

 

 

 

「ええっと飲み物、飲み物....あれは....」

 

「そこだ、いけ!!優希!!」

 

「うるさい、蒼生黙って。」

 

......え!?兄さんもゲーセンに!!ま、まずいわ.....このままだと兄さんと会って.....『そうか.....僕が千聖に変なこと思わせたんだね、ごめんね.....』と切ない顔で謝られる!!それだけは....兄さんを喜び以外で泣かす訳には.....

 

 

「よっし大物!!これ燐子にプレゼントしよう!!」

 

「自分で取った物をあげなよ。それはともかく.....視線を感じる。」

 

「.....え?そうなのか?」

 

「うん.....あっち、かな。」

 

き、気づかれてる!!急いで戻らないと.....

 

「えー、皆あたしのファンなの?」

 

「あはは.....日菜人気だねー。」

 

あっちはあっちで凄いことになってる.....私にも落ち度はあるけれど、日菜ちゃん、やっぱりあなたは芸能人としての自覚が欲しいわ.....

 

「おい見ろよ!!千聖ちゃんまでいるぞ!!」

 

「まじか、俺らファンなんです!!」

 

「ええ、ありがとうこざいます♪」

 

「良かったら握手してください!!」

 

「それは.....ここはゲームセンターですしここにいる方々にご迷惑はかけられないので握手は遠慮させてもらいます。」

 

「ええー、じゃあせめて俺らを見下してください!!」

 

「ええ.....」

 

「ねえヒナ、千聖ってライブの時もあんな感じなの?」

 

「うんうん、あれは単にファンの人が千聖ちゃんがそういう雰囲気だからこういうキャラだって思ったんだよ。」

 

「へえ.....千聖も大変だね。」

 

「ぐへへ、日菜ちゃん....」

 

 

 

 

 

「はい、そこまで。何どさくさに紛れて女の子の体触ろうとしてるの.....全く。」

 

「いたっ!!離せよ!!」

 

「そりゃあ痴漢しようとしたら止めるよ。」

 

「あれ?優希じゃん?ここに来てたの?」

 

「日菜ちゃん、痴漢されかけてた割に落ち着いてるね.....ところで千聖は?」

 

「千聖ちゃんなら今あそこでファンの人を調教してるよ。」

 

「あれ.....だよな。」

 

 

 

 

「あなた達、ファンとしてのプライドは無いのですか?」

 

「は、はいぃ.....」

 

「ほんと、駄犬ばっかりですね。」

 

(次はこう言えよ、千聖ちゃん.....)

 

(あの、蒼生さん?私に耳打ちが許可されている男性は兄さんだけよ?離れてくれないかしら?)( ^ω^)ニコッ

 

「こ、こっわ....笑ってねえ笑顔だ。」

 

「だからこっちの痴漢を取り押さえる方やったらよかったのに.....」

 

「仕方ねぇだろ。大人数相手なら俺の方がいけるし.....」

 

「あと、覚えておいてよ。無断で千聖に耳打ちしたんだから、あとで君の嫌いなわさび丸ごと食わせるからね。」

 

「またあれをやるのかよ.....まぁいいや。おいてめぇら!!男としてそれは恥ずかしくないのか!!」

 

「じゃあ後は任せるわね。」

 

「ファンの相手も楽しいけれど.....タイプが多くて学ばなくちゃいけないことがたくさんあって疲れるわ。」

 

「千聖、いつからあんなSっぽい雰囲気出せるようになったの?」

 

「そうね.....前に兄さんが見てたアニメからよ。」

 

「そ、それはごめんね.....」

 

「ところであの人、放置してていいのー?」

 

「蒼生?大丈夫だよ、あいつ元暴走族だし。そうそう負けることないだろ。」

 

「あはは.....あっそうだ。ねぇ優希。」

 

「ん?どうしたの?今井さん?」

 

「さっきヒナのこと日菜ちゃんって呼んでたよね?だったらあたしもリサって呼んでもらわないと不公平なんだけど.....」

 

「い、いや.....その.....」

 

(ふふっ、随分とお熱いのね、兄さん♪本当に首輪をつけた方がいいかしら.....)

 

(ちょ、それは誤解だってば.....。それに今井さんとそんな漫画みたいな展開してないし。)

 

「だめ.....かな.....?」

 

「そこまで気にすることじゃ....ない....よね?」

 

「兄さん、呼んであげなさい。」

 

「うん.....リサ、さんでいいかな?」

 

「さん付けか.....今はいいよ♪慣れてきたら呼び捨てでいいから!!」

 

「う、うん.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ところで今日千聖は何でゲーセンに?」

 

「ちょっとした気晴らしよ。日菜ちゃんと一緒にたくさん体を動かしたわ。」

 

「千聖も友達と上手く付き合っていけてるね.....良かった。」

 

「もう、兄さんは私のお父さんみたいね♪」

 

「おと.....せめてお兄さんであってほしい.....」

 

「あら、ごめんなさいね。それはともかく.....兄さん?」グイッ

 

「はい?」

 

「帰ったら事情聴取よ。どこまで今女の子と進展があるか.....全部教えてちょうだい♪」

 

 

「わ、分かりました.....ん?千聖?」

 

「どうしたの?」

 

「気のせいか.....顔赤くないか?」

 

「それは.....べ、別に.....(死んでも兄さんの顔が近いから、なんて言えないわね.....)」

 

「もしかして.....朝のこと気にしてる?」

 

「朝のこと、な、なんの事かしら?」

 

「いや.....千聖が体重増えたかなって遠回しに伝えちゃったと思って.....」

 

「.......!!兄さん、体重の話は女の子にはタブーよ♪それにああいうさり気ない心遣いはむしろ+になるから気にしないで。」

 

「良かった.....」

 

「ただ.....今口に出して言ったからあとでお仕置きよ。」

 

「り、理不尽!!」

 

 

 

 

 

 

余談

その後、日菜ちゃんと私がゲームセンターで遊んでいたことが動画に上げられていて『尊い』とか『隣にいるギャルっぽい女の子もいい』とか『お前ノンケかよ.....』というコメントがたくさんあって驚いた。日菜ちゃんも含め、結構有名になったのね.....なぜハッシュタグが『似合いすぎて眩しい』なのかは不明なのだけれど.....どことなく恥ずかしいわ。




皆さんはどういう体質ですか?僕は何故か食べても痩せていくんですよ.....というか体重が増えるのが身長伸びた時くらいなんですよね.....
なんかリサ姉って親密度上がる度にヤンデレみたいになりそう(小並感)


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お兄さん争奪戦(2人)

新しく出たバンドに見た目が千聖さんと似ている子(広町七深ちゃん)を見て、え?と思ったら声聞いたら全然違いました。でも花音さんと千聖さんが合体した雰囲気があるんですよね.....Baも一緒だし。
誤字脱字報告お願いします。


「.......」

 

「.......」

 

「あの、お二人共?もう少し平和にいきましょうよ。」

 

『兄さん(先輩)は黙って。』

 

「アッハイ.....どうしてこうなった.....」

 

事の発端は今から約2時間前のこと。僕がいつも通り家でパシられていたところから始まった。

 

「あら....先輩じゃない。ここで何をしているの?」

 

「ん?いつも通りレオンの小屋の掃除とレオンをお手入れしてるんだよ。ここ最近皆忙しいみたいだから僕がやっておこうと思って....友希那さんは?」

 

「少し散歩をしていただけよ。先輩達とはよくここら辺に来たから.....懐かしくて。」

 

「そうだったね、皆でアイス食べながら帰ったのもいい思い出だよ。」

 

「ええ.....久々に家にお邪魔したいって言ったら怒るかしら....?」

 

「僕は全然大丈夫だけど....千聖やお母さんがどう言うかだね。」

 

「別に白鷺さんの部屋に入る訳でもないのだから....別にいいのではないかしら?それにもう1人の妹さんはどうしたの?」

 

「何で知ってるの.....今はちょっと留学中だよ。だから家には今はいないんだ。」

 

「そう.....」

 

「優希、これもおねが.....あら?優希、その子は誰?」

 

「初めまして、お義母さん。湊友希那と申します。先輩.....いえ、息子さんの将来の妻です。」

 

「あの、だからいつ結婚したの.....」

 

「あらあら、優希もモテモテね。千聖が妬いちゃうわよ。」

 

「勘弁してよ.....それで用事って?」

 

「やっぱりやめたわ。せっかく将来のお嫁さんが来てくれたんだから一緒にゆっくりしていきなさい。いらっしゃい♪」

 

「はい.....お邪魔します。(勝ったわ)」

 

「.....レオン、とりあえず小屋に戻ってね。ちゃんと綺麗にしたから。」

 

「ワン!!」

 

「くすぐったいよ.....」

 

 

 

 

 

「あまり変わってないのね。」

 

「まあね。変わったのは教材や資料くらいだよ。さっきまで勉強してたからちょっとテキストがあるけど気にしないで。はい、お茶。」

 

「ええ....懐かしいわね。この写真まであるなんて。」

 

「そうかな?あいつらと活動してたのもつい最近だし何かと思い出があるから捨てられないんだよね。これは....友希那さんが入ってきて打ち解けた時の写真かな?」

 

「あの頃の私は本当に縛られていたから.....こんな柔らかい表情をするとは思わなかったわ。」

 

「そうだね.....ねぇ、顔近くない?」

 

「そうかしら?これくらい普通の距離だと思うのだけれど.....」

 

「普通じゃないよ....というか仮にも友希那さん千聖とは別ベクトルだけど有名人だからこういうことあんまりしない方がいいよ。」

 

「それを言うなら界隈によっては先輩も有名人よ。だからお互い様ね。.....さらっと離れないで。」

 

「くっついてる方が落ち着かないよ.....」

 

「ふぅ.....」

 

「耳に息吹きかけないで.....心臓に悪いよ。」

 

「ふふっ、やはり先輩は打たれ弱いわね。」

 

「友希那さんこんなキャラだっけ?もっとクールな感じだったような.....」

 

「それは外の話よ。先輩には違う私を見せているの。全部本心よ。(リサがこういう風にすればいいって言ってたわね.....)」

 

「そうなんだ....」

 

バァン!!

 

「ん?千聖?どうしたの?まだ仕事あった?」

 

「いいえ、さっきお母さんから『優希にお嫁さんが来たわよ♪』って言ってたから誰かと思ったら.....友希那ちゃんだったのね。」

 

「白鷺さん.....また私と先輩の道を阻むつもりね。」

 

「ええ、兄さんは私のものよ。」

 

「いや、僕は千聖のものではないよ。」

 

「そうよ、私のものよ。」

 

「友希那さんのものでもないからね.....」

 

バチバチ

 

(漫画で見たことがあるとはいえ.....本当にその状況に立つと怖いな.....というか威圧感がすごいよ。女優と歌姫の圧力怖。間違いなくSPACEの詩船さんと同じ、もしくはそれ以上の威圧感だよ.....あの人、なんでか翔世だけには優しかったんだよな.....)

 

「あなたとはいずれ決着をつけなければいけないとは薄々分かっていたわ。」

 

「ええ.....私もそろそろちゃんと示さないといけないと思っていたの。」

 

『兄さん(先輩)が私のものだということを。』

 

「だから僕はどっちのものでもないってば.....聞こえてないよね。」

 

でも何でだろう.....怖いのに和んでしまう。

 

「ここでは埒が明かないから、移動しましょう。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ということでこれで決着をつけましょう。」

 

「カラオケ?これ友希那さんが圧倒的に有利じゃない?だって千聖ベースとたまにしかボーカルやってないし。」

 

「勿論、不公平さが出るでしょうから兄さんがボーカルをした曲を歌ってその点数で勝敗を分けましょ。」

 

「それでも一緒だと思うけど.....千聖?」

「兄さんの.....勿論受けて立つわ。私ほど兄さんの歌を近くで聞いてきた人間はいないわ。」

 

「ねぇ僕達の曲って内蔵されてるの?僕達ライブは全国色んなところでやらせてもらったけど曲の提供を許可した覚えは無いんだ。」

 

「それなら心配はいらないわ。ここの人がいれてくれたから。」

 

「ええ.....」

 

「さぁ....始めましょ。因みに最後に先輩にも歌ってもらうわよ。」

 

「いいけど.....僕の点数が2人より低かったらなんか恥ずかしいよ。」

 

「その時はここに判子を押してもらうだけね。」

 

「婚姻届....しかも親権者と判子のところだけ空いてる.....住所さらっとバレてるじゃん。というかなんで常備してるの?」

 

「いつ同意してもいい為よ。」

 

「とりあえず曲選ぼうよ。」

 

 

 

 

1時間半後

 

「やっぱり友希那ちゃんは強敵ね。」

 

「というか.....千聖って歌得意だっけ?得点の差がそこまで開いてないし。」

 

「デビュー前はお世辞にも得意とは言えなかったけれどパスパレで鍛えてそれなりに上手くはなったわよ。」

 

「それもそうだね、少し違和感あったけど。」

 

「そうかしら.....?でと兄さんの歌い方にかなり合わせたわよ。」

 

「うん、息継ぎに関しては千聖の方が僕と似てるよね。友希那さんは元々ボーカルだから息が自然に切れてるというよりかは意図的に切ってるもんね。」

 

「さすが、私の行為の意図を見抜くとはやはり私とは以心伝心ね。夫婦としてピッタリだわ。」

 

「求婚はともかく、なぜ確定ルートになってるの.....?」

 

「さて.....白鷺さん、次はあなたが対戦内容を考えて。」

 

「え?私.....?」

 

「さすがに自分が圧倒的に有利な立場で勝負をして勝ってもそれだけでは意味が無いの。だからあなたが次は内容を決めなさい。そこでも私こそが先輩と合ってることを証明するわ。」

 

「そうね.....なら、こんなのはどうかしら?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「これは.....何?」

 

「何って軽く料理対決をしているところよ。将来妻として兄さんの隣に立つならこれくらいは出来ないとダメよ。兄さん自身は料理出来るからさほど問題ではないのだけれど.....」

 

「それもそうね。帰ってきたところに『晩御飯を作りなさい』なんて言えないわね。分かったわ、この料理対決、受けて立つわ。」

 

 

「にしても.....2人ともエプロン着るんだ。」

 

「こっちの方がイメージ湧くかなって.....兄さん普段はつけてないから不思議よね。」

 

「まぁ単にめんどくさいだけだけど.....でも2人とも似合ってるよ。」

 

「先輩.....作業に集中したいから今だけは口を閉じてくれるかしら?」

 

「あ、ごめん。」

 

(それにしても友希那ちゃん本気ね.....リサちゃんを頼らないなんて。)

 

(リサがいなくても私は料理が出来ることをちゃんと先輩に証明してみせるわ!!)

 

 

「(もしもし今井さん、友希那さんって料理スキルどれくらいなの?)」

 

「(なんで声小さいの?)」

 

「(今本人が目の前で料理してるから.....)」

 

「(あとで動画にして送って。見てみたい。)」

 

「(ラジャー。)」

 

「何話してたの?」

 

「いや、なんでもないよ。」

 

 

 

 

 

「出来たわ。」

 

「私も完成したわ。」

 

「じゃあ頂こうかな.....友希那さん、これハンバーグだよね?」

 

「ええそうよ。」

 

「黒焦げになってない?」

 

「火の加減と時間を間違えたのよ。色々考えているうちに。」

 

「そうなんだ.....」

 

「私はあまり自信はないけれど、ハヤシライスを少しアレンジしたものよ。」

 

 

食後

 

「ごちそうさまでした.....どうすればいい?」

 

「普通に評価をしてほしいわ。」

 

「分かった.....まず改善出来る点から言わせてもらうね。まず友希那さん。ウスターソースをりんごジュースと醤油と米酢と塩から作るというアイディアは良かったんだけど、塩と砂糖間違えないでね?あと分量の割合がおかしかったよ。」

 

「よく食べただけで分かったわね.....」

 

「何回か施行すれば良くなるよ。えっと千聖の方は.....しめじをもう少し食べやすい大きさに切った方がよかったよ。ちょっとでかかったかな.....」

 

「そうなの.....ごめんなさい。」

 

「じゃあ良かった点は....なんか偉そうだよね。2人ともとても愛情を込めて作ってくれてるから本当に嬉しかったよ。将来この料理を食べられる人はきっと幸せになれるよ。」

 

((それは兄さん(先輩)のことなんだけど.....))

 

 

「分かったわ.....今日の勝負は私の負けでいいわ。」

 

「ふふっ....ありがとうございました。」

 

「でも、先輩の隣は私が1番相応しいということはいずれ証明してみせるわ!!」

 

「.....え?いや友希那さんならもっといい人見つけられると思うけど.....」

 

 

「では、失礼するわ。」

 

「待って友希那ちゃん.....せめて使った調理器具だけは洗って片付けてくれないかしら?」

 

「.....忘れていたわ。」




うーん.....なんかマンネリというかなんというか.....あれですよね。
3月16日に実装とは言ってましたが、一気に実装したらアプデの容量すごいことになりそうですよね.......
評価つけてくださってる人ありがとうございます。僕は名前出されるのどうかなぁって考える癖があるので名前を出さないようにしています。そっちの方が気軽に評価してくださるかなと.....これ言ってなかったです。


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メイド.....?

限定のつぐみちゃん可愛いですよね.....3周年前に持ってこないでください。僕は持ってるからいいんですけどこれホワイトデー限定千聖さんを狙ってる人からしたらスター大量に貰えてラッキーじゃないですか?


「お店のお手伝いをして欲しいんです!!」

 

「ええ、それは構わないのだけれど.....私、一応女優兼アイドルだから手伝える日はそう多くはないわよ。」

 

「受けてくれるんですね、ありがとうございます!!」

 

「でもつぐみちゃんも大変ね、何かあるの?」

 

「はい.....千聖さんも知ってると思うんですがあのバンドの合同イベントなんですけど、機材なり照明なりを運んだりするのが大変で.......おまけに今回千聖さんに出てもらうのに事務所にも行ってきました。」

 

「事務所!?私が個人的にoffで出演する分には大丈夫だと思うのだけれど.....事務所が納得しなかったのね。」

 

「そうなんです。日菜先輩もお願いしたんですけどどうしてもダメとのことで.....」

 

「おそらく兄さん達が出るからよ。」

 

「あの人が?どうして?」

 

「以前つぐみちゃんには話したか覚えてないけれどうちの兄さんのバンドが1回私の事務所に喧嘩を売って.....それ以降事務所の上の方々も兄さんたちを少し敵視することになって、おそらく今回は日菜ちゃんが大方『えー!?優希も出るんだよ!?』って言ったからあっちも少し嫌がらせというかそのつもりでやったんでしょうね.....いくらかかったの?」

 

「い、いえさすがに受け取れません!!まだ払ってもいませんし。」

 

「なら後で請求されたら言って。私がちゃんと話をつけるわ。」

 

「.....アイドルって大変ですね.....」

 

「仕方ないわ。こういう業界だとそういうお金絡みの話は出てきてしまうものよ。それで、他には?」

 

「後はですね.....各クラスの予算申請書の決済をちゃんと見るのも私の仕事なんです。一応会計さんがちゃんと見てOKを出したものを最終的に見る仕事をやってるんです。日菜先輩は理事長にそれを出したり内容に関して許可を取ったりしてるんですよ。」

 

「そう......日菜ちゃんもちゃんと仕事をしているのね。つぐみちゃんに殆ど任せてそうで心配だったわ。」

 

「日菜先輩、ちゃんとやってますよ。おそらく紗夜さんも言ってくれてますし。」

 

「ふふっ、そうね。日菜ちゃんは紗夜ちゃんの言うことはちゃんと聞くものね。さて世間話もこれくらいにして.....どう手伝えばいいのかしら?」

 

「ホールの仕事をお願いしてもいいですか?イヴちゃんのおかげでうちも沢山のお客さんが来てくれるんですけど....多くて捌くのに時間がかかっちゃって.....中にはイヴちゃんを引き止めて長時間喋る人もいらっしゃいますし....」

 

「大変ね.....でも私が参加したら余計に人が増えるというのはないかしら?」

 

「一応軽い変装はしてもらうってお父さんが言っていました。これです!!」

 

「つぐみちゃん.....そんなに眩しい笑顔でメイドの服を出しても反応は同じよ。」

 

「でも、これしか家に無くて....だめですか?」

 

「(.....つぐみちゃんにこんな顔されたら断れないわね。)分かったわ。恥ずかしいけれど.....やってみせるわ。」

 

「.....!!ありがとうございます!!」

 

 

 

 

 

「これでごまかせるかしら.....?」

 

「大丈夫だと思いますよ!!多分.....」

 

私は一応、髪型をおさげにして眼鏡をかけて雰囲気は変えたけれど.....

 

「足りない分は演技で補えばいいのだけれど....兄さん達にだけは絶対にバレるわ。」

 

「千聖さんって眼鏡をかけるだけでも雰囲気変わりますよね.....」

 

「そうかしら?でもいつも通りの髪型にしてたら眼鏡をかけても一瞬でバレるわよ。過去に経験したことあるから。」

 

「そうなんですか.....じゃあ早速お願いします!!今からお手本を見せますので、分からなかったら気軽に聞いてください!!」

 

「ええ、お願いするわ。」

 

「こんにちは!!あれ?ツグミさん、チサトさんを雇ったんですか?」

 

「お手伝いとして今はいるのよ。イヴちゃん、私はできる限り他人を演じるからイヴちゃんも気軽にチサトさんとは呼ばないでね?」

 

「はい、分かりました!!まるでくのいちみたいですね!!」

 

「ふふっ、そうかしら。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「意外と料理を片手で持っていくのって難しいのね。」

 

「そうですか?私は小さい頃からやってたから慣れてますよ!!」

 

「つぐみちゃんは偉いわね。」

 

「えへへ.....そうですか?」

 

「今のところバレてはいないし.....順調ね。」

 

「チサトさん、お客さんが来ました!!」

 

「ええ、行くわ。」

 

 

 

 

 

「いらっしゃ.....」

 

「2名です。テーブル席がいいんですけど、空いてなかったらカウンターでお願いします。」

 

「あれー.....うーん、千聖ちゃんに似てるなぁ.....」

 

 

どうして兄さんと日菜ちゃんが一緒に来てるのよ!?しかも日菜ちゃんに関しては少しも変装をしてない!!珈琲店にアイドルが3人もいたら騒ぎが大きくなるわね。

 

「ひ、人違いですよ.....私は白鷺千聖じゃありませんから。」

 

「(千聖.....ごまかして一体何がしたいんだろう.....買いたいものでもあるのかな?)」

 

「じゃあご案内しますね。」

 

「(ねぇ優希、あれ千聖ちゃんだよね.....?)」

 

「(うん.....なんか普段と全然雰囲気違うけど.....何してるのかな?)」

 

(ちょっと兄さん?どうして日菜ちゃんとそんなにくっついているのかしら.....?特に日菜ちゃんはアイドルのイメージもあるんだから疑われるわよ....)

 

「こちらメニューになっていますので決められましたらお呼び下さい。」

 

「あの、店員さん?僕のつま先を踏んでいるのですがこれは何故ですか?」

 

「では失礼しますね。」

 

「なんで怒ってるの.....?」

 

「さぁ.....ところで持ってきた?」

 

「あの用紙?うん、持ってきたよ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ....』

 

「ち、千聖さん!?何かあったんですか?」

 

「いえ、何も無いわよ。」

 

「目に光がありませんよ.....あれ、千聖さんのお兄さんですよね?」

 

「ええ、そうよ。」

 

「とっても仲が良さそうですね♪」

 

「あっ.....」

 

「ふふっ、そうね.....」

 

「イヴちゃん!!そろそろコーヒーの追加注文来る時間帯だからホール回ってきて。」

 

「はい!!分かりました!!」

 

「なら私も行くわね。」

 

「は、はい.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「とりあえず、生徒会の承認印は貰うよ。」

 

「うん、ドーン!!」

 

「豪快に押したね.....というか変装大丈夫なの?」

 

「大丈夫だよ!!だって優希と歩いてても何も言われなかったし。」

 

「それもそうか.....うちはくじ引きライブやるからその候補曲のどれになるかは分からないからそこは了承しておいてね。」

 

「うん、分かってるよ。ねぇ聞いてよ、この前おねーちゃんがさぁ.....」

 

「うんうん....」

 

「お客様、コーヒーです。」

 

「ありがとう千聖.....ねぇなんで怒ってるの?」

 

「私は白鷺千聖ではありませんよ、ふふっ。」

 

「こ、怖いよ.....」

 

「ねえねえ千聖ちゃん、ポテトある?」

 

「すみませんがポテトはこの店にはありません。」

 

「えー、じゃあいいや。じゃあ.....優希に膝枕してもらおう!!」

 

「ちょ!?勝手に乗らないでよ.....」

 

「あら、お客様、随分と良い身分ですね♪」

 

「ひ、日菜ちゃん!?千聖を煽るようなことは辞めて.....僕の命がいくつあっても足りないから.....」

 

「ここに来る時も恋人繋ぎしたもんね♪」

 

「.....は?」

 

「いやしてないよ!!捏造しないでよ!!」

 

やばい.....このままだとフタエノキワミどころかキボウノハナされるのが目に見えて分かる。日菜ちゃん、千聖をからかってるんだろうけど僕の体が後々ボコボコにされるのを考えてからやってね.....

 

「へぇ.....これはお説教、いや調教が必要みたいね?」

 

「こ、こっわ.....」

 

 

 

「おい見ろよあれ、あのメイドさん!!めっちゃドSだぞ!!」

 

「やべぇ、興奮してきた。」

 

「あの、すみません!!俺も見下してください!!」

 

「え、ええ!?」

 

「なんかこの流れゲームセンターの時もあったよねー。」

 

「でもおそらく千聖ってバレてないよ。」

 

「千聖ちゃんはやっぱり凄いね!!」

 

「元はと言えば全部日菜ちゃんが起こしたことなんだけどね.....」

 

「あわわ.....」

 

「ほら、つぐみちゃんも困ってるし.....」

 

「凄いです!!まるで本物のようです!!」

 

 

「あなた達、ここは珈琲店よ。ぎゃあぎゃあ騒がないで。全く、ここは無能の集まりですか?」

 

「ひ、ひぃ.....」

 

「千聖、なんとか場を収めたね。」

 

「そうだねー。あれ?優希誰に電話かけてるの?」

 

「ん?.....ああもしもし、紗夜さんですか?あの妹さんが少しばかり騒ぎを起こしちゃったので来てもらえますか?」

 

『日菜がまた何かしたのですか.....ご迷惑をおかけして申し訳ありません。日菜には後で厳しく言っておきます。ところでどちらに?』

 

「羽沢珈琲店です。」

 

『.....今すぐ行きます。』

 

「というわけで紗夜さんに電話かけてたよ。」

 

「うう....絶対怒られるよぉ.....」

 

「ここが家ならともかく飲食店だったからね.....断らなかった僕も悪いから後でちゃんと一緒に頭を下げるよ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

夕方

 

「本当に申し訳ありませんでした。」

 

「僕も年上でありながら行動をちゃんと止められませんでした。すみませんでした。」

 

「あ、別にいいんですよ!!とくに怪我とか無くて安心しました。」

 

「まぁ騒ぎが起きたのはもういいですよ。最近店が静かでしたから少しうるさくなってくれてむしろ嬉しかったからね。でもあんな風にはもう騒ぎは起こさないでね。いい?」

 

「はい.....」

 

「うう.....おねーちゃん、ごめんなさい。」

 

「.....もう過ぎたことだからあまり言わないわ。でも日菜、まずはそういうことをやめなさい。あとは自分が有名人だということをちゃんと分かって行動して。」

 

「はぁい.....」

 

「兄さんも、何笑っていたのかしら?」

 

「す、すみません.....まさかあんな騒ぎまでなるとは.....」

 

「違うわ、日菜ちゃんが膝枕を要求して動いた時にどうして辞めなかったのかしら?」

 

「そっち!?」

 

「それに今日は随分とお楽しみだったじゃない。」

 

「うっ....言うことはありません。」

 

「もう.....気をつけなさいよ。」

 

「ところでどうして今日変装してたの?」

 

「つぐみちゃんにお願いされたのと、私が素でメイドをやっていたらある意味あれより大騒ぎになるのよ。SNSも現実も。」

 

「そうなんだ.....」

 

「兄さんは日菜ちゃんと何をしてたの?」

 

「羽丘の文化祭のエントリーシートの提出だよ。セトリとメンバーの名前書いて提出しようと思ったけど僕が羽丘に入ると色々不自然だし友希那さんに捕まるのは確実だから個人に渡した方がいいかなぁって.....」

 

「そうだったのね....でも私に教えてくれなかったのかしら?」

 

「特に言う必要もないかなぁって.....それにあんなに長時間話すつもりもなかったし。」

 

「へぇ.....これは友希那ちゃんにも、報告ね。」

 

「勘弁してよぉ.....」




どうでもいい豆知識①
巴ちゃんが苗字で呼んでいる(先輩付き)人は、千聖さんと薫さんと友希那さんしかいないんですよね。巴ちゃんから千聖さんはやっぱり大人っぽく見えるのかそれとも単に会う機会が少ないのか.....
間違ってたら教えてください。


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合同練習!!

文化祭の方を進めていきます。今日はオリキャラは登場しません。
ドリフェスとMorfonicaガチャはなんだろうなぁ.....あと星4選択チケット付き有償10連と、ドリフェス特別ガチャ有償2000×3ガチャも来そう.....青いりんごのカードが売れそうですね。(まず非常事態宣言出たらカード買いに行きにくくなりそう)


とあるスタジオにて

 

「じゃあ軽く自己紹介からしていこうかしら。」

 

「ええ.....和奏レイ。RASのボーカル兼ベースを担当しているわ。お兄ちゃんは.....和奏豪、EXTRAのメインボーカル。」

 

「じゃあ私も。花園たえっていいます。Poppin’Partyのギターでお兄ちゃんは花園翔世、EXTRAのメインギターやってます。」

 

「白鷺千聖です。パスパレのベース担当です。兄はEXTRAメインキーボードの白鷺優希です。よろしくお願いします♪」

 

「えっと.....ふぇぇ、松原花音、です。ハロハピのドラムやってます。お兄ちゃんは....EXTRAメインドラムの松原流星です。」

 

「白金燐子.....です。Roseliaのキーボードをやってます.....蒼兄.....EXTRAのメインベースの白金の蒼生は私の兄.....です。」

 

「おたえと同じく、Poppin’Partyの市ヶ谷有咲です。キーボードやってます。兄貴は.....市ヶ谷紅蓮はEXTRAのPAと事務とか色々やってます。あとは誰かの代理として色々と。」

 

「美竹蘭です。Afterglowのボーカル兼ギターです。兄はいません。」

 

「OK、私が今回このバンドをプロデュースする、Chu^2よ。今回のこのバンドの目的は.....EXTRAをぶっ潰すことよ!!」

 

「はぁ.....すみません、いつもああいう感じなので気にしないでください。」

 

「あはは.....」

 

「またレイとライブが出来るんだね.....」

 

「うん、はなちゃんとまたライブが出来て嬉しいよ。」

 

「花音とやるのはこれが初めてかしら?」

 

「うん.....千聖ちゃん、よろしくね。」

 

「燐子先輩....大丈夫ですか?」

 

「皆さんコミュニケーション能力が高いなって思って.....」

 

「それは分かります。.....私も正直入っていける気がしません。」

 

「じゃあやるかしら?....お兄ちゃん論争。」

 

「あ、いいねそれ。」

 

「話したいことも沢山あるしな。」

 

「6人揃ってやるのは初めてだね....」

 

「はなちゃん、前にやったことあるの?」

 

「うん、お兄ちゃんたちが妹会議してる時に私たちもやってたんだ。レイはやったことないよね?」

 

「そうね、お兄ちゃんだけがそっちに残ったから話す機会は無かったかな。」

 

「What!?何を始めるつもりなの!?」

 

「何を?私たち全員の共通点は兄さんが好きなことよ。兄自慢が始まってしまうのは当然のことよ。」

 

「really.....予想外の事態だわ。」

 

「こんなの起こるんですね.....」

 

「あなたは入らないの?」

 

「私、お兄ちゃんいませんから.....」

 

「お互い、このバンドで苦労しそうね.....パレオ。」

 

「はい、チュチュ様!!ジャーキーですね♪」

 

「違うわよ。例の資料を渡して。」

 

「分かりました!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「これが、今回の文化祭イベントの要綱よ。対バン形式ではないにせよ、私たちの目的は観客の盛り上がりをEXTRAやRoseliaよりも大きくすること。そして、2日目は私たちRASも出るから、ボーカルとキーボードはそれぞれ交代してもらうように依頼したわ。」

 

「でも文化祭当日まで2週間くらいしかないですよ。この前リハみたいな感じで各クラスが当日そのままみたいな感じでやってましたし。」

 

「そう、だから今回はあなたたち全員の予定を貰うために私が全部交渉しにいったのよ!!」

 

「さすがです!!チュチュ様!!」

 

「私は.....2つとも出るんですが....」

 

「私もそうです。」

 

「勿論分かっているわ。だからRoseliaやAfterglowの方には半分の時間だけ貰うようにお願いしたの。だから.....今回1番苦労するのはあなたとあなたよ!!」

 

「はい.....頑張り、ます.....」

 

「それ、結構厳しそう。」

 

「でもその分、あなた達は2回出るメンバーよりも練習する曲は少ないわ。」

 

「因みに私たちが練習する曲は?」

 

「10曲よ。バンドの都合上10曲全部がカバーになってしまうけれど。あと今回の羽丘高校の生徒会からはこのイベントを開催するかわりに皆が盛り上がる、もしくは知っている曲、知って欲しい曲でお願いと要請を受けたわ。だから今回はみんな知ってる曲になっているはずよ。」

 

「ボカロ入ってるけど.....チュチュ、これ知ってる人少ないよね?」

 

「ボカロはよっぽどの曲以外はあんまり知られていないわよ。」

 

「それもそうね。」

 

「じゃあ早速練習してもらうわよ!!」

 

『お願いします!!』

 

「あの、ひとついいですか?つぐみから伝言貰ってて、このバンドの名前を教えて欲しいとのことです。申請する際に必要だとかで。」

 

「そうね、Mainでいいんじゃないかしら?このバンドの結成目的がEXTRAの対抗も含まれているならその反対のメインがいいと思うわ。」

 

「うん、いいねそれ。」

 

「じゃあそれで伝えておいてくれるかしら?」

 

「分かりました、じゃあ今日はAfterglowで練習があるので失礼します。」

 

「お疲れ様。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

練習後、ファミレス

 

「有咲ちゃん、覚えるのが速いのね。」

 

「千聖先輩も結構凄いですよ。」

 

「はなちゃん、サビの前の部分、少し躓いてる?」

 

「うん、ちょっとだけ。」

 

「また今度、個人的に練習付き合おうか?」

 

「やってくれるの?じゃあお願い。」

 

「そういえば皆さんお兄ちゃん帰ってきましたか?」

 

「ええ、帰ってきてるけど.....はなちゃん、まだ帰ってきてないの?」

 

「はい、まだお兄ちゃんをもふもふしてませんし.....」

 

「もふもふ?」

 

「お兄ちゃんって私よりも身長が低いんですよ、だから抱きしめてもふもふ出来ますし、膝枕もまだしてないんですよ。」

 

「はなちゃんのお兄ちゃんって甘えん坊なの?」

 

「ううん、いつも恥ずかしがってるんだけどそこも可愛いんだ。おっちゃんと同じくらい可愛いと思ってるよ。」

 

「おたえがうさぎと同じ扱いするって.....中々だな。」

 

「有咲はじゃあお兄ちゃんとイチャイチャしてないの?」

 

「はぁ!?べ、別にそんなことはしてねぇよ....昨日一緒に寝て抱きついたくらいしか。」

 

「え!?有咲が大胆。」

 

「だから違ぇっての!!兄貴が勝手に入ってきただけというか.....寝相で抱きついちまったってだけで。」

 

「私は昨日、お兄ちゃんとセッションしたわよ。そしたら『レイ、お前めちゃくちゃ上手くなってるじゃん!!』って褒めてくれたんだよ。久々にお兄ちゃんの大きい手で頭撫でられたから.....気持ちよかったな。」

 

「皆そういう機会があっていいわね。兄さん、色んな人と知り合ったから最近は私との時間が少なくて.....」

 

「確かに、優希くんバイトもしてるし大変だよね.....」

 

「でも先日、蒼兄と遊びに行ってたって聞きましたよ.....」

 

「そうね、私もその場で見つけたわ。」

 

「ねえねえいいかな?」

 

「どうしたの、花音。」

 

「この中で.....お兄ちゃんが行った先で女の人と絡んでるもしくは絡まれてる証拠を見た人ってどれくらいいるのかな.....?」

 

「私は確認したわよ。お兄ちゃん、サークルの女の子とチャットで会話してたし。」

 

「お兄ちゃんはめすぶ.....じゃなかった、肉食系の女の子に絡まれやすいから仕方ないんだけど.....でも多いなって。」

 

「兄さんは....ガールズバンドの子達との交流が出来たからそういうのはしょっちゅうね。」

 

「千聖先輩は、それどう思ってるんですか?」

 

「兄さんの交流が増えてくれたのは嬉しいけど.....私との時間が減って寂しいわ。」

 

「兄貴は.....頼られやすいからそういうのあるだろうな。証拠とかは見た事ないけど。」

 

「そういえばチュチュがこの前、紅蓮さんをプロデュースするとか言ってたわね。」

 

「それ本当ですか!?」

 

「ええ、でも本人は断ったみたいで。」

 

「そ、そうなんですか。」

 

「あとこれも聞きたいわね。兄さん達のラストライブ、最前列で見た人はこの中にいるかしら?」

 

「それは愚問よ。」

 

「そうだね、お兄ちゃんの最後の晴れ舞台だし。」

 

「私も見に行ったけど....どセンターだったかな。」

 

「センターは有咲ちゃんだったのね。じゃあ私は隣にいたわ。」

 

「へぇ.....全然気づきませんでした。千聖先輩隣にいたんですね。」

 

「まぁ変装はしていたから分からないのも無理はないわ。」

 

「これは提案なんだけれど....初日は私たちが出ることになっているから.....全員、ラストライブの衣装で出ないかしら?」

 

「え!?千聖ちゃん、ラストライブの衣装貰ったの!?」

 

「ええ、兄さん頂戴って言ったらくれたわ。兄さんは初めて6人でライブを完成させた時の衣装はくれなかったけれど。」

 

「それは私も同じ。お兄ちゃんはラストライブの衣装はくれたけどファーストライブの衣装はくれなかったわ。」

 

「私も貰ったよ。その後おっちゃんにも服作ってくれたんだ。」

 

「翔世さんって裁縫上手なの?」

 

「うん、昔は私も服作って貰ってたし。」

 

「ふふっ、たえちゃんは大事にされているのね。」

 

「はい。でも私まだお兄ちゃんが帰ってきてないので少し聞いてみますね。」

 

「ええ、お願いするわ。」

 

「花音はもらってないの?」

 

「ううん....サイズが合わないんだ。」

 

「...,それを忘れていたわ。私の身長が152cmで兄さんが180近くあるから.....少し整えないとダメね。」

 

「私は逆にお兄ちゃんが小さいから少しきついかもです。」

 

「私も千聖先輩と同じで.....兄貴、胸囲がそこまでだからきついかもしれません。」

 

「そこら辺は繕わないとね。」

 

「今度練習後にみんなで直しましょう。ついでに同じ生地で蘭ちゃんの分まで作ってあげましょう。」

 

「それもそうだね、蘭ちゃんだけ入手不可能だし。」

 

「じゃあお兄ちゃん連れてきましょうか?お兄ちゃんがその衣装作った人なので。」

 

「呼んだらバレるわよ。そこは秘密にして、当日見せましょ。」

 

「じゃあ今井さんに聞いてみていいですか.....?」

 

「リサちゃんに手伝ってもらうのはいいわね。お願いできるかしら?」

 

「はい.....分かり、ました。」

 

「じゃあ明日も頑張ろ。」

 

『おー!!』




僕の周りの人は、ボカロで知ってる曲は?と聞くと、アスノヨゾラ哨戒班、シャルル、千本桜、砂の惑星しか出てきません......
誰かの心臓になれたならとかECHOとかも知って欲しいです.....


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で、デート!?

こういう回を作っても.....いいかな。
蘭ちゃんの限定及びドリフェスの登場早くないですか....?
最近気づいたんですがPoppin’Partyが歌ってるバンドリのopってサビに入る前に静かにして一気に入ってますよね。伝わりますか....(イニシャルでいうところの『ときに』、キズナミュージック♪の『キズナ』の部分です.....)


「ということで、私とデートをして欲しいのです。」

 

「リサさん、紗夜さんはいつから頭がおかしくなったんだ?」

 

「あはは.....友希那が紗夜にちょっと変なこと教えたからかな。」

 

「変なこと?」

 

「昨日の事なんだけど.....」

 

 

 

昨日 Roselia内にて

 

「そういえば湊さんは1人でよく練習していたそうですが、何かモチベーションを保つ方法があったのですか?」

 

「モチベーション.....私が音楽に関してモチベーションが下がるなんてことはありえないのだけれど.....強いて言うなら先輩がいたからかしら。」

 

「先輩って優希のこと?」

 

「ええ、私にとって落ち着く時間はリサやRoseliaの皆と一緒にいる時と先輩の隣にいる時なの。でもRoseliaが結成される前まではいつも先輩という存在が私を支えてくれたの。」

 

「白鷺さんには何か特別なものがあるということですか?」

 

「そうでしょうね、あの頃の私が他人の言葉を素直に聞き入れられたのは先輩と......たまにEXTRAのメンバーがいたからといって過言じゃないと思うわ。」

 

「分かりました、湊さん。ありがとうございます。」

 

(あれ?紗夜何するつもりなのかな....?)

 

 

 

 

「なるほど....僕は巻き込まれてる側じゃん。」

 

「その通りです。湊さんがどうしてあそこまでレベルが高くなったのか.....白鷺さんと時を過ごせばそれがわかると思いまして。」

 

「うん....いいけど、僕も練習しないといけないから明日でいいかな?」

 

「はい、そちらの都合に合わせます。」

 

「Roseliaの練習は大丈夫なの?」

 

「はい、これは私個人の問題ですから練習は家でやります。」

 

「それ、体壊しかねないから気をつけなよ。僕も1回ぶっ続けでやって体壊したことあったから。」

 

「ご心配は嬉しいのですが上手くなるためにはそれが一番だと思います。」

 

「うんいいけど....ただ.....」

 

「ただ?」

 

「そのデートの内容はどうするの?別にデート中に練習に付き合うっていうことも出来るけど。」

 

「そうですね.....では湊さんとお出かけした中で一番よかった内容でお願いします。」

 

「友希那さんと....いつかな。」

 

「そんなに重ねていたのですか.....?」

 

「そうじゃなくて、ちゃんと約束して行ったことが殆どないからどれか思い出してるんだ。....あれか。」

 

「思い出せましたか?」

 

「うん.....ちょっと待ってね。千聖に連絡するから。」

 

ピロピロ

 

「はい、どうかしたの?」

 

「紗夜さんから明日デートしてくれって言われたんだけど.....いいかな?」

 

「.......は?」

 

え、何今のマジトーン.....怖。ドラマとかであるワンシーン並に怖い。

 

「白鷺さん変わってください....もしもし、白鷺さんですか?氷川紗夜です。」

 

「紗夜ちゃん、どうして兄さんとデートするということに至ったか説明してくれるかしら?」

 

「はい。湊さんがどうして1人であのレベルにまでいけたかとお聞きしたところ、白鷺さんの存在が大きいということでしたので、本当にそうかもしれないと思いお願いしました。」

 

「なるほど....でも兄さんも練習があるし.....」

 

「それに関してはEXTRAのリーダーの人と交渉してきました。」

 

「いつ豪と会ったんだよ!?」

 

「しっ.....今電話だよ。」

 

「アッハイ」

 

「そしたら『いいぜ!!優希借りたいならどうぞ!!』と快く承諾を得ました。」

 

「さっきの予定合わせる宣言はどこにいったんだ.....」

 

「あれは白鷺さん個人の都合でバンドの都合ではありません。」

 

「でもそうね.....いいわ。でもその代わり。」

 

「はい、何かあるのですか?」

 

「兄さんとあんなことやこんなことをするのはだめよ。」

 

「勿論そんなことをするつもりはありません.....湊さんが過去にそういうことをしていなければ。」

 

「それなら大丈夫ね。じゃあいいわ。」

 

「ありがとうございます。」

 

「許可は頂けました。」

 

「ええ.......」

 

絶対この後千聖から制裁受けるよ.....というかRoselia関連なら友希那さんからも何かやられそう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

 

「お待たせしました。待ちましたか?」

 

「ううん、そこまで待ってないよ。」

 

「そうですか.....では行きましょう。」

 

「うん.....僕についてきてね。」ギュッ

 

「あの.....この手を繋ぐのは.....」

 

「あれ?友希那さんと行った時はこんな感じだったから再現したんだけど.....ダメかな?(あの時は友希那さんから繋いできたけど.....)」

 

「いえ.....そうやったのであれば構いません.....」

 

 

 

 

 

 

 

「随分と初々しい雰囲気を出してるわね♪」

 

「ち、千聖.....殺気ダダ漏れだよ。」

 

「ええそうね。先輩のことだからただ善意であの時の再現をしているのだけれど.....あれは私からしたのであって紗夜からしていないなら繋がないわよ。」

 

「あら?友希那ちゃん?私がいないところで兄さんといちゃついていたのかしら?」

 

「いちゃついてはいないわ。ただ.....心の休暇を取っていただけよ。」

 

「2人とも.....争ってると見失うよ。」

 

「大丈夫よ。あれが私とのデートの再現なら行った場所まで全部把握しているわ。」

 

「友希那も友希那であたしの心配をよそにデート行ってたんだね....」

 

「.......申し訳ないわ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここは.....スタジオですか?」

 

「うん、ここでちょっとだけ合わせてたんだ.....紗夜さんもやってみる?」

 

「はい、良ければ.....」

 

「楽曲はRoseliaの方に合わせるから....何がいい?」

 

「では....Determination Symphonyでいいですか?」

 

「了解.....ベースの方がいい?」

 

「はい、お願いします。」

 

 

 

 

 

「あれ、アタシより上手くない.....?」

 

「兄さん、昨日もしかしたらの為にRoseliaの楽曲の予習をしていたのよ。パスパレも事務所が拒否さえしなければそうなったのに.....」

 

「優希って事務所と揉めたの?」

 

「私たちにヤラセ疑惑がかかっていた時があったでしょ?あれは事務所が指示したからなの。兄さんたちはそれを聞いてガチギレして抗議に行ったのよ。」

 

「私も最初は音楽を侮辱しているのかと思ったけれど.....先輩の妹さんがこんなことするはずがないと思えばすぐにヤラセと分かったわ。」

 

「私は兄さん達とは交流することが多かったから。」

 

「なるほど.....でも優希のベースに紗夜が文句言わないような.....」

 

「あれは恐らく集中しているから指摘するほど暇がないのよ。でもRoseliaに関するベースなら.....リサの方が上よ。」

 

「そう言って貰えたら嬉しいかな.....」

 

 

 

 

 

「ふぅ.....よく弾けましたね。」

 

「一応予習はしてきたからね。友希那さんの時もお父さんの曲を予習してきたしね。」

 

「そうだったんですか.....では次はどこに?」

 

「えっと.....もう昼だから食べに行こうよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

昼食中

 

「ところで今回は日菜の無理を聞いてくださってありがとうございます。」

 

「あぁ、バンドのやつ?」

 

「はい、突然言い出した時は驚きましたが了承してもらえていたなら安心です。」

 

「まぁ真っ先に伝えられたのは豪だけどね。」

 

「 はい.....ところで白鷺さん、このストローが繋がっているこれはなんですか?」

 

「友希那さんが真っ先に頼んだやつだよ。」

 

 

 

 

 

「あら、友希那ちゃん、これはどういうことかしら?」

 

「何かしら?ただ喉を潤しただけよ。それに2人まとめて飲めるのなら好都合じゃないかしら?」

 

「そういう事じゃないわよ.....もしかして無意識にやっていたの?」

 

「?ああいう飲み物は2人まとめて飲む為にあるのではないのかしら?」

 

「違うわよ.....まぁ合ってはいるかもだけど。」

 

「友希那、あれ普通カップルとかが飲むやつだよ。」

 

「そうだったの.....気づかなかったわ。」

 

「それはそれで友希那ちゃんらしいわね。」

 

「そう?先輩も気づいていなかったわよ。」

 

「.......え?」

 

 

 

「紗夜さん、なんで顔を赤くしているの?」

 

「いえ、まさかこのような....飲み物を注文するとは思わず.....」

 

「2人まとめて飲めるから結構お得だと思ったんだけどな.....」

 

「.....これでは風紀委員として示しがつきません!!」

 

「そういうこと.....なら僕一人で飲むから紗夜さんは別の飲み物を注文していいよ。」

 

「い、いえ飲まないとは言っていません。さすがにふたり用を奢ってもらいながら飲まないのは失礼ですし.....」

 

「どっちなの.....まぁいいや。じゃあ、これ使って。」

 

「これはストロー....どうして持っているのですか?」

 

「店員さんにストローつけ忘れられた時用に持っているんだ。使っていいよ。」

 

「ありがとう.....ございます。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ふんっ!!」

 

「紗夜さんすげぇ.....全部中心に当てた。」

 

「私は弓道部に所属していますから、ゲームくらいの軽さの弓なら出来て当然です。そういえばどうしてここに?」

 

「湊さんをリラックスさせたかったら一緒にゲームでもしたらどうかなって。紗夜さん、ゲームセンター行ったことない?」

 

「無くはないですが.....殆ど行きません。」

 

「じゃあクレーンゲームやっていく?どれか欲しいのあればとるけどさ.....」

 

 

「じゃあ.....あの犬の人形を取ってもらっても構いませんか?私はいいのですが日菜が欲しそうですので.....」

 

「ん、了解。」

 

 

 

 

 

 

「友希那ちゃんもゲームセンターに行った経験があるのね。意外だわ。」

 

「私はよくEXTRAのメンバーに誘われていたわよ。」

 

「よく?私は1度も誘われたことないわよ。」

 

「それは単に白鷺さんが女優として忙しいからじゃないのかしら?」

 

「それもそうね......」

 

「でと紗夜も随分とリラックスしてるよねー。」

 

「そうね.....ああいう顔は練習では一切見せないものね。」

 

「ふふっ、雰囲気が彼氏と彼女みたいね.....」

 

「そうね.......何なのかしら。」

 

「ふ、2人とも.....殺気凄いよ。他の人怖くて帰って行ってるよ。」

 

『ご、ごめんなさい.....』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここは.....」

 

「公園だよ。ここで友希那さんと結構話したんだ。何か悩み事があるなら聞くよ。」

 

「いえ.....今のところは。」

 

「そう、じゃあ少しゆっくりしていこうよ。僕結構飲んだからしんどい.....」

 

「す、すみません.....」

 

 

 

 

「.....少しいいですか?」

 

「ん?どうしたの?」

 

「以前日菜のことを聞いたのでまた質問するのも少し気が引けるのですが....」

 

「別にいいよ。」

 

「では.....あなたはグループの中でのアイデンティティはありますか?」

 

「僕の.....僕はあいつらを止めることが多かったかな。皆おかしかったから大変だったよ。でもどうして?」

 

「前までは考えてもいなかったのですが.....私は今グループでの自分の在り方に悩んでいるんです。ただRoseliaのギタリストとしていたらいい、と思っていたのですが、グループというものを知ってそして.....湊さんのように導いていなければ今井さんのように周りの支えになっているわけでもない.....自分が見つけられないのです。日菜と比較していた自分が無くなってから悩んでいたんです。」

 

 

 

「紗夜、悩んでたんだ....」

 

「あの時の私と似ているわね。」

 

「どういう質問をしたの?」

 

「私はあの時『私はどうあればいいのか?』って聞いたの。ただ父の復讐の為に歌ってきた私が.....EXTRAと触れることで音楽に対しての考え方も難しいって思ったのよ。あの人たちと私はどう違うか.....それが知りたかったのよ。」

 

 

 

 

「うーん.....役割、か。確かにグループとか集団になるとそういうことを考えることもあるよね。」

 

「はい.....」

 

「でもさ、そういうのって意外と見えてないだけで誰かの為になっているんだよ。それはね.....」

 

 

 

 

 

「その時先輩はこういったわ。確か.....」

 

 

 

『あなたの存在が、誰かを頑張ろうって気にさせているのもあなたという存在のアイデンティティになるんじゃないかな?』

 

「私の....存在が.....」

 

「うん、さっきのギターの雰囲気でも分かったけど、紗夜さんは物凄い努力家なんだね。」

 

「そうでしょうか.......」

 

「自覚ないかもだけど紗夜さんが一生懸命頑張っているからこそ他のメンバーもそれに応えようと思って頑張る。グループとして他人をやる気にさせる存在は大きいよ。翔世もそうだったからね。」

 

「翔世.....EXTRAのギタリストですか?」

 

「うん、あいつも物凄い努力家でさ.....あいつがいたから皆絶対に楽しむ姿勢と技術を両立させてやるって気にもなってたし。」

 

「.......」

 

「だから紗夜さんの努力はさ、自分以外にも影響を与えているんだって心のどこかに留めてもいいと思うよ。自惚れてるって思うかもしれないけど少しくらいは自惚れたっていいと思うよ。」

 

「そうでしょうか.....」

 

「そしてそれは.....音が証明してくれる。音の質、込められた気持ち、それで分かるよ。僕はそう思うよ。」

 

「.........湊さんがあなたに心を開いた理由が何となく分かりました。相談にのっていただきありがとうございます。」

 

「うん、解決したなら良かったよ。」

 

「はい.......優希さん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「紗夜も先輩に心を開いたのかしら?」

 

「見た感じそうだね.....良かった。」

 

「兄さん.....裏ですごいことやってたのね。」

 

『でも、途中までデートした事実は許せないわ。』

 

「え?2人ともこの雰囲気で言う.....?」

 

「勿論、紗夜の心を開いてくれたのは嬉しいわ。けどその開け方がまずかったのよ。見なさい、紗夜。顔を赤くしているわよ。」

 

「これは日菜ちゃんに言っておかないとダメね。」

 

「紗夜も聞かないとねー。私たちに話してくれてもよかったのに。」




次回、裁判回ですね。文化祭の方も進めつつ書きます。昨日youtubeを見ていたら朝が来てしまったので徹夜明けで書いてます。だからオチがマンネリぽかったり多少おかしくても許してください.....


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白鷺優希裁判&最後のメンバー帰還

なんか.....ヤンデレ方面に行ってるような.....
見ました?チケットまさかのドリフェスメンバーも選べるんですって。これは皆さん推しを取りますよね?(僕は一応持ってますよ.....千聖さん。)


「と、というわけで白鷺優希さんの裁判を初めましゅ.....噛んじゃった。」

 

 

「ん?裁判?」

 

あれおかしいな....僕はなんか文化祭のことで聞きたいことがあるって言われたから来たんだけど.....何始まるんだろう。

 

「検察側は.....千聖ちゃんと友希那ちゃんと日菜ちゃんです。というか、こんなことやってる暇あるの?」

 

「彩ちゃん?私たちは今とても重要なことについて話しているのよ。何を言っているのかしら?」

 

「は、はい.....弁護側は、リサちゃんと紗夜ちゃんです。」

 

「ねぇ、これ何が始まるの?」

 

「昨日のことでしょうか.....」

 

「あはは.....優希も可哀想だけど、とりあえずさっとやっちゃおうよ。」

 

なんだろう、僕は何かしたのかな?別に僕はガールズバンドの子達に手を出したりそういうことは一切してないんだけどなぁ.....何かあったのだろうか?

 

「ではまず検察側から始めるわね.....昨日被告と弁護側にいる氷川紗夜さんがデートをしました。その後、カップルらしきことを少ししたりしていました。」

 

「あの.....それは千聖も合意の上でやったんだけど.....そこは?」

 

「あれはあくまで紗夜ちゃんとのお出かけと聞いていたわ。それがまさかあんなデートのようなものになっているとは.....」

 

「なっているとは.....千聖、もしかして尾行してたの?」

 

「そこは問題じゃないわ。」

 

いや十分問題ですよ。というかそっちの方がいろいろとまずいんじゃないかな.....アイドルが兄をストーキングっていうのも。

 

「私から反論を述べさせていただきます。確かに雰囲気は.....その、デートのようなものではありましたが私たちは別に男女としての一線は越えていませんし、何より私は相談して貰った側です。優希さんには何一つ非はないと思います。」

 

「紗夜、あなたいつの間に先輩を名前呼びにしているのかしら?」

 

「それは僕も気になった。昨日ぼそっとは言ってたけど何かあったの?」

 

「いえ.....なんでもありません。」

 

「おねーちゃん顔が赤いよ?どうしたの?」

 

「べ、別に赤くなんかはなっていません!!」

 

「暑いのかな?暖房の温度下げるよ?」

 

「いえ.....そういうことではなく.....」

 

「ねぇ優希、おねーちゃんの長所って何だと思う?」

 

「紗夜さんの.....『待って。いつから名前呼びになったのかしら?』.......そこ重要?」

 

「とても重要よ。いつそんな親睦を深める時間があったのかしら?」

 

「それはおねーちゃんがおねg『日菜、少し黙って。』はーい。」

 

「さっきの質問に答えると.....紗夜さんのいい所、か。僕はそこまで会う機会がなかったから一概にこれだとは言えないかな.....ただ音を合わせて思ったのは練習量が凄いなってところかな。ここまでちゃんとできる人って少ないしね。」

 

「そう、それはいいのよ。兄さん、紗夜ちゃんの顔を見なさい。」

 

「え?......また赤くなってる。熱でもあるの?」

 

「.....近づかないでください!!」

 

「えっ.....」

 

もしかしてあれかな.....昨日ちょっとかっこつけたから気持ち悪く思われたのかな.....やっちゃった。

 

「あっ.....すみません!!そ、そういうつもりで言ったのではないので誤解しないでください!!」

 

「紗夜、あなたが先輩のことをどう思うかはあなたの自由だからそこは咎めないわ。ただ.....あくまでそれと音楽は分けてもらいたいの。」

 

「どういう、ことですか.....?」

 

「これからまた先輩達との合同練習をするつもりなの。おそらくEXTRAの人達だから個別練習をする時に誰かのところに行くと思うの。その時に紗夜、もし先輩と当たっても平常心で出来るかしら?」

 

「それは.....」チラッ

 

「ん?どうしたの?」

 

「.......出来ないかも、しれません。」

 

「先輩、分かったかしら?これがあなたの罪よ。」

 

「えぇ....」

 

「私は個人的なところもあるから紗夜に恋心を教えてしまったのも罪になるのだけれど.....何より、それがバンドにとって損になることは許せないの。そこは分かるわね?」

 

「そういうことか.....それは申し訳ない。」

 

「ええそうよ。だから紗夜のためにも.....文化祭までの期間の間、なるべく私たちと合同練習をしてもらうわよ。」

 

「確かに僕も見に行くから気にしたらパフォーマンス性が落ちるよね.....分かった。豪とは僕が話をつけておくよ。」

 

「なら私から言うことは殆ど無くなったわ。」

 

「殆ど?どういうこと?」

 

「別に他の女の子と関わるなとは言わないわ。でもおとしたらだめよ。いいわね?(じゃないと敵が増えすぎて困るもの.....先輩への愛で負けるつもりはないけれど。)」

 

「はい....(めっちゃ怖い。別に相談にのったからある意味Roseliaには貢献したんだけどな.....ジト目向けないで。)」

 

「あたしは単におねーちゃんが誑かされたかと思ったよー。」

 

「いや、そんないかがわしいことは何もしてないよ.....」

 

「ならいいやー。でもおねーちゃんを貰うつもりなら、ちゃんとあたしにも話にきてね。」

 

「日菜!?何を言っているの!?」

 

「......私は自分の非も認めるけど、兄さん?私はここまで濃厚な接触を許可した覚えはないわよ?」

 

「そ、そうですか?あれは事の成り行きで.....」

 

「裏声が出てるわよ。そうね.....裁判長、私は被告に事務所への顔出しを求刑します。」

 

「え!?それ求刑になるの!?」

 

「ほら、兄さんたちと事務所のお偉いさんは仲悪いでしょ?」

 

「た、確かに.....なんか優希さんの話してる時のマネージャーさん不満そうだよね。」

 

「僕の話って何か話してるの?」

 

「うん!!バイトでの優希さんのこととかいろいろ話してますよ。大体日菜ちゃんが脱線するんですけどね.....」

 

「えー、彩ちゃんひどーい。彩ちゃんが一番最初にのるじゃん。」

 

「そ、それはマネージャーさんの話が眠いから!!」

 

「彩ちゃん?後でゆっくりそのことについてはお話しましょう?」

 

「は、はい........」

 

「と、とりあえず被告は有罪ということにします!!」

 

「まじか.....気をつけます。」

 

「じゃあ閉廷します!!千聖ちゃん、早く事務所に行かないとまずいよ!!」

 

「そうかしら?.....彩ちゃんは急がないとまずいわね。」

 

「そうなんだよぉ.....じゃあ先に失礼するね!!」

 

 

 

「兄さん、私も友希那ちゃんと同じで、関わることは認めるけどおとすまでいったらOUTよ。」

 

「は、はい...,」

 

 

 

 

 

「紗夜ー、悩んでたんだ。」

 

「はい.....でも私個人の問題だったので今井さん達に迷惑をかける訳にもいきませんし.....」

 

「頼ってくれてもよかったのに.....」

 

「......すみません。」

 

「でも、紗夜も恋しちゃったんだ。」

 

「今井さん!?別に私はそんな.....風紀委員ですし.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

事は終わり、僕は練習するために移動している。......紗夜さん、大丈夫かな?なんかやけに顔赤かったけど.....

 

 

「しょーくん可愛い。」

 

「たえ.....頼むから離して。練習行かないと.....」

 

「まだ時間あるでしょ?もう少しもふもふさせてよ。」

 

「なんで練習時間知ってるの.....俺は帰る時間しか伝えてないのに。」

 

「やだなぁ、私はしょーくんの飼い主だよ?しょーくんのことで分からないことがあるわけないじゃん。」

 

「どこから仕入れたんだ.....」

 

「....翔世、何やってるの?」

 

「優希!?」

 

「あ、キーボードの人。」

 

「うん、キーボードの人だよ。」

 

「優希、紹介しておくよ。もしかしたらあった事あるかもしれないが........花園たえ、俺の可愛い妹だ。」

 

「どうも、しょーくんの飼い主の花園たえです。」

 

「だからなんで俺が飼われてんの!?」

 

「だって、しょーくんとおっちゃん似てるし。」

 

「おっちゃん?翔世弟でもいるのか?」

 

「あーいや、そうじゃなくてうちで飼ってるうさぎのことだ。オッドアイで可愛いんだぜ。」

 

「へぇ.....見てみたい。」

 

「また今度な。でも、優希は少し大きくなったんじゃないか?前よりも体つきも良くなってるじゃないか。」

 

「そういう翔世は身長変わらなさすぎじゃない?」

 

「うっ.....気にしてることを。」

 

「でも小さいから私が抱きしめたら収まるんだよ。見てみて。」

 

「ちょ、たえ。頼むから外でやらないでくれ.....」

 

「ホントだ、包まれてる。」

 

でも翔世もあながち嬉しそうな顔してるよな.....

 

「ふふっ、かわいいなぁ.....」

 

「たえ?ちょっと怖いぞ。」

 

「そうだ、しょーくん帰ってきたしこれ書いてもらおうっと。」

 

「えっと.....え?婚姻届?翔世、お前.....僕たちのルールを破るのか?」

 

そう、僕達EXTRAというかお兄さん組はいろいろルールを作っており、妹に男が出来たら見極めることと託すこと。そして.....妹が大好きだからこそ一線を超えないようにはするというルールである。

 

「いやいやそんなわけねぇだろ!!たえ、別に結婚しなくても俺たちは家族じゃねぇか?」

 

「でも小さい頃に私と結婚してくれるって言ったよね?」

 

「あれは無知ゆえの発言で....」

 

「まぁ後ででもいいや.....しょーくん私からは逃げられないしね。」

 

「なぁ優希.....俺は生まれて初めて妹を怖いと思った。」

 

「僕は怖いと思うのがしょっちゅうだよ.....怒ってる千聖も可愛いけどさ。」

 

「じゃあ練習行くから、たえも練習頑張れよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで翔世、携帯は?」

 

「携帯.....あれ、無い。たえにとられたかな?」

 

「すげぇ平然としてるな.....」

 

「いや、携帯なくなるのはしょっちゅうだから今更。」

 

「うちよりやばくないか?」

 

「俺にも身長があればなー、たえと身長交換してぇよ。」

 

「お前身長何センチだっけ?」

 

「154cmだ。」

 

「相変わらず伸びないな。」

 

「う、うるさいな!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

クラブハウス

 

「翔世!!久しいな!!」

 

「おう、豪!!相変わらず元気だな。」

 

「おいおい、その指どうしたんだよ。」

 

「これか?昨日久々に練習したら指の皮がめくれてさ....」

 

「何時間やったんだ?」

 

「1日中やってたな。お前らのレベルに戻らなきゃいけないからな。」

 

「相変わらずバカばっかだね。」

 

「.......ばあちゃんじゃねぇか!?」

 

「ばあちゃんじゃない。オーナーと呼びな。」

 

「ひっさしぶりじゃねぇかばあちゃん!!SPACEどうしたんだ?」

 

「もうしめたよ。」

 

「まじか.....ばあちゃんお金どうするんだ?」

 

「あんたら若いのには言われたかないね。.....で、またライブ、やるのかい?」

 

「ああ、今回はゲストみたいな感じで呼ばれてな。1年ちょっとぶりだな。ばあちゃんもまた聞いてくれよ。」

 

「というかなんでここが分かったんだ?」

 

「あんた達ここでしか練習しないだろう?それにさっきあんたの妹からちゃんと聞いたからね。」

 

「たえが言ったのか.....」

 

「ばあちゃん安心しろって。俺たちが中途半端にやると思ってる?」

 

「そう思ってたらあの時SPACEに呼ばんよ。」

 

「だよなぁ.....じゃあ久々に練習するから見てくれよ。」




オーナーは僕の想像で書いてるところが大きいです。やりきったさんとか言われてますけど.......
誤字脱字報告、評価、感想、お願いします!!


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文化祭に向けて

遅れましたが、皆様のおかげでお気に入りが700越えとUA100000突破しました!!!自分でもかなり驚いています。内容とか拙いと思いますがこれからもよろしくお願いします!!



「それでですね、優希さんがその時に」

 

「随分と観察してるのね。」

 

「そうですよ、千聖先輩。私たちも一応ファンな訳ですから。」

 

「2人はラストライブには行ったの?」

 

「勿論ですよ、チケットの倍率がすごくて当たる気が全くしなかったんですけど当たったんです。」

 

「本当にあの時は泣いたなぁ....」

 

今私たちは日菜ちゃんを含め、羽丘で頑張っている皆に差し入れを持っていってる途中。明日香ちゃんは六花ちゃんに、沙綾ちゃんはモカちゃん中心にパンを届けにきている。そのパンの数があまりにも多かったのでたまたま通りかかった私と明日香ちゃんで分担して持っていってる最中です。

 

「でも、文化祭でまたライブが見られるなんて驚きですよね。」

 

「絶対に最前列行かないと.....」

 

「でも厳しいかもしれないわよ。兄さん達のバンドは知られてはいるもののFWFで優勝したっていう時に一時的に知られただけであんまり有名にはならなかったわね。でも各地でコアなファンが増えて、地方ライブとかもやっていたわね。」

 

「私も全部行こうかなって思ったんですけど、お母さんのこともありましたし.....」

 

「私も忙しかったので無理でした....千聖先輩は行ったんですか?」

 

「私も仕事があったから全部は行けなかったわ。時間を作って行ったのは2回くらいかしら.....面白かったわね、いきなりご当地のものを持ってきたりゆるキャラとコラボしたり、いろいろやってたわね.....」

 

「す、すごいですね.....」

 

「それに今回は、蘭ちゃん達がいるAfterglowや友希那ちゃんがいるRoselia、あのチュチュちゃん?がプロデュースしているRASもあるからそっちのファンの人も来るもの。」

 

「あこちゃんからは一応招待状貰ってるので優先的には入れるんですけど.....心配ですよね。」

 

「私もモカから招待状貰うんだ。パンと引き換えに〜とか言ってたし。」

 

「でもこのパンはみんなに配るんでしょ?」

 

「もちろんですよ。さすがにモカだけにっていうのも不平等な気がしますから。」

 

「そうね.....聞いてくれるかしら?」

 

「どうしたんですか?」

 

「日菜ちゃんが仕切ってるから不安が消えないっていうの分かるかしら?」

 

「はい.....確かに。」

 

「日菜先輩、凄いけど確かにこわいですね.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

羽丘高校

 

「モカー、パン届けに来たよ♪」

 

「おおー、沙綾さま〜ありがたやー。」

 

「ふふっ、どうぞ。.....って、モカその服装何?」

 

「ふっふっふ、モカちゃんサキュバスなのだ~。」

 

「サキュバス........」

 

「実はなんかうちのクラス、出し物が変わってまして......なんか客を魅了させるのが出し物みたいなんですよ。」

 

「....え?どういうことかしら?」

 

「タチの悪い客が来たら体育科の先生が追い出すんですけど.....なんかアタシたちがお客さんを誘惑できれば払ってもらうって感じなんですよ。」

 

「だから蘭も、すごくセクシーな衣装着てるんですよ〜。」

 

「ちょっとモカ、恥ずかしいから辞めて。」

 

「つぐは似合いすぎと言いますかー、なんというか」

 

「普段から働いてるからメイドの衣装がめっちゃ似合うんですよ。」

 

「と、巴ちゃん、恥ずかしいよぉ....」

 

「...,....白鷺さんは来てませんよね?」

 

「兄さんは来てないわよ。」

 

「良かった.....こんな衣装見られたくない。」

 

「でも兄さんが回ってきたら見られるわよ。」

 

「絶対にシフトひまりと交代しないと。」

 

何をそこまで焦っているのかしら.....兄さんはひまりちゃんにも屈しなかったというか気づかない強力なメンタルの持ち主よ、蘭ちゃんの衣装をそんないやらしい目では見ないわよ.....見た場合は私がちゃんとおしおk.....教育するし。

 

「じゃあパンここに置いておくから頑張ってね!!当日楽しみにしてるよ♪」

 

「うん。パン、ありがと。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「六花、遊びにきたよ。」

 

「明日香ちゃん?今日は仕事なかったんじゃ.....」

 

「仕事?」

 

「はい、うちのクラスはちょっとした出し物で明日香ちゃんはもう担当している仕事が終わったんです。」

 

「へぇ、明日香も真面目だね。」

 

「お姉ちゃんとは違いますから.....」

 

「あはは....でも香澄もちゃんとポピパで頑張ってるよ。」

 

「それは知ってますけど.....」

 

「そうだよ明日香ちゃん!!ポピパさんは凄いんだよ!!」

 

「始まった、六花のポピパ語り.....」

 

「六花ちゃんはポピパが大好きなのね。」

 

「はい。あともうひとつポピパさんとはまた別なんですけど.....目標のバンドかあるんです。」

 

「目標?何?」

 

「EXTRAさんです。」

 

「.......え?六花EXTRA知ってたの!?」

 

「はい、上京する前に1度ライブを生で見る機会があって.....凄かったです。場の雰囲気を一気に変えていました.....」

 

「分かる!!すごいよね!!」

 

「あれ目指すのは凄いなぁ......でも六花もRASのメンバーだもんね。」

 

「もう一度あのライブをみたいな......」

 

「大丈夫よ、文化祭本番でやるわよ。」

 

「........えええええええええええ!!!!!」

 

「六花声がでかいよ。」

 

「ご、ごめん.....本当ですか!?ポピパさんもライブするんですか?」

 

「私たちは今回はやらないよ。でもそのおかげで巴達のライブも見に行けるしなにせEXTRAを2日も見れるんだよ?」

 

「2日.....これは最前列確保しないと。」

 

「あはは.....この前もライブやった時いたよね。」

 

「き、気づいてたんですか!?」

 

「うん、香澄がすぐに気づいてたよ。あ、そうだ、これ差し入れのパンだから作業がてら食べてね。」

 

「は、はい。ありがとうございます。」

 

「じゃ、次行きましょうか。」

 

「そういえばあこちゃんはいないのかしら?」

 

「あこちゃんはRoseliaの練習があるからって.....」

 

「じゃあリサちゃんもいないわけね.....日菜ちゃんのところに行きましょう。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あっ!!千聖ちゃん来てくれたんだ!!」

 

「きゃっ、日菜ちゃんいきなり抱きつくのは辞めてちょうだい。」

 

「あっ、ごめん。」

 

「氷川先輩、これ差し入れのパンなので作業がてら食べてください。」

 

「いいの!?ありがとう!!.....あ!!あと日菜ちゃんでいいよ?氷川先輩って仰々しいのはるんって来ないし。」

 

「分かりました、日菜先輩。」

 

「日菜ちゃんのそれは.....メイド服ね。」

 

「うん!!そういえば優希は来てるの?」

 

「兄さんは今日は来てないわよ。どうかしたのかしら?」

 

「ううん、単にあたしのメイド服どう思うかなーって思って。リサちーも見てもらってないみたいだし。」

 

「そうね.....兄さんはそういうのにはあんまり興味がないわよ。」

 

「へー、そうなんだ。」

 

「ええ.....でも凄い豪華にしてるわね。予算とかはどうしたの?」

 

「理事長さんが予算多めにって出してくれたんだ!!PTAの人達からも承諾はもらったし!!」

 

「それは日菜ちゃんがやったのね?」

 

「勿論だよ。そこまでつぐみちゃんにやらせる訳にはいかないもん。」

 

私は言伝でしか聞いていないから本当かどうかは分からないのだけれど.....去年の文化祭でつぐみちゃんがかなり働かされたって聞いたから心配したけど.....損したわ。日菜ちゃんもちゃんと周りを見れるようになったのね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「これでクラスの方は一通り回れたかしらね.....」

 

「あれ?まだ薫さんと麻弥さんに配ってませんけど.....」

 

「おそらく演劇部として練習してるから教室にはいないと思うわ。いるとしたら.....体育館かしら。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、なんて儚いんだ.....」

 

「あれ、演劇なの?素にしか見えないのだけれど.....」

 

「あれ?千聖さん見に来たんですか?」

 

「いいえ、私が用があるというよりかは.....」

 

「差し入れのパン、皆さんに配ってるんですよ。麻弥さん達の分も持ってきたのでどうぞ。休憩にでも食べてください。」

 

「え、貰っていいんですか?ありがとうございます!!」

 

「やあ子猫ちゃんたち。私の劇を見に来たのかい。」

 

「違うわよ。差し入れよ。」

 

「ふふっ、ささやかな応援かい。」

 

「まぁ私のではないけどね.....」

 

「.......ところで千聖、EXTRAがライブをするというのは本当かい?」

 

「ええ、本当よ。薫も見に来るでしょう?」

 

「もちろんさ、兄さんの久々の晴れ舞台を見に行かないわけにはいかないからね。」

 

「いい?最前列の真ん中は譲らないわよ。」

 

「相変わらず兄さんの事が好きだね、千聖は。」

 

「まぁ兄さんがセンターになるかどうかは分からないけれど.....」

 

「じゃあ劇止めても悪いんで出ますね。」

 

「2人とも、この後私についてくる時間あるかしら?」

 

「はい、ありますけど.....」

 

「どこか行くんですか?」

 

「ええ.....とっておきの場所よ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おい優希、ここどうやって弾くんだ?」

 

「ここはこうだよ。」

 

「蒼生、ここのコードこうで合ってる?」

 

「ん....ああ、それでいい。もう少しテンポ遅らせろよ。」

 

 

 

 

「EXTRAの.....練習場所!!!!」

 

「凄い.....こんなところ初めて見た。」

 

「あれ?千聖ちゃんじゃねぇか。久しぶりだな。」

 

「はい、翔世さん。」

 

「おい優希、千聖ちゃん来てるぞ。」

 

「お前また何かやらかしたのか!?」

 

「僕を常習犯扱いしないでよ!!」

 

『いやだってそうじゃん。』

 

「うっ.....それで、どうしたの?」

 

「少しファンサービスをしてもらってもいいかしら?」

 

「ここステージ外だからそういうのいいのかな.......」

 

「固いこと言うなよ優希!!じゃないとお前一生彼女出来ないぞ!!」

 

「ご、豪.......」

 

「ん?.......あっ」

 

「豪さん?今なんて言いましたか?」

 

「い、いやこれは流れで自然にといいますか.....」

 

「兄さんに彼女なんて必要ないですよ。私が一生隣にいますから。ね?」

 

「は、はい.....」

 

「それでそのファンの人って....」

 

「そこの子達?」

 

「は、はい!!戸山明日香といいます!!」

 

「初めまして、山吹沙綾です。」

 

「あれ?君たちライブに来てなかった....?」サクサク

 

「そういや見たことある顔だな。」

 

「覚えてるんですか!?」

 

「まぁ俺たちのライブの観客って結構一緒だったから何回か来てる人のことは覚えてるぜ。」

 

「......( ゚∀ ゚)ハッ!皆聞いてくれよ。」

 

「........まじでやるの?」

 

「それ1回もやったことないな。」

 

「それはそれで不安かも.....」サクサク

 

「でも面白そうだな。」

 

「だろ?」

 

 

「んんっ!!お前らな.....」

 

「おい紅蓮、文化祭だぞ。いつものライブと一緒じゃつまらないだろ?」

 

「そりゃそうだが.......はぁ、これは僕の苦労が増えそうだ。」

 

「ごめんね.......」

 

 

 

 

 

「目元、有咲に似てる.......」

 

「有咲を知ってるの?」

 

「はい、同じバンドの山吹沙綾って言います。」

 

「君が山吹さんか.....有咲からは聞いてるよ。しっかり者だって。」

 

「そ、そうですか.....」

 

「うん....うちの妹のこと、ありがとうね、受け入れてくれて。」

 

「まぁ有咲をポピパに入れたのは香澄が大きいですけど.....」

 

「それでも、だよ。妹の友達になってくれてありがとうね。」

 

「は、はい.......」




皆さんがバンドリで最初にプレイしたオリジナル曲はなんですか?ときめきですか?僕は、はなまる◎アンダンテです。友達のスマホでプレイしてイベント楽曲すげぇと思って始めました。ただ、バンドリはレーンがスクフェスと違って真っ直ぐだったので慣れるためにAreaeaを挟んでから入れたので、Roseliaの夏イベの時ですかね.....


