私立運命学園! (萩村和恋)
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前日譚〜それは月村という者の話〜
…少年には家族はいない、いや、正確に言うと
??)…そうだ、俺の家族はもういない。いたはずなのに…逝ってしまった……。……名乗りおくれた、俺の名前は月村悠雪。獣と死の二重魔術師だ。今から送る物語は、次回から始める物語の前日譚のようなものだ。語りはこの俺が…では始めようか。
ー眩しい太陽の光で目を覚ます。寝起きに頭を無理やりシャキッとさせてから、明日から学校が始まることを思い出した。
悠雪)去年入学したから…もう二年生か。
ここで俺の境遇でも話そう。
住居は緑宮市にある和風の建築、『
御歳17である俺は、私立運命学園に通っている。
立派なマスターや英霊を育てる為、学園長が数年前に建てたらしい。
『英母荘』には俺以外にも何人か住んでおり、管理人のブーディカが俺を孤児院から連れ出してくれ、10歳からここに住んでいる。
エレナ・ブラヴァツキーとエリザベート・バートリーという女性と少女の二人と同居している。エリとは孤児院の頃…三歳の頃からの仲であり、エレナとはこっちに来てからの仲だ。二人とも可憐な為毎日理性の危険が危ない。そのうち手を出すかもしれない…。
悠雪)…そうだ、エレナとエリどこに行ったんだ…?
可愛らしい二人だ、普段なら出掛けてる時は俺が着いていっている。荷物持ちなども必要だろうし。
悠雪)とりあえず着替えるか……どうすっかはその後その後。
布団から出てタンスの方に行く、タンスからジーンズ、白の半シャツに黒の革ジャンを取り出して着替え、顔を洗いに行く。
鏡に映る自分を見る、長い金髪にアホ毛、顔立ちは整っているが目は狐のよう、瞳の色は血のような赤。メガネを掛けているが伊達眼鏡である。
自分で言うのもなんだがイケメンの部類に入るだろう。
今日の予定!
②9:00〜15:00くろひーと出かける
③15:30~18:00エリとエレナを愛でる
後は三人で飯食って風呂入って川の字で寝る……そんな感じだ。
…とりあえず朝食を取ろう、確かカップラーメンがあったはずだ……。
悠雪)ん…?なんだコレ…っとメモ書きか?
飯を取りに台所へ向かうと、
悠雪)えー何何…
『私とエレナは二人で出掛けてくるわね!帰りは16:00くらいになるからヨロシク☆ご飯は私が作ったものだから!後で感想…聞かせなさいよねっ!絶対なんだから!Byエリザベート』
悠雪)このダークマター……食べ物なのか…?しかしエリが作ったんだ、食べるか。
リビングの机に持っていき、スプーンを使ってダークマターを口にする。………意外と食べれるものだった、シャクシャクとした食感が楽しいし、味も辛いようなしょっぱいような感じが最高だ。
くろひー、本名はエドワード・ティーチらしい。
そんな彼は普段はバリバリに働き、休日になるとオタクとして勤しむ……そう!メリハリのある最高にカッコイイのだ!
…俺は仕事の時のくろひーを見たことは無いが、同僚の人から話によると凄いらしい、何の仕事をしているんだアイツ。
アイツの部屋は俺の部屋の右にある、『エドワード』と書かれた表札がかけられたドアをノックする。
そして、
中から音がし、玄関が開く。
ティーチ)普段ならノックしたら入ってる…の…に…………よよよよよよ幼女!?なんでこんな所に幼女がいるんでござるかー!?
???)ヤッホーティーチお兄ちゃん♪、この前見たいって言ってたんでしょう?
ティーチ)ティーチ…お兄ちゃん…だと!?……あー、そういやハルユキにそんなこと言いましたなぁ…。幼女の姿になれんならそっちにしろって。……つまり…サチコたん?
