カンピオーネ〜神話好きな転生者〜 (kronos)
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序章 プロローグ

どうも皆さん初めまして、kronosです。
今まで読み専でしたが、いろいろな方の作品を読んでいるうちに、自分も書きたくなり、今回初めて投稿しました。

誹謗中傷はお断りですが、アドバイスは募集しておりますので、送って貰えたら嬉しいです。

もしかすると幾つか能力など参考にした為若干パクりじゃないかと思われるかもしれませんが、頑張ってオリジナルとして修正しながら書きますので、暖かい目で見てもらえると幸いです。

長くなりましたが楽しんで下さい。


気がつけば青年は何も無い空間を漂っていた。

 

青年は辺りを見回すが何も無いため、少しして考える。

 

(何処だ此処は…何故こんなところに俺はいるんだ?)

 

青年は今までの記憶を徐々に思い出す。

 

(そうだ、俺の名前は時任 信司だ。両親は事故で他界、中学までは祖父母に育てられながら学校に通っていて彼女もできたが(その彼女も交通事故で喪い社会人になって妻と子もできたが銀行強盗に会い警官隊も駆け付けことな気を得ずに終わる筈が犯人の凶弾から妻と子を護り死亡するとはな〜)⁈…誰だアンタは?)

 

振り向くと其処にはこの空間の白よりは白銀に近い白のローブを纏った長い白髪の背の高い老人がいた。肩には大きめの鷲がとまっていた。

 

もう少し分かり易く言うと指輪物語の灰色の魔術師に似ている。

 

(驚かせて済まないの〜儂は神様じゃ此処はお主を転生させるための空間じゃよ…すまないがこの空間からは元いた世界に戻すことができんのじゃ。)

 

そう言った後神様は青年に頭を下げながら謝った。

(済まないの〜お主なら其の儘死んだら成仏するか元いた世界で生まれ変わることを望むと思っておったんじゃが、儂はお主のことを気に入ってしまって其の儘成仏させるには惜しいと思ったんじゃ。)

 

(気に入ったって…まさか神様アンタ⁈)

 

(ストップじゃ信司よ‼それ以上言うでない!お主は誤解しとる。気に入ったっていうのは其の儘の意味じゃ。お主は数えきれないほどの不幸な出来事にあい、数々の敗北と挫折の経験をしながら尚努力することを止めず、最後には死んだが、愛する妻と子を護ったのじゃ…天晴れとしか言いようが無い)

 

(ピュイィイイイ‼)

 

神様と共に、肩にとまっていた鷲もよくやったと言って褒めているのだろうか、鳴いた後少し頭が上下している。青年は前世で褒められることに慣れていなかった為、少し顔が熱くなるのを感じ、右の頬を指でポリポリと掻いていた。

 

少し時間を置いて信司は、

(成る程…それじゃあそろそろ話を進めようか。此処にいる時間も無限じゃなく有限だろ?)

 

(ウム、それもそうじゃな〜それじゃあ、お主には数限りなくある世界の内の一つカンピオーネの世界に行って貰う…宜しいか?)

 

(あぁ…それについては問題ない。神話は好き出し原作も読んだことがあるし、何よりももう…負けたくない。)

 

そう言った信司からは真剣な眼差しと勝利に対する執着心が神様と肩にとまっている鷲に向けられた。その答えに満足したのか神様は応えた。

 

(ウム、よくぞ申した。して、信司よ…前世の知識は残すとして能力はどうする?お主に7つやろう。その代わり余りにもチート過ぎるといろいろと条件を追加しよう。)

 

その答えに何分か信司は悩む。

 

(7つか…よし、それじゃあ一つ目は気と魔術を自在に操れることができること、二つ目は人間の時は原作の魔術師のトップの二倍、カンピオーネの時はカンピオーネのトップの二倍の呪力量。三つ目はずば抜けた反射神経。四つ目はマヴラブに出てくる香月夕呼先生の頭脳。五つ目は真剣で私に恋しなさい!の川神百代以上の武術の才能。六つ目は瞬間記憶能力。最後は俺以外の転生者の介入の禁止…こんな感じでどうだ?)

 

神様は少し驚いた表情をしながら言った。

 

(フム…中々にチートじゃな、じゃがその程度のチートだとまつろわぬ神の出現率をアップさせることと前世の記憶は2才になったらで構わないな?お主の赤ん坊時代など見ていられぬからの。それに以前のような肉体のスペックじゃと修行をするにしても毎度支障を来してしまうから耐えうるようにしておいた。それから後少しじゃがお主を幸運体質にしておいた。それに以前のあのままの運じゃったらいくらチートでもすぐに死んでしまうからの〜構わんな?)

 

(あぁ、了解した。わざわざ済まないな〜其処までしてもら えるとは思わなかった…ありがとう。)

 

 

その言葉に満足したのか神様は微笑みながら言った。

 

(なあに構わんよ…お主をあのようにしたのはきちんと管理していなかった儂らのせいじゃ。お主が気にすることは無い。それにこの程度出来なくては神様を名乗ることなど到底できぬ…そろそろ時間じゃ。お主の次なる人生のリベンジマッチ、しかと拝見させてもらおう。…頑張るんじゃぞ?)

 

その言葉を聴いた瞬間睡魔が俺を襲い、睡魔に逆らうことが出来なかった俺はある決意を胸に瞳を閉じた。

 

 

 

 

【何人にも必ず一つのいずれかで勝ち、大切なものを守れる強さを持つ】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロフィール

 

主人公草薙 護堂 (前世の名前は時任 信司)

 

神様から幾つかの能力を贈って貰った転生者

 

5月22日生まれ 男性

 

神様から貰った能力

 

気や魔術を自在に操れる

 

呪力量の増加(一般人の時は魔術師のトップクラスの二倍、カンピオーネになった時はカンピオーネのトップクラスの二倍の呪力量)

 

マヴラブ 香月夕呼と同等の頭脳

 

真剣で私に恋しなさい!の川神百代以上の武術の才能

 

ずば抜けた反射神経

 

瞬間記憶能力

 

他の転生者による世界への介入の禁止

 

少しの幸運体質

 

前世の記憶(その中にはカンピオーネの原作知識も含まれる)

 

 




宜しければ。アドバイスやお気に入り登録などよろしくお願いします。


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1話 草薙護堂の成長と人情と一郎の悪巧み

どうも皆さんkronosです。
今回もよろしくお願いします。
プロローグにて出ましたが、マヴラブシリーズ、真剣恋シリーズは好きなのでそちらについての意見も宜しければお願いします。


転生してはや10年、現在少年草薙護堂は原作とは違い野球をせずに日々鍛練をこなしていた。

 

ただ、他は原作通り、祖父は女誑し、母は女王気質で、仕事は不明、父は離婚し、偶に謎の手紙と共に土産が贈られてくる。祖母の千代婆は昨年亡くなった。やはり祖父一郎と長年いた為か、苦労していたのだろう、「護堂は一郎のようにならず、一人でいいから愛する人と添い遂げるんだよ。」と言っていた。

 

千代婆が亡くなった時、護堂は悲しくて泣いた。

 

(やっぱり大切な人達が死ぬのは何時迄も慣れないな…いや、慣れたらダメなんだ。)