どうでもいい(下手したら間違ってるかもしれない)豆知識②
僕が調べた限りなんですが、日菜ちゃんってポピパメンバー(香澄ちゃん、有咲ちゃん以外)との交流があんまりないみたいです。


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合同練習withRoselia

誤字報告、評価ありがとうございます!!もうちょっと語彙力をどうにかしないと.....話がマンネリ化しそうで怖いです。


「今日はお招きにあずかり光栄です。Roseliaの皆さん。」

 

「気持ち悪いからその挨拶はやめてもらえるかしら?」

 

「ええ.....これは場を和まそうとした余興でね。」

 

「そんなものはいらないわ。」

 

「アッハイ」

 

「あはは.....」

 

僕達は今日、Roseliaと合同練習になっているため来た。豪が場を和まそうと2時間くらい必死に考えた貴族屋敷にいそうな他人行儀な執事という細すぎて伝わらないモノマネみたいなネタは見事に滑ったのである。.......だからやめとけって言ったのに。

 

「今の、なんかテレビでありそうじゃない?りんりん。」

 

「うん.....こういうネタ意外と面白いよね。」

 

「燐子、こいつに気を使う必要は皆無だからな。」

 

「おい蒼生、お前ライブで女装させるぞー?」

 

「勘弁してくれよぉ....」

 

「いつもこんな感じだから.....ごめんね。うるさくて。」

 

「いえ.....私はいいのだけれど.....」

 

「はい、バンドとして仲が良いのは良い演奏には必要ですし。」

 

「で、今日はどんな練習にするの?」

 

「今日私たちは各自練習することにしたわ。貴重な機会だもの。」

 

「じゃあ、くじ引きで決めようぜ!!」

 

「そうだな、今日はどの楽器でやろうかな.....」

 

「さすがに他バンドの人もいるんだし.....今日くらいはメインの楽器でやろうよ.......」サクサク

 

「流星、ここ食べるの禁止だと思うけど。」

 

「あ、.....まずい。」

 

「こっそり隠すな。まぁ流星の案が最もか。いいぜ.....ギターは誰だ?」

 

「私です。氷川紗夜といいます。」

 

「氷川さんか、俺は花園翔世、よろしくな!!」

 

「はい、よろしくお願いします。」

 

「じゃあ.....友希那ちゃん、お願いします!!」

 

「あなたがどれくらい成長したか.....見るわ。」

 

「立場があそこだけ逆なんだよなぁ.....」

 

「ということは俺はこの子か。俺は白金蒼生、燐子がいつもお世話になってるな。」

 

「へー、燐子と全然似てない。アタシは今井リサ、よろしくね!!」

 

「じゃあ白金さんと僕か。よろしくね。」

 

「はい.....あの、蒼兄もいるから.....今日は燐子って呼んでください、紛らわしいので。」

 

「うん、分かった。」

 

「ババーンって感じでいこう!!」

 

「.......ついていけないかも。」

 

こうして.....合ってるのか合ってないのか分からない合同練習が始まった。少なくとも数組は正反対なんだよなぁ.......因みに紅蓮は羽丘で機材の調整やバンド祭関連の資料の整理を手伝っているらしい。本人曰く、「有咲の写真を見ながら働くと幸せなんだ!!」らしい。確かにあいつだけは練習中に魂が抜けたように「有咲.....有咲.....」ってよく言ってたな。でも練習家で出来るっていいよな。

 

 

 

「じゃあ少しだけ時間をくれ。セトリの楽曲覚えるから!!」

 

「.....ええ!?今覚えられるの!?」

 

「リサ、信じられないかもしれないけどたまにEXTRAはファンサービスでファンが言った曲をいきなりやり出すこともあったのよ。それに比べたら多分2時間あげれば確実に覚えてくるわ。」

 

「ええ.....化け物じゃん。」

 

「うっ.....じゃあ一緒にやりながら覚えるよ。」

 

「先輩、それはそれで凄いわよ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「チューナーを使わないんですか?」

 

「ああ、俺たち貧乏バンドだったからチューニングとかは耳で判断してやってたんだ。その時の癖か、今でもやらないんだ。」

 

「最近はアプリでもありますからそれを使えばいいのでは.......」

 

「アプリであるの?すげぇな最近の社会。」

 

 

 

 

「燐子さんすごい上手、これいちいち合同練習しなくてもいいんじゃ.....」

 

「あの....本番にソロの部分があって.....」

 

「ここだよね?なら.....1回一緒に弾いてみる?合わせるから。」

 

「は、はい.....」

 

 

 

「あこのドラム、どうかな!?」

 

「すごい上手だと思うよ.....ただ、スティックを上に投げる演出、いるかな?」

 

「あぅ.....これはのっちゃって....」

 

「別に責めてないよ。投げ方が不自然だから教えてあげようかなって思って.....さっきの狙ってやってるの丸わかりだから....それならいらないかなって。」

 

「え!?そっちなんですか!?」

 

「まぁRoseliaはそういうことしないと思うから自然な投げ方教えとくから.....」

 

 

 

 

「.....なぁ、爪見せてくれ。」

 

「え?」

 

「結構割れてるじゃん。本番大丈夫なのか....?」

 

「あはは.....いつものことだよ。」

 

「大事にしないとダメだぞ。本番で発揮出来なきゃいけないからな。」

 

「よく見てるねー。」

 

「ベーシストだからな、そういうところには自然と目がいくんだ。」

 

「そういう蒼生さんは....ボロボロだね。」

 

「そうか?これは単に昨日テーブルの角に指ぶつけたからだよ。」

 

「足以外でそんな現象出るんだ.....」

 

(蒼兄.....今井さんの手をつかんだ.....手を出してる.......)

 

「.....燐子さん?」

 

「......ちょっとお話してきます。」

 

 

ん?燐子、どうし.....痛い痛い!!耳引っ張るな!!

 

すみません、少しお話があるので.....失礼します。

 

ええ、なるべく早めに済ませてちょうだい。

 

 

 

「これで大丈夫なんですか.....」

 

「それが意外と上手く機能してんだよ。俺もあいつらの影響受けた側だけどさ、あいつらの雰囲気の中でやったら.....必死にやってるのに楽しいんだ、時間を忘れて。それにふざけてるように見えるかもしれないけど緊張してる糸を解こうとしてんだよ。実際、あのギャルみたいな人は蒼生見て少しびびってるのか知らないけど控えめになってたし。」

 

「.....私たちとは違いますね。」

 

「まぁな、俺たちはRoseliaみたいな高レベルな音楽とは思われないからな。ただ、俺たちの音は俺たちの世界に引きずり込むのが特徴って思うぜ。前にライブの時に楽器持ってくる人もいて一緒に演奏したんだせ。」

 

「そんな人いるんですね.......」

 

「まあな。じゃあさっきの部分からもっかいやるか。B7コード苦手なのか?」

 

「はい、確実とはまだ言えません。」

 

「じゃあ教えるよ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2時間後

 

「一旦休憩にしましょ。」

 

「友希那ちゃん、優希いるんだし膝枕してもらえば?」

 

「そうね、随分と久しぶりね。」

 

「あれやるの.....」

 

そう、友希那さんは何故か知らないけど親しくなってから僕の膝枕を事ある毎に要求してきた。まぁ別に悪くはないんだけどね。ただたまに「ふふっ、先輩の顔が近くにあるわ.....」って幼児退行する時があるからしてあげるべきか悩む。.....結局やることになるんだけどさ。

 

「皆、クッキー食べる?」

 

「.....クッキー!?食べたい.....」

 

「わーい、リサ姉のクッキー!!」

 

「はい、どうぞ。」

 

「ありがとう.....ギャル神様。」

 

「ここって食べるのありなの?」

 

「勿論外で食べるよ。ここ熱気がたまりやすいからさ。」

 

「それもそうだね.....」

 

「先輩はここにいてちょうだい。」

 

「.....動けないからね。」

 

「すぅ.....」

 

「寝るの!?」

 

皆リサさんのクッキーを食べる為に外に出た。...紗夜さんは残ってるけど。

 

「紗夜さん、一旦休憩にしたら?」

 

「いえ、一旦区切りのいいところまではやらせてください。」

 

「う、うん.......」

 

 

3分後

 

 

「優希さんも大変ですね。」

 

「そう?」

 

「はい、とても個性豊かなメンバーで.....正直なところ、日菜が何人もいるように感じました。特にあの花園さんを見ると。」

 

「え?翔世って超努力家だよ?」

 

「はい.....それは分かるんですが、音が日菜と少し似ているんです。」

 

「そういう.....」

 

「.........」

 

 

(ん?なんか気まずいな.....前の事があったからかな?)

 

「紗夜さんって嫌いな食べ物とかあるの?」

 

「はい.....人参が少し苦手で.....」

 

「じゃあカレーとか食べる時どうするの?特に修学旅行とかってなんか知らないけどカレーが定番のように出てくるし.....」

 

「去年は....なんとか食べました。」

 

「頑張ったね。」

 

「はい.....湊さん、気持ち良さそうですね。」

 

「久しぶりだからね、リラックスしちゃったんじゃないかな?」

 

「そうなんですか.....私もお邪魔、してもいい.....ですか.....?」

 

「友希那さんを起こさないようにならいいよ。」

 

「はい.....では.....」

 

あら、紗夜さんまで。紗夜さんは僕の肩に頭を預ける感じでもたれてきた。というか.....目に隈がある。まだそんなに濃くはないけど.....疲れてるのかな?

 

「すぅ.....」

 

夜更かししてる.....ショートスリーパーじゃないのに夜更かししたら翌日あんまり思うように動けないよ。本気なのはいいけどこうやって体に出てしまうと危ないよね.....さらっと腕を抱き枕代わりにしないで.....余計に動けなくなるから。.....髪がさらっと首に当たってくすぐったいな.....我慢しないと。

 

「......千聖もよく化粧で誤魔化してるところあるけど.....2人とも無理しちゃダメだよ。最近の女の子は頑張り屋が多いんだな。.....凄いよ。」

 

......というか水飲みたいけど、膝に友希那さん、肩に紗夜さんがいるから動けない。.......お願い、誰か戻ってきて。

 

 

それから20分くらい誰も戻ってこなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

夕方 ファミレス

 

「皆休憩長かったけどどうしたの?」

 

「外で個別に質問答えてたら過ぎててな。」

 

「そういう.....」

 

「相変わらず優希はいいように使われてたなw」

 

「皆疲れてるみたいだし....少しくらいいいかなって。」

 

「そうやってるとまた千聖ちゃんから色々言われるぞ。」

 

「そ、そうかな.....別にやましくはないとおもうけど.....」

 

 

 

 

 

「友希那、紗夜、どうして顔赤くしてるの?」

 

(リサ達がいるとはいえ.....リラックスし過ぎた。反省ね。)

 

(優希さんの匂い、雰囲気.....落ち着いたわ.....でも、今井さん達に見られてたかもしれないのは.....恥ずかしいわね。)

 

「でも紗夜さん達が『あこちゃん、しーっ。』むぐぅ.....」

 

「その話はもう終わりにしましょう。で、今日の練習、どうだったかしら?」

 

「流星さん凄かったです!!もう、ドーンって感じで!!」

 

「アタシも蒼生さんに色々教えてもらったよ♪チャラそうだから不安だったけど丁寧に教えてくれたし。」

 

「白鷺さんは.....一緒に弾いてくれたりアレンジを教えてくれたり.....」

 

「豪さんは相変わらず英語を読むのに苦労していたわ。でも.....歌の技術は上がっていたわ。」

 

「花園さんはすごく丁寧でした。躓きやすい部分や部分部分でココは意外とミスが起きやすいと正確に教えていただきました。」

 

「今回知った部分を改めて実践してみましょう。特に燐子や紗夜はある程度アドバイスを貰ったから1度音を合わせて曲に合うかはやるわよ。」

 

「勿論です。」

 

「はい....」

 

「そういえば今日、アタシ達聞いてばっかで優希達の演奏聞けなかったなー。」

 

「それあこも気になったよ!!絶対バーンって感じだと思うし!!」

 

「....それは本番までのお楽しみよ。先輩達の表現力が高まるのは本番前であれはあくまで上手く弾くことを重視した感じよ。、だから本番までは我慢しなさい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで優希、この写真なんだけどさ.....」

 

「.......お前いつ撮ったんだよ!?」

 

そこにはさっきの友希那さんと紗夜さんと休憩していた写真があった。というかあの状況でどうやって撮ったんだ.....

 

「安心しろって、これは千聖ちゃんには今は公表しないから。」

 

「今は.....?」

 

「今度事務所行く時あるだろ?そんときにやろうぜ!!」

 

「お前は僕を殺す気か.....」




次次回から文化祭本番になります。ここで少しご報告を。この文化祭編が終わったら新しく出たMorfonicaに登場してもらおうかなと思います。バンドリメンバー自体は構わず出てもらいますが区切りをつけさせてもらいます。ご了承ください


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ホッワイトデー!!

ホワイトデーですね、お返しってどんなんがあるんでしょうか....アンケートに従って今回は申し訳ありませんが、優希くんだけにします。2話投稿は.....余裕があれば


「えっと.....本日は家に来てくれてありがとうございます。」

 

「なんでそんなに仰々しいのよ。」

 

「いやだってさすがに緊張するよ。ホワイトデーなんか千聖と友希那さんしか経験ないし、普通の大学生が後輩にどんなプレゼントすればいいかとか分からないからね。」

 

「ふふっ、私はその気持ちだけでも充分よ。というかどうして薫がいるのかしら?」

 

「私も子猫ちゃん達にお返しをしなきゃいけなくてね.....ひまりちゃんには返さないといけないんだ。でも今日は兄さんの家にいると聞いたからこうやって参ったのさ。」

 

「薫も大変だな、僕よりもお返し大変じゃないのか?数的に。」

 

「ふふっ、心配いらないさ。子猫ちゃん達から貰った愛はちゃんとかひとつずつ返さないといけないからね。」

 

「じゃあ改めて.....バレンタイン、ありがとうございました。僕はチョコがあんまり好きじゃなかったから皆気を遣ってホワイトチョコとかにしてくれたんだよね....だから僕からもあんまり喜んでくれるかは分からないけどお返しを考えて作ったり買ったりしたんだ。」

 

「へぇ.....すごいねー。」

 

「じゃあひまりちゃんから渡そうかな。皆からお返し貰うので大変そうだし。」

 

「別に気を遣わなくてもいいですよー。中身は.....これ、マスコット!?」

 

「うん、僕は裁縫はあんまりできない方かもしれないけど作ったよ。なんか以前Afterglowにマスコットみたいなのがいるって聞いたからそれを真似しつつ作ったんだけど.....どうかな?」

 

「私より全然上手いですよ!!ありがとうございます!!大切にしますね!!」

 

「じゃあ私からも.....こんなものでよければ。」

 

「これは.....薫さんが前の演劇で使った杖じゃないですか!?」

 

「ああ、この前は最前列にいたからきっと楽しみにしていたと思ってね。」

 

「あ、ありがとうございます!!」

 

 

 

 

「次は.....丸山さんかな?」

 

「は、はい.....(緊張する.....何返すのかな?)」

 

「これ.....喜んでくれるかな。」

 

「これは.....時計?」

 

「丸山さん前に僕に1回相談があったでしょ?だからこれを活用したら1日にどれくらい運動するかも分かるし。」

 

「あれから一応痩せましたよ!!」

 

「でも知っているわよ、彩ちゃん、SNSでよくスイーツをupしてるじゃない?」

 

「それは.....可愛かったし美味しかったから....」

「それはなんか最近有名なやつでそういう消費したエネルギーを表示してくれたり色々できるやつだから是非活用してね。」

 

「ありがとうございます。(優希さん、これが善意だから攻めにくいな.....嬉しいけど複雑だよぉ...)」

 

 

 

 

「次はアタシ達だね♪」

 

「先輩、別に先輩自身がお返しでも私は構わないわよ。」

 

「それはさすがにしないよ.....こっちがリサさんでこっちが友希那さんだよ。」

 

「アタシは.....これは編み物の道具と犬のフェルトの人形?しかも道具はアタシがちょうど欲しかったやつじゃん。どうして分かったの?」

 

「お隣さんに少し協力してもらってさ。リサさんって基本的に女子が好きそうなことは大抵高レベルで出来そうだから本当にお返しに悩んでね.....」

 

「そこで先輩が私に相談をしてきたのよ。私もリサから貰っているからどうお返しをしようか悩んでいたの。だからそれは私と先輩の両方からのお返しということよ。因みに私は猫の方がよかったのだけれど.....先輩がリサとは犬で何かと縁があるからって言ってその人形を作ったのよ。」

 

「犬.....確かに、ハロウィンの時も紗夜と一緒にいて会った時も確かに犬が関連してる。」

 

「ちょっと気持ち悪いかもしれないけど.....受け取ってくれるかな?」

 

「うんうん、全然そんなこと思わないよ♪優希がアタシとの出来事をそうやって覚えてくれてて嬉しいよ!!(友希那が好きになる理由も分かるなぁ.....ああいう些細なことを覚えてくれてるのって案外嬉しいんだよねぇ.....)」

 

「そう言ってもらえたら....」(普通ならここで、なんで覚えてるの?キモっとか言われるんだろうな.....今井さんが優しくて良かった。)

 

「それで私へのお返しはどれかしら?」

 

「それも悩んでさ、こんなものになってしまったんだけど.....」

 

「本....!!!!」

 

「友希那?鼻血出てるよ。はい、ティッシュ。」

 

「ありがとう....本当にこんなもの、貰っていいのかしら?」

 

「EXTRAのメンバーに相談したら、これが一番喜んでもらえるって結論が出てさ。あんまり価値がないかもしれないけど.....」

 

「いえ、これに価値がない訳ないわ。ありがとう、先輩。これで1年は確実に辛いことがあっても強く生きていけるわ。」

 

「何貰ったの.....え、可愛い。」

 

そう、僕があげた、と言うよりかはあげろと言われたのは.....猫と僕がじゃれついてる写真& 僕の家での私生活の写真。最初これに決まった時は僕も疑ってしまったけど友希那さんが喜んでる様子をみて.....安心したかな。

 

「本当にこんなのでいいの?」

 

「ええ、これは間違いなく宝よ。どうして私が知らない写真がこんなにあるのかしら.....」

 

「あはは....でも、ありがとう、優希♪これ、大事に飾っておくね♪」

 

「うん、ありがとう.....」

 

「ありがとう、先輩。来年は婚姻届の印鑑か結婚指輪をお願いするわ。」

 

「そ、それは....約束できない、かな。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2時間後

 

「ねぇ兄さん....いつまで固まってるのかしら?」

 

「千聖に渡す緊張感だけは....いつもやばいんだよ。」

 

「FWFと私、どっちの方が緊張するの?」

 

「千聖。あれの比じゃないよ.....」

 

「そう.....じゃあその箱、貰うわね。」

 

「は、はい、ど、どどどうぞ。」

 

「彩ちゃんみたいになってるわよ。そこまで緊張しなくても.....」

 

「千聖にあげて喜べるものじゃなかったらもうやばいよ.....生きていけない。」

 

(まぁ兄さんには演技が通じないから下手に喜んでもバレるものね.....さて、中身は何かしら.....)

 

「千聖は覚えてる?この衣装の思い出を。」

 

「ええ.....覚えているわ。懐かしいわね。」

 

僕は、かつてFWFに出場した時の衣装を、僕なりにちょっと加工して渡した。この衣装の思い出.....かつて僕達がFWFに出た時、出場者の中に卑怯な奴らがいた.....というのもそいつらは元々事務所に所属していて、色々根回ししていたらしい。僕達が邪魔だったか知らないけど、彼らは僕達の衣装を刃物で傷つけてきて、おまけに大人を数人連れてきて僕達を倉庫に閉じ込めた。それを当時目撃した蒼生のお父さんがその大人をボコボコにして、千聖達に伝えてくれた。僕達は時間もないから倉庫のドアを全員で蹴ったり体当たりしてドアを破壊して出てきた。その時に千聖たちが『こんな衣装で出るのかしら?それはダメよ。』と言って僕達の衣装を取ってどこかに行き、綺麗に修繕された衣装が返ってきた。.....あれ?僕達って相当な問題児?

 

「あの時、もしかして.....」

 

「ええ、まだ殆ど初対面だったけど花音やたえちゃん、有咲ちゃん達と協力して直したのよ。本当にあの時は大変だったわ。」

 

「今思えばあれ普通に退場ものだったね.....」

 

「そうよ、閉じ込められたとはいえまさか設備を破壊して出てくるなんて私も考えなかったわ。でも結果的にそれが1番速かったし、後でそこをちゃんと修理したんだから大丈夫でしょ?」

 

「あの時は本当に千聖が女神に見えたよ。」

 

「あら?あの時は?」

 

「だってそうだよ。普段の千聖は天使みたいに可愛いじゃん。あの時は女神みたいに逞しく見えたよ。皆ライブの後、優勝したことよりも妹が成長したのを見れて泣けるって言ってたし。打ち上げでも皆泣いてたよ。」

 

「そうだったのね.....因みに時間稼ぎをしてくれたのは誰だと思う?」

 

「誰?」

 

「友希那ちゃんよ。あの時は私も知り合っていなかったから何も知らなかったのだけれど、後から聞いたら『あなた達、私の歌を聞きなさい』って言って兄さん達が来るまで持ちこたえたのよ。」

 

「そうだったのか.....友希那さんにも感謝しないと。でもなんで言わなかったんだろ?」

 

「それは『仲間として助けるのは当然でしょ?』って言ってたのよ。」

 

「すげぇ....」

 

「だから.....懐かしいわね。あれももう昔に感じるわ。」

 

「うん.....だからこそ、僕達も感謝の気持ちを伝えたいんだ。特にこの衣装は千聖達に1番助けて貰った衣装だからさ。それを今度は僕達なりに頑張ってアレンジして作り直したんだ。受け取ってくれる?」

 

「ええ、勿論よ。その気持ちだけでも私は嬉しいわ.....」

 

「え!?千聖、なんで泣くの!?」

 

「嬉しいのよ。兄さんがくれたものよ.....」

 

「実は今回さ、皆この衣装をお返しにどうかな?って話してたんだ。だからこれは白鷺千聖限定の衣装だよ。」

 

「ええ、分かっているわ.....今日は寝れそうにないわね。」

 

「そこまで喜んでくるなら....作った甲斐があったよ。」

 

隠しててもわかるわよ.....気持ちくらい.......そんな絆創膏だらけの手を見たら。兄さんがどれだけ気持ちを込めて作ってくれたか。おそらくひまりちゃんたちのも含めての怪我でしょうけど.....ふふっ、強がるところも兄さんらしいわね。

 




どうなんですかね?ウイルスも流行ってますし、ホワイトデーのお返しとかってどうするんでしょうか.....4月に渡すのかな?
おかしなところがあったらご指摘お願いします!!


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٩(.^∀^.)งLet's GO to 事務所

バンドリとかラブライブ!の二次創作を書いてると、やっぱり他の作者さんの発想力とか展開の作り方には敵わないなぁ、といつも思います。


「ほぇ.....相変わらず殺風景だな。」

 

「千聖はどこにいるんだろう....」

 

僕達は今日千聖達に呼ばれて事務所に行っている。事務所の受付で名前を教えたら少し嫌な顔をされてパスを貰った。別に受付の人には喧嘩うってないんだけどね......

 

「ここじゃねぇか。パスパレって書いてるし。」

 

「だな.....お邪魔しま.....」

 

「あ、あわわ.......」

 

「あっ」

 

そう、普通に楽屋にノックをして開けたら.....ちょうどお着替え中の丸山さんと千聖がいた。\(^o^)/殺される。

 

「ど、どどどどどどうしよう!?」

 

「大丈夫よ、彩ちゃん、兄さんは動じないわよ。」

 

「どうした優.....うわっ!!」

 

「あなたはダメよ。4にたいの?」

 

「千聖ちゃん.....いきなり鉄拳制裁は良くないってば。」

 

「そうだよ、千聖。いくらなんでも鉄拳はだめだよ。ビンタにしないと。」

 

「それもそうね、ごめんなさい。」

 

「どっちでもダメージえぐいわ。」

 

千聖も元気になったね.....ココ最近疲れてそうだったから心配だったよ。

 

「と、とりあえず閉めてよ!!」

 

「あ、ごめんなさい。」

 

 

 

「千聖ちゃんはへ、平気なの?その、男の子に下着姿見られて。」

 

「そうね.....兄さんにはいいかしら。普段から見せてるし。」

 

「見られてるじゃないの!?」

 

「そんな変態じゃないわよ。ひまりちゃん相手に全然動じなかったのよ。」

 

「そ、それは凄いかも.....」

 

「そういえば今日、打ち合わせあったわね.....兄さんたち、同席するのかしら?」

 

「今日の打ち合わせ相手って.....あの怖い人だよね?」

 

「ええ、彩ちゃんには厳しい人ね。彩ちゃんがよく噛むから嫌な印象持ってるんじゃないかしら?」

 

「そ、そうなのかなぁ.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「じゃ、練習始めるか。」

 

『おおーー!!』

 

「で、さっきからなんで俺たち睨まれてるんだ?」

 

「翔世の低さに.....驚いてるんじゃない。」サクサク

 

「そういうことか.....って!!お前気にしてることを.....」

 

「普段はプロの方々がレッスンをしているから意外だと思うからよ。それにこのメンバーは私と兄さんを除いてほぼ初対面だし。.....じゃあ分かれてやろうかしら?」

 

「今日は希望制でいいよね?僕千聖がいいです。」

 

それだけは絶対に譲れない。今の今まで.....僕は作者の手によって千聖との練習を入れられなかった.....今日こそは。

 

「ええ、一緒にやりましょう♪」

 

「じゃあ僕は.....ドラムの人、がいいかな。」

 

「え、自分ですか!?嬉しいです!!」

 

「俺は彩ちゃんだな。同じボーカルとして」

 

「は、はい。よろしくお願いします。」

 

「俺はあんただな。.....あれ?この前会ったギターの人に似てないか?」

 

「おねーちゃん知ってるの?じゃあ後で練習してる時のおねーちゃんのお話聞かせてよ!!」

 

「おう.....まぁ練習のことしか話せないけどな。」

 

「じゃあキーボードだけど.....イヴちゃん、やろうぜ。」

 

「はい!!共にブシドーを極めましょう!!」

 

 

 

 

 

 

「千聖、スラップが苦手なの?」

 

「ええ、まだちょっと失敗するのよ。」

 

「手を貸して.....人差し指はここで.....」

 

(これよ.....これをずっと待っていたの。できれば2人きりの空間の方が嬉しいけれど.....これも、悪くないわね。)

 

「千聖ちゃん、なんかすごく幸せそうな顔してますね。」

 

「まぁ優希のことが大好きだからな。」

 

「好きになったきっかけとかって何なんですか?」

 

「そこまでは知らないけど.....やっぱ優希が千聖を1人の女の子として見てくれたからじゃないか?千聖ちゃんって昔からずっと女優とか子役とかそういう感じで周りの人が接してきたから自分を見てくれた優希のことが大好きなんだろうな.....」

 

「そうなんですか.....私はむしろもっとアイドルとして見て欲しいなぁ....」

 

「どうしてだ?パスパレもだいぶ有名になったし、リーダーなら尚目立つじゃん。」

 

「それが道端でも全然気づかれないんですよ。」

 

「ど、ドンマイ....」

 

 

「流星さんはどんなドラムがすきですか?」

 

「僕は.....PearlのRFPシリーズかな。大和さんは?」

 

「自分はLudwigのREGACY MAHOGANYですね。でもドラムのメーカーやシリーズの話ができるのは嬉しいですね!!」

 

「うん....あんまり話す人いないしね。」

 

「こういうの、1回してみたかったんですよ!!いつもどうしても自分が一方的にお話してしまう形になってしまいますので.....」

 

「仕方ないよ、同種じゃないとそういう会話は通じないから。」

 

 

 

「ここ、こんな風にギュイーンってした方がいいかな?」

 

「アドリブを入れるのか?ならギュイーンよりかはギューンの方がいいんじゃないか?」

 

「こんな感じ?」

 

「よく擬音で通じたな.....そんな感じ。」

 

「曲1回しか聞いてないのによく分かったねー。」

 

「なんとなくだよ。こういうのはあれだ、ギタリストの勘みたいなもんだ。こんなこと言ってたら小物扱いされるけどな。」

 

 

「ショルダーキーボードって中々見ないけど、凄いな。」

 

「はい!!こっちの方がパフォーマンスにも参加しやすいんですよ!!」

 

「へぇ.....俺は使ったことないから分からねえな。」

 

 

 

「.....ちょっと来なさい。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

事務所 会議室

 

「なぜ君たち事務所に来てるんだね!!」

 

「何故って....そりゃあこれからを担うバンドと練習しにきたんですけど、何か?」

 

「君たちはもうパスパレに近づかないでくれ!!迷惑だ!!」

 

「.....近づくな?どういうことですか?」

 

「あの子達のことを上辺だけでしか知らない君たちに近づけたくないんだ!!」

 

「おいおい、聞いたか。当て振りを指示したやつが今更何言ってんだよ。」

 

一方パスパレは

 

「や、やばいよ千聖ちゃん!!」

 

「というかなんで私たち盗み聞きしてるの.....?」

 

「だってー、普通の先生じゃつまらないしるんって来ないんだよねー。だから気にする必要ないよ。」

 

「それになんかやばそうな雰囲気がしますね.....」

 

「これが修羅場というやつですね!!」

 

「合ってはいるけれど....嫌な予感がするわ。」

 

 

 

 

 

「.....なるほど。上辺だけ、と。」

 

「その通りだ。ここにいられても迷惑だ、さっさと帰れ。」

 

「.....ではそうでないと証明すればいいのですね。」

 

『あっ.....』

 

「あちゃ.....やっちまったな。」

 

「ドンマイ、社長さん。」

 

「おれたちはこれを28時間途中間食ありでぶっ続けで聞いたから頑張れよ。」

 

「いいでしょう.....では僕が白鷺千聖講座を開いてあげましょう。今から20時間くらい.....本当に本当に短縮して千聖の可愛さを教えます。これでひとつでも知らないことがあれば黙ってくださいね。いいですね?」

 

「そんなことする必要は『いいですね?』はい.....」

 

 

 

「今の千聖ちゃんにちょっと似てる.....」

 

「兄さん何始めるつもりよ!?」

 

「ちょっと千聖ちゃん、しーっ。これはるんっ♪てするよ!!」

 

「ち、千聖ちゃん講座.....凄そう。」

 

「お兄さんの愛が詰まっていますね。」

 

「イヴちゃんもさらっと勉強しようとしなくてもいいわよ.....」

 

「でも、千聖さんのことは気になります!!」

 

「でも20時間って.....他の人もなんか覚えありそうなかんじだけど。」

 

「あれはね.....EXTRAのメンバーが合宿をしたときがあったのよ。それで皆で妹について語った時があったみたいで.....他のメンバーは3時間くらいで折り合いを付けたらしいのだけれど、兄さんだけ止まらず28時間くらい話してたみたいなのよ。私も聞いた時は耳を疑ったのよ?でも皆やべぇって言ってて.....」

 

「因みに聞いた人はどうなったのですか?」

 

「終わった途端全員寝たらしいわよ。」

 

「なにそれ、るんっ♪ってする!!」

 

 

 

 

 

 

「では行きますよ....千聖のパスパレとして3回目のライブにおいて、千聖がベースで何回かミスを、正確にいうとテンポを少し乱してしまいました。その時は日菜ちゃんと大和さんがミスをカバーしましたが、ではそのミスした回数を答えられますか?これがライブ映像です。」

 

「.....分からない。」

 

「そうですか、正解は3回です。」

 

「では次に行きましょう.....先程上辺と言いましたので申し上げておきますが、千聖の内面を知っていますか?あなた方は千聖をパスパレにおいてどういう風に見えていますか?」

 

「それは、勿論パスパレの暴走を止める先輩的存在で.....」

 

「本気で言ってますか.....あなた達が千聖をそういう風にしか見てないならやばいですよ。確かにメンバーを牽制するのがメンバーとしての役割かもしれませんが、それだけじゃありませんよ。僕は見たことはないですけど、千聖はよくメンバーの相談を聞いているんですよ。それに本人がライブ中にいきなりアレンジを入れたりした時もありましたし、パスパレの騒動があった時に千聖は丸山さんの姿勢に感銘したから残ったのであって仕事だから残ったわけじゃないですよ?これ....雨の中チケット配ったこれ、知ってますか?それにファンレターもちゃんと大事に持ってますし返事もちゃんとしてるんですよ。」

 

「......」

 

 

 

 

 

 

 

「なんでそこまで知ってるのよ!?」

 

「あれじゃないですか、千聖さんが優希さんを知ってるように優希さんも千聖さんのことを知ってるんじゃないんですか?」

 

「そういことかしら.....」

 

「じゃあ試しに千聖ちゃん、優希で知ってる事言って。」

 

「そうね.....昨日兄さんが髪を触った回数が4回、兄さんが一番はりきってる時間帯は、朝の2時とかかしら.....」

 

「こ、細かいですね.....」

 

「それくらいは当然じゃないの.....?」

 

「うーん....そうなのかな?あたしもおねーちゃん大好きだけどおねーちゃんが髪をいじった回数とかまでは分からないかな。」

 

「そ、そうなの。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「分かった!!分かったから勘弁してくれ!!」

 

「いえ、千聖の魅力は知って頂かないと。」

 

「じゃ、俺たちは失礼するか。.....て彩ちゃんたちいたんだ。」

 

「あ、これは.....」

 

「優希はいつもあんな感じだから気にする必要はないぜ。じゃあ帰るか。」

 

「え!?練習しないんですか!?」

 

「まぁ.....さすがに俺らもプロには勝てないだろうし、明日から文化祭だから色々調整する必要もあるしな。」

 

「そうね、今日はありがとうございました。」

 

「千聖ちゃん、明日楽しみにしてるぜ。」




どうでもいい(下手したら間違ってるかもしれない)豆知識③
バンドリのアプリにおけるアルバムの数が1番数が多いのは(現時点)蘭ちゃんと美咲ちゃんです。そして各バンドのリーダーの中(香澄ちゃん、ひまりちゃん、彩ちゃん、友希那さん、こころちゃん)で1番アルバムの数が少ないのは友希那さんです。


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文化祭の始まり始まり

皆さんはドリフェスの結果はどうでしたか?僕は結構今回は引きがよかったと思います。30連してフェス限蘭ちゃんとリサ姉、Morfonicaのリーダーつくしちゃんの星4も当てました。星3も出たからつくしちゃんはコンプしたことになりますね。

今回はちょっと視点があっちこっちに行くので読みにくいかもしれません。


とうとう来た....文化祭。初日は憂鬱でしかない。理由は後々分かるよ。

 

「さて、用意は出来たわね。兄さん、行けるかしら?」

 

「うん、いつでも。他校の文化祭行くのにベース持っていくのは結構違和感あるね。」

 

「そうね、普通はこんなもの持っていかないもの。」

 

「変装はしなくてもいいの?」

 

「日菜ちゃんや麻弥ちゃんがいて騒がれてないのだから私や彩ちゃんが入っても大丈夫よ。えっと.....今日の昼頃にライブなのかしら?」

 

「そうみたいだね。順番的には千聖達の方が先みたいだけど。」

 

「期待してて。おそらく今までで1番高いレベルのライブが出来ると思うわ。」

 

「うん、楽しみにしておくね。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

羽丘高校

 

「にしても羽丘って凄いね。進学校なのか知らないけど知的な出し物が沢山ある。」

 

「こうやって普通の高校生として文化祭に来るのも2回目ね。」

 

「あ、そっか。まぁとにかく、まずは誰のところから行く?」

 

「そうね.....とりあえずリサちゃんのところから行っておこうかしら。日菜ちゃんは校内のどこかにいるみたいだし、それがてら探しましょう。」

 

「最初に行くんだ....はぁ気が思いやられる。」

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませ、ご主人様、お嬢様!!」

 

「メイド喫茶ね、兄さんの高校にはこんなのなかったものね。」

 

「うん....そりゃあ共学だから男子の立ち位置無くなるしね。」

 

「あれ、千聖に優希じゃん。約束通り来てくれたんだ♪」

 

「.........」

 

「兄さん?どうしたのかしら?」グイッ

 

「痛!!.....予想外に似合ってるなって思ったから。」

 

「ふん。」ゴキっ

 

「いった!!やばい、やったかも....」

 

「あはは.....大丈夫?」

 

「まぁ、一応ね。リサさんはホールなの?」

 

「うん、一応ホール兼厨房だよ。今人が多いから対応する為にホールに出てるんだ。」

 

「大変だね.....あれは友希那さんだよね?」

 

「うん!!中々上手く接客出来てなさそうだけど.....」

 

うん、予想はしていた。友希那さんから音楽話題を取り上げたら多分話すことが無くなるだろうと。しかも友希那さんはリサさんのように社交的ではないからおそらく不器用にも接客する。これはある意味一部のお客さんには喜ばれるだろうね。ドジメイド。

 

「ご注文は何になさいますか?」

 

「じゃあコーヒーをお願いします。兄さんは?」

 

「じゃあ僕は.....何これ、」

 

何これ?愛が詰まったラブラブオムライス、何故こんなに名前が長いんだ.....しかも愛が詰まったっている?後ろで全く同じこと言ってるけど.....

 

「.....このオムライスをお願いします。」

 

「はい、かしこまりました!!」

 

 

 

「千聖のメイド姿、見てみたいなぁ.....」

 

「本音がダダ漏れよ、兄さん。」

 

「でも実際見てみたいよね。千聖なら完璧に演じそうだけど。」

 

「任された仕事は果たすわよ。.....兄さん、さっきのメニュー見せてもらえる?」

 

「え、あうん。」

 

.......やっぱり。兄さんが選んだのはサービス入りのオムライス。意図的ではないとはいえ、まずいわね。このままじゃ私の特権である『あーん』が誰かに取られてしまう。どうすれば....相手が友希那ちゃんなら止められるかしら?

 

「お待たせ.....しました。あれ?先輩、ここに来ていたの?」

 

「うん、いまさっき来たところだけどね。.....友希那さん、なんで顔赤らめてるの?」

 

「いえ、今からやることが恥ずかしいからよ.....おいしくなぁれ.....」

 

体調でも悪いの?しかもケチャップで絵を書こうとしてるけど、線がくっついてただの丸いケチャップの塊になってる。まぁ全然気にしないけど。

 

「はい、あー.....白鷺さん、その手を離してもらえるかしら?」

 

「いいえ、これは譲れないわ。」

 

「何を言っているのかしら?これは営業サービスだから先輩は私の『あーん』を受ける義務があるのよ。その選択をした時点でこれは決まっているのよ。」グゥ.....

 

「でもサービス入りと無しで値段が変わらないなら別にやらなくてもいいんじゃないかしら?」

 

ピリピリ

 

うわぁ.....目の前で火花散らしてる.....ちょっと待って。友希那さん、お願いだからケチャップ握りしめたまま睨みあわないで、キャップ閉め忘れてるよ。僕のオムライスもう既に遅しで、ケチャップで黄色いの隠れちゃったんだけど。千聖もお願いだから気づいて。こんなのあーんされたら、口がケチャップだからけでやばいから。

 

「ね、お互い平和にいこ『兄さん(先輩)は黙ってもらえるかしら?』僕のオムライスはもう平和ではないんですが.....」

 

『あっ.....』

 

まぁ.....出されたものだし食べるしかないよね。.....どう食べよう。

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「ごめんなさい.....キャップを閉め忘れるとは思ってなかったわ。」

 

「私もつい熱くなってしまったわ....ごめんなさい。」

 

「まあまあもう過ぎたことだから、文化祭だし今日くらいは明るく行こう?ね?」

 

「.....ありがとう、先輩。」

 

 

「きゃっ!!!」

 

「ん?なんだ?」

 

「ちょっとマジで!!ソース服に付けられたんですけど!!どうしてくれるわけ!!」

 

「つ、つけては.....」

 

あぁ.....出た。文化祭あるある、飲食店トラブル。こういうやつ結構いるんだよなぁ.....普通男じゃん?なんで女なの?表出ろ手段使えないじゃん......はぁ、厄介。

 

 

「リサ!!」

 

「千聖、友希那さん、ここにいて。ちょっと変わってくる。」

 

「それは出来ないわ。リサを助けないと。」

 

「じゃあ時間稼ぎを頼む。」

 

 

 

 

 

 

「だからつけては!!」

 

「いやだからこれ見ろって!!ついてんの!!だからこれ無料にして!!」

 

「そ、それは.....」

 

「うるさい!!言い訳するな!!」パァン!!

 

「いたっ.....」

 

「じゃあもうクチコミ書こ。店員の陰湿ないじめって。」

 

「やめなさい、寄って集ってみっともないわよ。」

 

「友希那.....」

 

「はぁ!?実際につけられたわけ!!コレ見なよ!!」

 

「でもそんな位置につけられることは有り得ないわ。それくらいすぐ分かるでしょ?」

 

「うるさい!!店揃って責任逃れとかやめてくれる!?」

 

(厄介な客ね.....)

 

優希(ライブモード)「....どうした?何かあったのか?」

 

「ちょっと聞いてくださいよ!!この女が私に嫌がらせでソースつけてきたんですよ!!このシミ!!」

 

「ちがっ!!そんなことは!!」

 

「言いがかりは程々にして!!このクソ女!!」

 

「まず、これかなり前のシミだろ。シミのレベルがやべぇぞ。」

 

「うるさい!!じゃあ証拠があるの!?私はこの目ではっきり見たのよ!!」

 

「それも証拠にはなってないぞ。仕方ない.....友希那、厨房からお湯入れたお椀みたいなのと食器洗剤持ってきてくれ。」

 

「分かったわ。」

 

「では今の間に一応.....つけられたって言ってたけどまずそのソースの量はおかしいでしょ。それ確実にかけられてるのをしばらく許容したくらいの量じゃん。それにソースつけられた割に全部シミになるのは速くないか?それに机とかにもそのソースを拭き取った後のタオルやティッシュもない。どういうことだ?」

 

「それは関係ないでしょ!!かけられたのは事実よ!!」

 

「だったら.....ありがと。落とせばいいんでしょ。服っていうか上着、ちょっと貸してもらうよ。」

 

「.........」

 

こういうソースの汚れって、確か食器洗剤とお湯で落ちやすいとかなんとかだったかな.....お、落ちた。良かったぁ.......

 

「はい、お終い。これでいいでしょ?」

 

「.........」

 

「それに写真見せるけど.....どうしてご友人側に接してる方にソース付くの?こんなとこありえないからね。」

 

「.......ふん!!出ていけばいいんでしょ!?」

 

「うん、迷惑だからね。でもその前に、冤罪ふっかけたんだからリサにちゃんと謝ってもらおうか。」

 

「.......す、すみませんでした。」

 

一件落着、かな。.....怖かったぁ、あのおばさん威圧ありすぎだろ。オーナーで鍛えられてたからマシだけど。にしても訳の分からない客だったなぁ。

 

「リサさん、大丈夫?.....お願いだから抱きつくのはここでは辞めてくれるかな?」

 

「怖かったんでしょう、先輩、そのままにさせておいて。」

 

「分かったよ。千聖は大丈夫だった?」

 

「ええ、無事よ。リサちゃんは大丈夫?」

 

「ちょっと冤罪かけられて頭こんがらがってるから少し休憩させてあげよう。」

 

「.....先輩、その格好でリサは気づかないと思うわよ。」

 

「そうかな.....?」

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30分後 休憩室

 

「驚いた.....あんなことに出くわすなんて。」

 

「ああいう人もいるよ。気にしないで。」

 

「うん....優希、で合ってるんだよね?」

 

「そう見えないと思うけど、そうだよ。」

 

「ふふっ.....こんなかっこいい顔も出来るんだ。」

 

「まぁちょっとカラコンとか使ってるからね。かっこいいというよりかは変貌したという方が正しいけどね。」

 

「うん....ありがと。」

 

「気にする必要ないよ。しばらくしたらホール戻る?」

 

「.....うん。でも、今はもうしばらくこうしてくれるかな?」

 

今リサさんは僕にもたれかかってる。さりげなく胸をくっつけないでください、きついです。まさかこの短期間で2回もこういう状況に出くわすとは.....人って面白いね。

 

「うん.....それはいいんだけど、.....何か言いたいことあるの?」

 

「いや、その.....こういうシチュエーションの時って、俺の女とか言うと思ったからさ.....言ってくれなかったなぁって。」

 

「それ言ったら僕は二つの意味で人生終わるよ.....さっきだって訳分からないことを無駄に威圧感出しつつ喋ったけど結構恥ずかしかったんだよ。これでも。」

 

「そこは強気でいてほしかったな.....少しときめいちゃったし。友希那が優希のことが好きな理由が分かったかもしれないな。」

 

「混乱してるんだよ。いきなりクレームつけられて叩かれたら大半の人は冷静でいられなくなるし。だからときめきとは違うよ。」

 

「もう.....そこは素直に受け取ってくれたっていいじゃん。」

 

「誤解は生みたくないしね、それに.....そんなことしてたら千聖に殺されるから。」

 

「そうなの?」

 

「僕は千聖一筋だから他の女性に恋なんてすることないけど、こうやって接すると大体黒になるから。」

 

「ふふっ.....じゃあ、私をお持ち帰りする.....?」

 

「大丈夫?保健室まで連れていくけど。」

 

「あはは...友希那が苦労してる理由も分かったような.....優希、時間大丈夫?そろそろライブ準備の時間だけど。」

 

「.....え?あっ!!というかリサさんもそうじゃないの?」

 

「そうなんだよね.....じゃあ行こっか。」

 

「じゃあ千聖と友希那さん呼んでくるよ。」

 

 

 

 

一方その2人は

 

「まさか.....リサが参入してくるとは思わなかったわ。」

 

「待って、でもまだ混乱してる可能性もあるわ。」

 

「それはあるかもしれないけれど.....先輩、ライバルをどんどん作っていくわね。」

 

「とりあえずそろそろ時間だし兄さんたちと合流しましょ。」

 

「それもそうね。」

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ライブ 舞台裏

 

「こんにちは!!司会の氷川日菜だよー!!みんなるんってしてる!?」

 

『うわぁぁぁぁぁぁぁぁ』

 

「うんうん!!今日と明日、ライブがあるから楽しみにしててね!!しかも今回は、るんってくるゲストも来るから楽しみにしててね!!」

 

「誰だろう.....」

 

「アイドルとかくるんじゃね!?」

 

 

EXTRA side

「終わった.....終わったね。」

 

「おいおい流星、ライブする前にへこたれるなよ。」

 

「だって.....アイドルとか予想されたら出にくいじゃん。」

 

「まあまあそこら辺はどうにかなるだろ。」

 

 

「じゃあ早速、AfterglowとRoseliaに出てもらうよ!!」

 

パチパチ.......

 

 

「どうも、それじゃ聞いて下さい。」

 

 

 

 

それからAfterglowとRoseliaの演奏が終わり、合同バンドの時間になった。何曲歌うんだろう.....

 

「それじゃ次は、ガールズバンドの混合バンドによる特別ライブだよ!!」

 

 

「こんにちは。」

 

『うぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

 

「今回はチュチュの影響もあるけれど、混合バンドを組みました。それでは聞いてください。『Brave Shine』」

 

 

 

 

 

 

「うお、王道の曲からやっていったな。」

 

「これ今回のセトリみたいだよ。」

 

「どれどれ.....5曲か。」

 

「やべぇ.....初日の俺らがあほらしく見えるぞ。」

 

「うちの妹(レイ)は歌がかっこいい歌と合うからな!!当然だろ!!」

 

「....頼むからこれ辞めてくれないか?」

 

そう.....僕は女装させられている。しかも豪のやつ、どこから連れてきたか知らないがメイクのプロ連れてきやがった.....どこにいたんだよ。まぁ返事はどうせ決まっていて

 

『無理』

 

「ですよねー。」

 

 

 

「では次の曲、『ambiguous』。」

 

 

 

「.......ん?そういや、燐子達が来てる衣装って。」

 

「.....俺たちのラストライブの衣装じゃねぇか!!」

 

「大切に着てくれてるじゃん。よかったよ。」

 

「というか気づいてなかったのか。」

 

「いや、気づいてはいたんだ。けど少し似てるなぁって.....」

 

「それは気づいてないんだよ、蒼生。」

 

 

 

 

 

 

 

「だいぶのってきた.....」

 

「花音もたえちゃんも調子がいいみたいね。」

 

「うん、だって楽しいもん.....」

 

「じゃあ次は子供の皆も知ってるかな。聞いてください、『紅蓮華』」

 

それにしても....練習で分かっていたとはいえ、音が凄いわ。パスパレでは味わえないこの感覚.....今後に生かせそうね。兄さんは.....今何をしてるのかしら?

 

 

 

「なぁ.....ガチでこの衣装で出るのか。」

 

そう、僕達はアホすぎるバンドとしてもある意味有名で、今だって1人は戦隊モノの服、1人はよく分からないナマケモノのパジャマ、僕は女装、1人はただの私服、1人は服が江戸時代にタイムスリップしている。これお客さん見た時やべぇってなるぞ.....

 

「当たり前だろ。こう。なんだ。バラバラなら個性が集まってひとつの音を奏でる素晴らしさをみんなに知ってもらいたいわけだし。」

 

「個性出過ぎだけどね.....」

 

 

 

「残り2曲、皆さんついてきてください。『fake town baby』と『INNOCENCE』、一気に行きます。」

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「ありがとうございました。」

 

「レイ、お疲れ様。」

 

「お兄ちゃん .....本当にそんなあほらしい格好で出るの?」

 

「あほらしいっていうなよ.....心に槍がささったよ。」

 

「兄さんはまた女の子になったのね?」

 

「不可抗力でごさいます.....」

 

「お兄ちゃん.....可愛いけど服脱いで。これじゃもふもふできない。」

 

「たえ、それは後だ!!おいおい、パジャマ脱がそうとするな!!」

 

「蒼兄.....楽しみにしてるから.....が、頑張って。」

 

「ふぅ.....すまん、先逝くわ。」

 

「おい!!本番前に鼻血出すな!!」

 

「相変わらず騒がしいね....」

 

「そうだね.....お兄ちゃん、その頑張ったからご褒美が欲しいなぁって.....ダメ、かな?」

 

「花音.....うん、いいよ。おいで。」

 

「.....うん!!暖かいなぁ.....」

 

「僕今から本番だからね。」

 

「うん、あと少しだけぇ.....」

 

 

「じゃ行くか。円陣、やるか。」

 

「おう.....番外編の力、見せてやろうぜ、EXTRA」

 

『ファイ!!』

 

「ふふっ、これ見るのも久しぶりね。」

 

「こうやって妹全員で見るとなんか違うよね.....」

 

「おたえ、私今来たばっかなんだけど.....」




今回出した曲と歌った人と使われた作品名(今回はシーズンとか期とかクール、ゲーム等の細かいことは文字数的に省略します。悪しからず)を書いておきます。そして選曲した曲は完全に僕の趣味の範囲に入っています。

Brave Shine(Aimer、Fate UBW)

ambiguous(GARNiDELiA、キルラキル)

紅蓮華(LiSA、鬼滅の刃)

fake town baby(UNISON SQUARE GARDEN、血界戦線)

INNOCENCE(藍井エイル、SAO)

間違ってたりしたら教えてください。誤字脱字報告、評価お願いします!!


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文化祭でキャラが変貌するのってあるよね

なんか.....うん。新規ドリフェス限が花音さん以外出ました。こんな引き今までしたことないです。高校の文化祭ってなんか知らないですけど、皆結構頑張って髪をいじってきたりしてますよね。


「こんにちは、俺たちはEXTRAでーっす!!」

 

会場がザワついている.....そりゃそうか。さっきまで混合バンドがむっちゃかっこよく演奏して盛り上がってる時にステージに出てきたのがおかしな格好の集団(うち女装一名)だったらそりゃざわつくよ。

 

「え、あの人たち本当に演奏出来るの?」

 

「もしかしてバンドの時間終わったんじゃない?」

 

まぁ.....普通そうだよね。

 

「あはは!!何あれ変なの!!ねぇ彩ちゃん!!」

 

「ちょっと日菜ちゃんダメだって.....というかあの人たち凄いよね。あんな格好で堂々と前に出るなんて。」

 

「彩ちゃんも収録で個性爆発してるけどね。」

 

「うっ.....それは別かな。」

 

「まぁあのふざけはファンからしたら懐かしいものね。」

 

「あ、千聖ちゃん達お疲れ!!すごくよかったよ!!」

 

「ええ、ありがとう。あの格好ってことは今日は暴れるみたいね。」

 

「そうね.....あの様子だとおそらく弾けるわよ。」

 

「お兄ちゃん.....だから順番は先の方がいいって言ったのに。」

 

「もしかしてレイ達が決めたの?順番。」

 

「ええ.....一応順番は私とお兄ちゃんで決めておいてって言われて、『俺ら後でいいわwww』とか言ってたからその通りにしたんだけど....」

 

 

 

 

「うわぁ、客の盛り上がり一瞬で冷めたなぁ。これからもっと盛り上げる予定だったのに。」

 

「戦隊モノの服装してても説得力ないぞ。」

 

「じゃあいつも通り.....くじ引きするぜ!!!」

 

ザワザワ.....

 

「く、くじ引き?」

 

「何をするつもり?」

 

「千聖ちゃん、あれ何してるの?」

 

「あれは選曲とパート決めよ。基本的に兄さんたちは大真面目にやる時以外は、くじ引きライブっていってなんの曲を演奏するか、誰が歌うのかとかを決めてるのよ。これも懐かしいわね。」

 

「型破りってこと?すごくるんっ♪てくるよ!!」

 

「確かに日菜ちゃんとは合いそうね。」

 

「おい.....俺が最初のボーカルかよ。」

 

「そうだよ。」

 

「くじ引きでそう出たんだから.....諦めなよ。」

 

「それもそっか。.....じゃあ行くぞ、『ファっとして桃源郷』!!」

 

ザワザワ.......

 

「え、普通に演奏してる.....」

 

「しかもあの女の子、ドラムやってるぞ!!」

 

「ええ....でもあの人らなんかすげぇ!!」

 

 

『ああー戦の鐘が鳴る〜 〇し合え!!』

 

「ふふっ、楽しそうね。」

 

「ねえねえ千聖ちゃん.....あの女装してるのって。」

 

「ええ、兄さんよ。」

 

「ええ!!?あれどう見ても女の子だよ!!しかも御丁寧に胸まで.....」

 

「兄さん、かなり体型がいいから足さえどうにかすれば完全に女の子よ。」

 

「へ、へぇ.....千聖ちゃん慣れてるの?」

 

「慣れてるというより今まででもああいうことは沢山あったから今更ね。」

 

「丸山さん、覚えておきなさい。人間は慣れてしまう生き物よ。」

 

「は、はい。」

 

 

「じゃあ次行くか。優希.....じゃなかった、優子ちゃん!!出番だぜ!!」

 

「お前本当に覚えとけよ.....」

 

「優希、ちゃんと裏声で歌えよ!!」

 

「翔世、後で妹さんに大学で女の子に絡まれてる写真、グループで出た写真見せるよ。」

 

「はっはっは、俺のたえを愛する気持ちがあればその程度のこと大丈夫だ!!」

 

「言ったね.....じゃあ、聞いてください『ブリキノダンス』!!」

 

やばい、喉潰れるかも.....裏声でこのスピードはきつい。しかもさっきのケチャップの味がまだ残ってるから気持ちわりぃ.....

 

 

「あの子、滑舌すげぇな。」

 

「凄いです.....あの人。」

 

「あれ女装じゃない?でも凄いよねー。」

 

「うん、男の子でもあんな声出せるんだ。」

 

 

ちょっと観客席からざわつきが出てくる。待って、僕女の子扱いされてない?僕おとこだよ?頼むから気づいて!!しかも撮影されてる!!やばい.....ガチで心が折れそう。

 

「あはは!!何あれ優希すごぉい!!」

 

「裏声で良くいけるわね.....」

 

「.....カラオケで鍛えたのかしら。しかも先輩、口元にケチャップ着いてるの気づいてないのかしら?」

 

「そこに気づかないのも幼いわね。兄さん、弟になってくれないかしら....」

 

「私もしょーくんは弟になって欲しいです。弟だったらもふもふし放題ですし。」

 

「おたえお前さらっとやべぇこと言ってねぇか?」

 

「そう、有咲だってお兄ちゃんを独占したいでしょ?」

 

「それは....まぁ分からなくもないけど。」

 

「チサトさん見てください!!あのベースで着物を着てる人!!」

 

「確かにイヴちゃんが好きそうね.....」

 

「ベースを持って自然な雰囲気.....まさにブシドーそのものです!!私ももっと磨かないと......」

 

「イヴちゃん?あれ参考にしたらアイドルじゃなくて俳優とかコスプレイヤーになるわよ。」

 

 

 

 

「のってきたぁ!!!次は皆ものってくれよ!!わからないやつはパンフレットを見てくれ!!行くぜ、『すーぱー☆あふぇくしょん』!!」

 

「じゃあ僕達も.....」

 

「いくとするか!!流星!!」

 

「うん.....あんまり騒ぎは起こさないでね、蒼生。」

 

 

 

「.....え!?ステージの人が降りてきた!?」

 

「あ、お兄ちゃん。」

 

「花音.....皆も盛り上がっていこー。」

 

「あのゆるい感じ、なんかしっくりくるわね。」

 

「ふふっ、だって私のお兄ちゃんだよ?」

 

「それもそうね、花音に似ておっとりしてるし。」

 

「お、お兄ちゃんはしっかりしてるよぅ....」

 

『引っ張ってっちゃう、るらんら遅れないでね!!』

 

「せぇの!!」

 

ウォウウォ!ウォウウォ! \(^ω^\Ξ/^ω^)/イェイ!イェイ! \(^ω^\Ξ/^ω^)/

 

うん、皆もだいぶ雰囲気に慣れてのってきてくれてる。女の子だから不安だったけど良かった。イェイイェイはのってくれやすいね。

 

 

 

「いいねいいねえ.....次、流星がボーカルだぞ。」

 

「僕.....やるよ。じゃあ聞いてね『Welcome トゥ 混沌』。」

 

 

「おっ、雰囲気が変わった。」

 

「すごい.....バンドっぽい。」

 

「あのギターの人、相当の練習量ね。」

 

「だねぇ、結構やってきた感じがするよ~。」

 

 

「やっぱり雰囲気を変えるのはあの人ならではだよね!!」

 

「うん、そうだね。明日香も全部のライブ見たの?」

 

「はい!!やっぱりあの落ち着いた声、雰囲気変えるの上手いなぁ.....」

 

「あはは.....香澄がああやってるの見てみたいな。」

 

「おお姉ちゃんは.....ずっと明るい方がいいですね。」

 

「それもそうだねぇ。でもYUさん、女装1人って珍しいよね。」

 

「そうですよね、大体グループ全員でやると思ってました。」

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「おっしゃ、次で最後の曲だ!!俺たち、明日はまじで全員震えさせてやるから覚悟しとけよ!!」

 

「ハードル勝手に上げないで.....」

 

「まぁいいじゃねぇか。こんくらいの勢いがねぇと俺らただの変人集団だからな!!」

 

一同(自覚はあったんだ....)

 

「じゃあ最後の曲、明日の予習みたないなもんだ!!行くぜぇ!!『STAND PROUD』」

 

 

 

「オラオラが聞こえそうね。」

 

「今回はくじ運が悪かったわね、始まりが客を引きつけるというよりは変人集団としか思えないわ。」

 

「そうだねぇ、でもカッコイイ曲出した後にいきなり崩れたらそれもそれでやばそうじゃない?」

 

「それもそうかしら。」

 

「.....はなちゃん?どうしたの?」

 

「いや、お兄ちゃんが着てたパジャマ欲しいなって。きっとお兄ちゃんの匂いが.....」

 

「はなちゃん?目が怖くなってるよ。」

 

「千聖ちゃん千聖ちゃん。」

 

「どうしたの、花音。」

 

「優希くんが着てる服って.....」

 

「私のじゃないわよ。さすがにサイズが違いすぎて兄さんには着れないわ。」

 

「そ、そうなんだ.....じゃあどこから持ってきたのかな?」

 

「私は特に何もしてないわよ。ただ、晩御飯の時とかにどんな服なら行けるかなとは聞かれたから少しだけアドバイスしただけよ。」

 

「それ、何かしてるよね.....」

 

 

 

 

 

「おし!!今日は終わり!!明日も来てくれよ!!」

 

パチパチパチ.....

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夕方 ファミレス

 

「じ、じゃあ1日目、無事終えられたことを祝って....乾杯!!」

 

『乾杯!!』

 

「それにしてもお兄ちゃん凄かったね、あの衣装でよく雰囲気作れたね。」

 

「まぁレイたちの後だったから馬鹿だけど聞いていこうって思ったんじゃないか。」

 

「兄さん、あーん。」

 

「うん、あーん....今日これで2回目か。」

 

「そうね.....たまにはこんな日あってもいいと思うわ。」

 

「ねぇお兄ちゃん.....さっき聞こえたけど大学の女の子ってどういうこと.....?」

 

「あ?これだよこれ。普通に同じ学科の子が撮って欲しいっていうから撮ったんだけど.....ひっ!!」

 

「翔世どんまい。」

 

「ご愁傷さまでございます。」

 

あっ、やっちゃった。翔世の妹目から光無くなってるよ。これネタ画像とかで調べたら出てきそう。

 

「お兄ちゃん?私こんなの知らないよ?」

 

「い、いや別にやましくはないだろ!?普通に善意でだな!!」

 

「へぇ.....お兄ちゃん、教育して欲しいの?私は男の人と触れたりしないのに。」

 

「.....え、じゃあライブとかでファンが来た時どうしてるんだ?」

 

「そもそも私たちアイドルじゃないからそんなことしないよ。お兄ちゃん.....」

 

「は、はい.....」

 

「帰ったら補習だよ。分かるまで寝かさないからね。」

 

「は、はいぃ....」

 

まぁ....どんまい。僕はあんまり目立たないから大丈夫だけど、蒼生や翔世、肉食系に絡まれる流星は災難だな。僕はそんなことは一切.....ないわけではないな。最近多いわ。

 

 

「まぁまぁたえちゃん、兄さん達の魅力があるからある程度は認めないとやっていけないわよ。」

 

「そうですか?千聖先輩も同じ考えですよね?」

 

「まぁ私の場合は兄さんには交流とか持って欲しいけど接触したりするのは許せないわね。.......今日みたいに。」

 

あれ.....じゃああれ許してもらえてなかったの?

 

「.....先輩?顔が青ざめてるわよ。」

 

「い、いやなんでもない.....です。」

 

「?どうして固まって。」

 

「ねぇ兄さん。」

 

「は、はい.....」

 

「今日はリサちゃんと結構楽しんでいたわね。」

 

「そうね.....仕方ないとはいえリサとくっつきすぎよ。紗夜に見つかっていたら確実に制裁ね。」

 

.....え?そんなにやばかった、あれ。というかなんで紗夜さんの名前が出てくるんだ.....あの人関係ないような、そうかあの人風紀委員だった。確かに見られたら不純とか言われるかも。

 

「あ、あれは仕方がなかったので....とくにやましいことも何もしてないし。」

 

「大丈夫よ、制裁というのは私と友希那ちゃんのどっちにも抱き枕として隣で一夜を過ごすことよ。」

 

「.......はい?」

 

「そうね、私たちはそくらいしてもらわないとダメね。あれね、最恵国待遇ってやつね。」

 

「国じゃないよ.....分かりました。でも友希那さんの家に行くの?」

 

「そうね.....今度いらっしゃい。」

 

「その時は私も行くわよ。間違えても超えないようには、ね。」

 

「そう.....」

 

バチバチ.......

 

「白鷺さんも友希那さんも.....ここファミレスだから大人しく.....しないと。」

 

『ご、ごめんなさい。』

 

「燐子先輩すげぇ、さすが上級生。」

 

「こういうの、市ヶ谷さんが得意だと思ってた.....」

 

「そうですか?私めんどくさがりだからあんまり注意とかはしませんよ?」

 

「そ、そうなの.....いつも戸山さん達によくツッコミしてるところを.....見かけてるから。」

 

「それは香澄達が変なだけで.....」

 

「でも有咲も嬉しそうにやってるよね。」

 

「べ、別に嬉しくなんかねぇし!!」

 




ドリフェス長くないですか.....6日もやってましたっけ?大体4日くらいだったような.....気のせいですかね。RAS実装もこんな感じなのかな。(多分僕の場合は水着千聖ちゃんリベンジをする為にRASは諦める可能性がめちゃくちゃ高いです。)

今回書いた曲と歌い手、その使用作品

ファッとして桃源郷(三森すずこ、てーきゅう)

ブリキノダンス(ボカロ、日向電工、初音ミク)

すーぱー☆あふぇくしょん(栗林みな実、橋本みゆき、飛蘭、美郷あき、yozuca*、rino、carnival phantasm)

Welcome トゥ 混沌(カオス)、[(K)NoW_NAME、ドロヘドロ]

STAND PROUD(橋本仁、ジョジョの奇妙な冒険)

誤字脱字報告、評価、感想、上記で間違ったことが書かれていれば指摘お願いします!!


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文化祭、2日目!!

アンケートに書いたはいいけど、微エロってどれくらいまでが微エロなんだ.....
今回色々問題回になるかもしれない.....試しに色んな要素入れましたがどうですかね、


「そういえば千聖って昨日は大丈夫だったの?ライブの後観客席にいたけど、大丈夫だった?」

 

「ええ、特に問題は無かったわ。兄さん達が変な格好してくれたおかげで目立つことも無かったわ。」

 

「それは良かった.....今日はどこ行く?」

 

「そうね、まだ蘭ちゃんや明日香ちゃんのところにも行ってないから今日はそこに行きましょう。蘭ちゃん達の店には体育の先生がいるらしいから昨日みたいな迷惑客はいないと思うわ。」

 

「ばっちりフラグを立てないでよ.....もうトラブルやだ。」

 

.....あっ、そういえば美竹さんの店ってなんかやばかったような.....気のせいか。

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羽丘高校

 

「いらっしゃいませーー!!!」

 

「げ、元気すぎない?」

 

「いやぁ、昨日は本当に凄かったのだ〜。」

 

「そんなにお客さんが来たの?」

 

「ふふん、昨日はひーちゃんが全戦全勝だったんですよ~。男の人も皆イチコロだったんです~。」

 

「それで、蘭ちゃんもすごく人気だったんですよ!!名前は知らないけど蘭ちゃんのご指名が凄くて.....」

 

「ちょ、ちょっとつぐみ!!そんなことは言わなくていいから!!」

 

「.....で、ここどうするの?」

 

「どうしようかしら.....この様子だと私は巴ちゃん、兄さんはひまりちゃんや蘭ちゃんを相手にするということよね?」

 

「あ、別に無理はしなくてもいいですよ。これはあくまで無料チャレンジに挑戦するものなので普通に食べに来てくださった方は普通に接客してますし。」

 

「じゃあじゃあ挑戦しましょうよ!!」

 

随分と乗り気でいらっしゃいます。そんなに自信があるんだ。.....僕共学だったけど女の子との関わりは殆どなかったからどうしたらいいんだろう......

 

「その、勝敗のラインはどこにあるの?」

 

「そうですね.....大体どっちかの動きが鈍くなったり大人しくなったりしたら終了って感じですね。」

 

「じゃあ始めましょう。」

 

(ねぇねぇ、千聖先輩の雰囲気、すごいことになってない?)

 

(本気で勝とうとしてるんじゃないかな?)

 

(アタシのハードル高くないか.....?)

 

 

 

 

20分後

 

「ま、負けました.....」

 

「私は女優よ、その程度の演技力には負けないわよ。」

 

まぁ私が勝つのは当然ね。巴ちゃんも男らしさはあったけれど兄さんに比べたらまだまだね。

 

「なんかアドバイスとかないですか?負けるの悔しいんですよ。」

 

「そうね、女の子から想像する男の子はやっぱり強くてかっこいいイメージが強いと思うけれど、そこに隠れている優しい包容力があればもっと多くの女性を魅了出来ると思うわよ。」

 

「優しさですか?」

 

「ええ、だから頑張ってちょうだい。」

 

「はい、アドバイスありがとうございます!!」

 

「いいえ、そんな礼を言われる程では無いわよ....さて、兄さんはどうなってるのかしら?」

 

 

 

 

 

 

「ふふふっ、顔にクリーム、ついちゃってますよ♪取ってあげるからじっとしててね♪.....うん、美味しい!!」

 

「は、はい.....」

 

至近距離すぎる.....普通に上原さんの吐息が耳に来てるし、もうほぼ接触状態.....これ大丈夫なのか。

 

「.....気になりますか?」グイッ

 

「おわっ、何が?」

 

「ふふっ、誤魔化したって無駄ですよ〜。女の子は分かってますからね!!」

 

「そ、そうなんだ。」

 

ちょ、上原さん、近づきすぎ。耳元で何を話すつもりですか?というかこれが高校生なのが驚き.....

 

「....気持ちよくしてあげましょうか?フウッ.....」

 

「耳に優しく息吹きかけるのは辞めて。ちょっと痒い.....」

 

(中々落ちないなぁ.....こうなったら奥の手を使わないと!!)

 

ん?なんか急にしおらしくなった.....急に上目遣い+涙目、胸元まで開いてる....何するつもりなんだろう

 

「先輩.....私を味見してみませんか?私で、たのしんでみませんか?」

 

「.....え?」

 

僕は急に上原さんに首に手を回され、逃げられなくなった。そして上原さんの顔がどんどん近づいてくる.....キス、するつもり?

 

「ちょ、上原さん?」

 

「優希先輩.....私を受け入れてください。」

 

そしてどんどん距離を詰めてくる.....もう。アウトだよ。

 

「おいいいいいいいいいいいい!!!!」

 

「ほわっ!!」

 

「うわっ!!」

 

急に体育科の先生が僕達を押してしまったため、今僕が上原さんを押し倒されている状況になっている。なんとか下に回り込むことは出来た.....というか上原さん抱きつく力すごくない?

 

「上原さん、大丈夫?」

 

「は、はい.....優希先輩も大丈夫ですか?」

 

「大丈夫だよ、後輩を怪我させたくなかったからね。」

 

「.....じゃあ、お礼に受け取ってください。私の.....初めてを。」

 

「.....え!?まだやるの!?」

 

終わってなかった.....というか体育の先生止めるの下手すぎでしょ。シチュエーションが加速してますが。

 

「こら、上原!!そこまでだ!!」

 

「ええー....せっかくいい雰囲気になったのに。」

 

「やりすぎだ!!いきなりスイッチ入れすぎだろ!!」

 

「す、すみませぇん!!!はっ!!」チラッ

 

「ん?どうしたの?」

 

「(や、やばい.....絶対に変な後輩って思われた!!)ご、ごごごごめんなさいぃぃぃぃぃ!!!」

 

「あら、逃げちゃった。」

 

上原さん、場外アウト。僕の勝ち、でいいのかな?上原さん、幼いイメージあったけどあそこまで大人な顔が出来るんだ。

 

「あの、これ僕の勝ちでいいんですか?」

 

「あの.....これは完全に予測してなかった事態で.....」

 

「.......ひまりの仇はあたしがとる。」

 

「え!?蘭ちゃん!?」

 

「蘭やるの~?」

 

「さすがに白鷺兄妹に完敗はなんか悔しい.....白鷺先輩。」

 

「は、はい.....」

 

「ひまりの代打であたしがでるからそこで待ってて。」

 

 

 

 

「じゃあ、やるよ。」

 

「服装ガチ過ぎない?」

 

さっきの上原さんもそうだけど、なんで肩出しのドレス着てるの?あれかな?悩殺狙いかな?

 

「.....あんた本当に男なの?ひまりで靡かない男の人とか初めて見た。」

 

「.....うちのバンド多分誰も靡かないと思うぞ。僕ら全員妹好きだから。」

 

「だったら尚更勝ちたい.....」

 

「そ、そうなの。」

 

負けず嫌いって大丈夫かな.....なんかやばい予感しかしない。

 

「じゃあ.....隣、お邪魔するよ。」

 

「うん、どうぞ。」

 

「ありがと......ねぇ、こういう時どうしたらいいの?」

 

「僕に聞かれても.....知らないよ。」

 

「ふぅん.....じゃあこうすればいいのかな?」ガシッ

 

「ちょ、美竹さん?何をするおつもりで?」

 

「こうすれば.....少しは揺れるんじゃないかって.....」

 

美竹さんは、そう言って僕の腕と手を掴み、その状態で自分の胸に.....ん?

 

「....ひまりがいるからあれかもしれないけど、あたしもそれなりに.....あるから。」

 

「いや、そういうことじゃなくて.....」

 

「ねぇ、感想とかないの.....仮にも女の子の胸触ってるんだから何か言ってよ。」

 

「ええ.....」

 

美竹さん、そんなに赤面するならやらない方が.....というか僕手を離してくれないから離そうとしても掴んで戻されるんだよね....すごい力持ち。

 

「.......それが無理なら。」ギュッ

 

「.....え!?」

 

次はいきなり正面から抱きついてきた。しかも僕の膝の上に乗りながら押し付けてる.....大丈夫?

 

「あ、あの美竹さん。離れないと後々黒歴史になりかねないから辞めといた方が.....」

 

「そう思うなら早く感想言って。」

 

「拒否権は?」

 

「.....もっと力入れるよ?」

 

「.....柔らかくて包容力があると思います。照れながらも頑張る姿はすごくぐっときました。....これでいい?」

 

「.......うん。あたしの勝ちだね。」

 

「それはいいんだけど.....自分は大事にしなよ。上原さんも含め、こういうことはちゃんと心に決めた人としかやっちゃだめだからね。」

 

「.......相手くらい選ぶよ。」

 

「そう.....じゃあ会計しないとね。.....これで丁度?」

 

「.....なんか負けた感じ悔しい。」

 

「蘭ちゃん?兄さんを堕とす方法を教えるわよ。」

 

「どうやってやるんですか.....?」

 

「見てて.....ねぇ、兄さんここに座って♪」

 

「え、う、うん。」

 

「えへへ.....お兄ちゃん、だぁい好き♡」

 

「ぐふっ.......!!!!」

 

はい死んだ、僕死んだわ。こんなに近くで、至近距離で、笑顔で言われたら.....無理。

 

「優希さん、大丈夫ですか!!」

 

「つぐみちゃん、ティッシュあるかしら。」

 

「は、はい!!ここにあります!!」

 

「ありがとう.....こうやるのよ。」

 

「は、はい(これって白鷺先輩にしか使えないような.....)」

 

「因みにつぐみちゃんはこういうのやったのかしら?」

 

「は、はい!!一応....勝率100%ですよ!!」

 

「そうなんですよ、つぐの甘え方が上手くて来る人皆『尊い.....!!まるで、天使だ』みたいなこと言ってましたよ。」

 

「ふふっ、確かにそうかもしれないわね。じゃあ兄さん、明日香ちゃん達のところに行きましょう。」

 

「.........」

 

「まだ意識が旅に出てるのね。引きずっていくわ。じゃあ、お邪魔しました♪」ズザザ.......

 

 

 

 

 

「白鷺先輩、色々苦労してそう。」

 

「あはは.....でも蘭ちゃんがあそこまで大胆になったのは凄いよね!!」

 

「うん.....いつか正式に降参させたい。」

 

「おっ!!新しい目標でも出来たのか?」

 

「いや、そういうことじゃないけど.....」

 

「しゅーん、モカちゃんずっと蚊帳の外だったよー、およよ〜。」

 

「モカちゃん.....」

 

「モカが入ったらお客さんの分の食べ物食べてたじゃん。1人それで財布空になってたし。」

 

「『一杯食べる君が好き』って言ってた人以外は皆モカを恐れてたよな!!」

 

「モカちゃん美少女なのに.....しゅーん。」

 

「それに千聖先輩が言ってたけどあのお兄さんってバイトで稼いだお金を全然使ってないらしいからモカが相手だったらいつまでも食べさせてたかもね。」

 

「モカちゃん、白鷺先輩の相手したかったよぉ.....」

 

「.....それは、なんかごめん。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1年生フロア

 

「あっ!!ちさ先輩来たんですか!!」

 

「ええ、あこちゃんのクラスは何をしてるの? 」

 

「えっとですね、これお化け屋敷なんですよ!!」

 

「じゃあそのあこちゃんの翼の生えた衣装は......」

 

「ふっふっふっ、これこそ魔界の眷属の.....えっと、ドーンってしてる化け物の衣装ですよ!!」

 

「へぇ、そうなのね。じゃあ2人で入るけどいいかしら?」

 

「いいですよ、どうぞどうぞ!!」

 

「.......はっ、あれ?ここどこ?」

 

「お化け屋敷の前よ。」

 

「うん、分かった。」

 

 

お化け屋敷内

 

「に、兄さん.....あれ。」

 

「ん?大丈夫だって。さすがに造形物が動くことはないでしょ。」

 

ガサガサ.....シュッ!!

 

「きゃぁ!!!!」

 

「蜘蛛のおもちゃだね.....千聖、大丈夫?目を開けれる?」

 

「むりむりむり絶対無理!!兄さんお願いだから蜘蛛抜けるまで早く行って!!」

 

じゃあ僕もお願いだから爪をくいこまないでくれるかな....腕をつかんでくれるならまだしも思い切り爪が入ってる.....痛い。まぁでも近くに千聖の顔が.....怯えてる顔も可愛いなぁ.....

 

「はいはい.....でもよくリアルに忠実にやってるなぁ.....足の関節とかすごく似てる。」

 

「余計なことは言わなくていいから早く!!」

 

「はいはい.....(こういう可愛いところをテレビで出していけばいいのに.....千聖、頑張ってクールなキャラ演じてるし。)」

 

 

「わぁぁぁぁ、食べちゃう、です。や、やっぱり恥ずかしいよう.....」

 

「ん?君は....?」

 

「あら?六花ちゃん、かしら。」

 

「はい、そうですよ。」

 

「怖いというより.....どっちかというと可愛いになっちゃうよね?」

 

「わ、私も眼鏡外したらそれなりに雰囲気が出るんですよ。」

 

「そうなの?今眼鏡かけてないけど。」

 

「え.....あっ!!」

 

「今更気づくのね.....」

 

「ところでその格好ってなんのお化けなの?」

 

「人形さんですよ。明日香ちゃんが『六花なら髪長いしこういうの合うんじゃない?』って提案してくれたから.....」

 

「なるほどね.....でも恥ずかしがってたりしてたら驚かせられないわよ。」

 

「はい....気をつけます.....」

 

「じゃあ頑張ってね。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あれ?戸山さんいなかった?」

 

「それもそうね.....おかしいわね、同じクラスの筈なのに。」

 

「あの.....明日香ちゃんならライブの席取りに行くって言って行きました.....」

 

「まだライブまで結構時間あるけど.....昨日も来てたよね。」

 

「そうね、最前列にいたからすぐ分かったわ。」

 

「昨日ライブに出てたんですか.....?」

 

「あら、昨日来てなかったの?」

 

「はい.....昨日は途中でRASのリハをしてまして.....」

 

「そういえば今日だったね。あの猫耳の子がプロデュースしてるなら...