祥子)せいか〜い、そういう事よそういう事。
私はニヤっとした笑顔で彼に笑いかける。
月村祥子、見た目は中学生くらいの大きさの金髪ツインテロリ、ピンクのクマのヌイグルミを片脇で抱えてるその子は月村悠雪のもう一つの姿だった。
ティーチ)いやでもさ、今日はエッチィ同人誌とか買いに行くじゃん?ハルユキならまだしもサチコたんの容姿だとアウトじゃね?
祥子)………へ?
ティーチ)いやだから、今日はハルユキの方がいいんじゃねぇかなぁって黒ひげ的に思うわけよ。
そうだ、今日はエッチィものを買いに行くのだ……。私ではなく悠雪に変わった方がいいかもしれない。
祥子)ちょっとまってて!直ぐに戻ってくるぅ!
ティーチ)ほいよー。
あの後、直ぐに悠雪に戻ってからくろひーと街に出た。
関東の某県に属される緑宮市は、都会でも田舎でもないごく普通の都市だ。そしてこの緑宮市には
春の麗らか日差しの中、俺は横を見た。
日本人の中だったら、俺も身長は高い方だと思う。それでも外国出身の彼には勝てない、なんせくろひーは2m10cmの長身なんだから。
悠雪)くろひーって身長高いよな……スゲェ羨ましい…。
ティーチ)いやいや、流石にここまでデカくなると不便よ?家に入る時しゃがまなくちゃ行けないしー。ハルユキも小さくはないんだしいいんじゃね?
悠雪)そう……かねぇ。
と、二人で他愛もない話をしながら歩いていたら、目的の店に着いた。
『オタクの道』という名前のこの店は、外見は一軒家のようなのだが、中は広く、沢山のグッズが売られている。当然その中にはR指定のある代物もあるが、そういうものはくろひーに買ってもらい、後でその分のお金と引き換えに代物を貰う、という手を取っている。
ちなみにだが、ここにはガタイのいいオッサンの店長の鈴木さんと、可愛らしい女性で鈴木さんの娘さんであるゆーちゃんこと本名
店番をしていたゆーちゃんが俺らの方に気づき、元気に挨拶をしてくる。
有美)黒っちとハルちーいらっしゃ〜い!オタッス〜!
くろひーと俺は挨拶を返した。
ティーチ)ゆーたんオタッス〜!今日も見させて貰いますぞwww
悠雪)オタッス〜、ゆーちゃん。店番お疲れ様。
有美)二人ともゆっくり見てってね〜♪
悠黒)うーっす。
悠雪)こっ、コレは……!
俺が手に取っていた本には、可愛らしい女の子とエッチィイラストが描かれていた。そしてその絵の女の子が…
悠雪)エリに似ている…!買わねば…コレは買わねば!
ティーチ)ハルユキ氏どうしたし、なんかいいもんでもあった?
悠雪)コレだ!エリに似ている…!そしてエロい!
ティーチ)いやマジ…?まだRモンみる?
悠雪)ああ、あともう少しみる。選び終わったらいつも通り…いいか?
ティーチ)あーそれね、多分バレてると思うし自分で買えば?
悠雪)えーヤダよ…あんな可愛い子にエロ本見られるんだぞ!性癖バレるんだぞ!?
ティーチ)ソレを拙者に擦り付けるのもどうかと思うよ!?良いから自分で買ってこい。
俺はくろひーに肩を叩かれ、
手には先程のエロ本とロリモノ二冊、触手モノ一冊、ふ●な●モノの合同誌を手に取ってレジに向かった。
有美)へー、ハルちーって、こーゆーのが好きなんだ?
ゆーちゃんが悪戯っぽい笑みで話しかけてくる。
悠雪)まあな、何円だ?
有美)1890円だよ〜。……にしても…エリちー似の子が出てるエッチな本…コレ、エリちーにバレたらやばいんじゃないのん?
悠雪)だよなぁ…保存場所は気をつけないとな。
有美)バレたら嫌われるかもねー?ソ・レ・か…
ゆーちゃんは俺の耳元で、こう囁いた。
有美)罵られるかもね?ハルちーはそういうの好きでしょ?
