真目譜理子とサーカス世界 (tres)
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1.「Welcome to」

「………ん」

 

===やあ、お目覚めかい?

 

「…?」

 

===その様子だとボクの声が聞こえるようだね。

 

「…」

 

(あれ…?わたしは…)

 

===フフフ、まだ意識が曖昧かい?無理もない、今キミの視界は真っ暗だからね。目覚ましの明かりを点けてあげよう。

 

「!…ここどこ?」

 

===殺風景な空間で申し訳ない。ここはテントの中さ。

 

「テント…?」

 

===そうだよ。キョロキョロ見回しても何もないでしょ?あるのはキミが今見てる前方奥のカーテンくらいだね。左右後ろは見ての通りただの壁だから。

 

「…」

 

===気になるかい?カーテンの隙間から中を覗いてごらん。

 

「…!?」

 

===驚いた?その先は舞台なんだ。パフォーマーたちによるショーがここで繰り広げられているのさ。お客さんもどんどん増えているんだよ。

 

「舞台…!」

 

===さしずめここは舞台裏ってところかな。備品も何も無い灰色の箱だけどね。

 

「わあ…!」

 

===フフフ、キミはこういうの好きなんだね?

 

「うん。サーカス、好き…」

 

===それは嬉しいね。でもキミは今お客さんじゃないから、そろそろ閉めようか。本題にも入りたいし。

 

「あ…」

 

(閉まっちゃった…)

 

===では改めまして。ようこそ、手品師のテントへ。キミのご来場を歓迎するよ。

 

「…夢?」

 

===フフフ、今更だね。夢だと思うなら夢なんじゃないかな。

 

「…そう思うことにする」

 

(なんか、現実感が無いし…)

 

===そうだね、目覚めるまではキミもこの世界の住人だ。

 

「あなたは、誰…?どこにいるの…?」

 

===ボクは案内人、ここのガイドさ。ワケあって姿は闇の中なんだ。でもボクからはキミの姿がちゃんと映ってるからね、安心していいよ。

 

「そうなんだ…」

 

===キミの名前が知りたいな。

 

「わたしは、真目(しんめ)譜理子(ふりこ)」

 

===譜理子ちゃんか。素晴らしい名前だね。フフフ、これは運命かもしれないね。

 

「運命…?」

 

===こちらの話さ。さて、譜理子ちゃん。今からルール説明をするよ。1度しか言わないからよく聞いてね。

 

「えっ…?」

 

===キミは今、キミの居た世界とは別の世界、仮にサーカス世界としよう。その世界に居るんだ。

 

「サーカス世界…?」

 

===ここから脱出する方法はひとつ。手品師を倒すこと。

 

「手品師…?」

 

===以上、ルール説明終わり。質問があるなら受け付けよう。

 

「ちょ、何が何だか…手品師って誰?倒すってどうやって?サーカス世界って何…?」

 

===質問が多いね。時には自分の力で答えを探すことも大事だよ?譜理子ちゃん。

 

(質問に受け付けるだけで答えないじゃん…)

 

「…わかった、探してみる」

 

===フフフ、素直な子は好きだよ。ほら、そんな譜理子ちゃんの元に早速手がかりが降ってきた。

 

「!…これは」

 

===その床にある物、譜理子ちゃんは知っているかい?

 

「うん…デュエルディスクだよね」

 

===その通り。装着してみる?

 

「してみる…えっと、こうかな?」

 

===サイズはピッタリだね。似合っているよ。

 

(でも何でデュエルディスク?…あれ?これってカード?)

 

===デュエルディスクの丸まった部分にカードが張り付いてるね。十字を描くように前後左右、裏向きで4枚。

 

「うん…」

 

(模様かと思った…)

 

===剥がしてみる?ペリペリって。

 

「剥がれるかな…あ」

 

===何のカードかな?

 

「これって…」

 

===真ん中に赤いクローバーのような模様が描かれてるね、三つ葉の。それ以外は白い背景だ。

 

「うん…何なんだろう?」

 

(どこかで見たことあるような…)

 

===気を付けて。何かが起こるかも。

 

「えっ…?」

 

 

 

 

 

「じゃーん!オレ参上!」

 

(!?…な、何が起こったの…!?)

 

===これはびっくりだね。カードが光ったと思った途端、人に化けたよ。

 

「お?オマエが対戦相手だな?よし!じゃあ早速デュエルだ!」

 

「ちょ、ちょっと待って…!あなたは誰…?それに今のは…」

 

「まあまあ細けーこたぁいいじゃねーか!ほら、ディスクを構えろよ」

 

「いやあの構える以前にデッキが…え?」

 

===セットされてるね。さっきまでは影も形も無かったけど。

 

(いつの間に…何で…?)

 

===デュエルの意思を示したいなら相手に向かって構えよう。

 

(もう、わかんないことだらけ…!とりあえず…)

 

「…こう?」

 

===そう。あ、キミは後攻みたいだね。

 

「よっしゃ!久々のデュエル、腕が鳴るぜ!」

 

(テンション高い…)

 

 

 

“DUELSTART”

 

 

 

===ほら、始まるよ。キミも5枚ドローしよう。

 

「あ、うん…」

 

(!…えっ、何このカード…?)

 

「先攻はオレだ!飛ばして行くぜ!」

 

「オレは《イグナイト・デリンジャー》と《イグナイト・ドラグノフ》をPゾーンに発動!」

 

《イグナイト・デリンジャー》

【Pスケール:青2/赤2】

(1):もう片方の自分のPゾーンに「イグナイト」カードが存在する場合に発動できる。

自分のPゾーンのカードを全て破壊し、

自分のデッキ・墓地から戦士族・炎属性モンスター1体を選んで手札に加える。

 

《イグナイト・ドラグノフ》

【Pスケール:青7/赤7】

(1):もう片方の自分のPゾーンに「イグナイト」カードが存在する場合に発動できる。

自分のPゾーンのカードを全て破壊し、

自分のデッキ・墓地から戦士族・炎属性モンスター1体を選んで手札に加える。

 

 

 

「!?カードの絵が…!」

 

===演出としては申し分ないでしょ?攻撃や召喚、効果発動の時とかもそれぞれモーションがあるんだよ。

 

(すごい…!アニメみたい…さすが夢)

 

「で、今発動した《イグナイト・デリンジャー》のP効果でPゾーンのカードを全て破壊し、《イグナイト・キャリバー》を手札に加える!」

 

「さらにオレは《イグナイト・マグナム》と《イグナイト・キャリバー》をPゾーンに発動!」

 

《イグナイト・マグナム》

【Pスケール:青7/赤7】

(1):もう片方の自分のPゾーンに「イグナイト」カードが存在する場合に発動できる。

自分のPゾーンのカードを全て破壊し、

自分のデッキ・墓地から戦士族・炎属性モンスター1体を選んで手札に加える。

 

《イグナイト・キャリバー》

【Pスケール:青2/赤2】

(1):もう片方の自分のPゾーンに「イグナイト」カードが存在する場合に発動できる。

自分のPゾーンのカードを全て破壊し、

自分のデッキ・墓地から戦士族・炎属性モンスター1体を選んで手札に加える。

 

 

 

「スケールはそれぞれ2と7!これでレベル3から6のモンスターがペンデュラム召喚可能だ!さあ行くぜ!」

 

 

 

「ペンデュラム召喚!!!」

 

 

 

「来い!《イグナイト・デリンジャー》!《イグナイト・ドラグノフ》!」

 

《イグナイト・デリンジャー》攻撃表示

ペンデュラム・通常モンスター

星5/炎属性/戦士族/攻2400/守1200

 

《イグナイト・ドラグノフ》攻撃表示

ペンデュラム・通常モンスター

星4/炎属性/戦士族/攻1700/守1300

 

 

 

===元気が良いね、相手の彼。

 

「うん…」

 

(ちょっとうるさい…)

 

===キミもあんな風に戦ってみようか。

 

「やだ。わたしには無理…」

 

(そういうキャラじゃないし…)

 

「先攻1ターン目は攻撃できねえ。オレはこれでターンエンドだ」

 

 

 

EX0 墓地0 除外0

相手 LP8000 手札2

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア   空   イ

◇ ウ ◇ エ ◇

ア=《イグナイト・キャリバー》スケール2

イ=《イグナイト・マグナム》スケール7

ウ=《イグナイト・デリンジャー》攻撃表示

エ=《イグナイト・ドラグノフ》攻撃表示

 

TURN1→2 相手→譜理子

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札5

EX0 墓地0 除外0

 

 

 

===さあ、キミのターンだよ。

 

「ドロー…」

 

 

 

「…」

 

===おや?動かないのかい?

 

「だってこんなカード知らない…わかんない」

 

===そう言いつつもテキストにはしっかり目を通すんだね。前のターンからもずっと。

 

「知らないから知りたいし…やるからには勝ちたい」

 

===キミのそういうところ、好きだよ。

 

「おーい!いつまで考えてんだー!?」

 

===あら、待たせちゃってるね。一応言っておくと制限時間があるから気を付けてね。

 

「ごめんなさい、今動きます。スタンバイ、メイン」

 

 

 

 

 

「《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》をPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》

【Pスケール:青5/赤5】

(1):

 

 

 

「えっと、続けて《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》をPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》

【Pスケール:青3/赤3】

(1):

 

 

 

「スケールは3と5か。オマエもペンデュラム召喚、来るか!?」

 

(なんかちょっとわくわくされてる…?)

 

「…その前にO(オブジェクト)・メイカーのP効果発動。1ターンに1度、このカードを発動したターンの自分メインフェイズに、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」

 

「《シンメトリアル=Oトークン》(サイキック族・光・星4・攻1200/守1200)1体を特殊召喚する」

 

《シンメトリアル=Oトークン》攻撃表示

星4/光属性/サイキック族/攻1200/守1200

 

 

 

「そしてW(ホイール)・ローラーのP効果発動。1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」

 

「自分の「シンメトリアル」モンスター1体と相手の表側表示モンスター1体を選択し、選択したモンスターのコントロールを入れ替える」

 

「何っ!?」

 

「わたしが選択するのはOトークンと《イグナイト・デリンジャー》」

 

「クソっ!デリンジャーが!」

 

(わっ!カードがワープした…!?どういう仕組みなんだろう…)

 

===いい動きだね。キミは飲み込みが早いみたいだ。

 

「あなたは知ってるの…?」

 

===フフフ、例え知ってたとしても展開は変わらないよ。ボクは案内人だからね。基本的には見物するのみさ。

 

「そう…」

 

(デュエルには中立ってことかな…?)

 

===キミがキミらしく戦うこと、ボクもそれを望んでるよ。

 

「うん…じゃあ」

 

 

 

「ペンデュラム召喚…!」

 

 

 

「《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》…!」

 

《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/獣戦士族/攻1600/守1600

【モンスター効果】

(1):

 

 

 

===今の感情こもってたね、少し。

 

「…気のせい」

 

「おお!ペンデュラム召喚したか!さあどう来る!?」

 

(あの人のテンションに若干つられた感が…まあ、夢だしいいか)

 

「さらにわたしはT(テーブル)・キーパーをリリースして」

 

 

 

「《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》をアドバンス召喚」

 

《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》

ペンデュラム・効果モンスター

星6/光属性/幻竜族/攻 0/守 0

【モンスター効果】

このカード名の(2)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

(2):

 

 

 

(あ、T(テーブル)・キーパーが端っこに…反対側のそのスペースはEXデッキだったんだ。ってことは元々EXは0、メインだけのデッキか…)

 

「攻撃力0のモンスターをアドバンス召喚だあ?」

 

「X(ホリゾンタル)・ライナーのモンスター効果発動。1ターンに1度、両方の自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる」

 

 

 

「自分のPゾーンのカード1枚を破壊し、デッキから「シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー」1体を自分のPゾーンに置く。破壊するのはO(オブジェクト)・メイカー」

 

《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》

【Pスケール:青1/赤1】

このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

(2):

 

 

 

(わ…!デッキから自動でPゾーンに飛び出してきた…!それにシャッフルも自動…すごい、便利)

 

「Pゾーンの張り替えか!だがオマエはこのターンもうペンデュラム召喚はできねえぞ!」

 

「わかってる。Y(ヴァーティカル)・ライナーのP効果。もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する限り、相手モンスターの攻撃力と守備力はフィールドの「シンメトリアル」カードの枚数×200ダウンする」

 

「げっ…!?」

 

「フィールドの「シンメトリアル」カードはW(ホイール)・ローラー、Y(ヴァーティカル)・ライナー、X(ホリゾンタル)・ライナー、そしてOトークンの4枚」

 

「よって攻撃力と守備力は800ダウン」

 

《イグナイト・ドラグノフ》攻撃力1700→900 守備力1300→500

《シンメトリアル=Oトークン》攻撃力1200→400 守備力1200→400

 

 

 

「バトル、デリンジャーでOトークンに攻撃」

 

「ぐっ!こんくらいのダメージ何ともねえ!」

 

相手LP8000-2000=6000

 

《イグナイト・ドラグノフ》攻撃力900→1100 守備力500→700

 

 

 

(わあ、戦闘もアニメみたい…!迫力たっぷり…)

 

「メイン2、カードを1枚セット」

 

「ターンエンド」

 

 

 

EX0 墓地0 除外0

相手 LP6000 手札2

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア   空   イ

◇ ◇ ◇ エ ◇

ア=《イグナイト・キャリバー》スケール2

イ=《イグナイト・マグナム》スケール7

エ=《イグナイト・ドラグノフ》攻撃表示

 

TURN2→3 譜理子→相手

 

あ=《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》攻撃表示

い=《イグナイト・デリンジャー》攻撃表示

う=《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》スケール5

え=《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》スケール1

◇ あ い ◇ ◇

う   空   え

◇ ◇ 裏 ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札1

EX2 墓地0 除外0



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2.「Ignition」

===攻撃力1600のT(テーブル)・キーパーじゃなくて攻撃力0のX(ホリゾンタル)・ライナーなんだね。

 

「うん。T(テーブル)・キーパーとデリンジャーで攻撃すればドラグノフも倒せたけど…」

 

===どうしてそうしなかったんだい?

 

「その2体で攻撃した場合、与えられる合計ダメージは1100と少ないし…それにドラグノフは倒しても次のターンペンデュラム召喚で戻ってくるから」

 

===ふんふん、でもT(テーブル)・キーパーをリリースしてまでX(ホリゾンタル)・ライナーを召喚する理由が無いよね?キミはデッキを見てないからY(ヴァーティカル)・ライナーのP効果を知らなかったわけだしさ。

 

「見てなかったけど、だいたいわかってた。X(ホリゾンタル)・ライナーってカード名とその効果から、たぶんそうじゃないかなって」

 

===へえ、キミの推理を聞かせて欲しいな。

 

「ホリゾンタルは水平、ヴァーティカルは垂直って意味の英単語。カード名を見てすぐにそれらはX軸とY軸を意味してるってわかった」

 

「ってことはこの2枚の関係は正反対か、もしくは全く同じ。それはレベルやステータスはもちろんのこと、効果もそうなってると予想した。種族とPスケールはあまり自信が無かったけど…」

 

「X(ホリゾンタル)・ライナーのP効果はフィールドの「シンメトリアル」カードの枚数×200、自分のモンスターの攻守アップだから…」

 

「それと同じ効果か、もしくは相手モンスターの攻守ダウン。カウントするカードと倍率は同じ」

 

===なるほどね。でもさ、いくらX軸とY軸の関係だとしても一字一句違わず完全にその予想した効果だとは限らないんじゃない?

 

「うん、完全にその効果っていう保障はもちろん無かったけど…でもそんな関係だったら面白いかなって。反対だとしても結果的に生じる差は同じで自分が上がるか相手が下がるかの違いだけ、ってね」

 

===フフフ、確かに面白いね。キミは中々豊かな想像力をお持ちのようだ。

 

「ドロー!オレは《イグナイト・キャリバー》のP効果を発動!」

 

===おっと、相手のターンだったね。キミの邪魔にならないように一旦失礼するよ。

 

「キャリバーとマグナムを破壊して《イグナイト・マスケット》を手札に加える!」

 

「さらに《召喚師のスキル》発動!デッキから《イグナイト・ウージー》を手札に加える!」

 

《召喚師のスキル》

通常魔法

(1):デッキからレベル5以上の通常モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

「そして手札に加えたマスケット、ウージーをPゾーンに発動!行くぞ!」

 

《イグナイト・マスケット》

【Pスケール:青2/赤2】

(1):もう片方の自分のPゾーンに「イグナイト」カードが存在する場合に発動できる。

自分のPゾーンのカードを全て破壊し、

自分のデッキ・墓地から戦士族・炎属性モンスター1体を選んで手札に加える。

 

《イグナイト・ウージー》

【Pスケール:青7/赤7】

(1):もう片方の自分のPゾーンに「イグナイト」カードが存在する場合に発動できる。

自分のPゾーンのカードを全て破壊し、

自分のデッキ・墓地から戦士族・炎属性モンスター1体を選んで手札に加える。

 

 

 

「ペンデュラム召喚!!!」

 

 

 

「来い!キャリバー!マグナム!」

 

《イグナイト・キャリバー》攻撃表示

ペンデュラム・通常モンスター

星6/炎属性/戦士族/攻2100/守2200

 

《イグナイト・マグナム》攻撃表示

ペンデュラム・通常モンスター

星3/炎属性/戦士族/攻 0/守2000

 

 

 

(ペンデュラム召喚…これでフィールドにはイグナイトモンスターが3体。確かイグナイトにはコストが3体の…)

 

「罠発動、《ペンデュラム・スイープ》。フィールドのPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。対象はキャリバー」

 

《ペンデュラム・スイープ》

通常罠

(1):フィールドのPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。

 

 

 

「させねえ!それにチェーンして速攻魔法《イグナイト・ユナイト》発動!」

 

《イグナイト・ユナイト》

速攻魔法

「イグナイト・ユナイト」は1ターンに1枚しか発動できない。

(1):自分フィールドの「イグナイト」カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊し、デッキから「イグナイト」モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

 

「!…」

 

「キャリバーを破壊しデッキから《イグナイト・アヴェンジャー》を特殊召喚!」

 

《イグナイト・アヴェンジャー》攻撃表示

効果モンスター

星7/炎属性/戦士族/攻2600/守1800

(1):自分フィールドの「イグナイト」カード3枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊し、このカードを手札から特殊召喚する。

(2):1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドの

「イグナイト」モンスター1体を対象として発動できる。

そのカードを持ち主の手札に戻し、

相手フィールドの魔法・罠カード1枚を選んで持ち主のデッキの一番下に戻す。

 

 

 

(しまった、そっちがあったんだ…)

 

「アヴェンジャーの効果発動!マグナムを手札に戻してY(ヴァーティカル)・ライナーをデッキの一番下に戻すぜ!これで攻守が元通りだ!」

 

《イグナイト・アヴェンジャー》攻撃力2000→2600 守備力1200→1800

《イグナイト・ドラグノフ》攻撃力1100→1700 守備力700→1300

 

 

 

「う…」

 

「さあて、ダメージをお返しする番だ!バトル!」

 

「まずはアヴェンジャーで奪われたデリンジャーに攻撃だ!」

 

「っ…」譜理子LP8000-200=7800

 

「次はドラグノフで攻撃力0の棒立ちモンスター、X(ホリゾンタル)・ライナーに攻撃!」

 

 

 

「…」

 

「なっ…!LPが減ってねえ!」

 

「…X(ホリゾンタル)・ライナーのもうひとつのモンスター効果、元々の攻守が同じ数値の自分の光属性Pモンスターの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる」

 

「X(ホリゾンタル)・ライナー自身も光属性で攻守が0。よって戦闘ダメージは受けない」

 

「ダメージ受けない効果も持ってたのか!中々に厄介な奴だな!」

 

(その効果が無かったら流石に召喚しなかった、かも…)

 

「しゃーねえ、オレはこれでターンエンドだ!」

 

 

 

EX2 墓地2 除外0

相手 LP6000 手札2

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア   空   イ

◇ ウ ◇ エ ◇

ア=《イグナイト・マスケット》スケール2

イ=《イグナイト・ウージー》スケール7

ウ=《イグナイト・アヴェンジャー》攻撃表示

エ=《イグナイト・ドラグノフ》攻撃表示

 

TURN3→4 相手→譜理子

 

あ=《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》スケール5

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

あ   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP7800 手札1

EX3 墓地1 除外0

 

 

 

(ちょっとまずい…何か、良いの)

 

「ドロー」

 

(…引けた、いけそう)

 

「スタンバイ、メイン」

 

 

 

「《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》をPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》

【Pスケール:青3/赤3】

(1):

 

 

 

「ペンデュラム召喚…!」

 

 

 

「T(テーブル)・キーパー、O(オブジェクト)・メイカー…!」

 

《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/獣戦士族/攻1600/守1600

 

《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/サイキック族/攻1200/守1200

【モンスター効果】

(1):

 

 

 

(おお、EXデッキから飛び出してきた…!)

 

===デッキに戻されてもすぐ張り直してペンデュラム召喚、やるね。

 

「運が良かっただけ…」

 

===フフフ、その運の良さというのもキミの強みかもね。

 

(そうかな…?)

 

「いいねえ!まだまだ楽しめそうだ!ペンデュラム召喚でモンスターを呼び出して、さあどう出る!?」

 

「まずは…」

 

 

 

「W(ホイール)・ローラーのP効果発動。O(オブジェクト)・メイカーとアヴェンジャーのコントロールを入れ替える」

 

「げっ…!そいつがいたのをすっかり忘れてたぜ…!」

 

(V(ヴォイド)・テレポーターのP効果は今使っても一緒だけど…せっかくだし)

 

「V(ヴォイド)・テレポーターのP効果発動。1ターンに1度、このカードを発動したターンの自分メインフェイズに、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」

 

「自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体を選択し、選択したモンスターはこのターン自分のLPが相手より少ない場合、相手に直接攻撃できる。わたしはT(テーブル)・キーパーを選択」

 

「…ん?おいおい、オマエの方がLP上回ってんだからその効果意味ねえんじゃねえか?」

 

「うん、でも発動して損のない効果だし…それに発動できる効果があるのにしなかったら、なんだかもったいない気がして」

 

「ふーん。よくわかんねえけど使える効果は全部使ってやろう、って気持ちは伝わってきたぜ!」

 

「そんな感じかも…バトル」

 

「アヴェンジャーでドラグノフに攻撃」

 

「へっ…!」相手LP6000-900=5100

 

「T(テーブル)・キーパーでO(オブジェクト)・メイカーに攻撃」

 

「まだまだこれからだ…!」相手LP5100-400=4700

 

「破壊されたO(オブジェクト)・メイカーのモンスター効果発動。モンスターゾーンのこのカードがリリースまたは破壊された場合に発動できる、デッキからPモンスター1体を選んで墓地へ送る」

 

「わたしは…」

 

(あ、候補先が表示されてる…!効果も読める…便利。でも4枚だけ…?)

 

(どれにしようかな…状況から考えて、えっと…これがいいかな?)

 

(…うん、あまり待たせちゃだめだし、これで)

 

「《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》を墓地へ送る」

 

「これでわたしはターンエンド」

 

 

 

EX3 墓地2 除外0

相手 LP4700 手札2

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア   空   イ

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア=《イグナイト・マスケット》スケール2

イ=《イグナイト・ウージー》スケール7

 

TURN4→5 譜理子→相手

 

う=《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》攻撃表示

え=《イグナイト・アヴェンジャー》攻撃表示

あ=《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》スケール5

い=《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》スケール3

◇ う ◇ え ◇

あ   空   い

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP7800 手札1

EX2 墓地2 除外0

 

 

 

「オレのターン!ドロー!」

 

「おっしゃあ!来たぜ!!オレはフィールド魔法《イグニッションP》を発動!」

 

《イグニッションP》

フィールド魔法

(1):フィールドの「イグナイト」モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。

(2):1ターンに1度、自分フィールドの「イグナイト」カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊し、デッキから「イグナイト」カード1枚を手札に加える。

 

 

 

「そして《イグニッションP》の効果発動!ウージーを破壊して《イグナイト・ライオット》を手札に加える!」

 

「続けて手札に加えたライオットをPゾーンに発動し、P効果を発動!ライオット、マスケットを破壊し《イグナイト・イーグル》を手札に加える!」」

 

《イグナイト・ライオット》

【Pスケール:青7/赤7】

(1):もう片方の自分のPゾーンに「イグナイト」カードが存在する場合に発動できる。

自分のPゾーンのカードを全て破壊し、

自分のデッキ・墓地から戦士族・炎属性モンスター1体を選んで手札に加える。

 

 

 

「さあ、覚悟は出来てるな!?オレはイーグル、マグナムをPゾーンに発動!行くぞ!」

 

《イグナイト・イーグル》

【Pスケール:青2/赤2】

(1):もう片方の自分のPゾーンに「イグナイト」カードが存在する場合に発動できる。

自分のPゾーンのカードを全て破壊し、

自分のデッキ・墓地から戦士族・炎属性モンスター1体を選んで手札に加える。

 

《イグナイト・マグナム》

【Pスケール:青7/赤7】

 

 

 

「ペンデュラム召喚!!!」

 

 

 

「集まれ!オレのイグナイトたち!!」

 

「マスケット!ドラグノフ!デリンジャー!ライオット!キャリバー!」

 

《イグナイト・マスケット》攻撃表示

ペンデュラム・通常モンスター

星4/炎属性/戦士族/攻1400/守1900

 

《イグナイト・ドラグノフ》攻撃表示

ペンデュラム・通常モンスター

星4/炎属性/戦士族/攻1700/守1300

 

《イグナイト・デリンジャー》攻撃表示

ペンデュラム・通常モンスター

星5/炎属性/戦士族/攻2400/守1200

 

《イグナイト・ライオット》攻撃表示

ペンデュラム・通常モンスター

星5/炎属性/戦士族/攻1500/守2500

 

《イグナイト・キャリバー》攻撃表示

ペンデュラム・通常モンスター

星6/炎属性/戦士族/攻2100/守2200

 

 

 

===わお。一気に5体も並んだね。

 

「うん…でもアヴェンジャーの方が攻撃力が高い」

 

===なのに全員攻撃表示だ。

 

「そうね…」

 

(問題は次の行動…)

 

「さらに《イグニッションP》の効果でイグナイトたちの攻守は全員300アップだ!ついでにオマエのフィールドにいるアヴェンジャーも!」

 

《イグナイト・ライオット》攻撃力1500→1800 守備力2500→2800

《イグナイト・ドラグノフ》攻撃力1700→2000 守備力1300→1600

《イグナイト・マスケット》攻撃力1400→1700 守備力1900→2200

《イグナイト・デリンジャー》攻撃力2400→2700 守備力1200→1500

《イグナイト・キャリバー》攻撃力2100→2400 守備力2200→2500

《イグナイト・アヴェンジャー》攻撃力2600→2900 守備力1800→2100

 

 

 

「これで舞台は整った!フィールド魔法が存在する場合に炎属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる!」

 

「!…」

 

(初めて聞く召喚条件…そんなモンスターいたっけ…?)

 

「オレはマスケットをリリースして特殊召喚!現れろ!!」

 

 

 

 

 

「《イグニッションP(パフォーマー)・クラブ》!!!」

 

「!?」

 

(初めて見るカード…!だけど、見覚えがあるような…あ)

 

(確か舞台にこのモンスターとそっくりなパフォーマーがいたっけ…)

 

「どうだ!これがオレの切り札、P(パフォーマー)・クラブだ!!」

 

「P(パフォーマー)・クラブ…」

 

(あの舞台のパフォーマーと何か関係があるのかな…?っと、それよりカードの詳細は…)

 

 

 

《イグニッションP(パフォーマー)・クラブ》攻撃表示

効果モンスター

星8/炎属性/戦士族/攻3000/守3000

 

 

 

(攻撃力3000…!?イグナイトじゃないから300アップはしないけど、それでもアヴェンジャーより高い…!効果の方は…)

 

 

 

 

 

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合に炎属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分のEXデッキの表側表示の炎属性Pモンスター1体を選択して自分のPゾーンに置く。

●Pゾーンのカード1枚を選択して破壊する。

(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

(4):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

(5):1ターンに1度、モンスターゾーンに存在するこのカードが相手の効果によってフィールドを離れる場合、代わりに自分のEXデッキの表側表示の炎属性Pモンスター1体を除外できる。この効果は相手ターンでも発動できる。

(6):このカードが破壊され墓地へ送られたターン終了時に発動できる。自分のEXデッキの表側表示の炎属性Pモンスター1体を除外することで、墓地のこのカードを特殊召喚する。

 

 

 

(!…強い、あの召喚条件でこのステータスに効果が6つ…!?)

 

「P(パフォーマー)・クラブの効果発動!この方法で特殊召喚に成功した時、効果を1つ選択して発動できる!オレはPゾーンのカード1枚を破壊する効果を選択!」

 

「破壊するのは当然W(ホイール)・ローラーだ!」

 

「う…」

 

「バトル!P(パフォーマー)・クラブでアヴェンジャーに攻撃!」

 

譜理子LP7800-100=7700

 

「デリンジャーでT(テーブル)・キーパーに攻撃!」

 

譜理子LP7700-1100=6600

 

「これでガラ空きだな!行け!!ライオット!ドラグノフ!キャリバー!ダイレクトアタックだ!!」

 

譜理子LP6600-1800=4800

 

譜理子LP4800-2000=2800

 

譜理子LP2800-2400=400

 

 

 

「さあ一気に追い詰めたぞ!オレはこれでターンエンド!」

 

 

 

EX2 墓地3 除外0

相手 LP4700 手札0

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア   場   イ

ウ エ オ カ キ

ア=《イグナイト・イーグル》スケール2

イ=《イグナイト・マグナム》スケール7

場=《イグニッションP》

ウ=《イグナイト・ライオット》攻撃表示

エ=《イグナイト・ドラグノフ》攻撃表示

オ=《イグニッションP(パフォーマー)・クラブ》攻撃表示

カ=《イグナイト・デリンジャー》攻撃表示

キ=《イグナイト・キャリバー》攻撃表示

 

TURN5→6 相手→譜理子

 

い=《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》スケール3

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   い

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP400 手札1

EX4 墓地2 除外0



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3.「Connect」

「…」

 

===ギリギリ生き残ったね。

 

「うん…」

 

===反応が薄いね。これだけダメージ受けたんだし、アニメみたいに派手なリアクションしないと。

 

「だから、わたしには無理…」

 

(そもそもそういうキャラじゃないし…それより)

 

(この状況を逆転できるカード、デッキにあるかな…?あっても引けるかどうか…)

 

「ドロー…」

 

(あ…やっぱりだめか)

 

===その様子だと引けなかったみたいだね。

 

「うん…」

 

(夢とはいえ、悔しい…)

 

「…モンスターをセッーーー」

 

 

 

 

 

~~~…って!

 

 

 

「えっ…?」

 

===どうしたの?

 

「何か声が聞こえたような…」

 

(気のせい…?)

 

 

 

~~~…返事して!

 

「!…」

 

(気のせいじゃない…確かに聞こえた)

 

 

 

~~~聞こえるなら返事して!お願い!

 

「聞こえる…あなたは誰?」

 

(姿が見えない…案内人さんと同じタイプ…?)

 

===誰かを探しているのかい?

 

「うん…」

 

~~~アタシはアイリス!ひとまず動きを止めてアタシの話を聞いて!

 

「アイリス…わかった、聞かせて」

 

~~~デュエルに負けちゃだめ!ここから出られなくなる!

 

「!…」

 

~~~この世界は夢じゃないの!紛れもなく現実!アナタは連れて来られてしまったの!

 

「連れて、来られた…?」

 

~~~ここは手品師が作り出した世界で、アナタのいた世界とは完全に別のところなの!

 

「別の世界…?」

 

(手品師、って案内人さんが言ってた…)

 

~~~ここに連れて来られた人間はね、1度でもデュエルに負けると2度と元の世界に戻れなくなっちゃうのよ!

 

「…えっ、嘘…?」

 

~~~嘘じゃないわ本当よ!そこの舞台見たでしょ!?あそこにいる観客全員がこれまでに連れて来られた人たちなの!

 

「!?」

 

~~~あの人たちは元の世界に戻れないまま永遠にここの観客として捕らわれてるの!今デュエルで負けるとアナタもそうなっちゃう!

 

「そ、そんな…!」

 

(嘘、やだ…!夢なら覚めて!)

 

~~~でも勝てば大丈夫!そして手品師を倒せば必ず元の世界に戻れるわ!アタシはアナタにそうなって欲しくないの!

 

「うう…」

 

(そう言われてもこの手札じゃ…)

 

 

 

~~~だからこの状況を逆転できる力をアナタにあげる!

 

「…えっ?」

 

(逆転できる力…?)

 

~~~その力を受け取るためにアタシと繋がって!

 

「繋がる、ってどうやって…?」

 

~~~目を閉じて今からアタシの言う言葉を繰り返して!

 

「う、うん…!」

 

 

 

~~~…って言うの!わかった!?

 

「わかった…!」

 

~~~じゃあお願い!

 

「…」

 

(目を閉じて…)

 

 

 

 

 

「I CONNECT WITH IRIS」

 

 

 

「!?」

 

(な…何この感覚…!?)

 

~~~これでアナタと繋がったわ!アタシの力も送ったけど、どう!?

 

「…よくわかんない。でも、なんとなくさっきまでと違う感じ…」

 

~~~うん!それならOK!もう目を開けても大丈夫よ!

 

「うん…」

 

 

 

===目の色が変わったね。

 

「…まだ勝負は決まってない」

 

~~~その通り!さあ、逆転するわよ!

 

 

 

「おい!いつまでモンスターをセットするか悩んでんだ!?負けたくねえ気持ちはわかるが、ここは潔く決断した方がオレはかっこいいと思うぜ!」

 

「わたしは負けない…負けられない…!」

 

「オマエのそのモンスターが何か知らねえが、貫通効果のあるP(パフォーマー)・クラブの前じゃどんなモンスターでも一緒だぞ?」

 

「わたしはモンスターを…」

 

~~~感覚を信じて!今のアナタには力があるわ!

 

 

 

「Pゾーンに発動。《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》…!」

 

《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》

【Pスケール:青3/赤3】

(1):

 

 

 

「おお?何だPモンスターだったのか、ってスケール3だと!?もう片方のPゾーンのV(ヴォイド)・テレポーターとスケールが一緒じゃねえか!」

 

「…」

 

「P効果も見たところ発動できねえやつだし、おいおいまさか間違えたとかじゃねえだろうな!?それとも諦めの意思表示か!?」

 

 

 

(見える…!差し込む光が…!)

 

「間違いでも、諦めでもない…!」

 

(その先に、わたしを…繋いで!)

 

~~~今こそ力を解放する時!

 

「わたしはスケール3のH(ハンマー)・スインガーとスケール3のV(ヴォイド)・テレポーターを」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~「「コネクト!!」」~~~

 

 

 

「何っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~「「繋がれし一対の境界点は、未知なる世界との架け橋を築く!虚空に描きし光の弧と共鳴せよ!!」」~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~「「アーク召喚!!!」」~~~

 

 

 

 

 

「煌めく二色の翼は幻の証明!今こそ具象せよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「《幻双煌翼竜ドラゴネシア》!!!」

 

 

 

《幻双煌翼竜ドラゴネシア》攻撃表示

アーク・効果モンスター

星6/光属性/幻竜族/攻2400/守2400

スケール3×2

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

(2):

 

 

 

 

 

(す…すごい!何これ…!何が起こったの!?)

 

===わお。EXデッキから光と共にカードが飛び出してきたよ。

 

「アーク召喚だとお!?」

 

(なんか光が強くなったと思ったら、いつの間にか召喚口上唱えちゃってたし…!)

 

(しかもアーク召喚って…!)

 

~~~驚いてる暇は無いわ!時間が迫ってる!

 

「う、うん…!」

 

(気になることが多いけど、今はこっち…!)

 

「魔法発動、《ペンデュラム・サイン》。自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。墓地のPモンスター1体を手札に加える」

 

《ペンデュラム・サイン》

通常魔法

(1):自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分の墓地のPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。

 

 

 

「!…そうか!さっきのアーク召喚でPゾーンのカードはEXデッキに送られてんのか!」

 

「わたしは墓地のU(アンブレラ)・ハンガーを手札に加える」

 

 

 

「続いてドラゴネシアの効果発動…!1ターンに1度、自分のPゾーンにカードが存在しない場合、自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を選んでP効果を無効にしてPゾーンに置く」

 

「わたしが置くのはX(ホリゾンタル)・ライナー」

 

《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》

【Pスケール:青1/赤1】

このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

(2):

 

 

 

「そしてU(アンブレラ)・ハンガーをPゾーンに発動!」

 

《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》

【Pスケール:青5/赤5】

(1):

 

 

 

「スケールは1と5か…!だがモンスターを並べたところでP(パフォーマー)・クラブは倒せねえぞ!?1ターンに1度の実質的な効果耐性がある上に、もし破壊されたとしてもエンドフェイズには復活するからな!」

 

「知ってる…その上わたしのモンスターはP(パフォーマー)・クラブにしか攻撃できないことも」

 

「まあそういうこった!次のターンで終わっちまうのは残念だが、アーク召喚にはすげえ痺れたぜ!」

 

「わたしも興奮した…でも」

 

「ん?」

 

 

 

 

 

「終わるのは次じゃなく、このターン…!」

 

 

 

「ペンデュラム召喚!!」

 

 

 

「集まって!わたしのシンメトリアルたち…!」

 

「O(オブジェクト)・メイカー!T(テーブル)・キーパー!H(ハンマー)・スインガー!W(ホイール)・ローラー!」

 

《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/サイキック族/攻1200/守1200

 

《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/獣戦士族/攻1600/守1600

 

《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/獣戦士族/攻1600/守1600

【モンスター効果】

(1):

 

《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/爬虫類族/攻 800/守 800

【モンスター効果】

(1):

 

 

 

「へっ、いいねえ!その足掻きに勝ちへの執念を感じるぜ!」

 

「このペンデュラム召喚はただの足掻きなんかじゃない…!ドラゴネシアのもうひとつの効果…!」

 

 

 

「このカードの攻撃力・守備力はフィールドのPモンスターの数×300アップする!Pモンスターはフィールドに合計8体…!よって2400アップ!」

 

《幻双煌翼竜ドラゴネシア》攻撃力2400→4800 守備力2400→4800

 

 

 

「おおなるほどな!攻撃力を上げるためだったってことか!だが攻撃したところでエンドフェイズにP(パフォーマー)・クラブが復活するだけだぞ?」

 

「そうね、だから…」

 

 

 

「復活の前に決める…!」

 

「何っ?」

 

「P(パフォーマー)・クラブの効果耐性って、相手の効果でフィールドから離れる場合に身代わりとしてEXデッキの炎属性Pモンスターを除外するんだよね?」

 

「そうだ。特殊召喚する際にリリースしたPモンスターをそのまま身代わりのコストにできるんだぜ?マジつえーだろ!?」

 

「うん…強いね。1枚でもズレてたら、負けてた」

 

「…あ?」

 

「U(アンブレラ)・ハンガーのP効果発動。1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」

 

 

 

 

 

「フィールドの表側表示モンスター1体を選択し、選択したモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで0になる…!」

 

「!?…な、何だと…!?それじゃあ…!」

 

「対象に選ぶのはP(パフォーマー)・クラブ…!フィールドを離れないため身代わり効果は使えない!」

 

 

 

《イグニッションP(パフォーマー)・クラブ》攻撃力3000→0 守備力3000→0

 

 

 

「攻守が0に…!?」

 

「あなたのLPは4700、これで届いた…!」

 

「そんな馬鹿な…!あの状況からP(パフォーマー)・クラブ相手に…!オレのLPを一撃で削り切るだとお!?」

 

「バトル…!」

 

「ドラゴネシアでP(パフォーマー)・クラブに攻撃!」

 

 

 

 

 

「スプレンディド・スパークル!!」

 

 

 

「ぐおおおお!!!」

 

 

 

相手LP4700-4800=0

 

 

 

“WIN ≪譜理子≫”




アークモンスターについて補足します。

アークモンスターは融合モンスターやシンクロモンスターと同じように、アーク召喚に必要な素材としてPスケールが記されています。
例えば「幻双煌翼竜ドラゴネシア」の場合ですと「スケール3×2」なのでスケール3のPモンスターを2枚Pゾーンに並べて、その2枚を素材として墓地(EXデッキ)へ送り、EXデッキからそのモンスターをアーク召喚します。

アーク素材となったPモンスターは基本的にEXデッキへ送られます。
次元の裂け目がある場合でもそれは変わりませんが、魔法カードも除外されるマクロコスモスがある場合は除外されます(結果として除外されるだけでアーク召喚自体はできます)。

カードデザインは以下の挿絵のようにPスケールのそれと同じく左側が青で右側が赤です。実際のPモンスターと同じく境界線をもっと曖昧にしたかったのですが、そのような技術を持ち合わせていないので…大体こんな感じのデザインだと思って頂ければ幸いです。


【挿絵表示】


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4.「Asymmetry」

(か…勝った…!)

 

「くっそー…!まさか負けちまうとはな!悔しいぜ…!」

 

「…」

 

「でもオマエとのデュエル、すげえ面白かった!またオレとデュエルしてくれよな!」

 

「うん…またきっと」

 

「じゃあな!この先も負けんじゃねえぞ!」

 

 

 

「!?」

 

(眩しい…!この光は…!?)

 

 

 

 

 

「…う」

 

(収まったかな…?何だったんだろう…)

 

「…えっ?」

 

(あれ?いない…?)

 

===彼なら光に包まれて消えちゃったよ。

 

「!…」

 

===心配しないで、魔法が解けただけ。

 

===それよりおめでとう。素晴らしいデュエルだったよ。

 

「…ねえ、案内人さん」

 

===何かな?

 

「負けたら元の世界に戻れないって、本当…?」

 

===本当だよ。

 

「どうして言ってくれなかったの…?」

 

===言ったはずだよ。脱出する方法はひとつって。

 

「でも負けたらどうなるかなんて聞いてない…!」

 

===聞かれなかったからね。負けたらどうなるかなんて。

 

「…どうせわたしが聞いたところで自分の力で答えを探せ、って返したでしょ…」

 

===フフフ、どうだろうね。でも考えてごらんよ、あの時ボクがそれを言ってたらキミはどうなってたと思う?

 

===未知の世界で未知の相手に未知のカードを使ってのデュエル、しかも負ければ永遠にこのサーカス世界の住人。その状況下でキミは本来の実力を発揮できたと思うかい?

 

「…夢であって欲しいって思い続けてたかも」

 

(今でもそう思ってるけどね…)

 

===余計なプレッシャーをキミに与えなかった。これはボクなりの優しさだよ。

 

===それにキミ自身、夢だと思うことで平常心のままデュエルできたんじゃないかな。

 

「…やっぱりこれは、夢じゃないんだよね…?」

 

===そう思うならそうなんじゃないかな。

 

(初めの時と同じような答え…)

 

「ところで気になったんだけど…」

 

===何かな?

 

「…疑問に思わないんだね。わたしが何でこんなこと聞いてるのかって…」

 

===目の色が変わったからね。

 

(そのセリフ…デュエル中にも言ってた…)

 

「それってーーー」

 

~~~ねえ、アナタ!

 

「うん…?」

 

~~~あ、返事しなくていいわ!そのまま聞いて!

 

「…」

 

~~~アナタとアタシが繋がったことでね、声に出さなくても話ができるようになったわよ!

 

「!…」

 

~~~試しに何か話してみて。

 

(話してみてって言われても…あ)

 

(でもなんとなく、わかるかも…)

 

 

 

『こうかな…どう?』

 

~~~うん!伝わってるわよ!

 

『すごいね…!これもアイリスの力?』

 

~~~そうよ!すごいでしょ?これで誰にも聞かれずに話ができるわ!まあ元々アタシの声はアナタにしか聞こえないんだけどね。

 

『案内人さんとの話は聞こえてたの?』

 

~~~いいえ、アタシには聞こえなかったわ。でもアナタの声から何を話してたのかは、だいたいわかってたわよ!

 

『そうなんだ…』

 

(ということは、やっぱり案内人さんもわかってるよね…わたし自身、声に出してたし…)

 

~~~何か聞きたいこととかある?

 

『うん…あ、ちょっと待って』

 

 

 

「ねえ、今も制限時間ってあるの?」

 

===あるよ。ちなみにあと20秒くらい。

 

「!?…過ぎたらどうなるの!?」

 

(何でそんな大事なこと…!)

 

===そんな切迫した声出さないで。自動的に次のデュエルが始まるだけだよ、ランダムにカードがめくれてね。

 

「あ…始まるだけ?」

 

(案内人さん的には言う必要が無かった、ってだけか…)

 

===めくりたいなら今のうちだよ。

 

「うん…」

 

(じゃあ反対側のカードで…!)

 

~~~質問はいいの?

 

『うん。聞きたいことは色々あるけど、今は何よりもデュエルに絶対勝たなくちゃいけないから…!』

 

 

 

 

 

(!…やっぱりこのマークはどこかで…)

 

===真ん中に茶色の菱形が描かれてるね。背景もさっきと同じく真っ白だ。

 

「…あっ」

 

(そっか、トランプだ…!トランプのダイヤ…!)

 

(じゃあ最初に引いたあの三つ葉のクローバーはトランプのクラブだったんだ、ってカード違いじゃん…裏面は一緒なのに)

 

===さあ、また光るよ。

 

 

 

 

 

「おー、なんやウチの出番か?」

 

「…」

 

(今回は女の人…さっきの人よりは、やりやすそうかも)

 

「ん?アンタが相手?こらまたちっこいなー、まあええけど」

 

(…でもちょっと失礼)

 

「無駄話もなんやし、ほな、やろか」

 

「そうね…」

 

===落ち着いてるね。

 

「まあね…」

 

(緊張感はさっきと段違いだけど…)

 

(とにかく負けられない…絶対に…!)

 

 

 

“DUELSTART”

 

 

 

===どうしたの?キミの先攻だよ。

 

「うん…」

 

(最初の手札、デュエルの展開を大きく左右する5枚…)

 

(どうしよう…すごいドキドキしてる)

 

~~~緊張してるみたいね。手札を見るのが怖い?

 

『…正直、かなり…』

 

~~~でも安心して。そのデッキはさっきのと比べ物にならないくらい強くなってるわ。

 

『えっ…?』

 

~~~アタシの力がアーク召喚だけにとどまるワケないでしょ?

 

『…そう、だよね』

 

~~~そうそう!さ、頑張って戦いましょ!

 

(うん…大丈夫、わたしにはアイリスがついてる…!)

 

===フフフ、2回戦の始まりだね。

 

 

 

(…ちょっと偏ってる)

 

「スタンバイ、メイン」

 

(でも、悪くない組み合わせ)

 

「《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》を召喚」

 

《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/獣戦士族/攻1600/守1600

【モンスター効果】

(1):

 

 

 

「カードを3枚セット」

 

「ターンエンド」

 

(動くのは、次のターン…!)

 

 

 

EX0 墓地0 除外0

相手 LP8000 手札5

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

TURN1→2 譜理子→相手

 

あ=《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》攻撃表示

◇ ◇ あ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ 裏 裏 裏 ◇

譜理子 LP8000 手札1

EX0 墓地0 除外0

 

 

 

「表情硬いなあアンタ。もっとリラックスしてデュエル楽しもうや」

 

「それは…難しいかな」

 

(こんな状況じゃなければ…わたしだって楽しくデュエルしたい)

 

「ほーん、ならしゃーないな。ウチのターン、ドロー」

 

「3枚の伏せカードかあ、怖いなあ。しかもそのH(ハンマー)・スインガー、破壊したらウチのカード巻き込む効果持っとるやん」

 

 

 

「ってなわけでちょっと封じさせてもらおか、《アモルファージ・プレスト》をPゾーンに発動や」

 

《アモルファージ・プレスト》

【Pスケール:青3/赤3】

このカードのコントローラーは、

自分スタンバイフェイズ毎に自分フィールドのモンスター1体をリリースする。

またはリリースせずにこのカードを破壊する。

(1):自分フィールドに「アモルファージ」モンスターが存在する限り、

お互いに「アモルファージ」カード以外の罠カードの効果を発動できない。

 

 

 

(アモルファージ…!確か色々封じてくる系の…)

 

「そんで《アモルファージ・ガストル》をPゾーンに発動、チェーンも何も無いか?」

 

《アモルファージ・ガストル》

【Pスケール:青5/赤5】

このカードのコントローラーは、

自分スタンバイフェイズ毎に自分フィールドのモンスター1体をリリースする。

またはリリースせずにこのカードを破壊する。

(1):自分フィールドに「アモルファージ」モンスターが存在する限り、

お互いに「アモルファージ」モンスター以外のモンスターの効果を発動できない。

 

 

 

「うん…」

 

「そんじゃあ行くで」

 

 

 

「ペンデュラム召喚!」

 

 

 

「《アモルファージ・ヒュペル》!《アモルファージ・キャヴム》!」

 

《アモルファージ・ヒュペル》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/地属性/ドラゴン族/攻1750/守 0

【モンスター効果】

(1):P召喚・リバースしたこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、

お互いに「アモルファージ」モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない。

 

《アモルファージ・キャヴム》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星4/地属性/ドラゴン族/攻 0/守2050

【モンスター効果】

(1):P召喚・リバースしたこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、

お互いに「アモルファージ」モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない。

 

 

 

「ペンデュラム召喚時、何も無いか?」

 

「ない…」

 

「よっしゃ。これでお互いアモルファージ以外のモンスターと罠の効果の発動ができず、アモルファージモンスターしかEXデッキから特殊召喚できんようになった」

 

「…」

 

「バトルや、ヒュペルでH(ハンマー)・スインガーに攻撃」

 

(大丈夫…魔法は封じられてない)

 

「速攻魔法、《シンメトリアル・スイッチ》発動。自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体をリリースし、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する」

 

「ちっ、速攻魔法があったんか」

 

「その後、デッキからリリースしたモンスターよりレベルが2つ低い「シンメトリアル」モンスター1体を手札に加えるか特殊召喚する」

 

《シンメトリアル・スイッチ》

速攻魔法

(1):自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体をリリースし、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。その後、デッキからリリースしたモンスターよりレベルが2つ低い「シンメトリアル」モンスター1体を手札に加えるか特殊召喚する。

 

 

 

「わたしはH(ハンマー)・スインガーをリリースしてプレストを破壊」

 

「そしてデッキから…」

 

(この4枚の中だと…このカード)

 

「H(ハンマー)・スインガーよりレベルが2つ低い《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》を手札に加える」

 

「まあええわ、再戦闘や。ヒュペルでダイレクトアタック」

 

(これで罠も発動できるようになった)

 

「罠発動、《ペンデュラム・スイープ》。ヒュペルを除外する」

 

《ペンデュラム・スイープ》

通常罠

(1):フィールドのPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。

 

 

 

「ひえっ!除外はきついわあ…」

 

(まずまずの流れかな…?モンスターの効果とEXは封じられたままだけど…)

 

「んー微妙な感じやなあ、カードを1枚セットしてターンエンドや」

 

 

 

EX1 墓地0 除外1

相手 LP8000 手札1

◇ ◇ 裏 ◇ ◇

ア   空   ◇

◇ イ ◇ ◇ ◇

ア=《アモルファージ・ガストル》スケール5

イ=《アモルファージ・キャヴム》表側守備

 

TURN2→3 相手→譜理子

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ 裏 ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札2

EX1 墓地2 除外0

 

 

 

「ドロー」

 

(!…これは…前のデュエルの時には入ってなかったよね?ってことは、これもアイリスの力…?)

 

(シンメトリアルってカード名からその発想はあったけど…こっちもちゃんとあったんだ)

 

(面白いくらい何もかも違うんだね。まさかPスケールまで…)

 

「スタンバイ、メイン」

 

 

 

 

 

(シンメトリーじゃないなんてね…!)

 

 

 

「《アシンメトリアル・P(プレート)》をPゾーンに発動」

 

《アシンメトリアル・P(プレート)》

【Pスケール:青5/赤2】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

 

 

 

「P(プレート)のP効果発動。このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる」

 

「デッキから地属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える」

 

(候補は、6枚…あ、同じレベルのアシンメトリアルは効果も同じなんだ…)

 

(P効果2種類とモンスター効果2種類の4パターン…覚えやすい)

 

(…それにしてもこのモンスター効果、これは何か専用サポートあるよね…?)

 

(って、早く選ばないと…後のことを考えるとここは…)

 

「わたしは水属性の《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》をEXデッキに加える」

 

「続いて《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》をPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》

【Pスケール:青5/赤5】

(1):

 

 

 

「ほお?スケール張んのもええけどアンタのEXデッキのモンスター、ペンデュラム召喚で呼ばれへんで?」

 

「うん、だから呼べるようにする。M(ミラー)・ダイヴァーのP効果発動」

 

「1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」

 

(アシンメトリアルは名前にシンメトリアルを含んでいるから、発動条件を満たしてる…!)

 

 

 

「フィールドの表側表示のカード1枚を選択し、選択したカードの効果をターン終了時まで無効にする」

 

「うえっ!?」

 

「無効にするのはキャヴム。これでEXデッキの封印は解除…!」

 

 

 

「ペンデュラム召喚…!」

 

 

 

 

 

「…あ?なんや、モンスター出てへんで?」

 

「呼べない…」

 

「は?…ってよく見たらスケール同じやんけ!身構えて損したわ」

 

===どっちもスケールが5になってるね。これじゃペンデュラム召喚は不可能だ。

 

「…」

 

(左の青のPゾーンに発動したP(プレート)のスケールは赤の2じゃなくて、青の5になる…)

 

(さすがにスケールは選べなかったか…)

 

~~~あー…もしかして左右のスケールが違うPモンスター初めてだった?言っとけば良かったわね。

 

「アホやなあ、効果無効にした意味なくなってもうたやん」

 

 

 

「ううん…意味は、ある」

 

(わたしには、見える…!)

 

===フフフ、でもそれを想定していないキミじゃないでしょ。

 

~~~ペンデュラム召喚はできなくても、今のアナタならそれができるわよね!

 

「わたしはスケール5のP(プレート)とスケール5のM(ミラー)・ダイヴァーを」

 

 

 

 

 

「コネクト!」

 

 

 

「なんやて!?」

 

 

 

 

 

「アーク召喚!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その鋭利なる双剣で敵を追い詰めろ!《シャープハント・デーモン》!」

 

 

 

《シャープハント・デーモン》攻撃表示

アーク・効果モンスター

星5/闇属性/悪魔族/攻2250/守1250

スケール5×2

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

(2):

 

 

 

 

 

~~~うん!ちゃんと呼び出せたわね!

 

『…ねえ、アイリス』

 

~~~何かしら?

 

『アーク召喚の時、わたしの意思とは無関係に勝手に召喚口上唱えてるんだけど…』

 

~~~自然とそういう状態になるみたいなのよ。アタシもその辺はよくわかんないのよね。

 

『そうなんだ…』

 

「ハハ、おもろいもん見せてくれるやんけ…!でもわかっとるやろな?アンタのモンスターは効果発動できんようなっとるで?」

 

「うん…でも、モンスターは破壊できる」

 

「バトル、《シャープハント・デーモン》でキャヴムに攻撃。シャープ・スラッシュ!」

 

(あ、攻撃名も自然と…)

 

「そうは行かへんで!罠発動や、《アモルファージ・ライシス》!」

 

《アモルファージ・ライシス》

永続罠

「アモルファージ・ライシス」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):「アモルファージ」モンスター以外のフィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、

フィールドの「アモルファージ」カードの数×100ダウンする。

(2):自分のPゾーンのカードが破壊された場合に発動できる。

デッキから「アモルファージ」Pモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。

 

 

 

「アモルファージ以外のフィールドのモンスターの攻守は、フィールドの「アモルファージ」カードの数×100ダウンする」

 

「フィールドにアモルファージは3枚、よって300ダウンや!」

 

《シャープハント・デーモン》攻撃力2250→1950 守備力1250→950

 

 

 

「う…でも《シャープハント・デーモン》の効果で1ターンに1度、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは代わりに相手が受ける」

 

相手LP8000-100=7900

 

「ええ効果持っとんなあ。発動する効果とちゃうからガストルでも止められへんわ」

 

(破壊できなかったのは、痛いかも…)

 

「ターンエンド」

 

 

 

EX1 墓地0 除外1

相手 LP7900 手札1

◇ ◇ ウ ◇ ◇

ア   空   ◇

◇ ◇ ◇ イ ◇

ウ=《アモルファージ・ライシス》

ア=《アモルファージ・ガストル》スケール5

イ=《アモルファージ・キャヴム》表側守備

 

TURN3→4 譜理子→相手

 

あ=《シャープハント・デーモン》攻撃表示

◇ ◇ あ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ 裏 ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札1

EX4 墓地2 除外0



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5.「Amorphous」

「ウチのターン、ドロー」

 

「おっしゃ!ええの引いた!まずはスタンバイフェイズ、モンスターをリリースせずにガストルを破壊」

 

「ガストルが破壊されたことによりライシスの効果発動。デッキから《アモルファージ・オルガ》をPゾーンに置く」

 

《アモルファージ・オルガ》

【Pスケール:青3/赤3】

このカードのコントローラーは、

自分スタンバイフェイズ毎に自分フィールドのモンスター1体をリリースする。

またはリリースせずにこのカードを破壊する。

(1):自分フィールドに「アモルファージ」モンスターが存在する限り、

お互いに「アモルファージ」モンスター以外のモンスターをリリースできない。

 

 

 

「同じくリリースせずにオルガも破壊するで」

 

(コストを払わない、ってことは…モンスターを減らしたくない?)

 

「そんでメインフェイズ、フィールド魔法《アモルファスP》発動や!」

 

《アモルファスP》

フィールド魔法

(1):フィールドの「アモルファージ」モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。

(2):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、

自分フィールドの「アモルファージ」モンスターがリリースされる度に自分はデッキから1枚ドローする。

この効果は1ターンに2度まで適用できる。

(3):墓地のこのカードを除外して発動できる。

自分の手札・フィールドから、レベルの合計が8になるようにPモンスターをリリースし、

手札から「虚竜魔王アモルファクターP」を儀式召喚する。

 

 

 

《アモルファージ・キャヴム》攻撃力0→300 守備力2050→2350

 

 

 

「場も整ったし、そんじゃあいっちょ見せたるわ!ウチの切り札!」

 

 

 

「フィールド魔法が存在する場合に地属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる!」

 

「!」

 

(この召喚条件は、もしかして…!)

 

「キャヴムをリリースして特殊召喚!出番やで!」

 

 

 

 

 

「《アモルファスP(パフォーマー)・ダイヤ》!!」

 

 

 

《アモルファスP(パフォーマー)・ダイヤ》攻撃表示

効果モンスター

星8/地属性/ドラゴン族/攻3000/守3000

 

 

 

(攻撃力3000に…)

 

 

 

 

 

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合に地属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分のEXデッキの表側表示の地属性Pモンスター1体を選択して自分のPゾーンに置く。

●Pゾーンのカード1枚を選択して破壊する。

(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

(4):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

(5):1ターンに1度、モンスターゾーンに存在するこのカードが相手の効果によってフィールドを離れる場合、代わりに自分のEXデッキの表側表示の地属性Pモンスター1体を除外できる。この効果は相手ターンでも発動できる。

(6):このカードが破壊され墓地へ送られたターン終了時に発動できる。自分のEXデッキの表側表示の地属性Pモンスター1体を除外することで、墓地のこのカードを特殊召喚する。

 

 

 

(こっちも効果が6つ…!)

 

(って、このモンスターも舞台で見たような…やっぱりあのパフォーマーたちが元になってるのかな?)

 

「P(パフォーマー)・ダイヤの効果発動!の前にキャヴムがリリースされたから《アモルファスP》の効果で1枚ドローや」

 

「改めてP(パフォーマー)・ダイヤの効果発動や!この方法で特殊召喚に成功した時、効果を1つ選択して発動できる」

 

「ウチはEXデッキから地属性Pモンスター1体を自分のPゾーンに置く効果を選択!ガストルをPゾーンに置くで」

 

「ほんでバトル!と、いきたいところやけど…そのアークモンスター、ダメージこっちに移してくる上に戦闘で破壊されんみたいやから、やめといたるわ!」

 

(…それは残念)

 

「それにP(パフォーマー)・ダイヤはアモルファージちゃうからガストルの効果が適用されてへんしな」

 

「せやからウチはカードを1枚伏せてターンエンドや」

 

 

 

EX3 墓地0 除外1

相手 LP7900 手札0

◇ ◇ ウ 裏 ◇

◇   場   ア

◇ ◇ イ ◇ ◇

ウ=《アモルファージ・ライシス》

ア=《アモルファージ・ガストル》スケール5

場=《アモルファスP》

イ=《アモルファスP(パフォーマー)・ダイヤ》攻撃表示

 

TURN4→5 相手→譜理子

 

あ=《シャープハント・デーモン》攻撃表示

◇ ◇ あ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ 裏 ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札1

EX4 墓地2 除外0

 

 

 

「ドロー」

 

「おっと、メインフェイズに入る前に罠発動や、《ペンデュラム・リボーン》」

 

《ペンデュラム・リボーン》

通常罠

(1):自分のエクストラデッキの表側表示のPモンスターまたは

自分の墓地のPモンスター1体を選んで特殊召喚する。

 

 

 

「…!」

 

「EXデッキからキャヴムを特殊召喚、これでアンタのモンスターの効果は再び発動できんくなったで」

 

(効果が使えないなら、使えるようにするだけ…!)

 

「スタンバイ、メイン」

 

「魔法発動、《シンメトリアル・リターン》。自分のEXデッキの表側表示の同じ種族でカード名が異なる「シンメトリアル」Pモンスター2体を対象として発動できる」

 

「そのモンスター2体をデッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから2枚ドローする」

 

《シンメトリアル・リターン》

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1):自分のEXデッキの表側表示の同じ種族でカード名が異なる「シンメトリアル」Pモンスター2体を対象として発動できる。そのモンスター2体をデッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから2枚ドローする。

 

 

 

「ほお?2枚ドローとは強欲なカードやな」

 

「わたしが戻すのは同じ岩石族のP(プレート)、Q(クオーツ)の2枚…そして2枚ドロー」

 

===なるほど、そのカードがあったからP(プレート)の効果でQ(クオーツ)をEXデッキに送ったんだね。

 

(お願い…P(パフォーマー)・ダイヤを倒せるカード、来て…!)

 

「どうや?ええカード引けたか?」

 

 

 

「…うん、引けた」

 

「あちゃー、できれば引かんといて欲しかったなあ」

 

(確かにアイリスの言った通り…)

 

 

 

(デッキが強くなってる…!気がする)

 

「《アシンメトリアル・K(カイト)》を赤のPゾーンに発動」

 

《アシンメトリアル・K(カイト)》

【Pスケール:青2/赤5】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

 

 

 

「K(カイト)のP効果発動。このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる」

 

「デッキから風属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える」

 

「わたしは炎属性の《アシンメトリアル・R(リング)》をEXデッキに加える」

 

「続いて《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》を青のPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》

【Pスケール:青1/赤1】

このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する限り、相手フィールドのモンスターの攻撃力・守備力はフィールドの「シンメトリアル」カードの枚数×200ダウンする。

(2):

 

 

 

「前のターンと同じような動きやな。スケールはちゃうみたいやけど」

 

(これでスケールは1と5、今度こそ…!)

 

 

 

「ペンデュラム召喚!」

 

 

 

「H(ハンマー)・スインガー、M(ミラー)・ダイヴァー、《アシンメトリアル・R(リング)》…!」

 

《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/獣戦士族/攻1600/守1600

 

《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/爬虫類族/攻 800/守 800

【モンスター効果】

(1):

 

《アシンメトリアル・R(リング)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星3/炎属性/雷族/攻1500/守600

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

 

 

 

「おー、湧いてきたなー。で、それだけとちゃうんやろ?」

 

「もちろん。罠発動、《シンメトリアル・ブラスト》」

 

「自分フィールドの「シンメトリアル」カードを破壊し、フィールドのカード2枚を対象として発動できる。そのカードを手札に戻す」

 

《シンメトリアル・ブラスト》

通常罠

(1):自分フィールドの「シンメトリアル」カードを破壊し、フィールドのカード2枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主の手札に戻す。

 

 

 

「うえっ!?さっきから強い効果ばっかしやなあ…けどP(パフォーマー)・ダイヤはEXデッキのPモンスターを除外すればフィールドから離れへんの知っとるか?しかもこれチェーンブロック作らんからガストルに無効化されへん効果やねんで?」

 

「うん、知ってる。だから手札に戻すのはキャヴムとライシス。破壊するのはPゾーンのK(カイト)」

 

《シャープハント・デーモン》攻撃力1950→2250 守備力950→1250

《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》攻撃力1300→1600 守備力1300→1600

《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》攻撃力500→800 守備力500→800

《アシンメトリアル・R(リング)》攻撃力1200→1500 守備力300→600

 

 

 

「ほお、これでステータスが戻って効果も使えるようなったか。せやけどアンタのモンスター見る限り、P(パフォーマー)・ダイヤを倒す効果は持っとらんみたいやな」

 

「持ってなくても、倒せるようにする…!」

 

 

 

「わたしは《シンメトリアル=I(イメージ)・ペインター》を赤のPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=I(イメージ)・ペインター》

【Pスケール:青5/赤5】

(1):

 

 

 

「お?まだ別の奴おったんか」

 

「I(イメージ)・ペインターのP効果発動。1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」

 

「自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体を選択し、選択したモンスターの元々の種族・属性・レベル・攻撃力・守備力を持つ「シンメトリアル=Iトークン」1体を特殊召喚する」

 

「わたしはH(ハンマー)・スインガーを選択して、Iトークンを特殊召喚」

 

《シンメトリアル=Iトークン》攻撃表示

星4/光属性/獣戦士族/攻1600/守1600

 

 

 

「…ってなんやトークン出すだけかいな!数増やしたところでウチのP(パフォーマー)・ダイヤは倒せーーー」

 

 

 

 

 

《アモルファスP(パフォーマー)・ダイヤ》攻撃力3000→1800 守備力3000→1800

 

 

 

「…ってなんかステータス下がっとるやん!なんでや!?」

 

「Y(ヴァーティカル)・ライナーのP効果。もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する限り、相手モンスターの攻守はフィールドの「シンメトリアル」カードの枚数×200ダウンする」

 

「マジか…!?デーモンの攻撃力より下やんけ、こらあかんわ」

 

「バトル…!」

 

「《シャープハント・デーモン》でP(パフォーマー)・ダイヤに攻撃」

 

「あっさりやられてもうたー!」相手LP7900-450=7450

 

(…あれ?1回言ったらもう攻撃名は言わなくてもいいのかな?まあいいや)

 

「《シャープハント・デーモン》の効果発動。このカードの攻撃で相手モンスターを破壊した時に発動できる」

 

「このカードはもう1度だけ続けて攻撃できる。もう1度《シャープハント・デーモン》で攻撃」

 

相手LP7450-2250=5200

 

「M(ミラー)・ダイヴァーで攻撃、R(リング)で攻撃、H(ハンマー)・スインガーで攻撃」

 

相手LP5200-800=4400

 

相手LP4400-1500=2900

 

相手LP2900-1600=1300

 

 

 

「ハハ、届いてもうたか。しゃーないな」

 

「最後にIトークンで攻撃…!」

 

相手LP1300-1600=0

 

 

 

“WIN ≪譜理子≫”

 

 

 

 

 

「…ふう」

 

(勝った…!)

 

「あー負けたかー。にしてもアンタ強いなあ、ちっこいけど」

 

「ちっこい、って言わないで…」

 

(これから大きくなるもん…)

 

「そう膨れんな、その分まだまだ成長するってことや。ほんま可能性の塊やで」

 

「…」

 

「そんじゃまあ、今日はこれくらいで勘弁しといたるわ。ほな」

 

(どこかで聞いたような…って)

 

「っ…!」

 

(また光が…!)

 

 

 

 

 

===消えちゃったね。

 

「うん…」

 

(やっぱり消えちゃうんだ…ちょっと寂しいかも)

 

===おめでとう、無傷の完勝だったね。

 

「運が良かった…」

 

(デッキが強くなったっていうのもある、かな…?)

 

===キミのプレイングも良かったよ。

 

「…ありがと」

 

(ちょっとミスしかけたところもあったけどね…あ、そういえばデッキ…)

 

「えっ…?」

 

===どうしたの?

 

「デッキのところにカードが無い…EXの方にも」

 

===そっちも消えちゃうみたいだね。

 

(確認はできない、ってことか…)

 

===心配しなくても次のデュエルの時にはセットされているよ。前2戦と同じようにね。

 

「うん、そっちの心配はあまりしてない…それよりもデッキが変わってたりしないかって、ちょっと不安…」

 

===デッキの内容も大幅に変わるなんてことはないんじゃないかな。少なくとも何かをしない限りは。

 

「…何か、って?」

 

===フフフ、それはキミ自身に問いかけた方がいいかもしれないね。

 

「…」

 

(案内人さんはアイリスのこと、どこまで知ってるんだろ…?)

 

(ってアイリス、さっきから話してないような…)

 

『アイリス…?』

 

 

 

(…あれ?届いてないのかな?)

 

『アイリス、聞こえる…?』

 

 

 

(…もしかして、繋がりが切れた…?いや、繋がってなくても声は聞こえてたから…)

 

「わたしの声、聞こえる?」

 

===聞こえるよ。何かな?

 

「あ…ごめん、何でもない」

 

(口に出したから案内人さんに聞こえちゃった…)

 

===そうなんだ。

 

「うん…」

 

(ただ単に無視してるとか、事態を静観してるだけとかは…ちょっと考えにくい。ということは…何かあった?)

 

===ところで、完勝したからといって次も簡単に勝てるなんて思わないようにね。

 

「…どういう意味?」

 

===気を抜かない方がいいってことだよ。先のことがわからないのは、このサーカス世界も同じだからさ。

 

「…そうね、心に刻んでおく」

 

(アイリスのことが気掛かりだけど、今は待ってても時間が迫るだけ…)

 

(うん、大丈夫…わたしは、負けない…!)

 

 

 

 

 

(今回めくったカードは…緑色のスペードが真ん中にひとつ…あ、トランプと違って隅っこに数字とかは描かれてないんだ…既に引いた2枚もそうだったかな?)

 

===フフフ、キミのことだからもう気付いてるかな?

