【試作】インフィニット・ストラトス二次SS (茶狂い眼鏡)
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【試作】インフィニット・ストラトス二次SS

IS学園に入学して一日目の授業時間、三時間目。前世の記憶を持つという事以外は凡庸な日本人である自分、佐藤太郎(さとう たろう)は両手で顔を覆い、溜め息を吐いた。

 

 

 

どうしてこうなった

 

 

 

時を遡る事、数週間前。

 

織斑 一夏という同世代の男子が何の因果か、IS適性を持つ事が発覚して、数日後に全国の男性へIS適性検査を強制的任意的に受けさせる事となり、その結果その織斑少年と同世代の少年である俺にもIS適性がある事が発覚し、研究所で非合法的な実験のモルモットとなるか、周りが織斑少年以外異性しかいないIS学園にて合法的な実験のモルモットになるかの二択をマト○ックスのエージェントみたいなスーツ姿の兄さんから突きつけられた。

 

そこまでは良い。いや、思わずファックと叫ぶくらいには理不尽な選択肢に納得はいかないが、まだ理解が及ぶ範疇だ。

まあ、 君は選ばれた人間だとか、特別な素質がある!とか今時少年漫画でも使わないような痛々しい虚言を使って来ずに事実を確り伝えてくれただけ幾分かマシだとは思う。

 

当然ながら我が身の可愛さに後者を選んだ俺は多分、間違っていない。

現状、IS適性が発覚したのが織斑某と俺しか確認されていない以上、逃げ道なんて無いし。

ぶっちゃけ日本政府が家族を人質に取らずとも日本人の一般ピープル風情、百歩譲ってこの交渉しに来た兄さんの属する国の組織から逃れた所で次はもっとやべー連中に捕まって問答無用で非合法的な実験に使われるオチが見えているからな!!

 

それにあたって、受けた入試の模擬戦では一分程度で大破し、半殺しにされたがそもそも普通の中学時代、部活でちょっと陸上競技を嗜んでいただけのアマチュアに戦闘技能など期待する方が可笑しいだろ、しかも試験官は(くだん)の織斑君の実姉、世界最強(ブリュンヒルデ)だったのだ。

まあ、本人から発せられる尋常じゃないプレッシャーに、死に物狂いで足掻いたとはいえ一分でも生き延びれた辺り、かなり手加減してくれていたのであろう。

終了時に「…滑り出しとしては、まあまあといった所か。」と評価されたし、ある程度動かし方が解っただけ御の字だろう。

 

 

で、まあなんやかんやと入学手続きやら両親と連絡を取るために監視役の兄さんに泣き落とししたり、クソ分厚いIS学園の参考書の内容を少しでも頭に刻もうと苦戦しながら一年一組の教室にて学園生活を始める事になった。

 

おかげで初日の授業内容は全てとは言えないが、幾らか理解し、覚える事も出来たので予習復習を欠かさなければなんとか追い付ける位の所まではキープ出来たのだ。

 

休み時間に同じ境遇の織斑ともコミュニケーションを取ろうとしたのだが、残念ながら彼方はあちらで旧知の仲らしいポニーテールの目付きがキツめの女子、確か篠ノ之 箒だったかーと、お話していたり、イギリスの代表候補生だと声高に名乗る、第一印象が悪役令嬢っぽいセシリア・オルコットに絡まれたりと、前者はともかく後者は地雷原の上でタップダンスを踊るような鬼気迫る状況だったので逃げ…否、空気を読んで自重した。

 

織斑君が助けを求めるような眼差しがチクリと来たので、後で詫びを入れよう。

確かアイツ、前の授業の時間に参考書を間違って捨てたとか言ってたし、ついでにこれから一週間位の間に習うであろう部分をコピーして渡してあげよう、うん。

 

そんなこんなで忙しくも織斑と比べれば割と平和な時が過ぎ、今に至る。

 

 


 

 

三時間目の授業は副担任の山田 真耶ではなく、織斑 千冬が担当として教壇に立っていた。

 

「さて、この時間は実践で使用するISの各種装備の特性について説明する。が、その前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めなければならないな。」

 

彼女の発言に太郎と一夏は頭に疑問符を浮かべる。

一夏は何が何やら訳が分からない表情で、太郎はその言葉から“そんな行事もあるのか”と、概ね察しつつも、それは“放課後のSHRとかでやればいいんじゃないか?”と、怪訝な表情で。

しかし太郎は、朝のSHRで一夏の頭にたんこぶを生み出したあの端末の鉄槌を喰らいたくないので沈黙を選ぶ。

 

そんな男二人の様子を知ってか知らずか、彼女は話を続ける。

 