悠雪)バッ、バカッ!んなわけないだろ…!?
俺はドギマギしながら狼狽える。きっと顔は赤くなってるだろう。
有美)なーんだ…ハルちーにそういう趣味があったら…、私、してあげたのに♪
悠雪)とても魅力的で死ねる程だが勘弁して欲しいな?俺にはエリがいるんでね!可愛い可愛い我が幼馴染がね!
有美)いーいーじゃーんー!やろーよー!
ゆーちゃんは俺の肩を揺さぶってくる、あーあーやめてくれ、脳みそがシェイクされる。グルグルされるー!
悠雪)欲求不満かよこの野郎!他のやつにしろよ俺はヤラねぇ!
なんなのこの子!凄い怖いんだけど!?メッチャ必死じゃん!
有美)他のやつ!?ハルちー以外にこの身体は渡さないもん!
悠雪)断わるぅぅぅうう!やだネ!俺はエリとエレナとキャッキャウフフするまで寝ないんだからネ!
と、ギャーギャー騒いで居るとくろひーが来た。
ティーチ)痴話喧嘩は外でやってくれませんかねェ?チッ………
悠有)ちがわぁぁぁぁぁい!
ティーチ)なあ、ハルユキィ…。お前今度女の子告白を無下にしたらぶち殺すからな?
家までの帰り道、珍しく真面目な顔で俺に語りかけるくろひーに俺は怖気付いていた。
悠雪)アッ、アレは告白だって気付かなくて…!今度からは気付くし無下にしない!
ティーチ)…………本当か?その言葉信じるぞ?清姫に聞いて確認するからな?
悠雪)ああ…本当だ!嘘など吐きますか!この目を信じてくれ!
ティーチ)真っ赤な血のような目が見えますが?……信じるぞ。
悠雪)ああ…。
悠雪)ただいま。
自宅に帰り、俺はエロ本をいつもの場所へと仕舞うべく、袋からエロ本を取り出した。その時だ、そう、エロ本を広げて眺めていた時なのだ。
エリ)たっだいまー!………ってきゃあああ!
エレナ)今帰ったわよ!……きゃああああああ!
そう!この今の瞬間!俺はエロ本を眺めている変態にしか見えないのだ!
悠雪)はぁぁぁぁぁいぃぃぃいい!?おまっ、コレは違う!いや違くないけど違うんだよぉぉおお!
エリ)ヘンタイ!ヘンタイ!このヘンタイ!クズ!アンタなら絶対やると思ったわ!エロ本にかこつけて襲うつもりでしょ!?私達を!
悠雪)ちっ、ちち違うし!?お前らみたいなが気になる興味なんて無いし!
エレナ)わかってるわ、わかってる。
悠雪)なら逃げようとしないで!俺が近づく度自分を守るように抱きながら後ず去らないでよ!
どうしてこうなってしまったのだろうか………その日、高校二年生となる前日、俺、月村悠雪は同居人から『
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番外編
コスプレして写真を撮るだけなんだからねっ!それ以上はないんだからっ!(ハロウィン回)
ハロウィンとは!好きな人や推しが普段着なさそうな服を着ているのを見る日であるううううううう!
悠雪)エリ!エレナ!これを着てくれ!
10月31日、世間じゃ色々あるこの日、俺はチャイナ服とスク水を手に同居人達に迫っていた。
エリ)いやよ…!どうせ着せて写真撮って、あんな事やこんなことさせるんでしょ
エレナ)私はいいけど………しゃっ、写真はダメよ…?
悠雪)エレナ有難う!じゃあこの手作りスクール水着を着てくれ!エリ、お前は着てくれないんなら俺が着るから。あーあー、折角エリに似合うように作ったんだけどなぁー。
胸のところに白いワッペンで『5-1 13ばん えれな』と書かれた紺のスク水をエレナに渡しながら大声で、わざとらしくエリに言う。エリは顔を赤くして
エリ)そっ、そんなに言うなら着てあげてもいいけど!?仕方なくなんだからねッ!