 

「うん…デッキも、切り札もだいたいの予想はついてる」

 

(むしろ自分のデッキの方が、未知数…)

 

===流石だね、というわけで三度光るよ。



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6.「Accident」

「我輩(わがはい)の相手は貴様(きさま)か?」

 

「う…」

 

(こわもてなおじさんが出てきた…ちょっと怖い)

 

「おい小娘!我輩の相手は貴様かと訊いておる!」

 

「は、はい!わたしです、ごめんなさい…!」

 

(大きな声出さないで…怖い)

 

「ふむ。ならば構えよ」

 

「はい…!」

 

「良し。お互い全力でぶつかり合おうぞ」

 

「…はい」

 

(わたしのデュエルは、いつだって全力…!)

 

===フフフ、3回戦、いざ尋常に。

 

「…!」

 

(今、何か一瞬ゾクッて寒気が…気のせい?)

 

 

 

“DUELSTART”

 

 

 

「!?」

 

(な、何これ…?)

 

「我輩の先攻」

 

===どうしたの?深刻そうな顔して。

 

 

 

「0になってるの…攻撃力と守備力どっちも…!」

 

===うん?全てのモンスターがかい?

 

「うん…!あ、違う全てじゃない…《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》の守備力は1500のまま…」

 

「手札の2枚のシンメトリアルはどっちも0になってる…」

 

「我輩はフィールド魔法、《マジェスティックP》を発動」

 

《マジェスティックP》

フィールド魔法

「マジェスティックP」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):フィールドの「マジェスペクター」モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。

(2):自分フィールドの魔法使い族・風属性モンスター1体をリリースして発動できる。

デッキからレベル4以下の「マジェスペクター」モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

 

===それは困ったね。戦闘で勝てなくなる。

 

「う…」

 

(そうだけど、そこじゃない…!そうなった理由が…って)

 

 

 

 

 

「嘘…これも違う…!?そんな…!」

 

===今度はどうしたの?

 

「《マジェスペクター・キャット》を召喚、効果を発動する」

 

《マジェスペクター・キャット》

ペンデュラム・効果モンスター

星3/風属性/魔法使い族/攻 100/守1800

【モンスター効果】

「マジェスペクター・キャット」の(1)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。

このターンのエンドフェイズに、

デッキから「マジェスペクター」カード1枚を手札に加える。

(2):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、

相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。

 

 

 

「攻守だけじゃない…!スケールも…!」

 

===0?

 

「0…ううん、違う…!数字自体が書かれてない…」

 

「スケールの色も青とか赤がモノクロになってて…あ、これもQ(クオーツ)の方だけ赤スケールは6のままで、色も赤だけモノクロになってない…!」

 

「《マジェスティックP》の効果を発動。《マジェスペクター・キャット》をリリースしてデッキから《マジェスペクター・ラクーン》を特殊召喚」

 

《マジェスペクター・ラクーン》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星3/風属性/魔法使い族/攻1200/守 900

【モンスター効果】

「マジェスペクター・ラクーン」の(1)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。

デッキから「マジェスペクター」モンスター1体を手札に加える。

(2):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、

相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。

 

 

 

===それも困ったね。スケールが無いとペンデュラム召喚ができなくなる。

 

「う…困るなんて言葉で済まさないで…!」

 

(絶対に負けられないんだから…!それにスケールが無いとアーク召喚だって…!)

 

(そもそもこうなった原因は何…!?アイリスがいなくなったから…!?)

 

「《マジェスペクター・ラクーン》の効果を発動。デッキから《マジェスペクター・フォックス》を手札に加える」

 

===冷静になって。焦る気持ちはわかるけど、デュエル中だよ。

 

「っ…!」

 

(ぐ…!落ち着けわたし…!嘆いたってステータスが戻るわけじゃないし、案内人さんの言う通り今まさにデュエル中なんだから…!)

 

(まずは状況確認…相手のデッキは予想通りマジェスペクター、フィールドにはラクーンと《マジェスティックP》…)

 

(つまり切り札の存在があるのなら、もう召喚できるってこと…まずい、1ターン目から出されると対処できない…!)

 

「カードを2枚セット」

 

(だってわたしの手札のモンスターは攻守0でスケール無しのシンメトリアルが2枚と、攻撃力0で青スケール無しの《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》が1枚だけ…)

 

(いや、手札だけじゃない…デッキにある他のシンメトリアルやアシンメトリアルも、たぶん同じように弱体化されているはず…)

 

「エンドフェイズ、《マジェスペクター・キャット》の効果でデッキから《マジェスペクター・クロウ》を手札に加える」

 

(でも…全く戦えないってわけじゃない。モンスター効果やP効果はちゃんとあるし、半分だけど無事なアシンメトリアルを上手く動かせばペンデュラム召喚やアーク召喚だってできる…)

 

(となれば、それらが揃うまでモンスター効果やP効果、魔法罠カードで何とかするしかないんだけど…よりによって相手のデッキがマジェスペクターっていうね…)

 

(ただでさえ厳しいデュエルなのに、対象と効果耐性を持つモンスターたちが相手だなんて…!結局、このターンじゃなくても攻撃力3000の切り札を出された時点でーーー)

 

「おい貴様」

 

「!…は、はい」

 

「先程から何やら表情が優れぬ様だが、如何した?」

 

「いえ…何でもないです」

 

「我輩のターンは終了した。さっさと引くがいい」

 

「はい…」

 

 

 

EX1 墓地0 除外0

相手 LP8000 手札3

◇ ◇ ◇ 裏 裏

◇   場   ◇

◇ ◇ ア ◇ ◇

場=《マジェスティックP》

ア=《マジェスペクター・ラクーン》表側守備

 

TURN1→2 相手→譜理子

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札5

EX0 墓地0 除外0

 

 

 

「ドロー…」

 

(ひとまず切り札は出なかったけど…ラクーンすら倒せないこの現状はきつい…)

 

「スタンバイ、メイン」

 

(うう…モンスターが本来のステータスなら結構良い手札なのに…!)

 

「《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》を赤のPゾーンに発動」

 

《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》

【Pスケール:青-←3/赤6】

(1):

 

 

 

(とにかく動けるところまで…あ)

 

「ねえ、思ったんだけど…」

 

===何かな?

 

「カードに書かれてる数値が0でも、デュエルディスクにセットしたら本来のステータスで計算してくれるって可能性は…」

 

===0だと思うよ。

 

「だよね…」

 

(受け入れて戦うしかない、か…)

 

「《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》を召喚」

 

《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/サイキック族/攻 0←1600/守 0←1600

【モンスター効果】

(1):モンスターゾーンのこのカードがリリースまたは破壊された場合に発動できる。デッキからPモンスター1体を選んで墓地へ送る。

 

 

 

(うん…デュエルディスクの表示もしっかり0になっちゃってる)

 

「Q(クオーツ)のP効果発動。1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる」

 

「デッキから水属性以外の「アシンメトリアル」モンスター1体を選び、手札に加える」

 

「わたしはO(オブジェクト)・メイカーをリリースして…」

 

(やっぱりどのアシンメトリアルも片方だけ無事…このデュエルはアシンメトリアル中心でいった方が良さそう)

 

(スケールや戦闘面だけじゃなく、モンスター効果もマジェスペクターの耐性に引っ掛からないし…!)

 

「デッキから地属性の《アシンメトリアル・P(プレート)》を手札に加える」

 

「そしてリリースされたO(オブジェクト)・メイカーのモンスター効果発動。デッキからPモンスターの《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》を墓地へ送る」

 

(もちろんシンメトリアルもきっちり活用して、ね)

 

「《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》を青のPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》

【Pスケール:青-←3/赤-←3】

(1):

 

 

 

「む?スケールが表示されておらぬが?」

 

「スケールが無いので、表示されないんです…」

 

「ふむ、風変わりなPモンスターだな」

 

「でもP効果はあります。T(テーブル)・キーパーのP効果発動。1ターンに1度、このカードを発動したターンの自分メインフェイズに、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」

 

「自分または相手の墓地のカード1枚を除外する。わたしが除外するのは、さっき墓地へ送ったV(ヴォイド)・テレポーター」

 

「そして除外されたV(ヴォイド)・テレポーターのモンスター効果発動。フィールドまたは墓地のこのカードが除外された場合に相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる」

 

「そのカードを除外する。わたしが除外するのは《マジェスティックP》」

 

「ほう、狙いはフィールド魔法か。だがそうはさせん。《マジェスペクター・ラクーン》をリリースしてカウンター罠発動、《マジェスペクター・テンペスト》」

 

《マジェスペクター・テンペスト》

カウンター罠

(1):自分フィールドの魔法使い族・風属性モンスター1体を

リリースして以下の効果を発動できる。

●モンスターの効果が発動した時に発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

●自分または相手がモンスターを特殊召喚する際に発動できる。

その特殊召喚を無効にし、そのモンスターを破壊する。

 

 

 

「V(ヴォイド)・テレポーターのモンスター効果の発動を無効にし破壊する」

 

「…」

 

(防がれた…でも、これでコストが必要なマジェスペクター魔法罠の発動ができなくなった)

 

(ただ、それ以外の魔法罠の可能性もあるから一応警戒はしておく…)

 

「魔法発動、《ペンデュラム・リアクション》。自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる。お互いのPゾーンのカードを全てデッキに加えてシャッフルする」

 

「その後、デッキに加えたカードの枚数によって効果を適用する。デッキに加えた枚数は2枚なので2枚の効果を適用」

 

《ペンデュラム・リアクション》

通常魔法

(1):自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる。お互いのPゾーンのカードを全てデッキに加えてシャッフルする。その後、デッキに加えたカードの枚数によって以下の効果を適用する。

●1枚:自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。

●2枚:デッキからPモンスター1体を選んで手札に加える。

●3枚:

●4枚:

(2):

 

 

 

「デッキからPモンスター1体を手札に加える。わたしはデッキから…」

 

(あ、そういえばアイリスと繋がってからデッキのPモンスターを全部見るの初めてかな…?)

 

(シンメトリアルとアシンメトリアル以外にPモンスターは…いない)

 

(じゃあデッキのモンスター総数って、18…?いや、ペンデュラムじゃないモンスターだってデッキにいるかも…)

 

(ただ、いたとしてもシンメトリアルやアシンメトリアルの名はついていないはず…《シンメトリアル・スイッチ》やQ(クオーツ)のP効果の時にそれは確認済みだし…)

 

(って、今考えることじゃない…引いた時にまた考えよう)

 

「Pモンスターの《アシンメトリアル・R(リング)》を手札に加える」

 

「随分考えておったな」

 

「待たせてしまってごめんなさい」

 

「構わぬ。与えられた時間をどう使おうが貴様の勝手であろう。我輩はただ貴様の決断を待つだけだ」

 

「はい…」

 

(良い人、なのかな…?見た目は怖いけど…)

 

「わたしは《アシンメトリアル・P(プレート)》を赤のPゾーンに発動」

 

《アシンメトリアル・P(プレート)》

【Pスケール:青-←5/赤2】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキから地属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える。

 

 

 

「P(プレート)のP効果発動。このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる」

 

「デッキから地属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える」

 

「わたしは風属性の《アシンメトリアル・K(カイト)》をEXデッキに加える」

 

「続いて《アシンメトリアル・R(リング)》を青のPゾーンに発動」

 

《アシンメトリアル・R(リング)》

【Pスケール:青6/赤-←3】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

 

 

(これでスケールは2と6…!)

 

(片方だけしかなくたって、揃えられる…!)

 

 

 

「ペンデュラム召喚…!」

 

 

 

「O(オブジェクト)・メイカー、《アシンメトリアル・K(カイト)》…!」

 

《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/サイキック族/攻 0←1600/守 0←1600

 

《アシンメトリアル・K(カイト)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星5/風属性/雷族/攻2500/守 0←1000

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

 

 

 

「ほう、スケールを張り直してペンデュラム召喚とは見事なり」

 

「ありがとうございます…」

 

「バトル、K(カイト)で攻撃」

 

「むう、削られたか」相手LP8000-2500=5500

 

「メイン2、カードを1枚セット」

 

「ターンエンド」

 

 

 

EX2 墓地1 除外0

相手 LP5500 手札3

◇ ◇ ◇ 裏 ◇

◇   場   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

場=《マジェスティックP》

 

TURN2→3 譜理子→相手

 

あ=《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》表側守備

い=《アシンメトリアル・K(カイト)》攻撃表示

う=《アシンメトリアル・R(リング)》青スケール6

え=《アシンメトリアル・P(プレート)》赤スケール2

◇ あ ◇ い ◇

う   空   え

◇ ◇ 裏 ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札1

EX0 墓地1 除外1




カード情報について補足します。
「←」は「現在の数値←本来の数値」を表しています。
また以前のデュエルに登場し、効果の判明しているオリカ(モンスター)はステータス欄に効果も記載しています。
魔法罠のオリカは初登場でも一部を除き記載しています。
演出の都合上記載していないというだけで効果はちゃんとありますので、後々破綻するようなことはありません。ご安心下さいませ。


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7.「Majestic」

「我輩のターン、ドロー」

 

「さて、我輩もスケールを張るとしよう。《マジェスペクター・フォックス》をPゾーンに発動し、《マジェスペクター・クロウ》をPゾーンに発動」

 

《マジェスペクター・フォックス》

【Pスケール:青2/赤2】

 

《マジェスペクター・クロウ》

【Pスケール:青5/赤5】

 

 

 

「ペンデュラム召喚!」

 

 

 

「《マジェスペクター・キャット》、《マジェスペクター・ラクーン》」

 

《マジェスペクター・キャット》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星3/風属性/魔法使い族/攻 100/守1800

 

《マジェスペクター・ラクーン》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星3/風属性/魔法使い族/攻1200/守 900

 

 

 

「特殊召喚に成功したため、効果を発動。《マジェスペクター・ラクーン》、《マジェスペクター・キャット》の順番にチェーンを組み、処理を行う」

 

(まずい…召喚される度、マジェスペクターがどんどん増える…)

 

「《マジェスペクター・キャット》の効果はエンドフェイズに適用される。続いて《マジェスペクター・ラクーン》の効果を発動」

 

 

 

「デッキから《マジェスペクター・ユニコーン》を手札に加える」

 

(うっ!ユニコーン…!?こっちでは禁止されてないの…!?)

 

「《マジェスティックP》の効果を発動。《マジェスペクター・キャット》をリリースしてデッキから2体目の《マジェスペクター・クロウ》を特殊召喚」

 

《マジェスペクター・クロウ》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星4/風属性/魔法使い族/攻1000/守1500

【モンスター効果】

「マジェスペクター・クロウ」の(1)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。

デッキから「マジェスペクター」魔法カード1枚を手札に加える。

(2):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、

相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。

 

 

 

「《マジェスペクター・クロウ》の効果を発動。デッキから《マジェスペクター・ストーム》を手札に加える」

 

「《マジェスペクター・クロウ》をリリースして《マジェスペクター・ユニコーン》をアドバンス召喚」

 

《マジェスペクター・ユニコーン》

ペンデュラム・効果モンスター

星6/風属性/魔法使い族/攻2000/守2000

【モンスター効果】

「マジェスペクター・ユニコーン」の(1)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分のモンスターゾーンのPモンスター1体と

相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを持ち主の手札に戻す。

この効果は相手ターンでも発動できる。

(2):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、

相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。

 

 

 

(うわ、出てきた…っていうか2体目のクロウってことは、ユニコーンも複数積まれてる…!?だとしたら切り札以上にやばいかも…)

 

「《マジェスペクター・ラクーン》をリリースして魔法発動、《マジェスペクター・ストーム》。《アシンメトリアル・K(カイト)》をデッキに戻す」

 

《マジェスペクター・ストーム》

通常魔法

(1):自分フィールドの魔法使い族・風属性モンスター1体をリリースし、

相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを持ち主のデッキに戻す。

 

 

 

(とにかくマジェスペクター相手に長期戦は不利…何とか早めに相手のLPを0にしないと…!)

 

「させません。チェーンして速攻魔法、《シンメトリアル・スイッチ》発動。自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体をリリースし、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する」

 

「その後、デッキからリリースしたモンスターよりレベルが2つ低い「シンメトリアル」モンスター1体を手札に加えるか特殊召喚する」

 

《シンメトリアル・スイッチ》

速攻魔法

(1):自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体をリリースし、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。その後、デッキからリリースしたモンスターよりレベルが2つ低い「シンメトリアル」モンスター1体を手札に加えるか特殊召喚する。

 

 

 

「わたしはK(カイト)をリリースして《マジェスティックP》を破壊。そしてデッキからK(カイト)よりレベルが2つ低い《アシンメトリアル・J(ジェット)》を手札に加える」

 

「むう、仕方あるまい」

 

《マジェスペクター・ユニコーン》攻撃力2300→2000 守備力2300→2000

 

 

 

(O(オブジェクト)・メイカーをリリースして発動したかったけど、デッキに戻されるよりは…ね)

 

「バトルフェイズに入る前に確認するが、貴様の《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》のモンスター効果は戦闘で破壊された場合にも発動するのだな?」

 

「はい、発動します」

 

「ならば攻撃は止めておこう。エンドフェイズ、《マジェスペクター・キャット》の効果でデッキから《マジェスペクター・フロッグ》を手札に加える」

 

「さあ、貴様のターンだ」

 

 

 

EX3 墓地3 除外0

相手 LP5500 手札3

◇ ◇ ◇ 裏 ◇

ア   空   イ

◇ ◇ ウ ◇ ◇

ア=《マジェスペクター・クロウ》スケール5

イ=《マジェスペクター・フォックス》スケール2

ウ=《マジェスペクター・ユニコーン》攻撃表示

 

TURN3→4 相手→譜理子

 

あ=《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》表側守備

う=《アシンメトリアル・R(リング)》青スケール6

え=《アシンメトリアル・P(プレート)》赤スケール2

◇ あ ◇ ◇ ◇

う   空   え

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札2

EX1 墓地2 除外1

 

 

 

「ドロー…」

 

(いいの引いた、攻める…!)

 

「スタンバイ、メイン」

 

 

 

「ペンデュラム召喚…!」

 

 

 

「《アシンメトリアル・J(ジェット)》、《アシンメトリアル・K(カイト)》…!」

 

《アシンメトリアル・J(ジェット)》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星3/風属性/水族/攻 0←900/守1200

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

 

《アシンメトリアル・K(カイト)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星5/風属性/雷族/攻2500/守 0←1000

 

 

 

(さて、アシンメトリアルの本領発揮…あ、でもK(カイト)のモンスター効果は今使っちゃだめだよね…?ユニコーンを手札に戻させず破壊するためには…)

 

「J(ジェット)のモンスター効果発動。1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚を対象として発動できる」

 

「そのカードを破壊する。わたしはPゾーンのP(プレート)を破壊」

 

「その後、このカードのコントロールを相手に移す」

 

「ふむ?自分のカードを破壊した上でコントロールを移すとな?」

 

「アシンメトリアルは皆自身のコントロールを相手に移すモンスター効果を持ってるんです」

 

「だが、ただで移すわけではなかろう?」

 

「もちろんです。速攻魔法発動、《アシンメトリアル・コール》。相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻守はフィールドに存在する限り700アップする」

 

「その後、対象としたモンスターと攻守の合計がその数値以下となる「アシンメトリアル」モンスター1体をデッキから自分または相手フィールドに特殊召喚する」

 

《アシンメトリアル・コール》

速攻魔法

(1):相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力・守備力はフィールドに存在する限り700アップする。その後、対象としたモンスターと攻撃力と守備力の合計がその数値以下となる「アシンメトリアル」モンスター1体をデッキから自分または相手フィールドに特殊召喚する。

 

 

 

「デッキから特殊召喚はさせるわけにいかんな。チェーンして《マジェスペクター・ユニコーン》の効果を発動」

 

「我輩のフィールドに寄越した《アシンメトリアル・J(ジェット)》と貴様の《アシンメトリアル・K(カイト)》を手札に戻す」

 

「対象を失った《アシンメトリアル・コール》の効果は不発に終わる」

 

(阻止してくるのも想定済み…これでこのターン、ユニコーンの効果は使えなくなった…!)

 

(あの伏せカードがもしコストの無いマジェスペクター魔法罠だと想定すると…)

 

「片方のPゾーンが空いたことによりR(リング)のP効果発動。1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる」

 

「デッキから炎属性以外の「アシンメトリアル」モンスター1体を選び、手札に加える」

 

「O(オブジェクト)・メイカーをリリースして…」

 

(!…この感覚は…)

 

「…」

 

(…うん、信じよう…!)

 

「デッキから地属性の《アシンメトリアル・N(ニードル)》を手札に加える」

 

「リリースされたO(オブジェクト)・メイカーのモンスター効果発動。デッキからPモンスターの《アシンメトリアル・L(ランプ)》を墓地へ送る」

 

「そして《アシンメトリアル・N(ニードル)》を赤のPゾーンに発動」

 

《アシンメトリアル・N(ニードル)》

【Pスケール:青-←4/赤7】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

 

 

 

(見える…光が…!アイリスのこの力は失われていない…!)

 

「何?スケールが6と7だと?意図がわからんな。P効果にしても貴様のアシンメトリアルは両方揃っていては発動が出来ぬのであろう?」

 

「今、お見せします」

 

「む?」

 

「わたしはスケール6のR(リング)とスケール7のN(ニードル)を」

 

 

 

 

 

「コネクト!」

 

 

 

 

 

「アーク召喚!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「三種の武器を携えて、砂の海より浮上せよ!《トライアングル・スコーピオン》!」

 

 

 

《トライアングル・スコーピオン》攻撃表示

アーク・効果モンスター

星9/地属性/昆虫族/攻2700/守1200

青スケール6~7+赤スケール6~7

このカード名の(2)の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

(1):「トライアングル・スコーピオン」は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。

(2):

(3):

 

 

 

 

 

「ほう…!」

 

(アークモンスターはステータスに異常無し…!良かった…!)

 

「魔法発動、《ペンデュラム・サイン》。自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。墓地のPモンスター1体を手札に加える」

 

《ペンデュラム・サイン》

通常魔法

(1):自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分の墓地のPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。

 

 

 

「わたしは墓地の《アシンメトリアル・L(ランプ)》を手札に加える」

 

(大丈夫、今の《トライアングル・スコーピオン》ならあの伏せカードも怖くない…!)

 

「バトル、《トライアングル・スコーピオン》でユニコーンに攻撃。ヴェノム・オブ・デザート!」

 

「速攻魔法発動、《マジェスペクター・ソニック》。《マジェスペクター・ユニコーン》の攻撃力・守備力を倍にする」

 

《マジェスペクター・ソニック》

速攻魔法

(1):自分フィールドの「マジェスペクター」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターはターン終了時まで、

攻撃力・守備力が倍になり、相手に与える戦闘ダメージは半分になる。

 

 

 

《マジェスペクター・ユニコーン》攻撃力2000→4000 守備力2000→4000

 

 

 

「これで《トライアングル・スコーピオン》の攻撃力を上回った。返り討ちだ」

 

 

 

(やっぱり、そのカードだった)

 

「《トライアングル・スコーピオン》の効果発動。《トライアングル・スコーピオン》の効果はアーク素材にしたPスケールの合計によって決定する」

 

「Pスケールの合計だと?」

 

「はい、Pスケールの合計は6と7で13、よって13の効果発動」

 

「このカードがアーク召喚に成功したターン、このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する」

 

 

 

「このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの元々の攻撃力分アップする」

 

《トライアングル・スコーピオン》攻撃力2700→4700

 

 

 

「むう、仕方あるまい。手札に戻すべきカードを見誤ってしまったか」

 

相手LP5500-700=4800

 

《トライアングル・スコーピオン》攻撃力4700→2700

 

 

 

(このターンの通常召喚権は残ってるけど…効果も発動できないし、モンスターは出さない方が良さそう)

 

(マジェスペクターたちのステータスは高くないし、たとえ切り札を出されても《トライアングル・スコーピオン》がいるから8000は削りきれないはず…)

 

「ターンエンド」

 

 

 

EX4 墓地4 除外0

相手 LP4800 手札3

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア   空   イ

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア=《マジェスペクター・クロウ》スケール5

イ=《マジェスペクター・フォックス》スケール2

 

TURN4→5 譜理子→相手

 

あ=《トライアングル・スコーピオン》攻撃表示

◇ ◇ あ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札3

EX4 墓地4 除外1

 

 

 

「我輩のターン、ドロー」

 

「覚悟は出来ておるな?」

 

「えっ…?」

 

(覚悟って、まさか…引いたの…!?)

 

「フィールド魔法、《マジェスティックP》を発動」

 

「!…」

 

(2枚目の《マジェスティックP》…!?手札にあったんだ…)

 

「破壊を警戒し、手札に温存したのは少々愚策であった。だがその失態はここから挽回すれば良し。まずは並べるとしよう」

 

 

 

「ペンデュラム召喚!」

 

 

 

「《マジェスペクター・クロウ》、《マジェスペクター・ラクーン》、《マジェスペクター・フロッグ》、《マジェスペクター・キャット》」

 

《マジェスペクター・クロウ》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星4/風属性/魔法使い族/攻1000/守1500

 

《マジェスペクター・ラクーン》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星3/風属性/魔法使い族/攻1200/守 900

 

《マジェスペクター・フロッグ》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/風属性/魔法使い族/攻1300/守 500

【モンスター効果】

「マジェスペクター・フロッグ」の(1)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。

デッキから「マジェスペクター」魔法・罠カード1枚を選んで自分フィールドにセットする。

この効果でセットしたカードはこのターン発動できない。

(2):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、

相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。

 

《マジェスペクター・キャット》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星3/風属性/魔法使い族/攻 100/守1800

 

 

 

「特殊召喚に成功した4体のモンスターの効果を発動。カード名を読み上げた順番にチェーンを組み、処理を行う」

 

「《マジェスペクター・フロッグ》の効果でデッキから《マジェスペクター・トルネード》をセット」

 

「《マジェスペクター・ラクーン》の効果でデッキから2体目の《マジェスペクター・ラクーン》を手札に加える」

 

「《マジェスペクター・クロウ》の効果でデッキから《マジェスペクター・サイクロン》を手札に加える」

 

「《マジェスティックP》の効果を発動。《マジェスペクター・キャット》をリリースしてデッキから2体目の《マジェスペクター・フォックス》を特殊召喚」

 

《マジェスペクター・フォックス》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/風属性/魔法使い族/攻1500/守1000

【モンスター効果】

「マジェスペクター・フォックス」の(1)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。

デッキから「マジェスペクター」罠カード1枚を手札に加える。

(2):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、

相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。

 

 

 

「《マジェスペクター・フォックス》の効果を発動。デッキから《マジェスペクター・スーパーセル》を手札に加える」

 

「う…」

 

(一気にカード差が凄まじく…)

 

「《マジェスペクター・クロウ》をリリースして2体目の《マジェスペクター・ユニコーン》をアドバンス召喚」

 

(っ…!2体目のユニコーン…!ラクーンでサーチしないと思ったら、もう手札に…)

 

「さて、フィールドも整った所で貴様に見せてやろう」

 

 

 

「フィールド魔法が存在する場合に風属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚可能」

 

(来る…!)

 

「我輩は《マジェスペクター・ラクーン》をリリースして特殊召喚。刮目せよ!これぞ我輩の切り札!」

 

 

 

 

 

「《マジェスティックP(パフォーマー)・スペード》!」

 

《マジェスティックP(パフォーマー)・スペード》

効果モンスター

星8/風属性/魔法使い族/攻3000/守3000

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合に風属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分のEXデッキの表側表示の風属性Pモンスター1体を選択して自分のPゾーンに置く。

●Pゾーンのカード1枚を選択して破壊する。

(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

(4):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

(5):1ターンに1度、モンスターゾーンに存在するこのカードが相手の効果によってフィールドを離れる場合、代わりに自分のEXデッキの表側表示の風属性Pモンスター1体を除外できる。この効果は相手ターンでも発動できる。

(6):このカードが破壊され墓地へ送られたターン終了時に発動できる。自分のEXデッキの表側表示の風属性Pモンスター1体を除外することで、墓地のこのカードを特殊召喚する。

 

 

 

(やっぱりステータスも効果も属性が異なるだけで他は同じ…!)

 

「この方法で特殊召喚に成功した時に発動する任意効果があるが、この状況で発動する意味は無い。ではバトルフェイズに入ろう」

 

(…あれ?ユニコーンの効果は発動ーーー)

 

「攻撃の前に《マジェスペクター・ユニコーン》の効果を発動。我輩の《マジェスペクター・フロッグ》と貴様の《トライアングル・スコーピオン》を手札に戻す」

 

(するよね、ダメージ考えたら…でも)

 

「《トライアングル・スコーピオン》はアークモンスターなのでEXデッキに戻ります。そしてこの瞬間《トライアングル・スコーピオン》の効果発動」

 

「モンスターゾーンのこのカードが相手の効果でフィールドから離れた場合に手札のPモンスター1体を相手に見せて発動できる」

 

「そのモンスターを自分のEXデッキに表側表示で加え、自分はデッキから1枚ドローする」

 

「わたしは手札のPモンスターのK(カイト)を見せて発動。K(カイト)をEXデッキに表側表示で加え、デッキから1枚ドロー」

 

「その効果の発動は承知の上だ。これで貴様のフィールドはガラ空きとなった」

 

「《マジェスペクター・フォックス》で攻撃」

 

譜理子LP8000-1800=6200

 

「《マジェスペクター・ユニコーン》で攻撃」

 

譜理子LP6200-2300=3900

 

「《マジェスティックP(パフォーマー)・スペード》で攻撃」

 

譜理子LP3900-3000=900

 

 

 

「メインフェイズ2に入る。カードを2枚セット」

 

「最後にエンドフェイズ、《マジェスペクター・キャット》の効果でデッキから2体目の《マジェスペクター・キャット》を手札に加える」

 

 

 

EX4 墓地4 除外0

相手 LP4800 手札3

◇ 裏 裏 裏 ◇

ア   場   イ

◇ ウ エ オ ◇

ア=《マジェスペクター・クロウ》スケール5

イ=《マジェスペクター・フォックス》スケール2

場=《マジェスティックP》

ウ=《マジェスペクター・フォックス》攻撃表示

エ=《マジェスティックP(パフォーマー)・スペード》攻撃表示

オ=《マジェスペクター・ユニコーン》攻撃表示

 

TURN5→6 相手→譜理子

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP900 手札3

EX5 墓地4 除外1



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8.「Control」

(一気に削られたなあ…最初のデュエルの時もそうだったかな)

 

(っていうか、あれだけフィールドのカードが増えたのに手札の枚数変わってないとか…まあ、伏せカードも手札も正体が判明してるだけマシではあるんだけど…)

 

(…あ、どうしよう…手が震えてきた)

 

===引くのが怖いのかい?

 

「こ、怖くなんか…!」

 

(ない、はず…だったのに…)

 

「…怖いよ、負けたくない…」

 

(LPが減っただけなのに…どうして、こんなに…)

 

===泣かないで。まだ負けると決まったわけじゃない。

 

「…わかってる、それはわかってるの…」

 

===可能性を信じて。キミには力があるはずだよ。

 

「可能性…力…」

 

(アイリス…)

 

「む、どうした?泣いておるのか?」

 

 

 

「…いいえ、ちょっと目がかゆくなっただけです」

 

「そうか。大勢は決したが、貴様のその強い目。闘志は失っておらんようだな」

 

(そうだ…わたしにはアイリスがついてる…)

 

(見えなくても話せなくても、この力がある限りアイリスは…わたしと共に繋がってる…!)

 

(だから、今は泣いちゃだめ…!信じなきゃ、わたしたちの可能性を…!)

 

「ドロー…!」

 

 

 

(うん…!欲しかったカード…!)

 

「スタンバイ、メイン」

 

「《アシンメトリアル・L(ランプ)》を赤のPゾーンに発動」

 

《アシンメトリアル・L(ランプ)》

【Pスケール:青-←4/赤1】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキから炎属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える。

 

 

 

「L(ランプ)のP効果発動。このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる」

 

「デッキから炎属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える」

 

「わたしは水属性の《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》をEXデッキに加える」

 

「続けて魔法発動、《シンメトリアル・リターン》。EXデッキから同じ種族でカード名が異なる「シンメトリアル」Pモンスター2体をデッキに戻すことで、デッキから2枚ドローする」

 

《シンメトリアル・リターン》

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1):自分のEXデッキの表側表示の同じ種族でカード名が異なる「シンメトリアル」Pモンスター2体を対象として発動できる。そのモンスター2体をデッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから2枚ドローする。

 

 

 

「わたしが戻すのは同じ岩石族のP(プレート)、Q(クオーツ)の2枚…」

 

「ほう、ドローするカードを引きおったか」

 

(お願い…このドローに全てがかかってるの…!どうかわたしを勝利に導いて…!)

 

「2枚ドロー…!」

 

 

 

 

 

(!…来た!)

 

「わたしは《アシンメトリアル・J(ジェット)》を青のPゾーンに発動」

 

《アシンメトリアル・J(ジェット)》

【Pスケール:青7/赤-←4】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

 

 

 

「墓地の《ペンデュラム・リアクション》の効果発動。両方の自分のPゾーンにカードが存在する場合に墓地のこのカードを除外して発動できる」

 

「相手フィールドにセットされたカード2枚を選び、そのカードを手札に戻す。わたしはあなたから見て真ん中と左のカードを手札に戻す」

 

「墓地から発動する効果もあったとは…見落としておったか」

 

(L(ランプ)とJ(ジェット)のスケールはそれぞれ1と7…!全てのシンメトリアルとアシンメトリアルをカバーする最高の振れ幅…!)

 

 

 

「ペンデュラム召喚!」

 

 

 

「《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》、《アシンメトリアル・R(リング)》、《アシンメトリアル・N(ニードル)》、《アシンメトリアル・K(カイト)》、《アシンメトリアル・S(シールド)》…!」

 

《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/サイキック族/攻 0←1600/守 0←1600

 

《アシンメトリアル・R(リング)》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星3/炎属性/雷族/攻1500/守 0←600

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

 

《アシンメトリアル・N(ニードル)》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星3/地属性/炎族/攻1200/守 0←900

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

 

《アシンメトリアル・K(カイト)》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星5/風属性/雷族/攻2500/守 0←1000

 

《アシンメトリアル・S(シールド)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星5/水属性/水族/攻 0←1500/守2000

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

 

 

 

(さあ、今度こそアシンメトリアルの本領発揮)

 

「ふむ、《アシンメトリアル・S(シールド)》以外は守備表示。そして唯一攻撃表示である《アシンメトリアル・S(シールド)》は攻撃力0…何を考えておる?」

 

「すぐにわかります。K(カイト)とS(シールド)のモンスター効果発動。1ターンに1度、このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる」

 

 

 

「相手は自分フィールドのモンスター1体を選び、ターン終了時までこのカードとコントロールを入れ替える」

 

「何だと?それは2体とも同じ効果ということか?」

 

「はい。その際、相手は元々の持ち主が自分となるモンスターを選択しないといけません」

 

「ふむ、即ち送られたアシンメトリアルを送り返すような真似は出来ぬということか。貴様に奪われたモンスターはターン終了時に我輩のフィールドに戻るのだな?」

 

「戻ります、アシンメトリアルも同じくわたしのフィールドに。どちらかがフィールドを離れたとしてもそれは変わりません。どうしますか?」

 

「ならば効果にチェーンだ。《マジェスペクター・フォックス》をリリースして速攻魔法発動、《マジェスペクター・サイクロン》。《アシンメトリアル・K(カイト)》を破壊する」

 

《マジェスペクター・サイクロン》

速攻魔法

(1):自分フィールドの魔法使い族・風属性モンスター1体をリリースし、

相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを破壊する。

 

 

 

「さらにチェーンして《マジェスペクター・ユニコーン》の効果を発動。《マジェスペクター・ユニコーン》と《アシンメトリアル・S(シールド)》を手札に戻す」

 

「2体とも我輩のフィールドに移る前にフィールドを離れたことで、その効果は不発に終わる」

 

「はい、わたしにチェーンはありません。S(シールド)は手札に戻り、K(カイト)は破壊されます」

 

(ユニコーンがいなくなった…残るはP(パフォーマー)・スペードだけ…!)

 

「N(ニードル)のモンスター効果発動。1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚を対象として発動できる」

 

「そのカードを破壊する。わたしはPゾーンのL(ランプ)を破壊」

 

「その後、このカードのコントロールを相手に移す」

 

「ふむ。だがコントロールを移したところで貴様のモンスターは《マジェスティックP(パフォーマー)・スペード》に攻撃せねばならんのは、分かっておるな?」

 

「わかってます。破壊する効果の発動は任意ですが、破壊した場合のコントロールを移す効果は強制なので」

 

「成程。目的はPゾーンを開けるためか」

 

「その通りです。片方のPゾーンが開いたことによりJ(ジェット)のP効果発動。1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる」

 

「デッキから風属性以外の「アシンメトリアル」モンスター1体を選び、手札に加える」

 

「わたしはO(オブジェクト)・メイカーをリリースして、デッキから地属性の《アシンメトリアル・P(プレート)》を手札に加える」

 

「リリースされたO(オブジェクト)・メイカーのモンスター効果発動。デッキからPモンスターの《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》を墓地へ送る」

 

「今度はシンメトリアルを墓地へ送ったか。次はそのカードを活用するということだな?」

 

「いえ、墓地へ送ったカードに意味はありません」

 

「む?では目的は手札に加えた…」

 

 

 

「!…そうか!同じ効果ということは…!」

 

「はい。わたしにはこのターンの通常召喚の権利が残ってます」

 

「R(リング)をリリースして《アシンメトリアル・P(プレート)》をアドバンス召喚」

 

《アシンメトリアル・P(プレート)》

ペンデュラム・効果モンスター

星5/地属性/岩石族/攻 0←1000/守2500

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

 

 

 

「P(プレート)のモンスター効果発動。1ターンに1度、このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる」

 

「さあ、選んで下さい」

 

 

 

 

 

「あなたのフィールドにいる元々の持ち主が自分となるモンスターを」

 

「ぬう…!貴様、よくも我輩の切り札を…!」

 

「P(プレート)のモンスター効果でわたしのP(プレート)はあなたのフィールドに」

 

 

 

「あなたの《マジェスティックP(パフォーマー)・スペード》はわたしのフィールドに移ります」

 

(ごめんね、P(パフォーマー)・スペード。今はわたしに力を貸してね)

 

「だが《マジェスティックP(パフォーマー)・スペード》は次のターン我輩のフィールドに戻る。貴様の微々たるLPなど一瞬で削り取ってくれよう」

 

「…いえ、次のターンは訪れません」

 

「何?」

 

「永続魔法発動、《アシンメトリアル・センサー》」

 

「このカードは相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターの数によって得られる効果が増えます」

 

《アシンメトリアル・センサー》

永続魔法

(1):相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターの数によって以下の効果を得る。

●1体以上:

●2体以上:

●3体以上:

●4体以上:

●5体:

 

 

 

「あなたのフィールドにアシンメトリアルは2体。わたしは2体以上の場合に得られる効果を発動」

 

「1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる」

 

 

 

「そのモンスターと同じ属性、または同じ種族のモンスター1体をデッキから墓地へ送り、ターン終了時までそのモンスターのコントロールを得る」

 

「対象に選ぶのはP(プレート)。そしてP(プレート)と同じ種族の岩石族モンスター、Q(クオーツ)をデッキから墓地へ送る」

 

「攻撃力0のモンスターなど取り返して今更何になる?」

 

「勝ちへと繋がるんです。《シンメトリアル・リターン》の効果で引いたもう1枚のカード…」

 

 

 

「わたしは《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》を赤のPゾーンに発動…!」

 

《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》

【Pスケール:青-←1/赤-←1】

このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

(2):

 

 

 

「X(ホリゾンタル)・ライナーのP効果。もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する限り、自分フィールドのモンスターの攻守はフィールドの「シンメトリアル」カードの枚数×200アップする」

 

「!」

 

「フィールドの「シンメトリアル」カードはX(ホリゾンタル)・ライナー、J(ジェット)、P(プレート)、センサー」

 

「そしてあなたのフィールドに移ったN(ニードル)の合計5枚、よってわたしのモンスターの攻守は1000アップ」

 

《マジェスティックP(パフォーマー)・スペード》攻撃力3000→4000 守備力3000→4000

《アシンメトリアル・P(プレート)》攻撃力0→1000 守備力2000→3000

 

 

 

「バトル、P(パフォーマー)・スペードでN(ニードル)に攻撃」

 

「そうか、これが守備表示でペンデュラム召喚した理由か…!」

 

「はい。N(ニードル)の守備力は0。P(パフォーマー)・スペードの効果で攻撃力分、貫通ダメージを与えます」

 

相手LP4800-4000=800

 

《マジェスティックP(パフォーマー)・スペード》攻撃力4000→3800 守備力4000→3800

《アシンメトリアル・P(プレート)》攻撃力1000→800 守備力1000→800

 

 

 

「あの圧倒的不利な盤面をここまで覆すとは…」

 

「最後です。P(プレート)で攻撃」

 

「うむ、見事なり」

 

相手LP800-800=0

 

 

 

“WIN ≪譜理子≫”

 

 

 

 

 

「ふうああ、はああ…」

 

(勝った…勝てた…!)

 

===おめでとう。アクシデントに見舞われながらもよく頑張ったね、キミの逆転勝利だ。

 

「うん…」

 

(ほんと…アイリスとは話せないしステータスは弱体化してるし…最初はどうなるかと思った)

 

(でも、勝てて良かった…!)

 

「むう、我輩の敗北か。おい貴様」

 

「は、はい…」

 

「素晴らしい戦いであった。いずれまた手合わせを願いたい」

 

「…はい、ぜひまたデュエルしましょう」

 

(でも、やっぱり消えちゃうんだよね…?)

 

「うむ。この先も貴様の健闘を祈る」

 

「…っ!」

 

(3回目の光も…変わらず眩しい、な…)

 

 

 

 

 

「…」

 

===何か考え事かい?

 

「考え事…ううん。何だろう…むしろ逆かな、すっきりしてる感じ」

 

「余計な心配事や不安が消えて、頭の中がクリアになってるっていうか…勝ち負けがそんなに大事かなって思ったり」

 

===あらあら。

 

「あ、もちろん負けるつもりなんて全くないし、怖くないと言えば嘘になるけど…」

 

「ただ、あれほど感じてたプレッシャーや恐怖をあまり感じてないの。次からはいつものわたしで戦えるような、そんな気持ち」

 

===それはきっと覚悟を決めた人間の心理だね。キミがこの現実と向き合い最後まで諦めずに戦うことを決意した証拠だよ。

 

「そう、なのかな…?」

 

===そうだよ。今のキミならどんな相手が来ても大丈夫さ。

 

「うん…」

 

(次の相手はもうわかってる…それより)

 

 

 

『ねえ、アイリス』

 

(やっぱり返事はない、か…でも)

 

『わたし今、どんな相手が来ても最後まで諦めず戦えるって思えるの。わたしがこんな気持ちになれたのはね、アイリスのおかげ』

 

『アイリスの力が無かったら、アイリスと繋がれなかったら…わたしはとっくに負けてた』

 

『だから、ありがとう』

 

(返事がなくてもわかる…アイリスは確かにここにいる)

 

(そしてアイリスがくれたこの力で…)

 

(手品師を倒して必ず元の世界に戻ってみせる…!)

 

 

 

===めくった最後の1枚、キミなら見なくてもわかるかな。

 

「うん、青いハート」

 

===正解。一応目を通してあげてね、最後のカードだし。

 

「…」

 

(うん、青いハートだ…真ん中にひとつ)

 

===さあ、光るのも最後かな。



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9.「Uniformization」

「妾(わらわ)を呼んだのは其方(そなた)かえ?」

 

(わ…!かわいい…こういうの和服美人とか大和撫子っていうのかな?昔のお姫様みたい)

 

「ん?なんじゃ、ひ弱そうなおなごじゃのう」

 

(でも口はかわいくない…っていうかわたしより年下っぽい?若いどころか幼く見える)

 

「まあよいわ。呼んだからには精々妾を楽しませてみせよ」

 

(なんか、態度がでかい…背はわたしより、ちっこいのに)

 

「む?今何か失礼なことを考えておったな?」

 

「考えてない、気のせい」

 

「妾を侮るでないぞ。見た目で力量を測るなど愚か者のすることじゃ」

 

「…うん、そうだね」

 

(誰が相手だろうと、いつだって全力…!)

 

===フフフ、構えたその瞬間から表情に一切の緩みが無くなったね。

 

「まあね…こんな状況で緩められるわけないし」

 

===その通りだね。さあ、始まるよ。

 

「…!」

 

(また、一瞬ゾクッて…!一体何なの…?)

 

 

 

“DUELSTART”

 

 

 

(わたしの先攻、まずは最初の5枚…)

 

(デッキはたぶん変わってないはず…問題はステータスの方)

 

(元に戻ってて欲しい…!)

 

 

 

「!?…うっ」

 

===どうしたの?

 

「…ステータスは戻ってる。攻守もPスケールも漏れなく」

 

===0じゃなくなったってことかい?それは良かったじゃない。

 

「それは良かったんだけど…別のところが変わってて…」

 

===別のところ?

 

「うん…」

 

 

 

「モンスターが全部ね、通常モンスターになってる…」

 

===それは困ったね。モンスターの効果が丸々使えなくなっちゃった。

 

(カードの色もそうだけど、効果の欄もきっちりとフレーバーテキストに書き換わってるし…ほんと誰の仕業なの)

 

(通常モンスターかつPモンスターはサポートに恵まれてるとはいえ…このデッキにその手のサポートカードは入ってないし、単純に効果を失っただけっていう…)

 

(まあでもP効果はそのままだし、何とかなりそう…って!)

 

「え…!?」

 

===今度はどうしたの?

 

 

 

「…レベルが1になってる、これも全部…!」

 

===それも困ったね。実質的にペンデュラム召喚が不可能になっちゃった。

 

(ちょっと待ってよ…!相手のデッキ考えたらペンデュラム召喚できないのはきついって…!)

 

(ランク1のエクシーズでもあれば別なんだろうけど、そんなのわたしのEXに入ってないし…)

 

(うう…前のデュエルとは違うタイプの縛り…また苦戦を強いられそう)

 

(とにかく、できることから…)

 

「スタンバイ、メイン」

 

「えらく考え込んでおったのう」

 

「ごめん、待たせちゃったかな?」

 

「気にせずともよい。これもまたデュエルの一興じゃ」

 

「うん…ありがとう」

 

(懐の深い人っていうのかな、思ったより優しい子なのかも…)

 

(もちろん、誰が相手でも手を抜かずに全力で…!)

 

「モンスターをセット、カードをセット」

 

(と、気を引き締めたのはいいけど…このターンはこれで)

 

「ターンエンド」

 

 

 

EX0 墓地0 除外0

相手 LP8000 手札5

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

TURN1→2 譜理子→相手

 

◇ ◇ 裏 ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ 裏 ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札3

EX0 墓地0 除外0

 

 

 

「妾のターン、ドロー」

 

「様子見といったところかの?しからば望み通り、攻めてやるとしよう」

 

「永続魔法、《ダイナミスト・チャージ》を発動。デッキから《ダイナミスト・プテラン》を手札に加える」

 

《ダイナミスト・チャージ》

永続魔法

「ダイナミスト・チャージ」は1ターンに1枚しか発動できない。

(1):このカードの発動時の効果処理として、

デッキから「ダイナミスト」モンスター1体を手札に加える。

(2):1ターンに1度、「ダイナミスト」カードが

フィールドから自分のエクストラデッキに表側表示で加わった場合に発動する。

そのカード1枚を手札に加える。

 

 

 

「フィールド魔法、《ダイナミックP》を発動。《ダイナミスト・プテラン》を召喚」

 

《ダイナミックP》

フィールド魔法

(1):フィールドの「ダイナミスト」モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。

(2):自分の「ダイナミスト」モンスターが戦闘を行う場合、

相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。

 

《ダイナミスト・プテラン》

ペンデュラム・効果モンスター

星4/水属性/機械族/攻1800/守1200

【モンスター効果】

(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動できる。

デッキから「ダイナミスト」カード1枚を手札に加える。

 

 

 

(まさか1ターン目から切り札とかは、無いよね…?)

 

「何も無いならバトルフェイズじゃ、《ダイナミスト・プテラン》で攻撃。《ダイナミックP》の効果で其方は魔法罠を発動出来ぬぞ」

 

「うん…」

 

譜理子裏側守備→《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》戦闘破壊

 

《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》

ペンデュラム・通常←効果モンスター

星1←2/光属性/爬虫類族/攻 800/守 800

 

 

 

「《ダイナミスト・プテラン》のモンスター効果発動。デッキから《ダイナミスト・ハウリング》を手札に加える」

 

「メインフェイズ2、カードを3枚セット」

 

「妾はこれでターンエンド」

 

 

 

EX0 墓地0 除外0

相手 LP8000 手札2

◇ 裏 ア 裏 裏

◇   場   ◇

◇ ◇ イ ◇ ◇

ア=《ダイナミスト・チャージ》

場=《ダイナミックP》

イ=《ダイナミスト・プテラン》攻撃表示

 

TURN2→3 相手→譜理子

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ 裏 ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札3

EX1 墓地0 除外0

 

 

 

(切り札は出なかった…今のうちに何とかしたい)

 

「ドロー、スタンバイ」

 

「待て、スタンバイフェイズに罠発動じゃ、《ダイナミスト・ハウリング》」

 

《ダイナミスト・ハウリング》

永続罠

(1):このカードの発動時の効果処理として、

デッキから「ダイナミスト」Pモンスターを2体まで

選んで自分のPゾーンに置く事ができる。

置いた場合、次のターンの終了時まで、自分は「ダイナミスト」モンスターしかP召喚できない。

(2):このカードが既に魔法&罠ゾーンに表側表示で存在する場合、

1ターンに1度、自分フィールドの「ダイナミスト」モンスター1体をリリースし、

相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。

そのカードを持ち主の手札に戻す。

 

 

 

(そのカードは、だめ)

 

「チェーンしてカウンター罠発動、《シンメトリアル・リフレクション》」

 

「魔法・罠カードが発動した時に自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター1体をデッキに戻して発動できる」

 

「その発動を無効にし破壊する。わたしはEXデッキからM(ミラー)・ダイヴァーをデッキに戻す」

 

《シンメトリアル・リフレクション》

カウンター罠

(1):魔法・罠カードが発動した時に自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター1体をデッキに戻して発動できる。その発動を無効にし破壊する。

 

 

 

「ぬう、妨害札を伏せておったとは」

 

(伏せカードはあと2枚…そのうちの1枚は、たぶんあのカードかな…?)

 

「メイン、《シンメトリアル=I(イメージ)・ペインター》を青のPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=I(イメージ)・ペインター》

【Pスケール:青5/赤5】

(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体を選択し、選択したモンスターの元々の種族・属性・レベル・攻撃力・守備力を持つ「シンメトリアル=Iトークン」1体を特殊召喚する。

 

 

 

「続けて《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》を赤のPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》

【Pスケール:青5/赤5】

(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。フィールドの表側表示モンスター1体を選択し、選択したモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで0になる。

 

 

 

「ほう、Pスケールを張ったか。って何じゃ、両方のスケールが同じではないか!」

 

「うん…同じにした理由はすぐにわかるよ」

 

(どっちにしてもこのデュエル、わたしはペンデュラム召喚できないからね…)

 

「U(アンブレラ)・ハンガーのP効果発動。1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」

 

「フィールドの表側表示モンスター1体の攻守をターン終了時まで0にする。対象に選ぶのはプテラン」

 

《ダイナミスト・プテラン》攻撃力2100→0 守備力1500→0

 

 

 

「ぬう…0にされたか」

 

(まあ、その代わりに本来レベル5のこのモンスターがそのまま召喚できるのはメリットかな…モンスター効果は無いけど)

 

「《アシンメトリアル・P(プレート)》を召喚」

 

《アシンメトリアル・P(プレート)》

ペンデュラム・通常←効果モンスター

星1←5/地属性/岩石族/攻1000/守2500

 

 

 

「I(イメージ)・ペインターのP効果発動。1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」

 

「自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体を選択し、選択したモンスターの元々の種族・属性・レベル・攻撃力・守備力を持つ「シンメトリアル=Iトークン」1体を特殊召喚する」

 

「わたしはP(プレート)を選択して、Iトークンを特殊召喚」

 

《シンメトリアル=Iトークン》表側守備

星1/地属性/岩石族/攻1000/守2500

 

 

 

「ふむ…成程、それぞれのP効果を発動するためということか」

 

「それもあるけど、理由はもうひとつ」

 

「む?」

 

「わたしはスケール5のI(イメージ)・ペインターとスケール5のU(アンブレラ)・ハンガーを」

 

 

 

 

 

「コネクト…!」

 

 

 

「!」

 

 

 

 

 

「アーク召喚!」

 

 

 

 

 

「《シャープハント・デーモン》…!」

 

《シャープハント・デーモン》攻撃表示

アーク・効果モンスター

星5/闇属性/悪魔族/攻2250/守1250

スケール5×2

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードの攻撃で相手モンスターを破壊した時に発動できる。このカードはもう1度だけ続けて攻撃できる。

(2):1ターンに1度、このカードは戦闘で破壊されず、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは代わりに相手が受ける。この効果は相手ターンでも適用できる。

 

 

 

 

 

(うん、こっちはちゃんと効果もあるしレベルも変わってない…!)

 

「アーク召喚じゃと…!?ほう、其方。中々に妾を楽しませおる…!」

 

「ありがとう」

 

(褒められてる、よね…?まあ、いいや)

 

「魔法発動、《シンメトリアル・リターン》。EXデッキから同じ種族でカード名が異なる「シンメトリアル」Pモンスター2体をデッキに戻すことで、デッキから2枚ドローする」

 

《シンメトリアル・リターン》

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1):自分のEXデッキの表側表示の同じ種族でカード名が異なる「シンメトリアル」Pモンスター2体を対象として発動できる。そのモンスター2体をデッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから2枚ドローする。

 

 

 

「同じ天使族のI(イメージ)・ペインターとU(アンブレラ)・ハンガーをデッキに戻し、2枚ドロー」

 

「バトル、《シャープハント・デーモン》でプテランに攻撃」

 

「受けよう」相手LP8000-2250=5750

 

「《ダイナミスト・チャージ》の効果で今破壊された《ダイナミスト・プテラン》を手札に加える」

 

「《シャープハント・デーモン》の効果発動。このカードの攻撃で相手モンスターを破壊した時、もう1度だけ続けて攻撃できる」

 

「ほう、連続攻撃か」

 

「《シャープハント・デーモン》で攻撃」

 

「その攻撃を通すわけにはいかんな。罠発動、《ダイナミスト・ラッシュ》。デッキから《ダイナミスト・レックス》を特殊召喚」

 

《ダイナミスト・ラッシュ》

通常罠

「ダイナミスト・ラッシュ」は1ターンに1枚しか発動できない。

(1):デッキから「ダイナミスト」モンスター1体を特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターは他のカードの効果を受けず、

エンドフェイズに破壊される。

 

《ダイナミスト・レックス》

ペンデュラム・効果モンスター

星5/水属性/機械族/攻2400/守2200

【モンスター効果】

(1):このカードが攻撃を行ったダメージステップ終了時、

このカード以外の自分フィールドの「ダイナミスト」モンスター1体をリリースし、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

●このカードは相手モンスターに続けて攻撃でき、

守備表示モンスターを攻撃した場合、

その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

●相手の手札・フィールドのカード1枚を選んで持ち主のデッキに戻す

(手札から選ぶ場合はランダムに選ぶ)。

その後、このカードの攻撃力は100アップする。

 

 

 

(やっぱりそのカードが伏せられてた)

 

「…攻撃を中止してメイン2、カードを1枚セット」

 

「ターンエンド」

 

「妾のターンに入る前に其方のエンドフェイズ、《ダイナミスト・ラッシュ》の効果で《ダイナミスト・レックス》は破壊される」

 

 

 

EX1 墓地2 除外0

相手 LP5750 手札3

◇ ◇ ア ◇ 裏

◇   場   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア=《ダイナミスト・チャージ》

場=《ダイナミックP》

 

TURN3→4 譜理子→相手

 

あ=《シンメトリアル=Iトークン》表側守備

い=《アシンメトリアル・P(プレート)》攻撃表示

う=《シャープハント・デーモン》攻撃表示

◇ あ い う ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ 裏 ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札1

EX0 墓地2 除外0



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10.「Dynamic」

「妾のターン、ドロー」

 

「おお、来おったか」

 

(!…今のドローで、引いた…?)

 

「《ダイナミスト・プテラン》を召喚」

 

《ダイナミスト・プテラン》

ペンデュラム・効果モンスター

星4/水属性/機械族/攻1800/守1200

 

 

 

「では、場に出揃ったところで妾も披露と行こうかの」

 

「フィールド魔法が存在する場合に水属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚出来るのじゃ」

 

(来る…!)

 

「妾は《ダイナミスト・プテラン》をリリースして特殊召喚。出でよ!妾の切り札!」

 

 

 

 

 

「《ダイナミックP(パフォーマー)・ハート》」

 

《ダイナミックP(パフォーマー)・ハート》攻撃表示

効果モンスター

星8/水属性/機械族/攻3000/守3000

(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合に水属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分のEXデッキの表側表示の水属性Pモンスター1体を選択して自分のPゾーンに置く。

●Pゾーンのカード1枚を選択して破壊する。

(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

(4):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

(5):1ターンに1度、モンスターゾーンに存在するこのカードが相手の効果によってフィールドを離れる場合、代わりに自分のEXデッキの表側表示の水属性Pモンスター1体を除外できる。この効果は相手ターンでも発動できる。

(6):このカードが破壊され墓地へ送られたターン終了時に発動できる。自分のEXデッキの表側表示の水属性Pモンスター1体を除外することで、墓地のこのカードを特殊召喚する。

 

 

 

「《ダイナミックP(パフォーマー)・ハート》がこの方法で特殊召喚に成功した時、効果を1つ選択して発動出来る」

 

「妾はEXデッキから水属性Pモンスター1体を自分のPゾーンに置く効果を選択し、EXデッキから《ダイナミスト・レックス》をPゾーンに置く」

 

《ダイナミスト・レックス》

【Pスケール:青6/赤6】

(1):このカードがPゾーンに存在する限り1度だけ、

このカード以外の自分フィールドの「ダイナミスト」カードを

対象として発動した効果を無効にできる。

その後、このカードを破壊する。

 

 

 

(あれ?その効果を使ったら、あっちのEXデッキのPモンスターは0になるんじゃ…それを承知で攻めてくるってこと?)

 

「そして《ダイナミスト・チャージ》の効果でリリースされた《ダイナミスト・プテラン》を手札に加える」

 

(じゃあ今のP(パフォーマー)・ハートは身代わり効果が使えないから、破壊できるチャンス…!)

 

「さらに《ダイナミスト・ステゴサウラー》をPゾーンに発動」

 

《ダイナミスト・ステゴサウラー》

【Pスケール:青3/赤3】

(1):このカード以外の自分フィールドの

「ダイナミスト」カードが戦闘または相手の効果で破壊される場合、

代わりにこのカードを破壊できる。

 

 

 

(…と、いっても破壊できる手段は持ち合わせていないんだけど)

 

「では、仕上げに」

 

 

 

「ペンデュラム召喚!」

 

 

 

「《ダイナミスト・プテラン》」

 

《ダイナミスト・プテラン》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/水属性/機械族/攻1800/守1200

 

 

 

(このタイミングかな?破壊はできなくても、妨害はできる)

 

「罠発動、《シンメトリアル・ブラスト》。自分フィールドの「シンメトリアル」カードを破壊し、フィールドのカード2枚を対象として発動できる」

 

「そのカードを持ち主の手札に戻す。わたしはIトークンを破壊し、P(パフォーマー)・ハートとP(プレート)を手札に戻す」

 

《シンメトリアル・ブラスト》

通常罠

(1):自分フィールドの「シンメトリアル」カードを破壊し、フィールドのカード2枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主の手札に戻す。

 

 

 

「ほう、そんなものを伏せておったのか。自らのモンスターをも戻すことで《ダイナミスト・プテラン》のモンスター効果を発動させぬ、とな」

 

(本当はプテランを戻したかったけど、レックスに無効化されちゃうからね…)

 

「小賢しいのう。じゃが、それでこそ戦い甲斐があるというもの」

 

「妾はこれでターンエンド」

 

 

 

EX0 墓地2 除外0

相手 LP5750 手札2

◇ ◇ ア ◇ 裏

イ   場   ウ

◇ ◇ ◇ エ ◇

ア=《ダイナミスト・チャージ》

イ=《ダイナミスト・ステゴサウラー》スケール3

ウ=《ダイナミスト・レックス》スケール6

場=《ダイナミックP》

エ=《ダイナミスト・プテラン》攻撃表示

 

TURN4→5 相手→譜理子

 

う=《シャープハント・デーモン》攻撃表示

◇ ◇ ◇ う ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札2

EX0 墓地3 除外0

 

 

 

「ドロー、スタンバイ、メイン」

 

(このターンは、あまり動けそうにないかな…)

 

「バトル、《シャープハント・デーモン》でプテランに攻撃」

 

「《ダイナミスト・ステゴサウラー》のP効果発動。代わりにこのカードを破壊する」

 

相手LP5750-150=5600

 

「これで《シャープハント・デーモン》は追加攻撃が出来まい」

 

「そして《ダイナミスト・チャージ》の効果で破壊された《ダイナミスト・ステゴサウラー》を手札に加える」

 

「…メイン2、モンスターをセット」

 

(大丈夫だとは思うけど…念のため、こっちも)

 

「カードを2枚セット」

 

「ターンエンド」

 

 

 

EX0 墓地2 除外0

相手 LP5600 手札3

◇ ◇ ア ◇ 裏

◇   場   ウ

◇ ◇ ◇ エ ◇

ア=《ダイナミスト・チャージ》

ウ=《ダイナミスト・レックス》スケール6

場=《ダイナミックP》

エ=《ダイナミスト・プテラン》攻撃表示

 

TURN5→6 譜理子→相手

 

う=《シャープハント・デーモン》攻撃表示

◇ ◇ 裏 う ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ 裏 裏 ◇

譜理子 LP8000 手札0

EX0 墓地3 除外0

 

 

 

「妾のターン、ドロー」

 

「《ダイナミスト・プテラン》をリリースして再び現れよ、《ダイナミックP(パフォーマー)・ハート》」

 

《ダイナミックP(パフォーマー)・ハート》攻撃表示

効果モンスター

星8/水属性/機械族/攻3000/守3000

 

 

 

「《ダイナミックP(パフォーマー)・ハート》の効果発動。妾はPゾーンのカード1枚を破壊する効果を選択して、《ダイナミスト・レックス》を破壊」

 

「そして《ダイナミスト・チャージ》の効果でリリースされた《ダイナミスト・プテラン》を手札に加える」

 

(またプテランが手札に戻った…)

 

「《強欲なウツボ》を発動。手札の《ダイナミスト・ステゴサウラー》と《ダイナミスト・ブラキオン》をデッキに戻し、3枚ドローする」

 

《強欲なウツボ》

通常魔法

手札の水属性モンスター2体をデッキに戻してシャッフルする。

その後、デッキからカードを3枚ドローする。

 

 

 

(!…《強欲なウツボ》なんて入ってたんだ…確かに《ダイナミスト・チャージ》との相性は良いかも)

 

「おお、これは良い引きじゃ!さて、役者も揃うたし攻めようかの」

 

「《ダイナミスト・ケラトプス》と《ダイナミスト・ブラキオン》をPゾーンに発動」

 

《ダイナミスト・ケラトプス》

【Pスケール:青3/赤3】

(1):このカード以外の自分フィールドの「ダイナミスト」カードが

戦闘または相手の効果で破壊される場合、

代わりにこのカードを破壊できる。

 

《ダイナミスト・ブラキオン》

【Pスケール:青6/赤6】

(1):このカードがPゾーンに存在する限り1度だけ、

このカード以外の自分フィールドの「ダイナミスト」カードを

対象として発動した効果を無効にできる。

その後、このカードを破壊する。

 

 

 

(一気に来る…!?)

 

 

 

「ペンデュラム召喚!」

 

 

 

「《ダイナミスト・レックス》、《ダイナミスト・プテラン》、《ダイナミスト・プレシオス》」

 

《ダイナミスト・レックス》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星5/水属性/機械族/攻2400/守2200

 

《ダイナミスト・プテラン》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/水属性/機械族/攻1800/守1200

 

《ダイナミスト・プレシオス》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/水属性/機械族/攻1700/守1400

【モンスター効果】

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

相手フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、

自分フィールドの「ダイナミスト」カードの数×100ダウンする。

 

 

 

(う…ちょっとまずい)

 

「《ダイナミスト・プレシオス》のモンスター効果で其方のモンスターの攻撃力・守備力はフィールドの「ダイナミスト」カードの数×100ダウンする」

 

《シャープハント・デーモン》攻撃力2250→1650 守備力1250→650

 

 

 

「ふむ、其方のアークモンスターは厄介じゃったが、これでようやく倒せるわ」

 

「バトルフェイズ、《ダイナミスト・プテラン》で裏側守備表示のモンスターに攻撃」

 

譜理子裏側守備→《アシンメトリアル・P(プレート)》戦闘破壊

 

《アシンメトリアル・P(プレート)》

ペンデュラム・通常←効果モンスター

星1←5/地属性/岩石族/攻1000/守2500

 

《アシンメトリアル・P(プレート)》攻撃力1000→400 守備力2500→1900

 

 

 

「《ダイナミスト・プテラン》のモンスター効果発動。デッキから2枚目の《ダイナミスト・チャージ》を手札に加える」

 

「《ダイナミスト・プレシオス》で《シャープハント・デーモン》に攻撃」

 

「《シャープハント・デーモン》の効果で1ターンに1度、このカードは戦闘で破壊されず、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは代わりに相手が受ける」

 

「この効果は相手ターンでも適用できる。そしてこの効果は永続効果なので《ダイナミックP》があっても適用される」

 

相手LP5600-350=5250

 

「しかしそれも1ターンに1度だけじゃ。《ダイナミスト・レックス》で《シャープハント・デーモン》に攻撃」

 

「攻撃時に罠発動、《鎖付き爆弾》。《ダイナミスト・レックス》に装備する」

 

《鎖付き爆弾》

通常罠

発動後このカードは攻撃力500ポイントアップの装備カードとなり、

自分フィールド上のモンスター1体に装備する。

装備カードとなったこのカードがカードの効果によって破壊された時、

フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。

 

 

 

《ダイナミスト・レックス》攻撃力2700→3200

 

 

 

「っ…」譜理子LP8000-1550=6450

 

「《鎖付き爆弾》は意外じゃったか?まあ《鎖付き爆弾》に限らずこのデッキには攻撃力を上げるカードが幾つか入っておるからの」

 

「とはいえ、攻撃力を500上げたところで其方の8000には僅かに届かぬ。250でもダメージを与えておればこのターンで削り切れたんじゃがのう…まあよいわ」

 

「ダメージステップ終了時、《ダイナミスト・レックス》のモンスター効果発動。《ダイナミスト・プテラン》をリリースして、相手の手札・フィールドのカード1枚を選んで持ち主のデッキに戻す効果を選択」

 

(ここ、重要な分岐点…戻されるカードによっては、そのまま…!)

 

「デッキに戻すのは、真ん中のカードじゃ」

 

《ダイナミスト・レックス》攻撃力3200→3300

 

 

 

(…良かった、セーフ…伏せておいて正解だった)

 

「最後に《ダイナミックP(パフォーマー)・ハート》で攻撃」

 

(P(パフォーマー)・ハートはダイナミストじゃない…つまり《ダイナミックP》に発動を封じられない…!)

 

「永続罠発動、《アシンメトリアル・リカバリー》。このカードの発動時の効果処理として、自分のEXデッキの「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選んで相手フィールドに特殊召喚できる」

 

「わたしはEXデッキの《アシンメトリアル・P(プレート)》をあなたのフィールドに特殊召喚」

 

《アシンメトリアル・P(プレート)》表側守備

ペンデュラム・通常←効果モンスター

星1←5/地属性/岩石族/攻1000/守2500

 

 

 

譜理子LP6450-3000=3450

 

「何じゃその珍妙な効果は?妾のフィールドに出して何になる?」

 

「アシンメトリアルは相手のフィールドに現れてからが本番…!《アシンメトリアル・リカバリー》の効果発動。1ターンに1度、相手モンスターの攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる」

 

 

 

「相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターの数だけデッキからドローするか、相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターのレベルの合計×500LP回復する」

 

《アシンメトリアル・リカバリー》

永続罠

(1):「アシンメトリアル・リカバリー」は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。

(2):このカードの発動時の効果処理として、自分のEXデッキの表側表示の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選んで相手フィールドに特殊召喚できる。

(3):1ターンに1度、相手モンスターの攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けた時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分は相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターの数だけデッキからドローする。

●自分は相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターのレベルの合計×500LP回復する。

 

 

 

「なっ…!」

 

「あなたのフィールドに「アシンメトリアル」モンスターは1体。わたしはデッキからドローする効果を選択し、1枚ドローする」

 

「むう、一癖も二癖もあるカードたちじゃのう。仕方ない、メインフェイズ2」

 

「永続魔法、《ダイナミスト・チャージ》を発動。デッキから2体目の《ダイナミスト・プテラン》を手札に加える。次のターンに備えて召喚はしないでおこう」

 

「妾はこれでターンエンド」

 

 

 

EX1 墓地3 除外0

相手 LP5250 手札1

◇ ◇ ア イ ウ

エ   場   オ

◇ カ キ ク ケ

ア=《ダイナミスト・チャージ》

イ=《ダイナミスト・チャージ》

ウ=《鎖付き爆弾》

エ=《ダイナミスト・ブラキオン》スケール6

オ=《ダイナミスト・ケラトプス》スケール3

場=《ダイナミックP》

カ=《ダイナミスト・プレシオス》攻撃表示

キ=《ダイナミックP(パフォーマー)・ハート》攻撃表示

ク=《アシンメトリアル・P(プレート)》表側守備

ケ=《ダイナミスト・レックス》攻撃表示

 

TURN6→7 相手→譜理子

 

あ=《アシンメトリアル・リカバリー》

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ あ ◇

譜理子 LP3450 手札1

EX0 墓地4 除外0



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11.「Search for」

(この状況は結構崖っぷち…LPが3000以上あるといっても、ダイナミスト2体の攻撃で消し飛ぶ数値…)

 

(でも、わたしは負けない…!きっとデッキにあるはず…この不利な状況を逆転できるようなカードが…!)

 

「ドロー…!」

 

 

 

 

 

(来た…!うん、行ける…)

 

(光も…見える…!)