 

正直、原作を読んでいるためああはなりたく無いと自分は思っている為、気を付けようと心に誓う。

 

毎朝早朝からトレーニングをし、授業中も隠れて、家の近くの魔術関係の情報屋を営んでいる女主人と交渉し、魔術に関する書物や、祖父草薙一郎の部屋の書籍棚にある郷土資料や数々の神話に関する書物を読んでいる。

その為周りからは少し変わった目で見られることがしばしばあった。今も偶に見られるが両方とも慣れてしまったようだ。

 

其れでもきちんと周りとはコミュニケーションが取れている為諍いは起こらず、既に周りとは違い大人びて見える為リーダーシップをとり、成績優秀、スポーツ万能だったので学校一の人気ものである。

 

学校が終わると夕方遅く迄近くの公園で友達と遊びダッシュで自宅に帰り、出された課題をさっさと済ませ裏庭で鍛練をする。

 

夕食は大抵祖父一郎と一緒に護堂が作る事になっていた。

 

休日はなるべく近くの山に行って気や魔術などを取り入れた鍛練をする。

 

更に二年後

 

そんな生活サイクルを繰り返すうちに、護堂は気と魔術を取り入れた武術を使う事で、川神鉄心の顕現シリーズを残しマスターすることが出来た。

 

また、魔術に於いては教授の術を含む数多の術を習得することに成功した。

 

護堂が小学校六年になる三月の春休みになる数日前、この物語は護堂の祖父、一郎のある一言から加速する事になる。

 

「護堂、お前も年だし、体を鍛えているみたいだから、フィールドワークとして一緒にギリシャに2・3日程行って見ないか?」

 

自宅で唐突に聞いた話に護堂は、

 

(これも原作みたいにならないための修行と思い爺ちゃんについて行こうかな〜前世では日本を出たことも無かったし、世界遺産なんかを観光するのもいいな。)

 

「其れは願っても無いことだからついて行きたいんだけど爺ちゃん?もし、ギリシャに行くとして静花はどうするんだ?…まぁ爺ちゃんのことだから何か考えがあるんじゃないか?」

 

そう、護堂の妹草薙静花のことが問題である。この話を持ち出すと静花は必ず着いて行こうとする。もし仮に我慢して留守番することなどまだ10才である静に1日はできても2・3日となると到底無理だ。

 

そう言った護堂の言葉に一郎は我が意を得たりといったしたり顔で

 

「勿論、その辺りも抜かり無いよ!女王と一緒に静花にはペアで行ける温泉旅行に行って貰う。最近女王は仕事が忙しくて息子達にお金位しか与えれないことを嘆いていたよ。其処で今回の温泉旅行に二人には行って貰うのさ。幸い女王は2・3日休みみたいだ。だが静花はそれでも不満を持つかもしれない。だから、護堂が旅行に行った後でプレゼントを贈るのさ。」

 

(成る程、それなら問題はなさそうだな。旅行から帰ってもまだ学校は始まってないから二日後にでも静花に一日中付き会うからこれについても問題はないな。)

 

「わかった。それでいこう爺ちゃん。…静花の方は俺が説得するから爺ちゃんは母さんの方をよろしく。」

 

「よし、作戦決行だな。」

 

護堂はその日のうちに静花を説得することになんとか成功し、一郎の方は次の日には根回しがすみ、後は旅支度を整えるだけとなった。

 

因みに温泉旅行の発端は一郎がある日近くの商店街で、夕飯の買い物をしていた最中に偶然通りかかった一郎と縁の深い妙齢の女性が、温泉旅行ペア宿泊券を数枚持っていたため、交渉した結果数枚譲って貰うことができたからである。

 

護堂達は一郎が亡くなるまでその事実を知ることはなかった。

 

そして迎えた当日、護堂と一郎は女王と静花に空港で見送られ、日本を離れギリシャへと旅立った。

 




読んで頂きありがとうございました。

出来ればアドバイスなどよろしくお願いします。

次回まつろわぬ神と遭遇し戦います。



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2話 まつろわぬ神 クロノス

どうも皆さん、kronosです。

今回まつろわぬ神がでてきます。

このクロノスですが、独自解釈が含まれています。

では皆さん本編をどうぞ〜


11:00〜

 

護堂と一郎は早朝から幾つかの建物を観てまわっていた。

 

次に護堂達が観光した場所はアテネに所縁のある【アテネのアカデミー】であった。パネピスティミウ通りに並ぶ典雅なネオクラシック様式の建物で、19世紀に建造。

 

「なんでもアクロポリスのエレクティオン神殿をモデルにしたらしいよ。」

 

一郎がガイドブック片手にそう言った。

 

「へ〜…何だか正に知恵の殿堂って感じだな〜あの入り口にある像って学者かな〜?」

 

それに対して護堂は感心しながらアカデミーの入り口の方に向きを変えて2体の像を指差して言った。

 

指差した方に顔だけ向けて感心した一郎は

 

「ふむ…確かにあの2体の像はギリシャを代表する哲学者の、プラトンとソクラテスだね…賢いな護堂は。それにしてももうすぐ昼食を食べる時間だね。何にしようか?」

 

護堂は少し呆れた様子で一郎に言った。

 

「爺ちゃん〜折角ギリシャに来たんだから本場の料理を食べようよ。」

 

「それもそうだな〜」

 

そう言った後二人は料理を食べ、次の目的地に向かった。

 

14:00〜

 

場所はサントリーニ島 イアの町である。

 

「ここは町全体が観光地だよ。夕日の時間はちゃんと聞いたね?それまでは自由行動だ。夕日の時間までにはこの場所に集合だぞ?わかったな護堂?」

 

「わかった。其れじゃあ爺ちゃん。行ってくるよ。」

 

「行ってらっしゃい…気を付けるんだよ?」

 

「うん。」

 

そう言って護堂は歩きだした。

 

 

 

 

 

6時間後、護堂は見晴らしのいい山あいにある、少し大きな教会で倒れていたところを一郎により発見された。

 

 

15:00〜

 

護堂サイド

 

一郎と別れて歩き回ること1時間経過した頃

 

「う〜ん…これからどうしようかな〜集合時間までまだ後2時間近くある。ここからだと20分も掛からないな〜」

 

これからどうするか悩んでいた護堂はふと何か嫌な気配を感じ気配の感じた方を見ると、護堂のいる場所からでもわかる見晴らしのいい山あいにある少し大きな古い教会が見えた。

 

「………………………ここからだと其れ程掛からないな。行ってみるか。」

 

死亡フラグである

 

数分後、護堂は教会に着き木製の大きな扉を開く。中はカビ臭く埃だらけだった。中央の奥にある柩から呪力が漏れ出していた。

 

「何だこの柩は?…紋様がある書物に描かれてたな〜…待てよ⁈名前が彫られてるなになに…サトゥル、ヌス?…サトゥルヌスだと⁈」

 

驚いた瞬間、いつもは魔術師し達に見つからないように極限まで弱めた呪力を驚いた拍子に元の呪力に戻してしまい、その呪力に反応した柩は、目が眩みそうな程の閃光を放ち、柩は爆散した。

 

「まずい⁈」

 