悠雪)ちょろいな………俺以外に言われても絶対に着るなよ?お前は俺の
赤のチャイナ服をエリに渡しながら彼女の耳元で囁く、それでエリはもっと顔を赤くした。あぁ本当に可愛い…♪
悠雪)さて、カメラを準備して彼女たちを待っているのだが……なあゆーちゃん、くろひー、慎二、ブーディカ……オマエらは何で来てんだよォォォォ!?
英母荘の皆)面白そうな声が聞こえたから!
有美)エリちーから呼ばれたから!
慎二)いーじゃんかよ〜月村!なんならお前も祥子になってコスプレしろよ!僕を癒してよ!
悠雪)後でやるつもりだからな!
ティーチ)なら早くするでござる!ほら!衣装なら貸すから!
悠雪)良いよまだだよ!まずはエリとエレナを見るんだよ!
ブーディカ)折角のハロウィンだもん、子供と過ごしたいじゃない?
悠雪)母さん…!
と、みんなと騒いでいると、扉が開いてスク水を着て気恥しそうなエレナとチャイナ服を着て頬を赤く染めたエリが登場した。
エリ)どっ、どうかしら……?
エレナ)似合ってる…?
男共)イヤッホォォォォォイ!
有美)きゃわいい〜!
ブーディカ)可愛いわねぇ〜。
やべぇ、超やべぇ!可愛すぎるぞこの二人!
無音カメラを使い二人の可愛らしい写真を撮る、と、エレナが顔をこちらに向けてきた………バレタカモシレナイ…!
エレナ)ちょっと悠雪!あっ、貴方写真はダメって言ったわよね!?
悠雪)後でアルバムに追加するんだ!二人とも笑顔でー!はいローアングル行くよー!
軽やかな足取りで彼女達の斜め下から写真を撮る。…最高すぎる…!最高すぎるぜ!
悠雪)よし二人とも!次行くぞ次!
エリ)まだあるの…?
悠雪)たりめーよ!よし行くぞー!
俺は三人を連れて着替え室に行った。
着替え室、そこに入る前に俺は祥子になった。
祥子)っと確か……あったあった、包帯。
エレナ)祥子、コレでいいの?
祥子)そう!そのサキュバスの衣装を着てねー。
エリ)私のはコレー?
祥子)そう!そのシスター服着て!
3人で着替える、着替えると言っても私は包帯を巻くだけだが……
全員着替え終わり、リビングの扉を開けた。
慎二)遅かったじゃないか祥…!?
ティーチ)あっ…拙者ここで尊死ぬ…!
有美)エレナっちエローい!さっちゃんもエローい!
ブーディカ)アハハハ……。
祥子)ティーチお兄ちゃん!?
エリ)さっきよりは露出低めね………この服かわいいかも♪
エレナ)私もうお嫁に行けない…!こんなエッチな格好で…!
私は包帯を身体にまいただけ、エリはシスター服に十字架、エレナは黒いマイクロビキニに悪魔のような羽……つまりはサキュバスのような服装。
慎二)……なあ、写真良いか?
祥エリ)いいよ(わよ)!
エレナ)私はいやぁぁぁ!
後でこの写真は複製して貰った。
さて、次で最後である。最後は私、エリ、エレナ、ブーディカ、有美の五人でコスプレすることとした。
私は熊の着ぐるみパジャマ(尚悠雪の手作りである)
エリは猫耳としっぽ、それと包帯をぐるぐる巻きに(悠雪の私物)
エレナには割烹着(尚、私の私物)
ブーディカにはビキニアーマーとうさ耳(うさ耳は私の私物、ビキニアーマーは何故かあった。)
有美は白いワンピース。(有美の私物らしい、こんなこともあろうかと持ってきていたそうな。)
そして………何故か慎二が連れられてきており、何処ぞのブ●ャ●●ィの服を着せられていた。
ブーディカ)この格好大丈夫かな…?えっち過ぎない?