 

「スタンバイ、メイン」

 

「速攻魔法発動、《アシンメトリアル・コール》。相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻守はフィールドに存在する限り700アップする」

 

「その後、対象としたモンスターと攻守の合計がその数値以下となる「アシンメトリアル」モンスター1体をデッキから自分または相手フィールドに特殊召喚する」

 

《アシンメトリアル・コール》

速攻魔法

(1):相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力・守備力はフィールドに存在する限り700アップする。その後、対象としたモンスターと攻撃力と守備力の合計がその数値以下となる「アシンメトリアル」モンスター1体をデッキから自分または相手フィールドに特殊召喚する。

 

 

 

「これまた変わった効果じゃのう」

 

「わたしはP(プレート)を選択」

 

《アシンメトリアル・P(プレート)》攻撃力1000→1700 守備力2500→3200

 

 

 

「そして攻守の合計がその数値以下の《アシンメトリアル・K(カイト)》をデッキから」

 

 

 

「あなたのフィールドに特殊召喚」

 

《アシンメトリアル・K(カイト)》表側守備

ペンデュラム・通常←効果モンスター

星1←5/風属性/雷族/攻2500/守1000

 

 

 

「また妾のフィールドに…ってレベル1で攻撃力2500じゃと!?」

 

「強いよね。本当はレベル5なんだけど、わけあってレベル1なの」

 

「でも気にしないで。そのレベルの壁を突き破った高い攻撃力が活かされることはないから…永続魔法発動、《アシンメトリアル・センサー》」

 

「このカードは相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターの数によって得られる効果が増える」

 

《アシンメトリアル・センサー》

永続魔法

(1):相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターの数によって以下の効果を得る。

●1体以上:

●2体以上:1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターと同じ属性、または同じ種族のモンスター1体をデッキから墓地へ送り、ターン終了時までそのモンスターのコントロールを得る。

●3体以上:

●4体以上:

●5体:

 

 

 

「ほう、妾のフィールドには2体おるな」

 

「わたしは2体以上の場合に得られる効果を発動」

 

「1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターと同じ属性、または同じ種族のモンスター1体をデッキから墓地へ送り、ターン終了時までそのモンスターのコントロールを得る」

 

「なぬ!?」

 

「わたしは《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》をデッキから墓地へ送り」

 

「同じ水属性のP(パフォーマー)・ハートのコントロールを得る」

 

「妾の切り札が…!」

 

「さらに《アシンメトリアル・センサー》の1体以上の場合に得られる効果を発動」

 

「1ターンに1度、自分の墓地かEXデッキのPモンスター1体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターを手札に加え、自分はそのモンスターのレベル×300ダメージを受ける」

 

「わたしは墓地からレベル1のQ(クオーツ)を手札に加える」

 

譜理子LP3450-300=3150

 

(本来のQ(クオーツ)のレベルは3だけど、今は全部レベル1になってるからダメージも300だけ…!)

 

「そして今手札に加えたQ(クオーツ)を赤のPゾーンに発動」

 

《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》

【Pスケール:青3/赤6】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。デッキから水属性以外の「アシンメトリアル」モンスター1体を選び、手札に加える。

 

 

 

「Q(クオーツ)P効果発動。1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる」

 

「デッキから水属性以外の「アシンメトリアル」モンスター1体を選び、手札に加える」

 

「!…其方、まさか…」

 

「…ごめんね。あなたの大切な切り札をこんな形で使うのはわたしも本意じゃないんだけど…」

 

「このデュエル、わたしにとって絶対に負けられないデュエルなの…!だから…!」

 

(ごめんね、P(パフォーマー)・ハート)

 

「わたしはP(パフォーマー)・ハートをリリースして、デッキから炎属性の《アシンメトリアル・R(リング)》を手札に加える…!」

 

「くっ!よくも妾の切り札をコストなんぞに…!」

 

「…R(リング)を青のPゾーンに発動」

 

《アシンメトリアル・R(リング)》

【Pスケール:青6/赤3】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。デッキから炎属性以外の「アシンメトリアル」モンスター1体を選び、手札に加える。

 

 

 

「わたしはスケール6のR(リング)とスケール6のQ(クオーツ)を」

 

 

 

 

 

「コネクト…!」

 

 

 

 

 

「アーク召喚!」

 

 

 

 

 

「《トライアングル・スコーピオン》…!」

 

《トライアングル・スコーピオン》攻撃表示

アーク・効果モンスター

星9/地属性/昆虫族/攻2700/守1200

青スケール6~7+赤スケール6~7

このカード名の(2)の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

(1):「トライアングル・スコーピオン」は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。

(2):このカードのA素材としたカードのPスケールの合計によって以下の効果を適用する。

●12:

●13:このカードがA召喚に成功したターン、このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの元々の攻撃力分アップする。

●14:

(3):モンスターゾーンのこのカードが相手の効果でフィールドから離れた場合に手札のPモンスター1体を相手に見せて発動できる。そのモンスターを自分のEXデッキに表側表示で加え、自分はデッキから1枚ドローする。

 

 

 

 

 

「またアーク召喚…!」

 

「《トライアングル・スコーピオン》の効果はアーク素材にしたPスケールの合計によって決定する」

 

「Pスケールの合計は6と6で12、よって12の効果発動」

 

 

 

「このカードがアーク召喚に成功した時に発動する。このカード以外のフィールドのモンスターを全て持ち主の手札に戻す」

 

「ぬう…!その効果はダイナミストのP効果で守れぬ…!」

 

「P(プレート)とK(カイト)はわたしの手札に戻る」

 

「…成程。このターンまだ其方は通常召喚しとらんからな。手札に戻して召喚するために《アシンメトリアル・K(カイト)》を呼び出したということか」

 

「…ううん。それだと《トライアングル・スコーピオン》の攻撃力2700を加えても、あなたのLPが50残っちゃうでしょ?」

 

「そうじゃな。僅かでもLPが残っておれば、返しのターンで妾が勝利するのは明白じゃ。では何故に…?」

 

「わたしはK(カイト)を青のPゾーンに発動」

 

《アシンメトリアル・K(カイト)》

【Pスケール:青2/赤5】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキから風属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える。

 

 

 

「Pゾーン…はっ!まさか…!?」

 

「K(カイト)のP効果発動。このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる」

 

「デッキから風属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える」

 

「わたしは炎属性の《アシンメトリアル・L(ランプ)》をEXデッキに加える」

 

(この効果で加えたL(ランプ)に意味は無い…ただ、何も意味が無い効果だとしても、発動しておいて損の無い効果は発動しておく)

 

(せっかく発動できる効果があるのに発動しなかったら、なんだかもったいないもんね。それに…)

 

 

 

(わたしにとって、そんな全力じゃないプレイしちゃったら…P(パフォーマー)・ハートに顔向けできないから…!)

 

「P(プレート)を赤のPゾーンに発動」

 

《アシンメトリアル・P(プレート)》

【Pスケール:青5/赤2】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキから地属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える。

 

 

 

「もう1体来るというのか…!?」

 

(ペンデュラム召喚は1ターンに1度だけ…)

 

 

 

(でもアーク召喚は何度だってできる…!)

 

「わたしはスケール2のK(カイト)とスケール2のP(プレート)を」

 

 

 

 

 

「コネクト!」

 

 

 

 

 

「アーク召喚!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「風に吹かれてお出ましニャン!気ままなマネネコ《真似気猫》!」

 

 

 

《真似気猫》攻撃表示

アーク・効果モンスター

星4/風属性/獣族/攻 ?/守 ?

2・4・6・8の同じスケール×2

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

 

 

 

 

 

「…」

 

「…」

 

(何この恥ずかしい召喚口上は…!?さっきまでの空気ぶち壊しだし、なんか引かれてる気もするし…)

 

「妾のモンスターを全て退けながら2度もアーク召喚をするとは…!」

 

(…あ、驚いてただけか)

 

(と、とにかく再開…!)

 

「《真似気猫》の効果発動。1ターンに1度、このカード以外のフィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる」

 

「次の相手ターン終了時まで、このカードはそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ元々の攻撃力・守備力を得る」

 

「!…」

 

「もちろんわたしは《トライアングル・スコーピオン》を選択」

 

《真似気猫》→《トライアングル・スコーピオン》 攻撃力?→2700 守備力?→1200

 

 

 

「そうか、ターンの初めから其方にはこの光景が見えておったのか…」

 

「うん。光が繋いでくれたの」

 

「全く…其方は不思議なおなごじゃな」

 

「バトル、《トライアングル・スコーピオン》で攻撃」

 

相手LP5250-2700=2550

 

「最後に《真似気猫》で攻撃。ヴェノム・オブ・デザート!」

 

 

 

「うむ…妾の負けじゃ」

 

相手LP2550-2700=0

 

 

 

“WIN ≪譜理子≫”

 

 

 

 

 

「はああ…」

 

(勝った…!)

 

===おめでとう。華麗な逆転劇だったね。

 

「うん…」

 

(アイリスがくれた力のおかげ…!)

 

「ふん…少しは、やるようじゃのう。妾を楽しませたことは誇ってよいぞ」

 

(やっぱり口はかわいくない…でも)

 

「楽しんでくれたのなら良かった。次は勝てるといいね」

 

「こ、今回は其方に花を持たせてやっただけじゃ!運も味方しておったようじゃしな!勘違いするでないぞ!」

 

「そうだね」

 

(素直じゃないところは、かわいいかも)

 

「ふん、妾をもっと楽しませられるよう精進しておけ。…其方なら出来るはずじゃ」

 

「…うん」

 

(ありがとう…またね)

 

 

 

 

 

「…」

 

===どんな気持ちか聞いてもいいかな。

 

「…手品師はどこ?」

 

===さあ、どこにいるんだろうね。

 

「…」

 

(めくるカードはもう無い…4人に勝ったのだから何かイベントが起こってもいいはず)

 

(待ってたら何か起こるかな?それともデュエルディスクに何か仕掛けが…)

 

===手詰まりなら、しばらく待ってみるのはどうかな?最初の時みたいに手がかりが降ってくるかもしれないし。

 

「うん、わたしもそう考えたけど…」

 

===どこへ行くんだい?

 

「舞台の方」

 

(まずは自分の力で答えを探さなきゃね)



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12.「Magician」

「…」

 

(覗いてみたのはいいけど…何も変わってないか)

 

(うん、あの4人のパフォーマー…そのままあの切り札たちだ)

 

(それにしても…すごいなあ。あんなアクロバティックな演技をしながらバランスが取れるなんて…!)

 

(って見とれてる場合じゃない、何か手がかり…あれ?)

 

(もう1人着ぐるみのピエロがいたような気がするんだけど…いなくなった?)

 

===何か見つけられたかい?

 

「いや…」

 

===そっか。

 

(まあ…手品師とは関係無さそうかな)

 

(…舞台裏に戻ろ)

 

===こっちはね、待ってたら降ってきたよ。

 

「…えっ?」

 

 

 

 

 

「初めましてお嬢様。私(わたくし)の名はクラウン」

 

「!…」

 

「以後、お見知りおきを」

 

「あなたは…!」

 

===シルクハットに仮面にスーツ。いかにもな格好だね。

 

(間違いない…この人が手品師…!)

 

「4人のパフォーマーとの戦い、実にお見事でした。これまで何百人と挑まれて参りましたが、まさか私の姿を初めてお見せする相手がこんなにお若いお嬢様だとは思いも寄りませんでしたよ」

 

「あなたがわたし、わたしたちをこの世界に連れてきたの…?」

 

「はい、私がお呼びしました。もっともお嬢様以外は観客と化してしまいましたが」

 

「っ…!どうしてこんなことするの…!?」

 

「力を試しているんですよ。残念ながら私の期待に添えるような力の持ち主は未だ現れていませんがね」

 

「…あなたを倒せば元の世界に戻れるんだよね?」

 

「はい。お嬢様は勿論のこと、これまでにお呼びした方々も一人残らずお返ししましょう」

 

「…わかった」

 

(それならやるべきことはひとつ…)

 

「もうデュエルディスクを構えられるのですね。私としてはまだまだお話を楽しみたかったのですが、まあいいでしょう」

 

「お嬢様の力を試させて頂きますよ」

 

(目の前の手品師を倒すだけ…!)

 

===決戦の時だね。

 

「…!」

 

(またあの寒気が…ううん、気を取られちゃだめ)

 

(今はこのデュエルに勝つことだけに全力で…!)

 

 

 

“DUELSTART”

 

 

 

(先攻はわたし…最初の5枚、重要)

 

(でもそれ以上に重要なのは、カードの情報…!)

 

「!…」

 

(今回はP効果が消えてる…!でもそれ以外は元通り…?レベル、スケール、攻守、モンスター効果も異常無し…)

 

(いや違う…!それはシンメトリアルだけ…!アシンメトリアルは…)

 

 

 

(!…3回戦の時と同じだ…攻守のどちらかが0でスケールも片方が無い…!)

 

(しかも書き換わったのは3回戦の時と逆側…!確かあの時書き換わってたのは、攻守の低い方とスケールが4に近い方…!)

 

(ってことはつまり、攻守の高い方が0になって…スケールが4から遠い方が無くなった…!?)

 

(う…最後のデュエルも縛りがきつい…でも、これで戦うしかない…!)

 

「《アシンメトリアル・S(シールド)》を赤のPゾーンに発動」

 

《アシンメトリアル・S(シールド)》

【Pスケール:青-←1/赤4】

 

 

 

「続いて《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》を青のPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》

【Pスケール:青1/赤1】

 

 

 

「早速両スケールを張りましたか」

 

(…あっちのデッキはだいたい予想がつく。でも方向性は見てみないとわからない)

 

(3体とも呼び出せるけど、ここは2体だけで)

 

 

 

「ペンデュラム召喚…!」

 

 

 

「《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》、《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》」

 

《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/天使族/攻 400/守 400

【モンスター効果】

(1):

 

《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/爬虫類族/攻 800/守 800

【モンスター効果】

(1):

 

 

 

「どちらも守備表示ですか。確かにそのステータスでは攻撃表示で出せませんね」

 

(効果で破壊とかされない限りは、大丈夫なはず…!)

 

「ターンエンド」

 

 

 

EX0 墓地0 除外0

手品師 LP8000 手札5

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

TURN1→2 譜理子→手品師

 

あ=《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》表側守備

い=《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》表側守備

青=《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》青スケール1

赤=《アシンメトリアル・S(シールド)》赤スケール4

◇ あ ◇ い ◇

青   空   赤

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札1

EX0 墓地0 除外0

 

 

 

「私のターン、ドロー」

 

「スタンバイフェイズを経てメインフェイズ」

 

「手札を1枚捨てて《ペンデュラム・コール》を発動。デッキから《虹彩の魔術師》と《紫毒の魔術師》を手札に加えます」

 

《ペンデュラム・コール》

通常魔法

「ペンデュラム・コール」は1ターンに1枚しか発動できず、

「魔術師」PモンスターのP効果を発動したターンには発動できない。

(1):手札を1枚捨てて発動できる。

カード名が異なる「魔術師」Pモンスター2体をデッキから手札に加える。

このカードの発動後、次の相手ターン終了時まで

自分のPゾーンの「魔術師」カードは効果では破壊されない。

 

 

 

(見た目通りの魔術師…問題はどのタイプなのかってことだけど…)

 

「そして手札に加えた《虹彩の魔術師》と《紫毒の魔術師》をPゾーンに発動します」

 

《虹彩の魔術師》

【Pスケール:青8/赤8】

(1):1ターンに1度、自分フィールドの魔法使い族・闇属性モンスター1体を対象として発動できる。

このターンそのモンスターが相手モンスターとの戦闘で相手に与える戦闘ダメージは倍になる。

その後、このカードを破壊する。

 

《紫毒の魔術師》

【Pスケール:青1/赤1】

(1):1ターンに1度、自分の

魔法使い族・闇属性モンスターが戦闘を行うダメージ計算前に発動できる。

そのモンスターの攻撃力はダメージステップ終了時まで1200アップする。

その後、このカードを破壊する。

 

 

 

「さあ、私の方も呼ばせて頂きましょうか」

 

 

 

「ペンデュラム召喚」

 

 

 

「《調弦の魔術師》、《黒牙の魔術師》」

 

《調弦の魔術師》表側守備

ペンデュラム・チューナー・効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0

【モンスター効果】

このカードはEXデッキからの特殊召喚はできず、

このカードを融合・S・X召喚の素材とする場合、

他の素材は全て「魔術師」Pモンスターでなければならない。

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが手札からのP召喚に成功した時に発動できる。

デッキから「調弦の魔術師」以外の「魔術師」Pモンスター1体を守備表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、フィールドから離れた場合に除外される。

 

《黒牙の魔術師》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1700/守 800

【モンスター効果】

このカードはルール上「エクシーズ・ドラゴン」カードとしても扱う。

(1):このカードが戦闘・効果で破壊された場合、

自分の墓地の魔法使い族・闇属性モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

 

 

 

「手札からペンデュラム召喚に成功した《調弦の魔術師》のモンスター効果を発動。デッキから《白翼の魔術師》を特殊召喚します」

 

《白翼の魔術師》表側守備

ペンデュラム・チューナー・効果モンスター

星4/風属性/魔法使い族/攻1600/守1400

【モンスター効果】

このカードはルール上「シンクロ・ドラゴン」カードとしても扱う。

P召喚したこのカードは、S召喚に使用された場合に除外される。

 

 

 

(《白翼の魔術師》ってことは…)

 

「まだまだ行きますよ。私はレベル4「魔術師」Pモンスターの《調弦の魔術師》と《白翼の魔術師》でオーバーレイ」

 

 

 

「エクシーズ召喚」

 

 

 

「《星刻の魔術師》」

 

《星刻の魔術師》攻撃表示

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1200

レベル4「魔術師」Pモンスター×2

このカードは上記のカードをX素材にしたX召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。

(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

自分のデッキ・墓地のモンスター及び自分のエクストラデッキの表側表示のPモンスターの中から、

魔法使い族・闇属性モンスター1体を選んで手札に加える。

(2):1ターンに1度、自分のモンスターゾーン・PゾーンのPモンスターカードが戦闘・効果で破壊される場合、

代わりに自分のデッキから魔法使い族モンスター1体を墓地へ送る事ができる。

 

 

 

(エクシーズ召喚…Pモンスター以外がEXデッキから出てきたのはこれが初めて)

 

(うん、当然この世界にもあるよね…わたしのEXデッキにはアークモンスターしかなさそうだけど)

 

「X素材を1つ取り除いて《星刻の魔術師》の効果を発動。デッキから《アストログラフ・マジシャン》を手札に加えます」

 

「ではバトルフェイズ、《黒牙の魔術師》で《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》を攻撃しましょう」

 

「《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》のモンスター効果発動。1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターはターン終了時まで戦闘で破壊されない。この効果は相手ターンでも発動できる。わたしは《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》を選択」

 

「ふむ、戦闘破壊されない効果を持っていましたか。まあいいでしょう」

 

「それならば《星刻の魔術師》で《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》を攻撃しましょう」

 

「《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》のモンスター効果発動。1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターの表示形式を変更する。この効果は相手ターンでも発動できる。わたしは《星刻の魔術師》を選択」

 

《星刻の魔術師》攻撃表示→表側守備

 

 

 

「成程。どちらも相手ターンに発動できる効果を持っていると。突破するには少々骨が折れそうな並びですね」

 

(…でも魔術師相手じゃ、軽く片付けられちゃう)

 

「私はこれでターンエンドです」

 

 

 

EX0 墓地3 除外0

手品師 LP8000 手札3

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア   空   イ

◇ ウ エ ◇ ◇

ア=《紫毒の魔術師》スケール1

イ=《虹彩の魔術師》スケール8

ウ=《黒牙の魔術師》攻撃表示

エ=《星刻の魔術師》表側守備X素材1《調弦の魔術師》

 

TURN2→3 手品師→譜理子

 

あ=《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》表側守備

い=《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》表側守備

青=《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》青スケール1

赤=《アシンメトリアル・S(シールド)》赤スケール4

◇ あ ◇ い ◇

青   空   赤

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札1

EX0 墓地0 除外0

 

 

 

(だから、このドローで優位に立てるカードを…!)

 

「ドロー」

 

(来た!これなら…!)

 

「スタンバイ、メイン」

 

 

 

「ペンデュラム召喚…!」

 

 

 

「《アシンメトリアル・R(リング)》」

 

《アシンメトリアル・R(リング)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星3/炎属性/雷族/攻 0←1500/守600

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、このカードのコントロールを相手に移す。

 

 

 

「R(リング)のモンスター効果発動。1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚を対象として発動できる」

 

「そのカードを破壊する。わたしはPゾーンのS(シールド)を破壊」

 

「その後、このカードのコントロールを相手に移す」

 

「不可解なプレイングですが、きっと何か意図があるのでしょうね」

 

「魔法発動、《ペンデュラム・リアクション》。自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる。お互いのPゾーンのカードを全てデッキに加えてシャッフルする」

 

《ペンデュラム・リアクション》

通常魔法

(1):自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる。お互いのPゾーンのカードを全てデッキに加えてシャッフルする。その後、デッキに加えたカードの枚数によって以下の効果を適用する。

●1枚:自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。

●2枚:デッキからPモンスター1体を選んで手札に加える。

●3枚:

●4枚:

(2):両方の自分のPゾーンにカードが存在する場合に墓地のこのカードを除外して発動できる。相手フィールドにセットされたカード2枚を選び、そのカードを手札に戻す。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

 

 

「ほう、私のPゾーンのカードもデッキに戻されますか」

 

(破壊じゃないから《ペンデュラム・コール》で防がれず、魔術師たちの効果も発動しない…!もちろんアストログラフも出てこない…!)

 

「その後、デッキに加えたカードの枚数によって効果を適用する。デッキに加えた枚数は3枚なので3枚の効果を適用」

 

 

 

「自分のEXデッキの表側表示のPモンスターの種類の数まで、相手フィールドのカードを選んで除外する」

 

「わたしのEXデッキのPモンスターはS(シールド)が1枚。よって《星刻の魔術師》を除外する」

 

「その後、お互いのプレイヤーはデッキの一番上のカードをめくり、それがPモンスターだった場合は手札に加える。違った場合は墓地へ送る」

 

「《アシンメトリアル・R(リング)》のモンスター効果を発動した意図を理解しましたよ。Pゾーンのカードを減らしてその効果を適用するためだったのですね」

 

「さて、私のデッキの一番上のカードをめくったところ、魔法カードの《星霜のペンデュラムグラフ》でございました。Pモンスターではありませんので墓地へ送られます」

 

「わたしのデッキの一番上のカードは…」

 

 

 

「PモンスターのY(ヴァーティカル)・ライナー…!」

 

(デッキに戻したカード、そのまま手札に帰ってきた…でも、良かった)

 

「おめでとうございます。運もお嬢様の味方をされてますね」

 

(これで次のターン、攻められる可能性は低くなったかな)

 

「W(ホイール)・ローラーを攻撃表示に変更」

 

《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》表側守備→攻撃表示

 

 

 

(R(リング)を破壊してアストログラフが出てきても、このターン魔術師は破壊されてないから手札に加える効果は使えない…!)

 

「バトル、W(ホイール)・ローラーでR(リング)に攻撃。攻撃時にU(アンブレラ)・ハンガーのモンスター効果発動。対象はW(ホイール)・ローラー」

 

「その一切の油断も無いプレイングは流石ですね、受けましょう」手品師LP8000-800=7200

 

「メイン2、W(ホイール)・ローラーのモンスター効果発動。自身を選択し、守備表示に変更」

 

《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》攻撃表示→表側守備

 

 

 

「ターンエンド」

 

 

 

EX0 墓地5 除外1

手品師 LP7200 手札3

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ウ ◇ ◇ ◇

ウ=《黒牙の魔術師》攻撃表示

 

TURN3→4 譜理子→手品師

 

あ=《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》表側守備

い=《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》表側守備

◇ あ ◇ い ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札1

EX2 墓地1 除外0



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13.「Supreme King」

「私のターン、ドロー」

 

「残念ながらこのターンで突破は出来ませんね。スタンバイフェイズを経てメインフェイズ」

 

「《アストログラフ・マジシャン》と《クロノグラフ・マジシャン》をPゾーンに発動します」

 

《アストログラフ・マジシャン》

【Pスケール:青1/赤1】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分メインフェイズに発動できる。

このカードを破壊し、手札・デッキから「星読みの魔術師」1体を選び、

自分のPゾーンに置くか特殊召喚する。

 

《クロノグラフ・マジシャン》

【Pスケール:青8/赤8】

「クロノグラフ・マジシャン」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分メインフェイズに発動できる。

このカードを破壊し、手札・デッキから「時読みの魔術師」1体を選び、

自分のPゾーンに置くか特殊召喚する。

 

 

 

(!…両方あったんだ、って両方とも発動?アストログラフのモンスター効果でサーチしない…?)

 

「何故2枚とも発動したのか、という顔をされてますね」

 

「…」

 

「単純な話です。私のデッキに同名カードは1枚ずつしか存在しないのですよ。お嬢様と同じく、いわゆるハイランダーと呼ばれるものですかね」

 

(全てのカードが1枚だけ…それが本当だとしたら、戦いやすくはなるけど…でもわざわざ相手を有利にするような情報を教える…?)

 

「信じるかどうかはお嬢様にお任せします。さて、続けましょう」

 

「《アストログラフ・マジシャン》のP効果を発動。このカードを破壊しデッキから《星読みの魔術師》をPゾーンに置きます」

 

《星読みの魔術師》

【Pスケール:青1/赤1】

(1):自分のPモンスターが戦闘を行う場合、

相手はダメージステップ終了時まで魔法カードを発動できない。

(2):もう片方の自分のPゾーンに「魔術師」カード

または「オッドアイズ」カードが存在しない場合、

このカードのPスケールは4になる。

 

 

 

「《クロノグラフ・マジシャン》のP効果も発動。このカードを破壊しデッキから《時読みの魔術師》をPゾーンに置きます」

 

《時読みの魔術師》

【Pスケール:青8/赤8】

自分フィールドにモンスターが存在しない場合にこのカードを発動できる。

(1):自分のPモンスターが戦闘を行う場合、

相手はダメージステップ終了時まで罠カードを発動できない。

(2):もう片方の自分のPゾーンに「魔術師」カード

または「オッドアイズ」カードが存在しない場合、

このカードのPスケールは4になる。

 

 

 

(まあそっちも両方入ってるよね…)

 

「では、スケールも張り直したところで」

 

 

 

「ペンデュラム召喚」

 

 

 

「《アストログラフ・マジシャン》、《クロノグラフ・マジシャン》」

 

《アストログラフ・マジシャン》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2000

【モンスター効果】

(1):自分フィールドのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚する。

その後、このターンに破壊された自分または相手のモンスター1体を選び、

その同名モンスター1体をデッキから手札に加える事ができる。

(2):自分の手札・フィールド・墓地の、「ペンデュラム・ドラゴン」「エクシーズ・ドラゴン」

「シンクロ・ドラゴン」「フュージョン・ドラゴン」モンスター1体ずつと、

フィールドのこのカードを除外して発動できる。

「覇王龍ズァーク」1体を融合召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する。

 

《クロノグラフ・マジシャン》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星6/闇属性/魔法使い族/攻2000/守1700

【モンスター効果】

(1):自分フィールドのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚する。

その後、手札からモンスター1体を特殊召喚できる。

(2):フィールドのこのカードを除外し、自分の手札・フィールド・墓地から、

「ペンデュラム・ドラゴン」「エクシーズ・ドラゴン」「シンクロ・ドラゴン」

「フュージョン・ドラゴン」モンスターを1体ずつ除外して発動できる。

「覇王龍ズァーク」1体を融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

 

 

 

「さて、バトルフェイズ。《アストログラフ・マジシャン》で《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》を攻撃しましょう」

 

「W(ホイール)・ローラーのモンスター効果発動。《アストログラフ・マジシャン》を選択し、守備表示に変更」

 

《アストログラフ・マジシャン》攻撃表示→表側守備

 

 

 

「次は《クロノグラフ・マジシャン》で《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》を攻撃しましょう」

 

「U(アンブレラ)・ハンガーのモンスター効果発動。自身を選択し、このターン戦闘で破壊されなくする」

 

「最後に《黒牙の魔術師》で《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》を攻撃しましょう」

 

「…」

 

「ひとまず1体は減らせましたね」

 

「私はこれでターンエンドです」

 

 

 

EX0 墓地5 除外1

手品師 LP7200 手札2

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア   空   イ

◇ ウ エ オ ◇

ア=《時読みの魔術師》スケール8

イ=《星読みの魔術師》スケール1

ウ=《黒牙の魔術師》攻撃表示

エ=《アストログラフ・マジシャン》表側守備

オ=《クロノグラフ・マジシャン》攻撃表示

 

TURN4→5 手品師→譜理子

 

あ=《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》表側守備

◇ あ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札1

EX3 墓地1 除外0

 

 

 

(うー…強いなあ、魔術師…デッキに戻しても、スケール張り直してまた展開してくるなんて…)

 

(ダメージこそ受けてないけど、このカード差じゃあっという間に吹っ飛んじゃう…!せめて次のターンまで耐えられるカードを…!)

 

「ドロー」

 

(う…だめ、このカードじゃ…)

 

 

 

(!…いや、違う)

 

「スタンバイ、メイン」

 

(このカードだからこそ、繋がる…!)

 

「Y(ヴァーティカル)・ライナーを青のPゾーンに発動」

 

「そして《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》を赤のPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》

【Pスケール:青1/赤1】

 

 

 

(わたしもXとY、両方発動…P効果が消えてなかったらもうひとつのP効果が使えたんだけど…どっちにしても今回は使わないか)

 

「おや、どちらも同じスケールとは。どうやらお出ましのようですね」

 

(P効果が無くたって、スケールがあれば…!)

 

「わたしはスケール1のY(ヴァーティカル)・ライナーとスケール1のX(ホリゾンタル)・ライナーを」

 

 

 

 

 

「コネクト!」

 

 

 

 

 

「アーク召喚!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「双子の妖精は今日も明るく楽しく!あなたをすっかり元気にしちゃいます!《チアフル・ツイン・フェアリー》!」

 

 

 

《チアフル・ツイン・フェアリー》表側守備

アーク・効果モンスター

星1/光属性/天使族/攻100/守100

スケール1のカード名が異なるカード×2

このカード名の(1)の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

(1):

(2):

 

 

 

 

(今はちょっと元気になれないかも…でも、可能性を広げてくれる効果はあるみたい)

 

「ほう、呼ばれましたか。実際に対戦相手の立場として見るアーク召喚の演出は、また一味違いますね」

 

「《チアフル・ツイン・フェアリー》の効果発動。このカードがアーク召喚に成功した時に発動できる」

 

 

 

「自分はデッキから2枚ドローする。次の相手ターン終了時まで、相手が受ける全てのダメージは0になる」

 

(このドローで勝ちへの道を…!)

 

「2枚ドロー…!」

 

 

 

「…」

 

(道は確かに見える…だけど)

 

「反応が薄いですね。良いカードが引けませんでしたか?」

 

「…どうだろうね」

 

(動くには、あと1枚足りない…だから、このターンはもう終わり)

 

「…ターンエンド」

 

(次のターンに賭ける…!)

 

 

 

EX0 墓地5 除外1

手品師 LP7200 手札2

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア   空   イ

◇ ウ エ オ ◇

ア=《時読みの魔術師》スケール8

イ=《星読みの魔術師》スケール1

ウ=《黒牙の魔術師》攻撃表示

エ=《アストログラフ・マジシャン》表側守備

オ=《クロノグラフ・マジシャン》攻撃表示

 

TURN5→6 譜理子→手品師

 

あ=《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》表側守備

い=《チアフル・ツイン・フェアリー》表側守備

◇ あ い ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札2

EX5 墓地1 除外0

 

 

 

「私のターン、ドロー」

 

「ほう、私は良いカードが引けました。スタンバイフェイズを経てメインフェイズ」

 

「まずはこちらを発動しましょう。私は《ペンデュラム・フュージョン》を発動」

 

《ペンデュラム・フュージョン》

通常魔法

「ペンデュラム・フュージョン」は1ターンに1枚しか発動できない。

(1):融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを自分フィールドから墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

自分のPゾーンにカードが2枚存在する場合、

自分のPゾーンに存在する融合素材モンスターも融合素材に使用できる。

 

 

 

「!…」

 

「フィールドの闇属性モンスターの《アストログラフ・マジシャン》と《クロノグラフ・マジシャン》を融合」

 

 

 

「融合召喚、《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》」

 

《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》攻撃表示

融合・効果モンスター

星8/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守2000

トークン以外のフィールドの闇属性モンスター×2

(1):このカードが融合召喚に成功した場合に発動できる。

相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を選び、

その攻撃力分だけこのカードの攻撃力をターン終了時までアップする。

(2):1ターンに1度、相手フィールドの

レベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。

エンドフェイズまで、このカードはそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る。

(3):融合召喚したこのカードが破壊された場合に発動できる。

相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊する。

 

 

 

(このタイミングでスターヴ・ヴェノム…?)

 

「融合召喚に成功した《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》の効果を発動。私が選ぶのは《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》です」

 

《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》攻撃力2800→3200

 

 

 

「まあ、この効果にあまり意味はありませんがね。では」

 

 

 

「ペンデュラム召喚」

 

 

 

「《アストログラフ・マジシャン》、《クロノグラフ・マジシャン》、さらに手札から《曲芸の魔術師》」

 

《アストログラフ・マジシャン》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2000

 

《クロノグラフ・マジシャン》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星6/闇属性/魔法使い族/攻2000/守1700

 

《曲芸の魔術師》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星5/闇属性/魔法使い族/攻 800/守2300

【モンスター効果】

(1):魔法・罠カードの発動が無効になった場合に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚する。

(2):このカードが戦闘で破壊された時に発動できる。

このカードを自分のPゾーンに置く。

 

 

 

(あっちのフィールドにはこれでモンスターが5体…ただ、どれもU(アンブレラ)・ハンガーを倒せるような効果は無い)

 

「もちろんただ並べたわけではありませんよ。このままではお嬢様にダメージを与えることすら出来ませんからね」

 

 

 

「ですが、これで漸く揃いました」

 

「…!」

 

(まさか…!)

 

 

 

 

 

「《クロノグラフ・マジシャン》のモンスター効果を発動。自身を除外し、フィールドの《黒牙の魔術師》、《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》、墓地の《白翼の魔術師》」

 

「そして手札の《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》を除外」

 

(オッドアイズ…!さっきのドローで手札に…!?)

 

 

 

「お披露目と行きましょう。融合召喚」

 

 

 

 

 

「現れなさい、《覇王龍ズァーク》」

 

《覇王龍ズァーク》攻撃表示

融合・ペンデュラム・効果モンスター

星12/闇属性/ドラゴン族/攻4000/守4000

【モンスター効果】

ドラゴン族の融合・S・X・Pモンスター1体ずつ合計4体

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動する。

相手フィールドのカードを全て破壊する。

(2):このカードは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。

(3):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動できる。

デッキ・エクストラデッキから「覇王眷竜」モンスター1体を特殊召喚する。

(4):モンスターゾーンのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。

このカードを自分のPゾーンに置く。

 

 

 

(うっ…2体の魔術師抜きであっという間にズァークまで…!)

 

「特殊召喚に成功した《覇王龍ズァーク》のモンスター効果を発動。相手フィールドのカードを全て破壊します」

 

「…チェーンしてU(アンブレラ)・ハンガーのモンスター効果発動。自身を選択」

 

「意味の無い行為ですね。そのまま効果で破壊されて下さい」

 

「っ…」

 

(大丈夫、まだ生き残る…)

 

「お嬢様のフィールドが綺麗になりましたね。それではバトルフェイズ」

 

「まずは《曲芸の魔術師》で攻撃しましょう」

 

譜理子LP8000-800=7200

 

「続いて《アストログラフ・マジシャン》で攻撃しましょう」

 

譜理子LP7200-2500=4700

 

「最後に《覇王龍ズァーク》で攻撃しましょう」

 

譜理子LP4700-4000=700

 

 

 

「…」

 

「お嬢様のLPは残り700。対して私のLPは7200。大きく差が開きましたね」

 

「しかしそんな絶望的な状況にも関わらず、お嬢様からは微塵も諦めが感じられません。今もなお強い目で私を捉えていらっしゃる」

 

「お嬢様のような素晴らしいデュエリストと対峙していることを光栄に思いますよ。私はこれでターンエンドです」

 

 

 

EX0 墓地5 除外6

手品師 LP7200 手札0

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア   空   イ

ウ ◇ エ ◇ オ

ア=《時読みの魔術師》スケール8

イ=《星読みの魔術師》スケール1

ウ=《曲芸の魔術師》攻撃表示

エ=《覇王龍ズァーク》攻撃表示

オ=《アストログラフ・マジシャン》攻撃表示

 

TURN6→7 手品師→譜理子

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP700 手札2

EX6 墓地2 除外0



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14.「First Arc」

(LPは残り僅か…でも0じゃない)

 

(生き残っている限り、逆転の可能性はあるの…!)

 

「…ドロー」

 

 

 

「…スタンバイ、メイン」

 

「良いカードを引きましたか。表情には表れていませんが伝わりますよ」

 

「うん…引いた」

 

(さあ、反撃開始…!)

 

「永続魔法発動、《シンメトリアル・セット》。相手フィールドにのみモンスターが存在する場合に発動できる。このカードを発動するターン、自分はPモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない」

 

「このカードの発動時の効果処理として、自分のEXデッキの「シンメトリアル」Pモンスターを2体まで選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される」

 

(今回はP効果が消えてるから、実質デメリットは無し…!)

 

「わたしは《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》を青のPゾーンに、《アシンメトリアル・S(シールド)》を赤のPゾーンに置く」

 

《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》

【Pスケール:青1/赤1】

 

《アシンメトリアル・S(シールド)》

【Pスケール:青-←1/赤4】

 

 

 

「ほう、発動条件や制約があるとはいえノーコストで両スケールを張ることが出来るとは。お強いカードですね」

 

(落ち着いて、慎重に…)

 

 

 

「ペンデュラム召喚…!」

 

 

 

「《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》、《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》、《アシンメトリアル・R(リング)》…!」

 

《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/天使族/攻 400/守 400

 

《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/爬虫類族/攻 800/守 800

 

《アシンメトリアル・R(リング)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星3/炎属性/雷族/攻 0←1500/守600

 

 

 

「R(リング)のモンスター効果発動。PゾーンのS(シールド)を破壊してこのカードのコントロールを相手に移す」

 

「再び移してきましたか。今度は何の意図があるのでしょうね」

 

「《シンメトリアル・セット》の効果発動。1ターンに1度、自分のPゾーンのカード1枚または自分フィールドのPモンスター1体を除外し、自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない」

 

「わたしはPゾーンのX(ホリゾンタル)・ライナーを除外して」

 

 

 

「EXデッキの《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》を特殊召喚」

 

《シンメトリアル・セット》

永続魔法

相手フィールドにのみモンスターが存在する場合に発動できる。このカードを発動するターン、自分はPモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。

(1):このカードの発動時の効果処理として、自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスターを2体まで選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される。

(2):1ターンに1度、自分のPゾーンのカード1枚または自分フィールドのPモンスター1体を除外し、自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。

 

《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星6/光属性/幻竜族/攻 0/守 0

【モンスター効果】

このカード名の(2)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

(2):

 

 

 

「さらに《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》を召喚」

 

《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/獣戦士族/攻1600/守1600

【モンスター効果】

(1):

 

 

 

「モンスターが並びますね。これで私のフィールドと同じく4体ですか」

 

(これでメインの準備は完了…)

 

「バトル、W(ホイール)・ローラーで《曲芸の魔術師》に攻撃。攻撃時にU(アンブレラ)・ハンガーのモンスター効果発動。W(ホイール)・ローラーを選択」

 

「相打ちを回避しましたか。ですが攻撃力1600の《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》で攻撃すれば良かったのでは?」

 

「それだと、あなたに勝てなくなる…H(ハンマー)・スインガーで《アストログラフ・マジシャン》に攻撃」

 

「…何かのジョークですか?言動と行動が一致していませんよ?」

 

「H(ハンマー)・スインガーは戦闘または相手の効果で破壊された場合、フィールドのカード1枚を破壊する」

 

「それが何だと言うのです?1枚破壊したところで状況は変わりませんし、第一その効果が発動する前に戦闘ダメージを受けてお嬢様の負けが確定しますよ?」

 

「大丈夫、わたしは負けない」

 

 

 

「!…見落としていました。永続効果があったのですね」

 

「Y(ヴァーティカル)・ライナーのモンスター効果で元々の攻守が同じ数値の自分の光属性Pモンスターの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。そしてH(ハンマー)・スインガーが破壊されたことで効果発動」

 

「シンメトリアルは全て元々の攻守が同じ光属性Pモンスターでしたね。しかし、どのカードを破壊するのです?《覇王龍ズァーク》は相手の効果で破壊されないことはご存知でしょう?」

 

「うん。わたしが破壊するのは、《アストログラフ・マジシャン》」

 

(あとは、このカードで…!)

 

「速攻魔法発動、《アシンメトリアル・コール》」

 

《アシンメトリアル・コール》

速攻魔法

(1):相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力・守備力はフィールドに存在する限り700アップする。その後、対象としたモンスターと攻撃力と守備力の合計がその数値以下となる「アシンメトリアル」モンスター1体をデッキから自分または相手フィールドに特殊召喚する。

 

 

 

「そのカードは…!」

 

「相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻守はフィールドに存在する限り700アップする」

 

「その後、対象としたモンスターと攻守の合計がその数値以下となる「アシンメトリアル」モンスター1体をデッキから自分または相手フィールドに特殊召喚する」

 

「わたしはR(リング)を選択」

 

《アシンメトリアル・R(リング)》攻撃力0→700 守備力600→1300

 

 

 

「そして攻守の合計がその数値以下の《アシンメトリアル・K(カイト)》をデッキから自分フィールドに特殊召喚」

 

《アシンメトリアル・K(カイト)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星5/風属性/雷族/攻 0←2500/守1000

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。相手は元々の持ち主が自分となるモンスター1体を選び、ターン終了時までこのカードとコントロールを入れ替える。

 

 

 

「特殊召喚に成功したK(カイト)のモンスター効果発動」

 

「相手は元々の持ち主が自分となるモンスター1体を選び、ターン終了時までこのカードとコントロールを入れ替える」

 

「…そうですか。ペンデュラム召喚から始まり、《アシンメトリアル・R(リング)》の送り付け、《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》の相打ち回避」

 

「そして《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》の自爆攻撃…全てはこの為だったということですか」

 

「…」

 

「もちろん、私がお嬢様にお渡しするモンスターは《覇王龍ズァーク》ですよ。このターンが終了するまではどうぞご自由にお使いください」

 

(まさか《覇王龍ズァーク》のコントロールを奪う時が来るなんてね…このターンだけは、わたしのしもべ)

 

「まだわたしのバトルフェイズ、《覇王龍ズァーク》でK(カイト)に攻撃」

 

「攻撃力0の自分のモンスター相手に容赦無いですね、お嬢様」

 

手品師LP7200-4000=3200

 

 

 

「っ…メイン2、W(ホイール)・ローラーのモンスター効果発動。自身を選択し、守備表示に変更」

 

《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》攻撃表示→表側守備

 

 

 

「…ターンエンド」

 

「ターン終了時、《覇王龍ズァーク》は私のフィールドに戻ります」

 

 

 

EX2 墓地5 除外6

手品師 LP3200 手札0

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア   空   イ

◇ ◇ ウ エ ◇

ア=《時読みの魔術師》スケール8

イ=《星読みの魔術師》スケール1

ウ=《覇王龍ズァーク》攻撃表示

エ=《アシンメトリアル・R(リング)》攻撃表示

 

TURN7→8 譜理子→手品師

 

あ=《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》表側守備

い=《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》表側守備

う=《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》表側守備

え=《シンメトリアル・セット》

◇ あ い う ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ え ◇ ◇

譜理子 LP700 手札0

EX3 墓地3 除外1

 

 

 

「私のターン、ドロー」

 

「前のターンの反撃には私も少々驚嘆しました。流石ここまで勝ち進んできただけのことはありますね」

 

「…」

 

「ですがそれもこのターンまでのようです。スタンバイフェイズを経てメインフェイズ」

 

 

 

「ペンデュラム召喚」

 

 

 

「《アストログラフ・マジシャン》、《曲芸の魔術師》、さらに手札から《貴竜の魔術師》」

 

《アストログラフ・マジシャン》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2000

 

《曲芸の魔術師》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星5/闇属性/魔法使い族/攻 800/守2300

 

《貴竜の魔術師》表側守備

ペンデュラム・チューナー・効果モンスター

星3/炎属性/魔法使い族/攻 700/守1400

【モンスター効果】

このカードをS素材とする場合、

ドラゴン族モンスターのS召喚にしか使用できず、

他のS素材に「オッドアイズ」モンスター以外のモンスターを使用した場合、

このカードを持ち主のデッキの一番下に戻す。

(1):このカードが手札・墓地に存在する場合、

自分フィールドのレベル7以上の「オッドアイズ」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターのレベルを3つ下げ、このカードを特殊召喚する。

 

 

 

(《貴竜の魔術師》は確かチューナー、ってことは…!)

 

「ではお嬢様に引導を渡すモンスターをお呼び致しましょう」

 

「私はレベル5の闇属性Pモンスター《曲芸の魔術師》にレベル3の《貴竜の魔術師》をチューニング」

 

「!」

 

 

 

「シンクロ召喚」

 

 

 

「《覇王眷竜クリアウィング》」

 

《覇王眷竜クリアウィング》攻撃表示

シンクロ・効果モンスター

星8/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

チューナー+チューナー以外の闇属性Pモンスター1体以上

(1):このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。

相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊する。

(2):1ターンに1度、このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算前に発動できる。

そのモンスターを破壊し、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。

(3):このカードが墓地に存在する場合、

自分フィールドの「覇王眷竜」モンスター2体をリリースして発動できる。

このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

 

(うっ…また全体破壊…!)

 

「他のシンクロ素材に「オッドアイズ」モンスター以外のモンスターを使用したため、《貴竜の魔術師》はデッキの一番下に戻ります」

 

「そしてシンクロ召喚に成功した《覇王眷竜クリアウィング》の効果を発動。相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊します」

 

「っ…!チェーンしてW(ホイール)・ローラーのモンスター効果発動。《覇王眷竜クリアウィング》を選択し、守備表示に変更」

 

《覇王眷竜クリアウィング》攻撃表示→表側守備

 

 

 

「足掻きますね。ですが待ち受ける結果に変わりはありません。さて、最後のバトルフェイズに移りましょうか」

 

「お嬢様のこれまでの戦いに敬意を表して、とどめは《覇王龍ズァーク》で刺してあげましょう」

 

「…」

 

「行きますよ、《覇王龍ズァーク》で攻撃します」

 

 

 

 

 

「墓地の《チアフル・ツイン・フェアリー》の効果発動…!」

 

「!」

 

「相手モンスターの直接攻撃宣言時、自分LPがそのモンスターの攻撃力の数値以下の場合に墓地のこのカードを除外して発動できる」

 

 

 

 

 

「お互いはデッキから1枚ドローし、ターン終了時まで、自分が受ける戦闘ダメージは全て0になる」

 

 

 

「…先程から少し違和感がありました。この攻撃で負けてしまうというのに、どこか余裕を感じましたからね」

 

「2枚ドローするだけでなくダメージを受けない効果まである、と。発動条件があるとはいえ強力ですね」

 

(前のターンに発動することになってたら…危なかった)

 

「ですがこれでタネは尽きました。ではメインフェイズ2に移りましょう」

 

「私はこのターンまだ通常召喚をしておりません。ですからお嬢様に引かせて頂いたこのカード、《刻剣の魔術師》を召喚します」

 

《刻剣の魔術師》

ペンデュラム・効果モンスター

星3/闇属性/魔法使い族/攻1400/守 0

【モンスター効果】

(1):手札のこのカードのみがP召喚に成功した時に発動できる。

このカードの攻撃力は元々の攻撃力の倍になる。

(2):1ターンに1度、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターとフィールドのこのカードを次の自分スタンバイフェイズまで除外する。

 

 

 

「こうして立てておくことで、もしお嬢様にモンスターを渡すことになっても最小限のダメージで済みますからね」

 

「もちろん《アシンメトリアル・R(リング)》は忘れず守備表示に変更しておきましょう」

 

《アシンメトリアル・R(リング)》攻撃表示→表側守備

 

 

 

「お嬢様を迎え撃つ万全の態勢が整いました。私はこれでターンエンドです」

 

 

 

EX1 墓地5 除外6

手品師 LP3200 手札0

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア   空   イ

ウ エ オ カ キ

ア=《時読みの魔術師》スケール8

イ=《星読みの魔術師》スケール1

ウ=《刻剣の魔術師》攻撃表示

エ=《覇王眷竜クリアウィング》表側守備

オ=《覇王龍ズァーク》攻撃表示

カ=《アシンメトリアル・R(リング)》表側守備

キ=《アストログラフ・マジシャン》攻撃表示

 

TURN8→9 手品師→譜理子

 

え=《シンメトリアル・セット》

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ え ◇ ◇

譜理子 LP700 手札1

EX6 墓地2 除外2

 

 

 

(…予感がする。次のわたしのターンは、もう回ってこない)

 

(だから、これが最後のドロー…お願い)

 

(わたし…ううん、みんなを元の世界に戻すために…手品師を倒せるカードを…!)

 

「ドロー…!」

 

 

 

 

 

「…スタンバイ、メイン」

 

「…伝わりますよ、お嬢様の今のお気持ち」

 

「やっぱり、わかっちゃうんだね…」

 

「はい。お嬢様が引かれたカードが…」

 

「《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》を青のPゾーンに発動し…」

 

《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》

【Pスケール:青3/赤3】

 

 

 

 

 

「自らを勝利へと導くカードであるということを」

 

 

 

「《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》を赤のPゾーンに発動…!」

 

《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》

【Pスケール:青3/赤3】

 

 

 

「わたしはスケール3のO(オブジェクト)・メイカーとスケール3のT(テーブル)・キーパーを」

 

 

 

 

 

「コネクト…!」

 

 

 

 

 

「アーク召喚!」

 

 

 

 

 

「《幻双煌翼竜ドラゴネシア》!」

 

《幻双煌翼竜ドラゴネシア》攻撃表示

アーク・効果モンスター

星6/光属性/幻竜族/攻2400/守2400

スケール3×2

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される。

(2):このカードの攻撃力・守備力はフィールドのPモンスターの数×300アップする。

 

 

 

 

 

(ドラゴネシア…わたしが初めて召喚したアークモンスター)

 

(最後も、あなたになるんだね)

 

「ドラゴネシアの効果発動。1ターンに1度、自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる」

 

「自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される」

 

「わたしがPゾーンに置くのは《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》」

 

《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》

【Pスケール:青1/赤1】

 

 

 

「続いて《シンメトリアル・セット》の効果発動。わたしはPゾーンのY(ヴァーティカル)・ライナーを除外して、《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》を特殊召喚」

 

《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/爬虫類族/攻 800/守 800

 

 

 

「ドラゴネシアのもうひとつの効果。このカードの攻撃力・守備力はフィールドのPモンスターの数×300アップする」

 

「フィールドのPモンスターは《アストログラフ・マジシャン》、《覇王龍ズァーク》、《アシンメトリアル・R(リング)》、《刻剣の魔術師》…」

 

「そして今特殊召喚されたW(ホイール)・ローラーを加えて合計5体。よって1500アップ」

 

《幻双煌翼竜ドラゴネシア》攻撃力2400→3900 守備力2400→3900

 

 

 

「どうやら《刻剣の魔術師》を引いた時点で私の運命は決まっていたようですね」

 

「バトル、ドラゴネシアでR(リング)に攻撃。攻撃時にW(ホイール)・ローラーのモンスター効果発動。R(リング)を選択し、攻撃表示に変更」

 

《アシンメトリアル・R(リング)》表側守備→攻撃表示

 

 

 

「お嬢様が前のターンに発動された《アシンメトリアル・コール》の効果を受けた《アシンメトリアル・R(リング)》の攻撃力は700」

 

「対して《幻双煌翼竜ドラゴネシア》の現在の攻撃力は3900。その数値の差は3200」

 

 

 

 

 

「流石ですね、お嬢様」

 

手品師LP3200-3200=0

 

 

 

“WIN ≪譜理子≫”



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15.「Message」

(勝った…)

 

===おめでとう。またしても大逆転勝利だ。キミは本当にすごいね。

 

「ありがとう…」

 

(これで…帰れるんだよね…)

 

「おめでとうございます。見事な逆転劇を演じられましたね」

 

「…」

 

「まさかこの私をも退けるとは…恐れ入りました。お嬢様は私の想定を越える程の力の持ち主ということなのでしょう」

 

 

 

 

 

「増々手放したくなくなりましたよ。その力の行く末を見届けたいものです」

 

「!…そんな、あなたを倒したら帰してくれるってーーー」

 

(っ…!また光が…)

 

 

 

 

 

===消えちゃったね。

 

「帰してくれるって…元の世界に戻してくれるって言ったのに…」

 

===そんな暗い顔しないで。

 

「だって…!手品師を倒したのに帰れないなんてそんなの…!」

 

 

 

===倒してないんじゃないかな。

 

「…えっ?」

 

===思い出してごらん。

 

(どういうこと…?思い出すって何をーーー)

 

 

 

 

 

<<<===ここから脱出する方法はひとつ。手品師を倒すこと。>>>

 

 

 

(あっ、そっか…!案内人さん自身が手品師を倒せば帰れるって言ってたんだ)

 

(じゃあまだ倒してないってこと?デュエルで勝ったのに…?)

 

「ねえ、案内人さん。どうすれば手品師を倒せるの…?」

 

===フフフ、キミが知らないわけないでしょ。

 

「…デュエルで勝ったのに、倒したことになってないから聞いてるんだけど…?」

 

===じゃあそれが答えだよ。

 

(もう、どういうことなの…?それじゃまるで、わたしがさっき倒した相手が手品師じゃないみたいにーーー)

 

 

 

 

 

「…あっ!」

 

(もしかして手品師って複数いるの…?あのさっきのクラウンって人以外にも…)

 

(だとしたら、まだまだデュエルで勝ち続けなきゃいけないってこと…?そんなの…無理…!)

 

===心配しないで。手品師はひとりしかいないよ。

 

「えっ…?」

 

===ひとりだけじゃない、って考えてたでしょ。

 

「…うん」

 

===フフフ、もしそうだったら手品師たち、って言い方をしたかもね。

 

「…」

 

(手品師はひとり…そのひとりは既に倒した…でも案内人さんの言葉が確かなら、まだ倒してない…)

 

(一体どういうこと…?何か情報が抜け落ちてたりーーー)

 

 

 

 

 

<<<(間違いない…この人が手品師…!)>>>

 

 

 

<<<===じゃあそれが答えだよ。>>>

 

 

 

 

 

(!…そっか!)

 

 

 

「偽者…!」

 

(うん…それなら合点がいく…!そもそもクラウンって人自体が自分のことを手品師だなんて1回も言ってない…わたしの思い込み…!)

 

===偽者だとしたら本物がいるよね。

 

「…そうね」

 

(また自分で探せってことかな…やっぱり舞台の方?いや、今回も何か降ってきたり…)

 

「うん…?」

 

===どうしたの?

 

 

 

「…カードが張り付いてる。裏向きで1枚…」

 

===本当だ。デュエルディスクの丸まった部分にまた張り付いてるね。

 

(さっきまでは無かった…いつから張り付いてたんだろう…?)

 

===剥がしてみる?ペリペリって。

 

「…制限時間は?」

 

===今回は無いみたいだね。

 

「そう…じゃあちょっと心の準備が整うまで待って」

 

===ご自由にどうぞ。

 

 

 

(このカードをめくったら、きっと本物の手品師が現れる…)

 

(ここまで勝ってきた…どんなピンチも逆転してきた…!)

 

(次が最後の1戦…これまで通り最後まで諦めずに、全力で戦えば勝てるはず…!)

 

(準備はいい?わたし…)

 

 

 

「ふう…」

 

(うん、行こう…!)

 

===フフフ、準備が整ったみたいだね。さて何が描かれているのかな。

 

 

 

 

 

「!…これは」

 

 

 

===シルクハットに仮面にスーツ。まさについさっきキミが倒した相手が描かれてるね。

 

「うん…」

 

(描かれてるというよりは、写真みたい…写ってるのは間違いなく手品師、いやクラウンそのもの…でも何で?)

 

(というか戦った相手がカードに描かれてるって、あのトランプの4枚とはむしろ逆だよね…)

 

(しかも光る気配がないし…いや、また現れてもそれは困るんだけど)

 

「…あれ?」

 

===どうしたの?

 

「カードの下部分に小さく何か書かれてる」

 

===本当だ、文章が書かれてるね。ボクからはちょっと見えないからキミに読んで欲しいな。

 

「うん、えっと…」

 

 

 

 

 

5連勝おめでとう。ここまで勝ち進んだ君には僕から惜しみない拍手と、ちょっとしたメッセージを贈ってあげよう。

僕は何にでもなれる存在だ。残念ながら君が剣を貫いたのは空箱。

真なる僕を倒さない限り、本当の意味で僕を倒したことにならない。

もし僕の正体を当てることができたなら僕に向かってこのカードをセットしたデュエルディスクを構えてごらん。相手になってあげる。

特別にひとつ手品のタネを解き明かすヒントをあげよう。スケールが同じものは全て繋がる。あとは余白を埋める独り言。

赤のPゾーンには王冠が欲しいな。そしたら青のPゾーンには僕を置こう。違いはたった1個だけ。スケールも何もかも同じ。

あ、スケールといえばこのカードも同じだったね。そういえばテントの中に同じスケールがもう1人いたような。

 

 

 

 

 

「…」

 

===どういう意味だろうね。

 

「さあね…でもさっきのクラウンとは違うこれを書いた本物の手品師を探し当てないと倒せない、っていうのは理解した」

 

===文章通りならそうだね。

 

(何が手品のタネを解き明かすヒントよ…こんな謎解きゲームみたいなこと…!)

 

(…だめ、冷静にならなきゃ…頭に血が上っちゃったら、解けなくなる)

 

(それに手品師はたぶん今もどこかでわたしを見ながら、謎解きに右往左往するわたしを心待ちにしてるはず…)

 

(わたしの反応を楽しみながら高みの見物かと思うとむかつくけど…感情はなるべく抑えて、自分のペースで解いていかなきゃね)



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16.「Solved」

(空箱っていうのはさっきわたしが倒したクラウンのこと。このメッセージの内容から、既に手品師本体はどこか別の場所…)

 

(とにかくその本体を見つけないと…倒すこともできないし)

 

(居場所を突き止める唯一のヒントは、スケールが同じものは全て繋がる、の一文だけ…いや)

 

(どう考えてもその次の2行もヒントだよね…怪しすぎる。絶対ただの独り言なんかじゃない)

 

(そもそもスケールって何…?何を意味してるの…?)

 

「…」

 

===どう?何かわかりそう?

 

「…今のところは、全く」

 

(ちょっと舞台の方覗いてみよう)

 

 

 

(…うん、何も変わってないよね…手がかりも特になさそう)

 

===何か見つけられたかい?

 

「いや…」

 

===そっか。

 

(やっぱりカードに書かれたこのメッセージだけが手がかりかな…)

 

 

 

「…」

 

(3回くらい読み返してるけど…進まない)

 

(何か見落としてる?それとも考え方がだめ…?一度頭をリセットしてもう1回…)

 

(「赤のPゾーンには王冠が欲しいな。そしたら青のPゾーンには僕を置こう」)

 

(赤のPゾーン、王冠…)

 

(…やっぱりだめ、浮かばない)

 

(そもそも何で王冠なの?王冠って西洋の王様がかぶる冠でしょ?それにどういう意味がーーー)

 

 

 

 

 

「!…」

 

(あれ…?これって、ただの偶然…?)

 

(「青のPゾーンには僕」…「違いはたった1個だけ」…)

 

(うん、偶然かな…だって違いが1個じゃなくて、0だから全く同じだし…)

 

(それに王冠が赤のPゾーンに欲しい理由もーーー)

 

 

 

 

 

(…いや、ちょっと待って…!赤のPゾーンの位置は…)

 

(ってことは頭文字がそれを意味するから…)

 

(!…そっか、そうだとしたら確かに違いは1個だ…!)

 

(うん、やっと進んだ感じ…!)

 

(だけどそれが何を意味してるかは、よくわからないまま…)

 

(「スケールも何もかも同じ」…うん、確かにメッセージの通り、1個を除いて同じ…スケールに限れば後半の2つも、さらに同じ)

 

(だからこのメッセージにおけるスケールが何を意味してるかがわかれば、一気に答えが近付く…!ような気がする)

 

===進展有り、って顔だね。

 

「うん…でも答えまでは、まだ遠そう」

 

(2行目の独り言が全く解けてないからね…ただ、方向性は見えてきた)

 

(「スケールといえばこのカードも同じ」…このカードっていうのは今わたしが持ってる手品師と文章が書かれたこのカードのこと)

 

(で、このカードは、違いがたった1個だけの前の2つとスケールが同じ…つまり何か共通点があるってこと)

 

(そしてその共通点は、テントの中にいるもう1人にもある。何故ならそれも同じスケールだから)

 

(ってことはそれらに共通する何かを見つけられれば、そのまま答えへと繋がるはず…!)

 

 

 

(…問題は共通点と成り得るものが多すぎること。あの2つはほぼ同じようなものだし…)

 

(だからその共通点を絞るためにも、まずこのカードが何なのかをはっきりさせないと…!)

 

(テントの中にいるもう1人の方は、ぼんやりとしすぎててこのカード以上に正体不明だし…うん、このカード1択だ)

 

(そもそもこのカードって何だろう…1回おさらい)

 

(写ってるのはクラウンこと偽者の手品師。メッセージを書いたのは本物の手品師…それ以外は空白。裏面は見慣れたデュエルのカード)

 

(トランプの4枚と同じように、このカードもデュエルディスクに張り付いてた。出現したのはおそらくクラウンとのデュエルが終わってから)

 

(5枚目のこれも裏面は同じなんだけど…対戦した相手が写ってるし、光らないし、このメッセージだしでこれまでと全然違うわけで…)

 

(はぁ…最初からデュエルディスクに張り付いてた4枚はトランプのスートだったのにこのカードはーーー)

 

 

 

 

 

「!…」

 

(あっ…!何で気付かなかったんだろ…)

 

(存在するじゃないの…!何にでもなれる5つ目が…!)

 

(もしそうだと仮定すると共通点は…)

 

 

 

(…うん、絞れた、というかほぼ確定かな。でも肝心のもう1人が掴めない…)

 

(だって1人だけじゃないし…どっちも違うような気がする)

 

(もしかして、わたしがまだ出会ってない人…?同じスケールのもう1人って…)

 

(…舞台とか客席の方には行けるのかな?案内人さんに聞いてーーー)

 

 

 

 

 

<<<===ボクは案内人、ここのガイドさ。>>>

 

 

 

 

 

「ああっ!」

 

===どうしたの?

 

 

 

 

 

「解けた…」

 

===本当かい?すごいね。

 

(やっと見つけた…あとは)

 

===フフフ、舞台が騒がしくなりそうだ。

 

 

 

 

 

カーテンを勢いよく開けて舞台に上がると、パフォーマーたちは演技を中断した。

 

突然の乱入にざわつくかと思ったけど、誰ひとり何も喋らない。まるで時が止まったみたいに静まり返ったまま。

 

そんな状況の中、わたしはメッセージの贈り主…

 

 

 

 

 

さっきは居なかったピエロに向かってデュエルディスクを構えた。

 

 

 

「ピエロ、あなたの正体は…」

 

 

 

 

 

「偽者の手品師であり、クラウンであり」

 

 

 

 

 

「真なる僕こと本物の手品師で」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わたしを最初からずっと見ていた案内人だ!」

 

 

 

 

 

わたしがそう叫ぶと、デュエルディスクにセットしておいたクラウンのカードが眩い光を放ち始めた。

 

 

 

「うっ…!」

 

 

 

光が収まったのを確認しながら、ゆっくりと目を開ける。

 

その瞬間、前方からパチパチパチ、という乾いた音が聞こえてきた。

 

「…!」

 

いつの間にかわたしの前に立っていたピエロが、わたしに向けて拍手を送る。

 

 

 

 

 

「フフフ、大正解だよ。譜理子ちゃん」

 

そして聞き慣れた笑いと共に嬉しそうな声を上げた。



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17.「Meeting again」

「キミならきっと辿り着けると思っていたよ」

 

「…早く構えて」

 

「まあまあ焦らずに。キミがどのようにしてボクのメッセージを解き明かしたのか、是非とも聞かせて欲しいな」

 

「…」

 

ピエロはわたしの返答を待つ。デュエルディスクを構える気配は一向に無い。

 

どうやら話さないと先に進まないらしい。わたしはじれったい気持ちを抑えながら話すことにした。

 

 

 

 

 

「スケールが同じものは全て繋がる。唯一のヒントはこの一文」

 

「だけど下2行の余白を埋める独り言があからさまに怪しい。間違いなくこれもヒント」

 

「そう思ってわたしは何度も読み返しながら解いていった」

 

 

 

「赤のPゾーンには王冠。青のPゾーンには僕…当初は何を言ってるのかさっぱりわからなかった」

 

「Pゾーンは何を意味してるのか、何故王冠なのか、どうして僕が置けるのか…」

 

「でも王冠という単語の意味を考えた時、ふと思い浮かんだ」

 

 

 

 

 

「王冠という意味の英単語、クラウン(CROWN)が」

 

「思い浮かんだ時は偶然かと思った。たまたま手品師の名前と一致したのかと。どちらもクラウンだから、たった1個の違いも無いし…ね」

 

「それに王冠が赤のPゾーンに欲しい理由もわからない…って考えながらデュエルディスクの赤のPゾーンを見た瞬間、パッと閃いたの」

 

 

 

 

 

「別のクラウンをね。クラウンはカタカナだと1種類の表記しかないけど、英語だといくつか種類があるんじゃないかって…わたしが知らないだけで」

 

「クラウンという4文字だけでも、クはcかk、ラもlかr、ウだってuとかwとか…カタカナで表した音が一緒でも英語での綴りが異なる単語は、いくらでもあるから」

 

「だけどただ他のクラウンの可能性をあげてたらきりがない。ましてやそのクラウンは青のPゾーンの僕だから固有名詞だし…」

 

「だからここで重要なのは2つ。違いはたった1個ということと、赤のPゾーンがどこに位置してるかということ」

 

「Pゾーンの位置は言うまでもなく、プレイヤーから見て青が左で赤が右。そのことを踏まえて王冠と同じように、左右をそれぞれ英語に変換すると…」

 

 

 

「左、LEFT…右、RIGHT。頭文字はそれぞれLとR。英語はその1文字でも左右を表す」

 

「つまり右の赤のPゾーンにRのCROWNを置くなら、必然的に左の青のPゾーンにはLのCLOWN」

 

「CROWNとCLOWN。違いはたった1個だけでスケールも何もかも同じ。ここまでが1行目の独り言」

 

 

 

「なるほど。そのように推理していったんだね」

 

「けれどそれ自体は何の意味も持たないよね?LとRも一見正しい推理のように思えるけど、仮定にしか過ぎないでしょ?」

 

 

 

「そうね…この時点では何も確定していない。でも2行目の独り言を解く材料にはなった」

 

「2つのクラウン、このカード、テントの中にいるもう1人…全てスケールが同じ、つまり共通点がある」

 

「ただCROWNとCLOWNじゃ共通点が多すぎる。だから共通点を絞るために、このカードが何なのかをはっきりさせる必要があった」

 

「デュエルディスクに張り付いていた5枚目のこのカード。少し悩んだけど、これまでの4枚がトランプのスートだったことを思い返したらすぐに気付いた」

 

 

 

 

 

「何にでもなれるトランプのカード、ジョーカーの存在に」

 

「ジョーカーは元々英語でアルファベットにするとJOKER。これを含めると共通点はかなり絞られる」

 

「Oの文字が入る単語、始まりと終わりが子音の単語、そして5文字の単語…思い付いたのはこの3つ」

 

「そのうちスケールが同じという言葉の意味を考えたら、残る候補は5文字の単語、の1つだけ」

 

「だってスケールは数字だから、スケールが同じってことは数字が同じって意味になるでしょ?」

 

「これで共通点はほぼ確定。もう1人の正体は、英語のアルファベットにすると5文字の単語になる存在」

 

 

 

「わたしがここで目覚めてから出会った人たちの中だと、スペードとハートの2人がどっちもアルファベットで5文字」

 

「でもどっちも違う気がした。1人じゃないし、そもそもその名前はわたしが勝手につけたものだから…」

 

「もしかしたらまだ出会ってないのかも、って思って舞台や客席に入っていいか案内人さんに聞こうとしたその時」

 

 

 

 

 

「突然降ってきたように案内人さんの言葉を思い出したの」

 

 

 

 

 

「ボクは案内人、ここのガイド…」

 

 

 

 

 

「ああっ!って、つい声に出しちゃった。もう1人の正体が判明したこともそうだけど、無意識に案内人さんを出会った人にカウントしてなかったことにも驚いてね」

 

 

 

 

 

「ガイドをアルファベットにすると、GUIDEで5文字」

 

 

 

 

 

「この瞬間、全てが繋がった」

 

 

 

「スケールが同じものは全て繋がるというヒントから」

 

 

 

 

 

「CLOWN(本物の手品師)=JOKER(偽者の手品師)=GUIDE(案内人)」

 

 

 

 

 

「が成立。ここまでが手品のタネを解き明かした経緯」

 

 

 

「なるほど。豊かな想像力を持つだけにとどまらず、優れた発想力にこの状況に置いての抜け目の無さと冷静さ、キミは聡明だね」

 

「だけどその推理に1つ疑問点。どうしてピエロがボクだとわかったのかな?」

 

「舞台にいるパフォーマーはあなたを入れて5人。あなたを除く4人のパフォーマーたちはそれぞれトランプの人たちが使ってた切り札と同じ姿をしてた」

 

「パフォーマーたちがトランプのスートの象徴的存在なら、唯一残ったピエロがジョーカーなのは明らか」

 

「そうだね。途中キミは舞台の方に行って確認してたよね。まあその時ボクは分身を残して舞台から消えてたけど」

 

(分身…あの偽者の手品師は分身だったんだ)

 

「でも意外だったな。キミのことだからクラウンって名前の時点でピエロと関係があることに気付いてる、って思ってた」

 

「…どういうこと?」

 

「やっぱりキミはCLOWNの意味を知らないようだね」

 

「知らない…意味あるの?」

 

 

 

 

 

「ピエロって意味さ」

 

「!…」

 

「フフフ、CLOWNがピエロとは限らないけどね。それにしても」

 

「…なに?」

 

 

 

「ホリゾンタル(HORIZONTAL)とヴァーティカル(VERTICAL)を知っててCLOWNを知らなかったとはね、ちょっと予想外だったよ」

 

「…」

 

「サーカス好きなら知っておいて欲しかったな。そしたらもっと早く辿り着いたかもしれなかったのにさ」

 

「…知らなかったけど覚えた。もう忘れない」

 

「いい心掛けだね。まあ、それはさておき」

 

「…?」

 

 

 

 

 

~~~そう。そっちが本体だったってわけね。

 

「!?」

 

『アイリス…!?』

 

~~~やっとアナタと話せたわ。

 

『何かあったの…?急に話せなくなって…心配した』

 

~~~ちょっと面倒なことになってね。でももう大丈夫よ!アタシなら心配いらないわ!

 

『そっか…!良かった』

 

「フフフ、再会したようだね。では改めて」

 

 

 

「ようこそ、手品師のテントへ。ボクの名はクラウン。質問があるなら受け付けよう」

 

「…ちゃんと答えてくれる?」

 

「もちろん。ボクに答えられる質問なら何でも答えてあげるよ。ここまで辿り着いたキミへのご褒美さ」

 

「…」

 

(何がご褒美よ…)

 

「それにお客さんも見てるからね」

 

「!…ねえ、これまで一体何人もの人を連れてきたの…?」

 

「数えたことないからわかんないや。3桁は超えてるんじゃないかな」

 

「っ…!何のために連れてくるの…!?こんなところに閉じ込めて…!わたしたちに何か恨みでもあるの!?」

 

「個人的な恨みだけでこんなに多くの人を連れてくると思うかい?それにもし本当に恨みがあったとしたら、こんな回りくどい方法は取らないと思うなあ」

 

「…じゃあ何のために?」

 

「このテントを維持するためだよ。サーカス世界において唯一このテントだけがボクの生きられる場所なんだ」

 

「でも困ったことにテント側が維持費として定期的にデュエルと人を要求してくるんだよね。ステージを盛り上げろ、空席を埋めろ、ってさ。だから仕方なくご招待してるんだ」

 

「わたしたちが、維持費…」

 

~~~嘘よ!クラウンには別の目的があるわ!