凄そう。」

 

「はい、楽しみにしていてください.....それで、あの.....お名前は?」

 

「僕?僕は白鷺優希。EXTRAメインキーボード、一応名前はYUってことになってるのかな?」

 

「.....え、YUさん?」

 

「そうよ、六花ちゃんが目標と言ってたバンドよ。」

 

「.........えええええええええええええ!!!!!!!」




次回くらいで文化祭は終わってもらいます。多分次回も僕の趣味全開になります。
誤字脱字報告、評価、感想、ご指摘お願いします!!


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文化祭ライブ!!

次回からMorfonica書けるかな.....ましろちゃんの嫌いな食べ物が意外と多かったり性格的にも将来困りそうだなぁとか思いながらMorfonicaのバンドランク上げてます。
僕個人のあれなんですけど、POP TEAM FPICって上坂すみれさん(千聖さんの声優)がやってるから、千聖さんボイスでカバーも欲しいです。


その後特に何かがあったわけでもなく時間が過ぎ、薫の劇を見ながらライブまで待っていた。と言うか薫すげぇな。儚いが口癖になったから心配したけど役になりきってる。

 

「.......」

 

「どうしたの?千聖。やけに難しい顔してるけど。」

 

「いえ、特に何も無いわよ。ただ薫の芝居が上達したと思っただけよ。」

 

「上達した?」

 

「この前まで薫の劇は役になりきるというより自分が出てたから役になるということを理解出来ていないと思ってたのよ。でも時間が経って見てみるとちゃんとそれが頭に入っているのが分かったわ。.....というか兄さん、次ライブなのにここいていいの?」

 

「僕は最初はステージに出ないからいいんだよ。途中から参戦する予定。」

 

「何をするつもりなのかしら.....」

 

「さっき肝試しにいた子ってさ、バンドやってるんだよね?」

 

「六花ちゃんのこと?ええ、あの子のギターは凄いのよ。練習で何回か見た事あるけれどレベルが高い。」

 

「へぇ.....でもなんか凄そう。秘めてる感はあるし。.....あれ?というか千聖も次出るのになんでいるの?」

 

「ちょっと時間を貰ってね.....RASのレイちゃんって言う人がいるのだけれど.....1回正面から直でベースを弾くところを見てみたいの。参考にしたいし。」

 

「なるほどね.....じゃあ僕は千聖がライブしてる時に全力で声援送るよ。助っ人も呼んでるし。」

 

「助っ人.....誰かしら?」

 

「それは秘密にしておくよ。本番見てね。」

 

「変なことで焦らさないでよ.....もうすぐね。」

 

 

 

 

「こんにちは、RAISE A SUILENです。合同ライブ2日目、皆で盛り上がりましょう。それでは聞いてください.....Invincible Fighter」

 

 

「豪の妹すげえな.....歌唱力すげえ(小並感)」

 

「ええ.....惹き付けられるわね。」

 

「.....あのギター凄い。さっきのお化け屋敷のドジっ子の雰囲気が全くない。」

 

「当たり前よ。それを言うならいつもバカやってる癖にファンにライブでかっこいいと言わせてる兄さん達もそうでしょ。」

 

「僕らそんなこと言われた覚えないんだけど......DJもロックな雰囲気と合ってる。これ僕達の求められるレベル高くなりすぎそう。」

 

「兄さん、それは私たちの方が大きいわよ。」

 

「そっか.....」

 

 

 

 

「最後の1曲、聞いてください、DRIVE US CRAZY」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

RASライブ終了後、舞台裏

 

「レイ、お疲れ!!」

 

「ありがとう.....お兄ちゃん、会場は盛り上げたから頑張って。」

 

「え?あれ盛り上げたというより俺らのハードル高く設定してきたのでは?」

 

「ふふん、私たちが最強のperformanceをしたのよ!!これくらい当然ね!!」

 

「さすがです、チュチュ様!!」

 

「そう?お兄ちゃんならこれくらいの盛り上がりはライブで作ってたでしょ?」

 

「まあな.....というかレイお前ライブ来たことあったか?」

 

「ラストライブしか行けてない。色々忙しいし。」

 

「.......なにあんた。」

 

「あ、いやさっきのドラム凄かったなぁって思って。途中テンション上がって暴走するくせとかあるんじゃないの.....?」サクサク

 

「食べるか話すかどっちかにしろよ.....まぁちゃんと抑えてるよ。」

 

「抑えれてないよ、途中ピクって動こうとしてたし。」

 

「....よく見てるね。」

 

「なんとなく.....危なっかしいのがうちの妹と方向性は違うけど似てたから.....」

 

「そう.....あんたの妹は知らないけど。」

 

「知ってたら凄いよ.....」

 

「マスキング、この男が松原流星よ。」

 

「え....想像と違う。」

 

「想像と?」

 

「あんたの評判は結構プロの間でも聞くけどそんな大人しいやつって話は聞いてないから。」

 

「ああ....そりゃあそうだろうね。僕は元引きこもりだから。」

 

「流星、思い出話始めたらRASの人が帰れなくなるからそこまでにしておけ。」

 

「あ、うん。」

 

(なんか.....小動物みたいで可愛いな。)

 

「じゃあ次は混合バンドか。.....てあれ?千聖ちゃんは?」

 

「お待たせしました。RASの余韻に浸ってたら少し遅れてしまったわ。衣装には着替えてるから安心して。」

 

「良かった.....じゃあ行きましょう。あたしが指揮取っていいんですか?」

 

「うん、蘭ちゃんが今日はリーダーだよ。」

 

「そうね、鼓舞とかそういうのも蘭ちゃんの役目ね。」

 

「頑張れ蘭ちゃん。」

 

「有咲も手伝ってよ.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

観客席

 

「ねーねー、千聖ちゃんもう出るの?」

 

「うん、だから今回は千聖が歌うらしいからそこで皆でコールしよう。」

 

僕はその為に、丸山さん日菜ちゃん、若宮さん、大和さんのパスパレのメンバーとAfterglowのメンバーも来てくれた。美竹さんがボーカルだからついでに千聖も応援してもらう予定。

 

「でも優希さん、速くいかないとまずいんじゃないですか?」

 

「大丈夫大丈夫。僕最初はここにいるから。途中であっちに行くよ。」

 

「こういうライブ演出っていうのは前にやったことあるんですか?」

 

「うん、沢山。お客さんと四葉のクローバー探した時もあったし。」

 

「それでライブがちゃんと機能するんだ.....」

 

「まあね。うちには優秀な仲間達がいるからね。そろそろかな。」

 

 

 

 

「こんにちは、混合バンド、2日目のボーカルの美竹蘭です。.....頑張ります。それじゃあ聞いてください。『Reason Living』」

 

「蘭ーーーーーー!!!!!」

 

「昨日も凄かったけどあの子やっぱりすごいな!!」

 

「蘭ちゃん凄い人気だね!!」

 

「あたしらまで嬉しくなるな!!」

 

「普段のライブでもあんな感じなの?」

 

「蘭の人気は凄いですよ~。」

 

「ただもうちょっと友希那先輩とは仲良くしてほしいですね.....」

 

「そんなに険悪なの?」

 

「険悪というよりかは.....」

 

「お互いどうしても喧嘩をうる発言をしちゃうんですよ〜。」

 

「あぁ.....まぁライバル的な感じでいいじゃん。」

 

 

「次、聞いてください。『自由の翼』」

 

 

「というか合同バンドの選曲分かりやすいな。多くの人に知られてる作品をピックアップしてるし。」

 

「昨日の優希さん達が演奏した曲殆ど分かりませんでした。」

 

「あ、そうなの.....今日はある程度分かりやすいと思うよ。最後には僕達のオリジナル曲入れるし。」

 

「あれ、そんな予定ありましたっけ?」

 

「昨日ライブ見に来てくれたファンの人が生徒会に直談判しに行ったらしいんだ。だから僕達も朝きたメールで1曲オリジナル曲入れてやってくれって言われて。」

 

「そうだったんだ.....」

 

 

 

「じゃあ今から2曲、私が行きます♪」

 

「よっしゃ来た、行くよ皆。せぇの」

 

『千聖ーーーーー!!!!!!』

 

「はい、応援ありがとうございます♪(恥ずかしいわよ!!)じゃあ聞いてください、『Rally Go Round』」

 

 

「千聖先輩って歌えたんだ....」

 

「でも、千聖ちゃんってそういうレッスン受けてないよね.....?」

 

「練習してたよ。家でずっと口ずさんでたし。時々豪に電話してアドバイス受けてたし。」

 

「陰ながら努力してるんですね.....」

 

 

『精一杯純情重ねてほらほらチェックメイト....っていうところでキミは1歩踏んで100歩下がる(これ兄さんのことじゃない.....)』

 

「うん、尊い。」

 

「優希涙出てるよー。」

 

「うん.....満足した。ライブ行かなくてもいいかも...」

 

「ちょ、それはまずいですよ!!」

 

「大丈夫、行かないとは言ってないから。」

 

「それなら.....」

 

 

「じゃあ次に行きます、聞いてください『POP TEAM EPIC』

 

あれ....?どうしてかしら?この曲は何故か過去に歌った記憶があるわ。どこかしら.....?

 

「千聖がこういう曲歌うのはなんか新鮮だよね.....」

 

「それはそうかも。大体ボカロとかアニソン系は彩ちゃんが殆どやってるから。」

 

「そうかな?ハッビーシンセサイザは千聖ちゃんと歌ったけど。」

 

「でも千聖ちゃん単独は無かったよね。」

 

「うん。.....下手したら私よりも歌上手いかも.....」

 

「じゃあ彩ちゃんも負けないように練習しないとねー。」

 

「うん、日菜ちゃん協力してね。」

 

 

 

「じゃあ最後の曲いきます.....白鷺先輩、ついてきてください。」

 

「ええ、蘭ちゃん、私もいくわ。」

 

「聞いてください、『Re:call』」

 

 

「千聖....成長したなぁ.....」

 

「千聖ちゃんのライブ見た事なかったんでしたっけ?」

 

「うん、今までね。でも改めてバンドを通してちゃんと成長してくれてることを知れてよかったよ。これは兄として恥じない姿を見せないとね。」

 

「.....さっきから気になってたんですけど、優希さんのその姿何なんですか?」

 

「ライブモード。本気で行く時は基本この格好だよ。カラコンとか色々するから見た目結構変わってるでしょ?」

 

「変わってるというより別人だよねー。」

 

 

 

「ありがとうございました!!」

 

『わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』

 

 

 

「続きまして.....俺たちEXTRAでぇーす!!満員御礼.....とはいかなかったか。まぁいいや。今日はかっこよく行くぜ。メンバー1人ステージ内のどこかにいるんで音楽聞きながら探し出してください!!じゃあ行くぜ!!『英雄』」

 

 

「え、どこにいる.....?」

 

「この流れ懐かしいわね.....」

 

「ええ、確かラストライブでやった演出よね。ラストライブの目標が『成長した俺たち』だったから今までの曲を演奏するにあたって人数調整の意味も兼ねて人探しやってたわね。」

 

「この流れ.....前と一緒なら真ん中に!!」

 

「ちょっと明日香!!どこ行くの!?最前列入られちゃうよ!!」

 

「先輩お願いします!!!!」

 

「だったら私も行く。」

 

 

 

|*・ω・)チラッ、|*・ω・)チラッ

 

「皆静かにしておいてね.....」

 

「優希さんってどのタイミングでバンドに入ったんですか?」

 

「僕は豪に誘われて入って.....多分4番目かな。最初は豪と翔世と蒼生で生んだバンドだったから。」

 

「見つけた!!」

 

「あれ?戸山さん?」

 

「ラストライブと隠れてる場所一緒でしたね.....捕まえました。」

 

「よく覚えてたね。僕はそんなこと気にせずにいたけど。」

 

 

 

「それにしても、やっぱりしょーくんのギター弾く姿、かっこいいな。」

 

「はなちゃん、お兄ちゃんもかっこいい歌声だと思わない?」

 

「うん、レイと少し似てるよね。」

 

「そう?歌い方は似てるかもしれないけど。」

 

「蒼兄.....」

 

「どうしたんですか?燐子先輩。」

 

「あっ、あの胸元のエムブレム、私が作ったやつなんだ.....」

 

「え!?そうなんですか?」

 

「うん.....だから大事につけてくれてるから嬉しいなって。」

 

「そういうのやっぱりいいですよね。私、不器用なんでああいう細かいこととか苦手で.....」

 

「そうなんだ。じゃあ今度.....一緒に作る?」

 

「はい、お願いします。」

 

 

 

「見つかったみたいだし.....優希、ステージに来い!!」

 

「あっ、うん.....よっと。」

 

「じゃあ冷めないうちにもう一曲.....行くぞ。『DREAM FIGHTER』」

 

 

「今回はお兄ちゃん、連投でいくんだ。」

 

「豪さんが連投ということは本気ね。全員担当が変わってないし。」

 

「PAもうまい具合に出来てる.....誰なんだろう。」

 

「それ、私の兄貴です。」

 

「へぇ....役割がちゃんと出来てる。」

 

「私たちも兄さんの曲を演奏すればよかったわね.....」

 

「それはやってみたかったんだけど、チュチュが断っちゃったから仕方ないよ。」

 

ジーッ

 

「し、仕方ないじゃない!!EXTRAの曲を知っている人がここにどれくらいいるか分からないじゃない!!」

 

「まぁそれもそうね、また今度こういう機会があればやりたいわね。」

 

 

『届け今.....明日へと響けーーー!!!!!』

 

ステージの観客の人が僕達を真似して手を天に掲げてくれた。これやりたかったんだよなぁ....豪のこだわりだけど。

 

「よし、流れにのってきた!!いくぜ、『CORE PRIDE』」

 

 

「マスキング、これがあいつのドラムよ。」

 

「.....確かに評判通りうまい。」

 

「激動をカバーしたから、もし次カバーするならこれもありね.....」

 

 

『どうしたって叶わない絵空事だろうが、胸を燃やす火は誰にも消せやしない』

 

「歌詞がかっこいい.....」

 

「まじそれ!!テンション爆上がりだよねー!!」

 

「2人とも熱中してるねー。」

 

 

「よしよし、この調子。次行くぜ『サクラミツツキ』」

 

 

「今回は分かりやすくしてるわね.....」

 

「それにしてもここまで演出が1つというのは珍しいわね。」

 

「湊先輩もそう思いましたか。私も少し不思議なんです.....最後にどてかくやってきそうな気がして。」

 

「何するんだろう....?」

 

「次で.....5曲目か。じゃあいくか。『SURVIVOR』」

 

「おいあいつ.....ヘッドスピンし始めたぞ!!」

 

「タカキも頑張ってたし俺も頑張らないと!!」

 

「兄さん、発言が意味不明よ。」

 

「それ知ってる人多分少ないと思うしね。」

 

 

 

「よし!!ファンの皆さんお待たせ!!ラストライブで使ったあの曲を歌います!!」

 

『うぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

 

「でも、今まで通りってのも寂しいよな!?」

 

「きゃっ!?」

 

「だから、このオリジナル曲を演奏する時間の直談判をしてくれたこの子に感謝の意を込めて、一緒に歌うぜ!!」

 

「明日香ちゃん!?」

 

「あわわわ....ライブ会場の上。」

 

「歌えるか?」

 

「.......はい!!歌ってみせます!!」

 

「よし、じゃあ行くぞ!!『Go beyond us!!』」

 

「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

「凄い....曲調はロックなのに楽しい雰囲気が伝わってくる....」

 

「明日香ちゃん、突然ステージに登らされたのによく緊張せずにいられるわね、さすが香澄ちゃんの妹さんね。」

 

「わ、私も頑張らないと....」

 

「.....悔しいけど湊さんが認めるだけある。盛り上げ方が違う。」

 

「あたしらもあれくらいにならないとな!!」

 

「お〜蘭が燃えてる〜。」

 

「.....ふふっ。」

 

「湊さん、笑顔ですね。」

 

「ええ、懐かしいもの。紗夜.....先輩たちを越えるわよ。Roseliaで。」

 

「はい.....そうですね。」

 

 

 

 

「いぇぇぇぇい!!盛り上がったかー!?」

 

「いぇぇぇぇぇぇぇい!!!」

 

「いい返事だ。まぁ今回は2日間、久しぶりに演奏をさせてもらいありがとうございました。まさかもう一度ライブをすることになるとは思ってもみなかったけどな.....実は、さっきの混合バンド、俺たちの妹達が組んでたんだ。なぁ皆.....兄の曲を聞いたらこの曲の妹ver.聞いてみたくないか?」

 

「.......え!?」

 

「というわけでまだ時間があるので、少しだけ休憩入れます!!」

 

「有咲、こっちに来てくれ。やり方教えるから。」

 

「おわっ!?兄貴!?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

舞台裏

 

「こんなの聞いてないわよ。」

 

『す、すみません.....』

 

「おお、千聖先輩が土下座させてる。」

 

「違うわよたえちゃん。兄さんたちが勝手に土下座してるだけよ。」

 

「てもお兄ちゃん急に言うのは.....」

 

「それは悪かったけど....俺ら知ってるからな?レイ達が夜遅くに秘密に俺らの曲演奏してたの。」

 

「.......」

 

「ライブでやりたかったんだろ?今回は知ってる曲に限定してたからカバーしかなかったけど.....俺らも無茶をしたことは謝らせて欲しい。でもな.....俺たちはレイ達のやりたいことを叶えたい。」

 

「まぁ無茶するとは思ってたけどね.....お願いします。僕達の曲を演奏してください。」

 

『お願いします。』

 

「.....ほんと、兄さん達は卑怯ね。私たちが絶対に断れないやり方を知ってるんだから.....」

 

「うん、いいよ。まさかライブで実現するとは思ってもなかったけど。」

 

「たえ.....ありがとう!!」

 

「そういえば.....市ヶ谷さんは.....?」

 

「紅蓮が色々教えてるんだ。」

 

「本人が言うには『有咲はキーボードというよりかはライブ中の俺の動作を見ていたからおそらくそっちの方がいいだろう』って。」

 

「少しだけ教えるからちょっと各楽器毎に分かれてやってくれ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

20分後

 

「明日香ちゃんどうだった!?」

 

「うん.....最初は頭こんがらがってたけどGOさんの近くで歌ってたら楽しくなって.....一瞬だった。これがライブなんだね.....。」

 

「そっか....明日香ちゃんもバンドを組むことになったら教えてね。一緒に練習もしたいし.....ポピパさんにも会えるかもしれないし。」

 

「あはは.....でもお姉ちゃんの真似をするならギターを演奏することになるから六花に教えてもらわないとね。」

 

「あこも手伝うよ!!」

 

「うん、ありがとう、あこちゃん。」

 

 

 

「お待たせしました。和奏豪の妹、和奏レイです。今からお兄....兄から受け継いだ全てを、学んだ全てをぶつけます。聞いてください、『Go beyond us!!』」

 

「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

「なぁ.....俺たちより上手くないか?」

 

「うん.....それは思った。」

 

「妹が成長した証だろ、嬉しいじゃねぇか。」

 

「ああ。たえがやってくれるとは思ってなかったけどな!!」

 

「豪、今度からこういうのやる時はアポ入れなよ。今日絶対に紅蓮から怒られるし!!」

 

「.......そんときはあれだ、うん。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

文化祭終了後、白鷺家

 

「じゃあ文化祭を、無事に成功させられたのでそれを祝って.....乾杯!!」

 

『乾杯!!』

 

 

「はい、お兄ちゃん、あーん。」

 

「たえ.....俺は別に1人で食えるぞ。」

 

「えへへ.....お兄ちゃんが隣にいる.....久しぶりだなぁ。」

 

「花音、今日は結構甘えん坊さんだね.....」

 

「レイ!!最後の最高だったぞ!!」

 

「.....恥ずかしいからここで言わないで。」

 

「燐子もちょっとは前に出れるようになったな。嬉しい。」

 

「蒼兄みたいにはまだだけど.....頑張る。」

 

「EXTRA、全員集合。」

 

『は、はい.....』

 

「全くお前らは.....ファンをステージに上げるのは聞いたけどその後の演出は聞いてねぇぞ全く.....」

 

「ま、まぁ成功したし」

 

「成功失敗じゃなくて、そこら辺ちゃんとしろよ全く。」

 

「何とも言えないな。」

 

「まあ....今回は有咲達が裏でやってくれてたから助かったが.....本当にすみません、うちのバカたちが。」

 

「兄貴もノリノリで私に色々言ってたけど.....」

 

「知ったからにはやらないといけないからな.....」

 

「紅蓮も人のこといえないじゃないか!!」

 

「そうだそうだ。僕をうまい棒で買収出来ると思ってるのか~。」

 

「違うの混ざってるけど!?」

 

「ったく、そんなに硬いと女が出来ないぞ。」

 

「.....蒼兄?少しお話しよう?外で。」

 

「え、あっ.....燐子、これは違うんだよ。」

 

「問答無用.....ついてきてね。」

 

「は、はい....」

 

「白金さん。」

 

「はい?なんですか?」

 

「ここ僕達の家だからあんまりやりすぎはやめてね?音とか出るとあれだし。」

 

「はい、分かってますよ。」

 

 

 

 

「燐子ちゃんあんな怖い雰囲気出せたのね。」

 

「燐子先輩すげぇな.....」

 

「さっき白金さん目から光消えてるからまぁ今頃粛清受けてるだろうね。」

 

「まぁ気にすることないよ。いつもの話しだから!!」

 

「おっそうだな。」

 

 

その後僕達は色々話しながらみんなで思い出話に花を咲かせていた。色々あったとはいえ僕達も妹とは距離を置いて生活していたので千聖達のバンドの話も面白いし、人間として成長してくれてるのを見て安心したよ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

皆帰った後

 

「そういえば兄さん、これ手紙が来てるわよ。」

 

「.....?大学から?なんだろう。」

 

 

 

白鷺優希様

 

教育実習先が決まりましたのでそれをお知らせ致します。期間は3ヶ月です。詳しい事は実習先の高校に聞いてください。

 

「あ、そうか。そういえばそれあったんだ。」

 

「で、どこに行くのかしら?」

 

「うーん.....普通なら僕の母校だけどどこだろう.....」

 

実習先

 

月ノ森女子学園

 

 

「.....え、女子校?」




当初はロキを入れる予定だったんですけど、まさか3周年でカバーされてたので考え直しました。おのれ運営.....入れるなら透明エレジー入れてくれよ。ロキは5周年とかそのレベルでしょ.....Key_bring it on,my Destinyとかも入れたかったです.....

今回出した曲と歌い手と使用作品(バンドリのオリジナル曲は除かせてもらいます)


Reason Living(SCREEN mode、文豪ストレイドッグス)

自由の翼(Linked Horizon、進撃の巨人)

Rally Go Round(LiSA、ニセコイ)

POP TEAM EPIC(上坂すみれ、ポプテピピック)

Re:call(i☆Ris 双星の陰陽師)

英雄(doa、ウルトラマンネクサス)

DREAM FIGHTER(宮野 真守、ウルトラマン列伝)

CORE PRIDE(UVERworld、青の祓魔師)

サクラミツツキ(SPYAIR、銀魂)

SURVIVER(BLUE ENCOUNT、ガンダム鉄血のオルフェンズ)

誤字脱字、感想、評価、上記のことで何か間違っていたりしたらご指摘お願いします。


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教育実習編(Morfonica登場)
教育実習in月ノ森


Morfonicaの皆さんに登場してもらいます。
過去の誤字報告ありがとうございます。結構間違ってますね.....


月ノ森女子学園

 

名門のお嬢様高校でかなりの歴史を持つ。さらにいえばここの生徒さんはお金持ちのお嬢様や何かしらのコンクールで賞を取る一流の人が多い。

 

「なんでそんなところに僕が送られるんだ....」

 

しかも何が怖いかって、この派遣が理事長による提案から来ているらしい。そりゃあそうだよ。理事長くらいの偉い人じゃないとこんな一般人入れないだろうし。

 

「とりあえず理事長の所に挨拶に行かないとダメだね.....」

 

 

 

 

理事長室

 

||☆\“(・_・。)コンコン

 

「失礼します、教育実習ということで来ました白鷺優希です.....って、え?」

 

「あら、優希くん。随分とお久しぶりね。」

 

「ど、どうして蒼生のお姉さんがこんなところにいるんですか!?しかも口調も随分と柔らかくなってる.....」

 

そう、僕の目の前にいたのは蒼生の姉、紫吹(しぶき)さんだった。この人も元は蒼生と同じく暴走族だった.....のになんで?

 

「不思議な顔してる?ほんとは私もこんな口調したくないんだけどさ、この学校の顔になった以上、やるしかないんよ。」

 

「どうしてここに?」

 

「ん?優希くん達が蒼生を変えたくらいで私も変わらないとなって思って。ちゃんと高校の教師の免許も取れたってわけ。それでここに配属されたって感じ。」

 

「じゃあ僕を呼んだ理由って.....」

 

「うん、たまには砕けて話す相手がいないと困るからさ。偶然優希くんの名前があったから呼んだってこと。」

 

「でも理事長って凄いですね。よくなれましたね。」

 

「なんかこの学校の生徒ってお金持ちとか英才教育してきた親が多いらしくってさ。学校の方針を外部から干渉されて変えられるのを防ぐために私みたいな元暴走族を雇ったんだってさ。情けねぇよな。」

 

「それはあなた達一家の度胸がスゴすぎるだけですよ。」

 

「まぁでも蒼生も燐子も2人とも優希くんにはお世話になったみたいだし。お礼と言ったらあれだけどここで頑張ったらなって。」

 

「はい.....機会をくれたことは本当に感謝します。」

 

「うんうん、よろしい!!じゃあ....優希くんには担任をお願いするね。」

 

「.....は?」

 

「ん?担任だよ?」

 

「いや聞こえてますよ。」

 

え?実習生に担任を任せるのかこの人は。どこか頭のネジがとんだのだろうか。

 

「いや....実習生が担任ってことあります?」

 

「それがさ、呼んだはいいけど実習生だけってのもつまらないだろ?それに丁度1年C組の担任が産休で休んだからしばらくの間そのクラスの先生が不在ってこと。うちも先生の質を高める為に教員は最低限にしてるからあんまり増やしたくないってわけ。」

 

「なるほど。」

 

「だから担任として働いてもらうってこと。安心して、ちゃんとお給料は払うからさ。情けない大人を助けるってことでお願い出来ない?」

 

「.....分かりました。やります。」

 

「やった!!そういえば優希くん、蒼生どうだった?」

 

そこから僕達はしばらく与太話をしていた。でも良かった....知り合いがいてよかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1年C組前

 

「ぁぁ.....緊張する。千聖みたいな優しい人だったらいいなぁ.....」

 

あれだよ、あれ。一般人からしたらお嬢様って大体格上の存在だし下手に接触とかはしたくないしね。

 

「ど、どうもぉ.....えっと、担任の先生が産休で休んでるらしくて、暫くは教育実習生である僕、白鷺優希が代理として担任を務めさせてもらいます。どうぞ、よろしくお願いします。」

 

緊張感がやばい.....ライブより緊張する。

 

「はい、ごきげんよう。」

 

あ、挨拶は返ってきた.....よかったぁ。

 

 

 

 

 

 

昼休み

 

「ぁぁぁぁ!!緊張した!!」

 

「お疲れ。コーヒー飲む?」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

「私もここ来た時驚いたよ。まさか学生が集会中に殴り合い起こさなかったり他校からの挨拶もねぇしな。」

 

「それはいた高校がそうだっただけでしょ。」

 

「そうかもね。そういや、優希くん。一応音楽室にピアノあるから使いたかったら自由に使って。昼休みは基本皆庭園の近くでご飯食べてたりするから。」

 

「アッハイ」

 

教育実習来て初めて感じたけど....教師ってすげぇな。特にこの高校。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

音楽室

 

「このピアノか....ちょっとだけ弾くか。」

 

さすがにクラシックの方がいいかな.....お嬢様高校だし。

 

 

 

 

 

「ショパンの24のプレリュード前奏曲第15番、雨だれね。」

 

「.....ん?うわっ!!びっくりした。」

 

「驚かせたなら申し訳ないわ。」

 

そこにいたのは.....背が高いThe お嬢様感が漂う人だった。制服着てるから生徒さんか。大人にしか見えない。

 

「えっと.....君は?」

 

「ごきげんよう、八潮 瑠唯(やしお るい)です。」

 

「あっ、どうも白鷺優希です。」

 

「知ってるわ。担任ですよね?」

 

「担任....C組だよね?」

 

「はい、そうです。」

 

そういえばこんな感じの子いたな.....

 

「ごめんね、初日だからまだ完全に把握しきれてないんだ。」

 

「それは構いません。」

 

「それは,....バイオリン?」

 

「はい、昼休みに少しやろうと思いまして。」

 

「ほへー....」

 

やっぱすげぇな。昼休みに千聖の写真眺めて癒されてた数年前の僕とは大違いだ。

 

「.....何か言いたいことでもあるのですか?そう見られると迷惑なのですが。」

 

「あっ、それはごめんね。なんか場所取ったみたいな感じでごめんね。ここ開けるから。」

 

「先生はピアノ経験があるのですか?」

 

「まぁあるよ。といっても始めたのは数年前だけどね。それがどうかしたの?」

 

「いえ.....ここの音楽教師より流暢に弾けていたから気になっただけです。気にしないでください。」

 

「あっ、そうだったんだ。じゃあ行くね。」

 

(あの人、どこかで見た覚えが.....先日二葉さん達に連れていかれた羽丘ライブで似た人が.....気のせいかしら。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後

 

「お疲れ、優希くん。1日過ごしてどうだった?」

 

「もうやばいです.....挨拶でごきげんようなんて現実で初めて言われました。」

 

「で、どう返したの?」

 

「さすがにごきげんようは気持ち悪いからこんにちはで返しました。」

 

「そうそう、やっぱ苦労するよね。」

 

「はい....で、呼びつけた件は何ですか?」

 

「ああ、えっとね....これ、一応担任代理でもクラブの顧問にはなってもらう必要があるからね。」

 

「顧問.....何をするんですか?」

 

「ううん.....まぁなんでもいいんじゃないかな?」

 

いや適当すぎでしょ。まぁ運動系のクラブ以外ならなんでもいいんだけどね。

 

「失礼します、理事長。八潮です。」

 

「はい、どうぞ。」

 

「失礼します。 バッジがあると聞いたのですが.....」

 

「はい、少し待ってくださいね.....これだ。はい。」

 

「ありがとうございます。」

 

「それ何のバッジ?」

 

「先生、ここにいたんですね。これは勉学の成果を示すバッジで私は入試を1位で通過したので貰ったんです。」

 

「なるほど.....こういうのあるんだ。」

 

「折角ですし、八潮さん、白鷺先生が校内で分からないことがあったら教えてあげる役割を任せていいですか?」

 

なんかさっきから頑張って丁寧語使ってるけどなんかぎこちないぞ.....もうちょっと頑張ろうよ。

 

「分かりました、では先生。一度校内見学をしましょう。」

 

「うん。ありがとうございます。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「.......」

 

「ん?どうしたの?なんか不満そうな感じがするけど....」

 

「いえ、そういう訳ではありませんが、あまりこの時間に意義を見いだせないというのが素直な意見です。」

 

「あ、確かにそうかもね....」

 

何となく分かった。この子友希那さんタイプの人間かな。必要なこと以外は本当に無関心というかなんというか.....

 

「あれ?ルイじゃん?何してるの?」

 

「あら、桐ヶ谷さん。今は先生の校内案内をしているの。」

 

「へぇ、ルイから案内したの?」

 

「いいえ、理事長にそうしろと言われただけよ。」

 

「あー、そういう感じか。」

 

「ねぇ、さっきから後ろに人だかりみたいなの出来てるけど大丈夫なの?」

 

「別に気にしないでいいよ!!単純に集まってただけだし。」

 

「へぇ.....」

 

「自己紹介しとかないと.....ごきげんよう、あたし、桐ヶ谷透子!!月ノ森のカリスマはあたしのことだから覚えといてね!!あとMorfonicaのギターやってます!!」

 

「は、はい.....」

 

この子.....今井さんタイプかな。

 

「先生は?」

 

「僕は白鷺優希です。Morfonicaってバンド?」

 

「うん、知ってる?」

 

「ううん、知らないかな.....」

 

「桐ヶ谷さん、先生の案内をお願いできないかしら?今日は用事があるから早く帰りたいの。」

 

「オッケー、任せといて!!」

 

「え、ちょ....」

 

待って、僕こういう賑やかな人と2人きりが1番苦手なシチュエーションなんだよ.....助けて。

 

「じゃあ案内するからよろしくね!!」

 

「アッハイ」




この二次創作の形上、一気には登場しません。だからあと2話くらいしたら全員出るかな.....といった形です。アンケートの結果は反映していきたいと思います。


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距離の詰め方ぁ!!

Morfonicaって多分最初の方のイベントは各キャラの深堀りみたいな感じでしょうね.....楽しみです。透子さん5時起き、僕がゲームしてる時間帯に起きてるんですね.....


現状報告

 

今僕は今井さんとはまた別ベクトルの陽気な人に学校案内をしてもらっている。やっぱ人ってみかけによらないのかな。この人真面目だし。

 

「聞いてる〜?なんかぼーっとしてたけど。」

 

「うん。聞いてはいたよ。」

 

何が問題かってこの学校広すぎるんだよね。おかしいよ、これ普通にお金持ちの家くらいの広さあるじゃん。しかも何がすごいかって八潮さんといい、この.....えっと、カリスマさんも歩幅が大体一緒。

 

「ねぇ、ひとついいかな?歩く訓練とかしてるの?」

 

「ん?何の話?」

 

「あ、いや.....さっきから歩幅がずっと一緒だったのが気になって。八潮さんとずっと同じ速さで進んでるから。」

 

「え、歩幅とか分かんの?まじ凄いじゃん!!えっとねぇ....床見てみて。」

 

「....床?」

 

「そ。これみたら分かるけどあたし達ってそれ基準にして歩くように入学した時に言われたんだー。まぁ守ってなくてもあんまりなんともないけど。」

 

「歩幅規制って凄いね。」

 

「それでさ、さっき庭園の花、めっちゃ綺麗だったんだよね!!これみて.....ってあれ?私のスマホは?」

 

「知らないよ。一緒に探す?」

 

「なんか先生使うみたいでこめんだけどお願いできる?」

 

「うん、それくらいなら気にしなくていいよ。というか僕って年齢的には5歳も違わないくらいだよ。」

 

「え!?まじ!?そんな若いのに担任任されてるの!?」

 

「まぁ、理事長が推薦したらしいから.....とりあえずスマホ探そう。」

 

それからカリスマさんと色々話をしながらスマホを探した。呉服屋の娘って言ってたけどそんな雰囲気全くしないなぁ.....もうひとつ驚いたのがネイルを自慢していた時にボロくなっていたことかな。この子もやっぱり練習頑張ってるんだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

保健室前

 

「あった.....これじゃないかな?」

 

「あーそれ!!助かった!!」

 

「じゃあこの下の紙は?」

 

「!!あ!!それ見ないで!!」

 

「ごめん、外表で折られてるから嫌でも見えたよ.....勉強苦手なの?」

 

「あ、あはは.....実はそうなんだ。ま、まぁそこは頑張るから。」

 

「もし難しかったら一緒に勉強する?1人だとモチベーション中々続かなさそうだし。(それに教師らしい仕事しないとダメだし.....)」

 

「え!?教えてくれるの!?マジ助かる!!」

 

「そ、その代わり勉強する時は複数人誘って。一対一のコミュニケーションはあんまり得意じゃないんだ。」

 

「それで教師やってて大丈夫なの?」

 

おっと、カリスマさん。さらっと僕の心を槍で貫くような事は言わないでください.....仕方ないよ。EXTRAに入ってからはそれなりにマシにはなってるからあれなんだけど、家族以外と2人きりは僕は絶対にたえられない。

 

「う、うん.....そこはご了承を。」

 

「うーん....教えてくれるしあんまり文句言えないよね〜。じゃあさ今日色々話せたしさ、記念に写真撮らない!?」

 

「.....え?」

 

「ちょっと隣に失礼するね?」

 

.....え?この子距離の詰め方凄くないか.....?しかも腕組んじゃったよ....お嬢様校でこれ大丈夫なのか.....?

 

「?顔が硬いよ。スマイルスマイル!!」

 

「う、うん....」

 

「うん♪いい感じ。じゃあ撮るよ!!」パシャッ!

 

す、凄い。まさかこんなところで今井さんレベルのコミュニケーション能力を持つ人とであうとは.....

 

「あわわ.....透子ちゃんが男の人と.....」

 

「.....シロ!?それは誤解だよ!!」

 

そのままそのカリスマさんは、突然現れた白髪の....誰か分からないけど将来淑女になりそうな大人しい子が出てきた。この学校って個性すごい。(小並感)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数分後

 

「透子ちゃんごめんね.....誤解しちゃった。」

 

「分かってくれたから気にしなくてもいいよ!!」

 

「う、うん.....この人がC組の先生?」

 

「そうらしいよ。」

 

「まさか....なんか噂とかでもたってるの?」

 

「そんなのはまだ聞いてないなぁ.....ただ若い男の先生が来てくれたっていうのは皆喜んでたかな。」

 

「そ、そうなんだ.....」

 

「あ、挨拶忘れてた...ごきげんよう、倉田ましろです。Morfonicaのボーカルと作曲を担当してます......!!」

 

「倉田さん、か。うん、よろしく。」

 

この人は大人しいから上手く打ち解けられるかもしれない.....僕も同じようなタイプだから合うかも。ごきげんようってよく聞くけどそういう作法なのかな.....

 

「あ、あのあなたは....?」

 

「僕も自己紹介してなかったか。ごめんね。僕は白鷺優希。えっと.....EXTRAのメインキーボードです。一応バンドの中だったらメンバーの制止役とかになるのかな?」

 

「EXTRA.....!!」

 

「ねぇシロ、それってこの前行った羽丘ライブで凄かった人達だよね?」

 

「うん....でもこんな人いなかったような.....」

 

「それがねいるんですよ。じゃあちよっと待ってて。」

 

 

 

 

 

数分後

 

「これで分かってくれる?」

 

「ほ、本物だ.....!!」

 

「え!?まじもんじゃん!!」パシャ

 

「恥ずかしいから撮らないで....」

 

「じゃあシロ、あのお願いしてみたら?」

 

「.......あの、お願いがあるんです!!」

 

「お願い?」

 

「はい.....その、軽音部というかバンド部というか.....そういうクラブを作って私たちを教えてください!!」

 

「教える?それは基礎技術をってこと?」

 

「はい.....それもありますし私たちのライブの様子も見て色々意見が欲しいんです.....。」

 

あぁ、なるほど。それは確かに第三者の協力が必要だね。それにこの学校お嬢様校だし、あんまりこういうことは言い出しにくいんだろうな。

 

「あたしからもお願いします!!」

 

「でも僕、一応3ヶ月の契約だから途中でいなくなるけどそうなってもいいの?」

 

「その、短い間でもいいから頼めませんか.....?」

 

あれ?急に涙目になった。ちょっと待って。僕は泣かせる気ゼロなんだけど.....それにカリスマさんもさっきから僕の手を握って離してくれない.....これってあれかな?少女漫画でそういう演出があるから無意識に真似してるのかな。

 

「うん.....僕で良ければ力になれる限り頑張るよ。理事長には僕から話しておくけど.....メンバーの人数とか設備は大丈夫?」

 

そう、こういう練習をするにしろ多少の防音対策はしておかないとダメなところはある。特にこういう気品を求められる高校なら尚更そういうことをしとかないと大変そう。

 

「そこら辺は大丈夫だと思います。引き受けてくれて、ありがとうございます!!」

 

ちょ!?いきなり抱きつかないで。この子凄いな。出会って数分の人とここまで打ち解けるのか.....

 

(透子ちゃんがそうしてるってことは.......こうやって抱きついて感謝を表すのが正しいのかな.....)

 

ダキッ「先生、ありがとうございます.....」

 

.....え?追加で来ちゃったよ。というか暑い!!しかも当たってる。何がとは言わないけど気をつけて!!お嬢様ってこういうところ案外鈍感だったりするっていう勝手なイメージあるけど.....大丈夫?

 

「2人とも?一旦離れてくれる?」

 

『あ、ごめんなさい.....』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

理事長室

 

「.....ていうことがあったんです。」

 

「へぇ、優希くんもモテモテだねぇ、千聖ちゃんが妬いちゃうよ。」

 

「冗談はよしてくださいよ、僕が千聖にそんなことさせるわけ....ない、と信じたい。」

 

「まぁいいや。この申請書、受け取りました。クラブの承認はしたからあとでこの娘達にも伝えといて。」

 

「はい、これって大丈夫なんですか?」

 

「ん?どゆこと?」

 

「いや、防音設備とかの事とか.....」

 

「ああ、そういう。そこら辺は気にしなくてもいいよ!!ただ.....PTAとかからの苦情とかそういう観念に囚われてる人は文句言いそうだから頑張んなよ。そこは君の出番だから。元々そういう目的で来てもらったわけだし。」

 

「まじすか.....本格的な教育実習ですね。」

 

「まぁまぁ濃い経験は活きるよ!!じゃ、.....あ、そうだ。優希くん。」

 

「はい、何でしょう?」

 

「来週宿泊研修あるから用意しといてね。」

 

「まじっすか?」




よくよく考えたら千聖さんって、ましろちゃんより身長低いですね。全然そんな感じがしません。


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宿泊研修!!

Morfonicaの第2章って、透子さんとつくしちゃんが揉めるところから始まりそう.....瑠唯さんがいい感じのアドバイスとかしそうじゃないですか?


白鷺家 宿泊研修前日

 

「というわけで宿泊研修行きが確定しました。付き添いとして。」

 

「中々大変ね、大丈夫?」

 

「うーん.....やばいかも。」

 

そう、僕はかつて修学旅行で一度ホームシック.....というか千聖と会えなくて発狂しかけた時があった。というのも高校の先生が豪や僕が気に入らなかったのか僕たちのスマホを取り上げられてしまった為、僕は千聖成分を補充する手段を失い死にかけたのだ....

 

「優希、千聖も寂しい思いしてたのよ?」

 

「ちょっとお母さん!?」

 

「千聖もずっと『兄さん.....兄さん.....』ってゾンビじゃないかって感じになってたし、修学旅行行ってた間は千聖、優希のベッドで寝てたのよ。」

 

「そうなんだ.....」

 

「に、兄さん。誤解しないで欲しいのは兄さんの匂いが欲しいからって訳じゃなくて単に役でそういうことがあっただけで.......」

 

「じゃあ僕が一方的なだけだったのか.....ごめんね。」( ´・ω・`)

 

「うっ(そんな顔するのは卑怯よ!!なんか悪いことしたみたいじゃない.....).....でも、兄さんがいなくて少し寂しかったのは、事実よ。」

 

「そうか.....良かった。」

 

「ところで今回は2泊3日って聞いたけどどこ行くの?」

 

「校長先生の別荘に行くんだって。この学校の伝統らしくてそこてお嬢様というか淑女としての振る舞いとか覚えるんだって。それとプラスして自然観察とか釣りとかテニスとか色々アクティビティも入れてるって。」

 

「家に行くなんて凄い発想ね。こころちゃんくらいの広さなのかしら?」

 

「下見に誘われてないから分からないけど結構広いらしいよ。」

 

「下見に行ってない?どういうこと?」

 

「いやなんか、僕はそんな紳士らしくないみたいだからまず家が視察を許可しなかったんだって。だから僕だけはなんか知らないけど敷地内にテント張って自炊しろだってさ。」

 

「凄い格差ね.....兄さん大丈夫なの?」

 

千聖があんまり反発しないのは実は理由がある。僕達EXTRAもツアーライブの時、交通費と食費は全額自己負担だった。そういう自給自足のような生活をEXTRAがしたことがある為、そこまで心配もないらしい。

 

「別にいいよ。あんまり緊張する空間にいるのもあれだし。敷地外にもコンビニとか色々あるからそこで済ませるよ。」

 

「県外じゃなかったらお弁当を届けてあげれるのに.....申し訳ないわ。」

 

「千聖が謝ることじゃないよ。むしろあんまり千聖には負荷はかけたくないしね。」

 

「少しは頼ってくれてもいいのに.....じゃあ、お土産話、楽しみにしてるわね。女の子との甘い話以外で。」

 

「は、はい.....」

 

そんなこと起きるわけないでしょ.....と願いたい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

宿泊研修当日 朝

 

A組担任「ええ.....これから校長先生の別荘にお邪魔するわけですが、上品な振る舞いを心がけるように。」

 

B組担任「ここで皆さんの日頃の行いが分かります。恥ずかしいマネはしないようにしましょう。」

 

C組担任(代理)、白鷺優希「楽しむところは楽しもうね。その時間くらいお嬢様とか学校とかそういうの忘れてさ。そういう肩の力抜くのも1つの力だよ。」

 

こええ.....周りの先生の目線が怖い。でもそういうこと出来るのも1つの技術だと思うんだけどなぁ.....まぁそういう学校なのかな。

 

「じゃあ僕はバイクで向かうんで。」

 

そう、何故か知らないけど僕はバスに乗せてもらえないらしい。なので蒼生が暴走族時代に愛用したバイクを借りて行くことになっている。

 

 

 

「ねぇ先生、あたしも乗せてよ!!」

 

とカリスマさんがやってきた。アクティブだなぁ.....その元気分けて欲しい。

 

「え?バスで行かないの?」

 

「なんかバスって狭いから嫌なんだよねぇ。やっぱ開放感大事だと思うんだ!!」

 

そういうものなんだ.....でもB組の担任の先生がめっちゃ睨んでる。これどうしたらいいんだ.....

 

「.....乗るかは好きにしてもいいけど、後で何か言われることは覚悟しといた方がいいよ。それに.....」

 

「それに?」

 

「ヘルメットないよ?僕2人乗りする予定なんか無かったし。」

 

「.....あ、そっか!?」

 

「うん、だから大人しくバスに乗ろうね。」

 

「......じゃあまた今度どこかで乗せて!!」

 

「うん、いいよ。」

 

「お、優希くんも早速仲良くなってるじゃん!!」

 

「理事長、突然登場ですね。」

 

「えっと.....君誰?」

 

「あ、あたしは桐ヶ谷透子です!!」

 

「うんうん、じゃあ私のヘルメット貸してあげるから優希くんと一緒に乗りな!!」

 

「え!?貸してもらっていいんですか!?」

 

「ちょ、理事長!?」

 

何だこの人は!!せっかく流れでバスに戻そうと思ったのに。普通生徒に2人乗りしてもいいって言う理事長いないからな!!さすが蒼生の姉.....格が違う。

 

「ただし!!ちゃんと優希くんに掴まっておくこと。ヘルメットは運転してない時以外は外さないこと。いいね?」

 

「はい!!ありがとうございます!!」

 

こうして.....やばくなりそうな宿泊研修が始まった。

 

 

移動中

 

ブゥゥゥゥン!!!

 

「凄く気持ちよくない!?」

 

「そう?初めて乗ったからじゃない?僕は何回か乗ってるからあんまり新鮮味はない。」

 

「へぇ、あたしもC組が良かったなぁ。ルイが羨ましい。」

 

「ルイ?八潮さんのこと?」

 

「そう。ルイって凄いんだよ。バイオリンとかもめっちゃ上手く演奏するし!!」

 

「やっぱり上手いんだ....」

 

というか暑い。カリスマさん、ずっと僕に強くくっついてる状態だから想像以上に苦しい。女の子って結構力あるんだね.....ちゃんと言うこと聞いてるのを見るあたりいい子なんだろうけどさ.....

 

 

「先生ってキーボード歴何年くらいなるの?」

 

「キーボードと出会って今年で.....まぁ3、4年になるのかな。高校でバンド組んで始めたから。」

 

「うちキーボードいないからどんな感じか分かんないんだよね〜。」

 

「まぁクラブハウスとか楽器店に行けば色々あるよ。

 

「ねぇ先生、このバイクに書いてる『漢!!』って何?」

 

「気にしないで.....うちのバンドメンバーのやつだから。」

 

「へー、そうなんだ。」

 

.....あれ?お嬢様だからこういうのは案外知らないのか.....そっちの方が幸せか。

 

「先生って彼女とかいるの?」

 

「ぶふっ!!」

 

「ちょ!?大丈夫?」

 

いきなり爆弾な質問聞いてきた.....これがバンドメンバーなら『千聖に決まっとるだろバカタレ』と言えなくもない。だがお嬢様相手にそれは絶対に禁句.....どうすれば。

 

「いないよ。僕あんまりそういうのに興味ないから。」

 

「いそうだけどなぁ.....あとどれくらいでつく?」

 

「大体20分くらいだと思う。道は覚えてるから安心して。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

20分後

 

「あー、楽しかった!!ありがと先生!!」

 

なんとか終わった.....あぁ、肋骨あたりが痛い。

 

「どうだった?女の子と2人で移動は?」

 

「....肋骨あたりが痛い。」

 

「あら、それはドンマイ。じゃあ1日目は優希くんあんまりやることないから自由でいいよ。」

 

自由って言われても.......特にやることないんだよな。テントでも張って寝るか。

 

「大学の課題とかも片付けてきたし....千聖を愛でたりして疲れを癒しますか。」

 

それにしても静かでいいなぁ.....こういう所で昼寝したいって1回くらい思ってたし。学校だったら屋上くらいしか落ち着ける場所無かったし。

 

 

 

 

「優希くんちょっといい?」

 

「なんですか?理事長。随分と早く戻ってきましたけど。」

 

「ちょっと色々話しておきたかったからさ.....わかる通り、この学校意識が高すぎるから優希くん自炊というか外で生活する羽目になってるし。」

 

「別にいいですよ。私有地でも長閑で過ごしやすいですし。」

 

「まぁそれは良かった.....優希くんの教育実習の達成目標は『お嬢様とかに囚われず生徒と向き合うこと』、これだよ。」

 

「わざわざ目標設定してくれるんですか.....ありがたいですね。」

 

「優希くんなら出来ると思うよ。蒼生とかも変えてくれたし。」

 

「蒼生を変えたのは正確に言えば豪なんですけどね。僕は道の提案をしただけですし。」

 

「まぁまぁそれでも、目標があった方が何も無く過ごすよりもいいでしょ?じゃ、頑張ってね!!」

 

お嬢様意識、か。難しそう.......まぁいいや。千聖の写真でも見てほんわかしよう。




さすがにダラダラ教育実習させるのもあれなので今回は目標設定をして進めさせてもらいます。こっちの方が読みやすいと思いますし.....。
誤字脱字報告、感想、評価、アドバイスお願いします!!


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何も起きないはずが無く.....

次の花嫁、千聖さん来てくれないかなぁ.....流れ的に合同イベントだから次は花音さん千聖さんで来てくれたら嬉しい。


「.......ほわぁぁぁぁ、寝てたのかな。」

 

気付かぬ内に空が少しだけオレンジ色になっていた。夕焼けの時間帯.....結構寝ちゃってたのかな?

 

「あれ?起きました?」

 

ん?.....誰?なんか隣にちょっと変わった雰囲気の人がいる。のほほんとしてる。

 

「君は?」

 

「ごきげんよ〜、広町七深です。Morfonicaでベースやってます。」

 

「僕は白鷺優希です。」

 

「ところでどうしてここにいるんですか〜?皆中にいるのに。」

 

「さぁ、校長先生曰く僕には入って欲しくないんだってさ。多分僕が庶民というかなんというかそっち側だからかな.....ところで広町さんはどうしてここに?」

 

「外の風を浴びたいなぁって思って。こういう夕暮れ時っていい感じの気温になるじゃないですか?」

 

「それはあるよね、夕暮れも綺麗だしなんか落ち着く。」

 

「あ、分かりますか〜?先生って意外と普通なんですね。」

 

「普通?どういうこと?」

 

「この学校に来てまだあんまり時間経ってないんですけど、会った先生の中で『肩の力を抜くのもいいよ』なんて言う先生、見た事なくて変わってるなぁって思って。それにとーこちゃんも面白いしちょっと変わってるって言ってたんですよ〜。」

 

「とーこちゃん?誰それ?」

 

とーこちゃんって誰だ.....僕が会って話した人は八潮さんとカリスマさんと白髪の女の子くらいだから.....その二択のどっちか。白い方に賭けよう。

 

「え?今日バイクに乗せてもらったって言ってましたよ〜。」

 

外した。そうか、あのカリスマさんとーこちゃんっていう名前だったのか。また今度苗字聞いておかないと....

 

「そういう広町さんも少し変わってるように見えるよ。今って確か自由時間だったでしょ?その時間で僕に会いに来るのは珍しいかな。」

 

「そうですか〜?バンドのメンバーが言ってた人が気になっただけですよ〜。」

 

「そういえばそうだったね。」

 

想像以上におっとりしている。見た目というか雰囲気が少し花音さんに似ていたけど話してみるとそうでもないみたい。

 

「.....お菓子食べる?辛いポテチみたいな感じなんだけど。」

 

「え、いいんですか?ありがとうございます〜。」

 

と言いつつ、広町さんは僕があげた辛いポテチを美味しそうに食べていた。お嬢様学校でもこういう庶民のお菓子はいいんだね.....こういうお嬢様決めつけ辞めるようにしないと。あ、晩御飯の前にお菓子あげちゃった.....後で怒られる。

 

「美味しかったです。」

 

「食べきったの?.....口の周りに付いてるよ。ちょっと待ってて。」

 

そう言って僕はウェットティッシュを持ってきて広町さんの口の周りを拭いた.....( ゚д゚)ハッ!千聖にやる感じでやってしまった.....この子中々の策士やな(ただのアホ)。

 

「ありがとうございます。」

 

「そろそろ時間だし戻った方がいいよ。」

 

「はい。じゃあ失礼しま.....あっ、先生。」

 

「ん?何?」

 

「今晩、テントにお邪魔していいですか〜?寝心地とか知ってみたいんです。」

 

「,...え?Why?」

 

え?どゆこと?泊まる?個室用意されてるのにわざわざこっちに来るの?

 

「1回こういうテントの中で寝てみたかったんです。それにここ一帯が私有地だから、星も綺麗に見えるかなぁって。駄目ですか?」

 

「いや、僕は別に大丈夫なんだけど、それ他の先生が許可する?」

 

これも1つのルールで、今はA組の先生が学年主任を務めているため、生徒の行動に制限する権限を持っている。だから本来すべきこと以外をする時は学年主任に申請することが義務になっているらしい。因みに僕はおそらく生徒より下の地位にいる。.....実習生の扱い雑すぎでしょ。

 

「取ってますよ〜。天体観測をしたいって言ったら許可が降りました〜。」

 

どうやら先手は打たれていたらしい。カリスマさんとバイク乗ったりこの子がテントに来たり.....なんか何も無い事無くなってきた。

 

「じゃあいいや......最低限上着は持ってきた方がいいよ。外は少し冷えるから。」

 

「半袖の先生に言われても説得力無いですよ〜。」

 

「ま、まぁ僕は大丈夫だから、ね。」

 

じゃあ僕もMorfonicaとかいうバンドのこと色々聞こうかな.....成り行きだけど顧問になっちゃったから把握はしておかないとね.....ボーカルの白髪の子、ギターのカリスマさん、ベースの広町さん、ヴァイオリンの八潮さん、あと一人誰だろう.....おそらくドラムだろうけど。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お邪魔します〜。」

 

「うん、いらっしゃい。ゆっくりしていって。」

 

「はい....先生、晩御飯まだだったんですか?」

 

「うん、普通にボーッとしてたら敷地の人に草むしり手伝ってって言われたから一緒に仕事しててね。さっき終わったから今一息ついてる感じ。」

 

「大変ですね〜、教師じゃないみたいで。」

 

「まぁ実習生だからね。色々経験するのも大事だし。」

 

それにしてもテントの中で寝るかとはいえ広町さん結構面白いパジャマ着てきたなぁ.....これは、コアラ?なのか。

 

「それにしても広町さんついてるね。今日は『月が綺麗』だし星も見えるし、環境的には本当に絶好の日だね。」

 

「......え?先生?」

 

「ん?どうしたの?」

 

「今月が綺麗って.....あの、私たちまだ会ったばっかりですし.....」

 

「月が綺麗.....あっ!!違う!!そう意味で言ったんじゃないよ!!」

 

しまった!!月が綺麗って男女2人の時に言ったら告白みたいな意味になるんだった....でも流れ的にそう思わなかったような.....

 

「それに正確に言うと月が綺麗ですね、で1つの筈だから。」

 

「そ、そうですよね〜.....ビックリしました。」

 

ちょっとだけ照れてるのか恥ずかしいのか広町さん、はにかみながら返答してきました....のほほんとしてるけど女の子みたいに恥ずかしがるところもあるんだ.....意外。

 

「それで1つ教えて欲しいんだけどさ.....Morfonicaってどういうバンドなの?」

 

「私たちのバンドですか?凄く個性的なバンドだと思いますよ〜。しろちゃんは頑張り屋さんだし、とーこちゃんはいつも盛り上げてくれてるし、つーちゃんはリーダーとしてバンドを纏めてくれてるし、ルイルイは毅然としててかっこいいんだ!!」

 

「へぇ.....ライブとかは何回かやったことあるの?」

 

「はい、3月16日から皆さんバンドランク上げで沢山ライブさせてくれましたよ〜。」

 

「あ、アプリの方の話じゃなくてこっちの世界でしたライブの回数ね。」

 

そっちの話になると何万回ってことになりそう.....

 

「こっちだとあんまりライブ自体はしてませんね。私たちの学校的にも中々時間が作りにくいですし。」

 

「大変そうだしね。」

 

「.....とーこちゃんに聞いたんですけど、先生ってEXTRAのメンバーなんですよね?」

 

「う、うん。それはそうだけど.....」

 

「じゃあ少しだけセッションしてもらってもいいですか〜?」

 

「オッケー。ジャムセッションでいい?」

 

「先生楽器あるんですか?」

 

「あるよ.....鈍るのもあれだしね。ギターだけどいい?」

 

「はい。じゃあやりましょう〜!!」

 

 

 

 

 

 

セッション後

 

「先生凄いですね〜。」

 

「広町さんもよく出来てると思うよ。.....と言いたいところだけど、何か抑えてる?」

 

「抑えてるって?」

 

「なんか....どう言えばいいか分からないけど普通くらいに寄せてるって感じかな?多分もう少しアドリブとか出来る技術があるように感じたんだけど.....気のせいかな?」

 

「.....気のせいですよ〜。先生とやるのにちゃんとやってなかったら失礼ですし。」

 

「思い過ごしかな.....変なこといってごめんね。」

 

「いいですよ.....ふゎぁ、少し眠く.....なりました.....」

 

「明日も早いし寝た方がいいよ。」

 

「じゃあ、そうしますね〜。おやすみなさぁぃ.....」

 

よっぽど眠いのを我慢していたのか.....すぐ寝た。目の下に隈がある。もしかして楽しみだったのかな.....とりあえず毛布を被せておいてあげよう。

 

 

広町さんも含め、Morfonicaのメンバー(リーダー以外)と接して僕は違和感を感じた。どこかぎこちない.....あの白髪の子はまだとしても、カリスマさんとこの子は....何か隠してるのか分からないけど気丈に振舞ってる感じがする。バンド内の仲はまだ結成して間もないから仕方ないにしろ、個人的な何かがあるんだろうね.....僕が介入すべきではなさそうだけど。

 

 

ピリピリ

 

「はい、もしもし.....千聖!?どうしたの?」

 

「兄さんがどうしてるか聞いておきたくてね、夜中に電話して申し訳ないわね。」

 

「気にする必要ないよ。千聖の心遣いに涙出ちゃうよ。」

 

「そんなに大袈裟なのかしら.....まぁいいわ。初日、どうだった?」

 

「特に何もやること無かったよ。ただただ長閑な庭みたいなところで一日中ぼーっとしてたよ。途中雑草ぬきとかも手伝ったし。」

 

「それ先生じゃなくないかしら....?」

 

「まあまあ経験積めたと考えればいいだけだよ。」

 

「ふふっ、でも兄さんが大丈夫なら安心したわ。ねぇ兄さん」

 

「ん?どうしたの?千聖?」

 

「近くに女の子がいるような予感がするのだけれど.....気の所為かしら?」

 

「.....え?」

 

千聖、テレパシーでも使えるの?女の勘って凄いなぁ。

 

「うん、いるよ。テントで寝てる。」

 

「....は?」

 

「なんか天体観測してて、途中で眠くなったのか個室に戻れなかったのか分からないけど僕のテントの所に来て寝てるんだ。」

 

「そういう.....お嬢様学校でもそういう所あるのね。」

 

「僕も驚いたよ。でも会った人は皆明るく振舞ってくれてるからなんとかやっていけてるよ。」

 

「それは良かった.....じゃああんまり長引かすのもあれだし切るわね。今日撮った写真送っておくわ。」

 

「うん、ありがとう。」

 

そうして送られてきたのは.....練習に苦戦してる千聖の写真だった。近くのプロの人が色々教えてる.....そこ代わって(切望)。おのれプロフェッショナルめ......それにしても千聖は尊いなぁ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

午前3時

 

「.......」

 

私は早く起きた。というのもパジャマとか持ってきたけどアラームになる物を持ってくるのを忘れたため、早めに起きねばと思ってたら予想以上に早く起きちゃった。毛布の中にいたから、先生がおそらく掛けてくれた.....そして当の先生は左腕を掲げて人差し指をだけ指して寝ていた。どこかの団長さんもこんな感じだったって誰かから聞いたな.....これは.....倒れてるのかな?

 

「先生も風邪ひくよ〜.....?」

 

先生のペンダントだ.....意外と先生もこういう小物みたいなのを付けるんだ。

 

「ただ毛布を掛けても寒いかなぁ.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

アッサガクルマデェー

 

「止まれぇぇぇぇ!!!」

 

しまった.....朝のアラーム音変えるの忘れてた。LOVE TOGETHER知ってる人少ないだろ.....しかもこのあとの曲はダイナモ感覚がやってくる設定にしてたから早めに止めないと.....ってあれ?

 

「これ....どゆこと?」

 

状況を整理しよう、僕と広町さんが同じ毛布の中で体を寄せている.....広町さんに関しては寝相か知らないけど僕に抱きついてる。しかも気持ちよさそうに寝てる。

 

「優希くん、おは失礼しました。」

 

「ちょ、誤解だってば!?」

 

理事長!!なんでこのタイミングで来るんですか!!




七深ちゃんのご両親が蘭ちゃんみたいな親御さんやったらいいなぁ.....
お嬢様学校とかたいそうな設定作ったからイベントも豪華そう(小並感)

活動報告のところでリクエストとか募集してるので見てください。毎度誤字脱字修正ありがとうございます。気をつけないといけませんね.....

誤字脱字報告、感想、評価、ご指摘等お願いします!!


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お兄さんの扱い

有償ガチャ一気に来すぎじゃないですか.....?季節限定以外引かないからあれなんですけど。


あれから理事長のからかいを止めるのに数時間近く使ってしまった.....まぁ暇だからいいんだけどさ。

 

「暇だしトランプでもしませんか?」

 

「おっいいね!!じゃあポーカーでもやろ。」

 

何故か知らないが理事長は猛烈に暇らしい。生徒さん達は自然に触れ合っているからここにはいない。

 

「あ、そうだ。ここに千聖ちゃん呼んだから後で来るよ。」

 

「千聖今日確かに仕事ありませんでしたけど.....ここ県外ですよ?」

 

「優希くんの名前出したら1発で返事貰えたんだ!!やっぱモテる男は違うね〜!!」

 

「だからあれは誤解ですってば.....」

 

 

「あら、何が誤解なのか説明してくれるかしら?」

 

「それは.....って千聖!?早くない!?」

 

「紫吹さんがタクシーを用意してくれたらしくて、家の前にあったのよ。お久しぶりですね♪」

 

「千聖ちゃんも大人になったね〜。」

 

「はい.....それでさっきの誤解とやらを説明してくれるかしら?」

 

怖いよ。まるでゴミを見るような目線を向けないでください。しかも目の中の光が一瞬で消滅してますよ。

 

「優希くんさ、昨日女の子と一夜を共にしたんだよ!!」

 

ちょ!?誤解を招くな!!それじゃ僕が誘ったみたいになるじゃん!!

 

「へぇ.....紫吹さん、少しだけ兄さんをお借りしますね。」

 

「うん、どうぞどうぞ!!」

 

 

建物裏

 

「どういうことかしら?」

 

「昨日テントで何もなくぼーっとしてたら生徒さんの1人がやってきて星が見たいから泊めさせてくれないか?って言ってきたんだよ。」

 

「.....それで?」

 

「僕は一応テントには入れたけど自分は外で寝ようかなって思ったんだよ。実際生徒さんの方がすぐ寝たし。」

 

「....で?」

 

「それで千聖の写真を崇めて癒されてたら寝落ちしちゃってさ.....で朝起きたら何故か知らないけどその生徒さんと同じ毛布の中で寝てたんだ。」

 

「ふぅん.....」シャキ!!

 

「ちょ、ナイフを収めて!!というかどこから持ってきたのそれ!!」

 

「大丈夫よ、傷つけるつもりは無いわ。あくまで自白しなかった時のおど.....手段として持ってきた迄よ。」

 

「脅すって言いかけてるじゃん.....」

 

「何はともあれ兄さんがその生徒さんと一夜を過ごしてしまったのは事実みたいだから.....お仕置きが必要ね。」

 

「お、お仕置き.....」

 

「えぇそうね.....監禁してあげようかしら?」

 

さらっとヤバい発言が出てきた.....というか教育実習期間中千聖ずっと僕のベッドに入ってきてるじゃん。たまに下着だけの時があるから怖くて眠れないよ.....

 

「監禁されたら仕事出来ないよ.....」

 

「じゃあしちゃう?」

 

「それが1番アウトだよ!!」

 

「?私がリードしてあげるから何も心配はいらないわよ?」

 

「そういうことじゃないよ.....」

 

「こういうところはもっと欲望出してもいいのに.....じゃあ1つ言う事を聞いてもらうわ。」

 

な、なんだろう......千聖のことだから何か買うとかそういうのではない.....

 

「1週間、私と立場を逆転させましょ。つまり兄さんが私のことを『お姉ちゃん』と呼んで私が兄さんのことを『優希くん』って呼ぶ、これでいきましょ。」

 

(1回くらいは言われてみたかった.....兄さんにお姉ちゃんなんて呼ばれたら.....うふふ、楽しみね♪一杯頼ってくれたら.....嬉しいな。)

 

「....恥ずかしいけど、分かったよ、お姉ちゃん。」

 

「.........」

 

「?お姉ちゃん、どうかしたの?」

 

「いえ、なんでもないわよ。(想像以上の破壊力.....私、自分から地雷を踏みにいったのかしら.....)」

 

「なら良かった.....」

 

「じゃあ優希くん、一緒にお昼ご飯食べましょ♪一杯作ってきたから。」

 

「え、ありがとう!!」

 

「じゃあ私は呼び方被るから『白鷺先生』って呼び方でいっか。」

 

「はい、お願いします♪」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

昼食後

 

「ちさ.....お姉ちゃん、何してるの?」

 

「何って、膝枕よ。どうかしたの?」

 

「いや、なぜいきなり.....」

 

「お姉ちゃんが弟のことを世話するのは当然のことよ。」

 

お昼ご飯食べて少し経って、一息ついてたら千聖が僕の頭を太ももに乗せてきた。

 

「.......」

 

「どうしたの?何か不満でもあるの?」

 

「いや、そういうことじゃなくて.....お姉ちゃん、ミニスカだから寝返り打ったら....」

 

「別にパンツが見えるなんて今更じゃない。何も恥ずかしがる必要ないのに。それとも見たいの?」

 

「いや、べつにそういう訳じゃ....」

 

「ふふっ、疲れているのね。お姉ちゃんが癒してあ・げ・る♪」ハムッ

 

急に顔を近づけてきたかと思ったら耳元で千聖がこう囁き耳たぶを咥えた。というか千聖、本当に楽しそうだな.....眠くなってきた。

 

「すぅ.....すぅ.....」

 

「あら、寝ちゃったわ。よっぽど疲れが溜まってたのね。」

 

「千聖ちゃんも白鷺先生の扱い方が本当に分かってるね〜。」

 

「兄さんは耳元を気持ちよくしてあげたら脱力しちゃうんですよ。これは妹である私しか知らない特権ですけどね。それにそれが出来るのも私だけですし。」

 

「どうやって知ったの?」

 

「それは毎晩兄さんの寝てる所に入って色々試したんですよ。そしたら分かったんです。」

 

「千聖ちゃんも安心していいよ。優希くんは別に生徒さんに色目使ってないしそのつもりもないしね。」

 

「それは勿論分かっているんですよ.....ただ、善意で協力とかをしちゃうから、どうしても皆から頼りにされたり好意を抱かれたりしちゃうんですよ。兄さんのいい所でもあって同時に私からしたら悪いところですけど.....」

 

「まぁまぁそうじゃないと蒼生が信用しないしね。また何かあったら教えてあげるから!!」

 

「はい、ありがとうございます♪兄さんが起きたら、失礼させてもらいますね。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3時間後

 

「....うぅ、あれ?千聖.....?」

 

「千聖じゃないわよ。お姉ちゃんって呼びなさい。」

 

「あ、うん.....お姉ちゃん、おはよぅ.....」

 

「(寝起きの兄さん....惹かれるわね。)結構疲れてたのね。」

 

「そうなのかな.....?ずっとその状態だったの?」

 

「ええ、でも気にしなくていいわよ。優希くんの寝顔、本当に可愛かったし。(何回も写真撮っちゃったけど.....許してくれるわよね)」

 

「そう.....あ、そうだ。お姉ちゃん、帰ったらレオンの小屋掃除、またしといてね。最近レオン散歩する時にちょっと砂とか泥とかがある場所でよく遊ぶようになったから小屋が少し汚れたんだ。」

 

「ええ分かったわ。じゃあ、お仕事頑張ってね、優希くん♪」

 

 

 

 

「.....どうした?」

 

「千聖が彼女になった気分で.....昇天しそう。」

 

「優希くんも相変わらず千聖ちゃん好きだなぁ.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

夕方

 

「失礼します!!」

 

「ん?誰?」

 

「皆会ってリーダーの私だけ挨拶してなかったから挨拶しにきました!!ごきげんよう、Morfonicaのリーダー、二葉つくしです!!」

 

ここにきて超元気なリーダーが出てきた。メンバーが大人しそうな人が多めだからかえって驚く.....このノリ豪に少し似てる。

 

「じゃあ僕も挨拶を.....白鷺優希です。EXTRAのメインキーボードでなんか軽音部かなんかのクラブの顧問です。」

 

「それはましろちゃんから聞いてます!!それにしても....なんでテントにいるんですか?」

 

「なんか入るなって言われてこれ持ってこいとか言われたし。」

 

「大変ですね.....」

 

「それで、挨拶する為だけに来てくれたの?」

 

「あ!?忘れてました!!あのなんか今日の晩にレクをやるらしいから先生も来てくださいって伝えるように言われてたんです!!」

 

「わざわざごめんね。呼ばれるまで中に入るなって言われてるし。」

 

「なんで先生だけこんな扱いなんですか?」

 

「さぁ、単にお金が無いからとかじゃない?これでも一応FWFでちゃんと1位になってるのに。」

 

「FWFって何ですか?」

 

「あ、FWF知らない?ちゃんと言うと難しいんだけど.....選考テストでプロが落選するのが当たり前でロックとかだったら頂点のイベントだったのかな。Morfonicaがどういう感じか分からないからどうとも言いようがないけど。」

 

なんか友希那さんはSWEET MUSIC SHOWERにも出たとか言ってたな.....僕らあそこのディレクターからめっちゃ嫌われてたから呼ばれなかったんだよな.....

 

「へぇ.....そんなのがあるんですね。」

 

「うん、まぁ僕の話はどうでもいいとして.....レクどこでやるの?」

 

「本当に何も伝えられていなんいですね.....ついてきてください!!」




これでMorfonica全員出せたかな.....運営も皆を元気づける為にもっとスター配布してくれたらなぁ.....無理だけど、

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どっこい生きてるんですよ、女子高で

別ゲーなんですけど、皆さんってシャニマスやってますか?あれコミュの作りめっちゃ凝ってるんでやってみて下さい。凄いですよ。バンドリのコミュとかラブライブ!のストーリーとかとはまた違うベクトルで。


ホール

 

「ほぇ.....広。」

 

「そうですか?中央広場に比べたらまだ狭い方ですよ?」

 

この子達の目はどうなってるんだ.....これを普通に受け入れられるあたり半端じゃないね。これ下手したらそこら辺のクラブハウスよりでかくないか.....?

 

「あれ?先生じゃん!!ふーすけ連れてきたの?」

 

「うん!!先生に呼んでこいって言われたから!!」

 

「ふーすけ頼りになる〜!!」

 

「ふふん、でしょ!!」

 

「で、僕が連れてこられた理由って何?」

 

「あれ?先生聞いてないの?ちょっとしたレクでさ!!担任別対抗戦っていうのがあるんだ!!」

 

「担任別.....何するの?」

 

「先生が一定量の資料とかそういうのを如何に速く捌けるかするんですよ。私のクラスの担任の先生はベテランだから絶対速いですよ!!」

 

「それで、勝ったクラスに何かご褒美があるんだって!!」

 

「それ僕連れてきてよかったの?ほっといたらC組に不戦勝できるのに。」

 

「さすがにそれじゃC組の生徒が可愛そうですよ!!」

 

あ、そっか。僕がお粗末な扱いでも生徒さんはそう扱わなかったんだ。そこはまだいいよね.....

 

「うん、分かった。やってみるよ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「それでは全員揃いましたので担任対抗戦の資料捌きを始めます!!司会は理事長の私がやります!!」

 

すごい個性的な種目。普通こういう時担任の先生出すなら借り人競争とかモノマネとかそういうのじゃないんだ.....

 

「では、よぉいスタート!!!」

 

ちらっと資料を見る.....これ、契約書類だ。特に難しくもないし、時間さえあればさっとできる。これは....場所の貸切のやつ?これなら紅蓮と一緒にやったことあるから一瞬かな.....これはこの宿泊研修の会計資料.....これもしかしてこの時間に可能な限り先生が仕事出来るように取り計らったのかな.....すげぇ。

 

20分経過

 

「おっとA組がかなりの速さで書類を片付けています!!B組も負けていません!!C組は.....終わってる!?」

 

「ええ!!?」

 

いや、そりゃそうでしょ。僕仮にでもライブで全国ツアーした時に皆でこういうのやったし、更に言えば千聖がかつて僕をマネージャーにしようとしてその仕事を全部やったこともある。その時にスピードと正確性を求められたのでこれくらいなら大丈夫。え?モチベ?それは勿論.....千聖と遊べるとかそういうのだよ?

 

「というわけでC組の勝ちです!!」

 

┗( ・´ー・`)┛コロンビア

 

「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「C組には後で腕時計をプレゼントします!!」

 

腕時計!?しかもさっき見せたやつって相当高いやつだよ.....スケール凄すぎでしょ。

 

「では、次は今世間で話題のガールズバンドのMorfonicaさんに演奏してもらいます!!」

 

さすがにこういう場ではやらせてくれるんだ。こういう流れは普通の高校と変わらないんだね。

 

 

 

舞台裏

 

「が、学校でやることになっちゃった.....」

 

「いいじゃん!!まさか学校で出来るなんてね〜。」

 

「なんか、学生っぽくていいよね〜。」

 

「皆、気抜けすぎじゃない?もう少ししっかりだよ!!」

 

「どこでやろうと私たちらしくやればいいだけよ。」

 

「じゃ、じゃあ頑張ろう.....先生にも見てもらえるし。」

 

「うんうん!!」

 

 

 

 

 

 

 

「こんにちは!!Morfonicaです!!皆盛り上がって行こう!!」

 

 

こうしてMorfonicaの演奏が始まった。うん、普通に出来てるしあの白髪の子、ちゃんと歌えてる。ただ.....ミスに流されやすい。あのヴァイオリンの子はいたって何も影響ないみたいだけど、リズム隊がズレた時にボーカルもつられかけている。まぁバンド知らない人が聞いてるからそこまで問題はないんだけどね.....友希那さんだったら絶対に斬ってるな。

 

 

「ありがとうございました!!次は白鷺先生が演奏してくれます!!」

 

.......え?

 

ざわ・・・ざわ・・・

 

「ちょ、理事長?何言ってるんですか?」

 

「ん?優希くん色々と舐められてるからここで1回見返してやりなよ!!ギター、持ってきてるんでしょ?」

 

「僕メインはキーボードなんですけど。」

 

「それくらい大丈夫だよ!!」

 

この人めちゃくちゃだろ.....と思ったら設備が整ってる。これ多分スマホと繋げられる?

 

「まぁ.....拒否権無いんでやるんですけど。」

 

 

 

「あれ、先生だよね?」

 

「え、先生演奏するの!?」

 

「どんな感じなんだろうね〜。」

 

「また羽丘で見た感じの熱いライブ見たいな!!」

 

「(先生.....ここでもう一度、先生の実力を見させてもらうわ.....どれくらいか。)」

 

 

「じゃ、演奏しまーす。とりあえず盛り上がっていきましょう。『空色デイズ』」

 

これなら皆盛り上がれるかな?それにこの歌って聞いてるとやる気とか元気が出てくるんだよね.....本編も見てて引き込まれたし。

 

 

「え、普通に私より歌が上手い.....」

 

「それ言うなら私もギターで負けてるんだけど.....」

 

「昨日セッションしたけどやっぱりすごいね〜。」

 

「あの人が顧問になってくれるなら安心だね!!私と組めば無敵!!」

 

(.....桐ヶ谷さんや倉田さんより上手い、けど歌声はまだ本領じゃない感じがする.....羽丘の時より少し声が伸びていない。)

 

「ねぇ、ルイ。先生どう思う?」

 

「そうね.....あの人が指導してくれるなら何も不満は無いわ。ただ先生もまだ本領じゃない。そこだけが残念ね。」

 

「あはは.....それは理事長先生が無茶ぶりしたみたいだし。」

 

「私.....あのレベルになれるかな?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

レク終了後 テント

 

「ふぅ.....疲れた。」

 

理事長も勘弁して欲しいよ。出来るとはいえいきなりだと声出ないし。

 

「あの、先生.....お疲れ様です。」

 

「えっと.....倉田さん、だっけ?」

 

「はい.....あの、今から帰るまで.....一緒にいてもいいですか?」

 

「どうしたの?いきなり。」

 

「あの.....その、私ちょっと話すのとかあんまり得意じゃなくて、それにバンドの中でも私が1番地味な気がするから覚えて欲しいっていうのもあって。」

 

「ああ、そういう.....いいよ。でも僕もまだ全員の名前覚えきれてないんだ。」

 

「え、そうなんですか?」

 

「うん、僕も元々倉田さんと一緒であんまり人と話すのが得意じゃなかったからね。だから今でも親しみのある人以外の名前を覚えるのも苦手で.....」

 

そう、僕も昔はとてつもなく外では静かな人間だった。まぁ理由は色々あるから言わないけどね.....ただ、一種紗夜さんと少し似てる節があるかな。

 

 

「苦労してるんですね.....」

 

「うん、だからあの金髪の子の名前もまだ覚えてないんだよ。」

 

「透子ちゃんの名前を覚えてないんですか.....?」

 

「苗字が未だ分からないんだよね。」

 

あの子、カリスマっていう部分は覚えてるんだけど上の名前何だっけ.....