祥子)それがいいんだよお母さん!ね、慎二くん!
慎二)なんで僕までコスプレしないといけないんだよ!あと祥子!お前さっき衛宮に連絡してたろ!わかってんだからな!それと管理人、正直凄い似合ってるからエロいとか以前に最高だよ!
祥子)バレてたんだー。
ブーディカ)そうかな?照れるなぁ。
そうして全員……まずは、私達女性陣からお披露目をすることにした。
ティーチ)うおおおおぉ!最高!最高でござるよー!
士郎)なんというか目のつけるとこが……というか慎二はどこに行ったんだ…?
ハイテンションで写真を撮りまくるくろひー(お母さんや有美なんかはノリノリでポーズを取っていた、後でくろひーに写真を複製して貰おう。そして後でお母さんの胸を揉もう。)
士郎くんは慎二を探しているみたいだ。
祥子)さて、最後に!慎二くーん!出てきてー!
さあ!慎二くんの出番だ!
慎二)…………。
恥ずかしそうに出てきた慎二くん。着ているのはブ●ャ●●ィの服だ。
衛宮)ちょっ、すまん慎二…フフッ…」
笑いを堪える士郎くん、それに釣られて私達も笑っていた。
慎二)なんだよぅ!なんで笑うんだよおおおお!
その後、コスプレしてた私達は普通の服に着替え直して解散した。
今日も一日楽しかった、おやすみ。
どうだったでしょうか?感想など頂けたら幸いです!
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本編
第一話、入学式の時のクラス替えって知ってる人探しがちだよね!
春、この世は四月になった。そして今日………俺らの学園生活が始まる。
私立運命学園、関東某県の緑宮市内にある唯一の高等学校であり、国内でも珍しいとある制度を行っている学園である。理事長は男らしいが、誰も彼の正体を知らない。
規模は普通で、1学年160人ほど、5クラスある。
そんな学校に昨年から俺は通っており、本日は始業式の為にこの学園に来た、という訳だ。
セーラー服に身を包んだエリと共に通学路を歩き、久方ぶりの白く大きい校舎に着く。校門を抜けて下駄箱に行き、履いていた靴を脱いで自分のとこに入れて中靴(スリッパである)に履き替えてから体育館へ向かった。
教頭先生の長ったらしい話が終わり、クラス発表がされるとの事なので生徒たちは外に向かってでていく。
周りを見てみると手を握りながら友人と同じクラスになっているように祈っているもの、なんも考えてなさそうにボーッとしながら向かっているもの、早く帰りたいと言わんばかりに駆けて行くもの…と様々な生徒がいた。
俺はというと、別段拘りがないのでゆったりと向かっている、エリは俺の隣にいたはずなのだが、少し目を離した隙に行ってしまっていた。
クラス分けがプリントされた紙が見えだした頃、前方からこちら側に駆け寄ってくる少女がいた。
「悠雪ー!今年も同じクラスよー!」
そう笑顔で言ってきたのは、先程先に行っていた幼馴染、エリザベート・バートリーだった。
「おっ、なら今年も宜しくな。」
と、俺も笑顔で答えた、どうやら俺らのクラスは2のCらしい。
では行くとしよう。
「そういや………小次郎は何処のクラスなんだろうな。」
俺はエリと自分のクラスに向かいながらもう一人の幼馴染、佐々木小次郎のことを考えていた。
「コジロウなら…確か隣のクラスよ。ほらあそこ。」
そう指を指した方向には、腰まであるだろう紫の長髪を一つ結びにした青年がいた。丁度B組に入っていった。後で電話でもしよう。
「ほら、早く行きましょ?」
「おう。」
教室に入り、各々の席が記された紙から席を探し、自分の席に向かう。
窓側の一番後ろ、良く漫画やアニメの主人公が座るようなそこの席が俺の席らしい。
「隣の席宜しく頼む、君。」
「おう、宜しくたの………む…。」
隣の席から聞こえたのは爽やかな青年の声、俺も答えながら隣を見て返事をした。そこに居たのは…
「僕はアーサー・ペンドラゴン。君は?」
金の短髪、イケメンオーラマシマシの美青年だった…。