 

『!…アイリス、どういうこと?別の目的って…?』

 

 

 

~~~世界征服よ!客席の人間たちはそのための操り人形!クラウンは連れてきた人間を利用してアナタたちの世界を乗っ取ろうと企んでるの!

 

「!?」

 

『そんな…まさか…!?』

 

~~~本当よ!客席をよく見ればわかるわ!みんな瞬きひとつしてないでしょ!?あれはもう自分では動けない状態になってるの!

 

「!…」

 

(この客席のみんなが…操り人形…)

 

「どうしたの?客席に何か面白いものでも見つけた?フフフ、それともお客さんたちに挨拶でもするのかな?」

 

「…」

 

「残念だけどリアクションは期待しない方がいいかもね。舞台は静かに観賞するのがここでのマナーだからね」

 

「っ…!」

 

『…ねえ、アイリス』

 

~~~ん?なに?

 

『クラウンを倒したら、わたしたちみんな元の世界に帰れるんだよね…?』

 

~~~うん!帰れるわ!それは心配しないで!

 

『うん…わかった』

 

「他に何か質問はあるかい?」

 

「…いい。聞きたいことはもう無い」

 

「あら?もういいんだ。せっかくボクが色々答えてあげようと思ってたのに」

 

「…早く構えて」

 

「キミがいいならいいんだけどさ。それじゃあ」

 

 

 

「最終幕へと移ろうか」

 

「!」

 

(来る…!)

 

「フフフ、キミもすぐに案内してあげるよ。キミのために用意したとっておきの特等席にね」

 

「させない…!あなたを倒してみんなで元の世界に帰る…!」

 

~~~そうよ!クラウンに勝って全てを終わらせましょ!

 

「ボクにどこまで迫れるか見物だね。さあ、ショーの始まりだ」

 

 

 

“DUELSTART”



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18.「Curtain raising」

(さあ、最初の5枚…またカードの情報が書き換わってーーー)

 

 

 

(!?…これは、見間違いじゃないよね…?レベルもスケールも攻守もモンスター効果もP効果も、ちゃんと本来のまま…!)

 

(うん…!シンメトリアルもアシンメトリアルも異常無し…これなら最高の状態で戦える…!)

 

(とすれば問題はクラウンの方…)

 

「先攻はボクだね。スタンバイ、メイン」

 

 

 

「《EMドクロバット・ジョーカー》を召喚。モンスター効果発動」

 

《EMドクロバット・ジョーカー》

ペンデュラム・効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守 100

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。

デッキから「EMドクロバット・ジョーカー」以外の「EM」モンスター、

「魔術師」Pモンスター、「オッドアイズ」モンスターの内、いずれか1体を手札に加える。

 

 

 

(当然そのカードは入ってるとして…何をサーチしてくる?)

 

 

 

「デッキから《EMモンキーボード》を手札に加える」

 

(うっ…そのカードが入ってるってことは…)

 

「《EMモンキーボード》をPゾーンに発動してP効果発動。デッキから《EMペンデュラム・マジシャン》を手札に加える」

 

《EMモンキーボード》スケール1→4

 

《EMモンキーボード》

【Pスケール:青1/赤1】

「EMモンキーボード」の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンに「EM」カードが存在しない場合、

このカードのPスケールは4になる。

(2):このカードを発動したターンの自分メインフェイズに発動できる。

デッキからレベル4以下の「EM」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

「《EMリザードロー》をPゾーンに発動。これでセッティングは完了だね」

 

《EMモンキーボード》スケール4→1

 

《EMリザードロー》

【Pスケール:青6/赤6】

「EMリザードロー」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分メインフェイズにもう片方の自分のPゾーンに

「EMリザードロー」以外の「EM」カードが存在する場合に発動できる。

このカードを破壊し、自分はデッキから1枚ドローする。

 

 

 

(まさかクラウンのデッキって…)

 

 

 

「ペンデュラム召喚」

 

 

 

「《EMペンデュラム・マジシャン》、《Emヒグルミ》」

 

《EMペンデュラム・マジシャン》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/地属性/魔法使い族/攻1500/守 800

【モンスター効果】

「EMペンデュラム・マジシャン」のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが特殊召喚に成功した場合、自分フィールドのカードを2枚まで対象として発動できる。

そのカードを破壊し、破壊した数だけデッキから「EMペンデュラム・マジシャン」以外の

「EM」モンスターを手札に加える(同名カードは1枚まで)。

 

《Emヒグルミ》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星4/炎属性/魔法使い族/攻1000/守1000

【モンスター効果】

(1):フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。

手札・デッキから「Emヒグルミ」以外の「Em」モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

 

(全盛期のEMEm…!)

 

「ペンデュラム・マジシャンのモンスター効果発動。モンキーボードとヒグルミを破壊してデッキから《EMギタートル》と2枚目の《EMモンキーボード》を手札に加える」

 

「フフフ、言っておくけどこのデッキはハイランダーじゃないからね。強いカードは当然3積みさ」

 

「っ…」

 

「ヒグルミのモンスター効果発動。デッキから《Emダメージ・ジャグラー》を特殊召喚」

 

《Emダメージ・ジャグラー》攻撃表示

効果モンスター

星4/光属性/魔法使い族/攻1500/守1000

「Emダメージ・ジャグラー」の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分にダメージを与える魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、

このカードを手札から捨てて発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

(2):自分または相手のバトルフェイズにこのカードを手札から捨てて発動できる。

このターン自分が受ける戦闘ダメージを1度だけ0にする。

(3):自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。

デッキから「Emダメージ・ジャグラー」以外の「Em」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

(レベル4モンスターが3体…)

 

「ボクは魔法使い族レベル4モンスターのペンデュラム・マジシャンとダメージ・ジャグラーでオーバーレイ」

 

 

 

「エクシーズ召喚」

 

 

 

「《Emトラピーズ・マジシャン》」

 

《Emトラピーズ・マジシャン》攻撃表示

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/光属性/魔法使い族/攻2500/守2000

魔法使い族レベル4モンスター×2

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

自分はこのカードの攻撃力以下の戦闘・効果ダメージを受けない。

(2):自分・相手のメインフェイズ1に1度、このカードのX素材を1つ取り除き、

このカード以外のフィールドの表側攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。

このターンそのモンスターは2回攻撃でき、バトルフェイズ終了時に破壊される。

(3):このカードが戦闘または相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから「Em」モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

 

(…あれ?3体いるのにトラピーズ・マジシャン…?)

 

「フフフ、No.の彼やテラナイトの彼女でも期待してたかい?」

 

「!…」

 

「期待に添えられなくて申し訳ない。ボクはこれでターンエンド」

 

 

 

EX2 墓地0 除外0

クラウン LP8000 手札4

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア   空   ◇

◇ ◇ イ ウ ◇

ア=《EMリザードロー》スケール6

イ=《EMドクロバット・ジョーカー》攻撃表示

ウ=《Emトラピーズ・マジシャン》攻撃表示X素材2《EMペンデュラム・マジシャン》《Emダメージ・ジャグラー》

 

TURN1→2 クラウン→譜理子

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札5

EX0 墓地0 除外0

 

 

 

(手加減してる…?いや、ここまで来てそれは有り得ない)

 

(じゃあコントロール奪取を警戒…?)

 

「ドロー、スタンバイ、メイン」

 

(目的はわかんないけど、トラピーズ・マジシャンなら…まだ動きやすい)

 

「《アシンメトリアル・S(シールド)》を青のPゾーンに発動」

 

《アシンメトリアル・S(シールド)》

【Pスケール:青1/赤4】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキから水属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える。

 

 

 

「S(シールド)のP効果発動。このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる」

 

「デッキから水属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える」

 

「わたしは風属性の《アシンメトリアル・J(ジェット)》をEXデッキに加える」

 

(少し迷ったけど…こっち)

 

「《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》を赤のPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》

【Pスケール:青3/赤3】

(1):

 

 

 

(ペンデュラム召喚の前に…)

 

「《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》を召喚」

 

《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/獣戦士族/攻1600/守1600

【モンスター効果】

(1):

 

 

 

「H(ハンマー)・スインガーのP効果発動。1ターンに1度、このカードを発動したターンの自分メインフェイズに、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」

 

「自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体と相手フィールドのカード1枚を選択し、選択したカードを破壊する」

 

(トラピーズ・マジシャンを破壊しても相手が有利になるだけ…ここは)

 

「わたしはT(テーブル)・キーパーとリザードローを選択して破壊。そして」

 

 

 

「ペンデュラム召喚」

 

 

 

「《シンメトリアル=I(イメージ)・ペインター》」

 

《シンメトリアル=I(イメージ)・ペインター》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/天使族/攻 400/守 400

 

 

 

「カードをセット、もう1枚セット」

 

(多少のダメージは、覚悟の上…)

 

「ターンエンド」

 

 

 

EX3 墓地0 除外0

クラウン LP8000 手札4

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ イ ウ ◇

イ=《EMドクロバット・ジョーカー》攻撃表示

ウ=《Emトラピーズ・マジシャン》攻撃表示X素材2《EMペンデュラム・マジシャン》《Emダメージ・ジャグラー》

 

TURN2→3 譜理子→クラウン

 

あ=《シンメトリアル=I(イメージ)・ペインター》表側守備

青=《アシンメトリアル・S(シールド)》青スケール1

赤=《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》赤スケール3

◇ ◇ あ ◇ ◇

青   空   赤

◇ 裏 ◇ 裏 ◇

譜理子 LP8000 手札0

EX2 墓地0 除外0

 

 

 

「いいプレイングだね、譜理子ちゃん」

 

「…」

 

「極度の緊張状態であるにも関わらず頭をフル回転させながら戦うその姿、実に美しいよ。素晴らしいパフォーマンスだ。ボクも見習いたいな」

 

「…早く引いて」

 

「フフフ、ボクのターン、ドロー」

 

「スタンバイ、っとメインに入る前に何か発動するみたいだね」

 

「…《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》のモンスター効果発動。モンスターゾーンのこのカードが効果で破壊された場合、次のスタンバイフェイズに自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターを特殊召喚する。わたしはT(テーブル)・キーパーを特殊召喚」

 

《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/獣戦士族/攻1600/守1600

 

 

 

「自身を特殊召喚と来たか。それじゃあメイン」

 

「《EMギタートル》をPゾーンに発動」

 

《EMギタートル》

【Pスケール:青6/赤6】

「EMギタートル」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンに「EM」カードが発動した場合に発動できる。

自分はデッキから1枚ドローする。

 

 

 

「チェーンしてI(イメージ)・ペインターのモンスター効果発動。1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動する」

 

「自分のデッキ・墓地からそのモンスターのレベル以下のPモンスター1体を選んで手札に加える。この効果は相手ターンでも発動できる」

 

「このタイミングでチェーンなんだ。何を持ってくるのかな?」

 

「わたしはT(テーブル)・キーパーをリリースして…」

 

(迷うけど…状況を考えるとアシンメトリアルよりは、こっち)

 

「デッキから《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》を手札に加える」

 

「《EMモンキーボード》をPゾーンに発動」

 

(それは通さない…!)

 

「チェーンしてカウンター罠発動、《シンメトリアル・リフレクション》」

 

「魔法・罠カードが発動した時に自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター1体をデッキに戻して発動できる」

 

「その発動を無効にし破壊する。わたしはEXデッキから《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》をデッキに戻す」

 

《シンメトリアル・リフレクション》

カウンター罠

(1):魔法・罠カードが発動した時に自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター1体をデッキに戻して発動できる。その発動を無効にし破壊する。

 

 

 

「的確なカウンターをしてくるね、流石譜理子ちゃん。ちょっと予定が狂っちゃったな」

 

「仕方ないね、ドローは諦めよう。《Emミラー・コンダクター》をPゾーンに発動」

 

《Emミラー・コンダクター》

【Pスケール:青3/赤3】

(1):1ターンに1度、フィールドの特殊召喚された

表側表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで、

その攻撃力と守備力の内、低い方の数値と同じになる。

 

 

 

「ペンデュラム召喚」

 

 

 

「《Emヒグルミ》」

 

《Emヒグルミ》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/炎属性/魔法使い族/攻1000/守1000

 

 

 

(それでもペンデュラム召喚はしてくる…)

 

「トラピーズ・マジシャンの効果発動。ヒグルミを対象に、X素材のダメージ・ジャグラーを取り除く」

 

「墓地のダメージ・ジャグラーの効果発動。墓地のこのカードを除外してデッキから《Emトリック・クラウン》を手札に加えてトリック・クラウンを召喚」

 

《Emトリック・クラウン》

効果モンスター

星4/光属性/魔法使い族/攻1600/守1200

「Emトリック・クラウン」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地の「Em」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを、攻撃力・守備力を0にして特殊召喚する。

その後、自分は1000ダメージを受ける。

 

 

 

「バトル、ヒグルミでI(イメージ)・ペインターに攻撃」

 

「…受ける」

 

「トラピーズ・マジシャンの効果でヒグルミはもう1度攻撃できる。ヒグルミで攻撃」

 

「永続罠発動、《アシンメトリアル・リカバリー》。このカードの発動時の効果処理として、自分のEXデッキの「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選んで相手フィールドに特殊召喚できる」

 

「わたしはEXデッキの《アシンメトリアル・J(ジェット)》をあなたのフィールドに守備表示で特殊召喚」

 

譜理子LP8000-1000=7000

 

「わお、始まったね。アシンメトリアルによる侵食が」

 

「さらに《アシンメトリアル・リカバリー》の効果発動。1ターンに1度、相手モンスターの攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる」

 

「相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターの数だけデッキからドローするか、相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターのレベルの合計×500LP回復する」

 

「あなたのフィールドに「アシンメトリアル」モンスターは1体。わたしはデッキからドローする効果を選択し、1枚ドローする」

 

《アシンメトリアル・リカバリー》

永続罠

(1):「アシンメトリアル・リカバリー」は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。

(2):このカードの発動時の効果処理として、自分のEXデッキの表側表示の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選んで相手フィールドに特殊召喚できる。

(3):1ターンに1度、相手モンスターの攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けた時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分は相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターの数だけデッキからドローする。

●自分は相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターのレベルの合計×500LP回復する。

 

 

 

「フフフ、1500回復するくらいなら1ドローをとるよね。でも案外それが命取りになったりして」

 

「…」

 

「ま、譜理子ちゃんのドロー次第だね。トリック・クラウンで攻撃」

 

譜理子LP7000-1600=5400

 

「ドクロバット・ジョーカーで攻撃」

 

譜理子LP5400-1800=3600

 

「トラピーズ・マジシャンで攻撃」

 

譜理子LP3600-2500=1100

 

「ちょっと残っちゃったね。前のターンでリザードローを破壊されてなければこのターンで決まってたのにさ」

 

(…危なかった)

 

「バトルフェイズ終了時、トラピーズ・マジシャンの効果でヒグルミは破壊される。破壊されたヒグルミのモンスター効果発動。デッキから2体目の《Emダメージ・ジャグラー》を特殊召喚」

 

「メイン2、ボクは魔法使い族レベル4モンスターのトリック・クラウンとダメージ・ジャグラーでオーバーレイ」

 

 

 

「エクシーズ召喚」

 

 

 

「《Emトラピーズ・マジシャン》」

 

《Emトラピーズ・マジシャン》攻撃表示

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/光属性/魔法使い族/攻2500/守2000

 

 

 

(2体目のトラピーズ・マジシャン…!?)

 

「ボクはこれでターンエンド」

 

 

 

EX3 墓地1 除外1

クラウン LP8000 手札2

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア   空   イ

ウ エ オ カ ◇

ア=《Emミラー・コンダクター》スケール3

イ=《EMギタートル》スケール6

ウ=《アシンメトリアル・J(ジェット)》表側守備

エ=《Emトラピーズ・マジシャン》攻撃表示X素材2《Emトリック・クラウン》《Emダメージ・ジャグラー》

オ=《EMドクロバット・ジョーカー》攻撃表示

カ=《Emトラピーズ・マジシャン》攻撃表示X素材1《EMペンデュラム・マジシャン》

 

TURN3→4 クラウン→譜理子

 

青=《アシンメトリアル・S(シールド)》青スケール1

赤=《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》赤スケール3

う=《アシンメトリアル・リカバリー》

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

青   空   赤

◇ ◇ ◇ う ◇

譜理子 LP1100 手札2

EX1 墓地1 除外0



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19.「Third Performa」

(…)

 

~~~ねえ、大丈夫?

 

『大丈夫…このくらいのダメージは覚悟してた』

 

~~~アタシも何かサポートしてあげたいんだけど、プレイヤーを手助けする行為は禁じられてるのよ。したくてもできないっていうか。

 

『そうなんだ…』

 

~~~応援くらいならできるけどね。あ、それと非公開情報はちゃんと本人以外非公開だから安心していいわよ。クラウンはもちろんアタシにもアナタの手札は見えないようになってるわ。

 

『わたし以外には、見えない…』

 

(もしかしたらクラウンに手の内がバレてるんじゃないかってちょっと気になってたけど…見えてないなら良かった)

 

~~~まあでも、ここまで勝ち進んできたアナタにサポートとか今更いらないか。アナタの勝利を信じてこのデュエルを見守ってるわ!アタシたちの力でクラウンなんかさっさと倒しちゃいましょ!

 

『うん…ありがとう』

 

(アイリスがそばにいるってだけで、すごく心強い…!)

 

「ドロー…!」

 

 

 

(うん、いいの引いた…!)

 

「スタンバイ、メイン」

 

「魔法発動、《ペンデュラム・リアクション》。自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる。お互いのPゾーンのカードを全てデッキに加えてシャッフルする」

 

《ペンデュラム・リアクション》

通常魔法

(1):自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる。お互いのPゾーンのカードを全てデッキに加えてシャッフルする。その後、デッキに加えたカードの枚数によって以下の効果を適用する。

●1枚:自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。

●2枚:デッキからPモンスター1体を選んで手札に加える。

●3枚:自分のEXデッキの表側表示のPモンスターの種類の数まで、相手フィールドのカードを選んで除外する。その後、お互いのプレイヤーはデッキの一番上のカードをめくり、それがPモンスターだった場合は手札に加える。違った場合は墓地へ送る。

●4枚:

(2):両方の自分のPゾーンにカードが存在する場合に墓地のこのカードを除外して発動できる。相手フィールドにセットされたカード2枚を選び、そのカードを手札に戻す。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

 

 

「破壊じゃなくてデッキに戻すってのが強いよね、そのカード」

 

「その後、デッキに加えたカードの枚数によって効果を適用する。デッキに加えた枚数は4枚なので4枚の効果を適用」

 

 

 

「フィールドのPモンスター及びお互いのEXデッキの表側表示のPモンスターを全て除外する」

 

「これはまた強烈な効果だ。ボクのPモンスターがたくさん除外されちゃったよ」

 

「その後、お互いのプレイヤーはデッキの一番上のカードをめくり、それがPモンスターだった場合は手札に加える。違った場合は墓地へ送る」

 

(ここで手札に加えられなかったら厳しい…どうかPモンスターでありますように…!)

 

「わたしのデッキの一番上のカードは…」

 

 

 

(!…来た!)

 

「Pモンスターの《アシンメトリアル・L(ランプ)》…!」

 

「フフフ、おめでとう。ボクの方は残念ながら《Emハットトリッカー》、Pモンスターじゃないからそのまま墓地だね」

 

(ひとまずは最高の結果…ただ、重要なのはこのあと…)

 

(トラピーズ・マジシャンが2体もいるから…このターン、ダメージは与えられない)

 

「《アシンメトリアル・L(ランプ)》を赤のPゾーンに発動」

 

《アシンメトリアル・L(ランプ)》

【Pスケール:青4/赤1】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキから炎属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える。

 

 

 

「L(ランプ)のP効果発動。このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる」

 

「デッキから炎属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える」

 

(攻撃してもダメージは0だし、同じ種族の《アシンメトリアル・N(ニードル)》を選びたいところだけど…もしもの時のことを考えると)

 

「わたしは水属性の《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》をEXデッキに加える」

 

「《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》を青のPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》

【Pスケール:青5/赤5】

(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体と相手フィールドの表側表示モンスター1体を選択し、選択したモンスターのコントロールを入れ替える。

 

 

 

「ペンデュラム召喚」

 

 

 

「《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》」

 

《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星3/水属性/岩石族/攻600/守1500

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、このカードのコントロールを相手に移す。

 

 

 

「W(ホイール)・ローラーのP効果発動。1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」

 

「自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体と相手フィールドの表側表示モンスター1体を選択し、選択したモンスターのコントロールを入れ替える」

 

「わたしはQ(クオーツ)とX素材が2つのトラピーズ・マジシャンを選択」

 

「そういえばシンメトリアルにもいたね。コントロール入れ替えの効果を持つPモンスターが1体」

 

「カードをセット」

 

(クラウンのあの手札2枚が気になるけど、少なくともモンスターじゃないはず…)

 

(大丈夫、次のドローがモンキーボードかドクロバット・ジョーカーじゃなければ凌げる…!)

 

「ターンエンド」

 

 

 

EX0 墓地2 除外5

クラウン LP8000 手札2

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ア イ ◇

ア=《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》表側守備

イ=《Emトラピーズ・マジシャン》攻撃表示X素材1《EMペンデュラム・マジシャン》

 

TURN4→5 譜理子→クラウン

 

あ=《Emトラピーズ・マジシャン》攻撃表示X素材2《Emトリック・クラウン》《Emダメージ・ジャグラー》

青=《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》青スケール5

赤=《アシンメトリアル・L(ランプ)》赤スケール1

え=《アシンメトリアル・リカバリー》

◇ ◇ あ ◇ ◇

青   空   赤

◇ ◇ 裏 え ◇

譜理子 LP1100 手札0

EX0 墓地2 除外2

 

 

 

「ボクのターン、ドロー」

 

「攻撃しなかったんだね」

 

「…」

 

「わかるよ。アシンメトリアルモンスターは相手のフィールドにいると何かと都合がいいもんね。それにトラピーズ・マジシャンがいるからダメージも入んなかったし」

 

「あと譜理子ちゃんも薄々気づいてるかもしれないけど、このデッキは譜理子ちゃんの知るEMEmじゃない。何せこのデッキのモンスターは全て「エンタメ」モンスターだからね。EXデッキも同様に」

 

「…!」

 

(だから2回ともトラピーズ・マジシャンだったんだ…)

 

「フフフ、強力な竜剣士モンスターやランク4モンスターが1枚も入ってないから、Q(クオーツ)はペンデュラム・マジシャンで破壊するくらいしかないよね。モンキーボードをアドバンス召喚するわけにもいかないし」

 

「あ、攻撃表示にすればトラピーズ・マジシャンでもいけるね。でもわざわざ破壊するためだけに使いたくないなあ」

 

 

 

「そうだ、せっかく譜理子ちゃんが残してくれたんだし有効活用しちゃおう」

 

「!…」

 

「フフフ、今見せてあげるよ。EM(エンタメイト)、Em(エンタメイジ)に続く第3の「エンタメ」モンスターをね」

 

(第3の「エンタメ」モンスター…!?)

 

「スタンバイ、メイン」

 

「ボクはQ(クオーツ)をリリースしてアドバンス召喚」

 

 

 

 

 

「《エンタメトリアル=i(アイドル)・シンガー》」

 

 

 

「!?」

 

 

 

《エンタメトリアル=i(アイドル)・シンガー》

ペンデュラム・効果モンスター

星6/光属性/悪魔族/攻2000/守2000

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。

(2):1ターンに1度、自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキから元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の光属性Pモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。

 

 

 

「驚いたかい?これが第3の「エンタメ」カテゴリ、エンタメトリアルさ。EMEmにエンタメトリアル、この3種のエンタメが混ざったのがボクの「エンタメ」デッキというわけだ」

 

「エンタメトリアル…!」

 

「名前からおおよそ想像がついてると思うけど、ボクだけの力じゃなく譜理子ちゃんの力も合わさって生まれたものなんだ」

 

「フフフ、言わばエンタメトリアルはボクと譜理子ちゃんの娘みたいなものだね。どう?可愛く見えてきたでしょ?」

 

「!…き、気持ち悪いこと言わないで…!」

 

(力を貸した覚えなんてないし…!)

 

「あら、そんなこと言っちゃだめだよ。ほら見て、i(アイドル)・シンガーちゃんも寂しそうにしてる」

 

「っ…!」

 

~~~クラウンの言うことなんか真に受けちゃダメよ!ああやってアナタのプレイングを乱そうとしてるだけなんだから!

 

『うん…わかってる、大丈夫』

 

「さて、召喚に成功したi(アイドル)・シンガーは自身の効果で守備表示になるよ」

 

(i(アイドル)・シンガーの(2)のモンスター効果は使わせない…!)

 

「チェーンして罠発動、《シンメトリアル・ブラスト》。自分フィールドの「シンメトリアル」カードを破壊し、フィールドのカード2枚を対象として発動できる」

 

「そのカードを持ち主の手札に戻す。わたしはW(ホイール)・ローラーを破壊し、あなたのフィールドのトラピーズ・マジシャンとi(アイドル)・シンガーを手札に戻す」

 

《シンメトリアル・ブラスト》

通常罠

(1):自分フィールドの「シンメトリアル」カードを破壊し、フィールドのカード2枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主の手札に戻す。

 

 

 

「おっと、そんなことはさせないよ。チェーンして速攻魔法発動、《エンタメトリアル・バトンタッチ》」

 

「!」

 

「自分フィールドの守備表示「エンタメトリアル」モンスター1体をリリースして発動する。デッキからリリースしたモンスターのレベル以下のカード名が異なる「エンタメトリアル」モンスター1体を手札に加えるか守備表示で特殊召喚する」

 

「その後、デッキから「エンタメトリアル・バトンタッチ」以外の「エンタメトリアル」魔法・罠カード1枚を選んで手札に加える」

 

《エンタメトリアル・バトンタッチ》

速攻魔法

このカードを発動するターン、自分は「エンタメトリアル」モンスターでしか攻撃宣言できない。

(1):自分フィールドの守備表示「エンタメトリアル」モンスター1体をリリースして発動する。デッキからリリースしたモンスターのレベル以下のカード名が異なる「エンタメトリアル」モンスター1体を手札に加えるか守備表示で特殊召喚する。その後、デッキから「エンタメトリアル・バトンタッチ」以外の「エンタメトリアル」魔法・罠カード1枚を選んで手札に加える。

 

 

 

「ボクはi(アイドル)・シンガーをリリースして、デッキから《エンタメトリアル=x(ザイロフォン)・ヒッター》を特殊召喚」

 

《エンタメトリアル=x(ザイロフォン)・ヒッター》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星6/光属性/悪魔族/攻2000/守2000

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。

(2):1ターンに1度、自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。自分のEXデッキの表側表示の元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の光属性Pモンスター1体を選んで手札に加える。

 

 

 

「そしてデッキから通常罠カードの《エンタメトリアル・バック》を手札に加える」

 

(躱された…あの手札のカードはエンタメトリアル関連のカードだったんだ、じゃあ残った1枚も…?)

 

「…でもトラピーズ・マジシャンはEXデッキに戻る」

 

「そうみたいだね。効果が発動しないのは残念だ」

 

 

 

「まあ、だけどある意味これで良かったかもね。これから肩身の狭い思いをするEmもいないし」

 

「…?」

 

「フフフ、今聴かせてあげるよ。ボクと譜理子ちゃんから生まれた彼女たちが奏でるハーモニーをね」

 

「…!」

 

「さあ、舞台を用意しよう。フィールド魔法発動、《エンタメトリアル・シアター》」

 

《エンタメトリアル・シアター》

フィールド魔法

(1):このカードの発動時の効果処理として、デッキからカード名が異なる「エンタメトリアル」Pモンスターを2体まで選んで自分のEXデッキに表側表示で加える。

(2):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の自分の光属性Pモンスターの効果の発動に対して、相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。

(3):「エンタメトリアル」Pモンスターが守備表示で特殊召喚された場合、または自身の効果で守備表示になった場合に発動できる。そのモンスターを表側攻撃表示にする。

(4):1ターンに1度、自分のPゾーンにカードが存在しない場合、または片方の自分のPゾーンに「エンタメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。自分フィールドに表側表示で存在する元々の持ち主が自分となるPモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される。

 

 

 

「このカードの発動時の効果処理として、デッキからカード名が異なる「エンタメトリアル」Pモンスターを2体まで選んでEXデッキに加える」

 

「ボクはデッキから《エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー》、《エンタメトリアル=o(オルガン)・ブースター》の2体をEXデッキに加える」

 

「あと《エンタメトリアル・シアター》がフィールドゾーンに存在する限り、元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の自分の光属性Pモンスターの効果の発動に対して、相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない」

 

(チェーンはできない、ってことか…)

 

「x(ザイロフォン)・ヒッターのモンスター効果発動。1ターンに1度、自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる」

 

「自分のEXデッキの表側表示の元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の光属性Pモンスター1体を選んで手札に加える」

 

「ボクはEXデッキから《エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー》を手札に加える」

 

「フフフ、ちょっと回りくどいけど要はエンタメトリアルなら全員選べるってことさ。もちろんエンタメトリアル以外もね。譜理子ちゃんはその意味がわかるかな?」

 

「…シンメトリアルも全員選べる。エンタメトリアルと同じ、それらのモンスターで構成されたカテゴリだから」

 

「そういうこと。よくできた娘たちでしょ?」

 

「…」

 

「あら、ちょっと視線が冷たくなったね。でもまだまだ耐えられるって感じかな」

 

「《エンタメトリアル・シアター》の効果発動。1ターンに1度、自分のPゾーンにカードが存在しない場合、または片方の自分のPゾーンに「エンタメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」

 

「自分フィールドに表側表示で存在する元々の持ち主が自分となるPモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される」

 

「ボクはx(ザイロフォン)・ヒッターをPゾーンに置く。まあx(ザイロフォン)・ヒッターにP効果は無いんだけどね」

 

《エンタメトリアル=x(ザイロフォン)・ヒッター》

【Pスケール:青7/赤7】

 

 

 

(…さっきのi(アイドル)・シンガーもP効果が無かった。エンタメトリアルはみんなP効果が無い…?いや、EXデッキに加わった2体は…)

 

「《エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー》をPゾーンに発動。こっちはちゃんとP効果があるよ。代わりにレベル1の通常モンスターだけどね」

 

《エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー》

【Pスケール:青3/赤3】

(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「エンタメトリアル」カードが存在する場合に自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターよりレベルが高い相手フィールドのモンスター1体を選択し、持ち主の手札に戻す。

 

 

 

(代わりに…?エンタメトリアルはどっちか片方だけしか効果が…)

 

「さあ、セッティング完了だ」

 

(!…いや違う!これって…!)

 

 

 

「ペンデュラム召喚」

 

 

 

「《エンタメトリアル=i(アイドル)・シンガー》、《エンタメトリアル=o(オルガン)・ブースター》」

 

《エンタメトリアル=i(アイドル)・シンガー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星6/光属性/悪魔族/攻2000/守2000

 

《エンタメトリアル=o(オルガン)・ブースター》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/悪魔族/攻 0/守 0

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の自分の光属性Pモンスターは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。

 

 

 

(うっ…!o(オルガン)・ブースターの攻守は0!Pスケールも、無い…!)

 

「フフフ、何でだろうね。P効果が無かったり、レベル1の通常モンスターだったり、攻守0でスケールが無かったり…エンタメトリアルたちは皆何かが欠けてるみたいなんだ。不思議だよね」

 

(それって過去3戦の時のシンメトリアルと同じ…!でも何で…!?)

 

~~~不思議でも何でもないわ!これのせいで繋がりが途切れたんだから!

 

『アイリス…!?どういうこと…?』

 

~~~アナタの3回目のデュエル開始時にね、クラウンがアナタの力を吸い取ろうとしてたの!

 

(!…)

 

~~~阻止しようと頑張ったんだけど、クラウンの力が結構強くてね…一時的にアナタと繋がる力をそっちに回してたの。

 

『そうだったの…』

 

(だからアイリスと話せなかったんだ…)

 

~~~クラウンは4回目、5回目のデュエル開始時にも吸い取ろうとして、アタシも対抗したんだけど…結局3回とも完全阻止できずに終わっちゃったわ。カードが一部分弱体化してたのはそのせいよ。

 

『そっか…わたしのために頑張ってくれてたんだね。ありがとう、アイリス』

 

~~~れ、礼なんかいいわよ!にしてもカード弱体化してる中よく勝てたわね。実力もそうだけどカードとの相性も最高レベルなんじゃない?

 

『どうだろう…わたし自身の力はあまり無いと思う』

 

~~~そんなことないわ!ここまで負けずに来れたのはアナタ自身の力もあったからよ!自分を信じなさい!

 

『…うん、そうね』

 

(アイリスだけじゃなくわたしも…2人の力を合わせて、必ずクラウンを…!)

 

「まあいいや、続けようか。譜理子ちゃんの表情見てたら、不思議じゃなくなってたし」

 

「…」

 

「そうだよ、譜理子ちゃんの力をちょっと吸わせてもらってたんだ。デュエルが始まる瞬間にゾクって寒気がしたでしょ?まるで吸血鬼にでも血を吸い取られたみたいに、ってわかんないか。ボクも血を吸われたことはないし」

 

「!」

 

(あれは力を吸い取られてたから…!?)

 

「まあとにかく、その力のおかげでエンタメトリアルが誕生したってわけさ。譜理子ちゃんと血の繋がった可愛い子たちがね」

 

「っ…!」

 

「フフフ、湧き上がる怒りや嫌悪感を必死に耐えてるその表情、素敵だよ」

 

「しかし困ったな、展開してもトラピーズ・マジシャンを倒せないんだよね。エクシーズモンスターはレベルを持たないからl(リュート)・フリッカーのP効果も使えないし」

 

「だからカードを1枚セットして、ボクはこれでターンエンド」

 

 

 

EX0 墓地4 除外5

クラウン LP8000 手札0

◇ ◇ 裏 ◇ ◇

ア   場   イ

◇ ウ ◇ エ ◇

ア=《エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー》スケール3

イ=《エンタメトリアル=x(ザイロフォン)・ヒッター》スケール7

場=《エンタメトリアル・シアター》

ウ=《エンタメトリアル=o(オルガン)・ブースター》表側守備

エ=《エンタメトリアル=i(アイドル)・シンガー》表側守備

 

TURN5→6 クラウン→譜理子

 

あ=《Emトラピーズ・マジシャン》攻撃表示X素材2《Emトリック・クラウン》《Emダメージ・ジャグラー》

赤=《アシンメトリアル・L(ランプ)》赤スケール1

え=《アシンメトリアル・リカバリー》

◇ ◇ あ ◇ ◇

◇   空   赤

◇ ◇ ◇ え ◇

譜理子 LP1100 手札0

EX2 墓地3 除外2



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20.「2 attacks」

(落ち着いて…自分を見失なっちゃだめ)

 

(…トラピーズ・マジシャンが生き残ってる、これは大きい)

 

(このドロー次第では優位に立てる可能性もある…!)

 

「ドロー…!」

 

(う…いや、このドローは良いかも。あのモンスターを呼べる…!)

 

「スタンバイ、メイン」

 

「《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》を青のPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》

【Pスケール:青1/赤1】

このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する限り、相手フィールドのモンスターの攻撃力・守備力はフィールドの「シンメトリアル」カードの枚数×200ダウンする。

(2):

 

 

 

「同じスケールが並んだね。ということは見せてくれるのかな」

 

「わたしはスケール1のY(ヴァーティカル)・ライナーとスケール1のL(ランプ)を」

 

 

 

 

 

「コネクト…!」

 

 

 

 

 

「アーク召喚!」

 

 

 

 

 

「《チアフル・ツイン・フェアリー》…!」

 

《チアフル・ツイン・フェアリー》表側守備

アーク・効果モンスター

星1/光属性/天使族/攻100/守100

スケール1のカード名が異なるカード×2

このカード名の(1)の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

(1):このカードがA召喚に成功した時に発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。次の相手ターン終了時まで、相手が受ける全てのダメージは0になる。

(2):相手モンスターの直接攻撃宣言時、自分LPがそのモンスターの攻撃力の数値以下の場合に墓地のこのカードを除外して発動できる。お互いはデッキから1枚ドローし、ターン終了時まで自分が受ける戦闘ダメージは全て0になる。

 

 

 

 

 

「フフフ、ようやくアークモンスターのお出ましだね」

 

「《チアフル・ツイン・フェアリー》の効果発動。このカードがアーク召喚に成功した時に発動できる」

 

「自分はデッキから2枚ドローする。次の相手ターン終了時まで、相手が受ける全てのダメージは0になる」

 

(お願い…)

 

「2枚ドロー…!」

 

 

 

「…」

 

(攻められるカードは引けたけど…)

 

「《アシンメトリアル・N(ニードル)》を赤のPゾーンに発動」

 

《アシンメトリアル・N(ニードル)》

【Pスケール:青4/赤7】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。デッキから地属性以外の「アシンメトリアル」モンスター1体を選び、手札に加える。

 

 

 

「N(ニードル)のP効果発動。1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる」

 

「デッキから地属性以外の「アシンメトリアル」モンスター1体を選び、手札に加える」

 

「わたしは《チアフル・ツイン・フェアリー》をリリースして、デッキから風属性の《アシンメトリアル・K(カイト)》を手札に加える」

 

(次の相手ターンが終わるまでダメージ0なら、展開しても同じ…それにもしトラピーズ・マジシャンが破壊されたとしても、墓地の《チアフル・ツイン・フェアリー》の効果で耐えられる)

 

「バトル、トラピーズ・マジシャンでi(アイドル)・シンガーに攻撃」

 

「一応攻撃はするんだね。譜理子ちゃんらしいや」

 

「…メイン2、何もせずターンエンド」

 

 

 

EX1 墓地4 除外5

クラウン LP8000 手札0

◇ ◇ 裏 ◇ ◇

ア   場   イ

◇ ウ ◇ ◇ ◇

ア=《エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー》スケール3

イ=《エンタメトリアル=x(ザイロフォン)・ヒッター》スケール7

場=《エンタメトリアル・シアター》

ウ=《エンタメトリアル=o(オルガン)・ブースター》表側守備

 

TURN6→7 譜理子→クラウン

 

あ=《Emトラピーズ・マジシャン》攻撃表示X素材2《Emトリック・クラウン》《Emダメージ・ジャグラー》

赤=《アシンメトリアル・N(ニードル)》赤スケール7

う=《アシンメトリアル・リカバリー》

◇ ◇ あ ◇ ◇

◇   空   赤

◇ ◇ ◇ う ◇

譜理子 LP1100 手札2

EX4 墓地4 除外2

 

 

 

「ボクのターン、ドロー」

 

「わお、これ引いちゃうんだ」

 

「突然だけど譜理子ちゃん、ここでクイズ。エンタメトリアルは全部で何種類存在するでしょう?」

 

「…」

 

「あら、無視は良くないよ?それともわかんないのかな?」

 

「…6種類」

 

「正解。まあ譜理子ちゃんのことだから前のターンの時点でもうわかってたよね」

 

「というわけで新しい子たちのお目見えだよ。スタンバイ、メイン」

 

「ボクが引いたカードはこれさ」

 

「罠発動、《エンタメトリアル・バック》。手札の「エンタメトリアル」モンスター1体を相手に見せて発動できる」

 

「そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。その後、デッキからそのモンスターとカード名が異なる「エンタメトリアル」モンスター1体を手札に加える」

 

《エンタメトリアル・バック》

通常罠

(1):手札の「エンタメトリアル」モンスター1体を相手に見せて発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。その後、デッキからそのモンスターとカード名が異なる「エンタメトリアル」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

「ボクは手札の《エンタメトリアル=w(ホイッスル)・サモナー》を見せて特殊召喚。そしてデッキから《エンタメトリアル=v(ヴァイオリン)・ヒーラー》を手札に加える」

 

《エンタメトリアル=w(ホイッスル)・サモナー》表側守備

ペンデュラム・通常モンスター

星1/光属性/悪魔族/攻 0/守 0

 

 

 

「さあ、全員集合と行こうか」

 

 

 

「ペンデュラム召喚」

 

 

 

「《エンタメトリアル=i(アイドル)・シンガー》、《エンタメトリアル=v(ヴァイオリン)・ヒーラー》」

 

《エンタメトリアル=i(アイドル)・シンガー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星6/光属性/悪魔族/攻2000/守2000

 

《エンタメトリアル=v(ヴァイオリン)・ヒーラー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/悪魔族/攻 0/守 0

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の自分の光属性Pモンスターが相手に戦闘ダメージを与える度に、自分はその数値分だけLPを回復する。

 

 

 

「フフフ、どうだい?6人の娘たちが勢揃いした感想は」

 

「っ…」

 

「あら、そっぽ向いちゃうんだ。その反応はちょっと寂しいなあ」

 

「こっち向かせてあげたいところだけど、残念なことにこれだけ並べてもトラピーズ・マジシャンを突破できないんだよね」

 

「だからボクはこれでターンエンド」

 

 

 

EX0 墓地5 除外5

クラウン LP8000 手札0

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア   場   イ

◇ ウ エ オ カ

ア=《エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー》スケール3

イ=《エンタメトリアル=x(ザイロフォン)・ヒッター》スケール7

場=《エンタメトリアル・シアター》

ウ=《エンタメトリアル=o(オルガン)・ブースター》表側守備

エ=《エンタメトリアル=w(ホイッスル)・サモナー》表側守備

オ=《エンタメトリアル=v(ヴァイオリン)・ヒーラー》表側守備

カ=《エンタメトリアル=i(アイドル)・シンガー》表側守備

 

TURN7→8 クラウン→譜理子

 

あ=《Emトラピーズ・マジシャン》攻撃表示X素材2《Emトリック・クラウン》《Emダメージ・ジャグラー》

赤=《アシンメトリアル・N(ニードル)》赤スケール7

う=《アシンメトリアル・リカバリー》

◇ ◇ あ ◇ ◇

◇   空   赤

◇ ◇ ◇ う ◇

譜理子 LP1100 手札2

EX4 墓地4 除外2

 

 

 

「…」

 

(エンタメトリアルがわたしの力をもとに生まれたものだとしても…わたしのデュエルは変わらない)

 

(ただクラウンを倒すまで…!)

 

「ドロー…!」

 

(攻める…!)

 

「スタンバイ、メイン」

 

「《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》を青のPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》

【Pスケール:青3/赤3】

(1):1ターンに1度、このカードを発動したターンの自分メインフェイズに、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体を選択し、選択したモンスターはこのターン自分のLPが相手より少ない場合、相手に直接攻撃できる。

 

 

 

「ペンデュラム召喚…!」

 

 

 

「《アシンメトリアル・K(カイト)》、《アシンメトリアル・L(ランプ)》、《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》」

 

《アシンメトリアル・K(カイト)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星5/風属性/雷族/攻2500/守1000

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。相手は元々の持ち主が自分となるモンスター1体を選び、ターン終了時までこのカードとコントロールを入れ替える。

 

《アシンメトリアル・L(ランプ)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星5/炎属性/炎族/攻2000/守1500

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。相手は元々の持ち主が自分となるモンスター1体を選び、ターン終了時までこのカードとコントロールを入れ替える。

 

《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星6/光属性/幻竜族/攻 0/守 0

【モンスター効果】

このカード名の(2)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の自分の光属性Pモンスターの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

(2):

 

 

 

「結構大きいのを並べたね。で、アシンメトリアルのモンスター効果は発動するのかい?」

 

「どっちもしない…K(カイト)を対象にトラピーズ・マジシャンの効果発動。取り除くX素材はトリック・クラウン」

 

「ボクもトリック・クラウンの効果は発動しないよ。譜理子ちゃんのターンだし」

 

「V(ヴォイド)・テレポーターのP効果発動。1ターンに1度、このカードを発動したターンの自分メインフェイズに、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」

 

「自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体を選択し、選択したモンスターはこのターン自分のLPが相手より少ない場合、相手に直接攻撃できる。わたしはK(カイト)を選択」

 

「わお、攻撃力2500の直接攻撃だ、それも2回。これは結構痛いかもね」

 

(まだ…2500で、終わらせない)

 

「Y(ヴァーティカル)・ライナーのモンスター効果発動。1ターンに1度、両方の自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる」

 

「自分のPゾーンのカード1枚を破壊し、デッキから「シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー」1体を自分のPゾーンに置く。破壊するのはV(ヴォイド)・テレポーター」

 

《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》

【Pスケール:青1/赤1】

このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する限り、自分フィールドのモンスターの攻撃力・守備力はフィールドの「シンメトリアル」カードの枚数×200アップする。

(2):

 

 

 

「X(ホリゾンタル)・ライナーのP効果により、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する限り、自分フィールドのモンスターの攻守はフィールドの「シンメトリアル」カードの枚数×200アップする」

 

《アシンメトリアル・K(カイト)》攻撃力2500→3700 守備力1000→2200

《アシンメトリアル・L(ランプ)》攻撃力2000→3200 守備力1500→2700

《Emトラピーズ・マジシャン》攻撃力2500→3700 守備力2000→3200

《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》攻撃力0→1200 守備力0→1200

 

 

 

「…ほう」

 

(さらに200上げることもできるけど…8000にはギリギリ届かない)

 

(返しのターンのことも考えると、ここは…)

 

 

 

「バトル、K(カイト)でダイレクトアタック」

 

クラウンLP8000-3700=4300

 

「もう1度K(カイト)でダイレクトアタック」

 

クラウンLP4300-3700=600

 

「L(ランプ)でw(ホイッスル)・サモナーに攻撃」

 

「トラピーズ・マジシャンでi(アイドル)・シンガーに攻撃」

 

「バトルフェイズ終了時、トラピーズ・マジシャンの効果でK(カイト)は破壊される」

 

《アシンメトリアル・L(ランプ)》攻撃力3200→3000 守備力2700→2500

《Emトラピーズ・マジシャン》攻撃力3700→3500 守備力3200→3000

《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》攻撃力1200→1000 守備力1200→1000

 

 

 

「メイン2、何もせずターンエンド」

 

(行ける…あともう少し…!)

 

 

 

EX2 墓地6 除外5

クラウン LP600 手札0

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア   場   イ

◇ ウ ◇ オ ◇

ア=《エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー》スケール3

イ=《エンタメトリアル=x(ザイロフォン)・ヒッター》スケール7

場=《エンタメトリアル・シアター》

ウ=《エンタメトリアル=o(オルガン)・ブースター》表側守備

オ=《エンタメトリアル=v(ヴァイオリン)・ヒーラー》表側守備

 

TURN8→9 譜理子→クラウン

 

あ=《アシンメトリアル・L(ランプ)》攻撃表示

い=《Emトラピーズ・マジシャン》攻撃表示X素材1《Emダメージ・ジャグラー》

う=《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》表側守備

青=《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》青スケール1

赤=《アシンメトリアル・N(ニードル)》赤スケール7

か=《アシンメトリアル・リカバリー》

◇ あ い う ◇

青   空   赤

◇ ◇ ◇ か ◇

譜理子 LP1100 手札1

EX4 墓地4 除外2



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21.「Climax」

「あらあら、大幅に削られちゃったか。LPが逆転してしまったよ。やっぱり譜理子ちゃんは強いね」

 

「…」

 

「でも残念ながら、あと600を削りきれなかった。フフフ、ダメだよ?ちょっとでも残しちゃったら…」

 

 

 

 

 

「ボクが先にいただいちゃうかもしれないのに」

 

「…!」

 

(な、何この感じ…!?)

 

「ボクのターン、ドロー」

 

「フフフ、欲しいカードを引いちゃった。スタンバイ、メイン」

 

 

 

「ペンデュラム召喚」

 

 

 

「《EMペンデュラム・マジシャン》」

 

《EMペンデュラム・マジシャン》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/地属性/魔法使い族/攻1500/守 800

 

 

 

(う…ペンデュラム・マジシャン、って1体だけ…?i(アイドル)・シンガーは…?)

 

「ペンデュラム・マジシャンのモンスター効果発動。x(ザイロフォン)・ヒッターとl(リュート)・フリッカーを破壊してデッキから」

 

 

 

「《EMカード・ガードナー》と《EMオッドアイズ・ユニコーン》を手札に加える」

 

「!…」

 

(カード・ガードナーとオッドアイズ・ユニコーン…!?)

 

「フフフ、何故i(アイドル)・シンガーを呼ばなかったか、そして何故カード・ガードナーとオッドアイズ・ユニコーンなのか。そんな顔をしているね」

 

「…」

 

「ボクとしてはこの時点で察して欲しかったな、って思ってたり。カード・ガードナーをPゾーンに発動して、オッドアイズ・ユニコーンもPゾーンに発動」

 

《EMカード・ガードナー》

【Pスケール:青8/赤8】

(1):1ターンに1度、自分フィールドの表側守備表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの守備力は、自分フィールドの全ての表側守備表示モンスターの元々の守備力を合計した数値になる。

 

《EMオッドアイズ・ユニコーン》

【Pスケール:青8/赤8】

(1):このカードがPゾーンに存在する限り1度だけ、

自分の「オッドアイズ」モンスターの攻撃宣言時、

そのモンスター以外の自分フィールドの「EM」モンスター1体を対象として発動できる。

その攻撃モンスターの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで、

対象のモンスターの元々の攻撃力分アップする。

 

 

 

「!」

 

(まさか…!)

 

「こういうことさ」

 

 

 

「ボクはスケール8「エンタメ」カードのカード・ガードナーとスケール8「エンタメ」カードのオッドアイズ・ユニコーンを」

 

 

 

 

 

「コネクト」

 

 

 

 

 

「アーク召喚」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Ladies and Gentlemen! Its climax of the showtime!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「《エンタメP(ピエロ)・クラウンジョーカー》」

 

 

 

 

 

そのまさかだった。

 

スケールを繋いで現れたのは、着ぐるみのようなピエロ。

 

 

 

名前の通り、その姿は今まさに対峙している相手であるクラウンそのものだった。

 

 

 

 

 

《エンタメP(ピエロ)・クラウンジョーカー》攻撃表示

アーク・効果モンスター

星10/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

7以上の同じスケールのカード名が異なる「エンタメ」カード×2

 

 

 

「フフフ、驚きを隠しきれないようだね。ボクとしても期待通りの反応が貰えて嬉しいよ」

 

~~~ついに来たわねアーク召喚、ってちょっと!驚いてる場合じゃないわよ!

 

「!」

 

アイリスの声を聞いて、「はっ」と我に返る。確かに驚いてる場合じゃない。クラウンほどの存在ならアーク召喚をしても別に不思議じゃないのだから。

 

それより効果を確認しないと。

 

 

 

「!?…」

 

 

 

 

 

このカード名の(2)(3)(4)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがA召喚に成功した時に発動する。自分のEXデッキの表側表示のPモンスター5体を選んで除外し、このカード以外のフィールドのカードを全て裏側表示で除外する。

(2):相手の墓地のモンスター1体または相手のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外し、このカードの攻撃力・守備力はそのモンスターのそれぞれの数値分アップする。

(3):除外されている自分のPモンスターが5種類以上存在する場合に発動できる。除外されている自分のPモンスター5種類を選んで相手に見せ、相手はその中からランダムに1体選ぶ。相手が選んだPモンスターを自分のEXデッキに表側表示で加え、残りのPモンスターを墓地に戻す。

(4):相手スタンバイフェイズにフィールド魔法が表側表示で存在する場合に発動できる。デッキからPモンスター1体を選んで手札に加える。

(5):お互いのエンドフェイズ毎に発動する。フィールドの元々の持ち主がコントロールしていない表側表示モンスターを全て手札に戻す。

(6):このカードが破壊された場合に発動する。自分の手札・デッキ・墓地からレベル8「パフォーマー」モンスター1体を選んで特殊召喚する。

 

 

 

「クラウンジョーカーの効果発動。このカードがアーク召喚に成功した時に発動する」

 

 

 

「自分のEXデッキの表側表示のPモンスター5体を選んで除外し、このカード以外のフィールドのカードを全て裏側表示で除外する」

 

「ボクはEXデッキのw(ホイッスル)・サモナー、l(リュート)・フリッカー、x(ザイロフォン)・ヒッター、オッドアイズ・ユニコーン、カード・ガードナーを選んで除外する」

 

フィールドに舞い降りたクラウンジョーカーの効果でカードが一掃されていく。

 

しかし、ただ除外されるというわけにはいかない。

 

「チェーンしてトラピーズ・マジシャンの効果発動…!対象はクラウンジョーカー」

 

「まあ、当然そうするよね。でも破壊じゃ途切れない」

 

クラウンジョーカーは破壊された場合、レベル8「パフォーマー」モンスターを呼ぶ効果を持っている。

 

レベル8「パフォーマー」モンスターといえば、これまでわたしが戦ってきたトランプのスートたちの、切り札だったモンスター。

 

あの4体の中からどれか1体を呼んでこれる。あるいは…

 

 

 

しかしその前にふたつ、厄介な効果も。

 

「クラウンジョーカーの効果発動。1ターンに1度、相手の墓地のモンスター1体または相手のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターを除外し、このカードの攻撃力・守備力はそのモンスターのそれぞれの数値分アップする。ボクが対象とするのは、譜理子ちゃんのEXデッキの《アシンメトリアル・K(カイト)》」

 

「フフフ、V(ヴォイド)・テレポーターを除外すると除外されちゃうからね」

 

《エンタメP(ピエロ)・クラウンジョーカー》攻撃力0→2500 守備力0→1000

 

 

 

「さらにクラウンジョーカーの効果発動。除外されている自分のPモンスターが5種類以上存在する場合に発動できる」

 

「除外されている自分のPモンスター5種類を選んで相手に見せ、相手はその中からランダムに1体選ぶ。相手が選んだPモンスターを自分のEXデッキに表側表示で加え、残りのPモンスターを墓地に戻す」

 

「ボクが選ぶのはモンキーボード、リザードロー、ヒグルミ、ドクロバット・ジョーカー、x(ザイロフォン)・ヒッターの5種類」

 

「さあ、次は譜理子ちゃんが選ぶ番だよ」

 

デュエルディスクに表示された5枚の裏向きのカード。その中で引き当てたくないカードは3枚。

 

(引き当てたいのは…モンキーボードかリザードロー…)

 

少し待ってから選んだのは、右端のカード。

 

「フフフ、それを選んだんだね」

 

「…」

 

 

 

「おめでとう。当たりだよ」

 

譜理子選択→《EMリザードロー》

 

 

 

「というわけでリザードローをEXデッキに、残りを墓地に戻すよ」

 

ひとまずは、悪い目を回避できた。でも今のところはそれだけ。

 

劣勢であることに変わりは無く、気を緩めることはできない。

 

「じゃあバトルフェイズに移ろう。クラウンジョーカーで攻撃」

 

 

 

「Climax Trick!」

 

 

 

2500の直接攻撃、当然受けるわけにはいかない。

 

「墓地の《チアフル・ツイン・フェアリー》の効果発動。相手モンスターの直接攻撃宣言時、自分LPがそのモンスターの攻撃力の数値以下の場合に墓地のこのカードを除外して発動できる」

 

「お互いはデッキから1枚ドローし、ターン終了時まで、自分が受ける戦闘ダメージは全て0になる」

 

「だけどこれで譜理子ちゃんを守るカードは無くなった。フフフ、次のターンが楽しみだね」

 

「バトルフェイズ終了時、トラピーズ・マジシャンの効果でクラウンジョーカーが破壊されてクラウンジョーカーの効果が発動するよ」

 

破壊が確定した瞬間、クラウンジョーカーの胴体は空気が抜けたかのように萎んでいく。

 

 

 

「ボクはデッキからレベル8「パフォーマー」モンスター」

 

萎みきった胴体がパサッと足元に落ちると同時に、残った頭部が自身の手によって取り外される。

 

そうしてクラウンジョーカーだったピエロの着ぐるみの中から現れたのは…

 

 

 

 

 

「《エンタメP(パフォーマー)・ジョーカー》を特殊召喚」

 

 

 

さっき戦った偽者の手品師ことクラウンの分身だった。

 

 

 

 

 

《エンタメP(パフォーマー)・ジョーカー》攻撃表示

効果モンスター

星8/闇属性/悪魔族/攻3000/守3000

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合にPモンスター2体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分のEXデッキの表側表示のPモンスターを2体まで選択して自分のPゾーンに置く。

●お互いのPゾーンのカードを全て破壊する。

(3):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドのモンスターはコントロールを変更できず、相手フィールドのPモンスターは、召喚・特殊召喚したターンには攻撃できない。

(4):このカードは相手モンスター全てに1回ずつ攻撃でき、Pモンスターを攻撃した場合、ダメージ計算前にそのモンスターを破壊する。

(5):1ターンに1度、モンスターゾーンに存在するこのカードが相手の効果によってフィールドを離れる場合、代わりに自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を除外できる。この効果は相手ターンでも発動できる。

(6):このカードが破壊され墓地へ送られたターン終了時に発動できる。自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を除外することで、墓地のこのカードを特殊召喚する。

 

 

 

「面白い演出でしょ?ボクの中からボクが登場するんだ、って反応が薄いなあ」

 

「…」

 

「やっぱりアーク召喚の時がピークだったかな、まあいいや」

 

「メイン2、墓地のダメージ・ジャグラーの効果発動。墓地のこのカードを除外してデッキから2体目の《Emヒグルミ》を手札に加える」

 

「モンスターをセットして、ボクはこれでターンエンド」

 

 

 

EX2 墓地11 除外11

クラウン LP600 手札1

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ア 裏 ◇

ア=《エンタメP(パフォーマー)・ジョーカー》攻撃表示

 

TURN9→10 クラウン→譜理子

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP1100 手札2

EX3 墓地3 除外9

 

 

 

(クラウンジョーカーから現れたP(パフォーマー)・ジョーカー…名前や効果から、きっとこのモンスターが5つ目の切り札)

 

(だけどこのジョーカーは他の4種のスートと違って、全体攻撃ができる上に自分モンスターのコントロールの変更をさせず、さらに相手Pモンスターの攻撃を1ターン縛ってくる…!身代わりも復活コストも属性を問わなくなってるし…)

 

(ただ、その代わり攻撃対象を自身に向けさせる効果と貫通効果は消えてる…それなら正面から倒さずに攻撃力の低いアシンメトリアルを送れば)

 

(いや、だめ…!召喚したターンに攻撃できないから攻撃するモンスターを出したとしても1ターン耐えなきゃいけない…!)

 

(その上わたしのデッキに入ってるモンスターは全部Pモンスターだから、例え攻撃力が上回ったとしても…返しのターンでダメージ計算前に、P(パフォーマー)・ジョーカーの効果が発動して破壊される…!)

 

(じゃあ効果で破壊するしかないんだけど…身代わり効果があるから2回破壊しなきゃいけないし、もし破壊できたとしてもコストとなるPモンスターがあれば、ターン終了時に復活するからそのターン中に仕留めないとだめ…しかもそのモンスターは前のターンに出してないと攻撃できない…!)

 

(どうすれば、いいの…?)

 

「ドロー…」

 

 

 

(…ううん、何かあるはず。何か倒す方法が、きっと…)

 

「スタンバイ、メイン」

 

「永続魔法発動、《シンメトリアル・セット》。相手フィールドにのみモンスターが存在する場合に発動できる。このカードを発動するターン、自分はPモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない」

 

「このカードの発動時の効果処理として、自分のEXデッキの「シンメトリアル」Pモンスターを2体まで選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される」

 

《シンメトリアル・セット》

永続魔法

相手フィールドにのみモンスターが存在する場合に発動できる。このカードを発動するターン、自分はPモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。

(1):このカードの発動時の効果処理として、自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスターを2体まで選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される。

(2):1ターンに1度、自分のPゾーンのカード1枚または自分フィールドのPモンスター1体を除外し、自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。

 

 

 

(っ…P効果が無効化されるのもそうだけど、PモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない制約が致命的に重い…!)

 

(それが無かったらスケール3か5を並べて、《幻双煌翼竜ドラゴネシア》、《シャープハント・デーモン》をアーク召喚して…それで勝てたのに…!)

 

「…わたしは《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》を青のPゾーンに、《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》を赤のPゾーンに置く」

 

《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》

【Pスケール:青3/赤6】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。デッキから水属性以外の「アシンメトリアル」モンスター1体を選び、手札に加える。

 

《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》

【Pスケール:青5/赤5】

 

 

 

(…でも、制約があっても…できる限りのことは、する)

 

「ペンデュラム召喚」

 

 

 

「《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》」

 

《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/サイキック族/攻1200/守1200

【モンスター効果】

(1):フィールドまたは墓地のこのカードが除外された場合に相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する。

 

 

 

「フィールドを全部除外されても、すぐさまスケールを張り直してペンデュラム召喚。そのしぶとさに感心するよ」

 

「《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》を召喚」

 

《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/爬虫類族/攻 800/守 800

【モンスター効果】

(1):

 

 

 

「M(ミラー)・ダイヴァーのモンスター効果発動。1ターンに1度、自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターをターン終了時まで除外する。この効果は相手ターンでも発動できる。わたしはV(ヴォイド)・テレポーターを除外」

 

「そしてV(ヴォイド)・テレポーターのモンスター効果発動。フィールドまたは墓地のこのカードが除外された場合に相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる」

 

「そのカードを除外する。わたしが除外するのはクラウンの裏側守備表示のモンスター」

 

「除外は辛いなあ。まあ発動するにはLPが足りないから同じなんだけどね」

 

 

 

クラウン裏側守備→《Emトリック・クラウン》除外

 

「!…」

 

(ヒグルミじゃない…!?)

 

「フフフ、次のドローでPモンスターを引くかもしれないからね」

 

「…カードを1枚セット」

 

(…今はただ信じるしかない。次のクラウンのターンを生き残り、逆転に繋がるカードをドローすることを…!)

 

「ターンエンド。ターン終了時にV(ヴォイド)・テレポーターはフィールドに戻る」

 

 

 

EX2 墓地11 除外12

クラウン LP600 手札1

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ア ◇ ◇

ア=《エンタメP(パフォーマー)・ジョーカー》攻撃表示

 

TURN10→11 譜理子→クラウン

 

あ=《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》攻撃表示

い=《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》表側守備

青=《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》青スケール3

赤=《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》赤スケール5

お=《シンメトリアル・セット》

◇ あ い ◇ ◇

青   空   赤

◇ 裏 お ◇ ◇

譜理子 LP1100 手札0

EX0 墓地3 除外9



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22.「Believe」

「ボクのターン、ドロー」

 

「フフフ、やっぱり引いちゃった。スタンバイ、メイン」

 

「まずは《Emヒグルミ》をPゾーンに発動」

 

《Emヒグルミ》

【Pスケール:青5/赤5】

「Emヒグルミ」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドの表側表示の「Em」モンスターが

戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。

Pゾーンのこのカードを特殊召喚する。

その後、自分は500ダメージを受ける。

 

 

 

「そして2体目の《EMオッドアイズ・ユニコーン》をPゾーンに発動」

 

《EMオッドアイズ・ユニコーン》

【Pスケール:青8/赤8】

 

 

 

「…!」

 

「クラウンジョーカーの素材となれる重要なカードの1枚だからね。2枚入れておいて良かったよ」

 

「さあ、EMとEmでセッティングしたPスケールから現れるよ。ボクと譜理子ちゃんから生まれた第3のエンタメがね」

 

 

 

「ペンデュラム召喚」

 

 

 

「《エンタメトリアル=i(アイドル)・シンガー》」

 

《エンタメトリアル=i(アイドル)・シンガー》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星6/光属性/悪魔族/攻2000/守2000

 

 

 

「これでようやくチェックメイトかな」

 

「…」

 

~~~まずいわね、このまま攻撃が通ったら…

 

「何かあるとすればその伏せカードだけど、P(パフォーマー)・ジョーカーには効かない、って言うまでもないか。じゃあ名残惜しいけど」

 

 

 

「終幕の時間だ」

 

「バトル、P(パフォーマー)・ジョーカーでM(ミラー)・ダイヴァーに攻撃」

 

「M(ミラー)・ダイヴァーのモンスター効果発動。自身を除外」

 

「フフフ、逃げたところでどうにもならないよ」

 

「…いや」

 

(逃げたことで生き延びれる…少なくともこのターンは…!)

 

「チェーンして罠発動、《ペンデュラム・スイープ》」

 

《ペンデュラム・スイープ》

通常罠

(1):フィールドのPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。

 

 

 

「…へえ」

 

「フィールドのPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。対象はi(アイドル)・シンガー」

 

「しぶといねえ。このしぶとさは称賛に値するよ。あの時リザードローを引かれてなければヒグルミじゃなくてミラー・コンダクターを持ってきて、ここで決まってたのにさ」

 

「おかげで格好がつかなくなっちゃった。まあ、譜理子ちゃんともうちょっとデュエルを楽しめると考えたら悪くはないかな」

 

「…」

 

「あ、攻撃対象の再選択だね。P(パフォーマー)・ジョーカーでV(ヴォイド)・テレポーターに攻撃」

 

「メイン2、ボクに出来ることは無いのでこれでターンエンド」

 

「ターン終了時にM(ミラー)・ダイヴァーはフィールドに戻る」

 

 

 

EX1 墓地11 除外13

クラウン LP600 手札0

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア   空   イ

◇ ◇ ウ ◇ ◇

ア=《EMオッドアイズ・ユニコーン》スケール8

イ=《Emヒグルミ》スケール5

ウ=《エンタメP(パフォーマー)・ジョーカー》攻撃表示

 

TURN11→12 クラウン→譜理子

 

あ=《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》攻撃表示

青=《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》青スケール3

赤=《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》赤スケール5

お=《シンメトリアル・セット》

◇ あ ◇ ◇ ◇

青   空   赤

◇ ◇ お ◇ ◇

譜理子 LP1100 手札0

EX1 墓地4 除外9

 

 

 

「…」

 

~~~追い詰められたわね。

 

『うん…』

 

~~~生き残ったとはいえ、流石にこの状況は…厳しいわね。

 

(このドローでPモンスターを引いても…攻撃できないし、P(パフォーマー)・ジョーカーのコントロールも変更できない)

 

(かといって魔法罠も…わたしがこれまで使ってきたカードで、P(パフォーマー)・ジョーカーを倒せるようなカードは…無い)

 

~~~ここから勝てるカードなんていったら…

 

(うう…)

 

「どうしたの?譜理子ちゃんのターンだよ?」

 

「…」

 

(ここまで、勝ってきたのに…)

 

 

 

~~~あっ!待って!

 

『…?』

 

 

 

 

 

~~~1枚だけあるわ!クラウンに勝てるカード!

 

『!…本当?』

 

~~~うん!たった1枚だけど、デッキにあるはずよ!まだアナタが使ったことないあのカードが!