護堂は目を手で覆いながら瞬時にバックステップを踏み更に、前方に防護壁を張った。

 

数秒後護堂は、覆った手を目から放すと人?がいた。

 

右手には死神がもつような黒い大鎌、左手には大きな砂時計顔はかなり年老いた爺さん、服は左肩にあるボタンのようなモノで留められた黒い布を纏っていて、見えている胴体は太い蔓が何百本と束ねられたものになっていた。よく見ると胸の真ん中には黒い光沢を持つ心臓が脈動しているのが蔓と蔓の間から見える。背には鴉の様な漆黒の翼が生えており、両足には翼がついてる。前髪は長いが後ろの方は禿げていた。

 

ふと周りを見渡すと護堂の背後以外教会が廃墟と化しており、天井は穴だらけでいつ天井が落ちても可笑しくない状態だった。

 

「ハハハハハハハ‼やっと現世に戻れたか…長かった。どれほどこの時を待っていたことか。孫め、よくも儂から権力を奪いおって、許さん。じゃが今はこの汚れた世界を元の姿に戻さねばならぬ。其処の童よ、よくぞ儂を目覚めさせてくれた。」

 

(右手に大鎌、左手に砂時計、顔は老人背に漆黒の翼を生やしたまつろわぬ神…第一印象はアイツだけど…とりあえず聞くか)

 

「俺にはきちんとした草薙護堂って名前がある。アンタの名前当ててやろうか…アンタの名前は、クロノスだな?」

 

「ホゥ…その年で儂の名を言い当てるか。如何にも儂の名はクロノスじゃ。その名前、極東の民か?言わんでもよい。早く此処から立ち去るがいい。儂にはやるべきことがある。」

 

「嫌だ…此処で逃げたら最悪大切な人を巻き込むことになる。なら、俺は此処でアンタを倒し、必ず勝利してみせる‼」

 

護堂は自分の手を守る為、黒い手袋を付けて左手をフリッカーの如く、右手は軽く握り胸の近くに構えた。

 

「…儂と戦うのか?遊んでやるとするか。…来い‼」

 

その瞬間、護堂は両脚と両手に呪力と気を練り込み瞬く間にクロノスの懐に入り渾身の右ストレートをいれた。

 

「草薙流無双正拳突き‼」

 

ドコォオオオン‼‼‼

 

「オォオオオ⁉⁉」

 

轟音と共にクロノスは壁まで吹き飛んだ。

 

パラパラと埃が舞い散る中、クロノスが現れる。

 

「ハハハハハ‼…中々の一撃じゃったぞ褒めてやろうではないか…じゃが効かん。今度は此方の番じゃ。」

 

言った瞬間、クロノスは滑る様に疾走し鎌を振り被りながら護堂に襲いかかる‼

 

「チッ‼」

 

護堂は舌打ちしてすぐさま避けてクロノスに拳の連打を食らわせたが、効いた様子がない。

 

クロノスは鎌振り護堂が何とか逸らし、拳を放つがクロノスは避け鎌を振るう。

 

そんなやりとりをする中、護堂は考えた。

 

(其れにしても、何故あの心臓がクロノスの元にあるんだ?胴体が蔓や植物なのは解る。あれはローマ神話の豊穣神サトゥルヌスと同一視されて習合した名残りからだ…待てよ…あの鎌はアダマスの鎌で間違いない。鎌は命を刈り取るものとして冥府の神達が所持していた原作にでていた真のアテナ然り、死神然り、他にも冥府と大地は深く密接していたな。原作に出ていたヴォパンが殺したアポロンやオシリス、さっきも挙げたアテナなどそう考えると。鉄の心臓を持ち、鎌を持つ冥府の神と習合しても可笑しくはないな。それだけじゃないな、それだけだとああはなるまい。それに…女の声?

 

「なあクロノス…ちょっとききたいことがあるんだ。アンタ…タナトスとも習合した神だな?それだけじゃない…農耕の神サトゥルヌス、時を刻む神…カイロスともだ‼」

 

この言葉によりクロノスは攻撃を止めた。攻撃を止めたことを確認して、護堂は距離をとる。

 

「……………………ホゥ、よく分かったな。賢き童よ、如何にも儂は冥府の神タナトス、農耕の神サトゥルヌス、時を刻む神…カイロスでもある。しかし、よく分かったな。何故だ?」

 

護堂は鎌による冥府と大地(農耕)の関係性から解いていき、最後には時間と時刻の類似性を解いた。

 

「後はアンタの容姿から推察した…胴体の植物の部分はサトゥルヌス、そして鉄の心臓の部分はタナトス、そしてアンタの髪型と足の翼からカイロス、そしてその顔と背中の漆黒の翼、そして持ち物から時の神クロノス…アンタは四身一体の神…まつろわぬ神クロノスって訳だ」

 

ただ、それでも護堂は違和感を拭えなかった。

 

「実に見事な童よ‼その年でその頭脳、武術では魔術を混ぜた戦い方…末恐ろしい童よ。ではいくぞ‼」

 

護堂はクロノスと改めて向かい合った瞬間閃いた。

 

(確か植物と金属は熱に弱い筈…攻め方を変えるか)

 

護堂は戦い方を変えた。このままではこちらの体力が保たない。なら遠距離で攻める。

 

護堂は瞬時にクロノスに接近し、空中に蹴り上げ、右拳に呪力と気を纏わせ、空に向けて呪力と気を熱に変え、熱の奔流を放った。

 

「これで終わりだ、草薙流…星殺しぃぃいいいい‼」

 

「なっ⁉…グゥオオオオ」

 

クロノスは回転させながら、前方に突き出した。それでも食らっているのかクロノスから苦悶の声があがる。

 

クロノスは何とか耐え凌ぎ空から降りてきた。クロノスの布はかなりボロボロになっており、胸の植物は焼け焦げ、クロノスの身体から湯気のようなものが立ち込めていた。

 

「くそ〜やるな〜流石一度最高権力を手にいれ、豊穣を齎した神様だ。」

 

「さっきのは危なかったぞ‼だが、万策尽きた様だな。」

 

護堂は近くにあった先端が曲がり折れた鉄棒をクロノスの身体目掛けて投擲した。

 

だが、虚しく鉄棒は空中で停止した。

 

「なっ⁉まさか…カイロスの時を刻む力か⁈」

 

「如何にも、カイロスの時を刻む力、つまり万物を止める力じゃ…但し、この力は時を認識するモノには効かんのじゃ。」

 

「なっ⁉…くそ〜」

 

護堂はクロノスに、多方向から木材、石材などありとあらゆるものを投げた。

 

だが全て時を止められてしまった。

 

そして護堂とクロノスの距離は僅か10m程である。護堂は流石に疲れたのか片膝を地面につけた。

 

 

 

「そろそろ終わりにしよう。中々に楽しめたぞ、童よ。」

 

「最後に一つアンタに言っておくことがある。」

 

その言葉を聞きクロノスは首を傾げる。

 

「俺には草薙護堂っていう名前がある…それに、人間を…なぁめるなぁああああ‼」

 