 

「先生もそういう所があるんですね.....少し可愛いです。」

 

「まぁ直さないと教師としてダメなんだけどね。」

 

「そうですか....先生、自信を持つ為にはどうしたらいいと思いますか.....?」

 

「自信?」

 

突然話題が変わった。もしかしたらこれが目的だったのかな.....

 

「はい.....その、バンドのボーカルとしている訳なんですけど、あまり自信が持てなくて.....先生みたいに堂々と歌いたいんです。どうしたら.....いいですか?」

 

「どうしたら.....うーん、人によって方法は全然違うから難しいけどね。僕は.....数年前にある人に『やりきることが大事』って教えてもらったんだ。」

 

「やりきること.....?」

 

「うん、そうだよ。僕達EXTRAにもそういう精神があってさ『俺はやりきった。だからお前も全力でやりきれ。その結果がどうであっても最後は笑って楽しめたと言えるようになれ』っていうことかな。まずは自分はやりきれたんだって気持ちを持てるようにすること。」

 

「.......」

 

「難しいと思うよ。性格とか考え方とかでそう思えないって感じることもあるよ。僕も最初はそうだったし。でもさ.....自分の道を自分で明るく出来なかったら誰かを照らすことなんて絶対にできないと僕は思うよ。」

 

まぁうちのバンドの場合、全員本気だからそこまでかんがえたりしないけどね.....

 

 

「1つの考え方だと取ってくれたらいい。悩んだらバンドの皆もちゃんと相談にのってくれるよ。.....頑張ろう。」ポン

 

僕は倉田さんの頭に手を置いた.....懐かしいな、昔千聖が折れそうな時もこうやって励ましたっけな.....ん?もしかして倉田さん.....千聖より若干身長が高くないか?

 

「.....ありがとうございます。面倒な相談にのってくれて....手、暖かいんですね。」

 

「さっきまでギター弾いてたからね。それにちょっと夜食も作ってたし。」

 

「夜食?なんですか?」

 

「体冷やしたくないから。ビーフシチュー作ったけど、食べる?」

 

理事長とか絶対に来そうだと思って数人分作っておいたからね。そしたらまさかの倉田さんが来た訳で.....

 

「.......いいんですか?」

 

あれ?さっきまでの落ち込んだ顔どこいったんだ?控えめに聞いてるけど目がキラキラしてて「食べたい!!」と訴えかけてきてるよ。

 

「うん、どうぞ。」

 

「あ、ありがとうございます!!」




皆さん見ました?限定選べるんですって。これはもう呼吸するしかありませんね。(2018年まで.....)
ましろちゃんに空色デイズを聞かせてあげたい今日この頃です。七深ちゃんとAfterglowが出会ったらある意味いい感じになりそう。(普通とかありのままという点で色々考えられそうだから。)


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僕に平和な休日を.....

休みが長すぎて曜日感覚が狂ってきそうです.....大変だね。


学校の宿泊研修も終わり、一息ついていた。色々大変だったからね.....久しぶりのゆっくりとした朝だ。ちなみに関係書類は全て決裁済みなので特に問題はない。

 

「ふわぁぁ.....いい、ん?」

 

あれ?気のせいか体が重い。しかも腕も足もなんか動かないようになってる。あれ〜.....金縛りでも起きたのかな?頭の方向もそっち向きじゃないよね.....段々と視界がはっきりしてきた。

 

「おはよう.....優希くん♪」

 

「おはようございます、優希さん。」

 

そこには何故か知らないが千聖と紗夜さんがいた.....どうなっているんだ。

 

「おはよう.....それで何してるの?」

 

「とりあえず優希くんが逃げないように2人で動けないようにしてるのよ。」

 

「う.....ほんとだ、外れない。」

 

だめだ.....さすがに全体重かけられたら動けないや。

 

「それで.....どういったご要件で?」

 

「今井さんからこのような写真が送られてきまして.....これはなんですか?」

 

そこには.....あれ?カリスマさんとのツーショットがある。あれ、送るのは辞めてって言ってなかったっけ?紗夜さん、顔が怖すぎます。怒ってる顔ではないにせよ、そこまで闇が深い目で見られると困ります。

 

「あぁ....えっとそれはね、学校の生徒さんが記念にって言って。」

 

「それは別に構わないのです。なぜくっついているのですか?」

 

「相手がくっついて来たのですがそれは.....」

 

「拒否しようとは思わなかったのですか?」

 

「そうね、それに随分と嬉しそうな顔をしてるわね。」

 

「いやだって.....笑顔強制されたし。」

 

「そうですか.....事情はわかりました。ですが優希さんがこのままだとお嬢様学校で犬扱い.....失礼しました、忠実な下僕になる可能性があります。」

 

「言い直せてないよ。」

 

「細かいことはいいのです。なのでこれから、私が風紀というものをしっかり教えてあげます。今日は私の家に来て私と一日中一緒にいて下さい。」

 

「千聖はいいの?」

 

「ええ、紗夜ちゃんなら安心して任せられるわ。(紗夜ちゃんなら仮に兄さんが好きでもラインは超えないし危険でもない.....大丈夫、よね。)」

 

 

「ありがとうございます。優希さんを染まらないようしっかり教育します。」

 

「ええ、お願いするわね♪」

 

「ちょ、千聖!!」

 

「では参りましょうか。」

 

「そういえば友希那さんは?」

 

「湊さんには過激故に写真は見せないようにしています。死にますよ?」

 

「えぇ.....(困惑)」

 

そのまま紗夜さんに連れていかれた.....力強すぎでしょ。それでも着替えさせてくれてる時間をくれるあたり優しいよね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

氷川家

 

「お、お邪魔しまーす.....」

 

「どうぞ、入ってきてください。では少し着替えてくるのでお待ち頂けますか?」

 

「着替える.....どうぞ。」

 

何をするつもりなんだろう.....朝のあれ、一瞬びひったよ。これヤンデレの流れじゃん、って思ったけどそうならなくてよかった。僕そんな浮気してるように見えるのかな.....千聖一筋なのに。

 

 

 

 

数分後

 

「お待たせしました。」

 

「うん、おか.....ええ!!」

 

「?どうかしたのですか?」

 

ちょちょちょちょっと待って.....え?紗夜さん?あなた紗夜さんですよね?

 

「不躾で申し訳ないのですが.....あなた氷川紗夜さんですよね?日菜ちゃんではないですよね?」

 

「はい、正真正銘氷川紗夜です。それがどうかしたのですか?」

 

「いや、いまの自分の格好、風紀の欠片もないですよ。」

 

そう、紗夜さんはなぜだか知らないけどよくドSにいそうな.....なんというか悪魔っぽい衣装を着て鞭の代わりに弓を持っている。どんなコンセプトだよ.....しかも口紅までちゃんと使ってガチすぎる。

 

「.....私もこの格好をするのは、は、恥ずかしいのですよ....どうですか?」

 

いやそんな頬を染めながらどうですかって聞かれても.....

 

「....まぁ似合ってると思うよ。スタイルいいですし。」

 

「そ、そうですか.....」

 

「それサイズ合ってるの?」

 

「白鷺さんのものを借りまして.....昨日白鷺さんから『紗夜ちゃん、宜しく頼むわね。私だと加減を間違えて兄さんを人形にしてしまう可能性があるから♪』と言っていまして.....」

 

急に爆弾発言が飛んできた。だが見覚えはある。それは受験期のこと。千聖は女優もしながら勉強もしていたせいで疲労が凄くそのせいか一時期荒んでいた時期があった。その時も『あぁ.....どうしたらいいのかしら。兄さんが傍にいれば.....分かったわ、兄さんを人形にすればいいのね』というサイコパスかもしれない発言をしていた。僕はお守りを買ってプレゼントしたからその時はまだ収束できた。

 

「あの.....これ以上やるとヤンデレタグから?が消滅するから辞めようね。」

 

「何を言っているのですか?では始めますよ.....優希さん。」

 

「は、はい....」

 

「全くあなたという人は行く先々で人を魅せるのですから....いけない人ですね。」

 

うん?いきなり何かが始まった。というかこの姿勢は危ないよ。さらっと僕に体委ねるの辞めようか。香水のせいかいい匂いが凄い.....今どういう構図かというと、僕が紗夜さんに押し倒されていて、思いっきり体に乗られている。これ風紀委員じゃないよね?しかも御丁寧に利き手の手首を掴んでいる。

 

「はぁ.....いいですか?手を出していいのは白鷺さんや私達だけですよ?新しい子に手を出しちゃって.....」

 

「い、いやそんなつもりは.....」

 

「.......」

 

いやジト目が刺さります。至近距離のせいか吐息もかかるし余計に怖い。というかさっきまでの恥ずかしがってた紗夜さんどこいったんだ。

 

「お仕置が必要みたいですね.....動かないで下さいよ。」

 

「ちょ!?殺す気!?」

 

いきなり紗夜さんが離れたかと思ったら弓を構え始めた。やばいやばい。どうすれば.....なんで平和な休日が来ないんだ!!

 

 

「もしかして.....踏んであげた方が良かったですか?」

 

「その知識どこから輸入してるの!?」

 

「元々知っています。風紀委員である以上、何が風紀を乱すものなのかを知っておかなければなりませんので。」

 

あぁ....ピュアじゃないの?

 

「じゃあ、これなんて言うか知ってる?」

 

「なっ.....そんなの恥ずかしくて言えるわけないじゃありませんか!!」

 

訂正、ピュアでした。知ってるけど恥ずかしいのね.....

 

「紗夜さん、貴重な休日に争いは辞めよう。これは有意義ではない。」

 

「急に紳士モードに入りましたね.....ではこれが終わったらその話し合いをしましょう。」

 

「全然解決してないよ!!」

 

どうすれば....紗夜さんをおちつかせられるんだ。( ゚∀ ゚)ハッ!

 

「紗夜さん.....これで手を打とう。」

 

「これは.....ポテト無料券?」

 

「うん、うちの店のやつでさ。バイトしてる人にたまに配ってくれるんだよ。でも僕そこまでポテト食べないし使うことも無いだろうからあげるよ。勿論千聖にはとっくに何枚もあげてるから安心してね。」

 

「.........」

 

悩んでるのかな?弓は置いてくれたけど

 

「.....わかりました。ですがこれだけはさせてください。」

 

そう言って紗夜さんは.....僕の口に何か暖かいものを当てた。.....え?僕抱きしめられている?

 

「.....」

 

「はぁ.....んっ.....」

 

紗夜さん.....この格好でこれするの、めちゃくちゃ風紀乱してますよ。

 

「どう、でしたか。.......その、感想を.....」

 

「感想.....凄い恥ずかしかった。」

 

「はぁ.....この事は、黙って居てくださいね。私も.....普通の女の子みたいにこういう事、したかったんです。」

 

「紗夜さん.....その、なんていうか。初めて?」

 

「.....はい。」

 

「なんというか事後だからどうしようもないけど.....こういうのはちゃんと好きな人が出来てからにした方がいいよ。」

 

「.......白鷺さんが苦労する理由が分かったような気がします.....それに。」

 

「それに?」

 

「ポテト無料券、もう1つ頂きました。」

 

「.....え!?いつの間に!?」

 

「今の私は悪女ですから。これくらい当然です。」フンス( ´ ꒳ ` )=3

 

役になりきるの凄いな.....千聖もビックリするんじゃないかな?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

白鷺家

 

「ただいま.....疲れた。」

 

「あら優希くんおかえ.....何したの?」

 

「疲れた。助けて。千聖、紗夜さんにあんな衣装渡しちゃダメだよ.....役に徹底的になりきるから。」

 

「あら、ごめんなさい。でもいい薬にはなったでしょ?」

 

「怖かったよ.....さすがに弓使うとは。」

 

「ふふっ、それは私も予想外ね。」

 

(まさか紗夜ちゃんがキスまでするなんて意外だわ......兄さん、キスとかには鈍感だから効果は薄いのに.....)

 

「ところで.....なんで僕が千聖にあーんすることになってるの?」

 

「だって優希くん、私の事お姉ちゃんって呼んでないじゃない。罰ゲームは1週間あるのよ?」

 

「あ、そういう.....」

 

「というわけで、間違えて千聖と言ってしまった回数分、日数を追加するわね♪」

 

「千聖.....楽しんでる?」

 

「ええ、優希くんがこんなに近くに長い時間いるもの。教育実習になってからというもの、兄さんが家に帰ってくる時間も遅くなって、その上帰ってきたかと思ったらすぐ残業するんだから.....寂しいのよ。」

 

「あはは.....それはごめん。」

 

「だから....こう、甘えさせてくれてもいいでしょ?紗夜ちゃん達も優希くんがいなくて寂しがってたんだから.....」

 

「そう、なんだ.....なんかごめんね。」




疲れているのかな.....ちょっと構成が雑なような。

皆さん、自粛してる間、二次創作とかオリジナル小説書いてみてはいかがですか?書いてると意外と楽しくて時間がかなり過ぎることもありますし.....


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さ、さすがお嬢様.....

課金してはいるのですが、年齢設定を忠実にしたので月額の上限があります....早く大人になりたい。そしてバイトしたいです。


授業中

 

「それで、債券の発行者が破綻等が原因で、元本や利子の支払いが遅延したり、停止して元本の償還が不可能になりかねない事態のことをデフォルトと言います。日本でいうと債務不履行にあたるものですね。」

 

僕は社会の授業を担当していて、なぜか1年生で政治・経済を細かくやるらしい。お嬢様である以上、こういう世間のこととかが大事だからかな.....

 

「先生。」

 

「ん?どうしたの?八潮さん?」

 

「デフォルトとは直接関係ないのですが.....消費税が増税したのは何故ですか?同じページにその資料が載っているのですが、よく分かりません。」

 

なんかざわつき始めた.....あれかな?この質問難しいのかな?

 

「.....教科書だと社会保障にあてる、なんて書いてるけどこれは間違っている部分があるんだよ。もちろん、消費税増税にも購買欲を高める効果もあるんだけどね。どっちかというと増税の目的は財政再建の為と言った方が正しいんだ。消費税は誰しもが絶対に払わざるをえない税金だし。で、その教科書には書いてないんだけど、増税した分、法人税と所得税が下がっているんだよ。それは調べてくれればすぐに分かる話なんだ。だから簡単に言うと取れるから、だよ。まぁ.....簡単に言うと、お金持ちの方や大企業が得をするんだよ。全員損するけどね、お金持ちの子には耳が痛い話だけどね.....とりあえず言えることは皆そういうことを勉強した上で選挙に行ってね。」

 

「そうだったのですか。ありがとうございます。」

 

やっぱりこういう話をしていった方がいいのかな....

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後

 

「え?教室が貰えた?」

 

「はい、先生がクラブ申請をしてくださったおかげで理事長から余っていた教室を貸して貰えました。防音設備に関してはそこまでですが.....広さは充分です。」

 

「分かった。じゃあ後で行くから練習しといて。」

 

「はい、分かりました。」

 

 

 

 

 

 

「白鷺先生、八潮さんが怖くないんですか?」

 

「怖い?どういう事ですか?」

 

急にB組の先生が話しかけてきた。八潮さんって成績優秀だから先生に好かれてると思ってた。いや、好かれてはいるんだけどね。

 

「彼女、常に怒ってるように見えますし....成績も優秀で家も凄いですから.....機嫌を損ねたら。」

 

「別にあれは怒ってないと思いますよ。それに、そんなこと怖がってたらやってられませんし。」

 

「白鷺先生、理事長がお呼びです。」

 

 

 

 

理事長室

 

「優希くん、教室あったから開けといたよ!!」

 

「ありがとうございます、....なんですか?それ。」

 

「ん?マジックの練習。こう、トランプとか出来たら凄いでしょ?」

 

「仕事しないんですか.....?」

 

「大丈夫!!もう終わってるから!!」

 

「はぁ.....」

 

そうだった、蒼生もそうだったけどバカっぽいけど要領はめっちゃいいんだよな.....

 

「あと、お願いしたいことがあるんだよ。ね?出てきたら?」

 

「は、はい.....」

 

「倉田さん?」

 

理事長を通してのお願いってなんだろう?よっぽど言いにくいことなんだろうな.....

 

「その.....この前はありがとうございました。それで.....その、私一人っ子なんです。」

 

「うん、なんとなくそんな気はする。」

 

「やっぱりですか.....それで、その.....」

 

「ん?どうしたの?」

 

何かをお願いしたいんだろうね.....でも理事長通す必要ある?

 

「その....お兄ちゃんって呼ばせてください!!私のこともましろちゃんって呼んで欲しいんです.....」

 

「.....え?」

 

何が起こったんだ.....お兄ちゃん?僕の妹は千聖だけなんですが.....

 

「説明しようか?」

 

「お願いします、発言の意図が分かりません。」

 

「この子、まえの事で優希くんに安心感が持てたんだって。それでお互い親近感を持つために良い呼び方を考えようってなったらしくて.....」

 

「.....それで?」

 

「そこから、直接お願いするのが無理だから仲良い私に頼ったってわけ。」

 

「だったら理事長がお姉ちゃん呼びされたらいいじゃないですか。」

 

「私をお姉ちゃん呼びしていいのは燐子だけだ!!」

 

そうだった.....この人もかなりのシスコン&ブラコンだった.....忘れてた。

 

「うーん.....僕にも妹いるしな、お兄ちゃん呼びは無理かな。」

 

「そ、そうですか.....なら、パパならいいですか!?」

 

「飛躍してるよ.....兄から父にレベルアップしてる。」

 

「それくらいならいいんじゃない?信頼されてる訳だし。目、見てご覧。」

 

「目?.....うっ。」

 

倉田さんが涙目で僕を上目遣いしなから『だめですか.....』と言わんばかりの悲しい視線でこっちを見ている。これ断ったら.....後が怖いな。

 

「あの、パパはさすがにアウトだから....うーん.....」

 

「....お願いします。」

 

そう言いながら倉田さんがくっついてきた。子供か、とツッコミをいれたくなるが弱々しさが出まくっていてそう言えない。真正面から抱きつかれてるとはいえ、涙拭かれたら困るよ.....

 

「.......分かった。じゃあ.....バンド時代のファンの呼び方ならいいよ。」

 

「どんな名前だったんですか.....?」

 

「ゆーくんって言われてたよ。それならまだ呼ばれてもそこまで気にならないかな。」

 

本当はめっちゃ恥ずかしいんよ。ライブの合間に叫ばれたら本当にびっくりしたし。今となっては懐かしい話か.....

 

「.....分かりました。じゃあゆーお兄ちゃんって呼びますね。」

 

「何をどうとったらそうなるんだよ!!」

 

いかんいかん、突っ込んでしまった。ここは学校、僕は教師.....落ち着け。

 

「まぁいいじゃん!!千聖ちゃんにはメール送っといたから!!」

 

「ねぇさらっと死刑宣告しないでよ。」

 

ピロン

 

|*・ω・)チラッ

 

千聖『別にそれくらいいいわよ。でも、それなら私も千聖ちゃんってちゃんとちゃん付けしてもらわないとね♪』

 

あっ。許してくださった。心をサラッと読まれてるけど.....

 

「あの.....再考は?」

 

「えへへ....もうしません♪ゆーお兄ちゃん♪」

 

あれ?いつの間にか立場が逆転している?というかもう馴染んでるよ。

 

「じゃ、私会議あるから部活行ってきな!!」

 

「はい!!ありがとうございます!!」

 

「ちょ!?引っ張らないで!!」

 

バタン

 

 

「ふぅ.....」

 

紫吹『千聖ちゃん、本当にいいの?』

 

千聖『はい、こうすれば兄さんをホームシックならぬ千聖シックにできるかもしれませんし。』

 

紫吹『千聖シック?』

 

千聖『はい、兄さんに外でこういう状況にいてもらえばより私と会うことを楽しみにしてもらえるかなって、そういう状態にしたいんです♪』

 

紫吹『そういうのって、自分からは言わないの?』

 

千聖『恥ずかしいじゃないですか.....兄さんのお荷物にもなりたくないですし、こうすれば私もどんどん兄さんと甘々な時間を過ごせますから』

 

紫吹『遠回りだなぁ、もっとガツンと行きなよ。』

 

千聖『紫吹さんじゃないんですから.....でも、そうできたら苦労しませんよ。私は兄さんに迷惑をかけないように甘えたい策士みたいなタイプですから。』

 

紫吹『やりすぎて他の子に取られないようにしなよ〜』

 

千聖『勿論です!!』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あっ、先生来た!!」

 

「ましろちゃん、何か話してたの?」

 

「うん、少しね。ね?ゆーお兄ちゃん?」

 

『ゆーお兄ちゃん?』

 

「先生何したんですか.....?」

 

「僕じゃないよ.....八潮さん。」

 

「じゃ、私もリーダーって呼ばれたい!!あ、お姉ちゃんでもいいよ!!」

 

「しろちゃんも楽しそう〜、ね、とーこちゃん?」

 

「うんうん!!明るい顔してていい感じだよね!!うーん....それならあたし達もあだ名つけよ!!」

 

「お、普通っぽくていいね〜。」

 

「それいいかも!!親近感深まるし!!ね?るいさん!!」

 

「私は呼ばないわよ。」

 

「でもさ、バンド内の仲深めるならいいじゃん!!」

 

「そもそもバンド内の仲と演奏技術は関係ないわ。」

 

「まぁそれは個人によるよね。僕らのバンドはあだ名とかは無かったけど、砕けた話し方はしてたし。まぁリラックスしてグループ内にいられればいいんだよ、八潮さん。」

 

「先生がそう言うなら、私はそのままでいかせてもらうわ。」

 

「ならさ、せめて白鷺先生にしたら?」

 

「.....そうね、判断が付きにくいもの。白鷺先生、いいですか?」

 

「うん、僕は別に構わないよ。」

 

その後あーだこーだあって行き着いた結論が

 

倉田さん→ゆーお兄ちゃん

 

カリスマさん→ゆーくん

 

広町さん→ゆーゆー

 

二葉さん→優希くん

 

八潮さん→白鷺先生

 

生徒の呼び方

 

倉田さん→ましろちゃんって呼んでください。

 

カリスマさん→なんでもいいよ!!

 

広町さん→うーん、私もなんでもいいよ〜、普通の呼び方なら。

 

二葉さん→なんでもいいよ!!出来れば頼られてる感がある呼び名で!!子供扱いだけは辞めてね!!リーダーって呼んでくれてもいいよ!!

 

八潮さん→自由ですが、あまりふざけないで下さいね。




前半の経済の話は、調べた上で書きました。何か間違いがあればご指摘ください。この二次創作における千聖ちゃんは策士なブラコン、ですかね。甘えん坊というよりかは.....


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お勉強会!!

お気に入り登録が777件.....なんか凄い。ありがとうございます!!


これはまずい....まずいですよ。僕は今しがた小テストの採点を終えた。はっきり言ったらこんなテストしたくはないのだが指導要領とやらでやらないといけない決まりになってるらしい。それで.....

 

「お二人共.....大丈夫?」

 

「うぅ.....」

 

そう、あろうことかカリスマさんと二葉さんがかなりやばい点を取っている。

 

「二葉さんに関しては.....解答欄ずれてるよ。綺麗に。」

 

「そ、それは間違えて後ろから解いたからだと思います!!」

 

「カリスマさんに関してはやばいよ.....1つしか合ってない。」

 

「あはは.....まぁそんなのミクロンミクロン!!!」

 

「部活止められちゃいますけど?」

 

『はい....』

 

そう、この学校も才女を育てるためか成績には結構厳しめなところがあり、特に現代文や政治・経済が悪いと補習になるらしい。まだ定期テストじゃないからいいんだけどね.....

 

「Morfonicaの成績事情ってどうなってるの?僕は知らないけど。」

 

「うーん.....シロは結構いい点取るし、ななみは平均点ジャストだし、ルイは満点だよ!!」

 

「わ、私は分からなかったわけじゃないよ!!」

 

「うん、それはいいんだけど.....うーん。」

 

「そう言えば優希くんのバンドの学力ってどうだったんですか?」

 

「ん?僕たち?そうだな.....紅蓮が一番頭良かったかな。次に僕で、その次に流星.....ビリはいつも豪と蒼生が競ってたかな。翔世は真ん中よりちょっと上くらい。」

 

「へー....ゆーくん結構頭良いんだね。」

 

「話が反れたから一度戻そうか.....さて、テストで赤点取るのもあれだし、勉強会.....やるか。」

 

「え!?いいんですか?」

 

「でもルイさんとか来てくれなさそう。」

 

「どうだろうね.....まぁ頼んでみてもいいかな。」

 

実際のところカリスマさんは本当にやばい。おそらく一般常識から考えているのは分かるが、円安と円高を逆に考えたらそりゃあやばいってなるよね?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後 クラブ

 

「.....というわけでテスト勉強会を開きたいのですが、どうですか?」

 

「それは教科は問いませんか?」

 

「うん、別に自由だよ。」

 

「勉強会.....いいかも。初めてのテストで悪い点取りたくないし。」

 

「なんか学生っぽくていいよね〜。私は行こうかな。」

 

「私は遠慮しておくわ。わざわざそんなことをする理由がないもの。」

 

「八潮さん、今回というか協力して欲しいんだ。理由があってだね.....」

 

「何ですか?」

 

「クラブの4割の人間が現代文or政治・経済で赤点を取ったらクラブ停止するんだ。5人の4割って2人だろ.....そういうことだ。」

 

「成程.....それは確かに問題ですね。仕方ありません、協力はします。」

 

「え!?ルイ教えてくれるの!?ありがとう!!」

 

「ただし、ちゃんと飲み込んで下さいよ。バンドの指摘のように甘くはしないから。いいですね、先生。」

 

「うん、それで構わないよ。じゃ.....頑張ろ。」

 

こうしてMorfonicaの勉強会が開かれることになった。.....どこでやるか考えてなかった。あそこでいいか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3日後

 

「あの.....ここって。」

 

「こんなボロ屋で勉強会をするのですか?」

 

「うん。正確に言うとこの地下にある場所だけどね。」

 

皆私服で来てるけど、そんなに豪華ってわけじゃないんだ.....普通の人と変わらない私服。こっちの方がまだ緊張しないからいいかな。

 

 

 

 

 

「ようこそ.....僕たちの場所へ。」

 

以前にもあったが僕たちは練習や書類処理、だべったりとこの部屋で色んなことをしてきた。妹の写真のアルバムが山のようにあったがそれは隠しておいた。隠さないとやばいし.....

 

「わぁ!!すごい!!楽器も沢山ある!!」

 

「こんな所あったんだ....」

 

「なんか秘密基地って感じでいいよね〜。変わってるけど。」

 

「皆ちょっと寄ってて。テーブルと座布団持ってくるから。」

 

「なんでもあるんですね。」

 

「まぁここで生活してたようなもんだから。」

 

 

 

 

 

「じゃ、始めようか。.....ましろちゃん、隣に座るのはいいけど近すぎ。」

 

「ゆーお兄ちゃんが近くにいた方が頑張れるかなって.....」

 

「倉田さん、先生が困ってるから離れてあげなさい。」

 

「は、はい.....ごめんなさい。」

 

すごい.....このバンド八潮さんが仕切ってるの?リーダー別の人だよね?

 

「ねぇルイさん、ここ分からないんだけど.....いいかな?」

 

「どれ.....二葉さん、ひとつ条件が足りないわよ。f(x)が2つの異なる正の解を持つためには、判別式Dが0より大きい、x=0の時のyの値が正であること、あと軸の値が正でなければいけないの。軸を求めておかないと答えと合わなくなるわよ。」

 

「あっ、そうだったんだ!!ありがとうルイさん!!」

 

「これくらいお礼を言われることじゃないわ。先生.....は大変そうね。」

 

 

 

「ねーゆーくん、なんでお金増えてるのに円安になるの?」

 

「そこ混乱する人多いよね。円の価値と考えればすぐなんだけど.....いい感じのが思いつかないけど、例えば人気のメーカーのギターがあるとするでしょ、それが限定生産品だったらどう思う?」

 

「それはやっぱりレアだしいいよね!!ってなる。」

 

「そう、じゃあ逆にそれが大量生産されてたらどう思う?」

 

「うーん....限定よりかは安いと思うけど.....」

 

「その感覚でいいんだよ、円も同じ風に考えればね。つまり、そのものの価値が上がるか下がるかなんだよ。円の価値が高かったら高額じゃなくてもいいけど、円の価値が低かったら沢山ないと釣り合わないしね。」

 

「それじゃ、円高ってあんまいいことないの?」

 

「ううん、海外から物を輸入したりとか海外企業に投資したりとかメリットもあるんだよ。だから.....日本の感覚というよりかは別の通貨に対する円の価値って考えたらいいと思うよ。分からなかったらインフルエンザの時の消毒液の価値とか、花粉症の時のティッシュとかそんな身近なことから発想したら忘れないよ。」

 

「あ、ほんとだ!!ありがとゆーくん!!」

 

「ねぇゆーお兄ちゃん.....これ合ってる?」

 

「.....うん、合ってるよ。ましろちゃん普通に勉強出来るんだ。」

 

「えへへ.....褒めて、欲しいな。」

 

「え?褒める?」

 

「うん....頭、撫でて?」

 

この子は大丈夫なのだろうか.....教育実習の人に対して心開き過ぎでは.....

 

「あ、いいよ。」( * ॑꒳ ॑*)۶"ナデナデ

 

「えへへ.....ゆーお兄ちゃんの手、暖かいね。」

 

.....なんだこのラブコメ臭漂うやりとりは.....

 

 

 

 

「ゆーゆーも大変だね~。」

 

「そうね、教育実習とはいえ担任を任されてるわけだし。」

 

「るいるいは授業どう思ってるの?」

 

「私は.....特に何も無いわ。分かりにくくもないし、無駄な時間も少ない。定刻通り終えてくれているから文句を言うことはないわ。そういう広町さんは?」

 

「私は時々寝ちゃうかな。」

 

「授業中の居眠りはしない方がいいわよ。」

 

「それがさ....お日様が当たりやすい窓側の席なんだよね〜.....つい眠くなって。」

 

「......それは大変ね。」

 

(あれ?そんなことは関係ないって言わないんだ.....)

 

ピロピロピロ

 

「はい、白鷺です.....はい?そんな行事知りませんが.....え?.....」

 

ピッ

 

「どうしたんですか?ゆーお兄ちゃん.....?」

 

「定期舞踏会って知ってる?」

 

「はい!!中等部からあって御曹司とかが数多く通う高校と定期的な交流をすることがあるんです。それも100年近くやってるとか.....」

 

「いつの時代なんだよ.....」

 

「私もよくお声かけは貰います。全部断っていますが。」

 

「それで、その舞踏会がどうかしたの?ゆーゆー。」

 

「いやなんか.....僕も出ろって。」

 

「逆に舞踏会知らなかったんですか?」

 

「いや、僕が貰った予定表にはそんなこと何処にも書いてないんだよ.....」

 

「あらら、まぁ大丈夫っしょ!!ゆーくんが残ってたらあたしらの誰かを選べばいい訳だし!!」

 

「それでその舞踏会っていつあるの?」

 

「夏休みの前にあるんだよ。私前は子供扱いされて向こうの先生と踊ることになったんだ!!失礼だよね?」

 

「そうだね。でもそれで問題が.....」

 

「問題?」

 

「僕、家にジャージくらいしかなくて.....そんな服ない。」

 

「だったら今度の休みに皆で行こうよ!!」

 

「あ、それいいかも.....私もドレスとか無いし。とーこちゃんなら選ぶセンスあるし。」

 

「私はどっちでもいいわ。とりあえず今はテスト勉強しましょ。」

 

『は、はい.....』

 

この人リーダーでいいんじゃないか?




Morfonicaの水着ガチャとか来たらやばそう.....
僕は季節限定確定ガチャは、水着リサ姉でした。被りました(涙目)。チケットは水着千聖さんを狙うために同時期の夏限定の紗夜さんにしました。


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The 女子会

千聖さんに血しぶきをつけた画像が沢山あって、しかも違和感がないのが凄いですよね.....


「あら、思ったより少ないのね。」

 

「うん.....あんまり多く集めると話せなくなっちゃうから.....」

 

「まぁ花音さんだったらそうなりますよね。千聖さんは何かあるんですか?」

 

「いいえ、特に何も無いわよ。」

 

花音に誘われて、羽沢珈琲店に来たら美咲ちゃんもいた。最近のことを話そう、みたいな感じだったから.....何かあったのね。

 

「それで....どうしたの?」

 

「うん.....コレ見て。」

 

「.....ハロハピの中で誰が嫁がいいか?」

 

こんなタイトルのコミュがあるのね.....パスパレでもあるのかしら。

 

「うん、ガールズバンドのことで色んな人が話そうっていう人の集まりなんだけど....これ。」

 

「.....花音が一番で美咲ちゃんがビリなのね。」

 

「うん.....これが納得いかないよ!!美咲ちゃんだっていい所沢山あるのに.....」

 

「花音さん?まず私は存在を認知されているかというところから始まるんですよ。」

 

「存在?」

 

「はい、まず私はライブの時ミッシェルの中にいますし、特に顔が分からなければ、話し方、胸の大きさ、性格.....全部わからないんですよ。だからビリになってもいかんせんおかしくないんですよ。」

 

「うん.....それはそうかもしれないけど、なんで私が1位なの.....」

 

「花音は優しそうな雰囲気があるし、人を思いやれるからきっと人気があるのよ、気にすることでもないわ。」

 

「そうですよね、私も花音さんいなかったらハロハピにいれたか分かりませんし.....」

 

「ふぇぇ.....2人とも恥ずかしいよ....でも、私は1位ははぐみちゃんかなって思ってたんだ。」

 

「あぁ....確かに分かります。」

 

「はぐみちゃんなら確かに楽しい家庭が築けそうね。」

 

「それにはぐみの家のコロッケおいしいですし、私が以前ちょっと病んでいた時期があったんですけど.....それでも不器用ながらも私の心配してくれましたし.....」

 

「ところで薫は何位だったの?」

 

「薫さんは2位でした。」

 

「.......え?」

 

薫が2位.....考えられないわ。

 

「コメント見たら『薫さんが恥ずかしがるところめっちゃ可愛いだろうなぁ.....』とか『ああいう子に限ってずっと愛してくれる』って意見が多かったみたいなんです。いわゆるギャップ萌えってやつですね。」

 

「なら美咲ちゃんも1度ミッシェルに入らずライブしてみたら?きっと人気出るわよ。」

 

「あのノリでやるのはきついですね.....」

 

「それでこの投票のせいか.....最近私男の人から凄く握手とか求められるようになって....ちょっと付きまとわれてる時もあるんです。」

 

「大丈夫よ、花音をストーキングしたら気づいたらどこ?っていう場所に行くから心配はいらないわ。」

 

「ふぇぇ.....慰めになってないよう.....」

 

「ということは.....兄さんをその為に借りたいっていう目的もあるのかしら?」

 

「うん、ストーカーさんを倒して欲しいなぁって.....」

 

「兄さんそんなに強くないわよ?」

 

「でも聞いたことありますよ、EXTRAのメンバーって1回荒らしがきて殴りかかられた時ボコボコにして追い返したって....」

 

「あぁ.....あれね。まぁあれは護身術だから.....」

 

「なんとか出来ませんかね?」

 

「うぅん....花音にはお世話になってるから.....いいわ。兄さんが必要だったら言いなさい。デートの時以外は。」

 

「うん!!ありがとう!!千聖ちゃん!!」

 

「お互い、付きまといには苦労するわね。」

 

「千聖ちゃんもいるんだ.....」

 

「もう慣れたから無視してるわよ。レオンも家に入ってくる不審者を見たら吠えるし、心配もいらないわ。」

 

それに兄さんもいるし。メンバーに元暴走族がいて全員手ほどきを受けてるのだからいけるわよね。

 

「そういえばさっきのサイト、パスパレバージョンはあるの?」

 

「ありますよ、見ますか?」

 

「.....すごいタイトルばっかね。」

 

そこには.....『白鷺千聖ってヤンデレ&ブラコン属性とかありそう』って書かれている。100歩譲ってヤンデレ属性は分かるけれど.....ブラコン?バレているのかしら?

 

「千聖ちゃんってヤンデレってイメージないよね?」

 

「そうですね.....白鷺さん相手にしている時はたまに目の光がどこかに行っている時はありますけど。」

 

「そ、そうかしら?」

 

まさか.....バレてる?私がブラコンだとバレている....?

 

「でも分かるなぁ.....私もお兄ちゃん相手にしてる時はちょっと色々考えちゃうかなぁ....閉じ込めたりとか、お人形さんにしたりとか。」

 

「か、花音さん.....怖いですよ。」

 

「ふふっ、そうかなぁ.....美咲ちゃんもお兄ちゃん持ったらわかると思うよ。」

 

「そ、そうなんですか.....」

 

そうよ美咲ちゃん。兄というのは私たち妹からしたら尊敬できる存在よ。まぁ全てがそうとは限らないけれど.....やっぱりカッコよくみえるわよ。

 

「因みに千聖さんは白鷺さんの想像とかするとしたらどんな内容なんですか?」

 

「まずはやっぱり私しか見れないようにすることかしら。勿論他人にも優しい兄さんを見るのは好きよ。ただ兄さんの優しさは他人の内面に入ってくるものだから上辺の優しさしゃないのよ。」

 

「そういうのって子供の時憧れたりするの?」

 

「そうね、私は幼い頃から女優業をしていたからやること全部演技じゃないかって言われた時もあったわ.....そういう面では人の内側まで入る兄さんの優しさは羨ましい分妬ましいところもあったわ。私も兄さんに時々嫉妬する時があるもの。」

 

「それは初耳ですね.....今はないんですか?」

 

「ええ、もう無いわね。私たちって幼い頃は色々あったのよ。私も幼いながらに罪悪感が少しあったの。自分が子役という立場のせいで兄さんが周りから冷遇されていることもあったし、兄さんに近づく人達の目的が私だったりすることもあったから....」

 

「そんなことがあったんだ.....」

 

「.......白鷺さんはそれを察したりしてたんですか?」

 

「ええ、多分していたわ。温度差が凄かったもの。家族はそんなこと無かったけどやっぱり外だとそういうことが多かったわ。」

 

「よく持ち直したね.....」

 

「当然よ、兄さんだもの。弱々しいけど心は強いのよ。」

 

「もし優希くんが拗ねたりしたらどう思う?」

 

「可愛いに決まってるじゃない。いじける兄さんも子どもっぽくていいし。」

 

「.....千聖さん、そのホーム画面の写真って.....」

 

「?兄さんの寝顔よ、それがどうかしたの?」

 

「い、いえ.....(可愛く首を傾げてるけど.....それ見られたらやばくないですか?)」

 

「花音もそうでしょ。」

 

「ううん、少しちがうよ.....私はお兄ちゃんの風呂上がりの写真。」

 

「こっちの方がレベルが凄かった.....」

 

「風呂上がり?羨ましいわ。兄さんの部屋って風呂と近いから写真が撮れないのよ。撮ろうとしたら『だ、だめだよ!?兄妹でも!!』って言われたのよ、何でかしら?」

 

(そりゃあ喜んで裸を見せようとする兄がいないからですよ.....)

 

「私はすれ違いざまにパシャって。でも千聖ちゃんだって優希くんと一緒に風呂入ったことあるでしょ?」

 

「ええ、勿論よ♪」

 

(更にランクアップした.....千聖さんと花音さんって案外やばいのかな.....?)

 

「どうしたの?美咲ちゃん。顔がつり上がってるわよ?」

 

「い、いえなんでも.....」

 

「そういえば花音、兄さんの写真ないかしら?」

 

「あ、あるよ。この前バイトの休憩室で寝てたんだ.....可愛いよね。」

 

「どれ.....花音、後でそれを送ってくれるかしら?」

 

「う、うん!!千聖ちゃんはお兄ちゃんの写真何かない....?」

 

「ちょ、ちょっといいですか?」

 

「あら、どうしたのかしら?美咲ちゃん。あっ.....ごめんなさい、ついていけない話題で勝手に盛り上がって。」

 

「そ、そうだね....美咲ちゃん、ごめんね.....」

 

「あ、いえ....そこまで気にしてないので.....それでひとつ相談があるんです。」

 

「相談?」

 

「はい.....私ってどうしたら女っぽく見られますかね?」

 

「.....え?」

 

そんなの、何も気にしなくても美咲ちゃんは充分女の子っぽいのに。何か気にするところがあるのかしら?

 

「ほら、私ってミッシェルに入ってるじゃないですか?それにこころとかはかぐみも抱きついてくるし.....そのせいか、女の子くらいなら軽々持ち上げられるようになったり、テニスでの動きがめちゃくちゃ速くなって.....この前男子と練習試合があったんですけど、相手から『女子の動きとスピードじゃねぇ!!』って言われたんですよ。」

 

「そんなの負け惜しみよ、気にする必要ないわ。」

 

「それは良いんですけど....やっぱり女の子ってか弱いイメージじゃないですか?私もそうなれたらなぁって.....」

 

「そうかしら?美咲ちゃん、スタイルも充分いいし可愛いし何も悩む必要ないわよ、ね?花音。」

 

「うん、気にする必要ないよ!!美咲ちゃんは可愛いよ!!」

 

「なんだか言われると恥ずかしいですね.....」

 

「そう.....自覚が芽生えないのね、.....仕方ないわ。」

 

「千聖ちゃん?何するの?」

 

「美咲ちゃん?『私の』兄さんを教育実習期間中、家にあげるわ。」

 

「.......え?」

 

「兄さんはああ見えて家事も出来るし、女子力は高いのよ。」

 

(千聖ちゃん.....寂しくないの?)

 

(寂しいに決まってるわよ。でも美咲ちゃんをこのままにしていたら劣等感抱えたまま生活することになるでしょう?)

 

(うん.....本音は?)

 

(兄さんを私から離すことでより一層私を欲する気持ちを大きくするのよ。そうすれば.....楽しみね。)

 

(ふぇぇ.....千聖ちゃん怖いよ〜.....)

 

(花音もそうでしょ?)

 

(うん....お兄ちゃんを独り占め出来たらなぁって.....)

 

「2人とも何話してるんですか?」

 

「なんでもないのよ、美咲ちゃんさえ良ければそう出来るのだけれど.....」

 

「.....さすがにご厚意を無駄には出来ませんか。分かりました、ちょっと話し合ってみます。」

 

「ええ、そうしてちょうだい。あ、そうだ.....」

 

「どうしたんですか?」

 

「兄さんの下着とか....そういうのは私に洗わずにちょうだいね♪」

 

「は、はい.....」




学校、いつ始まるんだろう......速く公開してほしいですね。僕は東京出身ではないので。


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兄妹バレーボール!!

花音さんって結局運動できるのか出来ないのかどっちなんだろう.....
こころちゃんなんかとうとうボールとコミュニケーションとってるし....


「始めてかしら、こうやって12人で遊ぶのは。」

 

「ある意味初めてだな。レイ、俺に勝てるかな?」

 

「勝てない勝負をお兄ちゃんに挑むつもりはないわ。」

 

久々の息抜き、ということで僕達は兄妹でバレーボールをすることになった。なぜバレーかって僕達兄妹合計12人で遊べるスポーツってこれくらいでしょ?あとは単に僕達が学生時代に沢山遊んだからだね。

 

「で、でもパワーバランスが不公平じゃないかな.....?」

 

「安心して、花音。兄さん達にはハンデがあるから。」

 

そう、僕達は混合チームにすると男だけで盛り上がりそうという意見が出た為、兄vs妹というチーム編成になった。その上で、

 

・スパイク禁止、またはある程度スピードのあるトスは禁止

 

・サーブは下から。間違ってもいつものようにしない。

 

・妹達は15点、兄たちは25点で1セット

 

というもうハンデじゃなくね?というレベルの縛りでプレイすることになった。

 

「じゃ、ゲーム始めるか。これだけハンデしてるんだ.....俺たちからサーブさせてもらうぜ。」

 

「しょーくん大人気ない.....サーブするの?」

 

「うっ....たえ、そんな目で見つめるな。俺の意志が揺らぐ....」

 

「.....サーブくらいはいいだろ?さすがに。」

 

「そうね、さすがにサーブまで縛ったら長期戦でジリ貧になりそうね。」

 

「それで.....なんかギャラリーがいるんですけど.....」

 

 

 

「EXTRAなんかぶっ潰しなさい!!」

 

「ふぁ、ファイト.....です。」( *˙ω˙*)و グッ!

 

「なんでこんな観戦してるの?」

 

「チュチュ様が見に行きたいと言ったので!!」

 

「あっそう.....レイ、負けんなよ。」

 

なんとRASの皆さんが観戦に来ている。君たち忙しくないの.....?とくにチュチュさんに関しては色々仕事あるでしょ.....

 

「教育実習中の奴がいるのよ、私がいたってなんもおかしくないでしょ?」

 

「全くもってその通りでございますね、じゃあやろうか。」

 

こうして縛りだらけのバレーボールが始まった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「よし、行くぜ!!おらぁ!!!」

 

翔世がサーブをした。下からやってるとはいえコントロールがいい。そういえばこいつなんか経験してたんだっけ....

 

「花音さん、」

 

「う、うん.....千聖ちゃん!!」

 

「わ、私!?え、えっと.....」

 

「上げて。決めるわ。」

 

「は、はい!!それ!!」

 

千聖、運動苦手な割に結構綺麗なトスを上げるな。と思ったらもう豪の妹がスパイクを決めていた。

 

「速いな.....速攻か。」

 

「あれ絶対裏で練習してただろ。」

 

某バレーボールアニメ程ではなかったがトスとスパイクのタイミングが凄かった。千聖って練習したらやっぱり出来るんだな.....

 

 

「次取り返すぞ。」

 

『おう!!』

 

「ふふっ、兄さんもやる気ね。じゃあ.....サーブしようかしら。」

 

.....千聖!?ミニスカートでジャンプサーブってまずいよ!!しかもあのドヤ顔、見せつける気満々じゃないか!!

 

「兄さん!!見たかったら見なさい!!私はウェルカムよ!!」

 

「こんなところで何を言ってるんだ千聖!!おっと.....」

 

僕は千聖の誘惑を振り切りサーブを取った。ジャンプサーブだけどそこまで威力は高くない。

 

「優希、ナイスレシーブだ!!俺に任せろ!!」

 

そういって豪が飛び出していった。スパイク禁止だからな。

 

「おい蒼生!!来いよ!!」

 

「ああ、お兄ちゃんの力、思い知らせてやるぜ!!」

 

そういって蒼生は....上げられたトスをネットギリギリに落とした。それやるならツーでいいだろ.....

 

「あ、蒼兄....勢いとトスが.....」

 

「仕方ないだろ!!スパイク禁止なんだから!!」

 

これ僕らってこうやって点を取るしかないよね...

 

 

 

 

「たえちゃん、ナイスサー!!」

 

「はい、やってみます。」

 

「たえ!!俺のところに思い切り打ってこい!!」

 

「そういえば翔世ってバレー経験してたんだっけ....?」

 

「あ?中学の頃に少しだけな。セッターだったんだぜ!!」

 

「へぇ.....考えられない。」

 

「それを言ったらお前がサッカー経験者という方が驚くわ。」

 

「そう....?小学校の頃の話だけどね。」

 

 

「いくよー、それ。」

 

「ほいっと....」

 

軽々とサーブを取った。普段は尻に敷かれてるお兄ちゃん達だが、こういう系なら妹に負けないと確信している。ただ.....俄然豪の妹と翔世の妹が飛び抜けて動く。あの子たちすごいな.....帰宅部とは思えない。

 

「やべっ.....ちょっと短かったか。」

 

「とりあえず返すぞ。ほいっと。」

 

「わ、私がやります.....それ。」

 

白金さんも積極的に動いている。やっぱり相手が兄だったらやりやすいのだろうか、

 

「有咲、頂戴。」

 

「.....多少高くても文句言うなよ.....それ。」

 

「いい感じ.....有咲器用じゃん。」

 

「そ、そうか...まぁ悪い気はしないな。」

 

「しょーくん達覚悟.....それ!!」

 

パシン

 

「あれ.....?」

 

「あれ?そういやブロックってして良かったっけ?」

 

そう、あろうことか豪と蒼生はブロックをしたのだ。まぁルールに定義されてなかったから仕方ないけど.....身長差考えたらよっぽど上手いスパイクしない限り落とされるよ。

 

「お兄ちゃん.....聞いてないよ。」

 

「いや、ブロック禁止じゃないだろ?しかもさっきの速攻見せられたら体が反射的に動いてな.....」

 

「大人気ないよ.....蒼兄。」

 

「そ、そうか。それはすまん.....」

 

「もしかして豪さん.....ブロック使わないと私たちに勝てないんですか?」

 

「ちょ千聖、煽るマネは.....」

 

「.....言ってくれる。だったらブロックも封じてやらぁ!!」

 

「自爆すんなよ.....自分から禁止項目増やしてどうするの.....」

 

「ホント元気だな、豪。」

 

「そりゃあいつ元気が取り柄みたいな感じだからな。」

 

「聞こえてるぞそこぉ!!」

 

 

 

観客席側

 

「あいつら元気だな.....底なしに。」

 

「た、確かにそうですね.....」

 

「見てて飽きないわね。パレオ。」

 

「はいチュチュ様!!ジャーキーですね!!」

 

「ここでもジャーキー食うのか.....」

 

「私はどこでも私よ。」

 

「それにしても.....」

 

「ん?どうかしたんですか?」

 

「いや.....レイヤがらあんな楽しそうな顔をするところ、ライブ以外で初めて見た。」

 

「それはそうかも.....私もあんまり見たことないです。」

 

「それが知れただけよしとしましょう。ああやってメンバーの知らない1面を知るのも最強の演奏をする上で大切なことよ。」

 

「さすがチュチュ様!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ゲームも進みいい感じにローテーションが回っている。僕も前衛に来たし。

 

「千聖、いつ練習したの?」

 

「そんなに練習してないわよ。ただ運動しなきゃってことで皆で公園でやってたら発展しただけで....特別な練習とかはしてないのよ?」

 

「でもあの千聖がトスを上手く上げられるのは凄いよ.....感動した。」

 

「そうかしら?花音と一緒に練習したからそれなりに出来たのよ?」

 

そう話していたらサーブが飛んでいた。

 

「あ、私が取ります。」

 

市ヶ谷さんがちょっと高めに飛ばした。おそらく運動苦手なりにミスしないようにやったんだろう。

 

「わ、私がフォローします.....それ。」

 

それを白金さんがフォロー。だがそれも少し前過ぎる。

 

「オーライ...優希やったれ!!」

 

「おう.....任せろ。」

 

「あれ?白鷺さんって右利きじゃ.....レフトにいるのに打つの?」

 

「....兄さんは両利きよ。」

 

「え!?」

 

「そらよっと.....!!」

 

スパイクに見せかけて真下に落とした。スパイク禁止にされてるから飛んだ時点である程度動き読まれるけどね。

 

「と、届かない.....」

 

ギリギリ地面に落ち、得点を得た。縛りってやっぱムズいな.....」

 

 

「すぅ.....すぅ.....」

 

「チュチュ様、暖かくて寝ちゃいましたね。」

 

「疲れてるんじゃないかな....?やっぱりずっと仕事してるし。」

 

「今はそっとしておこう。疲れてんだろ.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

バレー終了後

 

『ありがとうございました!!』

 

「ふぅ.....危ねぇ、なんとか勝てた。」

 

「しょーくん次は勝つからね。」

 

「おう!!たえ、いつでもかかってこい。」

 

「お兄ちゃん.....コレ見て。」

 

「花音.....手が荒れてる。大丈夫.....?」

 

「うん.....そんなに焦らなくても.....お兄ちゃんに褒めて欲しかったから頑張ったんだ。どうかな.....?」

 

「うん、美味かったよ.....でも手も大事にしてね。ドラマーだし.....帰ったらちゃんと手当しないとね。」( * ॑꒳ ॑*)۶"ナデナデ

 

「えへへ.....」

 

「.....お兄ちゃん、また何かで勝負しよう。」

 

「いいぜ、レイ。いつでも受けて立つ!!」

 

 

 

「千聖は手荒れとか大丈夫?」

 

「ええ、そこまでよ。ちょっと荒れちゃったけど.....」

 

「一応バンドやってるんだから気をつけなよ。」

 

「そうね.....楽しかった?」

 

「うん、こういうのもたまにはいいよね。」

 

「ふふっ、私たちも頑張った甲斐があったわ。」

 




今回のイベント曲の譜面個性的でしたね、やってて楽しいです。


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HAPPY BIRTHDAY!!千聖!!

そろそろ公式でも千聖さんがもっとデレてくれたら嬉しいなぁ.....


事務所にて

 

よく兄さんからは自分のことも考えなよって言われるけど....私ってそこまで無理をしているのかしら?

 

「あれ?どうしたの?千聖ちゃん。」

 

「.....え?なんでもないわよ。」

 

「もしかして千聖ちゃん何か悩んでるのー?」

 

「いえ、特に何も悩んでいないわよ。」

 

「えーそうなのー、普段よりも周りを気にする仕草が多いよ?」

 

「そ、そうかしら.....?」

 

「はい!!チサトさんが普段に比べて少しよそよそしいです!!」

 

「何かあるなら自分たちが相談にのりますよ?」

 

「.....なら聞いてくれるかしら?」

 

 

 

 

 

 

「え!?優希さんにきつく言っちゃった!?」

 

「それっていつもの話じゃないのー?」

 

「いえ.....今日は違うのよ。その、兄さんから『千聖、最近仕事ばっかりだけど大丈夫?無理したらダメだよ。』って言われて.....」

 

「それで?その後はどうなったんですか?」

 

「そこで.....『私ももうそこまで子供じゃないわよ!!』って普段なら普通に返すのについ強めに言っちゃったのよ.....」

 

「それって疲れてるって遠回しに教えてない.....?」

 

「そうなのかしら?」

 

「そうですね.....では私たちからのプレゼントが役に立つ時がきましたね!!」

 

「プレゼント.....?」

 

「うん!!私たちってその芸能人としてもアイドルとしてもまだまだ未熟だから千聖ちゃんに色々負担や迷惑をかけてるところもあるんじゃないかなって。」

 

「別にそんな事思ってないわよ。むしろ私は皆に救われた側だし。」

 

「まぁそれでも、自分たちを支えてくださった千聖さんの為に自分たちから色々用意しました!!」

 

「あの....なんで急に?」

 

「え!?千聖ちゃん今日誕生日だよ!?忘れてる?」

 

「誕生日....そういえばそうだったかしら?」

 

「わ、忘れてたの.....」

 

「あはは.....それはともかくですね、ついてきてください!!準備をしていますので!!」

 

「え、ちょ、ちょっと!?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「なにこの怪しい雰囲気.....?」

 

私は彩ちゃん達に怪しい雰囲気のところに連れていかれた。でもここ事務所内だしこんなところあったのかしら.....

 

「ちょっと借りたんです!!」

 

「そ、そうなの.....それにしてもいい匂いね。少し落ち着くわ。」

 

「ふっふっふっ.....日菜ちゃん特製のアロマだよ!!」

 

「あら.....こんなことの為に、ありがとう。」

 

「むーっ....千聖ちゃん、こんなことじゃないよ。あたし達にとって千聖ちゃんは大事な友達だからね!!」

 

友達.....私は一人の人間として見られている。前まではそれが怖かったけれど.....今は違う。私も恵まれているわね。

 

「友達....ええ、そうね。今日はこの厚意をありがたく受けとらせてもらうわ。」

 

「うんうん、そうこなくっちゃ!!」

 

「じゃあまずは私とイヴちゃんの番だね.....」

 

「はい!!修行の成果を見せましょう!!」

 

「彩ちゃん!?何をするの!?」

 

急に彩ちゃんが私の服を脱がそうとしてきた。一体何をするつもりなのよ.....

 

「ああごめん!!今からマッサージするから服脱いでくれた方がやりやすいんだ、あと靴下も!!」

 

「なら、そう言ってくれればいいのに.....」

 

彩ちゃんの反射的行動は時々恐怖を感じるわ.....無人島に行った時も小屋の中で一悶着あったし。

 

「じゃあ行くね.....ちょっと力の方は自信ないけど。」

 

「あっ.....結構痛いわね。」

 

「そ、そう?麻弥ちゃんで試した時はそんなこと無かったけど.....」

 

「そうなの?麻弥ちゃんの方が重い荷物とか沢山持ってるから結構凝りそうなイメージがあるのだけれど.....」

 

「おそらく台本を熟読する時間が長いからじゃないでしょうか?ジブンは流れと最低限のセリフしか見てませんけど、千聖さんは全部覚えた上でどう立ち回ろうか考えてる感じがします。」

 

「特に彩ちゃんがとちっちゃう部分とかは的確すぎるくらいフォロー出来てるよねー。」

 

「日菜ちゃん!?そんなにとちってないよ!!」

 

「まぁ....彩ちゃんがミスをするのはひとつの売りだからあれだけれど....大事な部分でミスをするのは避けたいからどいしても見てしまうのよね。」

 

「そ、そうなんだ.....なんかごめんね。」

 

「気にする必要はないわ。私が個人的にやっているもの。お客さんの中には『彩ちゃんのとちって焦るところが見たいからフォローいらないよ!!』なんて直接言ってくる人がいるくらいだもの。」

 

「ファンの人がいてくれるのは嬉しいけど.....なんか複雑。」

 

「どうですか?チサトさん。」

 

「イヴちゃんのマッサージも凄いわ。整体院にはあまり行かない方だけど.....慣れた手付きね。」

 

「はい!!実際にお店の人に教えてもらいました!!」

 

「そ、そこまでしたの....?」

 

驚いた。まさかそこまでしていたなんて.....私はそれに見合うお返しをしないといけないわね。イヴちゃんの誕生日に。

 

「ふぅ....ありがとう。疲れも取れたみたいだわ。」

 

「それなら良かった!!ね、イヴちゃん?」

 

「はい!!これぞ恩返しというやつですね!!」

 

「ふふっ、なら私も今日沢山恩を貰ったからみんなの誕生日でも頑張らないとね。」

 

どんなことをしようかしら....まだ先なのに考えてしまうわね。

 

「じゃあ最後はジブンからですね。ジブンはあまりいいプレゼントが思いつかなかったのでこれにしました。」

 

「これは.....エフェクター?」

 

「はい!!普段の千聖さんの音はパスパレの方向性を考慮して繊細な音を出すことが多いんですよ。だからこのエフェクターを使って、歪んでいる過激な音を味わって欲しいんです!!」

 

「これでそれが出来るのね?」

 

「はい!!ジブン元々スタジオミュージシャンでしたから、その性が残っているのか千聖さんもベースそのものを楽しんで欲しいんです!!」

 

「なるほど.....私が知らない道ということかしら?」

 

「まぁ砕けばそういうことですね。機材には自信はあるんですけど、喜んでもらえるかの自信はあまりないんですけどね.....」

 

「いいえ、そうやって私のことを考えてくれてプレゼントを用意してくれたその気持ちだけでも嬉しいのよ。気にすることないわ。麻弥ちゃんなりに私を考えてくれたもの.....大事に使わせてもらうわ。ほとんど家で使うことになるでしょうけど.....」

 

「ホントですか!?良かったです.....また何か機材のことで知りたかったらなんでも聞いてくださいね!!」

 

麻弥ちゃんも一緒にそういうことを語る仲間が欲しいのね.....素直で可愛いわよ。

 

「千聖ちゃん、リラックス出来た?」

 

「ええ....心も体もどっちもね。ここまでやってくれたこと、本当に感謝するわ。」

 

「えへへ.....また明日からも一緒に頑張ろうね!!千聖ちゃん!!」

 

「ええ.....なら彩ちゃん、明日は噛まずに成功させてもらいたいわね♪」

 

「え....それは少し厳しいところが。」

 

「ふふっ、大丈夫よ。今のは冗談だから。」

 

「良かったぁ.....」

 

「ふふっ、そこで『言われなくても噛まないよ!!』って言ってくれるまではまだまだね。」

 

「うん....そこは努力します。」

 

今日が誕生日だって忘れてたけど....こんなにもしてもらえて内心本当に満足しているのね。体が軽いわ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

夕方 白鷺家

 

「ただいま.....」

 

す、少し気まずいわね.....朝ちょっと大きい声を上げちゃったし。

 

パァン!!!

 

「.....え?」

 

「千聖、お誕生日おめでとう!!」

 

「に、兄さん....」

 

「ん?どうしたの?千聖。」

 

「朝のことはもう気にしてないの?」

 

「朝.....あぁあれか。あれはごめんなさいとしか言いようがないよ。千聖が疲れているのに無駄なお節介やいちゃったから。」

 

「べ、別に兄さんが悪い訳じゃないのよ.....ただ、疲れてることを理由に雑に扱ってしまった私にも非があるし.....」

 

まさか私が兄さんをお粗末に扱うなんて.....屈辱的だわ。いくら疲れているとはいえ大好きな兄にあたった.....

 

「それほど疲れてたってことだよ。だったら僕がすべきことは千聖の心配もそうだけど、千聖が安らげる場所を作ることしかないよ。それくらいしか出来ることがないからね。兄としては。さっ、とりあえず手洗いうがいしてからリビングにきて。」

 

.....大人ね。私の方が色々見えてると思ったけどやっぱり兄さんは兄さんね。

 

 

 

 

 

「じゃーん!!!」

 

「このケーキ、どこで買ったの?」

 

そこには.....イチゴの配置もかなり凝っているホールのケーキがあった。でも私用にしてくれたのか、大きさ自体はあまり大きくない。

 

「買った?違うよ、僕が作ったんだよ。」

 

「.....え!?兄さんが!?」

 

「うん.....少し手伝ってもらったところもあったけど殆ど自分でやったよ。クリームを作るところから焼くところまで.....結構苦労したけど上手くいって良かったよ。味見はちゃんとしてるから味に関しては安心して。」

 

「ええ.....じゃあ頂くわ。」

 

.....悪くない。美味しい部類に入るわね。店のケーキとは違ってクリームの味自体もお店とさして変わらない。ただ分かるのは.....何回か試行錯誤を繰り返したような味がするということ。兄さんは1発で出来ることもあれば何回かやることもある。おそらく味見して何回かやりなおしてるわね。

 

「ねぇ兄さん、これ作るまで何回くらいやり直した?」

 

「やり直し.....10回くらいかな。EXTRAのメンバーとかリサさんとか上原さんに試食してもらってこれでOKが降りたんだ。危なかったよ.....昨日試したやつでやっとおりたからね。」

 

「つぐみちゃんには頼まなかったの?」

 

「最初お願いしにいったら『ひまりちゃんの方が味もちゃんと評価出来るし、アドバイスもくれますよ!!』って言ってくれたんだ。最後に出来たやつだけ味見してもらったらOK貰えて。」

 

今回のMVPは兄さんとひまりちゃんなのね.....

 

「まぁ上原さんが持っていく度に『私太っちゃいますよ〜!!』って言いながら食べてたけどね。」

 

「それはまた申し訳ないわね.....」

 

というかひまりちゃんはいいわね.....食べてもあんまり太ったって感じがしなくて。まぁ兄さんがほかの女の子といちゃいちゃしているところは.....今日は見逃してあげようかしら。私のために頑張ってくれたから、特別よ。

 

「さて最後に.....プレゼント。気に入ってくれたらいいけど。」

 

「どれかしら.....」

 

そこに入っていたのは.....指輪だった。

 

「に、ににに兄さん!?」

 

「ん?どうしたの?千聖。」

 

これってつまりあれよね....その、生涯を誓い合うあれよね。え、ちょっと待って興奮してきた。で、でも兄妹でなんて.....背徳感が凄いけど悪い感じは全くしないわね。

 

「これってつまりその.....そういう意味よね?初めてを貰ったってことでいいわよね?」

 

「そういう意味って?」

 

「そ、それを言わせるの.....その、生涯の愛を.....」

 

「.....あ、そういう意味じゃないよ。」

 

「ふん。」グシッ

 

「あいたたた!!つま先踏まないでお願いだから!!」

 

もう.....勘違いするようなことをするんだから.....これが善意だから尚更タチが悪いのよね.....しかも私もそれを素直に受け取っちゃって喜んでしまうもの。

 

「この指輪は、千聖に手のことを気にして欲しいって意味で渡したんだ。」

 

「手?どういうことかしら?」

 

「ベーシストとしてケアは怠ってないと思うけど、朝みたいに千聖って忙しいでしょ?だから指にこういうアクセサリーとかを付けてたら少しは手の方にも意識がいってくれるかなぁって.....」

 

そう言って兄さんは私の左手の薬指につけた.....え?

 

「兄さん.....その。」

 

「ん?どうしたの?」

 

「どうして.....薬指に付けたの?しかも左手.....」

 

「え?女性の指輪って左手の薬指につけるものって聞いたんだけど.....違うの?」

 

「それ結婚指輪の話よ。」

 

「.....あいつら、」

 

「兄さんは簡単に流されすぎよ。」

 

「そうだね.....まぁいっか。千聖が大好きだって想いは変わらないし、こっちの方がより意識してくれそうだしね。」

 

恥ずかしくてそっちにしか意識がいかないわよ!!.....でも、これを無下にするのもいけないわね。

 

その後私たちはケーキも含め、食事をした。こうやって兄さんと面と向かって食べるのは.....久しぶりかしら。いつも隣で食べてるから。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

千聖の部屋

 

「えへへ.....」

 

どうしよう、この指輪を見ると嬉しい気持ちが顔に出てしまうわ.....外さないと。

 

「でも外すのは.....少し寂しいわね。ふふっ.....」

 

私はその夜、ずっと私の左手の薬指にはめられた指輪を眺めていた。最高のプレゼントを.....勘違いとはいえ貰っちゃったわ♪そしてまた夜更かしをしてしまったわ.......




アプリとは違うプレゼントですけど.....この前の日菜ちゃんのイベントを見た時にこういう方向もいいなぁと思い書きました。


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タキシード?選び

朝起きたら左手の薬指から血が出ていました.....千聖さんに呪われたのかな.....?


「あ、ゆーゆーだ。お〜い。」

 

広町さんが手を振って所在を教えてくれた。どうやらMorfonica全員が来ているみたいだ。それはいいんだけど.....

 

「今の時代にドレスとかタキシード扱ってるところってあるの?結婚式ならともかく舞踏会用みたいなの。」

 

「それはあるにはあるわ。私たちも入学した時に買わされたもの。」

 

「あれ?八潮さんいつの間にか丁寧語が抜けてる?」

 

「ええ、1人だけよそよそしいのはどこか嫌なので.....ですが校内では丁寧語を使わせてもらうわ。」

 

「あ、うん。分かった。」

 

まだイマイチ抜けきっていないんだけどね.....でも舞踏会云々より踊れるのかな.....

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここ!!あたし達ここで選んだんだ!!」

 

「へぇ.....随分と昔からやってるお店みたいだね。」

 

そこには老舗というかなんというか....うん、100年くらいやってそうなところだった。でも中はそこまで古くなく現代的な設備が整っている。

 

「こ、こんにちは....あの、舞踏会用の衣装ってどこに.....?」

 

「あぁ、男性用はあっちにあるから試着して決めてください。」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

「これもよくない!?」

 

「うん.....紺色も合うかも.....」

 

「これ全部いいよね!?迷っちゃうなぁ.....」

 

「先生の買い物なのにまるで自分のように楽しんでるわね。」

 

「あはは〜.....まぁとーこちゃん達も楽しそうだしいいんじゃないかな?」

 

「それもそうなのかしら.....あまり無駄なことに時間はさきたくないのだけれど。」

 

「まぁまぁ顧問の先生とのコミュニケーションって意味でも大事だと思うけどね〜。」

 

「広町さんも少し楽しそうな顔をしているわよ。」

 

「そうかな?」

 

「あの.....多すぎるんだけど。」

 

「とりあえずる全部試着してみて!!その後私たちも少し探したいから!!」

 

「あ、うん。」

 

千聖と買い物に来た時とは随分とした違いだ。千聖の場合、必要な物を買って終わり、もしくは近くのワンちゃんを見て微笑んでる千聖を見ながらしばらく休憩するかの2択だからこうやって振り回されるのはある意味少ない機会だ。

 

 

 

 

試着後

 

「あんなにきついもんなんだな....開放感皆無だよ。」

 

「普段から先生は私服でしか来ないものね。」

 

「うん、スーツとか着るのはあんまり好きじゃないんだよね。」

 

「でもゆーくん全部似合ってたよ!!今度あたしが作った衣装着せてみよっかな?」

 

「サイズ合わなすぎて破れると思う。」

 

「ライブ衣装を着たゆーゆー.....想像できない。」

 

「羽丘の時に着てたけど.....私もあんまり想像出来ない、かな。」

 

確かにライブ衣装はあんまりがらじゃないけど...そんな哀れんだ目で見ないでね、ましろちゃん。

 

「そういえばゆーお兄ちゃんって家族構成どうなってるの?」

 

「あ、それあたしも気になる!!どんな感じ?」

 

「普通の家庭だよ、父、母、僕、妹2人、犬1匹だよ。結構大きいかもね。」

 

千聖が妹だよー、とは言わない。それだけは絶対に言わないようにしている。本人に迷惑がかかっちゃうってところが1番大きいからね。

 

「へぇ、妹さんいるんだ.....私とどっちが身長低い?」

 

「.....多分うちの妹の方が低い。前に頭撫でた時の手の位置的にましろちゃんの方が高い。」

 

「じゃ、じゃあ私よりも低いかもしれないかな!?」

 

「二葉さんは.....どっちだろ。でも二葉さんよりかは高い気がする。少しだけだけどね。」

 

「ま、負けた.....」

 

「つーちゃんドンマイ。」

 

「.....じゃ、じゃあ性格はどんな感じなの!?」

 

「性格.....結構溜める性格でさ、疲れてても悩んでいても誰にも話そうとはしてくれないんだよね。だから兄としては少し心配なところもあるんだ。しっかりはしているよ。ただ可愛いところもあるよ、たくさん。」

 

「優希さんとどっちがしっかりしてますか?」

 

「下手すると妹の方がしっかりしてる可能性が高い。僕って結構優柔不断なところあるから。」

 

「そう?あたしバイクに乗せる時も普通にしてたけど?」

 

「あれはまぁ.....色々あるんだよ。とりあえず皆の分見に行こうか。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「.....なんで私まで着るはめになってるのかしら。」

 

「でも八潮さん凄いよ。大人びたというか.....クール。」

 

「そう、受け取っておくわ。」

 

八潮さんは黒色だけど、かなりクールなドレスを着ている。雰囲気に合うってこういうことなのかもね。

 

「私も終わったよー、どう?」

 

「.........」

 

「ん?どうしたの?」

 

広町さん、超シンプルなドレスを着てきた。、あれ.....似合ってはいるけど、雰囲気と少し違う。

 

「いや.....イメージと少し違ってて。」

 

「あはは、先生も変なこと言うんですね〜。」

 

うーん.....まぁいいか。似合ってるし。特に本人も何かを意識してるとは思えないから。

 

「そ、その.....ゆーお兄ちゃん、どうかな?」

 

「.....似合ってるよ。可愛いね。」

 

「か、可愛い.....美しい、じゃなくて?」

 

「.....え?」

 

突然何を言い出したんだこの子は。可愛いじゃダメなのかな?

 

「その、大人っぽい色気とか出てない?」

 

「うん。出てないと思うよ。」

 

「で、でも私.....胸とか、その『体つき』は大人の女性だと思うんです!!」

 

「体つき?」

 

「ごふっ!!」

 

「あれ.....何か後ろから聞こえた?」

 

「は、はい.....」

 

明らかに何かにダメージを負わされた声だった。二葉さんとカリスマさん、何かあるのかな?

 

「ましろちゃん、何かあったの?」

 

「いえ.....特に何も。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

試着室

 

「と、透子ちゃんまずいよ!!私この後出にくくなっちゃったよ!!」

 

「わ、私も体つきだったら....でも身長が。」

 

「身長もない私はどうなるの!!」

 

「でもシロが自分の武器をちゃんと理解きてるとはね.....」

 

「うん、ましろちゃんそういうこと気にしない系だと思ったけど.....」

 

「まぁ大胆に構えてたら大丈夫だよ!!多分。」

 

「う、うんそうだよね!!」

 

 

 

 

 

 

「2人とも遅いね。(多分しろちゃんのあれを気にしてるんだろうねぇ。男の人ってそういうところばっか見てるってイメージあるし。)」

 

「何してるんだろう?」

 

「おまたせ!!どうかな?」

 

「カリスマさん.....うん、似合ってるよ。」

 

「優希くん、私は!?」

 

「二葉さんも似合ってると思うよ。可愛いし。」

 

「うん、ありがとう!!」

 

「あ、それでゆーくん。」

 

「はい、なんですかカリスマさん。」

 

「あたし達って.....大人の魅力出てるよね?」

 

「ん?魅力?なんで急に?」

 

「で・て・る・よ・ね♪」

 

なんか急に怖くなった。しかも肩をえぐい力で掴まれている。何をそんなに焦っているんだ.....

 

「....うん。出てるんじゃないかな。」

 

「やっぱゆーくんも男の子なんだね.....」

 

「男の子.....あっ、そういう。別に気にしなくても僕は女性を胸の大小で決めたりするようなことはしないよ。」

 

「ちょ、ゆーお兄ちゃん!?」

 

「ゆーゆー.....女性の前でその話題はあんまりしない方がいいよ〜。」

 

「そうね、下劣な人間と勘違いされることもあるわ。」

 

「さいですか.....」

 

というか女性の魅力ってなんだろう?千聖みたいなの.....それは僕がシスコンなだけか。うーん.....何が基準なんだろう。

 

「とりあえず決まったなら買おう。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

奥沢家

 

なぜか僕は教育実習期間は奥沢家にお世話にならないといけないらしい。何故だ千聖!!

 

「でさ、女の子の魅力ってなんなんだろうね?」

 

「私に聞かれても.....個人によるとしか。」

 

「やっぱりそうなのか.....じゃあ今度お化け屋敷行ってみる?」

 

「.....え?」

 

「なんかこの前漫画で読んだんだけどそういうシチュエーションに実際に行けば分かるかなって。」

 

「私はもう.....こころとかはぐみに連れ回される日々に慣れたせいか少し度胸があるんですよね。」

 

「それはいいじゃん。いざって時頼りになるんだし。」

 

「それって女の子としてはどうなんですかね.....」

 

「?それって気にすること?別に普通じゃないからダメとかないでしょ?」

 

「.....まぁ、色々あるんですよ、女の子にも。」




透子ちゃん、つくしちゃん推しに消されそう(恐怖)。


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舞踏会ってすげぇ......

流れ的に今年のブライダルガチャはおたえが出るんですかね。2年連続でポピパ出てますし。パスパレはイヴちゃんが先陣切ったので千聖さんも後に続くことを願うばかりです。


特に何も無く舞踏会の日がやってきた。ここで色々交流を深めておくんだね。僕が渡された予定表は会場受付でそれが終わったら中で見学らしい。でも、生徒から要請があれば謹んで受けること、と書かれたメモが渡された。

 

「ねぇ八潮さん、あっちの生徒の人数ってどのくらいいるの?」

 

「私たちと同じくらいの人数だと思うけれど、先生のメモには載っていないのかしら?」

 

「うん、だってこの日休みとか書かれてたし。」

 

「随分とお粗末な扱いを受けてるのね。」

 

「まぁ一般家庭育ちだしこの学校の生徒の知り合いでもないからね。」

 

でも意外と仕事はやらされる。教師って凄い頑張ってるなって思ってたけど家に仕事を持ち帰るのが当たり前になっているのが少し怖い。これ体調崩さないようにしないと....今は奥沢さんの家にいさせてもらってるわけだし音を立てる訳にもいかない。

 

「では私はこれで。」

 

「うん、話し相手になってくれてありがとう。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その後、会場受付をやっていると、聞いたことのあるお金持ちの名前や、企業の社長さんの名前が結構あった。教育実習とはいえそういった人の名刺受け取るの恐れ多くて震えたよ。

 

「時間的にこれで最後だから.......中に入るか。」

 

「ちょっと待った!!!」

 

「なんですか理事長。というか私服でいいんですか?」

 

「いや、後で着替えるけど優希くん、足元見てみな。」

 

「足元..手紙?」

 

外側からは見られないように手紙が置かれてあった。誰かのだろう......

 

「えっと......『先生、私と最後に踊ってくれませんか?......広町七深』って。広町さん、こんな渡し方しなくても普通に口で言えばいいのに。」

 

「恥ずかしいんだよ。優希くんもモテるね〜!!」

 

「いや、違うと思いますけど。」

 

「まぁまぁ直々に指名があったからいいじゃん!!これで要請無かったら優希くん中に入れなかった可能性あるからね。」

 

.....え?マジ?呼んどいて来なくていいよってパターン初めてだよ。まぁいいや。その場合は千聖の写真でも見てゆっくりしとこうと思ってたし。.....さすがに館内じゃやらないよ?いや、見たいんだけどね。

 

「じゃあ入ろっか!!私と踊る?」

 

「いや....お互い踊りを知らないでしょ。」

 

「そうそう!!だから出来ないもの同士で!!」

 

「理事長に相手がいなければの話ですけどね。」

 

 

 

 

 

 

館内

 

「あ、ゆーゆー手紙見てくれた?」

 

「うん、普通に言ってくれれば良かったのに。」

 

中に入ったら広町さんがうずうずして待っていた。まぁMorfonicaのメンバーもいるから頼みづらいんだろうか。

 

「じゃ、最後行くから待っててね。」

 

そう言って走り去っていった。ドレスなのによく走れるな......慣れてるのか。

 

 

 

 

中に入ると.....

 

「私と踊ってくださいますか?」

 

「さぁ、お手をどうぞ。」

 

よく分からないけどそんじょそこらで同じようなセリフが飛び交っていた。我先にというより予め狙いがあって行ってるみたいだ。でも被らないかといえばそうじゃない。八潮さんとか沢山申し込みされてるし、カリスマさんも人気があるみたいだ。.....でも保護者がこんなに来るとか聞いてないよ!!踊りの基本も知らないのに恥ずかしいわ!!!

 

「じゃ。踊ろう優希くん!!お姉さんをリードしてよ!!」

 

「あのね理事長.....ここはふざける場所じゃありませんよ。」

 

「ふざけはしないよ、優希くんに肩の力抜いてもらわないと困るし。」

 

「あぁ....分かりましたやります。」

 

逆にこの人こういう時だけは強情だからな.....千聖や蒼生と少し似てるというか.....