 

『わたしが、使ったことないカード…』

 

(そっか…1枚でもあるなら、それなら…)

 

~~~その1枚を絶対に引くと強く信じなさい!ここまで来たアナタなら引けるはずよ!

 

「…」

 

(強く、信じる…)

 

(わたしは…引かなきゃいけない。勝つために、元の世界に帰るために)

 

(わたしだけじゃない、ここに連れて来られたみんなのためにも…)

 

(そして…わたしに力をくれたアイリスのためにも…負けるわけにはいかない…!)

 

 

 

(絶対に…引いてみせる!)

 

「ドロー!」

 

 

 

「フフフ、凄い気迫だね。まさにこのドローに全てを賭けた、っていうのがひしひしと伝わってきたよ」

 

「…スタンバイ、メイン」

 

「それで、お目当てのカードは引けたのかな?」

 

「…」

 

 

 

「ペンデュラム召喚」

 

 

 

「V(ヴォイド)・テレポーター」

 

《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/サイキック族/攻1200/守1200

 

 

 

「そして…」

 

 

 

(わたしが絶対に引くと信じてドローした、このカードで…!)

 

 

 

 

 

「魔法発動、《簡易結合(インスタントコネクション)》!」

 

 

 

「…なるほど」

 

「1000LPを払って発動できる。自分フィールドのレベル6以下のモンスター1体を選んで除外し…」

 

譜理子LP1100-1000=100

 

 

 

「そのモンスターと同じレベルのアークモンスター1体をEXデッキから特殊召喚する。わたしはV(ヴォイド)・テレポーターを除外」

 

《簡易結合(インスタントコネクション)》

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1):1000LPを払って発動できる。自分フィールドのレベル6以下のモンスター1体を選んで除外し、そのモンスターと同じレベルのAモンスター1体をEXデッキから特殊召喚する。

 

 

 

「除外したV(ヴォイド)・テレポーターのレベルは4。わたしは同じレベル4のアークモンスター」

 

 

 

 

 

「《真似気猫》をEXデッキから特殊召喚…!」

 

《真似気猫》攻撃表示

アーク・効果モンスター

星4/風属性/獣族/攻 ?/守 ?

2・4・6・8の同じスケール×2

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカード以外のフィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。次の相手ターン終了時まで、このカードはそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ元々の攻撃力・守備力を得る。

 

 

 

「除外されたV(ヴォイド)・テレポーターのモンスター効果発動。対象はP(パフォーマー)・ジョーカー」

 

「代わりにEXデッキのリザードローを除外するよ」

 

「《真似気猫》の効果発動。1ターンに1度、このカード以外のフィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる」

 

「次の相手ターン終了時まで、このカードはそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ元々の攻撃力・守備力を得る」

 

「わたしはP(パフォーマー)・ジョーカーを選択」

 

《真似気猫》→《エンタメP(パフォーマー)・ジョーカー》 攻撃力?→3000 守備力?→3000

 

 

 

「この場面でそれしかない、ってカードを引いたんだね」

 

(アークモンスターはP(パフォーマー)・ジョーカーの効果を受けない。そしてM(ミラー)・ダイヴァーは前のターンからフィールドに存在している…!)

 

「バトル、《真似気猫》でP(パフォーマー)・ジョーカーに攻撃」

 

「フフフ、最後までボクへの反応は薄いままか」

 

「…」

 

 

 

「譜理子ちゃんのそういうところ、嫌いじゃなかったよ」

 

「M(ミラー)・ダイヴァーで攻撃」

 

 

 

クラウンLP600-800=0

 

 

 

“WIN ≪譜理子≫”

 

 

 

長い戦いが終わった。ついに手品師を倒すことができた。

 

色々あったけど今思うことはひとつ。勝てて良かった、本当に…

 

「おめでとう、譜理子ちゃんの勝利だ」

 

パチパチパチ、と拍手を送るクラウン。その声からは負けた悔しさや驚きといった感情は微塵も感じられなかった。

 

「まさかボクに勝つなんてね。譜理子ちゃんのデュエリストとしての力は本当に底知れないよ」

 

「…」

 

「時間も無いし最後にひとつだけ。ボクは手品師でもありクラウンでもあった。ボクのことは忘れずに覚えておいて欲しいな」

 

(…忘れたくても、忘れないと思う…きっと)

 

「というわけで、例に漏れず光るよ。この世界のルールだからね」

 

その言葉の直後、クラウンが光り出す。

 

「っ…!」

 

その光はこれまでと違い、どこか淡いように感じた。

 

 

 

 

 

光が消えて間も無く、クラウンの胴体が萎み始める。

 

見る見るうちに胴体が縮んで行き、やがて脱ぎ捨てられた服のようにパサッと落ちた。

 

膨らんだままの頭部は支柱を失い、その場に落下してポンと跳ねると少し転がる。

 

 

 

クラウンだったその着ぐるみの中には誰も居なかった。




補足
スケール8のEMには《EMオッドアイズ・ユニコーン》や《EMカード・ガードナー》の他に《EM天空の魔術師》が存在しますが、そちらのカードが登場する以前に書き上げたのでデッキには入っておりません。ご了承下さい。


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23.「Cancellation」

「…」

 

~~~おめでとう!本当によくやったわね!

 

『アイリス…ありがとう。アイリスのおかげでわたし、クラウンに勝てた…!』

 

~~~何言ってんのよ、アナタが最後まで諦めずに戦ったからでしょ!

 

『ううん、諦めずにいられたのもアイリスがいたから…ありがとう』

 

~~~に、2回もありがとうなんて言われるとくすぐったいわ…!

 

『えへへ…』

 

~~~えへへじゃないわよ!もう…!でもそうね。これで、やっと…

 

『アイリス…?』

 

 

 

 

 

~~~邪魔者が消えたわ。

 

「!…」

 

直後、力が抜けるような感覚に襲われ、視界が一瞬ブラックアウトする。

 

「うっ…」

 

意識を取り戻し、目を開けると…

 

 

 

 

 

「はいっ、契約解除」

 

 

 

わたしの目の前に、わたしが立っていた。

 

 

 

「そういうわけで、これからはアタシが真目譜理子だから」

 

「え…あっ…」

 

頭が回らない。状況が理解できない。

 

「混乱してるみたいね。そりゃそっか、自分がもう1人いるんだし」

 

「あなたは…アイリスなの…?」

 

「話し方でわかるでしょ?体は見ての通りね」

 

「何で…わたしの姿をして…」

 

「アナタと繋がった時に知り得たアナタの情報を元にね、この体を構築したのよ。よくできてるでしょ?」

 

「…」

 

わたしの姿をしたアイリスが得意気にニコリと笑う。

 

「にしても、やーっとアタシの体が手に入ったわ!クラウンが連れてくる人間共はどいつもこいつもザコばっかりでさ、アタシが力を貸したところですぐ負けちゃうし、心底うんざりしっ放しだったのよね」

 

「!…待って、わたしがクラウンを倒したから…その姿になってるってこと…?」

 

「結果的にはそうなるわね。クラウンのせいでアタシの力の大半がずっと封じられてきたから。この能力だってそうよ」

 

「ひどいと思わない?アタシをこんな場所に閉じ込めてさ。『キミを野放しにするわけにはいかない』、なんて言ってずっとアタシを縛り続けてきたのよアイツ!」

 

「…どうして閉じ込められてたの?」

 

「アナタたち人間を守るためよ、アタシの計画からね」

 

「えっ…?計画…?」

 

「まだ気付かないの?アナタにしちゃ鈍いわね!まあ計画よりは野望って言った方がいいかしら」

 

「…!」

 

 

 

その言葉で気付いてしまった。

 

「まさか…アイリス、あなたの野望って…!」

 

 

 

そしてその答えを聞いた瞬間、

 

「そうよ。アタシが抱いてる野望、それは」

 

 

 

わたしとアイリスの繋がりが、完全に切れた気がした。

 

 

 

 

 

「人間共を滅ぼすこと」

 

 

 

 

 

「っ…!どうして…何故そんなこと…!」

 

「そんなの人間が憎いからに決まってるじゃない。復讐してやらなきゃ気が済まないわ!」

 

「アイリス…何があったの?」

 

「…別に何でもいいでしょ。アナタには関係ないわ」

 

「関係なくないよ…わたしだって人間だから」

 

「人間、ね…だとしたらなおさら関係ないわね。アナタはもうすぐ人間じゃなくなるし」

 

「えっ…?」

 

 

 

「アタシね、体が無いの。いくらアタシが人間共を滅ぼせる力を持ってたとしてもね、体が無いとアナタたちがいたそっちの世界に行けないのよ」

 

「…だからわたしの体を構築した、ってこと…?」

 

「そうよ。でも所詮はコピーの体。人間じゃないからこの世界に閉じ込められたまま、近いうちに消滅する運命にあるわ」

 

「…」

 

「でもご心配なく。アタシはコピーをオリジナルにできる力を持ってるからね」

 

「!…わたしとアイリスの、中身を入れ替える…」

 

「察しがいいわね!そのためにはコピー元を倒す必要があるのよ。あとはわかるわよね?」

 

「そっか…わたしと繋がったのも、全てはそのためだったんだ…」

 

信じたくなかった。認めたくなかった。

 

唯一の味方だと思ってた存在が、本当の敵だったなんて。

 

失意と絶望が心を覆い始める。体中から何かが溢れ出てくるような感覚に陥るものの、それらを耐えながら何とか踏みとどまった。

 

「ああ、やっぱり人間の絶望した顔はたまんないわね!この顔がもうすぐ大量に見れるって思うとワクワクしてくるわ!」

 

「っ…ねえ、クラウンは全部知ってたの…?」

 

「当然よ。知ってたからこそアタシをここに閉じ込めたのよ!ねえ、知ってる?ここって見た目はただの劇場だけどね、その正体はクラウンがアタシを封じるためにわざわざ作った牢獄なのよ!」

 

「牢獄…って、ちょっと待って…アイリスの力を知ってたなら、何故クラウンはわたしたち人間をここに連れてくるの…?」

 

「さあね。維持費とか言ってたけど、どう考えても別の目的があるのが見え見えよね!だってアタシの力を知ってたなら普通そういう設計にはしないはずだし」

 

「別の目的って…世界征服…?」

 

「ぷっ!あれはそれっぽく言っただけの出まかせよ。もしクラウンの目的が世界征服ならとっくにやってるわよ!むしろ逆!こんなの作ってまでアタシから人間を守ろうとするくらいには人間好きよアイツ!」

 

「…」

 

「まあ人間を集めてアタシをどうにかしようとでも企んでたんでしょ!今となってはもうどうでもいい話だけど」

 

「さ、もう話はいいでしょ。さっさとデュエルするわよ!」

 

アイリスはわたしから同じくコピーしたデュエルディスクを構える。

 

勝たなきゃいけないのは、これまでと同じ。だけど負けた時のリスクは…これまでとは比べ物にならない。

 

わたしはわたしじゃなくなり、わずかに残ってるかもしれない復活の可能性も完全に消え、文字通り体ごとわたしは消滅。

 

そしてアイリスが真目譜理子となり、人類は滅ぼされる。

 

 

 

そんなの絶対にだめ!何が何でも勝たなきゃ…!

 

息を整えて、デュエルディスクを構える。

 

「今にも泣き出しそうな弱々しい目ね。さっきのデュエルの時とは大違いだわ。ちゃんとデュエルできるのかしら?」

 

侮るような目でわたしを見下すアイリス。悔しいけれど実際アイリスの言う通り、今こうして構えながら立っているだけでも精一杯。

 

「ご心配なく…わたしは、戦える」

 

でも立ち向かわなければならない。わたしのために、わたしたちのために…絶対にアイリスの野望を阻止しないといけない…!

 

「そう。その気力は評価してあげるわ。だけど今のアナタじゃ、どうやったってアタシに勝つのは不可能ね」

 

「負けない…アイリスの好きにはさせない…!」

 

デュエルに向けて集中力を高める。アイリスの言ってることとは全く別の違和感が頭の端っこで引っかかっていたけど、今はそれらに囚われないよう余計な思考は全て振り払う。

 

「あはは!声も微妙に震えてるわよ!まあせいぜい抗いなさい。そしてアタシとの力の差に絶望しながら倒れるといいわ!」

 

人類の存亡を賭けたデュエルが、この瞬間幕を開けた。

 

 

 

“DUELSTART”

 

 

 

「先攻はアタシね!スタンバイ、メイン」

 

「《アシンメトリアル・S(シールド)》を青のPゾーンに発動してP効果発動!デッキから《アシンメトリアル・J(ジェット)》をEXデッキに加えるわ!」

 

《アシンメトリアル・S(シールド)》

【Pスケール:青1/赤4】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキから水属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える。

 

 

 

(アシンメトリアルは元々アイリスの力…それが無くなった今、わたしのデッキのモンスターはシンメトリアルだけ…)

 

(いや、メインデッキだけじゃない…!アーク召喚にアークモンスターだって…!)

 

(今のわたしはアイリスと繋がる前の最初のデュエルの時と同じ…それでも勝つ道は、必ずきっと…)

 

「なんだか懐かしいわね、体を動かすこの感じ!久々だったからちゃんと動けるか不安だったけど、これなら満足に操れそうだわ!」

 

「今更だけどアナタで良かったわ。体があった頃のアタシとよく似てるから違和感とか全然無いし!まああの頃のアタシよりはちょっとだけ小さいけど」

 

「っ…」

 

「やっぱり女の子ってのがいいよね!アタシ自身がそうだったからわかるんだけど、周りの反応とかが違うっていうかさ。滅ぼされる側としても冴えない中年男みたいなのよりは余程いいでしょ!」

 

「…」

 

「言い返すどころか話す気力すら無いみたいね。サレンダーならいつでも受け付けるわ!」

 

「カードを2枚セットして、アタシはこれでターンエンドよ!」

 

 

 

EX1 墓地0 除外0

アイリス LP8000 手札2

◇ ◇ 裏 裏 ◇

◇   空   S

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

S=《アシンメトリアル・S(シールド)》青スケール1

 

TURN1→2 アイリス→譜理子

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP8000 手札5

EX0 墓地0 除外0



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24.「Blue and Red」

(どんなに厳しくても、最後まで戦う…サレンダーなんて絶対にしない…!)

 

「ドロー…スタンバイ、メイン」

 

(相手の場にモンスターは無し…攻撃すればダメージは入りそうだけど…)

 

(あの2枚の伏せカードのどっちかは…たぶんわたしも使ったあのカードの気がする)

 

「《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》を召喚」

 

《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/獣戦士族/攻1600/守1600

【モンスター効果】

(1):モンスターゾーンのこのカードが効果で破壊された場合、次のスタンバイフェイズに自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。

 

 

 

「バトル、T(テーブル)・キーパーで攻撃」

 

「永続罠発動、《アシンメトリアル・リカバリー》!発動時の効果処理としてEXデッキのJ(ジェット)を相手フィールドに特殊召喚!」

 

《アシンメトリアル・J(ジェット)》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星3/風属性/水族/攻900/守1200

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、このカードのコントロールを相手に移す。

 

 

 

(やっぱりそのカード…)

 

アイリスLP8000-1600=6400

 

「相手モンスターの攻撃によって戦闘ダメージを受けた時、《アシンメトリアル・リカバリー》の効果発動!」

 

「相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターの数だけデッキからドローする効果を選択して1枚ドロー!」

 

《アシンメトリアル・リカバリー》

永続罠

(1):「アシンメトリアル・リカバリー」は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。

(2):このカードの発動時の効果処理として、自分のEXデッキの表側表示の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選んで相手フィールドに特殊召喚できる。

(3):1ターンに1度、相手モンスターの攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けた時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分は相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターの数だけデッキからドローする。

●自分は相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターのレベルの合計×500LP回復する。

 

 

 

「…メイン2、カードをセット、もう1枚セット」

 

(このターンは、これで…)

 

「ターンエンド」

 

 

 

EX0 墓地0 除外0

アイリス LP6400 手札3

◇ ◇ 裏 ア ◇

◇   空   S

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア=《アシンメトリアル・リカバリー》

S=《アシンメトリアル・S(シールド)》青スケール1

 

TURN2→3 譜理子→アイリス

 

T=《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》攻撃表示

J=《アシンメトリアル・J(ジェット)》表側守備

◇ ◇ T J ◇

◇   空   ◇

◇ 裏 ◇ 裏 ◇

譜理子 LP8000 手札3

EX0 墓地0 除外0

 

 

 

「アタシのターン、ドロー!」

 

「スタンバイ、メイン」

 

「《アシンメトリアル・N(ニードル)》を赤のPゾーンに発動!」

 

《アシンメトリアル・N(ニードル)》

【Pスケール:青4/赤7】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。デッキから地属性以外の「アシンメトリアル」モンスター1体を選び、手札に加える。

 

 

 

(スケールは1と7…ペンデュラム召喚してくる…?)

 

「ふふ、身構えなくてもいいわよ。まだペンデュラム召喚はしないから」

 

「えっ…?」

 

「その代わりに、こっちよ!」

 

「アタシは青スケール1のS(シールド)と赤スケール7のN(ニードル)を」

 

 

 

 

 

「コネクト!」

 

 

 

 

 

「アーク召喚!」

 

 

 

 

 

「海底の人魚は青き力と共に!《アビス・ブルー・マーメイド》!」

 

 

 

《アビス・ブルー・マーメイド》表側守備

アーク・効果モンスター

星3/水属性/魚族/攻900/守1500

青スケール1+赤スケール5以上

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

(2):

 

 

 

(う…1と7でアーク召喚なんて…)

 

「ブルー・マーメイドの効果発動!1ターンに1度、自分のLPが相手より少ない場合にフィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる」

 

「自分はそのモンスターのレベル×500LP回復する!対象はT(テーブル)・キーパー!」

 

アイリスLP6400+2000=8400

 

「どう?効果とステータスは控えめだけど、素材指定の両スケールが離れてるからペンデュラム召喚の後に呼び出せるのよ!便利でしょ?今回はしなかったけどね」

 

(…そのアークモンスターは全く見えなかった。ということはアイリスがくれた力は…)

 

「察しの良いアナタなら言わなくてもわかってるだろうけど、あえて言っておくわ!」

 

 

 

「アタシが与えたのはクラウンを倒せる程度の力に過ぎないわ!いずれ戦うことになる相手に自分の手の内を全部見せるわけないでしょ!」

 

「っ…でもクラウン戦は、あのカードを引かなかったら負けてた…」

 

「そうね、まさか本当に引くなんてね。正直驚いたわよ!いくらアタシでも次にドローするカードまでは操作できないし」

 

「…」

 

「さあ、まだまだ行くわよ!永続魔法発動、《アシンメトリアル・センサー》!このカードは相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターの数によって得られる効果が増えるわ!」

 

《アシンメトリアル・センサー》

永続魔法

(1):相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターの数によって以下の効果を得る。

●1体以上:1ターンに1度、自分の墓地のPモンスターまたは自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加え、自分はそのモンスターのレベル×300ダメージを受ける。

●2体以上:1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターと同じ属性、または同じ種族のモンスター1体をデッキから墓地へ送り、ターン終了時までそのモンスターのコントロールを得る。

●3体以上:

●4体以上:

●5体:

 

 

 

「アタシは1体以上の場合に得られる効果を発動!EXデッキのN(ニードル)を手札に加え、自分はそのモンスターのレベル×300ダメージを受ける」

 

アイリスLP8400-900=7500

 

「N(ニードル)を青のPゾーンに発動してP効果発動!ブルー・マーメイドをリリースしてデッキから《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》を手札に加える」

 

《アシンメトリアル・N(ニードル)》

【Pスケール:青4/赤7】

 

 

 

「そしてQ(クオーツ)を赤のPゾーンに発動!」

 

《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》

【Pスケール:青3/赤6】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。デッキから水属性以外の「アシンメトリアル」モンスター1体を選び、手札に加える。

 

 

 

(またスケールを並べた…!さっきより狭い4と6…)

 

「さあ、行くわよ!」

 

 

 

「ペンデュラム召喚!」

 

 

 

「《アシンメトリアル・S(シールド)》!」

 

《アシンメトリアル・S(シールド)》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星5/水属性/水族/攻1500/守2000

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。相手は元々の持ち主が自分となるモンスター1体を選び、ターン終了時までこのカードとコントロールを入れ替える。

 

 

 

(今度はペンデュラム召喚…)

 

「ふふ、もうアーク召喚はしないわよ。少なくともこのターンはね」

 

「S(シールド)のモンスター効果発動!相手は元々の持ち主が自分となるモンスター1体を選び、ターン終了時までこのカードとコントロールを入れ替える!」

 

「…わたしはT(テーブル)・キーパーを選択」

 

「《アシンメトリアル・センサー》の2体以上の場合に得られる効果を発動!」

 

「1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターと同じ属性、または同じ種族のモンスター1体をデッキから墓地へ送り、ターン終了時までそのモンスターのコントロールを得る」

 

「デッキから《アシンメトリアル・K(カイト)》を墓地へ送り、J(ジェット)のコントロールを得る!」

 

「J(ジェット)のモンスター効果発動!N(ニードル)を破壊してこのカードのコントロールを相手に移す!」

 

「片方のPゾーンが開いたことによりQ(クオーツ)のP効果発動!T(テーブル)・キーパーをリリースしてデッキから《アシンメトリアル・L(ランプ)》を手札に加える」

 

「アタシはこれでターンエンド!ターン終了時にS(シールド)はアタシのフィールドに戻るわ!」

 

 

 

EX1 墓地2 除外0

アイリス LP7500 手札3

◇ ア 裏 イ ◇

Q   空   ◇

◇ ◇ S ◇ ◇

ア=《アシンメトリアル・センサー》

イ=《アシンメトリアル・リカバリー》

Q=《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》赤スケール6

S=《アシンメトリアル・S(シールド)》表側守備

 

TURN3→4 アイリス→譜理子

 

J=《アシンメトリアル・J(ジェット)》表側守備

◇ ◇ ◇ J ◇

◇   空   ◇

◇ 裏 ◇ 裏 ◇

譜理子 LP8000 手札3

EX1 墓地0 除外0

 

 

 

「ドロー…スタンバイ、メイン」

 

(ダメージを与えることはできるけど…でもそうするとリカバリーの効果が発動…)

 

(EXデッキにはT(テーブル)・キーパーの1体だけ…)

 

「《シンメトリアル=I(イメージ)・ペインター》を青のPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=I(イメージ)・ペインター》

【Pスケール:青5/赤5】

(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体を選択し、選択したモンスターの元々の種族・属性・レベル・攻撃力・守備力を持つ「シンメトリアル=Iトークン」1体を特殊召喚する。

 

 

 

「《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》を赤のPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》

【Pスケール:青3/赤3】

(1):1ターンに1度、このカードを発動したターンの自分メインフェイズに、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体を選択し、選択したモンスターはこのターン自分のLPが相手より少ない場合、相手に直接攻撃できる。

 

 

 

「I(イメージ)・ペインターのP効果発動。1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」

 

「自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体を選択し、選択したモンスターの元々の種族・属性・レベル・攻撃力・守備力を持つ「シンメトリアル=Iトークン」1体を特殊召喚する」

 

「わたしはJ(ジェット)を選択して、Iトークンを特殊召喚」

 

《シンメトリアル=Iトークン》表側守備

星3/風属性/水族/攻900/守1200

 

 

 

(攻撃も、ペンデュラム召喚も…しない)

 

「…ターンエンド」

 

 

 

EX1 墓地2 除外0

アイリス LP7500 手札3

◇ ア 裏 イ ◇

Q   空   ◇

◇ ◇ S ◇ ◇

ア=《アシンメトリアル・センサー》

イ=《アシンメトリアル・リカバリー》

Q=《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》赤スケール6

S=《アシンメトリアル・S(シールド)》表側守備

 

TURN4→5 譜理子→アイリス

 

あ=《シンメトリアル=Iトークン》表側守備

J=《アシンメトリアル・J(ジェット)》表側守備

I=《シンメトリアル=I(イメージ)・ペインター》青スケール5

V=《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》赤スケール3

◇ ◇ あ J ◇

I   空   V

◇ 裏 ◇ 裏 ◇

譜理子 LP8000 手札2

EX1 墓地0 除外0

 

 

 

「ふーん、攻撃はともかくペンデュラム召喚もしなかったのね。ま、どうでもいいけど」

 

「アタシのターン、ドロー!」

 

「スタンバイ、メイン」

 

 

 

「速攻魔法、《シンメトリアル・スイッチ》発動!」

 

《シンメトリアル・スイッチ》

速攻魔法

(1):自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体をリリースし、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。その後、デッキからリリースしたモンスターよりレベルが2つ低い「シンメトリアル」モンスター1体を手札に加えるか特殊召喚する。

 

 

 

「!…」

 

「アナタの使ってたカードもコピーさせてもらったわ!アタシのアシンメトリアルデッキに使えそうなカードをね!」

 

「それじゃあ、シンメトリアルモンスターも…」

 

「ああ、モンスターは入ってないわ。アタシの純粋なアシンメトリアルデッキには邪魔でしかないもの!」

 

「っ…」

 

「《シンメトリアル・スイッチ》の効果でS(シールド)をリリースして、I(イメージ)・ペインターを破壊するわ!」

 

「…させない。チェーンしてカウンター罠発動、《シンメトリアル・リフレクション》」

 

《シンメトリアル・リフレクション》

カウンター罠

(1):魔法・罠カードが発動した時に自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター1体をデッキに戻して発動できる。その発動を無効にし破壊する。

 

 

 

「魔法・罠カードが発動した時に自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター1体をデッキに戻して発動できる」

 

「その発動を無効にし破壊する。わたしはEXデッキから《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》をデッキに戻す」

 

「…へえ。ペンデュラム召喚しなかったのはそういうわけね。でもそんなカード1枚で止められると思ってたら大間違いよ!」

 

「《アシンメトリアル・センサー》の1体以上の場合に得られる効果を発動!墓地のK(カイト)を手札に加え、自分はそのモンスターのレベル×300ダメージを受ける」

 

アイリスLP7500-1500=6000

 

「K(カイト)を青のPゾーンに発動!」

 

《アシンメトリアル・K(カイト)》

【Pスケール:青2/赤5】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキから風属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える。

 

 

 

「ペンデュラム召喚!」

 

 

 

「N(ニードル)!S(シールド)!」

 

《アシンメトリアル・N(ニードル)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星3/地属性/炎族/攻1200/守900

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、このカードのコントロールを相手に移す。

 

《アシンメトリアル・S(シールド)》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星5/水属性/水族/攻1500/守2000

 

 

 

「S(シールド)のモンスター効果発動!相手は元々の持ち主が自分となるモンスター1体を選び、ターン終了時までこのカードとコントロールを入れ替える!」

 

「…わたしはIトークンを選択」

 

「N(ニードル)のモンスター効果発動!K(カイト)を破壊してこのカードのコントロールを相手に移す!」

 

(う…前のターンと、同じ動き…しかもまだ止まりそうにない)

 

「片方のPゾーンが開いたことによりQ(クオーツ)のP効果発動!Iトークンをリリースしてデッキから《アシンメトリアル・R(リング)》を手札に加える」

 

「R(リング)を召喚して効果発動!Q(クオーツ)を破壊してこのカードのコントロールを相手に移す!」

 

《アシンメトリアル・R(リング)》

ペンデュラム・効果モンスター

星3/炎属性/雷族/攻1500/守600

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、このカードのコントロールを相手に移す。

 

 

 

(わたしのフィールドにアシンメトリアルが4体…)

 

「ふふ、結構並んだわね。《アシンメトリアル・センサー》の4体以上の場合に得られる効果を発動!」

 

「1ターンに1度、発動できる。相手は自身の手札・フィールドの「アシンメトリアル」モンスター以外のカード1枚を墓地へ送らなければならない」

 

「…わたしは伏せカードの《ペンデュラム・サイン》を墓地へ送る」

 

譜理子セットカード→《ペンデュラム・サイン》墓地

 

「《アシンメトリアル・センサー》の3体以上の場合に得られる効果を発動!」

 

「1ターンに1度、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを持ち主の手札に戻す。アタシはJ(ジェット)を手札に戻す!」

 

「L(ランプ)を赤のPゾーンに発動してP効果発動!デッキから《アシンメトリアル・P(プレート)》をEXデッキに加えるわ!」

 

《アシンメトリアル・L(ランプ)》

【Pスケール:青4/赤1】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキから炎属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える。

 

 

 

「J(ジェット)を青のPゾーンに発動!」

 

《アシンメトリアル・J(ジェット)》

【Pスケール:青7/赤4】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。デッキから風属性以外の「アシンメトリアル」モンスター1体を選び、手札に加える。

 

 

 

(既にペンデュラム召喚をしてるのにスケールを並べた、ってことは…)

 

「アタシは青スケール7のJ(ジェット)と赤スケール1のL(ランプ)を」

 

 

 

 

 

「コネクト!」

 

 

 

 

 

「アーク召喚!」

 

 

 

 

 

「火山の猛禽は赤き力と共に!《ボルケーノ・レッド・ホーク》!」

 

 

 

《ボルケーノ・レッド・ホーク》

アーク・効果モンスター

星3/炎属性/鳥獣族/攻1500/守900

赤スケール1+青スケール5以上

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):

(2):

 

 

 

(…このアークモンスターも、アイリスが手の内に隠してたモンスター…)

 

「レッド・ホークの効果発動!1ターンに1度、自分のLPが相手より少ない場合にフィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる」

 

「相手にそのモンスターのレベル×300ダメージを与える!対象はS(シールド)!」

 

譜理子LP8000-1500=6500

 

「バトル!レッド・ホークでN(ニードル)に攻撃!レッド・ストライク!」

 

譜理子LP6500-300=6200

 

「…」

 

「アタシはこれでターンエンド!ターン終了時にS(シールド)はアタシのフィールドに戻るわ!」

 

 

 

EX6 墓地2 除外0

アイリス LP6000 手札2

◇ ア 裏 イ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ウ S ◇

ア=《アシンメトリアル・センサー》

イ=《アシンメトリアル・リカバリー》

ウ=《ボルケーノ・レッド・ホーク》攻撃表示

S=《アシンメトリアル・S(シールド)》表側守備

 

TURN5→6 アイリス→譜理子

 

R=《アシンメトリアル・R(リング)》攻撃表示

I=《シンメトリアル=I(イメージ)・ペインター》青スケール5

V=《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》赤スケール3

R ◇ ◇ ◇ ◇

I   空   V

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP6200 手札2

EX0 墓地2 除外0



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25.「Harmony」

(LPは僅かにわたしの方が上…でも、EXデッキのPモンスターはわたしの0に対してアイリスが6…フィールドのカードもわたしの方が少ない)

 

(きっとアイリスは次のターン、ペンデュラム召喚で一気にモンスターを並べて…わたしのLP削りに来る)

 

(そのために前の2ターン、EXデッキにPモンスターを可能な限り送り込んで準備を済ませた…)

 

(だから、このターン中にその攻撃耐えられるような布陣を築かないといけない…もしこのドローで守りを築けなかったら…)

 

 

 

悪い予感が頭によぎり、体にゾクッと震えが走る。

 

首を振ってかき消そうとするも、何故かその薄ら寒い感覚がわたしから離れない。

 

心が弱ってるから悪い方に考えてしまうんだ。何も気にせずに進めばいい。

 

そう自分に言い聞かせながら、ドローしようとデッキに手を伸ばす。

 

 

 

その瞬間だった。

 

 

 

「…!」

 

 

 

アイリスとのデュエル前に頭の端っこで引っかかっていた違和感が、突如思考の中心に躍り出る。

 

 

 

そしてその違和感は数々の疑問点と瞬く間に繋がって行き、

 

 

 

 

 

やがて、ひとつの答えを導き出した。

 

 

 

(もしそうだとしたら…!)

 

半ば慌てるようにデュエルディスクを外そうとする。

 

しかし衣服にぴったりとくっついているせいか、微かに動くだけで外れそうもない。

 

(じゃあ、こうする…だけ!)

 

わたしはデュエルディスクが体に当たらないように両手を自身の衣服へと移し、

 

 

 

 

 

衣服ごとデュエルディスクを取り外した。

 

 

 

「…何いきなり脱いでんの?冷や汗でもかいた?」

 

冷笑するような目で訝しむアイリスをよそに、数メートル先の目的地、クラウンが居た場所へと走る。

 

 

 

(ちゃんと中から、見えるよね…?)

 

そしてクラウンだった着ぐるみの頭部を拾い上げると、

 

 

 

(…えいっ!)

 

意を決するように頭から被った。視界が途端に狭くなる。

 

でも見えないことはない。これなら許容範囲。

 

 

 

続けて萎んだ胴体を身に着ける。

 

視界が狭くサイズが合わないこともあり、着用に少し手間取ったものの、

 

 

 

(…よし、着れた)

 

無事わたしの体はクラウンだった着ぐるみに包まれた。

 

 

 

「ねえ何してんの?あまりのプレッシャーでおかしくなった?仮装ならデュエルが終わってからにしてくれない?」

 

冷たい目を浴びせるアイリスに構わず、着ぐるみ姿のまま元の位置に戻る。

 

 

 

(あとは…)

 

衣服からデュエルディスクを取り外し、着ぐるみの上から装着し直すと、

 

 

 

「!…」

 

着ぐるみは唐突に膨らみを取り戻し、

 

 

 

 

 

 

===フフフ、やっぱり譜理子ちゃんは聡明だね。

 

待ち望んだ声が聞こえてきた。

 

 

 

「クラウン…えっと、その…」

 

===何かな?

 

「ごめんなさい…わたし、クラウンのこと全然知らなかった…酷いこと言っちゃって、本当にごめんなさい…」

 

===何のことかよくわかんないけど、言ってないことは知らなくて当然だよね。それよりどうやって気付いたんだい?ボクはそっちが知りたいな。

 

「クラウン…」

 

(…ありがとう)

 

「えっとね、違和感があったの」

 

===違和感?

 

「うん。このデュエルが始まる前から頭の端っこで引っかかって…さっきその正体がわかったの」

 

===へえ。何だったんだい?

 

 

 

 

 

「わたしがまだ、ここにいることそのもの」

 

 

 

 

 

「だって手品師であるクラウンを倒したのに、元の世界に戻ってないもの」

 

 

 

「クラウン言ってたよね、手品師を倒せば帰れるって」

 

===言ったね。

 

「それなのにわたしがまだここにいるってことは、手品師であるクラウンを倒していないってことになる」

 

 

 

 

 

「やっぱりそうだった」

 

===その通りだよ。譜理子ちゃんはボクをまだ倒しきってはいないんだよね。それで、どうやってボクを見つけたのかな?

 

「さっきのデュエルでクラウンジョーカーを破壊した時と、デュエル終了後のクラウンが光った時のことを思い返してみて…ひょっとしたら、って」

 

「クラウンジョーカーの時は、あのピエロの着ぐるみの中からP(パフォーマー)・ジョーカーが出てきて…クラウンが光った時には着ぐるみの中は空だった」

 

「それって、もしかしたらそのままの意味なんじゃないかって思ったの」

 

 

 

「クラウンという手品師は着ぐるみに身を包んでわたしとデュエルしてた。そしてわたしに負けて着ぐるみの中の手品師は光となった」

 

「そうだとしたらクラウンの時だけ光が淡いように感じたのも説明がつくし…あれって着ぐるみが光を塞いでいたからだよね?」

 

===そうだね。確かにあの光はP(パフォーマー)・ジョーカーとしてのボクだった。でもボクを見つけた理由にはなってないよ?それに譜理子ちゃんがクラウンジョーカーを着ていることも。

 

「それはね、単純な発想で…」

 

 

 

「わたしがこの着ぐるみの新しい中身になればいいかな、って思って着てみた。そしたら復活するかもって」

 

===フフフ、じゃあこの中身の無いピエロの着ぐるみ自体がボクだってことわかってたんだ。

 

「もちろん。クラウン言ってたじゃない」

 

 

 

 

 

「『ボクは手品師でもありクラウンでもあった。ボクのことは忘れずに覚えておいて欲しいな』って」

 

「それってつまり、この着ぐるみ自体もクラウンってことでしょ?」

 

===正解。このピエロの名は『クラウン』。譜理子ちゃんという中身を得たことで再び通じ合えたんだ。

 

「うん…!」

 

 

 

「あのさ、いつまでボーっと突っ立ってるつもり!?やる気が無いならさっさとサレンダーして欲しいんだけど!?」

 

「!」

 

(あっ…!そうだった、制限時間…!)

 

===おっと、彼女がそろそろ痺れを切らしそうだね。

 

「ねえクラウン、お願いがあるの」

 

===何かな?

 

「わたしに、力を貸して…アイリスに勝つための力を…!」

 

===ボクと繋がりたいのなら目を閉じて唱えよう。

 

「うん…!」

 

 

 

 

 

「I CONNECT WITH CLOWN」

 

 

 

 

 

===気分はどうかな?

 

『…良い感じ、かも』

 

===フフフ、早速声に出さずに返事したね。

 

「…アイリス、待たせてごめん」

 

「待たせすぎよ!っていうかアナタその格好でデュエルするとか正気!?」

 

「うん、そのおかげで今…わたしはクラウンと繋がってるから…!」

 

「!?」

 

===さあ、逆転劇の始まりだ。

 

「ドロー…!」

 

 

 

(!…来た、繋がった証…!)

 

「スタンバイ、メイン」

 

「I(イメージ)・ペインターのP効果発動。わたしはR(リング)を選択して、Iトークンを特殊召喚」

 

《シンメトリアル=Iトークン》攻撃表示

星3/炎属性/雷族/攻1500/守600

 

 

 

 

 

「そしてフィールド魔法、《エンタメトリアル・シアター》を発動!」

 

《エンタメトリアル・シアター》

フィールド魔法

(1):このカードの発動時の効果処理として、デッキからカード名が異なる「エンタメトリアル」Pモンスターを2体まで選んで自分のEXデッキに表側表示で加える。

(2):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の自分の光属性Pモンスターの効果の発動に対して、相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。

(3):「エンタメトリアル」Pモンスターが守備表示で特殊召喚された場合、または自身の効果で守備表示になった場合に発動できる。そのモンスターを表側攻撃表示にする。

(4):1ターンに1度、自分のPゾーンにカードが存在しない場合、または片方の自分のPゾーンに「エンタメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。自分フィールドに表側表示で存在する元々の持ち主が自分となるPモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される。

 

 

 

「なっ!そのカード…!アナタもしかして本当にクラウンと…!?」

 

===わお、1枚目にそれを引いたんだね。

 

「このカードの発動時の効果処理として、デッキからカード名が異なる「エンタメトリアル」Pモンスターを2体まで選んでEXデッキに加える」

 

(!…ステータスも効果も全員戻ってる…?ってことは、この状態が本来のエンタメトリアル…!これなら…!)

 

「わたしはデッキから《エンタメトリアル=o(オルガン)・ブースター》、《エンタメトリアル=v(ヴァイオリン)・ヒーラー》の2体をEXデッキに加える」

 

 

 

(エンタメトリアル…わたしとクラウンの力が合わさって生まれた子たち)

 

(前のデュエルの時とは違う…クラウンだけじゃない。わたしも今、この子たちと繋がってる)

 

(わたし…ううん、わたしたちと一緒にこの舞台でもう1度…)

 

(奏でて…!ハーモニーを…!)

 

 

 

「ペンデュラム召喚…!」

 

 

 

「o(オルガン)・ブースター、v(ヴァイオリン)・ヒーラー…!」

 

《エンタメトリアル=o(オルガン)・ブースター》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/悪魔族/攻1000/守1000

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の自分の光属性Pモンスターは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。

 

《エンタメトリアル=v(ヴァイオリン)・ヒーラー》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/悪魔族/攻1000/守1000

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の自分の光属性Pモンスターが相手に戦闘ダメージを与える度に、自分はその数値分だけLPを回復する。

 

 

 

「…ふん、どうやら倒されてなかったみたいね!ま、ちょうどいいハンデだわ。2人一緒にかかってきなさい!」

 

「魔法発動、《ペンデュラム・リアクション》。自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる。お互いのPゾーンのカードを全てデッキに加えてシャッフルする」

 

「その後、デッキに加えたカードの枚数によって効果を適用する。デッキに加えた枚数は2枚なので2枚の効果を適用」

 

《ペンデュラム・リアクション》

通常魔法

(1):自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる。お互いのPゾーンのカードを全てデッキに加えてシャッフルする。その後、デッキに加えたカードの枚数によって以下の効果を適用する。

●1枚:自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。

●2枚:デッキからPモンスター1体を選んで手札に加える。

●3枚:自分のEXデッキの表側表示のPモンスターの種類の数まで、相手フィールドのカードを選んで除外する。その後、お互いのプレイヤーはデッキの一番上のカードをめくり、それがPモンスターだった場合は手札に加える。違った場合は墓地へ送る。

●4枚:フィールドのPモンスター及びお互いのEXデッキの表側表示のPモンスターを全て除外する。その後、お互いのプレイヤーはデッキの一番上のカードをめくり、それがPモンスターだった場合は手札に加える。違った場合は墓地へ送る。

(2):両方の自分のPゾーンにカードが存在する場合に墓地のこのカードを除外して発動できる。相手フィールドにセットされたカード2枚を選び、そのカードを手札に戻す。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

 

 

「デッキからPモンスター1体を選んで手札に加える。わたしはデッキから《エンタメトリアル=i(アイドル)・シンガー》を手札に加える」

 

「R(リング)をリリースしてi(アイドル)・シンガーをアドバンス召喚」

 

《エンタメトリアル=i(アイドル)・シンガー》

ペンデュラム・効果モンスター

星6/光属性/悪魔族/攻2000/守2000

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。

(2):1ターンに1度、自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキから元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の光属性Pモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。

 

 

 

「召喚に成功したi(アイドル)・シンガーの効果発動。このカードを守備表示にする」

 

《エンタメトリアル=i(アイドル)・シンガー》攻撃表示→表側守備

 

 

 

「《エンタメトリアル・シアター》の効果発動。「エンタメトリアル」Pモンスターが守備表示で特殊召喚された場合、または自身の効果で守備表示になった場合に発動できる」

 

「そのモンスターを表側攻撃表示にする」

 

《エンタメトリアル=i(アイドル)・シンガー》表側守備→攻撃表示

 

 

 

「i(アイドル)・シンガーのモンスター効果発動。1ターンに1度、自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる」

 

「デッキから元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の光属性Pモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。わたしはデッキから《エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー》を青のPゾーンに置く」

 

《エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー》

【Pスケール:青3/赤3】

(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「エンタメトリアル」カードが存在する場合に自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターよりレベルが高い相手フィールドのモンスター1体を選択し、持ち主の手札に戻す。

 

 

 

「《エンタメトリアル・シアター》の効果発動。1ターンに1度、自分のPゾーンにカードが存在しない場合、または片方の自分のPゾーンに「エンタメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」

 

「自分フィールドに表側表示で存在する元々の持ち主が自分となるPモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される」

 

「わたしは《エンタメトリアル=v(ヴァイオリン)・ヒーラー》を赤のPゾーンに置く」

 

《エンタメトリアル=v(ヴァイオリン)・ヒーラー》

【Pスケール:青5/赤5】

(1):このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンに「エンタメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。除外されている自分のカードを3枚まで選んでデッキに戻す。

 

 

 

「l(リュート)・フリッカーのP効果発動。1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「エンタメトリアル」カードが存在する場合に自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターよりレベルが高い相手フィールドのモンスター1体を選択し、持ち主の手札に戻す。わたしはレベル4のo(オルガン)・ブースターを対象として発動し、レベル5のS(シールド)を手札に戻す」

 

(Iトークンのステータスは《アシンメトリアル・R(リング)》のコピー。だけどアシンメトリアルの名はついていないから、攻撃しても《アシンメトリアル・リカバリー》の効果は発動しない…!)

 

===いい動きだね。やっぱり譜理子ちゃんの飲み込みの早さには感心するよ。

 

『…ありがとう』

 

===というかこの状況ってあれだよね。残りLPが6000だから、

 

 

 

===全員の攻撃が通れば届いちゃうよね。ぴったり6000ダメージが入ってさ。

 

『そうね…通ればの話だけど』

 

(気になるのは最初のターンから伏せられてるあのカード…アイリスの様子からして、たぶんこのターンじゃ決まらない)

 

(ただ、届かなくても結構ダメージは入りそうな気がする)

 

「バトル、i(アイドル)・シンガーでレッド・ホークに攻撃」

 

「…受けるわ」

 

アイリスLP6000-500=5500

 

「o(オルガン)・ブースターのモンスター効果、このカードがモンスターゾーンに存在する限り、元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の自分の光属性Pモンスターは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる」

 

「もう1度i(アイドル)・シンガーで攻撃」

 

(何かあるとすれば、このタイミング…!)

 

 

 

「罠発動、《アシンメトリアル・パッケージ》!」

 

「相手フィールドの表側表示モンスターを任意の数だけ対象として発動できる。ターン終了時までそのモンスターは「アシンメトリアル」モンスターとしても扱う」

 

《アシンメトリアル・パッケージ》

通常罠

(1):相手フィールドの表側表示モンスターを任意の数だけ対象として発動できる。ターン終了時までそのモンスターは「アシンメトリアル」モンスターとしても扱う。

 

 

 

「…!」

 

「当然対象はアナタのモンスター3体全部よ!」

 

アイリスLP5500-2000=3500

 

「さらに相手モンスターの攻撃によって戦闘ダメージを受けた時、《アシンメトリアル・リカバリー》の効果発動!相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターのレベルの合計×500LP回復する効果を選択するわ!」

 

「レベルの合計は13!よって6500回復!」

 

アイリスLP3500+6500=10000

 

(う…通らないのはわかってたけど、この回復量は…)

 

「残念ね。クラウンの力を得たからってそう簡単に勝てるわけないでしょ!」

 

「…」

 

「ただ本音を言うと、こんな形で使うことになるとは思わなかったわ。大量ドローするつもりだったのに。予定を狂わせたことだけは褒めてあげてもいいわよ!」

 

「…それはどうも。o(オルガン)・ブースターで攻撃」

 

アイリスLP10000-1000=9000

 

「o(オルガン)・ブースターのモンスター効果は自身にも適用される。もう1度o(オルガン)・ブースターで攻撃」

 

アイリスLP9000-1000=8000

 

「Iトークンで攻撃」

 

アイリスLP8000-1500=6500

 

「ターンエンド」

 

 

 

EX7 墓地4 除外0

アイリス LP6500 手札3

◇ ア ◇ イ ◇

◇   空   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア=《アシンメトリアル・センサー》

イ=《アシンメトリアル・リカバリー》

 

TURN6→7 譜理子→アイリス

 

i=《エンタメトリアル=i(アイドル)・シンガー》攻撃表示

o=《エンタメトリアル=o(オルガン)・ブースター》攻撃表示

う=《シンメトリアル=Iトークン》攻撃表示

場=《エンタメトリアル・シアター》

l=《エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー》青スケール3

v=《エンタメトリアル=v(ヴァイオリン)・ヒーラー》赤スケール5

i o う ◇ ◇

l   場   v

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP6200 手札1

EX0 墓地3 除外0



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26.「Darkness」

「アタシのターン、ドロー!」

 

「スタンバイ、メイン」

 

「さーて、そっちが2人がかりでくるならアタシも本気で行かせてもらうわ!アナタの知らないアシンメトリアルの真の姿を見せてあげる!」

 

「真の姿…?」

 

 

 

「アタシは自分の手札・フィールド・EXデッキから闇属性以外の「アシンメトリアル」モンスターを8種類除外してこのカードを発動するわ!」

 

 

 

「…!」

 

「発動時に除外するアシンメトリアルは手札のS(シールド)、EXデッキのJ(ジェット)、K(カイト)、L(ランプ)、N(ニードル)、P(プレート)、Q(クオーツ)、R(リング)の計8種類!」

 

アイリスが1枚のカードを掲げると、そのカードの発動条件として8種類のアシンメトリアルが除外されていく。

 

 

 

そしてそのカードがデュエルディスクに置かれた直後、

 

 

 

 

 

周囲は闇に包まれた。

 

 

 

「フィールド魔法発動、《アシンメトリアル・ダークネス》!」

 

 

 

《アシンメトリアル・ダークネス》

フィールド魔法

(1):自分の手札・フィールド及び自分のEXデッキの表側表示の闇属性以外の「アシンメトリアル」モンスターを8種類除外してこのカードを発動できる。

(2):このカードの発動時の効果処理として、自分のデッキの上からカードを3枚めくり、その中から闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を選んで手札に加える事ができる。残りのカードはデッキに戻す。

(3):1ターンに1度、フィールドゾーンに存在するこのカードが相手の効果によってフィールドを離れる場合、代わりにこのカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚をデッキの一番下に戻す。

(4):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、「アシンメトリアル」モンスターは直接攻撃できない。

(5):1ターンに2度まで、自分メインフェイズ1に以下の効果から1つを選択して発動できる(同じ効果は1度まで)。

●相手フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。そのカードの効果はターン終了時まで無効になる。

●除外されている自分の闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを相手フィールドに特殊召喚する。

●自分のEXデッキの表側表示の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を除外し、相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのコントロールを得る。

●フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。デッキからそのモンスターとカード名が異なる闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を選んで手札に加える。その後、相手はデッキから1枚ドローする。

(6):お互いのエンドフェイズ毎に発動する。ターンプレイヤーは自分から見て相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスターの数×700LP回復する。

 

 

 

 

 

「《アシンメトリアル・ダークネス》…!」

 

「ふふ、これからアナタをじわじわ闇へと引きずり込んであげる」

 

「まさか…EXデッキにPモンスターを送り込んだのは、ペンデュラム召喚で並べるためじゃなくて…!」

 

「そうよ!このカードを発動するため!ま、隙があったら仕留めてやろうとは思ってたけど」

 

「…」

 

===底知れない深い暗闇だね。《エンタメトリアル・シアター》がほとんど見えなくなっちゃった。

 

「まずはこのカードの発動時の効果処理として、自分のデッキの上からカードを3枚めくり、その中から闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を選んで手札に加える事ができる。残りのカードはデッキに戻す」

 

「闇属性のアシンメトリアル…」

 

「アナタのことだから予想はついてるんじゃない?アシンメトリアル6姉妹のカード名くらいは」

 

アイリスがデッキの上から3枚カードをめくると、

 

 

 

その中に1枚、アイリスの言っていたカードが現れた。

 

 

 

《シンメトリアル・セット》

《アシンメトリアル・F(フェイト)》

《ペンデュラム・サイン》

 

 

 

(!…あれが、闇属性の…)

 

「1枚あったわね。アタシは闇属性の《アシンメトリアル・F(フェイト)》を手札に加えるわ!」

 

「そして手札に加えた《アシンメトリアル・F(フェイト)》を赤のPゾーンに発動!」

 

《アシンメトリアル・F(フェイト)》

【Pスケール:青-/赤9】

このカード名の(1)(2)のP効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、除外されている自分の地属性または炎属性の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして相手フィールドに特殊召喚する。

(2):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、「アシンメトリアル・F(フェイト)」以外の相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。このカードを除外し、そのモンスターのコントロールを得る。

 

 

 

「F(フェイト)のP効果発動!もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、除外されている自分の地属性または炎属性の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる」

 

 

 

「そのモンスターを効果を無効にして相手フィールドに特殊召喚する。アタシはP(プレート)を特殊召喚!」

 

《アシンメトリアル・P(プレート)》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星5/地属性/岩石族/攻1000/守2500

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。相手は元々の持ち主が自分となるモンスター1体を選び、ターン終了時までこのカードとコントロールを入れ替える。

 

 

 

(わたしのフィールドに直接…!)

 

「速攻魔法発動、《アシンメトリアル・コール》!相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻守はフィールドに存在する限り700アップする」

 

「その後、対象としたモンスターと攻守の合計がその数値以下となる「アシンメトリアル」モンスター1体をデッキから自分または相手フィールドに特殊召喚する」

 

《アシンメトリアル・コール》

速攻魔法

(1):相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力・守備力はフィールドに存在する限り700アップする。その後、対象としたモンスターと攻撃力と守備力の合計がその数値以下となる「アシンメトリアル」モンスター1体をデッキから自分または相手フィールドに特殊召喚する。

 

 

 

「アタシはP(プレート)を選択」

 

《アシンメトリアル・P(プレート)》攻撃力1000→1700 守備力2500→3200

 

 

 

「そして攻守の合計がその数値以下の《アシンメトリアル・B(ベイン)》をデッキから自分フィールドに特殊召喚」

 

《アシンメトリアル・B(ベイン)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/植物族/攻2700/守2200

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):このカードは相手フィールドの地属性または水属性のモンスター1体をリリースし、手札から相手フィールドに特殊召喚できる。

(2):自分スタンバイフェイズに発動する。このカードのコントロールを相手に移す。

 

 

 

(!…そっか、攻守の合計が4900だから、上級アシンメトリアルを対象にすれば呼び出せる…)

 

「《アシンメトリアル・ダークネス》の効果発動!フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる」

 

「デッキからそのモンスターとカード名が異なる闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を選んで手札に加える。その後、相手はデッキから1枚ドローする」

 

「アタシはB(ベイン)を対象として発動!デッキから《アシンメトリアル・D(ディスペア)》を手札に加える!さあ、デッキから1枚ドローしなさい」

 

「…」

 

「で、P(プレート)をリリースしてD(ディスペア)を相手フィールドに特殊召喚するわ!」

 

《アシンメトリアル・D(ディスペア)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/恐竜族/攻2500/守2400

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):このカードは相手フィールドの地属性または風属性のモンスター1体をリリースし、手札から相手フィールドに特殊召喚できる。

(2):自分スタンバイフェイズに発動する。このカードのコントロールを相手に移す。

 

 

 

「さらに《アシンメトリアル・ダークネス》の効果発動!自分のEXデッキの表側表示の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を除外し、相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターのコントロールを得る。アタシはP(プレート)を除外してD(ディスペア)のコントロールを得る!」

 

「っ…!」

 

(除外ゾーンから特殊召喚して、《アシンメトリアル・コール》のトリガーとなったあとはフィールドに出すためにリリースされ、さらにコントロールを得るためのコストとして再び除外…)

 

(噛みあってる…効率的で無駄なく、徐々に場を支配していく…これが闇属性アシンメトリアルの動き…!)

 

「バトル!B(ベイン)でi(アイドル)・シンガーに攻撃!」

 

譜理子LP6200-700=5500

 

「D(ディスペア)でIトークンに攻撃!」

 

譜理子LP5500-1000=4500

 

「アタシはこれでターンエンド!」

 

 

 

EX0 墓地5 除外8

アイリス LP6500 手札1

◇ ア ◇ イ ◇

F   場   ◇

◇ ◇ B D ◇

ア=《アシンメトリアル・センサー》

イ=《アシンメトリアル・リカバリー》

F=《アシンメトリアル・F(フェイト)》赤スケール9

場=《アシンメトリアル・ダークネス》

B=《アシンメトリアル・B(ベイン)》攻撃表示

D=《アシンメトリアル・D(ディスペア)》攻撃表示

 

TURN7→8 アイリス→譜理子

 

o=《エンタメトリアル=o(オルガン)・ブースター》攻撃表示

場=《エンタメトリアル・シアター》

l=《エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー》青スケール3

v=《エンタメトリアル=v(ヴァイオリン)・ヒーラー》赤スケール5

◇ o ◇ ◇ ◇

l   場   v

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP4500 手札2

EX1 墓地3 除外0

 

 

 

===厄介だね。たった1枚のカードで主導権、握り返されちゃったよ。

 

『…そうね』

 

===それにしても譜理子ちゃんと瓜二つだね。まるでさっきのデュエルの続きをしてるみたいだよ。

 

『あれはわたしじゃない…中身はどっちも違うし』

 

===フフフ、ちゃんとわかってるよ。ところで。

 

『…なに?』

 

===何も言わないんだね。ここに至るまでボクはずっと譜理子ちゃんを束縛し、翻弄し、試し続けてきた。

 

===これまでのボクの所業を顧みたら、文句を言ったり問い詰めたりしたくなるはずなんだけどさ。力を借りてるボクの機嫌を損ねないためかい?

 

『…ううん、違うよ。もし機嫌を損ねたとしてもクラウンがわたしに力を貸さない、なんてことはしないはずだし』

 

===どうしてそう言い切れるんだい?

 

『知っちゃったからね。何のためにクラウンがそういうことをしてきたのか、って』

 

『ただ、それでもまだよくわかんないことの方が多いけど…ひとつ、確信を持って言えることがあるの』

 

 

 

『クラウンはこうなることを読んでた。わたしが最終的にアイリスと戦い、着ぐるみを着るという発想に辿り着き、そしてクラウンの力を求めることを』

 

===そうだとしても勝ち進んだのは紛れもなく譜理子ちゃんの実力だよ。

 

『でも準備はしてたでしょ?わたしが勝ち進んだ時のために。クラウンがわたしの力を吸い取って作ったっていうエンタメトリアルだってそう』

 

 

 

 

 

『わたしが負けないようにわざわざ3回に分けて吸い取った。自分の分身を1度挟んでまでね』

 

『アイリスの抵抗に関係なく1度に全部吸い取る気なんて最初から無かった。だってその目的はただひとつ』

 

『カードが弱体化するというアクシデントがありながらも、それらを乗り越えてわたしが辿り着いた時に…万全なエンタメトリアルという力を与えるためだったから』

 

 

 

===なーんだ、譜理子ちゃんにはお見通しだったってわけか。それじゃあボクの弁解は必要ないね。

 

『でも、ひとつちょっと理解できないことがあるの』

 

===何だい?

 

『その…何でわたしとクラウンの娘とか、わたしと血の繋がった子たちとか気持ち悪がられるようなことを言ったの?その後の展開を考えたら、わたしを怒らせたり嫌悪感を抱かせるメリットが無いように思えるんだけど…』

 

===さあね。そんなことよりクラウンの着心地はどうだい?

 

(さあね、で軽く流された…)

 

『…思ったより快適かも。着ぐるみなんて着たことなかったから、もっと暑苦しいのをイメージしてた』

 

===特殊な素材で出来てるからね。それはそうと譜理子ちゃん。

 

『うん?』

 

 

 

===意外と着やせするタイプなんだね。

 

『なっ…!』

 

===フフフ、今の譜理子ちゃんは薄着だから膨らみをよく感じるよ。

 

『…今理解した。そうやってわたしの反応を楽しんでるんだ…』

 

===あら、バレちゃった?好きな女の子の反応を見るのって楽しいよね。

 

『…そんな悪い男の子は、しばらく無視します』

 

===そんなあ。

 

「ドロー…スタンバイ、メイン」

 

(クラウンのバカ…でも、おかげでちょっと気が楽になったかも)

 

「ふん、またドローするまでに時間かかったわね!クラウンと相談でもしてたのかしら?」

 

「…さあね」

 

(このターンは攻められない…だけど、次のターンに繋ぐことはできる)

 

「l(リュート)・フリッカーのP効果発動。o(オルガン)・ブースターを対象として発動し、B(ベイン)を手札に戻す」

 

「o(オルガン)・ブースターを守備表示にして速攻魔法発動、《エンタメトリアル・バトンタッチ》。自分フィールドの守備表示「エンタメトリアル」モンスター1体をリリースして発動する。デッキからリリースしたモンスターのレベル以下のカード名が異なる「エンタメトリアル」モンスター1体を手札に加えるか守備表示で特殊召喚する」

 

「その後、デッキから「エンタメトリアル・バトンタッチ」以外の「エンタメトリアル」魔法・罠カード1枚を選んで手札に加える」

 

《エンタメトリアル・バトンタッチ》

速攻魔法

このカードを発動するターン、自分は「エンタメトリアル」モンスターでしか攻撃宣言できない。

(1):自分フィールドの守備表示「エンタメトリアル」モンスター1体をリリースして発動する。デッキからリリースしたモンスターのレベル以下のカード名が異なる「エンタメトリアル」モンスター1体を手札に加えるか守備表示で特殊召喚する。その後、デッキから「エンタメトリアル・バトンタッチ」以外の「エンタメトリアル」魔法・罠カード1枚を選んで手札に加える。

 

 

 

「わたしはo(オルガン)・ブースターをリリースしてデッキから《エンタメトリアル=w(ホイッスル)・サモナー》を手札に加える」

 

「さらに通常罠カードの《エンタメトリアル・バック》を手札に加える」

 

 

 

「ペンデュラム召喚…!」

 

 

 

「o(オルガン)・ブースター、《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》」

 

《エンタメトリアル=o(オルガン)・ブースター》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/悪魔族/攻1000/守1000

 

《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/サイキック族/攻1200/守1200

【モンスター効果】

(1):モンスターゾーンのこのカードがリリースまたは破壊された場合に発動できる。デッキからPモンスター1体を選んで墓地へ送る。

 

 

 

「カードを1枚セット」

 

(《アシンメトリアル・ダークネス》の(6)の効果はお互いのエンドフェイズ毎に発動する…つまり、わたしのエンドフェイズにも)

 

「ターンエンド。エンドフェイズに《アシンメトリアル・ダークネス》の効果発動」

 

「相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスターの数×700LP回復する」

 

譜理子LP4500+700=5200

 

 

 

EX0 墓地5 除外8

アイリス LP6500 手札2

◇ ア ◇ イ ◇

F   場   ◇

◇ ◇ ◇ D ◇

ア=《アシンメトリアル・センサー》

イ=《アシンメトリアル・リカバリー》

F=《アシンメトリアル・F(フェイト)》赤スケール9

場=《アシンメトリアル・ダークネス》

D=《アシンメトリアル・D(ディスペア)》攻撃表示

 

TURN8→9 譜理子→アイリス

 

o=《エンタメトリアル=o(オルガン)・ブースター》表側守備

O=《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》表側守備

場=《エンタメトリアル・シアター》

l=《エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー》青スケール3

v=《エンタメトリアル=v(ヴァイオリン)・ヒーラー》赤スケール5

◇ o ◇ O ◇

l   場   v

◇ ◇ 裏 ◇ ◇

譜理子 LP5200 手札2

EX1 墓地4 除外0



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27.「Encroachment」

「アタシのターン、ドロー!」

 

「スタンバイフェイズにD(ディスペア)のモンスター効果発動!このカードのコントロールを相手に移すわ!」

 

(闇属性アシンメトリアルは自分スタンバイフェイズにコントロールが相手に移る…つまりメインフェイズには既に相手モンスターとして立ちはだかってて自分のモンスターとしては動かせない…)

 

(でもそれは相手も同じで、ターンが移る毎にその立場が入れ替わるだけ…どちらの敵でも味方でもなく、ただお互いのフィールドを移動し続ける存在…のままだったらマシだったんだけどね)

 

(アシンメトリアルというカテゴリがコントロール操作に長けてる以上、このまま何もしなければ相手に良いようにされるだけ…)

 

「メイン、《アシンメトリアル・ダークネス》の効果発動!D(ディスペア)を対象にデッキから《アシンメトリアル・E(エンヴィ)》を手札に加える!さあ、デッキから1枚ドローしなさい」

 

「…」

 

「F(フェイト)のP効果発動!もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、F(フェイト)以外の相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる」

 

「このカードを除外し、そのモンスターのコントロールを得る。アタシはD(ディスペア)のコントロールを得るわ!」

 

「これで両方のPゾーンにカードが空いたわね。E(エンヴィ)を青のPゾーンに発動してP効果発動!」

 

《アシンメトリアル・E(エンヴィ)》

【Pスケール:青9/赤-】

このカード名の(1)(2)のP効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、除外されている自分の水属性または炎属性の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして相手フィールドに特殊召喚する。

(2):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、「アシンメトリアル・E(エンヴィ)」以外の相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。このカードを除外し、そのモンスターのコントロールを得る。

 

 

 

(自発的にPゾーンを開けて、連続でP効果の発動…やっぱり噛みあってて、強い…)

 

「もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、除外されている自分の水属性または炎属性の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターを効果を無効にして相手フィールドに特殊召喚する。アタシはQ(クオーツ)を特殊召喚!」

 

《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星3/水属性/岩石族/攻600/守1500

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、このカードのコントロールを相手に移す。

 

 

 

「《アシンメトリアル・ダークネス》の効果発動!除外されている自分の闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターを相手フィールドに特殊召喚する。アタシはF(フェイト)を特殊召喚!」

 

《アシンメトリアル・F(フェイト)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/アンデット族/攻2300/守2600

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):このカードは相手フィールドの地属性または炎属性のモンスター1体をリリースし、手札から相手フィールドに特殊召喚できる。

(2):自分スタンバイフェイズに発動する。このカードのコントロールを相手に移す。

 

 

 

「バトル!D(ディスペア)でQ(クオーツ)を攻撃!」

 

譜理子LP5200-1900=3300

 

(…これくらいのダメージなら、何とか…バトルフェイズはこれで終了…)

 

「メイン2ーーー」

 

(ここ…!)

 

「待って、バトルフェイズ終了時に罠発動、《エンタメトリアル・バック》」

 

「手札の「エンタメトリアル」モンスター1体を相手に見せて発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。その後、デッキからそのモンスターとカード名が異なる「エンタメトリアル」モンスター1体を手札に加える」

 

《エンタメトリアル・バック》

通常罠

(1):手札の「エンタメトリアル」モンスター1体を相手に見せて発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。その後、デッキからそのモンスターとカード名が異なる「エンタメトリアル」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

「わたしは手札の《エンタメトリアル=w(ホイッスル)・サモナー》を見せて特殊召喚」

 

《エンタメトリアル=w(ホイッスル)・サモナー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/悪魔族/攻 0/守 0

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。

(2):1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動する。デッキからそのモンスターよりレベルが低い「エンタメトリアル=w(ホイッスル)・サモナー」以外の元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の光属性Pモンスター1体を選択し、特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

「そして、デッキから《エンタメトリアル=x(ザイロフォン)・ヒッター》を手札に加える」

 

「そういえばそんなの伏せてたわね。まあどうでもいいけど」

 

「メイン2、カードをセット」

 

(メイン2も終了…)

 

「アタシはこれでーーー」

 

(まだ…!)

 

「待って、エンドフェイズにw(ホイッスル)・サモナーのモンスター効果発動」

 

「1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動する」

 

「デッキからそのモンスターよりレベルが低い「エンタメトリアル=w(ホイッスル)・サモナー」以外の元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の光属性Pモンスター1体を選択し、特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる」

 

「わたしはレベル7のF(フェイト)をリリースしてデッキからレベル6の《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》を特殊召喚」

 

《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星6/光属性/幻竜族/攻 0/守 0

【モンスター効果】

このカード名の(2)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の自分の光属性Pモンスターの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

(2):両方の自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる。自分のPゾーンのカード1枚を破壊し、デッキから「シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー」1体を自分のPゾーンに置く。

 

 

 

「うっとうしいわね!アタシのターンにちょこまかと!」

 

「…わたしは最善を尽くしてるだけ」

 

「ったく、こうなるならF(フェイト)を出すんじゃなかったわ!で、発動する効果はもう無い!?無いならこれでターンエンドよ!」

 

 

 

EX2 墓地5 除外7

アイリス LP6500 手札2

◇ ア 裏 イ ◇

◇   場   E

◇ ◇ D ◇ ◇

ア=《アシンメトリアル・センサー》

イ=《アシンメトリアル・リカバリー》

E=《アシンメトリアル・E(エンヴィ)》青スケール9

場=《アシンメトリアル・ダークネス》

D=《アシンメトリアル・D(ディスペア)》攻撃表示

 

TURN9→10 アイリス→譜理子

 

o=《エンタメトリアル=o(オルガン)・ブースター》表側守備

w=《エンタメトリアル=w(ホイッスル)・サモナー》表側守備

O=《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》表側守備

X=《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》表側守備

場=《エンタメトリアル・シアター》

l=《エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー》青スケール3

v=《エンタメトリアル=v(ヴァイオリン)・ヒーラー》赤スケール5

◇ o w O X

l   場   v

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP3300 手札3

EX1 墓地5 除外0

 

 

 

「ドロー…スタンバイ、メイン」

 

「l(リュート)・フリッカーのP効果発動。w(ホイッスル)・サモナーを対象として発動し、D(ディスペア)を手札に戻す」

 

(これで相手フィールドのモンスターは0…展開して攻撃を通せれば、再び届く状況にはなった)

 

(ただ、あの時と同じく伏せカードが1枚…)

 

「w(ホイッスル)・サモナーのモンスター効果発動。O(オブジェクト)・メイカーをリリースしてデッキから《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》を特殊召喚」

 

《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/爬虫類族/攻 800/守 800

【モンスター効果】

(1):1ターンに1度、自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをターン終了時まで除外する。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

「リリースされたO(オブジェクト)・メイカーのモンスター効果は発動しない」

 

(今墓地へ送っても活用は難しいからね…)

 

「w(ホイッスル)・サモナーをリリースして《エンタメトリアル=x(ザイロフォン)・ヒッター》をアドバンス召喚」

 

《エンタメトリアル=x(ザイロフォン)・ヒッター》

ペンデュラム・効果モンスター

星6/光属性/悪魔族/攻2000/守2000

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。

(2):1ターンに1度、自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。自分のEXデッキの表側表示の元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の光属性Pモンスター1体を選んで手札に加える。

 

 

 

「召喚に成功したx(ザイロフォン)・ヒッターの効果発動。このカードを守備表示にする」

 

《エンタメトリアル=x(ザイロフォン)・ヒッター》攻撃表示→表側守備

 

 

 

「《エンタメトリアル・シアター》の効果発動。「エンタメトリアル」Pモンスターが守備表示で特殊召喚された場合、または自身の効果で守備表示になった場合に発動できる」

 

「そのモンスターを表側攻撃表示にする」

 

《エンタメトリアル=x(ザイロフォン)・ヒッター》表側守備→攻撃表示

 

 

 

「X(ホリゾンタル)・ライナーのモンスター効果発動。1ターンに1度、両方の自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる」

 

「自分のPゾーンのカード1枚を破壊し、デッキから「シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー」1体を自分のPゾーンに置く」

 

「わたしはv(ヴァイオリン)・ヒーラーを破壊してデッキからY(ヴァーティカル)・ライナーを置く」

 

《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》

【Pスケール:青1/赤1】

このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する限り、相手フィールドのモンスターの攻撃力・守備力はフィールドの「シンメトリアル」カードの枚数×200ダウンする。

(2):

 

 

 

(シンメトリアルもエンタメトリアルも同じカテゴリのカードが両方のPゾーンに存在しなければ、P効果を使用できない…)

 

(でも、通らなかった時のことも考えると…この方が動きやすくなるはず)

 

 

 

「ペンデュラム召喚…!」

 

 

 

「w(ホイッスル)・サモナー」

 

《エンタメトリアル=w(ホイッスル)・サモナー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/悪魔族/攻 0/守 0

 

 

 

「これ以上好きにさせないわ!罠発動、《シンメトリアル・ブラスト》!」

 

「!…」

 

「自分フィールドの「シンメトリアル」カードを破壊し、フィールドのカード2枚を対象として発動できる」

 

「そのカードを持ち主の手札に戻す。アタシはE(エンヴィ)を破壊してo(オルガン)・ブースターとx(ザイロフォン)・ヒッターを手札に戻す!」

 

《シンメトリアル・ブラスト》

通常罠

(1):自分フィールドの「シンメトリアル」カードを破壊し、フィールドのカード2枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主の手札に戻す。

 

 

 

(…うん、スケール張り替えておいて正解だったかも)

 

「チェーンしてw(ホイッスル)・サモナーのモンスター効果発動。さらにチェーンしてM(ミラー)・ダイヴァーのモンスター効果発動。1ターンに1度、自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターをターン終了時まで除外する。この効果は相手ターンでも発動できる。わたしはo(オルガン)・ブースターを除外」

 

「そしてw(ホイッスル)・サモナーのモンスター効果でx(ザイロフォン)・ヒッターをリリースしてデッキからV(ヴォイド)・テレポーターを特殊召喚」

 

《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/サイキック族/攻1200/守1200

【モンスター効果】

(1):フィールドまたは墓地のこのカードが除外された場合に相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する。

 

 

 

「ふん、逃げ足の速いことね!っていうか1ターンに1度しか使えないって書いてるのに2度も使ってるんじゃないわよ!」

 

「…カード名指定じゃないから、条件を満たせば何度でも使える」

 

(アシンメトリアルはカード名指定だから、本当に1度しか使えないけど…)

 

「バトル、M(ミラー)・ダイヴァーで攻撃」

 

アイリスLP6500-800=5700

 

「V(ヴォイド)・テレポーターで攻撃」

 

アイリスLP5700-1200=4500

 

===今回も届かなかったね。だけどそれを見据えたプレイングは流石譜理子ちゃんだ。

 

『…』

 

===あら、まだ無視は継続中かい?