「俺は月村、月村悠雪だ。アーサー、よろしく頼むぜ?」
「ああ。」
「では明後日から授業が始まりますからねぇ、明日はステータス審査がありますよ。皆様、今日はこれで終わりです。」
「ジルセンセー!」
「なんですかな?リュウノスケ。」
「ステータス審査って何すんのー?」
「良い質問です!では説明致しましょう!」
何だこれ……担任のジル先生ことジル・ド・レェ先生は、ステータス審査とやらの説明をするようだ。
───────────────────
「皆様こんにちは!私、今回の説明役のジル・ド・レェと申します!そしてココは本編とは関係無い
ステータス制度
まず最初に8個のクラスに分けられます、クラスはそれぞれ
それと
ちなみですが、我らが主人公、月村悠雪は
次に、筋力、耐久、敏捷、魔力、幸運、宝具の六つの基本ステータスを測定し、その次にクラス別スキル、その他スキル、固有スキルを測定します。稀にそのクラスでなくてもクラス別スキルを所持することもありますよ!
では本編に戻りましょう!皆様この後を楽しみ下さいませ!」
────────────────────────
「と、言う訳ですぞ!」
「成程、よくわかったぜ!ジルセンセー!」
なんだあの二人、凄いわかりあってやがる!?
「すごいねあの二人…固い絆で繋がってるかのように分かりあってる…。」
と、隣の席のアーサーも評していた。
そう、この運命学園にはステータス制度というものがあり、それがこの学校の特徴と言っても過言ではない。
この後、帰りの挨拶を俺らは済ませて今日の学校は終わった。
「よっ、小次郎。」
「おや、悠雪とではないか。」
帰り道、エリは部活(アイドル同好会だ)の新入部員を探しに行くと言ってたので1人で教室を出ると、もう一人の幼馴染…佐々木小次郎がいたので声を掛けた。
「途中まで一緒に帰ろうぜ。」
「別にいいが…ほれ、エリザベートはどうした?」
「エリは新入部員探しに行った。」
「成程。」
「よーし小次郎、エリザベートいねぇし女の子にセクハラしに行くぞー。行かないなら一人で帰ってくれー俺は行く、可愛い女の子と仲良くなる為にセクハラしてくるー。」
「バレた時貴様殺されるぞ?」
「エリに殺されるんなら良いかもなぁ…想像しただけで気持ちイイ。」
「…。」
「やめろォ、そんな目で俺を見るんじゃねぇ!」
「貴様、一回ぶん殴られた方が良いぞ。いや、なんなら燕返しぶち込んでやろうか?」
「やめて!普通の学園内で燕返し打たないで!死んじゃうから!」
「というか仲良くなるためにセクハラっておかしいであろう、馬鹿か?普通ナンパだろう。」
「ナンパァ?あー…その手があったか。よーししてくる!エリにはお前から適当に言っておいてくれぇ!」
小次郎の返事を聞かずに俺は学園内の女の子達に会いに行った。
「ヘーイ彼女ー!一緒にお茶でもどうだい?」
「間に合っていますので…。」
「そんなこと言わずにサー、何何?彼氏でもいるの?」
「ハイ。」
「………あっ…そう…だったんだ、じゃあダメだな。よし、くノ一ガール、済まなかった!これからデートかい?頑張るんだぞー。」
…今ので五人目、声をかけたら大体彼氏持ちだったりそもそも女じゃないやつなんてのがいた。まあまだ五人だ、まだまだやめない。おや、また可愛い子が来たぞ…よし、
「ねえ君ー!可愛いねー、ご飯でもどう?美味しいところ知ってんだけどさぁ。」
「ボク……男の子です…。」
「嘘だ!?見た感じ君のバストはBだろ!?その細く健康的なハァスハァスするお腹から察するに男ではないだろう!?」
「セクハラで訴えますよ?」
「すいません許して下さい!あっでもバストサイズは完全ッスよ、俺の
「えっと…110「本当に申し訳ありませんでしたァァァ!」
…七人目
「やっほーそこの君ー!動物好きー?」
「…」
「あのー無言は辛いのでせめてなにか喋ってくださりません!?」
「キモ…。」
「ゴフッ…!」
…三十人、クソ!何がいけないんだよぅ!やっぱり目付き!?この細い目付きだったりしますぅ!?