 

 

「じゃあ優希くん例のセリフを!!」

 

「はいはい.....私と踊りませんか?お嬢さん。」

 

年上にお嬢さんとか言うのすごい気が引けるんだよなぁ.....かといってご婦人とかいうレベルの歳でもないし。

 

「ふふっ、よく出来ました。じゃあやろうか。」

 

そうこうあって踊ることになったが.....これ競技ダンスだよね!?ステップが社交ダンスでよく見るやつじゃないんだけど.....この人大丈夫か?

 

「お美しい.....華麗なステップだ。」

 

「後で踊りたいものだ.....」

 

嘘だろ!?大ウケしてるぞ!!普通は非常識だ.....とか言われそうなのに。だが理事長も白金さんと血が繋がってるのか、見た目が結構似ている。髪をまとめてるとはいえ、口さえ閉じていれば白金さんのお姉さんだなぁと分かる。蒼生とは目以外全く似てないけど.....

 

「あれ優希くん、鈍ってるんじゃないの!?」

 

「そもそも未経験ですよ!!おかしいですって!!」

 

「あはは!!蒼生の言う通りやっぱり面白いね!!」

 

「.....早く終わってくれ.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その後踊らされてやっと休憩が出来た。そして終盤にさしかかり広町さんがやってきた。

 

「じゃあゆーゆー、お約束通り、私と踊ろう。」

 

「うん、ちょっとだけ待ってね。」

 

「さっきは凄かったね〜。キレが良かったよ。」

 

「あれは紫吹さんのノリに合わせたんだよ.....結構疲れた。」

 

「私はあそこまでできる自信ないな〜。」

 

「しなくてもいいよ。普通にやってくれれば。」

 

どうやらさっきの理事長のやつを見て、僕がそれを先導したと思われていたらしい。さすがに高校生相手にあんな馬鹿なことはしないよ.....あれ?僕大学生だよね?言ってることがおじさんくさい。

 

「じゃ、行こう。」

 

そして広町さんとの踊りが始まった。.....ん?

 

「広町さん.....やりづらくないの?」

 

「え?これが普通だと思うんだけど.....」

 

普通.....にしては何かに合わせてる感がすごい。おそらく他の踊った人もわかったと思う。いや、単に僕が初心者だからそう思うだけかな。

 

「まぁいいや.....それにしても。」

 

「うん?」

 

「Morfonicaのメンバーって皆人気なんだね。僕のところに来てくれたけど、結構お誘いされてたよね?」

 

「あはは.....あの人たちは1回踊った人達だからさ〜、2回目は別にいいかなって。」

 

その後、特に何もなく踊り終わった。広町さんから裏に来てくれって言われたけど.....何か嫌なことでもされたのかな?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

舞踏会終了後 裏庭

 

「.....なんだろう。」

 

広町さんが呼び出した。何かは分からないけどいい話ではないと言うのは勘で分かる。じゃあなんだろう.....

 

 

「.....おまたせ〜。」

 

「お疲れ様。ジュース買ったから飲む?」

 

「ううん、いいよ。」

 

「そっか.....それで呼び出した理由は何?」

 

「うん...ゆーゆーから見た私ってどうなの?」

 

「どうって.....ちょっと変わってるなって思うけど。」

 

「やっぱりそうなんだ.....ゆーゆーの言動とか見たらそう思ってるのかなって薄々感じてたんだ。」

 

.....思い当たることはいくつかある。広町さん自体は普通に憧れているというイメージはある。でも言動にはボロが出ているところがある。その飾っている部分が少し不思議と思って聞いたことは数回。

 

「.....何か思うところがあるの?」

 

「はい.....私って色々普通とずれている部分があるんです。普通でいたいんです。皆と色んなことを分かち合いたいし、その同じ気持ちも知りたい。でもそうしたことって同じ事とかそういうことをしないとだめじゃないですか?だから普通に憧れるところがあるんです。」

 

普通に憧れる、か。千聖も同じようなことを言っていた時があったな.....懐かしい。

 

「....うん、続けて。」

 

「はい、それでどうしたらいいんだろうって。しろちゃん達と会ってMorfonicaを結成して.....バンドとして青春を過ごせるのも普通のひとつかなって。勿論皆のことは大好きですし大切な存在ですよ。」

 

「.....うん。」

 

「.....でもゆーゆーは気づいてるんだよね?」

 

「.....飾ろうとしている部分は確かに感じたけど。」

 

「だから.....どうしたら自然に普通だなって感じてもらえるか聞きたかったんです。」

 

「....親御さんとかは何か言ってるの?」

 

「....特に何も言ってませんけど変わってるねとは言われるんです。」

 

.....良かった。普通じゃないから避けられてたとか、そういう過去が無くて。そういう傷って1回負ったら中々消えないからね.....なるほど、

 

「.....ううん、どう言ったらいいんだろう。別に普通になろうとする必要はないんじゃないかな。」

 

「.....はい?」

 

「そもそも自分が変わっているって考えることもないと思うよ。」

 

「.....どういうこと?」

 

「自分が変わっている、そう思うからこそ普通に憧れると思うんだ。広町さんにとっての普通って大多数がやることとかそういうことだよね?」

 

「うん、そうだけど.....」

 

「.....広町さんの素直な気持ちややりたいことをするっていうのは広町さんにとっては普通、じゃないの?」

 

「それは.....」

 

「.....言葉にするのが少し難しいけどさ、さっき言ったみたいに普通が羨ましいのは自分が変わっている、特別だと思うからじゃないのかな?広町さんにとって、思うこととかを言ったりやったり心に正直に動くことは変なことってことで合ってる?同じこと聞いてごめんだけど。」

 

「.....はい。」

 

「.....集団がある以上、どうしてもそういう基準とかが出来がちだけど普通ってさ、定義が難しいんだ。.....どう言ったらいいんだろう。」

 

「.....」

 

「.....ちょっとだけ話を変えるけどさ、僕の妹も広町さんと少し似ているんだ。」

 

「似ているって....?」

 

「僕の妹は女優をやっていてさ、学校生活もその女優としてしか見られないことが多かったんだ。1人の個人として見ずに。広町さんほど普通になろうとはしてなかったけどそれでも心のどこかで憧れていたと思うんだ。」

 

「その妹さんは今はどうなの?」

 

「今は吹っ切れて生きているよ。妹の友達のおかげでさ。家ではよく悩んでいることを話してくれて.....その時はこう思ったんだ。自分に素直に生きていればそれが普通になるんじゃないかなって。」

 

「普通になる....」

 

「大多数とかそういうことは関係ない。自分に素直に生きて、時には誰かと合わない時もあるし合う時もある。でもそういう時に意見をぶつけ合ったり、話し合ったりしてお互いを理解しようとする。同じ気持ちになれなくても、何かの指針がなくても。そうやって生きていけばそれがその人にとっての普通になる。」

 

「.......」

 

「普通に憧れるっていうのはさ、心のどこかで自分という、広町七深という自分をさらけ出すのを恐れている.....変だと思われたらどうしようって。」

 

「.........!!」

 

「それが合ってるか間違ってるかは広町さんにしか分からないけどね。だから普通に憧れて生きるのもひとつの生き方だから広町さんの好きに生きればいい。でも.....憧れるならさ、自分らしさがあった方が思い出になりやすいかな。」

 

「....はい。」

 

「だから自分を変だなんて思う必要はないよ。自分に誇りを持って生きて、他の人が持つ独自性に沢山触れて生きてみたらいい。その中で普通を考えていければいいかな.....あくまでひとつの道としてね。どうするかは広町さんに任せるよ。」

 

「ゆーゆーはそういう経験したことあるの.....?」

 

「僕は.....あるかな。ある意味僕達のバンドは個性のぶつかり合いみたいな感じだし。それにさ、理事長って僕のバンドメンバーの姉なんだよ。」

 

「え!?そうなの?」

 

「うん。」

 

「じゃあ先生ってコネで.....?」

 

「いや、僕はあの人に呼ばれたから来たんだけど.....母校じゃない、しかも女子高に呼ばれて今でも驚いてるよ。ははっ。」

 

「そうだったんだ....ゆーゆー、」

 

「ん?」

 

広町さんは僕の服の袖を掴み、こっちを見てきた。少し恥ずかしそうだけど。

 

「ゆーゆーは.....私の事、受け入れてくれる?」

 

「.....勿論だよ。もっと広町さんのことは知りたいからね。(クラブ顧問だし、部員のこと知っておかないとまずいよね.....)」

 

「.....!!ありがとう。ゆーゆー。」

 

「.....話してたら結構時間過ぎたね。晩御飯まだ?」

 

「まだだけど.....」

 

「じゃあ理事長に奢ってもらおう。あの人今日ダンスに付き合わされたお礼に奢ってくれるらしいからさ。」

 

「それ私も行って大丈夫?」

 

「大丈夫だろ。あの人むしろ多人数でだべるの好きだし。静かなのがあんまり好きじゃない人だからね。」

 

「ふふっ、面白いね。」

 

その後理事長とご飯に行った。広町さんも楽しそうな顔をしてたな....一瞬花音さんと似てるなぁと思ったけど。千聖もこれくらい弾けた笑顔見せてくれたらな.....




真面目な雰囲気になっても絶対にシリアスにはしないのでご安心ください。教育実習だから多少はこういうのを許してくださいね。


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奥沢さん(一家)とお出かけ

バンドリメンバーの私服のセンス凄いですよね。花音さんと千聖さんが一緒に黒板消ししてるやつは大好きです。


「すみません、付き合ってもらって。」

 

「いやいや、家族招待で僕まで来させてもらったのは嬉しいよ。」

 

今は遊園地に奥沢さん一家と一緒に来ている。ここはどうやら以前にハロハピが頑張って賑やかさを取り戻した遊園地らしく、招待状を貰ったらしい。

 

「でも....なんでジャージなんですか?」

 

「あ、これは....私服が無かったからこれくらいしか外に出ても大丈夫なやつ無かったから.....スーツとか嫌でしょ?」

 

「明らかに雰囲気が違いそうですね。それ高校のジャージですか?」

 

「うん、ライブとかで着たことあるんだよ。」

 

「それバレなかったんですか.....?」

 

「いや、バレてはいたんだけどそこまで騒ぎは出来なかったね。」

 

「こころたちもかなりですけど白鷺さんのバンドもだいぶやばそうですよね。」

 

「どうだろうね.....」

 

多分僕達とはベクトルが違う。奥沢さん達のバンドは発想が飛び抜けてるけど、僕達のバンドは常識からぶっ飛んでるからね.....あれ?一緒?

 

「そういう奥沢さんは私服似合ってるよ。」

 

「そうですか?普通に着ただけですけど。」

 

「パーカーとかが好きなの?前に会った時もパーカーだったような気がするし。」

 

「そうですか?別にパーカーが好きとかそういうのは無いんですけどね。」

 

違ったみたいだ。でも合ってるよな.....千聖からメールで『美咲ちゃんのこともちゃんと見てあげてね』と書いてきたんだけど.....これどういう意味なんだろう。千聖が無意味にこんな事書いてくるハズないし。

 

「それより、白鷺さんスマホの背景千聖さんにしてるんですか?」

 

「最近はそうしてるよ。千聖と会う機会が減っちゃったからね.....こうでもしないと成分が足りないよ。」

 

「やっぱりそうなんですね。家にいる時もスマホの画面見てうっとりしてますし。」

 

「あれ?僕部屋でしか見ていんだけどなぁ.....」

 

一応僕が家にいてもいいというのはご両親が承認の上で成り立っている。だから空き部屋に住まわせてもらっている。そこは物置みたいになってたけど僕は屋根があるだけ嬉しいので特に気にしてはいない。

 

「一応過ごしていて不憫ないか聞こうと思ってるんですけど、部屋のドア開けたらいつも他の世界に行ってるみたいで話しかけづらいんですよね。」

 

「あ、そうだったの。それはごめん.....あと別に丁寧語使う必要ないよ。むしろ本来なら僕が使うべきなんだけどね....」

 

数ヶ月とは家にいさせてもらってるのに相手に気を遣わせるのはさすがに気が引ける。今のところ家事の半分くらいは僕がやってるし生活費もちゃんと自分の分は出している。

 

「え?さすがに年上の人に丁寧語を使ってもらう必要ありませんし、それに知り合いですから。」

 

「でもいちいちこっちに気を遣うのはめんどくさいでしょ?別にタメ語使ったからって怒ったりはしないからさ。」

 

「.....そう?なら普通に話すけど。」

 

タメ語になってくれた。気を遣わせる方が申し訳ないからね.....郷に入ったらなんとかって言うし。

 

「でも、ある意味意外かも。」

 

「意外?」

 

「うん、年上の人にこうやって話すのはある意味初めてかも。花音さんや薫さんでも一応敬語は使ってるし。」

 

「そうなんだ。まぁ居候期間はそうしてもらった方がお互い楽かなって。」

 

「じゃあしばらくはお兄さんとして頼ればいいのかな.....千聖さんもそうしたらいいって言ってたし。」

 

「え?千聖が?」

 

「あ、いや.....なんでもない。」

 

千聖....何か考えているのか。まさか.....また嫌われた!?いやそんなことはない.....はず。女子校に行ってるのは紫吹さんが原因だし特に女の子と関わってることも無い.....なぜだ。

 

「まぁ考えてもあれか....ところで家族の方どこ行ったんだ?」

 

「え?.....あれ、はぐれた?」

 

ん?なんかメールがきてる.....『美咲と2人で楽しんでくださいね♪あ、でも6時には帰るから入口に来てくださいね』.....なるほど。

 

「.....どうかしたの?」

 

「なんか僕と2人で遊んだらって。」

 

「え?何で?」

 

「知らない.....あれじゃないかな?奥沢さんが結構悩んでる顔してたから気を遣ったのかな。家族には話しづらい話とか。」

 

「そんなの無いんだけど.....まぁいいや。時間もあるし色々行こ。」

 

「あれ?僕リードされてる.....」

 

「白鷺さん前に花音さんと迷ってたよね?」

 

「あぁ....あれは地図が読めないだけで」

 

「だから心配なんだよ。どっか行きそうだしこういう施設だとマップとか頼りにしがちだし。」

 

「.....じゃあお願いしてもいいかな?」

 

「はい、任されました。じゃあ行きますか。どこから行く?」

 

「うーん.....じゃあジェットコースターみたいなのか行く?」

 

「ジェットコースター.....あったっけ?.....いや、あった。」

 

「じゃあ行こうか。」

 

「白鷺さん、逆。そっちじゃないよ。」

 

「あれ?地図だとこっちのような.....」

 

「なんか花音さんが2人いる気分.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「意外とハードだった.....」

 

「大丈夫?休憩する?」

 

「うん.....少しだけ。」

 

まさかジェットコースターでこうなるとは.....不覚だ。やっぱりお腹空いた状態で乗るべきではなかったね。

 

「.....隣に座ってるから良くなったら教えてね。.....あっそうだ。」

 

「ん?どうしたの?」

 

「前から聞きたかったんだけど.....花音さんとどうやって打ち解けたの?」

 

「花音さんと?どうして急に?」

 

「いや、白鷺さんにこころほど行動力あるとは思えないし、千聖さんのような出会いがあった訳でもないし、気になったから。」

 

「あぁ.....まぁバイト先が一緒だったしシフトが被りやすかったから打ち解けたって感じかな。....あ、出来事自体はあった。」

 

「どんなの?」

 

「えっと.....僕が入ったばっかの時だったかな、うちのメンバーが遊びに来て花音さんを困らしたことがあってさ.....花音さんって流星の妹だからさ。」

 

「あぁ.....そうだった。」

 

「それで僕がちょっと制裁を加えて帰した時にちょっとだけ話してから次第に話すことが増えて。まぁ話題の9割は流星関連だったけど。」

 

「花音さんってそんなにお兄さん好きなんだ。」

 

「まぁ.....流星は普段は頼りなさそうって言われるくらい弱々しいけど、それでもあいつは一本芯があるからね。元々習得するスピードが速くてさ、そのせいかプロにも目をつけられて。」

 

「そんなに凄いんだ.....花音さんがドラム上手い理由もそれかな.....」

 

「まぁ、花音さんのことは分からないかな。であいつにもスカウトが来たんだ。」

 

「なんかRoseliaでも同じような話があったような。」

 

「そうなの?それであいつ断ったんだよ。『僕は頂点とか興味無い.....僕は皆と見る景色が好き。1人で見たって寂しい.....』弱々しいかったけど凄いよ。大手のスカウトマンにそう言い放ったからね。」

 

「へぇ.....そういう芯の強さやブレなさは花音さんと本当に似てますね。」

 

「花音さんそうなの?」

 

「うん、無人島に行った時それを実感したよ。」

 

それにしても.....奥沢さん無防備じゃないかな?仮にでも男の前で生足見せつつちょっと見下ろす感じで会話してるけど.....この距離どう見たっておかしいよ。付き合ってるとかそういうレベルの距離だけど.....大丈夫かな?

 

 

 

その後色々回って時間になった。少し奥沢さんが不貞腐れてるみたいに見えたけど.....何かあったのかな?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

電話

 

「そう.....何か素振りはなかったのね。」

 

「はい、千聖さん、一体白鷺さんにどういう教育をしたんですか?」

 

「私は親じゃないんだけど.....どうかしたの?」

 

「今日遊園地でですね、私、結構頑張ったんですよ。普通の男の子だったら結構どきどきしてもおかしくないと思うんですよ。」

 

「何をしたの?」

 

「まず近くのいすで白鷺さんが寝ていたんですよ。で、私生足出した状態で隣に座ったんですよ。ズボン短めでしたから太腿とかも見えてましたし。それで白鷺さんと話す時もちょっとかがんだりしたんですよ。」

 

「.....それで?」

 

「何一つ動揺する気配が無かったんですよ。これ、私に魅力がないからですかね....?」

 

「兄さんにそういった仕掛けは効かないわよ。だって私が下着だけの状態の時も『はやく服着なよ!!』とも言わず、『風邪ひくよ?』って言うのよ。だから兄さんを落とせたらそれは女神くらいしかいないわよ。」

 

「そ、そうなんですね.....」

 

「また何かあったら電話して。愚痴でもアドバイスでもなんでもいいから。」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

ピッ

 

「白鷺さんを落とせば.....女の子らしいって思えるのかな.....」




投稿ペースが落ちますが.....呼んでくれたら嬉しいです。


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講演会?

お気に入りが.....800件を超えた....!!!ありがとうございます!!


職員室

 

 

なんか今日は集会があるらしい。曰く、誰か有名人が公演に来るらしくて、色々と社会のこととかを話すらしい。でも勉強とは少し離れてるって情報も出ている。

 

「優希くんも知ってる人だから驚くよ!!」

 

「随分と自信ありげですね理事長.....誰だよ。」

 

理事長は随分とうきうきしている。もしかして蒼生が来るのか.....あいつある意味有名だからなぁ.....

 

「あ、でも蒼生じゃないよ。あいつに喋らせたらついて行きそうな生徒もいそうだし。」

 

「まぁあいつの人を惹き付けるところは凄いですからね。それにあいつ多分いきって特攻服で来る可能性ありますし。」

 

「さすがにないでしょー。姉の私の前でそんな事しないでしょ。」

 

ほんと.....この人口閉じてたらただの美人なんだけどなぁ.....まぁ分け隔てなく接してるからいっか。

 

「じゃ、行こ!!」

 

やけにテンション高いな....嫌な予感がする。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

体育館

 

「では、今日は公演をします。皆さんよく聞いておいてくださいね。」

 

こういう公演っていい時と悪い時の差って凄いよね。生徒の為とはいえ自分のことを言うだけ言っても時間の無駄と思われるし、ちゃんと所々説明しないと駄目だよね。

 

「じゃあ、来てもらいます.....」

 

ん?雰囲気が変わった.....え?

 

「うっそだろ!?」

 

「こら優希くん静かに.....」

 

そこに立っていたのは....

 

「こんにちは、Pastel*Palettesの白鷺千聖です。」

 

なんで千聖がここに来てるんだ!?え?あっ、そっか。千聖って有名人だった.....女優って分かってたけど身近すぎて一瞬忘れかけてた。久しぶりの生千聖.....可愛い。ちょっと背伸びしてスーツっぽいの着てるのもいい。やっぱり妹は最高や。写真とレベルが違う。

 

「優希くん.....なんで泣いてるの?」

 

「久しぶりの生妹ですから.....」

 

「あ、そっか。今居候だもんね。」

 

別に奥沢さんの家が嫌だというわけじゃない。よくしてもらってるし分け隔てなく接してくれてるからありがたい。

 

 

「私から話せることは多分ありませんから、これまでの.....といっても皆さんとほぼ同い年ですが、何か質問があれば基本的になんでもお答えしたいなと思います。」

 

なるほど....千聖、質問形式を取ったか。確かにこっちの方が短い時間で済むし。

 

「....はい。A組の倉田です.....」

 

「はい、どうぞ。」

 

倉田さんが挙手をしていた。こういうのはやらないと思ってたから意外。

 

「えっと.....私はMorfonicaっていうバンドのボーカルで.....その、個人的な質問なんですが、私たちのクラブの顧問のゆーおに.....白鷺先生とは血縁関係があったりするんですか?」

 

うっそだろ!?ここでそれ聞く?しかも何がまずいかってあだ名で言おうとしていたところだ。千聖はこういった所を聞き逃さないからあとが怖い.....

 

|*・ω・)チラッ

 

千聖がこっちを一瞥した。若干目が死んでたけど大丈夫だよね.....

 

「.....いえ、特にそういった関係はありません。たまたまですよ。」

 

ドサッ

 

千聖はそう答えた.....正解なんだけどさ。.....本人いるんだからオブラートにしてよ.....

 

「優希くん?なによつんヴァインになってるの?」

 

「いや.....心のダメージがでかかったので.....」

 

生憎ザワザワしていたため、ばれてはいない。倉田さんもそういうことはあとで聞いてよ.....

 

「他には何かありますか?」

 

「はいはい!!」

 

お次はカリスマさんが手を上げた。何かあるのかな....

 

「ライブステージに立つ前とか、ライブ本番の時に何か緊張をほぐすやつとか心構えとかっていうのはありますか?」

 

至って普通の質問が飛んできた。でもカリスマさんって緊張しているようにはとても見えなかったけどなぁ....ピック無くて慌ててた時はあったけど。

 

「そうですね.....私は1人じゃないという心がけはいつもしています。女優としての私ではなく、パスパレの私としてステージに立ってお客さんに満足してもらう.....そう思いながら普段はやっていますね。どんな舞台であれ、MAXを出せるようにはいつもしているつもりです。」

 

すごい、まるで準備していたかのように綺麗な回答が返ってきた。まぁでもこういうのは聞かれそうだからね。事前準備とかはするタイプだし。

 

 

その後も社会がどうとか女優をしていてどうかとかおそらく予想していたであろう質問が繰り返され、千聖も真面目に答えていた。ただ、怖いのは合間合間にこっちを見てくることである。それが笑顔なのに目が死んでいる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

理事長室

 

「千聖ちゃん、お疲れ様!!」

 

「はい、紫吹さん。今回はこういった機会をくれてありがとうございました。」

 

「うんうん、そう言って貰えたら何よりだよ!!.....ところで。」

 

「はい?どうにかしましたか?」

 

「いつまで優希くんを物理的な意味で尻に敷いてるの?」

 

そう、今がどういう状況かと言うと椅子の上に僕が伏していてその上を千聖が踏んでいる。絶対椅子に座った方がいいよ.....

 

「あの、どころで千聖?どういったご要件『あら、分からないはずがないでしょ?』.....はい。」

 

これまでにないくらい低いトーンで返ってきた。怖すぎやろ。

 

 

「情状酌量の余地はあげないとね.....隣に座って。」

 

「え、普通にのられてたよう『何かしら?』いえ、何も。」

 

これまでにない怖さだ。

 

 

「兄さんって.....ああいう子が趣味なの?」

 

「趣味じゃないよ.....」

 

「そう.....あの子、随分と兄さんに懐いている様子が見られたけれど。」

 

「いや、別に懐いてる訳じゃないんだけど....」

 

「でもあの.....倉田さんだっけ?優希くんのこと結構気に入ってると思うわよ。」

 

「そうみたいね。」ミシミシ

 

「いたいいたい.....つま先踏まないでくれよ。」

 

千聖ってなんでか笑顔で踏んでくるんだよなぁ....たまに笑顔から狂気が出る時もあるけど。

 

「全く兄さんはイケナイ子ね.....」

 

そう言いながら千聖は密着してきた。いつの間にこんな色気じみた動きが出来るようになったんだ.....

 

「2人とも、ここ学校だから外でやってね。」

 

「止めろよ!!」

 

いや、外でやっていいとかそういう問題じゃねぇだろ。まぁ自分の弟妹が同じような状態だから慣れてるのか.....こうなったら。

 

ギュッ

 

「え.....?」

 

「そうかそうか、寂しかったんだな。千聖、よしよし。」

 

僕は千聖を抱きしめて、頭をよしよしした。久々の千聖の感覚だ.....変態チックかもしれないがあれだ、実家に帰ってきた安心感みたいなものだ。

 

 

「ちょ、ちょっと兄さん!?」

 

そう、千聖は攻めが強くても受けが弱い。千聖が僕の弱点を知っているように僕も千聖の弱点を知っている。

 

(あぁ.....兄さんの匂い。暖かさ.....久しぶりね。)

 

「すぅ.....すぅ....」

 

「え!?寝た!?」

 

.....と思っていたら寝たよ。スイッチ切れたのかな.....

 

「まぁ、優希くん寝かせてあげな。千聖ちゃん、優希くんが居なくて寂しいって毎晩のように電話してきてたのよ。」

 

「僕にもかかってはきますけど仕事の話とかしか.....」

 

「優希くんに我儘言って迷惑かけたくないからじゃない?前からちょっと抱える性格だったでしょ?ほら、目元見てみて。」

 

僕は千聖の目元を指でなぞってみたら....隈が出てきた。

 

「また無理してたんだ.....」

 

「多分無理してるというより優希くんがいないから寂しくて寝られなかったのよ。」

 

「ふぅん.....そういうところ見せて欲しいんだけどね。ちょっと強がってるところも可愛いんだけどさ。」

 

僕は千聖の頭を膝にのせて髪を撫でながら話した。寂しいならそう言ってくれればいいのにね....

 

「まぁ、それでもそうやって僕のことを考えてくれてるところは本当に嬉しいですよ。」

 

「まぁ今日の講演会も千聖ちゃんの希望を聞いた形だし。」

 

「え?そうなんですか?」

 

「うん、優希くんに会いたいからって。これなら自分が出した条件を守ってるからって。いいよって言った時は弾けるくらいの笑顔になったわよ。」

 

「その写真はないんですか?」

 

「うーん.....ないかなぁ。」

 

「その現場にいたかったなぁ.....」




今回のイベの透子ちゃんの星4欲しい人多そう....それに千聖ちゃんとつくしちゃんのツーショットですよ。いいですねぇ


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部活あるある

協力ライブで出来ないEX曲選ぶ人いるけど、協力のメンバーが回復スキル持ってくるとは限りませんよ....まぁアイマスみたいにリハも出来るようになりましたし、減りますかね、


「夏合宿?」

 

「はい!今度の夏休みにるいさんの別荘で合宿しようと思って、優希くんに許可貰いに来ました!!」

 

コーヒーを飲んで教員室でゆっくりしてたら二葉さんがやってきて申請書みたいなのを持ってきた。しかもふんすふんすと言わん限りの興奮した目線をこっちに向けてきている。あれだろうなぁ.....こういうのに憧れてたんだろうな。

 

「夏休みって、僕その頃ここにいないんだけど.....」

 

「え!?そうなんですか?」

 

「うん、元々僕夏休みが始まるまでの間の実習生だから。引き継ぎは出来るけど。」

 

「えー.....優希くんが来てくれないと困りますよー!!」

 

「と、とりあえず一旦外出ようか?」

 

そう、Morfonicaのメンバーは僕のことをあだ名で呼ぶため、教員室で会話をすると周りの先生からの目線が怖くなる....

 

 

 

 

「で....なんで僕?」

 

「ましろちゃんやななみちゃんのモチベにも関わってくるんです!!優希くん知らないでしょうけどななみちゃんは特に優希くんのいる時はいつもよりやる気出してくれるんですよ!!」

 

「それ八潮さんに怒られそう.....」

 

出来れば僕がいなくてもそういうことが出来てくれたら嬉しいんだけどね.....まぁまだ時間がかかるのかな。

 

「まぁとにかく合宿の件は理事長に通しておくよ。ただ、僕が行くかどうかは分かんないけどね。」

 

「はい!!理事長への根回しも済んでます!!」

 

「...,はい?」

 

今根回しって聞こえたんだけど....気の所為だよね?疲れてるのかな

 

 

「ごめん、二葉さん。今根回しって聞こえたんだけど。」

 

「はい、そう言いましたよ!!」

 

「.....いつしたの?」

 

じゃあさっきの困ったのは演技?

 

「えっと.....ましろちゃんとななみちゃんが理事長に直談判に行って優希くんの雇用期間を伸ばして貰ったんです!!まぁそれでも夏休みまでですけどね。」

 

「え、僕そんなの聞いてない....」

 

「それはそうですよ、だって夏休みまで伸ばしても私たちの合宿に付き添いとして来るだけですから!!」

 

「なんだ、それなら.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

練習中

 

「倉田さん、先程テンポがズレていたわよ。」

 

「あ、ごめんなさい....」

 

「まぁ気にしない!!もう1回やろ!!」

 

「う、うん.....」

 

 

 

 

「こんなのどうかな〜、つーちゃん。」

 

「え!?それ凄いね!!1回合わせようよ!!」

 

雰囲気自体はそこまで硬くないし、お互い研鑽はしあってるから問題は特に無いか.....暇だな。

 

「あれ?ゆーゆー何見てるの?」

 

「ん?皆やれてるし暇だったからちょっとね.....」

 

「どれどれ.....え?これゆーゆー?」

 

「うん、学生時代の.....って言っても数年前の話だけどね。」

 

昔の写真を見てたら広町さんが覗いてきた。さすがに学校で千聖の写真を見たらばれそうで怖いから家で見てるよ。時々奥沢さんとも話しながら見てるけどね。

 

「え、ゆーお兄ちゃんの学生時代.....全然変わってない。」

 

「だって数年前のやつだし.....」

 

今は、右に倉田さん、左に広町さんがいて、肩を掴まれているため動けない。この2人自由だな.....

 

「2人とも練習は?」

 

「今休憩中だよ〜。」

 

そうこう話してたら皆集まってきた。八潮さんも来るのは意外だな....

 

「ねぇ先生、あなた達はどんな合宿をしたの?」

 

八潮さんが聞いてきたが正直僕はあれと同じ内容をするのはお勧めしない。あれをやると寝不足になるからだ.....

 

「まぁ.....朝から晩までひたすらに演奏し続けたよ。僕らって全部の楽器弾けないとランダムライブ出来ないからさ。だから慣れるとか上達するためにひたすら弾いた。まぁ夜はさすがに疲れて皆寝てたよ。」

 

「そう、やはりそれくらいするのね。」

 

「八潮さんは長時間やったりするの?」

 

「コンクールがあった時はそれくらいしているかもね。今でも休みの日は10時間くらいはやってるわ。」

 

「まぁ始めたての時は僕もそれくらいしたなぁ.....」

 

 

 

 

「透子ちゃん、ゆーお兄ちゃんとるいさんが仕切ったらとんでもないことになりそう.....鬼みたい。」

 

「う、うん。それは確かに危ないかも....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

練習後

 

「今日は僕も仕事終わったし.....皆でコンビニ寄っていかない?」

 

「こ、コンビニ....?」

 

「え....まさかコンビニを知らないの?」

 

「コンビニを知らないわけじゃないんですけど.....コンビニの作法とか分からなくて。」

 

「コンビニに作法とかあるの?僕全然知らないんだけど。」

 

広町さんがそう言ったけどコンビニの作法ってなんだろう?あれかな?トイレ借りた後は何か買うとかそういうのかな....

 

「た、多分無いよ。部活帰りのコンビニとか行ったことないの?」

 

「はい。私はそんな時間があるなら他のことに回したいので。」

 

「あたしもおばあさまが真っ直ぐ帰ってこいって言うからこういう所来るのは初めて。」

 

八潮さんとカリスマさんは行ったことが無いらしい。

 

「じゃ、じゃあこの中でコンビニ行ったことあるの私だけ?」

 

「ましろちゃんはあるの?」

 

「うん、何回もあるよ。」

 

「まぁ今回行くコンビニは知り合いが店員やってるし、皆知ってる人だから大丈夫だよ。」

 

 

 

ウィーン

 

「しゃーせ。」

 

「いらっしゃ.....って優希じゃん。久しぶり!!」

 

今井さんが店員側から出てきて近づいてきた。まぁ確かに文化祭以来かな.....青葉さんも雰囲気がいつも通り。

 

 

「ゆーお兄ちゃんってRoseliaのリサさんと知り合いだったの?」

 

「うん!!この前も合同練習したもんね!!」

 

「文化祭前の話だけどね。」

 

「ところで優希.....いつMorfonicaの人達と知り合ったの?」

 

「今教育実習中でそれで月ノ森に行ってるんだ。蒼生の姉さんが理事長やっててさ。」

 

「へぇ.....燐子のお姉ちゃんか。見てみたいなー♪」

 

「まぁ白金さんの家に行ってみたらいると思うよ。」

 

「じゃあ今度行こうかな。ねぇ優希。」

 

「ん?どうしたの?」

 

「あれ、ほっといて大丈夫だった?」

 

「あれって.....」

 

 

 

 

 

「え!?何このスイーツ超可愛い!!絶対映えるじゃん!!しかも安い!!こんなの売ってるんだ!!」

 

「ど、どうしよう!!指紋付いちゃった!!これ取らないと.....」

 

「このコン○ームってなんだろう?」

 

「.....品の配置が効率的ね、顧客の興味がひかれやすいようになってるわね。」

 

「ふっふっふ、モカちゃんの品揃えを見抜くとは中々ですなぁ〜。」

 

 

ま、まずい。色々やばい事態になってる!!.......と思ったら

 

 

「あなた達、コンビニで騒ぎすぎですよ。他のお客さんの迷惑になるので声は控えてください。」

 

「ご、ごめんなさい.....」

 

紗夜さんまでいるという.....このコンビニにおけるガールズバンド率高くないか.....?

 

「ここって、ガールズバンド専門のコンビニだっけ.....?」

 

「あはは.....そんな事ないけど。」

 

 

 

 

「あれ?.....優希さんじゃないですか。どうしてここに?」

 

「ん?Morfonicaの付き添いとして来たんだよ。ほら、今僕って月ノ森に教育実習に行ってるし。」

 

「なるほど.....大変ですね。」

 

「大変ですねって言いながら関節技決めるの辞めてもらっていいかな?」

 

笑顔で関節技してくるんですが.....こんなの千聖くらいにしかやられたことないよ。

 

「いえいえ、私からしたら女の子を侍らせているようにしか見えませんので。」

 

「社会学習も含めてだよ.....別に侍らせたりとかはしてないからね!?」

 

「では広町さんがコン○ームを見ていたのは何故ですか?」

 

「いや、それは単に知らないからじゃないかな.....」

 

さすがに広町さんもそこまでぶっ飛んだ思考はしないでしょ.....

 

「では何故『これ、ゆーゆーが使うのかな.....相手が私だったらいいなぁ』などと言っているのか説明して貰えますか?」

 

訂正、どうやらぶっ飛んでいた模様です。

 

「ま、まぁ僕は千聖一筋だからそういうことはしないし。」

 

「ふふっ、そうですね。」

 

「なんか力強めてない?強めてるよね?」

 

「まぁ優希が紗夜の地雷踏んだんだから仕方ないよ。」

 

「リサさん....見捨てないで....」

 

その後なんとか事態は収集したが、この事が友希那さんと千聖に伝わったため、帰ったらお説教とのことです。あれ?コンビニ寄ってお菓子とか食べるの目的だったのに.....




ホラー研究会があるんだからバンドがあっても大丈夫だよね.....
今回のイベント絶対にネタに走ってますよね。いい感じにMorfonicaのメンバーも掘り下げられてましたし。


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やべぇよやべぇよ

バンドリでは千聖さんイベント、シャニマスではPカップ、スクスタでもそろそろ来そう.....忙しい。


教師生活も段々と慣れ、噛むことももう無くなった。最初は緊張してたから丸山さんのようなこともあったけど.....ま、まぁ慣れたしいいよね。

 

だが、この学校はそこで終わらせてくれるつもりは無かったみたいで

 

「家庭訪問、ですか?」

 

「うん!!一応1年生だから保護者に顔見せするのと、授業は普段の佇まいとかも含めて保護者と話し合うんだよ!!」

 

紫吹さんがやけに元気そうに言っているが、こっちからしたらお金もちの家に行くということになるから緊張感が半端ない。それに僕は何故か犬(レオンを除く)から嫌われやすいから家に犬とかいたら怖いなぁ....

 

「一応事前にアンケート取ったけど、スーツで来ることと、親御さんの子供自慢は最後まで聞くようにだって。」

 

「子供自慢?」

 

「うん、この学校の生徒ってさ、お金持ちとかコンクールで優勝したりとか色々ハイスペックだからねぇ.....親御さんも自慢したいんじゃないの?」

 

「随分と適当な.....」

 

「明日からだから頑張ってね!!」

 

まぁでもお茶とか出してくれたら嬉しいなぁ.....

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日 放課後

 

「えっと.....初っ端は八潮さんか。いきなり山場来たなぁ.....」

 

結構不安である。おそらく八潮さんの性格からして親御さんも案外似ているところがあるんだろうなぁ.....バンドの話とか出されたらきついな。

 

「...あれ?優希くん?」

 

「こんにちは二葉さん、どうしたの?」

 

「うん、ちょっとお使い行っててさ。さっき荷物家に置いてるいさんの家に行く予定だよ。」

 

「八潮さんの?どうして?」

 

「この前合宿の話したでしょ?だから改めてリーダーとして親御さんにちゃんとお礼を言っておきたいんだ!!先生もるいさんの家に行くの?」

 

「うん、家庭訪問あるからさ。良かったら一緒に行く?」

 

「え、それって行って大丈夫なのかな.....?」

 

「まぁ別件だったら大丈夫じゃないかな?」

 

という訳で僕と二葉さんで八潮さんの家に行くことになった。八潮さんの家ってどれくらい広いんだろ.....?

 

 

 

 

「着いたよ!!」

 

「あれ.....案外豪邸っぽくない?」

 

もっと庭があってぇ.....みたいなのを想像してたけどそういうのではなかった。だが分かる、明らかにこの一軒家はお金持ちだ。あれかな?

 

「入らないの?」

 

「一般人は入るのを躊躇うんだよ.....」

 

二葉さんは何の躊躇いもなくベルの前まで行った。こういうところはやっぱりお嬢様らしいなって思うこともある。

 

ピーンポーン

 

 

「はい、八潮です。」

 

「あ、どうもすみません。月ノ森女子学園1年C組の白鷺です。家庭訪問で伺わせてもらいました。」

 

「あぁ....どうぞ、入ってください。」

 

意外と物腰柔らかく受け入れてくれた。そこは意外。

 

「あ、あとMorfonicaの二葉つくしです!!合宿の件で....」

 

「分かりました、家庭訪問がありますからしばらく別室で待ってもらっていてもよろしいですか?」

 

「はい!!分かりました!!」

 

 

 

 

 

「んん.....初めまして、八潮瑠唯の父です。娘がいつもお世話になっております。」

 

「こちらこそ初めまして.....お忙しい中お時間取っていただきありがとうございます。」

 

挨拶ってこれでいいよね?多分。

 

「それで.....娘はどういった感じですか?」

 

「そうですね.....クラスでは非常に優秀な立ち位置にはいますし、バンド内だとバンドを抑える役割も果たしてくれています。」

 

「なるほど.....他には何か、例えば思い詰めているところとかは....?」

 

「特には無いんですが.....何かきがかりなことがあるんですか?」

 

ちょっと気になる。でも話してる感じこの人はスパルタのようには見えない。

 

「その.....なんと言いますか、私も妻も、瑠唯に期待をし過ぎている部分がありまして.....昔でいうとヴァイオリンのコンクールも私たちが始めさせたようなものですし。」

 

「あぁ.....そういう。でもバンドの調子を見る限りは何かに追いかけられているといった様子はありません。」

 

「そうですか.....それなら良かった。 ....先生。」

 

「は、はい。」

 

そう言って八潮さんの父親は窓際に行って、並べられているトロフィーに手を当てながらどこかを眺めるようにして言った。

 

「過度な期待は時に災いを招くもの.....覚えておいてください。」

 

「は、はい.....」

 

なんか知らないけど重い雰囲気になった。もしかしてあれかな.....自分が娘にやってきたことを少し後ろめたく思っているのかな。

 

「では、私はこの辺で.....妻が話したがっているようなので。」

 

ん?なんか第2Rみたいな感じになったけど母親も来るの?

 

 

 

「初めまして、八潮瑠唯の母です。」

 

「初めまして、白鷺優希です。」

 

なんか初っ端から敵意むき出しなんですが.....というか威圧感半端ねぇな。

 

「先程主人とお話したようですが.....娘にバンドを辞めさせるよう言いましたか?」

 

「い、いえそういうことは言っていません。」

 

「そうですか、では改めて。娘にバンドを辞めさせて下さるよう言ってくださいませんか?あのような時間の無駄になる事をしていては将来に傷がつきますので。」

 

あれ?これで別荘借りれたの?え、どういうこと.....

 

「主人はあれを認めていますが.....あんな事ではいけません。」

 

.....大体察した。さっきのあの言葉はきっとこれがあるからって事か。

 

「すみませんが.....娘さんにどういったことを期待しておられるんですか?」

 

「期待ではありません。できて当然の事です。まずあのような事に現を抜かしていたは.....」

 

そこからは長々と理想論が語られた。確かにこう育てられたら八潮さんの性格がああなってもおかしくはないのか.....

 

 

「ですから、お願いします。いえ、してください。」

 

「残念ながらそれに関してはお断りします。」

 

「何故ですか?あなたは教師でしょう!?」

 

「まぁ正確に言うと実習生なんですけど.....まぁいいや。バンドをやるというのは八潮さん本人が決めたことです。」

 

「だからこそ間違っているから大人が正す.....」

 

「まず何故無駄だと断定できるのですか?そこを教えてください。」

 

「それは当たり前でしょ?あんな馬鹿でただ騒ぎたい連中がやりそうなことを.....」

 

.....どこの業界もどうしてこういうことがあるんだ.....千聖も周りから色々圧力あったし、八潮さんも色々ありそうだし.....

 

「あのすみません....ご冗談ですよね?」

 

「冗談な訳が無いでしょ!!」

 

母親は激昂していた。おそらくこういうお金持ちだからこそそういう道が、生き方が正解とかそういう教えられ方をされているのかな.....

 

「少なくとも、その時間が無駄になるかどうかは八潮さん次第です。お義母さんが決める事ではありません。」

 

「じゃあバンドをして、一体履歴書に何か効果があるんですか?バンドをやっていることが一体何に有利になるんですか!?」

 

「そもそもその考え方がおかしいんじゃないですか?バンドをやろうがやらなかろうが八潮さんの自由ですし、それを決める権利は僕にもありません。」

 

「だからお金持ちというのは.....」

 

「さっきからしつこいですよ!!なんでお義母さんが勝手に枠作るんですか!?」

 

「だって子供は間違う.....」

 

「間違いの何がいけないんですか?そうやって失敗したとしても成功したとしても、その経験が、そこから得られた物がより人を良くしていくんじゃないんですか?」

 

「う、うるさいわね!!口答えするつもりかしら!?実習生の分際で!!」

 

「相手の立場がどうかは関係ない事です。それにさっきから無駄無駄言ってますけど.....そりゃあその考え方じゃ無駄になりますよ?」

 

「な、何が言いたいのよ.....」

 

「八潮さんがバンドを始めたのには何か理由があるはずですし、それを決めたのは八潮さんです。なら親なら、それを応援してあげてくださいよ.....」

 

「さっきから偉そうに.....」

 

「周りからそうやって期待という名の圧力をかけられる子供の気持ちが、分かりますか!?おそらく八潮さんはそこまで苦しんではいないかもしれません.....でも、個人なりに葛藤はしていると思います。」

 

そこに関しては僕もよくわからない。結成当初からいた訳でもないから。

 

「....ちょっと話が反れましたが、さっきの無駄についてです。無駄かどうかを決めるのは八潮さんです。そういう考えで生きていれば確実に無駄になります。」

 

「で、でも結果論で考えればやらない方がいいに決まってるでしょ!!」

 

「では結果論で話をしましょうか?勿論今の社会は成果主義が大きいですし、当然結果論にたどり着くのは当然です。ですが.....成功した、失敗したということよりも、その成功や失敗を活かせない方が失敗だと思うんです。」

 

「な、何を言って.....」

 

「勿論先程仰っていたようにバンドをやったからといって履歴書に色がついたり、将来コネができたり、そういったことは殆ど無いでしょう。ですが、バンドをやっていくうちに培われる他人との協調性、個性。そして色んな経験をします。その時間は、考え方1つで貴重な物にもなりますし、同時に無駄なものにもなるでしょう。でもそれは本人次第です。だから.....親御さんが勝手にレッテル貼って、娘さんの意志を曲げようとするのは辞めてもらえませんか?娘さんを慮って動くのと子供のためにと規制するのは似ているようで全く違いますからね。」

 

なんか.....どっかの3年B組の担任の先生みたいな展開になったかな.....まさか実習期間に親御さんにこんな意見する展開になるとは....

 

 

「.....」

 

そのまま、八潮さんの母親は無言で部屋を出ていった。後ろから二葉さんと八潮さんの父親が見ているのが見えた。

 

「もしかして.....見てました?」

 

「うん!!かっこよかったよ、優希くん!!私もああいう風に言えるようになれたらいいなぁ.....」

 

「よく妻に向かってあそこまで怖気づかずに言えたね.....尊敬するよ。」

 

「もしかしてかかあ天下なんですか?」

 

「あぁ.....そうなんだ。因みに別荘の件は快諾したよ。ここまでやって貰ったんだから自由に使ってくれたまえ。」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

「顧問として一役頑張ったね、優希くん!!」

 

「二葉さんもリーダーになるなら、あれくらい堂々と言ってね。僕も言ってる時内心超緊張してたから.....」

 

さすがに怖かった。他人の親が相手だからね。ま、まぁ怒った時の千聖のあの雰囲気に比べたらへでもなかったな.....

 

「因みにさっきのところ、録画したんだ!!」

 

「.......え?」

 

笑顔で二葉さんがカメラをだした。いや、そんなドヤ顔されても.....

 

「これ今度モニカの皆で見るね!!」

 

「辞めんかい!!」




月ノ森女子学園のモデルって慶応女子なんですかね.....休校もあと2週間ちょっとですね.....

これは皆さんに提案です。一応この二次創作はタイトルとは反して千聖さん回が少ないという状態です。というのもメンバー全員との日常も書きたかったが故なんです。なので.....シリアス、日常、戦記ものと来たので、オリ主の千聖さんヒロインの純愛小説とか書いてみる、という考えです。ただし、並行するのは難しいですし、一応教育実習編が終わったら『白鷺家のお兄さん』を終わろうかなと思います。ちょっとしたEXTRAの過去編とかもたまに投稿する感じにして。そこら辺のご意見とかアンケートとかもやっていけたらなと思います。(今のアンケートがある程度投票してくれたらやります)。


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あの娘も来た

千聖さん柔らかくなったなぁ....と改めて今回のイベントストーリー読んで感じました。というか彩ちゃんの演技実際に見てみたい.....


朝起きてから、やけに肩が重かった。何故だろう.....最近働き詰めだからかなぁ。しかも妙に耳元にも風が来るし、なんか背中には柔らかい感覚があるし.....つかれてるんだろうなぁ.....

 

「ゆ、ゆーお兄ちゃん!!」

 

「ん?どうしたのましろちゃん?」

 

ましろちゃんが妙に焦った顔をしている。どうしたんだろう。

 

「せ、背中....う、後ろ!!」

 

「ん?後ろ...!!!」

 

そこにはなんと.....

 

 

「先輩、気づくのが遅すぎよ。学校に来てから気づくなんて.....悲しいわね。」

 

「なんで乗ってるの?友希那さん。」

 

肩に友希那さんが乗っていた。どうりで重かったわけだ。

 

「あの、重いから一旦離してもらえる?」

 

「ふん。」

 

「首を締めないで....」

 

なんかおんぶしている状態だからやばい。

 

「女の子に対して重いなんて、相変わらずデリカシーが無いわね.....まぁいいわ。私が1から教えてあげるから。」

 

「その前に学校どうしたの?羽丘今日は休みじゃないでしょ?」

 

「先輩と久しく会ってなかったから.....今日は休みにしてこうして来たのよ。」

 

「まじか.....」

 

学校休んでまでして来るって相当だよ?かなり驚きである。でもまぁ.....

 

 

「休んでるんだったら行かせようにも無理か...リサさんは何か言ってなかったの?」

 

「リサには内緒で来ているの。絶対に反対されるだろうから....」

 

「とりあえずこのままだと生徒に怖がられるから放課後まで来賓室で待っててくれる?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後 部室

 

「ふふふっ.....先輩の匂い、少し変わったかしら?」

 

「まぁ今は奥沢さんの家に行かされてるからね。」

 

「そういえばそうらしいわね.....私の家に来れば良かったのに。」

 

「友希那さんの家に行ったら婚姻届書かされそうで怖いよ。」

 

「よく分かったわね。」

 

「合ってるのかよ....」

 

どうしてだろう.....会った時のクールさ、ステージでのオーラはどこにも無い。プライベートの友希那さんってギャップ凄いな。

 

 

「おっはよー、ゆーゆ.....」

 

ガンッ!!

 

「今昼だけどね、広町さん。どうしたの?」

 

広町さんがこの世の終わりを見たかのような目をして肩にかけていたベースを落とした。ケースがあるとはいえちゃんと扱わないと。

 

「ゆ、ゆーゆー....湊さんと知り合いだったの?」

 

「ええ.....将来の妻よ。」o(`・ω´・+o) ドヤァ…!

 

「いやいつ結婚の約束したんだよ。」

 

何故か湊家は僕と友希那さんを結婚させようとしてくる。友希那さんと知り合ったとはいえ、僕はアドバイスくらいしかしてないのに.....

 

「ななみ、どうし....え!?ゆーくん彼女いたの!?」

 

「だから違うってば!!」

 

カリスマさんも入ってきて事態がよりカオスになってきた。

 

「ふふっ、こう見られるならもういっそ付き合っちゃいましょ。」

 

「それはご丁寧にお断りさせてもらいます.....」

 

 

 

 

「さて.....改めて紹介しておくよ。Roseliaのボーカル、湊友希那さんだ。皆花見で会ったらしいから知ってるよね?」

 

「はい。でも話しかけたのは倉田さんだけだった気がします。」

 

「わ、私怖くて話せなかったよ....」

 

 

「先輩、私ってそんなに怖いかしら?」

 

「人によるんじゃない?初見の人からしたら目線が睨んでるように見えるとか....」

 

僕と初めて会った時はもっと威圧出てたからな.....

 

 

「ところで.....なんでゆーお兄ちゃんにずっとくっついてるんですか?」

 

「何故?これは将来の為の予行よ。ライブをするにしろ、練習が必要なように。」

 

「それとはまた違うと思うんだけどなぁ....」

 

「それに先輩、生徒にお兄ちゃん呼びをされているなんて、随分と親しくなってるじゃない?」

 

「そ、それは....」

 

どうしてだろう、今腕に血がいっていない気がする。というか苦しい。あれ?友希那さんってこんなに力あったっけ.....?

 

「全く....妬いちゃうわね。」

 

というかさっきから何かと色っぽい。耳元で囁いたり、妙に顔が近かったりと。これ孤高の歌姫とのギャップ凄いよ。

 

「言ってることとやってることの差がありすぎですよ。腕が死にそうなのでそろそろ離してもらえないかと.....」

 

「そう照れる必要は無いわよ。それとも.....あの娘みたいに大きくないと不満なのかしら?」

 

「それは断じてありませんね。」

 

千聖も控えめだというのにそんな好みをしていたら嫌われてしまうしね。そんなのに興味があるのは豪と蒼生くらいだろう。いや、あいつらもあんま無いな.....

 

「さてと.....今日は私がバンドの練習を見ていてあげるから、先輩は仕事をしてきなさい。そして一緒に帰りましょう。あまり遅いとリサから心配されるのよ....」

 

「あ、うん。分かった。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

先輩は部室から出ていった....さて

 

「とりあえず練習を始めたい所だけど、まずは貴方達がどこまで先輩と親密度を上げてるか、教えて貰えないかしら?」

 

まぁ先輩のことだからちょっとしたスキンシップくらいかしら.....

 

「わ、私は.....シチュー食べさせてもらい、ました...」

 

随分と可愛いわね。あことは少し違うけれどそこまでかしら。

 

「あたしはバイク乗らせてもらったよ!!もうサイコーだったよ!!」

 

これくらいは想定の範囲内ね。でも先輩バイクなんて持っていたかしら.....?前に私が誘拐された時は使ってた記憶があったけれど.....もう数年前の話ね。

 

 

「私は特にそういったことは無いわ。」

 

「私も無いかなー。この前るいさんの家に一緒に行ったくらいしか。」

 

この2人も大丈夫のようね....ちょっとお茶でも飲もうかしら。

 

「私はゆーゆーと一夜を一緒にした事があるよ〜。」

 

「ぶふっ!!!」

 

「あ、だ、大丈夫ですか!?」

 

「い、いえ問題は無いわ.....」

 

一夜を共にした?この短期間で?先輩ってそこまでガードが緩かったかしら.....?

 

「後は舞踏会で一緒に踊ったりとか。でもゆーゆー、体くっつけたのに全然反応しなかったんですよ〜。」

 

この子....かなり警戒が必要ね。おそらくナチュラルに距離を詰めているわ.....

 

「私これでも自信はあるのになぁ.....」

 

さらに聞き捨てならないセリフが出てきた。それならその脂肪の塊を譲って欲しいものね.....でも、私の体型は先輩には合っているから必要ないかしら。

 

「そ、そうなんですよ!!ゆーお兄ちゃん、全く興味を示さないんです。この前も私も挑戦したんですけど.....全くの無反応で.....」

 

ただのお嬢様高校と思っていたけれど想定外ね.....特にこの2人、距離の詰め方が凄いわ。あまりコミュ力がない先輩に対してのアプローチ。

 

「それって....何か原因があるんですか?私、地味で身長も低くて地味だけど.....体には自信あるのに。」

 

「私も女の子らしいというところには自信あるんだけど.....何か理由があるのかな?」

 

.....何故かしら。純粋な疑問を発しているはずなのに煽りに聞こえてしまうのは。

 

「.....そもそも、先輩はそういうのに全く興味が無いのよ。そういうふしだらな考えはないわ。」

 

(´・ω・`)

 

2人とも若干落ち込んでいるように見える。

 

「.....そんなことは気にする必要は無いわ。あと、先輩と結ばれたいなら避けては通れない絶対的な存在がいるのよ。」

 

そう.....白鷺さんを超えない限り先輩を取るのは不可能。というか、あの兄妹は相思相愛と言っていいほど仲睦まじい関係だから。でもその前に.....

 

 

「私の方が、先輩との付き合いも長いし、色々分かるのよ。なんて....茶番はおいて練習しましょう。普段通りやってくれて構わないから。」

 

「は、はい!!」

 

この話を続けてると、残りの3人が暇そうだからまたこの話は別の機会としましょう.....

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

夕方

 

「どうだった?Morfonicaは?」

 

「ええ、演奏技術が拙いにしろ、ポテンシャルのある子達が多かったわ。ただ.....」

 

「ただ?」

 

「私たちと似ていて....バンドの方向性がバラバラなのと、性格や人間関係もなにかありそうね。」

 

「演奏だけでそこまで分かったの?」

 

「いいえ、普段通りにしてと言って見ていたらそう感じたのよ。先輩も、気をつけなさい。」

 

「ありがと。でも厳しそうだね.....特に僕がいる間はともかく、PTAがどう言うか分からないし。」

 

「そこは悩んでも仕方がないわ。まずは演奏技術を向上させましょう。」




Morfonicaの2章って、多分方向的にはAfterglowみたいな感じになりそう....というかお嬢様校っていう設定利用して何かありそう。


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CiRCLEにて

緊急事態宣言伸びるのかな....一応受験生だから学校はあって欲しいです。

ひまりちゃんとリサ姉は共通してお化け苦手だから.....透子ちゃんもお化け苦手なのかな?

やりきったかいスタンプを記念して、今回は登場してもらいます。ちょっとおかしいかもしれないけどご了承を。


Morfonicaの皆はCIRCLEで練習中で、友希那さんが見るといって引き受けちゃったので絶賛暇です。

 

「はぁ...千聖に会いたいなぁ.....」

 

「なら、とりあえず目線を上げたら?兄さん。」

 

「え.....千聖!?」

 

そう、目の前に千聖がいたのだ。いきなり目の前にいたからビックリした。

 

「ふふっ、久しぶりね、兄さん。」

 

「うん.....久しぶり、千聖!!!」

 

「わぁ!?兄さんここ外よ!?抱きつくのは帰ってからにして!!」

 

でもそう言ってる割には千聖も満更でもない顔をしている。顔は照れてるんだけど、口元が緩んでいる。あぁ.....最高。

 

「じゃあ、帰ったらいいんだよね?」

 

「.....ええ、好きなだけどうぞ♪」

 

妹から許可が降りた。きっと教師生活頑張った給与なんだろう.....

 

「ところでどうしてここに?仕事はどうしたの?」

 

「終わらせてMorfonicaのメンバーと一緒にCIRCLEに来たはいいんだけど.....友希那さんに仕事取られて絶賛暇を持て余してるところ。」

 

「そう....(友希那ちゃん.....グッジョブよ。)それにしても、意外ね。友希那ちゃんが自分からそういう事をするなんて。」

 

「あれじゃないかな?Morfonicaの現状の問題点がかつてのRoseliaと似てるんじゃないかな?」

 

「なるほどね.....今日は助っ人を連れてきたわよ。」

 

「助っ人って?.....げっ」

 

 

 

「何がげっだよ。」

 

「いえ、何も.....」

 

まさかのばあちゃん....都築詩船さんがいた。千聖、助っ人のチョイス凄いな....というかよく納得させられたな。

 

「で....助っ人っていうけどなにするの?ばあちゃん。」

 

「いきなり声を出すのもあれだから.....しばらくは見守るさ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

CiRCLE内

 

「へぇ...あんた達にベッタリだったあの子が今や教える立場になったのかい。」

 

「まぁ僕の仕事取られたんですけどね....」

 

皆知らないと思うけど、EXTRAが結成されてから解散するまでの間、ライブや練習を見た回数が1番多いのが、このばあちゃんである。千聖や友希那さんもかなり初期の頃から一緒にいたからあれかな....

 

「....初期のあんた達を見ているようだね.....」

 

「そう?まぁあんな感じだったような気もするけど。」

 

「あの娘達のライブは見たことあるのかい?」

 

「ライブは無いけど....合わせてるところは何回も。」

 

「演奏というか.....ばらばらじゃないか。あれでやりきれたと言えると思ってるのかい。特にあのボーカルの子は。」

 

ばあちゃんも少々思う節があるらしい。それにしても.....

 

 

 

「やっぱり千聖の撫で心地は最高だなぁ.....」

 

「ふふふ.....兄さんの手、暖かいわね。」

 

「あんたらは全然変わっとらんね。.....ちょっと行ってくるよ。」

 

そう言ってばあちゃんはスタジオに入っていった。いやいや、突然入られたら皆びびるよ?というか.....

 

 

「兄さん、扉開いたらこの姿見られるわよ。」

 

 

 

 

 

「失礼するよ。」

 

「.....ほわ!?だ、誰ですか.....って、ゆーお兄ちゃんも見てたの!?」

 

「う、うん.....」

 

「私を無視するとは大した根性だね。」

 

「あ、ぁぁ.....ごめんなさい。」

 

ましろちゃんがばあちゃんの圧力に屈した瞬間である。豪はよく屈しなかったな.....

 

 

 

「ちゃんと自己紹介はしておこうか.....都築詩船(つづきしふね)、今はないがSPACEのオーナーだよ。そしてあんた達の顧問のバンドを一番長く見てきた。」

 

「顧問って.....ゆーお兄ちゃんを!?」

 

Morfonicaの一同の目線が僕に集まった。千聖の頭を撫でながら見られた為、ちょっと気まずい雰囲気になった。特にましろちゃんと広町さんの目線が少し厳しくなった.....広町さんに関してはハイライト消えちゃったよ。

 

「とにかく.....今は私の話を聞きな。」

 

「は、はい....」

 

そしてなんか知らんがスタジオが静かになった。千聖と友希那さんが静かな睨み合いをしているが気づかなかったことにしておこう....この2人はブレないな。

 

 

「さてと.....あんた達が今までライブをどれくらいしてきたかは知らないけど、ちゃんと全部やりきったと言えるかい?」

 

「え、えっと.....」

 

「別に完璧にやったかを聞いてるんじゃないよ。やりきったかどうか聞いてるんだよ。」

 

ばあちゃんぶっきらぼうだからなぁ.....これ下手したら怖がらせる可能性ありそうだけど大丈夫かな....

 

「ばあちゃん、その聞き方だと怖がられるよ。.....皆は、練習して本番に挑むわけだけど、ミスとか置いといて自分の力出し切った、やりきれたって感じたことある?」

 

「それは本番で上手くいった、ということですか?」

 

八潮さんが聞いてきた。

 

「まぁそれもあるね。」

 

「なら私はやりきったに入るわね。手は一切抜かないから。」

 

「そ、それは私もだよ!!リーダーとして頑張らないといけないしね!!」

 

「.....で、3人は?」

 

だから怖いんだって。俺らみたいに慣れてたら大丈夫だけど.....

 

「あたしは全力だよ!!」

 

カリスマさんもそう言いきったが.....

 

『.........』

 

おふたりはだんまりのようで。まぁ広町さんは分かるし、ましろちゃんも性格的にそう言いきれなさそうだしね。

 

「.....まぁいいさ。答えられないなら。でも、そこで立ち止まってるつもりじゃないだろう?」

 

あれ?優しくなってる?俺らの時より遥かに姿勢が変わってないかな.....?

 

「.....あんた達のライブ、もう1回見せてやりな。」

 

「.....は!?いや、僕教師.....」

 

「場所は確保しておいてやるから。じゃあ。」

 

「おい待てばあちゃん!!勝手に話をすすめるな!!」

 

いきなりライブしろって大丈夫か.....この人俺らがそれに対応出来るのを知っててやってるだろ!!

 

 

 

 

 

「なんかこの急な流れ.....FWFの時のようね。」

 

「ええ、私もそう思うわ。友希那ちゃんも1番頑張ってたものね。」

 

「私は別に.....ただ先輩達の為に時間稼ぎをしただけよ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ばあちゃんが帰り、しばらく経った。元通り練習してはいるが、どこか重い雰囲気が残っている。でもMorfonicaが成長する上ではばあちゃんみたいな人がいた方がいいんだろうなぁ.....

 

「なぁ皆、この後ファミレス行かない?」

 

「え?ファミレスですか?」

 

「もしかしてファミレスにも行ったことないの.....?」

 

「い、いやさすがにありますよ!!」

 

「い、行きます!!後ろの人達にも興味ありますから.....」

 

とりあえず皆来てくれることになった.....ばあちゃんもう少し物腰柔らかく出来たらなぁ.....




皆さんの1番スコアが出る編成ってなんですか?こういうのってあんまり話す機会ないですよね....
僕のメイン編成はAfterglowのハッピー編成です。(千聖さんメインで引いてるのにAfterglowがめっちゃ出る.....)


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修羅場ニアファミリーと化したファミレス

Morfonicaのプロフィール見てると、やっぱりつくしちゃんが子供っぽく見えるんですよね.....リーダーなのに。


ファミレス

 

「ゆーゆー.....それじゃあ説明してくれる?」

 

なんて事だ....どうなったらこんな席になるんだ.....さすがに8人と多いので4人ずつに分けたのだが....僕、千聖、ましろちゃん、広町さんという明らかに地雷臭のする組み分けになった。なんか友希那さんもちらちらこっちを見てるけど他のMorfonicaメンバーと楽しくはなしている。

 

「どこ向いているのかしら♪」

 

「いたいいたい.....」

 

千聖に頬をつねられ、またテーブルに目を向けることになった。見えないように恋人つなぎしているせいか片腕しか自由がない。

 

「えっと.....改めまして。皆千聖の事は知ってるよね?」

 

「はい、この前のお花見でも見ましたし....テレビでも見てます。」

 

「実はね....千聖は僕の妹なんだ。」

 

『い、妹!?』

 

「ちょ、2人ともここファミレス。静かにね。」

 

2人ともテーブルに手を付き前かがみになって突撃してきた。.....2人とも胸の谷間見えてるってば。

 

「とりあえず、2人とも服の隙間から見えちゃうから一旦戻った方がいいわよ。」

 

「あぅぅ.....でも、ゆーお兄ちゃんに見られるなら.....」

 

「ふふふっ、とっても親しくなっているのね♪」

 

声色とやっていることが違いすぎるよ。頼むから足を踏まないで頂きたい。気のせいか恋人つなぎしている手に爪がくい込んでる気が.....

 

「やっぱり兄さんもそういうのが欲しいのね.....」(ボソッ)

 

「ん?何か言った?」

 

「いえ、なんでもないわよ。それで、兄さんとはどこまで進展したのかしら?」

 

頼むよ......誤解の無いように頼むよ.....

 

「私は.....相談にものってもらって頭を撫でてもらって.....時にはくっついたりしました。でもあんまり意識してもらえなくて....」

 

「私は、ゆーゆーと一夜を共に過ごしましたし、舞踏会も一緒に踊りましたよ〜。体くっつけたのにゆーゆー無関心だったんですよ〜。」

 

「分かるわ。兄さんは男かと疑うくらいに興味を出さないのよね.....」

 

.....あの、本人の前で愚痴らないでもらえますか?色々メンタル面でのダメージがえぐいので。

 

「まぁそれでも.....普通の生徒よりかは距離を詰めているのね?」

 

「はい.....将来的には籍を入れられたらなぁって.....あっ」

 

ましろちゃんから爆弾発言が飛んできた。ちょいちょい自分から自爆しにいかないで。

 

「でもお嬢様だったら兄さんとの婚約は難しいんじゃないかしら?御家族も心配するでしょうし...」

 

「あっ、それは大丈夫です!!私は一般人ですしこの通り.....」

 

「それは....婚姻届!?というかなんで常に持ち歩いてるの!?」

 

まさかの全員が驚きである。ましろちゃんとはそこまで何かを一緒にしたわけではないのに何故かここまで進んでいる....何をしたって言うんだ。

 

「兄さん.....これはどういうことかしら?」

 

「いや、さすがに僕も理解に追いつけない .....」

 

「えっと.....私、中学時代友達がいなくて....というか人とあんまり話せてなくて.....関わりを持ったとしても面倒くさいと思われてすぐに離れられたりで....ゆーお兄ちゃんが、初めて最後まで話を聞いてくれて.....」

 

ましろちゃんは頬を赤くしながら話しているが、おそらく周りの温度は絶対零度並に下がっており、Morfonicaのメンバーも驚いている。

 

「今の話を聞く限り、なぜか周りが悪いみたいな感じになっているけれど......その性格は後々厄介事をまねく可能性があるから、とにかくまずは自分のやる事に自分で責任を持つ事ね。おそらく責任転嫁を自然としてしまうのでしょうけど.....」

 

「じ、自分でも分かってるんですけど....」

 

あれ?急に千聖が物腰が柔らかくなった。まぁ千聖みたいな人間からしたらましろちゃんみたいな性格の子を見るとどこか思うところがあるんだろうなぁ.....特に子役からずっと芸能界のあれこれを叩き込まれてるから。

 

「周りは変わってくれないわよ。自分が変わってくれるまで。私もパスパレを結成した時、彩ちゃん達の懸命な行動があったから変われた。.......少し話は反れたけれど兄さんの妻になる.....という目標を持っているなら、まずはそこをなんとかしなさい。」

 

「は、はい!!.....ということは直したら認めてくれるんですか!?」

 

「え!?.....」

 

さすがの千聖も面食らったらしい。一応千聖も先輩だから後輩を諭す為に話したつもりがまさかの結婚するための条件と取られていた為、千聖も驚いた顔をしている。

 

「.....それは、ダメね。」

 

「えぇ.....」

 

なんだろう.....千聖とましろちゃんを見ると、親子のように見えてしまう。

 

「それにしても.....七深ちゃん、だったかしら?」

 

「は、はい。」

 

「あなたは兄さんとかなり進んでるみたいだけれど.....というか」

 

「ん?どうしたんですか〜?」

 

「なんで兄さんといつの間にかくっついているのかしら?」

 

「触診ですよ〜。」

 

そう言って広町さんがいつの間にかくっついてきた。あれおかしいな.....気配一切感じなかったけど。

 

「しょ、触診って.....」

 

「先生が生徒の健康状態を確認するのは普通だと思うよ〜。」

 

「えっそうなの?」

 

そんな習慣聞いたことないな.....

 

 

「.....七深ちゃん?さすがに兄さんと関係が濃くなったら親御さんが心配するんじゃないかしら?ほら、兄さんって別に御曹司とかそういうのじゃないし.....」

 

「そこは大丈夫ですよ〜。ゆーゆーみたいな人だったら絶対に歓迎されますよ。」

 

(この子は .....手強いわね。)

 

「仕方ないわね.....私が加勢してあげるわ。」

 

「友希那ちゃん!?」

 

「友希那さん.....ゆっくり食べてたら良かったのに....」

 

なんか余計にやばいことになりそうで怖い。

 

 

「とりあえず先輩は席を外してくれるかしら?」

 

「は、はい.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ふぅ.....2人とも感謝するわ。」

 

「え?でもさっきまで敵視してたような.....」

 

「いいえ、あなた達が『私の』兄さんのことを好きになってくれるのは嬉しいのよ?」

 

「そうね、『私の』先輩の良さが広まってくれるのは嬉しいわね。」

 

「あら?友希那ちゃん?あなたの兄さんではないわよ?」

 

「たとえ家族であっても白鷺さんの先輩では無いわよ?」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ....

 

 

「な、ななみちゃん。こ、怖いよ....」

 

「うん、しろちゃん。私も怖い。」

 

「.....足りないわね。」

 

「へ?」

 

「倉田さんと広町さん、だったかしら?あなた達が先輩の妻になりたいというのなら今の論争にも入って来れないとダメよ。」

 

「そうね、少なくとも私が認めない限りはダメね。まぁ、私と兄さんは相思相愛だから誰かと結婚する必要も無いわ。」

 

「....悔しいけれど、それは認めざるを得ないわ。先輩が白鷺さんにあてている寵愛が欲しいわね。」

 

「えっと.....ゆーお兄ちゃんって妹さんの事が好きなんですか....?」

 

「ええ。私は兄さんとデートを重ねた回数だって沢山あるのよ♪」

 

「回数なら私も負けないわよ。」

 

((つ、強い....))

 

「.....で、でも負けない!ゆーお兄ちゃんと絶対に....」

 

「わ、私も!!」

 

 

「ふふっ.....その意気ね。」

 

「白鷺さん随分余裕ね。私がいることを忘れているのではないかしら?」

 

「そうかしら?でも友希那ちゃんも私と同じで妹のように見られているのではないかしら?」

 

「ええ。私はあなたと体型は似ているもの。」

 

ピキッ(°ㅂ° ╬)

 

「ふふっ.....それは自虐と煽りを同時にしているのかしら?」

 

「いいえ。事実を言ったまでよ。それに.....」

 

『ん?』

 

「....白鷺さん、この際2人に聞いてみましょう。」

 

「.....なるほど。そういう事ね。2人とも。」

 

『は、はい!!』

 

「どうしたらそんなに発育が良くなるのかしら?」

 

 

 

「それは.....内緒です〜。」

 

「わ、私はよく分かりません.....」

 

 

 

 

 

一方その頃別のテーブルでは

 

「二葉さん、レタスを残してはダメよ。」

 

「え!?だって苦手なんだもん.....」

 

「ふーすけも子供っぽいところあるんだねー。」

 

「こ、子供じゃないよ!!というかるいさんも豚骨ラーメンちょっとしか食べてないじゃん!!」

 

「.....克服しようとしているのよ。ただそのペースが遅いだけ。」

 

「ままっ、2人とも頑張りなって!!」パシャッ

 

「な、なんで撮るの!?」

 

「うんん、思い出の1枚ってこと!ふーすけとルイの意外な一面、こういうのいいよね!!」

 

「全然良くないよ!ちょっと子供っぽいじゃん!」

 

「桐ヶ谷さんも楽しそうね。」

 

「うんうん!こうやってメンバーで食べに行くのって珍しいじゃん?」

 

「それもそうね.....あっちのテーブルは凄いことになっているけれど。」

 

「あ、あはは.....」

 

「ほら!!るいさん、透子ちゃん!ちゃんと食べたよ!!(涙目)」

 

((やっぱり子供っぽい.....))




対バンでRinging Bloomを選んでEXフルコンする人凄いですよね。対バンの基準ってどうなってるんだろ.....総合力なのかな?


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妹の日記&

今回のフェス限もイラアドが高いですね.....報酬3倍はいいんですけど全然スター無いですやん。


どうも、奥沢美咲です。私は今、白鷺さんの部屋を掃除している。といっても家の中である程度役割が決まっていて白鷺さんは買い物の荷物を持ったりとか妹達と遊んだりと体力や力が必要な仕事をしてくれている。なので私はせめともということで掃除をしている。こころ達から解放されて、かつこんなにゆっくりできる休日は久しぶりだなあ....

 

「にしても....整ってる。掃除しようにも全然ホコリとかないし....やっぱ千聖さんのお兄さんなだけあるなぁ。」

 

.....と思ったら何冊かの本らしき何かが目に入った。

 

「これなんだろう.....日記?」

 

少し色褪せている辺り結構昔の日記なんだろう。....って

 

「これ千聖さんの日記じゃん!!どうして持ってるんだろう.....」

 

まさか....ないよね。まぁいいや。どんな内容なんだろう.....

 

 

 

○月✕日

 

今日はお兄ちゃんに覚えた台本の演技を見てもらった!お兄ちゃんは上手だねって褒めて私の頭を撫でてくれた。とっても嬉しかった!!

 

「ふふっ、やっぱり千聖さんも子供の頃は子供っぽいところがあったんだ。」

 

私は少し意外に感じた。

 

「続きどんなんなんだろう.....」

 

○月△日

 

今日は稽古をしたけど、監督さんに下手だって怒られた。何回も練習したのに駄目だった.....悔しかった。でも、お兄ちゃんが慰めて練習に付き合ってくれた!

 

 

「.....やっぱり白鷺さんが好きなんだ....今でもそうだけど、こういう事があったからなんだろうね。」

 

△月✕日

 

子役をやってるから分かるところもあるんだけど.....やっぱり自分が出たテレビを見られるのが怖い。私は子役で、自分を偽って演じるのが仕事.....でも、それが皆に私の一面って思われたら.....

 

「.....役者なりの苦労、か。千聖さんも悩んでいたんだ。」

 

△月○日

 

ある日クラスメイトから「白鷺さんって人形みたいだよね」と言われた。発言の意味は分かる.....私が色んな役を演じていて本当の私が見えない....そういうことね....正直傷ついた。私を理解してくれる人はいないの.....兄さんは心配してくれているけど、私の問題だから兄さんに迷惑なんかかけたくない.....

 

「ページ抜けてるから日にちが一気に過ぎてる.....」

 

✕月○日

 

周りから色々言われることは無くなったけれど、次は私を役者としてしか見てくれない人が多くなった.....薫とも別の学校に行って.....どうしたらいいのかしら.....そして兄さんに悩みがバレてしまった.....絶対に知って欲しくなかった。兄さんにだけは.....こんな私.....

 

 

「......」

 

私は想像できなかった。千聖さんが白鷺さんに弱みを見せたくないなんて言うのは....

 

✕月□日

 

兄さんがバンドを結成したらしい。今まで兄さんが誰かと積極的に関わるところは見たことが無かったから意外だった.....でも兄さんにそういう仲間が出来たのがめでたいと思うと同時に、そういう生活ができる兄さんが妬ましかった。女優の妹を持ってもなお普通に学生生活を送れる兄さんを.....兄さんも、私のことを少し疎ましいと思っているのかしら.....