 

『…反省してる?』

 

===もちろんしてるよ。反応が無いのって、こんなにも寂しいことなんだね。

 

(大げさね…)

 

『…それなら許してあげる』

 

===良かった。これで仲直りだね。

 

「ターンエンド。ターン終了時にo(オルガン)・ブースターはフィールドに戻る」

 

 

 

EX3 墓地6 除外7

アイリス LP4500 手札3

◇ ア ◇ イ ◇

◇   場   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア=《アシンメトリアル・センサー》

イ=《アシンメトリアル・リカバリー》

場=《アシンメトリアル・ダークネス》

 

TURN10→11 譜理子→アイリス

 

w=《エンタメトリアル=w(ホイッスル)・サモナー》表側守備

o=《エンタメトリアル=o(オルガン)・ブースター》表側守備

V=《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》攻撃表示

M=《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》攻撃表示

X=《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》表側守備

場=《エンタメトリアル・シアター》

l=《エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー》青スケール3

Y=《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》赤スケール1

w o V M X

l   場   Y

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP3300 手札3

EX4 墓地5 除外0

 

 

 

「アタシのターン、ドロー!」

 

「スタンバイ、メイン」

 

「そうよね、モンスターが5体いればモンスターゾーンに空きが無くなってアシンメトリアルを渡されずに済むものね。しかも全員光属性だから召喚のためのリリースにもされないし」

 

「…」

 

 

 

「なんて、そんな甘っちょろい戦術が通用するわけないでしょ!魔法発動、《アシンメトリアル・リノベート》!相手フィールドのモンスターを4体までリリースして発動できる」

 

「!?」

 

「その数だけ除外されている自分の闇属性以外の属性が異なる「アシンメトリアル」モンスターを選択し、相手フィールドに特殊召喚する。このリリースはコストだからチェーンはできないわよ!」

 

「アタシはw(ホイッスル)・サモナー、o(オルガン)・ブースター、M(ミラー)・ダイヴァー、X(ホリゾンタル)・ライナーをリリース!」

 

「そして除外されているJ(ジェット)、N(ニードル)、R(リング)、S(シールド)の4体を特殊召喚!」

 

「この効果で特殊召喚したモンスターは表示形式を変更できないわ。さらにこの効果の発動後、相手フィールドにモンスターが5体存在する場合、自分はデッキから1枚ドローできる。もちろんドローするわ」

 

《アシンメトリアル・リノベート》

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。

(1):相手フィールドのモンスターを4体までリリースして発動できる。その数だけ除外されている自分の闇属性以外の属性が異なる「アシンメトリアル」モンスターを選択し、相手フィールドに特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは表示形式を変更できない。この効果の発動後、相手フィールドにモンスターが5体存在する場合、自分はデッキから1枚ドローできる。

 

 

 

(う…一気に4体も…!)

 

「ふふ、5体も並べてくれてありがとう。おかげで手札が1枚増えたわ」

 

「っ…」

 

「さてと、まずは《アシンメトリアル・センサー》の3体以上の場合に得られる効果を発動!」

 

「1ターンに1度、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを持ち主の手札に戻す。アタシはV(ヴォイド)・テレポーターを手札に戻す!」

 

「さらに《アシンメトリアル・センサー》の4体以上の場合に得られる効果を発動!」

 

「1ターンに1度、発動できる。相手は自身の手札・フィールドの「アシンメトリアル」モンスター以外のカード1枚を墓地へ送らなければならない」

 

「…」

 

(手札のPモンスターは直接墓地に送られるとEXデッキに行かず、再利用は難しくなる…だからここはPゾーンのl(リュート)・フリッカーかY(ヴァーティカル)・ライナー…)

 

(スケールを考えたら…こっち)

 

「わたしはPゾーンのl(リュート)・フリッカーを墓地へ送る」

 

「ま、それが妥当よね。さあ、まだまだ行くわよ!」

 

「永続魔法発動、《シンメトリアル・セット》!相手フィールドにのみモンスターが存在する場合に発動できる」

 

「このカードの発動時の効果処理として、自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスターを2体まで選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される」

 

《シンメトリアル・セット》

永続魔法

相手フィールドにのみモンスターが存在する場合に発動できる。このカードを発動するターン、自分はPモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。

(1):このカードの発動時の効果処理として、自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスターを2体まで選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される。

(2):1ターンに1度、自分のPゾーンのカード1枚または自分フィールドのPモンスター1体を除外し、自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。

 

 

 

「アタシはQ(クオーツ)を青のPゾーン、F(フェイト)を赤のPゾーンに置くわ!」

 

《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》

【Pスケール:青3/赤6】

 

《アシンメトリアル・F(フェイト)》

【Pスケール:青-/赤9】

 

 

 

「ペンデュラム召喚!」

 

 

 

「《アシンメトリアル・B(ベイン)》!」

 

《アシンメトリアル・B(ベイン)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/植物族/攻2700/守2200

 

 

 

「《アシンメトリアル・ダークネス》の効果発動!B(ベイン)を対象にデッキから《アシンメトリアル・C(ケイオス)》を手札に加える!さあ、デッキから1枚ドローしなさい」

 

(!…このカードもデッキに入ってたんだ)

 

「《シンメトリアル・セット》の効果発動!1ターンに1度、自分のPゾーンのカード1枚または自分フィールドのPモンスター1体を除外し、自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターを特殊召喚する。アタシはPゾーンのF(フェイト)を除外して、E(エンヴィ)を特殊召喚!」

 

《アシンメトリアル・E(エンヴィ)》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/昆虫族/攻2400/守2500

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):このカードは相手フィールドの水属性または炎属性のモンスター1体をリリースし、手札から相手フィールドに特殊召喚できる。

(2):自分スタンバイフェイズに発動する。このカードのコントロールを相手に移す。

 

 

 

「《アシンメトリアル・ダークネス》の効果発動!除外されている自分の闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターを相手フィールドに特殊召喚する。アタシはF(フェイト)を特殊召喚!」

 

《アシンメトリアル・F(フェイト)》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/アンデット族/攻2300/守2600

 

 

 

「あはは!アナタが並べた5体のモンスターが全部、アシンメトリアルに入れ替わっちゃったわね!」

 

(うっ…たった1ターンでアシンメトリアルが5体なんて…)

 

「それじゃあ仕上げに、《アシンメトリアル・センサー》の5体の場合に得られる効果を発動!」

 

 

 

「1ターンに1度、発動できる。自分はフィールドのモンスターの数×1500LP回復する」

 

「フィールドのモンスターは7体!よって10500回復よ!」

 

アイリスLP4500+10500=15000

 

 

 

「これでアタシは一気に安全圏ね!《アシンメトリアル・リノベート》は発動するターン、自分はバトルフェイズを行えないっていう制約があるけど、どっちみち攻撃するつもりは無いわ。アナタのアシンメトリアルを減らしたくないし」

 

「ふふ、このまま身動きがとれずにアナタが最後のターンを消化するのを見物させてもらおうかしら。それで次のアタシのターンに一斉攻撃で決着をつけてあげる!」

 

「っ…!」

 

「カードをセットしてアタシはこれでターンエンド!アナタのフィールドに闇属性アシンメトリアルのF(フェイト)がいるから《アシンメトリアル・ダークネス》の効果でさらに700回復するわ!」

 

アイリスLP15000+700=15700

 

 

 

EX0 墓地7 除外3

アイリス LP15700 手札2

◇ ア イ ウ 裏

◇   場   Q

◇ ◇ B E ◇

ア=《アシンメトリアル・センサー》

イ=《シンメトリアル・セット》

ウ=《アシンメトリアル・リカバリー》

Q=《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》青スケール3

場=《アシンメトリアル・ダークネス》

B=《アシンメトリアル・B(ベイン)》攻撃表示

E=《アシンメトリアル・E(エンヴィ)》表側守備

 

TURN11→12 アイリス→譜理子

 

J=《アシンメトリアル・J(ジェット)》攻撃表示

N=《アシンメトリアル・N(ニードル)》攻撃表示

F=《アシンメトリアル・F(フェイト)》表側守備

R=《アシンメトリアル・R(リング)》攻撃表示

S=《アシンメトリアル・S(シールド)》攻撃表示

場=《エンタメトリアル・シアター》

Y=《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》赤スケール1

J N F R S

◇   場   Y

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP3300 手札5

EX9 墓地5 除外0



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28.「4 attributes」

(…わたしのモンスターゾーンにはアシンメトリアルが5体。いや、《アシンメトリアル・F(フェイト)》はスタンバイフェイズに相手フィールドに移るから4体…)

 

(減らすための方法は色々あるけど…確実性が高いのはアドバンス召喚でのリリース、もしくは効果発動のためのコスト…)

 

(でも上級のシンメトリアルもエンタメトリアルも全部出てるからアドバンス召喚でのリリースは不可能だし、コストにする方も…)

 

(って、待って…それだけじゃだめ…!わたしのLPは3300…《アシンメトリアル・リノベート》の効果で特殊召喚されたアシンメトリアルは表示形式を変更できないから、1体減らしたところで変わらない…!)

 

(Y(ヴァーティカル)・ライナーのP効果で攻守を下げても…アイリスのターンに《アシンメトリアル・ダークネス》の効果で無効化されて元通り…!)

 

(モンスターを複数体減らす方法も、ないわけじゃないけど…かなり限られてるし、もし減らせたとしても次のターンまで生き延びれるかって考えると…)

 

(うっ…)

 

手が震えだす。ドローしようとデッキに手を伸ばせば伸ばすほど、その震えは大きくなる。

 

攻撃が通れば勝ちという1ターン前の状況から、今度は一転して敗色濃厚の窮地に追い込まれた。

 

===大丈夫かい?譜理子ちゃん。

 

『クラウン…』

 

クラウンの力を得てわたしは再び強くなった。クラウンのその力はアイリスのそれに劣っているとは思えない。

 

だけど、今目に映っているのは…本気を出したアイリスに大差をつけられている。そんな無情な現実。

 

===わかるよ。震えが止まらないその気持ち。

 

『…』

 

===他でもない譜理子ちゃん自身が一番わかってるだろうけど、はっきり言っちゃうね。

 

 

 

 

 

===これまで譜理子ちゃんが使ってきたカードで、次のターンまで生き残る可能性をもたらすカードは、0だ。

 

『うう…』

 

(そんな…どうすれば…)

 

 

 

===だけどね。

 

『…え?』

 

 

 

===それでもデュエルは最後までわからない。

 

『でも、可能性は0って…』

 

===それは譜理子ちゃんが使ったことのあるカードを引いた場合さ。譜理子ちゃんはデッキのカードを全て把握してるのかい?

 

『!…』

 

===どんなデッキでも、必ず40枚はカードがある。知らないカードが眠っている以上、生き残りの道が閉ざされているとは言い切れないよね。

 

(そっか…そうだよね、前のデュエルの時と同じ…)

 

(今回はアシンメトリアルがデッキに入ってないから、エンタメトリアルの分を足したとしても…デッキにはわたしの知らないカードが、まだ…)

 

クラウンの言葉をきっかけに希望の火が灯る。だけど、手の震えは止まらない。

 

たとえ次のターンまで生き残ったとしても、それはあくまで通過点に過ぎない。このデュエルの勝利という到達点へと辿り着ける可能性を得ただけ。

 

そしてその可能性も同様に厳しいということは、大差のついたLPを見れば明らかだった。

 

===やっぱりまだ怖いかい?

 

『…』

 

怖くない、はずがない。答えずともこの手の震えは着ぐるみを通してクラウンに伝わってしまっているだろう。

 

===そういえばこんな場面、何度もあったよね。寸前まで追い詰められてさ。

 

===その度に譜理子ちゃんは逆転に繋がるカードをドローして、厳しい局面を覆してきた。1度たりとも負けなかった。

 

クラウンが諭すような口調でわたしに言葉をかける。

 

(確かにこんな場面、何度もあった。その度に逆転してきた。1度だって負けなかった…!)

 

(だけどーーー)

 

 

 

===フフフ、そうだったんだね。

 

不意の笑い声。

 

『えっ…?』

 

===譜理子ちゃん、どうやらここまで勝ち進んだことは決して無駄じゃなかったようだ。

 

『…どういうこと?』

 

何かに納得したようなクラウン。当然ながらわたしにはその理由がわからない。

 

===耳を澄ましてごらん。聞こえないかい?

 

クラウンに言われて耳に意識を集中させる。

 

 

 

何も聞こえない。

 

「まーたドローせずに時間かけてるわね!どうせ結果は同じなんだからさっさと引きなさいよ!」

 

聞こえてきたのは痺れを切らしたアイリスの声。

 

アイリスに構わず、クラウンを信じてもう少し待ってみる。今はわたしのターンなのだから。

 

 

 

だけど何も聞こえない。聞こえそうな気配も感じない。

 

クラウンには何が聞こえてるのだろう。

 

『ねえ、何が聞こえーーー』

 

そうクラウンに言おうとした瞬間だった。

 

 

 

 

 

「おい!ここまで来てビビってんじゃねえぞ!」

 

 

 

声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

「今更何を怖がることあんねんな!思い切って引いてみ!」

 

 

 

気のせいじゃない。

 

 

 

 

 

「ふん、貴様はここで終わるようなデュエリストではなかろう」

 

 

 

この声は間違いなく、

 

 

 

 

 

「情けないのう。それでも妾に勝ったデュエリストかえ?」

 

 

 

わたしと戦ったトランプのスートたち4人の声だ。

 

 

 

===譜理子ちゃんにも届いたみたいだね。

 

『うん…でも、何で…?どこから…?』

 

===再び魔法をかけたんだよ。今度は譜理子ちゃんがね。

 

『えっと…』

 

(何がどうなってるの…?)

 

 

 

「デュエルはまだ終わっちゃいねえ!自分のデッキを、オレたちを信じろ!」

 

「パパッと引いてガーっとやったったらええねん!それで仕舞いや!」

 

「勝利を欲するのであれば覚悟を決めよ。さすれば道は開かれん」

 

「其方が戦わねば誰が倒すというのじゃ。妾たちは其方と共にある。忘れるでないぞ」

 

 

 

(みんな…)

 

何がどうなってるのかは、全くわからない。

 

ただ、わたしを支配していた恐怖心は薄くなっていた。

 

さっきまで震えていた手も、気が付けば止まっていた。

 

(ありがとう…もう大丈夫)

 

 

 

「アイリス、待たせてごめん」

 

「ふん、決心はついたようね」

 

「…」

 

(みんなの言う通りだ…怖がって立ち止まってる場合じゃない)

 

(進まなきゃ…!可能性を信じて…!)

 

(わたしは、わたしたちは…)

 

 

 

(ここで終わるわけにはいかない…!)

 

 

 

「ドロー!」

 

 

 

(!このカードは…!)

 

「スタンバイフェイズ、F(フェイト)のコントロールは相手に移る」

 

「モンスターゾーンが1つ空いたわね。さあ、どうするのかしら?」

 

「メイン」

 

 

 

 

 

「魔法発動、《パフォーマー大集合!》」

 

「!」

 

「自分メインフェイズ1開始時にフィールド魔法が表側表示で存在する場合に、自分フィールドの属性が異なるPモンスターを5体まで対象として発動できる」

 

 

 

「デッキからそのモンスターと同じ属性のレベル8「パフォーマー」モンスターをそれぞれ1体ずつ手札に加える。わたしはJ(ジェット)、N(ニードル)、R(リング)、S(シールド)の4体を対象に発動」

 

《パフォーマー大集合!》

通常魔法

(1):自分メインフェイズ1開始時にフィールド魔法が表側表示で存在する場合に、自分フィールドの属性が異なるPモンスターを5体まで対象として発動できる。デッキからそのモンスターと同じ属性のレベル8「パフォーマー」モンスターを1体ずつ手札に加える。

 

 

 

『!…クラウン、これって…』

 

===フフフ、見ての通りだよ。ね、魔法がかかってるでしょ?

 

『うん…』

 

(どっちかというと魔法にもなってるっていうか…)

 

『あれ?でもどうしてこのカード名に…?』

 

===簡単なことだよ。それぞれの形を思い出してごらん。

 

『それぞれの形…?』

 

 

 

『…あっ!』

 

(そっか、言われてみれば4種類ともそうだ…!)

 

「わたしはデッキから」

 

 

 

 

 

「《シンメトリアル=パフォーマー・クラブ》、《シンメトリアル=パフォーマー・ダイヤ》、《シンメトリアル=パフォーマー・スペード》、《シンメトリアル=パフォーマー・ハート》の4体を手札に加える」

 

 

 

「なっ…!何でアナタのデッキにそいつらがいるのよ…!?しかもシンメトリアル、って…!」

 

===そういうこと。トランプのスートは全てシンメトリー。だからこれまでのシンメトリアルと同様、その名を冠してるってわけさ。

 

(そっか…それでシンメトリアルに…)

 

===ところで譜理子ちゃん、そろそろ彼らの正体が何なのかわかったんじゃない?

 

『…いや、わからない』

 

 

 

===実はね、ボクが生み出した生命体なんだ。

 

『生命体…?』

 

===わかりやすく言うとカードの精霊みたいなものだね。譜理子ちゃんは彼らがどのようにして現れたのか覚えているかい?

 

『それは、カードをめくったら…』

 

===そうだね。カードが光って現れた。そしてまた光って消えた。その意味がわかるかな?

 

『意味って言われても…あっ!』

 

『もしかして、本当に消えたんじゃなくて…!』

 

===その通り、彼らは再びカードとして帰ってきた。今度は譜理子ちゃんの仲間としてね。

 

『わたしの、仲間…』

 

(みんな…ありがとう)

 

「《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》を青のPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》

【Pスケール:青5/赤5】

(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。フィールドの表側表示モンスター1体を選択し、選択したモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで0になる。

 

 

 

(このデュエルに勝つには、クラウンだけじゃない…クラブ、ダイヤ、スペード、ハート、みんなの力が必要なの…だから…!)

 

「U(アンブレラ)・ハンガーのP効果発動。1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」

 

「フィールドの表側表示モンスター1体を選択し、選択したモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで0になる。わたしはB(ベイン)を選択」

 

《アシンメトリアル・B(ベイン)》攻撃力2700→0 守備力2200→0

 

 

 

(わたしと一緒に戦って…!)

 

 

 

「フィールド魔法が表側表示で存在する場合に炎属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる」

 

「R(リング)をリリースして《シンメトリアル=パフォーマー・クラブ》を特殊召喚」

 

 

 

「おっしゃあ!再びオレ参上!」

 

 

 

《シンメトリアル=パフォーマー・クラブ》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星8/炎属性/戦士族/攻3000/守3000

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合に炎属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分のEXデッキの表側表示の炎属性Pモンスター1体を選択して自分のPゾーンに置く。

●Pゾーンのカード1枚を選択して破壊する。

(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

(4):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

 

 

 

「パフォーマー・クラブのモンスター効果発動。この方法で特殊召喚に成功した時に効果を1つ選択して発動できる」

 

「わたしはPゾーンのカード1枚を選択して破壊する効果を選択。Q(クオーツ)を破壊する」

 

「くっ…!」

 

「続いて、地属性PモンスターのN(ニードル)をリリースして《シンメトリアル=パフォーマー・ダイヤ》を特殊召喚」

 

 

 

「おー、モンスターってこんな感じなんかー」

 

 

 

《シンメトリアル=パフォーマー・ダイヤ》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星8/地属性/ドラゴン族/攻3000/守3000

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合に地属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分のEXデッキの表側表示の地属性Pモンスター1体を選択して自分のPゾーンに置く。

●Pゾーンのカード1枚を選択して破壊する。

(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

(4):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

 

 

 

「風属性PモンスターのJ(ジェット)をリリースして《シンメトリアル=パフォーマー・スペード》を特殊召喚」

 

 

 

「全ての判断を貴様に委ねよう」

 

 

 

《シンメトリアル=パフォーマー・スペード》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星8/風属性/魔法使い族/攻3000/守3000

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合に風属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分のEXデッキの表側表示の風属性Pモンスター1体を選択して自分のPゾーンに置く。

●Pゾーンのカード1枚を選択して破壊する。

(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

(4):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

 

 

 

「水属性PモンスターのS(シールド)をリリースして《シンメトリアル=パフォーマー・ハート》を特殊召喚」

 

 

 

「妾の晴れ舞台を勝利で飾ってみせよ。其方なら出来るはずじゃ」

 

 

 

《シンメトリアル=パフォーマー・ハート》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星8/水属性/機械族/攻3000/守3000

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合に水属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分のEXデッキの表側表示の水属性Pモンスター1体を選択して自分のPゾーンに置く。

●Pゾーンのカード1枚を選択して破壊する。

(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

(4):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

 

 

 

===わお、かつての対戦相手たちが勢揃い。前のターンに並べてくれたおかげだね。

 

「…へえ。アタシがせっかく用意したアシンメトリアルはそいつらを呼び出すための、うってつけのコストだったってわけね…舐めたマネしてくれるじゃないの…!」

 

(これでフィールドの「シンメトリアル」カードは、13枚…!)

 

「Y(ヴァーティカル)・ライナーのP効果でもう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する限り、相手フィールドのモンスターの攻撃力・守備力はフィールドの「シンメトリアル」カードの枚数×200ダウンする」

 

《アシンメトリアル・E(エンヴィ)》攻撃力2400→0 守備力2500→0

《アシンメトリアル・F(フェイト)》攻撃力2300→0 守備力2600→0

 

 

 

===シンメトリアルの名前が効いてるね。これで相手モンスターの攻守は全て0だ。

 

『うん…』

 

===パフォーマーたちは貫通効果持ちだし、大ダメージが期待出来そうだよ。

 

『…でも、まだ届かない』

 

===そうだね。12000のダメージを与えても大差が微差に縮まるだけで、勝利にはまだ遠い。

 

(わたしのフィールドにモンスターは4体…まだあと1体呼び出せる…!)

 

 

 

「ペンデュラム召喚…!」

 

 

 

「《エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー》」

 

「l(リュート)・フリッカーのモンスター効果発動。1ターンに1度、このカード以外のフィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる」

 

「このカードをリリースし、そのモンスターよりレベルが低い自分のEXデッキの表側表示の元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の光属性Pモンスター1体を選択し、特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる」

 

《エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー》表側守備

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/悪魔族/攻 0/守 0

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。

(2):1ターンに1度、このカード以外のフィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。このカードをリリースし、そのモンスターよりレベルが低い自分のEXデッキの表側表示の「エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー」以外の元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の光属性Pモンスター1体を選択し、特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

「わたしはレベル8のパフォーマー・クラブを対象にl(リュート)・フリッカーをリリースして、EXデッキからレベル6のi(アイドル)・シンガーを特殊召喚」

 

《エンタメトリアル=i(アイドル)・シンガー》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星6/光属性/悪魔族/攻2000/守2000

 

 

 

「ふん、レベルの高いモンスターを5体も並べてご苦労なことね。死なない程度のダメージならいくらでも受けてあげるわ!」

 

「…ううん、まだ届かないと決まったわけじゃない」

 

「…なに?」

 

 

 

 

 

「魔法発動、《簡易結合(インスタントコネクション)》!」

 

「!」

 

「1000LPを払って発動できる。自分フィールドのレベル6以下のモンスター1体を選んで除外し、そのモンスターと同じレベルのアークモンスター1体をEXデッキから特殊召喚する」

 

譜理子LP3300-1000=2300

 

《簡易結合(インスタントコネクション)》

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1):1000LPを払って発動できる。自分フィールドのレベル6以下のモンスター1体を選んで除外し、そのモンスターと同じレベルのAモンスター1体をEXデッキから特殊召喚する。

 

 

 

「わたしはレベル6のi(アイドル)・シンガーを除外し、同じレベル6のアークモンスター」

 

 

 

 

 

「《幻双煌翼竜ドラゴネシア》を特殊召喚」

 

《幻双煌翼竜ドラゴネシア》攻撃表示

アーク・効果モンスター

星6/光属性/幻竜族/攻2400/守2400

スケール3×2

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される。

(2):このカードの攻撃力・守備力はフィールドのPモンスターの数×300アップする。

 

 

 

「ドラゴネシアの攻撃力・守備力はフィールドのPモンスターの数×300アップする。フィールドのPモンスターは7体、よって2100アップ…!」

 

《幻双煌翼竜ドラゴネシア》攻撃力2400→4500 守備力2400→4500

 

 

 

「っ…!そのカードが手札にあったなんて…!」

 

===なるほど、これなら届くね。役者が揃って3度目のチャンス到来だ。



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29.「True Darkness」

「…」

 

(全員の攻撃が通れば勝ち…!だけど、今回も伏せカードあり…)

 

(何らかの方法で妨害されるって考えると…攻撃する順番も重要になるかもしれない)

 

(ドラゴネシアの今の攻撃力が4500でアイリスのLPが15700だから…Y(ヴァーティカル)・ライナーの分を差し引いても、2体までは減っても届く計算…)

 

(あ、でもどっちにしてもドラゴネシアで攻撃表示のB(ベイン)を攻撃しないと届かないから…それなら)

 

 

 

「バトル、パフォーマー・クラブでF(フェイト)に攻撃」

 

(さあ、発動してくる…?)

 

 

 

「ったくもう!まさか1ターンでそんなフィールドにしてくるなんて考えもしなかったわ!」

 

「…」

 

 

 

 

 

「当然タダじゃ攻撃受けないわよ!罠発動、《レベル・コネクト》!」

 

「…!」

 

(また知らないカード…!)

 

「自分フィールドのPモンスター2体を対象として発動できる」

 

 

 

「そのモンスターのレベルをそれぞれ青スケール、赤スケールとして扱い、そのモンスター2体をアーク素材としてEXデッキに表側表示で加え、アークモンスター1体をアーク召喚する」

 

《レベル・コネクト》

通常罠

このカードを発動するターン、自分はAモンスター以外のモンスター効果を発動できない。

(1):自分フィールドのPモンスター2体を対象として発動できる。そのモンスターのレベルをそれぞれ青スケール、赤スケールとして扱い、そのモンスター2体をA素材としてEXデッキに表側表示で加え、Aモンスター1体をA召喚する。

 

 

 

(アーク召喚…!?)

 

「対象はB(ベイン)とE(エンヴィ)の2体!レベルはどっちも7!」

 

 

 

「アタシは青スケール7のB(ベイン)と赤スケール7のE(エンヴィ)を」

 

 

 

 

 

「コネクト!」

 

 

 

 

 

「アーク召喚!」

 

 

 

 

 

「《トライアングル・スコーピオン》!」

 

《トライアングル・スコーピオン》攻撃表示

アーク・効果モンスター

星9/地属性/昆虫族/攻2700/守1200

青スケール6~7+赤スケール6~7

このカード名の(2)の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

(1):「トライアングル・スコーピオン」は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。

(2):このカードのA素材としたカードのPスケールの合計によって以下の効果を適用する。

●12:このカードがA召喚に成功した時に発動する。このカード以外のフィールドのモンスターを全て持ち主の手札に戻す。

●13:このカードがA召喚に成功したターン、このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの元々の攻撃力分アップする。

●14:

(3):モンスターゾーンのこのカードが相手の効果でフィールドから離れた場合に手札のPモンスター1体を相手に見せて発動できる。そのモンスターを自分のEXデッキに表側表示で加え、自分はデッキから1枚ドローする。

 

 

 

「《トライアングル・スコーピオン》の効果はアーク素材にしたPスケールの合計によって決定するわ!」

 

「Pスケールの合計は7と7で14、よって14の効果発動!」

 

 

 

「このカードが自分メインフェイズ1以外でアーク召喚に成功した時、相手の手札をランダムに1枚選んで捨てる!」

 

「っ…」

 

譜理子手札→墓地《シンメトリアル・セット》

 

 

 

「さあ、これでフィールドのPモンスターと「シンメトリアル」カードは2枚減ったわね」

 

《トライアングル・スコーピオン》攻撃力2700→500 守備力1200→0

《アシンメトリアル・F(フェイト)》攻撃力0→100 守備力0→400

《幻双煌翼竜ドラゴネシア》攻撃力4500→3900 守備力4500→3900

 

 

 

(う…《シンメトリアル・セット》を発動してたら…いや、届かないのは同じ…)

 

「…攻撃対象の変更、パフォーマー・クラブで《トライアングル・スコーピオン》に攻撃」

 

「ふん、ドラゴネシアから攻撃しなかったのは正解よ。そのプレイングは褒めてあげる」

 

「…どうも」

 

アイリスLP15700-2500=13200

 

(アイリスのあの余裕の笑みが気になるところだけど…今はダメージを与えることだけに集中)

 

「パフォーマー・ダイヤでF(フェイト)に攻撃」

 

アイリスLP13200-2600=10600

 

《幻双煌翼竜ドラゴネシア》攻撃力3900→3600 守備力3900→3600

 

 

 

「だけど、それだけじゃ勝てない」

 

「…?」

 

「どんなにプレイングが優れていても、絶対的な力には敵わないものよ」

 

「…どういう意味?」

 

「ふふ、次のターン教えてあげるわ。ほら、攻撃を続行しなさい」

 

「…パフォーマー・スペードで攻撃」

 

アイリスLP10600-3000=7600

 

「パフォーマー・ハートで攻撃」

 

アイリスLP7600-3000=4600

 

「ドラゴネシアで攻撃」

 

アイリスLP4600-3600=1000

 

 

 

(何か胸騒ぎがする…次のターン、アイリスが何かとんでもないものを仕掛けてくるような…)

 

(このままターンを終わらせたくないけど…メイン2に入っても、できることは何も無い…)

 

「…ターンエンド」

 

(全ては次のターンの、アイリスの行動次第…!)

 

 

 

EX8 墓地9 除外3

アイリス LP1000 手札2

◇ ア イ ウ ◇

◇   場   ◇

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア=《アシンメトリアル・センサー》

イ=《シンメトリアル・セット》

ウ=《アシンメトリアル・リカバリー》

場=《アシンメトリアル・ダークネス》

 

TURN12→13 譜理子→アイリス

 

あ=《シンメトリアル=パフォーマー・スペード》攻撃表示

い=《シンメトリアル=パフォーマー・ダイヤ》攻撃表示

う=《幻双煌翼竜ドラゴネシア》攻撃表示

え=《シンメトリアル=パフォーマー・クラブ》攻撃表示

お=《シンメトリアル=パフォーマー・ハート》攻撃表示

場=《エンタメトリアル・シアター》

U=《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》青スケール5

Y=《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》赤スケール1

あ い う え お

U   場   Y

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP2300 手札2

EX8 墓地8 除外1

 

 

 

「アタシのターン、ドロー!」

 

「スタンバイ、メイン」

 

「それじゃあ予告通り教えてあげようかしら」

 

「…」

 

 

 

「D(ディスペア)を青のPゾーンに発動し、C(ケイオス)を赤のPゾーンに発動!」

 

《アシンメトリアル・D(ディスペア)》

【Pスケール:青9/赤-】

このカード名の(1)(2)のP効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、除外されている自分の地属性または風属性の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして相手フィールドに特殊召喚する。

(2):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、「アシンメトリアル・D(ディスペア)」以外の相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。このカードを除外し、そのモンスターのコントロールを得る。

 

《アシンメトリアル・C(ケイオス)》

【Pスケール:青-/赤9】

このカード名の(1)(2)のP効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、除外されている自分の水属性または風属性の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして相手フィールドに特殊召喚する。

(2):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、「アシンメトリアル・C(ケイオス)」以外の相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。このカードを除外し、そのモンスターのコントロールを得る。

 

 

 

(スケール9が2枚…!)

 

「ふふ、察したみたいね。だけどスケール9×2で呼び出せるアークモンスターはアタシのEXデッキには入ってないわ」

 

「…じゃあ何で発動ーーー」

 

 

 

「!…そっか、墓地のあのモンスター…!」

 

「そうよ!よく覚えてたわね!」

 

 

 

「墓地の《アビス・ブルー・マーメイド》を除外して効果発動!」

 

「自分の青Pゾーンのカード1枚を対象とし、0~9までのPスケールを宣言して発動できる」

 

「このターン、そのカードは宣言したPスケールになる。アタシが宣言するスケールは…」

 

 

 

「0!」

 

《アシンメトリアル・D(ディスペア)》スケール9→0

 

 

 

「さらに墓地の《ボルケーノ・レッド・ホーク》を除外して効果発動!」

 

「自分の赤Pゾーンのカード1枚を対象とし、0~9までのPスケールを宣言して発動できる」

 

「このターン、そのカードは宣言したPスケールになる。もちろん宣言するスケールは…」

 

 

 

「0!」

 

《アシンメトリアル・C(ケイオス)》スケール9→0

 

 

 

「スケール0が2枚…!」

 

「さあ、これで準備が整ったわ!」

 

===来るよ、譜理子ちゃん。

 

クラウンがそう言った直後、この場を包む空気が一変した。

 

背筋が凍り付くような、えも言われぬ強烈な寒気がわたしを襲う。

 

《アシンメトリアル・ダークネス》発動時にクラウンが言っていた底知れない深い暗闇、というものを身を持って実感させられているような気分だった。

 

「今からアナタたちに見せてあげる…!全てを終わらせる最後の闇をね!」

 

 

 

「アタシはスケール0「アシンメトリアル」カードのD(ディスペア)とスケール0「アシンメトリアル」カードのC(ケイオス)を」

 

 

 

 

 

「コネクト!」

 

 

 

 

 

繋がる闇と闇。

 

 

 

 

 

「アーク召喚!!!」

 

 

 

 

 

やがてそれは新たな闇を呼び起こす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「虚空の弧に導かれし真なる非対称の現し身よ!今常闇の世界より蘇りを果たし、邪悪なる光に終焉を齎せ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》!!!」

 

 

 

 

 

「アシンメトリアル…Z(ズィリス)…!?」

 

 

 

「あはは!どうかしら?これがアタシの切り札、《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》よ!」

 

 

 

(これが…アイリスの切り札…!)

 

 

 

闇を纏って現れたのは、『Z』の名を冠するアシンメトリアル。

 

名実ともにアシンメトリアルの最終兵器であることは間違いない。

 

 

 

しかし《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》を包む闇が霧消した次の瞬間、フィールドに存在していたのは…

 

 

 

その大仰な召喚口上からは想像もつかないような、

 

 

 

 

 

両目を瞑り、両腕で膝を抱えて座る、

 

 

 

 

 

薄絹に身を包んだ華奢な少女だった。

 

 

 

(!?このモンスターって、まさか…!)

 

初めて見るはずのその少女。だけどその少女が一体誰なのか、わたしには…わかってしまっていた。

 

『ねえ、クラウン…』

 

===譜理子ちゃんが思っている通りさ。

 

 

 

 

 

===いつ以来だったかな。生前の姿を見るのは。

 

『やっぱり…って、生前…!?』

 

(じゃあ、アイリスはもう…)

 

===体が無いからね。少なくとも譜理子ちゃんたちの世界の住人では、もうなくなってるかな。

 

『!…ねえ、ちょっと待って…もしかしてこの世界って…!』

 

===ああ、心配しないで。譜理子ちゃんたちはちゃんと生きてるよ。ここはあの世ってわけじゃないからさ。

 

『…』

 

===まあこの世ってわけでもないんだけどね。とにかく帰るべき世界に帰れるかどうかは譜理子ちゃんの手にかかってるよ、って今更言うまでもないか。

 

『うん…そうだね』

 

(さあ、アイリスの切り札…《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》の効果は…)

 

 

 

 

 

「!?…」

 

 

 

(何これ…効果もステータスも、見えない…!?)

 

『クラウン…!』

 

===カードが見えないね。ボクの方も同じだよ。

 

デュエルディスクに表示されるはずのカードの全体図と情報が、何度操作しても見えない。

 

一瞬、エラーや故障を疑ったけれど…その可能性は無さそうだった。

 

デュエルディスクは他のカードと同様に《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》の存在を認識しているし、それ以外は正常に機能している。

 

だけど、《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》のそれだけは…

 

 

 

まるでカード全体を隠すかのように…

 

 

 

 

 

闇が映っているだけだった。

 

 

 

「ふふ、驚いた?《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》は他のカードと違って特別製なの。アタシ以外には闇にしか映らないようになってるわ!」

 

「っ…」

 

「でも安心して、アーク召喚に成功したから効果以外は見れるわよ。あと効果外テキストも。不本意だけど、そうしないとデュエルが強制終了しちゃうから」

 

「!…」

 

 

 

 

 

《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》表側守備

アーク・ペンデュラム・効果モンスター

星11/闇属性/悪魔族/攻 ?/守 ?

【モンスター効果】

スケール0「アシンメトリアル」カード×2

このカード名の(3)(4)(5)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。



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30.「beautiful Clear」

(レベル11のアークモンスター、かつペンデュラムモンスター…!?)

 

(攻守が?ってことは、変化する効果がある…?でも守備表示、それってつまり…)

 

(変化しても大きな数値にはならない…もしくは、そもそも効果が戦闘向きじゃない…?)

 

「それじゃあ、行くわよ!真の闇をたっぷりと味わいなさい!」

 

「Z(ズィリス)のモンスター効果発動!このカードがアーク召喚に成功した時に発動する」

 

 

 

「相手フィールドのモンスターを全て破壊し、自分は破壊したモンスターのレベルの合計×500LP回復する」

 

「う…」

 

(召喚と同時に全破壊…しかも回復まで…!)

 

「あはは!レベルの高いモンスターを並べてくれてありがと。おかげで受けたダメージ以上に回復したわ!」

 

アイリスLP1000+19000=20000

 

 

 

「っ…!」

 

(LPが20000…)

 

「まあでも喜びなさい、破壊と回復の代償はちゃんとあるわ」

 

「その後、相手はこの効果で破壊されたモンスターの数だけデッキからドローする。破壊したのは5体だから5枚ドローできるわよ!」

 

「…」

 

(一気に5枚ものドロー…これだけあれば、次のターンで立て直せる)

 

(だけど、それは自分のターンに回ってきたらの話…その前にアイリスがこのターンで決めるつもりなら…!)

 

「《アシンメトリアル・ダークネス》の効果発動!Z(ズィリス)を対象にデッキから《アシンメトリアル・G(グリード)》を手札に加える!」

 

「ふふ、これで6姉妹コンプリートね!ほら、もう1枚ドローしなさい!」

 

 

 

(どれだけ手札が増えても同じ…!)

 

手札がさらに1枚増えて、これで合計8枚となる。

 

 

 

しかし、その蓄えられた手札を使う機会が訪れることは無かった。

 

 

 

「カードを1枚セットしてZ(ズィリス)のモンスター効果発動!このカードがアーク召喚に成功したターンのメインフェイズに相手の手札が5枚以上存在し、自分の手札がある場合、このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚をデッキの一番下に戻して発動できる」

 

 

 

何故なら、それは幻でしかなかったから。

 

 

 

「自分の手札の数と同じになるように、相手の手札をランダムに捨てる」

 

「!?」

 

「アタシは《アシンメトリアル・リカバリー》をデッキの一番下に戻して発動!」

 

「アタシの手札は1枚だけ。ふふ、ちょっとくらいは夢を見れたかしら?」

 

譜理子手札→墓地《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》《シンメトリアル=I(イメージ)・ペインター》《シンメトリアル・スイッチ》《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》《シンメトリアル・ブラスト》《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》

 

 

 

「…」

 

アイリスによって引かされたカードたちが、アイリスによって墓地へと送られる。それも余分に1枚多く。

 

(大丈夫、悲観することなんてない。ターン開始時に2枚だった手札が、1枚になった…それだけのこと)

 

 

 

(…手札からPモンスターを直接墓地へ送られた分を除けば、だけど)

 

「うう…」

 

思わず声が漏れる。幻とはいえ一度手にしたものを手放すのは…きつい。

 

(墓地から再利用するのは…今の状況じゃ厳しい。わたしのデッキに眠ってる未だ見知らぬカードが、墓地に落ちたカードを活用できるような…そんな効果を持ってることを願うだけ)

 

「さあ、続きよ!Z(ズィリス)のモンスター効果発動!自分のEXデッキの表側表示の闇属性以外の属性が異なる「アシンメトリアル」モンスター4体を除外して発動できる」

 

 

 

「自分のEXデッキの表側表示のカード名が異なる闇属性「アシンメトリアル」モンスターを可能な限り相手フィールドに特殊召喚する!」

 

「…!」

 

「アタシはJ(ジェット)、N(ニードル)、R(リング)、S(シールド)の4体を除外して発動!EXデッキのB(ベイン)、C(ケイオス)、D(ディスペア)、E(エンヴィ)、F(フェイト)を特殊召喚!」

 

《アシンメトリアル・B(ベイン)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/植物族/攻2700/守2200

 

《アシンメトリアル・C(ケイオス)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/海竜族/攻2600/守2300

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):このカードは相手フィールドの水属性または風属性のモンスター1体をリリースし、手札から相手フィールドに特殊召喚できる。

(2):自分スタンバイフェイズに発動する。このカードのコントロールを相手に移す。

 

《アシンメトリアル・D(ディスペア)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/恐竜族/攻2500/守2400

 

《アシンメトリアル・E(エンヴィ)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/昆虫族/攻2400/守2500

 

《アシンメトリアル・F(フェイト)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/アンデット族/攻2300/守2600

 

 

 

「うっ…!」

 

(闇属性アシンメトリアルが、一瞬で5体も…!)

 

「あはは!アナタが全員コストにしてくれたおかげよ!」

 

(!…そっか、パフォーマーたちのコストでリリースされたアシンメトリアルは4体とも違う属性…そしてそれらを除外ゾーンから呼び出したのは、《アシンメトリアル・リノベート》…)

 

(まさかこんな形で噛み合ってたなんて…つまりアイリスにとってはわたしのフィールドに並んだアシンメトリアルを一掃されたとしても、別に構わなかったってことだ…)

 

(だってこうしてまた5体並べることができるのだから…!)

 

「消されたら、こうやってまた出すまでのこと。アナタのモンスターゾーンは何度でもアタシが埋めてあげるわ」

 

(そして5体存在するということは…)

 

「《アシンメトリアル・センサー》の5体の場合に得られる効果を発動!」

 

「自分はフィールドのモンスターの数×1500LP回復する。6体いるから9000回復ね!」

 

アイリスLP20000+9000=29000

 

「《アシンメトリアル・センサー》の4体以上の場合に得られる効果を発動!」

 

「相手は自身の手札・フィールドの「アシンメトリアル」モンスター以外のカード1枚を墓地へ送らなければならない」

 

「…わたしはPゾーンのU(アンブレラ)・ハンガーを墓地へ送る」

 

「《アシンメトリアル・センサー》の1体以上の場合に得られる効果を発動!」

 

「自分の墓地かEXデッキのPモンスター1体を手札に加え、自分はそのモンスターのレベル×300ダメージを受ける」

 

「アタシはEXデッキのQ(クオーツ)を手札に加える!」

 

アイリスLP29000-900=28100

 

(っ…《アシンメトリアル・センサー》を何とかしないと…!毎ターン5体分もの効果は耐えられない…!)

 

「アタシはこれでターンエンド!そして自分エンドフェイズにZ(ズィリス)のモンスター効果発動!」

 

「!…」

 

 

 

「自分はフィールドの「アシンメトリアル」カードの数×500LP回復する!」

 

(うっ…また回復…これ以上差を広げられたら…!)

 

「フィールドの「アシンメトリアル」カードはアナタのモンスター5体とアタシのフィールドの3枚で8枚!よって4000回復!」

 

アイリスLP28100+4000=32100

 

「さらに《アシンメトリアル・ダークネス》の効果発動!アナタの闇属性「アシンメトリアル」モンスターは5体だから3500回復!」

 

アイリスLP32100+3500=35600

 

 

 

EX0 墓地7 除外9

アイリス LP35600 手札2

◇ ア イ ◇ 裏

◇   場   ◇

◇ ◇ Z ◇ ◇

ア=《アシンメトリアル・センサー》

イ=《シンメトリアル・セット》

場=《アシンメトリアル・ダークネス》

Z=《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》表側守備

 

TURN13→14 アイリス→譜理子

 

B=《アシンメトリアル・B(ベイン)》攻撃表示

C=《アシンメトリアル・C(ケイオス)》攻撃表示

D=《アシンメトリアル・D(ディスペア)》攻撃表示

E=《アシンメトリアル・E(エンヴィ)》攻撃表示

F=《アシンメトリアル・F(フェイト)》攻撃表示

場=《エンタメトリアル・シアター》

Y=《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》赤スケール1

B C D E F

◇   場   Y

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

譜理子 LP2300 手札1

EX13 墓地16 除外1

 

 

 

(何か…せめて耐性の無い《アシンメトリアル・センサー》を破壊できるカードを…!)

 

「ドロー…!」

 

 

 

(!…ここで、このカード…)

 

「スタンバイーーー」

 

 

 

「あれ…?」

 

(スタンバイフェイズなのに、闇属性アシンメトリアルのコントロールが移らない…!?)

 

「Z(ズィリス)のモンスター効果。このカードは戦闘では破壊されず、このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスターの効果は無効化され、お互いが受ける戦闘ダメージは0になる」

 

「!…」

 

「ま、そういうこと。無効化されてるからアタシのフィールドには移らないわ」

 

「…メイン」

 

(…Z(ズィリス)が存在する限り、闇属性アシンメトリアルはわたしのフィールドに居続ける…)

 

(しかもZ(ズィリス)は戦闘では破壊されず、お互いが受ける戦闘ダメージも0になる…)

 

(つまり戦闘ではどうやってもZ(ズィリス)を突破できない上に、このまま何もしなければわたしのモンスターゾーンがアシンメトリアル5体で固まってしまうという最悪の状況…)

 

(とはいえ減らす方法が無いわけじゃないし、Z(ズィリス)の全容もほぼ見えた。この永続効果で既に5種類目。効果外テキストでも(5)までだったし、流石にもう効果は無いはず…)

 

 

 

「E(エンヴィ)、F(フェイト)を守備表示に変更」

 

《アシンメトリアル・E(エンヴィ)》攻撃表示→表側守備

《アシンメトリアル・F(フェイト)》攻撃表示→表側守備

 

 

 

「カードをセット、もう1枚セット」

 

(何にしても、このターンわたしにできることは…これだけ)

 

(あとは次のターン、伏せたこのカードで…!)

 

「ターンーーー」

 

「待ちなさい!メインフェイズ終了時にZ(ズィリス)のモンスター効果発動!」

 

「えっ…!?」

 

(まだ効果あるの…!?しかもわたしのターンに発動って…!)

 

「自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる」

 

 

 

「このカードを自分のPゾーンに置く。この効果は相手ターンでも発動できる」

 

 

 

アイリスが効果発動を宣言した直後、ゆっくりとZ(ズィリス)が立ち上がる。

 

 

 

そしてずっと閉じていた両目をぱっちりと開けた。

 

 

 

「…!?」

 

Z(ズィリス)のその目に、わたしは目を見開いて驚いた。

 

===譜理子ちゃんにも見えたようだね。

 

『うん…』

 

===どう思った?

 

『どう思ったって言われても…正直言えば、驚いたかな。あんな目をした人は初めて見たから…』

 

===そっか。

 

『あと、綺麗って思った。あんなに鮮やかな目も初めて…』

 

===綺麗で鮮やかな目、ボクも同感だよ。

 

『その、生前のアイリスの目もやっぱり…』

 

===そうだよ。あんな目をしていた人間は、きっと世界中でただ一人だけだっただろうね。

 

『…』

 

世界中でただ一人。わたしもその言葉の通りだと思う。

 

少なくともわたしは見たことがない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青い左目と赤い右目を持つオッドアイの人間なんて。

 

 

 

===あの目には人を惹きつける魅力がある。自分の意思とは無関係にね。譜理子ちゃんもあの目をしてたんだよ。

 

『わたしも、アイリスと同じ目を…?』

 

===繋がっている間はその証明として、体の一部が変化するみたいなんだ。綺麗で鮮やかだったからすぐにわかったよ。

 

『えっ…ってことは、クラウンと繋がってる今も…?』

 

(あ…あの時の目の色が変わったって発言は、そのままの意味だったんだ…)

 

===そうなってると思うよ。ただボクと繋がったのは譜理子ちゃんが初めてだから、必ずそうだとは言い切れないんだよね。

 

===もっとも、今の譜理子ちゃんは着ぐるみを着てるから誰にも見えないんだけど。

 

『…そうだね』

 

(綺麗で、鮮やかな目…)

 

特異な性質を持つ人間は嫌でも目立ってしまう。特にそれが見た目でわかりやすいものなら、なおさらに。

 

おそらくアイリスもそんな人間の一人だったのだろう。ふと頭にそう過ぎった。

 

直後、クラウンがポツリと呟く。

 

 

 

===誰にも見えない存在だったならば、待ち受ける運命も変わっていたのかもしれない。

 

『クラウン…?』

 

===ああ、気にしないで。さあ、デュエルを続けよう。

 

『…うん』

 

フィールドではPゾーンの方へと歩き出していたZ(ズィリス)が、たった今Pゾーンへと足を踏み入れていた。

 

Z(ズィリス)はPゾーンの中心に立つとその場に腰を下ろし、再び両腕で膝を抱えて座る。今度は片目だけを閉じて。

 

閉じたのは右目。開けたままの左目は自らの足元へと視線を向ける。その目の色は、自らが座るPゾーンと同じ色。

 

 

 

しかし、その目に光は無かった。

 

 

 

 

 

《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》

【Pスケール:青-/赤-】

このカード名の(1)(2)のP効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。



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31.「Precipice」

(っ…こっちを全然見ようとしない…まるで対戦相手のわたしのことなんか、一切興味無いみたいに…)

 

「ふふ、こうすることでエンドフェイズに《アシンメトリアル・ダークネス》の効果でアナタが回復しなくなり、逆にZ(ズィリス)のP効果が発動するわ」

 

(…そうだ、Z(ズィリス)はPモンスターでもあるからP効果も当然ある…)

 

「そして次のアタシのターン、もうひとつのP効果を発動できるようになるの」

 

(それも複数…効果、何種類あるの…?)

 

 

 

(あ、でもPゾーンに置かれたってことは…Z(ズィリス)のモンスター効果は消えたよね…?)

 

(…いや、《アシンメトリアル・ダークネス》の効果でアシンメトリアルは直接攻撃できないから、結局は同じ…)

 

「…ターンエンド」

 

「相手エンドフェイズにZ(ズィリス)のP効果発動!」

 

「…」

 

(P効果もエンドフェイズに発動…モンスター効果の方は自分エンドフェイズで、こっちのP効果の方は相手エンドフェイズ…)

 

 

 

「自分はフィールドの「アシンメトリアル」カードの数×500LP回復する!」

 

アイリスLP35600+4000=39600

 

 

 

EX0 墓地7 除外9

アイリス LP39600 手札2

◇ ア イ ◇ 裏

◇   場   Z

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ア=《アシンメトリアル・センサー》

イ=《シンメトリアル・セット》

Z=《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》青スケール-

場=《アシンメトリアル・ダークネス》

 

TURN14→15 譜理子→アイリス

 

B=《アシンメトリアル・B(ベイン)》攻撃表示

C=《アシンメトリアル・C(ケイオス)》攻撃表示

D=《アシンメトリアル・D(ディスペア)》攻撃表示

E=《アシンメトリアル・E(エンヴィ)》表側守備

F=《アシンメトリアル・F(フェイト)》表側守備

場=《エンタメトリアル・シアター》

Y=《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》赤スケール1

B C D E F

◇   場   Y

◇ 裏 ◇ 裏 ◇

譜理子 LP2300 手札0

EX13 墓地16 除外1

 

 

 

「すごいLP差ね。滅多に見られないわよこんなの」

 

「…」

 

「ねえ、いい加減諦めてもいい頃合いなんじゃない?流石にもう引っくり返らないわよ?」

 

「わたしは諦めない、絶対に…!」

 

「アナタのその気概は認めるけどさ、勝ち目の無い勝負を続けたって仕方ないでしょ?お互いのためにならないわ」

 

「まだ、勝負は…」

 

「だーかーらー、どうやったってアナタの負けはもう決まってるの!あとはそれがいつになるかって話なの!」

 

「っ…」

 

「あのさ、勝てないってわかってるデュエルをしててアナタは辛くないの?苦しくないの?そこまでして続ける意味って何?」

 

「言っとくけどこれはアナタのためを思ってのことでもあるのよ?ズルズルと無駄に辛さ苦しさを感じた末に結局負けるくらいなら、それならさっさと決断した方がまだマシでしょ?そうは思わない?」

 

「…」

 

(確かにアイリスの言う通り、辛いし苦しいし今すぐにでも逃げ出したい…デュエルの勝ち筋も見えないし、このまま続けたところで…無駄な足掻きなのかもしれない)

 

(だけど、それでも…!)

 

「…アイリス」

 

「なに?」

 

「例えどんなに勝ち目が薄くても…わたしは最後まで戦う。だってアイリスを止められるのは、わたしだけだから」

 

「それにわたしと一緒に戦ってくれる人たちのためにも、絶対に諦めたくない…!」

 

「…ふん、意思は固いってわけね。わかったわ、そこまで言うならアタシの手で全てを終わらせてあげる」

 

「諦めなかったことを後悔しながら倒れるといいわ!」

 

「アタシのターン、ドロー!」

 

「スタンバイーーー」

 

(まだ終わらせない…!手札から捨てられずに残ったこのカードで…!)

 

 

 

「スタンバイフェイズに罠発動、《レベル・コネクト》」

 

「!」

 

「自分フィールドのPモンスター2体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターのレベルをそれぞれ青スケール、赤スケールとして扱い、そのモンスター2体をアーク素材としてEXデッキに表側表示で加え、アークモンスター1体をアーク召喚する」

 

《レベル・コネクト》

通常罠

このカードを発動するターン、自分はAモンスター以外のモンスター効果を発動できない。

(1):自分フィールドのPモンスター2体を対象として発動できる。そのモンスターのレベルをそれぞれ青スケール、赤スケールとして扱い、そのモンスター2体をA素材としてEXデッキに表側表示で加え、Aモンスター1体をA召喚する。

 

 

 

「へえ、そっちのデッキにもあったんだ」

 

「対象はC(ケイオス)とE(エンヴィ)の2体。レベルはどっちも7」

 

「わたしは青スケール7のC(ケイオス)と赤スケール7のE(エンヴィ)を」

 

 

 

 

 

「コネクト!」

 

 

 

 

 

「アーク召喚!」

 

 

 

 

 

「《トライアングル・スコーピオン》!」

 

《トライアングル・スコーピオン》攻撃表示

アーク・効果モンスター

星9/地属性/昆虫族/攻2700/守1200

青スケール6~7+赤スケール6~7

 

 

 

「《トライアングル・スコーピオン》の効果はアーク素材にしたPスケールの合計によって決定する」

 

「Pスケールの合計は7と7で14、よって14の効果発動」

 

「このカードが自分メインフェイズ1以外でアーク召喚に成功した時に発動する。相手の手札をランダムに1枚選んで捨てる」

 

アイリス手札→墓地《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》

 

 

 

(アーク素材にしたことでアシンメトリアルが2体減って、手札も1枚捨てさせた…少しは予定を狂わせられた、と思いたい…)

 

「そう、丸っきりさっきのお返しってわけね」

 

 

 

「でも無駄な抵抗よ!Z(ズィリス)のP効果発動!」

 

「もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、手札から「アシンメトリアル」モンスター1体を除外して発動できる」

 

 

 

「相手にそのモンスターのレベル×300ダメージを与える。アタシは手札のG(グリード)を除外!」

 

譜理子LP2300-2100=200

 

 

 

「っ…!」

 

(ダメージを与える効果もあるなんて…!)

 

「さらにこの効果で闇属性モンスターを除外した場合、ターン終了時に相手のLPを半分にする」

 

「もちろんG(グリード)は闇属性。ふふ、あと200しかないLPが、さらにその半分になっちゃうわね」

 

「…」

 

「ま、できれば半分にする前に決めたかったけど仕方ないわ。ギリギリまで追い詰めて勝つ、っていうのもそれはそれで面白そうだしね」

 

(…効果外テキストの通り、Z(ズィリス)にはP効果を発動するターン、バトルフェイズを行えない制約がある…だからこのターン、戦闘ダメージを受けることはない…)

 

(効果ダメージの方も、アイリスの口ぶりから今のところ与える手段は無いように思える…少なくとも決着は次のターン以降)

 

(LPは残りあと200…ターン終了時には、さらにその半分…もうわずかなダメージも許されない…!)

 

「さあ、アタシのターンはまだ始まったばかりよ!Z(ズィリス)のP効果発動!もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる」

 

 

 

「Pゾーンのこのカードを特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる」

 

《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》表側守備

アーク・ペンデュラム・効果モンスター

星11/闇属性/悪魔族/攻 ?/守 ?

 

 

 

再びゆっくりと立ち上がるZ(ズィリス)。閉じていた右目も開かれた。

 

そして1ターン前と同じように今度はモンスターゾーンまで歩くと、両目を閉じて腰を下ろし、両腕で膝を抱えて座る。

 

(このタイミング…!)

 

「待っーーー」

 

 

 

「…あっ!」

 

(いや、だめ…!動いちゃだめ…!)

 

 

 

「…は?なに?」

 

「…ごめん、何でもない」

 

 

 

(Pゾーンからモンスターゾーンに移ったところを狙い撃ちしたってだめ…チェーンされてモンスターゾーンからまたPゾーンに逃げられるだけ…!)

 

「…そう。何でもないなら続けるわ。アタシのPゾーンにカードが存在しなくなったことで魔法発動、《ペンデュラム・サイン》!」

 

「アタシは墓地からQ(クオーツ)を手札に加えるわ!」

 

《ペンデュラム・サイン》

通常魔法

(1):自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分の墓地のPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。

 

 

 

(捨てたカードを戻された…)

 

「《アシンメトリアル・センサー》の1体以上の場合に得られる効果を発動!」

 

「自分の墓地かEXデッキのPモンスター1体を手札に加え、自分はそのモンスターのレベル×300ダメージを受ける」

 

「アタシはEXデッキのC(ケイオス)を手札に加える」

 

アイリスLP39600-2100=37500

 

「《アシンメトリアル・ダークネス》の効果発動!除外されている自分の闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる」

 

「そのモンスターを相手フィールドに特殊召喚する。アタシはG(グリード)を特殊召喚!」

 

《アシンメトリアル・G(グリード)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/獣族/攻2200/守2700

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):このカードは相手フィールドの炎属性または風属性のモンスター1体をリリースし、手札から相手フィールドに特殊召喚できる。

(2):自分スタンバイフェイズに発動する。このカードのコントロールを相手に移す。

 

 

 

「《アシンメトリアル・センサー》の3体以上の場合に得られる効果を発動!」

 

「フィールドのモンスター1体を持ち主の手札に戻す。アタシはB(ベイン)を手札に戻す!」

 

「《トライアングル・スコーピオン》をリリースしてB(ベイン)を相手フィールドに特殊召喚!」

 

《アシンメトリアル・B(ベイン)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/植物族/攻2700/守2200

 

 

 

「C(ケイオス)とE(エンヴィ)、ちゃっかり地属性である《トライアングル・スコーピオン》をコストにできないアシンメトリアルを選ぶ辺りは流石といったところね。まあ、その選択も結局は無意味だったけど」

 

「…」

 

「罠発動、《アシンメトリアル・ミラージュ》!自分の手札・フィールドの「アシンメトリアル」モンスター1体を除外してこのカードを発動できる」

 

「このカードは発動後、除外したモンスターと同じ種族・属性・レベル・攻撃力・守備力を持つ効果モンスターとなり、相手モンスターゾーンに特殊召喚する!」

 

《アシンメトリアル・ミラージュ》

通常罠

(1):自分の手札・フィールドの「アシンメトリアル」モンスター1体を除外してこのカードを発動できる。このカードは発動後、除外したモンスターと同じ種族・属性・レベル・攻撃力・守備力を持つ効果モンスターとなり、相手モンスターゾーンに特殊召喚する(罠カードとしては扱わない)。

(2):相手ターンに墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。 この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

 

 

「アタシは手札のQ(クオーツ)を除外してミラージュを特殊召喚!」

 

《アシンメトリアル・ミラージュ》攻撃表示

星3/水属性/岩石族/攻600/守1500

 

 

 

「うっ…」

 

「もうわかるわよね?水属性のミラージュをリリースしてC(ケイオス)を相手フィールドに特殊召喚!」

 

《アシンメトリアル・C(ケイオス)》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/海竜族/攻2600/守2300

 

 

 

(またアシンメトリアルが5体…)

 

「ね?無駄な抵抗でしょ?5体並ぶことに変わりはないのよ!」

 

「《アシンメトリアル・センサー》の4体以上の場合に得られる効果を発動!」

 

「相手は自身の手札・フィールドの「アシンメトリアル」モンスター以外のカード1枚を墓地へ送らなければならない」

 

「…わたしはPゾーンのY(ヴァーティカル)・ライナーを墓地へ送る」

 

「ふふ、それじゃあ仕上げの連続回復といくわね。《アシンメトリアル・センサー》の5体の場合に得られる効果を発動!」

 

「フィールドのモンスターの数×1500LP回復する」

 

アイリスLP37500+9000=46500

 

 

 

「アタシはこれでターンエンド!エンドフェイズにZ(ズィリス)のモンスター効果発動!」

 

「フィールドの「アシンメトリアル」カードの数×500LP回復する」

 

アイリスLP46500+4000=50500

 

 

 

「さらに《アシンメトリアル・ダークネス》の効果発動!」

 

「相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスターの数×700LP回復する」

 

アイリスLP50500+3500=54000

 

 

 

「最後に、Z(ズィリス)のP効果が適用されてアナタのLPは半分になるわ!」

 

譜理子LP200÷2=100

 

 

 

EX1 墓地9 除外10

アイリス LP54000 手札0

◇ ア イ ◇ ◇

◇   場   ◇

◇ ◇ Z ◇ ◇

ア=《アシンメトリアル・センサー》

イ=《シンメトリアル・セット》

場=《アシンメトリアル・ダークネス》

Z=《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》表側守備

 

TURN15→16 アイリス→譜理子

 

C=《アシンメトリアル・C(ケイオス)》攻撃表示

B=《アシンメトリアル・B(ベイン)》攻撃表示

D=《アシンメトリアル・D(ディスペア)》攻撃表示

G=《アシンメトリアル・G(グリード)》攻撃表示

F=《アシンメトリアル・F(フェイト)》表側守備

場=《エンタメトリアル・シアター》

C B D G F

◇   場   ◇

◇ ◇ ◇ 裏 ◇

譜理子 LP100 手札0

EX14 墓地18 除外1



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32.「Master Pendulum」

「…」

 

===譜理子ちゃん。

 

「あはは!54000対100って、夢も希望も無いわね!手札も0でデッキの残り枚数もアナタの方が少ないし、ここから逆転するっていうのならむしろ見てみたいわ!」

 

===ボクの声、届いているかい?

 

『…ねえ、クラウン』

 

===何だい?

 

『わたし、幻でも見てるのかな…?こんなに追い詰められてるのに…』

 

 

 

 

 

『光が見えるの…さっきまでは見えなかった光が』

 

===奇遇だね。その幻、ボクも見えるみたいなんだ。

 

『…遠くて、薄くて、か細くて』

 

===だけど、確かに差し込む一縷の光。

 

『わたしに…掴めるかな?』

 

===心配いらないよ。その光を掴むために譜理子ちゃんはここまで希望を紡いできたのだから。

 

『…うん』

 

手を胸に当て、目を閉じる。

 

ここまで本当に色々なことがあった。

 

だけど振り返るには、ほんのちょっと早い。

 

わたしが目指すべき場所は、ただひとつ。

 

 

 

===さあ、光に手を伸ばして。

 

無心。今の精神状態を一言で表すならそれが近い。

 

こんなに差が開いているというのに恐怖も、焦りも、絶望も、全く感じていなかった。

 

まぶたの裏に映るのは、暗闇に差し込む一筋の光。

 

それを掴むためにデッキへと手を伸ばす。きっと…いや、間違いなくこれが最後のドロー、最後のターン。

 

 

 

===この手で手繰り寄せよう、奇跡を。

 

「ふふ、今回もためらってるわね。そりゃそっか。アナタにとっては最後のドローになるんだし」

 

「…」

 

「でも時間は限られてるってこと、忘れてないわよね?まあ、時間切れで終了でもアタシは別にいいけどさ」

 

「…アイリス」

 

「なに?」

 

 

 

「…見てみたいのなら、見せてあげる」

 

「はあ?」

 

 

 

「奇跡の…」

 

 

 

 

 

「逆転を…!」

 

 

 

 

 

「ドロー!」

 

 

 

 

 

「ぷっ、あはは!何が奇跡の逆転よ!気合入れてドローすれば引けるとでも思ってるの!?」

 

「…スタンバイ、メイン」

 

「そもそもデッキにあるわけないでしょ!たった1枚でこの状況を逆転できるような、そんな都合の良いカードなんて!」

 

 

 

「…罠発動、《ペンデュラム・スイープ》」

 

《ペンデュラム・スイープ》

通常罠

(1):フィールドのPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。

 

 

 

「ふーん、それ伏せてたんだ。で、Z(ズィリス)を除外しようってわけ?」

 

「ううん…Z(ズィリス)を対象にしても、Pゾーンに逃げられちゃうから…」

 

 

 

「除外するのは、わたしのフィールドにいるD(ディスペア)」

 

「そう、モンスターゾーンを空けるためってことね」

 

 

 

「って、それならスタンバイフェイズの前に発動したら良かったんじゃないの?Z(ズィリス)がモンスターゾーンから離れれば、闇属性アシンメトリアルの効果が適用されてアタシのフィールドに全部移るんだし」

 

「…」

 

「ま、今更どっちでもいいけど。どうせ1枚じゃできることも限られてるし」

 

 

 

「…わたしも1枚じゃ、逆転は厳しいと思う」

 

「当然よ!これだけ差がついてるんだから。それがわからないアナタじゃないでしょ」

 

 

 

「でも…」

 

 

 

「…なに?」

 

 

 

 

 

「2枚じゃわからない…!」

 

 

 

「魔法発動、《シンメトリアル・リターン》…!」

 

「!」

 

《シンメトリアル・リターン》

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1):自分のEXデッキの表側表示の同じ種族でカード名が異なる「シンメトリアル」Pモンスター2体を対象として発動できる。そのモンスター2体をデッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから2枚ドローする。

 

 

 

「EXデッキから同じ種族でカード名が異なる「シンメトリアル」Pモンスター2体をデッキに戻すことで、デッキから2枚ドローする」

 

「へえ、手札を増やすカードを引くなんて運が良いわね」

 

===フフフ、それを引いたんだね。

 

『うん…だけど』

 

 

 

===まだ半分、だよね。

 

『…そうね』

 

===しかも今度は倍の2枚だ。

 

『…わかってたけど、厳しいな…』

 

===だからこそ奇跡って呼ばれるんじゃないかな。

 

『奇跡…』

 

ドローフェイズに引いたカードは、わたしが望んでいたカード。

 

しかしそれはまだ、奇跡の通過点。

 

もう1度わたしが望むカードを引き当てて、初めて奇跡となる。

 

今度は2枚。確率的にはさっきより断然薄い。

 

 

 

「わたしは同じ幻竜族のX(ホリゾンタル)・ライナーとY(ヴァーティカル)・ライナーをデッキに加えてシャッフル」

 

デッキに加えるのは、同じライナーの名を持つ水平と垂直。もとよりそれ以外に選択肢は無い。

 

複数のシンメトリアルが手札から直接墓地へ送られているため、《シンメトリアル・リターン》の発動条件を満たす組み合わせは、唯一この1組のみ。

 

 

 

だけどそれで良かった。何より、他でもないその1組がそこに存在していたことそのものが、

 

 

 

 

 

わたしと光を繋ぐ架け橋となっていたのだから。

 

 

 

 

 

「ふん、1枚でも2枚でも大して変わんないわよ。さっさと引きなさい」

 

「…」

 

===さあ、あと一歩だ。譜理子ちゃん。

 

 

 

 

 

(そう、あと一歩)

 

 

 

 

 

(ここまで紡いできた、繋いできた)

 

 

 

 

 

(これが正真正銘、本当に最後の一歩。踏み出せ、わたし)

 

 

 

 

 

(光を、この手に掴むために…!)

 

 

 

 

 

「2枚…ドロー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

 

 

 

「ふふ、どう?引けたかしら?奇跡の逆転となるカードは」

 

「わたしは…」

 

 

 

 

 

「X(ホリゾンタル)・ライナーを青のPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》

【Pスケール:青1/赤1】

このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する限り、自分フィールドのモンスターの攻撃力・守備力はフィールドの「シンメトリアル」カードの枚数×200アップする。

(2):

 

 

 

「へえ。で、もう1枚は?」

 

 

 

「さらに…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Y(ヴァーティカル)・ライナーを赤のPゾーンに発動」

 

《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》

【Pスケール:青1/赤1】

 

 

 

 

 

「…ふふ、あはははは!戻した2枚を引いてくるなんてすごい運ね!笑いが止まらないわ!あはは!」

 

「…」

 

「まあでも、ある意味良かったんじゃない?スケール1が2枚揃ったし。出すんでしょ?あの2枚ドローできるアークモンスター」

 

 

 

「…《チアフル・ツイン・フェアリー》は、召喚しない」

 

「は?Pゾーンに発動しといて何言ってんのよ?それとも別のアークモンスターでも出すつもり?」

 

 

 

「…うん」

 

「ふーん、誰を出すのかしら?」

 

「わたしは…」

 

 

 

 

 

「X(ホリゾンタル)・ライナーのP効果発動」

 

「はあ!?P効果を発動、ってそいつらのP効果はシンメトリアルの枚数だけステータスを上げたり下げたりする永続効果でしょ!?」

 

「それもあるけど…もうひとつあるの。発動条件を満たすことで、発動できるP効果が」

 

 

 

「自分のPゾーンのこのカードと、もう片方の自分のPゾーンの「シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー」を対象として発動できる」

 

「!」

 

 

 

「対象のカードのPスケールをターン終了時までそれぞれ6つ上げる」

 

《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》スケール1→7

《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》スケール1→7

 

 

 

「そう、相方と揃ってる場合のみ発動できるP効果があったってわけね」

 

「それで、両スケールを7にして誰を呼ぶつもり?《トライアングル・スコーピオン》はもう出しちゃったでしょ?」

 

 

 

「まだ…もう片方も」

 

「え?もう片方?…あっ!」

 

 

 

 

 

「Y(ヴァーティカル)・ライナーのP効果発動」

 

「自分のPゾーンのこのカードと、もう片方の自分のPゾーンの「シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー」を対象として発動できる」

 

 

 

「対象のカードのPスケールをターン終了時までそれぞれ6つ上げる」

 

《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》スケール7→13

《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》スケール7→13

 

 

 

「なるほど、そっちも同じP効果ってわけね」

 

「それにしてもスケール13ってデカイわね!一体どんなモンスターが出てくるのかしら?」

 

 

 

 

 

「アイリス」

 

「なに?」

 

 

 

 

 

「どうか最後まで見ていて欲しい。このデュエルの決着、この勝負の結末を」

 

「ふん、言われなくても見てあげるわよ!アナタがこの最後のターンを終えるその時をね!」

 

「何があっても、目を逸らさないでね」

 

「もう!わかったから早く出しなさいよ!今アナタにできることはそれしかないでしょ!」

 

「…そうだね」

 

 

 

「それじゃあ…」

 

 

 

 

 

===譜理子ちゃん。

 

『クラウン…』

 

===長かったね、ここまで。

 

『本当に…こんなに長いとは思わなかった』

 

===厳しくて険しくて逆風も吹いてたよね。

 

『途中からは…ずっとそんな感じだった』

 

===だけど譜理子ちゃんはそんな道を歩き切った。諦めることなく、最後の一歩まで。

 

『うん…』

 

===さあ、準備はいいかい?