護堂は呪力と気を両足に集中させ、爆発的なスピードで瞬時にクロノスに接近し、クロノスの鎌を持っている右手を掴みんだ瞬間、クロノスの身体中が一斉に発火した。

護堂は魔術と気を練り炎と熱に変換させながら、クロノスの右手から送り込み、全身まで行き渡らせて発火させた。

 

「草薙流炙り肉ぅうううう‼」

 

「グゥオオオオ‼」

 

またしてもクロノスから苦悶の声があがる。

 

「これで今度こそ終わりだクロノス‼」

 

「⁈」

 

程よく焼いて護堂は特に空中で鉄棒が多く止まっているところへ思いっきり蹴り飛ばした。

 

少ししてクロノスが剣山の様に空中で固まって止まっているところの方からグサグサグサっと串刺しになる音が聞こえた。

 

 

 

18:30〜

 

 

護堂は串刺しになったクロノスを確認し、疲労により仰向けにぶっ倒れた。

 

護堂が倒れてすぐ、クロノスが弱弱しい声でいった。

 

「ハ…ハハ。よもや儂が、、12才の童に負けるとは…な。一つ面白いことを言っておこう。童よ、お前は勘違いしておる。儂はクロノスであってクロノスではない。」

 

護堂はその言葉を聞いて何か言おうとしたが、クロノスとは違う方向から何かが近づいてくるのに気付き、そちらに振り向いた。

 

するとクロノスとは違う別方向からピンクのツインテールの小さな女性が現れながら、

 

「本当よ〜まさか叔母様が倒されるなんて思っても見なかったわ!この子が新しい私の子ね。」

 

「アンタは?」

 

「私をアンタ呼ばわりするとはね〜」

 

女性は護堂に笑顔でいった。その瞬間護堂は背筋が震えだした。彼女の目が昏く笑っていなかったからである。

 

クロノスが言った。

 

「お主は…パンドラか?」

 

「そうか。納得した。アンタがパンドラか。」

 

護堂は安心したのか疲れを癒す為に瞳を閉じた時に気付いた。

 

(そうか…そもそも神に男女のくくりなんて殆んどない。だからクロノスであってクロノスでない…それにあの女声、本当のアンタの名前は…。)

 

護堂は気を失う様に眠った。

 

 

 

 

 

 




皆さん、読んでくれてありがとうございます。

今回は如何でしたか?初めて今回は戦闘シーンを描きましたが、非常に難しく感じました。

アドバイスなど募集してます。

時間と時刻の類似性を載せるのを忘れていました。
ギリシャ語では、「時」を表す言葉はカイロスとクロノスの2つがあり、前者は時刻、後者は時間を指しています。

また、「クロノス時間」として、過去から未来へと一定速度・一定方向で機械的に流れる連続した時間を表し、「カイロス時間」として、一瞬や人間の主観的な時間を表すこともある。

他にも、クロノスを物理的な時間の流れ、カイロスを人が感じる意義深い質的な時間の流れと呼んで、区別したそうです。

実は、まつろわぬ神はクロノスではありませんでした。

ギリシャ神話の中でも謎の神の1柱にあげられてます。



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第3 神殺し草薙護堂

どうも皆さん。kronosです。

今回はまつろわぬ神と戦いませんが出てきます。

最後まで読んでいただけたら幸いです。

今作をかいていて怖いと思ったことは今作に出そうと思っている神が最後の王もしくは、ランスロットのような神だということです。


20:00〜

 

草薙護堂が神殺しになり、未だ気を失っているとき、荒れ果てた教会に1人の青年が現れた。

 

右手には2匹の蛇が絡み合った杖を、左手には黒い兜を持ち、翼の付いた金色のサンダルを、履いていた。

 

「古き叔母上の呪力を感じ来てみれば、戦った跡があり、気を失っている少年から微かだが、叔母上の呪力を感じる、其れに叔母上の大鎌が瓦礫の中にある…っ⁉まさか叔母上はこの少年に倒され、少年は神殺しになったというのか⁈…仕方ない、叔母上の鎌は私が貰っておこう。」

 

そう言って青年は瓦礫の中にある大鎌を持ち、呪力を込めた。すると、大鎌はあっという間に先端が大きく湾曲した刀剣になった。

 

「これでよし、後は気を失っている神殺しをどうするかだが、其の儘ここで殺してしまうのも惜しいな。だが、またすぐにこの神殺しと出会うことになるだろう…また逢おう若き神殺しよ。」

 

青年は黒い兜を頭に付けた途端に消えてしまった。まるで其処に始めからいなかったかのように。

 

数分後、教会の外から老人が現れた。

 

「やれやれ…集合場所になかなか孫が来ないと思ったら…どうやらとんでもないことにうちの孫は巻き込まれたみたいだね〜」

 

草薙一郎である。

 

「服はボロボロだが、怪我はしてないみたいだね。其れに気を失っているだけみたいだ…このぶんだと孫はもうすぐ目を覚ますだろう…其れにしてもさっきの青年は一体何者何だろう…おや、どうやら気が付いたみたいだね。」

 

「うっ⁈…爺ちゃん?どうしてこんなところに?」

 

「どうしたもこうしたもないよ…集合場所に来なかったから心配して探してたら山の教会の方に行くのを見たと言う人が居てね。そのことを聞いてすぐだったかな?急に大きな音がしたと思ったらここから空に向けて大きな火柱の様なものが見えたから慌てて来たんだ…其れにしてもさっきの青年は一体何者何だろうね〜」

 

「えっ⁉青年?」

 

「あぁ。私が来る前には既に居てね…護堂の背くらいの大きな鎌をあっという間にショーテルみたいな刀剣にして消えた。」

 

「消えた⁉…その人どんな格好してたか解る?」

 

「確か、右手に2匹の蛇が絡み合った杖を持ってて左手に黒い兜を持ってて、翼の付いた金色のサンダルを履いてたよ…消える時に黒い兜を頭に着けた途端ふっと消えたよ。

アレはまるでハリーポッターに出てくる透明マントみたいだったよ…とりあえず、ホテルに戻ろうか、今日は疲れただろうから明日話を聞かせて貰うよ?」

 

「…わかった。」

 

(は〜まさかこんな年で神殺しになってしまうなんて。明日何て説明しようかな。原作通りウルスラグナとか出てくるかな〜明日からどうやって呪力を抑えようかな。っ⁉これだ‼これなら霊視されない限り殆んどの魔術師にバレないはず。)

 

護堂は権能を使い莫大な呪力を以前限界まで抑えた呪力にまで抑えることに成功し、一郎と共に下山し、ホテルに戻り次第昼食を摂った。

 

 

 

(爺ちゃんの言ってた青年の持ち物…翼の付いた金色のサンダル…2匹の蛇が絡み合った杖…透明になれる黒い兜、そしてショーテルのような刀剣…。)

 

護堂と一郎の部屋は別々である。護堂はシャワーを浴び終えたあと、寝間着を着てすぐにベッドに入ったものの、すぐ寝る事はなく、一郎が見たという青年について考えていた。

 

(ということは…いや、この考えは早計だな。クロノスがクロノスだがクロノスではないって言ってたじゃないか。早く結論をだすことはない。ヘタすれば相手の策に自ら飛び込むことになる。それにしても…やっぱりまつろわぬ神は強過ぎだろ。神様から貰った特典を使ってあの様だからな〜。)