 

 

□月✕日

 

兄さんの友達の湊さんという人と出会った。私と同じで兄さんの事が好きなのはすぐ分かった....それに湊さんは兄さんに自分を見せていて羨ましかった。湊さんは私をしばらくじっと眺めていた。

 

□月○日

 

初めて兄さん達のライブに行った。湊さんも一緒にいてライブを見た。私は音楽経験が無いから全く分からなかったけれど.....とても気分がのっていて、そしてその時だけは悩みを忘れられた。湊さんも遠くを見ているような感じで、兄さん達も全力で楽しんでいるように見えた。その時のライブの目標が『ファンも俺たちのありのままに!自分たちをだそう!』だった。ライブが終わった後、私は兄さんに呼ばれてステージ裏に行った。.....兄さんはどこか悲しそうな目をしていた。そして「千聖、何か悩んでるんだろう.....僕には話してくれないのか.....」とどこか悲しい目で聞いてきた。私の問題だから話したくはなかった.....けどあんな目をされたら拒否する方がよっぽど辛かった。私はライブの余韻もあったからか悩みを打ち明けた。湊さんも私の横でそれを聞いていた....それを聞いた兄さんは「そうだったのか.....なら僕達がその理解者になるよ」と言った。私は一瞬驚いた。こんな悩みを打ち明けても困るだけだろうって....結局はどうしようもないという結論になると思っていた。

「僕は兄でありながら千聖の悩みを理解してあげられなかった.....僕は万能な兄じゃない。けど、たとえ千聖がどんな自分を持っていても僕はそれをちゃんと受け入れるよ。それに千聖は人形なんかじゃないよ。僕の大切な妹で、子供っぽさもあってどこかで自分で区切りをつけようと背伸びしてがんばってる、1人の女性だよ。」と笑顔で私の頭に手を置いた。このぬくもり.....どこか懐かしかった。.....私はどこかで壁を勝手に作っていたのね。それに実はこのライブは私の為に兄さんが計画したものらしい。メンバーの方々も俺たちに出来るならって協力してくれたらしい。.....感謝しかなかった。私から勝手に遠ざかったのにそれでも私を受け入れようとしてくれた。.....その温かさがとても嬉しかった。

 

「.....千聖さん、羨ましいな.....」

 

「あのー、奥沢さん?」

 

「....ふぇ!?い、いつの間に!?」

 

「さっきから後ろにいて声掛けてたんだけど.....読むのに夢中になってた?」

 

「は、はい.....というかなんで千聖さんの日記持ってるの?」

 

「あー、それね。こっちに荷物持ってきた時に紛れ込んでてさ、さすがに返したら絶対に読んだってことで機嫌損ねそうだからそっとね。」

 

「あぁそういう....懐かしいな、この写真。」

 

そう言って白鷺さんが日記の後ろの方から取り出したのは.....EXTRAと湊さんと千聖さんが写った写真だった。

 

「これ、ライブ後に撮った写真でさ.....俺たちがばあちゃんを初めて納得させられたライブなんだよなぁ。」

 

「どこか千聖さんと湊さんが幼く見えるね。」

 

「そう?まぁ今から数年前だからねぇ.....あっ、そうだ。」

 

「ん?どうしたの?」

 

「奥沢さんも何かあるの?この前遊園地行った時もそうだったんだけど.....どこか目線が下がってたし悩んでるようにも見えたけど....」

 

「.....なんか薫さんと話してる気分。」

 

「薫と?」

 

「.....なんか見透かされているというか私の心理が見えているみたいな.....」

 

 

「薫は昔から察するからね。千聖を幼馴染に持ったっていうのも大きいと思うよ。」

 

 

「そうだね.....ねぇ白鷺さん、女の子らしいってどういう事だと思う?」

 

「女の子らしい....どういうこと?」

 

「ほら、私って...ミッシェルで動いたりこころ達を抱えたりすることが多いからさ.....花音さんみたいなか弱さが消滅してるし.....胸も、有咲やこころみたいな感じじゃないし.....薫さんみたいな美脚でも無いからさ.....」

 

「そんなので女の子の価値って決まるものなの?僕は男だからよく分からないんだけどさ.....」

 

「でも、やっぱり女の子って言えばそういうのでしょ?」

 

「うーん.....まぁそういうところがあるのは否めないね。.....僕は女の子じゃないからその悩みを完璧に解決できる道を教えるのは不可能だから......とりあえず誰かと比べないことだね。」

 

「比べない?」

 

「内心わかってる部分もあるんじゃないの?比較しがちなところがあるって.....今の話を聞く限り、全部誰かと比べてるしね。」

 

「.......そうかも。」

 

「......奥沢さんは奥沢さんであってそれ以上でもそれ以下でもない。誰かと比較して自分を卑下するんだったらさ、自分にしかない何かを見つければいいんじゃないかな....」

 

「....それが難しいんだって」

 

「誰も1人で探せなんて言ってないよ。家族の人や、花音さん.....薫とかハロハピの皆と探せばいいじゃん。まずは自分が笑顔になれなきゃ、ね。」

 

「.....なんかこころと似てる。」

 

「そうかな?」

 

「.....じゃあ白鷺さん.....ううん、優希。私がその自分を見つけるまで、ちゃんと一緒にいてね。」

 

「.....ん?」

 

「だって提案したのは優希だよ?だったらちゃんと責任とか果たしてね。」

 

「は、はい...(あれ?予想してたのと違う.....)」

 

「勿論ハロハピの皆も頼るけど、私が少なくとも誰かと比較する癖をなくせるまでは一緒にいて。」




9月入学制とか出てるんすね.....残暑ある中入学ってなんか嫌ですね。それに熱中症とかがある時期に受験ってのも酷ですよね。


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Morfonica×EXTRA

自粛期間が長引きましたね.....もうとにかくこの期間に地震が来ないことを願うばかりですね。

今回はキャラが多いのでちょっとした台本形式でやっていきます。


豪「おいおい中々やるじゃねーか!!」

 

透子「絶対負けないよー!!」

 

今どこにいるでしょうか.....答えはゲームセンターです。今はカリスマさんと豪がエアホッケーで激戦を繰り広げている。

 

紅蓮「それにしても、親睦を深めるのにゲームセンターに来るってよく考えたな豪のやつ。」

 

瑠唯「.....それにしてもうるさいわね。」

 

どうやらMorfonicaの方々はゲームセンターに来たことが無い人が大半のようで

 

ましろ「あわわ.....ど、どうしようつくしちゃん。」

 

つくし「大丈夫だよましろちゃん!いざという時は私に任せて!」

 

まるでゲームセンターをやばい所のように捉えられている。まぁたまにヤバいやつはいるんだけどさ。

 

流星「ねぇねぇ」

 

つくし「は、はい!!!」

 

流星「君確かドラムだったよね?.....そこにドラムのゲームあるけどやる?」

 

つくし「え、え、いいんですか!?」

 

流星「うん....とりあえずお札を崩してからね。」

 

つくし「それってどこで?」

 

流星「あそこの両替機....」

 

つくし「ありがとうございます!!」

 

どうやら僕と同じくらいコミュ力が無い流星が普通に話せている。これは結構な驚きである。.....なんでだろう。

 

蒼生「へぇ、最難関曲オールGOODか、すげーな!!」

 

七深「え?ふ、普通ですよね?」

 

広町さんは蒼生と一緒に音ゲーをやっているが普通を追求したあまりとんでもないことを成し遂げているのである。実際に周りのガチ勢の方々がちょっと注目をしているのが外からだと分かる。

 

瑠唯「先生達は何かしないんですか?」

 

僕「僕は今は皆が打ち解けられてるのを見るのでいいよ。それに課題詰めでしんどかっただろうしあいつらも思いっきり楽しんでるのを見るのも楽しいよ。」

 

翔世「俺は単に金があんまりねぇんだよなぁ.....たえの服買ったから金欠だぜ!!!」

 

僕「それはドヤ顔で言うことでは無いだろ.....」

 

翔世「そういや、八潮さん?だったか?あんた今高1なんだよな?」

 

瑠唯「はい、それがどうかしたんですか?」

 

翔世「いや、高いなぁと思ってな。なんか秘訣は無いのか?」

 

瑠唯「特にありません。身長を伸ばす為に特別なことをする時間もありませんでしたし。」

 

翔世「きょ、強者の余裕....風格がまるで違う!!」

 

僕「いや単に伸びただけだろ。翔世、お前学生時代の睡眠時間どのくらいだった?」

 

翔世「うーん....まずギター(音無し)の練習だろ?それでたえの写真で癒されるだろ?そんで宿題やるだろ?うさぎの小屋の掃除だろ?そしたら朝だろ?.....ってあれ?あんま寝た記憶がねぇな。」

 

僕「遺伝云々もあるけど絶対にその不健全な生活習慣だろ。」

 

翔世「やっぱそれかー」

 

瑠唯「.....随分と個性的なんですね、先生のバンドは。」

 

僕「そう?まぁ普通の奴は1人もいないね。」

 

ましろ「ゆ、ゆーお兄ちゃん.....ど、どうしたら.....」

 

僕「自分が興味のあるやつをやればいいんだよ。」

 

ましろ「じゃあ、あの運転席みたいなの.....」

 

僕「あぁ、あれか。いいよ、じゃあやりにいこうか。」

 

ましろ「うん!!ありがとう、ゆーお兄ちゃん。」

 

 

 

時はしばらく経ち

 

紅蓮「ふぅ、やっぱダンスゲームは疲れるなーー。」

 

瑠唯「お疲れ様です。」

 

紅蓮「ん?君はやらないのか?」

 

瑠唯「こんな一瞬の為にお金をかけるのは無駄だど思っているので。」

 

紅蓮「あーなるほど。なんか保護者みたいな感じだな。」

 

瑠唯「そうですか?....1つお聞きしたいんですが。」

 

紅蓮「ん?何だ?有咲の魅力を語るなら軽く2日はかかるけどそれでもいいか?」

 

瑠唯「いえ.....貴方やあのドラムの人は何度かプロからのスカウトを断ったと聞いているんですが.....どうして断ったんですか?」

 

紅蓮「俺と流星ってそんな有名だったのか?」

 

瑠唯「はい。」

 

紅蓮「うーんとな.....なんて言えばいいんだろう。君が納得できそうな合理的理由は無いんだよな....」

 

瑠唯「では何故断って....」

 

紅蓮「簡単にいうとあいつらと一緒にライブをしたかった、だな。俺はあくまでサポートの立ち位置にいて、あいつらの音をどうしたらもっと響かせることが出来るかとかまぁその他契約諸々をやってたんだ。だけど俺にはプロの人が買ってくれるほどの観察眼は無いし、あいつら専門って感じ。」

 

瑠唯「.....そういう事もあるんですね。」

 

紅蓮「ああ。流星もここにいたいと思って残ったんだろ。合理的とかそういう物の上に仲間との絆があるっていうのかな?まぁちょっと臭いか。君もバンドをやっていく内にそれが分かる時がくるかもしれないな。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お昼間

 

つくし「和奏さん、リーダーに必要なものって何か教えてください!」

 

豪「リーダー?俺は特に意識した事ないな。蒼生、俺ってリーダーらしいところあったか?」

 

蒼生「お前の取り柄ってその勢いだろ?」

 

つくし「うーん、やっぱり香澄先輩や彩先輩みたいな感じなのかな。」

 

蒼生「二葉さんよ、俺たちのグループには2人のリーダーがいてな。俺たちを牽引して進む豪と、俺たちの支えとなる優希。この2人だな。」

 

流星「それは、同意かも.....」サクサク

 

紅蓮「まぁ優希が影のリーダーなのは確かだな。」

 

つくし「え?優希くんがリーダーなんですか!?」

 

豪「ああ。っていうかあいつは何をしてるんだ?」

 

 

ましろ「ゆーお兄ちゃん、あーん。」( ^ω^)ニコッ

 

僕「そ、それくらい自分で食べるから.....」

 

七深「ゆーゆー、こっちも食べて〜。」

 

僕「広町さん、麺類でポッキーゲームみたいなのをするつもりなの?というか咥えた状態からよく喋れるね?」

 

 

2人が僕に何かを食べさせてあげようみたいな雰囲気になってる。というかましろちゃん、そんなに純真で幸せそうな笑みをこぼしてもダメだからね?というか僕大学生だよ?

 

七深「しろちゃん嬉しそうだね〜。」

 

ましろ「うん。なんかゆーお兄ちゃん、どこか幼げな雰囲気があるからちょっとこういうのやってみたかったんだ.....私、末っ子だし普段はお世話される方だから....」

 

七深「確かにしろちゃんがお姉さんムーブしてるところは見たことないかな〜。.....でもしろちゃん、ゆーゆーが抵抗出来ないように密着してあれを押し付けるのは良くないんじゃないかな〜?」

 

ましろ「こ、これはたまたまだよ!!それに七深ちゃんもゆーお兄ちゃんが抵抗できないようにこ、恋人繋ぎしてるじゃん。」

 

七深「あ、バレた.....」

 

 

 

 

 

 

蒼生「なんか、千聖ちゃんと友希那ちゃんを見てるみたいだな。」

 

翔世「それは俺も思った!なんか似てるよな〜。」

 

豪「.......」パシャッ! Σp[【◎】]ω・´)

 

『あっ.......』

 

豪「これは千聖ちゃんと友希那ちゃんに報告だな。」

 

翔世「この流れもやっぱないとな!!」

 

僕「おいーーーー!!!これは不可抗力だろ!!」

 

瑠唯「随分と賑やかね。」

 

透子「あはは.....でも、見てて超笑う!!」

 

つくし「本当に仲良さそうだよね!!」

 

瑠唯「.......」

 

透子「ん?どうしたのルイ?」

 

瑠唯「いえ、なんでもないわ。」

 

透子「今度あたしらMorfonicaで逆ライブみたいなのしない!?」

 

つくし「逆ライブ?」

 

透子「うん!今回はゆーくん達の演奏が見られるけど、あたしらの演奏ってゆーくんしか見てないじゃん?だから合同練習まではいかないけどライブ見てもらおっかなって。」

 

つくし「透子ちゃん!!それすごいアイデアだよ!!」

 

瑠唯「...それはいいかもしれないわね。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

夕方

 

つくし「今日はありがとうございました!!」

 

『ありがとうございました!!』

 

豪「俺たちも今日は楽しめたし、お互い様だ!!えっと.....ライブって5日後だっけ?」

 

紅蓮「ああ。」

 

僕「まぁ楽しみにしておいてね。」

 

透子「超楽しみ!!.....ってところでゆーくん。」

 

僕「うん?」

 

何故かカリスマさんが少し震えて怖がっている顔をしている。なんだろう

 

透子「う、後ろ.....」

 

僕「後ろ?.....って千聖!?」

 

千聖「ふふっ、兄さん。随分とお楽しみだったようね♪」( ^ω^)ニコッ

 

僕「こ、これはなんと言いますか.....」

 

豪「おい優希!!後ろにばあちゃんそっくりな亡霊もいるぞ!!」

 

オーナー「誰が亡霊だよ!全くバカばっかだねぇ。」

 

あれ?ばあちゃんもいたんだ。というかそれどころじゃない!!!千聖のこの笑顔なのに寒気がする雰囲気はやばい。

 

千聖「さて.....美咲ちゃんのお家でじっくりとお話を聞こうかしら♪ねぇ、兄さん♪もう美咲ちゃんから許可は取れているわ。」

 

オーナー「あんたら全員もだよ!!全く名門校のお嬢さん達をゲーセンに連れていくって発想するなんて.....」

 

蒼生「いやばあちゃんこれはですね俺たちの親睦を深めようと....」

 

翔世「そうそう!!これは必要な事なんだ!!」

 

オーナー「やかましいよ!!」

 

別にナンパとかそういう類のものじゃないんだけどなぁ.....ダメなのかな。そうして僕は千聖に引っ張られ、あいつらは皆いつもの練習場所に行った。

 

 

オーナー「遊園地とかもう少し場所を考えないのかあの馬鹿達は.....」

 

つくし「あ、あの別にこれは両者の合意の元ですし色々よくしてもらったんです!!」

 

オーナー「心配ないよ....これも形式美だ。そんなに怒っちゃいないよ。」

 

ましろ「形式美?」

 

オーナー「あいつらが馬鹿をやったら私があいつらを怒鳴って妹達が粛清をする。ああ怒鳴ったがあいつらも本気で怒ったとは思っていないだろうね。」

 

七深「そうなんだ....」

 

オーナー「.....あんな馬鹿達だけど、演奏は本気だよ。1度聞いているにしろおそらく世界に引き込まれるさ。」

 




おばけに怯えて七深ちゃんから離れられない透子ちゃんとましろちゃん来て欲しいなぁ.....つくしちゃんもおばけとか苦手そう。

そう考えるとホラー面において1番耐性がありそうなのってパスパレかRoseliaなのか?ハロハピはそもそもあんまり怖がらなさそう。


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ちょっと現実逃避

なんとなく過去のイベント見たんですけど、今年ってブライダルじゃなくてソイヤ系なのかな。

今回は頑張って甘々系な感じなのを作ってみました。初めてかもしれないので大分下手だと思います。


「むぐぐ.....」

 

何が起きてるかさっぱり分からない皆の為に説明しよう。今僕は誰かに拘束されてどこかに連れていかれているみたいだ。

 

「ごめんなさい兄さん。少々手荒だけど。」

 

どうやら犯人は千聖のようだ。でも拉致って来たのって大人の男性3人だったような.....あれ?

 

 

 

 

 

「ぷはっ!.....ん?ここってスタジオ?」

 

「ええ。少し手荒な真似をしてごめんなさい。多分番組内容を知ったら兄さんが拒否をする可能性があったから。」

 

「番組?僕またテレビに出るの?」

 

以前は若宮さんの企画で出たことがあったけど今度はなんだろう?また音楽関係のやつかな.....

 

「で、実はね.....今回の企画は....これなのよ。」

 

やけに千聖が恥ずかしそうにしながら書類を渡してきた.....どれどれ

 

新婚生活if

 

「.......ん?何これ?」

 

中身を見るとどうやら僕が夫役を演じて色んなシチュエーションの新婚生活を収録するみたいだ。あ、これよく漫画で見る新婚さんなんとかってやつか。

 

「それで、相手は内緒にしておくっていうのと前もって心構えをされたら演じているのがバレてしまうからちょっと手荒だけどこうやって動いたの。だって兄さん、演技が下手じゃない。」

 

「そ、それは.....否定出来ません。」

 

「というわけでお願いね♪」

 

そういって千聖は足早に去っていった。.....無理やりなのはもう慣れてるから大した事ないんだけど問題はその奥さんの役の人だ。まぁ拉致られてるあたり僕の知り合いであるだろうというかあって欲しい。皆忘れてるかもしれないけど僕どっちかというとコミュ力ない方だからね。

 

スタッフ「少しいいですか?」

 

「はい、何でしょうか?」

 

「今回は少し強制して申し訳ありません。その、相手側からの要請だったので.....」

 

「あ、そうなんですか。」

 

「その、急ですみませんでした。」

 

「大丈夫ですよ。こういうのは慣れてますので。」

 

「な、慣れてる!?それって大丈夫なんですか?」

 

「まぁ....大丈夫じゃないですかね。」

 

「あはは...じゃあ、準備出来たのでお願いしまーす!!」

 

「アッハイ」

 

スタッフさんに何やらセットらしきものが整っているところに連れていかれた。一体誰なんだろう?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1人目 シチュエーション 夕方 帰宅した時

 

「えっと.....鍵はかかってないのか。ただいま。」

 

「お、おかえりなしゃい、あなた!!うぅ.....噛んじゃった。」

 

「え?丸山さん?」

 

「むぅ.....丸山さんじゃないよ!!今は優希くんの奥さんだよ!」

 

「あ、そっか....ただいま、彩。」

 

「うん!おかえり!!」

 

どうやら1人目は丸山さんのようだ。なんかテレビなのに髪を結んでないのは結構新鮮味があるな。バイトでも基本はツインテールみたいだし。

 

「カバンとスーツ直しておいてあげるから手洗いうがいしてきてね!」

 

「うん、ありがとう。」

 

1番助かったのはこういう時のテンプレのご飯にする?お風呂にする?それとも.....というノリが無かった事である。さすがに丸山さんに喋らせたら色々クレームとか来そうだね。

 

数分後

 

「ふむふむ.....」

 

「ど、どうかな.....?」

 

「美味しいよ。ちゃんと味付けも出来てるし、何より彩が作ってくれたんだよ?不味いわけないじゃん。」

 

「あぅぅ.....そういうのは卑怯だよぉ.....」

 

「それに自信がないならまた作ればいいだけだよ。また休みのどこかで一緒に料理する?」

 

「う、うん!!お願いしてもいいかな?私、お菓子作りは出来るんだけどまだあんまりで.....」

 

「後はね.....」

 

「ひゃっ!!い、いきなり手を掴んでどうしたの!?」

 

「こんな切り傷見たら危なっかしくて不安だよ。綺麗な手なんだから大事にしないとね。」

 

って言ったは言ったんだけどそこまで不器用じゃないよね?まさかこれメイクみたいなのかな?まぁいいや。

 

「う、うん.....」

 

 

ハイカットーイイネイイネ!!

 

「うぅ.....緊張したー。」

 

「丸山さんもよく頑張ったね。」

 

「優希くん相手だから良かったよ。これが別の人だったら緊張で話せなかったかな。」

 

「そう?俳優さんの方が落ち着いた雰囲気出せたと思うよ。」

 

「そ、そうかな?」

 

 

 

楽屋

 

「あら彩ちゃん?顔が赤いわよ?」

 

「だ、だってあんなに雰囲気出して演じられたら誰だって照れるよ!!ゆ、優希くんも上手かったし.....」

 

(これは兄さんやらかしたわね。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2人目 起床から出勤まで

 

「これって普通流れが逆なような.....」

 

なんで夕方から撮って次が朝っていう設定なんだろう.....ガバガバ設計かな?

 

「起きてください、あなた。」

 

「ん、んん.....紗夜さん?」

 

あれ?なんで紗夜さん?おかしいな.....紗夜さんってテレビ出る人だっけ.....

 

(実は以前日菜や白鷺さんと遊びに行った時に私の写真が拡散されたらしくて.....日菜のお姉さんとして広まってしまったんです。しかも今日日菜は別の用事でいないんです。『おねーちゃんも楽しんでね!!』って言っていたんですけど.....)

 

(あぁ、そういう.....じゃあ、やり遂げましょう。)

 

「んー....紗夜.....」

 

「もう.....寝坊助さんなんですから.....」

 

ガバッ

 

「うっ.....わしゃ子供か。」

 

「こうしないと起きないところは少し子供っぽいですよ、ふふっ。」

 

してやったりみたいな顔で紗夜さんが少し微笑んでいる。意外とエプロンとか似合うな.....ポニーテールにしてる。

 

「早く支度して降りてきてくださいね.....あ、これはおはようの代わりです。」チュッ

 

紗夜さんは頬にキスをして1階に降りていった。あの人も案外演技が上手いんだな....

 

「キスは貰ったけど....なんか申し訳ないな....演技でやってもらうっていうのも。」

 

 

 

 

朝食後

 

「すみません、わざわざ皿洗いを手伝ってもらって。」

 

「気にしないで。紗夜とこうやって一緒に何かをやるのも楽しいしね。」

 

「もう....すぐそういう事を言うんですから。」

 

「嫌だったりする?」

 

「いいえ、私もあなたとこうやって時間を過ごせるのは幸せです。」

 

「それなら良かった。」

 

「はい.....ネクタイが少し曲がってますよ?直してあげますから少しじっとしていて下さいね。」

 

そして慣れた手つきでネクタイを直した。あれかな?風紀委員でこういうネクタイなりリボンなりの結びは何回もやったんだろうな。

 

「じゃあ行ってくるよ。」

 

「はい、いってらっしゃい、あなた。」

 

ハイカットーバクハツシロ!!

 

 

「お疲れ様、紗夜さん。」

 

「.....緊張しました。」

 

「紗夜さんもやっぱり緊張するんだね。」

 

(相手があなただから緊張したんですよ!!キスもアドリブだけど....別にいいわよね。)

 

「はい、ライブよりはマシでしたが。」

 

「でも日菜ちゃんの代わりとはいえ大変だね。」

 

「逆に日菜が新妻役をやるのが心配で.....」

 

「その気持ちはなんとなく分かるかも。」

 

 

 

 

楽屋

 

「ふぅっ.....」

 

「キスまでするなんて、紗夜ちゃんも隅に置けないわね。」

 

「し、白鷺さん!?あ、あれはそのアドリブと言いますかなんというか....」

 

「テンパる紗夜ちゃんも珍しいわね。」

 

「ふ、風紀委員としてとても恥ずかしいです.....」

 

「大丈夫よ、うちは女子高だもの。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3人目 夜 入浴後

 

「だからどう見たって時間設定間違えてるんだよなぁ.....」

 

というか入浴後って何?まさかバスタオル1枚とかそんなこと無いよな.....?

 

「ふぅ.....気持ちよかったわ♪」

 

「あぁ、あがっ.....」

 

「ん?どうかしたの?あなた♪」

 

目の前にバスタオル1枚の千聖がいました。うん、天使は実在したんやな。家で何回も見たことはあるけどこう、ライトアップが雰囲気を出していて普段とは少し違った大人の雰囲気を感じる。

 

「ふふっ、何をそんなに緊張しているのかしら?」

 

そう言って千聖は服を着ないまま僕の隣に体を密着させて座った。

 

「ちょ、服を着なよ。」

 

「あなたのことを肌で感じたいの....ダメかしら?」

 

「うっ.....」

 

一体誰がこんな天使に涙目の上目遣いをされて断ることが出来ようか。しかも断れないの知ってて言うあたりやっぱり千聖だ。

 

「ダメって訳じゃないけどさ.....とりあえず髪は乾かさないとね。」

 

「それも後ででいいわ。それよりもあなた.....」

 

「ん?」

 

「私の心臓の鼓動、伝わってる?.....今、すごくドキドキしているの。」

 

「そ、そうなんだ.....にしても暑いな。1回離れた方が.....」

 

「ふふっ、そういう事を言う意地悪なお口は塞がないとね♪」ピトッ

 

「........」

 

「私を、感じて欲しいの。結婚式を上げたあの時の感動、今こうやってあなたの隣にいられているこの幸せとドキドキ.....伝わったかしら?」

 

「うん、充分すぎるくらいに.....」

 

「じゃあ。その証明をして欲しいなぁ。ね?」

 

「そ、それって.....」

 

「触れ合うのよ。」ガバッ

 

「むぐっ!?」

 

そして千聖に押し倒され、今はベッドの上で向かい合って寝転がっている。

 

「あなたの愛の証を、私に.....」

 

「う。うん。」

 

そして千聖と唇を重ねた。そろそろカットが入るかと思ったが入らない。しかも千聖も抱きついて僕を離そうとしない。

 

「ふふっ.....本当に可愛いんだから.....」

 

 

ハイカットー.....サイコーヤ

 

 

「ち、千聖?」

 

「ちょ、ちょっとこっちを見ないで!!!」(ここまでよく頑張ったわ、私。今まで生きている中で1番頑張った!!で、でもその恥ずかしさで顔が赤いし、兄さんの顔が直視出来ないわ....)

 

「に、にいさ.....気絶してる!?」

 

兄さんはまさかの気絶をしていた。.....兄さんも私で興奮してくれたのかしら?それなら....今回は頑張った甲斐があったわね。

 

 

 

 

 

楽屋裏

 

「ち、ちちちち千聖ちゃん!!!」

 

「あ、あれは破廉恥です!!」

 

「2人とも落ち着いて.....私が1番緊張したわ。それに子作りまで言わなかったから多分大丈夫よ。」

 

「そ、その度胸凄いね....」

 

(さすが白鷺さん.....負けられません。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スタッフ「お疲れ様でした!!見てるこっちがヒヤヒヤしましたよ!!」

 

「僕もやばかったですよ。ちなみにこれって僕も映るんですか?」

 

「はい、そのつもりですが.....」

 

「それって大丈夫なんですか?皆妻の方だけ見たいような.....」

 

「あ、そこはご安心ください!!初々しい雰囲気が大事なので!!」

 

「答えになってませんよ.......」




最近バンドリを数曲しただけでスマホが熱くなるんですけど結構負荷がかかるんですかね。


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Morfonica合宿!1日目 午前

これが終わったらあれかな.....千聖さんの恋愛小説に切り替えようかな。
なんか誤字がないか確認したりして下の自動推薦に自分の二次創作が出てくるとなんか複雑です。


ライブをしよう!!って話の筈だったのだが当日八潮さんに急用が出来たみたいで結局お預けになってしまった。ちゃんと練習したんだけどなぁ.....

 

さてと、特に何もなく時は過ぎて合宿する時期に来たのだが.....合宿の家がでかい。別荘じゃないよこれ。庭も広いし海も近くにある。ここ一帯全部所有権あるのかな?

 

「るいさんの別荘、すごく大きい。」

 

「うんうん!!やっぱお嬢様って感じだよね!!」

 

「あなた達もそれに分類されるでしょう.....」

 

普通なら別荘の大きさで一同が感動する場面なのに、なぜか皆あぁやっぱこれくらいだよねみたいな雰囲気があるのが怖い。さすがお嬢様方.....

 

「ゆーゆー、どうしたの?」

 

「いや.....でかいなって。普通に家よりも広いし。」

 

「まぁ別荘って大体こんな感じだよね〜。でも立地条件は羨ましいかも。海とかもあるよね。」

 

「ところで.....合宿内容ってどうなるの?うちのメンバーは一応2日目に来るっていう約束はしたんだけど....」

 

「初日は張り詰めて練習しなくてもいいんじゃないかな〜?やっぱりモニカに足りないのって仲の良さだし。」

 

「そうそう!!皆遠慮しすぎなんだって!!」

 

「いいえ、桐ヶ谷さんのように誰もがコミュニケーションに長けているわけでは無いわ。」

 

「ええー、だってルイとか誰かに話にいかないじゃん。」

 

「話に行く必要がないからしないだけよ。生産性のない会話をするのはあまり好きじゃないの。」

 

「と、とりあえず荷物置こうよ!!もう重いよー!!」

 

「つくしちゃん、それ何持ってきたの?」

 

「えっと.....日焼け止めでしょ?虫除けスプレーでしょ?ビニール袋でしょ?ビニール袋でしょ?後はスティックとかスコアとか救急箱とか色々.....」

 

「非常時の用意はちゃんとしてあるわよ。」

 

「し、心配なの!!」

 

二葉さんは色々備えをして来たようだ。でもあるよね。僕も学生時代は修学旅行とかで心配だから色々持っていって結局使わなかったパターンあったよ。まぁ備えあればなんとかって言うしね。

 

「逆にゆーお兄ちゃんはそこまで持ってきてないの?」

 

「うん?着替えとキーボードとかそういうのしか持ってきてないよ。あとは色々テストとか宿題のチェックとか.....夏休みまで引き伸ばされたから一学期の期末テストの採点もやらなきゃいけないんだよ....はぁ。」

 

「先生、今日は一応合宿ですからちゃんとこっちをメインにしてください。」

 

「それは分かってるよ.....」

 

 

 

「よし、海に入ろう!!」

 

「いいえ、練習よ。」

 

「ええー!?せっかくこんな場所に来たんだよ!?少しは楽しもうよ!!」

 

「合宿よ?遊びにきた訳じゃないの。」

 

「まあまあグループの仲も深める意味も兼ねていいんじゃないかな?」

 

「う、うん.....私も、そう思うよ。」

 

ましろちゃんはそういうのを楽しみたいというのが雰囲気からも分かる。

 

「.....まぁ、コンクールがある訳でもないから昼までならいいかしら。」

 

「やったー!!!!!」

 

もう待ってました!!みたいな雰囲気で桐ヶ谷さんが服を脱ぎ始めた。水着をもう既に着ていたんだ。

 

「じゃ、じゃあ私たちも着替えよう!!先生は絶対に覗かないでね!!」

 

「覗かないよ.....」

 

「うん!!じゃあそこで待っててね!!」トウコチャン、ヒヤケドメワスレテルヨー!!

 

 

しばらくして

 

「ゆ、ゆーお兄ちゃん、どうかな?」

 

ましろちゃんは白ビキニの上から薄い白色のレースを着てやってきた。選んだのかな?まぁいいや。

 

「そ、その似合ってる、かな?」

 

「うん、似合ってると思うよ。」

 

「う、うん。えへへ....」

 

でも普段と少し違うな.....こういうのってもっとキャピキャピというかそういう人が着るものだとてっきり思ってた。

 

「他の3人は?」

 

「今、近くの店に行ってるいさんの水着探してるよ。るいさん、何も持ってきてなかったらしくて.....」

 

「まぁ合宿だからね。こういうのは想定してないんだろ。」

 

 

 

 

「お、お待たせ!!」

 

「フゥ、疲れた.....」

 

3人とも帰ってきた。というかカリスマさんは何してるんだろう.....まぁいいや。

 

「ねぇ優希くん!!女の子が水着着てるんだから何か言うことがあるんじゃないかな!?」

 

....目で褒めてくださいと言わんばかりの輝きでこっちを見ている。二葉さんは....なんて言えばいいんだろう。タンキニだったっけ?最初の方の水着イベントのあこちゃんみたいな水着を着てきている。

 

「うん、とても似合ってるよ。」

 

「ゆーゆー、じゃあ私とるいるいは?」

 

広町さんはカラフルなビキニの上から黒色のパーカー.....暑くないの?

 

「似合ってるんだけど....広町さん、暑くないの?」

 

「うん、これくらいがいいかな〜って。」

 

八潮さんは.....なんて言えばいいんだ。あの、バンドリのカバーコレクション4のジャケットのレイさんみたいな服装。つばが広い帽子と腰ら辺でくくられた半袖シャツみたいなの.....ごめん、知識ないから表現出来ない。

 

「八潮さんも雰囲気がすごく合ってるよ。」

 

「でしょ!?るいさんの大人らしさちゃんと出せてるでしょ!?」

 

「結構選ぶのに時間がかかったんだよ〜。」

 

「......」

 

「まぁ八潮さん....息抜きも大事だからね。」

 

「はい。」

 

 

 

 

 

「じゃあ皆集まったし、写真撮ろうよ!!」

 

「じゃあ撮る役やろうか?」

 

「自撮り棒あるから大丈夫だよ!!あと思い出用にはゆーくんも入ってもらうよ!!」

 

「.....はい?」

 

「え?」

 

その瞬間、場が一瞬静まった。あれ?僕入る必要ないよね?というか若い水着姿の女子高生5人の中に1人、男の大学生いたら色々まずい感がする。うん、社会的に殺されるよ?

 

「だって.....あの、その集合写真に入ると社会的生命が終わりますから。」

 

「いいじゃん!!別にSNSに上げるわけじゃないんだし。それにむしろ役得じゃん!!」

 

「まさか役得とかいう言葉をここで聞くことになるとはね.....」

 

「なら、自撮り棒じゃなくて普通の集合写真ならいい?それなら多分大丈夫でしょ?」

 

「うん、それなら助かるよ。(それならどれくらい離れても大丈夫だしね.....)」

 

「じゃあちょっと待っててね!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

写真撮影後

 

「うんうん!!いい感じ!!」

 

あの後集合写真から離れようとしたらカリスマさんに肩を組まれて逃げられなくされた。あの力どこから湧いてくるんだ....今は八潮さんを除いた4人が水を掛け合ったりして楽しそうに遊んでいる。

 

「......」パラパラ.....

 

「先生、何見てるんですか?」

 

「ん?Morfonicaの楽曲のスコア。」

 

「先生もなんだかんだでやってるじゃないですか。」

 

「まぁ僕はあくまでも顧問って形だからね。それなりに仕事はしないといけないよ。」

 

「.....この別荘、何か感想とかありますか?」

 

「感想....やっぱり広いしいいなって。立地条件も悪くない。ただお金が凄そうって.....」

 

「そういうところは素直なんですね。」

 

「まぁ、ね。八潮さんは混ざらないの?」

 

「ここで遊んだら体力が消耗しそうですし....」

 

「遊ぶっていう選択肢はあるんだ。」

 

「はい。あまり我を通してグループの雰囲気を悪くするのは良くないので.....」

 

「そういう思考が出来てるならひとつ成長したんじゃない?ばっさり切り捨ててないし。」

 

「そうかもしれませんね。」

 

「見る限り不仲じゃなくて良かったよ。」

 

「そうですか?今でもまだ歯車は上手く噛み合ってはいませんが?」

 

「噛み合ってないのは仕方ないよ。どう噛み合わすかだね。色々問題は起こるだろうけどちゃんと一つ一つ解決していけそうだよ。」

 




Morfonicaの第2章のストーリー出たら多分瑠唯さんとつくしちゃんが活躍して欲しいな.....


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Morfonica合宿!1日目 午後

改めてRASのドラムって凄いなぁと思いました。バンドリってキーボードがないバンドが多いんですけど.....アニソンカバーで出しにくいのかな?


どうも、お昼ご飯が豪華すぎて胃が追いつきそうにない白鷺優希です。肉の質といい.....うん、さすがの一言しかないよ。

 

「優希くん!!答案の採点しながらご飯食べたら消化に悪いよ!!」

 

「いや、午後から練習だから少し進めようかと.....」

 

「そ、れ、で、も、だよ!!優希くんってお兄ちゃんなんだよね?」

 

「うん、一応。」

 

「うーん.....どっちかと言うと弟にも見えちゃうなぁ.....」

 

二葉さんがごもっともなことを言っている。

 

「二葉さんは妹とかいたんだっけ?」

 

「はい!!私、お姉ちゃんなんですよ!!」

 

o(`・ω´・+o) ドヤァ…!と言わんばかりである。でも皆やっぱり行儀がしっかりしてるんだなぁ.....高校の時の蒼生はナイフの使い方を思いっきり間違えてたなぁ.....突き刺すもんじゃないよ。

 

「じゃ、練習始めるか....ところでどこでやるの?」

 

「地下です。案内するわ。」

 

そう言って八潮さんがポケットから鍵を出して地下室らしき鍵を開けた。そこには楽器と機材、防音素材までちゃんと整えられていた。

 

「ここまでやってくれるとは.....」

 

「それほど先生にお世話になったということですよ。」

 

「お世話に.....もしかして家庭訪問の件?」

 

「はい、あれ以来お父さんの立場も上がって今では対等に話してますし、お互い遠慮している気配もありません。」

 

「そっか、それなら良かったよ。さてと.....」

 

「....なんでマイク2つ立てたの?」

 

「一応今回はましろちゃん達の練習を見て各パートに指示を出せるようにするよ。ヴァイオリンはちょっと厳しいかもしれないけど.....止めたら即そのパートを練習する、後は多分熱中したら時間を忘れる可能性があるからタイムキーパーとしての仕事もするよ。さっき皆が遊んでいる時にとりあえずスコアには目を通しておいたからそれ見ながら指示出せたらいいと思う。」

 

「うん、分かった。」

 

そして各自準備を始めた。全員真面目な雰囲気になったからおそらく2時間はちゃんと持つだろう。

 

「とりあえず見た感じ練習はしてるみたいだから1回通す。その1回の間にできていない部分を確認、その後個人練習でいくよ。」

 

10分後

(…σ_σ…)♡ジーッ

 

「ん?」

 

「あ、えっと...」

 

なんかさっきからましろちゃんの目線がやけに凄いな.....歌自体はそこまで問題はない。

 

「ボーカル、そこの音程はおそらく半音低いよ。」

 

「は、はい!!」

 

「ドラム、テンポが速くなっている。もう少し、落ち着いて弾いて。」

 

「はい!!」

 

「ギター、聞こえにくかったかもしれないけど今のところ音ごまかした?」

 

「あ、ご、ごめん.....」

 

などなど完成度に関しては練習しているんだなぁというのは感じられるが少しだけ細かいミスがみられている。広町さんと八潮さんに関してはほぼ完璧になっている。やっぱりこの2人は.....

 

「ゆーゆー、何かある?」

 

「いいや、そのまま続けてくれていいよ。」

 

「.......むぅ。」

 

何か不満げな所があるのかな?

 

「何か不安なところがあるの?」

 

「別にそういうわけじゃ.....」

 

ん?ますます疑問になった.....なんだろう。少なくとも不自然なところは無いしタイミングも完璧。

 

「先生。今のはどうでしたか?」

 

「楽譜の読むのが少し難しいけど.....合ってると思うよ。」

 

「そうですか。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2時間後

 

「一旦休憩にするね。各自水分補給と汗ふくの忘れないように。」

 

ちょっとだけキーボード弾くか.....皆休憩で部屋出てるしいいよね?

 

 

 

 

 

「ふぅ!!優希くん、結構厳しめだったね!!」

 

「そうかしら?あれでも割と我慢している方よ?」

 

「ルイ分かるの?」

 

「ええ。だって私たち自身がまだお互いの間違いや不協和音を指摘出来ていない。それをマシにしようとしているのが先生。」

 

「でも、私たちの演奏、そこまで悪くなかったと思うけどな〜。」

 

「ええ、前のライブよりは確実に良くなっていると思うわ。」

 

「.....やっぱりしっかりしなくっちゃ。」

 

「ん?シロ?どうしたの?」

 

「あ。なんでもないよ。もっと練習しないとなぁって.....」

 

「ま、それしか道はないよね。」

 

(ここで私が指摘をしたとしてもおそらく空気が悪くなるだけ.....先生はどう動くのかしら?)

 

「そろそろ時間ね.....戻りましょう。」

 

「あ、そうだね!!行こう!!」

 

 

地下室

 

「え、あれって優希くんだよね.....?」

 

「何か演奏してる?」

 

『限界なんて本当はそこにない覆せ、塗り替えて.....』

 

「....綺麗な歌声。」

 

「しかもあれ弾きながらだよね.....?」

 

「手元を見てない.....」

 

「........」

 

 

「ふぅ....って帰ってきてたの!?」

 

「あ、あのえっと.....」

 

「聞かれてたならいいよ.....じゃ、練習の続きする?」

 

「もう少しだけゆーお兄ちゃんを見ていたいな....今の続き。」

 

「え?で、でもあれあくまでプライベートだし.....」

 

「....そっちの方がいいかもしれないわね。」

 

「え?」

 

「あなたの演奏を聞いておく方が今後の為にもいいかもしれないわ。」

 

「八潮さんまで.....分かったよ。でも、明日はあいつらも来るから結構ハードになるよ?」

 

「それでもいいわ。」

 

「じゃあ.....」

 

カバーでいくつか弾きたいやつを弾いた。思った以上に皆が真面目に聞いててくれてびっくりした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その夜

 

僕は外の風に当たって涼んでいる。なんかアニメとかだったらこういう海辺に月の光があって明るいかと思ってたけど見渡す限り暗黒。月は見えるけどそれ以外全く何もない。あのアニメの月の光の強さは一体なんなんだろう....

 

「先生、少しいいですか?」

 

「八潮さんと.....カリスマさん?」

 

まさかの組み合わせだった。八潮さんはともかくカリスマさんまでやってくるとは思わなかった。

 

「2人揃ってどうしたの?」

 

「先生....今日の練習の素直な感想を聞かせてください。」

 

「あたしもそれ超きになるんだ!!教えてよ。」

 

「普通に前に比べれば良かったんじゃないかな....」

 

「お世辞はいいから。」

 

穏便に済まそうとしたらカリスマさんに遮断された。しかも地声。普通に一瞬怖かったんだけど.....

 

「....素直に言っちゃえば普段のバンド練習って何やってるの?」

 

「何って.....」

 

「スコア通りに弾けてるのはいいんだけどさ.....それだけ?」

 

「.......」

 

「別にそこは皆が決めることだから僕はとやかく言う余地は無いけどさ。それでも気になった .....合ってないところは分かっても不自然なところは分からない。」

 

「それって違うの?」

 

「まぁ、ね。それが分かってくれたら嬉しいんだよなぁ.....今日の広町さんはそれを言わずに変えてたし。後は今日の結果をどう生かすか、だよね。」

 

「やっぱり変えてたんだ.....なんか合わせやすいなって思った。」

 

「.....先生、教えてください。これまでの練習を見て、私たちのバンドには誰かの道を照らせる.....可能性はありますか?正直なところ今日の練習は普段やっている練習と全く変わりありませんでした。」

 

「ちょ、ルイ!?」

 

「遠回しなのも無しで教えてください、先生。」

 

.....なんか練習の話をしていたらいつの間にか話がとんでもない方向に進んでいた。ちょっと待って。

 

「それって今日の練習と関係が.....?」

 

「はい。場合によっては合宿を途中で打ち切ってもいいかもしれないという判断です。」

 

.....この2人な理由が分かった。おそらく残りの3人がいたらまた揉めるだろうしそれにメンバーから遠回しに低評価されてるようなものだからな....こういうストレートなのは良いのか悪いのか.....

 

「うーん.....率直に言えば可能性は.....分からないや。」

 

「.....理由は?」

 

「だって現状をどうするかによって変わるんだし。今日の練習がダメなら改善して明日やる。それでいいんじゃないの?」

 

「ゆーくん、多分そういうことじゃなくて.....」

 

「え?違った?.....ああ、はい。分かりました。八潮さん、意見自体はさっきとあんまり変わらないんだけど、まずは向き合わないとね。」

 

「向き合う?」

 

「八潮さんはおそらく今までの練習体勢を見てこのバンドがずっとこのままだと思った.....それで合ってる?」

 

「はい。」

 

「だから変わる可能性が低くてこのままここにいても何も可能性は無いってことだよね?」

 

「はい、だから聞いているんです。」

 

「どこまでも実直だね.....まずは結果に向かいあうしかないよ。まぁ皆さすがに失敗したりしたら何からと見直すけどさ。『結果を生かせなかったら結局のところ成功だろうと失敗だろうと無意味になる』だったかな.....この現状ならこれが1番じゃないかな?」

 

「そう、ですか。」

 

「ちょっとイキって表現するなら、君たち5人のスポットライトがひとつの道を色んな光で照らして、様々な可能性に気づかせるためにはその光は個々の特徴を潰さず、そのまま光る。今はその光が薄く、同じ色になりそうになっている。.......カリスマさん、言ってるの恥ずかしいから録画しないで!!」

 

「えー?だってゆーくんが珍しく大人な顔してたし生かしたこと言ってるから思い出がてら残してるだけ!!」

 

「んん....まぁとりあえずまずは結果を受け止めてそれを見直していくだけだ。ばぁちゃんも言ってたけど技術云々とやりきることも大切だからね。自分たちらしくやっていかなきゃ、ね。」

 

 

 

「結果を生かす、私たちらしさ.....」

 

「ま、まぁまぁ色々やることありそうだけど、まずは1歩ずつやってこ!!」




因みに優希くんが歌っていたのはシャイニーカラーズの『Dye the sky.』という曲のサビです(シャニマスやってる人は知ってますよね?)。


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Morfonica合宿!2日目 午前

まりなさん実装されないかなぁ.....


2日目 午前4時半

 

豪「よぉ優希!!来てやったぜ!!」

 

「私も参加させてもらうわ、兄さん。」

 

「皆朝早くご苦労さま。千聖も来たの?」

 

「ええ、兄さん達が来たら男女バランスがあれだからその補正がてら来たのよ。(まぁ本音を言えば兄さんがイチャイチャしそうだからなんだけど.....)」

 

EXTRAのメンバーと千聖が来てくれた。千聖が来てくれたから多分今日はテンションずっと高いままでいけるかも.....

 

翔世「なぁ優希、そのモルなんとかっていうバンドは大丈夫なのか?」

 

「まぁ大丈夫だよ。まだ発展途上だし。」

 

流星「そっか.....あと翔世、Morfonicaね。」

 

「.....あれ?そういや紅蓮は?」

 

蒼生「紅蓮なら午後から合流するらしい。なんか雑誌のインタビューがあるんだってさ。」

 

「雑誌?あいつそんな有名なの?」

 

「.....それが有咲ちゃんに関するインタビューらしくて.....ほら、ポピパって最近それなりに有名になってきてるでしょ?なんかその御家族にインタビューしているらしくて.....紅蓮さんが名乗り出たんですって。」

 

「まぁ.....あいつに話させたらインタビュアーもしんどいだろうな。僕も多分千聖に関するインタビューが来たら多分そうなるだろうし。」

 

「ふふっ、そうならないように未然に防ぐから大丈夫よ。」

 

「ええ.....千聖の可愛い姿とか伝えたいのになぁ....」

 

「そ、それをやられると恥ずかしいのよ!!」

 

蒼生「そう言いつつ千聖ちゃん、優希に軽く抱きしめられてるのに大人しいじゃん。」

 

「それは.....落ち着くからよ。」

 

「うん.....千聖の匂いだ.....」

 

翔世「.....やっぱあの兄妹変態なんじゃないか?あれだろ、共依存ってやつだろ?」

 

「あら?翔世さん?それを言うなら今ここでたえちゃんに連絡してイチャイチャしている写真を晒してもいいのよ?」

 

「か、勘弁してください....」

 

「ふふっ♪」

 

「まぁまぁ.....少し朝焼けでも見て落ち着こうよ。」

 

「そうね.....眩しいわね。」

 

意外と朝焼けって眩しいな.....改めて見ると夕焼けに比べて赤色が薄いね。

 

豪「なんかあれだな.....俺らが合宿した時を思い出すな。」

 

「そうだね.....豪を叩き起すのに苦労したよ。日の出を見るとか言い出したやつが1番寝てたんだからな。」

 

「おい優希!!それは仕方ないだろ!!レイのいい夢を見てたんだから!!」

 

「まぁとにかく.....今日も頑張ろう。」

 

「だな!!」

 

(なんだかんだ言ってやっぱり幼いわね.....兄さん。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時は過ぎ

 

「まぁ自己紹介とかはこの前ちょっとやったし...何からやる?」

 

「まず貴方達の練習風景を見せて欲しいです。」

 

「八潮さん?」

 

「....パート練とかでもいいんだぞ?俺らが年上とか先輩だからって真似する必要はないしな。」

 

さすがの豪も少し困惑している。

 

「いえ、見学させてください。これは今朝私たちで決めたことです。」

 

流星「.....なら、尊重してあげた方がいいんじゃないかな?」

 

「まぁ合宿はMorfonicaの物だからね。そうならそうしよう。その代わり、こっちからお願いした時は一緒にやってもらうのはいいかな?」

 

「それはそちらにお任せします。」

 

そして、まさかの僕達だけの練習が始まった。でも目は真面目だったからなぁ。

 

豪「んじゃ、やるか。とりあえず各自練習の録音は聞いてきてるだろうからそこの改善と、各自の指摘から行く。その後通しでやっていこう。」

 

 

 

 

翔世「なぁ蒼生、少し合わせないか?」

 

蒼生「ちょっと待て。まだお前に合わせるほどレベルがなってねぇよ。」

 

翔世「冷たいこと言うなよ!!合わせながら改善して行こうぜ!!お前器用なんだしさ!!」

 

蒼生「.....指摘はしてくれよ。」

 

翔世「おう!!こっちに不満があればすぐ言えよ!!」

 

蒼生「ああ....なぁ、そこの。優希をずっと見てるやつ。お前ベースだろ?一緒にやらないか?」

 

「え.....?」

 

翔世「ったく、お前は雰囲気が怖いんだからもう少し柔らかく言えよ!!」

 

蒼生「うっせぇな!!お前も暑苦し過ぎるんだよ!!」

 

「あ、あの.....」

 

「蒼生、その子広町さんって名前だから。」

 

蒼生「おう。という訳で広町さん、見ててもあれだろ?一緒にやらないか?」

 

翔世「そこのギターの子も来てくれ!!」

 

「は、はい!!」

 

 

 

豪「倉田さんや」

 

「は、はい!!」

 

「優希を見るのはいいが敵が多いから気をつけろよ。あいつな、高校時代は影が薄かったんだけど優男として結構人気あったんだぜ。」

 

「え、そ、そうなんですか!?」

 

「あぁ。まぁとにかくだ。これで少しは緊張途切れただろ。もう1回声張ってみ?」

 

「はい。あーっ.......」

 

「声はいいな....だが自信が足らん!!」

 

「ほえ!?」

 

「倉田さんよ、声は凄くいい。凄くいいから自信を持て!!自信持って歌えば周りには流されなくなるぞ!!」

 

「え、で、でも間違えちゃったら.....」

 

「間違えないように練習すればいいんじゃないのか?」

 

流星「豪、そういう事じゃないと思うよ.....」

 

豪「ん?ということは緊張故にってやつか?ならな倉田さん.....流星や優希を見てみろ。自信無さそうだろ?」

 

流星「まぁそうだね.....失礼極まりないけど。」

 

豪「流星も優希も自信がないから自信がつくまで練習してんだ。勿論それが誰にも当てはまる訳じゃないんだけどな。でもな倉田さんよ、ボーカルとしてステージに立つ以上、自信持ってやらなきゃいかねぇんだよ。自分を過小評価するならその評価が上がるまでやってみたらどうだ?俺もこいつらに恥じないボーカルでありたいからな!!」

 

流星「そう言って歌詞間違えたのはどこの誰でしょうね〜.....」

 

豪「おい!!せっかくかっこつけたんだからそこはフォローしろよ!!」

 

流星「まぁ倉田さん、こいつはバカな所が多いけどこれくらいの心意気は持っても損はしないよ。それにこいつはそういうのはどこまでも一緒にやってくれるからな。そこは優希と少し似てたりするな。」

 

「ゆーお兄ちゃんに.....」

 

流星「うん。あと、二葉さん?だっけ。豪みたいなリーダーになりたいの....?」

 

「はい!!ああいうのをずばっと言えたら良いんですけどね.....」

 

「まぁ.....ああならなくてもメンバーの支柱になれればいいんじゃないかな?」

 

「メンバーの支柱?」

 

「常に隣に立って一緒に進む.....リーダーの形って色々あるからさ。」

 

「そういうのもあるんですね.....私は今まで仕切るリーダーしか見たことありませんでしたから。」

 

「なるほど.....まぁ、合宿の間に少し掴めたらいいね。」

 

「はい!!」

 

 

 

( ㅍ_ㅍ )

 

「あの、八潮さん?そんなにガン見されると怖いんだけど.....千聖も。」

 

『気にしないで(ください)』

 

「あ、そう.....」

 

なんか緊張するなぁ....ここまでガン見されるのは初めてかも。

 

「ここは意外とアレンジ入れられるかな.....」

 

「.....意外です。」

 

「意外?」

 

「はい。先生はどっちかと言えば天才寄りだと思っていました。羽丘のライブを聞いたときもそう思ったので。」

 

「まぁ、あれは過去に弾いたことがある曲だし練習もしたから.....」

 

「何か、思うところがあるのかしら?」

 

「はい。まずは先生はなんでおんぶをしながら弾いているんですか?」

 

「ん?...妹と触れ合いながらキーボード弾くことってない?」

 

「ありません。」

 

「んー.....千聖今は軽いから全然気にならないし。」

 

「その言い方だと太った時期があるように聞こえるわよ、兄さん♪」

 

「ぐえ.....すみませんでしたぁ.....」

 

「.....その経験もどうやって身につけたのか、気になります。」

 

「.....単純に言えばあいつらや千聖、友希那さんのおかげでもあるよ。一応僕はピアノ歴何年とか無かったから。」

 

「バンドをしていく中で見つけたと.....」

 

「そうだね。多分独りじゃそこまで成長出来てないよ。まぁ.....言われなくても分かってるよね?」

 

「.....はい。」

 




この前友人(ベース歴2年)がオンラインでGO!GO!MANIACのベースを弾いてくれたんですが....指が凄いですね。(本人曰く防音はちゃんとしてるから大丈夫らしい)、あと弾き終わった後に「Cagayake!GIRLSの方が難しいよ」と笑顔で言ってました。


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Morfonica合宿! 2日目 午後

これで1回「白鷺家のお兄さん」の定期更新を終わらせてもらいます。あのですね、自分でもかなりのタイトル詐欺感が否めないのもあったので、1回千聖さんの恋愛系を書けたらなと思います。(他の作者さんがスゴすぎるのでハイクオリティなのを生み出せるかは不明)


お昼ご飯も食べ終わり、ライブの準備を始める。千聖もお昼ご飯のおいしさに驚いてたな。割とロケとかで食べに行ったりする時もあるから慣れてるかと思ったけどそうじゃないみたい。

 

「そういえば紅蓮は?あいつ午後から来るって言ってたけど?」

 

豪「今は千聖ちゃんが迎えに行ってるんだろ?」

 

「あ、そっか。千聖には何かとお世話になるなぁ.....」

 

千聖のスペックって凄いんだよね。虫が苦手なのと運動が出来ないのを除いたら大体なんでもできる気がする。.....まぁ不器用なところも可愛いよね。

 

「さてと....調整終わったけど、皆どう?」

 

翔世「おう、皆終わってるぜ!!」

 

「よし、あとは紅蓮を待つだけだな....」

 

 

10分後

 

「兄さん、連れてきたわよ。」

 

「うん、ありがとう、お疲れ。」

 

「その.....何か、ご褒美があってもいいと思うのよ。ほら、この炎天下の中で行った訳だし.....」

 

.....確かにこの暑い中行かせたのは正直申し訳ないかな。でも珍しいな.....千聖自らがご褒美とかを要求するなんて。

 

「ぎゅーっ、てしてくれても....いいんじゃないかしら?」モジモジ

 

千聖がお願いをしている。しかも千聖は汗をかいていていつもより少しいろっぽく見えた。....大丈夫か、僕。

 

「暑いよ?それに僕も少し汗かいてるし。」

 

「そ、それは構わないわ。(むしろ兄さんの匂いが直で嗅げるもの.....とんでもないオプション付きよ。)」

 

「.....こんな感じ?」ギュー

 

千聖を軽めにこっちに引き寄せる。千聖は身長が高くないからちょうど僕の体にすっぽり収まって、顔を胸の部分に埋めている。.....可愛いな。

 

「ええ.....気持ちがいいわ.....」スゥー

 

「千聖.....そんなところで息吸ったら汚いよ。」

 

「別にいいわ.....兄さんだもの。」

 

あれ?普段こんなに甘えてくれないのに.....なんだろう、僕は今幻覚を見ているのだろうか。....幸せすぎてやばい。

 

蒼生「なぁ千聖ちゃん、優希とイチャイチャするのは別に構わないんだが....間違えても優希を別の世界へ連れていくのは辞めてくれよ。」

 

「え.....あ!?兄さん!?」ペチペチ

 

 

紅蓮「すみません、Morfonicaの皆さん。うちのバンドはいつもああいう感じなのでもう少しだけ待っていてくださいね。」

 

オイオマエラー!!!

 

「う、羨ましい.....」

 

「私もゆーゆーの胸に顔を埋めたい.....」

 

「2人とも目から光が消えてるわよ。」

 

「ま、ましろちゃん達が怖くなっちゃったよ!!」

 

「ま、まぁ演奏する頃には戻ってるでしょ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「えー、あー.....大変長らくお待たせしました。ちょっとヘブンに.....いえちょっと意識がどこかにいってしまったもので。」

 

2人ばかり目線が怖い。が、気にしたらおそらく沼にはまると思うからさらっと流しておこう.....

 

「ライブって言っても何曲もやるというよりかは曲を聞く中で何かを感じ取ってくれたらそれでいいかなって思ってる。じゃあ弾くよ....『Go beyond us』」

 

そしてあのラストライブを思い出しながら弾いた。Morfonicaの皆も千聖も結構見入っている。でもライブと違って.....千聖と目が合うとちょっと緊張するな.....

 

 

 

「.....何か思いついたかしら?」

 

「あのガールズバンドパーティーと似ている.....」

 

「.....皆は私たちがライブをする時、何を見ているか、何を目的としているか分かるかしら?」

 

「それは当然、お客さんに楽しんでもらう為ですよね?」

 

「ええ、勿論それもあるわ。でもそれだけじゃないのよ....そのバンドと音の個性よ。」

 

「個性?」

 

「ポピパの皆ならキラキラやドキドキを見つける、Afterglowならいつも通りの私たちでい続ける、私たちパスパレはアイドルとして、バンドとしてお客さんを盛り上げる、Roseliaなら、圧倒的実力で場を飲み込む、ハロハピは世界を笑顔に!をモットーに皆で楽しむライブ、RASならチュチュちゃんプロデュースによる圧倒的なパフォーマンスね。あなた達Morfonicaには何があるのかしら?」

 

「私たちには....」

 

「私たちは、輝ける場所を目指すことです。」

 

「るいさん!?」

 

「私たちは他のバンドの皆さんのように何かがある訳じゃない。でもバンドとして、私たちもCiRCLEのステージに立てるくらいに成長しなければいけません。」

 

「それは皆同じなのね?」

 

全員がちゃんと頷いた。目指す方向は皆同じなのね.....

 

「そう.....なら、それはバンドとして、そのステージに立つということね?このメンバーで無ければいけないということよね?」

 

「も、勿論です!!」

 

「いいわ.....じゃあもう1つ。あなた達の誰かが、お嬢様としての品格を問われ、バンドを解散する可能性が高い状況に立った時.....あなた達の目標はどうするのかしら?」

 

「.....ストップ!!千聖、さっきからどうしたんだ?」

 

一旦演奏を終えて、兄さん達が降りてきた。

 

「色々聞いていたのよ。ちゃんと兄さん達の演奏も聞いていたわ。」

 

「あ、いやそういう事じゃなくてさ.....やけに手厳しいことを言ってたから。」

 

「少し聞いていただけよ。私たちと同じ悩みはして欲しくないから。」

 

私たちパスパレも現実と夢の挟み撃ちで悩んだりしたこともあった.....Morfonicaの皆にはそこは悩んで欲しくない。先輩としてのお節介かしらね。

 

「兄さん達にも聞いてみるわ。もし兄さん達が苦しい現実と夢の間に立った時、兄さん達ならどうするの?」

 

「え?そんなの.....」

 

『僕(俺)達でどっちも叶えるだけだよ(ろ)?』

 

「あ、あの.....EXTRAの皆さんは、ステージに立つ時.....何をこころがけてるいるんですか?」

 

豪「うーん.....なんかあるか?」

 

「いや、特にかかげられるものはないでしょ。」

 

「え、えぇ.....」

 

蒼生「まぁ強いて言うなら.....全力、この一言じゃね?」

 

「ぜ、全力ですか.....?」

 

「僕達がバンドをやり始めたのはそれを通じて新しい世界を見るためっていうところだよね。皆、変わりたいと思ったメンバーが集まったし。その為に全力でやる、それだけだよ。」

 

「新しい世界?ゆーくん何それ?」

 

「僕達がひとつになっている.....お客さん達を満足させる、番外編ならではの実力を見せつける.....まぁ色々あるけど、皆でやってさ、その先にある景色っていうのを見てみたい。新しい世界なんて言ったけどそれだけ。」

 

「それは目標になるの?ゆーゆー。」

 

「それは人次第だけど.....1人じゃ見えない景色はあるよ。僕も元々ましろちゃんみたいな人間だったけど、豪達のおかげで新しい自分というか、見えなかったものが見えたし。」

 

豪「さっき言ってた輝ける場所?たっけか。その過程を見せればいいんじゃないか?高度な技術が必要になるかもしれないけどさ、未熟なことの何がいけないんだって話だ。未熟な自分たちが目指す輝ける場所までの道のり....その未知数なところを全面的に出していけばいいんじゃないのか?それもひとつの個性だろ。」

 

翔世「そうそう!!技術云々はそういった道筋で自然とついてくるさ。まぁ千聖ちゃんが言ってた現実とぶつかるだっけか?だったら現実を納得させればいい。それだけじゃねぇか!!」

 

「そ、そんな簡単に.....!!」

 

流星「出来ないことくらい分かってるよ.....サクサク、でも世の中に超えやすい現実なんてそうそう無いからね.....でも、気持ちは持てる。」

 

「.....まぁというわけだよ。皆がじっくり考えて進めればそれでいいんだよ。まぁその為の技術力しかり絆とかは必要だけどね。不可能じゃないよ。目の前に前例が2つもあるんだから。」

 

「....兄さん、それ私の事言ってる?」

 

「え?千聖も頑張ってたじゃん。」

 

「そ、それはそうだけど.....あれは彩ちゃん達のおかげでもあって.....」

 

豪「俺たちも殆ど初心者だらけの中で、絶対に無理とか、時間の無駄とか言われまくったけど、それでもやりきったからな。前例はちゃんとある!!」

 

「まぁ、そこは5人でじっくり考えてね。あくまで僕らの話は助言程度で聞き流してくれればいいから.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その夜

 

「まさか夜中に帰ることになるとはな.....」

 

「でも、あの子たちが考える時間もないとだめだから、それでいいんじゃないかしら?紫吹さんが面倒みてくれるみたいだし。」

 

「あの時の蒼生の顔は面白かったな....」

 

「ふふっ、そうね。でも、Morfonicaの子達は大丈夫かしら?」

 

「あとはあの子たち次第だよ。でも千聖には本当にお世話になったよ。色々やってくれてたし。」

 

「そう言ってもらえるなら、頑張った甲斐があったわ。」

 

「ところで千聖.....街中だから手を繋ぐのは控えた方が....」

 

「大丈夫よ、それに現実は乗り越えるんでしょ?私の甘えを街中でどう受け止めるか.....楽しみね♪」

 

「そういう意味じゃないよ.....」




ここで区切りはつけます。また新しく千聖さんの恋愛小説書きます。1話を投稿したら、ここのあらすじのところにURL貼っておきますね。半年間ありがとうございました。また更新はしますが、不定期になりますので、次の小説でお会いしましょう。お気に入り登録をしてくださった方、感想や評価をくださった方、ありがとうございました!!


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番外編
在りし日の出来事


ここからは投票してもらった所を書いていきます。




数年前、地下練習施設にて

 

僕達は文化祭でのライブを申請し、PTA及び学校関係者が納得できる演奏なら良いと言われたので、その為に練習をしている。

 

豪「あーーーっ!!!」

 

友希那「声がブレているわよ。その声で、全員の調子を乱す気かしら?」

 

「友希那さん、僕達のことはいいから.....」

 

「先輩が言うなら....いい、こうよ。あーーーーっ!!!」

 

豪「あーーーーーっ!!」

 

翔世「おっ、やってるやってる!!」

 

蒼生「にしても、休憩中だってのによくまぁやってられるよな。休憩しないと、練習の質が落ちるぞ。」

 

僕達はいつものように練習している。豪は友希那さんの指摘を受けながら、より強い、響きやすい声を目指している。

 

「でもあんなに声出してたら喉が痛むんじゃないかな.....」

 

流星「そういう優希だって.....指、少し手荒れみたいな状態になってるじゃん。」サクサク

 

「そう?全然気にならないけど.....」

 

翔世「その点、蒼生は手は綺麗だな!!」

 

蒼生「うっせ。手が荒れてたら燐子の頭を撫でるのに燐子にいい感触が伝わらなくなるだろ。」

 

翔世「羨ましいな。俺なんか背が届かないからたえの頭を撫でられないんだよ!!」

 

蒼生「まぁ翔世はおちびちゃんだから、な!!」

 

翔世「んだとコノヤロー!!」

 

 

ガチャッ

 

千聖「ふふっ、休憩だからってあんまり騒ぎすぎるのも関心しないわね。」

 

蒼生「げっ、優希の妹じゃねえか!!」

 

千聖「あら?私を見て何を怯えているのかしら?」

 

「あれ?千聖、来てくれたんだ。」

 

千聖「兄さん達に差し入れをあげれたらなって思って。ごめんなさいね、さっき撮影が終わって来たからあまり豪華なものじゃないけれど.....」

 

「ううん、千聖がこうやって考えて動いてくれたのが1番嬉しいよ。ありがとう、千聖。」ナデナデ

 

「ふふふっ.....あら?少し違和感があるわね.....兄さん、手を見せてもらえるかしら?」

 

「え?いいけど何か....」

 

そう言って千聖は僕の手を掴み、指を順番に開いて状態を確認している。あぁ千聖の指は暖かいな.....なんか殺意が飛んできた。

 

「手荒れがあるわね.....兄さん、ちゃんとケアしてる?」

 

「うん、ちょっとは心がけてる.....」

 

「兄さんは自分の管理が下手なんだから.....帰りにハンドクリームとか買ってくるからそれでちゃんとやってね。」

 

「うん、分かったよ。」

 

「じゃあ私も次の撮影があるから.....またね、兄さん。」

 

千聖は手をひらひらと振って階段を上がっていった。千聖がミニスカだから一瞬見えそうになってたけど気にしないでおこう。

 

翔世「なぁ蒼生、さっきのお前に対する千聖ちゃんの威圧感、半端なかったな。」

 

蒼生「ああ、俺ら暴走族と引けを取らない雰囲気だぞ。あれは。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

練習終了後 コンビニ

 

豪「ぬわぁぁぁぁぁん、疲れたもぉん。」

 

流星「チカレタ....」

 

豪「今日もきつかったなぁ練習。」

 

「まぁ豪が友希那さんに一方的に指摘され続けてたからね。」

 

豪「でもそのおかげか大分マシになったぜ。レイに比べたらまだまだだろうけど頑張るぜ!!」

 

紅蓮「その、レイって誰なんだ?豪の彼女?」

 

豪「んなわけねぇだろ!!俺の妹であり嫁だ。」

 

蒼生「.....なぁ豪、気持ちは痛いほど分かるんだが、コンビニでそれを言うなよ。」

 

豪「えっ.....やば!!」

 

「まぁお客さんがそこまでいなかったのが不幸中の幸いだったね。」

 

友希那「あなた達って、全員そういう類の人間なのかしら?」

 

「そういう類って?」

 

「その....妹好きなところよ。」

 

『それは勿論全員そうだけど?』

 

「そ、そうなのね。先輩もそうなの?」

 

「まぁ豪ほど嫁とまではいかないところもいるよ。大切な可愛い妹だからね。」

 

流星「まぁ僕も.....おっちょこちょいな花音がお嫁さんだったら.....幸せにはなれるけど苦難が増えまくるよ。」

 

「そう?花音さんバイトではすごく頼りになるよ。」

 

流星「優希.....よく考えて。僕と同じレベルの方向音痴だよ?」

 

「あっ(察し)」

 

紅蓮「その点うちの有咲は優秀だな。盆栽も嗜んでるしなんといっても可愛い!!これに尽きる。」

 

蒼生「だからお前ら妹の愛をコンビニで語るなよ。さっさと会計済ませるぞ。」

 

翔世「.....あ」

 

「ん?どうしたの?」

 

翔世「財布ないわ。」

 

蒼生「ちっ、しっかりしろよ.....今日は俺が奢ってやるから明日練習の時に返せよ。」

 

翔世「おう!ありがとよ!!」

 

 

 

 

豪「やっぱ練習後のアイスとお菓子は最高だぜ!!」

 

紅蓮「お前らゴミはちゃんと持って帰れよ。」

 

「分かってるよ。でも、文化祭ライブも近くなってきたね。」

 

紅蓮「ああ。これからのスケジュールは.....まぁ間に合うな。俺もその他のプリントとか申請は済ましてあるから通ればすぐに準備出来るようにはしてある。」

 

蒼生「相変わらず世話になるな。」

 

翔世「紅蓮、俺たちにも何かあるなら教えてくれ!!お前ばっかに仕事を押し付けるのもあれだからな。」

 

紅蓮「心配ない。それにこれが俺の本来の仕事だからな。お前らに手伝わす訳にもいかないだろ。」

 

豪「そう硬いことを言うなよ!!俺たちのライブだ。その下準備も俺たちでやる方がいいんじゃないのか。まぁ俺はともかく.....優希や流星は頼りになるんじゃないか?」

 

翔世「おい待てなんで俺が抜けてるんだよ!!」

 

「翔世、高校に入ってから何回プリントなくしてる?」

 

翔世「うっ.....えっと、20回くらい。」

 

豪「もっと多いだろ。まぁとにかくだ、俺たちにも手伝わせてくれ、紅蓮。」

 

紅蓮「あぁ、まぁ今はなんとかなっている。忙しくなったらその手を借りるよ。」

 

「おう!!あ、そうだ。友希那ちゃんって、文化祭とか行かないのか?」

 

友希那「興味がないわ。不参加よ。そういう時間があるなら練習するわ。」

 

豪「だってよ、優希。なんか言ってやれよ!!」

 

「え?豪が言えよ.....」

 

豪「ダメだ。友希那ちゃんは、お前のいうことしか聞いてくれないからさ。」

 

「それは豪が勢い強すぎる状態で友希那ちゃんに話したからだろ?少し抑えたら良かったのに.....」

 

豪「だー!!うっせ!!いいから頼む!!このままだと友希那ちゃんバンド組む可能性減っていくぞ!!!」

 

「分かったよ.......友希那さん?」

 

友希那「何かしら?先輩。」

 

「えっとさ。学校の催しはさ.....本番行かなくても準備くらい行ったらどうかな?」

 

友希那「先輩.....私はそれは時間の無駄だと思ってるの。」

 

「それはそういう見方しかしてないからね。視点を変えてみるんだよ。そういう一般的な物の中に歌を作るヒントが案外隠れてるものだよ。だからさ.....最初から否定するのもいいけど、行って価値を見出してくるのもいいんじゃないかな?」

 

友希那「それも.....そうかしら。分かったわ、少しずつ頑張ってみるわ。」

 

『おお〜。』

 

「うん、そう言ってくれたら嬉しいよ。」

 

友希那「ええ.....ところで先輩、その.....」

 

「うん?どうしたの?」

 

友希那「さっき、白鷺さんのこと、撫でていたじゃない....だから、今の決意した私になでなでしてくれても.....いいんじゃないかしら?」

 

ふと下を向くと、頬を赤くしてもじもじとしながらこちらを見つめている友希那さんがいた。ちょっと近づいて『撫でてください』と言わんばかりに手の方に寄ってくる。

 

「う、うん.....よく決心できたね。」ナデナデ

 

「ふふふ.....確かに白鷺さんの言う通り、手の荒れが分かるわね。」

 

「やっぱり頭って繊細なのかな。」

 

(またリサにそういうのがあるか聞いてみようかしら....)




財布ないわは元ネタが存在します。

あらすじのところに新しく投稿した小説のURLを貼っているので良ければ見てください


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アシスタント、やってみる?

優希くんと千聖さん回です。


「アシスタント?」

 

「ええ、実は普段サポートをしてくれていた方が今日体調不良を訴えて休んでしまったの。でも普段通りに撮影もあるしパスパレもあるし.....」

 

「なるほど.....でも僕でいいの?アシスタントなら紅蓮の方が向いてるような気もするけど.....」

 

「.....兄さん?兄さん達が事務所に喧嘩を売ったのを覚えているかしら?」

 

「あっ(察し)」

 

「そういうことよ。兄さんに関しては私の兄というのもあるしパスパレでも認識されているおから願いしているんだけど....いいかしら?」

 

「妹の頼みだからね、いいよ、引き受ける。」

 

「ありがとう!!終わったらお礼してあげるから♪」

 

「別にお礼はいらないよ.....」

 

というわけで多忙な女優(高校生の妹)の、アシスタントをすることになりました。でもアシスタントって実際どんな事をするんだろう....予定管理とか交渉とかかな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

AM9:00 撮影場

 

「おはようございます。」

 

「あ、おはよう千聖ちゃん!!」

 

「おはようございますチサトさん!!」

 

「あら、珍しく彩ちゃんが1番なのね。」

 

「うん!!なんか今日は早く起きれて、イヴちゃんよりも早かったんだ!!」

 

「はい!!彩さんが速くて驚きました!!」

 

「ふふっ、その心がけは継続していきましょうね。」

 

「うん!」

 

どうやら最初の仕事はCMの撮影らしい。何かの飲み物のCMらしく、 パスパレver.で撮るらしい。しかも5人分。凄い人気なんだね.....まぁ僕はスタジオに入ろうとしないんですよね。

 

「兄さん、アシスタントだからってそんなに離れなくていいのよ?」

 

「い、いやあの.....ちょっと足を踏み入れるのが烏滸がましいと言いますか....」

 

「何急に緊張しているのよ。別に入ってきていいのよ。」

 

千聖から許可が貰えたのでとりあえず入る。なんか周りのスタッフの目線が地味に怖い.....皆忘れているかもしれないけど僕ってコミュ障だからね。

 

「はぁ.....弱々しいわね.....そこも可愛いんだけど。」

 

「優希さん!!おはようございます!!」

 

「あ、うんおはよう。」

 

「今日はどうしたんですか?」

 

「千聖のアシスタント代理をしてるんだよ。なんか正規の人が休んでるみたいだから。」

 

「あ、そうなんですか.....じゃあ私のアシスタントも今度『彩ちゃん?』.....なんでもないです。」

 

「あ、そうなの。ところでアシスタントって何すればいいの?」

 

「そうね....とりあえず監督さんに挨拶してきてちょうだい。私はもう済ませてあるから.....と思ったけど兄さん1人だとかなり酷ね....一緒に行くわ。」

 

ε-(´∀`;)ホッ

 

 

監督「へぇ〜、千聖ちゃんお兄さんいたんだ。」

 

「はい、自慢の兄です♪」

 

「そうかい、ならお兄さん、今日はかっこいいところ見せて妹さんが自慢できるくらいにはならんとね、はっは。」

 

「は、はい.....」

 

何か役に立たないと千聖に申し訳ないよね.....あっ、そうだ。

 

「あの、監督さん。」

 

「ん?なんだね?」

 

「このCMの.....BGMを聞かせてもらっていいですか?シチュエーションを教えていただければそれっぽくアレンジも出来ますので.....」

 

『え!?』

 

「えって.....千聖もそんなに驚く?千聖をより良く見せるのも仕事じゃないの?」

 

(兄さん.....アシスタントの域を超えてるわよ.....)

 

「な、ならお兄さんがとれくらい演奏技術があるか試させてもらおう。」

 

「は、はい。キーボードありますか?無ければベースやギターでも.....さいあくドラムでも出来ますから。」

 

「は、はい!?」

 

「私の兄は、バンドをやっていましたので演奏が上手いんですよ♪」

 

「さらっとハードルを上げないでよ.....」

 

「兄さんが変な方向に話を持っていったからのっているのよ。」

 

「ははっ、仲が良い兄妹じゃないか。とりあえずそれは編集の人と掛け合ってくれ。」

 

「は、はい。分かりました。」

 

タッタッタッ

 

「.....面白いお兄さんじゃないか。」

 

「はい♪自慢の兄ですから!!」

 

(千聖ちゃん、普段の撮影の時よりも眩しい笑顔をしているねぇ.....)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「編集の人には許可貰えたよ。」

 

「そう、良かったわ。」

 

「じゃあ後は.....千聖が撮ってる様子をじっくりと見させてもらうよ。」

 

「それはいいけど.....視界には入らないで。」

 

「えっ....」

嘘だろ....いや、待て待て。僕はアシスタント。千聖が望むがままに動かなきゃいけない、たとえ視界に入られたら不愉快と思われて言われたとしても.....

 

(兄さんが視界に入ったら恥ずかしすぎてまともに演技が出来ないわ.....きっと微笑みながら見ているもの。)

 

 

「ごめんごめん!!ぎりぎりになっちゃった!!」

 

「はぁ.....はぁ.....疲れました。

 

「日菜ちゃん、麻弥ちゃん、何かあったの?」

 

「いやー、途中で変な人達に絡まれちゃってさー」

 

「ジブンが近道だからと教えてしまったのが失敗ですね.....」

 

「2人とも、怪我は無いの?」

 

「大丈夫だよー、途中で強いおねーさんが助けてくれたから!!」

 

「それで自分たちをここまで送ってくれたんです。すみません、普通に行っていれば.....」

 

「事情は分かったわ。でも、急がば回れ、ね。今度からは気をつけてね。」

 

「はーい。」

 

「因みにその人って.....紫吹さん?」

 

「確か燐子ちゃんのおねーさんだったはずだよ!」

 

「紫吹さんだ.....後でお礼か何か言っとこ。」

 

「というか、優希がなんでここに居るの?」

 

「今は千聖のアシスタントととして.....」

 

「へぇ.....なんかるんってきたよ!!今度あたしのアシスタントもやってみない?」

 

「日菜ちゃんは大変そう.....」

 

「えー、まぁいいや。どうせこの後パスパレの練習もあるし、そこで頑張ってもらうから!!」

 

.....どうやら千聖だけに専念することは不可能らしい。なぜだ.....

 

「千聖、ヘルプミー.....僕体がもたないかも。」

 

「兄さん、これが仕事よ。」

 

(´・ω・`)

 

 

 

 

PM2:00

 

お昼ご飯を食べ、何故かスタジオから練習場所まで千聖をお姫様だっこして運べと言われ、今に至る。いや僕にとっては千聖が近くにいるからすごく良いんだけど.....恥ずかしくなかったのかな?今はパスパレの練習を見学している。プロのミュージシャンとパフォーマーが指導をしているらしく、クラブハウスの練習よりかは高度に見える。千聖と一緒に練習できるとか羨ましいなぁ....

 

「仕方ない.....見るか。」

 

しばらく座ってぼーっとしながら練習を見る。今日の仕事は比較的少ないらしく、これで終わりらしい。というか.....練習中の千聖の真面目な顔も可愛いな。撮りたい....けど我慢。

 

「ねー、優希!!」

 

千聖を見ていたらいきなり目の前に谷間が現れた。ちょっと千聖が見えないので邪魔なんですが.....