「クラス代表とはそのままの意味で、近々クラス間で行われる対抗戦の試合だけではなく、生徒会の開く会議や委員会への出席を義務付けられる…クラス長だな。

まあ、対抗戦といってもその目的は入学時点での各クラスの実力推移を測るモノだ。…とは言え、現時点では誰と誰が戦おうとひよっこ同士のつつき合いの域は出んが、競争は諸君等のモチベーション向上に繋がる。

それとクラス代表は一度決定すると一年間、変更はしないからそのつもりで。」

 

その言葉に周囲は色めき立ち、一夏はその説明が理解出来ていない為、ぼんやりとしているが太郎は少し思案顔であった。

 

-早い段階でISに乗って試合を経験出来るのは魅力的だし、確か生徒会って、学内の噂通りだとその会長は国家代表で学園最強なんだったか…。コネも後ろ楯も無い身としては知り合いになりたい所だけどな…。織斑先生はああは言っていたけど生徒側の心情としてはやるからには勝ちたいだろうし…そもそもただでさえアリーナや練習の為の機体を貸し出せる枠が殆ど埋まっていると聞くし、そうなるとズブズブのド素人の俺や織斑は、ただでさえ僅かにしか無い練習時間を他の用事で埋めてしまうというのもなぁ-。

 

結論、太郎はまだ目先の事で手一杯な自分には荷が重過ぎると判断して諦めた。

 

そんな風に考えている内にクラスの女子達が織斑 一夏を推し始める。

 

「はいっ!織斑君を推薦します!!」

 

「私もそれが良いと思います!!」

 

現状、他に自薦他薦が無いため、クラス代表決定は織斑 一夏の独走である。

その為、織斑 千冬も ふむ、と頷きながらクラスを見渡す。

 

「では候補者は織斑 一夏となるが…他にいないか?自薦他薦は問わないぞ。」

 

「お、俺!?」

 

太郎は悩む、自分はクラス代表になどなりたくは無いが果たしてこのままなし崩し的に決めて良いものか━━と。

ここまでクラスが満場一致となれば、もう本人の意思でどうこうするのは難しいが、そもそも勝手に決められて仕事を押し付けられた人間に高いモチベーションは期待出来ないだろう。

 

一応、その上で他の人間にも再度訊ねたのは織斑教諭の不器用な姉なりの配慮かもしれないが、と、太郎は凄まじい形相で怒りに身を震わせているイギリス代表候補生を視界に入れないようにしながら思案する。

 

ーそれを差し引いても今の俺と織斑、異国に引きずり出された数少ない同郷みたいな状態だしな、この辺りでなんとか助け船を出したい所だがー。

 

実際、ここ数時間の観察で太郎が一夏に抱いた印象は“抜けている所はあるが精神的にタフで人の良い好青年”だ。

周囲の女子達も悪い人間ではないのだが、やはり自分達が場違いな異物だと感じてしまうため、質問攻めに受け答えするなど軽いやり取りは出来るが、どこかで気が引いて距離感を掴みかねる。

 

こればかりは前世、成人して会社で働いた経験のある彼をしても厳しいモノだった。

 

ーハーレムとは創作物であるのを観ているだけだから楽しいのであって、現実で体験出来た所で頭痛と胃痛の種にしかならない。そもそも元ネタが後宮という不穏極まりない代物だからなぁー。

 

閑話休題。彼が脱線した思考を戻した時、織斑教諭と一夏はクラス代表の決定についてなにやら揉めていたが、その一連のやり取りに異を唱える者が現れた。

そしてその者の顔を見た瞬間、太郎は思わず げっ、と自分の目の前で地雷が起爆する瞬間を目の当たりにする目に遭う不幸を理解してげんなりした。

 

「お待ちください!納得がいきませんわ!!」

 

セシリア・オルコット(癇癪持ち)である。

 

まあ、この年齢層は丁度思春期真っ只中であり、その多感な時期に異国の学校に通うのだから、彼女だけが特別情緒不安定という訳ではないのだろうが、国家代表候補生とか大層なポストに就かせるならせめてその辺りの情操教育やメンタルケアは確りやっておけよイギリスのIS関係者、と太郎は内心嘆く。

 

IS業界の人材育成の杜撰さを垣間見た瞬間であった。

 

 




うーん、書いてはみましたが、ハーメルン自体、フォント等各種機能が豊富でまだまだ慣熟には時間がかかりそうですね(笑)。
一応、ラノベを参考にしつつちょっと皮肉を混ぜながらも淡々と書いたつもりですが、そもそもこの書き方がありなのかもいまいちわからない…。
なるべく規約とかに反しないよう、意識はしてるのですが、もしアウトな部分がありましたら皆様どうかご指導、ご鞭撻の程、宜しくお願い致します。


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