 

『うん…!』

 

===フルバージョンで行くよ。

 

『…えっ?』

 

===ボクと繋がってから初めてだからね。自力で出すのは。

 

『そういえば…』

 

 

 

===だから最高の形で飾ろう。これまでの集大成として、最初で最後のこの瞬間を。

 

 

 

『…うん!』

 

 

 

===それじゃあ、カウントダウン。

 

 

 

===5、4…

 

 

 

(3、2、1…)

 

 

 

 

 

「わたしはスケール13のX(ホリゾンタル)・ライナーとスケール13のY(ヴァーティカル)・ライナーを」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

===「「コネクト!!」」===

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

===「「繋がれし一対の境界点は、未知なる世界との架け橋を築く!虚空に描きし光の弧と共鳴せよ!!」」===

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

===「「アーク召喚!!!」」===

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わたしに繋がる一縷の光は、全てを救う希望の光となる!」

 

 

 

 

 

「26の原初にして弧を司る幻の竜よ!今奇跡の具象を果たし、わたしに闇を照らし出す力を!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「《シンメトリアル=A(アーク)・マスターペンデュラム》!!!」

 

 

 

 

 

「うっ…!何よ!?この光…!?」

 

 

 

《アシンメトリアル・ダークネス》によって包まれていた闇が、瞬く間に晴れていく。

 

 

 

光を伴って現れたのは、『A』の名を冠するシンメトリアル。

 

《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》が終わりの象徴だとしたら、こちらは始まりの象徴。

 

その姿は神々しいまでに眩く、光り輝くドラゴン。

 

 

 

 

 

ではなく、わたし。

 

 

 

===わお、ドラゴンコスチュームの譜理子ちゃんだ。

 

 

 

(わたしが…ドラゴンの格好をしてる…!?)

 

凛とした面持ちでフィールドに立つそのわたしは、まるでドラゴンを装備したような、半人半竜の姿をしていた。

 

半人の方は顔も体も見たままのわたし。

 

 

 

半竜の方は、心なしか《幻双煌翼竜ドラゴネシア》の面影が感じられた。

 

===そういえば、いたよね?こんな風に神々しいドラゴンと人が合わさったようなモンスターがさ。ちょうど同じ光属性の幻竜族で名前も似てて。

 

『言われてみれば…』

 

(あれだよね…こっちでは、禁止されてるあの…)

 

 

 

===フフフ、あちらと比べると譜理子ちゃんのは人間部分の露出が多めだね。

 

『!…クラウン』

 

===何だい?

 

 

 

『恥ずかしいから…見ないで』

 

(うう…もうちょっとドラゴンで隠して…)

 

===案外しおらしい反応をするんだね。大丈夫だよ、もう後ろ姿しか見えてないからさ。

 

『…うん』

 

 

 

「ふふ、ここにきてやっと真の切り札が登場のようね!」

 

===さあ、譜理子ちゃん。あとは手にしたその光で、奇跡を起こすだけだ。

 

『うん…!』

 

「で、そいつの効果はーーー」

 

直後、アイリスの表情が一変する。

 

 

 

「!?な、何よこれ…!見えないじゃない!」

 

「見えない…?」

 

「光ってて見えないのよ!効果もステータスも!」

 

「!…」

 

『ねえクラウン、ひょっとして…』

 

===特別製なのかもね。あちらからは光ってるようにしか見えなかったりして。

 

『…やっぱり、そっか』

 

つまり、《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》の時と同じ。

 

アイリスのデュエルディスクからは《シンメトリアル=A(アーク)・マスターペンデュラム》が見えない。

 

わたしが見ても闇にしか映らなかったように、きっと光が映っているだけ。

 

だから、この後の流れもそのままで。

 

 

 

「大丈夫、見えるよ」

 

「えっ?」

 

 

 

「アーク召喚に成功したから」

 

「!?…まさか、アナタのそのカードも…!」

 

闇ではなく光、非対称ではなく対称、終わりではなく始まり。

 

様々な対となる切り札の正体は、特別と呼ばれるに相応しいもう1体。

 

 

 

 

 

《シンメトリアル=A(アーク)・マスターペンデュラム》攻撃表示

アーク・ペンデュラム・効果モンスター

星12/光属性/幻竜族/攻 0/守 0

【モンスター効果】

スケール13×2

このカード名の(3)(4)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。



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33.「Final Arc」

「くっ…!やっぱり…見えるのは効果以外…!」

 

「しかもアークモンスターでPモンスターだなんて、どこまでZ(ズィリス)と一緒なのよ…!」

 

「…次は、アイリスが味わう番」

 

「…ふん、見えないなら見えないで別にいいわよ!効果なんて見えなくても、どうせ結果は見えてるんだから!」

 

「…」

 

「それで、どんな効果があるのかしら?《アシンメトリアル・ダークネス》の闇を消し去るくらいなんだから、それなりに強力なんでしょ?」

 

 

 

「そのまま、見た通りの効果」

 

 

 

「…は?」

 

「A(アーク)・マスターペンデュラムのモンスター効果発動!このカードがアーク召喚に成功した時に、相手フィールドの表側表示のカードを任意の数だけ対象として発動する」

 

 

 

「そのカードの効果はターン終了時まで無効になる。対象はアイリスの表側表示のカード全て!」

 

「!…そういうことね、でも無駄よ!真の闇は消させないわ!その効果にZ(ズィリス)の効果をチェーンしてーーー」

 

 

 

 

 

「!?なっ、チェーンできない!?どうして…!?」

 

 

 

「…《エンタメトリアル・シアター》がフィールドゾーンに存在する限り、元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の自分の光属性Pモンスターの効果の発動に対して、相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない」

 

「!…」

 

「A(アーク)・マスターペンデュラムは元々の攻守が0で光属性…」

 

「そしてZ(ズィリス)と同じくPモンスターでもある…!よってこのターン、アイリスのフィールドのカードは全て無効…!」

 

効果が確定した瞬間、《アシンメトリアル・ダークネス》に続いて《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》の闇も晴れる。

 

(!…闇が、消えた…!?)

 

光によって闇がかき消されると、ついに少女はその姿を露わにした。

 

 

 

 

 

《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》

アーク・ペンデュラム・効果モンスター

星11/闇属性/悪魔族/攻 ?/守 ?

【Pスケール:青-/赤-】

このカード名の(1)(2)のP効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、手札から「アシンメトリアル」モンスター1体を除外して発動できる。相手にそのモンスターのレベル×300ダメージを与える。この効果で闇属性モンスターを除外した場合、ターン終了時に相手のLPを半分にする。この効果はこのカードがPゾーンに置かれたターンには発動できない。

(2):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。Pゾーンのこのカードを特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。

(3):相手エンドフェイズに発動する。自分はフィールドの「アシンメトリアル」カードの数×500LP回復する。

【モンスター効果】

スケール0「アシンメトリアル」カード×2

このカード名の(3)(4)(5)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがA召喚に成功した時に発動する。相手フィールドのモンスターを全て破壊し、自分は破壊したモンスターのレベルの合計×500LP回復する。その後、相手はこの効果で破壊されたモンスターの数だけデッキからドローする。

(2):このカードは戦闘では破壊されず、このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスターの効果は無効化され、お互いが受ける戦闘ダメージは0になる。

(3):このカードがA召喚に成功したターンのメインフェイズに相手の手札が5枚以上存在し、自分の手札がある場合、このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚をデッキの一番下に戻して発動できる。自分の手札の数と同じになるように、相手の手札をランダムに捨てる。

(4):自分のEXデッキの表側表示の闇属性以外の属性が異なる「アシンメトリアル」モンスター4体を除外して発動できる。自分のEXデッキの表側表示のカード名が異なる闇属性「アシンメトリアル」モンスターを可能な限り相手フィールドに特殊召喚する。この効果はこのカードがPゾーンから特殊召喚されたターンには発動できない。

(5):自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。このカードを自分のPゾーンに置く。この効果は相手ターンでも発動できる。

(6):自分エンドフェイズに発動する。自分はフィールドの「アシンメトリアル」カードの数×500LP回復する。

(7):フィールドのこのカードが相手の効果でフィールドから離れた時に発動する。相手フィールドのモンスターを全て破壊し、相手に破壊したモンスターのレベルの合計×300ダメージを与える。

 

 

 

 

 

(これが、Z(ズィリス)の全容…!)

 

1ターン前のことを思い返し、背筋が凍る。

 

もしモンスターゾーンからPゾーンに移動できる効果を忘れてしまっていたら、《ペンデュラム・スイープ》を《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》に使っていただろう。

 

その場合アイリスは《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》をPゾーンに逃がさず、《ペンデュラム・スイープ》の効果を受けさせ除外。

 

(7)のモンスター効果が発動し、わたしは負けてしまっていた。

 

あの時止まっていなければ、自らの手で命を…そんな結末が待っていた。

 

(危なかった…あの時のわたし、よく止まった)

 

だけどそれは寸前で回避、切れかけた命を繋いだ。そしてその果てで、ついに闇を照らし出した。

 

崖っぷちからの奇跡の逆転へ、今度はわたしが攻める番。

 

 

 

「くっ…!シアターの存在を甘く見てたわ…!」

 

わたしと同じ顔をしたアイリスの表情が歪む。

 

この長いデュエルにおいて、初めて見せた明らかな動揺。

 

それもそのはず。この場を支配していた闇が全て消えてしまったのだから。

 

アイリスのフィールドに残ったのは、体を丸めた無防備な少女がただ1人だけ。

 

(すごい…劇場も光に呼応して、煌めいてる)

 

アイリスは圧倒的優位な状況から生じる精神的余裕はあったものの油断していたわけではない。Z(ズィリス)は相手ターンでもモンスターゾーンからPゾーン、Pゾーンからモンスターゾーンと実質1ターンに2度まで移動できる効果がある。

 

だからこそ、ここまで発動せずにいた。わたしが呼び出すアークモンスターによって移すかどうかを見極めるために。

 

その選択は当然。敵の正体が見えないうちからその効果を発動するなんてできるわけがない。

 

例えどんなに圧倒的優位な状況だとしても、移動回数を消費してまで自らが固めたその支配力を弱めるようなプレイングは決して有り得ない。

 

一切の手加減なんかしない。だってこのデュエルに勝てば、ずっと待ち焦がれていた野望が叶うのだから。

 

 

 

 

 

そうよね?アイリス。

 

 

 

「続けるよ、アイリス」

 

でもその当然の選択は、アイリスにとっては完全な裏目。

 

これでわたしを縛るものは、もう無い。

 

「A(アーク)・マスターペンデュラムのモンスター効果発動。このカードがアーク召喚に成功したターンのメインフェイズにフィールド魔法が表側表示で存在する場合に発動できる」

 

 

 

「お互いの墓地のPモンスター及び除外されているお互いのPモンスターを全てEXデッキに表側表示で加える」

 

「ぐっ…!」

 

「さらに…」

 

 

 

「A(アーク)・マスターペンデュラムのモンスター効果発動。LPを半分払って発動できる」

 

譜理子LP100÷2=50

 

 

 

「このカード以外の自分フィールドのモンスターを全てリリースし、その数まで自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスターを選んで特殊召喚する」

 

「!?」

 

「この効果の発動後、ターン終了時まで自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。わたしは自分フィールドのA(アーク)・マスターペンデュラム以外のモンスター…」

 

 

 

「C(ケイオス)、B(ベイン)、G(グリード)、F(フェイト)の4体をリリース…!」

 

「まさか…!《ペンデュラム・スイープ》をZ(ズィリス)に対して発動しなかったのって…!?」

 

「ううん、Z(ズィリス)は見えなかったから7つ目の効果は知らなかったよ。でも、わたしには見えてたの」

 

「見えてた…?何が見えてたのよ…!?」

 

 

 

「光の存在だけじゃなく、その光がどんなものなのかっていうのも」

 

「!…アーク召喚するカードの効果まで、見えてたっていうの…!?」

 

「うん。きっと…」

 

 

 

「わたしと一緒に戦ってくれる仲間たちが、力をくれたから…!」

 

「わたしはEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター」

 

 

 

 

 

「パフォーマー・クラブ、パフォーマー・ダイヤ、パフォーマー・スペード、パフォーマー・ハートの4体を特殊召喚!」

 

 

 

「おう!フィールドに戻ってきたぜ!」

 

《シンメトリアル=パフォーマー・クラブ》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星8/炎属性/戦士族/攻3000/守3000

 

 

 

「数ターンぶりのシャバやー!」

 

《シンメトリアル=パフォーマー・ダイヤ》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星8/地属性/ドラゴン族/攻3000/守3000

 

 

 

「必要とあらば何度でも現れよう」

 

《シンメトリアル=パフォーマー・スペード》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星8/風属性/魔法使い族/攻3000/守3000

 

 

 

「さて、破壊された礼をしてやらねばな」

 

《シンメトリアル=パフォーマー・ハート》攻撃表示

ペンデュラム・効果モンスター

星8/水属性/機械族/攻3000/守3000

 

 

 

「なっ!何でそいつらがEXデッキからーーー」

 

「!…そうか!変わったのはシンメトリアルという名前だけじゃなくて…!」

 

 

 

「うん。パフォーマーたちみんな、魔法がかかってるの」

 

「くっ…!Pモンスターになってたなんて…!っていうかさっきから光だの魔法だの、わけわかんないことばっか言ってんじゃないわよ!」

 

「…」

 

(確かに言葉だけだと、わけわかんないかも…こんなこと言ってるわたし自身もよくわかってないし…でも)

 

「アイリス」

 

「なに!?」

 

 

 

「ひとりじゃ見えなくても、みんなと一緒なら見えることだってあるの」

 

 

 

「そして、みんなと力を合わせれば…奇跡だって起こせるの!」

 

 

 

「A(アーク)・マスターペンデュラムの元々の攻守は0。でもその効果で攻撃力・守備力は、お互いのフィールド・EXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター及び元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の光属性Pモンスターの種類の数×300アップする!」

 

「!?」

 

「それはつまり、わたしのシンメトリアルやエンタメトリアルだけじゃなく、アイリスのアシンメトリアルも含まれる…!」

 

「シンメトリアルとアシンメトリアルを合わせたAからZまでが26体。シンメトリアルの名前を持つパフォーマーが4体。全員が元々の攻守が同じ光属性Pモンスターであるエンタメトリアルが6体…」

 

 

 

「その全てが種類の違うモンスター!合計36種類でA(アーク)・マスターペンデュラムの攻守は10800アップする!」

 

《シンメトリアル=A(アーク)・マスターペンデュラム》攻撃力0→10800 守備力0→10800

 

 

 

「10800…!?」

 

 

 

「メインフェイズ1終了、バトル…!」

 

 

 

「そう…みんなと力を合わせた結果が、この10800なのね」

 

 

 

 

 

「…ふふ、笑わせないで!何が奇跡よ…!所詮その辺りが限界でしょ!?10800にそいつらパフォーマーの攻撃力3000を4体分加えたって、合計ダメージは22800止まり!アタシのLP54000の半分にも届いてないじゃない!」

 

「…」

 

「そんなもんよ、現実なんて。願いや祈りなんて届かないし、圧倒的な力の前じゃどんなに足掻いたって無駄なの!」

 

「まあでも、たった1枚のカードからZ(ズィリス)が倒され、LPが大幅に削られる状況になるとは思わなかったわ!それはそれで奇跡と呼ぶに相応しい反撃だったんじゃない?」

 

 

 

「…ううん、違うよ。Z(ズィリス)は倒さない」

 

「は?」

 

「A(アーク)・マスターペンデュラムのモンスター効果。このカード以外のモンスターが自分モンスターゾーンに存在する限り」

 

 

 

「このカード以外の自分のモンスターは攻撃できず、このカードの攻撃は直接攻撃となる」

 

「…ぷっ、何それ!Z(ズィリス)に攻撃できない上に、パフォーマーの攻撃も封じられるの?」

 

「…そうね」

 

「あはは!ここまで反撃しといて守備力0のモンスター1体すら破壊できないなんて最悪ね!やっぱりどうやったってアタシに勝つなんて不可能だったってことよ!」

 

「…」

 

「ほら、バトルフェイズに入ったんでしょ?早く攻撃してきなさいよ!」

 

「…アイリス」

 

「はあ、今度はなに?」

 

 

 

「無駄じゃないよ、決して」

 

「…は?」

 

 

 

(準備はいい?行くよ、わたし)

 

 

 

「A(アーク)・マスターペンデュラムでダイレクトアタック!」

 

 

 

 

 

「スプリームスパークル・オブ・ザ・シンメトリーペンデュラム!ファースト・アーク!」

 

 

 

「長い攻撃名ね!残念だけど通さないわよ!」

 

「墓地の《アシンメトリアル・ミラージュ》を除外して効果発動!相手ターンに墓地のこのカードを除外して発動できる」

 

「このターン、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする!」

 

「…」

 

「あはは!22800どころか10800のダメージも与えられずまさかのノーダメージ!結局何もできずに終わっちゃったわね!」

 

 

 

 

 

「ううん、Z(ズィリス)の分を止めただけ」

 

「…なに?」

 

 

 

 

 

「A(アーク)・マスターペンデュラムの更なるモンスター効果」

 

「まだあるの!?ふん、効果の数もZ(ズィリス)に負けないくらい多いわね!で、どんな効果?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このカードは1度のバトルフェイズ中にフィールドのPモンスターの属性の種類の数まで攻撃できる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…えっ?」

 

 

 

 

 

「フィールドに存在するモンスターは、光属性のA(アーク)・マスターペンデュラムに…」

 

「炎属性のパフォーマー・クラブ、地属性のパフォーマー・ダイヤ、風属性のパフォーマー・スペード、水属性のパフォーマー・ハート」

 

 

 

「そして闇属性のZ(ズィリス)の6体!その全員が属性の異なるPモンスター!」

 

 

 

 

 

「嘘、でしょ…?それじゃ…1ターンに6回攻撃できる、ってことになっちゃうじゃない…!」

 

 

 

「そう。だから、Z(ズィリス)の分を止めただけ」

 

 

 

 

 

「まだわたしたち5人の攻撃が残ってる」

 

 

 

「そんな…!」

 

 

 

「アイリスのLPは54000」

 

 

 

 

 

「これで、届いた」

 

 

 

「なんで…ありえない…!」

 

「アイリス」

 

「…」

 

 

 

「確かにアイリスの言う通り、願いや祈りが届く、なんてことはあまり無いのかもしれない」

 

「だからこそ人は足掻くの。それは決して無駄なことなんかじゃない」

 

「だって知ってるから。そうすることによって、自分と何かが繋がることを」

 

「だから、諦めない限り…」

 

 

 

「光だって掴めるし…」

 

 

 

 

 

「奇跡だって起きるの…!」

 

 

 

 

 

「う…ううっ…!」

 

「これがわたしたちの分!受け取って、アイリス!」

 

 

 

 

 

「A(アーク)・マスターペンデュラムでダイレクトアタック!」

 

 

 

 

 

(みんなの力は今、わたしのもとに1つとなる!)

 

 

 

「スプリームスパークル・オブ・ザ・シンメトリーペンデュラム!」

 

 

 

 

 

「クラブ・アーク!」

 

「おっしゃあ!行っけえええ!!!」

 

アイリスLP54000-10800=43200

 

 

 

 

 

「ダイヤ・アーク!」

 

「この一撃はちょっと効くでー!」

 

アイリスLP43200-10800=32400

 

 

 

 

 

「スペード・アーク!」

 

「我輩に代わり、鉄槌が下されよう」

 

アイリスLP32400-10800=21600

 

 

 

 

 

「ハート・アーク!」

 

「礼は色を付けて返す。それが妾の流儀じゃ」

 

アイリスLP21600-10800=10800

 

 

 

 

 

「…こんな、ことが…起こるなんて…!」

 

 

 

 

 

===フフフ、最高の奇跡を特等席で見られて幸せだったよ。

 

『クラウン…』

 

===さあ、逆転劇の締めくくり。最後の一撃だ、譜理子ちゃん。

 

『うん…!』

 

 

 

「これが、最後!」

 

 

 

 

 

「スプリームスパークル・オブ・ザ・シンメトリーペンデュラム!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ファイナル・アーク!!!」

 

 

 

 

 

「ううあああ!!!」

 

 

 

 

 

アイリスLP10800-10800=0

 

 

 

 

 

“WIN ≪譜理子≫”



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34.「Scenario」

「はあ…はあ…」

 

押し寄せる疲労感と解放感。立っているのも難しく、気を抜いたら意識さえも飛びそうなほどのそれは、これまで経験したことが無い。

 

長い長いアイリスとのデュエルは、つい先ほど終わりを迎えた。

 

(勝ったんだよね…?わたし…)

 

だけどその実感が湧かない。いや…心が追い付いていない、と言った方が近いかもしれない。

 

念のためにデュエルディスクを確認する。

 

(…)

 

デュエルディスクには過去6回のデュエルと同様、勝者としてわたしの名前が表示されていた。

 

 

 

(…うん、そうだよね…勝ったんだよね、わたし)

 

良かった…あの奇跡の逆転は幻じゃなかった、本当に…これで終わり。

 

===おめでとう、譜理子ちゃん。

 

『クラウン…』

 

===よく頑張ったね、お疲れ様。

 

『あ…』

 

その労いの言葉をきっかけに、わたしの感情の堰が切れた。

 

ぽろぽろと涙があふれて止まらない。涙を拭こうにも、今のわたしは着ぐるみの中。

 

===あらあら、泣いているのかい?

 

『…わかんない』

 

何となく悟られたくなかったので、とりあえずそう返事しておく。もちろん声を出さない方で。

 

とはいえクラウンにはとっくにお見通しだろう。何回か鼻水もすすっちゃったし。

 

===フフフ、あふれ出てるね。内側にも涙の痕が付いちゃいそうだ。

 

『そんなに出てない…』

 

しかしこの瞬間も、涙はまぶたを越えて頬を伝っていくのだった。

 

 

 

「まさかアタシが負けるなんてね…」

 

「…」

 

涙も止まりかけた頃、アイリスが静かに口を開く。

 

「ふふ、奇跡の逆転、ね…あんなすごいもの見せられたら、諦めるしかないじゃない」

 

アイリスの表情はデュエル中と打って変わって、穏やかで落ち着いていた。

 

「アイリス…」

 

「おめでとう、アナタのおかげでアタシの野望は阻止されたわ」

 

 

 

 

 

「なんて言うとでも思った?」

 

「…えっ?」

 

と思ったのも束の間。アイリスの表情と雰囲気は再びデュエル中のそれに戻る。

 

「デュエルに負けた?だから何?それなら勝つまでやればいいだけの話よ!」

 

アイリスの言っていることに頭が追い付かない。

 

「な、何言って…」

 

「デュエルが1回きりなんていつ言ったの?」

 

「う、嘘…だって、負けたら光が」

 

「光?何のことかしら?」

 

「!…」

 

これまでの対戦相手はデュエル終了後、程なくして光っていた。過去6回とも例外なく。

 

正確な時間はわからないけど、感覚的にこれまでと同じならもう光っているはず。

 

しかし、アイリスにそのような気配は微塵も感じなかった。

 

「ふふ、アタシを誰だと思ってるの?他の奴なんかと一緒にしないで欲しいわね!」

 

「そんな…」

 

アイリスの言葉を信じたくなかった。信じるわけにはいかなかった。

 

だってもしそれが本当なら…あのデュエルが、奇跡の逆転が、結局全て無かったことになる。

 

それどころか何度もアイリスとデュエルをし続けなければならなくなってしまう。当然そのデュエルは1度たりとも負けられない。

 

何故ならアイリスの勝ちはデュエルだけでなく、全てが終わることを意味するのだから。

 

終わりの見えない連戦を、無敗で切り抜ける。

 

 

 

(無理だよ…そんなの、無理…さっきのデュエルだけで…もういっぱいいっぱいなのに…)

 

「アタシの圧倒的な力に敵う人間なんて誰もいないのよ!さあ、次のデュエルに入るわよ!早く構えなさい!」

 

「うう…」

 

 

 

===大丈夫だよ、譜理子ちゃん。

 

『…え』

 

直後、力が抜けるような感覚に襲われ、視界が一瞬ブラックアウトする。

 

「うっ…」

 

この感覚は、1度経験している。

 

アイリスがわたしの姿で現れた時だ。

 

すぐに意識を取り戻し、目を開けると…

 

 

 

(あ…)

 

視界が広くなっていた。体も軽く感じる。

 

アイリスは依然、わたしの姿のまま。

 

 

 

「なっ…!」

 

しかしその表情は視界が広がる前と異なり、目を大きく見開いて何かに驚いている様子だった。

 

少なくともわたしから着ぐるみが消えた、という理由ではなさそうだ。

 

そう思った瞬間、背後から声が聞こえてきた。

 

 

 

「フフフ、久しぶりだね」

 

 

 

後ろを振り向くと、わたしが着ていた着ぐるみが立っていた。

 

(クラウン…!)

 

「いつ以来だったかな、こうやって直接話すのは」

 

そう言いながらクラウンはゆっくりとアイリスとの距離を縮めていく。

 

「…知らないわよ。っていうか何しれっと復活してんのよ!まだアタシの邪魔をする気なの!?」

 

「しないよ。しなくても同じだからね」

 

「…は?」

 

「やっぱりまだ気付いてないんだね。デュエルディスクを見てごらん」

 

「デュエルディスク?それがどうしたってーーー」

 

「!?」

 

デュエルディスクに目を移したアイリスの表情が固まる。

 

 

 

「何よこれ…デッキが、無い…!?」

 

「デッキが無ければ、もうデュエルはできない。残念ながら終幕だ」

 

「ふん、何が終幕よ!デッキの1つや2つ、アタシの力があればーーー」

 

 

 

「!…えっ、嘘…何で…!?」

 

「やっと気付いたかい?その力が、もうほとんど残ってないことに」

 

「そんな…!有り得ないわ!アタシの力は特別なのよ!?たった1回負けた程度で無くなるはずないでしょ…!?」

 

「特別だったから」

 

「え…?」

 

「工夫する必要があったんだ。確実に1回で終わらせるために」

 

「どういうことよ…?」

 

「シナリオ通りに事を運ぶ必要があったってことさ。最終的にその状況を作り上げるための道筋がね」

 

「まあ、順を追って話そう。そばで聞いてる譜理子ちゃんのためにも」

 

クラウンは一度わたしの方に振り返ると、アイリスから少し距離を取って話し始めた。

 

 

 

「まずはお互いの目的について。ボクとキミ、即ちクラウンとアイリスが何を目指していたのか」

 

「譜理子ちゃんも知っての通り、アイリスは人類の滅亡。ボクはそれの完全阻止」

 

「どちらも簡単には達成できない。そうするための手順が必要。アイリスの場合は」

 

 

 

「(1):人間と繋がり、人間に力を与えつつその人間の情報を読み取る」

 

「(2):その人間にボクを倒させ、ボクの力を弱らせることによって封じられた(3)の力を解放する」

 

「(3):読み取った情報を元に人間の体を構築し、一時的に肉体を得た後、情報元の人間を倒し、乗っ取る」

 

 

 

「あとはその人間として復活すれば、自身の力を持って目的は達成というわけだ。そうだよね?」

 

「…」

 

アイリスはクラウンから視線を逸らすだけで何も答えない。

 

「だけど、厳しいよね。特に(2)以降が。ボクを人間に倒させること自体は本気を出せば容易いけど、かといって力を与えすぎるとボクが仕掛けてくるであろう様々な妨害に耐えられなくなる」

 

「この辺の力加減が難しい。試行錯誤を繰り返してバランス感覚を掴むしかない」

 

「幸いクラウンが人間を何度もここに連れてきてくれている。何十回、何百回とチャンスはある」

 

「ただ、クラウンも何か目的があって人間を連れてきている。どうやら人間を集めて何かしてきそうな雰囲気。大量に集まる前に倒さないと」

 

「そんなところだよね?流れとしては」

 

「…」

 

アイリスはやっぱり視線を逸らしたまま何も答えない。

 

「対してボクの場合は完全阻止、つまりアイリスの力を消滅させること」

 

「そのためには、まず舞台を整える必要があった」

 

「それがこの手品師のテント。姿の見えないアイリスを捕らえておくための劇場だね。キミは牢獄と称していたようだけど」

 

「…ふん、中途半端に封印されて余計にストレス溜まったわよ」

 

吐き捨てるように呟くアイリス。クラウンを横目で睨み付けては、すぐに再び視線を外した。

 

「ごめんね、ボクの未熟な力じゃキミを完全に抑えることは出来なかったんだ」

 

「だからこその舞台だよ。力が足りないのならそれ以外のもので補うだけさ」

 

「ボクが作ったこのテントには色んな機能が備わっているんだけど、それらは全て1つの目的を達成するためにあるんだ。譜理子ちゃん、わかるかな?」

 

突然の質問、もちろん答えは明白。

 

「アイリスの力を消滅させる」

 

「その通り。そしたら自ずと見えてくるよね?」

 

「見えてくる…?」

 

だけど次は難問。答えが見えてこない。

 

「フフフ、わからないかい?ヒントはもう十分過ぎるほど出てるんだけどなあ」

 

「…」

 

(自ずと見えてくる…そのヒントはもう十分出てる…)

 

クラウンの話を思い返す。しかし、それらしいものは見つからない。

 

(そばで聞いてるわたしのためにも、って言ってたから…答えはわたしの知ってる情報の中にあるはずだよね)

 

アイリスとのデュエルを終えてから新たに知り得た情報を再度整理する。答えはきっとここにあるはずだから。

 

「そんなに考えなくても、見えてくるはずだよ」

 

「ちょっと、さっきから何言ってんのよ?見えてくるって何が?」

 

「アイリスからは見えなかったものさ」

 

「…意味わかんない」

 

クラウンの答えになっていない言葉にアイリスは不機嫌そうに呟く。

 

 

 

しかし、わたしにとってクラウンのその言葉は、

 

 

 

答えを見つけ出すきっかけとなった。

 

「…あっ!」

 

「見えてきたようだね」

 

(そっか…クラウンはアイリスがどう動いてくるかわかってた、ってことだから…それって、つまり)

 

「誘導…!」

 

「そういうこと、流石譜理子ちゃんだ。というよりさっきのデュエルの途中から既にお見通しだったよね」

 

「誘導…?お見通し…?どういうことよ?ねえ」

 

「今から譜理子ちゃんが説明してくれるよ。ね?」

 

クラウンがわたしに任せた、と言わんばかりにこちらを向く。

 

「えっと…」

 

説明するのはいいんだけど、それらが全て合ってるかどうかは…わからない。

 

「全部合ってるって自信は無いけど…」

 

なのでそう前置きしてから、わたしなりの答えを話すことにした。



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35.「Save」

「まず前提として、クラウンはアイリスの力を消滅させられる方法を知っていた。そしてそれが簡単ではないということも」

 

「実現させるためには、あらかじめ準備が必要だった。それがこのテント」

 

「アイリスの力を消滅させるという目的を持って作られたこのテントは、色んな機能が備わっていて複雑そうな印象を受けるけど…実は単純」

 

「あることに気付けば、だいたいその全容が見えてくる」

 

「…あること?」

 

「うん。道筋を辿るの、逆の方から」

 

「クラウンは作り上げたかった。今のこの、わたしがわたしの姿をしたアイリスを倒すという状況を」

 

「何故ならこれこそがクラウンの描いたシナリオの完成地点、目的の達成を意味するから」

 

「つまり、アイリスの力を消滅させる方法は」

 

 

 

「人間の体を持ったアイリスをその人間が倒すこと」

 

「!」

 

「それさえわかれば、あとは一本道」

 

「その状況へと導くようルールを構築するだけ」

 

「アイリスを繋いだ道へと、誘導する」

 

「ちょ、ちょっと待ってよ…!じゃあこれまでの過程は全てクラウンが作った道を、進んでただけだったってこと…!?」

 

「…結果的にはそうなるね。わたしも含めて、最後までクラウンの望む通りに動いてたから」

 

「そんな…!」

 

「トランプのスートたちから始まり、分身を経て本体、そしてアイリス…何から何まで予定通りに事は進んだ」

 

「…って、ちょっと!それじゃあ、おかしいじゃない…!」

 

「?」

 

「アタシの力を消滅させる方法を知ってたなら、何でそんな回りくどい方法を取るのよ…!」

 

「クラウンはアタシが人間として復活する手順を知ってたんでしょ?それならアタシがコピーした人間とデュエルする時にそのまま自分の力を渡してやればいいだけじゃない…!」

 

「…たぶん、クラウンもそうしたかったんだと思う。でも、それじゃアイリスに勝てないってわかってた」

 

「アイリスは特別だから、単純な力比べじゃとても敵わないってね」

 

「…」

 

「それにデュエルをするのはクラウンじゃなく人間。例え力が上だったとしても、それを生かせるかどうかは人間次第。しかもルール上、クラウンはプレイヤーを手助けすることもできない」

 

「負ければ人類が滅ぶ一発勝負。デュエルができる人間なら誰でもいいってわけにはいかない。いくらその状況へと導いたところで最終決戦に負けてしまえば水の泡」

 

「だから見極める必要があった。その勝負の舞台を託せるに相応しいか、アイリスに勝てる可能性が最も高い人間であるかどうかを」

 

「!…まさか、人間を何人も連れてきたのは、集めて何かをするためじゃなくて…」

 

「そう。クラウンは選別していた。結果として人間が集められただけで、集められた人間の数自体に意味は無い」

 

「なら何で観客席に捕らえておくのよ…?そんなことをして何の意味がーーー」

 

 

 

「!…あっ!」

 

「うん。その光景を見せることに意味があったの。実はアイリスを誘導する上でこれが最も重要」

 

「クラウンは人間を集めて何かしようと企んでる、とアイリスにそう思い込ませたかった」

 

「そうすることによって本当の企み、目的から目を逸らさせた。何故ならアイリスに悟られた時点で全てが終わってしまうから」

 

「この劇場はそのための舞台装置。クラウンはアイリスの行動だけでなく、思考をも誘導していた。そうして初めて、道筋を逆から辿れる」

 

「くっ…思考まで誘導されてたなんて…!」

 

「アイリスからしてみれば、クラウンは何か目的があって人間を集めてると思ってるわけだから…そのこと自体に違和感は覚えないし、クラウンに野望を知られてる以上、集めて何をしてくるのかもだいたい予想がつく」

 

「それに何度も人間を連れてくるというクラウンの行為は、アイリスにとっても都合が良いしね。人間の数も、十人や百人集まったところで大した力にならないのはアイリス自身がよくわかってたし」

 

「…」

 

「だからクラウンの、倒せば元の世界に帰れる、なんて言葉は嘘としか思えなかった。元々この世界から返すつもりはなく、連れて来た人間にただ希望を持たせるためだけの幻なのだと」

 

「でも本当は違った。返すつもりがないのではなく、むしろ方向性は逆。デュエルを勝ち進み、試練を乗り越えて行く人間をクラウンは望んでいた」

 

「乗り越えた先に待つ、アイリスとの最終決戦に全てを託せる人間を」

 

 

 

「そう、それが譜理子ちゃんだったってわけだ」

 

唐突に口を開くクラウン。ちょうど話し疲れてきたところなので、あとの説明はクラウンに任せよう。

 

「譜理子ちゃんの説明の通りだよ。ボクはずっと待ち望んでいた。譜理子ちゃんのような力のある人間をね」

 

「アイリスは特別だから、単純な力比べじゃとても敵わない。まさにその通りさ。ボクだけの力じゃデュエルをする前から結果は見えてる」

 

「だけど、それはお互いの力を全てデュエルに注いだ場合の話。知っての通り、力の使い方はひとつじゃない」

 

「足りなくても使い方次第でその差は縮められるし、あるいは別の力と合わせることによって可能性が生まれることもある」

 

「っ…人間の力なんて、ちっぽけなものに過ぎないわ」

 

「そうだね、確かに多くの人間は非力で無力だ。実際、観客席を埋めている人間は全てそうだったのだから、そのように判断してしまうのも仕方が無い」

 

「でも、いるんだよ。ボクたちの想像を超えた、奇跡を起こす程の力を持つ人間がさ」

 

「とはいえ、その数は極めて少ないけどね。3桁の間に譜理子ちゃんというウルトラレアを引き当てられたのは奇跡だよ」

 

(人をパックのカードみたいに…でも感覚としては、そんな感じなんだろうな…)

 

「実は最初のデュエルの時から思ってたんだよね。この子は豊かな想像力を持っている、良いところまで行けるんじゃないかって」

 

「まあそれでも、ボクの分身と戦うくらいまでかなとは思ってた。だってそれまでボクの分身どころか、あのスートたちを全員倒した人間って誰一人いなかったからね」

 

「正直想定外だったよ。スートたちが倒されて、やっぱり良いところまで行ったって思ってたら、そこからさらに分身を倒し、メッセージを解き明かすんだもの」

 

「これはひょっとするかもしれない、って希望を抱いちゃった。そして願わくばボクを倒して行って欲しいってね」

 

「!…倒されることもシナリオ通りだったってこと…!?」

 

「そうだよ。その後、譜理子ちゃんと繋がることもね」

 

「ただ欲を言えば、ボクを着てからデュエルして欲しかったかな。そしたらもっと楽な展開になってたかもね」

 

(…それは流石に無理。あの時は違和感を探る余裕なんて…無かった)

 

「まあギリギリで気付く辺り譜理子ちゃんらしいといえばらしいけどね」

 

「嘘よ…!だって何も言ってなかったじゃない…!着ぐるみを着れば繋がれるなんてこと…」

 

「言ったらアイリスにも伝わっちゃうでしょ?キミと違ってボクは譜理子ちゃんと繋がってなかったから、声に出さないといけないし」

 

「もし着なかったらどうするつもりだったのよ…!?アタシに気付かれないようにしたところで、デュエルする本人が気付かなかったら意味ないじゃない…!」

 

「大丈夫、ボクは信じていたからね」

 

 

 

「デュエルを勝ち進み、試練を乗り越えてきた譜理子ちゃんなら必ずその発想に辿りつくって」

 

「それにボクが倒されたことにしておかないと、アイリスはコピー体を作らないでしょ?」

 

「っ…!まさか…アタシにコピーの体を作らせるために、あの時倒れたフリをしながら封印をわざと弱めて…!?」

 

「そういうこと。まあ中身が消えて倒れたのも事実だけどね。おかげで封印を弱めた分、デュエルの方に力を注ぐことが出来たよ。ね、使い方次第でしょ?」

 

「ううっ…!」

 

「アイリス、キミは人間の力を侮りすぎた。自身が特別だった故に、超えられる可能性があるとは微塵も思わなかったんだろうね」

 

「一方ボクは人間の可能性を信じた。その過程で中身が消えることを承知の上、最後まで真目譜理子という人間を信じ抜いた」

 

「その結果がボクの、ボクたちの勝利に繋がった。一人の少女が起こした奇跡によって、人類は破滅の危機を乗り越えたんだ」

 

 

 

「アイリス、キミの負けだ」

 

クラウンの勝利宣言。

 

「あ…あっ…」

 

その瞬間、全てを理解したアイリスは膝から崩れ落ちた。

 

アイリスのデュエルディスクも、霧が晴れるように消滅していく。

 

(そう…わたしたちは、勝った…)

 

改めて勝利を噛み締める。未来へと繋がる光が、今もこの手の中で輝いている気がした。

 

 

 

「譜理子ちゃん、ありがとう。全てキミのおかげだ」

 

「クラウン…」

 

クラウンがわたしの方へと振り向く。

 

「譜理子ちゃんを信じて本当に良かった。これで無事にエンディングを迎えられそうだ」

 

「だけどその過程で譜理子ちゃんにはたくさん辛い思い、怖い思いをさせてしまったね。ごめん」

 

「ううん…わたしなら大丈夫だよ」

 

もう、全て終わったことだから…

 

「それなら良かった。あ、それと」

 

「?」

 

クラウンは床から何かを拾い上げると、

 

 

 

「はい、落し物」

 

それをわたしへと差し出した。

 

 

 

「…あっ!」

 

「どうやら記憶から抜け落ちてたみたいだね」

 

そういえばすっかり忘れてた。

 

脱いだまま放置していた服の存在に。

 

ふと露わになっている左手首に目を落とすと、デュエルディスクの丸い痕がくっきりと残っているのが見えた。

 

「うん…ありがとう」

 

クラウンから服を受け取り、すぐさま着用する。

 

もちろんクラウンとは反対側を向いて。

 

恥ずかしさで赤くなった顔を…見られないように。

 

 

 

(これで、よし)

 

服を着終えて向き直る。アイリスは依然として立てない様子だった。

 

 

 

「…どうして」

 

両手両膝を地面につけたまま、体を震わせるアイリス。

 

「アイリス…?」

 

 

 

 

 

「どうしてアタシの願いは叶わないのよおおお!!!」

 

直後、アイリスの慟哭が響き渡った。

 

「なんでここまできて負けるのよ!どこまでアタシを不幸にさせれば気が済むの!?ねえ!」

 

うわんうわんと泣きじゃくるアイリス。

 

「っ…」

 

その光景に胸が締め付けられ、思わず顔を背ける。

 

あの姿はまるで、駄々をこねていた幼い頃のわたし。

 

「いつだってそう…!あの時だって…!ねえ、なんでわたしばっかりこんな目にあわないといけないの…?」

 

そう言ってクラウンを見上げるアイリスの表情や雰囲気は、先程とは別人のように弱々しかった。

 

「っていうかなんで人間の味方してるのよ…!クラウンはアタシの味方じゃなかったの…!?」

 

「キミの味方だからこそ、止めなきゃいけなかったんだ」

 

「ふざけないでよ…それじゃあアタシを追い詰めた人間に、誰が罰を与えるっていうのよ…!」

 

「っ…!」

 

再び胸が締め付けられる。何故そんな感覚を覚えるのだろう。

 

あの頃のわたしを客観的に見せられているから?

 

…いや、違う。それは多分表面的なものに過ぎない。

 

もうわかっているはず。心を揺るがす大きな要因が一体何なのか。

 

「その必要は無いよ。罰ならもう受けた」

 

「えっ…?」

 

「ボクがここに居ることが、その証拠だよ」

 

「何言って…」

 

「元はと言えばボクがキミを舞台に立たせなければ、人間を恨むことも滅ぼそうと考えることもなかったんだ」

 

「アイリスを追い詰めてしまったのは間違いなくボクだ。だからボクはここに来た。いや、来られたと言った方がいいかな」

 

「なっ…!じゃあクラウンも…」

 

「とは言っても、命を絶ったわけじゃないよ。キミも知っての通り、ここに来た時点で体はあったからね」

 

 

 

「でも、それはついさっきまでの話。今のボクはキミと同じさ。体が消えちゃったからね」

 

「!…」

 

「フフフ、罰としては全然見合ってないよね。キミが受けた数々の理不尽とは比べ物にすらならない」

 

「だからボクはこう思ってる。ここに来られたこと自体が罰だと。そしてここに来たボクがすべきことはただ一つ」

 

 

 

「始まりを招いたこの手で悲劇を終わらせることだ」

 

「それがボクに出来るせめてもの罪滅ぼし。譜理子ちゃんたち人間と、キミに対する責任の取り方だ」

 

「なによ…そんなの、クラウンが勝手にそう思ってるだけじゃない…!」

 

「そうだね。罪の意識があったからこそ、罰という考えに至ったのかもしれない」

 

「っ…それじゃあアタシは、クラウンの罪滅ぼしに付き合わされてたっていうの…!?そのためにアタシの力を消滅させて…!」

 

「違うよ。キミを救うためでもあったんだ」

 

「救う…?」

 

「人間を滅ぼす、その意味を深く考えたことがあるかい?」

 

「そんなことをしてしまえば、否が応にも罪を背負うことになる。そしてその罪はあまりにも大きい」

 

「いくらそれを望んでいたとしても、その瞬間からとてつもなく重い鎖がキミを縛ることになる」

 

「…ふん、縛られるわけないでしょ。人間じゃないんだから」

 

「精神的にだよ。体は無くても、今もこうして心は生きてる」

 

「ボクはキミにそんな大罪を背負わせたくなかった。人間への憎悪や復讐にその心が囚われて欲しくなかった」

 

「これ以上アイリスを不幸にしたくなかった。ボク自身が嫌なんだ。さらに不幸の奥底へと沈もうとするアイリスを見ているのが!」

 

「!」

 

「だから止めたんだ。キミの味方であるボクが、今度こそキミを救うために」



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36.「Welcome back」

「…救うったって、今更何ができるっていうのよ…!そもそも救いなんて求めてないわ!」

 

「いや、キミは救いを求めている。わかっているはずだ、キミの本心が何を望んでいるか」

 

「な、何を…」

 

「人間を滅ぼすことにどれだけ心が囚われても、その願いだけは決して消えることなく残っていた」

 

 

 

「幸せになりたいという願いが」

 

「っ…」

 

「だけどその願いは叶わない。体が無い以上叶うはずがない。そんなのあっても辛いだけ」

 

「だから忘れようとした。人間を滅ぼすという野望で心を塗り替えるようにして」

 

「そしてその野望が潰えた今、心に残っているのはーーー」

 

「やめて!」

 

クラウンの話を遮るアイリス。

 

「言わないで…!せっかく…忘れようとしてたのに…!」

 

目に涙を浮かべながら、アイリスはクラウンを睨み付ける。

 

「忘れる必要なんてない。幸せを望んでいいんだ」

 

クラウンは着ぐるみの少し膨らんだ人差し指で、アイリスの涙を拭い取った。

 

「っ…無理よ…!アタシには体が…!」

 

「そうだね。体が無い以上これまでのアイリスには戻れない」

 

「…」

 

 

 

「それなら進めばいい。これからのアイリスとして」

 

「…えっ?」

 

「幸せになりたいと願う心を救うってことさ」

 

 

 

「もっとも、救うのはボクじゃないけどね」

 

そう言ってクラウンはこちらに振り向く。

 

「譜理子ちゃん」

 

「クラウン…」

 

言葉は無くとも、クラウンの言いたいことはわかってた。

 

「もちろん強制はしないよ。譜理子ちゃんのこれからの人生に関わってくるからね」

 

「…」

 

「ただどちらにしても、決断は早い方がいいかな。どうやら時間もあまり残されていないみたいだし」

 

「わたしは…」

 

だから、わたしはもう決断済みだ。

 

 

 

 

 

「アイリスを受け入れる」

 

その答えに迷いは無い。

 

「そっか。良かった」

 

「ちょ、ちょっと…!話が見えないんだけど…?」

 

「生まれ変わるってことだよ」

 

 

 

 

 

「譜理子ちゃんの体の、もう1人の住人としてね」

 

「!?」

 

「これからのアイリスは、そうやって生きていくんだ」

 

「…」

 

「おや、不満かい?」

 

「…不満とか、そういうのじゃないわよ…!ねえ」

 

アイリスがわたしに話しかける。

 

「アナタはそれでいいの?」

 

「いいよ」

 

「こっちの世界とはわけが違うのよ?何か影響が出たとしても後戻りはできないのよ?」

 

「覚悟はしてる」

 

「…体、乗っ取るわよ?」

 

「その時は抵抗する、かも」

 

「っ…何でそんな平然とした顔で答えられるのよ!アタシ人間を滅ぼそうとしたのよ!?そんな奴を受け入れるだなんて…!」

 

「それはもう過去のことでしょ?これからはわたしと一緒に生きるの」

 

わたしはアイリスの前にしゃがみ、手を差し伸べる。

 

 

 

しかし、その手は跳ね除けられた。

 

「…無理よ。アナタが良くてもアタシは…!人間が信用できないもの…」

 

「わたしも信用できない?」

 

「…」

 

わかるよ、アイリスの気持ち。

 

 

 

わたしに、そんな顔してくれるんだね。

 

「わたしは信じてるよ、アイリスのこと」

 

「わたしとアイリスが一緒に生きていけること。そして、アイリスが今度こそ幸せになれるってことも」

 

「適当なこと言わないで…!アナタに…アタシの何がわかるっていうのよ!」

 

 

 

「わかるよ」

 

「っ…だから何で…!そう言い切れるのよ!」

 

アイリスの目から、また涙が溢れ出る。

 

「わたし、察しが良いから」

 

「…自分で、言うことじゃないわよ…」

 

涙ぐんだ声で返すアイリス。ポロポロと落ち始めた涙は止まりそうにない。

 

なんとなくわかってたけど、アイリスって結構泣き虫なんだね。

 

そんなアイリスを間近で見てたらね…

 

 

 

「…うっ、ううっ」

 

わたしも人のこと言えなくなっちゃう。

 

「!…なっ、何でアナタが泣いてるのよ…!」

 

「だって、わかるから…アイリスのこと…」

 

アイリスに涙ぐんだ声で返す。

 

もちろん全部とは言えない。わたしがアイリスと過ごした時間なんて、ここに来てからのほんのわずかな間だけ。

 

だけど、その時間はわたしにとって特別だった。これまでの人生の中で最も大きな絶望と希望を経験して、自分の心の奥深くを知った。

 

「アイリスが、どんな思いをしながら…生きてきたのか、って…」

 

絶対に負けられない戦いを勝つために、お互いが全てを出し尽くした。心を限界までむき出しにしながら。

 

それはきっとアイリスも同じ。だから、わかってしまうんだ。

 

「そんなの…アナタなんかに…!」

 

どうしてこんなにも、わたしの胸が締め付けられるのかも。

 

そう、わたしはただ認めたくなかった。そうであって欲しくなかった。

 

何故ならそんな世界を生きてきたアイリスの心に、わたし自身が耐えられなくなる気がしたから。

 

 

 

「!…」

 

アイリスをギュッと強く抱きしめる。

 

同じ体の泣き虫なもうひとりと、ひとつになるように。

 

「ずっと辛かったんだね…頑張って耐えてきたんだね…」

 

でも、わたしはもう決めたの。受け入れるって。

 

「もう大丈夫だよ。これからはわたしが、アイリスのそばにいるから…」

 

そんな心を乗り越えて、アイリスと一緒に幸せになるって。

 

「だからわたしと一緒に生きて…今度こそ幸せになろ、ね…?」

 

「ううっ…」

 

 

 

 

 

「うあああっ…!!!」

 

 

 

わたしは目を閉じると、大泣きするアイリスの耳元で囁くように唱えた。

 

 

 

 

 

「I CONNECT WITH IRIS」

 

 

 

 

 

「!…」

 

唱えて間も無く、アイリスの体が光り始める。

 

「良かった、これでハッピーエンドだね」

 

「!?」

 

いや、アイリスだけではない。

 

「クラウン…!?」

 

振り向くと、クラウンも同様に光り始めていた。

 

その光は着ぐるみの中身が消えた時のように淡い光ではなく、わたしが何度も見てきたそれと同じ種類の光。

 

「時間が来たみたいだね。そろそろボクは倒れるとしよう。役目を終えたテントと共に」

 

「待って…!クラウンも一緒に…!」

 

「それは出来ない。繋がれるのはひとりだけなんだ」

 

「そんな…!」

 

「ボクのことなら気にしないで。大丈夫、それなりに生きたしこれといった未練も無いから」

 

「2人の行く末を見られないのは残念だけどね」

 

「っ…!」

 

 

 

「クラウン!」

 

アイリスが涙を流しながら名前を叫ぶ。

 

「アイリス、そんな顔しちゃだめだよ。これからのキミは笑顔の似合う女の子になるんだから」

 

「やだ…!クラウンも一緒に来てよ…!クラウンのいない世界なんてやだよ…!」

 

「大丈夫だよ。住む世界が違っても、ボクとキミは繋がってる」

 

「怖いの…!あの世界に戻るのが…またあんな思いをするんじゃないかって…!」

 

「もうしないさ。キミを大切に思ってくれている人が、その世界で待ってるからね」

 

「!…」

 

「ボクは信じてるよ。アイリスと譜理子ちゃん、2人のことを」

 

「だからキミも信じて欲しいな。それとも、ボクのことも信じられないかい?」

 

「っ…!そんなの…!」

 

「ああ、残念。もう限界みたいだ」

 

「えっ…?」

 

 

 

「譜理子ちゃん…アイリスを守ってあげてね…」

 

 

 

クラウンの声が小さく聞こえ始める。

 

 

 

「クラウン!待ってよ…!」

 

 

 

わたしの腕の中で叫ぶアイリスの声も。

 

 

 

「アイリス…譜理子ちゃんが必ずキミを…幸せに……して……」

 

 

 

光はより一層強くなり、クラウンの声がさらに遠ざかっていく。

 

 

 

「うう…!」

 

 

 

アイリスがわたしを抱き返す。わたしと同じようにギュッと強く。

 

自分は確かにここに存在していると、わたしに伝えるかのように。

 

 

 

大丈夫だよ、わたしはずっとアイリスのそばにいる。

 

 

 

どんな時でも繋がってる。だから、怖がらないで。

 

 

 

これからは何があっても、わたしがアイリスを守るから。

 

 

 

 

 

「譜理子ちゃん……ありがとう…………」

 

 

 

 

 

「っ…!クラウン!!!」

 

 

 

クラウンの声が完全に聞こえなくなった瞬間、

 

 

 

「…!」

 

 

 

世界は光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ん」

 

音がする。パチパチパチ、と弾けるような乾いた音。

 

この音は聞き覚えがある。

 

 

 

拍手の音だ。

 

「…う」

 

意識がはっきりしてきた。目がまだちょっと重い気がする。

 

鳴り止まない拍手の音。ここはどこだろう。

 

「…」

 

 

 

(劇場…?)

 

目を開けて最初に映ったのは、ライトに照らされたステージ。

 

そのステージの中心部ではパフォーマーたちが並び、一様に頭を下げている。

 

(えっと…あ)

 

前後左右を見回して、今自分が置かれている状況を理解した。

 

ちょうど全ての演目が終わり、観客たちが拍手を送っているところだ。

 

 

 

思い出した。そういえばサーカスを見に来てたんだった。

 

(うそ…もしかして、途中から寝ちゃってた…?)

 

そう思い、慌てて体を起こす。

 

(うっ…)

 

しかし起こした瞬間、頭がふらつき再び席にもたれかかる。

 

体に押し寄せる疲労感。どうしてこんなに疲れているのだろう。

 

ここに来た時点では別に疲れてなどいなかったはず。

 

(どうなってるの…?)

 

そもそもサーカスを見に行くことを知りながら疲れるようなことなんてしない。

 

この夢のような時間をしっかりと目に焼き付けるためにも、いつも万全の状態で臨んでいる。

 

こうなった原因は何だろう。ここに来るまでの記憶を辿ってみても、その答えは見つからない。

 

 

 

(…!)

 

いや、ひとつ心当たりがあった。

 

確かに見ていた、夢のような時間。

 

(じゃあ、やっぱりあれは…夢じゃなかったのかな…?)

 

袖をめくり左手首を確認する。

 

 

 

(…)

 

 

 

 

 

(ふふふ、こんな笑い声だったかな)

 

頭の中に響いてきたのは、何度も聞いたような覚えがある笑い声

 

 

 

(ただいま。そして…)

 

 

 

 

 

(おかえり、世界へ)

 

両腕にあるはずのない温もりを感じながら、ステージのパフォーマーたちに向けて精一杯の拍手を送った。

 

 

 

【真目譜理子とサーカス世界 終】




「真目譜理子とサーカス世界」の本編はこれでおしまいです。あとは本編で回収できなかった部分などを書いたエピローグや番外編をいくつか投稿してこの物語は完結となります。ここまで読んで頂きありがとうございました。そしてもう少しお付き合い頂けると幸いです。


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EX1.「Original Card1」

※本編の重大なネタバレが含まれているのでご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリ名「シンメトリアル」

 

 

 

《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/獣戦士族/攻1600/守1600

【Pスケール:青3/赤3】

(1):1ターンに1度、このカードを発動したターンの自分メインフェイズに、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体と相手フィールドのカード1枚を選択し、選択したカードを破壊する。

【モンスター効果】

(1):フィールドの表側表示のこのカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。

 

《シンメトリアル=I(イメージ)・ペインター》

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/天使族/攻 400/守 400

【Pスケール:青5/赤5】

(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体を選択し、選択したモンスターの元々の種族・属性・レベル・攻撃力・守備力を持つ「シンメトリアル=Iトークン」1体を特殊召喚する。

【モンスター効果】

(1):1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動する。自分のデッキ・墓地からそのモンスターのレベル以下のPモンスター1体を選んで手札に加える。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/爬虫類族/攻 800/守 800

【Pスケール:青5/赤5】

(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。フィールドの表側表示のカード1枚を選択し、選択したカードの効果をターン終了時まで無効にする。

【モンスター効果】

(1):1ターンに1度、自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをターン終了時まで除外する。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

《シンメトリアル=O(オブジェクト)・メイカー》

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/サイキック族/攻1200/守1200

【Pスケール:青3/赤3】

(1):1ターンに1度、このカードを発動したターンの自分メインフェイズに、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。「シンメトリアル=Oトークン」(サイキック族・光・星4・攻1200/守1200)1体を特殊召喚する。

【モンスター効果】

(1):モンスターゾーンのこのカードがリリースまたは破壊された場合に発動できる。デッキからPモンスター1体を選んで墓地へ送る。

 

《シンメトリアル=T(テーブル)・キーパー》

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/獣戦士族/攻1600/守1600

【Pスケール:青3/赤3】

(1):1ターンに1度、このカードを発動したターンの自分メインフェイズに、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。自分または相手の墓地のカード1枚を選択し、選択したカードを除外する。

【モンスター効果】

(1):モンスターゾーンのこのカードが効果で破壊された場合、次のスタンバイフェイズに自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。

 

《シンメトリアル=U(アンブレラ)・ハンガー》

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/天使族/攻 400/守 400

【Pスケール:青5/赤5】

(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。フィールドの表側表示モンスター1体を選択し、選択したモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで0になる。

【モンスター効果】

(1):1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターはターン終了時まで戦闘で破壊されない。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/サイキック族/攻1200/守1200

【Pスケール:青3/赤3】

(1):1ターンに1度、このカードを発動したターンの自分メインフェイズに、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体を選択し、選択したモンスターはこのターン自分のLPが相手より少ない場合、相手に直接攻撃できる。

【モンスター効果】

(1):フィールドまたは墓地のこのカードが除外された場合に相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する。

 

《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/爬虫類族/攻 800/守 800

【Pスケール:青5/赤5】

(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体と相手フィールドの表側表示モンスター1体を選択し、選択したモンスターのコントロールを入れ替える。

【モンスター効果】

(1):1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの表示形式を変更する。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

《シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー》

ペンデュラム・効果モンスター

星6/光属性/幻竜族/攻 0/守 0

【Pスケール:青1/赤1】

このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する限り、自分フィールドのモンスターの攻撃力・守備力はフィールドの「シンメトリアル」カードの枚数×200アップする。

(2):自分のPゾーンのこのカードと、もう片方の自分のPゾーンの「シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー」を対象として発動できる。対象のカードのPスケールをターン終了時までそれぞれ6つ上げる。

【モンスター効果】

このカード名の(2)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の自分の光属性Pモンスターの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

(2):両方の自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる。自分のPゾーンのカード1枚を破壊し、デッキから「シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー」1体を自分のPゾーンに置く。

 

《シンメトリアル=Y(ヴァーティカル)・ライナー》

ペンデュラム・効果モンスター

星6/光属性/幻竜族/攻 0/守 0

【Pスケール:青1/赤1】

このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する限り、相手フィールドのモンスターの攻撃力・守備力はフィールドの「シンメトリアル」カードの枚数×200ダウンする。

(2):自分のPゾーンのこのカードと、もう片方の自分のPゾーンの「シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー」を対象として発動できる。対象のカードのPスケールをターン終了時までそれぞれ6つ上げる。

【モンスター効果】

このカード名の(2)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の自分の光属性Pモンスターの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

(2):両方の自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる。自分のPゾーンのカード1枚を破壊し、デッキから「シンメトリアル=X(ホリゾンタル)・ライナー」1体を自分のPゾーンに置く。

 

《シンメトリアル・スイッチ》

速攻魔法

(1):自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体をリリースし、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。その後、デッキからリリースしたモンスターよりレベルが2つ低い「シンメトリアル」モンスター1体を手札に加えるか特殊召喚する。

 

《シンメトリアル・リターン》

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1):自分のEXデッキの表側表示の同じ種族でカード名が異なる「シンメトリアル」Pモンスター2体を対象として発動できる。そのモンスター2体をデッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから2枚ドローする。

 

《シンメトリアル・ブラスト》

通常罠

(1):自分フィールドの「シンメトリアル」カードを破壊し、フィールドのカード2枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主の手札に戻す。

 

《シンメトリアル・リフレクション》

カウンター罠

(1):魔法・罠カードが発動した時に自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター1体をデッキに戻して発動できる。その発動を無効にし破壊する。

 

《シンメトリアル・セット》

永続魔法

相手フィールドにのみモンスターが存在する場合に発動できる。このカードを発動するターン、自分はPモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。

(1):このカードの発動時の効果処理として、自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスターを2体まで選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される。

(2):1ターンに1度、自分のPゾーンのカード1枚または自分フィールドのPモンスター1体を除外し、自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。

 

 

 

カテゴリ名の由来はシンメトリー(左右対称)+トライアル(試す)

名の通りモンスターのあらゆる要素がシンメトリーとなっています。とある法則に気付き、違和感を持った方もいると思いますが、その答えは後々明かされると思います。

魔法罠に関しては特にこれといった特徴は無いと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリ名「アシンメトリアル」

 

 

 

《アシンメトリアル・J(ジェット)》

ペンデュラム・効果モンスター

星3/風属性/水族/攻900/守1200

【Pスケール:青7/赤4】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。デッキから風属性以外の「アシンメトリアル」モンスター1体を選び、手札に加える。

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、このカードのコントロールを相手に移す。

 

《アシンメトリアル・K(カイト)》

ペンデュラム・効果モンスター

星5/風属性/雷族/攻2500/守1000

【Pスケール:青2/赤5】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキから風属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える。

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。相手は元々の持ち主が自分となるモンスター1体を選び、ターン終了時までこのカードとコントロールを入れ替える。

 

《アシンメトリアル・L(ランプ)》

ペンデュラム・効果モンスター

星5/炎属性/炎族/攻2000/守1500

【Pスケール:青4/赤1】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキから炎属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える。

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。相手は元々の持ち主が自分となるモンスター1体を選び、ターン終了時までこのカードとコントロールを入れ替える。

 

《アシンメトリアル・N(ニードル)》

ペンデュラム・効果モンスター

星3/地属性/炎族/攻1200/守900

【Pスケール:青4/赤7】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。デッキから地属性以外の「アシンメトリアル」モンスター1体を選び、手札に加える。

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、このカードのコントロールを相手に移す。

 

《アシンメトリアル・P(プレート)》

ペンデュラム・効果モンスター

星5/地属性/岩石族/攻1000/守2500

【Pスケール:青5/赤2】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキから地属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える。

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。相手は元々の持ち主が自分となるモンスター1体を選び、ターン終了時までこのカードとコントロールを入れ替える。

 

《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》

ペンデュラム・効果モンスター

星3/水属性/岩石族/攻600/守1500

【Pスケール:青3/赤6】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。デッキから水属性以外の「アシンメトリアル」モンスター1体を選び、手札に加える。

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、このカードのコントロールを相手に移す。

 

《アシンメトリアル・R(リング)》

ペンデュラム・効果モンスター

星3/炎属性/雷族/攻1500/守600

【Pスケール:青6/赤3】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。デッキから炎属性以外の「アシンメトリアル」モンスター1体を選び、手札に加える。

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、このカードのコントロールを相手に移す。

 

《アシンメトリアル・S(シールド)》

ペンデュラム・効果モンスター

星5/水属性/水族/攻1500/守2000

【Pスケール:青1/赤4】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキから水属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える。

【モンスター効果】

このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。相手は元々の持ち主が自分となるモンスター1体を選び、ターン終了時までこのカードとコントロールを入れ替える。

 

《アシンメトリアル・コール》

速攻魔法

(1):相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力・守備力はフィールドに存在する限り700アップする。その後、対象としたモンスターと攻撃力と守備力の合計がその数値以下となる「アシンメトリアル」モンスター1体をデッキから自分または相手フィールドに特殊召喚する。

 

《アシンメトリアル・センサー》

永続魔法

(1):相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターの数によって以下の効果を得る。

●1体以上:1ターンに1度、自分の墓地のPモンスターまたは自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加え、自分はそのモンスターのレベル×300ダメージを受ける。

●2体以上:1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターと同じ属性、または同じ種族のモンスター1体をデッキから墓地へ送り、ターン終了時までそのモンスターのコントロールを得る。

●3体以上:1ターンに1度、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを持ち主の手札に戻す。

●4体以上:1ターンに1度、発動できる。相手は自身の手札・フィールドの「アシンメトリアル」モンスター以外のカード1枚を墓地へ送らなければならない。

●5体:1ターンに1度、発動できる。自分はフィールドのモンスターの数×1500LP回復する。

 

《アシンメトリアル・リカバリー》

永続罠

(1):「アシンメトリアル・リカバリー」は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。

(2):このカードの発動時の効果処理として、自分のEXデッキの表側表示の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選んで相手フィールドに特殊召喚できる。

(3):1ターンに1度、相手モンスターの攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けた時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分は相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターの数だけデッキからドローする。

●自分は相手フィールドの「アシンメトリアル」モンスターのレベルの合計×500LP回復する。

 

 

 

カテゴリ名の由来はアシンメトリー(左右非対称)+トライアル(試す)

名の通りモンスターあらゆる要素がアシンメトリーとなっています。ただその実、全体を見ればシンメトリアル同様法則だらけなことに気付かれるかと思います。アシンメトリアルという名前からシンメトリアルのサポート等を受けることができます。同じくこちらの違和感の答えも後々明かされると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリ名「ペンデュラム」

 

 

 

《ペンデュラム・スイープ》

通常罠

(1):フィールドのPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。

 

《ペンデュラム・サイン》

通常魔法

(1):自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分の墓地のPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。

 

《ペンデュラム・リアクション》

通常魔法

(1):自分のPゾーンにカードが存在する場合に発動できる。お互いのPゾーンのカードを全てデッキに加えてシャッフルする。その後、デッキに加えたカードの枚数によって以下の効果を適用する。

●1枚:自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。

●2枚:デッキからPモンスター1体を選んで手札に加える。

●3枚:自分のEXデッキの表側表示のPモンスターの種類の数まで、相手フィールドのカードを選んで除外する。その後、お互いのプレイヤーはデッキの一番上のカードをめくり、それがPモンスターだった場合は手札に加える。違った場合は墓地へ送る。

●4枚:フィールドのPモンスター及びお互いのEXデッキの表側表示のPモンスターを全て除外する。その後、お互いのプレイヤーはデッキの一番上のカードをめくり、それがPモンスターだった場合は手札に加える。違った場合は墓地へ送る。

(2):両方の自分のPゾーンにカードが存在する場合に墓地のこのカードを除外して発動できる。相手フィールドにセットされたカード2枚を選び、そのカードを手札に戻す。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

 

 

カテゴリ名はそのままペンデュラムですね。

既存のカテゴリですが、カード自体はオリジナルです。特に書くこともありませんね。



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EX2.「Original Card2」

※本編の重大なネタバレが含まれているのでご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリ名「エンタメトリアル」

 

 

 

《エンタメトリアル=i(アイドル)・シンガー》

ペンデュラム・効果モンスター

星6/光属性/悪魔族/攻2000/守2000

【Pスケール:青7/赤7】

(1):もう片方の自分のPゾーンに「エンタメトリアル」カードが存在する限り、自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズにPモンスター1体を召喚できる。

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。

(2):1ターンに1度、自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキから元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の光属性Pモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。

 

《エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー》

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/悪魔族/攻 0/守 0

【Pスケール:青3/赤3】

(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「エンタメトリアル」カードが存在する場合に自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターよりレベルが高い相手フィールドのモンスター1体を選択し、持ち主の手札に戻す。

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。

(2):1ターンに1度、このカード以外のフィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。このカードをリリースし、そのモンスターよりレベルが低い自分のEXデッキの表側表示の「エンタメトリアル=l(リュート)・フリッカー」以外の元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の光属性Pモンスター1体を選択し、特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

《エンタメトリアル=o(オルガン)・ブースター》

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/悪魔族/攻1000/守1000

【Pスケール:青5/赤5】

(1):このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンに「エンタメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。自分はデッキから1枚ドローし、その後手札を1枚選んで捨てる。

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の自分の光属性Pモンスターは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。

 

《エンタメトリアル=v(ヴァイオリン)・ヒーラー》

ペンデュラム・効果モンスター

星4/光属性/悪魔族/攻1000/守1000

【Pスケール:青5/赤5】

(1):このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンに「エンタメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。除外されている自分のカードを3枚まで選んでデッキに戻す。

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の自分の光属性Pモンスターが相手に戦闘ダメージを与える度に、自分はその数値分だけLPを回復する。

 