 

「.....あっ、日菜ちゃんか。どうしたの?」

 

「今優希どこ見てた?」

 

「千聖だけど、それがどうしたの?」

 

「ふーん.....まぁいいや。ちょっと見て欲しいところがあるんだけどいい?」

 

「プロの人がいるんだからそっちに見てもらった方が.....」

 

「あたしだけじゃなくて千聖ちゃんもそう言ってたよ♪これならのるでしょ?」

 

「.....外堀埋められた。」

 

「じゃあ、ゴーゴー!!」

 

「ちょっと頼むから離して!!」

 

日菜ちゃんが僕を立たせて、腕をぐいっと自分の方に引き寄せ連れていった。

 

 

「連れてきたよ!!」

 

「ありがとう日菜ちゃん。」

 

(どうして日菜ちゃんを使ったの?)

 

(いや、さすがに他の人に私がブラコンだってバレたくないから.....)

 

(それくらいでブラコン認定なんかされないよ。僕アシスタントだよ?)

 

(そ、それもそうね.....)

 

「ここの部分がどうしても出来ないから.....」

 

「どれどれ.....ちょっと後ろから失礼するよ。」

 

「ひゃっ!?」

 

僕は千聖の後ろに行き、千聖の指と同じ場所に来るように指を置いた。

遠くから見たら僕が千聖を覆っているようにも見える。

 

「えっと.....ここの運指はこうだから.....千聖、力を1回抜いて。ちょっと感覚を覚えてもらうから。」

 

「え、ええ.....」

 

そして千聖の手を動かし、スコアどおり引く。こう触ってみると千聖の手ってやっぱり繊細な感じがする.....それに小さいな。なんかセクハラみたいな感じがしているけどこっちの方が千聖は速いんだよなぁ.....

 

「千聖、覚え.....って、どうしたの!?顔が赤いよ!?」

 

(誰のせいだと思ってるのよ!!こうやって覆われたら....照れるじゃない。)

 

「あーあ、優希さんやっちゃった。」

 

「え、僕のせいなの?」

 

「はい、これは確信犯ですね。」

 

「続けたら千聖ちゃん嬉しすぎて意識が飛ぶかもねー♪」

 

「ひ、日菜ちゃん!!」

 

「でも、千聖ちゃん照れてるよ!気持ちは分かるなー、あたしもおねーちゃんにそうしてもらったら嬉しいし。」

 

というか途中からプロの人をガン無視してるけど大丈夫かな.....という予想は的中し、練習の後、呼び出されてめっちゃ怒られました。技術発展に貢献してくれたからと言ってはくれたがそれでも自分たちが仕切っているから下手な介入はやめて欲しいと言われた。これは反省だね.....

 

 

夕方

 

「疲れた.....」

 

「ふふっ、お疲れ様。今日は色々と大変だったわね。」

 

「もしかしていつもあんな感じなの?」

 

「いいえ、普段はもう少しきつめのスケジュールよ。練習時間を変えてもらうくらいに。」

 

「多忙すぎない.....?」

 

「楽しいのよ。それに今回は日菜ちゃんも楽しそうだったし。普段はプロの人が教えてくれるけど日菜ちゃんはすぐ習得して暇になるからいい刺激になったんですって。」

 

「まぁお邪魔はしちゃったけどね....」

 

「でも、今日はよく頑張ったわね。.....なにかお礼をあげれないかしら.....」

 

「いや、いらないよ。千聖が元気に楽しく仕事をしている姿が見れたから、報酬ならそれで充分すぎるくらいだよ。」

 

「なら.....せめてもの気持ちを受け取ってくれるかしら?」

 

千聖がバッグの中から何かを取り出した....ブレスレット?

 

「これがどうしたの?」

 

「私とお揃い、なんて.....えへへ。」

 

....可愛い。はにかむ千聖可愛い。まって今僕死んだかもしれない

 

「に、兄さん!?こんな道端で鼻血出して倒れないで!!」




千聖さんとつぐみちゃんの絡みとかもっと見てみたいなぁ.....


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余裕なしで限定ガシャには手を出すな(戒め)

限定燐子さんが出なかったので書きます。
今回は交流回みたいなのを書いてみます。


「....というわけでお願いしたいんです。」

 

「白金さん、気持ちは分からなくもないけど難易度が高くない?」

 

朝目覚めたら、いきなり目の前に白金さんがいてびっくりした。まぁおそらくは千聖が入れたんだろうけど.....まさかね。

 

「蒼生を尾行するってさ.....正気?あいつそういうのマジで敏感だからね。」

 

そう、蒼生は尾行や他人の視線といったものに特に敏感で、ストーカーとかもすぐに気づく。まぁそこは白金さんと少し似てるっていうのもあるのかな.....

 

「だ、大丈夫です....蒼兄の尾行はもう何回も成功していますので.....私がNFOでレベリングとイベントをこなしている内に不審な動きをしていたんです.....」

 

「紫吹さんも蒼生もちょっとナンパっていうかそういう口説く癖がどこかあるからね.....それで何故僕も?」

 

「えっと.....実は前にバッグに仕込んだ盗聴器で....白鷺さんの名前が出てきましたので.....更にはそこでウエディングの話も.....」

 

「.....ということはその蒼生がナンパしてる相手が僕に関係してるかもしれないからってこと?更には結婚の話も出ていると....」

 

まぁ千聖はないだろう。蒼生は千聖が苦手だからなぁ.....あんなに可愛いのにどこが苦手になる要素があるんだろう。

 

「というわけで.....一緒に」

 

「(*`・ω・)ゞ。さすがに蒼生が結婚とか考えられないし、気になるから行くよ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お昼 草むら

 

「まるで.....野生のポケモンになった感じです.....」

 

「いつもはどこに姿を隠してるの?」

 

「いえ....普段は建物の影とかなんですけど.....最近の蒼兄がちょっと警戒してきましたので....それに、前は職務質問に出会いましたから.....」

 

「.....なるほど。」

 

ということは僕が同行することによって少しは言い訳する理由が増えるってことかな。確かにそれはある。僕は千聖をストーキングすることは無いからこういうのは慣れないな.....

 

「あれだな....」

 

 

 

「悪い悪い、待たせたか?一応集合時間の20分前なんだが....」

 

「全然待ってないから大丈夫だよー!!それにそういうのは普通あたしが言うセリフだよー。」

 

「悪かったよ.....服、とても似合ってるな。」

 

「ありがと♪じゃあどこ行く?」

 

「とりあえず雑貨屋とかから行くか.....あんたにとびっきり似合うやつをプレゼントしないとな♪」

 

「あたしはいいよー。自分で作るのもあるし。」

 

「ここで渡さないのは男として廃れるからな。気持ちだよ気持ち。」

 

「うーん.....わかった!!」

 

 

 

 

 

「あれって....蒼生とリサさんだよね?」

 

「蒼兄...今井さんを口説いてる.....」

 

「白金さん?そんな殺気地味た雰囲気だとすぐバレるよ。」

 

リサさんの姿を見つけた瞬間に白金さんの殺気が膨れ上がった。よく千聖が僕と他の女子が絡んでいるのを発見した時の殺気とめっちゃ似てる。あれ.....僕慣れてるのかな?それはそれで問題のような.....

 

 

「とりあえず追うしか.....って白金さん?」

 

「アオニイアオニイ.......」

 

「あーもう.....見失うよ。行くよ。」

 

僕は白金さんの手を掴み、そっと歩いた。まじで蒼生は察するのが速すぎるからばれないように行くのも苦労するな....

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

雑貨屋は特に何も無かったからカット。まぁいつものように蒼生が人の手を取って歩いていたり、肩を寄せたりしているだけなので大したことはない。.....え?やばい?うん、蒼生はそんな所あるから僕らは皆もう慣れてるんだよね。まぁそういう性格になったのも色々事情があるんだけどね.....この話は今度でいいや。

 

「そしていつものようにカップル限定の品を頼むと.....うん、いつも通りだな。」

 

「.......」

 

白金さんはもう目が死んでおります。おそらく蒼生の事だから妹に関しては奥手なところあるんだよな。変なところで恥ずかしがり屋を発揮するなよ。

 

「白金さんはさ.....ああいうの蒼生とやった事ある?」

 

「ないです....」

 

「そこは即答なんだね.....」

 

「これは.....ちゃんと問いたださないといけませんね.....」

 

そう言って白金さんはポーチから捕縛用の縄と足枷と手錠.....なんでそんな物を持ち歩いてるんだ.....そりゃあ職務質問受けるよ。

 

「白金さん、とりあえず物騒なものは閉まって....今ナイフ出そうとしたでしょ。」

 

「よく、分かりましたね.....」

 

 

一方

「それにしても、最近は会う機会が増えたよねー!」

 

「ああ。これも運命みたいなもんじゃないか?」

 

「運命かー、そうかもねー♪」

 

「この後さ、ブライダルショップみたいの行かないか?2人の未来の為にさ。」

 

「おっ、いいね!!あたしそういうの考えた事あんまりないけど、見てみるのはいいかもねー。」

 

「俺らしく完成させてみせるぜ。」

 

「自信ありげだねー、楽しみにしておくよ!でも優希とかのも見てみたいなー。」

 

「優希?.....俺も想像出来ないな。タキシード姿の優希.....なんか背伸びしてる感があって面白いかな。」

 

「そういう事言ってると千聖に言われるよー?」

 

「うっ.....それは勘弁だな。とりあえず行こうぜ!俺が奢っとくから。」

 

 

 

「あれってさ....完全に付き合ってる人達のセリフだよね...」

 

「.....ふふっ、蒼兄には分かってもらわないと....」

 

「Σ(・ω・ノ)ノ、というか僕の名前出てきたってこの事かな。」

 

「そうだと、思います.....でも前の時は別の話題だったような.....」

 

「余計謎が深まってきたな.....」

 

作者の語彙力が低いから蒼生のナンパが下手にしか見えないが、そこは仕方ない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ブライダルショップ

 

とりあえず店の近くにいるはいるが、さすがに立地といい店の作りといい何かと都合が悪い。全面ガラス張りだったら普通にバレるし、周りに隠れらそうな物があんまりない。これはまずいな.....

 

「白金さん、さすがにまずくない?」

 

「そう、ですね.....ではどこかお店に入りませんか?」

 

「お店?」

 

「いえ....歩くの疲れて.....ここら辺人多いですから.....それに盗聴器はちゃんと動いてますから。」

 

「そうだね。とりあえずあそこのカフェにでも行こうか.....」

 

 

 

「さてと、ここからは音だね。」

 

「はい....」

 

とりあえず盗聴器を取り出して、起動する。

 

『すげぇ.....めっちゃ似合ってる。』

 

『ありがと!これなら恥ずかしくないかな.....』

 

『外に出ても恥ずかしくないよ。本当に花嫁らしさあるよ。』

 

『あんまり褒められると照れるかなー。じゃあ予行演習する?』

 

『おう。』

 

 

「予行演習.....ってあれ?白金さん?」

 

ふと顔を上げたら白金さんがその場にはいなかった。あれどこにいったんだ.....トイレかな?

 

『じゃあ.....って、燐子!?途中で帰ったんじゃ.....おわぁ!』

 

『蒼兄.....覚悟.....』

 

「.....あっちはあっちで凄いことになってる。」

 

とりあえず僕も行った方がいいのかな....

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「優希!!助けてくれ!!」

 

「今は.....こっち.....」

 

着いてみれば蒼生がさっきの拘束道具をフル活用して捕縛されていた。しかも白金さんの目も完全にアウト。リサさんも若干ビビってるし。

 

「ゆ、優希!」

 

「というかリサさんウエディングドレス着てるんだ....きつくないの?」

 

「うーん、ちょっと普段の服とは違うけどまあまあかなー。どう、似合ってる?」

 

「似合ってると思うよ。」

 

「う、うん.....ありがと。」

 

「とりあえず今はこっちをどうにかしないと.....」

 

蒼生って白金さん相手だとここまでマウントを取られるのか。仮にも元暴走族なのに普通の女子高校生に拘束されるのってどうなんだ...と思ったけど蒼生が妹相手に本気出すわけないわ。

 

 

 

 

「白金さんに着せるために?」

 

「あぁ。今井さん曰く燐子がゲームの中でドレスを着たって聞いたからさ...ほら、俺そのゲームしてねぇから、見れねぇわけよ。というわけでリアルで、ゲーム以上に燐子を仕上げて写真撮る為に今井さんに手伝いを依頼してたって訳だ。」

 

「蒼兄.....私で試せばいいのに.....」

 

「いや、それはその.....サプライズというかそっちの方がいいっつうか。」

 

「そんなサプライズは、いらないから....あと、どうして今井さん?」

 

「そこは気になった。」

 

「いや、ファッションセンスあるって前に優希が話してたしさ。それに最初は友希那ちゃん誘ったんだけどお断りされてな。」

 

「まぁそりゃそうだろうね。」

 

「というわけでベース教える代わりにって今井さんに頼んだんだ。」

 

「友希那のドレスも見てみたかったんだけどなぁ.....あたしは気にしてないから全然いいよ!」

 

「今井さんがそう言うなら.....でもね蒼兄。」

 

「ん?なんだ燐子?」

 

「運命云々の話なんだけどさ.....蒼兄ってこれ以外でも今井さんと会ってるの?」

 

「ああ、たまにだけどな。」

 

「それで...会ったら何してるの.....?」

 

「えっと、お茶に誘って....ってあ。」

 

「ギルティ....今井さんをお人形さん扱いしたんだから.....蒼兄はバツとして私のお人形さんに.....」

 

「ちょ、燐子!?そこ引っ張るなって!!あぁ.....」

 

そう言って白金さんは拘束した蒼生をそのまま引っ張って持って帰った。あれ目立つのに大丈夫かな....

 

 

「あはは....燐子のお兄さんも大変だなー。」

 

「まぁね.....このアクセサリーとかも含めて全部リサさんがととのえたの?」

 

「うん!あんまり想像できなかったけどこんな感じでもいいんじゃないかなーって考えたんだ!」

 

店員「あら、別のお客様も来ていたのですね。」

 

「あっ、どうも。」

 

「ふっふ〜.....えい!!」

 

「え?」

 

何かと思ったら店員さんの前でいきなりリサさんが腕を組んで体を寄せてきた。

 

「どうですか?お似合いに見てますか?」

 

「はい!少しウブさが残っていて新鮮で、お似合いですよ!」

 

「だって優希.....お似合いなんだってさ。」

 

「今井さん.....とりあえず離れないと.....」

 

因みにこの後通りかかった友希那さんに見つかり、しこたま怒られた。




どこもかしこもブライダルガシャでなんでバンドリだけ出ないんだ.....あのシャニマスで最も初の10連でめぐるが出たのに.....30連(無償)して出ないRoselia。千聖さんがいつ来てもいいように課金の準備はしてます。次はRASですか.....運営も詰めてきてますね


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兄妹の衝突 前編

なんか未定のメンテナンスに入ってましたね。RAS実装したことで何かトラブルでも起きたんですかね。

今回は優希くんが高校生だった時の話です。千聖ちゃんと優希くんの距離が明らかに縮まったきっかけ?みたいなのを書きます。


「はぁ....はぁ.....」

 

千聖が夕方に帰って外に行ったっきり帰ってこない。.....今の時間は朝の1時半。.....つまり、もう6時間近く帰ってきていない。特に何か置き手紙をしたり、連絡を入れていない....まず携帯が家にあった。普段から持ち歩いている小物入れすら置いてあったということは恐らくらなにも持たないでどこかに行った.......今は僕たちと蒼生の仲間達と力を合わせて探している。どこに行ったんだ.....雨も降ってるし、風邪ひくぞ.....

 

「ここにもいない.....どこにいるんだ...」

 

蒼生「優希!とりあえず怪しいところは全部当たったが誰もいねぇ。おそらくだが誘拐の可能性はゼロに等しい.....前に拉致られた時に俺らがしっかりケリをつけただろ?」

 

「だとしたらどこに.....」

 

「....俺らはとりあえず検討つけて探す。優希も自分の思い当たる場所を探してくれ。」

 

「あぁ。」

 

「それにしても雨は厄介だな.....優希、ちゃんと折りたたみか広い傘持ってるな?」

 

「あぁ。千聖は多分何も持たずに家を出たからな。」

 

そして蒼生達も動いた。今は深夜だからあんまり声を出して探すことも出来ない。つまり、検討の着くところを全部探していかないといけない。でもどこに....雨が降り続く中、僕はひたすら走った...,千聖。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

千聖side

 

「何で.....何でなの.....」

 

誰も『本当の私』を知らない、慣れてはいた......それでも耐えられなかった。普段通り飾った笑顔で過ごして同級生と話して、仕事をして.....いつもの様に『本当の私』はどこにもいなくて.....それでも大好きな兄さんの前では絶対に笑顔でいなきゃいけない.....辛い.....あんな、あんな役に、あんな物語に出会わなければ......

 

 

「私は、何も無いのに.....」

 

そして....兄さんはバンド活動を始めて知らない自分と、新しい自分と出会って.....離れていくようで.....今は空から降ってくる雨すらなんとも感じない.....むしろ自分を洗い流しているようで....

 

「.....あなた、こんなところにいたのね。」

 

「友希那ちゃん....どうして.....」

 

「あなたがいなくなったと聞いて、先輩から連絡が来たの。先輩ったら、一斉送信で私にまで送ってきたのよ。それで先輩が話していたところをあたっていたらあなたがいた、それだけよ。」

 

「.........」

 

「.....白鷺さんが今、何で悩んでいるかは分からないわ。でも、悩む場所と時間帯ぐらいは弁えないと迷惑よ。」

 

「分かってる.....」

 

「とりあえず先輩にはメールを送っておいたからすぐにここに来るはずよ。」

 

「....友希那ちゃんは」

 

「?」

 

「友希那ちゃんは.....本当の自分が、見えているの.....?」

 

私は聞いた。.....こんな意味もないのに。本当の自分なんて.....ありのままの自分なんて.....ないのに。そんな事を他人に聞く。たんなる当てつけかもしれないし.....

 

 

「何を言っているのか分からないわ。私の中に嘘の自分なんてものは無い.....あるのは私だけよ。」

 

あっさりした解答で.....そして強い答え。私には到底そんなはっきりと言えることではない.....友希那ちゃんは強いわね。

 

 

「はっ.....千聖!」

 

「にい.....さん.....」

 

声のした方を向いた.....傘を持っているにも関わらず傘をささず髪はびしょ濡れで.....肩で息をしている兄さんがいた。

 

 

「じゃあ先輩、私は先に帰っておくわ。.....このお礼として、明日ちゃんと婚姻届と印鑑を持ってきてちょうだい。」

 

「そ、それは遠慮させてもらいます.....でも、ありがとう。見つけてくれて。」

 

「いいえ.....失礼するわ。」

 

そのまま友希那ちゃんは歩いてすぐ見えなくなった.....雨のせいで視界が安定しない。

 

「とりあえず.....一旦家に帰ろう。」

 

「何も.....言わないの?」

 

「ん?」

 

「私が.....勝手に出ていって迷惑かけたこと.....」

 

私は兄さんに見つかってこうなるのを恐れていた。私が時間も考えずに勝手に出ていって挙句迷惑をかけた.....もう、見捨てられてもおかしくないもの.....

 

「.....まぁ、蒼生達には後で謝らないといけなくなるだろうけど.....今は後回し。一旦家に帰るよ。さすがに濡れっぱなしだったら風も引くだろうし。」

 

そして兄さんは私をおんぶして、そのまま家まで連れて帰った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

白鷺家

 

千聖にお風呂に入るよう促して、暫く濡れた頭を拭いて服を洗濯カゴに出す。まさかあそこに行ってるなんてな.....千聖らしいといえば千聖らしいけど。

 

 

「くぅーん.....」

 

「レオン、大丈夫。千聖のことは僕に任せて。ちゃんと笑顔になるように頑張るから....」

 

千聖の悩みや考え方は分からないところの方が多い。けど兄として.....親身になれる人間として抱え込みやすい千聖を....今回みたいに爆発した千聖を放置はしておけない。せめてアドバイスくらいあげたらいいなって思う.....千聖は導かれるよりも自分で考えて答えを出す方が納得してくれるだろうし。

 

ピロン

 

「ん?メールの通知.....」

 

先輩へ

 

白鷺さんは『本当の自分』に悩んでるらしいわ。力になってあげて。

 

 

「本当の自分、か.....千聖からしたらおそらく自分らしさ、だろうな。」

 

友希那さんに感謝のメールを折り返し送った後、ソファでスコアを見直す。母さんも心配こそしていたけど、千聖を叱るわけでもなくいつも通り迎えていた。こういうところは母さんと千聖は似てるんだろなぁ....

 

 

「.....上がったわ。」

 

「.........うん。」

 

こういう時なんて返せばいいか分からないから返事しか出来なかった。あとで千聖の部屋に行くか.....あの様子だとまだ寝そうにもないし。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

千聖の部屋

 

千聖の部屋に入るのはあれこれ4年ぶりくらいかな......棚には台本や立ち振る舞いに関して書かれた本、そして学校の教材.....真面目だと感服する部屋である。.....そして床には何故か国語の教科書が落ちていた。

 

「.......何か力にはなれないのかな?」

 

「出ていって.....兄さんがいるだけ迷惑なのよ。」

 

「迷惑.....どういうこと?」

 

普段の千聖からは滅多に見られない憎悪.....しかもかなり強いものだ。

 

「.......言葉そのままの意味よ。」

 

「そこで『はいそうですね』とは引き下がれないよ。千聖をここまで追い込んだのは何か.....教えて欲しいんだ。」

 

「..........で」

 

「ん?」

 

「もう....兄さんの顔なんか見たくないのよ!!!」

 

「え.........」

 

「もう....自分を追い詰めるものなんか何も見たくないの.....」

 

千聖は涙を流しながらも僕から目を絶対に離さない。.......本当に何があったんだ。

 

「千聖.....ハッキリ言ってくれ。僕の何がそこまで千聖を追い込んでるんだ。」

 

「だから.....兄さんそのものなのよ!」

 

「千聖の方が色々優れてるじゃないか.....何を」

 

「ふざけないで!!!兄さんには......『自分』があるじゃない.....私には何も、無い。バンドを始めて、自分を分かってくれる仲間が出来て.....それなのに何も背負うものがない兄さんとは何もかもがちがうのよ!」

 

.....大体分かった。千聖らしい悩みだ。




今年のイベント周期とかを考えると、千聖さんがクリスマスに来てくれるのでは?という考察が生まれました。そうだったらいいなぁ....
報酬の千聖さんが尊いです。なんだあれ.....星3のクオリティじゃないでしょ


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兄妹の衝突 後編

そういえばこの二次創作で千聖さんと優希くんの関係とか立ち位置って書いてなかったような気がする。


僕と千聖はお互いの事が好きな兄妹だけど、ある意味正反対でもある。物心着いた時には千聖がいたし、昔は一緒に遊んでいた。千聖が子役になってからはその機会も減ったけど僕はそれを見ていて嬉しかった.....周りが変わらなければ。僕はどこかへ行く度に千聖のことばかり聞かれたり、僕だけは何故か冷遇されることが多かった。....おそらく妹が子役なのに自分が何もしていなかったことが周りからしたら不思議で仕方がなかったのだろう。それは今でも続いているが、僕は常に千聖と比べられる為にいるような存在だった。そしてお互い成長して、今度は千聖がそう思い始めた。

 

「何もかもが違う、か.....そうだろうね。」

 

「.......!!」

 

千聖は小学校高学年になってから常に女優としてしか見られないようになった。つまり、誰も千聖本人と仲良くしたい風に見えなかったのである。勿論そういう子もいただろうがどうしても女優という外套膜がそれを邪魔した。そしていつしか僕達は遠い関係になってしまった。千聖は本当の自分が見えなくなって、僕は引き立てる為の存在でしか無かった。

 

 

「はっきり言えば、僕だって今も自分というものを探している。千聖だって今まで僕がどういう扱いを受けてきたかくらい知ってるだろ?」

 

「.........」

 

「でもだからこそ千聖のことを知りたい、解りたいと思うんだ。所詮僕は僕でしかない.....千聖の事を全部分かるわけがない。だからこそ改めて聞きたいんだ.......千聖にとって、僕は遠い存在なのかな?」

 

「......ええ、遠いわよ。」

 

静かに千聖が口を開いた。そして、また泣きそうになっている。

 

「私にとって、家族は.....特に兄さんは私の事をずっと受け止めてくれる存在だった。でも忙しくなって.....兄さんはバンドを始めて私はより一層女優として見定められて、どんどん遠のいていくのよ。だからこそ今の私にとって兄さんは.....羨ましくも妬ましい、遠い存在なのよ。」

 

....そんな風に思っていたんだ。

 

「......本当の自分は一体どこにいるんだろう。」

 

「え.....?」

 

「千聖、僕はさ.....今でも暗い道にいるよ。豪達にバンドに誘ってもらって改めて自分という存在と向き合って.....はっきりとした答えも見つかってないんだ。でもね千聖」

 

僕は千聖と目を合わせ、頭を撫でた.....兄だからこそなんとかせねば

 

「その『手探りでも自分を探そうとしている自分』は紛れもない本当の自分だと思うよ。」

 

「......!!」

 

「どんな自分だって自分......薫にも昔言ったかな。でもその自分は必ずしも皆から賞賛される自分である必要はない。何も無い自分なんていないんだよ。」

 

「兄さん.....」

 

「それにもし本当に無いって思い続けても.....その時は無いものを埋めればいいじゃん。生きていくうちにきっとそれは見つかるし、無かったら誰かを頼ればいいんだよ。僕は絶対に千聖の隣にいてあげるから。」

 

「.....約束よ?」

 

「うん、約束。」

 

僕と千聖は指切りをした。指切りなんてしなくても僕が千聖から離れていくことなんて有り得ないんだけどね.....

 

「すぅ.....」

 

「あら、寝ちゃった。」

 

さすがにこんな夜中まで起きてたら疲れるよね、しかも仕事の後なら尚更だよ。でも良かった.....千聖が悩みを意外と早く教えてくれたから

 

「明日っていっても今日か.....頑張れよ千聖。」

 

僕は千聖をベッドに運んで毛布を掛けてあげた。少し暑いかもしれないけど今はゆっくり休んで欲しい。

 

ガチャ ||.c( ゚ω゚`|

 

「.....やっぱ聞いてたのか、母さん、レオン。」

 

「わふっ!」

 

「よしよし.....ちゃんと千聖とは話したよ。明日には元気になってるといいな....」

 

「優希もお兄ちゃんらしくなったねぇ。お母さん安心したわ。」

 

「そう?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

花咲川女子学園

 

「ということがあったのよ。」

 

彩「へぇ.....優希さんとそんな事があったんだ。じゃあ今度の役柄って。」

 

「ええ、まさにこの時の私とぴったりなのよ。偶然もあるものよね。」

 

花音「千聖ちゃんいいなぁ.....私もお兄ちゃんとそういう事があれば」

 

「でも実際あの時は役柄とか関係なく本当に悩んでいたから、兄さんには本当に感謝しているのよ。」

 

「でも実際にそういう事があるのは羨ましいよ!私も優希さんみたいなお兄ちゃんがいたらなぁ....失敗しても慰めてくれるかな?」

 

「ふふっ、彩ちゃんの場合はそっちの方が視聴者さんに愛されてるから逆に可愛いって褒められるんじゃないかしら?」

 

「うっ.....それは複雑かも。」




忙しくなって休日くらいしか投稿できそうにないですね



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イメチェンしてみたよ

最近

なんかダルい→ハーメルン投稿しないと→ネタが思いつかない→ネタ探しに入る→休憩してゲーム→勉強もしなきゃ→勉強してたら一日が終わってる

ですね。


「ご利用は計画的に♪」

 

「急にどうしたの千聖......」

 

部屋から出てきたら千聖がメガネをかけて、ソロバンを持って何かをしている。いや背伸びしてる感じが可愛いんだけど。

 

「ちょっとしたイメチェンよ。女優として色々役をこなす為にも必要よね。」

 

「それは分かるんだけどなんで商人キャラみたいなのしてるの?しかもそのメガネ、高校の時に僕が失くしたやつなんだけど.....」

 

「こ、細かいことはいいのよ。」

 

「まぁもう新しいの買ったから別にいいけど.......でも似合ってる。」

 

「ふふっ、ありがと♪でももう少し何か欲しいわね....」

 

「うーん.....そういうの僕はあんまり得意じゃないからね.....あ、そうだ。」

 

 

 

1時間後

 

「やっほー☆突然呼び出してどうしたの?」

 

「あ、リサさん。急に呼び出してごめんね。少し協力して欲しい事があって.....」

 

「ん?なになに?」

 

「リサちゃんごめんなさいね。実は私のイメチェンで少し相談があって」

 

「へぇ、千聖もイメチェンするんだ。それで、どんな感じ!?」

 

リサさんはこういうファッションとかにはとても強い人だって前の経験で分かったし、友希那さんもそんな事を言ってた。

 

「兄さん今何を考えていたのかしら?」

 

「いや別に何も.....」

 

「ふぅん、友希那ちゃんのこと考えていなかったかしら?」

 

「リサさんがこういう系に強いって話してたのを思い出しただけだよ。別に変な想像はしてない.....」

 

「あーでも、こういう話は女の子同士の方がしやすいかなー。優希、ごめんだけど1回席外してくれる?終わったら呼ぶからさ。」

 

「了解。じゃあそれまでは自分の部屋にいるよ。2階にあるから声のボリュームとかは気にしなくていいよ。」

 

「OK♪」

 

ガチャ

 

「ふーん、どういう風の吹き回しかなー?」

 

「リサちゃん、何を言ってるのかしら?」

 

「なんとなく分かるんだー、優希と最近話せてなさそうだなぁって。」

 

「.....ふふっ。お見通しかしら。」

 

 

リサちゃん.....恐ろしいわ。これが所謂女の勘ってやつかしら?

 

「まぁでも分かるなぁ.....イメチェンして気分変えて色々出かけたりしたいよねー。」

 

「実際兄さんも忙しいし、私も仕事があるから誘いにくいのよ.....役探しというのは本当よ、でもイメチェンして新しい自分を兄さんにも見て欲しいなぁっていうのもあって.....その....」

 

(千聖、乙女だなぁ.....優希もアタシがこういう感じで接したらどう感じるのかな.....?)

 

「うんうん♪じゃあ服見せてもらっていいかな?どういうコーデするか考えたいし♪」

 

「ええ、分かったわ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1時間後

 

|ω・)و゙ ㌧㌧

 

「終わったよー、絶対驚くから!」

 

「驚くって.....どんな感じなんだろ?」

 

「うーん、強いて言うなら優希が今までで絶対に見たことの無いタイプだと思うな。」

 

「僕は千聖が出てるドラマとかはちゃんと見てるから、見たことないタイプっていうのは少し楽しみかな。」

 

実際リサさんは凄いし、千聖が完璧に別人になりきっていれば、他人の目を気にすることなく千聖とどこかにお茶しにいったりできるし楽しみだなあ.....

 

ガチャ ||.c( ゚ω゚`|

 

「ちさ....と!?」

 

「ふふっ、どうしたの?」

 

うん、ちょっと待ってちょっと待って。今目の前にいるのは千聖だよね.....?うん、それはいいんだよ。でも雰囲気が違いすぎる。

 

「きゃぴ☆」

 

「なんでギャルなんだよ!!?」

 

「いやー、優希が知らないのを考えてみたけど、よく見考えたらあたしみたいな感じのタイプは見たことないなぁって....どう?似合ってる?」

 

「うん、なんか新しい千聖を見れて満足だよ。」

 

「ふふっ、じゃあ早速、街中を歩いてみない?この感じだったら私だってバレなさそうだし(兄さんと人目を気にせず出かけるなんていつぶりかしらね.....)」

 

「あ、あたしも折角だから一緒に行ってもいい?」

 

「うん、リサさんをこのまま帰らせるのも申し訳ないしね、どこかでお礼するよ。一緒に行こう。」

 

(兄さんと2人、とはいかなかったけどリサちゃんからまた色々アドバイス貰おうかしら)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

街中

 

「このアクセサリー、可愛いわね。」

 

「うんうん♪千聖もこれ付けてオシャレとかしたらもっと雰囲気出ると思うよ!」

 

「そうかしら、後で試すわ。」

 

なんとなく街中に出てはみたものの、千聖がバレる気配は一切なく、安心して見ていられる。.....千聖がこうやって同い年の人達と仲良くショッピングをしているのを見るとほっとする反面僕の財布が心配になる.........あと

 

「あの子たち、めっちゃ可愛くね!?」

 

「ちょっと話しかけにいこうぜ!」

 

.....と、目をつけられることがしばしば。まぁ千聖は普段から僕が逃げてもいいように拘束したり護身術を身につけているらしいからなんら問題は無いんだけど.....人溜まりが出来るのはあんまり好きじゃない。

 

店員さん「随分賑やかですね〜。」

 

「あ、すみません。」

 

「いえいえ、でもあの子達可愛いですよね〜.....どっちか彼女さんだったりするんですか?」

 

「あれ?なんで僕があの子達と関わりがあることが分かるんですか?」

 

「うーん.....あの子達が時々あなたの方を見ていましたし、それにあなたは見慣れてる雰囲気が出てますので。」

 

「なるほど.....でも僕はどっちとも付き合ってませんよ。」

 

「あ、そうなんですか、勿体ないなぁ.....」

 

適当に会話したら店員さんは去っていった。でも実際そう見えるとしたら、千聖は妹だからリサさんと僕が付き合ってる風になるのか.....あれ?寒気がするなぁ.....

 

|*・ω・)チラッ

 

「あら?何を考えているのかしら?」ゴゴゴコゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

「ちょ!?いつの間に.....」

 

「何か兄さんが余計な事を考えてるんじゃないかなぁって思っただけよ。その反応だと図星ね。」

 

「いや、そのさっき店員さんが....」

 

「店員さん?兄さんいつの間にか他の人にも手をだしていたのかしら?」

 

「いや.....その....」

 

「じゃあ罰として、兄さんにはこれ買ってもらうわね♪」

 

そう、人が来る→話しかけられる→千聖に見つかる→僕の自腹になる

 

という一連の流れがあるから人溜まりが出来るのは怖いのである....まぁ、可愛いからいいんだけどね.....

 

「千聖も人使い結構荒いんだねぇ.....」

 

「そうかしら?リサちゃんも想像してみて。もし、リサちゃんが兄さんの彼女だったとして。」

 

「え?ちょ....優希が彼氏!?」

 

(嘘でしょ.....リサちゃん、文化祭の時は怪しかったけどいつの間にか兄さんを確信をもって意識するようになってたの.....)

 

「.....んん!!とにかく、一旦想像してみて。兄さんが彼氏だとして、ほかの女の子と仲良く話してたら.....」

 

「それは.....ちょっと、妬いちゃうかなぁ....」

 

「そういうことよ。.....はぁ、せっかくイメチェンしたし兄さんに俺の女とか言ってもらいたいわね.....」

 

「あはは.....(でもその気持ち分かる気がするなぁ.....)」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お昼 カフェ

 

「はい、あーん。」

 

「あーん♪」

 

「千聖、恥ずかしいからこれは家だけにして欲しいんだけど.....」

 

「大丈夫よ、イメチェンして私は今は別人にしか見えないもの。それに折角イメチェンしたんだから.....外で出来ないこと、沢山しよ♪」

 

「なんか口調も少し変わってる.....リサさん意識してる?」

 

「ええ、こういう時どんな感じで話したらいいか分からないからリサちゃんを参考にしてるのよ。」

 

「別に真似しなくても千聖らしくしてればいいと思うけどな〜。」

 

 

 

「あれ?優希じゃん!!」

 

「お、翔世、やっほ。お前こそ1人でどうしたんだ。」

 

「あぁ、ここのカフェってテイクアウト出来るみたいでな、食べにこようと思ってたけどたえがPoppin’Partyの練習で無理らしいからちょっとテイクアウト貰いに来たんだ。.....にしても」

 

「ん?どうした?」

 

「優希、お前.....千聖ちゃんにこれ見られたら○されるぞ。」

 

.....ん?翔世は千聖に気づいていないのか。なんか新鮮だしこのまま話続けてみよう。

 

「いや、リサさんは千聖も知ってるし別に口説くとかそういう事してないし.....」

 

「その子が仮に良くてもその隣の子だろ。どこか千聖ちゃんに似てるけど.....まさかお前」

 

「いやいや仮に千聖に似てたとしても絶対手出さないから!翔世だって花園さんに似てても口説きにはいかないだろ?」

 

「そりゃもちろん。」

 

「それと同じ。僕が千聖以外に靡くと思ってるのか.....?」

 

「あれ?でもこの前大学で女の子に話しかけられて動揺してる写真なかったか?」

 

「えっ.....あっ!」

 

そんなことあった....確か急に親しげに話しかけられてちょっと驚いた時のやつだ。でもあれって大学の中だったしなんで知ってるの....?

 

「ふぅん.....」カランコロン

 

千聖がストローで氷を回しながら威圧感を放ってくる。怖.....それを翔世も感じたらしく

 

「ひっ!.....殺気まで千聖ちゃんそっくりだな.....じゃ、じゃあな!」

 

 

 

 

「兄さん、後でゆっくりお話を聞こうかしら?」

 

(´∵`)シュン




久々に書いたのでちょっと違和感あるかな.....あったらごめんなさい


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お兄ちゃん離れ

最近は勉強してるせいかあんまりゲームやってませんね.....もうなんかやる暇がないというか。


皆さんは子供や弟や妹がある程度成長したらあんまり親しく話したり遊ばなくなったという経験がありますか?子供も自分のコミュニティを構成していき、次第に親離れや兄姉離れとなっていく。それは少し寂しいようなもので、でも嬉しかったりする。しかし......

 

 

「どうにかなんないものかなぁ.....」

 

「うーん...白鷺さんのところとアタシのところだと確かに違いますよね。」

 

「えぇ.....それに私たちとも少し違いますし。」

 

 

宇田川さんと紗夜さんを近くのカフェに呼んで少し相談をしている。もちろん千聖の了解も取ってるよ。

 

「ですが優希さん、今の白鷺さんとの関係が好ましくないのですか?お互い満足しているようにも見えますが.....」

 

「うん、確かに千聖と色々話したり遊んだり出来るのはいいんだけどね.....千聖、今でもほんとたまに僕を行動の根拠にして色々断ったりしたことあるらしいからさ....何とかしないとって思ってね。」

 

そう、今でこそパスパレやガールズバンドの皆のおかげで千聖も年相応の顔をしたり、楽しんだりしている。だがしかし、未だに抜けきらない僕優先はなんとかして欲しい。いや、嬉しいんだけどね.....

 

「例えばの話だけど、宇田川さんの妹さんや日菜ちゃんが遊びの誘いとかを受けて自分たちを理由にしてたら少し複雑にならない?」

 

「いえ、日菜の場合は自由気ままですので、相手を困らせてないか別の意味で心配です.....」

 

「確かに.....言われてみれば、あこがアタシを理由に誘いを断った事とかは聞いたことありませんね。でもあこがそうしたら、アタシは怒りますね。」

 

「やっぱそれくらいの距離感が理想だよね....」

 

日菜ちゃんが自由奔放なのは知ってたけど、予め約束を立てておかない限りそういった言動をしているところは見たことがない。

 

「ちなみに白鷺さんの場合はどんな感じなんですか?」

 

「僕がまだ高校生.....って言っても数年前の話だけど、千聖って僕たちのバンドのアシスタントみたいなことを紅蓮と一緒にやってくれてたんだ。それで遊びというかクラスとかのお誘いを全部断ってたらしくてさ.....」

 

「それは中々ですね.....」

 

「僕としては千聖もそういうのに気兼ねなく行ってくれて構わないし、むしろ同級生と楽しく遊んでいるところを見た方が安心するんだよね.....でもかと言って千聖の好意を無下に出来ないしですごく困ってる状態なんだけど.....どうしたらいいんだろ。」

 

「それは優希さんが1番分かるような気もしますが.....」

 

「それに白鷺さんは女優ですし、アタシたちとは境遇も色々違いますから。」

 

「でもよくよく考えてみたら千聖が他人を無下にするような悪い子でもないからなぁ.....うーん....どうしたものか。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「と、いうことがあったんです。」

 

「なるほど....兄さんそんな事で悩んでいたのね。」

 

「これはお互いこの事を知っておいた方がいいかと思いまして.....」

 

巴ちゃんから「カフェ行きませんか?」というメッセージが来て何かと思ったら、この前兄さんと巴ちゃんと紗夜ちゃんで話してたことを伝えてくれた。.....心当たりが多すぎて少し気まづいわね。

 

「確かに兄さんが高校生だった時はそういう事が多かったわね。あの頃の私は今みたいに柔らかくなかった上に兄さんへの依存が凄かったから。」

 

(そ、それは今も同じじゃないんですか.....?)

 

「兄さん離れね.....一生出来ない自信があるわ。」

 

「でも羨ましいですよね。白鷺さん達兄妹見てると全然気兼ねなく本音言いあえてるところとか。」

 

「ふふっ、巴ちゃんも以前あこちゃんと色々あったものね。」

 

あんまり分からない人はシーズン1のイベントストーリー「Growing Up Sisters!」を見ようね。

 

「まぁあれはアタシの勝手な思い込みとかもありましたけど.....」

 

「兄さんも少し心配しすぎよ。私も皆のおかげで沢山な学ぶことは出来たし、兄さんが心配しているほど危なくないわよ。」

 

「妹の事が心配になる気持ちも分かるんですけどね.....」

 

今でこそマシにはなったが、確かに兄さんにいつまでも心配をかける訳にもいかないわね.....今度話そうかしら。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

 

「兄さん、少しだけ話があるんだけどいいかしら?」

 

「ん?いいけどどうしたの?」

 

「昨日巴ちゃんから色々聞いたわ。兄さん心配しすぎよ。」

 

「そ、そうかな.....?」

 

改まって千聖が言ってきた。もしかして前にしてた話の事かな?

 

「ええ、兄さんも分かると思うけど私、これでも数年前とは大きく変わったのよ。さすがにそれが分からないなんて事ないわよね?」

 

「いや、それはさすがにわかるけどさ.....じゃあ聞くけど、なんで僕の誕生日に決まって仕事が無いの.....?前日と翌日は分刻みとまではいかないけどめちゃめちゃ忙しそうじゃん。」

 

「え!?.....いや、それは、その.....」

 

千聖も少し気まづくなったのか人差し指で髪を弄りながら視線を反らした。もしかして気づいてなかったの.....?

 

「他にも僕の大学の学祭の時は学校とかサボって来てたでしょ?」

 

「え、えぇ.......そんな事もあったわね。」

 

「.......あんまり治ってなくない?」

 

正直その事が心配である。千聖と過ごせる時間が増えることは僕にとってはいい事なんだけど、その為に千聖が前日とかに苦労するのは少し違うかなぁと思ったりする。

 

「で、でも.....兄さんに会いたいんだもの.....」

 

千聖は涙目になりながら、少し頬を膨らませている。可愛い.....可愛いが、ここは心を鬼に

 

「会いたいのは分かるけど、千聖がその為に色々苦労したり体に無理してるかもってこっちが考えると心配でね.....実際今日仕事あったでしょ?朝からって聞いてたけど普通にいるし。」

 

「.....分かったわ。でもそれは兄さんも同じよ!」

 

「.......え?」

 

さっきまで不貞腐れてた千聖が急に攻勢に変わった。あれ?何か地雷踏んだ.....?しかも得意げな顔。

 

「兄さんも私との約束の為に多い大学の課題を徹夜して終わらせたり、大学の般教の時間割も全部私の予定に合わせているのは何の偶然かしらね.....?」

 

「い、いや僕の場合は別に無理はしてないし、これで事足りるからさ....」

 

「なら私も現状で無理はしてないし、大丈夫ね。ふふっ、自分の苦労は一切気にしないところは似てるのかしらね?」

 

上手いこと千聖に言いくるめられた.....

 

「じゃあお話も済んだ事だし、今からお茶しに行かない?」

 

「あの、千聖しg「行きましょう?ね?」は、はい......」

 

 

一生、千聖には逆らえない気がした。それにしてもさっきの拗ねてた千聖、可愛かったなぁ.....写真撮っとけば良かった。




パスパレの箱イベで千聖さんが来たということは.....クリスマスは彩ちゃんとイヴちゃんになるのか、それとも千聖さんがちゃんと来てくれるか......でも、限定千聖さんが来て欲しい。


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アマチュアの底力

今回は過去編になります。


「ふむ、中々良くなってきたね。もう少し磨けばライブでもしっかり通用すると思うよ。」

 

豪「え!?ほんとですか!?」

 

「うん。じゃあ一旦休憩してもう一度通してみよう。」

 

僕達は湊さんから技術指導をしてもらっている。僕達は殆ど独学だが、完成度は客観的に見てもらって修正していきたいので、湊さんやオーナーに見てもらったりする。時々きゅうりっていうあだ名の鈴鳴先生にみてもらうこともあるけどね。

 

蒼生「でもまだ完成までは遠いだろ。俺たちならもっと磨けるはずだ。」

 

流星「そうだね.....サクサク」

 

「でも君たちが期待の新生バンドとして記事になってるのを見て驚いたよ。友希那の言う通りだったね。」

 

「えぇ.....」

 

豪(....ん?なんかよそよそしくないか?)

 

優希(う、うん。確かに.....なんか普段と違う。)

 

紅蓮(家の事は分かんないし、ここは触れない方がいいだろう。話してるって言ってるから仲が悪い訳では無さそうだしな。)

 

翔世「まぁ俺たちはライブ云々の前にライブの席を満員にするところから頑張らないとな!」

 

蒼生「俺たちの音楽もまだちゃんと見つけられてねぇしな。」

 

 

 

 

「自分たちの音楽.....か。」

 

豪「どうかしたんですか?湊さん。」

 

「いや.....なんでもない。よし、休憩は終わりだ。もう一度最初から通してみよう。」

 

『はい!!』

 

(.....先輩たちはお父さんに何があったか知らないからしょうがないのかしら。)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数時間後

 

翔世「.....よし!中々良くなったな!」

 

「うん。ミスもなくなったし何より曲にのれている。数時間でよくここまで調整できたね......驚いたよ。」

 

蒼生「まぁ俺たち個別練は結構してるので、そこら辺の微調整は結構速いですよ。」

 

「頼もしいね。じゃあそろそろ終わりにしようか。」

 

『ありがとうございました!!』

 

 

 

 

「......少しいいかしら。」

 

優希「ん?どうしたの友希那さん。」

 

「少し、話しておきたい事があるの。ちょっとだけ時間を貰ってもいいかしら。」

 

翔世「おお!いいぜ!」

 

「話したいのはお父さんの事なのだけれど.....」

 

蒼生「やっぱ過去に何かあったって感じか。雰囲気で薄々感じてはいたが。」

 

「さすがね.....お願いって言う程じゃないのだけれど、お父さんの前であんまり自分たちの音楽って言うのを辞めてくれるかしら。」

 

優希「.......とりあえず理由を聞いていいかな。」

 

「お父さんは以前バンドを組んでいて、凄く実力のあるバンドとして知られていたのよ。」

 

翔世「俺も何回か雑誌で読んだことあるぜ!評価高かったな!」

 

「その実力も買われて、お父さんはプロ入りまでしたのよ。」

 

豪「.......ん?ちょっと待てよ?今のところすごい成功談にしか聞こえないんだが、それが何かあるのか?」

 

優希「豪....こういう話は大体この後からが本番みたいなものだよ。」

 

 

 

 

「.....ええ、そうね。そしてお父さんはプロ入りした.....したけれど、そこからが酷かったのよ。事務所の意向に沿わされ、自分たちの音楽を奏でる事も許されず.....そしてそのせいで世間からの評価も落ち、お父さん達は引退させられるところまで追い詰められた。.....お父さんは音楽を踏みにじられたのよ。」

 

紅蓮「......なるほど、だからプロ入りしてから楽曲の方向性が変更していったのか。妙に違和感があったから納得した。」

 

蒼生「...........」

 

流星「プロの世界っていうのも中々酷なんだね.....サクサク」

 

友希那さんはその後、何も言わずに帰っていった。.....なんか重い話だったな。

 

 

 

帰り道

 

豪「湊さんそういう事情があっても俺たちに協力してくれてるんだよなぁ.....感謝。」

 

蒼生「あの話、俺は少しいい加減なようにも聞こえたけどな。」

 

優希「どういう事?」

 

蒼生「ん?いや、プロになるってことはさ、そういう方向性を求められるってのも当然と言えば当然だと思ってな。ということは湊さんはその方向に合わせられなかったってだけで、単にプロの世界で淘汰されただけなんだなって。」

 

紅蓮「おい本音とはいえお前.....」

 

蒼生「別に湊さんのことを見下してる訳でも馬鹿にしてる訳でもねぇよ。だけどさ....プロになったんなら、違う方向性を求められたら合わせるために練習しなかったのか気になってな。」

 

翔世「気持ちがのらなかったんじゃなかったのか?やっぱそういうのってモチベとかにも影響してくるしよ。」

 

紅蓮「蒼生の言うことも一理あるんだけどな.....元々自分たちの音楽を見て実力を買ってもらったのにプロになって早々に方向変換を求められるってのも酷な話だと思うけどな。何のためにプロにスカウトしたのか、分からねぇじゃねぇか。」

 

蒼生「紅蓮ならどうする?」

 

紅蓮「俺か?まぁスカウトって形を取るなら、その方向性で自由にやってもらうけどな。で、しばらく経ったら別のジャンルも少しずつやってもらうって感じかな。」

 

優希「まぁ僕達にはどうこう言えないよね....だからこそ、FWF、勝とうよ。」

 

蒼生「.......だな。俺たちは俺たちにできることをするしかねぇ。湊さんの過去は過去でしかない。」

 

豪「ま、別に認めさせるとかはおいおい考えるとして、とりあえず今の俺たちがどこまでいけるか、気になるな!!」

 

翔世「順位とかはどうだっていいぜ!!俺たちが何より楽しまねぇとな!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日 地下練習スペースにて

 

豪「ふいぃ.....疲れた。」

 

優希「豪は補習だったもんね。よく1発で小テスト合格できたね。」

 

蒼生「ほんと、俺なんか5回以上やり直したぞ.....」

 

流星「蒼生、暗記苦手なの?サクサク」

 

蒼生「あぁ、ほんと漢文なんか読めねぇよ。俺たちトリリンガルにでもなるつもりか!?」

 

紅蓮「いや、一般教養だろ。それくらい勉強しとけよ....」

 

 

僕達は楽器を準備しながら雑談をしている。翔世はうさぎの餌を買うから遅れるらしい。なにしろ20匹いるらしいからかなりの量らしい。3往復くらい家とペットショップを往復するんだって、凄いよね。

 

 

「こんにちは、じゃあ今日も練習始めようか。」

 

優希「あれ?友希那さん来てないんですか?」

 

「友希那は体育の補習があるらしくてね。ここに来るのが遅れるそうだ。いつも友希那と仲良くしてくれてありがとうね。」

 

豪「友希那ちゃんと仲良くなったきっかけは優希ですよ!!」

 

優希「おいお前勝手なことを.....」

 

「友希那もよく家で君のことを話しているよ。とても気に入られてるみたいだね。どうだい?将来友希那を貰ってくれてもいいんだよ?私と妻も君になら任せられると思ってるからね。」

 

優希「は、話が飛躍しすぎですよ.....それに湊さんの奥さんと会ったことありませんし。」

 

「確かにそれもそうだね。じゃあ今度お見合いがてら家に来るかい?」

 

優希「い、いえ遠慮しておきます.....」

 

 

 

 

 

???「おやおや、ここがEXTRAの練習場所ですか。」

 

蒼生「.......誰だてめぇ。」

 

???「失礼、私こういう者でして.....」

 

豪(.......審査員?FWFの?)

 

優希(どうやらそうみたいだね。)

 

流星(でもなんで知らない人がここに.....ここのこと話したことなんて無いのに。)

 

豪(翔世がうっかり話したんじゃないか。あいつの事だから善意で話したりとか。)

 

蒼生(ありえそうだな.....まぁとりあえず話はしてみるか。)

 

 

 

紅蓮「すみませんが、自分たちに何か用があるんですか?」

 

「君たちがFWFにエントリーシートを出してるのを見てね。どんなものか少し視察させてもらおうと思ったんだが.....なんだ君がいるのか湊くん。」

 

「お久しぶりですね.....」

 

「湊くんが指導しているということは大したことは無さそうですな.....雑誌で期待の新生バンドとして取り上げられてはいましたが所詮ってところですかね。」

 

豪「おいどういう意味だそれ!」

 

蒼生「てめぇ喧嘩売ってんのかオラ!」

 

優希・流星「2人とも落ち着いて.....」

 

紅蓮「.....失礼ですが、そう考える根拠を教えていただけたりしませんか?」

 

「別にいいですよ。君たちに演技指導をしている湊くんはね、プロの世界では生きられなかった、いやついてこようとする意思すらなかった、その程度の中途半端な男なんですよ。スカウトした当初はそれこそポテンシャルを感じましたが、趣味から抜け出せなかった時点で中途半端、合わせることが出来るほどの技術がなかった、その程度だということですよ。」

 

 

翔世「すまん!!!遅れた!!!」

 

((((((タイミング悪すぎかよ.....!!!!!)))))

 

「遅刻するメンバーがいるんですか、やはり見込みは無さそうですね。」

 

蒼生「てめぇ、そんな皮肉を言う為だけににわざわざここまで来たのか。」

 

「いえ、少しお話をと。でも湊くんが指導している上に遅刻するメンバーがいるのでは、演奏など聞かなくともレベルが低いことは確か。エントリーシートを取り下げた方がいいですよ、赤っ恥を晒したくなければ。」

 

翔世「.......なるほど、大体分かった!でも赤っ恥かどうかは分からないぞ!」

 

「君たち....プロを舐めすぎだ。雑誌で取り上げられて調子に乗ってるかは知らないが君たちは所詮、アマチュアなんだよ。プロに敵うことは無い。.......前言撤回しよう、君たちFWFに出なさい。」

 

豪「あ!?なんで急に.....」

 

「出て少しはプロとの違いを見てその傲慢な考えと根拠のない自信を改めさせる為だ。君たちのそれは若さゆえの誤ちじゃない.....ただの井の中の蛙だ。」

 

豪「てめぇ.....!!井の中の蛙ってなんだ?」

 

優希「今そこ.....あれ、要は狭い世界で自分が1番だと自慢してて周りが見えてないってこと。」

 

豪「あぁなるほど!.......いいぜ、その挑発乗ってやるよ。」

 

流星「え、豪が挑発だと分かってる.....今日暴風雨でも来るのかな。」

 

蒼生「やべ、俺折りたたみすら持ってきてねぇ。」

 

豪「お前ら味方してくれよぉ.......!!!」

 

蒼生「まぁでも、俺たちの事はともかく湊さんを馬鹿にした事は看過出来ねぇな.....てめぇ首洗って待ってろよ。」

 

「.....待ちたまえ。私のこととFWFは一緒に考えないでくれ。」

 

翔世「何言ってんすか?俺たちは別に復讐なんて考えてませんよ?」

 

「え?」

 

優希「そうですね.....あなたがどなたか存じ上げませんがその挑発受けてたちます。そっちがプロの本気云々を言うのであれば、こちらはアマチュアの底力を見せるまでです。予選1位突破して会場に行きますから待っていてください。」

 

蒼生「へぇ、優希も言うじゃねぇか....!」

 

流星「まぁ少なくとも、僕達は僕達の音楽を奏でるだけ。それ以外やることないでしょ.....サクサク」

 

 

 

紅蓮「....全員同じ意見か。俺も同意だ。これは俺たちアマチュアに対する挑戦状だ.....受けてたたなくちゃ。」

 

 

「分かりました.....では本番を楽しみにしています。」

 

そう言って帰った。随分と余裕そうな表情をしていたけど何かあるのかな.....

 

 

 

 

 

 

「あら?また揉め事を起こしたのかしら?」

 

『げっ、千聖(ちゃん)....!!!』

 

「ふふっ、全員そこになおりなさい。」




うーん.....クリスマスと正月のスパンのせまさを何とかしてくれないかなぁ.....


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お兄さん達のクリスマス

タイトルは気にしたら負け。久々の投稿で少しおかしいかもしれません。


豪「商店街のクリスマスキャンペーンの参加、ですか?」

 

商店街の人「はい。3年前くらいにもやってもらったじゃないですか?今年はどこのガールズバンドの子達も忙しいみたいで.....またお願い出来ないかな?」

 

僕達EXTRAと千聖と友希那さんは以前商店街の方々にお世話になったことのお礼としてクリスマスキャンペーンでここを盛り上げるお手伝いをしたことがあった。また縁あってお話を貰えたのはラッキーかもしれない。というのも.....

 

蒼生「じゃあ今回も報酬として俺たちの頼むものを用意してくれるのか?」

 

商店街の人「勿論。君たちの妹さんの好きな食べ物や品物を用意するよ。」

 

翔世「だったら、商店街の為、妹たちの為に頑張りますか!ところで前回はライブだけでしたけど、他に手伝うことってありませんか?今年は暇なので力仕事なり雑務でもお手伝いしますよ?」

 

紅蓮「まぁ、こいつらを便利屋みたいに使ってくれても構いません。」

 

流星「紅蓮は働かないの.....?」

 

紅蓮「いや、働くよ。でも俺の場合、どっちかと言えばイルミネーションのセッティングとか飾り付けの配置とかそっちの方で貢献出来ると思うからさ。」

 

 

商店街の人「他か.....あ、あった。確かね.....」

 

一同「.......!!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

白鷺家

 

「そういえば兄さん商店街の方から電話かかってきてたけど何かやるの?」

 

「あぁ、なんかガールズバンドの皆が忙しくて予定取れなかったから代わりに僕達が参加することになったんだよ。前にもやったの覚えてるだろ?」

 

「ええ、珍しく友希那ちゃんも笑顔になってたし子供たちも凄く賑わってたわね。」

 

「悪いな千聖、今年は予定開けてもらったのにまさかこっちに仕事が入るなんて.....」

 

「気にする必要は無いわ。(またそうやって頑張ってる兄さんも見るのもいいもの.....それにお客さんを装って見に行けるし。)」

 

「そう言ってもらえると助かるよ。あ、でも絶対に商店街は来ないでね。」

 

「??.....どういうことかしら?」

 

「色々あるから....お願いだから来ないでね。」

 

(兄さんがこう言う場合....大抵は何か恥ずかしいことをするか、もしくは私たちの為に何かをする時の2択.....おそらく前者ね。何をするのかしら、こっそり行ってみようかしら♪)

 

「わふ!」

 

「.......ん?レオンどうしたんだ?」

 

話をしていたらレオンがハァハァ言いながら近くに来ていた。千聖に撫でられてて羨ましいなぁ.....じゃなかった。どうしたんだろ。

 

「レオンももしかして一緒にイベントに参加したいの?」

 

「わふわふ!!」

 

「ふふっ、レオンは元気ね。兄さん、連れて行ってあげたらいいんじゃないかしら?」

 

「レオンは大人しい性格だから大丈夫だとは思うけど子供たちが怖がらないかな.......?」

 

「多分大丈夫だと思うわよ。散歩してる時も子供たちが撫でに来る時もあったし、連れいってあげて。」

 

「.....分かった。とりあえず商店街の人に掛け合ってみて許可が取れたら連れていくよ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

クリスマス当日 商店街

 

『メリークリスマス!!!』

 

「わふ!」

 

結局許可は取れて、EXTRA+レオンの6人と1匹でイベントを盛り上げることになった。勿論サンタ衣装を着ている。

 

蒼生「なぁ優希、なんで赤色と白色の二種類なんだ?」

 

僕「赤1色だとつまらないっていうのもあるし、サンタが赤の理由が司教服云々とか〇カ・〇ーラが広めたとか諸説あるし、それなら白があってもいいかなって。」

 

豪「それで、サンタ服着たはいいけどどうやってプレゼント渡すんだ?」

 

そう、僕達が与えられた仕事はサンタ服を着て子供たちにプレゼントを渡すという企画である。まぁ成長したらサンタの役割を担っていたのが親だったり親戚だったりと現実を知ることにはなってしまうが、まぁ純新無垢な間は楽しんでくれればそれでいいだろう。

 

流星「あんまり話せないんだけど....」サクサク

 

紅蓮「まぁ無理する必要は無いと思うがな。とりあえず俺は夜のイルミネーションの為にちょっと席を外させてもらうよ。あとで合流する。」

 

翔世「おう!任せたぞ!さてと.....たえ、そろそろ離れてくれないか!?恥ずかしいんだが.....」

 

「え?何で?しょーくん可愛いのに。」

 

「可愛いじゃなくてかっこいいにしてくれよ!!まぁいいや.....恥ずかしいから頼むから離れろ!!!」

 

「もしかしてしょーくん、反抗期?」

 

「仕事!!今仕事なの!!!」

 

「しょーくん照れなくていいのに。」

 

この兄妹はいつもこうなんだなぁ.....他人のことは言えないか。翔世はこうなってるけど、蒼生は女の子と写真撮ってるし、レオンは色んな人になでなでされてるし、僕は手元にある用紙とかを整理してて割とグループとして動くこと無いんだなぁ.....

 

「あれ?優希じゃん!何やってるのー?」

 

「本当ですね、優希さんはサンタ衣装で何やってるんですか?」

 

「仕事というかお手伝いだよ。今年はガールズバンドの皆が忙しいって聞いたんだけど.....もしかして暇?」

 

「暇というよりかは思い思い過ごしたい、が正しいと思いますよ。」

 

「ねぇ聞いて優希!おねーちゃんが今年はクリスマス一緒に過ごしてくれるんだよ!!」

 

「家が一緒だから毎年一緒じゃない.....」

 

「日菜ちゃんの気持ちは僕も分かるところありますよ。千聖は忙しいし色々あるから、こういう数少ない機会って嬉しいものですよ。」

 

「そういうものなんですね.....」

 

「うん。でも姉妹関係が進展しているようで安心したよ。」

 

「はい.....あの、優希さん、これ。受け取ってください。」

 

「これは.....クッキー?」

 

「はい、羽沢さんや今井さんと一緒に作りました。その.....クリスマスプレゼントとして受け取ってください。日頃お世話になってるお礼もありますので。」

 

「ありがとう。好意としてありがたく受け取らせてもらうよ。」

 

「こ、好意としてですか!?それはその.....嬉しい、です。」

 

「おねーちゃんあたしのは無いの!?」

 

「あなた今日家でプレゼント交換するって約束したじゃない.....あれがプレゼントよ。」

 

「あ、そっか!えへへ....おねーちゃん!!」

 

本当に仲が良くて羨ましいな。千聖もこんな感じで甘えに来てくれればいいんだけどなぁ.....まぁここまで大胆にはやらないか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一方その頃

 

「珍しいわね。友希那ちゃんが1人でふらっとしてることってあったかしら?」

 

「最近色々あったから、少し落ち着こうと思っただけよ。白鷺さんは仕事とか無いのかしら?」

 

「今日はクリスマスだから兄さんと一緒に過ごそうと思ったのだけれど、まさかの用事で....」

 

「先輩に用事.....?白鷺さんと過ごせる時間に用事を入れるなんて先輩らしくないわね。」

 

「商店街の方からイベントを盛り上げるお手伝いを頼まれたそうなの。兄さんはお人好しだから.....」

 

「そうね.....でも、懐かしいわね。前のキャンペーンの時は私たちも参加したのがつい昨日のようにも感じるわ。」

 

「ふふっ、そうね。今年もゲリラライブするのかしら?」

 

「6人揃っていたら絶対するわよ.....そういうグループだもの。」

 

「ふふっ、そうね。」

 

久々に友希那ちゃんとこうやって2人で話をしたわね。お互い自分の道を歩み始めてからは兄さん関連以外で会うことは殆ど無かった。

 

 

「....あれって、紗夜と先輩じゃないかしら?」

 

「そうね.....何やってるのかしら?」

 

『ありがとう。好意としてありがたく受け取らせてもらうよ。』

 

 

「....え?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「むむむ.....」

 

「その.....別に今回は何か悪いことしてないと思うんだけど。」

 

「ええ、悪いことはしてないわ。でも問題なのよ。」

 

「兄さん、言った筈よ?他人を誤解させるような発言はしちゃダメだって、ね?」

 

「だから別にそういう意図で言ったんじゃ『ね?』.....はい。」

 

今僕は、さらっとサンタ衣装に着替えてる2人に商店街のど真ん中で思いっきり怒られている。公開処刑かな?

 

豪「おーい優希、子供たちにプレゼント渡しお邪魔しましたどうぞごゆっくり。」

 

「おい!逃げるなよ!」

 

(まさか兄さんって紗夜ちゃんが好意を寄せてることを知らないのかしら.......?)

 

(鈍感な先輩だから有り得るわ.....)

 

紅蓮「あれ?千聖ちゃんと友希那ちゃんも来てたのか。ちょうど良かった。今から子供たちにプレゼント配ってその後ライブをやる予定だったんだけど.....参加できる?」

 

「ライブは無理だけど....プレゼント配りなら喜んでお手伝いさせてもらうわ。」

 

「私は逆にプレゼントを渡すのは苦手だから.....ライブに参加するわ。」

 

「友希那ちゃん苦手だったの?」

 

「いいえ、以前に私がそういう事をしたら子供が泣いてしまったの。どうしてかしら......?」

 

(それはおそらく笑顔を作ろうとして逆に怖い顔になってたからだと思うわよ.....)

 

 

 

20分後

 

 

蒼生「さてと.....ほら、優希。渡せよ。」

 

「うん.....千聖、これ。」

 

「これは.....イアリング?」

 

「いいものが思いつかなくてさ.....千聖、欲しいとかあんまり言わないし。だからアクセサリー買ってみたんだ。前もそうだったかもしれないけど、使ってくれたら嬉しいよ。」

 

「.......ええ。大切に使わせてもらうわ。今度のライブはこれ付けて出るわね。」

 

翔世「良かったじゃねぇか優希!!」

 

「ところでどうしてここまで隠してたの?」

 

流星「優希個人で渡しても良かったんだけど渡し方が思いつかなかったらしいから協力しただけ........」サクサク

 

「まぁそういうこと.....喜んでもらえて良かったよ。」

 

(これも嬉しいけど.....兄さんの笑顔を見るのが1番癒されるわ。やっぱり可愛いわね。)

 

「先輩、私の分は無いのかしら?」

 

豪「そう言うと思って、友希那ちゃんこの後のライブに参加さてくれたら1日優希を好きにしてくれていいぜ!!!」

 

「僕そんなこと1度も許可してないんだが.....」

 

「先輩を好きに.....ふふっ、いつもなら婚姻届を書いてもらいたいところだけど、少し早いわね。今回はRoseliaの練習に付き合ってもらうわ。」

 

「よ、良かったぁ.....下手したら監禁されるところだった。」

 

「あら?友希那ちゃんまだそんなことしているのかしら?」

 

「そうかしら?将来は同棲する予定なんだからその予行演習としては悪くないと思うわ。」

 

蒼生(監禁を同棲の予行演習なんて言えるのかそれ.....)

 

豪「よし!そんじゃライブしますか!」

 

 




TITLE IDOLは良かったです.....としか言えない。クリスマス千聖さんが来なかったということはもしかしたら正月に来るかもしれませんねというか来て欲しい。


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玄関前の攻防戦

お久しぶりです。


数年前

 

「ねぇ千聖....通してくれないかな?」

 

「いいわよ。あの子の所以外なら。」

 

千聖がとういうわけか、玄関先で僕の目の前にパジャマ姿で突っ立っている。笑顔で会話しているが、後ろから出てくる圧が凄い。

 

「別にデートとかしてる訳じゃないし....」

 

「ふふっ、兄さん。そんな言い訳をするってことは何かやましいことがあるってことよね?」

 

「無いってば。普通に練習に付き合ってもらうだけだし...」

 

湊さんから「先輩、あなたの演奏技術はまだ稚拙。今のまま練習していても他のメンバーの足枷になるだけよ。私が付き合ってあげるから、少しでも多く練習しましょう。」と提案されて以来、1週間に1回、音合わせや演奏の練習を湊さんに手伝ってもらっている。いたってやましいことも何も無いし、僕は千聖一筋だ。なのに.......

 

「あら?そうかしら?なら豪さんを含めたメンバーと練習すればいいんじゃないかしら?」

 

「それはそうかもしれないんだけど.....」

 

「だけど?」

 

「豪たちを、僕が皆に比べて習熟が遅いのを進める為にレベルを落とさせるのは何かモヤモヤするんだ。あいつらはあいつらでドンドン成長して高みへと目指してる。」

 

僕だって頼れるなら頼ってる。でも僕達は皆駆け出しで、今は自分の成長の為にも練習したい。なのに遅れてる僕が豪たちの時間を奪ってまで、皆に追いつくことを目指したら、それは結局足枷なんじゃないかって思う。僕の中には複雑な考えがあった。

 

「.......それで?」

 

あれ.....?さっきより圧が強くなってない?

 

「......だから、湊さんの力を借りてるんだ。ほんとにそれだけだからね!?」

 

「.........」

 

一通り弁明してから千聖を見ると、少し頬を膨らませてムスッとしていた。すごく可愛い。じゃなくてなんで怒ってるんだろ.....

 

「それは良かったわね。兄さん。」

 

全然良かったとは思ってなさそうな感じで言ってるよ千聖。

 

「.....兄さん。私は兄さんが誰かのために、頑張っている姿はとてもかっこいいと思うわ。」

 

「う、うん.....」

 

ストレートな褒め言葉。泣きそうになるけど今は泣く状況じゃないし.......

 

「でもね兄さん。なんで女の人なの?しかも同級生じゃなくて、私の同じ歳の。」

 

「それはたまたまで.....」

 

そして千聖は僕に指を指したまま話を続ける。なんか探偵もののドラマでも見たのかな.....

 

「なら千聖!!一緒に行こう!」

 

「....え?」

 

「練習風景を見て、千聖が許してくれるならそのまま湊さんと練習を続ける。ダメだったらその時は別の手段を探す。」

 

「ならアウトね。」

 

「早すぎるよ!!せめて見てから決めて!!」

 

(いや兄さん.....私を連れていったら湊さんにどう思われるか考えてないのかしら。)

 

「大丈夫だよ。湊さんは普段は猫を見て和んだりしてるけど、音楽のことになるとすごく一生懸命になる人だから。そういう浮ついたことはあんまり好きじゃなさそうだし。」

 

「そうなのね.....」

 

.......あれ?千聖、雰囲気が一瞬で修羅になった。何か地雷を踏んだ.....?

 

「なら着替えてから向かうわ。CiRCLEに向かえばいいのね?」

 

「うん。じゃあ僕は先に行くね。」

 

僕はそう千聖に言い残して、練習に向かった。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ずるいのよ.....」

 

私、白鷺千聖、すごくモヤモヤする。言葉がたどたどしくなるくらいに心が曇る。兄さんが私のこと以外に.....あんなに細かく他の子を語る所なんて見たことがなかった。しかも話してる時の兄さんの顔は、どこかしら嬉しそうだった。兄さんが内向的で、ああやって話すことが少ないのは知っているけれど......

 

「湊さんが.....羨ましいわ.....」

 

そして何より、兄さんが打ち込んでいることの手伝いができる立ち位置にいる湊さんが、とても羨ましくて、憎らしい。私が望んでも手にすることが難しい立ち位置に、湊さんは普通に立っている。私と兄さんは会話こそすれど、私が中学に入ってからその距離はとても遠くなった。私が女優として進む中で、兄さんは別の道を選んで歩んでいる。それは何も悪いことじゃないし、兄さんが打ち込めるものを見つけて、それを共有できる人がいる.....それは何よりも嬉しい。けれど.....思えば思うほど痛みは増して、止まらない。

 

(複雑ね.....嬉しいのにこんなにも胸が痛い。今までやってきた役にも似たような状況があったのに.....)

 

部屋に戻って、少しだけ涙を拭いて、服を選んで、私は兄さんのところに向かった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして現在

 

「白鷺さん.....あの時練習を見に来る前にそんなことがあったのね。」

 

「えぇ、今じゃこんな風にお茶を交わす仲にもなったけれど。」

 

私と友希那ちゃんと兄さんはCiRCLEのカフェテリアでお茶をしている。あの頃のことを考えたら人って数年で変わるんだなぁ.....と思う。

 

「別に僕はそんなつもりじゃなかったんだけどなぁ.....」

 

「乙女心が分からない兄さんは少し勉強すべきですー。」

 

「千聖何その口調....痛い痛い、足踏まないで。」

 

クリクリっと兄さんの足を踏む。私の言葉不足もあると思うけれど、気づかない兄さんも少しは反省してほしい。

 

「ふふっ、束縛が強いわね。先輩、私はこんなに縛らないわよ?」

 

「じゃあ僕が湊家に住んで、千聖に会いに行くって言ったら.....?」

 

「当然物理的に縛り上げていかせないわ。」

 

「ちょっと物理的すぎないそれ.....」

 

「冗談よ。冗談。」

 

「全然冗談に聞こえない.......」

 

こんな軽口を叩ける風になって、軽く聞き流せる風になったのも成長かしらね。それはそれとして兄さんを湊家に置くようなことは絶対にしないわ。

 




少し短めですが、お許しくださいぃ...
違和感あったり間違いがあったら教えてください。なにぶん久しぶりなものでミスが心配です。


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偵察

千聖さんの誕生日ガチャね....プロセカみたいにそのキャラだけのガチャにしてくれないかな....(100連の中で星4が5回ほどすり抜けた)

それはそれとして、千聖さんの誕生日ですよ!お祝いです


「.........」スッー

 

「.....前々から思っていたのだけれど、その器具とか技術はどこで学んだのよ.....」

 

「友希那ちゃん、静かに。盗聴中だから.....」

 

「はぁ.....」

 

今、私と友希那ちゃんは、いわゆるとうちょ.....もとい、安全管理をしている。.....兄さんが、知らない女の子に何かされないかと。

 

 

 

 

事の発端は昨日のこと

 

「明日、晩御飯いらないよ。」

 

兄さんのこの一言から勃発した。

 

「あら優希、大学のお友達と食べに行くの?」

 

「うん、なんか奢ってくれるらしくて、来てくれって言われたんだ。」

 

お母さんと兄さんがそんな会話をしていたものだから、少し入らずに影で聞いていた。

 

「ふふっ、いいわね。ところで優希、誰と食べに行くの?」

 

「聞いたところだと、同じ学科の人。僕はあんまり関わり自体は薄いんだけど、誘われちゃったから.....」

 

兄さん、誘われると弱いのよね昔から.....私がどれほど誘ってものってこないのに。

 

「へぇ.....もしかして、合コン?」

 

「へぁ!!?」

 

つい変な声が出てしまったが、咄嗟に抑えたのでバレてないバレてない.....え?兄さんが、合コン.....?

 

「うーん.....そうなのかな。確かに男女合同みたいなノリはあったし。」

 

ノリはあったし、じゃないのよ兄さん!!そこ1番重要なところじゃない.....?

 

「人付き合いは大事だし、行ってきたら?千聖が拗ねちゃうかもしれないから、ちゃんと声かけておくんだよ。」

 

母さん、私の性格をよくご存知のようで.....て、そうじゃない!!!止めてよ!

 

「千聖が.....食事に行くだけなのに、拗ねるの?」

 

兄さんも兄さんで鈍感にも程があるでしょ!!誘われてるってことは狙われてるのよ!!.....でもあのポワワンとした顔もまた可愛いわね......

 

「でも、千聖だって業界の付き合いとかで俳優さんや監督さん、同い年の同業者と食事やおでかけだってあるものじゃないの?」

 

ここで兄さんが詭弁を語る.......。甘いわね兄さん。確かにそういうお誘いはあるけれど、今のところ全部断ってるのよ。仕事の話は仕事場で。これが私の中のマイルール。花音と仲良くなってから自分なりに考えたもの。

 

「千聖、そういうの断ってるらしいわよ。本人が『そういうお誘いは断ってるのよ。だって、兄さんがいるもの。』って。」

 

お母さん!!!口が!口が軽い.......!!!!まずいわね.....私の心の中身が、母さんの良心によってドンドン暴かれていく。

 

「昔から千聖は僕との時間を優先してくれてるからね.....個人的にはもっと同業者の話とか、色々聞きたいんだけどね。」

 

.....こうやって、否定せずに受け入れてくれるところが、ずるいのよ。私は、ただ単に兄さんとの時間がもっと欲しいのに.....

 

「なら合コンに行って、その話をしてあげれば?そしたら千聖の気持ちも分かるかもよ?2人とも根本的な性格は似てるんだから。」

 

母さん、話の流れを嫌な方向に戻したわね.....この空気で行かないの結論に持っていってくれても良かったのに。

 

「うん、そうしてみるよ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして今に至る。場所はファミレス。まぁ合コンにしては雰囲気に欠けているけれど、気軽に話が出来るのは魅力よね。

 

「白鷺さん、そこは普通に引き止めれば良かったじゃないの。」

 

「そういう訳にはいかないわ。私個人の気持ちで、兄さんに不自由は極力与えたくないの。」

 

「はぁ.....どの口が言ってるのかしら。」

 

「友希那ちゃんが言えたことではないでしょ?もし兄さんが合コンに行こうとしたら、どうする?」

 

「縛る。」

 

「束縛してるじゃない。」

 

私と友希那ちゃん、兄さんに対して求めるものがかなり似てるわね.....そして盗聴に戻る。

 

『へぇー、バンドやってたんだ!すごいじゃん!!』

 

ピシ.....

 

「友希那ちゃん、それファミレスのコップよ。握ってヒビ入れちゃダメよ......」

 

「.....バンドなんて、今の時代やってる人は沢山いるじゃない。なんで先輩にフォーカスが.....」

 

確かに兄さんたちが頑張ったことで、ガールズバンドだけじゃなくて、ボーイズバンドの流れもそれなりにある。

 

『それでそれで!何やってたの?』

 

『キーボード.....です。』

 

『キーボード.....?ベースとかじゃなくて?』

 

『はい.....まぁ。』

 

『へぇ.....男の子でベースとかギターじゃないって、なんかイメージ違いだよね!!あれ?360度キーボード?』

 

『それは、おそらく別のアーティスト.......』

 

パリ.......

 

友希那ちゃんが、素手で氷を握りつぶした。コップはダメって分かったから狙いを変えたのね.....意外と真面目。

 

「イメージ違い.....?この人たち、バンドをなんだと思ってるのかしら。」

 

「さっきまでバンドなんてって言ってた人のセリフじゃないわね.....でも、兄さんがちょっとバカにされた感じがしたわね。」

 

悪意が無いのは分かるし、確かにそういうイメージがあるのも事実だけれど.....言い方に問題があるわね。

 

『でもでも〜、なんか元はいいよね白鷺くんって!!黙ってペン書いてる姿とか、結構かっこいいよね!』

 

その姿.....私は知らない。普段机に向かってる時の兄さんの顔は知ってはいるけれど、あれとは違うのかしら.....