 

 

護堂が神様から貰った特典の1つに魔術師のトップの2倍の呪力量を貰っていたが、今回のまつろわぬ神との戦いで彼が苦戦を強いられて死にかけた理由は、呪力とスタミナの枯渇によるものである。

 

護堂は、教会の周りに何重もの結界を張っており、更に体術に気と呪力を併用していた。特に気と呪力を消費したのは護堂の切り札と過言してもいい星殺しである。星殺しによって護堂の残り呪力、気力の9〜8割りが消費した。

 

護堂にとってはアレで決着が着く筈だったが、まつろわぬ神のアダマスの鎌によって凌がれて短期決着が長期決着になった。

 

其れに護堂はまだ身体ができていない11歳の子供である。

未だ成長途中の護堂がまつろわぬ神との戦いで長期戦を挑むことでスタミナ切れを起こすのはもはや必然であった。

 

「とりあえず、流石にもう寝ないと明日がヤバいかも…寝るか。」

 

そう言って護堂は明日に備えて寝ることにした。

 

 

 

 

 

 

翌日、護堂は一郎と一緒にホテルで朝食を摂り、近くのベンチに人除けと防音の見えない結界を貼り話をした。

 

とりあえず護堂は自分が転生者だということを隠し、自分の知っているまつろわぬ神について、昨日何であんな事が起こったのかを解りやすく説明した。

 

「まつろわぬ神ねえ…護堂、お前、大変なことになったな〜」

 

「えっ⁉爺ちゃん何か知ってるの⁈」

 

「まつろわぬ神は知らなかったが僕も怪奇現象に何回か遭ったこともあるからそういうのは慣れててね…。実際昔魔女のような女性にも会ったことがあるよ。」

 

「ふ〜ん。(そう言えば爺ちゃんルクレチアさんと会ったことがあったんだっけ。流石爺ちゃんだな。)それより爺ちゃん、昨日俺が倒したまつろわぬ神って何だと思う?」

 

護堂は一郎にどんな特徴を持ったまつろわぬ神だったか言ってみた。

 

「う〜ん特徴を聞く限りそのまつろわぬ神はクロノス、サトゥルヌス、タナトス、カイロスと習合しているね。そして孫が聞いた女性の声、多分その神はまつろわぬアイオーンだったんじゃないかな。」

 

アイオーン

古代ギリシャ語で、ある期間を指し、紀元2世紀より5世紀頃にかけて、ローマ帝国内やその辺境地域で興隆した、グノーシス主義における高次の霊、あるいは超越的な圏界を示す意味で使用されたので、宗教学的・思想的にはこの意味でよく知られている。

 

ギリシア神話は自然現象を擬人化して神や精霊と見なしたが、抽象概念なども神と見なした。時間の神は、クロノスが有名であるが、季節や秩序の女神としてのホーラもまた存在した。

 

他の神と同様に、アイオーンもまた神と見なされ、当初の意味はともかく、永遠・永劫を象徴する神ともされた。通常、「時間の神」として知られる。

 

「そうか…永遠=時間でもあるし、時間と四季の関わりから習合しても可笑しく無い。だからまつろわぬアイオーンだったって訳か。」

 

「アイオーンは男であり、女でもあると聞いている。其れに身体に蛇を巻いていた姿をしていたっていう他の話も聞いたことがある。」

 

「因みに爺ちゃんが見た神は多分だけど…まつろわぬヘルメスじゃないかな〜只、まつろわぬ神はいろいろな神と習合しているから、一緒に考えて貰いたいんだけど。」

 

「あぁ。構わないよ。ヘルメスはローマ神話のメルクリウスと習合しているね。マーキュリーとも呼ばれていて、錬金術の水銀を意味しているね。」

 

「なるほど、だからアダマスの鎌をハルペーの鎌に変えることができた。」

 

「それにヘルメスは風よりも速く走り数々の神を欺いてきた希代のトリックスターであり、数々の戦功もあげた戦士だとも言われている。」

 

(ハルペーの鎌に、ハデスの隠れ兜、カドゥケウスの杖に神速、空を飛べるようになるタラリア、水銀か。中々えげつないな。)

 

そんなことを考えていた護堂と一郎の前に近くの店の店長が、結界を容易く破りながら、話しかけてきた。

 

「こうして話すのは初めてだな。会えて良かったぞ若き神殺しよ。先程私の話をしていたな、いかにも…私の名はヘルメスだ。私も戦士だ!神殺しと戦ってみたくなってな。いかがか?」

 

「俺としてはあまり戦いたくはない。でも、そのままお前を放置しておくのも後々禍根を残してしまうか…此処だと俺は戦い辛い。すまないが場所を変えてもいいか?爺ちゃん、この近くに砂浜ってあっけ?」

 

「戦うのかい?…確かに此処だとまずいね…ここからだと歩いて小一時間位だね。気を付けてな、じゃないと…静花が泣いてしまうよ?」

 

「………行って来ます。」

 

「ふむ…では私も行くとするか。…あれ?何で私はこんなところに、とりあえず店にもどらないと。」

 

そう言ってまつろわぬ神によって操られた店長は元に戻ると慌てて店に帰った。

 

「とりあえず護堂抜きで観光でもしようか。」

 

とり残された一郎もベンチを離れて行く当てもなく歩き去った。

 




どうも皆さん。

読んでいただきありがとうございました。

よろしければ感想をお願いします。

次回 砂浜での死闘



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第4話 砂浜での死闘

どうも皆さん、kronosです。

なんとか投稿できる形になったので投稿させてもらいます。

遅くなって申し訳ありませんでした。

最後まで読んでいただけたら幸いです。

後書きに重大告知があります。

ショックを受け、読まなくなる方がいるかも知れませんが、それでも読んでくれるという方、心よりの感謝として今以上の話を投稿するように努力します。

前置きが長くなりましたが、本編をどうぞ‼


まつろわぬヘルメス

オリュンポス十二神の一柱。旅人、泥棒、商業、羊飼いの守護神であり、神々の伝令役を務める。能弁、体育技能、眠り、夢の神とも言われる。その聖鳥は朱鷺及び雄鶏。

 

ヘルメスはゼウスとマイアの子とされる。ゼウスはオリュンポス神族の伝令となる神を作るため、妻ヘラに気付かれないように夜中にこっそり抜け出し、マイアに会いに行くことで泥棒の才能を、ヘラに隠し通すことで嘘の才能を、ヘルメスが持つように狙った。特にゼウスの忠実な部下で、神話では多くの密命を果たしている。代表的なのは百眼の巨人アルゴスの殺害で、このため「アルゲイポンテース(アルゴスを退治した者)」の異名がある。主に頭に丸い翼の付いた旅行帽を被った姿で表され、神々の伝令の証であるケーリュケイオンという杖と、履く事によって空を飛ぶ事ができる黄金の翼が付いた魔法のサンダル・タラリア、そして武器である鎌(ショーテルともいわれている)ハルペーを持つ。

 

死者、特に英雄の魂を冥界に導く死神としての一面も持ち、その反面冥界から死者の魂を地上に戻す役割も担っており、オルペウスが妻エウリュディケーを冥界から連れ出そうとした際に同行した。この点からタキトゥスは北欧神話のオーディンとヘルメスを同一視している。また、アポロンの竪琴の発明者とされている。

 

また、ローマ神話のメリクリウスとも同一視されており、メリクリウスは英語読みでマーキュリーと読み、錬金術や占術で最初用いられていた水銀とも関連付けされている。水銀(Hg)は、古くはラテン語、argentum vivum(生きている銀 流動する点を生きていると表現した。)と読み、これは、天球上をせわしなく移動する水星を流動する水銀と結び付けられていたからである。また、水銀の液体で金属であるという流動性から、神々の使者として天地を駆け巡ったヘルメスで、ローマ神話のメリクリウスの性格と関連付けたものといわれている。

 

つまり、まつろわぬヘルメスとは、ギリシャ神話のヘルメスとローマ神話のメリクリウスが習合したまつろわぬ神である。

 

ホテルの近くのベンチから歩いて約一時間とちょっとで護堂は砂浜に着いた。

 

(まだヘルメスは来ていないようだな…いや、見えないだけか?)