「ねぇーそこの貴方ぁ…、
「えー!いくい…く………ヒィッ!」
落ち込んでる俺に後ろから声が掛けられた、ので振り返るとソコには…
「アンタ何してたの?さっきコジロウが来てねー。」
蔑んだ目でオレを見下ろすエリ、待って待って興奮する下半身が膨らんじまうだるぉ!?
「で?な、に、し、て、た、の?」
「べっ、別にナンパとかしてないんだからねッ!」
「してたのね?ねぇ、何人に声掛けたの?ねぇ!?」
「さっ、三十人…。」
「へぇー…
「ちょっ踏まないで痛い痛い。」
「なんで嬉しそうなのよ…変態。」
「気持ちイイからだが?」
「うっわキモ…アンタ昔からそうよねー。孤児院にいた頃からずーぅとそんな感じで。」
「いや酷っ!」
「…はぁ…とっと家に帰るわよ、帰ったらいーっぱいキモチイイことしてあげるから…ね?」
俺の背中に手を回し、最近少しずつ膨らみ始めた胸を俺に押し付けながら甘い声で言ってくるエリ、そんなの、期待しちゃうだろ?
「よーし帰るか!」
欲望に俺は負けた、欲望には素直になるべきだ。
「あら、随分と素直ね。そんなに私としたいの?」
「当たり前だわ、可愛い女の子から誘われたら行くしかないだろ?ソレにお前のことは好きだしな。」
純粋な笑顔と言葉を彼女に向ける、彼女は顔を赤くしながら
「そっ、そういうことなら…仕方ないわよね。」
と、髪をいじりながら言ってきた。
───────────────
そういうシーンは別枠で書きます。By著者
───────────────
いやぁ…気持ちよかった。やっぱりエリとは相性がいいのかもなぁ…。彼女としたあと、俺は隣で可愛らしい寝顔を見せる彼女を眺めていた。
「改めて見ると本当に可愛いよなコイツ…。」
長く艶のあるサラサラな濃いピンクの髪、幼さが残る整った顔立ちに白くてすべすべな肌。瞳は宝石のような青色…胸やおしりは控えめ。文句無しの美少女なのだ。
あーダメだ…眠くなってきた、うん、俺も寝よう。エレナは今日仕事で泊まりだし……今日はこのまま寝てしまおう。
…おやすみ。
─後日、朝帰りのエレナに俺たちは起こされた。彼女は顔を赤くしながら「赤飯とか炊いた方がいいかしら…ブーディカにも教えなきゃ…。」などと言っていたので、俺らは慌ててソレを止めた。
さて、今日も着替えて学校に行くか……?なんか身体が軽いな…。
「ん?もしかして俺今…。」
姿が見えそうな大きな鏡を探す、声も高くなってるしさっきから目線が低い…でも、思考は俺のまま…あれ?
「なっ、なっ、なんじゃこりゃぁあぁぁああぁ!?」
そこに写っていたの、金髪赤眼のショタ……つまるところ、俺は幼くなってしまっていたのだ。
「ショタ!?ショタナンデ!?」
「やーん可愛い〜!なんで小さくなってんのよー。」
「わからないよぉお!エリザベートお姉ちゃんべたべたさわらないでぇ!」
「お姉ちゃん…!もう一回!もう一回言って!」
「一体何事なのかしら……?」
次回!第二話、ショタと化した獣魔術師!
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