 

「白鷺さん、目が死んでるわよ。」

 

「私、、そんな兄さん.....知らない.....今度、運営が学年上げてくれるみたいだから、潜入しようかしら.....」

 

「メタな話は辞めなさい。興醒めになるわよ。」

 

そして私が考えている間も、合コン会話は続く。

 

『それでそれで、バンド名ってどんなの!?ほら、パスパレとかめっちゃ有名じゃん!!』

 

『EXTRA.....』

 

『うーん、聞いたことないや。なんか文化祭とかでバズったの?』

 

『プロ顔負けの大会に出たくらい.....』

 

『へぇ、すご!!』

 

『白鷺って、普段静かなのに意外とそんな事してたんだな!!』

 

HAHAHAと笑い声が聞こえてくる。もしかしてこれ合コンというより懇親会.....?全然合コンの気配がない。

 

「ねぇ、白鷺さん。これ、ただの飲み会じゃないのかしら。全然合コンの気配が皆無よ。」

 

友希那ちゃんも同じことを言う。やっぱ思考回路似てるわね。

 

「杞憂.....だったのかしら。でも兄さん、今までこんな事無かったのよね.....」

 

「まぁいいじゃない。先輩には先輩の人付き合いがあるのよ。」

 

そしてコーヒー(角砂糖飽和状態)を飲みながらわずかに微笑む。なんか、大人らしさを見せつけられてる気がする.....

 

「寛容な私、どうかしら。」

 

「コーヒーに砂糖が無ければね.....というかやっぱり演技だったのね。本音は?」

 

「前へ進むなら立ちはだかるまでよ。前に立っていれば先輩を正面から見れるし、万が一前に進まれても横で歩けるのよ。」

 

いい事言ってるふうに聞こえるけど、要は逃がさないって事よね.....

 

そして、その時、恐ろしい言葉が聞こえてきた。

 

『なんか白鷺くんいい人ぽいっし、私タイプかも。付き合わない?』

 

『え!?あっ、その.....』

 

パリパリパリ.....

 

私も、友希那ちゃんもほぼ同時に氷を握りつぶした。私は3個くらい一気にやったかしら.....

 

「......ふふ。すぐに断らないのね、兄さん。」

 

「ええ、これはさすがにダメね。行きましょう。」

 

 

 

 

 

「えっ、千聖!?友希那さん!?なんでここっ.....」

 

 

その後、私と友希那ちゃんでお話した。兄さんがここまで恐怖で引きつるのは初めて見るわね。




バンドリメンバーって、大学生になったらどうなるんだろ?やっぱオシャレして、人間関係とかも結構広くなるんですかね


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馬鹿だよな、でもいい

今回は優希くんが出てきません。まぁ過去の話です。


数年前 海辺のとある広場 夕暮れ時

 

最近兄さんがバンドを始めて.....認知度が少し上がった。話を聞くと、都築さんというオーナーさんに頼み込んで、空き時間に演奏を披露するのを許可して貰えたらしい。高校生の無名バンドから、やっと地元の人に知ってもらえるレベルまでは上がったみたい.....でもいい話ばかりでは無かった。

 

「なぁ、お前白鷺の妹なんだろ。あいつについて教えてくれよ。」

 

白金蒼生.....この街に住んでいて知らない人がいないくらいの暴走族を率いている男の名前.....どういう訳か兄さんと同じ高校にいて、兄さんと知り合っている。

 

「なんで私があなたみたいな人に兄さんのことを教えなくちゃいけないのよ。」

 

「.....おい、あんまり俺を怒らせるなよ。」

 

私の受け付けない態度が気に入らないのか、男.....白金さんは近づいて少し威圧してくる。私は反射的に、白金さんの胸ぐらを掴み、一本背負いに近い形で投げ飛ばした。

 

「痛っ.....おい!別に知ったからってあいつをとって食おうって訳じゃねぇんだ!教えてくれたっていいだろ!?」

 

「兄さんみたいな大人しい人がどういう経緯であなたみたいな人と知り合うのよ。」

 

私は当然警戒感を滲ませる。普段から襲われてもいいように護身術は身につけているけれど.....さすがにこの街の暴走族を統べる相手にどれほど通用するかは分からない。

 

「ったく.....あいつから聞いてねぇのかよ。俺もEXTRAってあいつが入ってるバンドにいるんだよ。.....まぁ最初は肩書き隠してたけどよ。」

 

EXTRAが別の意味で知名度が上がったのは、白金さんが加入していたという事実が浮かび上がったから.....ある意味悪い目立ち方ね。

 

「白金蒼生.....私も芸能界にいるからその名前は知っているのよ。昔は神童としてあらゆる才能を持っていたって。でもどういう訳か裏側の人間になったって。」

 

その言葉を聞いて少し機嫌が悪くなったのが顔で分かった。

 

「もう俺は芸能界云々は嫌なんだよ。あの世界みたいな腐ってるところはもうゴメンだ。」

 

「あら、その腐ってる世界にいる私に用があるのにその言い回しは随分と傲慢ね。人に物を聞く態度が、あるでしょ?」

 

「けっ.....そういうところは全然白鷺と似てねぇな。苦手だ。」

 

「どこでも素の自分を通そうとする態度はいいけれど、それは相手を選ぶものよ。」

 

「相手の顔を見るのは面倒なんだよ。だったら最初から素でいて他のやつが勝手に仲良くするか決めりゃいい。それだけだ。」

 

.....少し、共感が湧いたかもしれない。私とは悩みの形は違えど、この人もまた、周りの人によって歪んでしまった.....そんな気配を私は察した。そしてどうして兄さんのことを知りたいかも、少しわかった。

 

「.....まぁいいわ。兄さんのことは教えてあげる。あなたが聞きたい部分は大分分かったわ。」

 

「んじゃ、教えてくれ。」

 

恐らくこの人は....兄さんの優しい面に触れたんだと思う。兄さんはある意味、悩みを抱えた人に対して何かしらの特効性を持っている。

 

「でもその前に、まずはあなたがどうして兄さんについて知りたがってるか、教えてくれないかしら?」

 

「あぁ.....まぁ一昨日の話だ。生徒会の連中に変なデマ巻かれたんだよ。俺たちがライブで資金を稼いで、それを裏で悪用してるってな。」

 

「兄さんからもよく聞くけれど、どうして生徒会と兄さん達は敵対しているの?」

 

兄さんも夜遅くまで、何か原稿用紙に書いたり、資料を作ったりしているのはこっそり見ているから知っている。兄さんが寝た隙に部屋に入って、それを見たら何かのプレゼン資料と原稿......そして聞いてみたら生徒会から執拗なまでに要求されているらしい。

 

「俺たちは白鷺を除けば、全員問題児だ。豪のやつは赤点ばっかの奴だし、翔世のやつはカバンがうさぎのキーホルダー付けすぎで風紀を乱すと怒られても直さねぇし.....俺は知っての通り裏に通じてる。そんな連中が1つのコミュニティに集まれば、どんな問題を起こすか分からない。だから敵対視されてんだよ。」

 

.......話聞いてる限り、全部そっちに原因があるようにしか聞こえない.....生徒会の人達、正論言ってるだけではないかしら。

 

「まぁ俺らが悪い面があるからそこはいいんだ.....だけど俺たちは、クラブ活動に関することは何も問題を起こしてねぇし、ちゃんと書類とかは期日に間に合わせてる。防音装備のあるところでしか練習してねぇし、活動の殆どが校外だ。でもなんでか廃部にしたがるんだよ。」

 

「なるほどね....大体分かったわ。それで、本題に戻るのだけれど、どうして兄さんを知りたいの?」

 

「......俺にも悩みってのがあるんだよ。子供の頃からずっと治らない古傷だ。聞くか?」

 

「えぇ、聞かせてもらうわ。」

 

「ん....お前が言った通り、俺は子供の頃から神童として、色んな業界から注目されていた。皆が俺を褒めてくれたし、姉さんも、燐子も.....俺のことをちゃんと見てくれて、いつも楽しかった。」

 

そこで一区切りし、白金さんは体を堤防の柵に預けた。

 

「自分で言うのもなんだが....俺は天才に当てはまる部類の人間だった。大抵のことは少しやるだけで上達したし、場合によってはプロより評価される事だってあった。だけどそれが原因でな.....周りのヤツも、大人も誰も俺に近づかなくなった。競ってた奴らだって皆諦めて逃げやがった。.......気づけば1人だ。」

 

天才ゆえの悩み.....かしら。私からすれば大層羨ましい悩みだった。上手くいくなら、それでいいじゃない.....努力しても評価されないよりかは。

 

「才能があるってのはそれだけで周りから浮くんだ.....何をやっても結局は皆諦めて消えていって.....気づけば俺が何かをやる事を、周りは止め始めた。若い芽を詰むような、挫折させるようなことをするなってな。姉さんはそんな俺を庇ってくれた。けどな.....孤独ってのは怖いもんで、俺は無気力になって、何かを真面目にやることが馬鹿らしく思えてきた。」

 

「そう.....大変ね。」

 

「そして次に俺の周りに来たのは、いわゆる金ヅルだ。俺を利用して儲けようってやつらがウジャウジャ湧いてきやがった。口ではどれだけ繕っても、魂胆は見え見えだった。そして俺はそうやって荒んでいく様子を.....燐子に見せてしまった。」

 

「妹さんは.....それでどうなったの?」

 

「燐子には、芸術に関する分野には才能があった.....けど、それを披露する機会は殆ど無かった。ピアノのコンクールくらいは出たんだが.....それ以外はって感じだ。燐子は覚えてないだろうが、本能的にそういうのを学んだのかもしれねぇ.....才能が人を遠ざけてしまうことを。ある意味燐子は内向的になったな。昔はもう少し積極的だったんだが.....」

 

白金さんのフェンスを掴む力が少し強くなるのが音で分かった。というかこの人、妹さん大好きなのね.....

 

「燐子にそんな大人の汚い部分を見せてしまった責任感と、才能のせいで孤立化した心があって.....俺は暴走族になった。日々、街の裏側に出ては拳の殴り合いを続けて.....気づけば族のトップになってた。殴り合いの間は何のしがらみもなくて、最高だった.....んで、評判が広まってそしたらどうだ、今まで寄ってきた金ヅル共は来なくなった。最高にその時は気持ちが良かった.....けど、名前が上がっちまったことで俺は家に帰れなくなった。俺の事を尊敬してくれてた燐子も、それを知って以来俺との交流が殆どなくなった。これが俺の歪んだ人生だ。」

 

「えぇ.....あなたのことはよく分かったわ。けれども、私は兄さんのことを聞いているのだけれど.....」

 

「話は最後まで聞け。それでだ.....俺は高校に入ってバンドに加わって、その後白鷺を勧誘した。あいつも何かを感じたのか入ってくれてな。.....んで、あいつに、俺が荒んでる所を見られたって訳さ。」

 

.....兄さん、そんな危ないところに行ってるのかしら。後で聞いておこう。

 

「最初は軽めにあしらったんだがな....しつこいんだよ。挙句の果てには、俺らの拠点にまで真夜中に乗り込んでくる始末だ。力もねぇ、喧嘩慣れもしてねぇひ弱な奴がこんな場所にやってくるなんて相当の度胸がなきゃ出来ねぇだろうよ。族の奴らも皆驚いてた。バカにしてる奴もいたがまぁそれはそれだ。」

 

「兄さんに何か酷いことしてないでしょうね?」

 

「何もしてねぇよ。......んでま、俺の昔話したんだよ、そしたら諦めるかと思ってな.....そしたらあいつ、『僕達は諦めないよ?』とかくそ真面目な顔で言いやがったんだよ。」

 

そう言って白金さんは笑い出す。別に兄さんはなんらおかしいことは言ってないのに、何がおかしいのかしら。

 

「あそこまで直球の言葉は久々だった.....それであいつに興味が湧いたんだ。どんな人生歩んでりゃこうなるんだってな。」

 

「なるほど、それが私を呼んだ訳ね。」

 

色々前置きが長かったが、やっと意図が分かった。この人もこの人で大変な人生を歩んでいるのだけれど.....兄さんの、どこから話せばいいのかしら。

 

「.....どうした?何黙ってんだ?」

 

「もういいわ.....いい区切りが見つからないから、生まれてから今まで全部話すわ。」

 

「え?え、それはちょっと.....」

 

相当の長話を覚悟したのか、白金さんの眉が動く。そんなにビビる必要あるかしら。

 

「大丈夫よ。今からなら.....少なくても7時間あれば終わる話だし。」

 

「な、長すぎるだろ.....」

 

そして私は白金さんに兄さんの来歴と兄さんの性格について、時間を気にせず語り始めた。途中で『カンベンシテクレ.....』なんて言っていたけれど、なんの事かしら。




なんやかんやで暫くは千聖さん来ないだろうからスター貯められる.....良かった。フェス限が次来たらやばいけど.....


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花嫁....だと.....

ジューンブライドで、各ソシャゲ界隈で花婿&花嫁イラストが出てきて、あぁやっぱ衣装が変わるだけでこうも見方が変わるんだなと思う今日この頃


「へぇ、パスパレでそんな事あったんだ。」

 

「そうよ、色々あったけれどなんとか成功したわ。」

 

仕事帰りの千聖に冷えたお茶を出して、リビングでくつろぎながら会話する。曰く、普段お世話になってる人の結婚式に招待してもらったらしい。

 

「ジューンブライド.....か。うちの大学でもなんか話題になってたよ。」

 

「ふぅん.....それはどんなのかしら?」

 

急に千聖が雰囲気を変える。え、そこまで気にすること.....?

 

「まぁ僕らも大学生なわけで.....あと数年して社会に出たら、結婚とかも視野に入れた人生設計をしなきゃいけないのかなって話題が上がってさ。そこでジューンブライドってことでどんな結婚式がいいかみたいなのに発展して。」

 

こういう話題は女子の内輪で盛り上がると思ってたけど、男子も盛り上がってた。でも確かに無計画もどうかなと思った。将来千聖が誰かに嫁いで.......嫁いで.....

 

「.....兄さん?急に下唇を噛んで涙を流してるのかしら?」

 

「いや、千聖が嫁入りする時が来るんだな.....って思って。」

 

「ちょっと待って兄さん。気が早すぎるわ。」

 

「そうなのかなぁ.....でも、ほら。芸能人の人とか俳優の人って、外資系とか商社とかの年収のいい人か、事務所一緒、仕事一緒とかで相手が決まるじゃん.....だから相手見つかったらすぐなんだろうなって。」

 

実際パスパレは最初はちょっと危なかったけど、今となっては業界にも名前は知ってもらってる感じらしいし、千聖は可愛いから絶対狙われてるだろうな......妹は渡さん!って出来たらかっこいいけど、札束ビンタ(物理)されそう。

 

「.....ふぅん。心配なのね?」

 

さっきまでオドオドしてた千聖の顔が、どこか小悪魔のようなかわいらしい笑みを浮かべている。

 

「今週末、兄さんは空いてたわよね.....今週末空けておいてね。その不安、一蹴してあげるから♪」

 

そう言ってお茶を飲み干し、千聖は鼻歌を歌いながら部屋に戻って行った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

週末 CiRCLE前

 

「花音、今日は突然ごめんなさいね。流星さんも。」

 

「大丈夫だよ、千聖ちゃん。お兄ちゃんも暇そうだったし。」

 

「暇なんて一言も言ってない.....優希、覚えててよ.....」

 

「あーっ.....なんかごめん。」

 

どうやら松原兄妹も一緒らしい。松原さんが流星の腕をガッチリ固めて逃がさないとしている。固められてる腕が若干白くなってるのは気のせいかな.....?

 

「それで千聖、何するの?」

 

「何ってこれよ。」

 

千聖がバッグから丸めた紙を取り出し、バッと僕達の目の前に見せてくる。

 

『ヴぇ.......』

 

僕と流星が同時に悲鳴に近い声を上げ、目が合う。.......この広告は、見覚えがある。

 

 

花婿花嫁写真募集 花咲川ブライダルショップ

 

「り、流星.....これって.....」

 

「うん.....僕達が、お小遣い稼ぎに1回やったやつだ.....」

 

「ええ、そうでしょう?見覚えが、あるでしょう?」

 

千聖が顔に広告の紙を押し付けてくる。そしてその千聖の目は当然笑っていない。

 

「あー、なるほどぉ.....千聖ちゃん、この人選の意味が分かったよ。」

 

「花音、痛い痛い.....ちょっと、血が止まる。」

 

思い出したくもない過去.....2、3年前、僕達にはFWFの合宿と、その遠征に向けた、資金集めが必要だった。そして舞い込んで来た、服を着て写真を撮るだけでお金を貰えるバイト。当時高校生だった僕達はあっさり乗ってしまった.....後のことを考えずに。

 

「ええ、そうよね。兄さん達は、POISON HEARTさんの方々と花婿花嫁として写真撮影に参加したものね。しかも兄さんに限っては、リーダーさんと友希那ちゃんと2回も.....忘れたなんて言わせないわよ。」

 

「お兄ちゃんが急にお金を貯めたからびっくりしたんだよ.....そしたら、千聖ちゃんからこんな連絡が来たんだよ?」

 

.......そして、友希那さんが千聖に送り、当時から交流のあった千聖と松原さんが情報の交換を行ったことで、僕と流星だけ酷い目に合った.....

 

「という訳で、上書きしに行くわよ。そしてこれを私に近づく男に牽制がてら使うの。」

 

「お兄ちゃんも行くよ。あの写真、なんだかんだ鼻の下伸ばしてたもんね。」

 

「伸ばしてないってば.....優希、助けてぇ.....」

 

そして松原さんが流星を力づくで店へと連れていく。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

店内

 

店員「ダメです。」

 

「.....理由をお聞きしてもいいですか?」

 

店員「これ、新婚さんを応援させて頂くための物ですので.....血の繋がった親族同士で撮られても.......そのコンプラ的な問題がですね.....」

 

「どうして、私たちが血が繋がっていると言えるんですか?」

 

店員「目の色、そっくりじゃないですか。それに店の前での会話、全部聞こえてましたよ.....」

 

「うっ.....」

 

(千聖が押されてる.....珍しいこともあるな。)

 

店員「確かにこの方々がPOISON HEARTさんと一緒に撮られた時の雑誌の売れ行きはとてつもなく良かったですが.....」

 

「あの時は.....蒼生と、葵さん目当てで買ってる人が殆どだったよね.....」

 

「あの2人、喋らなかったら本当に外見完璧なイケメンと美女だもんな.....」

 

 

「POISON HEARTさんが、お好きなんですか?」

 

店員「え、は、はい。あの人たちに憧れてガールズバンドを始めた人も多いですからね.....かく言う私もそうなんですけどね。」

 

「では.....こちらは、どうですか?」

 

「そ、それって!!!!」

 

千聖がバッグから何やら取り出した.....何あれ。

 

「流星.....何あれ.....」

 

「.......葵さんがよく持ち歩いてた、ほら。」

 

「あぁ.....」

 

千聖が取り出したものがようやく分かった。葵が以前持ち歩いてた、ペンダントの欠片だ。というか、千聖がなんで持ってるんだ.......

 

「雑誌に載せる必要はありません。1枚撮って、私たちに現像して渡してくだされば.......」

 

店員「こ、こここれ。触らせてもらえるんですか!?」

 

「え?」

 

千聖が想定外の反応に驚く。あの反応の限り、おそらく渡すつもりだったんだろうな.....

 

「貰ってくれても、構わないんですよ?」

 

店員「いえいえ貰うだなんて傲慢な.....触らせていただけるだけで、充分です!!!写真、撮りましょう!!!」

 

「あ、え.....ありがとうございます。」

 

((買収した.....))

 

「ではこれは後々触らせてもらうとして.....お嫁様2人を整えて参ります。お二人様はお待ちください。」

 

そして店員さんはうっきうきで千聖と松原さんを奥へ連れていき、準備を始めた。

 

「改めて思うけど.....あいつら、凄いんだな.....」

 

「あのグループ、エリート揃いだもん.....」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1時間後

 

店員「どうでしょう!?」

 

化粧なども終わって、2人がウェディングドレスを着て目の前に立っていた。千聖はサイド三つ編みに、Aラインのドレス。シンプルながらに大人な魅力が漂っている。松原さんは髪型はそのままで、プリンセスラインのドレス。こういうのが初めてだったのか顔がすごく赤い。可愛い。

 

「兄さん、どうかしら?」

 

「お兄ちゃん.....どうかな.......?」

 

「2人とも似合ってるよ。」

 

「............」

 

感想を求められ、横を見てみると、流星が硬直している。意識がどこかに飛びかけている。

 

「流星、おーい。大丈夫?」

 

「.......大丈夫、じゃない......」

 

「.......お兄ちゃん。」

 

感想を言えず、硬直している流星に松原さんが近づいて、左手を両手で掴む。それ、オーバーキルなんじゃ.....

 

「綺麗.....かな?大丈夫.....だよね?」

 

「う、うん.....」

 

「ふぇぇ.....お兄ちゃんが気絶しちゃった。」

 

この後、流星が起きるまでしばらく待ち、撮影をして店を出た。撮影の間の千聖が凄いノリノリだったのが意外だった。もう少し照れ恥じてくれてもいいんじゃないかな.......




友希那さん.....「最後の夏」なんて感慨深そうに言ってますけど、夏を5回越してるんですが......


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子供と化したお兄さん①

長い期間やってはいたものの、このネタまだやってなかった......


「これ、疲労回復に効くんですって〜♪」

 

「母さん、どこでこんな怪しそうな液体買ってきたんだよ......」

 

「え、訪問販売よ?芸能人の方からも評判良いんだって!」

 

「我が家に芸能人がいることをお忘れなのか母さん。」

 

少なくとも千聖からこんな液体の話は聞いたことすらない......ただ、それが入ってる箱を見ると、めちゃくちゃ細かく成分表示と効果が書かれている。確かにただ広告だけじゃなくて、こういうのもあると信じちゃうわな.......

 

「とりあえず危ないし、捨てた方がいいよこれ。」

 

「えー?試してみたいと思わない?だってこれ見る限り、化学毒性物質は無いし、さっき色々試して見たけど、人体には大丈夫そうよ。」

 

ここでいきなり母さんの経歴を思い出す。この人、毒劇物を扱える資格か何か持ってたんだっけか........変なところで賢くなるよな........

 

「疲労回復、かぁ........さすがに千聖には飲ませられないし、父さんは疲労に対して異常な耐性があるし......」

 

人体には異常は無さそうだけど、色的に絶対に水道に捨てちゃいけない色をしている。

 

 

 

深夜

 

「ただいま...お母さん、あれ届いてる?」

 

「ええ、そこに置いてあるわよ。.......千聖、それ、毒はないとはいえ、ホントに飲ませて大丈夫なの?」

 

「大丈夫よ、お母さん。開発者さんが自分で飲んで確かめてるの、ちゃんと見届けたもの。」

 

.....この薬は、私が長年ずっと欲し続けたもの。これさえあれば、今の均衡を破壊して、私が兄さんを思い通りにできる......兄さんを力で組み伏せることすらできる、魔法の代物。効果は48時間と短いものの、堪能するには充分すぎる時間。

 

 

そして適量の薬品を試験管に入れ、兄さんの部屋に入ろうとする。

 

「あら......?鍵がかかってる?」

 

寝込みを襲われるのを警戒しての事かしら.....当然よね、怪しい薬が来たんだから、自分の身を守るのは当然。けどね兄さん。

 

「私がピッキング技術を持ってることを忘れてるのかしら兄さん、こんな障壁は無駄よ。」

 

ポケットからピッキング工具を取り出し、解錠にあたる。鍵の形も覚えているし、2分もしないうちに解錠する事が出来た。ドアノブをゆっくり引き、他に罠が無いかを慎重に調べる。そして足音を殺しながら、兄さんのベッドの真横に行く。少し幼さの残る寝顔が愛くるしい。

 

(顔が幼いとはいえ、綺麗な姿勢で寝ているわね.....口を開けようと触れたら起きるかしら。)

 

「....友希那さん...」

 

「は?」

 

聞き捨てならない名前が出てきた。寝言とはいえ、まさか友希那ちゃんの名前が出てくるなんて.....へぇ、私より友希那ちゃんなのね。

 

「そんな浮気性は兄さんには....ピッタリね。」

 

口が開いてるのを見計らい、兄さんの口に液体を流し込む。とりあえず、噎せたりせず入ったのを確認する。

 

「翌朝が楽しみね。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌朝

 

「ふぁぁ....」

 

休日ということもあって久々にぐっすり寝た。気持ちよく寝れたからか、少し声の高い伸びの声が出た。とりあえずベッドから降り....

 

「あれ......?こんなにベッドって高かった?」

 

普段ならすぐ足が付けるくらい低く見えるのに、何故か今日はやたら高く見える。疲れは取れたはずなんだけどな.....

 

「よいしょっと......え」

 

やっと異変に気づけた。ベッドから降り、目の前に見えたものはやたら高いドアノブ。僕.......身長、縮んでる......?

 

「...........どうしよ。」

 

心当たりが全くといっていいほどない。昨日はちゃんと部屋に鍵をかけて寝たし、変なものを食べた覚えもない。.....ほんとなんだろ。

 

ガチャァァァァァァァン!!!

 

「千聖、ドア開ける時はもう少し優しく.....って!」

 

「か、かわいい.....!!!可愛いわ兄さん!!」

 

千聖が僕を抱き抱えてくる。身体の大きさ的におそらく小学校低学年で、それなりに体重はあるのになぁ.....

 

「千聖....何したの?」

 

「え?何かしら?」

 

「いや......身体、縮んだんだけど。江○川コ○ンじゃないんだし。何か、変なの入れた?」

 

「ええ、昨日薬品届いたでしょ?」

 

「あれかぁ......」

 

てことは、おそらく千聖が鍵を開けて、僕が寝てる間に飲ませたのか......これは大変。

 

「ねえねえ兄さん、怒った?」

 

「うーん.....色々とお説教したい事はあるよ。」

 

「じゃあじゃあ、『お姉ちゃんなんか知らない!!!!』って言ってプイってして!」

 

「千聖、僕の妹だよね?」

 

「細かいことは今はいいのよ。」

 

いつの間に兄妹の立場が逆転したんだろうか。でも振りほどこうにも力が出ない......

 

「......お。」

 

「お?」

 

「お姉ちゃんなんか、知らない!!!!」プイッ

 

「!!!!!!!!!!!!!!!」(反則......反則......♡)

 

効果抜群なのか、千聖の抱きしめる力が弱まって、なんとか拘束から逃れることは出来た。

 

「.....大学どうしよ。この体で行くと絶対怪しまれるよな......」

 

顔自体はあんまり小さい頃から変わっていないから認識はしてもらえるだろうけど、さすがに縮小した体を受け入れてもらうには無理があるよな........

 

「兄さんが対面で受けてる講義で、出席取ってる授業の先生にはもう体調不良でメールを送ってあるわ。兄さんはサボらないからすぐに信じてもらえて助かったわ。」

 

「やめなされ、やめなされ.....僕の授業の先生と繋がるところまでいくのは止めなされ.....」

 

本当かどうかメール画面を開いたら、本当に送信されていたし、すごく丁寧な文章で書かれていた.......さすが女優。業界にいるだけあって礼節とかはちゃんと身についてるんだね。

 

「それなら一安心....じゃないけどね。千聖、今回のはやりすぎだよ。そこに居直りなさい。」

 

「は、はいぃ.......」

 

千聖を座らせて説教をする。普段のとは違ってこれは薬だから最悪命の危険性もある。今回は体が縮んだだけで済んだけどこんな危険なことはしてはいけない(戒め)。

 

(あぁ兄さん可愛すぎ.......怒られてるのに顔がにやけてしまうわ。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お説教を終えて、朝食を取る。プンスカして欲しいと千聖にねだられたけど、本当に反省してるよな.......?してるよね....?

 

「子供がいる母親ってこういう気持ちなんでしょうね。プンスカされても可愛いって。」

 

「そんなもんじゃないわよ。いつ泣くか分からないしなんで泣いてるか分からないし、おまけに勝手に色んなもの触るし口に入れるし.....もう3人育てるの大変だったのよ。」

 

「母さんも便乗してないで、千聖を叱りなよ....長男がコ〇ンみたいに縮んでる超常現象起きてるのに。」

 

「でも時間制限はあるみたいだし、優希は全国巡る時に色んなもの胃に入れてサバイバルしてたから今更よね。」

 

「ねぇ待って母さん、少しは息子の心配して?」

 

白鷺家の女性陣はどこか強かなところがある......強かなのはいいけどその方向性がなんか変。

 

ピンポーン

 

そうこう会話しているうちに家のベルが鳴らされる。こんな朝から誰なんだろ。

 

「どちらさm」

 

「先輩!!!!!先輩なのね!!!?」

 

ドアを開けると、鼻息の荒い友希那さんがいた。

 

ガチャ

 

「見間違いだね。」

 

開けてはいけないと、本能が囁いた。




バイト入れすぎて8月は疲れました


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子供と化したお兄さん②

オートライブが実装された(というかプロセカから輸入したんだろうけど)ので、デイリーがめちゃくちゃ楽になりましたね


前回のあらすじ

 

薬を飲まされたよ。

子供になったよ。

玄関前に鼻息荒い歌姫がいたよ。

 

今北産業で説明はしてみたものの、状況は混沌とし過ぎている。というか最後の鼻息荒い歌姫ってなんなのほんと。

 

ガチャガチャガチャガチャ.....ピンピンピンピンピンピン

 

友希那さんの荒々しいドアノブを引く音と、連打しすぎてもはやどこかのチクッとやりそうな蜂みたいな音がリビングにまで響き渡る。

 

「随分と興奮してるみたいね。」

 

「......呼んだの、千聖じゃないの?」

 

「えぇ、本来なら私だって兄さんを一日中甘やかしたかったのよ。たださっきこんな無粋なメールが来たのよ.....」

 

千聖が提示してきた画面を見ると『配役オーディションのお知らせ』と書かれており、事務所が予定を空いている俳優をどんどん入れているらしい。

 

「意外だね....もう各自受けるオーディションが入れられてるし。」

 

「この映画の監督さん、業界ではすごく有名なの。だからこそ、事務所の俳優を起用してもらおうと躍起になって次々入れてるのよね......今日はその打ち合わせと練習が入ったってところよ。だから仕方なく呼んだのよ....ほんと、本当に仕方なくよ!!」

 

千聖がまるで辛酸を舐めさせられたような顔をしながら台パンをする。その勢いでレオンがあくびをしながら起き上がる......レオン、これが我が家の日常茶飯事と分かっているのか、妙に肝が据わってる。

 

「まぁ、友希那さんは盲目的になると危ないけど....ちゃんと一線は引いてるし、大丈夫だと思うよ。」

 

僕は、この発言を後悔しないことを願いながら荒れ狂ってるドアを鍵を開けた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

しかし現実は非情であった。

 

「皆見て、先輩が子供になったのよ!!」

 

「湊さん.....遂に手を染めてしまいましたか.....」

 

「あはは....友希那、大人しく自首した方がいいんじゃないかな.....?」

 

「待ちなさい2人とも。私は別に犯罪をした訳では無いわ。白鷺さんが何かを飲ませた結果生まれた先輩の幼少期を連れてきただけよ。」

 

見事にCiRCLEに連れていかれ、Roseliaの面々の前で色々言われてる。ちょっと待って今日平日だよね?皆当たり前のようにここにいるの何なの......?

 

「ねぇ、君ら高校どうしてるの.....?」

 

「.....それはこれから検討しようとしてるのよ。写真で興奮し過ぎてつい名乗りを上げたのはいいものの、今日が平日だということをうっかり忘れていたわ。」

 

「うっかりってレベルじゃないよねそれ。」

 

「でも実際どうしましょう.....花咲川には、子供を預かれる場所は無いですし......」

 

「羽丘もそうかなー。学童とかあるのって小学校くらいだし。」

 

「ねー、なんで連れていくの?」

 

そこにドラムの子.....あこちゃんが鋭い質問を投げかける。なんか不思議に疑問に思わなかったけど、何故か話が僕を連れていく前提で進んでいる。そうだあこちゃん、もっと言ってやってくれ....

 

「よく聞きなさい、あこ。こんな愛らしい子供を放置していたら、誰かしらに必ず襲われてしまうわ。」

 

(1番襲いそうな人が近くにいるんですけどね、.......友希那さん。)

 

「でも、家にいたら大丈夫だよ!」

 

「私は先輩の家に何回もピッキングをして入ってるから分かるのだけれど、あの家の鍵って、比較的古いものなの。ただちょっとやり過ぎて.....最近は鍵としてあんまり機能して来なくなってきたの。なんか鍵の付け方が緩いというか......」

 

「なんか段々鍵がおかしくなっていってると思ったら、犯人は友希那さんだったのか.....あとで新しくつけてもらお。」

 

「だからこそ、先輩を先輩の家に置いておくのは非常に危険なの。おまけに今日は平日だから私たちは皆学校に行かなければいけない。そうなれば....連れていくしかないの。」

 

「なるほど!」

 

納得してしまうあこちゃん。

 

「でも大丈夫....?女子高にこんな子供連れていったら、後々面倒なことになるし変な噂立つよ?」

 

「うっ.....ならこうしましょう。先輩、花咲川でも羽丘でもどちらでもいいわ。生徒会室に居てもらいましょう。」

 

「生徒会室?なんで?」

 

「花咲川では白金さんが、羽丘では日菜が生徒会長を務めています。教職員側の反応は分かりませんが、少なくとも生徒側では融通はいくらでも利きます。......私は、花咲川の方がいいと思います。日菜に任せると、また羽沢さんに迷惑がかかってしまいますし.....」

 

「あはは.....日菜も、そこら辺は分かってると思うけどなぁ。」

 

「私は断固として羽丘以外の選択は許さないわ。理由はいたってシンプル。私が先輩を可愛がりたい。」

 

「それは後ですればいいじゃないですか......」

 

「それと、花咲川に行かせたら、その対応を燐子にさせることになるわ。」

 

「でもそれって、どっちに行っても避けられない事態じゃないの?」

 

「.........」

 

僕の質問でその場が一気に静まり返る。やっぱり家にいるのが1番安全策だよね。何故かその話はここの女子高生達には通じないらしい。そして数秒、友希那さんと紗夜さんの間で目線による会話が始まって、紗夜さんが頷く。

 

「......分かりました。今日は羽丘で預かってもらって、翌日花咲川で引き取りましょう。」

 

「.....えっと何が分かったのかな?」

 

「今日白鷺さんが私たちのところに渡されたのは白鷺さんの予定によるものです。今メールで聞いたところ、オーディションは今日だけらしく、明日は特に何も予定が無いようです。」

 

「うん...それで?」

 

「それでしたら、明日は白鷺さんの下にいた方が色々都合は良さそうですし、今日の間に白金さんや市ヶ谷さんと協力して花咲川の教職員に事情を説明して許可を取り付けます。」

 

「もう、家にいるという選択肢は無いのかな.....?」

 

「そんな物、私が預かった時点で最初から無いわよ先輩。でも安心して。さっきは色々欲のままに言ってしまったけれど、学校ではちゃんと一定の距離は取るわ。」

 

「それホント....?僕の高校の門前で待ってて注目浴びてたの何処の誰だっけ......?ほんとに大丈夫?」

 

「人は成長するのよ。それに私が仮に先輩にべったりして変な印象を持たれたら、それはRoseliaのイメージダウンに繋がる恐れがあるもの。私情がどれだけ大きくとも、私の1番の目的は音楽と先輩だから。」

 

「うん、抜け切ってないよ....?」

 

色々理由を上げるより「Roseliaの為」と言ってくれた方が信用できるのほんとなんでなんだろうな......僕、バイアスかかってるかな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

羽丘高校 生徒会室

 

「えー!?どうしたのそれ!?可愛い!!るんってくるよ!!」

 

「それは....大変でしたね。」

 

友希那さんと今井さんに連れられ、生徒会室までやってくる。入ってくる時にすごく注目を浴びたけど、友希那さんが睨みを効かせたことで変な噂が立つことは無かった。

 

「氷川さん、先輩を今日1日でいいからここにいさせてあげられないかしら?」

 

「うん!いいよ!!行ってくる!」

 

「あ、ちょっと待ってください!!」

 

勢いよく扉をバンと開けて走っていく日菜ちゃん、とそれを慌てて追いかける羽沢さん.....確かに紗夜さんの言う通り、大変だ.....

 

「....これなら、電話で先に伝えた方が良かったかしら。」

 

「普通こういうのって、事前に言うのが普通なんだけどな....」

 

「あはは....とりあえず優希。お昼ご飯はあたしが持ってきてるからそれ食べてね♪」

 

そう言ってカバンの中から、丁寧に包まれたお弁当が出てくる。でもいつ作ったんだろ....これ。

 

「羨ましいわ.....先輩、それはリサが先輩と会えそうな日にはいつも作ってるものよ。私も味見したことあるけれど、美味しいわ。ちなみに会えなかった日は私の胃袋に行くのよ。」

 

「ちょ、友希那!?」

 

「そっか....じゃあ今日初めていただく形になるのかな。ありがとう。」

 

「・・・ずるいってば。そういうの。」

 

今井さんが照れると共に、隣から氷のような冷たい視線が届く。背中に冷たいものが流れる。

 

「....とにかく、今日の昼食は心配いらないわ。私たちは今から授業があるから、先輩は大人しくここで待っていてね。」

 

「ちょ、ちょっと待って。まだ許可取りに行った人が戻ってないけど.....」

 

「あら、寂しいのかしら?不安なのかしら?そういう先輩を見るのは新鮮ね。それに羽沢さん達ならきっと大丈夫よ。」

 

そして僕の抵抗も虚しく、友希那さんと今井さんは生徒会室を後にする。この子ら、肝の座り様が凄い,.....さすがFWF出場者。

 

 

 

 

昼休み 生徒会室

 

午前中は特に何も無く、生徒会室で1人だった。てっきり友希那さんが授業を抜け出して来ないか心配だったけど.....良かった。けれど...

 

「はい、あーん。」

 

何故か、食べさせられている。今井さんの作った弁当、美味しい.......でもなんで、食べさせられてるんだろ。

 

「....先輩との子供が出来たら、こんな感じになるのかしら。」

 

「千聖も似たような事言ってたよ今朝....」

 

「先輩、今は私と一緒にいるのよ。あの女の話はしないで。」

 

「僕の妹なんだが?あの女呼ばわりは酷いよ。」

 

「1度言ってみたかったの。気分を害したなら謝るわ。」

 

そうやって他愛の無い話をしながらも友希那さんは僕の口に弁当具材を次々と運ぶ。小さくなって初めて見るけど、友希那さんってこんな顔もするんだ.....ほんとに表情豊かになったなと孫を見る爺じみた感想が出てくる。Roseliaの子達には感謝しかない。

 

「へぇ....友希那ちゃんってあんな柔らかい顔するんだ....」

 

「日菜も知らなかった?友希那って優希の前だと色んな表情出すんだよ。」

 

「先輩は私が家族以外で初めて気を許した異性だもの。それに私と先輩は知り合ってあれこれ数年は経つけど.....日に日に愛情が増すばかりよ。」

 

「だったらやっぱり、中学時代にあんなツンケンしないであたしにも色々話して欲しかったなぁ。あたしの方が優希より付き合い長いんだし。」

 

「そうだよー!あこが友希那さんと会った時、あんなに厳しかったし冷たかったよ!」

 

2人からブーブーと苦情が出る。まぁ本気でそう思ってるというより、仲間だからこそ言える軽口みたいな感じなんだろうな。そして当の友希那さんは少し深刻そうな顔をする。空気が少し重くなる。え?これ仲間同士の掛け合いじゃないの....?

 

「焦っていたのよ.....先輩達と一緒にいて、バンドを組むことと研鑽していくことがどういうことか分かったの......けれど、先輩達と別れた後、私は父の音楽を証明しようと、あの人を超えようと、躍起になっていた.....先輩達と一緒にいて経験を積んだから、きっと出来るはずだって。」

 

「........」

 

すごいシリアスなセリフと共に、友希那さんがこっちに移動してきて僕を膝に乗せて撫で始める。あ、これ雰囲気に乗じてやってるな....

 

「結局それはただの思い込みだって気づいたのはRoseliaを結成してから少し経った頃。今はもう大丈夫、あの頃の私はもういないわ。Roseliaと共に歩む決意をしたから。」

 

「友希那....!!!」

 

「あの.....いい感じに盛り上がってるところ失礼なんですけど、なんで僕が友希那さんの膝の上に乗せられているの.....?」

 

「何か変かしら?ただ子供を可愛がってるだけよ?」

 

「んーー、変というか雰囲気に乗じてやったよね?確信犯だよね?」

 

「先輩、あまり察しのいい男性は嫌われるわよ。私は先輩が私の本心を分かってくれているという嬉しさがあるからいいのだけれど。」

 

そしてなんやなんやあって昼休みが終わり、皆が授業へと向かった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後 帰り道

 

「さて、どうしようかしら.....?このまま家まで行ってもいいけれど、今日くらいはいいかしら?」

 

放課後、迷っては行けないと無理やり言いくるめられ、今僕は友希那さんと手を繋いで帰っている。ただ、孤高の歌姫がそんなほのぼのとした事をやっているせいか、羽丘を出て数分は周りがひたすらザワついていた。

 

「ちょっとぉ?僕帰りたいんだけど.....!!!」

 

力を入れてなんとか振りほどこうとるも、小さくなってるせいで力で押し込まれる。待って友希那さん、こんなに力あったのか。

 

「あら?どうしたのかしら?そんなに私の家に行きたいのかしら?」

 

「今行ったら絶対タダじゃ済まないからやだ!離し....ちょ、なんで指絡めてくるの!?」

 

「いいじゃない。こんな事できる機会もそうそう無いもの。」

 

「あはは....優希も大変だねー。」

 

「大変だと思うなら助けて.....」

 

そしてその状況を隣で見ている今井さん。なんなら今井さんにもう片方の手を繋がれている。

 

「そう言えば友希那、さっき言ってた『あの人』って友希那のお父さんの事?」

 

「?違うわよ。.....そうね、リサは会ったことないかしら。」

 

「へー、誰誰?」

 

僕の背中に悪寒が走る。その人は僕も知っている。というか何なら僕がこの世で最も恐れている人......殺気を出してる千聖やキレてる時のオーナーとはまた別ベクトルで恐怖を感じていた.....

 

「どうしたの優希?なんか震えてるけど....」

 

「僕あの人やだ.....別に嫌いじゃないけど、怖い....」

 

「その人の名前は......ミシュリーヌ・ニケ。全世界を震撼させた元ストリートシンガーよ。」

 

名前が出た途端、鳥肌が立つ。

 

「ミシュリ.....その名前見たことある!前友希那が買ってた雑誌に載ってた!!」

 

「そうだったかしら。まぁそれは置いておいて、ニケさんは私と豪さんの師匠にしてライバル、そして.....私と白鷺さんに拘束技術とピッキングを教えてくれた人よ。」

 

そう...千聖と友希那さんが時々強行突破を測ろうとし始めたのは.....全部ニケのせいだし、なんならヤンデレ気味になったのもニケのせい......諸悪の根源である。

 

(さ、災難だね....)

 

(ほんとそうだよ.....)

 

数十分後

 

「どこに行くつもりかしら?友希那ちゃん?」

 

「どこって....家に帰ってる途中よ?」

 

僕の家の前に着いて帰ろうとするも絡まれた手が離れない。そして家の前では仁王立ちをした千聖が鬼神の如き雰囲気を漂わせながらこちらに話しかけてくる。

 

「兄さんの家はここよ?湊家じゃないの。」

 

「いずれ先輩が住む家になるのだから、別に大丈夫よ。」

 

「どんな理屈だよ....!!!!」

 

その後一進一退の攻防が続いて、なんとか解放された。普段なら普通に解けるのに子供になって弱体化してるなら力技をかけても押し返される....




ぼちぼちやってもしょうがないし、今回か次回終わったあたりから本格的にEXTRAの過去編をやろうかな.....と思います。ただそれだとタイトル詐欺になるんでまぁ、うん。これの裏作品的な感じで作るか分かんないけど


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子供と化したお兄さん③

書こう→なんかやる気と案が出ないな→インスピレーション感じにネットサーフィンでもするか→1日終わってもうた

なんか大学生になったらこの無限ループな気がする。


ぎゅぅぅぅぅぅぅ

 

「うう....千聖離して....」

 

「嫌よ。スぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ......はァァァァァァァァ......何だか匂いが違うわ。いつもの匂いじゃない。」

 

「多分友希那さんにくっつかれまくったからね.....」

 

昼休み、これでもかと言うほど友希那さんと今井さんに抱きしめられた。今井さんの膝に乗せられて、友希那さんにあーんされる所を、不特定多数の人に見られた。どんな羞恥プレイなんだ.....

 

「へぇ、やっぱりそうなのね。.....その上、お持ち帰りしようだなんて、いつから友希那ちゃんはここまで図々しくなったのかしら。」

 

「少なくとも実兄に薬盛って、力で制圧して可愛がろうとしてる千聖が言える事では無いんだよな.......」

 

「それは妹の特権よ。こういうやり方はミケさんからみっちりレクチャーを受けたもの。兄さんの健康を損なわないまま実行する事くらい容易いことよ。」

 

あぁダメだ....言ってることは完全におかしいのに、何故か納得出来てしまう。我が妹、恐るべし。

 

「それはそうとして、明日は花咲川に行く許可は下りたらしいわよ。覚悟しておいてね、兄さん。」

 

「何の覚悟の準備でしょうか.....?」

 

とてつもなく物騒な事を口にする。別に今から色違いボル〇ニオンをゲットしに行く訳でも無いのに......

 

「何って大したものでは無いわよ。ちょ〜っと、特別な体験をするだけよ。」

 

「やだこの人怖い。たすけ....ふにゃ。」

 

「私から逃げられると思うのかしら?兄さんの弱いところ、全部知っているのよ。」

 

僕が逃げようとすると千聖は再び抱き寄せ、僕の体の弱い部分を触ってくる。やはり妹、長年僕を見ているだけあって触ってくるところに寸分の間違いが無い。しかも今は体が縮んでいるから、更に弱くなる。

 

「ちょ....やめ......」

 

「普段からやられてるお返しよ。少しくらい兄さんもやられないと不公平よ。」

 

「僕普段こんな事はしてないじゃん。」

 

「嘘よ、普段言動で私の心を何度も揺さぶっているもの。これを何もしてない、とは言えないでしょう?それに....今日は随分と、友希那ちゃん達と遊んできたみたいだし、実の妹をほっぽり出して他の女の子に現を抜かしていた兄さんを何もしないで許すほど、私は甘くないわ。」

 

その後、めちゃくちゃ可愛がられた。力づくで脱出しようとしても、千聖の力が存外強くてふりきれなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日 花咲川女子学園

 

燐子「よ、ようこそ花咲川女子学園へ......」

 

有咲「あー....マジで子どもになってんだ。最初聞いた時は嘘かと思ってたけど.....」

 

優希「嘘であってくれたらどれだけ良かったんだろうね。」

 

有咲「なんつーか....ご愁傷さま。」

 

彩「可愛い!!なんか面影とか全然変わってないね!!」

 

優希「それ普通久々に会った幼なじみとかに言う言葉でしょ.....」

 

千聖「写真で見るよりはるかにいいでしょ?」

 

優希「ちょっと待って何勝手に見せてるの!?」

 

千聖、あれだけ「外では大丈夫よ、バレてないわ」とか言ってたじゃん。思いっきり晒してるじゃん。もしかして自覚をお持ちでない?

 

たえ「大丈夫。しょーくんの写真も沢山見せてるから。」

 

花音「うん、お兄ちゃんの画像も沢山.....あるから!」

 

あいつらも被害者だった.....翔世、流星、強く生きろよ。見せ合ったら大丈夫でしょの法則ってあるのかな......?

 

千聖「それじゃ兄さん行くわよ。」

 

優希「うん。生徒会室ってどこ?」

 

千聖「何を言ってるのかしら?生徒会室になんて行かないわよ。」

 

優希「じゃあどこに.....」

 

紗夜「教室です。優希さんには私たちと同じように授業を受けてもらうことになりました。」

 

優希「......え?何言ってるの?」

 

授業を一緒に受ける?羽丘よりも更に上回った措置をお取りになられて.......ほんとになんで?(2回目)

 

燐子「その....先生方と協議した際に、生徒会室に置いておくと大事な書類を勝手に使ったり、孤独に耐えられず泣き出すんじゃないかって......」

 

有咲「白鷺先輩の写真を借りて話したんですよ。そしたら親しい人が近くにいた方がいいんじゃないかって結論になったんです。なんで今日は白鷺先輩の横で、座って授業を受ける形を取って欲しいとの事です。」

 

優希「うそぉ....」

 

千聖「良かったじゃない、兄さん。華の女子高生達と授業を受けられるのよ?嬉しいことよ?」

 

優希「僕が大学生ってご存知?はぁ......」

 

その後千聖の教室に行ったら、千聖の机の真横に、ふた周りくらい小さい机があった。しかも今日あるであろう授業の教科書の山とルーズリーフが置かれていて、パラっと中身を見ると、漢字に全て振り仮名が振られており、難しそうな言葉全てに注釈が書き加えられている。なんなんだこの用意周到さ、なんなんだこの学校.....

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3-A 授業中

 

(存外、皆集中してるな....)

 

もっと千聖が絡んでくるかと思ったけど、千聖は熱心にノート取ってるし、周りを見てみると紗夜さん、白金さん、花音さんと見知った顔もいた。紗夜さんと目が合うとペンで「前を向いてください」とクイクイと合図が送られ、白金さんと目が合うと「ふふっ....」と優しい笑みが返ってくる。それに他の生徒と目が合うとニヤニヤしながら、手を振られる。そしてそういう事があると千聖に顎を掴まれて、無理やり正面に顔を戻される。しかもその時僅かに見える千聖の顔が怖い。

 

先生「白鷺くーん、あんまりキョロキョロしたら、お姉ちゃん達が困っちゃうからダメですよー。」

 

そして先生から小学生低学年を諭すかのような言葉が飛んでくる。怒っているというより、先生も楽しんでる。

 

優希「はい、ごめんなさい。」

 

先生「うんうん、良い子ですね。白鷺さんも適宜気にしてあげてくださいね。」

 

千聖「はい、分かりました。」

 

素直に謝るとそのまま授業に戻る。ちゃんと真面目に受けないとそろそろ隣で修羅の如き殺気を放っている千聖に間違いなく消されてしまう......

 

千聖「兄さん、後でお話ね。」

 

優希「は、はい.....」

 

 

 

 

 

 

 

昼休み 生徒会室

 

千聖「あれは一体どういうつもりかしら?」

 

優希「いや、教育実習で月ノ森に行って女子校の雰囲気は分かってたつもりなんだけど、いざ一緒に受ける側になると周りが気になるというか.....」

 

紗夜「それに、周りをキョロキョロする事は周りの集中の邪魔にもなります。仮にも教育実習に赴いたんですから....そこら辺の最低限の配慮はしてください。精神まで子どもになったんですか?」

 

優希「誠に申し訳ない......」

 

千聖「そんな些末な事じゃないわ。......なんで私の顔を見ないの?」

 

優希・紗夜「え?」

 

千聖「兄さん、授業中キョロキョロしていたけれど、何故か一向に私とは目を合わせないようにしていたの。なんで?」

 

紗夜(そうだったのですか?)

 

優希(だって隣だからいつでも見れるし.....千聖は仕事の立場上、学校に来れる日数も、勉強にあてられる時間も少ないから.....見たら邪魔になるかなって。)

 

紗夜(それほかの方も同じかと思われますが.....)

 

優希(それは本当に申し訳ない....)

 

千聖「ヴヴん!!!いいかしら?」

 

コホンの域を超えた咳でこっちの会話を止めに入る千聖。どうやら怒りのボルテージが更に上がったみたいだ。

 

千聖「とりあえず今からは....色んな女に色目を使っていた兄さんを、独占させてもらうわ。ちゃんと見るべきが誰か、分からせてあげるわ。」

 

そう言って千聖は僕を持ち上げて膝の上に座らせて、目の前で弁当箱を展開する。二段弁当ではあるが、千聖が食べるには結構多かった。

 

優希「母さん、千聖の弁当の量間違えたのかな?」

 

千聖「これ、私と兄さんの2人分よ。今の兄さんは体が小さいから、これくらいだろうって.....ほら、口を開けて。」

 

優希「う、うん。」

 

口を開けると、お箸で掴まれてる具が口の中に入ってくる。うん...普通に美味しい。

 

千聖「ふふっ、美味しそうね。お母さんも料理が上手よね。」

 

優希「千聖も習ったらいいじゃん。僕も高校の時習ったし。」

 

千聖「忙しくて中々まとまった時間が取れないのよ。......あ、そうだ。」

 

優希「どうしたの?」

 

千聖「前に生物基礎で聞いた事、実践してもいいかしら。」

 

優希「生物基礎?食べ合わせみたいななのを習ったの?」

 

千聖「まぁ見ておいて。」

 

そして千聖は....僕の具を食べだした。え?ちょっと待って?まさかの昼ごはん奪われる展開?

 

千聖「はむ....あむ.....ん。」

 

そして咀嚼を終えると、僕の体を180度回転させて対面する状態にして、顔を掴んで上にあげ、口を力でこじ開ける。

 

優希「え、ちょっと待って、何するの....?」

 

千聖「ん。」

 

そして千聖は.....咀嚼し終え、形を留めていない食べ物を、舌を通して僕の口の中に入れてきた。半ばキスをする形にはなったけど.....

 

優希「!!ちょっと、何やってるの!?」

 

千聖「.....ふぅ。さすがにここまでは友希那ちゃんはやってなかったみたいね。」

 

優希「いやそうじゃなくて.....」

 

千聖「生物基礎なんて1年生の時にやったからほとんど忘れていたのだけれど...確か、ペンギンって子どもに餌を与える時はこうやって口の中に入れたものを、子どもに与えるって聞いたのよ。唾液は含まれてしまうかもしれないけれど....少しくらい、いいわよね。」

 

優希「覚えていても、これを実の兄で実践しようとする妹の度胸に僕は驚愕するよ.....」

 

千聖「大丈夫よ、兄さん以外にはしないから。それに....」

 

優希「それに?」

 

千聖「これくらいインパクトが無いと、つまらないでしょ?だって兄さん、昨日は女の子とイチャイチャしていい経験したもの。」

 

膨れて恨み節かのように千聖が言ってくる。周りを見てみると、皆信じられないものを見たかのような顔をしていた。そりゃそうだろう、いきなり口移しをこんな場所でやれば誰だってそう反応する。

 

紗夜「凄いですね白鷺さん......私も、出来るようになるでしょうか?」

 

千聖「やるだけなら簡単よ。ただしやる相手は選んだ方がいいわよ。」

 

優希「いや、やる前提で話進んでるのおかしくない?」

 

最近の女子高生はここまで大胆なのか.....僕らの代にここまで積極的な事をする女子なんて、多分ほとんどいなかったよ......

 

千聖「それに言ったでしょう?見るべきが誰か、教えるって。兄さん、案外私のこと、分別が出来ている子と見ているわよね?」

 

優希「それはそう....何年見てきたと思ってるの。」

 

千聖「でもね、分別が出来ているという事は、超えるべき一線がどこにあるかもちゃんと分かっているという事よ。つまり、踏み越える覚悟が出来てしまえば、いつだって追い込む事くらい可能なのよ。初心じゃないの。」

 

悪魔のような笑みを浮かべて、僕を上から見下ろす千聖。ちょうど顔が影っていて、少し光が灯っている目がこちらを射抜く。

 

燐子・有咲((私も蒼兄(兄貴)と.....!!))

 

一方で、白金さんと市ヶ谷さんは謎に燃えていた。そしてそちらを見ているのを察知し、再び千聖の方に顔を戻される。

 

千聖「どこを向いているのかしら?.....仕方ないわ。今日は....徹底的にやるわ。」

 

その後、水分も含めて全部口移しで入れられた。しかも抵抗しようとしたら両足で両手をホールドされた。僕、千聖の兄で良かった.....弟だったら、おそらくずっとこうなってたんだろうな......

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日 白鷺家

 

「やっと戻った......」

 

とんでもない2日間だった。まさか体格で負けた途端に、ここまで立場が変わるとは.....友希那さんも、千聖も、普段絶対に目にしないくらい獰猛な目をしていた。

 

「無事、戻ってよかったわ。」

 

「誰が小さくしたんだよ....」

 

「私よ?あと....」

 

そう言って千聖が後ろのダンボールを開ける。.....怪しそうな液体のストックが山ほど入っていた。

 

「1回で終わりだと思わない方がいいわよ?逃げられないから。」

 

「か、勘弁してください......」




皆も怠惰な生活は気をつけようね。数分で片付きそうな事を、やり始めるのに数日かかるという状態になっちゃうよ。

とりあえず、次回くらいからEXTRA編作っていこうかなと思ってます


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VRタイムスリップ

とりあえずEXTRA編の制作を並列しながらふと朝歩いてたら思いついたネタを投稿する投稿者です


千聖(はぁ....もっと早く生まれたかった。出来れば白鷺家に産まれてなかったら.....)

 

普段は忙しくて充実しているからこそ、ふとした瞬間に忘れていた心のわだかまりが浮かび上がる。妹だから、血の繋がった兄妹だからこそ.....結ばれない虚しさが存在する。法律の壁って偉大ね。

 

千聖(もし....そうなったら....)

 

兄さんが通っていた共学の都立高校にたまたま入学して、たまたま同じクラスになるか、廊下でのふとしたやり取りで知り合って......仲良くなって.....兄さんたちのバンド活動を手伝いながら.....告白して結ばれて......結婚して......

 

千聖(友希那ちゃんやミケさんには.....その権利があるものね.....はぁ。)

 

ピンポーン

 

千聖(.......何かしら?)

 

玄関を開けると、郵便配達の人がいた。郵便配達の人から荷物を受け取る。宛先は私.....発送元は、アメリカ合衆国ワシントン州キング郡レドモンドで、発送者は........ニケさん。

 

千聖「ニケさんから私に何かしら....?」

 

少し疑いながら中身を確認すると、据え置き型のVRゴーグル、おそらくゴーグルと接続するであろうゲーム機、取扱説明書、そして手紙が入っていた。手紙を開いてみる。

 

To: チサト☆

From: みしゅりーぬ・にけ

知り合いのengineerにちょっと特殊なVRgameと据え置きを作ってもらったよ!!私だけ独占してもいいけど、ちょっとずるだからチサトにもあげる!!チサトもきっと気に入るから!!!じゃあ!!ダーリンにもよろしく言っといて!!

 

P.S 対等な条件になった上で、ダーリン貰うから!!よろしくね!!

 

千聖(相変わらず私の名前とダーリン以外のカタカナ書けないのね......へぇ....ふぅん。)

 

途中まではニケさんらしいなと思いながら読んでいたが、追記で思わず手に力が入って手紙をくしゃっとしてしまった。ダーリン呼びは相変わらず、そして堂々と奪う宣言......しかも質が悪いのが、この人の場合これが冗談で済む人間じゃないということ。警戒しないと.....

 

千聖(それはそれとして......)

 

部屋に荷物を持って上がり、取扱説明書に従って設定を開始して調整を行う。有線の接続に慣れておらず存外時間がかかる。一通り終えた頃には1時間近くが経っていた。

 

千聖(これでよしっ.....と。でもなんのゲームかしら?)

 

何となく設定はしたものの、未だになんのゲームかは見ていなかった。表紙を見ても『VRタイムスリップ』という文字しか無く、結局何なのか分からない。

 

千聖(まぁ悩んでも仕方ないし....やってみようかしら。)

 

ゲーム機を起動して、ゴーグルを付ける。しばらく読み込み画面が入り、周りの景色が見えてくる。.....見覚えのある光景だった。

 

千聖(あれ...ここって....)

 

周りを見渡してみると....やっぱりそうだった。目の前に映っている学校は、兄さんが高校時代に通っていた学校だった。しかも私の体を見てみると、セーラー服とスカートを着用していた。

 

千聖(これってつまり兄さんと同級生になれた.....ってこと?)

 

しばらく状況が読み込めず、立っていると近くを見覚えのある人が通る。

 

豪「よ!眠そうだな!」

 

豪さんが通り際に声をかけてきた。今よりも若干青臭いところが残っていて、好青年って感じが残っていた。そして説明が出てくる。

 

『あなたは、都立躑躅ヶ崎高校の88期の生徒です。そしてあなたは今は訳あってEXTRAのお手伝いをしている、16歳の高校2年生で彼らの同期です。そして紆余曲折を経て様々な未来があなたを待ち受けています。どんな未来になるかはあなたの手次第!!展開次第では誰かと結ばれることも.....!!?』

 

ポップアップを読み終え、自身の鼓動が速くなっていることを実感する。実際に自分も数年前、兄さんたちの手伝いをしていた。つまりこれから先に何があるかなんて全部分かってるし、兄さんたちがどう選択したかも分かっている。攻略本が既に頭に入ってる状態でやれる。やり方次第で.....兄さんと結ばれる。

 

千聖(絶対に.....絶対に兄さん一択。それ以外有り得ない。)

 

『操作説明。本ゲームでは基本的に視線とボタンのみで操作され、狭い部屋でもプレイできるようになっています。移動先や選択肢の選択は基本的にゴーグルが視線の先をポインタで示し、そのポインタを選択肢に数秒当てることで出来ます。設定画面や移動先の表示はゴーグルに付属させたボタンを押して開くことが出来ます。』

 

試しに左側のボタンを押すと色々と出てくる。設定も細かく、ちゃんとセーブ機能と中断機能、トップ画面に戻れるようにもなっている。面白いのは自身のスペックをいじれるということ。性別、身長や体重、スリーサイズも設定でき、試しに身長を180cmにすると本当にデフォルトより視点が上になる。

 

千聖(....しばらく、身長は165くらいでやってみようかしら...)

 

紗夜ちゃんや薫に比べたら私は背が低い。ちょっと身長が高い人の気持ちも味わってみたいし。設定を変えてみて、教室に行ってみる。

 

千聖(兄さんは確か2年2組だったかしら.....)

 

2年2組に入ってみると、兄さんは真面目に机に向かって予習、蒼生さんは周りの女の子やクラスの一軍男子と輪を作って話していた。他のメンバーは別クラスだったから、見当たらなかった。そして扉の前で立っていると蒼生さんと目が合い、小さく手を振ってくる。

 

蒼生「悪ぃ、ちょっとだけ抜けるわ。......よ、今日の練習なんだけどさ。」

 

そして輪を作っていた蒼生さんが皆にちょっと行ってくるわ、と言ってこっちに寄ってくる。でっか.....身長165cmにした筈なのに、普通に少し見上げる形になっている。これでもまだ目線を上げないといけないなんて.....

 

蒼生「ちょっとバイト入ってるから、開始時間には間に合わなくてさ。紅蓮達にも伝えてはあるから、よろしくな。」

 

そして選択肢が出てくる

 

▶うん!分かった!バイト頑張ってね!

じゃあ、練習メニューの順番と内容を相談しておくね。

そんな事を私に言ってどうするの?

 

3個目の選択肢が少し辛辣で笑ってしまうけれど、良くも悪くもヒロインの多様性を確保する為の物よね。

 

千聖(まぁ紅蓮さんに伝わってるなら練習メニューは調整されてるだろうし....ここで好感度稼いで兄さんルートへ行く確率を減らす必要無いわよね。)

 

とりあえす3番目の選択肢を選択する。

 

蒼生「お前もEXTRAの一員だから、言っとかなきゃなって。それに他のメンバーが合わせてる感じがどうとか後で聞きたいから。ま、そゆことでよろしく」

 

.....あれ?そんなに悪く取られてない?というか、好感度僅かに上がってる。設定画面を開き、トピックを見てみる。

 

『EXTRAのメンバーの好感度:今回のゲームでは好感度を下がることはありません。しかし、選択肢次第で好感度の上がり幅は大きく異なります。』

 

千聖(つまり....選択肢自体に間違いは無いけど、仮に1番下の選択肢を選び続けた場合は、TRUE ENDにたどり着くことは出来ないって感じね。)

 

大体のゲームシステムを把握し、兄さんの方へ移動する。ノートを見ると、古典の現代語訳と文法の整理をしていた。

 

千聖(やっぱりこの頃の兄さん、少し暗いわね。)

 

目元を見てみると、少し目の色が暗い。ちょっと横から眼鏡をいじってみる。

 

優希「ん.....ごめん気づかなかった......どうしたの?」

 

ちゃんと反応した。しかも「ん.....」っていう子供っぽい声を聞けた。何このゲーム.....最高じゃない.....!!!

 

そしてまたもや選択肢が出てくる。......もしかして、これ起こせるアクション全部に選択肢があるのかしら?それだとゲームが中だるみするわよ.....

 

▶︎ちょっといじってみたくなっちゃった♪

ごめん、ホコリを取ろうとしたら.....

朝からしけた顔してるからからかっただけよ。

 

.....やっぱり3番目の選択肢が、毒舌系のキャラというか、理不尽なキャラになってる。でも兄さんって外では結構人に気を遣うタイプだから、ここは気さくな事を言えてる1つ目か3つ目......かしら。セーブをして、1つ目を選んでみる。

 

優希「えっ.....あっ.....うん。面白かった?」

 

千聖(.....え?)

 

よそよそしすぎる。一応知り合ってるのよね.....?兄さんって私や友希那ちゃん以外の女性だとここまで閉塞的なの.....?すごく心配になってきた。大学上手くいってるのかしら......?

 

千聖(さすがに....リセットしようかしら。)

 

心が折れそうなのでリセットをして、選択肢前に戻って3番目の選択肢を選択する。おそらくさっきのが1番好感度の上がり幅が少ないやつだから.....これは

 

優希「そうなんだ....暗いしてるつもりは無かったんだけどね、ありがとう。」

 

ありがとう.....?割と理不尽な事を言ったのにOKなの....?好感度もちゃんと上がっている。このゲームの基準がよく分からなくなってきたわ.....

 

千聖(とりあえず、今回はこの毒舌ルートに行こうかしら....)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

5時間後

 

千聖「はぁ.....はぁ.....心臓に悪いわ....」

 

毒舌ルートを突き進み、無事兄さんとのエンディングを迎えた。結果はGoodルート。TRUEとNORMALの間だけど......

 

優希『どうしてかな.....僕は、君にずっと隣にいてほしいんだ。EXTRAを解散しても.....ずっと.....』

 

表に出ている独占欲、兄さんらしからぬ甘え、そして弱弱しくも色気のある声......私を射止めるだけなら充分すぎるくらいで、鼓動が速くなり顔が熱くなる。このゲーム.....いい。

 

千聖(ふぅ....休憩がてら、外そうかしら。)

 

長時間ゲームをしていた為、目が少し疲れる。そしてゴーグルを外すと.....対面におもいっきり兄さんがいた。

 

千聖「に、ににに、兄さん!?なんでここに!?」

 

優希「予定が速く済んでね。千聖にケーキ買ってきたから渡そうと思ったらVRゲームしてたから....」

 

千聖「......いつからいた?」

 

優希「1時間前くらい。途中、凄い興奮したり息切れしてたりしてたけど大丈夫?」

 

千聖「!!!!!!!!!!」

 

思いっきり見られていた。というかなんで勝手に部屋入って見てるの!?

 

千聖「バカーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」バチィン

 

優希「い、痛いれす....」




実際、VRとか熱中したら現実世界の変化に気づかなそう。音で分かるのかな.....?


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たまにはこんなのも

今回は千聖と有咲と白金紫吹(この二次創作のオリキャラ、蒼生と燐子の姉)のお話になります。




紫吹「やっ....ほーーーーーーーいいい!!!」

 

千聖「し、紫吹さん!速すぎです!速度落としてください!」

 

紫吹「なんで?めっちゃ気持ちいいのに!!」

 

紫吹さんに誘われて、気分転換のショッピングに行くはず....が、何故か高速道路をバイクでとんでもない速さで走っている。どうなってるのよ....

 

千聖「ショッピングですよね!!?ショッピングなんですよね!!?」

 

紫吹「勿論!少し遠出してさ!!地元ばっか行ってても見慣れてつまんないでしょ!!!」

 

千聖「それは!!そうですけど!!こんな爆速で行く必要ないじゃないですか!!!」

 

紫吹「いやーそれがさ、現地で有咲ちゃんと集合する予定だったんだけど、千聖ちゃんにそれ言うの忘れててさー。こっちの連絡ミスなのに現地に来いってのもおかしいでしょ?だから今急ぎで向かってるってわけ!」

 

この人、本当に月ノ森の理事長よね...?ここまで適当でいいのかしら。

 

千聖「別に私、現地指定してくれてもいきましたよ?」

 

紫吹「電車で正しく来れるの?」

 

千聖「.......」ムニッ

 

紫吹「あ、千聖ちゃん、やめ!!ちょっと最近不摂生な生活してたのバレちゃう!!やーん、えっちー。」

 

千聖「変な声出さずに運転してください。それに私は電車でも行けますから。」ムッ

 

小馬鹿にしてきた紫吹さんに少しやり返す。この人、豪快で素直なのは良いのだけれど、思ったこと全部口に出しちゃうのよね....別に私が電車で現地に向かえない訳じゃないし。苦手だけど。

 

紫吹「ごめん!ごめんってば!愛嬌だよ愛嬌!」

 

千聖「そういう所、弟さんと本当にそっくりですね。」

 

紫吹「まぁ姉弟だからねー、似てる部分はある。」

 

千聖「似てるのは結構なんですけど、悪い癖だから治して欲しいです。」

 

紫吹「そういう実直生真面目なところ、優希くんに似てるよねー。やっぱ妹は兄の背を見て育つのかな?」

 

千聖「その理論だと、燐子ちゃんが今頃男たらしのギャルになってますよ。」

 

紫吹「それな!!」

 

それな、じゃないんですよ。この人は良くも悪くも楽観的だから....

 

紫吹「いやーそれも見てみたいけどさー、今の雰囲気が合ってるんよね。壊したくないっていうか、守ってあげたいっていうか。それに暴れても、腕っ節で燐子に負けることは絶対無いから大丈夫!」

 

千聖「ちょ、ちょっと!運転中に手を離さないでください!!その筋肉アピールいらないですから!!」

 

紫吹「あ、ごめん。まぁ大丈夫っしょ。」

 

こ、この人と一緒に乗っていたら命がいくつあっても足りないわ.....

 

紫吹「でもそれにしても千聖ちゃん。バイク乗りなれてないって感じが凄いね。優希くんも一応免許は取ってたし、私と蒼生が派手にかっこよくデザインしたバイクをいつでも借りれるようにしたんだけどなぁ.....乗ってないの?」

 

千聖「乗ってますよ。乗ってますけど.....あんな派手なバイクじゃどこにも行けません!」

 

紫吹「ええ!!?あんなにイカしたデザインしてるのに!?何で!?」

 

千聖「あの『漢!!』って何ですか!!あんなデザインで2人きりでどこかに行けるわけないじゃないですか!!!」

 

紫吹「でも優希くん、全然デザイン変えてないし。それって、気に入ってるって事じゃないの!!?」

 

千聖「違います!!他所様から借りてる物のデザインを勝手に変えるなんて非常識ですよ!!兄さんはそんな事絶対しません!!」

 

紫吹「それなすぎる。じゃああれだなぁ。今度優希くんに会った時に変えていいよって言うかー。似合ってるんだけどなぁ....」

 

いかにも未練たらたらというのが聞いているだけで分かる。この姉弟、本当に発想が吹っ飛んでいるわ.....

 

紫吹「そろそろ高速降りるよー。」

 

そして高速を降りてやっと一般道に戻ってこれた。.....怖いわね、この人。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ショッニングモール 入口付近

 

紫吹「やっほー有咲ちゃん!!!お久!」

 

有咲「お久しぶりです、紫吹先輩。それと....白鷺先輩、大丈夫ですか?」

 

千聖「スリル満点のドライブだったわ.....高速道路で死を覚悟するなんて貴重な経験が出来たわ。」

 

有咲「お、お疲れ様です....(やっぱ乗らなくて良かったー.......)」

 

千聖「もしかして有咲ちゃん.....分かって現地集合にしたわね?」

 

有咲「滅相も無いです。」

 

紫吹「ちょっとー。2人揃って私の憎まれ口叩いてるー?」

 

千聖「憎まれ口では無いですよ。正当な評価を下してそれを堂々と口にしてるだけですよ。」

 

紫吹「辛辣!!まぁ過ぎた事だしもういいじゃん?ショッピング行こうよ!」

 

そのまま紫吹さんはショッピングモールへと入っていく。そして早速ナンパに捕まり、そのナンパを殴り飛ばしていた。

 

千聖「あの人....全然変わってないわね。」

 

有咲「そうですね....というかこんな所にもナンパいるんですね。」

 

千聖「私たちも行きましょう。さすがにあのまま紫吹さんを放置していたら警察沙汰になりかねないし....」

 

有咲「じゃあ、行きますか......」

 

私たちは紫吹さんとナンパの間に割って入り、無理やり連れ出した。紫吹さんの力が強くて押し戻されそうになったけど、持ってきていた拘束具を使って抑えた。その光景を見て、ナンパをしていた人たちはドン引きしていた。これくらい普通だというのに。

 

 

 

 

アクセサリー店

 

千聖「そういえば、紫吹さんは何を買うんですか?」

 

紫吹「んー、まぁ適当なアクセかな。何か理事会の面々がやかましくてさ。」

 

有咲「というと?」

 

紫吹「なんかねー、一応これでも理事長な訳じゃん?アクセとか要らないって言ってんのに頭の硬いジジババ共が『月ノ森の理事長を務めているのですから、気品ある態度と身だしなみを!!』って口うるさく言ってくるわけ。これでも見た目には自信あるからさぁ.....余計ムカついてるわけ。」

 

有咲「確かに、紫吹さんって凛としてて、特に着飾らなくても整ってますもんね....まぁ、喋ったり動いたりしなければですけど。」

 

紫吹「あー!また憎まれ口叩いたー!!有咲そういうのいけないんだー!旦那さん来なくなるよ?」

 

有咲「別に結婚とかそんなですし。ポビパのメンバーと兄貴がいてくれたらそれで。」

 

紫吹「でも紅蓮くんなんて引っ張りだこだよ?あんななんでも出来て、気配りの出来る子なんてそうそう見つからないし。おまけに得意な事が料理なんだから、絶対女の子はほっとかないタイプだよ!」

 

有咲「兄貴は、私以外に靡かないんで。」

 

紫吹「わお、凄い自信。そっかー....うんうん、じゃあ優希くんはどうかな?」

 

千聖「兄さんも同じです。もし仮に、1万歩譲って結ばれるとしても、それは兄さんを盲目的に愛していて、覚悟のある友希那ちゃんでしょうけど.....私が絶対に譲りません。」

 

紫吹「すごい殺気...なんか二人共怖くない?大丈夫?」

 

千聖「では紫吹さんに聞きますけど、蒼生さんや燐子ちゃんがお相手を連れてきた時、どうしますか?」

 

紫吹「うーん....まぁ蒼生は心配ないかな。あいつはなんだかんだで見る目あるし、尻軽なんぞに靡くような貧弱な男じゃないしね。燐子は....絶対に私と蒼生で審査するかな。少なくとも私たちを倒せる程度の実力があって、尚且つ性格が良かったら許す。それすら満たせないなら、その場で灰になってもらおうかな。」

 

有咲「こ、怖....」

 

千聖「おふたりに勝てる人ってほとんどいなくないですか?」

 

紫吹「そりゃそうよ、何年裏で殴り合いしてきたと思ってんの。そこら辺のゴミ共に負けたら首括る。」

 

有咲「燐子先輩もいいなぁ...こんだけ頼もしい姉兄がいたら。」

 

紫吹「まぁでも燐子も、今はRoseliaのメンバーと音楽やってるし、話をする時も凄く楽しそうだし...なんか安心してるんだよね。きっと変な虫が来ても、Roseliaの他のメンバーが守ってくれるだろうし。」

 

有咲「.......(私も、変わったな....)」

 

千聖「確かにそうですね。.....ところで、そろそろ買いません?ちょっと周りが......」

 

紫吹「えー....あちゃ、見られてるね。ごめんごめん。私払うから、皆好きなの選びな。」

 

有咲「まじっすか。ありがとうございます。」

 

千聖「ありがとうございます。」

 

言葉に甘えて、私と有咲ちゃんは結構高そうなアクセサリーをいくつか選び、会計に持っていく。会計中の「覚えてなさい...!!!」という紫吹さんの恨み声は、2人して聞かなかったことにした。

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夕方 ショッピングモール外れ 海岸

 

有咲「今日はいい買い物出来ましたね、白鷺先輩。」

 

千聖「ええ。太っ腹な誰かさんが見栄を張って下さったお陰ですね。」

 

紫吹「うー....侮ってた。最近の女子高校生がここまでちゃんと身だしなみにお金かけてるなんて.....!!!」

 

有咲「紫吹さんは化粧とかしてなかったんですか?」

 

紫吹「特に気にしてなかった。だって何もしなくても肌の質は保ててるし...白金家の遺伝子、優秀かも。」

 

本当にその通りで、紫吹さんは一切と言っていいほど、化粧とかをしてない。本人曰く、月ノ森では理事会からうるさく言われた事もあって、多少はしているらしい。内容は聞かなかった。この人の場合、寝癖を戻した事も化粧に入っているらしいし.....

 

千聖「本当に羨ましいです。手間暇かけなくていいって。」

 

紫吹「なんか違和感あるからあんまりやりたくないんだけどね....まぁそれは置いといて。今日付き合ってくれたお礼にこれあげる!」

 

そう言って紫吹さんは私と有咲ちゃんにペアリングを渡してきた。

 

紫吹「これさえあれば、男避けも女よけも完璧、てね!!」

 

紫吹さんは右手の薬指にはめてこっちに見せてくる。

 

有咲「ラブリングですか...でもこれもう片方は。」

 

紫吹「有咲ちゃんなら紅蓮くんに、千聖ちゃんになら優希くんに渡せばいいんじゃないかな。」

 

千聖「たしかに.....でも急ですね。気が変わったんですか?」

 

紫吹「お世話になったお礼もあるし、単純に紅蓮くんと優希くんって根はすごくお人好しだからさ.....女の子とかに言い寄られたら断りづらい感じじゃん。」

 

有咲「へぇ....兄貴、他の女の誘い断れないんだ。」

 

千聖(まぁ、兄さんはそうよね。元々控えめな性格もあるし。)

 

紫吹「それでその度に2人に怒られてるの、なんか可哀想だなぁって思って。」

 

有咲・千聖『それは誘いを断れずに、女の子のアプローチを受けてる兄貴(兄さん)が悪いんです。』

 

紫吹「わぁ、息ぴったり....とにかく!そんなお人好しな2人のためにも、目に見える形で牽制出来たらいいと思わない?因みに私はこれを燐子にもあげます!!」

 

まぁでも紫吹さんの言う通り、これがあれば間接的とはいえ他人に牽制をかけることはできる.....指輪だと、どうしても結婚指輪しか出てこなくて頭から抜けていた。帰ったら兄さんにはめてみよう。




実際大学に入って、結構右手薬指に指輪付けてる人多いなぁと思う今日この頃。まぁ文系なので女子比率も結構高いから見かけやすいというのもあると思いますが。


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