 

「待ちわびたぞ‼若き神殺しよ‼名前は言わなくても構わんな…そろそろ戦おうか。これは使わないでおいてやる。」

 

ヘルメスがハデスの隠れ兜を脱いだようだ。何も存在しな砂浜の上に一瞬にして姿を現した。

 

「いいのか?勝ちが逃げるぞ?」

 

「構わん、この程度で勝ちが逃げるようでは、十二柱の一柱に入ってなどいない…甘く見るなよ?神殺し。」

 

そういった瞬間ヘルメスは神速により護堂の背後を取り、ショーテルを振り上げた。

 

「そっちも舐めんじゃねぇよヘルメス?」

 

言うと同時に護堂は右足で後ろ回し蹴りをショーテルに当て斬撃を逸らし、左足で脇腹を蹴り吹き飛ばした。

 

すかさず護堂はヘルメスに向かって跳び上がりながら右拳を振り下ろすがこれを察知したヘルメスは横に向かってダイブして避ける。

 

避けたことによって護堂が着地し、振り下ろした拳を中心に砂が舞い上がり大きく陥没していた。

 

「見事な力だ…まだ神殺しになって一日も経っていない少年が体術に呪力と気力を混ぜて運用し、神殺しの勝ちに拘る執念と狡賢さ、権能を使わずしてこの強さ…下手打てばこちらがやられるな」

 

「やっぱりそう簡単にやられてはくれないか。」

 

ヘルメスは一瞬にして間合いに入りショーテルを横に振るいながらケリューケイオンの杖を上から振り下ろした。

 

護堂はそれを容易くバックステップで避ける。

 

避けてすぐヘルメスに接近し、回転しながらアッパーをいれながらその遠心力を利用し左回し蹴りを入れる。

 

が、ヘルメスはまずアッパーを顔だけ逸らし避け、左回し蹴りを自身も回転しながら左手に持っているケリューケイオンの杖で逸らしバックステップで距離をとる。

 

「この場所を選んだのは透明対策か?」

 

「確かにこの場所を選んだのは透明対策もあるが、前に言ったように街中で戦いたくない。ここが俺の国じゃないから特に人様に迷惑をかけたくないから。」

 

(透明になって神速を使って絶対に破壊されないショーテルで攻撃だからな…海水の波紋と振動を使うか砂を空中でばら撒くかの消極的な方法くらいしかないかな。時間をかけれればあるにはあるんだけどな。)

 

「その年でその頭脳と達観したような言い方、そしてその強さ…少年…貴様何者だ?」

 

「生まれながらに武術の才を持ち、頭もいいちょっと変わった最年少の神殺しだとしか言えないな〜」

 

「そうか…私もそろそろ本気を出そうか。いくぞ神殺しよ‼」

 

その瞬間ヘルメスは神速を使い護堂に接近しショーテルを振りかざした。

 

護堂はそれにすかさず反応し、逸らそうとするが姿を消し、背後を浅く切り裂かれた。

 

ヘルメスは護堂が迎撃しようとした瞬間タラリアを使い空に逃げ背後に周り切り裂いたのだ。

 

(不味い⁈タラリアを使いだした。それに身体の調子がおかしい。…ッ‼ヘルメスの腰にあった水銀の小瓶の蓋が開いてる⁈ヤバい…頭痛がしてきた。早いとこ勝負を決めないと…仕方ない。日常生活である程度練習しようかと思ってたけど使わずに負けたんじゃ話になんねぇ〜。)

 

「時よ‼我が内に眠りし森羅万象を掌握せし大いなる永遠の力よ‼今一度その大いなる力を世界に示し給え‼」

 

その瞬間、護堂を中心に半径一キロ程の空間が現れた。

 

「な…なんだこの空間は⁈」

 

「ようこそ…俺の世界へ。この空間からは出られないよ。

いくらまつろわぬ神でもね。この空間は簡単にいうと俺の作ったアストラル界なんだ。」

 

「話は簡単だ…つまり貴様を倒せばこの空間からは出られるということか。」

 

「そういうこと。」

 

そう護堂が言った瞬間にヘルメスは神速を使い接近し、ショーテルを振るうが、護堂は一瞬に消えてヘルメスの横に即座に移動しボディブローを入れた。

 

それにヘルメスは反応できずに吹き飛ばされた。

 

「貴様…この空間はなんだ。唯閉じ込める力ではないはずだ。」

 

「この空間の他の能力は両者の『時』を自由自在に操ることだ。つまり俺は神速を使うことができるし、あんたは神速を使ったつもりでも俺からすると唯走っているようにしか見えないんだ。ただ唯一の欠点は発動すると猛スピードで呪力が減っていくことだ。持って後数分ってところかな」

 

「流石は叔母上の権能、神速が使えるのと使えないのでは全く違うぞ⁈」

 

「そろそろ決着をつけようか。あんた、もう詰みだよ?」

 

「まだだぁあああ‼」

 

ヘルメスはショーテルを振り上げながら護堂にせまるが、護堂はショーテルを上空に蹴り上げ、ヘルメスの腹部に拳の連打を叩き込み、腕を掴み上空に放り投げ、

 

「これで終わりだヘルメス…草薙流星殺しぃいいい‼」

 

護堂は自身の切り札をヘルメスに放った。

 

ヘルメスは星殺しをくらいながら、空間の壁に押し付けられる。そしてヘルメスが、落ちてくると同時に空間が消滅し、護堂は呪力切れにより地に跪いた。

 

「見事だ…若き神殺し、草薙護堂よ…私と再び会う日まで負けるなよ。」

 

そう言い残すとヘルメスは砂状になり、風に吹かれて消えてしまった。

 

(ん⁇…なんか一瞬背中が重くなった…これがまつろわぬ神の権能を手に入れた証なのか。…周辺には誰もいないね…早く爺ちゃんのところに帰るか。でもまだ動けそうにないな少し回復させて帰ろう。)

 

護堂は仰向けに砂浜の上に寝転がり寝た。

 

ヘルメスを倒して2時間後、護堂はその場を後にして、一朗を探してどうなったか、これからのことを話し、観光をし直して、翌日日本に帰国した。

 