《エンタメトリアル=w(ホイッスル)・サモナー》

ペンデュラム・効果モンスター

星2/光属性/悪魔族/攻 0/守 0

【Pスケール:青3/赤3】

(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「エンタメトリアル」カードが存在する場合に相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。自分の手札・墓地からそのモンスターよりレベルが低いモンスター1体を選択し、特殊召喚する。

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。

(2):1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動する。デッキからそのモンスターよりレベルが低い「エンタメトリアル=w(ホイッスル)・サモナー」以外の元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の光属性Pモンスター1体を選択し、特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

《エンタメトリアル=x(ザイロフォン)・ヒッター》

ペンデュラム・効果モンスター

星6/光属性/悪魔族/攻2000/守2000

【Pスケール:青7/赤7】

(1):もう片方の自分のPゾーンに「エンタメトリアル」カードが存在する限り、自分はレベル5以上のPモンスターを召喚する場合に必要なリリースをなくす事ができる。この効果は1ターンに1度しか適用できない。

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。

(2):1ターンに1度、自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。自分のEXデッキの表側表示の元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の光属性Pモンスター1体を選んで手札に加える。

 

《エンタメトリアル・バトンタッチ》

速攻魔法

このカードを発動するターン、自分は「エンタメトリアル」モンスターでしか攻撃宣言できない。

(1):自分フィールドの守備表示「エンタメトリアル」モンスター1体をリリースして発動する。デッキからリリースしたモンスターのレベル以下のカード名が異なる「エンタメトリアル」モンスター1体を手札に加えるか守備表示で特殊召喚する。その後、デッキから「エンタメトリアル・バトンタッチ」以外の「エンタメトリアル」魔法・罠カード1枚を選んで手札に加える。

 

《エンタメトリアル・シアター》

フィールド魔法

(1):このカードの発動時の効果処理として、デッキからカード名が異なる「エンタメトリアル」Pモンスターを2体まで選んで自分のEXデッキに表側表示で加える。

(2):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の自分の光属性Pモンスターの効果の発動に対して、相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。

(3):「エンタメトリアル」Pモンスターが守備表示で特殊召喚された場合、または自身の効果で守備表示になった場合に発動できる。そのモンスターを表側攻撃表示にする。

(4):1ターンに1度、自分のPゾーンにカードが存在しない場合、または片方の自分のPゾーンに「エンタメトリアル」カードが存在する場合に発動できる。フィールドに表側表示で存在する元々の持ち主が自分となるPモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される。

 

《エンタメトリアル・バック》

通常罠

(1):手札の「エンタメトリアル」モンスター1体を相手に見せて発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。その後、デッキからそのモンスターとカード名が異なる「エンタメトリアル」モンスター1体を手札に加える。

 

 

 

カテゴリ名の由来はエンタメ+シンメトリアル

元となったカテゴリと同様、あらゆる要素がシンメトリーとなっています。元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の光属性Pモンスター、というステータスはシンメトリアルも同じなのでサポート等を共有することができます。

今更ですが守備表示になるモンスター効果をもっと上手に活用したかったですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリ名「アシンメトリアル」

 

 

 

《アシンメトリアル・B(ベイン)》

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/植物族/攻2700/守2200

【Pスケール:青9/赤-】

このカード名の(1)(2)のP効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、除外されている自分の地属性または水属性の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして相手フィールドに特殊召喚する。

(2):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、「アシンメトリアル・B(ベイン)」以外の相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。このカードを除外し、そのモンスターのコントロールを得る。

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):このカードは相手フィールドの地属性または水属性のモンスター1体をリリースし、手札から相手フィールドに特殊召喚できる。

(2):自分スタンバイフェイズに発動する。このカードのコントロールを相手に移す。

 

《アシンメトリアル・C(ケイオス)》

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/海竜族/攻2600/守2300

【Pスケール:青-/赤9】

このカード名の(1)(2)のP効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、除外されている自分の水属性または風属性の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして相手フィールドに特殊召喚する。

(2):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、「アシンメトリアル・C(ケイオス)」以外の相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。このカードを除外し、そのモンスターのコントロールを得る。

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):このカードは相手フィールドの水属性または風属性のモンスター1体をリリースし、手札から相手フィールドに特殊召喚できる。

(2):自分スタンバイフェイズに発動する。このカードのコントロールを相手に移す。

 

《アシンメトリアル・D(ディスペア)》

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/恐竜族/攻2500/守2400

【Pスケール:青9/赤-】

このカード名の(1)(2)のP効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、除外されている自分の地属性または風属性の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして相手フィールドに特殊召喚する。

(2):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、「アシンメトリアル・D(ディスペア)」以外の相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。このカードを除外し、そのモンスターのコントロールを得る。

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):このカードは相手フィールドの地属性または風属性のモンスター1体をリリースし、手札から相手フィールドに特殊召喚できる。

(2):自分スタンバイフェイズに発動する。このカードのコントロールを相手に移す。

 

《アシンメトリアル・E(エンヴィ)》

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/昆虫族/攻2400/守2500

【Pスケール:青9/赤-】

このカード名の(1)(2)のP効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、除外されている自分の水属性または炎属性の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして相手フィールドに特殊召喚する。

(2):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、「アシンメトリアル・E(エンヴィ)」以外の相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。このカードを除外し、そのモンスターのコントロールを得る。

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):このカードは相手フィールドの水属性または炎属性のモンスター1体をリリースし、手札から相手フィールドに特殊召喚できる。

(2):自分スタンバイフェイズに発動する。このカードのコントロールを相手に移す。

 

《アシンメトリアル・F(フェイト)》

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/アンデット族/攻2300/守2600

【Pスケール:青-/赤9】

このカード名の(1)(2)のP効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、除外されている自分の地属性または炎属性の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして相手フィールドに特殊召喚する。

(2):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、「アシンメトリアル・F(フェイト)」以外の相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。このカードを除外し、そのモンスターのコントロールを得る。

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):このカードは相手フィールドの地属性または炎属性のモンスター1体をリリースし、手札から相手フィールドに特殊召喚できる。

(2):自分スタンバイフェイズに発動する。このカードのコントロールを相手に移す。

 

《アシンメトリアル・G(グリード)》

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/獣族/攻2200/守2700

【Pスケール:青-/赤9】

このカード名の(1)(2)のP効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、除外されている自分の炎属性または風属性の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして相手フィールドに特殊召喚する。

(2):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、「アシンメトリアル・G(グリード)」以外の相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。このカードを除外し、そのモンスターのコントロールを得る。

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):このカードは相手フィールドの炎属性または風属性のモンスター1体をリリースし、手札から相手フィールドに特殊召喚できる。

(2):自分スタンバイフェイズに発動する。このカードのコントロールを相手に移す。

 

《アシンメトリアル・パッケージ》

通常罠

(1):相手フィールドの表側表示モンスターを任意の数だけ対象として発動できる。ターン終了時までそのモンスターは「アシンメトリアル」モンスターとしても扱う。

 

《アシンメトリアル・ダークネス》

フィールド魔法

(1):自分の手札・フィールド及び自分のEXデッキの表側表示の闇属性以外の「アシンメトリアル」モンスターを8種類除外してこのカードを発動できる。

(2):このカードの発動時の効果処理として、自分のデッキの上からカードを3枚めくり、その中から闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を選んで手札に加える事ができる。残りのカードはデッキに戻す。

(3):1ターンに1度、フィールドゾーンに存在するこのカードが相手の効果によってフィールドを離れる場合、代わりにこのカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚をデッキの一番下に戻す。

(4):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、「アシンメトリアル」モンスターは直接攻撃できない。

(5):1ターンに2度まで、自分メインフェイズ1に以下の効果から1つを選択して発動できる(同じ効果は1度まで)。

●相手フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。そのカードの効果はターン終了時まで無効になる。

●除外されている自分の闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを相手フィールドに特殊召喚する。

●自分のEXデッキの表側表示の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を除外し、相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのコントロールを得る。

●フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を対象として発動できる。デッキからそのモンスターとカード名が異なる闇属性「アシンメトリアル」モンスター1体を選んで手札に加える。その後、相手はデッキから1枚ドローする。

(6):お互いのエンドフェイズ毎に発動する。ターンプレイヤーは自分から見て相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスターの数×700LP回復する。

 

《アシンメトリアル・リノベート》

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。

(1):相手フィールドのモンスターを4体までリリースして発動できる。その数だけ除外されている自分の闇属性以外の属性が異なる「アシンメトリアル」モンスターを選択し、相手フィールドに特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは表示形式を変更できない。この効果の発動後、相手フィールドにモンスターが5体存在する場合、自分はデッキから1枚ドローできる。

 

《アシンメトリアル・ミラージュ》

通常罠

(1):自分の手札・フィールドの「アシンメトリアル」モンスター1体を除外してこのカードを発動できる。このカードは発動後、除外したモンスターと同じ種族・属性・レベル・攻撃力・守備力を持つ効果モンスターとなり、相手モンスターゾーンに特殊召喚する(罠カードとしては扱わない)。

(2):相手ターンに墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。 この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

 

 

アシンメトリアルを大きく2つに区分した場合のもうひとつの姿。

闇属性アシンメトリアルはその性質上、闇属性以外のアシンメトリアルが必須ですが、その分強烈な効果が多いです。

魔法罠も分けた理由については、使用者という観点から考えて頂ければわかると思います。



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EX3.「Original Card3」

※本編の重大なネタバレが含まれているのでご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリ名「パフォーマー」

 

 

 

《イグニッションP(パフォーマー)・クラブ》

効果モンスター

星8/炎属性/戦士族/攻3000/守3000

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合に炎属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分のEXデッキの表側表示の炎属性Pモンスター1体を選択して自分のPゾーンに置く。

●Pゾーンのカード1枚を選択して破壊する。

(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

(4):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

(5):1ターンに1度、モンスターゾーンに存在するこのカードが相手の効果によってフィールドを離れる場合、代わりに自分のEXデッキの表側表示の炎属性Pモンスター1体を除外できる。この効果は相手ターンでも発動できる。

(6):このカードが破壊され墓地へ送られたターン終了時に発動できる。自分のEXデッキの表側表示の炎属性Pモンスター1体を除外することで、墓地のこのカードを特殊召喚する。

 

《アモルファスP(パフォーマー)・ダイヤ》

効果モンスター

星8/地属性/ドラゴン族/攻3000/守3000

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合に地属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分のEXデッキの表側表示の地属性Pモンスター1体を選択して自分のPゾーンに置く。

●Pゾーンのカード1枚を選択して破壊する。

(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

(4):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

(5):1ターンに1度、モンスターゾーンに存在するこのカードが相手の効果によってフィールドを離れる場合、代わりに自分のEXデッキの表側表示の地属性Pモンスター1体を除外できる。この効果は相手ターンでも発動できる。

(6):このカードが破壊され墓地へ送られたターン終了時に発動できる。自分のEXデッキの表側表示の地属性Pモンスター1体を除外することで、墓地のこのカードを特殊召喚する。

 

《マジェスティックP(パフォーマー)・スペード》

効果モンスター

星8/風属性/魔法使い族/攻3000/守3000

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合に風属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分のEXデッキの表側表示の風属性Pモンスター1体を選択して自分のPゾーンに置く。

●Pゾーンのカード1枚を選択して破壊する。

(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

(4):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

(5):1ターンに1度、モンスターゾーンに存在するこのカードが相手の効果によってフィールドを離れる場合、代わりに自分のEXデッキの表側表示の風属性Pモンスター1体を除外できる。この効果は相手ターンでも発動できる。

(6):このカードが破壊され墓地へ送られたターン終了時に発動できる。自分のEXデッキの表側表示の風属性Pモンスター1体を除外することで、墓地のこのカードを特殊召喚する。

 

《ダイナミックP(パフォーマー)・ハート》

効果モンスター

星8/水属性/機械族/攻3000/守3000

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合に水属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分のEXデッキの表側表示の水属性Pモンスター1体を選択して自分のPゾーンに置く。

●Pゾーンのカード1枚を選択して破壊する。

(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

(4):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

(5):1ターンに1度、モンスターゾーンに存在するこのカードが相手の効果によってフィールドを離れる場合、代わりに自分のEXデッキの表側表示の水属性Pモンスター1体を除外できる。この効果は相手ターンでも発動できる。

(6):このカードが破壊され墓地へ送られたターン終了時に発動できる。自分のEXデッキの表側表示の水属性Pモンスター1体を除外することで、墓地のこのカードを特殊召喚する。

 

《シンメトリアル=パフォーマー・クラブ》

ペンデュラム・効果モンスター

星8/炎属性/戦士族/攻3000/守3000

【Pスケール:青10/赤10】

このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分は炎属性モンスター及び「シンメトリアル」モンスターしかP召喚できない。この効果は無効化されない。

(2):Pゾーンのこのカードが破壊された場合に発動できる。デッキから「シンメトリアル=パフォーマー・クラブ」以外の炎属性Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える。

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合に炎属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分のEXデッキの表側表示の炎属性Pモンスター1体を選択して自分のPゾーンに置く。

●Pゾーンのカード1枚を選択して破壊する。

(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

(4):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

 

《シンメトリアル=パフォーマー・ダイヤ》

ペンデュラム・効果モンスター

星8/地属性/ドラゴン族/攻3000/守3000

【Pスケール:青10/赤10】

このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分は地属性モンスター及び「シンメトリアル」モンスターしかP召喚できない。この効果は無効化されない。

(2):Pゾーンのこのカードが破壊された場合に発動できる。デッキから「シンメトリアル=パフォーマー・ダイヤ」以外の地属性Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える。

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合に地属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分のEXデッキの表側表示の地属性Pモンスター1体を選択して自分のPゾーンに置く。

●Pゾーンのカード1枚を選択して破壊する。

(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

(4):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

 

《シンメトリアル=パフォーマー・スペード》

ペンデュラム・効果モンスター

星8/風属性/魔法使い族/攻3000/守3000

【Pスケール:青10/赤10】

このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分は風属性モンスター及び「シンメトリアル」モンスターしかP召喚できない。この効果は無効化されない。

(2):Pゾーンのこのカードが破壊された場合に発動できる。デッキから「シンメトリアル=パフォーマー・スペード」以外の風属性Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える。

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合に風属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分のEXデッキの表側表示の風属性Pモンスター1体を選択して自分のPゾーンに置く。

●Pゾーンのカード1枚を選択して破壊する。

(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

(4):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

 

《シンメトリアル=パフォーマー・ハート》

ペンデュラム・効果モンスター

星8/水属性/機械族/攻3000/守3000

【Pスケール:青10/赤10】

このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分は水属性モンスター及び「シンメトリアル」モンスターしかP召喚できない。この効果は無効化されない。

(2):Pゾーンのこのカードが破壊された場合に発動できる。デッキから「シンメトリアル=パフォーマー・ハート」以外の水属性Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える。

【モンスター効果】

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合に水属性Pモンスター1体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分のEXデッキの表側表示の水属性Pモンスター1体を選択して自分のPゾーンに置く。

●Pゾーンのカード1枚を選択して破壊する。

(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

(4):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

 

《エンタメP(パフォーマー)・ジョーカー》

効果モンスター

星8/闇属性/悪魔族/攻3000/守3000

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合にPモンスター2体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。

●自分のEXデッキの表側表示のPモンスターを2体まで選択して自分のPゾーンに置く。

●お互いのPゾーンのカードを全て破壊する。

(3):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドのモンスターはコントロールを変更できず、相手フィールドのPモンスターは、召喚・反転召喚・特殊召喚したターンには攻撃できない。

(4):このカードは相手モンスター全てに1回ずつ攻撃でき、Pモンスターを攻撃した場合、ダメージ計算前にそのモンスターを破壊する。

(5):1ターンに1度、モンスターゾーンに存在するこのカードが相手の効果によってフィールドを離れる場合、代わりに自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を除外できる。この効果は相手ターンでも発動できる。

(6):このカードが破壊され墓地へ送られたターン終了時に発動できる。自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を除外することで、墓地のこのカードを特殊召喚する。

 

《パフォーマー大集合!》

通常魔法

(1):自分メインフェイズ1開始時にフィールド魔法が表側表示で存在する場合に、自分フィールドの属性が異なるPモンスターを5体まで対象として発動できる。デッキからそのモンスターと同じ属性のレベル8「パフォーマー」モンスターを1体ずつ手札に加える。

 

 

 

カテゴリ名の由来はパフォーマー(舞台等の演者)

レベル8で攻守3000と切り札感溢れるステータスで統一されてます。テキストは長いですが、1体を除きほぼ同じです。このカード名なのでスートの部分は記号にしたかったのですが、文字化けする可能性を考えて文字にしました。

なお、シンメトリアルのパフォーマーのP効果は本編未登場です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カードタイプ「アーク召喚・アークモンスター」

 

 

 

《幻双煌翼竜ドラゴネシア》

アーク・効果モンスター

星6/光属性/幻竜族/攻2400/守2400

スケール3×2

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される。

(2):このカードの攻撃力・守備力はフィールドのPモンスターの数×300アップする。

 

《シャープハント・デーモン》

アーク・効果モンスター

星5/闇属性/悪魔族/攻2250/守1250

スケール5×2

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードの攻撃で相手モンスターを破壊した時に発動できる。このカードはもう1度だけ続けて攻撃できる。

(2):1ターンに1度、このカードは戦闘で破壊されず、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは代わりに相手が受ける。この効果は相手ターンでも適用できる。

 

《トライアングル・スコーピオン》

アーク・効果モンスター

星9/地属性/昆虫族/攻2700/守1200

青スケール6~7+赤スケール6~7

このカード名の(2)の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

(1):「トライアングル・スコーピオン」は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。

(2):このカードのA素材としたカードのPスケールの合計によって以下の効果を適用する。

●12:このカードがA召喚に成功した時に発動する。このカード以外のフィールドのモンスターを全て持ち主の手札に戻す。

●13:このカードがA召喚に成功したターン、このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの元々の攻撃力分アップする。

●14:このカードが自分メインフェイズ1以外でA召喚に成功した時に発動する。相手の手札をランダムに1枚選んで捨てる。

(3):モンスターゾーンのこのカードが相手の効果でフィールドから離れた場合に手札のPモンスター1体を相手に見せて発動できる。そのモンスターを自分のEXデッキに表側表示で加え、自分はデッキから1枚ドローする。

 

《真似気猫》

アーク・効果モンスター

星4/風属性/獣族/攻 ?/守 ?

2・4・6・8の同じスケール×2

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカード以外のフィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。次の相手ターン終了時まで、このカードはそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ元々の攻撃力・守備力を得る。

 

《チアフル・ツイン・フェアリー》

アーク・効果モンスター

星1/光属性/天使族/攻100/守100

スケール1のカード名が異なるカード×2

このカード名の(1)の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

(1):このカードがA召喚に成功した時に発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。次の相手ターン終了時まで、相手が受ける全てのダメージは0になる。

(2):相手モンスターの直接攻撃宣言時、自分LPがそのモンスターの攻撃力の数値以下の場合に墓地のこのカードを除外して発動できる。お互いはデッキから1枚ドローし、ターン終了時まで自分が受ける戦闘ダメージは全て0になる。

 

《エンタメP(ピエロ)・クラウンジョーカー》

アーク・効果モンスター

星10/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

7以上の同じスケールのカード名が異なる「エンタメ」カード×2

このカード名の(2)(3)(4)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがA召喚に成功した時に発動する。自分のEXデッキの表側表示のPモンスター5体を選んで除外し、このカード以外のフィールドのカードを全て裏側表示で除外する。

(2):相手の墓地のモンスター1体または相手のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外し、このカードの攻撃力・守備力はそのモンスターのそれぞれの数値分アップする。

(3):除外されている自分のPモンスターが5種類以上存在する場合に発動できる。除外されている自分のPモンスター5種類を選んで相手に見せ、相手はその中からランダムに1体選ぶ。相手が選んだPモンスターを自分のEXデッキに表側表示で加え、残りのPモンスターを墓地に戻す。

(4):相手スタンバイフェイズにフィールド魔法が表側表示で存在する場合に発動できる。デッキからPモンスター1体を選んで手札に加える。

(5):お互いのエンドフェイズ毎に発動する。フィールドの元々の持ち主がコントロールしていない表側表示モンスターを全て手札に戻す。

(6):このカードが破壊された場合に発動する。自分の手札・デッキ・墓地からレベル8「パフォーマー」モンスター1体を選んで特殊召喚する。

 

《アビス・ブルー・マーメイド》

アーク・効果モンスター

星3/水属性/魚族/攻900/守1500

青スケール1+赤スケール5以上

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分のLPが相手より少ない場合にフィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。自分はそのモンスターのレベル×500LP回復する。

(2):墓地のこのカードを除外して自分の青Pゾーンのカード1枚を対象とし、0~9までのPスケールを宣言して発動できる。このターン、そのカードは宣言したPスケールになる。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できず、この効果を発動するターン、自分はP召喚できない。

 

《ボルケーノ・レッド・ホーク》

アーク・効果モンスター

星3/炎属性/鳥獣族/攻1500/守900

赤スケール1+青スケール5以上

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分のLPが相手より少ない場合にフィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。相手にそのモンスターのレベル×300ダメージを与える。

(2):墓地のこのカードを除外して自分の赤Pゾーンのカード1枚を対象とし、0~9までのPスケールを宣言して発動できる。このターン、そのカードは宣言したPスケールになる。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できず、この効果を発動するターン、自分はP召喚できない。

 

《アシンメトリアル・Z(ズィリス)》

アーク・ペンデュラム・効果モンスター

星11/闇属性/悪魔族/攻 ?/守 ?

【Pスケール:青-/赤-】

このカード名の(1)(2)のP効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。

(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、手札から「アシンメトリアル」モンスター1体を除外して発動できる。相手にそのモンスターのレベル×300ダメージを与える。この効果で闇属性モンスターを除外した場合、ターン終了時に相手のLPを半分にする。この効果はこのカードがPゾーンに置かれたターンには発動できない。

(2):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。Pゾーンのこのカードを特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。

(3):相手エンドフェイズに発動する。自分はフィールドの「アシンメトリアル」カードの数×500LP回復する。

【モンスター効果】

スケール0「アシンメトリアル」カード×2

このカード名の(3)(4)(5)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがA召喚に成功した時に発動する。相手フィールドのモンスターを全て破壊し、自分は破壊したモンスターのレベルの合計×500LP回復する。その後、相手はこの効果で破壊されたモンスターの数だけデッキからドローする。

(2):このカードは戦闘では破壊されず、このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手フィールドの闇属性「アシンメトリアル」モンスターの効果は無効化され、お互いが受ける戦闘ダメージは0になる。

(3):このカードがA召喚に成功したターンのメインフェイズに相手の手札が5枚以上存在し、自分の手札がある場合、このカード以外の自分フィールドの「アシンメトリアル」カード1枚をデッキの一番下に戻して発動できる。自分の手札の数と同じになるように、相手の手札をランダムに捨てる。

(4):自分のEXデッキの表側表示の闇属性以外の属性が異なる「アシンメトリアル」モンスター4体を除外して発動できる。自分のEXデッキの表側表示のカード名が異なる闇属性「アシンメトリアル」モンスターを可能な限り相手フィールドに特殊召喚する。この効果はこのカードがPゾーンから特殊召喚されたターンには発動できない。

(5):自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。このカードを自分のPゾーンに置く。この効果は相手ターンでも発動できる。

(6):自分エンドフェイズに発動する。自分はフィールドの「アシンメトリアル」カードの数×500LP回復する。

(7):フィールドのこのカードが相手の効果でフィールドから離れた時に発動する。相手フィールドのモンスターを全て破壊し、相手に破壊したモンスターのレベルの合計×300ダメージを与える。

 

《シンメトリアル=A(アーク)・マスターペンデュラム》

アーク・ペンデュラム・効果モンスター

星12/光属性/幻竜族/攻 0/守 0

【Pスケール:青13/赤13】

このカード名の(1)(2)のP効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):もう片方の自分のPゾーンの「シンメトリアル」カード1枚を対象として発動できる。このカードのPスケールはターン終了時まで、そのカードのPスケールと同じになる。

(2):自分フィールドの元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の自分の光属性Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターはターン終了時まで相手の効果を受けない。この効果は相手ターンでも発動できる。

(3):PゾーンのこのカードがA素材として自分のEXデッキに表側表示で加わった場合に発動できる。「シンメトリアル=A(アーク)・マスターペンデュラム」以外の自分のEXデッキの表側表示のPモンスター2体を選び、自分のPゾーンに置く。

【モンスター効果】

スケール13×2

このカード名の(3)(4)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがA召喚に成功した時に、相手フィールドの表側表示のカードを任意の数だけ対象として発動する。そのカードの効果はターン終了時まで無効になる。

(2):このカードの攻撃力・守備力はお互いのフィールド・EXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター及び元々の攻撃力と元々の守備力が同じ数値の光属性Pモンスターの種類の数×300アップする。

(3):このカードがA召喚に成功したターンのメインフェイズにフィールド魔法が表側表示で存在する場合に発動できる。お互いの墓地のPモンスター及び除外されているお互いのPモンスターを全てEXデッキに表側表示で加える。

(4):LPを半分払って発動できる。このカード以外の自分フィールドのモンスターを全てリリースし、その数まで自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスターを選んで特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。

(5):このカード以外のモンスターが自分モンスターゾーンに存在する限り、このカード以外の自分のモンスターは攻撃できず、このカードの攻撃は直接攻撃となる。

(6):このカードは1度のバトルフェイズ中にフィールドのPモンスターの属性の種類の数まで攻撃できる。

(7):モンスターゾーンのこのカードが破壊された場合に発動できる。このカードを自分のPゾーンに置く。

 

《簡易結合(インスタントコネクション)》

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1):1000LPを払って発動できる。自分フィールドのレベル6以下のモンスター1体を選んで除外し、そのモンスターと同じレベルのAモンスター1体をEXデッキから特殊召喚する。

 

《レベル・コネクト》

通常罠

このカードを発動するターン、自分はAモンスター以外のモンスター効果を発動できない。

(1):自分フィールドのPモンスター2体を対象として発動できる。そのモンスターのレベルをそれぞれ青スケール、赤スケールとして扱い、そのモンスター2体をA素材としてEXデッキに表側表示で加え、Aモンスター1体をA召喚する。

 

 

 

「真目譜理子とサーカス世界」に登場するオリジナル召喚法とそれによって召喚されるモンスター及びサポートカードです。

この発想が原点でした。そしてその点をここまで繋ぐことが出来ました。

色々と語るべきなのでしょうが、本編で結構語られてるので後は番外編での補完ということになると思います。

なお、《シンメトリアル=A(アーク)・マスターペンデュラム》のP効果は本編未登場です。

 

 

 

本編登場カードは以上となります。もっと設定等の詳細部分を深く書いた方が良かったかもしれませんが…番外編次第ですね。もしかしたら追記するかもしれません。



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EP1.「Epilogue1」

むかしむかし、あるところに女の子がいました。

 

女の子はずっとひとりぼっちでした。

 

お父さんやお母さんの顔を知ることもなく、女の子は生まれてすぐに孤児院が家になりました。

 

孤児院での生活は決して良いものとはいえませんでした。与えられたのは最低限の衣食住だけ。未来のことなど考える余裕もない精一杯の毎日。

 

しかしそんな状況でも女の子は逞しく育っていきました。同じような境遇の子供たちと力を合わせながら。

 

 

 

そんなある日のことです。女の子の体に異変が起こりました。

 

「…!?」

 

朝起きて鏡を覗いてみると、

 

 

 

目が色鮮やかに輝いていました。

 

女の子は驚きました。早速孤児院のみんなに話します。

 

しかし、女の子の予想に反して周囲の反応は冷ややかなものでした。

 

子供たちにはからかわれ、大人たちには怖がられました。

 

「気持ち悪い」「病気がうつる」

 

様々な悪口を浴びせられ、その日から女の子は避けられるようになりました。

 

そして女の子はいつしかこう呼ばれるようになりました。

 

悪魔の子、と。

 

 

 

そんな出来事から数日後、孤児院に白衣の男が訪ねてきました。

 

白衣の男は院長に話します。悪魔の子を引き取りたい、と。

 

院長はそれを聞いて女の子を白衣の男に引き渡しました。

 

「っ…」

 

女の子は自分を見てニヤリと笑う白衣の男に恐怖を感じましたが、ついていく以外に選択肢はありませんでした。

 

 

 

白衣の男に連れられて、女の子は人里離れた山奥の病院へとやってきました。

 

「そこに寝転んでもらえるかな」

 

白衣の男はベッドで仰向けになるよう女の子に指示します。

 

「なにするの…?」

 

「目を調べるだけさ。なに、すぐに終わらせるよ。ちょっと痛むかもしれないけど」

 

先の尖った医療器具らしき物を持ちながら白衣の男はニヤリと笑います。

 

「…!」

 

この瞬間、女の子は本能的に察しました。

 

この人も悪い人だ、と。

 

女の子は部屋の入口へと走り、ドアに手をかけます。

 

しかしドアは固まったままぴくりともしません。

 

「鍵がかかってるからね。もう逃げられないよ」

 

ドアに背を向け、がたがたと体を震わせる女の子に、白衣の男はじりじりと距離を詰めていきます。

 

「あ…あっ…」

 

白衣の男の手が女の子に触れる寸前のことでした。

 

「!」

 

女の子は天井近くにある小さな窓を見つけます。

 

でも女の子の小さな体では届きそうもありません。

 

 

 

それなら飛び移っていこう。うまくいけば届くかもしれない。

 

女の子は瞬時にそう考えました。そしてためらう間もなく白衣の男の脇を抜け、

 

椅子、机、棚と飛び移り、窓に手をかけると、

 

勢いのままその小さな体を窓に潜らせ、外へと飛び出しました。

 

 

 

女の子はひたすら走りました。草木が生い茂る足場の悪い山道を、脇目も振らずに駆け抜けました。

 

なので気付きませんでした。自分が今どこにいるのかを。

 

息を切らした女の子は立ち止まって周りを見てみます。

 

「…!」

 

そこは無数の木で覆われた迷宮でした。

 

 

 

女の子は歩き続けました。いつか山を抜けられると信じて歩き続けましたが、どれだけ歩いても景色は変わりません。

 

長時間の移動に加え、不安と恐怖に晒され続けこともあり、女の子はやがて気力、体力ともに限界を迎えてしまいました。

 

もうだめ…動けない、と少し冷えた土の上に体を委ねると、女の子はその場から動かなくなりました。

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

「…ねえ」

 

「何だい?」

 

「そんな話を聞かせるためにアタシたちは呼び出されたわけ?」

 

「フフフ、お話は聞いてくれる人がいないとね。それよりその体の調子はどうだい?」

 

「…特に問題無いわ。ちょっと気分的に複雑だけど」

 

アイリスは改めて自分の体を確認する。

 

あの夢のような時間から一週間が過ぎた。あの日以来、わたしの体には2つの命が宿っている。

 

「体がひとつだと3人で一緒にお話しできないからね」

 

夢の始まりである舞台裏には、光って消えたはずの着ぐるみと、かつてのアイリスの姿。

 

「せっかくだから隅々まで再現してみたよ。よく出来てるでしょ?」

 

「そうね。まさかまたこの体になるとは思いもしなかったわよ」

 

そしてわたし、真目譜理子の3人。果たして、これは夢の続きなのだろうか。

 

「フフフ、それじゃあお話に戻ろうか」

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

あれから日が暮れて、夜を迎えた頃のこと。

 

「………ん」

 

女の子が目を覚まします。

 

「…えっ?」

 

女の子は戸惑いました。

 

何故ならその目に映ったのは夜空、ではなく天井。

 

そしてその体を支えていたのは冷えた土の上ではなく、柔らかいベッドの上だったからです。

 

目覚めたばかりの女の子は状況を把握できていません。

 

 

 

「やあ、お目覚めかい?」

 

そんな中、突然どこからか声が聞こえました。

 

「だれ…?」

 

体を起こして部屋を見回しますが、自分以外に人は誰もいません。

 

「左を見てごらん」

 

「ひだり…?」

 

女の子は声の通りに左を見ます。すると、

 

 

 

「!…」

 

そこには大きなピエロの着ぐるみが立っていました。

 

「フフフ、はじめまして。ボクの名前はクラウン、見ての通りピエロさ」

 

声の主であるピエロことクラウンは女の子に向かって自己紹介をします。

 

「…」

 

女の子はというと、クラウンに対して怯えた様子。

 

それもそのはず。クラウンが立つそこは、ついさっきまで影も形も無かったのですから。

 

その上目覚めた場所は知らないどこかの部屋。女の子が怖がるのも無理はありません。

 

「フフフ、まだ意識が曖昧かい?大丈夫、怖くないよ」

 

クラウンが優しく声をかけるものの、女の子の表情は変わらず。

 

「そうだ、ごはんにしようか。お腹空いてるでしょ?」

 

クラウンはそう言い残して部屋を出ました。

 

 

 

クラウンが部屋を出た後、女の子は早速脱出を思い立ちます。

 

幸いにも窓がベッドのそばにあったため、窓を開けて簡単に脱出できそうです。

 

「う…」

 

しかし体が思うように動きません。女の子は疲れと栄養不足により、歩くのもままならない状態となっていました。

 

このままここで死んじゃうのかな、と女の子が悲観していると、

 

「持って来たよ」

 

クラウンが部屋に戻ってきました。

 

「簡単なものだけどね」

 

クラウンはベッドの前にしゃがむと、両手に持っていたパンとスープを女の子に渡します。

 

「…」

 

女の子は警戒しながらも、差し出されたパンとスープをそっと受け取りました。

 

「さ、ぼーっとしてたら冷めちゃうよ。それともボクがいると食べにくいかな?」

 

クラウンは立ち上がり、また様子を見に来るよ、と部屋を後にしました。

 

 

 

女の子はクラウンが部屋を出てからも食べていいものかしばらく迷っていましたが、空腹を満たさなければ何も始まりません。

 

女の子は意を決しておそるおそるパンを口に運びました。

 

「…あ」

 

女の子が口にしたのは何の変哲も無い普通のパンでしたが、ひどい空腹状態に陥っていた女の子にとってはごちそうでした。

 

続けてスープを飲みます。

 

「…う」

 

これまたありふれた野菜スープでしたが、その温かいスープは女の子の身も心も温めてくれました。

 

女の子はパンとスープをゆっくりと味わうように食べていきます。

 

気が付けば女の子の目からは涙が溢れていました。

 

世界にはこんな親切な人もいるんだ、と女の子は涙を手で拭いながら思いました。

 

 

 

 

 

「食べ終わったかい?」

 

しばらくしてクラウンが部屋に戻ってきます。

 

クラウンの問いに女の子は小さく頷きました。

 

「そういえば名前聞いてなかったね」

 

クラウンはベッドの前にしゃがみ、女の子と目線を合わせます。

 

「…」

 

「名前はなんていうのかな?」

 

「なまえ…ない」

 

「あら、じゃあなんて呼べばいいのかな?」

 

「しせつの人には『11ばん』とか『あくまの子』ってよばれてた」

 

女の子は関心が無さそうに答えます。

 

「そうなんだ」

 

クラウンは立ち上がると部屋内を歩き始めました。

 

「それはどっちも味気ないよね。ボクは嫌だな、そんな呼び方」

 

クラウンは独り言のように呟きながら部屋の中を彷徨います。

 

「そうだ、それならさ」

 

ふとクラウンの足が止まりました。

 

「名前をつければいいんだよね」

 

クラウンは再び女の子と目線を合わせます。

 

「アイリス」

 

「…?」

 

「アイリスがぴったりだね」



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EP2.「Epilogue2」

ーーー

 

 

 

 

 

「良い名前考えるでしょ?アイリスも泣いて喜んでたよね」

 

「泣いてないから!脚色しないでよ!」

 

「あら、喜んでたのは否定しないんだね」

 

アイリスは「うっ…」と図星をつかれたような声を漏らし、クラウンから視線を逸らす。

 

「…当時は『虹彩』なんて言葉知らなかったし、響きも気に入ってたし」

 

「虹の女神様と同じ名前でもあったり」

 

「それ何回も聞いた。虹彩の語源ってことも」

 

「何回も言ってたからね。フフフ、でも喜びの一番の理由は言うまでもないかな」

 

「そうね…そんなの今更だわ」

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

その日から女の子はアイリスとして生き始めました。

 

翌朝、窓から差し込む太陽の光がアイリスを目覚めさせます。

 

「ん…?」

 

アイリスは体を起こし周囲を見回します。

 

「…あ、そっか」

 

朧気ながらも昨日の出来事が次々と浮かび上がってきました。

 

身柄を移されたこと。病院から脱走したこと。名前を授かった後、安心して朝まで眠っていたこと。

 

「アイリス…」

 

昨日名付けられたばかりの名前を、ぽつりと呟きます。

 

「…ふふ」

 

アイリスは嬉しそうに笑みを零しました。

 

 

 

 

 

「初めましてお嬢さん」

 

「…」

 

アイリスは今、部屋の扉に手をかけたままポカンとした表情を浮かべながら硬直しています。

 

そうなるのも無理はありません。扉を開けたらピエロではなく手品師が立っていたのですから。

 

そういえば昨日はアイリスが眠るまで被ったままでしたね。驚かすつもりは無かったといえば嘘になりますが、様子を見ようとして先に開けられてしまったので仕方ありませんね。

 

「驚かせてしまったようで申し訳ありません。お詫びに手品をひとつ披露致しましょう」

 

手品師は懐から取り出した黒い幕を広げ、自身の姿を闇に潜めます。

 

「お嬢さんのお知り合いを呼び出す手品でございます。3、2、1…」

 

カウントダウン終了と同時に黒い幕が降ろされると、そこには手品師ではなくピエロが立っていました。

 

「おはよう、アイリス。昨日はよく眠れたかい?」

 

「あ…えっ…?」

 

アイリスはまだ困惑している様子。

 

「お腹すいてるでしょ?お話は朝ごはん食べてからにしようか」

 

アイリスが状況を飲み込めたのは、床に残された黒い幕と衣装をしばらく見つめ続けた後でした。

 

 

 

 

 

「そんなことがあったんだね」

 

クラウンから渡された朝食を食べ終えたアイリスは、クラウンにここまでの経緯を話しました。

 

クラウンは悲しむことも憐れむこともなく、ただ「うんうん」とアイリスの過去から今までを聞いていました。

 

「うん…ねえ」

 

「なんだい?」

 

「どうしてそんなにやさしくしてくれるの?」

 

「優しくはしてないよ。これはボクの気まぐれさ」

 

「でも…」

 

「おっと、そろそろ行かなきゃ」

 

腑に落ちない様子のアイリスに構わず、クラウンは立ち上がります。

 

「どこにいくの?」

 

「もうすぐショーが始まるんだ。見ての通りボクはピエロだからね」

 

「まって…!」

 

アイリスは背を向けて歩き出すクラウンを呼び止めます。

 

「あたし、これからどうしたらいいのかな…」

 

「アイリスのしたいようにすればいいんじゃないかな。したいことが決まるまでここにいるとか、ね」

 

クラウンは去り際にそう言い残していきました。

 

 

 

 

 

空が夕日に染まる頃、クラウンが戻ってきます。

 

「おや?」

 

クラウンが部屋を覗くと、アイリスはベッドの上で膝を抱えて座っていました。

 

アイリスはクラウンに気付くと「あ…」と声を漏らし、もぞもぞと体を動かします。

 

「どうしたんだい?」

 

その何か言いたげな様子のアイリスにクラウンは聞きました。

 

「あの…ここに」

 

「うん?」

 

「ここにいて…いい?」

 

アイリスは怯えながらクラウンの返事を待ちます。

 

「アイリスはここにいたいんだ?」

 

アイリスはコクっと頷きます。

 

「フフフ、こんな狭いところでよろしければ。これからよろしく、アイリス」

 

クラウンの返事を聞いた瞬間、アイリスはパーッと晴れやかな笑顔を浮かべました。

 

 

 

 

 

その日からアイリスの、クラウンと共に過ごす新しい生活が始まりました。

 

クラウンとの日々を重ねていくうちにアイリスはクラウンという存在を理解していきます。

 

名前はクラウン。職業もクラウン。その正体は手品師とピエロの顔を持つ自称「さすらいのパフォーマー」。

 

小さなサーカス団の団長を務めていて各地を転々としているようです。

 

アイリスがいたいと言ったここも一時的な仮住まいのようなもので、長く滞在する予定はありませんでした。

 

しかし事情が変わり、アイリスの心身が安定するまでクラウンはしばらくこの地を中心に活動することに決めたのです。

 

 

 

 

 

「ただいま」

 

「おかえり。いまさっきね、いしょうのせんたくしてた」

 

「ありがとう、助かるよ。ごはん買ってきたから一緒に食べようか」

 

「うん!」

 

アイリスは自分を住まわせてくれているクラウンへの感謝の気持ちを表すため、掃除や洗濯などの雑用を毎日すすんで行いました。

 

まだ幼いアイリスにとって数々の雑用は大変なものでしたが、全く苦にしませんでした。

 

それどころか毎日楽しそうに雑用をこなしていて、その表情から充実感と満足感いっぱいで生き生きしている、とクラウンは感じ取りました。

 

そしてアイリス自身ももちろん思っていました。ずっとこんな日常が続けばいいのに、と。

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

「ずっと続けば良かったのにね」

 

「…」

 

アイリスは黙ったまま何の反応も示さない。

 

そっか、続かなかったんだね。

 

「初めの方は何度も掃除や洗濯なんてしなくてもいいよ、って言ったんだけどね。でも笑顔で楽しそうに毎日こなしているアイリスを見てたらそういうことは言えなくなってね」

 

「…さすがに毎日笑顔で楽しくとはいかなかったわよ。でも居場所が無くなる怖さに比べたらあんなの全然大変じゃなかったわ」

 

「そんなことしなくてもアイリスはここにいていいんだよ、とも言ったんだけどね。それじゃアイリスの気が済まなかったみたい」

 

「施設にいた時の考えが染みついてたからね。生き残るための手段とか振る舞い方とか叩きこまれたわ」

 

「そうだったね。だからアイリスと過ごしていくうちに思ったんだ。いずれそういう提案をしてくるんじゃないかってね」

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

アイリスがクラウンと共に過ごしてから数ヵ月が経とうとしていました。そんなある日の朝のことです。

 

ある人物がクラウンの家に訪ねてきました。

 

「団長、いるんだろ?話がある。開けてくれないか?」

 

その声にクラウンは聞き覚えがありませんでしたが、団長と呼んだことから自分をよく知る人物であると確信しました。

 

何故ならクラウンが今この場所に身を置いていることを知る人物は限られているからです。

 

劇団の関係者かな、と思いつつクラウンはドアを開けました。

 

「…!」

 

ドアを開けるとそこには見知らぬ数人の男が立っていました。

 

クラウンはキュッ、と後ろ足で音を立てて身を引いて構えます。

 

中でもひときわ背の高い男が尋ねました。

 

「赤い目と青い目をした少女を知らないか?」

 

「知らないなあ。すごい目をしてる子がいるんだね」

 

「調べはついている。我々に引き渡してもらおう」

 

男は直後、有無を言わさず家の中へと上がり込もうとします。

 

 

 

「逃げるんだ!早く!」

 

クラウンはすかさず振り向くと叫びました。

 

アイリスのいる部屋の方から慌ただしい物音が響きます。

 

「あの部屋だ!」

 

男たちはクラウンを押し退け家に上がり込むと、物音が響いた部屋へと急ぎます。

 

「そこか!?」

 

アイリスがいるはずの部屋に突入した男たちでしたが、そこには誰もいません。

 

「おい!あれ見ろ!」

 

男の一人が窓を指さします。その窓は大きく開かれていました。

 

そしてその窓からは、この家から遠ざかろうとする小さな影が確認できました。

 

「追うぞ」

 

男たちは窓から身を乗り出し、小さな影を追いかけていきました。



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EP3.「Epilogue3」

「驚いたね。まさか本当に追手がくるとは思ってなかったんだけどな」

 

クラウンはアイリスのいた部屋の窓越しから、遠ざかっていく男たちの姿を見届けながら呟きます。

 

「行ったよ。もう大丈夫」

 

クラウンは振り返って声をかけました。

 

「…うん」

 

アイリスが机の下から姿を現します。

 

「いざという時の取り決め、役に立つでしょ?」

 

アイリスがクラウンとの日々を重ねてクラウンという存在を理解していくことと同様に、クラウンもまたアイリスの存在を理解していました。

 

アイリスの詳しい事情を知ってこれまでどのようなことが起きてきたか。そしてそれらの情報を元にこれからどのようなことが起きるか。

 

クラウンはこのような事態が起こるかもしれないと予測し、いずれ訪れるかもしれないその時に備えてアイリスと取り決めをしておいたのです。

 

「すぐもどってこないかな?」

 

「あの距離だとすぐには戻って来ないと思うよ。人形の移動速度はボクの全速力と同じくらいにしておいたからね。でも早いに越したことはないね」

 

クラウンとアイリスは手早く準備を済ませると、足早に家を出ました。

 

道中、アイリスは「もうここには戻れないんだろうな」と自分の居場所だった家を名残惜しそうに何度も振り返りながら走って行きました。

 

 

 

 

 

「ねえ、これからどこいくの?」

 

「遠いところかな」

 

列車の中で揺られながらアイリスは不安そうな表情を浮かべます。

 

「心配しなくても大丈夫さ。行くところは決まってるし、もう追われることもないよ」

 

「うん…でも」

 

「ボクはそれでいいのかって顔をしてるね?」

 

クラウンはアイリスの気持ちを見抜くとフフフ、と笑ってから答えました。

 

「ボクはさすらいのパフォーマーだからね。旅をするのは慣れてるし、むしろ久しぶりにあの町に行けるのは楽しみだよ」

 

クラウンの前向きな答えを聞いてアイリスの不安と緊張が少し和らぎました。

 

「でも団員たちには言いそびれちゃった。着いたら伝えないとね」

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

「あしおと?」

 

「もしボクが危ないって思ったらキュッて足音を鳴らす。アイリスはそれが聞こえたらこの仕掛けを起動する準備をして欲しいんだ」

 

「じゅんび、ってどうするの?」

 

「ここから糸を出して、これをこうして引っ張る」

 

「これって、にんぎょう?」

 

「結構アイリスに似てるでしょ?遠目から見れば区別がつかないくらいには」

 

「…にてるかな?」

 

「準備が出来たら手をここに置いてね。で、頃合いを見てボクが叫ぶからそれを合図に、手に力を込めて思いっきり押す」

 

「てをおいて…おもいっきり、おす」

 

「そしたら仕掛けが起動して、その人形が走り出すんだ」

 

 

 

「あ、部屋の窓は忘れず開けておいてね。でないと今みたいに部屋で暴れまわっちゃうから」

 

「うん…きをつける」

 

「願わくばこの手品を披露する機会が訪れないように。じゃあ片付けようか」

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

「起きて、アイリス」

 

列車に揺られてどれくらい経ったでしょうか。外はすっかり暗くなっていました。

 

「…ん」

 

アイリスはゆっくりと体を起こします。

 

「すっかり寝入ってたね。何か夢でも見てたのかな。さあ、長い旅もあともうちょっとだ」

 

アイリスはクラウンに手を引かれて列車から降りました。

 

 

 

 

 

しばらく歩いた後、ようやくクラウンが目指していた場所へと到着します。

 

「着いたよ。ここがボクたちのこれからの居場所だ」

 

「ここが…」

 

クラウンは鍵を取り出し差し込むと扉を開けました。

 

「フフフ、新しいおうちへようこそ。あちらと比べると狭いけどね」

 

 

 

 

 

翌朝、窓から差し込む太陽の光がアイリスを目覚めさせます。

 

「ん…?」

 

アイリスは体を起こし周囲を見回します。

 

「…あ、そっか」

 

朧気ながらも昨日の出来事が次々と浮かび上がってきました。

 

自分を狙う何者かが来て仕掛けを起動させたこと。クラウンに連れられてここまで逃げてきたこと。長旅の疲れで昨日はすぐに眠ってしまったこと。

 

そして居場所は変わっても、朝起きた自分にはやるべきことがあります。

 

「あさごはん、つくらなきゃ…」

 

 

 

「昨日はよく眠れたかい?」

 

「うん」

 

アイリスは朝食のパンを頬張りながら頷きます。

 

「それは良かった。さて、ボクは出かけてくるよ」

 

「おしごと?」

 

「そんなところだね。でもまだショーは難しいかな、何事も準備が必要だからね」

 

ピエロの姿をしたクラウンはそう言い残し出かけていきました。

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

「ここから新しいおうちでの生活が始まるんだよね」

 

「…」

 

アイリスは先程と同じく反応を示さない。

 

沈黙が続きそうだったので、ひとつ前の回想で気になっていたことを質問してみた。

 

「あの、きいてもいいかな」

 

「何だい?譜理子ちゃん」

 

「人形が走るって、どういう仕組み…?」

 

「フフフ、気になるかい?でも残念ながら答えられないんだ。手品のタネは最後まで明かさないのが手品師だからね」

 

「そっか…それじゃ仕方ないね。お話の続き、聞かせて」

 

「うん、お話に戻ろうか。まあ場所が変わっただけで生活はほとんど同じだったよ」

 

「アイリスは毎日雑用してくれたしボクも団長として活動する日々を送っていた」

 

「特に何か事件が起きるということもなく、気が付けば数年の時間が過ぎていた」

 

「その頃になるとアイリスも成長してね、雑用に加えてボクの仕事の手伝いなんかもしてくれるようになったんだ」

 

「えっ、それって…」

 

「舞台裏で暗躍してくれたよ。姿を隠してアシスタントをしてくれたこともあった。それでもパフォーマーとして表舞台には立たせなかったけどね」

 

「ただそこまでいくと、あとはもう時間の問題だったよね。結局のところ数年間何も起きなかったというのが、判断を誤ったんだろうな」

 

「正真正銘ボクの人生の中で唯一後悔していることさ」

 

「クラウンが後悔することないわよ。パフォーマーになりたいって言い出してきかなかったのはアタシなんだし」

 

「だとしても認識が甘かったのは事実だよ。だから責任を取ったんだ」

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

クラウンは悩んでいました。アイリスがパフォーマーとして舞台に立ちたいと訴えてきたからです。

 

クラウンは以前からアイリスがもしそのようなことを言ってきた時は断ろう、と決めていました。

 

しかし実際にそう言ってきた時のアイリスの表情は真剣そのもの、そしてその目は夢と希望に溢れていました。

 

パフォーマーとして舞台に立ちたいというアイリスの強い気持ちをひしひしと感じ、クラウンの意思が揺らぎました。

 

クラウンの気持ちとしてはアイリスの思いに応えたい、でもそうすればアイリスを危険に晒すことになる。

 

とはいえこの家に定住してからの数年間、何か危険な目にあったことは一度も無い。

 

流石にこの地にまでアイリスを追いかけるようなことはしないだろう。もしそうだったなら居場所は既に突き止められて、おそらく今ボクたちはこの地にいない。

 

アイリスは普通の女の子だ。綺麗な目をしているだけの普通の女の子。

 

そんなことを気にするよりアイリスのしたいことをさせるべきだ。

 

「フフフ、悩むことなんてなかったね」

 

クラウンは結論を出しました。新しいパフォーマーが誕生した瞬間です。



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EP4.「Epilogue4」

「お疲れ様」

 

「どうだったかな?」

 

「フフフ、ばっちり様になってたよ。お客さんたちも大喜びだ」

 

「そう?よかった!」

 

アイリスは嬉しそうにはにかみます。

 

「パフォーマンスにもだいぶ慣れてきたね。緊張でガチガチになってた頃が懐かしいよ」

 

「何回も舞台に立ってるうちに慣れちゃったかな。まあ緊張は今でもしてるけどね」

 

「それはボクも同じさ。フフフ、次のショーにも期待しているよ」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

アイリスは舞台をこなしていくうちに、すっかり一人前のパフォーマーへと成長しました。

 

元々素質があったのでしょう。クラウンも素質があることは見抜いていましたが、アイリスの成長速度はクラウンの想像以上でした。

 

小さな体から繰り出される様々なパフォーマンスは、今日もたくさんのお客さんたちを沸かせます。

 

「アイリス、キミは最高のパフォーマーになるよ。フフフ、これからが楽しみだね」

 

舞台裏からアイリスを見守りながら呟きます。

 

 

 

しかし、最高になるはずだったパフォーマーは、この日を最後に二度と舞台に立つことはありませんでした。

 

 

 

 

 

「お疲れ様」

 

クラウンはいつもと同じくパフォーマンスを終えて舞台裏に下がったアイリスを労います。

 

「ありがとう!」

 

アイリスの緊張が解れ、笑顔を浮かべます。

 

「今日はいつもより早く終わったし、どこか寄って帰ろうか」

 

「うん!」

 

2人が片付けと着替えを終えて劇場から退出した瞬間でした。

 

 

 

 

「話がある」

 

突如背後から数人の男たちが2人を囲みました。

 

そして2人の背中には冷たいものが突きつけられていました。

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

「…ねえ」

 

「何だい?」

 

「本当に話す気なの?その先も」

 

「話すよ。譜理子ちゃんにも知って欲しいからね」

 

「…そうね」

 

「じゃあ、続けるよ」

 

ごくり、と喉を鳴らして覚悟を決めた。

 

これから話されることは、この場所へと繋がることだとわかったから。

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

アイリスとクラウンは男たちによって街はずれの廃墟へと連行されました。

 

2人の背中には変わらず冷たいものが待ち構えています。

 

「この後ボクらどこか寄って帰る予定なんだけど」

 

「…」

 

「解放してくれないかな?」

 

「11番を我々に引き渡せば解放してやると言っているだろう」

 

「だからそれは出来ない話なんだよね」

 

そのような状況でもクラウンは物怖じせず対話を続けます。

 

「団長、こちらはなるべく穏便に済ませてやろうとしているんだ」

 

「それはボクらも同じ気持ちだよ」

 

「ならば気が変わらないうちに引き渡せ。ああ、それとも金か?まあ額によるが考えてやらんこともないぞ」

 

「いくら積まれてもアイリスは渡さないよ。アイリスはボクの大切な家族だからね」

 

クラウンは毅然として答えます。

 

「クラウン…」

 

 

 

「そうか、仕方ないな」

 

直後、背中に突き付けられていた刃がクラウンの体を貫きました。

 

「ぐっ…」

 

クラウンは痛みに耐えるかのようにその場で膝をつき上半身を曲げます。

 

アイリスは慌ててクラウンの元へと駆け寄ろうとしますが、男たちに体を捕まえられているため動けません。

 

「急所は外した。だがこれで理解しただろう。我々の要求を拒否するとどうなるか」

 

「フフフ…よく理解したよ。アイリスをキミたちに絶対渡すわけにはいかないってことがね」

 

「!?」

 

その瞬間、閃光が弾け、黒煙が吹き上がりました。

 

クラウンはすかさず体勢を立て直し、アイリスを拘束する男に攻撃を加えます。

 

「うわっ!」

 

男がアイリスから引き剥がれた一瞬の隙に、クラウンはアイリスの手を掴んで引き寄せます。

 

「おい!何が起こった!?」

 

「さっきの光で目が…!」

 

「絶対に逃がすな!」

 

男たちが状況を理解した頃には、2人は既に廃墟を飛び出し煙に溶けたあとでした。

 

 

 

 

 

「驚いたね。まさか待ち伏せされてるとは思ってなかったな」

 

「クラウン、本当に大丈夫なの…?」

 

「大丈夫だよ。急所は外れてたし、止血も済ませたからね」

 

「それより目はもう慣れてきたかい?」

 

「まだちょっと眩しい感じはするかな。でもだいたい慣れてきたわ」

 

「ふところに入れておいて良かったよ。おかげ痛みに耐えるフリをしながら自然と手品の準備をすることもできた」

 

「追ってきてないかな?」

 

「どうだろうね。ここまで逃げればひとまず安全だとは思うよ」

 

2人は街とは反対側の森まで逃げてきました。木に背をあずけて一休みします。

 

「さて、問題はこれからだね。また遠出することになりそうだ」

 

「…」

 

「どうしたんだい?さっきから沈んだ顔をして。アイリスらしくないね」

 

「だって、アタシのせいでクラウンが…」

 

アイリスは今にも泣きそうな顔を上げます。

 

「アイリス、これは決してキミのせいじゃない。むしろボクの油断、気の緩みが招いたことだ」

 

「でも…!」

 

「ボクもアイリスもこうして生きてる。それでこの話は終わりさ。大事なのはこれからの話だよ」

 

クラウンは話を切り替えると立ち上がりました。

 

「これからボクは長旅をしようと考えてるんだけどさ、やっぱり一人旅って寂しいんだよね」

 

クラウンはわざとらしくアイリスにチラチラと視線を送ります。

 

「…また、ついて行ってもいいの?」

 

「アイリスのしたいようにすればいいんじゃないかな」

 

アイリスは少し間を置きながらも、確固たる意志を持って答えました。

 

「あの、アタシも一緒に行きたい。クラウンと一緒に」

 

「フフフ、これからもよろしく。アイリス」

 

クラウンがアイリスに手を差し伸べたその時でした。

 

 

 

「!?」

 

再び刃がクラウンの体を貫きました。

 

 

 

「残念だ。あの時点で我々に引き渡していれば、こんな結末にはならなかったものを」

 

「ぐっ…」

 

クラウンは力無く項垂れます。

 

「手品のタネはもう尽きただろう。それともまだ抵抗するか?」

 

何故だ。止血は済ませた。血痕から辿ることは不可能のはず。

 

クラウンはその答えを求めるように1度目の傷跡に目を落とします。

 

 

 

ああなるほど、そういうことか。

 

「やっぱり、油断してたね…」

 

クラウンは全てを理解しました。手品のタネはもう残されていません。崩れるようにその場に倒れます。

 

「そんな…クラウン起きて!クラウン!!!」

 

アイリスの悲痛の叫びも虚しく、クラウンは動かなくなりました。



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EP5.「Epilogue5」

ーーー

 

 

 

 

 

「アイリスの叫び声が遠くで聞こえるって思った瞬間、ボクはもう意識を失ってた」

 

「次起きた時は病院のベッドの中だったよ。どうやら命までは失っていなかったらしい」

 

「こっちに来て知ったことだけどあの後アイリスが、どうかクラウンだけでも助けて欲しいって懇願してくれてたおかげでボクは病院に搬送されたんだ」

 

「幸運なことに2回目も急所は外れてたから、それほど長く入院する必要もなかった」

 

「だから傷が癒えて退院したら何をするかはボクの中でもう決まっていたんだ」

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

病院のベッドの上でクラウンは無力な自分を責めました。自分の認識の甘さを悔いました。

 

しかしただ嘆いていてもどうにもなりません。大事なのは自分がこれから何をするべきか、その答えはすぐに見つかりました。

 

この事態を招いてしまった責任を取ること。

 

傷が癒えたクラウンは劇団を休止し、アイリスの行方を捜す旅に出ました。

 

数年かけた責任の旅路。その成果はというと、ゼロではありませんでした。

 

ただクラウンは旅路の果てに思いました。ゼロであった方が良かったかもしれない、と。

 

数少ない手がかりが示す残酷な現実に、自分の過ちの大きさを改めて思い知らされました。

 

やがてクラウンは長い旅を終え、後悔と絶望を抱いたまま家へと戻りました。アイリスと共に過ごした2人の家へ。

 

 

 

「ただいま」

 

家の中は少し埃っぽいところを除けば、旅に出かけたあの日から変わっていません。

 

「帰ったよ、アイリス」

 

もちろんアイリスの部屋だった空間もあの日のままです。

 

微かに残るアイリスの匂いが、アイリスとの日々を脳裏に蘇らせます。

 

ああ、本当にいなくなったんだね。

 

真の意味でアイリスとの別れを理解した時、クラウンの目からは大粒の涙が流れました。

 

 

 

 

 

「久しぶりに泣いちゃったよ。知ってるかい?ピエロは涙を流さないんだよ。その代わり心で泣くんだ」

 

その日の夜、クラウンはかつてアイリスが寝ていたベッドの側面を背にもたれて座り、ぽつぽつと問いかけます。

 

「旅を始めたあの日、いやアイリスと離れ離れになったあの時からボクはクラウンでなくなってしまった」

 

「そこで思い知ったよ、想像以上にボクは無力で弱かったってことを。失ってから気付くなんて愚かだよね、フフフ」

 

クラウンは自嘲するように乾いた声を上げます。

 

「どんな手品をもってすれば、アイリスを救えるのかな。そんな魔法がこの世界にあればいいのにね」

 

しばしの静寂の後、クラウンは表情を引き締めて再び口を開けます。

 

「そうそう、もうひとつ気付いたことがあったんだ」

 

「どうやらボクはクラウンと不可分の関係にあったらしい。いくらボクがそう思い込んだところでボクはクラウンだったってことだね」

 

「だからボクは明日からもクラウンとして生きて、舞台にも上がるよ」

 

「見ててごらん。最高のパフォーマーをも虜にするショーを届けるからね」

 

新たな決意を胸にクラウンは目を瞑りました。

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

~~~…って!

 

 

 

「…?」

 

声が聞こえた。

 

 

 

~~~返事して!

 

 

 

確かに聞こえるボクのよく知る声。

 

 

 

~~~クラウン!聞こえる!?お願い返事して!

 

 

 

その声がずっと聞きたかったんだ。

 

 

 

「聞こえるよ、アイリス」

 

でも、ここが夢の世界だとボクはもうわかってしまってるみたいだった。

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

「夢じゃなかったんだよね」

 

「まあ夢だと思ってたんだけど、この世界のことを理解していくうちにこれ夢じゃないねってね」

 

「ここではボクとアイリスが同じように存在し、意思疎通も行える。この世ではもう叶わなくなってしまったことができる世界なんだ」

 

「もちろん譜理子ちゃんも知っての通り、この世では不可能だった色んなことが可能となるんだ。世界が違えば仕組みや原理も違うんだろうね」

 

「アイリスはボクより先に来てたからこの世界のことを理解してた。状況が未だ飲み込めないボクに一通り説明するとアイリスはこう言ったんだ」

 

 

 

「人間共を滅ぼす、ってね」

 

「ボクは愕然としたよ。そこにはボクのよく知るかつての面影はなく、人間への憎悪と恨みに囚われた女の子がいたんだ」

 

「一体何があったんだい、って尋ねるとわからない、何も覚えてないって答えが返ってきた」

 

「諦めと悲しみ交じりの声色から察したよ。よほど酷い目にあったんだ、と」

 

「それこそ記憶を自ら封印しなければ自分を保っていられないような仕打ちを受けたんだってね」

 

「でも感情は残っていた。どんな目にあったかは覚えてなくても、その際に覚えた感情は忘れなかった」

 

「その結果、こっちの世界にまで引き継がれた人間に対しての憎しみや復讐心がアイリスを支配したんだ」

 

 

 

「ボクはその支配からの解放を決意した」

 

「同じ世界にいながらも別々の道を進んでいった。2人しかいない世界なのにね」

 

「たまに世間話や思い出話なんかもしたけど、一度たりとも楽しそうに話すことは無かったな」

 

「そのうち会話することも減ってきて、気が付けば対立するようになった」

 

「それからはもうお互いに目的達成のための思考と行動の繰り返しだったね」

 

「ボクもアイリスも時間をかけて力やその使い方を理解しながら発展させて…譜理子ちゃん」

 

クラウンが不意に名前を呼ぶ。

 

「って、ちょっとアナタ…!」

 

続けてアイリスがわたしの顔を見て驚く。

 

「…あ」

 

そこで気が付いた。涙を流していたことに。

 

「何で泣いてるのよ」

 

「だって…」

 

知らなかった。想像が及ばなかった。

 

「わたし、何も知らなかった…アイリスもクラウンもそんなひどい目にあってたなんて…」

 

「アタシにとってはもう過ぎたことよ。っていうかほんと泣き虫ね!」

 

「ボクのためにも泣いてくれてるんだね、ありがとう。譜理子ちゃんは優しいね」

 

涙で濡れた目元を拭う。その瞬間アイリスが何か言葉を発した気がした。

 

「…アイリス?」

 

「フフフ、素直じゃないね」

 

「うるさい!」

 

アイリスが何を言ったか聞こえなかったけど、何となくわかった気がした。

 

「そして譜理子ちゃんとの出会いに至るってわけだね」

 

昔話はそこで区切りを迎えた。



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EP6.「Epilogue6」

「さて、譜理子ちゃん。質問はあるかい?」

 

暫しの間の後、クラウンが問う。

 

「どんな質問でも受け付けるよ。今更隠すこともないからね」

 

「どんな質問でもいいの?」

 

クラウンは頷く。わたしはいくつか気になってたことを質問した。

 

何故わたしが選ばれたのか、観客席に座っていた人たちはどうなったのか。そもそもサーカス世界とは何なのか。

 

他にも細かな部分で気になってたこともまとめて質問してみたけど、どの答えもわたしの想像の範囲内だった。

 

ただひとつを除いて。

 

「えっと、それじゃあ最後の質問」

 

「どうぞ」

 

「どうして、勝負がデュエルだったの?」

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

「アイリス、ゲームをしないかい?」

 

「ゲーム?」

 

クラウンは唐突に提案します。

 

「今あっちの世界でまあまあ流行ってるカードゲームがあるんだけどね」

 

クラウンの周囲には無数のカードが出現していました。

 

「これが面白いんだよ。ルールはちょっと複雑だけど、アイリスならすぐに覚えられるよね」

 

「するなんて一言も言ってないんだけど?」

 

「まずはカードの種類について説明しようか」

 

「いや、だからーーー」

 

「アイリス。ボクらは決着をつけないといけない」

 

クラウンは遮るように断言します。

 

「そろそろ飽きたでしょ?白黒つける手段が無いこの状況にも」

 

「…」

 

「ボクらにはこのカードゲームがふさわしいと思うんだよね」

 

無数のカードの中からクラウンは何枚かのカードを取り出します。

 

「アタシもいい加減決着をつけたいって思ってたわ。でも何でそんなカードゲームなのよ」

 

「これといって理由は無いんだ。強いて言うなら」

 

クラウンは取り出したカードを翻しました。

 

「振り子が導いてくれるような気がしたんだ」

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

「何が『導いてくれる気がした』よ。Pゾーンの色と位置がアタシの目と同じだったからとかそんな理由でしょ」

 

「フフフ、もしそうだとしても導いてくれたでしょ」

 

クラウンがわたしの方へと首を向ける。

 

「これが質問の答えだよ、譜理子ちゃん」

 

「うん…なんとなくわかったかも」

 

きっとこれといって理由は無かったのだろう。

 

だから理由をつけた。アイリスが言い放ったようなそんな理由を。

 

ひょっとするとクラウンは読んでいたのかもしれない。勝負がデュエルに決まった時点で、最初から最後まで。

 

いや、それは考えすぎかな。

 

「でも、デュエルで良かった」

 

クラウンやアイリスとも出会えたから。

 

とはちょっと恥ずかしくて口には出せないけど、2人ともわたしと同じ気持ちだったら嬉しいな。

 

「そうだね。おかげで譜理子ちゃんとも出会えた」

 

「うん…」

 

まるでわたしの心を読んだかのようなクラウンの言葉に思わず頬が緩む。

 

もしかしたら代わりに言ってくれたのかもしれない。

 

きっと、これは考えすぎじゃないよね。

 

 

 

「さて、お話も終わったし、そろそろお開きかな」

 

そして訪れる終わりの時間。

 

「長い昔話だったわね」

 

ようやく終わったと言わんばかりに体を伸ばすアイリス。

 

しかしその声は寂しさを帯びていた。

 

「アイリス」

 

「なに?」

 

「もっとクラウンといたい?寂しいって顔に出てるよ」

 

「っ!?出てるわけないでしょ!」

 

わかりやすい。

 

「わたしは寂しいな。まだまだ色んなお話聞きたい」

 

「また近いうちに会えるよ譜理子ちゃん。その時はもっと面白い話聞かせてあげる」

 

クラウンはわたしの頭をポンポンと撫でる。

 

「うん。楽しみにしてる」

 

「次は譜理子ちゃんのお話も聞きたいな」

 

「…あまり面白くないかも」

 

「フフフ、話すことに困ったらアイリスに投げてみよう」

 

「投げ返すわよ!」

 

口元を緩めて頷いてみる。

 

「うん、そうする」

 

「そうしない!」

 

やっぱりわたしよりアイリスの方が面白いよね。

 

 

 

「それじゃあ譜理子ちゃん、改めてアイリスをよろしくね」

 

「うん、まかせて」

 

あの時と同じように強い決意を持って頷いた。

 

「アイリス、焦らなくていいんだよ。自分のペースで幸せを掴んでいくんだ」

 

「…言われなくてもわかってるわよ」

 

「フフフ、その様子だと心配いらないかな」

 

「また、会えるよね?」

 

アイリスは不安そうに尋ねる。

 

「もちろん。ボクはずっとここにいるからね。それに住む世界が違っても、ボクとアイリスと譜理子ちゃんは繋がってる」

 

「うん…そうね」

 

アイリスも心の準備が整ったようだった。

 

「クラウン」

 

名前を呼んでみる。

 

「何だい?譜理子ちゃん」

 

「また遊びに来るね」

 

「ぜひそうして欲しいな。待ってるよ」

 

クラウンに笑顔を見せた直後、世界は光に包まれた。

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

「………ん」

 

音がする。ジリリリリ、と騒がしい金属の音。

 

この音は聞き覚えがある。

 

 

 

目覚まし時計の音だ。

 

「…う」

 

意識が少しはっきりしてきた。でも目がまだ重い気がする。

 

つまり、もうちょっと寝ていたい。

 

 

 

~~~早く起きなさい!遅刻するわよ!

 

頭の中に声が響く。寂しがりな同居人の声。

 

『ん~…あと5分』

 

~~~今すぐ起きろー!

 

目覚まし時計よりも騒がしい声に体は起こさざるを得なかった。

 

 

 

慌ただしい朝の準備を終わらせて靴を履く。

 

~~~忘れ物はない?

 

『うん』

 

~~~じゃあ行きましょ!

 

『毎朝元気だね、アイリス』

 

~~~当たり前よ!アタシは今毎日が楽しいんだから!

 

『そっか、それは何よりだね』

 

~~~譜理子はどうなの?

 

『わたし?わたしはね…』

 

 

 

「行ってきます」

 

ドアを開けると光が差し込んでくる。

 

朝の陽射しを浴びながら足取りは軽快、気分は上々。

 

今日も楽しくなりそうだった。

 

 

 

【真目譜理子とサーカス世界 完】




お久しぶりです。番外編を投稿すると書きながら2年以上放置してしまって申し訳ありませんでした。長らく間が空きましたが、こちらのエピローグを持ちまして「真目譜理子とサーカス世界」はひとまず完結という形にさせていただきます。最後まで読んで頂きありがとうございました。


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