皆さん、最後まで読んでいただきありがとうございます。

文中にでたケーリュケイオンの杖ですが、ラテン語読みだとカドゥケウスの杖です。

今後もし、この杖が出てくるとしたら、カドゥケウスの杖で出します。

次回は原作手前のオリジナルストーリーです。






ここで重大なお知らせがあります。

メインヒロインは今のところ未定ですが、エリカ、リリアナ、裕里、恵那の四人もいいんですが、他の方をヒロインにしたいと思います。

一応四人は原作には欠かせないなので、各組織のメッセンジャーのような役割兼スタッフにしようかと今のところ思ってます。

期待していた方々、誠に申し訳ありません。

次回はオリジナルストーリー エジプト編です。


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第5話 オリジナルストーリー エジプト編

どうも皆さん、kronosです。

今回は予告していた通り、オリジナルストーリーのエジプト編です。

エジプト編が終わると原作のウルスラグナ編となります。

今回は残念ながら、まつろわぬ神と戦うところまではいきません。

それでも、最後まで読んでいただけたら幸いです。



2月の終わり頃

 

草薙家にて

 

「もしもし?ルクレチアかい?草薙一朗だよ。久しぶりだね〜」

 

「お〜一朗か。久しぶりだな。どうしたんだ?」

 

「いや〜最近君が日本に置いていった貴重品を友人経由で貰ってね。」

 

「貴重品?」

 

「そう、確か君が僕達大学の仲間と旅行に行ったときに旅先の村で怪異が起こったじゃないか?」

 

「あ〜半月あまりで心臓麻痺で死んだ犠牲者が20人近く出たアレか、確か其れは私が解決したんじゃなかったか?…もしかして貴重品って…あの石板か?」

 

「察しがいいね。流石は魔女だ。実はその村が10年以上も前に廃村になっていたそうなんだ。で、お社を管理していた家の方が、その石板の扱いに困っていたんだ。持ち主の行方はわからなかったが、その連れだった僕のことを覚えておられてね。」

 

「それでなんとか一朗のところに石板が渡ったわけだ。」

 

「そういうこと。それで君に貴重な物だから直接君に渡したいんだけど、亡くなった妻との約束もあって僕が行くことが出来なくなった。」

 

「ふむ…それでどうするつもりなんだ?」

 

「孫の護堂に行かそうと思ってる。なんだかんだで優秀だからね、うちの孫は。」

 

「やけに自信あり気だな、因みに年は幾つなんだ?」

 

「確か今年で16になるね。そろそろ1人旅でもさせてあげようと思ってね。」

 

「そうか。一朗に久しぶりに会えると思っていたが孫がくるのか…楽しみにしているよ。」

 

 

 

 

 

 

 

まつろわぬアイオーン、ヘルメスと戦ってから約5年の月日が経った。

 

原作とは違い、護堂がカンピオーネであることを知っているのは一朗の他に護堂と一緒にまつろわぬ神に関わった女王(護堂ママ)がいる。

 

その時に護堂は2柱のまつろわぬ神を倒し、2つの権能を簒奪することが出来た。その時に権能の同時行使を原作で護堂が味わう頭痛もなく出来たのは幸いだった。

 

結局護堂は原作通り私立城楠学院の高等部に入学することにした。

 

(そろそろ原作に入る頃合いだな。やっぱり特典を貰ったからかな。原作で出てくるまつろわぬ神よりなんか凶悪化してるような気がする。)

 

そう思いながら高等部の予習をしたり、一朗の部屋にある民俗関係の書物を読んでいると一朗が護堂の部屋に来た。

 

一朗は紫の風呂敷に包まれた平べったい板のようなものを小脇に抱えている。

 

「護堂、少し話したいことがあるけど構わないかい?」

 

「話したいこと?…別に構わないけど。」

 

「そうか、実は護堂にある人に届けて貰いたい品があるんだ。頼めるかい?」

 

「ある人に届けたいもの?別に構わないけど何処の誰に品を渡せばいいんだ?」(これってもしかして原作にあったウルスラグナを倒すきっかけになった話かな?…爺ちゃんが小脇に抱えているものの形からしてプロメテウス秘笈かな?)

 

「イタリアのサルデーニャ島のかなり田舎の内陸部に住んでいるらしいルクレチアと云う女性に渡して貰いたいんだ。」

 

「(やっぱり)それで渡したい品って何?直接渡す程の品だからかなり大事な品ってのはわかるけど。」

 

「渡したい品はコレだ。」

 

 

一朗は小脇に抱えていたものを護堂の勉強机の上に置き、包みを開いた。

 

B5サイズ程の長方形の石板に、稚拙な絵が描かれている。鎖で両手両足を縛られた男の姿、その絵を縁取りするようにして、羽を広げた鳥に太陽、月や星らしき図柄が散りばめられてあった。

 

「(やっぱりこれはプロメテウス秘笈⁈)それで何でこんなものが爺ちゃんの所にあるんだ?」

 

「其れはね、かくかくしかじか…と云うことなんだ。護堂なら神殺しだから海外に行っても少ししてその国の言葉を喋れるし実力もあるから大丈夫だし、妻との約束もあるからね。」

 

「成る程…わかった!そういうことなら届けてみせるよ。爺ちゃんは安心して此処で留守番しててくれ。ただ、俺も折角だから他の国に行ってから渡したい。」

 

「他の国、と云うと?」

 

「エジプト神話の舞台…エジプトさ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

3月、護堂は中学の卒業式が終わって数日後、日本を離れ、エジプトに旅立った。

 

 

 

 

中国、北京で乗り継いで約11時間後、護堂はエジプトカイロの地に降りたった。

 

「ふ〜やっと着いたなエジプトのカイロに…さて観光するとしたらまずはカイロ博物館かな。」

 

 

そういうと護堂は空港を出て近くの店で昼食を摂り、ホテルに行き荷物をそこに置くとカイロ博物館に向かった。

 

エジプト考古学博物館

 

収蔵点数は20万点にのぼるといわれている。

館内には、ツタンカーメン王の王墓から発掘された黄金のマスク、黄金の玉座をはじめ、カフラー王座像、ラムセス2世のミイラなど、古代エジプトの至宝が展示されている。

 

「流石は世に名高いエジプト考古学博物館だ…来て良かった。」

 

そう言いながら感動していた護堂の近くで2人組の男がなにやら話していたのを見た護堂はその会話に耳を傾けた。

 

「カルナック神殿付近で砂嵐が大量発生⁈其れは本当か⁈」

 

「あぁ、なんでもその砂嵐でカルナック神殿付近の通行が禁止になっているらしい。其れに近くで巨大な黒い大蛇が現れてカルナック神殿に向かったらしいぞ⁈」

 

 

(砂嵐の大量発生に巨大な黒い大蛇か…まつろわぬ神だな。)

 

そう思った護堂はひと気の無い場所に行き辺りに人が居ないか確認した。

 

「よし、誰もいないな…それじゃ行くとしますか。」

 

そう言った途端護堂の履いていた靴が羽の付いた靴に変わり、右手に黒い帽子が現れ、それを被ると一瞬にして姿を透明にしてカルナック神殿に向かって空を駆けた。

 

護堂はまつろわぬヘルメスから簒奪した権能を行使したのだ。

 

まつろわぬヘルメスから簒奪した権能はヘルメスが使用した道具である。

 

水銀、アダマスの鎌、タラリアのサンダル、カドゥケウスの杖、ハデスの隠れ兜

 

これらの道具を護堂はサンダルなら靴に、兜なら帽子にといった具合に姿を少し変えて行使することができる。

 

今回その中で使用した道具は空を駆けることが可能になるタラリア、頭に被ると忽ち透明になったり、権能を霊視されなくなったり、呪力などを秘匿することができるハデスの隠れ兜の2つである。

 

 

 




今回は前書きで述べた通り、まつろわぬ神との戦いはありませんでしたが、作中で幾つかヒントを出しました。

因みに両方ともまつろわぬ神です。

わかる人はわかるんじゃないかなと思います。

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第6話 原始の水より生まれた蛇

どうも皆さん、kronosです。

遅くなって申し訳ありませんでした。

今回、エジプトに出現したまつろわぬ神の正体がわかります。

では本編を楽しんで下さい。


護堂はヘルメスの権能を使い、空中を誰にも気付かれずに疾走しながら、さっきの話について考えた。

 

(カルナック神殿付近で大量の砂嵐が発生…それに呼応するかのように黒い大蛇が現れたか…。これは間違いなくまつろわぬ神絡みだな、神殺しの勘がそう言っている。確かカルナック神殿の祭殿では砂漠の軍神が祀られてたよな?…と云うことは砂嵐の原因はセトか‼)

 

セト

 

砂漠と異邦の神であり、キャラバンの守り神である一方で、砂嵐を引き起こしているのも彼であるとされている。神話体系内でもっとも共通する添え名は『偉大なる強さ』。荒々しさ、敵対、悪、戦争、嵐、外国の土地などをも象徴している。ピラミッド文書の一つには、ファラオの強さはセトの強さであるとの記述がある。サハラの民に信仰された神アシュ(Ash)とも関連があるとされている。

 

当初セトは植物成長の神であるオシリスの逆として見られ、砂漠の王という立場になった。また生命を与える穏やかな Osririan ナイル川とも対比され、荒れ狂う海にも例えられている。更に空の神であるオシリスの子ホルスとも対比されたことから、大地の事象に関連付けられた。彼の呼吸はミミズなどのゼン虫を招くとされ、また金属の鉱石は『セトの骨』と呼ばれた。その類まれなる強さで暗闇と混沌を司る悪魔神アポピスを戦いで打ち破ったと神話に謳われた。このようにセトは人気のあったホルスの立場を次第に取って代わり、紀元前3000年代には特にナイル川下流部の下エジプトのファラオを後援する神として大いに崇められていた。

 

 

(確かセトは嵐の神でもあるからウガリット神話のバアルと同一視されてたよな…あれ?何か急に辺りが暗くなってきた。)

 

護堂は不思議に思い、空を見上げた。すると其処にある筈の太陽が丸くて黒いなにかに覆われつつあった。

 

(ちょっと待て、まだ日食とかの周期じゃない筈だぞ⁈…原始の水より生まれし黒き蛇…アポピス⁈)

 

太陽が黒いなにかに覆われるのを見た瞬間、第4の権能の影響により、護堂に霊視が降りた。

 

アポピス

 

アポピスは闇と混沌を象徴し、その姿は主に大蛇として描かれる。太陽の運行を邪魔するのでラーの最大の敵とされる。アポピスは世界が誕生する前の、ヌンに象徴される原始の水から生まれた。もとは太陽神としての役割を担っていたが、それをラーに奪われたため彼を非常に憎み、敵対するようになった。

 

また、セトの記述で述べた通り、アポピスの天敵でもある。

 

(不味いな…早く行ってアポピスを先に倒さないと…日食がまつろわぬ神の仕業とわかると魔術師が原因究明の為探し、俺が神殺しだってばれる可能性が高くなる。仮にセトとアポピスの共倒れをねらっても、セトとアポピスの戦いは何日か続いて俺が介入しないといけない可能性が高い。そうなったら俺がイタリアで原作介入が出来なくなってよけ不味いことになるかも…今迄からして原作通りいかなかったら酷くなる。最悪アレを此処で使うか…。)

 

護堂は足に呪力を込め、さっきよりも早くアポピスのいる方向に向かって空を疾走した。

 

 

 

 

 

カイロから約5分、護堂は黒い大蛇が大量の砂嵐が発生しているカルナック神殿に向かって這っているのを見た。

 

護堂はアポピスの前に姿を現し叫んだ。

 

「其処までだアポピス‼此処から先へは行かせない‼行くんだったら、この俺を殺してから行くことだ。」

 

「む⁈この気配、貴様が当代の神殺しか…この世界に顕現してすぐに我の大敵と決着をつけようと思っていたが、折角神殺しの方からの願いだ。戦ってやろうではないか‼」

 

「そうこなくっちゃまつろわぬ神じゃない‼」

 

護堂は戦闘態勢に入った。

 

「いくぞ神殺し‼」

 

アポピスは身体から黒い液体が護堂に向かって物凄い速さで流れていく。

 

(アレはアビュッソスの水⁈どんな効果があるかわからないが当たったら不味い‼)

 

護堂は空中に逃げたが黒い液体は追いかけてくる。

 

(まだ追いかけてくるのか…仕方ないが使わせて貰おうか。)

 

護堂は投函の術の応用でホテルに置いていたプロメテウス秘笈を呼び出し呪力を少し送りそれをアポピスに向ける。

 

「プロメテウス秘笈よ‼原始の水を簒奪せよ‼」

 

するとプロメテウス秘笈から青い焔が現れ、忽ちアポピスの身体からと辺りを飲み込もうとした原始の水を包み込み、数秒程燃えさかり、すぐに消えていく。

 

ー混沌。

 

その直後、プロメテウス秘笈の重さが増し、不意に黒い液体のイメージが護堂の脳裏に浮かんだ。

 

「おのれ神殺し‼我の混沌の力を簒奪するか‼許さんぞ⁈」

 

(混沌たる原始の水を飲むことで不死と混沌を手にしたアポピス…なら元の混沌を簒奪することで不死と混沌の力を無効にすれば後は神の力を持った蛇になる。)

 

「終わりだ、アポピス‼」

 

護堂は蛇殺しの鎌を手にした。

 

「おのれ‼不死と蛇殺しの鎌を使うか⁈」

 

護堂はアポピスに接近し鎌を振るい、首を刈った。

 

「見事だ、神殺しよ…汝に蛇との禍福の縁を。」

 

そう言い残したアポピスはこの世から去り、護堂は背中が重くなるのを感じた。

 

それに伴い石板よりアポピスから簒奪した混沌の力を感じなくなった。どうやらアポピスが消えたことで簒奪した力は残るが混沌の力は消えるようだ。

 

「さて…第二ラウンド、行きますか。」

 

そう言って護堂は黒い帽子を被り空を飛びカルナック神殿に向かった。

 

 




今回の戦闘は短かったと思いますが、次回は長くなると思います。

今回の戦闘ではヘルメス以外の権能を使いませんでしたが、セトとの戦闘では新しい権能を使うかもしれませんので楽しみにして下さい。

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